2021年08月31日 (火)
こんにちは。
今まで私が監修する「ミネルスダイナー」の糖質制限OK食品を
私の人体実験を経て、いろいろ本ブログで紹介してきました。
株式会社フォワードはサラヤグループで新たに誕生した
食品を専門に取り扱う会社です。
ミルネスダイナーは株式会社フォワードが運営するECサイトです。
今回、楽天に姉妹店がオープンしましたので、お知らせします。
1)ミルネスダイナー姉妹店「ミルネスショップ楽天市場店」が
8月30日にグランドオープン
https://www.rakuten.ne.jp/gold/milnes/
2)ミルネスダイナー同様、私がが推奨した商品も販売
低糖質ミルクチョコレート
https://item.rakuten.co.jp/milnes/msr2019-01/
低糖質スープ
https://item.rakuten.co.jp/milnes/msr-soupa-03/
低糖質白がゆ
https://item.rakuten.co.jp/milnes/msr2014-12/
3)クーポンのご案内
※クーポンはFWDのお知らせにて内容を記載してます。
江部康二
☆☆☆
以下の青字の記載は、
ミネルスダイナーからのお知らせです。
低糖質食品をメインに販売を行っている「ミルネスダイナー」(https://milnesdiner.jp/)です。
今回は姉妹店「ミルネスショップ楽天市場店」のオープンを記念してミルネスショップ楽天市場店で使えるクーポンをプレゼントいたします!
15%オフになるのは江部先生ブログ読者様だけですので(通常10%オフ)、是非お使いください!
ミルネスショップ楽天市場店
https://www.rakuten.ne.jp/gold/milnes/
◆「ミルネスショップ楽天市場店」で利用できる15%オフクーポン◆
【クーポン】下記URLから楽天会員様のみ獲得できます。
https://coupon.rakuten.co.jp/getCoupon?getkey=VlVXTS1OR01RLTVITk8tQjRHUA--&rt=
※獲得できなかった方はクーポンコードをご入力してご利用ください。
クーポンコード:NGMQ-VUWM-5HNO-B4GP
【クーポン有効期限】
2021/09/04 PM19:59まで
※クーポンご使用のご注意
・期間中、お一人様、1回限りご利用いただけます。他のクーポンと併用はできません。
・商品のキャンセル、返品等に伴う再発行・返金・換金は受け付けておりません。
・詳しいクーポンのルールや利用方法は以下URLからご確認ください。
https://coupon.rakuten.co.jp/rule/
今後もミルネスダイナー、ミルネスショップをよろしくお願いいたします。
今まで私が監修する「ミネルスダイナー」の糖質制限OK食品を
私の人体実験を経て、いろいろ本ブログで紹介してきました。
株式会社フォワードはサラヤグループで新たに誕生した
食品を専門に取り扱う会社です。
ミルネスダイナーは株式会社フォワードが運営するECサイトです。
今回、楽天に姉妹店がオープンしましたので、お知らせします。
1)ミルネスダイナー姉妹店「ミルネスショップ楽天市場店」が
8月30日にグランドオープン
https://www.rakuten.ne.jp/gold/milnes/
2)ミルネスダイナー同様、私がが推奨した商品も販売
低糖質ミルクチョコレート
https://item.rakuten.co.jp/milnes/msr2019-01/
低糖質スープ
https://item.rakuten.co.jp/milnes/msr-soupa-03/
低糖質白がゆ
https://item.rakuten.co.jp/milnes/msr2014-12/
3)クーポンのご案内
※クーポンはFWDのお知らせにて内容を記載してます。
江部康二
☆☆☆
以下の青字の記載は、
ミネルスダイナーからのお知らせです。
低糖質食品をメインに販売を行っている「ミルネスダイナー」(https://milnesdiner.jp/)です。
今回は姉妹店「ミルネスショップ楽天市場店」のオープンを記念してミルネスショップ楽天市場店で使えるクーポンをプレゼントいたします!
15%オフになるのは江部先生ブログ読者様だけですので(通常10%オフ)、是非お使いください!
ミルネスショップ楽天市場店
https://www.rakuten.ne.jp/gold/milnes/
◆「ミルネスショップ楽天市場店」で利用できる15%オフクーポン◆
【クーポン】下記URLから楽天会員様のみ獲得できます。
https://coupon.rakuten.co.jp/getCoupon?getkey=VlVXTS1OR01RLTVITk8tQjRHUA--&rt=
※獲得できなかった方はクーポンコードをご入力してご利用ください。
クーポンコード:NGMQ-VUWM-5HNO-B4GP
【クーポン有効期限】
2021/09/04 PM19:59まで
※クーポンご使用のご注意
・期間中、お一人様、1回限りご利用いただけます。他のクーポンと併用はできません。
・商品のキャンセル、返品等に伴う再発行・返金・換金は受け付けておりません。
・詳しいクーポンのルールや利用方法は以下URLからご確認ください。
https://coupon.rakuten.co.jp/rule/
今後もミルネスダイナー、ミルネスショップをよろしくお願いいたします。
2021年08月30日 (月)
こんにちは。
今回も、がんについて、考察してみます。
がんには、生活習慣病型と感染症型との2つのタイプがあります。
A)
生活習慣病型のがん
世界がん研究基金が2007年に
「腎臓がん、膵臓がん、食道がん、子宮体がん、大腸がん、乳がんの6つと、おそらく胆のうがんの7つには肥満がかかわっている」
と報告しています。
リスクを下げるには「適正体重の維持」が肝要であり、
BMI20~25未満に保つことを推奨しています。
肥満は生活習慣に起因しているため、これら7つのがんは生活習慣病型と呼ばれており、
日本を含めた先進諸国で急増しているタイプです。
そして、生活習慣病型のがんについて、元凶ではないかと疑われているのが、
高血糖であり高インスリン血症なのです。
高インスリン血症も高血糖も肥満すると起こりやすくなりますが、
この2つに発がんリスクがあることが、明らかになっています。
生活習慣病型のがんについて、
スーパー糖質制限食には予防効果のある可能性が非常に高いと考えられます。
なぜならば、肥満、高インスリン血症、高血糖、これら生活習慣病型のがんにつながると疑われている要因の全てについて、
スーパー糖質制限食で防ぐことができるからです。
肥満、高インスリン血症、高血糖は、いずれも糖質過剰な食生活で起こります。
生活習慣病型のがんに関しては、
1)高インスリン血症がない(高インスリン血症は発がんリスクでエビデンスあり)
2)食後高血糖がない(食後高血糖も発がんリスクでエビデンスあり)
3)肥満がない(肥満も発がんリスクでありエビデンスあり)
4)HDLコレステロールが増加する(HDLコレステロールにはがん予防効果あり)
あくまでも仮説ですが、1)2)3)4)の利点により、
生活習慣病型のがんは、スーパー糖質制限食で予防できる可能性があります。
B)
感染症型のがん
胃がん、肝がん、子宮頸がんなどがあります。
これらは、感染症が引き金になって起こるタイプのがんです。
がんの約3割が感染症型のがんです。
がん細胞は、正常な細胞が増殖するときに遺伝子つまりDNAの複製に失敗して、
生まれてしまいます。
細菌やウイルスに感染すると、炎症を起こし細胞が頻繁に壊れます。
それを修復するには細胞が増殖しなければなりませんが、
このときにDNAの複製にエラーが起こり、
それが蓄積されると、がん細胞が発生します。
つまり、細菌やウイルス感染により慢性炎症が起こり持続し、
細胞傷害と再生を繰り返す機会が増えて細胞内の遺伝子異常が蓄積されて発症するのが、感染症型のがんなのです。
持続炎症により細胞が頻繁に壊れると、
細胞はそれだけ多くの増殖をしなければなりません。
DNAの複製を頻繁に繰り返すため、
エラーが起こりやすくなり、がん細胞の発生リスクが増すわけです。
胃がんはヘリコバクターピロリという特殊な細菌の持続感染、
肝がんの場合はB型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスの持続感染、
子宮頸がんの場合は、ヒトパピローマウイルスの持続感染が、
主な原因でがん化を起こします。
あと、EBウイルスによる上咽頭がん、
ヘルペスウイルス8型によるカポジ肉腫、
ヒトT細胞白血病ウイルスによる成人T細胞白血病、
肝吸虫による胆管細胞がん、
ビルハルツ住血吸虫による膀胱がん
などがあります。
感染症型のがんに関しては、スーパー糖質制限食でも予防は困難と考えられます。
何故なら細菌やウイルスの持続感染を
食事療法(スーパー糖質制限食)で取り除くことはできないからです。
かつて伝統的な食生活(スーパー糖質制限食)の頃のイヌイットも、
外部から新たに持ち込まれたEBウィルスのために、
鼻咽頭と唾液腺のがんが多く発生した歴史があります。
EBウィルス持続感染で特に鼻咽頭と唾液腺のがんになったのは、
イヌイットの民族としての特異性とされています。
同じEBウィルス感染で、アフリカではバーキットリンパ腫発症が多いのです。
江部康二
今回も、がんについて、考察してみます。
がんには、生活習慣病型と感染症型との2つのタイプがあります。
A)
生活習慣病型のがん
世界がん研究基金が2007年に
「腎臓がん、膵臓がん、食道がん、子宮体がん、大腸がん、乳がんの6つと、おそらく胆のうがんの7つには肥満がかかわっている」
と報告しています。
リスクを下げるには「適正体重の維持」が肝要であり、
BMI20~25未満に保つことを推奨しています。
肥満は生活習慣に起因しているため、これら7つのがんは生活習慣病型と呼ばれており、
日本を含めた先進諸国で急増しているタイプです。
そして、生活習慣病型のがんについて、元凶ではないかと疑われているのが、
高血糖であり高インスリン血症なのです。
高インスリン血症も高血糖も肥満すると起こりやすくなりますが、
この2つに発がんリスクがあることが、明らかになっています。
生活習慣病型のがんについて、
スーパー糖質制限食には予防効果のある可能性が非常に高いと考えられます。
なぜならば、肥満、高インスリン血症、高血糖、これら生活習慣病型のがんにつながると疑われている要因の全てについて、
スーパー糖質制限食で防ぐことができるからです。
肥満、高インスリン血症、高血糖は、いずれも糖質過剰な食生活で起こります。
生活習慣病型のがんに関しては、
1)高インスリン血症がない(高インスリン血症は発がんリスクでエビデンスあり)
2)食後高血糖がない(食後高血糖も発がんリスクでエビデンスあり)
3)肥満がない(肥満も発がんリスクでありエビデンスあり)
4)HDLコレステロールが増加する(HDLコレステロールにはがん予防効果あり)
あくまでも仮説ですが、1)2)3)4)の利点により、
生活習慣病型のがんは、スーパー糖質制限食で予防できる可能性があります。
B)
感染症型のがん
胃がん、肝がん、子宮頸がんなどがあります。
これらは、感染症が引き金になって起こるタイプのがんです。
がんの約3割が感染症型のがんです。
がん細胞は、正常な細胞が増殖するときに遺伝子つまりDNAの複製に失敗して、
生まれてしまいます。
細菌やウイルスに感染すると、炎症を起こし細胞が頻繁に壊れます。
それを修復するには細胞が増殖しなければなりませんが、
このときにDNAの複製にエラーが起こり、
それが蓄積されると、がん細胞が発生します。
つまり、細菌やウイルス感染により慢性炎症が起こり持続し、
細胞傷害と再生を繰り返す機会が増えて細胞内の遺伝子異常が蓄積されて発症するのが、感染症型のがんなのです。
持続炎症により細胞が頻繁に壊れると、
細胞はそれだけ多くの増殖をしなければなりません。
DNAの複製を頻繁に繰り返すため、
エラーが起こりやすくなり、がん細胞の発生リスクが増すわけです。
胃がんはヘリコバクターピロリという特殊な細菌の持続感染、
肝がんの場合はB型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスの持続感染、
子宮頸がんの場合は、ヒトパピローマウイルスの持続感染が、
主な原因でがん化を起こします。
あと、EBウイルスによる上咽頭がん、
ヘルペスウイルス8型によるカポジ肉腫、
ヒトT細胞白血病ウイルスによる成人T細胞白血病、
肝吸虫による胆管細胞がん、
ビルハルツ住血吸虫による膀胱がん
などがあります。
感染症型のがんに関しては、スーパー糖質制限食でも予防は困難と考えられます。
何故なら細菌やウイルスの持続感染を
食事療法(スーパー糖質制限食)で取り除くことはできないからです。
かつて伝統的な食生活(スーパー糖質制限食)の頃のイヌイットも、
外部から新たに持ち込まれたEBウィルスのために、
鼻咽頭と唾液腺のがんが多く発生した歴史があります。
EBウィルス持続感染で特に鼻咽頭と唾液腺のがんになったのは、
イヌイットの民族としての特異性とされています。
同じEBウィルス感染で、アフリカではバーキットリンパ腫発症が多いのです。
江部康二
2021年08月29日 (日)
こんにちは。
厚生労働省によれば、2019年の日本人の死因の順位は2018年と同様、
第1位「悪性新生物(腫瘍)」、第2位「心疾患(高血圧性を除く)」、第3位「老衰」、第4位「脳血管疾患」、第5位「肺炎」でした。
悪性新生物というのは、がんのことです。
がんが日本人の死亡順位の一位です。
今日は、糖質制限食とがん予防のお話です。
現実にどのていど予防可能かを考察してみます。
がん細胞は人の体の中で毎日、数百から数千個も発生していますが、
通常は免疫細胞が排除してくれているので、がんを発症しません。
正常細胞ががん細胞に変わり、体の免疫細胞が排除に失敗すると、
がん細胞は徐々に成長を始めます。
実は、1個のがん細胞が発生してから、画像診断的に発見可能な大きさになるのには、
かなり長い年月がかかります。
細胞分裂により1個が2個になり、2個が4個、
4個が8個、そして16個、32個、64個と倍々で増加していきます。
30回分裂を繰り返すと、約10億個に増え、
重さは約1グラム、直径1cm程度になります。
細胞1個が0.01mmで、1cm経になるのに10~20年かかります。
個体差やがんの種類によっても発育速度は異なります。
がん細胞が生まれてから活発に成長するようになるまでには、
長い期間がかかります。
しかし、がん細胞は成長するにしたがって、
発育速度が速くなるとされています。
2倍の大きさになるのは、例えば早期胃がんでは数年(2-6年)、
進行がんでは数ヶ月、転移した胃がんでは数週間とされています。
従来のがん検診では、腫瘍の大きさが1cm程度にならないと発見できませんでしたが、
PET検査では、早期の5mm程度の大きさでの発見が可能です。
しかしながら、5mmや1cmで早期発見したがんということでも、
がん細胞が発生してから、
すでに約10~20年間が経過していることとなります。
つまり早期発見ということでも、すでに転移しているか否かは、運次第なのです。
「食後高血糖」「血糖変動幅増大」「糖質摂取による過剰インスリン分泌」
が、酸化ストレスとなり、がん発症リスクとなりますが、
これらは「スーパー糖質制限食」で予防できます。
従って「スーパー糖質制限食」実践で理論的には、
『生活習慣病型がん』の発症予防が期待できます。
一方、すでに発症しているがんに対しては、
スーパー糖質制限食でも、縮小させることは困難です。
「ケトン食」レベルの厳しい食事が必要となりますが、
それでも食事療法単独で、がんを根治させるのは難しいと思います。
対策としては、がん細胞が発生する前に、間に合う内にできるだけ早く
「スーパー糖質制限食」を開始して予防を期待するということになるでしょうか。
糖尿人はがんになりやすいことは、よく知られていますが、
国立がん研究センターの研究によると、
糖尿病ではない人においても、HbA1cが高値であるほど、
右肩上がりで、がんのリスクが増えることがわかっています。
糖尿人も正常人も、スーパー糖質制限食でがん予防が望ましいです。
江部康二は2002年~スーパー糖質制限食を実践しています。
2021年現在で、あしかけ20年です。
2002年以降は、いわゆる『生活習慣病型のがん』の発生は
かなり予防できている可能性が高いです。
一方で、2001年以前に、すでに原初のがん細胞が発生していたとしたら
予防はできていないこととなります。
まあ足かけ20年、経過しているので、まず大丈夫と思っています。
本日のブログは
PET検査ネット
http://www.pet-net.jp/pet_html/treat/gan.html
を参考にしました。
PET検査ネットさん、ありがとうございます。
江部康二
厚生労働省によれば、2019年の日本人の死因の順位は2018年と同様、
第1位「悪性新生物(腫瘍)」、第2位「心疾患(高血圧性を除く)」、第3位「老衰」、第4位「脳血管疾患」、第5位「肺炎」でした。
悪性新生物というのは、がんのことです。
がんが日本人の死亡順位の一位です。
今日は、糖質制限食とがん予防のお話です。
現実にどのていど予防可能かを考察してみます。
がん細胞は人の体の中で毎日、数百から数千個も発生していますが、
通常は免疫細胞が排除してくれているので、がんを発症しません。
正常細胞ががん細胞に変わり、体の免疫細胞が排除に失敗すると、
がん細胞は徐々に成長を始めます。
実は、1個のがん細胞が発生してから、画像診断的に発見可能な大きさになるのには、
かなり長い年月がかかります。
細胞分裂により1個が2個になり、2個が4個、
4個が8個、そして16個、32個、64個と倍々で増加していきます。
30回分裂を繰り返すと、約10億個に増え、
重さは約1グラム、直径1cm程度になります。
細胞1個が0.01mmで、1cm経になるのに10~20年かかります。
個体差やがんの種類によっても発育速度は異なります。
がん細胞が生まれてから活発に成長するようになるまでには、
長い期間がかかります。
しかし、がん細胞は成長するにしたがって、
発育速度が速くなるとされています。
2倍の大きさになるのは、例えば早期胃がんでは数年(2-6年)、
進行がんでは数ヶ月、転移した胃がんでは数週間とされています。
従来のがん検診では、腫瘍の大きさが1cm程度にならないと発見できませんでしたが、
PET検査では、早期の5mm程度の大きさでの発見が可能です。
しかしながら、5mmや1cmで早期発見したがんということでも、
がん細胞が発生してから、
すでに約10~20年間が経過していることとなります。
つまり早期発見ということでも、すでに転移しているか否かは、運次第なのです。
「食後高血糖」「血糖変動幅増大」「糖質摂取による過剰インスリン分泌」
が、酸化ストレスとなり、がん発症リスクとなりますが、
これらは「スーパー糖質制限食」で予防できます。
従って「スーパー糖質制限食」実践で理論的には、
『生活習慣病型がん』の発症予防が期待できます。
一方、すでに発症しているがんに対しては、
スーパー糖質制限食でも、縮小させることは困難です。
「ケトン食」レベルの厳しい食事が必要となりますが、
それでも食事療法単独で、がんを根治させるのは難しいと思います。
対策としては、がん細胞が発生する前に、間に合う内にできるだけ早く
「スーパー糖質制限食」を開始して予防を期待するということになるでしょうか。
糖尿人はがんになりやすいことは、よく知られていますが、
国立がん研究センターの研究によると、
糖尿病ではない人においても、HbA1cが高値であるほど、
右肩上がりで、がんのリスクが増えることがわかっています。
糖尿人も正常人も、スーパー糖質制限食でがん予防が望ましいです。
江部康二は2002年~スーパー糖質制限食を実践しています。
2021年現在で、あしかけ20年です。
2002年以降は、いわゆる『生活習慣病型のがん』の発生は
かなり予防できている可能性が高いです。
一方で、2001年以前に、すでに原初のがん細胞が発生していたとしたら
予防はできていないこととなります。
まあ足かけ20年、経過しているので、まず大丈夫と思っています。
本日のブログは
PET検査ネット
http://www.pet-net.jp/pet_html/treat/gan.html
を参考にしました。
PET検査ネットさん、ありがとうございます。
江部康二
2021年08月28日 (土)
こんばんは。
2021年2月12日、
体が変わる! 最強の糖質制限食-巣ごもり生活でも太らない!
江部康二・沼津りえ著(学研プラス)が刊行されました。

太る理由は単純です。
『糖質摂取⇒血糖値上昇⇒インスリン分泌⇒血糖を筋肉が取り込む⇒余った血糖は全て中性脂肪に変わり脂肪組織に蓄えられる。』
これが生理学的事実であり、インスリンが肥満ホルモンと言われる所以です。
そして糖質摂取こそが太る原因なのです。
脂質を食べても血糖値は上昇せず、インスリンの分泌もありません。
たんぱく質摂取は、インスリンとグルカゴンを両方分泌させますが、
両ホルモンの効果が相殺されて、血糖値は上昇しません。
糖質制限食実践なら肥満ホルモンインスリンの分泌は
必要最小限ですむので太らないのです。
本書では、とてもわかりやすく糖質制限食の基礎理論が説明してあります。
また具体的な実践法もシンプルに具体的に記述してあります。
朝食、昼食、夕食jにわけてレシピ集もついています。
本書が皆さんの、太らない対策にお役に立てれば幸いです。
江部康二
以下の青字の記載は、本書のはじめにです。
はじめに
新型コロナウイルスによる感染症が流行して以来、
世の中が大きく変わりました。
感染拡大を防ぐため、外出を控え、
自宅で“巣ごもり生活”を送っている人も多いと思います。
こうした生活が長引くなかで、
「以前よりも太ってしまった」という声をよく聞きます。
巣ごもり中の食生活では、家にあるもの、
保存がきくもので済ませようとして、
ごはんものやめん類など、
糖質メインの食事をよくとるようになったという人も多いのではないでしょうか。
また、リモートワーク中心の生活で、
あまりおなかが減っていないのに、
習慣的に以前と同じ量の食事をとっているのも原因かもしれません。
なかには、運動不足解消とダイエットのために、
エクササイズを始めてみたものの、うまく続かず、挫折した人もいるでしょう。
そんなときこそ、糖質制限食がおすすめです。
糖質制限食は、糖質の多い食品を控えるだけの食事法です。
糖質さえ控えれば、食事の量を減らさなくても、
運動をしなくても、脂肪が燃えやすい体に変わります。
カロリー制限は不要で、お肉や脂っこいメニューをがまんする必要もなく、
満腹になるまで食べられます。
糖質制限食は、健康管理にも有効で、
生活習慣病をはじめ、さまざまな病気の予防や改善に効果があります。
筋肉の維持や増強にも役立つので、多くのアスリートも実践しています。
さらに、最近の研究結果では、糖質制限食を実践している人は、
糖質を多くとる食生活を送っている人に比べて、
AGEsの蓄積が少ないことや血中ケトン体高値により、
免疫力が高くなることもわかりました。
本書では、まずPart1で、
糖質制限食のルールや食品の選び方、実践のコツを解説し、
Part2~4では、朝食・昼食・夕食の糖質制限食のポイントと、
3食自炊でもラクラク作れる、おすすめのレシピをそれぞれ紹介しています。
最後にPart5では、
糖質制限食を実践している人からよく寄せられる疑問をまとめた
Q&A集を設けました。
糖質制限食は、運動不足でも筋肉を落とさずに健康的にやせられる、
まさに最強の食事法です。
ウィズコロナの時代、糖質制限食が、
みなさまの健康を守る一助となれば幸いです。
2021年2月 江部康二
2021年2月12日、
体が変わる! 最強の糖質制限食-巣ごもり生活でも太らない!
江部康二・沼津りえ著(学研プラス)が刊行されました。

太る理由は単純です。
『糖質摂取⇒血糖値上昇⇒インスリン分泌⇒血糖を筋肉が取り込む⇒余った血糖は全て中性脂肪に変わり脂肪組織に蓄えられる。』
これが生理学的事実であり、インスリンが肥満ホルモンと言われる所以です。
そして糖質摂取こそが太る原因なのです。
脂質を食べても血糖値は上昇せず、インスリンの分泌もありません。
たんぱく質摂取は、インスリンとグルカゴンを両方分泌させますが、
両ホルモンの効果が相殺されて、血糖値は上昇しません。
糖質制限食実践なら肥満ホルモンインスリンの分泌は
必要最小限ですむので太らないのです。
本書では、とてもわかりやすく糖質制限食の基礎理論が説明してあります。
また具体的な実践法もシンプルに具体的に記述してあります。
朝食、昼食、夕食jにわけてレシピ集もついています。
本書が皆さんの、太らない対策にお役に立てれば幸いです。
江部康二
以下の青字の記載は、本書のはじめにです。
はじめに
新型コロナウイルスによる感染症が流行して以来、
世の中が大きく変わりました。
感染拡大を防ぐため、外出を控え、
自宅で“巣ごもり生活”を送っている人も多いと思います。
こうした生活が長引くなかで、
「以前よりも太ってしまった」という声をよく聞きます。
巣ごもり中の食生活では、家にあるもの、
保存がきくもので済ませようとして、
ごはんものやめん類など、
糖質メインの食事をよくとるようになったという人も多いのではないでしょうか。
また、リモートワーク中心の生活で、
あまりおなかが減っていないのに、
習慣的に以前と同じ量の食事をとっているのも原因かもしれません。
なかには、運動不足解消とダイエットのために、
エクササイズを始めてみたものの、うまく続かず、挫折した人もいるでしょう。
そんなときこそ、糖質制限食がおすすめです。
糖質制限食は、糖質の多い食品を控えるだけの食事法です。
糖質さえ控えれば、食事の量を減らさなくても、
運動をしなくても、脂肪が燃えやすい体に変わります。
カロリー制限は不要で、お肉や脂っこいメニューをがまんする必要もなく、
満腹になるまで食べられます。
糖質制限食は、健康管理にも有効で、
生活習慣病をはじめ、さまざまな病気の予防や改善に効果があります。
筋肉の維持や増強にも役立つので、多くのアスリートも実践しています。
さらに、最近の研究結果では、糖質制限食を実践している人は、
糖質を多くとる食生活を送っている人に比べて、
AGEsの蓄積が少ないことや血中ケトン体高値により、
免疫力が高くなることもわかりました。
本書では、まずPart1で、
糖質制限食のルールや食品の選び方、実践のコツを解説し、
Part2~4では、朝食・昼食・夕食の糖質制限食のポイントと、
3食自炊でもラクラク作れる、おすすめのレシピをそれぞれ紹介しています。
最後にPart5では、
糖質制限食を実践している人からよく寄せられる疑問をまとめた
Q&A集を設けました。
糖質制限食は、運動不足でも筋肉を落とさずに健康的にやせられる、
まさに最強の食事法です。
ウィズコロナの時代、糖質制限食が、
みなさまの健康を守る一助となれば幸いです。
2021年2月 江部康二
2021年08月27日 (金)
【21/08/27 なつこ
低血糖症状がでなくなりました
過去記事へのコメントで申し訳ありません。
私は20代女性ですが、食後の低血糖で長年悩んでいました。
インスリンの分泌が遅いせいだとお医者様にはいわれました。
江部先生のブログを読むようになってからスーパー糖質制限を始め、約2年になります。
昨日ほとんど食事を取らなかったせいか、
今朝の寝起きの血糖値が50mg/dl、ケトン体が7.6mmol(過去最高値で驚きました)でしたが、まったく体がきつくなくむしろ元気だったんです。
糖質制限を始めてから血糖値が安定した(上がりすぎも下がりすぎも減った)自覚はありましたが、血糖値が下がっても低血糖症状が出なくなったのには驚きました。
糖質をとっていた頃は65mg/dlをきると、気持ち悪さや目の前が暗くなることが多々あり、ブドウ糖を常時携帯していたことを考えると、体って変わるものなのだと心から思えました。
糖質制限、これからも続けていきたいと思っています。
健康へ導いてくださり、ありがとうございました。】
こんばんは。
なつこさんから、糖質制限食で、機能性低血糖の症状が改善したという
嬉しいコメントを頂きました。
『今朝の寝起きの血糖値が50mg/dl、ケトン体が7.6mmol(過去最高値で驚きました)』
ご自分で測定なので、ケトン体のなかの、3-ヒドロキシ酪酸の数値と思います。
3-ヒドロキシ酪酸 の一般的な基準値は、~ 76μmoL/Lです。
なつこさんのデータは、7600μmoL/Lなので、かなりの高値であり、
スーパー糖質制限食で脂肪が大変よく燃えています。
これくらい、ケトン体高値なら、
脳細胞はほとんどのエネルギー源をケトン体にしています。
それで、血糖値が50mg/dlでも元気なのです。
私も、初めて、本断食(0カロリー、塩も0、水のみ)を実施したときは
朝の空腹時血糖値が35mg/dlでしたが、
普通に外来診療をしていました。
血中ケトン体が数千レベルで、脳のエネルギー源となっていたので
血糖35mg/dlでも、平気だったのだと思います。
機能性低血糖症は、1924年アメリカのSeale Harrisによって指摘された疾患で、
血糖値の低下に伴ない、精神的・身体的症状を来たす疾患です。
易疲労感、気力低下、眠気、集中力低下、物忘れ、不安、いらいら、頭痛、めまい、発汗、震え、心悸亢進、筋肉痛、甘いものに対する異常な欲求、異常な空腹感・・・ などの症状がみられます。
ほとんどの機能性低血糖の背景には、インスリンの過剰分泌及び遷延分泌があります。
やせ型でインスリン抵抗性がなくても、機能性低血糖を生じる人はおられます。
機能性低血糖症は、糖質を摂取して血糖値が上昇して、追加分泌インスリンが基礎分泌インスリンの10倍、20倍、30倍レベル出たときに、早ければ食後2時間、通常は4時間から5時間くらいで発症することが多いです。
はっきりしている場合は、糖質摂取4~5時間後の血糖値が60mg/dl以下になります。
家族歴に2型糖尿病があって、現在は正常型で糖尿病を発症していない人は、インスリン追加分泌が遷延することがあり、機能性低血糖が特に起こりやすいです。
境界型および糖尿病でも、軽症の段階だと、インスリン分泌能力はまだ残っています。
そして、インスリン追加分泌が出遅れて遷延するのが2型糖尿病の特徴なので、
「機能性低血糖+境界型」あるいは「機能性低血糖+糖尿病型」
というパターンは、結構あると思います。
一方、家族歴に2型糖尿病がなくて、現在糖尿病的には全く正常でも、
インスリンが過剰に分泌されるタイプの「機能性低血糖+正常型」もあります。
こちらは若い人に多く、それこそ小学生や中学生でもありえると思います。
当然、高校生や大学生は言うまでもありません。
いずれにせよ
<糖質摂取による血糖値上昇→インスリン過剰分泌・分泌遷延→機能性低血糖>
というパターンです。
従って、精製炭水化物が、最も機能性低血糖を起こしやすいです。
未精製の炭水化物はややましですが、やはり起こす可能性があります。
A)機能性低血糖が原因で生じている症状は、糖質制限食でリアルタイムに改善します。
B)糖質制限食で改善しない症状は、機能性低血糖とは無関係ということです。
A)B)はシンプルですが、重要なことなので、「自分は機能性低血糖かも?」と思っている皆さんは、しっかり覚えておきましょう。
糖質制限食なら、食後高血糖がほとんどなくて、
インスリン追加分泌もごく少量なので機能性低血糖をほとんど生じません。
スーパー糖質制限食なら、インスリン追加分泌は、野菜分の少量の糖質に対応して、
せいぜい2~3倍くらいまでです。
この機能性低血糖症、日本ではあまり認知されていませんが、
きっちり問診してみると、若い人でも結構おられますので注意が必要ですね。
機能性低血糖症の場合、糖質摂取後30分で140mg/dl程度に上昇した血糖値が、
60分後に80mg/dlなったりします。
これだけ血糖の変動幅が大きい(60mg)と、眠気も来そうですね。
さらに4時間~5時間に40~60mg/dlとかまで下がることがあり、
低血糖症状を生じます。
血糖値が40mg~60mg/dlなら明らかな低血糖ですが、
60mg/dl以上あって正常範囲でも、
血糖値が1時間で50mg以上下がると眠気などの症状も出やすいようです。
江部康二
低血糖症状がでなくなりました
過去記事へのコメントで申し訳ありません。
私は20代女性ですが、食後の低血糖で長年悩んでいました。
インスリンの分泌が遅いせいだとお医者様にはいわれました。
江部先生のブログを読むようになってからスーパー糖質制限を始め、約2年になります。
昨日ほとんど食事を取らなかったせいか、
今朝の寝起きの血糖値が50mg/dl、ケトン体が7.6mmol(過去最高値で驚きました)でしたが、まったく体がきつくなくむしろ元気だったんです。
糖質制限を始めてから血糖値が安定した(上がりすぎも下がりすぎも減った)自覚はありましたが、血糖値が下がっても低血糖症状が出なくなったのには驚きました。
糖質をとっていた頃は65mg/dlをきると、気持ち悪さや目の前が暗くなることが多々あり、ブドウ糖を常時携帯していたことを考えると、体って変わるものなのだと心から思えました。
糖質制限、これからも続けていきたいと思っています。
健康へ導いてくださり、ありがとうございました。】
こんばんは。
なつこさんから、糖質制限食で、機能性低血糖の症状が改善したという
嬉しいコメントを頂きました。
『今朝の寝起きの血糖値が50mg/dl、ケトン体が7.6mmol(過去最高値で驚きました)』
ご自分で測定なので、ケトン体のなかの、3-ヒドロキシ酪酸の数値と思います。
3-ヒドロキシ酪酸 の一般的な基準値は、~ 76μmoL/Lです。
なつこさんのデータは、7600μmoL/Lなので、かなりの高値であり、
スーパー糖質制限食で脂肪が大変よく燃えています。
これくらい、ケトン体高値なら、
脳細胞はほとんどのエネルギー源をケトン体にしています。
それで、血糖値が50mg/dlでも元気なのです。
私も、初めて、本断食(0カロリー、塩も0、水のみ)を実施したときは
朝の空腹時血糖値が35mg/dlでしたが、
普通に外来診療をしていました。
血中ケトン体が数千レベルで、脳のエネルギー源となっていたので
血糖35mg/dlでも、平気だったのだと思います。
機能性低血糖症は、1924年アメリカのSeale Harrisによって指摘された疾患で、
血糖値の低下に伴ない、精神的・身体的症状を来たす疾患です。
易疲労感、気力低下、眠気、集中力低下、物忘れ、不安、いらいら、頭痛、めまい、発汗、震え、心悸亢進、筋肉痛、甘いものに対する異常な欲求、異常な空腹感・・・ などの症状がみられます。
ほとんどの機能性低血糖の背景には、インスリンの過剰分泌及び遷延分泌があります。
やせ型でインスリン抵抗性がなくても、機能性低血糖を生じる人はおられます。
機能性低血糖症は、糖質を摂取して血糖値が上昇して、追加分泌インスリンが基礎分泌インスリンの10倍、20倍、30倍レベル出たときに、早ければ食後2時間、通常は4時間から5時間くらいで発症することが多いです。
はっきりしている場合は、糖質摂取4~5時間後の血糖値が60mg/dl以下になります。
家族歴に2型糖尿病があって、現在は正常型で糖尿病を発症していない人は、インスリン追加分泌が遷延することがあり、機能性低血糖が特に起こりやすいです。
境界型および糖尿病でも、軽症の段階だと、インスリン分泌能力はまだ残っています。
そして、インスリン追加分泌が出遅れて遷延するのが2型糖尿病の特徴なので、
「機能性低血糖+境界型」あるいは「機能性低血糖+糖尿病型」
というパターンは、結構あると思います。
一方、家族歴に2型糖尿病がなくて、現在糖尿病的には全く正常でも、
インスリンが過剰に分泌されるタイプの「機能性低血糖+正常型」もあります。
こちらは若い人に多く、それこそ小学生や中学生でもありえると思います。
当然、高校生や大学生は言うまでもありません。
いずれにせよ
<糖質摂取による血糖値上昇→インスリン過剰分泌・分泌遷延→機能性低血糖>
というパターンです。
従って、精製炭水化物が、最も機能性低血糖を起こしやすいです。
未精製の炭水化物はややましですが、やはり起こす可能性があります。
A)機能性低血糖が原因で生じている症状は、糖質制限食でリアルタイムに改善します。
B)糖質制限食で改善しない症状は、機能性低血糖とは無関係ということです。
A)B)はシンプルですが、重要なことなので、「自分は機能性低血糖かも?」と思っている皆さんは、しっかり覚えておきましょう。
糖質制限食なら、食後高血糖がほとんどなくて、
インスリン追加分泌もごく少量なので機能性低血糖をほとんど生じません。
スーパー糖質制限食なら、インスリン追加分泌は、野菜分の少量の糖質に対応して、
せいぜい2~3倍くらいまでです。
この機能性低血糖症、日本ではあまり認知されていませんが、
きっちり問診してみると、若い人でも結構おられますので注意が必要ですね。
機能性低血糖症の場合、糖質摂取後30分で140mg/dl程度に上昇した血糖値が、
60分後に80mg/dlなったりします。
これだけ血糖の変動幅が大きい(60mg)と、眠気も来そうですね。
さらに4時間~5時間に40~60mg/dlとかまで下がることがあり、
低血糖症状を生じます。
血糖値が40mg~60mg/dlなら明らかな低血糖ですが、
60mg/dl以上あって正常範囲でも、
血糖値が1時間で50mg以上下がると眠気などの症状も出やすいようです。
江部康二
2021年08月26日 (木)
こんばんは。
2021年8月27日(金)の京都の最高気温予想は、36.8℃となかなかの暑さです。
暑い夏は、最初の1杯は、冷えた糖質ゼロビールがいいですね。
ビールばかりでは芸がないので、次はキリリと冷えた辛口の白ワインでどうでしょう。
秋になって涼しくなれば、やっぱり赤ワインですかね。
気になるワインの糖質量ですが、
五訂日本食品標準成分表によれば、
赤ワイン100ml中に1.5gの糖質、
白ワイン100ml中に2.0gの糖質、
純米酒100ml中には3.6gの糖質、
純米吟醸酒だと100ml中に4.1gの糖質、
ビールは100ml中に3.1gの糖質、
がそれぞれ含まれています。
しかし、辛口ワインの血糖を上昇させる糖質はもっと少ないと考えられます。
以前ワインの糖質量に関してYukiさんから、とても詳しいコメントをいただきました。
ブログ読者の皆さんも是非この貴重な情報を共有して欲しいと思い再び記事にしました。
Yukiさんのコメントは大変長い力作です。
ネットでいろいろ調べていただいて、苦労されたことと思います。
Yukiさん、ありがとうございました。m(_ _)m
長編なのですが、興味がある方は、是非、Yukiさんの本編をお読みいただけば幸いです。
お忙しい方には以下、私が、Yukiさんのコメントの要約を作成してみました。
①
「甲府盆地にあるワイナリー"機山ワイン"のサイトによれば、
辛口ワインの場合、含まれるブドウ糖(グルコース)量は
ボトル一本(720ml)あたり最小で0.15g、最大で0.6g。
果糖(フルクトース)は最小0.75g、最大1.5g。」
これでおよその目処が立ちますね。
②
「栽培条件の異なるブドウ『甲州』を用いた
ワインの 個性化醸造技術の確立に関する研究(第3報)
www.yitc.go.jp/Houkoku/data/H19/kei14.pdf
表16 38試験区のワインの各種分析結果 から
平均値(g/L)
有機酸:クエン酸0.7 酒石酸2.1 リンゴ酸1.8 コハク酸1.0 乳酸0.3 酢酸0.3(合計6.2)
糖類:ブドウ糖0.0 果糖3.8(合計3.8)
グリセリン6.5(グリセリン?!そんな物が入っていたとは知りませんでした)
これらを合計すると、1リットル中に全部で16.5g。
その内ブドウ糖、果糖以外の炭水化物が12.7g。
他にタンニン、アントシアニンなどのポリフェノールが
赤ワインの場合平均230mg/100ml(2.3g/L)含まれているはずなので、
おおざっぱに、糖類以外の炭水化物15g、糖類は4g、全炭水化物19g。
結局、辛口赤ワインには100ml中1g以下の糖類しか含まれておらず、
その内多くが果糖、故に血糖値をほとんど上げないお酒ってことになるのでは?」
私もYukiさんの説に賛成です。
ワイン1リットル中に、炭水化物が合計19g。
ワイン1リットル中に、血糖値を上昇させる糖類(ワインなら果糖とブドウ糖)は4gていど。
残りの15gの炭水化物は血糖値を上昇させない、グリセリンや有機酸など。
結局、辛口赤ワインなどには、
100ml中0.4gの糖類しか含まれておらず、その多くが果糖。
果糖は血糖にはほとんど変わらない。果糖のGIは20。
このように考察してみると、辛口赤ワインはビールに比べれば全然安全ですね。
③
「五訂増補日本食品標準成分表 [第1章]-2-2
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu3/toushin/05031802/001/002.htm
> (4) 一般成分
> 4 炭水化物
> 炭水化物は、従来同様いわゆる『差し引き法による炭水化物』すなわち、
> 水分、たんぱく質、脂質及び灰分の合計(グラム)を100グラムから
> 差し引いた値で 示した。
つまり、 水、たんぱく質、脂質、灰分、以外の物はみんなまとめて炭水化物扱い。
結局は残り物の数合わせなので、糖質、食物繊維の含有量が低い食品の場合、
あんまり当てになる数字じゃなくなっていると思います。
> なお、硝酸イオン、アルコール、酢酸、タンニン、カフェイン及びテオブ
>ロミンを比較的多く含む食品や、加熱により二酸化炭素が多量に発生する
>食品 については、これらの含量も差し引いて炭水化物量を求めた。
そこで五訂日本食品標準成分表を見ると、ワインは備考欄にアルコール以外の記載がないので、
有機酸、ポリフェノール、糖アルコール、その他の微量な芳香成分などひっくるめて炭水化物にカウントされている思われます。
ワインは有機酸が多いのでこれが結構な%を占めてるはず。
あと、調べてみたらグリセリンがかなり含まれてて、ちょっとびっくりしました。
www.yitc.go.jp/Houkoku/data/H19/kei14.pdf
によると、これらのワインの平均値では、グリセリンが6.5g/L、有機酸は6.2g/L。
これだけでも100ml中1.3gになりますから、炭水化物カウントの過半数を占めてしまいます。」
炭水化物の定義が
『水分、たんぱく質、脂質及び灰分の合計(グラム)を100グラムから差し引いた値』
なので、五訂増補日本食品標準成分表の中の赤ワイン100g中に1.5gの炭水化物、食物繊維はゼロ。
1.5gからグリセリンと有機酸1.3gをひけば、血糖値を上昇させる果糖やブドウ糖などは0.2gと極微量ですね。
これなら血糖値はほとんど上昇しません。
④
「結論。
ことワインに関しては炭水化物量ではなく"残糖"、を指標にしましょう。
私の独断ですが、ワインに含まれる糖分以外の炭水化物(定義上の)による血糖上昇作用は、きっと、、、おそらく、、、たぶん、、、、、、無視してかまわないレベルだと思われます。
(本当かな?)
江部先生、いかがでしょうか?」
Yukiさん。
ありがとうございます。
【ワインに含まれている炭水化物のかなりの量を「グリセリン+有機酸」が占めていて、これらは血糖値を上昇させない。】
【ワインに含まれている「果糖+ブドウ糖」の"残糖"およびエリスリトール以外の糖アルコールなどが血糖値を上昇させるが、
極微量である。】
私もYukiさんの結論に賛成です。
少なくとも辛口ワインなら、赤でも白でも糖質制限食OK食品と言えそうですね。(⌒o⌒)v
なお、甘口ワインは"残糖"が、辛口の10倍くらいあるので、NGですね。
江部康二
☆☆☆
<Yukiさんのコメント>
10/03/05 Yuki
ワインの血糖上昇作用について
江部先生こんにちは、初めてコメントします。以前から、大変素晴らしいブログと思いよく読ませて頂いておりました。どうやら私の母が境界型の糖尿病で、いよいよ本気で糖質制限を始めました。今後もこのブログにお世話になって参ります。 非常に長文で失礼します。
ワインの血糖上昇作用、私も非常に気になります。 調べてみました。
まず、これです。
オーストラリアワインについてのページから
甘辛度の表示
>1リットル当たりの残糖量(RZ/l)
>トロッケン(辛口):残糖分は最大9 g RZ/l。
>ただし、糖度と酸度の差が2 g/l 未満であること。
>例えば、残糖8 g/lのワインが辛口に分類されるためには、
>酸度が6g/l以上でなければならない。
>エクストラトロッケン(極辛口):残糖分は4 g /l以下。
>ハルプトロッケン(中辛口):残糖分は12 g /l以下。
>リープリッヒ:(中甘口):残糖分は45 g /l以下。
>ズュース(甘口): 残糖分は45 g /l以上。
(http://www.winesfromaustria.jp/wl-quality.html)
残糖=ワイン中の、ブドウ糖+果糖です
更に、別のサイトをヒットしたので、そのデータで計算してみました。
甲府盆地にあるワイナリー"機山ワイン"のサイトから
"ワイナリー便り" vol.128 2007/2"
>ぶどう中の糖は酵母によって代謝され、アルコールを生産します。
>酵母はグルコースとフルクトースを同時にアルコール発酵に使用し
>ますが代謝に必要なエネルギーが異なるため、グルコースを消費す
>る速度の方がややフルクトースを消費する速度より早くなります。
>このため醗酵が進むにつれてフルクトースの割合が高くなってきま
>す( glucophillic)。
>一般に辛口ワインには 0.2-0.8 g/Lのグルコースと1-2 g/Lのフルクト
>ースが含まれており、超甘口ワインでは30 g/Lのグルコースと60 g/L
>のフルクトースが含まれていると言われています。
(http://www.kizan.co.jp/monthly/0702.html)
こういうのって、多分ソムリエには常識なんでしょうが、素人には初耳でした。もっとまとまったサイトがあれば良いんですが。
このデータによれば、辛口ワインの場合、含まれるブドウ糖(グルコース)量はボトル一本あたり最小で0.15g、最大で0.6g。
果糖(フルクトース)は最小0.75g、最大1.5g。
ワインに含まれている総炭水化物量が仮に15g/L(五訂日本食品標準成分表から赤ワインのデータ、100ml中に1.5g)として、ボトル一本で11.3g。ブドウ糖と果糖以外の炭水化物が9.2gから10.4g。
この、その他の炭水化物とはアラビノースやキシロースなど五炭糖(血糖上昇作用はあるのか?)、マルトースやキシリトール(血糖上昇が遅い)、更にはエリスリトール(血糖上昇を起こさない)、などでしょうから、血糖上昇はかなり穏やかになるはず。
仮に、これらが全部エリスリトール以外の糖アルコールだとして、ブドウ糖の半分の血糖上昇作用があるとすれば、ブドウ糖換算で4.5gから5.2g程度分の血糖上昇を引き起こす計算。
つまり、辛口赤ワインの場合、ブドウ糖が一本あたりおよそ4.7gから5.8g、果糖が0.75gから1.5g含まれているのと同じ。
果糖のグリセミック指数を20として、ブドウ糖の5分の1の血糖上昇作用とすれば、正常人の場合、辛口赤ワイン一本飲むとブドウ糖を4.9gから6.1g摂取したのと同じ血糖上昇が起きるはず。
2型糖尿病の場合、糖質1gあたりの血糖値上昇を3mgとして、ブドウ糖6.1gで約18.3mgの血糖値上昇。で、いいのかな~。
結構安全?
いや、ビール750ml(ワインボトル一本分)中、糖質23gよりははるかに安全だと思います。ビールはアルコール度数が低いので赤ワインと同じだけ酔っぱらおうと思ったらこの2~3倍飲まないとなりませんし。
これが正しければ、先生のおっしゃってた
「2009年05月10日 (日) またあくまでも体験と印象ていどですが、赤ワインをボトル1本飲んでも血糖値は上昇しないようです。ビールなどとは、はっきり違います。」
の謎が解けるのでは?
更に、ちょっと良い物を見つけました。
"株式会社 和田屋"のホームページから
低糖ドイツワインの説明文を引用。
1. 通常ワインには果汁由来のぶどう糖(グルコース)、果糖(フラクトース)の2種の糖分が含まれています。
2. ドイツ発低糖ワインは分子構造が小さく、体内にすぐ吸収され、血糖値を左右するぶどう糖の量を極力抑え、体内で分解される速度が比較的緩やかな果糖により「ドイツワインのおいしさ」の1つの要素である甘み成分を一定量残す事に成功したものです。
3. 製法的には、果汁を発酵させる際に、ぶどう糖の方が果糖より早くアルコール分解されるという特性を利用し、ある程度発酵が進んだ段階で遠心分離器及びフィルターによる澱引きを行い、果糖の割合を高めています。
4. 下記 基準を守ってつくられています。
■全糖リッター当り20g以下、そのうちぶどう糖は4g以下。
■酸化防止剤(亜硫酸塩)は150mg/L以下。
■アルコール度は12%以下。
■ワインとアルコールのカロリー値は、663/Lキロカロリー以下。
■総カロリーは740/Lキロカロリー以下。
(http://www.rakuten.co.jp/wadaya/138900/1863119/)
このサイトで掲示している栄養成分表示はどうやら間違っているらしいので、別のサイトでみつけた同じワインの栄養成分表示を出しておきます。
"テーニッヒャー・ザンクト・ミヒャエル・リースリング・カビネット・トロッケン"
白 やや辛口 アルコール度数 10% 産地 モーゼル 格付 カビネット
栄養成分表示<100ml当たり>
エネルギー61kcalたんぱく質0.2g 脂質0g 炭水化物2.0g ナトリウム2.2mg フラクトース0.41g グルコース0.29g
(http://www.newmenu.net/wine/detail/gekkeikan:10000093.html)
"モーゼルラント・ドルンフェルダー・トロッケン"
赤 ライトボディー アルコール度数 11% 産地 ドイツ 格付 ターフェルヴァイン
栄養成分表示<100ml当たり>
エネルギー76kcalたんぱく質0.1g 脂質 0g 炭水化物1.0g ナトリウム1.7mg フラクトース0.3g グルコース0.2g
(http://www.newmenu.net/wine/detail/gekkeikan:10000095.html)
かなり良さそうですよね?
10/03/05 Yuki
ワインの血糖上昇作用について追伸
あっと、追加です。
ワインに含まれるエリスリトールについて、
http://www.mfc.co.jp/erisuri/002.htm
技術情報|エリスリトール|主要製品紹介|三菱化学フーズ株式会社
赤ワイン 170mg/L (つまり0.017g/100ml)
白ワイン 280mg/L (つまり0.028g/100ml)
大した事ないですね。
キシリトールについては分かりませんでした。
先のコメントで、有機酸とかポリフェノールを忘れてました。これらは炭水化物として計算されてるはず。
何とか含有量が分からないかと探してみました。
栽培条件の異なるブドウ「甲州」を用いたワインの 個性化醸造技術の確立に関する研究(第3報) www.yitc.go.jp/Houkoku/data/H19/kei14.pdf 表16 38試験区のワインの各種分析結果 から
平均値(g/L)
有機酸:クエン酸0.7 酒石酸2.1 リンゴ酸1.8 コハク酸1.0 乳酸0.3 酢酸0.3(合計6.2)
糖類:ブドウ糖0.0 果糖3.8(合計3.8)
グリセリン6.5(グリセリン?!そんな物が入っていたとは知りませんでした)
これらを合計すると全部で16.5。
その内ブドウ糖、果糖以外の炭水化物が12.7。
他にタンニン、アントシアニンなどのポリフェノールが赤ワインの場合平均230mg/100ml(2.3g/L)含まれているはずなので、 おおざっぱに、糖類以外の炭水化物15g、糖類は4g、全炭水化物19g。
結局、辛口赤ワインには100ml中1g以下の糖質しか含まれておらず、その内多くが果糖、故に血糖値をほとんど上げないお酒ってことになるのでは?
10/03/05 Yuki
ワインの炭水化物カウント
ワインの炭水化物カウント
あ、糖質ポリスさんこんにちは、実はblogにお世話になってます。
どうも。
五訂増補日本食品標準成分表 [第1章]-2-2
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu3/toushin/05031802/001/002.htm
> (4) 一般成分
> 4 炭水化物
> 炭水化物は、従来同様いわゆる「差し引き法による炭水化物」すなわち、
> 水分、たんぱく質、脂質及び灰分の合計(グラム)を100グラムから
> 差し引いた値で 示した。
つまり、 水、たんぱく質、脂質、灰分、以外の物はみんなまとめて炭水化物扱い。 結局は残り物の数合わせなので、糖質、食物繊維の含有量が低い食品の場合、あんまり当てになる数字じゃなくなっていると思います。
> なお、硝酸イオン、アルコール、酢酸、タンニン、カフェイン及びテオブ
>ロミンを比較的多く含む食品や、加熱により二酸化炭素が多量に発生する
>食品 については、これらの含量も差し引いて炭水化物量を求めた。
そこで五訂日本食品標準成分表を見ると、ワインは備考欄にアルコール以外の記載がないので、有機酸、ポリフェノール、糖アルコール、その他の微量な芳香成分などひっくるめて炭水化物にカウントされている思われます。
ワインは有機酸が多いのでこれが結構な%を占めてるはず。 あと、調べてみたらグリセリンがかなり含まれてて、ちょっとびっくりしました。
www.yitc.go.jp/Houkoku/data/H19/kei14.pdf
によると、これらのワインの平均値では、グリセリンが6.5g/L、有機酸は6.2g/L。これだけでも100ml中1.3gになりますから、炭水化物カウントの過半数を占めてしまいます。
結局そういうことじゃないかと。
それに加えてポリフェノールが赤で平均0.23g/100ml、エリスリトールが0.017g/100ml。その他の微量成分の積み重ねがあって炭水化物カウントは増えるけれども、つまるところ平均的な人間が、「辛口だな~、糖分がないな~」と感じる、いわゆる辛口ワイン(含まれる糖分10g/L以下の定義で) の100m中に含まれる糖分は1g以下。
ブドウ果汁中の糖分はほぼ全部ブドウ糖と果糖です。start地点でのそれらの割合は半々。しかし、ワイン酵母はアルコール発酵に際してブドウ糖を優先的に使うので、赤だろうが白だろうがワインが辛口になるまで発酵させた場合、残糖として残るのはあらかた全部果糖になってしまいます。
したがって、トロッケン、セック、セッコなどEU法で保証された辛口スティルワインの場合、含まれるブドウ糖の量は0.5g/100ml以下(それどころかおそらく果糖の半分以下のはず。0.0g/100mlであることも多いはず。)であると確信を持って言うことができます。
そのため辛口ワインを飲んだときの血糖値上昇は更に起きにくくなっている、と。
何て素晴らしい、安心して飲めるじゃありませんか。
中口のスティルワイン(モワルー、ミルト、アマービレなど)の場合でも含まれるブドウ糖は1.5g/100ml以下ですね。ボトル一本飲んだらブドウ糖が最大で11.25g。ここまでくるとちょっとまずいかな。
結論。
ことワインに関しては炭水化物量ではなく"残糖"、を指標にしましょう。私の独断ですが、ワインに含まれる糖分以外の炭水化物(定義上の)による血糖上昇作用は、きっと、、、おそらく、、、たぶん、、、、、、無視してかまわないレベルだと思われます。(本当かな?)
江部先生、いかがでしょうか?
追伸
ワインの甘辛度による分類法(EUの場合)、見つけました。
http://blogs.dion.ne.jp/yottyokky/archives/8945908.html
(1)残糖
*残糖とは、発酵完了後あるいは人工的に発酵を中断させた時点のワイン中に残る1リットル当りの糖分のことである。EUの規定では、この残糖分の量により甘辛度が分類される。
(2)スティル・ワインの分類
※数値の重複部分はどちらの表示でも可。
*フランス
0~5g/l:ブリュット(Brut)
0~10g/l:セック(Sec)
10~20g/l:ドゥミ・セック(Demi-sec)
20~30g/l:モワルー(Moelleux)
30~40g/l:ドゥー(Doux)
40g/l~:リクルー(Liquoreux)
*ドイツ
0~10g/l:トロッケン(Trocken)
10~20g/l:ハルプトロッケン(Halptrocken)
20~30g/l:ミルト(Mild)
30~40g/l:リープリッヒ(Lieblich)
40g/l~:ズィス(S醇гs)
*イタリア
0~10g/l:セッコ(Secco)
10~20g/l:アッボカート(Abboccato)
20~30g/l:アマービレ(Amabile)
30~40g/l:ドルチェ(Dolce)
(3)スパークリング・ワインの分類
※数値の重複部分はどちらの表示でも可。
*フランス
0~3g/l:ブリュット・ナチュール(Brut Nature)
0~ 6g/l:エクストラ・ブリュット(Extra Brut)
0~15g/l:ブリュット(Brut)
12~20g/l:エクストラ・セック(Extra Sec)
17~33g/l:セック(Sec)
33~50g/l:ドゥミ・セック(Demi Sec)
50g/l~:ドゥー(Doux)
*ドイツ
0~6g/l:エクストラ・ブリュット(Extra Brut)
6~15g/l:ブリュット(Brut)
12~20g/l:エクストラ・トロッケン(Extra Trocken)
17~35g/l:トロッケン(Trocken)
35~50g/l:ハルプ・トロッケン(Halbtrocken)
50g/l~:ミルト(Mild)
*イタリア
0g/l:ドス・パセ(Dos Passe)
0~6g/l:エクストラ・ブリュット(Extra Brut)
0~15g/l:ブリュット(Brut)
12~20g/l:エクストラ・セッコ(Extra Secco)
17~35g/l:セッコ(Secco)
35~50g/l:セミ・セッコ(Semi Secco)
50g/l~:ドルチェ(Dolce)
2021年8月27日(金)の京都の最高気温予想は、36.8℃となかなかの暑さです。
暑い夏は、最初の1杯は、冷えた糖質ゼロビールがいいですね。
ビールばかりでは芸がないので、次はキリリと冷えた辛口の白ワインでどうでしょう。
秋になって涼しくなれば、やっぱり赤ワインですかね。
気になるワインの糖質量ですが、
五訂日本食品標準成分表によれば、
赤ワイン100ml中に1.5gの糖質、
白ワイン100ml中に2.0gの糖質、
純米酒100ml中には3.6gの糖質、
純米吟醸酒だと100ml中に4.1gの糖質、
ビールは100ml中に3.1gの糖質、
がそれぞれ含まれています。
しかし、辛口ワインの血糖を上昇させる糖質はもっと少ないと考えられます。
以前ワインの糖質量に関してYukiさんから、とても詳しいコメントをいただきました。
ブログ読者の皆さんも是非この貴重な情報を共有して欲しいと思い再び記事にしました。
Yukiさんのコメントは大変長い力作です。
ネットでいろいろ調べていただいて、苦労されたことと思います。
Yukiさん、ありがとうございました。m(_ _)m
長編なのですが、興味がある方は、是非、Yukiさんの本編をお読みいただけば幸いです。
お忙しい方には以下、私が、Yukiさんのコメントの要約を作成してみました。
①
「甲府盆地にあるワイナリー"機山ワイン"のサイトによれば、
辛口ワインの場合、含まれるブドウ糖(グルコース)量は
ボトル一本(720ml)あたり最小で0.15g、最大で0.6g。
果糖(フルクトース)は最小0.75g、最大1.5g。」
これでおよその目処が立ちますね。
②
「栽培条件の異なるブドウ『甲州』を用いた
ワインの 個性化醸造技術の確立に関する研究(第3報)
www.yitc.go.jp/Houkoku/data/H19/kei14.pdf
表16 38試験区のワインの各種分析結果 から
平均値(g/L)
有機酸:クエン酸0.7 酒石酸2.1 リンゴ酸1.8 コハク酸1.0 乳酸0.3 酢酸0.3(合計6.2)
糖類:ブドウ糖0.0 果糖3.8(合計3.8)
グリセリン6.5(グリセリン?!そんな物が入っていたとは知りませんでした)
これらを合計すると、1リットル中に全部で16.5g。
その内ブドウ糖、果糖以外の炭水化物が12.7g。
他にタンニン、アントシアニンなどのポリフェノールが
赤ワインの場合平均230mg/100ml(2.3g/L)含まれているはずなので、
おおざっぱに、糖類以外の炭水化物15g、糖類は4g、全炭水化物19g。
結局、辛口赤ワインには100ml中1g以下の糖類しか含まれておらず、
その内多くが果糖、故に血糖値をほとんど上げないお酒ってことになるのでは?」
私もYukiさんの説に賛成です。
ワイン1リットル中に、炭水化物が合計19g。
ワイン1リットル中に、血糖値を上昇させる糖類(ワインなら果糖とブドウ糖)は4gていど。
残りの15gの炭水化物は血糖値を上昇させない、グリセリンや有機酸など。
結局、辛口赤ワインなどには、
100ml中0.4gの糖類しか含まれておらず、その多くが果糖。
果糖は血糖にはほとんど変わらない。果糖のGIは20。
このように考察してみると、辛口赤ワインはビールに比べれば全然安全ですね。
③
「五訂増補日本食品標準成分表 [第1章]-2-2
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu3/toushin/05031802/001/002.htm
> (4) 一般成分
> 4 炭水化物
> 炭水化物は、従来同様いわゆる『差し引き法による炭水化物』すなわち、
> 水分、たんぱく質、脂質及び灰分の合計(グラム)を100グラムから
> 差し引いた値で 示した。
つまり、 水、たんぱく質、脂質、灰分、以外の物はみんなまとめて炭水化物扱い。
結局は残り物の数合わせなので、糖質、食物繊維の含有量が低い食品の場合、
あんまり当てになる数字じゃなくなっていると思います。
> なお、硝酸イオン、アルコール、酢酸、タンニン、カフェイン及びテオブ
>ロミンを比較的多く含む食品や、加熱により二酸化炭素が多量に発生する
>食品 については、これらの含量も差し引いて炭水化物量を求めた。
そこで五訂日本食品標準成分表を見ると、ワインは備考欄にアルコール以外の記載がないので、
有機酸、ポリフェノール、糖アルコール、その他の微量な芳香成分などひっくるめて炭水化物にカウントされている思われます。
ワインは有機酸が多いのでこれが結構な%を占めてるはず。
あと、調べてみたらグリセリンがかなり含まれてて、ちょっとびっくりしました。
www.yitc.go.jp/Houkoku/data/H19/kei14.pdf
によると、これらのワインの平均値では、グリセリンが6.5g/L、有機酸は6.2g/L。
これだけでも100ml中1.3gになりますから、炭水化物カウントの過半数を占めてしまいます。」
炭水化物の定義が
『水分、たんぱく質、脂質及び灰分の合計(グラム)を100グラムから差し引いた値』
なので、五訂増補日本食品標準成分表の中の赤ワイン100g中に1.5gの炭水化物、食物繊維はゼロ。
1.5gからグリセリンと有機酸1.3gをひけば、血糖値を上昇させる果糖やブドウ糖などは0.2gと極微量ですね。
これなら血糖値はほとんど上昇しません。
④
「結論。
ことワインに関しては炭水化物量ではなく"残糖"、を指標にしましょう。
私の独断ですが、ワインに含まれる糖分以外の炭水化物(定義上の)による血糖上昇作用は、きっと、、、おそらく、、、たぶん、、、、、、無視してかまわないレベルだと思われます。
(本当かな?)
江部先生、いかがでしょうか?」
Yukiさん。
ありがとうございます。
【ワインに含まれている炭水化物のかなりの量を「グリセリン+有機酸」が占めていて、これらは血糖値を上昇させない。】
【ワインに含まれている「果糖+ブドウ糖」の"残糖"およびエリスリトール以外の糖アルコールなどが血糖値を上昇させるが、
極微量である。】
私もYukiさんの結論に賛成です。
少なくとも辛口ワインなら、赤でも白でも糖質制限食OK食品と言えそうですね。(⌒o⌒)v
なお、甘口ワインは"残糖"が、辛口の10倍くらいあるので、NGですね。
江部康二
☆☆☆
<Yukiさんのコメント>
10/03/05 Yuki
ワインの血糖上昇作用について
江部先生こんにちは、初めてコメントします。以前から、大変素晴らしいブログと思いよく読ませて頂いておりました。どうやら私の母が境界型の糖尿病で、いよいよ本気で糖質制限を始めました。今後もこのブログにお世話になって参ります。 非常に長文で失礼します。
ワインの血糖上昇作用、私も非常に気になります。 調べてみました。
まず、これです。
オーストラリアワインについてのページから
甘辛度の表示
>1リットル当たりの残糖量(RZ/l)
>トロッケン(辛口):残糖分は最大9 g RZ/l。
>ただし、糖度と酸度の差が2 g/l 未満であること。
>例えば、残糖8 g/lのワインが辛口に分類されるためには、
>酸度が6g/l以上でなければならない。
>エクストラトロッケン(極辛口):残糖分は4 g /l以下。
>ハルプトロッケン(中辛口):残糖分は12 g /l以下。
>リープリッヒ:(中甘口):残糖分は45 g /l以下。
>ズュース(甘口): 残糖分は45 g /l以上。
(http://www.winesfromaustria.jp/wl-quality.html)
残糖=ワイン中の、ブドウ糖+果糖です
更に、別のサイトをヒットしたので、そのデータで計算してみました。
甲府盆地にあるワイナリー"機山ワイン"のサイトから
"ワイナリー便り" vol.128 2007/2"
>ぶどう中の糖は酵母によって代謝され、アルコールを生産します。
>酵母はグルコースとフルクトースを同時にアルコール発酵に使用し
>ますが代謝に必要なエネルギーが異なるため、グルコースを消費す
>る速度の方がややフルクトースを消費する速度より早くなります。
>このため醗酵が進むにつれてフルクトースの割合が高くなってきま
>す( glucophillic)。
>一般に辛口ワインには 0.2-0.8 g/Lのグルコースと1-2 g/Lのフルクト
>ースが含まれており、超甘口ワインでは30 g/Lのグルコースと60 g/L
>のフルクトースが含まれていると言われています。
(http://www.kizan.co.jp/monthly/0702.html)
こういうのって、多分ソムリエには常識なんでしょうが、素人には初耳でした。もっとまとまったサイトがあれば良いんですが。
このデータによれば、辛口ワインの場合、含まれるブドウ糖(グルコース)量はボトル一本あたり最小で0.15g、最大で0.6g。
果糖(フルクトース)は最小0.75g、最大1.5g。
ワインに含まれている総炭水化物量が仮に15g/L(五訂日本食品標準成分表から赤ワインのデータ、100ml中に1.5g)として、ボトル一本で11.3g。ブドウ糖と果糖以外の炭水化物が9.2gから10.4g。
この、その他の炭水化物とはアラビノースやキシロースなど五炭糖(血糖上昇作用はあるのか?)、マルトースやキシリトール(血糖上昇が遅い)、更にはエリスリトール(血糖上昇を起こさない)、などでしょうから、血糖上昇はかなり穏やかになるはず。
仮に、これらが全部エリスリトール以外の糖アルコールだとして、ブドウ糖の半分の血糖上昇作用があるとすれば、ブドウ糖換算で4.5gから5.2g程度分の血糖上昇を引き起こす計算。
つまり、辛口赤ワインの場合、ブドウ糖が一本あたりおよそ4.7gから5.8g、果糖が0.75gから1.5g含まれているのと同じ。
果糖のグリセミック指数を20として、ブドウ糖の5分の1の血糖上昇作用とすれば、正常人の場合、辛口赤ワイン一本飲むとブドウ糖を4.9gから6.1g摂取したのと同じ血糖上昇が起きるはず。
2型糖尿病の場合、糖質1gあたりの血糖値上昇を3mgとして、ブドウ糖6.1gで約18.3mgの血糖値上昇。で、いいのかな~。
結構安全?
いや、ビール750ml(ワインボトル一本分)中、糖質23gよりははるかに安全だと思います。ビールはアルコール度数が低いので赤ワインと同じだけ酔っぱらおうと思ったらこの2~3倍飲まないとなりませんし。
これが正しければ、先生のおっしゃってた
「2009年05月10日 (日) またあくまでも体験と印象ていどですが、赤ワインをボトル1本飲んでも血糖値は上昇しないようです。ビールなどとは、はっきり違います。」
の謎が解けるのでは?
更に、ちょっと良い物を見つけました。
"株式会社 和田屋"のホームページから
低糖ドイツワインの説明文を引用。
1. 通常ワインには果汁由来のぶどう糖(グルコース)、果糖(フラクトース)の2種の糖分が含まれています。
2. ドイツ発低糖ワインは分子構造が小さく、体内にすぐ吸収され、血糖値を左右するぶどう糖の量を極力抑え、体内で分解される速度が比較的緩やかな果糖により「ドイツワインのおいしさ」の1つの要素である甘み成分を一定量残す事に成功したものです。
3. 製法的には、果汁を発酵させる際に、ぶどう糖の方が果糖より早くアルコール分解されるという特性を利用し、ある程度発酵が進んだ段階で遠心分離器及びフィルターによる澱引きを行い、果糖の割合を高めています。
4. 下記 基準を守ってつくられています。
■全糖リッター当り20g以下、そのうちぶどう糖は4g以下。
■酸化防止剤(亜硫酸塩)は150mg/L以下。
■アルコール度は12%以下。
■ワインとアルコールのカロリー値は、663/Lキロカロリー以下。
■総カロリーは740/Lキロカロリー以下。
(http://www.rakuten.co.jp/wadaya/138900/1863119/)
このサイトで掲示している栄養成分表示はどうやら間違っているらしいので、別のサイトでみつけた同じワインの栄養成分表示を出しておきます。
"テーニッヒャー・ザンクト・ミヒャエル・リースリング・カビネット・トロッケン"
白 やや辛口 アルコール度数 10% 産地 モーゼル 格付 カビネット
栄養成分表示<100ml当たり>
エネルギー61kcalたんぱく質0.2g 脂質0g 炭水化物2.0g ナトリウム2.2mg フラクトース0.41g グルコース0.29g
(http://www.newmenu.net/wine/detail/gekkeikan:10000093.html)
"モーゼルラント・ドルンフェルダー・トロッケン"
赤 ライトボディー アルコール度数 11% 産地 ドイツ 格付 ターフェルヴァイン
栄養成分表示<100ml当たり>
エネルギー76kcalたんぱく質0.1g 脂質 0g 炭水化物1.0g ナトリウム1.7mg フラクトース0.3g グルコース0.2g
(http://www.newmenu.net/wine/detail/gekkeikan:10000095.html)
かなり良さそうですよね?
10/03/05 Yuki
ワインの血糖上昇作用について追伸
あっと、追加です。
ワインに含まれるエリスリトールについて、
http://www.mfc.co.jp/erisuri/002.htm
技術情報|エリスリトール|主要製品紹介|三菱化学フーズ株式会社
赤ワイン 170mg/L (つまり0.017g/100ml)
白ワイン 280mg/L (つまり0.028g/100ml)
大した事ないですね。
キシリトールについては分かりませんでした。
先のコメントで、有機酸とかポリフェノールを忘れてました。これらは炭水化物として計算されてるはず。
何とか含有量が分からないかと探してみました。
栽培条件の異なるブドウ「甲州」を用いたワインの 個性化醸造技術の確立に関する研究(第3報) www.yitc.go.jp/Houkoku/data/H19/kei14.pdf 表16 38試験区のワインの各種分析結果 から
平均値(g/L)
有機酸:クエン酸0.7 酒石酸2.1 リンゴ酸1.8 コハク酸1.0 乳酸0.3 酢酸0.3(合計6.2)
糖類:ブドウ糖0.0 果糖3.8(合計3.8)
グリセリン6.5(グリセリン?!そんな物が入っていたとは知りませんでした)
これらを合計すると全部で16.5。
その内ブドウ糖、果糖以外の炭水化物が12.7。
他にタンニン、アントシアニンなどのポリフェノールが赤ワインの場合平均230mg/100ml(2.3g/L)含まれているはずなので、 おおざっぱに、糖類以外の炭水化物15g、糖類は4g、全炭水化物19g。
結局、辛口赤ワインには100ml中1g以下の糖質しか含まれておらず、その内多くが果糖、故に血糖値をほとんど上げないお酒ってことになるのでは?
10/03/05 Yuki
ワインの炭水化物カウント
ワインの炭水化物カウント
あ、糖質ポリスさんこんにちは、実はblogにお世話になってます。
どうも。
五訂増補日本食品標準成分表 [第1章]-2-2
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu3/toushin/05031802/001/002.htm
> (4) 一般成分
> 4 炭水化物
> 炭水化物は、従来同様いわゆる「差し引き法による炭水化物」すなわち、
> 水分、たんぱく質、脂質及び灰分の合計(グラム)を100グラムから
> 差し引いた値で 示した。
つまり、 水、たんぱく質、脂質、灰分、以外の物はみんなまとめて炭水化物扱い。 結局は残り物の数合わせなので、糖質、食物繊維の含有量が低い食品の場合、あんまり当てになる数字じゃなくなっていると思います。
> なお、硝酸イオン、アルコール、酢酸、タンニン、カフェイン及びテオブ
>ロミンを比較的多く含む食品や、加熱により二酸化炭素が多量に発生する
>食品 については、これらの含量も差し引いて炭水化物量を求めた。
そこで五訂日本食品標準成分表を見ると、ワインは備考欄にアルコール以外の記載がないので、有機酸、ポリフェノール、糖アルコール、その他の微量な芳香成分などひっくるめて炭水化物にカウントされている思われます。
ワインは有機酸が多いのでこれが結構な%を占めてるはず。 あと、調べてみたらグリセリンがかなり含まれてて、ちょっとびっくりしました。
www.yitc.go.jp/Houkoku/data/H19/kei14.pdf
によると、これらのワインの平均値では、グリセリンが6.5g/L、有機酸は6.2g/L。これだけでも100ml中1.3gになりますから、炭水化物カウントの過半数を占めてしまいます。
結局そういうことじゃないかと。
それに加えてポリフェノールが赤で平均0.23g/100ml、エリスリトールが0.017g/100ml。その他の微量成分の積み重ねがあって炭水化物カウントは増えるけれども、つまるところ平均的な人間が、「辛口だな~、糖分がないな~」と感じる、いわゆる辛口ワイン(含まれる糖分10g/L以下の定義で) の100m中に含まれる糖分は1g以下。
ブドウ果汁中の糖分はほぼ全部ブドウ糖と果糖です。start地点でのそれらの割合は半々。しかし、ワイン酵母はアルコール発酵に際してブドウ糖を優先的に使うので、赤だろうが白だろうがワインが辛口になるまで発酵させた場合、残糖として残るのはあらかた全部果糖になってしまいます。
したがって、トロッケン、セック、セッコなどEU法で保証された辛口スティルワインの場合、含まれるブドウ糖の量は0.5g/100ml以下(それどころかおそらく果糖の半分以下のはず。0.0g/100mlであることも多いはず。)であると確信を持って言うことができます。
そのため辛口ワインを飲んだときの血糖値上昇は更に起きにくくなっている、と。
何て素晴らしい、安心して飲めるじゃありませんか。
中口のスティルワイン(モワルー、ミルト、アマービレなど)の場合でも含まれるブドウ糖は1.5g/100ml以下ですね。ボトル一本飲んだらブドウ糖が最大で11.25g。ここまでくるとちょっとまずいかな。
結論。
ことワインに関しては炭水化物量ではなく"残糖"、を指標にしましょう。私の独断ですが、ワインに含まれる糖分以外の炭水化物(定義上の)による血糖上昇作用は、きっと、、、おそらく、、、たぶん、、、、、、無視してかまわないレベルだと思われます。(本当かな?)
江部先生、いかがでしょうか?
追伸
ワインの甘辛度による分類法(EUの場合)、見つけました。
http://blogs.dion.ne.jp/yottyokky/archives/8945908.html
(1)残糖
*残糖とは、発酵完了後あるいは人工的に発酵を中断させた時点のワイン中に残る1リットル当りの糖分のことである。EUの規定では、この残糖分の量により甘辛度が分類される。
(2)スティル・ワインの分類
※数値の重複部分はどちらの表示でも可。
*フランス
0~5g/l:ブリュット(Brut)
0~10g/l:セック(Sec)
10~20g/l:ドゥミ・セック(Demi-sec)
20~30g/l:モワルー(Moelleux)
30~40g/l:ドゥー(Doux)
40g/l~:リクルー(Liquoreux)
*ドイツ
0~10g/l:トロッケン(Trocken)
10~20g/l:ハルプトロッケン(Halptrocken)
20~30g/l:ミルト(Mild)
30~40g/l:リープリッヒ(Lieblich)
40g/l~:ズィス(S醇гs)
*イタリア
0~10g/l:セッコ(Secco)
10~20g/l:アッボカート(Abboccato)
20~30g/l:アマービレ(Amabile)
30~40g/l:ドルチェ(Dolce)
(3)スパークリング・ワインの分類
※数値の重複部分はどちらの表示でも可。
*フランス
0~3g/l:ブリュット・ナチュール(Brut Nature)
0~ 6g/l:エクストラ・ブリュット(Extra Brut)
0~15g/l:ブリュット(Brut)
12~20g/l:エクストラ・セック(Extra Sec)
17~33g/l:セック(Sec)
33~50g/l:ドゥミ・セック(Demi Sec)
50g/l~:ドゥー(Doux)
*ドイツ
0~6g/l:エクストラ・ブリュット(Extra Brut)
6~15g/l:ブリュット(Brut)
12~20g/l:エクストラ・トロッケン(Extra Trocken)
17~35g/l:トロッケン(Trocken)
35~50g/l:ハルプ・トロッケン(Halbtrocken)
50g/l~:ミルト(Mild)
*イタリア
0g/l:ドス・パセ(Dos Passe)
0~6g/l:エクストラ・ブリュット(Extra Brut)
0~15g/l:ブリュット(Brut)
12~20g/l:エクストラ・セッコ(Extra Secco)
17~35g/l:セッコ(Secco)
35~50g/l:セミ・セッコ(Semi Secco)
50g/l~:ドルチェ(Dolce)
2021年08月25日 (水)
【21/08/25 挑戦中
糖質制限食
江部先生
いつも勉強になる記事をありがとうございます。
スーパー糖質制限食で得られる改善と予防ですが、
①~⑥に加えて睡眠の質の改善(結果QOLが向上)もあるように思います。
私の実体験ですが、糖質制限を始めてから睡眠時間が3時間ほど減りました。
以前は眠りが浅く、睡眠時間は10時間がベスト、8時間はマスト。
それより短い日が続くと発熱を伴う風邪をひいていました。
どれだけ寝ても疲れていたので、体力不足への不安がありました。
それが、いまや7時間もあればすっきり。
日中の体力もあるので外出や子育ても全力で楽しめます。
睡眠時間を無理に減らしたというわけではなく、気が付けばという感じです。
長い睡眠は糖質を分解するために必要だったのでは?と思います。
先生の患者さんでもそういった方がおられるのではないでしょうか?
糖質制限は糖尿病及び合併症予防だけでなく、生活の質も上げてくれますね。
★みほこさん
私も同じような経過で境界型となったのですが、まだまだひよっこですが、
糖質制限生活は慣れると楽しいです。
案外、糖質まみれの頃の方が同じ物を食べていた気がします。
今は低糖質の食材をどう食べようか、と楽しくなってきました。
私は江部先生の「高雄病院の糖質制限給食」と「体が変わる最強の糖質制限食」に
随分助けられています。】
こんにちは。
挑戦中さんから、睡眠の質が改善したという嬉しいコメントを頂きました。
拙著のご購入、ありがとうございます。
眠りが浅いため、10時間も睡眠時間があったのが、
糖質制限食実践後、熟眠できて7時間でOKになったとは素晴らしいです。
睡眠時間は長すぎても短すぎてもよろしくないようで、
さまざまなガイドラインなどで推奨される睡眠時間を参照すると、
成人の理想的な睡眠時間として、6~9時間程度が1つの目安になるそうです。
7時間なら理想的です。
糖質制限食で、血糖値の上下動が最小限となり、心理的に安定することも
睡眠の質に良い影響を与えていると思います。
糖質制限食実践で、
ざっとあげてみても以下の様々な生活習慣病が改善します。
糖尿病
メタボリックシンドローム
肥満
肥満に伴う高血圧
アトピー性皮膚炎
花粉症
尋常性乾癬
逆流性食道炎
尋常性痤瘡
片頭痛
機能性低血糖
歯周病
潰瘍性大腸炎
こうなると、生活習慣病発症の本質は、
『糖質の頻回過剰摂取』と
それに伴う
『食後血糖値の上昇』
『血糖変動幅の増大』
『インスリンの頻回過剰分泌』
であると私は最近は考えています。
『食後血糖値の上昇』『血糖変動幅の増大』『インスリンの頻回過剰分泌』
の三者は、いずれも『酸化ストレスリスク』となります。
これらはいずれも糖質制限食で予防可能です。
近年の研究で、
酸化ストレスが、
「糖尿病合併症・動脈硬化・老化・癌・アルツハイマー病・パーキンソン病等の元凶」
とされています。
そして、酸化ストレスリスクが、糖質制限食で予防できるのであれば
「糖尿病合併症・動脈硬化・老化・癌・アルツハイマー病・パーキンソン病など」
の予防にも有効な可能性が高いのです。
糖質制限食は人類本来の食事であり、人類の健康食であり、
様々な生活習慣病の治療・予防食です。
ブログ読者の皆さん、是非スーパー糖質制限食を実践されて
健康ライフをおくって頂ければ幸いです。
江部康二
糖質制限食
江部先生
いつも勉強になる記事をありがとうございます。
スーパー糖質制限食で得られる改善と予防ですが、
①~⑥に加えて睡眠の質の改善(結果QOLが向上)もあるように思います。
私の実体験ですが、糖質制限を始めてから睡眠時間が3時間ほど減りました。
以前は眠りが浅く、睡眠時間は10時間がベスト、8時間はマスト。
それより短い日が続くと発熱を伴う風邪をひいていました。
どれだけ寝ても疲れていたので、体力不足への不安がありました。
それが、いまや7時間もあればすっきり。
日中の体力もあるので外出や子育ても全力で楽しめます。
睡眠時間を無理に減らしたというわけではなく、気が付けばという感じです。
長い睡眠は糖質を分解するために必要だったのでは?と思います。
先生の患者さんでもそういった方がおられるのではないでしょうか?
糖質制限は糖尿病及び合併症予防だけでなく、生活の質も上げてくれますね。
★みほこさん
私も同じような経過で境界型となったのですが、まだまだひよっこですが、
糖質制限生活は慣れると楽しいです。
案外、糖質まみれの頃の方が同じ物を食べていた気がします。
今は低糖質の食材をどう食べようか、と楽しくなってきました。
私は江部先生の「高雄病院の糖質制限給食」と「体が変わる最強の糖質制限食」に
随分助けられています。】
こんにちは。
挑戦中さんから、睡眠の質が改善したという嬉しいコメントを頂きました。
拙著のご購入、ありがとうございます。
眠りが浅いため、10時間も睡眠時間があったのが、
糖質制限食実践後、熟眠できて7時間でOKになったとは素晴らしいです。
睡眠時間は長すぎても短すぎてもよろしくないようで、
さまざまなガイドラインなどで推奨される睡眠時間を参照すると、
成人の理想的な睡眠時間として、6~9時間程度が1つの目安になるそうです。
7時間なら理想的です。
糖質制限食で、血糖値の上下動が最小限となり、心理的に安定することも
睡眠の質に良い影響を与えていると思います。
糖質制限食実践で、
ざっとあげてみても以下の様々な生活習慣病が改善します。
糖尿病
メタボリックシンドローム
肥満
肥満に伴う高血圧
アトピー性皮膚炎
花粉症
尋常性乾癬
逆流性食道炎
尋常性痤瘡
片頭痛
機能性低血糖
歯周病
潰瘍性大腸炎
こうなると、生活習慣病発症の本質は、
『糖質の頻回過剰摂取』と
それに伴う
『食後血糖値の上昇』
『血糖変動幅の増大』
『インスリンの頻回過剰分泌』
であると私は最近は考えています。
『食後血糖値の上昇』『血糖変動幅の増大』『インスリンの頻回過剰分泌』
の三者は、いずれも『酸化ストレスリスク』となります。
これらはいずれも糖質制限食で予防可能です。
近年の研究で、
酸化ストレスが、
「糖尿病合併症・動脈硬化・老化・癌・アルツハイマー病・パーキンソン病等の元凶」
とされています。
そして、酸化ストレスリスクが、糖質制限食で予防できるのであれば
「糖尿病合併症・動脈硬化・老化・癌・アルツハイマー病・パーキンソン病など」
の予防にも有効な可能性が高いのです。
糖質制限食は人類本来の食事であり、人類の健康食であり、
様々な生活習慣病の治療・予防食です。
ブログ読者の皆さん、是非スーパー糖質制限食を実践されて
健康ライフをおくって頂ければ幸いです。
江部康二
2021年08月24日 (火)
こんにちは。
一般に、「生のコメとかは、β化でんぷんなので、ヒトの消化管では消化・吸収されないが、コメを炊いてご飯になれば、でんぷんがα化されるので、消化・吸収できる」とされています。
しかしながら、β化でんぷんでも、ある程度消化・吸収される可能性があります。
故甲田光男先生の考案された「生菜食」は生の玄米粉と生野菜だけの摂取で、
約800kcal/日です。
生菜食で1年~2年~3年以上普通に生活しておられたかたは、
私の知る限りでも複数おられましたので、
耐糖能正常の人において、生玄米(β化でんぷん)はあるていど消化・吸収されていて、血糖値もあるていど上昇しているものと考えられます。
もしβ化でんぷんが全く消化・吸収されないなら、
通常は、「生菜食」で1~2年~3年以上生存できるとは考えにくいです。
さらに、糖尿人においては、生の玄米粉(β化でんぷん)でも
1人前摂取すると血糖値は軽く200mgアップです。
このことは、甲田光雄先生のご研究で複数例、確かめられています。
つまり糖尿人においては、β化でんぷん、α化でんぷんとかより 、
糖質の絶対量が血糖値に影響する可能性が高いです。
一方、やはり、この問題には個人差があるようで、
冷やご飯なら血糖値が上昇しない糖尿人や境界人もいるようです。
以下の秘密結社ブドゥ党の党首さん(境界型糖尿病)は、
私のちょっとした知り合いです。
この方の、各種食物と血糖値上昇に関する人体実験はとても面白いですので、
一見の価値があります。
今回の、β化でんぷんと血糖値上昇に関しては、2)3)4)が参考になります。
まあ、一個人(境界人)の実験データということは考慮にいれなくてはいけないし、
個人差もあります。
4)は党首以外の糖尿人などのデータです。
秘密結社ブドゥ党のサイト1)は、トリビア?な知識満載でとても楽しいので、
妖しい世界を探検したい読者は是非覗いて見てくださいね。(^^)
あ、良い子は覗かない方がいいかもです。( ̄_ ̄|||)
1)
秘密結社ブドゥ党
http://carbofree.jp/smbg/cold-rice2/
2)
実験A-9 神々の戦い3 ポリアフ vs 渾沌~冷やご飯は血糖値を上げない?おにぎりダイエットの真実に迫る!その1
http://www.carbofree.jp/smbg/hot-rice-cold-rice/
3)
実験A-10 神々の戦い4 スカジ vs 渾沌~ぼそぼその冷やご飯は血糖値を上げないことが分かったが、普通においしい冷やご飯はどうなのか?おにぎりダイエットの真実に迫る!その2
http://www.carbofree.jp/smbg/hot-rice-cold-rice/
4)
実験A-10 追記 冷やご飯でも血糖値上がる方がいます
http://www.carbofree.jp/smbg/cold-rice3/
江部康二
一般に、「生のコメとかは、β化でんぷんなので、ヒトの消化管では消化・吸収されないが、コメを炊いてご飯になれば、でんぷんがα化されるので、消化・吸収できる」とされています。
しかしながら、β化でんぷんでも、ある程度消化・吸収される可能性があります。
故甲田光男先生の考案された「生菜食」は生の玄米粉と生野菜だけの摂取で、
約800kcal/日です。
生菜食で1年~2年~3年以上普通に生活しておられたかたは、
私の知る限りでも複数おられましたので、
耐糖能正常の人において、生玄米(β化でんぷん)はあるていど消化・吸収されていて、血糖値もあるていど上昇しているものと考えられます。
もしβ化でんぷんが全く消化・吸収されないなら、
通常は、「生菜食」で1~2年~3年以上生存できるとは考えにくいです。
さらに、糖尿人においては、生の玄米粉(β化でんぷん)でも
1人前摂取すると血糖値は軽く200mgアップです。
このことは、甲田光雄先生のご研究で複数例、確かめられています。
つまり糖尿人においては、β化でんぷん、α化でんぷんとかより 、
糖質の絶対量が血糖値に影響する可能性が高いです。
一方、やはり、この問題には個人差があるようで、
冷やご飯なら血糖値が上昇しない糖尿人や境界人もいるようです。
以下の秘密結社ブドゥ党の党首さん(境界型糖尿病)は、
私のちょっとした知り合いです。
この方の、各種食物と血糖値上昇に関する人体実験はとても面白いですので、
一見の価値があります。
今回の、β化でんぷんと血糖値上昇に関しては、2)3)4)が参考になります。
まあ、一個人(境界人)の実験データということは考慮にいれなくてはいけないし、
個人差もあります。
4)は党首以外の糖尿人などのデータです。
秘密結社ブドゥ党のサイト1)は、トリビア?な知識満載でとても楽しいので、
妖しい世界を探検したい読者は是非覗いて見てくださいね。(^^)
あ、良い子は覗かない方がいいかもです。( ̄_ ̄|||)
1)
秘密結社ブドゥ党
http://carbofree.jp/smbg/cold-rice2/
2)
実験A-9 神々の戦い3 ポリアフ vs 渾沌~冷やご飯は血糖値を上げない?おにぎりダイエットの真実に迫る!その1
http://www.carbofree.jp/smbg/hot-rice-cold-rice/
3)
実験A-10 神々の戦い4 スカジ vs 渾沌~ぼそぼその冷やご飯は血糖値を上げないことが分かったが、普通においしい冷やご飯はどうなのか?おにぎりダイエットの真実に迫る!その2
http://www.carbofree.jp/smbg/hot-rice-cold-rice/
4)
実験A-10 追記 冷やご飯でも血糖値上がる方がいます
http://www.carbofree.jp/smbg/cold-rice3/
江部康二
2021年08月23日 (月)
【21/08/22 みほこ
75g糖負荷試験から読み取れることを教えてください
江部先生
はじめまして。
コメントをもし読んでくだされば幸いです。
妊娠糖尿病にかかり、出産までインスリンを打っていました。出産日でインスリンストップです。
産後3ヶ月経過した頃に、75g糖負荷試験を再度行いました。
結果が下記です。
読み取れることとして今後注意すべきことや、私はインスリンの出が少ないのか、
食後高血糖なのかなど、答えられる答えられない範囲があるのかもしれませんが、
可能な範囲で大丈夫ですのでお応えくださればとても幸いです。
ヘモグロビンa1c 6.0
75gブドウ糖摂取前90(インスリン2.6)
30分後167(インスリン17.9)
1時間後237(インスリン24.2)
2時間後244(インスリン63.3)
以上でした。】
みほこさんから、
75g経口ブドウ糖負荷試験データをコメント頂きました。
今回はとその結果と見方について、考察してみます。
75g経口ブドウ糖負荷試験のデータでは、
①2時間後244mg/dlと、200を超えているので、<糖尿病型>です。
2時間後血糖値が140mg/dl未満は正常型、
2時間後血糖値が140~200mg/dl未満は境界型、
2時間後血糖値が200mg/dl以上は糖尿病型です。
②インスリンは分泌されていますが、遷延するタイプです。
2時間後のインスリンが最も多く分泌されているので、
インスリン分泌が遅延・遷延するタイプです。
糖尿病の場合は、このようなタイプが多いです。
このタイプは、昼食後の夕方17~18時頃に「機能性低血糖」
になりやすいので注意が必要です。
③HOMA-R:0.58と正常で、インスリン抵抗性なしです。
1.6以下が正常、2.5以上は抵抗性ありです
④HOMA-β:34.7
正常値:40-60
ですので、少しインスリン分泌能力が低めです。
⑤インスリン分泌指数:0.2・・・0.4以上が正常なので2型糖尿病パターンです。
①②④⑤を考慮すると、このままだと糖尿病になってしまいます。
糖質制限食実践で、血糖コントロール良好を保って、糖尿病発症を予防しましょう。
可能ならば、スーパー糖質制限食実践が良いです。
産婦人科医の宗田哲男先生のご研究では、
糖質制限食で妊娠糖尿病が治った例が多数あります。
江部康二
インスリン分泌指標
HOMA-β
<HOMA-β=360×空腹時インスリン値(μU/mL)/(空腹時血糖値(mg/dL)-63)>
空腹時の検査であるが経口血糖負荷試験時の2時間値のインスリン分泌量と、よく相関する。
空腹時血糖値130mg以下なら信頼度高い。
正常値:40-60
30%以下は軽度、15%以下は顕著なインスリン分泌低下。
インスリン使用中の患者には使えない。
インスリン分泌指数
インスリン追加分泌のうち初期追加分泌能はインスリン分泌指数で見る。
Insulinogenic index(⊿IRI/⊿BS)
=(負荷後30分IRI値-負荷前IRI値)/ (負荷後30分血糖値-負荷前血糖値)
0.4以上は初期追加分泌能維持。2型では0.3以下が多い。
Cペプタイド
通常は、血液中のインスリン(IRI)そのものを測定しますが、
インスリン注射中の糖尿人は、C-ペプタイド(CPR)というものを調べます。
IRIの測定は、注射したインスリンの影響を受けますので不正確になりますが、
CPRの方は、外から注射したインスリンとは無関係の、
内因性インスリンの分泌状態を示しています。
早朝空腹時血中CPRを測定することで、
インスリンの基礎分泌能力がわかります。
蓄尿して一日尿中のCPRを測定することは、
一日の内因性インスリン分泌総量(基礎分泌+追加分泌)の指標となります。
SUIT指数
空腹時CPR(ng/ml)×1485/<空腹時血糖値(mg/dl)-61.8>
50%以下は軽度、20%以下は顕著なインスリン分泌低下。
30%以下だとインスリン治療が必要。
Cペプチドインデックス(CPI)
空腹時CPR(ng/ml)×100/空腹時血糖値(mg/dl)
1.2以上は正常。0.8以下でインスリン分泌低下。
1.2以上の場合は食事や経口薬治療、0.8未満の場合はインスリン療法を選択。
空腹時血糖値140mg/dl以上なら、CPIのほうが、HOMA-βやSUIT指数より信頼度が高い。
インスリン抵抗性指標 HOMA-R
<HOMA-R=空腹時血糖値(mg/dL)×空腹時インスリン値(μU/mL)/405 >
1.6以下が正常、2.5以上は抵抗性あり。
空腹時血糖値140mg以下なら信頼度高い。
75g糖負荷試験から読み取れることを教えてください
江部先生
はじめまして。
コメントをもし読んでくだされば幸いです。
妊娠糖尿病にかかり、出産までインスリンを打っていました。出産日でインスリンストップです。
産後3ヶ月経過した頃に、75g糖負荷試験を再度行いました。
結果が下記です。
読み取れることとして今後注意すべきことや、私はインスリンの出が少ないのか、
食後高血糖なのかなど、答えられる答えられない範囲があるのかもしれませんが、
可能な範囲で大丈夫ですのでお応えくださればとても幸いです。
ヘモグロビンa1c 6.0
75gブドウ糖摂取前90(インスリン2.6)
30分後167(インスリン17.9)
1時間後237(インスリン24.2)
2時間後244(インスリン63.3)
以上でした。】
みほこさんから、
75g経口ブドウ糖負荷試験データをコメント頂きました。
今回はとその結果と見方について、考察してみます。
75g経口ブドウ糖負荷試験のデータでは、
①2時間後244mg/dlと、200を超えているので、<糖尿病型>です。
2時間後血糖値が140mg/dl未満は正常型、
2時間後血糖値が140~200mg/dl未満は境界型、
2時間後血糖値が200mg/dl以上は糖尿病型です。
②インスリンは分泌されていますが、遷延するタイプです。
2時間後のインスリンが最も多く分泌されているので、
インスリン分泌が遅延・遷延するタイプです。
糖尿病の場合は、このようなタイプが多いです。
このタイプは、昼食後の夕方17~18時頃に「機能性低血糖」
になりやすいので注意が必要です。
③HOMA-R:0.58と正常で、インスリン抵抗性なしです。
1.6以下が正常、2.5以上は抵抗性ありです
④HOMA-β:34.7
正常値:40-60
ですので、少しインスリン分泌能力が低めです。
⑤インスリン分泌指数:0.2・・・0.4以上が正常なので2型糖尿病パターンです。
①②④⑤を考慮すると、このままだと糖尿病になってしまいます。
糖質制限食実践で、血糖コントロール良好を保って、糖尿病発症を予防しましょう。
可能ならば、スーパー糖質制限食実践が良いです。
産婦人科医の宗田哲男先生のご研究では、
糖質制限食で妊娠糖尿病が治った例が多数あります。
江部康二
インスリン分泌指標
HOMA-β
<HOMA-β=360×空腹時インスリン値(μU/mL)/(空腹時血糖値(mg/dL)-63)>
空腹時の検査であるが経口血糖負荷試験時の2時間値のインスリン分泌量と、よく相関する。
空腹時血糖値130mg以下なら信頼度高い。
正常値:40-60
30%以下は軽度、15%以下は顕著なインスリン分泌低下。
インスリン使用中の患者には使えない。
インスリン分泌指数
インスリン追加分泌のうち初期追加分泌能はインスリン分泌指数で見る。
Insulinogenic index(⊿IRI/⊿BS)
=(負荷後30分IRI値-負荷前IRI値)/ (負荷後30分血糖値-負荷前血糖値)
0.4以上は初期追加分泌能維持。2型では0.3以下が多い。
Cペプタイド
通常は、血液中のインスリン(IRI)そのものを測定しますが、
インスリン注射中の糖尿人は、C-ペプタイド(CPR)というものを調べます。
IRIの測定は、注射したインスリンの影響を受けますので不正確になりますが、
CPRの方は、外から注射したインスリンとは無関係の、
内因性インスリンの分泌状態を示しています。
早朝空腹時血中CPRを測定することで、
インスリンの基礎分泌能力がわかります。
蓄尿して一日尿中のCPRを測定することは、
一日の内因性インスリン分泌総量(基礎分泌+追加分泌)の指標となります。
SUIT指数
空腹時CPR(ng/ml)×1485/<空腹時血糖値(mg/dl)-61.8>
50%以下は軽度、20%以下は顕著なインスリン分泌低下。
30%以下だとインスリン治療が必要。
Cペプチドインデックス(CPI)
空腹時CPR(ng/ml)×100/空腹時血糖値(mg/dl)
1.2以上は正常。0.8以下でインスリン分泌低下。
1.2以上の場合は食事や経口薬治療、0.8未満の場合はインスリン療法を選択。
空腹時血糖値140mg/dl以上なら、CPIのほうが、HOMA-βやSUIT指数より信頼度が高い。
インスリン抵抗性指標 HOMA-R
<HOMA-R=空腹時血糖値(mg/dL)×空腹時インスリン値(μU/mL)/405 >
1.6以下が正常、2.5以上は抵抗性あり。
空腹時血糖値140mg以下なら信頼度高い。
2021年08月22日 (日)
こんにちは。
新型コロナ感染症が猛威を振るっています。
現行のワクチンは、デルタ株に関しては、
感染予防や発症予防は困難であり、重症化のリスクを防ぐだけです。
従って、ワクチンの接種が進んでも、新型コロナの流行を防ぐことは困難です。
2021年5月から8月の東京都の新規感染者数を年代別の比率で見てみると、
20歳未満が15.2%、20~30代が51%、40~50代が27.4%、
60歳以上が6.4%を占めています。
20~30代が半数以上を占めていて、60歳以上は僅か6.4%です。
これだけ極端な差があるのは、行動様式の違いが大きな要因と考えられます。
つまるところ、マスクなしの会食とマスクなしの会話が、
最も感染リスクの高い行動歴と言えます。
①マスクをし、手洗いをし、三密(密閉、密集、密接)を避ける。
②複数人数で会食やカラオケをしない。
③自宅でも複数人数での会食やカラオケもしない。
④スポーツジムなどでも、マスクなしの会話はしない。
⑤腸管にウイルスが多いので、トイレを流す時は便座のフタを閉めて流す。
これで、9割以上、各個人の新型コロナウイルス感染予防は可能です。
60歳以上は僅か6.4%と少ないのは、
①②③が確実に守られているからと考えられます。
行動様式に関して、興味深い記事がヤフーニュースに掲載されました。
非常に参考になります。
結局、今まで知られていなかった未知の感染経路があるのではなく、
知識不足により、①②③が若者において守られていないことが
感染拡大に繋がっていると思われます。
江部康二
以下の青字の記載はその要約です。
【2021年8月22日(日)
フジテレビ系ニュースサイト「FNNプライムオンライン」
https://news.yahoo.co.jp/articles/8755fe45478a72aa19d35ef3ed03e469d0a370ad
「感染経路不明」患者の約6割に“感染リスクの高い行動歴”
…どんな行動? 調査した医師に聞いた
新型コロナウイルスの新規感染者数を伝えるニュースでたびたび示される「感染経路不明」というワード。
国立研究開発法人「国立国際医療研究センター」によると、新型コロナウイルスの積極的疫学調査の結果では「感染経路不明」と判定される事例が多く、
効果的な感染対策を行うにはこの経路を明らかにする必要があるのだといいます。 こうした中で同センターは8月10日、「新型コロナウイルス感染症新規患者数増加の裏にある、追えていない感染経路を見いだす質的研究」の結果を公表しました。 今回の研究のもとになった調査は、新型コロナウイルスの第4波と第5波の間である、2021年5月22日~6月29日に行われました。
調査の対象は、国立国際医療研究センター病院に入院した20歳以上の新型コロナウイルス感染症の患者43人です。
このうち、感染経路が明らかではない22人から、発症前の行動歴を詳しく聞き取りました。 22人の内訳は男性17人、女性5人。調査の結果、22人のうち、14人(64%)に感染リスクの高い行動歴があったといいます。 行動歴・接触歴を解析したところ、感染リスクの高い場面は延べ24あり、このうち21場面(88%)が飲食関連、22場面(92%)ではマスクが着用されていませんでした。 また、感染に関与しうると考えられた患者の考えや信念に関しては、
「仕事の後であれば、職員同士でマスクなしで話しても大丈夫だろう」「外食が感染のリスクだとは知らなかった」などが挙げられた、としています。
そのうえで、「これまで見つかっていなかった新規の感染経路を見いだすことはできなかった」と結論付けました。 新規の感染経路を見い出せなかったということすが、では今回の調査結果を踏まえ、どのような感染対策が必要なのか? 今後の感染対策の課題について、国立国際医療研究センター病院・国際感染症センター総合感染症科の森岡慎一郎医師に話を聞きました。
「感染経路不明」と判定される事例が多い理由は2つ
――今回の調査の背景は? 従来の知見からは、新型コロナウイルス感染症においては未知の感染経路があり、流行の波と波の間にはこれらの感染経路を通じて感染が水面下で持続し、
その後の感染者数急増への原因となっている可能性が指摘されていました。 そこで第4波において、新規陽性患者数が減少傾向となった時期(職場、学校、施設、家庭内での感染が少ない時期)に、新規感染者の感染経路を探索的に調査しました。 ――新型コロナウイルス感染症の積極的疫学調査の結果では「感染経路不明」と判定される事例が多い。これはなぜ? 理由は2点あると考えています。 1点目は、新型コロナウイルス感染症関連での保健所の業務負担が大きく、保健所が詳細に感染者から行動歴を問診することが困難であることです。 2点目は、患者さんの中には、保健所などの行政には感染経路を話さないが、医療従事者に対しては打ち明ける方が一定数いらっしゃることです。
https://news.yahoo.co.jp/articles/8755fe45478a72aa19d35ef3ed03e469d0a370ad?page=2
飲食や知識不足が関係
――感染経路を追うことは感染対策につながる?
感染経路を追い、啓発することで、国民の感染対策の向上に寄与する可能性はあると考えています。
――調査結果を踏まえ、今後の感染対策の課題は? この調査では、これまでに見つかっていなかった新たな感染経路が明らかになったわけではなく、むしろ感染には飲食がやはり多くの事例で関係していることが分かりました。
また、感染防止に対する意識付けや十分な知識が不足していることも分かりました。
これらが感染拡大を助長する可能性があり、今後、解決すべき課題です。 新型コロナウイルスの第4波と第5波の間に行われた今回の調査では、感染には飲食が関係した事例が多く、感染防止に対する十分な知識が不足していることが分かっている。
今後も感染防止に対する情報の周知徹底が必要ということなのかもしれない。】
新型コロナ感染症が猛威を振るっています。
現行のワクチンは、デルタ株に関しては、
感染予防や発症予防は困難であり、重症化のリスクを防ぐだけです。
従って、ワクチンの接種が進んでも、新型コロナの流行を防ぐことは困難です。
2021年5月から8月の東京都の新規感染者数を年代別の比率で見てみると、
20歳未満が15.2%、20~30代が51%、40~50代が27.4%、
60歳以上が6.4%を占めています。
20~30代が半数以上を占めていて、60歳以上は僅か6.4%です。
これだけ極端な差があるのは、行動様式の違いが大きな要因と考えられます。
つまるところ、マスクなしの会食とマスクなしの会話が、
最も感染リスクの高い行動歴と言えます。
①マスクをし、手洗いをし、三密(密閉、密集、密接)を避ける。
②複数人数で会食やカラオケをしない。
③自宅でも複数人数での会食やカラオケもしない。
④スポーツジムなどでも、マスクなしの会話はしない。
⑤腸管にウイルスが多いので、トイレを流す時は便座のフタを閉めて流す。
これで、9割以上、各個人の新型コロナウイルス感染予防は可能です。
60歳以上は僅か6.4%と少ないのは、
①②③が確実に守られているからと考えられます。
行動様式に関して、興味深い記事がヤフーニュースに掲載されました。
非常に参考になります。
結局、今まで知られていなかった未知の感染経路があるのではなく、
知識不足により、①②③が若者において守られていないことが
感染拡大に繋がっていると思われます。
江部康二
以下の青字の記載はその要約です。
【2021年8月22日(日)
フジテレビ系ニュースサイト「FNNプライムオンライン」
https://news.yahoo.co.jp/articles/8755fe45478a72aa19d35ef3ed03e469d0a370ad
「感染経路不明」患者の約6割に“感染リスクの高い行動歴”
…どんな行動? 調査した医師に聞いた
新型コロナウイルスの新規感染者数を伝えるニュースでたびたび示される「感染経路不明」というワード。
国立研究開発法人「国立国際医療研究センター」によると、新型コロナウイルスの積極的疫学調査の結果では「感染経路不明」と判定される事例が多く、
効果的な感染対策を行うにはこの経路を明らかにする必要があるのだといいます。 こうした中で同センターは8月10日、「新型コロナウイルス感染症新規患者数増加の裏にある、追えていない感染経路を見いだす質的研究」の結果を公表しました。 今回の研究のもとになった調査は、新型コロナウイルスの第4波と第5波の間である、2021年5月22日~6月29日に行われました。
調査の対象は、国立国際医療研究センター病院に入院した20歳以上の新型コロナウイルス感染症の患者43人です。
このうち、感染経路が明らかではない22人から、発症前の行動歴を詳しく聞き取りました。 22人の内訳は男性17人、女性5人。調査の結果、22人のうち、14人(64%)に感染リスクの高い行動歴があったといいます。 行動歴・接触歴を解析したところ、感染リスクの高い場面は延べ24あり、このうち21場面(88%)が飲食関連、22場面(92%)ではマスクが着用されていませんでした。 また、感染に関与しうると考えられた患者の考えや信念に関しては、
「仕事の後であれば、職員同士でマスクなしで話しても大丈夫だろう」「外食が感染のリスクだとは知らなかった」などが挙げられた、としています。
そのうえで、「これまで見つかっていなかった新規の感染経路を見いだすことはできなかった」と結論付けました。 新規の感染経路を見い出せなかったということすが、では今回の調査結果を踏まえ、どのような感染対策が必要なのか? 今後の感染対策の課題について、国立国際医療研究センター病院・国際感染症センター総合感染症科の森岡慎一郎医師に話を聞きました。
「感染経路不明」と判定される事例が多い理由は2つ
――今回の調査の背景は? 従来の知見からは、新型コロナウイルス感染症においては未知の感染経路があり、流行の波と波の間にはこれらの感染経路を通じて感染が水面下で持続し、
その後の感染者数急増への原因となっている可能性が指摘されていました。 そこで第4波において、新規陽性患者数が減少傾向となった時期(職場、学校、施設、家庭内での感染が少ない時期)に、新規感染者の感染経路を探索的に調査しました。 ――新型コロナウイルス感染症の積極的疫学調査の結果では「感染経路不明」と判定される事例が多い。これはなぜ? 理由は2点あると考えています。 1点目は、新型コロナウイルス感染症関連での保健所の業務負担が大きく、保健所が詳細に感染者から行動歴を問診することが困難であることです。 2点目は、患者さんの中には、保健所などの行政には感染経路を話さないが、医療従事者に対しては打ち明ける方が一定数いらっしゃることです。
https://news.yahoo.co.jp/articles/8755fe45478a72aa19d35ef3ed03e469d0a370ad?page=2
飲食や知識不足が関係
――感染経路を追うことは感染対策につながる?
感染経路を追い、啓発することで、国民の感染対策の向上に寄与する可能性はあると考えています。
――調査結果を踏まえ、今後の感染対策の課題は? この調査では、これまでに見つかっていなかった新たな感染経路が明らかになったわけではなく、むしろ感染には飲食がやはり多くの事例で関係していることが分かりました。
また、感染防止に対する意識付けや十分な知識が不足していることも分かりました。
これらが感染拡大を助長する可能性があり、今後、解決すべき課題です。 新型コロナウイルスの第4波と第5波の間に行われた今回の調査では、感染には飲食が関係した事例が多く、感染防止に対する十分な知識が不足していることが分かっている。
今後も感染防止に対する情報の周知徹底が必要ということなのかもしれない。】
2021年08月21日 (土)
こんばんは。
日本糖質制限医療推進協会のYouTubeチャンネルで、
動画「ドクター江部の糖質オフ!健康トーク」の配信を始めました。
今回は、
ドクター江部の糖質オフ!健康トーク
▼ vol.5『インスリンの役割と問題点』
https://youtu.be/GnIskFRK_uA
です。
夏らしいシャツで登場してまして、
よく聞くと背景にセミの声が聞こえますよ。
インスリンは、生命の維持に必須の重要なホルモンです。
インスリンの発見以前は、
インスリン分泌のできない1型糖尿病の余命は半年でした。
それが、インスリン注射により長期にわたり生存可能となりました。
一方、インスリンは、別名肥満ホルモンと呼ばれます。
過剰なインスリンは活性酸素を発生させ酸化ストレスとなり、
がん・肥満・動脈硬化・糖尿病合併症・老化・アルツハイマ-病などの元凶となります。
糖質制限食実践により、過剰なインスリン分泌が予防できるので、
これらの病気も予防できます。
糖尿病のことをほとんどご存知ない方でも理解できるような
とてもわかりやすい内容となっています。
糖尿病は日本のみならず世界的に増えています。
厚生労働省の2016年の調査によれば糖尿病が疑われる成人の推計が
1,000万人となっています。
糖尿病合併症が毎年、
人工透析16000人以上、失明3000人以上、 足切断3000人以上/年
発生しています。
合併症を予防できるのは、糖質制限食だけです。
現行の糖尿病食(カロリー制限・高糖質食)では、上述のような
合併症のオンパレードです。
誠に遺憾ながら、現行の糖尿病食は、
『合併症製造食』としか言いようがありません。
ドクター江部の糖質オフ!健康トーク
▼ vol.1『糖質制限食と新型コロナ』 2021年03月25日 (木)
https://www.youtube.com/watch?v=YcpCTJQakeY&t=8s
▼ vol.2『糖質制限食とは』 2021年04月08日 (木)
https://www.youtube.com/watch?v=VLyBDm9zOv8
▼ vol.3『糖尿病とは』2021年05月23日 (日)
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-5620.html
▼ vol.4『血糖値について』2021年7月15日 (木)
https://www.youtube.com/watch?v=P1tNrNWZ6bs&t=4s
是非、ご視聴頂ければ幸いです。
江部康二
以下、事務局からのお知らせです。
*********
ブログ読者の皆様、弊会のYouTube動画を多数ご覧いただいておりまして、ありがとうございます。
江部理事長による動画「ドクター江部の糖質オフ!健康トーク
vol.5」の配信をご案内申し上げます。
今回は、血糖値を下げる唯一のホルモンである「インスリン」について、その役割と過剰な場合の問題点などを解説しております。
よろしければ是非ご覧くださいませ。
*季節と立地の関係で、今回の背景(音声)には蝉しぐれが入っております。ご容赦下さい。
ドクター江部の糖質オフ!健康トーク
▼ vol.5『インスリンの役割と問題点』
https://youtu.be/GnIskFRK_uA
▼協会YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCdh9uz2_XnhDyJj9pHDDW1A
一般社団法人 日本糖質制限医療推進協会
https://www.toushitsuseigen.or.jp/
*********
日本糖質制限医療推進協会のYouTubeチャンネルで、
動画「ドクター江部の糖質オフ!健康トーク」の配信を始めました。
今回は、
ドクター江部の糖質オフ!健康トーク
▼ vol.5『インスリンの役割と問題点』
https://youtu.be/GnIskFRK_uA
です。
夏らしいシャツで登場してまして、
よく聞くと背景にセミの声が聞こえますよ。
インスリンは、生命の維持に必須の重要なホルモンです。
インスリンの発見以前は、
インスリン分泌のできない1型糖尿病の余命は半年でした。
それが、インスリン注射により長期にわたり生存可能となりました。
一方、インスリンは、別名肥満ホルモンと呼ばれます。
過剰なインスリンは活性酸素を発生させ酸化ストレスとなり、
がん・肥満・動脈硬化・糖尿病合併症・老化・アルツハイマ-病などの元凶となります。
糖質制限食実践により、過剰なインスリン分泌が予防できるので、
これらの病気も予防できます。
糖尿病のことをほとんどご存知ない方でも理解できるような
とてもわかりやすい内容となっています。
糖尿病は日本のみならず世界的に増えています。
厚生労働省の2016年の調査によれば糖尿病が疑われる成人の推計が
1,000万人となっています。
糖尿病合併症が毎年、
人工透析16000人以上、失明3000人以上、 足切断3000人以上/年
発生しています。
合併症を予防できるのは、糖質制限食だけです。
現行の糖尿病食(カロリー制限・高糖質食)では、上述のような
合併症のオンパレードです。
誠に遺憾ながら、現行の糖尿病食は、
『合併症製造食』としか言いようがありません。
ドクター江部の糖質オフ!健康トーク
▼ vol.1『糖質制限食と新型コロナ』 2021年03月25日 (木)
https://www.youtube.com/watch?v=YcpCTJQakeY&t=8s
▼ vol.2『糖質制限食とは』 2021年04月08日 (木)
https://www.youtube.com/watch?v=VLyBDm9zOv8
▼ vol.3『糖尿病とは』2021年05月23日 (日)
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-5620.html
▼ vol.4『血糖値について』2021年7月15日 (木)
https://www.youtube.com/watch?v=P1tNrNWZ6bs&t=4s
是非、ご視聴頂ければ幸いです。
江部康二
以下、事務局からのお知らせです。
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ブログ読者の皆様、弊会のYouTube動画を多数ご覧いただいておりまして、ありがとうございます。
江部理事長による動画「ドクター江部の糖質オフ!健康トーク
vol.5」の配信をご案内申し上げます。
今回は、血糖値を下げる唯一のホルモンである「インスリン」について、その役割と過剰な場合の問題点などを解説しております。
よろしければ是非ご覧くださいませ。
*季節と立地の関係で、今回の背景(音声)には蝉しぐれが入っております。ご容赦下さい。
ドクター江部の糖質オフ!健康トーク
▼ vol.5『インスリンの役割と問題点』
https://youtu.be/GnIskFRK_uA
▼協会YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCdh9uz2_XnhDyJj9pHDDW1A
一般社団法人 日本糖質制限医療推進協会
https://www.toushitsuseigen.or.jp/
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2021年08月20日 (金)
【日付 名前
21/08/19 中嶋一雄
イベルメクチンの治験
治験結果踏まえ迅速審査、厚労省: 抗寄生虫薬イベルメクチン
https://nordot.app/800589299307397120?c=39546741839462401】
こんにちは。
中嶋一雄先生から、耳よりな情報をコメント頂きました。
ありがどうございます。
以下の緑文字は、共同通信社の記事の要約です。
【治験結果踏まえ迅速審査、厚労省
抗寄生虫薬イベルメクチン
2021/8/18 15:46 (JST)8/18 16:55 (JST)updated
©一般社団法人共同通信社
厚生労働省の山本史官房審議官は18日の衆院内閣委員会閉会中審査で、
新型コロナウイルス感染症の患者を対象にした抗寄生虫薬「イベルメクチン」の使用に関し「治験結果を踏まえ、今後承認申請がされた場合には、優先かつ迅速に審査が行われる」と指摘した。
同時に「有効性、安全性が確認された治療が、できるだけ早期に実用化し、国民に供給されることを目指して取り組みたい」と述べた。
自民党の冨岡勉氏が「効果があり副作用が少ない」と積極的活用を求めたのに答えた。
この後、立憲民主、共産、日本維新の会、国民民主の各党も質問に立つ。】
やっとというか、遅ればせながら、
厚生労働省の山本史官房審議官が、
衆院内閣委員会閉会中審査で、
2021年8月18日、
「イベルメクチンの治験結果を踏まえて、
承認申請がされた場合は、優先的かつ迅速に審査する」と指摘しました。
イベルメクチン承認に関して、ずっと消極的姿勢であった厚生労働省ですから、
大きな転換であり、朗報と言えます。
臨床試験が適切に実施されれば、
新型コロナウイルス感染症に対するイベルメクチンの有効性は
証明されると思います。
既に2021年2月9日、東京都医師会が、
新型コロナ感染症の治療薬として、イベルメクチンを承認するよう
厚生労働省に要求していました。
【日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFB25AAL0V20C21A1000000/
東京都医師会、イベルメクチン投与を提言 重症化予防で
新型コロナ
2021年2月9日 19:10
投薬で重症化予防ができると強調した(東京都千代田区)
東京都医師会の尾崎治夫会長は9日の記者会見で、新型コロナウイルスの感染拡大に対応するため、
主に自宅療養者の重症化を防ぐ狙いで薬剤の緊急使用を提言した。・・・】
東京都医師会の尾崎治夫会長は、
「これまで世界で発表されているイベルメクチンの臨床試験の論文を読むと、
予防にも治療にも効いている例が多数出ています。」
「中南米、アジアなどを中心にイベルメクチンがコロナの予防・治療に効いているという論文が多数出ていることは承知しています。次々と発症する患者の対応に迫られるが有効な治療薬もない。ワクチンは間に合わない。そういう差し迫ったときに、イベルメクチンがコロナに効いているという論文が出ているのだから、これを使ってみようと思うのは臨床医としては当たり前の対応です。医師主導の臨床試験論文が多数出てきたのは、そういう事情があったからです」
と述べています。
厚生労働省が、新型コロナ感染症に対して、イベルメクチン内服治療を承認したなら、
我々、第一線の臨床医も、大変使いやすくなります。
そして、自宅待機中の新型コロナ感染患者さんにイベルメクチンを処方するようになれば
死亡者や重症者は激減すると思います。
速やかな承認をおおいに期待します。
江部康二
21/08/19 中嶋一雄
イベルメクチンの治験
治験結果踏まえ迅速審査、厚労省: 抗寄生虫薬イベルメクチン
https://nordot.app/800589299307397120?c=39546741839462401】
こんにちは。
中嶋一雄先生から、耳よりな情報をコメント頂きました。
ありがどうございます。
以下の緑文字は、共同通信社の記事の要約です。
【治験結果踏まえ迅速審査、厚労省
抗寄生虫薬イベルメクチン
2021/8/18 15:46 (JST)8/18 16:55 (JST)updated
©一般社団法人共同通信社
厚生労働省の山本史官房審議官は18日の衆院内閣委員会閉会中審査で、
新型コロナウイルス感染症の患者を対象にした抗寄生虫薬「イベルメクチン」の使用に関し「治験結果を踏まえ、今後承認申請がされた場合には、優先かつ迅速に審査が行われる」と指摘した。
同時に「有効性、安全性が確認された治療が、できるだけ早期に実用化し、国民に供給されることを目指して取り組みたい」と述べた。
自民党の冨岡勉氏が「効果があり副作用が少ない」と積極的活用を求めたのに答えた。
この後、立憲民主、共産、日本維新の会、国民民主の各党も質問に立つ。】
やっとというか、遅ればせながら、
厚生労働省の山本史官房審議官が、
衆院内閣委員会閉会中審査で、
2021年8月18日、
「イベルメクチンの治験結果を踏まえて、
承認申請がされた場合は、優先的かつ迅速に審査する」と指摘しました。
イベルメクチン承認に関して、ずっと消極的姿勢であった厚生労働省ですから、
大きな転換であり、朗報と言えます。
臨床試験が適切に実施されれば、
新型コロナウイルス感染症に対するイベルメクチンの有効性は
証明されると思います。
既に2021年2月9日、東京都医師会が、
新型コロナ感染症の治療薬として、イベルメクチンを承認するよう
厚生労働省に要求していました。
【日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFB25AAL0V20C21A1000000/
東京都医師会、イベルメクチン投与を提言 重症化予防で
新型コロナ
2021年2月9日 19:10
投薬で重症化予防ができると強調した(東京都千代田区)
東京都医師会の尾崎治夫会長は9日の記者会見で、新型コロナウイルスの感染拡大に対応するため、
主に自宅療養者の重症化を防ぐ狙いで薬剤の緊急使用を提言した。・・・】
東京都医師会の尾崎治夫会長は、
「これまで世界で発表されているイベルメクチンの臨床試験の論文を読むと、
予防にも治療にも効いている例が多数出ています。」
「中南米、アジアなどを中心にイベルメクチンがコロナの予防・治療に効いているという論文が多数出ていることは承知しています。次々と発症する患者の対応に迫られるが有効な治療薬もない。ワクチンは間に合わない。そういう差し迫ったときに、イベルメクチンがコロナに効いているという論文が出ているのだから、これを使ってみようと思うのは臨床医としては当たり前の対応です。医師主導の臨床試験論文が多数出てきたのは、そういう事情があったからです」
と述べています。
厚生労働省が、新型コロナ感染症に対して、イベルメクチン内服治療を承認したなら、
我々、第一線の臨床医も、大変使いやすくなります。
そして、自宅待機中の新型コロナ感染患者さんにイベルメクチンを処方するようになれば
死亡者や重症者は激減すると思います。
速やかな承認をおおいに期待します。
江部康二
2021年08月19日 (木)
こんにちは。
今回の記事は、1型糖尿病と食事療法 その2です。
成人で糖質制限食がつらくなければ、
バーンスタイン医師と同様にスーパー糖質制限食が、一番のお奨めです。
人類約700万年間の歴史で、農耕以前の700万年は、人類みんな糖質制限食ですので、
本来の食生活に戻るということです。
スーパー糖質制限食だと、「毎食前の超速効型インスリン(追加分泌インスリンの代わり)」は量的に1/3以下に減らせることが多いです。
「約24時間持続型インスリン(基礎分泌インスリンの代わり)」は同量の場合もあれば、
1/2程度まで減らせることもあります。
ただ1型糖尿病は小児期の発症が多く、学校での給食等もあり、
糖質制限食が困難な場合もあります。
その場合は糖質管理食で良いと思います。
糖質管理食では、摂取する糖質量に応じて、食前のインスリンの単位を調整します。
小児の1型糖尿病は、家にいる時は、糖質制限食でインスリンの量を減らす、
給食時はインスリンの量を増やして糖質管理食的に摂取する、
というようなパターンも有効かと思われます。
インスリンの量は、少なくてすむほど血糖コントロールも良くなりますし、
身体への影響は少ないので、工夫してみる価値はあるでしょう。
過剰のインスリンは酸化ストレスとなり、
がん、老化、動脈硬化、肥満、アルツハイマー病などのリスクとなります。
カロリー計算だけに頼って、インスリンの量を決めるのは、
食後血糖値の予測が不可能ですので危険です。
1型糖尿病は、血糖値が乱高下するというように言われていますが、
これは血糖値を直接上昇させる糖質摂取量の計算をしないからそうなるのです。
糖尿病専門医の先生方も1型糖尿病患者さんに対して、
血糖値乱高下を避けるために糖質制限食は無理でも、
せめて糖質管理食は導入して欲しいものです。
江部康二
以下の青字の記載は、中嶋一雄先生の、糖尿病学会誌に掲載された論文です。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/tonyobyo/61/11/61_787/_article/-char/ja/
編集者への手紙
1 型糖尿病患者における糖質制限について
中嶋 一雄
Key words:1 型糖尿病,食事療法
〔糖尿病 61(11):787~788,2018〕
近年糖尿病の食事療法に糖質制限食が注目され,米国のジョスリン糖尿病センターでは,2004 年より食事療法勧告において炭水化物を 40 %エネルギーと定めている1).
米国糖尿病学会は 2013 年 10 月より,食事療法においてあらゆる栄養素比率を選択することが可能であるとの見解を出した2).
本誌 60 巻 6 号に「厳密な糖質制限と持効型溶解インスリン 1 回法を約 15 年継続している罹病歴 33 年の 1型糖尿病の 1 例」と題する症例報告3)が掲載された.日本糖尿病学会により推奨される食事療法(炭水化物 50-60 %)を摂取し必要なインスリンを追加することが標準的な糖尿病の治療であり推奨することを説明したとある.一方,1 型糖尿病における糖質制限については統一見解には至っていないと思われる.
1 型糖尿病とてんかんの合併例に,超低炭水化物食であるケトン食療法を実施して,血糖維持と痙攣発作がいずれも改善し安定した状態を得られたと,すでに複数の症例が報告されている4~6).
2018 年になり,1 型糖尿病と低炭水化物食との研究について系統的レビューが発表された7).炭水化物を45 %エネルギー以下とした論文のレビューを実施したが,HbA1c の低下がみられた論文とみられなかった論文とが混在しており,エビデンスとしては限界があるため全体として結論は下せず,さらなる臨床研究をすすめる必要があると記載されている.
一方,近年に使用開始された Flash glucose monitoring(FGM)とインスリンポンプを併用して,1 型糖尿病患者にそれまでの 1 日量 100-150 g から,30-50 g 迄に減量した低炭水化物食を実施した症例報告も行われている8).
本例ではインスリンの 1 日量が 50 単位から30 単位に減量でき,FGM により記録された毎日の平均血糖値は改善し,脂質異常等の合併症も生じなかったとある.FGM による血糖変化の観察と適切なインスリン調節が安全な血糖維持をもたらしたと考えられ,頭痛は減少し睡眠も良好化し情動面が改善するなど,本人の QOL も向上した.1 型糖尿病患者における糖質制限についてさらなる臨床研究が望まれる
著者の COI(conflicts of interest)開示:特になし
文 献
1)Chalmers KH (2004) Medical Nutrition Therapy: Joslinʼs Diabetes Mellitus 14th Edit. Kahn CR, et al (eds)
Lippincott Williams & Wilkins, Philadelphia, p 611-631
2)Evert AB, Boucher JL, Cypress M, Dunbar SA, Franz
MJ, Mayer-Davis EJ, Neumiller JJ, Nwankwo R, Verdi
CL, Urbanski P, Yancy WS Jr (2013) Nutrition Therapy Recommendations for the Management of Adults
With Diabetes. Diabetes Care 36: 3821-3842
3)長谷川夕希子,春日崇臣,奥山尚美,三浦順之助,大
屋純子,内潟安子(2017)厳密な糖質制限と持効型溶
解インスリン 1 回法を約 15 年継続している罹病歴 33
年の 1 型糖尿病の 1 例.糖尿病 60:449-455
4)Dressler A, Reithofer E, Trimmel-Schwahofer P, Klebermasz K, Prayer D, Kasprian G, Rami B, Schober E,
Feucht M (2010) Type 1 diabetes and epilepsy: efficacy and safety of the ketogenic diet. Epilepsia 51 :
1086-1089
5)Roxana L. Aguirre Castaneda, Kenneth J. Mack, Aida
Lteif (2012) Successful Treatment of Type 1 Diabetes
and Seizures With Combined Ketogenic Diet and Insulin. Pediatrics 129: e511-e514
6)Aylward NM, Shah N, Sellers EA ( 2014) The Ketogenic Diet for the Treatment of Myoclonic Astatic
Epilepsy in a Child with Type 1 Diabetes Mellitus.
Can J Diabetes 38: 223-224
7)Turton JL, Raab R, Rooney KB ( 2018 ) Lowcarbohydrate diets for type 1 diabetes mellitus: A systematic review. PLOS ONE 13: e0194987
8)Eiswirth M, Clark E, Diamond M (2018) Low carbohydrate diet and improved glycaemic control in a patient with type one diabetes. Endocrinology, Diabetes
& Metabolism Case Reports 03 2018, EDM180002
医療法人稲門会いわくら病院精神科(〒606-0017 京都府京都市左京区岩倉上蔵町 101)
連絡先:中嶋一雄(〒606-0017 京都府京都市左京区岩倉上蔵町 101 医療法人稲門会いわくら病院精神科)
受付日:2017 年 10 月 22 日╱採択日:2018 年 8 月 8 日
今回の記事は、1型糖尿病と食事療法 その2です。
成人で糖質制限食がつらくなければ、
バーンスタイン医師と同様にスーパー糖質制限食が、一番のお奨めです。
人類約700万年間の歴史で、農耕以前の700万年は、人類みんな糖質制限食ですので、
本来の食生活に戻るということです。
スーパー糖質制限食だと、「毎食前の超速効型インスリン(追加分泌インスリンの代わり)」は量的に1/3以下に減らせることが多いです。
「約24時間持続型インスリン(基礎分泌インスリンの代わり)」は同量の場合もあれば、
1/2程度まで減らせることもあります。
ただ1型糖尿病は小児期の発症が多く、学校での給食等もあり、
糖質制限食が困難な場合もあります。
その場合は糖質管理食で良いと思います。
糖質管理食では、摂取する糖質量に応じて、食前のインスリンの単位を調整します。
小児の1型糖尿病は、家にいる時は、糖質制限食でインスリンの量を減らす、
給食時はインスリンの量を増やして糖質管理食的に摂取する、
というようなパターンも有効かと思われます。
インスリンの量は、少なくてすむほど血糖コントロールも良くなりますし、
身体への影響は少ないので、工夫してみる価値はあるでしょう。
過剰のインスリンは酸化ストレスとなり、
がん、老化、動脈硬化、肥満、アルツハイマー病などのリスクとなります。
カロリー計算だけに頼って、インスリンの量を決めるのは、
食後血糖値の予測が不可能ですので危険です。
1型糖尿病は、血糖値が乱高下するというように言われていますが、
これは血糖値を直接上昇させる糖質摂取量の計算をしないからそうなるのです。
糖尿病専門医の先生方も1型糖尿病患者さんに対して、
血糖値乱高下を避けるために糖質制限食は無理でも、
せめて糖質管理食は導入して欲しいものです。
江部康二
以下の青字の記載は、中嶋一雄先生の、糖尿病学会誌に掲載された論文です。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/tonyobyo/61/11/61_787/_article/-char/ja/
編集者への手紙
1 型糖尿病患者における糖質制限について
中嶋 一雄
Key words:1 型糖尿病,食事療法
〔糖尿病 61(11):787~788,2018〕
近年糖尿病の食事療法に糖質制限食が注目され,米国のジョスリン糖尿病センターでは,2004 年より食事療法勧告において炭水化物を 40 %エネルギーと定めている1).
米国糖尿病学会は 2013 年 10 月より,食事療法においてあらゆる栄養素比率を選択することが可能であるとの見解を出した2).
本誌 60 巻 6 号に「厳密な糖質制限と持効型溶解インスリン 1 回法を約 15 年継続している罹病歴 33 年の 1型糖尿病の 1 例」と題する症例報告3)が掲載された.日本糖尿病学会により推奨される食事療法(炭水化物 50-60 %)を摂取し必要なインスリンを追加することが標準的な糖尿病の治療であり推奨することを説明したとある.一方,1 型糖尿病における糖質制限については統一見解には至っていないと思われる.
1 型糖尿病とてんかんの合併例に,超低炭水化物食であるケトン食療法を実施して,血糖維持と痙攣発作がいずれも改善し安定した状態を得られたと,すでに複数の症例が報告されている4~6).
2018 年になり,1 型糖尿病と低炭水化物食との研究について系統的レビューが発表された7).炭水化物を45 %エネルギー以下とした論文のレビューを実施したが,HbA1c の低下がみられた論文とみられなかった論文とが混在しており,エビデンスとしては限界があるため全体として結論は下せず,さらなる臨床研究をすすめる必要があると記載されている.
一方,近年に使用開始された Flash glucose monitoring(FGM)とインスリンポンプを併用して,1 型糖尿病患者にそれまでの 1 日量 100-150 g から,30-50 g 迄に減量した低炭水化物食を実施した症例報告も行われている8).
本例ではインスリンの 1 日量が 50 単位から30 単位に減量でき,FGM により記録された毎日の平均血糖値は改善し,脂質異常等の合併症も生じなかったとある.FGM による血糖変化の観察と適切なインスリン調節が安全な血糖維持をもたらしたと考えられ,頭痛は減少し睡眠も良好化し情動面が改善するなど,本人の QOL も向上した.1 型糖尿病患者における糖質制限についてさらなる臨床研究が望まれる
著者の COI(conflicts of interest)開示:特になし
文 献
1)Chalmers KH (2004) Medical Nutrition Therapy: Joslinʼs Diabetes Mellitus 14th Edit. Kahn CR, et al (eds)
Lippincott Williams & Wilkins, Philadelphia, p 611-631
2)Evert AB, Boucher JL, Cypress M, Dunbar SA, Franz
MJ, Mayer-Davis EJ, Neumiller JJ, Nwankwo R, Verdi
CL, Urbanski P, Yancy WS Jr (2013) Nutrition Therapy Recommendations for the Management of Adults
With Diabetes. Diabetes Care 36: 3821-3842
3)長谷川夕希子,春日崇臣,奥山尚美,三浦順之助,大
屋純子,内潟安子(2017)厳密な糖質制限と持効型溶
解インスリン 1 回法を約 15 年継続している罹病歴 33
年の 1 型糖尿病の 1 例.糖尿病 60:449-455
4)Dressler A, Reithofer E, Trimmel-Schwahofer P, Klebermasz K, Prayer D, Kasprian G, Rami B, Schober E,
Feucht M (2010) Type 1 diabetes and epilepsy: efficacy and safety of the ketogenic diet. Epilepsia 51 :
1086-1089
5)Roxana L. Aguirre Castaneda, Kenneth J. Mack, Aida
Lteif (2012) Successful Treatment of Type 1 Diabetes
and Seizures With Combined Ketogenic Diet and Insulin. Pediatrics 129: e511-e514
6)Aylward NM, Shah N, Sellers EA ( 2014) The Ketogenic Diet for the Treatment of Myoclonic Astatic
Epilepsy in a Child with Type 1 Diabetes Mellitus.
Can J Diabetes 38: 223-224
7)Turton JL, Raab R, Rooney KB ( 2018 ) Lowcarbohydrate diets for type 1 diabetes mellitus: A systematic review. PLOS ONE 13: e0194987
8)Eiswirth M, Clark E, Diamond M (2018) Low carbohydrate diet and improved glycaemic control in a patient with type one diabetes. Endocrinology, Diabetes
& Metabolism Case Reports 03 2018, EDM180002
医療法人稲門会いわくら病院精神科(〒606-0017 京都府京都市左京区岩倉上蔵町 101)
連絡先:中嶋一雄(〒606-0017 京都府京都市左京区岩倉上蔵町 101 医療法人稲門会いわくら病院精神科)
受付日:2017 年 10 月 22 日╱採択日:2018 年 8 月 8 日
2021年08月18日 (水)
おはようございます。
今回は、1型糖尿病の人の食事療法について考えてみます。
1型糖尿の人の食事療法は、「糖質制限食」あるいは「糖質管理食」がお奨めです。
2020-2021・日本糖尿病学会・糖尿病治療ガイドでは、
糖質40~60%、タンパク質20%で、残りが脂質という構成です。
糖質が40%でタンパク質が20%なら残りの40%が脂質となるので、
最新の改訂では、随分、糖質制限食に歩み寄った感があります。
スーパー糖質制限食の構成は、糖質12%、タンパク質32%、脂質56%です。
歩み寄ったとはいえ、
たんぱく質、脂質、糖質のうち血糖値を直接上昇させるのは糖質だけですので、
これでは、まだまだ、血糖コントロールは極めて困難です。
糖質制限食なら、血糖コントロールは、比較的容易となります。
ただし、糖質制限食実践でリアルタイムに食後血糖値が改善するので、
インスリン注射中の場合、減量が必要です。
減量しないと低血糖の恐れがあるので、主治医とよく相談していただく必要があります。
欧米では、特に1型糖尿病に関しては、糖質管理食はすっかり定着している食事療法です。
日本では、残念ながら糖質管理食を実施している医療機関は、
まだ少ない段階ですが、
大阪市大小児科のグループなど、糖質管理食を導入している医療機関もあります。
1型糖尿病を診療している小児科医なら、
糖質管理食を導入していることもあると思います。
しかし、成人の1型糖尿病の場合は、糖尿病専門医においても、
まだまだ糖質管理食を導入している場合は少ないようです。
1型糖尿の人の食事療法の推奨図書として、
まずは「バーンスタイン医師の糖尿病の解決」を是非お読み下さい。
とても参考になります。
バーンスタイン医師の糖尿病の解決 正常血糖値を得るための完全ガイド
2016/5/23 金芳堂; 第4版
リチャード・K・バーンスタイン (著), 柴田 寿彦 (翻訳)
★
摂取後血糖値に直接影響を与えるのは糖質だけで、
糖質はほぼ100%血糖に変わります。
タンパク質や脂質は直接血糖値に影響を与えることはありません。
正常人やインスリン分泌能が残っている糖尿人の場合は、
タンパク質摂取で、血糖値は上昇しません。
しかし、1型糖尿人で、内因性インスリン分泌がゼロの場合、
タンパク質摂取によるグルカゴン分泌で糖新生がおこり、
間接的に血糖値が上昇します。
正常人やインスリン分泌能が残っている糖尿人の場合は、
タンパク質摂取により、
インスリンとグルカゴンが同時に分泌され効果が相殺されるので血糖値は上昇しません。
1型糖尿人でも、内因性インスリンがある程度残っている場合は、
タンパク質は血糖値にあまり影響を与えない場合が多いです。
★
バーンスタイン医師によれば、通常の64kg程度の成人で、
1gの糖質が1型糖尿病の人の血糖値を5mg上昇させます。
体重が32kg程度の小児なら、1gの糖質が10mg血糖値を上昇させます。
通常の64kg程度の成人で1gのタンパク質が1型糖尿人の血糖値を0.93mg上昇させます。
32kg程度の小児なら、1gのタンパク質が1.86mg血糖値を上昇させます。
摂取する糖質のグラム数を計算して、
血糖値がどのくらい上昇するかを予測して、
それに見合う超速効型インスリンを食前に打つのが、糖質管理食です。
2型の場合は糖質の計算だけで充分なのですが、
1型の場合は、タンパク質の摂取量の計算も必要なことがあります。
糖質の計算だけで血糖コントロールが上手くいかないときは、
タンパク質の計算も試してみましょう。
江部康二
今回は、1型糖尿病の人の食事療法について考えてみます。
1型糖尿の人の食事療法は、「糖質制限食」あるいは「糖質管理食」がお奨めです。
2020-2021・日本糖尿病学会・糖尿病治療ガイドでは、
糖質40~60%、タンパク質20%で、残りが脂質という構成です。
糖質が40%でタンパク質が20%なら残りの40%が脂質となるので、
最新の改訂では、随分、糖質制限食に歩み寄った感があります。
スーパー糖質制限食の構成は、糖質12%、タンパク質32%、脂質56%です。
歩み寄ったとはいえ、
たんぱく質、脂質、糖質のうち血糖値を直接上昇させるのは糖質だけですので、
これでは、まだまだ、血糖コントロールは極めて困難です。
糖質制限食なら、血糖コントロールは、比較的容易となります。
ただし、糖質制限食実践でリアルタイムに食後血糖値が改善するので、
インスリン注射中の場合、減量が必要です。
減量しないと低血糖の恐れがあるので、主治医とよく相談していただく必要があります。
欧米では、特に1型糖尿病に関しては、糖質管理食はすっかり定着している食事療法です。
日本では、残念ながら糖質管理食を実施している医療機関は、
まだ少ない段階ですが、
大阪市大小児科のグループなど、糖質管理食を導入している医療機関もあります。
1型糖尿病を診療している小児科医なら、
糖質管理食を導入していることもあると思います。
しかし、成人の1型糖尿病の場合は、糖尿病専門医においても、
まだまだ糖質管理食を導入している場合は少ないようです。
1型糖尿の人の食事療法の推奨図書として、
まずは「バーンスタイン医師の糖尿病の解決」を是非お読み下さい。
とても参考になります。
バーンスタイン医師の糖尿病の解決 正常血糖値を得るための完全ガイド
2016/5/23 金芳堂; 第4版
リチャード・K・バーンスタイン (著), 柴田 寿彦 (翻訳)
★
摂取後血糖値に直接影響を与えるのは糖質だけで、
糖質はほぼ100%血糖に変わります。
タンパク質や脂質は直接血糖値に影響を与えることはありません。
正常人やインスリン分泌能が残っている糖尿人の場合は、
タンパク質摂取で、血糖値は上昇しません。
しかし、1型糖尿人で、内因性インスリン分泌がゼロの場合、
タンパク質摂取によるグルカゴン分泌で糖新生がおこり、
間接的に血糖値が上昇します。
正常人やインスリン分泌能が残っている糖尿人の場合は、
タンパク質摂取により、
インスリンとグルカゴンが同時に分泌され効果が相殺されるので血糖値は上昇しません。
1型糖尿人でも、内因性インスリンがある程度残っている場合は、
タンパク質は血糖値にあまり影響を与えない場合が多いです。
★
バーンスタイン医師によれば、通常の64kg程度の成人で、
1gの糖質が1型糖尿病の人の血糖値を5mg上昇させます。
体重が32kg程度の小児なら、1gの糖質が10mg血糖値を上昇させます。
通常の64kg程度の成人で1gのタンパク質が1型糖尿人の血糖値を0.93mg上昇させます。
32kg程度の小児なら、1gのタンパク質が1.86mg血糖値を上昇させます。
摂取する糖質のグラム数を計算して、
血糖値がどのくらい上昇するかを予測して、
それに見合う超速効型インスリンを食前に打つのが、糖質管理食です。
2型の場合は糖質の計算だけで充分なのですが、
1型の場合は、タンパク質の摂取量の計算も必要なことがあります。
糖質の計算だけで血糖コントロールが上手くいかないときは、
タンパク質の計算も試してみましょう。
江部康二
2021年08月16日 (月)
こんにちは。
お盆休みで、皆さん、呑める方は結構吞んでおられると思います。
私もお酒をよく飲みます。
さすがに60歳過ぎてからは少し減らしましたが、
週休1日とか2日とかはしていません。 ( ̄_ ̄|||)
現在71歳ですが、70歳になってからは、
さらに少し酒量を減らすよう日々、努力しています。 (^^)
糖質制限OKのお酒を、雨の日も風の日も晴れの日も雪の日も・・・、
ほぼ毎日、律儀に飲んでいます。
最近、糖質ゼロビールが発売されたので夏場は重宝しています。
幸い定期的に検査している肝機能は正常です。
万一、肝機能障害が発症したら、
きっと酒を減らします。(`・-・´)/ と、信じたい。
一方、タバコは人生で一回も吸ったことはありません。
ですから、患者さんを診察するときには、
酒飲みには優しく、喫煙者には厳しい傾向があります。
さて、それでは、「飲酒」と「喫煙」と、どっちがより悪いのでしょう?
とりあえず、一番懸念される「がん」について
国立がん研究センターの多目的コホート研究(JPHC研究)を調べて見ました。
<お酒も量が過ぎれば将来がんになりやすい>
時々飲酒しているグループと比べると、男性において、
アルコール摂取量が日本酒にして1日平均2合未満のグループでは、
がん全体の発生率は高くなりませんでした。
一方、飲酒の量が1日平均2合以上3合未満のグループでは、
がん全体の発生率が1.4倍、1日平均3合以上のグループでは、1.6倍でした。
要するに、お酒をたくさん呑むほど、
単純にがん発症リスクが増えるということであり、
左党にはとても頭の痛いお話しです。
なお、日本酒1合と同じアルコール量は、焼酎で0.6合、泡盛で0.5合、ビールで大ビン1本、ワインでグラス2杯(200ml)、
ウイスキーダブルで1杯です。
女性では、定期的に飲酒する人が多くないためか、
はっきりした傾向がみられませんでした。
<飲酒と喫煙が重なるとがんの発生率が高くなる>
ところが、この結果を、たばこを吸う人と吸わない人とに分けてみてみたところ、
たばこを吸わない人では、飲酒量が増えても、がんの発生率は高くなりませんでした。
この事実は、左党には大変嬉しいことと言えます。
一方、たばこを吸う人では、ときどき飲むグループに比べて、
飲酒量が増えれば増えるほど、がんの発生率が高くなり、
1日平均3合以上のグループでは2.3倍、がん全体の発生率が高くなりました。
このことから、飲酒によるがん全体の発生率への影響は、
喫煙によって助長されることがわかります。
げにタバコの害、恐るべしです。
もちろん、口唇・口腔・咽頭・(食道)・肝・喉頭など、飲酒と特によく関連していると考えられているがんだけでみてみると、
喫煙していなくても飲酒量が増えればがんの発生率が高くなるので、油断は禁物です。
ともあれ、そうすると、口唇・口腔・咽頭・(食道)・肝・喉頭など特殊な部位のがんを除けば、飲酒単独で喫煙なしなら、飲酒量が増えてもがんのリスクにはならないと言えます。
私など左党(酒飲み)には大変嬉しいJPHC研究報告であり、
国立がんセンターの方角に足を向けて眠れないですね。
なお、とても嬉しいことに
「酒飲みでも、タバコ(-)なら食道がんのリスクなし」
です。
2018年05月01日 (火)の本ブログ記事
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-4547.html
をご参照頂けば幸いです。
<飲酒と喫煙が重なるとなぜいけないのか>
アルコール(エタノール)の分解物のアセトアルデヒドが、がんの発生にかかわるようです。
そして、喫煙者では、エタノールをアセトアルデヒドに分解する酵素が、
たばこの煙の中に含まれる発がん物質を同時に活性化してしまっているとも考えられています。
<やはり多量飲酒はよくない>
がんを含めて、いろいろな生活習慣病をまとめて予防しようと考えると、
お酒は日本酒換算で一日1合程度までに控えておいた方が安全なようです。
大量の飲酒は、シンプルに肝臓や膵臓にダメージを与えますし、脂肪肝のもととなります。
結論です。
飲酒と喫煙のどっちがより悪いのかと言えば、喫煙と結論できます。
しかし、当たりまえではありますが、大量の飲酒は厳禁です。
本日のブログ記事、グラフや図も含めてより詳しくは
多目的コホート研究(JPHC研究)
https://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/269.html
をご参照頂けば幸いです。
江部康二
多目的コホート研究(JPHC研究)
https://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/269.html
飲酒とがん全体の発生率との関係について
―多目的コホート研究(JPHC研究)からの成果報告―
私たちは、いろいろな生活習慣と、がん、脳卒中、心筋梗塞、糖尿病などの病気との関係を明らかにし、日本人の生活習慣病予防に役立てるための研究を行っています。
平成2年(1990年)と平成5年(1993年)に、岩手県二戸、秋田県横手、長野県佐久、沖縄県中部、茨城県水戸、新潟県柏崎、高知県中央東、長崎県上五島、沖縄県宮古の9保健所(呼称は2004年現在)管内にお住まいの方々に、アンケート調査の回答をお願いしました。そのうち、40~59歳の男女約73,000人について、その後平成13年(2001年)まで追跡した調査結果に基づいて、飲酒とがん全体の発生率との関係について調べた結果を、専門誌で論文発表しましたので、紹介します(British Journal of Cancer 2005年92巻182-187ページ)。
お酒も量が過ぎれば将来がんになりやすい
調査開始時には、男性の70%はほぼ毎日飲酒していると回答していましたが、女性ではほぼ毎日飲酒しているのは12%でした。調査開始時の飲酒の程度により6つのグループに分けて、その後のがん全体の発生率を比較してみました。調査開始から約10年間の追跡期間中に、調査対象者約73,000人のうち約3,500人が何らかのがんにかかりました。
時々飲酒しているグループと比べると、男性では、アルコール摂取量が日本酒にして1日平均2合未満のグループでは、がん全体の発生率は高くなりませんでした。一方、飲酒の量が1日平均2合以上3合未満のグループでは、がん全体の発生率が1.4倍、1日平均3合以上のグループでは、1.6倍でした。(なお、日本酒1合と同じアルコール量は、焼酎で0.6合、泡盛で0.5合、ビールで大ビン1本、ワインでグラス2杯(200ml)、ウイスキーダブルで1杯です。)
この結果をもとにして、平均1日2合以上のような多量飲酒に起因してがんになる、すなわち、多量の飲酒を避けていれば何らかのがんにかからなくてすんだ割合を推計したところ、13%でした。
女性では、定期的に飲酒する人が多くないためか、はっきりした傾向がみられませんでした。
図1.飲酒とがんの発生率.男
飲酒と喫煙が重なるとがんの発生率が高くなる
この結果を、たばこを吸う人と吸わない人とに分けてみてみたところ、たばこを吸わない人では、飲酒量が増えても、がんの発生率は高くなりませんでした。ところが、たばこを吸う人では、飲酒量が増えれば増えるほど、がんの発生率が高くなり、ときどき飲むグループと比べて、1日平均2-3合以上のグループでは1.9倍、1日平均3合以上のグループでは2.3倍がん全体の発生率が高くなりました。このことから、飲酒によるがん全体の発生率への影響は、喫煙によって助長されることがわかります。
もちろん、口唇・口腔・咽頭・食道・肝・喉頭など、飲酒と特によく関連していると考えられているがんだけでみてみると、喫煙していなくても飲酒量が増えればがんの発生率が高くなりますが、喫煙が重なることにより、さらに発生率が高くなるという結果になりました。
図2.喫煙習慣別に見た飲酒とがんの発生率.男
飲酒と喫煙が重なるとなぜいけないのか
お酒に含まれているエタノールは分解されてアセトアルデヒドになりますが、これががんの発生にかかわると考えられています。そして、喫煙者では、エタノールをアセトアルデヒドに分解する酵素が、たばこの煙の中に含まれる発がん物質を同時に活性化してしまっているとも考えられています。
やはり多量飲酒はよくない
この研究からは、何らかのがんになりにくくするには、日本酒換算で一日平均2合以上の多量飲酒は慎んだ方がいいといえます。しかし、同じ多目的コホート研究からの結果では、最近増加している糖尿病や大腸がんなら、一日平均1合を超えると危険性が高くなるという結果となっています。いろいろな生活習慣病をまとめて予防しようと考えると、お酒は日本酒換算で一日1合(ビールなら大びん1本、ワインならグラス2杯)程度までに控えておいた方がよいといえるでしょう。
お盆休みで、皆さん、呑める方は結構吞んでおられると思います。
私もお酒をよく飲みます。
さすがに60歳過ぎてからは少し減らしましたが、
週休1日とか2日とかはしていません。 ( ̄_ ̄|||)
現在71歳ですが、70歳になってからは、
さらに少し酒量を減らすよう日々、努力しています。 (^^)
糖質制限OKのお酒を、雨の日も風の日も晴れの日も雪の日も・・・、
ほぼ毎日、律儀に飲んでいます。
最近、糖質ゼロビールが発売されたので夏場は重宝しています。
幸い定期的に検査している肝機能は正常です。
万一、肝機能障害が発症したら、
きっと酒を減らします。(`・-・´)/ と、信じたい。
一方、タバコは人生で一回も吸ったことはありません。
ですから、患者さんを診察するときには、
酒飲みには優しく、喫煙者には厳しい傾向があります。
さて、それでは、「飲酒」と「喫煙」と、どっちがより悪いのでしょう?
とりあえず、一番懸念される「がん」について
国立がん研究センターの多目的コホート研究(JPHC研究)を調べて見ました。
<お酒も量が過ぎれば将来がんになりやすい>
時々飲酒しているグループと比べると、男性において、
アルコール摂取量が日本酒にして1日平均2合未満のグループでは、
がん全体の発生率は高くなりませんでした。
一方、飲酒の量が1日平均2合以上3合未満のグループでは、
がん全体の発生率が1.4倍、1日平均3合以上のグループでは、1.6倍でした。
要するに、お酒をたくさん呑むほど、
単純にがん発症リスクが増えるということであり、
左党にはとても頭の痛いお話しです。
なお、日本酒1合と同じアルコール量は、焼酎で0.6合、泡盛で0.5合、ビールで大ビン1本、ワインでグラス2杯(200ml)、
ウイスキーダブルで1杯です。
女性では、定期的に飲酒する人が多くないためか、
はっきりした傾向がみられませんでした。
<飲酒と喫煙が重なるとがんの発生率が高くなる>
ところが、この結果を、たばこを吸う人と吸わない人とに分けてみてみたところ、
たばこを吸わない人では、飲酒量が増えても、がんの発生率は高くなりませんでした。
この事実は、左党には大変嬉しいことと言えます。
一方、たばこを吸う人では、ときどき飲むグループに比べて、
飲酒量が増えれば増えるほど、がんの発生率が高くなり、
1日平均3合以上のグループでは2.3倍、がん全体の発生率が高くなりました。
このことから、飲酒によるがん全体の発生率への影響は、
喫煙によって助長されることがわかります。
げにタバコの害、恐るべしです。
もちろん、口唇・口腔・咽頭・(食道)・肝・喉頭など、飲酒と特によく関連していると考えられているがんだけでみてみると、
喫煙していなくても飲酒量が増えればがんの発生率が高くなるので、油断は禁物です。
ともあれ、そうすると、口唇・口腔・咽頭・(食道)・肝・喉頭など特殊な部位のがんを除けば、飲酒単独で喫煙なしなら、飲酒量が増えてもがんのリスクにはならないと言えます。
私など左党(酒飲み)には大変嬉しいJPHC研究報告であり、
国立がんセンターの方角に足を向けて眠れないですね。
なお、とても嬉しいことに
「酒飲みでも、タバコ(-)なら食道がんのリスクなし」
です。
2018年05月01日 (火)の本ブログ記事
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-4547.html
をご参照頂けば幸いです。
<飲酒と喫煙が重なるとなぜいけないのか>
アルコール(エタノール)の分解物のアセトアルデヒドが、がんの発生にかかわるようです。
そして、喫煙者では、エタノールをアセトアルデヒドに分解する酵素が、
たばこの煙の中に含まれる発がん物質を同時に活性化してしまっているとも考えられています。
<やはり多量飲酒はよくない>
がんを含めて、いろいろな生活習慣病をまとめて予防しようと考えると、
お酒は日本酒換算で一日1合程度までに控えておいた方が安全なようです。
大量の飲酒は、シンプルに肝臓や膵臓にダメージを与えますし、脂肪肝のもととなります。
結論です。
飲酒と喫煙のどっちがより悪いのかと言えば、喫煙と結論できます。
しかし、当たりまえではありますが、大量の飲酒は厳禁です。
本日のブログ記事、グラフや図も含めてより詳しくは
多目的コホート研究(JPHC研究)
https://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/269.html
をご参照頂けば幸いです。
江部康二
多目的コホート研究(JPHC研究)
https://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/269.html
飲酒とがん全体の発生率との関係について
―多目的コホート研究(JPHC研究)からの成果報告―
私たちは、いろいろな生活習慣と、がん、脳卒中、心筋梗塞、糖尿病などの病気との関係を明らかにし、日本人の生活習慣病予防に役立てるための研究を行っています。
平成2年(1990年)と平成5年(1993年)に、岩手県二戸、秋田県横手、長野県佐久、沖縄県中部、茨城県水戸、新潟県柏崎、高知県中央東、長崎県上五島、沖縄県宮古の9保健所(呼称は2004年現在)管内にお住まいの方々に、アンケート調査の回答をお願いしました。そのうち、40~59歳の男女約73,000人について、その後平成13年(2001年)まで追跡した調査結果に基づいて、飲酒とがん全体の発生率との関係について調べた結果を、専門誌で論文発表しましたので、紹介します(British Journal of Cancer 2005年92巻182-187ページ)。
お酒も量が過ぎれば将来がんになりやすい
調査開始時には、男性の70%はほぼ毎日飲酒していると回答していましたが、女性ではほぼ毎日飲酒しているのは12%でした。調査開始時の飲酒の程度により6つのグループに分けて、その後のがん全体の発生率を比較してみました。調査開始から約10年間の追跡期間中に、調査対象者約73,000人のうち約3,500人が何らかのがんにかかりました。
時々飲酒しているグループと比べると、男性では、アルコール摂取量が日本酒にして1日平均2合未満のグループでは、がん全体の発生率は高くなりませんでした。一方、飲酒の量が1日平均2合以上3合未満のグループでは、がん全体の発生率が1.4倍、1日平均3合以上のグループでは、1.6倍でした。(なお、日本酒1合と同じアルコール量は、焼酎で0.6合、泡盛で0.5合、ビールで大ビン1本、ワインでグラス2杯(200ml)、ウイスキーダブルで1杯です。)
この結果をもとにして、平均1日2合以上のような多量飲酒に起因してがんになる、すなわち、多量の飲酒を避けていれば何らかのがんにかからなくてすんだ割合を推計したところ、13%でした。
女性では、定期的に飲酒する人が多くないためか、はっきりした傾向がみられませんでした。
図1.飲酒とがんの発生率.男
飲酒と喫煙が重なるとがんの発生率が高くなる
この結果を、たばこを吸う人と吸わない人とに分けてみてみたところ、たばこを吸わない人では、飲酒量が増えても、がんの発生率は高くなりませんでした。ところが、たばこを吸う人では、飲酒量が増えれば増えるほど、がんの発生率が高くなり、ときどき飲むグループと比べて、1日平均2-3合以上のグループでは1.9倍、1日平均3合以上のグループでは2.3倍がん全体の発生率が高くなりました。このことから、飲酒によるがん全体の発生率への影響は、喫煙によって助長されることがわかります。
もちろん、口唇・口腔・咽頭・食道・肝・喉頭など、飲酒と特によく関連していると考えられているがんだけでみてみると、喫煙していなくても飲酒量が増えればがんの発生率が高くなりますが、喫煙が重なることにより、さらに発生率が高くなるという結果になりました。
図2.喫煙習慣別に見た飲酒とがんの発生率.男
飲酒と喫煙が重なるとなぜいけないのか
お酒に含まれているエタノールは分解されてアセトアルデヒドになりますが、これががんの発生にかかわると考えられています。そして、喫煙者では、エタノールをアセトアルデヒドに分解する酵素が、たばこの煙の中に含まれる発がん物質を同時に活性化してしまっているとも考えられています。
やはり多量飲酒はよくない
この研究からは、何らかのがんになりにくくするには、日本酒換算で一日平均2合以上の多量飲酒は慎んだ方がいいといえます。しかし、同じ多目的コホート研究からの結果では、最近増加している糖尿病や大腸がんなら、一日平均1合を超えると危険性が高くなるという結果となっています。いろいろな生活習慣病をまとめて予防しようと考えると、お酒は日本酒換算で一日1合(ビールなら大びん1本、ワインならグラス2杯)程度までに控えておいた方がよいといえるでしょう。
2021年08月14日 (土)
こんにちは。
今回は、α(アルファ)-グルコシターゼ阻害薬剤(α-GI薬)について考えてみます。
糖質制限食を実践していても、旅行や外食などで、
どうしても糖質摂取せざるを得ないこともありますので
その様なときは、α(アルファ)-グルコシターゼ阻害薬剤の出番なのです。
デンプンのような多糖類は、α-アミラーゼという消化酵素の作用を得て、
二糖類(麦芽糖や蔗糖)やオリゴ糖に分解されます。
つまり、α-アミラーゼは、穀物や芋のデンプンと呼ばれる多くの糖の集合体を、
まず第一段階で分解して少し大きさを小さくしています。
その後、この二糖類やオリゴ糖は、
マルターゼ、スクラーゼ、グルコアミラーゼなどの酵素により、
単糖(ブドウ糖、果糖、ガラクトース等)に分解されて小腸から体内に吸収されます。
マルターゼ、スクラーゼ、グルコアミラーゼなどの酵素を総称して、
α-グルコシダーゼと呼びます。
この、α-グルコシダーゼの働きを阻害することにより、
腸管からの糖質の分解・吸収を遅延させて、
食後高血糖を抑制するお薬が、
『α-グルコシダーゼ阻害薬』(グルコバイ、ベイスン、セイブルなど)です。
グルコバイ(アカルボース)はα-グルコシダーゼだけではなく、
α-アミラーゼに対する阻害作用も、もっています。
ベイスン(ボグリボース)やセイブル(ミグリトール)は、
α-グルコシダーゼの活性を阻害しますが、α-アミラーゼには影響を与えません。
従って、グルコバイの方が少し効果が強いですが、副作用もやや生じやすいです。
副作用とは、ガス、腹満、腹痛、軟便などです。
それぞれ常用量で下記程度に血糖値を下げるとされています。
グルコバイ: 1時間値50mg、 2時間値40mg
ベイスン: 1時間値40mg、 2時間値30mg
セイブル: 1時間値60mg、 2時間値20mg
しかし、これほど下がらない人もあります。
セイブルは1時間値を下げるけれど、2時間値はあまり下げないのが特徴です。
いずれの薬も結構個人差が大きいですし、
印象としては上記の数字ほど下がらない人のほうが多いようです。
作用機序から考えて、膵臓のβ細胞には全く影響を与えないので、
SU剤のように疲れた膵臓を鞭打つといった欠点はありません。(^^)
しかし、比較的頻度の多い副作用として、
分解が遅れて腸管に残った糖質が醗酵してガスがでたり、
お腹が張ったり、下痢をすることがあります。(-_-;)
ガスの貯留により、腸閉塞(イレウス)のような症状になる事があるので、
腹部手術歴の有る方は、禁忌とされています。
私自身で行った人体実験では、かなり興味深いことがありました。
グルコバイの常用量を食直前に服用して何種類かの食品を試食してみました。
蕎麦はほとんど腹満がなかったのですが、
お餅は最悪で、腹満・腹痛・ガスのフルコースで、
病院に行こうか?(∵)?と思ったくらいでした。
うどんやご飯は、蕎麦に比べたらやや腹満・ガスなど出やすかったですね。
個人差はあると思いますが、参考にしていただければと思います。
現在は、私は、食事の工夫(スーパー糖質制限食)をしていますので、
内服薬は一切なしです。
52歳の時に糖尿病発症し、HbA1Cが6.7%でした。
即、スーパー糖質制限食を実践し、一ヶ月後には、HbA1c5.9%と改善しました。
以来、71歳現在まで足かけ20年、内服薬なしで、HbA1cは5.6~5.9%です。
糖尿人でスーパー 糖質制限食実践中の患者さんの場合は、ほとんど薬はなしですが、
お昼だけ主食ありの『スタンダード 糖質制限食』の時は、α-GI薬を食直前に内服してもらうことがあります。
従いまして、「糖尿病には糖質制限食」の高雄病院でも
比較的使用頻度の高いのが『α-グルコシダーゼ阻害薬』です。
高雄病院入院中にグルコバイ100mgを、食時開始30秒前に内服して、
昼食に例えば炊いたご飯100gなどで実験し、
食後2時間血糖値値が180mgを超えない量をリサーチすることもあります。
炊いたご飯お茶碗一杯は約150gで、糖質を55g含んでいますが、
それでは糖質が多すぎて太刀打ちできないので、約100gに減らして実験します。
グルコバイ・ベイスン・セイブルを飲み忘れた場合、
食べ始めてからすぐに飲んでもそれなりに有効です。
食事終了時に内服しても無効です。
基本的に安全性の高い薬ですが、まれに肝障害を来す例があるので、
定期的な血液検査を推奨します。
朗報として、最近のCGM(Continuous Glucose Monitoring:持続ブドウ糖測定)システムの普及で、
α-GI薬が、食後高血糖と共に平均血糖変動幅増大をある程度コントロールしていることが判明し、
その有効性が見直されています。
2002年、2003年に、LancetやJAMA(米国医師会雑誌)に掲載されたSTOP-NIDDMという臨床試験(*)(**)で、
アカルボース(α-グルコシダーゼ阻害薬・グルコバイ)による治療は、
2型糖尿病の発症を36%、心血管疾患の発症を49%抑制すると報告されました。
2008年6月にヘルシンキで「第5回糖尿病とその合併症予防に関する世界会議」(WCPD)が開催され、STOP-NIDDM試験のまとめが発表されました。
あまりにも、結果が良すぎるので、当時私は信用していなかったのですが、
近年のCGMの普及により、STOP-NIDDMの結果は、
信頼できるものであったと納得がいきました。
CGMの普及により、α-GI薬のように見直される薬剤もあれば、
SU剤のように欠点がもろに暴露された廃れた薬剤もあり、栄枯盛衰ですね。
(*)
Lancet. 2002 Jun 15;359(9323):2072-7.
Acarbose for prevention of type 2 diabetes mellitus: the STOP-NIDDM randomised trial.
Chiasson JL1, Josse RG, Gomis R, Hanefeld M, Karasik A, Laakso M; STOP-NIDDM Trail Research Group.
(**)
Chiasson JL, Josse RG, Gomis R, Hanefeld M, Karasik A, Laakso M, STOP-NIDDM Trial Research Group
: Acarbose treatment and the risk of cardiovascular disease and hypertension in patients with impaired glucose tolerance: the STOP-NIDDM trial. JAMA 2003; 290: 486-494.
江部康二
今回は、α(アルファ)-グルコシターゼ阻害薬剤(α-GI薬)について考えてみます。
糖質制限食を実践していても、旅行や外食などで、
どうしても糖質摂取せざるを得ないこともありますので
その様なときは、α(アルファ)-グルコシターゼ阻害薬剤の出番なのです。
デンプンのような多糖類は、α-アミラーゼという消化酵素の作用を得て、
二糖類(麦芽糖や蔗糖)やオリゴ糖に分解されます。
つまり、α-アミラーゼは、穀物や芋のデンプンと呼ばれる多くの糖の集合体を、
まず第一段階で分解して少し大きさを小さくしています。
その後、この二糖類やオリゴ糖は、
マルターゼ、スクラーゼ、グルコアミラーゼなどの酵素により、
単糖(ブドウ糖、果糖、ガラクトース等)に分解されて小腸から体内に吸収されます。
マルターゼ、スクラーゼ、グルコアミラーゼなどの酵素を総称して、
α-グルコシダーゼと呼びます。
この、α-グルコシダーゼの働きを阻害することにより、
腸管からの糖質の分解・吸収を遅延させて、
食後高血糖を抑制するお薬が、
『α-グルコシダーゼ阻害薬』(グルコバイ、ベイスン、セイブルなど)です。
グルコバイ(アカルボース)はα-グルコシダーゼだけではなく、
α-アミラーゼに対する阻害作用も、もっています。
ベイスン(ボグリボース)やセイブル(ミグリトール)は、
α-グルコシダーゼの活性を阻害しますが、α-アミラーゼには影響を与えません。
従って、グルコバイの方が少し効果が強いですが、副作用もやや生じやすいです。
副作用とは、ガス、腹満、腹痛、軟便などです。
それぞれ常用量で下記程度に血糖値を下げるとされています。
グルコバイ: 1時間値50mg、 2時間値40mg
ベイスン: 1時間値40mg、 2時間値30mg
セイブル: 1時間値60mg、 2時間値20mg
しかし、これほど下がらない人もあります。
セイブルは1時間値を下げるけれど、2時間値はあまり下げないのが特徴です。
いずれの薬も結構個人差が大きいですし、
印象としては上記の数字ほど下がらない人のほうが多いようです。
作用機序から考えて、膵臓のβ細胞には全く影響を与えないので、
SU剤のように疲れた膵臓を鞭打つといった欠点はありません。(^^)
しかし、比較的頻度の多い副作用として、
分解が遅れて腸管に残った糖質が醗酵してガスがでたり、
お腹が張ったり、下痢をすることがあります。(-_-;)
ガスの貯留により、腸閉塞(イレウス)のような症状になる事があるので、
腹部手術歴の有る方は、禁忌とされています。
私自身で行った人体実験では、かなり興味深いことがありました。
グルコバイの常用量を食直前に服用して何種類かの食品を試食してみました。
蕎麦はほとんど腹満がなかったのですが、
お餅は最悪で、腹満・腹痛・ガスのフルコースで、
病院に行こうか?(∵)?と思ったくらいでした。
うどんやご飯は、蕎麦に比べたらやや腹満・ガスなど出やすかったですね。
個人差はあると思いますが、参考にしていただければと思います。
現在は、私は、食事の工夫(スーパー糖質制限食)をしていますので、
内服薬は一切なしです。
52歳の時に糖尿病発症し、HbA1Cが6.7%でした。
即、スーパー糖質制限食を実践し、一ヶ月後には、HbA1c5.9%と改善しました。
以来、71歳現在まで足かけ20年、内服薬なしで、HbA1cは5.6~5.9%です。
糖尿人でスーパー 糖質制限食実践中の患者さんの場合は、ほとんど薬はなしですが、
お昼だけ主食ありの『スタンダード 糖質制限食』の時は、α-GI薬を食直前に内服してもらうことがあります。
従いまして、「糖尿病には糖質制限食」の高雄病院でも
比較的使用頻度の高いのが『α-グルコシダーゼ阻害薬』です。
高雄病院入院中にグルコバイ100mgを、食時開始30秒前に内服して、
昼食に例えば炊いたご飯100gなどで実験し、
食後2時間血糖値値が180mgを超えない量をリサーチすることもあります。
炊いたご飯お茶碗一杯は約150gで、糖質を55g含んでいますが、
それでは糖質が多すぎて太刀打ちできないので、約100gに減らして実験します。
グルコバイ・ベイスン・セイブルを飲み忘れた場合、
食べ始めてからすぐに飲んでもそれなりに有効です。
食事終了時に内服しても無効です。
基本的に安全性の高い薬ですが、まれに肝障害を来す例があるので、
定期的な血液検査を推奨します。
朗報として、最近のCGM(Continuous Glucose Monitoring:持続ブドウ糖測定)システムの普及で、
α-GI薬が、食後高血糖と共に平均血糖変動幅増大をある程度コントロールしていることが判明し、
その有効性が見直されています。
2002年、2003年に、LancetやJAMA(米国医師会雑誌)に掲載されたSTOP-NIDDMという臨床試験(*)(**)で、
アカルボース(α-グルコシダーゼ阻害薬・グルコバイ)による治療は、
2型糖尿病の発症を36%、心血管疾患の発症を49%抑制すると報告されました。
2008年6月にヘルシンキで「第5回糖尿病とその合併症予防に関する世界会議」(WCPD)が開催され、STOP-NIDDM試験のまとめが発表されました。
あまりにも、結果が良すぎるので、当時私は信用していなかったのですが、
近年のCGMの普及により、STOP-NIDDMの結果は、
信頼できるものであったと納得がいきました。
CGMの普及により、α-GI薬のように見直される薬剤もあれば、
SU剤のように欠点がもろに暴露された廃れた薬剤もあり、栄枯盛衰ですね。
(*)
Lancet. 2002 Jun 15;359(9323):2072-7.
Acarbose for prevention of type 2 diabetes mellitus: the STOP-NIDDM randomised trial.
Chiasson JL1, Josse RG, Gomis R, Hanefeld M, Karasik A, Laakso M; STOP-NIDDM Trail Research Group.
(**)
Chiasson JL, Josse RG, Gomis R, Hanefeld M, Karasik A, Laakso M, STOP-NIDDM Trial Research Group
: Acarbose treatment and the risk of cardiovascular disease and hypertension in patients with impaired glucose tolerance: the STOP-NIDDM trial. JAMA 2003; 290: 486-494.
江部康二
2021年08月12日 (木)
こんにちは。
日本糖質制限医療推進協会のYouTubeチャンネルで、
動画「ドクター江部の糖質オフ!健康トーク」の配信を始めました。
今回は、
ドクター江部の糖質オフ!健康トーク
▼ vol.5『インスリンの役割と問題点』
https://youtu.be/GnIskFRK_uA
です。
夏らしいシャツで登場してまして、
よく聞くと背景にセミの声が聞こえますよ。
インスリンは、生命の維持に必須の重要なホルモンです。
インスリンの発見以前は、
インスリン分泌のできない1型糖尿病の余命は半年でした。
それが、インスリン注射により長期にわたり生存可能となりました。
一方、インスリンは、別名肥満ホルモンと呼ばれます。
過剰なインスリンは活性酸素を発生させ酸化ストレスとなり、
がん・肥満・動脈硬化・糖尿病合併症・老化・アルツハイマ-病などの元凶となります。
糖質制限食実践により、過剰なインスリン分泌が予防できるので、
これらの病気も予防できます。
糖尿病のことをほとんどご存知ない方でも理解できるような
とてもわかりやすい内容となっています。
糖尿病は日本のみならず世界的に増えています。
厚生労働省の2016年の調査によれば糖尿病が疑われる成人の推計が
1,000万人となっています。
糖尿病合併症が毎年、
人工透析16000人以上、失明3000人以上、 足切断3000人以上/年
発生しています。
合併症を予防できるのは、糖質制限食だけです。
現行の糖尿病食(カロリー制限・高糖質食)では、上述のような
合併症のオンパレードです。
誠に遺憾ながら、現行の糖尿病食は、
『合併症製造食』としか言いようがありません。
ドクター江部の糖質オフ!健康トーク
▼ vol.1『糖質制限食と新型コロナ』 2021年03月25日 (木)
https://www.youtube.com/watch?v=YcpCTJQakeY&t=8s
▼ vol.2『糖質制限食とは』 2021年04月08日 (木)
https://www.youtube.com/watch?v=VLyBDm9zOv8
▼ vol.3『糖尿病とは』2021年05月23日 (日)
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-5620.html
▼ vol.4『血糖値について』2021年7月15日 (木)
https://www.youtube.com/watch?v=P1tNrNWZ6bs&t=4s
是非、ご視聴頂ければ幸いです。
江部康二
以下、事務局からのお知らせです。
*********
ブログ読者の皆様、弊会のYouTube動画を多数ご覧いただいておりまして、ありがとうございます。
江部理事長による動画「ドクター江部の糖質オフ!健康トーク
vol.5」の配信をご案内申し上げます。
今回は、血糖値を下げる唯一のホルモンである「インスリン」について、その役割と過剰な場合の問題点などを解説しております。
よろしければ是非ご覧くださいませ。
*季節と立地の関係で、今回の背景(音声)には蝉しぐれが入っております。ご容赦下さい。
ドクター江部の糖質オフ!健康トーク
▼ vol.5『インスリンの役割と問題点』
https://youtu.be/GnIskFRK_uA
▼協会YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCdh9uz2_XnhDyJj9pHDDW1A
一般社団法人 日本糖質制限医療推進協会
https://www.toushitsuseigen.or.jp/
*********
日本糖質制限医療推進協会のYouTubeチャンネルで、
動画「ドクター江部の糖質オフ!健康トーク」の配信を始めました。
今回は、
ドクター江部の糖質オフ!健康トーク
▼ vol.5『インスリンの役割と問題点』
https://youtu.be/GnIskFRK_uA
です。
夏らしいシャツで登場してまして、
よく聞くと背景にセミの声が聞こえますよ。
インスリンは、生命の維持に必須の重要なホルモンです。
インスリンの発見以前は、
インスリン分泌のできない1型糖尿病の余命は半年でした。
それが、インスリン注射により長期にわたり生存可能となりました。
一方、インスリンは、別名肥満ホルモンと呼ばれます。
過剰なインスリンは活性酸素を発生させ酸化ストレスとなり、
がん・肥満・動脈硬化・糖尿病合併症・老化・アルツハイマ-病などの元凶となります。
糖質制限食実践により、過剰なインスリン分泌が予防できるので、
これらの病気も予防できます。
糖尿病のことをほとんどご存知ない方でも理解できるような
とてもわかりやすい内容となっています。
糖尿病は日本のみならず世界的に増えています。
厚生労働省の2016年の調査によれば糖尿病が疑われる成人の推計が
1,000万人となっています。
糖尿病合併症が毎年、
人工透析16000人以上、失明3000人以上、 足切断3000人以上/年
発生しています。
合併症を予防できるのは、糖質制限食だけです。
現行の糖尿病食(カロリー制限・高糖質食)では、上述のような
合併症のオンパレードです。
誠に遺憾ながら、現行の糖尿病食は、
『合併症製造食』としか言いようがありません。
ドクター江部の糖質オフ!健康トーク
▼ vol.1『糖質制限食と新型コロナ』 2021年03月25日 (木)
https://www.youtube.com/watch?v=YcpCTJQakeY&t=8s
▼ vol.2『糖質制限食とは』 2021年04月08日 (木)
https://www.youtube.com/watch?v=VLyBDm9zOv8
▼ vol.3『糖尿病とは』2021年05月23日 (日)
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-5620.html
▼ vol.4『血糖値について』2021年7月15日 (木)
https://www.youtube.com/watch?v=P1tNrNWZ6bs&t=4s
是非、ご視聴頂ければ幸いです。
江部康二
以下、事務局からのお知らせです。
*********
ブログ読者の皆様、弊会のYouTube動画を多数ご覧いただいておりまして、ありがとうございます。
江部理事長による動画「ドクター江部の糖質オフ!健康トーク
vol.5」の配信をご案内申し上げます。
今回は、血糖値を下げる唯一のホルモンである「インスリン」について、その役割と過剰な場合の問題点などを解説しております。
よろしければ是非ご覧くださいませ。
*季節と立地の関係で、今回の背景(音声)には蝉しぐれが入っております。ご容赦下さい。
ドクター江部の糖質オフ!健康トーク
▼ vol.5『インスリンの役割と問題点』
https://youtu.be/GnIskFRK_uA
▼協会YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCdh9uz2_XnhDyJj9pHDDW1A
一般社団法人 日本糖質制限医療推進協会
https://www.toushitsuseigen.or.jp/
*********
2021年08月11日 (水)
【日付 名前
21/08/10 久堀
コロナワクチン、日本人の副反応の要因を医師が分析 「量」か「体質」か
https://news.yahoo.co.jp/articles/248c7c3b9981c0010e73f122d837182bfe1c10b1?page=2 】
こんばんは。
久堀さんから、貴重な情報をコメント頂きました。
ありがとうございます。
新型コロナワクチンの副反応、日本人は米国人に比べて、かなり多いです。
その理由を、医療ガバナンス研究所理事長の上昌広さんなどが、
上記のヤフーニュースで語っています。
詳しくは上記のヤフーニュースをご参照頂ければ幸いです。
以下の【】内は、記事の要約です。
【モデルナ製を2回接種した自衛隊員およそ1000人のうち、
実に75%以上が翌日に37.5℃以上の発熱をし、
6割は38℃を超える高熱でした。
審議会では、委員の1人が、
厚労省の研究班代表である順天堂大学医学部の伊藤澄信客員教授に、。
「モデルナ製は海外のデータでもこんなに年齢関係なく(副反応の発生率が)高かった印象ですか?」
と質問したところ、
伊藤教授は困惑しながら
「ちょっとびっくりするくらい高いので、海外の治験のデータも含めて、(製造元の)武田薬品の方に再度確認をしようと思っております」
と述べています。
すなわち、日本人は海外に比べて、
副反応が多いとデータが示していたことを認めました。
また2回目の接種を受けた自衛隊員のうち40%を超える419人が、
接種2日後または3日後まで病休、または仕事にならない状況でした。
3日後のの病欠者が35人あり、5%の頻度でした。
上昌広さんは、
「問題は日本人と欧米人に同じ量を投与すること。日本人成人の平均体重は男性約70kg、女性約50kgで、アメリカ人は男性約90㎏、女性約75kgですが、ワクチンは体格差を考慮せず、アメリカ人と同じ30μgを接種します。それだと日本人には過剰投与となり、副反応が増える恐れがあります」
「アメリカの治験ではファイザー製ワクチンは10μg、20μg、30μgと量が増えるほど副反応が多くなった。投与量の多さが副反応を引き起こす可能性が示唆されているんです」
と述べています。
また新潟大学名誉教授の岡田正彦さんも、
「体格差だけでなく、薬を代謝する酵素などの問題も含めて体質や遺伝子の違いが大きな理由かもしれません。もっといえば人種差がある。今回のワクチンはまだ充分に調べられていないので、もしかしたら日本人にはワクチン量が多い可能性があります」
と述べています。
一方、血液内科医の中村幸嗣さんは、ワクチンの量の問題ではなく、
「日本人には『免疫的ファクターX』があるのではないか」と指摘しています。
「そもそも日本人は欧米人と比べて新型コロナの感染率が低いので、感染を抑えるなんらかの原因『ファクターX』があると指摘されています。『X』にあてはまる候補として、生活様式や自然免疫の強さ、BCG接種などさまざまな説がありました。
今回のワクチンの副反応の多さを考慮すると、やはり日本人はコロナに対する何らかの強い免疫=免疫的ファクターXがあると考えられます。つまり、コロナに未感染であっても、もともと体質的に免疫が強かった日本人にワクチンによる免疫の活性化が加わり、激しい免疫反応が生じて副反応が増強された可能性があると考えられます」
もしそうであるならば、
欧米人基準のワクチンは、日本人にはミスマッチである可能性もあります。】
外来診療で、高齢者の方々が新型コロナワクチンを接種したあと大勢受診されますが、
副反応はほとんどないか、ごく軽いです。
自衛隊員など若年者のほうが、新型コロナワクチンの副反応がでやすいと考えられます。
江部康二
21/08/10 久堀
コロナワクチン、日本人の副反応の要因を医師が分析 「量」か「体質」か
https://news.yahoo.co.jp/articles/248c7c3b9981c0010e73f122d837182bfe1c10b1?page=2 】
こんばんは。
久堀さんから、貴重な情報をコメント頂きました。
ありがとうございます。
新型コロナワクチンの副反応、日本人は米国人に比べて、かなり多いです。
その理由を、医療ガバナンス研究所理事長の上昌広さんなどが、
上記のヤフーニュースで語っています。
詳しくは上記のヤフーニュースをご参照頂ければ幸いです。
以下の【】内は、記事の要約です。
【モデルナ製を2回接種した自衛隊員およそ1000人のうち、
実に75%以上が翌日に37.5℃以上の発熱をし、
6割は38℃を超える高熱でした。
審議会では、委員の1人が、
厚労省の研究班代表である順天堂大学医学部の伊藤澄信客員教授に、。
「モデルナ製は海外のデータでもこんなに年齢関係なく(副反応の発生率が)高かった印象ですか?」
と質問したところ、
伊藤教授は困惑しながら
「ちょっとびっくりするくらい高いので、海外の治験のデータも含めて、(製造元の)武田薬品の方に再度確認をしようと思っております」
と述べています。
すなわち、日本人は海外に比べて、
副反応が多いとデータが示していたことを認めました。
また2回目の接種を受けた自衛隊員のうち40%を超える419人が、
接種2日後または3日後まで病休、または仕事にならない状況でした。
3日後のの病欠者が35人あり、5%の頻度でした。
上昌広さんは、
「問題は日本人と欧米人に同じ量を投与すること。日本人成人の平均体重は男性約70kg、女性約50kgで、アメリカ人は男性約90㎏、女性約75kgですが、ワクチンは体格差を考慮せず、アメリカ人と同じ30μgを接種します。それだと日本人には過剰投与となり、副反応が増える恐れがあります」
「アメリカの治験ではファイザー製ワクチンは10μg、20μg、30μgと量が増えるほど副反応が多くなった。投与量の多さが副反応を引き起こす可能性が示唆されているんです」
と述べています。
また新潟大学名誉教授の岡田正彦さんも、
「体格差だけでなく、薬を代謝する酵素などの問題も含めて体質や遺伝子の違いが大きな理由かもしれません。もっといえば人種差がある。今回のワクチンはまだ充分に調べられていないので、もしかしたら日本人にはワクチン量が多い可能性があります」
と述べています。
一方、血液内科医の中村幸嗣さんは、ワクチンの量の問題ではなく、
「日本人には『免疫的ファクターX』があるのではないか」と指摘しています。
「そもそも日本人は欧米人と比べて新型コロナの感染率が低いので、感染を抑えるなんらかの原因『ファクターX』があると指摘されています。『X』にあてはまる候補として、生活様式や自然免疫の強さ、BCG接種などさまざまな説がありました。
今回のワクチンの副反応の多さを考慮すると、やはり日本人はコロナに対する何らかの強い免疫=免疫的ファクターXがあると考えられます。つまり、コロナに未感染であっても、もともと体質的に免疫が強かった日本人にワクチンによる免疫の活性化が加わり、激しい免疫反応が生じて副反応が増強された可能性があると考えられます」
もしそうであるならば、
欧米人基準のワクチンは、日本人にはミスマッチである可能性もあります。】
外来診療で、高齢者の方々が新型コロナワクチンを接種したあと大勢受診されますが、
副反応はほとんどないか、ごく軽いです。
自衛隊員など若年者のほうが、新型コロナワクチンの副反応がでやすいと考えられます。
江部康二
2021年08月10日 (火)
こんばんは。
ダイエット・糖質制限に必携! 食品別糖質量ハンドブック 江部 康二 (監修)
宝島社 2020/9/10

https://www.amazon.co.jp/dp/4299008561/
が刊行されました。
2012年11月に『食品別糖質制限ハンドブック』(洋泉社)を上梓して以降、
累計約17万部以上となっています。
2015年12月に日本食品標準成分表が改訂され、七訂となりました。
15年ぶりの大幅な改訂で、項目が200増え、
成分表のデータもかなりの変更がありました。
『食品別糖質量ハンドブック』もこれに対応して、収録食品の数も増やしました。
今回、版元の合併で宝島社の刊行となる本書では、さらに内容を追加しています。
この間、米国糖尿病学会は、2013年10月に糖質制限食を正式に容認し、
2019年4月には、『エビデンスが一番豊富なのは、糖質制限食である』と明言しました。
日本でも、近年、飲食業界において、
糖質制限食がおおいにクローズアップされてきました。
今や糖尿病や肥満・メタボだけでなく、
健康のためにもよい人類の正解の食事であり、糖質制限食の時代到来と言えます。
以下の青字は、本書の「はじめに」です。
はじめに
私が理事長を務める高雄病院は1999年、
日本で初めて糖質制限食を糖尿病治療に導入しました。
以来、高雄病院では入院患者と外来患者を合わせると
5000人以上の、糖質制限食による劇的な血糖値改善の治療実績を持っています。
そうした中で、手近に食品別の糖質量がひと目でわかる本があれば
というニーズに応えようと、
2012年11月に『食品別糖質制限ハンドブック』(洋泉社刊)を刊行し、
おかげさまで読者の皆さまの大きな支持を得て、版を重ねることができました。
現在、発行部数は17万部に達しようとする勢いです。
この間の2015年12月に日本食品標準成分表が改訂され、七訂となりました。
15年ぶりの大幅な改訂で、項目が200増え、
成分表のデータもかなりの変更がありました。
『食品別糖質ハンドブック』もこれに完全に対応して、
収録食品を見直すとともに、収録食品の数も1200に増やしました。
今回、版元の合併で宝島社の刊行となる本書では、さらに内容を追加しています。
身近な食品や料理の糖質・カロリー・たんぱく質・脂質・塩分量などが
写真入りでわかるように工夫されている本書は、
糖質制限食を指導する立場の医師・栄養士はもちろん、
糖質制限食実践中の方々の強い味方となってくれると思います。
近年、糖質制限食は社会的に広く認知されるようになり、
糖尿病、メタボリック・シンドローム、肥満の患者さんだけでなく、
健康のために実践されている方も多くなっています。
2013年10月に米国糖尿病学会が「栄養療法に関する声明」において、
地中海食やベジタリアン食、低脂質食などとともに糖質制限食を正式に受容したのは、
糖質制限食の普及にとり大きな追い風となりました。おかげで日本においても医師の支持がかなり増えてきました。
糖質制限食というと、
現代の普通の食事である高糖質食と比べて特別な食事と思いがちですが、
実は糖質制限食こそが人類本来の食事なのです。
諸説ありますが、人類がチンパンジーと分かれて誕生したのが約700万年前、
農耕がはじまったのが約1万年前です。
農耕がはじまる前は、「狩猟」「採集」「漁労」で食べものを手に入れていて、
穀物はなかったのですから、人類皆糖質制限食といえます。
すなわち、糖質制限食は約700万年間の人類の食事であり、
人類の健康食といえるのです。
読者の皆さまには、本書を参考に、おいしく楽しく末永く糖質制限食を実践されて、
健康を保っていただければ幸いです。
2020年8月
高雄病院理事長 江部康二
ダイエット・糖質制限に必携! 食品別糖質量ハンドブック 江部 康二 (監修)
宝島社 2020/9/10

https://www.amazon.co.jp/dp/4299008561/
が刊行されました。
2012年11月に『食品別糖質制限ハンドブック』(洋泉社)を上梓して以降、
累計約17万部以上となっています。
2015年12月に日本食品標準成分表が改訂され、七訂となりました。
15年ぶりの大幅な改訂で、項目が200増え、
成分表のデータもかなりの変更がありました。
『食品別糖質量ハンドブック』もこれに対応して、収録食品の数も増やしました。
今回、版元の合併で宝島社の刊行となる本書では、さらに内容を追加しています。
この間、米国糖尿病学会は、2013年10月に糖質制限食を正式に容認し、
2019年4月には、『エビデンスが一番豊富なのは、糖質制限食である』と明言しました。
日本でも、近年、飲食業界において、
糖質制限食がおおいにクローズアップされてきました。
今や糖尿病や肥満・メタボだけでなく、
健康のためにもよい人類の正解の食事であり、糖質制限食の時代到来と言えます。
以下の青字は、本書の「はじめに」です。
はじめに
私が理事長を務める高雄病院は1999年、
日本で初めて糖質制限食を糖尿病治療に導入しました。
以来、高雄病院では入院患者と外来患者を合わせると
5000人以上の、糖質制限食による劇的な血糖値改善の治療実績を持っています。
そうした中で、手近に食品別の糖質量がひと目でわかる本があれば
というニーズに応えようと、
2012年11月に『食品別糖質制限ハンドブック』(洋泉社刊)を刊行し、
おかげさまで読者の皆さまの大きな支持を得て、版を重ねることができました。
現在、発行部数は17万部に達しようとする勢いです。
この間の2015年12月に日本食品標準成分表が改訂され、七訂となりました。
15年ぶりの大幅な改訂で、項目が200増え、
成分表のデータもかなりの変更がありました。
『食品別糖質ハンドブック』もこれに完全に対応して、
収録食品を見直すとともに、収録食品の数も1200に増やしました。
今回、版元の合併で宝島社の刊行となる本書では、さらに内容を追加しています。
身近な食品や料理の糖質・カロリー・たんぱく質・脂質・塩分量などが
写真入りでわかるように工夫されている本書は、
糖質制限食を指導する立場の医師・栄養士はもちろん、
糖質制限食実践中の方々の強い味方となってくれると思います。
近年、糖質制限食は社会的に広く認知されるようになり、
糖尿病、メタボリック・シンドローム、肥満の患者さんだけでなく、
健康のために実践されている方も多くなっています。
2013年10月に米国糖尿病学会が「栄養療法に関する声明」において、
地中海食やベジタリアン食、低脂質食などとともに糖質制限食を正式に受容したのは、
糖質制限食の普及にとり大きな追い風となりました。おかげで日本においても医師の支持がかなり増えてきました。
糖質制限食というと、
現代の普通の食事である高糖質食と比べて特別な食事と思いがちですが、
実は糖質制限食こそが人類本来の食事なのです。
諸説ありますが、人類がチンパンジーと分かれて誕生したのが約700万年前、
農耕がはじまったのが約1万年前です。
農耕がはじまる前は、「狩猟」「採集」「漁労」で食べものを手に入れていて、
穀物はなかったのですから、人類皆糖質制限食といえます。
すなわち、糖質制限食は約700万年間の人類の食事であり、
人類の健康食といえるのです。
読者の皆さまには、本書を参考に、おいしく楽しく末永く糖質制限食を実践されて、
健康を保っていただければ幸いです。
2020年8月
高雄病院理事長 江部康二
2021年08月09日 (月)
こんにちは。
今回は、ヒトと腸内細菌と食物繊維の関係性について考察してみます。
実は一般にはあまり知られていませんが、
大腸は、酢酸、プロピオン酸、酪酸などの「短鎖脂肪酸」を
ほぼ唯一のエネルギー源としています。(注1)。
『大腸の細胞のエネルギー源は、短鎖脂肪酸のみである』
このことの意味を、考えてみます。
短鎖脂肪酸は食材では、牛乳か乳製品か酢くらいにしか含まれていません。
牛乳・バターや酢だけでは、食材からの短鎖脂肪酸補充は、
大腸のエネルギー源としては到底足りません。
そうすると、短鎖脂肪酸を人体内で自ら作成するしかありません。
つまり、
「大腸内の腸内細菌が、食物繊維を餌にして産生する短鎖脂肪酸」が
ヒトの大腸細胞のエネルギー源となっているということです。
大腸細胞で利用されずに余った腸内細菌由来の短鎖脂肪酸は、
吸収されて全身の臓器のエネルギー源となります。
これは、意外に多くて、全使用エネルギーの約10%になります。
従来食物繊維は栄養学上エネルギーにならないと考えられ、0kcalとされてきましたが、
大腸内で腸内細菌により発酵分解を受けるものがあることが明らかになりました。
現在では、食物繊維の種類によって「0kcal」「1kcal」「2kcal」と3種類あります。
カロリーの多い食物繊維ほど、大腸の中で発酵しやすく、
短鎖脂肪酸が多く産生すると考えられています。
食物繊維
①発酵・分解率が 25%未満のもの 0 kcal/g
②発酵・分解率が 25%以上,75%未満のもの 1 kcal/g
③発酵・分解率が 75%以上のもの 2 kcal/g
食物繊維
1)ポリデキストロース、セルロース、寒天、キサンタンガム:0kcal/g
2)難消化デキストリン、アラビアガム:1kcal/g
3)グアーガム、グアーガム酵素分解物、難消化でんぷん、水溶性大豆食物繊維:2kcal/g
「食物繊維から腸内細菌が産生する短鎖脂肪酸が、大腸細胞のエネルギー源になる」
というのは、少なくとも現世人類全てにおいて共通の生理学的事実と考えられます。
酪酸菌、ビフィズス菌などの腸内細菌が、活躍して、水溶性食物繊維を餌にして
短鎖脂肪酸を生成してくれています。
大腸のエネルギー源となる短鎖脂肪酸は、主として酪酸と考えられます。
大腸内の酪酸菌が、食物繊維を餌にして酪酸を生産しています。
このように、ヒトにおいて、大腸細胞のエネルギー源確保のためには、
食物繊維の摂取が極めて重要ということになります。
つまり「食物繊維は、ヒトと腸内細菌にとって必須」なのです。
食物繊維は、水に溶けにくい不溶性食物繊維と、
水に溶ける水溶性食物繊維の2種類に分類されます
腸内細菌が食べる食物繊維は、水溶性食物繊維だと考えてほぼ間違いありません。
糖質制限食では、野菜、海藻、キノコ、大豆製品などから食物繊維を摂取できます。
特に水溶性食物繊維はアボカド、オクラ、こんにゃく、納豆などに多く含まれています。
(注1)
清水健一郎「治療に活かす!栄養療法 はじめの一歩」181ページ、2011年、羊土社
江部康二
なお、断食382日という記録があり、イギリスの文献に載っていたようです。
ということは、食物繊維もなしですから、脂肪の分解物のβヒドロキシ酪酸(ケトン体の一種)が
大腸細胞のエネルギー源になるのかもしれません。
2021年08月07日 (土)
日本人の死因。糖質制限食で予防。
2020年6月5日,厚生労働省が「令和元年(2019)人口動態統計月報年計(概数)の結果」を公表しました。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai20/dl/gaikyouR2.pdf 表7
日本人の死因ですが、
第1位 悪性新生物(腫瘍)
第2位 心疾患(高血圧性を除く)
第3位 老衰
第4位 脳血管疾患
第5位 肺炎
となっています。
「老衰」の定義はどうなのでしょう。
厚生労働省は「死亡診断書記入マニュアル」において、老衰を「高齢者でほかに記載すべき死亡原因のない、いわゆる自然死」と定義づけています。
結局、悪性新生物(腫瘍)と動脈硬化(心疾患と脳血管疾患)が、
病気による死因の双璧と言っていいでしょう。
悪性新生物(腫瘍)のほとんどはがんです。
心疾患による死亡の大部分は心筋梗塞です。
脳血管疾患死亡のほとんどは脳卒中(脳出血、脳梗塞、くも膜下出血)です。
主な死因別の死亡率の年次推移をみると、
悪性新生物<腫瘍>は一貫して上昇しており、
昭和 56 年(1981年)以降死因順位第1位となっています。
令和2年(2019年)の全死亡者に占める割合は 27.6%であり、
全死亡者のおよそ 3.6 人に1人は
悪性新生物<腫瘍>が死因となっています。
生活習慣病型のがんと動脈硬化は、
スーパー糖質制限食で予防できる可能性が高いです。
がんを予防する食事療法。スーパー糖質制限食。疫学研究考察。
2021年06月14日 (月)
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-5640.html
食後高血糖と酸化ストレス・AGEs・プラーク・動脈硬化。
2021年07月11日 (日)
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-5669.html
肺炎も血清アルブミン4.3g/dl以上あれば、予防しやすいのですが、
糖質制限食で動物性たんぱく質をしっかり摂取して
血清アルブミンを増やせば、肺炎も予防しやすくなります。
老衰も糖質制限食なら健康長寿を目指せます。
要するに、糖質制限食実践で、
日本人の死因の上位5疾患が全て予防できます。
死因の第6位以下はこうなっています。
第6位 誤嚥性肺炎
第7位 不慮の事故
第8位 腎不全
第9位 アルツハイマー病
第10位 血管性および詳細不明の認知症
かつて死因として「糖尿病」が挙げられていたこともありましたが、
2019年度では10位以内には入っていません。
しかし、がん・心疾患・脳血管疾患・アルツハイマー病・認知症には、
かなり色濃く糖尿病が関わっています。
肺炎も糖尿病のコントロールが悪いと重症化して命に関わります。
腎不全に関しても糖尿病がおおいに関わっています。
こうみると、日本人の死因トップ10の内、少なくとも7つに、
糖尿病が大きく関わっているので、
単独の糖尿病による死亡が順位に入っていなくても、
安心できるものではありません。
スーパー糖質制限食実践で、
「血糖コントロール」、「インスリン分泌コントロール」、「肥満改善」を達成し、
酸化ストレスリスクを減らして、
動脈硬化・がん・老化・アルツハイマー病等を予防して、
楽しい快適な人生を送りましょう。
江部康二
2020年6月5日,厚生労働省が「令和元年(2019)人口動態統計月報年計(概数)の結果」を公表しました。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai20/dl/gaikyouR2.pdf 表7
日本人の死因ですが、
第1位 悪性新生物(腫瘍)
第2位 心疾患(高血圧性を除く)
第3位 老衰
第4位 脳血管疾患
第5位 肺炎
となっています。
「老衰」の定義はどうなのでしょう。
厚生労働省は「死亡診断書記入マニュアル」において、老衰を「高齢者でほかに記載すべき死亡原因のない、いわゆる自然死」と定義づけています。
結局、悪性新生物(腫瘍)と動脈硬化(心疾患と脳血管疾患)が、
病気による死因の双璧と言っていいでしょう。
悪性新生物(腫瘍)のほとんどはがんです。
心疾患による死亡の大部分は心筋梗塞です。
脳血管疾患死亡のほとんどは脳卒中(脳出血、脳梗塞、くも膜下出血)です。
主な死因別の死亡率の年次推移をみると、
悪性新生物<腫瘍>は一貫して上昇しており、
昭和 56 年(1981年)以降死因順位第1位となっています。
令和2年(2019年)の全死亡者に占める割合は 27.6%であり、
全死亡者のおよそ 3.6 人に1人は
悪性新生物<腫瘍>が死因となっています。
生活習慣病型のがんと動脈硬化は、
スーパー糖質制限食で予防できる可能性が高いです。
がんを予防する食事療法。スーパー糖質制限食。疫学研究考察。
2021年06月14日 (月)
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-5640.html
食後高血糖と酸化ストレス・AGEs・プラーク・動脈硬化。
2021年07月11日 (日)
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-5669.html
肺炎も血清アルブミン4.3g/dl以上あれば、予防しやすいのですが、
糖質制限食で動物性たんぱく質をしっかり摂取して
血清アルブミンを増やせば、肺炎も予防しやすくなります。
老衰も糖質制限食なら健康長寿を目指せます。
要するに、糖質制限食実践で、
日本人の死因の上位5疾患が全て予防できます。
死因の第6位以下はこうなっています。
第6位 誤嚥性肺炎
第7位 不慮の事故
第8位 腎不全
第9位 アルツハイマー病
第10位 血管性および詳細不明の認知症
かつて死因として「糖尿病」が挙げられていたこともありましたが、
2019年度では10位以内には入っていません。
しかし、がん・心疾患・脳血管疾患・アルツハイマー病・認知症には、
かなり色濃く糖尿病が関わっています。
肺炎も糖尿病のコントロールが悪いと重症化して命に関わります。
腎不全に関しても糖尿病がおおいに関わっています。
こうみると、日本人の死因トップ10の内、少なくとも7つに、
糖尿病が大きく関わっているので、
単独の糖尿病による死亡が順位に入っていなくても、
安心できるものではありません。
スーパー糖質制限食実践で、
「血糖コントロール」、「インスリン分泌コントロール」、「肥満改善」を達成し、
酸化ストレスリスクを減らして、
動脈硬化・がん・老化・アルツハイマー病等を予防して、
楽しい快適な人生を送りましょう。
江部康二
2021年08月06日 (金)
【1/08/06 西村典彦
私の目標値
私の生涯のHbA1cの最高値は6.9ですが、眼底に微少ながら出血痕が見つかっています。
HbA1c7.0未満なら合併症がないわけではないと言う事は、身をもって体験しています。
したがって、私は、バーンスタイン医師の提言どおり、
健常者と同じ血糖コントロール(食後ピーク140以下)を目標にしています。
幸にも糖質制限開始から8か月後には、出血痕は消失しました。
他にも気になる点があります。
糖質制限4年目になりますが、全身の皮膚の艶が良くなり、しっとりとしてきました。
しかし、下肢の皮膚は改善が遅く、まだカサカサ感があります。
そして、最近はほとんどなくなりましたが、
こむら返りも頻発していたことから考えて血流が悪くなっている事が懸念されます。
合併症で下肢切断に至る事がよくわかります。
他の部位に比べて下肢は高血糖のダメージを受けやすく、
または回復に時間がかかるのでしょうか。
このような経験からHbA1cは、7.0未満なら大丈夫とは全く考えていません。
7.0未満と言うのは低血糖リスクとのバーターだと思いますから、
リスクがないのであれば、
できるだけ健常者と同じ値に近づける方が良いに決まっています。
合併症とは診断されないまでも、
また、本人も意識していない(私も糖質制限で改善するまでそんなもんだと思っていた)数々の不調が発生しているはずです。
糖質制限で体調、体質が回復、改善していくにつれ、
それは普通ではなく年のせいでもなかったのだと気づかされる毎日です。】
西村典彦さんから、示唆に富むコメントを頂きました。
とても参考になります。
ありがとうございます。
【私の生涯のHbA1cの最高値は6.9ですが、
眼底に微少ながら出血痕が見つかっています。
HbA1c7.0未満なら合併症がないわけではないと言う事は、
身をもって体験しています。】
HbA1c6.9%以下でも眼底に出血があったのですから、
ご指摘通り、
日本糖尿病学会のいうHbA1c7.0未満なら合併症予防ができるというのは、
問題です。
とくにインスリン注射や経口血糖降下剤を内服して、
従来の糖尿病食(カロリー制限・高糖質食)摂取していて、
HbA1c7.0未満を達成している場合は、『質の悪いHbA1c』である可能性が高く、
合併症予防は困難となります。
質の悪いHbA1cとは
『食後高血糖』と『空腹時低血糖』と『平均血糖変動幅増大』があり、
酸化ストレスリスクの高い状態のHbA1cのことを言います。
一般社団法人糖尿病データマネジメント研究会 (JDDM) は
糖尿病データ管理ソフトウェアを使用している医療機関の医師を中心に構成・設立され、運営されています。
それによると、2016年度の平均HbA1cは、7.0%です。
6.9%以下ではないですが、
HbA1cだけみるとまあまあコントロールできている人が多いということになります。
JDDM以外の病院でも,血糖コントロール指標としてのHbA1cは似たようなものです。
しかしながら毎年新たに、
16000人以上の人工透析、3000人以上の失明、3000人以上の足切断という状況は
変わりません。
つまり、HbA1cは数値的にはまあまあだけど、
糖尿病合併症は予防できていないわけですので、
糖尿病学会主導の治療で得られるのは『質の悪いHbA1c』 ということができます。
糖質制限食の場合は、『食後高血糖』と『平均血糖変動幅増大』のない
『質の良いHbA1c』なので、合併症予防が可能となります。
【したがって、私は、バーンスタイン医師の提言どおり、
健常者と同じ血糖コントロール(食後ピーク140以下)を目標にしています。
幸にも糖質制限開始から8か月後には、出血痕は消失しました。】
素晴らしい成果です。
出血痕が消えてよかったです。
【他の部位に比べて下肢は高血糖のダメージを受けやすく、
または回復に時間がかかるのでしょうか。】
他の糖尿病患者さんを診ていても、そのように思います。
糖尿病神経症害も、足指~下肢がほとんどです。
切断も足切断であり、上肢切断はまれです。
【このような経験からHbA1cは、7.0未満なら大丈夫とは全く考えていません。
7.0未満と言うのは低血糖リスクとのバーターだと思いますから、
リスクがないのであれば、
できるだけ健常者と同じ値に近づける方が良いに決まっています。】
仰る通りです。
従来の糖尿病食(低カロリー・高糖質食)実践だと、
『食後高血糖』と『空腹時低血糖』が必ず生じます。
HbA1cが6.0%とかの数値を目指せば、低血糖を生じる可能性が高いので、
HbA1cが7.0%未満くらいを目標にして低血糖リスクを避けているのです。
当然、糖質制限食で健常者と同じ数値目標にするのが、
最もリーズナブルな目標ですし、
糖質制限食なら低血糖リスクもありません。
【合併症とは診断されないまでも、
また、本人も意識していない(私も糖質制限で改善するまでそんなもんだと思っていた)数々の不調が発生しているはずです。
糖質制限で体調、体質が回復、改善していくにつれ、
それは普通ではなく年のせいでもなかったのだと気づかされる毎日です。】
こちらも仰る通りです。
私も52歳で糖尿病を発症してから、様々な症状が改善していきました。
足指や耳のしもやけ、皮膚のカサカサ、口内炎、手足の冷え(冬)、フケ、
固い便、切れ痔、いぼ痔、吹き出物・・・などなど
いろんな症状が改善しました。
71歳現在、内服薬なし、血圧正常、聴力・視力低下なし、
虫歯・歯周病なし、歯は全て残存、夜間尿なし、嗅覚・味覚正常です。
読者の皆さん、
美味しく楽しく末長く糖質制限食実践で、健康長寿を目指しましょう。
江部康二
私の目標値
私の生涯のHbA1cの最高値は6.9ですが、眼底に微少ながら出血痕が見つかっています。
HbA1c7.0未満なら合併症がないわけではないと言う事は、身をもって体験しています。
したがって、私は、バーンスタイン医師の提言どおり、
健常者と同じ血糖コントロール(食後ピーク140以下)を目標にしています。
幸にも糖質制限開始から8か月後には、出血痕は消失しました。
他にも気になる点があります。
糖質制限4年目になりますが、全身の皮膚の艶が良くなり、しっとりとしてきました。
しかし、下肢の皮膚は改善が遅く、まだカサカサ感があります。
そして、最近はほとんどなくなりましたが、
こむら返りも頻発していたことから考えて血流が悪くなっている事が懸念されます。
合併症で下肢切断に至る事がよくわかります。
他の部位に比べて下肢は高血糖のダメージを受けやすく、
または回復に時間がかかるのでしょうか。
このような経験からHbA1cは、7.0未満なら大丈夫とは全く考えていません。
7.0未満と言うのは低血糖リスクとのバーターだと思いますから、
リスクがないのであれば、
できるだけ健常者と同じ値に近づける方が良いに決まっています。
合併症とは診断されないまでも、
また、本人も意識していない(私も糖質制限で改善するまでそんなもんだと思っていた)数々の不調が発生しているはずです。
糖質制限で体調、体質が回復、改善していくにつれ、
それは普通ではなく年のせいでもなかったのだと気づかされる毎日です。】
西村典彦さんから、示唆に富むコメントを頂きました。
とても参考になります。
ありがとうございます。
【私の生涯のHbA1cの最高値は6.9ですが、
眼底に微少ながら出血痕が見つかっています。
HbA1c7.0未満なら合併症がないわけではないと言う事は、
身をもって体験しています。】
HbA1c6.9%以下でも眼底に出血があったのですから、
ご指摘通り、
日本糖尿病学会のいうHbA1c7.0未満なら合併症予防ができるというのは、
問題です。
とくにインスリン注射や経口血糖降下剤を内服して、
従来の糖尿病食(カロリー制限・高糖質食)摂取していて、
HbA1c7.0未満を達成している場合は、『質の悪いHbA1c』である可能性が高く、
合併症予防は困難となります。
質の悪いHbA1cとは
『食後高血糖』と『空腹時低血糖』と『平均血糖変動幅増大』があり、
酸化ストレスリスクの高い状態のHbA1cのことを言います。
一般社団法人糖尿病データマネジメント研究会 (JDDM) は
糖尿病データ管理ソフトウェアを使用している医療機関の医師を中心に構成・設立され、運営されています。
それによると、2016年度の平均HbA1cは、7.0%です。
6.9%以下ではないですが、
HbA1cだけみるとまあまあコントロールできている人が多いということになります。
JDDM以外の病院でも,血糖コントロール指標としてのHbA1cは似たようなものです。
しかしながら毎年新たに、
16000人以上の人工透析、3000人以上の失明、3000人以上の足切断という状況は
変わりません。
つまり、HbA1cは数値的にはまあまあだけど、
糖尿病合併症は予防できていないわけですので、
糖尿病学会主導の治療で得られるのは『質の悪いHbA1c』 ということができます。
糖質制限食の場合は、『食後高血糖』と『平均血糖変動幅増大』のない
『質の良いHbA1c』なので、合併症予防が可能となります。
【したがって、私は、バーンスタイン医師の提言どおり、
健常者と同じ血糖コントロール(食後ピーク140以下)を目標にしています。
幸にも糖質制限開始から8か月後には、出血痕は消失しました。】
素晴らしい成果です。
出血痕が消えてよかったです。
【他の部位に比べて下肢は高血糖のダメージを受けやすく、
または回復に時間がかかるのでしょうか。】
他の糖尿病患者さんを診ていても、そのように思います。
糖尿病神経症害も、足指~下肢がほとんどです。
切断も足切断であり、上肢切断はまれです。
【このような経験からHbA1cは、7.0未満なら大丈夫とは全く考えていません。
7.0未満と言うのは低血糖リスクとのバーターだと思いますから、
リスクがないのであれば、
できるだけ健常者と同じ値に近づける方が良いに決まっています。】
仰る通りです。
従来の糖尿病食(低カロリー・高糖質食)実践だと、
『食後高血糖』と『空腹時低血糖』が必ず生じます。
HbA1cが6.0%とかの数値を目指せば、低血糖を生じる可能性が高いので、
HbA1cが7.0%未満くらいを目標にして低血糖リスクを避けているのです。
当然、糖質制限食で健常者と同じ数値目標にするのが、
最もリーズナブルな目標ですし、
糖質制限食なら低血糖リスクもありません。
【合併症とは診断されないまでも、
また、本人も意識していない(私も糖質制限で改善するまでそんなもんだと思っていた)数々の不調が発生しているはずです。
糖質制限で体調、体質が回復、改善していくにつれ、
それは普通ではなく年のせいでもなかったのだと気づかされる毎日です。】
こちらも仰る通りです。
私も52歳で糖尿病を発症してから、様々な症状が改善していきました。
足指や耳のしもやけ、皮膚のカサカサ、口内炎、手足の冷え(冬)、フケ、
固い便、切れ痔、いぼ痔、吹き出物・・・などなど
いろんな症状が改善しました。
71歳現在、内服薬なし、血圧正常、聴力・視力低下なし、
虫歯・歯周病なし、歯は全て残存、夜間尿なし、嗅覚・味覚正常です。
読者の皆さん、
美味しく楽しく末長く糖質制限食実践で、健康長寿を目指しましょう。
江部康二
2021年08月05日 (木)
こんにちは。
今日は、糖尿病合併症と罹病期間、コントロール目標のお話しです。
慢性の糖尿病合併症ですが、罹病(りびょう)後、
長期間血糖コントロールの悪い状態が持続して、
細小血管や大血管に傷害が生じて初めて発生します。
罹病後というのは、診断後と同一ではありません。
糖尿病と診断される前に、例えば5年間高血糖状態をほったらかしていたら、
診断時にはすでに罹病後5年間が経過しているわけです。
細小血管合併症には、糖尿病神経障害、糖尿病網膜症、糖尿病腎症など、
大血管合併症には、心筋梗塞、脳卒中、糖尿病足病変などがあります。
長期間というのは、一般的には、糖尿病発症後、数年間以上の単位です。
通常は、少なくともHbA1c7.0%以上、通常は7.4%以上の血糖コントロール不良が、
数年間以上継続して初めて細小血管や大血管に障害が生じて合併症を生じます。
糖尿病神経障害は、特に早ければ罹病後2~3年、
通常は罹病後5~10年で発症してきます。
罹病期間が長くなるにつれて有病率が高くなります。
糖尿病網膜症は、通常は罹病後、5年以降に始まります。
網膜症を発症する率は、糖尿病の罹病期間が長くなるにつれて高くなり、
罹病期間が20年を超えると80%以上になります。
網膜症が重症化し視力障害を来し、失明にいたる例は、
最近では年間3000人以上とされ、成人の中途失明の原因の第2位です。
糖尿病腎症は、通常糖尿病発症5~10年で
患者さんの約20%が第3期腎症(顕性腎症)に陥るとされています。
もっともこれらは血糖コントロールが悪いから、合併症を発症するわけです。
日本糖尿病学会の見解では、
① 空腹時血糖値130mg/dl未満
② 食後2時間血糖値180mg/dlmg/dl未満
③ HbA1c7.0%未満
上記①②③を達成していれば、
合併症は予防できるし進行を阻止できるとされています。
(2013年の日本糖尿病学会「熊本宣言」)
上記は、我々糖質セイゲニストにとっては、簡単な目標ですね。
糖質セイゲニストは
① 空腹時血糖値110mg/dl未満
② 食後2時間血糖値140mg/dlmg/dl未満
③ HbA1c6.2%未満
達成を目指したいです。
美味しく楽しく末長く糖質制限食実践で、目標達成をめざしましょう。
なお、従来の糖尿病食(高糖質食)では、
日本糖尿病学会の目標をクリアしていても、
合併症が防げない可能性が高いのです。
糖尿病食(高糖質食)の場合は、HbA1cは7.0%未満を達成していても
食後高血糖と空腹時低血糖を伴う『質の悪いHbA1c』の可能性が高いのです。
これでは、『食後高血糖』と『平均血糖変動幅増大』という酸化ストレスリスクを予防することは困難であり、
糖尿病合併症予防もまた困難なのです。
江部康二
2021年08月04日 (水)
こんにちは。
私が監修を務める「菓子職人」さんが、
糖質制限マンスリーケーキの販売を開始されましたのでお知らせします。
8・9月の糖質制限マンスリーケーキは新発売の
「レモンのプレミアムチーズケーキ」です。
「糖質制限中の方にも、美味しいケーキで季節を感じていただきたい。
菓子職人より、月替わりでお楽しみいただける糖質制限マンスリーケーキお届けします」
菓子職人サイトより
https://www.kashishokunin.co.jp/toushitsuseigen/products/monthly/monthly08.php
ここでご購入頂けます。
糖質 2.25g カロリー 282kcal
※100gあたり ※エリストールを除く


A 金箔
B 仕上げ用生クリーム:軽く低脂肪28.1%の生クリームと寒天ベース等を加えて軽くくちどけよく仕上げました。
C レモン風味のレアチーズケーキ:北海道クリームチーズとフランス産フロマージュブランや発酵乳と有機シチリア産レモンジュースで濃厚かつ爽やかに夏向けに仕上げました。
D レモンゼリー:有機シチリア産レモンジュース100%を使用して仕込みました。
E 半熟チーズケーキ:北海道クリームチーズとフランス産フロマージュブランをたっぷり使用し、フレッシュクリームとサワークリームでコクを出し、甘味はエリスリトール、羅漢果、有機アガベイヌリンでつけました。

2021年7月30日(金)
17時 摂取前 血糖値:115mg
18時 接種後60分 血糖値:110mg
レモンの香りと風味がとてもが爽やかな、夏にふさわしい逸品でした。
糖質含有量が2.25gですが、血糖値がかえって下がりました。
レモンのプレミアムチーズケーキ(100g中、糖質2.25g)の糖質に対して
私の追加分泌インスリンがでて、「2.25g×3mg=6.75mg」分の上昇予定をカバーして
少し余裕があって余った分、血糖値が下がったのでしょう。
糖尿病の入院患者さんでも、糖質制限食摂取で、
時々食前より食後血糖値が下がることがあります。
菓子職人さん、Good Job! です。謝謝!!
まさに、スーパー糖質制限合格食品ですね。
糖質セイゲニストの皆さん、是非ご賞味あれ。
江部康二
私が監修を務める「菓子職人」さんが、
糖質制限マンスリーケーキの販売を開始されましたのでお知らせします。
8・9月の糖質制限マンスリーケーキは新発売の
「レモンのプレミアムチーズケーキ」です。
「糖質制限中の方にも、美味しいケーキで季節を感じていただきたい。
菓子職人より、月替わりでお楽しみいただける糖質制限マンスリーケーキお届けします」
菓子職人サイトより
https://www.kashishokunin.co.jp/toushitsuseigen/products/monthly/monthly08.php
ここでご購入頂けます。
糖質 2.25g カロリー 282kcal
※100gあたり ※エリストールを除く


A 金箔
B 仕上げ用生クリーム:軽く低脂肪28.1%の生クリームと寒天ベース等を加えて軽くくちどけよく仕上げました。
C レモン風味のレアチーズケーキ:北海道クリームチーズとフランス産フロマージュブランや発酵乳と有機シチリア産レモンジュースで濃厚かつ爽やかに夏向けに仕上げました。
D レモンゼリー:有機シチリア産レモンジュース100%を使用して仕込みました。
E 半熟チーズケーキ:北海道クリームチーズとフランス産フロマージュブランをたっぷり使用し、フレッシュクリームとサワークリームでコクを出し、甘味はエリスリトール、羅漢果、有機アガベイヌリンでつけました。

2021年7月30日(金)
17時 摂取前 血糖値:115mg
18時 接種後60分 血糖値:110mg
レモンの香りと風味がとてもが爽やかな、夏にふさわしい逸品でした。
糖質含有量が2.25gですが、血糖値がかえって下がりました。
レモンのプレミアムチーズケーキ(100g中、糖質2.25g)の糖質に対して
私の追加分泌インスリンがでて、「2.25g×3mg=6.75mg」分の上昇予定をカバーして
少し余裕があって余った分、血糖値が下がったのでしょう。
糖尿病の入院患者さんでも、糖質制限食摂取で、
時々食前より食後血糖値が下がることがあります。
菓子職人さん、Good Job! です。謝謝!!
まさに、スーパー糖質制限合格食品ですね。
糖質セイゲニストの皆さん、是非ご賞味あれ。
江部康二
2021年08月03日 (火)
こんにちは。
ヤフーニュースに2021年7月20日、
https://news.yahoo.co.jp/articles/a1568b15ff516649c3b3f790db3979f10f3c26c3
新型コロナ「50代問題」って? 若年層の感染者、重症者は増えていくのか
という記事が掲載されました。
詳しくは上記URLをご参照ください。
新型コロナウイルスの感染が再拡大している東京都で、
小池百合子知事が「50代問題」という表現で、事態の深刻さを指摘です。
50代の重症者増加を懸念ですが、
40代や、さらに若い世代の重症者の割合も増えているようです。
東京都の新型コロナウイルス感染の中心が、高齢者から若年層と中年層に移り、
新規感染者の90%前後が50代以下です。
そして、新型コロナで入院している患者のうち、50代の割合が最も高いのです。
7月15日の『東京都新型コロナウイルス感染症モニタリング会議』によると、
新規感染者のうち、最も多いのは20代で30.9%です。
50代は12.1%で、この割合は30代(20.4%)、40代(18.3%)より低い数字です。
20代と30代を合計すると、51.3%であり、半分を超えていて、
比較的若い世代が感染増加の中心にいます。
しかしながら、入院患者については50代が約21%を占め、最も多くなっていますので
やはり、年齢が高くなるほど重症化率と入院率は増えています。
一方2021年1月の“第3波”では、入院の6割以上は60代以上で、50代は約16%、
5月にピークを迎えた“第4波”では、50代以下の入院増加がありましたが、
まだ約18%でした。
現7月時点では、それより高い割合となっています。
新型コロナのワクチン接種が、高齢者から優先的に実施されているので、
東京都では65歳以上の52.1%が2回接種を完了(7月15日時点)、
77.5%が1回は接種している(同)ので、その効果によって
重症化が防がれていて入院が減っていると思われます。
米国のCDCによれば、インドの変異株であるデルタ株に対しては、
現行のワクチンは発症予防や感染予防効果は期待できないけれど、
重症化は防いでくれるのでその効果かと思われます。
このような流れにおいて、
ワクチン未接種者が多い50代以下の入院割合が高くなっていると思われます。
また、『肥満』は50代男性で約4割、『喫煙者』は50代男性の33%です。
そして『糖尿病』も50代から多くなりますが、
これらは新型コロナの重症化リスクとなります。
また、出社している人の割合が50代は、他の年齢層より高く、
テレワーク等の頻度が低いのです。
人と人との接触が日常的に多いことに加え、
50代は、感染したら悪化するリスクが高い年代であり、
入院が必要になる割合が、40代以下より高いと考えられます。
2021年7月15日のモニタリング会議の時点では、重症者54人のうち、
40代は5人でしたが、割合としては高くなっています。
一方、東京都では6月後半から、30代の重症者が、
7月に入ってからは20代の重症者も継続的に報告されるようになりました。
7月12日には、基礎疾患のない10代未満の重症者も報告されています。
若年者でも肥満者や喫煙者重症化リスクがあるので要注意です。
これらはデルタ株による感染が関与していると思われます。
これまで若者には重症者は極めて少ないとされてきましたが、
デルタ株優位となってきている現在は固定観念を改める必要があります。
現在、新規感染の中心は20代、30代ですが、
テレビの報道を見ていると、緊急事態宣言関係なく
結構普通にお酒を飲んで会食している方々が多いようです。
デルタ株に対しては、40代以下でも重症化リスクがあるので、
会食・カラオケなどは自粛するのが良いと思います。
私は71歳ですが、会食は一切自粛しています。
60歳以上の方々も一定ていど、お酒ありの会食などは
私と同様に、自粛されている方々の割合は50代以下より
多いのではないかと思っています。
デルタ株の蔓延により、ワクチン未接種の人はもちろん、2回接種済みの人も
手洗いや消毒、マスク着用、『3密(密集、密接、密閉)』を避けること、
会食、カラオケは避けることなど、
従来言われている基本的な感染対策をキッチリ励行することが、
大切です。
江部康二
ヤフーニュースに2021年7月20日、
https://news.yahoo.co.jp/articles/a1568b15ff516649c3b3f790db3979f10f3c26c3
新型コロナ「50代問題」って? 若年層の感染者、重症者は増えていくのか
という記事が掲載されました。
詳しくは上記URLをご参照ください。
新型コロナウイルスの感染が再拡大している東京都で、
小池百合子知事が「50代問題」という表現で、事態の深刻さを指摘です。
50代の重症者増加を懸念ですが、
40代や、さらに若い世代の重症者の割合も増えているようです。
東京都の新型コロナウイルス感染の中心が、高齢者から若年層と中年層に移り、
新規感染者の90%前後が50代以下です。
そして、新型コロナで入院している患者のうち、50代の割合が最も高いのです。
7月15日の『東京都新型コロナウイルス感染症モニタリング会議』によると、
新規感染者のうち、最も多いのは20代で30.9%です。
50代は12.1%で、この割合は30代(20.4%)、40代(18.3%)より低い数字です。
20代と30代を合計すると、51.3%であり、半分を超えていて、
比較的若い世代が感染増加の中心にいます。
しかしながら、入院患者については50代が約21%を占め、最も多くなっていますので
やはり、年齢が高くなるほど重症化率と入院率は増えています。
一方2021年1月の“第3波”では、入院の6割以上は60代以上で、50代は約16%、
5月にピークを迎えた“第4波”では、50代以下の入院増加がありましたが、
まだ約18%でした。
現7月時点では、それより高い割合となっています。
新型コロナのワクチン接種が、高齢者から優先的に実施されているので、
東京都では65歳以上の52.1%が2回接種を完了(7月15日時点)、
77.5%が1回は接種している(同)ので、その効果によって
重症化が防がれていて入院が減っていると思われます。
米国のCDCによれば、インドの変異株であるデルタ株に対しては、
現行のワクチンは発症予防や感染予防効果は期待できないけれど、
重症化は防いでくれるのでその効果かと思われます。
このような流れにおいて、
ワクチン未接種者が多い50代以下の入院割合が高くなっていると思われます。
また、『肥満』は50代男性で約4割、『喫煙者』は50代男性の33%です。
そして『糖尿病』も50代から多くなりますが、
これらは新型コロナの重症化リスクとなります。
また、出社している人の割合が50代は、他の年齢層より高く、
テレワーク等の頻度が低いのです。
人と人との接触が日常的に多いことに加え、
50代は、感染したら悪化するリスクが高い年代であり、
入院が必要になる割合が、40代以下より高いと考えられます。
2021年7月15日のモニタリング会議の時点では、重症者54人のうち、
40代は5人でしたが、割合としては高くなっています。
一方、東京都では6月後半から、30代の重症者が、
7月に入ってからは20代の重症者も継続的に報告されるようになりました。
7月12日には、基礎疾患のない10代未満の重症者も報告されています。
若年者でも肥満者や喫煙者重症化リスクがあるので要注意です。
これらはデルタ株による感染が関与していると思われます。
これまで若者には重症者は極めて少ないとされてきましたが、
デルタ株優位となってきている現在は固定観念を改める必要があります。
現在、新規感染の中心は20代、30代ですが、
テレビの報道を見ていると、緊急事態宣言関係なく
結構普通にお酒を飲んで会食している方々が多いようです。
デルタ株に対しては、40代以下でも重症化リスクがあるので、
会食・カラオケなどは自粛するのが良いと思います。
私は71歳ですが、会食は一切自粛しています。
60歳以上の方々も一定ていど、お酒ありの会食などは
私と同様に、自粛されている方々の割合は50代以下より
多いのではないかと思っています。
デルタ株の蔓延により、ワクチン未接種の人はもちろん、2回接種済みの人も
手洗いや消毒、マスク着用、『3密(密集、密接、密閉)』を避けること、
会食、カラオケは避けることなど、
従来言われている基本的な感染対策をキッチリ励行することが、
大切です。
江部康二
2021年08月01日 (日)
こんにちは。
テレ朝NEWSのサイトに
2021年7月31日(土)
デルタ株「ワクチン接種後もうつす可能性」 米CDC
https://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000224199.html
という記事が掲載されました。
【アメリカの保健当局は2021年7月に国内で発生した新型コロナの集団感染を分析し、
デルタ株の場合、
ワクチンを接種した人もウイルスを感染させる可能性があると明かしました。
アメリカCDC(疾病対策センター)は2021年7月30日、
7月に東部マサチューセッツ州で集団感染が確認された469人のうち、
約74%がすでにワクチンの接種を終えていたとする分析結果を公表しました。
CDCのワレンスキー所長は声明で、
「デルタ株に感染した場合、ワクチンを接種した人もしていない人と同等にウイルス量が高くなることが明らかになった」
「デルタ株に感染したワクチン接種者がウイルスを他の人に感染させる可能性がある」
と指摘しています。
この分析結果をもとに、CDCは27日、
感染が拡大する地域では屋内でマスクを着用するよう指針を見直しました。
ワクチンについてはデルタ株にも重症化を防ぐ効果があると訴え、
早期に接種するよう呼び掛けています。】
米疾病対策センター(CDC)は30日、
東部マサチューセッツ州の町で7月に起きた新型コロナウイルスの集団感染で、
感染者の74%はワクチン接種を完了していたと公表しました。
クラスター発生です。
つまり、現行の米国の新型コロナワクチン(ファイザー社やモデルナ社製)は、
『変異したインド由来のデルタ株に対しては、感染予防・発症予防効果はない』
ということとなります。
新型コロナウイルスは実に狡猾に思えます。
ワクチンが完成して接種されたら、
どんどん変異してワクチンが効かない株になって対抗してきます。
<ワクチン VS ウイルス変異>という戦いは、
後出しじゃんけんみたいなものであり、ウイルスに分があるようです。
まあ、ウイルスにとっては生き残り戦略として当然なことなのかもしれません。
感染力が強いデルタ株感染の場合は、
保有するウイルスの量はワクチン未接種で感染した人とほぼ同じで、
他の人にうつす懸念があるとのことです。
CDCは、デルタ株は従来のウイルスよりデルタ株は、
2倍感染が広がりやすいと指摘しています。
流行地域ではワクチン接種完了者も、
屋内でマスクを着用するよう改めて呼び掛けています。
一方で、ワクチン接種は重症化や死亡を防ぐとも強調しました。
米国ではワクチン普及に伴い今年前半、感染者は大幅に減少しましたが、
デルタ株の猛威で7月は増加し続けており、今後感染の拡大が懸念されています。
集団感染した469人のうち79%はせきや頭痛などを発症、4人が入院しました。
ウイルスのタイプを分析できた133人のうち
約90%はデルタ株に感染していました。
新型コロナウイルス対策、
ワクチンが頼りにならないとすれば、
<スーパー糖質制限食実践>で、
<血中ケトン体高値><AGEs蓄積最小限>の二点を確立して
免疫力健常を保つことが、最適の対策だと私は思います。
江部康二
テレ朝NEWSのサイトに
2021年7月31日(土)
デルタ株「ワクチン接種後もうつす可能性」 米CDC
https://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000224199.html
という記事が掲載されました。
【アメリカの保健当局は2021年7月に国内で発生した新型コロナの集団感染を分析し、
デルタ株の場合、
ワクチンを接種した人もウイルスを感染させる可能性があると明かしました。
アメリカCDC(疾病対策センター)は2021年7月30日、
7月に東部マサチューセッツ州で集団感染が確認された469人のうち、
約74%がすでにワクチンの接種を終えていたとする分析結果を公表しました。
CDCのワレンスキー所長は声明で、
「デルタ株に感染した場合、ワクチンを接種した人もしていない人と同等にウイルス量が高くなることが明らかになった」
「デルタ株に感染したワクチン接種者がウイルスを他の人に感染させる可能性がある」
と指摘しています。
この分析結果をもとに、CDCは27日、
感染が拡大する地域では屋内でマスクを着用するよう指針を見直しました。
ワクチンについてはデルタ株にも重症化を防ぐ効果があると訴え、
早期に接種するよう呼び掛けています。】
米疾病対策センター(CDC)は30日、
東部マサチューセッツ州の町で7月に起きた新型コロナウイルスの集団感染で、
感染者の74%はワクチン接種を完了していたと公表しました。
クラスター発生です。
つまり、現行の米国の新型コロナワクチン(ファイザー社やモデルナ社製)は、
『変異したインド由来のデルタ株に対しては、感染予防・発症予防効果はない』
ということとなります。
新型コロナウイルスは実に狡猾に思えます。
ワクチンが完成して接種されたら、
どんどん変異してワクチンが効かない株になって対抗してきます。
<ワクチン VS ウイルス変異>という戦いは、
後出しじゃんけんみたいなものであり、ウイルスに分があるようです。
まあ、ウイルスにとっては生き残り戦略として当然なことなのかもしれません。
感染力が強いデルタ株感染の場合は、
保有するウイルスの量はワクチン未接種で感染した人とほぼ同じで、
他の人にうつす懸念があるとのことです。
CDCは、デルタ株は従来のウイルスよりデルタ株は、
2倍感染が広がりやすいと指摘しています。
流行地域ではワクチン接種完了者も、
屋内でマスクを着用するよう改めて呼び掛けています。
一方で、ワクチン接種は重症化や死亡を防ぐとも強調しました。
米国ではワクチン普及に伴い今年前半、感染者は大幅に減少しましたが、
デルタ株の猛威で7月は増加し続けており、今後感染の拡大が懸念されています。
集団感染した469人のうち79%はせきや頭痛などを発症、4人が入院しました。
ウイルスのタイプを分析できた133人のうち
約90%はデルタ株に感染していました。
新型コロナウイルス対策、
ワクチンが頼りにならないとすれば、
<スーパー糖質制限食実践>で、
<血中ケトン体高値><AGEs蓄積最小限>の二点を確立して
免疫力健常を保つことが、最適の対策だと私は思います。
江部康二
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