2021年07月31日 (土)
こんにちは。
ナショナルジオグラフィックのニュースに、2021年7月27日(火)以下の記事が掲載されました。
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/21/072700375/?n_cid=nbpnng_mled_html&xadid=10005
宇宙&科学
鼻で吸うコロナワクチンが臨床試験へ、高い効果が期待される理由
注射器不要のうえ腕への接種より効果的、「一石二鳥」と専門家
詳しくは、上記のURLを参照して頂ければ幸いです。
私も、経鼻ワクチンに、おおいに賛成したいと思います。
新型コロナウイルスが鼻や上気道の粘膜を介して感染します。
経鼻ワクチンなら、その自然な感染パターンに近い方法にであるため、
より優れた発症予防効果が得られる可能性があるのです。
現在、鼻腔スプレーによって投与される6種の新型コロナワクチン候補で第1相臨床試験が行われています。
「持続的かつ長期的な免疫反応を起こしたいのであれば、局所的にワクチンを接種する必要があります」と話すのは、
米ハーバード大学で腸や鼻の粘膜組織における免疫を研究する免疫学者、
ホセ・オルドバス・モンタニェス氏です。
経鼻ワクチンは、上気道や、可能性としては肺の免疫も大幅に向上させ、
粘膜における局所的な抗体の反応やT細胞の応答を引き起こします。
そのためワクチンで活性化された免疫細胞は、ウイルスが取り付いたら、速やかにそれを捕らえ、破壊できます。
大きな利点は、感染部位で免疫を生み出すところであり、
ウイルスが侵入してくる局所に活性化された免疫が存在することが望ましいのです。
経鼻ワクチンをマウスやフェレットに1回投与するだけで重症化を防げるという論文が、
2021年7月2日付けで学術誌「Science Advances」に発表されています。
過去10年以上の間に免疫系に関する理解が進んだ結果、多くの免疫細胞は組織の中にあることがわかってきました。
例えば、T細胞の95%以上は組織や臓器に“定住”し、皮膚、腸、脳、肝臓、肺にそれぞれ異なる集団が存在します。
その意味でも、経鼻ワクチンで、鼻粘膜や気管支粘膜に定住する免疫細胞を活性化させることは、
新型コロナウイルスの感染・発症予防に最適な方法と言えます。
一方、現行の新型コロナワクチンは、ファイザー社もモデルナ社もアストラゼネカ社も
皆、筋肉注射です。
それでも一定の効果があることは確かなのですが、
実は効率が悪いのです。
腕にワクチンを打てば、血中にスパイクタンパクが入って、
抗体やT細胞が血管全体に分布するような、全身的な規模での免疫を作り出します。
しかし、この方法では、免疫細胞がウイルスの侵入箇所に集中しないし、
局所の粘膜防御を担う免疫細胞もさして活性化されないので、
水際で防御するというのは困難なのです。
経鼻なら筋注より侵襲も少ないし、有害事象も少なそうです。
一刻も早い、経鼻ワクチンの実用化が望まれます。
江部康二
ナショナルジオグラフィックのニュースに、2021年7月27日(火)以下の記事が掲載されました。
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/21/072700375/?n_cid=nbpnng_mled_html&xadid=10005
宇宙&科学
鼻で吸うコロナワクチンが臨床試験へ、高い効果が期待される理由
注射器不要のうえ腕への接種より効果的、「一石二鳥」と専門家
詳しくは、上記のURLを参照して頂ければ幸いです。
私も、経鼻ワクチンに、おおいに賛成したいと思います。
新型コロナウイルスが鼻や上気道の粘膜を介して感染します。
経鼻ワクチンなら、その自然な感染パターンに近い方法にであるため、
より優れた発症予防効果が得られる可能性があるのです。
現在、鼻腔スプレーによって投与される6種の新型コロナワクチン候補で第1相臨床試験が行われています。
「持続的かつ長期的な免疫反応を起こしたいのであれば、局所的にワクチンを接種する必要があります」と話すのは、
米ハーバード大学で腸や鼻の粘膜組織における免疫を研究する免疫学者、
ホセ・オルドバス・モンタニェス氏です。
経鼻ワクチンは、上気道や、可能性としては肺の免疫も大幅に向上させ、
粘膜における局所的な抗体の反応やT細胞の応答を引き起こします。
そのためワクチンで活性化された免疫細胞は、ウイルスが取り付いたら、速やかにそれを捕らえ、破壊できます。
大きな利点は、感染部位で免疫を生み出すところであり、
ウイルスが侵入してくる局所に活性化された免疫が存在することが望ましいのです。
経鼻ワクチンをマウスやフェレットに1回投与するだけで重症化を防げるという論文が、
2021年7月2日付けで学術誌「Science Advances」に発表されています。
過去10年以上の間に免疫系に関する理解が進んだ結果、多くの免疫細胞は組織の中にあることがわかってきました。
例えば、T細胞の95%以上は組織や臓器に“定住”し、皮膚、腸、脳、肝臓、肺にそれぞれ異なる集団が存在します。
その意味でも、経鼻ワクチンで、鼻粘膜や気管支粘膜に定住する免疫細胞を活性化させることは、
新型コロナウイルスの感染・発症予防に最適な方法と言えます。
一方、現行の新型コロナワクチンは、ファイザー社もモデルナ社もアストラゼネカ社も
皆、筋肉注射です。
それでも一定の効果があることは確かなのですが、
実は効率が悪いのです。
腕にワクチンを打てば、血中にスパイクタンパクが入って、
抗体やT細胞が血管全体に分布するような、全身的な規模での免疫を作り出します。
しかし、この方法では、免疫細胞がウイルスの侵入箇所に集中しないし、
局所の粘膜防御を担う免疫細胞もさして活性化されないので、
水際で防御するというのは困難なのです。
経鼻なら筋注より侵襲も少ないし、有害事象も少なそうです。
一刻も早い、経鼻ワクチンの実用化が望まれます。
江部康二
2021年07月30日 (金)
こんにちは。
山中伸弥 京都大学iPS細胞研究所所長・教授 が
『山中伸弥による新型コロナウイルス情報発信』
と題して、啓発活動を行っておられます。
新型コロナウイルスのアルファ株、デルタ株に対するワクチンの効果について考察するときに、
とても参考になります。
イスラエルでは世界に先駆け、2020年12月19日からファイザー社製mRNAワクチンの接種を開始し、
新型コロナウイルス・アルファ変異による感染の収束に成功しました。
しかし、2021年6月以降、デルタ変異ウイルスによる感染の再拡大をきたしています。
イスラエル保健省は、ワクチン2回接種後の時間経過とともに、
感染や発症を抑制する効果が減弱していると2021年7月18日に報告しています。
2021年4月に2回目接種を終えた人では、6月18日から7月17日の期間における感染と発症抑制効果は、
それぞれ75%と79%でした。
しかし、2021年1月に2回目接種を終えた人においては、感染と発症抑制効果は16%にまで減少しています。
一方、1月に2回目接種した人においても、入院や重症化を抑制する効果は、
それぞれ82%と86%と、高い抑制効果が維持されています。
つまり、ファイザー社の新型コロナワクチンは接種後、
半年経時点で時点で、感染と発症抑制効果は90%以上から16%にまで一気に減少しています。
南海キャンディーズのしずちゃんが、2回新型コロナウイルスに感染したということなので、
自然感染でもワクチンでもできた抗体は、そんなに長持ちしないということです。
一方、入院と重症化抑制に関しては、高い効果が維持されているので、ワクチンの意義は確実にあります。
一方、英国の報告では、ファイザー社のワクチンのアルファ型に対する効果は約94%、
デルタ型に対しては88%の発症抑制効果です。
イスラエルの報告よりかなり良い数値です。
英国ではアストラゼネガ社製のワクチンも広く用いられていますが、
2回接種後のアルファ型とデルタ型に対する発症抑制効果は、それぞれ約75%と67%でした。
やはり、アストラゼネカ社のワクチンの効果はファイザー社より劣るようです。
ともあれ、
イスラエルの報告を参考にすれば、
『新型コロナワクチン接種後半年で、感染予防効果はほとんどなくなるけれど、重症化は防ぐことができる。』
ということであり、結局は長年お馴染みのインフルエンザワクチンと同等の効果ということでしょうか。
江部康二
以下、山中先生のサイトから、一部引用させて頂きました。
山中伸弥による新型コロナウイルス情報発信
https://www.covid19-yamanaka.com/cont5/38.html
変異型ウイルスに対する効果
イギリスから広がったアルファ型変異株(B.1.1.7)ウイルスが日本でも猛威をふるっていますが、
幸い、ファイザー社製のmRNAワクチンは、アルファ型変異株に対しても従来型と同程度の高い効果があることが、
イギリスやイスラエルから査読後の論文として報告されています。
日本でも拡大が懸念されているインドで最初に広がったデルタ型の変異株ついてはどうでしょうか?
イスラエル保健省は、ワクチン2回接種後の時間経過とともに、
感染や発症を抑制する効果が減弱していると7月18日に報告しています。
同国では世界に先駆け、1月からファイザー社製mRNAワクチンの接種を開始し、
アルファ変異による感染の収束に成功しました。
しかし、6月以降、デルタ変異ウイルスによる感染の再拡大をきたしています。
4月に2回目接種を終えた人では、6月18日から7月17日の期間における感染と発症抑制効果は、
それぞれ75%と79%でした。
しかし、1月に2回目接種を終えた人においては、16%にまで減少しています。
しかし、1月に2回目接種した人においても、入院や重症化を抑制する効果は、
それぞれ82%と86%と、高い抑制効果が維持されています。今後、客観的な検証が必要です。
一方、イングランド公衆衛生庁は、ファイザー社製のワクチン2回接種は、
アルファ型に比べると若干の効果減弱があるが、
デルタ型に対しても90%近い発症抑制効果があるという論文を、
7月21日にNew England Journal of Medicine誌に発表しました。
これによると、アルファ型に対する効果は約94%、デルタ型に対しては88%の発症抑制効果です。
同国ではアストラゼネガ社製のワクチンも広く用いられていますが、
2回接種後のアルファ型とデルタ型に対する発症抑制効果は、それぞれ約75%と67%でした。
また両ワクチンいずれか1回のみ接種の発症抑制効果は、
アルファ型に対しては約49%であったのに対して、デルタ型に対しては約31%と、減弱していました。
同庁は6月14日にも査読前のデータを公表しています。
これによると、ファイザー社製のワクチンは、
デルタ型変異ウイルスによる入院を、2回接種後は96%、1回接種でも94%、減少させたとしています。
山中伸弥 京都大学iPS細胞研究所所長・教授 が
『山中伸弥による新型コロナウイルス情報発信』
と題して、啓発活動を行っておられます。
新型コロナウイルスのアルファ株、デルタ株に対するワクチンの効果について考察するときに、
とても参考になります。
イスラエルでは世界に先駆け、2020年12月19日からファイザー社製mRNAワクチンの接種を開始し、
新型コロナウイルス・アルファ変異による感染の収束に成功しました。
しかし、2021年6月以降、デルタ変異ウイルスによる感染の再拡大をきたしています。
イスラエル保健省は、ワクチン2回接種後の時間経過とともに、
感染や発症を抑制する効果が減弱していると2021年7月18日に報告しています。
2021年4月に2回目接種を終えた人では、6月18日から7月17日の期間における感染と発症抑制効果は、
それぞれ75%と79%でした。
しかし、2021年1月に2回目接種を終えた人においては、感染と発症抑制効果は16%にまで減少しています。
一方、1月に2回目接種した人においても、入院や重症化を抑制する効果は、
それぞれ82%と86%と、高い抑制効果が維持されています。
つまり、ファイザー社の新型コロナワクチンは接種後、
半年経時点で時点で、感染と発症抑制効果は90%以上から16%にまで一気に減少しています。
南海キャンディーズのしずちゃんが、2回新型コロナウイルスに感染したということなので、
自然感染でもワクチンでもできた抗体は、そんなに長持ちしないということです。
一方、入院と重症化抑制に関しては、高い効果が維持されているので、ワクチンの意義は確実にあります。
一方、英国の報告では、ファイザー社のワクチンのアルファ型に対する効果は約94%、
デルタ型に対しては88%の発症抑制効果です。
イスラエルの報告よりかなり良い数値です。
英国ではアストラゼネガ社製のワクチンも広く用いられていますが、
2回接種後のアルファ型とデルタ型に対する発症抑制効果は、それぞれ約75%と67%でした。
やはり、アストラゼネカ社のワクチンの効果はファイザー社より劣るようです。
ともあれ、
イスラエルの報告を参考にすれば、
『新型コロナワクチン接種後半年で、感染予防効果はほとんどなくなるけれど、重症化は防ぐことができる。』
ということであり、結局は長年お馴染みのインフルエンザワクチンと同等の効果ということでしょうか。
江部康二
以下、山中先生のサイトから、一部引用させて頂きました。
山中伸弥による新型コロナウイルス情報発信
https://www.covid19-yamanaka.com/cont5/38.html
変異型ウイルスに対する効果
イギリスから広がったアルファ型変異株(B.1.1.7)ウイルスが日本でも猛威をふるっていますが、
幸い、ファイザー社製のmRNAワクチンは、アルファ型変異株に対しても従来型と同程度の高い効果があることが、
イギリスやイスラエルから査読後の論文として報告されています。
日本でも拡大が懸念されているインドで最初に広がったデルタ型の変異株ついてはどうでしょうか?
イスラエル保健省は、ワクチン2回接種後の時間経過とともに、
感染や発症を抑制する効果が減弱していると7月18日に報告しています。
同国では世界に先駆け、1月からファイザー社製mRNAワクチンの接種を開始し、
アルファ変異による感染の収束に成功しました。
しかし、6月以降、デルタ変異ウイルスによる感染の再拡大をきたしています。
4月に2回目接種を終えた人では、6月18日から7月17日の期間における感染と発症抑制効果は、
それぞれ75%と79%でした。
しかし、1月に2回目接種を終えた人においては、16%にまで減少しています。
しかし、1月に2回目接種した人においても、入院や重症化を抑制する効果は、
それぞれ82%と86%と、高い抑制効果が維持されています。今後、客観的な検証が必要です。
一方、イングランド公衆衛生庁は、ファイザー社製のワクチン2回接種は、
アルファ型に比べると若干の効果減弱があるが、
デルタ型に対しても90%近い発症抑制効果があるという論文を、
7月21日にNew England Journal of Medicine誌に発表しました。
これによると、アルファ型に対する効果は約94%、デルタ型に対しては88%の発症抑制効果です。
同国ではアストラゼネガ社製のワクチンも広く用いられていますが、
2回接種後のアルファ型とデルタ型に対する発症抑制効果は、それぞれ約75%と67%でした。
また両ワクチンいずれか1回のみ接種の発症抑制効果は、
アルファ型に対しては約49%であったのに対して、デルタ型に対しては約31%と、減弱していました。
同庁は6月14日にも査読前のデータを公表しています。
これによると、ファイザー社製のワクチンは、
デルタ型変異ウイルスによる入院を、2回接種後は96%、1回接種でも94%、減少させたとしています。
2021年07月29日 (木)
こんにちは。
2021年7月6日(火)ヤフーニュースに
https://news.yahoo.co.jp/articles/10e83860939f7032dc37bdd846d13a4867d9c85d
【コロナ後遺症】米200万人調査では無症状の2割、ノルウェーでは感染者6割に症状〈AERA〉
という記事が掲載されました。
以下の青字の記載は、記事の要約です。
【新型コロナウイルスに感染した場合、
米国の約200万人の調査で、無症状者の2割近くが後遺症を体験していました。
ノルウェーの調査では軽症の多い若者でも5割に後遺症がありました。
国内外の調査で、無症状や軽症、若くても後遺症が起きることや、
重症だった場合には肺機能低下が長く続くことなどもわかってきました。
米国のNPO法人「フェア・ヘルス」は6月、
米国内の民間医療保険会社への医療費支払い請求のデータベースをもとに、
米国内の新型コロナウイルス感染者195万9982人の後遺症について解析した結果を
発表しました。
解析対象は昨年2~12月に新型コロナウイルス感染症と診断された人です。
全体の23%にあたる約45万人が、医療機関を受診するなど医療費の発生する対応が必要な、診断名のついた後遺症を体験していました。
後遺症の発生頻度は症状が重かった人ほど高く、
入院した感染者では約50%、入院の必要がない有症状の感染者では27%でした。
一方、無症状の感染者でも19%に後遺症が発生していました。
最も体験者の多い後遺症は痛みです。
5.1%、つまり10万人近い人が神経痛や神経炎、筋肉痛などと診断されていた。
その後、多い順に、呼吸困難(3.5%)や高脂血症(3%)、
疲労感(2.9%)、高血圧(2.4%)と続いていました。】
思った以上に後遺症が出現しています。
無症状者でも2割というのは、半端ない数値です。
若者達も、新型コロナに感染しても重症化はしないと高をくくっていたら、
後遺症という痛いしっぺ返しをくらうので、
会食・カラオケとか路上で宴会とかは即自粛したほうがいいですね。
勿論、若者以外の30代、40代、50代も同様で、
会食・カラオケなどは極力、控える必要があると思います。
東京都の2021年7月の感染状況をみると、
20代と30代で54%を占めています。
20代、30代、40代、50代だと合わせて83%です。
10代が12%ですので、60代以上は極めて少数で5%に過ぎません。
https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/by-age-tokyo/
江部康二
2021年7月6日(火)ヤフーニュースに
https://news.yahoo.co.jp/articles/10e83860939f7032dc37bdd846d13a4867d9c85d
【コロナ後遺症】米200万人調査では無症状の2割、ノルウェーでは感染者6割に症状〈AERA〉
という記事が掲載されました。
以下の青字の記載は、記事の要約です。
【新型コロナウイルスに感染した場合、
米国の約200万人の調査で、無症状者の2割近くが後遺症を体験していました。
ノルウェーの調査では軽症の多い若者でも5割に後遺症がありました。
国内外の調査で、無症状や軽症、若くても後遺症が起きることや、
重症だった場合には肺機能低下が長く続くことなどもわかってきました。
米国のNPO法人「フェア・ヘルス」は6月、
米国内の民間医療保険会社への医療費支払い請求のデータベースをもとに、
米国内の新型コロナウイルス感染者195万9982人の後遺症について解析した結果を
発表しました。
解析対象は昨年2~12月に新型コロナウイルス感染症と診断された人です。
全体の23%にあたる約45万人が、医療機関を受診するなど医療費の発生する対応が必要な、診断名のついた後遺症を体験していました。
後遺症の発生頻度は症状が重かった人ほど高く、
入院した感染者では約50%、入院の必要がない有症状の感染者では27%でした。
一方、無症状の感染者でも19%に後遺症が発生していました。
最も体験者の多い後遺症は痛みです。
5.1%、つまり10万人近い人が神経痛や神経炎、筋肉痛などと診断されていた。
その後、多い順に、呼吸困難(3.5%)や高脂血症(3%)、
疲労感(2.9%)、高血圧(2.4%)と続いていました。】
思った以上に後遺症が出現しています。
無症状者でも2割というのは、半端ない数値です。
若者達も、新型コロナに感染しても重症化はしないと高をくくっていたら、
後遺症という痛いしっぺ返しをくらうので、
会食・カラオケとか路上で宴会とかは即自粛したほうがいいですね。
勿論、若者以外の30代、40代、50代も同様で、
会食・カラオケなどは極力、控える必要があると思います。
東京都の2021年7月の感染状況をみると、
20代と30代で54%を占めています。
20代、30代、40代、50代だと合わせて83%です。
10代が12%ですので、60代以上は極めて少数で5%に過ぎません。
https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/by-age-tokyo/
江部康二
2021年07月28日 (水)
こんばんは。
菓子職人の糖質制限マンスリーケーキのご案内です。
さっくり香ばしいタルトとマスカルポーネクリームにカフェジュレ。
夏の新感覚デザート。
糖質制限タルトティラミス

100gあたり、エリスリトールを除く糖質は4.02g
さっくり香ばしいタルト生地に、
クリーミーなマスカルポーネクリームと口当たりのよい香り高いカフェジュレ。
ティラミスにプラスアルファの美味しさです。
2021年6月25日(金)
16時
食前108mg
糖質制限タルトティラミス100g摂取
17時
60分後血糖値:120mg
江部康二の場合、1gの糖質が3mg血糖値を上昇させます。
12mg上昇なので
12÷3=4g
糖質制限タルトティラミス100g中に4gの糖質を含有と想定通りのデータです。
極上の甘さに加えて、夏向きのサッパリ感があり、とても食べやすいです。
血糖測定人体実験のためとはいえ、いつも糖質制限OKなケーキを、
一番早く味わうことができて、ささやかながら幸せをかみしめています。
菓子職人さん、ありがとうございます。
読者の皆さんも、是非、ご賞味あれ。
江部康二
菓子職人の糖質制限マンスリーケーキのご案内です。
さっくり香ばしいタルトとマスカルポーネクリームにカフェジュレ。
夏の新感覚デザート。
糖質制限タルトティラミス

100gあたり、エリスリトールを除く糖質は4.02g
さっくり香ばしいタルト生地に、
クリーミーなマスカルポーネクリームと口当たりのよい香り高いカフェジュレ。
ティラミスにプラスアルファの美味しさです。
2021年6月25日(金)
16時
食前108mg
糖質制限タルトティラミス100g摂取
17時
60分後血糖値:120mg
江部康二の場合、1gの糖質が3mg血糖値を上昇させます。
12mg上昇なので
12÷3=4g
糖質制限タルトティラミス100g中に4gの糖質を含有と想定通りのデータです。
極上の甘さに加えて、夏向きのサッパリ感があり、とても食べやすいです。
血糖測定人体実験のためとはいえ、いつも糖質制限OKなケーキを、
一番早く味わうことができて、ささやかながら幸せをかみしめています。
菓子職人さん、ありがとうございます。
読者の皆さんも、是非、ご賞味あれ。
江部康二
2021年07月27日 (火)
こんにちは。
2021年4月12日、
2型糖尿病におけるインスリン抵抗性がアルツハイマー病脳の
アミロイド蓄積を促進するメカニズムを解明
https://www.amed.go.jp/news/release_20190412.html
と題して、東京大学からプレスリリースが行われました。
インスリン抵抗性がアルツハイマー病脳のアミロイド蓄積を促進させるというおはなしですが、
2021/7/26(月)の本ブログ記事にて、
ヒトにおけるインスリン抵抗性の元凶は、
「糖質の頻回過剰摂取とインスリンの頻回過剰分泌」
であることを説明しました。
今回の東大のプレスリリースは、アルツハイマー病マウスによる実験ですが、
ヒトのアルツハイマー病発症に関してもおおいに参考になる内容です。
インスリン抵抗性があると、アルツハイマー病の病因タンパク質「アミロイドβ」が、
脳内の除去速度低下により蓄積増加を引き起こすとのことです。
そして、その作用は食事制限で可逆的に改善されるそうです。
マウスの主食は穀物と果物なので、
高脂肪食を食べさせるとインスリン抵抗性が誘発されます。
マスス本来の主食の穀物や果物に食事を戻せば、インスリン抵抗性も改善します。
ヒトは雑食ですが、少なくとも700万年間は穀物は摂取していません。
人類として穀物摂取開始は農耕開始の1万年前からに過ぎません。
700万年間、食べたことのなかった穀物をいきなり1万年前から主食として
食べるようになったのですから、身体が適応するのは大変だったと思います。
しかし、この頃は豊富な運動量があったので、筋肉細胞や脂肪細胞の表面には
日常的にGLUT4(糖輸送体4)が存在していて、
インスリンの追加分泌なしで血糖を取り込めていたものと考えられます。
そして、現代は穀物摂取は相変わらず多いにも関わらず、
運動量が極端に不足しています。
そのため穀物や穀物製品摂取のたびに血糖値が上昇し、
追加分泌インスリンが大量に分泌されて初めてGLUT4が細胞表面に移動し血糖を取り込みます。
糖質摂取とインスリン分泌により内臓脂肪が蓄積して、その結果インスリン抵抗性を生じてきます。
インスリン抵抗性があれば、脳内の「アミロイドβ」の除去速度が低下し、
マウスでもヒトでも脳内に「アミロイドβ」タンパク質が
蓄積していき、アルツハイマー病の発症に繋がるのです。
らこさん縁の短命村(小さい頃から凄まじい量の糖質摂取が日常)においては、
上述のようなインスリン抵抗性が若い頃から生じていて、
そのために脳内に「アミロイドβ」タンパク質が蓄積していき、
若くしてアルツハイマー病を発症していたのだと思います。
げに糖質恐るべしです。
江部康二
☆☆☆
2型糖尿病におけるインスリン抵抗性がアルツハイマー病脳の
アミロイド蓄積を促進するメカニズムを解明
https://www.amed.go.jp/news/release_20190412.html
発表者
若林 朋子(東京大学大学院医学系研究科 認知症先進予防治療学寄付講座 特任助教)
山口 一樹(東京大学大学院医学系研究科 修士課程2年生(研究当時))
松井 健太郎(東京大学大学院医学系研究科 博士課程4年生(研究当時)
岩坪 威(東京大学大学院医学系研究科 脳神経医学専攻 神経病理学分野 教授)
発表のポイント
• 代謝負荷に伴うインスリン抵抗性が、アルツハイマー病の病因タンパク質「Aβ」の脳内の除去速度低下による蓄積増加を引き起こすこと、その作用は食事制限で可逆的に改善されることを明らかにしました。
• インスリンシグナルの障害そのものではなく、インスリン抵抗性の要因となる代謝負荷によ る細胞ストレスが、アルツハイマー病のアミロイド病態の進行に影響する可能性を示しました。
• 2型糖尿病がアルツハイマー病発症のリスクとなることは広く知られてきましたが、 その背後にあるメカニズムの一端を解明し、予防・治療法創出に向けた新たな標的を明らかにしました。
発表概要
アルツハイマー病(AD)は老年期の認知症として最も頻度の高い疾患です。
AD患者の脳に特徴的な病理変化として、アミロイドβペプチド(Aβ)からなる老人斑(注1)があり、
Aβの蓄積はAD発症の原因であると考えられています。
近年、2型糖尿病がAD発症のリスクとなることが明らかになっています。
特に、2型糖尿病の中心的な病態であるインスリン抵抗性(注2)が
ADの発症を促す可能性が予測されてきました。
しかし、インスリンシグナルの変化とAβの蓄積との因果関係は未解明でした。
東京大学大学院医学系研究科の岩坪威教授らの研究グループは、脳にAβの蓄積を生じるADモデルマウスを用い、高脂肪食により誘発されたインスリン抵抗性と、インスリンシグナルの鍵分子であるIRS-2(注3)の欠損に伴うインスリン抵抗性による影響を比較、解析しました。
その結果、インスリンの作用低下そのものではなく、インスリン抵抗性発症の要因となる代謝ストレスが、
Aβの脳内の除去速度を低下させ、結果として蓄積を促進することを示しました。
また、食事制限により、脳のAβ蓄積は可逆的に抑制できることを明らかにしました。
2型糖尿病がAD発症のリスクとなることは広く知られてきましたが、
本研究はその背後にあるメカニズムの一端を解明し、
未だ確立していないADの治療法創出に向け、新たな標的を明らかにしました。
本研究は日本医療研究開発機構(AMED)の脳科学研究戦略推進プログラム「新機軸アミロイド仮説に基づくアルツハイマー病の包括的治療開発」の支援を受け、東京大学医学部附属病院・門脇孝特任教授、窪田直人准教授らとの共同研究により行われ、4月12日にMolecular Neurodegeneration誌に発表されます。
2021年4月12日、
2型糖尿病におけるインスリン抵抗性がアルツハイマー病脳の
アミロイド蓄積を促進するメカニズムを解明
https://www.amed.go.jp/news/release_20190412.html
と題して、東京大学からプレスリリースが行われました。
インスリン抵抗性がアルツハイマー病脳のアミロイド蓄積を促進させるというおはなしですが、
2021/7/26(月)の本ブログ記事にて、
ヒトにおけるインスリン抵抗性の元凶は、
「糖質の頻回過剰摂取とインスリンの頻回過剰分泌」
であることを説明しました。
今回の東大のプレスリリースは、アルツハイマー病マウスによる実験ですが、
ヒトのアルツハイマー病発症に関してもおおいに参考になる内容です。
インスリン抵抗性があると、アルツハイマー病の病因タンパク質「アミロイドβ」が、
脳内の除去速度低下により蓄積増加を引き起こすとのことです。
そして、その作用は食事制限で可逆的に改善されるそうです。
マウスの主食は穀物と果物なので、
高脂肪食を食べさせるとインスリン抵抗性が誘発されます。
マスス本来の主食の穀物や果物に食事を戻せば、インスリン抵抗性も改善します。
ヒトは雑食ですが、少なくとも700万年間は穀物は摂取していません。
人類として穀物摂取開始は農耕開始の1万年前からに過ぎません。
700万年間、食べたことのなかった穀物をいきなり1万年前から主食として
食べるようになったのですから、身体が適応するのは大変だったと思います。
しかし、この頃は豊富な運動量があったので、筋肉細胞や脂肪細胞の表面には
日常的にGLUT4(糖輸送体4)が存在していて、
インスリンの追加分泌なしで血糖を取り込めていたものと考えられます。
そして、現代は穀物摂取は相変わらず多いにも関わらず、
運動量が極端に不足しています。
そのため穀物や穀物製品摂取のたびに血糖値が上昇し、
追加分泌インスリンが大量に分泌されて初めてGLUT4が細胞表面に移動し血糖を取り込みます。
糖質摂取とインスリン分泌により内臓脂肪が蓄積して、その結果インスリン抵抗性を生じてきます。
インスリン抵抗性があれば、脳内の「アミロイドβ」の除去速度が低下し、
マウスでもヒトでも脳内に「アミロイドβ」タンパク質が
蓄積していき、アルツハイマー病の発症に繋がるのです。
らこさん縁の短命村(小さい頃から凄まじい量の糖質摂取が日常)においては、
上述のようなインスリン抵抗性が若い頃から生じていて、
そのために脳内に「アミロイドβ」タンパク質が蓄積していき、
若くしてアルツハイマー病を発症していたのだと思います。
げに糖質恐るべしです。
江部康二
☆☆☆
2型糖尿病におけるインスリン抵抗性がアルツハイマー病脳の
アミロイド蓄積を促進するメカニズムを解明
https://www.amed.go.jp/news/release_20190412.html
発表者
若林 朋子(東京大学大学院医学系研究科 認知症先進予防治療学寄付講座 特任助教)
山口 一樹(東京大学大学院医学系研究科 修士課程2年生(研究当時))
松井 健太郎(東京大学大学院医学系研究科 博士課程4年生(研究当時)
岩坪 威(東京大学大学院医学系研究科 脳神経医学専攻 神経病理学分野 教授)
発表のポイント
• 代謝負荷に伴うインスリン抵抗性が、アルツハイマー病の病因タンパク質「Aβ」の脳内の除去速度低下による蓄積増加を引き起こすこと、その作用は食事制限で可逆的に改善されることを明らかにしました。
• インスリンシグナルの障害そのものではなく、インスリン抵抗性の要因となる代謝負荷によ る細胞ストレスが、アルツハイマー病のアミロイド病態の進行に影響する可能性を示しました。
• 2型糖尿病がアルツハイマー病発症のリスクとなることは広く知られてきましたが、 その背後にあるメカニズムの一端を解明し、予防・治療法創出に向けた新たな標的を明らかにしました。
発表概要
アルツハイマー病(AD)は老年期の認知症として最も頻度の高い疾患です。
AD患者の脳に特徴的な病理変化として、アミロイドβペプチド(Aβ)からなる老人斑(注1)があり、
Aβの蓄積はAD発症の原因であると考えられています。
近年、2型糖尿病がAD発症のリスクとなることが明らかになっています。
特に、2型糖尿病の中心的な病態であるインスリン抵抗性(注2)が
ADの発症を促す可能性が予測されてきました。
しかし、インスリンシグナルの変化とAβの蓄積との因果関係は未解明でした。
東京大学大学院医学系研究科の岩坪威教授らの研究グループは、脳にAβの蓄積を生じるADモデルマウスを用い、高脂肪食により誘発されたインスリン抵抗性と、インスリンシグナルの鍵分子であるIRS-2(注3)の欠損に伴うインスリン抵抗性による影響を比較、解析しました。
その結果、インスリンの作用低下そのものではなく、インスリン抵抗性発症の要因となる代謝ストレスが、
Aβの脳内の除去速度を低下させ、結果として蓄積を促進することを示しました。
また、食事制限により、脳のAβ蓄積は可逆的に抑制できることを明らかにしました。
2型糖尿病がAD発症のリスクとなることは広く知られてきましたが、
本研究はその背後にあるメカニズムの一端を解明し、
未だ確立していないADの治療法創出に向け、新たな標的を明らかにしました。
本研究は日本医療研究開発機構(AMED)の脳科学研究戦略推進プログラム「新機軸アミロイド仮説に基づくアルツハイマー病の包括的治療開発」の支援を受け、東京大学医学部附属病院・門脇孝特任教授、窪田直人准教授らとの共同研究により行われ、4月12日にMolecular Neurodegeneration誌に発表されます。
2021年07月26日 (月)
こんにちは。
今回は、インスリン抵抗性について考察してみます。
まず以下の青字は、厚生労働省(e-ヘルスネット)のインスリン抵抗性の解説です。
【インスリン抵抗性 e-ヘルスネット(厚生労働省)
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-012.html
インスリンに対する感受性が低下し、インスリンの作用が十分に発揮できない状態。
血糖(ブドウ糖)のレベルは膵(すい)臓から分泌されるインスリンによって調節されています。インスリンは標的臓器(骨格筋・脂肪組織・肝臓)に作用し、糖の吸収を促す働きを有するホルモンです。
インスリン抵抗性とは簡単にいうと「インスリンの効き具合」を意味します。つまり膵臓からインスリンが血中に分泌されているにもかかわらず、標的臓器のインスリンに対する感受性が低下し、その作用が鈍くなっている状態を意味しています。
インスリン抵抗性があると、筋や脂肪組織の糖取り込み能が低下し、肝臓では糖新生が抑えられなくなります。その結果、血糖値が下がりにくくなり、血糖値を正常状態に戻すためにより多くのインスリンが必要となってしまいます。この状態が続くと膵臓のインスリン分泌機能が低下し、血糖値が上昇するためにⅡ型糖尿病を引き起こすといわれています。
一般に、こうしたインスリン抵抗性が出てくる原因としては、下記が関連していると考えられます。
遺伝
肥満
運動不足
高脂肪食
ストレス 】
わかりやすい解説と思います。
インスリン抵抗性があると、当初は血糖値を正常状態に戻すためにより多くのインスリンを分泌して代償するので、
高インスリン血症となります。
インスリンは肥満ホルモンの別名があり、高インスリン血症だと大変肥満しやすくなり
悪循環となります。
<肥満⇒インスリン抵抗性⇒高インスリン血症⇒肥満増強⇒インスリン抵抗性悪化⇒>
一旦、この悪循環パターンに入ると、通常のカロリー制限・高糖質食では、
なかなか脱却することは困難です。
そもそもこの悪循環の前段階があるのです。
<糖質の頻回過剰摂取⇒インスリンの頻回過剰分泌⇒内蔵脂肪蓄積⇒悪玉ホルモン分泌⇒肥満・高血圧・高血糖・インスリン抵抗性・狭心症誘発⇒メタボリック症候群>
というパターンです。
つまり、インスリン抵抗性・高血糖・高インスリン血症・肥満・メタボなどの、
原初の始まりは、『糖質の頻回過剰摂取』ということとなります。
そうなれば、解決法はシンプルであり、しかも極めて有効です。
すなわち糖質制限食の実践です。
糖質の摂取を制限すれば、インスリンの過剰分泌・内臓脂肪蓄積・悪玉ホルモン分泌が
たちどころに解消されるので、肥満やメタボやインスリン抵抗性も改善されます。
そうなれば、インスリンを大量に分泌して、代償する必要はなくなるので、
高インスリン血症も改善します。
e-ヘルスネットのいうインスリン抵抗性関連要因は以下です。
遺伝
肥満
運動不足
高脂肪食
ストレス
このうち、遺伝と運動不足とストレスに関しては同感です。
しかし、高脂肪食に関してはe-ヘルスネットの見解は、
誤解であり、上述の如く高糖質食こそが真犯人です。
肥満に関しても、上述の如く高糖質食こそが真犯人です。
糖質制限食(高脂肪・高タンパク・低糖質食)だけが、
インスリン抵抗性、高インスリン血症、肥満・メタボを解決できる唯一の
食事療法なのです。
読者の皆さん、インスリン抵抗性・肥満・高インスリン血症・メタボなどある人は、是非糖質制限食実践で解決を目指しましょう。
これらがない方々も、糖質制限食実践で健康長寿を目指しましょう。
江部康二
今回は、インスリン抵抗性について考察してみます。
まず以下の青字は、厚生労働省(e-ヘルスネット)のインスリン抵抗性の解説です。
【インスリン抵抗性 e-ヘルスネット(厚生労働省)
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-012.html
インスリンに対する感受性が低下し、インスリンの作用が十分に発揮できない状態。
血糖(ブドウ糖)のレベルは膵(すい)臓から分泌されるインスリンによって調節されています。インスリンは標的臓器(骨格筋・脂肪組織・肝臓)に作用し、糖の吸収を促す働きを有するホルモンです。
インスリン抵抗性とは簡単にいうと「インスリンの効き具合」を意味します。つまり膵臓からインスリンが血中に分泌されているにもかかわらず、標的臓器のインスリンに対する感受性が低下し、その作用が鈍くなっている状態を意味しています。
インスリン抵抗性があると、筋や脂肪組織の糖取り込み能が低下し、肝臓では糖新生が抑えられなくなります。その結果、血糖値が下がりにくくなり、血糖値を正常状態に戻すためにより多くのインスリンが必要となってしまいます。この状態が続くと膵臓のインスリン分泌機能が低下し、血糖値が上昇するためにⅡ型糖尿病を引き起こすといわれています。
一般に、こうしたインスリン抵抗性が出てくる原因としては、下記が関連していると考えられます。
遺伝
肥満
運動不足
高脂肪食
ストレス 】
わかりやすい解説と思います。
インスリン抵抗性があると、当初は血糖値を正常状態に戻すためにより多くのインスリンを分泌して代償するので、
高インスリン血症となります。
インスリンは肥満ホルモンの別名があり、高インスリン血症だと大変肥満しやすくなり
悪循環となります。
<肥満⇒インスリン抵抗性⇒高インスリン血症⇒肥満増強⇒インスリン抵抗性悪化⇒>
一旦、この悪循環パターンに入ると、通常のカロリー制限・高糖質食では、
なかなか脱却することは困難です。
そもそもこの悪循環の前段階があるのです。
<糖質の頻回過剰摂取⇒インスリンの頻回過剰分泌⇒内蔵脂肪蓄積⇒悪玉ホルモン分泌⇒肥満・高血圧・高血糖・インスリン抵抗性・狭心症誘発⇒メタボリック症候群>
というパターンです。
つまり、インスリン抵抗性・高血糖・高インスリン血症・肥満・メタボなどの、
原初の始まりは、『糖質の頻回過剰摂取』ということとなります。
そうなれば、解決法はシンプルであり、しかも極めて有効です。
すなわち糖質制限食の実践です。
糖質の摂取を制限すれば、インスリンの過剰分泌・内臓脂肪蓄積・悪玉ホルモン分泌が
たちどころに解消されるので、肥満やメタボやインスリン抵抗性も改善されます。
そうなれば、インスリンを大量に分泌して、代償する必要はなくなるので、
高インスリン血症も改善します。
e-ヘルスネットのいうインスリン抵抗性関連要因は以下です。
遺伝
肥満
運動不足
高脂肪食
ストレス
このうち、遺伝と運動不足とストレスに関しては同感です。
しかし、高脂肪食に関してはe-ヘルスネットの見解は、
誤解であり、上述の如く高糖質食こそが真犯人です。
肥満に関しても、上述の如く高糖質食こそが真犯人です。
糖質制限食(高脂肪・高タンパク・低糖質食)だけが、
インスリン抵抗性、高インスリン血症、肥満・メタボを解決できる唯一の
食事療法なのです。
読者の皆さん、インスリン抵抗性・肥満・高インスリン血症・メタボなどある人は、是非糖質制限食実践で解決を目指しましょう。
これらがない方々も、糖質制限食実践で健康長寿を目指しましょう。
江部康二
2021年07月25日 (日)
こんにちは。
厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/62-28.html
によれば、
<歯の状況(20本以上の歯が残っている人の割合)>
8020達成者(80歳で20本以上の歯が残っている人の割合)は
平成28年度は51.2%であり、平成23年の40.2%に比べて
かなり改善しています。
歯を失うとしたら、虫歯か歯周病が原因です。
私は71歳現在、虫歯も歯周病もなく歯は全部残っています。
虫歯菌も歯周病菌も、その餌は、糖質ですので、
このままスーパー糖質制限食実践で、歯も歯肉も健康な状態を
末長く維持したいと思います。
また糖質セイゲニストなら、厚生労働省のいう8020達成者は、
ほぼ全ての人において可能と思います。
今日は日本人のご先祖に思いを馳せて、
旧石器時代人、縄文人、弥生人と虫歯のお話です。
人類史と虫歯の関係がとても興味深かったので、
「古病理学辞典」(藤田尚編、同成社)を読んでみました。
151ページの表1に古人骨における虫歯率の比較が載っていましたので、
以下一部を抜粋してみました。
縄文人:12000~2300年前 狩猟採集 虫歯率8.2%
弥生人(土井ヶ浜):2000年前 農耕 虫歯率19.7%
弥生人(三津):2000年前 農耕 虫歯率16.2%
現代日本人:1993年 虫歯率31.3%
アメリカ先住民:7600年前 狩猟採集 虫歯率0.4%
アメリカ先住民:3000年前 狩猟採集 虫歯率2.4%
オーストラリア先住民:近代 狩猟採集 虫歯率4.6%
イヌイット(グリーンランド):近代 狩猟採集 虫歯率2.2%
イヌイット(アラスカ):近代 狩猟採集 虫歯率1.9%
古人骨の調査において縄文人の虫歯率は8.2%でした。
30%を超える現代日本人や、
農耕が始まった弥生時代の16.2〜19.7%よりは低いです。
しかし、伝統的食生活の頃のイヌイットや、
7600〜3000年前のアメリカ先住民が3%未満であるのに比べると、
縄文人の虫歯の多さは際だっています。
ちなみに、農耕を開始して穀物(糖質)を食べ始めて、
虫歯が倍以上に増加したのは日本だけではありません。
世界中で確認されています。
虫歯菌の代表として知られているのは
ストレプトコッカスミュータンス菌とラクトバチラス菌ですが、
いずれもその餌は糖質なので、さもありなんです。
縄文人は、「採集」「漁労」「狩猟」の三つの生業で食べ物を手に入れていました。
縄文時代というと、狩りで得た肉を主に食べていたというイメージが強いのですが、
実際には植物採集の割合が高かったと考えられています。
特にクリ、クルミ、トチ、ドングリ類などの木の実は主食といえるほど食べていました。
これらには糖質が一定量含まれていますので、
昔のアメリカ先住民やイヌイットよりも、虫歯率が高かったのだと考えられます。
日本の旧石器時代は、ナウマンゾウ、オオツノジカ、マンモス……
といった動物を狩る狩猟が主な生業でした。
これらには糖質はほとんどなく、
この時代の日本人は、虫歯率はゼロだったとされています。(古病理学辞典)
ちなみに日本の旧石器時代は、
最終氷期(ウルム氷期:約7万年前~約1万6千年前)と呼ばれるかなり寒かった時期で、
針葉樹林に覆われた地域が多く、
そこでは食料となる植物資源は極めて乏しかったのです。
暖かくなった縄文時代でも、北海道の住民には虫歯が少なく2.4%くらいでした。
これも当時の北海道の環境(青森以南に比べて寒冷)や食生活が関係していると考えられます。
北海道の縄文人は「漁労」「狩猟」の二つが主な生業で、
クリやドングリなどの「採集」がなくて、
鹿やイノシシなどの動物、魚や海獣類を好んで食べていたようです。
このため糖質摂取が少なく、虫歯率も低かったのでしょう。
このように歴史的に考察してみると、
糖質さえ摂らなければ虫歯の発生はなかったということになります。
げに、糖質恐るべしですね。
江部康二
厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/62-28.html
によれば、
<歯の状況(20本以上の歯が残っている人の割合)>
8020達成者(80歳で20本以上の歯が残っている人の割合)は
平成28年度は51.2%であり、平成23年の40.2%に比べて
かなり改善しています。
歯を失うとしたら、虫歯か歯周病が原因です。
私は71歳現在、虫歯も歯周病もなく歯は全部残っています。
虫歯菌も歯周病菌も、その餌は、糖質ですので、
このままスーパー糖質制限食実践で、歯も歯肉も健康な状態を
末長く維持したいと思います。
また糖質セイゲニストなら、厚生労働省のいう8020達成者は、
ほぼ全ての人において可能と思います。
今日は日本人のご先祖に思いを馳せて、
旧石器時代人、縄文人、弥生人と虫歯のお話です。
人類史と虫歯の関係がとても興味深かったので、
「古病理学辞典」(藤田尚編、同成社)を読んでみました。
151ページの表1に古人骨における虫歯率の比較が載っていましたので、
以下一部を抜粋してみました。
縄文人:12000~2300年前 狩猟採集 虫歯率8.2%
弥生人(土井ヶ浜):2000年前 農耕 虫歯率19.7%
弥生人(三津):2000年前 農耕 虫歯率16.2%
現代日本人:1993年 虫歯率31.3%
アメリカ先住民:7600年前 狩猟採集 虫歯率0.4%
アメリカ先住民:3000年前 狩猟採集 虫歯率2.4%
オーストラリア先住民:近代 狩猟採集 虫歯率4.6%
イヌイット(グリーンランド):近代 狩猟採集 虫歯率2.2%
イヌイット(アラスカ):近代 狩猟採集 虫歯率1.9%
古人骨の調査において縄文人の虫歯率は8.2%でした。
30%を超える現代日本人や、
農耕が始まった弥生時代の16.2〜19.7%よりは低いです。
しかし、伝統的食生活の頃のイヌイットや、
7600〜3000年前のアメリカ先住民が3%未満であるのに比べると、
縄文人の虫歯の多さは際だっています。
ちなみに、農耕を開始して穀物(糖質)を食べ始めて、
虫歯が倍以上に増加したのは日本だけではありません。
世界中で確認されています。
虫歯菌の代表として知られているのは
ストレプトコッカスミュータンス菌とラクトバチラス菌ですが、
いずれもその餌は糖質なので、さもありなんです。
縄文人は、「採集」「漁労」「狩猟」の三つの生業で食べ物を手に入れていました。
縄文時代というと、狩りで得た肉を主に食べていたというイメージが強いのですが、
実際には植物採集の割合が高かったと考えられています。
特にクリ、クルミ、トチ、ドングリ類などの木の実は主食といえるほど食べていました。
これらには糖質が一定量含まれていますので、
昔のアメリカ先住民やイヌイットよりも、虫歯率が高かったのだと考えられます。
日本の旧石器時代は、ナウマンゾウ、オオツノジカ、マンモス……
といった動物を狩る狩猟が主な生業でした。
これらには糖質はほとんどなく、
この時代の日本人は、虫歯率はゼロだったとされています。(古病理学辞典)
ちなみに日本の旧石器時代は、
最終氷期(ウルム氷期:約7万年前~約1万6千年前)と呼ばれるかなり寒かった時期で、
針葉樹林に覆われた地域が多く、
そこでは食料となる植物資源は極めて乏しかったのです。
暖かくなった縄文時代でも、北海道の住民には虫歯が少なく2.4%くらいでした。
これも当時の北海道の環境(青森以南に比べて寒冷)や食生活が関係していると考えられます。
北海道の縄文人は「漁労」「狩猟」の二つが主な生業で、
クリやドングリなどの「採集」がなくて、
鹿やイノシシなどの動物、魚や海獣類を好んで食べていたようです。
このため糖質摂取が少なく、虫歯率も低かったのでしょう。
このように歴史的に考察してみると、
糖質さえ摂らなければ虫歯の発生はなかったということになります。
げに、糖質恐るべしですね。
江部康二
2021年07月24日 (土)
こんにちは。
本日は2021年7月24日(土)です。
現在、地球の平均気温は14℃前後ですが、もし大気中に水蒸気、二酸化炭素、メタンなどの温室効果ガスがなければ、
マイナス19℃くらいになります。
IPCC第4次評価報告書によれば、温室効果ガス別の地球温暖化への寄与は、
二酸化炭素76.7%、メタン14.3%、一酸化二窒素7.9%、オゾン層破壊物質でもあるフロン類(CFCs、HCFCs)1.1%、
となっています。
つまり、石油や石炭など化石燃料の燃焼などによって排出される二酸化炭素が最大の温暖化の原因と言えます。
温暖化の影響で、1901~2010年の間で、海面は19cm上昇しました。
ところでですが、実は現在は、氷河期の中の間氷期です。
びっくりされる読者も多いと思いますが、今は氷河期なのです。
最後の氷期であるウルム氷期が終了したのが約16000年前です。
ウルム氷期の間は、現在のベーリング海峡は、
ベリンギア陸橋あるいはベリンギア大陸と呼ばれ陸続きでした。
ウルム氷期のころは、日本海もかなり海位が下がっていて、
対馬、関門、宗谷、間宮の各海峡は陸続きとなっていました。
これらの海峡は水深が約130mと浅く、氷期で海位が150mくらい下がると
陸続きとなるのです。
これにより大陸からナウマン象が九州、本州にやってきました。
津軽海峡だけは水深が160mくらいあるので、
氷期でも陸続きにはなりませんでした。
それで、マンモスは北海道まではシベリアから南下してきましたが、
本州にはたどり着けなかったのです。
ウルム氷期が終了し間氷期になったときに、海位は150mくらい上昇し、
これにより、対馬、関門、宗谷、間宮の各海峡が出現しました。
このように歴史的に考察してみると、
約16000年前の氷期が終了して間氷期になったときに
海位はすでに150mも上昇しているので、
そこに温暖化の影響で、1901~2010年の間で、海面は19cm上昇が加わっても
地球全体としては、あまり大きな意味はないと思われます。
一方、南の島のツバルのように、
その19cmが大きな意味をもつ国があるのも事実ですので
温暖化しないような努力は、世界中で継続しなくてはなりません。
江部康二
*今回のブログ記事は
全国地球温暖化防止活動推進センター(JCCCA: Japan Center for Climate Change Actions)
https://www.jccca.org/global-warming/knowleadge01
のサイトを参考にさせて頂きました。
ありがとうございました。
本日は2021年7月24日(土)です。
現在、地球の平均気温は14℃前後ですが、もし大気中に水蒸気、二酸化炭素、メタンなどの温室効果ガスがなければ、
マイナス19℃くらいになります。
IPCC第4次評価報告書によれば、温室効果ガス別の地球温暖化への寄与は、
二酸化炭素76.7%、メタン14.3%、一酸化二窒素7.9%、オゾン層破壊物質でもあるフロン類(CFCs、HCFCs)1.1%、
となっています。
つまり、石油や石炭など化石燃料の燃焼などによって排出される二酸化炭素が最大の温暖化の原因と言えます。
温暖化の影響で、1901~2010年の間で、海面は19cm上昇しました。
ところでですが、実は現在は、氷河期の中の間氷期です。
びっくりされる読者も多いと思いますが、今は氷河期なのです。
最後の氷期であるウルム氷期が終了したのが約16000年前です。
ウルム氷期の間は、現在のベーリング海峡は、
ベリンギア陸橋あるいはベリンギア大陸と呼ばれ陸続きでした。
ウルム氷期のころは、日本海もかなり海位が下がっていて、
対馬、関門、宗谷、間宮の各海峡は陸続きとなっていました。
これらの海峡は水深が約130mと浅く、氷期で海位が150mくらい下がると
陸続きとなるのです。
これにより大陸からナウマン象が九州、本州にやってきました。
津軽海峡だけは水深が160mくらいあるので、
氷期でも陸続きにはなりませんでした。
それで、マンモスは北海道まではシベリアから南下してきましたが、
本州にはたどり着けなかったのです。
ウルム氷期が終了し間氷期になったときに、海位は150mくらい上昇し、
これにより、対馬、関門、宗谷、間宮の各海峡が出現しました。
このように歴史的に考察してみると、
約16000年前の氷期が終了して間氷期になったときに
海位はすでに150mも上昇しているので、
そこに温暖化の影響で、1901~2010年の間で、海面は19cm上昇が加わっても
地球全体としては、あまり大きな意味はないと思われます。
一方、南の島のツバルのように、
その19cmが大きな意味をもつ国があるのも事実ですので
温暖化しないような努力は、世界中で継続しなくてはなりません。
江部康二
*今回のブログ記事は
全国地球温暖化防止活動推進センター(JCCCA: Japan Center for Climate Change Actions)
https://www.jccca.org/global-warming/knowleadge01
のサイトを参考にさせて頂きました。
ありがとうございました。
2021年07月22日 (木)
こんばんは。
今回はアルツハイマー病とAGEsのお話と、
糖質制限食でアルツハイマー病の予防・改善をするお話です。
「認知症」は病名ではありません。認識したり、記憶したり、判断したりする力が障害されて、社会生活に支障をきたす状態のことをいいます。
すなわち「いったん正常に発達した知能が、後天的な脳の障害によって低下した状態」と定義されています。
この状態を引き起こす原因にはさまざまなものがありますが、「アルツハイマー病(アルツハイマー型認知症)」もそのひとつです。
他の原因疾患には、血管性認知症やレビー小体型認知症、前頭側頭型認知症などがありますが、現在日本で認知症を引き起こす原因のうち、もっとも割合の多い疾患が、アルツハイマー病で、6割以上とされています。
アルツハイマー病の原因は、まだ明確には解明されていませんが、
現時点では、アミロイドβという蛋白質の一種が脳内に増えて蓄積していくことが、元凶の一つではないかとされています。
アミロイドβは、アルツハイマー型認知症に見られる老人斑の大部分を構成しているたんぱく質で、健康な人の脳にも存在し、通常は脳内のゴミとして短期間で分解され排出されます。
しかし、アミロイドβを分解する酵素が不足すると蓄積してしまい、
アルツハイマー病を発症するのです。
アミロイドβの脳への蓄積には、糖質摂取とインスリン過剰分泌が、
大きく関わっています。
実はアミロイドβを分解するのはインスリン分解酵素なのです。
糖質を摂取してインスリンが大量に分泌されれば、インスリン分解酵素は
おおいに頑張って働かざるを得なくて、沢山消費されてしまいます。
その分、アミロイドβ分解にまで手が回らなくなるので、
アミロイドβが脳内に蓄積していくのです。
またアルツハイマー病に関して、もう一つ「AGEs」の問題があります。
脳内が高血糖の状態になるとAGEsができやすくなります。
その影響を受けて脳内のミクログリア(中枢の免疫担当細胞)が活性化され、
炎症性サイトカインのTNF-α、IL-1β、IFNγが作られます。
これらのサイトカインのため、脳の細胞はインスリン抵抗性になり、
ブドウ糖をエネルギー源として細胞内に取り込みにくくなります。
ブドウ糖を脳細胞が上手く利用出来ないために、
脳内が糖尿病になってしまうのです。
アルツハイマー病は脳の糖尿病ということができます。
つまり、アルツハイマー病を予防するには、糖尿病予防同様、
血糖値が上がらないようにすることがとても大切なのです。
短命村のご出身のらこさんのご両親、
20代前半で人工透析のYさん、
短命村の一般的な食事内容をみると、凄まじい量の糖質を摂取されています。
おそらく、糖尿病を発症する前の段階で、
若くして脳細胞内に「AGEs」が
大量に日常的に蓄積されたいったものと思われます。
それで、体の糖尿病を発症する前の若年の段階で、
「脳内のAGEs蓄積によるインスリン抵抗性」のために、
「限局した脳の糖尿病であるアルツハイマー病を発症」したものと思われます。
糖質制限食を実践すれば、血糖値の上昇は少ないので
インスリンの分泌も最小限で済みます。
その分、インスリン分解酵素の消費も最小限ですむので、
脳内のアミロイドβ分解においても余力がたっぷりありますので、
アルツハイマー病の予防になります。
また糖質制限食実践なら、脳内の「AGEs」蓄積も最小限ですむので、
脳細胞のインスリン抵抗性もなくなり、
脳内が糖尿病になることも予防できます。
ブログ読者の皆さんも、糖質制限食実践で
アルツハイマー病の予防・改善を目指しましょう。
江部康二
【21/07/21 らこ
短命村の食後高血糖の惨状
えっ、江部先生も当初、
健康保険適用でベイスン処方知らなかったのですか!!!
藪医者が知るわけ無いよなw
--------
私らこ の両親=短命村出身の「肉親外」の実例を示します。
--------
◎Yさん 20台前半で透析、当時糖尿病診断無し。
その後、若年性アルツハイマー型認知症を30才前に発症、30台前半で病死
らこ母 が死んだ時は、Yさんのお婆さんと らこ母 が賃貸借契約を結んでいました。
らこ母 が「貸し」側です。
お婆さんが多分老衰で死んで、Yさんが新たな賃借人になり、
挨拶に1ヶ月分の家賃収入以上の交通費掛けて行きました。
その時、既に 私らこ はスーパー糖質制限食を実行していたので
◎糖尿病診断されてますか?
を尋ねると
◎透析以外は何もありません。医療費は全額無料ですが。
とのことでした。
その後数年は問題無かったのですが、
◎突然、家賃振込が無くなった
でした。
当時、「障害者認定」は知っていたので、
「酒、女、博打にカネ突っ込んだ」だろう、と思い、
「短命村の役場」に電話して、
「役場から、私らこ に直接、家賃を振込」手続きしてもらいました。
3ヶ月がお役所仕事で取り逸れました(泣
--------
◎役場の下請介護の人から「Yさんの水道が止まりました。再開して下さい。」
との電話あり。
「公営水道使用で大家が再開しろ」の内容でしたが、
Yさん家は「電気で井戸水吸い上げて使用」なのを把握していたので、
『中国電力に支払いしたかを確認して下さい。』と言いました。
案の定、支払っていませんでしたwww
--------
Yさん、私らこ への家賃不払いも若年性アルツハイマー型認知症が原因か? と思いました。
それから2年しないで、役場から「Yさん死にました。」通知電話来ました。当然、振込が無くなったです。
当時、糖尿病診断されていたかは知りません。
--------
◎短命村の日常
は、こんな感じです。
私らこ は、49才前に若年性アルツハイマー型認知症発症でしたが、
Yさんは30才ちょいでした。
「65才が境界」ですよね、若年性www
---------
私らこ はYさん死んで、家賃無くなり、困りました(泣
短命村は、こんな生き様(死に様?)です。
--------
食後高血糖って、結構ヤバげですよねwww】
【日付 名前
21/06/23 らこ
結婚前の らこ宅正月食事
らこ 離乳食~25才までの正月食事です。
大晦日は紅白歌合戦開始後にざるそば食べます。
元旦朝 → 雑煮。母の兄が短命村で尽いた丸餅2枚入り、が一杯。
新巻鮭切れ身が1枚、ねぎなど野菜がほんの少し。
元旦昼 → 焼き餅。醤油に漬けて海苔で挟むのと、湯に漬けて きな粉 + 砂糖を全面付ける を1枚ずつ食べた後、最低どちらか1枚をおかわり
元旦夜 → おせち
1/2朝 → 1/1朝と同じ
1/2昼 → 1/1昼と同じ
1/2夜 → 1/1夜と同じ
1/3朝昼晩 → 1/1と同じ
1/4 - 1/6 1日1食は焼き餅を食う
1/7朝 ぜんざい餅󠄀3枚以上食う
幼稚園児からこれでした。
丸餅1枚は200g程度あります。
大きいので、汁蕎麦食う丼で喰いました。
幼い頃は時間食いました。
江部先生、らこ の正月の摂取糖質量はどの位と推定できるでしょうか?】
今回はアルツハイマー病とAGEsのお話と、
糖質制限食でアルツハイマー病の予防・改善をするお話です。
「認知症」は病名ではありません。認識したり、記憶したり、判断したりする力が障害されて、社会生活に支障をきたす状態のことをいいます。
すなわち「いったん正常に発達した知能が、後天的な脳の障害によって低下した状態」と定義されています。
この状態を引き起こす原因にはさまざまなものがありますが、「アルツハイマー病(アルツハイマー型認知症)」もそのひとつです。
他の原因疾患には、血管性認知症やレビー小体型認知症、前頭側頭型認知症などがありますが、現在日本で認知症を引き起こす原因のうち、もっとも割合の多い疾患が、アルツハイマー病で、6割以上とされています。
アルツハイマー病の原因は、まだ明確には解明されていませんが、
現時点では、アミロイドβという蛋白質の一種が脳内に増えて蓄積していくことが、元凶の一つではないかとされています。
アミロイドβは、アルツハイマー型認知症に見られる老人斑の大部分を構成しているたんぱく質で、健康な人の脳にも存在し、通常は脳内のゴミとして短期間で分解され排出されます。
しかし、アミロイドβを分解する酵素が不足すると蓄積してしまい、
アルツハイマー病を発症するのです。
アミロイドβの脳への蓄積には、糖質摂取とインスリン過剰分泌が、
大きく関わっています。
実はアミロイドβを分解するのはインスリン分解酵素なのです。
糖質を摂取してインスリンが大量に分泌されれば、インスリン分解酵素は
おおいに頑張って働かざるを得なくて、沢山消費されてしまいます。
その分、アミロイドβ分解にまで手が回らなくなるので、
アミロイドβが脳内に蓄積していくのです。
またアルツハイマー病に関して、もう一つ「AGEs」の問題があります。
脳内が高血糖の状態になるとAGEsができやすくなります。
その影響を受けて脳内のミクログリア(中枢の免疫担当細胞)が活性化され、
炎症性サイトカインのTNF-α、IL-1β、IFNγが作られます。
これらのサイトカインのため、脳の細胞はインスリン抵抗性になり、
ブドウ糖をエネルギー源として細胞内に取り込みにくくなります。
ブドウ糖を脳細胞が上手く利用出来ないために、
脳内が糖尿病になってしまうのです。
アルツハイマー病は脳の糖尿病ということができます。
つまり、アルツハイマー病を予防するには、糖尿病予防同様、
血糖値が上がらないようにすることがとても大切なのです。
短命村のご出身のらこさんのご両親、
20代前半で人工透析のYさん、
短命村の一般的な食事内容をみると、凄まじい量の糖質を摂取されています。
おそらく、糖尿病を発症する前の段階で、
若くして脳細胞内に「AGEs」が
大量に日常的に蓄積されたいったものと思われます。
それで、体の糖尿病を発症する前の若年の段階で、
「脳内のAGEs蓄積によるインスリン抵抗性」のために、
「限局した脳の糖尿病であるアルツハイマー病を発症」したものと思われます。
糖質制限食を実践すれば、血糖値の上昇は少ないので
インスリンの分泌も最小限で済みます。
その分、インスリン分解酵素の消費も最小限ですむので、
脳内のアミロイドβ分解においても余力がたっぷりありますので、
アルツハイマー病の予防になります。
また糖質制限食実践なら、脳内の「AGEs」蓄積も最小限ですむので、
脳細胞のインスリン抵抗性もなくなり、
脳内が糖尿病になることも予防できます。
ブログ読者の皆さんも、糖質制限食実践で
アルツハイマー病の予防・改善を目指しましょう。
江部康二
【21/07/21 らこ
短命村の食後高血糖の惨状
えっ、江部先生も当初、
健康保険適用でベイスン処方知らなかったのですか!!!
藪医者が知るわけ無いよなw
--------
私らこ の両親=短命村出身の「肉親外」の実例を示します。
--------
◎Yさん 20台前半で透析、当時糖尿病診断無し。
その後、若年性アルツハイマー型認知症を30才前に発症、30台前半で病死
らこ母 が死んだ時は、Yさんのお婆さんと らこ母 が賃貸借契約を結んでいました。
らこ母 が「貸し」側です。
お婆さんが多分老衰で死んで、Yさんが新たな賃借人になり、
挨拶に1ヶ月分の家賃収入以上の交通費掛けて行きました。
その時、既に 私らこ はスーパー糖質制限食を実行していたので
◎糖尿病診断されてますか?
を尋ねると
◎透析以外は何もありません。医療費は全額無料ですが。
とのことでした。
その後数年は問題無かったのですが、
◎突然、家賃振込が無くなった
でした。
当時、「障害者認定」は知っていたので、
「酒、女、博打にカネ突っ込んだ」だろう、と思い、
「短命村の役場」に電話して、
「役場から、私らこ に直接、家賃を振込」手続きしてもらいました。
3ヶ月がお役所仕事で取り逸れました(泣
--------
◎役場の下請介護の人から「Yさんの水道が止まりました。再開して下さい。」
との電話あり。
「公営水道使用で大家が再開しろ」の内容でしたが、
Yさん家は「電気で井戸水吸い上げて使用」なのを把握していたので、
『中国電力に支払いしたかを確認して下さい。』と言いました。
案の定、支払っていませんでしたwww
--------
Yさん、私らこ への家賃不払いも若年性アルツハイマー型認知症が原因か? と思いました。
それから2年しないで、役場から「Yさん死にました。」通知電話来ました。当然、振込が無くなったです。
当時、糖尿病診断されていたかは知りません。
--------
◎短命村の日常
は、こんな感じです。
私らこ は、49才前に若年性アルツハイマー型認知症発症でしたが、
Yさんは30才ちょいでした。
「65才が境界」ですよね、若年性www
---------
私らこ はYさん死んで、家賃無くなり、困りました(泣
短命村は、こんな生き様(死に様?)です。
--------
食後高血糖って、結構ヤバげですよねwww】
【日付 名前
21/06/23 らこ
結婚前の らこ宅正月食事
らこ 離乳食~25才までの正月食事です。
大晦日は紅白歌合戦開始後にざるそば食べます。
元旦朝 → 雑煮。母の兄が短命村で尽いた丸餅2枚入り、が一杯。
新巻鮭切れ身が1枚、ねぎなど野菜がほんの少し。
元旦昼 → 焼き餅。醤油に漬けて海苔で挟むのと、湯に漬けて きな粉 + 砂糖を全面付ける を1枚ずつ食べた後、最低どちらか1枚をおかわり
元旦夜 → おせち
1/2朝 → 1/1朝と同じ
1/2昼 → 1/1昼と同じ
1/2夜 → 1/1夜と同じ
1/3朝昼晩 → 1/1と同じ
1/4 - 1/6 1日1食は焼き餅を食う
1/7朝 ぜんざい餅󠄀3枚以上食う
幼稚園児からこれでした。
丸餅1枚は200g程度あります。
大きいので、汁蕎麦食う丼で喰いました。
幼い頃は時間食いました。
江部先生、らこ の正月の摂取糖質量はどの位と推定できるでしょうか?】
2021年07月21日 (水)
こんばんは。
糖質を食べると食後血糖値は必ず上昇します。
しかし、インスリン作用が正常なら、血糖値の上昇はコントロールされるので
食後高血糖にはなりません。
この食後高血糖という言葉は、結構よく使用します。
では、正式な「食後高血糖」の定義はご存知でしょうか?
シンプルに、食後2時間血糖値が140mg/dl以上あれば、食後高血糖です。
国際糖尿病連合によれば、
食後1~2時間の血糖値が160mg/dl未満が目標です。
食後2時間血糖値が、200mg/dlを超えたら、「糖尿病型」ですので、
具体的には「食後高血糖」とは、
食後2時間血糖値が、140~199mg/dlの間の数値をさすこととなります。
正常人では、食後血糖値が140mg/dLを超えることはほとんどありません。
そして、食後2~3時間以内に食事の前の値に戻ります。
食後1時間血糖値が180mg/dlを超えていると、食後2時間血糖値が140mg/dl未満で正常でも、
将来糖尿病になりやすいことがわかっています。
糖尿病前段階の食後高血糖が何故問題になるかというと、
心筋梗塞などの合併症リスクが結構あるからです。
日本人を対象に実施された大規模研究「舟形町コホート」でも、
食後血糖値が高めの耐糖能異常(IGT)は
心血管死および総死亡のの危険因子であることが示されました。
すなわち「食後高血糖(糖尿病予備群・IGT)」は糖尿病前段階ですが、
死亡リスクが上昇することが日本人の研究で確認されたということです。
一方、空腹時血糖値が110~125mg/dlで食後高血糖がないタイプ(IFG)は
総死亡と心血管死について、
正常型群と優位差がありませんでした。
*IFG:空腹時血糖値やや高値、110~125mg/dl
*IGT:食後高血糖、食後2時間血糖値が140~199mg/dl
このように同じ、境界型の糖尿病予備群でも
「食後高血糖(IGT)」と「空腹時血糖障害(IFG)」
では、死亡リスクが全く異なることが、舟形町研究で明らかとなりました。
げに「食後高血糖(IGT)」、恐るべしです。
なお、通常の健康診断では、糖尿病に関しては、
空腹時血糖値とHbA1cしか検査しません。
①空腹時血糖値正常、HbA1c正常、食後高血糖なし。→質のいいHbA1c
②空腹時血糖値正常、HbA1c正常、食後高血糖あり。→質の悪いHbA1c
現実には、①と②のパターンがあります。
②の質の悪いHbA1cパターンの場合は、「食後高血糖」と「空腹時低血糖」の平均値が
示されており、「平均血糖変動幅増大」もあるので合併症リスクが大きいです。
従来の糖尿病食を食べて、インスリンやSU剤で血糖を下げようとした場合、
②のパターンが多いです。
実際、糖尿病合併症(透析・切断・失明)は減少していません。
一方、①のパターンは、スーパー糖質制限食で、薬なしで、血糖コントロールを
目指した場合です。
こちらは合併症リスクがありません。
②のパターンの場合は、食後高血糖はほぼ確実に見逃すこととなりますので
合併症を防ぐことは困難です。
ご用心、ご用心。
☆☆☆参照
糖尿病ネットワーク
Funagata Study(2)
http://www.dm-net.co.jp/daikibo/2016/09/funagata_study_2.php
舟形町研究
舟形町は山形県の東北部に位置し(参考図1)、農業を主な産業としています。人口移動が少なくコホート研究を実施するのに適していました。1990年から1992年にかけて、脳血管疾患などで障害のある人たち344人を除く40歳以上の舟形町の全住民を75g経口ブドウ糖負荷試験(75g-OGTT)の対象としました。2,534名(対象者の74.5%)がOGTT検査を受け、これらの人々をコホートの対象者としました。既に糖尿病と判明していた117名はOGTTの対象とはしませんでしたが、コホートには組み入れました。
江部康二
糖質を食べると食後血糖値は必ず上昇します。
しかし、インスリン作用が正常なら、血糖値の上昇はコントロールされるので
食後高血糖にはなりません。
この食後高血糖という言葉は、結構よく使用します。
では、正式な「食後高血糖」の定義はご存知でしょうか?
シンプルに、食後2時間血糖値が140mg/dl以上あれば、食後高血糖です。
国際糖尿病連合によれば、
食後1~2時間の血糖値が160mg/dl未満が目標です。
食後2時間血糖値が、200mg/dlを超えたら、「糖尿病型」ですので、
具体的には「食後高血糖」とは、
食後2時間血糖値が、140~199mg/dlの間の数値をさすこととなります。
正常人では、食後血糖値が140mg/dLを超えることはほとんどありません。
そして、食後2~3時間以内に食事の前の値に戻ります。
食後1時間血糖値が180mg/dlを超えていると、食後2時間血糖値が140mg/dl未満で正常でも、
将来糖尿病になりやすいことがわかっています。
糖尿病前段階の食後高血糖が何故問題になるかというと、
心筋梗塞などの合併症リスクが結構あるからです。
日本人を対象に実施された大規模研究「舟形町コホート」でも、
食後血糖値が高めの耐糖能異常(IGT)は
心血管死および総死亡のの危険因子であることが示されました。
すなわち「食後高血糖(糖尿病予備群・IGT)」は糖尿病前段階ですが、
死亡リスクが上昇することが日本人の研究で確認されたということです。
一方、空腹時血糖値が110~125mg/dlで食後高血糖がないタイプ(IFG)は
総死亡と心血管死について、
正常型群と優位差がありませんでした。
*IFG:空腹時血糖値やや高値、110~125mg/dl
*IGT:食後高血糖、食後2時間血糖値が140~199mg/dl
このように同じ、境界型の糖尿病予備群でも
「食後高血糖(IGT)」と「空腹時血糖障害(IFG)」
では、死亡リスクが全く異なることが、舟形町研究で明らかとなりました。
げに「食後高血糖(IGT)」、恐るべしです。
なお、通常の健康診断では、糖尿病に関しては、
空腹時血糖値とHbA1cしか検査しません。
①空腹時血糖値正常、HbA1c正常、食後高血糖なし。→質のいいHbA1c
②空腹時血糖値正常、HbA1c正常、食後高血糖あり。→質の悪いHbA1c
現実には、①と②のパターンがあります。
②の質の悪いHbA1cパターンの場合は、「食後高血糖」と「空腹時低血糖」の平均値が
示されており、「平均血糖変動幅増大」もあるので合併症リスクが大きいです。
従来の糖尿病食を食べて、インスリンやSU剤で血糖を下げようとした場合、
②のパターンが多いです。
実際、糖尿病合併症(透析・切断・失明)は減少していません。
一方、①のパターンは、スーパー糖質制限食で、薬なしで、血糖コントロールを
目指した場合です。
こちらは合併症リスクがありません。
②のパターンの場合は、食後高血糖はほぼ確実に見逃すこととなりますので
合併症を防ぐことは困難です。
ご用心、ご用心。
☆☆☆参照
糖尿病ネットワーク
Funagata Study(2)
http://www.dm-net.co.jp/daikibo/2016/09/funagata_study_2.php
舟形町研究
舟形町は山形県の東北部に位置し(参考図1)、農業を主な産業としています。人口移動が少なくコホート研究を実施するのに適していました。1990年から1992年にかけて、脳血管疾患などで障害のある人たち344人を除く40歳以上の舟形町の全住民を75g経口ブドウ糖負荷試験(75g-OGTT)の対象としました。2,534名(対象者の74.5%)がOGTT検査を受け、これらの人々をコホートの対象者としました。既に糖尿病と判明していた117名はOGTTの対象とはしませんでしたが、コホートには組み入れました。
江部康二
2021年07月20日 (火)
こんにちは。
パンブエノさんが大阪ミナミジャーナルに取り上げられました。
https://osakaminami-journal.com/2021/07/13/%e3%83%91%e3%83%b3%e3%81%8c%e9%a3%9f%e3%81%b9%e3%82%89%e3%82%8c%e3%82%8b%e3%81%a3%e3%81%a6%e5%b9%b8%e3%81%9b%ef%bc%81-%e9%87%9d%e4%b8%ad%e9%87%8e%e3%81%ae%e4%bd%8e%e7%b3%96%e8%b3%aa%e3%83%91%e3%83%b3/
最近はパンやクッキーの種類も増え、おおいに購買意欲がそそられます。
一般的なパンやスイーツと比べると、糖質は約80~88%オフとなっています。
https://peraichi.com/landing_pages/view/panbueno001/
新型コロナ対策として、現在は実店舗は休業で、ネット販売のみとのことです。
「パンブエノ」さん、「メタボレスラボ」さんの
ご紹介です。
メタボレスラボ https://metaboless-labo.stores.jp/items/5d95463bbc45ac211708bdd8
パンブエノ http://picpanzee.com/panbueno.0501
メタボレスラボさんは、こうじ江部粉を発売しておられます。
江部粉専門のベーカリーPan bueno(パンブエノ)さんが
糖質制限な『こうじ江部粉パン』を作っておられます。
プレーン、シナモン、クルミ、抹茶クリームチーズ、
ハリネズミチョコチョコ、ジャックオーランタンなどの
様々なこうじ江部粉パンを販売中です。
さらに新作の糖質制限パンもどんどん登場のようです。
血糖値上昇ほとんどなしなのは私が実験で確認済みです。
また美味しさも私が保証致します。
読者の皆さん、是非一度お運びあれ。
こうじ江部粉の命名は、
『江部こうじ』と『紅こうじ』『米こうじ』
を掛け合わせて誕生したそうです。
『京都江部粉』『こうじ江部粉』
はいずれも、研究開発段階で、私が自己測定器で血糖値を何度も何度も検査して、
調整を重ねて、やっと完成にこぎつけた珠玉の逸品です。
まさに血と汗と涙の一品です。
糖質制限なパンが、簡単に作成できます。
日本全国の糖質セイゲニストでパン好きの方々、
是非一度、お試しあれ。
江部康二
☆☆☆
以下は
メタボレスラボさんからの紹介文です。
【メタボレスラボは「こうじ江部粉」を販売しています。
こうじ江部粉は、高雄病院の江部康二先生にご監修いただいた京都江部粉をベースに、
紅麹と米麹をミックスして作られた糖質セイゲニストのためのミックス粉です。
特長は下記のとおりです。
こうじ江部粉を使用すると、糖質を抑えた食物繊維たっぷりのパン、
お菓子を作ることができます。
こうじ江部粉に含まれている糖質量は100gあたり11.0g(エリスリトールを除く)、
食物繊維量は23.4gです。
パンにすると、糖質量は100gあたり約5.8g(エリスリトールを除く)で、
一般的なロールパンに比べると糖質は
88%もカットされ、食物繊維量は12.3gで約6倍にもなります。
こうじ江部粉は癖の強いふすま、大豆粉を使用しておりませんので食べやすく、
こんにゃく配合により、パンにモチモチした食感を与えます。
こうじ江部粉には2種類の麹を配合しております。
米麹はパン生地のソフト化と、ほのかに甘い香り(発酵香)の付与が期待できます。
紅麹はモナコリンK、GABAを含み、健康食品素材として注目されております。
紅麹配合により、うっすらとかわいい色がつきます。
是非一度、癖になる不思議な味覚と食感をお楽しみください!】
パンブエノさんが大阪ミナミジャーナルに取り上げられました。
https://osakaminami-journal.com/2021/07/13/%e3%83%91%e3%83%b3%e3%81%8c%e9%a3%9f%e3%81%b9%e3%82%89%e3%82%8c%e3%82%8b%e3%81%a3%e3%81%a6%e5%b9%b8%e3%81%9b%ef%bc%81-%e9%87%9d%e4%b8%ad%e9%87%8e%e3%81%ae%e4%bd%8e%e7%b3%96%e8%b3%aa%e3%83%91%e3%83%b3/
最近はパンやクッキーの種類も増え、おおいに購買意欲がそそられます。
一般的なパンやスイーツと比べると、糖質は約80~88%オフとなっています。
https://peraichi.com/landing_pages/view/panbueno001/
新型コロナ対策として、現在は実店舗は休業で、ネット販売のみとのことです。
「パンブエノ」さん、「メタボレスラボ」さんの
ご紹介です。
メタボレスラボ https://metaboless-labo.stores.jp/items/5d95463bbc45ac211708bdd8
パンブエノ http://picpanzee.com/panbueno.0501
メタボレスラボさんは、こうじ江部粉を発売しておられます。
江部粉専門のベーカリーPan bueno(パンブエノ)さんが
糖質制限な『こうじ江部粉パン』を作っておられます。
プレーン、シナモン、クルミ、抹茶クリームチーズ、
ハリネズミチョコチョコ、ジャックオーランタンなどの
様々なこうじ江部粉パンを販売中です。
さらに新作の糖質制限パンもどんどん登場のようです。
血糖値上昇ほとんどなしなのは私が実験で確認済みです。
また美味しさも私が保証致します。
読者の皆さん、是非一度お運びあれ。
こうじ江部粉の命名は、
『江部こうじ』と『紅こうじ』『米こうじ』
を掛け合わせて誕生したそうです。
『京都江部粉』『こうじ江部粉』
はいずれも、研究開発段階で、私が自己測定器で血糖値を何度も何度も検査して、
調整を重ねて、やっと完成にこぎつけた珠玉の逸品です。
まさに血と汗と涙の一品です。
糖質制限なパンが、簡単に作成できます。
日本全国の糖質セイゲニストでパン好きの方々、
是非一度、お試しあれ。
江部康二
☆☆☆
以下は
メタボレスラボさんからの紹介文です。
【メタボレスラボは「こうじ江部粉」を販売しています。
こうじ江部粉は、高雄病院の江部康二先生にご監修いただいた京都江部粉をベースに、
紅麹と米麹をミックスして作られた糖質セイゲニストのためのミックス粉です。
特長は下記のとおりです。
こうじ江部粉を使用すると、糖質を抑えた食物繊維たっぷりのパン、
お菓子を作ることができます。
こうじ江部粉に含まれている糖質量は100gあたり11.0g(エリスリトールを除く)、
食物繊維量は23.4gです。
パンにすると、糖質量は100gあたり約5.8g(エリスリトールを除く)で、
一般的なロールパンに比べると糖質は
88%もカットされ、食物繊維量は12.3gで約6倍にもなります。
こうじ江部粉は癖の強いふすま、大豆粉を使用しておりませんので食べやすく、
こんにゃく配合により、パンにモチモチした食感を与えます。
こうじ江部粉には2種類の麹を配合しております。
米麹はパン生地のソフト化と、ほのかに甘い香り(発酵香)の付与が期待できます。
紅麹はモナコリンK、GABAを含み、健康食品素材として注目されております。
紅麹配合により、うっすらとかわいい色がつきます。
是非一度、癖になる不思議な味覚と食感をお楽しみください!】
2021年07月19日 (月)
【日付 名前
21/07/19 西村典彦
糖質制限で本来の姿に
私は、糖質ゼロビール1本(時々2本)をほぼ毎日飲んでいますが、
糖質制限後はγ-GTPがしっかり下がりました。
以前は30~40程度でしたが、現在は15です。
休肝日はほぼありませんが、以前、軽度の脂肪肝が指摘されていましたので、
これが解消した結果だと思われます。
糖質制限では、血糖値以外にもいろんなものが正常化するのを経験します。
汗もサラサラに変わり、夏井先生同様、
シャンプーやボディソープの類もいらなくなりました。
最近、T字の髭剃りで髭を剃るのも、シェービングクリームなどがいらなくなりました。
何もつけずに剃ってもカミソリ負けすることはなくなりました。
滑らかで強い皮膚に変わったように感じます。
糖質制限で、自分の身体が本来の姿に戻っていくのを感じます。
これまで、当たり前だと思っていたことは間違いだったと気づかされる毎日です。】
こんにちは。
西村典彦 さんから、「糖質制限で本来の姿に」という嬉しいコメントを頂きました。
ありがとうございます。
【糖質ゼロビール1本(時々2本)をほぼ毎日飲んでいますが、
糖質制限後はγ-GTPがしっかり下がりました。
以前は30~40程度でしたが、現在は15です。
休肝日はほぼありませんが、以前、軽度の脂肪肝が指摘されていましたので、
これが解消した結果だと思われます。】
仰る通り、脂肪肝が改善してγ-GTPが半減したものと思われます。
糖質を摂取されていた頃は、
<糖質摂取⇒血糖値上昇⇒インスリン分泌⇒筋肉で取り込み⇒余った血糖は中性脂肪になり脂肪組織に蓄積>
というパターンで、脂肪肝になったと考えられます。
普通のビールも糖質が多いので脂肪肝になりやすいですね。
中性脂肪は腸間膜(内臓脂肪)や皮下脂肪組織(皮下脂肪)にたくわえられるほか、
肝臓にも貯蔵され、肝細胞の30%以上に中性脂肪がたまると脂肪肝と診断されます。
糖質制限食摂取と糖質ゼロビールで、糖質摂取が激減して、
お酒を飲みながらでも、脂肪肝が見事に改善したのでしょう。
私も、40代前半で、『玄米魚菜食+ヱビスビール+純米大吟醸』という
三位一体糖質摂取により、血圧が上昇し、メタボも発症しました。
『玄米魚菜食+ヱビスビール+純米大吟醸』を続けて、
テニスは週に1~2回していたのですが、52歳でとうとう糖尿病を発症しました。
患者さんには、「玄米魚菜食と運動で健康長寿を目指しましょう」と外来で指導していたのですから、
穴があったら入りたい心境でした。
幸い、糖質ゼロ発泡酒と焼酎とスーパー糖質制限食で、糖尿病は3週間で正常化し、
体重は半年で10kg減量して、メタボ解消し血圧も正常となり、
71歳現在まで維持しています。
あしかけ21年間、167cm、57~58kgをキープしています。
2021年7月に健康診断があったところですが、身長は縮んでいませんでした。
【糖質制限では、血糖値以外にもいろんなものが正常化するのを経験します。
汗もサラサラに変わり、夏井先生同様、
シャンプーやボディソープの類もいらなくなりました。】
そうですね。
私も、この十数年間、石けんもシャンプーもなしでお湯洗いだけです。
面倒くさがりなので、冬でもシャワーだけです。
化粧水とかクリームも使用ゼロです。
糖質制限食実践前は、冬場は足の指がしもやけになったり、
顔はカサカサで粉ふき状態でしたが、
糖質制限後は、お肌しっとりとなりました。
髪の毛だけは、椿油を一滴使用して、整えます。
今は、コロナ禍で旅行も自粛していますが、以前はテニス合宿のときだけは
富士見高原の温泉にて湯船に浸っていました。
【糖質制限で、自分の身体が本来の姿に戻っていくのを感じます。
これまで、当たり前だと思っていたことは間違いだったと気づかされる毎日です。】
糖化と酸化と慢性炎症が、生活習慣病の元凶と言えます。
糖質を摂取して血糖値が急上昇することで、
活性酸素が発生しAGEsが蓄積し、慢性炎症も誘発します。
糖質制限食実践なら、
活性酸素やAGEsも最小限ですみ、慢性炎症も生じません。
ブログ読者の皆さん、糖質制限食実践で、
美味しく楽しく、健康長寿を目指しましょう。
江部康二
21/07/19 西村典彦
糖質制限で本来の姿に
私は、糖質ゼロビール1本(時々2本)をほぼ毎日飲んでいますが、
糖質制限後はγ-GTPがしっかり下がりました。
以前は30~40程度でしたが、現在は15です。
休肝日はほぼありませんが、以前、軽度の脂肪肝が指摘されていましたので、
これが解消した結果だと思われます。
糖質制限では、血糖値以外にもいろんなものが正常化するのを経験します。
汗もサラサラに変わり、夏井先生同様、
シャンプーやボディソープの類もいらなくなりました。
最近、T字の髭剃りで髭を剃るのも、シェービングクリームなどがいらなくなりました。
何もつけずに剃ってもカミソリ負けすることはなくなりました。
滑らかで強い皮膚に変わったように感じます。
糖質制限で、自分の身体が本来の姿に戻っていくのを感じます。
これまで、当たり前だと思っていたことは間違いだったと気づかされる毎日です。】
こんにちは。
西村典彦 さんから、「糖質制限で本来の姿に」という嬉しいコメントを頂きました。
ありがとうございます。
【糖質ゼロビール1本(時々2本)をほぼ毎日飲んでいますが、
糖質制限後はγ-GTPがしっかり下がりました。
以前は30~40程度でしたが、現在は15です。
休肝日はほぼありませんが、以前、軽度の脂肪肝が指摘されていましたので、
これが解消した結果だと思われます。】
仰る通り、脂肪肝が改善してγ-GTPが半減したものと思われます。
糖質を摂取されていた頃は、
<糖質摂取⇒血糖値上昇⇒インスリン分泌⇒筋肉で取り込み⇒余った血糖は中性脂肪になり脂肪組織に蓄積>
というパターンで、脂肪肝になったと考えられます。
普通のビールも糖質が多いので脂肪肝になりやすいですね。
中性脂肪は腸間膜(内臓脂肪)や皮下脂肪組織(皮下脂肪)にたくわえられるほか、
肝臓にも貯蔵され、肝細胞の30%以上に中性脂肪がたまると脂肪肝と診断されます。
糖質制限食摂取と糖質ゼロビールで、糖質摂取が激減して、
お酒を飲みながらでも、脂肪肝が見事に改善したのでしょう。
私も、40代前半で、『玄米魚菜食+ヱビスビール+純米大吟醸』という
三位一体糖質摂取により、血圧が上昇し、メタボも発症しました。
『玄米魚菜食+ヱビスビール+純米大吟醸』を続けて、
テニスは週に1~2回していたのですが、52歳でとうとう糖尿病を発症しました。
患者さんには、「玄米魚菜食と運動で健康長寿を目指しましょう」と外来で指導していたのですから、
穴があったら入りたい心境でした。
幸い、糖質ゼロ発泡酒と焼酎とスーパー糖質制限食で、糖尿病は3週間で正常化し、
体重は半年で10kg減量して、メタボ解消し血圧も正常となり、
71歳現在まで維持しています。
あしかけ21年間、167cm、57~58kgをキープしています。
2021年7月に健康診断があったところですが、身長は縮んでいませんでした。
【糖質制限では、血糖値以外にもいろんなものが正常化するのを経験します。
汗もサラサラに変わり、夏井先生同様、
シャンプーやボディソープの類もいらなくなりました。】
そうですね。
私も、この十数年間、石けんもシャンプーもなしでお湯洗いだけです。
面倒くさがりなので、冬でもシャワーだけです。
化粧水とかクリームも使用ゼロです。
糖質制限食実践前は、冬場は足の指がしもやけになったり、
顔はカサカサで粉ふき状態でしたが、
糖質制限後は、お肌しっとりとなりました。
髪の毛だけは、椿油を一滴使用して、整えます。
今は、コロナ禍で旅行も自粛していますが、以前はテニス合宿のときだけは
富士見高原の温泉にて湯船に浸っていました。
【糖質制限で、自分の身体が本来の姿に戻っていくのを感じます。
これまで、当たり前だと思っていたことは間違いだったと気づかされる毎日です。】
糖化と酸化と慢性炎症が、生活習慣病の元凶と言えます。
糖質を摂取して血糖値が急上昇することで、
活性酸素が発生しAGEsが蓄積し、慢性炎症も誘発します。
糖質制限食実践なら、
活性酸素やAGEsも最小限ですみ、慢性炎症も生じません。
ブログ読者の皆さん、糖質制限食実践で、
美味しく楽しく、健康長寿を目指しましょう。
江部康二
2021年07月18日 (日)
こんにちは。
私が理事長を務める日本糖質制限医療推進協会の賛助団体会員で、
「日の出みりん」でお馴染みの、キング醸造株式会社さんによる
低糖質食品「明日誰かにすすめたくなる ケチャップ」
https://hinode-mirin.co.jp/products/zero_carbohydrate/

のご紹介です。
厳選されたイタリア産トマトを使用した糖質50%オフ・塩分50%オフ・砂糖不使用のケチャップです。
私もサンプルをいただいたので、試食してみました。
普通のケチャップと同じように使えて味も遜色ありません。
糖質を大幅にカットして、100gあたりで10.5gで、この味は優れものです。
大さじ1杯(15ml)当たりの糖質量は1.6gですので、血糖値の上昇はごく僅かです。
サラダはもちろん、サラダチキンやオムレツや海老マヨなどの料理にかけてもよく合います。
糖質セイゲニストにとって、とても心強い味方ですね。
原材料
トマト(イタリア産)、醸造酢、たまねぎ、リキュール、食塩、にんにく、香辛料/甘味料(ステビア)
栄養成分(大さじ1杯 15ml当たり)
エネルギー:9cl
たんぱく質:0.4g
脂質:0.04g
炭水化物:1.9g
- 糖質:1.6g
- 食物繊維:0.3g
食塩相当量:0.2g
キング醸造さんとは、
日の出みりん『低糖質メニュー料理教室 in 神戸北野ホテル』
での講演会を主催して頂いたご縁があります。
その場で、神戸北野ホテルの総支配人・総料理長の山口浩さんと私の
糖質制限なトークショーを、2回ほど行いました。
神戸北野ホテルは「世界一の朝食」で有名ですね。
以下はキング醸造さんのオンラインショップ情報です。
・公式オンラインストアはこちらです。
https://www.happysun-hinode.com/?pid=148984425
・糖質ゼロ・オフシリーズのラインナップはこちらです。
https://hinode-mirin.co.jp/products/zero_carbohydrate/
なお「販売はキング醸造公式オンラインショップ限定」となります。
江部康二
私が理事長を務める日本糖質制限医療推進協会の賛助団体会員で、
「日の出みりん」でお馴染みの、キング醸造株式会社さんによる
低糖質食品「明日誰かにすすめたくなる ケチャップ」
https://hinode-mirin.co.jp/products/zero_carbohydrate/

のご紹介です。
厳選されたイタリア産トマトを使用した糖質50%オフ・塩分50%オフ・砂糖不使用のケチャップです。
私もサンプルをいただいたので、試食してみました。
普通のケチャップと同じように使えて味も遜色ありません。
糖質を大幅にカットして、100gあたりで10.5gで、この味は優れものです。
大さじ1杯(15ml)当たりの糖質量は1.6gですので、血糖値の上昇はごく僅かです。
サラダはもちろん、サラダチキンやオムレツや海老マヨなどの料理にかけてもよく合います。
糖質セイゲニストにとって、とても心強い味方ですね。
原材料
トマト(イタリア産)、醸造酢、たまねぎ、リキュール、食塩、にんにく、香辛料/甘味料(ステビア)
栄養成分(大さじ1杯 15ml当たり)
エネルギー:9cl
たんぱく質:0.4g
脂質:0.04g
炭水化物:1.9g
- 糖質:1.6g
- 食物繊維:0.3g
食塩相当量:0.2g
キング醸造さんとは、
日の出みりん『低糖質メニュー料理教室 in 神戸北野ホテル』
での講演会を主催して頂いたご縁があります。
その場で、神戸北野ホテルの総支配人・総料理長の山口浩さんと私の
糖質制限なトークショーを、2回ほど行いました。
神戸北野ホテルは「世界一の朝食」で有名ですね。
以下はキング醸造さんのオンラインショップ情報です。
・公式オンラインストアはこちらです。
https://www.happysun-hinode.com/?pid=148984425
・糖質ゼロ・オフシリーズのラインナップはこちらです。
https://hinode-mirin.co.jp/products/zero_carbohydrate/
なお「販売はキング醸造公式オンラインショップ限定」となります。
江部康二
2021年07月17日 (土)
こんばんは。
今回はお酒と糖尿病のお話です。
日本では、糖尿病の人にはアルコールは原則禁止となっていますが、
高雄病院の糖質制限食では原則、飲酒(糖質が含まれていない酒)OKです。
これはとても大きなアドバンテージです。
まあ、上戸にとって美味しく楽しく生きるには、アルコールは必要不可欠なものに近い存在なので、
適量ならOKとしています。
糖質制限食では、糖質の含まれていない蒸留酒(焼酎、ウィスキー、ブランデーなど)はOKですが、
糖質の含まれている醸造酒(ビール、日本酒、紹興酒、マッコリなど)は原則禁止です。
醸造酒の中で、辛口ワイン(赤、白)は、糖質含有量がごく少量であり、
血糖値をほとんど上昇させないのでOKです。
また、最近は糖質ゼロ発泡酒や糖質ゼロ日本酒も販売されてます。
さらに糖質ゼロビール「キリン 一番搾り 糖質ゼロ」も満を持して登場で、
2020年10月6日に発売され、1カ月で100万ケースを突破しました。
私も早速、愛飲していますが、
やはり糖質ゼロ発泡酒よりは、数段美味しいと感じます。
糖質ゼロ表示の意味は、栄養表示基準に基づき
「100ml中糖質0.5g未満を、糖質0(ゼロ)で表示してOK」です。
ということは、350ml缶なら、
1.75g未満の糖質が含まれている可能性はありますので大量にのむのは避けましょう。
日本の従来の糖尿病治療では、飲酒は原則禁止ですが、
一定の条件下で許可されることもあります。
その条件は、以下の5項目をクリアしていることです。
1. 良好な血糖コントロールが長期にわたって得られている
2. 糖尿病の合併症がないか、あっても軽度である
3. 脂質代謝異常(特に高トリグリセリド血症)がない
4. 肝・膵疾患がない
5. 決められた上限量を守る患者である
この5項目、糖質制限食実践している糖尿人なら、
多くの人は1-4はクリアですね。
私も、1-4は完璧にクリアですが、5が微妙ですというかかなり怪しいです。
「決められた上限量」・・・いったい.誰が決めるのでしょうね?
自己管理・自己責任で肝臓に負担をかけない範囲で、
個々の適量を飲むということでしょうか。
アルコールそのものは、1gが約7kcalの燃焼エネルギーをもってい
ますが、摂取時の利用効率は約70%です。
エネルギー源としては、<アルコール→糖質→脂質→タンパク質>の順で利用されます。
アルコールは、糖質や脂質と違って摂取しても体重増加作用がありませんし、
血糖値も上昇させませんし、ビタミンやミネラルにも乏しいので、
empty calory と言われています。
アルコールを摂取すると、人体に対する毒物とみなされて優先的に肝臓で分解されますので、
その間、同じ補酵素を使う糖新生がブロックされてしまいます。
従って、アルコールを摂取すると結果として、肝臓の糖新生を抑制することとなります。
一定量以上のアルコールを摂取すれば、肝臓の夜間糖新生はブロックされ、
翌朝の早朝空腹時血糖値は、下がる可能性が高いです。
また、空腹時にお酒を飲めば、糖新生が抑制される分、
インスリン注射やスルフォニル尿素剤(SU剤)を内服している人は、
低血糖を起しやすくなるので、充分な注意が必要です。
最後に、血液の肝機能検査の中でγ-GTPは、通常お酒を飲むと上昇するとされています。
しかし、ビールなど糖質を含む酒をやめて、
ウィスキーや焼酎など蒸留酒に切り替えると同じ量のアルコールなら、
γ-GTPが改善することがあります。
一見意外なこの現象も 上戸の糖質制限食実践者で、結構よく経験しました。
γ-GTPは脂肪肝でも上昇します。
糖質制限食と蒸留酒で脂肪肝が改善するので、γ-GTPの数値が減ると考えられます。
もっとも、量的に飲み過ぎの人は、
γ-GTPも高値のままのことがありますので、ご用心下さい。
米国糖尿病学会は、
アルコール24g(30ml)/日を、食事と共に摂る程度なら適量としていますが、
ビール(5%)なら600ml
ワイン(15%)なら200ml
ウイスキー(43%)なら70ml
焼酎(25%)なら120ml
糖質ゼロ発泡酒(4%)なら750ml
に相当します。
しかしながら、アルコール乱用または依存症の既往歴がある人、
妊娠中の女性、並びに肝疾患、膵炎、高度の神経障害、
或いは重度の高トリグリセリド血症のような症状の人は、
飲酒を自制するよう指導されるべきであるとしています。
アルコールは肝臓での脂肪の合成を非常に促進するので、
血中中性脂肪濃度が高値となりやすいのです。
10時間以上絶食して、朝に中性脂肪値を測定しても、高値の場合は
アルコールの影響の可能性があるので注意が必要です。
江部康二
今回はお酒と糖尿病のお話です。
日本では、糖尿病の人にはアルコールは原則禁止となっていますが、
高雄病院の糖質制限食では原則、飲酒(糖質が含まれていない酒)OKです。
これはとても大きなアドバンテージです。
まあ、上戸にとって美味しく楽しく生きるには、アルコールは必要不可欠なものに近い存在なので、
適量ならOKとしています。
糖質制限食では、糖質の含まれていない蒸留酒(焼酎、ウィスキー、ブランデーなど)はOKですが、
糖質の含まれている醸造酒(ビール、日本酒、紹興酒、マッコリなど)は原則禁止です。
醸造酒の中で、辛口ワイン(赤、白)は、糖質含有量がごく少量であり、
血糖値をほとんど上昇させないのでOKです。
また、最近は糖質ゼロ発泡酒や糖質ゼロ日本酒も販売されてます。
さらに糖質ゼロビール「キリン 一番搾り 糖質ゼロ」も満を持して登場で、
2020年10月6日に発売され、1カ月で100万ケースを突破しました。
私も早速、愛飲していますが、
やはり糖質ゼロ発泡酒よりは、数段美味しいと感じます。
糖質ゼロ表示の意味は、栄養表示基準に基づき
「100ml中糖質0.5g未満を、糖質0(ゼロ)で表示してOK」です。
ということは、350ml缶なら、
1.75g未満の糖質が含まれている可能性はありますので大量にのむのは避けましょう。
日本の従来の糖尿病治療では、飲酒は原則禁止ですが、
一定の条件下で許可されることもあります。
その条件は、以下の5項目をクリアしていることです。
1. 良好な血糖コントロールが長期にわたって得られている
2. 糖尿病の合併症がないか、あっても軽度である
3. 脂質代謝異常(特に高トリグリセリド血症)がない
4. 肝・膵疾患がない
5. 決められた上限量を守る患者である
この5項目、糖質制限食実践している糖尿人なら、
多くの人は1-4はクリアですね。
私も、1-4は完璧にクリアですが、5が微妙ですというかかなり怪しいです。
「決められた上限量」・・・いったい.誰が決めるのでしょうね?
自己管理・自己責任で肝臓に負担をかけない範囲で、
個々の適量を飲むということでしょうか。
アルコールそのものは、1gが約7kcalの燃焼エネルギーをもってい
ますが、摂取時の利用効率は約70%です。
エネルギー源としては、<アルコール→糖質→脂質→タンパク質>の順で利用されます。
アルコールは、糖質や脂質と違って摂取しても体重増加作用がありませんし、
血糖値も上昇させませんし、ビタミンやミネラルにも乏しいので、
empty calory と言われています。
アルコールを摂取すると、人体に対する毒物とみなされて優先的に肝臓で分解されますので、
その間、同じ補酵素を使う糖新生がブロックされてしまいます。
従って、アルコールを摂取すると結果として、肝臓の糖新生を抑制することとなります。
一定量以上のアルコールを摂取すれば、肝臓の夜間糖新生はブロックされ、
翌朝の早朝空腹時血糖値は、下がる可能性が高いです。
また、空腹時にお酒を飲めば、糖新生が抑制される分、
インスリン注射やスルフォニル尿素剤(SU剤)を内服している人は、
低血糖を起しやすくなるので、充分な注意が必要です。
最後に、血液の肝機能検査の中でγ-GTPは、通常お酒を飲むと上昇するとされています。
しかし、ビールなど糖質を含む酒をやめて、
ウィスキーや焼酎など蒸留酒に切り替えると同じ量のアルコールなら、
γ-GTPが改善することがあります。
一見意外なこの現象も 上戸の糖質制限食実践者で、結構よく経験しました。
γ-GTPは脂肪肝でも上昇します。
糖質制限食と蒸留酒で脂肪肝が改善するので、γ-GTPの数値が減ると考えられます。
もっとも、量的に飲み過ぎの人は、
γ-GTPも高値のままのことがありますので、ご用心下さい。
米国糖尿病学会は、
アルコール24g(30ml)/日を、食事と共に摂る程度なら適量としていますが、
ビール(5%)なら600ml
ワイン(15%)なら200ml
ウイスキー(43%)なら70ml
焼酎(25%)なら120ml
糖質ゼロ発泡酒(4%)なら750ml
に相当します。
しかしながら、アルコール乱用または依存症の既往歴がある人、
妊娠中の女性、並びに肝疾患、膵炎、高度の神経障害、
或いは重度の高トリグリセリド血症のような症状の人は、
飲酒を自制するよう指導されるべきであるとしています。
アルコールは肝臓での脂肪の合成を非常に促進するので、
血中中性脂肪濃度が高値となりやすいのです。
10時間以上絶食して、朝に中性脂肪値を測定しても、高値の場合は
アルコールの影響の可能性があるので注意が必要です。
江部康二
2021年07月16日 (金)
こんにちは。
日本糖質制限医療推進協会のYouTubeチャンネルで、
動画「ドクター江部の糖質オフ!健康トーク」の配信を始めました。
今回は、
ドクター江部の糖質オフ!健康トーク
▼ vol.4『血糖値について』
https://youtu.be/P1tNrNWZ6bs
です。
空腹時血糖値と食後血糖値、
「糖質制限食」と「従来の糖尿病食」の比較
2型糖尿病での食後血糖値の差は?
酸化ストレス、症例提示、糖質制限食の利点
などの解説です。
糖尿病のことをほとんどご存知ない方でも理解できるような
とてもわかりやすい内容となっています。
糖尿病は日本のみならず世界的に増えています。
厚生労働省の2016年の調査によれば糖尿病が疑われる成人の推計が
1,000万人となっています。
何と言っても糖尿病でこわいのは合併症です。
血糖コントロールが悪いと、
シンプルに言えば、全身の血管がボロボロになり、動脈硬化が進行します。
三大合併症:糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、糖尿病性神経障害、
大血管障害(心筋梗塞、脳梗塞、糖尿病性足病変)など
を引き起こします。
結果として、糖尿病合併症が毎年、
人工透析16000人以上、失明3000人以上、 足切断3000人以上/年
発生しています。
合併症を予防できるのは、糖質制限食だけです。
現行の糖尿病食(カロリー制限・高糖質食)では、上述のような
合併症のオンパレードです。
誠に遺憾ながら、現行の糖尿病食は、『合併症製造食』としか言いようがありません。
ドクター江部の糖質オフ!健康トーク
▼ vol.1『糖質制限食と新型コロナ』 2021年03月25日 (木)
https://www.youtube.com/watch?v=YcpCTJQakeY&t=8s
▼ vol.2『糖質制限食とは』 2021年04月08日 (木)
https://www.youtube.com/watch?v=VLyBDm9zOv8
▼ vol.3『糖尿病とは』2021年05月23日 (日)
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-5620.html
是非、ご視聴頂ければ幸いです。
江部康二
以下、事務局からのお知らせです。
*********
ブログ読者の皆様、弊会のYouTube動画を多数ご覧いただいておりまして、ありがとうございます。
江部理事長による動画「ドクター江部の糖質オフ!健康トーク
vol.4」の配信をご案内申し上げます。
今回は、血糖値をテーマに、空腹時血糖値と食後血糖値、2型糖尿病における糖質制限食と従来の糖尿病食での血糖値変動の比較、酸化ストレスリスクと糖質制限食の利点などについてお話しております。
よろしければ是非ご覧くださいませ。
ドクター江部の糖質オフ!健康トーク
▼ vol.4『血糖値について』
https://youtu.be/P1tNrNWZ6bs
▼協会YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCdh9uz2_XnhDyJj9pHDDW1A
一般社団法人 日本糖質制限医療推進協会
https://www.toushitsuseigen.or.jp/
*********
日本糖質制限医療推進協会のYouTubeチャンネルで、
動画「ドクター江部の糖質オフ!健康トーク」の配信を始めました。
今回は、
ドクター江部の糖質オフ!健康トーク
▼ vol.4『血糖値について』
https://youtu.be/P1tNrNWZ6bs
です。
空腹時血糖値と食後血糖値、
「糖質制限食」と「従来の糖尿病食」の比較
2型糖尿病での食後血糖値の差は?
酸化ストレス、症例提示、糖質制限食の利点
などの解説です。
糖尿病のことをほとんどご存知ない方でも理解できるような
とてもわかりやすい内容となっています。
糖尿病は日本のみならず世界的に増えています。
厚生労働省の2016年の調査によれば糖尿病が疑われる成人の推計が
1,000万人となっています。
何と言っても糖尿病でこわいのは合併症です。
血糖コントロールが悪いと、
シンプルに言えば、全身の血管がボロボロになり、動脈硬化が進行します。
三大合併症:糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、糖尿病性神経障害、
大血管障害(心筋梗塞、脳梗塞、糖尿病性足病変)など
を引き起こします。
結果として、糖尿病合併症が毎年、
人工透析16000人以上、失明3000人以上、 足切断3000人以上/年
発生しています。
合併症を予防できるのは、糖質制限食だけです。
現行の糖尿病食(カロリー制限・高糖質食)では、上述のような
合併症のオンパレードです。
誠に遺憾ながら、現行の糖尿病食は、『合併症製造食』としか言いようがありません。
ドクター江部の糖質オフ!健康トーク
▼ vol.1『糖質制限食と新型コロナ』 2021年03月25日 (木)
https://www.youtube.com/watch?v=YcpCTJQakeY&t=8s
▼ vol.2『糖質制限食とは』 2021年04月08日 (木)
https://www.youtube.com/watch?v=VLyBDm9zOv8
▼ vol.3『糖尿病とは』2021年05月23日 (日)
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-5620.html
是非、ご視聴頂ければ幸いです。
江部康二
以下、事務局からのお知らせです。
*********
ブログ読者の皆様、弊会のYouTube動画を多数ご覧いただいておりまして、ありがとうございます。
江部理事長による動画「ドクター江部の糖質オフ!健康トーク
vol.4」の配信をご案内申し上げます。
今回は、血糖値をテーマに、空腹時血糖値と食後血糖値、2型糖尿病における糖質制限食と従来の糖尿病食での血糖値変動の比較、酸化ストレスリスクと糖質制限食の利点などについてお話しております。
よろしければ是非ご覧くださいませ。
ドクター江部の糖質オフ!健康トーク
▼ vol.4『血糖値について』
https://youtu.be/P1tNrNWZ6bs
▼協会YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCdh9uz2_XnhDyJj9pHDDW1A
一般社団法人 日本糖質制限医療推進協会
https://www.toushitsuseigen.or.jp/
*********
2021年07月15日 (木)
こんばんは。
今回は、
正常人および糖尿人における食後血糖値上昇のピーク時間は、
いつになるのかを検討してみます。
東京慈恵会医科大学糖尿病・代謝・内分泌内科准教授の西村理明氏の研究によれば、
1)耐糖能正常者24名の食後血糖値のピークは、40分から50分
2)HbA1c8%未満の患者はおおむね1時間から90分の間にピーク
3)HbA1cが8%を超える患者では2時間後にピーク
です。
上記はm3.com 2012年5月23日 (水)配信の記事の要約です。(*)
ピークが、後にずれるほど、耐糖能が良くないと言えるようです。
西村氏はCGMを駆使して血糖の変動を研究しています。
例えば、耐糖能正常者の24人を調べたところ、
朝食後、昼食後、夕食後ともに血糖のピークは、
40分から50分の時間帯に収まっていました。
次に、糖尿病患者の血糖変化も検証しています。
その結果、HbA1cが8%を超える患者では2時間後にピークがあったものの、
8%未満の患者はおおむね1時間から90分の間にピークがありました。
糖尿人においては、自分自身の食後血糖値のピークが、
1時間なのか90分なのか2時間なのか知っておくと便利です。
休みの日などに、
<食前血糖値、食後1時間血糖値、食後90分血糖値、食後2時間血糖値>
を、血糖自己測定器(SMBG)で検査して把握しておきましょう。
自分の食後血糖値のピーク時間が確認できたら、
外食時などは、その時間に検査すれば良いです。
なお食後1時間血糖値というのは、食事開始後1時間という意味です。
例えば午前8時に食事を開始したならば
食後1時間血糖値は午前9時に測定です。
(*)https://www.m3.com/clinical/sanpiryoron/152762
江部康二
今回は、
正常人および糖尿人における食後血糖値上昇のピーク時間は、
いつになるのかを検討してみます。
東京慈恵会医科大学糖尿病・代謝・内分泌内科准教授の西村理明氏の研究によれば、
1)耐糖能正常者24名の食後血糖値のピークは、40分から50分
2)HbA1c8%未満の患者はおおむね1時間から90分の間にピーク
3)HbA1cが8%を超える患者では2時間後にピーク
です。
上記はm3.com 2012年5月23日 (水)配信の記事の要約です。(*)
ピークが、後にずれるほど、耐糖能が良くないと言えるようです。
西村氏はCGMを駆使して血糖の変動を研究しています。
例えば、耐糖能正常者の24人を調べたところ、
朝食後、昼食後、夕食後ともに血糖のピークは、
40分から50分の時間帯に収まっていました。
次に、糖尿病患者の血糖変化も検証しています。
その結果、HbA1cが8%を超える患者では2時間後にピークがあったものの、
8%未満の患者はおおむね1時間から90分の間にピークがありました。
糖尿人においては、自分自身の食後血糖値のピークが、
1時間なのか90分なのか2時間なのか知っておくと便利です。
休みの日などに、
<食前血糖値、食後1時間血糖値、食後90分血糖値、食後2時間血糖値>
を、血糖自己測定器(SMBG)で検査して把握しておきましょう。
自分の食後血糖値のピーク時間が確認できたら、
外食時などは、その時間に検査すれば良いです。
なお食後1時間血糖値というのは、食事開始後1時間という意味です。
例えば午前8時に食事を開始したならば
食後1時間血糖値は午前9時に測定です。
(*)https://www.m3.com/clinical/sanpiryoron/152762
江部康二
2021年07月14日 (水)
こんにちは。
血糖値に直接影響を与えるのは「糖質・脂質・蛋白質」のうち、糖質だけです。
1gの糖質が、体重64kgの糖尿人の場合、
ピークで3mg/dl血糖値を上昇させます。
もちろん個人差はありますが、およその目安になります。
女性で体重が48kgなら、<64kg÷48kg=1.33・・・3mg×1.33=3.99mg>
1gの糖質摂取で、約4mg血糖値が上昇する計算となります。
境界型だと、1gの糖質が約2mg/dl血糖値を上昇させます。
正常人でも1gの糖質が0.5~1mgていど血糖値を上昇させるのですが、
正常人の場合は多くのグラム数の糖質を食べれば、
リアルタイムにインスリンが必要なだけ多く出て対応します。
従って、正常人は通常1時間値が140~180mgまでですみます。
勿論2時間値は140mg未満です。
糖尿病の発症は、
「正常人→境界人→糖尿人」と連続的に進んでいきます。
「糖質1gあたりの血糖上昇値」は、
インスリンの追加分泌がどのていど作用しているかを
アバウトにみていることになります。
2型糖尿病と診断がついた時点で、インスリン作用が不足しているわけですから、
1gの糖質が約3mg血糖値を上昇させるパターンとなります。
なお1型糖尿人で内因性のインスリンが出ていない場合、
1gの糖質摂取が、血糖値を5mg/dl上昇させます。
これは体重約64kgくらいの人での計算ですので、体重が32kgの小児なら、
倍ほどの10mg/dlほど血糖値が上昇することになります。
江部康二
血糖値に直接影響を与えるのは「糖質・脂質・蛋白質」のうち、糖質だけです。
1gの糖質が、体重64kgの糖尿人の場合、
ピークで3mg/dl血糖値を上昇させます。
もちろん個人差はありますが、およその目安になります。
女性で体重が48kgなら、<64kg÷48kg=1.33・・・3mg×1.33=3.99mg>
1gの糖質摂取で、約4mg血糖値が上昇する計算となります。
境界型だと、1gの糖質が約2mg/dl血糖値を上昇させます。
正常人でも1gの糖質が0.5~1mgていど血糖値を上昇させるのですが、
正常人の場合は多くのグラム数の糖質を食べれば、
リアルタイムにインスリンが必要なだけ多く出て対応します。
従って、正常人は通常1時間値が140~180mgまでですみます。
勿論2時間値は140mg未満です。
糖尿病の発症は、
「正常人→境界人→糖尿人」と連続的に進んでいきます。
「糖質1gあたりの血糖上昇値」は、
インスリンの追加分泌がどのていど作用しているかを
アバウトにみていることになります。
2型糖尿病と診断がついた時点で、インスリン作用が不足しているわけですから、
1gの糖質が約3mg血糖値を上昇させるパターンとなります。
なお1型糖尿人で内因性のインスリンが出ていない場合、
1gの糖質摂取が、血糖値を5mg/dl上昇させます。
これは体重約64kgくらいの人での計算ですので、体重が32kgの小児なら、
倍ほどの10mg/dlほど血糖値が上昇することになります。
江部康二
2021年07月13日 (火)
【日付 名前
21/07/13 hanamizuki
暁現象とは
こんにちは。江部先生いつも貴重なお話をありがとうございます。
Covid19でお医者様は大変なことと思いますが
いつもブログを更新してくださって勉強になります。
私は昨年来の常時高血糖に悩まされる中で朝の血糖値が300とかになり
投薬を続けていましたがメトアナHDで何とか以前の状態に戻ってきました。
1錠/日ですが夜食後に飲むだけで、高かった血糖値も下がり、
暁現象も収まってきたようです。
勿論糖質管理食を続けていますので、
食後高血糖も起こらなくなりました。(高いときは何を食べても乱高下していました…)
ただし糖質をとってしまうと薬は効かず高血糖にはなりますので、
食後高血糖の改善には今の所糖質制限しかありませんね…
糖質管理に医者も栄養士も基本的には反対ですが、
自己管理しているマニアックな患者として
「仕方がないな…」という感じで任せてくれています(笑)
ストレスをためないようにして速歩を続けて薬無しに戻れるように頑張ります。
やはりストレスが血糖値には一番よろしくないようです。】
こんにちは。
hanamizukiさんから、<糖質制限食+メトアナHD>
で、暁現象が改善したという嬉しいコメントを頂きました。
ありがとうございます。
メトアナHDは、『DPP-4阻害剤+メトホルミン』の合剤です。
hanamizukiさん、暁現象の改善、良かったですね。
糖質制限食実践で、食後高血糖は、リアルタイムに改善します。
従って、SU剤やグリニド系剤の内服、インスリン注射をしている人は
そのまま糖質制限食を実践すると低血糖になる恐れがあるので、
必ず、医師と相談することが必要です。
一方、早朝空腹時血糖値は、年期の入った糖尿病の場合、
スーパー糖質制限食実践でも、改善が困難なことがあります。
このような場合は、内服薬や注射薬との併用を考慮します。
早朝の空腹時血糖値は、正常人では、寝る前より低いのが普通です。
ところが、就寝前よりも朝起きたときの血糖値のほうが高いという現象が、
糖尿人によくみられ、「暁現象」と呼ばれています。
朝方3~4時ころは、基礎分泌インスリンは一番低値になります。
さらにこの時間帯、成長ホルモンとコルチゾールが増えて
血糖が上がりやすくなるのですが、
正常人は即座にインスリン分泌を増やして対応します。
糖尿人はインスリンを増加させてそれに対抗できないから、
暁現象を生じるとされています。
成長ホルモンは、肝臓でのグリコーゲン分解を促し、
また抗インスリン作用(インスリンを抑制し、血糖値を上昇させる)を持つため、
血糖値を上昇させます。
コルチゾールは肝臓での糖新生を促進させて、血糖値を上昇させます。
また糖尿病患者では起床前後の交換神経活性が暁現象に関係しています。
交感神経活性でカテコラミンなどのインスリン拮抗ホルモンが増えます。
膵臓では交感神経刺激によりインスリン分泌抑制とグルカゴン分泌促進が起こり、
血糖値が上昇します。
夜間睡眠時は、肝臓がブドウ糖を合成して(糖新生)血液中に送り、
血糖値を維持しますが、もともと糖尿人は正常人に比べて糖新生が増加しています。
このように、暁現象は糖尿人の悩みの種ですが、
hanamizukiさんのように、<糖質制限食+DPP-4阻害薬+メトホルミン>
で改善することがあります。
また<糖質制限食+SGLT2阻害薬>で、暁現象が改善することも多いです。
さらに<糖質制限食+Glp1受容体作動薬>で、暁現象が改善する場合も多いです。
SGLT2阻害薬は、
スーグラ、ルセフィ、カナグル、フォシーガ、ジャディアンス、デベルザなどの
内服薬があります。
Glp1受容体作動薬は、トルリシティー、ビクトーザ、オゼンピックなどの注射薬と、
リベルサスという内服薬があります。
なお、糖質制限制限食実践者は、AGEsの蓄積も最小限ですむので、
慢性炎症、老化、動脈硬化、アルツハイマー病などの予防・改善が期待できますので、
このまま、健康長寿を目指しましょう。
江部康二
21/07/13 hanamizuki
暁現象とは
こんにちは。江部先生いつも貴重なお話をありがとうございます。
Covid19でお医者様は大変なことと思いますが
いつもブログを更新してくださって勉強になります。
私は昨年来の常時高血糖に悩まされる中で朝の血糖値が300とかになり
投薬を続けていましたがメトアナHDで何とか以前の状態に戻ってきました。
1錠/日ですが夜食後に飲むだけで、高かった血糖値も下がり、
暁現象も収まってきたようです。
勿論糖質管理食を続けていますので、
食後高血糖も起こらなくなりました。(高いときは何を食べても乱高下していました…)
ただし糖質をとってしまうと薬は効かず高血糖にはなりますので、
食後高血糖の改善には今の所糖質制限しかありませんね…
糖質管理に医者も栄養士も基本的には反対ですが、
自己管理しているマニアックな患者として
「仕方がないな…」という感じで任せてくれています(笑)
ストレスをためないようにして速歩を続けて薬無しに戻れるように頑張ります。
やはりストレスが血糖値には一番よろしくないようです。】
こんにちは。
hanamizukiさんから、<糖質制限食+メトアナHD>
で、暁現象が改善したという嬉しいコメントを頂きました。
ありがとうございます。
メトアナHDは、『DPP-4阻害剤+メトホルミン』の合剤です。
hanamizukiさん、暁現象の改善、良かったですね。
糖質制限食実践で、食後高血糖は、リアルタイムに改善します。
従って、SU剤やグリニド系剤の内服、インスリン注射をしている人は
そのまま糖質制限食を実践すると低血糖になる恐れがあるので、
必ず、医師と相談することが必要です。
一方、早朝空腹時血糖値は、年期の入った糖尿病の場合、
スーパー糖質制限食実践でも、改善が困難なことがあります。
このような場合は、内服薬や注射薬との併用を考慮します。
早朝の空腹時血糖値は、正常人では、寝る前より低いのが普通です。
ところが、就寝前よりも朝起きたときの血糖値のほうが高いという現象が、
糖尿人によくみられ、「暁現象」と呼ばれています。
朝方3~4時ころは、基礎分泌インスリンは一番低値になります。
さらにこの時間帯、成長ホルモンとコルチゾールが増えて
血糖が上がりやすくなるのですが、
正常人は即座にインスリン分泌を増やして対応します。
糖尿人はインスリンを増加させてそれに対抗できないから、
暁現象を生じるとされています。
成長ホルモンは、肝臓でのグリコーゲン分解を促し、
また抗インスリン作用(インスリンを抑制し、血糖値を上昇させる)を持つため、
血糖値を上昇させます。
コルチゾールは肝臓での糖新生を促進させて、血糖値を上昇させます。
また糖尿病患者では起床前後の交換神経活性が暁現象に関係しています。
交感神経活性でカテコラミンなどのインスリン拮抗ホルモンが増えます。
膵臓では交感神経刺激によりインスリン分泌抑制とグルカゴン分泌促進が起こり、
血糖値が上昇します。
夜間睡眠時は、肝臓がブドウ糖を合成して(糖新生)血液中に送り、
血糖値を維持しますが、もともと糖尿人は正常人に比べて糖新生が増加しています。
このように、暁現象は糖尿人の悩みの種ですが、
hanamizukiさんのように、<糖質制限食+DPP-4阻害薬+メトホルミン>
で改善することがあります。
また<糖質制限食+SGLT2阻害薬>で、暁現象が改善することも多いです。
さらに<糖質制限食+Glp1受容体作動薬>で、暁現象が改善する場合も多いです。
SGLT2阻害薬は、
スーグラ、ルセフィ、カナグル、フォシーガ、ジャディアンス、デベルザなどの
内服薬があります。
Glp1受容体作動薬は、トルリシティー、ビクトーザ、オゼンピックなどの注射薬と、
リベルサスという内服薬があります。
なお、糖質制限制限食実践者は、AGEsの蓄積も最小限ですむので、
慢性炎症、老化、動脈硬化、アルツハイマー病などの予防・改善が期待できますので、
このまま、健康長寿を目指しましょう。
江部康二
2021年07月12日 (月)
こんにちは。
今回は、暁現象について考えてみます。
バーンスタイン医師によれば、糖尿人においては、
就寝後8~10時間に血糖値が上昇することがあり、これを暁現象といいます。
例えば、前日の午後11時とか血糖値が100mg/dlでまあまあ良かったのに、
翌朝の午前7時に血糖値を測定したら、
何も食べていないのに120mg/dlくらいあるといったパターンです。
空腹時には、肝臓のグリコーゲン分解と糖新生が、血糖の供給源となります。
グリコーゲン分解に関しては、糖尿人と正常人との間に差はないとされています。
一方、糖新生は、糖尿人においては増加することが多いです。
正常人においては、血液中のインスリンが5μU/ml以上あれば
糖新生は急激に低下します。
しかし、2型糖尿病においては、
正常人の2倍以上のインスリンが必要とされることが多いのです。
その結果、糖尿人では、相対的インスリン不足のために、
明け方の糖新生を制御できないため、
就寝時より起床時の血糖値のほうが高値となるのです。 ⇒ 暁現象
起床1時間前から始まり、覚醒後2~3時間続くことが多いようです。
朝に血糖値が上昇するまでの時間と増加幅には、個人差があります。
1型糖尿人のバーンスタイン医師は、
充分量の持続型インスリン3単位を就寝前に注射しているにもかかわらず、
起床時の血糖値が10~100mg/dlほど就寝時より高値となるそうです。
暁現象の機序は、完全に解明されているわけではありませんが、
肝臓が早朝には、他の時間帯以上に、血液中に循環しているインスリンを不活化させると、
バーンスタイン医師は説明しています。
インスリン作用の低下のため、肝臓の糖新生が高まります。
インスリンが、外部から注射したものであれ、内部でつくったものであれ同様です。
早朝空腹時ですからインスリンを打っていない人では、
基礎分泌のインスリンが循環している時間帯ですね。
正常人は、早朝空腹時に血糖値が上昇し始めたら、
リアルタイムでインスリンを産生して調整しますが、
糖尿人はそれが不足するので暁現象が発生するのです。
江部康二
今回は、暁現象について考えてみます。
バーンスタイン医師によれば、糖尿人においては、
就寝後8~10時間に血糖値が上昇することがあり、これを暁現象といいます。
例えば、前日の午後11時とか血糖値が100mg/dlでまあまあ良かったのに、
翌朝の午前7時に血糖値を測定したら、
何も食べていないのに120mg/dlくらいあるといったパターンです。
空腹時には、肝臓のグリコーゲン分解と糖新生が、血糖の供給源となります。
グリコーゲン分解に関しては、糖尿人と正常人との間に差はないとされています。
一方、糖新生は、糖尿人においては増加することが多いです。
正常人においては、血液中のインスリンが5μU/ml以上あれば
糖新生は急激に低下します。
しかし、2型糖尿病においては、
正常人の2倍以上のインスリンが必要とされることが多いのです。
その結果、糖尿人では、相対的インスリン不足のために、
明け方の糖新生を制御できないため、
就寝時より起床時の血糖値のほうが高値となるのです。 ⇒ 暁現象
起床1時間前から始まり、覚醒後2~3時間続くことが多いようです。
朝に血糖値が上昇するまでの時間と増加幅には、個人差があります。
1型糖尿人のバーンスタイン医師は、
充分量の持続型インスリン3単位を就寝前に注射しているにもかかわらず、
起床時の血糖値が10~100mg/dlほど就寝時より高値となるそうです。
暁現象の機序は、完全に解明されているわけではありませんが、
肝臓が早朝には、他の時間帯以上に、血液中に循環しているインスリンを不活化させると、
バーンスタイン医師は説明しています。
インスリン作用の低下のため、肝臓の糖新生が高まります。
インスリンが、外部から注射したものであれ、内部でつくったものであれ同様です。
早朝空腹時ですからインスリンを打っていない人では、
基礎分泌のインスリンが循環している時間帯ですね。
正常人は、早朝空腹時に血糖値が上昇し始めたら、
リアルタイムでインスリンを産生して調整しますが、
糖尿人はそれが不足するので暁現象が発生するのです。
江部康二
2021年07月11日 (日)
こんにちは。
今回は、食後高血糖と酸化ストレス・AGEs・プラーク・動脈硬化のお話です。
食後高血糖が、心血管疾患の強力な危険因子であることは、
多くの疫学的研究で明らかにされています。
国際糖尿病連合(International Diabetes Federation:IDF)も
2007年「食後血糖値の管理に関するガイドライン」において、
食後および負荷後高血糖は大血管疾患の独立した危険因子であると明言しています。
それでは、なぜ高血糖が血管を傷害するのでしょう?
高血糖により、細胞傷害が生じる機序の中心は、酸化ストレス(*)の亢進です。
血管内皮機能にはいろんな因子が関わっていて、弛緩と収縮のバランスをとっています。
高血糖があると活性酸素が発生し、酸化ストレスが増大し、
血管内皮機能の弛緩に関係する因子の働きが悪くなり、動脈硬化のリスクとなります。
また高血糖があると、糖と蛋白質の非酵素的な反応により、
AGEs(終末糖化産物)が形成されます。
AGEs(**)の蓄積は、血管内皮細胞障害を引き起こします。
高血糖により体の代謝にに必要な酵素などの蛋白質が変性します。
糖化により、活性酸素を除去するSODなどの酵素が変性すると、
その機能が低下してしまうのです。
次いで興味深い話題ですが、
間欠的な高血糖は、抗酸化システムの働きを妨げるとされ、
血糖の上昇・下降を繰り返す血糖変動では、
慢性的な高血糖より細胞傷害機序が強く働く可能性が指摘されています。
特に急激な食後血糖値の上昇(グルコーススパイク)が最も危険と言われています。
このように、食後高血糖が「酸化ストレスの増大、血管内皮機能障害、血液凝固線溶系や脂質代謝の障害、インスリン抵抗性増大、膵β細胞の機能低下」を生じ、
これらの悪循環の結果として、
動脈硬化の進展とプラーク(***)脆弱性を招くことが判明しつつあります。
そして、食後高血糖を生じるのは「糖質・脂質・タンパク質」のうち糖質だけなのです。
カロリー制限が主の現行の糖尿病食では、グルコーススパイクは防げません。
糖尿人の皆さん、是非糖質制限食で身を守ってくださいね。
(*)酸化ストレス
酸化ストレスとは、「生体の酸化反応と抗酸化反応のバランスが崩れ、酸化反応が亢進した状態」のことで、当然生体にとって好ましくない現象です。
高血糖、喫煙、活性酸素などが、酸化ストレスを増加させると考えられます。
酸化ストレスは、細胞のDNA、細胞膜上のリン酸脂質、蛋白質、糖質を傷害し、血管傷害を進行させます。
(**)AGEs
タンパク質と糖が結びついた物質で、Advanced Glycation End-productの頭文字をとってAGEと呼ばれます。日本語では終末糖化産物と訳されています。
過剰な血糖は、糖化反応により血管壁のコラーゲンなど様々なタンパク質に付着します。付着した糖は一部変性してアマドリ化合物(変性ブドウ糖)となります。
このアマドリ化合物と糖が結合しAGEsができます。
AGEsは、糖尿病合併症を引き起こす、重大な原因の1つです。
(***)プラーク
動脈硬化症の中で、最も頻度が高く重要な疾患が粥状硬化症です。
粥状硬化症の初期病変は限局性の内膜肥厚を示しますが、
この肥厚性斑状病巣をプラークと呼びます。
加齢や病変の進行とともに動脈のプラークの数は増加し、
さらにプラーク同士の融合も見られるようになります。
プラークの成分により
①線維性プラーク
②脂質に富むプラーク
③両者の中間型(中間型プラーク)
の3群に大別されます。
脂質に富み、且つ、破裂しやすいプラークは「不安定プラーク」と呼ばれています。
破裂の結果、不安定狭心症、急性心筋梗塞、虚血性突然死などの急性冠動脈症候群を発症するので「危険なプラーク」とされています。
江部康二
今回は、食後高血糖と酸化ストレス・AGEs・プラーク・動脈硬化のお話です。
食後高血糖が、心血管疾患の強力な危険因子であることは、
多くの疫学的研究で明らかにされています。
国際糖尿病連合(International Diabetes Federation:IDF)も
2007年「食後血糖値の管理に関するガイドライン」において、
食後および負荷後高血糖は大血管疾患の独立した危険因子であると明言しています。
それでは、なぜ高血糖が血管を傷害するのでしょう?
高血糖により、細胞傷害が生じる機序の中心は、酸化ストレス(*)の亢進です。
血管内皮機能にはいろんな因子が関わっていて、弛緩と収縮のバランスをとっています。
高血糖があると活性酸素が発生し、酸化ストレスが増大し、
血管内皮機能の弛緩に関係する因子の働きが悪くなり、動脈硬化のリスクとなります。
また高血糖があると、糖と蛋白質の非酵素的な反応により、
AGEs(終末糖化産物)が形成されます。
AGEs(**)の蓄積は、血管内皮細胞障害を引き起こします。
高血糖により体の代謝にに必要な酵素などの蛋白質が変性します。
糖化により、活性酸素を除去するSODなどの酵素が変性すると、
その機能が低下してしまうのです。
次いで興味深い話題ですが、
間欠的な高血糖は、抗酸化システムの働きを妨げるとされ、
血糖の上昇・下降を繰り返す血糖変動では、
慢性的な高血糖より細胞傷害機序が強く働く可能性が指摘されています。
特に急激な食後血糖値の上昇(グルコーススパイク)が最も危険と言われています。
このように、食後高血糖が「酸化ストレスの増大、血管内皮機能障害、血液凝固線溶系や脂質代謝の障害、インスリン抵抗性増大、膵β細胞の機能低下」を生じ、
これらの悪循環の結果として、
動脈硬化の進展とプラーク(***)脆弱性を招くことが判明しつつあります。
そして、食後高血糖を生じるのは「糖質・脂質・タンパク質」のうち糖質だけなのです。
カロリー制限が主の現行の糖尿病食では、グルコーススパイクは防げません。
糖尿人の皆さん、是非糖質制限食で身を守ってくださいね。
(*)酸化ストレス
酸化ストレスとは、「生体の酸化反応と抗酸化反応のバランスが崩れ、酸化反応が亢進した状態」のことで、当然生体にとって好ましくない現象です。
高血糖、喫煙、活性酸素などが、酸化ストレスを増加させると考えられます。
酸化ストレスは、細胞のDNA、細胞膜上のリン酸脂質、蛋白質、糖質を傷害し、血管傷害を進行させます。
(**)AGEs
タンパク質と糖が結びついた物質で、Advanced Glycation End-productの頭文字をとってAGEと呼ばれます。日本語では終末糖化産物と訳されています。
過剰な血糖は、糖化反応により血管壁のコラーゲンなど様々なタンパク質に付着します。付着した糖は一部変性してアマドリ化合物(変性ブドウ糖)となります。
このアマドリ化合物と糖が結合しAGEsができます。
AGEsは、糖尿病合併症を引き起こす、重大な原因の1つです。
(***)プラーク
動脈硬化症の中で、最も頻度が高く重要な疾患が粥状硬化症です。
粥状硬化症の初期病変は限局性の内膜肥厚を示しますが、
この肥厚性斑状病巣をプラークと呼びます。
加齢や病変の進行とともに動脈のプラークの数は増加し、
さらにプラーク同士の融合も見られるようになります。
プラークの成分により
①線維性プラーク
②脂質に富むプラーク
③両者の中間型(中間型プラーク)
の3群に大別されます。
脂質に富み、且つ、破裂しやすいプラークは「不安定プラーク」と呼ばれています。
破裂の結果、不安定狭心症、急性心筋梗塞、虚血性突然死などの急性冠動脈症候群を発症するので「危険なプラーク」とされています。
江部康二
2021年07月10日 (土)
こんにちは。
今回は、果物やその主成分である果糖について考察してみます。
果物に含まれている糖質は、果糖、ショ糖、ブドウ糖などです。
この中のショ糖は、果糖とブドウ糖から構成されています。
市販されている砂糖の主成分がショ糖です。
果物の糖質は、全て果糖だと私も思っていましたが、実態は違うのですね。
例えばリンゴ1個(約240g)ですと、
・カロリー:約150kcal
・ビタミンC:8mg
・遊離糖含有量:35.6g
(果糖:18g、ブドウ糖:6g、ショ糖:9.6g、ソルビトール:2g)
・水溶性食物繊維含量:0.95g
・不溶性食物繊維含量:2.95g
くらいです。
この果糖ですが、実に面白い性質をもっていますので検討してみましょう。
まず、果糖はブドウ糖とは代謝経路が全く異なっています。
そして、果糖のGI(血糖上昇指数)は20程度と低いです。
ブドウ糖のGIは、100です。
果糖の代謝経路は特殊で、10%がブドウ糖に変換され吸収されますが、
残りの90%は果糖のまま吸収され、肝臓でそのまま直接代謝されます。
ですから、果糖は血糖値をほとんど上昇させず、
インスリンの分泌もほとんど促しません。
つまり、果糖のGI値が低いのは、
果糖が「ブドウ糖として」利用されるのはごく一部であるからであり、
果糖の吸収速度が遅いからGI値が低いというわけではありません。
消化吸収されて肝門脈に流れ込んだ果糖は、
肝臓でブドウ糖より速く解糖作用をうけます。
ブドウ糖が解糖系に入って代謝されていく時には、
ホスホフルクトキナーゼという酵素が必要なのですが、
果糖はこの段階をバイパスして、速やかに解糖系に入って代謝されるからです。
肝臓に取り込まれたブドウ糖と果糖は、
解糖系-TCAサイクルを経てATP産生に消費され、
余分なものはグリコーゲンと中性脂肪に変換されます。
肝臓のグリコーゲン蓄積には限りがあるので、
ブドウ糖より速やかに代謝された果糖の代謝産物によって脂肪酸合成が促進され、
中性脂肪の合成が亢進し、高中性脂肪血症となります。
血糖値の上昇をみるGI値では「ブドウ糖>砂糖>果糖」ですが、
中性脂肪値の上昇速度は、「果糖>砂糖>ブドウ糖」となります。
このように、果糖は、ブドウ糖のように血糖値を上昇させませんが、
中性脂肪合成を促進させ、太りやすい性質をもっています。
果物の糖質の主成分は果糖ですので、
血糖値はパンや米など穀物より上昇させにくいですが、
中性脂肪に変わるという意味では、かえって太りやすいと思います。
農耕以前の人類は、来るべき冬の食糧難に備えて、実りの秋に果物を摂取して、
効率よく中性脂肪を蓄えていたというのが私の仮説です。
また、果糖はAGEsに変わる速度が、
ブドウ糖の数十倍であることもしっかり認識しておかなくてはなりません。
AGEsは糖尿病合併症の元凶であり、
動脈硬化・老化・アルツハイマー病にも関与するとされています。
一般に果物には、ヘルシーなイメージがありますが、
上述のように、肥満しやすい、
AGEsを蓄積させやすく動脈硬化・老化・アルツハイマー病などの元凶となるといった
負の側面も多いので、摂取は少量にとどめるのが安全と言えます。
そして甘味料は、果糖や砂糖ではなくて、
ラカントS(サラヤ)、パルスイートゼロ(味の素)、
シュガーカットゼロ(浅田飴)など、
エリスリトールが主成分のものがお奨めです。
※
参考文献:「ハーパー・生化学」原書27版、
上代淑人監訳、丸善株式会社、2007年など。
江部康二
今回は、果物やその主成分である果糖について考察してみます。
果物に含まれている糖質は、果糖、ショ糖、ブドウ糖などです。
この中のショ糖は、果糖とブドウ糖から構成されています。
市販されている砂糖の主成分がショ糖です。
果物の糖質は、全て果糖だと私も思っていましたが、実態は違うのですね。
例えばリンゴ1個(約240g)ですと、
・カロリー:約150kcal
・ビタミンC:8mg
・遊離糖含有量:35.6g
(果糖:18g、ブドウ糖:6g、ショ糖:9.6g、ソルビトール:2g)
・水溶性食物繊維含量:0.95g
・不溶性食物繊維含量:2.95g
くらいです。
この果糖ですが、実に面白い性質をもっていますので検討してみましょう。
まず、果糖はブドウ糖とは代謝経路が全く異なっています。
そして、果糖のGI(血糖上昇指数)は20程度と低いです。
ブドウ糖のGIは、100です。
果糖の代謝経路は特殊で、10%がブドウ糖に変換され吸収されますが、
残りの90%は果糖のまま吸収され、肝臓でそのまま直接代謝されます。
ですから、果糖は血糖値をほとんど上昇させず、
インスリンの分泌もほとんど促しません。
つまり、果糖のGI値が低いのは、
果糖が「ブドウ糖として」利用されるのはごく一部であるからであり、
果糖の吸収速度が遅いからGI値が低いというわけではありません。
消化吸収されて肝門脈に流れ込んだ果糖は、
肝臓でブドウ糖より速く解糖作用をうけます。
ブドウ糖が解糖系に入って代謝されていく時には、
ホスホフルクトキナーゼという酵素が必要なのですが、
果糖はこの段階をバイパスして、速やかに解糖系に入って代謝されるからです。
肝臓に取り込まれたブドウ糖と果糖は、
解糖系-TCAサイクルを経てATP産生に消費され、
余分なものはグリコーゲンと中性脂肪に変換されます。
肝臓のグリコーゲン蓄積には限りがあるので、
ブドウ糖より速やかに代謝された果糖の代謝産物によって脂肪酸合成が促進され、
中性脂肪の合成が亢進し、高中性脂肪血症となります。
血糖値の上昇をみるGI値では「ブドウ糖>砂糖>果糖」ですが、
中性脂肪値の上昇速度は、「果糖>砂糖>ブドウ糖」となります。
このように、果糖は、ブドウ糖のように血糖値を上昇させませんが、
中性脂肪合成を促進させ、太りやすい性質をもっています。
果物の糖質の主成分は果糖ですので、
血糖値はパンや米など穀物より上昇させにくいですが、
中性脂肪に変わるという意味では、かえって太りやすいと思います。
農耕以前の人類は、来るべき冬の食糧難に備えて、実りの秋に果物を摂取して、
効率よく中性脂肪を蓄えていたというのが私の仮説です。
また、果糖はAGEsに変わる速度が、
ブドウ糖の数十倍であることもしっかり認識しておかなくてはなりません。
AGEsは糖尿病合併症の元凶であり、
動脈硬化・老化・アルツハイマー病にも関与するとされています。
一般に果物には、ヘルシーなイメージがありますが、
上述のように、肥満しやすい、
AGEsを蓄積させやすく動脈硬化・老化・アルツハイマー病などの元凶となるといった
負の側面も多いので、摂取は少量にとどめるのが安全と言えます。
そして甘味料は、果糖や砂糖ではなくて、
ラカントS(サラヤ)、パルスイートゼロ(味の素)、
シュガーカットゼロ(浅田飴)など、
エリスリトールが主成分のものがお奨めです。
※
参考文献:「ハーパー・生化学」原書27版、
上代淑人監訳、丸善株式会社、2007年など。
江部康二
2021年07月09日 (金)
こんにちは。
2021年2月12日、
体が変わる! 最強の糖質制限食-巣ごもり生活でも太らない!
江部康二・沼津りえ著(学研プラス)が刊行されました。

太る理由は単純です。
『糖質摂取⇒血糖値上昇⇒インスリン分泌⇒血糖を筋肉が取り込む⇒余った血糖は全て中性脂肪に変わり脂肪組織に蓄えられる。』
これが生理学的事実であり、インスリンが肥満ホルモンと言われる所以です。
そして糖質摂取こそが太る原因なのです。
脂質を食べても血糖値は上昇せず、インスリンの分泌もありません。
たんぱく質摂取は、インスリンとグルカゴンを両方分泌させますが、
両ホルモンの効果が相殺されて、血糖値は上昇しません。
糖質制限食実践なら肥満ホルモンインスリンの分泌は
必要最小限ですむので太らないのです。
本書では、とてもわかりやすく糖質制限食の基礎理論が説明してあります。
また具体的な実践法もシンプルに具体的に記述してあります。
朝食、昼食、夕食jにわけてレシピ集もついています。
本書が皆さんの、太らない対策にお役に立てれば幸いです。
江部康二
以下の青字の記載は、本書のはじめにです。
はじめに
新型コロナウイルスによる感染症が流行して以来、
世の中が大きく変わりました。
感染拡大を防ぐため、外出を控え、
自宅で“巣ごもり生活”を送っている人も多いと思います。
こうした生活が長引くなかで、
「以前よりも太ってしまった」という声をよく聞きます。
巣ごもり中の食生活では、家にあるもの、
保存がきくもので済ませようとして、
ごはんものやめん類など、
糖質メインの食事をよくとるようになったという人も多いのではないでしょうか。
また、リモートワーク中心の生活で、
あまりおなかが減っていないのに、
習慣的に以前と同じ量の食事をとっているのも原因かもしれません。
なかには、運動不足解消とダイエットのために、
エクササイズを始めてみたものの、うまく続かず、挫折した人もいるでしょう。
そんなときこそ、糖質制限食がおすすめです。
糖質制限食は、糖質の多い食品を控えるだけの食事法です。
糖質さえ控えれば、食事の量を減らさなくても、
運動をしなくても、脂肪が燃えやすい体に変わります。
カロリー制限は不要で、お肉や脂っこいメニューをがまんする必要もなく、
満腹になるまで食べられます。
糖質制限食は、健康管理にも有効で、
生活習慣病をはじめ、さまざまな病気の予防や改善に効果があります。
筋肉の維持や増強にも役立つので、多くのアスリートも実践しています。
さらに、最近の研究結果では、糖質制限食を実践している人は、
糖質を多くとる食生活を送っている人に比べて、
AGEsの蓄積が少ないことや血中ケトン体高値により、
免疫力が高くなることもわかりました。
本書では、まずPart1で、
糖質制限食のルールや食品の選び方、実践のコツを解説し、
Part2~4では、朝食・昼食・夕食の糖質制限食のポイントと、
3食自炊でもラクラク作れる、おすすめのレシピをそれぞれ紹介しています。
最後にPart5では、
糖質制限食を実践している人からよく寄せられる疑問をまとめた
Q&A集を設けました。
糖質制限食は、運動不足でも筋肉を落とさずに健康的にやせられる、
まさに最強の食事法です。
ウィズコロナの時代、糖質制限食が、
みなさまの健康を守る一助となれば幸いです。
2021年2月 江部康二
2021年2月12日、
体が変わる! 最強の糖質制限食-巣ごもり生活でも太らない!
江部康二・沼津りえ著(学研プラス)が刊行されました。

太る理由は単純です。
『糖質摂取⇒血糖値上昇⇒インスリン分泌⇒血糖を筋肉が取り込む⇒余った血糖は全て中性脂肪に変わり脂肪組織に蓄えられる。』
これが生理学的事実であり、インスリンが肥満ホルモンと言われる所以です。
そして糖質摂取こそが太る原因なのです。
脂質を食べても血糖値は上昇せず、インスリンの分泌もありません。
たんぱく質摂取は、インスリンとグルカゴンを両方分泌させますが、
両ホルモンの効果が相殺されて、血糖値は上昇しません。
糖質制限食実践なら肥満ホルモンインスリンの分泌は
必要最小限ですむので太らないのです。
本書では、とてもわかりやすく糖質制限食の基礎理論が説明してあります。
また具体的な実践法もシンプルに具体的に記述してあります。
朝食、昼食、夕食jにわけてレシピ集もついています。
本書が皆さんの、太らない対策にお役に立てれば幸いです。
江部康二
以下の青字の記載は、本書のはじめにです。
はじめに
新型コロナウイルスによる感染症が流行して以来、
世の中が大きく変わりました。
感染拡大を防ぐため、外出を控え、
自宅で“巣ごもり生活”を送っている人も多いと思います。
こうした生活が長引くなかで、
「以前よりも太ってしまった」という声をよく聞きます。
巣ごもり中の食生活では、家にあるもの、
保存がきくもので済ませようとして、
ごはんものやめん類など、
糖質メインの食事をよくとるようになったという人も多いのではないでしょうか。
また、リモートワーク中心の生活で、
あまりおなかが減っていないのに、
習慣的に以前と同じ量の食事をとっているのも原因かもしれません。
なかには、運動不足解消とダイエットのために、
エクササイズを始めてみたものの、うまく続かず、挫折した人もいるでしょう。
そんなときこそ、糖質制限食がおすすめです。
糖質制限食は、糖質の多い食品を控えるだけの食事法です。
糖質さえ控えれば、食事の量を減らさなくても、
運動をしなくても、脂肪が燃えやすい体に変わります。
カロリー制限は不要で、お肉や脂っこいメニューをがまんする必要もなく、
満腹になるまで食べられます。
糖質制限食は、健康管理にも有効で、
生活習慣病をはじめ、さまざまな病気の予防や改善に効果があります。
筋肉の維持や増強にも役立つので、多くのアスリートも実践しています。
さらに、最近の研究結果では、糖質制限食を実践している人は、
糖質を多くとる食生活を送っている人に比べて、
AGEsの蓄積が少ないことや血中ケトン体高値により、
免疫力が高くなることもわかりました。
本書では、まずPart1で、
糖質制限食のルールや食品の選び方、実践のコツを解説し、
Part2~4では、朝食・昼食・夕食の糖質制限食のポイントと、
3食自炊でもラクラク作れる、おすすめのレシピをそれぞれ紹介しています。
最後にPart5では、
糖質制限食を実践している人からよく寄せられる疑問をまとめた
Q&A集を設けました。
糖質制限食は、運動不足でも筋肉を落とさずに健康的にやせられる、
まさに最強の食事法です。
ウィズコロナの時代、糖質制限食が、
みなさまの健康を守る一助となれば幸いです。
2021年2月 江部康二
2021年07月08日 (木)
こんにちは。
今回はワインに含まれている糖質量について、考察してみます。
まず、ワインに比較的多く含まれている、
グリセリンと有機酸について考えてみます。
一般にグリセリンは、アルコールとして分類されてます。
では、アルコールは炭水化物として分類されているのでしょうか?
五訂日本食品標準成分表では、アルコールは欄外に炭水化物からの
除外物質として、カフェインなどと共に表記されています。(*)
即ちグリセリン(アルコール)は、炭水化物からの除外物質として、
五訂日本食品標準成分表では炭水化物にはカウントされず、
アルコールとして分類されている可能性があります。
次に有機酸について考えてみます。
ワインに含まれる有機酸には、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、酢酸、
などがあります。
五訂日本食品標準成分表では、窒素を測定してタンパク質成分と計算するので、
アミノ酸はタンパク質として計算されていることになります。
一方、有機酸には窒素は含まれていないので、タンパク質成分には属しません。
また有機酸は、ワインに含まれていて水に溶けるので、脂質にも分類されません。
そうすると、有機酸は「水分、たんぱく質、脂質及び灰分」には分類されないので、
残り物として炭水化物に分類されることになります。
五訂日本食品標準成分表では、赤ワインの成分は100g中に
・水分:88.7g
・タンパク質:0.2g→全てアミノ酸
・脂質:0.0g
・炭水化物:1.5g
・灰分:0.3g
「水分+タンパク質+脂質+炭水化物+灰分」合計90.7g
この合計に含まれていないものが、アルコールで、100g中に合計9.3g。
合わせて100gになります。
赤ワインの成分の中で炭水化物(1.5g)に分類されているものは、
有機酸、ブドウ糖、果糖、ポリフェノール、糖アルコールなどです。
有機酸は血糖値を上昇させません。
ポリフェノールも血糖値を上昇させません。
エリスリトール以外の糖アルコールはショ糖の半分くらい血糖値を上昇させます。
果糖はショ糖の1/5くらい血糖値を上昇させます。
一般に残糖のうち果糖が過半数を占めていて、ブドウ糖は極少量です。
グリセリンがアルコールに分類されているのか否か、確認できていないのですが、
赤ワインの場合、タンニン、アントシアニンなどの
ポリフェノールが約0.2g/100g含まれています。
また有機酸が、約0.6g/100g含まれています。
そうすると、グリセリンはアルコールとして計算されていて、
炭水化物には含まれていないとしても、
赤ワイン100ml中の炭水化物に分類されている物質の中で、
「有機酸0.6g+ポリフェノール0.2g=0.8g」
は血糖値を上昇させません。
残った0.7gの血糖値を上昇させる炭水化物の内、果糖と糖アルコールがほとんどで、
ブドウ糖は少量です。
果糖がブドウ糖の1/5、
エリスリトール以外の糖アルコールが1/2血糖値を上げるとしても
かなり低い数値になりますので、
やはり赤ワインは糖質制限食OK食材といえますね。
白ワインはポリフェノールが少なく0.05gくらいです。
有機酸0.6gと合わせて、0.65gが血糖値を上げない炭水化物です。
残りの1.35gが血糖値を上げる糖質で、赤ワインの約2倍です。
しかし辛口なら、残糖(果糖とブドウ糖)は0.4g/100gなので、糖質制限食OK食材ですね。
江部康二
今回はワインに含まれている糖質量について、考察してみます。
まず、ワインに比較的多く含まれている、
グリセリンと有機酸について考えてみます。
一般にグリセリンは、アルコールとして分類されてます。
では、アルコールは炭水化物として分類されているのでしょうか?
五訂日本食品標準成分表では、アルコールは欄外に炭水化物からの
除外物質として、カフェインなどと共に表記されています。(*)
即ちグリセリン(アルコール)は、炭水化物からの除外物質として、
五訂日本食品標準成分表では炭水化物にはカウントされず、
アルコールとして分類されている可能性があります。
次に有機酸について考えてみます。
ワインに含まれる有機酸には、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、酢酸、
などがあります。
五訂日本食品標準成分表では、窒素を測定してタンパク質成分と計算するので、
アミノ酸はタンパク質として計算されていることになります。
一方、有機酸には窒素は含まれていないので、タンパク質成分には属しません。
また有機酸は、ワインに含まれていて水に溶けるので、脂質にも分類されません。
そうすると、有機酸は「水分、たんぱく質、脂質及び灰分」には分類されないので、
残り物として炭水化物に分類されることになります。
五訂日本食品標準成分表では、赤ワインの成分は100g中に
・水分:88.7g
・タンパク質:0.2g→全てアミノ酸
・脂質:0.0g
・炭水化物:1.5g
・灰分:0.3g
「水分+タンパク質+脂質+炭水化物+灰分」合計90.7g
この合計に含まれていないものが、アルコールで、100g中に合計9.3g。
合わせて100gになります。
赤ワインの成分の中で炭水化物(1.5g)に分類されているものは、
有機酸、ブドウ糖、果糖、ポリフェノール、糖アルコールなどです。
有機酸は血糖値を上昇させません。
ポリフェノールも血糖値を上昇させません。
エリスリトール以外の糖アルコールはショ糖の半分くらい血糖値を上昇させます。
果糖はショ糖の1/5くらい血糖値を上昇させます。
一般に残糖のうち果糖が過半数を占めていて、ブドウ糖は極少量です。
グリセリンがアルコールに分類されているのか否か、確認できていないのですが、
赤ワインの場合、タンニン、アントシアニンなどの
ポリフェノールが約0.2g/100g含まれています。
また有機酸が、約0.6g/100g含まれています。
そうすると、グリセリンはアルコールとして計算されていて、
炭水化物には含まれていないとしても、
赤ワイン100ml中の炭水化物に分類されている物質の中で、
「有機酸0.6g+ポリフェノール0.2g=0.8g」
は血糖値を上昇させません。
残った0.7gの血糖値を上昇させる炭水化物の内、果糖と糖アルコールがほとんどで、
ブドウ糖は少量です。
果糖がブドウ糖の1/5、
エリスリトール以外の糖アルコールが1/2血糖値を上げるとしても
かなり低い数値になりますので、
やはり赤ワインは糖質制限食OK食材といえますね。
白ワインはポリフェノールが少なく0.05gくらいです。
有機酸0.6gと合わせて、0.65gが血糖値を上げない炭水化物です。
残りの1.35gが血糖値を上げる糖質で、赤ワインの約2倍です。
しかし辛口なら、残糖(果糖とブドウ糖)は0.4g/100gなので、糖質制限食OK食材ですね。
江部康二
2021年07月07日 (水)
こんにちは。
幸い私は、スーパー糖質制限食のおかげなのか、
52歳の開始以降は、寝込んだり,外来を休んだり、病院を急に休んだりしたことは、
一度もありません。
一方誰でも体調が悪いときはあるとおもいます。
下痢したり、風邪をひいたり、寝込んだりしたときなどの糖質制限食は、
どのようなものが適切でしょうか?
糖質あり食の場合、通常は、お粥とかうどんになりますが、
糖質制限食ではこれらはNG食品です。
このような、下痢や風邪など体調が悪くて食欲がないときのために、
糖質制限OK食品の中で、あっさり系を選んでみました。
京都は、お豆腐が美味しいですから私もよく食べます。
夏は冷や奴でもいいんですが、
風邪ひいて下痢や寒気でもあるときは湯豆腐がお奨めです。
温かい食品として、茶碗蒸し、卵スープ、野菜スープ、すまし汁、
味噌汁、豚汁などもいいですね。
いけそうだったら、おでんの大根とか豆腐とかひろうすなどは如何でしょう。
今の季節なら、エアコンいれて、鍋もお奨めですね。
白身魚や豆腐、野菜、がんもどき・・・風邪のときでも美味しそうです。 (^^)
豆腐を水きりしてつぶし、小さく刻んだ野菜などを混ぜ込んで丸め、
油で揚げたものを 関東ではがんもどき、
関西ではひろうすと呼ぶことが多いようです。
ちなみに我が家では何故か、がんもどきです。
さっぱりしたものとしては、季節の旬の果物もいいですね。
果物の糖質は果糖が主なので、穀物の糖質の半分くらいしか血糖値を上げませんので、
AGEsの問題はありますが、食欲がないときに短期間ならはまあいいと思います。
しかし果糖はブドウ糖の数十倍の速度でAGEsに変わりますので、果物の常食は危険です。
一人暮らしで料理の手間が面倒くさいようなときは、
前もって冷凍茶碗蒸しとか常備しとくといいです。
風邪で食欲不振のときは、脱水になりやすいので糖尿人は特に注意が必要です。
上記の料理など糖質制限食OK食材で、水分・電解質(*)補給も心掛けてくださいね。
なおごま豆腐は、主成分が葛粉で、デンプンたっぷりですので、
豆腐と名前が付いてますが、糖質制限食NG食品ですので、お忘れなく。
(*)
電解質は、体の細胞が正常に機能するために必要です。
体は多量のナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、
塩化物、リン酸塩を必要とします。
江部康二
幸い私は、スーパー糖質制限食のおかげなのか、
52歳の開始以降は、寝込んだり,外来を休んだり、病院を急に休んだりしたことは、
一度もありません。
一方誰でも体調が悪いときはあるとおもいます。
下痢したり、風邪をひいたり、寝込んだりしたときなどの糖質制限食は、
どのようなものが適切でしょうか?
糖質あり食の場合、通常は、お粥とかうどんになりますが、
糖質制限食ではこれらはNG食品です。
このような、下痢や風邪など体調が悪くて食欲がないときのために、
糖質制限OK食品の中で、あっさり系を選んでみました。
京都は、お豆腐が美味しいですから私もよく食べます。
夏は冷や奴でもいいんですが、
風邪ひいて下痢や寒気でもあるときは湯豆腐がお奨めです。
温かい食品として、茶碗蒸し、卵スープ、野菜スープ、すまし汁、
味噌汁、豚汁などもいいですね。
いけそうだったら、おでんの大根とか豆腐とかひろうすなどは如何でしょう。
今の季節なら、エアコンいれて、鍋もお奨めですね。
白身魚や豆腐、野菜、がんもどき・・・風邪のときでも美味しそうです。 (^^)
豆腐を水きりしてつぶし、小さく刻んだ野菜などを混ぜ込んで丸め、
油で揚げたものを 関東ではがんもどき、
関西ではひろうすと呼ぶことが多いようです。
ちなみに我が家では何故か、がんもどきです。
さっぱりしたものとしては、季節の旬の果物もいいですね。
果物の糖質は果糖が主なので、穀物の糖質の半分くらいしか血糖値を上げませんので、
AGEsの問題はありますが、食欲がないときに短期間ならはまあいいと思います。
しかし果糖はブドウ糖の数十倍の速度でAGEsに変わりますので、果物の常食は危険です。
一人暮らしで料理の手間が面倒くさいようなときは、
前もって冷凍茶碗蒸しとか常備しとくといいです。
風邪で食欲不振のときは、脱水になりやすいので糖尿人は特に注意が必要です。
上記の料理など糖質制限食OK食材で、水分・電解質(*)補給も心掛けてくださいね。
なおごま豆腐は、主成分が葛粉で、デンプンたっぷりですので、
豆腐と名前が付いてますが、糖質制限食NG食品ですので、お忘れなく。
(*)
電解質は、体の細胞が正常に機能するために必要です。
体は多量のナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、
塩化物、リン酸塩を必要とします。
江部康二
2021年07月06日 (火)
こんにちは。
「蜂蜜は摂取しても血糖値が上がりにくい」と言われることがあります。
これは本当でしょうか?
蜂蜜の説明の前にまず砂糖について考えてみましょう。
砂糖の主成分は、ショ糖(スクロース)です。
砂糖きび(甘蔗)と砂糖大根(甜菜)を原料として作ります。
ショ糖は、ブドウ糖と果糖が結合したものです。
ショ糖の純度の高いのがグラニュー糖(99.95%)や氷砂糖(99.98%)です。
家庭で最もポピュラーな上白糖は、独特のしっとりした感じを持たせるために、
ショ糖の結晶に濃厚な転化糖液(ビスコといいます)を少量ふりかけてありますので
純度は97.80%です。
「転化糖」とは、ショ糖の分解(加水分解)によってできたブドウ糖と果糖の混合物で、ショ糖より甘みが強いです。
次に蜂蜜ですが、紀元前6000年頃に描かれた、
スペインのアラーニャの洞窟の壁画に、
はちみつを採集する人の姿が描かれています。
このように人類が初めて口にした甘味は、天然の蜂蜜といわれています。
その成分ですが、糖質は、
果糖(約40%)とブドウ糖(約35%)とショ糖(数%)で構成されています。
また、ビタミンやミネラルも多く、その中には18種を越える有機酸が含まれ、
pH値は約3.7前後で、水分が約20%です。
蜂蜜によって成分にばらつきがありますので、この数字は平均値です。
蜂が集めてきた花蜜(主にショ糖)は、
働き蜂の唾液腺から分泌される転化酵素の働きによって、
ショ糖からブドウ糖及び果糖へと変化するので、
蜂蜜は水分20%までに濃縮された天然の転化糖(ビスコ)でもあります。
さて蜂蜜ですが、米国糖尿病学会(ADA)のサイト
Revised International Table of Glycemic Index (GI) and
Glycemic Load (GL) Values 2008
http://www.mendosa.com/gilists.htm
でGI値をみてみました。
ただしこれは正常人のデータです。
果糖(Fructose) 15±4
ショ糖(Sucrose) 65±4
ブドウ糖(Glucose) 103±3
蜂蜜(Honey) 61±3
蜂蜜の主成分の果糖は、確かにGI値が15と低いです。
しかし、蜂蜜にはブドウ糖やショ糖も含まれているので、
結果として正常人におけるGI値は、ショ糖よりほんの少し低い程度で、
あまり変わりません。
従って糖尿人においては、蜂蜜を摂取すれば、砂糖を摂取した時と
同じに近く血糖値が上昇します。
残念ながら糖尿人、糖質制限食においては、蜂蜜はNG食品です。
また、蜂蜜には果糖が多いので、AGEsに変わりやすいという意味では、
砂糖よりも蜂蜜のほうが危険と言えます。
果糖はブドウ糖の数十倍の速度でAGEsに変わりやすいのです。
江部康二
「蜂蜜は摂取しても血糖値が上がりにくい」と言われることがあります。
これは本当でしょうか?
蜂蜜の説明の前にまず砂糖について考えてみましょう。
砂糖の主成分は、ショ糖(スクロース)です。
砂糖きび(甘蔗)と砂糖大根(甜菜)を原料として作ります。
ショ糖は、ブドウ糖と果糖が結合したものです。
ショ糖の純度の高いのがグラニュー糖(99.95%)や氷砂糖(99.98%)です。
家庭で最もポピュラーな上白糖は、独特のしっとりした感じを持たせるために、
ショ糖の結晶に濃厚な転化糖液(ビスコといいます)を少量ふりかけてありますので
純度は97.80%です。
「転化糖」とは、ショ糖の分解(加水分解)によってできたブドウ糖と果糖の混合物で、ショ糖より甘みが強いです。
次に蜂蜜ですが、紀元前6000年頃に描かれた、
スペインのアラーニャの洞窟の壁画に、
はちみつを採集する人の姿が描かれています。
このように人類が初めて口にした甘味は、天然の蜂蜜といわれています。
その成分ですが、糖質は、
果糖(約40%)とブドウ糖(約35%)とショ糖(数%)で構成されています。
また、ビタミンやミネラルも多く、その中には18種を越える有機酸が含まれ、
pH値は約3.7前後で、水分が約20%です。
蜂蜜によって成分にばらつきがありますので、この数字は平均値です。
蜂が集めてきた花蜜(主にショ糖)は、
働き蜂の唾液腺から分泌される転化酵素の働きによって、
ショ糖からブドウ糖及び果糖へと変化するので、
蜂蜜は水分20%までに濃縮された天然の転化糖(ビスコ)でもあります。
さて蜂蜜ですが、米国糖尿病学会(ADA)のサイト
Revised International Table of Glycemic Index (GI) and
Glycemic Load (GL) Values 2008
http://www.mendosa.com/gilists.htm
でGI値をみてみました。
ただしこれは正常人のデータです。
果糖(Fructose) 15±4
ショ糖(Sucrose) 65±4
ブドウ糖(Glucose) 103±3
蜂蜜(Honey) 61±3
蜂蜜の主成分の果糖は、確かにGI値が15と低いです。
しかし、蜂蜜にはブドウ糖やショ糖も含まれているので、
結果として正常人におけるGI値は、ショ糖よりほんの少し低い程度で、
あまり変わりません。
従って糖尿人においては、蜂蜜を摂取すれば、砂糖を摂取した時と
同じに近く血糖値が上昇します。
残念ながら糖尿人、糖質制限食においては、蜂蜜はNG食品です。
また、蜂蜜には果糖が多いので、AGEsに変わりやすいという意味では、
砂糖よりも蜂蜜のほうが危険と言えます。
果糖はブドウ糖の数十倍の速度でAGEsに変わりやすいのです。
江部康二
2021年07月05日 (月)
【21/07/05 ボーン
検診のご報告です
スーパー糖質制限12ヶ月目突入のボーンでございます。
56歳、男性、身長168cm。
2型糖尿病歴20年—>今年3月に緩徐進行1型糖尿病と診断、
2020年7月まで薬を服用、プラス2018年2月〜2020年7月までインスリン投与。
一食の糖質10g以下目標のスーパー糖質制限を
2020年8月1日より始めて6回目の検査日でした。
3月からは朝・夕の1日2食制を継続中。
直近3回の主な結果は
血糖値:131 →99 →111
HbA1c:6.1 →6.2 →5.8
尿中ケトン体:1+ → 3+ →3+
中性脂肪:51→80 →61
HDLコレステロール:90→74→70
LDLコレステロール:211→193→215
体重:70.1 (開始当初) →61.8(現在)
でした。
前回に続き10時間以上空けての結果です。
前回検診時に依頼していた追加の検査結果がGアルブミン:15.3、Cペプチド:0.7 でした。
自分としてはHbA1cが念願の5.8で嬉しい限りでしたが主治医が悔しそうだったのが印象的でした。
一切のクスリ服用なしでこの数値ですから「糖質制限」最強です。】
こんにちは。
1型糖尿病のボーンさんから、とても嬉しいコメントを頂きました。
一切のくすりなしで、血糖コントロール良好とは素晴らしいです。
【2型糖尿病歴20年—>今年3月に緩徐進行1型糖尿病と診断】
もともと、緩徐進行1型糖尿病であった可能性もあります。
一方、当初は2型糖尿病であって、途中から1型糖尿病を発症した可能性もあります。
これは、どちらが正解なのかはよくわかりません。
ともあれ、前回の検査で、空腹時Cペプチド:0.7(1.5~3.5) と、
分泌されていますので、基礎分泌インスリンは、
正常の半分くらいは、確保されています。
このまま、血糖コントロール良好を保てば、あるていど長期に渡って、
内因性インスリンが分泌され続けると思います。
一方、小児の1型糖尿病では、内因性インスリンがゼロレベルが多いです。
これは、300mg~600mg/dlの高血糖が、半年~1年続いて、
体重が異常に減少したり、やたらに口が渇いて、水をガブガブ飲んだりするといった
症状が顕著となって、初めて1型糖尿病と診断されるといったケースが多いためです。
結局、高血糖そのものが、膵臓のβ細胞を障害して壊してしまい、
インスリン分泌能力がなくなるものと思われます。
1型糖尿病の95%くらいは自己免疫疾患ですが、
免疫の誤作動により自分のβ細胞を破壊してしまうパターンは、
勿論ありえますが、かなり進行はゆっくりのことも多いのです。
ボーン さんの場合も、
空腹時Cペプチド:0.7(1.5~3.5)と正常の半分くらいは分泌されていて、
グリコアルブミン:15.3%(11.6~16.4%) が、基準値内におさまっていて、
極めてコントロール良好です。
このデータなら食後高血糖もほとんどないと考えられるので、
追加分泌インスリンもそれなりに確保されていると思われます。
身長:168cm
血糖値:131 →99 →111
HbA1c:6.1 →6.2 →5.8
尿中ケトン体:1+ → 3+ →3+
中性脂肪:51→80 →61
HDLコレステロール:90→74 →70
LDLコレステロール:211→193 →215
体重:70.1 (開始当初、BMIは24.8) →61.8(現在:BMIは21.9と良好)
検査データの改善も素晴らしいです。
尿中ケトン体も陽性であり、血中ケトン体が高値で、脂肪が良く燃えていて好ましいです。
中性脂肪が61で、80以下であり、HDL-Cが70と60以上なので、
LDL-Cも標準の大きさの善玉のLDLコレステロールであり、
悪玉の小粒子LDLコレステロールや超悪玉の酸化LDLコレステロールは
ほぼ皆無であり、安心です。
【自分としてはHbA1cが念願の5.8%で嬉しい限りでしたが
主治医が悔しそうだったのが印象的でした。】
なるほど、主治医は糖尿病専門医さんでしょうかね。
悔しそうとは、正直なお医者さんで、かえって好感がもてます。
そのうち、薬ゼロで、スーパー糖質制限食実践のみで、
GAもHbA1cも基準値内ということを、素直に喜んで貰える日がくるといいですね。
このまま美味しく楽しく末長く、スーパー糖質制限食を続けられて、
健康長寿を目指しましょう。
江部康二
検診のご報告です
スーパー糖質制限12ヶ月目突入のボーンでございます。
56歳、男性、身長168cm。
2型糖尿病歴20年—>今年3月に緩徐進行1型糖尿病と診断、
2020年7月まで薬を服用、プラス2018年2月〜2020年7月までインスリン投与。
一食の糖質10g以下目標のスーパー糖質制限を
2020年8月1日より始めて6回目の検査日でした。
3月からは朝・夕の1日2食制を継続中。
直近3回の主な結果は
血糖値:131 →99 →111
HbA1c:6.1 →6.2 →5.8
尿中ケトン体:1+ → 3+ →3+
中性脂肪:51→80 →61
HDLコレステロール:90→74→70
LDLコレステロール:211→193→215
体重:70.1 (開始当初) →61.8(現在)
でした。
前回に続き10時間以上空けての結果です。
前回検診時に依頼していた追加の検査結果がGアルブミン:15.3、Cペプチド:0.7 でした。
自分としてはHbA1cが念願の5.8で嬉しい限りでしたが主治医が悔しそうだったのが印象的でした。
一切のクスリ服用なしでこの数値ですから「糖質制限」最強です。】
こんにちは。
1型糖尿病のボーンさんから、とても嬉しいコメントを頂きました。
一切のくすりなしで、血糖コントロール良好とは素晴らしいです。
【2型糖尿病歴20年—>今年3月に緩徐進行1型糖尿病と診断】
もともと、緩徐進行1型糖尿病であった可能性もあります。
一方、当初は2型糖尿病であって、途中から1型糖尿病を発症した可能性もあります。
これは、どちらが正解なのかはよくわかりません。
ともあれ、前回の検査で、空腹時Cペプチド:0.7(1.5~3.5) と、
分泌されていますので、基礎分泌インスリンは、
正常の半分くらいは、確保されています。
このまま、血糖コントロール良好を保てば、あるていど長期に渡って、
内因性インスリンが分泌され続けると思います。
一方、小児の1型糖尿病では、内因性インスリンがゼロレベルが多いです。
これは、300mg~600mg/dlの高血糖が、半年~1年続いて、
体重が異常に減少したり、やたらに口が渇いて、水をガブガブ飲んだりするといった
症状が顕著となって、初めて1型糖尿病と診断されるといったケースが多いためです。
結局、高血糖そのものが、膵臓のβ細胞を障害して壊してしまい、
インスリン分泌能力がなくなるものと思われます。
1型糖尿病の95%くらいは自己免疫疾患ですが、
免疫の誤作動により自分のβ細胞を破壊してしまうパターンは、
勿論ありえますが、かなり進行はゆっくりのことも多いのです。
ボーン さんの場合も、
空腹時Cペプチド:0.7(1.5~3.5)と正常の半分くらいは分泌されていて、
グリコアルブミン:15.3%(11.6~16.4%) が、基準値内におさまっていて、
極めてコントロール良好です。
このデータなら食後高血糖もほとんどないと考えられるので、
追加分泌インスリンもそれなりに確保されていると思われます。
身長:168cm
血糖値:131 →99 →111
HbA1c:6.1 →6.2 →5.8
尿中ケトン体:1+ → 3+ →3+
中性脂肪:51→80 →61
HDLコレステロール:90→74 →70
LDLコレステロール:211→193 →215
体重:70.1 (開始当初、BMIは24.8) →61.8(現在:BMIは21.9と良好)
検査データの改善も素晴らしいです。
尿中ケトン体も陽性であり、血中ケトン体が高値で、脂肪が良く燃えていて好ましいです。
中性脂肪が61で、80以下であり、HDL-Cが70と60以上なので、
LDL-Cも標準の大きさの善玉のLDLコレステロールであり、
悪玉の小粒子LDLコレステロールや超悪玉の酸化LDLコレステロールは
ほぼ皆無であり、安心です。
【自分としてはHbA1cが念願の5.8%で嬉しい限りでしたが
主治医が悔しそうだったのが印象的でした。】
なるほど、主治医は糖尿病専門医さんでしょうかね。
悔しそうとは、正直なお医者さんで、かえって好感がもてます。
そのうち、薬ゼロで、スーパー糖質制限食実践のみで、
GAもHbA1cも基準値内ということを、素直に喜んで貰える日がくるといいですね。
このまま美味しく楽しく末長く、スーパー糖質制限食を続けられて、
健康長寿を目指しましょう。
江部康二
2021年07月04日 (日)
こんにちは。
「糖質制限食で気をつけること」について、
『糖質制限食十箇条』 -糖尿病や肥満が気になる人に-
『糖質制限食』の3パターン
糖質制限食の理論的根拠
などを元に考察してみました。
『糖質制限食十箇条』
-糖尿病や肥満が気になる人に-
一、 糖質の摂取を減らす。可能なら一回の食事の糖質量は20g以下とする。
二、 糖質制限した分、タンパク質や脂質が主成分の食品は充分量食べる。
三、やむを得ず主食(ご飯、パン、麺類など)を摂るときは少量とする。
四、水、番茶、麦茶、ほうじ茶などゼロカロリー飲料はOK。果汁・清涼飲料水はNG。
五、糖質含有量の少ない野菜・海草・茸類はOK。果物は少量にとどめる。
六、オリーブオイルや魚油(EPA、DHA)は積極的に摂り、リノール酸を減らす。
七、マヨネーズ(砂糖無しのもの)やバターもOK。
八、お酒は蒸留酒(焼酎、ウィスキーなど)、糖質ゼロ発泡酒はOK。辛口ワインも適量OK。
醸造酒(ビール、日本酒、など)は控える。
九、間食やおつまみはチーズ類やナッツ類を中心に適量摂る。菓子類、ドライフルーツはNG。
十、可能なら化学合成添加物の入っていない安全な食品を選ぶ。
*糖尿病の人がやむを得ず糖質を摂取するときは、食直前に、
「α-GI薬」か「グリニド系薬剤」を内服すると、 食後高血糖がある程度防げる。
*牛乳は100mlくらいならOK。成分未調整豆乳は200mlくらいOK。
*肉と魚貝の摂取量は<1:1>が目安。
*経口糖尿病薬やインスリン注射をしている糖尿人は、必ず医師と相談してください。
『糖質制限食』の3パターン
一、スーパー糖質制限食は三食とも主食なし。効果は抜群で早く、一番のお薦め。
1回の食事の糖質量は20g以下。
二、スタンダード糖質制限食は、一日一回(朝か昼)少量の主食あり。夕食は主食抜き。
三、プチ糖質制限食は夕だけ主食抜き。朝と昼は少量の主食あり。
嗜好的にどうしてもデンプンが大好きな人に。
☆
抜く必要がある主食とは米飯・めん類・パンなどの米・麦製品や芋類などの炭水化物。
☆
魚貝類・肉類・卵・豆腐・納豆・チーズなど タンパク質や脂質が主成分の食品はしっかり食べる。
☆
糖質制限食実践後に好ましくない症状(力が入らない、しんどい、髪が抜ける、生理がとまる・・・など)が出現した人のほとんどにおいて、実際にはカロリー不足が認められます。
☆
糖質制限食はカロリー制限食ではありません。
摂取カロリーの目安は厚生労働省のいう「推定エネルギー必要量」です。
摂取エネルギーが足りていれば、好ましくない症状が出現することはほとんどありません。
☆
糖質制限食実践者は、過度の塩分制限は必要ありません。
今まで通りの塩分摂取でOKです。過度の塩分制限でボーとしたり怠くなることがあります。
糖質制限食の理論的根拠
1、血糖値を直接上昇させるのは糖質だけで、たんぱく質・脂質は上昇させない。
2、糖質を摂取しなければ血糖値は上昇しない。
3、糖質制限食を実践すれば食後血糖値はほとんど上昇せず糖尿病は改善する。
4、食前・食後の血糖値血糖変動幅が少ないので生活習慣病の予防ができる。
5、食後血糖値の上昇が極めて少ないので、追加分泌インスリンも少量ですむ。
6、過剰なインスリンは肥満・がん・アルツハイマー病・老化などのリスクとなるので、
血糖コントロールができる限りで少量であるほど身体にはいい。
ということで、とてもシンプルです。
上記6つは、生理学的な事実やエビデンスがあることですので信頼度は高いです。
☆☆
なお本にも書きましたが、 糖質制限食によりリアルタイムに血糖値が改善します。
このため、既に経口血糖降下剤(オイグルコン、アマリールなど)の内服や
インスリン注射をしておられる糖尿人は
低血糖の心配がありますので必ず主治医と相談して頂きたいと思います。
一方薬を使用してない糖尿人は、低血糖の心配はないので、
以下の本などを参考にされて、
自力で 糖質制限食を実践して糖尿病改善を目指していただけば幸いです。
<江部康二著 参考図書>
理論
「我ら糖尿人、元気なのには理由がある。」2009年 宮本輝先生との対談本
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!糖質制限食のすすめ 新版」2014年(東洋経済新報社)
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!2 実践編 新版」2014年(東洋経済新報社)
「内臓脂肪がストン!とおちる食事術」2019年5月(ダイヤモンド社)
「糖質量&炭水化物量ポケットガイド」電子書籍、2019年8月(SBクリエイティブ)
「名医が考えた認知症にならない最強の食事術」2020年6月(宝島社)
「ダイエット・糖質制限に必携! 食品別糖質量ハンドブック」 2020年9月(宝島社)江部 康二 (監修)
医学的に正しい「糖質制限」見るだけノート2020年10月(宝島社)
「体が変わる! 最強の糖質制限食-巣ごもり生活でも太らない! 」2021年2月(学研プラス)江部康二 (著), 沼津りえ (著)
など多数。
レシピ
高雄病院の「糖質制限」給食2012年(講談社)
高雄病院Dr江部が食べている「糖質制限」ダイエット2013年(講談社)
高雄病院「糖質制限給食」朝 昼 夕 14日間完全プログラム 2013年11月(講談社)
「高雄病院の糖質制限作りおき 」2017年5月(洋泉社)
「作りおきおかずで簡単! 朝・昼・晩 糖質オフのダイエット献立」2017年10月 (家の光協会)
「女性のためのラクやせ糖質制限ハンドブック」2018年9月(洋泉社)
「男性のための糖質制限最強ダイエットハンドブック」2018年10月(洋泉社)
「レンチン!糖質オフの作りおきおかず」2018年10月(宝島社)
「肉食で糖質オフ大成功!」2019年9月(KADOKAWA)
「決定版! 作りおき&レンチンで簡単! 糖質オフのやせる! ラクうま弁当350 」 2020年1月(ナツメ社)
「糖質制限食で気をつけること」について、
『糖質制限食十箇条』 -糖尿病や肥満が気になる人に-
『糖質制限食』の3パターン
糖質制限食の理論的根拠
などを元に考察してみました。
『糖質制限食十箇条』
-糖尿病や肥満が気になる人に-
一、 糖質の摂取を減らす。可能なら一回の食事の糖質量は20g以下とする。
二、 糖質制限した分、タンパク質や脂質が主成分の食品は充分量食べる。
三、やむを得ず主食(ご飯、パン、麺類など)を摂るときは少量とする。
四、水、番茶、麦茶、ほうじ茶などゼロカロリー飲料はOK。果汁・清涼飲料水はNG。
五、糖質含有量の少ない野菜・海草・茸類はOK。果物は少量にとどめる。
六、オリーブオイルや魚油(EPA、DHA)は積極的に摂り、リノール酸を減らす。
七、マヨネーズ(砂糖無しのもの)やバターもOK。
八、お酒は蒸留酒(焼酎、ウィスキーなど)、糖質ゼロ発泡酒はOK。辛口ワインも適量OK。
醸造酒(ビール、日本酒、など)は控える。
九、間食やおつまみはチーズ類やナッツ類を中心に適量摂る。菓子類、ドライフルーツはNG。
十、可能なら化学合成添加物の入っていない安全な食品を選ぶ。
*糖尿病の人がやむを得ず糖質を摂取するときは、食直前に、
「α-GI薬」か「グリニド系薬剤」を内服すると、 食後高血糖がある程度防げる。
*牛乳は100mlくらいならOK。成分未調整豆乳は200mlくらいOK。
*肉と魚貝の摂取量は<1:1>が目安。
*経口糖尿病薬やインスリン注射をしている糖尿人は、必ず医師と相談してください。
『糖質制限食』の3パターン
一、スーパー糖質制限食は三食とも主食なし。効果は抜群で早く、一番のお薦め。
1回の食事の糖質量は20g以下。
二、スタンダード糖質制限食は、一日一回(朝か昼)少量の主食あり。夕食は主食抜き。
三、プチ糖質制限食は夕だけ主食抜き。朝と昼は少量の主食あり。
嗜好的にどうしてもデンプンが大好きな人に。
☆
抜く必要がある主食とは米飯・めん類・パンなどの米・麦製品や芋類などの炭水化物。
☆
魚貝類・肉類・卵・豆腐・納豆・チーズなど タンパク質や脂質が主成分の食品はしっかり食べる。
☆
糖質制限食実践後に好ましくない症状(力が入らない、しんどい、髪が抜ける、生理がとまる・・・など)が出現した人のほとんどにおいて、実際にはカロリー不足が認められます。
☆
糖質制限食はカロリー制限食ではありません。
摂取カロリーの目安は厚生労働省のいう「推定エネルギー必要量」です。
摂取エネルギーが足りていれば、好ましくない症状が出現することはほとんどありません。
☆
糖質制限食実践者は、過度の塩分制限は必要ありません。
今まで通りの塩分摂取でOKです。過度の塩分制限でボーとしたり怠くなることがあります。
糖質制限食の理論的根拠
1、血糖値を直接上昇させるのは糖質だけで、たんぱく質・脂質は上昇させない。
2、糖質を摂取しなければ血糖値は上昇しない。
3、糖質制限食を実践すれば食後血糖値はほとんど上昇せず糖尿病は改善する。
4、食前・食後の血糖値血糖変動幅が少ないので生活習慣病の予防ができる。
5、食後血糖値の上昇が極めて少ないので、追加分泌インスリンも少量ですむ。
6、過剰なインスリンは肥満・がん・アルツハイマー病・老化などのリスクとなるので、
血糖コントロールができる限りで少量であるほど身体にはいい。
ということで、とてもシンプルです。
上記6つは、生理学的な事実やエビデンスがあることですので信頼度は高いです。
☆☆
なお本にも書きましたが、 糖質制限食によりリアルタイムに血糖値が改善します。
このため、既に経口血糖降下剤(オイグルコン、アマリールなど)の内服や
インスリン注射をしておられる糖尿人は
低血糖の心配がありますので必ず主治医と相談して頂きたいと思います。
一方薬を使用してない糖尿人は、低血糖の心配はないので、
以下の本などを参考にされて、
自力で 糖質制限食を実践して糖尿病改善を目指していただけば幸いです。
<江部康二著 参考図書>
理論
「我ら糖尿人、元気なのには理由がある。」2009年 宮本輝先生との対談本
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!糖質制限食のすすめ 新版」2014年(東洋経済新報社)
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!2 実践編 新版」2014年(東洋経済新報社)
「内臓脂肪がストン!とおちる食事術」2019年5月(ダイヤモンド社)
「糖質量&炭水化物量ポケットガイド」電子書籍、2019年8月(SBクリエイティブ)
「名医が考えた認知症にならない最強の食事術」2020年6月(宝島社)
「ダイエット・糖質制限に必携! 食品別糖質量ハンドブック」 2020年9月(宝島社)江部 康二 (監修)
医学的に正しい「糖質制限」見るだけノート2020年10月(宝島社)
「体が変わる! 最強の糖質制限食-巣ごもり生活でも太らない! 」2021年2月(学研プラス)江部康二 (著), 沼津りえ (著)
など多数。
レシピ
高雄病院の「糖質制限」給食2012年(講談社)
高雄病院Dr江部が食べている「糖質制限」ダイエット2013年(講談社)
高雄病院「糖質制限給食」朝 昼 夕 14日間完全プログラム 2013年11月(講談社)
「高雄病院の糖質制限作りおき 」2017年5月(洋泉社)
「作りおきおかずで簡単! 朝・昼・晩 糖質オフのダイエット献立」2017年10月 (家の光協会)
「女性のためのラクやせ糖質制限ハンドブック」2018年9月(洋泉社)
「男性のための糖質制限最強ダイエットハンドブック」2018年10月(洋泉社)
「レンチン!糖質オフの作りおきおかず」2018年10月(宝島社)
「肉食で糖質オフ大成功!」2019年9月(KADOKAWA)
「決定版! 作りおき&レンチンで簡単! 糖質オフのやせる! ラクうま弁当350 」 2020年1月(ナツメ社)
2021年07月03日 (土)
こんにちは。
糖質制限食実践中に好ましくない症状が出現することがあります。
「全身倦怠感」「こむら返り」「高尿酸血症」「高LDLコレステロール血症」
「便秘」「高血糖の記憶」
などです。
これらのほとんどは予防あるいは対処可能なので、
その方策などを説明しようと思います。
今回は、「全身倦怠感」などについてです。
<全身倦怠感など>
糖質制限食実践開始された糖尿病患者さんで、
比較的多く経験したのが、
「血糖値とHbA1cは速やかに改善したが、全身倦怠感、筋力低下、痩せ過ぎ」
などで困っているという訴えでした。
階段を登るのがつらい、眠たい、頭がボーとする、髪の毛が抜けるなどの
訴えもありました。
これらの患者さん、高雄病院の管理栄養士が面談して、
食事を詳細に検討しました。
その結果、ほぼ全員が摂取エネルギー不足でした。
よくあるのは、糖質・蛋白質・脂質のうち、糖質摂取は制限したけれど、
蛋白質と脂質の摂取量は今まで通りで増やさなかったので、
結果として、糖質分のエネルギーが不足するというパターンでした。
例えば、男性で1200kcal/日とか女性では1000kcal/日などです。
当然のことですが、糖質制限食の範疇で、脂質と蛋白質の摂取エネルギーを増やして、
厚生労働省のいう<推定エネルギー必要量>を満たして貰うと、
皆さん「全身倦怠感、筋力低下、痩せ過ぎ」は速やかに改善しました。
また、ご高齢で少食タイプの場合、高雄病院給食のスーパー糖質制限食の
1食分「約500kcal」を食べきれない人が時々おられます。
入院患者で、70代の場合、男女ともそういう方がおられ、
一食分の料理は少し残ってしまうことがあります。
このような時は、間食にチーズ、ナッツ、
料理にもオリーブオイルやエゴマ油を積極的に使って、
とにかく摂取エネルギーを増やすことが、唯一の解決策です。
ココナッツオイルとかMCTオイルとか、中鎖脂肪酸もいいです。
あと、とくに少食ではないのだけど、長年の習慣と思いこみで、
<糖質制限+脂質制限>を無意識レベルで実践してしまう人があります。
この場合は、タンパク質、葉野菜、海藻、茸などばかり食べるので、
結果として摂取エネルギー不足になります。
刺身や焼き魚や鶏肉のササミや豆腐などタンパク質食材は、
ヘルシーイメージなのですが、基本低カロリー食材なのです。
<糖質制限+脂質制限>で、体力を消耗してしまった方は、
脂質をしっかり摂取していただけばエネルギー不足はたちどころに解決して
体力も元に戻ります。
江部康二
糖質制限食実践中に好ましくない症状が出現することがあります。
「全身倦怠感」「こむら返り」「高尿酸血症」「高LDLコレステロール血症」
「便秘」「高血糖の記憶」
などです。
これらのほとんどは予防あるいは対処可能なので、
その方策などを説明しようと思います。
今回は、「全身倦怠感」などについてです。
<全身倦怠感など>
糖質制限食実践開始された糖尿病患者さんで、
比較的多く経験したのが、
「血糖値とHbA1cは速やかに改善したが、全身倦怠感、筋力低下、痩せ過ぎ」
などで困っているという訴えでした。
階段を登るのがつらい、眠たい、頭がボーとする、髪の毛が抜けるなどの
訴えもありました。
これらの患者さん、高雄病院の管理栄養士が面談して、
食事を詳細に検討しました。
その結果、ほぼ全員が摂取エネルギー不足でした。
よくあるのは、糖質・蛋白質・脂質のうち、糖質摂取は制限したけれど、
蛋白質と脂質の摂取量は今まで通りで増やさなかったので、
結果として、糖質分のエネルギーが不足するというパターンでした。
例えば、男性で1200kcal/日とか女性では1000kcal/日などです。
当然のことですが、糖質制限食の範疇で、脂質と蛋白質の摂取エネルギーを増やして、
厚生労働省のいう<推定エネルギー必要量>を満たして貰うと、
皆さん「全身倦怠感、筋力低下、痩せ過ぎ」は速やかに改善しました。
また、ご高齢で少食タイプの場合、高雄病院給食のスーパー糖質制限食の
1食分「約500kcal」を食べきれない人が時々おられます。
入院患者で、70代の場合、男女ともそういう方がおられ、
一食分の料理は少し残ってしまうことがあります。
このような時は、間食にチーズ、ナッツ、
料理にもオリーブオイルやエゴマ油を積極的に使って、
とにかく摂取エネルギーを増やすことが、唯一の解決策です。
ココナッツオイルとかMCTオイルとか、中鎖脂肪酸もいいです。
あと、とくに少食ではないのだけど、長年の習慣と思いこみで、
<糖質制限+脂質制限>を無意識レベルで実践してしまう人があります。
この場合は、タンパク質、葉野菜、海藻、茸などばかり食べるので、
結果として摂取エネルギー不足になります。
刺身や焼き魚や鶏肉のササミや豆腐などタンパク質食材は、
ヘルシーイメージなのですが、基本低カロリー食材なのです。
<糖質制限+脂質制限>で、体力を消耗してしまった方は、
脂質をしっかり摂取していただけばエネルギー不足はたちどころに解決して
体力も元に戻ります。
江部康二
2021年07月02日 (金)
こんにちは。
菓子職人の糖質制限マンスリーケーキのご案内です。
さっくり香ばしいタルトとマスカルポーネクリームにカフェジュレ。
夏の新感覚デザート。
糖質制限タルトティラミス

100gあたり、エリスリトールを除く糖質は4.02g
さっくり香ばしいタルト生地に、
クリーミーなマスカルポーネクリームと口当たりのよい香り高いカフェジュレ。
ティラミスにプラスアルファの美味しさです。
2021年6月25日(金)
16時
食前108mg
糖質制限タルトティラミス100g摂取
17時
60分後血糖値:120mg
江部康二の場合、1gの糖質が3mg血糖値を上昇させます。
12mg上昇なので
12÷3=4g
糖質制限タルトティラミス100g中に4gの糖質を含有と想定通りのデータです。
極上の甘さに加えて、夏向きのサッパリ感があり、とても食べやすいです。
血糖測定人体実験のためとはいえ、いつも糖質制限OKなケーキを、
一番早く味わうことができて、ささやかながら幸せをかみしめています。
菓子職人さん、ありがとうございます。
読者の皆さんも、是非、ご賞味あれ。
江部康二
菓子職人の糖質制限マンスリーケーキのご案内です。
さっくり香ばしいタルトとマスカルポーネクリームにカフェジュレ。
夏の新感覚デザート。
糖質制限タルトティラミス

100gあたり、エリスリトールを除く糖質は4.02g
さっくり香ばしいタルト生地に、
クリーミーなマスカルポーネクリームと口当たりのよい香り高いカフェジュレ。
ティラミスにプラスアルファの美味しさです。
2021年6月25日(金)
16時
食前108mg
糖質制限タルトティラミス100g摂取
17時
60分後血糖値:120mg
江部康二の場合、1gの糖質が3mg血糖値を上昇させます。
12mg上昇なので
12÷3=4g
糖質制限タルトティラミス100g中に4gの糖質を含有と想定通りのデータです。
極上の甘さに加えて、夏向きのサッパリ感があり、とても食べやすいです。
血糖測定人体実験のためとはいえ、いつも糖質制限OKなケーキを、
一番早く味わうことができて、ささやかながら幸せをかみしめています。
菓子職人さん、ありがとうございます。
読者の皆さんも、是非、ご賞味あれ。
江部康二
2021年07月01日 (木)
こんにちは。
糖質制限食実践中に好ましくない症状が出現することがあります。
「全身倦怠感」「こむら返り」「高尿酸血症」「高LDLコレステロール血症」
「便秘」「高血糖の記憶」
などです。
これらのほとんどは予防あるいは対処可能なので、
その方策などを説明しようと思います。
今回は「こむら返り」についてです。
<こむら返り>
糖質制限食実践中に比較的よくある症状に「こむら返り」があります。
良くあるといっても、10人に1人くらいでしょうか。
糖尿病の私の患者さんやブログ読者の皆さんからも、
糖質制限食とこむら返りに関して時々質問があります。
確かに野菜・海藻も摂らない極端な糖質制限食だと、
カルシウムなどミネラル不足などで、こむらがえりを起こすことがあるようです。
一般にカルシウムやマグネシウムが不足すると、
こむら返りを起こしやすいとされています。
カルシウムは乳製品・干しエビ・小魚・海藻・緑黄色野菜などに多く含まれています。
マグネシウムは、大豆製品・魚介類・海藻・ナッツ類に多く含まれています。
従って、カルシウムやマグネシウムは糖質制限食OK食品に多く含まれているので、
こむら返りも通常は起こらないのだと思います
一方、糖質制限食に関係なく、
スポーツの最中や後にこむら返りを起こすことはよくあります。
実際、私の所属するテニスクラブのメンバーでも、
よくこむら返りを起こすタイプがおられます。
幸い私はスポーツ中やその後も起こしたことがありません。
激しいスポーツをして汗をかくと、
汗とともに多量のミネラルが体の外に排出されてしまいます。
ですから、カルシウム・マグネシウムなどミネラルをちゃんと補給してやらないと、
筋肉が痙攣したり足が攣ったりします。
糖質制限食の場合、相対的に高脂質・高タンパク・高繊維食となります。
自ら1型糖尿人でスーパー糖質制限食実践中のバーンスタイン医師によれば、
野菜に多い食物繊維は食事中のカルシウムと結合してカルシウム吸収をさまたげ、
タンパク質中のリン化合物もカルシウムとわずかに結合するそうです。
バーンスタイン医師は、
「糖質制限食実践中で、チーズ・ヨーグルト・生クリームを摂らない
人たち、特に閉経後の女性」
には、カルシウム補充を奨めています。
つまり、糖質制限食実践中のほとんどの人でサプリは必要ないと思いますが、
上記のバーンスタイン医師の条件に当てはまる人やこむら返りをよく起こす人、
また結構スポーツをする人は、安価なカルシウム・マグネシウム剤、
或いは安価なマルチビタミン剤を補充するのもよいと思います。
スポーツを全くしない人でも糖質制限食実践中にこむら返りを起こすことがあります。
この場合もカルシウム・マグネシウム剤、マルチビタミン剤でほとんど良くなります。
また、漢方薬の芍薬甘草湯(68番)もこむら返りに有効です。
2週間以上、芍薬甘草湯を2~3回/日、連続で内服すると、
時に血中カリウムが低下することがあるので、連用している人は注意してくださいね。
芍薬甘草湯や、カルシウム・マグネシウムで、こむら返りが改善しないときは、
エルカルチンFFが有効です。
エルカルチンFFは、体内にカルニチンを補いカルニチンの欠乏状態を改善し、
筋肉症状や精神症状などを改善する薬です。
とても良く効く内服薬ですが、とても高価なのが難点です。 (*_*)
エルカルチンFF(250mg)6錠/日を3回に分割経口投与が通常量ですが、
ほとんどの場合は、眠前に2錠を1回投与で、
明け方のこむら返りが予防できますので節約可能です。(^^)
江部康二
糖質制限食実践中に好ましくない症状が出現することがあります。
「全身倦怠感」「こむら返り」「高尿酸血症」「高LDLコレステロール血症」
「便秘」「高血糖の記憶」
などです。
これらのほとんどは予防あるいは対処可能なので、
その方策などを説明しようと思います。
今回は「こむら返り」についてです。
<こむら返り>
糖質制限食実践中に比較的よくある症状に「こむら返り」があります。
良くあるといっても、10人に1人くらいでしょうか。
糖尿病の私の患者さんやブログ読者の皆さんからも、
糖質制限食とこむら返りに関して時々質問があります。
確かに野菜・海藻も摂らない極端な糖質制限食だと、
カルシウムなどミネラル不足などで、こむらがえりを起こすことがあるようです。
一般にカルシウムやマグネシウムが不足すると、
こむら返りを起こしやすいとされています。
カルシウムは乳製品・干しエビ・小魚・海藻・緑黄色野菜などに多く含まれています。
マグネシウムは、大豆製品・魚介類・海藻・ナッツ類に多く含まれています。
従って、カルシウムやマグネシウムは糖質制限食OK食品に多く含まれているので、
こむら返りも通常は起こらないのだと思います
一方、糖質制限食に関係なく、
スポーツの最中や後にこむら返りを起こすことはよくあります。
実際、私の所属するテニスクラブのメンバーでも、
よくこむら返りを起こすタイプがおられます。
幸い私はスポーツ中やその後も起こしたことがありません。
激しいスポーツをして汗をかくと、
汗とともに多量のミネラルが体の外に排出されてしまいます。
ですから、カルシウム・マグネシウムなどミネラルをちゃんと補給してやらないと、
筋肉が痙攣したり足が攣ったりします。
糖質制限食の場合、相対的に高脂質・高タンパク・高繊維食となります。
自ら1型糖尿人でスーパー糖質制限食実践中のバーンスタイン医師によれば、
野菜に多い食物繊維は食事中のカルシウムと結合してカルシウム吸収をさまたげ、
タンパク質中のリン化合物もカルシウムとわずかに結合するそうです。
バーンスタイン医師は、
「糖質制限食実践中で、チーズ・ヨーグルト・生クリームを摂らない
人たち、特に閉経後の女性」
には、カルシウム補充を奨めています。
つまり、糖質制限食実践中のほとんどの人でサプリは必要ないと思いますが、
上記のバーンスタイン医師の条件に当てはまる人やこむら返りをよく起こす人、
また結構スポーツをする人は、安価なカルシウム・マグネシウム剤、
或いは安価なマルチビタミン剤を補充するのもよいと思います。
スポーツを全くしない人でも糖質制限食実践中にこむら返りを起こすことがあります。
この場合もカルシウム・マグネシウム剤、マルチビタミン剤でほとんど良くなります。
また、漢方薬の芍薬甘草湯(68番)もこむら返りに有効です。
2週間以上、芍薬甘草湯を2~3回/日、連続で内服すると、
時に血中カリウムが低下することがあるので、連用している人は注意してくださいね。
芍薬甘草湯や、カルシウム・マグネシウムで、こむら返りが改善しないときは、
エルカルチンFFが有効です。
エルカルチンFFは、体内にカルニチンを補いカルニチンの欠乏状態を改善し、
筋肉症状や精神症状などを改善する薬です。
とても良く効く内服薬ですが、とても高価なのが難点です。 (*_*)
エルカルチンFF(250mg)6錠/日を3回に分割経口投与が通常量ですが、
ほとんどの場合は、眠前に2錠を1回投与で、
明け方のこむら返りが予防できますので節約可能です。(^^)
江部康二
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