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非結核性抗酸菌症、とくに肺MAC症について
【20/06/29 葉月
非結核性抗酸菌症
neiriさんへ

糖質制限を始めるほんの少し前頃、消化器科の検査で腹部のCTを撮影する機会があったのですが、
その撮像範囲の右肺中葉に所見がみつかりました。
呼吸器科の先生(複十字病院から診察にいらしているドクター)の診察を受けた所、肺MAC症の診断でした。
私は関節リウマチの治療で免疫を抑える生物学的製剤も使っているのですが、
今は半年毎のレントゲンチェックでの経過観察のみです。
レントゲンで分かるか分からない程度の状態だそうで、
特に自覚症状も無いのでMAC症の投薬治療はこれまで一度も受けておりません。
CTでたまたま見つかった時は54歳で、正に発症者の多い中年女性、痩せ型です。
畑仕事などはする機会は無いのですが、
シャワーやお風呂掃除などに関しても特別注意を払うようなことはしていません。
極々普通の皆さんと同様な生活をしていると思います。
関節リウマチは免疫を抑える治療なので、副作用として感染症のリスクはありますが、
その影響で発症したのか?、
発覚したCT以前に腹部や胸部のCTは撮影する機会もなかったので、
実際発症したのがいつなのかも不明です。
中には進行してしまわれる方もいらっしゃると思いますが、
進行がとてもゆっくりな病気だとこのことですし、
私の様に(発症から)5年経過しても全く進行せず
経過観察のみの人も沢山いらっしゃるようです。
江部先生も仰るように、糖質制限が功を奏しているのかも…と私自身も思っております。
一度きりしか無い人生、
neiriさんも過度に不安に怯えることなく楽しい日々過ごしていって下さい!】


こんにちは。
葉月さんから、肺MAC症について、コメントを頂きました。
CTでたまたま見つかった時は54歳で、正に発症者の多い中年女性、
痩せ型とのことですが、いつ、何故発症したのかはよくわかりませんね。
関節リウマチで免疫を抑える治療をしておられることが、
一応、若干の発症リスクではあったと思われます。
一方、治療薬なしで、5年間、全く進行せずとは素晴らしいです。
肺MAC症も、若い人には少なくて、中年以降の女性に多いということは、
タータルにみると、免疫力低下が関与している可能性が高いです。
やはり、20代に比べれば、40代、50代はどうしても免疫力は落ちています。

<糖質制限食で免疫力向上>
この点、糖質セイゲニストの場合は、
ケトン体高値により、心臓・腎臓・脳保護作用および、
慢性炎症を抑える効果が期待できます。
糖質制限食により身体の様々な慢性炎症が治まれば、当然免疫力は高まります。
また、AGEsの蓄積が少なく<糖化 ⇒ 老化>という流れが最小限なので、
老化に伴う免疫力低下も、最小限ですみます。
葉月さんの免疫力もしっかり維持できているのだと思います。

<非結核性抗酸菌症>
非結核性抗酸菌とは、結核菌とライ菌以外の抗酸菌の総称です。
現在100菌種以上が発見されており、それらによって起こる感染症が、
非結核性抗酸菌症です。
そのうち7〜8割ぐらいは
MAC(Mycobacterium-avium complex)と呼ばれる菌で占められています。
非結核性抗酸菌は自然環境中の土壌や湖沼、河川に生息し、
家畜などの動物の体内、貯水槽などの給水システムに生息しています。
日本ではMACは台所の水道水からは分離されず、浴室内からは分離されます。
循環式浴槽水や銭湯浴槽水から非結核性抗酸菌が分離されやすいです。
24時間風呂などは特に非結核性抗酸菌が生息し易いです。
またシャワーキャップにも生息し易いです。
このようにヒトの生活環境では、特に長時間お湯がある環境が要注意です。
結核菌は人から人へ感染するので、一旦結核病棟への入院が必要となりますが、
MACは他人に感染することはないので、一般病棟あるいは外来にて治療をおこないます。

<感染しやすい人は>
以前は、陳旧性肺結核症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺切除後や
じん肺、間質性肺炎などの既存の肺疾患を有した男性に多くみられました。
しかし最近では、過去に基礎疾患のない中年以降の女性の増加が顕著で、
なぜ女性に多いのかははっきりとはわかっていません。
米国でも中高年女性の肺MAC症が増えています。
すべての人が日常的にMACに暴露されていますが、発症するのはごく一部です。
肺MAC症の発症は環境因子のみではなく、宿主因子も重要と考えられます。
中高年の女性は生活環境中にある感染源に注意したほうが良さそうです。
肺MAC症の罹患率(りかんりつ)は年々増加の傾向にあります。
糖質制限食実践で、免疫力を向上させて、肺MAC症の予防を心がけましょう。

<ワシントン大学の研究報告>

『肺MAC症患者の自宅のシャワーエアロゾルからは、
コントロール集団の自宅よりも非結核性抗酸菌が分離されやすかった。』
Association between Mycobacterium avium Complex Pulmonary Disease and Mycobacteria in Home Water and Soil: A Case-Control Study.
Ann Am Thorac Soc. 2020 Jan;17(1):57-62.


江部康二
がん光免疫療法。楽天メディカル。承認申請。
こんにちは。

楽天メディカル、「がん光免疫療法」の医薬品と医療機器を世界初の承認申請
https://mainichi.jp/articles/20200629/k00/00m/040/036000c


という記事が、2020年6月29日、毎日新聞に掲載されました。
がん光免疫療法は、米国立衛生研究所(NIH)の小林久隆主任研究員が開発しました。

楽天メディカルの三木谷浩史会長は、2013年、
がんを患っていたお父さんの治療について検討するため
小林久隆主任研究員と会って面談されました。
小林研究員は、この時まで、治験を実施するための資金にずっと苦労していたそうです。
その後、わずか1週間で資金援助が決断され、
治験までの期間の大幅スピードアップに貢献しました。
残念ながら三木谷会長のお父さんは2013年11月に亡くなられましたが、
その後も、支援は継続したので、「がん光免疫療法」の治験もきっちり実施されました。
この資金援助が、「がん光免疫療法」の研究、発展におおいに貢献したと言えます。
三木谷会長、素晴らしいです。good jobです。

光は熱を持たず、体に当てても害はありませんので、
手術、放射線、化学療法のような、侵襲や副作用がありません。
また動物実験などのデータから、この治療によって体内の免疫が活発になり、
転移したがんも治癒できる可能性があると考えられています。
対象は、舌がんや喉頭がんなどの頭頸部がんが再発した患者さんですが、
今後は、どんどん応用範囲が広がり、様々な部位のがんにも適応となると思います。

以下の青字は、毎日新聞の記事の要約です。
楽天メディカル、「がん光免疫療法」の医薬品と医療機器を世界初の承認申請

 【楽天メディカル(三木谷浩史会長)は29日、
がん細胞をピンポイントで攻撃する「がん光免疫療法」に使う医薬品と医療機器について、「条件付き早期承認制度」に基づき厚生労働省に承認申請をしたと発表。
対象は、舌がんや喉頭がんなどの頭頸部(とうけいぶ)がんが再発した患者。
この治療法に使う医薬品と医療機器を承認申請するのは世界初。

 がん光免疫療法は、米国立衛生研究所(NIH)の小林久隆主任研究員が開発。
がん細胞に結びつきやすい特徴を持つ薬を投与した後、
患部に赤色光を当てると、薬が光に反応してがん細胞が破壊される。
光は熱を持たず、体に当てても害はない。
また動物実験などのデータから、この治療によって体内の免疫が活発になり、
転移したがんも治癒できる可能性がある。

 臨床試験第2相では、治療を受けた患者の43%でがんが小さくなった。
現在は、日本、米国を含めた世界約10カ国で、
参加人数を増やした第3相が進められている。

 医薬品の条件付き早期承認制度は、重い病気の治療法を早期に実用化するために
2017年10月に開始。
①対象の病気が命にかかわるなど重篤なこと、
②既存の治療法に比べて有用性が高いこと、
③患者が少ないなどの理由から第3相試験の実施が困難なこと、
④既に実施された臨床試験から一定の有効性と安全性が示されていること――
という四つの要件を満たし、
発売後に改めて有効性と安全性を評価することを条件に承認する制度。

 同社は今年3月、このがん光免疫療法にかかわるさまざまな技術を集約した基盤に
「イルミノックス」と名付け、第2相試験までの結果を基に、
この治療に使う薬と光を当てる装置の承認申請をした。
その後、厚生労働省から条件付き早期承認制度への適用が認められた。
国内治験を始めた17年から約3年での承認取得を目指す。】


江部康二
糖質セイゲニストの検査値と普通食の検査値は異なる。ドクターシミズ。
こんにちは。
新川新道整形外科病院 清水泰行先生から
メールがありました。
糖質制限食実践者の基準値を設定しようとの提言です。

現行の検査データの基準値は
あくまで糖質過剰摂取者のデータを集めて決めたものであり、
糖質セイゲニストの検査データの基準値はいまだに存在しません。
また、糖質制限食を実践することにより、基準値をはずれた値が出てしまい、
不安に感じている方もおられると思います。
糖質セイゲニストの検査データを沢山集めて、
どのような範囲にあるのかを知ることは非常に有益だと思います。

ということで、ブログ読者の糖質セイゲニストの皆さん
健康診断の検査データを、
清水泰行先生のデータ収集の記事のアドレス 
http://promea2014.com/blog/?p=13138

に投稿して頂ければ幸いです。

糖質制限食実践者だけの基準値を知るというのは本邦初の試みです。
是非、多くのデータを集めて信頼度の高い基準値を設定したいと思います。
ご協力、よろしくお願い申し上げます。 m(_ _)m    


江部康二
アニサキス症とアニサキスアレルギー②
こんばんは。
今回の記事は前回の続きで
アニサキス症とアニサキスアレルギー②です。
まずは、魚を食べて生じるアレルギーの全体像です。

<魚を食べて生じるアレルギー>
①魚自体のアレルギー  
②ヒスタミンによる“アレルギー様食中毒”または“ヒスタミン食中毒”  
③アニサキスアレルギー 

魚を食べて生じるアレルギーには、上記の3つのタイプがあります。
このうち一番多いのが③のアニサキスアレルギーです。
また、②のヒスタミン中毒の場合は、抗原抗体反応が関与していないので、
厳密にはアレルギーではありません。
①の魚アレルギーを起こしやすいのは、
魚の筋肉に含まれた『パルブアルブミン』という蛋白質です。

<アニサキスアレルギー>
魚を食べて蕁麻疹や口唇のピリピリ感などがでたことがある人は、かなりおられると思います。こんな時は、この魚はアレルギーがでるので自分には合わないと、普通は思います。まあ、上記①のパターンと思うわけですね。
しかし、実態として、一番多いのは、実はアニサキスアレルギーなのです。
蕁麻疹、発熱、頭痛、顔や体の紅潮、口唇のピリピリ感、ひどければ、
アナフィラキシーショックなどの様々なアレルギー症状が出現します。
これらは1型アレルギーで、IgE抗体が関与して、抗原抗体反応により、
ヒスタミンが遊離されてアレルギー症状がでます。

前日のブログで解説した「アニサキス症」に第一回目に罹患した時に、
「感作」されると、第二回目にアニサキスのタンパク成分を保有する魚を食べるとアニサキスアレルギーを発症します。
感作されていなければ、アニサキスアレルギーは生じません。
感作というのは、特定の抗原(アレルゲン)に対して過敏状態になることです。
アレルゲンは、基本的にタンパク質成分です。
アニサキスは死んでいても、タンパク成分が魚の筋肉に
残っていれば、アレルギー反応を生じるわけです。
現在アレルゲンとして、
アニサキスの16種類のタンパク成分がわかっています。
このアニサキスの抗原は、熱にも凍結にも強いものがあります。
これらのアレルゲンに対するアレルギー反応は、個人差が大きいです。
極端に言えば、1人1人皆、それぞれ反応は異なると考えられます。
アナフィラキシーショックまで起こす人は、まれとは思いますが、
アナフィラキシーショックは命に関わる病態なので、
魚を食べるときは、細心の注意が必要となります。

オキアミは、ほとんどの種類の魚の餌となっているので、
オキアミのもつアニサキスをほとんどの魚が保有していることとなります。

<症状の治療>
アニサキスアレルギーを発症したときは、
抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤を内服します。
症状が強ければ、ステロイド剤の内服や注射が必要となります。
アナフィラキシーショックで血圧低下のときは、
ボスミン0.3mlの筋注が一番有効です。

<予防・改善>
プーさんが、ご指摘のように
スーパー糖質制限食で、花粉症が治ったり改善したりした人は
大勢おられます。
アトピー性皮膚炎や気管支喘息などアレルギーも関与する疾患も
スーパー糖質制限食で改善します。
このように、スーパー糖質制限食でアレルギーが改善した例は多いです。
アニサキスアレルギーの「予防・改善」に対しても
スーパー糖質制限食が有効である可能性は期待できると思います。


以下は、
厚生労働省のサイトhttps://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000042953.html
より引用です

消費者の皆さまへ
◆ 魚を購入する際は、新鮮な魚を選びましょう。また、丸ごと1匹で購入した際は、速やかに内臓を取り除いてください。
◆ 内臓を生で食べないでください。
◆ 目視で確認して、アニサキス幼虫を除去してください。

※ 一般的な料理で使う食酢での処理、塩漬け、醤油やわさびを付けても、アニサキス幼虫は死滅しません。

事業者の皆さまへ
◆ 新鮮な魚を選び、速やかに内臓を取り除いてください。
◆ 魚の内臓を生で提供しないでください。
◆ 目視で確認して、アニサキス幼虫を除去してください。
◆ 冷凍してください。 (-20℃で24時間以上冷凍)
◆ 加熱してください。(70℃以上、または60℃なら1分)


※ 一般的な料理で使う食酢での処理、塩漬け、醤油やわさびを付けても、アニサキス幼虫は死滅しません。


江部康二
アニサキス症とアニサキスアレルギー①
【20/06/25 プーさん
アニサキスアレルギー
アニサキスアレルギー、私も数年前発症しました。以下は自身の体験談です。

夜シメサバを食し、9時間後の真夜中に上半身全体に及ぶ蕁麻疹、猛烈なかゆみに襲われ、あやうくアナフィラキシーか、救急車を呼ぶかとまで考えました。
真冬のベランダで上半身裸になったところ、かゆみがある程度落ち着いたので明朝に受診。その日は薬をもらい、後日検査でアレルギーが判明しました。

(未だに身体を暖めるべきか冷ますべきかは分かりませんので、お読みの方はまねしないでください。)

医師からは、アニサキスが潜伏していた可能性がある魚(鯖、鮭、鰯、鰹、秋刀魚など。北洋の魚)は今後食べないようにと指導され、ついでに、あなたは一生治らない、とも宣告されました。

医師は一生食べるなと簡単に仰いますが、どうしても魚欲が抜けず、翌年の検査で完治することを祈っていたところ、翌年の抗体検査ではさらに悪化しているという数値が出てしまいました。

専門医によると、最近の検査ではアニサキスアレルギーが急増しており、魚アレルギー、ヒスタミン中毒を凌駕して、サバでアレルギーがでたら、またアニサキスだろう、という感覚とのことでした。

また、症状が軽い場合、自分がアレルギーであることを認識していない人が多い、比較的新しいアレルギーとのことのようです。

調べたところ、アニサキスがいる魚はオキアミ(オキアミ等の中にアニサキスがいる)等を餌とする魚で、煮たり焼いたり冷凍してアニサキスを殺しても、または目視でアニサキス自体を除去しても、アニサキスのアレルゲンタンパク質が食べる所の身などに残っていたら、このアレルギーは発症してしまうということのようです。

魚好きの自分からしたら苦痛ですが、基本的に養殖モノはオキアミを使わずアニサキスがいないようで、こうした大丈夫とされる魚ばかりを食べております。例えば、鮭と書いてあると、国産かどうかなど必ずチェックします。
(秋刀魚、鯖、鰯・・・・これからの季節、焼き物が食べられないのは堪えます。)

遠洋の鮪等では、最近は冷凍技術が進み、釣ってすぐ冷凍しているそうです。瞬間冷凍により内臓からアニサキスが逃げる暇が無いため、遠洋の魚でもまず発症しません。

おそらくかなり前にアニサキス症(アニサキスに消化管を刺される)を発症(アニサキスアレルギーは必ずアニサキス症発症後に発症)したのでしょうが、その後にこのアレルギーに悩まされることになるとは思ってもみませんでした。

このアレルギーにも重い方と軽い方がおられるようで、また、アニサキス症となってもアニサキスアレルギーとならない方もおられるようです。

症状が重い人は煮汁も練り物も全部NGとなるほど食生活全般に及ぶ大変なアレルギーです。

私としては、花粉症等他のアレルギー反応と同様に、糖質制限で軽減・消失する日が来ましたら、またご連絡できたらと思います。

(糖質制限で花粉症が消失したのは、私も含め多くの方が自覚できることですが、魚での実験となると完全に自己責任の人体実験ですね。失敗すると次は救急車を呼ぶ事態になることが怖いですが。)

N=1ですが参考になりましたら。】


こんばんは。
アニサキス症とアニサキスアレルギーに関して
プーさんから、貴重な体験報告をコメント頂きました。
ありがとうございます。

プーさんがご指摘のように、まず最初にアニサキス症となり、
その後アニサキスアレルギーを発症する人もいれば発症しない人もいます。

<アニサキスとアニサキス症>
アニサキスの幼虫(白くて2~3mm×0.5mm)が寄生している魚を
人が生で食べてアニサキス症を発症します。
アニサキスの本来の寄生宿主は、クジラ、イルカ、アザラシなどで、
これらの胃に寄生して卵を産みます。
この卵が海中に糞便とともに排泄され、それをオキアミなどが取りこみ、
そこで幼虫になります。
幼虫の感染しているオキアミを魚が食べると、
魚の内臓に幼虫のまま寄生します。
オキアミは地球の海洋生態系のエンジンを動かす燃料のようなもので、
いろんな魚がオキアミを食べます。

そして、アニサキスが寄生している魚をヒトが食べると、アニサキス症を発症します。
アニサキスにとっては、ヒトの胃は、本来の寄生環境ではないので、
胃壁に頭を突っ込んで(刺入して)、脱出しようとします。
胃壁に頭を突っ込まれたら痛そうですが、実は胃の粘膜を生検しても痛みはなく、
胃粘膜そのものには疼痛センサーはありませんので、これだけでは痛みません。
しかし、アニサキスアレルギーがあると、刺入によりアレルギー反応が出現し
疼痛物質が作られるので痛むのです。
治療は胃カメラでアニサキスを取り出すことです。
胃、腸、腸管外にアニサキスが刺入しますが、9割は胃アニサキス症です。

なお、故森繁久彌さんは、昭和62年に名古屋で公演中に
腹部の激痛を訴えて緊急手術を受けました。
サバの押しずしを食べて腸管アニサキス症を発症したのです。

アニサキスは、魚の内臓に寄生していますが、
魚が死ぬとすぐに筋肉に移行します。
その筋肉を食べてアニサキス症になるわけなので、
速やかに内臓を処理した魚なら、安全です。

アニサキス症の元となる魚は、
サバ、イワシ、アジ、カツオ、キンメダイ、タラ、ホッケ、サケ、イカなどですが、
一番多いのはサバです。
養殖魚では冷凍オキアミなどを食料として使用するので、
養殖魚にはアニサキスの寄生は大変少ないです。

以下は、
厚生労働省のサイトhttps://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000042953.html
より引用です

消費者の皆さまへ
◆ 魚を購入する際は、新鮮な魚を選びましょう。また、丸ごと1匹で購入した際は、速やかに内臓を取り除いてください。
◆ 内臓を生で食べないでください。
◆ 目視で確認して、アニサキス幼虫を除去してください。

※ 一般的な料理で使う食酢での処理、塩漬け、醤油やわさびを付けても、アニサキス幼虫は死滅しません。

事業者の皆さまへ
◆ 新鮮な魚を選び、速やかに内臓を取り除いてください。
◆ 魚の内臓を生で提供しないでください。
◆ 目視で確認して、アニサキス幼虫を除去してください。
◆ 冷凍してください。 (-20℃で24時間以上冷凍)
◆ 加熱してください。(70℃以上、または60℃なら1分)


※ 一般的な料理で使う食酢での処理、塩漬け、醤油やわさびを付けても、アニサキス幼虫は死滅しません。

続く。

江部康二
糖質セイゲニストの検査値と普通食の検査値は異なる。ドクターシミズ。
こんばんは。
新川新道整形外科病院 清水泰行先生から
メールがありました。
糖質制限食実践者の基準値を設定しようとの提言です。

現行の検査データの基準値は
あくまで糖質過剰摂取者のデータを集めて決めたものであり、
糖質セイゲニストの検査データの基準値はいまだに存在しません。
また、糖質制限食を実践することにより、基準値をはずれた値が出てしまい、
不安に感じている方もおられると思います。
糖質セイゲニストの検査データを沢山集めて、
どのような範囲にあるのかを知ることは非常に有益だと思います。

ということで、ブログ読者の糖質セイゲニストの皆さん、
健康診断の検査データを、
清水泰行先生のデータ収集の記事のアドレス 
http://promea2014.com/blog/?p=13138

に投稿して頂ければ幸いです。

糖質制限食実践者だけの基準値を知るというのは本邦初の試みです。
是非、多くのデータを集めて信頼度の高い基準値を設定したいと思います。
ご協力、よろしくお願い申し上げます。 m(_ _)m    


江部康二
糖質制限中にオススメのコンビニ食は? 焼き鳥の糖質量も比べてみた![医師監修]
https://news.yahoo.co.jp/articles/f4539a0436c444cb2f734cf5174cecc2c1e94abb
糖質制限中にオススメのコンビニ食は? 焼き鳥の糖質量も比べてみた![医師監修]
6/23(火) 20:10配信
全国に5万5000店以上もあるコンビニエンスストア。
24時間いつでも開いていて気軽に利用できる、まさにコンビニエンス(便利)な存在です。
そんなコンビニには、糖質制限をしていても食べられる商品がたくさんあると高雄病院理事長の江部康二先生は言います。
どんな食べ物があるのでしょうか?

こんにちは。
6月23日配信のヤフーニュースに上記記事が掲載されました。
内容は、

名医が考えた 認知症にならない最強の食事術
宝島社


book1.jpg

http://urx.blue/07K6

からの、抜粋です。


以下の青字は、ヤフー記事の要約です。
詳しくは、URLをクリックして、ヤフーニュースをご覧頂ければ幸いです。

https://news.yahoo.co.jp/articles/f4539a0436c444cb2f734cf5174cecc2c1e94abb
低糖質の商品が思いのほか充実! 使い勝手のいいコンビニ、スーパー

今やコンビニ食は健康を前面に打ち出している商品を多数そろえるようになっています。
糖質制限をしている人たちのニーズにもしっかり応えていて、安心して口にできる商品が充実しています。
ここでは糖質制限食として活用できる具体的な商品を見ていくことにしましょう。

レジ横のショーケースがおすすめ


まずメインのおかずになるものとして紹介したいのが、ホットスナックです。
レジの脇のショーケースには揚げ物類が並んでいますよね? あそこには低糖質で高たんぱくの商品があるのです。
その代表的なものが焼鳥です。鶏肉を使っていることもあって、糖質はほとんど含んでおらず、しかもたんぱく質は豊富。
安心して食べてもらって大丈夫です。
参考までにコンビニ各社の焼鳥の糖質量を見てみると……セブン-イレブンの「炭火焼き鳥串(もも塩)」は0.1グラム、
ローソンの「焼鳥もも塩」も0.1グラム、
ファミリーマートの「炭火焼きとりもも(塩)」は販売地域によって差があって0.7~1.5グラムほどです(以上は各社の公式サイトにある数字ですが、ローソンとファミリーマートは炭水化物として表示しています)。

ほかには、ポークを使ったフランクフルトソーセージがあります。
こちらも同じく糖質量を見てみると、セブン-イレブンの「BIGポークフランク」が7.7グラム、
ローソンの「ジャイアントポークフランク」も7.7グラム、ファミリーマートの「ジャンボフランク」は5.6グラム。
いずれも低糖質です。 またコンビニのホットスナックといえば、唐揚げが有名ですね。

ただ、コンビニの唐揚げは衣が厚く、小麦粉がそのぶん多いので糖質量も増えてきます。
避けたほうがいいでしょう。
こうした焼鳥やソーセージ以外にも、惣菜(そうざい)コーナーでサケやサバなどの塩焼き、
豚の生姜(しょうが)焼き、サラダチキンなどがメインのおかずとして活用できます。

このなかで私がよく利用するのはサラダチキン。
商品によって多少のばらつきはありますが、
糖質は1グラムにも満たず、たんぱく質は20グラム以上。
ボリュームもあって腹もちもするので理想的なおかずなのです。

次ページは:おでんは甘い汁を飲まないように
https://news.yahoo.co.jp/articles/f4539a0436c444cb2f734cf5174cecc2c1e94abb?page=2


江部康二
夏に多い『魚のうそアレルギー』とは?ヒスタミンの影響。
こんにちは。

夏に多い『魚のうそアレルギー』とは?
https://news.yahoo.co.jp/byline/horimukaikenta/20200623-00184543/  
アレルギー専門医堀向健太医師解説
日本アレルギー学会専門医・指導医。
日本小児科学会指導医。


ヤフーニュース2020/6/23(火)に掲載された、
上記の興味深い記事を参考にして、本日のブログ記事を作成しました。
堀向健太先生、ありがとうございます。

<魚の細菌性食中毒>

夏は、まずは魚の食中毒(腸炎ビブリオ)に要注意です。
腸炎ビブリオは、海水や海産の「魚介類」などに生息している細菌です。
4℃以下だと、ほぼ増殖しないので、夏場で刺身などを購入した時は、
氷や保冷剤を用いて、低温を維持して持ち帰りましょう。

<本当の魚アレルギーは、青身魚より白身魚の方が多い>
魚アレルギーを起こしやすいのは、
魚の筋肉に含まれた『パルブアルブミン』という蛋白質です。
パルブアルブミンは、青身魚よりも白身魚のほうが多く含まれていることがわかっています。従って抗原抗体反応による、魚アレルギーは白身魚のほうが多いのです。
青身魚のサバのアレルギー(☆☆☆)が有名なので目立ちますが、
トータルには白身魚のアレルギ-のほうが多いということですね。

<魚のうそのアレルギーとは⇒ヒスタミンによる食中毒>
一方、魚アレルギーとは別のものである、
ヒスタミン(☆)という化学物質による症状のことを
『魚のうそのアレルギー』と呼んで注意喚起しておられます。
魚のうそのアレルギーとは、
魚肉に直接含まれるヒスタミンによる症状を指しています。
医学的には抗原抗体反応は無関係であり、アレルギー反応ではないので、
仮性アルルゲンなどと呼ばれます。
厚生労働省は、『ヒスタミンによる食中毒』(☆☆)として解説しています。

青身の魚の筋肉には『ヒスチジン』というアミノ酸が多く含まれています。
そして、青身の魚の筋肉にいる細菌の作用で、『ヒスタミン』に変わってきます。
ヒスチジンが多く含まれる食品(魚肉など)を常温に放置したりすると、
食品中のヒスタミン産生菌が増殖し、ヒスチジンからヒスタミンがどんどん生成されて、
蓄積していきます。
ヒスタミンは加熱しても安定であり、一旦できたものは消えないので
ヒスタミンによる食中毒を生じてしまうのです。
夏の魚による食中毒症状を起こす原因として、
上述のビブリオ菌よりも、ヒスタミンによる中毒のほうが多いという
統計結果もあるくらいですので要注意です。
低温管理と、冷蔵庫からだしたら、速やかに食べるということですね。

<ヒスタミンによる中毒の症状と経過>
ヒスタミンによる中毒の症状としては、
原因となる魚を食べてから10分から90分以内に、
顔が赤くなったり、蕁麻疹、動悸、頭痛、めまいなどを起こします。
ほとんどは3~36時間以内に良くなりますが、
まれにショックを起こすこともあります。
症状としてはアレルギーとそっくりです。

(☆)
ヒスタミン

種々の動植物組織に存在し生理機能に作用を及ぼす物質です。
動物体内でこれが過剰に遊離するとアレルギーを起こします。
花粉症のくしゃみ・鼻水もヒスタミンのせいです。



(☆☆)ヒスタミンによる食中毒について - 厚生労働省
ヒスタミンによる食中毒とは?
ヒスタミン食中毒は、ヒスタミンが高濃度に蓄積された食品、特に魚類及びその加工品を食べることにより発症する、アレルギー様の食中毒です。
ヒスタミンは、食品中に含まれるヒスチジン(タンパク質を構成する20種類のアミノ酸の一種)にヒスタミン産生菌(例、Morganella morganii)の酵素が作用し、ヒスタミンに変換されることにより生成します。
そのため、ヒスチジンが多く含まれる食品を常温に放置する等の不適切な管理をすることで、食品中のヒスタミン産生菌が増殖し、ヒスタミンが生成されます。
ヒスタミンは熱に安定であり、また調理加工工程で除去できないため、
一度生成されると食中毒を防ぐことはできません。


(☆☆☆)鯖などの青魚を食べて起きるアレルギー
①魚自体のアレルギー  
②ヒスタミンによる“アレルギー様食中毒”または“ヒスタミン食中毒”  
③アニサキスアレルギー 
の3つがある。
このうち一番多いのが③アニサキスアレルギーである。



江部康二
血清尿酸値について。糖質制限食との関連は?
こんにちは。
名古屋hさんから、糖質制限食と尿酸値について、コメント・質問を頂きました。

<糖質制限食と血清尿酸値>
今回の記事は、糖質制限食と血清尿酸値についての考察です。
尿酸値に関しては、糖質制限食実践で、
減少する人、不変の人、増加する人と個人差が大きいです。

もともと尿酸が高値だったのが糖質制限食で基準値になる人がいますが、
これは問題ないですね。
肥満がある人が糖質制限食で減量に成功したら、
尿酸値が基準値になることは考えられます。

もともと尿酸値は正常だったのに、糖質制限食実践後にで高値となる人が時々おられます。
尿酸高値の一番多い原因は、糖質を制限したことではなく、
結果として低カロリー過ぎた場合です。

糖質制限食開始後、急に尿酸値が上昇したときは、栄養指導で確認したところ、
ほとんどの人において、摂取エネルギー不足でした。
通常、糖質制限食開始後に、一旦、尿酸値が上昇した人も、
摂取エネルギー不足を解消すれば
速やかに元の値に戻ることが多いので経過をみて良いと思います。

<体内での尿酸の生成と排泄>

尿酸は尿から排泄されるだけでなく、消化液や汗からも排泄されます。
腎臓からの排泄は約3/4を占め一番多いですが、 消化液や汗からの排泄機能も、
血清尿酸値の個人差にある程度関係しているのでしょう。

体内で尿酸をつくり過ぎるか尿からの排泄が悪いため、
高尿酸血症になると考えられてきましたが、
これらに腸からの排泄障害や皮膚の汗からの排泄障害も加わることとなりました。

あくまでも私見ですが、この腸や皮膚からの尿酸排泄は、
生活習慣やストレスの影響を一番受けやすいような気がします。

<高尿酸血症と服薬基準>

過去痛風発作を起こしたことがない場合は、
尿酸8~9mg/dlとかでも、食事療法と生活習慣の改善で経過をみてよいと思います。
『すでに痛風発作を起こしたことがある場合』、
『尿酸値8.0mg/dl以上ですでに腎障害・結石・高血圧などの合併症のある場合』、
『無症状であっても尿酸値が9.0mg/dl以上の場合』

は、薬物療法の適応になります
高尿酸血症は、
狭心症、心筋梗塞、脳梗塞、動脈硬化の危険因子の一つですので注意が必要です。
男女ともに尿酸値が7.0mg/dLまでは基準値内です。
これを超えると異常で、高尿酸血症と呼ばれます。
(公益財団法人 痛風・尿酸財団)
https://www.tufu.or.jp/gout/gout2/61


<食事療法>
過去尿路結石のあった人や家系的に腎臓結石持の方々は、
尿酸が高値となったときは、梅干しを食べるとか、
わかめ・ほうれん草・大根・キャベツ・茄子・しいたけなど摂取で、
尿をアルカリに保って尿酸が結晶化しにくいようして、
尿酸値が基準値にもどるのを待つのが安全と思います。
尿路結石の予防になります。

ただ、低カロリーすぎると、どんな内容の食事でも、
尿酸値が上昇するので注意が必要です。
例えば断食(絶食)をすると、尿酸値は急激に上昇します。
断食前6mg/dlが、断食中は9~10mg/dlに急上昇したりします。


さて糖質制限食を実践すれば、相対的に高タンパク・高脂質食となります。
尿酸値は、従来、肉の摂りすぎや、
ビールの飲み過ぎで高値となるということが常識だったのですが、
食事由来のプリン体は総量の約20%に過ぎず、
体内で生合成するプリン体80%に比し、かなり少ないということが判明しました。

例えば、江部康二は、2002年以来18年間、
スーパー糖質制限食実践で130g~150g/日のタンパク質を摂取していて、
かなりの高タンパク食です。
しかしながら、尿酸値は、
一貫して2.4~3.5mg/dl(基準値は3.4~7.0)程度と低い方です。
尿酸は体内の酸化ストレスに対抗する物質という説があります。
私はスーパー糖質制限食で体内の酸化ストレスが少ないので、
尿酸も少なくてすんでいるというポジティブな仮説もありかと考えています。

<納光弘先生の見解>
自らが痛風患者であり、痛風専門医でもある、
元鹿児島大学病院内科教授、納(おさめ)光弘先生によれば、
食事よりストレスや肥満の方が、尿酸値への影響が多いことがわかってきました。

<尿酸を上昇させる要因>
尿酸を確実に上昇させるのは、重要なものから順番に

1、ストレス
2、肥満
3、大量の飲酒
4、激しい運動
5、プリン体の摂りすぎ


だそうです。

尿酸値に影響を与える5つの要素について、詳しく見ていきましょう。

1 ストレス
実はストレスが一番尿酸値を上昇させます。
鹿児島大学の納光弘先生もご自身が痛風でして、
徹底的に自分で人体実験をされて、
ビールより何よりストレスが高尿酸血症の原因と断定しておられます。
納先生ご自身は、学会の会頭を引き受けて忙しくてプレッシャーが高かった時期が
最も尿酸値が上昇したそうです。
学会が終了したら、ビールを飲んでも下がったそうです。
これは、もっぱら心理的ストレスですね。
一方、断食は究極の肉体的ストレスという見方もできます。

2 肥満
体重増加も尿酸を増加させる要因なので、糖質制限食で減量すると、
尿酸値も低下すると思います。
肥満が改善すれば、尿酸値も改善する可能性があります。

3 飲酒
アルコールを大量に(日本酒1日3合程度以上)飲めば尿酸値は上昇し、
断酒すれば下降します。
アルコールが尿酸値に影響を与える要因は二つあります。
一つは、アルコールが代謝の途中で乳酸になり、
乳酸が腎臓からの尿酸排泄を抑制すること。
もう一つは、継続的に多量にアルコールを摂取したときに(日本酒1日4合以上を毎日)、
アルコールが尿酸の代謝を促進させて尿酸値が上がることです。

なお、お酒に含まれているプリン体自身の量は、
体内の尿酸プールの量に比べて少ないのでほとんど影響はありません。
例えばビール大瓶633㏄中のプリン体はたったの32.4㎎に過ぎません。
適量のアルコールならストレスが解消され尿酸値を下げます。
適量の目安は、日本酒1.5合、ビール約750㏄、
ワイングラス2杯、焼酎のお湯割りコップ2杯程度です。

4 激しい運動
激しい運動は尿酸を上昇させますが、軽い有酸素運動は大丈夫です。
筋トレなどの無酸素運動も尿酸値を上げます。

5 プリン体の摂りすぎ
プリン体が非常に多い食品はさすがに大量にはとらない方がいいでしょう。
しかし、日常的な食生活の中では、プリン体を気にするほどのことはなさそうです。
何故ならプリン体は約80%が体内で生合成され、
食事由来のプリン体は約20%に過ぎないからです。

☆プリン体の多い食品

(1)きわめて多い(100g中300㎎以上):鶏レバー、白子など

(2)多い(100g中200-300㎎):豚レバー、牛レバー、かつお、
まいわし、大正えびなど


<尿酸の生成と排泄、尿酸プール>

☆尿酸の生成
プリン体の代謝産物として、尿酸が作られます。
一日で産生される尿酸の総量:約700㎎

☆尿酸の排泄
一日で排出される尿酸の量:約700㎎
・ 尿から排泄:約525㎎(3/4)
・ 汗や消化液から排泄:約175㎎(1/4)

☆尿酸の体内プール
・ 健康な人の体内には常に1200㎎程度の尿酸がプールされています。

尿酸は、このように毎日生産と排泄を繰り返しながら一定量を保っています。

しかし、尿酸の排泄がうまくいかなくなったり、尿酸が体内で作られすぎると、尿酸値が上がります。

<痛風発作の誘因>
・アルコールの多飲
・激しい運動
・ストレス
・尿酸値を上げる薬物(利尿剤など)
・早食い・大食い

なお、尿酸は、温度が下がるほど結晶化しやすくなります。
だから、人体で一番温度の低い足指の関節で痛風発作を生じやすいのですね。


*参考
「痛風はビールを飲みながらでも治る」(小学館文庫)2004年
鹿児島大学病院内科教授、納(おさめ)光弘先生 著

**プリン体
プリン体は核酸(DNAおよびRNA)の構成要素として体内で遺伝情報を保存しています。
また生物が生命活動を行う際に必要とするエネルギーは、
プリン体の一種であるアデノシン三リン酸(ATP)から供給されます。

***帝人ファーマ株式会社のサイトを参考にさせて頂きました。
ありがとうございます。
https://medical.teijin-pharma.co.jp/materials/iyaku/detail/skhk4v0000000xuk-att/skhk4v0000000xv1.pdf


江部康二

電子書籍『糖質量&炭水化物量ポケットガイド』スマートフォン対応。
こんばんは。

電子書籍『糖質量&炭水化物量ポケットガイド』
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発売中です。

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おかげさまで、アマゾンのレビューなどでも、具体的でわかりやすくて実用的など、高評価を頂いています。

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江部康二


☆☆☆
以下は、電子書籍『糖質量&炭水化物量ポケットガイド』のはじめにです。

はじめに
近年、糖質制限食に賛成する医療機関は順調に増えています。
2013年10月に「米国糖尿病学会」が5年ぶりに改訂した
「栄養療法に関する声明」の中で、
糖質制限食を正式に容認したことが、大きなプラスとなったと
考えられます。2017年8月には、
「炭水化物の摂取増加で死亡リスク上昇」という結論の論文が、
『ランセット』という信頼度の高い英国の医学雑誌に発表され、
これも大きな追い風となりました。
そして2019年4月、米国糖尿病学会は「成人糖尿病患者または予備軍患者への栄養療法」ガイドラインを発表しました。
その中で『糖質制限食』のエビデンスがもっとも豊富であるとして
積極的に推奨されています。
ここ数年で、糖質制限食Jは着実に普及しつつあるのです。
2016年7月のNHKクローズアップ現代の試算によれば、
糖質制限食市場は3184億円とのことですが、
昨今では各食品メーカーはもちろん、
コンビニエンスストアやファストフードでも、
糖質を抑えた商品やメニューを次々と投入しています。
低糖質商品のコーナーを設けるドラッグストアや
スーパーも見かけるようになりました。
糖質制限食は新たなビジネスチャンスにもなっているのです。



内容紹介
もう毎日のランチ選びで困らない!
コンビニやスーパーで選ぶべき市販食品、外食を実名で紹介!

生活習慣が原因の2型糖尿病の治療はもちろん、ダイエットや美容にも有効な糖質制限。
最近では、内臓脂肪を落とすのにも効果的と注目されています。

糖質制限を始めたときに最初に困るのが、毎日のランチです。
自宅でお昼を食べる人や弁当を作っている人は、糖質の低い食材で手作りできますが、
コンビニエンスストアやファストフードなどでランチを買う人は、糖質の低い商品を探すのはなかなか大変です。

そこで本書では、コンビニエンスストアやドラッグストア、スーパー、ファストフードなどで買える、
ランチにおすすめの商品を「実名」で多数掲載しました。

おすすめの組み合わせや、キーワード、写真からなど、
インデックスも工夫してありますので、さまざまな方法で商品を探すことができます。

野菜や肉類などの基本的な食材についても掲載していますので、
外食時にメニューに糖質量が掲載されていないときでも、おおよその糖質量を調べることができます。

本書はスマートフォンで使いやすいよう、レイアウトを設計してあります。
ぜひ、買い物や外食時に役立ててください。

●目次
はじめに
糖質制限Q&A
ランチインデックス
キーワードインデックス
写真インデックス
Part1 市販食品、外食編
Part2 素材、定番料理編
商品、素材目次
肉中心食から魚中心食で、LDL-Cと尿酸値が改善。
【20/06/19 まー
拝啓 江部先生

いつも貴重な情報を、有難うございます。
毎年この時期に健診をする私は、10年余に及ぶ「ほぼスーパー糖質制限」の成果を含め、
その結果を報告させて頂いております。
丁度一年前は、肉中心食から魚中心食で、LDL-Cと尿酸値が改善したことを報告させて頂きました。
この一年間も魚中心食で、ほぼその傾向が続いていることが分かりました。

糖質制限のこの12年間の毎年値は
尿酸値
6.7, 7.5, 7.6, 9.4, 7.3, 7.2, 7.5, 7.5, 7.9, 7.4, 6.6⇒(今年)6.9
LDL
139,145,151,159,190,160,174,183,206,215,142⇒(今年)149

それと空腹時血糖値ですが、糖質制限前123,129,119だったのが
101,115,108,98,108,111,115,104,108,113,115 ⇒(今年)111
でした。(糖質食後の血糖は、勿論250前後になります)
直近5年で4回計測したa1cは、5.6,5.8,5,6 ⇒(今年)5.7
クレアチニン値は、不明です。

空腹時血糖値は必ずしも良いわけではないですが、常にBMI22前後で遺伝型の2型糖尿の私は、
少なくとも糖尿病の進行を抑えられているものと思っております。

それでご助言頂きたいのは、昼の空腹時血糖値が100以下になることから早朝数値は暁現象かと思うのですが、
これは服薬で抑制の必要があるでしょうか。

よろしくお願いします。】

こんばんは。

1年前、まーさんから
肉中心食から魚中心食、LDL-Cと尿酸値が改善したというコメントを
頂きました。
今回やその後の経過をご報告頂きました。
ありがとうございます。

尿酸値 2017年、7.9⇒ 2018年、7.4⇒ 2019年、6.6⇒2020年、6.9mg/dl
LDL 2017年、206⇒2018年、215⇒2019年、142⇒2020年、149mg/dl
HbA1c 2017年、5.6⇒2018年、5.8⇒2019年、5.6⇒2020年、5.7%
空腹時血糖値 2017年、108⇒2018年、113⇒2019年、115⇒2020年、111mg/dl

肉中心のスーパー糖質制限食で、HbA1cは基準値内で絶好調ですね。
2018年から2019年は、肉中心から魚中心に切り替えて、
尿酸値とLDLコレステロール値が見事に改善しています。
これはわかりやすいです。

スーパー糖質制限食実践者の場合は、
HDLコレステロール値が60mg/dl以上となり、
中性脂肪値が80mg/dl以下となるので、
たとえ、LDLコレステロール値が215mg/dlあっても、
小粒子LDLコレステロールや酸化LDLコレステロールはほぼ皆無で、
標準の大きさの善玉LDLコレステロールであり、問題無いのですが、
まあ、基準値のほうが気分は良いですかね。

私は、「四つ足肉(牛や豚)」「魚貝や鶏」を半々くらいですが、
最近のデータは
尿酸:3.8mg/dl(3.4~7.0)
LDL-C:126mg/dl(140未満)
HbA1c:5.8%
です。
2002年にスーパー糖質制限食を開始して以降は、
いつも同様のデータです。
私自身は、酸化ストレスが極めて少ないので、
抗酸化作用がある尿酸も極めて低いのかなと思っています。


まー さんの空腹時血糖値は、境界型レベルです。
空腹時血糖値だけが境界型の場合は、
食後高血糖タイプに比べて、糖尿病合併症リスクは少ないです。
スーパー糖質制限食実践で、食後高血糖はないので、
薬は必要無いと思います。
食後高血糖の場合は、糖尿病に近いくらいの糖尿病合併症リスクがあります。

薬なしで、<インターバル速歩>を実践してみましょう。
<3分間の速歩⇒3分間のゆっくり歩き>これを5セット/日です。
これで、早朝空腹時血糖値が境界型なのが、正常レベルに改善すると思います。
私も曉現象がありますが、
<インターバル速歩>をしっかり実践したら、
110~115mg/dlくらいだったのが、
最近は、103、104、100、106mg/dlとか109mg/dl以下となりました。


以下の本ブログをご参照頂ければ幸いです。
(☆)
『インターバル速歩』と体力、『一日に8000歩』との比較で優位。
2019年09月10日 (火)
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-5007.html



江部康二

とんかつ定食とざるうどん、糖質量は同一でも食後血糖値に差。
【20/06/19 金魚
質問です。
とんかつ定食など、たんぱく質や脂質が多い
食事だと2時間後の血糖値は140くらいですが、
たまにざるうどんを食べると、2時間後でも
血糖値が240くらいになります。
※量は、普通の1人前です。

食前の血糖値は、96前後、糖質量は、
どちらも70g程度です。

糖質制限をしている背景もありますし、
とんかつ定食の場合、GLP-1やGIPにより、
インスリンが分泌されているから食後の
血糖値が低くなっているのだと思いますが、
そもそもインスリンが出ているのであれば、
酸化ストレスやAGESのことを考えると、
食後の血糖値が140くらいでもご飯は、
食べない方がいいですか?

宜しくお願いします。】



こんばんは。
とんかつ定食とざるうどん、合計糖質量は同一なのに
食後血糖値の上昇に大きな差があると、
金魚さんに、コメント・報告を頂きました。

可能ならば、もう一度実験されて、
とんかつ定食摂取1時間後血糖値と
ざるうどん食後1時間血糖値を測定してみましょう。
食前⇒食後1時間血糖値⇒食後2時間血糖値
の測定ですね。

さて、GLP-1には、インスリン分泌促進やグルカゴン分泌抑制以外にも、
脂肪分解を促進したり、心機能を保護したりする効果があります。
また、GLP-1は骨格筋における筋組織の血流増加やGLUT4の発現増加を促します。
このように、GLP-1はいろんな作用で血糖値を下げてくれるとてもいい奴なのです。
GIPは、GLP-1に比べると、効果はかなり小さいです。

1)一価飽和脂肪酸、2)多価不飽和脂肪酸、3)食物繊維
例えば、オリーブオイル豊富な地中海料理は、
糖尿病食としてすでに一定の評価を得ていますが、
一価飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸、食物繊維が豊富なのです。
この3つの栄養素が、
GLP-1の分泌を高めてくれることが大きなプラスとなっているのです。

とんかつ定食は、キャベツがあるので食物線維はOKです。
豚肩ロース脂身つき100g当たり、
総脂質量:23.29g
飽和脂肪酸:9.95g 
一価不飽和脂肪酸:10.82g
多価不飽和脂肪酸:2.52g


豚脂に含まれる飽和脂肪酸のうち、約15%を占めるステアリン酸は、
HDLコレステロールを増やす働きがあり、動脈硬化を予防する効果があります。
そして一方の不飽和脂肪酸は豚の脂肪酸のうち60%を占めていて、
その約80%がオレイン酸(一価不飽和脂肪酸)です。
豚脂は、一価飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸も豊富で、意外にもヘルシーなんですね。

とんかつ定食なら、
1)一価飽和脂肪酸、2)多価不飽和脂肪酸、3)食物繊維
の3つの栄養素をしっかり含んでいていて、
GLP-1の分泌を高めてくれることとなります。


【そもそもインスリンが出ているのであれば、
酸化ストレスやAGESのことを考えると、
食後の血糖値が140くらいでもご飯は、
食べない方がいいですか?】


そうですね。
インスリンの功罪のうち、功のほうは医師もよく説明してくれるのですが、
罪のほうは、ほとんど説明してくれないです。
しかし、過剰のインスリンは、活性酸素を発生させて酸化ストレスリスクとなり、
老化、動脈硬化、がん、アルツハイマー病などの元凶となります。

従って、仰る通り、血糖コントロールができている限り、
インスリンの血中濃度は低ければ低いほど身体には優しいと言えます。

そうなると、一番好ましい食事は
スーパー糖質制限食を実践して、
必要最小限のインスリン分泌で血糖コントロールしていれば、
酸化ストレスリスクも最小限となり、AGEs蓄積も最小限となります。

やはり、美味しく楽しく末長く、スーパー糖質制限食実践で、
健康長寿を目指すのがお薦めですね。


江部康二

「GLP1ダイエット」よりも「糖質制限ダイエット」がはるかに有効。
【ヤフーニュース 共同通信
https://news.yahoo.co.jp/articles/f048418835389fdeca2315b9c883a3ee1cee8707  

糖尿病薬使うダイエットに警鐘 「副作用の恐れ」と医師会6/17(水)   

日本医師会(日医)の今村聡副会長は17日の記者会見で、
医療機関が糖尿病治療薬をやせ薬として使う「GLP1ダイエット」と
呼ばれる減量方法に関し、
下痢などの副作用が出る恐れがあるとして、安易に利用しないよう注意を呼び掛けた。
「やせるホルモン」などとの宣伝で自由診療が広がっており、
今村氏は「医薬品の適正使用の観点から禁止すべきだ」と訴えた。 
この薬は本来糖尿病治療に使われる「GLP1受容体作動薬」。
美容整形外科を中心に「1日1回注射するだけ」「空腹感を抑えられる」などとうたい、
全額自己負担の自由診療で使っている。】


ヤフーニュースに安易な「GLP1ダイエット」は副作用の恐れありという
日本医師会のコメントが掲載されました。
都内河北 鈴木 さんから、情報をコメントを頂きました。
ありがとうございます。

<GLP1ダイエットの効果はごく僅か>
確かにGLP1製剤である「リラグルチド」(商品名:サクセンダ)は
アメリカでは2014年に肥満症の治療薬として承認されています。
一日1回の皮下注射です。
しかし、高血圧,2型糖尿病もしくは高コレステロール血症の
少なくとも1つ以上の体重関連疾患をもっている患者に対する
運動療法・食事療法の補充療法であり、あくまでも補助的な位置づけです。

また、その体重減少効果といっても日本国内で行われた臨床試験において、
投与開始24週後の体重変化量は、リラグルチド投与群において-0.92kgでした。
つまり、毎日注射打っても、半年で1kgも体重は減らなかったということで
体重減少効果はとても弱いです。
こんなものに全額自己負担の自由診療で、手間暇とお金をかけても
得られるものはごく僅かであり、全く割りに合いません。

GLP1製剤は、糖尿病患者さんには健康保険内で使用できて
有効性が証明されている良い薬ではあります。
副作用はありますが、インスリンやSU剤に比べれば、かなり少ないので
有用な薬剤と思います。

そして、減量が必要な方には
「GLP1ダイエット」よりも「糖質制限ダイエット」がはるかに有効です。


<スーパー糖質制限食と体重減少>
スーパー糖質制限食なら、 運動量不変で、体脂肪が減ります。
例えば、血中総ケトン体の基準値は、26~122μM/Lですが、
スーパー糖質制限食実践中は、 400~1000~2000μM/Lくらいに上昇します。
肝臓で脂肪酸の分解物のアセチルCoAからケトン体を作ります。
ケトン体の上昇は、まさに脂肪が燃えている証拠ですね。
かくいう私も、52歳のとき、167cm、67kgから、運動量は不変で、
半年で57kgになり10kg減量し、学生時代の体重に戻りました。

階段は駆け上がるし、週1テニスは普通にしてましたので、
筋肉は落ちていないと思いますので、脂肪が燃えて減量できたと考えられます。
70歳現在も57kgで、階段は駆け上がります。
但し、4階くらいまでですが・・・。(^^;)

なお、筋肉は年齢相応ていどあるいは少し多いかもしれません。
筋トレはしていませんが、<インターバル速歩>を物心ついたころから、
実践していて、成人後もずっと続けているからです。
要するに、人生のほとんどで、基本は常に速歩なので、
期せずして<インターバル速歩>をほぼ毎日していたこととなります。

さて、次いで、糖質制限食で何故、脂肪が燃えて減量できるのかを考えて見ます。
まず、インスリンについて考えて見ます。

<肥満ホルモンインスリン>
◇インスリンは脂肪細胞内の中性脂肪分解を抑制します。
◇インスリンは血中の中性脂肪を分解し脂肪細胞内に蓄えます。
◇インスリンは筋肉細胞に血糖を取り込ませますが、
 余剰の血糖は脂肪細胞に取り込ませて中性脂肪として蓄えます。
◇肥満のメカニズムはインスリンによる脂肪蓄積と考えられます。
◇インスリンを大量に分泌させるのは、糖質のみです。
◇インスリンは、別名肥満ホルモンと呼ばれています。


<スーパー糖質制限食の4つの利点>

◆<スーパー糖質制限食による体重減少効果>
①インスリン(肥満ホルモン)追加分泌が少量ですむ。
②食事中も含めて常に体脂肪が燃えている。
③食事中も含めて常に肝臓で糖新生が行われ、それにかなりのエネルギーを消費する。
④高タンパク食により、食事誘発熱産生(DIT)が亢進する。

高蛋白食は、摂食時の食事誘発熱産生(DIT)が通常食に比べて増加します。
DITによる消費エネルギーは、実質吸収エネルギーの、糖質では6%、脂質では4%、タンパク質で30%です。
食事誘発熱産生(DIT)を、もっと簡単に説明すると、食事において
100キロカロリーの糖質だけを摂取した時は、6キロカロリーが、
100キロカロリーの脂質だけを摂取した時は、4キロカロリーが、
100キロカロリーのタンパク質だけを摂取した時は、30キロカロリーが
熱に変わり、消費エネルギーとしてカウントされるということです。

◆<糖質を摂取した場合>
A)血糖値が上昇してインスリン(肥満ホルモン)がたっぷり分泌される。
B)体脂肪は燃えなくなり、血糖値が中性脂肪に変わり蓄積される。
C)肝臓の糖新生はストップする。
D)高タンパク食よる亢進した食事誘発熱産生(DIT)はなくなる。

<結論>
①②③④とA)B)C)D)両者を比べてみれば、高糖質食より糖質制限食の方が、
体重減少効果が高いことが一目でわかると思います。
たとえ低脂質食でカロリー制限していても、
糖質を摂れば体重減少への利点がすべて消えてしまうわけです。
これは食べ物に含まれるカロリーとは無関係の生理学的な特質であり、
あくまで糖質を摂るかどうかがカギとなります。


江部康二

「メタボレスラボ」さん、「パンブエノ」さんのご紹介。
こんばんは。

「メタボレスラボ」さん、「パンブエノ」さん
ご紹介です。
メタボレスラボ https://metaboless-labo.stores.jp/items/5d95463bbc45ac211708bdd8
パンブエノ http://picpanzee.com/panbueno.0501


メタボレスラボさんは、こうじ江部粉を発売しておられます。  
江部粉専門のベーカリーPan bueno(パンブエノ)さんが
糖質制限な『こうじ江部粉パン』を作っておられます。
プレーン、シナモン、クルミ、抹茶クリームチーズ、
ハリネズミチョコチョコ、ジャックオーランタンなどの
様々なこうじ江部粉パンを販売中です。
さらに新作の糖質制限パンもどんどん登場のようです。血糖値上昇ほとんどなしなのは私が実験で確認済みです。
また美味しさも私が保証致します。読者の皆さん、是非一度お運びあれ。

こうじ江部粉の命名は、
『江部こうじ』と『紅こうじ』『米こうじ』
を掛け合わせて誕生したそうです。
 
『京都江部粉』『こうじ江部粉』
はいずれも、研究開発段階で、私が自己測定器で血糖値を何度も何度も検査して、
調整を重ねて、やっと完成にこぎつけた珠玉の逸品です。
まさに血と汗と涙の一品です。
 
糖質制限なパンが、簡単に作成できます。
日本全国の糖質セイゲニストでパン好きの方々、
是非一度、お試しあれ。
 
 
江部康二
 
 
☆☆☆
以下は
メタボレスラボさんからの紹介文です。
 
【メタボレスラボは「こうじ江部粉」を販売しています。
こうじ江部粉は、高雄病院の江部康二先生にご監修いただいた京都江部粉をベースに、
紅麹と米麹をミックスして作られた糖質セイゲニストのためのミックス粉です。
 
特長は下記のとおりです。
こうじ江部粉を使用すると、糖質を抑えた食物繊維たっぷりのパン、
お菓子を作ることができます。
こうじ江部粉に含まれている糖質量は100gあたり11.0g(エリスリトールを除く)、
食物繊維量は23.4gです。
パンにすると、糖質量は100gあたり約5.8g(エリスリトールを除く)で、
一般的なロールパンに比べると糖質は
88%もカットされ、食物繊維量は12.3gで約6倍にもなります。
 
こうじ江部粉は癖の強いふすま、大豆粉を使用しておりませんので食べやすく、
こんにゃく配合により、パンにモチモチした食感を与えます。
 
こうじ江部粉には2種類の麹を配合しております。
米麹はパン生地のソフト化と、ほのかに甘い香り(発酵香)の付与が期待できます。
紅麹はモナコリンK、GABAを含み、健康食品素材として注目されております。
紅麹配合により、うっすらとかわいい色がつきます。
是非一度、癖になる不思議な味覚と食感をお楽しみください!】
LDLコレステロール値高値。眼科。循環器科。頸動脈エコー。
【20/06/15 ゆきんこ

江部先生
はじめまして
糖尿病ではない、46歳女性です。
いつも、糖質制限+アルファの情報をありがとうございます。
それに頼りながら、健康の為、スーパー糖質制限を行っております。

50肩と肩の腱断裂でリハビリをしておりましたが、効果が全くなく半年。
糖質制限をすると一週間で8割治り、スーパー糖質制限にはまりました。

40才を超えて出た、冷えのぼせや、体の冷えなどの体の不調もなくなりました。
体重コントロールに気を取られず、BMIを20を保っております。
糖質制限を1年半ほど続けておりますが、コレステロール値が高い事だけが気になる点ですごしておりましたが、
江部先生のブログを読ませていただき、
糖質制限前の食生活なども影響してコレステロール値が落ち着くまで時間がかかることも承知だったので、
放置しすごしておりました。
が、しかし子宮筋腫の治療で、ゾラデックス6か月、ジェノゲスト(エストロゲンを低下させる)を1か月処方されたところから、
コレステロール値がさらに上がり、糖質制限に理解のない医師の為、
かかりつけ医(内科)にスタチン(ロスバスタチン)を処方されました。
飲まずにいられないのか?ゼチーアを処方してもらうことをお願いできないのか?と考えながらおります。
家族性高コレステロールかどうかも教えてもらえず、聞くと話をそらされ、
コレステロール値のみを見て、即飲まなければ、死ぬよのニュアンスで、
相談すら出来ない状況で苦しく思っております。
親族で心疾患などで亡くなったものはおりません、父母の両家系とも平均寿命以上を生き長寿であります。
糖質制限に理解のある医師は私の住む地方都市にはおらず、
どう医師に話をしてよいかもわからなくなってきております。
もし可能であれば助言おねがいできませんでしょうか?
2020年6月 LDL 347 HDL76 中性脂肪97
2019年12月 LDL  243 HDL93 中性脂47(糖質制限中・ゾラデックス処方前)
2018年7月 LDL176 HDL61 中性脂肪77 (糖質制限前)】



ゆきんこさん。

『50肩と肩の腱断裂でリハビリをしておりましたが、効果が全くなく半年。
糖質制限をすると一週間で8割治り、スーパー糖質制限にはまりました。』

これは素晴らしいですね。
スーパー糖質制限食で全身の血流・代謝が良くなるので、
改善したのでしょう。


『40才を超えて出た、冷えのぼせや、体の冷えなどの体の不調もなくなりました。
体重コントロールに気を取られず、BMIを20を保っております。』

こちらも良かったです。
スーパー糖質制限食実践で、
「食後高血糖」「食後高インスリン血症」「血糖変動幅増大」といった
『酸化ストレスリスク』が最小限となるので、様々な症状の改善が期待できます。

酸化ストレスはがん以外にも、動脈硬化、老化、糖尿病合併症、アルツハイマー病、メタボリックシンドローム、
パーキンソン病、狭心症、心筋梗塞、慢性炎症などに関与することが明らかとなっています。

また、AGEsの蓄積も最小限ですむので、
<糖化⇒老化>というパターンが予防できるので、
皮膚のしわ、身長の縮み、聴力低下、視力低下、歯周病や虫歯といった
老化に伴う症状が、最小限ですむのも大きな利点です。


『家族性高コレステロールかどうかも教えてもらえず、聞くと話をそらされ、コレステロール値のみを見て、
即飲まなければ、死ぬよのニュアンスで、相談すら出来ない状況で苦しく思っております。』

2018年7月 LDL176 HDL61 中性脂肪77 (糖質制限前)
2019年12月 LDL  243 HDL93 中性脂47(糖質制限中・ゾラデックス処方前)
2020年6月 LDL 347 HDL76 中性脂肪97


糖質制限食前のLDLコレステロール値は176mg/dlであり、
糖質制限食実践中で243mg/dl、ゾラデックス処方後に347mg/dlと増加なので、
家族性高コレステロール血症の可能性はありません。
家族性高コレステロール血症の場合は、
生まれつきLDLコレステロールが高いのが特徴です。

糖質制限食実践で、善玉の大きなサイズのLDLコレステロールが増えますので、
血中LDLコレステロール値は上昇しますが、
悪玉の小粒子LDLコレステロールや酸化LDLコレステロールはほとんどないので心配ありません。

HDLコレステロール値が60mg/dl以上あって、
中性脂肪値が60mg/dl以下の場合は、
悪玉の小粒子LDLコレステロールや酸化LDLコレステロールは、皆無なので
LDLコレステロール値243mg/dlでも、問題なしです。

さらに、エストロゲンには、LDLコレステロールを下げる作用があります。
ゾラデックスやジェノゲストの内服で、血中エストロゲン濃度が低下すれば、
必然的にLDLコレステロール値は上昇します。

ということで、LDLコレステロール上昇は心配ない可能性が高いです。
主治医が心配されているのは、LDLコレステロール値が高値だと
動脈硬化となって、心筋梗塞などを起こすのではないかということと思います。

従って、ご本人と主治医の安心、安全のために、
眼科で眼底検査、循環器科か脳外科で頸動脈エコー、
循環器科で心電図と心エコーを検査しておけば、さらによいと思います。
これらの検査で、大丈夫なら、例えLDLコレステロール値が高値でも、
現実には動脈硬化は生じていないこととなり、安心です。

なお、糖質制限食実践で、食品から摂取するLDLコレステロールが増えたために
血中LDLコレステロール値が上昇した場合は、ゼチーアで劇的にLDLコレステロール値が低下します。
100mg/dl以上下がることもあります。


江部康二
国際がん研究機関 (IARC) による発がん性分類について
こんにちは。

厚労省から発表された2017年の統計で、
日本人の死亡原因の1位は、「悪性新生物(がん)」です。
日本人の2人に1人ががんにかかり、3人に1人ががんで死亡しています。

人工甘味料や添加物などに関して、
発がん性とかいろいろ雑誌や本やマスコミなどに書かれていますが、
ほとんどが信頼度の低いもので根拠も明らかではありません。

化学物質、混合物、環境の発がん性リスクに関して、
国際がん研究機関 (IARC)が詳細に検討しています。
これが一番信頼度が高いと思われます。

正確な最新情報は、
IARC のウェブサイト
http://monographs.iarc.fr/
https://monographs.iarc.fr/list-of-classifications/
で確認して頂ければ幸いです。

簡便には、ウィキペディアに、
国際がん研究機関 (IARC)の翻訳版が掲載されています。(☆)

例えばアルコール飲料には、明確な発がん性があります。
私はそれを承知の上で毎日お酒を嗜んでいますが・・・。.
太陽光にも、発がん性が認められますが、私は毎日浴びています。
外で、テニスをすることもあります。
ガソリンにも発がん性がが疑われるそうですが、私は毎日ガソリン車に乗っています。
コーヒーにも発がん性が疑われるそうですが、承知の上で私は毎日飲んでいます。
結局、地球上の文明国で生活している以上は、
発がんリスクゼロにするのは不可能です。

私の場合は、医学的に明白な発がんリスクである「高血糖」「高インスリン血症」を、
スーパー糖質制限食で予防していますので、
日本でガソリン車を運転して普通の生活環境で暮らしていますが心配はしていません。
高血糖、高インスリン血症は活性酸素を発生させ「酸化ストレス」を生じ、発がんリスクとなります。

以下はウィキペディアから、ごく一部を抜粋です。

IARC発がん性分類について

1. グループ1(ヒトに対する発癌性が認められる化学物質、混合物、環境)

【化学物質】

・アフラトキシン、アスベスト、ヒ素、更年期以降のエストロゲン 療法、プルトニウム、X線照射など
・太陽光曝露
・ヘリコバクター・ピロリ感染
・B型肝炎ウイルスの慢性感染
・C型肝炎ウイルスの慢性感染
・HIV-1ウイルスの感染
・ヒト-パピローマウイルス16型の感染
・ヒト-パピローマウイルス18型の感染

【混合物】

・アルコール飲料
・加工肉
・ビンロウジュの実

【環境】

・タバコの喫煙
・紫外線を発する日焼けマシーン

2. グループ2 (ヒトに対する発癌性があると考えられる、化学物質、混合物、環境)

2-1. グループ2A(ヒトに対する発癌性がおそらくある (Probably Carcinogenic)、化学物質、混合物、環境)

【化学物質】

・紫外線A
・紫外線B
・紫外線Cなど

【混合物】

・ディーゼルエンジンの排気ガス
・65℃以上の熱い飲み物

【環境】

・美容・理容に従事
・石油精製に従事

2-2. グループ2B(ヒトに対する発癌性が疑われる (Possibly Carcinogenic)、化学物質、混合物、環境)

【化学物質】

・アセトアルデヒド
・ワラビ属のシダ
・カーボンブラック

【混合物】

・コーヒー
・ガソリン
・ガソリンエンジンの排気ガス
・重油

【環境】

・大工
・建具作業に従事
・金属コバルトを扱う
・ドライクリーニングに従事
・印刷作業に従事
・服飾製造業に従事

グループ3(ヒトに対する発癌性が分類できない、化学物質、混合物、環境)
(502種類)※
「ヒトに対する発がん性について分類できない。」ということの詳細は、
農林水産省のサイトによると、以下の如くである。
・ヒトへの発がん性については不十分な証拠しかなく、
  実験動物についても不十分又は限られた証拠しかない場合
・他のグループに分類できない場合

グループ4(ヒトに対する発癌性がおそらくない、化学物質、混合物、環境)


(☆)
ウィキペディア IARC発がん性リスク一覧
https://ja.wikipedia.org/wiki/IARC%E7%99%BA%E3%81%8C%E3%82%93%E6%80%A7%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%82%AF%E4%B8%80%E8%A6%A7

IARC発がん性リスク一覧は、
国際がん研究機関 (IARC) による発がん性を有する対象の一覧である。

この表の見方は項目発癌性を参照のこと。
2019年1月に、その名称がIARC発がん性対象一覧に変更された。
その前文に示されるように、この一覧の分類法が、
がんを発現させる蓋然性(probability)に基づくのではなく、
その特性(capability)についての根拠の十全さに基づいていることに留意すべきである。[1]
一部の項目については、最新の情報を反映していないおそれがある。
最新の分類については IARC のウェブサイト IARC Monographs Programme on the Evaluation of Carcinogenic Hazards to Humans で確認されたい。


江部康二
決定版! 作りおき&帰ってすぐでき!糖質オフのやせる!ラクうまレシピ350
rakuuma.jpg

【Amazon商品リンク】

こんにちは。

決定版! 作りおき&帰ってすぐでき!糖質オフのやせる!ラクうまレシピ350
(ほめられHappyレシピ)
大形本 2020/6/15 ナツメ社

江部康二 (著), 新谷友里江 (著)
https://www.amazon.co.jp/dp/4816368647/


6月15日(月)刊行です。

本書は簡単に作れる糖質オフのレシピを350種ほど紹介しています。
従来のカロリー制限食の場合、つらい思いをしてもやせることは、とても難しく、
そもそもひもじくて長く続けることはほとんど不可能です。
その点、糖質制限食なら、厚生労働省のいう「推定エネルギー必要量」を、
しっかり摂取してよいので、満足感や満腹感があり、
しかも減量効果が速やかにでることでモチベーションも高まるため、
長く続けることが可能になります。

ただ、糖質オフメニューをつくろうとしても、
各人の料理のレパートリーって、そんなに多くないと思います。
本書は、冷凍作りおき、冷蔵作りおき、速攻レシピが満載で、
時短でラクに簡単に料理ができます。
レシピは糖質10g以下が基本であり、小鉢では、5g以下がほとんどで
スーパー糖質制限食に対応しています。

糖質を食べて血糖値が上昇すると、分泌されたインスリンが血液中のブドウ糖を
筋肉に取り込ませることで血糖値を下げますが、余ったブドウ糖は全て中性脂肪に
変えられ、脂肪細胞に蓄えられます。
これがインスリンが肥満ホルモンと言われる理由です。
一方、たんぱく質と脂質は直接血糖値を上げることはないので、食べても太りません。
糖質制限食なら肥満ホルモンインスリンの分泌が最小限ですむので
スムースな減量が可能なのです。

いざ減量のために糖質制限食を始めたとして、
料理の手間暇がなかなかのハードルとなります。
そこで、家庭で作る糖質オフ簡単レシピの出番です。
ラクに続けることができ、毎日美味しく楽しく食べられます。
本書が、読者の皆様の家庭内糖質制限食実践においてお役に立てれば幸いです。


江部康二
日本の死者はなぜ少ない?…新型コロナ諸説を探る。交差免疫説。
こんにちは。
https://mainichi.jp/articles/20200609/k00/00m/040/201000c
日本の死者はなぜ少ない? 肥満、マスク、遺伝子…新型コロナ諸説を探る

2020年6月10日 毎日新聞朝刊に上記記事が載っていました。

その中で、「交差免疫」説とは?
に関して、京都大の上久保靖彦先生から、直接コメントを頂きました。
上久保先生、ありがとうございます。勉強になります。

『抗体の陽性が低いから間違いとのご意見について
江部先生御侍史
 平素はお世話になりまして誠にありがとうございます。
抗体検査の結果が低いから間違いとおっしゃっておられます点。
それは誤解です。
無症候性の多いコロナの場合、
抗体キットのカットオフ値を非常に高くセットしていますので、
全部陰性に出てしまっているだけです。上久保靖彦拝
2020/06/13(Sat) 15:01 | URL | 上久保靖彦 |』


私は、ソフトバンクグループ4万4000人余りのうち、
0.43%に当たる191人が陽性。(2020年5月中旬~6月8日まで)
という記事をみて、単純にそのまま、陽性率0.43%とかなり低いと思いました。
しかし、上久保靖彦先生がご指摘のように
「無症候性の多いコロナの場合、
抗体キットのカットオフ値を非常に高くセットしていますので、
全部陰性に出てしまっているだけ」

といった裏事情は全く知りませんでした。
カットオフ値を通常程度にセットすれば、
抗体陽性率は激増するというわけですね。
情報は、単純に鵜呑みにはできないということをご教示頂きました。

残る疑問は、何故、『抗体キットのカットオフ値を非常に高くセット』
して感染者数が実数より少数に見えるようにする必要があったのかという
ことですね。


江部康二



♪∞♪∽♪∝♪∞♪∽♪∝♪∞♪∽♪∝♪∞♪∽♪∝♪∞♪
以下
6月10日の本ブログ記事
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-5270.html
日本の死者はなぜ少ない?肥満、マスク、遺伝子…新型コロナ諸説を探る


「交差免疫」説とは?
 過去に新型コロナと似たウイルスに感染したことで獲得した免疫が、新型コロナにも作用しているとする「交差免疫」説を唱える専門家もいる。
 東京大先端科学技術研究センターの児玉龍彦がん・代謝プロジェクトリーダーのチームが、新型コロナ感染者の血液を調べると、IgGがIgMより先に増えた人がいた。アジアの人の間で新型コロナに似た別のウイルスが以前に流行して免疫が獲得された証左といい、新型コロナに感染した際に交差免疫が働いた可能性があると指摘する。
 米科学誌セルに発表した論文によると、新型コロナが発生する以前の2015~18年に米国で集められた20人分の血液の約半数で、新型コロナに反応する免疫細胞が検出された。
 一方、京都大の上久保靖彦特定教授らのチームは免疫に関係した別の説を提案。日本では入国制限の遅れから病原性の弱いタイプの新型コロナウイルスが広がって免疫が作られ、後に病原性の強いタイプが入ってきても、この免疫が働いたため被害が小さかったと主張。



IgGがIgMより先に増えた人がいたということは、すでに免疫を獲得していた人で交差免疫が働いた可能性が示唆されます。

セルの論文で、
「新型コロナ発生以前の2015~18年に米国で集められた20人分の血液の約半数で、新型コロナに反応する免疫細胞が検出された」ということは、
交差免疫が作動した可能性が高いです。

ソフトバンクグループは、社員や医療関係者らを対象に独自に行った新型コロナウイルスの抗体検査の結果を速報値として公表。4万4000人余りのうち、0.43%に当たる191人が陽性。(2020年5月中旬~6月8日まで)
上久保教授の説のようにすでに病原性の弱いタイプの新型コロナウィルスが前もって広がっていたならば、0.43%という結果は少なすぎます。つまり0.43%という低い数値は、新型コロナウィルスが前もって広がっていなかった証拠と言えます。


江部康二
食後血糖値の上限は?HbA1cの問題点は?質の悪いHbA1cは?
【20/06/12 西村典彦
Re:適切な糖質の摂取量は?
早速にご回答ありがとうございます。
160mgが上限との事ですが、、私の場合、
HbA1c6.9と比較的低めで眼底出血痕が見つかったこともあり、
バーンスタイン医師の「糖尿病の解決」を参考に
出来るだけ140mgを超えないようにしています。
今は糖質制限で出血痕は消失しています。

糖質量の下限は、
糖質ではなくその他の必須栄養素の摂取に伴って
2次的に摂取されるのであってゼロでも問題ないと言う事で理解しました。

ありがとうございました。】



こんばんは。
西村典彦さんから、コメントを頂きました。
食後血糖値の上限とHbA1cの問題点について、検討してみます。

<食後血糖値>

国際糖尿病連合(International Diabetes Federation:IDF)2011年
「食後血糖値の管理に関するガイドライン」
は2007年のガイドラインに比べて、それほど大きな変化はなく、
いずれも食後高血糖のリスクを、列挙して明示しています。
食後血糖値は、食後1~2時間で測定されるべきで、
160mg/dl未満が目標とされています。
この数値は、多くのエビデンスに基づいて決定されているので、
食後血糖値が160mg/dl未満なら、糖尿病合併症の予防が可能
考えられます。
西村さんのように、食後血糖値140mg/dl未満なら、
確実に合併症予防ができます。

<HbA1c>

HbA1cは、糖尿病コントロールの指標として、一般に検査されていますが、
実は大きな欠陥があります。
すなわち、HbA1cは平均血糖値を反映していますが、
食後高血糖を見逃しやすいのです。

例えば糖質制限食を実践していて、<HbA1c:6.9%>なら
食後高血糖や平均血糖変動幅増大のない「質の良いHbA1c」です。

一方、従来の糖尿病食(カロリー制限高糖質食)を摂取しつつ、
インスリン注射やSU剤で治療していて<HbA1c:6.9%>で、
一見コントロール良好に見えても、
こちらは食後高血糖と平均血糖変動幅増大を伴う「質の悪いHbA1c」で、
実態には大きな違いがあるのです。
例えば食後血糖値が230mg/dlあっても空腹時血糖値が70mg/dlと
低めなら、HbA1cは6.9%くらいになります。
この「230mg ⇒ 70mg」 といった大きな変動幅が
最大の酸化ストレスリスクとなります。
これでは糖尿病合併症は防げません。

日本の2型糖尿病患者の2017年度の平均HbA1cは、7.03%です。
従って、日本糖尿病学会の合併症予防のための目標、7.0%未満まで、
あとほんのちょっとです。
ところが、2017年度も含めて、
毎年新たに、人工透析16000人以上、足切断3000人以上、失明3000人以上と
合併症は10年、20年減少していません。

このように合併症が多いままであることを考慮すれば、
日本の糖尿病患者さんの平均HbA1c7.03%というのは、
「質の悪いHbA1c」であると言えます。

西村さんのHbA1c6.9%で、眼底出血痕というのは、
糖質制限前のことでしょうか?糖質制限以後のことでしょうか?



江部康二
適正な糖質の摂取量は?
【20/06/11 西村典彦

いつもブログを拝見させて頂いております。

ラコさんのコメントもよく読ませていただいております。
私の母も認知症で今は、ホームのお世話になっており、
糖尿病はもとより認知症も他人ごとではありません。
ご著書は、アマゾンにて注文致しましたので、
手元に届き次第、読ませていただきます。

今日は、適正な糖質摂取量についての質問ですが、

糖質はどれくらいの量で毒性を示すのでしょうか。
また、反対に少なければ少ないほど(極端にはゼロでも)良いのでしょうか。
どんなものにも上限と下限が存在するように糖質にも存在すると思いますが、
糖質をゼロ(普通はできませんが)にすれば、どういう弊害が起こるのでしょうか。
または起こらないのでしょうか。
あるとすれば、その弊害をなくすにはどの程度の糖質摂取が必要なのでしょうか。

人により、また基礎疾患の有無などにより異なると思いますが、
適正な糖質摂取量の指標になるものはあるのでしょうか。
(例えば、私は、食後ピーク血糖値を140以下に保てる糖質量を通常の上限としていますが、
下限についての指標を持っていません。)
さらには、短期的な治療量と長期の維持量も異なるはずですが、
特に維持量は何を指標にすべきなのでしょう。
下記の直近の検査結果のように特筆すべき悪い点もなく、
目標があいまいになってきています。

何度も似たような質問をさせていただいているように思いますが、
未だに私なりの答えが見つからず、一喜一憂することが多いです。
答えと言うものがあるのかどうかも不明ですが、よろしくお願いいたします。

下記は5月の血液検査の結果です。糖質制限のおかげで正常値を保っています。
アルコールはほぼ毎日飲みますが、糖質制限以来、肝臓の数値も極めて良好です。
中性脂肪が初めて50を下回りましたし、
LDLもいつもこれくらいで変化していないので良しとします。

中性脂肪(11月) 84→(2月) 68→(5月) 47
LDL (11月)158→(2月)159→(5月)157

【5月の結果】
アルブミン     4.2
総コレステロール  250 ↑
LDL コレステロール 157 ↑
HDL コレステロール  78 ↑
中性脂肪       47
AST          18
ALT          16
γ-GT         17
血糖         98
HbA1c         5.9
クレアチニン    0.67
eGRF        93.8
尿素         5.6 】



こんばんは。
西村典彦 から、適正な糖質摂取量について、コメント・質問を頂きました。
西村さん、早速拙著をご購入頂きありがとうございます。

①糖質はどれくらいの量で毒性を示すのでしょうか。
国際糖尿病連合によれば、食後血糖値の目標は、1時間値も2時間値も
 160mg/dl未満です。
 つまり160mg/dl以上の血糖値は、血管内皮に害をなします。
 この目標ですが、各個人によって、許容糖質量は異なることとなります。
 Aさんは、1回の食事の糖質量が20gなら、食後血糖値は160mg/dl未満、
 Bさんは、1回の食事の糖質量が30gなら、食後血糖値は160mg/dl未満、
 Cさんは、1回の食事の糖質量が40gなら、食後血糖値は160mg/dl未満、
 Dさんは、1回の食事の糖質量が50gなら、食後血糖値は160mg/dl未満、
 Eさんは、1回の食事の糖質量が60gなら、食後血糖値は160mg/dl未満、

耐糖能に関していろんな人がいると思います。
スーパー糖質制限食で、1回の食事の糖質量が20g以下と設定しているのは、
重症~軽症まで、どんなタイプの糖尿人でも、この設定なら、ほとんどの人が
食後血糖値160mg/dl未満を達成できるからです。

②また、反対に少なければ少ないほど(極端にはゼロでも)良いのでしょうか。
どんなものにも上限と下限が存在するように糖質にも存在すると思いますが、
糖質をゼロ(普通はできませんが)にすれば、どういう弊害が起こるのでしょうか。
または起こらないのでしょうか。
あるとすれば、その弊害をなくすにはどの程度の糖質摂取が必要なのでしょうか。

 理論的には必須糖質はゼロでOKです。
 しかし、ヒトは、ビタミンCと食物繊維を食物から摂取する必要があります。
 そうすると、必然的に葉野菜、ブロッコリー、ピーマン、ゴーヤなどの糖質含有量の少ない野菜や、海藻、茸、ナッツ類などを
 摂取することとなります。
 従って野菜や海藻や茸分の糖質は、必然的に摂取されることとなります。
 1日2食の、江部康二の糖質摂取量は、<10g×2/日>くらいです。
 脂質とタンパク質に関しては、肉類、魚貝類、卵製品、乳製品、大豆製品は毎日充分量を食べています。

③人により、また基礎疾患の有無などにより異なると思いますが、
適正な糖質摂取量の指標になるものはあるのでしょうか。
(例えば、私は、食後ピーク血糖値を140以下に保てる糖質量を通常の上限としていますが、
下限についての指標を持っていません。)
さらには、短期的な治療量と長期の維持量も異なるはずですが、
特に維持量は何を指標にすべきなのでしょう。
下記の直近の検査結果のように特筆すべき悪い点もなく、
目標があいまいになってきています。

 食後ピーク血糖値140mg/dl以下なら、
 国際糖尿病連合の目標を軽くクリアしているので素晴らしいです。
 短期的な治療量と長期の維持量ですが、
 私は日々の毎回の食事の目標をクリアする糖質摂取量の積み重ねが、
 そのまま 長期の維持量になると考えています。
 つまり、毎回の食事で食後血糖値160mg/dl未満をクリアする糖質量を摂取して、
 それを日々積み重ねていけば、数年、10年、20年・・・と続いていきます。
 糖質量の下限ですが、1回の食事ならゼロでも大丈夫です。
 しかし、1日を通したら、野菜や海藻などで、食物繊維とビタミンCの補充は必要と思います。
 私は、このような考え方で、52歳から70歳まで、スーパー糖質制限食を実践していますし、今後も続けていこうと思います。
 
④総コレステロール  250 ↑
LDL コレステロール 157 ↑
HDL コレステロール  78 ↑
中性脂肪       47

  血糖値98mg/dl。HbA1c 5.9%。 と血糖値のデータも素晴らしいです。
  また、HDLコレステロールは78mgと60mgを超え
  中性脂肪値は47mgと60mg以下であり、LDLコレステロールも全て善玉で
  悪玉の小粒子LDLコレステロールや酸化LDLコレステロールは皆無であり、
  素晴らしいです。
  このまま、美味しく楽しく末長く糖質制限食を実践されて、健康長寿を目指して頂ければ幸いです。


江部康二
日本の死者はなぜ少ない?  肥満、マスク、遺伝子…新型コロナ諸説を探る
こんばんは。

https://mainichi.jp/articles/20200609/k00/00m/040/201000c

日本の死者はなぜ少ない? 肥満、マスク、遺伝子…新型コロナ諸説を探る


2020年6月10日 毎日新聞朝刊に上記記事が載っていました。


以下の青字は、毎日新聞記事の要約です。
黒字は私の見解です。

新型コロナウイルス感染が世界中に拡大する中で、日本を含むアジア地域で報告されている感染による死者の割合は、今のところ欧米各国に比べて少ない。米紙ワシントン・ポストが「新型コロナのミステリーの一つ」として検証記事を組むなど、世界的に注目を集めているが、差をもたらす背景には何があるのだろうか。【岩崎歩、柳楽未来、小川祐希】

米メディアは「ミステリー」と表現
 新型コロナウイルスの死者数は、地域で大きな違いがある。欧米では、人口100万人あたりの死者数が100人を超える国が少なくない(6日現在)。最も多いのは英国で593.1人。欧州の中では比較的少ないドイツでも103.2人だ。米国では3月以降感染者が爆発的に増え、329.7人に上る。
 一方、アジア各国・地域はこれらの国と比べて2桁も少ない。比較的多い日本でも7.2人。韓国は5.3人、台湾にいたっては0.3人に抑えている。
 中でも、日本で死者数が少ないことは、海外メディアには特に不思議に映るようだ。ワシントン・ポスト(電子版)は5月28日、研究者の注目を集めるこの「ミステリー」を検証する記事を掲載した。
韓国のようにPCR検査を大量には実施していなかった日本で死者数が少ないことについては「多くの科学者が困惑している」と指摘した。
 米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は5月29日付の記事で日本のPCR検査数が先進各国より少ないことに言及。「感染の広がりを見えなくし、感染爆発と医療崩壊を招くと専門家は危惧したが、それは起きなかった」と驚きを示した。


確かに、欧米のメディアは、『日本の新型コロナへの対応は、PCR検査が少ないことも含めて、適切ではない。そのうち感染爆発が起こる可能性が高い』と、
こぞって述べていました。
しかし現実に、日本の感染者数、死者数ともに、欧米に比べると圧倒的に少なかったので、
欧米メディアにとって理解しがたいということで『ミステリー』と表現したのでしょう。
日本では欧米のようなロックダウンという厳しい規制はできないので、
外出の自粛と三密を避けるといったマイルドな要望だけで、成功しているので
不思議に思えるのでしょう。
東京の新規感染者にしても夜の街が3~4割を占めていますが、
ここは、三密を避けがたいということで説明できると思います。

肥満率は米71%、英64%に対し、日本は25%
 日本ではなぜ欧米より死者が少ないのか。重症化しやすい肥満の人が欧米より少ないこととの関連に注目する専門家もいる。
 15歳以上の人口に占める過体重・肥満(BMI25以上)の人の割合は米国が71%で、英国(64.3%)も高い。一方、日本は25.9%、韓国も33.7%にとどまる。
国立国際医療研究センターの大杉満・糖尿病情報センター長は「肥満の人は、高血圧や糖尿病などを併発している場合が多い。
肥満率の違いは一つの要因と考えられる」と話す。

 しかし、オーストラリアは過体重・肥満の比率は65.2%と英国並みなのに
2月1日に中国からの入国制限を開始するなどの対策を取り、
100万人当たりの死者はわずか4人。
 文化や生活習慣の違い、地理的な条件、医療水準など、さまざまな要因が複雑に関係していそうだ。
 欧米では予防のためのマスク着用が一般的ではなかったのに対し、日本の場合は無症状の人や軽症者がマスクをつけることで他者にウイルスをうつすことを防いできた可能性がある。


肥満は、明らかに新型コロナの重症化リスクなので、日本が韓国よりも
過体重・肥満が少ないことは、一定関与している可能性があると思います。
しかし、オーストラリアは英国並みの過体重・肥満率なので、100万人あたりの死者は
わずか4人と日本より少ないです。
これは、入国制限が有効であった可能性を示唆します。
ニュージーランドも、
早期からの入国制限で、新型コロナを予防することに成功しています。
その他、『握手やハグをしない』『マスクをする』『もともと手洗いする』『玄関で靴を脱いで履き替える』などの生活習慣もかなり関与していると思われます。

日本人特有の遺伝子? BCGワクチン説も
 新型コロナに感染した日本人に重症者が少ない背景に、日本人特有の遺伝子があるのでは――。そんな仮説を検証する研究が国内で動き始めている。
 慶応大や東京医科歯科大などは5月21日、新型コロナによる重症化と遺伝子の関連を調べる研究チームを発足させたと発表した。分析する対象は、無症状だった人も含め、新型コロナに感染した日本人計500~600人。血液検体を集めてゲノム(全遺伝情報)解析を行う。遺伝子配列と症状を分析し、重症化に関係する遺伝子の特定を目指す。最初の研究成果は、今年9月をめどにまとめる予定だ。
 世界的に話題になったBCGワクチンについては、豪州など海外の複数の研究機関で、感染予防や重症化との関連についての臨床試験が進む。
日本では乳幼児期にワクチンを接種するため、感染者が少ない要因の一つに挙げる意見もあった。
しかしWHOは2020年4月、「根拠はない」と表明した。
 イスラエルの研究チームは5月、大規模に感染者を調査した結果を米国医師会雑誌(JAMA)で発表した。イスラエルでは、すべての新生児を対象にBCGワクチンの接種を行っていたが、1982年からは一部の移民に絞った。
 チームは感染が疑われる症状が出てPCR検査を受けた79~81年生まれの3064人と、83~85年生まれの2869人を比較したところ、陽性率に有意な違いは確認されず、チームは感染予防について「効果があるという考えは支持しない」と結論づけた。一方で対象の感染者に重症例が少なかったため、「重症度との関連は結論を出せなかった」という。


新型コロナによる重症化と遺伝子の関連は興味深い研究であり、
2020年9月の結果発表が楽しみです。
一方、海外でずっと暮らしている在外邦人は、重症化率・致死率は欧米人とあまり変わらないという説もあり、遺伝子とは無関係の可能性もあります。

そしてBCGの有効性です。WHOは「根拠はない」と表明しています。
確かにRCTによるエビデンスはまだないのですが、疫学的研究では、BCG(日本株、ロシア株)を接種している国では、
人口100万人あたりの死亡者数が、BCGを摂取していない国に比べると圧倒的に少ないのです。
2020年5月8日
BCG接種あり
イラク人口:3843万 (2018年)感染者数:2,679人  死亡者数:107人
人口100万人あたりの死亡者数:2.8人

ロシア/人口:1.445億 (2018年)
19.9万感染
回復者:31916人
死亡者:1827人・・・人口100万人あたり、12.6人


BCG接種なし

アメリカ
アメリカ合衆国/人口:3.282億 (2019年)
134万感染
回復者:20.1万
死亡者:79696人・・・人口100万人あたり、242.8人

スペイン人口:4694万 (2019年)
22.4万感染
回復者:13.4万
死亡者:26478人・・・人口100万人あたり、564.1人

ドイツ  人口:8320万人(2019年)感染者数:171,324人死亡者数: 7,549人
人口100万人あたりの死亡者数:90.7人



イスラエルの研究は、BCGには、新型コロナ感染を防ぐ効果はないことを示しています。
一方、重症化・致死率を改善する可能性に関しては、結論はでていません。

「交差免疫」説とは?
 過去に新型コロナと似たウイルスに感染したことで獲得した免疫が、新型コロナにも作用しているとする「交差免疫」説を唱える専門家もいる。
 東京大先端科学技術研究センターの児玉龍彦がん・代謝プロジェクトリーダーのチームが、新型コロナ感染者の血液を調べると、IgGがIgMより先に増えた人がいた。アジアの人の間で新型コロナに似た別のウイルスが以前に流行して免疫が獲得された証左といい、新型コロナに感染した際に交差免疫が働いた可能性があると指摘する。
 米科学誌セルに発表した論文によると、新型コロナが発生する以前の2015~18年に米国で集められた20人分の血液の約半数で、新型コロナに反応する免疫細胞が検出された。
 一方、京都大の上久保靖彦特定教授らのチームは免疫に関係した別の説を提案。日本では入国制限の遅れから病原性の弱いタイプの新型コロナウイルスが広がって免疫が作られ、後に病原性の強いタイプが入ってきても、この免疫が働いたため被害が小さかったと主張。


IgGがIgMより先に増えた人がいたということは、すでに免疫を獲得していた人で交差免疫が働いた可能性が示唆されます。

セルの論文で、
「新型コロナ発生以前の2015~18年に米国で集められた20人分の血液の約半数で、新型コロナに反応する免疫細胞が検出された」ということは、
交差免疫が作動した可能性が高いです。

ソフトバンクグループは、社員や医療関係者らを対象に独自に行った新型コロナウイルスの抗体検査の結果を速報値として公表。4万4000人余りのうち、0.43%に当たる191人が陽性。(2020年5月中旬~6月8日まで)
上久保教授の説のようにすでに病原性の弱いタイプの新型コロナウィルスが前もって広がっていたならば、0.43%という結果は少なすぎます。つまり0.43%という低い数値は、新型コロナウィルスが前もって広がっていなかった証拠と言えます。


江部康二
名医が考えた認知症にならない最強の食事術(宝島) 実践者インタビュー
こんにちは。

名医が考えた 認知症にならない最強の食事術
宝島社


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以下の青字は、
名医が考えた認知症にならない最強の食事術(宝島社)
36~37ページ 実践者インタビュー

です。
アルツハイマー病が1週間で治ったという驚異の体験が語られています。
まずは、ご一読頂ければ幸いです。


36~37ページ
実践者インタビュー

「1週間の食事療法で思考と視界がクリアになった!」 

ラコさん (60歳)

 11年前、49歳時、若年性アルツハイマー認知症中期であることを自覚する出来事があったラコさん。
それは趣味のオペラチケット日を誤認したことから始まりました。

「自分が認知症を発症してわかったことは、
物事を認識できる日もあれば、認識できない日もあるということです。
2009年3月、月日が認識できなくなり、
2万円を超えるオペラ公演チケットに行けなかったことが極めてショックでした。
この時以来オペラ公演日を認識できず、何度も観賞できなくなりました。
 この一件に前後して、赤信号無視で何度もクラクションを鳴らされました。認識できないのです。
また買い物をした際におつりの勘定ができなくなりました。
とりあえず千円札で支払いを済ませ、小銭を財布にため込むようになっていました。
さらに2009年9月には両眼性複視を発症。
片目をつぶって歩くしかできず、階段昇降さえ不自由になり、頭痛もひどい。
このあたりで、糖尿病合併症をまず疑ったのです。」


そこでスーパー糖質制限食を実行したラコさんは、驚異の体験をします。

「まず、1週間もたたないうちに両眼性複視がおさまり、視界がクリアになりました。
おつりの勘定もできるようになっており、オペラ公演日がきちんと認識でき普通に観賞しました。
赤信号もきちんと認識できました。」


 体質的に異種タンパク質アレルギーをもつラコさんは様々な改良を加えました。

「スタートした当初は便秘がひどかったので、納豆を食べ始めました。
当初は1日75gで、今は1日30g。正直嫌いですが、年365日食べています」


 その甲斐もあり、2020年5月現在まで病状は再発していないということです。

「私の父親もアルツハイマー型認知症で、80歳時に信号待ちの赤信号が認識できず、
自動車にはねられて骨折しました。
現在の一般的な健康診断では空腹時の血糖値しかわかりません。
私は食後の血糖値を計測したことによって、
はじめて自分が糖尿病合併症と若年性アルツハイマーの危険にさらされていることがわかりました。
私の金銭的損害はオペラチケット代金だけでしたが、
父と同じく赤信号を認識できなかったので、もしあのまま放置していたら、
全く同じく車にはねられていたことでしょう」



オペラの公演日を、認識できなくなり、2万円もするチケットを何度も無駄にしてしまったこと、
赤信号を認識できずに信号無視で何度もクラクションを鳴らされたこと、
買い物でおつりの勘定ができなくなったことなど、認知症の症状が赤裸々に語られています。
これだけ症状が揃っていれば、どの医師が診察しても「認知症」の診断を下すと思います。
認知症の中でも、70%を占めるアルツハイマー病と診断されると思います。
しかも、49歳発症で、若年性アルツハイマー病です。

「アルツハイマー病の概要:
アルツハイマー病は、不可逆的な進行性の脳疾患で、記憶や思考能力がゆっくりと障害され、
最終的には日常生活の最も単純な作業を行う能力さえも失われる病気です。
ほとんどのアルツハイマー病の患者では、60歳以降に初めて症状が現れます。
アルツハイマー病は、高齢者における認知症の最も一般的な原因です。」


このようにアルツハイマー病は「不可逆的な進行性の脳疾患」なので、
一旦罹患した人が改善するということは、今までの医学常識では、あり得ません。

そのあり得ないはずの奇跡が、スーパー糖質制限食実践後、
1週間足らずでラコさんに起こったのです。

2009年9月に奇跡的復活を遂げて以降、2020年5月現在まで11年間、
改善を維持しておられるのは素晴らしい事実です。
このことは、スーパー糖質制限食実践において、
アルツハイマー病改善の長期的な効果が期待できることを、示唆しています。

ラコさんに起こったことは今後は、誰にでも起こる可能性があります。

スーパー糖質制限食が登場する前は、
アルツハイマー病は「不可逆的な進行性の脳疾患」でしたが、
スーパー糖質制限食が登場した以後は
アルツハイマー病は「可逆的で改善しうる脳疾患」となりました。

スーパー糖質制限食実践で、
認知症予備軍を予防する
認知症を予防する
認知症予備軍を改善させる
認知症を改善させる

この4つが可能となりました。


江部康二
名医が考えた 認知症にならない最強の食事術 2020年6月10日 宝島社
こんにちは。

名医が考えた 認知症にならない最強の食事術
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2020年6月10日(水) 刊行です。

4年前に開催された「京大医学部昭和49年卒同窓会」で、
「一番なりたくない病気は何?」という話題で盛り上がりました。
その結果、約60名の出席者全員が
「アルツハイマー病(認知症)」ということで一致しました。
 がんもこわい病気ですが、間に合えば完治できることもありますし、
転移があって完治が困難であっても、
基本的に意識は最後まで保たれることがほとんどということもあって、
「一番なりたくない病気はがん」と発言した同級生はゼロでした。

医師においても、「アルツハイマー病(認知症)」は最も怖いのです。

以下の青字は、本書のはじめにです。

はじめに

 私は1974年に京大医学部を卒業しました。
医師になり46年が経過して2020年現在70歳です。
同級生は110人卒業しましたが、10名はすでに逝去されました。
医者の不養生というわけでもないのですが、
仕事上の重責とか毎日のようなサービス残業とか、
精神的にも肉体的にもかなりストレスフルなのがこの職業なので、
医師は思った以上に短命なのです。
 岐阜県保険医協会が実施した調査(2008~2017年)で、
開業医の死亡時平均年齢が70.8歳と短く、
特に60歳代の死亡割合が34%と最も多いことが
明らかになりました。
厚生労働省の統計にある死亡時平均年齢(2015年)は、
男性が77.7歳、女性が84.3歳であり、明らかな差がありました。
日本人全体の死亡割合では80歳代がピークであり、
医師の60歳代がピークというのはいかにも若すぎます。
 さてこのように医師は短命という事実もあり、
4年に1回オリンピックの年に開催していた同窓会を、
誰がいつ死ぬかわかならいということで
近年は2年に1回と改めました。
4年前の同窓会で、
「一番なりたくない病気は何?」という話題となりましたが、
約60名の出席者全員が
「アルツハイマー病(認知症)」ということで一致しました。
 がんもこわい病気ですが、間に合えば完治できることもありますし、
転移があって完治が困難であっても、
基本的に意識は最後まで保たれることが
ほとんどということもあって、
「一番なりたくない病気はがん」と発言した同級生はゼロでした。
 認知症の患者とその予備軍は65歳以上では4人に1人もいます。
 認知症は、
日本のような高齢化社会におけるもっとも重要な疾患の一つです。
2018年現在わが国には約 462 万人の認知症患者が存在し、
さらに認知症予備軍と考えられる軽度認知障害の高齢者が
約 400万人もいます。
軽度認知障害 は、認知症への進行リスクが高く、
該当者は年率 10 ~15% で認知症に進行するとされています。
 このように増え続ける認知症ですが、
現代医学において根治につながる治療法はありません。
従って可能な限り早期に認知症および 軽度認知障害を発見して
なんらかの介入を行い、
進行を止めるあるいは症状を改善させることが求められます。
 認知症との関連で注目されている物質に AGEsがあります。
AGEs については本文で詳しく説明します。
AGEs は、糖尿病合併症(透析、切断、失明など)の元凶と
考えられてきましたが、
近年糖尿病のみでなく、動脈硬化進展の主役の一つとされ、
老化、認知症、慢性炎症、腎不全などにも関与していることが
判明しました。
 糖尿病患者では AGEs の増加とともに
認知症あるいは軽度認知障害へ移行することが知られています。
一方、糖尿病でない人も皮膚AGEs の蓄積量と軽度認知障害とに
関連があることが判明しました。
皮膚にAGEsが蓄積していれば脳にも同様に
蓄積しているということです。
 このようにAGEsの蓄積が認知症に関与していることが
明らかとなっていますが、
糖質制限食なら、AGEsの蓄積を最小量におさえることが可能です。
糖質制限食は1999年、
高雄病院が日本で初めて糖尿病治療に導入した食事療法です。
近年糖尿病以外にも様々な生活習慣病に効果があることが
明らかとなっています。
 糖質制限食実践は早ければ早いほどいいです。
軽度認知障害の段階で糖質制限食を実践すれば、
認知症への進行を予防できるし、
軽度認知障害が改善し正常に戻ることも期待できます。
なにしろ本文で紹介しますが、アルツハイマー病を発症したあと、
スーパー糖質制限食実践で一週間足らずで
正常に戻った方さえおられるのです。
 40代、50代から糖質制限食を実践していれば、
軽度認知障害のリスクもなくなりますし、健康長寿が約束されます。
さらに早期の20代、30代から糖質制限食を実践すれば、
糖化に伴う老化が予防できます。
 私は、52歳で糖尿病を発症して以来、
スーパー糖質制限食を実践していますが、70歳現在、
歯は全て残り虫歯なし、聴力低下なし、視力低下なし、身長縮まず、夜間尿なし、内服薬なし、合併症なしです。
明らかに「糖化⇒老化」が予防できているのだと考えられます。
 月~土と毎日外来診察を行い、入院患者さんも担当しています。
ほぼ毎日ブログ「ドクター江部の糖尿病徒然日記」を更新し、
本も出版し、講演活動も行っており、とても元気です。
読者の皆さんが健康長寿を達成されるよう
本書および糖質制限食がお役に立てれば幸いです。


江部康二
現行の糖尿病治療では、何故合併症を予防できないのか?
こんにちは。
前回の続きです。
テーマは、『現行の糖尿病治療では、何故合併症を予防できないのか?』ですが、
その中で、今回は糖尿病網膜症の発症を主に検討してみました。

JDCSにおいて網膜症の発症・進展について検討したサブ解析の検討です。

・デザイン:コホート
・試験期間:1996年3月~2003年3月
・追跡期間:8年
・対象患者:1631例。


JDCSの参加者(40~70歳の日本人の2型糖尿病患者2033例)のうち、
ベースラインに糖尿病網膜症を認めない患者1221例と、
ベースラインに軽度非増殖性糖尿病網膜症を認める患者410例です。
参加者全員が糖尿病専門医療機関(主に大学病院)59施設に通院中の糖尿病患者です。
JDCSに参加した患者さんは、全員医療機関に登録されて、
全員きっちり、糖尿病専門医の治療を受けておられます。

そしてそれでも約8年間の追跡期間において、
網膜症が1221例中に約28%発症するというデータが明らかになりました。
生活習慣介入群と非介入群では、有意差はありませんでした。

また8年間で軽度非増殖性糖尿病網膜症を認める患者410例中、
約15.9%に網膜症の悪化が見られました。
こちらも生活習慣介入群と非介入群では、有意差はありませんでした。

つまり、現行の日本最高水準の糖尿病治療を受けていても、
経年的に糖尿病網膜症は確実に年間3~4%ずつ新たに発症し続けていくことが
本研究により明らかになったわけです。

従来の糖尿病治療<カロリー制限高糖質食 + 薬物療法>では、
「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」という酸化ストレスリスクを防ぐことは、
理論的に不可能です。
だからこそ、経年的に糖尿病網膜症が確実に、
年間3~4%ずつ新たに発症し続けていって、
8年目で累計28%
に達したわけです。

網膜症だけではなく、他の糖尿病合併症発症も同じことで、
従来の糖尿病治療<カロリー制限高糖質食 + 薬物療法>では
経年的に確実に増え続けていくことは明らかです。

その証拠に、2020年現在まで、長期間にわたり、毎年新たに、
糖尿病網膜症からの失明が、3000人以上、
糖尿病腎症からの透析が、16000人以上、
糖尿病足病変からの足切断が、3000人以上、

合併症を発症しているのが日本の糖尿病治療の現実です。

経年的に増加し続け行く糖尿病合併症を予防できるのは、
「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」を生じない糖質制限食だけです。

スーパー糖質制限食を実践し、推奨しているている私の目標は、
糖尿病網膜症を含めて、糖尿病腎症、糖尿病神経障害、心血管合併症・・・など
全ての合併症を予防し、発症させないことです。

糖尿病歴18年で、現在70才ですが、上記目標を達成しています。
また、薬も一切服用していません。
血圧も正常です。
身長167cm 56~57kg こちらも、18年間変わりなしです。

糖尿人の皆さん、糖質制限食実践により糖尿病合併症発症予防をめざしましょう。


江部康二

JDCS。糖尿病合併症。脳卒中。網膜症。腎症。冠動脈疾患。
こんばんは。
糖尿病リソースガイドのサイトを見ていたら
JDCSにみる糖尿病の合併症
http://dm-rg.net/contents/complication/004.html    
という記事が載っていました。

わが国において2型糖尿病患者を対象に行われた、
代表的な無作為割り付け試験の一つにあげられるのが、
厚生労働省班研究 Japan Diabetes Complications Study(JDCS)です。
JDCSは文字通り、日本の糖尿病合併症の本格的研究です。

 JDCSは1996年3月~2003年3月まで8年間追跡した日本人2型糖尿病患者を対象とする大規模臨床研究です。糖尿病専門医療機関(主に大学病院)59施設に通院中の2,000名強の患者(平均年齢59歳、平均罹病期間11年)を2群に分け、一方を生活習慣改善指導を積極的に行う「介入群」とし、対照はそれまでの外来治療を継続する「非介入群」としました。 

その結果、
糖尿病発症後でも生活習慣介入で、脳卒中が有意に抑制されるという結果となりました。
非介入群の脳卒中発症件数が1,000人・年あたり9.52件であったのに対し、介入群では5.48件と約40%有意に少なかったのです。(図1)。
http://dm-rg.net/contents/complication/004.html 

良いお話ではあるのですが、
グラフをみると、有意差はあったとはいえ、両群共右肩上がりで、
年々、脳卒中が増えています。
まあ経年的に増えるのは仕方がないという見方もあるでしょうが、
糖質制限食の立場からは「合併症ゼロ」を目指しているので、何だか物足りない結果です。

また(図1)http://dm-rg.net/contents/complication/004.html 
を見ると、腎症、冠動脈疾患、網膜症は、両群とも有意差なく
経年的に右肩上がりで合併症が増え続けています。
網膜症にいたっては、有意差はないのでしょうが、介入群の方が多いように見えます。

「合併症を予防するために糖尿病治療を行う。」のが本来の目的であるとすれば、
現行の糖尿病治療は、介入群も非介入群もまとめて、無残な敗北としか
いいようがありません。

次回は、JDCS、当時最高の糖尿病治療を実施したにもかかわらず
なぜこのような結果になってしまったのかを、考察します。


江部康二
空腹時中性脂肪値と食後中性脂肪値、食後高脂血症とレムナント。
こんにちは。
スーパー糖質制限食で、早朝空腹時の中性脂肪値は速やかに改善します。
スーパー糖質制限食実践中で、食後中性脂肪値が高値の場合は、
一度早朝空腹時の中性脂肪値を測定しましょう。
スーパー糖質制限食実践中なのに、
早朝空腹時中性脂肪値が高値の場合は、
家族性高中性脂肪血症(遺伝性)の可能性があります。

中性脂肪値の基準値が50~149mg/dl くらいですが、
そもそもこれは早朝空腹時の基準値です。
スーパー糖質制限食なら、100mg/dlを下回ることがほとんどです。
ちなみに私の早朝空腹時中性脂肪値は、41~70mg/dlくらいです。

スーパー糖質制限食を実践すれば、摂取エネルギーが同一なら、
糖質を減らした分、相対的に食事由来の脂肪とタンパク質は増えます。
スーパー糖質制限食実践で、食後の中性脂肪値はどうなるのか考えてみます。

まず、中性脂肪を中心とした代謝を整理してみます。


「外因性代謝」

食物摂取(中性脂肪)→小腸→キロミクロン→筋・脂肪組織→レムナント→肝

「内因性代謝」

肝で合成(中性脂肪)→VLDL→筋・脂肪組織→LDL→肝


<外因性代謝>
食物中の脂質(ほとんどが中性脂肪)は、膵リパーゼにより、
2つの脂肪酸と1つのモノグリセリドに分解されて小腸上皮から吸収されますが、
そのなかで中性脂肪に再合成され集合します。

この集合体は、キロミクロンと呼ばれ、リンパ液に瞬時に入り、リンパ管に拡散します。

キロミクロンは、胸管を上行し鎖骨下静脈内に移行します。
キロミクロンの積み荷は、外部から摂取した食物由来の中性脂肪です。

鎖骨下静脈に入ったキロミクロンのほとんどは、
肝臓、あるいは脂肪組織・筋肉組織などの毛細血管を通る間に、
毛細血管壁にあるリポ蛋白リパーゼにより、
その積み荷の中性脂肪は、脂肪酸とモノグリセリドに分解されます。
その分、中性脂肪は血液中から取り除かれます。

キロミクロンは、食後2~3時間以降に血中に出現し血清乳びを示しますが、
通常5~6時間で清明となります。
キロミクロンは食後にのみ、出現します。


<中性脂肪値>
血液検査で測定されている中性脂肪値は、
食事由来のキロミクロンの積み荷の中性脂肪と、
肝臓で作っているVLDLの積み荷の中性脂肪を合計したものです。

筋肉細胞や脂肪細胞の毛細血管の壁には、リポタンパクリパーゼ(LPL)があります。
リポタンパクリパーゼ(LPL)が、リポタンパク質の積み荷の中性脂肪を、
2つの脂肪酸と1つのモノグリセリドに分解して、
筋肉細胞や脂肪細胞に取り込ませて利用させます。
リポタンパクリパーゼが正常に働いていれば、
中性脂肪値は食後5~6時間で基準値内に戻るはずです。

しかし、食後2~3時間から4~5時間ぐらいは、
食事由来の中性脂肪が血中に乳び状態であるので、個人差はあると思いますが、
高中性脂肪値となります。

スーパー糖質制限食実践中で、脂質・タンパク質を中心の食生活なら、
食後2時間~5時間くらいは食事由来のキロミクロンで高中性脂肪血症になる理屈です。

この間リポタンパクリパーゼ(LPL)がせっせと働いて、
食後5~6時間経過すれば中性脂肪値を基準値内に下げてくれると思います。

従って、スーパー糖質制限食で、
食後5~6時間以降と空腹時の中性脂肪値は当然基準値内に治まりますが、
食後1~5時間くらいの間は中性脂肪値は高値となります。
これは生理的な現象ですので心配はいりません。

<食後高脂血症>
 食後高脂血症といわれる病態では、
中性脂肪の分解がスムーズに進まず、
レムナントという分解途中の産物が
血液中に長くとどまることになります。
そうすると、食後の生理的な高脂血症の範囲を超えて、
異常高値となります。
具体的にはキロミクロンや、キロミクロン中のトリグリセライド(TG)が加水分解を受けた後の中間代謝物(レムナント)であるキロミクロンレムナントが増加します。
インスリン抵抗性のある場合、食後高脂血症になりやすく
「動脈硬化リスク」となります。
カイロミクロンレムナントは本来、速やかに肝臓のレセプターに取り込まれるため、
健常者の血中には通常ほとんど存在しません。

<メタボリックシンドローム>
近年、糖尿病と共にインスリン抵抗性症候群(メタボリックシンドローム)が
動脈硬化の重要な危険因子ということが解ってきました。
インスリン抵抗性症候群における脂質代謝異常の特徴としては、
高中性脂肪血症(空腹時)、低HDL-コレステロール血症、食後高脂血症です。
肝臓でもインスリン抵抗性があると、遊離脂肪酸が中性脂肪の合成を促進して
VLDLとして血中に放出されます。

インスリン抵抗性症候群(メタボリックシンドローム)の上流に内蔵脂肪肥満があります。
つまり内蔵脂肪肥満がベースにあるのでインスリン抵抗性が生じるのです。
そして、内蔵脂肪肥満を生じる元凶は糖質の頻回過剰摂取です。

         糖質の頻回過剰摂取
                ↓
 グルコース・ミニスパイクとインスリン頻回過剰追加分泌
                ↓
            内臓脂肪肥満 
  悪玉ホルモン分泌(インスリン抵抗性↑・血栓↑・血圧↑)
                ↓
            インスリン抵抗性
                ↓
            高インスリン血症(過剰のインスリン)
                ↓
      代謝症候群(メタボリックシンドローム)


*代謝症候群の全ての指標が糖質制限食で改善します。


江部康二
菓子職人ブルーベリー&ヨーグルトのムースケーキのご紹介。
6月7月限定 菓子職人Monthly cake
ヨーグルトが引き立つ爽やかな味わい
ブルーベリー&ヨーグルトのムースケーキ


monthly1906.jpg

糖質 3.88g カロリー 193kcal
※100gあたり ※エリストールを除く
【販売サイトはこちら】

【ブルーベリー&ヨーグルトのムースケーキ  美味しさのヒミツ】
底にはアーモンド風味豊かな食感を活かしたマカロン生地の上に
ブルーベリーのムースを重ね、
中央にレモンの風味豊かな酸味が心地よいレモンクリームをしのばせました。
無糖の北海道産ヨーグルトとスペイン産ヨーグルトフレーバーパウダーで、
よりヨーグルト味を強く引き出したムースで爽やかに仕上げました。


こんにちは。
菓子職人マンスリーケーキのご紹介です。
菓子職人ブルーベリー&ヨーグルトのムースケーキ、1個(100g)試食しました。
ブルーベリーの風味と、レモンの爽やかさと香りがアクセントになっていて
とても美味しくて、後味もヨーグルトの食感でスッキリです。

ブログ読者の皆さんも是非、ご賞味あれ。

2020年6月2日(火)。試食。
午後4:00 血糖値:121mg/dl
午後4:00 菓子職人ブルーベリー&ヨーグルトのムースケーキ100g摂取。
午後5:00 60分後血糖値:130mg/dl


60分後で、9mg上昇なので、
計算上は糖質は100g中に3gであり、糖質制限合格です。
江部康二の場合は、1gの糖質が約3mg血糖値を上げます。

江部康二の食後血糖値上昇のピークは約60分です。
食材の組成により少しずれることはあります。


江部康二
ぜんそくの人は「感染少ない」 新型コロナ、意外な研究
こんばんは。

ヤフーニュース 2020/6/2(火)  に
https://news.yahoo.co.jp/articles/ba24b5959d52c2949a889e5839fe79b16034e6d0

ぜんそくの人は「感染少ない」 新型コロナ、意外な研究  
という共同通信からの記事が載っていました。

「喘息の患者さんは、気管支粘膜にアレルギー性炎症があるわけなので、
当然、普通に考えると、新型コロナ感染の場合は重症化のリスクになりそう。」
と思っていたので意外でした。
喘息患者さんは、今まで一般の人より、新型コロナ感染リスクは高いはずと思っていた人が多いと思うので
少し朗報です。

国立成育医療研究センターが
「気管支ぜんそく疾患の人は、新型コロナに感染しにくいかもしれない」とする研究結果を、
6月2日、発表したとの事でした。

米国と中国、メキシコの感染者約1万7千人の論文データを分析して、
これらの国の8都市では、人口の約8%がぜんそくにかかっていますが、
新型コロナにかかった人に占めるぜんそく患者の割合は
5%強と低かったのです。

つまり、喘息患者さんのほうが、一般の人より新型コロナに感染しにくかったという
疫学的データが示されたわけです。
実は体内のアレルギー反応の影響でウイルス感染が起きにくくなっている可能性があります。

国立成育医療研究センターによれば、
「喘息のアレルギー反応で生じるタンパク質が増えると、
新型コロナウィルスの受容体が減少する」
ことが感染が少ない理由と思われるそうです。   
ただぜんそくの人がコロナで重症化する度合いは健康な人と変わらないようです。

江部康二
コロナ重症化、三つの鍵。毎日新聞。
こんばんは。

https://mainichi.jp/articles/20200602/ddm/003/040/076000c
クローズアップ
コロナ重症化、三つの鍵

という記事が
毎日新聞2020年6月2日 東京朝刊
ウェブサイトに掲載されました。
三つの鍵とは「血栓」「サイトカインストーム」「危険因子」です。

この記事を読んでの感想です。
①コロナの感染を水際で食い止めるか、感染しても無症状か軽症で済ませる。
②持病(危険因子)をコントロール良好に保つ。
③肥満からの脱却。

この3つが、肝要と思いました。
①の達成には、糖質制限食で、自然免疫力を高めるのが一番現実的です。
 『ケトン体高値』『AGEs蓄積が最低量』『血糖変動幅増大なし』により
 達成できると思います。
②は、糖尿病なら糖質制限食で血糖コントロール良好を保つことが大切です。
③肥満脱却のためには、<糖質制限食+インターバル速歩>です。


江部康二


以下の青字は、毎日新聞記事の要約です。

新型コロナウイルス感染症の重症化や、感染に伴う容体悪化の仕組みに関して
「血栓」「サイトカインストーム」「危険因子」という三つのキーワードが
関与している。


血栓、臓器・脳に障害

 「感染者は体の中に血栓ができやすい印象あり。」
 新型コロナに感染した重症患者の治療に当たる聖マリアンナ医科大病院・救命救急センターの森澤健一郎・副センター長は語る。
 新型コロナ患者の体内で血栓ができ、容体が悪化する例が国内外で相次いで報告されている。
新型コロナ感染症は当初「新型肺炎」と呼ばれた通り、重い肺炎症状ばかりが注目された。
しかし、血栓で血管が詰まると、肺だけでなく心臓や脳などさまざまな部位に障害が生じ、最悪の場合、死を招く恐れがある。
 オランダの医師らが4月に欧州医学専門誌で発表した論文によると、同国で集中治療室(ICU)に入院した184人の新型コロナ患者を分析したところ、
57人(31%)の患者に血栓に伴う合併症が確認された。
このうち46人(81%)が急性肺塞栓症で、脳卒中も18人(9.7%)あった。
医師らは、血栓の予防を厳密に行う必要がある、と警鐘を鳴らす。
 「ランセット」によると、
中国の医師らが中国の患者183人を調べた研究で、
死亡した患者は血液が固まりやすくなっていた傾向がみられた。
死亡した21人中15人(71%)に、
小さな血栓が全身にできて細い血管を詰まらせる「播種性血管内凝固(DIC)」が認められた。
血液が固まる兆候があると、ない場合に比し、死亡リスクは18倍。

 一方、米皮膚科学会誌で報告された症例では、
新型コロナに感染した軽症の23歳男性の足の爪先や側面に、
痛みを伴う赤い皮疹が出現した。
足の細い血管が血栓で詰まったり、炎症を起こしたためと思われる。
足にしもやけのような皮疹があれば、
新型コロナ感染を疑う一つの指標にすべきだと提案。

 厚生労働省も5月18日、医療従事者向けの「診療の手引き」を改定し、
血栓への対応について言及した。
重症化を予測する指標の一つとして、「Dダイマー」という物質の濃度が増えれば、血栓がたくさんある可能性があり、「ヘパリン」などの既存の抗凝固薬を投与するよう勧めている。

サイトカインストーム、正常細胞も攻撃
 血栓の発生とも深く関わっているとみられるのが「サイトカインストーム」である。
「新型コロナに感染して急激に重症化するケースの一部に、サイトカインストームが関わっているとみられる」。
早川智・日本大教授(臨床免疫学)はそう指摘。
 サイトカインとは細胞から分泌されるたんぱく質の総称。
ウイルスが細胞に侵入すると、サイトカインが出て免疫細胞が活性化し、ウイルスに感染した細胞を攻撃する。
 何らかの原因でサイトカインが過剰に分泌されて制御不能となると、
正常な細胞まで攻撃してしまう場合があり、嵐のように急激に起こるため、サイトカインストームと呼ばれる。
 サイトカインストームになると、
肺だけでなく腎臓や肝臓などにも重度の疾患を引き起こし、
血管の内壁の細胞を傷つけ血管炎を起こし、血栓を作り出す恐れがある。
 肥満者は重症化しやすいがが、これにもサイトカインストームが関わっている可能性がある。肥満者の体内に蓄積した脂肪組織は慢性的に炎症を起こしているため、コロナ感染をきっかけに内臓脂肪からサイトカインが過剰に放出されやすい。
 さまざまな種類のサイトカインの中でも特に重症化の原因と考えられているのが「インターロイキン6」(IL6)。
この働きを抑える作用のある関節リウマチ薬「アクテムラ」が、
新型コロナ治療薬として有望視されている。
開発した中外製薬は5月下旬から、臨床試験(治験)を国内で開始。
 欧米と比べ、日本やアジアで死者や重症者が極めて少ない理由の一つに、
アジア人はサイトカインストームが生じにくい可能性がある。
慶応大や京都大などの研究チームは、重症者が少なかった理由を遺伝子レベルで解析する研究プロジェクトを開始し、
サイトカインストームと遺伝子の関連についても調べる予定。

危険因子、肥満や喫煙 データで裏付け
 心血管などの基礎疾患、肥満、喫煙・・・などの、
慢性的な病気や体質、生活習慣が重症化を招く危険因子となることが、
大量の患者のデータから統計的に裏付けられ始めている。
 米国の研究チームは、アジアと欧米の11カ国169の病院に入院した新型コロナ患者8910人(うち死者515人)を対象に、
年齢▽基礎疾患▽薬の使用歴――などと死亡リスクの関連性を調べ、
米医学誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」に発表。
 改善した人と死亡した人を比べたところ、
死亡率を高める危険因子は高い順に、
▽慢性気管支炎などの慢性閉塞性肺疾患(COPD)
▽心不全や不整脈などの心血管疾患
▽年齢65歳超
▽現在の喫煙習慣
であった。
女性に比べ男性の方が死亡リスクが高い傾向もあった。
 米疾病対策センター(CDC)は、米国の患者7162人を分析。
ICUに入るほど重症化した患者457人のうち、
基礎疾患があった人は78%を占めた。
その内訳は、
▽糖尿病32%
▽心血管疾患29%
▽慢性肺疾患21%
▽慢性腎疾患12%・・・
などだった。
 肥満も重症化の危険因子に挙げられる。
米ニューヨーク市で3月に入院した393人のうち、
人工呼吸器が必要となった患者の43・4%が、
BMI30以上の、肥満だった。
英リバプール大による約1万7000人を対象にした調査でも、
BMI30超の人は同30以下の人に比べ、
死亡リスクが3割以上高まることが判明。

 日本国内のデータでも同様の傾向はある。
 国立感染症研究所が3月下旬に
患者516人についてまとめた調査結果によると、
重症化して▽人工心肺装置「ECMO(エクモ)」を使った18人中11人▽ICUに入った35人中17人▽人工呼吸器を必要とした49人中29人――が、
糖尿病や高血圧などの基礎疾患があったと報告。
報告書は「重症化の速度は速く、改善は遅いこと」を指摘。
 聖マリアンナ医科大の国島広之教授(感染症学)は
「喫煙や肥満によるリスクは生活習慣次第で改善できるので、
感染予防と共に心がけて」と話す。
また、基礎疾患がある場合、感染を恐れて通院を控える動きがあるが、
「放置すれば感染した際に重症化するリスクが高いので治療は続けてほしい」と強調する。
サンデー毎日 2020年6月7日号に『糖質制限食のススメ』掲載。
こんにちは。
サンデー毎日2020年6月7日号、140ページ~143ページに
糖質制限食のススメ
なぜ糖尿病患者はコロナが重症化しやすいのか
江部康二医師が緊急考察

という記事が掲載されました。

サンデー毎日の記事の、元原稿を、本日のブログ記事とします。
ブログ記事は、サンデー毎日掲載記事とは、趣旨は一緒ですが、内容に結構違いがあります。
以下、元原稿です。


「コロナに負けない"巣ごもり"糖質制限」
で免疫力向上



 新型コロナウィルス感染症が猛威を振るっています。
その名のごとく新型なのでわかならいことが多く、対応も試行錯誤の状態です。
特効薬は勿論ありませんし、ワクチンもないので、
一番リーズナブルな対応策は「密集」「密閉」「密接」の3密を避けるということになりますが、
日本は欧州や米国に比べて、かなり持ちこたえている状況です。
握手したりハグする習慣がないのも功を奏しているのかもしれません。
一方世界では、この約半年ですでに約31万人が死亡しています。

  「人と接触しない」ということで、私もひたすら家にこもっています。
ほぼ病院と家の往復で、週に1回くらい、酒屋さんや生協にマスクをしてでかけるくらいです。
食事は勿論スーパー糖質制限食ですので、
「コロナに負けない"巣ごもり"糖質制限」状態で免疫力を向上させつつ日々を過ごしています。

<新型コロナウィルスは血中に侵入できる>
 新型コロナウィルスは、容易に血中に侵入できることが脅威です。
オランダの病院で、新型コロナ入院患者198人において、静脈血栓塞栓症(VTE)の発生率を調査して、
2020年5月5日に報告しています。
198人中、28人(14%)が亡くなっています。
39人の患者(20%)がVTEと診断されています。https://www.preprints.org/manuscript/202004.0345/v1
やはり、血中に侵入し血管壁を傷害し、血管炎を起こすというのは凶悪な性質です。
 これに対してインフルエンザウィルスは血中に侵入することは極めてまれで、
基本的には、その存在は呼吸器と消化器にとどまります。
インフルエンザ脳症はありますが、脳内にはインフルエンザウィルスは存在しません。
インフルエンザに罹患した人がアセトアミノフェン以外の「消炎鎮痛剤」を内服したとき、
それをきっかけに「サイトカインストーム」(☆)を生じて、インフルエンザ脳症を発症します。

<川崎病、欧米でも集団感染が各国で発生>
川崎病は日本で、増えていましたが、欧米ではまれな病気でした。
川崎病は乳幼児に好発する急性熱性疾患であり、
全身の中型・小型の筋性動脈での血管炎を主病変とした血管炎症候群です。
何らかの感染がきっかけとなり、自然免疫系の過剰な活性化を生じ、、
サイトカインストームとなり、発熱、眼球結膜充血、血管炎、発疹、手指の紅斑などを誘発してくるものと考えられています。

このように欧米ではまれとされる川崎病ですが、
今回は、発病者が世界各地で報告されています。
世界各地で同時期に多数の症例数が出ることは、かつてありませんでした。
そのため欧米では、新型コロナウイルスが川崎病の発症に関連している可能性を研究し始めています。

<大型クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」とコロナ考察>

 新型コロナウィルス感染症、日本での発端は、大型クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の乗客でした。
その後クルーズ船乗員3,711名にPCR検査をして、634名に陽性反応が出ました。
当初から、306名の人に発熱や咳あるいは肺炎などの症状がありましたが、
その後、新たに症状が出現した人たちもあり、
本当に無症状(不顕性感染)であった人を推計すると113人になりPCR検査で陽性であった人の17.9%でした。

 感染しても発症しなかったのは、免疫力が高かった人と考えられます。
現時点で特効薬もワクチンもないわけですから、
自分自身の免疫力を高めて自己防衛するのが、最もリーズナブルな戦略と言えます。
『感染せずにはねのける』あるいは『感染しても全く無症状で、そのうち新型コロナウィルスも消失する』
といったパターンなら本人は全く元気です。
しかしながら、感染しているが無症状の場合は他人に感染させるおそれがあるので、
この時期、エチケットとして出歩くときはマスクをすることが必要です。

<新型コロナ、市中の感染率は?免疫の役割は?>
 現実に、4月中旬に慶応大病院が公表したデータが、大変興味深いものでした。
入院前と手術前の患者67人に新型コロナウイルスのPCR検査をしたところ、
6%に当たる4人が陽性だったといいます。
いずれも全くの無症状で、病院は「市中で感染したと考えられる」としています。
単純に考えると東京の市中感染率は17人に1人ということになります。

神戸中央市民病院の新型コロナとは別の病気で4月7日までの8日間に外来を受診した患者1000人のデータでは、
2.7%の人にIgG抗体が陽性でした。

加藤勝信厚生労働相は15日午前の閣議後記者会見で、
東京都と東北地方で行っていた試験的な新型コロナウイルス感染症(COVID-19)抗体検査の結果、
東京都の陽性率は500検体で0.6パーセント、東北6県は500検体で0.4パーセントだったと発表しました。

つまり、誰でも普通に市中で新型コロナに感染する機会があるということであり、
免疫力増強以外に根本的な予防法はありません。
 そんなわけで、今回は糖質制限食と免疫力向上について検討してみます。
免疫力とは、病原菌や毒素やその他の異物に対して、抵抗して打ちかつ能力です。
体には、まずは「ウイルスや細菌を体内に侵入させない」ためのシステムと、
「侵入した敵と戦う」という2段階の免疫の仕組みが存在しています。

<第一段階 防御=「粘膜免疫」>
日々の生活で、体内にはウイルスや細菌、花粉などの“ 異物” が絶えず侵入しようとします。
これらの異物を“ 侵入” させないように私たちの体を守っているのが「粘膜免疫」です。
粘膜免疫が働く場所は、目、鼻、口、気管支、腸管などの粘膜です。
ここで異物が粘膜を介して体内に入るのを防ぎ、体外に出してしまうことで感染を防ぎます。

<第二段階 攻撃=「全身免疫」>

病原体が「粘膜免疫」を突破して体内に侵入し、増殖してしまった状態が「感染」です。
体に侵入したウイルスや細菌に対しては、第2段階の「全身免疫」が働きます。
一つ目が、病原体の侵入後、直ちに働く「自然免疫」です。
白血球の一種である「好中球」「マクロファージ」が病原体を飲みこみます。
一方で、全身を常にパトロールしているリンパ球の一種「NK(ナチュラルキラー)細胞」は、
外敵が侵入すると即座に攻撃し、病原体に感染した細胞をも直接破壊します。

 この「自然免疫」に続いて、二つ目の「獲得免疫」が働きだします。
外敵が侵入したとの知らせを「ヘルパーT細胞」が受け取ると、
ヘルパーT細胞は周囲の免疫細胞に対して「増殖しろ」「分化しろ」と働きかけ、
言わば司令塔の役割を果たします。
その命令を受けると、「キラーT細胞」や「NK(ナチュラルキラー)細胞」は活性化し病原体を攻撃します。
「好中球」は病原体の侵入場所に集まります。
また、B細胞と呼ばれるリンパ球の一種は分化して病原体を無効化する「IgA」「IgG」などの抗体を産生します。
全身免疫のシステムでは、免疫細胞が病原体を捕えて、排除するよう働きます。

さて糖質セイゲニストにおいては、糖質を食べている人に比べると
<①ケトン体高値><②AGEs(☆☆)の蓄積が少ない><③血糖変動幅が小さい>

①②③という3つの免疫力を高めるアドバンテージがあります。

<①ケトン体高値>
ケトン体高値により、心臓・腎臓・脳保護作用が期待できます。
SGLT2阻害薬(糖尿病治療薬)の大規模臨床試験である「EMPA-REG OUTCOM試験」「CANVAS試験」において、
心臓・腎臓・脳保護作用が、認められました。

その理由として、SGLT2阻害薬による血中ケトン体高値が、
心臓・腎臓・脳保護に良い影響を与えている可能性が示唆されました。
スーパー糖質制限食なら、よりケトン体高値となるので、さらに期待できますね。
心臓・腎臓・脳が元気に活動していれば、当然免疫力も高まります。

<②AGEsの蓄積が少ない>
②により、<糖化 ⇒ 老化>という流れが最小限で済みます。
老化すれば、免疫力も低下するのは必然です。
私は、52歳の時に糖尿病の確定診断がついて、以降は70歳現在まで18年間スーパー糖質制限食を続けています。

*歯は全て残り虫歯なし。
*目は裸眼で広辞苑が読める。
*身長は縮んでいない。
*聴力低下なし。
*夜間尿なし。
*血圧正常:120~135/75~85
*内服薬なし。
*糖尿病合併症なし。
*HbA1c:5.6%~5.8%(発症時6.7%で、その後の数値)
*身長:167cm 体重:57kg前後


勿論、髪の毛は白くなり、前髪はやや後退気味であり、
完全に老化が防げているわけではありません。
しかし『糖化の延長上にある老化』は、最小限ですんでいるので、
上記が達成できているのだと思います。

逆に言えば、AGEsの蓄積が、歯周病・虫歯、視力低下、背が縮む、聴力低下、夜間頻尿など老化症状の元凶と言えます。
AGEsが蓄積すれば全身の血流・代謝が悪くなるので当然免疫力も低下します。
同年代の糖質を摂取している人に比べたら、糖質セイゲニストは、老化の少ない分、免疫力はかなり高いと思います。

<③血糖変動幅が小さい>
糖尿病でない正常型の人でも、中年以降は、普通に糖質を摂取していると、
食後1時間血糖値は160~180mg/dlくらいになります。
国際糖尿病連合は、食後1時間も2時間も血糖値160mg/dl未満を目標としていますので、
糖尿病ない人も当然この目標を満たす必要があります。

さらに正常型でインスリン分泌能力が充分ある人は、
食後160mg/dlとかの血糖値になると大量のインスリンを追加分泌します。
その結果、食後3~4~5時間血糖値が60~70mg/dlくらいに下がって、凸凹状態となります。
すなわち血糖変動幅増大でこれが酸化ストレスリスクとなります。
またインスリン過剰分泌そのものも活性酸素を発生させ酸化ストレスとなります。
酸化ストレスは免疫力を低下させますが、糖質制限食なら、
血糖変動幅増大もインスリン過剰分泌もないので酸化ストレスを防ぎ、免疫力を向上させます。

<結論>
①②③により、糖質セイゲニストの免疫力は高いと思います。
私も糖尿人ではありますがコントロール良好であり、
同年代の糖質を普通に食べている健常人(AGEsの蓄積が多い)よりも免疫力は高いと思います。
皆さんもスーパー糖質制限食実践で免疫力を高め新型コロナを撃退しましょう。


(☆)サイトカインストーム
免疫細胞の活性化や機能抑制には、サイトカインと総称される生理活性蛋白質が重要な役割を担っています。
サイトカインは免疫系のバランスの乱れなどによってその制御がうまくいかなくなると、
サイトカインの過剰な産生状態を引き起こし、ひどい場合には致死的な状態に陥ります。
全身の細胞から通常量をはるかに超えるサイトカインが放出され、
体内を嵐のように駆け巡ります。
この過剰反応をサイトカインストームと呼びます。

(☆☆)AGEs
 糖化とは、ブドウ糖(グルコース)などの糖が、直接たんぱく質などに結合する反応のことです。
糖尿病の検査指標として一般的に使われているヘモグロビンA1c(HbA1c)は糖化したヘモグロビンのことです。
HbA1cは、たんぱく質と糖が結合する「糖化反応系」の初期段階で作られる物質で、
さらに糖化反応が進むと、最終的に「終末糖化産物(AGEs=advanced glycation endproducts)」ができあがります。
AGEsは糖尿病合併症の元凶であるとともに、老化の元凶とも言われています。


『糖質制限食十箇条』2020年版
-糖尿病や肥満が気になる人に-
一、 糖質の摂取を減らす。可能なら一回の食事の糖質量は20g以下とする。
二、 糖質制限した分、タンパク質や脂質が主成分の食品は充分量食べる。
三、やむを得ず主食(ご飯、パン、麺類など)を摂るときは少量とする。
四、水、番茶、麦茶、ほうじ茶などゼロカロリー飲料はOK。果汁・清涼飲料水はNG。
五、糖質含有量の少ない野菜・海草・茸類はOK。果物は少量にとどめる。
六、オリーブオイルや魚油(EPA、DHA)は積極的に摂り、リノール酸を減らす。
七、マヨネーズ(砂糖無しのもの)やバターもOK。
八、お酒は蒸留酒(焼酎、ウィスキーなど)、糖質ゼロ発泡酒はOK。辛口ワインも適量OK。
醸造酒(ビール、日本酒、など)は控える。
九、間食やおつまみはチーズ類やナッツ類を中心に適量摂る。菓子類、ドライフルーツはNG。
十、可能なら化学合成添加物の入っていない安全な食品を選ぶ。