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糖質制限の大百科(洋泉社) 【監修】江部康二 のご案内。
こんばんは。

新刊本の『糖質制限の大百科』(洋泉社) 
【監修】江部康二


daihyakka.jpg

のご案内です。

ご購入はこちらから

2019/6/19(水)発売開始です。
おかげさまで、ぼちぼち売れていて、
累計2万6000部となりました。

『食品別糖質量ハンドブック』などと合わせて、
洋泉社シリーズ累計で、37万部突破なので、
嬉しい限りです。
これもブログ読者の皆様のおかげと、感謝しております。

この1冊で知りたいことがぜんぶわかる!
正しいやり方で、無理なくやせる、健康になる!

ひと目でわかる!OK・NG食品別糖質量。
5分でわかる!糖質制限の基礎知識。
コンビニ&外食フル活用!糖質制限のコツ。
疑問も不安も解消!糖質制限Q&A。
時短&作りおき!かんたん糖質制限レシピ92。
知って納得!糖質制限のメカニズムと効果。
食品別糖質含有量一覧付き。


ということで、痒いところに手が届く感じの
サービス精神たっぷりの構成・内容となっています。

本書がブログ読者の皆さんを始め、
糖尿病、メタボ、生活習慣病などを患っている皆さんのお役に立てれば幸いです。

江部康二

☆☆☆
以下の青字は、本文最初の2ページから引用です。

糖尿病の治療食として
スタートした糖質制限


日本で糖質制限をはじめたのは、私が理事長を務めている京都の高雄病院で、
当時の院長であった私の兄である江部洋一郎です。1999年のことでした。
私自身は、2001年、担当する患者さんに糖尿病治療の一環として、
糖質制限の指導を行ったところ、劇的な効果が見られました。
それ以降、当院では糖尿病の治療食として糖質制限食を実践し続けています。
従来、糖尿病に対する日本での治療方針は、カロリー制限一辺倒でした。
しかし、糖質を制限することのないカロリー制限食では、
糖尿病の大きなポイントである食後高血糖のコントロールができません。
糖質を制限せずにカロリーコントロールを行ったところで、
結局、病状は悪化し、薬に頼ることになってしまいます。
これに対して、糖質制限はまったく異なる考えかたで治療を行います。
カロリーや脂肪を制限するのではなく、「糖質を制限した食事を摂る」ことが基本となります。
糖質さえ控えれば、たんぱく質や脂質はしっかり食べてOKです。カロリー計算も必要ありません。


糖質を控えると
さまざまなメリットがある


糖質制限では、血糖値を直接上げる唯一の栄養素である糖質を控えます。
そのため、食事をしても血糖値の急激な上昇を招くことはありません。
これこそが、糖尿病だけにとどまらず、あらゆる不調や疾患の予防・改善につながるのです。
 さらに、血糖値の急上昇が起きるとインスリンというホルモンが分泌されます。
インスリンは、別名“肥満ホルモン”とも呼ばれます。
過剰に分泌されることで体脂肪が蓄積され、肥満を引き起こすからです。
これらを引き起こさない糖質制限は、血糖値の乱高下をなくし代謝を安定させることで、精神的にも落ちつきます。
全身の血流も改善するため、美肌や美髪など、美容にも役立つのです。

コレステロールについて。糖質制限食なら安全なパターンとなる。
【20/02/18 ろげりお
コレステロールについて
江部先生、はじめまして。
先生の本を購読して糖質制限を始めました。体重は6キロ減で健康に毎日を送っています。朝食は卵3とベーコンやウインナーを食べています。
元々コレステロール値が高かったのですが(LDL190)、糖質制限してから250を超えました。糖質制限をして、半年くらいになろうとしてます。医者からは、かなりヤバいので薬を飲むように、言われています。
56歳男 身長176体重60です。
悩んでいます。よろしければご連絡をお願いします。】


ろげりお さん

①HDLコレステロールが60mg/dl以上
②中性脂肪が60mg/dl以下以下


①②を満たしていれば、LDLコレステロールは全て標準の大きさであり
肝臓からコレステロールという細胞膜の原料を末梢組織に運んでいく大切な役割を担っており、
当然、善玉のLDLコレステロールです。
つまり、悪玉の『小粒子LDLコレステロール』『酸化コレステロール』は、ほぼ皆無です。
スーパー糖質制限食実践者ならこのパターンがほとんどです。

気になれば、実際に動脈硬化があるかどうか確かめるため
「頸動脈エコー」にて、プラークや内膜肥厚の有無を検査しましょう。
そして「心臓検査」を実施して、冠動脈狭窄がないことを確認しましょう。

主治医は、<LDLコレステロール高値⇒動脈硬化⇒プラークや心筋梗塞や脳梗塞>
といったことを懸念しておられるのだと思います。
頸動脈エコーや心臓検査で、これらの懸念が払拭されたなら、安心して糖質制限食を続けられたら良いと思います。

<コレステロールの役割>
・ コレステロールは、細胞膜の原料であり人体にとって必要不可欠な成分です。
標準の大きさの正常サイズのLDLは善玉であり、中に約40%のコレステロールを含んでおり、
   それを末梢組織に運ぶ仕事をしており必要不可欠です。
・ 末梢組織の細胞で細胞膜の原料として使用されたあと、
   余ったコレステロールをHDLが回収して肝臓に戻します。
・ 即ち、LDLもHDLも人体にとってコレステロール運搬のための必須成分です。
・ LDLコレステロールの中で問題となるのは、
  小粒子LDLコレステロール(小さくて高密度のLDL)酸化LDLコレステロールです。
  酸化LDLコレステロールは真の悪玉で異物であり血管内皮を障害します。

<コレステロール 善玉、悪玉>
・ 小粒子LDLは、真の悪玉である酸化LDLに変化しやすく危険な存在です。
・ 小粒子LDLコレステロールは血管内皮に侵入しやすく
   そこで活性酸素により酸化され酸化LDLになります。
・ 酸化していない普通のサイズのLDLは、異物ではないので血管内皮に障害を起こしません。
・ 中性脂肪が多くて、HDLコレステロールが少ない人は、
   小粒子LDLがたくさんある可能性が高いのです。
・ HDLコレステロールが多くて(60mg/dl以上)中性脂肪が少ない(80mg/dl以下→理想的には60mg/dl以下)人は、
   小粒子LDLコレステロールと酸化LDLコレステロールは少ないので安全です。。
   Circulation. 1990 Aug;82(2):495-506.
   糖質制限食実践者はこの安全パターンとなります。
LDLコレステロールを下げたほうが良いという医師と普通の大きさのLDLコレステロールは下げなくて良いという医師があり、世界中で論争中です。私は標準の大きさのLDLは善玉であり、下げなくてよいという立場です。


コレステロールに関して、より詳しくは
2018年10月30日 (火)の本ブログ記事
『LDLコレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪。善玉。悪玉。』
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-4722.html

をご参照頂けば幸いです。


江部康二
糖質制限食と血清尿酸値について
【20/02/19 らこ
尿酸値=悪い(泣き
私らこ の尿酸値=7 越して、フェブリク10mg投与になりました。
明日がどうなるか? は。私たちには一切不明です(泣

◎どうなるんですかね?】



こんにちは。
らこさんから糖質制限食と尿酸値について、コメントを頂きました。

まずは尿酸の基準値について検討してみました。

検査機関によって、若干基準値は異なりますが、
尿酸・痛風財団のサイト
http://www.tufu.or.jp/gout/gout2/61.html

によれば、
男女ともにこの値が7.0mg/dLまでは基準値内です。
すると、らこさん7mg/dlなら、経過をみてもよいレベルです。

尿酸値に関しては、糖質制限食実践で、
減少する人、不変の人、増加する人と個人差が大きいです。

もともと尿酸が高値だったのが糖質制限食で基準値になる人がいますが、
これは問題ないですね。
もともと尿酸値は正常だったのに、糖質制限食実践で高値となる人がいます。
この場合は、糖質制限食をつづけていれば、
3カ月~半年~1年で基準値に戻ることが多いです。
結局、持って生まれた体質が、尿酸値と一番関係するのだと思います。

2012年4月4日の毎日新聞の記事によれば、
『激しい関節痛を起こす痛風の発症は、原因物質の尿酸を尿から出す機能だけでなく、
腸から排出する機能が低下することも一因』

とのことです。

『尿酸は3分の2が腎臓から、3分の1が腸から排出される』
とは、初めて知りました。
この腸からの排泄機能も、個人差に関係しているのでしょう。
体内で尿酸をつくり過ぎるか尿からの排泄が悪いため、
高尿酸血症になると考えられてきましたが、
これらに腸からの排泄障害も加わることとなりました。

あくまでも私見ですが、この腸からの尿酸排泄は、
生活習慣やストレスの影響を一番受けやすいような気がします。
ただ、低カロリーすぎると、どんな内容の食事でも、
尿酸値が上昇することがあるので注意が必要です。
例えば断食(絶食)をすると、尿酸値は急激に上昇します。

さて糖質制限食を実践すれば、相対的に高タンパク・高脂質食となります。
一般に高タンパク食だと尿酸値が上昇するとされていますが、
ことはそれほど単純ではありません。
例えば、江部康二は、2002年以来18年間、スーパー糖質制限食実践で130g~150g/日のタンパク質を摂取していて、
かなりの高タンパク食です。
しかしながら、尿酸値はこの18年間、
一貫して2.4~3.5mg/dl(3.4~7.0)ていどと低いほうです。
尿酸は体内の酸化ストレスに対抗する抗酸化物質という説があります。
私はスーパー糖質制限食で体内の酸化ストレスが少ないので、
尿酸も少なくてすんでいるというポジティブな仮説もありかと考えています。

通常、糖質制限食でいったん尿酸値が上昇した人も、
数ヶ月~1年で元の値に戻ることが多いので経過をみることが多いです。
ただ、過去痛風発作を起こしたことがある人は、内服も考慮する必要があります。
過去痛風発作を起こしたことがない場合は、
尿酸8~9mg/dlとかでも、経過をみてよいと思います。

過去尿路結石のあった人や家系的に石持の方々は、
尿酸が高値となったときは、梅干しを食べるとか、
わかめ・ほうれん草・大根・キャベツ・茄子・しいたけなど摂取で、
尿をアルカリに保って尿酸が結晶化しにくいようして、
尿酸値が基準値にもどるのを待つのが安全と思います。

尿酸値は、従来、肉の摂りすぎや、
ビールの飲み過ぎで高値となるということが常識だったのですが、
食事由来の尿酸は約100mgで、
一日に生産される総量約700mgに比し、かなり少ないということが判明しました。

自らが痛風患者であり、痛風専門医でもある、
元鹿児島大学病院内科教授、納(おさめ)光弘先生によれば、
食事よりストレスや肥満のほうが、尿酸値への影響が多いことがわかってきました。

尿酸を確実に上昇させるのは、重要なものから順番に

1、ストレス
2、肥満
3、大量の飲酒
4、激しい運動
5、プリン体の摂りすぎ


だそうです。
納先生の指摘されているストレスは、精神的なもののようです。
例えば、納先生が学会の会頭をされたときに尿酸値が一番上昇して、
学会が終了したら下がったそうです。
学会会頭という精神的ストレスで、腸からの尿酸排泄が減少した可能性がありますね。
これらに特殊例として肉体的ストレスである「断食や極端な低カロリーのときは尿酸値上昇」というのが、
一番上にくる感じですね。


**参考
「痛風はビールを飲みながらでも治る」(小学館文庫)2004年
鹿児島大学病院内科教授、納(おさめ)光弘先生 著


江部康二

江部康二の2020年2月の検査データの報告と解説。
こんばんは。

今回の記事は、
2002年(52歳)糖尿病発覚以来
スーパー糖質制限食を18年間実践中の、
江部康二の2020年2月の検査データの報告と解説です。

2002年6月に糖尿病確定診断で、HbA1cは6.7%でした。
このとき、体重は67kg、身長は167cm。
内臓脂肪CTは126cm2 (100未満正常)
血圧は140-150/90前後 → 外来終了時は180/100。

スーパー糖質制限食を実践して、1ヶ月後にはHbA1cは基準値内になり、
半年後には体重は10kg減少して57kgとなり、
血圧も120~130/80程度と、正常化しました。
そのまま2020年2月まで、血圧と体重は維持です。

HbA1cは2002年7月には、6.0%となり、
2002年8月以降は、ずっと5.6%~5.9%で、
2020年20月まで18年間経過しています。

内臓脂肪CTは、2004年10月には、71 cm2となっています。
2002年12月には、体重は10kg減量できていて、その後維持なので
内臓脂肪も、そのときには既に71cm2に改善していたと思われます。

<スーパー糖質制限食実践時の血液・尿検査データの推移>

①血糖値は糖質制限食実践時にリアルタイムに改善します。
②スーパー糖質制限食なら、HbA1cは月に1~2%改善します。
③中性脂肪も速やかに改善します。
④HDLコレステロールは増加しますが、増加の程度と速度に個人差があります。
⑤LDLコレステロールは低下・不変・上昇と個人差があります。
 上昇した人も半年〜1年~2年、3年、数年くらいで落ち着くことが多いですが、
 個人差があります。
⑥総コレステロールは、低下・不変・上昇と個人差があります。
 上昇した人も半年〜1年~2年、3年、数年くらいで落ち着くことが多いですが、
個人差があります。
⑦尿酸も低下・不変・上昇と個人差があります。
 上昇した場合は、ほとんどが摂取エネルギー不足が原因です。
⑧尿素窒素はやや増加傾向になる人が多いですが、そのうち落ちつくことが多いです。
⑨クレアチニンは不変です。
⑩血清シスタチンCも不変です。
⑪血清カリウムも不変です。
⑫血中ケトン体は基準値より高値となりますが、生理的なもので心配ありません。
⑬尿中ケトン体は当初3カ月〜半年は陽性になりますが、その後陰性になることが多いです。
⑭脂肪肝に付随するGPTやγGTP値も改善します。
⑮TSH、FT4、FT3も不変です。


上記に記載していない血液検査や尿検査については、
糖質制限食開始前後で差はありません。
以下は私の最新の検査データです。


<江部康二の2020年2月(70歳)の検査データ>

HbA1c:5.7%(4.6~6.2)
GA(グリコアルブミン):13.2%(11.6~16.0)

空腹時血糖値:105mg(60~109)
空腹時インスリン:5.6μU/ml(3~15)

TSH:0.84(0.34~3.88)
F-T4:1.9(0.8~1.8)
F-T3:2.9(2.1~4.0)

中性脂肪:50mg(50~149)
総コレステロール:264mg(150~219)
HDL-コレステロール:101mg(40~85)
計算法LDL-コレステロール:153mg(140mg未満)
尿酸:3.6mg(3.4~7.0)
BUN:15.35mg(8~20)
クレアチニン:0.73mg(0.6~1.1)
血清シスタチンC:0.6mg(0.61~1.00)
GOT:19(9~38)
GTP:28(5~39)
γGTP:74(84以下)
アルブミン:4.6g(3.8~5.3)

血色素量:15.3(13~17)
白血球数:5900(3900~9800)
赤血球数:484(400~560)

総ケトン体:546μM/L(26.0~122)
βヒドロキシ酪酸:450.0μM/L(76以下) 糖質制限食中は生理的で正常値
アセト酢酸:95.5μM/L(13.0~69.0)

尿中アセトン体:陰性
尿アルブミン定量精密・クレアチニン補正値:7.3(30以下)


HbA1cは正常範囲内で、5.7%です。
空腹時血糖値が、糖尿病発症後、スーパー糖質制限食でも、
正常範囲内でやや高め(正常高値:100~109mg/dl)でしたが、
まあ、糖尿病歴、18年ですから仕方ありませんね。
とは言いながら、最近は、早朝空腹時血糖値が、
90mg台も時にあるようになりました。
今回は105mg/dlと正常値でした。

GAは正常範囲内で、上限には大分余裕があります。
これは、スーパー糖質制限食により食後高血糖がほとんどないためと思われます。
即ち「糖化」は正常人並みあるいはそれ以上に予防できていると考えられます。

甲状腺機能は、18年間常に、正常です。

総コレステロール値は、心血管疾患との関連性は無く、
脂質異常症の2007年以降のガイドラインから外れているので特に問題はありません。
HDL-コレステロールはやや多めです。
LDL-コレステロールも今回はやや多めですが、
中性脂肪値が低く(60以下)、HDL-Cが多い(60以上)ので、
小粒子LDL-Cや酸化LDL-Cはほぼ皆無で、とても良好なパターンです。

スーパー糖質制限食なので、高タンパク・高脂質食なのですが、
尿酸は正常下限近くて、やや低めですね。
尿酸は抗酸化物質でもあるのですが、
スーパー糖質制限食実践で、私の身体には酸化ストレスが極めて少ないので
尿酸も少ないのだと思われます。
尿酸も食べ物由来は2割程度であとは個人の体質ですのでこんなものでしょう。

高タンパク食ですが、BUNもクレアチニンもシスタチンCも正常なので腎機能も問題なしです。

焼酎などぼちぼち飲む割には肝機能も正常です。 (^_^)

インスリンは、基礎分泌が5.0μU/mlと正常やや低めですが、
空腹時血糖値が105mg/dlと正常なので問題ないです。
むしろ少ないインスリン分泌量で、
血糖値は正常なので好ましいパターンと言えます。
狩猟・採集時代のご先祖のインスリン分泌も、こんなものだった可能性が高いです。

血糖値がコントロールできている限り、
インスリン分泌は少なければ少ないほど身体には優しいのです。
過剰のインスリンは百害あって一利なしです。

総ケトン体:546μM/L(26.0~122)
βヒドロキシ酪酸:450.0μM/L(76以下) 
アセト酢酸:95.5μM/L(13.0~69.0)
と、ケトン体は一般的基準値に比べればかなり高値ですが、
尿中のアセトン体(ケトン体の一種)は陰性です。

これは、スーパー糖質制限食実践で、心筋・骨格筋などの体細胞が、
日常的に効率良くケトン体をエネルギー源として利用するようになったため、
尿中に排泄されないのだと考えられます。

即ち、私の血中ケトン体値は、あくまで生理的範囲のもので、
インスリン作用は一定確保されていて、血糖値も105mgと正常です。

見方を変えれば、農耕以前の人類皆糖質制限食だった頃は、
私のような血中ケトン体値のデータが当たり前で、
人類の標準だったと考えられます。

スーパー糖質制限食実践中の人の血中βヒドロキシ酪酸の標準値は、
200~800~1200μM/Lくらいと考えられますが、
3ヶ月くらい経過すると、上述のように尿中ケトン体は陰性になります。

ケトン食レベルの人達の、血中βヒドロキシ酪酸は、
3000~5000μM/Lレベルですが、尿中ケトン体は、常に陽性です。

なお、糖質制限食開始直後は、血中ケトン体の上昇に伴い、
尿中のケトン体も陽性となります。
徐々にケトン体の利用効率が良くなるに従い、
尿中ケトン体は減っていき、やがて陰性となります。


江部康二
2020年3月29日(日)京都。低糖質スイーツ教室を開催。
こんばんは。
2020年3月29日(日)京都にて、日本糖質制限医療推進協会主催の
低糖質スイーツ教室を開催します。

当会の低糖質スイーツ教室は、2017年より東京と京都で開催しており、
おかげさまで4年目を迎えます。
ブログ読者の皆さんも多数参加いただいており、ありがとうございます。

講師は、パティシエの小寺幹成さんと管理栄養士の佐々木栄子さんです。
小寺さんのプロフェッショナルな技を直接見て、
おいしく低糖質なスイーツづくりを学べること、
さらに、糖質制限による栄養指導のご経験豊富な佐々木さんの
的確なアドバイスも得られることが、この教室の嬉しいところと思います(*^^)v

今回のテーマは「レアチーズクリームタルト」だそうです。
皆さん奮ってご参加くださいね^^v

江部康二


以下、事務局からのお知らせです。

*********

ブログ読者の皆様、いつも弊会のイベントへ多数ご参加いただきまして、ありがとうございます。


3月29日(日)に京都で、パティシエの小寺幹成先生と管理栄養士の佐々木栄子先生による、低糖質スイーツ教室を開催いたします。

☆教室名称リニューアルのお知らせ

弊会の低糖質スイーツ教室は、2017年より東京・京都で開催しており、おかげさまで4年目を迎えます。このたび教室名称を『パティシエに学ぶ、おいしく作れる低糖質スイーツ』へ変更する運びとなりました。

方針などは変わりませんが、皆さまの糖質制限ライフにより役立つ教室となるよう、講師の先生方・スタッフ共に一層取り組んで参ります。

☆低糖質スイーツ教室とは・・・

おいしい低糖質洋菓子をご自宅で作っていただけるように、お菓子作りの基礎から学べる講座です。

パティシエの小寺幹成先生に低糖質菓子を作る際のコツや工夫、様々な技術をデモンストレーションや実習でレクチャーいただき、参加者様からの質問や疑問にもお答えいただいています。

また、管理栄養士の佐々木栄子先生に、低糖質菓子をご家庭で作りやすくするための工夫やレッスンで学んだことを更に活用するアイデアなど、多岐に渡ってアドバイスいただいています。

血糖値が気になってお菓子を控えているという方、安心の低糖質スイーツを作りたいという方、お菓子作りは初めてという方も、是非ご参加ください。

☆今回の内容は・・・

テーマ:「レアチーズクリームタルト」

低糖質の粉類を組み合わせて、基本のタルトの作り方をマスターしましょう。プレーンのタルト生地にアーモンドクリームをのせ、2層の味が楽しめるアーモンドタルトを作ります。

サクサクのタルト生地をマスターすれば、様々なタルトへのアレンジを楽しめます。アーモンドクリームも低糖質パンに加えたり、覚えておくと重宝できるものです。

タルトをテーマにしたレッスンは、2017年度に催し、ご好評いただだきました。その際は「カスタードクリーム」を組み合わせて仕上げました。今回の仕上げは「レアチーズクリーム」を組み合わせます。

前回参加できなかった方はもちろん、新たな組み合わせを学びたい方、タルト生地をしっかり復習されたい方も奮ってご参加ください。

また、季節の低糖質デザート(冷菓)をデモ・ご試食にてご紹介する予定ですので、お楽しみに♪

関西圏にお住まいの方をはじめ、皆さまのご参加をお待ちしております。

◇スイーツ教室情報URL: http://www.toushitsuseigen.or.jp/activity


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(一社)日本糖質制限医療推進協会主催 低糖質スイーツ教室

『パティシエに学ぶ、おいしく作れる低糖質スイーツ(京都)』

 テーマ:「レアチーズクリームタルト」

◆日時: 2020年3月29日(日) 13:00~16:00頃 ※開場・受付は12:45~

◆会場: あじわい館(京の食文化ミュージアム)調理実習室
〒600-8813 京都市下京区中堂寺南町130番地 京都青果センタービル3階
http://www.kyo-ajiwaikan.com/access

♪講師:

・小寺幹成 「パティスリー ロア・レギューム」オーナーパティシエ

・佐々木栄子 管理栄養士/健康運動実践指導者

◆参加費: 賛助会員料金 3,400円/一般料金 4,000円

◆定員・対象: 24名様 ・一般(18歳以上)

◆当日の流れ: レシピ説明・デモ→ 実習 → 試食(復習・歓談)→ 片付け後、解散

◆ご持参いただくもの:

エプロン、三角巾、ふきん(タオル)2枚(台ふき用・食器ふき用)、筆記用具

◆お支払い方法:
クレジットカード/銀行振込/郵便振替 ※事前決済のみとなります。

◆お申し込みの流れ:

1. 下記「お申し込み方法」の該当するものからお申し込みください。
2. 事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3. 入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4. 当日、直接会場までお越しいただき、受付にてお名前をお伝えください。

■お申し込み方法:

※当教室は、一般の方にご自宅で作っていただくことを趣旨とした教室です。
製菓や料理のお仕事をしておられる方、食品会社で企画・開発をしておられる方など、
業界の方の場合は、その旨をお書き添えの上、お申し込みください。

★賛助会員の方: 事務局へメールにてお申し込み下さい。

★賛助会員入会+教室参加をご希望の方:

1. 入会案内および会員規約をお読み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/sign-up

2. お申し込みは下のフォームからお願いします。
「入会ならびに講演会等出席のお問い合わせ」を選択いただき、
「通信」欄に「3/29 京都スイーツ教室、参加希望」とご記入下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/contact

★一般(会員以外の方)で、教室参加ご希望の方:

下のフォームからお申し込み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/cooking

◆その他

・予約制です。当日参加はできません。

・当日の開場・受付開始は、レッスン開始時間の15分前からです。

・お申し込み後、キャンセルされる場合は、3月25日(水)までにご連絡ください。

・3月26日(木)以降のキャンセルは、参加費の半額をキャンセル料金としていただきますので、予めご了承ください。

・実習室で作ったもの以外の飲食はできません。ご自宅で作ったお料理やお菓子などの持ち込みはできませんのでご注意ください。

・皆さまで実習と試食を行っていただきますので、香水などのフレグランスはお控えください。

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糖質制限食とインターバル速歩で骨粗鬆症を予防しよう。
こんばんは。
糖質制限食に関して、根拠のない批判記事が、時々散見されます。
例えば、「糖質制限食を続けると骨粗鬆症になりやすい。」などです。
糖質制限食実践で、糖新生が増えるので、それにアミノ酸が消費されて
骨形成のためのアミノ酸が不足するのではないかという説です。

結論から言いますが、高雄病院方式のスーパー糖質制限食実践で、
骨粗鬆症予防も含めて、何の問題もないです。

2002年からスーパー糖質制限食を実践している私の最近(2020年2月)の検査では、
ケトン体:546μM/L(26~122) 
アセト酢酸:95.5/L(13~69)
3ヒドロキシ酪酸:450.0μM/L(76以下)


でした。これは基準値よりはるかに高値で、
<脂肪酸-ケトン体エネルギーシステム>が有効に働いていて、
脂肪がよく燃焼していることを示しています。
つまり、私は、狩猟・採集時代700万年のご先祖と同様に
日常生活の主たるエネルギー源は<脂肪酸-ケトン体>であり、
筋肉中の<ブドウ糖-グリコーゲンエネルギーシステム>は、
階段を駆け上ったりするときに利用するくらいと思います。
勿論、赤血球はブドウ糖しか使えませんから、私の肝臓や腎臓は、
そのために「糖新生」してブドウ糖を作っています。

そして、糖新生は、何も珍しいことではなくて、
糖質を食べていようと、糖質を制限していようと、何の関係もなく、
全ての人類において、空腹時や睡眠時には、
日常的に700万年間ずっと行われてきた生理的活動なのです。

私は2002年糖尿病が発覚したとき、腹囲86cm、
内臓脂肪CT127cm2 、高血圧などメタボの診断基準を全て満たしていましたが、
半年のスーパー糖質制限食実践で、10kgの減量に成功し、
全ての検査データが正常値となりました。

脂肪酸-ケトン体エネルギーシステムが活性化して、
脂肪がどんどん燃焼して56~57kgと学生時代の体型に戻り、
2020年2月現在も維持しています。

中性脂肪値も、50mg/dl(基準値:50~149)ですので正常値で、かなり低めの方です。

1~2週間に1回ですが、オフの日曜日には、テニスをしています。
2020年1月8日で、70歳になりました。
筋トレなど皆無のわりには、筋力もまあまあで、テニスの腕前もまあまあです。

歩くのもかなり早い方で、階段は6階くらまでなら、たいてい走って登っています。
今はやりの<インターバル速歩>(☆)が、自然に、日常的にできているのでしょう。

スーパー糖質制限食なら、タンパク質も充分量を摂取するので、
肝臓が糖新生しても、タンパク質不足になることはなく、筋肉の量も維持できます。

 さて糖尿病合併症発症において、AGEs の血管壁への蓄積が元凶とされています。
このAGEsはなかなかやっかいな代物で、
血管壁以外にも全身の蛋白質にへばりついて、溜まっていきます。
骨のコラーゲンという蛋白質にAGEs がたまると骨粗鬆症を生じます。
目(水晶体)にたまると白内障の一因となります。
皮膚にAGEsが蓄積していくと、弾力を失っていきシワになります。
聴力の低下も活性酸素による有毛細胞(音を感じ取る細胞)の障害が主とされていますが、AGESsが活性酸素を減らす酵素(SODなど)の作用を低下させます。
そして血中AGEsが多いと歯周症にもなりやすいことが分かっています。
要するに、<糖化⇒AGEs蓄積⇒老化> という構造が成り立つのです。
勿論、骨粗鬆症も老化の一種ですね。
 
このように、骨粗鬆症の元凶であるAGEsの蓄積が、糖質制限なら最小限ですみますし、肉や魚など動物性蛋白質も充分量摂取してアミノ酸不足もないので、
骨粗鬆症の心配がないどころか、骨粗鬆症の予防が期待できます。

なおスーパー糖質制限食なら<脂肪酸-ケトン体エネルギーシステム>
が活性化して、脂肪がどんどん燃焼するので、肥満の人は適正体重に改善します。
そしてスーパー糖質制限食は、人類本来の食事であり人類の健康食ですので、
骨粗鬆症予防以外にも、様々な生活習慣病の予防・改善が期待できます。


[参考] <スーパー糖質制限食実践時の検査データの推移>


(1) 食後血糖値は糖質制限食実践時にリアルタイムに改善します。
(2) スーパー糖質制限食なら、HbA1cは月に1~2%改善します。
(3) 中性脂肪も速やかに改善します。
(4) HDLコレステロールは増加しますが、増加の程度と速度に個人差があります。
(5) LDLコレステロールは低下・不変・上昇と個人差があります。
上昇した人も半年~1年~数年で落ち着くことが多いですが個人差があります。
(6) 総コレステロールは、低下・不変・上昇と個人差があります。
上昇した人も半年~1年~数年で落ち着くことが多いですが個人差があります。
(7) 尿酸も低下・不変・上昇と個人差があります。
上昇した人も半年~1年くらいで落ち着くことが多いですが、個人差があります。
(8) 尿素窒素はやや増加傾向になる人が多いですが、そのうち落ちつくことが多いです。
(9) クレアチニンは不変です。
(10) カリウムも不変です。
(11) 血中ケトン体は基準値より高値となりますが、生理的なもので心配ありません。
(12) 尿中ケトン体は当初3カ月~半年は陽性になりますが、
その後陰性になることが多いです。
(13)脂肪肝に付随するGPTやγGTP値も改善します。

LDLコレステロール・総コレステロールに関して
「低下・不変・上昇」と個人差があるのですが、
糖質制限食開始前に菜食中心で食材のコレステロールが少ない場合、
肝臓でコレステロールをつくる能力が高まっています。

そういう場合糖質制限食で肉や卵などコレステロールの多い食材を摂取すると、
一過性にLDL-コレステロール値が高くなりますが、
半年~1年~2年~数年で落ち着くことが多いです。

このように、スーパー糖質制限食実践で、
動脈硬化のリスク要因とされていた

「血糖、HbA1c、中性脂肪、HDL-コレステロール、LDL-コレステロール」

全てのデータが改善しますので動脈硬化の予防も期待できます。

従って、スーパー糖質制限食の長期予後も、良いと考えられます。


(☆)
『インターバル速歩』と体力、『一日に8000歩』との比較で優位。
2019年09月10日 (火)
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-5007.html



江部康二
NHK文化センター神戸教室講演『“内臓脂肪”落とし術』のご案内。
こんばんは。
2020年3月1日(日)13:00~14:30
NHK文化センター神戸教室
にて
『“内臓脂肪”落とし術』
https://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_1190722.html

と題して、お話します。

2019/6/21(金)の金スマで放映された『最強のやせる食事術』において
「内臓脂肪がストン!と落ちる食事術」(ダイヤモンド社、2019)
https://www.amazon.co.jp/dp/4478106487/

book.jpg

をしっかり紹介して頂きました。

出演者の杉田かおるさんが、2週間で4kg減量に成功。
66.1⇒62.1kg
体脂肪率⇒38.3⇒36.5%
内臓脂肪137⇒110㎠。
内蔵脂肪が27㎠ 低下⇒2週間で約2割内臓脂肪が減っていました。

出演者のみやぞんの相方の、あらぽん(芸人さん)さんは、
1週間で5kg減量に成功。

1週間で122.2⇒117.3kg
体脂肪率38.8⇒37.1%
内臓脂肪239⇒181㎠。
58㎠ 低下⇒ 1週間で、24%内臓脂肪が減っていました。

内臓脂肪はおもに腸間膜に蓄積される脂肪です。
内臓脂肪がたまるとお腹がポコッと出てきますが、
その腹囲がメタボリックシンドロームの診断基準の一つになっています。

メタボリックシンドロームでは、
脂質異常症・高血圧・糖尿病があって動脈硬化が進行しますので、
そこに血栓のできやすい状態が加われば、心筋梗塞や脳梗塞の危険が高まります。
内臓脂肪が蓄積すると、このようなこわいリスクが増加するので
間に合う内にキッチリ、何とかせねばなりません。

2020年3月1日(日)の講座では、
『内臓脂肪がストン!と落ちる食事術』の基礎理論(糖質制限食理論)をお話しし、
内臓脂肪CTで実例も紹介します。
わかりやすく楽しいお話を目指しますので、
神戸、大阪、兵庫、近畿地方などのブログ読者の皆さん、
是非ご参加頂ければ幸いです。


江部康二


以下は、NHKカルチャー神戸教室サイトの案内文です。

☆☆☆
NHK文化センター神戸教室
https://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_1190615.html


ドクター江部の “内臓脂肪”落とし術
講師:高雄病院理事長・医師 江部 康二

ドクター江部の運動なしで内臓脂肪を落とす食べトレ法を伝授!

 心筋梗塞や脳卒中、糖尿病などの病の原因になると指摘されている“内臓脂肪”。
“糖質制限食”の提唱者として知られるドクター江部こと、江部康二先生がお腹いっぱいしっかり食べて
かつ運動もしないで“内臓脂肪”を劇的に減らす食べトレ法をわかりやすく伝授します。

【講師プロフィール】
京都大学医学部卒業。京都大学胸部疾患研究所第一内科を経て、高雄病院に医局長として勤務。
2000年に理事長に就任。糖質制限食を提唱し、糖尿病治療の研究に力を注ぐ。
画像の「内臓脂肪がストンと落ちる食事術」(江部康二著・ダイヤモンド社)をはじめ著書多数。

受講申し込み
NHK文化センター神戸教室 078-360-6198

開催期間 2020/3/1
曜日・日時 日曜 13:00~14:30
回 数 1回 途中受講できません
コース 受講料(税込み) 教材費(税込み)
   会員      3,432円
   一般(入会不要) 4,125円
無酸素運動と糖質量。普通の運動と最高強度の運動の差は?

【20/02/13 西村 典彦
無酸素運動と糖質量について
いつもお世話になっております。

今回は、無酸素運動と糖質の必要性について考えてみました。

スキー(2月9日~11日)とその前後の日の糖質量と血糖値の変化です。
2月10日(スキー2日目)の夕食前は昼食で高糖質食にしたにもかかわらず、68まで低下しています。
高糖質にも関わらず、ケトン体もそれなりに産生されていることから、摂取した糖では消費エネルギーが賄えず、脂肪エネルギーも利用されているものと思われます。
アルペンスキーは200mをダッシュするのと同程度の無酸素運動だそうですが、データからも糖質が必要と感じますが如何でしょうか。
3日間のスキーでは、毎日、毎食、耐糖能の変化があり、低血糖にも高血糖にもならないように糖質量を調整するの難しいです。

以上、ご参考まで。


     食前→食後ピーク 摂取糖質量

2月 8日(スキー前日)
 (朝食時) 85→118 20g
 (昼食時) 89→137 12g
 (夕食時) 96→119 23g

2月 9日(スキー5時間)
 (朝食時)102→120 11g
 (昼食時) 77→117  4g
 (夕食時) 76→130 29g ケトン体1600μmol/L

2月10日(スキー4時間)
 (朝食時) 79→115 23g
 (昼食時)103→144 87g ケトン体500μmol/L
 (夕食時) 68→112 51g

2月11日(スキー3時間)
 (朝食時) 83→ 93 34g
 (昼食時)116→167 88g
 (夕食時) 98→171 77g

2月12日(スキー翌日)
 (朝食時) 97→111  4g
 (昼食時)115→135 20g
 (夕食時)100→144 37g 】



西村典彦さん

仰る通りと思います。
普通のスポーツやマラソンなどは
有酸素運動が主で、糖質制限食やケトン食が有利です。
一方最高強度の運動では、糖質ありが有利です。

まず長距離走ですが、普通の市民ランナーやトレイルランナーレベルなら、
間違いなくスーパー糖質制限食が適しています。
ブログにも複数のランナーから、
糖質制限食で記録がのびたというコメントをいただいています。

よりハードないわゆる選手レベルの場合はどうなのでしょうか?
これに関して調度いい論文がありました。

「オフロードサイクリストにおける運動代謝と身体能力へのケトン食の影響」

という題のポーランドの研究です。(*)

以下、この研究の要約と結果を、かなりアバウトに意訳してみました。
面倒なところは一部省いていますが、大意は合っていると思います。

<要約>
本研究の主な目的は、オフロードサイクリストの好気的パフォーマンスと運動代謝においての、長期的ケトン食の効果を決定することであった
被験者はトレーニング経験が5年間以上のオフロードサイクリングのアスリート。
8人の男性被験者、年齢は28.3±3.9歳
クロスオーバーで、ケトン食と混合食を一ヶ月ずつ。
それぞれ同じトレーニング負荷。

ケトン食:P:C:F=15:15:70
混合食:P:C:F=20:50:30


様々な強度でサイクロエルゴメーターで連続的な運動手順で検査を行った。
ケトン食は、体重、体組成、脂質及びリポタンパク質プロファイルにいおいて好ましい変化があった。
最大酸素摂取量と乳酸閾値と呼吸交換率(RER)は、安静時および運動の最初の3つの段階(10分、45分、90分・・・低~中程度の強度)においては、ケトン食が優位であった。
最後のマックス強度の運動の時は、ケトン食の優位は逆転した。

<結果>
有酸素持続的なアスリートにおいては、ケトン食は好ましい可能性がある。
高容量で、低から中等度の強度のトレーニング負荷のトレーニング過程においては、ケトン食は優位である可能性がある。
筋肉のダメージも少ない。
しかし高強度の運動においては、ケトン食は筋肉中のグリコーゲン貯蔵が少なく解糖酵素の能力が低下するので運動能力を低下させる。

*ケトン食は脂肪酸代謝を活性化させ、インスリンレベルとブドウ糖利用を減少させる。

 

自転車のアスリート8名の研究で、ケトン食を摂取した1ヶ月と混合食を摂取した1ヶ月で、
それぞれデータをとって、比較した研究です。
結論は、有酸素運動(この研究では自転車競技)において、低強度~中等度の強度トレーニングなら、ケトン食は混合食(普通食)より優位であるけれど、高強度のトレーニングだけは、優位は逆転するということです。

西村典彦さんのアルペンスキーは、200mダッシュということなので、
最高強度の運動になると思います、
そうすると、この論文によれば、糖質あり食の方が、
仰る通り、優位と思われます。


最高強度以外の、
中程度の強度のトレーニングなら、ケトン食で脂肪酸代謝が活性化しているので、それをエネルギー源として筋肉は混合食(普通食)の時より効率的に活動できるということです。
しかも筋肉のダメージも、混合食(普通食)より少ないのですから、良いことずくめです。
この結論は、今までの私の印象とも一致しています。

このことを考慮すると、有酸素運動が主のマラソンやトレイルランなどでは、ケトン食やスーパー糖質制限食を実践していると、筋肉はしっかり「脂肪酸-ケトン体」を主たるエネルギー源として使って、中等度の強度の運動くらいまでは有利に走り続けていくことが可能です。
これにより、筋肉中のグリコーゲンを節約することができるので、最後までグリコーゲンは残っています。
ラストスパートだけは、このとっておきの「グリコーゲン-ブドウ糖エネルギーシステム」をエネルギー源に使って無酸素運動で高強度の運動で終了というパターンが可能です。

この研究のケトン食は、糖質15%ですから、高雄病院のスーパー糖質制限食の12%と似たようなものです。
Ketogenic Diet(ケトン食)という言葉は、ケトン体を産生するレベルの糖質制限食という意味を兼ねています。
1回の食事の糖質量が、20g以下で、1日の糖質量が60g以下だとケトン体が産生されます。

長距離・中距離走や一般的なスポーツ(サッカー、野球、バスケットボール、テニス・・・など)では、いつも通りのトレーニングでスーパー糖質制限食を実践していると、筋肉は「脂肪酸-ケトン体エネルギーシステム」を上手に使えるようになります。
そして筋肉のダメージも少ないのですから、とてもよいパフォーマンスが可能と思います。

100m走など高強度の運動には、スーパー糖質制限食は向かないと思います。
またボクシングも減量はいいのですが、トレーニングは高強度の運動の繰り返しなので向いていません。


(*)
http://www.mdpi.com/2072-6643/6/7/2493#tabs-5
Nutrients 2014, 6, 2493-2508; doi:10.3390/nu6072493
The Effects of a Ketogenic Diet on Exercise Metabolism and
Physical Performance in Off-Road Cyclists
Adam Zajac 1
Stanisław Poprzecki 2
Adam Maszczyk 1,*, Miłosz Czuba 1
Małgorzata Michalczyk 3
and Grzegorz Zydek 3

決定版! 作りおき&レンチンで簡単! 糖質オフのやせる! ラクうま弁当350   ナツメ社
こんばんは。

決定版! 作りおき&レンチンで簡単! 糖質オフのやせる! ラクうま弁当350 大型本 - ナツメ社 2020/1/16
江部 康二 (著), 新谷 友里江 (著)
https://www.amazon.co.jp/dp/4816367705/


book2020-1.jpg


2020年1月16日、刊行です。
おかげさまで、早くも重版が決定しました。(^^)       
アマゾンの動きはいまいちなので、心配だったのですが
レシピ本は、直接手に取って、本屋さんの店頭で内容を確認してから
購入される人が多いのかなと思いました。

本書が前もって送付されてきたので、
スタッフにも見せました。
すると、わかりやすく使いやすいと、とても評判が良いのです。
購入したいという人も多くて、嬉しい限りでした。

本書では、作りおきとレンチンでラクラク続く、
お弁当の定番おかずをたっぷり350種掲載してあります。

ゆる糖質オフも、きちんと糖質オフ(スーパー糖質制限食)も自由に選べます。
毎日お弁当の人もいれば、時々お弁当の人もいると思いますが、
この一冊で、美味しい糖質オフ弁当が簡単に作れるのでとても便利です。


☆☆☆
以下の緑文字の記載は、本書の「はじめに」です。

自分に合った糖質オフ弁当でおいしく食べてやせる!

   本書は糖質オフのお弁当の本です。カロリー制限食の場合、減量は極めて困難で、
そもそもひもじくて長く続けることは不可能と言えるでしょう。
その点、糖質制限食なら、厚生労働省のいう「推定エネルギー必要量」を、
しっかり摂取してよいので、満足感や満腹感があり、
しかも減量効果が速やかにでることでモチベーションも高まるため、
長く続けることが可能になります。
糖質を食べて血糖値が上昇すると、分泌されたインスリンが血液中のブドウ糖を
筋肉に取り込ませることで血糖値を下げますが、余ったブドウ糖は全て中性脂肪に
変えられ、脂肪細胞に蓄えられます。
これがインスリンが肥満ホルモンと言われる理由です。
一方、たんぱく質と脂質は直接血糖値を上げることはないので、食べても太りません。
いざ減量のために糖質制限食を始めたけれど、お昼は社員食堂に行くしかないなど、
昼ごはんで挫折する人が多いようです。
外食やコンビニを利用する手もありますが、
糖質制限中でもOKなメニューの選択肢は限られます。
そこで、家庭で作る糖質オフ弁当の出番です。
容量が決まっており、糖質量の管理がとても簡単です。
おかずを作りおきしておけば、当日詰め合わせるだけなので悩む必要もなく
ラクに続けることができ、毎日美味しく楽しく食べられます。
電子レンジ調理のレシピもあり、手早く一品追加できるのも魅力的です。
きちんと糖質オフのほうが、減量効果が速く出るのは必然なのですが、
ゆる糖質オフでも一定の効果は期待できます。
是非実践していただければ幸いです。

                                            2020年1月吉日 江部康二


***
以下の青文字の記載は出版社の内容紹介です。

内容紹介
ダイエット効果てきめんの「糖質オフ」。
ですが、使える食材や調味料が限られているため、レシピが思いつかない、
マンネリになってしまう、という方も多いのではないでしょうか。

本書では、作りおきとレンチンでラクラク続く、
お弁当の定番おかずをたっぷり350種掲載しました!

朝、作りおきおかずを詰めるだけだけ&パパッとレンジで作れるから、とにかくラクチン。
この一冊で、美味しい糖質オフ弁当が簡単に作れます。

全レシピ、1回分の糖質量、たんぱく質量、エネルギー量、
冷蔵・冷凍保存の期間を記載しています。

【本書のポイント】

●ゆる糖質オフも、きちんと糖質オフも自由に選べる!
本書では、糖質オフおかずや主食の組み合わせで、
糖質量を簡単に調整することができます。
主食なしできちんと糖質を減らし一気にやせたい方も、
主食を楽しみつつ少し長めのスパンでやせたい方も、
自分にあった方法を選ぶことができます!

●ボリューム満点! だから、糖質オフでもお弁当が楽しみに
糖質オフでがんばっていても、量が少なかったり、
味つけがマンネリだったりして味気ないお弁当では、挫折していまします。
本書で掲載しているおかずは、それぞれが低糖質なので、たくさん詰めても大丈夫。
味つけの種類も豊富で、マンネリになることもありません。

●こんなに食べられる! 主食レシピも満載
糖質オフといえば、主食は食べないのが基本ですが、やっぱり物足りなさが残るもの。
ゆる糖質オフだけでなく、きちんと糖質オフでも楽しめる主食レシピをたくさん掲載しました。
低糖質なカリフラワーごはんやおからごはん、糖質オフの麺、ブランパン、
ほぼ糖質ゼロの油揚げや厚揚げを活用したレシピなどを掲載しています。

●途中で飽きない! アレンジレシピを紹介
作りおきのおかずに、途中で飽きてしまった経験がある方も多いのでは?
本書では、アレンジレシピも掲載しているので、最後までおいしくいただけます。

【目次】(章タイトルのみ)
Part1 肉の作りおき&レンチンおかず
Part2 魚介の作りおき&レンチンおかず
Part3 卵&大豆製品・豆の作りおき&レンチンおかず
Part4 作りおき&レンチンでできる 色別サブおかず
糖尿病薬と低血糖。
こんにちは。

「重症低血糖で搬送、年2万件…薬の誤使用原因か。」
(日本糖尿病学会の推計)


という記事が、
2017年08月15日 (火) 読売新聞に掲載されました。、

薬の誤使用が原因かとされていますが、
糖質を普通に摂取してSU剤やインスリン注射で、
食後高血糖をコントロールすること自体が、現実には極めて困難です。

少しでも薬の量が多ければ低血糖を生じ、
不足すれば食後高血糖を生じます。
血糖値を直接上昇させるのは糖質だけですから、
<摂取する糖質量とSU剤やインスリンの量>
がぴったりマッチすれば、理論的には血糖コントロール可能です。

それが、カーボカウントという方法ですが、結構難しいですし、
日本では、このカーボカウントでさえも一般的ではありません。
従って薬の誤使用だけではなく、医師の指導通りに内服したり
注射していても、低血糖は充分起こりえると思います。

まれではありますが、糖尿病の方が運転する自動車が暴走して
歩行者を巻き込む事故が起きています。
運転者が糖尿病薬を服用しており、
薬の効きすぎによる低血糖が疑われるケースもあるようです。

実際、高血糖より低血糖のほうが、急性では危険です。
また、低血糖発作を起こすほど総死亡率も上がりますので、
長期的にもできるだけ低血糖を起こさないことは重要です。

高血糖は、動脈硬化・がん・糖尿病合併症などのリスクとなりますが、
基本的に、期間をかけてのことで慢性病としての問題です。
一方、低血糖は急性で、一気に意識不明とか、
脳卒中や心筋梗塞の引き金となることもあります。
低血糖発作では、意識がもうろうとなり、
車を止めようとする余裕は全くなくなると思われます。

低血糖発作のほとんどは、インスリン注射をしているか、SU剤内服の場合です。
時に速効型インスリン分泌促進剤でも低血糖を生じます。
内服薬でもインスリン注射でも、薬の量が多いほど、低血糖になりやすいのです。
ですから、糖質を普通に食べて、その分大量のインスリンを打ってというパターンは、
「糖質量とインスリン量」のマッチングがよほど良くない限り、
低血糖と高血糖の乱高下を生じやすいのです。
まして、カーボカウントもせずに、
カロリー計算を主にインスリンの単位を決めているのは、
「目をつぶって車の運転をする」くらい危険なことなのです。

それなのに、まことに残念ながら、多くの病院、糖尿病専門医が
「カロリー計算だけでインスリン単位を決定するという暴挙」
を患者さんに指導しているのが日本の現状なのです。
日本の医師や栄養士は、相変わらず「カロリー制限高糖質食」
唯一無二の「糖尿病食」として、推奨しています。

欧米では、少なくともインスリン注射をしている糖尿人においては、
カーボカウントが普通です。
これは、
「血糖値を直接上げるのは糖質だけで、蛋白質・脂質は直接上げない」

という知識が、医者にも患者にも共有されているから、欧米では当たり前のことなのです。

インスリン注射をしている糖尿人の皆さん、
カロリー計算でインスリンの量を決めるのは、全く無意味ですので、
せめて欧米並みにカーボカウントをしましょう。
これにより、低血糖はかなり防げると思います。

勿論、スーパー糖質制限食導入により、
最低限のインスリン量に減量することがベストなのはいうまでもありませんね。
高雄病院においては、
SU剤はスーパー糖質制限食導入により、ほぼ全例で中止できています。

食直前のインスリンの単位は、糖質摂取時に比べて、1/3以下になります。
単純にインスリン注射の単位が少ないほど、低血糖も起こしにくいのです。
糖質制限食なら、
インスリン注射やSU剤など低血糖を起こす薬物の使用量が激減するので、
低血糖予防になります。

なお、注射薬として、GLP1受容体作動薬(トルリシティ、ビクトーザなど)、
内服薬として、SGLT2阻害薬、メトホルミン、DPP-4阻害剤、αGI剤、ピオグリタゾンは、
作用機序から考えると、基本的に低血糖は生じません。

しかし、これらの薬も、SU剤やグリニド系剤、インスリンと併用すれば、低血糖はありえます。

江部康二
2020年4月5日(日)医療従事者対象糖質制限食セミナーin東京のご案内
こんばんは。

2019年、東京にて開催し、
ご好評いただいた医療従事者対象糖質制限食セミナーを
2020年4月5日(日)、東京にて開催致します。

日本糖質制限医療推進協会主催 
医療従事者対象糖質制限食セミナー
(東京)


第1部
「糖質制限食による糖尿病指導① ~高雄病院の食事と栄養指導」
講師: 橋本 眞由美 管理栄養士 / (一財)高雄病院 栄養科長


高雄病院の糖質制限食と栄養指導について、症例も交えてお話しいたします。

第2部 
「糖質制限食による糖尿病指導② ~理論と臨床」

糖尿病治療に関して、最新糖質制限食理論と共にエビデンスのお話を説明します。
高雄病院の糖尿病患者さんの症例も発表します。

今回は、週1回のGLP1アナログ製剤で、持続型インスリン20単位が減量・離脱できた症例などの発表です。
2019年に得られた最新の糖質制限食情報もお話しします。講義・質疑を含めて100分間の予定です。

第3部
発表と討議

今回も、医師と管理栄養士、5名の方に発表いただき、参加者の皆さんと一緒にしっかりディスカッションします。

なおご参加頂いた皆さんには、第2部講演スライドのPDF資料をダウンロードしていただけます。

東京、関東、東北などの医療従事者の皆さん、奮ってご参加くださいね。

江部康二

以下事務局からのお知らせです。

***********

ブログ読者の皆様、いつも弊会のイベントへ多数ご参加いただきましてありがとうございます。


2020年4月5日(日)、東京にて医療従事者の方を対象に糖質制限食セミナーを開催いたします。

第1部は高雄病院の橋本眞由美
管理栄養士による講義で、高雄病院の糖質制限食と栄養指導について、症例も交えてお話しいたします。

第2部は理事長による講義で、糖質制限食指導に必要な生理学的基礎理論や臨床例について解説いたします。

第3部は発表・討議で、医師と管理栄養士、5名の方々に発表いただき、
ディスカッションを行います。

弊会の医療従事者向けセミナーは、医療機関での糖質制限食指導の普及促進、ブラッシュアップ、発展を目指して2013年より毎年開催しております。

昨春のセミナーでは、臨床で糖質制限を採り入れておられる医療従事者の方々に発表いただき、指導法や症例などの共有、意見交換をしていただく「発表・討議」の時間を新たに設けました。
参加いただいた方から、大変参考になる、刺激になった等ご好評いただき、今年のセミナーでも継続する運びとなり、2/9(日)の大阪、4/5(日)の東京、いずれのセミナーも、各地よりバラエティに富んだテーマにて発表エントリーいただいております。

医療従事者の皆様、奮ってご参加いただけますと幸いです。

*セミナー情報URL:http://www.toushitsuseigen.or.jp/activity

//////////////ご案内/////////////////

(一社)日本糖質制限医療推進協会主催
「医療従事者向け糖質制限食セミナー(東京)」

■日時:2020年4月5日(日)12:30~17:00頃 ※開場・受付は12:10~

■会場: WATERRAS COMMON 3F「ワテラスコモンホール」

〒101-0063 東京都千代田区神田淡路町2丁目101番地
http://www.waterrascommon.com/access.html

■内容:

◇第1部:「糖質制限食による糖尿病指導① ~高雄病院の食事と栄養指導」

講師: 橋本 眞由美 管理栄養士 / (一財)高雄病院 栄養科長

◇第2部:「糖質制限食による糖尿病指導② ~理論と臨床」 13:20頃~

講師: 江部康二 医師 
  (一財)高雄病院 理事長/(一社)日本糖質制限医療推進協会 理事長

◇第3部: 「発表・討議」 15:15頃~

・『糖質制限による糖尿病治療の導入法(外来で糖質制限による糖尿病治療の実際)』

 佐藤 信昭 医師 / 茅ヶ崎徳洲会病院(神奈川)  副院長(内科)

・『コメ消費大国カンボジアにおける糖質制限指導の苦労』
 奥澤 健 医師 / ケンクリニック(カンボジア) 院長

・『外来での2型糖尿病に対する中等度糖質制限食と筋力トレーニングの組み合わせの効果について』

 宇佐見 啓治 医師 / うさみ内科(福島) 院長

・『糖質制限+たんぱく強化食による産後うつの栄養学的管理』
 林 美穂 管理栄養士 / 宗田マタニティクリニック(千葉)

・『耐糖能低下を合併する消化器癌患者に対する術前術後糖質制限輸液の経験』
 村上 博史 医師 / 西部総合病院(埼玉) 外科

*第3部は、発表10分・討議7分ずつを予定しております。

■対象:

医療従事者の方(医師、歯科医師、薬剤師、看護師、栄養士、理学療法士、鍼灸師など)


■受講費:

・医師・歯科医師の方: 賛助会員 7,200円 / 一般(会員以外) 9,000円

・上記以外の医療従事者の方: 賛助会員 5,200円 / 一般(会員以外) 6,500円

*参加頂いた皆様には、第1部・第2部の映写資料データ(PDF)を後日ダウンロードしていただけます。


■お支払い方法:
クレジットカード/銀行振込/郵便振替 ※事前決済のみとなります。

※領収書をご希望の場合は、領収書宛名もお知らせ願います。

■お申し込みの流れ:

1. 下記「お申し込み方法」の該当するものからお申し込み下さい。
2. 事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
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■お申し込み方法:

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事務局へメールにて、医療機関でのご職種をご記入の上、お申し込み下さい。

★賛助会員入会をご希望の方:

1. 入会案内および会員規約をお読み下さい。
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2. お申し込みは下のフォームからお願いします。
 「通信」欄に以下をご記入下さい。
 ① 「4/5東京セミナー、参加希望」 とご記入下さい。
 ② 医療機関でのご職種をご記入下さい。
 http://www.toushitsuseigen.or.jp/contact

★一般(会員以外)で、セミナーの受講のみご希望の方:

下のフォームからお申し込み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/seminar-med

■その他:

・予約制です。当日参加はできません。
・キャンセルは4月3日(金)までに事務局までご連絡願います。
それ以降のご返金は対応致しかねますので予めご了承下さい。
「医療従事者対象糖質制限食セミナー in 大阪」のご報告。

こんばんは。

2020年2月9日(日)
日本糖質制限医療推進協会主催 
医療従事者対象糖質制限食セミナー in 大阪

を、
開催致しました。
約50名の参加者で、活発な議論が交わされ、
とても有意義なセミナーとなりました。
医師17名をはじめ、歯科医師、管理栄養士、看護師、薬剤師、整体師、針灸師などの
医療従事者の方々に、ご参加頂きました。



第1部
高雄病院の橋本眞由美 管理栄養士による講義で、
高雄病院の糖質制限食と栄養指導について、症例も交えてお話ししました。

第2部
江部康二による講義で、糖質制限食指導に必要な生理学的基礎理論や最新の知識、
高雄病院での臨床例について解説しました。
<GLP-1受容体作動薬(1/週、皮下注)+糖質制限食>
にて持効型インスリン20単位を中止できた症例も発表しました。
また、SGLT2阻害薬内服による著効例も報告しました。


2018年の米国糖尿病学会(ADA)/欧州糖尿病学会(EASD)の合同レポートにおいて、
第一選択薬のメトホルミンに次いで使用されるべき薬剤は、
ほぼSGLT2阻害薬かGLP-1受容体作動薬かの二択とされました。
この2種類の薬剤の位置づけがとても重要となってきたわけです。

第3部
発表・討議で、4名の医師と2名の管理栄養士の方にご発表いただき、
ディスカッションを行いました。
糖質制限な多彩な症例に基づき、活発な議論が行われました。

以下は、第3部の抄録です。


『職場での「食後血糖測定」「糖質制限ランチ会」』
トータルヘルス株式会社(福岡) 代表取締役 林田耕治 医師(産業医)


弊社は14社と嘱託産業医契約があり、産業医2人保健師3人のスタッフで約3,500人の労働者の健康管理を行っています。健康診断後の保健指導が主たる業務ですが、肥満・高血糖・高血圧・肝障害・高中性脂肪血症といった所見のある方々に「糖質制限」を指導しています。
糖尿病対策を進めるために始めたのが①食後血糖測定と②糖質制限ランチ会です。
①食後血糖測定は、空腹時血糖100以上またはHbA1c6.0以上の人を対象にして、会社で「いつも食べているお昼ごはん」を食べた後に、食後の血糖値を測定して、食後高血糖が発生していないかどうかをみて、糖質制限指導に繋げています。
②糖質制限ランチ会は、食後血糖の高かった人を対象にして、会社で「糖質の少ない食事」を実際に食べてもらい、食後血糖を測定して、糖質をとらなければ血糖値が上がらないことを体験してもらいます。
食後血糖測定と糖質制限ランチ会の実際についてご紹介いたします。


林田先生、段階を踏んで、糖質制限食のスムースな導入を可能にしておられ、
とてもリーズナブルと思いました。
これなら、職場に徐々に糖質制限食が浸透していき、
糖尿病やメタボがメキメキと改善していくことでしょう。


『糖質制限と薬理学的糖質制限により治療中の18例についての検討』
うずまさ診療所、クリニックこまつ、萱島生野病院(京都、大阪) 内科 影山広行 医師


 私自身のアンチエイジングにはスーパー糖質制限を取り入れていますが、諸般の事情から糖尿病患者の治療には緩やかな糖質制限と筋力強化を指導しつつ、必要に応じて、SGLT2阻害剤、α-GI、メトホルミンを中心とする薬物治療を加えて治療しています。私の造語の薬理学的糖質制限とは前述の糖尿病治療薬を中心とする薬物治療を意味しており、体内環境はさらに高度な糖質制限に近づくと推察され、薬物治療が必要な糖尿病患者はほとんどこの方法で治療しています。今回は、糖質制限指導のみ、薬理学的糖質制限を加えたものは以前のSU剤の使用の有無で治療効果を検討しました。ドロップアウトはおらず、全例で治療効果は良好ですが、SU剤が使用されていた群では体重減少は著明ながら、HbA1cの降下はやや不十分でした。薬理学的糖質制限が加わることで、糖質制限に体を慣らすアシスト作用があるという印象をもっています。最後に、糖質制限と相性のよい糖尿病治療薬や糖質制限の好適応について考察しつつ、糖質制限食を修正し、さらなる最適化の可能性についても提案させていただきます。


影山先生は、なかなか『スーパー糖質制限食』を実践するのが困難な患者さんに
対して、薬物療法を導入しての「アシスト糖質制限食」を指導されています。
現実に、このタイプの患者さんが結構おられるので、
とても実践的なアプローチであり、18例中、脱落者はなしとのことでした。

『糖尿病患者よ、糖尿病専門医より逃げよ(そのインスリン、本当に必要ですか?)』
たかはし整形外科医院(香川) 髙橋裕彦 医師


2017年より、インスリン治療をやめて、糖質制限を指導し、コントロールできた症例が30例になりました。そのほとんどの例が糖尿病専門医のもとでコントロールされている症例であり、漫然とインスリン治療を行なっている患者がほとんどである。インスリン治療では食後高血糖が予防できないことをCGM(フリースタイルリブレプロ)で示し、患者に提示し、糖質制限との差を実感してもらい、治療を開始した。
ほとんどの患者で糖質制限当日より、血糖値のフラット化がみられ、良好なコントロールを示した。ただし、CGMも約300例経験し、トラブルの原因もはっきりしてきたので、それも含めて報告する。2型糖尿病でインスリン治療を行なっている患者の9割は中止できると思われるので、合併症が出現する前に1日も早く糖尿病専門医のもとから逃げることが賢明と思われた。


高橋先生は、おそらく香川県で一番多く、CGM(フリースタイルリブレプロ)を使用されている医師です。<GLP-1受容体作動薬(1/週、皮下注)+糖質制限食>で、3年間で30人の糖尿病患者さんのインスリンゼロを達成しておられます。素晴らしい成果であり、
相変わらず『従来の糖尿病食(カロリー制限高糖質食)』を唯一の食事療法として指導している多くの糖尿病専門医には、到底不可能な実績と言えます。



『整形外科的疾患及び内科的疾患に対する、3165例の肥満外来の実践(糖質割合33%)』
発表者 医)中村整形外科リハビリクリニック(兵庫)
管理栄養士  河嶋智子、土橋美香、成田温子
理学療法士  増田兼也(他3名)
整形外科医師 中村巧


【背景】 第一次健康日本21(2001~12)で日本内科学会のメタボリックシンドローム(代謝症候群)、2007年から日本整形外科学会のロコモティブシンドローム(運動器症候群)、2014年から日本老年医学会からフレイルが追加され、2020年から全国規模でフレイル健診が始まる。メタボ・ロコモ・フレイルは、寿命の延伸、高齢者のQOLの維持増進、医療費の低減を図る、高齢化社会日本で最も重要な三大症候群といえる。メタボ・ロコモ・フレイルに健康的な減量が必要である。ロコモの主な原因である変形性脊椎症・腰部脊柱管狭窄症・腰椎椎間板ヘルニア、変形性膝・股関節症患者に多い量的肥満に関しては、減量は重要視されているが整形外科の臨床現場では全くアプローチされていない。

【目的】当院では糖質制限食(糖質33%)による栄養指導、油圧式マシーンによる筋トレや有酸素運動による運動療法や理学療法により徹底した減量を実行しており、ロコモが改善される場合が多い。これらの症例を提示し、整形外科領域におけるロコモ患者に対する糖質制限食と運動療法による減量治療の有効性を報告する。

【方法】 当院では約20年間に3165例の肥満外来を行った。発症時の体重・BMI(平均値)、評価表(日本整形外科学会腰痛治療成績判定基準・股関節治療成績機能判定基準・変形性膝関節症治療成績判定基準、以下は判定基準)による点数(平均値)を治療前後でそれぞれ比較した。①脊椎疾患59例、②変形性膝関節症97例、③変形性股関節29例の計185例である。1)体重・体組成の計測、エコー検査で皮下脂肪厚や内臓脂肪厚、脂肪肝の程度を測定。2)1日2回測定し、グラフ化体重日記を習慣にする。3)毎月1回個別で管理栄養士と医師の両者がアドバイスを行う。また、マズローの五段階欲求により明確な短期・中期・長期目標を初期に行う。

【結果】 減量により判定基準による点数(減量前→減量後)は、脊椎疾患59例は18.8/29点→25.9/29点と約70%、変形性股関節29例は63.9/100点→82.7/100点と約52%、変形性膝関節症97例は78.3/100点→94/100点と約72%良好に改善した。現在通院している患者の内、疾病別服薬の減薬および中止した患者は、高血圧症患者219人中18人、脂質異常症患者138人中27人、糖尿病患者71人中12人であった。

【結論】 整形外科領域ではロコモティブシンドロームの認知度の向上とともに、より積極的に運動指導がされる傾向にある。しかし、「減量」に関して、整形外科的には重要視はされているものの、臨床現場では全くアプローチされていないのが現状である。整形外科領域でも減量指導を戦略的に取り入れることが肝要である。高齢者の多剤併用が大きな問題となりつつある(polypharmacy)。整形外科的疾患患者に対する糖質制限食と運動による戦略的な減量を広めていきたい。

20年間で3165例の肥満患者を診察し治療した、極めて貴重な臨床報告です。
河嶋管理栄養士、成田管理栄養士にご報告頂きました。
①脊椎疾患59例、②変形性膝関節症97例、③変形性股関節に対して、
医師と管理栄養士のアドバイス、マズローの五段階欲求による目標設定を通じて
『糖質制限食』と『運動療法』の実践で大きな成果を達成されています。
高血圧患者、脂質異常症患者、糖尿病患者にも成果をあげておられます。



『劇症型潰瘍性大腸炎に対する補助療法としての糖質制限輸液、食による寛解導入、維持の経験』
西部総合病院(埼玉) 外科 村上博史 医師


【諸言】
劇症型潰瘍性大腸炎に対し、標準治療に加え糖質制限輸液、食事により寛解導入、維持、ステロイド離脱を達成した2例を経験した。

【症例】
症例1:男性。血性下痢、腹痛にて12月24日入院。
血圧103/77mmHg、脈拍101/min。排便18回。体温38.6度。
CF像等より劇症型潰瘍性大腸炎と診断。
プレドニゾロン(以下Prd)80mg静注開始。症状改善に合わせ漸減、1月12日Prd 30mgで食事開始。1月27日経口Prd 20mgで退院。3月29日Prd離脱。
輸液、摂食の糖質カロリー比(以下CTR)は、内視鏡診断後0輸液。点滴、経口併用時30、経口単独時は43から18に減量。
退院後の食事写真から栄養士が推測した1日の平均総カロリー量(TC)は1472kcal、CTR15.9。

症例2:女性。2月14日血性下痢、腹痛にて入院。
血圧81/60mmHg、脈拍182/min、排便17回。体温38.1度。
CF像等より劇症型と診断。
Prd60mgの静注を開始。症状改善に合わせ漸減、3月9日Prd20mg、排便1回にて食事開始。3月16日大量下血。Prd依存性と診断。Prd30mgに増量。3月20日抗TNF-α剤(以下Ifx)250mg導入。下血消失し経口Prd15mgで3月28日退院。8月28日Prd離脱。
輸液、摂食のCTRは3月1日より輸液単独時7.1。経口点滴併用時30.3。点滴終了後は48.8。
退院後の1日の平均TCは1441kcal、CTRは12.1。

【考察】
体内で余剰となった炭水化物がタンパク質と結合し糖化され、終末糖化物質になると活性酸素が生成され炎症性サイトカインを発現させる。重症例に対するIfxは炎症性サイトカインTNF-αに対する分子標的薬であり、通常の糖中心の輸液は理に合わない。
倫理上、どの程度の輸液CTRを落としどころにするかの検討が必要。糖質制限食は管理部門も含めた協力が必要で、慎重な対応を要する。

【結語】
潰瘍性大腸炎に対する治療法は選択肢が増えたが、いずれもが免疫抑制系治療であり、免疫抑制を伴わない糖質制限治療の症例の蓄積、評価が期待される。


村上先生には、潰瘍性大腸炎という難病の中で劇症型という最重症タイプの治療報告をして頂きました。
極めて貴重な臨床価値の高い発表と言えます。終末糖化産物(AGEs)により、
活性酸素が生成されて、炎症性サイトカイン(TNF-α)を発現させるということで、
現状医療のブドウ糖中心の点滴に対して問題提起しておられます。入院治療で症状改善したあとは、
2例とも、退院して糖質制限食実践で、プレドニンの減量・離脱に成功しておられます。
糖質制限食が潰瘍性大腸炎に有効であることは私も経験しています。
今後は、糖質制限な点滴(脂肪製剤やアミノ酸製剤)も含めて
潰瘍性大腸炎と糖質制限食の評価・検討例が蓄積していけばと思います。



江部康二
糖尿病は治る?治らない?  
こんばんは。
本日は、(一社)日本糖質制限医療推進協会主催
「医療従事者向け糖質制限食セミナー(大阪)」が、
大阪大学中之島センターで、開催されました。
今、懇親会を終えて、帰京・帰宅したところです。
セミナーの詳細は、明日(2020/2/10)、ご報告いたします。

さて、よくある質問の一つに
「糖尿病は治るのでしょうか?治らないのでしょうか?」というのがあります。
一般には、「一旦糖尿病になったら決して治らない。」というのが定説ですが、
本当のところはどうなのでしょう。
それではまず、どのようにして糖尿病が発症するのかを考えてみます。

日本人の糖尿病発症は、食後高血糖が数年間続いているのを見逃しているうちに、
遂に空腹時血糖値が上昇してきて、健康診断で発見されたというパターンが多いです。
即ち、当初は食後高血糖にならないように、
膵臓のβ細胞がインスリン追加分泌を頑張って沢山出し続けていくのですが、
ある日とうとう疲弊して追いつかなくなってきて、食後高血糖の段階に至ります。

この段階では、インスリン追加分泌の軽度の不足があり、
食後2時間値が140~199mgの境界型レベルになりますが、
まだ基礎分泌は保たれていて早朝空腹時血糖値は、
110mg/dl未満で正常範囲を保つことがほとんどです。
食後高血糖の段階になると、高血糖そのものが膵臓のβ細胞を障害します。
食後高血糖が180mgを超えてくると、
β細胞への直接のダメージでインスリン分泌不足を悪化させ、
また筋肉細胞のインスリン抵抗性も増してきて、糖毒と呼ばれる悪循環を生じます。

食後高血糖が数年間続くと、膵臓はさらに疲弊していき、
インスリン追加分泌の不足に加えて、インスリン基礎分泌不足となり、
とうとう早朝空腹時血糖値が高値となるのです。
空腹時血糖値が126mg/dl以上、
随時血糖値が200mg/dl以上で糖尿病型と診断されます。
糖毒状態が1日の中でも長時間続くようになれば、
急速に糖尿病が悪化していきます。

糖尿病は、インスリン分泌不足とインスリン抵抗性が合わさって発症しますが、
日本人は、インスリン分泌不足が主で、欧米人は、インスリン抵抗性が主とされています。
インスリン分泌不足とインスリン抵抗性を合わせて、インスリン作用不足と言います。

インスリン分泌不足が主の場合、糖尿病と診断された時点で
インスリンを作っている膵臓のランゲルハンス島のβ細胞の1~2割が壊れていて、
3~4割が疲弊していて、健常なのは、残りの半分くらいと考えられます。
一般に、糖尿病が治らないと言われるのは、
「インスリン分泌不足が主の糖尿病」であり、
既に壊れてしまったβ細胞は、元に戻らないと言う意味です。

しかし、糖質制限食を実践して、膵臓が充分休養できれば、
疲弊していたβ細胞が、正常に回復することが期待できます。
実際、入院時の空腹時血糖値が200mg/dl近かった方が、
糖質制限食実践数日で、110mgを切ってくることもあります。
この場合、β細胞数の一定の不足はあるけれども、
<残っているβ細胞の作用 + スーパー糖質制限食実践>により
血糖コントロールが正常レベルを保てているということになります。
例えば、糖尿人・江部康二がそのパターンです。

食後高血糖の期間・年数が長いほど、
β細胞がダメージを受けている割合が徐々に増えていき、
ダメージが大きい細胞は、回復しにくくなっていくということになります。


次に「インスリン抵抗性が主の糖尿病」を考えてみます。
この場合、インスリン分泌能力は、まだ比較的保たれていることが多いのです。
日本人でもこのタイプが少し増えてきています。
例えば、肥満や脂肪肝がありインスリン抵抗性が高まれば、
インスリンは分泌されていても、糖尿病を発症することがあります。
このとき何らかの方法で肥満や脂肪肝が改善すればインスリン抵抗性も減少します。
そうすると、適量のインスリンで、
筋肉細胞や脂肪細胞内にブドウ糖を取り込むことが可能となり、
インスリン分泌不足はないので血糖値は正常化し、
糖尿病が治ったような状態になります。
治るという言い方に語弊があるなら、
インスリン作用不足が改善し健常のパターンに戻るということです。

実際、そういう患者さんを数名経験しました。
例えば、初診時、
空腹時血糖値218mg/dl、HbA1c11.7%、163cm、72kgだった人が、
内服薬なしでスーパー糖質制限食を1年間続けて、60kgと肥満が解消し、
HbA1cは5%前後で維持できていました。
そうすると、糖質を普通に摂取しても、
食後2時間血糖値は140mg/dl未満となりました。
勿論空腹時血糖値も正常範囲内です。
血液検査のデータでは、診断基準上は正常人としかいいようがありませんので、
糖尿病のレッテルも消えました。ヾ(゜▽゜)
この患者さんが糖尿病専門医を受診して、いろいろ血液検査をされたとしても
「糖尿病ではありません。診断基準からみて正常です。」
という診断となるでしょう。

一方、江部康二の場合は、身長167cm、体重57kgを18年間維持していますが、
「インスリン分泌不足が主でインスリン抵抗性が従の糖尿病」です。
スーパー 糖質制限食を続けているかぎりは正常人ですが、
糖質を一人前摂取すれば残念ながら食後時間血糖値は軽く200mg/dlを超えて、
立派な糖尿人です。
β細胞が既に1~2割壊れていて、決して治らないパターンです。(×_×)


結論です。
「インスリン分泌不足が主の糖尿病は、決して治らない。」
「インスリン抵抗性が主の糖尿病なら、抵抗性が改善すれば、
糖代謝が正常人のパターンに戻る人も時にいる。」
ということですね。


江部康二
電子書籍『糖質量&炭水化物量ポケットガイド』好評発売中。 
こんにちは。 
私は、1950年(昭和25年)1月8日生まれで、70歳になりました。
五黄の寅です。
五黄の寅は36年に一度巡ってきます。

エルビス・プレスリー  
小泉純一郎   
金正恩(キム・ジョンウン)第1書記 


この御三方が、いずれも1月8日が誕生日です。
なかなか、濃いメンバーですね。
さて、閑話休題、電子書籍のご案内です。


電子書籍『糖質量&炭水化物量ポケットガイド』
 SBクリエイティブ (2019/8/30)


好評発売中です。

紙媒体はなしで、電子書籍のみです。
その分、お安くなっていて、
Amazon Kindle http://ul.sbcr.jp/Dh6Y5 で¥864-です。
幸い、キンドルのレビューも「便利で使いやすい」と好評です。

コンビニエンスストアやドラッグストア、スーパー、ファストフードなどで買える、
ランチにおすすめの商品やメニューを「実名」で多数掲載してあります。
野菜や肉類などの基本的な食材についても掲載しています。

おかげさまで、各電子書籍サイトのレビューでも、
具体的でわかりやすくて実用的など、高評価を頂いています。


スマートフォンで使いやすいよう、レイアウトを設計してあるので、
ぜひ、買い物や外食時に役立てて頂けば幸いです。

Amazon Kindle
http://ul.sbcr.jp/Dh6Y5

楽天kobo
http://ul.sbcr.jp/dj0by

Google Play
http://ul.sbcr.jp/Cu5R7

BOOK☆WALKER(予約中)
http://ul.sbcr.jp/o1gDb

糖質量&炭水化物量ポケットガイド(立ち読み版)
http://ul.sbcr.jp/BD-toushitsu


江部康二


☆☆☆
以下は、電子書籍『糖質量&炭水化物量ポケットガイド』のはじめにです。

はじめに
近年、糖質制限食に賛成する医療機関は順調に増えています。
2013年10月に「米国糖尿病学会」が5年ぶりに改訂した
「栄養療法に関する声明」の中で、
糖質制限食を正式に容認したことが、大きなプラスとなったと
考えられます。2017年8月には、
「炭水化物の摂取増加で死亡リスク上昇」という結論の論文が、
『ランセット』という信頼度の高い英国の医学雑誌に発表され、
これも大きな追い風となりました。
そして2019年4月、米国糖尿病学会は「成人糖尿病患者または予備軍患者への栄養療法」ガイドラインを発表しました。
その中で『糖質制限食』のエビデンスがもっとも豊富であるとして
積極的に推奨されています。
ここ数年で、糖質制限食Jは着実に普及しつつあるのです。
2016年7月のNHKクローズアップ現代の試算によれば、
糖質制限食市場は3184億円とのことですが、
昨今では各食品メーカーはもちろん、
コンビニエンスストアやファストフードでも、
糖質を抑えた商品やメニューを次々と投入しています。
低糖質商品のコーナーを設けるドラッグストアや
スーパーも見かけるようになりました。
糖質制限食は新たなビジネスチャンスにもなっているのです。



内容紹介
もう毎日のランチ選びで困らない!
コンビニやスーパーで選ぶべき市販食品、外食を実名で紹介!

生活習慣が原因の2型糖尿病の治療はもちろん、ダイエットや美容にも有効な糖質制限。
最近では、内臓脂肪を落とすのにも効果的と注目されています。

糖質制限を始めたときに最初に困るのが、毎日のランチです。
自宅でお昼を食べる人や弁当を作っている人は、糖質の低い食材で手作りできますが、
コンビニエンスストアやファストフードなどでランチを買う人は、糖質の低い商品を探すのはなかなか大変です。

そこで本書では、コンビニエンスストアやドラッグストア、スーパー、ファストフードなどで買える、
ランチにおすすめの商品を「実名」で多数掲載しました。

おすすめの組み合わせや、キーワード、写真からなど、
インデックスも工夫してありますので、さまざまな方法で商品を探すことができます。

野菜や肉類などの基本的な食材についても掲載していますので、
外食時にメニューに糖質量が掲載されていないときでも、おおよその糖質量を調べることができます。

本書はスマートフォンで使いやすいよう、レイアウトを設計してあります。
ぜひ、買い物や外食時に役立ててください。

●目次
はじめに
糖質制限Q&A
ランチインデックス
キーワードインデックス
写真インデックス
Part1 市販食品、外食編
Part2 素材、定番料理編
商品、素材目次
酸化ストレスとは?酸化ストレスは慢性疾患の元凶。
こんばんは。
今回は酸化ストレスのお話しです。
人体は、酸化反応と抗酸化反応のバランスがとれていると、正常に機能します。
酸化反応が抗酸化反応を上まわった状態を酸化ストレスといいます。

細胞内のミトコンドリア(*)の活動で日常的に活性酸素が発生しますが、
生体の抗酸化反応で処理しています。
スーパーーパーオキシドディスムターゼ (Superoxide dismutase, SOD) は、
細胞内に発生した活性酸素を分解する酵素です。
生体内のビタミンC、ビタミンE、グルタチオンなどが抗酸化作用を有しています。

ヒトにおいて、最も一般的な酸化ストレスの発生源は喫煙と高血糖です。
[高血糖→糖化蛋白生成亢進→糖化蛋白が種々の酵素と反応して活性酸素生成]

高血糖は、糖化蛋白(**)の生成を亢進させます。
糖化蛋白は、様々な酵素と反応して、活性酸素を生成します。
活性酸素は生体の酸化反応の大本です。

酸化ストレスが、糖尿病合併症・動脈硬化・老化・癌・アルツハイマー・パーキンソン等、様々な疾病の元凶とされています。

血糖値に関しては食後高血糖と平均血糖変動幅増大が
最大の酸化ストレスリスクとされています。
これは世界中の医学界において、認められています。

糖質・脂質・蛋白質のうち、食後高血糖と平均血糖変動幅増大を引き起こすのは、
糖質だけです。
従って、日本糖尿病学会推奨のカロリー制限食(高糖質食)を、
つらいのに一生懸命我慢して頑張っても
食後高血糖と平均血糖変動幅増大を予防することは、理論的に不可能不可能です。

現実に、誠に遺憾ながら、糖尿病合併症として、
毎年新たに、16000人以上の人工透析、
3000人以上の失明、
3000人以上の足切断が発生しているのが日本の現状なのです。

糖尿病の食事療法において、食後高血糖と平均血糖変動幅増大を生じず、
糖尿病合併症を予防できるのは糖質制限食だけです。


(*)ミトコンドリア
ミトコンドリアは細胞の中にあるエネルギー生産装置です。
酸素の存在下において、ミトコンドリアの中でTCA回路(クエン酸回路)が作動して、
エネルギーを作って、それにより身体は活動しています。
ミトコンドリアの活動の過程で出る「廃棄物」が活性酸素です。

(**)糖化蛋白
糖化反応(とうかはんのう)とは、グルコースなどの糖が、
直接タンパク質または脂質に結合する反応の事です。
糖尿病の検査指標のHbA1cは、糖化したヘモグロビンのことです。
糖化反応の初期段階のアマドリ化合物としては、
HbA1cやグリコアルブミンなどが代表的な物質です。
糖化反応系はアマドリ化合物生成までの反応を初期段階と呼び、
以降の後期段階反応と区別しています。
最近AGEs(advanced glycation endprpducts:終末糖化産物)が注目されています。
AGEsは血管内皮を障害して動脈硬化の元となり、活性酸素も発生させます。
AGEsは、糖尿病合併症の元凶であり、老化の元凶でもあります。



江部康二
「菓子職人糖質制限マンスリーケーキ」。極上チョコレートムースケーキ。
こんにちは。

私が監修をつとめる「菓子職人糖質制限マンスリーケーキ」のご案内です。

チョコレートたっぷりの幸せ
極上チョコレートムースケーキ

糖質 4.2g 
カロリー335kcal

※100gあたり
※エリストールを除く糖質

2019年2月極上チョコレートムースケーキ(ホールカット)

表示糖質は100gあたり4.2gです。
江部康二の人体実験で、

2020年1月28日(火)
摂取前112mg
午後4時【菓子職人】チョコレートムースケーキ100g摂取
午後5時測定112mg


何と血糖上昇なしでした。
少量の糖質摂取による血糖上昇と
少量の追加分泌インスリンが血糖を下げる効果が、
調度相殺されたのでしょう。

入院中の糖尿病患者さんでも、
スーパー糖質制限食実践で、
食前より食後がかえって血糖値が下がることがたまにあります。
これは少量の糖質摂取による血糖上昇を、
少量の追加分泌インスリンが血糖を下げる効果が、
少し上回った結果と思われます。

【菓子職人】チョコレートムースケーキ
表示成分では、100gあたり4.2gの糖質ですが、
私の実験では、全く、血糖値が上昇しませんでした。
勿論個人差はあると思いますが、
これなら糖質セイゲニストにも安心です。

甘味料はもっぱら、
血糖上昇ゼロのエリスリトールです。
糖質制限中の方にも、美味しいケーキで季節を感じていただけます。
菓子職人さんの『糖質制限マンスリーケーキ』
我々糖質セイゲニストの強い味方です。
菓子職人さん、ありがとうございます。
菓子職人極上チョコレートムースケーキ
チョコレート好きの私には、嬉しい限りです。

ブログ読者の皆さん、是非ご賞味あれ!!

お問い合わせは以下です。

☆☆☆
彩韻菓子工房有限会社

〒615-0032 京都府京都市右京区西院西高田町19
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FAX:075-311-4123
営業時間:午前9:00から午後8:00(年中無休)

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お問い合わせ: info@kashishokunin.co.jp



江部康二
糖質制限食実践中のブドウ糖負荷試験。一見耐糖能低下のことあり?
こんにちは。

75g経口ブドウ糖負荷試験実施前3日間は、150g/日以上の糖質摂取が、
日本糖尿病学会の推奨となっています。

これは、糖質制限をあるていどの期間続けた正常人が、いきなり、
ブドウ糖負荷試験を実施したり、糖質を一人前摂取すると、
耐糖能低下のように見えるデータがでることが、時にあるからです。

私見ですが、これは基礎分泌インスリンは普通に出しているけれど、
追加分泌インスリンをあまり出す必要がない糖質制限食を続けていた場合には、
糖質摂取に対して、β細胞が準備ができていない状態であった可能性があります。

前もって、150g/日以上の糖質を3日間摂取することで準備を整えてから検査をすると、
β細胞の準備ができているので、
もともと正常型だった人なら耐糖能がデータ的に普通に戻ると考えられます。

スーパー糖質制限食実践でβ細胞は休養できていて、
なおかつ血糖コントロール良好ですので、
高血糖によりβ細胞が障害されている可能性はありません。
従って、β細胞のインスリン分泌能力も準備さえ整えば、
正常に作用すると考えられます。
つまり、正常人が糖質制限中にいきなり糖質摂取したとき、
一見耐糖能が低下したようなデータが出ることがありますが、
これは本当にβ細胞が障害されて耐糖能が落ちたのではないので、
心配ないということです。
糖質制限食実践者においては、食後高血糖によるβ細胞の障害はないので、
本当にインスリン分泌能が低下するということは考えられません。



「糖質制限食を行うと耐糖能が低下する」という説を最初に唱えたのは、
ヒムスワースです。
「健康人に糖質の少ない食事を1週間与えて糖負荷試験を行った。
高糖質食を与えたときには耐糖能は正常であったのに、
低糖質食によって糖尿病と判定されるほどに耐糖能が悪化した。」
というのが、ヒムスワースが1935年に発表した論文の結論です。

Himsworth HP. The dietetic factor determining the glucose tolerance and sensitivity to insulin of healthy men. Clin Sci 2, 67-94, 1935.

☆☆
ウィルカーソンらは
「糖質制限食を行っても耐糖能は低下しない」という論文を発表しました。
1960年、ウィルカーソン(Wilkerson)らが、
複数の受刑者を被験者として低糖質食が耐糖能に与える影響を再検討して、
糖質の摂取量を1日50グラムに制限しても、
耐糖能には大きな影響を及ぼさないという報告を行いました。
この報告がNew England Journal of Medicineという
影響力の大きな医学誌に掲載されました。

Wilkerson HLC, Hyman C, Kaufman M, McCuistion AC, Francis JO. Diagnostic evaluation of oral glucose tolerance tests in nondiabetic subjects after various levels of carbohydrate intake. N Engl J Med 262, 1047-1053, 1960.

ヒムスワースとウィルカーソンの論文を考慮すれば、
糖質制限食を継続実践中の正常人が、いきなり糖質を摂取した場合
「一見耐糖能が低下したようなデータを呈する」人と、
「耐糖能は正常なデータを示す」人とが
いるということとなります。

結局、個人差があるということでしょうね。


江部康二

NHK文化センター神戸教室講演『“内臓脂肪”落とし術』のご案内。
こんにちは。
2020年3月1日(日)13:00~14:30
NHK文化センター神戸教室
にて
『“内臓脂肪”落とし術』
https://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_1190722.html

と題して、お話します。

2019/6/21(金)の金スマで放映された『最強のやせる食事術』において
「内臓脂肪がストン!と落ちる食事術」(ダイヤモンド社、2019)
https://www.amazon.co.jp/dp/4478106487/

book.jpg

をしっかり紹介して頂きました。

出演者の杉田かおるさんが、2週間で4kg減量に成功。
66.1⇒62.1kg
体脂肪率⇒38.3⇒36.5%
内臓脂肪137⇒110㎠。
内蔵脂肪が27㎠ 低下⇒2週間で約2割内臓脂肪が減っていました。

出演者のみやぞんの相方の、あらぽん(芸人さん)さんは、
1週間で5kg減量に成功。

1週間で122.2⇒117.3kg
体脂肪率38.8⇒37.1%
内臓脂肪239⇒181㎠。
58㎠ 低下⇒ 1週間で、24%内臓脂肪が減っていました。

内臓脂肪はおもに腸間膜に蓄積される脂肪です。
内臓脂肪がたまるとお腹がポコッと出てきますが、
その腹囲がメタボリックシンドロームの診断基準の一つになっています。

メタボリックシンドロームでは、
脂質異常症・高血圧・糖尿病があって動脈硬化が進行しますので、
そこに血栓のできやすい状態が加われば、心筋梗塞や脳梗塞の危険が高まります。
内臓脂肪が蓄積すると、このようなこわいリスクが増加するので
間に合う内にキッチリ、何とかせねばなりません。

2020年3月1日(日)の講座では、
『内臓脂肪がストン!と落ちる食事術』の基礎理論(糖質制限食理論)をお話しし、
内臓脂肪CTで実例も紹介します。
わかりやすく楽しいお話を目指しますので、
神戸、大阪、兵庫、近畿地方などのブログ読者の皆さん、
是非ご参加頂ければ幸いです。


江部康二


以下は、NHKカルチャー神戸教室サイトの案内文です。

☆☆☆
NHK文化センター神戸教室
https://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_1190615.html


ドクター江部の “内臓脂肪”落とし術
講師:高雄病院理事長・医師 江部 康二

ドクター江部の運動なしで内臓脂肪を落とす食べトレ法を伝授!

 心筋梗塞や脳卒中、糖尿病などの病の原因になると指摘されている“内臓脂肪”。
“糖質制限食”の提唱者として知られるドクター江部こと、江部康二先生がお腹いっぱいしっかり食べて
かつ運動もしないで“内臓脂肪”を劇的に減らす食べトレ法をわかりやすく伝授します。

【講師プロフィール】
京都大学医学部卒業。京都大学胸部疾患研究所第一内科を経て、高雄病院に医局長として勤務。
2000年に理事長に就任。糖質制限食を提唱し、糖尿病治療の研究に力を注ぐ。
画像の「内臓脂肪がストンと落ちる食事術」(江部康二著・ダイヤモンド社)をはじめ著書多数。

受講申し込み
NHK文化センター神戸教室 078-360-6198

開催期間 2020/3/1
曜日・日時 日曜 13:00~14:30
回 数 1回 途中受講できません
コース 受講料(税込み) 教材費(税込み)
   会員      3,432円
   一般(入会不要) 4,125円
コメント・質問の書き方などに対するご意見を頂きました。
こんにちは。
プーさんから、本ブログへの、読者の皆さんからの
コメント・質問の書き方などに関する、ご意見を頂きました。
プーさん、ありがとうございます。

プーさんの仰るように、まずは整理整頓してコメント・質問をして頂けると
回答する私も、おおいに助かります。

そして、HPや動画サイト等を貼り付けての質問は、
無許可ですので、著作権侵害の問題も生じますので、ご留意頂ければ幸いです。


【20/02/03 プーさん
コメントの書き方など
一読者として、勝手ながらコメント側の書き方等で思うところがあるので以下に記します。読者の皆様にご一読いただければ幸いです。
(偉そうだと不快に思われたらすみません。スルーしてください。)。
まず、前提として、江部先生は(他の医師で回答不能な)糖質制限に関わる問題について、ボランティアとして無料で回答されておられます。
質問等の前にそのことを今一度質問側として意識してみてはいかがでしょうか。
以下各論です。

(コメントの書き方等について)
よく見られるのが、段落・改行がなく延々と日記のような文章が続き、どこが日記(前置きが長いものも)で、どこが質問か全部読まないと趣旨が不明なものが見られます。前置き等をどうしても記したいというのであれば、一例ですが、少なくとも次のような構成にしてみてはいかがでしょうか(各段落を一行開けたり、読みやすく改行するとさらに良いと思います。)。

①前置き(前置きの場合は、前置きである旨最初に記載すると分かりやすいです。)
②自分歴等(自分歴等の一定の意義は分かりますが、日記ほど長いとなると読む気が失せる場合があります。読む側の負担を考えましょう。自分の「思い」や「感情」、「感想」等を書く場合もその旨一言書いてあると読解しやすいです。)
③病状の変化等(この場合も主観的な変化と客観的な(数値などの)変化を分離してみましょう。)
(なお、各検査項目は縦に並べて、時期ごとの変化を横に記載すると分かりやすいです。)
④コメントや質問(分かりやすい表現が望まれます。)

(質問の仕方等について)
これもよくありがちで気になっているものがいくつかあります。

・「(HPや動画等を貼り付けて)これについてどう思われますか。」という質問
→いくつもの観点で問題があります(これで全てではないと思いますが)。
①無許可であること(無断利用の場合、後ほど問題となる可能性が。番組なら著作権侵害ですね。)
②HPや動画等について往々にして安全性が担保されていないこと(悪質なサイト等は無数にあります。安全なものであっても、例えばYouTubeは開くと動画再生回数が伸びる(=YouTuberがお金を稼げる)ため、儲けに荷担させられることになります。)
③長い動画、HP、番組を延々と見ることを強要すること(強要される側に立って考えましょう。)
④往々にして論点が多いこと(読まされたあげく、いくつもの論点を分析、回答しなければならない側に立って考えましょう。)

→動画やHPを読ませることは家族や友人でも言いにくいものです。質問する側は数行で質問可能ですが、回答する側の負担を考えるべきと思います。例えば、「○○ではA、△△ではBと内容が矛盾していると考えますが、どちらの説が正しいとお考えでしょうか?」というように具体的に回答しやすい形が望まれます。

・質問後に再度の質問(後で思いついた質問まで否定しませんが)
→最初の質問時に併せて記載してはいかがでしょうか。余談ですが、仕事でこれを行うと面倒くさい人扱いとなり少々信用を失うかもしれません。少なくとも私はむっとします。

・「とりとめもなく長々とすみませんが・・」と一応断っての質問
→長いと思うならその部分をカットするなり、読みやすくまとめませんか?断っておけば許されるというのは、「煙草を吸ってもいいですか」と一応許可をとったということにする喫煙者の論理と同じです(知らない人に「近くで煙草を吸われると不快で迷惑です」とは思っても言いづらいですよね。逆ギレされるかもしれませんし。)。まとめが不得意なら、少なくとも上のような構成が分かりやすいものとしてみてはいかがでしょうか。

・主治医に相談可能な個人的な質問や簡単に検索可能な質問
→例えば商品の糖質量等はパッケージをチェックして、記載がなければ商品のHPを見たり、メーカーに問い合わせる(その方が早い)のが筋ではないでしょうか。糖質制限に関係のないことをついでに質問、というのもいかがかなものかと思います。

・同じような内容、文面、主観的感情、個人的事情を何度も繰り返すコメントや質問
→構成が分かる書き込みであればスルーできますが、あまりに同じ内容が多いと読み手側もコメントの独占と感じて、嫌になってくるかもしれません。本人に荒らしを行っている感覚はないものとは思いますが。
なお、「通りすがり」と書く人ほど通りすがりではないイメージがあります。

(まとめ)
先生は便利屋でないどころか、自分の担任や教師、主治医でもありません。ましてや、自分の家族、親戚、友人、ご近所、顔見知りでもありません(友人や家族に聞ける質問すら散見されます。)。
また、コメントは先生だけでなく、他の方も読むことになりますので、そこも意識してみてください。
自分の周りのコミュニティ、ご近所さん、仕事相手などにすら及ばないような対応とみえる書き込みがあると、読む側も不快になる可能性があります。
いくら匿名で顔が分からないとはいえ、何をしてもいいということにはなりません。
むろん、糖質制限について読者側の理解も様々だと思いますので、初心者的な内容や繰り返される質問であっても、先生も読者側も基本的にウェルカムなのだろうと考えております。
以上、一読者としての意見です。この内容を強要するものではもちろんありません。ご参考としていただける場面がもしもございましたら幸いです。】



【本ブログのコメント・質問・記事に関するお願い】

ブログ読者の皆さんには、いつもコメントいただき、ありがとうございます。

糖質制限食に関する質問についてですが、
実際に高雄病院や江部診療所に来院されて診察した患者さんに対しては、
医師としての責任・債務がありますので、
個別に説明もしっかりさせて頂いていますし、フォローもしております。

一方、ブログ読者の皆さんの質問に関しては、糖質制限食に詳しい医師として、
ボランティアで回答させていただいています。
診察もしておりませんしフォローもできませんので、責任もとれません。
私の回答は、あくまでも一般論としての参考意見とお考え頂けば幸いです。
また、ブログ記事や本に関しても同様に、
糖質制限食に関する一般論としての参考意見とお考え下さい。
従いまして、読者の皆さんが私の参考意見を読まれて、どのように利用されるかは、
自己責任でよろしくお願い申し上げます。m(_ _)m

そして読者の皆さんからもご意見いただきましたが、
普通のお医者さんに相談可能な個人的な内容の質問は、
ご自分の主治医にご相談頂けば助かります。
またネットで簡単に検索可能なことは、ご自分でお調べください。
質問が増えてきましたので、
糖質制限食と関わりがないと判断した質問にはお答えできない場合もありますので、
ご了承ください。m(_ _)m

普通のお医者さんでは解答不能の、糖質制限食に関わる質問は、
何でもどんどんしていただけば嬉しいです。 (^_^)
掲載OKの質問に関して、読者の皆さんに共有していただきたい情報の場合は、
ブログ本文記事にて、できるだけ順番にお答えしたいと思います。
質問によってはコメント欄でお早めにお答えする場合もありますのでご了承ください。
一方、質問がかなり増えてきていますので、
なかなか即、お答えすることが困難となってきています。

糖質制限食に関わりのある全ての質問に、
本文かコメントでお答えするようできるだけ努力はしていますが、
できないときはご容赦願います。m(_ _)m

それから、「管理人のみ閲覧できる」「匿名希望」などの質問に関しては、
コメント欄にお答えするか、
一般的な話題に置き換えてブログに記載するようにしていますので、
よろしくお願い申し上げます。



江部康二
日本糖質制限医療推進協会主催 医療従事者対象糖質制限食セミナー in 大阪。
こんにちは。

2019年、東京にて開催し、
ご好評いただいた医療従事者対象糖質制限食セミナーを
2020年2月9日(日)、大阪にて開催致します。

現在、50名の参加者ですが、席にもう少し余裕がありますので、
ブログ読者の医療関係者の皆さん、是非、ご参加頂ければと思います。


日本糖質制限医療推進協会主催
医療従事者対象糖質制限食セミナー
in 大阪
開催


第1部
高雄病院の橋本眞由美 管理栄養士による講義で、
高雄病院の糖質制限食と栄養指導について、症例も交えてお話しいたします。

第2部
江部康二による講義で、糖質制限食指導に必要な生理学的基礎理論や最新の知識、
高雄病院での臨床例について解説いたします。
GLP-1受容体作動薬にて持効型インスリン20単位を中止できた症例も発表します。

第3部
発表・討議で、5名の医師の方にご発表いただき、
ディスカッションを行います。
糖質制限な多彩な症例に基づく、活発な議論が期待されますので、
乞うご期待!です。 (^_^)  


なおご参加頂いた皆さんには、
第1部講演・第2部講演のPPTスライドの資料をダウンロードしていただけます。

大阪、神戸、京都、滋賀など関西の医療従事者の皆さん、奮ってご参加くださいね。


江部康二



以下事務局からのお知らせです。

***********

ブログ読者の皆様、いつも弊会のイベントへ多数ご参加
いただきましてありがとうございます。

2020年2月9日(日)、大阪にて医療従事者の方を対象に
糖質制限食セミナーを開催いたします。

第1部は高雄病院の橋本眞由美 管理栄養士による講義で、
高雄病院の糖質制限食と栄養指導について、症例も交えてお話しいたします。

第2部は理事長による講義で、糖質制限食指導に必要な生理学的基礎理論や
高雄病院での臨床例について解説いたします。

第3部は、発表・討議で、5名の医師の方に発表いただき、
ディスカッションを行います。
今年3月に東京で開催したセミナーより、臨床で糖質制限を採り入れておられる
医療従事者の方々に発表いただき、指導法や症例などの共有、意見交換をしていただく
「発表・討議」の時間を新たに設けました。
参加いただいた方から、大変参考になる、刺激になった等ご好評いただき、
2020年のセミナーでも継続する運びとなりました。

医療従事者の皆様のご参加を心よりお待ちしております。

*セミナー情報URL:http://www.toushitsuseigen.or.jp/activity

*東京では、2020年4月5日(日)のセミナー開催を予定しております。
第3部などの内容は異なります。2020年1月下旬より募集ご案内を開始致します。

//////////////ご案内/////////////////

(一社)日本糖質制限医療推進協会主催
「医療従事者向け糖質制限食セミナー(大阪)」

■日時:2020年2月9日(日)12:20~16:40頃
    ※開場・受付は12:00~

■会場: 大阪大学中之島センター 講義室406
〒530-0005 大阪市北区中之島4-3-53
http://www.onc.osaka-u.ac.jp/others/map/index.php

​■内容:

◇第1部:「糖質制限食による糖尿病指導① ~高雄病院の食事と栄養指導」

講師: 橋本 眞由美 管理栄養士 / (一財)高雄病院 栄養科長

◇第2部:「糖質制限食による糖尿病指導② ~理論と臨床」 13:10頃~

講師: 江部康二 医師 
  (一財)高雄病院 理事長/(一社)日本糖質制限医療推進協会 理事長

◇第3部: 「発表・討議」 15:00頃~

・『職場での「食後血糖測定」「糖質制限ランチ会」』
 林田 耕治 医師(産業医)/ トータルヘルス株式会社(福岡) 代表取締役

・『糖質制限と薬理学的糖質制限により治療中の17例についての検討』
 影山 広行 医師 /
うずまさ診療所、クリニックこまつ、萱島生野病院(京都、大阪) 内科

・『糖尿病患者よ、糖尿病専門医から逃げろ(そのインスリン、本当に必要ですか?)』

 髙橋 裕彦 医師 / たかはし整形外科医院(香川) 院長

・『整形外科的疾患及び内科的疾患に対する、3165例の肥満外来の実践(糖質割合33%)』

 中村 巧 医師 / 医)中村整形外科リハビリクリニック(兵庫) 理事長

・『重症活動性潰瘍性大腸炎に対する補助療法としての糖質制限輸液、食による寛解導入、維持の経験』

 村上 博史 医師 / 西部総合病院(埼玉) 外科

*第3部は、発表10分・討議7分ずつを予定しております。

■対象:

医療従事者の方(医師、歯科医師、薬剤師、看護師、栄養士、理学療法士、鍼灸師など)


■受講費:

・医師・歯科医師の方: 賛助会員 7,200円 / 一般(会員以外) 9,000円

・上記以外の医療従事者の方: 賛助会員 5,200円 / 一般(会員以外) 6,500円

*参加頂いた皆様には、第1部・第2部の映写資料データ(PDF)を後日ダウンロードしていただけます。


■お支払い方法:
クレジットカード/銀行振込/郵便振替 ※事前決済のみとなります。

※領収書をご希望の場合は、領収書宛名もお知らせ願います。

■お申し込みの流れ:

1. 下記「お申し込み方法」の該当するものからお申し込み下さい。
2. 事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3. 入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4. 当日、直接会場までお越し下さい。

■お申し込み方法:

★賛助会員の方:

事務局へメールにて、医療機関でのご職種をご記入の上、お申し込み下さい。

★賛助会員入会をご希望の方:

1. 入会案内および会員規約をお読み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/sign-up

2. お申し込みは下のフォームからお願いします。
 「通信」欄に以下をご記入下さい。
 ① 「2/9東京セミナー、参加希望」 とご記入下さい。
 ② 医療機関でのご職種をご記入下さい。
 http://www.toushitsuseigen.or.jp/contact

★一般(会員以外)で、セミナーの受講のみご希望の方:

下のフォームからお申し込み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/seminar-med

■その他:

・予約制です。当日参加はできません。
・キャンセルは2月7日(金)までに事務局までご連絡願います。
それ以降のご返金は対応致しかねますので予めご了承下さい。


糖質制限食で血糖値が劇的改善。合併症検査は必要。
【20/02/02 町屋
1週間で!
はじめまして。37才男性です。半年で体重が10キロ以上痩せました。
血糖値を計ったら食後430、空腹時270で、エーワンシーは14.1で、
医師から重度の糖尿病と診断されました。
糖尿病で、江部先生のブログや本を参考にしている父の勧めで、
糖質制限食を行いはじめました。
1週間後、注文していた血糖値測定器が届いたので、
計測したところ空腹時95、食後125と正常値に戻っていました。
1週間でこんなに変わるものなのでしょうか?
これからも続けたいと思いますが、
何かアドバイスなどありましたら教えていただけますと幸いです。
とうぞ、よろしくお願い致します。】


こんにちは。
町屋さんから、「糖質制限食で血糖値が劇的に改善した」という、
とても嬉しいコメントを頂きました。
町屋さん、良かったです。
お父上という糖尿人の「善き先達」のアドバイスが適切でしたね。

半年で体重が10キロ以上減少。
食後血糖値:430mg/dl
空腹時血糖値:270mg/dl
HbA1c:14.1%
医師から重度の糖尿病と診断

平均血糖値 = <HbA1c × 28.7> - 46.7


ですので、平均血糖値が359mg/dl もあり、
確かに重症の糖尿病です。
医師は即入院が必要と説明したと思いますが、
結果的には、自力で糖質制限食を実践されて、大正解でした。(^^)
入院したら、丼飯を食べさせられ、インスリンを打たれたと思います。(→ο←) 
血糖自己測定器を購入されたのも正解と思います。

『血糖値に直接影響を与えるのは糖質だけで、蛋白質・脂質は与えない』

という生理学的事実を、自分で確認することができて、便利です。

「食後高血糖」「平均血糖変動幅増大」が、
酸化ストレスの最大のリスクであり、糖尿病合併症の元凶です。
糖質制限食なら、この二つを予防することができますが、
糖尿病食(カロリー制限・高糖質食)では、この二つが必ず生じます。
従って、糖尿病食(カロリー制限・高糖質食)は合併症予防が困難どころか、
誠に遺憾ながら「合併症製造食」としか言いようがありません。
町屋さんは、糖質制限食が間に合って良かったです。

しかしながら、いつ頃から糖尿病であったのか、わかりませんので、
まずは眼科で眼底検査を行い、糖尿病網膜症の有無をチェックしましょう。
次いで循環器科で、頸動脈エコーを行い、
心電図・心エコーなど冠動脈・心臓の検査も実施しましょう。

それから、朝空腹時(前夜の食事から10時間以上絶食)に、
血中インスリン値と血糖値を測定しましょう。
この二つのデータで、HOMA-βとHOMA-Rが計算できます。
なお、カフェインが血糖値を上げることがあり得るので、
朝の水分補給は、お茶もなしで、水だけとしましょう。

あとは、このまま、美味しく楽しく糖質制限食を実践されて、
末長く健康ライフを目指しましょう。
なお、糖質制限食実践でAGEsの蓄積も最小限で済むので
将来の<糖化→老化>がかなり予防できると思います。

AGEs
に関しては、以下の本ブログ記事をご参照頂けば幸いです。
[ 高血糖の記憶(消えない借金)と糖質制限食。
2019年10月20日 (日)
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-5043.html ]



【HOMA-β】
HOMA-βは内因性インスリン分泌機能を推定する指数です。
HOMA-βは、空腹時血糖値と空腹時インスリン値で計算するのですが、
経口血糖負荷試験(OGTT)時の2時間値のインスリン分泌量と、
よく相関することがわかっています。
homeostatic model assessment beta cell function
→略してHOMA-β

という式で計算します。
空腹時血糖値130mg/dl以下なら信頼度が高いです。
正常値:40-60

【HOMA-R】

HOMA-Rとはインスリン抵抗指数のことです。

という式で計算します。
homeostasis model assessment insulin resistance
→略して HOMA-R
HOMA-Rが大きいほど、インスリン抵抗性が強いと考えられます。
1.6以下が正常で、2.5以上は抵抗性があると考えられます。
空腹時血糖値140mg/dl以下なら信頼度が高いです。



江部康二
【本ブログのコメント・質問・記事に関するお願い】
【本ブログのコメント・質問・記事に関するお願い】

ブログ読者の皆さんには、いつもコメントいただき、ありがとうございます。

糖質制限食に関する質問についてですが、実際に高雄病院や江部診療所に来院されて診察した患者さんに対しては、
医師としての責任・債務がありますので、個別に説明もしっかりさせて頂いていますし、フォローもしております。

一方、ブログ読者の皆さんの質問に関しては、糖質制限食に詳しい医師として、
ボランティアで回答させていただいています。
診察もしておりませんしフォローもできませんので、責任もとれません。
私の回答は、あくまでも一般論としての参考意見とお考え頂けば幸いです。
また、ブログ記事や本に関しても同様に、
糖質制限食に関する一般論としての参考意見とお考え下さい。
従いまして、読者の皆さんが私の参考意見を読まれて、どのように利用されるかは、
自己責任でよろしくお願い申し上げます。m(_ _)m

そして読者の皆さんからもご意見いただきましたが、
普通のお医者さんに相談可能な個人的な内容の質問は、
ご自分の主治医にご相談頂けば助かります。
またネットで簡単に検索可能なことは、ご自分でお調べください。
質問が増えてきましたので、
糖質制限食と関わりがないと判断した質問にはお答えできない場合もありますので、
ご了承ください。m(_ _)m

普通のお医者さんでは解答不能の、糖質制限食に関わる質問は、
何でもどんどんしていただけば嬉しいです。 (^_^)
掲載OKの質問に関して、読者の皆さんに共有していただきたい情報の場合は、
ブログ本文記事にて、できるだけ順番にお答えしたいと思います。
質問によってはコメント欄でお早めにお答えする場合もありますのでご了承ください。
一方、質問がかなり増えてきていますので、
なかなか即、お答えすることが困難となってきています。

糖質制限食に関わりのある全ての質問に、
本文かコメントでお答えするようできるだけ努力はしていますが、
できないときはご容赦願います。m(_ _)m

それから、「管理人のみ閲覧できる」「匿名希望」などの質問に関しては、
コメント欄にお答えするか、
一般的な話題に置き換えてブログに記載するようにしていますので、
よろしくお願い申し上げます。


【糖質制限食を実践される時のご注意】

糖質制限食実践によりリアルタイムに血糖値が改善します。

このため既に、経口血糖降下剤(オイグルコン、アマリールなど)の内服やインスリン注射をしておられる糖尿人は、
減薬しないと低血糖の心配がありますので必ず主治医と相談して頂きたいと思います。


一方、薬を使用してない糖尿人やメタボ人は、低血糖の心配はほとんどないので、
自力で糖質制限食を実践して糖尿病やメタボ改善を目指していただけば幸いです。

内服薬やインスリン注射なしの糖尿人が糖質制限食を実践すると、
食後高血糖は改善しますが、低血糖にはなりません。
血糖値が正常範囲である程度下がると、
肝臓でアミノ酸・乳酸・グリセロール(脂肪の分解物)などから、
ブドウ糖を作るからです。
これを糖新生といいます。

塩分に関しては、スーパー糖質制限食の場合は、今まで通りで特に制限の必要はありません。
「スーパー糖質制限+塩分制限」だと、塩分不足で身体がだるかったり、集中力が低下することがあるので注意が必要です。


診断基準を満たす膵炎がある場合、肝硬変の場合、
そして長鎖脂肪酸代謝異常症・尿素サイクル異常症は、
糖質制限食は適応となりませんのでご注意ください。

糖質制限食は相対的に高脂肪食になるので、診断基準を満たしている膵炎の患者さんには適応とならないのです。
進行した肝硬変では、糖新生能力が低下しているため適応となりません。
長鎖脂肪酸代謝異常症では、肉や魚などに含まれる長鎖脂肪酸が上手く利用できないので、適応となりません。
尿素サイクル異常症もまれな疾患ですが、
タンパク質の代謝に問題があるので
高タンパク食である糖質制限食は向きません。


腎機能に関して、日本腎臓病学会編「CKD診療ガイド2018」において、eGFR60ml/分以上あれば顕性たんぱく尿の段階でも、
たんぱく質は過剰な摂取をしないという表現となっていて、
制限という記載はなしです。
従いまして、糖尿病腎症第3期でも、eGFR60ml/分以上なら、糖質制限食OKです。

また、米国糖尿病学会(ADA)は
Position Statement on Nutrition Therapy(栄養療法に関する声明)
Diabetes Care 2013年10月9日オンライン版
において、糖尿病腎症患者に対する蛋白質制限の意義を明確に否定しました。
根拠はランク(A)ですので、信頼度の高いRCT研究論文に基づく見解です。

今後は、糖尿病腎症第3期以降で、eGFRが60ml/分未満の場合も、
患者さんとよく相談して、糖質制限食を実践するか否か、
個別に対応することとなります。


なお、機能性低血糖症の場合、炭水化物依存症レベルが重症のとき、
糖新生能力が低下していることがあり、
まれに低血糖症を生じますので注意が必要です。

また、どのような食事療法でも合う合わないがあります。
糖質制限食もその一つですので、
合わないとご自分で判断されたら中止していただけば幸いです。


【糖質制限食とは】

米国糖尿病協会(ADA)の患者教育用のテキストブックLife With Diabetes(2004年版)には、以下の記載があります。

「摂取後直接血糖に影響を与えるのは糖質のみである。
糖質は速やかに吸収され、直接100%血糖に変わり、ほぼ120分以内に吸収は終了する。
蛋白質・脂質は、摂取後、直接血糖に影響を及ぼすことはない。
『炭水化物・タンパク質・脂肪はカロリーを含有している。
炭水化物だけが、血糖値に直接影響を及ぼす。』」


これらは含有エネルギーとは無関係な三大栄養素の生理学的特質です。 
1997年版のLife With Diabetes(ADA刊行)では、
「タンパク質は約半分が血糖に変わり、脂質は10%未満が血糖に変わる」
という記載がありましたが、2004年版以降は変更されています。
このように糖質、脂質、タンパク質のうち糖質だけが直接、血糖値を上昇させます。
従って、糖質を摂取した時にはインスリンが大量に追加分泌されます。
脂質を摂取しても、インスリンの追加分泌はありません。
タンパク質はごく少量のインスリンを追加分泌させます。

現在糖尿病において、
食後の急激な高血糖(グルコーススパイク)が大きな問題として注目されています。
食後高血糖が、
心筋梗塞や脳梗塞などの合併症を起こす危険因子として確立されたからです。
また一日における、食前・食後・空腹時など
血糖値の変動幅(平均血糖変動幅)が大きいほど、
酸化ストレスが増強し動脈硬化のリスクとなることがわかってきました。
そして、食後高血糖と平均血糖変動幅増大を起こすのは、
三大栄養素のなかで糖質だけなのです。

1gの糖質が、体重64kgの2型糖尿病の人の血糖値を約3mg上昇させます。
炊いた白ご飯茶碗1杯150g(252kcal)には、55.3gの糖質が含まれており、
血糖値を166mg上昇させます。
一方、和牛サーロインステーキ(脂身つき)を200g(約1000キロカロリー)食べても、
糖質含有量は1gもないので、食後血糖は3mg未満の上昇しかないのです。 
なお、1gの糖質が体重64kgの1型糖尿病の人の血糖値を5mg上昇させます。

糖質制限食の基本的な考え方は、上述のような生理学的事実をベースに、
できるだけ糖質の摂取を低く抑えて、食後高血糖を防ぐというものです。
簡単に言えば、主食を抜いておかずばかり食べるというイメージになります。
抜く必要がある主食とは 、
米飯・めん類・パンなどの米・麦製品や芋類など糖質が主成分のものです。
3食主食抜きのスーパー糖質制限食(糖質12%、タンパク質32%、脂質56%)なら、
薬に頼ることなく速やかにリアルタイムで良好な血糖コントロールが可能です。
一方、上述の白ご飯とステーキの例でも明らかなように、
カロリー計算に基づいて血糖値をコントロールすることは理論的に不可能です。
従って、現行の日本糖尿病学会推薦の糖尿病食(糖質60%、タンパク質20%、脂質20%)を実践する限りは、
一日の摂取カロリーを1200キロカロリーと低く抑えたとしても、
食後高血糖が必ず生じるのです。

糖尿病の改善には、
カロリー制限より糖質制限ということがおわかりいただけたと思います。

なお糖質制限食は、カロリー無制限ということではありません。
日本糖尿病学会「糖尿病治療ガイド2018-2019」の
男性1600~2000kcal
女性1400~1800kcal
ほど厳しいカロリー制限は必要ありませんが、

「日本人の食事摂取基準」(2015年、厚生労働省)
に示す推定エネルギー必要量の範囲、
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000041955.pdf

推定エネルギー必要量(一日あたり)
                 男性                    女性
15-17才        2500 2850 3150            2050 2300 2550kcal
18-29才        2300 2650  3050           1650  1950   2200
30-49才        2300 2650  3050            1750  2000  2300
50-69才        2100 2450  2800            1650  1900 2200 
70才          1850 2200  2500            1500  1750 2000

身体活動レベル    低い 普通 高い          低い  普通  高い

くらいが目安です。


そして2013年に糖尿病食事療法に関して画期的な変化がありました。
米国糖尿病学会が、
2013年10月発表の『栄養療法に関する声明』において、
全ての糖尿病患者に適した唯一無二の治療食は存在しないと明記したのです。
これはそのまま、1969年の食品交換表第2版以降一貫して、糖尿病治療食として、
唯一無二の「カロリー制限・高糖質食」を推奨し続けている日本糖尿病学会への
痛烈な批判となっています。

さらに、米国糖尿病学会は『栄養療法に関する声明2013』において
地中海食、ベジタリアン食、DASH食、低脂質食などと共に
「糖質制限食」も正式に受容しました。
このことは糖質制限食を推進する私達にとって、大変大きな追い風となりました。

また米国糖尿病学会は、2019年4月、
「成人糖尿病患者または予備軍患者への栄養療法」コンセンサスレポート
において、糖質制限食(Low-carbohydrate eating patterns)が、
エビデンスも最も豊富であると明言
しています。
このように糖質制限食の信頼度はますます高まっています。

なお、門脇孝日本糖尿病学会理事長によれば
東大病院では、2015年4月から、糖質40%の糖質制限食を供給しているそうです。
また門脇孝東大糖尿病・代謝内科教授ご自身も、緩やかな糖質制限食を実践されているとのことです。
2016/7/1(金)
東洋経済オンライン 
http://toyokeizai.net/articles/-/125237



<江部康二著 参考図書>


理論
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!糖質制限食のすすめ」2005年
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」2008年
「我ら糖尿人、元気なのには理由がある。」2009年 宮本輝先生との対談本
「やせる食べ方」2010年
「うちの母は糖尿人」2010年 監修:江部康二 著:伊藤きのと
(東洋経済新報社)
「糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食」2010年(ナツメ社)
腹いっぱい食べて楽々痩せる『満腹ダイエット』 (ソフトバンク新書)2011年
「主食をやめると健康になる」(ダイヤモンド社)2011年
「血糖コントロールの新常識! 糖質制限 完全ガイド」 (別冊宝島)2012年
「食品別糖質量ハンドブック」2012年(洋泉社)、
「糖質オフ!健康法」(PHP文庫)2012年
「主食を抜けば糖尿病はよくなる!糖質制限食のすすめ」(文春文庫)2012年
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」(文春文庫)2012年
「女性のための糖質制限ダイエットハンドブック」2012年(洋泉社)
「糖尿病治療のための!糖質制限食パーフェクトガイド」2013年(東洋経済新報社)
「医療の巨大転換を加速する」糖質制限食と湿潤療法のインパクト
 2013年(東洋経済新報社) 夏井睦先生との対談本
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!糖質制限食のすすめ 新版」2014年(東洋経済新報社)
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!2 実践編 新版」2014年(東洋経済新報社)
「炭水化物の食べ過ぎで早死にしてはいけません」2014年(東洋経済新報社)
一生太らない「やせる! 食べ方」2014年 (PHP文庫)
江部先生、「糖質制限は危ない」って本当ですか?2015年(洋泉社)
「なぜ糖質制限をすると糖尿病が良くなるのか」2015年(ナツメ社)
「糖質制限の教科書」2015年(洋泉社)監修
「糖質オフ!健康法」2016年3月(PHP研究所 )
「人類最強の糖質制限論」2016年4月(SB新書)
「ハンディ版糖質制限の教科書」2016年4月(洋泉社)
「増補新版食品別糖質量ハンドブック」2016年6月(洋泉社)
「Dr.江部の健康食の新常識100 」(TJMOOK)2016年11月(宝島社)
マンガでわかる「糖質オフ! 」健康法2016年12月、(PHP研究所 )
外食でやせる! 「糖質オフ」で食べても飲んでも太らない体を手に入れる、2017年(毎日新聞出版)
「江部康二の糖質制限革命」2017年(東洋経済新報社)
「男・50代からの糖質制限」2018年(東洋経済新報社)
「内臓脂肪がストン!とおちる食事術」2019年(ダイヤモンド社)
「糖質制限の大百科」2019年(洋泉社)
「糖質量&炭水化物量ポケットガイド」電子書籍、2019年(SBクリエイティブ)

など多数。

レシピ
「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」2006年(東洋経済新報社)
「糖質オフ」ごちそうごはん2009年(アスペクト)
dancyuプレジデントムック 「満腹ダイエット 」 2009年(プレジデント社)
「血糖値を上げない!健康おつまみ109」2010年(東洋経済新報社)
「やせる食べ方レシピ集」 2010年(東洋経済新報社)
「糖質オフダイエット 」2011年(レタスクラブ、角川マーケティング)
「誰もがストレスなくやせられる!糖質制限ダイエット」2011年(講談社)
「主食を抜けば糖尿病はよくなる」レシピ集2011年(東洋経済新報社)
高雄病院の「糖質制限」給食2012年(講談社)
糖尿病がどんどんよくなる「糖質制限食」おすすめレシピ集2012年(ナツメ社)
糖質制限の「主食もどき」レシピ2013年(東洋経済新報社)
高雄病院Dr江部が食べている「糖質制限」ダイエット2013年(講談社)
糖質オフのダイエット弁当2013年(家の光協会)
高雄病院「糖質制限給食」朝 昼 夕 14日間完全プログラム
糖尿病・肥満改善が自宅でできる! 2013年(講談社)
2週間チャレンジ! 糖質制限の太らない生活 2014年(洋泉社mook)
電子レンジで糖質オフの作りおき 2016年10月(宝島社)
「やせぐせがつく糖質オフの作りおき 」2017年3月(宝島社)
「高雄病院の糖質制限作りおき 」2017年5月(洋泉社)
「作りおきおかずで簡単! 朝・昼・晩 糖質オフのダイエット献立」2017年10月 (家の光協会)
「いくら食べても太らない! 旨い酒のつまみ 」2018年5月(宝島社)
「決定版! スグやせ! 糖質オフのラクうまレシピ150」2018年6月(ナツメ社)
「女性のためのラクやせ糖質制限ハンドブック」2018年9月(洋泉社)
「男性のための糖質制限最強ダイエットハンドブック」2018年10月(洋泉社)
「レンチン!糖質オフの作りおきおかず」2018年10月(宝島社)
「決定版! 作りおき&レンチンで簡単! 糖質オフのやせる! ラクうま弁当350 」 2020年(ナツメ社)