2019年05月31日 (金)
こんにちは。
朝日カルチャーセンター立川教室にて
糖質制限食講座開催です。
糖尿病・メタボ・生活習慣病 と糖質制限食
人類本来の食事・人類の健康食
https://www.asahiculture.jp/course/tachikawa/f1409334-8bf9-e9b9-a1bb-5c2313fd07db
2019/6/22(土)15:00~16:30
講義70分間、質疑応答20分間。
朝日カルチャーセンター 朝日JTB・交流文化塾
立川教室
お申し込み TEL:042-527-6511
最新の内容も含めて、わかりやすくて楽しいお話しを目指します。
東京や関東圏の方々のご参加をお待ちしております。
講師は江部康二です。
立川教室では、約1年ぶりの講座です。
この数年間、糖質制限食の発展という意味ではとても大きな変化がありました。
年間30回くらい講演をしていますが、
結構、新しい話題も多いので、スライドも毎回更新しています。
今回もわかりやすくお話しますので、乞うご期待です。
講演が70分間で質疑応答が20分間です。
東京、関東圏の糖尿人やメタボ人の方々やそのご家族、
奮ってご参加いただけば幸いです。
お陰様で、糖質制限食は順調に普及してきています。
2005年に私が「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」(東洋経済新報社)
を日本初の糖質制限食の本として刊行したころとは、大きな違いがあります。
なんと言っても、2013年10月に米国糖尿病学会が5年ぶりに改訂した「栄養療法に関する声明」のなかで、
地中海食やベジタリアン食などどともに「糖質制限食」を正式に容認したことが、
大きな追い風となりました。
さらに、2019年4月、米国糖尿病学会は、
「成人糖尿病患者または予備軍患者への栄養療法」コンセンサス・レポート
を発表しました。
その中で『糖質制限食』がエビデンスが最も豊富であるとして
一番積極的に推奨されていたのは、我々糖質セイゲニストにおいては
歴史的快挙と言え、快哉を叫びたい気持ちでした。ヽ(*`▽´)ノ
このように、この1~3年、糖質制限食の展開において大きな発展があり
いい意味のサプライズもありました。
2016年7月のNHKクローズアップ現代の試算によれば、
糖質制限市場は、3184億円とのことです。
医学界より、企業のほうが糖質制限食をビジネスチャンスと捉えて
行動が迅速なようです。
くら寿司やガストなども糖質制限メニューを投入で、なかなかのものです。
一方、医学界においても、嬉しいサプライズです。
2017年2月7日(火)午後から、生まれて初めて東京大学医学部に行ってきました。
教授室で、渡邊昌先生、門脇孝先生、江部康二の3人で鼎談を行いました。
二人で話し合うのが対談で、三人で話し合うのが鼎談です。
渡邊昌先生は、医学雑誌「医と食」の編集長です。
門脇孝先生は、
一般社団法人 日本糖尿病学会 理事長
であり、
東京大学大学院医学系研究科糖尿病・代謝内科教授(当時)
です。
日本糖尿病学会のトップとじっくり話し合うことができて、
とても有意義な90分間でした。
2017年8月には、
「炭水化物の摂取増加で死亡リスク上昇」
という結論のランセット(Lancet)論文が発表され、
糖質制限食にとって大きな追い風となりました。
Lancet誌オンライン版2017年8月29日号掲載
https://doi.org/10.1016/S0140-6736(17)32252-3
糖質制限食の発展、まさに、今昔の感ありですね。
江部康二
☆☆☆
以下は朝日カルチャーセンター立川教室のサイトから一部抜粋です。
糖尿病・メタボ・生活習慣病 と糖質制限食
人類本来の食事・人類の健康食
講師:江部 康二(高雄病院理事長)
江部 康二(高雄病院理事長)
講師詳細
多くの研究論文により、糖尿病・肥満・生活習慣病などに対する糖質制限食の画期的な治療効果が証明されています。糖質制限食は、日本では、1999年から京都・高雄病院において糖尿病治療食として開始され、合併症を予防できる唯一の食事療法として画期的な成果をあげてきました。米国糖尿病学会は「摂取後、直接、血糖に影響を与えるのは糖質のみで、蛋白質・脂質は、直接血糖に影響を及ぼすことはない。」としています。食後高血糖と一日平均血糖変動幅増大が糖尿病合併症の最大のリスクとなりますが、従来の糖尿病食(カロリー制限・高糖質食)では、必ずそれらを生じるので、合併症の予防は困難です。また糖尿病ではない人においては、糖質摂取によるインスリンの頻回・過剰分泌が、肥満・メタボ・生活習慣病の元凶として、注目されています。(講師記)
<日程・時間>
2019/6/22(土) 15:00~16:30
<受講料(税込)>
会員 3,240円 一般 3,888円
<その他>
席は自由席です。
*個人的な治療相談は承りかねますので、ご了承ください。
<お申し込み>
TEL:042-527-6511 朝日カルチャーセンター立川教室
講師紹介 江部 康二 (エベ コウジ)
<プロフィール>
・1950年生まれ。
・1974年京都大学医学部卒業。
・1974年から京都大学胸部疾患研究所第一内科(現在京大呼吸器内科)
にて呼吸器科を学ぶ。
・1978年から高雄病院に医局長として勤務。1996年副院長就任。
・1999年高雄病院に糖質制限食導入。
・2000年理事長就任。
・2001年から糖質制限食に本格的に取り組む。
・ 2002年に自ら糖尿病であると気づいて以来、さらに糖尿病治療の研究に力を 注ぎ、「糖質制限食」の体系を確立。これにより自身の糖尿病を克服。
内科医/漢方医/一般財団法人高雄病院理事長/一般社団法人日本糖質制限医療推進協会理事長。
<著書>
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』2005年(東洋経済新報社)
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編』2008年(東洋経済新報社)
『我ら糖尿人、元気なのにはわけがある』2009年(東洋経済新報社・作家宮本輝氏との対談本)
『糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食』2010年(ナツメ社)
『主食をやめると健康になる』2011年(ダイヤモンド社)
『食品別糖質量ハンドブック』2012年(洋泉社)監修
『糖質オフ!健康法』2012年(PHP文庫)
『糖尿病治療のための!糖質制限食パーフェクトガイド』2013年(東洋経済新報社)
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!新版』2014年(東洋経済新報社)
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!2 実践編 新版』2014年(東洋経済新報社)
『炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません』2014年(東洋経済新報社)
『なぜ糖質制限をすると糖尿病が良くなるのか』2015年(ナツメ社)
『糖質制限の教科書』2015年(洋泉社)監修
『よくわかる! すぐできる! 「 糖質オフ! 」健康法 』2016年(PHP研究所)
『人類最強の「糖質制限」論~ケトン体を味方に して痩せる、健康になる』2016年(SB新書)
『江部康二の糖質制限革命』2017年(東洋経済新報社)
『男・50代からの糖質制限』2018年(東洋経済新報社)
『内蔵脂肪がストン!と落ちる食事術』2019年(ダイヤモンド社)
など多数。
ブログ『ドクター江部の糖尿病徒然日記( http://koujiebe.blog95.fc2.com/ )は日に数千件のアクセスがあり、糖尿病のかたやそのご家族から寄せられた質問への回答や、糖尿病・糖質制限食に関する 情報の発信に、日々尽力している。
朝日カルチャーセンター立川教室にて
糖質制限食講座開催です。
糖尿病・メタボ・生活習慣病 と糖質制限食
人類本来の食事・人類の健康食
https://www.asahiculture.jp/course/tachikawa/f1409334-8bf9-e9b9-a1bb-5c2313fd07db
2019/6/22(土)15:00~16:30
講義70分間、質疑応答20分間。
朝日カルチャーセンター 朝日JTB・交流文化塾
立川教室
お申し込み TEL:042-527-6511
最新の内容も含めて、わかりやすくて楽しいお話しを目指します。
東京や関東圏の方々のご参加をお待ちしております。
講師は江部康二です。
立川教室では、約1年ぶりの講座です。
この数年間、糖質制限食の発展という意味ではとても大きな変化がありました。
年間30回くらい講演をしていますが、
結構、新しい話題も多いので、スライドも毎回更新しています。
今回もわかりやすくお話しますので、乞うご期待です。
講演が70分間で質疑応答が20分間です。
東京、関東圏の糖尿人やメタボ人の方々やそのご家族、
奮ってご参加いただけば幸いです。
お陰様で、糖質制限食は順調に普及してきています。
2005年に私が「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」(東洋経済新報社)
を日本初の糖質制限食の本として刊行したころとは、大きな違いがあります。
なんと言っても、2013年10月に米国糖尿病学会が5年ぶりに改訂した「栄養療法に関する声明」のなかで、
地中海食やベジタリアン食などどともに「糖質制限食」を正式に容認したことが、
大きな追い風となりました。
さらに、2019年4月、米国糖尿病学会は、
「成人糖尿病患者または予備軍患者への栄養療法」コンセンサス・レポート
を発表しました。
その中で『糖質制限食』がエビデンスが最も豊富であるとして
一番積極的に推奨されていたのは、我々糖質セイゲニストにおいては
歴史的快挙と言え、快哉を叫びたい気持ちでした。ヽ(*`▽´)ノ
このように、この1~3年、糖質制限食の展開において大きな発展があり
いい意味のサプライズもありました。
2016年7月のNHKクローズアップ現代の試算によれば、
糖質制限市場は、3184億円とのことです。
医学界より、企業のほうが糖質制限食をビジネスチャンスと捉えて
行動が迅速なようです。
くら寿司やガストなども糖質制限メニューを投入で、なかなかのものです。
一方、医学界においても、嬉しいサプライズです。
2017年2月7日(火)午後から、生まれて初めて東京大学医学部に行ってきました。
教授室で、渡邊昌先生、門脇孝先生、江部康二の3人で鼎談を行いました。
二人で話し合うのが対談で、三人で話し合うのが鼎談です。
渡邊昌先生は、医学雑誌「医と食」の編集長です。
門脇孝先生は、
一般社団法人 日本糖尿病学会 理事長
であり、
東京大学大学院医学系研究科糖尿病・代謝内科教授(当時)
です。
日本糖尿病学会のトップとじっくり話し合うことができて、
とても有意義な90分間でした。
2017年8月には、
「炭水化物の摂取増加で死亡リスク上昇」
という結論のランセット(Lancet)論文が発表され、
糖質制限食にとって大きな追い風となりました。
Lancet誌オンライン版2017年8月29日号掲載
https://doi.org/10.1016/S0140-6736(17)32252-3
糖質制限食の発展、まさに、今昔の感ありですね。
江部康二
☆☆☆
以下は朝日カルチャーセンター立川教室のサイトから一部抜粋です。
糖尿病・メタボ・生活習慣病 と糖質制限食
人類本来の食事・人類の健康食
講師:江部 康二(高雄病院理事長)
江部 康二(高雄病院理事長)
講師詳細
多くの研究論文により、糖尿病・肥満・生活習慣病などに対する糖質制限食の画期的な治療効果が証明されています。糖質制限食は、日本では、1999年から京都・高雄病院において糖尿病治療食として開始され、合併症を予防できる唯一の食事療法として画期的な成果をあげてきました。米国糖尿病学会は「摂取後、直接、血糖に影響を与えるのは糖質のみで、蛋白質・脂質は、直接血糖に影響を及ぼすことはない。」としています。食後高血糖と一日平均血糖変動幅増大が糖尿病合併症の最大のリスクとなりますが、従来の糖尿病食(カロリー制限・高糖質食)では、必ずそれらを生じるので、合併症の予防は困難です。また糖尿病ではない人においては、糖質摂取によるインスリンの頻回・過剰分泌が、肥満・メタボ・生活習慣病の元凶として、注目されています。(講師記)
<日程・時間>
2019/6/22(土) 15:00~16:30
<受講料(税込)>
会員 3,240円 一般 3,888円
<その他>
席は自由席です。
*個人的な治療相談は承りかねますので、ご了承ください。
<お申し込み>
TEL:042-527-6511 朝日カルチャーセンター立川教室
講師紹介 江部 康二 (エベ コウジ)
<プロフィール>
・1950年生まれ。
・1974年京都大学医学部卒業。
・1974年から京都大学胸部疾患研究所第一内科(現在京大呼吸器内科)
にて呼吸器科を学ぶ。
・1978年から高雄病院に医局長として勤務。1996年副院長就任。
・1999年高雄病院に糖質制限食導入。
・2000年理事長就任。
・2001年から糖質制限食に本格的に取り組む。
・ 2002年に自ら糖尿病であると気づいて以来、さらに糖尿病治療の研究に力を 注ぎ、「糖質制限食」の体系を確立。これにより自身の糖尿病を克服。
内科医/漢方医/一般財団法人高雄病院理事長/一般社団法人日本糖質制限医療推進協会理事長。
<著書>
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』2005年(東洋経済新報社)
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編』2008年(東洋経済新報社)
『我ら糖尿人、元気なのにはわけがある』2009年(東洋経済新報社・作家宮本輝氏との対談本)
『糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食』2010年(ナツメ社)
『主食をやめると健康になる』2011年(ダイヤモンド社)
『食品別糖質量ハンドブック』2012年(洋泉社)監修
『糖質オフ!健康法』2012年(PHP文庫)
『糖尿病治療のための!糖質制限食パーフェクトガイド』2013年(東洋経済新報社)
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!新版』2014年(東洋経済新報社)
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!2 実践編 新版』2014年(東洋経済新報社)
『炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません』2014年(東洋経済新報社)
『なぜ糖質制限をすると糖尿病が良くなるのか』2015年(ナツメ社)
『糖質制限の教科書』2015年(洋泉社)監修
『よくわかる! すぐできる! 「 糖質オフ! 」健康法 』2016年(PHP研究所)
『人類最強の「糖質制限」論~ケトン体を味方に して痩せる、健康になる』2016年(SB新書)
『江部康二の糖質制限革命』2017年(東洋経済新報社)
『男・50代からの糖質制限』2018年(東洋経済新報社)
『内蔵脂肪がストン!と落ちる食事術』2019年(ダイヤモンド社)
など多数。
ブログ『ドクター江部の糖尿病徒然日記( http://koujiebe.blog95.fc2.com/ )は日に数千件のアクセスがあり、糖尿病のかたやそのご家族から寄せられた質問への回答や、糖尿病・糖質制限食に関する 情報の発信に、日々尽力している。
2019年05月30日 (木)
こんにちは。
日本糖質制限医療推進協会提携医療機関の新川新道整形外科病院
http://shinkawashindo.promea2014.com/toushitsu/index.html
副院長 麻酔科 清水 泰行 先生が
このたび、新著を刊行されました。
「糖質過剰」症候群 あらゆる病気に共通する原因
(光文社新書) 2019/5/21
清水 泰行 (著)
https://www.amazon.co.jp/dp/433404414X/
2019/5/21から、発売中です。
清水先生は
ペインクリニック、漢方の診療、そして糖質制限の推進に努めておられます。
ご自身が、糖質制限を実践して18㎏減量に成功され、
フルマラソンとウルトラマラソンを何度も完走しておられます。
糖尿病のための糖質制限だけでなく、
生活習慣病、健康のため、スポーツのための
糖質制限食のアドバイスもしておられます。
本書を読みましたが、私が言いたいことが、ほぼ網羅してあり、
おおいに共感を覚えました。
七千を超える論文を参照しつつ、「糖質過剰症候群」という新しい概念を提唱しておられます。
私と夏井先生が、大推薦です。
私も近年は、講演会で、<生活習慣病=糖質病>と説明しています。
興味ある方は、是非、ご一読頂けば幸いです。
江部康二
☆☆☆
以下は出版社の商品の説明から一部抜粋しました。
内容紹介
◎糖質制限の第一人者・江部康二先生(京都高雄病院)
◎『炭水化物が人類を滅ぼす』の夏井睦先生
大推薦! !
全身は着々と蝕まれている――
あなたを悩ませる病や不調の真の原因はここにある!
◎内容◎
肥満や糖尿病は、糖質が原因と認知されつつあるが、
その他の多くの疾患も、元をたどれば一つの原因につながる――糖質の過剰摂取である。
医療の現場ではまだ少数派の考え方だが、研究成果は世界中で報告され始めている。
著者は七千を超える論文を参照しつつ、「糖質過剰症候群」という新しい概念を提唱。
裏付けのある形で様々な疾患(糖尿病、狭心症、心筋梗塞、脳卒中、がん、脂質異常症、
アルツハイマー病、うつ病、骨粗しょう症、片頭痛、非アルコール性脂肪肝、緑内障、
白内障、加齢黄斑変性などの眼科疾患、変形性関節症、五十肩、脊柱管狭窄症、サルコペニア、
甲状腺機能低下症、不妊症、子宮内膜症、乾癬、ニキビ、脱毛症、逆流性食道炎、難聴、
パーキンソン病、前立腺肥大、頻尿……等々)と糖質過剰摂取との関係を説く。
日本糖質制限医療推進協会提携医療機関の新川新道整形外科病院
http://shinkawashindo.promea2014.com/toushitsu/index.html
副院長 麻酔科 清水 泰行 先生が
このたび、新著を刊行されました。
「糖質過剰」症候群 あらゆる病気に共通する原因
(光文社新書) 2019/5/21
清水 泰行 (著)
https://www.amazon.co.jp/dp/433404414X/
2019/5/21から、発売中です。
清水先生は
ペインクリニック、漢方の診療、そして糖質制限の推進に努めておられます。
ご自身が、糖質制限を実践して18㎏減量に成功され、
フルマラソンとウルトラマラソンを何度も完走しておられます。
糖尿病のための糖質制限だけでなく、
生活習慣病、健康のため、スポーツのための
糖質制限食のアドバイスもしておられます。
本書を読みましたが、私が言いたいことが、ほぼ網羅してあり、
おおいに共感を覚えました。
七千を超える論文を参照しつつ、「糖質過剰症候群」という新しい概念を提唱しておられます。
私と夏井先生が、大推薦です。
私も近年は、講演会で、<生活習慣病=糖質病>と説明しています。
興味ある方は、是非、ご一読頂けば幸いです。
江部康二
☆☆☆
以下は出版社の商品の説明から一部抜粋しました。
内容紹介
◎糖質制限の第一人者・江部康二先生(京都高雄病院)
◎『炭水化物が人類を滅ぼす』の夏井睦先生
大推薦! !
全身は着々と蝕まれている――
あなたを悩ませる病や不調の真の原因はここにある!
◎内容◎
肥満や糖尿病は、糖質が原因と認知されつつあるが、
その他の多くの疾患も、元をたどれば一つの原因につながる――糖質の過剰摂取である。
医療の現場ではまだ少数派の考え方だが、研究成果は世界中で報告され始めている。
著者は七千を超える論文を参照しつつ、「糖質過剰症候群」という新しい概念を提唱。
裏付けのある形で様々な疾患(糖尿病、狭心症、心筋梗塞、脳卒中、がん、脂質異常症、
アルツハイマー病、うつ病、骨粗しょう症、片頭痛、非アルコール性脂肪肝、緑内障、
白内障、加齢黄斑変性などの眼科疾患、変形性関節症、五十肩、脊柱管狭窄症、サルコペニア、
甲状腺機能低下症、不妊症、子宮内膜症、乾癬、ニキビ、脱毛症、逆流性食道炎、難聴、
パーキンソン病、前立腺肥大、頻尿……等々)と糖質過剰摂取との関係を説く。
2019年05月29日 (水)
老後の備え、ドクター江部の糖質制限
https://www.asahiculture.jp/course/nagoya/e2edeb70-46b1-30df-4f5e-5c3324b09fd4
2019/6/16(日)13:30~15:00
講義70分間、質疑応答20分間。
朝日カルチャーセンター 朝日JTB・交流文化塾
名古屋教室
お申し込み TEL:052-249-5553
こんにちは。
朝日カルチャーセンター名古屋教室にて
糖質制限食講座開催です。
最新の内容も含めて、わかりやすくて楽しいお話しを目指します。
講師は江部康二です。
この数年間、糖質制限食の発展という意味ではとても大きな変化がありました。
年間30回くらい講演をしていますが、
結構、新しい話題も多いので、スライドも毎回更新しています。
今回もわかりやすくお話しますので、乞うご期待です。
講演が70分間で質疑応答が20分間です。
名古屋・東海・中部方面の方々のご参加をお待ちしております。
老化予防・糖尿病・メタボ・生活習慣病などのお話をします。
糖化と老化とAGEsのお話もします。
果物の果糖はAGEsを生じやすく危険ということにも言及します。
お陰様で、糖質制限食は順調に普及してきています。
2005年に私が「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」(東洋経済新報社)
を日本初の糖質制限食の本として刊行したころとは、大きな違いがあります。
なんと言っても、2013年10月に米国糖尿病学会が5年ぶりに改訂した
「栄養療法に関する声明」のなかで、
地中海食やベジタリアン食などどともに「糖質制限食」を正式に容認したことが、
大きな追い風となりました。
さらに、米国糖尿病学会は、2019年4月、
「成人糖尿病患者または予備軍患者への栄養療法」
コンセンサス・レポートを発表しました。
その中で、エビデンスが最も豊富であるとして、
糖質制限食が一番積極的に推奨されています。
大きな進歩であり、嬉しいサプライズでした。
2016年7月のNHKクローズアップ現代の試算によれば、
糖質制限市場は、3184億円とのことです。
医学界より、企業のほうが糖質制限食をビジネスチャンスと捉えて
行動が迅速なようです。
くら寿司やガストなども糖質制限メニューを投入で、なかなかのものです。
一方、医学界においても、嬉しいサプライズです。
2017年2月7日(火)午後から、生まれて初めて東京大学医学部に行ってきました。
教授室で、渡邊昌先生、門脇孝先生、江部康二の3人で鼎談を行いました。
二人で話し合うのが対談で、三人で話し合うのが鼎談です。
渡邊昌先生は、医学雑誌「医と食」の編集長です。
門脇孝先生は、
一般社団法人 日本糖尿病学会 理事長(当時)
であり、
東京大学大学院医学系研究科糖尿病・代謝内科教授(当時)
です。
日本糖尿病学会のトップとじっくり話し合うことができて、
とても有意義な90分間でした。
2017年8月には、
「炭水化物の摂取増加で死亡リスク上昇」
という結論のランセット(Lancet)論文が発表され、
糖質制限食にとって大きな追い風となりました。
Lancet誌オンライン版2017年8月29日号掲載
https://doi.org/10.1016/S0140-6736(17)32252-3
糖質制限食の発展、まさに、今昔の感ありですね。
江部康二
☆☆☆
以下は朝日カルチャーセンター名古屋教室のサイトから一部抜粋です。
老後の備え、ドクター江部の糖質制限
講師:江部 康二(高雄病院理事長)
糖質制限食はいまや広く普及し、米国糖尿病学会は「成人糖尿病患者の食事療法に関する声明」を改訂するなど、
世界的なスタンダードに。第一人者が長い人生を楽しむ視点から糖質制限を解説。
<日程・時間>
2019/6/16(日) 13:30~15:00
<受講料(税込)>
会員 3,078円 一般 3,618円
<設備費(税込)>162円
<お申し込み>
TEL:052-249-5553 朝日カルチャーセンター名古屋教室
講師紹介 江部 康二 (エベ コウジ)
<プロフィール>
・1950年生まれ。
・1974年京都大学医学部卒業。
・1974年から京都大学胸部疾患研究所第一内科(現在京大呼吸器内科)
にて呼吸器科を学ぶ。
・1978年から高雄病院に医局長として勤務。1996年副院長就任。
・1999年高雄病院に糖質制限食導入。
・2000年理事長就任。
・2001年から糖質制限食に本格的に取り組む。
・ 2002年に自ら糖尿病であると気づいて以来、さらに糖尿病治療の研究に力を 注ぎ、「糖質制限食」の体系を確立。これにより自身の糖尿病を克服。
内科医/漢方医/一般財団法人高雄病院理事長/一般社団法人日本糖質制限医療推進協会理事長。
<著書>
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』2005年(東洋経済新報社)
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編』2008年(東洋経済新報社)
『我ら糖尿人、元気なのにはわけがある』2009年(東洋経済新報社・作家宮本輝氏との対談本)
『糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食』2010年(ナツメ社)
『主食をやめると健康になる』2011年(ダイヤモンド社)
『食品別糖質量ハンドブック』2012年(洋泉社)監修
『糖質オフ!健康法』2012年(PHP文庫)
『糖尿病治療のための!糖質制限食パーフェクトガイド』2013年(東洋経済新報社)
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!新版』2014年(東洋経済新報社)
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!2 実践編 新版』2014年(東洋経済新報社)
『炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません』2014年(東洋経済新報社)
『なぜ糖質制限をすると糖尿病が良くなるのか』2015年(ナツメ社)
『糖質制限の教科書』2015年(洋泉社)監修
『よくわかる! すぐできる! 「 糖質オフ! 」健康法 』2016年(PHP研究所)
『人類最強の「糖質制限」論~ケトン体を味方に して痩せる、健康になる』2016年(SB新書)
『江部康二の糖質制限革命』2017年(東洋経済新報社)
『男・50代からの糖質制限』2018年(東洋経済新報社)
『内臓脂肪がストンと落ちる食事術』2019年(ダイヤモンド社)
など多数。
ブログ『ドクター江部の糖尿病徒然日記( http://koujiebe.blog95.fc2.com/ )は日に数千件のアクセスがあり、糖尿病のかたやそのご家族から寄せられた質問への回答や、糖尿病・糖質制限食に関する 情報の発信に、日々尽力している。
2019年05月28日 (火)
こんにちは。
今回は、泉宮さんからコメント・質問を頂き、
HbA1cとグリコアルブミン(GA)の統一性と信頼度と意義について、
考えてみました。
【19/05/27 泉宮
お世話になります。
かかりつけ病院でHbA1cを測定していますが値が信用できないのです。
血糖値は朝食前、1H後、2H後、昼食前、1H後、2H後、夕食前、1H後、2H後、21:30を1日7回あるいはスポット的に測定します。
機器はグルテスト アイを使っています。
昨年10月~12月平均138
308回測定
1月初め検査 HbA1c 7.0
今年1月~4月平均126
221回測定
5月中旬検査 HbA1c 6.9
グリコアルブミン 17.5
1.5-AG 11.7
グリコアルブミンはその病院では測定できず別の施設で検査しました。
直近2週間を反映すると聞いていたので5月初めから2週間の測定平均は126
グラフにすると今年の1~4月と5月初め2週間はほぼ近似グラフです。
グリコアルブミンから計算すると推定HbA1cは6.1
血糖の測定は連続血糖測定(CGM)ではないため一致はしないにしても
HbA1c値(検査値6.9と推定6.1)が違いすぎると感じているのです。】
ドクター江部
泉宮 さん
早朝空腹時血糖値は、どのくらいでしょう。
グリコアルブミンが、良いデータなので、
食後高血糖はかなり良くコントロールされているのだと思います。
早朝空腹時血糖値がやや高めだと、
グリコアルブミンに比べてHbA1cが比較的高めにでることがあります。
【19/05/27 泉宮
Re:HbA1cは正しい数値か?
タイトルを書き忘れていました、追加しておきます。
朝食前の血糖値平均は下記になります。
昨年10~12月:113
今年1~2月:112
今年3月~4月:111
今年5月初め2週間:116
よろしくお願いします。】
Re: Re:HbA1cは正しい数値か?
泉宮 さん
空腹時血糖値は、境界型レベルですね。
そんなに高くありません。
そうすると、その病院のHbA1cは、実態より、やや高くでている可能性が高いです。
HbA1cの検査は、全国で統一される方向のはずなのですが、
検査機関や病院により、結構バラツクことがあるのが現実です。
泉宮さんのケースでは、グリコアルブミンのほうが、信頼できると思います。
【19/05/28 泉宮
Re:Re: Re:HbA1cは正しい数値か?
江部先生、お忙しいところありがとうございます。
その病院で経過を継続していこうとは考えています。
高めの検査結果であることを頭に置いておきます。
全国で統一される方向とのことですが、
一般的にどれくらいの誤差が許容されているのでしょうか。】
19/05/28 ドクター江部
Re: Re:Re: Re:HbA1cは正しい数値か?
泉宮 さん
「HbA1c 測定原理」
で検索したところ、各社で測定原理は、ほとんど異なっているようです。
従って、統一にはほど遠いようです。
グリコアルブミンのほうは、
測定原理は、
旭化成ファーマ株式会社
https://www.asahi-kasei.co.jp/shindan/ga-l/ability.html
http://www.kyowamx.co.jp/products/diabetes/rusika_ga_l.html
協和キリン
協和メディックス
2社とも、同一のようです。
従って、グリコアルブミンのほうが、
信頼性も統一性も勝っていると思います。
さらに、
グリコアルブミン(GA)とグリコヘモグロビン(HbA1c)
に関してを比較・検討してみます。
<GAとHbA1cのそれぞれの意義>
HbA1cは赤血球の寿命が120日であるため4ヵ月前から採血時まで、
一般には、過去2ヶ月の平均血糖値を反映します。
GAはアルブミンの半減期が17日であるため17日前から採血時まで、
一般には、過去2週間の平均血糖値を反映します。
高雄病院の糖尿病学校(14日間入院)では、
タイミングが許せば、
糖質制限入院時と退院時のGAを検査します。
必ず退院時GAが改善しますので患者さんに説明しやすいです。
HbA1cは2週間では、血糖コントロール良好でも変化はありません。
従って、退院時のHbA1cは検査しません。
<GAとHbA1cの測定原理と食後高血糖の反映度合い>
HbA1cとグリコアルブミン(GA)は、血糖が、血液中のヘモグロビンとアルブミンと、
それぞれ結合して変化したものの割合をパーセントで示す検査です。
血液中のブドウ糖は、いろんなものにへばり付く性質があり、
ヘモグロビン(赤血球の中にあるタンパク質)にくっついて変化したものがHbA1cで、
アルブミンという血清中のタンパク質にくっついて変化したものが、グリコアルブミン(GA)ということです。
そして、同じ HbA1C値の糖尿病患者さんでも、食後高血糖が頻回にある患者さんの方が、
グリコアルブミンが高くなりやすいことが分かりました。
アルブミンが血糖と結合してグリコアルブミンになるスピードは、
ヘモグロビンが血糖と結合して HbA1Cになるスピードより、
9倍くらい速いと推測されています。
そのため、ごく短時間だけ現れる高血糖に対しては、
グリコアルブミン値の方が HbA1C値より敏感に反応しやすいと考えられます。
ごく短時間だけ現れる高血糖は、通常は糖質摂取後の高血糖です。
これが、「グリコアルブミン検査は食後高血糖の評価に適している」とされる理由です。
言い換えれば、HbA1cという検査は、食後高血糖を見逃している可能性が極めて高く
欠陥のある検査と言えます。
例えば糖質を普通に食べている糖尿人で、HbA1cが6.5%とか、一見コントロール良好であっても、
実際には食後高血糖が毎食生じていて合併症予防は困難なことも考えられます。
このことが、
日本で糖尿病合併症(透析16000人以上、切断3000人以上、失明3000人以上)が
一向に減らないことの理由の一つと考えられます。
<GA/HbA1cの比が大きいと食後高血糖が頻回>
食後高血糖の存在をよりはっきりとさせる方法として、
グリコアルブミン値を HbA1C値で割って両者の比を計算する方法があります。
血糖コントロールが良いにしろ悪いにしろ、それが安定している場合、
両者の比は、およそ3:1です。(但しHbA1cはJDS値)
つまりGA値が HbA1C(JDS)の約3倍です。
この約3倍というのは昔のHbA1c(JDS値)で計算したらぴったりですが、
HbA1c(NGSP値)の場合は少し小さくずれます。
従って、GA/HbA1c比の計算をするときは、
JDS値のHbA1cにするとよいです。
*JDS値+0.4=NGSP値
*NGSP値-0.4=JDS値
食後血糖値の変動が大きい糖尿人では、
先ほど述べたようにグリコアルブミンの方が上昇しやすいため、
GA/HbA1c比が大きくなります。
食後高血糖が頻回の場合は、GA/HbA1c比が4:1に近付いたり、
それ以上に差が開くこともあるようです。
この差が大きいほど、
合併症が進行しやすくなることを示した研究報告が最近増えてきました。
<糖質制限食なら、GA/HbA1cの比が小さい>
江部康二の検査データ(2019年4月)
HbA1c(NGSP):5.7%(基準値4.6~6.2%)
HbA1c(JDS):5.3%(基準値4.3~5.8%)
グリコアルブミン(GA):13.5%(基準値11.8~16.0%)
上記、江部康二の検査データ(2019年4月)だと、
JDS値で計算して、GA/HbA1c比は、2.37:1とかなり低いです。
これは食後高血糖が極めて少ないことを示しています。
一方、
ある50代男性糖尿人Aさんの検査では
HbA1c(NGSP):5.8%
HbA1c(JDS):5.4%
グリコアルブミン(GA):18.0%
でした。
江部康二とAさんと、HbA1cは全く同じです。
一方AさんのGAも20%未満と、コントロール良好ではあるのですが、
私のデータと比べるとかなり高値です。
Aさんの、GA/HbA1c比は、3.33:1で、私よりかなり高いです。
つまりAさんは、私に比べると食後高血糖が一定あったこととなります。
よくよくAさんに聞いてみると
「麺類が好きで時々食べていました」
ということでした。
麺類を止めて貰ったら、GAも16.0%をきるようになりました。
すなわち、食後高血糖のない質の良いHbA1cと、食後高血糖のある質の悪いHbA1cとを、
GA/HbA1c比によって、区別し評価できるということになります。
GAとHbA1cは同じ月には保険請求できませんので、
かわりばんこに調べるとか、基本HbA1cで、時々GAとかいろいろ
工夫して検査すればいいと思います。
HbA1cより、有用なので、グリコアルブミン検査は今後、
もっと普及して欲しいと思います。
それによりグリコアルブミンと合併症の関係がさらに明確になることでしょう。
江部康二
今回は、泉宮さんからコメント・質問を頂き、
HbA1cとグリコアルブミン(GA)の統一性と信頼度と意義について、
考えてみました。
【19/05/27 泉宮
お世話になります。
かかりつけ病院でHbA1cを測定していますが値が信用できないのです。
血糖値は朝食前、1H後、2H後、昼食前、1H後、2H後、夕食前、1H後、2H後、21:30を1日7回あるいはスポット的に測定します。
機器はグルテスト アイを使っています。
昨年10月~12月平均138
308回測定
1月初め検査 HbA1c 7.0
今年1月~4月平均126
221回測定
5月中旬検査 HbA1c 6.9
グリコアルブミン 17.5
1.5-AG 11.7
グリコアルブミンはその病院では測定できず別の施設で検査しました。
直近2週間を反映すると聞いていたので5月初めから2週間の測定平均は126
グラフにすると今年の1~4月と5月初め2週間はほぼ近似グラフです。
グリコアルブミンから計算すると推定HbA1cは6.1
血糖の測定は連続血糖測定(CGM)ではないため一致はしないにしても
HbA1c値(検査値6.9と推定6.1)が違いすぎると感じているのです。】
ドクター江部
泉宮 さん
早朝空腹時血糖値は、どのくらいでしょう。
グリコアルブミンが、良いデータなので、
食後高血糖はかなり良くコントロールされているのだと思います。
早朝空腹時血糖値がやや高めだと、
グリコアルブミンに比べてHbA1cが比較的高めにでることがあります。
【19/05/27 泉宮
Re:HbA1cは正しい数値か?
タイトルを書き忘れていました、追加しておきます。
朝食前の血糖値平均は下記になります。
昨年10~12月:113
今年1~2月:112
今年3月~4月:111
今年5月初め2週間:116
よろしくお願いします。】
Re: Re:HbA1cは正しい数値か?
泉宮 さん
空腹時血糖値は、境界型レベルですね。
そんなに高くありません。
そうすると、その病院のHbA1cは、実態より、やや高くでている可能性が高いです。
HbA1cの検査は、全国で統一される方向のはずなのですが、
検査機関や病院により、結構バラツクことがあるのが現実です。
泉宮さんのケースでは、グリコアルブミンのほうが、信頼できると思います。
【19/05/28 泉宮
Re:Re: Re:HbA1cは正しい数値か?
江部先生、お忙しいところありがとうございます。
その病院で経過を継続していこうとは考えています。
高めの検査結果であることを頭に置いておきます。
全国で統一される方向とのことですが、
一般的にどれくらいの誤差が許容されているのでしょうか。】
19/05/28 ドクター江部
Re: Re:Re: Re:HbA1cは正しい数値か?
泉宮 さん
「HbA1c 測定原理」
で検索したところ、各社で測定原理は、ほとんど異なっているようです。
従って、統一にはほど遠いようです。
グリコアルブミンのほうは、
測定原理は、
旭化成ファーマ株式会社
https://www.asahi-kasei.co.jp/shindan/ga-l/ability.html
http://www.kyowamx.co.jp/products/diabetes/rusika_ga_l.html
協和キリン
協和メディックス
2社とも、同一のようです。
従って、グリコアルブミンのほうが、
信頼性も統一性も勝っていると思います。
さらに、
グリコアルブミン(GA)とグリコヘモグロビン(HbA1c)
に関してを比較・検討してみます。
<GAとHbA1cのそれぞれの意義>
HbA1cは赤血球の寿命が120日であるため4ヵ月前から採血時まで、
一般には、過去2ヶ月の平均血糖値を反映します。
GAはアルブミンの半減期が17日であるため17日前から採血時まで、
一般には、過去2週間の平均血糖値を反映します。
高雄病院の糖尿病学校(14日間入院)では、
タイミングが許せば、
糖質制限入院時と退院時のGAを検査します。
必ず退院時GAが改善しますので患者さんに説明しやすいです。
HbA1cは2週間では、血糖コントロール良好でも変化はありません。
従って、退院時のHbA1cは検査しません。
<GAとHbA1cの測定原理と食後高血糖の反映度合い>
HbA1cとグリコアルブミン(GA)は、血糖が、血液中のヘモグロビンとアルブミンと、
それぞれ結合して変化したものの割合をパーセントで示す検査です。
血液中のブドウ糖は、いろんなものにへばり付く性質があり、
ヘモグロビン(赤血球の中にあるタンパク質)にくっついて変化したものがHbA1cで、
アルブミンという血清中のタンパク質にくっついて変化したものが、グリコアルブミン(GA)ということです。
そして、同じ HbA1C値の糖尿病患者さんでも、食後高血糖が頻回にある患者さんの方が、
グリコアルブミンが高くなりやすいことが分かりました。
アルブミンが血糖と結合してグリコアルブミンになるスピードは、
ヘモグロビンが血糖と結合して HbA1Cになるスピードより、
9倍くらい速いと推測されています。
そのため、ごく短時間だけ現れる高血糖に対しては、
グリコアルブミン値の方が HbA1C値より敏感に反応しやすいと考えられます。
ごく短時間だけ現れる高血糖は、通常は糖質摂取後の高血糖です。
これが、「グリコアルブミン検査は食後高血糖の評価に適している」とされる理由です。
言い換えれば、HbA1cという検査は、食後高血糖を見逃している可能性が極めて高く
欠陥のある検査と言えます。
例えば糖質を普通に食べている糖尿人で、HbA1cが6.5%とか、一見コントロール良好であっても、
実際には食後高血糖が毎食生じていて合併症予防は困難なことも考えられます。
このことが、
日本で糖尿病合併症(透析16000人以上、切断3000人以上、失明3000人以上)が
一向に減らないことの理由の一つと考えられます。
<GA/HbA1cの比が大きいと食後高血糖が頻回>
食後高血糖の存在をよりはっきりとさせる方法として、
グリコアルブミン値を HbA1C値で割って両者の比を計算する方法があります。
血糖コントロールが良いにしろ悪いにしろ、それが安定している場合、
両者の比は、およそ3:1です。(但しHbA1cはJDS値)
つまりGA値が HbA1C(JDS)の約3倍です。
この約3倍というのは昔のHbA1c(JDS値)で計算したらぴったりですが、
HbA1c(NGSP値)の場合は少し小さくずれます。
従って、GA/HbA1c比の計算をするときは、
JDS値のHbA1cにするとよいです。
*JDS値+0.4=NGSP値
*NGSP値-0.4=JDS値
食後血糖値の変動が大きい糖尿人では、
先ほど述べたようにグリコアルブミンの方が上昇しやすいため、
GA/HbA1c比が大きくなります。
食後高血糖が頻回の場合は、GA/HbA1c比が4:1に近付いたり、
それ以上に差が開くこともあるようです。
この差が大きいほど、
合併症が進行しやすくなることを示した研究報告が最近増えてきました。
<糖質制限食なら、GA/HbA1cの比が小さい>
江部康二の検査データ(2019年4月)
HbA1c(NGSP):5.7%(基準値4.6~6.2%)
HbA1c(JDS):5.3%(基準値4.3~5.8%)
グリコアルブミン(GA):13.5%(基準値11.8~16.0%)
上記、江部康二の検査データ(2019年4月)だと、
JDS値で計算して、GA/HbA1c比は、2.37:1とかなり低いです。
これは食後高血糖が極めて少ないことを示しています。
一方、
ある50代男性糖尿人Aさんの検査では
HbA1c(NGSP):5.8%
HbA1c(JDS):5.4%
グリコアルブミン(GA):18.0%
でした。
江部康二とAさんと、HbA1cは全く同じです。
一方AさんのGAも20%未満と、コントロール良好ではあるのですが、
私のデータと比べるとかなり高値です。
Aさんの、GA/HbA1c比は、3.33:1で、私よりかなり高いです。
つまりAさんは、私に比べると食後高血糖が一定あったこととなります。
よくよくAさんに聞いてみると
「麺類が好きで時々食べていました」
ということでした。
麺類を止めて貰ったら、GAも16.0%をきるようになりました。
すなわち、食後高血糖のない質の良いHbA1cと、食後高血糖のある質の悪いHbA1cとを、
GA/HbA1c比によって、区別し評価できるということになります。
GAとHbA1cは同じ月には保険請求できませんので、
かわりばんこに調べるとか、基本HbA1cで、時々GAとかいろいろ
工夫して検査すればいいと思います。
HbA1cより、有用なので、グリコアルブミン検査は今後、
もっと普及して欲しいと思います。
それによりグリコアルブミンと合併症の関係がさらに明確になることでしょう。
江部康二
2019年05月27日 (月)
こんにちは。
人体のエネルギー源として
A)脂肪酸-ケトン体エネルギーシステム
B)ブドウ糖-グリコーゲンエネルギーシステム
があります。
人体のほとんどの細胞が、A)B)をエネルギー源として使用しています。
A)脂肪酸-ケトン体エネルギーシステム
体内の脂肪組織の中性脂肪は、分解されて脂肪酸とグリセロールになります。
脂肪酸は脳と赤血球以外の人体組織のエネルギー源となります。
ケトン体は肝細胞内で、
「脂肪酸→β酸化→アセチルCoA→ケトン体」
という順番で誰においても日常的に生成されていて肝臓では使用されずに、
他の臓器、脳や筋肉のエネルギー源として供給されます。
これは、最も効率のよいエネルギー源であるケトン体を、
自らは使用せずに他の臓器に優先的に回すという趣旨です。
脂肪酸-ケトン体エネルギーシステムは、安静時や空腹時や睡眠時は、人体の主たるエネルギーシステムです。
B)ブドウ糖-グリコーゲンエネルギーシステム
ブドウ糖は、筋肉と肝臓にグリコ-ゲンとして蓄えられています。
通常成人男子では90~150gが肝臓に肝グリコーゲンとして貯蔵されていて、
100~400gのグリコーゲンが筋肉内に存在します。
筋肉中のグリコーゲンは筋肉細胞のエネルギー源となりますが、血糖にはなりません。
糖質摂取後最初の3~4時間は消化管から吸収されたブドウ糖が身体のエネルギー源となり、
その後余った血糖は肝・筋・脂肪組織にグリコーゲンや中性脂肪として蓄えられます。
肝臓のグリコーゲンは、食後3~4時間くらいが経過したら、血糖確保のために使用されます。
さらに食後数時間が経過すると、肝臓では糖新生をして、血糖を正常値に維持します。
ブドウ糖-グリコーゲンエネルギーシステムは、本来は緊急時(逃走・闘争など)の手っ取り早いエネルギー源です。
あとは、30分以上歩いて、筋肉の収縮が維持されると、GLUT4が細胞表面にトランスロケーションして、
インスリン非依存的に筋肉細胞が血糖を取り込みます。
糖質を摂取してインスリンが分泌されると、筋肉細胞や脂肪細胞のGLUT4が細胞表面にトランスロケーションして
血糖を取り込みます。
A)B)以外の例外のエネルギー源として、グルタミンと短鎖脂肪酸があります。
C)グルタミン
小腸はグルタミンが主たるエネルギー源です。
グルタミンが50~60%、ケトン体が15~20%、ブドウ糖は5~7%とごく少ないです。
グルタミンは血中に最も多く含まれている遊離アミノ酸です。
小腸がグルタミンを主たるエネルギー源にしているのは、食べものを消化吸収したとき、
ブドウ糖や脂肪酸などは他の臓器に優先的に供給するためと思われます。
D)短鎖脂肪酸
大腸は、短鎖脂肪酸しか、エネルギー源として使いません。
大腸は腸内細菌が、食物繊維を分解して作った短鎖脂肪酸をエネルギー源として利用しています。
また体内で産生された短鎖脂肪酸もエネルギー源とします。
さて、A)B)がエネルギー源となっているほとんどの細胞について整理してみます。
キーワードは、ミトコンドリアです。
ミトコンドリアは細胞内にあるエネルギー生産装置です。
赤血球以外の全ての臓器や組織は細胞内にミトコンドリアを持っています。
ミトコンドリアがあると、TCAサイクルを回して、脂肪酸やケトン体をエネルギー源として利用することができるのです。
血液脳関門は、脳細胞の毛細血管にあり、脳細胞を物理的かつ化学的に守っています。
1)赤血球
ミトコンドリアを持っていないので、「ブドウ糖」しかエネルギー源として利用できません。
人体でミトコンドリアを持っていないのは、赤血球だけです。
2)脳
①ブドウ糖、脂肪酸、ケトン体は血液脳関門を通過する。
②脂肪酸はアストロサイトではミトコンドリア内でβ酸化されてエネルギー源となる。
③脂肪酸は神経細胞では細胞膜の原料となりエネルギー源としては使われない。
従って、脳は「ブドウ糖+ケトン体」をエネルギー源として、利用します。
3)筋肉・内臓・脂肪など、ほとんどの肝外体組織
ミトコンドリアを細胞内に有しているので、
「ブドウ糖+ケトン体+脂肪酸」をエネルギー源として 利用します。
興味深いのは、
主たるエネルギー源はケトン体と脂肪酸でありブドウ糖ではないことです。
「ハーパー・生化学」(原著27版)の訳本、155ぺージ・図16-9の説明に、
「心臓のような肝外組織では代謝エネルギー源は次の順に好まれて酸化される。
(1)ケトン体.(2)脂肪酸.(3)グルコース」
との記載があります。
4)肝臓
肝細胞のなかで、ケトン体が生成されますが、肝細胞自らはケトン体を利用せず、
血中に送り込んで他の 組織に供給します。
従って肝細胞は 「ブドウ糖+脂肪酸」をエネルギー源として利用します。
江部康二
人体のエネルギー源として
A)脂肪酸-ケトン体エネルギーシステム
B)ブドウ糖-グリコーゲンエネルギーシステム
があります。
人体のほとんどの細胞が、A)B)をエネルギー源として使用しています。
A)脂肪酸-ケトン体エネルギーシステム
体内の脂肪組織の中性脂肪は、分解されて脂肪酸とグリセロールになります。
脂肪酸は脳と赤血球以外の人体組織のエネルギー源となります。
ケトン体は肝細胞内で、
「脂肪酸→β酸化→アセチルCoA→ケトン体」
という順番で誰においても日常的に生成されていて肝臓では使用されずに、
他の臓器、脳や筋肉のエネルギー源として供給されます。
これは、最も効率のよいエネルギー源であるケトン体を、
自らは使用せずに他の臓器に優先的に回すという趣旨です。
脂肪酸-ケトン体エネルギーシステムは、安静時や空腹時や睡眠時は、人体の主たるエネルギーシステムです。
B)ブドウ糖-グリコーゲンエネルギーシステム
ブドウ糖は、筋肉と肝臓にグリコ-ゲンとして蓄えられています。
通常成人男子では90~150gが肝臓に肝グリコーゲンとして貯蔵されていて、
100~400gのグリコーゲンが筋肉内に存在します。
筋肉中のグリコーゲンは筋肉細胞のエネルギー源となりますが、血糖にはなりません。
糖質摂取後最初の3~4時間は消化管から吸収されたブドウ糖が身体のエネルギー源となり、
その後余った血糖は肝・筋・脂肪組織にグリコーゲンや中性脂肪として蓄えられます。
肝臓のグリコーゲンは、食後3~4時間くらいが経過したら、血糖確保のために使用されます。
さらに食後数時間が経過すると、肝臓では糖新生をして、血糖を正常値に維持します。
ブドウ糖-グリコーゲンエネルギーシステムは、本来は緊急時(逃走・闘争など)の手っ取り早いエネルギー源です。
あとは、30分以上歩いて、筋肉の収縮が維持されると、GLUT4が細胞表面にトランスロケーションして、
インスリン非依存的に筋肉細胞が血糖を取り込みます。
糖質を摂取してインスリンが分泌されると、筋肉細胞や脂肪細胞のGLUT4が細胞表面にトランスロケーションして
血糖を取り込みます。
A)B)以外の例外のエネルギー源として、グルタミンと短鎖脂肪酸があります。
C)グルタミン
小腸はグルタミンが主たるエネルギー源です。
グルタミンが50~60%、ケトン体が15~20%、ブドウ糖は5~7%とごく少ないです。
グルタミンは血中に最も多く含まれている遊離アミノ酸です。
小腸がグルタミンを主たるエネルギー源にしているのは、食べものを消化吸収したとき、
ブドウ糖や脂肪酸などは他の臓器に優先的に供給するためと思われます。
D)短鎖脂肪酸
大腸は、短鎖脂肪酸しか、エネルギー源として使いません。
大腸は腸内細菌が、食物繊維を分解して作った短鎖脂肪酸をエネルギー源として利用しています。
また体内で産生された短鎖脂肪酸もエネルギー源とします。
さて、A)B)がエネルギー源となっているほとんどの細胞について整理してみます。
キーワードは、ミトコンドリアです。
ミトコンドリアは細胞内にあるエネルギー生産装置です。
赤血球以外の全ての臓器や組織は細胞内にミトコンドリアを持っています。
ミトコンドリアがあると、TCAサイクルを回して、脂肪酸やケトン体をエネルギー源として利用することができるのです。
血液脳関門は、脳細胞の毛細血管にあり、脳細胞を物理的かつ化学的に守っています。
1)赤血球
ミトコンドリアを持っていないので、「ブドウ糖」しかエネルギー源として利用できません。
人体でミトコンドリアを持っていないのは、赤血球だけです。
2)脳
①ブドウ糖、脂肪酸、ケトン体は血液脳関門を通過する。
②脂肪酸はアストロサイトではミトコンドリア内でβ酸化されてエネルギー源となる。
③脂肪酸は神経細胞では細胞膜の原料となりエネルギー源としては使われない。
従って、脳は「ブドウ糖+ケトン体」をエネルギー源として、利用します。
3)筋肉・内臓・脂肪など、ほとんどの肝外体組織
ミトコンドリアを細胞内に有しているので、
「ブドウ糖+ケトン体+脂肪酸」をエネルギー源として 利用します。
興味深いのは、
主たるエネルギー源はケトン体と脂肪酸でありブドウ糖ではないことです。
「ハーパー・生化学」(原著27版)の訳本、155ぺージ・図16-9の説明に、
「心臓のような肝外組織では代謝エネルギー源は次の順に好まれて酸化される。
(1)ケトン体.(2)脂肪酸.(3)グルコース」
との記載があります。
4)肝臓
肝細胞のなかで、ケトン体が生成されますが、肝細胞自らはケトン体を利用せず、
血中に送り込んで他の 組織に供給します。
従って肝細胞は 「ブドウ糖+脂肪酸」をエネルギー源として利用します。
江部康二
2019年05月26日 (日)
こんばんは。
第62回 日本糖尿病学会 年次学術集会 が
2019/5/23(木)~5/25(土)
まで、仙台で開催されました。
食事療法に関するシンポジウムは、
5/25(土)学会最終日の午後という日程設定だったので
是非、何とか参加したかったのですが、
東京で抜けられない用事がありました。
抜けられない用事の件に関しては後日また報告します。
幸い、しらねのぞるば さんから
「食事療法に関するシンポジウム」に関して
とても詳しい、ご報告をコメント頂きました。
ありがとうございます。
とても参考になります。
さらに詳細な糖尿病学会の情報は
『しらねのぞるばの暴言ブログ』
https://shiranenozorba.com/
に掲載されているので、ブログ読者の皆さん
是非、ご覧頂ければ幸いです。
今回の、しらねのぞるばさんのご報告、
- 従来過少であった設定カロリーは見直す.
- 年齢・性別を問わず,BMI=22を一律に標準体重としていたのを見直す.
- 高齢者のフレイル・サルコペニア対策として,蛋白質摂取を奨励する.
など、日本糖尿病学会は、明らかによい方向に変化しています。
さらに、
[食事療法を糖尿病患者一律に規定するのはもはや不可能]
[個別化が必須]
[いわゆる標準体重の見直し]
[従来の適正カロリーは過少すぎた]
[高齢者のサルコペニア防止にむけて]
[改訂案の具体例]
[消費カロリーの正確な測定]
[日常活動レベルと消費カロリー実測値との関係]
[過度なカロリー制限は肥満解消には逆効果]
[食品交換表の 1単位=80kcalは現状に合っていない]
など、大変、前向きで建設的な内容であり、
私としても一安心です。
ただ、それでも、ガイドライン改訂が見送られたということは、
しらねのぞるばさんが指摘されているように
まだ、従来の糖尿病食(カロリー制限高糖質食)に拘泥する勢力が存在するという
ことなのでしょうね。
江部康二
【19/05/26 しらねのぞるば
第62回 日本糖尿病学会 年次学術集会 【食事療法関係】の報告
仙台で行われた学会に参加してきました. 今回の注目点は,学会の食事療法に関するスタンスが変わるのかどうかでしたが,この点に関して,ご報告いたします. なお,図表なども含めた報告,および食事療法以外のテーマについては,
私のブログ 『しらねのぞるばの暴言ブログ』
https://shiranenozorba.com/
に掲載しております.
下記文章で[図]とあるものは,ブログに掲載しています.またグラフなどは,スライドの手書きスケッチなので,正確ではありません.
【1】糖尿病治療ガイド 2019年改訂版の発行は延期
多くの方が,今回の学会でガイドライン,特に食事療法のガイドラインが改訂されると予想していたのですが,まさにその食事療法について学会内部で意見がまとまらなかったことが発行延期の原因のようです. 『決められない政治』はここにもあります.
大体,初日 5/23の朝に学会会場(仙台 国際センター)に着いた時,嫌な予感がしました. なぜかといえば,医学書販売コーナーで,どの書店のブースにも 旧版の治療ガイド(2018-2019)が山積みされていたからです.
[図]
この学会で新ガイドラインが出るのなら,旧版はもう売れるはずのないものですから,『これでは 改訂版は出ないんじゃないのかも...』と思いましたが,悪い予感ほど的中するものです.
とはいえ,今年1月の日本病態栄養学会で『予告』されていた内容,つまり;
- 従来過少であった設定カロリーは見直す.
- 年齢・性別を問わず,BMI=22を一律に標準体重としていたのを見直す.
- 高齢者のフレイル・サルコペニア対策として,蛋白質摂取を奨励する.
この点については,確定していたようです.
とすると,消去法により,カロリー制限食の変更についての合意が得られなかった可能性があります.ただしこれはあくまでも私の推測です.
【Featured Symposium 5】ガイドラインからみた食事療法の課題と展望
今回唯一の食事療法に関するシンポジウムでした.学会最終日の午後という日程設定からみてもわかるように,本来ならここで新ガイドラインが詳しく紹介されるはずだったのでしょう. 各講演内容にはそれがうかがわれます. ただし新ガイドラインで合意できなかったのは残念ですが,その点を割り引いても このシンポジウムの内容は実に充実したものであり,仙台に来た甲斐はありました.
シンポジウムの座長が 慈恵医大の宇都宮一典先生は妥当としても,もう一方の座長が伊藤千賀子先生でした,食品交換表を聖典とあがめる方ですが,まだご健在なのですね.
事前に配布された抄録集では,このシンポジウムの内容は一切記載されていませんでした(冒頭の宇都宮座長の食品交換表のこれまでの歴史概観のみが掲載されているだけで,それ以外の講演は演者名とテーマのみ).新ガイドラインをここで発表という予定だったのだから当然です.以下,講演を聞きながら書き留めたメモです.
【FS5-1】 糖尿病の食事療法における課題 慈恵医大 宇都宮一典先生
ガイドラインの改訂は間に合わなかったが,現時点での改訂原案を紹介する.
[食事療法を糖尿病患者一律に規定するのはもはや不可能]
日本人の糖尿病は,インスリン分泌不全が特徴だったが,近年は欧米型の肥満-インスリン抵抗性の糖尿病も増えており,両者が混在している.また合併症も多種多様,最近ではいわゆる3大合併症以外にもガン・認知症との関連も指摘されている. このような状況では,糖尿病患者に一律に同じ食事療法を適用するのは不合理.
[個別化が必須]
日本社会の高齢化に伴い,高齢者の糖尿病が増えている. その一方で,小児からでも2型糖尿病発症も増加している. すなわち患者は子供から超高齢者まで多彩.これらに同じ食事療法は適用できない. 年齢・性別・病態を考慮して個別化された食事療法が必須である.
[いわゆる標準体重の見直し]
ひるがえれば,日本が戦後の混乱期の頃は食料事情・栄養事情がよくなかった.それが高度成長期にさしかかり食事内容も大きく変化した.食品交換表初版はまさにこの時期に出版され,そこでは当時の最適水準として 標準体重,後のBMI=22を規定した. ところが現在 世界各国の「健康上Bestな体重」は国ごとに異なる.しかも,総死亡率がもっとも低いBMIは,おおむね BMI=20~25をボトムとするU字カーブを描くものの,その最適値は,年齢・性別で異なる. また高齢化するほど,ボトムは右にシフトし,かつ幅が広がる傾向にある[図].これは日本のJDCSにて,糖尿病患者のデータを見てもその傾向はある. よって,同じ身長なら同じBMIであるべきという考えは適切ではない.
[図]
[従来の適正カロリーは過少すぎた]
本日のFS5-2の講演の通り,糖尿病患者であっても,消費カロリーは健常人と変わらない. また日常生活の軽労作・普通・重労作別のエネルギ係数も低く見積もりすぎていた.このことから,従来のカロリー制限食で設定していたカロリー設定は過少であり,これを見直す.また高度肥満者(BMI>=30)であっても,BMI=22とエネルギー係数25-30をめざして 1600kcalなどとしていた設定は,結局遵守不可能であり,過酷すぎたのであらためる.具体的には一気に適正体重をめざすのではなく,現実的な目標体重をめざす設定とする.
[高齢者のサルコペニア防止にむけて]
高齢者の総死亡率は,若年者・中年者では肥満とされるBMI=25以上で実はもっとも低いというデータに鑑みて,BMI=25を標準とする. また中年では BMI=22-25と幅をもたせる.若年のBMI=22はこれまで通り.
[改訂案の具体例]
身長170cm,体重90kg(BMI=31)の肥満者は,従来 65kgをめざすべしとして,1600-1900kcalの食事だったが,これをまず現実的な体重減少をめざして 2200kcalくらいを認める.同じく 身長170cm,体重50kg(BMI=17)極端な痩せ型の高齢者の場合は,サルコペニアが懸念されるので,摂取カロリー 2200-2500kcalくらいを推奨する.
【FS5-2】 エネルギー必要量の考え方 慶應大学 勝川史憲先生
勝川先生は,健常人と糖尿病患者(インスリン治療者,経口糖尿病薬服用者,食事/運動療法のみ,とすべての糖尿病患者を含む)とでは,エネルギー消費量に差がないことを,二重ラベル化水(Doubly Labeled Water)を用いて厳密に証明したCLEVER-DM Studyのメンバーでもあります. この研究成果はDiabetes に掲載された論文[*]にて報告されましたが,講演内容は,ほぼ この論文に沿ったものでした.
[*]Total Energy Expenditure Evaluated by Doubly Labeled Water Method in Japanese Patients with Diabetes Mellitus—Clinical EValuation of Energy Requirements in Patients with Diabetes Mellitus (CLEVER-DM) Study
http://diabetes.diabetesjournals.org/content/67/Supplement_1/775-P.abstract
[消費カロリーの正確な測定]
二重ラベル化水とは,水素を重水素(Deuterium),酸素をO18(普通の酸素はO16)とどちらも同位体である元素から作られた水で,Trace可能(注:放射性元素ではないので,おそらくGCMS=ガスクロマトグラフ質量分析計で).この二重ラベル化水を少量摂取してもらい,体外に排出される H2とO18の差を見れば,正確にCO2排出量,すなわち真の代謝エネルギーが測定できる,非常に正確な測定法である. 従来この方法がなかなか採用されてこなかったのは,二重ラベル化水が非常に高価(被験者1人あたり,10数万円)だったので,『推定』で済ませてきたのが実態.
[日常活動レベルと消費カロリー実測値との関係]
現代の日常生活において,エネルギー係数が 22kcal/kg というのは明らかに過少見積である. 今回の消費エネルギー実測値と,被験者の活動度計による運動量とを比較すると,30-40kcal/kgが妥当である.実際 海外含め多くの文献報告では,成長期の子供は高く 40kcal/kg以上,成人では健常人でも糖尿病患者でも30-40kcal/kgであって(痩せている人ほど高い),逆に 25kcal/kg未満という数字はほとんど報告例がみあたらない[図].
[図]
[過度なカロリー制限は肥満解消には逆効果]
高度肥満を解消させるために,極端に低いカロリー制限を行った場合と,緩やかなカロリー制限を行った場合とを比較したところ,減量達成効果は 緩やかなカロリー制限の方が達成率が良かったという報告が多い.過酷なカロリー制限は,逆効果である.
[食品交換表の 1単位=80kcalは現状に合っていない]
食品交換表は,初版以来ずっと 『1単位 = 80kcal』としているが,現代の食品ポーションサイズからかけ離れている. たしかに1960年代以前は,卵 M玉 1個は 50gで,約80kcalであった.しかし現在普通に売られている卵は,同じMサイズといっても,60g前後( JA規格では,M玉は 58-64g),100kcal前後であり,実態に合っていない.80kcalという『単位』に必然性はなく,むしろ100kcalにした方が計算もわかりやすくなるのではないか.
ありていに言えば,従来の食品交換表は,まるで根拠のない低カロリー設定を『推定』して患者に押し付けてきたわけですが(しかも,それが肥満解消および糖尿病には,反論を許さぬ絶対真だとして),ここまでデータを示されれば,なにしろエビデンスを重視する糖尿病学会なのですから,カロリー設定見直しに全会一致の賛成で...かと思ったら,それでも反対する人がいたのでしょうか.
(ここまでで 非常に長くなりましたので,以下の2題,および会場での質疑などは,私のブログにて引き継ぎます)
【FS5-3】フレイル予防を目指した食事療法 名古屋大学 葛谷雅文先生
【FS5-4】CKD における食事療法の課題 滋賀医大 荒木信一先生 】
第62回 日本糖尿病学会 年次学術集会 が
2019/5/23(木)~5/25(土)
まで、仙台で開催されました。
食事療法に関するシンポジウムは、
5/25(土)学会最終日の午後という日程設定だったので
是非、何とか参加したかったのですが、
東京で抜けられない用事がありました。
抜けられない用事の件に関しては後日また報告します。
幸い、しらねのぞるば さんから
「食事療法に関するシンポジウム」に関して
とても詳しい、ご報告をコメント頂きました。
ありがとうございます。
とても参考になります。
さらに詳細な糖尿病学会の情報は
『しらねのぞるばの暴言ブログ』
https://shiranenozorba.com/
に掲載されているので、ブログ読者の皆さん
是非、ご覧頂ければ幸いです。
今回の、しらねのぞるばさんのご報告、
- 従来過少であった設定カロリーは見直す.
- 年齢・性別を問わず,BMI=22を一律に標準体重としていたのを見直す.
- 高齢者のフレイル・サルコペニア対策として,蛋白質摂取を奨励する.
など、日本糖尿病学会は、明らかによい方向に変化しています。
さらに、
[食事療法を糖尿病患者一律に規定するのはもはや不可能]
[個別化が必須]
[いわゆる標準体重の見直し]
[従来の適正カロリーは過少すぎた]
[高齢者のサルコペニア防止にむけて]
[改訂案の具体例]
[消費カロリーの正確な測定]
[日常活動レベルと消費カロリー実測値との関係]
[過度なカロリー制限は肥満解消には逆効果]
[食品交換表の 1単位=80kcalは現状に合っていない]
など、大変、前向きで建設的な内容であり、
私としても一安心です。
ただ、それでも、ガイドライン改訂が見送られたということは、
しらねのぞるばさんが指摘されているように
まだ、従来の糖尿病食(カロリー制限高糖質食)に拘泥する勢力が存在するという
ことなのでしょうね。
江部康二
【19/05/26 しらねのぞるば
第62回 日本糖尿病学会 年次学術集会 【食事療法関係】の報告
仙台で行われた学会に参加してきました. 今回の注目点は,学会の食事療法に関するスタンスが変わるのかどうかでしたが,この点に関して,ご報告いたします. なお,図表なども含めた報告,および食事療法以外のテーマについては,
私のブログ 『しらねのぞるばの暴言ブログ』
https://shiranenozorba.com/
に掲載しております.
下記文章で[図]とあるものは,ブログに掲載しています.またグラフなどは,スライドの手書きスケッチなので,正確ではありません.
【1】糖尿病治療ガイド 2019年改訂版の発行は延期
多くの方が,今回の学会でガイドライン,特に食事療法のガイドラインが改訂されると予想していたのですが,まさにその食事療法について学会内部で意見がまとまらなかったことが発行延期の原因のようです. 『決められない政治』はここにもあります.
大体,初日 5/23の朝に学会会場(仙台 国際センター)に着いた時,嫌な予感がしました. なぜかといえば,医学書販売コーナーで,どの書店のブースにも 旧版の治療ガイド(2018-2019)が山積みされていたからです.
[図]
この学会で新ガイドラインが出るのなら,旧版はもう売れるはずのないものですから,『これでは 改訂版は出ないんじゃないのかも...』と思いましたが,悪い予感ほど的中するものです.
とはいえ,今年1月の日本病態栄養学会で『予告』されていた内容,つまり;
- 従来過少であった設定カロリーは見直す.
- 年齢・性別を問わず,BMI=22を一律に標準体重としていたのを見直す.
- 高齢者のフレイル・サルコペニア対策として,蛋白質摂取を奨励する.
この点については,確定していたようです.
とすると,消去法により,カロリー制限食の変更についての合意が得られなかった可能性があります.ただしこれはあくまでも私の推測です.
【Featured Symposium 5】ガイドラインからみた食事療法の課題と展望
今回唯一の食事療法に関するシンポジウムでした.学会最終日の午後という日程設定からみてもわかるように,本来ならここで新ガイドラインが詳しく紹介されるはずだったのでしょう. 各講演内容にはそれがうかがわれます. ただし新ガイドラインで合意できなかったのは残念ですが,その点を割り引いても このシンポジウムの内容は実に充実したものであり,仙台に来た甲斐はありました.
シンポジウムの座長が 慈恵医大の宇都宮一典先生は妥当としても,もう一方の座長が伊藤千賀子先生でした,食品交換表を聖典とあがめる方ですが,まだご健在なのですね.
事前に配布された抄録集では,このシンポジウムの内容は一切記載されていませんでした(冒頭の宇都宮座長の食品交換表のこれまでの歴史概観のみが掲載されているだけで,それ以外の講演は演者名とテーマのみ).新ガイドラインをここで発表という予定だったのだから当然です.以下,講演を聞きながら書き留めたメモです.
【FS5-1】 糖尿病の食事療法における課題 慈恵医大 宇都宮一典先生
ガイドラインの改訂は間に合わなかったが,現時点での改訂原案を紹介する.
[食事療法を糖尿病患者一律に規定するのはもはや不可能]
日本人の糖尿病は,インスリン分泌不全が特徴だったが,近年は欧米型の肥満-インスリン抵抗性の糖尿病も増えており,両者が混在している.また合併症も多種多様,最近ではいわゆる3大合併症以外にもガン・認知症との関連も指摘されている. このような状況では,糖尿病患者に一律に同じ食事療法を適用するのは不合理.
[個別化が必須]
日本社会の高齢化に伴い,高齢者の糖尿病が増えている. その一方で,小児からでも2型糖尿病発症も増加している. すなわち患者は子供から超高齢者まで多彩.これらに同じ食事療法は適用できない. 年齢・性別・病態を考慮して個別化された食事療法が必須である.
[いわゆる標準体重の見直し]
ひるがえれば,日本が戦後の混乱期の頃は食料事情・栄養事情がよくなかった.それが高度成長期にさしかかり食事内容も大きく変化した.食品交換表初版はまさにこの時期に出版され,そこでは当時の最適水準として 標準体重,後のBMI=22を規定した. ところが現在 世界各国の「健康上Bestな体重」は国ごとに異なる.しかも,総死亡率がもっとも低いBMIは,おおむね BMI=20~25をボトムとするU字カーブを描くものの,その最適値は,年齢・性別で異なる. また高齢化するほど,ボトムは右にシフトし,かつ幅が広がる傾向にある[図].これは日本のJDCSにて,糖尿病患者のデータを見てもその傾向はある. よって,同じ身長なら同じBMIであるべきという考えは適切ではない.
[図]
[従来の適正カロリーは過少すぎた]
本日のFS5-2の講演の通り,糖尿病患者であっても,消費カロリーは健常人と変わらない. また日常生活の軽労作・普通・重労作別のエネルギ係数も低く見積もりすぎていた.このことから,従来のカロリー制限食で設定していたカロリー設定は過少であり,これを見直す.また高度肥満者(BMI>=30)であっても,BMI=22とエネルギー係数25-30をめざして 1600kcalなどとしていた設定は,結局遵守不可能であり,過酷すぎたのであらためる.具体的には一気に適正体重をめざすのではなく,現実的な目標体重をめざす設定とする.
[高齢者のサルコペニア防止にむけて]
高齢者の総死亡率は,若年者・中年者では肥満とされるBMI=25以上で実はもっとも低いというデータに鑑みて,BMI=25を標準とする. また中年では BMI=22-25と幅をもたせる.若年のBMI=22はこれまで通り.
[改訂案の具体例]
身長170cm,体重90kg(BMI=31)の肥満者は,従来 65kgをめざすべしとして,1600-1900kcalの食事だったが,これをまず現実的な体重減少をめざして 2200kcalくらいを認める.同じく 身長170cm,体重50kg(BMI=17)極端な痩せ型の高齢者の場合は,サルコペニアが懸念されるので,摂取カロリー 2200-2500kcalくらいを推奨する.
【FS5-2】 エネルギー必要量の考え方 慶應大学 勝川史憲先生
勝川先生は,健常人と糖尿病患者(インスリン治療者,経口糖尿病薬服用者,食事/運動療法のみ,とすべての糖尿病患者を含む)とでは,エネルギー消費量に差がないことを,二重ラベル化水(Doubly Labeled Water)を用いて厳密に証明したCLEVER-DM Studyのメンバーでもあります. この研究成果はDiabetes に掲載された論文[*]にて報告されましたが,講演内容は,ほぼ この論文に沿ったものでした.
[*]Total Energy Expenditure Evaluated by Doubly Labeled Water Method in Japanese Patients with Diabetes Mellitus—Clinical EValuation of Energy Requirements in Patients with Diabetes Mellitus (CLEVER-DM) Study
http://diabetes.diabetesjournals.org/content/67/Supplement_1/775-P.abstract
[消費カロリーの正確な測定]
二重ラベル化水とは,水素を重水素(Deuterium),酸素をO18(普通の酸素はO16)とどちらも同位体である元素から作られた水で,Trace可能(注:放射性元素ではないので,おそらくGCMS=ガスクロマトグラフ質量分析計で).この二重ラベル化水を少量摂取してもらい,体外に排出される H2とO18の差を見れば,正確にCO2排出量,すなわち真の代謝エネルギーが測定できる,非常に正確な測定法である. 従来この方法がなかなか採用されてこなかったのは,二重ラベル化水が非常に高価(被験者1人あたり,10数万円)だったので,『推定』で済ませてきたのが実態.
[日常活動レベルと消費カロリー実測値との関係]
現代の日常生活において,エネルギー係数が 22kcal/kg というのは明らかに過少見積である. 今回の消費エネルギー実測値と,被験者の活動度計による運動量とを比較すると,30-40kcal/kgが妥当である.実際 海外含め多くの文献報告では,成長期の子供は高く 40kcal/kg以上,成人では健常人でも糖尿病患者でも30-40kcal/kgであって(痩せている人ほど高い),逆に 25kcal/kg未満という数字はほとんど報告例がみあたらない[図].
[図]
[過度なカロリー制限は肥満解消には逆効果]
高度肥満を解消させるために,極端に低いカロリー制限を行った場合と,緩やかなカロリー制限を行った場合とを比較したところ,減量達成効果は 緩やかなカロリー制限の方が達成率が良かったという報告が多い.過酷なカロリー制限は,逆効果である.
[食品交換表の 1単位=80kcalは現状に合っていない]
食品交換表は,初版以来ずっと 『1単位 = 80kcal』としているが,現代の食品ポーションサイズからかけ離れている. たしかに1960年代以前は,卵 M玉 1個は 50gで,約80kcalであった.しかし現在普通に売られている卵は,同じMサイズといっても,60g前後( JA規格では,M玉は 58-64g),100kcal前後であり,実態に合っていない.80kcalという『単位』に必然性はなく,むしろ100kcalにした方が計算もわかりやすくなるのではないか.
ありていに言えば,従来の食品交換表は,まるで根拠のない低カロリー設定を『推定』して患者に押し付けてきたわけですが(しかも,それが肥満解消および糖尿病には,反論を許さぬ絶対真だとして),ここまでデータを示されれば,なにしろエビデンスを重視する糖尿病学会なのですから,カロリー設定見直しに全会一致の賛成で...かと思ったら,それでも反対する人がいたのでしょうか.
(ここまでで 非常に長くなりましたので,以下の2題,および会場での質疑などは,私のブログにて引き継ぎます)
【FS5-3】フレイル予防を目指した食事療法 名古屋大学 葛谷雅文先生
【FS5-4】CKD における食事療法の課題 滋賀医大 荒木信一先生 】
2019年05月24日 (金)
こんにちは。
ダイヤモンドオンラインに
内臓脂肪がストン!と落ちる食事術
の記事が掲載されました。
以下、ダイヤモンドオンラインから一部抜粋です。
江部康二
ダイヤモンドオンライン。DIAMOND online。
https://diamond.jp/articles/-/203088
2019.5.23
内臓脂肪を落とすにはカロリー制限はいらない
江部康二:医師・財団法人高雄病院理事長
まるで“浮き輪”のようなお腹まわり・・・このポッコリお腹をなんとか凹ませたい。
でも、「あんまり頑張らずに」ってのが人情ですよね。
運動すれば痩せるのはわかってる。
けれど、それができない。やりたくないんですよね。
わかってます、わかってますとも!
その体脂肪、運動ナシでも落とせる方法を教えましょう。
お腹いっぱい食べてOK
「糖質」を控えれば、お腹いっぱい食べても太りません。
ごく短期間で適正体重まで痩せます。
私は17年前に糖質制限を始めてから半年で10kg痩せて、20代の頃と同じ体重(適正体重)になってから、
いままで体重が変わっていません。
ダイエットの王道と“勘違い”されているカロリー制限食は、食事量を極端に減らすので空腹に襲われます。
空腹を我慢し続けなければならないので、頑張っても3~6ヵ月程度で挫折するケースがほとんどです。
しかも、糖質を摂っている限り内臓脂肪は減らず、病気のリスクも減りません。
さらには、もとの体重以上に増えてしまうリバウンドという大きなしっぺ返しを喰らいます。
糖質制限食は控えるのは糖質だけで、カロリー制限をしません。
お腹いっぱい食べていいです。
「糖質制限で頭がぼーっとする」とか「辛くて続かない」という人は、糖質と同時にカロリーまで制限しているケースがほとんどです。
糖質制限では塩分制限もとくに必要ありません。
糖質制限に過剰な塩分制限を加えると、だるくなることがあるので注意が必要です。
ダイエットのためにカロリー制限をすると、筋肉や骨の量が減ってしまうので、危険でさえあります。
私たちの体には「摂取カロリー」と「消費カロリー」のバランスを保とうとする働きがあるため、摂取カロリーを減らすと基礎代謝を落として、消費カロリーを減らそうとします。
基礎代謝とは、安静にしているときでも体温や内臓、脳の機能などを維持するために必要なエネルギーのことで、エネルギー消費の60~70%前後を占めています。
この基礎代謝の18%前後は「筋肉」が消費します。
摂取カロリーを減らすと、“省エネ体質”にしようと筋肉を分解して(減らして)、バランスを保とうとするのです。
筋肉が減るプロセスでは、骨も減少する恐れがあります(このため骨粗しょう症のリスクも高まります)から、カロリー制限は効果がないばかりか危険です。
いったん“省エネ体質”になってからカロリー制限をやめると、リバウンドを招きます。
基礎代謝が落ちたところで摂取カロリーを増やせば、太るのは当然です。
その点、糖質制限はカロリー制限をしませんから、筋肉が減って基礎代謝が低下することも、骨量が減少することも、リバウンドも起こりにくいのです。
次のページ
カロリーはどれくらい摂ればいいのか?
https://diamond.jp/articles/-/203088?page=2
内臓脂肪がストン!と落ちる食事術
https://www.amazon.co.jp/dp/4478106487/
江部康二 著
<内容紹介>
しっかり食べても太らない! 医学的に正しい痩せ方 筋トレしなくても「食べトレ」すればいいんです ひもじくなるようなカロリー制限はナシ。腹いっぱい食べていいし、筋トレもジョギングもしなくていいです。糖質制限と1日2食のいわば“半日断食”の組み合わせで、最初の1週間で3kgくらい内臓脂肪がストンと落ちて、その後、適正体重になったところで体重をキープ。ポッコリお腹は、気づけばみごとに凹んでしまいます。そんなうれしい食事術を長年自ら実践して、効力を実証しているDr.江部が伝授します。
ダイヤモンドオンラインに
内臓脂肪がストン!と落ちる食事術
の記事が掲載されました。
以下、ダイヤモンドオンラインから一部抜粋です。
江部康二
ダイヤモンドオンライン。DIAMOND online。
https://diamond.jp/articles/-/203088
2019.5.23
内臓脂肪を落とすにはカロリー制限はいらない
江部康二:医師・財団法人高雄病院理事長
まるで“浮き輪”のようなお腹まわり・・・このポッコリお腹をなんとか凹ませたい。
でも、「あんまり頑張らずに」ってのが人情ですよね。
運動すれば痩せるのはわかってる。
けれど、それができない。やりたくないんですよね。
わかってます、わかってますとも!
その体脂肪、運動ナシでも落とせる方法を教えましょう。
お腹いっぱい食べてOK
「糖質」を控えれば、お腹いっぱい食べても太りません。
ごく短期間で適正体重まで痩せます。
私は17年前に糖質制限を始めてから半年で10kg痩せて、20代の頃と同じ体重(適正体重)になってから、
いままで体重が変わっていません。
ダイエットの王道と“勘違い”されているカロリー制限食は、食事量を極端に減らすので空腹に襲われます。
空腹を我慢し続けなければならないので、頑張っても3~6ヵ月程度で挫折するケースがほとんどです。
しかも、糖質を摂っている限り内臓脂肪は減らず、病気のリスクも減りません。
さらには、もとの体重以上に増えてしまうリバウンドという大きなしっぺ返しを喰らいます。
糖質制限食は控えるのは糖質だけで、カロリー制限をしません。
お腹いっぱい食べていいです。
「糖質制限で頭がぼーっとする」とか「辛くて続かない」という人は、糖質と同時にカロリーまで制限しているケースがほとんどです。
糖質制限では塩分制限もとくに必要ありません。
糖質制限に過剰な塩分制限を加えると、だるくなることがあるので注意が必要です。
ダイエットのためにカロリー制限をすると、筋肉や骨の量が減ってしまうので、危険でさえあります。
私たちの体には「摂取カロリー」と「消費カロリー」のバランスを保とうとする働きがあるため、摂取カロリーを減らすと基礎代謝を落として、消費カロリーを減らそうとします。
基礎代謝とは、安静にしているときでも体温や内臓、脳の機能などを維持するために必要なエネルギーのことで、エネルギー消費の60~70%前後を占めています。
この基礎代謝の18%前後は「筋肉」が消費します。
摂取カロリーを減らすと、“省エネ体質”にしようと筋肉を分解して(減らして)、バランスを保とうとするのです。
筋肉が減るプロセスでは、骨も減少する恐れがあります(このため骨粗しょう症のリスクも高まります)から、カロリー制限は効果がないばかりか危険です。
いったん“省エネ体質”になってからカロリー制限をやめると、リバウンドを招きます。
基礎代謝が落ちたところで摂取カロリーを増やせば、太るのは当然です。
その点、糖質制限はカロリー制限をしませんから、筋肉が減って基礎代謝が低下することも、骨量が減少することも、リバウンドも起こりにくいのです。
次のページ
カロリーはどれくらい摂ればいいのか?
https://diamond.jp/articles/-/203088?page=2
内臓脂肪がストン!と落ちる食事術
https://www.amazon.co.jp/dp/4478106487/
江部康二 著
<内容紹介>
しっかり食べても太らない! 医学的に正しい痩せ方 筋トレしなくても「食べトレ」すればいいんです ひもじくなるようなカロリー制限はナシ。腹いっぱい食べていいし、筋トレもジョギングもしなくていいです。糖質制限と1日2食のいわば“半日断食”の組み合わせで、最初の1週間で3kgくらい内臓脂肪がストンと落ちて、その後、適正体重になったところで体重をキープ。ポッコリお腹は、気づけばみごとに凹んでしまいます。そんなうれしい食事術を長年自ら実践して、効力を実証しているDr.江部が伝授します。
2019年05月23日 (木)
こんにちは。
米国糖尿病学会(ADA)が、2019年4月
「成人糖尿病患者または予備軍患者への栄養療法」
コンセンサス・レポートを発表しました。
糖質制限食が積極的に推奨されています。
http://care.diabetesjournals.org/content/42/5/731
Nutrition Therapy for Adults With Diabetes or Prediabetes: A Consensus Report
Diabetes Care 2019 May; 42(5): 731-754.https://doi.org/10.2337/dci19-0014
http://care.diabetesjournals.org/content/42/5/731
で、全文を見ることができます。
コンセンサス・レポートというのは、あくまでも専門家の意見のみを表しており、
ADAエビデンス-グレーディングシステムは含んでいないということとなります。
一方、専門家が、『糖質制限食が一番エビデンスが豊富』と断言しているので、
今後段階を踏んで、ADAエビデンス-グレーディングシステムに含まれていくものと思われます。
<ADAと糖質制限食の歴史>
①2007年まで糖尿病の食事療法において糖質制限食は推奨しないとしていた。
②2008年、「食事療法に関する声明2008」において、「減量が望まれる糖尿病患者には低カロリー食、もしくは低炭水化物食によるダイエットが推奨される」と、1年の期限付きで、糖質制限食の有効性を認める見解を記載。
③2011年、肥満を伴う糖尿病患者に2年間の期限付きで糖質制限食の有効性を容認。
④2013年10月の『成人糖尿病患者の食事療法に関する声明』において、
•全ての糖尿病患者に適した“one-size-fits-all(唯一無二の)”食事パターンは存在しないと明言。
→ patient-centered approach を強調。
•患者ごとに個別に様々な食事パターン〔地中海食,ベジタリアン食,糖質制限食,低脂質食,DASH食〕が受容可能。
•最適な炭水化物、蛋白質、脂質における理想的な比率を示唆するエビデンスはない。
•炭水化物摂取をモニタリングは、依然として血糖管理の改善における重要な戦略である。
2013年に、初めて、ADAは期限などの前提なしで糖質制限食を正式に容認しています。
<ADA、2019年のコンセンサス・レポート>
今回、ADAの、2019年4月発表の
「成人糖尿病患者または予備軍患者への栄養療法」コンセンサス・レポート
では、
糖質制限食(Low-carbohydrate eating patterns)が、
ボリュームとして一番大きく取り上げられていて、
エビデンスも最も豊富であると記載してあり、
この6年間で、大きく前進した感があります。
一方、非常に効果があるので、脱水や低血糖の予防の必要があり
開始時に医師などに相談するようにとの記載があります。
今回も、マクロ栄養素・コンセンサス・リコメンデーションにおいて
「エビデンスは、糖尿病および予備軍における最適な炭水化物、蛋白質、脂質のカロリー比率はないことを示唆している」との記載があります。
それで、糖質制限食以外にも以下の食事パターンも取り上げてあります。
総じて、基本姿勢は、2013年と2019年と同様ですが糖質制限食が目立ってきた感じです。
糖質制限食の次に記載ボリュームが大きいのは地中海食です。
あくまでも、私見ですが、エビデンスが蓄積してきた結果、ADAは
「糖質制限食」「地中海食」の二つを他とは別格に
有効性があると捉えているように思えます。
1)Mediterranean-Style Eating Pattern(地中海食)
2)Vegetarian or Vegan Eating Patterns(ベジタリアン食)
3)Low-Fat Eating Pattern(低脂肪食)
Very Low-Fat: Ornish or Pritikin Eating Patterns
4)Low-Carbohydrate or Very Low-Carbohydrate Eating Patterns
(低炭水化物食、超低炭水化物食)
5)DASH Eating Pattern(高血圧食)
6)Paleo Eating Pattern(パレオ食)
7)Intermittent Fasting(間欠的断食)
<食事パターン・コンセンサス・リコメンデーション>(☆)
糖尿病の管理には、さまざまな食事パターンが許容されます。
特定の個人における異なる食事パターンの周囲を比較した利点のエビデンスが強化されるまで、医療提供者はそのパターンに共通しているキーとなる要素に焦点を当てるべきです。
○でんぷん質のない野菜を重視する。
○砂糖や精製した穀物の追加を最小限に抑える。
○可能な限り、高度に加工された食品よりも自然食品を選ぶ。」
糖尿病患者の全炭水化物摂取量を減らすことは、血糖を改善するための最も多くの証拠を示してきており、
個人のニーズや好みに合ったさまざまな食事パターンに適用することができます。
血糖値目標を達成していない、または血糖降下薬の服用量を減らすことが優先される成人2型糖尿病患者では、
低炭水化物または超低炭水化物の食事プランで炭水化物摂取量を減らすことが現実的です。
<食事パターン・コンセンサス・リコメンデーション
糖質制限食(低炭水化物食、超低炭水化物食)>(☆☆)
低炭水化物食、特に非常に低い低炭水化物食パターンは、HbA1cを下げて、
糖尿病薬を減らすことを示してきた。
これらの食事パターンは、2型糖尿病で最も研究されてきたパターンである。
・・・中略・・・
非常に低い低炭水化物食パターンを実践すると、利尿が生じ、速やかに血糖値が下がる。
それ故に、開始時には、脱水予防やインスリンと経口糖尿病薬を減らして低血糖を予防するために、知識豊富な医師などに相談する必要がある。・・・
以下略。
江部康二
EATING PATTERNS Consensus recommendations(☆)
A variety of eating patterns (combinations of different foods or food groups) are acceptable for the management of diabetes.
Until the evidence surrounding comparative benefits of different eating patterns in specific individuals strengthens, health care providers should focus on the key factors that are common among the patterns:
○ Emphasize nonstarchy vegetables.
○ Minimize added sugars and refined grains.
○ Choose whole foods over highly processed foods to the extent possible.
Reducing overall carbohydrate intake for individuals with diabetes has demonstrated the most evidence for improving glycemia and may be applied in a variety of eating patterns that meet individual needs and preferences.
For select adults with type 2 diabetes not meeting glycemic targets or where reducing antiglycemic medications is a priority, reducing overall carbohydrate intake with low- or very low-carbohydrate eating plans is a viable approach.
EATING PATTERNS Consensus recommendations
Low-Carbohydrate or Very Low-Carbohydrate Eating Patterns(☆☆)
Low-carbohydrate eating patterns, especially very low-carbohydrate (VLC) eating patterns, have been shown to reduce A1C and the need for antihyperglycemic medications. These eating patterns are among the most studied eating patterns for type 2 diabetes. One meta-analysis of RCTs that compared low-carbohydrate eating patterns (defined as ≤45% of calories from carbohydrate) to high-carbohydrate eating patterns (defined as >45% of calories from carbohydrate) found that A1C benefits were more pronounced in the VLC interventions (where <26% of calories came from carbohydrate) at 3 and 6 months but not at 12 and 24 months (110).
Another meta-analysis of RCTs compared a low-carbohydrate eating pattern (defined as <40% of calories from carbohydrate) to a low-fat eating pattern (defined as <30% of calories from fat). In trials up to 6 months long, the low-carbohydrate eating pattern improved A1C more, and in trials of varying lengths, lowered triglycerides, raised HDL-C, lowered blood pressure, and resulted in greater reductions in diabetes medication (111). Finally, in another meta-analysis comparing low-carbohydrate to high-carbohydrate eating patterns, the larger the carbohydrate restriction, the greater the reduction in A1C, though A1C was similar at durations of 1 year and longer for both eating patterns (112). Table 4 provides a quick reference conversion of percentage of calories from carbohydrate to grams of carbohydrate based on number of calories consumed per day.
Quick reference conversion of percent calories from carbohydrate shown in grams per day as reported in the research reviewed for this report
Because of theoretical concerns regarding use of VLC eating plans in people with chronic kidney disease, disordered eating patterns, and women who are pregnant, further research is needed before recommendations can be made for these subgroups. Adopting a VLC eating plan can cause diuresisand swiftly reduce blood glucose; therefore, consultation with a knowledgeable practitioner at the onset is necessary to prevent dehydration and reduce insulin and hypoglycemic medications to prevent hypoglycemia.
No randomized trials were found in people with type 2 diabetes that varied the saturated fat content of the low- or very low-carbohydrate eating patterns to examine effects on glycemia, CVD risk factors, or clinical events. Most of the trials using a carbohydrate-restricted eating pattern did not restrict saturated fat; from the current evidence, this eating pattern does not appear to increase overall cardiovascular risk, but long-term studies with clinical event outcomes are needed (113-117).
米国糖尿病学会(ADA)が、2019年4月
「成人糖尿病患者または予備軍患者への栄養療法」
コンセンサス・レポートを発表しました。
糖質制限食が積極的に推奨されています。
http://care.diabetesjournals.org/content/42/5/731
Nutrition Therapy for Adults With Diabetes or Prediabetes: A Consensus Report
Diabetes Care 2019 May; 42(5): 731-754.https://doi.org/10.2337/dci19-0014
http://care.diabetesjournals.org/content/42/5/731
で、全文を見ることができます。
コンセンサス・レポートというのは、あくまでも専門家の意見のみを表しており、
ADAエビデンス-グレーディングシステムは含んでいないということとなります。
一方、専門家が、『糖質制限食が一番エビデンスが豊富』と断言しているので、
今後段階を踏んで、ADAエビデンス-グレーディングシステムに含まれていくものと思われます。
<ADAと糖質制限食の歴史>
①2007年まで糖尿病の食事療法において糖質制限食は推奨しないとしていた。
②2008年、「食事療法に関する声明2008」において、「減量が望まれる糖尿病患者には低カロリー食、もしくは低炭水化物食によるダイエットが推奨される」と、1年の期限付きで、糖質制限食の有効性を認める見解を記載。
③2011年、肥満を伴う糖尿病患者に2年間の期限付きで糖質制限食の有効性を容認。
④2013年10月の『成人糖尿病患者の食事療法に関する声明』において、
•全ての糖尿病患者に適した“one-size-fits-all(唯一無二の)”食事パターンは存在しないと明言。
→ patient-centered approach を強調。
•患者ごとに個別に様々な食事パターン〔地中海食,ベジタリアン食,糖質制限食,低脂質食,DASH食〕が受容可能。
•最適な炭水化物、蛋白質、脂質における理想的な比率を示唆するエビデンスはない。
•炭水化物摂取をモニタリングは、依然として血糖管理の改善における重要な戦略である。
2013年に、初めて、ADAは期限などの前提なしで糖質制限食を正式に容認しています。
<ADA、2019年のコンセンサス・レポート>
今回、ADAの、2019年4月発表の
「成人糖尿病患者または予備軍患者への栄養療法」コンセンサス・レポート
では、
糖質制限食(Low-carbohydrate eating patterns)が、
ボリュームとして一番大きく取り上げられていて、
エビデンスも最も豊富であると記載してあり、
この6年間で、大きく前進した感があります。
一方、非常に効果があるので、脱水や低血糖の予防の必要があり
開始時に医師などに相談するようにとの記載があります。
今回も、マクロ栄養素・コンセンサス・リコメンデーションにおいて
「エビデンスは、糖尿病および予備軍における最適な炭水化物、蛋白質、脂質のカロリー比率はないことを示唆している」との記載があります。
それで、糖質制限食以外にも以下の食事パターンも取り上げてあります。
総じて、基本姿勢は、2013年と2019年と同様ですが糖質制限食が目立ってきた感じです。
糖質制限食の次に記載ボリュームが大きいのは地中海食です。
あくまでも、私見ですが、エビデンスが蓄積してきた結果、ADAは
「糖質制限食」「地中海食」の二つを他とは別格に
有効性があると捉えているように思えます。
1)Mediterranean-Style Eating Pattern(地中海食)
2)Vegetarian or Vegan Eating Patterns(ベジタリアン食)
3)Low-Fat Eating Pattern(低脂肪食)
Very Low-Fat: Ornish or Pritikin Eating Patterns
4)Low-Carbohydrate or Very Low-Carbohydrate Eating Patterns
(低炭水化物食、超低炭水化物食)
5)DASH Eating Pattern(高血圧食)
6)Paleo Eating Pattern(パレオ食)
7)Intermittent Fasting(間欠的断食)
<食事パターン・コンセンサス・リコメンデーション>(☆)
糖尿病の管理には、さまざまな食事パターンが許容されます。
特定の個人における異なる食事パターンの周囲を比較した利点のエビデンスが強化されるまで、医療提供者はそのパターンに共通しているキーとなる要素に焦点を当てるべきです。
○でんぷん質のない野菜を重視する。
○砂糖や精製した穀物の追加を最小限に抑える。
○可能な限り、高度に加工された食品よりも自然食品を選ぶ。」
糖尿病患者の全炭水化物摂取量を減らすことは、血糖を改善するための最も多くの証拠を示してきており、
個人のニーズや好みに合ったさまざまな食事パターンに適用することができます。
血糖値目標を達成していない、または血糖降下薬の服用量を減らすことが優先される成人2型糖尿病患者では、
低炭水化物または超低炭水化物の食事プランで炭水化物摂取量を減らすことが現実的です。
<食事パターン・コンセンサス・リコメンデーション
糖質制限食(低炭水化物食、超低炭水化物食)>(☆☆)
低炭水化物食、特に非常に低い低炭水化物食パターンは、HbA1cを下げて、
糖尿病薬を減らすことを示してきた。
これらの食事パターンは、2型糖尿病で最も研究されてきたパターンである。
・・・中略・・・
非常に低い低炭水化物食パターンを実践すると、利尿が生じ、速やかに血糖値が下がる。
それ故に、開始時には、脱水予防やインスリンと経口糖尿病薬を減らして低血糖を予防するために、知識豊富な医師などに相談する必要がある。・・・
以下略。
江部康二
EATING PATTERNS Consensus recommendations(☆)
A variety of eating patterns (combinations of different foods or food groups) are acceptable for the management of diabetes.
Until the evidence surrounding comparative benefits of different eating patterns in specific individuals strengthens, health care providers should focus on the key factors that are common among the patterns:
○ Emphasize nonstarchy vegetables.
○ Minimize added sugars and refined grains.
○ Choose whole foods over highly processed foods to the extent possible.
Reducing overall carbohydrate intake for individuals with diabetes has demonstrated the most evidence for improving glycemia and may be applied in a variety of eating patterns that meet individual needs and preferences.
For select adults with type 2 diabetes not meeting glycemic targets or where reducing antiglycemic medications is a priority, reducing overall carbohydrate intake with low- or very low-carbohydrate eating plans is a viable approach.
EATING PATTERNS Consensus recommendations
Low-Carbohydrate or Very Low-Carbohydrate Eating Patterns(☆☆)
Low-carbohydrate eating patterns, especially very low-carbohydrate (VLC) eating patterns, have been shown to reduce A1C and the need for antihyperglycemic medications. These eating patterns are among the most studied eating patterns for type 2 diabetes. One meta-analysis of RCTs that compared low-carbohydrate eating patterns (defined as ≤45% of calories from carbohydrate) to high-carbohydrate eating patterns (defined as >45% of calories from carbohydrate) found that A1C benefits were more pronounced in the VLC interventions (where <26% of calories came from carbohydrate) at 3 and 6 months but not at 12 and 24 months (110).
Another meta-analysis of RCTs compared a low-carbohydrate eating pattern (defined as <40% of calories from carbohydrate) to a low-fat eating pattern (defined as <30% of calories from fat). In trials up to 6 months long, the low-carbohydrate eating pattern improved A1C more, and in trials of varying lengths, lowered triglycerides, raised HDL-C, lowered blood pressure, and resulted in greater reductions in diabetes medication (111). Finally, in another meta-analysis comparing low-carbohydrate to high-carbohydrate eating patterns, the larger the carbohydrate restriction, the greater the reduction in A1C, though A1C was similar at durations of 1 year and longer for both eating patterns (112). Table 4 provides a quick reference conversion of percentage of calories from carbohydrate to grams of carbohydrate based on number of calories consumed per day.
Quick reference conversion of percent calories from carbohydrate shown in grams per day as reported in the research reviewed for this report
Because of theoretical concerns regarding use of VLC eating plans in people with chronic kidney disease, disordered eating patterns, and women who are pregnant, further research is needed before recommendations can be made for these subgroups. Adopting a VLC eating plan can cause diuresisand swiftly reduce blood glucose; therefore, consultation with a knowledgeable practitioner at the onset is necessary to prevent dehydration and reduce insulin and hypoglycemic medications to prevent hypoglycemia.
No randomized trials were found in people with type 2 diabetes that varied the saturated fat content of the low- or very low-carbohydrate eating patterns to examine effects on glycemia, CVD risk factors, or clinical events. Most of the trials using a carbohydrate-restricted eating pattern did not restrict saturated fat; from the current evidence, this eating pattern does not appear to increase overall cardiovascular risk, but long-term studies with clinical event outcomes are needed (113-117).
2019年05月22日 (水)
こんにちは。
2019年6月9日(日)に徳島市内で、
日本糖質制限医療推進協会主催、
新老人の会(四国連合、徳島支部)と徳島県糖質制限研究会の共催による、
一般の方向けの糖質制限食講演会を開催いたします。
『 糖質制限食講演会 in 徳島
~美味しく楽しく、炭水化物(糖質)を減らして健康に!』
第一部でご講演頂く板東浩先生は、
日本抗加齢医学会評議員で、
アンチエイジング、糖質制限、音楽療法、スポーツ医学等の幅広い領域で
活躍しておられますが、ピアノもご堪能です。
第二部では、私が糖質制限食の基礎理論と症例、最新の情報などを
わかりすくを目指してお話しします。
症例はCGMデータを中心に、グラフを交えてお話しします。
前夜祭では、『不肖江部康二のボーカルと板東浩先生のピアノ』で、
ミニライブを行いますので、乞うご期待です。
徳島、香川、四国方面の糖尿人、メタボ人、生活習慣病人の方々
是非、ご参加頂けば幸いです。
江部康二
以下、事務局からのお知らせです。
***********
ブログ読者の皆様、いつも弊会のイベントへ多数ご参加いただきまして、ありがとうございます。
6月9日(日)に徳島市内で、当会主催、新老人の会(四国連合、徳島支部)と徳島県糖質制限研究会の共催による、一般の方向けの講演会を開催いたします。
第1部では、徳島在住、日本抗加齢医学会評議員で、アンチエイジング、糖質制限、音楽療法、スポーツ医学等の幅広い領域で活躍しておられる医師の板東浩先生に「糖質制限で心身ともに健やかに」と題してご講演いただきます。
第2部では、理事長
江部康二医師が、糖尿病や生活習慣病の改善をはじめ、糖質制限食が多くの良い効果をもたらす理由や仕組み、基礎理論等について症例も交えて解説いたします。
また、前夜にはJR徳島駅近くで交流会を催します。講師、糖質制限を実践している方、興味のある方同士で楽しく交流してみませんか。
四国にお住まいの方をはじめ、たくさんのご参加を心よりお待ちしております。
◇弊会イベント情報URL: http://www.toushitsuseigen.or.jp/activity
///////////////////ご案内/////////////////////
(一社)日本糖質制限医療推進協会主催
「新老人の会」(四国連合、徳島支部)/徳島県糖質制限研究会共催
『 糖質制限食講演会 in 徳島
~美味しく楽しく、炭水化物(糖質)を減らして健康に!』
◆日時: 2019年6月9日(日)13:00~15:30 ※開場・受付は12:40~
◆会場: アスティとくしま 3階 第2特別会議室
〒770-8055 徳島市山城町東浜傍示1番地1(やましろちょうひがしはまぼうじ)
http://www.asty-tokushima.jp/koutsuu/
◆内容:
◇第1部:「糖質制限で心身ともに健やかに」
板東 浩 医師 日本抗加齢医学会評議員/徳島県糖質制限研究会代表
◇第2部:「糖尿病・生活習慣病を予防、改善する糖質制限食 ~人類本来の食事、人類の健康食」
江部 康二 医師
(財)高雄病院理事長/(一社)日本糖質制限医療推進協会理事長
*第1部は40分、第2部は70分、最後に両講師との質疑応答を予定しております。
◆受講費(一律料金): 2,000円
◇◆◇ 徳島交流会 ◇◆◇
◆日時: 2019年6月8日(土)19:00~
◆場所: 阿波踊り&ミュージック カフェバーコティ
〒770-0831徳島市寺島本町西1-61-4 阿波けんどビル7F(ポッポ街 徳島駅側)
http://www.coty-awadance-music.com/guide
◆参加費:4,000円(フード・ドリンク)
◆その他:板東医師(ピアノ)、江部医師(ボーカル)のミニライブも予定しております。
【以下、講演会・交流会共通】
■お支払い方法: クレジットカード/銀行振込 ※事前決済のみとなります。
■お申し込みの流れ:
1. 下記「お申し込み方法」の該当するものからお申し込みください。
2. 事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3. 入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4. 当日、直接会場までお越しいただき、受付にてお名前をお伝えください。
■お申し込み方法:
★賛助会員の方: 事務局へメールにてお申し込み下さい。
★賛助会員入会+講演会、交流会参加をご希望の方:
1. 入会案内および会員規約をお読み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/sign-up
2. お申し込みは下のフォームからお願いします。
「入会ならびに講演会等出席のお問い合わせ」を選択いただき、
「通信」欄に参加ご希望のイベント名(6/9徳島講演会、6/8交流会)を
ご記入下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/contact
★一般(賛助会員以外の方)で、講演会、交流会へ参加ご希望の方:
下のフォームからお申し込み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/seminar-gen
■その他
・予約制です。当日参加はできません。
・講演会のキャンセルは6月7日(金)までに事務局へご連絡願います。
それ以降のご返金は対応致しかねますので、予めご了承ください。
・交流会のキャンセルは6月4日(火)までに事務局へご連絡願います。
それ以降のご返金は対応致しかねますので、予めご了承ください。
2019年6月9日(日)に徳島市内で、
日本糖質制限医療推進協会主催、
新老人の会(四国連合、徳島支部)と徳島県糖質制限研究会の共催による、
一般の方向けの糖質制限食講演会を開催いたします。
『 糖質制限食講演会 in 徳島
~美味しく楽しく、炭水化物(糖質)を減らして健康に!』
第一部でご講演頂く板東浩先生は、
日本抗加齢医学会評議員で、
アンチエイジング、糖質制限、音楽療法、スポーツ医学等の幅広い領域で
活躍しておられますが、ピアノもご堪能です。
第二部では、私が糖質制限食の基礎理論と症例、最新の情報などを
わかりすくを目指してお話しします。
症例はCGMデータを中心に、グラフを交えてお話しします。
前夜祭では、『不肖江部康二のボーカルと板東浩先生のピアノ』で、
ミニライブを行いますので、乞うご期待です。
徳島、香川、四国方面の糖尿人、メタボ人、生活習慣病人の方々
是非、ご参加頂けば幸いです。
江部康二
以下、事務局からのお知らせです。
***********
ブログ読者の皆様、いつも弊会のイベントへ多数ご参加いただきまして、ありがとうございます。
6月9日(日)に徳島市内で、当会主催、新老人の会(四国連合、徳島支部)と徳島県糖質制限研究会の共催による、一般の方向けの講演会を開催いたします。
第1部では、徳島在住、日本抗加齢医学会評議員で、アンチエイジング、糖質制限、音楽療法、スポーツ医学等の幅広い領域で活躍しておられる医師の板東浩先生に「糖質制限で心身ともに健やかに」と題してご講演いただきます。
第2部では、理事長
江部康二医師が、糖尿病や生活習慣病の改善をはじめ、糖質制限食が多くの良い効果をもたらす理由や仕組み、基礎理論等について症例も交えて解説いたします。
また、前夜にはJR徳島駅近くで交流会を催します。講師、糖質制限を実践している方、興味のある方同士で楽しく交流してみませんか。
四国にお住まいの方をはじめ、たくさんのご参加を心よりお待ちしております。
◇弊会イベント情報URL: http://www.toushitsuseigen.or.jp/activity
///////////////////ご案内/////////////////////
(一社)日本糖質制限医療推進協会主催
「新老人の会」(四国連合、徳島支部)/徳島県糖質制限研究会共催
『 糖質制限食講演会 in 徳島
~美味しく楽しく、炭水化物(糖質)を減らして健康に!』
◆日時: 2019年6月9日(日)13:00~15:30 ※開場・受付は12:40~
◆会場: アスティとくしま 3階 第2特別会議室
〒770-8055 徳島市山城町東浜傍示1番地1(やましろちょうひがしはまぼうじ)
http://www.asty-tokushima.jp/koutsuu/
◆内容:
◇第1部:「糖質制限で心身ともに健やかに」
板東 浩 医師 日本抗加齢医学会評議員/徳島県糖質制限研究会代表
◇第2部:「糖尿病・生活習慣病を予防、改善する糖質制限食 ~人類本来の食事、人類の健康食」
江部 康二 医師
(財)高雄病院理事長/(一社)日本糖質制限医療推進協会理事長
*第1部は40分、第2部は70分、最後に両講師との質疑応答を予定しております。
◆受講費(一律料金): 2,000円
◇◆◇ 徳島交流会 ◇◆◇
◆日時: 2019年6月8日(土)19:00~
◆場所: 阿波踊り&ミュージック カフェバーコティ
〒770-0831徳島市寺島本町西1-61-4 阿波けんどビル7F(ポッポ街 徳島駅側)
http://www.coty-awadance-music.com/guide
◆参加費:4,000円(フード・ドリンク)
◆その他:板東医師(ピアノ)、江部医師(ボーカル)のミニライブも予定しております。
【以下、講演会・交流会共通】
■お支払い方法: クレジットカード/銀行振込 ※事前決済のみとなります。
■お申し込みの流れ:
1. 下記「お申し込み方法」の該当するものからお申し込みください。
2. 事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3. 入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4. 当日、直接会場までお越しいただき、受付にてお名前をお伝えください。
■お申し込み方法:
★賛助会員の方: 事務局へメールにてお申し込み下さい。
★賛助会員入会+講演会、交流会参加をご希望の方:
1. 入会案内および会員規約をお読み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/sign-up
2. お申し込みは下のフォームからお願いします。
「入会ならびに講演会等出席のお問い合わせ」を選択いただき、
「通信」欄に参加ご希望のイベント名(6/9徳島講演会、6/8交流会)を
ご記入下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/contact
★一般(賛助会員以外の方)で、講演会、交流会へ参加ご希望の方:
下のフォームからお申し込み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/seminar-gen
■その他
・予約制です。当日参加はできません。
・講演会のキャンセルは6月7日(金)までに事務局へご連絡願います。
それ以降のご返金は対応致しかねますので、予めご了承ください。
・交流会のキャンセルは6月4日(火)までに事務局へご連絡願います。
それ以降のご返金は対応致しかねますので、予めご了承ください。
2019年05月21日 (火)
こんにちは。
月曜日の夜は連れ合いが江部診療所で仕事なので、一人飯が多いです。
それで、2019年5月13日(月)夕、高雄病院勤務終了後
生協に買い出しにいきました。
高雄病院勤務を終えてあとなので、午後7時半くらいになり、
刺身半額とか結構お得感がある時間帯です。
「生協飯」もそれなりに機会があるので、
メニューは、私なりに工夫しています。
20:00 血糖値:111
生協飯+糖質制限パン2個(患者さんに貰いました)
日南鶏の蒸し鶏、¥298⇒¥149
だし巻き、¥198-
きはだ鮪切り落とし、¥580⇒¥290
ロースとんかつ、¥328⇒¥229
10品目の野菜サラダ、¥284-(そのまま食べられるサラダです)
合計:¥1150-
糖質ゼロ発泡酒、350mlを1缶
21:00 血糖値:133mg
21:05 血糖値:134mg
21:10 血糖値:128mg
刺身とか、出汁巻きとか、蒸し鶏とか動物性蛋白質が豊富です。
10品目の野菜サラダには、エゴマ油を垂らして、
マヨネーズもかけてといった具合で、とんかつもあり、脂質も豊富です。
動物性の脂肪とたんぱく質が豊富だと、
満足感・満腹感があり、それに結構、美味しいのです。
とんかつの衣が気になりますが、半分くらい剥がして食べました。
21:00 食事開始後60分血糖値:133mg
21:05 食事開始後65分血糖値:134mg
21:05 食事開始後70分血糖値:128mg
今回の食後血糖値のピークは、65分後で、
「111mg → 134mg」と
23mgの上昇でした。
私の場合は、1gの糖質が3mg血糖値を上昇させるので、
摂取した糖質は、7.7gとなります。
スーパー糖質制限食、堂々の合格メニューですね。
奇しくも、前回の生協飯の時も、
ピークgは23mgの上昇で、糖質量7.7gの計算で同じでした。
食事のあとは、
ミックスナッツ30粒くらいと焼き海苔10~15枚とをお摘まみに、
焼酎ハーボール2杯をたしなんで、最後は焼酎ロックをチビチビで
トイレにいったあと深夜0時前に就寝です。
これなら、翌朝6時半頃起床するまで、夜間尿はゼロですみます。
焼酎は、濃い過ぎないように、25%のものと決めています。
濃いアルコールは、
口唇・口腔・咽頭・食道・肝・喉頭がんのリスクになるので要注意なのです。
結局、摘まみでナッツや焼き海苔も食べているので、
食物繊維やビタミンCなどビタミンやミネラルもしっかり摂取してますし、
必須脂肪酸(αリノレン酸、EPA、DHA)、必須アミノ酸も充分ですし
なかなかの食事と自画自讃しています。
江部康二
月曜日の夜は連れ合いが江部診療所で仕事なので、一人飯が多いです。
それで、2019年5月13日(月)夕、高雄病院勤務終了後
生協に買い出しにいきました。
高雄病院勤務を終えてあとなので、午後7時半くらいになり、
刺身半額とか結構お得感がある時間帯です。
「生協飯」もそれなりに機会があるので、
メニューは、私なりに工夫しています。
20:00 血糖値:111
生協飯+糖質制限パン2個(患者さんに貰いました)
日南鶏の蒸し鶏、¥298⇒¥149
だし巻き、¥198-
きはだ鮪切り落とし、¥580⇒¥290
ロースとんかつ、¥328⇒¥229
10品目の野菜サラダ、¥284-(そのまま食べられるサラダです)
合計:¥1150-
糖質ゼロ発泡酒、350mlを1缶
21:00 血糖値:133mg
21:05 血糖値:134mg
21:10 血糖値:128mg
刺身とか、出汁巻きとか、蒸し鶏とか動物性蛋白質が豊富です。
10品目の野菜サラダには、エゴマ油を垂らして、
マヨネーズもかけてといった具合で、とんかつもあり、脂質も豊富です。
動物性の脂肪とたんぱく質が豊富だと、
満足感・満腹感があり、それに結構、美味しいのです。
とんかつの衣が気になりますが、半分くらい剥がして食べました。
21:00 食事開始後60分血糖値:133mg
21:05 食事開始後65分血糖値:134mg
21:05 食事開始後70分血糖値:128mg
今回の食後血糖値のピークは、65分後で、
「111mg → 134mg」と
23mgの上昇でした。
私の場合は、1gの糖質が3mg血糖値を上昇させるので、
摂取した糖質は、7.7gとなります。
スーパー糖質制限食、堂々の合格メニューですね。
奇しくも、前回の生協飯の時も、
ピークgは23mgの上昇で、糖質量7.7gの計算で同じでした。
食事のあとは、
ミックスナッツ30粒くらいと焼き海苔10~15枚とをお摘まみに、
焼酎ハーボール2杯をたしなんで、最後は焼酎ロックをチビチビで
トイレにいったあと深夜0時前に就寝です。
これなら、翌朝6時半頃起床するまで、夜間尿はゼロですみます。
焼酎は、濃い過ぎないように、25%のものと決めています。
濃いアルコールは、
口唇・口腔・咽頭・食道・肝・喉頭がんのリスクになるので要注意なのです。
結局、摘まみでナッツや焼き海苔も食べているので、
食物繊維やビタミンCなどビタミンやミネラルもしっかり摂取してますし、
必須脂肪酸(αリノレン酸、EPA、DHA)、必須アミノ酸も充分ですし
なかなかの食事と自画自讃しています。
江部康二
2019年05月20日 (月)
こんにちは。
朝日カルチャーセンター湘南教室にて
糖質制限食講座開催です。
糖質制限食による糖尿病の治療と予防
人類本来の食事、人類の健康食
https://www.asahiculture.jp/course/shonan/31c415b5-818a-5626-e8a2-5c47e1c09ffb
2019/5/26(日)13:00~14:30
講義70分間、質疑応答20分間。
朝日カルチャーセンター 朝日JTB・交流文化塾
湘南教室
お申し込み TEL:0466-24-2255
最新の内容も含めて、わかりやすくて楽しいお話しを目指します。
東京や関東圏の方々のご参加をお待ちしております。
講師は江部康二です。
湘南教室では、2018年3月以来ですから1年2ヶ月ぶりの講座です。
この数年間、糖質制限食の発展という意味ではとても大きな変化がありました。
年間30回くらい講演をしていますが、
結構、新しい話題も多いので、スライドも毎回更新しています。
今回もわかりやすくお話しますので、乞うご期待です。
講演が70分間で質疑応答が20分間です。
湘南、横浜、東京、関東圏の糖尿人やメタボ人の方々やそのご家族、
奮ってご参加いただけば幸いです。
お陰様で、糖質制限食は順調に普及してきています。
2005年に私が「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」(東洋経済新報社)
を日本初の糖質制限食の本として刊行したころとは、大きな違いがあります。
なんと言っても、2013年10月に米国糖尿病学会が5年ぶりに改訂した「栄養療法に関する声明」のなかで、
地中海食やベジタリアン食などどともに「糖質制限食」を正式に容認したことが、
大きな追い風となりました。
さらに、2019年4月、米国糖尿病学会は、
「成人糖尿病患者または予備軍患者への栄養療法」コンセンサス・レポート
を発表しました。
その中で『糖質制限食』がエビデンスが最も豊富であるとして
一番積極的に推奨されていたのは、我々糖質セイゲニストにおいては
歴史的快挙と言え、快哉を叫びたい気持ちでした。ヽ(*`▽´)ノ
このように、この1~3年、糖質制限食の展開において大きな発展があり
いい意味のサプライズもありました。
2016年7月のNHKクローズアップ現代の試算によれば、
糖質制限市場は、3184億円とのことです。
医学界より、企業のほうが糖質制限食をビジネスチャンスと捉えて
行動が迅速なようです。
くら寿司やガストなども糖質制限メニューを投入で、なかなかのものです。
一方、医学界においても、嬉しいサプライズです。
2017年2月7日(火)午後から、生まれて初めて東京大学医学部に行ってきました。
教授室で、渡邊昌先生、門脇孝先生、江部康二の3人で鼎談を行いました。
二人で話し合うのが対談で、三人で話し合うのが鼎談です。
渡邊昌先生は、医学雑誌「医と食」の編集長です。
門脇孝先生は、
一般社団法人 日本糖尿病学会 理事長
であり、
東京大学大学院医学系研究科糖尿病・代謝内科教授(当時)
です。
日本糖尿病学会のトップとじっくり話し合うことができて、
とても有意義な90分間でした。
2017年8月には、
「炭水化物の摂取増加で死亡リスク上昇」
という結論のランセット(Lancet)論文が発表され、
糖質制限食にとって大きな追い風となりました。
Lancet誌オンライン版2017年8月29日号掲載
https://doi.org/10.1016/S0140-6736(17)32252-3
糖質制限食の発展、まさに、今昔の感ありですね。
江部康二
☆☆☆
以下は朝日カルチャーセンター湘南教室のサイトから一部抜粋です。
糖質制限食による糖尿病の治療と予防
人類本来の食事、人類の健康食
講師:江部 康二(高雄病院理事長)
糖質制限食は、日本では1999年から京都・高雄病院において糖尿病治療食として開始され、合併症を予防できる唯一の食事療法として画期的な成果をあげてきました。米国糖尿病学会は「摂取後直接、血糖に影響を与えるのは糖質のみで、蛋白質・脂質は、影響を与えない。」としています。食後高血糖と一日平均血糖変動幅増大が糖尿病合併症の最大のリスクとなりますが、従来の糖尿病食(カロリー制限・高糖質食)では、必ずそれらを生じるので、合併症の予防は困難です。米国糖尿病学会は、2013年「栄養療法に関する声明」で、糖質制限食、地中海食、ベジタリアン食、低脂質食、DASH食を受容しましたが、糖質制限食に大きな追い風となりました。(講師記)
<日程・時間>
2019/5/26(日) 13:00~14:30
<受講料(税込)>
会員 3,240円 一般 3,888円
<その他>
席は自由席です。必要に応じて資料を配布します。
*個人的は治療相談は承りかねますので、ご了承ください。
<お申し込み>
TEL:0466-24-2255 朝日カルチャーセンター湘南教室
講師紹介 江部 康二 (エベ コウジ)
<プロフィール>
・1950年生まれ。
・1974年京都大学医学部卒業。
・1974年から京都大学胸部疾患研究所第一内科(現在京大呼吸器内科)
にて呼吸器科を学ぶ。
・1978年から高雄病院に医局長として勤務。1996年副院長就任。
・1999年高雄病院に糖質制限食導入。
・2000年理事長就任。
・2001年から糖質制限食に本格的に取り組む。
・ 2002年に自ら糖尿病であると気づいて以来、さらに糖尿病治療の研究に力を 注ぎ、「糖質制限食」の体系を確立。これにより自身の糖尿病を克服。
内科医/漢方医/一般財団法人高雄病院理事長/一般社団法人日本糖質制限医療推進協会理事長。
<著書>
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』2005年(東洋経済新報社)
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編』2008年(東洋経済新報社)
『我ら糖尿人、元気なのにはわけがある』2009年(東洋経済新報社・作家宮本輝氏との対談本)
『糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食』2010年(ナツメ社)
『主食をやめると健康になる』2011年(ダイヤモンド社)
『食品別糖質量ハンドブック』2012年(洋泉社)監修
『糖質オフ!健康法』2012年(PHP文庫)
『糖尿病治療のための!糖質制限食パーフェクトガイド』2013年(東洋経済新報社)
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!新版』2014年(東洋経済新報社)
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!2 実践編 新版』2014年(東洋経済新報社)
『炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません』2014年(東洋経済新報社)
『なぜ糖質制限をすると糖尿病が良くなるのか』2015年(ナツメ社)
『糖質制限の教科書』2015年(洋泉社)監修
『よくわかる! すぐできる! 「 糖質オフ! 」健康法 』2016年(PHP研究所)
『人類最強の「糖質制限」論~ケトン体を味方に して痩せる、健康になる』2016年(SB新書)
『江部康二の糖質制限革命』2017年(東洋経済新報社)
『男・50代からの糖質制限』2018年(東洋経済新報社)
『内蔵脂肪がストン!と落ちる食事術』2019年(ダイヤモンド社)
など多数。
ブログ『ドクター江部の糖尿病徒然日記( http://koujiebe.blog95.fc2.com/ )は日に数千件のアクセスがあり、糖尿病のかたやそのご家族から寄せられた質問への回答や、糖尿病・糖質制限食に関する 情報の発信に、日々尽力している。
朝日カルチャーセンター湘南教室にて
糖質制限食講座開催です。
糖質制限食による糖尿病の治療と予防
人類本来の食事、人類の健康食
https://www.asahiculture.jp/course/shonan/31c415b5-818a-5626-e8a2-5c47e1c09ffb
2019/5/26(日)13:00~14:30
講義70分間、質疑応答20分間。
朝日カルチャーセンター 朝日JTB・交流文化塾
湘南教室
お申し込み TEL:0466-24-2255
最新の内容も含めて、わかりやすくて楽しいお話しを目指します。
東京や関東圏の方々のご参加をお待ちしております。
講師は江部康二です。
湘南教室では、2018年3月以来ですから1年2ヶ月ぶりの講座です。
この数年間、糖質制限食の発展という意味ではとても大きな変化がありました。
年間30回くらい講演をしていますが、
結構、新しい話題も多いので、スライドも毎回更新しています。
今回もわかりやすくお話しますので、乞うご期待です。
講演が70分間で質疑応答が20分間です。
湘南、横浜、東京、関東圏の糖尿人やメタボ人の方々やそのご家族、
奮ってご参加いただけば幸いです。
お陰様で、糖質制限食は順調に普及してきています。
2005年に私が「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」(東洋経済新報社)
を日本初の糖質制限食の本として刊行したころとは、大きな違いがあります。
なんと言っても、2013年10月に米国糖尿病学会が5年ぶりに改訂した「栄養療法に関する声明」のなかで、
地中海食やベジタリアン食などどともに「糖質制限食」を正式に容認したことが、
大きな追い風となりました。
さらに、2019年4月、米国糖尿病学会は、
「成人糖尿病患者または予備軍患者への栄養療法」コンセンサス・レポート
を発表しました。
その中で『糖質制限食』がエビデンスが最も豊富であるとして
一番積極的に推奨されていたのは、我々糖質セイゲニストにおいては
歴史的快挙と言え、快哉を叫びたい気持ちでした。ヽ(*`▽´)ノ
このように、この1~3年、糖質制限食の展開において大きな発展があり
いい意味のサプライズもありました。
2016年7月のNHKクローズアップ現代の試算によれば、
糖質制限市場は、3184億円とのことです。
医学界より、企業のほうが糖質制限食をビジネスチャンスと捉えて
行動が迅速なようです。
くら寿司やガストなども糖質制限メニューを投入で、なかなかのものです。
一方、医学界においても、嬉しいサプライズです。
2017年2月7日(火)午後から、生まれて初めて東京大学医学部に行ってきました。
教授室で、渡邊昌先生、門脇孝先生、江部康二の3人で鼎談を行いました。
二人で話し合うのが対談で、三人で話し合うのが鼎談です。
渡邊昌先生は、医学雑誌「医と食」の編集長です。
門脇孝先生は、
一般社団法人 日本糖尿病学会 理事長
であり、
東京大学大学院医学系研究科糖尿病・代謝内科教授(当時)
です。
日本糖尿病学会のトップとじっくり話し合うことができて、
とても有意義な90分間でした。
2017年8月には、
「炭水化物の摂取増加で死亡リスク上昇」
という結論のランセット(Lancet)論文が発表され、
糖質制限食にとって大きな追い風となりました。
Lancet誌オンライン版2017年8月29日号掲載
https://doi.org/10.1016/S0140-6736(17)32252-3
糖質制限食の発展、まさに、今昔の感ありですね。
江部康二
☆☆☆
以下は朝日カルチャーセンター湘南教室のサイトから一部抜粋です。
糖質制限食による糖尿病の治療と予防
人類本来の食事、人類の健康食
講師:江部 康二(高雄病院理事長)
糖質制限食は、日本では1999年から京都・高雄病院において糖尿病治療食として開始され、合併症を予防できる唯一の食事療法として画期的な成果をあげてきました。米国糖尿病学会は「摂取後直接、血糖に影響を与えるのは糖質のみで、蛋白質・脂質は、影響を与えない。」としています。食後高血糖と一日平均血糖変動幅増大が糖尿病合併症の最大のリスクとなりますが、従来の糖尿病食(カロリー制限・高糖質食)では、必ずそれらを生じるので、合併症の予防は困難です。米国糖尿病学会は、2013年「栄養療法に関する声明」で、糖質制限食、地中海食、ベジタリアン食、低脂質食、DASH食を受容しましたが、糖質制限食に大きな追い風となりました。(講師記)
<日程・時間>
2019/5/26(日) 13:00~14:30
<受講料(税込)>
会員 3,240円 一般 3,888円
<その他>
席は自由席です。必要に応じて資料を配布します。
*個人的は治療相談は承りかねますので、ご了承ください。
<お申し込み>
TEL:0466-24-2255 朝日カルチャーセンター湘南教室
講師紹介 江部 康二 (エベ コウジ)
<プロフィール>
・1950年生まれ。
・1974年京都大学医学部卒業。
・1974年から京都大学胸部疾患研究所第一内科(現在京大呼吸器内科)
にて呼吸器科を学ぶ。
・1978年から高雄病院に医局長として勤務。1996年副院長就任。
・1999年高雄病院に糖質制限食導入。
・2000年理事長就任。
・2001年から糖質制限食に本格的に取り組む。
・ 2002年に自ら糖尿病であると気づいて以来、さらに糖尿病治療の研究に力を 注ぎ、「糖質制限食」の体系を確立。これにより自身の糖尿病を克服。
内科医/漢方医/一般財団法人高雄病院理事長/一般社団法人日本糖質制限医療推進協会理事長。
<著書>
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』2005年(東洋経済新報社)
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編』2008年(東洋経済新報社)
『我ら糖尿人、元気なのにはわけがある』2009年(東洋経済新報社・作家宮本輝氏との対談本)
『糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食』2010年(ナツメ社)
『主食をやめると健康になる』2011年(ダイヤモンド社)
『食品別糖質量ハンドブック』2012年(洋泉社)監修
『糖質オフ!健康法』2012年(PHP文庫)
『糖尿病治療のための!糖質制限食パーフェクトガイド』2013年(東洋経済新報社)
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!新版』2014年(東洋経済新報社)
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!2 実践編 新版』2014年(東洋経済新報社)
『炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません』2014年(東洋経済新報社)
『なぜ糖質制限をすると糖尿病が良くなるのか』2015年(ナツメ社)
『糖質制限の教科書』2015年(洋泉社)監修
『よくわかる! すぐできる! 「 糖質オフ! 」健康法 』2016年(PHP研究所)
『人類最強の「糖質制限」論~ケトン体を味方に して痩せる、健康になる』2016年(SB新書)
『江部康二の糖質制限革命』2017年(東洋経済新報社)
『男・50代からの糖質制限』2018年(東洋経済新報社)
『内蔵脂肪がストン!と落ちる食事術』2019年(ダイヤモンド社)
など多数。
ブログ『ドクター江部の糖尿病徒然日記( http://koujiebe.blog95.fc2.com/ )は日に数千件のアクセスがあり、糖尿病のかたやそのご家族から寄せられた質問への回答や、糖尿病・糖質制限食に関する 情報の発信に、日々尽力している。
2019年05月19日 (日)
こんばんは。
今回は、血糖調節システムについて検討してみます。
人体の血糖調節は、なかなか精妙で複雑なシステムにより維持されています。
血糖値は、
「食事」「肝臓によるグリコーゲン分解・糖新生と糖の取り込み」「運動」「ストレス」「インスリン・グルカゴンなどホルモン」「女性の生理」・・・
などなど、いろいろな要素が合わさって調節されています。
1) 空腹時
食物吸収が終了した直後(食事開始2時間後)には、肝臓のグリコーゲン分解が、循環血液中に入るブドウ糖の主要な供給源です。
食後数時間が経過し、絶食状態が持続すると、血糖値維持のために、筋肉など多くの組織のエネルギー源は、ブドウ糖から脂肪酸やケトン体に変わります。
そして、ブドウ糖の供給源は、肝のグリコーゲン分解から糖新生(*)に切り替わります。
なお、筋肉には「グルコース6リン酸→グルコース」 とする回路がないので筋肉中のグリコーゲンからはグルコース(ブドウ糖)は作れません。
2) 主食摂食時(糖質あり)
血糖値を直接上昇させるのは、糖質・脂質・タンパク質のうち、糖質だけです。
糖質摂食時には、消化管から吸収されたブドウ糖は、門脈血からまず肝臓に約50%取り込まれ、それ以外が血液の大循環に回ります。
肝細胞でのブドウ糖取り込み自体は、糖輸送体Glut2(**)を介して行われ、インスリン追加分泌とは関係ありません。
しかし、肝に取り込まれたブドウ糖は、インスリンによりグリコーゲンとして蓄えられます。
糖質を摂取して血糖値が上昇すれば、正常人では速やかにインスリンが追加分泌されます。この場合、追加分泌は基礎分泌の数倍~30倍レベルの大量となります。
例えば基礎分泌が5μU/mlなら追加分泌は、30~150μU/mlとかです。
肝臓に取り込まれなかったブドウ糖は、肝静脈から血中に入り、動脈血中に入ったブドウ糖は、インスリン追加分泌により細胞表面に移動した糖輸送体GLUT4により、骨格筋細胞や脂肪細胞に取り込まれます。骨格筋が、約70%の血糖を取り込みます。
これにより血糖値も速やかに下がります。
筋肉中に取り込まれた血糖は、エネルギー源として使われ、残りはグリコーゲンとして蓄えられます。
取り込まれず余った血糖は、インスリンにより脂肪組織か肝臓に取り込まれ、中性脂肪に変換され蓄えられます。
インスリン濃度が高いと、脂肪細胞の毛細血管にあるリポ蛋白リパーゼが活性化されて、血液中の中性脂肪が分解されて、脂肪酸とグリセロールになります。脂肪酸は、筋肉や体細胞や脂肪細胞のエネルギー源となります。
グリセロールはほとんどエネルギー源にはなりませんが、肝臓での糖新生の原料となります。
余剰の脂肪酸は、脂肪細胞に取り込まれて、中性脂肪として蓄えられます。
インスリンは、中性脂肪の合成を促進し、中性脂肪の分解を抑制します。
インスリンが肥満ホルモンたる所以です。
糖尿人では、<肝臓のグリコーゲン分解と糖新生>が摂食時にも抑制されにくいので、食後高血糖となります。
また糖尿人は、門脈血からの肝臓のブドウ糖取り込みも低下しているので、この面でも食後高血糖を起こしやすいのです。
さらに糖尿人の場合は、血液中のブドウ糖(食後高血糖)は、
<インスリン分泌不足>と<筋肉や脂肪細胞におけるインスリン抵抗性>により、
処理されにくいので、食後高血糖が遷延します。
また、インスリン作用不足による脂質代謝異常、アミノ酸代謝異常、高血糖そのものによるインスリン作用低下、インスリン拮抗ホルモン優位など、様々な因子が重なり合って、高血糖が持続します。
さらに、糖尿人の一部においては、胃不全麻痺(***)による内容物の排出遅延があり、
吸収も遅延して通常よりかなり遅れて血糖値が上昇することがあります。
3) 糖質制限食を摂取時(糖質がごく少量)
糖質摂取が野菜分のごく少量なので、食後血糖値はほとんど上昇しません。
追加分泌インスリンもごく少量で、基礎分泌の2倍くらいです。
正常人で基礎分泌が5μU/mlなら追加分泌は、10μU/mlとかです。
糖質制限食を摂取時は、食事している最中にも脂質が常に燃えています。
また食事中にも、肝臓でアミノ酸などから糖新生も行われています。
このため糖質摂取がごく少量でも低血糖にはならないのです。
糖尿人が糖質制限食を実践すれば、食後高血糖が改善しますが、糖新生により低血糖にはなりません。
正常人が糖質制限食を実践すれば、食後血糖値は正常値の範囲で低めとなります。
例えば正常人で食後1時間のピークの血糖値は、
糖質ありでは、130~160mg/dl
糖質制限ならせいぜい110~120mg/dl
くらいです。
勿論、肝臓で糖新生しますので、低血糖にはなりません。
4) 運動時
安静時には、インスリンの基礎分泌はありますが少量なので、糖輸送体(Glut4)は細胞表面に出てこれず、筋肉細胞・脂肪細胞は血糖をほとんど取り込まめません。
運動時(筋収縮時)には筋肉細胞の糖輸送体(Glut4)がインスリン追加分泌がなくても細胞表面に移動して、
血糖を取り込むことが可能となり、血糖値が下がります。
筋肉細胞が血糖を取り込んでエネルギー源とした後、筋肉中のグリコーゲンが満杯になれば、取り込みはストップします。
脂肪細胞は、運動には無関係です。
ジョギングや歩行ていどの軽い運動が適切とされています。
糖尿人でインスリンの基礎分泌があるていど以上不足していると、
運動によりかえって血糖値が上昇することがあるので注意が必要です。
バーンスタイン医師によれば、個人差はありますが、空腹時血糖値170mg/dlを超えているような場合は、
そのような可能性があるとのことです。
また、強度の強い運動だと、アドレナリンや副腎皮質ホルモンなどのインスリン拮抗ホルモンが分泌されますので、
血糖値が上昇することがあります。
4) ストレス
急性のストレスがあると、アドレナリン、グルカゴン、副腎皮質ステロイドホルモンなど血糖値を上げるホルモンが分泌されますので血糖値が上昇します。
血糖値は、1)、2)、3)、4)などの因子が複雑に絡み合ったシステムにより調節されています。
たかが血糖値されど血糖値、なかなか一筋縄ではいきませんね。
江部康二
(*)糖新生
①脂肪組織→グリセロール(中性脂肪の分解物)→肝臓→糖新生→脂肪組織・筋肉
②筋肉→アミノ酸→肝臓→糖新生→筋肉・脂肪組織
③ブドウ糖代謝→乳酸→肝臓→糖新生→筋肉・脂肪組織
①②③はごく日常的に誰でも行っており、肝臓、筋肉、脂肪組織の間で行ったり来たり、日々糖新生の調節が行われているわけです。
糖新生の調整は、インスリンが行っています。
インスリンは、強力な糖新生抑制因子です。
インスリン不足だと肝臓がブドウ糖をつくり過ぎることになります。
(**)糖輸送体(Glut:glucose transporter)
ブドウ糖が細胞膜を通過して細胞内に取り込まれるためには、
グルコーストランスポーター(糖輸送体)と呼ばれる膜蛋白が必要です。
Glut1~Glut14が報告されています。
Glut1(脳、赤血球、網膜などの糖輸送体)はインスリン非依存性です。
Glut2(肝臓、膵臓のβ細胞などの糖輸送体)はインスリン非依存性です。
Glut4(筋肉細胞、脂肪細胞の糖輸送体)はインスリン依存性です。
(***)胃不全麻痺
バーンスタイン医師(米国の1型糖尿病の医師で糖質制限食実践中)の本にも記載されている<胃排泄遅延・胃不全麻痺>が
年期の入った糖尿人ではありえます。
欧米人には、胃不全麻痺が結構多いようですが日本人でも当然ありえます。
胃不全麻痺のある糖尿人は、夕食を午後6時頃食べても、胃からの排泄が遅延して吸収が遅くなり、
通常よりかなり遅れて血糖値が上昇することがあります。
そのため翌朝の空腹時血糖値が高値となることがあります。
今回は、血糖調節システムについて検討してみます。
人体の血糖調節は、なかなか精妙で複雑なシステムにより維持されています。
血糖値は、
「食事」「肝臓によるグリコーゲン分解・糖新生と糖の取り込み」「運動」「ストレス」「インスリン・グルカゴンなどホルモン」「女性の生理」・・・
などなど、いろいろな要素が合わさって調節されています。
1) 空腹時
食物吸収が終了した直後(食事開始2時間後)には、肝臓のグリコーゲン分解が、循環血液中に入るブドウ糖の主要な供給源です。
食後数時間が経過し、絶食状態が持続すると、血糖値維持のために、筋肉など多くの組織のエネルギー源は、ブドウ糖から脂肪酸やケトン体に変わります。
そして、ブドウ糖の供給源は、肝のグリコーゲン分解から糖新生(*)に切り替わります。
なお、筋肉には「グルコース6リン酸→グルコース」 とする回路がないので筋肉中のグリコーゲンからはグルコース(ブドウ糖)は作れません。
2) 主食摂食時(糖質あり)
血糖値を直接上昇させるのは、糖質・脂質・タンパク質のうち、糖質だけです。
糖質摂食時には、消化管から吸収されたブドウ糖は、門脈血からまず肝臓に約50%取り込まれ、それ以外が血液の大循環に回ります。
肝細胞でのブドウ糖取り込み自体は、糖輸送体Glut2(**)を介して行われ、インスリン追加分泌とは関係ありません。
しかし、肝に取り込まれたブドウ糖は、インスリンによりグリコーゲンとして蓄えられます。
糖質を摂取して血糖値が上昇すれば、正常人では速やかにインスリンが追加分泌されます。この場合、追加分泌は基礎分泌の数倍~30倍レベルの大量となります。
例えば基礎分泌が5μU/mlなら追加分泌は、30~150μU/mlとかです。
肝臓に取り込まれなかったブドウ糖は、肝静脈から血中に入り、動脈血中に入ったブドウ糖は、インスリン追加分泌により細胞表面に移動した糖輸送体GLUT4により、骨格筋細胞や脂肪細胞に取り込まれます。骨格筋が、約70%の血糖を取り込みます。
これにより血糖値も速やかに下がります。
筋肉中に取り込まれた血糖は、エネルギー源として使われ、残りはグリコーゲンとして蓄えられます。
取り込まれず余った血糖は、インスリンにより脂肪組織か肝臓に取り込まれ、中性脂肪に変換され蓄えられます。
インスリン濃度が高いと、脂肪細胞の毛細血管にあるリポ蛋白リパーゼが活性化されて、血液中の中性脂肪が分解されて、脂肪酸とグリセロールになります。脂肪酸は、筋肉や体細胞や脂肪細胞のエネルギー源となります。
グリセロールはほとんどエネルギー源にはなりませんが、肝臓での糖新生の原料となります。
余剰の脂肪酸は、脂肪細胞に取り込まれて、中性脂肪として蓄えられます。
インスリンは、中性脂肪の合成を促進し、中性脂肪の分解を抑制します。
インスリンが肥満ホルモンたる所以です。
糖尿人では、<肝臓のグリコーゲン分解と糖新生>が摂食時にも抑制されにくいので、食後高血糖となります。
また糖尿人は、門脈血からの肝臓のブドウ糖取り込みも低下しているので、この面でも食後高血糖を起こしやすいのです。
さらに糖尿人の場合は、血液中のブドウ糖(食後高血糖)は、
<インスリン分泌不足>と<筋肉や脂肪細胞におけるインスリン抵抗性>により、
処理されにくいので、食後高血糖が遷延します。
また、インスリン作用不足による脂質代謝異常、アミノ酸代謝異常、高血糖そのものによるインスリン作用低下、インスリン拮抗ホルモン優位など、様々な因子が重なり合って、高血糖が持続します。
さらに、糖尿人の一部においては、胃不全麻痺(***)による内容物の排出遅延があり、
吸収も遅延して通常よりかなり遅れて血糖値が上昇することがあります。
3) 糖質制限食を摂取時(糖質がごく少量)
糖質摂取が野菜分のごく少量なので、食後血糖値はほとんど上昇しません。
追加分泌インスリンもごく少量で、基礎分泌の2倍くらいです。
正常人で基礎分泌が5μU/mlなら追加分泌は、10μU/mlとかです。
糖質制限食を摂取時は、食事している最中にも脂質が常に燃えています。
また食事中にも、肝臓でアミノ酸などから糖新生も行われています。
このため糖質摂取がごく少量でも低血糖にはならないのです。
糖尿人が糖質制限食を実践すれば、食後高血糖が改善しますが、糖新生により低血糖にはなりません。
正常人が糖質制限食を実践すれば、食後血糖値は正常値の範囲で低めとなります。
例えば正常人で食後1時間のピークの血糖値は、
糖質ありでは、130~160mg/dl
糖質制限ならせいぜい110~120mg/dl
くらいです。
勿論、肝臓で糖新生しますので、低血糖にはなりません。
4) 運動時
安静時には、インスリンの基礎分泌はありますが少量なので、糖輸送体(Glut4)は細胞表面に出てこれず、筋肉細胞・脂肪細胞は血糖をほとんど取り込まめません。
運動時(筋収縮時)には筋肉細胞の糖輸送体(Glut4)がインスリン追加分泌がなくても細胞表面に移動して、
血糖を取り込むことが可能となり、血糖値が下がります。
筋肉細胞が血糖を取り込んでエネルギー源とした後、筋肉中のグリコーゲンが満杯になれば、取り込みはストップします。
脂肪細胞は、運動には無関係です。
ジョギングや歩行ていどの軽い運動が適切とされています。
糖尿人でインスリンの基礎分泌があるていど以上不足していると、
運動によりかえって血糖値が上昇することがあるので注意が必要です。
バーンスタイン医師によれば、個人差はありますが、空腹時血糖値170mg/dlを超えているような場合は、
そのような可能性があるとのことです。
また、強度の強い運動だと、アドレナリンや副腎皮質ホルモンなどのインスリン拮抗ホルモンが分泌されますので、
血糖値が上昇することがあります。
4) ストレス
急性のストレスがあると、アドレナリン、グルカゴン、副腎皮質ステロイドホルモンなど血糖値を上げるホルモンが分泌されますので血糖値が上昇します。
血糖値は、1)、2)、3)、4)などの因子が複雑に絡み合ったシステムにより調節されています。
たかが血糖値されど血糖値、なかなか一筋縄ではいきませんね。
江部康二
(*)糖新生
①脂肪組織→グリセロール(中性脂肪の分解物)→肝臓→糖新生→脂肪組織・筋肉
②筋肉→アミノ酸→肝臓→糖新生→筋肉・脂肪組織
③ブドウ糖代謝→乳酸→肝臓→糖新生→筋肉・脂肪組織
①②③はごく日常的に誰でも行っており、肝臓、筋肉、脂肪組織の間で行ったり来たり、日々糖新生の調節が行われているわけです。
糖新生の調整は、インスリンが行っています。
インスリンは、強力な糖新生抑制因子です。
インスリン不足だと肝臓がブドウ糖をつくり過ぎることになります。
(**)糖輸送体(Glut:glucose transporter)
ブドウ糖が細胞膜を通過して細胞内に取り込まれるためには、
グルコーストランスポーター(糖輸送体)と呼ばれる膜蛋白が必要です。
Glut1~Glut14が報告されています。
Glut1(脳、赤血球、網膜などの糖輸送体)はインスリン非依存性です。
Glut2(肝臓、膵臓のβ細胞などの糖輸送体)はインスリン非依存性です。
Glut4(筋肉細胞、脂肪細胞の糖輸送体)はインスリン依存性です。
(***)胃不全麻痺
バーンスタイン医師(米国の1型糖尿病の医師で糖質制限食実践中)の本にも記載されている<胃排泄遅延・胃不全麻痺>が
年期の入った糖尿人ではありえます。
欧米人には、胃不全麻痺が結構多いようですが日本人でも当然ありえます。
胃不全麻痺のある糖尿人は、夕食を午後6時頃食べても、胃からの排泄が遅延して吸収が遅くなり、
通常よりかなり遅れて血糖値が上昇することがあります。
そのため翌朝の空腹時血糖値が高値となることがあります。
2019年05月18日 (土)
こんにちは。
今回は、人体のエネルギー源のお話しです。
細胞が生きていくには、エネルギー源が必要です。
今日のお話しは基本的に論争の余地のない、生理学的事実が中心です。
少し面倒くさいですが、この人体のエネルギーシステムのことがあるていどわかったら、
糖質制限食のことも含めて、常識の壁を越えるきっかけとなると思います。
糖新生のことも説明します。
森谷敏夫・京都大名誉教授にも是非、読んで頂きたいと思います。
人体にはエネルギー源として、
1)「脂肪酸-ケトン体のシステム」
と、
2)「ブドウ糖-グリコーゲンのシステム」
があります。
<人体のエネルギー源Ⅰ:脂肪酸-ケトン体システム>
①脳はケトン体(脂肪酸の代謝産物)をいつでも利用できる。
②心筋・骨格筋など多くの体細胞は日常生活では脂肪酸-ケトン体が主エネルギー源であり、人体を自動車に例えるならガソリンの代わりは脂質である。
③赤血球を除く全ての細胞はミトコンドリアを持っているので、脂肪酸-ケトン体エネルギーシステムを利用できる。
④糖質制限食実践中や絶食中の血中ケトン体上昇は、インスリン作用が保たれており生理的なもので病的ではない。農耕開始前の人類は皆そうであった。
⑤備蓄の体脂肪は大量にあるエネルギー源で、体重50kg、体脂肪率20%の成人なら
10kgで90000キロカロリーあり、水だけで2ヶ月生存できる。
⑥肝臓はケトン体を、脂肪酸から生成するが、自分では利用せずに、他の組織に供給。
<人体のエネルギー源Ⅱ:ブドウ糖-グリコーゲンシステム>
①人体で赤血球だけはミトコンドリアがないのでブドウ糖しか利用できない。
②日常生活でブドウ糖を主エネルギー源として利用しているのは赤血球・脳・網膜など。
③ブドウ糖-グリコーゲンエネルギーシステムの本質は
「常に赤血球の、唯一のエネルギー源」
「筋肉が収縮したときのエネルギー源」→緊急時のターボエンジン
「血糖値が上昇しインスリンが追加分泌された時、筋肉・脂肪細胞のエネルギー源」
「日常生活では脳・網膜・生殖腺胚上皮など特殊部位の主エネルギー源」
④備蓄グリコーゲンは極めて少量で、成人で約250gていどである。
約1000キロカロリーしかなく、強度の高い運動なら1~2時間で枯渇してしまう。
ここで大切なことは、日常生活では、骨格筋・心筋を始めほとんどの体細胞は、
主エネルギー源として、備蓄がたっぷりある「脂肪酸-ケトン体システム」を利用しているということです。
即ち、人体を自動車に例えれば、ガソリンの代わりは脂肪酸-ケトン体であり、
決してブドウ糖-グリコーゲンではありません。
例えば、心筋がブドウ糖を主たるエネルギー源として利用したりしたら、
グリコーゲンの備蓄は約250gしかないので、
いつ枯渇して止まるかもしれませんね。
日常生活で、ブドウ糖をエネルギー源としているのは、
「赤血球・脳・網膜・生殖腺胚上皮」といった特殊な細胞だけです。
糖質制限食実践中は脂肪酸-ケトン体を主たるエネルギー源として、
しっかり利用しているので、エネルギー不足には決してなりません。
人類700万年の歴史の内、農耕開始前は
人類皆糖質制限食だったことをお忘れなく。
糖質を摂取したときは、血糖値が上昇し追加分泌のインスリンが出て、
筋肉でブドウ糖を利用させます。
食物吸収が終了した直後には、肝臓のグリコーゲン分解が、
循環血液中に入るブドウ糖の主要な供給源です。
食後数時間が経過し、絶食状態が持続すると、
ブドウ糖の供給源は、肝のグリコーゲン分解から糖新生に切り替わります。
食後この時間帯になると筋肉や体細胞のほとんどは、
「脂肪酸-ケトン体のシステム」をエネルギー源として利用するようになります。
<糖新生>
肝臓の糖新生は、ブドウ糖しか利用できない「赤血球」などのために、
最低限の血糖値を確保するために日常的に行われています。
ですから、人類の700万年の歴史において、
ごく普通に日常的に毎日、肝臓の糖新生は行われてきたわけで、
珍しいことでも何でもありません。
肝臓の糖新生は、脂肪酸の代謝産物のグリセロール、
筋肉から供給されるアミノ酸(アラニン、グルタニン)、
ブドウ糖代謝の産物の乳酸などから行われます。
肝臓は筋肉由来のアミノ酸などから日常的に糖新生を行っていますが、
筋肉ではタンパク質の分解と合成が毎日行われています。
①脂肪組織→グリセロール(中性脂肪の分解物)→肝臓→糖新生→脂肪組織・筋肉
②筋肉→アミノ酸→肝臓→糖新生→筋肉・脂肪組織
③ブドウ糖代謝→乳酸→肝臓→糖新生→筋肉・脂肪組織
①②③はごく日常的に人体で行われており、
肝臓、筋肉、脂肪組織の間で行ったり来たりしながら、
日々糖新生の調節が行われているわけです
700万年間の人類の歴史の中で農耕前の狩猟・採集時代は、
糖質制限食を摂取しているか、空腹や絶食や飢餓が日常的でしたので、
肝臓は毎日、今以上に糖新生を行い、
よく働いてきたしそれだけのキャパシティーを持っているということですね。
糖質制限食実践中は、脂肪酸-ケトン体エネルギー源がたっぷり利用できますので、
決してエネルギー不足にはなりません。
糖質制限食の場合は、食事からのブドウ糖供給が極めて少ないので、
食事中でも、肝臓の糖新生は行われています。
肝臓の糖新生は脂肪を燃やして賄われて結構エネルギーを消費するので
痩せやすいのです。
なお肝臓の糖新生は、人体全体のエネルギー源を確保しているのではありません。
ブドウ糖しか利用できない「赤血球」という特殊な細胞と、
日常的にブドウ糖を利用している脳や網膜などのために、
最低限の血糖値を確保しているのです。
<タンパク質>
次に三大栄養素のうちタンパク質は、
エネルギー源として使われることはありえますが、基本的に少ないです。
タンパク質は、主として人体の組織の材料として使われています。
適切なエネルギー源が確保されていれば、
食事から摂取したタンパク質(アミノ酸)は、
人体に吸収されて組織のタンパク質合成に使われます。
タンパク質を主たるエネルギー源として使われざるを得ないときは、
例えば「飢餓→絶食」が続いたときなどです。
体内の糖質、脂質をエネルギー源として使い果たした後は、
やむを得ず筋肉細胞のタンパク質を主たるエネルギー源として使いますが、こ
れは死の一歩手前です。
江部康二
今回は、人体のエネルギー源のお話しです。
細胞が生きていくには、エネルギー源が必要です。
今日のお話しは基本的に論争の余地のない、生理学的事実が中心です。
少し面倒くさいですが、この人体のエネルギーシステムのことがあるていどわかったら、
糖質制限食のことも含めて、常識の壁を越えるきっかけとなると思います。
糖新生のことも説明します。
森谷敏夫・京都大名誉教授にも是非、読んで頂きたいと思います。
人体にはエネルギー源として、
1)「脂肪酸-ケトン体のシステム」
と、
2)「ブドウ糖-グリコーゲンのシステム」
があります。
<人体のエネルギー源Ⅰ:脂肪酸-ケトン体システム>
①脳はケトン体(脂肪酸の代謝産物)をいつでも利用できる。
②心筋・骨格筋など多くの体細胞は日常生活では脂肪酸-ケトン体が主エネルギー源であり、人体を自動車に例えるならガソリンの代わりは脂質である。
③赤血球を除く全ての細胞はミトコンドリアを持っているので、脂肪酸-ケトン体エネルギーシステムを利用できる。
④糖質制限食実践中や絶食中の血中ケトン体上昇は、インスリン作用が保たれており生理的なもので病的ではない。農耕開始前の人類は皆そうであった。
⑤備蓄の体脂肪は大量にあるエネルギー源で、体重50kg、体脂肪率20%の成人なら
10kgで90000キロカロリーあり、水だけで2ヶ月生存できる。
⑥肝臓はケトン体を、脂肪酸から生成するが、自分では利用せずに、他の組織に供給。
<人体のエネルギー源Ⅱ:ブドウ糖-グリコーゲンシステム>
①人体で赤血球だけはミトコンドリアがないのでブドウ糖しか利用できない。
②日常生活でブドウ糖を主エネルギー源として利用しているのは赤血球・脳・網膜など。
③ブドウ糖-グリコーゲンエネルギーシステムの本質は
「常に赤血球の、唯一のエネルギー源」
「筋肉が収縮したときのエネルギー源」→緊急時のターボエンジン
「血糖値が上昇しインスリンが追加分泌された時、筋肉・脂肪細胞のエネルギー源」
「日常生活では脳・網膜・生殖腺胚上皮など特殊部位の主エネルギー源」
④備蓄グリコーゲンは極めて少量で、成人で約250gていどである。
約1000キロカロリーしかなく、強度の高い運動なら1~2時間で枯渇してしまう。
ここで大切なことは、日常生活では、骨格筋・心筋を始めほとんどの体細胞は、
主エネルギー源として、備蓄がたっぷりある「脂肪酸-ケトン体システム」を利用しているということです。
即ち、人体を自動車に例えれば、ガソリンの代わりは脂肪酸-ケトン体であり、
決してブドウ糖-グリコーゲンではありません。
例えば、心筋がブドウ糖を主たるエネルギー源として利用したりしたら、
グリコーゲンの備蓄は約250gしかないので、
いつ枯渇して止まるかもしれませんね。
日常生活で、ブドウ糖をエネルギー源としているのは、
「赤血球・脳・網膜・生殖腺胚上皮」といった特殊な細胞だけです。
糖質制限食実践中は脂肪酸-ケトン体を主たるエネルギー源として、
しっかり利用しているので、エネルギー不足には決してなりません。
人類700万年の歴史の内、農耕開始前は
人類皆糖質制限食だったことをお忘れなく。
糖質を摂取したときは、血糖値が上昇し追加分泌のインスリンが出て、
筋肉でブドウ糖を利用させます。
食物吸収が終了した直後には、肝臓のグリコーゲン分解が、
循環血液中に入るブドウ糖の主要な供給源です。
食後数時間が経過し、絶食状態が持続すると、
ブドウ糖の供給源は、肝のグリコーゲン分解から糖新生に切り替わります。
食後この時間帯になると筋肉や体細胞のほとんどは、
「脂肪酸-ケトン体のシステム」をエネルギー源として利用するようになります。
<糖新生>
肝臓の糖新生は、ブドウ糖しか利用できない「赤血球」などのために、
最低限の血糖値を確保するために日常的に行われています。
ですから、人類の700万年の歴史において、
ごく普通に日常的に毎日、肝臓の糖新生は行われてきたわけで、
珍しいことでも何でもありません。
肝臓の糖新生は、脂肪酸の代謝産物のグリセロール、
筋肉から供給されるアミノ酸(アラニン、グルタニン)、
ブドウ糖代謝の産物の乳酸などから行われます。
肝臓は筋肉由来のアミノ酸などから日常的に糖新生を行っていますが、
筋肉ではタンパク質の分解と合成が毎日行われています。
①脂肪組織→グリセロール(中性脂肪の分解物)→肝臓→糖新生→脂肪組織・筋肉
②筋肉→アミノ酸→肝臓→糖新生→筋肉・脂肪組織
③ブドウ糖代謝→乳酸→肝臓→糖新生→筋肉・脂肪組織
①②③はごく日常的に人体で行われており、
肝臓、筋肉、脂肪組織の間で行ったり来たりしながら、
日々糖新生の調節が行われているわけです
700万年間の人類の歴史の中で農耕前の狩猟・採集時代は、
糖質制限食を摂取しているか、空腹や絶食や飢餓が日常的でしたので、
肝臓は毎日、今以上に糖新生を行い、
よく働いてきたしそれだけのキャパシティーを持っているということですね。
糖質制限食実践中は、脂肪酸-ケトン体エネルギー源がたっぷり利用できますので、
決してエネルギー不足にはなりません。
糖質制限食の場合は、食事からのブドウ糖供給が極めて少ないので、
食事中でも、肝臓の糖新生は行われています。
肝臓の糖新生は脂肪を燃やして賄われて結構エネルギーを消費するので
痩せやすいのです。
なお肝臓の糖新生は、人体全体のエネルギー源を確保しているのではありません。
ブドウ糖しか利用できない「赤血球」という特殊な細胞と、
日常的にブドウ糖を利用している脳や網膜などのために、
最低限の血糖値を確保しているのです。
<タンパク質>
次に三大栄養素のうちタンパク質は、
エネルギー源として使われることはありえますが、基本的に少ないです。
タンパク質は、主として人体の組織の材料として使われています。
適切なエネルギー源が確保されていれば、
食事から摂取したタンパク質(アミノ酸)は、
人体に吸収されて組織のタンパク質合成に使われます。
タンパク質を主たるエネルギー源として使われざるを得ないときは、
例えば「飢餓→絶食」が続いたときなどです。
体内の糖質、脂質をエネルギー源として使い果たした後は、
やむを得ず筋肉細胞のタンパク質を主たるエネルギー源として使いますが、こ
れは死の一歩手前です。
江部康二
2019年05月16日 (木)
内臓脂肪がストンと落ちる食事術
江部康二著
ダイヤモンド社 (2019/5/9)単行本(ソフトカバー)
アマゾンなど発売開始
https://www.amazon.co.jp/dp/4478106487/

こんにちは。
内臓脂肪がストンと落ちる食事術 江部康二著
2019/5/9(木)刊行・発売開始です。
おかげさまで、よく売れています。
これもブログ読者の皆さんのおかげです。
感謝、感謝です。 m(_ _)m
私は34歳から<玄米魚菜食+鶏肉>を実践し、
テニスも週2回くらいして、健康的な生活習慣のはずでしたが、
2002年、52歳のとき、糖尿病を発症して、
メタボの診断基準も堂々満たしてしまいました。
内臓脂肪CTは、126cm2あり、基準値の100cm2を軽くオーバーしていました。
身長167cm、体重67kgありました。
もともと父も母も糖尿病で、家族歴は完璧なので、
私もそこそこ警戒はしていたのですが、
2002年の病院の健康診断(52歳時)で遂にHbA1Cが6.7%、食後1時間血糖値250mg/dlで、
糖尿病を発症していて、愕然としました。
即、スーパー糖質制限食を実践して、6か月後には57kgと、
学生時代の体重に戻りました。
HbA1cは3週間後には正常化して、血糖値も即正常化しました。
この時点で内臓脂肪も正常化したと考えられます。
内臓脂肪CTは、2004年に検査して71cm2でしたが、
体重は57kgをずっと維持しているので、
スーパー糖質制限食実践半年後の内臓脂肪も71cm2くらいと思われます。
読者の皆さんも、
内臓脂肪を減らしたいときは、
スーパー糖質制限食を実践して「食べトレ」するのが
一番効果的です。
是非、試して頂ければ幸いです。
江部康二
以下は
内臓脂肪がストンと落ちる食事術
の序章です。
序 章
筋トレしなくても「食べトレ」すればいいんです
私は医師の江部康二と申します。1950年生まれの69歳です。身長167㎝・体重57㎏は、20代の頃とほぼ同じです。
◎身長は年をとっても縮んでいません
◎歯は全部残っていて虫歯も歯周病もありません
◎視力もよく『広辞苑』の小さな文字も裸眼で読めます
◎聴力の低下もありません
◎毎日7時間睡眠で夜中に尿意で目覚めることもありません
◎定期的に飲んでいる薬もなければサプリメントとも無縁です
◎コレステロール値も中性脂肪値も基準値内です
◎いまも朝勃ち(夜間陰茎勃起現象)します
朝勃ちなんていうと下品に思われるかもしれませんが、
動脈硬化や内臓疾患、うつ病などのバロメーターにもなりますから、バカにしてはいけません。
母校・京都大学医学部の同窓会に出席すると、同級生の医師たちの多くは何かしら持病を抱えていて、
定期的に薬やサプリメントを飲んでいます。
同級生からは「なんで江部だけ、そんなに元気なんだ?」と驚かれますが、
その秘密は『内臓脂肪がストンと落ちる食事術』で詳しく紹介している糖質制限と
1日2食の半日断食からなる「食べトレ」にあります。
スリムな体型と健康を一生キープ
私の運動らしい運動といえば、1~2週間に1度程度の趣味のテニス。
あとは、日頃からよく歩くように心掛けているくらい。
70代目前なのに超健康体を維持できているのは、17年前の52歳から実践している食べトレのおかげなのです。
私はメタボと糖尿病が発覚した52歳で糖質制限を始めましたが、そこから半年で体重10㎏減。
学生時代の体重に戻り、その後、体重はいまに至るまで17年間変わっていません。
コンピューター断層撮影装置(CT)で「126㎠」もあったお腹まわりの内臓脂肪の断面積は「71㎠」へと激減しました。
食べトレの主軸となる糖質制限は、ご飯やパン、麺類などの糖質を控えますが、
何かマニアックな食事のように思えるかもしれません。
でも、本書で詳しくお伝えしていますが、そもそも糖質制限食こそが、私たち人類本来の正解の食事なのです。
糖質は中毒性の高い不健康食
米や小麦などの穀物は、なんとなくヘルシーなイメージがあり、
お子さんがいる方は「ご飯をいっぱい食べなさい」なんてすすめているかもしれませんが、
実は人間にとって“異物”なのです。
毒とまでは言いませんが“中毒性”が高く、不健康な食べ物なのです。
私たち人類の歴史はおよそ700万年といわれますが、その長い歴史からすれば、
穀物などの糖質を摂るようになったのは、“ごく最近”。
穀物というでんぷん食品を日常的に食べるようになったのは、世界的には農耕が始まった1万年前からで、
日本では2500年前の弥生時代から。
たくさん糖質を摂るようになったのは第二次大戦後のことです。
人類の歴史でほとんど糖質を摂ってこなかった私たちの体は、
いまのように糖質をたくさん摂る食生活には対応できていません。
700万年かけて作り上げた体質は、そんな短期間で変化・適応させることはできないのです。
食べトレは、運動なしでも内臓脂肪がストンと落ちるので、
体型を改善できるのはもちろん、病気を防ぐいちばんの方法です。
「運動すれば痩せるのはわかっている」「けれど、それができない」「やりたくない」「続かない」
わかってます、わかってますとも! その頑固な体脂肪と内臓脂肪を運動なしでも落とせる方法をじっくり教えます。
2019年05月15日 (水)
【19/05/15 西村典彦
食後血糖値と食事回数について
いつもコメントありがとうございます。
1日の食事回数と食後血糖値について考えてみました。
江部先生は朝食抜きで1日2回の食事である旨、ご著書、ブログでよくおっしゃられておられますが、以下の疑問があります。
1日の必要カロリーを2回で摂取すると
(1)1日の糖質量を2回で摂取する事になり3回に比べて1回の糖質量が増え、食後血糖値が上がる。
(2)2回でも血糖値を抑えられる糖質量の食事にするには食材の選択肢が限られ、3回に比べて偏りが大きくなる。
(3)それでもなお、2回の食事が良い理由が見つからない。場合によっては1回でも良いともおっしゃっておられますが、血糖値を考えると私にはとても無理な食事になる。
当然、江部先生は糖尿人なので、正常人のみの場合のことをおっしゃられているのではないと思いますが、どのように1回の糖質摂取量と血糖値をコントロールされているのか気になるところです。
食前血糖値にもよりますが、私は1回に15g以上摂取すると正常範囲を超えるので1日にいくらの糖質量ではなく、毎食の糖質量をその量以下に抑えるようにしています。これは1日に1食だろうが3食だろうが変わらないので、結果として食事回数を減らすことは、カロリーを一定に保つのであれば、より低糖質の食材しか選択できない事になります。】
こんにちは。
西村典彦さんから、
1日の食事回数と1回の糖質量、食後血糖値について
コメント・質問と頂きました。
(1)1日の糖質量を2回で摂取する事になり3回に比べて1回の糖質量が増え、
食後血糖値が上がる。
スーパー糖質制限食の場合は、1回の食事の糖質量を20g以下としています。
私自身の1回の食事の糖質量は10gくらいと思います。
例えば、<牛ステーキ300g + 野菜サラダ>なら、糖質量は10g以下と思います。
(2)2回でも血糖値を抑えられる糖質量の食事にするには食材の選択肢が限られ、
3回に比べて偏りが大きくなる。
食材は、カロリー制限ではないので、豊富です。
肉類や魚介類は、糖質が少なく、糖質制限OK食材です。
カロリーの多い、油の乗った肉(牛、豚、羊、鶏など)やジビエ料理でもOKです。
魚も日本では種類豊富で、
鯛、、鮪、平目、甘鯛、ノドクロ、キンメダイ、ホッケ、ブリ、サワラ、イワシ、サンマ、シラス、キス、
アイナメ、赤魚、アンコウ、キス、カツオ、オコゼ、サケ、タラ、サバ、スズキ、ベラ、メバル、ニシン、
鯉、鮎、岩魚、鰻、鯰、ドジョウ・・・
貝も、アカガイ、アサリ、アワビ、牡蠣、岩牡蠣、サザエ、シジミ、タイラギ、
トコブシ、トリガイ、バイガイ、ハマグリ、ホッキ貝、帆立貝、マテ貝、ムラサキ貝、
ヤコウガイ・・・
卵、ゆで卵、だし巻き、目玉焼、スクランブルエッグ、チーズなども
ほとんど糖質なしですね。
豆腐、揚げ、湯葉、がんもどきなどの大豆製品もいいです。
野菜も、葉野菜、海草、キノコ、ブロッコリー、カリフラワー、ゴーヤ、ピーマンなど
なら糖質は少なくて、食物繊維は豊富です。
(3)それでもなお、2回の食事が良い理由が見つからない。
場合によっては1回でも良いともおっしゃっておられますが、
血糖値を考えると私にはとても無理な食事になる。
まず、人類は長い間、1日2食であり、3食の歴史は短いです。
それで、私自身は、1日2食で、朝は<コーヒー+生クリーム10ml>
としています。
農耕時代前の狩猟・採集時代は、1日1~2食であり、
場合により、1~2~3週間水だけというようなことも日常的であったと
考えられます。
人類において、一定時間の絶食があるほうが自然であり、
1日3回の食事というのは、700万年間の狩猟・採集時代に比べると
過剰であり、不自然と思われます。
一定時間の絶食により、消化管粘膜と腸内細菌の関係も整うと思われます。
✱食前血糖値にもよりますが、
私は1回に15g以上摂取すると正常範囲を超えるので1日にいくらの糖質量ではなく、
毎食の糖質量をその量以下に抑えるようにしています。
これは1日に1食だろうが3食だろうが変わらないので、
結果として食事回数を減らすことは、カロリーを一定に保つのであれば、
より低糖質の食材しか選択できない事になります。
その通りと思います。
私もそうしています。⇒1回の食事の糖質量が、10gていど。
そして低糖質の食材は上述のように種類が豊富なので、
私は日常の食生活で困ることはありません。
我が家の食卓では鍋料理が多いです。
鍋料理なら低糖質食材が自由自在です。
そして、私自身は、低糖質の食材以外は口にしませんが、
低糖質食材が豊富に手に入るので、不自由することはありません。
江部康二
食後血糖値と食事回数について
いつもコメントありがとうございます。
1日の食事回数と食後血糖値について考えてみました。
江部先生は朝食抜きで1日2回の食事である旨、ご著書、ブログでよくおっしゃられておられますが、以下の疑問があります。
1日の必要カロリーを2回で摂取すると
(1)1日の糖質量を2回で摂取する事になり3回に比べて1回の糖質量が増え、食後血糖値が上がる。
(2)2回でも血糖値を抑えられる糖質量の食事にするには食材の選択肢が限られ、3回に比べて偏りが大きくなる。
(3)それでもなお、2回の食事が良い理由が見つからない。場合によっては1回でも良いともおっしゃっておられますが、血糖値を考えると私にはとても無理な食事になる。
当然、江部先生は糖尿人なので、正常人のみの場合のことをおっしゃられているのではないと思いますが、どのように1回の糖質摂取量と血糖値をコントロールされているのか気になるところです。
食前血糖値にもよりますが、私は1回に15g以上摂取すると正常範囲を超えるので1日にいくらの糖質量ではなく、毎食の糖質量をその量以下に抑えるようにしています。これは1日に1食だろうが3食だろうが変わらないので、結果として食事回数を減らすことは、カロリーを一定に保つのであれば、より低糖質の食材しか選択できない事になります。】
こんにちは。
西村典彦さんから、
1日の食事回数と1回の糖質量、食後血糖値について
コメント・質問と頂きました。
(1)1日の糖質量を2回で摂取する事になり3回に比べて1回の糖質量が増え、
食後血糖値が上がる。
スーパー糖質制限食の場合は、1回の食事の糖質量を20g以下としています。
私自身の1回の食事の糖質量は10gくらいと思います。
例えば、<牛ステーキ300g + 野菜サラダ>なら、糖質量は10g以下と思います。
(2)2回でも血糖値を抑えられる糖質量の食事にするには食材の選択肢が限られ、
3回に比べて偏りが大きくなる。
食材は、カロリー制限ではないので、豊富です。
肉類や魚介類は、糖質が少なく、糖質制限OK食材です。
カロリーの多い、油の乗った肉(牛、豚、羊、鶏など)やジビエ料理でもOKです。
魚も日本では種類豊富で、
鯛、、鮪、平目、甘鯛、ノドクロ、キンメダイ、ホッケ、ブリ、サワラ、イワシ、サンマ、シラス、キス、
アイナメ、赤魚、アンコウ、キス、カツオ、オコゼ、サケ、タラ、サバ、スズキ、ベラ、メバル、ニシン、
鯉、鮎、岩魚、鰻、鯰、ドジョウ・・・
貝も、アカガイ、アサリ、アワビ、牡蠣、岩牡蠣、サザエ、シジミ、タイラギ、
トコブシ、トリガイ、バイガイ、ハマグリ、ホッキ貝、帆立貝、マテ貝、ムラサキ貝、
ヤコウガイ・・・
卵、ゆで卵、だし巻き、目玉焼、スクランブルエッグ、チーズなども
ほとんど糖質なしですね。
豆腐、揚げ、湯葉、がんもどきなどの大豆製品もいいです。
野菜も、葉野菜、海草、キノコ、ブロッコリー、カリフラワー、ゴーヤ、ピーマンなど
なら糖質は少なくて、食物繊維は豊富です。
(3)それでもなお、2回の食事が良い理由が見つからない。
場合によっては1回でも良いともおっしゃっておられますが、
血糖値を考えると私にはとても無理な食事になる。
まず、人類は長い間、1日2食であり、3食の歴史は短いです。
それで、私自身は、1日2食で、朝は<コーヒー+生クリーム10ml>
としています。
農耕時代前の狩猟・採集時代は、1日1~2食であり、
場合により、1~2~3週間水だけというようなことも日常的であったと
考えられます。
人類において、一定時間の絶食があるほうが自然であり、
1日3回の食事というのは、700万年間の狩猟・採集時代に比べると
過剰であり、不自然と思われます。
一定時間の絶食により、消化管粘膜と腸内細菌の関係も整うと思われます。
✱食前血糖値にもよりますが、
私は1回に15g以上摂取すると正常範囲を超えるので1日にいくらの糖質量ではなく、
毎食の糖質量をその量以下に抑えるようにしています。
これは1日に1食だろうが3食だろうが変わらないので、
結果として食事回数を減らすことは、カロリーを一定に保つのであれば、
より低糖質の食材しか選択できない事になります。
その通りと思います。
私もそうしています。⇒1回の食事の糖質量が、10gていど。
そして低糖質の食材は上述のように種類が豊富なので、
私は日常の食生活で困ることはありません。
我が家の食卓では鍋料理が多いです。
鍋料理なら低糖質食材が自由自在です。
そして、私自身は、低糖質の食材以外は口にしませんが、
低糖質食材が豊富に手に入るので、不自由することはありません。
江部康二
2019年05月14日 (火)
こんにちは
私の友人南鹿児島さくら病院の田頭秀悟先生が、
このたび
『たがしゅう先生の「糖質制限で脳梗塞の再発を予防する」』
https://store.shopping.yahoo.co.jp/ideal1111/5633.html
というDVDを発売されました。
早速、拝見しましたが、わかりやすくためになるとてもいい内容でした。
私も、一医師としておおいに勉強になりました。
脳梗塞の再発予防を目指す患者さんにはおおいに役に立つDVDと思いますので、
是非、ご購入頂けば幸いです。
まず、脳梗塞の再発率ですが、
1年目 8%
4年目 25%
10年目 50%
です。
私は浅学にして知らなかったのですが、
再発予防薬を内服していてこの再発率ですから、恐るべき数字と言えます。
酸化ストレスが、動脈硬化と血栓形成の元凶となりますが、
血糖値の乱高下と心理的ストレスが酸化ストレスの元凶です。
左心房・左心室が、酸化ストレスでダメージを受けると
心房細動となり、血流の乱れが起こります。
心内膜内皮細胞が傷害され血栓を生じ、血栓が剥がれて飛んで脳塞栓となります。
動脈硬化、酸化ストレスにより、血管内皮が傷つき、傷が大きいと
小粒子LDL、酸化LDL、泡沫細胞などが合わさってプラークを形成します。
プラークなどにより血管が狭くなり閉塞して、
アテローム脳梗塞やラクナ梗塞を起こします。
実は抗血小板薬は対症療法に過ぎず、
酸化ストレスという根本原因を治してはいないのです。
また抗血小板薬だけに頼ると、自己治癒力も邪魔する可能性もあります。
カロリー制限食は継続困難であり、
中毒性のある糖質摂取は、血糖値の乱高下と酸化ストレスを生じ危険です。
これに対して糖質制限食実践なら、
血糖値の乱高下による酸化ストレスが生じないので
根本的に、脳梗塞の再発予防をすることが可能です。
なお、糖尿病がベースにある場合は、
過去の高血糖の記憶による酸化ストレスと動脈硬化という
消えない借金が存在する可能性があるので、
MRIなどでチェックすることが必要です。
糖質制限食実践以後は、新たな借金は生じないので、再発予防に有効なのです。
体験談もお二人インタビューに答えておられます。
お一人は、6年前(2012年)に頸動脈プラークが 人間ドックで発見されましたが
糖質制限食実践で、プラークが小さくなっておられます。
糖質制限食はつらくないとのことです。
二人目は2014年に脳梗塞を発症された男性です。
2018年7月教育入院して糖質制限食を体験され学ばれました。
こちらも、糖質制限食はつらくないので継続できるとのことです。
江部康二
☆☆☆
以下は田頭秀悟先生からのコメントです。
皆さんこんにちは、糖質制限推進派の神経内科医、
たがしゅうこと南鹿児島さくら病院の田頭秀悟です。
この度、私の専門性を活かして、糖質制限仲間の友人の力を借りて、
『たがしゅう先生の「糖質制限で脳梗塞の再発を予防する」』
というDVDを作成させて頂きました。
脳梗塞は一度起こすと基本的に後遺症が残る病気で、
場合によっては命に関わることもある重大な病気です。
しかし医療の進歩によって脳梗塞を発症しても迅速に医療機関に
かかることで、救命できることも多くなり、
後遺症が軽くて済むことも珍しくなく なりました。
ところが一方で脳梗塞は非常に再発を起こしやすい病気としても知られています。
一般的な医療の中では脳梗塞の再発を予防するために、
いわゆる「血液をサラサラにする薬」が処方されることがほとんどなのですが、
これは基本的に一生飲み続ける必要があるとされています。
しかもそれを飲み続けているからといって脳梗塞を十分に予防できるわけでもなく、
薬を飲み続けているにも関わらず、
それでも再発を繰り返す患者さんは多々見受けられます。
そんな状況の中で、
糖質制限は理論的に脳梗塞の再発を予防するのに適した方法と言えます。
このDVDでは糖質制限でなぜ脳梗塞が予防できるのか、
そしてそれを実践する際の注意点や、
具体的な方法について分かりやすい解説を行っています。
将来脳梗塞を起こすのを防ぎたいという人にとっても
十分に参考となる内容になっていると思います。
御興味のある方は下記のサイトで販売しておりますので、
是非とも御購入頂ければと存じます。
https://store.shopping.yahoo.co.jp/ideal1111/5633.html
何卒宜しくお願い申し上げます。
医療法人日章会南鹿児島さくら病院 田頭秀悟
私の友人南鹿児島さくら病院の田頭秀悟先生が、
このたび
『たがしゅう先生の「糖質制限で脳梗塞の再発を予防する」』
https://store.shopping.yahoo.co.jp/ideal1111/5633.html
というDVDを発売されました。
早速、拝見しましたが、わかりやすくためになるとてもいい内容でした。
私も、一医師としておおいに勉強になりました。
脳梗塞の再発予防を目指す患者さんにはおおいに役に立つDVDと思いますので、
是非、ご購入頂けば幸いです。
まず、脳梗塞の再発率ですが、
1年目 8%
4年目 25%
10年目 50%
です。
私は浅学にして知らなかったのですが、
再発予防薬を内服していてこの再発率ですから、恐るべき数字と言えます。
酸化ストレスが、動脈硬化と血栓形成の元凶となりますが、
血糖値の乱高下と心理的ストレスが酸化ストレスの元凶です。
左心房・左心室が、酸化ストレスでダメージを受けると
心房細動となり、血流の乱れが起こります。
心内膜内皮細胞が傷害され血栓を生じ、血栓が剥がれて飛んで脳塞栓となります。
動脈硬化、酸化ストレスにより、血管内皮が傷つき、傷が大きいと
小粒子LDL、酸化LDL、泡沫細胞などが合わさってプラークを形成します。
プラークなどにより血管が狭くなり閉塞して、
アテローム脳梗塞やラクナ梗塞を起こします。
実は抗血小板薬は対症療法に過ぎず、
酸化ストレスという根本原因を治してはいないのです。
また抗血小板薬だけに頼ると、自己治癒力も邪魔する可能性もあります。
カロリー制限食は継続困難であり、
中毒性のある糖質摂取は、血糖値の乱高下と酸化ストレスを生じ危険です。
これに対して糖質制限食実践なら、
血糖値の乱高下による酸化ストレスが生じないので
根本的に、脳梗塞の再発予防をすることが可能です。
なお、糖尿病がベースにある場合は、
過去の高血糖の記憶による酸化ストレスと動脈硬化という
消えない借金が存在する可能性があるので、
MRIなどでチェックすることが必要です。
糖質制限食実践以後は、新たな借金は生じないので、再発予防に有効なのです。
体験談もお二人インタビューに答えておられます。
お一人は、6年前(2012年)に頸動脈プラークが 人間ドックで発見されましたが
糖質制限食実践で、プラークが小さくなっておられます。
糖質制限食はつらくないとのことです。
二人目は2014年に脳梗塞を発症された男性です。
2018年7月教育入院して糖質制限食を体験され学ばれました。
こちらも、糖質制限食はつらくないので継続できるとのことです。
江部康二
☆☆☆
以下は田頭秀悟先生からのコメントです。
皆さんこんにちは、糖質制限推進派の神経内科医、
たがしゅうこと南鹿児島さくら病院の田頭秀悟です。
この度、私の専門性を活かして、糖質制限仲間の友人の力を借りて、
『たがしゅう先生の「糖質制限で脳梗塞の再発を予防する」』
というDVDを作成させて頂きました。
脳梗塞は一度起こすと基本的に後遺症が残る病気で、
場合によっては命に関わることもある重大な病気です。
しかし医療の進歩によって脳梗塞を発症しても迅速に医療機関に
かかることで、救命できることも多くなり、
後遺症が軽くて済むことも珍しくなく なりました。
ところが一方で脳梗塞は非常に再発を起こしやすい病気としても知られています。
一般的な医療の中では脳梗塞の再発を予防するために、
いわゆる「血液をサラサラにする薬」が処方されることがほとんどなのですが、
これは基本的に一生飲み続ける必要があるとされています。
しかもそれを飲み続けているからといって脳梗塞を十分に予防できるわけでもなく、
薬を飲み続けているにも関わらず、
それでも再発を繰り返す患者さんは多々見受けられます。
そんな状況の中で、
糖質制限は理論的に脳梗塞の再発を予防するのに適した方法と言えます。
このDVDでは糖質制限でなぜ脳梗塞が予防できるのか、
そしてそれを実践する際の注意点や、
具体的な方法について分かりやすい解説を行っています。
将来脳梗塞を起こすのを防ぎたいという人にとっても
十分に参考となる内容になっていると思います。
御興味のある方は下記のサイトで販売しておりますので、
是非とも御購入頂ければと存じます。
https://store.shopping.yahoo.co.jp/ideal1111/5633.html
何卒宜しくお願い申し上げます。
医療法人日章会南鹿児島さくら病院 田頭秀悟
2019年05月13日 (月)
おはようございます。
今回は、糖尿病治療の目標と治療の優先順位のお話です。
糖尿病治療の目標は、
『健康な人と変わらない日常生活の質(QOL)の維持、
健康な人と変わらない寿命の確保。
血糖、体重、血圧、血清脂質の良好なコントロール状態の維持。
糖尿病細小血管合併症(網膜症、腎症、神経障害)および
動脈硬化性疾患(冠動脈疾患、脳血管障害、末梢動脈疾患)の発症、進展の阻止。』
ということとなります。
日本糖尿病学会 糖尿病治療ガイド2018-2019 (文光堂) 、31ページに、
・・・・・・・・・・・抜粋ここから・・・・・・・・・・・・
3.治療
B. 治療方針の立て方
1.インスリン非依存状態
1)食事療法と運動
患者自身が、糖尿病の病態を十分理解し、
適切な食事療法と運動療法を行うよう指導する。
・・・中略
食事療法、運動療法を2~3ヶ月続けても、
なお目標の血糖コントロールを達成できない場合薬物療法を行う。
2)薬物療法
経口血糖降下薬や注射薬を少量からはじめ徐々に増量する。(以下略)
・・・・・・・・・・・抜粋ここまで・・・・・・・・・・・・
上記治療方針が、記載してあります。
インスリン非依存状態というのは、
内因性インスリン(自分自身で分泌するインスリン)が残っていて、
インスリン注射の必要がないという意味です。
ほとんどの場合は2型糖尿病です。
1型糖尿病などで、内因性インスリンがゼロレベルの糖尿人は、
インスリン依存状態という分類となり、インスリン注射が絶対に必要です。
このように糖尿病治療ガイドには、糖尿病治療の優先順位の一番は、
食事療法と運動療法と明記してあります。
残念なのは、44ページの食事療法の項目では、
摂取エネルギー量にしか言及がなくて、
「血糖値を直接上昇させるのは糖質だけで、タンパク質・脂質は上げない」
という、食事療法で最も肝腎な事実が無視されていることです。
この点、米国糖尿病学会では、患者用テキストブックにおいて、
「血糖値を直接上昇させるのは糖質だけで、タンパク質・脂質は上げない」
ということを、きっちり教育します。
「食事療法、運動療法を2~3ヶ月続けても、
なお目標の血糖コントロールを達成できない場合薬物療法を開始する」
この優先順位の2番目の薬物療法開始という前に、
食事療法の選択肢の一つである糖質制限食を何故考慮しないのか理解に苦しみます。
2019年4月、米国糖尿病学会は、
「成人糖尿病患者または予備軍患者への栄養療法」コンセンサス・レポート
において『糖質制限食』がエビデンスが最も豊富であるとして
一番積極的に推奨しています。
食事療法で改善するのなら、経口血糖降下薬も注射薬も必要ありません。
糖尿病だけでなく、どんな病気においても、
食事療法で改善するなら薬は要らないと思います。
食事療法と薬物療法の優先順位という話なら、
医者や医療関係者でなくても、誰でも理解できると思います。
繰り返しますが、優先順位の一番は、食事療法と運動療法なのです。
さて、食事療法と運動療法が効果がないときにやむを得ず、
仕方ないので開始するのが、優先順位の2番目の「薬物療法」です。
その、薬物療法、すごい勢いで種類が増えてきました。
年々、創薬が相次いで、内服薬で7種類、
注射薬で2種類の糖尿病薬が勢揃いです。
1) 経口血糖降下剤(SU剤)
2) α-グルコシダーゼ阻害薬(グルコバイ、ベイスン)
3) ビグアナイド剤(メトホルミン、グリコラン、メルビンなど)
4) インスリン抵抗性改善薬(チアゾリジン誘導体・アクトス)
5) 速効型インスリン分泌促進剤(グルファスト、スターシス)
6) DPP-4阻害剤(ジャヌビア、ネシーナなど)
7) SGLT2阻害薬
A)インスリン注射
B)GLP-1注射薬(インクレチン関連薬)
糖尿病学会は、「いろんな種類の糖尿病薬が開発され、
治療効果が期待し易くなったが、それには専門的知識が必要」
といった見解ですが、なんだが本末転倒と思うのは私だけでしょうか?
つまり糖尿病学会推奨のエネルギー制限食(カロリ-制限食)が、
本当に効果があるのなら、何故、9種類もの薬が必要なのでしょう?
次々と新薬が開発されて、とうとう9種類に達したということは、
カロリー制限食と運動では、どうにもならなかったので、
ひたすら薬物の創薬が行われたということにほかなりません。
端的に言えば、カロリー制限食が糖尿病治療に、
あまり効果がないので、これだけ薬物に頼らざるを得なかったということです。
さらに言えば、糖尿病から年間16000人以上の人工透析、
3000人以上の失明、3000人以上の足切断に至るという厳しい現実の、
責任はいったい誰にあるのでしょうか?
カロリー制限食を実践し、薬を飲んで注射もしても、
これだけの合併症の犠牲者が多発していることは厳然たる事実であり、
日本の糖尿病治療が決して上手く行っていない動かぬ証拠と言えます。
日本糖尿病学会のお歴々は、この事実を真摯に受けとめて、
しっかりご自分の頭で考えて真実を見つめ直す義務があると私は思います。
そしてアメリカ糖尿病学会が、2019年4月のコンセンサス・レポートで
2型糖尿病患者に対して糖質制限食を一番に推奨したことを、
日本の医師や糖尿病患者にに知らせることが急務と思います。
江部康二
今回は、糖尿病治療の目標と治療の優先順位のお話です。
糖尿病治療の目標は、
『健康な人と変わらない日常生活の質(QOL)の維持、
健康な人と変わらない寿命の確保。
血糖、体重、血圧、血清脂質の良好なコントロール状態の維持。
糖尿病細小血管合併症(網膜症、腎症、神経障害)および
動脈硬化性疾患(冠動脈疾患、脳血管障害、末梢動脈疾患)の発症、進展の阻止。』
ということとなります。
日本糖尿病学会 糖尿病治療ガイド2018-2019 (文光堂) 、31ページに、
・・・・・・・・・・・抜粋ここから・・・・・・・・・・・・
3.治療
B. 治療方針の立て方
1.インスリン非依存状態
1)食事療法と運動
患者自身が、糖尿病の病態を十分理解し、
適切な食事療法と運動療法を行うよう指導する。
・・・中略
食事療法、運動療法を2~3ヶ月続けても、
なお目標の血糖コントロールを達成できない場合薬物療法を行う。
2)薬物療法
経口血糖降下薬や注射薬を少量からはじめ徐々に増量する。(以下略)
・・・・・・・・・・・抜粋ここまで・・・・・・・・・・・・
上記治療方針が、記載してあります。
インスリン非依存状態というのは、
内因性インスリン(自分自身で分泌するインスリン)が残っていて、
インスリン注射の必要がないという意味です。
ほとんどの場合は2型糖尿病です。
1型糖尿病などで、内因性インスリンがゼロレベルの糖尿人は、
インスリン依存状態という分類となり、インスリン注射が絶対に必要です。
このように糖尿病治療ガイドには、糖尿病治療の優先順位の一番は、
食事療法と運動療法と明記してあります。
残念なのは、44ページの食事療法の項目では、
摂取エネルギー量にしか言及がなくて、
「血糖値を直接上昇させるのは糖質だけで、タンパク質・脂質は上げない」
という、食事療法で最も肝腎な事実が無視されていることです。
この点、米国糖尿病学会では、患者用テキストブックにおいて、
「血糖値を直接上昇させるのは糖質だけで、タンパク質・脂質は上げない」
ということを、きっちり教育します。
「食事療法、運動療法を2~3ヶ月続けても、
なお目標の血糖コントロールを達成できない場合薬物療法を開始する」
この優先順位の2番目の薬物療法開始という前に、
食事療法の選択肢の一つである糖質制限食を何故考慮しないのか理解に苦しみます。
2019年4月、米国糖尿病学会は、
「成人糖尿病患者または予備軍患者への栄養療法」コンセンサス・レポート
において『糖質制限食』がエビデンスが最も豊富であるとして
一番積極的に推奨しています。
食事療法で改善するのなら、経口血糖降下薬も注射薬も必要ありません。
糖尿病だけでなく、どんな病気においても、
食事療法で改善するなら薬は要らないと思います。
食事療法と薬物療法の優先順位という話なら、
医者や医療関係者でなくても、誰でも理解できると思います。
繰り返しますが、優先順位の一番は、食事療法と運動療法なのです。
さて、食事療法と運動療法が効果がないときにやむを得ず、
仕方ないので開始するのが、優先順位の2番目の「薬物療法」です。
その、薬物療法、すごい勢いで種類が増えてきました。
年々、創薬が相次いで、内服薬で7種類、
注射薬で2種類の糖尿病薬が勢揃いです。
1) 経口血糖降下剤(SU剤)
2) α-グルコシダーゼ阻害薬(グルコバイ、ベイスン)
3) ビグアナイド剤(メトホルミン、グリコラン、メルビンなど)
4) インスリン抵抗性改善薬(チアゾリジン誘導体・アクトス)
5) 速効型インスリン分泌促進剤(グルファスト、スターシス)
6) DPP-4阻害剤(ジャヌビア、ネシーナなど)
7) SGLT2阻害薬
A)インスリン注射
B)GLP-1注射薬(インクレチン関連薬)
糖尿病学会は、「いろんな種類の糖尿病薬が開発され、
治療効果が期待し易くなったが、それには専門的知識が必要」
といった見解ですが、なんだが本末転倒と思うのは私だけでしょうか?
つまり糖尿病学会推奨のエネルギー制限食(カロリ-制限食)が、
本当に効果があるのなら、何故、9種類もの薬が必要なのでしょう?
次々と新薬が開発されて、とうとう9種類に達したということは、
カロリー制限食と運動では、どうにもならなかったので、
ひたすら薬物の創薬が行われたということにほかなりません。
端的に言えば、カロリー制限食が糖尿病治療に、
あまり効果がないので、これだけ薬物に頼らざるを得なかったということです。
さらに言えば、糖尿病から年間16000人以上の人工透析、
3000人以上の失明、3000人以上の足切断に至るという厳しい現実の、
責任はいったい誰にあるのでしょうか?
カロリー制限食を実践し、薬を飲んで注射もしても、
これだけの合併症の犠牲者が多発していることは厳然たる事実であり、
日本の糖尿病治療が決して上手く行っていない動かぬ証拠と言えます。
日本糖尿病学会のお歴々は、この事実を真摯に受けとめて、
しっかりご自分の頭で考えて真実を見つめ直す義務があると私は思います。
そしてアメリカ糖尿病学会が、2019年4月のコンセンサス・レポートで
2型糖尿病患者に対して糖質制限食を一番に推奨したことを、
日本の医師や糖尿病患者にに知らせることが急務と思います。
江部康二
2019年05月11日 (土)
こんばんは。
朝日カルチャーセンター湘南教室にて
糖質制限食講座開催です。
糖質制限食による糖尿病の治療と予防
人類本来の食事、人類の健康食
https://www.asahiculture.jp/course/shonan/31c415b5-818a-5626-e8a2-5c47e1c09ffb
2019/5/26(日)13:00~14:30
講義70分間、質疑応答20分間。
朝日カルチャーセンター 朝日JTB・交流文化塾
湘南教室
お申し込み TEL:0466-24-2255
最新の内容も含めて、わかりやすくて楽しいお話しを目指します。
東京や関東圏の方々のご参加をお待ちしております。
講師は江部康二です。
湘南教室では、2018年3月以来ですから1年2ヶ月ぶりの講座です。
この数年間、糖質制限食の発展という意味ではとても大きな変化がありました。
年間30回くらい講演をしていますが、
結構、新しい話題も多いので、スライドも毎回更新しています。
今回もわかりやすくお話しますので、乞うご期待です。
講演が70分間で質疑応答が20分間です。
湘南、横浜、東京、関東圏の糖尿人やメタボ人の方々やそのご家族、
奮ってご参加いただけば幸いです。
お陰様で、糖質制限食は順調に普及してきています。
2005年に私が「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」(東洋経済新報社)
を日本初の糖質制限食の本として刊行したころとは、大きな違いがあります。
なんと言っても、2013年10月に米国糖尿病学会が5年ぶりに改訂した「栄養療法に関する声明」のなかで、
地中海食やベジタリアン食などどともに「糖質制限食」を正式に容認したことが、
大きな追い風となりました。
さらに、2019年4月、米国糖尿病学会は、
「成人糖尿病患者または予備軍患者への栄養療法」コンセンサス・レポート
を発表しました。
その中で『糖質制限食』がエビデンスが最も豊富であるとして
一番積極的に推奨されていたのは、我々糖質セイゲニストにおいては
歴史的快挙と言え、快哉を叫びたい気持ちでした。ヽ(*`▽´)ノ
このように、この1~3年、糖質制限食の展開において大きな発展があり
いい意味のサプライズもありました。
2016年7月のNHKクローズアップ現代の試算によれば、
糖質制限市場は、3184億円とのことです。
医学界より、企業のほうが糖質制限食をビジネスチャンスと捉えて
行動が迅速なようです。
くら寿司やガストなども糖質制限メニューを投入で、なかなかのものです。
一方、医学界においても、嬉しいサプライズです。
2017年2月7日(火)午後から、生まれて初めて東京大学医学部に行ってきました。
教授室で、渡邊昌先生、門脇孝先生、江部康二の3人で鼎談を行いました。
二人で話し合うのが対談で、三人で話し合うのが鼎談です。
渡邊昌先生は、医学雑誌「医と食」の編集長です。
門脇孝先生は、
一般社団法人 日本糖尿病学会 理事長
であり、
東京大学大学院医学系研究科糖尿病・代謝内科教授(当時)
です。
日本糖尿病学会のトップとじっくり話し合うことができて、
とても有意義な90分間でした。
2017年8月には、
「炭水化物の摂取増加で死亡リスク上昇」
という結論のランセット(Lancet)論文が発表され、
糖質制限食にとって大きな追い風となりました。
Lancet誌オンライン版2017年8月29日号掲載
https://doi.org/10.1016/S0140-6736(17)32252-3
糖質制限食の発展、まさに、今昔の感ありですね。
江部康二
☆☆☆
以下は朝日カルチャーセンター湘南教室のサイトから一部抜粋です。
糖質制限食による糖尿病の治療と予防
人類本来の食事、人類の健康食
講師:江部 康二(高雄病院理事長)
糖質制限食は、日本では1999年から京都・高雄病院において糖尿病治療食として開始され、合併症を予防できる唯一の食事療法として画期的な成果をあげてきました。米国糖尿病学会は「摂取後直接、血糖に影響を与えるのは糖質のみで、蛋白質・脂質は、影響を与えない。」としています。食後高血糖と一日平均血糖変動幅増大が糖尿病合併症の最大のリスクとなりますが、従来の糖尿病食(カロリー制限・高糖質食)では、必ずそれらを生じるので、合併症の予防は困難です。米国糖尿病学会は、2013年「栄養療法に関する声明」で、糖質制限食、地中海食、ベジタリアン食、低脂質食、DASH食を受容しましたが、糖質制限食に大きな追い風となりました。(講師記)
<日程・時間>
2019/5/26(日) 13:00~14:30
<受講料(税込)>
会員 3,240円 一般 3,888円
<その他>
席は自由席です。必要に応じて資料を配布します。
*個人的は治療相談は承りかねますので、ご了承ください。
<お申し込み>
TEL:0466-24-2255 朝日カルチャーセンター湘南教室
講師紹介 江部 康二 (エベ コウジ)
<プロフィール>
・1950年生まれ。
・1974年京都大学医学部卒業。
・1974年から京都大学胸部疾患研究所第一内科(現在京大呼吸器内科)
にて呼吸器科を学ぶ。
・1978年から高雄病院に医局長として勤務。1996年副院長就任。
・1999年高雄病院に糖質制限食導入。
・2000年理事長就任。
・2001年から糖質制限食に本格的に取り組む。
・ 2002年に自ら糖尿病であると気づいて以来、さらに糖尿病治療の研究に力を 注ぎ、「糖質制限食」の体系を確立。これにより自身の糖尿病を克服。
内科医/漢方医/一般財団法人高雄病院理事長/一般社団法人日本糖質制限医療推進協会理事長。
<著書>
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』2005年(東洋経済新報社)
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編』2008年(東洋経済新報社)
『我ら糖尿人、元気なのにはわけがある』2009年(東洋経済新報社・作家宮本輝氏との対談本)
『糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食』2010年(ナツメ社)
『主食をやめると健康になる』2011年(ダイヤモンド社)
『食品別糖質量ハンドブック』2012年(洋泉社)監修
『糖質オフ!健康法』2012年(PHP文庫)
『糖尿病治療のための!糖質制限食パーフェクトガイド』2013年(東洋経済新報社)
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!新版』2014年(東洋経済新報社)
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!2 実践編 新版』2014年(東洋経済新報社)
『炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません』2014年(東洋経済新報社)
『なぜ糖質制限をすると糖尿病が良くなるのか』2015年(ナツメ社)
『糖質制限の教科書』2015年(洋泉社)監修
『よくわかる! すぐできる! 「 糖質オフ! 」健康法 』2016年(PHP研究所)
『人類最強の「糖質制限」論~ケトン体を味方に して痩せる、健康になる』2016年(SB新書)
『江部康二の糖質制限革命』2017年(東洋経済新報社)
『男・50代からの糖質制限』2018年(東洋経済新報社)
『内蔵脂肪がストン!と落ちる食事術』2019年(ダイヤモンド社)
など多数。
ブログ『ドクター江部の糖尿病徒然日記( http://koujiebe.blog95.fc2.com/ )は日に数千件のアクセスがあり、糖尿病のかたやそのご家族から寄せられた質問への回答や、糖尿病・糖質制限食に関する 情報の発信に、日々尽力している。
朝日カルチャーセンター湘南教室にて
糖質制限食講座開催です。
糖質制限食による糖尿病の治療と予防
人類本来の食事、人類の健康食
https://www.asahiculture.jp/course/shonan/31c415b5-818a-5626-e8a2-5c47e1c09ffb
2019/5/26(日)13:00~14:30
講義70分間、質疑応答20分間。
朝日カルチャーセンター 朝日JTB・交流文化塾
湘南教室
お申し込み TEL:0466-24-2255
最新の内容も含めて、わかりやすくて楽しいお話しを目指します。
東京や関東圏の方々のご参加をお待ちしております。
講師は江部康二です。
湘南教室では、2018年3月以来ですから1年2ヶ月ぶりの講座です。
この数年間、糖質制限食の発展という意味ではとても大きな変化がありました。
年間30回くらい講演をしていますが、
結構、新しい話題も多いので、スライドも毎回更新しています。
今回もわかりやすくお話しますので、乞うご期待です。
講演が70分間で質疑応答が20分間です。
湘南、横浜、東京、関東圏の糖尿人やメタボ人の方々やそのご家族、
奮ってご参加いただけば幸いです。
お陰様で、糖質制限食は順調に普及してきています。
2005年に私が「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」(東洋経済新報社)
を日本初の糖質制限食の本として刊行したころとは、大きな違いがあります。
なんと言っても、2013年10月に米国糖尿病学会が5年ぶりに改訂した「栄養療法に関する声明」のなかで、
地中海食やベジタリアン食などどともに「糖質制限食」を正式に容認したことが、
大きな追い風となりました。
さらに、2019年4月、米国糖尿病学会は、
「成人糖尿病患者または予備軍患者への栄養療法」コンセンサス・レポート
を発表しました。
その中で『糖質制限食』がエビデンスが最も豊富であるとして
一番積極的に推奨されていたのは、我々糖質セイゲニストにおいては
歴史的快挙と言え、快哉を叫びたい気持ちでした。ヽ(*`▽´)ノ
このように、この1~3年、糖質制限食の展開において大きな発展があり
いい意味のサプライズもありました。
2016年7月のNHKクローズアップ現代の試算によれば、
糖質制限市場は、3184億円とのことです。
医学界より、企業のほうが糖質制限食をビジネスチャンスと捉えて
行動が迅速なようです。
くら寿司やガストなども糖質制限メニューを投入で、なかなかのものです。
一方、医学界においても、嬉しいサプライズです。
2017年2月7日(火)午後から、生まれて初めて東京大学医学部に行ってきました。
教授室で、渡邊昌先生、門脇孝先生、江部康二の3人で鼎談を行いました。
二人で話し合うのが対談で、三人で話し合うのが鼎談です。
渡邊昌先生は、医学雑誌「医と食」の編集長です。
門脇孝先生は、
一般社団法人 日本糖尿病学会 理事長
であり、
東京大学大学院医学系研究科糖尿病・代謝内科教授(当時)
です。
日本糖尿病学会のトップとじっくり話し合うことができて、
とても有意義な90分間でした。
2017年8月には、
「炭水化物の摂取増加で死亡リスク上昇」
という結論のランセット(Lancet)論文が発表され、
糖質制限食にとって大きな追い風となりました。
Lancet誌オンライン版2017年8月29日号掲載
https://doi.org/10.1016/S0140-6736(17)32252-3
糖質制限食の発展、まさに、今昔の感ありですね。
江部康二
☆☆☆
以下は朝日カルチャーセンター湘南教室のサイトから一部抜粋です。
糖質制限食による糖尿病の治療と予防
人類本来の食事、人類の健康食
講師:江部 康二(高雄病院理事長)
糖質制限食は、日本では1999年から京都・高雄病院において糖尿病治療食として開始され、合併症を予防できる唯一の食事療法として画期的な成果をあげてきました。米国糖尿病学会は「摂取後直接、血糖に影響を与えるのは糖質のみで、蛋白質・脂質は、影響を与えない。」としています。食後高血糖と一日平均血糖変動幅増大が糖尿病合併症の最大のリスクとなりますが、従来の糖尿病食(カロリー制限・高糖質食)では、必ずそれらを生じるので、合併症の予防は困難です。米国糖尿病学会は、2013年「栄養療法に関する声明」で、糖質制限食、地中海食、ベジタリアン食、低脂質食、DASH食を受容しましたが、糖質制限食に大きな追い風となりました。(講師記)
<日程・時間>
2019/5/26(日) 13:00~14:30
<受講料(税込)>
会員 3,240円 一般 3,888円
<その他>
席は自由席です。必要に応じて資料を配布します。
*個人的は治療相談は承りかねますので、ご了承ください。
<お申し込み>
TEL:0466-24-2255 朝日カルチャーセンター湘南教室
講師紹介 江部 康二 (エベ コウジ)
<プロフィール>
・1950年生まれ。
・1974年京都大学医学部卒業。
・1974年から京都大学胸部疾患研究所第一内科(現在京大呼吸器内科)
にて呼吸器科を学ぶ。
・1978年から高雄病院に医局長として勤務。1996年副院長就任。
・1999年高雄病院に糖質制限食導入。
・2000年理事長就任。
・2001年から糖質制限食に本格的に取り組む。
・ 2002年に自ら糖尿病であると気づいて以来、さらに糖尿病治療の研究に力を 注ぎ、「糖質制限食」の体系を確立。これにより自身の糖尿病を克服。
内科医/漢方医/一般財団法人高雄病院理事長/一般社団法人日本糖質制限医療推進協会理事長。
<著書>
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』2005年(東洋経済新報社)
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編』2008年(東洋経済新報社)
『我ら糖尿人、元気なのにはわけがある』2009年(東洋経済新報社・作家宮本輝氏との対談本)
『糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食』2010年(ナツメ社)
『主食をやめると健康になる』2011年(ダイヤモンド社)
『食品別糖質量ハンドブック』2012年(洋泉社)監修
『糖質オフ!健康法』2012年(PHP文庫)
『糖尿病治療のための!糖質制限食パーフェクトガイド』2013年(東洋経済新報社)
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!新版』2014年(東洋経済新報社)
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!2 実践編 新版』2014年(東洋経済新報社)
『炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません』2014年(東洋経済新報社)
『なぜ糖質制限をすると糖尿病が良くなるのか』2015年(ナツメ社)
『糖質制限の教科書』2015年(洋泉社)監修
『よくわかる! すぐできる! 「 糖質オフ! 」健康法 』2016年(PHP研究所)
『人類最強の「糖質制限」論~ケトン体を味方に して痩せる、健康になる』2016年(SB新書)
『江部康二の糖質制限革命』2017年(東洋経済新報社)
『男・50代からの糖質制限』2018年(東洋経済新報社)
『内蔵脂肪がストン!と落ちる食事術』2019年(ダイヤモンド社)
など多数。
ブログ『ドクター江部の糖尿病徒然日記( http://koujiebe.blog95.fc2.com/ )は日に数千件のアクセスがあり、糖尿病のかたやそのご家族から寄せられた質問への回答や、糖尿病・糖質制限食に関する 情報の発信に、日々尽力している。
2019年05月10日 (金)
内臓脂肪がストンと落ちる食事術
江部康二著
ダイヤモンド社 (2019/5/9)単行本(ソフトカバー)
アマゾンなど発売開始
https://www.amazon.co.jp/dp/4478106487/

こんにちは。
内臓脂肪がストンと落ちる食事術 江部康二著
2019/5/9(木)刊行・発売開始です。
おかげさまで、よく売れています。
2019/5/11(土)午後5時現在
全アマゾンで10位となっています。
快挙です。
これもブログ読者の皆さんのおかげです。
感謝、感謝です。 m(_ _)m
私は34歳から<玄米魚菜食+鶏肉>を実践し、
テニスも週2回くらいして、健康的な生活習慣のはずでしたが、
2002年、52歳のとき、糖尿病を発症して、
メタボの診断基準も堂々満たしてしまいました。
内臓脂肪CTは、126cm2あり、基準値の100cm2を軽くオーバーしていました。
身長167cm、体重67kgありました。
もともと父も母も糖尿病で、家族歴は完璧なので、
私もそこそこ警戒はしていたのですが、
2002年の病院の健康診断(52歳時)で遂にHbA1Cが6.7%、食後1時間血糖値250mg/dlで、
糖尿病を発症していて、愕然としました。
即、スーパー糖質制限食を実践して、6か月後には57kgと、
学生時代の体重に戻りました。
HbA1cは3週間後には正常化して、血糖値も即正常化しました。
この時点で内臓脂肪も正常化したと考えられます。
内臓脂肪CTは、2004年に検査して71cm2でしたが、
体重は57kgをずっと維持しているので、
スーパー糖質制限食実践半年後の内臓脂肪も71cm2くらいと思われます。
読者の皆さんも、
内臓脂肪を減らしたいときは、
スーパー糖質制限食を実践して「食べトレ」するのが
一番効果的です。
是非、試して頂ければ幸いです。
江部康二
以下は
内臓脂肪がストンと落ちる食事術
の序章です。
序 章
筋トレしなくても「食べトレ」すればいいんです
私は医師の江部康二と申します。1950年生まれの69歳です。身長167㎝・体重57㎏は、20代の頃とほぼ同じです。
◎身長は年をとっても縮んでいません
◎歯は全部残っていて虫歯も歯周病もありません
◎視力もよく『広辞苑』の小さな文字も裸眼で読めます
◎聴力の低下もありません
◎毎日7時間睡眠で夜中に尿意で目覚めることもありません
◎定期的に飲んでいる薬もなければサプリメントとも無縁です
◎コレステロール値も中性脂肪値も基準値内です
◎いまも朝勃ち(夜間陰茎勃起現象)します
朝勃ちなんていうと下品に思われるかもしれませんが、
動脈硬化や内臓疾患、うつ病などのバロメーターにもなりますから、バカにしてはいけません。
母校・京都大学医学部の同窓会に出席すると、同級生の医師たちの多くは何かしら持病を抱えていて、
定期的に薬やサプリメントを飲んでいます。
同級生からは「なんで江部だけ、そんなに元気なんだ?」と驚かれますが、
その秘密は『内臓脂肪がストンと落ちる食事術』で詳しく紹介している糖質制限と
1日2食の半日断食からなる「食べトレ」にあります。
スリムな体型と健康を一生キープ
私の運動らしい運動といえば、1~2週間に1度程度の趣味のテニス。
あとは、日頃からよく歩くように心掛けているくらい。
70代目前なのに超健康体を維持できているのは、17年前の52歳から実践している食べトレのおかげなのです。
私はメタボと糖尿病が発覚した52歳で糖質制限を始めましたが、そこから半年で体重10㎏減。
学生時代の体重に戻り、その後、体重はいまに至るまで17年間変わっていません。
コンピューター断層撮影装置(CT)で「126㎠」もあったお腹まわりの内臓脂肪の断面積は「71㎠」へと激減しました。
食べトレの主軸となる糖質制限は、ご飯やパン、麺類などの糖質を控えますが、
何かマニアックな食事のように思えるかもしれません。
でも、本書で詳しくお伝えしていますが、そもそも糖質制限食こそが、私たち人類本来の正解の食事なのです。
糖質は中毒性の高い不健康食
米や小麦などの穀物は、なんとなくヘルシーなイメージがあり、
お子さんがいる方は「ご飯をいっぱい食べなさい」なんてすすめているかもしれませんが、
実は人間にとって“異物”なのです。
毒とまでは言いませんが“中毒性”が高く、不健康な食べ物なのです。
私たち人類の歴史はおよそ700万年といわれますが、その長い歴史からすれば、
穀物などの糖質を摂るようになったのは、“ごく最近”。
穀物というでんぷん食品を日常的に食べるようになったのは、世界的には農耕が始まった1万年前からで、
日本では2500年前の弥生時代から。
たくさん糖質を摂るようになったのは第二次大戦後のことです。
人類の歴史でほとんど糖質を摂ってこなかった私たちの体は、
いまのように糖質をたくさん摂る食生活には対応できていません。
700万年かけて作り上げた体質は、そんな短期間で変化・適応させることはできないのです。
食べトレは、運動なしでも内臓脂肪がストンと落ちるので、
体型を改善できるのはもちろん、病気を防ぐいちばんの方法です。
「運動すれば痩せるのはわかっている」「けれど、それができない」「やりたくない」「続かない」
わかってます、わかってますとも! その頑固な体脂肪と内臓脂肪を運動なしでも落とせる方法をじっくり教えます。
2019年05月09日 (木)
こんばんは。
つい先ほど、仙台空港から伊丹空港、そして京都へと無事帰ってきました。
2019年5月8日(水)午前中高雄病院で病棟回診のあと、
昼から仙台に出張でした。
伊丹空港から仙台空港、約70分のフライトで、一泊二日の旅です。
第92回日本内分泌学会学術総会
2019年5月9日(木)
14:50~16:20のシンポジウム・・・ 90分間
セッション名
クリニカルアワー
「肥満と糖尿病の食事療法Update」
1 山田悟(北里大学北里研究所病院 糖尿病センター)
EBMを無視した糖質制限食否定は医の倫理に抵触する
2 篁俊成(金沢大学 大学院 医学系研究科 内分泌・代謝内科学分野)
摂取カロリー設定と3大栄養素バランスに関する論考
3 江部康二(高雄病院)
糖質制限の立場で
一人20~25分間、
討論が15~30分。
日本内分泌学会学術総会というメジャーな舞台で
「糖質制限食」を取り上げて頂ける時代になったのだなという感慨があります。
その意味で、座長をつとめて頂いた小野美明先生、佐藤文俊先生には
おおいに感謝したいと思います。m(_ _)mVV
また、合計90分間も時間を頂き、じっくり意見を述べ討論できたのも
素晴らしいことでした。
立ち見がでる盛況でした。
とてもタイムリーに米国糖尿病学会(ADA)が、2019年4月
「成人糖尿病患者または予備軍患者への栄養療法」コンセンサス・レポート
を発表しました。
その中で『糖質制限食』がエビデンスが最も豊富であるとして
一番積極的に推奨されていたのは、我々糖質セイゲニストにおいては
歴史的快挙と言え、快哉を叫びたい気持ちでした。ヽ(*`▽´)ノ
日本内分泌学会が、学術総会で糖質制限食を取り上げるという方針を決定されたのは
2018年で、米国糖尿病学会のコンセンサス・レポート発表前なので、
大英断と言える決定であり、嬉しい限りでした。 (^^)
糖質制限食の発展・広がりは、医学界でも社会でもビジネス界でも
いよいよ加速してきています。
今後はさらに、糖質制限食に有利なエビデンスが蓄積していくと思います。
江部康二
☆☆☆
第92回日本内分泌学会学術総会
発表プログラム
クリニカルアワー「肥満と糖尿病の食事療法Update」
演題名
糖質制限の立場で
演者
江部康二
演題名(英語)
From the standpoint of carbohydrate restriction
抄録本文
糖質制限食は、1999年から京都・高雄病院において糖尿病治療食として開始され、血糖コントロールを良好に保ち、合併症を予防できる唯一の食事療法として画期的な成果をあげてきた。米国糖尿病学会によれば摂取後直接、血糖に影響を与えるのは糖質のみで、蛋白質・脂質は影響なしである。食後高血糖と平均血糖変動幅増大が糖尿病合併症の最大のリスクであるが、従来の糖尿病食(カロリー制限・高糖質食)では、必ずそれらを生じる。従来の糖尿病食では、糖尿病合併症を予防することは理論的に困難であり、現実に毎年、糖尿病腎症から16000人以上の人工透析、糖尿病網膜症から3000人以上の失明、糖尿病足病変から3000人以上の下肢切断といった合併症が発生している。また正常人でも食後血糖値の上昇とインスリンの過剰分泌の積み重ねが、肥満など生活習慣病の元凶となる。インスリンは脂肪細胞内の中性脂肪分解を抑制し、血中の中性脂肪を分解し脂肪細胞内に蓄える。インスリンは筋肉細胞に血糖を取り込ませるが、余剰の血糖は脂肪細胞に取り込ませて中性脂肪として蓄える。肥満のメカニズムはインスリンによる脂肪蓄積である。糖質制限食実践により、「インスリン(肥満ホルモン)が基礎分泌以外ほとんど出ない」「食事中も含めて常に体脂肪が燃えている」「食事中も含めて常に肝臓で糖新生が行われ、それにかなりのエネルギーを消費する」「高タンパク食により、食事誘発熱産生(DIT)が亢進する」という4つの利点により体重が減少する。糖質制限食というと変わった食事と思いがちだがが、人類の歴史を考えるとこちらのほうが、人類本来の食事・人類の健康食と言える。米国糖尿病学会は、2013年10月、糖質制限食を地中海食などと共に正式に受容した。
つい先ほど、仙台空港から伊丹空港、そして京都へと無事帰ってきました。
2019年5月8日(水)午前中高雄病院で病棟回診のあと、
昼から仙台に出張でした。
伊丹空港から仙台空港、約70分のフライトで、一泊二日の旅です。
第92回日本内分泌学会学術総会
2019年5月9日(木)
14:50~16:20のシンポジウム・・・ 90分間
セッション名
クリニカルアワー
「肥満と糖尿病の食事療法Update」
1 山田悟(北里大学北里研究所病院 糖尿病センター)
EBMを無視した糖質制限食否定は医の倫理に抵触する
2 篁俊成(金沢大学 大学院 医学系研究科 内分泌・代謝内科学分野)
摂取カロリー設定と3大栄養素バランスに関する論考
3 江部康二(高雄病院)
糖質制限の立場で
一人20~25分間、
討論が15~30分。
日本内分泌学会学術総会というメジャーな舞台で
「糖質制限食」を取り上げて頂ける時代になったのだなという感慨があります。
その意味で、座長をつとめて頂いた小野美明先生、佐藤文俊先生には
おおいに感謝したいと思います。m(_ _)mVV
また、合計90分間も時間を頂き、じっくり意見を述べ討論できたのも
素晴らしいことでした。
立ち見がでる盛況でした。
とてもタイムリーに米国糖尿病学会(ADA)が、2019年4月
「成人糖尿病患者または予備軍患者への栄養療法」コンセンサス・レポート
を発表しました。
その中で『糖質制限食』がエビデンスが最も豊富であるとして
一番積極的に推奨されていたのは、我々糖質セイゲニストにおいては
歴史的快挙と言え、快哉を叫びたい気持ちでした。ヽ(*`▽´)ノ
日本内分泌学会が、学術総会で糖質制限食を取り上げるという方針を決定されたのは
2018年で、米国糖尿病学会のコンセンサス・レポート発表前なので、
大英断と言える決定であり、嬉しい限りでした。 (^^)
糖質制限食の発展・広がりは、医学界でも社会でもビジネス界でも
いよいよ加速してきています。
今後はさらに、糖質制限食に有利なエビデンスが蓄積していくと思います。
江部康二
☆☆☆
第92回日本内分泌学会学術総会
発表プログラム
クリニカルアワー「肥満と糖尿病の食事療法Update」
演題名
糖質制限の立場で
演者
江部康二
演題名(英語)
From the standpoint of carbohydrate restriction
抄録本文
糖質制限食は、1999年から京都・高雄病院において糖尿病治療食として開始され、血糖コントロールを良好に保ち、合併症を予防できる唯一の食事療法として画期的な成果をあげてきた。米国糖尿病学会によれば摂取後直接、血糖に影響を与えるのは糖質のみで、蛋白質・脂質は影響なしである。食後高血糖と平均血糖変動幅増大が糖尿病合併症の最大のリスクであるが、従来の糖尿病食(カロリー制限・高糖質食)では、必ずそれらを生じる。従来の糖尿病食では、糖尿病合併症を予防することは理論的に困難であり、現実に毎年、糖尿病腎症から16000人以上の人工透析、糖尿病網膜症から3000人以上の失明、糖尿病足病変から3000人以上の下肢切断といった合併症が発生している。また正常人でも食後血糖値の上昇とインスリンの過剰分泌の積み重ねが、肥満など生活習慣病の元凶となる。インスリンは脂肪細胞内の中性脂肪分解を抑制し、血中の中性脂肪を分解し脂肪細胞内に蓄える。インスリンは筋肉細胞に血糖を取り込ませるが、余剰の血糖は脂肪細胞に取り込ませて中性脂肪として蓄える。肥満のメカニズムはインスリンによる脂肪蓄積である。糖質制限食実践により、「インスリン(肥満ホルモン)が基礎分泌以外ほとんど出ない」「食事中も含めて常に体脂肪が燃えている」「食事中も含めて常に肝臓で糖新生が行われ、それにかなりのエネルギーを消費する」「高タンパク食により、食事誘発熱産生(DIT)が亢進する」という4つの利点により体重が減少する。糖質制限食というと変わった食事と思いがちだがが、人類の歴史を考えるとこちらのほうが、人類本来の食事・人類の健康食と言える。米国糖尿病学会は、2013年10月、糖質制限食を地中海食などと共に正式に受容した。
2019年05月08日 (水)
こんにちは。
2019年6月9日(日)に徳島市内で、
日本糖質制限医療推進協会主催、
新老人の会(四国連合、徳島支部)と徳島県糖質制限研究会の共催による、
一般の方向けの糖質制限食講演会を開催いたします。
『 糖質制限食講演会 in 徳島
~美味しく楽しく、炭水化物(糖質)を減らして健康に!』
第一部でご講演頂く板東浩先生は、
日本抗加齢医学会評議員で、
アンチエイジング、糖質制限、音楽療法、スポーツ医学等の幅広い領域で
活躍しておられますが、ピアノもご堪能です。
第二部では、私が糖質制限食の基礎理論と症例、最新の情報などを
わかりすくを目指してお話しします。
症例はCGMデータを中心に、グラフを交えてお話しします。
前夜祭では、『不肖江部康二のボーカルと板東浩先生のピアノ』で、
ミニライブを行いますので、乞うご期待です。
徳島、香川、四国方面の糖尿人、メタボ人、生活習慣病人の方々
是非、ご参加頂けば幸いです。
江部康二
以下、事務局からのお知らせです。
***********
ブログ読者の皆様、いつも弊会のイベントへ多数ご参加いただきまして、ありがとうございます。
6月9日(日)に徳島市内で、当会主催、新老人の会(四国連合、徳島支部)と徳島県糖質制限研究会の共催による、一般の方向けの講演会を開催いたします。
第1部では、徳島在住、日本抗加齢医学会評議員で、アンチエイジング、糖質制限、音楽療法、スポーツ医学等の幅広い領域で活躍しておられる医師の板東浩先生に「糖質制限で心身ともに健やかに」と題してご講演いただきます。
第2部では、理事長
江部康二医師が、糖尿病や生活習慣病の改善をはじめ、糖質制限食が多くの良い効果をもたらす理由や仕組み、基礎理論等について症例も交えて解説いたします。
また、前夜にはJR徳島駅近くで交流会を催します。講師、糖質制限を実践している方、興味のある方同士で楽しく交流してみませんか。
四国にお住まいの方をはじめ、たくさんのご参加を心よりお待ちしております。
◇弊会イベント情報URL: http://www.toushitsuseigen.or.jp/activity
///////////////////ご案内/////////////////////
(一社)日本糖質制限医療推進協会主催
「新老人の会」(四国連合、徳島支部)/徳島県糖質制限研究会共催
『 糖質制限食講演会 in 徳島
~美味しく楽しく、炭水化物(糖質)を減らして健康に!』
◆日時: 2019年6月9日(日)13:00~15:30 ※開場・受付は12:40~
◆会場: アスティとくしま 3階 第2特別会議室
〒770-8055 徳島市山城町東浜傍示1番地1(やましろちょうひがしはまぼうじ)
http://www.asty-tokushima.jp/koutsuu/
◆内容:
◇第1部:「糖質制限で心身ともに健やかに」
板東 浩 医師 日本抗加齢医学会評議員/徳島県糖質制限研究会代表
◇第2部:「糖尿病・生活習慣病を予防、改善する糖質制限食 ~人類本来の食事、人類の健康食」
江部 康二 医師
(財)高雄病院理事長/(一社)日本糖質制限医療推進協会理事長
*第1部は40分、第2部は70分、最後に両講師との質疑応答を予定しております。
◆受講費(一律料金): 2,000円
◇◆◇ 徳島交流会 ◇◆◇
◆日時: 2019年6月8日(土)19:00~
◆場所: 阿波踊り&ミュージック カフェバーコティ
〒770-0831徳島市寺島本町西1-61-4 阿波けんどビル7F(ポッポ街 徳島駅側)
http://www.coty-awadance-music.com/guide
◆参加費:4,000円(フード・ドリンク)
◆その他:板東医師(ピアノ)、江部医師(ボーカル)のミニライブも予定しております。
【以下、講演会・交流会共通】
■お支払い方法: クレジットカード/銀行振込 ※事前決済のみとなります。
■お申し込みの流れ:
1. 下記「お申し込み方法」の該当するものからお申し込みください。
2. 事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3. 入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4. 当日、直接会場までお越しいただき、受付にてお名前をお伝えください。
■お申し込み方法:
★賛助会員の方: 事務局へメールにてお申し込み下さい。
★賛助会員入会+講演会、交流会参加をご希望の方:
1. 入会案内および会員規約をお読み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/sign-up
2. お申し込みは下のフォームからお願いします。
「入会ならびに講演会等出席のお問い合わせ」を選択いただき、
「通信」欄に参加ご希望のイベント名(6/9徳島講演会、6/8交流会)を
ご記入下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/contact
★一般(賛助会員以外の方)で、講演会、交流会へ参加ご希望の方:
下のフォームからお申し込み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/seminar-gen
■その他
・予約制です。当日参加はできません。
・講演会のキャンセルは6月7日(金)までに事務局へご連絡願います。
それ以降のご返金は対応致しかねますので、予めご了承ください。
・交流会のキャンセルは6月4日(火)までに事務局へご連絡願います。
それ以降のご返金は対応致しかねますので、予めご了承ください。
2019年6月9日(日)に徳島市内で、
日本糖質制限医療推進協会主催、
新老人の会(四国連合、徳島支部)と徳島県糖質制限研究会の共催による、
一般の方向けの糖質制限食講演会を開催いたします。
『 糖質制限食講演会 in 徳島
~美味しく楽しく、炭水化物(糖質)を減らして健康に!』
第一部でご講演頂く板東浩先生は、
日本抗加齢医学会評議員で、
アンチエイジング、糖質制限、音楽療法、スポーツ医学等の幅広い領域で
活躍しておられますが、ピアノもご堪能です。
第二部では、私が糖質制限食の基礎理論と症例、最新の情報などを
わかりすくを目指してお話しします。
症例はCGMデータを中心に、グラフを交えてお話しします。
前夜祭では、『不肖江部康二のボーカルと板東浩先生のピアノ』で、
ミニライブを行いますので、乞うご期待です。
徳島、香川、四国方面の糖尿人、メタボ人、生活習慣病人の方々
是非、ご参加頂けば幸いです。
江部康二
以下、事務局からのお知らせです。
***********
ブログ読者の皆様、いつも弊会のイベントへ多数ご参加いただきまして、ありがとうございます。
6月9日(日)に徳島市内で、当会主催、新老人の会(四国連合、徳島支部)と徳島県糖質制限研究会の共催による、一般の方向けの講演会を開催いたします。
第1部では、徳島在住、日本抗加齢医学会評議員で、アンチエイジング、糖質制限、音楽療法、スポーツ医学等の幅広い領域で活躍しておられる医師の板東浩先生に「糖質制限で心身ともに健やかに」と題してご講演いただきます。
第2部では、理事長
江部康二医師が、糖尿病や生活習慣病の改善をはじめ、糖質制限食が多くの良い効果をもたらす理由や仕組み、基礎理論等について症例も交えて解説いたします。
また、前夜にはJR徳島駅近くで交流会を催します。講師、糖質制限を実践している方、興味のある方同士で楽しく交流してみませんか。
四国にお住まいの方をはじめ、たくさんのご参加を心よりお待ちしております。
◇弊会イベント情報URL: http://www.toushitsuseigen.or.jp/activity
///////////////////ご案内/////////////////////
(一社)日本糖質制限医療推進協会主催
「新老人の会」(四国連合、徳島支部)/徳島県糖質制限研究会共催
『 糖質制限食講演会 in 徳島
~美味しく楽しく、炭水化物(糖質)を減らして健康に!』
◆日時: 2019年6月9日(日)13:00~15:30 ※開場・受付は12:40~
◆会場: アスティとくしま 3階 第2特別会議室
〒770-8055 徳島市山城町東浜傍示1番地1(やましろちょうひがしはまぼうじ)
http://www.asty-tokushima.jp/koutsuu/
◆内容:
◇第1部:「糖質制限で心身ともに健やかに」
板東 浩 医師 日本抗加齢医学会評議員/徳島県糖質制限研究会代表
◇第2部:「糖尿病・生活習慣病を予防、改善する糖質制限食 ~人類本来の食事、人類の健康食」
江部 康二 医師
(財)高雄病院理事長/(一社)日本糖質制限医療推進協会理事長
*第1部は40分、第2部は70分、最後に両講師との質疑応答を予定しております。
◆受講費(一律料金): 2,000円
◇◆◇ 徳島交流会 ◇◆◇
◆日時: 2019年6月8日(土)19:00~
◆場所: 阿波踊り&ミュージック カフェバーコティ
〒770-0831徳島市寺島本町西1-61-4 阿波けんどビル7F(ポッポ街 徳島駅側)
http://www.coty-awadance-music.com/guide
◆参加費:4,000円(フード・ドリンク)
◆その他:板東医師(ピアノ)、江部医師(ボーカル)のミニライブも予定しております。
【以下、講演会・交流会共通】
■お支払い方法: クレジットカード/銀行振込 ※事前決済のみとなります。
■お申し込みの流れ:
1. 下記「お申し込み方法」の該当するものからお申し込みください。
2. 事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3. 入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4. 当日、直接会場までお越しいただき、受付にてお名前をお伝えください。
■お申し込み方法:
★賛助会員の方: 事務局へメールにてお申し込み下さい。
★賛助会員入会+講演会、交流会参加をご希望の方:
1. 入会案内および会員規約をお読み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/sign-up
2. お申し込みは下のフォームからお願いします。
「入会ならびに講演会等出席のお問い合わせ」を選択いただき、
「通信」欄に参加ご希望のイベント名(6/9徳島講演会、6/8交流会)を
ご記入下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/contact
★一般(賛助会員以外の方)で、講演会、交流会へ参加ご希望の方:
下のフォームからお申し込み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/seminar-gen
■その他
・予約制です。当日参加はできません。
・講演会のキャンセルは6月7日(金)までに事務局へご連絡願います。
それ以降のご返金は対応致しかねますので、予めご了承ください。
・交流会のキャンセルは6月4日(火)までに事務局へご連絡願います。
それ以降のご返金は対応致しかねますので、予めご了承ください。
2019年05月07日 (火)
【19/05/04 neiri
インスリンと脳について
江部先生
先生の御本と当ブログにご教示いただきながら糖質制限食に取り組み8年となりました。先日の血液検査ではHba1cが5.6でお蔭様で順調です。感謝の一語に尽きます。
本日伺いたいのは、すでに取り上げられていましたらお許しください。
近頃NHKでまた人体シリーズを放送していまして、
録画していたものをこの連休に一気に視聴しました。
その内、脳の回で、海馬の中の歯状回を活発化させ、
記憶力をアップする物質がインスリンだと、
インスリンだけが、脳の血管壁を突破できる物質で、
認知症治療薬もインスリンを基に開発中であるとのことでした。
以前より、先生はインスリンは脳に多く行かない方が良い、
多すぎるとアルツハイマーの原因になる、
糖質制限食は最低限のインスリンしか引き出さないので
膵臓にも負担がかからないのみならず、
脳に溢れることもないのでアルツハイマーの危険も
回避でき得るとおっしゃっていました。
この度のシリーズ人体で発表されていた見解を
どのように解釈すればよろしいのでしょうか。
一定量は必要ということでしょうか。
何がどうあろうと、糖質制限食を止めることは考えてはおりませんが、
どういうことなのだろうかと思い伺いました。
ご教示くださいますれば幸いに存じます。】
こんにちは。
neiri さんから、インスリンと脳について
コメント・質問を頂きました。
まずは、少しインスリンと脳について、知識整理をしておきましょう。
例えば肥満などで「筋肉のインスリン抵抗性」があると、
インスリン作用を確保するために、
膵臓のβ細胞が大量のインスリンを分泌して辻褄を合わせます。
そうすると分泌された大量のインスリンに対して
インスリン分解酵素が、目一杯働く必要があります。
実はインスリン分解酵素は、
アミロイドβ蛋白というアルツハーマー病の元凶を分解する役目も有しています。
従って、インスリンが大量に分泌されている人は、
インスリン分解酵素が不足気味となるので
結果としてアミロイドβ蛋白が蓄積しやすく、
アルツハイマー病を発症しやすくなります。
有名な久山町の研究で、白米を沢山食べる人ほど、
アルツハイマー病になりやすいことが分かっていますが、
白米摂取でインスリンが多量に分泌されたためと思われます。
さらに、ロッテルダム研究により、
糖尿病でインスリン注射をしている高齢者は、
糖尿病でない高齢者に比して、
4.3倍アルツハイマー病になりやすいと報告されています。
つまり、過剰のインスリンが身体(脳)に良くないことは間違いないです。
一方、適切な量のインスリンが分泌されなければ、人は生命を維持できません。
スーパー糖質制限食の場合は、
必要最低限の適切なインスリン分泌で健康を維持できます。
インスリンは膵臓のβ細胞で、製造・分泌されますが、
実は、脳の海馬でもインスリンが製造・分泌されていることが
近年の研究で明らかとなりました。(☆)
脳のインスリンは記憶力を高める作用があります。
膵臓で作られたインスリンも、脳の海馬で作用しますが、
インスリン抵抗性がなければ、少量のインスリンで十分なのです。
インスリンが脳内で適切に作用するには、情報伝達リレーが必要ですが、
糖尿病やアルツハイマー病の脳では、
このリレーが上手くいかなくて「脳のインスリン抵抗性」を生じやすいのです。
全身性の「筋肉のインスリン抵抗性」と脳局所の「脳のインスリン抵抗性」とは
異なるメカニズムで生じると考えられます。
(☆)アルツハイマー病は「脳の糖尿病」 2017年
講談社 鬼頭昭三、新郷明子 著
115ページ
江部康二
インスリンと脳について
江部先生
先生の御本と当ブログにご教示いただきながら糖質制限食に取り組み8年となりました。先日の血液検査ではHba1cが5.6でお蔭様で順調です。感謝の一語に尽きます。
本日伺いたいのは、すでに取り上げられていましたらお許しください。
近頃NHKでまた人体シリーズを放送していまして、
録画していたものをこの連休に一気に視聴しました。
その内、脳の回で、海馬の中の歯状回を活発化させ、
記憶力をアップする物質がインスリンだと、
インスリンだけが、脳の血管壁を突破できる物質で、
認知症治療薬もインスリンを基に開発中であるとのことでした。
以前より、先生はインスリンは脳に多く行かない方が良い、
多すぎるとアルツハイマーの原因になる、
糖質制限食は最低限のインスリンしか引き出さないので
膵臓にも負担がかからないのみならず、
脳に溢れることもないのでアルツハイマーの危険も
回避でき得るとおっしゃっていました。
この度のシリーズ人体で発表されていた見解を
どのように解釈すればよろしいのでしょうか。
一定量は必要ということでしょうか。
何がどうあろうと、糖質制限食を止めることは考えてはおりませんが、
どういうことなのだろうかと思い伺いました。
ご教示くださいますれば幸いに存じます。】
こんにちは。
neiri さんから、インスリンと脳について
コメント・質問を頂きました。
まずは、少しインスリンと脳について、知識整理をしておきましょう。
例えば肥満などで「筋肉のインスリン抵抗性」があると、
インスリン作用を確保するために、
膵臓のβ細胞が大量のインスリンを分泌して辻褄を合わせます。
そうすると分泌された大量のインスリンに対して
インスリン分解酵素が、目一杯働く必要があります。
実はインスリン分解酵素は、
アミロイドβ蛋白というアルツハーマー病の元凶を分解する役目も有しています。
従って、インスリンが大量に分泌されている人は、
インスリン分解酵素が不足気味となるので
結果としてアミロイドβ蛋白が蓄積しやすく、
アルツハイマー病を発症しやすくなります。
有名な久山町の研究で、白米を沢山食べる人ほど、
アルツハイマー病になりやすいことが分かっていますが、
白米摂取でインスリンが多量に分泌されたためと思われます。
さらに、ロッテルダム研究により、
糖尿病でインスリン注射をしている高齢者は、
糖尿病でない高齢者に比して、
4.3倍アルツハイマー病になりやすいと報告されています。
つまり、過剰のインスリンが身体(脳)に良くないことは間違いないです。
一方、適切な量のインスリンが分泌されなければ、人は生命を維持できません。
スーパー糖質制限食の場合は、
必要最低限の適切なインスリン分泌で健康を維持できます。
インスリンは膵臓のβ細胞で、製造・分泌されますが、
実は、脳の海馬でもインスリンが製造・分泌されていることが
近年の研究で明らかとなりました。(☆)
脳のインスリンは記憶力を高める作用があります。
膵臓で作られたインスリンも、脳の海馬で作用しますが、
インスリン抵抗性がなければ、少量のインスリンで十分なのです。
インスリンが脳内で適切に作用するには、情報伝達リレーが必要ですが、
糖尿病やアルツハイマー病の脳では、
このリレーが上手くいかなくて「脳のインスリン抵抗性」を生じやすいのです。
全身性の「筋肉のインスリン抵抗性」と脳局所の「脳のインスリン抵抗性」とは
異なるメカニズムで生じると考えられます。
(☆)アルツハイマー病は「脳の糖尿病」 2017年
講談社 鬼頭昭三、新郷明子 著
115ページ
江部康二
2019年05月06日 (月)
おはようございます。
今回の記事は、
2002年(52歳)糖尿病発覚以来
スーパー糖質制限食を17年間実践中の、
江部康二の2019年4月の検査データの報告と解説です。
2002年6月に糖尿病確定診断で、HbA1cは6.7%でした。
このとき、体重は67kg、身長は167cm。
内臓脂肪CTは126cm2 (100未満正常)。
血圧は140-150/90前後 → 外来終了時は180/100。
スーパー糖質制限食を実践して、1ヶ月後にはHbA1cは基準値内になり、
半年後には体重は10kg減少して57kgとなり、
血圧も120~130/80程度と、正常化しました。
そのまま2019年4月まで、血圧と体重は維持です。
HbA1cは2002年7月には、6.0%となり、
2002年8月以降は、ずっと5.6%~5.9%で、
2019年4月まで17年間経過しています。
内臓脂肪CTは、2004年10月には、71 cm2となっています。
<スーパー糖質制限食実践時の血液・尿検査データの推移>
①血糖値は糖質制限食実践時にリアルタイムに改善します。
②スーパー糖質制限食なら、HbA1cは月に1~2%改善します。
③中性脂肪も速やかに改善します。
④HDLコレステロールは増加しますが、増加の程度と速度に個人差があります。
⑤LDLコレステロールは低下・不変・上昇と個人差があります。
上昇した人も半年〜1年~2年、3年、数年くらいで落ち着くことが多いですが、
個人差があります。
⑥総コレステロールは、低下・不変・上昇と個人差があります。
上昇した人も半年〜1年~2年、3年、数年くらいで落ち着くことが多いですが、
個人差があります。
⑦尿酸も低下・不変・上昇と個人差があります。
上昇した場合は、ほとんどが摂取エネルギー不足が原因です。
⑧尿素窒素はやや増加傾向になる人が多いですが、そのうち落ちつくことが多いです。
⑨クレアチニンは不変です。
⑩血清シスタチンCも不変です。
⑪血清カリウムも不変です。
⑫血中ケトン体は基準値より高値となりますが、生理的なもので心配ありません。
⑬尿中ケトン体は当初3カ月〜半年は陽性になりますが、その後陰性になることが多いです。
⑭脂肪肝に付随するGPTやγGTP値も改善します。
⑮TSH、FT4、FT3も不変です。
上記に記載していない血液検査や尿検査については、
糖質制限食開始前後で差はありません。
以下は私の最新の検査データです。
<江部康二の2019年4月(69歳)の検査データ>
HbA1c:5.7%(4.6~6.2)
GA(グリコアルブミン):13.5%(11.6~16.0)
空腹時血糖値:94mg(60~109)
空腹時インスリン:2.1μU/ml(3~15)
TSH:0.65(0.34~3.88)
F-T4:1.3(0.8~1.8)
F-T3:2.7(2.1~4.0)
中性脂肪:64mg(50~149)
総コレステロール:258mg(150~219)
HDL-コレステロール:88mg(40~85)
LDL-コレステロール:147mg(140mg未満)
尿酸:3.6mg(3.4~7.0)
BUN:18.7mg(8~20)
クレアチニン:0.62mg(0.6~1.1)→ eGFR:97.1ml/min./1.73m2
血清シスタチンC:0.62mg(0.61~1.00)→eGFR:120.4ml/min./1.73m2
GOT:17(9~38)
GTP:16(5~39)
γGTP:38(84以下)
総タンパク:6.8g(6.5~8.3)
アルブミン:4.5g(3.8~5.3)
血色素量:15.1(13~17)
白血球数:5600(3900~9800)
赤血球数:472(400~560)
βヒドロキシ酪酸:531μM/L(76以下) 糖質制限食中は生理的で正常値
尿中アセトン体:陰性
尿アルブミン定量精密・クレアチニン補正値:10.9(30以下)
69歳現在
歯は全部残っていて虫歯はありません。
聴力低下もありません。
目は裸眼で広辞苑が読めます。
夜間の尿もゼロです。
身長も縮んでいません。
糖尿病合併症なしで定期的内服薬はゼロです。
HbA1cは正常範囲内で、5.7%で前回(2018年12月)と一緒です。
空腹時血糖値が、糖尿病発症後、スーパー糖質制限食でも、
正常範囲内でやや高め(正常高値:100~109mg/dl)でしたが、
まあ、糖尿病歴、17年ですから仕方ありませんね。
とは言いながら、最近は、早朝空腹時血糖値が、
80mg台や90mg台もあるようになりました。
今回は94mg/dlと正常値でした。
GAは正常範囲内で、上限には大分余裕があります。
これは、スーパー糖質制限食により食後高血糖がほとんどないためと思われます。
即ち「糖化」は正常人並みあるいはそれ以上に予防できていると考えられます。
甲状腺機能は、17年間常に、正常です。
総コレステロール値は、心血管疾患との関連性は無く、
脂質異常症の2007年以降のガイドラインから外れているので特に問題はありません。
HDL-コレステロールはやや多めで、LDL-コレステロールは基準値内です。
中性脂肪値が低く(80以下)、HDL-Cが多い(60以上)ので、
小粒子LDL-Cはほとんどない良好なパターンです。
中性脂肪値64mg/dlなら、論文的には小粒子LDL-Cはごく少ないです。
スーパー糖質制限食なので、高タンパク・高脂質食なのですが、
尿酸は基準値よりやや低いですね。
尿酸は抗酸化物質でもあるのですが、
スーパー糖質制限食実践で、私の身体には酸化ストレスが極めて少ないので
尿酸も少ないのだと思われます。
尿酸も食べ物由来は2割程度であとは個人の体質ですのでこんなものでしょう。
高タンパク食ですが、BUNもクレアチニンもシスタチンCも正常です。
焼酎などよく飲む割には肝機能も全く正常です。 (^_^)
インスリンは、基礎分泌が2.1μU/mlと基準値より低いですが、
空腹時血糖値が94mg/dlなので問題ないです。
むしろ少ないインスリン分泌量で、
血糖値は正常なので好ましいパターンと言えます。
狩猟・採集時代のご先祖のインスリン分泌も、こんなものだった可能性が高いです。
血糖値がコントロールできている限り、インスリン分泌は少なければ少ないほど
身体には優しいのです。
過剰のインスリンは百害あって一利なしです。
血中βヒドロキシ酪酸:660μM/L(76以下)と、
一般的基準値に比べればかなり高値ですが、
尿中のアセトン体(ケトン体の一種)は陰性です。
これは、スーパー糖質制限食実践で、心筋・骨格筋などの体細胞が、
日常的に効率良くケトン体をエネルギー源として利用するようになったため、
尿中に排泄されないのだと考えられます。
即ち、私の血中ケトン体値は、あくまで生理的範囲のもので、
インスリン作用は一定確保されていて、血糖値も94mgと正常です。
見方を変えれば、農耕以前の人類皆糖質制限食だった頃は、
私のような血中ケトン体値のデータが当たり前で、
人類の標準だったと考えられます。
スーパー糖質制限食実践中の人の血中βヒドロキシ酪酸の標準値は、
200~800~1200μM/Lくらいと考えられますが、
3ヶ月くらい経過すると、上述のように尿中ケトン体は陰性になります。
ケトン食レベルの人達の、血中βヒドロキシ酪酸は、
3000~5000μM/Lレベルですが、尿中ケトン体は、常に陽性です。
なお、糖質制限食開始直後は、血中ケトン体の上昇に伴い、
尿中のケトン体も陽性となります。
徐々にケトン体の利用効率が良くなるに従い、
尿中ケトン体は減っていき、やがて陰性となります。
江部康二
今回の記事は、
2002年(52歳)糖尿病発覚以来
スーパー糖質制限食を17年間実践中の、
江部康二の2019年4月の検査データの報告と解説です。
2002年6月に糖尿病確定診断で、HbA1cは6.7%でした。
このとき、体重は67kg、身長は167cm。
内臓脂肪CTは126cm2 (100未満正常)。
血圧は140-150/90前後 → 外来終了時は180/100。
スーパー糖質制限食を実践して、1ヶ月後にはHbA1cは基準値内になり、
半年後には体重は10kg減少して57kgとなり、
血圧も120~130/80程度と、正常化しました。
そのまま2019年4月まで、血圧と体重は維持です。
HbA1cは2002年7月には、6.0%となり、
2002年8月以降は、ずっと5.6%~5.9%で、
2019年4月まで17年間経過しています。
内臓脂肪CTは、2004年10月には、71 cm2となっています。
<スーパー糖質制限食実践時の血液・尿検査データの推移>
①血糖値は糖質制限食実践時にリアルタイムに改善します。
②スーパー糖質制限食なら、HbA1cは月に1~2%改善します。
③中性脂肪も速やかに改善します。
④HDLコレステロールは増加しますが、増加の程度と速度に個人差があります。
⑤LDLコレステロールは低下・不変・上昇と個人差があります。
上昇した人も半年〜1年~2年、3年、数年くらいで落ち着くことが多いですが、
個人差があります。
⑥総コレステロールは、低下・不変・上昇と個人差があります。
上昇した人も半年〜1年~2年、3年、数年くらいで落ち着くことが多いですが、
個人差があります。
⑦尿酸も低下・不変・上昇と個人差があります。
上昇した場合は、ほとんどが摂取エネルギー不足が原因です。
⑧尿素窒素はやや増加傾向になる人が多いですが、そのうち落ちつくことが多いです。
⑨クレアチニンは不変です。
⑩血清シスタチンCも不変です。
⑪血清カリウムも不変です。
⑫血中ケトン体は基準値より高値となりますが、生理的なもので心配ありません。
⑬尿中ケトン体は当初3カ月〜半年は陽性になりますが、その後陰性になることが多いです。
⑭脂肪肝に付随するGPTやγGTP値も改善します。
⑮TSH、FT4、FT3も不変です。
上記に記載していない血液検査や尿検査については、
糖質制限食開始前後で差はありません。
以下は私の最新の検査データです。
<江部康二の2019年4月(69歳)の検査データ>
HbA1c:5.7%(4.6~6.2)
GA(グリコアルブミン):13.5%(11.6~16.0)
空腹時血糖値:94mg(60~109)
空腹時インスリン:2.1μU/ml(3~15)
TSH:0.65(0.34~3.88)
F-T4:1.3(0.8~1.8)
F-T3:2.7(2.1~4.0)
中性脂肪:64mg(50~149)
総コレステロール:258mg(150~219)
HDL-コレステロール:88mg(40~85)
LDL-コレステロール:147mg(140mg未満)
尿酸:3.6mg(3.4~7.0)
BUN:18.7mg(8~20)
クレアチニン:0.62mg(0.6~1.1)→ eGFR:97.1ml/min./1.73m2
血清シスタチンC:0.62mg(0.61~1.00)→eGFR:120.4ml/min./1.73m2
GOT:17(9~38)
GTP:16(5~39)
γGTP:38(84以下)
総タンパク:6.8g(6.5~8.3)
アルブミン:4.5g(3.8~5.3)
血色素量:15.1(13~17)
白血球数:5600(3900~9800)
赤血球数:472(400~560)
βヒドロキシ酪酸:531μM/L(76以下) 糖質制限食中は生理的で正常値
尿中アセトン体:陰性
尿アルブミン定量精密・クレアチニン補正値:10.9(30以下)
69歳現在
歯は全部残っていて虫歯はありません。
聴力低下もありません。
目は裸眼で広辞苑が読めます。
夜間の尿もゼロです。
身長も縮んでいません。
糖尿病合併症なしで定期的内服薬はゼロです。
HbA1cは正常範囲内で、5.7%で前回(2018年12月)と一緒です。
空腹時血糖値が、糖尿病発症後、スーパー糖質制限食でも、
正常範囲内でやや高め(正常高値:100~109mg/dl)でしたが、
まあ、糖尿病歴、17年ですから仕方ありませんね。
とは言いながら、最近は、早朝空腹時血糖値が、
80mg台や90mg台もあるようになりました。
今回は94mg/dlと正常値でした。
GAは正常範囲内で、上限には大分余裕があります。
これは、スーパー糖質制限食により食後高血糖がほとんどないためと思われます。
即ち「糖化」は正常人並みあるいはそれ以上に予防できていると考えられます。
甲状腺機能は、17年間常に、正常です。
総コレステロール値は、心血管疾患との関連性は無く、
脂質異常症の2007年以降のガイドラインから外れているので特に問題はありません。
HDL-コレステロールはやや多めで、LDL-コレステロールは基準値内です。
中性脂肪値が低く(80以下)、HDL-Cが多い(60以上)ので、
小粒子LDL-Cはほとんどない良好なパターンです。
中性脂肪値64mg/dlなら、論文的には小粒子LDL-Cはごく少ないです。
スーパー糖質制限食なので、高タンパク・高脂質食なのですが、
尿酸は基準値よりやや低いですね。
尿酸は抗酸化物質でもあるのですが、
スーパー糖質制限食実践で、私の身体には酸化ストレスが極めて少ないので
尿酸も少ないのだと思われます。
尿酸も食べ物由来は2割程度であとは個人の体質ですのでこんなものでしょう。
高タンパク食ですが、BUNもクレアチニンもシスタチンCも正常です。
焼酎などよく飲む割には肝機能も全く正常です。 (^_^)
インスリンは、基礎分泌が2.1μU/mlと基準値より低いですが、
空腹時血糖値が94mg/dlなので問題ないです。
むしろ少ないインスリン分泌量で、
血糖値は正常なので好ましいパターンと言えます。
狩猟・採集時代のご先祖のインスリン分泌も、こんなものだった可能性が高いです。
血糖値がコントロールできている限り、インスリン分泌は少なければ少ないほど
身体には優しいのです。
過剰のインスリンは百害あって一利なしです。
血中βヒドロキシ酪酸:660μM/L(76以下)と、
一般的基準値に比べればかなり高値ですが、
尿中のアセトン体(ケトン体の一種)は陰性です。
これは、スーパー糖質制限食実践で、心筋・骨格筋などの体細胞が、
日常的に効率良くケトン体をエネルギー源として利用するようになったため、
尿中に排泄されないのだと考えられます。
即ち、私の血中ケトン体値は、あくまで生理的範囲のもので、
インスリン作用は一定確保されていて、血糖値も94mgと正常です。
見方を変えれば、農耕以前の人類皆糖質制限食だった頃は、
私のような血中ケトン体値のデータが当たり前で、
人類の標準だったと考えられます。
スーパー糖質制限食実践中の人の血中βヒドロキシ酪酸の標準値は、
200~800~1200μM/Lくらいと考えられますが、
3ヶ月くらい経過すると、上述のように尿中ケトン体は陰性になります。
ケトン食レベルの人達の、血中βヒドロキシ酪酸は、
3000~5000μM/Lレベルですが、尿中ケトン体は、常に陽性です。
なお、糖質制限食開始直後は、血中ケトン体の上昇に伴い、
尿中のケトン体も陽性となります。
徐々にケトン体の利用効率が良くなるに従い、
尿中ケトン体は減っていき、やがて陰性となります。
江部康二
2019年05月04日 (土)
老後の備え、ドクター江部の糖質制限
https://www.asahiculture.jp/course/nagoya/e2edeb70-46b1-30df-4f5e-5c3324b09fd4
2019/6/16(日)13:30~15:00
講義70分間、質疑応答20分間。
朝日カルチャーセンター 朝日JTB・交流文化塾
名古屋教室
お申し込み TEL:052-249-5553
おはようございます。
朝日カルチャーセンター名古屋教室にて
糖質制限食講座開催です。
最新の内容も含めて、わかりやすくて楽しいお話しを目指します。
講師は江部康二です。
この数年間、糖質制限食の発展という意味ではとても大きな変化がありました。
年間30回くらい講演をしていますが、
結構、新しい話題も多いので、スライドも毎回更新しています。
今回もわかりやすくお話しますので、乞うご期待です。
講演が70分間で質疑応答が20分間です。
名古屋・東海・中部方面の方々のご参加をお待ちしております。
老化予防・糖尿病・メタボ・生活習慣病などのお話をします。
糖化と老化とAGEsのお話もします。
果物の果糖はAGEsを生じやすく危険ということにも言及します。
お陰様で、糖質制限食は順調に普及してきています。
2005年に私が「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」(東洋経済新報社)
を日本初の糖質制限食の本として刊行したころとは、大きな違いがあります。
なんと言っても、2013年10月に米国糖尿病学会が5年ぶりに改訂した
「栄養療法に関する声明」のなかで、
地中海食やベジタリアン食などどともに「糖質制限食」を正式に容認したことが、
大きな追い風となりました。
さらに、米国糖尿病学会は、2019年4月、
「成人糖尿病患者または予備軍患者への栄養療法」
コンセンサス・レポートを発表しました。
その中で、エビデンスが最も豊富であるとして、
糖質制限食が一番積極的に推奨されています。
大きな進歩であり、嬉しいサプライズでした。
2016年7月のNHKクローズアップ現代の試算によれば、
糖質制限市場は、3184億円とのことです。
医学界より、企業のほうが糖質制限食をビジネスチャンスと捉えて
行動が迅速なようです。
くら寿司やガストなども糖質制限メニューを投入で、なかなかのものです。
一方、医学界においても、嬉しいサプライズです。
2017年2月7日(火)午後から、生まれて初めて東京大学医学部に行ってきました。
教授室で、渡邊昌先生、門脇孝先生、江部康二の3人で鼎談を行いました。
二人で話し合うのが対談で、三人で話し合うのが鼎談です。
渡邊昌先生は、医学雑誌「医と食」の編集長です。
門脇孝先生は、
一般社団法人 日本糖尿病学会 理事長(当時)
であり、
東京大学大学院医学系研究科糖尿病・代謝内科教授(当時)
です。
日本糖尿病学会のトップとじっくり話し合うことができて、
とても有意義な90分間でした。
2017年8月には、
「炭水化物の摂取増加で死亡リスク上昇」
という結論のランセット(Lancet)論文が発表され、
糖質制限食にとって大きな追い風となりました。
Lancet誌オンライン版2017年8月29日号掲載
https://doi.org/10.1016/S0140-6736(17)32252-3
糖質制限食の発展、まさに、今昔の感ありですね。
江部康二
☆☆☆
以下は朝日カルチャーセンター名古屋教室のサイトから一部抜粋です。
老後の備え、ドクター江部の糖質制限
講師:江部 康二(高雄病院理事長)
糖質制限食はいまや広く普及し、米国糖尿病学会は「成人糖尿病患者の食事療法に関する声明」を改訂するなど、
世界的なスタンダードに。第一人者が長い人生を楽しむ視点から糖質制限を解説。
<日程・時間>
2019/6/16(日) 13:30~15:00
<受講料(税込)>
会員 3,078円 一般 3,618円
<設備費(税込)>162円
<お申し込み>
TEL:052-249-5553 朝日カルチャーセンター名古屋教室
講師紹介 江部 康二 (エベ コウジ)
<プロフィール>
・1950年生まれ。
・1974年京都大学医学部卒業。
・1974年から京都大学胸部疾患研究所第一内科(現在京大呼吸器内科)
にて呼吸器科を学ぶ。
・1978年から高雄病院に医局長として勤務。1996年副院長就任。
・1999年高雄病院に糖質制限食導入。
・2000年理事長就任。
・2001年から糖質制限食に本格的に取り組む。
・ 2002年に自ら糖尿病であると気づいて以来、さらに糖尿病治療の研究に力を 注ぎ、「糖質制限食」の体系を確立。これにより自身の糖尿病を克服。
内科医/漢方医/一般財団法人高雄病院理事長/一般社団法人日本糖質制限医療推進協会理事長。
<著書>
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』2005年(東洋経済新報社)
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編』2008年(東洋経済新報社)
『我ら糖尿人、元気なのにはわけがある』2009年(東洋経済新報社・作家宮本輝氏との対談本)
『糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食』2010年(ナツメ社)
『主食をやめると健康になる』2011年(ダイヤモンド社)
『食品別糖質量ハンドブック』2012年(洋泉社)監修
『糖質オフ!健康法』2012年(PHP文庫)
『糖尿病治療のための!糖質制限食パーフェクトガイド』2013年(東洋経済新報社)
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!新版』2014年(東洋経済新報社)
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!2 実践編 新版』2014年(東洋経済新報社)
『炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません』2014年(東洋経済新報社)
『なぜ糖質制限をすると糖尿病が良くなるのか』2015年(ナツメ社)
『糖質制限の教科書』2015年(洋泉社)監修
『よくわかる! すぐできる! 「 糖質オフ! 」健康法 』2016年(PHP研究所)
『人類最強の「糖質制限」論~ケトン体を味方に して痩せる、健康になる』2016年(SB新書)
『江部康二の糖質制限革命』2017年(東洋経済新報社)
『男・50代からの糖質制限』2018年(東洋経済新報社)
『内臓脂肪がストンと落ちる食事術』2019年(ダイヤモンド社)
など多数。
ブログ『ドクター江部の糖尿病徒然日記( http://koujiebe.blog95.fc2.com/ )は日に数千件のアクセスがあり、糖尿病のかたやそのご家族から寄せられた質問への回答や、糖尿病・糖質制限食に関する 情報の発信に、日々尽力している。
2019年05月02日 (木)
内臓脂肪がストンと落ちる食事術
江部康二著
ダイヤモンド社 (2019/5/9)単行本(ソフトカバー)
アマゾン予約受付中
https://www.amazon.co.jp/dp/4478106487/

おはようございます。
内臓脂肪がストンと落ちる食事術 江部康二著
刊行です。
私は34歳から<玄米魚菜食+鶏肉>を実践し、
テニスも週2回くらいして、健康的な生活習慣のはずでしたが、
2002年、52歳のとき、糖尿病を発症して、
メタボの診断基準も堂々満たしてしまいました。
内臓脂肪CTは、126cm2あり、基準値の100cm2を軽くオーバーしていました。
身長167cm、体重67kgありました。
もともと父も母も糖尿病で、家族歴は完璧なので、
私もそこそこ警戒はしていたのですが、
2002年の病院の健康診断(52歳時)で遂にHbA1Cが6.7%、食後1時間血糖値250mg/dlで、
糖尿病を発症していて、愕然としました。
即、スーパー糖質制限食を実践して、6か月後には57kgと、
学生時代の体重に戻りました。
HbA1cは3週間後には正常化して、血糖値も即正常化しました。
この時点で内臓脂肪も正常化したと考えられます。
内臓脂肪CTは、2004年に検査して71cm2でしたが、
体重は57kgをずっと維持しているので、
スーパー糖質制限食実践半年後の内臓脂肪も71cm2くらいと思われます。
読者の皆さんも、
内臓脂肪を減らしたいときは、
スーパー糖質制限食を実践して「食べトレ」するのが
一番効果的です。
是非、試して頂ければ幸いです。
江部康二
以下は
内臓脂肪がストンと落ちる食事術
の序章です。
序 章
筋トレしなくても「食べトレ」すればいいんです
私は医師の江部康二と申します。1950年生まれの69歳です。身長167㎝・体重57㎏は、20代の頃とほぼ同じです。
◎身長は年をとっても縮んでいません
◎歯は全部残っていて虫歯も歯周病もありません
◎視力もよく『広辞苑』の小さな文字も裸眼で読めます
◎聴力の低下もありません
◎毎日7時間睡眠で夜中に尿意で目覚めることもありません
◎定期的に飲んでいる薬もなければサプリメントとも無縁です
◎コレステロール値も中性脂肪値も基準値内です
◎いまも朝勃ち(夜間陰茎勃起現象)します
朝勃ちなんていうと下品に思われるかもしれませんが、
動脈硬化や内臓疾患、うつ病などのバロメーターにもなりますから、バカにしてはいけません。
母校・京都大学医学部の同窓会に出席すると、同級生の医師たちの多くは何かしら持病を抱えていて、
定期的に薬やサプリメントを飲んでいます。
同級生からは「なんで江部だけ、そんなに元気なんだ?」と驚かれますが、
その秘密は『内臓脂肪がストンと落ちる食事術』で詳しく紹介している糖質制限と
1日2食の半日断食からなる「食べトレ」にあります。
スリムな体型と健康を一生キープ
私の運動らしい運動といえば、1~2週間に1度程度の趣味のテニス。
あとは、日頃からよく歩くように心掛けているくらい。
70代目前なのに超健康体を維持できているのは、17年前の52歳から実践している食べトレのおかげなのです。
私はメタボと糖尿病が発覚した52歳で糖質制限を始めましたが、そこから半年で体重10㎏減。
学生時代の体重に戻り、その後、体重はいまに至るまで17年間変わっていません。
コンピューター断層撮影装置(CT)で「126㎠」もあったお腹まわりの内臓脂肪の断面積は「71㎠」へと激減しました。
食べトレの主軸となる糖質制限は、ご飯やパン、麺類などの糖質を控えますが、
何かマニアックな食事のように思えるかもしれません。
でも、本書で詳しくお伝えしていますが、そもそも糖質制限食こそが、私たち人類本来の正解の食事なのです。
糖質は中毒性の高い不健康食
米や小麦などの穀物は、なんとなくヘルシーなイメージがあり、
お子さんがいる方は「ご飯をいっぱい食べなさい」なんてすすめているかもしれませんが、
実は人間にとって“異物”なのです。
毒とまでは言いませんが“中毒性”が高く、不健康な食べ物なのです。
私たち人類の歴史はおよそ700万年といわれますが、その長い歴史からすれば、
穀物などの糖質を摂るようになったのは、“ごく最近”。
穀物というでんぷん食品を日常的に食べるようになったのは、世界的には農耕が始まった1万年前からで、
日本では2500年前の弥生時代から。
たくさん糖質を摂るようになったのは第二次大戦後のことです。
人類の歴史でほとんど糖質を摂ってこなかった私たちの体は、
いまのように糖質をたくさん摂る食生活には対応できていません。
700万年かけて作り上げた体質は、そんな短期間で変化・適応させることはできないのです。
食べトレは、運動なしでも内臓脂肪がストンと落ちるので、
体型を改善できるのはもちろん、病気を防ぐいちばんの方法です。
「運動すれば痩せるのはわかっている」「けれど、それができない」「やりたくない」「続かない」
わかってます、わかってますとも! その頑固な体脂肪と内臓脂肪を運動なしでも落とせる方法をじっくり教えます。
江部康二著
ダイヤモンド社 (2019/5/9)単行本(ソフトカバー)
アマゾン予約受付中
https://www.amazon.co.jp/dp/4478106487/

おはようございます。
内臓脂肪がストンと落ちる食事術 江部康二著
刊行です。
私は34歳から<玄米魚菜食+鶏肉>を実践し、
テニスも週2回くらいして、健康的な生活習慣のはずでしたが、
2002年、52歳のとき、糖尿病を発症して、
メタボの診断基準も堂々満たしてしまいました。
内臓脂肪CTは、126cm2あり、基準値の100cm2を軽くオーバーしていました。
身長167cm、体重67kgありました。
もともと父も母も糖尿病で、家族歴は完璧なので、
私もそこそこ警戒はしていたのですが、
2002年の病院の健康診断(52歳時)で遂にHbA1Cが6.7%、食後1時間血糖値250mg/dlで、
糖尿病を発症していて、愕然としました。
即、スーパー糖質制限食を実践して、6か月後には57kgと、
学生時代の体重に戻りました。
HbA1cは3週間後には正常化して、血糖値も即正常化しました。
この時点で内臓脂肪も正常化したと考えられます。
内臓脂肪CTは、2004年に検査して71cm2でしたが、
体重は57kgをずっと維持しているので、
スーパー糖質制限食実践半年後の内臓脂肪も71cm2くらいと思われます。
読者の皆さんも、
内臓脂肪を減らしたいときは、
スーパー糖質制限食を実践して「食べトレ」するのが
一番効果的です。
是非、試して頂ければ幸いです。
江部康二
以下は
内臓脂肪がストンと落ちる食事術
の序章です。
序 章
筋トレしなくても「食べトレ」すればいいんです
私は医師の江部康二と申します。1950年生まれの69歳です。身長167㎝・体重57㎏は、20代の頃とほぼ同じです。
◎身長は年をとっても縮んでいません
◎歯は全部残っていて虫歯も歯周病もありません
◎視力もよく『広辞苑』の小さな文字も裸眼で読めます
◎聴力の低下もありません
◎毎日7時間睡眠で夜中に尿意で目覚めることもありません
◎定期的に飲んでいる薬もなければサプリメントとも無縁です
◎コレステロール値も中性脂肪値も基準値内です
◎いまも朝勃ち(夜間陰茎勃起現象)します
朝勃ちなんていうと下品に思われるかもしれませんが、
動脈硬化や内臓疾患、うつ病などのバロメーターにもなりますから、バカにしてはいけません。
母校・京都大学医学部の同窓会に出席すると、同級生の医師たちの多くは何かしら持病を抱えていて、
定期的に薬やサプリメントを飲んでいます。
同級生からは「なんで江部だけ、そんなに元気なんだ?」と驚かれますが、
その秘密は『内臓脂肪がストンと落ちる食事術』で詳しく紹介している糖質制限と
1日2食の半日断食からなる「食べトレ」にあります。
スリムな体型と健康を一生キープ
私の運動らしい運動といえば、1~2週間に1度程度の趣味のテニス。
あとは、日頃からよく歩くように心掛けているくらい。
70代目前なのに超健康体を維持できているのは、17年前の52歳から実践している食べトレのおかげなのです。
私はメタボと糖尿病が発覚した52歳で糖質制限を始めましたが、そこから半年で体重10㎏減。
学生時代の体重に戻り、その後、体重はいまに至るまで17年間変わっていません。
コンピューター断層撮影装置(CT)で「126㎠」もあったお腹まわりの内臓脂肪の断面積は「71㎠」へと激減しました。
食べトレの主軸となる糖質制限は、ご飯やパン、麺類などの糖質を控えますが、
何かマニアックな食事のように思えるかもしれません。
でも、本書で詳しくお伝えしていますが、そもそも糖質制限食こそが、私たち人類本来の正解の食事なのです。
糖質は中毒性の高い不健康食
米や小麦などの穀物は、なんとなくヘルシーなイメージがあり、
お子さんがいる方は「ご飯をいっぱい食べなさい」なんてすすめているかもしれませんが、
実は人間にとって“異物”なのです。
毒とまでは言いませんが“中毒性”が高く、不健康な食べ物なのです。
私たち人類の歴史はおよそ700万年といわれますが、その長い歴史からすれば、
穀物などの糖質を摂るようになったのは、“ごく最近”。
穀物というでんぷん食品を日常的に食べるようになったのは、世界的には農耕が始まった1万年前からで、
日本では2500年前の弥生時代から。
たくさん糖質を摂るようになったのは第二次大戦後のことです。
人類の歴史でほとんど糖質を摂ってこなかった私たちの体は、
いまのように糖質をたくさん摂る食生活には対応できていません。
700万年かけて作り上げた体質は、そんな短期間で変化・適応させることはできないのです。
食べトレは、運動なしでも内臓脂肪がストンと落ちるので、
体型を改善できるのはもちろん、病気を防ぐいちばんの方法です。
「運動すれば痩せるのはわかっている」「けれど、それができない」「やりたくない」「続かない」
わかってます、わかってますとも! その頑固な体脂肪と内臓脂肪を運動なしでも落とせる方法をじっくり教えます。
2019年05月01日 (水)
おはようございます。
日本糖質制限医療推進協会提携医療機関の新川新道整形外科病院
http://shinkawashindo.promea2014.com/toushitsu/index.html
副院長 麻酔科 清水 泰行 先生が
このたび、新著を刊行されました。
「糖質過剰」症候群 あらゆる病気に共通する原因
(光文社新書) 2019/5/21
清水 泰行 (著)
https://www.amazon.co.jp/dp/433404414X/
ただいま、予約受付中です。
清水先生は
ペインクリニック、漢方の診療、そして糖質制限の推進に努めておられます。
ご自身が、糖質制限を実践して18㎏減量に成功され、
フルマラソンとウルトラマラソンを何度も完走しておられます。
糖尿病のための糖質制限だけでなく、
生活習慣病、健康のため、スポーツのための
糖質制限食のアドバイスもしておられます。
本書を読みましたが、私が言いたいことが、ほぼ網羅してあり、
おおいに共感を覚えました。
七千を超える論文を参照しつつ、「糖質過剰症候群」という新しい概念を提唱しておられます。
私と夏井先生が、大推薦です。
私も近年は、講演会で、<生活習慣病=糖質病>と説明しています。
興味ある方は、是非、ご一読頂けば幸いです。
江部康二
☆☆☆
以下は出版社の商品の説明から一部抜粋しました。
内容紹介
◎糖質制限の第一人者・江部康二先生(京都高雄病院)
◎『炭水化物が人類を滅ぼす』の夏井睦先生
大推薦! !
全身は着々と蝕まれている――
あなたを悩ませる病や不調の真の原因はここにある!
◎内容◎
肥満や糖尿病は、糖質が原因と認知されつつあるが、
その他の多くの疾患も、元をたどれば一つの原因につながる――糖質の過剰摂取である。
医療の現場ではまだ少数派の考え方だが、研究成果は世界中で報告され始めている。
著者は七千を超える論文を参照しつつ、「糖質過剰症候群」という新しい概念を提唱。
裏付けのある形で様々な疾患(糖尿病、狭心症、心筋梗塞、脳卒中、がん、脂質異常症、
アルツハイマー病、うつ病、骨粗しょう症、片頭痛、非アルコール性脂肪肝、緑内障、
白内障、加齢黄斑変性などの眼科疾患、変形性関節症、五十肩、脊柱管狭窄症、サルコペニア、
甲状腺機能低下症、不妊症、子宮内膜症、乾癬、ニキビ、脱毛症、逆流性食道炎、難聴、
パーキンソン病、前立腺肥大、頻尿……等々)と糖質過剰摂取との関係を説く。
日本糖質制限医療推進協会提携医療機関の新川新道整形外科病院
http://shinkawashindo.promea2014.com/toushitsu/index.html
副院長 麻酔科 清水 泰行 先生が
このたび、新著を刊行されました。
「糖質過剰」症候群 あらゆる病気に共通する原因
(光文社新書) 2019/5/21
清水 泰行 (著)
https://www.amazon.co.jp/dp/433404414X/
ただいま、予約受付中です。
清水先生は
ペインクリニック、漢方の診療、そして糖質制限の推進に努めておられます。
ご自身が、糖質制限を実践して18㎏減量に成功され、
フルマラソンとウルトラマラソンを何度も完走しておられます。
糖尿病のための糖質制限だけでなく、
生活習慣病、健康のため、スポーツのための
糖質制限食のアドバイスもしておられます。
本書を読みましたが、私が言いたいことが、ほぼ網羅してあり、
おおいに共感を覚えました。
七千を超える論文を参照しつつ、「糖質過剰症候群」という新しい概念を提唱しておられます。
私と夏井先生が、大推薦です。
私も近年は、講演会で、<生活習慣病=糖質病>と説明しています。
興味ある方は、是非、ご一読頂けば幸いです。
江部康二
☆☆☆
以下は出版社の商品の説明から一部抜粋しました。
内容紹介
◎糖質制限の第一人者・江部康二先生(京都高雄病院)
◎『炭水化物が人類を滅ぼす』の夏井睦先生
大推薦! !
全身は着々と蝕まれている――
あなたを悩ませる病や不調の真の原因はここにある!
◎内容◎
肥満や糖尿病は、糖質が原因と認知されつつあるが、
その他の多くの疾患も、元をたどれば一つの原因につながる――糖質の過剰摂取である。
医療の現場ではまだ少数派の考え方だが、研究成果は世界中で報告され始めている。
著者は七千を超える論文を参照しつつ、「糖質過剰症候群」という新しい概念を提唱。
裏付けのある形で様々な疾患(糖尿病、狭心症、心筋梗塞、脳卒中、がん、脂質異常症、
アルツハイマー病、うつ病、骨粗しょう症、片頭痛、非アルコール性脂肪肝、緑内障、
白内障、加齢黄斑変性などの眼科疾患、変形性関節症、五十肩、脊柱管狭窄症、サルコペニア、
甲状腺機能低下症、不妊症、子宮内膜症、乾癬、ニキビ、脱毛症、逆流性食道炎、難聴、
パーキンソン病、前立腺肥大、頻尿……等々)と糖質過剰摂取との関係を説く。
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