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米国糖尿病学会は、2013年10月に糖質制限食を正式に容認している。
【18/03/30 XYZ
批判あれこれ
週刊新潮 2018年4月5日号
http://www.shinchosha.co.jp/shukanshincho/

◇衝撃の新証拠! 糖質制限で「老ける」「寿命が縮まる」 
▼マウス研究で特定された「危険物質」
▼血液が酸性になる「老化促進メカニズム」
▼「脳梗塞」一歩手前だった「女医」の告白
▼世界一健康な心臓を持つ「アマゾン部族」 総カロリー中の「炭水化物摂取比率」は72%!
▼糖質制限で「死亡率1.3倍」の驚愕データ
▼「米名門大」教授が定説を覆した! 低糖質こそ「がん」を生む


認知症リスクを上げる過度な糖質制限
https://mainichi.jp/premier/health/articles/20180328/med/00m/010/015000c



おはようございます。

XYZさんから、さまざまな「糖質制限食批判」の記事を
コメント頂きました。
いずれもエビデンスゼロの、お粗末な記事です。

これらに対しては、
『米国糖尿病学会が、2013年10月に糖質制限食を正式に容認している』

ということで、すでに解決していると思います。

糖質制限食の安全性と有効性に関しては、
米国糖尿病学会(ADA)によって、
下記のような経過を経て保証されています。

米国糖尿病学会の糖質制限食に対する見解の経年的変化を見れば、
わかりやすいです。

1)2007年までは、糖質制限食を否定です。
2)2008年に、肥満を伴う糖尿病患者に1年間の期限つきで有効性を認めました。
3)2011年に、肥満を伴う糖尿病患者に2年間の期限つきで有効性を認めました。
4)2013年10月、「成人糖尿病患者の食事療法に関する声明」を
  2008年以来5年ぶりに改訂し、
  適切な三大栄養素比率は確立されていないことを明言しました。
  そして「糖質130g/日が平均的な最小必要量」という文言を削除し、
  肥満の有無は関係なく、期限なしで、正式に糖質制限食を容認しました。
  そして患者ごとに個別に様々な食事パターン〔地中海食,ベジタリアン食,糖質制限  食,低脂質食,
  DASH(Dietary Approaches to Stop Hypertension)食〕が受容可能としました。


つまり、米国糖尿病学会は2008年以降、
数々のエビデンスに基づいて糖質制限を容認の方向に踏み出しました。

その後、5年間のエビデンスの蓄積(糖質制限食肯定も否定も含めて)を経て
2013年に糖質制限食を正式容認です。

米国糖尿病学会の見解は、個人の医師の見解や動物実験とは異なり、
多くのエビデンスに基づくものですから、信頼度は高く意義は大変大きいです。

2型糖尿病に対する食事療法として、
米国では今や糖質制限食は重要な位置を占めるようなってきています。

例えば、米国のデューク大学(米ノースカロライナ州ダーラム)は、
糖質制限食に関する臨床研究を積極的に行っています。

デューク大学のWilliam S. Yancy Jr.准教授は
2013年10月のADA声明改訂委員の1人でもあります。

一般内科のEric C. Westman准教授は同大学生活習慣医学クリニック所長です。
Westman准教授は、炭水化物20g/日未満をクリニックで実践しています。

このようにデューク大学では、
高雄病院のスーパー糖質制限食よりさらに厳格なケトジェニックダイエットを
糖尿病治療食の標準として実践しています。


2013年10月に、
米国糖尿病学会(ADA)が糖質制限食を正式に容認したという事実は
日本の糖質制限食推進派医師にとっても、大きな追い風となりました。
例えば、東大病院で2015年4月から
摂取比率40%の『緩やかな糖質制限食』が導入されたのも
米国糖尿病学会の見解の影響と思われます。

私もおおいに勇気づけられました。


江部康二
糖質の摂取量と摂取エネルギー比率。桜が満開です。
【18/03/28 オスティナート
糖質の摂取量と摂取エネルギー比率
江部先生こんばんは

●摂取エネルギー比率
エネルギーを持つ栄養素(エネルギー産生栄養素)をエネルギーに換算して、
摂取エネルギーとの比率を表したものです。

●糖質の摂取エネルギー比率
糖質(g)をエネルギー(4kcal/1g)に換算して
摂取エネルギーとの比率(%)を表したものです。

〇ロカボ

・1日2000kcal摂取した場合
130g×4kcal=520kcal
520kcal÷2000kcal=26%

・1日2600kcal摂取した場合
130g×4kcal=520kcal
520kcal÷2600kcal=20%

〇スーパー糖質制限食

・2000kcal・3食の場合
60g×4kcal=240kcal
240kcal÷2000kcal=12%

・2000kcal・2食の場合
40g×4kcal=160kcal
160kcal÷2000kcal=8%


●エネルギー産生栄養素バランス

「PFC(ピー・エフ・シー)バランス」として表してきたものが、
「日本人の食事摂取基準(2015年版)」より、
生活習慣病やその重症化を予防する目的で名称が変更されました。

※江部先生がおっしゃるように、
1食当たりの糖質摂取量(糖質1g当たり3mg/dlの血糖値上昇がある)が
重要だと思います。

※糖質摂取エネルギー比率(%)は糖質制限食の場合、
1食の糖質量に制限があるため、
摂取カロリーと食事回数により変動します。

※私は、スーパー糖質制限食の1食の糖質20g以下がベストだと思っています。
(私の場合、空腹時血糖値が120mg/dl、
食後血糖値いつも180mg/dl以下で収まっています。)】



こんにちは。

昨日は、とても良い天気でした。
おかげで、桜が一気に満開となり、
しかもほとんど散っていない状態で観賞でき、
おおいに目の保養となりました。

朝、家を出て、まずは広沢の池の桜を堪能して、
次いで観光道路を東に向かい、
ものの50mで、「桜守」で有名な佐野藤右衛門さんの庭園の桜が楽しめます。

昨日水曜日は、江部診療所の夜診なので、
高雄病院から御室仁和寺の桜を愛でながら
観光道路を東に車を走らせ、北大路に入り、
府立植物園手前の北大路橋からは、
鴨川の桜を一望にできて、とても幸せな気分になりました。

まあ、止まって鑑賞したり、もろの脇見運転はできませんので
ささやかなチラ見の喜びですね。

夜診の帰りはライトアップされた、
佐野藤右衛門さんの桜をもう一回観て、帰宅ということで
なかなか贅沢な一日でした。


さて、オスティナートさんから
糖質の摂取量と摂取エネルギー比率について、コメントを頂きました。
ありがとうございます。
大変参考になります。

確かに、摂取エネルギーの比率で計算すると、

ロカボでも
・1日2000kcal摂取した場合
130g×4kcal=520kcal
520kcal÷2000kcal=26%


となるわけで、これは、ちょっとビックリの数字です。
ロカボというと、だいたい糖質摂取比率40%くらいかなというイメージが
ありましたが、全然違いますね。
1200kcal/日とかなら、130gの糖質で、43%です。


『※糖質摂取エネルギー比率(%)は糖質制限食の場合、
1食の糖質量に制限があるため、
摂取カロリーと食事回数により変動します。』


仰る通りと思います。
糖質摂取エネルギー比率は、変動しやすいので、
結果として○○%でしたというような位置づけですね。

ご指摘通り、実際の糖質制限食の運用では、
<一回の糖質量が、20g以下>
といった目安が実務的です。

私は、1回の食事の糖質量10gくらいを目安にしています。
<魚や肉や卵やチーズや豆腐・・・>

<葉野菜、海藻、茸、ブロッコリ、ゴーヤ、ピーマン・・・>

といったラインナップなら、
目標達成は比較的容易と思います。


江部康二
糖質制限食の『長期的有効性・安全性』とエビデンス
こんにちは。

たにぐち さんから
糖質制限食とエビデンスについて
コメントいただきました。

今回は、糖質制限食の『長期的有効性・安全性』
根拠となる信頼度の高い論文を紹介したいと思います。

EBMが現在、医学界を席巻しています。

医学界において、evidence(エビデンス、証拠、根拠)となるのは、
基本的に医学雑誌に掲載された論文です。

ニューイングランド・ジャーナル、ランセット、米国医師会雑誌など、
定評ある医学専門誌に掲載された論文であることも、
evidence(エビデンス、証拠)の大きな要素となります。

その論文も
①無作為割り付け臨床試験(RCT)
②前向きコホート研究
の二つが信頼度の高いものとなります。

以下に、EBMとして信頼度の高い長期の研究を列挙します。

いずれも、糖質制限食の『長期的有効性・安全性』を保証する論文です。

1)はRCT論文で8年間であり、信頼度はトップランクの研究です。

2)3)4)5)は前向きコホート研究であり、信頼度は上から二番目です。

糖質制限食の長期的安全性の肯定に関しては、
EBMに基づき少なくとも五つの信頼度の高い研究論文が存在するわけです。

なおこれらの論文は、スーパー糖質制限食に関するものではありません。

普通に食事をしている集団(糖質も食べている)において、
糖質を多く食べている群と比較的少ない群を比較したものです。

例えば
2)は
炭水化物摂取比率36.8±6.1%グループと58.8±7.0%のグループの比較です。
炭水化物摂取の多いグループは冠動脈疾患リスクが増加です。

4)は
糖質摂取比率51.5%のグループと糖質摂取比率72.7%のグループの比較です。
糖質摂取比率が一番少ない51.5%のグループは一番多い72.7%のグループに比較すると
心血管死のリスクが59%しかありません。

いずれも糖質大量摂取の弊害(心血管リスク)を如実に示しています。
結果として糖質摂取が少ないほど心血管リスク軽減において有利になることも示しています。


長期の研究
1)RCT論文
低糖質地中海食(LCMD)。8年間RCT論文。
糖質50%未満のLCMD群と低脂肪群の比較。
女性は1800kcal/日。男性は1800kcal/日。
新たに診断された2型糖尿病患者では、LCMDは低脂肪食と比較して、
HbA1cレベルの大きな減少、糖尿病の寛解率が高く、糖尿病治療薬の導入を遅らせた。
Diabetes Care. 2014 Jul;37(7):1824-30.
The effects of a Mediterranean diet on the need for diabetes drugs and remission of newly diagnosed type 2 diabetes: follow-up of a randomized trial.

2)前向きコホート研究
低炭水化物・高脂肪・高タンパク食に冠動脈疾患のリスクなし
一方総炭水化物摂取量は冠動脈疾患リスクの中等度増加に関連していた。
高GLは冠動脈疾患リスク増加と強く関連していた。
ニューイングランドジャーナルのコホート研究  
82802人 20年間 2006年掲載 ハーバード大学
炭水化物摂取比率36.8±6.1%グループと58.8±7.0%のグループの比較。
Halton TL, et al. Low-carbohydrate-diet score and the risk of coronary heart disease in women. New England Journal of Medicine 2006;355:1991-2002.

3)前向きコホート研究
21論文、約35万人をメタアナリシスして、
5~23年追跡して1.1万人の脳心血管イベントが発生。
飽和脂肪摂取量と脳心血管イベントハザード比を検証してみると、
飽和脂肪酸摂取量と脳心血管イベント発生は、関係がないことが判明。
Siri-Tarino, P.W., et al., Meta-analysis of prospective cohort studies evaluating the association of saturated fat with cardiovascular disease.  Am J Clin Nutr, 2010. 91(3): p. 535-46.

4)前向きコホート研究
「糖質制限食の安全性にエビデンス」
前向きコホート試験NIPPON DATA80 29年間 中村保幸
第10分位(糖質摂取比率51.5%)のグループは、第1分位(糖質摂取比率72.7%)のグループに比べて女性においては心血管死のリスクが、
59%しかないという素晴らしい結論で、糖質制限食の圧勝。
Br J Nutr 2014; 112: 916-924


5)前向きコホート研究
上海コホート研究
「糖質摂取量により4群に分けて、糖質摂取量が多いほど心血管疾患の発症リスクが高い」
11万7366人を対象に、調べた研究。
女性が6万4,854人で、平均追跡期間が9.8年。
男性が5万2,512人で、平均追跡期間が5.4年。

女性 心血管発症リスク
1、糖質摂取量264g/日未満 ---------- 1.00
2、糖質摂取量264g~282g/日未満-------- 1.19
3、糖質摂取量282g~299g/日未満-------- 1.76
4、糖質摂取量299g/日以上 ----------- 2.41

男性 心血管発症リスク
1、糖質摂取量296g/日未満 ------------ 1.00

2、糖質摂取量296g~319g/日未満 ---------- 1.50

3、糖質摂取量319g~339g/日未満 ---------- 2.22

4、糖質摂取量339g/日以上 ----------3.20

Am J Epidemiol. 2013 Nov 15;178(10):1542-9.
Dietary carbohydrates, refined grains, glycemic load, and risk of coronary heart disease in Chinese adults.



江部康二
2018年4月8日(日)、鹿児島市内で一般向糖質制限食講演会開催。
おはようございます。

2018年4月8日(日)、鹿児島市内で一般の方向の講演会を開催します。
鹿児島は、学生時代に行ったきりで、本当に久しぶりですので
とても楽しみです。

糖質制限食の基礎や最新の話題、実際の症例など
盛りだくさんにわかりやすくお話しします。
糖質制限食実践で、「糖化~老化」が予防できるという
お話もします。

前夜祭では、鹿児島黒豚、さつま若しゃもなどをつまみに、
薩摩の芋焼酎を、ちびちび吞みたいものです。

田頭先生とのコラボも大変楽しみです。
鹿児島、熊本、宮崎など九州の糖尿人・メタボ人の方々
是非、ご参加頂けば幸いです。

そうそう、血糖コントロール良好・メタボ脱却の糖質セイゲニストの皆さんも
是非、どうぞ。

江部康二



以下、事務局からのお知らせです。

***********

ブログ読者の皆様、いつも弊会のイベントへ多数ご参加いただきまして、
ありがとうございます。

4月8日(日)、鹿児島市内で一般の方向けの講演会を開催いたします。

第1部の講師は、神経内科医の田頭秀悟先生(医療法人日章会南鹿児島さくら病院)です。「人生を変える糖質制限」と題して、

・自らが糖質制限によってどう変わられたか、
・糖質制限による様々な疾患への幅広い改善効果、
・幅広い治療であるのに、なぜ社会ですんなりと受け入れられないのか
・糖質制限に関わる様々な経験と考察を重ねてこられた田頭先生ならではのご提案

など、お話しいただく予定です。

第2部では、江部康二理事長が「糖尿病・生活習慣病を予防&改善する食事法?糖質制限食は、人類本来の食事、人類の健康食」と題して講演。

16年に渡って実践・指導してきた「糖質制限食」について、 糖尿病やメタボなど生活習慣病の改善をはじめ、多くの良い効果をもたらす理由や仕組み、基礎理論などについてお話しいたします。

南九州にお住まいの方をはじめ、たくさんのご参加を心よりお待ちしております。

また、講演会の前日4月7日(土)の夜には、鹿児島市内の郷土料理屋さんで交流会を開催致します。
こちらも奮ってご参加いただけますと幸いです。

◆掲載サイト: http://www.toushitsuseigen.or.jp/activity

///////////////////ご案内/////////////////////


  (一社)日本糖質制限医療推進協会主催

     糖質制限食講演会 in 鹿児島

■日時:4月8日(日)12:50~15:40頃 ※開場・受付は12:30~

■会場:かごしま県民交流センター 東棟4F「大研修室第3」
   
〒892-0816 鹿児島市山下町14-50
http://www.kagoshima-pac.jp/

■内容

◇第1部: 「人生を変える糖質制限」

 田頭 秀悟 医師  医療法人日章会 南鹿児島さくら病院

[講師記]

神経内科医の田頭秀悟(たがしら しゅうご)と申します。
私は2011年11月より始めた糖質制限によって130㎏を超える超肥満状態から10か月で約30kgの減量に成功した経験を持つ医師です。
それ以外にも集中力、運動能力、感染に対する抵抗力、肌や歯の状態の改善など様々な体調の改善を自覚しました。
この経験を通じて糖質制限は単なるダイエット法ではなく根本的な健康法である事を肌で感じることができ、私の人生は大きく好転しました。
2013年9月からは私の体験や考えを日々まとめて書き綴ったブログ「たがしゅうブログ(http://tagashuu.blog.fc2.com/)」を開設しています。

◇第2部: 「糖尿病・生活習慣病を予防&改善する食事法
       ~糖質制限食は、人類本来の食事、人類の健康食」

 江部 康二 医師 一般財団法人高雄病院理事長/当会理事長

[講師記]

糖質制限食は、1999年から京都・高雄病院において糖尿病治療食として開始され、合併症を予防できる唯一の食事療法として画期的な成果をあげてきました。
摂取後直接、血糖に影響を与えるのは糖質のみで、蛋白質・脂質は影響なしです。
食後高血糖と平均血糖変動幅増大が糖尿病合併症の最大のリスクですが、 従来の糖尿病食(カロリー制限・高糖質食)では、必ずそれらを生じます。
また正常人でも食後血糖値の上昇が、生活習慣病の元凶となります。
米国糖尿病学会は、2013年10月、糖質制限食を地中海食などと共に正式に受容し、このことは糖質制限食に大きな追い風となりました。

◇質疑応答

※第1部50分、第2部70分、最後に質疑応答30分程度を予定しております。

■受講費: 賛助会員 2,000円 / 一般 2,500円


◇◆◇ 鹿児島交流会 ◇◆◇

◆日時: 2018年4月7日(土) 19:00~(2時間程度) ※講演会の前日開催です。

◆場所: 天文館 吾愛人本店

〒892-0842 鹿児島市東千石町9-14
https://tabelog.com/kagoshima/A4601/A460101/46000031/dtlmap/

◆参加費: 賛助会員 5,000円 / 一般(会員以外の方)5,600円


<以下鹿児島講演会、交流会共通>

■お申し込みの流れ:

1. 下記「お申し込み方法」の該当するものからお申し込み下さい。
2. 事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3. 入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4. 当日、直接会場までお越しいただき、受付にてお名前をお伝え下さい。

■お申し込み方法:

★賛助会員の方:

 事務局へ、メールにて参加ご希望のイベント名(4/8鹿児島講演会、4/7鹿児島交流会)、
 ご参加人数をご明記の上、お申し込み下さい。
 ※領収書の発行をご希望の場合は、領収書宛名もお知らせ願います。
 
★賛助会員入会をご希望の方:

1. 入会案内および会員規約をお読み下さい。
   http://www.toushitsuseigen.or.jp/sign-up

 2. お申し込みは下のフォームからお願いします。
   「入会ならびに講演会出席のお問い合わせ」を選択いただき、
  「通信」欄に参加ご希望のイベント名(4/8鹿児島講演会、4/7鹿児島交流会)を
   ご記入下さい。
   http://www.toushitsuseigen.or.jp/contact
  
★一般(会員以外の方)で、講演会、交流会参加のみご希望の方:

 下のフォームからお申し込み下さい。
 http://www.toushitsuseigen.or.jp/seminar-kagoshima

◆その他:

・予約制です。当日参加はできません。

・講演会のキャンセルは4月6日(金)までに事務局へご連絡願います。
 それ以降のご返金は対応致しかねますので、予めご了承ください。

・交流会のキャンセルは4月3日(火)までに事務局へご連絡願います。
 それ以降のご返金は対応致しかねますので、予めご了承ください。

∞♪∽♪∝♪∞♪∽♪∝♪∞♪∽♪∝♪∞♪∽♪∝♪∞♪
ターザン。2018/4/12号。先駆者二人が「過去・現在・未来」を語る。
こんにちは。

ターザン、2018年4月12日号(No.738、p47~p51)に
山田悟医師と私の対談が掲載されました。

中嶋一雄先生、福助さん、迷える子豚さんから
ターザンの記事に関してコメントを頂きました。
ありがとうございます。

対談は、二人ともよく喋るタイプなので、結構内容が濃くて、
予定をオーバーして2時間以上も続いて、帰りの新幹線の時間がギリギリとなりました。
ライターの井上健二さんには、ご苦労をおかけしたと思います。
山田医師の「ロカボ」と
高雄病院の「スーパー糖質制限食」「スタンダード糖質制限食」「プチ糖質制限食」も
対立するものではなく、お互いに相補的なものという位置付けです。

このように対談はかみあったのですが、
一点だけ、エビデンス(EBM)に関しては、見解の相違がありました。
山田悟医師は、EBMを大変重視しておられ、医学界においては
エビデンスがないと医療は語れないという立場です。
つまり根拠となる医学論文がないと信頼できないという見解です。

私は、私はEBMを無視することはないけれど
それだけを重視すれば、真実を見失うことがあるという立場です。
例えば生理学的事実が明確であれば、それを根拠に論理的に展開していけば
科学的真実にたどり着けると思います。
①「糖質だけが直接血糖血をあげる、蛋白質・脂質は上げない」
②「食後高血糖→酸化ストレスリスク増大」
③「平均血糖変動幅増大→酸化ストレスリスク増大」
④「食後高血糖と平均血糖変動幅増大→糖尿病合併症の元凶」
①は生理学的事実です。
②③④は、医学論文によるエビデンスがあります。
スーパー糖質制限食の有効性・安全性について、現在長期的エビデンスはありません。
しかし、スーパ-糖質制限食なら、①に基づき、②③④が発生しないので
理論的には、糖尿病合併症を予防できる可能性が極めて高いのです。

一方従来の糖尿病食(カロリー制限・高糖質食)にも
有効性・安全性について、現在長期的エビデンスはありません。
しかも、従来の糖尿病食は①に基づき、必ず②③④が発生するので
理論的には、糖尿病合併症を予防することは困難です。
現実に糖尿病腎症からの人工透析が毎年16000人以上、糖尿病網膜症からの失明が毎年3000人以上、
糖尿病足病変からの足切断が毎年3000人以上あります。
このことは、現行の糖尿病治療<従来の糖尿病食+薬物療法>が決して上手くいっていない動かぬ証拠と言えます。
まことに遺憾ながら従来の糖尿病食は「合併症製造食」としか言いようがないのです。


江部康二


☆☆☆
ターザン、2018年1月12日号(No.738、p47~p51)
山田悟医師と私の対談。
以下、要約です。


特別対談
先駆者二人が「過去・現在・未来」を語る。

糖質制限はブームではない。

今や生活に定着しつつある糖質制限。
僕たちはどうつき合うべきか、貴重な対談からヒントをもらおう。


取材・文/井上健二 撮影/谷 尚樹 

高雄病院理事長
江部康二先生

えべ・こうじ 1950年京都府生まれ。京都大学医学部卒業。日本における糖質制限食の牽引者。高雄病院で1300人超の入院患者、3000人超の外来患者を通して糖質制限食の治療効果を証明している。一般社団法人日本糖質制限医療推進協会の理事長を務める。

北里研究所病院
糖尿病センター長
山田悟先生

やまだ・さとる 1970年東京都生まれ。慶應義塾大学医学部卒業。多くの患者に食べる喜びと生活の質を高める治療を行いながら、エビデンスを重視した研究を続ける。一般社団法人食・楽・健康協会を立ち上げ、緩やかな糖質制限食ロカボの普及に尽力。


----まずはお二人が糖質制限に取り組み始めた経緯を教えてください。

江部康二先生(以下、江部) 私が医局長、兄が院長だった高雄病院で、兄が、1999年から始めました。
宇和島で、兄の同級生の釜池豊秋医師も同時に開始していました。最初は信用していなかったのですが、
2001年に私の糖尿病
患者さんに糖質制限食を
試してもらったら、玄米
菜食でウォーキングにい
くら励んでも食後の血糖値
が400mg/㎗を切らない横綱級だったのに、すぐに食後の血糖値が200mg/㎗を超えなくなった。もうびっくりしてそれから病院を挙げて徹底的に取り組みました。

山田悟先生(以下、山田) 僕の場合は02年頃、ある70代の糖尿病患者さんが「家族が自分の喜寿のお祝いをしてくれたのに、私一人だけワンプレートで終わり。みんなと同じフランス料理のコースが食べられなかったのが悔しい」と涙ながらにおっしゃってきたのが、きっかけです。

・・・中略・・・

江部
自分自身で人体実験しながら、糖質制限の基礎を作ってきた。

山田
医学会を変えるよりもまずは
社会を変えることを考えました。



エビデンス不足で
アトキンスは叩かれた。

-----糖質制限の元祖といえるのは、1972年にアメリカのロバート・アトキンス博士が提唱したアトキンス・ダイエットです。なぜアトキンス・ダイエットは70年代から世界的に浸透しなかったのでしょうか?

山田 アトキンス・ダイエットに対して、アメリカ医師会はすぐさま会報誌『JAMA』で次のように批判しました。無作為化比較試験(④⇒P50参照)をやっていない、脂質を控えていない、エネルギー産生栄養素バランス(⑤⇒P50参照)が通常食とかけ離れているので続かない、理論的な根拠がない、ダイエット・レボリューションとキャッチフレーズの割に革命的ではないという5つの理由で公式に叩いたため、70年代はブームになりませんでした。そのためアトキンス・ダイエット、もしくは糖質制限食は民間療法の立ち位置になり、アメリカ糖尿病学会からも異端視され続けたのです。

江部 確かにアトキンス以前でも、21年にインスリンが抽出されるまで糖尿病患者を救うには糖質制限しかなかったから、アトキンス・ダイエットは革命でも何でもない。
 糖尿病学の父と呼ばれる著名な糖尿病専門医であるアメリカのエリオット・ジョスリン医師が記した『ジョスリン糖尿病学』の初版は1916年ですが、そこにはインスリンを出す膵臓の細胞が破壊される1型糖尿病でも、悪しき生活習慣が招く2型糖尿病でも、糖尿病患者は糖質を摂取カロリーの20%にせよと書いてある。血糖値を上げるのは糖質だけだという認識があったからです。
 日本の学会に比べると進歩的とされるアメリカ糖尿病学会でも、97年の患者向けのテキストブックには「糖質は100%、タンパク質は50%、脂質は10%未満が血糖に変わる(ことで血糖値を上げる)」と記されていましたが、04年版では「血糖値に直接影響を与えるのは糖質だけであり、タンパク質と脂質は血糖値に影響を与えない」という記述に変更されました。13年には糖質制限食を糖尿病治療食のオプションとして正式に認めている。40年以上、一貫してカロリー制限食を唯一無二の食事療法として推奨し続けている日本糖尿病学会とはエラい違いや。

・・・中略・・・


糖尿病患者は糖質制限と
薬を併用すればいい。


----お二人は日本における糖質制限の立役者ですが、スタンスには微妙な違いがあります。読者にわかりやすく説明してください。

江部 高雄病院式はスーパー、スタンダード、プチ(⑥⇒P51参照)という3段階から選べるのが特徴。減量目的ならスタンダードでもプチでもいいと思いますが、厳密な血糖コントロールが求められる糖尿病患者さんでは3食ともに糖質を制限するスーパーがおすすめ。
 糖尿病が進むと1gの糖質が血糖値をだいたい3mg/㎗上げるとされている。たとえ空腹時血糖が100mg/㎗と正常範囲内でも、40gの糖質を食べると血糖値が220mg/㎗まで跳ね上がる危険がある。糖尿病の有無で本人が選べばいいのです。

山田 僕らが提唱するロカボ(⑦⇒P51参照)は糖質が1食20〜40g×3食+間食10gで1日70〜130g。ご飯もパンもOKです。それも生活環境次第で実践できない人もいるでしょう。ならば糖尿病患者さんは必要に応じて薬を併用すれば良いというのが僕らのスタンス。何よりも自分の人生を自分らしく楽しむのが、最優先であるべきですから。食事はヒトにとって大きな快楽なので、それを奪うような提案はたとえ論理的に正しくても続くわけがない。

・・・中略・・・

カロリー制限は続かない。
大事な骨と筋肉も削れる。

----カロリー制限にはお二人とも否定的です。一方でカロリー制限で寿命が延びるという主張もあります。

・・・中略・・・

白米をたらふく食べ始め、
日本人に糖尿病が増えた。

----長期のカロリー制限にエビデンスがないというお話ですが、長期の糖質制限にもエビデンスがないという批判もあります。日本人は昔から白いご飯をたくさん食べてきたのに、いまでは世界有数の長寿国です。

山田 日本人は昔から白米をたらふく食べていたというのは誤解。昭和30年代後半、米消費が減って減反に転じる直前まで日本は米を輸入してきた。つまり米不足だったのです。庶民が白米を満足に食べられるようになったのは輸入せずに済むようになり、減反が始まるまでのごく一時期。そこから糖尿病が増えるのです。

江部 九州大学の久山町研究(⑨⇒P51参照)でも白米の摂取が増えるほどアルツハイマー病が増える。日本人の平均寿命が長いのは新生児の死亡率が世界でもっとも低く、公平に医療が受けられる仕組みのお陰。
 糖質制限食にエビデンスがないというけど、血糖に直接的に影響を与えるのは糖質だけであり、食後高血糖が血管にダメージを与えるのは、エビデンス以前の生理的な事実。カロリー制限で1日3回白米をお腹いっぱい食べて、その度に食後高血糖を起こしたら良いことは何もない。

山田 結論は同じですが、僕はやはりエビデンスがないと医学、医療は語れないと思っています。前述のようにアトキンス・ダイエットが叩かれたのもエビデンスがなかったから。それを「ダイレクト研究」や「A to Zスタディ」といった信頼性の高い無作為化比較試験でエビデンスを積み重ね、ようやく糖質制限は受け入れられるようになった。日本でも14年に僕らのグループが無作為化比較試験で糖質制限の治療効果を実証しました。

江部 エビデンスが大事なのはわかるけれど、統計に頼りすぎると大切なものを見失う可能性がある。

山田 おっしゃることはわかります。でも、糖質制限のさらなる普及のためにエビデンスはやはり重要です。

江部 エビデンスは任せた!(笑)



将来の医療費削減、
輸出増大につながる。

----今後、糖質制限はどのような展開を見せるのでしょうか。

江部 先日テレビで管理栄養士さんが「ダイエットブームは長くて半年なのに、糖質制限は何年も続いて不気味」と嘆いていた。不気味でもなんでもなく、生理的事実に基づいた人類本来の食事だから、よりメジャーになって定着する。外食でもコンビニでも糖質制限できる時代だし。

山田 緩やかな糖質制限をしながら、薬を使う人もいるでしょうが、それでも糖尿病とその合併症は減り、医療費も削減できます。

江部 低糖質商品は付加価値が付いている分だけ値段は高めですが、利用者が増えて市場規模が広がれば、値段も下がって普及に弾みがつく。

山田 健保組合あたりが、医療費が削れた分だけ、低糖質商品の購買に力を入れてくれたらいいですね。

江部 食後高血糖を見過ごすメタボ検診は見直し、血糖自己測定器(SMBG)でも配ったらええのに。

山田 血糖値の見える化は重要ですよね。いちいち血を出さなくても血糖がモニタリングできる〈リブレ〉のような商品も現れましたから。

江部 さらなる精度を期待したいね。

山田 日本の農業は高い技術力を持っているのだから、ぜひ低糖質の米を開発してもらいたい。低糖質の米ができたら世界中に輸出できます。

江部 日本の低糖質製品も海外でニーズがある。糖質制限は日本経済に活力を与えるパワーもありそうやね。


糖質制限の歴史
糖質制限は古くて新しい。
19世紀に一大ブームを巻き起こし、
21世紀に再評価されるまでをまとめた。

1863年 糖質制限で20kgの減量に成功したイギリス人実業家ウィリアム・バンティングが『肥満の書』を自費出版。欧米でベストセラーになる。
1921年 カナダのフレデリック・バンティングがインスリンの抽出に成功。ほどなく大量生産されるようになり、糖尿病治療に革命。
1972年 アメリカのロバート・アトキンス医師が低炭水化物ダイエット(アトキンス・ダイエット)を提唱。
1995年 アメリカで『Sugar Busters!』が出版される。カロリーよりも血糖値の上がり具合(GI値)に注目し、のちにベストセラーになる。
1997年 自ら1型糖尿病を患うアメリカのリチャード・K・バースタイン医師が糖質制限食を提唱する『糖尿病の解決』を出版。ベストセラーになる。
1999年 江部洋一郎医師(高雄病院院長・当時)、釜池豊秋医師(アクアクリニック理事長・当時)が日本初の糖質制限食を開始。
2001年 日本で糖質制限食の一種である低インスリンダイエットが話題となり、日本でもGI値に注目が集まる。
2003年 アメリカでアトキンス・ダイエットにスポットが当たり、一大ブームとなる。
2004年 高雄病院の江部康二医師が日本で初めて糖質制限食の有効性について医学雑誌の論文を発表。
2005年 江部康二医師が出版した日本初の糖質制限食の本『主食を抜けば糖尿病は良くなる!−−−糖質制限食のすすめ』(東洋経済新報社)がベストセラーとなり、日本で糖質制限が本格的に普及するきっかけとなる。
2007年 肥満者を対象に4つの方法を比較した「A to Zスタディ」で糖質制限食が最高評価を得る。
2008年 アメリカ糖尿病学会が肥満の糖尿病患者に1年間の期限付きで糖質制限食の有効性を認める。
 糖質制限食の減量効果を科学的に立証したイスラエルのShaiらによるDIRECT研究が公表される。
2013年 緩やかな糖質制限食=ロカボの考えを普及させる目的で北里研究所病院糖尿病センター長の山田悟医師が一般社団法人食・楽・健康協会を立ち上げる。
2013年 アメリカ糖尿病学会が糖尿病患者の食事療法のオプションの一つとして糖質制限食を正式に認める。
2014年、日経メディカルOnlineの医師会員を対象としたオンラインアンケート(有効回答数2263名)で58.3%の医師が糖質制限を支持するという結果が得られる。
2016年 市場調査会社の富士経済は糖質制限の市場規模が3431億円に達するとの調査結果を公表。

糖質制限食で下戸だったのが呑めるようになった。何故?
【18/03/23 mitsu
糖質制限食が下戸に変化を起こさせたのか?
以前、2度ほどご回答いただいきお世話になりましたmitsuと申します。
糖質制限開始後3ヶ月で劇的に改善したものです。

昨年4月・血液検査
空腹時血糖 280 HbA1c 10.3

→入院・インスリン治療要請を拒否し、直ちに糖質制限開始、

3ヶ月後(昨年7月)
空腹時血糖 81 HbA1c 5.2

おかげさまで、1年近く経過した現在もHbA1c・5%台をキープしています!

タイトルの件ですが、私は下戸です。飲酒ではビールコップ半分で顔が真っ赤になりドキドキするし、パッチテストでもDD型が確定しているので、完全な下戸と断言できます。父親も同様です。
また、以前は、無理をして飲酒した後日は、決まって風邪をひいたり、インフルエンザを発症したりしました。これはおそらく、毒性を分解できないことで、長時間体内の状態が悪くなり病気に対する抵抗が極端に弱くなるためかと素人ながら体験者として推測できます。

ところが、数ヶ月前のこと、飲む機会があり、糖質0でAlc5%のビールを1時間ほどの間に500ml「飲めて」しまいました。当然、顔は赤くなったが従来のような強い心拍数の上昇が無く、こんなことは初めてでした。また、後日、皆無であった焼酎に挑戦してみたが、お茶割りで5杯ほど(焼酎150ml)飲めました。
下戸としては全く考えられない量です。もちろんフラフラになり、初めて「酔っ払え」ました。下戸はそもそも酔っ払うまで飲めないので、気持ちよく酔うことは無理なのです。
それ以降、焼酎を何度も飲んでいるのですが、日によってバラつきがあり、少量で以前のように赤面と動悸が酷くなってストップの時もあるし、そうでもなくかなりの量が飲めてしまうときもあります。それと、最近は前述のような飲酒後の病気の発症は一切ありません。そもそも糖質制限開始後は風邪すらひいていません。

こんなことで、50年ほどの半生でアルコールは完全に諦めていた現実が少々覆りつつあるのですが、この件の原因としては糖質制限食による変化(影響)としか考えられないのですが、これを読んで、先生がお気づきの点があれば、ご教示いただければと思います。

DD型・分解酵素不活性が変化することは無いことは承知していますが、これは何でしょう?
エネルギー摂取サイクルがグルコースから糖新生によるケトンサイクルへ変化していることが、肝臓の働きやアルコール吸収等に何らかの影響を与えている可能性などがあるのでしょうか?

長文になりました。また、糖質制限食本文とは、ずれた質問なので、スルーなさっていただいて結構です。
「糖質制限に関連する事象としての報告」も兼ねて書きましたので。
これからも引き続き糖質制限食による血糖コントロールを継続していきます。

追記:血液検査、5年前(糖尿病なし)・昨年4月(糖尿病自覚直後の検査)共に、AST・ALTが高め、基準値上限ギリギリ又は超えている(40~60)くらいだったのが、糖質制限開始3ヶ月後の昨年7月の検査では19と14と大きく変化していました。
γGTはずっと基準値内です。】


こんにちは。

mitsu さんから、
「糖質制限食で下戸だったのが呑めるようになった。」

という、とても興味深いコメントを頂きました。
ありがとうございます。

2017年4月
空腹時血糖:280mg/dl HbA1c:10.3%

→入院・インスリン治療要請を拒否し、直ちに糖質制限開始、

3ヶ月後(2017年7月)
空腹時血糖:81 HbA1c:5.2

これは、見事な改善です。
good job です。
天晴れです。


『ビールコップ半分で顔が真っ赤になりドキドキするし、
パッチテストでもDD型が確定しているので、完全な下戸 であったのが、
数ヶ月前のこと、糖質0でAlc5%のビールを
1時間ほどの間に500ml「飲めて」しまった。
また、後日、皆無であった焼酎に挑戦してみたが、
お茶割りで5杯ほど(焼酎150ml)飲めた。』


これは、とても不思議な出来事ですが、
必ず理由はあるはずですので、
仮説を考えてみます。

アルコールのほとんどは、肝臓で分解されます。

アルコール→アセトアルデヒド→酢酸  

という順番で分解していきます。

アルコールを脱水素して分解する酵素は、アルコール脱水素酵素。
アセトアルデヒドを分解して脱水素する酵素はアルデヒド脱水素酵素。

この反応過程で、補酵素NAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)が必要です。
NADが水素を受け取ってNADHになります。
このように、アルコールを分解するにはNADがNADHに還元されることが必要です。

ALDH(アルデヒド脱水素酵素)には
アセトアルデヒドが低濃度の時に働く「ALDH2」と、
高濃度にならないと働かない「ALDH1」があります。
日本人の約半数は、生まれつき「ALDH2」の活性が弱いか欠けていて、
このタイプがお酒に弱いこととなります。

遺伝子型  酵素ALDH2のタイプ
NN型      活性型          強い
ND型      低活性型      ほどほど
DD型      不活性型        弱い  


お酒に強いか弱いかは、ALDH2の活性によるとされていて
基本的に遺伝的なものです。


さて、補酵素NADは、糖新生の過程にも、大きく関わっています。
例えばスーパー糖質制限食実践なら、糖新生は24時間継続して活性化しています。
糖新生の活性化により、NADがおおいに増加して活発化した可能性があると思います。

mitsu さんのALDH2は不活性型であり、遺伝的なものなので、
糖質制限食で変化するということはありません。

従って、仮説ではありますが、

<糖質制限 → 糖新生活性化 → 補酵素NADの増加と活性化>

補酵素NADの活性化により、不活性型のALDH2がそれなりに
最善を尽くして働いてくれるようになり、
やや、お酒が呑めるようになった可能性があるかと思います。


江部康二
「動物実験でヒトの食物代謝の研究を行うことの是非」
【18/03/21 中嶋一雄
動物実験について

1) 厚生労働省の食事摂取基準に引用された文献は、すべてヒトの研究論文です。
私が読んだ限り、動物実験の論文は一切引用されてません。

2) 薬の致死量の決定には、動物実験が有用です。
人間データは、731部隊が唯一のものです。

3) サリドマイドは当初ラットで催奇形性がないため安全と思われていました。
ところがヒトで催奇形性が報告されたので、
いろんな動物を用い実験をやりなおしました。
その結果哺乳類の実験動物で、唯一ウサギのみ催奇形性が確認できました
 つまり、サリドマイドは哺乳類の中で、
ウサギとヒトのみに催奇形性を示すわけです。
これ以後催奇形性の実験には、すべてウサギが用いられるようになりました。

4) マタタビはネコ科動物に陶酔作用を示します。
ネコ科以外の動物にはこの作用を示しません。
ましてやヒトに対しては示しません。】


おはようございます。
「動物実験でヒトの食物代謝の研究を行うことの是非」
について、中嶋一雄先生から、貴重なご意見をコメントして頂きました。
ありがとうございます。

以前のブログ記事で、
『薬物の作用や毒性をネズミ類で動物実験するのは、
研究方法として特に問題はないと思います(動物実験自体の是非は置いておきます)。
しかし、本来ヒトと主食が全く異なるマウス・ラットなどネズミ類で、
人類の食物代謝の研究を行うのは、
出発点から根本的に間違っている可能性が高いので注意が必要です。』


と書いたことがあります。
しかし、中嶋一雄先生のコメントを読んで、
『薬物の作用や毒性をネズミ類で動物実験するのは、
研究方法として比較的問題は少ないと思います(動物実験自体の是非は置いておきます)。
しかし、本来ヒトと主食が全く異なるマウス・ラットなどネズミ類で、
人類の食物代謝の研究を行うのは、
出発点から根本的に間違っている可能性が高いので注意が必要です。』


に訂正したいと思います。


【 1) 厚生労働省の食事摂取基準に引用された文献は、すべてヒトの研究論文です。
私が読んだ限り、動物実験の論文は一切引用されてません。】


厚生労働省もなかなかの見識ですね。
やはり、動物実験でヒトの食物代謝の研究を行うことには、
否定的な見解なのだと思われます。


【2) 薬の致死量の決定には、動物実験が有用です。
人間データは、731部隊が唯一のものです。】


薬の毒性については、動物実験が一定有用と思われます。
というかヒトではそのような研究は基本的に不可能ですから、
動物実験以外にないです。


【3) サリドマイドは当初ラットで催奇形性がないため安全と思われていました。
ところがヒトで催奇形性が報告されたので、
いろんな動物を用い実験をやりなおしました。
その結果哺乳類の実験動物で、唯一ウサギのみ催奇形性が確認できました
 つまり、サリドマイドは哺乳類の中で、
ウサギとヒトのみに催奇形性を示すわけです。
これ以後催奇形性の実験には、すべてウサギが用いられるようになりました。】

これは、極めて興味深いです。

以前マウスとヒトの代謝の違いを調べたことがあります。
それで、少なくとも脂質代謝に関しては、
「ヒトの血中コレステロールはLDLが主でり、マウスではHDLが大半である」
「マウスはリポ蛋白質代謝の回転が速い」
「マウスは肝臓を中心に脂質代謝の制御幅が広いので、血中コレステロール値は食事負荷などの外因性変動を受けにくい」
など、かなり大きな違いがあります。

一方、脂質代謝に関してヒトと類似しているのは、ウサギです。

脂質代謝に関連する酵素は ヒ トとマ ウスや ラッ トで大 き く異な り、
ウ サギはヒ トに類似 しています。

脂質代謝だけで、全体の代謝を語ることはできないのですが、
サリドマイドは哺乳類の中で、ウサギとヒトのみに催奇形性を示すという
興味深い事実を一定説明してくれると思います。


江部康二
HbA1c・中性脂肪・脂肪肝改善、しかし体重が減らない。
【悩んでおります
江部先生こんにちは
初めてコメントさせて頂きます
主人と私の糖質制限の事で悩んんでおります

去年の春主人のHbA1cが6.4になり糖質制限を開始しました。
AST. 50→29
ALT 60→34
TG 415→104
γGTP256→39
LDL 133→62
HDL 54→84
HgA1c6.4→5.4

最初の3か月はガッツリスーパーに
その後主人のお弁当だけマンナン米入りご飯100gだけが入った状態で糖質制限を続けております
(調味料は糖質制限ドットコムで購入、朝はミックス粉で焼いたパンを食べています。)
主人のデータも改善していき現在は
HbA1c 5.4まで改善
糖質制限するまでの飲酒によるデータも改善しております。
去年の4月から10月まではウォーキングもしていましたが現在中止しています
運動は週に一回1時間スカッシュをしています。
データの方は改善が見られて安心しているのですが、当初から体重が減らず、一旦80kg→78kgまで減量できたものの、食生活に変化ないにもかかわらずじわじわと増加してきております。
お腹周りだけが全く減らず お腹周りだけがこの頃増加しています。
体重も現在81kg前後 腹囲も95cmまで増加しました本人は糖質制限真面目に頑張っているのにこの所の増加がに落胆しており私もなす術がなく困惑しています。
ウォーキングは又再開予定ですが、運動していた時もあまり体重は減らなかったので運動不足だけでここまでリバウンドするものでしょうか?
特にお腹周りだけが大きくなっているのも気になる所です

私は53歳ですが、主人に合わせて一緒に糖質制限を続けています。
私は体重は順調にキープできております。
データに問題もなかったですが、2月の健康診断で急にLDLコレステロールだけが164まで上がってしまいました(A1cは5.8→5.0) プロゲステロンとエストロゲンは閉経数値でした。これは閉経後の脂質異常と判断していいのでしょうか?
糖質制限は閉経後の脂質異常には逆効果でしょうか?
因みにタンパク質を摂取しようと毎食後チーズを食べております。
私のコレステロール値と主人の体重増加を考えると何処を改善すべきか悩んでおります。
お忙しいとは思いますがアドバイスいただけると有り難いです】



悩んでおります さん

AST. 50→29
ALT 60→34
TG 415→104
γGTP256→39
LDL 133→62
HDL 54→84
HgA1c6.4→5.4

ご主人の検査データは見事な改善ですね。
HbA1c、中性脂肪、脂肪肝が改善して、基準値に。
HDLコレステロールも大きく増加していて中性脂肪も基準値に改善なので
脂質プロフィールもとてもいいです。

これだけしっかりデータ改善しておられるので
糖質制限食は、きっちり出来ていると思います。
それなのに、体重が減らずに少し増加したのは、
やはり相対的に、摂取エネルギーが消費エネルギーを上まわったということです。

80kg → 78kg → 81kg

身長はどのくらいでしょう?

「お弁当だけマンナン米入りご飯100g」
これを、なしにして、もう一回、
スーパー糖質制限食に戻して、一ヶ月試してみましょう。

ご主人は大食タイプでしょうか?それとも普通の食事量タイプでしょうか?

ご主人が大食タイプではないとして、
それでも1ヶ月経過しても減量できないなら、
基礎代謝があるていど低いタイプとみなして、
摂取エネルギーを少し減らすしかないと思います。


「私は53歳ですが、主人に合わせて一緒に糖質制限を続けています。
私は体重は順調にキープできております。
データに問題もなかったですが、2月の健康診断で急にLDLコレステロールだけが164まで上がってしまいました(A1cは5.8→5.0) プロゲステロンとエストロゲンは閉経数値でした。これは閉経後の脂質異常と判断していいのでしょうか?」

このデータは、閉経後としては正常と思います。
エストロゲンやプロゲステロンの原材料がコレステロールなので、
閉経後は自然経過としてLDLコレステロールが余って、血中濃度は増加すると思います。
閉経後の糖質制限食、問題ないと思います。


江部康二
糖質制限で糖尿病改善。合併症の心配なし。
【日付 名前
18/03/17 ホリデー お礼(糖質制限で効果が出ました)
初めてコメントします。一言お礼をお伝えしたいと思いました。

昨年の11月に、何もしていないのに体重が3キロ近く減り体調もよくない自覚があったため家の近くの内科で血液検査をしたところ、食後1.5時間の血糖値が306で糖尿病と診断され、ネシーナを投薬されました。糖尿病の怖さについて全く分かっておらず、その日にネットで検索しました。とりあえず合併症のリスクが少ないところまで数値を改善したいと考え、このブログにたどり着き糖質制限を始めました。
埼玉県在住、男性、58才、181cm 糖尿病発覚時点でどちらかといえばやせ型です。
3か月間の推移は以下の通りです。

時期 11月 12月 1月 2月
血糖値 306 → 158 → 126 → 126
HbA1c 9.6 → 8.6 → 7.3 → 6.8
体重 76.0 → 77.1 → 74.0 → 72.1(BMI22)

*血糖値は11月、12月は食後1.5hr。1月、2月は朝、空腹時です。
・11月は、スーパー糖質制限、ネシーナ服用。
以降出張で食事のコントロールが難しいときのみネシーナ服用
(4か月間で30回ほど服用)。
・12月~1月は、一食糖質20~40g(血糖値測定を始めて、食後2時間値で180未満を目標としていました。血糖値を図り始めた数回が1時間値より2時間値が少し高かったので、2時間値を基準にすればよいと勘違いしていました)

また、1月中旬に風邪で発熱し、(3日間38度以上)それ以降3週間は朝の血糖値が150超えという状態でした。
2月以降はおおむね糖質15~20ℊ/食で、食後1時間値160以下(悪くても180を超えない)を目標にしています。現状、合併症のリスクはかなり少ない状態まで改善したと思っています。今後は糖質制限さらに改善をめざして、食事を含めて生活を楽しんで継続していきたいと考えています。

11月から受診した糖尿病学会専門医が経営するクリニックでその医師から初診時に「江部先生の糖質制限は極端だ。糖尿病学会では認めていない。ヨーロッパの研究で糖質制限はリバウンドが大きいという結果が出ている」と言われ、そのうえで「糖尿病は完治しない。必ず合併症になる。失明せず、足を切断したりすることなく一生を終えることが目標だ。心筋梗塞のリスクも健康な人の30倍だ」ときつく言われました。

また、2回目の受診時には少しHbA1cが下がっていたので、やさしい口調で「いいですね。HbA1cが下がらなくなったら薬を追加しましょう」とそうなることが当然のように言われました。腹立たしく感じましたがこれが現在の医療の実態なのかなと感じました。
2月に初めて糖質制限医療推進協会の提携医療機関に記載のあるクリニックを受診しました。もっと早く受診すればよかった、および信頼できる糖尿病の主治医が見つかてよかった、と思っております。

糖尿病のことを知人に話すことがあり糖尿病で治療中の人が多いことを知りました。
残念ながら、薬を何種類も飲んでそれでよいと思っている人ばかりです。
そういう人は医師の指示通りに薬を飲むのが当然と思っているようで、
治療としての糖質制限について話しても聞いてもらえそうにありません。
ある人から「あなたも変なことをせず、医者の言うとおりにしたほうがいいよ」と言われたこともあります。

一人でも多くの糖尿病患者に、糖質制限を実施して健康な生活を取り戻してもらいたいと思います。また、糖尿病治療としての糖質制限が広く世の中に認めてもらえるようになってほしいと思います。
私にできることはほとんどないのですが、少しでも誰かの役に立つことができればとブログをはじめました。まだ、ほとんど誰にも見てもらえない状態ではありますが。(http://sf-empower.com

糖尿病治療としての糖質制限がこんなに効果的で簡単なのかと驚いています。
糖尿病と診断されたその日に糖質制限を始めることを決めることができたのは、
このブログがあったおかげです。本当に感謝しております。

江部先生には、今後もご活躍いただき、糖質制限が広まり、
私のような糖尿病患者にとっては、
糖尿病治療としての糖質制限が広く認められる世の中になることを祈っております。
*長文のコメント、失礼いたしました。】


こんばんは。
ホリデーさんから、糖質制限で糖尿病改善という嬉しいコメントを頂きました。
ありがとうございます。

時期   11月  12月  1月  2月
血糖値  306 → 158 →  126 → 126
HbA1c  9.6 →  8.6 →  7.3 → 6.8
体重   76.0 → 77.1 →  74.0 → 72.1(BMI22)

とても順調な経過ですね。

食後血糖値の測定ですが、食事開始後1時間がピークのタイプと
2時間がピークのタイプがあります。
ホリデーさんが、2時間ピークのタイプなら
食後血糖値は2時間後に測定してOKです。

日本糖尿病学会は2013年の「熊本宣言」で
HbA1c:7.0未満
空腹時血糖値:130mg/dl未満
食後2時間血糖値:180mg/dl未満

を合併症予防のための目標としています。

私たち、糖質セイゲニストは
HbA1c:6.0未満
空腹時血糖値:110mg/dl未満
食後2時間血糖値:140mg/dl未満

を目指したいところです。

2018年1月に、風邪に罹患ということで、
いわゆるシック・デイですね。
シック・デイの時は、結構血糖値が上昇しますので
ホリデーさんの空腹時血糖値が150mg/dl超えというのも
想定範囲内と思います。

糖尿病学会専門医が経営するクリニックでは、だいぶきつく言われたようですが、
血糖コントロール良好なら、合併症の心配はありません。
ホリデーさんの今のデータなら、合併症の心配はほとんどないと思います。
私も、糖尿病発覚後16年間、
スーパー糖質制限食でコントロール良好を保っており合併症は皆無です。

この糖尿病専門医さんは、
現行の糖尿病標準治療<カロリー制限・高糖質食+薬物治療>により
毎年、16000人以上の透析、3000人以上の失明、3000人以上の下肢切断
新たに発生している現実をどう捉えておられるのでしょう。
誠に遺憾ながら、カロリー制限・高糖質食は、
合併症製造食としか言い様がないのです。

2月に初めて糖質制限医療推進協会の提携医療機関に記載のあるクリニックを受診されたとのことで、良かったです。
おかげさまで、北海道から沖縄まで、約80の提携医療機関が
ラインナップされ、今後も徐々に増えると思われます。

『知人に話すことがあり糖尿病で治療中の人が多いことを知りました。
残念ながら、薬を何種類も飲んでそれでよいと思っている人ばかりです。』


そうですね、医者任せで、薬はいろいろ内服するのが当たり前と思っている
糖尿病患者さんは、まだまだ多いと思います。
糖尿病は、本来自己管理するのが基本の病気ですので困ったものです。

また、高糖質食を食べながら薬物治療でHbA1c良好を目指しても、
それは、「平均血糖変動幅増大」「食後高血糖」
防げていない、質の悪いHbA1cなので、見かけ上HbA1cが低下しても
合併症予防は困難なのです。

ホリデーさんがご指摘のように、『糖尿病治療には糖質制限食』です。
早ければ早いほど、合併症の心配がなくなります。


江部康二

そもそもマウスの食事実験の結果はヒトには当てはまらない。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180316-00010002-agrinews-bus_all

ご飯、うどん・・・ 炭水化物減らすダイエット 
60代後半で老化顕著に 糖質制限ご用心

3/16(金)

糖質制限ダイエットは老後にしわ寄せも──。
ご飯やうどんなどの炭水化物を減らした食事を長期間続けると、
高齢になってから老化が早く進み、寿命も短くなるとの研究を
東北大学大学院がまとめた。
糖質制限は「内臓脂肪を効率的に減らす」と話題になっているが、
マウスを使った試験では人間の年齢で60代後半からの老化が顕著だった。
研究内容は名古屋市で15日から始まった日本農芸化学会で、
17日に発表する。・・・



こんにちは。
複数の読者さんから、上記の記事について
コメントを頂きました。

まず、東北大学大学院・農学研究科のグループ は根本的な間違いを犯しています。

「そもそもマウスの食事実験の結果はヒトには当てはまらない。」
という基本的なことをご存じないようです。

どんな研究でも手軽なので、マウスやラットが実験動物として使われやすいです。

しかし、マウスやラットで糖質制限食(高蛋白・高脂肪食)の実験をすること自体が、
根本的な間違いです。

なぜなら、マウスやラットなどネズミ類は、
本来の主食は草の種子(即ち今の穀物)です。

草原が地球上の有力な植生として現れる鮮新世(510万年前)以降、
ネズミ科の動物が出現して爆発的に繁栄します。

510万年間、草原の草の種子(穀物)を食べ続けてきたネズミに
高蛋白・高脂肪食を与えれば、代謝が破綻するのは当たり前です。

ネズミの主食はあくまでも「穀物=低脂質・低蛋白食」なのです。

ネズミは、「穀物=低脂質・低蛋白食」に特化して、
消化・吸収・代謝システムが適合しているのです。


この実験は単純に、
マウスの代謝に合わない(主食でない)糖質制限食(高蛋白・高脂肪食)を
マウスに与えて寿命や老化を観察するという実験です。

全ての代謝が狂って老化が進み寿命が短くなるのもいわずもがなです。

例えば、ゴリラの主食は「棘の多い大きな蔓や大きな草」です。
このように、超低脂質・低蛋白食が主食であるゴリラに
糖質制限食(高蛋白・高脂肪食)を食べさせたら、
代謝はガタガタになり、マウスやラットと同様、
老化も進み、寿命も短くなるでしょう。
この東北大学の実験は、わかりやすく言うとゴリラにステーキを食べさせるというイメージです。
ゴリラだと、糖質制限食(高蛋白・高脂肪食)を食べさせることの間違いが、
マウスやラットよりわかりやすいですね。

人類の主食が何であったかはともかくとして、
農耕が始まる前の700万年間は、穀物ではなかったことは確実です。

そして歴史的事実として、農耕の前は人類皆、糖質制限食でした。

またヒトの進化の過程で脳が急速に大きくなり、
シナプシスが張り巡らされるためには、EPAとDHAの摂取が不可欠でした。

EPAとDHAは地上の植物性食品には含まれておらず、
動物性食品にしか含まれていません。

従って少なくとも、肉・骨髄・昆虫・地虫・魚貝・・・などの高脂肪・高蛋白食を、
脳が急速に発達した20万年前頃、必要充分な量、食べてたことは間違いないでしょう。

このように人類は本来、高蛋白・高脂肪食には慣れているので、
糖質制限食の安全性は高いのです。

マウスやラットやゴリラと、ヒトの食性は全く異なっているのです。

結論です。

薬物の作用や毒性をネズミ類で動物実験するのは、
研究方法として特に問題はないと思います。
(動物実験自体の是非はおいておきます)。

しかし、本来主食が全く異なるマウス・ラットなどネズミ類で、
人類の食物代謝の研究をおこなうのは、
出発点から根本的に間違っている可能性が高いので注意が必要です。

研究者の皆さん、「薬物の動物実験」と「食物の動物実験」は、
全く意味が異なることを認識してほしいと思います。



なお、私、江部康二は68歳です。
まさに、この記事のいう
「60代後半から老化が顕著」 にピッタリの年齢です。

52歳から続けているスーパー糖質制限食のおかげで
皮膚の糖化は52歳相当と好ましいです。
歯は全て残っていて、虫歯はありません。
背は縮んでおらず、夜間の尿もありません。
目は裸眼で広辞苑がみえ、聴力も低下していません。
階段は駆け上がります。

一般に老化現象と言われる事柄に関して
私の場合、スーパー糖質制限食で、
かなり好ましい状態が維持できているのだと思います。



江部康二
2018年4月8日(日)、鹿児島市内で一般向糖質制限食講演会開催。
こんにちは。

2018年4月8日(日)、鹿児島市内で一般の方向の講演会を開催します。
鹿児島は、学生時代に行ったきりで、本当に久しぶりですので
とても楽しみです。

糖質制限食の基礎や最新の話題、実際の症例など
盛りだくさんにわかりやすくお話しします。
糖質制限食実践で、「糖化~老化」が予防できるという
お話もします。

前夜祭では、鹿児島黒豚、さつま若しゃもなどをつまみに、
薩摩の芋焼酎を、ちびちび吞みたいものです。

田頭先生とのコラボも大変楽しみです。
鹿児島、熊本、宮崎など九州の糖尿人・メタボ人の方々
是非、ご参加頂けば幸いです。

そうそう、血糖コントロール良好・メタボ脱却の糖質セイゲニストの皆さんも
是非、どうぞ。

江部康二



以下、事務局からのお知らせです。

***********

ブログ読者の皆様、いつも弊会のイベントへ多数ご参加いただきまして、
ありがとうございます。

4月8日(日)、鹿児島市内で一般の方向けの講演会を開催いたします。

第1部の講師は、神経内科医の田頭秀悟先生(医療法人日章会南鹿児島さくら病院)です。「人生を変える糖質制限」と題して、

・自らが糖質制限によってどう変わられたか、
・糖質制限による様々な疾患への幅広い改善効果、
・幅広い治療であるのに、なぜ社会ですんなりと受け入れられないのか
・糖質制限に関わる様々な経験と考察を重ねてこられた田頭先生ならではのご提案

など、お話しいただく予定です。

第2部では、江部康二理事長が「糖尿病・生活習慣病を予防&改善する食事法?糖質制限食は、人類本来の食事、人類の健康食」と題して講演。

16年に渡って実践・指導してきた「糖質制限食」について、 糖尿病やメタボなど生活習慣病の改善をはじめ、多くの良い効果をもたらす理由や仕組み、基礎理論などについてお話しいたします。

南九州にお住まいの方をはじめ、たくさんのご参加を心よりお待ちしております。

また、講演会の前日4月7日(土)の夜には、鹿児島市内の郷土料理屋さんで交流会を開催致します。
こちらも奮ってご参加いただけますと幸いです。

◆掲載サイト: http://www.toushitsuseigen.or.jp/activity

///////////////////ご案内/////////////////////


  (一社)日本糖質制限医療推進協会主催

     糖質制限食講演会 in 鹿児島

■日時:4月8日(日)12:50~15:40頃 ※開場・受付は12:30~

■会場:かごしま県民交流センター 東棟4F「大研修室第3」
   
〒892-0816 鹿児島市山下町14-50
http://www.kagoshima-pac.jp/

■内容

◇第1部: 「人生を変える糖質制限」

 田頭 秀悟 医師  医療法人日章会 南鹿児島さくら病院

[講師記]

神経内科医の田頭秀悟(たがしら しゅうご)と申します。
私は2011年11月より始めた糖質制限によって130㎏を超える超肥満状態から10か月で約30kgの減量に成功した経験を持つ医師です。
それ以外にも集中力、運動能力、感染に対する抵抗力、肌や歯の状態の改善など様々な体調の改善を自覚しました。
この経験を通じて糖質制限は単なるダイエット法ではなく根本的な健康法である事を肌で感じることができ、私の人生は大きく好転しました。
2013年9月からは私の体験や考えを日々まとめて書き綴ったブログ「たがしゅうブログ(http://tagashuu.blog.fc2.com/)」を開設しています。

◇第2部: 「糖尿病・生活習慣病を予防&改善する食事法
       ~糖質制限食は、人類本来の食事、人類の健康食」

 江部 康二 医師 一般財団法人高雄病院理事長/当会理事長

[講師記]

糖質制限食は、1999年から京都・高雄病院において糖尿病治療食として開始され、合併症を予防できる唯一の食事療法として画期的な成果をあげてきました。
摂取後直接、血糖に影響を与えるのは糖質のみで、蛋白質・脂質は影響なしです。
食後高血糖と平均血糖変動幅増大が糖尿病合併症の最大のリスクですが、 従来の糖尿病食(カロリー制限・高糖質食)では、必ずそれらを生じます。
また正常人でも食後血糖値の上昇が、生活習慣病の元凶となります。
米国糖尿病学会は、2013年10月、糖質制限食を地中海食などと共に正式に受容し、このことは糖質制限食に大きな追い風となりました。

◇質疑応答

※第1部50分、第2部70分、最後に質疑応答30分程度を予定しております。

■受講費: 賛助会員 2,000円 / 一般 2,500円


◇◆◇ 鹿児島交流会 ◇◆◇

◆日時: 2018年4月7日(土) 19:00~(2時間程度) ※講演会の前日開催です。

◆場所: 天文館 吾愛人本店

〒892-0842 鹿児島市東千石町9-14
https://tabelog.com/kagoshima/A4601/A460101/46000031/dtlmap/

◆参加費: 賛助会員 5,000円 / 一般(会員以外の方)5,600円


<以下鹿児島講演会、交流会共通>

■お申し込みの流れ:

1. 下記「お申し込み方法」の該当するものからお申し込み下さい。
2. 事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3. 入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4. 当日、直接会場までお越しいただき、受付にてお名前をお伝え下さい。

■お申し込み方法:

★賛助会員の方:

 事務局へ、メールにて参加ご希望のイベント名(4/8鹿児島講演会、4/7鹿児島交流会)、
 ご参加人数をご明記の上、お申し込み下さい。
 ※領収書の発行をご希望の場合は、領収書宛名もお知らせ願います。
 
★賛助会員入会をご希望の方:

1. 入会案内および会員規約をお読み下さい。
   http://www.toushitsuseigen.or.jp/sign-up

 2. お申し込みは下のフォームからお願いします。
   「入会ならびに講演会出席のお問い合わせ」を選択いただき、
  「通信」欄に参加ご希望のイベント名(4/8鹿児島講演会、4/7鹿児島交流会)を
   ご記入下さい。
   http://www.toushitsuseigen.or.jp/contact
  
★一般(会員以外の方)で、講演会、交流会参加のみご希望の方:

 下のフォームからお申し込み下さい。
 http://www.toushitsuseigen.or.jp/seminar-kagoshima

◆その他:

・予約制です。当日参加はできません。

・講演会のキャンセルは4月6日(金)までに事務局へご連絡願います。
 それ以降のご返金は対応致しかねますので、予めご了承ください。

・交流会のキャンセルは4月3日(火)までに事務局へご連絡願います。
 それ以降のご返金は対応致しかねますので、予めご了承ください。

∞♪∽♪∝♪∞♪∽♪∝♪∞♪∽♪∝♪∞♪∽♪∝♪∞♪
低炭水化物介入のほうが低脂肪介入より優位に体重を減少させる。
こんにちは。

2018年3月5日の
糖尿病ネットワークに
http://www.dm-net.co.jp/calendar/2018/027840.php

「低糖質 vs 低脂肪」どちらの食事療法が優れている? 議論に決着

低糖質ダイエットと低脂肪ダイエットのどちらかを支持している糖尿病の人には失望をもたらすかもしれない研究が発表された。
結果は「どちらのダイエットも体重減少については差がない」というものだった。
「食事療法にも多様性が求められいる」と研究者は指摘している。

Low-fat or low-carb? It's a draw, study finds(スタンフォード大学 2018年2月20日)
Effect of Low-Fat vs Low-Carbohydrate Diet on 12-Month Weight Loss in Overweight Adults and the Association With Genotype Pattern or Insulin SecretionThe DIETFITS: Randomized Clinical Trial(JAMA 2018年2月20日)


という記事が載りました。
この研究、18~50歳の男女609人を対象に、
低糖質ダイエットを行うグループ(304人)と、
低脂肪ダイエットを行うグループ(305人)の2つに無作為に分けて、
1年間、指示された食事法を続けています。
低糖質ダイエットグループは、ベースラインよりは糖質は減っていますが
1年間の期間の終了時には、132g/日の糖質を摂取しています。
従って、ギリギリではありますが、厳密には
そもそも『130g/日以下』という糖質制限食の基準を満たしていません。
またこの記事の元となった論文は一つのRCT論文に過ぎず、
エビデンスレベルはそこそこです。


これに対して、以下のランセットの論文は、
330の研究論文を調べて、280は除外し、
条件を満たす53のRCTで、メタアナリシスをしたものです。

『システマティック・レビュー/53RCTのメタアナリシス』なので、
エビデンスレベルは最も上位で信頼度は今回の論文とは比べものになりません。


結果は「体重減少試験において、低炭水化物介入のほうが、低脂肪介入より、優位に体重を減少させる」です。

Effect of Low-Fat Diet Interventions Versus Other Diet Interventions on Long-Term Weight Change in Adults:
  A Systematic Review and Meta-Analysis 
Lancet Diabetes Endocrinol 2015 Dec 01;3(12)968-979,
 DK Tobias, M Chen, JE Manson, DS Ludwig, W Willett, FB Hu


結論です。

極めて信頼度の高い
『システマティック・レビュー/53RCTのメタアナリシス』
において、体重減少に関して、低炭水化物食の優位性が証明されました。



江部康二

スーパー糖質制限食実践時の血液・尿検査データの推移 。2018年。
こんばんは。

糖質制限食実践により、血液・尿検査のデータが変化します。

例えば、血糖値や中性脂肪やHDLコレステロール値など、さまざまな数値が改善します。

ただ、これらの検査データは、はっきり一定の傾向が出るものと、そうでないものがありますので、
まずはその変化を示します。

最後に、私自身の検査データを示します。

<スーパー糖質制限食実践時の血液・尿検査データの推移>

①血糖値は糖質制限食実践時にリアルタイムに改善します。
②スーパー糖質制限食なら、HbA1cは月に1~2%改善します。
③中性脂肪も速やかに改善します。
④HDLコレステロールは増加しますが、増加の程度と速度に個人差があります。
⑤LDLコレステロールは低下・不変・上昇と個人差があります。
 上昇した人も半年〜1年~2年、3年、数年くらいで落ち着くことが多いですが、
 個人差があります。
⑥総コレステロールは、低下・不変・上昇と個人差があります。
 上昇した人も半年〜1年~2年、3年、数年くらいで落ち着くことが多いですが、
個人差があります。
⑦尿酸も低下・不変・上昇と個人差があります。
 上昇した場合は、ほとんどが摂取エネルギー不足が原因です。
⑧尿素窒素はやや増加傾向になる人が多いですが、そのうち落ちつくことが多いです。
⑨クレアチニンは不変です。
⑩血清シスタチンCも不変です。
⑪血清カリウムも不変です。
⑫血中ケトン体は基準値より高値となりますが、生理的なもので心配ありません。
⑬尿中ケトン体は当初3カ月〜半年は陽性になりますが、その後陰性になることが多いです。
⑭脂肪肝に付随するGPTやγGTP値も改善します。
⑮TSH、FT4、FT3も不変です。



上記に記載していない血液検査や尿検査については、糖質制限食開始前後で差はありません。

TSH、FT4が正常でFT3だけ低下している場合「低T3症候群」といい、
ほとんどの場合は摂取エネルギー不足が原因です。
これは甲状腺機能低下症ではありませんので注意が必要です。
例えば「神経性食欲不振症」などでも「低T3症候群」を呈します。


LDLコレステロール・総コレステロールに関して「低下・不変・上昇」と個人差があるのですが、
糖質制限食開始前に菜食中心で食材のコレステロールが少ない場合、
肝臓でコレステロールをつくる能力が高まっています。
そういう場合糖質制限食で肉や卵などコレステロールの多い食材を摂取すると、
一過性にLDL-コレステロール値が高くなりますが、半年~1年~2年~3年~数年くらいで落ち着くことが多いです。

私自身は、HDLコレステロールはかなり増加し、
LDLコレステロールは少し低下しました。

尿酸値が上昇した場合、摂取エネルギー不足のことが多いので注意が必要です。

私は2002年発覚の糖尿人で、その数年前から、
早朝空腹時血糖値が109~111~112mg/dlとか、ギリギリ~境界型でした。

2002年に糖尿病が発覚していらい、スーパー糖質制限食を実践しています。
食事は朝食抜きで、1984年、34才のときから昼と夕の2回です。
身長:167cm 体重:67kg からスーパー糖質制限食を開始して半年で56~57kgとなりました。
その後ずっと体重は維持しており、2018年現在56~57kgくらいです。

2018年1月8日で68才となりました。


さて、スーパー糖質制限食を16年間実践中の、
江部康二の2018年1月の検査データです。

甲状腺機能
TSH:1.38(0.34~3.88)
F-T4:1.2(0.8~1.8)
F-T3:2.6(2.1~4.0)


空腹時血糖値:106mg/dl(110未満)
IRI:3.0U/ml(3~15)→ 少ないインスリンで、血糖値が正常なので好ましい。
HbA1c:5.9% (6.2未満)  
GA:14.3% (11.6~16.0)
総ケトン体:597.0μM/L(26~122) 糖質制限食中は生理的で正常値
血中βヒドロキシ酪酸:524.0μM/L(76以下)
アセト酢酸:72.4
尿酸:2.9mg/dl(3.4~7.0)
TG:46mg/dl(50~149)
総コレステロール:268
HDL-C:109mg/dl(40~98)
LDL-C:149 mg/dl(140未満)→ 善玉のLDL-コレステロールなのでOK。
クレアチニン:0.62mg/dl(0.6~1.1) eGFR:97.9/min./1.73m2(60以上はOK)
BUN:18.4
血清シスタチンC:0.58
GOT:23
GPT:21
γGTP:42
総蛋白:6.9
アルブミン:4.5
血色素量:15.5(13~17)
白血球数:8000(3900~9800)
赤血球数:474(400~560)

尿アルブミン定量精密・クレアチニン補正値:8.3
尿中アセトン体:陰性 心筋・骨格筋でケトン体をよく利用し腎再吸収増加

2002年糖尿病発症、メタボの基準も満たしていた。
2002年からスーパー糖質制限食を開始し、全ての検査データは正常となり、
半年で10kg減量に成功し、16年間実践中。


甲状腺機能検査は、スーパー糖質制限食実践16年間、常に正常です。

他の検査も、基本的に基準値内です。
HbA1cも正常範囲内ですがやや高めのほうです。
空腹時血糖値が、正常範囲内でやや高め(正常高値)であることを反映しています。
まあ、糖尿病歴、16年ですから仕方ありませんね。

一方、GAは正常範囲内で、真ん中あたりです。
これは、スーパー糖質制限食により食後高血糖がほとんどないためと思われます。
即ち「糖化」は正常人並みあるいはそれ以上に予防できていると考えられます。

総コレステロール値は、心血管疾患との関連性は無く、
脂質異常症の2007年以降のガイドラインから外れているので特に問題はありません。
HDLコレステロールは高めで、
LDLコレステロールも少し高めですがOKです。
中性脂肪値が低く、HDL-Cが多いので、
LDLコレステロ-ルも小粒子LDL-Cはほとんどない良好なパターンです。

スーパー糖質制限食なので、高タンパク・高脂質食なのですが、尿酸はやや低いですね。
尿酸も食べ物由来は2割程度であとは個人の体質ですのでこんなものでしょう。

高タンパク食ですが、BUNもクレアチニンも正常です。

焼酎などよく飲む割には肝機能も全く正常です。 (^_^)

インスリンは、基礎分泌が正常範囲内でやや少なめですが、
空腹時血糖値が基準値なので問題ないです。

総ケトン体:597μM/L(26~122)と、
一般的基準値に比べればかなり高値ですが、
尿中のアセトン体(ケトン体の一種)は陰性です。

これは、スーパー糖質制限食実践で、心筋・骨格筋などの体細胞が、
日常的に効率良くケトン体をエネルギー源として利用するようになったため、
尿中に排泄されないのだと考えられます。

即ち、わたしの血中ケトン体値は、あくまで生理的範囲のもので、
インスリン作用は一定確保されていて、血糖値も106mgと正常です。

見方を変えれば、農耕以前の人類皆糖質制限食だった頃は、
私のような血中ケトン体値のデータが当たり前で、
人類の標準だったと考えられます。

糖質制限食実践中の人の血中βヒドロキシ酪酸の標準値は、
200~800~1200μMくらいと考えられます。

ケトン食レベルの人達の、血中βヒドロキシ酪酸は、
3000~5000レベルですが、
ここまで高値だと尿中ケトン体は、陽性となります。

なお、糖質制限食開始直後は、血中ケトン体の上昇に伴い、
尿中のケトン体も陽性となり、どんどん体重が減少していきます。
徐々にケトン体の利用効率が良くなるに従い、
尿中ケトン体は減っていき、やがて陰性となります。
体重も、ほとんどの場合は適正体重で落ち着きます。


江部康二

『人気店のパティシエに学ぶ、低糖質スイーツ教室』 を開催。京都。
こんばんは。

2018年4月20日(金)、京都にて、日本糖質制限医療推進協会主催の
『人気店のパティシエに学ぶ、低糖質スイーツ教室』 を開催します。

メイン講師は、「パティスリー ロア・レギューム」 (埼玉県朝霞市)の
小寺幹成オーナーパティシエです。

小寺パティシエは、2016年11月に文化出版局から、
著書「おいしく作れる低糖質スイーツ」
http://books.bunka.ac.jp/np/isbn/9784579212866/
を出版され、ご自身がこれまでに開発された低糖質スイーツのレシピを
惜しみなく披露しておられます。 私は帯の推薦文を書きました(*^^)v

今回のテーマは、3月31日(土)の東京教室と同じで、
「しっとりパウンドケーキ & なめらかプリン」だそうです。

定員は24名様、先着順です。 皆さん奮ってご参加くださいね^^v

江部康二


以下、事務局からのお知らせです。

*********

ブログ読者の皆様、いつも弊会の講演会やスイーツ・料理教室へ 多数ご参加いただきまして、ありがとうございます。

本日は、4/20(金)低糖質スイーツ教室(京都)の開催をご案内申し上げます。

今回のテーマは3/31(土)の東京教室と同じ「しっとりパウンドケーキ & なめらかプリン」です。

焼き菓子の中でも基本となるパウンドケーキを実習いただきます。

糖質の低い粉と油脂、卵を絶妙な配合で組み合わせて、しっとりとした食感の生地に仕上げます。

プレーンのバニラパウンドケーキから、様々な味のバリエーションが楽しめるアレンジ法もレクチャーいただきます。

そしてもう一品、プリンを小寺パティシエによるデモ・解説の上、ご試食いただきます。

低糖質スイーツの中で比較的作りやすいプリンではありますが、滑らかな舌触りの食感とまろやかな甘味・・・完成度の高いプリン作りをご紹介します。

関西圏の方をはじめ、皆様のご参加をお待ちしております。

◇スイーツ教室情報URL: http://www.toushitsuseigen.or.jp/activity

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    (一社)日本糖質制限医療推進協会主催

『人気店のパティシエに学ぶ、低糖質スイーツ教室(京都)』

  第5回 「「しっとりパウンドケーキ & なめらかプリン」

◆日時: 2018年4月20日(金) 13:00~16:00頃
     ※開場・受付は12:45~

◆会場: あじわい館(京の食文化ミュージアム)調理実習室

〒600-8813
京都市下京区中堂寺南町130番地 京都青果センタービル3階
http://www.kyo-ajiwaikan.com/access

♪講師:

・小寺幹成 「パティスリー ロア・レギューム」オーナーパティシエ

・佐々木栄子 管理栄養士/健康運動実践指導者

◆参加費: 賛助会員料金 3,400円/一般料金 4,000円

◆定員・対象: 24名様 ・一般(18歳以上)

◆当日の流れ: レシピ説明 → 実習 → 試食(復習・歓談) → 片付け後、解散

◆ご持参いただくもの: エプロン、三角巾、ふきん(タオル)2枚(台ふき用・食器ふき用)、筆記用具

■お支払い方法: クレジットカード/銀行振込/郵便振替 ※事前決済のみとなります。

■お申し込みの流れ:

1. 下記「お申し込み方法」の該当するものからお申し込みください。
2. 事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3. 入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4. 当日、直接会場までお越しいただき、受付にてお名前をお伝えください。

■お申し込み方法:

※当教室は、一般の方にご自宅で作っていただくことを趣旨とした教室です。
製菓や料理のお仕事をしておられる方、食品会社で企画・開発をしておられる方など、
業界の方の場合は、その旨をお書き添えの上、お申し込みください。

★賛助会員の方: 事務局までメールにてお申し込みください。
  
★賛助会員入会をご希望の方:
1. 入会案内および会員規約をお読みください。
  http://www.toushitsuseigen.or.jp/sign-up

2. お申し込みは下のフォームからお願いします。
 「入会ならびに講演会出席のお問い合わせ」を選択いただき、  
 「通信」欄に「4/20京都スイーツ教室、参加希望」とご記入ください。
  http://www.toushitsuseigen.or.jp/contact
  
★一般(会員以外の方)で、教室参加のみご希望の方:
 下のフォームからお申し込みください。
 http://www.toushitsuseigen.or.jp/lesson-a

■その他:

・予約制です。当日参加はできません。開場・受付は、レッスン開始時間の15分前からです。

・お申し込み後、キャンセルされる場合は、4月16日(月)までに ご連絡ください。
4月17日(火)以降のキャンセルは、参加費の半額をキャンセル料金としていただきますので、予めご了承ください。

・実習室で作ったもの以外の飲食はできません。ご自宅で作ったお料理やお菓子などの持ち込みはできませんのでご注意ください。

・皆さまで実習と試食を行っていただきますので、香水などのフレグランスはお控えください。
ベーチェット、クローン病が糖質制限食で改善。追加報告。
こんばんは。

「ベーチェット、クローン病が糖質制限食で改善」
追加報告です。



【18/02/14 りんご

タイトルなし

はじめまして糖質制限歴3ヶ月半の中年女性です。

悪性の腫瘍が出来てしまい、気になっていた糖質制限を始めようと、

江部先生の著書から学ばせていただいてます。

先生の本を読み漁り、ここにも入り浸り、自分なりに理解しつつ実行しています。

私ごとですが、15年ほど前からクローン病やベーチェット病を抱えてもいます。

この度、糖質制限による体質の変化による効果をお礼を兼ねてお伝えしたいと思います。



効果

体重が16キロ減った。

頭がスッキリして人の顔や数字が思い出せるようになった。

日中も休まずに過ごせるようになった。

口内炎が出なくなった。

歯茎が良くなり、口腔内のネバつきがなくなった。

歯ぎしり、食いしばりがなくなった。

腸の激痛や下痢がピタリと止まり、少なくとも今年に入って症状は全く無くなった。

朝、スッキリと目覚め、生きていて良かったと思えるようになった。

手に水ぶくれが出来たり、皮が剥けていたのがツルツルになった。

立ちくらみ、めまいが無くなった。

逆流性食道炎が治った。

「はあー、しんど」と言わなくなった。

きっと気がつかない部分で、まだまだあると思うのですが、

短期間でこれだけの効果がありました。

(細かいと思われるかもしれませんが、本当に1つ1つが辛かったのです)

お気付きの通り、ベーチェットやクローンの症状と思っていたものも殆ど無くなりました。
糖質制限の効果なのかを見極めるためにも、ひと月ほど処方薬をやめてます。

なぜか結節生紅斑だけは残っているのですが、
これは脂肪細胞からのものと推測すれば、もうしばらくかかるのか?
などと推理しつつ消失する日を待ってます。

ま、無くならなくても十分幸せです。
それで、うかがいたいのですが、
糖質を取る事でまた苦しい日々がやって来るかもと思うと、
どんどんと糖質摂取量が減ってきています。

スーパー糖質制限程度にしたいのですが、
もともとが少食なのもあるので難しく感じています。
そして、この食事を今後ずっと続けるつもりなんですが、注意点はあるでしょうか?

沢山勉強しすぎて、考えがまとまらなくなってしまいました。
勝手ですが、これからものぞきに来させていただきます。
今後ともよろしくお願いします。】




こんばんは。

りんご さんからベーチェットやクローンの症状と思っていたものが、
殆どなくなったという大変嬉しいコメント頂きました。
ありがとうございます。

糖質制限食実践3ヶ月半で、
体重が16キロ減った。
頭がスッキリして人の顔や数字が思い出せるようになった。
日中も休まずに過ごせるようになった。
口内炎が出なくなった。
歯茎が良くなり、口腔内のネバつきがなくなった。
歯ぎしり、食いしばりがなくなった。
腸の激痛や下痢がピタリと止まり、少なくとも今年に入って症状は全く無くなった。
朝、スッキリと目覚め、生きていて良かったと思えるようになった。
手に水ぶくれが出来たり、皮が剥けていたのがツルツルになった。
立ちくらみ、めまいが無くなった。
逆流性食道炎が治った。
「はあー、しんど」と言わなくなった。


これは素晴らしい効果です。
確かに、口内炎や下痢・腹痛など
ベーチェットやクローンの症状が改善していますね。

糖質制限3ヶ月半で、15年来のベーチェットやクローンが良くなるとは
いい意味での衝撃のサプライズですね。
1ヶ月間、内服薬を中止しても、症状改善が維持できているので
糖質制限食の効果の可能性が高いです。

実は同様に、指定難病である「潰瘍性大腸炎」もほとんどが糖質制限食で良くなります。
複数の症例で、症状が改善して、ステロイド薬がなしになるなど著明な効果が出ています。

結節性紅斑は、その大部分が他の病気の症状や薬の副作用として発生しますが、
約1/3の患者では原因不明です。
炎症性腸疾患の皮膚症状として結節性紅斑がでることもあります。
現在、内服薬を中止しておられるし、クローン病もよくなっているので
結節性紅斑も今後、改善する可能性があると思います。

もともと少食ということですが、
優先順位の一番は、シンプルに、きっちりスーパー糖質制限をするということです。
そして糖質制限して減らしたカロリー分は脂質とタンパク質をしっかり摂取しましょう。
トータルには、厚生労働省のいう「推定エネルギー必要量」を摂取するのがコツです。

江部康二



【18/02/16 りんご

タイトルなし

江部先生、取り上げて下さりありがとうございます。
もしも、同様の症状で苦しんでいる方で糖質制限を考えておられるなら少しの励みになれば嬉しいとも思えました。
動物性のものを口にすると、腹痛と下痢が起こり、結果として口内炎と紅斑が出ていました。ですからほぼベジタリアン生活を長く続けて来たんです。それが糖質制限を行う事で、糖質と一緒に食べさえしなければ動物性のものも何ら悪くないと分かりました。

柔らかくて腸に優しい(と思っていた)ものばかり口にしていたので、何十年ぶりかで肉を食べた時の顎のだるさや、食べるだけで凄く体力を使った事も楽しい思い出になりそうです。
今ではすっかり肉食ですし、感覚ですが長く続いた貧血も改善していると思います。
経緯を知っている友人の1人からヨーグルトは早過ぎたんとちがう?と言われて、やめてみて2日になりますが、
紅斑が今までに無い早さでスーッとひいてます。ヨーグルトが関係あるか分かりませんが、腸のためになる事をいっぱいしたいと思っても焦ってはダメですね。

江部先生のお言葉の通り、しっかりとスーパー糖質制限を行なっていけば、紅斑も出なくなって行くと思えました。
主治医には前回の受診時にケトン体が出てると心配されたので、糖質制限について話しました。
今後も共感してもらえそうにないのが辛いですが、次の受診では改善した事を正直に話そうと思います。
そして、特定疾患受給者証も今期で打ち切りになりそうだと想像し、ニヤニヤしています。

焼き金で腸の中を掻き回されているような痛さ、と表現してた腸の痛みが無くなったんです。
腹痛がいつ来るか分からない恐怖で旅行や各種行事はストレスでしかありませんでした。
先生の本に出会えて本当に良かったです。
ありがとうごさいました!
長文になり申し訳ありませんでした。】



18/02/16 ドクター江部

Re: タイトルなし
りんご さん

良かったです。
人生が変わりましたね。



【18/03/13 りんご

わたしも一票よろしいでしょうか。
糖質制限にてクローン、ベーチェットの症状が無くなったと報告した者です。

先日、免疫内科の予約日で受診してきました。糖質制限で全て良くなっている事を報告したところ、嫌な顔をされる所か喜んで下さり、薬の種類が半分になりました!(全然飲んでませんとは言えなかったです…)
薬局でも薬が減った事を喜んで下さって、糖質制限で全ての症状が無くなったと報告しました。すると、最近、糖尿病の方とか糖質オフを頑張ってると聞くけど何にでも効くんやなと感心されてました。

もしも糖質制限に出会わなければ、わたしは今も沢山の薬と共に苦しい日々を過ごしていました。それが現実です。
個人的には反対の意見も大好きです。
どこを見落としてはるんか?誰の影響をうけてはるんか?なんて見てます。

皆さん色んな意見を目にして不安になると思います。まして受け身の人には今の時点では色々難しいのかもですね。
糖質制限で多くの疾病疾患は防いだり緩和したり出来ます。自分の体、自分の人生の事なのですから、
自分で納得しながら楽しく糖質制限をして行きたいと思っています。

紅斑も随分減ってきました。炎症も血沈も下がってます。ただBUNが低くて、こちらで検索しても高くなる事は出てきても低くなるのは出てなくて、長い間ベジタリアンだったツケかなと長い目で見ようと思います。

元気になった身体での初めての春が目前です!今年の桜は本当に楽しめそうです。
長々と失礼しました。】



りんごさん。
コメント、ありがとうございます。
糖質制限食で、クローン、ベーチェットの症状がなくなり
薬の種類が半分になったとは素晴らしいです、というか、
すでに2ヶ月くらい、内服薬なしでしたね。

免疫内科の担当医師も喜んでくださったとは、嬉しいです。
でもさすがに、全然飲んでないとは言えなかったというのは、よくわかります。

薬局でも喜んで頂いたということで、良かったです。
糖質制限というと、否定的な反応を示す医師や薬剤師がまだまだ多い中、
りんごさんは良い主治医と薬剤師に恵まれたと思います。

紅斑も随分減って、炎症も血沈も下が ったとは、見事な改善です。
BUNは、男性に比べて女性は10~20%低値 を示すことがありますので、経過をみてよいと思います。
実際の数値はどのくらいでしょう?

ともあれ、クローンやベーチェットや潰瘍性大腸炎という難病が、スーパー糖質制限食で改善する例があることを
りんごさんを始め、本ブログで報告できたことを嬉しく思います。
読者の皆さんの参考になれば幸いです。


江部康二
糖質制限食と糖尿人とAGEs。合併症予防。自己責任。
【18/03/10 モン吉
自己責任

江部先生、こんにちは

太郎氏のリンク先拝見しました。
極端な糖質制限は良くないとありましたが、
健康な人にとって極端な糖質制限食かも知れませんが、
我々糖尿人にとってはそれは普通の食事です。
逆に普通の食事は我々糖尿人にとっては極端な食事になります。
健康人と病人では食事内容が違っていて当然だと思います。
又、長期間の糖質制限食は危険だと書かれていますが、何年か書かれていません。
100年、200年続けたら危険という事でしょうか?
私は11年ですが、異常があった数値は全て正常になり、体調は良好でカゼもひきません。

我々糖尿人は、合併症という大問題があります
すぐ目の前にあるこの大きなリスクは絶対に
避けなければなりません。

私も11年前に糖尿病発覚当時は即入院といわれるほど酷かったです。
すぐに先生の本とブログを知り、糖質制限食を
始めて注射や薬なしで半年で正常になり
当時の糖尿病専門医は大変驚いていました。
糖質制限食を知らなければ今頃合併症で苦しんでいる事でしょう。

私だけでなく先生のブログには多くの方が正常になったと、
感謝のコメントが多数寄せられてます。
これがすべてを語っていると思います。

糖質制限食をしていて、ガンになる人もならない人もいるでしょう。
普通の食事をしていて、ガンになる人もならない人もいるでしょう。
今2人に1人はガンになり、3人に1人はガンで亡くなる時代です。

人はケガの場合もありますが、いつかは何かの病気で亡くなります。
我々糖尿人は最初に書きましたが、合併症をまず避けなけばならないと思います。
その為には糖質制限食は絶対必要です。
ガンになるかならないかは、その後の問題で誰にも分からないと思います。

健康な人が糖質制限食に不安があるなら、ひかえられた方が良いでしょう。
不安を持ちながら始めるのは、それこそ体に良くないことです。
あくまでも自己責任であり、自己責任で出来ない方は、控えた方が良いかと思います。
私も当然、自己責任で始めました。
長文になり、失礼致しました。】


こんにちは。
モン吉さんから、とても興味深いコメントを頂きました。
ありがとうございます。

<現行の糖尿病食は合併症製造食>

モン吉さんのご指摘通り、
我々糖尿人は耐糖能が低下していますので、
糖質を摂取すると必ず
「食後高血糖」「平均血糖変動幅増大」を生じます。
「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」は最大の酸化ストレスリスクであり
糖尿病合併症の元凶とされています。
従って、普通の糖質摂取比率が50~60%の食事というのは
糖尿人にとっては、明確に害悪であり毒と言っても過言ではないと思います。
現行の糖尿病食は、誠に遺憾ながら「合併症製造食」としか言いようがありません。

現実に今の日本では、糖尿病学会も認めるように
糖尿病合併症は全く減少していません。
人工透析が毎年16000人以上、
失明が毎年3000人以上、
足の切断が毎年3000人以上
です。
この事実は、現行の糖尿病治療(カロリー制限・高糖質食+薬物療法)が
決して上手くいっていない動かぬ証拠と言えます
現行の糖尿病治療が上手くいっているなら、
合併症は減り続けているはずです。

<体内で作られるAGEsが糖尿病合併症を引き起こす>
  最近、AGEs(*)が注目されています。
その理由はさまざまな糖尿病合併症の元凶の一つと考えられるようになったからです。
まず、AGEsは酸化ストレスのリスクとなります。
そのプロセスは多様ですが、最も分かりやすいのは、
AGEsが血管の内壁にたまり、動脈硬化を引き起こす例でしょう。
動脈硬化によって障害を受ける血管の部位によって、生じる糖尿病合併症は異なりますが、
いずれも血管病と言って過言ではありません。
血管壁のAGEsは消えない借金であり「高血糖の記憶 」と呼ばれています。
  体内で高血糖により産生されたAGEsが、細小血管合併症に関わることは、以前から指摘されていました。
細小血管合併症とは、糖尿病網膜症や糖尿病腎症です。
さらに近年「高血糖の記憶」という概念で、
米国の大規模臨床研究・DCCTのフォローアップ試験であるEDIC-DCCTの報告、
UKPDSの20年後の解析で、大血管合併症にもAGEsが関わっているという説が有力となっています。
大血管合併症とは、心筋梗塞や脳梗塞などです。
 AGEsによる合併症発症のリスクは、「血糖値×持続期間」で決まります。
高血糖であればあるほど、そして高血糖である期間が長ければ長いほど、
AGEsの生成、蓄積量は多くなるからです。
従って、長年糖尿病を患っている患者は糖化が生じやすく、
AGEsの蓄積も、糖尿病でない人に比べて必然的に多くなります。
その結果、心筋梗塞や脳梗塞にもなりやすくなるので、
糖尿病は「老化」が早く進む病気とも言われてきました。

<糖質制限食と糖尿人>
糖尿人においては「スーパー糖質制限食」だけが
「食後高血糖」と「平均血糖変動幅」と「AGEsの蓄積」が生じない食事療法であり、
合併症予防を考えると理論的には他に選択の余地はありません。

一方、糖質制限食は、強制するようなものではありません。
モン吉さんの仰るように、
自分で考えて自分で判断し選択して自己責任で実践するものです。


(*)AGEs
 糖化とは、ブドウ糖(グルコース)などの糖が、直接たんぱく質などに結合する反応のことです。
糖尿病の検査指標として一般的に使われているヘモグロビンA1c(HbA1c)は糖化したヘモグロビンのことです。
HbA1cは、たんぱく質と糖が結合する「糖化反応系」の初期段階で作られる「アマドリ化合物」の一種で、
アマドリ化合物からさらに糖化反応が進むと、
最終的に「終末糖化産物(AGEs=advanced glycation endproducts)」というものができあがります。
 AGEsには体内で産生されるものと食事由来のものがあります。
体内で産生されるAGEsが有害であること明白です。
糖質制限食では、肉や魚や卵など動物性たんぱく質を焼いて食べることがよくありますので
食事由来のAGEsが有害か無害か気になるところです。


江部康二
本ブログのコメント・質問・記事に関するお願い。2018年3月。
【本ブログのコメント・質問・記事に関するお願い】

ブログ読者の皆さんには、いつもコメントいただき、ありがとうございます。

糖質制限食に関する質問についてですが、実際に高雄病院や江部診療所に来院されて診察した患者さんに対しては、
医師としての責任・債務がありますので、個別に説明もしっかりさせて頂いていますし、フォローもしております。

一方、ブログ読者の皆さんの質問に関しては、糖質制限食に詳しい医師として、
ボランティアで回答させていただいています。

診察もしておりませんしフォローもできませんので、責任もとれません。

私の回答は、あくまでも一般論としての参考意見とお考え頂けば幸いです。

また、ブログ記事や本に関しても同様に、糖質制限食に関する一般論としての参考意見とお考え下さい。

従いまして、読者の皆さんが私の参考意見を読まれて、どのように利用されるかは、
自己責任でよろしくお願い申し上げます。m(_ _)m

そして読者の皆さんからもご意見いただきましたが、普通のお医者さんに相談可能な個人的な内容の質問は、
ご自分の主治医にご相談頂けば助かります。

またネットで簡単に検索可能なことは、ご自分でお調べください。

質問が増えてきましたので、
糖質制限食と関わりがないと判断した質問にはお答えできない場合もありますので、ご了承ください。m(_ _)m

普通のお医者さんでは解答不能の、糖質制限食に関わる質問は、
何でもどんどんしていただけば嬉しいです。 (^_^)

掲載OKの質問に関して、読者の皆さんに共有していただきたい情報の場合は、ブログ本文記事にて、
できるだけ順番にお答えしたいと思います。

質問によってはコメント欄でお早めにお答えする場合もありますのでご了承ください。

一方、質問がかなり増えてきていますので、なかなか即、お答えすることが困難となってきています。

糖質制限食に関わりのある全ての質問に、本文かコメントでお答えするようできるだけ努力はしていますが、
できないときはご容赦願います。m(_ _)m

それから、「管理人のみ閲覧できる」「匿名希望」などの質問に関しては、コメント欄にお答えするか、
一般的な話題に置き換えてブログに記載するようにしていますので、よろしくお願い申し上げます。


【糖質制限食を実践される時のご注意】

糖質制限食実践によりリアルタイムに血糖値が改善します。

このため既に、経口血糖降下剤(オイグルコン、アマリールなど)の内服やインスリン注射をしておられる糖尿人は、
減薬しないと低血糖の心配がありますので必ず主治医と相談して頂きたいと思います。


一方、薬を使用してない糖尿人やメタボ人は、低血糖の心配はほとんどないので、
自力で糖質制限食を実践して糖尿病やメタボ改善を目指していただけば幸いです。

内服薬やインスリン注射なしの糖尿人が糖質制限食を実践すると、食後高血糖は改善しますが、低血糖にはなりません。

血糖値が正常範囲である程度下がると、肝臓でアミノ酸・乳酸・グリセロール(脂肪の分解物)などから、
ブドウ糖を作るからです。

これを糖新生といいます。

診断基準を満たす膵炎がある場合、肝硬変の場合、そして長鎖脂肪酸代謝異常症は、
糖質制限食は適応となりませんのでご注意ください。

糖質制限食は相対的に高脂肪食になるので、診断基準を満たしている膵炎の患者さんには適応とならないのです。

進行した肝硬変では、糖新生能力が低下しているため適応となりません。

長鎖脂肪酸代謝異常症では、肉や魚などに含まれる長鎖脂肪酸が上手く利用できないので、適応となりません。

腎機能に関して、日本腎臓病学会編「CKD診療ガイド2013」において、eGFR60ml/分以上あれば顕性たんぱく尿の段階でも、
たんぱく質は過剰な摂取をしないという表現となっていて、制限という記載はなしです。

従いまして、糖尿病腎症第3期でも、eGFR60ml/分以上なら、糖質制限食OKです。

また、米国糖尿病学会(ADA)は

Position Statement on Nutrition Therapy(栄養療法に関する声明)
Diabetes Care 2013年10月9日オンライン版

において、糖尿病腎症患者に対する蛋白質制限の意義を明確に否定しました。

根拠はランク(A)ですので、信頼度の高いRCT研究論文に基づく見解です。

今後は、糖尿病腎症第3期以降で、eGFRが60ml/分未満の場合も、患者さんとよく相談して、糖質制限食を実践するか否か、
個別に対応することとなります。


なお、機能性低血糖症の場合、炭水化物依存症レベルが重症のとき、糖新生能力が低下していることがあり、
まれに低血糖症を生じますので注意が必要です。

また、どのような食事療法でも合う合わないがあります。

糖質制限食もその一つですので、合わないとご自分で判断されたら中止していただけば幸いです。


【糖質制限食とは】

米国糖尿病協会(ADA)の患者教育用のテキストブックLife With Diabetes(2004年版)には、以下の記載があります。

「摂取後直接血糖に影響を与えるのは糖質のみである。
糖質は速やかに吸収され、直接100%血糖に変わり、ほぼ120分以内に吸収は終了する。
蛋白質・脂質は、摂取後、直接血糖に影響を及ぼすことはない。
『炭水化物・タンパク質・脂肪はカロリーを含有している。
炭水化物だけが、血糖値に直接影響を及ぼす。』」


これらは含有エネルギーとは無関係な三大栄養素の生理学的特質です。 

1997年版のLife With Diabetes(ADA刊行)では、

「タンパク質は約半分が血糖に変わり、脂質は10%未満が血糖に変わる」

という記載がありましたが、2004年版以降は変更されています。

このように糖質、脂質、タンパク質のうち糖質だけが直接、血糖値を上昇させます。

従って、糖質を摂取した時にはインスリンが大量に追加分泌されます。

脂質を摂取しても、インスリンの追加分泌はありません。

タンパク質はごく少量のインスリンを追加分泌させます。

現在糖尿病において、食後の急激な高血糖(グルコーススパイク)が大きな問題として注目されています。

食後高血糖が、心筋梗塞や脳梗塞などの合併症を起こす危険因子として確立されたからです。

また一日における、食前・食後・空腹時など血糖値の変動幅(平均血糖変動幅)が大きいほど、
酸化ストレスが増強し動脈硬化のリスクとなることがわかってきました。

そして、食後高血糖と平均血糖変動幅増大を起こすのは、三大栄養素のなかで糖質だけなのです。

1gの糖質が、体重64kgの2型糖尿病の人の血糖値を約3mg上昇させます。

炊いた白ご飯茶碗1杯150g(252kcal)には、55.3gの糖質が含まれており、血糖値を166mg上昇させます。

一方、和牛サーロインステーキ(脂身つき)を200g(約1000キロカロリー)食べても、
糖質含有量は1gもないので、食後血糖は3mg未満の上昇しかないのです。 

なお、1gの糖質が体重64kgの1型糖尿病の人の血糖値を5mg上昇させます。

糖質制限食の基本的な考え方は、上述のような生理学的事実をベースに、
できるだけ糖質の摂取を低く抑えて、食後高血糖を防ぐというものです。

簡単に言えば、主食を抜いておかずばかり食べるというイメージになります。

抜く必要がある主食とは 、米飯・めん類・パンなどの米・麦製品や芋類など糖質が主成分のものです。

3食主食抜きのスーパー糖質制限食(糖質12%、タンパク質32%、脂質56%)なら、
薬に頼ることなく速やかにリアルタイムで良好な血糖コントロールが可能です。

一方、上述の白ご飯とステーキの例でも明らかなように、
カロリー計算に基づいて血糖値をコントロールすることは理論的に不可能です。

従って、現行の日本糖尿病学会推薦の糖尿病食(糖質60%、タンパク質20%、脂質20%)を実践する限りは、
一日の摂取カロリーを1200キロカロリーと低く抑えたとしても、食後高血糖が必ず生じるのです。

糖尿病の改善には、カロリー制限より糖質制限ということがおわかりいただけたと思います。


なお糖質制限食は、カロリー無制限ということではありません。

日本糖尿病学会「糖尿病治療ガイド2014-2015」の

男性1400~2000kcal
女性1200~1800kcal

ほど厳しいカロリー制限は必要ありませんが、

「日本人の食事摂取基準」(2015年、厚生労働省)
に示す推定エネルギー必要量の範囲、
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000041955.pdf

推定エネルギー必要量(一日あたり)
              男性                  女性
15-17才        2500 2850 3150           2050 2300 2550kcal
18-29才        2300 2650  3050          1650  1950   2200
30-49才        2300 2650  3050            1750  2000  2300
50-69才        2100 2450  2800           1650  1900 2200 
70才        1850 2200  2500            1500  1750 2000

身体活動レベル    低い 普通 高い         低い  普通  高い

くらいが目安です。


そして2013年に糖尿病食事療法に関して画期的な変化がありました。

米国糖尿病学会が、
2013年10月発表の『栄養療法に関する声明』において、
全ての糖尿病患者に適した唯一無二の治療食は存在しないと明記したのです。

これはそのまま、1969年の食品交換表第2版以降一貫して、糖尿病治療食として、
唯一無二の「カロリー制限・高糖質食」を推奨し続けている日本糖尿病学会への痛烈な批判となっています。

さらに、米国糖尿病学会は『栄養療法に関する声明2013』において
地中海食、ベジタリアン食、DASH食、低脂質食などと共に
「糖質制限食」も正式に受容しました。
このことは糖質制限食を推進する私達にとって、大変大きな追い風となりました。

なお、門脇孝日本糖尿病学会理事長によれば
東大病院では、2015年4月から、糖質40%の糖質制限食を供給しているそうです。
また門脇孝東大糖尿病・代謝内科教授ご自身も、緩やかな糖質制限食を実践されているとのことです。
2016/7/1(金)
東洋経済オンライン 
http://toyokeizai.net/articles/-/125237



<江部康二著 参考図書>


理論
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!糖質制限食のすすめ」2005年
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」2008年
「我ら糖尿人、元気なのには理由がある。」2009年 宮本輝先生との対談本
「やせる食べ方」2010年
「うちの母は糖尿人」2010年 監修:江部康二 著:伊藤きのと
(東洋経済新報社)
「糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食」2010年(ナツメ社)
腹いっぱい食べて楽々痩せる『満腹ダイエット』 (ソフトバンク新書)2011年
「主食をやめると健康になる」(ダイヤモンド社)2011年
「血糖コントロールの新常識! 糖質制限 完全ガイド」 (別冊宝島)2012年
「食品別糖質量ハンドブック」2012年(洋泉社)、
「糖質オフ!健康法」(PHP文庫)2012年
「主食を抜けば糖尿病はよくなる!糖質制限食のすすめ」(文春文庫)2012年
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」(文春文庫)2012年
「女性のための糖質制限ダイエットハンドブック」2012年(洋泉社)
「糖尿病治療のための!糖質制限食パーフェクトガイド」2013年(東洋経済新報社)
「医療の巨大転換を加速する」糖質制限食と湿潤療法のインパクト
 2013年(東洋経済新報社) 夏井睦先生との対談本
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!糖質制限食のすすめ 新版」2014年(東洋経済新報社)
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!2 実践編 新版」2014年(東洋経済新報社)
「炭水化物の食べ過ぎで早死にしてはいけません」2014年(東洋経済新報社)
一生太らない「やせる! 食べ方」2014年 (PHP文庫)
江部先生、「糖質制限は危ない」って本当ですか?2015年(洋泉社)
「なぜ糖質制限をすると糖尿病が良くなるのか」2015年(ナツメ社)
「糖質制限の教科書」2015年(洋泉社)監修
「糖質オフ!健康法」2016年3月(PHP研究所 )
「人類最強の糖質制限論」2016年4月(SB新書)
「ハンディ版糖質制限の教科書」2016年4月(洋泉社)
「増補新版食品別糖質量ハンドブック」2016年6月(洋泉社)
「Dr.江部の健康食の新常識100 」(TJMOOK)2016年11月(宝島社)
マンガでわかる「糖質オフ! 」健康法2016年12月、(PHP研究所 )
外食でやせる! 「糖質オフ」で食べても飲んでも太らない体を手に入れる、2017年(毎日新聞出版)
「江部康二の糖質制限革命」2017年(東洋経済新報社)
など多数。

レシピ
「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」2006年(東洋経済新報社)
「糖質オフ」ごちそうごはん2009年(アスペクト)
dancyuプレジデントムック 「満腹ダイエット 」 2009年(プレジデント社)
「血糖値を上げない!健康おつまみ109」2010年(東洋経済新報社)
「やせる食べ方レシピ集」 2010年(東洋経済新報社)
「糖質オフダイエット 」2011年(レタスクラブ、角川マーケティング)
「誰もがストレスなくやせられる!糖質制限ダイエット」2011年(講談社)
「主食を抜けば糖尿病はよくなる」レシピ集2011年(東洋経済新報社)
高雄病院の「糖質制限」給食2012年(講談社)
糖尿病がどんどんよくなる「糖質制限食」おすすめレシピ集2012年(ナツメ社)
糖質制限の「主食もどき」レシピ2013年(東洋経済新報社)
高雄病院Dr江部が食べている「糖質制限」ダイエット2013年(講談社)
糖質オフのダイエット弁当2013年(家の光協会)
高雄病院「糖質制限給食」朝 昼 夕 14日間完全プログラム
糖尿病・肥満改善が自宅でできる! 2013年(講談社)
2週間チャレンジ! 糖質制限の太らない生活 2014年(洋泉社mook)
電子レンジで糖質オフの作りおき 2016年10月(宝島社)
「やせぐせがつく糖質オフの作りおき 」2017年3月(宝島社)
「高雄病院の糖質制限作りおき 」2017年5月(洋泉社)
作りおきおかずで簡単! 朝・昼・晩 糖質オフのダイエット献立(家の光協会)2017年10月
糖質制限食の有効性と安全性は米国糖尿病学会により保証されている。
こんにちは。

相変わらす、一部の医師などが、
インターネットで糖質制限食批判をしているようですが、
糖質制限食の安全性と有効性は、
米国糖尿病学会(ADA)によって、既に保証されています。

米国糖尿病学会の糖質制限食に対する見解の経年的変化を見れば、
わかりやすいです。

1)2007年までは、糖質制限食を否定です。
2)2008年に、肥満を伴う糖尿病患者に1年間の期限つきで有効性を認めました。
3)2011年に、肥満を伴う糖尿病患者に2年間の期限つきで有効性を認めました。
4)2013年10月、成人糖尿病患者の食事療法に関する声明を
  2008年以来5年ぶりに改訂し、
  適切な三大栄養素比率は確立されていないことを明言しました。
  そして「糖質130g/日が平均的な最小必要量」という文言を削除し、
  肥満の有無は関係なく、期限なしで、正式に糖質制限食を容認しました。
  そして患者ごとに個別に様々な食事パターン〔地中海食,ベジタリアン食,糖質制限  食,低脂質食,
  DASH(Dietary Approaches to Stop Hypertension)食〕が受容可能としました。


つまり、米国糖尿病学会は2008年以降、
数々のエビデンスに基づいて糖質制限を容認の方向に踏み出しました。

その後、5年間のエビデンスの蓄積(糖質制限食肯定も否定も含めて)を経て
2013年に糖質制限食を正式容認です。

米国糖尿病学会の見解は、個人の医師の見解とは異なり、
多くのエビデンスに基づくものですから、信頼度は高く意義は大変大きいです。

2型糖尿病に対する食事療法として、
米国では今や糖質制限食は重要な位置を占めるようなってきています。

例えば、米国のデューク大学(米ノースカロライナ州ダーラム)は、
糖質制限食に関する臨床研究を積極的に行っています。

デューク大学のWilliam S. Yancy Jr.准教授は
2013年10月のADA声明改訂委員の1人でもあります。

一般内科のEric C. Westman准教授は同大学生活習慣医学クリニック所長です。
Westman准教授は、炭水化物20g/日未満をクリニックで実践しています。

このようにデューク大学では、
高雄病院のスーパー糖質制限食よりさらに厳格なケトジェニックダイエットを
糖尿病治療食の標準として実践しています。


2013年10月に、
米国糖尿病学会(ADA)が糖質制限食を正式に容認したという事実は
日本の糖質制限食推進派医師にとっても、大きな追い風となりました。
例えば、東大病院で2015年4月から
摂取比率40%の『緩やかな糖質制限食』が導入されたのも
米国糖尿病学会の見解の影響と思われます。

私もおおいに勇気づけられました。


江部康二
年収少ない女性ほど肥満リスク大。米国でも貧困層の肥満あり。
年収少ない女性ほど肥満リスク大
滋賀医科大分析

2018/3/5 18:22
©一般社団法人共同通信社
https://this.kiji.is/343318730199123041

 世帯年収が少ない女性ほど肥満リスクが高い傾向にあることが、
全国約2900人のデータ分析で分かったと、
滋賀医科大の三浦克之教授(公衆衛生学)らのチームが5日、発表した。

 厚生労働省からの補助金で実施し、成果は日本疫学会誌に掲載された。
健康格差を是正する施策に役立てばとしている。

 厚労省の2010年国民生活基礎調査と国民健康・栄養調査に参加した
全国の20歳以上の男女約2900人が対象。

 65歳未満の女性では、世帯年収が200万~600万円未満だと、
肥満リスクは、600万円以上の女性に比べ1.7倍、200万円未満だと約2.1倍になった。】



こんばんは。

2018/3/5の共同通信に
『年収少ない女性ほど肥満リスク大 』
という記事が掲載されました。

①世帯収入600万以上
②世帯収入200万~600万未満
③世帯収入200万未満

①に比べて、②は1.7倍、③は2.1倍
の肥満リスクということです。

スーパーや生協に買い物に行って、
気がつくのは、「見渡せば糖質」という現状です。

特に、安価ですぐに食べることができるものは、
菓子パン、食パン、ドーナツ、シュークリーム、サンドイッチ、
カップラーメン、カップ焼きそば、おにぎり、清涼飲料水・・・

ほぼ、糖質オールスターズといったラインアップです。
このような状況であれば、
世帯収入が低いほど、糖質を摂取する機会が多くなることは
容易に想像がつきます。
血糖値を直接上昇させるのは
糖質、脂質、蛋白質のうち、糖質だけです。

糖質を摂取した場合は、血糖値が上昇してインスリン(肥満ホルモン)がたっぷり分泌されます。
A)インスリンにより体脂肪は燃えなくなる。
B)インスリンにより血糖が中性脂肪に変わり蓄積される。
C)インスリンは血中の中性脂肪を分解し脂肪細胞内に蓄える。


このようにインスリンは三重の肥満ホルモンです。
蛋白質は一定量のインスリンを分泌させますが、脂肪はインスリンを分泌させません。

<糖質の頻回過剰摂取 → インスリンの頻回過剰分泌>
これこそが、肥満のシンプルな発症メカニズムです。

年収が少ない → 糖質の頻回過剰摂取 → インスリンの頻回過剰分泌 >
年収が少ないほど、糖質の摂取が増えます。
これが、「年収少ない女性ほど肥満リスク大」の発症メカニズムと考えられます。


これは、基本的に男性でも同様と思います。


米国でも「貧困と肥満」が問題となっています。
貧困層において

「空腹を満たすために、安価で、
高カロリーで栄養価が低い食品を食べざるを得ず、
その結果、肥満になる」


というパターンです。
『コーラやファンタの飲み放題』、『ポテトチップやコーンチップの食べ放題』、・・・
米国ではハンバーガーがご馳走と思う人も少なからずいます。

ハンバーガーを1個注文して、あとはコーラの飲み放題とチップの食べ放題で
兎に角、お腹を満たすというパターンで、「トリプル糖質」の食事です。
これでは米国の肥満は増え続けるばかりでしょう。

「南部糖尿病ベルト地帯」という言葉もありあます。
南部を中心とした16州が該当するのですが、この一体は
かねてより肥満者の割合がとくに高く、それに関連して
糖尿病や高血圧症の人も多い傾向にあります。
そしてこのエリアは貧困層が集中しているのです。
南北戦争で解放された黒人奴隷の子孫が多く住む南部諸州は
全米平均に比べ、著しく貧しい階層が多いのです。

米国だけでなく、OECD諸国においても「貧困層の肥満」
喫緊の課題となっているのです。


江部康二

2018年4月8日(日)、鹿児島市内で一般向糖質制限食講演会開催。
こんにちは。

2018年4月8日(日)、鹿児島市内で一般の方向の講演会を開催します。
鹿児島は、学生時代に行ったきりで、本当に久しぶりですので
とても楽しみです。

糖質制限食の基礎や最新の話題、実際の症例など
盛りだくさんにわかりやすくお話しします。
糖質制限食実践で、「糖化~老化」が予防できるという
お話もします。

前夜祭では、鹿児島黒豚、さつま若しゃもなどをつまみに、
薩摩の芋焼酎を、ちびちび吞みたいものです。

田頭先生とのコラボも大変楽しみです。
鹿児島、熊本、宮崎など九州の糖尿人・メタボ人の方々
是非、ご参加頂けば幸いです。

そうそう、血糖コントロール良好・メタボ脱却の糖質セイゲニストの皆さんも
是非、どうぞ。

江部康二



以下、事務局からのお知らせです。

***********

ブログ読者の皆様、いつも弊会のイベントへ多数ご参加いただきまして、
ありがとうございます。

4月8日(日)、鹿児島市内で一般の方向けの講演会を開催いたします。

第1部の講師は、神経内科医の田頭秀悟先生(医療法人日章会南鹿児島さくら病院)です。「人生を変える糖質制限」と題して、

・自らが糖質制限によってどう変わられたか、
・糖質制限による様々な疾患への幅広い改善効果、
・幅広い治療であるのに、なぜ社会ですんなりと受け入れられないのか
・糖質制限に関わる様々な経験と考察を重ねてこられた田頭先生ならではのご提案

など、お話しいただく予定です。

第2部では、江部康二理事長が「糖尿病・生活習慣病を予防&改善する食事法?糖質制限食は、人類本来の食事、人類の健康食」と題して講演。

16年に渡って実践・指導してきた「糖質制限食」について、 糖尿病やメタボなど生活習慣病の改善をはじめ、多くの良い効果をもたらす理由や仕組み、基礎理論などについてお話しいたします。

南九州にお住まいの方をはじめ、たくさんのご参加を心よりお待ちしております。

また、講演会の前日4月7日(土)の夜には、鹿児島市内の郷土料理屋さんで交流会を開催致します。
こちらも奮ってご参加いただけますと幸いです。

◆掲載サイト: http://www.toushitsuseigen.or.jp/activity

///////////////////ご案内/////////////////////


  (一社)日本糖質制限医療推進協会主催

     糖質制限食講演会 in 鹿児島

■日時:4月8日(日)12:50~15:40頃 ※開場・受付は12:30~

■会場:かごしま県民交流センター 東棟4F「大研修室第3」
   
〒892-0816 鹿児島市山下町14-50
http://www.kagoshima-pac.jp/

■内容

◇第1部: 「人生を変える糖質制限」

 田頭 秀悟 医師  医療法人日章会 南鹿児島さくら病院

[講師記]

神経内科医の田頭秀悟(たがしら しゅうご)と申します。
私は2011年11月より始めた糖質制限によって130㎏を超える超肥満状態から10か月で約30kgの減量に成功した経験を持つ医師です。
それ以外にも集中力、運動能力、感染に対する抵抗力、肌や歯の状態の改善など様々な体調の改善を自覚しました。
この経験を通じて糖質制限は単なるダイエット法ではなく根本的な健康法である事を肌で感じることができ、私の人生は大きく好転しました。
2013年9月からは私の体験や考えを日々まとめて書き綴ったブログ「たがしゅうブログ(http://tagashuu.blog.fc2.com/)」を開設しています。

◇第2部: 「糖尿病・生活習慣病を予防&改善する食事法
       ~糖質制限食は、人類本来の食事、人類の健康食」

 江部 康二 医師 一般財団法人高雄病院理事長/当会理事長

[講師記]

糖質制限食は、1999年から京都・高雄病院において糖尿病治療食として開始され、合併症を予防できる唯一の食事療法として画期的な成果をあげてきました。
摂取後直接、血糖に影響を与えるのは糖質のみで、蛋白質・脂質は影響なしです。
食後高血糖と平均血糖変動幅増大が糖尿病合併症の最大のリスクですが、 従来の糖尿病食(カロリー制限・高糖質食)では、必ずそれらを生じます。
また正常人でも食後血糖値の上昇が、生活習慣病の元凶となります。
米国糖尿病学会は、2013年10月、糖質制限食を地中海食などと共に正式に受容し、このことは糖質制限食に大きな追い風となりました。

◇質疑応答

※第1部50分、第2部70分、最後に質疑応答30分程度を予定しております。

■受講費: 賛助会員 2,000円 / 一般 2,500円


◇◆◇ 鹿児島交流会 ◇◆◇

◆日時: 2018年4月7日(土) 19:00~(2時間程度) ※講演会の前日開催です。

◆場所: 天文館 吾愛人本店

〒892-0842 鹿児島市東千石町9-14
https://tabelog.com/kagoshima/A4601/A460101/46000031/dtlmap/

◆参加費: 賛助会員 5,000円 / 一般(会員以外の方)5,600円


<以下鹿児島講演会、交流会共通>

■お申し込みの流れ:

1. 下記「お申し込み方法」の該当するものからお申し込み下さい。
2. 事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3. 入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4. 当日、直接会場までお越しいただき、受付にてお名前をお伝え下さい。

■お申し込み方法:

★賛助会員の方:

 事務局へ、メールにて参加ご希望のイベント名(4/8鹿児島講演会、4/7鹿児島交流会)、
 ご参加人数をご明記の上、お申し込み下さい。
 ※領収書の発行をご希望の場合は、領収書宛名もお知らせ願います。
 
★賛助会員入会をご希望の方:

1. 入会案内および会員規約をお読み下さい。
   http://www.toushitsuseigen.or.jp/sign-up

 2. お申し込みは下のフォームからお願いします。
   「入会ならびに講演会出席のお問い合わせ」を選択いただき、
  「通信」欄に参加ご希望のイベント名(4/8鹿児島講演会、4/7鹿児島交流会)を
   ご記入下さい。
   http://www.toushitsuseigen.or.jp/contact
  
★一般(会員以外の方)で、講演会、交流会参加のみご希望の方:

 下のフォームからお申し込み下さい。
 http://www.toushitsuseigen.or.jp/seminar-kagoshima

◆その他:

・予約制です。当日参加はできません。

・講演会のキャンセルは4月6日(金)までに事務局へご連絡願います。
 それ以降のご返金は対応致しかねますので、予めご了承ください。

・交流会のキャンセルは4月3日(火)までに事務局へご連絡願います。
 それ以降のご返金は対応致しかねますので、予めご了承ください。

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日本は糖質制限の理想郷か。スウェーデンにも糖質制限あり。
【18/03/05 neko
日本は糖質制限に便利な国だと思います
江部先生には御本やブログで大変お世話になっています。私と夫は糖質制限を始めて半年ほどですが、スリムになり(特に夫のポッコリお腹がペタンコに!)、体調がとても良くなり(疲れにくい、眠くならない)、食材の美味しさをより楽しめるようになり、良いことづくめです(もちろん将来の健康不安がなくなったのも嬉しいですね)。

実は夫は欧州人で、義母(欧州居住)が糖尿病です。江部先生の情報を元にスカイプで教育していますが、なかなか難しいです。パンとジャガイモが食べられなくて、どうやって生きていくの?という文化です。主治医もその考えに固執しているようですし。まずまずの大都会ですが、あちらでも医師のレベルはその程度のようでがっかりです。

それでも、昨日は義母がスーパーで豆腐を買ってきたと聞き、嬉しく思っています(恐らく日本人には食べられる代物ではないでしょうが)。

私は、日本は糖質制限を行うには世界で一番便利な国だと思います。流通が非常に便利なので美味しい食材が簡単に入手できます。糖質制限の継続が難しいと感じられる方は、外食を減らして、無投薬のお肉や平飼いの卵、自然栽培の野菜をオススメしたいです。美味しいし、割高とはいえ外食と比較したら安いです。我が家は糖質制限開始後の方が食事を楽しんでいます。

それに、江部先生のように無料でプログで情報提供してくださるお医者様なんて外国にいないと思いますよ?我々は本当に恵まれていると思います。(一方、日本ほどケーキなどが美味しく、手軽で、見た目も美しい国もないと思いますが。。。その点は苦笑)】



おはようございます。
nekoさんから、
糖質制限でダイエット成功、体調良好という嬉しいコメントを頂きました。
ありがとうございます。
そして、
「日本は糖質制限に便利な国」
というメッセージを頂きました。

私も、同感です。
一方、よくぞここまで来たなというのが、偽らざる心境です。

1999年から高雄病院で、糖質制限食を開始しました。
その経験をもとに
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」(東洋経済新報社)
を上梓したのが、2005年です。
この本は、それなりにベストセラーになって、
そこそこ日本全国に糖質セイゲニストも誕生しました。

しかしながら、この頃は、糖質制限OKの食材がほとんどなくて
私も含めて、全国の糖質セイゲニストの皆さんはおおいに苦労されたた思います。

私が監修する「糖質制限ドットコム」の糖質制限パンも初期の段階では
お世辞にも美味しいとは言えない代物でした。( ̄_ ̄|||)
試行錯誤に私の人体実験も重ねて、
満足いく味になったのは3年後の2008年頃からです。(^_^)

その後も日本において糖質制限食は、着実に広がって行きましたが
大きな転機となったのが、
2012年1月15日(日)に国立京都国際会館で開催された
第15回日本病態栄養学会年次学術集会におけるディベート
「糖尿病治療に低炭水化物食は是か?非か?」です。
私は是側の演者として講演しました。

通常は3000人規模の学会に4000人の医師・栄養士が参加し
大きな反響を巻き起こしました。
このことは糖質制限食が医学界の表舞台に初登場したという意味で、
大きな一歩といえます。
私のブログ「ドクター江部の糖尿病徒然日記」のアクセス件数も
この日を境に大幅に増えて、人気ブログとなりました。
このセッション以降、日本全国の医師会や病院から講演依頼が相次ぐようになり、
医学界にも爆発的に糖質制限食が広がり始めました。

テレビ・新聞・雑誌などのマスコミも、こぞって糖質制限食を取り上げるようにり、
世間一般の認知度は格段に上がっていったと思います。

2013年10月に米国糖尿病学会が5年ぶりに改訂した
「栄養療法に関する声明」のなかで、
地中海食やベジタリアン食などどともに「糖質制限食」を正式に容認したことも、
大きな追い風となりました。

2016年7月のNHKクローズアップ現代の試算によれば、
糖質制限市場は、3184億円とのことです。
医学界より、企業のほうが糖質制限食をビジネスチャンスと捉えて
行動が迅速なようです。
2017年にはくら寿司やガストなども糖質制限メニューを投入で、
なかなかのものです。

ケーキも糖質制限OKなものが、日本全国で簡単に手に入るようになり
味も全く、砂糖入りのものと遜色ありません。
糖質制限OKチョコレートもありますし、
糖質ゼロ麺もあります。
ご指摘通り、欧米では、ここまで豊富な糖質制限食品のラインアップはありません。

まさしく、日本は糖質制限に便利な国であり、糖質制限の理想郷と言っても
過言ではないと思います。
私も日本に住んでいて、とても助かっています。ヾ(^▽^)

日本における糖質制限食の発展に関しては、
以下の論文や本を経年的に考察するとわかりやすいです。


<糖質制限食関連の論文と本>
1)江部康二他:糖尿病食事療法として糖質制限食を実施した3症例,
      京都医学会雑誌51(1):125-130、2004
2)江部康二:主食を抜けば糖尿病は良くなる!糖質制限食のすすめ、
  2005年(東洋経済新報社)
3)坂東浩,中村巧:カーボカウントと糖質制限食, 治療,90(12):3105-3111,2008
4)江部康二:主食を抜けば(糖質を制限すれば)糖尿病は良くなる!,
  治療,91(4):682-683,2009
5)江部康二:低糖質食(糖質制限食carbohydrate restriction)の意義,
  内科,105(1):100-103,2010
6)山田悟:糖質制限食のススメ、2012年(東洋経済新報社)
7)白澤卓二:<白澤式>ケトン食事法、2012年(かんき出版)
8)夏井睦:「炭水化物が人類を滅ぼす 糖質制限からみた生命の科学」、光文社新書、2013年
9)渡辺信幸:日本人だからこそ「ご飯」を食べるな 肉・卵・チーズが健康長寿をつくる 、2014年(講談社)
10)宗田哲男:「ケトン体が人類を救う 糖質制限でなぜ健康になるのか」、光文社新書、2015年
11)江部康二:「人類最強の『糖質制限』論 ケトン体を味方にして痩せる、健康になる」、SB新書、2016年
12)江部康二:外食でやせる! 「糖質オフ」で食べても飲んでも太らない体を手に入れる、2017年(毎日新聞出版)
13)江部康二:江部康二の糖質制限革命」2017年(東洋経済新報社)




なお、欧州人の方のためには、日本語よりは英語のサイトが
わかりやすいと思いますので、以下に紹介します。

「The Food Revolution - AHS 2011」
http://youtu.be/FSeSTq-N4U4

という英語の講演の動画(ユーチューブ)があります。

講演が40数分で質疑応答をいれて合計54分くらいです。

この動画、スウェーデンのアンドレアス・エンフェルト医師が、
米国で糖質制限食の講演を行ったものです。

アンドレアス・エンフェルト医師は、スウェーデンの糖質制限派の医師です。

エンフェルト医師は、
Diet Doctor.com という英語のタイトルで、ホームページを作成して
LCHF(Low Carb High Fat:糖質制限・高脂肪)について様々な情報提供、
研究者や医師や科学ジャーナリストへのインタビューを掲載しています。
勿論、英語のサイトです。
http://www.dietdoctor.com/about

2013年12月24日 (火)の本ブログ記事
「スウェーデンでは、23%の人が、糖質制限食を実践している。」
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-2800.html
をご参照頂けば幸いです。


江部康二
朝日カルチャーセンター湘南教室教室・糖質制限食講座のご案内。
こんばんは。

朝日カルチャーセンター湘南教室教室・糖質制限食講座のご案内です。
糖質制限食の最新の知識や情報をわかりやすく楽しくお話します。
70分間の講演と20分間の質疑応答となります。
横浜、東京、関東方面の方々、是非ご参加いただけば幸いです。

お陰様で、糖質制限食は順調に普及してきています。

2005年に私が「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」(東洋経済新報社)
を日本初の糖質制限食の本として刊行したころとは、大きな違いがあります。

なんと言っても、2013年10月に米国糖尿病学会が5年ぶりに改訂した
「栄養療法に関する声明」のなかで、
地中海食やベジタリアン食などどともに「糖質制限食」を正式に容認したことが、
大きな追い風となりました。

この1~2年、糖質制限食の展開において大きな発展があり
いい意味のサプライズもありました。

2017年8月、ランセットの論文で
『炭水化物摂取比率が多いほど総死亡率が高くなる』
と報告されたのも衝撃的でした。

5大陸18ヵ国の13万5千例以上を約7年半追跡した。
大規模疫学前向きコホート研究です。
またまた糖質制限食に大きな追い風ですね。

2016年7月のNHKクローズアップ現代の試算によれば、
糖質制限市場は、3184億円とのことです。
医学界より、企業のほうが糖質制限食をビジネスチャンスと捉えて
行動が迅速なようです。
2017年にはくら寿司やガストなども糖質制限メニューを投入で、なかなかのものです。

一方、医学界においても、嬉しいサプライズです。
2017年2月7日(火)午後から、生まれて初めて東京大学医学部に行ってきました。
教授室で、渡邊昌先生、門脇孝先生、江部康二の3人で鼎談を行いました。
二人で話し合うのが対談で、三人で話し合うのが鼎談です。
渡邊昌先生は、医学雑誌「医と食」の編集長です。
門脇孝先生は、
一般社団法人 日本糖尿病学会 理事長
であり、
東京大学大学院医学系研究科糖尿病・代謝内科教授
です。

日本糖尿病学会のトップとじっくり話し合うことができて、
とても有意義な90分間でした。

糖質制限食の発展、まさに、今昔の感ありですね。


江部康二


☆☆☆
以下
朝日カルチャーセンター湘南教室のサイトから
https://www.asahiculture.jp/shonan/course/33aeaa44-8384-4b97-fc0d-59cf80830b3e

糖尿病&生活習慣病と糖質制限食
人類本来の食事、人類の健康食

講師名 高雄病院理事長 江部 康二

講座内容

近年糖質制限食が注目されています。糖質制限食は糖尿病治療食として開始され、
数多くの臨床活動を通して肥満・メタボなど様々な生活習慣病にも有効ということが判明しました。
私自身が2002年から15年間実践中で、肥満と糖尿病を克服しています。
運動を勧められても長続きしなかった方や色々なダイエットを試したけれど効果が表れなかった方、
またこれから糖質制限食を始めてみようと思われている方に向け、
その正しい知識と治療効果、カロリー制限食と糖質制限食の比較、注意点等をお話しします。
糖質制限食で、明日からの食生活を美味しく・楽しく・健康に!(講師記)

日時・期間 土曜 15:30-17:00  3/10  1回
日程 2018年 3/10

受講料(税込み) 会員 3,024円  一般 3,672円
注意事項 席は自由席です。必要に応じて資料を配布します。
*個人的は治療相談は承りかねますので、ご了承ください。

お申し込み

電話:0466-24-2255

講師紹介 江部 康二 (エベ コウジ)
<プロフィール>
・1950年生まれ。
・1974年京都大学医学部卒業。
・1974年から京都大学胸部疾患研究所第一内科(現在京大呼吸器内科)
にて呼吸器科を学ぶ。
・1978年から高雄病院に医局長として勤務。1996年副院長就任。
・1999年高雄病院に糖質制限食導入。
・2000年理事長就任。
・2001年から糖質制限食に本格的に取り組む。
・ 2002年に自ら糖尿病であると気づいて以来、さらに糖尿病治療の研究に力を 注ぎ、「糖質制限食」の体系を確立。これにより自身の糖尿病を克服。
内科医/漢方医/一般財団法人高雄病院理事長/一般社団法人日本糖質制限医療推進協会理事長。

<著書>

『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』2005年(東洋経済新報社)
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編』2008年(東洋経済新報社)
『我ら糖尿人、元気なのにはわけがある』2009年(東洋経済新報社・作家宮本輝氏との対談本)
『糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食』2010年(ナツメ社)
『主食をやめると健康になる』2011年(ダイヤモンド社)
『食品別糖質量ハンドブック』2012年(洋泉社)監修
『糖質オフ!健康法』2012年(PHP文庫)
『糖尿病治療のための!糖質制限食パーフェクトガイド』2013年(東洋経済新報社)
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!新版』2014年(東洋経済新報社)
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!2 実践編 新版』2014年(東洋経済新報社)
『炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません』2014年(東洋経済新報社)
『なぜ糖質制限をすると糖尿病が良くなるのか』2015年(ナツメ社)
『糖質制限の教科書』2015年(洋泉社)監修
『よくわかる! すぐできる! 「 糖質オフ! 」健康法 』2016年(PHP研究所)
『人類最強の「糖質制限」論~ケトン体を味方に して痩せる、健康になる』2016年(SB新書)
『江部康二の糖質制限革命』2017年(東洋経済新報社)
など多数。
ブログ『ドクター江部の糖尿病徒然日記( http://koujiebe.blog95.fc2.com/ )は日に数千件のアクセスがあり、糖尿病のかたやそのご家族から寄せられた質問への回答や、糖尿病・糖質制限食に関する 情報の発信に、日々尽力している。
長年の偏頭痛と胃痛が糖質制限食で、劇的改善。
【18/03/01 白雪
偏頭痛と謎の胃痛が改善
初めてコメントさせていただきます。41歳女性です。
私は糖尿病では無いのですが、長年ひどい偏頭痛と胃痛に悩まされていて、
どうにか改善したく様々な食事法を試みてきました。
偏頭痛は子供の頃からありましたが、30歳くらいから1年に一度ほど、
薬が効かない吐き気を伴うひどい頭痛が起きるようになりました。
脳の検査をしても異常なし。
胃痛は20歳くらいから、脂っこいものを食べた5、6時間後くらいに激痛が起きるようになりました。
膵臓や胃などひと通り調べても異常なし。
玄米食、砂糖抜き、肉抜き、グルテンフリー、色々試してみましたが、症状は無くなりません。
流行っているし、、、となんとなく試してみたゆるい糖質制限(今思うとプチ糖質制限くらい)をはじめると、
断然疲れにくくなるのを実感し、
色々調べていく過程で先生のブログに出会いました。
「江部先生、糖質制限は危ないって本当ですか?」も購入し、理論的にも納得し、実感もでき、
自己責任で糖質制限を続けています。
糖質制限をはじめてから、ぴたっと偏頭痛がおさまりました!
脂の摂取量が増えたのに、胃痛も無くなりました!
一度、お誕生日にフレンチに行き、フルコースをデザートまで食べたのち(誕生日で特別解禁)、
シェフからのプレゼントで手作りのケーキも。
せっかくだからと、完食した5時間後、懐かしい胃痛が、、、!本当に苦しかったです。
糖尿病ではなくても、糖質制限制限食だと健康でいられますが、糖質過剰食は私には合わないようです。
今は楽しく、美味しくスーパー糖質制限をしています。一生続けていくつもりです。
私には全然苦痛じゃなく、たまには糖質食に付き合ったりもしますが、
許容量がなんとなくわかってきたので無理なく続けられています。
このブログの改善例を読んでたくさん励まされてきたので、一つの例としてコメントさせていただきました。
胃痛、頭痛の他に睡眠、口内環境、疲れやすさ、イライラ、皮膚の乾燥、冷え性、など色々な事が改善されました。
先生、いつもありがとうございます。】


こんにちは。

白雪さんから
「長年の偏頭痛と胃痛が糖質制限食で、劇的改善。」
「胃痛、頭痛の他に睡眠、口内環境、疲れやすさ、イライラ、皮膚の乾燥、冷え性、など色々な事が改善」

という、とても嬉しいコメントを頂きました。
大変、ブログ読者の皆さんの、参考になります。
ありがとうございます。

「偏頭痛は子供の頃からで、30歳頃からは、1/年ひどい発作が、10年以上続いていた。」
「胃痛は20歳頃から、 脂っこいものを食べた5、6時間後くらい に20年以上激痛あり。」

これは、長年にわたって大変だったと思います。
私の知人の妻君も偏頭痛持ちです。
2~3ヶ月に一回、一日中頭痛で寝込んでしまい、ご本人もつらいのですが、
友人も家事や食事の手配が大変だとこぼしていました。

「江部先生、糖質制限は危ないって本当ですか?」 ( 洋泉社 )
拙著をご購入頂き、ありがとうございます。
理論的にも納得し、実感もでき、糖質制限実践で
偏頭痛と胃痛がぴったりおさまったとは素晴らしいです。

偏頭痛になると、身動きできない状態になります。
トイレにいくのも一苦労です。
動くと頭痛が悪化するので、発作が治まるまで、じっと寝ているしかありません。
このような症状の片頭痛が、10万年前や20万年前のアフリカのご先祖(ホモ・サピエンス)に生じたら
即、ライオンなどの肉食動物にに食べられてしまって淘汰されたことでしょう。
ということは、我々「ホモ・サピエンス」には、そもそも偏頭痛持ちの遺伝子などは、存在するはずがない理屈です。
即ち、偏頭痛は農耕開始以降、穀物(糖質)を食べ始めてから生じた新しい病気(糖質病)と言えます。

胃痛も、糖質制限食で改善しているので
原因は、脂っこいいものではなくて、糖質だったと考えられます。
シェフからのプレゼントで手作りのケーキで、久しぶりに胃痛が生じてますので
やはり砂糖や小麦の糖質が元凶と思われます。
実は逆流性食道炎による胸焼けも、ほとんどの人が糖質制限食でリアルタイムに症状が改善します。
私は、胃痛も胸焼けも、身体が発する「こんなもの食べて欲しくない」というサインととらえると、とてもわかりやすいと思います。

「たまには糖質食に付き合ったりもしますが、許容量がなんとなくわかってきたので無理なく続けられています。 」


これは、とても現実的で好ましいスタイルと思います。
「美味しく楽しく末長く糖質制限食」というキャッチコピーなので、長く続けることがとても大切な目標です。
白雪さんのように、自分の許容量を把握して、少量~適量の糖質食摂取もありと思います。

一方、私のような「糖尿人」は、糖質を1人前摂取したら、
食後血糖値のピークは200mg/dlを超えてくるので
リアルタイムに動脈硬化のリスクとなります。
従いまして、私は2002年、52歳で糖尿病発覚以来ずっと「スーパー糖質制限食」を実践中です。
おかげさまで、私の皮膚の糖化度は、68歳現在、52歳相当で維持できています。



江部康二
体重減少が減り止まる理由。脂肪細胞の数が関係か?
こんにちは。

私の友人で、スーパー糖質制限食1年間実践で、
体重が120kgくらいから90kgくらいまで、
約30kgくらい順調に減量成功された方が、2人おられます。

何故か、そこが壁となって、その後もスーパー糖質制限食を続けておられますが
ぴったり減り止まって、3~4年間が経過しました。
結果、BMIは軽く30を超えていて、米国基準でも肥満のままです。

この減り止まるという減少は、何故起こるのか仮説を考えてみました。
キーワードは脂肪細胞の数です。
17/10/03に福助さんが、脂肪細胞の数と大きさについてコメントされていますが、
私も福助さんのお考えに賛成です。

1個1個の脂肪細胞が、大きくなって肥満となった場合、
スーパー糖質制限食なら、速やかに、正常の大きさの脂肪細胞に戻ります。
これが、上記お二人の30kg減量成功に相当すると考えられます。

しかし、脂肪細胞の数が、増加していた場合は、
数は減少しないので、そこで減り止まると考えられます。

脂肪細胞の数は、子供の成長期のときに決まるとか、諸説ありますが、
最近の考えでは、成人になって以降も、脂肪細胞が一定以上の大きさになったら
分裂して数が増えるとされています。
研究によれば、脂肪細胞の大きさは直径の1.3倍までしか肥大できないことが
明らかとなっています。

BMIが約27くらいまでは、脂肪細胞の肥大のみで対応可能と思われます。
しかしそれを超えてエネルギーを貯蔵しようとすると
もはや脂肪細胞の肥大のみでは対応できなくなり
脂肪細胞を分裂させて数を増やすと考えられます。

従って、BMIが28~30以上の肥満の場合は、
脂肪細胞の数が増加している可能性が高く、
どこかで、体重減少が減り止まる場合も多いと思われます。

またBMIが35以上とかの肥満なら、当然脂肪細胞の数はかなり増えていると考えられ
かなりの確率で体重減少は減り止まると考えられます。

結論としては、脂肪細胞の数が分裂して増え始める前に
糖質制限食にて、肥満改善することが望ましいですね。

なお、脂肪細胞の寿命は10年と言われていますので
体重が減り止まった状態の方々も、10年間糖質制限食で
持ちこたえていれば、再び体重減少の可能性はあると思います。

本日のブログは、田頭秀悟先生にご教示頂いたことを参考にしました。
田頭先生、ありがとうございました。


第124回 日本医学会シンポジウム記録集
肥満の科学
2003年8月29日(金)~8月31日(日)
http://jams.med.or.jp/symposium/124.html


も参考にしました。


江部康二

『人気店のパティシエに学ぶ、低糖質スイーツ教室』 開催。
こんにちは。

2018年3月31日(土)、東京にて、日本糖質制限医療推進協会主催の
『人気店のパティシエに学ぶ、低糖質スイーツ教室』 を開催します。

メイン講師は、「パティスリー ロア・レギューム」 (埼玉県朝霞市)の
小寺幹成オーナーパティシエです。

小寺パティシエは、2016年11月に文化出版局から、
著書「おいしく作れる低糖質スイーツ」
http://books.bunka.ac.jp/np/isbn/9784579212866/
を出版され、ご自身がこれまでに開発された低糖質スイーツのレシピを
惜しみなく披露しておられます。 私は帯の推薦文を書きました(*^^)v

今回のテーマは、「しっとりパウンドケーキ & なめらかプリン」だそうです。

定員は24名様、先着順です。 皆さん奮ってご参加くださいね^^v

江部康二


以下、事務局からのお知らせです。

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ブログ読者の皆様、いつも弊会の講演会やスイーツ・料理教室へ 多数ご参加いただきまして、ありがとうございます。

本日は、3/31(土)低糖質スイーツ教室(東京)の開催をご案内申し上げます。

第5回目となる今回のテーマは「しっとりパウンドケーキ & なめらかプリン」です。

焼き菓子の中でも基本となるパウンドケーキを実習いただきます。

糖質の低い粉と油脂、卵を絶妙な配合で組み合わせて、しっとりとした食感の生地に仕上げます。

プレーンのバニラパウンドケーキから、様々な味のバリエーションが楽しめるアレンジ法もレクチャーいただきます。

そしてもう一品、プリンを小寺パティシエによるデモ・解説の上、ご試食いただきます。

低糖質スィーツの中で比較的作りやすいプリンではありますが、滑らかな舌触りの食感とまろやかな甘味、そして濃く・・・完成度の高いプリン作りをご紹介します。

関東圏の方をはじめ、皆様のご参加をお待ちしております。

◇スイーツ教室情報URL: http://www.toushitsuseigen.or.jp/activity

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    (一社)日本糖質制限医療推進協会主催

『人気店のパティシエに学ぶ、低糖質スイーツ教室(東京)』

  第5回 「「しっとりパウンドケーキ & なめらかプリン」

◆日時: 2018年3月31日(土) 13:00~16:00頃 ※開場・受付は12:45~

◆会場: 生活産業プラザ 5F 実習室(調理室)

〒170-0013 東京都豊島区東池袋1-20-15
JR、東京メトロ(丸の内線、有楽町線、副都心線)、西武線、東上線、都バス、民営バス、各線池袋東口下車徒歩7分
http://www.city.toshima.lg.jp/121/machizukuri/sangyo/003513/027291.html

♪講師:

・小寺幹成 「パティスリー ロア・レギューム」オーナーパティシエ

・佐々木栄子 管理栄養士/健康運動実践指導者

◆参加費: 賛助会員料金 3,400円/一般料金 4,000円

◆定員・対象: 24名様 ・一般(18歳以上)

◆当日の流れ: レシピ説明 → 実習 → 試食(復習・歓談) → 片付け後、解散

◆ご持参いただくもの: エプロン、三角巾、ふきん(タオル)2枚(台ふき用・食器ふき用)、筆記用具

■お支払い方法: クレジットカード/銀行振込/郵便振替 ※事前決済のみとなります。

■お申し込みの流れ:

1. 下記「お申し込み方法」の該当するものからお申し込みください。
2. 事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3. 入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4. 当日、直接会場までお越しいただき、受付にてお名前をお伝えください。

■お申し込み方法:

※当教室は、一般の方にご自宅で作っていただくことを趣旨とした教室です。
製菓や料理のお仕事をしておられる方、食品会社で企画・開発をしておられる方など、
業界の方の場合は、その旨をお書き添えの上、お申し込みください。

★賛助会員の方: 事務局までメールにてお申し込みください。
  
★賛助会員入会をご希望の方:
1. 入会案内および会員規約をお読みください。
  http://www.toushitsuseigen.or.jp/sign-up

2. お申し込みは下のフォームからお願いします。
 「入会ならびに講演会出席のお問い合わせ」を選択いただき、  
 「通信」欄に「3/31東京スイーツ教室、参加希望」とご記入ください。
  http://www.toushitsuseigen.or.jp/contact
  
★一般(会員以外の方)で、教室参加のみご希望の方:
 下のフォームからお申し込みください。
 http://www.toushitsuseigen.or.jp/lesson-a

■その他:

・予約制です。当日参加はできません。開場・受付は、レッスン開始時間の15分前からです。

・お申し込み後、キャンセルされる場合は、3月27日(火)までに ご連絡ください。
3月28日(水)以降のキャンセルは、参加費の半額をキャンセル料金としていただきますので、予めご了承ください。

・実習室で作ったもの以外の飲食はできません。ご自宅で作ったお料理やお菓子などの持ち込みはできませんのでご注意ください。

・皆さまで実習と試食を行っていただきますので、香水などのフレグランスはお控えください。

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健常者および糖尿人における食後血糖値のピーク時間は?
【18/02/28 のぞみん

江部先生こんにちわ。以前このコメント蘭で質問させていただき、
緩やかな糖質制限を勧めていただいた者です。
お陰様で、二ヵ月のスタンダード糖質制限を続けた結果、Hba1c5.6から4.9に下がり、
GAも13.7と順調です。
そして、当初痩せすぎだった体重も少しずつ適性体重に戻ってきています。
ありがたいかぎりです。これからも、続けていきます!!
さて、一つ質問ですが、一回25g前後位の糖質量の食事をすると、
血糖値が食後30分で100台、食後1時間では90台のことがあります。
食前もだいたい80〜90台なのですが、これは異常なことなのでしょうか?
ピークが30分前後で追加分泌が出ていると解釈すると良いですか?
お酒を飲んだ時にも同様の状態になりますが、
この二つは機序が違うことは理解できます。
お忙しいところ申し訳ありませんが、教えて下さい。】


こんにちは。

のぞみんさんから、食後血糖値のピークについてコメント・質問を頂きました。

のぞみんさん、HbA1cの改善、GA良好、良かったです。
また、痩せすぎだった体重が、少しずつ適正体重に戻ってきているのもいいですね。

糖質制限食実践で、厚生労働省のいう「推定エネルギー必要量」を摂取していると
肥満している人は、減量できて
痩せすぎている人は、体重増加が期待できます。

さて、
健常者および糖尿人における食後血糖値のピーク時間は、何時なのでしょうか?

東京慈恵会医科大学糖尿病・代謝・内分泌内科准教授の西村理明氏の研究によれば、

1)耐糖能正常者24名の食後血糖値のピークは、40分から50分
2)HbA1c8%未満の患者はおおむね1時間から90分の間にピーク
3)HbA1cが8%を超える患者では2時間後にピーク


です。

ピークが、後にずれるほど、耐糖能が良くないと言えるようです。

上記データは慈恵医科大学の西村理明氏の研究結果です。(*)

西村氏はCGMを駆使して血糖の変動を研究しています。

例えば、耐糖能正常者の24人を調べたところ、
朝食後、昼食後、夕食後ともに血糖のピークは、
40分から50分の時間帯に収まっていました。

次に、糖尿病患者の血糖変化も検証しています。

その結果、HbA1cが8%を超える患者では2時間後にピークがあったものの、
8%未満の患者はおおむね1時間から90分の間にピークがありました。

これらを考慮すると
のぞみんさんの、食後血糖値のピークが30分というのは
とても望ましいことと思います。


(*)
m3.com
https://www.m3.com/clinical/sanpiryoron/152762


江部康二