第6回食後血糖コントロールセミナー(仙台)のご報告。
こんばんは。

第6回食後血糖コントロールセミナー
が、2017/10/30(月)、仙台市青葉区の 勝山館 2階 瑞雲
にて開催されました。

一般演題(19:00~19:30)
座長:橋本 雄二 先生
1)「実録、糖質制限食の実践と破綻
  -糖尿病治療における2相性モデルの検討-」
演者:森本 玲 先生
  東北大学病院 腎・高血圧・内分泌科
2)「当クリニックにおける糖質制限食の有効性について」
演者: 橋本 雄二 先生
  橋本クリニック院長

特別講演(19:30~20:30)
座長:佐藤 文俊 先生
東北大学大学院医学系研究科
難治性高血圧・内分泌代謝疾患 地域連携寄付口座 特任教授
「 糖質制限食と糖尿病治療の理論と実践
   -最新の話題を含めて- 」
演者:江部康二
   高雄病院理事長


高雄病院京都駅前診療所の外来を少し早めに切り上げて
伊丹から飛行機で仙台です。
仙台は8度くらいでやや寒かったです。

私は特別講演の講師をつとめました。
医師、栄養士、看護師など医療従事者対象のクローズドの講演会でした。
95人くらい参加されて、過去最高の超満員で、
糖質制限食の広がりを実感しました。
熱心な質疑応答もありおおいに盛り上がりました。

森本先生は、
糖質制限がしっかりできる人・・・・糖質制限が無理な人 → 糖質制限軸
薬なしとしたい人・・・・薬内服してもどうしても糖質を食べたい人 → 薬物療法軸

というユニークな発想でわかりやすいお話しをして頂きました。
確かにこのように分類・分析するとスッキリしますね。

橋本先生は、スーパー糖質制限食でも
早朝空腹時血糖値だけが下がらない「暁現象」の糖尿病患者さんの
症例発表でした。
150mg/dl前後からどうしても空腹時血糖値が下がらない糖尿人に
SGLT2阻害剤を投与され、翌朝には見事に100mg/dlとなった症例でした。
私も同様な症例を、数例経験しています。

勝山館さんには、糖質制限な食事を提供していただき、
懇親会も美味しく楽しくで、呑んで食べて満喫しました。
勝山館の伊澤泰平社長も講演会に参加され、熱心に傾聴して頂き、
ありがとうございました。

コールドミートと彩り野菜のサラダ パルメザンチーズとオリーブオイルを添えて
仙台勝山館MCTオイル入りソーセージのボイル 温野菜添え
国産鶏胸肉のグリエボルチーニ 茸とマッシュルームのクリームソース
お造り盛り込み
海老のXO醤ソース
豚ロースと彩り野菜のカキソース炒め
春雨のきの子茸あんかけそば

皆、とても満足のいくお味でした。

スモークサーモンとクリームチーズの”ふすまパン”のサンドウィッチ

パティシエ特製デザート・・・これらだけはやや糖質が多いので遠慮しておきました。


橋本 雄二 先生
佐藤 文俊 先生
森本 玲 先生


今回は、お招きいただき、大変お世話になりありがとうございました。


江部康二

<糖質制限食に関するお知らせ・お願い・ご注意など> 2017年10月
【本ブログのコメント・質問・記事に関するお願い】

ブログ読者の皆さんには、いつもコメントいただき、ありがとうございます。

糖質制限食に関する質問についてですが、実際に高雄病院や江部診療所に来院されて診察した患者さんに対しては、
医師としての責任・債務がありますので、個別に説明もしっかりさせて頂いていますし、フォローもしております。

一方、ブログ読者の皆さんの質問に関しては、糖質制限食に詳しい医師として、
ボランティアで回答させていただいています。

診察もしておりませんしフォローもできませんので、責任もとれません。

私の回答は、あくまでも一般論としての参考意見とお考え頂けば幸いです。

また、ブログ記事や本に関しても同様に、糖質制限食に関する一般論としての参考意見とお考え下さい。

従いまして、読者の皆さんが私の参考意見を読まれて、どのように利用されるかは、
自己責任でよろしくお願い申し上げます。m(_ _)m

そして読者の皆さんからもご意見いただきましたが、普通のお医者さんに相談可能な個人的な内容の質問は、
ご自分の主治医にご相談頂けば助かります。

またネットで簡単に検索可能なことは、ご自分でお調べください。

質問が増えてきましたので、
糖質制限食と関わりがないと判断した質問にはお答えできない場合もありますので、ご了承ください。m(_ _)m

普通のお医者さんでは解答不能の、糖質制限食に関わる質問は、
何でもどんどんしていただけば嬉しいです。 (^_^)

掲載OKの質問に関して、読者の皆さんに共有していただきたい情報の場合は、ブログ本文記事にて、
できるだけ順番にお答えしたいと思います。

質問によってはコメント欄でお早めにお答えする場合もありますのでご了承ください。

一方、質問がかなり増えてきていますので、なかなか即、お答えすることが困難となってきています。

糖質制限食に関わりのある全ての質問に、本文かコメントでお答えするようできるだけ努力はしていますが、
できないときはご容赦願います。m(_ _)m

それから、「管理人のみ閲覧できる」「匿名希望」などの質問に関しては、コメント欄にお答えするか、
一般的な話題に置き換えてブログに記載するようにしていますので、よろしくお願い申し上げます。


【糖質制限食を実践される時のご注意】

糖質制限食実践によりリアルタイムに血糖値が改善します。

このため既に、経口血糖降下剤(オイグルコン、アマリールなど)の内服やインスリン注射をしておられる糖尿人は、
減薬しないと低血糖の心配がありますので必ず主治医と相談して頂きたいと思います。


一方、薬を使用してない糖尿人やメタボ人は、低血糖の心配はほとんどないので、
自力で糖質制限食を実践して糖尿病やメタボ改善を目指していただけば幸いです。

内服薬やインスリン注射なしの糖尿人が糖質制限食を実践すると、食後高血糖は改善しますが、低血糖にはなりません。

血糖値が正常範囲である程度下がると、肝臓でアミノ酸・乳酸・グリセロール(脂肪の分解物)などから、
ブドウ糖を作るからです。

これを糖新生といいます。

診断基準を満たす膵炎がある場合、肝硬変の場合、そして長鎖脂肪酸代謝異常症は、
糖質制限食は適応となりませんのでご注意ください。

糖質制限食は相対的に高脂肪食になるので、診断基準を満たしている膵炎の患者さんには適応とならないのです。

進行した肝硬変では、糖新生能力が低下しているため適応となりません。

長鎖脂肪酸代謝異常症では、肉や魚などに含まれる長鎖脂肪酸が上手く利用できないので、適応となりません。

腎機能に関して、日本腎臓病学会編「CKD診療ガイド2013」において、eGFR60ml/分以上あれば顕性たんぱく尿の段階でも、
たんぱく質は過剰な摂取をしないという表現となっていて、制限という記載はなしです。

従いまして、糖尿病腎症第3期でも、eGFR60ml/分以上なら、糖質制限食OKです。

また、米国糖尿病学会(ADA)は

Position Statement on Nutrition Therapy(栄養療法に関する声明)
Diabetes Care 2013年10月9日オンライン版

において、糖尿病腎症患者に対する蛋白質制限の意義を明確に否定しました。

根拠はランク(A)ですので、信頼度の高いRCT研究論文に基づく見解です。

今後は、糖尿病腎症第3期以降で、eGFRが60ml/分未満の場合も、患者さんとよく相談して、糖質制限食を実践するか否か、
個別に対応することとなります。


なお、機能性低血糖症の場合、炭水化物依存症レベルが重症のとき、糖新生能力が低下していることがあり、
まれに低血糖症を生じますので注意が必要です。

また、どのような食事療法でも合う合わないがあります。

糖質制限食もその一つですので、合わないとご自分で判断されたら中止していただけば幸いです。


【糖質制限食とは】

米国糖尿病協会(ADA)の患者教育用のテキストブックLife With Diabetes(2004年版)には、以下の記載があります。

「摂取後直接血糖に影響を与えるのは糖質のみである。
糖質は速やかに吸収され、直接100%血糖に変わり、ほぼ120分以内に吸収は終了する。
蛋白質・脂質は、摂取後、直接血糖に影響を及ぼすことはない。
『炭水化物・タンパク質・脂肪はカロリーを含有している。
炭水化物だけが、血糖値に直接影響を及ぼす。』」


これらは含有エネルギーとは無関係な三大栄養素の生理学的特質です。 

1997年版のLife With Diabetes(ADA刊行)では、

「タンパク質は約半分が血糖に変わり、脂質は10%未満が血糖に変わる」

という記載がありましたが、2004年版以降は変更されています。

このように糖質、脂質、タンパク質のうち糖質だけが直接、血糖値を上昇させます。

従って、糖質を摂取した時にはインスリンが大量に追加分泌されます。

脂質を摂取しても、インスリンの追加分泌はありません。

タンパク質はごく少量のインスリンを追加分泌させます。

現在糖尿病において、食後の急激な高血糖(グルコーススパイク)が大きな問題として注目されています。

食後高血糖が、心筋梗塞や脳梗塞などの合併症を起こす危険因子として確立されたからです。

また一日における、食前・食後・空腹時など血糖値の変動幅(平均血糖変動幅)が大きいほど、
酸化ストレスが増強し動脈硬化のリスクとなることがわかってきました。

そして、食後高血糖と平均血糖変動幅増大を起こすのは、三大栄養素のなかで糖質だけなのです。

1gの糖質が、体重64kgの2型糖尿病の人の血糖値を約3mg上昇させます。

炊いた白ご飯茶碗1杯150g(252kcal)には、55.3gの糖質が含まれており、血糖値を166mg上昇させます。

一方、和牛サーロインステーキ(脂身つき)を200g(約1000キロカロリー)食べても、
糖質含有量は1gもないので、食後血糖は3mg未満の上昇しかないのです。 

なお、1gの糖質が体重64kgの1型糖尿病の人の血糖値を5mg上昇させます。

糖質制限食の基本的な考え方は、上述のような生理学的事実をベースに、
できるだけ糖質の摂取を低く抑えて、食後高血糖を防ぐというものです。

簡単に言えば、主食を抜いておかずばかり食べるというイメージになります。

抜く必要がある主食とは 、米飯・めん類・パンなどの米・麦製品や芋類など糖質が主成分のものです。

3食主食抜きのスーパー糖質制限食(糖質12%、タンパク質32%、脂質56%)なら、
薬に頼ることなく速やかにリアルタイムで良好な血糖コントロールが可能です。

一方、上述の白ご飯とステーキの例でも明らかなように、
カロリー計算に基づいて血糖値をコントロールすることは理論的に不可能です。

従って、現行の日本糖尿病学会推薦の糖尿病食(糖質60%、タンパク質20%、脂質20%)を実践する限りは、
一日の摂取カロリーを1200キロカロリーと低く抑えたとしても、食後高血糖が必ず生じるのです。

糖尿病の改善には、カロリー制限より糖質制限ということがおわかりいただけたと思います。


なお糖質制限食は、カロリー無制限ということではありません。

日本糖尿病学会「糖尿病治療ガイド2014-2015」の

男性1400~2000kcal
女性1200~1800kcal

ほど厳しいカロリー制限は必要ありませんが、

「日本人の食事摂取基準」(2015年、厚生労働省)
に示す推定エネルギー必要量の範囲、
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000041955.pdf

推定エネルギー必要量(一日あたり)
              男性                  女性
15-17才        2500 2850 3150           2050 2300 2550kcal
18-29才        2300 2650  3050          1650  1950   2200
30-49才        2300 2650  3050            1750  2000  2300
50-69才        2100 2450  2800           1650  1900 2200 
70才        1850 2200  2500            1500  1750 2000

身体活動レベル    低い 普通 高い         低い  普通  高い

くらいが目安です。


そして2013年に糖尿病食事療法に関して画期的な変化がありました。

米国糖尿病学会が、
2013年10月発表の『栄養療法に関する声明』において、
全ての糖尿病患者に適した唯一無二の治療食は存在しないと明記したのです。

これはそのまま、1969年の食品交換表第2版以降一貫して、糖尿病治療食として、
唯一無二の「カロリー制限・高糖質食」を推奨し続けている日本糖尿病学会への痛烈な批判となっています。

さらに、米国糖尿病学会は『栄養療法に関する声明2013』において
地中海食、ベジタリアン食、DASH食、低脂質食などと共に
「糖質制限食」も正式に受容しました。
このことは糖質制限食を推進する私達にとって、大変大きな追い風となりました。

なお、門脇孝日本糖尿病学会理事長によれば
東大病院では、2015年4月から、糖質40%の糖質制限食を供給しているそうです。
また門脇孝東大糖尿病・代謝内科教授ご自身も、緩やかな糖質制限食を実践されているとのことです。
2016/7/1(金)
東洋経済オンライン 
http://toyokeizai.net/articles/-/125237



<江部康二著 参考図書>


理論
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!糖質制限食のすすめ」2005年
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」2008年
「我ら糖尿人、元気なのには理由がある。」2009年 宮本輝先生との対談本
「やせる食べ方」2010年
「うちの母は糖尿人」2010年 監修:江部康二 著:伊藤きのと
(東洋経済新報社)
「糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食」2010年(ナツメ社)
腹いっぱい食べて楽々痩せる『満腹ダイエット』 (ソフトバンク新書)2011年
「主食をやめると健康になる」(ダイヤモンド社)2011年
「血糖コントロールの新常識! 糖質制限 完全ガイド」 (別冊宝島)2012年
「食品別糖質量ハンドブック」2012年(洋泉社)、
「糖質オフ!健康法」(PHP文庫)2012年
「主食を抜けば糖尿病はよくなる!糖質制限食のすすめ」(文春文庫)2012年
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」(文春文庫)2012年
「女性のための糖質制限ダイエットハンドブック」2012年(洋泉社)
「糖尿病治療のための!糖質制限食パーフェクトガイド」2013年(東洋経済新報社)
「医療の巨大転換を加速する」糖質制限食と湿潤療法のインパクト
 2013年(東洋経済新報社) 夏井睦先生との対談本
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!糖質制限食のすすめ 新版」2014年(東洋経済新報社)
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!2 実践編 新版」2014年(東洋経済新報社)
「炭水化物の食べ過ぎで早死にしてはいけません」2014年(東洋経済新報社)
一生太らない「やせる! 食べ方」2014年 (PHP文庫)
江部先生、「糖質制限は危ない」って本当ですか?2015年(洋泉社)
「なぜ糖質制限をすると糖尿病が良くなるのか」2015年(ナツメ社)
「糖質制限の教科書」2015年(洋泉社)監修
「人類最強の糖質制限論」2016年4月(SB新書)
「ハンディ版糖質制限の教科書」2016年4月(洋泉社)
「増補新版食品別糖質量ハンドブック」2016年6月(洋泉社)
「Dr.江部の健康食の新常識100 」(TJMOOK)2016年11月(宝島社)
マンガでわかる「糖質オフ! 」健康法2016年12月、(PHP研究所 )
外食でやせる! 「糖質オフ」で食べても飲んでも太らない体を手に入れる、2017年(毎日新聞出版)
「江部康二の糖質制限革命」2017年(東洋経済新報社)
など多数。

レシピ
「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」2006年(東洋経済新報社)
「糖質オフ」ごちそうごはん2009年(アスペクト)
dancyuプレジデントムック 「満腹ダイエット 」 2009年(プレジデント社)
「血糖値を上げない!健康おつまみ109」2010年(東洋経済新報社)
「やせる食べ方レシピ集」 2010年(東洋経済新報社)
「糖質オフダイエット 」2011年(レタスクラブ、角川マーケティング)
「誰もがストレスなくやせられる!糖質制限ダイエット」2011年(講談社)
「主食を抜けば糖尿病はよくなる」レシピ集2011年(東洋経済新報社)
高雄病院の「糖質制限」給食2012年(講談社)
糖尿病がどんどんよくなる「糖質制限食」おすすめレシピ集2012年(ナツメ社)
糖質制限の「主食もどき」レシピ2013年(東洋経済新報社)
高雄病院Dr江部が食べている「糖質制限」ダイエット2013年(講談社)
糖質オフのダイエット弁当2013年(家の光協会)
高雄病院「糖質制限給食」朝 昼 夕 14日間完全プログラム
糖尿病・肥満改善が自宅でできる! 2013年(講談社)
2週間チャレンジ! 糖質制限の太らない生活 2014年(洋泉社mook)
電子レンジで糖質オフの作りおき 2016年10月(宝島社)
「やせぐせがつく糖質オフの作りおき 」2017年(宝島社)
「高雄病院の糖質制限作りおき 」2017年(洋泉社)
作りおきおかずで簡単! 朝・昼・晩 糖質オフのダイエット献立(家の光協会)2017年10月
アジア太平洋心臓病学会 市民講座。 ご報告。
こんばんは。

アジア太平洋心臓病学会 市民講座
非感染性疾患(NDCs)シンポジウム2017 
心臓病,脳卒中,がん,肺疾患,糖尿病の予防を目指して
2017年10月29日(日)
https://kenkochoju.kyoto/event/?act=detail&id=972
セミナー京都市後援
イベント開催場所 京都大学 百周年時計台記念館 国際交流ホール


のご報告です。

台風の雨の中で、参加人数が心配でしたが、
100人も来て頂いて、嬉しい限りでした。
患者さんやブログ読者の皆さんも来て頂いていて、ありがたいことでした。

講演会、錚々たるメンバーの講師陣なので、
私もやや緊張気味でした。

講演会のあと、日本料亭で懇親会でしたが、私も参加しました。
料亭には、アジア太平洋心臓病学会事務局から、糖質制限食のことは
一応説明して貰ったのですが、残念ながら無理とのことでした。( ̄_ ̄|||)

それで、食べていいものとそうで無いものを峻別して自衛しながら、食べました。
刺身など糖質制限OK食材もありましたが、
煮物、田楽、焼き物、和え物・・・砂糖がやや心配でしたがまあ仕方ないので食べました。(*_*)
エビの天ぷらは目をつぶって食べましたが、カボチャの天ぷらはパスです。
デザートの和菓子とご飯は、勿論パスです。
隣の松森先生も、糖質制限な食べ方で、私もにっこりでした。

結果は、帰宅して食後2時間半の血糖値が152mg/dlで、ギリギリでした。
会席料理の砂糖、恐るべしだったのですが、
食後3時間半の血糖値は108mg/dlでなんとか無事でした。(^^)  

ともあれ、懇親会では、
松森先生、河合先生、稲本先生、島田先生などなど素晴らしい業績をあげておられる
先生方と、親しくいろんな話題で会話できて、とても楽しかったです。

そうそう、島田先生と稲本先生の奥様は糖質セイゲニストとのことで嬉しく思いました。

江部康二


講演 3. 糖質制限食による糖尿病の治療と予防 江部康二

抄録 
糖質制限食は、1999年から京都・高雄病院において糖尿病治療食として開始され、合併症を予防できる唯一の食事療法として画期的な成果をあげてきました。米国糖尿病学会の患者用テキストブック(2004年)には「摂取後直接、血糖に影響を与えるのは糖質のみである。蛋白質・脂質は、摂取後、直接血糖に影響を及ぼすことはない。」と記載されています。これらは含有エネルギーとは無関係な生理学的事実です。食後高血糖と一日平均血糖変動幅増大が糖尿病合併症の最大のリスクとなりますが、従来の糖尿病食(カロリー制限・高糖質食)では、必ずそれらを生じるので、糖尿病合併症の予防は困難です。現実に日本では、毎年新たに、人工透析16000人、失明3000人、足切断3000人と糖尿病合併症は減っていません。米国糖尿病学会は、2013年10月、5年ぶりに「栄養療法に関する声明」を発表し、糖質制限食、地中海食、ベジタリアン食、低脂質食、DASH 食を受容しました。このことは糖質制限食に大きな追い風となりました。




プログラム

13:00  開場
      
13:30 ご挨拶  松森  昭 (NPO法人アジア太平洋心臓病学会 理事長)

13:35 開会の辞  河合 忠一 (京都大学名誉教授、元世界心臓連合 理事長)

13:40
      講演1 高齢者診療20年を通じて学んだ「老化の予防」
      山本  章 (尼崎老人保健施設ブルーベリー 施設長)
      座長 : 細田 瑳一 (日本心臓血圧研究振興会 理事長)

14:30 休憩

14:40 講演2 乳がんの予防・治療
      稲本  俊 (天理よろづ相談所学園天理医療大学 医療学部 学部長)
      座長 : 宮崎 俊一 (近畿大学医学部 循環器内科 主任教授)

15:30 休憩

15:40 講演 3. 糖質制限食による糖尿病の治療と予防
      江部 康二 (一般財団法人高雄病院 理事長)
      座長 : 島田 俊夫 (静岡県立総合病院 臨床医学研究センター 部長)

16:30 閉会の辞 長谷川 浩二 (京都医療センター 展開医療研究部長)


イベント開催日 2017年10月29日(日)
13:30~16:30/開場13:00

イベント開催場所 京都大学 百周年時計台記念館 国際交流ホール
住所:〒606-8317 京都府京都市左京区吉田本町36

料金  無料

定員  300名

主催者 特定非営利活動法人アジア太平洋心臓病学会

お申し込み方法 当ホームページの申し込みフォームより http://npo-apsc-ncd.jp/form/mpmail/

お問い合わせ先 特定非営利活動法人アジア太平洋心臓病学会
E-MAIL ncd@npo-apsc.jp
URL: http://npo-apsc.jp/

当NPO法人は世界心臓連合と協力し、アジア太平洋地域において、がんや心臓血管病、糖尿病などの非感染性疾患(NCDs)の撲滅に向けた啓発活動を展開しております。本シンポジウムはその活動の一環として行うことを目的としております。 本年のシンポジウムは昨年と同様に、それぞれの分野の専門家による講演会を一般の方々にも参加いただく市民講座として開催いたします。ご後援いただければ、本シンポジウムをより多くの一般市民の皆様へお知らせすることが出来るようになります。また、これらの活動を通じて、市民のNCDsの撲滅・健康増進に貢献できることを願っております。

作りおきおかずで簡単! 朝・昼・晩 糖質オフのダイエット献立 。刊行。
こんにちは。

作りおきおかずで簡単! 朝・昼・晩 糖質オフのダイエット献立
江部康二・大庭英子 (著)
家の光協会(2017/10/26)¥ 1,296
https://www.amazon.co.jp/dp/4259565567/


が、刊行されました。
この本も、料理研究家の大庭先生とのコラボです。
とてもわかりやすく作りやすいレシピとなっていますので
是非、ご一読いただけば幸いです。

現在、糖質制限食がどんどん広がり、すでに定着している感もあります。
しかし、注意が必要なのは、
糖質制限しているつもりが自己流で「極端なカロリー制限」になってしまうことです。
これでは結果として体力がヘロヘロになってしまいます。
例えば、「キャベツのせん切りと蒸し鶏」だけを食べて減量を目指した人がいましたが
この食事では、約500kcal/日くらいしかないので、
減量できても体調不良になってしまいます。

糖質制限食はカロリー制限食ではありません。
厚生労働省のいう「推定必要エネルギー」はしっかり摂取しましょう。
お酒も、選べば充分楽しめることも糖質制限食の利点です。
蒸留酒や糖質ゼロ発泡酒、糖質ゼロ日本酒、辛口ワインなどはOKなので
美味しく楽しく飲食することが可能なのです。


糖質オフの献立作りのポイント

糖質は20g以内を目安に
1食分の糖質は10~20gを基準に考えます。
ご飯茶碗1杯分の糖質は約55gなので、通常の献立より
かなり糖質量が少なくなっているのがわかります。

献立のおかずは2~3品
晩ごはんは、1品ずつがボリュームたっぷりなので、
おかずは2~3品で充分。
メインのおかずと決めてから、
副菜や汁ものを考えます。
朝ごはん、昼ごはんは、シンプルな2品献立が中心です。

作りおきおかずを活用
献立作りは毎日のことなので、
すべてを一から作るのは大変。
存のきくおかずや、
前もって仕込んでおけるおかずがあると楽です。
1回の食事に、作りおきおかずを
1~2品入れるようにします。

糖質の多い調味料は控える
塩、しょうゆ、みそ、マヨネーズ、穀物酢、ワインビネガーは
通常通り使えます。
ソース、トマトケチャップ、みりん、甘みそなどは控えめに。
砂糖は基本的に使いません。
めんつゆ、市販のドレッシングもNG。


江部康二


☆☆☆
以下は出版社の内容紹介です。

全てのレシピが糖質20g以下だから、
たっぷり食べても確実にヤセる!
作りおきおかずを活用してラクに作れる
朝・昼・晩のおいしい献立。


著者について

◎江部康二
財団法人高雄病院理事長。医師。1950年生まれ、京都大学医学部卒業。2002年に自らが糖尿病であると気づいて以来、糖尿病治療の研究に本格的に取り組み、「糖質制限食」の体系を確立。これにより、自らの糖尿病を克服。その後、高雄病院での糖質制限食の指導により、糖尿病や肥満、メタボリックシンドロームなどに対する治療効果を実証。2013年に一般社団法人日本糖質制限医療推進協会を設立し、糖質制限の普及に尽力している。著書多数。

◎大庭英子
料理研究家。身近な材料と普段使いの調味料で作る、簡単でおいしい料理に定評がある。
和・洋・中・エスニックと、レパートリーは幅広い。書籍、雑誌、新聞、広告と活躍の場も広く、あらゆる年齢層から支持を得ている。
糖質制限食の仕事に携わったことをきっかけに、自らも実践し、半年間で7kgのダイエットに成功。
以来、自分のペースに合わせて糖質制限を続けている。実践者ならではの視点で考案された、手軽においしく作れる糖質制限食レシピには説得力がある。『作りおきおかずで簡単! 糖質オフのダイエット弁当』(家の光協会)など著書多数。
米、がんの40%が過体重と肥満に関連。CDC発表。
こんばんは。
https://medical-tribune.co.jp/news/2017/1007511052/
2017年10月07日 のメディカルトリビューンに
米、がんの40%が過体重と肥満に関連
という記事が掲載されました。
米疾病対策センター(CDC)の月例報告「Vital Signs」の内容を紹介した記事です。

やはり、CDCの調査では、
成人の肥満率は、1999~2000年には30.5%だったのが、
2013~2014年には過去最悪の37.7%に達しています。
2015~2016年には過去最悪の水準をさらに更新し、39.6%に達しました。

「過体重+肥満」を合わせれば、60~70%にもなります。
つまり、米国では標準体重のほうが少数派になっています。

過体重、肥満に関連しないがんは13%減少していたのも興味深いです。

このような、肥満大国米国のデータを日本にそのまま当てはめるわけにはいきませんが
肥満と過体重がガンのリスクになる構造は同様と考えられます。
すなわちガン、発症リスクの最大のものは、高インスリン血症と思われます。

高インスリンは、がん以外にも、
老化・動脈硬化・アルツハイマー病などのリスクとなります。
過剰のインスリンは活性酸素を発生させて、酸化ストレスリスクとなります。

過剰のインスリン分泌を予防できる唯一の食事療法が
糖質制限食です。
すなわち、過体重と肥満に関連するがんの予防が可能なのは糖質制限食です。




江部康二


☆☆☆ 以下
2017年10月07日 のメディカルトリビューン記事
https://medical-tribune.co.jp/news/2017/1007511052/
米、がんの40%が過体重と肥満に関連
から、抜粋、要約です。


米、がんの40%が過体重と肥満に関連
 米疾病対策センター(CDC)の月例報告「Vital Signs」によると、
米国では1990年代以降、新規にがんと診断される割合は全体的に低下傾向。
過体重(BMI 25〜29.9)と肥満(BMI 30以上)に関連するがんについては上昇。
"過体重・肥満関連がん"は、胃がん、肝がん、膵がん、腎がんなど13種。
大腸がんは、検診で異形成を発見することにより、予防が可能。
米国では2014年に約63万人が過体重・肥満関連がんと診断。
がんと診断された全患者のうち約40%を占める。
また、米国では50〜74歳の成人のうち3人に2人が過体重・肥満。

過体重・肥満関連がんは女性で多い

 国際がん研究機関(IARC)は、過体重・肥満関連がんは、
髄膜腫、多発性骨髄腫、食道腺がん、甲状腺がん、
閉経後女性の乳がん、胆囊がん、胃がん、肝がん、膵がん、腎がん、卵巣がん、子宮がん、大腸がんの13種であることを確認。
 今回の報告は、CDCと米国立がん研究所(NCI)が過体重・肥満関連がんの傾向を検討するため、
米国がん統計(USCS)のデータから2005〜14年分をレビューし、2014年のがんデータを解析。
 解析の結果、がんと診断された女性の55%、男性の24%が過体重・肥満関連がん。
非ヒスパニック系黒人、非ヒスパニック系白人は他の人種と比べて過体重・肥満関連がんのリスクが高い。
黒人、ネイティブアメリカン、アラスカ先住民の男性も
白人男性と比べてリスクが高い。

多くの国民は過体重・肥満とがんの関連を知らない
 今回の報告によると、2005年から2014年の間に、大腸がんを除いた過体重・肥満関連がんは7%増加しており、
大腸がんはスクリーニングの効果によって23%低下。
過体重、肥満に関連しないがんは13%減少していた。
大腸がんを除いた過体重・肥満関連がんは75歳未満の成人で増加。
多くの米国人は過体重・肥満が幾つかのがん種と関連しているという認識がない。
CDCのBrenda Fitzgerald長官は「米国人の大多数は推奨体重を超過しており、過体重や肥満はがん発症リスクを高めるため、
今回の報告は懸念すべき材料である。しかし、健康的な体重を維持することで、誰もががんを予防することができる」と述べた。

NHKカルチャー横浜ランドマーク教室講座。糖質制限食のすすめ。12/10(日)。
こんばんは。

NHKカルチャー
横浜ランドマーク教室
横浜市西区みなとみらい2-2-1
ランドマークプラザ5F
https://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_1133128.html

講座 美味しく楽しく健康に!糖質制限食のすすめ
2017/12/10(日)13:30~15:00


のご案内です。

2017/10/21(土) のNHKカルチャー岐阜教室、糖質制限食講座
は、盛況のうちに無事終了でした。
質疑応答もみっちりあって、充実した内容でした。
ブログ読者の皆さん、ご参加ありがとうございました。

今回は横浜ランドマーク教室・講座のご案内です。
糖質制限食の最新の知識や情報をわかりやすく楽しくお話します。
70分間の講演と20分間の質疑応答となります。
横浜、東京、関東方面の方々、是非ご参加いただけば幸いです。

お陰様で、糖質制限食は順調に普及してきています。

2005年に私が「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」(東洋経済新報社)
を日本初の糖質制限食の本として刊行したころとは、大きな違いがあります。

なんと言っても、2013年10月に米国糖尿病学会が5年ぶりに改訂した
「栄養療法に関する声明」のなかで、
地中海食やベジタリアン食などどともに「糖質制限食」を正式に容認したことが、
大きな追い風となりました。

この1~2年、糖質制限食の展開において大きな発展があり
いい意味のサプライズもありました。

2016年7月のNHKクローズアップ現代の試算によれば、
糖質制限市場は、3184億円とのことです。
医学界より、企業のほうが糖質制限食をビジネスチャンスと捉えて
行動が迅速なようです。
くら寿司やガストなども糖質制限メニューを投入で、なかなかのものです。

一方、医学界においても、嬉しいサプライズです。
2017年2月7日(火)午後から、生まれて初めて東京大学医学部に行ってきました。
教授室で、渡邊昌先生、門脇孝先生、江部康二の3人で鼎談を行いました。
二人で話し合うのが対談で、三人で話し合うのが鼎談です。
渡邊昌先生は、医学雑誌「医と食」の編集長です。
門脇孝先生は、
一般社団法人 日本糖尿病学会 理事長
であり、
東京大学大学院医学系研究科糖尿病・代謝内科教授
です。

日本糖尿病学会のトップとじっくり話し合うことができて、
とても有意義な90分間でした。

糖質制限食の発展、まさに、今昔の感ありですね。


江部康二


☆☆☆
以下、NHKカルチャー横浜ランドマーク教室のサイトから抜粋です。

美味しく楽しく健康に!糖質制限食のすすめ
講師 高雄病院理事長 江部 康二

近年注目されている糖質制限について、
ご自身も実践し、肥満と糖尿病を克服された江部康二先生による講演会です。
数多くの臨床活動を通して、糖尿病、肥満、メタボリックシンドロームなどに対する
糖質制限食の画期的な治療効果が証明されています。
運動を勧められても長続きしなかった方や色々なダイエットを試したけれど効果が表れなかった方、
またこれから糖質制限食を始めてみようと思われている方に向け、
その正しい知識と治療効果、カロリー制限食と糖質制限食の比較、注意点等をお話しします。
糖質制限食で、明日からの食生活を美味しく・楽しく・健康に!

日時:2017/12/10(日)13:30~15:00
会場:NHKカルチャー横浜ランドマーク教室
受講料:会員3369円  一般3931円
受講お申し込み:https://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_1133128.html
お問い合わせ:045-224-1110
糖質オフのダイエット弁当 作りおきおかずで簡単!3万部達成。
こんにちは。

糖質オフのダイエット弁当 作りおきおかずで簡単!
江部康二 大庭英子 著 家の光協会 2013年5月

https://www.amazon.co.jp/dp/4259564072?tag=f070b-22&camp=243&creative=1615&linkCode=as1&creativeASIN=4259564072&adid=0QYM2MPAF4X0BV2YZRYQ&


ロングセラーとなり、このたび2017年10月、
第11版、累計3万部を達成しました。
これも、ブログ読者の皆さんのご協力のお陰です。
ありがとうございます。

何と言っても、弁当に特化したレシピの提供が、この本の特徴です。

大庭英子先生とは、「誰もがストレスなくやせられる!糖質制限ダイエット」
(講談社)2011年

でもご一緒させていただきました。
料理研究家の大庭先生は、2009年に糖質制限食の仕事に携わったことをきっかけに
ご自身も糖質制限食を実践されて、7kgの減量に成功されました。
簡単で美味しい料理には定評がある大庭先生ですが、糖質制限食体験をへて、
実践者ならではの視点からの今回の「糖質制限弁当レシピ」にはおおいに説得力があります。

サラリーマンの昼食は、外食に頼りがちで、定食、丼、麺類、などが定番であり、
糖質が避けがたいメニューがほとんどです。
糖質オフを実践したい人にとって、これは悩みの種です。
定食を頼んで、ご飯を抜くという手もありますが、なかなか満腹できないです。
またおかずも、砂糖やみりんや、甘口ソースが使われていると糖質たっぷりです。

このように糖質オフダイエット成功の鍵をにぎるのが、昼食対策なのです。
糖質オフの手作り弁当なら、そういった悩みはありません。
作りおきのおかずでお弁当を作るなら、経済的にも時間的にも一石二鳥です。

ダイエット目的あるいは血糖コントロールのために糖質制限食を実践されている方々に
とって強い味方となってくれる1冊です。
男性サラリーマン諸氏、奥さんも味方につけて、お弁当確保を目指しましょうね。


江部康二
低カロリー食で色素性痒疹出現。血中ケトン体高値単独では出現しない。
【17/10/23 中嶋一雄
ケトン食の副作用
 ケトン食関係の文献を調べても、副作用として「色素性痒疹」は報告されていません。

 色素性痒疹が発症するのは、飢餓的な病的ケトーシスの場合であって、十分なカロリー摂取を行った生理的ケトーシスの場合は、色素性痒疹はおこらないのでしょうか】



中嶋一雄 先生

情報をありがとうございます。
確かに
「ケトン食の基礎から実践まで」診断と治療社・藤井達哉監修・2011

の、14~16ページ及びに33~42ページに
ケトン食の副作用・合併症について詳細に記載されていますが、
色素性痒疹はないですね。

ケトン食実践者で小児てんかん患者なら、β-ヒドロキシ酪酸(BOH)濃度が
4000μmol/L以上が発作予防に望ましい(43ページ)ので、
血中総ケトン体はさらに高値で4600μmol/L以上なります。
それでも色素性痒疹は副作用として記載がありません。



さらに、宗田哲男先生のご研究(☆)により
1)胎盤のβ-ヒドロキシ酪酸(BOH)値は基準値の20~30倍、
平均2235.0μmol/L(60検体)
2)臍帯のβ-ヒドロキシ酪酸(BOH)値は基準値の数倍~10倍、
 平均779.2μmol/L(60検体)
3)新生児のβ-ヒドロキシ酪酸(BOH)値は、基準値の3倍~数倍、
  平均240.4μmol/L(312例、生後4日)  

ということがわかりました。
β-ヒドロキシ酪酸(BOH)の基準値は85 μmol/L以下です。
胎盤と臍帯と新生児では、ケトン体は高値が当たり前で安全であるということです。
そして、これだけβ-ヒドロキシ酪酸(BOH)が高値でも、
新生児に色素性痒疹は出現しません。

そうすると、中嶋先生のご指摘通り
A)低カロリー食 → 色素性痒疹出現
B)血中ケトン体高値 → 色素性痒疹出現なし


A)パターンで、色素性痒疹が出現しますが、
 ケトン体高値は原因ではなく低カロリーのための結果である可能性が高いです。
 すなわち、ケトン体は色素性痒疹に関しても無実であり、本来安全性は極めて高い物質と考えられます。

B)パターンで、血中ケトン体が、ケトン食レベルで4000μmol/Lを超える高値でも、 充分量のエネルギーを摂取していれば、色素性痒疹は出現しません。
 つまり、ケトン体高値単独で色素性痒疹は出現しないということです。


2017/10/23(月)の記事で、
低カロリー食で血中ケトン体が高値となり色素性痒疹発症
と述べましたが、正確には、単純に
「低カロリー食で色素性痒疹発症」
です。
ケトン体高値は、あくまでも低カロリー食の結果に過ぎません。
ケトン体高値と色素性痒疹は無関係です。
従って勿論、糖質制限食と、色素性痒疹は無関係です。



結論です。
今までの常識とは異なり、
色素性痒疹の本質は低カロリー過ぎる状態に対する人体の反応であり、
血中ケトン体高値は、無関係と考えられます。




(☆)
Ketone body elevation in placenta, umbilical cord,newborn and mother in normal delivery  Glycative Stress Research 2016; 3 (3): 133-140
Tetsuo Muneta 1), Eri Kawaguchi 1), Yasushi Nagai 2), Momoyo Matsumoto 2), Koji Ebe 3),Hiroko Watanabe 4), Hiroshi Bando 5)


江部康二
色素性痒疹と極端な低カロリー食ダイエット。糖質制限食は無関係。
【17/10/22 中嶋一雄
最近の論文より
糖質制限ダイエット中に発症した色素性痒疹の1例

徳島赤十字病院医学雑誌Vol.22(2017年発行)

http://www.tokushima-med.jrc.or.jp/hospital/14/2017pdf/012.pdf 】


こんばんは。

中嶋一雄先生から、色素性痒疹について論文をご教示頂きました。
ありがとうございます。

確かに、糖質制限食中に出現する好ましくない症状として
『色素性痒疹』があります。
実際、本ブログでもよくコメントを貰いますので、
本当に糖質制限のせいなのか、それともカロリー制限のせいなのか検討してみます。

この徳島赤十字病院医学雑誌Vol.22(2017年発行)の論文の著者も
「糖質制限ダイエット中に発症した色素性痒疹の1例」
ということで、発表しておられます。

しかし、結論からいうと
この論文により、
低カロリー食で血中ケトン体が高値となり色素性痒疹発症
修正「低カロリー食で色素性痒疹発症」
という構造がかなり明確となっています。
つまり糖質制限とは無関係ということです。

自験例でも尿中ケトン体が4+と高値で、
糖質制限中とはいえ、極端な低カロリ-であった可能性が高いです。

本論文に掲載されている色素性痒疹患者の表において
18症例のうち、14例は2004年より以前の症例です。

2005年に私が「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」を刊行したのが
本邦初みたいなものなので、それ以前には糖質制限食は広まっていません。
従って、
ほぼ全員がダイエット中に色素性痒疹を発症していますが、
糖質制限ではないカロリー制限食であったと考えられます。

2004年以前の14例のうち、
血中ケトン体を測定しているのは8名ですが、全員高値です。
865,665,490,1148,1498,1725μmol/l,高値、高値・・・
2004年以前の症例ですから、糖質制限なしの単純低カロリー食であり、
ケトン体高値ですので極端な低カロリー食の可能性が高いです。

血中総ケトンの基準値は、<0‐130μmol/l > です。
他の4名は尿中ケトン体が陽性であり、
血中ケトン体も高値だったと考えられます。

糖質制限してないのに、血中ケトン体が高値であったのは、
かなり極端な低カロリー食であった可能性が高いです

また、2008年以降の4例のうち、2例がケトン体の測定がしてあり、
2650と1969とかなり、高値です。
2008年以降の残り2症例の尿中ケトン体も陽性であり、
やはり血中ケトン体高値と考えられます。

2008年以降の4症例が糖質制限食を実践していたか否かは不明ですが、
スーパー糖質制限食実践中の筆者のケトン体は、「400~800~1200」ていどであることを思えば、
この「2650と1969」の2例は、やはり極端な低カロリー食の可能性が高いです。

結論です。
繰り返しとなりますが、色素性痒疹のほとんどが『糖質制限食』とは無関係に

極端な低カロリー食→血中ケトン体高値→色素性痒疹発症
修正「低カロリー食→色素性痒疹発症」

という発症機序と考えられます。


江部康二

10/24、一部修正です。


LDLコレステロールが1年間で、208mg/dl→366mg/dl。どうする?
【17/10/21 おりーぶママ
LDLコレステロールが366!
はじめまして。
私は57才の女性です(身長159cm、体重51kg)。10年ほど前から血圧が高くなり、昨年の9月1日から夫と共に糖質制限食を始めました。
その結果、2014年には175-90ほどだった血圧が、今週受けた人間ドックでは126-88に下がり、さらに今朝自宅では117-78程度でした。夫もすっかりお腹が細くなり、血圧も下がり、揃って健康になった感じがして喜んでいます。
糖質制限食を始めるに当たり、江部先生の『やせる食べ方』や『食品別糖質量ハンドブック』を参考にさせて頂き、特に後者は、食事の用意をする時には手放せないものになりました。さらにうれしいのは、太りたくないと思ってずっと我慢していた油物や、大好きなバター、チーズ、ワイン、オリーブオイル等々を食べてもいいんだとわかり、かえって糖質制限前より、おいしく食事を楽しむことが出来ていると感じています。体重も3キロほど減り、もう少しスリムになれるかなぁとこのままの食事を続けていこうと思っています。

ところが、数日前に受けた人間ドックで、衝撃を受けています。LDLコレステロールがなんと366と異常値を示していました(総コレステロールは491)。正しくは異常値というのかわかりませんが、例えばコレステロールが高いと江部先生のブログに訴えているどの方を見ても、あるいはアメリカなどのコレステロール値と心筋梗塞発症率予測(ちょっと正確ではないかもしれません)のグラフなどでさえ、LDLは280が上限だったりして、私が参考になるものが見当たらず途方に暮れております。 
人間ドックのあと、医師の診断で早速スタチンを勧められましたが、以前から宗田哲男先生の著書でコレステロール降下薬は飲むな、ということを読んでおりましたし、薬なしの人生を目指して、12年間ランニングを続けゼイゼイ言いながらも走ることが人生の一部になった生活をしているにもかかわらず、あっさり薬を勧めてくる医師に憤りを感じています。
宗田先生は次男の出産をして頂いた優しい,すばらしい先生でした。今でも感謝しています。先生の言うことに間違いはないと思っていますし、江部先生のブログを拝見すると、HDL-Cが高くて中性脂肪が低かったら、LDL-Cが高くても良いLDL-Cだという記述が至るところに出てくるので、ちょっと救われています。

しかし、それにしても値があまりにも高いのではないかと思い、不安でいっぱいです。わらをもつかむ思いです。江部先生、教えて頂けませんでしょうか?私は何らかのコレステロール降下薬を飲まなければいけないのでしょうか?
来週中に頸動脈エコー検査をします。動脈硬化を見るんでしょうか。
さらに1ヶ月後に再度血液検査をして、医師の診断はその時下るのだろうと思われます。

これまでのコレステロールの検査値は次の通りです。
   ’14/10 ’15/8 ’16/9/29 ‘17/10/17
T-CHO 261→ 283 →323 →491
HDL-C 116→ 102 →106 →116
LDL-C 126→ 166 →208 →366
中性脂肪 55→ 54 →46 →58

糖質制限食は2016/9/1より始めました。
よろしくお願い致します。】


こんばんは。

オリーブママさんから、LDLコレステロール値が
糖質制限食で急上昇というコメントを頂きました。

     14/10  15/8  16/9/29   17/10/17
T-CHO  261 → 283   →323   →491
HDL-C  116 → 102   →106   →116
LDL-C  126 → 166   →208   →366
中性脂肪 55  → 54   →46    →58

2016年9月1日から、糖質制限食開始で、
総コレステロールとLDL-Cが急上昇しています。
一方、糖質制限1年ちょっとで、血圧・体重が改善で良かったです。

確かに私は、
「HDL-C値が高くて中性脂肪値が低かったら、
LDL-C値が高くても良いLDL-Cだ」

と、常々ブログで述べています。

でも、
LDL-C  126 → 166   →208   →366
という数値をみると、誰でもやや不安になりますよね。
しかし、結論から言うと、経過をみて良いと思います。

オリーブママさんのLDLコレステロールは
肝臓から末梢組織に、
コレステロールという細胞膜の材料を運んでくれる善玉LDL-Cです。
悪玉の小粒子LDLはほとんどないパターンです。

現在のLDLコレステロール高値は、

「糖質制限食実践により食事由来のコレステロールが増加したが、
肝臓でのコレステロール合成量の低下がまだ追いついていない」

状態に加え、

「糖質制限食により小粒子LDLが減り、
大粒子LDL(通常のLDL)が増えることで(LDLの粒子数は不変だが)LDLの質量が増えた」

結果だと考えられますので、心配ないと思われます。

上記仮説は、きよすクリニックの伊藤喜亮先生からご教示いただきました。謝謝。


実際、
「小粒子LDL-Cが多いほど総死亡率は上昇するが、
標準の大きさのLDL-Cは多いほど総死亡率が下がる傾向がある」

という英文論文もあります。

また、現在LDLコレステロール値は直接測定する場合と、
計算式で求める方法がありますが、直接法は精度があまり高くなく、
計算式の方が一般的であり、通常Friedwaldの式を使います。
この式を利用して計算されたLDL-Cは、中性脂肪値が低い場合は
過大な数値となることがあります。
つまり本当はそんなに高くないのに、計算式の問題で、
見かけ上高値にみえるという場合もあるわけです。
そして、糖質セイゲニストは、中性脂肪値が低いです。

Friedwaldの式
LDLコレステロール= [総コレステロール] – [HDLコレステロール] – [中性脂肪]÷5



幸い、頸動脈エコーを検査されるということなので、
万一プラークが見つかれば、薬を考慮する必要がありますが
まずプラークはないと思いますよ。
プラークがなければ、例えLDL-Cが高値でも現実の血管に害を及ぼしてないのですから
問題はないわけで、経過をみてよいと思います。

1年、2年~数年レベルで経過をみれば、肝臓が調整するので
LDL-Cや総コレステロールも、もともとの、糖質制限開始前のデータに戻ると思います。

万一、薬を考慮する場合も、スタチンではなくゼチーアが良いです。
すなわち、食材からのコレステロールが増加して、血中コレステロールが上昇したのは
明らかなので、理論的に食材からのコレステロールをブロックするゼチーアのほうが
適切です。


江部康二


思春期の糖質制限。機能性低血糖。起立性低血圧。
【17/10/19 ゆきんこ
思春期の糖質制限
コメント失礼します。8月の大阪での講演会も参加させていただきました。参加のきっかけが、娘が中学から不登校になり色々な病院や相談できる機関には全て相談したのですが、ほぼ寝たきりになってしまいました。重度の起立性低血圧と診断はされましたが昼に起きても学校に行くどころか3時間もすればまた寝てる。たまに調子のいい日は夜に学校に行く。というのを繰り返してました。児童精神科にも有名な大学病院や思春期外来の有名な先生の所まで連れて行きましたが元気がないのと思春期の鬱は別です。お嬢さんは鬱ではなく起立性低血圧と何かなぁ!頭痛の時の薬がきつかったから脳にインパクトを与えてしまって、寝てばかりなんでしょう。や、理由のない不登校ですね。等よくわからない診断というか精神科にも通う理由がなくなり八方塞がりになっておりました。その後、神戸にある小児睡眠障害科の先生に診ていただく機会があり、生まれつきメラトニンの量が少ないようだからメラトニンをサプリメントとして飲み規則正しく寝る時間と起きる時間を一定にするよう指導を受け、朝はなんとか午前中に起きられるようになりました。寝たきりのときも夜は10時に就寝し朝は10000ルクスの光がでる機器を買い睡眠時計を出来るだけ作るようにしてたのですが、メラトニンを飲みだして本当によくなったのですが、やはり学校には行けず油断すると昼寝をしてしまい日中はほとんど学校には行けませんでした。メラトニンで朝はなんとか起きられるようになったのに何故こんなにしんどそうで寝てばかりなのか、毎日落ち込んでいました。本人がいちばん辛いのは分かってたのですが責めてばかりでした。高校は通信教育で行きましょうと学校には言われてましたので娘もこのまま朝に起きれるようにはなりそうにないから通信教育にしますと言っていたのですが、やはり友達はみんな高校に行くので(スマホの良いところで学校には行けませんでしたが友達と毎日ラインはしてました)全日制を受験すると急に言い出し糖質制限を今日からすると‼言い出しました。不登校の間、頭痛専門の整体や小児鍼などにも通っておりどの先生も糖質を控えるようにと再三言われておりました。精神科の先生はそんな食事のことには触れもされませんでしたかが東洋医学に携わってる方には糖質制限をすごく言われました!糖質制限を始めてなんと‼その日から昼間は寝なくなってなんとか午後から学校に行けるようになりました。ただ寝たきりだったので疲労感は残りましたが今までのように少し歩いただけで疲れた疲れたと言い出し座り込む。といったこともなくなり高校にも受かり、毎日学校に行けるようになりました。痩せ体質ですが1日3000キロカロリーで糖質を40グラム以内にしてます。長々と申し訳ありません。先生のブログを過去の分も読ませていただいて思うのですかウチの娘の場合は起立性低血圧と機能性低血糖を持っていて糖質制限で機能性低血糖が良くなり学校に通えるようになったのでしょうか。だとすれば思春期の不登校も糖質制限でかなり学校に行ける子どもが増えるのではないでしょうか。私の母方が糖尿家系で母も私も甲状腺機能亢進性で母は30代、私は中学の時に入院してます。糖尿病になりやすい素質を持っていると機能性低血糖にもなりやすいのでしょうか。娘は体調が良くなりずっと糖質制限を続けると言ってます。血糖値が安定してるからかとても朗らかな子になりました。お忙しいのに長文失礼致しました。お返事は結構ですので、ただウチの娘の様に理由のない不登校と言われ毎日ダルくて寝てばかりの若い子どもが先生のお近くにおられましたら是非とも糖質制限を進めていただきたいのと、思春期の精神科のお医者様に広まる事を願いメールさせていただきました。
因みに私の出生体重は4200グラムの巨大児でした。私も糖尿病になる可能性があると思い糖質制限しています。】





ゆきんこ さん

娘さん、中学から不登校で、長い間、大変苦労されましたね。
現時点で糖質制限食で改善しておられるので、とても良かったです。

仰る通り、娘さんは
「起立性低血圧」と「機能性低血糖」がベースにあったものと思われます。
また、メラトニンで睡眠が改善し、何とか午前中に起床できるようになったので
小児睡眠障害科の先生が仰るように、
生まれつきメラトニンの量が少ない体質だったのでしょう。

起立性低血圧の場合
「寝起きの悪さ、朝がつらい、立ちくらみ、頭痛、めまい、ふらつき、失神・・・」
などの症状が、メインであり、特に朝の不調が目立ちます。
一方、食後の眠気とか、すぐに昼寝していまうとかは、
起立性低血圧単独ではあまりないと思います。

「メラトニンを飲みだして本当によくなったのですが、
やはり学校には行けず油断すると昼寝をしてしまい日中はほとんど学校には行けませんでした。」

「メラトニンで、朝は何とか起きられるが、いつもしんどくて、
昼食後は昼寝をしてしまうことも多く、学校には行けない」
ということでしたので、
糖質摂取による血糖値の急上昇と急下降が、強い眠気を誘発していたのでしょう。
従って、娘さんのつらい症状の一番主要な原因は「機能性低血糖」であったと思われます。

機能性低血糖症は、1924年アメリカのSeale Harrisによって指摘された疾患で、
血糖値の低下に伴ない、精神的・身体的症状を来たす疾患です。

易疲労感、気力低下、眠気、集中力低下、物忘れ、不安、いらいら、頭痛、めまい、
発汗、震え、心悸亢進、筋肉痛、甘いものに対する異常な欲求、異常な空腹感・・・

などの症状がみられます。

『糖質制限を始めてなんと‼その日から昼間は寝なくなってなんとか午後から学校に行けるようになりました。』

糖質制限食により、機能性低血糖の症状がリアルタイムに改善したのだと考えられます。
高校にも合格できて、毎日通学できているとは素晴らしいです。

「糖尿病になりやすい素質を持っていると機能性低血糖にもなりやすいのでしょうか。」

そのように思います。

2015年11月25日 (水)の本ブログ記事
「機能性低血糖の症状が、糖質制限食で速やかに改善。」
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-3604.html

もご参照頂けば幸いです。


「娘は体調が良くなりずっと糖質制限を続けると言ってます。
血糖値が安定してるからかとても朗らかな子になりました。」


良かったです。
糖質制限以前と以後とこれほどの差があるのですから、
糖質制限食に辿り着かれて、本当に良かったです。


「不登校・・・朝起きられない、食後の眠気、易疲労感などで学校に行けない・・・。」
といった症状で悩んでいる中学生や高校生のなかに
「機能性低血糖」がベースにある場合があると考えられます。

思春期精神科医師、小児科医、そして、不登校の中高生で悩むご両親などに
このことを、知って頂けば幸いです。


江部康二
【第29回阪神内分泌DMセミナー】特別講演のご報告。
こんにちは。

【第29回阪神内分泌DMセミナー】特別講演 
糖尿病治療と糖質制限食 ~薬物療法のこつ~
日程:2017年10月19日(木)18:00~19:45
場所:都ホテルニューアルカイック
対象:尼崎市内の医師、栄養士、薬剤師、看護師など医療従事者


において、特別講演の講師をつとめました。

<一般演題>『一般内科開業医が考えるSGLT2阻害薬の意義』
座長:篠崎一哉 先生 しのざき医院 院長
演者:勝谷友宏 先生 勝谷医院 院長

<特別講演> 『糖尿病治療と糖質制限食 ~薬物療法のこつ~』
座長:中村嘉夫 先生 兵庫県立尼崎総合医療センター 糖尿病・内分泌内科 部長
演者:江部康二 医師 一般財団法人 高雄病院 理事長


医師を中心に約30名の参加者で、活況でした。
質疑応答も活発であり、
すでに糖質制限食を実践されている医師からの質問が多かったです。

座長の中村嘉夫先生をはじめ、糖尿病専門医もおられましたが、
妙な反発はなく、非常に中身の濃い質の良い討議ができました。

やはり、2015年4月から、東大病院でも40%の糖質制限食を導入していることや、
2017年2月7日に東大病院で、門脇孝先生、渡邊昌先生、江部康二の3人で
90分間「鼎談」を行ったこととかが、徐々に浸透しているのでしょうか?

懇親会もおおいに盛り上がり、21時前まで、
いろんな先生方や栄養士さんなどと、しっかり意見交換することができました。

そうそう尼崎市在住の京大医学部同級生の大石健先生もかけつけて頂いて
久しぶりに旧交を温めることができて、とても嬉しかったです。


最後になりますが、
篠崎一哉先生、勝谷友宏 先生、中村嘉夫 先生
貴重な機会を与えていただいて、ありがとうございました。


江部康二
江部康二の検査データとケトン体。2017年10月。
こんにちは。

本日は今から尼崎に出かけます。
【第29回阪神内分泌DMセミナー】にて、講師をつとめます。
糖尿病専門医の方々も多く参加されると思うので、楽しみです。

さて、スーパー糖質制限食を数年間実践中の、
江部康二の2017年10月の検査データです。

HbA1c:5.6%(4.6~6.2)
GA(グリコアルブミン):13.2%(11.6~16.0)

空腹時血糖値:106mg(60~109)
中性脂肪:40mg(50~149)
総コレステロール:228mg(150~219)
HDL-コレステロール:93mg(40~85)
LDL-コレステロール:127mg(140mg未満)
尿酸:4.0mg(3.4~7.0)
BUN:18.9mg(8~20)
クレアチニン:0.66mg(0.6~1.1)
血清シスタチンC:0.63mg(0.61~1.00) → eGFR:119.3
GOT:26(9~38)
GPT:21(5~39)
γGTP:45(84以下)
総タンパク:6.6g(6.5~8.3)
アルブミン:4.5g(3.8~5.3)

血色素量:15.0(13~17)
白血球数:5400(3900~9800)
赤血球数:465(400~560)

空腹時インスリン:4.4μU/ml(3~15)

血中βヒドロキシ酪酸:698μM/L(76以下)
尿中アセトン体:陰性

尿アルブミン定量精密・クレアチニン補正値:7.3(30以下)



HbA1cも正常範囲内ですがやや高めのほうです。
空腹時血糖値が、正常範囲内でやや高め(正常高値)であることを反映しています。
まあ、糖尿病歴、15年ですから仕方ありませんね。

一方、GAは正常範囲内でかなり低めのほうです。
これは、スーパー糖質制限食により食後高血糖がほとんどないためと思われます。
即ち「糖化」は正常人並みあるいはそれ以上に予防できていると考えられます。

総コレステロール値は、心血管疾患との関連性は無く、
脂質異常症の2007年以降のガイドラインから外れているので特に問題はありません。
HDL-コレステロール、LDL-コレステロールもOKです。
中性脂肪値が低く、HDL-Cが多いので、
小粒子LDL-Cはほとんどない良好なパターンです。

スーパー糖質制限食なので、高タンパク・高脂質食なのですが、尿酸はやや低いですね。
尿酸も食べ物由来は2割程度であとは個人の体質ですのでこんなものでしょう。

高タンパク食ですが、BUNもクレアチニンも正常です。

焼酎などよく飲む割には肝機能も全く正常です。 (^_^)

インスリンは、基礎分泌が正常範囲内でやや少なめですが、
空腹時血糖値が基準値なので問題ないです。

血中βヒドロキシ酪酸:698μM/L(76以下)と、
一般的基準値に比べればかなり高値ですが、
尿中のアセトン体(ケトン体の一種)は陰性です。

これは、スーパー糖質制限食実践で、心筋・骨格筋などの体細胞が、
日常的に効率良くケトン体をエネルギー源として利用するようになったため、
尿中に排泄されないのだと考えられます。

即ち、わたしの血中ケトン体値は、あくまで生理的範囲のもので、
インスリン作用は一定確保されていて、血糖値も106mgと正常です。

見方を変えれば、農耕以前の人類皆糖質制限食だった頃は、
私のような血中ケトン体値のデータが当たり前で、
人類の標準だったと考えられます。

糖質制限食実践中の人の血中βヒドロキシ酪酸の標準値は、
200~800~1200μMくらいと考えられます。

ケトン食レベルの人達の、血中βヒドロキシ酪酸は、
1000~2000レベルですが、尿中ケトン体は、陰性のようです。

なお、糖質制限食開始直後は、血中ケトン体の上昇に伴い、
尿中のケトン体も陽性となり、どんどん体重が減少していきます。
徐々にケトン体の利用効率が良くなるに従い、
尿中ケトン体は減っていき、やがて陰性となります。


江部康二
機能性低血糖。急性膵炎・慢性膵炎と糖質制限食。
【17/10/17 ルーマニアから

膵炎らしき症状に糖質制限は

江部先生。初めまして。突然の失礼をお許しください。
私は55歳の男性で、長いこと低血糖症に悩んでいまして、
ことしの3月と6月に急性膵炎で倒れてしまいました。

しかし、昨年4月よりルーマニアの片田舎に在住のため、
日本のような医療機関が見つからず、
インターネットの情報から絶食とわずかづつの摂食でなんとか自力で回復しました。

しかし、救急症状まではいかなくとも低血糖症状は良くならず、
しんどい時は昏睡のように眠ったり、
最悪の時は黒砂糖を食べて救急症状に対応したりしています。

しかしなんとかしたいといろいろと探しているうちに、
江部先生の糖質制限にたどり着きました。
もう本当に目からウロコが取れた感じです。
自己流でこれを始めて1週間くらいです。
血糖の乱高下は収まりつつあります。
しかし医療機関の受診も検査もできないため、数値からではなく、
体の様子からの判断であり、すべて憶測の範囲を出ません。

糖質制限の注意事項に、基準値範囲内の膵炎患者は適応しない、とありますが、
私のような症状では糖質制限食を行ってよいものでしょうか。
薬は膵炎用の単純消化薬のみ服用しています。

お忙しいところ大変申し訳ありません。
もしわずかでもアドバイスをいただけると大変助かります。
よろしくお願いします。】



おはようございます。
「ルーマニアから」 さんに、膵炎と糖質制限食について、コメント・質問を頂きました。
機能性低血糖もあるそうです。

結論から言うと、「ルーマニアから」 さんの今の状態なら
腹痛などの症状もなく、急性膵炎から回復しておられますので、
糖質制限食を実践されても大丈夫です。

『慢性膵炎の診断基準を満たす場合は、糖質制限食は適応とならない。』
と述べましたが、下記にもありますように、そのようなケースはまれです。

従いまして、安心して糖質制限食を実践されて、
機能性低血糖の症状を予防・コントロールされて、大丈夫です。


さて、急性膵炎は重症の病気で、本来、入院が必要です。
しかし急性膵炎は、致命的経過をとることがある重症例を除き、
一般的には可逆性であり、臨床的回復後約 6 か月経過すると、
膵臓は機能的・形態的にほぼ旧に復するとされます。

従って、治ったあとは糖質制限食OKです。
糖質制限食で膵炎になるということは、ありません。
一方アルコールが急性膵炎のもっとも多い原因ですから、
過度な飲酒を控えることが大変重要です。
1日あたりの飲酒量が増えるに伴い
急性膵炎のリスクが上昇することが知られています。


慢性膵炎は、再燃と改善(間欠期)を繰り返しながら、
徐々に膵臓が慢性炎症のために壊れて膵機能不全に進行していく病気です。
再燃を予防するには、アルコールを控えることと禁煙が最も重要です。

「厚生労働省難治性疾患克服研究事業・難治性膵疾患に関する調査研究班」
の全国調査によると、
2011年1年間に医療機関を受診した慢性膵炎患者さんの数は約67,000人、
人口10万人あたりの数は52.4人と推定されています。
2011年の1年間に新たに慢性膵炎を発病した患者さんは約18,000人でした。

慢性膵炎は高脂肪食はなしとなりますので、糖質制限食は適応となりません。
一方、慢性膵炎の確定診断には画像診断或いは組織診断が必須です。
そのため、確定診断のついた慢性膵炎は、そんなにはおられません。

従って、確定診断がついていない、
血清アミラーゼやリパーゼがやや高値で、腹痛もないレベルなら
糖質制限食OKです。
実際、糖尿病があり、アミラーゼ高値でも
腹痛はない患者さんが
糖質制限食を実践したところ、血清アミラーゼ値が改善したことがあります。


より詳しくは以下の本ブログ記事をご参照頂けば幸いです。


2015年05月12日 (火)の本ブログ記事
「膵炎と糖質制限食。急性膵炎。」
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-3377.html

2015年05月14日 (木)の本ブログ記事
「膵炎と糖質制限食2。慢性膵炎。」
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-3379.html



江部康二
炭水化物が人類を滅ぼす【最終解答編】植物vs.ヒトの全人類史、刊行
炭水化物が人類を滅ぼす【最終解答編】
植物vs.ヒトの全人類史 (光文社新書) 新書 – 2017/10/17
夏井 睦 (著)




こんにちは。
我が畏友、夏井睦先生の新刊が刊行されました。

衝撃のベスセラー「炭水化物が人類を滅ぼす」から、4年、
最終解答編ということで、
期待はおおいに膨らみます。

2016/7/20(水)、
NHKクローズアップ現代で糖質制限食が特集されました。
番組出演の群馬大学名誉教授の栄養学者の高橋久仁子さんが、
「ダイエットブームは、たいてい1~2ヶ月、
長くても半年で終わるが糖質制限食は年単位で続いているのが不気味です。」
と述べておられました。

私に言わせれば、不気味でも何でもなく、
糖質制限食はブームではなく真実そのものであるということです。

すなわち、糖質制限食は生理学的事実に基づく基礎理論により体系づけられています。
さらにRCT研究論文・コホート研究によるエビデンスがある科学的な食事療法なのです。

糖質制限食は、今後もどんどん広がり続け、人類を救ってくれることでしょう。
夏井先生からの、新説・仮説・解答・メッセージ・・・とても楽しみです。

炭水化物が人類を滅ぼす【最終解答編】
私も早速、購入しました。
しっかり熟読したいと思います。
皆さんも、ぜひどうぞ、御覧あれ。

江部康二


☆☆☆
以下は、出版社の内容紹介です。

内容紹介
ダイエットに革命をもたらしたあのベストセラーの
発売から4年、待望の続編がついに登場! !

2割の「冒険家遺伝子」が今、開始する
糖質からの独立戦争

「増えよ、地に満ちよ……」
埋め込まれたプログラムのままに、
生物としてのリミッターを外してしまった人類は、
これからどこへ行こうとしているのか――。


◎内容
ベストセラー『炭水化物が人類を滅ぼす』の刊行から4年。
この間、糖質制限を取り巻く社会の状況は大きく変化した。
批判的な記事は数を減らし、代わってスーパーや外食チェーンには
糖質オフ商品が続々登場。今や糖質制限市場ともいうべき
巨大マーケットが形成されている。
それは何より消費者の側が、健康への効果を体感しているからだろう。
続編となる本書では、前作で未解決だったいくつかの問題を解決し、
実践者からの大規模アンケートの結果を公開。
さらに糖質セイゲニストの立場から、全生命史、全人類史を
読み直すという新たな試みに挑む。
「糖質まみれの近・現代人」による研究は、
初期人類(糖質ゼロ)の姿を見誤っている。
19世紀的知識の呪縛、シアノバクテリアの呪いから我々の脳を解き放ち、
糖質に操られ支配される生活から人生を取り戻すべく
縦横無尽に新説・仮説を展開しながら語る。
アルコール摂取の適量は?、リスクは?、血糖低下作用は?
こんにちは。

ずいぶん、涼しくなってきました。
鍋の季節ですね。
我が家は、秋・冬は鍋料理が多いです。
夏でも鍋料理のこともあります。
鍋は、究極の糖質制限料理ですね。(^^)

2017年10月14日(土)は食事会のあとカラオケに行って
超久しぶりに午前様でした。
辛口ワインとハイボールです。
とても楽しかったのですが、
日曜日は、やはりというか必然的というか二日酔いでしたが、 (*_*)
テニスには行きましたよ。

もっとも、糖質制限食開始前の、「嘔気・嘔吐・点滴」といった
シビアな二日酔いではなくて、頭が重いていどでした。
朝昼兼用の食事もいつも通り食べました。

秋・冬はお酒が美味しいですが、家で呑むときは、
寒い日は最初の1杯は焼酎のお湯割りで、その後は水割りに切り替えます。

焼酎も、基本25%のものが主で、
濃いアルコールはできるだけ避けるようにしています。

さてアルコール1gは約7kcalの燃焼エネルギーを有し、
摂取時の利用効率は70%ていどと推定されています。

一方、エネルギーは有していますが、
糖尿病専門医研修ガイドブック 改定第4版 81ページの記載によれば、
アルコールには体重増加作用がないとされています。

そして、アルコール単体では、血糖を上昇させることはありません。
蒸留酒(焼酎、ウィスキーなど)は糖質を含まないので血糖を上昇させません。
醸造酒(ビール、日本酒など)は糖質を含むので血糖値を上昇させます。


<アルコールの適量>

世界がん研究基金2007年の勧告では、アルコールの推奨量は、
男性は1日2杯、女性は1日1杯までとしています。
1杯はアルコール10~15グラムに相当します。

米国糖尿病学会は、
アルコール24g(30ml)/日を食事と共に摂る程度なら適量としていますが、
ビール(5%)なら600ml
ワイン(15%)なら200ml
ウイスキー(43%)なら70ml
焼酎(25%)なら120ml
糖質ゼロ発泡酒(4%)なら750ml

に相当します。

<アルコールのリスク>

世界がん研究基金の2007年の勧告で、アルコール摂取は、
「口腔・咽頭・喉頭がん、食道がん、大腸がん(男性)、乳がん」の確実なリスクであり、
「肝臓がん、大腸がん(女性)」 のリスクとなるので要注意です。 (→ο←)

それから、過度のアルコール摂取は、
肝細胞内での脂肪酸からの中性脂肪の過剰合成を引き起こします。

その一部は肝臓外へ分泌されて高中性脂肪血症の原因となり、
一部は肝細胞内に蓄積されて脂肪肝の原因となります。

<アルコールと血糖低下作用>

ご存知の方も多いと思いますが、アルコールには、血糖低下作用があります。

ただ個人差が大きいので、(A)gのアルコールが血糖値を(B)mg、
低下させるというように一律にはいきません。

エネルギー源としては、[アルコール→糖質→脂質→タンパク質]の順で利用されます。

焼酎、ウィスキーなど蒸留酒には糖質は含まれていないので、
血糖は全く上昇しません。

しかし、アルコールを摂取すると、人体に対する毒物とみなされて、
優先的に肝臓で分解されますので、
その間、同じ補酵素を使う糖新生がブロックされてしまいます。

従って、アルコールを摂取すると結果として、
肝臓の糖新生を抑制することとなります。

血中アルコール濃度が上昇している間は、糖新生はブロックされるので、
個人差が大きいと思いますが、酒を飲んでいる最中は、
血糖値が下がる人もいると思います。

また、一定量以上のアルコールを摂取すれば、肝臓の夜間糖新生はブロックされ、
翌朝の早朝空腹時血糖値は、下がる可能性が高いです。

アルコールの血糖低下作用については個人差が大きいので、ご注意ください。

なお、SU剤内服中の糖尿人やインスリン注射中の糖尿人は、
過度のアルコール摂取により糖新生が阻害されると
低血糖になりやすいので要注意です。

正常人でも、空きっ腹で大量のアルコールを摂取すれば、
低血糖になる可能性もあります。

<江部康二の酒量は?>

私自身のお酒の摂取量ですが、平均的には、
糖質ゼロ発泡酒350mlを1缶、その後、焼酎の水割りを3~5杯です。

焼酎は25%の濃さで、720mlが3日間で空くくらいのペースです。

あるいは、糖質ゼロ発泡酒350mlを1缶と赤ワインを1/2本とかです。

家でたまに、赤ワイン、ボトル1本のむこともあります。

外で飲食のときは、焼酎の水割りを5~6杯のこともあります。

25度の焼酎が720mlなら、アルコールそのものは180ml含まれています。

従って、私は毎日60~75ml以上のアルコールを摂取していますので、
世界がん研究基金や米国糖尿病協会の「適量=30ml」は、
誠に遺憾ながら、確実にオーバーしています。( ̄_ ̄|||)


上述のようにアルコールには発ガン性や脂肪肝のリスクも指摘されていますので、
各自が自己責任で自己管理で適量!?の飲酒ということになるでしょうか? 

勿論、私は、アルコール摂取のリスクは充分承知した上で、
自己責任でそれなりに飲酒しています。 (^^)
幸い、肝機能を含めて、血液検査は全て正常です。

ちなみに、今日も今から宴会です。  (^_^)

江部康二
10/21(土)、NHKカルチャー岐阜教室、糖質制限食講座のご案内。
こんにちは。

NHKカルチャー岐阜教室、
2017/10/21(土) 17:00~18:30
糖質制限食講座
http://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_1133666.html


のご案内です。
岐阜では、数年ぶりの講演です。

糖質制限食の最新の知識や情報をわかりやすく楽しくお話します。
70分間の講演と20分間の質疑応答となります。
岐阜、名古屋、滋賀方面の方々、是非ご参加いただけば幸いです。
お陰様で、糖質制限食は順調に普及してきています。

2005年に私が「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」(東洋経済新報社)
を日本初の糖質制限食の本として刊行したころとは、大きな違いがあります。

なんと言っても、2013年10月に米国糖尿病学会が5年ぶりに改訂した「栄養療法に関する声明」のなかで、
地中海食やベジタリアン食などどともに「糖質制限食」を正式に容認したことが、大きな追い風となりました。

この1~2年、糖質制限食の展開において大きな発展があり
いい意味のサプライズもありました。

2016年7月のNHKクローズアップ現代の試算によれば、
糖質制限市場は、3184億円とのことです。
医学界より、企業のほうが糖質制限食をビジネスチャンスと捉えて
行動が迅速なようです。

一方、医学界においても、嬉しいサプライズです。
2017年2月7日(火)午後から、東京大学医学部に行ってきました。
渡邊昌先生、門脇孝先生、江部康二の3人で鼎談を行いました。
二人で話し合うのが対談で、三人で話し合うのが鼎談です。
渡邊昌先生は、医学雑誌「医と食」の編集長です。
門脇孝先生は、
一般社団法人 日本糖尿病学会 理事長
であり、
東京大学大学院医学系研究科糖尿病・代謝内科教授
です。

日本糖尿病学会のトップとじっくり話し合うことができて、
とても有意義な90分間でした。

糖質制限食の発展、まさに、今昔の感ありですね。


江部康二


☆☆☆
以下、NHKカルチャー岐阜教室のサイトから抜粋です。

糖尿病&生活習慣病と糖質制限食
~糖質制限は人類本来の食事、人類の健康食~
http://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_1133666.html


講師 
一般財団法人高雄病院 理事長  江部康二医師
一般社団法人日本糖質制限医療推進協会 理事長
内科医 漢方医


内容
糖質制限食は糖尿病治療食として開始され、
数多くの臨床活動を通してメタボなど様々な生活習慣病にも有効ということが判明しました。
運動を勧められても長続きしなかった方、
ダイエットの効果が表れなかった方に向け正しい知識と治療効果、
カロリー制限食と糖質制限食の比較や注意点などをお話します。


受講申し込み
NHKカルチャー岐阜教室
http://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_1133666.html
058-264-6311

開催期間
2017/10/21(土) 17:00~18:30

受講料(税込み)
会員 3,261円
一般(入会不要) 3,823円


1型糖尿病、スーパー糖質制限食で、8年間インスリンフリー。冠攣縮は?
【17/10/13 小福
糖質制限中の虚血性変化
江部先生
極度の糖質制限と虚血性変化の実験はマウス実験だから、
当てはまらないということですね。
ありがとうございます。

虚血性変化で検索するとほとんどが動脈硬化や血管の詰まりが原因だと書かれています。
私の場合、糖質制限食のおかげでHbA1c5.4%、
動脈硬化はなく、血管にも詰まりが見られません。
運動負荷がかかった時に血管が細くなるみたいですが、
糖尿関係ではなく、ストレスなど別の要因だと考えられますか?

日赤循環器医師に「糖質制限をしている」と話したため、
「あなたは1型糖尿だし、運動した時に心臓を動かすのに必要な養分(糖質)を取り込む力がないから虚血性の変化がでているのかもしれない。
糖尿内科を紹介するので、そこで、2ヵ月くらいインスリン注射をして糖を体に少し取り込み、様子を見てはどうか?」と言われています。

1型でもスーパー糖質制限で8年間、薬も注射もなしで生活できていることもあり、
糖質制限に理解のない医師に診ていただくことにも抵抗がありましたが、
私は素人ですので、
インスリンを打ったら虚血性変化がなくなるかもしれない?と心が揺らぎました。
ですが、江部先生に確認してからでないと決断できず、
インスリンを打つかどうかの返事を待っていただいています。

私にはまだ基礎インスリンが残っているので、
インスリン注射して糖質を多く取り込むことは無意味なのかなぁ?と思いますが、
先生はどう思われますか?

人と違ったことをすると異端児の様に見られます。
まだまだ古い考えの人の前では、私の様に他に異常がでた場合にはやっぱりだと、
「糖質制限」のせいにしがたる傾向にあります。

私は、これまで間違っていないと信じて8年も過ごしてきましたので、
貫きたいのですが、実際に他の不調が出ると心配になるものです。
ときどき、先生に質問させていただいて言葉をいただくとすごく安心でき、
糖質制限のモチベーションにつながっております。

今回は心臓の不調ということもあり、先生の言葉をとても必要としております。
糖質制限をしているのに運動時の虚血性変化が現れることについて、
考えられる原因と、インスリン注射を2ヶ月試してみるべきか?と、
長期間の高たんぱく食が運動をしない人には心臓の負担になるか?
についてご教授いただきますようお願いいたします。】


こんにちは。

1型糖尿病の小福さんから、コメント・質問を頂きました。
スーパー糖質制限食で、8年間インスリンフリーで
HbA1c5.4%とコントロール良好とは、素晴らしいです。

小福さんの「虚血性変化」は動脈硬化はなく、血管にも詰まりが見られませんので、
いわゆる「冠攣縮性狭心症」のシンプルなタイプと思われます。
何らかのストレスなどをきっかけに冠動脈が攣縮するために発症します。

喫煙、飲酒、糖尿病、ストレスなどが関与します。
糖尿病はコントロール極めて良好なので、今回は無関係です。
一般に、
・禁煙.
・血圧管理.
・適正体重の維持.
・耐糖能障害の是正.
・脂質異常症の是正.
・過労,精神ストレスの回避.
・節酒.
をこころがけ、予防にはカルシウム拮抗薬が有効です。
ビタミン E 、ビタミンC、漢方薬の経口投与も有効である可能性があります。

生活習慣を注意しても、「冠攣縮性狭心症」の頻度が減少しないなら
まずは、 ビタミン E 、ビタミンCの経口投与を試しては如何でしょう。
それが無効なら、漢方薬を試し、カルシウム拮抗剤の予防内服も選択肢の1つです。

糖質制限をしているのに運動時の虚血性変化が現れることに関しては
まず上記を試みましょう。


さて、インスリン注射ですが、小福さんの場合は全く適応となりません。
そもそも、ハーパー生化学・原書27版(P155、図16-9)によれば
「心臓のような肝外組織では代謝エネルギー源は次の順に好まれて酸化される。
1)ケトン体2)脂肪酸3)グルコース。」

ということです。
従ってスーパー糖質制限食で、ケトン体リッチなら、
心臓のエネルギー不足は全く考えられません。

小福さんのように、1型糖尿病でも内因性インスリンがあるていど保たれていて、
HbA1c5.4%ならば、基礎分泌も追加分泌もしっかりでていると考えられ、
インスリンの不足はありません。

私が常々、言っているように、血糖コントロール良好が保たれている限り、
インスリンは少なければ少ないほど、身体には優しいです。

過剰なインスリンは活性酸素を発生させ、酸化ストレスリスクとなります。
従って、インスリン注射は、役に立たないし、酸化ストレスリスクとなる可能性もありますので、適応となりません。


長期間の高たんぱく食が心臓によいかどうか諸説あります。

ともあれ、信頼度の高い論文(☆)で、
植物性、動物性たんぱく質を多くとっている女性は、そうでない人に比べ心疾患のリスクとなる血圧や血管の硬さの数値が低いことがわかったと発表されました。
たんぱく質に含まれる7種類のアミノ酸が影響しており、その効果は減塩や禁煙、禁酒、運動習慣などに匹敵するとのことです。


(☆)
J Nutr. 2015 Sep;145(9):2130-8. doi: 10.3945/jn.115.214700. Epub 2015 Jul 22.
Amino Acid Intakes Are Inversely Associated with Arterial Stiffness and Central Blood Pressure in Women.


江部康二
『人気店のパティシエに学ぶ、低糖質スイーツ教室』 を開催。京都。
こんにちは。

2017年11月20日(月)、京都にて、日本糖質制限医療推進協会主催の
『人気店のパティシエに学ぶ、低糖質スイーツ教室』 を開催します。

メイン講師は、「パティスリー ロア・レギューム」 (埼玉県朝霞市)の
小寺幹成オーナーパティシエです。

小寺パティシエは、昨年11月には文化出版局から、
著書「おいしく作れる低糖質スイーツ」
http://books.bunka.ac.jp/np/isbn/9784579212866/
を出版され、ご自身がこれまでに開発された低糖質スイーツのレシピを
惜しみなく披露しておられます。 私は帯の推薦文を書きました。 (*^^)v

第4回目、今年最後のスイーツレッスンとなる今回のテーマは、
「低糖質クリスマスケーキ」 だそうです^^v。

定員は24名様、先着順です。 皆さん奮ってご参加くださいね。

江部康二


以下、事務局からのお知らせです。

*********

ブログ読者の皆様、いつも弊会の講演会やスイーツ・料理教室へ
多数ご参加いただきまして、ありがとうございます。

本日は、低糖質スイーツ教室(京都)の開催をご案内申し上げます。

関西圏の方をはじめ、皆様のご参加をお待ちしております。

◇スイーツ教室情報URL: http://www.toushitsuseigen.or.jp/activity

●―○―●―○―●―○―●―○―●―○―●―○―●―○

    (一社)日本糖質制限医療推進協会主催

『人気店のパティシエに学ぶ、低糖質スイーツ教室(京都)』

   第4回 「低糖質クリスマスケーキ」

◆日時: 11月20日(月) 13:00~16:00頃 ※開場・受付は12:45~

◆会場: あじわい館(京の食文化ミュージアム)調理実習室
     京都市下京区中堂寺南町130番地 京都青果センタービル3階
     http://www.kyo-ajiwaikan.com/access

♪講師:
 小寺幹成 「パティスリー ロア・レギューム」オーナーパティシエ
 佐々木栄子 管理栄養士/健康運動実践指導者

◆参加費: 賛助会員料金 3,400円/一般料金 4,000円

☆内容ご紹介☆

美味しい低糖質菓子をご自宅で作っていただけるように、
お菓子作りの基礎から学べる講座です。

講師の小寺幹成パティシエに低糖質菓子を作る際のコツや工夫、
様々な技術をデモンストレーションや実習でレクチャーいただき、
参加者の皆様からの質問や疑問にもお答えいただきます。

今回は、第2回で取り上げた「低糖質スポンジ生地」作りのおさらいを
しながら、クリスマスやお誕生日用として生かせるホールケーキに
仕上げていきます。

低糖質とは思えない、違和感のないふわふわのスポンジ生地、
程よい甘さのクリーム作り、上手なデコレーションのテクニックなどを
しっかり学んでいただきます。

クリスマスに限らず、お祝い事や贈り物にも役立つ技を小寺パティシエに
レクチャーいただきます。

前回のスポンジレッスンに残念ながら参加できなかったという方、
おさらいして更に腕を磨きたい方、この機会に是非ご参加くださいませ♪

◆定員・対象: 24名様 ・一般(18歳以上)

◆当日の流れ: レシピ説明 → 実習 → 試食(復習・歓談) → 片付け後、解散

◆ご持参いただくもの: エプロン、三角巾、ふきん(タオル)2枚(台ふき用・食器ふき用)、筆記用具

■お支払い方法: クレジットカード/銀行振込/郵便振替 ※事前決済のみとなります。

■お申し込みの流れ:

1. 下記「お申し込み方法」の該当するものからお申し込みください。
2. 事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3. 入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4. 当日、直接会場までお越しいただき、受付にてお名前をお伝えください。

■お申し込み方法:

※当教室は、一般の方にご自宅で作っていただくことを趣旨とした教室です。
製菓や料理のお仕事をしておられる方、食品会社で企画・開発をしておられる方など、
業界の方の場合は、その旨をお書き添えの上、お申し込みください。

★賛助会員の方: 事務局までメールにてお申し込みください。
  
★賛助会員入会をご希望の方:
1. 入会案内および会員規約をお読みください。
  http://www.toushitsuseigen.or.jp/sign-up

2. お申し込みは下のフォームからお願いします。
 「入会ならびに講演会出席のお問い合わせ」を選択いただき、  
 「通信」欄に「11/20スイーツ教室参加希望」とご記入ください。
  http://www.toushitsuseigen.or.jp/contact
  
★一般(会員以外の方)で、教室参加のみご希望の方:
 下のフォームからお申し込みください。
 http://www.toushitsuseigen.or.jp/lesson-a

■その他:

・予約制です。当日参加はできません。開場・受付は、レッスン開始時間の15分前からです。

・お申し込み後、キャンセルされる場合は、11月16日(木)までに ご連絡ください。
11月17日(金)以降のキャンセルは、参加費の半額をキャンセル料金としていただきますので、予めご了承ください。

・実習室で作ったもの以外の飲食はできません。ご自宅で作ったお料理やお菓子などの持ち込みはできませんのでご注意ください。

・皆さまで実習と試食を行っていただきますので、香水などのフレグランスはお控えください。

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7年以上糖質制限を実施、 9.8%あったHba1cが6.0%前後。暁現象は?
【17/10/12 調剤未経験薬剤師
ご講演ありがとうございました&質問です
江部先生

10/8のご講演、ありがとうございました。
3人の先生方それぞれわかりやすく、かつ自信を持ってお話しされているのが大変印象的でした。
夏井先生も含め先生方皆様はご自身の信念に基づいて常識にとらわれず過去の治療の枠から飛び出されてきたわけですが、ここ数年、単なるブームではなく、また糖尿病の治療だけで収まることなくひろがっていく様子は見ていて大変喜ばしく思っております。

私自身7年以上糖質制限を実施し9.8あったHba1cが6.0前後で落ち着いており、ひとえに江部先生のこのブログにめぐり合わなければどうなっていたかわからないと思っています。
さて、会場で質問し損ねてしまったため、一点後教示ください。
私の過去のHba1c9.8ですが、所謂筋金入りの糖尿人でして、当時SU剤、メトホルミンを数年間服用しての値でした。
さすがにもう後がないという気持ちで始めた糖質制限ですべての検査値が正常化しBMIも23前後を維持しております。
ただし、さすがに無投薬というわけには行かずDPP4阻害剤、メトグルコ、ルセフィを服用しております。
しかしながら早朝の血糖値だけはなかなか下がりません。
Freestyle Libreでみましたが深夜90~100だった血糖値がおきてから1時間ほどで130~150、時に200近くになることもあります。
Libreの許容範囲を80から160に設定したところその範囲に97%が収まっていましたが、これは質の良いa1cと判断してよろしいでしょうか。
また何か別の手を使って早朝血糖値を下げるべきか是非お教えください。

長文大変失礼いたしました。
ますますのご活躍をお祈り申し上げます。 】



調剤未経験薬剤師 さん

東京講演会へのご参加、ありがとうございます。
7年以上糖質制限を実施され、
9.8%あったHba1cが6.0%前後とは素晴らしいです。

「SU剤、メトホルミン」を数年間服用していて、HbA1c9.8%であったのが
糖質制限食+「DPP4阻害剤、メトグルコ、ルセフィ」にて、
Hba1cが6.0%なら、とても好ましい内服薬のラインアップです。

SU剤は、何と言っても低血糖を生じやすいので、中止できたのはとてもいいです。
現在の「DPP4阻害剤、メトグルコ、ルセフィ」の内服なら
スーパー糖質制限食でも低血糖は生じにくいので安心して実践できます。

「Freestyle Libreでみましたが深夜90~100だった血糖値が
おきてから1時間ほどで130~150、時に200近くになることもあります。
Libreの許容範囲を80から160に設定したところその範囲に97%が収まっていましたが、これは質の良いHbA1cと判断してよろしいでしょうか。」

Freestyle Libre で、血糖値の97%が「80~160mg/dl」に収まっているなら
これは、24時間通して、血糖変動幅増大も食後高血糖もあまりない「質のいいHbA1c」です。
従って今後の合併症の心配はないと思います。

ただ、HbA1c9.8%だった期間が数年間あったなら
「高血糖の記憶」がある可能性も否定できないので
眼科検診、頸動脈エコー、心エコーなど画像診断の検査も必ずしておきましょう。

「深夜90~100だった血糖値が
起きてから1時間ほどで130~150mg/dl」

これは、「暁現象」と思われます。
200mg/dlはさすがに困りますが、
日本糖尿病学会の合併症予防のための空腹時血糖値の目標は、130mg/dl未満です。
まずは、この目標を目指しましょう。

メトグルコ内服の時間帯ですが、
今の空腹時血糖値の状況なら、
朝昼夕と3回にわけて、食前に内服すれば
起床後、朝食前の血糖値130~150mg/dlが、改善される可能性があるので
主治医とよく相談されては如何でしょう。
メトグルコ4錠を朝昼夕と眠前と4回にわけて内服するのもいいでしょう。
いずれにせよ「暁現象」が生じにくいようにメトグルコ内服の時間帯を工夫してみましょう。

DPP-4阻害剤も、1日1回内服タイプなら、夕食前か夕食後のほうが、
暁現象にはよいと思います。


江部康二
早期がん診断時にはすでに10年以上が経過。糖質制限食で予防は?
こんにちは。
今日は、糖質制限食とがん予防のお話です。
現実にどのていど予防可能かを考察してみます。

実は、がん細胞が発生してから、画像診断的に発見可能な大きさになるのには、
かなり長い年月がかかります。

正常細胞ががん細胞に変わり、体が排除に失敗すると、
がん細胞は徐々に成長を始めます。

細胞分裂により1個が2個になり、2個が4個、
4個が8個、そして16個、32個、64個と倍々で増加していきます。

30回分裂を繰り返すと、約10億個に増え、
重さは約1グラム、直径1cm程度になります。

細胞1個が0.01mmで、1cm経になるのに10~20年かかります。

個体差やがんの種類によっても発育速度は異なります。

がん細胞が生まれてから活発に成長するようになるまでは、
長い期間がかかります。

しかし、がん細胞は成長するにしたがって、
発育速度が速くなるとされています。

2倍の大きさになるのは、例えば早期胃がんでは数年(2-6年)、
進行がんでは数ヶ月、転移した胃がんでは数週間とされています。

従来のがん検診では、腫瘍の大きさが1cm程度にならないと発見できませんでしたが、
PET検査では、早期の5mm程度の大きさでの発見が可能です。

しかしながら、5mmや1cmで早期発見したがんということでも、
がん細胞が発生してから、
すでに約10~20年間が経過していることとなります。

「スーパー糖質制限食」で理論的には、
『西欧型がん』の発生予防が期待されるとはいっても、
すでに発生しているがん細胞の縮小には
「ケトン食」レベルの厳しい食事が必要かもしれません。

対策としては、がん細胞が発生する前に、間に合う内にできるだけ早く
「スーパー糖質制限食」を開始して予防を期待するということになるでしょうか。


江部康二は2002年~スーパー糖質制限食を実践しています。
2017年現在で、15年間です。

従って、2002年以降は、いわゆる『西欧型のがん』の発生は
かなり予防できている可能性が高いです。

一方で、2001年以前に、すでに原初のがん細胞が発生していたとしたら
予防はできていないこととなります。


本日のブログは

PET検査ネット
http://www.pet-net.jp/pet_html/treat/gan.html

を参考にしました。


江部康二
経口インスリン製剤が登場?
こんにちは。

糖尿病ネットワーク
http://www.dm-net.co.jp/calendar/2017/027058.php


『経口インスリンの臨床試験が成功 飲み薬でインスリン治療ができる』

という記事が、2017/7/5、掲載されました。

第77回米国糖尿病学会学術集会(2017年)において
経口インスリン製剤の臨床試験が発表されたのです。
私は、知らなかったので、ネットで調べて、本日気がついて、ちょっとしたサプライズでした。

注射ではなく経口薬のインスリンというのは初の快挙と思います。
ノボ ノルディスク社により開発が進められている経口インスリン製剤「OI338」がそれです。

インスリン治療を行ったことのない2型糖尿病の患者50人(平均年齢 61歳)が参加して、臨床試験が行われました。
インスリングラルギン注射(ランタス)群と経口インスリン製剤「OI338」群の2群に分けてRCTが実施されました。
経口インスリンの偽薬とインスリン注射の偽薬が用意され、すべての患者は1日1回の注射と1回の経口薬を服用して、
ダブルブラインド形式で8週間経過をみました。

その結果、経口インスリン薬は
インスリングラルギン注射(ランタス)と同等の治療効果成績とのことなので
かなり有望と言えます。
安全性も、インスリングラルギン注射と同等でした。

インスリンが注射ではなく、経口薬となれば、
臨床応用されれば、素晴らしいことですね。

ところが、残念なことに、
このOI338GTの開発は現在、一端中断されています。
有効性や安全性に問題があるわけではなく、
OI338GTを普及させるために必要な投資の商業的な優先度を考慮した上での判断だそうです。
製品化するために必要な技術の改善は、進行中の研究の焦点となっているとのことです。

できるだけ早い臨床応用を期待してやみません。

江部康二
「内科、眼科、産婦人科医がみた 糖質制限食のチカラ」東京講演会。ご報告。
【17/10/09 イナガキ
東京講演会ありがとうございました
江部先生こんにちは

昨日はありがとうございました。
お堅い勉強会と思っていきましたが、
笑ってばかりでとても面白かったです。

糖質制限者の集まりですので、
肌がきれいな人ばかりでしたね。

今後も糖質制限を続けていきます。

ありがとうございました。

※イチローと一緒に受賞してくださいw 】


こんばんは。

2017年10月8日(日)
「内科、眼科、産婦人科医がみた 糖質制限食のチカラ」
東京講演会


のご報告です。

イナガキ さん、東京講演会へのご参加、そしてコメントありがとうございます。
とても楽しんで頂けたようで、嬉しい限りです。
そう言えば、肌のきれいな人が多かったですね。
200人の参加者で満員御礼でした。
ブログ読者の皆さんも、大勢ご参加頂きありがとうございます。  m(_ _)m
医師も22名にご参加頂き、確実な糖質制限食の広がりを感じました。
質疑応答も活発で、30分の時間をとっていたのですが、
とうとう、時間切れとなり、
何人かのかたには大変申し訳ありませんでした。


第1部: 「糖質制限食 概論と糖尿病治療」
     江部 康二  (高雄病院理事長/当会理事長)

第2部: 「眼科医、産婦人科医だからこそ、言えること」

(1)「糖尿病性網膜症と糖質制限~最先端手術の現場より」
  深作 秀春 医師 (深作眼科理事長)

(2)「妊婦、赤ちゃんの健康とケトン体」
  宗田 哲男 医師 (宗田マタニティクリニック院長)

第3部: 質疑応答

※第1部60分、第2部80分(各40分)、
第3部30分。


私は、
糖質制限食の基礎理論や最新の情報をわかりやすくお話ししました。

そうそう、NHKクローズアップ現代のお話しもしましたね。
2016/7/20(水)22:00~22:25まで、
NHKクローズアップ現代で糖質制限食が特集されました。、
糖質制限食が空前のブームだそうで、関連の市場は¥3184億円とのことでした。
どういう試算で、そうなるのかはよくわかりませんが、
糖質制限食が現実に巨大な市場となったのは確かなことであり、
それに私が一役か二役は関わっていると思うとまあ悪い気はしませんね。
安倍首相、景気対策に貢献ということで、国民栄誉賞をくれないかなと
妄想を抱いていると講演会で確かに述べました。 (^^)

ともあれ、糖質制限食は、ブームではありません。
その効果は、科学的・生理学的事実に基づく真実そのものですので、
今後もずっと発展し続けることでしょう。


深作眼科(横浜西口、東京六本木)理事長の深作秀春先生のご講演は、
医師の私も初めて目にする、最新の眼科手術のスライドや動画もあり
目から鱗が落ちる場面もたくさんあり、
大変参考になりました。
さすが、世界の深作秀春先生です。
日本の眼科治療が、世界標準の眼科外科の水準に早く達して欲しいと
強調しておられました。
深作眼科のように、世界水準の眼科治療が実践できる、眼科医療機関は
日本全国でもまだまだ少数とのことでした。

糖尿病網膜症に関しては、
現行の糖尿病治療<カロリー制限高糖質食+薬物治療>そのものが、
血糖値の乱高下を生じて、網膜症の改善を阻害していることを強調されて、
糖質制限食の導入が必要であることを強く推奨されました。
糖質制限食なら血糖値の乱高下は生じません。


宗田マタニティクリニック(千葉県市原市)院長の宗田哲男先生は、
地球の歴史、生物の歴史、真核生物の歴史から
説き起こし、人類の進化にも言及されました。
いろんな人類が約20種くらい生まれては消えて最後に残ったのは
われわれホモ・サピエンスだけです。
肉食の人類は、脳が大きくなり、ホモ属として、何種かが生まれ
連綿として続き、最終的にホモ・サピエンスとなります。
草食の人類は、脳の容量は小さく、全て絶滅しました。
即ち、人類は肉食で進化したのです。

宗田先生は医師になる前は、8年間地質学の勉強をしておられたそうで、
大変な博学です。
宗田先生のご講演は、漫談に近いくらい面白くて笑いが絶えませんでした。
宗田先生、天性のエンタテイナーですね。 (^^)

次に、日本人の多目的コホート研究(JPHC)、国立がん研究センターの
多目的コホート研究で、
食の欧米化により、日本人が健康になったことを指摘されました。
いままで言われてきた日本の伝統食は、科学的には、
日本人の死亡率低減に無関係と喝破されました。

そして、ご自身のご研究により胎児や新生児のケトン体値は
成人の基準値よりはるかに高値であることを示され、
ケトン体の安全性を保証されました。
さらに、ヒトの卵胞液においても、ケトン体は
基準値の3倍以上であることを示されました。


東京講演会、このように
大変、有意義な講演会となり
私も大変嬉しく、また大満足でした。


江部康二
アジア太平洋心臓病学会・市民講座・2017、糖質制限食講演など
こんばんは。

アジア太平洋心臓病学会 市民講座
非感染性疾患(NDCs)シンポジウム2017 
心臓病,脳卒中,がん,肺疾患,糖尿病の予防を目指して
2017年10月29日(日)
https://kenkochoju.kyoto/event/?act=detail&id=972
セミナー京都市後援
イベント開催場所 京都大学 百周年時計台記念館 国際交流ホール


のご案内です。
講演 3. 糖質制限食による糖尿病の治療と予防
で、私もお話します。
参加費無料の市民講座ですので、京都をはじめ関西の皆さん
是非ご参加いただけば幸いです。


講演 3. 糖質制限食による糖尿病の治療と予防

抄録 
糖質制限食は、1999年から京都・高雄病院において糖尿病治療食として開始され、合併症を予防できる唯一の食事療法として画期的な成果をあげてきました。米国糖尿病学会の患者用テキストブック(2004年)には「摂取後直接、血糖に影響を与えるのは糖質のみである。蛋白質・脂質は、摂取後、直接血糖に影響を及ぼすことはない。」と記載されています。これらは含有エネルギーとは無関係な生理学的事実です。食後高血糖と一日平均血糖変動幅増大が糖尿病合併症の最大のリスクとなりますが、従来の糖尿病食(カロリー制限・高糖質食)では、必ずそれらを生じるので、糖尿病合併症の予防は困難です。現実に日本では、毎年新たに、人工透析16000人、失明3000人、足切断3000人と糖尿病合併症は減っていません。米国糖尿病学会は、2013年10月、5年ぶりに「栄養療法に関する声明」を発表し、糖質制限食、地中海食、ベジタリアン食、低脂質食、DASH 食を受容しました。このことは糖質制限食に大きな追い風となりました。


江部康二


プログラム

13:00  開場
      
13:30 ご挨拶  松森  昭 (NPO法人アジア太平洋心臓病学会 理事長)

13:35 開会の辞  河合 忠一 (京都大学名誉教授、元世界心臓連合 理事長)

13:40
      講演1 高齢者診療20年を通じて学んだ「老化の予防」
      山本  章 (尼崎老人保健施設ブルーベリー 施設長)
      座長 : 細田 瑳一 (日本心臓血圧研究振興会 理事長)

14:30 休憩

14:40 講演2 乳がんの予防・治療
      稲本  俊 (天理よろづ相談所学園天理医療大学 医療学部 学部長)
      座長 : 宮崎 俊一 (近畿大学医学部 循環器内科 主任教授)

15:30 休憩

15:40 講演 3. 糖質制限食による糖尿病の治療と予防
      江部 康二 (一般財団法人高雄病院 理事長)
      座長 : 島田 俊夫 (静岡県立総合病院 臨床医学研究センター 部長)

16:30 閉会の辞 長谷川 浩二 (京都医療センター 展開医療研究部長)


イベント開催日 2017年10月29日(日)
13:30~16:30/開場13:00

イベント開催場所 京都大学 百周年時計台記念館 国際交流ホール
住所:〒606-8317 京都府京都市左京区吉田本町36

料金  無料

定員  300名

主催者 特定非営利活動法人アジア太平洋心臓病学会

お申し込み方法 当ホームページの申し込みフォームより http://npo-apsc-ncd.jp/form/mpmail/

お問い合わせ先 特定非営利活動法人アジア太平洋心臓病学会
E-MAIL ncd@npo-apsc.jp
URL: http://npo-apsc.jp/

当NPO法人は世界心臓連合と協力し、アジア太平洋地域において、がんや心臓血管病、糖尿病などの非感染性疾患(NCDs)の撲滅に向けた啓発活動を展開しております。本シンポジウムはその活動の一環として行うことを目的としております。 本年のシンポジウムは昨年と同様に、それぞれの分野の専門家による講演会を一般の方々にも参加いただく市民講座として開催いたします。ご後援いただければ、本シンポジウムをより多くの一般市民の皆様へお知らせすることが出来るようになります。また、これらの活動を通じて、市民のNCDsの撲滅・健康増進に貢献できることを願っております。

PCI後の心血管死亡、HbA1c低値でリスク上昇。
こんばんは。

sasakさんから、

日経メディカル
http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/mem/pub/hotnews/int/201710/553062.html
第65回日本心臓病学会学術集会
PCI後の心血管死亡、HbA1c低値でリスク上昇


という日経メディカルの記事の情報をコメント頂きました。
順天堂大学の岩田洋氏の発表です。
ありがとうございます。

虚血性心疾患で経皮的冠動脈インターベンション治療(PCI)を行った糖尿病患者のその後の心血管死亡リスクは、
ベースライン(PCI施行時)のHbA1cが6.5~7.5%だった患者が最も低く、
5.5%未満の患者は9.5%以上の患者と同等のリスクだったとの発表です。

5.5%の患者の心血管死亡リスクに対して、有意差をもってリスクが少なかった群は
唯一HbA1cが6.5~7.5%群だけでした。

HbA1c5.5%で一見コントロール良好にみえる糖尿病患者群が
HbA1c9.5%以上のコントロール不良群と同等の心血管死亡リスクですから、
矛盾と言えます。

これに対して、
岩田氏は、
「HbA1cだけを標的とした糖尿病のコントロールは心血管死亡を減少させない可能性があり、
その要因の1つとしてHbA1c低下を目指した厳格な介入に伴う低栄養が考えられる。
糖尿病患者の予後改善を目指した管理にあっては、血糖だけでない包括的な介入が必要だ」
と述べておられます。
5.5%未満群は、栄養状態の指標が、他の群に比べ有意に低値だったとのことです。

岩田氏の意見に私も賛成です。
低栄養のもととなるのは、即ち「カロリー制限食」そのものです。

またそもそもHbA1cは、平均血糖値の指標に過ぎないので、
食後高血糖や低血糖が頻回に発生していても、それを捉えることができません。
例えば、低血糖が頻回に起こったために
HbA1cが5.5%未満になっている糖尿病患者もあり得るわけです。
低栄養以外に、低血糖もおおいに死亡リスクを上げると思います。

ACCORDにおいて、「厳格血糖管理群」のほうが「通常血糖管理群」より、
優位差をもって総死亡率が上昇したのは記憶に新しいとことろです。
(N Engl J Med 2008; 358 : 2545 - 59. )

ACCORDは、米国とカナダの77施設から10251例が登録されました。
厳格血糖管理群の目標HbA1cは6.0%未満、予定追跡期間は5年間でした。
しかしながら、2008年2月、ACCORDの厳格血糖管理群における総死亡率および、
心血管死亡率が通常血糖管理群を有意に上回ることが確認され、
同試験は期間満了を待たずに平均追跡期間3.4年で中止となりました。
中止時の平均HbA1cは厳格血糖管理群6.4%、通常血糖管理群7.5%でした。
総死亡のリスク比は、厳格血糖管理群が通常血糖管理群の1.22倍、心血管死は1.35倍で、
いずれも統計的に有意の差がありました。
低血糖(<70mg/dL)の頻度は、強化療法群で標準療法群に比べて約3倍でした。
死亡リスクは、強化療法群では低血糖を経験した集団で高くでました。

このように、糖質を普通に摂取して、薬物で厳格な血糖管理を行うと
心血管死亡リスクや総死亡リスクが上昇することが、複数の研究で証明されたわけです。
糖質制限食なら、薬物もごく少量かなしで血糖コントロール良好を維持できるので
低血糖にも極めてなりにくいです。

糖尿病治療において、心血管死亡リスクや総死亡リスクを減らし、
糖尿病合併症を予防できる唯一の食事療法が「糖質制限食」です。

ブログ読者の糖尿人の皆さん、ゆめゆめお忘れなく。


江部康二


☆☆☆
以下、日経メディカルの記事の抜粋・要約です。

【日経メディカル
http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/mem/pub/hotnews/int/201710/553062.html
第65回日本心臓病学会学術集会
PCI後の心血管死亡、HbA1c低値でリスク上昇

2017/10/4高志昌宏=シニアエディター

 虚血性心疾患で経皮的冠動脈インターベンション治療(PCI)を行った糖尿病患者のその後の心血管死亡リスクは、ベースライン(PCI施行時)のHbA1cが6.5~7.5%だった患者が最も低く、5.5%未満の患者は9.5%以上の患者と同等のリスクだったと、第65回日本心臓病学会学術集会(9月29日~10月1日、開催地:大阪市)で順天堂大学循環器内科の岩田洋氏らが発表した。

 順天堂大学循環器内科では1984年から、PCI施行患者を前向きに登録するレジストリーであるJ-PACTを立ち上げている。この中から糖尿病合併症例を抽出し、予後に影響を与える因子の検索および予後とHbA1cの関連を検討した。

 対象は、2001年1月~2013年12月にPCIを施行した全3553例。追跡期間の中央値は6.29年だった。エンドポイントは、脳卒中を含めた心血管疾患による死亡とした。なお、経口ブドウ糖負荷試験を行っていない症例もあるため、糖尿病との定義は、インスリンを含めた糖尿病治療薬の投与、HbA1c 6.5%以上、随時血糖が200mg/dL以上のいずれかに該当した場合とした。

 糖尿病合併群(1329例)のベースラインの患者特性は28.1%が急性冠症候群で、高血圧合併74.1%、脂質異常症合併73.2%、喫煙26.8%、冠動脈多枝病変65.5%、複雑性(タイプC)病変54.6%などで、併用薬としてCa拮抗薬が39.1%、ACE阻害薬/ARBが55.0%、スタチンが58.5%で投与されていた。

 Kaplan-Meier法で推定した心血管死亡のリスクは、
糖尿病非合併群に比べ合併群で有意に高率だった。

・・・中略

糖尿病合併群において
5.5%未満の集団に対して、
5.5%以上6.5%未満ではHR 0.52で有意差なし、、
6.5%以上7.5%未満ではHR 0.34で有意差あり、
7.5%以上8.5%未満ではHR 0.63で有意差なし、
8.5%以上ではHR 0.71で有意差なしであり、

HbA1c6.5~7.5%で最もリスクが低くなるJカーブ様を呈し、
5.5%未満に比べて6.5%以上7.5%未満では有意なリスク低下となっていた。

 HbA1cの低い群で栄養状態が悪く、これが予後に影響を与えている可能性があることから、各群の体重やBMIを比較したところ、HbA1cが低い群の方が体重およびBMIは低値だったが、有意な群間差はなかった。
ただし、高齢者の栄養状態の評価指標として提案され、血清アルブミンと身長、体重から算出されるGNRIは、5.5%未満群が他の群に比べ有意に低値だった。

 さらにヘモグロビン(Hb)値による層別解析では、糖尿病合併群でHb 12.4g/dL未満の集団では、心血管死亡のリスクがかなり高くなっていた。

 これらの検討から岩田氏は、「HbA1cだけを標的とした糖尿病のコントロールは心血管死亡を減少させない可能性があり、その要因の1つとしてHbA1c低下を目指した厳格な介入に伴う低栄養が考えられる。糖尿病患者の予後改善を目指した管理にあっては、血糖だけでない包括的な介入が必要だ」と指摘した。】

日本人腎臓弱い「塩分とりすぎ、肥満注意」 日豪チーム。
こんばんは

ヤフーニュース
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171006-00000006-asahi-soci

にとても興味深い記事が掲載されました。

日本人腎臓弱い「塩分とりすぎ、肥満注意」 日豪チーム


という記事です。

血液中の老廃物を濾過(ろか)して尿を作る組織「ネフロン」の数が、
欧米人の平均90万個に対して、日本人は平均64万個しかないということです。
このようなことは、私は、全く知らなかったので、
びっくりしましたし、おおいに参考になりました。

こうなると、日本の糖尿人は、欧米の糖尿人に比べると
かなりキッチリ糖質制限食を実践しないと
将来糖尿病腎症になりやすいということになりますね。

ブログ読者の糖尿人の皆さん、くれぐれもご用心、ご用心。

肥満も腎臓に負担になるので、こちらも糖質制限食で減量がいいです。


江部康二


☆☆☆
以下はヤフーニュースに掲載された朝日新聞デジタルの記事の要約です。

【10/6(金) 1:39 配信 朝日新聞デジタル
日本人腎臓弱い「塩分とりすぎ、肥満注意」 日豪チーム

 日本人は欧米人より腎臓の機能が弱く、
慢性腎臓病になりやすいとする研究結果を日豪などのチームがまとめ、
2017年10月5日付の米科学誌に発表しました。

塩分の取り過ぎや肥満に注意ということです。

 血液中の老廃物を濾過(ろか)して尿を作る組織「ネフロン」の数が、
研究チームによると、
その数は20万~200万個と人種などで差が大きいとのことです。

チームは、国内の
①健康人、②高血圧患者、③慢性腎臓病患者
を、それぞれ9人ずつ、腎臓を調べました。
合計27名です。

推計すると、健康人は平均64万個、
高血圧患者は39万個、慢性腎臓病患者は27万個でした。

欧米人の平均90万個と比べると日本人は健康人でも
「ネフロン」の数が大幅に少なかったのです。

 日本人の腎機能が弱いのは、体格、腎臓ともに小さいためとみられます。
塩分の多い食事でより負担がかかるそうです。

チームの神崎剛・東京慈恵会医科大助教は
「ネフロンの数は出生時に決まっている。近年増加傾向の低体重で生まれる赤ちゃんが特に心配だ。
生活習慣に気をつけ、腎機能を継続的に調べる必要がある」
と述べています。 】
10/21(土)、NHKカルチャー岐阜教室、糖質制限食講座のご案内。
こんにちは。

NHKカルチャー岐阜教室、
2017/10/21(土) 17:00~18:30
糖質制限食講座
http://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_1133666.html


のご案内です。
岐阜では、数年ぶりの講演です。

糖質制限食の最新の知識や情報をわかりやすく楽しくお話します。
70分間の講演と20分間の質疑応答となります。
岐阜、名古屋、滋賀方面の方々、是非ご参加いただけば幸いです。
お陰様で、糖質制限食は順調に普及してきています。

2005年に私が「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」(東洋経済新報社)
を日本初の糖質制限食の本として刊行したころとは、大きな違いがあります。

なんと言っても、2013年10月に米国糖尿病学会が5年ぶりに改訂した「栄養療法に関する声明」のなかで、
地中海食やベジタリアン食などどともに「糖質制限食」を正式に容認したことが、大きな追い風となりました。

この1~2年、糖質制限食の展開において大きな発展があり
いい意味のサプライズもありました。

2016年7月のNHKクローズアップ現代の試算によれば、
糖質制限市場は、3184億円とのことです。
医学界より、企業のほうが糖質制限食をビジネスチャンスと捉えて
行動が迅速なようです。

一方、医学界においても、嬉しいサプライズです。
2017年2月7日(火)午後から、東京大学医学部に行ってきました。
渡邊昌先生、門脇孝先生、江部康二の3人で鼎談を行いました。
二人で話し合うのが対談で、三人で話し合うのが鼎談です。
渡邊昌先生は、医学雑誌「医と食」の編集長です。
門脇孝先生は、
一般社団法人 日本糖尿病学会 理事長
であり、
東京大学大学院医学系研究科糖尿病・代謝内科教授
です。

日本糖尿病学会のトップとじっくり話し合うことができて、
とても有意義な90分間でした。

糖質制限食の発展、まさに、今昔の感ありですね。


江部康二


☆☆☆
以下、NHKカルチャー岐阜教室のサイトから抜粋です。

糖尿病&生活習慣病と糖質制限食
~糖質制限は人類本来の食事、人類の健康食~
http://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_1133666.html


講師 
一般財団法人高雄病院 理事長  江部康二医師
一般社団法人日本糖質制限医療推進協会 理事長
内科医 漢方医


内容
糖質制限食は糖尿病治療食として開始され、
数多くの臨床活動を通してメタボなど様々な生活習慣病にも有効ということが判明しました。
運動を勧められても長続きしなかった方、
ダイエットの効果が表れなかった方に向け正しい知識と治療効果、
カロリー制限食と糖質制限食の比較や注意点などをお話します。


受講申し込み
NHKカルチャー岐阜教室
http://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_1133666.html
058-264-6311

開催期間
2017/10/21(土) 17:00~18:30

受講料(税込み)
会員 3,261円
一般(入会不要) 3,823円


1型糖尿病。スーパー糖質制限食で8年間インスリンフリー。
こんにちは。

小福さんから『糖質制限スーパーで1型陽性でもHbA1c:5.4%』
という大変嬉しいコメントを頂きました。
貴重な体験報告をありがとうございます。

1)
1型で8年間、インスリンフリーとは素晴らしいです。
しかもHbA1cはずっと5.6~5.9%でコントロール良好であり、
スーパー糖質制限食のポテンシャルはすごいですね。
フリースタイルリブレ装着で血糖値をモニターして、
HbA1c:5.9→5.6% も見事な改善です。

2)
1型糖尿病で、1gの糖質が5mg血糖値を上昇ですが、
コンビニの糖質制限パン(1個糖質2.2g)で30mg血糖値上昇!
これは、他の読者さんのコメントでも時々あります。
表示が最初から間違っているというより、
製品のロットのバラツキによるものと思います。
私の監修する製品は大丈夫とのことで、嬉しい限りです。

3)
IPDがどのていど、抗GAD抗体の減少に有効かは
まだまだ良くわからない段階です。
ただ害もほとんどないので、主治医とよく相談されて許可がでれば、
試してもよいかと思います。
ただ、8年間、内服薬なしでインスリンフリーなので、このままいけそうな気もします。
他にも、スーパー糖質制限食で、1型なのに内服薬なしでインスリンフリーの人はおられます。


江部康二


【17/10/02 小福
糖質制限スーパーで1型陽性でもhba1c5.4
8年前より糖質制限続けています。
先生のブログにたどり着けたおかげで今の自分があると感謝しています。
ありがとうございます。
現在、高雄病院通院中です。
今回お伝えしたいこと、ご教授いただきたいことが3点あります。

1.糖質制限食によりHBA1Cが優秀であったため見過ごした隠れ1型陽性について
  今年4月、心電図の異常値と右目の動揺視で脳のMRIを受けましたが、
脳と目に異常ありませんでした。
 心臓だけ、運動負荷検査から検査が進み、今度RI検査を受ける予定になっています。
 精密検査中に病院で食後高血糖の話をしたところ、
血液検査でGAD抗体の項目まで調べてくださいました。
 GAD抗体が29.7なので、1型陽性だと言われました。
  7年前に炭水化物量×5血糖値があがることを知ったときは1型ではなく、
痩せているからだと思っていたのですが、実は1型糖尿の影響なのだと知りました。
 緩徐進行型の1型です。
 糖質制限食でHBA1Cが5.6以下に抑えられていたために、
健康診断でひっかかることがなく、糖尿病ではないと診断され、
隠れ1型であることを気づかずに過ごしていたのです。
 今回の体調不調により、
今まで知らなかった1型陽性がわかるGAD抗体の存在を知ることができました。
 糖質制限をしているのに、何故かHBA1Cが緩やかに上昇していく中、
「糖質制限が耐糖能を悪化させる」というネット情報に惑わされ
このまま糖質制限を続けていいものか悩んだ時期がありました。
 それでも信じて糖質制限を続けていたおかげで
緩徐進行型の1型陽性であるにも係わらず
薬も注射もせずに済んでいる事実に感謝いっぱいです。
 この事実は、ブログをご覧の方にも知ってもらえたらと思いました。
 2型だと思っていたのが、実は私の様に緩徐進行型の1型の可能性もあります。
 GAD抗体を調べ、
早期に知ることで自分の体を更に労わることができるのではないかと思います。

2.有名な糖質オフ商品で食後高血糖を起こしていたという情報
 今年4月GAD抗体が陽性なことを知り、
糖質制限をしているのにHBA1Cが5.6⇒5.9に推移していく事実を
1型のせいだと諦めかけておりました。
 同時に、24時間血糖値管理ができるフリースタイルリブレを装着することにより
1日の血糖値の変動を調べることにしました。
 装着まで知らなかったのが、朝は何も食べなくても120くらいまであがっていたこと。
 そこから糖質制限食を食べても基本が上げ底なため、振り幅が少なかった事実です。
 それから、もう1つびっくりしたのが、
コンビニで販売されていた糖質2.2gのパンで血糖値が30上昇していたこと。
 2.2gだと思っていたので、今まで2個とサラダやおでん、
スープなどと食べていましたが、2つ食べたら60上昇で、すでにアウト・・・。
 炭水化物量×5上昇しますので、表示が約3分の1の様です。
 それから怖くて5gの方も食べておりません。
 血糖値センサーをつけてから、今までの食事を改めて見直せるようになりました。
 そして先日の血液検査でHBA1C5.9⇒5.4に改善です。
 約4ヶ月実践の結果です。
 こちらも、私の様に糖質オフの表示を信じて食べている方がいらっしゃったらと思い、
個人的なデータですが、こういうこともあると情報として共有させていただきます。
 なお、江部先生の糖質制限の粉で作ったピザは、
表示通りだけでなくとても美味しかったので、お伝えいたします。
 生地を6等分し、伸ばして食べれる状態で、冷凍保存していますが、
トースターでふんわりついつい2枚目に手を伸ばしたくなるお味で、
明日また食べれるのが楽しみでなりません。
 もう少しお値段が・・と、贅沢を言ってはバチが当たりますね(笑)
 大切に食べたいと思います。

3.IPDアレルギー薬を内服するには?
 先生のブログで以前IPDアレルギー薬が
初期の1型糖尿のすい臓保護に有効であるとお見かけし、
私は緩徐進行型の1型なので、
もしかしたら今からでも何か効果があるのではと
高雄病院で主治医へ処方いただくように話をしたら、
ご存知なかったようで、先日は処方していただけませんでした。
 主治医の先生がおっしゃるには、
「あなたはまだ内因性のインスリンが残ってるからそんなに焦らなくてもいいのでは?
また、確認しておきます」とのこと。
 糖質制限のおかげで8年経った現在も1型陽性でありながら
HBA1C5台という結果ですが、
やはり先のことを考えると打てる手は打ちたい。
1日でも早く保護できるならしたいという思いは強くもっております。
 高雄病院まで遠く、なかなか行くことができません。
 まだ私にも望みがあるのであれば、
すぐにでもIPDアレルギー薬を処方いただきたいのですが、
どのように思われますでしょうか?
 また内服することで将来注射をしなくても大丈夫になるのでしょうか?】
「炭水化物は危険、脂質は安全」の波紋。一流医学雑誌に衝撃論文。
こんにちは。

東洋経済オンラインに

「炭水化物は危険、脂質は安全」の波紋
「糖質制限」論争に幕?一流医学雑誌に衝撃論文


という記事が掲載されました。
ランセット誌のオンライン版(2017/8/29)です。

18ヵ国の13万5千例以上を約7年半追跡とうい大規模な研究で、
ランセットという信頼度の高い医学雑誌の論文ですから、
私達、糖質セイゲニストにとって、これ以上ない追い風ですね。

読者の関心も高いようで、アクセスランキング1位になっています。
さらに、ヤフーニュースにも取り上げられています。

江部康二


☆☆☆
以下、東洋経済オンラインから一部、抜粋

「糖質制限」論争に幕?一流医学誌に衝撃論文
「炭水化物は危険、脂質は安全」の波紋
http://toyokeizai.net/articles/-/190605
江部 康二 : 高雄病院理事長 2017年10月03日

『ランセット』といえば、医学界では知らない人のいない権威ある医学雑誌である。
そのオンライン版に掲載された論文が話題を呼んでいる。
要点をいうと、「炭水化物の摂取量が多いほど死亡リスクが高まり、
脂質の摂取が多いほど死亡率が低下する」という内容。
「脂質をなるべく減らしましょう」という日本の従来の健康常識を真っ向から覆す研究報告であり、波紋を呼んでいるのだ。

この論文の内容と意義などについて、
『江部康二の糖質制限革命』の著者・江部康二氏に解説してもらった。



糖質を取り過ぎると死亡リスクが高まる

「炭水化物の摂取増加で死亡リスク上昇」という論文が、
『ランセット』のオンライン版(2017年8月29日)に掲載され、
医学界で話題を呼んでいます。
ちなみに『ランセット』というのは、世界で最も権威ある医学雑誌の一つです。
ここに掲載されることは、医学界ではかなりインパクトが大きいことなのです。

なお、炭水化物は「糖質+食物繊維」ですから、
「糖質の摂取増加で死亡リスク上昇」と言い換えてももいいでしょう。

このことは一般の人には衝撃的かもしれませんが、
糖質制限食を推進してきた私からしますと、
「日頃の主張がとうとう証明された」という印象です。

やはりわれわれの仲間で湿潤療法の創始者として有名な夏井睦医師が
2013年に『炭水化物が人類を滅ぼす』(光文社新書)という本を出し
ベストセラーになりましたが、まさに正鵠を射ていたといえます。


→次ページ世界の18カ国を網羅した大規模調査
2 http://toyokeizai.net/articles/-/190605?page=2
3 http://toyokeizai.net/articles/-/190605?page=3
インテルナツィオナーレ・ミラノ、サッカー長友佑都選手の食生活
こんばんは。

「長友佑都の食事革命」
マガジンハウス 2017年9月28日


を購入しました。
長友選手の食生活にとても興味があったので、一気に読みました。

現在は、白砂糖なしで、1回の食事の糖質量を40~60gとして、
加藤超也シェフの丹精込めた料理で、体調良好であり、
良かったです。
一般男性の食事の糖質量が1回100gくらいなので、
糖質を半分くらいに減らして、良質のタンパク質・脂質を摂取しており、
バランスがいいと思います。
加藤シェフが介入してからは、オイルドリンクを積極的に摂取して
良質の脂質も摂取エネルギーも確保できています。

ただ、1回の食事で40~60gの糖質摂取だと、血中ケトン体は高値とならないので
「ケトン体質~ケトンエンジン」にはなっていません。

欲を言えば、夕食だけは、糖質10~20以下の糖質制限食にすれば
血中ケトン体が高値となり、夜間により速やかな筋肉の修復が期待できます。

石川三知管理栄養士も、就寝前2時間をきったら
炭水化物の量を半分に減らすと、アドバイスしておられるので
夕食の糖質制限食、
そう、ハードルは高くないと思います。(78ページ)
テニスのジョコビッチの基本食事スタイルも
朝昼は普通に糖質を食べて、夕食は糖質制限食です。

90、91、92、93ページ・・・170、171ページ
<糖質制限?カロリー不足?>
2016年2月頃から、スーパー糖質制限食を開始。
 ・1回の食事の糖質量は20g以下
・タンパク質と野菜中心の食事
91ページのメニュー
朝食 スムージー
昼食 サラダ、野菜のスープ、鶏の胸肉のソテー
夕食 サラダ、スープ、白身魚&青魚のソテー

最初の1週間は糖質制限食で好調、
しかし、練習を終えて昼食を摂る前などに、
たまにエネルギー不足を感じるようになり、
加藤超也シェフの登場となったそうです。

これは、加藤シェフと出会って、カロリー不足を指摘されて
本当に良かったです。

91ページのメニュー
朝食 スムージー
昼食 サラダ、野菜のスープ、鶏の胸肉のソテー
夕食 サラダ、スープ、白身魚&青魚のソテー

これは、明らかに低カロリーです。
脂質摂取がとても少ないです。

鶏の胸肉のソテーは492kcal
白身魚のソテーは388kcal
青魚のソテーは308kcal

スムージーやサラダやスープのカロリーは少ないので、
1日合計、「1188kcal+スムージー+サラダ+スープ」
せいぜい、1700~1800kcal/日です。
これではスポーツ選手には全く足りません。
どうしても、脂質を避けてタンパク質と野菜中心だとこうなります。
脂質が足りなかったので、糖質制限食というよりカロリー制限食になっていました。

現在は加藤シェフによりオイルドリンクなど、良質の脂質も摂取し、
しっかり摂取エネルギーを確保できているので、
以前のように「低カロリー食でエネルギー不足」の心配はありません。

理論的には、スーパー糖質制限食で
しっかり脂質とタンパク質を摂取して、
充分なエネルギー量を確保すれば、
サッカーでもテニスでも、スタミナ充分でパフォーマンスは高まると思います。



☆☆☆
2015年01月25日 (日)
アスリートと糖質制限食
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-3261.html
もご参照頂けば幸いです。

自転車のアスリート8名の研究で、
有酸素運動(この研究では自転車競技)において、
低強度~中等度の強度トレーニングなら、
ケトン食は混合食(普通食)より優位で筋肉のダメージも少ないけれど、
高強度のトレーニングだけは、優位は逆転するということです。

長距離・中距離走や一般的なスポーツ(サッカー、野球、バスケットボール、テニス・・・など)では、いつも通りのトレーニングでスーパー糖質制限食を実践していると、
筋肉は「脂肪酸-ケトン体エネルギーシステム」を上手に使えるようになります。
そして筋肉のダメージも少ないのですから、とてもよいパフォーマンスが可能と思います。
100m走など高強度の運動には、スーパー糖質制限食は向かないと思います。


☆☆☆
2016年10月06日 (木)
糖質制限食は持久力アスリートにおいて、不利にはならない。
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-3966.html
もご参照頂けば幸いです。

『糖質制限食は、ウルトラマラソンやトライアスロンにおいて普通の高糖質食と比べて、遜色なし』
という内容です。

普段から
(A)<炭水化物:たんぱく質:脂質 = 10:19:70>の糖質制限食を食べている10人
(B)<炭水化物:たんぱく質:脂質 = 59:14:25>の高炭水化物食を食べている10人
いずれの群もエリートランナーです。
(A)(B)群を比較したところ、糖質制限群(A)は、(B)群と比較して、
運動中のエネルギー源として脂肪酸化の利用が極めて高率でした。
一方、筋肉のグリコーゲン利用と充満のパターンは、
運動中も3時間のランニング後も、(A)(B)群で同様でした。

つまり、普通に糖質制限食をしているランナーがそのまま、
ウルトラマラソンやトライアスロンをしても、
筋肉中のグリコーゲンの量及び増減と回復パターンは、
糖質摂取群と比べて、全く遜色ないという結論です。



江部康二