2017年09月30日 (土)
おはようございます。
アジア太平洋心臓病学会 市民講座
非感染性疾患(NDCs)シンポジウム2017
心臓病,脳卒中,がん,肺疾患,糖尿病の予防を目指して
2017年10月29日(日)
https://kenkochoju.kyoto/event/?act=detail&id=972
セミナー京都市後援
イベント開催場所 京都大学 百周年時計台記念館 国際交流ホール
のご案内です。
講演 3. 糖質制限食による糖尿病の治療と予防
で、私もお話します。
参加費無料の市民講座ですので、京都をはじめ関西の皆さん
是非ご参加いただけば幸いです。
講演 3. 糖質制限食による糖尿病の治療と予防
抄録
糖質制限食は、1999年から京都・高雄病院において糖尿病治療食として開始され、合併症を予防できる唯一の食事療法として画期的な成果をあげてきました。米国糖尿病学会の患者用テキストブック(2004年)には「摂取後直接、血糖に影響を与えるのは糖質のみである。蛋白質・脂質は、摂取後、直接血糖に影響を及ぼすことはない。」と記載されています。これらは含有エネルギーとは無関係な生理学的事実です。食後高血糖と一日平均血糖変動幅増大が糖尿病合併症の最大のリスクとなりますが、従来の糖尿病食(カロリー制限・高糖質食)では、必ずそれらを生じるので、糖尿病合併症の予防は困難です。現実に日本では、毎年新たに、人工透析16000人、失明3000人、足切断3000人と糖尿病合併症は減っていません。米国糖尿病学会は、2013年10月、5年ぶりに「栄養療法に関する声明」を発表し、糖質制限食、地中海食、ベジタリアン食、低脂質食、DASH 食を受容しました。このことは糖質制限食に大きな追い風となりました。
江部康二
プログラム
13:00 開場
13:30 ご挨拶 松森 昭 (NPO法人アジア太平洋心臓病学会 理事長)
13:35 開会の辞 河合 忠一 (京都大学名誉教授、元世界心臓連合 理事長)
13:40
講演1 高齢者診療20年を通じて学んだ「老化の予防」
山本 章 (尼崎老人保健施設ブルーベリー 施設長)
座長 : 細田 瑳一 (日本心臓血圧研究振興会 理事長)
14:30 休憩
14:40 講演2 乳がんの予防・治療
稲本 俊 (天理よろづ相談所学園天理医療大学 医療学部 学部長)
座長 : 宮崎 俊一 (近畿大学医学部 循環器内科 主任教授)
15:30 休憩
15:40 講演 3. 糖質制限食による糖尿病の治療と予防
江部 康二 (一般財団法人高雄病院 理事長)
座長 : 島田 俊夫 (静岡県立総合病院 臨床医学研究センター 部長)
16:30 閉会の辞 長谷川 浩二 (京都医療センター 展開医療研究部長)
イベント開催日 2017年10月29日(日)
13:30~16:30/開場13:00
イベント開催場所 京都大学 百周年時計台記念館 国際交流ホール
住所:〒606-8317 京都府京都市左京区吉田本町36
料金 無料
定員 300名
主催者 特定非営利活動法人アジア太平洋心臓病学会
お申し込み方法 当ホームページの申し込みフォームより http://npo-apsc-ncd.jp/form/mpmail/
お問い合わせ先 特定非営利活動法人アジア太平洋心臓病学会
E-MAIL ncd@npo-apsc.jp
URL: http://npo-apsc.jp/
当NPO法人は世界心臓連合と協力し、アジア太平洋地域において、がんや心臓血管病、糖尿病などの非感染性疾患(NCDs)の撲滅に向けた啓発活動を展開しております。本シンポジウムはその活動の一環として行うことを目的としております。 本年のシンポジウムは昨年と同様に、それぞれの分野の専門家による講演会を一般の方々にも参加いただく市民講座として開催いたします。ご後援いただければ、本シンポジウムをより多くの一般市民の皆様へお知らせすることが出来るようになります。また、これらの活動を通じて、市民のNCDsの撲滅・健康増進に貢献できることを願っております。
アジア太平洋心臓病学会 市民講座
非感染性疾患(NDCs)シンポジウム2017
心臓病,脳卒中,がん,肺疾患,糖尿病の予防を目指して
2017年10月29日(日)
https://kenkochoju.kyoto/event/?act=detail&id=972
セミナー京都市後援
イベント開催場所 京都大学 百周年時計台記念館 国際交流ホール
のご案内です。
講演 3. 糖質制限食による糖尿病の治療と予防
で、私もお話します。
参加費無料の市民講座ですので、京都をはじめ関西の皆さん
是非ご参加いただけば幸いです。
講演 3. 糖質制限食による糖尿病の治療と予防
抄録
糖質制限食は、1999年から京都・高雄病院において糖尿病治療食として開始され、合併症を予防できる唯一の食事療法として画期的な成果をあげてきました。米国糖尿病学会の患者用テキストブック(2004年)には「摂取後直接、血糖に影響を与えるのは糖質のみである。蛋白質・脂質は、摂取後、直接血糖に影響を及ぼすことはない。」と記載されています。これらは含有エネルギーとは無関係な生理学的事実です。食後高血糖と一日平均血糖変動幅増大が糖尿病合併症の最大のリスクとなりますが、従来の糖尿病食(カロリー制限・高糖質食)では、必ずそれらを生じるので、糖尿病合併症の予防は困難です。現実に日本では、毎年新たに、人工透析16000人、失明3000人、足切断3000人と糖尿病合併症は減っていません。米国糖尿病学会は、2013年10月、5年ぶりに「栄養療法に関する声明」を発表し、糖質制限食、地中海食、ベジタリアン食、低脂質食、DASH 食を受容しました。このことは糖質制限食に大きな追い風となりました。
江部康二
プログラム
13:00 開場
13:30 ご挨拶 松森 昭 (NPO法人アジア太平洋心臓病学会 理事長)
13:35 開会の辞 河合 忠一 (京都大学名誉教授、元世界心臓連合 理事長)
13:40
講演1 高齢者診療20年を通じて学んだ「老化の予防」
山本 章 (尼崎老人保健施設ブルーベリー 施設長)
座長 : 細田 瑳一 (日本心臓血圧研究振興会 理事長)
14:30 休憩
14:40 講演2 乳がんの予防・治療
稲本 俊 (天理よろづ相談所学園天理医療大学 医療学部 学部長)
座長 : 宮崎 俊一 (近畿大学医学部 循環器内科 主任教授)
15:30 休憩
15:40 講演 3. 糖質制限食による糖尿病の治療と予防
江部 康二 (一般財団法人高雄病院 理事長)
座長 : 島田 俊夫 (静岡県立総合病院 臨床医学研究センター 部長)
16:30 閉会の辞 長谷川 浩二 (京都医療センター 展開医療研究部長)
イベント開催日 2017年10月29日(日)
13:30~16:30/開場13:00
イベント開催場所 京都大学 百周年時計台記念館 国際交流ホール
住所:〒606-8317 京都府京都市左京区吉田本町36
料金 無料
定員 300名
主催者 特定非営利活動法人アジア太平洋心臓病学会
お申し込み方法 当ホームページの申し込みフォームより http://npo-apsc-ncd.jp/form/mpmail/
お問い合わせ先 特定非営利活動法人アジア太平洋心臓病学会
E-MAIL ncd@npo-apsc.jp
URL: http://npo-apsc.jp/
当NPO法人は世界心臓連合と協力し、アジア太平洋地域において、がんや心臓血管病、糖尿病などの非感染性疾患(NCDs)の撲滅に向けた啓発活動を展開しております。本シンポジウムはその活動の一環として行うことを目的としております。 本年のシンポジウムは昨年と同様に、それぞれの分野の専門家による講演会を一般の方々にも参加いただく市民講座として開催いたします。ご後援いただければ、本シンポジウムをより多くの一般市民の皆様へお知らせすることが出来るようになります。また、これらの活動を通じて、市民のNCDsの撲滅・健康増進に貢献できることを願っております。
2017年09月29日 (金)
【17/09/28 麺's
江部先生に質問です
2回目の質問です。
先生の著書「糖質制限の教科書」を拝読し、5月初めより減量を実践中です。
当初98kgあった体重が85kgまで減り、とても喜ばしいのですが、
2ヶ月ほど前~ずっと85kgほどで“横ばい”で、目標の80kgには中々、到達できずにおります。
糖質制限を始める以前は、グリコーゲンがエネルギー源だったのに対し、
糖質制限食(糖質50g/日)のエネルギー源は“ケトン体”なのですよね?
更にケトン体は脂質とたんぱく質が元だが、
どちらかと言えば脂質メインになっていると理解しております。
ここまでで誤った点はありますか?
ケトン体の元が脂質なので、脂質を遠慮なく摂ってますが、
実はこれが減量を足踏みさせてる原因なのでしょうか?
当初比で▲13kgと、間違いなく減量出来てますが、相変わらず“ぽっこり腹”です。
これを改善するには、脂質も控える必要があるのでしょうか?
ただ、糖質制限中に更に脂質を控えると、エネルギー不足になるのではないかとの懸念もありますので、
先生のご意見をお伺いしたく思います。
質問等が膨大になり、お忙しいと存じますが、
当方は急ぎませんので、宜しくお願い致します。】
こんばんは。
麺's さんから、糖質制限食と体重減少について、
コメント・質問を頂きました。
麺's さん、拙著のご購入、ありがとうございます。
麺's さん、まずは13kgの減量成功、良かったです。
糖質摂取:ブドウ糖-グリコーゲンエネルギーシステム
糖質制限食:脂肪酸-ケトン体エネルギーシステム
ですので、麺's さんのご理解でOKです。
さて、体重が減少しにくい場合は以下のパターンがあります。
A)<基礎礎代謝が低い場合>
基礎代謝が低いタイプの人は
「糖質制限+カロリー制限」が必要です。
女性に時にあり、数%くらいの比率です。
B)<大食漢タイプの場合>
大食いの方々がおられます。やはり数%の比率です。
このタイプは
「糖質制限食+人並みの摂取カロリー」が必要です。
C)<減量できないときは?>
①
いつのまにか、糖質制限が緩くなった可能性があります。
②
何らかの理由で、基礎代謝が低下した可能性があります。
③
知らぬ間に、摂取カロリーが多くなった可能性があります。
④
すでに、BMI20以上~25未満で適正体重になっていることがあります。
⑤
元々、小さい頃から肥満があった場合、
あるていど減量できてもそこで止まることがあります。
麺's さんは、一旦13kgの減量に成功ですので、
A)B)のタイプではないです。
BMIは、まだ25以上ありそうなので、C)④でもないでしょう。
残るのは、C)⑤ですが、如何でしょう。
私の知る範囲で、小さい頃から肥満だった男性が、
30kgの減量に成功して90kgとなり、BMIが32まで改善しましたが、
そこからぴったり減り止まり、90~92kgを行ったり来たりしています。
小さい頃からの肥満の場合、同様のパターンの人が複数いますので、
何か目に見えない壁があるように感じます。
何故そうなるのか、理論的には解明できていません。
成人後に肥満した場合は、糖質制限食実践で、
順調に標準体重まで改善することがほとんどですので、
何か違いがあるはずなのですが、良くわかりません。
<スーパー糖質制限食と体重減少>
スーパー糖質制限食なら、 運動量不変で、体脂肪が減ります。
例えば、血中総ケトン体の基準値は、26~122μM/Lですが、
スーパー糖質制限食実践中は、 400~1000~2000μM/Lくらいに上昇します。
肝臓で脂肪酸の分解物のアセチルCoAからケトン体を作ります。
ケトン体の上昇は、まさに脂肪が燃えている証拠ですね。
かくいう私も、52歳のとき、167cm、67kgから、運動量は不変で、
半年で57kgに減量し、学生時代の体重に戻りました。
階段は駆け上がるし、週1テニスは普通にしてましたので、
筋肉は落ちていないと思いますので、脂肪が燃えて減量できたと考えられます。
67歳現在も57kgで、階段は駆け上がります。
但し、4階くらいまでですが・・・。(^^;)
なお、筋肉は年齢相応ていどあると思いますが、増えてはいません。
筋肉を増やすには筋トレが必要です。
さて、次いで、糖質制限食で何故、脂肪が燃えて減量できるのかを考えて見ます。
まず、インスリンについて考えて見ます。
<肥満ホルモンインスリン>
◇インスリンは脂肪細胞内の中性脂肪分解を抑制します。
◇インスリンは血中の中性脂肪を分解し脂肪細胞内に蓄えます。
◇インスリンは筋肉細胞に血糖を取り込ませますが、余剰の血糖は脂肪細胞に取り込ませて中性脂肪として蓄えます。
◇肥満のメカニズムはインスリンによる脂肪蓄積と考えられます。
◇インスリンを大量に分泌させるのは、糖質のみです。
◇インスリンは、別名肥満ホルモンと呼ばれています。
<スーパー糖質制限食の4つの利点>
◆<糖質制限食による体重減少効果>
①インスリン(肥満ホルモン)追加分泌が少量ですむ。
②食事中も含めて常に体脂肪が燃えている。
③食事中も含めて常に肝臓で糖新生が行われ、それにかなりのエネルギーを消費する。
④高タンパク食により、食事誘発熱産生(DIT)が亢進する。
高蛋白食は、摂食時の食事誘発熱産生(DIT)が通常食に比べて増加します。
DITによる消費エネルギーは、実質吸収エネルギーの、糖質では6%、脂質では4%、タンパク質で30%です。
食事誘発熱産生(DIT)を、もっと簡単に説明すると、食事において
100キロカロリーの糖質だけを摂取した時は、6キロカロリーが、
100キロカロリーの脂質だけを摂取した時は、4キロカロリーが、
100キロカロリーのタンパク質だけを摂取した時は、30キロカロリーが
熱に変わり、消費エネルギーとしてカウントされるということです。
◆<糖質を摂取した場合>
A)血糖値が上昇してインスリン(肥満ホルモン)がたっぷり分泌される。
B)体脂肪は燃えなくなり、血糖値が中性脂肪に変わり蓄積される。
C)肝臓の糖新生はストップする。
D)高タンパク食よる亢進した食事誘発熱産生(DIT)はなくなる。
①②③④とA)B)C)D)両者を比べてみれば、高糖質食より糖質制限食の方が、
体重減少効果が高いことが一目でわかると思います。
たとえ低脂質食でカロリー制限していても、
糖質を摂れば体重減少への利点がすべて消えてしまうわけです。
これは食べ物に含まれるカロリーとは無関係の生理学的な特質であり、
あくまで糖質を摂るかどうかがカギとなります。
<摂取エネルギーと消費エネルギー、基礎代謝量、身体活動量、食事誘発熱産生>
1)摂取エネルギー > 消費エネルギー → 体重増加
摂取エネルギー = 消費エネルギー → 体重不変
摂取エネルギー < 消費エネルギー → 体重減少
2)通常のカロリー制限食(高糖質食)なら
「消費エネルギー=基礎代謝量+身体活動量(運動や家事)+食事誘発熱産生(DIT)」
3)糖質制限食なら、高糖質食の時には無い
「肝臓の糖新生でエネルギーを消費」→基礎代謝の増加
「高蛋白食摂取」→食事誘発熱産生(DIT)の増加 」
が認められる。
1)は生理学的事実です。
2)3)を比較すると糖質制限食の方が高糖質食に比し、
体重が減少しやすいことは明白です。
<推定エネルギー必要量と糖質制限食>
減量を目指す時に、日本糖尿病学会推奨のように
男性:1400~2000kcal/日
女性:1200~1800kcal/日
といった、厳しいカロリー制限は必要ありません。
「日本人の食事摂取基準」(2015年、厚生労働省)
に示す推定エネルギー必要量の範囲、
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000041955.pdf
推定エネルギー必要量/日
男性 女性
15-17才 2500 2850 3150 2050 2300 2550kcal
18-29才 2300 2650 3050 1650 1950 2200
30-49才 2300 2650 3050 1750 2000 2300
50-69才 2100 2450 2800 1650 1900 2200
70才 1850 2200 2500 1500 1750 2000
身体活動レベル 低い 普通 高い 低い 普通 高い
くらいが目安です。
スーパー糖質制限食実践と「日本人の食事摂取基準」の標準的な摂取エネルギーなら、
ほとんどの人が適正体重になると思います。
江部康二
江部先生に質問です
2回目の質問です。
先生の著書「糖質制限の教科書」を拝読し、5月初めより減量を実践中です。
当初98kgあった体重が85kgまで減り、とても喜ばしいのですが、
2ヶ月ほど前~ずっと85kgほどで“横ばい”で、目標の80kgには中々、到達できずにおります。
糖質制限を始める以前は、グリコーゲンがエネルギー源だったのに対し、
糖質制限食(糖質50g/日)のエネルギー源は“ケトン体”なのですよね?
更にケトン体は脂質とたんぱく質が元だが、
どちらかと言えば脂質メインになっていると理解しております。
ここまでで誤った点はありますか?
ケトン体の元が脂質なので、脂質を遠慮なく摂ってますが、
実はこれが減量を足踏みさせてる原因なのでしょうか?
当初比で▲13kgと、間違いなく減量出来てますが、相変わらず“ぽっこり腹”です。
これを改善するには、脂質も控える必要があるのでしょうか?
ただ、糖質制限中に更に脂質を控えると、エネルギー不足になるのではないかとの懸念もありますので、
先生のご意見をお伺いしたく思います。
質問等が膨大になり、お忙しいと存じますが、
当方は急ぎませんので、宜しくお願い致します。】
こんばんは。
麺's さんから、糖質制限食と体重減少について、
コメント・質問を頂きました。
麺's さん、拙著のご購入、ありがとうございます。
麺's さん、まずは13kgの減量成功、良かったです。
糖質摂取:ブドウ糖-グリコーゲンエネルギーシステム
糖質制限食:脂肪酸-ケトン体エネルギーシステム
ですので、麺's さんのご理解でOKです。
さて、体重が減少しにくい場合は以下のパターンがあります。
A)<基礎礎代謝が低い場合>
基礎代謝が低いタイプの人は
「糖質制限+カロリー制限」が必要です。
女性に時にあり、数%くらいの比率です。
B)<大食漢タイプの場合>
大食いの方々がおられます。やはり数%の比率です。
このタイプは
「糖質制限食+人並みの摂取カロリー」が必要です。
C)<減量できないときは?>
①
いつのまにか、糖質制限が緩くなった可能性があります。
②
何らかの理由で、基礎代謝が低下した可能性があります。
③
知らぬ間に、摂取カロリーが多くなった可能性があります。
④
すでに、BMI20以上~25未満で適正体重になっていることがあります。
⑤
元々、小さい頃から肥満があった場合、
あるていど減量できてもそこで止まることがあります。
麺's さんは、一旦13kgの減量に成功ですので、
A)B)のタイプではないです。
BMIは、まだ25以上ありそうなので、C)④でもないでしょう。
残るのは、C)⑤ですが、如何でしょう。
私の知る範囲で、小さい頃から肥満だった男性が、
30kgの減量に成功して90kgとなり、BMIが32まで改善しましたが、
そこからぴったり減り止まり、90~92kgを行ったり来たりしています。
小さい頃からの肥満の場合、同様のパターンの人が複数いますので、
何か目に見えない壁があるように感じます。
何故そうなるのか、理論的には解明できていません。
成人後に肥満した場合は、糖質制限食実践で、
順調に標準体重まで改善することがほとんどですので、
何か違いがあるはずなのですが、良くわかりません。
<スーパー糖質制限食と体重減少>
スーパー糖質制限食なら、 運動量不変で、体脂肪が減ります。
例えば、血中総ケトン体の基準値は、26~122μM/Lですが、
スーパー糖質制限食実践中は、 400~1000~2000μM/Lくらいに上昇します。
肝臓で脂肪酸の分解物のアセチルCoAからケトン体を作ります。
ケトン体の上昇は、まさに脂肪が燃えている証拠ですね。
かくいう私も、52歳のとき、167cm、67kgから、運動量は不変で、
半年で57kgに減量し、学生時代の体重に戻りました。
階段は駆け上がるし、週1テニスは普通にしてましたので、
筋肉は落ちていないと思いますので、脂肪が燃えて減量できたと考えられます。
67歳現在も57kgで、階段は駆け上がります。
但し、4階くらいまでですが・・・。(^^;)
なお、筋肉は年齢相応ていどあると思いますが、増えてはいません。
筋肉を増やすには筋トレが必要です。
さて、次いで、糖質制限食で何故、脂肪が燃えて減量できるのかを考えて見ます。
まず、インスリンについて考えて見ます。
<肥満ホルモンインスリン>
◇インスリンは脂肪細胞内の中性脂肪分解を抑制します。
◇インスリンは血中の中性脂肪を分解し脂肪細胞内に蓄えます。
◇インスリンは筋肉細胞に血糖を取り込ませますが、余剰の血糖は脂肪細胞に取り込ませて中性脂肪として蓄えます。
◇肥満のメカニズムはインスリンによる脂肪蓄積と考えられます。
◇インスリンを大量に分泌させるのは、糖質のみです。
◇インスリンは、別名肥満ホルモンと呼ばれています。
<スーパー糖質制限食の4つの利点>
◆<糖質制限食による体重減少効果>
①インスリン(肥満ホルモン)追加分泌が少量ですむ。
②食事中も含めて常に体脂肪が燃えている。
③食事中も含めて常に肝臓で糖新生が行われ、それにかなりのエネルギーを消費する。
④高タンパク食により、食事誘発熱産生(DIT)が亢進する。
高蛋白食は、摂食時の食事誘発熱産生(DIT)が通常食に比べて増加します。
DITによる消費エネルギーは、実質吸収エネルギーの、糖質では6%、脂質では4%、タンパク質で30%です。
食事誘発熱産生(DIT)を、もっと簡単に説明すると、食事において
100キロカロリーの糖質だけを摂取した時は、6キロカロリーが、
100キロカロリーの脂質だけを摂取した時は、4キロカロリーが、
100キロカロリーのタンパク質だけを摂取した時は、30キロカロリーが
熱に変わり、消費エネルギーとしてカウントされるということです。
◆<糖質を摂取した場合>
A)血糖値が上昇してインスリン(肥満ホルモン)がたっぷり分泌される。
B)体脂肪は燃えなくなり、血糖値が中性脂肪に変わり蓄積される。
C)肝臓の糖新生はストップする。
D)高タンパク食よる亢進した食事誘発熱産生(DIT)はなくなる。
①②③④とA)B)C)D)両者を比べてみれば、高糖質食より糖質制限食の方が、
体重減少効果が高いことが一目でわかると思います。
たとえ低脂質食でカロリー制限していても、
糖質を摂れば体重減少への利点がすべて消えてしまうわけです。
これは食べ物に含まれるカロリーとは無関係の生理学的な特質であり、
あくまで糖質を摂るかどうかがカギとなります。
<摂取エネルギーと消費エネルギー、基礎代謝量、身体活動量、食事誘発熱産生>
1)摂取エネルギー > 消費エネルギー → 体重増加
摂取エネルギー = 消費エネルギー → 体重不変
摂取エネルギー < 消費エネルギー → 体重減少
2)通常のカロリー制限食(高糖質食)なら
「消費エネルギー=基礎代謝量+身体活動量(運動や家事)+食事誘発熱産生(DIT)」
3)糖質制限食なら、高糖質食の時には無い
「肝臓の糖新生でエネルギーを消費」→基礎代謝の増加
「高蛋白食摂取」→食事誘発熱産生(DIT)の増加 」
が認められる。
1)は生理学的事実です。
2)3)を比較すると糖質制限食の方が高糖質食に比し、
体重が減少しやすいことは明白です。
<推定エネルギー必要量と糖質制限食>
減量を目指す時に、日本糖尿病学会推奨のように
男性:1400~2000kcal/日
女性:1200~1800kcal/日
といった、厳しいカロリー制限は必要ありません。
「日本人の食事摂取基準」(2015年、厚生労働省)
に示す推定エネルギー必要量の範囲、
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000041955.pdf
推定エネルギー必要量/日
男性 女性
15-17才 2500 2850 3150 2050 2300 2550kcal
18-29才 2300 2650 3050 1650 1950 2200
30-49才 2300 2650 3050 1750 2000 2300
50-69才 2100 2450 2800 1650 1900 2200
70才 1850 2200 2500 1500 1750 2000
身体活動レベル 低い 普通 高い 低い 普通 高い
くらいが目安です。
スーパー糖質制限食実践と「日本人の食事摂取基準」の標準的な摂取エネルギーなら、
ほとんどの人が適正体重になると思います。
江部康二
2017年09月28日 (木)
こんばんは。
毎日新聞のサイトに、2017年9月27日、
「魚介を多く食べる人は、そうでない人と比べてうつ病の発症率が半減する」
https://mainichi.jp/articles/20170927/k00/00m/040/174000c
という興味深い記事が掲載されました。
私は、糖尿病だけでなく生活習慣病の患者さんには
スーパー糖質制限食を奨めることが多いのですが、
常々、魚と肉を半々くらいでと、お話ししています。
勿論、私自身もそれを実践しています。
日本人はもともと、魚の消費量は世界一でした。
例えば、水産庁の統計(2007年)によれば
人口100万人以上の国の中で
我が国の1人当たりの食用魚介類供給量は世界一だそうです。
また、各国の国民1人当たりの魚介類供給量と平均寿命の関係をみると、
魚介類供給量が多い国ほど平均寿命が長いようです。
日本が世界有数の長寿国なのも、
魚食大国の影響があると思われます。
このように、魚介類をしっかり摂取すると心身ともに元気になるようです。
しかし、近年魚貝類の摂取量が徐々に減少していて
平成18年(2006年)には初めて肉類の摂取量が魚貝類を上まわりました。
政府の「2015年度水産白書」によると、
2014年度の国民1人当たりの年間水産物消費量は前年度比0.1キロ減の27.3キロと、
ピークの2001年度(40.2キロ)から約3割減少し、
1960年代前半と同程度まで落ち込んでいることがわかりました。
ブログ読者の皆さん、魚介類を意識してしっかり食べて
心身共に健康度を高めたいものですね。
江部康二
☆☆☆
https://mainichi.jp/articles/20170927/k00/00m/040/174000c
以下、毎日新聞のサイトから、抜粋・要約
疫学調査
魚たくさん食べる人、うつ病リスク半減
毎日新聞2017年9月27日
魚介を多く食べる人は、そうでない人と比べてうつ病の発症率が半減するとの疫学調査結果を、
国立がん研究センターと慶応大のチームがまとめました。
青魚に多く含まれる「オメガ3脂肪酸」による予防効果が考えられます。
オメガ3脂肪酸には脳内で情報伝達に関わる物質の合成や、
神経の栄養になる物質を増やす作用があるとされており、うつ病の予防効果は海外でも報告されています。
脂肪酸の摂取量を計算すると、オメガ3脂肪酸に分類される
エイコサペンタエン酸(EPA)とドコサペンタエン酸(DPA)が多いと発症率が低くなる傾向がありました。
研究チームは長野県南佐久郡の住民1181人を25年間追跡調査し、
魚介の摂取量とうつ病との関係を調べました。
1日当たり摂取量の多い順に4グループに分けると、2番目(中央値111グラム)の集団は
最下位(同57グラム)の集団より発症率が56%低かったのですが、
最も多く摂取した集団の発症率は26%の低減にとどまりました。
他の食材や調理法の影響を受けたとみられるます。
魚介の摂取とうつ病の予防効果が日本人を対象にした疫学調査で確かめられたのは初めてといいます。
毎日新聞のサイトに、2017年9月27日、
「魚介を多く食べる人は、そうでない人と比べてうつ病の発症率が半減する」
https://mainichi.jp/articles/20170927/k00/00m/040/174000c
という興味深い記事が掲載されました。
私は、糖尿病だけでなく生活習慣病の患者さんには
スーパー糖質制限食を奨めることが多いのですが、
常々、魚と肉を半々くらいでと、お話ししています。
勿論、私自身もそれを実践しています。
日本人はもともと、魚の消費量は世界一でした。
例えば、水産庁の統計(2007年)によれば
人口100万人以上の国の中で
我が国の1人当たりの食用魚介類供給量は世界一だそうです。
また、各国の国民1人当たりの魚介類供給量と平均寿命の関係をみると、
魚介類供給量が多い国ほど平均寿命が長いようです。
日本が世界有数の長寿国なのも、
魚食大国の影響があると思われます。
このように、魚介類をしっかり摂取すると心身ともに元気になるようです。
しかし、近年魚貝類の摂取量が徐々に減少していて
平成18年(2006年)には初めて肉類の摂取量が魚貝類を上まわりました。
政府の「2015年度水産白書」によると、
2014年度の国民1人当たりの年間水産物消費量は前年度比0.1キロ減の27.3キロと、
ピークの2001年度(40.2キロ)から約3割減少し、
1960年代前半と同程度まで落ち込んでいることがわかりました。
ブログ読者の皆さん、魚介類を意識してしっかり食べて
心身共に健康度を高めたいものですね。
江部康二
☆☆☆
https://mainichi.jp/articles/20170927/k00/00m/040/174000c
以下、毎日新聞のサイトから、抜粋・要約
疫学調査
魚たくさん食べる人、うつ病リスク半減
毎日新聞2017年9月27日
魚介を多く食べる人は、そうでない人と比べてうつ病の発症率が半減するとの疫学調査結果を、
国立がん研究センターと慶応大のチームがまとめました。
青魚に多く含まれる「オメガ3脂肪酸」による予防効果が考えられます。
オメガ3脂肪酸には脳内で情報伝達に関わる物質の合成や、
神経の栄養になる物質を増やす作用があるとされており、うつ病の予防効果は海外でも報告されています。
脂肪酸の摂取量を計算すると、オメガ3脂肪酸に分類される
エイコサペンタエン酸(EPA)とドコサペンタエン酸(DPA)が多いと発症率が低くなる傾向がありました。
研究チームは長野県南佐久郡の住民1181人を25年間追跡調査し、
魚介の摂取量とうつ病との関係を調べました。
1日当たり摂取量の多い順に4グループに分けると、2番目(中央値111グラム)の集団は
最下位(同57グラム)の集団より発症率が56%低かったのですが、
最も多く摂取した集団の発症率は26%の低減にとどまりました。
他の食材や調理法の影響を受けたとみられるます。
魚介の摂取とうつ病の予防効果が日本人を対象にした疫学調査で確かめられたのは初めてといいます。
2017年09月27日 (水)
こんにちは。
NHKカルチャー岐阜教室、
2017/10/21(土) 17:00~18:30
糖質制限食講座
http://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_1133666.html
のご案内です。
岐阜では、数年ぶりの講演です。
糖質制限食の最新の知識や情報をわかりやすく楽しくお話します。
70分間の講演と20分間の質疑応答となります。
岐阜、名古屋、滋賀方面の方々、是非ご参加いただけば幸いです。
お陰様で、糖質制限食は順調に普及してきています。
2005年に私が「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」(東洋経済新報社)
を日本初の糖質制限食の本として刊行したころとは、大きな違いがあります。
なんと言っても、2013年10月に米国糖尿病学会が5年ぶりに改訂した「栄養療法に関する声明」のなかで、
地中海食やベジタリアン食などどともに「糖質制限食」を正式に容認したことが、大きな追い風となりました。
この1~2年、糖質制限食の展開において大きな発展があり
いい意味のサプライズもありました。
2016年7月のNHKクローズアップ現代の試算によれば、
糖質制限市場は、3184億円とのことです。
医学界より、企業のほうが糖質制限食をビジネスチャンスと捉えて
行動が迅速なようです。
一方、医学界においても、嬉しいサプライズです。
2017年2月7日(火)午後から、東京大学医学部に行ってきました。
渡邊昌先生、門脇孝先生、江部康二の3人で鼎談を行いました。
二人で話し合うのが対談で、三人で話し合うのが鼎談です。
渡邊昌先生は、医学雑誌「医と食」の編集長です。
門脇孝先生は、
一般社団法人 日本糖尿病学会 理事長
であり、
東京大学大学院医学系研究科糖尿病・代謝内科教授
です。
日本糖尿病学会のトップとじっくり話し合うことができて、
とても有意義な90分間でした。
糖質制限食の発展、まさに、今昔の感ありですね。
江部康二
☆☆☆
以下、NHKカルチャー岐阜教室のサイトから抜粋です。
糖尿病&生活習慣病と糖質制限食
~糖質制限は人類本来の食事、人類の健康食~
http://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_1133666.html
講師
一般財団法人高雄病院 理事長 江部康二医師
一般社団法人日本糖質制限医療推進協会 理事長
内科医 漢方医
内容
糖質制限食は糖尿病治療食として開始され、
数多くの臨床活動を通してメタボなど様々な生活習慣病にも有効ということが判明しました。
運動を勧められても長続きしなかった方、
ダイエットの効果が表れなかった方に向け正しい知識と治療効果、
カロリー制限食と糖質制限食の比較や注意点などをお話します。
受講申し込み
NHKカルチャー岐阜教室
http://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_1133666.html
058-264-6311
開催期間
2017/10/21(土) 17:00~18:30
受講料(税込み)
会員 3,261円
一般(入会不要) 3,823円
NHKカルチャー岐阜教室、
2017/10/21(土) 17:00~18:30
糖質制限食講座
http://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_1133666.html
のご案内です。
岐阜では、数年ぶりの講演です。
糖質制限食の最新の知識や情報をわかりやすく楽しくお話します。
70分間の講演と20分間の質疑応答となります。
岐阜、名古屋、滋賀方面の方々、是非ご参加いただけば幸いです。
お陰様で、糖質制限食は順調に普及してきています。
2005年に私が「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」(東洋経済新報社)
を日本初の糖質制限食の本として刊行したころとは、大きな違いがあります。
なんと言っても、2013年10月に米国糖尿病学会が5年ぶりに改訂した「栄養療法に関する声明」のなかで、
地中海食やベジタリアン食などどともに「糖質制限食」を正式に容認したことが、大きな追い風となりました。
この1~2年、糖質制限食の展開において大きな発展があり
いい意味のサプライズもありました。
2016年7月のNHKクローズアップ現代の試算によれば、
糖質制限市場は、3184億円とのことです。
医学界より、企業のほうが糖質制限食をビジネスチャンスと捉えて
行動が迅速なようです。
一方、医学界においても、嬉しいサプライズです。
2017年2月7日(火)午後から、東京大学医学部に行ってきました。
渡邊昌先生、門脇孝先生、江部康二の3人で鼎談を行いました。
二人で話し合うのが対談で、三人で話し合うのが鼎談です。
渡邊昌先生は、医学雑誌「医と食」の編集長です。
門脇孝先生は、
一般社団法人 日本糖尿病学会 理事長
であり、
東京大学大学院医学系研究科糖尿病・代謝内科教授
です。
日本糖尿病学会のトップとじっくり話し合うことができて、
とても有意義な90分間でした。
糖質制限食の発展、まさに、今昔の感ありですね。
江部康二
☆☆☆
以下、NHKカルチャー岐阜教室のサイトから抜粋です。
糖尿病&生活習慣病と糖質制限食
~糖質制限は人類本来の食事、人類の健康食~
http://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_1133666.html
講師
一般財団法人高雄病院 理事長 江部康二医師
一般社団法人日本糖質制限医療推進協会 理事長
内科医 漢方医
内容
糖質制限食は糖尿病治療食として開始され、
数多くの臨床活動を通してメタボなど様々な生活習慣病にも有効ということが判明しました。
運動を勧められても長続きしなかった方、
ダイエットの効果が表れなかった方に向け正しい知識と治療効果、
カロリー制限食と糖質制限食の比較や注意点などをお話します。
受講申し込み
NHKカルチャー岐阜教室
http://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_1133666.html
058-264-6311
開催期間
2017/10/21(土) 17:00~18:30
受講料(税込み)
会員 3,261円
一般(入会不要) 3,823円
2017年09月26日 (火)
こんにちは。
また、コーヒー党にとって、嬉しい話題です。
アナルズ・オブ・インターナル・メディスンという権威ある医学雑誌に
掲載された論文の紹介です。
コーヒーを飲む群と飲まない群の比較研究です。
コーヒーはしっかり飲んだほうがメリットがあるようです。
以下の青字は
m3.com
https://www.m3.com/clinical/journal/17995?pageFrom=conference
という医学サイトからのメール情報の要約です。
コーヒーと死亡リスクの逆相関、欧州でも確認
Ann Intern Med2017年8月25日 (金)配信
ヨーロッパ10カ国でEPIC試験参加者約52万人を対象に、
コーヒー摂取と死亡率の関連を前向きコホート研究で検証した論文です。
平均16.4年の追跡で41 693人が死亡しました。
コーヒーを飲む人を摂取量により、4群に分けました。
コーヒー摂取量が、一番多い群では、
全死亡リスクは、コーヒーを飲まない群に比べ
男女とも有意に低下していました。
逆相関は、男女両方で、消化管疾患死にもみられました。
女性においては、循環器疾患死および脳血管疾患死にも見られました。
結論として、
コーヒー摂取は、さまざまな原因による死亡リスクの低下と関連していました。
この関係は国によって変わることはありませんでした。
以下は元論文の結果と結論です。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28693038
Gunter MJ et al. Coffee Drinking and Mortality in 10 European Countries: A Multinational Cohort Study. Ann Intern Med. 2017 Aug 15;167(4):236-247.
Results:
During a mean follow-up of 16.4 years, 41 693 deaths occurred. Compared with nonconsumers, participants in the highest quartile of coffee consumption had statistically significantly lower all-cause mortality (men: HR, 0.88 [95% CI, 0.82 to 0.95]; P for trend < 0.001; women: HR, 0.93 [CI, 0.87 to 0.98]; P for trend = 0.009). Inverse associations were also observed for digestive disease mortality for men (HR, 0.41 [CI, 0.32 to 0.54]; P for trend < 0.001) and women (HR, 0.60 [CI, 0.46 to 0.78]; P for trend < 0.001). Among women, there was a statistically significant inverse association of coffee drinking with circulatory disease mortality (HR, 0.78 [CI, 0.68 to 0.90]; P for trend < 0.001) and cerebrovascular disease mortality (HR, 0.70 [CI, 0.55 to 0.90]; P for trend = 0.002) and a positive association with ovarian cancer mortality (HR, 1.31 [CI, 1.07 to 1.61]; P for trend = 0.015). In the EPIC Biomarkers subcohort, higher coffee consumption was associated with lower serum alkaline phosphatase; alanine aminotransferase; aspartate aminotransferase; γ-glutamyltransferase; and, in women, C-reactive protein, lipoprotein(a), and glycated hemoglobin levels.
Conclusion:
Coffee drinking was associated with reduced risk for death from various causes. This relationship did not vary by country.
また、コーヒー党にとって、嬉しい話題です。
アナルズ・オブ・インターナル・メディスンという権威ある医学雑誌に
掲載された論文の紹介です。
コーヒーを飲む群と飲まない群の比較研究です。
コーヒーはしっかり飲んだほうがメリットがあるようです。
以下の青字は
m3.com
https://www.m3.com/clinical/journal/17995?pageFrom=conference
という医学サイトからのメール情報の要約です。
コーヒーと死亡リスクの逆相関、欧州でも確認
Ann Intern Med2017年8月25日 (金)配信
ヨーロッパ10カ国でEPIC試験参加者約52万人を対象に、
コーヒー摂取と死亡率の関連を前向きコホート研究で検証した論文です。
平均16.4年の追跡で41 693人が死亡しました。
コーヒーを飲む人を摂取量により、4群に分けました。
コーヒー摂取量が、一番多い群では、
全死亡リスクは、コーヒーを飲まない群に比べ
男女とも有意に低下していました。
逆相関は、男女両方で、消化管疾患死にもみられました。
女性においては、循環器疾患死および脳血管疾患死にも見られました。
結論として、
コーヒー摂取は、さまざまな原因による死亡リスクの低下と関連していました。
この関係は国によって変わることはありませんでした。
以下は元論文の結果と結論です。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28693038
Gunter MJ et al. Coffee Drinking and Mortality in 10 European Countries: A Multinational Cohort Study. Ann Intern Med. 2017 Aug 15;167(4):236-247.
Results:
During a mean follow-up of 16.4 years, 41 693 deaths occurred. Compared with nonconsumers, participants in the highest quartile of coffee consumption had statistically significantly lower all-cause mortality (men: HR, 0.88 [95% CI, 0.82 to 0.95]; P for trend < 0.001; women: HR, 0.93 [CI, 0.87 to 0.98]; P for trend = 0.009). Inverse associations were also observed for digestive disease mortality for men (HR, 0.41 [CI, 0.32 to 0.54]; P for trend < 0.001) and women (HR, 0.60 [CI, 0.46 to 0.78]; P for trend < 0.001). Among women, there was a statistically significant inverse association of coffee drinking with circulatory disease mortality (HR, 0.78 [CI, 0.68 to 0.90]; P for trend < 0.001) and cerebrovascular disease mortality (HR, 0.70 [CI, 0.55 to 0.90]; P for trend = 0.002) and a positive association with ovarian cancer mortality (HR, 1.31 [CI, 1.07 to 1.61]; P for trend = 0.015). In the EPIC Biomarkers subcohort, higher coffee consumption was associated with lower serum alkaline phosphatase; alanine aminotransferase; aspartate aminotransferase; γ-glutamyltransferase; and, in women, C-reactive protein, lipoprotein(a), and glycated hemoglobin levels.
Conclusion:
Coffee drinking was associated with reduced risk for death from various causes. This relationship did not vary by country.
2017年09月25日 (月)
【本ブログのコメント・質問・記事に関するお願い】
ブログ読者の皆さんには、いつもコメントいただき、ありがとうございます。
糖質制限食に関する質問についてですが、実際に高雄病院や江部診療所に来院されて診察した患者さんに対しては、
医師としての責任・債務がありますので、個別に説明もしっかりさせて頂いていますし、フォローもしております。
一方、ブログ読者の皆さんの質問に関しては、糖質制限食に詳しい医師として、
ボランティアで回答させていただいています。
診察もしておりませんしフォローもできませんので、責任もとれません。
私の回答は、あくまでも一般論としての参考意見とお考え頂けば幸いです。
また、ブログ記事や本に関しても同様に、糖質制限食に関する一般論としての参考意見とお考え下さい。
従いまして、読者の皆さんが私の参考意見を読まれて、どのように利用されるかは、
自己責任でよろしくお願い申し上げます。m(_ _)m
そして読者の皆さんからもご意見いただきましたが、普通のお医者さんに相談可能な個人的な内容の質問は、
ご自分の主治医にご相談頂けば助かります。
またネットで簡単に検索可能なことは、ご自分でお調べください。
質問が増えてきましたので、
糖質制限食と関わりがないと判断した質問にはお答えできない場合もありますので、ご了承ください。m(_ _)m
普通のお医者さんでは解答不能の、糖質制限食に関わる質問は、
何でもどんどんしていただけば嬉しいです。 (^_^)
掲載OKの質問に関して、読者の皆さんに共有していただきたい情報の場合は、ブログ本文記事にて、
できるだけ順番にお答えしたいと思います。
質問によってはコメント欄でお早めにお答えする場合もありますのでご了承ください。
一方、質問がかなり増えてきていますので、なかなか即、お答えすることが困難となってきています。
糖質制限食に関わりのある全ての質問に、本文かコメントでお答えするようできるだけ努力はしていますが、
できないときはご容赦願います。m(_ _)m
それから、「管理人のみ閲覧できる」「匿名希望」などの質問に関しては、コメント欄にお答えするか、
一般的な話題に置き換えてブログに記載するようにしていますので、よろしくお願い申し上げます。
【糖質制限食を実践される時のご注意】
糖質制限食実践によりリアルタイムに血糖値が改善します。
このため既に、経口血糖降下剤(オイグルコン、アマリールなど)の内服やインスリン注射をしておられる糖尿人は、
減薬しないと低血糖の心配がありますので必ず主治医と相談して頂きたいと思います。
一方、薬を使用してない糖尿人やメタボ人は、低血糖の心配はほとんどないので、
自力で糖質制限食を実践して糖尿病やメタボ改善を目指していただけば幸いです。
内服薬やインスリン注射なしの糖尿人が糖質制限食を実践すると、食後高血糖は改善しますが、低血糖にはなりません。
血糖値が正常範囲である程度下がると、肝臓でアミノ酸・乳酸・グリセロール(脂肪の分解物)などから、
ブドウ糖を作るからです。
これを糖新生といいます。
診断基準を満たす膵炎がある場合、肝硬変の場合、そして長鎖脂肪酸代謝異常症は、
糖質制限食は適応となりませんのでご注意ください。
糖質制限食は相対的に高脂肪食になるので、診断基準を満たしている膵炎の患者さんには適応とならないのです。
進行した肝硬変では、糖新生能力が低下しているため適応となりません。
長鎖脂肪酸代謝異常症では、肉や魚などに含まれる長鎖脂肪酸が上手く利用できないので、適応となりません。
腎機能に関して、日本腎臓病学会編「CKD診療ガイド2013」において、eGFR60ml/分以上あれば顕性たんぱく尿の段階でも、
たんぱく質は過剰な摂取をしないという表現となっていて、制限という記載はなしです。
従いまして、糖尿病腎症第3期でも、eGFR60ml/分以上なら、糖質制限食OKです。
また、米国糖尿病学会(ADA)は
Position Statement on Nutrition Therapy(栄養療法に関する声明)
Diabetes Care 2013年10月9日オンライン版
において、糖尿病腎症患者に対する蛋白質制限の意義を明確に否定しました。
根拠はランク(A)ですので、信頼度の高いRCT研究論文に基づく見解です。
今後は、糖尿病腎症第3期以降で、eGFRが60ml/分未満の場合も、患者さんとよく相談して、糖質制限食を実践するか否か、
個別に対応することとなります。
なお、機能性低血糖症の場合、炭水化物依存症レベルが重症のとき、糖新生能力が低下していることがあり、
まれに低血糖症を生じますので注意が必要です。
また、どのような食事療法でも合う合わないがあります。
糖質制限食もその一つですので、合わないとご自分で判断されたら中止していただけば幸いです。
【糖質制限食とは】
米国糖尿病協会(ADA)の患者教育用のテキストブックLife With Diabetes(2004年版)には、以下の記載があります。
「摂取後直接血糖に影響を与えるのは糖質のみである。
糖質は速やかに吸収され、直接100%血糖に変わり、ほぼ120分以内に吸収は終了する。
蛋白質・脂質は、摂取後、直接血糖に影響を及ぼすことはない。
『炭水化物・タンパク質・脂肪はカロリーを含有している。
炭水化物だけが、血糖値に直接影響を及ぼす。』」
これらは含有エネルギーとは無関係な三大栄養素の生理学的特質です。
1997年版のLife With Diabetes(ADA刊行)では、
「タンパク質は約半分が血糖に変わり、脂質は10%未満が血糖に変わる」
という記載がありましたが、2004年版以降は変更されています。
このように糖質、脂質、タンパク質のうち糖質だけが直接、血糖値を上昇させます。
従って、糖質を摂取した時にはインスリンが大量に追加分泌されます。
脂質を摂取しても、インスリンの追加分泌はありません。
タンパク質はごく少量のインスリンを追加分泌させます。
現在糖尿病において、食後の急激な高血糖(グルコーススパイク)が大きな問題として注目されています。
食後高血糖が、心筋梗塞や脳梗塞などの合併症を起こす危険因子として確立されたからです。
また一日における、食前・食後・空腹時など血糖値の変動幅(平均血糖変動幅)が大きいほど、
酸化ストレスが増強し動脈硬化のリスクとなることがわかってきました。
そして、食後高血糖と平均血糖変動幅増大を起こすのは、三大栄養素のなかで糖質だけなのです。
1gの糖質が、体重64kgの2型糖尿病の人の血糖値を約3mg上昇させます。
炊いた白ご飯茶碗1杯150g(252kcal)には、55.3gの糖質が含まれており、血糖値を166mg上昇させます。
一方、和牛サーロインステーキ(脂身つき)を200g(約1000キロカロリー)食べても、
糖質含有量は1gもないので、食後血糖は3mg未満の上昇しかないのです。
なお、1gの糖質が体重64kgの1型糖尿病の人の血糖値を5mg上昇させます。
糖質制限食の基本的な考え方は、上述のような生理学的事実をベースに、
できるだけ糖質の摂取を低く抑えて、食後高血糖を防ぐというものです。
簡単に言えば、主食を抜いておかずばかり食べるというイメージになります。
抜く必要がある主食とは 、米飯・めん類・パンなどの米・麦製品や芋類など糖質が主成分のものです。
3食主食抜きのスーパー糖質制限食(糖質12%、タンパク質32%、脂質56%)なら、
薬に頼ることなく速やかにリアルタイムで良好な血糖コントロールが可能です。
一方、上述の白ご飯とステーキの例でも明らかなように、
カロリー計算に基づいて血糖値をコントロールすることは理論的に不可能です。
従って、現行の日本糖尿病学会推薦の糖尿病食(糖質60%、タンパク質20%、脂質20%)を実践する限りは、
一日の摂取カロリーを1200キロカロリーと低く抑えたとしても、食後高血糖が必ず生じるのです。
糖尿病の改善には、カロリー制限より糖質制限ということがおわかりいただけたと思います。
なお糖質制限食は、カロリー無制限ということではありません。
日本糖尿病学会「糖尿病治療ガイド2014-2015」の
男性1400~2000kcal
女性1200~1800kcal
ほど厳しいカロリー制限は必要ありませんが、
「日本人の食事摂取基準」(2015年、厚生労働省)
に示す推定エネルギー必要量の範囲、
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000041955.pdf
推定エネルギー必要量(一日あたり)
男性 女性
15-17才 2500 2850 3150 2050 2300 2550kcal
18-29才 2300 2650 3050 1650 1950 2200
30-49才 2300 2650 3050 1750 2000 2300
50-69才 2100 2450 2800 1650 1900 2200
70才 1850 2200 2500 1500 1750 2000
身体活動レベル 低い 普通 高い 低い 普通 高い
くらいが目安です。
そして2013年に糖尿病食事療法に関して画期的な変化がありました。
米国糖尿病学会が、
2013年10月発表の『栄養療法に関する声明』において、
全ての糖尿病患者に適した唯一無二の治療食は存在しないと明記したのです。
これはそのまま、1969年の食品交換表第2版以降一貫して、糖尿病治療食として、
唯一無二の「カロリー制限・高糖質食」を推奨し続けている日本糖尿病学会への痛烈な批判となっています。
さらに、米国糖尿病学会は『栄養療法に関する声明2013』において
地中海食、ベジタリアン食、DASH食、低脂質食などと共に
「糖質制限食」も正式に受容しました。
このことは糖質制限食を推進する私達にとって、大変大きな追い風となりました。
なお、門脇孝日本糖尿病学会理事長によれば
東大病院では、2015年4月から、糖質40%の糖質制限食を供給しているそうです。
また門脇孝東大糖尿病・代謝内科教授ご自身も、緩やかな糖質制限食を実践されているとのことです。
2016/7/1(金)
東洋経済オンライン
http://toyokeizai.net/articles/-/125237
http://toyokeizai.net/articles/-/125237?page=4
<江部康二著 参考図書>
理論
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!糖質制限食のすすめ」2005年
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」2008年
「我ら糖尿人、元気なのには理由がある。」2009年 宮本輝先生との対談本
「やせる食べ方」2010年
「うちの母は糖尿人」2010年 監修:江部康二 著:伊藤きのと
(東洋経済新報社)
「糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食」2010年(ナツメ社)
腹いっぱい食べて楽々痩せる『満腹ダイエット』 (ソフトバンク新書)2011年
「主食をやめると健康になる」(ダイヤモンド社)2011年
「血糖コントロールの新常識! 糖質制限 完全ガイド」 (別冊宝島)2012年
「食品別糖質量ハンドブック」2012年(洋泉社)、
「糖質オフ!健康法」(PHP文庫)2012年
「主食を抜けば糖尿病はよくなる!糖質制限食のすすめ」(文春文庫)2012年
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」(文春文庫)2012年
「女性のための糖質制限ダイエットハンドブック」2012年(洋泉社)
「糖尿病治療のための!糖質制限食パーフェクトガイド」2013年(東洋経済新報社)
「医療の巨大転換を加速する」糖質制限食と湿潤療法のインパクト
2013年(東洋経済新報社) 夏井睦先生との対談本
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!糖質制限食のすすめ 新版」2014年(東洋経済新報社)
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!2 実践編 新版」2014年(東洋経済新報社)
「炭水化物の食べ過ぎで早死にしてはいけません」2014年(東洋経済新報社)
一生太らない「やせる! 食べ方」2014年 (PHP文庫)
江部先生、「糖質制限は危ない」って本当ですか?2015年(洋泉社)
「なぜ糖質制限をすると糖尿病が良くなるのか」2015年(ナツメ社)
「糖質制限の教科書」2015年(洋泉社)監修
「人類最強の糖質制限論」2016年4月(SB新書)
「ハンディ版糖質制限の教科書」2016年4月(洋泉社)
「増補新版食品別糖質量ハンドブック」2016年6月(洋泉社)
「Dr.江部の健康食の新常識100 」(TJMOOK)2016年11月(宝島社)
マンガでわかる「糖質オフ! 」健康法2016年12月、(PHP研究所 )
外食でやせる! 「糖質オフ」で食べても飲んでも太らない体を手に入れる、2017年(毎日新聞出版)
「江部康二の糖質制限革命」2017年(東洋経済新報社)
など多数。
レシピ
「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」2006年(東洋経済新報社)
「糖質オフ」ごちそうごはん2009年(アスペクト)
dancyuプレジデントムック 「満腹ダイエット 」 2009年(プレジデント社)
「血糖値を上げない!健康おつまみ109」2010年(東洋経済新報社)
「やせる食べ方レシピ集」 2010年(東洋経済新報社)
「糖質オフダイエット 」2011年(レタスクラブ、角川マーケティング)
「誰もがストレスなくやせられる!糖質制限ダイエット」2011年(講談社)
「主食を抜けば糖尿病はよくなる」レシピ集2011年(東洋経済新報社)
高雄病院の「糖質制限」給食2012年(講談社)
糖尿病がどんどんよくなる「糖質制限食」おすすめレシピ集2012年(ナツメ社)
糖質制限の「主食もどき」レシピ2013年(東洋経済新報社)
高雄病院Dr江部が食べている「糖質制限」ダイエット2013年(講談社)
糖質オフのダイエット弁当2013年(家の光協会)
高雄病院「糖質制限給食」朝 昼 夕 14日間完全プログラム
糖尿病・肥満改善が自宅でできる! 2013年(講談社)
2週間チャレンジ! 糖質制限の太らない生活 2014年(洋泉社mook)
電子レンジで糖質オフの作りおき 2016年10月(宝島社)
「やせぐせがつく糖質オフの作りおき 」2017年(宝島社)
「高雄病院の糖質制限作りおき 」2017年(洋泉社)
ブログ読者の皆さんには、いつもコメントいただき、ありがとうございます。
糖質制限食に関する質問についてですが、実際に高雄病院や江部診療所に来院されて診察した患者さんに対しては、
医師としての責任・債務がありますので、個別に説明もしっかりさせて頂いていますし、フォローもしております。
一方、ブログ読者の皆さんの質問に関しては、糖質制限食に詳しい医師として、
ボランティアで回答させていただいています。
診察もしておりませんしフォローもできませんので、責任もとれません。
私の回答は、あくまでも一般論としての参考意見とお考え頂けば幸いです。
また、ブログ記事や本に関しても同様に、糖質制限食に関する一般論としての参考意見とお考え下さい。
従いまして、読者の皆さんが私の参考意見を読まれて、どのように利用されるかは、
自己責任でよろしくお願い申し上げます。m(_ _)m
そして読者の皆さんからもご意見いただきましたが、普通のお医者さんに相談可能な個人的な内容の質問は、
ご自分の主治医にご相談頂けば助かります。
またネットで簡単に検索可能なことは、ご自分でお調べください。
質問が増えてきましたので、
糖質制限食と関わりがないと判断した質問にはお答えできない場合もありますので、ご了承ください。m(_ _)m
普通のお医者さんでは解答不能の、糖質制限食に関わる質問は、
何でもどんどんしていただけば嬉しいです。 (^_^)
掲載OKの質問に関して、読者の皆さんに共有していただきたい情報の場合は、ブログ本文記事にて、
できるだけ順番にお答えしたいと思います。
質問によってはコメント欄でお早めにお答えする場合もありますのでご了承ください。
一方、質問がかなり増えてきていますので、なかなか即、お答えすることが困難となってきています。
糖質制限食に関わりのある全ての質問に、本文かコメントでお答えするようできるだけ努力はしていますが、
できないときはご容赦願います。m(_ _)m
それから、「管理人のみ閲覧できる」「匿名希望」などの質問に関しては、コメント欄にお答えするか、
一般的な話題に置き換えてブログに記載するようにしていますので、よろしくお願い申し上げます。
【糖質制限食を実践される時のご注意】
糖質制限食実践によりリアルタイムに血糖値が改善します。
このため既に、経口血糖降下剤(オイグルコン、アマリールなど)の内服やインスリン注射をしておられる糖尿人は、
減薬しないと低血糖の心配がありますので必ず主治医と相談して頂きたいと思います。
一方、薬を使用してない糖尿人やメタボ人は、低血糖の心配はほとんどないので、
自力で糖質制限食を実践して糖尿病やメタボ改善を目指していただけば幸いです。
内服薬やインスリン注射なしの糖尿人が糖質制限食を実践すると、食後高血糖は改善しますが、低血糖にはなりません。
血糖値が正常範囲である程度下がると、肝臓でアミノ酸・乳酸・グリセロール(脂肪の分解物)などから、
ブドウ糖を作るからです。
これを糖新生といいます。
診断基準を満たす膵炎がある場合、肝硬変の場合、そして長鎖脂肪酸代謝異常症は、
糖質制限食は適応となりませんのでご注意ください。
糖質制限食は相対的に高脂肪食になるので、診断基準を満たしている膵炎の患者さんには適応とならないのです。
進行した肝硬変では、糖新生能力が低下しているため適応となりません。
長鎖脂肪酸代謝異常症では、肉や魚などに含まれる長鎖脂肪酸が上手く利用できないので、適応となりません。
腎機能に関して、日本腎臓病学会編「CKD診療ガイド2013」において、eGFR60ml/分以上あれば顕性たんぱく尿の段階でも、
たんぱく質は過剰な摂取をしないという表現となっていて、制限という記載はなしです。
従いまして、糖尿病腎症第3期でも、eGFR60ml/分以上なら、糖質制限食OKです。
また、米国糖尿病学会(ADA)は
Position Statement on Nutrition Therapy(栄養療法に関する声明)
Diabetes Care 2013年10月9日オンライン版
において、糖尿病腎症患者に対する蛋白質制限の意義を明確に否定しました。
根拠はランク(A)ですので、信頼度の高いRCT研究論文に基づく見解です。
今後は、糖尿病腎症第3期以降で、eGFRが60ml/分未満の場合も、患者さんとよく相談して、糖質制限食を実践するか否か、
個別に対応することとなります。
なお、機能性低血糖症の場合、炭水化物依存症レベルが重症のとき、糖新生能力が低下していることがあり、
まれに低血糖症を生じますので注意が必要です。
また、どのような食事療法でも合う合わないがあります。
糖質制限食もその一つですので、合わないとご自分で判断されたら中止していただけば幸いです。
【糖質制限食とは】
米国糖尿病協会(ADA)の患者教育用のテキストブックLife With Diabetes(2004年版)には、以下の記載があります。
「摂取後直接血糖に影響を与えるのは糖質のみである。
糖質は速やかに吸収され、直接100%血糖に変わり、ほぼ120分以内に吸収は終了する。
蛋白質・脂質は、摂取後、直接血糖に影響を及ぼすことはない。
『炭水化物・タンパク質・脂肪はカロリーを含有している。
炭水化物だけが、血糖値に直接影響を及ぼす。』」
これらは含有エネルギーとは無関係な三大栄養素の生理学的特質です。
1997年版のLife With Diabetes(ADA刊行)では、
「タンパク質は約半分が血糖に変わり、脂質は10%未満が血糖に変わる」
という記載がありましたが、2004年版以降は変更されています。
このように糖質、脂質、タンパク質のうち糖質だけが直接、血糖値を上昇させます。
従って、糖質を摂取した時にはインスリンが大量に追加分泌されます。
脂質を摂取しても、インスリンの追加分泌はありません。
タンパク質はごく少量のインスリンを追加分泌させます。
現在糖尿病において、食後の急激な高血糖(グルコーススパイク)が大きな問題として注目されています。
食後高血糖が、心筋梗塞や脳梗塞などの合併症を起こす危険因子として確立されたからです。
また一日における、食前・食後・空腹時など血糖値の変動幅(平均血糖変動幅)が大きいほど、
酸化ストレスが増強し動脈硬化のリスクとなることがわかってきました。
そして、食後高血糖と平均血糖変動幅増大を起こすのは、三大栄養素のなかで糖質だけなのです。
1gの糖質が、体重64kgの2型糖尿病の人の血糖値を約3mg上昇させます。
炊いた白ご飯茶碗1杯150g(252kcal)には、55.3gの糖質が含まれており、血糖値を166mg上昇させます。
一方、和牛サーロインステーキ(脂身つき)を200g(約1000キロカロリー)食べても、
糖質含有量は1gもないので、食後血糖は3mg未満の上昇しかないのです。
なお、1gの糖質が体重64kgの1型糖尿病の人の血糖値を5mg上昇させます。
糖質制限食の基本的な考え方は、上述のような生理学的事実をベースに、
できるだけ糖質の摂取を低く抑えて、食後高血糖を防ぐというものです。
簡単に言えば、主食を抜いておかずばかり食べるというイメージになります。
抜く必要がある主食とは 、米飯・めん類・パンなどの米・麦製品や芋類など糖質が主成分のものです。
3食主食抜きのスーパー糖質制限食(糖質12%、タンパク質32%、脂質56%)なら、
薬に頼ることなく速やかにリアルタイムで良好な血糖コントロールが可能です。
一方、上述の白ご飯とステーキの例でも明らかなように、
カロリー計算に基づいて血糖値をコントロールすることは理論的に不可能です。
従って、現行の日本糖尿病学会推薦の糖尿病食(糖質60%、タンパク質20%、脂質20%)を実践する限りは、
一日の摂取カロリーを1200キロカロリーと低く抑えたとしても、食後高血糖が必ず生じるのです。
糖尿病の改善には、カロリー制限より糖質制限ということがおわかりいただけたと思います。
なお糖質制限食は、カロリー無制限ということではありません。
日本糖尿病学会「糖尿病治療ガイド2014-2015」の
男性1400~2000kcal
女性1200~1800kcal
ほど厳しいカロリー制限は必要ありませんが、
「日本人の食事摂取基準」(2015年、厚生労働省)
に示す推定エネルギー必要量の範囲、
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000041955.pdf
推定エネルギー必要量(一日あたり)
男性 女性
15-17才 2500 2850 3150 2050 2300 2550kcal
18-29才 2300 2650 3050 1650 1950 2200
30-49才 2300 2650 3050 1750 2000 2300
50-69才 2100 2450 2800 1650 1900 2200
70才 1850 2200 2500 1500 1750 2000
身体活動レベル 低い 普通 高い 低い 普通 高い
くらいが目安です。
そして2013年に糖尿病食事療法に関して画期的な変化がありました。
米国糖尿病学会が、
2013年10月発表の『栄養療法に関する声明』において、
全ての糖尿病患者に適した唯一無二の治療食は存在しないと明記したのです。
これはそのまま、1969年の食品交換表第2版以降一貫して、糖尿病治療食として、
唯一無二の「カロリー制限・高糖質食」を推奨し続けている日本糖尿病学会への痛烈な批判となっています。
さらに、米国糖尿病学会は『栄養療法に関する声明2013』において
地中海食、ベジタリアン食、DASH食、低脂質食などと共に
「糖質制限食」も正式に受容しました。
このことは糖質制限食を推進する私達にとって、大変大きな追い風となりました。
なお、門脇孝日本糖尿病学会理事長によれば
東大病院では、2015年4月から、糖質40%の糖質制限食を供給しているそうです。
また門脇孝東大糖尿病・代謝内科教授ご自身も、緩やかな糖質制限食を実践されているとのことです。
2016/7/1(金)
東洋経済オンライン
http://toyokeizai.net/articles/-/125237
http://toyokeizai.net/articles/-/125237?page=4
<江部康二著 参考図書>
理論
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!糖質制限食のすすめ」2005年
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」2008年
「我ら糖尿人、元気なのには理由がある。」2009年 宮本輝先生との対談本
「やせる食べ方」2010年
「うちの母は糖尿人」2010年 監修:江部康二 著:伊藤きのと
(東洋経済新報社)
「糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食」2010年(ナツメ社)
腹いっぱい食べて楽々痩せる『満腹ダイエット』 (ソフトバンク新書)2011年
「主食をやめると健康になる」(ダイヤモンド社)2011年
「血糖コントロールの新常識! 糖質制限 完全ガイド」 (別冊宝島)2012年
「食品別糖質量ハンドブック」2012年(洋泉社)、
「糖質オフ!健康法」(PHP文庫)2012年
「主食を抜けば糖尿病はよくなる!糖質制限食のすすめ」(文春文庫)2012年
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」(文春文庫)2012年
「女性のための糖質制限ダイエットハンドブック」2012年(洋泉社)
「糖尿病治療のための!糖質制限食パーフェクトガイド」2013年(東洋経済新報社)
「医療の巨大転換を加速する」糖質制限食と湿潤療法のインパクト
2013年(東洋経済新報社) 夏井睦先生との対談本
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!糖質制限食のすすめ 新版」2014年(東洋経済新報社)
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!2 実践編 新版」2014年(東洋経済新報社)
「炭水化物の食べ過ぎで早死にしてはいけません」2014年(東洋経済新報社)
一生太らない「やせる! 食べ方」2014年 (PHP文庫)
江部先生、「糖質制限は危ない」って本当ですか?2015年(洋泉社)
「なぜ糖質制限をすると糖尿病が良くなるのか」2015年(ナツメ社)
「糖質制限の教科書」2015年(洋泉社)監修
「人類最強の糖質制限論」2016年4月(SB新書)
「ハンディ版糖質制限の教科書」2016年4月(洋泉社)
「増補新版食品別糖質量ハンドブック」2016年6月(洋泉社)
「Dr.江部の健康食の新常識100 」(TJMOOK)2016年11月(宝島社)
マンガでわかる「糖質オフ! 」健康法2016年12月、(PHP研究所 )
外食でやせる! 「糖質オフ」で食べても飲んでも太らない体を手に入れる、2017年(毎日新聞出版)
「江部康二の糖質制限革命」2017年(東洋経済新報社)
など多数。
レシピ
「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」2006年(東洋経済新報社)
「糖質オフ」ごちそうごはん2009年(アスペクト)
dancyuプレジデントムック 「満腹ダイエット 」 2009年(プレジデント社)
「血糖値を上げない!健康おつまみ109」2010年(東洋経済新報社)
「やせる食べ方レシピ集」 2010年(東洋経済新報社)
「糖質オフダイエット 」2011年(レタスクラブ、角川マーケティング)
「誰もがストレスなくやせられる!糖質制限ダイエット」2011年(講談社)
「主食を抜けば糖尿病はよくなる」レシピ集2011年(東洋経済新報社)
高雄病院の「糖質制限」給食2012年(講談社)
糖尿病がどんどんよくなる「糖質制限食」おすすめレシピ集2012年(ナツメ社)
糖質制限の「主食もどき」レシピ2013年(東洋経済新報社)
高雄病院Dr江部が食べている「糖質制限」ダイエット2013年(講談社)
糖質オフのダイエット弁当2013年(家の光協会)
高雄病院「糖質制限給食」朝 昼 夕 14日間完全プログラム
糖尿病・肥満改善が自宅でできる! 2013年(講談社)
2週間チャレンジ! 糖質制限の太らない生活 2014年(洋泉社mook)
電子レンジで糖質オフの作りおき 2016年10月(宝島社)
「やせぐせがつく糖質オフの作りおき 」2017年(宝島社)
「高雄病院の糖質制限作りおき 」2017年(洋泉社)
2017年09月24日 (日)
【17/09/24 ジェームズ中野
ビートオリゴ糖について
今回のテーマとはかけ離れた内容で申し訳ございません。ビフィズス菌の餌になると言うオリゴ糖について質問いたします。一般的には、胃で消化吸収されず大腸に達するとあります。つまり血糖値を上げない食品と思われます。1日4グラムほどの摂取でオッケーとされています。糖質制限をすることで便秘がちな方も便が柔らかくなることでスムーズなお通じになるように思います。今は自分の体で人体実験をしております。江部先生、オリゴ糖について先生のお考えをお聞かせいただければと思っています。お忙しいところ恐縮です。以上よろしくお願いいたします。】
こんばんは。
ジェームズ中野さんから、オリゴ糖について
コメント・質問を頂きました。
今回は、オリゴ糖について、考えてみます。
オリゴ糖は、少糖類と呼ばれることもあります。
オリゴとは少ないという意味です。
明確な定義はないのですが、一般には、
単糖類が3~20分子縮合して1分子になったものをオリゴ糖と言います。(☆)
商品としての「ビートオリゴ糖」は、
天然オリゴ糖(学名:ラフィノース)を含んでいますが、
ショ糖や糖類も多く含まれていますので、糖質制限的には、NG食材です。
ビートオリゴ糖(ショ糖・糖類:67%、水分:22%、オリゴ糖:11%)
オリゴ糖は、ご指摘通り一般に胃や小腸で吸収されてにくく、低カロリーであり、
大腸まで達して、ビフィズス菌などの餌になるとされています。
中でも、フラクトオリゴ糖と乳果オリゴ糖(ラクトスクロース)は、
血糖値とインスリン値に影響をほとんど与えません。
ラフィノース、キシロオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖は
一定難消化性ですが、少し血糖値を上げる可能性があります。
イソマルトオリゴ糖は、あるていど血糖値をあげると思います。
①
ラフィノースは、 消化されにくく、低カロリーで、腸内のビフィズス菌の増殖を促進する働きがあり、
エネルギー換算係数は2kcal/g です。
②
キシロオリゴ糖も、消化されにくく、低カロリーで、腸内のビフィズス菌の増殖を促進する働きがあり、
エネルギー換算係数は2kcal/g です。
③
ガラクトオリゴ糖も、消化されにくく、低カロリーで、腸内のビフィズス菌の増殖を促進する働きがあり、
エネルギー換算係数は2~3kcal/g です。
④
フラクトオリゴ糖は、摂取しても、血糖値を上昇させず、インスリンの分泌も促しません。
消化酵素によって消化されにくいため、体内に吸収されることもほとんどなく
低カロリーです。血糖値は上げませんが、腸内細菌の餌となり、短鎖脂肪酸を作ると思われ、
エネルギー換算係数は約1.6~2.2kcal/g です。
⑤
乳果オリゴ糖(ラクトスクロース)も、 消化されにくく、摂取しても血糖値の上昇や、
インスリン分泌にほとんど影響を与えません。
また、腸内のビフィズス菌の増殖を促進し、便の性状を改善する働きがあります。
エネルギー換算係数は2kcal/g ですので、やはり短鎖脂肪酸のエネルギーと思います。
⑥
イソマルトオリゴ糖は、
他の難消化性のオリゴ糖に比べると小腸内ではある程度消化されますが、
でん粉などに比べると消化されにくいです
エネルギー換算係数は4kcal/g で、ビフィズス菌の餌になります。
小腸であるていど消化されるので、血糖値もあるていど上昇すると思います。
(☆)
健康増進法における栄養表示基準では栄養成分表示を行う場合、基本表示は
<エネルギー、たんぱく質、脂質、炭水化物、ナトリウム>
の5成分表示とされています。
「炭水化物、糖質、糖類」を整理すると下記の如くにまとめることができます。
栄養表示基準上はたんぱく質や脂質、灰分(ミネラル分)のいずれにも分類されないものは炭水化物に計算。
①炭水化物=糖質+食物繊維
②糖質=糖類+糖アルコール+三糖類以上+合成甘味料
③糖類=単糖類+二糖類
*単糖類=ブドウ糖、果糖、ガラクトースなど
*二糖類=ショ糖、麦芽糖、乳糖など
*三糖類以上
1)オリゴ糖:単糖類が3~20分子縮合して1分子になったもの
2)多糖類:単糖類、数百~数千分子が縮合して1分子になったものでんぷん、デキストリンなど)
*糖アルコール=エリスリトール、キシリトール、マルチトール、ソルビトールなど
*合成甘味料=アスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース、サッカリン、ネオテーム
江部康二
ビートオリゴ糖について
今回のテーマとはかけ離れた内容で申し訳ございません。ビフィズス菌の餌になると言うオリゴ糖について質問いたします。一般的には、胃で消化吸収されず大腸に達するとあります。つまり血糖値を上げない食品と思われます。1日4グラムほどの摂取でオッケーとされています。糖質制限をすることで便秘がちな方も便が柔らかくなることでスムーズなお通じになるように思います。今は自分の体で人体実験をしております。江部先生、オリゴ糖について先生のお考えをお聞かせいただければと思っています。お忙しいところ恐縮です。以上よろしくお願いいたします。】
こんばんは。
ジェームズ中野さんから、オリゴ糖について
コメント・質問を頂きました。
今回は、オリゴ糖について、考えてみます。
オリゴ糖は、少糖類と呼ばれることもあります。
オリゴとは少ないという意味です。
明確な定義はないのですが、一般には、
単糖類が3~20分子縮合して1分子になったものをオリゴ糖と言います。(☆)
商品としての「ビートオリゴ糖」は、
天然オリゴ糖(学名:ラフィノース)を含んでいますが、
ショ糖や糖類も多く含まれていますので、糖質制限的には、NG食材です。
ビートオリゴ糖(ショ糖・糖類:67%、水分:22%、オリゴ糖:11%)
オリゴ糖は、ご指摘通り一般に胃や小腸で吸収されてにくく、低カロリーであり、
大腸まで達して、ビフィズス菌などの餌になるとされています。
中でも、フラクトオリゴ糖と乳果オリゴ糖(ラクトスクロース)は、
血糖値とインスリン値に影響をほとんど与えません。
ラフィノース、キシロオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖は
一定難消化性ですが、少し血糖値を上げる可能性があります。
イソマルトオリゴ糖は、あるていど血糖値をあげると思います。
①
ラフィノースは、 消化されにくく、低カロリーで、腸内のビフィズス菌の増殖を促進する働きがあり、
エネルギー換算係数は2kcal/g です。
②
キシロオリゴ糖も、消化されにくく、低カロリーで、腸内のビフィズス菌の増殖を促進する働きがあり、
エネルギー換算係数は2kcal/g です。
③
ガラクトオリゴ糖も、消化されにくく、低カロリーで、腸内のビフィズス菌の増殖を促進する働きがあり、
エネルギー換算係数は2~3kcal/g です。
④
フラクトオリゴ糖は、摂取しても、血糖値を上昇させず、インスリンの分泌も促しません。
消化酵素によって消化されにくいため、体内に吸収されることもほとんどなく
低カロリーです。血糖値は上げませんが、腸内細菌の餌となり、短鎖脂肪酸を作ると思われ、
エネルギー換算係数は約1.6~2.2kcal/g です。
⑤
乳果オリゴ糖(ラクトスクロース)も、 消化されにくく、摂取しても血糖値の上昇や、
インスリン分泌にほとんど影響を与えません。
また、腸内のビフィズス菌の増殖を促進し、便の性状を改善する働きがあります。
エネルギー換算係数は2kcal/g ですので、やはり短鎖脂肪酸のエネルギーと思います。
⑥
イソマルトオリゴ糖は、
他の難消化性のオリゴ糖に比べると小腸内ではある程度消化されますが、
でん粉などに比べると消化されにくいです
エネルギー換算係数は4kcal/g で、ビフィズス菌の餌になります。
小腸であるていど消化されるので、血糖値もあるていど上昇すると思います。
(☆)
健康増進法における栄養表示基準では栄養成分表示を行う場合、基本表示は
<エネルギー、たんぱく質、脂質、炭水化物、ナトリウム>
の5成分表示とされています。
「炭水化物、糖質、糖類」を整理すると下記の如くにまとめることができます。
栄養表示基準上はたんぱく質や脂質、灰分(ミネラル分)のいずれにも分類されないものは炭水化物に計算。
①炭水化物=糖質+食物繊維
②糖質=糖類+糖アルコール+三糖類以上+合成甘味料
③糖類=単糖類+二糖類
*単糖類=ブドウ糖、果糖、ガラクトースなど
*二糖類=ショ糖、麦芽糖、乳糖など
*三糖類以上
1)オリゴ糖:単糖類が3~20分子縮合して1分子になったもの
2)多糖類:単糖類、数百~数千分子が縮合して1分子になったものでんぷん、デキストリンなど)
*糖アルコール=エリスリトール、キシリトール、マルチトール、ソルビトールなど
*合成甘味料=アスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース、サッカリン、ネオテーム
江部康二
2017年09月23日 (土)
こんばんは。
スーパー糖質制限食実践中の耐糖能検査について説明しておきます。
75g経口ブドウ糖負荷試験実施前3日間は、150g/日以上の糖質摂取が、
日本糖尿病学会の推奨となっています。
スーパー糖質制限をあるていどの期間続けた正常人が、
いきなり、ブドウ糖負荷試験あるいは糖質一人前摂取で、
耐糖能低下のように見えるデータがでることが、時にあります。
私見ですが、これは、
追加分泌インスリンの必要性があまりないスーパー糖質制限食を続けていた場合には、
通常量の糖質摂取に対して、β細胞が準備ができていない状態であった可能性があります。
従って、150g/日以上の糖質を3日間摂取することで準備を整えてから検査をすると、β細胞の準備ができているので、
もともと正常型だった人なら耐糖能が普通に戻ると思われます。
1回50gの糖質を摂取すれば、
追加分泌インスリンは基礎分泌の10~20~30倍くらい出ます。
しかしながら、
この10~20~30倍のインスリン追加分泌は、狩猟・採取時代からみたら
いかにも過剰で危険なものです。
インスリン過剰分泌は活性酸素を発生させ、
酸化ストレスリスクとなるので、万病の元と言えます。
スーパー糖質制限食実践者においては、β細胞は休養できていて、
なおかつ血糖コントロール良好ですので、
高血糖によりβ細胞が障害されている可能性はありません。
また基礎分泌インスリンはスーパー糖質制限中も常に分泌されていて、
追加分泌も食事のたびに基礎分泌の2~3倍くらいは分泌されます。
元々正常人であれば、β細胞も正常で元気です。
ですから、β細胞のインスリン分泌能力も準備さえ整えば、
正常に作用すると考えられます。
つまり、正常人が糖質制限中にいきなり糖質摂取したとき、
一見耐糖能が低下したようなデータが出ることがありますが、
これは本当にβ細胞が障害されて耐糖能が落ちたのではないので、
心配ないということです。
糖質制限食実践者においては、食後高血糖によるβ細胞の障害はないので、
本当にインスリン分泌能が低下するということは考えられません。
人類は狩猟・採集時代の700万年間は、穀物なしの糖質制限食です。
穀物食(高糖質食)は農耕後の1万年間だけです。
どちらが人類にとって自然な食事であるかは明白です。
糖質制限食は人類本来の食事であり、人類の健康食です。
糖尿人が糖質制限食を実践すれば、食後高血糖がリアルタイムに改善し、
ほとんどの場合、血糖コントロール良好となり、糖化も予防できます。
正常人が糖質制限食を実践すれば、糖化が予防できます。
そうすると糖質を普通に摂取している正常人に対して
糖化がベースにある老化が防げます。
私はこのように思いますので、一生、美味しく楽しく糖質制限食を続けて、
健康ライフを維持していきたいと思います。
江部康二
スーパー糖質制限食実践中の耐糖能検査について説明しておきます。
75g経口ブドウ糖負荷試験実施前3日間は、150g/日以上の糖質摂取が、
日本糖尿病学会の推奨となっています。
スーパー糖質制限をあるていどの期間続けた正常人が、
いきなり、ブドウ糖負荷試験あるいは糖質一人前摂取で、
耐糖能低下のように見えるデータがでることが、時にあります。
私見ですが、これは、
追加分泌インスリンの必要性があまりないスーパー糖質制限食を続けていた場合には、
通常量の糖質摂取に対して、β細胞が準備ができていない状態であった可能性があります。
従って、150g/日以上の糖質を3日間摂取することで準備を整えてから検査をすると、β細胞の準備ができているので、
もともと正常型だった人なら耐糖能が普通に戻ると思われます。
1回50gの糖質を摂取すれば、
追加分泌インスリンは基礎分泌の10~20~30倍くらい出ます。
しかしながら、
この10~20~30倍のインスリン追加分泌は、狩猟・採取時代からみたら
いかにも過剰で危険なものです。
インスリン過剰分泌は活性酸素を発生させ、
酸化ストレスリスクとなるので、万病の元と言えます。
スーパー糖質制限食実践者においては、β細胞は休養できていて、
なおかつ血糖コントロール良好ですので、
高血糖によりβ細胞が障害されている可能性はありません。
また基礎分泌インスリンはスーパー糖質制限中も常に分泌されていて、
追加分泌も食事のたびに基礎分泌の2~3倍くらいは分泌されます。
元々正常人であれば、β細胞も正常で元気です。
ですから、β細胞のインスリン分泌能力も準備さえ整えば、
正常に作用すると考えられます。
つまり、正常人が糖質制限中にいきなり糖質摂取したとき、
一見耐糖能が低下したようなデータが出ることがありますが、
これは本当にβ細胞が障害されて耐糖能が落ちたのではないので、
心配ないということです。
糖質制限食実践者においては、食後高血糖によるβ細胞の障害はないので、
本当にインスリン分泌能が低下するということは考えられません。
人類は狩猟・採集時代の700万年間は、穀物なしの糖質制限食です。
穀物食(高糖質食)は農耕後の1万年間だけです。
どちらが人類にとって自然な食事であるかは明白です。
糖質制限食は人類本来の食事であり、人類の健康食です。
糖尿人が糖質制限食を実践すれば、食後高血糖がリアルタイムに改善し、
ほとんどの場合、血糖コントロール良好となり、糖化も予防できます。
正常人が糖質制限食を実践すれば、糖化が予防できます。
そうすると糖質を普通に摂取している正常人に対して
糖化がベースにある老化が防げます。
私はこのように思いますので、一生、美味しく楽しく糖質制限食を続けて、
健康ライフを維持していきたいと思います。
江部康二
2017年09月22日 (金)
「糖尿病疑い1000万人 厚労省推計2012年から50万人増」
炭水化物摂取比率が減少して、糖尿病の増加が縮小し、糖尿病予備軍は減少。
2017年9月21日に厚生労働省が発表です。
厚生労働省は、毎年国民健康・栄養調査を実施しています。
その中で、4~5年に1回、糖尿病有病数を集計しています。
今回2016年の糖尿病有病数は、2012年に比し、約50万人増加で、前回と同じぐらいです。

1990年:560万人
1997年:690万人(130万人増加)
2002年:740万人(50万人増加)
2007年:890万人(5年間で150万人増加)
2012年:950万人(5年間で60万人増加)
2016年:1000万人(4年間で50万人増加)
これで見ると、2002年→2007年の増加数が、半端じゃないですね。
2007年→2012年の増加は、60万人で
1997年→2002年の増加、50万人と似たようなもので、
2002年→2007年の増加、150万人に比しかなり少ないです。
2012年→2016年の増加、4年間で50万人は前回と同じくらいです。
糖尿病予備軍は、2012年に約1100万人で、2007年から約220万人減少で、
国民健康・栄養調査が始まって以来の初めての減少でした。
さらに2016年は糖尿病予備群は約1000万人で、
2012年から約100万人減少で、前回と同様の傾向です。
冷静に考えて、糖尿病増加の勢いが、弱まったことになります。
実はずっと増え続けいた炭水化物摂取比率が、
2008年から2010年にかけて、60.4%から59.4%に減っています。
2010年から2012年にかけては、59.4%から59.2%に減っています。
2012年から2015年にかけて、さらに59.2%から58.4%に減っています。
そして、ずっと減少傾向だった脂質摂取比率が、
2008年から2010年にかけて、24.9%から25.9%に増えているのです。
さらに2010年→2012年→2015年と、25.9→26.2→26.9%と増えています

そして、これを受けて、20007年から2012年にかけて糖尿病の増加が急減して、
糖尿病予備群は220万人も減少しているのです。
2012年から2016年も糖尿病は増加していますが、歯止めがかかっていて
予備群も前回の調査に続いて減少です。
保健所や一般の医師・栄養士の食事指導は、
旧態依然たる日本糖尿病学会推奨で唯一無二のカロリー制限食で、
数十年来不変ですので、今更この影響はないと思います。
なお、2000年~2015年まで日本の人口は
1億2700万~1億2800万くらいで大きな変化はありません。
そして、この間、高齢化はどんどん進んでいるので、普通に考えると
高齢者に多い病気である糖尿病は、より増加し易い状況だったと言えます。
それが歯止めがかかったというわけです。
平成12(2000) 126926人
平成17(2005)127768
18 127901
19 128033
20 128084
21 128032
22 128057
23 127799
24 127515
25 127298
26 127038
平成27(2015) 127095人
こうなると、あくまでも仮説ですが、炭水化物摂取が減って脂質摂取が増えて、
糖尿病の激増に歯止めがかかったのは、
糖質制限食の影響の可能性がありえますね。(^^)
☆☆☆
国民健康・栄養調査|厚生労働省
エネルギー 脂肪エネルギー比率 炭水化物エネルギー比率
2010年 1849kcal 25.9% 59.4%
2011 1840 26.2 59.2
2012 1874 26.2 59.2
2013 1873 26.2 58.9
2014 1863 26.3 59.0
2015 1889 26.9 58.4
江部康二
炭水化物摂取比率が減少して、糖尿病の増加が縮小し、糖尿病予備軍は減少。
2017年9月21日に厚生労働省が発表です。
厚生労働省は、毎年国民健康・栄養調査を実施しています。
その中で、4~5年に1回、糖尿病有病数を集計しています。
今回2016年の糖尿病有病数は、2012年に比し、約50万人増加で、前回と同じぐらいです。

1990年:560万人
1997年:690万人(130万人増加)
2002年:740万人(50万人増加)
2007年:890万人(5年間で150万人増加)
2012年:950万人(5年間で60万人増加)
2016年:1000万人(4年間で50万人増加)
これで見ると、2002年→2007年の増加数が、半端じゃないですね。
2007年→2012年の増加は、60万人で
1997年→2002年の増加、50万人と似たようなもので、
2002年→2007年の増加、150万人に比しかなり少ないです。
2012年→2016年の増加、4年間で50万人は前回と同じくらいです。
糖尿病予備軍は、2012年に約1100万人で、2007年から約220万人減少で、
国民健康・栄養調査が始まって以来の初めての減少でした。
さらに2016年は糖尿病予備群は約1000万人で、
2012年から約100万人減少で、前回と同様の傾向です。
冷静に考えて、糖尿病増加の勢いが、弱まったことになります。
実はずっと増え続けいた炭水化物摂取比率が、
2008年から2010年にかけて、60.4%から59.4%に減っています。
2010年から2012年にかけては、59.4%から59.2%に減っています。
2012年から2015年にかけて、さらに59.2%から58.4%に減っています。
そして、ずっと減少傾向だった脂質摂取比率が、
2008年から2010年にかけて、24.9%から25.9%に増えているのです。
さらに2010年→2012年→2015年と、25.9→26.2→26.9%と増えています

そして、これを受けて、20007年から2012年にかけて糖尿病の増加が急減して、
糖尿病予備群は220万人も減少しているのです。
2012年から2016年も糖尿病は増加していますが、歯止めがかかっていて
予備群も前回の調査に続いて減少です。
保健所や一般の医師・栄養士の食事指導は、
旧態依然たる日本糖尿病学会推奨で唯一無二のカロリー制限食で、
数十年来不変ですので、今更この影響はないと思います。
なお、2000年~2015年まで日本の人口は
1億2700万~1億2800万くらいで大きな変化はありません。
そして、この間、高齢化はどんどん進んでいるので、普通に考えると
高齢者に多い病気である糖尿病は、より増加し易い状況だったと言えます。
それが歯止めがかかったというわけです。
平成12(2000) 126926人
平成17(2005)127768
18 127901
19 128033
20 128084
21 128032
22 128057
23 127799
24 127515
25 127298
26 127038
平成27(2015) 127095人
こうなると、あくまでも仮説ですが、炭水化物摂取が減って脂質摂取が増えて、
糖尿病の激増に歯止めがかかったのは、
糖質制限食の影響の可能性がありえますね。(^^)
☆☆☆
国民健康・栄養調査|厚生労働省
エネルギー 脂肪エネルギー比率 炭水化物エネルギー比率
2010年 1849kcal 25.9% 59.4%
2011 1840 26.2 59.2
2012 1874 26.2 59.2
2013 1873 26.2 58.9
2014 1863 26.3 59.0
2015 1889 26.9 58.4
江部康二
2017年09月21日 (木)
こんにちは。
2017年10月8日(日)
「内科、眼科、産婦人科医がみた 糖質制限食のチカラ」
と題して、東京で一般向けの講演会を開催します。
講師は、
宗田マタニティクリニック(千葉県市原市)院長の宗田哲男先生、
深作眼科(横浜西口、東京六本木)理事長の深作秀春先生、
そして江部康二です。
なかなかの豪華キャストと自画自讃してます。 (^^)
とても興味深い有意義な講演会になると思いますので、
東京、関東方面の方々、あるいは少々遠方の方々も
是非、ご参加頂ければ、幸いです。
講演会は、残席わずかとなっています。
交流会は満員御礼となっております。
ありがとうございました。
江部康二
以下、事務局からのお知らせです。
***********
ブログ読者の皆様、いつも弊会のイベントへ多数ご参加いただきまして、
ありがとうございます。
10月8日(日)東京都内で、「内科、眼科、産婦人科医がみた 糖質制限食のチカラ」と題して、一般の方向けの講演会を開催いたします。
講師は、宗田マタニティクリニック(千葉県市原市)院長の宗田哲男先生、深作眼科(横浜西口、東京六本木)理事長の深作秀春先生、ならびに当会理事長の江部康二です。
「視力を失わない生き方」(光文社)の著者であり、世界をリードする最先端の眼科外科治療を行っておられる深作先生は、これまで実に多くの糖尿病性網膜症の患者さんを診てこられました。
しかし、糖尿病内科専門医による従来の糖尿病治療を受けると、むしろ糖尿病性網膜症が悪化するといった欠点を痛感され、糖尿病患者さんへの糖質制限治療を積極的に導入されました。
糖質制限と網膜症硝子体手術療法の併用で、安定した視力を得られるようになった症例などを中心にお話しいただきます。
ベストセラー「ケトン体が人類を救う」(光文社)の著者であり、糖質制限食とケトン体の啓蒙に奮闘されている宗田先生には、ケトン体の安全性や秘めたる力、最新情報について、また、妊婦、赤ちゃんの健康と糖質制限食についてもお話しいただきます。
宗田先生の素晴らしいお話は、昨秋の江部理事長との講演・トークイベントでも大好評でした。
江部理事長は、糖質制限食が様々な良い効果をもたらす理由や仕組みといった基礎理論、糖質制限食のこれまでの歩み、糖質制限食による糖尿病治療の症例などについて解説いたします。
首都圏にお住まいの方をはじめ、たくさんのご参加を心よりお待ちしております。
*当日講演会終了後に、賛助会員交流会を開催いたします。
☆講演会・賛助会員交流会情報URL: http://www.toushitsuseigen.or.jp/activity
///////////////////ご案内/////////////////////
(一社)日本糖質制限医療推進協会主催 講演会(東京)
「内科、眼科、産婦人科医がみた 糖質制限食のチカラ」
◆日時:10月8日(日)13:00~16:30頃
※開場・受付は、12:30~です。
◆会場: 千代田区立日比谷図書文化館 大ホール
東京都千代田区日比谷公園1番4号
http://hibiyal.jp/hibiya/access.html
■内容:
第1部: 「糖質制限食 概論と糖尿病治療」
江部 康二 医師 (高雄病院理事長/当会理事長)
第2部: 「眼科医、産婦人科医だからこそ、言えること」
(1)「糖尿病性網膜症と糖質制限~最先端手術の現場より」
深作 秀春 医師 (深作眼科理事長)
(2)「妊婦、赤ちゃんの健康とケトン体」
宗田 哲男 医師 (宗田マタニティクリニック院長)
第3部: 質疑応答
※第1部60分、第2部80分(各40分)、第3部30分程度を予定しております。
◆受講費: 賛助会員2,400円、一般(会員の方以外)2,900円
■お支払い方法:
クレジットカード/銀行振込/郵便振替 ※事前決済のみとなります
■お申し込みの流れ:
1. 下記「お申し込み方法」の該当するものからお申し込み下さい。
2. 事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3. 入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4. 当日、直接会場までお越しいただき、受付にてお名前をお伝え下さい。
■お申し込み方法:
★賛助会員の方:事務局までメールにてお申し込み下さい。
※領収書の発行をご希望の場合は、領収書宛名もお知らせ願います。
★賛助会員入会+講演会、交流会参加をご希望の方:
1. 入会案内および会員規約をお読み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/sign-up
2. お申し込みは下のフォームからお願いします。
「入会ならびに講演会出席のお問い合わせ」を選択いただき、
「通信」欄に「10/8東京講演会、参加希望」とご記入下さい。
(同日の賛助会員交流会へ参加ご希望の場合は、その旨をご記入下さい。)
http://www.toushitsuseigen.or.jp/contact
★一般(会員の方以外)で、講演会参加をご希望の方:
下のフォームからお申し込み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/seminar-hiroshima
■その他:
・予約制です。当日参加はできません。
・講演会のキャンセルは10月6日(金)までに事務局へご連絡願います。
それ以降のご返金は対応致しかねますので、予めご了承ください。
・賛助会員交流会のキャンセルは10月4日(水)までに事務局へご連絡願います。
それ以降のご返金は対応致しかねますので、予めご了承ください。
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2017年10月8日(日)
「内科、眼科、産婦人科医がみた 糖質制限食のチカラ」
と題して、東京で一般向けの講演会を開催します。
講師は、
宗田マタニティクリニック(千葉県市原市)院長の宗田哲男先生、
深作眼科(横浜西口、東京六本木)理事長の深作秀春先生、
そして江部康二です。
なかなかの豪華キャストと自画自讃してます。 (^^)
とても興味深い有意義な講演会になると思いますので、
東京、関東方面の方々、あるいは少々遠方の方々も
是非、ご参加頂ければ、幸いです。
講演会は、残席わずかとなっています。
交流会は満員御礼となっております。
ありがとうございました。
江部康二
以下、事務局からのお知らせです。
***********
ブログ読者の皆様、いつも弊会のイベントへ多数ご参加いただきまして、
ありがとうございます。
10月8日(日)東京都内で、「内科、眼科、産婦人科医がみた 糖質制限食のチカラ」と題して、一般の方向けの講演会を開催いたします。
講師は、宗田マタニティクリニック(千葉県市原市)院長の宗田哲男先生、深作眼科(横浜西口、東京六本木)理事長の深作秀春先生、ならびに当会理事長の江部康二です。
「視力を失わない生き方」(光文社)の著者であり、世界をリードする最先端の眼科外科治療を行っておられる深作先生は、これまで実に多くの糖尿病性網膜症の患者さんを診てこられました。
しかし、糖尿病内科専門医による従来の糖尿病治療を受けると、むしろ糖尿病性網膜症が悪化するといった欠点を痛感され、糖尿病患者さんへの糖質制限治療を積極的に導入されました。
糖質制限と網膜症硝子体手術療法の併用で、安定した視力を得られるようになった症例などを中心にお話しいただきます。
ベストセラー「ケトン体が人類を救う」(光文社)の著者であり、糖質制限食とケトン体の啓蒙に奮闘されている宗田先生には、ケトン体の安全性や秘めたる力、最新情報について、また、妊婦、赤ちゃんの健康と糖質制限食についてもお話しいただきます。
宗田先生の素晴らしいお話は、昨秋の江部理事長との講演・トークイベントでも大好評でした。
江部理事長は、糖質制限食が様々な良い効果をもたらす理由や仕組みといった基礎理論、糖質制限食のこれまでの歩み、糖質制限食による糖尿病治療の症例などについて解説いたします。
首都圏にお住まいの方をはじめ、たくさんのご参加を心よりお待ちしております。
*当日講演会終了後に、賛助会員交流会を開催いたします。
☆講演会・賛助会員交流会情報URL: http://www.toushitsuseigen.or.jp/activity
///////////////////ご案内/////////////////////
(一社)日本糖質制限医療推進協会主催 講演会(東京)
「内科、眼科、産婦人科医がみた 糖質制限食のチカラ」
◆日時:10月8日(日)13:00~16:30頃
※開場・受付は、12:30~です。
◆会場: 千代田区立日比谷図書文化館 大ホール
東京都千代田区日比谷公園1番4号
http://hibiyal.jp/hibiya/access.html
■内容:
第1部: 「糖質制限食 概論と糖尿病治療」
江部 康二 医師 (高雄病院理事長/当会理事長)
第2部: 「眼科医、産婦人科医だからこそ、言えること」
(1)「糖尿病性網膜症と糖質制限~最先端手術の現場より」
深作 秀春 医師 (深作眼科理事長)
(2)「妊婦、赤ちゃんの健康とケトン体」
宗田 哲男 医師 (宗田マタニティクリニック院長)
第3部: 質疑応答
※第1部60分、第2部80分(各40分)、第3部30分程度を予定しております。
◆受講費: 賛助会員2,400円、一般(会員の方以外)2,900円
■お支払い方法:
クレジットカード/銀行振込/郵便振替 ※事前決済のみとなります
■お申し込みの流れ:
1. 下記「お申し込み方法」の該当するものからお申し込み下さい。
2. 事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3. 入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4. 当日、直接会場までお越しいただき、受付にてお名前をお伝え下さい。
■お申し込み方法:
★賛助会員の方:事務局までメールにてお申し込み下さい。
※領収書の発行をご希望の場合は、領収書宛名もお知らせ願います。
★賛助会員入会+講演会、交流会参加をご希望の方:
1. 入会案内および会員規約をお読み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/sign-up
2. お申し込みは下のフォームからお願いします。
「入会ならびに講演会出席のお問い合わせ」を選択いただき、
「通信」欄に「10/8東京講演会、参加希望」とご記入下さい。
(同日の賛助会員交流会へ参加ご希望の場合は、その旨をご記入下さい。)
http://www.toushitsuseigen.or.jp/contact
★一般(会員の方以外)で、講演会参加をご希望の方:
下のフォームからお申し込み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/seminar-hiroshima
■その他:
・予約制です。当日参加はできません。
・講演会のキャンセルは10月6日(金)までに事務局へご連絡願います。
それ以降のご返金は対応致しかねますので、予めご了承ください。
・賛助会員交流会のキャンセルは10月4日(水)までに事務局へご連絡願います。
それ以降のご返金は対応致しかねますので、予めご了承ください。
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2017年09月20日 (水)
【17/09/20 髙野
サンデー毎日の記事につきまして
いつも参考にさせていたいております。
私も糖質制限を半年以上続けており、
子どもや家族も一緒に楽しく糖質制限食を楽しんでおります。
この度サンデー毎日より、
糖質制限による死亡率の高さに関する記事が掲載されておりました。
家族も不安に思っているようですが、先生はこの記事をお読みになられましたでしょうか。
ご意見、ご見解など伺えましたら幸いです。】
こんにちは。
高野さんから、サンデー毎日の記事について、コメント・質問を頂きました。
『サンデー毎日、2017年10月1日号、糖質制限ダイエットで死亡率2割上昇』
という近藤誠氏の記事ですね。
これは、ずいぶん前の研究論文を近藤誠氏が持ち出したものです。
この研究、ハーバード大学の研究者が
「Annals of Internal medicine」に2010年に論文発表したものです。
【低炭水化物食と全死亡率および死因別死亡率:二つのコホート研究
「Annals of Internal medicine
September 7 2010 vol.153 Issue5 p289-298
Low-Carbohydrate Diets and All-Cause and Cause-Specific Mortality:Two Cohort Studies
Teresa T. Fung, Rob M. van Dam, Susan E. Hankinson, Meir Stampfer, Walter C. Willett, and Frank B. Hu」
要旨
「低炭水化物食と死亡率の関連を長期にわたって調べたデータはほとんどない。今回,前向きコホート研究で,Nurses' Health Study(訳注:看護師の健康調査)に参加した85,168人の女性とHealth Professionals' Follow-up Study(訳注:医療従事者追跡研究)に参加した44,548人の男性を最大26年間追跡した。動物性脂肪および蛋白質を重視した食事では,全死亡率,心血管死亡率,がん死亡率が高かった。一方,植物性脂肪および蛋白質を重視した食事では,全死亡率と心血管死亡率が低かった。」】
結論から言うと近藤誠氏の主張には大きな誤解があります。
まずこの論文には、30%未満の糖質制限食をしたグループは、登場していません。
この論文はあくまでも、糖質制限といっても総摂取エネルギーの35.2~42.8%を、
炭水化物から摂取しているグループにおける話です。
これだけの摂取量だと、
低炭水化物食(糖質制限食)の研究というには相応しくないと思います。
すなわち、30%未満の糖質制限食グループに関する研究は行われていないのですから、
『糖質制限食で総死亡率やがん死亡率が増える』という根拠には全くなりません。
ちなみに、ADAは130g/日以下、2000kcal/日で26%以下を糖質制限の定義としており、
「Annals of Internal medicine」のこの論文は、それに当てはまりませんので、
そもそも糖質制限食の論文ではないということになります。
まして、高雄病院のスーパー糖質制限食のように
総摂取エネルギーの12%を糖質から摂取しているグループは、
この論文のどこにも登場しないので、比較不能です。
つまり、高雄病院流のスーパー糖質制限食を実践している人においては、
この論文は全く参考になりません。
炭水化物を総摂取エネルギーの60%食べているグループに比べれば、
炭水化物35.2~42.8%のグループの方が、確かに相対的には糖質が少ないです。
それで低炭水化物食のコホート研究としたのでしょう。
一方、糖質を総摂取エネルギーの12%しか食べていないグループに比べれば、
炭水化物35.2~42.8%のグループは3倍以上の高糖質食であり、
とうてい、低糖質食とは言えません。
これまで多くの研究で、
高インスリン血症による腫瘍増殖・発ガン促進作用が示されています。
糖質を総摂取エネルギーの12%とする、
スーパー糖質制限食なら食事1回分の糖質は10~20gで、
追加分泌インスリンは、せいぜい基礎分泌の約2倍~3倍ていどです。
一方、炭水化物摂取比率35.2~42.8%のグループは、
1回の食事の糖質は50g以上であり、
食事の度に、基礎分泌の約10~20倍の追加分泌インスリンが分泌されます。
すなわち、炭水化物摂取比率35.2~42.8%のグループでは、
明白な発ガンリスクとなるインスリン大量分泌が改善できていません。
これだけのインスリン分泌量は、
糖質60%のグループとさほど変わらないと思います。
スーパー糖質制限食なら、発ガンリスクのインスリン分泌は極少量で済みます。
これらのことは生理学的な事実です。
現時点で
「スーパー糖質制限食実践で、総死亡率や発がんリスク上昇というエビデンスはない」
「スーパー糖質制限食で、総死亡率や発がんリスク減少というエビデンスもない。」
ということです。
これは、糖質摂取比率12%の集団と通常食の集団における死亡率やガンの発生を、
10年、20年経過を追ったような臨床研究(エビデンス)は、
存在しないので当然の結論です。
一方、発ガンリスクが明白に確認されているインスリンの過剰分泌が、
スーパー糖質制限食なら、極少量に抑えられることは、生理学的事実です。
江部康二
サンデー毎日の記事につきまして
いつも参考にさせていたいております。
私も糖質制限を半年以上続けており、
子どもや家族も一緒に楽しく糖質制限食を楽しんでおります。
この度サンデー毎日より、
糖質制限による死亡率の高さに関する記事が掲載されておりました。
家族も不安に思っているようですが、先生はこの記事をお読みになられましたでしょうか。
ご意見、ご見解など伺えましたら幸いです。】
こんにちは。
高野さんから、サンデー毎日の記事について、コメント・質問を頂きました。
『サンデー毎日、2017年10月1日号、糖質制限ダイエットで死亡率2割上昇』
という近藤誠氏の記事ですね。
これは、ずいぶん前の研究論文を近藤誠氏が持ち出したものです。
この研究、ハーバード大学の研究者が
「Annals of Internal medicine」に2010年に論文発表したものです。
【低炭水化物食と全死亡率および死因別死亡率:二つのコホート研究
「Annals of Internal medicine
September 7 2010 vol.153 Issue5 p289-298
Low-Carbohydrate Diets and All-Cause and Cause-Specific Mortality:Two Cohort Studies
Teresa T. Fung, Rob M. van Dam, Susan E. Hankinson, Meir Stampfer, Walter C. Willett, and Frank B. Hu」
要旨
「低炭水化物食と死亡率の関連を長期にわたって調べたデータはほとんどない。今回,前向きコホート研究で,Nurses' Health Study(訳注:看護師の健康調査)に参加した85,168人の女性とHealth Professionals' Follow-up Study(訳注:医療従事者追跡研究)に参加した44,548人の男性を最大26年間追跡した。動物性脂肪および蛋白質を重視した食事では,全死亡率,心血管死亡率,がん死亡率が高かった。一方,植物性脂肪および蛋白質を重視した食事では,全死亡率と心血管死亡率が低かった。」】
結論から言うと近藤誠氏の主張には大きな誤解があります。
まずこの論文には、30%未満の糖質制限食をしたグループは、登場していません。
この論文はあくまでも、糖質制限といっても総摂取エネルギーの35.2~42.8%を、
炭水化物から摂取しているグループにおける話です。
これだけの摂取量だと、
低炭水化物食(糖質制限食)の研究というには相応しくないと思います。
すなわち、30%未満の糖質制限食グループに関する研究は行われていないのですから、
『糖質制限食で総死亡率やがん死亡率が増える』という根拠には全くなりません。
ちなみに、ADAは130g/日以下、2000kcal/日で26%以下を糖質制限の定義としており、
「Annals of Internal medicine」のこの論文は、それに当てはまりませんので、
そもそも糖質制限食の論文ではないということになります。
まして、高雄病院のスーパー糖質制限食のように
総摂取エネルギーの12%を糖質から摂取しているグループは、
この論文のどこにも登場しないので、比較不能です。
つまり、高雄病院流のスーパー糖質制限食を実践している人においては、
この論文は全く参考になりません。
炭水化物を総摂取エネルギーの60%食べているグループに比べれば、
炭水化物35.2~42.8%のグループの方が、確かに相対的には糖質が少ないです。
それで低炭水化物食のコホート研究としたのでしょう。
一方、糖質を総摂取エネルギーの12%しか食べていないグループに比べれば、
炭水化物35.2~42.8%のグループは3倍以上の高糖質食であり、
とうてい、低糖質食とは言えません。
これまで多くの研究で、
高インスリン血症による腫瘍増殖・発ガン促進作用が示されています。
糖質を総摂取エネルギーの12%とする、
スーパー糖質制限食なら食事1回分の糖質は10~20gで、
追加分泌インスリンは、せいぜい基礎分泌の約2倍~3倍ていどです。
一方、炭水化物摂取比率35.2~42.8%のグループは、
1回の食事の糖質は50g以上であり、
食事の度に、基礎分泌の約10~20倍の追加分泌インスリンが分泌されます。
すなわち、炭水化物摂取比率35.2~42.8%のグループでは、
明白な発ガンリスクとなるインスリン大量分泌が改善できていません。
これだけのインスリン分泌量は、
糖質60%のグループとさほど変わらないと思います。
スーパー糖質制限食なら、発ガンリスクのインスリン分泌は極少量で済みます。
これらのことは生理学的な事実です。
現時点で
「スーパー糖質制限食実践で、総死亡率や発がんリスク上昇というエビデンスはない」
「スーパー糖質制限食で、総死亡率や発がんリスク減少というエビデンスもない。」
ということです。
これは、糖質摂取比率12%の集団と通常食の集団における死亡率やガンの発生を、
10年、20年経過を追ったような臨床研究(エビデンス)は、
存在しないので当然の結論です。
一方、発ガンリスクが明白に確認されているインスリンの過剰分泌が、
スーパー糖質制限食なら、極少量に抑えられることは、生理学的事実です。
江部康二
2017年09月19日 (火)
こんにちは。
京都市で私がよく行く糖質制限OKレストランのご案内です。
今回、「フリュイ・ドゥ・メール」を追加しました。
いずれも、電話で予約して、
糖質制限食を食べることを告げていくのが、確実です。
それぞれのお店の特徴や予算は、
各ホームページや紹介サイトで見て確認して頂けば幸いです。
カフェハルディン(スペイン料理)
京都市右京区鳴滝本町77(地図) TEL.(075)-464-8850
http://www008.upp.so-net.ne.jp/cafejardin/
エヴァンタイユ(フランス料理)
京都市左京区岩倉西五田町1-2 TEL:075-712-0750
http://www.eventail.jp/index.html
南山(焼き肉)
京都市左京区下鴨北野々神町31 北山通ノートルダム小前 TEL:075-722-4131
http://www.nanzan-net.com/
メゾン・ド・ヴァン鶉亭(フランス料理)
京都市下京区木屋町四条南団栗上る TEL:075-351-4005
http://www.caille.jp/
アスペルジュ・ブランシュ(フランス料理) TEL:075-352-4570
地下鉄烏丸線五条駅(京都市営。西南出口)から67m
烏丸五条の1つ西の細い通りを南へ60m
フェイスブック https://ja-jp.facebook.com/aspergeblanche
ホームページ http://www.aspergeblanche.com/
西陣はしもと(和食)
京都市上京区大宮通今出川上ル観世町109 TEL:075-203-4813
HP: http://www.nishijin-hashimoto.com/
MAIL:info@nishijin-hashimoto.com
魚棚、ふみ文 (和食)
中京区三条木屋町下ル石屋町121
先斗町松屋ビルB1
TEL:075-212-3266
フェイスブック https://ja-jp.facebook.com/kyotofumibun/
食べログ https://tabelog.com/kyoto/A2601/A260201/26003326/
フリュイ・ドゥ・メール
京都市左京区下鴨松原町24 TEL:075-781-9137
京都グルメマップ http://www.kyotogmap.com/shop/0376_furyuido/
昨日夜、家族5人で「フリュイ・ドゥ・メール」で食事しました。
しっかりしたフランス料理のお店です。
いつ行っても美味しくて、はずれがないです。
リーズナブルな値段のブルゴーニュワインを1本空けました。
私だけグラスワイン(赤)を2杯追加しました。 (^^)
普通のフレンチレストランですが、
前もって電話で糖質制限食と告げておけば、きっちり対応して頂けます。
アットホームなお店で、席数が12~14と限りがあるので
予約しておくと安心ですね。
江部康二
京都市で私がよく行く糖質制限OKレストランのご案内です。
今回、「フリュイ・ドゥ・メール」を追加しました。
いずれも、電話で予約して、
糖質制限食を食べることを告げていくのが、確実です。
それぞれのお店の特徴や予算は、
各ホームページや紹介サイトで見て確認して頂けば幸いです。
カフェハルディン(スペイン料理)
京都市右京区鳴滝本町77(地図) TEL.(075)-464-8850
http://www008.upp.so-net.ne.jp/cafejardin/
エヴァンタイユ(フランス料理)
京都市左京区岩倉西五田町1-2 TEL:075-712-0750
http://www.eventail.jp/index.html
南山(焼き肉)
京都市左京区下鴨北野々神町31 北山通ノートルダム小前 TEL:075-722-4131
http://www.nanzan-net.com/
メゾン・ド・ヴァン鶉亭(フランス料理)
京都市下京区木屋町四条南団栗上る TEL:075-351-4005
http://www.caille.jp/
アスペルジュ・ブランシュ(フランス料理) TEL:075-352-4570
地下鉄烏丸線五条駅(京都市営。西南出口)から67m
烏丸五条の1つ西の細い通りを南へ60m
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西陣はしもと(和食)
京都市上京区大宮通今出川上ル観世町109 TEL:075-203-4813
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魚棚、ふみ文 (和食)
中京区三条木屋町下ル石屋町121
先斗町松屋ビルB1
TEL:075-212-3266
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食べログ https://tabelog.com/kyoto/A2601/A260201/26003326/
フリュイ・ドゥ・メール
京都市左京区下鴨松原町24 TEL:075-781-9137
京都グルメマップ http://www.kyotogmap.com/shop/0376_furyuido/
昨日夜、家族5人で「フリュイ・ドゥ・メール」で食事しました。
しっかりしたフランス料理のお店です。
いつ行っても美味しくて、はずれがないです。
リーズナブルな値段のブルゴーニュワインを1本空けました。
私だけグラスワイン(赤)を2杯追加しました。 (^^)
普通のフレンチレストランですが、
前もって電話で糖質制限食と告げておけば、きっちり対応して頂けます。
アットホームなお店で、席数が12~14と限りがあるので
予約しておくと安心ですね。
江部康二
2017年09月18日 (月)
こんにちは。
日本糖尿病学会及び糖尿病専門医の方々への提言です。
A)米国糖尿病学会(ADA)の見解
米国糖尿病学会(ADA)の患者教育用のテキストブックである
Life With Diabetes(2004年版)には、
「摂取後直接、血糖に影響を与えるのは糖質のみである。
炭水化物・タンパク質・脂肪はカロリーを含有しているが、
炭水化物だけが、血糖値に直接影響を及ぼす。」
と明記されています。
これらは含有エネルギーとは無関係な三大栄養素の生理学的特質です。
B)国際糖尿病連合の「食後血糖値の管理に関するガイドライン」
2007年と2011年の国際糖尿病連合(IDF)「食後血糖値の管理に関するガイドライン」により、
食後高血糖が、がんや動脈硬化や糖尿病合併症を始めとして、様々な疾患のリスクとなることが明確となりました。
C)CGMで明確となった酸化ストレスリスク
またCGM(*)の普及により、酸化ストレスを最も生じるのは
①平均血糖変動幅の増大
②食後高血糖
③空腹時血糖値
という順番であることが明確となってきました。
酸化ストレスは、動脈硬化や老化やがん、パーキンソン病やアルツハイマー病や認知症にも深く関わっています。
糖尿病があると心筋梗塞・脳梗塞・がん・アルツハイマー病・認知症が増加することにはエビデンスがありますが、
この酸化ストレスがおおいに関与していると考えられています。
勿論、糖尿病腎症、糖尿病網膜症、糖尿病神経障害などの糖尿病慢性合併症にも酸化ストレスは関与しています。
スーパー糖質制限食だと、「食後高血糖」「平均血糖変動幅」という最大の酸化ストレスリスクが、大幅に改善します。
カロリー制限食(高糖質食)だと、「食後高血糖」「平均血糖変動幅」という最大の酸化ストレスリスクが、必ず生じます。
従って、理論的には、カロリー制限食(高糖質食)で糖尿病合併症を防ぐことは、
極めて困難です。
D)米国糖尿病学会(ADA)の『栄養療法に関する声明』2013年
米国糖尿病学会は、2013年10月発表の『栄養療法に関する声明』において、
全ての糖尿病患者に適した唯一無二の治療食は存在しないと明記しました。
これはそのまま、日本糖尿病学会への痛烈な批判となっています。
そして、地中海食、ベジタリアン食、DASH食、低脂質食などと共に
「糖質制限食」も正式に受容しました。
E)カロリー制限食
カロリー制限食(高糖質食)は1969年の食品交換表(改訂第2版)以降、
日本で、糖尿病患者さんに推奨してきた唯一の食事療法で、長い臨床経験があります。
しかし、長期的安全性や有効性に関しては、エビデンスはありません。
そして血糖値に直接影響を与えるのは糖質だけなので、
カロリー制限食(高糖質食)は、短期的には、
「平均血糖変動幅増大」と「食後高血糖」を生じる可能性が極めて高いのです。
F)糖質制限食
糖質制限食は、日本では1999年以降の新しい食事療法であり、臨床経験はまだ短いです。
糖質制限食にも、長期的安全性と有効性のエビデンスはありません。
一方、短期的には「平均血糖変動幅増大」と「食後高血糖」を生じない、
唯一の食事療法です。
G)東大病院で糖質制限食
門脇孝日本糖尿病学会理事長によれば、2015年4月から、
東大病院でも、糖質摂取比率40%の糖質制限食が糖尿病治療食として導入されています。
A)B)C)D)E)F)G)を踏まえた上で、
日本糖尿病学会及び糖尿病専門医の方々に提言したいと思います。
<日本糖尿病学会への提言 2017年9月>
1)、日本糖尿病学会は、A)B)C)D)E)F)G)に関して、
日本国民や一般の医師に広く知らせる義務があるので、
速やかに広報して頂きたいと思います。
とくに、2013年10月の『栄養療法に関する声明』において、
「糖質制限食」も正式に受容したことを知らせてほしいと思います。
2)、B)C)で明らかなように、「平均血糖変動幅増大」と「食後高血糖」は糖尿病合併症や酸化ストレスのリスクとなります。
それらを毎日生じるような従来の食事療法(カロリー制限・高糖質食)を長期に続けて何か良いことがあるのなら、
その根拠を示して頂きたいと思います。
根拠を示せないのなら、
そのような食事療法を推奨することは倫理的に許されないと思います。
3)、糖尿病学会として、科学的思考をされることを切に望むものです。
<糖尿病専門医の方々への提言 2017年9月>
①、A)B)C)D)E)F)G)を踏まえて、ご自身の頭で考えて、糖質制限食に対して、賛成・反対・中立など
立場を明らかにしてほしいと思います。
②、A)B)C)D)E)F)G)を糖尿病患者さんにきっちり説明した上で、
あなたは「カロリー制限食」と「糖質制限食」どちらを選択しますかというスタンスでの診療をお願いしたいと思います。
③、説明して選択肢を与えることなく、糖尿病専門医が一方的にカロリー制限食を患者さんに押しつけることは、
倫理的に問題があるので、そのようなことが無いようにお願い申し上げます。
⑤、一方的にカロリー制限食を糖尿病患者さんに押しつけて、毎日、平均血糖変動幅増大と食後高血糖を起こして、
将来合併症が発症して、透析や失明や足切断となった場合は、
当該の糖尿病専門医は、責任をとり、患者さんに謝罪されるようお願い申し上げます。
江部康二
(*)
CGM(Continuous Glucose Monitoring:持続ブドウ糖測定)システム
ブドウ糖値を14日間連続的に測定できる持続ブドウ糖測定装置(CGMS)が、
日本でも保険適応となり、日常臨床で使用できるようになりました。
ブドウ糖値の日内変動を24時間通して把握できるので、SMBG(血糖自己測定器)やHbA1cによるデータとは異なる情報を得ることができます。
15分ごとにブドウ糖値を測定して、記録します。
日本糖尿病学会及び糖尿病専門医の方々への提言です。
A)米国糖尿病学会(ADA)の見解
米国糖尿病学会(ADA)の患者教育用のテキストブックである
Life With Diabetes(2004年版)には、
「摂取後直接、血糖に影響を与えるのは糖質のみである。
炭水化物・タンパク質・脂肪はカロリーを含有しているが、
炭水化物だけが、血糖値に直接影響を及ぼす。」
と明記されています。
これらは含有エネルギーとは無関係な三大栄養素の生理学的特質です。
B)国際糖尿病連合の「食後血糖値の管理に関するガイドライン」
2007年と2011年の国際糖尿病連合(IDF)「食後血糖値の管理に関するガイドライン」により、
食後高血糖が、がんや動脈硬化や糖尿病合併症を始めとして、様々な疾患のリスクとなることが明確となりました。
C)CGMで明確となった酸化ストレスリスク
またCGM(*)の普及により、酸化ストレスを最も生じるのは
①平均血糖変動幅の増大
②食後高血糖
③空腹時血糖値
という順番であることが明確となってきました。
酸化ストレスは、動脈硬化や老化やがん、パーキンソン病やアルツハイマー病や認知症にも深く関わっています。
糖尿病があると心筋梗塞・脳梗塞・がん・アルツハイマー病・認知症が増加することにはエビデンスがありますが、
この酸化ストレスがおおいに関与していると考えられています。
勿論、糖尿病腎症、糖尿病網膜症、糖尿病神経障害などの糖尿病慢性合併症にも酸化ストレスは関与しています。
スーパー糖質制限食だと、「食後高血糖」「平均血糖変動幅」という最大の酸化ストレスリスクが、大幅に改善します。
カロリー制限食(高糖質食)だと、「食後高血糖」「平均血糖変動幅」という最大の酸化ストレスリスクが、必ず生じます。
従って、理論的には、カロリー制限食(高糖質食)で糖尿病合併症を防ぐことは、
極めて困難です。
D)米国糖尿病学会(ADA)の『栄養療法に関する声明』2013年
米国糖尿病学会は、2013年10月発表の『栄養療法に関する声明』において、
全ての糖尿病患者に適した唯一無二の治療食は存在しないと明記しました。
これはそのまま、日本糖尿病学会への痛烈な批判となっています。
そして、地中海食、ベジタリアン食、DASH食、低脂質食などと共に
「糖質制限食」も正式に受容しました。
E)カロリー制限食
カロリー制限食(高糖質食)は1969年の食品交換表(改訂第2版)以降、
日本で、糖尿病患者さんに推奨してきた唯一の食事療法で、長い臨床経験があります。
しかし、長期的安全性や有効性に関しては、エビデンスはありません。
そして血糖値に直接影響を与えるのは糖質だけなので、
カロリー制限食(高糖質食)は、短期的には、
「平均血糖変動幅増大」と「食後高血糖」を生じる可能性が極めて高いのです。
F)糖質制限食
糖質制限食は、日本では1999年以降の新しい食事療法であり、臨床経験はまだ短いです。
糖質制限食にも、長期的安全性と有効性のエビデンスはありません。
一方、短期的には「平均血糖変動幅増大」と「食後高血糖」を生じない、
唯一の食事療法です。
G)東大病院で糖質制限食
門脇孝日本糖尿病学会理事長によれば、2015年4月から、
東大病院でも、糖質摂取比率40%の糖質制限食が糖尿病治療食として導入されています。
A)B)C)D)E)F)G)を踏まえた上で、
日本糖尿病学会及び糖尿病専門医の方々に提言したいと思います。
<日本糖尿病学会への提言 2017年9月>
1)、日本糖尿病学会は、A)B)C)D)E)F)G)に関して、
日本国民や一般の医師に広く知らせる義務があるので、
速やかに広報して頂きたいと思います。
とくに、2013年10月の『栄養療法に関する声明』において、
「糖質制限食」も正式に受容したことを知らせてほしいと思います。
2)、B)C)で明らかなように、「平均血糖変動幅増大」と「食後高血糖」は糖尿病合併症や酸化ストレスのリスクとなります。
それらを毎日生じるような従来の食事療法(カロリー制限・高糖質食)を長期に続けて何か良いことがあるのなら、
その根拠を示して頂きたいと思います。
根拠を示せないのなら、
そのような食事療法を推奨することは倫理的に許されないと思います。
3)、糖尿病学会として、科学的思考をされることを切に望むものです。
<糖尿病専門医の方々への提言 2017年9月>
①、A)B)C)D)E)F)G)を踏まえて、ご自身の頭で考えて、糖質制限食に対して、賛成・反対・中立など
立場を明らかにしてほしいと思います。
②、A)B)C)D)E)F)G)を糖尿病患者さんにきっちり説明した上で、
あなたは「カロリー制限食」と「糖質制限食」どちらを選択しますかというスタンスでの診療をお願いしたいと思います。
③、説明して選択肢を与えることなく、糖尿病専門医が一方的にカロリー制限食を患者さんに押しつけることは、
倫理的に問題があるので、そのようなことが無いようにお願い申し上げます。
⑤、一方的にカロリー制限食を糖尿病患者さんに押しつけて、毎日、平均血糖変動幅増大と食後高血糖を起こして、
将来合併症が発症して、透析や失明や足切断となった場合は、
当該の糖尿病専門医は、責任をとり、患者さんに謝罪されるようお願い申し上げます。
江部康二
(*)
CGM(Continuous Glucose Monitoring:持続ブドウ糖測定)システム
ブドウ糖値を14日間連続的に測定できる持続ブドウ糖測定装置(CGMS)が、
日本でも保険適応となり、日常臨床で使用できるようになりました。
ブドウ糖値の日内変動を24時間通して把握できるので、SMBG(血糖自己測定器)やHbA1cによるデータとは異なる情報を得ることができます。
15分ごとにブドウ糖値を測定して、記録します。
2017年09月17日 (日)
こんばんは。
2017年09月05日 (火)
イヌイットには、心筋梗塞が少なかった!スーパー糖質制限食のおかげか!?
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-4318.html#comment39355
この記事に対して、カメタスさんから、コメント・質問を頂きました。
カメタスさん、ありがとうございます。
イヌイットのことや人類史などの問答になってますが、
ブログ読者の皆さんのお役にたちそうなので、
まとめて記事にしてみました。
グリーンランドで伝統的食生活を保っていたころのイヌイットの3大栄養素摂取比率は、
約377gのタンパク質(1508kcal、47.1%)、
約59gの炭水化物(236kcal、7.4%)、
約162gの脂質(1458kcal、45.5%)
で合計3202kcalであり、まさにスーパー糖質制限食でした。
この食事なら、血中ケトン体は高値となります。
最近、ケトン体の臓器保護作用が注目されています。
あくまでも仮説ですが、イヌイットの心筋梗塞が少なかったことには、
ケトン体の臓器保護作用も関わっていた可能性もあります。
【17/09/14 カメタス
イヌイットと現代日本人との比較
イヌイットの遺伝子変異の事はご存じですか?
糖質制限食ではなく、身体が長い年月をかけ高脂肪食に適用出来る様に進化したと考える方が妥当だと思います。
生活環境も培ってきた食文化も違う民族と一緒だと考えるべきではない思います。
その辺はどうお考えですか?】
17/09/14 ドクター江部
Re: イヌイットと現代日本人との比較
カメタスさん
『イヌイットの人達の脂肪の多い食生活が、心臓病の予防になっていたのでなく、
イヌイットの人達の遺伝子変異により、血中の脂肪酸を健康な人のレベルまで下がるようになったという説』ですね。
一つの仮説としては、興味深いです。
一方、人類は、700万年間の狩猟・採集生活をへて、
約1万年前から穀物食を開始したということは
仮説ではなく、歴史的事実です。
即ち人類において、
「穀物なしの糖質制限な700万年」 VS 「穀物ありの1万年」
という構造が、厳然としてあると私は思います。
【17/09/14 カメタス
タイトルなし
ご多忙の中、ご返答ありがとうございます。
確かに現人類の祖先では無いかと言われているヒト亜属は狩猟と採取で生計成していたと考えられています。
しかし、歯の化石から肉だけでは無く、果実、野菜、植物の根など好んで食していたと推測されてます。
推測の域なので明確では無いかと思われますが、
江部先生の御提唱されるスーパー糖質制限食では無いと考えられます。
また、今日まで人類が人工を増やし文明を築いた要因として耕作による穀物の安定供給があるのは間違いなと考えられます。
また、人体が糖質不足に対する糖新生などの何重ものセーフティーネットに対してはどうお考えですか?】
17/09/15 ドクター江部
Re: タイトルなし
カメタス さん
農耕開始前700万年間の各種の人類が、主として何を食べていたかは、
勿論良くわかりません。
唯一確かなのは、穀物は食べていなかったということです。
ネアンデルタール人は肉食というのが定説でしたが、最近は異論もあるようです。
我々ホモ・サピエンスは雑食であったというのが定説ですね。
地域によって、ホモ・サピエンスの主食も違っていたと思います。
私達日本人のご先祖の「旧石器時代人」は、
マンモス、ナウマンゾウ、ヘラシカなどの大型動物が主食とされています。
旧石器時代人の化石には、虫歯がありません。
縄文人になって8%、弥生人になって16%の虫歯率です。
農耕により、エネルギー源の安定供給が確保され、
文明が発達したのはその通りと思います。
まあ、文明の発達が地球には優しくなかったという側面は無視できませんが・・・。
血糖値確保のための糖新生などの何重ものセーフティーネットは
赤血球のためと思います。
純粋理論的には、脳はケトン体だけで生存可能です。
唯一赤血球だけは、ミトコンドリアを持っていないので、
ブドウ糖しかエネルギー源にできません。
人体は赤血球のために血糖値を一生懸命確保しているのだと思います。
【17/09/15 カメタス
ご返答ありがとうございます。 江部先生が提唱される糖質制限食は旧石器時代の食事を参考されているのですね。 現代でもジビエ料理は高タンパク低脂肪なものが多いですけど、畜養された牛や豚ではなかなかそうはいきませんね。 では、食事だけではなく狩りのために生じる運動量なども旧石器時代を参考にすればより糖尿病を改善できるのでは無いかと思いますけど、その辺りのお考えはどうですか?】
17/09/16 ドクター江部
Re: タイトルなし
カメタス さん
確かに、虫歯ゼロで、歯が全部残っているのは、
私は旧石器時代人っぽいですね。
まあ、ナッツもよく食べているので、
旧石器時代と縄文時代を、あるていど参考にして、
さらにアルコールもかなり呑んでいるので、
現代風に大幅にアレンジしていることとなります。
運動も、仰る通り、必要と思います。
こちらも、現代風にアレンジということで、
男性が8000歩/日、その内20分速歩、
女性が7000歩/日、その内15分速歩、
といった目標が現実的と考えています。
【17/09/16 カメタス
ご多忙の中、不躾な質問にお答えくださいありがとうございました。
また、機会がありましたら色々と質問させて頂きたいと思います。】
2017年09月05日 (火)
イヌイットには、心筋梗塞が少なかった!スーパー糖質制限食のおかげか!?
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-4318.html#comment39355
この記事に対して、カメタスさんから、コメント・質問を頂きました。
カメタスさん、ありがとうございます。
イヌイットのことや人類史などの問答になってますが、
ブログ読者の皆さんのお役にたちそうなので、
まとめて記事にしてみました。
グリーンランドで伝統的食生活を保っていたころのイヌイットの3大栄養素摂取比率は、
約377gのタンパク質(1508kcal、47.1%)、
約59gの炭水化物(236kcal、7.4%)、
約162gの脂質(1458kcal、45.5%)
で合計3202kcalであり、まさにスーパー糖質制限食でした。
この食事なら、血中ケトン体は高値となります。
最近、ケトン体の臓器保護作用が注目されています。
あくまでも仮説ですが、イヌイットの心筋梗塞が少なかったことには、
ケトン体の臓器保護作用も関わっていた可能性もあります。
【17/09/14 カメタス
イヌイットと現代日本人との比較
イヌイットの遺伝子変異の事はご存じですか?
糖質制限食ではなく、身体が長い年月をかけ高脂肪食に適用出来る様に進化したと考える方が妥当だと思います。
生活環境も培ってきた食文化も違う民族と一緒だと考えるべきではない思います。
その辺はどうお考えですか?】
17/09/14 ドクター江部
Re: イヌイットと現代日本人との比較
カメタスさん
『イヌイットの人達の脂肪の多い食生活が、心臓病の予防になっていたのでなく、
イヌイットの人達の遺伝子変異により、血中の脂肪酸を健康な人のレベルまで下がるようになったという説』ですね。
一つの仮説としては、興味深いです。
一方、人類は、700万年間の狩猟・採集生活をへて、
約1万年前から穀物食を開始したということは
仮説ではなく、歴史的事実です。
即ち人類において、
「穀物なしの糖質制限な700万年」 VS 「穀物ありの1万年」
という構造が、厳然としてあると私は思います。
【17/09/14 カメタス
タイトルなし
ご多忙の中、ご返答ありがとうございます。
確かに現人類の祖先では無いかと言われているヒト亜属は狩猟と採取で生計成していたと考えられています。
しかし、歯の化石から肉だけでは無く、果実、野菜、植物の根など好んで食していたと推測されてます。
推測の域なので明確では無いかと思われますが、
江部先生の御提唱されるスーパー糖質制限食では無いと考えられます。
また、今日まで人類が人工を増やし文明を築いた要因として耕作による穀物の安定供給があるのは間違いなと考えられます。
また、人体が糖質不足に対する糖新生などの何重ものセーフティーネットに対してはどうお考えですか?】
17/09/15 ドクター江部
Re: タイトルなし
カメタス さん
農耕開始前700万年間の各種の人類が、主として何を食べていたかは、
勿論良くわかりません。
唯一確かなのは、穀物は食べていなかったということです。
ネアンデルタール人は肉食というのが定説でしたが、最近は異論もあるようです。
我々ホモ・サピエンスは雑食であったというのが定説ですね。
地域によって、ホモ・サピエンスの主食も違っていたと思います。
私達日本人のご先祖の「旧石器時代人」は、
マンモス、ナウマンゾウ、ヘラシカなどの大型動物が主食とされています。
旧石器時代人の化石には、虫歯がありません。
縄文人になって8%、弥生人になって16%の虫歯率です。
農耕により、エネルギー源の安定供給が確保され、
文明が発達したのはその通りと思います。
まあ、文明の発達が地球には優しくなかったという側面は無視できませんが・・・。
血糖値確保のための糖新生などの何重ものセーフティーネットは
赤血球のためと思います。
純粋理論的には、脳はケトン体だけで生存可能です。
唯一赤血球だけは、ミトコンドリアを持っていないので、
ブドウ糖しかエネルギー源にできません。
人体は赤血球のために血糖値を一生懸命確保しているのだと思います。
【17/09/15 カメタス
ご返答ありがとうございます。 江部先生が提唱される糖質制限食は旧石器時代の食事を参考されているのですね。 現代でもジビエ料理は高タンパク低脂肪なものが多いですけど、畜養された牛や豚ではなかなかそうはいきませんね。 では、食事だけではなく狩りのために生じる運動量なども旧石器時代を参考にすればより糖尿病を改善できるのでは無いかと思いますけど、その辺りのお考えはどうですか?】
17/09/16 ドクター江部
Re: タイトルなし
カメタス さん
確かに、虫歯ゼロで、歯が全部残っているのは、
私は旧石器時代人っぽいですね。
まあ、ナッツもよく食べているので、
旧石器時代と縄文時代を、あるていど参考にして、
さらにアルコールもかなり呑んでいるので、
現代風に大幅にアレンジしていることとなります。
運動も、仰る通り、必要と思います。
こちらも、現代風にアレンジということで、
男性が8000歩/日、その内20分速歩、
女性が7000歩/日、その内15分速歩、
といった目標が現実的と考えています。
【17/09/16 カメタス
ご多忙の中、不躾な質問にお答えくださいありがとうございました。
また、機会がありましたら色々と質問させて頂きたいと思います。】
2017年09月16日 (土)
こんにちは。
NHKカルチャー岐阜教室、
2017/10/21(土) 17:00~18:30
糖質制限食講座
http://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_1133666.html
のご案内です。
岐阜では、数年ぶりの講演です。
糖質制限食の最新の知識や情報をわかりやすく楽しくお話します。
70分間の講演と20分間の質疑応答となります。
岐阜、名古屋、滋賀方面の方々、是非ご参加いただけば幸いです。
お陰様で、糖質制限食は順調に普及してきています。
2005年に私が「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」(東洋経済新報社)
を日本初の糖質制限食の本として刊行したころとは、大きな違いがあります。
なんと言っても、2013年10月に米国糖尿病学会が5年ぶりに改訂した「栄養療法に関する声明」のなかで、
地中海食やベジタリアン食などどともに「糖質制限食」を正式に容認したことが、大きな追い風となりました。
この1~2年、糖質制限食の展開において大きな発展があり
いい意味のサプライズもありました。
2016年7月のNHKクローズアップ現代の試算によれば、
糖質制限市場は、3184億円とのことです。
医学界より、企業のほうが糖質制限食をビジネスチャンスと捉えて
行動が迅速なようです。
一方、医学界においても、嬉しいサプライズです。
2017年2月7日(火)午後から、東京大学医学部に行ってきました。
渡邊昌先生、門脇孝先生、江部康二の3人で鼎談を行いました。
二人で話し合うのが対談で、三人で話し合うのが鼎談です。
渡邊昌先生は、医学雑誌「医と食」の編集長です。
門脇孝先生は、
一般社団法人 日本糖尿病学会 理事長
であり、
東京大学大学院医学系研究科糖尿病・代謝内科教授
です。
日本糖尿病学会のトップとじっくり話し合うことができて、
とても有意義な90分間でした。
糖質制限食の発展、まさに、今昔の感ありですね。
江部康二
☆☆☆
以下、NHKカルチャー岐阜教室のサイトから抜粋です。
糖尿病&生活習慣病と糖質制限食
~糖質制限は人類本来の食事、人類の健康食~
http://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_1133666.html
講師
一般財団法人高雄病院 理事長 江部康二医師
一般社団法人日本糖質制限医療推進協会 理事長
内科医 漢方医
内容
糖質制限食は糖尿病治療食として開始され、
数多くの臨床活動を通してメタボなど様々な生活習慣病にも有効ということが判明しました。
運動を勧められても長続きしなかった方、
ダイエットの効果が表れなかった方に向け正しい知識と治療効果、
カロリー制限食と糖質制限食の比較や注意点などをお話します。
受講申し込み
NHKカルチャー岐阜教室
http://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_1133666.html
058-264-6311
開催期間
2017/10/21(土) 17:00~18:30
受講料(税込み)
会員 3,261円
一般(入会不要) 3,823円
NHKカルチャー岐阜教室、
2017/10/21(土) 17:00~18:30
糖質制限食講座
http://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_1133666.html
のご案内です。
岐阜では、数年ぶりの講演です。
糖質制限食の最新の知識や情報をわかりやすく楽しくお話します。
70分間の講演と20分間の質疑応答となります。
岐阜、名古屋、滋賀方面の方々、是非ご参加いただけば幸いです。
お陰様で、糖質制限食は順調に普及してきています。
2005年に私が「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」(東洋経済新報社)
を日本初の糖質制限食の本として刊行したころとは、大きな違いがあります。
なんと言っても、2013年10月に米国糖尿病学会が5年ぶりに改訂した「栄養療法に関する声明」のなかで、
地中海食やベジタリアン食などどともに「糖質制限食」を正式に容認したことが、大きな追い風となりました。
この1~2年、糖質制限食の展開において大きな発展があり
いい意味のサプライズもありました。
2016年7月のNHKクローズアップ現代の試算によれば、
糖質制限市場は、3184億円とのことです。
医学界より、企業のほうが糖質制限食をビジネスチャンスと捉えて
行動が迅速なようです。
一方、医学界においても、嬉しいサプライズです。
2017年2月7日(火)午後から、東京大学医学部に行ってきました。
渡邊昌先生、門脇孝先生、江部康二の3人で鼎談を行いました。
二人で話し合うのが対談で、三人で話し合うのが鼎談です。
渡邊昌先生は、医学雑誌「医と食」の編集長です。
門脇孝先生は、
一般社団法人 日本糖尿病学会 理事長
であり、
東京大学大学院医学系研究科糖尿病・代謝内科教授
です。
日本糖尿病学会のトップとじっくり話し合うことができて、
とても有意義な90分間でした。
糖質制限食の発展、まさに、今昔の感ありですね。
江部康二
☆☆☆
以下、NHKカルチャー岐阜教室のサイトから抜粋です。
糖尿病&生活習慣病と糖質制限食
~糖質制限は人類本来の食事、人類の健康食~
http://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_1133666.html
講師
一般財団法人高雄病院 理事長 江部康二医師
一般社団法人日本糖質制限医療推進協会 理事長
内科医 漢方医
内容
糖質制限食は糖尿病治療食として開始され、
数多くの臨床活動を通してメタボなど様々な生活習慣病にも有効ということが判明しました。
運動を勧められても長続きしなかった方、
ダイエットの効果が表れなかった方に向け正しい知識と治療効果、
カロリー制限食と糖質制限食の比較や注意点などをお話します。
受講申し込み
NHKカルチャー岐阜教室
http://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_1133666.html
058-264-6311
開催期間
2017/10/21(土) 17:00~18:30
受講料(税込み)
会員 3,261円
一般(入会不要) 3,823円
2017年09月15日 (金)
こんばんは
アジア太平洋心臓病学会 市民講座
非感染性疾患(NDCs)シンポジウム2017
心臓病,脳卒中,がん,肺疾患,糖尿病の予防を目指して
2017年10月29日(日)
https://kenkochoju.kyoto/event/?act=detail&id=972
セミナー京都市後援
のご案内です。
講演 3. 糖質制限食による糖尿病の治療と予防
で、私もお話します。
参加費無料の市民講座ですので、京都をはじめ関西の皆さん
是非ご参加いただけば幸いです。
講演 3. 糖質制限食による糖尿病の治療と予防
抄録
糖質制限食は、1999年から京都・高雄病院において糖尿病治療食として開始され、合併症を予防できる唯一の食事療法として画期的な成果をあげてきました。米国糖尿病学会の患者用テキストブック(2004年)には「摂取後直接、血糖に影響を与えるのは糖質のみである。蛋白質・脂質は、摂取後、直接血糖に影響を及ぼすことはない。」と記載されています。これらは含有エネルギーとは無関係な生理学的事実です。食後高血糖と一日平均血糖変動幅増大が糖尿病合併症の最大のリスクとなりますが、従来の糖尿病食(カロリー制限・高糖質食)では、必ずそれらを生じるので、糖尿病合併症の予防は困難です。現実に日本では、毎年新たに、人工透析16000人、失明3000人、足切断3000人と糖尿病合併症は減っていません。米国糖尿病学会は、2013年10月、5年ぶりに「栄養療法に関する声明」を発表し、糖質制限食、地中海食、ベジタリアン食、低脂質食、DASH 食を受容しました。このことは糖質制限食に大きな追い風となりました。
江部康二
プログラム
13:00 開場
13:30 ご挨拶 松森 昭 (NPO法人アジア太平洋心臓病学会 理事長)
13:35 開会の辞 河合 忠一 (京都大学名誉教授、元世界心臓連合 理事長)
13:40
講演1 高齢者診療20年を通じて学んだ「老化の予防」
山本 章 (尼崎老人保健施設ブルーベリー 施設長)
座長 : 細田 瑳一 (日本心臓血圧研究振興会 理事長)
14:30 休憩
14:40 講演2 乳がんの予防・治療
稲本 俊 (天理よろづ相談所学園天理医療大学 医療学部 学部長)
座長 : 宮崎 俊一 (近畿大学医学部 循環器内科 主任教授)
15:30 休憩
15:40 講演 3. 糖質制限食による糖尿病の治療と予防
江部 康二 (一般財団法人高雄病院 理事長)
座長 : 島田 俊夫 (静岡県立総合病院 臨床医学研究センター 部長)
16:30 閉会の辞 長谷川 浩二 (京都医療センター 展開医療研究部長)
イベント開催日 2017年10月29日(日)
13:30~16:30/開場13:00
イベント開催場所 京都大学 百周年時計台記念館 国際交流ホール
住所:〒606-8317 京都府京都市左京区吉田本町36
料金 無料
定員 300名
主催者 特定非営利活動法人アジア太平洋心臓病学会
お申し込み方法 当ホームページの申し込みフォームより http://npo-apsc-ncd.jp/form/mpmail/
お問い合わせ先 特定非営利活動法人アジア太平洋心臓病学会
E-MAIL ncd@npo-apsc.jp
URL: http://npo-apsc.jp/
当NPO法人は世界心臓連合と協力し、アジア太平洋地域において、がんや心臓血管病、糖尿病などの非感染性疾患(NCDs)の撲滅に向けた啓発活動を展開しております。本シンポジウムはその活動の一環として行うことを目的としております。 本年のシンポジウムは昨年と同様に、それぞれの分野の専門家による講演会を一般の方々にも参加いただく市民講座として開催いたします。ご後援いただければ、本シンポジウムをより多くの一般市民の皆様へお知らせすることが出来るようになります。また、これらの活動を通じて、市民のNCDsの撲滅・健康増進に貢献できることを願っております。
アジア太平洋心臓病学会 市民講座
非感染性疾患(NDCs)シンポジウム2017
心臓病,脳卒中,がん,肺疾患,糖尿病の予防を目指して
2017年10月29日(日)
https://kenkochoju.kyoto/event/?act=detail&id=972
セミナー京都市後援
のご案内です。
講演 3. 糖質制限食による糖尿病の治療と予防
で、私もお話します。
参加費無料の市民講座ですので、京都をはじめ関西の皆さん
是非ご参加いただけば幸いです。
講演 3. 糖質制限食による糖尿病の治療と予防
抄録
糖質制限食は、1999年から京都・高雄病院において糖尿病治療食として開始され、合併症を予防できる唯一の食事療法として画期的な成果をあげてきました。米国糖尿病学会の患者用テキストブック(2004年)には「摂取後直接、血糖に影響を与えるのは糖質のみである。蛋白質・脂質は、摂取後、直接血糖に影響を及ぼすことはない。」と記載されています。これらは含有エネルギーとは無関係な生理学的事実です。食後高血糖と一日平均血糖変動幅増大が糖尿病合併症の最大のリスクとなりますが、従来の糖尿病食(カロリー制限・高糖質食)では、必ずそれらを生じるので、糖尿病合併症の予防は困難です。現実に日本では、毎年新たに、人工透析16000人、失明3000人、足切断3000人と糖尿病合併症は減っていません。米国糖尿病学会は、2013年10月、5年ぶりに「栄養療法に関する声明」を発表し、糖質制限食、地中海食、ベジタリアン食、低脂質食、DASH 食を受容しました。このことは糖質制限食に大きな追い風となりました。
江部康二
プログラム
13:00 開場
13:30 ご挨拶 松森 昭 (NPO法人アジア太平洋心臓病学会 理事長)
13:35 開会の辞 河合 忠一 (京都大学名誉教授、元世界心臓連合 理事長)
13:40
講演1 高齢者診療20年を通じて学んだ「老化の予防」
山本 章 (尼崎老人保健施設ブルーベリー 施設長)
座長 : 細田 瑳一 (日本心臓血圧研究振興会 理事長)
14:30 休憩
14:40 講演2 乳がんの予防・治療
稲本 俊 (天理よろづ相談所学園天理医療大学 医療学部 学部長)
座長 : 宮崎 俊一 (近畿大学医学部 循環器内科 主任教授)
15:30 休憩
15:40 講演 3. 糖質制限食による糖尿病の治療と予防
江部 康二 (一般財団法人高雄病院 理事長)
座長 : 島田 俊夫 (静岡県立総合病院 臨床医学研究センター 部長)
16:30 閉会の辞 長谷川 浩二 (京都医療センター 展開医療研究部長)
イベント開催日 2017年10月29日(日)
13:30~16:30/開場13:00
イベント開催場所 京都大学 百周年時計台記念館 国際交流ホール
住所:〒606-8317 京都府京都市左京区吉田本町36
料金 無料
定員 300名
主催者 特定非営利活動法人アジア太平洋心臓病学会
お申し込み方法 当ホームページの申し込みフォームより http://npo-apsc-ncd.jp/form/mpmail/
お問い合わせ先 特定非営利活動法人アジア太平洋心臓病学会
E-MAIL ncd@npo-apsc.jp
URL: http://npo-apsc.jp/
当NPO法人は世界心臓連合と協力し、アジア太平洋地域において、がんや心臓血管病、糖尿病などの非感染性疾患(NCDs)の撲滅に向けた啓発活動を展開しております。本シンポジウムはその活動の一環として行うことを目的としております。 本年のシンポジウムは昨年と同様に、それぞれの分野の専門家による講演会を一般の方々にも参加いただく市民講座として開催いたします。ご後援いただければ、本シンポジウムをより多くの一般市民の皆様へお知らせすることが出来るようになります。また、これらの活動を通じて、市民のNCDsの撲滅・健康増進に貢献できることを願っております。
2017年09月14日 (木)
【17/09/13 福井
タイトルなし
初めまして。
高田医師は誤解というか認識不足がはなはだしいと思いますが、
最後の、β細胞を休ませ過ぎるとインスリンを分泌できなくなるというところ。
確かにほんの少しの糖質摂取でも血糖値は凄く上がります。
私は、糖質制限でβ細胞を休ませ温存して、
長く基礎分泌を維持できるようにしていると解釈しておりますが、
それでよろしいでしょうか。】
こんばんは。
福井さんから、
『糖質制限食実践中に、糖質を摂取すると血糖値がすごく上がる』
一方
『糖質制限でβ細胞を休ませ温存して、長く基礎分泌を維持できる』
というコメントを頂きました。
この件に関して、
糖質制限食実践中の耐糖能検査ということで、考察してみます。
75g経口ブドウ糖負荷試験実施前3日間は、
150g/日以上の糖質摂取が、日本糖尿病学会の推奨となっています。
糖質制限をあるていどの期間続けた正常人が、
いきなり、ブドウ糖負荷試験あるいは糖質一人前摂取で血糖がかなり上昇し、
一見、耐糖能低下のように見えるデータがでることが、時にあります。
私見ですが、これは、
追加分泌インスリンを出す必要がほとんどない、
スーパー糖質制限食を続けていた場合には、
糖質摂取に対して、
β細胞が準備ができていない状態であった可能性があります。
従って、例えば150g/日以上の糖質を3日間摂取することで、
準備を整えてから検査をすると、β細胞の準備ができているので、
もともと正常型だった人なら耐糖能が普通に戻ると思われます。
スーパー糖質制限食実践でβ細胞は休養できていて、
なおかつ血糖コントロール良好ですので、
高血糖によりβ細胞が障害されている可能性はありません。
ですから、β細胞のインスリン分泌能力も準備さえ整えば、
正常に作用すると考えられます。
つまり、正常人が糖質制限中にいきなり糖質摂取したとき、
一見耐糖能が低下したようなデータが出ることがありますが、
これは本当にβ細胞が障害されて耐糖能が落ちたのではないので、
心配ないということです。
福井さん、ご指摘通り、
糖質制限食実践者においては、食後高血糖によるβ細胞の障害はないので、
本当にインスリン分泌能が低下するということは考えられません。
すなわち糖質セイゲニストのβ細胞は休養充分で元気いっぱいなのです。
江部康二
タイトルなし
初めまして。
高田医師は誤解というか認識不足がはなはだしいと思いますが、
最後の、β細胞を休ませ過ぎるとインスリンを分泌できなくなるというところ。
確かにほんの少しの糖質摂取でも血糖値は凄く上がります。
私は、糖質制限でβ細胞を休ませ温存して、
長く基礎分泌を維持できるようにしていると解釈しておりますが、
それでよろしいでしょうか。】
こんばんは。
福井さんから、
『糖質制限食実践中に、糖質を摂取すると血糖値がすごく上がる』
一方
『糖質制限でβ細胞を休ませ温存して、長く基礎分泌を維持できる』
というコメントを頂きました。
この件に関して、
糖質制限食実践中の耐糖能検査ということで、考察してみます。
75g経口ブドウ糖負荷試験実施前3日間は、
150g/日以上の糖質摂取が、日本糖尿病学会の推奨となっています。
糖質制限をあるていどの期間続けた正常人が、
いきなり、ブドウ糖負荷試験あるいは糖質一人前摂取で血糖がかなり上昇し、
一見、耐糖能低下のように見えるデータがでることが、時にあります。
私見ですが、これは、
追加分泌インスリンを出す必要がほとんどない、
スーパー糖質制限食を続けていた場合には、
糖質摂取に対して、
β細胞が準備ができていない状態であった可能性があります。
従って、例えば150g/日以上の糖質を3日間摂取することで、
準備を整えてから検査をすると、β細胞の準備ができているので、
もともと正常型だった人なら耐糖能が普通に戻ると思われます。
スーパー糖質制限食実践でβ細胞は休養できていて、
なおかつ血糖コントロール良好ですので、
高血糖によりβ細胞が障害されている可能性はありません。
ですから、β細胞のインスリン分泌能力も準備さえ整えば、
正常に作用すると考えられます。
つまり、正常人が糖質制限中にいきなり糖質摂取したとき、
一見耐糖能が低下したようなデータが出ることがありますが、
これは本当にβ細胞が障害されて耐糖能が落ちたのではないので、
心配ないということです。
福井さん、ご指摘通り、
糖質制限食実践者においては、食後高血糖によるβ細胞の障害はないので、
本当にインスリン分泌能が低下するということは考えられません。
すなわち糖質セイゲニストのβ細胞は休養充分で元気いっぱいなのです。
江部康二
2017年09月13日 (水)
こんにちは。
週刊ポスト糖質制限食批判記事(9/11)への反論2です。
以下、9/12(火) NEWS ポストセブンの記事の要約(黒太字)と反論(青字)です。
糖質制限すると糖尿病になる! 衝撃データを公開
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170912-00000014-pseven-life
9/12(火) NEWS ポストセブン
1)
「週刊ポスト 2017/9/22号の記事 糖質制限すると糖尿病になる」
日本において、9/12の本ブログ記事の如く、
1997年をボトムに、増加し続けていた炭水化物の摂取比率が、
2008年~2010年にかけて13年ぶりに1%減少して(60.4%→59.4%)、
糖尿病の増加が急減し、
糖尿病予備軍は国民健康・栄養調査が始まって以来初めて減少しています。
2)
「糖質制限が糖尿病の原因となっている可能性がある」
(浜松医科大学名誉教授・高田医師)。
「糖質を制限すれば、体内から糖が無くなるわけではありません。
体内の糖質が不足すると、脳が活動を維持できなくなるなど
命にかかわる障害が出てしまう。それを防ぐために、
筋肉を分解して糖を生み出す『糖新生』という反応が起こります」(同前)
糖新生は、空腹とともにストレスを感じた際に脳から分泌されるホルモン「コルチゾール」によって引き起こされる。
だが、筋肉を溶かしてまで糖を生成する「コルチゾール」が分泌されるほどの低血糖状態は、
人体にとってかなりイレギュラーなことだという。
これは、高田医師、完全に誤解しておられます。
糖新生は、全人類において、空腹時や睡眠時にはごく日常的に行われています。
すなわち、普通に三食、糖質を食べている人においても、
ストレスとは無関係に、グルカゴンというホルモンにより
毎日普通に糖新生は行われています。
つまり「糖新生」はそもそも特殊な出来事ではなく、全人類において
日常的に行われていることなのです。
糖新生が、日常的に行われてないなら、
ヒトは夜間睡眠中に低血糖で倒れてしまいます。
糖新生は「アミノ酸、乳酸、グリセロール」などを原材料にして、
主として肝臓で行われています。
アミノ酸は筋肉(タンパク質)の分解物ですが、
筋肉は日常的に分解と再生を繰り返しています。
すなわち糖質摂取の有無に関係なく、ごく普通に筋肉は毎日分解され、
その都度、新しい筋肉を作っているわけです。
糖質制限食なら、食事からのタンパク質が豊富なので、
筋肉を作る材料のアミノ酸が不足することはありません。
厳しいカロリー制限食により、摂取タンパク質が不足すれば
筋肉が過剰に分解して筋力低下に繋がるので注意が必要です。
3)
「低血糖状態から体を守るために、コルチゾールは糖新生と同時に、
上げた血糖値を維持するために『インスリン』の効きを悪くして血糖値が下がるのを防ごうとしてしまいます。
そうなると、今度はインスリンが効かなくなってしまう。
その結果、血糖値を下げられなくなって、糖尿病になるという可能性が指摘されているのです」(同前)
そもそも、糖質制限食で低血糖になることもなく、
ストレスでも何でもないので、高田医師が仰るように
コルチゾールが過剰に分泌されるようなことはありません。
4)
「高齢者は加齢にともなって筋肉繊維が細くなり、筋肉が衰えている。
その状態で糖質制限により『糖新生』が起きると、筋肉がさらに衰えてしまいます。
糖質制限食なら、高タンパク食なので、アミノ酸が豊富で筋肉が衰えにくいです。
近年は高齢者ほど、肉や魚の動物性タンパク質を充分量摂取することが
医学界においても、推奨されています。
カロリー制限食で、低タンパク食だと、筋肉が分解され衰えるので要注意です。
2017年7月18日(火)午前、日野原重明先生が逝去されました。
105歳でした。
魚は毎日のように食べておられ、
脂のないステーキを、2日に1度食べておられたようです。
ステーキを食べる日は魚はなしです。
朝食はコーヒー、ジュース、ミルク、オリーブ油を摂取され、
昼食はミルクとクッキー2個だけなので、少食です。
夕食は茶碗半分ほどのご飯、たっぷりの野菜、
それにヒレ肉か魚で1日1300キロ・カロリーに制限されていました。
これだと、朝が糖質5~10g、昼が糖質15g、
夕が糖質40gくらいなので、一日の糖質摂取量は、60~65gくらいで
糖質摂取比率は約20%弱です。
日野原重明先生の食事内容は、立派な糖質制限食ですね。
5)」
「糖質制限を始めるとインスリンの分泌が減り、生成元である『β細胞』の活動が低下する。
使わないと衰える筋肉と同じように、ある程度の期間、糖質制限を継続すると、
休み過ぎでβ細胞の機能低下を招きます。
そうなると、糖質を摂取した際に、インスリンを分泌できなくなり、高血糖状態になってしまう」(前出・高田氏)
高田医師は、人類の進化の歴史をご存じないようですね。
人類は、チンパンジーと分かれて、700万年間、狩猟・採集を生業として
「妊娠・出産・子育て・日常生活」をおくってきました。
この間は穀物はないので、人類皆「糖質制限食」です。
糖質制限食実践中も、基礎分泌インスリンは必ず分泌します。
また、野菜分の糖質に対して、基礎分泌の2~3倍の追加分泌インスリンがでます。
これは、700万年間の進化の歴史におけるご先祖と同様であり、β細胞も普通に働いています。
1万年前に、農耕が開始されて、初めて穀物が日常的に摂取されるようになり
追加分泌インスリンは、食事の度に、基礎分泌の10倍以上出るようになりました。
とくに精製炭水化物を摂取し始めてからは、追加分泌インスリンは
基礎分泌の20~30倍も過剰に出るようになり、
これが、40年、50年続くと膵臓のβ細胞が疲弊したり壊れたりして
とうとう糖尿病を発症します。
江部康二
週刊ポスト糖質制限食批判記事(9/11)への反論2です。
以下、9/12(火) NEWS ポストセブンの記事の要約(黒太字)と反論(青字)です。
糖質制限すると糖尿病になる! 衝撃データを公開
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170912-00000014-pseven-life
9/12(火) NEWS ポストセブン
1)
「週刊ポスト 2017/9/22号の記事 糖質制限すると糖尿病になる」
日本において、9/12の本ブログ記事の如く、
1997年をボトムに、増加し続けていた炭水化物の摂取比率が、
2008年~2010年にかけて13年ぶりに1%減少して(60.4%→59.4%)、
糖尿病の増加が急減し、
糖尿病予備軍は国民健康・栄養調査が始まって以来初めて減少しています。
2)
「糖質制限が糖尿病の原因となっている可能性がある」
(浜松医科大学名誉教授・高田医師)。
「糖質を制限すれば、体内から糖が無くなるわけではありません。
体内の糖質が不足すると、脳が活動を維持できなくなるなど
命にかかわる障害が出てしまう。それを防ぐために、
筋肉を分解して糖を生み出す『糖新生』という反応が起こります」(同前)
糖新生は、空腹とともにストレスを感じた際に脳から分泌されるホルモン「コルチゾール」によって引き起こされる。
だが、筋肉を溶かしてまで糖を生成する「コルチゾール」が分泌されるほどの低血糖状態は、
人体にとってかなりイレギュラーなことだという。
これは、高田医師、完全に誤解しておられます。
糖新生は、全人類において、空腹時や睡眠時にはごく日常的に行われています。
すなわち、普通に三食、糖質を食べている人においても、
ストレスとは無関係に、グルカゴンというホルモンにより
毎日普通に糖新生は行われています。
つまり「糖新生」はそもそも特殊な出来事ではなく、全人類において
日常的に行われていることなのです。
糖新生が、日常的に行われてないなら、
ヒトは夜間睡眠中に低血糖で倒れてしまいます。
糖新生は「アミノ酸、乳酸、グリセロール」などを原材料にして、
主として肝臓で行われています。
アミノ酸は筋肉(タンパク質)の分解物ですが、
筋肉は日常的に分解と再生を繰り返しています。
すなわち糖質摂取の有無に関係なく、ごく普通に筋肉は毎日分解され、
その都度、新しい筋肉を作っているわけです。
糖質制限食なら、食事からのタンパク質が豊富なので、
筋肉を作る材料のアミノ酸が不足することはありません。
厳しいカロリー制限食により、摂取タンパク質が不足すれば
筋肉が過剰に分解して筋力低下に繋がるので注意が必要です。
3)
「低血糖状態から体を守るために、コルチゾールは糖新生と同時に、
上げた血糖値を維持するために『インスリン』の効きを悪くして血糖値が下がるのを防ごうとしてしまいます。
そうなると、今度はインスリンが効かなくなってしまう。
その結果、血糖値を下げられなくなって、糖尿病になるという可能性が指摘されているのです」(同前)
そもそも、糖質制限食で低血糖になることもなく、
ストレスでも何でもないので、高田医師が仰るように
コルチゾールが過剰に分泌されるようなことはありません。
4)
「高齢者は加齢にともなって筋肉繊維が細くなり、筋肉が衰えている。
その状態で糖質制限により『糖新生』が起きると、筋肉がさらに衰えてしまいます。
糖質制限食なら、高タンパク食なので、アミノ酸が豊富で筋肉が衰えにくいです。
近年は高齢者ほど、肉や魚の動物性タンパク質を充分量摂取することが
医学界においても、推奨されています。
カロリー制限食で、低タンパク食だと、筋肉が分解され衰えるので要注意です。
2017年7月18日(火)午前、日野原重明先生が逝去されました。
105歳でした。
魚は毎日のように食べておられ、
脂のないステーキを、2日に1度食べておられたようです。
ステーキを食べる日は魚はなしです。
朝食はコーヒー、ジュース、ミルク、オリーブ油を摂取され、
昼食はミルクとクッキー2個だけなので、少食です。
夕食は茶碗半分ほどのご飯、たっぷりの野菜、
それにヒレ肉か魚で1日1300キロ・カロリーに制限されていました。
これだと、朝が糖質5~10g、昼が糖質15g、
夕が糖質40gくらいなので、一日の糖質摂取量は、60~65gくらいで
糖質摂取比率は約20%弱です。
日野原重明先生の食事内容は、立派な糖質制限食ですね。
5)」
「糖質制限を始めるとインスリンの分泌が減り、生成元である『β細胞』の活動が低下する。
使わないと衰える筋肉と同じように、ある程度の期間、糖質制限を継続すると、
休み過ぎでβ細胞の機能低下を招きます。
そうなると、糖質を摂取した際に、インスリンを分泌できなくなり、高血糖状態になってしまう」(前出・高田氏)
高田医師は、人類の進化の歴史をご存じないようですね。
人類は、チンパンジーと分かれて、700万年間、狩猟・採集を生業として
「妊娠・出産・子育て・日常生活」をおくってきました。
この間は穀物はないので、人類皆「糖質制限食」です。
糖質制限食実践中も、基礎分泌インスリンは必ず分泌します。
また、野菜分の糖質に対して、基礎分泌の2~3倍の追加分泌インスリンがでます。
これは、700万年間の進化の歴史におけるご先祖と同様であり、β細胞も普通に働いています。
1万年前に、農耕が開始されて、初めて穀物が日常的に摂取されるようになり
追加分泌インスリンは、食事の度に、基礎分泌の10倍以上出るようになりました。
とくに精製炭水化物を摂取し始めてからは、追加分泌インスリンは
基礎分泌の20~30倍も過剰に出るようになり、
これが、40年、50年続くと膵臓のβ細胞が疲弊したり壊れたりして
とうとう糖尿病を発症します。
江部康二
2017年09月12日 (火)
「週刊ポスト 2017/9/22号の記事 糖質制限すると糖尿病になる」
に反論です。
まず、週刊ポストのグラフは不正確です。
日本において、以下のグラフの如く、
1997年をボトムに、増加し続けていた炭水化物の摂取比率が、
2008年~2010年にかけて13年ぶりに1%減少して(60.4%→59.4%)、
糖尿病の増加が急減し、
糖尿病予備軍は国民健康・栄養調査が始まって以来初めて減少しています。


「糖尿病疑い950万人 厚労省推計2007年から60万人増」
炭水化物摂取比率が減少して、糖尿病の増加が急減し、糖尿病予備軍は減少。
2013年12月19日に厚生労働省が発表。
厚生労働省は、毎年国民健康・栄養調査を実施しています。
その中で、5年に1回、糖尿病有病率を集計しています。
今回2012年の糖尿病有病率は、2007年に比し、約60万人増加で、かなり歯止めがかかっています。
1990年:560万人
1997年:690万人(130万人増加)
2002年:740万人(50万人増加)
2007年:890万人(5年間で150万人増加)
2012年:950万人(5年間で60万人増加)
これで見ると、2002年→2007年の増加率が、半端じゃないですね。
2007年→2012年の増加は、60万人で
1997年→2002年の増加、50万人と似たようなもので、
2002年→2007年の増加、150万人に比しかなり少ないです。
さらに、糖尿病予備軍は、約1100万人で、2007年から約220万人減少で、国民健康・栄養調査が始まって以来の快挙です。
冷静に考えて、糖尿病増加の勢いが、弱まったことになります。
実はずっと増え続けていた炭水化物摂取比率が、2008年から2010年にかけて、60.4%から59.4%に減ってい
るのです。
そして、ずっと減少傾向だった脂質摂取比率が、2008年から2010年にかけて、24.9%から25.9%に増えているのです。
そして、これを受けて、20007年から2012年にかけて糖尿病の増加が急減して、糖尿病予備群は220万人も減少しているのです。
保健所や一般の医師・栄養士の食事指導は、旧態依然たる日本糖尿病学会推奨で唯一無二のカロリー制限食で、数十年来不変ですので、今更この影響はないと思います。
こうなると、あくまでも仮説ですが、炭水化物摂取が減って脂質摂取が増えて、糖尿病の激増に歯止めがかかったのは、糖質制限食の影響の可能性がありえますね。(^^)
追加
なお、2000年~2012年まで日本の人口は1億2000万ちょっとで大きな変化はありません。
そして、この間、高齢化はどんどん進んでいるので、普通に考えると
高齢者に多い病気である糖尿病は、より増加し易い状況だったと言えます。
それが歯止めがかかったというわけです。
江部康二
2005年に
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』(東洋経済新報社)
を日本初の糖質制限食の本として上梓しました。
1997年以来増加し続けていた炭水化物の摂取比率が、
2008年~2010年にかけて13年ぶりに減少して
糖尿病予備軍が調査開始後初めて減ったことに、
私の本が一定程度貢献しているとしたら、とても嬉しい思いです。
<国民健康・栄養調査 2008年~2015年>
平成27年(2015年) 総数
エネルギー 1889
脂肪:26.9
炭水化物:58.4
蛋白質:14.7
平成26年(2014年) 総数
エネルギー 1863
脂肪:26.3
炭水化物:59.0
蛋白質:14.7
平成25年(2013年) 総数
エネルギー 1873
脂肪:26.2
炭水化物:58.9
蛋白質:14.9
平成24年(2012年) 総数
エネルギー 1874
脂肪:26.2
炭水化物:59.2
蛋白質:14.6
平成23年(2011年) 総数
エネルギー 1840
脂肪:26.2
炭水化物:59.2
蛋白質:14.6
平成22年(2010年) 総数
エネルギー 1849
脂肪:25.9
炭水化物:59.4
蛋白質:14.7
平成20年(2008年) 総数
エネルギー 1867
脂肪:24.9
炭水化物:60.4
蛋白質:14.7
に反論です。
まず、週刊ポストのグラフは不正確です。
日本において、以下のグラフの如く、
1997年をボトムに、増加し続けていた炭水化物の摂取比率が、
2008年~2010年にかけて13年ぶりに1%減少して(60.4%→59.4%)、
糖尿病の増加が急減し、
糖尿病予備軍は国民健康・栄養調査が始まって以来初めて減少しています。


「糖尿病疑い950万人 厚労省推計2007年から60万人増」
炭水化物摂取比率が減少して、糖尿病の増加が急減し、糖尿病予備軍は減少。
2013年12月19日に厚生労働省が発表。
厚生労働省は、毎年国民健康・栄養調査を実施しています。
その中で、5年に1回、糖尿病有病率を集計しています。
今回2012年の糖尿病有病率は、2007年に比し、約60万人増加で、かなり歯止めがかかっています。
1990年:560万人
1997年:690万人(130万人増加)
2002年:740万人(50万人増加)
2007年:890万人(5年間で150万人増加)
2012年:950万人(5年間で60万人増加)
これで見ると、2002年→2007年の増加率が、半端じゃないですね。
2007年→2012年の増加は、60万人で
1997年→2002年の増加、50万人と似たようなもので、
2002年→2007年の増加、150万人に比しかなり少ないです。
さらに、糖尿病予備軍は、約1100万人で、2007年から約220万人減少で、国民健康・栄養調査が始まって以来の快挙です。
冷静に考えて、糖尿病増加の勢いが、弱まったことになります。
実はずっと増え続けていた炭水化物摂取比率が、2008年から2010年にかけて、60.4%から59.4%に減ってい
るのです。
そして、ずっと減少傾向だった脂質摂取比率が、2008年から2010年にかけて、24.9%から25.9%に増えているのです。
そして、これを受けて、20007年から2012年にかけて糖尿病の増加が急減して、糖尿病予備群は220万人も減少しているのです。
保健所や一般の医師・栄養士の食事指導は、旧態依然たる日本糖尿病学会推奨で唯一無二のカロリー制限食で、数十年来不変ですので、今更この影響はないと思います。
こうなると、あくまでも仮説ですが、炭水化物摂取が減って脂質摂取が増えて、糖尿病の激増に歯止めがかかったのは、糖質制限食の影響の可能性がありえますね。(^^)
追加
なお、2000年~2012年まで日本の人口は1億2000万ちょっとで大きな変化はありません。
そして、この間、高齢化はどんどん進んでいるので、普通に考えると
高齢者に多い病気である糖尿病は、より増加し易い状況だったと言えます。
それが歯止めがかかったというわけです。
江部康二
2005年に
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』(東洋経済新報社)
を日本初の糖質制限食の本として上梓しました。
1997年以来増加し続けていた炭水化物の摂取比率が、
2008年~2010年にかけて13年ぶりに減少して
糖尿病予備軍が調査開始後初めて減ったことに、
私の本が一定程度貢献しているとしたら、とても嬉しい思いです。
<国民健康・栄養調査 2008年~2015年>
平成27年(2015年) 総数
エネルギー 1889
脂肪:26.9
炭水化物:58.4
蛋白質:14.7
平成26年(2014年) 総数
エネルギー 1863
脂肪:26.3
炭水化物:59.0
蛋白質:14.7
平成25年(2013年) 総数
エネルギー 1873
脂肪:26.2
炭水化物:58.9
蛋白質:14.9
平成24年(2012年) 総数
エネルギー 1874
脂肪:26.2
炭水化物:59.2
蛋白質:14.6
平成23年(2011年) 総数
エネルギー 1840
脂肪:26.2
炭水化物:59.2
蛋白質:14.6
平成22年(2010年) 総数
エネルギー 1849
脂肪:25.9
炭水化物:59.4
蛋白質:14.7
平成20年(2008年) 総数
エネルギー 1867
脂肪:24.9
炭水化物:60.4
蛋白質:14.7
2017年09月11日 (月)
【17/09/11 yanosono
糖質制限の真実への批判
https://newspicks.com/news/2484791?ref=search&ref_q=%E7%B3%96%E8%B3%AA&ref_t=top
先生はどう思われますか?
私は、何が真実かがよくわからなくなってきました。】
yanosono さん
山田悟医師の著書『糖質制限の真実―日本人を救う革命的食事法ロカボのすべて.』 2015: 幻冬舎.
に対する文化人類学者の磯野真穂さんの批判記事ですね。
現代ビジネス 2017/9/10
シャリなし寿司は健康的か? 「糖質制限が日本人を救う」への疑問
磯野 真穂 文化人類学者
国際医療福祉大学大学院講師
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/52704
従いまして、
糖質制限食への批判というより、
山田悟医師の著書『糖質制限の真実』に記載されている断定的な表現への批判が
多くを占めています。
その磯野真穂さんの主張には、私も一理あると思います。
一方で、糖質制限食全般に対する主観的な批判は如何なものかと思いますので
以下、反論します。
<磯野真穂さんへの反論1。ランセットの論文>
『炭水化物の摂取増加で死亡リスク上昇』
という衝撃的な内容の論文が、
ランセット誌のオンライン版(2017/8/29)に掲載されました。
1)炭水化物摂取量の多さは全死亡リスク上昇と関連。
2)総脂質および脂質の種類別の摂取は全死亡リスクの低下と関連。
3)総脂質および脂質の種類は、心血管疾患(CVD)、心筋梗塞、CVD死と関連していない。
4)飽和脂質は脳卒中と逆相関している。
1)2)3)4)が、今回、
ランセット誌のオンライン版(2017/8/29)に掲載された論文で確認されました。
18ヵ国の13万5千例以上を約7年半追跡した研究で、ランセットに掲載なので
信頼度は極めて高いです。
この論文を考慮すれば、糖質制限食の意義は大きいですね。
<磯野真穂さんへの反論2。生理学的事実1、糖尿病と食後血糖値>
A)、血糖値を直接上昇させるのは糖質のみ
B)、糖尿人において食後高血糖と平均血糖変動幅が酸化ストレスリスクの元凶
C)、食後高血糖と平均血糖変動幅増大を生じるのは糖質だけ
D)、食後高血糖と平均血糖変動幅増大が糖尿病合併症の元凶
A)C)は生理学的事実であり論争の余地はありません。
B)D)は世界の医学界において、エビデンスが認められています。
従いまして、『糖質制限食』は糖尿病合併症を予防できる唯一の食事療法です。
<磯野真穂さんへの反論3。糖化>
糖化とは、ブドウ糖などの糖が直接たんぱく質と結合する反応のことです。
最終的に「終末糖化産物」(AGEs=advanced glycation endproducts)となります。
【糖尿病】
体内で作られるAGEsが糖尿病合併症を引き起こします。
(1)細小血管合併症(2)大血管合併症
「高血糖の記憶」:現在コントロール良好でも、以前の消えない借金( AGEs)が蓄積していると、合併症を生じます。
AGEsによる糖尿病合併症発症のリスクは、「血糖値×持続期間」によります。
コントロールの悪い糖尿病患者は、AGEsの産生が高まります。
糖尿病は老化病とも言われていて、コントロールが悪いと老化が進みやすいです。
糖質制限食なら、血糖コントロール良好となり、糖尿病でもAGEsを減らせますので、
(1)細小血管合併症(2)大血管合併症を予防できる可能性が高いです。
【正常人】
糖尿病なしでも、「加齢→AGEsが蓄積→老化」というパターンが成り立ちます。
「糖質制限食→糖化反応が最小限→AGEsの蓄積も最小限→老化予防」となります。
体内の血糖により産生された「AGEs」は、
動脈硬化、老化、がん、歯周症、アルツハイマー病などのリスクとなります。
正常人が糖質制限食を実践すれば、糖化に伴う老化をかなり予防できます。
【糖尿人・江部康二】
ちなみに、江部康二は糖尿人ですが、
52歳からスーパー糖質制限食を開始して15年間が経過しました。
67歳現在、歯は全部残っていて、身長も全く縮んでいません。
夜中にトイレにも行きませんし、目は裸眼で広辞苑が読めます。
聴力もほとんど低下していません。
糖質制限食実践により、糖化に伴う老化をかなり予防できている実例と思われます。
江部康二
糖質制限の真実への批判
https://newspicks.com/news/2484791?ref=search&ref_q=%E7%B3%96%E8%B3%AA&ref_t=top
先生はどう思われますか?
私は、何が真実かがよくわからなくなってきました。】
yanosono さん
山田悟医師の著書『糖質制限の真実―日本人を救う革命的食事法ロカボのすべて.』 2015: 幻冬舎.
に対する文化人類学者の磯野真穂さんの批判記事ですね。
現代ビジネス 2017/9/10
シャリなし寿司は健康的か? 「糖質制限が日本人を救う」への疑問
磯野 真穂 文化人類学者
国際医療福祉大学大学院講師
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/52704
従いまして、
糖質制限食への批判というより、
山田悟医師の著書『糖質制限の真実』に記載されている断定的な表現への批判が
多くを占めています。
その磯野真穂さんの主張には、私も一理あると思います。
一方で、糖質制限食全般に対する主観的な批判は如何なものかと思いますので
以下、反論します。
<磯野真穂さんへの反論1。ランセットの論文>
『炭水化物の摂取増加で死亡リスク上昇』
という衝撃的な内容の論文が、
ランセット誌のオンライン版(2017/8/29)に掲載されました。
1)炭水化物摂取量の多さは全死亡リスク上昇と関連。
2)総脂質および脂質の種類別の摂取は全死亡リスクの低下と関連。
3)総脂質および脂質の種類は、心血管疾患(CVD)、心筋梗塞、CVD死と関連していない。
4)飽和脂質は脳卒中と逆相関している。
1)2)3)4)が、今回、
ランセット誌のオンライン版(2017/8/29)に掲載された論文で確認されました。
18ヵ国の13万5千例以上を約7年半追跡した研究で、ランセットに掲載なので
信頼度は極めて高いです。
この論文を考慮すれば、糖質制限食の意義は大きいですね。
<磯野真穂さんへの反論2。生理学的事実1、糖尿病と食後血糖値>
A)、血糖値を直接上昇させるのは糖質のみ
B)、糖尿人において食後高血糖と平均血糖変動幅が酸化ストレスリスクの元凶
C)、食後高血糖と平均血糖変動幅増大を生じるのは糖質だけ
D)、食後高血糖と平均血糖変動幅増大が糖尿病合併症の元凶
A)C)は生理学的事実であり論争の余地はありません。
B)D)は世界の医学界において、エビデンスが認められています。
従いまして、『糖質制限食』は糖尿病合併症を予防できる唯一の食事療法です。
<磯野真穂さんへの反論3。糖化>
糖化とは、ブドウ糖などの糖が直接たんぱく質と結合する反応のことです。
最終的に「終末糖化産物」(AGEs=advanced glycation endproducts)となります。
【糖尿病】
体内で作られるAGEsが糖尿病合併症を引き起こします。
(1)細小血管合併症(2)大血管合併症
「高血糖の記憶」:現在コントロール良好でも、以前の消えない借金( AGEs)が蓄積していると、合併症を生じます。
AGEsによる糖尿病合併症発症のリスクは、「血糖値×持続期間」によります。
コントロールの悪い糖尿病患者は、AGEsの産生が高まります。
糖尿病は老化病とも言われていて、コントロールが悪いと老化が進みやすいです。
糖質制限食なら、血糖コントロール良好となり、糖尿病でもAGEsを減らせますので、
(1)細小血管合併症(2)大血管合併症を予防できる可能性が高いです。
【正常人】
糖尿病なしでも、「加齢→AGEsが蓄積→老化」というパターンが成り立ちます。
「糖質制限食→糖化反応が最小限→AGEsの蓄積も最小限→老化予防」となります。
体内の血糖により産生された「AGEs」は、
動脈硬化、老化、がん、歯周症、アルツハイマー病などのリスクとなります。
正常人が糖質制限食を実践すれば、糖化に伴う老化をかなり予防できます。
【糖尿人・江部康二】
ちなみに、江部康二は糖尿人ですが、
52歳からスーパー糖質制限食を開始して15年間が経過しました。
67歳現在、歯は全部残っていて、身長も全く縮んでいません。
夜中にトイレにも行きませんし、目は裸眼で広辞苑が読めます。
聴力もほとんど低下していません。
糖質制限食実践により、糖化に伴う老化をかなり予防できている実例と思われます。
江部康二
2017年09月10日 (日)
こんばんは。
無事、広島に行ってきました。
まずは、講演会の前夜(9/9土)に
八丁堀福屋さん近くの海鮮居酒屋さんで懇親会を行いました。
懇親会は、28名の定員があっという間に満員御礼となりました。
医師8名を始めとして、看護師、薬剤師など医療関係者も参加して頂き、
広島市や中国地方でも糖質制限食が医学界に確実に浸透していると感じました。
美味しく楽しく糖質制限な宴会で、皆さんハイボールを中心に結構呑んでおられました。
中盤からは、店も気を利かして、ハイボールのピッチャーが登場しました。
宴会終盤は、私の呑みすぎを警戒してか、私の記憶が確かなら (∵)?
秘書殿が私のハイボールグラスには水を足して薄めておりました。 ( ̄_ ̄|||)
健気なことです。
おかげで、今朝はほとんど二日酔いもなく、
午前6時半からホテルの朝食バイキングを食べに行きました。
バイキングから部屋に帰って、テレビをつけたら、
「桐生祥秀選手、9秒98」のニュースが流れてきて、眼が倍ぐらい覚めました。
桐生選手、おめでとうございます。(^-^)v(^-^)v
翌日、
2017年9月10日(日)10:30~13:35
「糖質制限食講演会 in 広島」 講演会
◇第1部:「糖質制限のすすめ」
1. 瀬尾 一史 医師 瀬尾クリニック(広島県福山市)
2. 花岡 篤哉 医師 新南陽整形外科クリニック(山口県周南市)
◇第2部:「糖質制限 実践のイロハ」
橋本 眞由美 管理栄養士 (財)高雄病院 栄養管理部長/当会アドバイザー
◇第3部:「糖尿病・生活習慣病を予防&改善する食事法
~糖質制限食は、人類本来の食事、人類の健康食」
一般向けの糖質制限食講演会を開催しました。
過去、広島市では保険医協会主催など、
医師向けの講演会は2回したことがありますが、
一般向けの講演会は、広島市では初めてでした。
4人の講師で、、盛りだくさんの内容でお話ししました。
こちらも、105名定員で、満員御礼となりました。
医師15名を始めとして、看護師、薬剤師など医療関係者も参加して頂きました。
広島市、広島県は勿論のこと、
山口県、鳥取県、島根県、岡山県、滋賀県、長崎県、
高知県、愛媛県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大阪府などなど、
各地から、多くの方に参加していただき、ありがたいことでした。
いつもながら、ブログ読者の皆さんにも多数、
ご参加頂き、ありがとうございます。m(_ _)mV
質疑応答も活発で、あっという間に30分が過ぎてしまいました。
既に、糖質制限食を実践されている方の質問が多かったです。
コレステロール値、たまに糖質を食べると生じる眠気、
糖質制限に挫折しないこつ、便通・・・などなど
他の参加者の方々にも役立つ質問がほとんどで、回答する講師陣も
気合いが入っていました。(^^)
江部康二
無事、広島に行ってきました。
まずは、講演会の前夜(9/9土)に
八丁堀福屋さん近くの海鮮居酒屋さんで懇親会を行いました。
懇親会は、28名の定員があっという間に満員御礼となりました。
医師8名を始めとして、看護師、薬剤師など医療関係者も参加して頂き、
広島市や中国地方でも糖質制限食が医学界に確実に浸透していると感じました。
美味しく楽しく糖質制限な宴会で、皆さんハイボールを中心に結構呑んでおられました。
中盤からは、店も気を利かして、ハイボールのピッチャーが登場しました。
宴会終盤は、私の呑みすぎを警戒してか、私の記憶が確かなら (∵)?
秘書殿が私のハイボールグラスには水を足して薄めておりました。 ( ̄_ ̄|||)
健気なことです。
おかげで、今朝はほとんど二日酔いもなく、
午前6時半からホテルの朝食バイキングを食べに行きました。
バイキングから部屋に帰って、テレビをつけたら、
「桐生祥秀選手、9秒98」のニュースが流れてきて、眼が倍ぐらい覚めました。
桐生選手、おめでとうございます。(^-^)v(^-^)v
翌日、
2017年9月10日(日)10:30~13:35
「糖質制限食講演会 in 広島」 講演会
◇第1部:「糖質制限のすすめ」
1. 瀬尾 一史 医師 瀬尾クリニック(広島県福山市)
2. 花岡 篤哉 医師 新南陽整形外科クリニック(山口県周南市)
◇第2部:「糖質制限 実践のイロハ」
橋本 眞由美 管理栄養士 (財)高雄病院 栄養管理部長/当会アドバイザー
◇第3部:「糖尿病・生活習慣病を予防&改善する食事法
~糖質制限食は、人類本来の食事、人類の健康食」
一般向けの糖質制限食講演会を開催しました。
過去、広島市では保険医協会主催など、
医師向けの講演会は2回したことがありますが、
一般向けの講演会は、広島市では初めてでした。
4人の講師で、、盛りだくさんの内容でお話ししました。
こちらも、105名定員で、満員御礼となりました。
医師15名を始めとして、看護師、薬剤師など医療関係者も参加して頂きました。
広島市、広島県は勿論のこと、
山口県、鳥取県、島根県、岡山県、滋賀県、長崎県、
高知県、愛媛県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大阪府などなど、
各地から、多くの方に参加していただき、ありがたいことでした。
いつもながら、ブログ読者の皆さんにも多数、
ご参加頂き、ありがとうございます。m(_ _)mV
質疑応答も活発で、あっという間に30分が過ぎてしまいました。
既に、糖質制限食を実践されている方の質問が多かったです。
コレステロール値、たまに糖質を食べると生じる眠気、
糖質制限に挫折しないこつ、便通・・・などなど
他の参加者の方々にも役立つ質問がほとんどで、回答する講師陣も
気合いが入っていました。(^^)
江部康二
2017年09月09日 (土)
おはようございます。
『炭水化物の摂取増加で死亡リスク上昇』
という衝撃的な内容の論文が、
ランセット誌のオンライン版(2017/8/29)に掲載されました。
中嶋一雄先生から、詳しい情報をコメント頂きました。
carenetさん、中嶋先生、ありがとうございます。
一般の人には、衝撃的と言えますが、
我々糖質セイゲニストからすると、「日頃の主張がとうとう証明された」
というイメージでしょうか。
我が畏友、夏井睦先生の「炭水化物が人類を滅ぼす」が、
まさに正鵠を射ていた、ということですね。
1)炭水化物摂取量の多さは全死亡リスク上昇と関連。
2)総脂質および脂質の種類別の摂取は全死亡リスクの低下と関連。
3)総脂質および脂質の種類は、心血管疾患(CVD)、心筋梗塞、CVD死と関連していない。
4)飽和脂質は脳卒中と逆相関している。
1)2)3)4)が、今回、
ランセット誌のオンライン版(2017/8/29)に掲載された論文で確認されたということであり、画期的な内容と思います。
「今回の結果を踏まえ、世界的な食事ガイドラインを再検討すべきである」
と著者は提言しているのですが、当然と思います。
糖質制限食賛成派にとっては、これ以上ない追い風です。
2017年度の「糖質制限10大ニュース」に当確ですね。
【17/09/08 中嶋一雄
こちらがより詳しい
【炭水化物の摂取増加で死亡リスク上昇/Lancet】
http://www.carenet.com/news/journal/carenet/44610
炭水化物摂取量の多さは全死亡リスク上昇と、また総脂質および脂質の種類別の摂取は全死亡リスクの低下と関連する。さらに総脂質および脂質の種類は、心血管疾患(CVD)、心筋梗塞、CVD死と関連していないが、飽和脂質は脳卒中と逆相関していることが確認された。カナダ・マックマスター大学のMahshid Dehghan氏らが、5大陸18ヵ国で全死亡および心血管疾患への食事の影響を検証した大規模疫学前向きコホート研究(Prospective Urban Rural Epidemiology:PURE)の結果、報告した。主要栄養素とCVDや死亡との関連性については、これまでのデータのほとんどが栄養過剰の傾向にある欧州や北米の集団からのもので、他の集団にも当てはまるか不明であった。著者は、「今回の結果を踏まえ、世界的な食事ガイドラインを再検討すべきである」と提言している。Lancet誌オンライン版2017年8月29日号掲載の報告。
◇18ヵ国の13万5千例以上を約7年半追跡
研究グループは、2003年1月1日~2013年3月31日に、高所得国(カナダ、スウェーデン、アラブ首長国連邦)、中所得国(アルゼンチン、ブラジル、チリ、中国、コロンビア、イラン、マレーシア、パレスチナ自治区、ポーランド、南アフリカ、トルコ)、低所得国(バングラデシュ、インド、パキスタン、ジンバブエ)の計18の国・地域において、35~70歳の13万5,335例を登録し、食事摂取量を食事摂取頻度調査票(FFQ)により調査した後、中央値7.4年(IQR:5.3~9.3)追跡した。
主要アウトカムは、全死亡(total mortality)および主要心血管イベント(致死的CVD、非致死的心筋梗塞、脳卒中、心不全)。副次アウトカムは、心筋梗塞、脳卒中、CVD死、非CVD死であった。
炭水化物、脂質(総脂質と種類別[飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸])およびタンパク質の摂取量を、エネルギー比に基づき5分位で分類し、摂取量と各評価項目との関連について多変量Cox frailtyモデルを用いハザード比(HR)を算出した。
◇全死亡リスクは、炭水化物の摂取量が多いほど増加、逆に脂質では低下
追跡期間中に、死亡が5,796例、主要心血管イベントの発生が4,784例記録された。炭水化物は、摂取量が多いほど全死亡リスクが高く、最低5分位群(エネルギー比中央値46.4%)に対する最高5分位群(同77.2%)のHRは1.28(95%信頼区間[CI]:1.12~1.46、傾向のp=0.0001)であった。CVDまたはCVD死のリスクとの関連は確認されなかった。
一方、脂質は総脂質および種類別のいずれも、摂取量が多いほど全死亡リスクは低かった。最低5分位群に対する最高5分位群のHRは、総脂質が0.77(95%CI:0.67~0.87、傾向のp<0.0001)、飽和脂肪酸は0.86(95%CI:0.76~0.99、傾向のp=0.0088)、一価不飽和脂肪酸は0.81(95%CI:0.71~0.92、傾向のp<0.0001)、多価不飽和脂肪酸は0.80(95%CI:0.71~0.89、傾向のp<0.0001))であった。
また、飽和脂肪酸は、摂取量が多いほど脳卒中のリスクが低い関連が認められた(最高5分位群 vs.最低5分位群のHR:0.79、95%CI:0.64~0.98、傾向のp=0.0498)。総脂質、飽和および不飽和脂肪酸の摂取量は、心筋梗塞またはCVD死のリスクと有意な関連はみられなかった。
なお著者は、FFQは絶対的摂取量を測定した調査ではないことや、食事摂取量の調査がベースライン時のみで、またトランス脂肪酸の摂取量は未測定であることなどを研究の限界として挙げている。
(医学ライター 吉尾幸恵)
Associations of fats and carbohydrate intake with cardiovascular disease and mortality in 18 countries from five continents (PURE): a prospective cohort study
Lancet (London, England). 2017 Aug 28; pii: S0140-6736(17)32252-3.
http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(17)32252-3/fulltext】
江部康二
『炭水化物の摂取増加で死亡リスク上昇』
という衝撃的な内容の論文が、
ランセット誌のオンライン版(2017/8/29)に掲載されました。
中嶋一雄先生から、詳しい情報をコメント頂きました。
carenetさん、中嶋先生、ありがとうございます。
一般の人には、衝撃的と言えますが、
我々糖質セイゲニストからすると、「日頃の主張がとうとう証明された」
というイメージでしょうか。
我が畏友、夏井睦先生の「炭水化物が人類を滅ぼす」が、
まさに正鵠を射ていた、ということですね。
1)炭水化物摂取量の多さは全死亡リスク上昇と関連。
2)総脂質および脂質の種類別の摂取は全死亡リスクの低下と関連。
3)総脂質および脂質の種類は、心血管疾患(CVD)、心筋梗塞、CVD死と関連していない。
4)飽和脂質は脳卒中と逆相関している。
1)2)3)4)が、今回、
ランセット誌のオンライン版(2017/8/29)に掲載された論文で確認されたということであり、画期的な内容と思います。
「今回の結果を踏まえ、世界的な食事ガイドラインを再検討すべきである」
と著者は提言しているのですが、当然と思います。
糖質制限食賛成派にとっては、これ以上ない追い風です。
2017年度の「糖質制限10大ニュース」に当確ですね。
【17/09/08 中嶋一雄
こちらがより詳しい
【炭水化物の摂取増加で死亡リスク上昇/Lancet】
http://www.carenet.com/news/journal/carenet/44610
炭水化物摂取量の多さは全死亡リスク上昇と、また総脂質および脂質の種類別の摂取は全死亡リスクの低下と関連する。さらに総脂質および脂質の種類は、心血管疾患(CVD)、心筋梗塞、CVD死と関連していないが、飽和脂質は脳卒中と逆相関していることが確認された。カナダ・マックマスター大学のMahshid Dehghan氏らが、5大陸18ヵ国で全死亡および心血管疾患への食事の影響を検証した大規模疫学前向きコホート研究(Prospective Urban Rural Epidemiology:PURE)の結果、報告した。主要栄養素とCVDや死亡との関連性については、これまでのデータのほとんどが栄養過剰の傾向にある欧州や北米の集団からのもので、他の集団にも当てはまるか不明であった。著者は、「今回の結果を踏まえ、世界的な食事ガイドラインを再検討すべきである」と提言している。Lancet誌オンライン版2017年8月29日号掲載の報告。
◇18ヵ国の13万5千例以上を約7年半追跡
研究グループは、2003年1月1日~2013年3月31日に、高所得国(カナダ、スウェーデン、アラブ首長国連邦)、中所得国(アルゼンチン、ブラジル、チリ、中国、コロンビア、イラン、マレーシア、パレスチナ自治区、ポーランド、南アフリカ、トルコ)、低所得国(バングラデシュ、インド、パキスタン、ジンバブエ)の計18の国・地域において、35~70歳の13万5,335例を登録し、食事摂取量を食事摂取頻度調査票(FFQ)により調査した後、中央値7.4年(IQR:5.3~9.3)追跡した。
主要アウトカムは、全死亡(total mortality)および主要心血管イベント(致死的CVD、非致死的心筋梗塞、脳卒中、心不全)。副次アウトカムは、心筋梗塞、脳卒中、CVD死、非CVD死であった。
炭水化物、脂質(総脂質と種類別[飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸])およびタンパク質の摂取量を、エネルギー比に基づき5分位で分類し、摂取量と各評価項目との関連について多変量Cox frailtyモデルを用いハザード比(HR)を算出した。
◇全死亡リスクは、炭水化物の摂取量が多いほど増加、逆に脂質では低下
追跡期間中に、死亡が5,796例、主要心血管イベントの発生が4,784例記録された。炭水化物は、摂取量が多いほど全死亡リスクが高く、最低5分位群(エネルギー比中央値46.4%)に対する最高5分位群(同77.2%)のHRは1.28(95%信頼区間[CI]:1.12~1.46、傾向のp=0.0001)であった。CVDまたはCVD死のリスクとの関連は確認されなかった。
一方、脂質は総脂質および種類別のいずれも、摂取量が多いほど全死亡リスクは低かった。最低5分位群に対する最高5分位群のHRは、総脂質が0.77(95%CI:0.67~0.87、傾向のp<0.0001)、飽和脂肪酸は0.86(95%CI:0.76~0.99、傾向のp=0.0088)、一価不飽和脂肪酸は0.81(95%CI:0.71~0.92、傾向のp<0.0001)、多価不飽和脂肪酸は0.80(95%CI:0.71~0.89、傾向のp<0.0001))であった。
また、飽和脂肪酸は、摂取量が多いほど脳卒中のリスクが低い関連が認められた(最高5分位群 vs.最低5分位群のHR:0.79、95%CI:0.64~0.98、傾向のp=0.0498)。総脂質、飽和および不飽和脂肪酸の摂取量は、心筋梗塞またはCVD死のリスクと有意な関連はみられなかった。
なお著者は、FFQは絶対的摂取量を測定した調査ではないことや、食事摂取量の調査がベースライン時のみで、またトランス脂肪酸の摂取量は未測定であることなどを研究の限界として挙げている。
(医学ライター 吉尾幸恵)
Associations of fats and carbohydrate intake with cardiovascular disease and mortality in 18 countries from five continents (PURE): a prospective cohort study
Lancet (London, England). 2017 Aug 28; pii: S0140-6736(17)32252-3.
http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(17)32252-3/fulltext】
江部康二
2017年09月08日 (金)
【17/09/08 山梨
タイトルなし
江部先生こんにちは!
長友選手の記事がまた載っていましたhttps://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170908-01884492-nksports-socc
スポーツ選手は体重管理が大変だと思いますが、糖質制限が広まって、
無理なく体重コントロール、体調管理をして欲しいものです。
フィギュアスケートは体重管理が厳しくて摂食障害になる事がよくあるみたいですね。】
こんにちは。
山梨 さん から、サッカーの長友佑都先生の食事の情報を
コメント頂きました。
ありがとうございます。
長友佑都の筋肉支える食のアモーレ!専属シェフ管理
9/8(金)
日刊スポーツ
サッカー日本代表のDF長友佑都(30=インテルミラノ)の筋肉は、
「よろい」から「クッション」に変わっていた。
昨年7月から加藤超也(たつや)氏(33)が
専属シェフとなって栄養管理を開始。長友の肉体は徐々に変化し、
大きなケガがなくなり、回復力が増したという。
サムライブルーの左サイドバックに君臨し続ける男の「食トレ」に迫った。・・・
朝食メニューが
海鮮丼
あさりとのりのみそ汁
上ひじきと煮物
ミックスサラダ亜麻仁油がけ
です。
朝食の海鮮丼を写真でみると、
たっぷりの数種の海鮮で、
ご飯は全く見えないくらいの量ですので、
ほぼ糖質制限ですね。
シェフによれば、詳細は企業秘密とのことですが、
<ある日の昼食献立>
◆昼食のポイント
和食は塩分過多になりがちです。
みそ汁も魚のアラなどでしっかりダシをとり少量のみそでもおいしくなる工夫をしたり、
海鮮丼に使用するしょうゆも量って決めています。
運動量の多い昼食は、日本食で、
少々糖質ありなのかもしれませんが、朝食と同じような海鮮丼なら
ご飯はかなり少ないです。
<ある日の夕方献立>
◆夕食のポイント
夕食は筋肉や細胞に必要な栄養素を補給するため、
タンパク質、良質なオイル、野菜を中心に摂取しています。
タンパク質はお肉、お魚の両方から摂取することなどを意識して献立を作成しています。
記事をみると、夕食は糖質制限ですね。
テニスのジョコビッチ選手も、夕食は糖質制限食です。
夕食に糖質を食べないことにより、血中ケトン体をあるていど高値に保てば
筋肉の回復がスムースになると思います。
長友選手自身が以前、述べていた通り『ケトン体質』を維持することで、
けががなくなり、疲労が回復しやすい肉体を手に入れたようです。
ケトン体質により、
筋肉が「よろい」から「クッション」になり、
しなやかな筋肉を獲得したということでしょう。
江部康二、
タイトルなし
江部先生こんにちは!
長友選手の記事がまた載っていましたhttps://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170908-01884492-nksports-socc
スポーツ選手は体重管理が大変だと思いますが、糖質制限が広まって、
無理なく体重コントロール、体調管理をして欲しいものです。
フィギュアスケートは体重管理が厳しくて摂食障害になる事がよくあるみたいですね。】
こんにちは。
山梨 さん から、サッカーの長友佑都先生の食事の情報を
コメント頂きました。
ありがとうございます。
長友佑都の筋肉支える食のアモーレ!専属シェフ管理
9/8(金)
日刊スポーツ
サッカー日本代表のDF長友佑都(30=インテルミラノ)の筋肉は、
「よろい」から「クッション」に変わっていた。
昨年7月から加藤超也(たつや)氏(33)が
専属シェフとなって栄養管理を開始。長友の肉体は徐々に変化し、
大きなケガがなくなり、回復力が増したという。
サムライブルーの左サイドバックに君臨し続ける男の「食トレ」に迫った。・・・
朝食メニューが
海鮮丼
あさりとのりのみそ汁
上ひじきと煮物
ミックスサラダ亜麻仁油がけ
です。
朝食の海鮮丼を写真でみると、
たっぷりの数種の海鮮で、
ご飯は全く見えないくらいの量ですので、
ほぼ糖質制限ですね。
シェフによれば、詳細は企業秘密とのことですが、
<ある日の昼食献立>
◆昼食のポイント
和食は塩分過多になりがちです。
みそ汁も魚のアラなどでしっかりダシをとり少量のみそでもおいしくなる工夫をしたり、
海鮮丼に使用するしょうゆも量って決めています。
運動量の多い昼食は、日本食で、
少々糖質ありなのかもしれませんが、朝食と同じような海鮮丼なら
ご飯はかなり少ないです。
<ある日の夕方献立>
◆夕食のポイント
夕食は筋肉や細胞に必要な栄養素を補給するため、
タンパク質、良質なオイル、野菜を中心に摂取しています。
タンパク質はお肉、お魚の両方から摂取することなどを意識して献立を作成しています。
記事をみると、夕食は糖質制限ですね。
テニスのジョコビッチ選手も、夕食は糖質制限食です。
夕食に糖質を食べないことにより、血中ケトン体をあるていど高値に保てば
筋肉の回復がスムースになると思います。
長友選手自身が以前、述べていた通り『ケトン体質』を維持することで、
けががなくなり、疲労が回復しやすい肉体を手に入れたようです。
ケトン体質により、
筋肉が「よろい」から「クッション」になり、
しなやかな筋肉を獲得したということでしょう。
江部康二、
2017年09月07日 (木)
こんにちは。
2017年10月8日(日)
「内科、眼科、産婦人科医がみた 糖質制限食のチカラ」
と題して、東京で一般向けの講演会を開催します。
講師は、
宗田マタニティクリニック(千葉県市原市)院長の宗田哲男先生、
深作眼科(横浜西口、東京六本木)理事長の深作秀春先生、
そして江部康二です。
なかなかの豪華キャストと自画自讃してます。 (^^)
とても興味深い有意義な講演会になると思いますので、
東京、関東方面の方々、あるいは少々遠方の方々も
是非、ご参加頂ければ、幸いです。
江部康二
以下、事務局からのお知らせです。
***********
ブログ読者の皆様、いつも弊会のイベントへ多数ご参加いただきまして、
ありがとうございます。
10月8日(日)東京都内で、「内科、眼科、産婦人科医がみた 糖質制限食のチカラ」と題して、一般の方向けの講演会を開催いたします。
講師は、宗田マタニティクリニック(千葉県市原市)院長の宗田哲男先生、深作眼科(横浜西口、東京六本木)理事長の深作秀春先生、ならびに当会理事長の江部康二です。
「視力を失わない生き方」(光文社)の著者であり、世界をリードする最先端の眼科外科治療を行っておられる深作先生は、これまで実に多くの糖尿病性網膜症の患者さんを診てこられました。
しかし、糖尿病内科専門医による従来の糖尿病治療を受けると、むしろ糖尿病性網膜症が悪化するといった欠点を痛感され、糖尿病患者さんへの糖質制限治療を積極的に導入されました。
糖質制限と網膜症硝子体手術療法の併用で、安定した視力を得られるようになった症例などを中心にお話しいただきます。
ベストセラー「ケトン体が人類を救う」(光文社)の著者であり、糖質制限食とケトン体の啓蒙に奮闘されている宗田先生には、ケトン体の安全性や秘めたる力、最新情報について、また、妊婦、赤ちゃんの健康と糖質制限食についてもお話しいただきます。
宗田先生の素晴らしいお話は、昨秋の江部理事長との講演・トークイベントでも大好評でした。
江部理事長は、糖質制限食が様々な良い効果をもたらす理由や仕組みといった基礎理論、糖質制限食のこれまでの歩み、糖質制限食による糖尿病治療の症例などについて解説いたします。
首都圏にお住まいの方をはじめ、たくさんのご参加を心よりお待ちしております。
*当日講演会終了後に、賛助会員交流会を開催いたします。
☆講演会・賛助会員交流会情報URL: http://www.toushitsuseigen.or.jp/activity
///////////////////ご案内/////////////////////
(一社)日本糖質制限医療推進協会主催 講演会(東京)
「内科、眼科、産婦人科医がみた 糖質制限食のチカラ」
◆日時:10月8日(日)13:00~16:30頃
※開場・受付は、12:30~です。
◆会場: 千代田区立日比谷図書文化館 大ホール
東京都千代田区日比谷公園1番4号
http://hibiyal.jp/hibiya/access.html
■内容:
第1部: 「糖質制限食 概論と糖尿病治療」
江部 康二 医師 (高雄病院理事長/当会理事長)
第2部: 「眼科医、産婦人科医だからこそ、言えること」
(1)「糖尿病性網膜症と糖質制限~最先端手術の現場より」
深作 秀春 医師 (深作眼科理事長)
(2)「妊婦、赤ちゃんの健康とケトン体」
宗田 哲男 医師 (宗田マタニティクリニック院長)
第3部: 質疑応答
※第1部60分、第2部80分(各40分)、第3部30分程度を予定しております。
◆受講費: 賛助会員2,400円、一般(会員の方以外)2,900円
■お支払い方法:
クレジットカード/銀行振込/郵便振替 ※事前決済のみとなります
■お申し込みの流れ:
1. 下記「お申し込み方法」の該当するものからお申し込み下さい。
2. 事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3. 入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4. 当日、直接会場までお越しいただき、受付にてお名前をお伝え下さい。
■お申し込み方法:
★賛助会員の方:事務局までメールにてお申し込み下さい。
※領収書の発行をご希望の場合は、領収書宛名もお知らせ願います。
★賛助会員入会+講演会、交流会参加をご希望の方:
1. 入会案内および会員規約をお読み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/sign-up
2. お申し込みは下のフォームからお願いします。
「入会ならびに講演会出席のお問い合わせ」を選択いただき、
「通信」欄に「10/8東京講演会、参加希望」とご記入下さい。
(同日の賛助会員交流会へ参加ご希望の場合は、その旨をご記入下さい。)
http://www.toushitsuseigen.or.jp/contact
★一般(会員の方以外)で、講演会参加をご希望の方:
下のフォームからお申し込み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/seminar-hiroshima
■その他:
・予約制です。当日参加はできません。
・講演会のキャンセルは10月6日(金)までに事務局へご連絡願います。
それ以降のご返金は対応致しかねますので、予めご了承ください。
・賛助会員交流会のキャンセルは10月4日(水)までに事務局へご連絡願います。
それ以降のご返金は対応致しかねますので、予めご了承ください。
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2017年10月8日(日)
「内科、眼科、産婦人科医がみた 糖質制限食のチカラ」
と題して、東京で一般向けの講演会を開催します。
講師は、
宗田マタニティクリニック(千葉県市原市)院長の宗田哲男先生、
深作眼科(横浜西口、東京六本木)理事長の深作秀春先生、
そして江部康二です。
なかなかの豪華キャストと自画自讃してます。 (^^)
とても興味深い有意義な講演会になると思いますので、
東京、関東方面の方々、あるいは少々遠方の方々も
是非、ご参加頂ければ、幸いです。
江部康二
以下、事務局からのお知らせです。
***********
ブログ読者の皆様、いつも弊会のイベントへ多数ご参加いただきまして、
ありがとうございます。
10月8日(日)東京都内で、「内科、眼科、産婦人科医がみた 糖質制限食のチカラ」と題して、一般の方向けの講演会を開催いたします。
講師は、宗田マタニティクリニック(千葉県市原市)院長の宗田哲男先生、深作眼科(横浜西口、東京六本木)理事長の深作秀春先生、ならびに当会理事長の江部康二です。
「視力を失わない生き方」(光文社)の著者であり、世界をリードする最先端の眼科外科治療を行っておられる深作先生は、これまで実に多くの糖尿病性網膜症の患者さんを診てこられました。
しかし、糖尿病内科専門医による従来の糖尿病治療を受けると、むしろ糖尿病性網膜症が悪化するといった欠点を痛感され、糖尿病患者さんへの糖質制限治療を積極的に導入されました。
糖質制限と網膜症硝子体手術療法の併用で、安定した視力を得られるようになった症例などを中心にお話しいただきます。
ベストセラー「ケトン体が人類を救う」(光文社)の著者であり、糖質制限食とケトン体の啓蒙に奮闘されている宗田先生には、ケトン体の安全性や秘めたる力、最新情報について、また、妊婦、赤ちゃんの健康と糖質制限食についてもお話しいただきます。
宗田先生の素晴らしいお話は、昨秋の江部理事長との講演・トークイベントでも大好評でした。
江部理事長は、糖質制限食が様々な良い効果をもたらす理由や仕組みといった基礎理論、糖質制限食のこれまでの歩み、糖質制限食による糖尿病治療の症例などについて解説いたします。
首都圏にお住まいの方をはじめ、たくさんのご参加を心よりお待ちしております。
*当日講演会終了後に、賛助会員交流会を開催いたします。
☆講演会・賛助会員交流会情報URL: http://www.toushitsuseigen.or.jp/activity
///////////////////ご案内/////////////////////
(一社)日本糖質制限医療推進協会主催 講演会(東京)
「内科、眼科、産婦人科医がみた 糖質制限食のチカラ」
◆日時:10月8日(日)13:00~16:30頃
※開場・受付は、12:30~です。
◆会場: 千代田区立日比谷図書文化館 大ホール
東京都千代田区日比谷公園1番4号
http://hibiyal.jp/hibiya/access.html
■内容:
第1部: 「糖質制限食 概論と糖尿病治療」
江部 康二 医師 (高雄病院理事長/当会理事長)
第2部: 「眼科医、産婦人科医だからこそ、言えること」
(1)「糖尿病性網膜症と糖質制限~最先端手術の現場より」
深作 秀春 医師 (深作眼科理事長)
(2)「妊婦、赤ちゃんの健康とケトン体」
宗田 哲男 医師 (宗田マタニティクリニック院長)
第3部: 質疑応答
※第1部60分、第2部80分(各40分)、第3部30分程度を予定しております。
◆受講費: 賛助会員2,400円、一般(会員の方以外)2,900円
■お支払い方法:
クレジットカード/銀行振込/郵便振替 ※事前決済のみとなります
■お申し込みの流れ:
1. 下記「お申し込み方法」の該当するものからお申し込み下さい。
2. 事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3. 入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4. 当日、直接会場までお越しいただき、受付にてお名前をお伝え下さい。
■お申し込み方法:
★賛助会員の方:事務局までメールにてお申し込み下さい。
※領収書の発行をご希望の場合は、領収書宛名もお知らせ願います。
★賛助会員入会+講演会、交流会参加をご希望の方:
1. 入会案内および会員規約をお読み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/sign-up
2. お申し込みは下のフォームからお願いします。
「入会ならびに講演会出席のお問い合わせ」を選択いただき、
「通信」欄に「10/8東京講演会、参加希望」とご記入下さい。
(同日の賛助会員交流会へ参加ご希望の場合は、その旨をご記入下さい。)
http://www.toushitsuseigen.or.jp/contact
★一般(会員の方以外)で、講演会参加をご希望の方:
下のフォームからお申し込み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/seminar-hiroshima
■その他:
・予約制です。当日参加はできません。
・講演会のキャンセルは10月6日(金)までに事務局へご連絡願います。
それ以降のご返金は対応致しかねますので、予めご了承ください。
・賛助会員交流会のキャンセルは10月4日(水)までに事務局へご連絡願います。
それ以降のご返金は対応致しかねますので、予めご了承ください。
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2017年09月06日 (水)
こんにちは。
「栄養」について知らない「栄養士」が多すぎる。
という私のインタビュー記事が、東洋経済オンラインのサイトに載りました。
http://toyokeizai.net/articles/-/186950
「栄養」について知らない「栄養士」が多すぎる
残念な栄養士が信じ続ける「7つの誤解」
江部 康二 : 高雄病院理事長 2017年09月06日
「健康 - 東洋経済オンライン」
栄養士が知らない栄養学の新常識とは?
栄養という話題で、皆さんが日頃から最も頼りにするのは医師よりも栄養士であろう。
医師が食事療法を勧める場合でも、実際の食事内容については、
栄養士に“丸投げ”になることが多い。
これは、医学部の教育において、
実は「栄養学」の授業がほとんどないことにもよると言われる。
自治体や会社などで食事指導にあたるのも、ほとんどが栄養士だ。
ところが、糖質制限食の創始者として知られる江部康二医師によると、
栄養士の教えることが正しいとは限らないという。
それどころか、国際的な新常識を知らず、
誤った知識のままで食事指導している場合も多いという。
糖尿病患者への食事指導でも、糖質制限食を理解しておらず、
旧態依然のカロリー制限食しか指導しない栄養士がいまだに多い。
結果、合併症を発症し、
人工透析を受けなければならなくなるケースもあるというから、問題は深刻だ。
また、ダイエット目的の糖質制限に対しても、
誤った思い込みから「危険」と決めつけ、
いまだ非科学的な批判をする栄養士も多いと江部氏は語る。
では、栄養士が知らない栄養学の新常識とは何か。
『江部康二の糖質制限革命』で日本の栄養学の現状と問題点について論及した
江部氏に解説していただいた。
栄養士の「常識」は古いことが多い
http://toyokeizai.net/articles/-/186950
【栄養士の誤解1】脳はブドウ糖しか使えない
「脳はブドウ糖しか使えません」
たとえば、栄養士がこう言うことがあるのですが、これは大きな間違いです。
残念ながら、こんな場面は、いまだに日本中の病院で現実に起こっているでしょう。
最近、テレビの医療番組で、
大学で栄養学を教えているという人が堂々と同じことを言っていたのを聞き、
驚きました。
いまだにある大学では、ホームページに堂々とそう書いているところもあります。
日本の病院で栄養士が「脳はブドウ糖しか使えない」と言ってしまうのは、
栄養士を教育する側の責任でもあるわけです。
しかし、これは科学的に間違いです。
世界中の医学・生理学の常識ではこうです。
「脳はブドウ糖だけでなく、ケトン体もエネルギーとして使える」
前回(話題の「ケトン食でがんが消える」は本当か)でも解説したように、
これは生理学的な事実なのです。
勉強されている医師の方はケトン体の働きをよくご存じですし、
医学会でもケトン体のことがよく取り上げられるようになりました。
以下、続きます。
栄養士さんに、苦言を呈す記事になっていますが、
管理栄養士さんにおいても、ケトン体や糖質制限食など
最新知識をしっかり勉強している人と
そうでない人の差が大きいということです。
詳しくは、下記の糖尿経済オンラインのサイト
を覗いて頂けば幸いです。
1
http://toyokeizai.net/articles/-/186950
栄養士の「常識」は古いことが多い
2
http://toyokeizai.net/articles/-/186950?page=2
糖質制限食普及の障害に
3
http://toyokeizai.net/articles/-/186950?page=3
卵の個数制限は意味がない
4
http://toyokeizai.net/articles/-/186950?page=4
食事で摂取すべき糖質の必要最小量はゼロである
5
http://toyokeizai.net/articles/-/186950?page=5
「タンパク質のとりすぎが腎臓に悪い」には根拠がない
6
http://toyokeizai.net/articles/-/186950?page=6
勉強しない栄養士たち
江部康二
「栄養」について知らない「栄養士」が多すぎる。
という私のインタビュー記事が、東洋経済オンラインのサイトに載りました。
http://toyokeizai.net/articles/-/186950
「栄養」について知らない「栄養士」が多すぎる
残念な栄養士が信じ続ける「7つの誤解」
江部 康二 : 高雄病院理事長 2017年09月06日
「健康 - 東洋経済オンライン」
栄養士が知らない栄養学の新常識とは?
栄養という話題で、皆さんが日頃から最も頼りにするのは医師よりも栄養士であろう。
医師が食事療法を勧める場合でも、実際の食事内容については、
栄養士に“丸投げ”になることが多い。
これは、医学部の教育において、
実は「栄養学」の授業がほとんどないことにもよると言われる。
自治体や会社などで食事指導にあたるのも、ほとんどが栄養士だ。
ところが、糖質制限食の創始者として知られる江部康二医師によると、
栄養士の教えることが正しいとは限らないという。
それどころか、国際的な新常識を知らず、
誤った知識のままで食事指導している場合も多いという。
糖尿病患者への食事指導でも、糖質制限食を理解しておらず、
旧態依然のカロリー制限食しか指導しない栄養士がいまだに多い。
結果、合併症を発症し、
人工透析を受けなければならなくなるケースもあるというから、問題は深刻だ。
また、ダイエット目的の糖質制限に対しても、
誤った思い込みから「危険」と決めつけ、
いまだ非科学的な批判をする栄養士も多いと江部氏は語る。
では、栄養士が知らない栄養学の新常識とは何か。
『江部康二の糖質制限革命』で日本の栄養学の現状と問題点について論及した
江部氏に解説していただいた。
栄養士の「常識」は古いことが多い
http://toyokeizai.net/articles/-/186950
【栄養士の誤解1】脳はブドウ糖しか使えない
「脳はブドウ糖しか使えません」
たとえば、栄養士がこう言うことがあるのですが、これは大きな間違いです。
残念ながら、こんな場面は、いまだに日本中の病院で現実に起こっているでしょう。
最近、テレビの医療番組で、
大学で栄養学を教えているという人が堂々と同じことを言っていたのを聞き、
驚きました。
いまだにある大学では、ホームページに堂々とそう書いているところもあります。
日本の病院で栄養士が「脳はブドウ糖しか使えない」と言ってしまうのは、
栄養士を教育する側の責任でもあるわけです。
しかし、これは科学的に間違いです。
世界中の医学・生理学の常識ではこうです。
「脳はブドウ糖だけでなく、ケトン体もエネルギーとして使える」
前回(話題の「ケトン食でがんが消える」は本当か)でも解説したように、
これは生理学的な事実なのです。
勉強されている医師の方はケトン体の働きをよくご存じですし、
医学会でもケトン体のことがよく取り上げられるようになりました。
以下、続きます。
栄養士さんに、苦言を呈す記事になっていますが、
管理栄養士さんにおいても、ケトン体や糖質制限食など
最新知識をしっかり勉強している人と
そうでない人の差が大きいということです。
詳しくは、下記の糖尿経済オンラインのサイト
を覗いて頂けば幸いです。
1
http://toyokeizai.net/articles/-/186950
栄養士の「常識」は古いことが多い
2
http://toyokeizai.net/articles/-/186950?page=2
糖質制限食普及の障害に
3
http://toyokeizai.net/articles/-/186950?page=3
卵の個数制限は意味がない
4
http://toyokeizai.net/articles/-/186950?page=4
食事で摂取すべき糖質の必要最小量はゼロである
5
http://toyokeizai.net/articles/-/186950?page=5
「タンパク質のとりすぎが腎臓に悪い」には根拠がない
6
http://toyokeizai.net/articles/-/186950?page=6
勉強しない栄養士たち
江部康二
2017年09月05日 (火)
こんばんは。
今日も、イヌイットのお話しです。
<イヌイットには、心筋梗塞が少なかった!>
イヌイットが伝統的な食生活をしているころは、
心筋梗塞(こうそく)が極めて少なかったというのは割と有名な話で、
マスコミの報道でも時々取り上げられています。
今回は、その元になった研究の紹介です。
1950年から74年までのデンマーク領グリーンランドのウパナビック病院の記録をまとめて、
デンマーク・オーデンセ大学(現南デンマーク大学)臨床遺伝学研究所の研究者クロマンらが80年に報告しました。(*)
グリーンランド・イヌイットの疾患別死亡数を、デンマーク白人の同一疾患の予測死亡数と比較したものです。
それによると、グリーンランドのイヌイットにおいては、
▽心筋梗塞
▽糖尿病
▽血液中の甲状腺ホルモンが増えて起きる甲状腺中毒症
▽気管支喘息(ぜんそく)
▽自己免疫疾患の多発性硬化症
▽皮膚疾患の尋常性乾癬(かんせん)
−−は極めて少数でした。
一方、脳出血とてんかんは、デンマークの白人より少し多いです。
この論文ではデンマークの白人とグリーンランドのイヌイットでは、
がんの種類は異なるが、合計の発症率は変わらない、という報告になっています。
イヌイットは、生肉と生魚が主食で、穀物はなく、
植物は海藻やベリー類などが少量という糖質制限食を4000年以上続けてきた民族です。
カナダのイヌイットは20年代ごろから、バノクという小麦の無発酵パンを食べる習慣が広がりましたが、
グリーンランドのイヌイットは、調査期間のころはまだパンなどはなく、
牛肉、豚肉もとっていなかったとみられています(熊谷朗著「EPAの医学」、16ページ)。
当時のグリーンランドのイヌイットの主食は、
アザラシ、トドなど海生動物の肉及び魚で、食事における脂質摂取比率は35〜40%でした。
同時期、同じくらいの高脂肪食を食べていたデンマークの白人においては、
心筋梗塞や脳梗塞が多発していたので、その差が注目されました。
50年から74年までの全期間を通して、イヌイットの心筋梗塞は対象者約1800人中わずか3人で、
イヌイットと同じ年齢構成を当てはめて割り出したデンマークの白人の心筋梗塞死亡者予想値40人に比べて
極めて低かったのです。
<謎を解く鍵は食生活>
ダイアベルグらは、グリーンランドのイヌイットの血液中には、
デンマーク本土で生活する人に比べてはるかに多くのEPAが含まれていて、
それがイヌイットに心筋梗塞や脳梗塞が少ない理由であるとの結論を出しました。(**)
イヌイットが主に食べていた極寒地にすむ動物や魚(アザラシ、トド、北極イワナ、シロイルカなど)の脂肪には、
EPAがたくさん含まれています。
これはこれで重要な発見であり、EPAはのちに動脈硬化抑制や高脂血症などの薬(エパデールなど)となり、
保険薬として日本でも販売されています。
<イヌイットと糖質制限食>
しかしながら私は本質的には、EPA高値は心筋梗塞や脳梗塞が少なかったことの要因の、
一部に過ぎないと思っています。
なぜなら、EPAがそれほど有効なら、エパデールを内服させたら、米国でも日本でも、
心筋梗塞が半減するはずですが、現実はそうはいきません。
本質は、当時のイヌイットはスーパー糖質制限食を実践していたということにあると思います。
グリーンランドで伝統的食生活を保っていたころのイヌイットの3大栄養素摂取比率は、
約377gのタンパク質(1508kcal、47.1%)、
約59gの炭水化物(236kcal、7.4%)、
約162gの脂質(1458kcal、45.5%)
で合計3202kcalであり、まさにスーパー糖質制限食でした。
「食後高血糖」と「血糖変動幅増大」は、大きな酸化ストレスリスクです。
イヌイットが伝統的な食生活を実践していたころは、糖質の摂取量が極めて少なく、
血流、代謝がスムーズで、食後高血糖と血糖変動増大がほとんどなかったと考えられます。
よって、動脈硬化を進める主犯格とされている酸化ストレスがほとんど生じなかったことの方が、
心筋梗塞予防に、大変大きかったのではないでしょうか。
<エピローグ>
まことに残念ながら、
1993年、カナダ・マギル大学の先住民栄養環境研究センターの調査によれば、
イヌイットの若者は、ハンバーガー、ピザ、ポテトチップス、コーラ、ガム、チョコレートを好み、
摂取カロリーの大半が、これら糖質を大量に含むジャンクフ−ドでした。
このような食生活の変化により、疾病構造も急速に変化していきました。
かつて、極めて少なかった心筋梗塞(こうそく)や糖尿病が、
米国やカナダの他民族を上回るほど増えてしまったのです。
(*)
Acta Med Scand. 1980;208(5):401-6.
Epidemiological studies in the Upernavik district, Greenland. Incidence of some chronic diseases 1950-1974.
Kromann N, Green A.
(**)
Scand J Clin Lab Invest Suppl. 1982;161:7-13.
A hypothesis on the development of acute myocardial infarction in Greenlanders.
Dyerberg J, Bang HO.
江部康二
今日も、イヌイットのお話しです。
<イヌイットには、心筋梗塞が少なかった!>
イヌイットが伝統的な食生活をしているころは、
心筋梗塞(こうそく)が極めて少なかったというのは割と有名な話で、
マスコミの報道でも時々取り上げられています。
今回は、その元になった研究の紹介です。
1950年から74年までのデンマーク領グリーンランドのウパナビック病院の記録をまとめて、
デンマーク・オーデンセ大学(現南デンマーク大学)臨床遺伝学研究所の研究者クロマンらが80年に報告しました。(*)
グリーンランド・イヌイットの疾患別死亡数を、デンマーク白人の同一疾患の予測死亡数と比較したものです。
それによると、グリーンランドのイヌイットにおいては、
▽心筋梗塞
▽糖尿病
▽血液中の甲状腺ホルモンが増えて起きる甲状腺中毒症
▽気管支喘息(ぜんそく)
▽自己免疫疾患の多発性硬化症
▽皮膚疾患の尋常性乾癬(かんせん)
−−は極めて少数でした。
一方、脳出血とてんかんは、デンマークの白人より少し多いです。
この論文ではデンマークの白人とグリーンランドのイヌイットでは、
がんの種類は異なるが、合計の発症率は変わらない、という報告になっています。
イヌイットは、生肉と生魚が主食で、穀物はなく、
植物は海藻やベリー類などが少量という糖質制限食を4000年以上続けてきた民族です。
カナダのイヌイットは20年代ごろから、バノクという小麦の無発酵パンを食べる習慣が広がりましたが、
グリーンランドのイヌイットは、調査期間のころはまだパンなどはなく、
牛肉、豚肉もとっていなかったとみられています(熊谷朗著「EPAの医学」、16ページ)。
当時のグリーンランドのイヌイットの主食は、
アザラシ、トドなど海生動物の肉及び魚で、食事における脂質摂取比率は35〜40%でした。
同時期、同じくらいの高脂肪食を食べていたデンマークの白人においては、
心筋梗塞や脳梗塞が多発していたので、その差が注目されました。
50年から74年までの全期間を通して、イヌイットの心筋梗塞は対象者約1800人中わずか3人で、
イヌイットと同じ年齢構成を当てはめて割り出したデンマークの白人の心筋梗塞死亡者予想値40人に比べて
極めて低かったのです。
<謎を解く鍵は食生活>
ダイアベルグらは、グリーンランドのイヌイットの血液中には、
デンマーク本土で生活する人に比べてはるかに多くのEPAが含まれていて、
それがイヌイットに心筋梗塞や脳梗塞が少ない理由であるとの結論を出しました。(**)
イヌイットが主に食べていた極寒地にすむ動物や魚(アザラシ、トド、北極イワナ、シロイルカなど)の脂肪には、
EPAがたくさん含まれています。
これはこれで重要な発見であり、EPAはのちに動脈硬化抑制や高脂血症などの薬(エパデールなど)となり、
保険薬として日本でも販売されています。
<イヌイットと糖質制限食>
しかしながら私は本質的には、EPA高値は心筋梗塞や脳梗塞が少なかったことの要因の、
一部に過ぎないと思っています。
なぜなら、EPAがそれほど有効なら、エパデールを内服させたら、米国でも日本でも、
心筋梗塞が半減するはずですが、現実はそうはいきません。
本質は、当時のイヌイットはスーパー糖質制限食を実践していたということにあると思います。
グリーンランドで伝統的食生活を保っていたころのイヌイットの3大栄養素摂取比率は、
約377gのタンパク質(1508kcal、47.1%)、
約59gの炭水化物(236kcal、7.4%)、
約162gの脂質(1458kcal、45.5%)
で合計3202kcalであり、まさにスーパー糖質制限食でした。
「食後高血糖」と「血糖変動幅増大」は、大きな酸化ストレスリスクです。
イヌイットが伝統的な食生活を実践していたころは、糖質の摂取量が極めて少なく、
血流、代謝がスムーズで、食後高血糖と血糖変動増大がほとんどなかったと考えられます。
よって、動脈硬化を進める主犯格とされている酸化ストレスがほとんど生じなかったことの方が、
心筋梗塞予防に、大変大きかったのではないでしょうか。
<エピローグ>
まことに残念ながら、
1993年、カナダ・マギル大学の先住民栄養環境研究センターの調査によれば、
イヌイットの若者は、ハンバーガー、ピザ、ポテトチップス、コーラ、ガム、チョコレートを好み、
摂取カロリーの大半が、これら糖質を大量に含むジャンクフ−ドでした。
このような食生活の変化により、疾病構造も急速に変化していきました。
かつて、極めて少なかった心筋梗塞(こうそく)や糖尿病が、
米国やカナダの他民族を上回るほど増えてしまったのです。
(*)
Acta Med Scand. 1980;208(5):401-6.
Epidemiological studies in the Upernavik district, Greenland. Incidence of some chronic diseases 1950-1974.
Kromann N, Green A.
(**)
Scand J Clin Lab Invest Suppl. 1982;161:7-13.
A hypothesis on the development of acute myocardial infarction in Greenlanders.
Dyerberg J, Bang HO.
江部康二
2017年09月04日 (月)
こんにちは。
2017年10月23日(月)、京都にて、日本糖質制限医療推進協会主催の
『人気店のパティシエに学ぶ、低糖質スイーツ教室』 を開催します。
メイン講師は、「パティスリー ロア・レギューム」 (埼玉県朝霞市)の
小寺幹成オーナーパティシエです。
小寺パティシエは、昨年11月には文化出版局から、
著書「おいしく作れる低糖質スイーツ」
http://books.bunka.ac.jp/np/isbn/9784579212866/
を出版され、ご自身がこれまでに開発された低糖質スイーツのレシピを
惜しみなく披露しておられます。 私は帯の推薦文を書きました(*^^)v
第3回目となる今回のテーマは、「アーモンドタルト&カスタードクリーム」
だそうです^^v
定員は24名様、先着順です。 皆さん奮ってご参加くださいね。
江部康二
以下、事務局からのお知らせです。
*********
ブログ読者の皆様、いつも弊会の講演会やスイーツ・料理教室へ
多数ご参加いただきまして、ありがとうございます。
本日は、低糖質スイーツ教室(京都)の開催をご案内申し上げます。
関西圏の方をはじめ、皆様のご参加をお待ちしております。
◇スイーツ教室情報URL: http://www.toushitsuseigen.or.jp/activity
●―○―●―○―●―○―●―○―●―○―●―○―●―○
(一社)日本糖質制限医療推進協会主催
『人気店のパティシエに学ぶ、低糖質スイーツ教室(京都)』
第3回 「アーモンドタルト & カスタードクリーム」
◆日時: 10月23日(月) 13:00~16:00頃 ※開場・受付は12:45~
◆会場: あじわい館(京の食文化ミュージアム)調理実習室
京都市下京区中堂寺南町130番地 京都青果センタービル3階
http://www.kyo-ajiwaikan.com/access
♪講師:
小寺幹成 「パティスリー ロア・レギューム」オーナーパティシエ
佐々木栄子 管理栄養士/健康運動実践指導者
◆参加費: 賛助会員料金 3,400円/一般料金 4,000円
☆内容ご紹介☆
美味しい低糖質菓子をご自宅で作っていただけるように、
お菓子作りの基礎から学べる講座です。
講師の小寺幹成パティシエに低糖質菓子を作る際のコツや工夫、
様々な技術をデモンストレーションや実習でレクチャーいただき、
参加者の皆様からの質問や疑問にもお答えいただきます。
今回は、低糖質の粉類を組み合わせて、基本のタルトの作り方を
実習いただきます。
プレーンのタルト生地にアーモンドクリームをのせ、2層の味が楽しめる
アーモンドタルトを作りましょう。
サクサクのタルト生地をマスターすれば、様々なタルトへのアレンジを
楽しめます。
さらに、低糖質の「カスタードクリーム」の実習も。タルトと組み合わせて、
「カスタードタルト」に仕上げます。
カスタードクリームを低糖質で作るのは難しいところですが、今回も、
小寺パティシエに様々なテクニックをしっかり伝授いただきます。
それぞれに応用範囲の広い、タルトとカスタードクリーム、この機会に習得しましょう!
◆定員・対象: 24名様 ・一般(18歳以上)
◆当日の流れ: レシピ説明 → 実習 → 試食(復習・歓談) → 片付け後、解散
◆ご持参いただくもの: エプロン、三角巾、ふきん(タオル)2枚(台ふき用・食器ふき用)、筆記用具
■お支払い方法: クレジットカード/銀行振込/郵便振替 ※事前決済のみとなります。
■お申し込みの流れ:
1. 下記「お申し込み方法」の該当するものからお申し込みください。
2. 事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3. 入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4. 当日、直接会場までお越しいただき、受付にてお名前をお伝えください。
■お申し込み方法:
※当教室は、一般の方にご自宅で作っていただくことを趣旨とした教室です。
製菓や料理のお仕事をしておられる方、食品会社で企画・開発をしておられる方など、
業界の方の場合は、その旨をお書き添えの上、お申し込みください。
★賛助会員の方:事務局までメールにてお申し込みください。
★賛助会員入会をご希望の方:
1. 入会案内および会員規約をお読みください。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/sign-up
2. お申し込みは下のフォームからお願いします。
「入会ならびに講演会出席のお問い合わせ」を選択いただき、
「通信」欄に「10/23スイーツ教室参加希望」とご記入ください。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/contact
★一般(会員以外の方)で、教室参加のみご希望の方:
下のフォームからお申し込みください。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/lesson-a
■その他:
・予約制です。当日参加はできません。開場・受付は、レッスン開始時間の15分前からです。
・お申し込み後、キャンセルされる場合は、10月19日(木)までに ご連絡ください。
10月20日(金)以降のキャンセルは、参加費の半額をキャンセル料金としていただきますので、予めご了承ください。
・実習室で作ったもの以外の飲食はできません。ご自宅で作ったお料理やお菓子などの持ち込みはできませんのでご注意ください。
・皆さまで実習と試食を行っていただきますので、香水などのフレグランスはお控えください。
●―○―●―○―●―○―●―○―●―○―●―○―●―○
2017年10月23日(月)、京都にて、日本糖質制限医療推進協会主催の
『人気店のパティシエに学ぶ、低糖質スイーツ教室』 を開催します。
メイン講師は、「パティスリー ロア・レギューム」 (埼玉県朝霞市)の
小寺幹成オーナーパティシエです。
小寺パティシエは、昨年11月には文化出版局から、
著書「おいしく作れる低糖質スイーツ」
http://books.bunka.ac.jp/np/isbn/9784579212866/
を出版され、ご自身がこれまでに開発された低糖質スイーツのレシピを
惜しみなく披露しておられます。 私は帯の推薦文を書きました(*^^)v
第3回目となる今回のテーマは、「アーモンドタルト&カスタードクリーム」
だそうです^^v
定員は24名様、先着順です。 皆さん奮ってご参加くださいね。
江部康二
以下、事務局からのお知らせです。
*********
ブログ読者の皆様、いつも弊会の講演会やスイーツ・料理教室へ
多数ご参加いただきまして、ありがとうございます。
本日は、低糖質スイーツ教室(京都)の開催をご案内申し上げます。
関西圏の方をはじめ、皆様のご参加をお待ちしております。
◇スイーツ教室情報URL: http://www.toushitsuseigen.or.jp/activity
●―○―●―○―●―○―●―○―●―○―●―○―●―○
(一社)日本糖質制限医療推進協会主催
『人気店のパティシエに学ぶ、低糖質スイーツ教室(京都)』
第3回 「アーモンドタルト & カスタードクリーム」
◆日時: 10月23日(月) 13:00~16:00頃 ※開場・受付は12:45~
◆会場: あじわい館(京の食文化ミュージアム)調理実習室
京都市下京区中堂寺南町130番地 京都青果センタービル3階
http://www.kyo-ajiwaikan.com/access
♪講師:
小寺幹成 「パティスリー ロア・レギューム」オーナーパティシエ
佐々木栄子 管理栄養士/健康運動実践指導者
◆参加費: 賛助会員料金 3,400円/一般料金 4,000円
☆内容ご紹介☆
美味しい低糖質菓子をご自宅で作っていただけるように、
お菓子作りの基礎から学べる講座です。
講師の小寺幹成パティシエに低糖質菓子を作る際のコツや工夫、
様々な技術をデモンストレーションや実習でレクチャーいただき、
参加者の皆様からの質問や疑問にもお答えいただきます。
今回は、低糖質の粉類を組み合わせて、基本のタルトの作り方を
実習いただきます。
プレーンのタルト生地にアーモンドクリームをのせ、2層の味が楽しめる
アーモンドタルトを作りましょう。
サクサクのタルト生地をマスターすれば、様々なタルトへのアレンジを
楽しめます。
さらに、低糖質の「カスタードクリーム」の実習も。タルトと組み合わせて、
「カスタードタルト」に仕上げます。
カスタードクリームを低糖質で作るのは難しいところですが、今回も、
小寺パティシエに様々なテクニックをしっかり伝授いただきます。
それぞれに応用範囲の広い、タルトとカスタードクリーム、この機会に習得しましょう!
◆定員・対象: 24名様 ・一般(18歳以上)
◆当日の流れ: レシピ説明 → 実習 → 試食(復習・歓談) → 片付け後、解散
◆ご持参いただくもの: エプロン、三角巾、ふきん(タオル)2枚(台ふき用・食器ふき用)、筆記用具
■お支払い方法: クレジットカード/銀行振込/郵便振替 ※事前決済のみとなります。
■お申し込みの流れ:
1. 下記「お申し込み方法」の該当するものからお申し込みください。
2. 事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3. 入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4. 当日、直接会場までお越しいただき、受付にてお名前をお伝えください。
■お申し込み方法:
※当教室は、一般の方にご自宅で作っていただくことを趣旨とした教室です。
製菓や料理のお仕事をしておられる方、食品会社で企画・開発をしておられる方など、
業界の方の場合は、その旨をお書き添えの上、お申し込みください。
★賛助会員の方:事務局までメールにてお申し込みください。
★賛助会員入会をご希望の方:
1. 入会案内および会員規約をお読みください。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/sign-up
2. お申し込みは下のフォームからお願いします。
「入会ならびに講演会出席のお問い合わせ」を選択いただき、
「通信」欄に「10/23スイーツ教室参加希望」とご記入ください。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/contact
★一般(会員以外の方)で、教室参加のみご希望の方:
下のフォームからお申し込みください。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/lesson-a
■その他:
・予約制です。当日参加はできません。開場・受付は、レッスン開始時間の15分前からです。
・お申し込み後、キャンセルされる場合は、10月19日(木)までに ご連絡ください。
10月20日(金)以降のキャンセルは、参加費の半額をキャンセル料金としていただきますので、予めご了承ください。
・実習室で作ったもの以外の飲食はできません。ご自宅で作ったお料理やお菓子などの持ち込みはできませんのでご注意ください。
・皆さまで実習と試食を行っていただきますので、香水などのフレグランスはお控えください。
●―○―●―○―●―○―●―○―●―○―●―○―●―○
2017年09月03日 (日)
<イヌイットの伝統的食生活とスーパー糖質制限食>
高雄病院が1999年から推奨している「糖質制限食」は、現代では一風変わった食事と思われています。
しかし人類の進化の歴史から考察すると、実は糖質制限食こそが、人類本来の食事であり、人類の健康食なのです。
諸説はありますが、共通祖先から、人類とチンパンジーが分かれて誕生したのが約700万年前です。
そして、農耕開始が約1万年前です。
すなわち人類誕生から農耕開始までの700万年間は、狩猟・採集で栄養成分を得ていて、
穀物はありませんので、人類は皆、糖質制限食を食べていました。
それほどの長期間、人類は突然変異を繰り返しながら進化し、消化・生理・代謝などのシステムを完成させたのですから、
人体は糖質制限食に特化して、適合しています。
さて近代までスーパー糖質制限食に近い伝統的食生活を長期間続けてきた民族といえば、イヌイットが思い浮かびます。
4000年前、すでにカナダ極北やアラスカに、人類(モンゴロイド)が進出し居住していました。
現在のイヌイット文化と同様の生活様式をしていたとは、必ずしも言えませんが、
セイウチ猟など狩猟や漁労を主な生業としていたようです。
現在のイヌイットの生活様式の原形ですが、まず10世紀ごろ、
アラスカのイヌイットでホッキョククジラが主食の時代が始まりました。
その後200〜300年間で、他の極北周囲地域、西はシベリア北東端のチュコト半島、
東はグリーンランドまで、ホッキョククジラ漁が広まりました。
この文化は、「チューレ文化」と呼ばれています。
その後、12世紀から17世紀にかけて極北地域に寒冷化が起こり、
それまで豊富だったクジラが少なくなりました。
そのためクジラ以外のものを主食とせざるを得なくなり、
各地域でチューレ文化は多様化して、独自の文化が形成されていきました。
イヌイットといえば誰でもイメージするような、アザラシ猟をして雪の家に住むという文化は、
15世紀ごろに形成された生活様式です。
ホッキョクイワナ、アザラシ、シロイルカ、カリブーといった魚や動物がイヌイットの主食となっていきました。
このころは、穀物など一切なしの究極の「スーパー糖質制限食」です。
そして1900年代初頭までは、この伝統的食生活、つまりスーパー糖質制限食が保たれていました
グリーンランドで伝統的食生活を保っていたころのイヌイットの3大栄養素摂取比率は、
約377gのタンパク質(1508kcal、47.1%)、
約59gの炭水化物(236kcal、7.4%)、
約162gの脂質(1458kcal、45.5%)
で合計3202kcalであり、まさにスーパー糖質制限食でした。
これは1855年の成人イヌイットの食事をバングらが試算したデータです。
この頃のイヌイットが摂取していた炭水化物は、海藻類、植物の根、短い夏にとれるベリー類、葉などです。
それが1976年の調査では、「たんぱく質:23%、炭水化物:38%、脂質:39%」に変化しました(*)。
約120年の間に、炭水化物の摂取比率が5倍に急上昇したことが分かります。
<交易による伝統的食生活の崩壊>
1910年代ごろになると、ハドソン湾会社(17世紀から19世紀後半、カナダの毛皮通商を独占したイギリスの特許会社。現在はカナダ最大の小売企業グループ)などの交易会社や個人営業の交易商が、
毛皮交易のために北ケベックに進出し、各地に交易所が設置されていきました。
1940年代までは、ホッキョクギツネの毛皮が主たる交易品でした。
イヌイットは、ホッキョクギツネの毛皮交易で、小麦粉、砂糖、ビスケット、紅茶、ラードなどを購入しました。
小麦粉とふくらし粉とラードで、無発酵パンの「バノク」を作り、
今では食生活になくてはならないものとして定着しました。
これが、この地域のイヌイットの穀物摂取の始まりと考えられます。
バノクや紅茶は、スコットランド系の捕鯨者や、ハドソン湾会社の交易商がイヌイットの間に持ち込んだ習慣であり、
1920年代ごろから急速に広まったと推測されます。
<生活習慣の変化がもたらしたもの>
このように欧米人との交流が徐々に盛んになるにつれ、平均余命が延び、
がんについては異なるパターンを示すようになりました。
まず、一つ目の大きな変化は、1920年代、
ヘルペスウイルスの仲間である「EBウイルス」が外部からイヌイット社会に持ち込まれたことによって起きました。
免疫がなかったことと民族的特性により、EBウイルスによる鼻とのど、そして唾液腺のがんが急速に増えたのです。
1930年代には欧米人との接触によって結核が極北の各地で蔓延し、
多数のイヌイットの命を奪い、人口が激減しました。
二つ目の大きな変化は、交流が活発になり40〜50年が経過した50年代から顕著になりました。
たばこや飲酒、食事など生活習慣と関係のあるがん(肺がん、大腸がん、乳がんなど)が増加してきたのです。
アルコール、たばこ、麻薬はかつてイヌイット社会になかったものですが、
外部から持ち込まれて急速に浸透していき、人々を苦しめ大きな影を落とすこととなりました。
<イヌイット定住化政策による都市化、欧米化>
1950年代に入ると、カナダ政府の定住化政策もあり、北ケベックのイヌイットは、
急速な社会変動と食生活の変化を経験しました。
都市化、欧米化の進行です。
1993年、カナダ・マギル大学の先住民栄養環境研究センターの調査によれば、
イヌイットの若者は、ハンバーガー、ピザ、ポテトチップス、コーラ、ガム、チョコレートを好み、
摂取カロリーの大半が、これら糖質を大量に含むジャンクフ−ドでした。
このような食生活の変化により、疾病構造も急速に変化していきました。
かつて、極めて少なかった心筋梗塞(こうそく)や糖尿病が、
米国やカナダの他民族を上回るほど増えてしまったのです。
参考:
(*)Am.J.Clin.Nutr.33:2657-2661.1980.
The composition of the Eskimo food in northwestern Greenland1’2
H. 0. Bang, M.D., Ph.D., J. Dyerberg, M.D., Ph.D., and
H. M. Sinclair, Prof, D.M., D. Sc., FR. C.P.
参考
(**)
岸上伸啓「イヌイット−『極北の狩猟民』のいま」(中央公論新社、2005年)、
岸上伸啓「極北の民カナダ・イヌイット」(弘文堂、1998年)
高雄病院が1999年から推奨している「糖質制限食」は、現代では一風変わった食事と思われています。
しかし人類の進化の歴史から考察すると、実は糖質制限食こそが、人類本来の食事であり、人類の健康食なのです。
諸説はありますが、共通祖先から、人類とチンパンジーが分かれて誕生したのが約700万年前です。
そして、農耕開始が約1万年前です。
すなわち人類誕生から農耕開始までの700万年間は、狩猟・採集で栄養成分を得ていて、
穀物はありませんので、人類は皆、糖質制限食を食べていました。
それほどの長期間、人類は突然変異を繰り返しながら進化し、消化・生理・代謝などのシステムを完成させたのですから、
人体は糖質制限食に特化して、適合しています。
さて近代までスーパー糖質制限食に近い伝統的食生活を長期間続けてきた民族といえば、イヌイットが思い浮かびます。
4000年前、すでにカナダ極北やアラスカに、人類(モンゴロイド)が進出し居住していました。
現在のイヌイット文化と同様の生活様式をしていたとは、必ずしも言えませんが、
セイウチ猟など狩猟や漁労を主な生業としていたようです。
現在のイヌイットの生活様式の原形ですが、まず10世紀ごろ、
アラスカのイヌイットでホッキョククジラが主食の時代が始まりました。
その後200〜300年間で、他の極北周囲地域、西はシベリア北東端のチュコト半島、
東はグリーンランドまで、ホッキョククジラ漁が広まりました。
この文化は、「チューレ文化」と呼ばれています。
その後、12世紀から17世紀にかけて極北地域に寒冷化が起こり、
それまで豊富だったクジラが少なくなりました。
そのためクジラ以外のものを主食とせざるを得なくなり、
各地域でチューレ文化は多様化して、独自の文化が形成されていきました。
イヌイットといえば誰でもイメージするような、アザラシ猟をして雪の家に住むという文化は、
15世紀ごろに形成された生活様式です。
ホッキョクイワナ、アザラシ、シロイルカ、カリブーといった魚や動物がイヌイットの主食となっていきました。
このころは、穀物など一切なしの究極の「スーパー糖質制限食」です。
そして1900年代初頭までは、この伝統的食生活、つまりスーパー糖質制限食が保たれていました
グリーンランドで伝統的食生活を保っていたころのイヌイットの3大栄養素摂取比率は、
約377gのタンパク質(1508kcal、47.1%)、
約59gの炭水化物(236kcal、7.4%)、
約162gの脂質(1458kcal、45.5%)
で合計3202kcalであり、まさにスーパー糖質制限食でした。
これは1855年の成人イヌイットの食事をバングらが試算したデータです。
この頃のイヌイットが摂取していた炭水化物は、海藻類、植物の根、短い夏にとれるベリー類、葉などです。
それが1976年の調査では、「たんぱく質:23%、炭水化物:38%、脂質:39%」に変化しました(*)。
約120年の間に、炭水化物の摂取比率が5倍に急上昇したことが分かります。
<交易による伝統的食生活の崩壊>
1910年代ごろになると、ハドソン湾会社(17世紀から19世紀後半、カナダの毛皮通商を独占したイギリスの特許会社。現在はカナダ最大の小売企業グループ)などの交易会社や個人営業の交易商が、
毛皮交易のために北ケベックに進出し、各地に交易所が設置されていきました。
1940年代までは、ホッキョクギツネの毛皮が主たる交易品でした。
イヌイットは、ホッキョクギツネの毛皮交易で、小麦粉、砂糖、ビスケット、紅茶、ラードなどを購入しました。
小麦粉とふくらし粉とラードで、無発酵パンの「バノク」を作り、
今では食生活になくてはならないものとして定着しました。
これが、この地域のイヌイットの穀物摂取の始まりと考えられます。
バノクや紅茶は、スコットランド系の捕鯨者や、ハドソン湾会社の交易商がイヌイットの間に持ち込んだ習慣であり、
1920年代ごろから急速に広まったと推測されます。
<生活習慣の変化がもたらしたもの>
このように欧米人との交流が徐々に盛んになるにつれ、平均余命が延び、
がんについては異なるパターンを示すようになりました。
まず、一つ目の大きな変化は、1920年代、
ヘルペスウイルスの仲間である「EBウイルス」が外部からイヌイット社会に持ち込まれたことによって起きました。
免疫がなかったことと民族的特性により、EBウイルスによる鼻とのど、そして唾液腺のがんが急速に増えたのです。
1930年代には欧米人との接触によって結核が極北の各地で蔓延し、
多数のイヌイットの命を奪い、人口が激減しました。
二つ目の大きな変化は、交流が活発になり40〜50年が経過した50年代から顕著になりました。
たばこや飲酒、食事など生活習慣と関係のあるがん(肺がん、大腸がん、乳がんなど)が増加してきたのです。
アルコール、たばこ、麻薬はかつてイヌイット社会になかったものですが、
外部から持ち込まれて急速に浸透していき、人々を苦しめ大きな影を落とすこととなりました。
<イヌイット定住化政策による都市化、欧米化>
1950年代に入ると、カナダ政府の定住化政策もあり、北ケベックのイヌイットは、
急速な社会変動と食生活の変化を経験しました。
都市化、欧米化の進行です。
1993年、カナダ・マギル大学の先住民栄養環境研究センターの調査によれば、
イヌイットの若者は、ハンバーガー、ピザ、ポテトチップス、コーラ、ガム、チョコレートを好み、
摂取カロリーの大半が、これら糖質を大量に含むジャンクフ−ドでした。
このような食生活の変化により、疾病構造も急速に変化していきました。
かつて、極めて少なかった心筋梗塞(こうそく)や糖尿病が、
米国やカナダの他民族を上回るほど増えてしまったのです。
参考:
(*)Am.J.Clin.Nutr.33:2657-2661.1980.
The composition of the Eskimo food in northwestern Greenland1’2
H. 0. Bang, M.D., Ph.D., J. Dyerberg, M.D., Ph.D., and
H. M. Sinclair, Prof, D.M., D. Sc., FR. C.P.
参考
(**)
岸上伸啓「イヌイット−『極北の狩猟民』のいま」(中央公論新社、2005年)、
岸上伸啓「極北の民カナダ・イヌイット」(弘文堂、1998年)
2017年09月02日 (土)
【セカンドミールイフェクト
江部先生こんにちは。
一般内科医ですが質問させていただけませんか?
先日糖尿病の勉強会で講師の先生が、
『早朝には成長ホルモンやステロイドホルモンなどインスリンと拮抗するホルモンが分泌され、血糖値が上がりやすくなっている。そのため朝食を抜くことなくとることによりインスリンを分泌させることがたいせつだ。そして朝食をとることによりsecond meal effect が発揮され昼食後の血糖上昇が、朝食を抜いた時より抑えられる』と話されました。
インスリンを出させるために食事をとると言ったって普通の糖尿病食では糖質をかなりとることになるのでそれ自体血糖を上昇させると思うのですが、1日2回食なら朝食抜きで昼夜2回の食事を勧めておられる先生のご意見をお聞かせください。
また明け方糖新生により血糖が上昇してしまう暁現象と成長ホルモンなどのホルモン分泌は関係があるのでしょうか?
よろしくお願いいたします。
2017/09/02(Sat) 01:37 | URL | 高橋日出美 | 】
こんにちは。
高橋日出美 先生から、
セカンドミールイフェクトなどについて、コメント・質問を頂きました。
ありがとうございます。
1)
仰る通り、糖尿人が、従来の糖尿病食(カロリー制限・高糖質食)を摂取すれば、
ほぼ確実に、食後血糖値のピークは、200mg/dlを超えます。
従って、昼食のセカンドミールイフェクトでインスリン分泌がよくなるとか言う以前に
朝食後の高血糖がまず確実に生じます。
また、例えセカンドミールイフェクトがあっても、
昼食で従来の糖尿病食を摂取すれば、これまた確実に食後血糖値は200mg/dlを超えます。
即ち、糖尿人が、普通に糖質を食べたら、
必ず食後高血糖を生じるというのが、生理学的事実であり、論争の余地はありません。
2)
人類は、長い間、一日2食でした。
従って、ヒトの身体は一日2食に特化して適合していると思います。
2016年11月01日 (火)の本ブログ記事
『食事回数「人類は本来、一日三食か二食かはたまた、一食か?」2016年版。』
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-3994.html
をご参照頂けば幸いです。
3)
インスリンは人体に絶対に必要なホルモンです。
1921年にカナダで初めてインスリンが抽出され、1922年から臨床に応用されました。
インスリン発見以前は、1型糖尿病で内因性インスリン分泌ゼロの場合、
平均余命は半年でした。
一方、過剰のインスリンは活性酸素を発生させて、
酸化ストレスリスクを増大させます。
酸化ストレスは、老化、がん、アルツハイマー病、パーキンソン病、
動脈硬化、糖尿病合併症など様々な病気に悪影響を与えます。
4)
インスリン分泌が必要最低限ですむ食生活が、糖質制限食です。
スーパー糖質制限食なら、酸化ストレスリスクが極めて少なくて、
上述の様々な病気を予防できるので、とても好ましい食生活です。
5)
明け方に増える<成長ホルモン、副腎皮質ホルモン>が糖新生を促し暁現象に関係しています。
正常人は、すみやかにインスリンが分泌されて血糖値を調整するので暁現象はありません。
糖尿人は、インスリン作用がスムースでないので、
<成長ホルモン、副腎皮質ホルモン>に対抗できず、暁現象を生じます。
2015年01月03日 (土)の本ブログ記事
『暁現象と糖新生とメトグルコ』
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-3236.html
をご参照頂けば幸いです。
江部康二
追記
2017年9月2日(土)
MBSテレビ 9:25 せやねん!
▽続々登場!糖質オフ最前線
に、写真入りで、私がちょっと登場して解説しました。
私は診療中なので、見ることができませんでした。
前日に電話取材ということで、なかなか慌ただしいことでした。
江部先生こんにちは。
一般内科医ですが質問させていただけませんか?
先日糖尿病の勉強会で講師の先生が、
『早朝には成長ホルモンやステロイドホルモンなどインスリンと拮抗するホルモンが分泌され、血糖値が上がりやすくなっている。そのため朝食を抜くことなくとることによりインスリンを分泌させることがたいせつだ。そして朝食をとることによりsecond meal effect が発揮され昼食後の血糖上昇が、朝食を抜いた時より抑えられる』と話されました。
インスリンを出させるために食事をとると言ったって普通の糖尿病食では糖質をかなりとることになるのでそれ自体血糖を上昇させると思うのですが、1日2回食なら朝食抜きで昼夜2回の食事を勧めておられる先生のご意見をお聞かせください。
また明け方糖新生により血糖が上昇してしまう暁現象と成長ホルモンなどのホルモン分泌は関係があるのでしょうか?
よろしくお願いいたします。
2017/09/02(Sat) 01:37 | URL | 高橋日出美 | 】
こんにちは。
高橋日出美 先生から、
セカンドミールイフェクトなどについて、コメント・質問を頂きました。
ありがとうございます。
1)
仰る通り、糖尿人が、従来の糖尿病食(カロリー制限・高糖質食)を摂取すれば、
ほぼ確実に、食後血糖値のピークは、200mg/dlを超えます。
従って、昼食のセカンドミールイフェクトでインスリン分泌がよくなるとか言う以前に
朝食後の高血糖がまず確実に生じます。
また、例えセカンドミールイフェクトがあっても、
昼食で従来の糖尿病食を摂取すれば、これまた確実に食後血糖値は200mg/dlを超えます。
即ち、糖尿人が、普通に糖質を食べたら、
必ず食後高血糖を生じるというのが、生理学的事実であり、論争の余地はありません。
2)
人類は、長い間、一日2食でした。
従って、ヒトの身体は一日2食に特化して適合していると思います。
2016年11月01日 (火)の本ブログ記事
『食事回数「人類は本来、一日三食か二食かはたまた、一食か?」2016年版。』
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-3994.html
をご参照頂けば幸いです。
3)
インスリンは人体に絶対に必要なホルモンです。
1921年にカナダで初めてインスリンが抽出され、1922年から臨床に応用されました。
インスリン発見以前は、1型糖尿病で内因性インスリン分泌ゼロの場合、
平均余命は半年でした。
一方、過剰のインスリンは活性酸素を発生させて、
酸化ストレスリスクを増大させます。
酸化ストレスは、老化、がん、アルツハイマー病、パーキンソン病、
動脈硬化、糖尿病合併症など様々な病気に悪影響を与えます。
4)
インスリン分泌が必要最低限ですむ食生活が、糖質制限食です。
スーパー糖質制限食なら、酸化ストレスリスクが極めて少なくて、
上述の様々な病気を予防できるので、とても好ましい食生活です。
5)
明け方に増える<成長ホルモン、副腎皮質ホルモン>が糖新生を促し暁現象に関係しています。
正常人は、すみやかにインスリンが分泌されて血糖値を調整するので暁現象はありません。
糖尿人は、インスリン作用がスムースでないので、
<成長ホルモン、副腎皮質ホルモン>に対抗できず、暁現象を生じます。
2015年01月03日 (土)の本ブログ記事
『暁現象と糖新生とメトグルコ』
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-3236.html
をご参照頂けば幸いです。
江部康二
追記
2017年9月2日(土)
MBSテレビ 9:25 せやねん!
▽続々登場!糖質オフ最前線
に、写真入りで、私がちょっと登場して解説しました。
私は診療中なので、見ることができませんでした。
前日に電話取材ということで、なかなか慌ただしいことでした。
2017年09月01日 (金)
こんばんは。
実は一般にはあまり知られていませんが、
大腸は、酢酸、プロピオン酸、酪酸などの「短鎖脂肪酸」を
ほぼ唯一のエネルギー源としています。(注1)。
『大腸の細胞のエネルギー源は、短鎖脂肪酸のみである』
このことの意味を、考えてみます。
短鎖脂肪酸は食材では酢かバターくらいにしか含まれていません。
バターや酢だけでは、食材からの短鎖脂肪酸補充は、
大腸のエネルギー源としては到底足りません。
そうすると、短鎖脂肪酸を人体内で自ら作成するしかありません。
つまり、
体脂肪を分解して作る血中にある短鎖脂肪酸および
大腸内の腸内細菌が、食物繊維を餌にして産生する短鎖脂肪酸が
ヒトの大腸細胞のエネルギー源となっているということです。
大腸細胞で利用せずに余った短鎖脂肪酸は、
吸収されて全身の臓器のエネルギー源となります。
「食物繊維から腸内細菌が産生する短鎖脂肪酸が、大腸細胞のエネルギー源になる」
というのは、少なくとも現世人類全てにおいて共通の生理学的事実と考えられます。
血液中には、脂肪の分解物の短鎖脂肪酸の1種、
βヒドロキシ酪酸(ケトン体の1種でもある)がありますが、
それに加えて、
酪酸菌、ビフィズス菌などの腸内細菌が、活躍してくれてます。
このヒト腸内の大腸のエネルギー源となる短鎖脂肪酸は、
主として酪酸と考えられます。
大腸内の酪酸菌が、食物繊維を餌にして酪酸を生産しています。
ヒトにおいて、食物繊維の摂取が極めて重要ということになります。
つまり食物繊維は、ヒトと腸内細菌にとって必須なのです。
食物繊維は、水に溶けにくい不溶性食物繊維と、
水に溶ける水溶性食物繊維の2種類に分類されます
腸内細菌が食べる食物繊維は、水溶性食物繊維だと考えてほぼ間違いありません。
糖質制限食では、野菜、海藻、キノコ、大豆製品などから食物繊維を摂取でき、
特に水溶性食物繊維はアボカド、オクラ、こんにゃく、納豆などに多く含まれています。
(注1)
清水健一郎「治療に活かす!栄養療法 はじめの一歩」181ページ、2011年、羊土社
江部康二
実は一般にはあまり知られていませんが、
大腸は、酢酸、プロピオン酸、酪酸などの「短鎖脂肪酸」を
ほぼ唯一のエネルギー源としています。(注1)。
『大腸の細胞のエネルギー源は、短鎖脂肪酸のみである』
このことの意味を、考えてみます。
短鎖脂肪酸は食材では酢かバターくらいにしか含まれていません。
バターや酢だけでは、食材からの短鎖脂肪酸補充は、
大腸のエネルギー源としては到底足りません。
そうすると、短鎖脂肪酸を人体内で自ら作成するしかありません。
つまり、
体脂肪を分解して作る血中にある短鎖脂肪酸および
大腸内の腸内細菌が、食物繊維を餌にして産生する短鎖脂肪酸が
ヒトの大腸細胞のエネルギー源となっているということです。
大腸細胞で利用せずに余った短鎖脂肪酸は、
吸収されて全身の臓器のエネルギー源となります。
「食物繊維から腸内細菌が産生する短鎖脂肪酸が、大腸細胞のエネルギー源になる」
というのは、少なくとも現世人類全てにおいて共通の生理学的事実と考えられます。
血液中には、脂肪の分解物の短鎖脂肪酸の1種、
βヒドロキシ酪酸(ケトン体の1種でもある)がありますが、
それに加えて、
酪酸菌、ビフィズス菌などの腸内細菌が、活躍してくれてます。
このヒト腸内の大腸のエネルギー源となる短鎖脂肪酸は、
主として酪酸と考えられます。
大腸内の酪酸菌が、食物繊維を餌にして酪酸を生産しています。
ヒトにおいて、食物繊維の摂取が極めて重要ということになります。
つまり食物繊維は、ヒトと腸内細菌にとって必須なのです。
食物繊維は、水に溶けにくい不溶性食物繊維と、
水に溶ける水溶性食物繊維の2種類に分類されます
腸内細菌が食べる食物繊維は、水溶性食物繊維だと考えてほぼ間違いありません。
糖質制限食では、野菜、海藻、キノコ、大豆製品などから食物繊維を摂取でき、
特に水溶性食物繊維はアボカド、オクラ、こんにゃく、納豆などに多く含まれています。
(注1)
清水健一郎「治療に活かす!栄養療法 はじめの一歩」181ページ、2011年、羊土社
江部康二
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