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朝日カルチャーセンター京都教室。糖質制限と生活習慣病。9/5(火)。
こんばんは。

2017年9月5日(火) 15:00-16:30
朝日カルチャーセンター京都教室にて
糖質制限食の講座の講師をつとめます。

糖質制限と生活習慣病
加速する“脱”糖質潮流の正しい知識


京都教室では久しぶりの糖質制限食講座です。
この1年、糖質制限食の展開において大きな発展があり
いい意味のサプライズもありました。

2016年7月のNHKクローズアップ現代の試算によれば、
糖質制限市場は、3184億円とのことです。
医学界より、企業のほうが糖質制限食をビジネスチャンスと捉えて
行動が迅速なようです。

一方、医学界においても、嬉しいサプライズです。
2017年2月7日(火)午後から、東京大学医学部に行ってきました。
渡邊昌先生、門脇孝先生、江部康二の3人で鼎談を行いました。
二人で話し合うのが対談で、三人で話し合うのが鼎談です。
渡邊昌先生は、医学雑誌「医と食」の編集長です。
門脇孝先生は、
一般社団法人 日本糖尿病学会 理事長
であり、
東京大学大学院医学系研究科糖尿病・代謝内科教授
です。

日本糖尿病学会のトップとじっくり話し合うことができて、
とても有意義な90分間でした。

ケトン体に関しても「心血管イベント,および全死亡の発症率を低下」という
とてもポジティブな評価を示す研究が最近発表され、
糖質制限食にとって大きな追い風となりました。

このような、糖質制限食に関する最新の動向を、
本講座において余すこと無くお話ししたいと思います。
京都、関西方面の皆さん、是非奮って、ご参加頂けば幸いです。


江部康二



☆☆☆
以下、朝日カルチャーセンター京都教室のサイトから転載です。


糖質制限と生活習慣病
加速する“脱”糖質潮流の正しい知識


講師名 高雄病院理事長 江部 康二

講座内容
糖糖質制限食は、1999年から京都・高雄病院において糖尿病治療食として開始され、
合併症を予防できる唯一の食事療法として画期的な成果をあげてきました。
この課程で、肥満・メタボなどの生活習慣病にも有効ということが判明しました。
従来の糖尿病食(カロリー制限・高糖質食)では、必ず食後高血糖を生じるので、合併症の予防は困難です。
糖質制限食の実践により、様々な生活習慣病(片頭痛やニキビ・・・など)も改善します。
言い換えれば、生活習慣病とは、糖質の頻回過剰摂取が引き起こす現代病と言えます。
2016年、糖質制限市場が3000億円を超えたと試算されました。
いよいよ“脱”糖質時代の幕開けです。

日時・期間 火曜 15:00-16:30

日程 2017年 9/5


受講料(税込み)
会員 3,024円
一般 3,564円

注意事項
教材として資料をお配りする場合は、随時実費をいただきます。

お申し込み
https://www.asahiculture.jp/kyoto/course/6f1082eb-70bf-d593-603c-5915b53a7534
電話:075-231-9693

講師紹介
江部 康二 (エベ コウジ)
<プロフィール>
・ 1950年生まれ。
・ 1974年京都大学医学部卒業。
・ 1974年から京都大学胸部疾患研究所第一内科(現在京大呼吸器内科)
にて呼吸器科を学ぶ。
・ 1978年から高雄病院に医局長として勤務。1996年副院長就任。
・1999年高雄病院に糖質制限食導入。
・2000年理事長就任。
・ 2001年から糖質制限食に本格的に取り組む。
・2002年に自ら糖尿病であると気づいて以来、さらに糖尿病治療の研究に力を 注ぎ、
「糖質制限食」の体系を確立。これにより自身の糖尿病を克服。
内科医/漢方医/
一般財団法人高雄病院理事長/一般社団法人日本糖質制限医療推進協会理事長

<著書>
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』2005年(東洋経済新報社)
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編』2008年(東洋経済新報社)
『我ら糖尿人、元気なのにはわけがある』2009年(東洋経済新報社・作家宮本 輝氏との対談本)
『糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食』2010年(ナツメ社)
『主食をやめると健康になる』2011年(ダイヤモンド社)
『食品別糖質量ハンドブック』2012年(洋泉社)
『糖質オフ!健康法』2012年(PHP文庫)
『糖尿病治療のための!糖質制限食パーフェクトガイド』2013年(東洋経済新 報社)
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!新版』2014年(東洋経済新報社)
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!2 実践編 新版』2014年(東洋経済新報社)
『炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません』2014年(東洋経済新報社)
『江部先生、「糖質制限は危ない」って本当ですか? 』 2015年(洋泉社)
『なぜ糖質制限をすると糖尿病が良くなるのか』2015年(ナツメ社)
『糖質制限の教科書』2015年(洋泉社)監修
『よくわかる! すぐできる! 「 糖質オフ! 」健康法 』2016年(PHP研究所)
『人類最強の「糖質制限」論~ケトン体を味方に して痩せる、健康になる』2016年(SB新書)
『外食でやせる!』2017年(毎日新聞出版)
『江部康二の糖質制限革命』2017年(東洋経済新報社)
など多数。

ブログ『ドクター江部の糖尿病徒然日記( http://koujiebe.blog95.fc2.com/
は日に約6000~7000件のアクセスがあり、
糖尿病のかたやそのご家族から寄せられ た質問への回答や、
糖尿病・糖質制限食に関する 情報の発信に、日々尽力している。
糖質制限食実践中に生じることがある好ましくない症状「足の疲れ」について
【17/08/03 ちょび
足の疲れについて
江部先生こんにちは。
ブログいつも楽しく拝見させていただいています。

私は糖質制限をはじめて2週間ていどなのですが、
最近長めの階段をのぼるとものすごく足が疲れます。
長時間スクワットしたような感覚で、
階段の最後の方になると無理やり足を持ち上げないと上がれないくらいです。
激しい運動をすると筋肉のグリコーゲンが消費されるという話を聞いたので、
同じ現象かなと思うのですが、認識は合っておりますでしょうか。
また糖質制限を続けながら、この筋肉の疲れを防止するための方法はありますか?

ちなみに糖質量は60g程度に抑えており、
タンパク質やその他の栄養も比較的きちんと取れている方だと思います。】


こんばんは。

ちょびさんから糖質制限をはじめて2週間ていどで
階段をのぼるとすごく足が疲れるというコメントを頂きました。

「足の疲れ」「筋力低下」「全身倦怠」「ヘロヘロ感」なども
糖質制限食実践中に生じることがある好ましくない症状で、
比較的よくあります。
まあ、よくあるといっても、数%以下の頻度ですが・・・。


これらの症状を訴えた患者さん、高雄病院の応管理栄養士が面談して、
食事を詳細に検討しました。

その結果、ほぼ全員が摂取エネルギー不足でした。

例えば、男性で1200~1400kcal/日とか女性では1000~1200kcal/日とかです。

糖質制限食の範疇で、脂質とタンパク質を充分量摂取して、
摂取エネルギーを増やして厚生労働省のいう標準必要エネルギーを満たして貰うと、
皆さん「全身倦怠感、筋力低下、痩せ過ぎ」は速やかに改善しました。

実際、ご高齢で少食タイプの場合、
高雄病院給食のスーパー糖質制限食「約500kcal」を食べきれない人が時々おられます。
これでは一日の摂取エネルギーが1200~1400kcalしかなくて、
結果として「カロリー制限食」になってしまっています。

このような少食タイプの場合は、間食にチーズ、ナッツ、少量の果物を摂っていただき、
料理にもオリーブオイルやエゴマ油やココナッツオイルなどを積極的に使って、
兎に角摂取エネルギーを増やすことが、唯一の解決策です。


あと、とくに少食ではないのだけど、長年の習慣と思いこみで、
<糖質制限+脂質制限>を無意識レベルで実践してしまう人があります。

糖質制限食実践においては、脂質やタンパク質は充分量摂取するのが前提なのに
この場合は、タンパク質、葉野菜、海藻、茸・・・とかばかり食べるので
結果として摂取エネルギー不足になります。

刺身や焼き魚や鶏肉のササミや豆腐などタンパク質が多い食材は、
かなりの低カロリー食材なのです。
このような<糖質制限+脂質制限>でヘロヘロになった方は、
脂質をしっかり摂取していただけばエネルギー不足はたちどころに解決です。
特に動物性脂肪が豊富な食材をしっかり摂取するのが一番いいです。
糖質制限で減少したエネルギー分は、脂質でしっかり補わなう必要があるのです。

NHKクローズアップ現代 2012年8月30日(木)放送
http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail02_3239_all.html

糖質制限食成功例として、藪田亜矢子さんが登場したあと、自分で勝手に糖質制限食をして、
失敗したという男性が出演されました。

『長年、糖尿病に悩んでいたこの男性。2011年、自己流で糖質制限を始めました。
「ごはん類とパン類を一切なくした食事です。」
糖質をほとんどとらなくなったことで、
食事のカロリーは以前の3分の1にまで減りました。
2か月で血糖値の指標は大幅に改善しました。
ところがその後、体調が悪化。
足の筋力が衰え、手すりをつかまないと階段も上れなくなりました。』

この男性、典型的な<糖質制限+脂質制限>例です。

摂取カロリーが以前の1/3に減少ということですので、
極端なカロリー制限の結果、
『足の筋力が衰え、手すりをつかまないと階段も上れなくなりました。』
ということです。


これは糖質制限食による筋力低下ではなく、カロリー不足による筋力低下です。


①でも②でもない場合、特に女性で潜在的鉄不足があると
糖質を制限して、<脂肪酸-ケトン体>エネルギーシステムを活性化させようとしても
鉄不足のために、クエン酸回路がうまく回らず、
ATPというエネルギー通貨が利用しにくい状況になります。
こうなると、糖質制限して、しっかりカロリーも摂っているのに、
筋肉がとても疲れやすいという状況になりえます。
このことは、藤川徳美著『うつ・パニックは「鉄」不足が原因だった』(光文社新書)という本の
136ページで、勉強しました。
ちょびさんが、女性なら③のパターンの可能性がありえますね。
藤川先生から、ご著書を送って頂き、とても勉強になりました。
藤川先生、ありがとうございました。
潜在的鉄不足は、「フェリチン」の検査が一番わかりやすいですが、
藤川先生によれば、日本の基準値が低すぎるのが大問題とのことです。
このあたり私も同感なので、一度、ブログ記事にしようと思います。

江部康二
糖質制限食と減量。
【17/08/01 のん
糖質制限の効果
先生こんにちは。
最近先生の著書を拝見し、ブログを拝見しております。

糖質制限食はBMI値が標準値でも
減量の効果があるのか
また下半身のサイズダウンに効果があるのか、教えていただきたいです。


私自身、健康状態は良好で、BMI値も今朝の数値で19.72です。
よく体重の増減が3kgあり、ここ約1年は3kg近く増えたままです。

先生の著書を拝見し
ダイエットだけでなく、健康維持にも糖質制限は効果があると思い
先月末からゆるく糖質制限をスタートいたしました。

主食である米飯・めん類・パンやいも類はほぼ口にしておりません。
甘いものは意識して、今までより少なくしております。

先生の過去のブログを半年ほど振り返り読ませていただきました。
BMI値が20以下で糖質制限を行われてる方・下半身痩せについての記事をお見かけしなかったので疑問に思いご質問させていただきました。

お忙しいとは存じますがお返事お待ちしております。
よろしくお願いいたします。】


こんにちは。
のんさんから、糖質制限食と減量について
コメント・質問をいただきました。

のんさん、拙著のご購入、ありがとうございます。

さて、糖質制限食で肥満の人は体重減少しますが、
痩せ過ぎの人は体重が増加します。

いずれもその人における適正体重になって落ち着きます。

1)世界ガン研究基金の報告(2007)では、ガン予防にはBMI:20~25未満 が目標。
2)ランセットの論文では欧米人はBMI:22.5~25 が総死亡率が一番低い。(*)
3)ニューイングランド・ジャーナルの論文では、アジア人はBMI:23~27 が 
  総死亡率が一番低い。(**)



1)2)3)を考慮すれば、現在痩せすぎの人は、
少なくともBMI:20 は確保する方が、安全といえます。

ガン予防も含めると、適正体重はBMI:20~25 くらいで、
その個人の一番体調の良い体重が目標です。


のんさんの場合は、BMI:19.72と正常やせ型ですので
体重は減少しない可能性がありますし、
BMI:20くらいまで増加するかもしれません。

糖質制限食で、内臓脂肪も皮下脂肪も減少します。
下半身のサイズダウンも可能とは思いますが、
どこにどのていど脂肪がついているかで、個人差があります。

私個人は、2002年6月、167cm、67kgでメタボの基準を全て満たしていましたが、
半年間のスーパー糖質制限食で、10kgの減量に成功して、
そのまま維持して現在にいたります。
腹囲が減少して、ふっくらしていた顎から首のラインがシャープになりました。

内臓脂肪126cm2  皮下脂肪は96cm2 だったのが
10kgの減量で、
内臓脂肪は71cm2  皮下脂肪は70cm2 に減りました。
私の場合は、内臓脂肪のほうが顕著に減っていますが、
内臓脂肪と皮下脂肪のどちらがよく減るかは個人差があるようです。


現在の167cm、57kgというのは、よく動いていた学生時代の体型であり、
体調もいいです。

私においては、『167cm、57kg、BMI:20.4』が適正体重と考えられます。

学生時代や20才のころの体重も、適正体重の一つの目安ですね。


なお、糖質制限食の場合は、カロリー制限はしません。

厚生労働省のいう「推定エネルギー必要量」が目安となります。

もし、推定エネルギー必要量に足りてなければ、
必要量を摂取するようにしましょう。


「日本人の食事摂取基準」(2015年、厚生労働省)
に示す推定エネルギー必要量の範囲、
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000041955.pdf

推定エネルギー必要量(一日あたり)
              男性                  女性
15-17才        2500 2850 3150           2050 2300 2550kcal
18-29才        2300 2650  3050          1650  1950   2200
30-49才        2300 2650  3050            1750  2000  2300
50-69才        2100 2450  2800           1650  1900 2200 
70才         1850 2200  2500           1500  1750 2000

身体活動レベル    低い 普通 高い         低い  普通  高い


(*)
Prospective Studies Collaboration
PSC, Whitlock G, et al. Lancet 2009; 373: 1083–96

(**)
Zheng W, et al.N Engl J Med. 2011 Feb 24;364(8):719-29.
Association between body-mass index and risk of death in more than 1 million Asians.



江部康二
テニス合宿最終日です。
こんにちは。

今朝もオムニコート2面でテニスをしました。
3日目ともなるといろいろな筋肉が悲鳴をあげている感じで、
なかなかストロークもボレーも大変です。
まして、スマッシュなどは・・・。 (*_*)
まあ試合も練習もなんとかこなしました。

ともあれ、4日間ともテニスができて良かったです。
富士見高原のペンションには、クーラーがありません。
涼しくて快適な高原生活でした。

明日からは、猛暑の京都に帰って、日常生活に戻ります。


江部康二