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今日は「吐龍 の滝」を見に行きました。
こんにちは。

今日は朝からいい天気です。
総勢10名で、ドライブで「吐龍 の滝」を見に行きました。
清里高原道路から「吐龍 の滝」駐車場への道は幅が狭いので、
所々にすれ違い用のスペースが設けてありました。

駐車場からは、徒歩約15分で、滝に到着です。
森の中の道なので、木陰で涼しい快適な道中でした。
川辺に下りると一段とひんやりして、体感では20℃くらいかなと
思いました。

川俣川渓谷にある滝で一番綺麗だそうで、
岩を段々に下りる3本の流れが楽しめました。

昼食は、帰り道にある八ヶ岳倶楽部で食べました。
広い敷地にレストランや展示場があり、ミツバチも飼育しているそうです。
駐車スペースも広くて、50台くらい駐めてあったので、
レストランは混んでいるかと思ったのですが、比較的空いていました。
注文して料理が出てくるのも早くてゆったりした環境で、
食事を楽しむことができました。
スタッフのサービスもフレンドリーで、とても好ましかったです。(^^)
また来たくなるお店でした。
私はソーセージの盛り合わせとサラダを食べました。
しっかり糖質制限な昼食でした。 (^_^)

16:00~18:00まで、2面のオムニコートを予約してますので、
日焼け止めをたっぷり塗って、テニスに勤しみたいと思います。
昨日は、曇りと霧雨の中でのテニス2時間でしたが
今朝起きたら、両腕が日焼けしていました。
さすが標高1250mの高原です。
曇りや霧雨でも紫外線が結構あったのでしょう。

昨夜は、焼酎を呑みすぎて、朝練をさぼってしまいました。(=_=;) 
今夜は呑みすぎに注意しようと思います。


江部康二
富士見高原に来ています。
こんんちは。
2017年7月29日(土)から富士見高原に来ています。
8月1日(火)朝まで、恒例のテニス合宿です。
恒例ですが、かなり高齢化しています。
何せ、第36回テニス合宿ですから、無理もありません。
合宿で知り合ったカップルとその息子さんも来ていて、
その息子さんが最年少で22歳です。
私が67歳ですが、あとは皆似たようなものです。  

昨日は、到着してからずっと小雨と霧雨でした。
しかし、間隙をぬって、17時から18時まで、霧の中で
オムニコートを3面借りて集中的にテニスができたので
ラッキーでした。
今朝も、何とか晴れ間も出て、テニスができました。

昨夜はワインと焼酎をたくさん飲みましたが総勢16名、二日酔いもなしで
早朝からテニスの練習です。

ともあれ、富士見高原、標高1250mのペンションで、
とても涼しい夏休みを堪能しています。
気温は、17℃~23℃くらいです。

江部康二
<糖質制限食に関するお知らせ・お願い・ご注意など> 2017年7月
【本ブログのコメント・質問・記事に関するお願い】

ブログ読者の皆さんには、いつもコメントいただき、ありがとうございます。

糖質制限食に関する質問についてですが、実際に高雄病院や江部診療所に来院されて診察した患者さんに対しては、
医師としての責任・債務がありますので、個別に説明もしっかりさせて頂いていますし、フォローもしております。

一方、ブログ読者の皆さんの質問に関しては、糖質制限食に詳しい医師として、
ボランティアで回答させていただいています。

診察もしておりませんしフォローもできませんので、責任もとれません。

私の回答は、あくまでも一般論としての参考意見とお考え頂けば幸いです。

また、ブログ記事や本に関しても同様に、糖質制限食に関する一般論としての参考意見とお考え下さい。

従いまして、読者の皆さんが私の参考意見を読まれて、どのように利用されるかは、
自己責任でよろしくお願い申し上げます。m(_ _)m

そして読者の皆さんからもご意見いただきましたが、普通のお医者さんに相談可能な個人的な内容の質問は、
ご自分の主治医にご相談頂けば助かります。

またネットで簡単に検索可能なことは、ご自分でお調べください。

質問が増えてきましたので、
糖質制限食と関わりがないと判断した質問にはお答えできない場合もありますので、ご了承ください。m(_ _)m

普通のお医者さんでは解答不能の、糖質制限食に関わる質問は、
何でもどんどんしていただけば嬉しいです。 (^_^)

掲載OKの質問に関して、読者の皆さんに共有していただきたい情報の場合は、ブログ本文記事にて、
できるだけ順番にお答えしたいと思います。

質問によってはコメント欄でお早めにお答えする場合もありますのでご了承ください。

一方、質問がかなり増えてきていますので、なかなか即、お答えすることが困難となってきています。

糖質制限食に関わりのある全ての質問に、本文かコメントでお答えするようできるだけ努力はしていますが、
できないときはご容赦願います。m(_ _)m

それから、「管理人のみ閲覧できる」「匿名希望」などの質問に関しては、コメント欄にお答えするか、
一般的な話題に置き換えてブログに記載するようにしていますので、よろしくお願い申し上げます。


【糖質制限食を実践される時のご注意】

糖質制限食実践によりリアルタイムに血糖値が改善します。

このため既に、経口血糖降下剤(オイグルコン、アマリールなど)の内服やインスリン注射をしておられる糖尿人は、
減薬しないと低血糖の心配がありますので必ず主治医と相談して頂きたいと思います。


一方、薬を使用してない糖尿人やメタボ人は、低血糖の心配はほとんどないので、
自力で糖質制限食を実践して糖尿病やメタボ改善を目指していただけば幸いです。

内服薬やインスリン注射なしの糖尿人が糖質制限食を実践すると、食後高血糖は改善しますが、低血糖にはなりません。

血糖値が正常範囲である程度下がると、肝臓でアミノ酸・乳酸・グリセロール(脂肪の分解物)などから、
ブドウ糖を作るからです。

これを糖新生といいます。

診断基準を満たす膵炎がある場合、肝硬変の場合、そして長鎖脂肪酸代謝異常症は、
糖質制限食は適応となりませんのでご注意ください。

糖質制限食は相対的に高脂肪食になるので、診断基準を満たしている膵炎の患者さんには適応とならないのです。

進行した肝硬変では、糖新生能力が低下しているため適応となりません。

長鎖脂肪酸代謝異常症では、肉や魚などに含まれる長鎖脂肪酸が上手く利用できないので、適応となりません。

腎機能に関して、日本腎臓病学会編「CKD診療ガイド2013」において、eGFR60ml/分以上あれば顕性たんぱく尿の段階でも、
たんぱく質は過剰な摂取をしないという表現となっていて、制限という記載はなしです。

従いまして、糖尿病腎症第3期でも、eGFR60ml/分以上なら、糖質制限食OKです。

また、米国糖尿病学会(ADA)は

Position Statement on Nutrition Therapy(栄養療法に関する声明)
Diabetes Care 2013年10月9日オンライン版

において、糖尿病腎症患者に対する蛋白質制限の意義を明確に否定しました。

根拠はランク(A)ですので、信頼度の高いRCT研究論文に基づく見解です。

今後は、糖尿病腎症第3期以降で、eGFRが60ml/分未満の場合も、患者さんとよく相談して、糖質制限食を実践するか否か、
個別に対応することとなります。


なお、機能性低血糖症の場合、炭水化物依存症レベルが重症のとき、糖新生能力が低下していることがあり、
まれに低血糖症を生じますので注意が必要です。

また、どのような食事療法でも合う合わないがあります。

糖質制限食もその一つですので、合わないとご自分で判断されたら中止していただけば幸いです。


【糖質制限食とは】

米国糖尿病協会(ADA)の患者教育用のテキストブックLife With Diabetes(2004年版)には、以下の記載があります。

「摂取後直接血糖に影響を与えるのは糖質のみである。
糖質は速やかに吸収され、直接100%血糖に変わり、ほぼ120分以内に吸収は終了する。
蛋白質・脂質は、摂取後、直接血糖に影響を及ぼすことはない。
『炭水化物・タンパク質・脂肪はカロリーを含有している。
炭水化物だけが、血糖値に直接影響を及ぼす。』」


これらは含有エネルギーとは無関係な三大栄養素の生理学的特質です。 

1997年版のLife With Diabetes(ADA刊行)では、

「タンパク質は約半分が血糖に変わり、脂質は10%未満が血糖に変わる」

という記載がありましたが、2004年版以降は変更されています。

このように糖質、脂質、タンパク質のうち糖質だけが直接、血糖値を上昇させます。

従って、糖質を摂取した時にはインスリンが大量に追加分泌されます。

脂質を摂取しても、インスリンの追加分泌はありません。

タンパク質はごく少量のインスリンを追加分泌させます。

現在糖尿病において、食後の急激な高血糖(グルコーススパイク)が大きな問題として注目されています。

食後高血糖が、心筋梗塞や脳梗塞などの合併症を起こす危険因子として確立されたからです。

また一日における、食前・食後・空腹時など血糖値の変動幅(平均血糖変動幅)が大きいほど、
酸化ストレスが増強し動脈硬化のリスクとなることがわかってきました。

そして、食後高血糖と平均血糖変動幅増大を起こすのは、三大栄養素のなかで糖質だけなのです。

1gの糖質が、体重64kgの2型糖尿病の人の血糖値を約3mg上昇させます。

炊いた白ご飯茶碗1杯150g(252kcal)には、55.3gの糖質が含まれており、血糖値を166mg上昇させます。

一方、和牛サーロインステーキ(脂身つき)を200g(約1000キロカロリー)食べても、
糖質含有量は1gもないので、食後血糖は3mg未満の上昇しかないのです。 

なお、1gの糖質が体重64kgの1型糖尿病の人の血糖値を5mg上昇させます。

糖質制限食の基本的な考え方は、上述のような生理学的事実をベースに、
できるだけ糖質の摂取を低く抑えて、食後高血糖を防ぐというものです。

簡単に言えば、主食を抜いておかずばかり食べるというイメージになります。

抜く必要がある主食とは 、米飯・めん類・パンなどの米・麦製品や芋類など糖質が主成分のものです。

3食主食抜きのスーパー糖質制限食(糖質12%、タンパク質32%、脂質56%)なら、
薬に頼ることなく速やかにリアルタイムで良好な血糖コントロールが可能です。

一方、上述の白ご飯とステーキの例でも明らかなように、
カロリー計算に基づいて血糖値をコントロールすることは理論的に不可能です。

従って、現行の日本糖尿病学会推薦の糖尿病食(糖質60%、タンパク質20%、脂質20%)を実践する限りは、
一日の摂取カロリーを1200キロカロリーと低く抑えたとしても、食後高血糖が必ず生じるのです。

糖尿病の改善には、カロリー制限より糖質制限ということがおわかりいただけたと思います。


なお糖質制限食は、カロリー無制限ということではありません。

日本糖尿病学会「糖尿病治療ガイド2014-2015」の

男性1400~2000kcal
女性1200~1800kcal

ほど厳しいカロリー制限は必要ありませんが、

「日本人の食事摂取基準」(2015年、厚生労働省)
に示す推定エネルギー必要量の範囲、
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000041955.pdf

推定エネルギー必要量(一日あたり)
              男性                  女性
15-17才        2500 2850 3150           2050 2300 2550kcal
18-29才        2300 2650  3050          1650  1950   2200
30-49才        2300 2650  3050            1750  2000  2300
50-69才        2100 2450  2800           1650  1900 2200 
70才          1850 2200  2500            1500  1750 2000

身体活動レベル    低い 普通 高い         低い  普通  高い

くらいが目安です。


そして2013年に糖尿病食事療法に関して画期的な変化がありました。

米国糖尿病学会が、
2013年10月発表の『栄養療法に関する声明』において、
全ての糖尿病患者に適した唯一無二の治療食は存在しないと明記したのです。

これはそのまま、1969年の食品交換表第2版以降一貫して、糖尿病治療食として、
唯一無二の「カロリー制限・高糖質食」を推奨し続けている日本糖尿病学会への痛烈な批判となっています。

さらに、米国糖尿病学会は『栄養療法に関する声明2013』において
地中海食、ベジタリアン食、DASH食、低脂質食などと共に
「糖質制限食」も正式に受容しました。
このことは糖質制限食を推進する私達にとって、大変大きな追い風となりました。

なお、門脇孝日本糖尿病学会理事長によれば
東大病院では、2015年4月から、糖質40%の糖質制限食を供給しているそうです。
また門脇孝東大糖尿病・代謝内科教授ご自身も、緩やかな糖質制限食を実践されているとのことです。
2016/7/1(金)
東洋経済オンライン 
http://toyokeizai.net/articles/-/125237



<江部康二著 参考図書>


理論
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!糖質制限食のすすめ」2005年
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」2008年
「我ら糖尿人、元気なのには理由がある。」2009年 宮本輝先生との対談本
「やせる食べ方」2010年
「うちの母は糖尿人」2010年 監修:江部康二 著:伊藤きのと
(東洋経済新報社)
「糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食」2010年(ナツメ社)
腹いっぱい食べて楽々痩せる『満腹ダイエット』 (ソフトバンク新書)2011年
「主食をやめると健康になる」(ダイヤモンド社)2011年
「血糖コントロールの新常識! 糖質制限 完全ガイド」 (別冊宝島)2012年
「食品別糖質量ハンドブック」2012年(洋泉社)、
「糖質オフ!健康法」(PHP文庫)2012年
「主食を抜けば糖尿病はよくなる!糖質制限食のすすめ」(文春文庫)2012年
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」(文春文庫)2012年
「女性のための糖質制限ダイエットハンドブック」2012年(洋泉社)
「糖尿病治療のための!糖質制限食パーフェクトガイド」2013年(東洋経済新報社)
「医療の巨大転換を加速する」糖質制限食と湿潤療法のインパクト
 2013年(東洋経済新報社) 夏井睦先生との対談本
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!糖質制限食のすすめ 新版」2014年(東洋経済新報社)
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!2 実践編 新版」2014年(東洋経済新報社)
「炭水化物の食べ過ぎで早死にしてはいけません」2014年(東洋経済新報社)
一生太らない「やせる! 食べ方」2014年 (PHP文庫)
江部先生、「糖質制限は危ない」って本当ですか?2015年(洋泉社)
「なぜ糖質制限をすると糖尿病が良くなるのか」2015年(ナツメ社)
「糖質制限の教科書」2015年(洋泉社)監修
「人類最強の糖質制限論」2016年4月(SB新書)
「ハンディ版糖質制限の教科書」2016年4月(洋泉社)
「増補新版食品別糖質量ハンドブック」2016年6月(洋泉社)
「Dr.江部の健康食の新常識100 」(TJMOOK)2016年11月(宝島社)
マンガでわかる「糖質オフ! 」健康法2016年12月、(PHP研究所 )
外食でやせる! 「糖質オフ」で食べても飲んでも太らない体を手に入れる、2017年(毎日新聞出版)
「江部康二の糖質制限革命」2017年(東洋経済新報社)
など多数。

レシピ
「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」2006年(東洋経済新報社)
「糖質オフ」ごちそうごはん2009年(アスペクト)
dancyuプレジデントムック 「満腹ダイエット 」 2009年(プレジデント社)
「血糖値を上げない!健康おつまみ109」2010年(東洋経済新報社)
「やせる食べ方レシピ集」 2010年(東洋経済新報社)
「糖質オフダイエット 」2011年(レタスクラブ、角川マーケティング)
「誰もがストレスなくやせられる!糖質制限ダイエット」2011年(講談社)
「主食を抜けば糖尿病はよくなる」レシピ集2011年(東洋経済新報社)
高雄病院の「糖質制限」給食2012年(講談社)
糖尿病がどんどんよくなる「糖質制限食」おすすめレシピ集2012年(ナツメ社)
糖質制限の「主食もどき」レシピ2013年(東洋経済新報社)
高雄病院Dr江部が食べている「糖質制限」ダイエット2013年(講談社)
糖質オフのダイエット弁当2013年(家の光協会)
高雄病院「糖質制限給食」朝 昼 夕 14日間完全プログラム
糖尿病・肥満改善が自宅でできる! 2013年(講談社)
2週間チャレンジ! 糖質制限の太らない生活 2014年(洋泉社mook)
電子レンジで糖質オフの作りおき 2016年10月(宝島社)
「やせぐせがつく糖質オフの作りおき 」2017年(宝島社)
「高雄病院の糖質制限作りおき 」2017年(洋泉社)
「糖質制限~大人も子供も健やかになれる食事法~ in 大阪 講演会
こんにちは。

「糖質制限~大人も子供も健やかになれる食事法~ in 大阪 講演会

講演会は満員御礼、キャンセル待ちとなりました。
ありがとうございました。

交流会はあと3~4名は大丈夫です。


江部康二




おはようございます。

2017年8月6日(日) 13:20~
大阪大学中之島センターにおいて、
日本糖質制限医療推進協会主催の一年ぶりの講演会の開催です。
※開場・受付は13:00~

「糖質制限~大人も子供も健やかになれる食事法~その理論と実際」

三島塾塾長の三島学先生、
当会アドバイザーの山本心 管理栄養士(江部診療所)、
江部康二の三人の講師によるコラボ講演会です。

糖質制限で子どもが変わる! 三島塾レシピ
― 成績&集中力アップ! もう「勉強しなさい! 」は言わなくてOK
主婦の友社 (2017/6/7)
三島 学 (著), 江部 康二 (監修)


「糖質制限」が子供を救う
日本糖質制限医療推進協会( 2016/11/9)
三島 学 (著), 江部 康二 (監修)


で、おなじみの三島学塾長とは、初めて一緒に本格的に講演会をすることとなります。
山本心管理栄養士とは、札幌で一緒に講演会をしました。

三人で盛りだくさんの内容でお話しますので、
関西在住の皆さん、ブログ読者の皆さん、
是非、ご参加いただければ嬉しい限りです。

講演会の後は、近くのリーガロイヤルホテル大阪にて、
糖質制限な交流会を開催いたします。
子どもさんも参加OKですので、皆さん奮ってどうぞ。
交流会は17:30~19:30 です。
※開場・受付は17:10~



江部康二


☆☆☆
以下、事務局からのお知らせです。

***********

ブログ読者の皆様、いつも弊会のイベントへ多数ご参加いただきまして、
ありがとうございます。

8月6日(日)、大阪市内で、
「糖質制限~大人も子供も健やかになれる食事法~その理論と実際」
と題して、一般の方向けの講演会を開催いたします。

講師は、当会理事長 江部康二と、三島塾塾長の三島学先生、
当会アドバイザーの山本心 管理栄養士(江部診療所)です。

理事長は、糖質制限食が多くの良い効果をもたらす理由と仕組み、
基礎理論、これまでの歩みなどについてお話しします。

三島先生は、北九州・東京の三島塾での糖質制限の実践法や塾生の
子供たちの劇的な変化、成果をはじめ、子供の糖質制限について、
分かりやすくお話しくださいます。

山本管理栄養士は、昨秋の札幌講演会で好評いただいた内容ベースに、
実践の基本、実際に陥りやすいケース、自分にあった糖質制限を行う
ポイントなどをご説明します。

美味しく、楽しい糖質制限で、大人も子供も健やかに。各講師それぞれの
立場からお話しします。

また、講演会の後は、近くのリーガロイヤルホテル大阪にて、交流会を
開催いたします。

「オールデイダイニング リモネ」から供される、美味しいビュッフェ料理を
味わいつつ、楽しく親交を温めませんか。

関西にお住まいの方をはじめ、たくさんのご参加を心よりお待ちしております。

◆掲載サイト: http://www.toushitsuseigen.or.jp/activity

///////////////////ご案内/////////////////////

(一社)日本糖質制限医療推進協会主催 講演会・交流会(大阪)

<講演会>

「糖質制限~大人も子供も健やかになれる食事法~その理論と実際」

◆日程:2017年8月6日(日) 13:20~16:30頃 ※開場・受付は13:00~

◆会場: 大阪大学中之島センター10F 「佐治敬三メモリアルホール」

〒530-0005 大阪市北区中之島4-3-53
http://www.onc.osaka-u.ac.jp/others/map/index.php
京阪中之島線「中之島」駅 徒歩約5分

◆内容:

(1)「糖質制限食とは~基礎理論と歩み」(50分)

  江部 康二 医師 (高雄病院理事長/当会理事長)

(2)「糖質制限 実践の基本とコツ」(40分)

  山本 心 管理栄養士 (江部診療所/㈱京都高雄倶楽部/当会アドバイザー)

(3)「糖質制限でなぜ子供が変わるのか」(40分)

  三島 学 先生 (三島塾塾長/糖質セイゲニストin北九州世話人)

(4) 質疑応答(30-40分)

◆受講費: 賛助会員 2,400円  一般(会員の方以外)2,900円
       ※高校生以下は、受講費無料。


<交流会>

♪日程: 2017年8月6日(日) 17:30~19:30 ※開場・受付は17:10~

♪会場: リーガロイヤルホテル大阪「アネックス リモネ」(アネックス7F)

〒530-0005 大阪市北区中之島 5-3-68
https://www.rihga.co.jp/osaka/access
京阪電車中之島線「中之島」駅直結

♪会費: 賛助会員 6,000円  一般(会員の方以外)6,500円
小学生 3,300円 
      ※小学生未満は、お一人は無料、お二人目から3,000円 

♪形式など: 立食スタイル/ローストビーフ付ビュッフェ+フリードリンク


<以下講演会、交流会共通>

■お支払い方法: クレジットカード/銀行振込/郵便振替 ※事前決済のみとなります。

■お申し込みの流れ:

1. 下記「お申し込み方法」の該当するものからお申し込み下さい。
2. 事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3. 入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4. 当日、直接会場までお越しいただき、受付にてお名前をお伝え下さい。

■お申し込み方法:

★賛助会員の方:

 事務局まで、メールにて参加ご希望のイベント名(8/6大阪講演会、8/6大阪交流会、
 8/6大阪講演会・交流会)、ご参加人数をご明記の上、お申し込み下さい。

 ※領収書の発行をご希望の場合は、領収書宛名もお知らせ願います。
 ※講演会への高校生以下のご参加は無料ですが、人数把握のため、お知らせ下さい。
※交流会への小学生以下のご参加は小学生か小学生未満かをお知らせ下さい。

★賛助会員入会をご希望の方:

1. 入会案内および会員規約をお読み下さい。
   http://www.toushitsuseigen.or.jp/sign-up

 2. お申し込みは下のフォームからお願いします。
   「入会ならびに講演会出席のお問い合わせ」を選択いただき、
   「通信」欄に参加ご希望のイベント名(8/6大阪講演会、8/6大阪交流会、
   8/6大阪講演会・交流会)をご記入下さい。
    http://www.toushitsuseigen.or.jp/contact
  
★一般(非会員)で、講演会、交流会参加のみご希望の方:

 下のフォームからお申し込み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/seminar-gen


■その他:

・予約制です。事前にお申し込みください。

・交流会のみのご参加も受け付けております。

・講演会のキャンセルは8月4日(金)までに事務局へご連絡願います。
それ以降のご返金は対応致しかねますので、予めご了承ください。

・交流会のキャンセルは8月1日(火)までに事務局へご連絡願います。
それ以降のご返金は対応致しかねますので、予めご了承ください。

∞♪∽♪∝♪∞♪∽♪∝♪∞♪∽♪∝♪∞♪∽♪∝♪∞♪
HbA1c「10.3→5.2」3ヶ月での劇的改善報告。尿酸とクレアチニンは?
【17/07/26 mitsu

HbA1c「10.3→5.2」 3ヶ月ウルトラ劇的な改善報告です。

今年5月、先生にご助言いただいたmitsuというものです。

http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-4201.html#comment

---糖尿人の初期行動と1ヶ月後の結果---の記事です。
-------------------------------------------
今回、今年4月糖尿病型と診断されてから3ヶ月後の
血液検査をしてきました。

A, <今年4月初旬一般内科での血液検査>
空腹時血糖 280 HbA1c 10.3

B, <5月(Aの1ヶ月後)糖尿内科初診時の検査結果>
空腹時血糖 80 HbA1c 8.5

今回C,<7月(Aの3ヶ月後)>
空腹時血糖 81 HbA1c 5.2

前記事に記載の通り、糖尿病専門医の即入院指導を断り、自己治療、スーパー糖質制限のみでの結果です。
1回の食事で糖質10g以上摂取することは無いので、食後のグルコーススパイクも無く、1日を通しての変動幅も抑えました。
しかし、HbA1c5.2にはビックリしました。わずか3ヶ月ですから。

ところで、今回の検査で血糖以外に大きく変化したものがありました。
江部先生、大変ご多忙とは存じておりますが、アドバイスを頂ければ幸いです。

*血清クレアチニン
4月 5月 7月
0.86 0.84 1.11(eGFR 56.0)
(参考値、5月、アルブミン/Cre-尿 補正 30.3mg/g,cre *基準値18.0以下 )

*血清尿酸
4月 5月 7月
4.5 6.8 8.2


①腎機能が心配です。血糖コントロールが良好でも腎不全に向かっていってしまっては意味が無くなります。
今後の検査プランやアドバイス等があればお願いします。ちなみに、今回は行政の検診を利用したので、
一般的な検査項目のデータしかありませんでした。

②いつ通風を発症してもおかしくない数値だと言われました。
通風手帳を見ると、高プリン体の食品、ステーキやカツオ、エビ、タコ・・・などを毎日かなりの量摂取していることが判明しました。糖質制限者にとってこれを控えることは困難かと・・・なにかアドバイスがあればお願いします。

*追記
尿酸値の件ですが、激しい運動により、かなり数値が急騰するようなので、おそらくそれだと思います。
息切れがするほどの無酸素運動を週2・3回やっているので。】


こんばんは。
mitsu さんから
HbA1c「10.3→5.2」3ヶ月での劇的改善報告をコメント頂きました。
ありがとうございます。


『A, <今年4月初旬一般内科での血液検査>
空腹時血糖 280 HbA1c 10.3

B, <5月(Aの1ヶ月後)糖尿内科初診時の検査結果>
空腹時血糖 80 HbA1c 8.5

C,<7月(Aの3ヶ月後)>
空腹時血糖 81 HbA1c 5.2 』



お薬なしで、スーパー糖質制限食のみで、
まことに見事な改善で、あっぱれの一言につきます。(^^)
これやったら
ホント! 医者いらずですね。( ̄_ ̄|||)


『*血清クレアチニン
4月   5月  7月
0.86  0.84  1.11(eGFR 56.0)』


クレアチン値の上昇ですが、
脱水に注意してください。
脱水でもクレアチニン値が上昇します。

クレアチニン値は、
尿素窒素よりは腎機能以外の要素の影響は受けにくいのですが、
筋トレなどをしていて筋肉量が多い人は、やや高値となります。
逆に筋肉量が少ない高齢者では、見かけ上の低値となるので、注意が必要です。
運動後などでもクレアチニン値は高値となることがあります。
この場合は、クレアチニン値が高値でも腎機能傷害ではありません。
このようなとき、血清シスタチンCを検査すれば本当の腎機能がわかります。

厚生労働省によれば、
高タンパク食(糖質制限食)で、
正常な腎臓に負担がかかるというエビデンスはありません。

mitsu さんの場合も、まず腎機能は大丈夫と思います。
激しい運動をされたのなら、そのせいと考えられます。


『参考値、5月、アルブミン/Cre-尿 補正 30.3mg/g,cre *基準値18.0以下 』

これは、一回だけでは、糖尿病腎症第二期と断定することはできません。
またこの程度なら、スーパー糖質制限食で血糖コントロール良好を保てば
基準値内に回復する可能性が高いです。


『*血清尿酸
4月   5月  7月
4.5   6.8   8.2 』


私の経験では、血清尿酸値の上昇の原因で一番多いのは摂取エネルギー不足です。
例えば断食では、尿酸は著明に上昇します。
断食は究極の肉体的ストレスという見方もできます。
自らが痛風患者であり、痛風専門医でもある、元鹿児島大学病院内科教授、
納(おさめ)光弘先生によれば、食事よりストレスや肥満の方が、
尿酸値への影響が多いことがわかってきました。

<尿酸を上昇させる要因 納光弘先生>
尿酸を確実に上昇させるのは、重要なものから順番に
1、ストレス
2、肥満
3、大量の飲酒
4、激しい運動
5、プリン体の摂りすぎ

だそうです。


『①腎機能が心配です。血糖コントロールが良好でも腎不全に向かっていってしまっては意味が無くなります。今後の検査プランやアドバイス等があればお願いします。ちなみに、今回は行政の検診を利用したので、一般的な検査項目のデータしかありませんでした。』
上述のことでわかりますように、
mitsu さんの腎機能は悪化していないと思います。
このまま、スーパー糖質制限食を続けられて、何の問題もありません。


『②いつ通風を発症してもおかしくない数値だと言われました。通風手帳を見ると、高プリン体の食品、ステーキやカツオ、エビ、タコ・・・などを毎日かなりの量摂取していることが判明しました。糖質制限者にとってこれを控えることは困難かと・・・なにかアドバイスがあればお願いします。』


ご自身で、ご指摘のように、激しい運動で尿酸は上昇します。
こちらも、激しい運動なしで検査すれば確認できると思います。

スーパー糖質制限食で、高蛋白食になりますが、
カロリー不足や激しい運動がなければ、尿酸が上昇することはありません。
安心してスーパー糖質制限食をお続けください。



江部康二
75g経口ブドウ糖負荷試験の結果について。ジャヌビア内服は?

【17/07/25 えりこ
タイトルなし
江部先生はじめまして。
今月に入り糖尿病と診断され
江部先生のブログに辿りついた53歳主婦です。
この場での質問よろしいでしょうか。

ジャヌビア50mgを処方されたのですが、飲んだ方がいいのか、、と悩んでおります。

7月4日に健康診断で尿糖があり、血糖値を計ったところ糖尿病と診断されました。
健康診断の結果から更に検査をすると言われ、7月20日に糖負荷検査をしました。

糖負荷検査結果
前 30分 60分 120分
血糖 130 223 267 203
IRI 8.2 23.3 51.8 71.4
CPR 2.8 4.1 7.0 10.8

HOMA-R 値2.63です。
インスリンが全くないわけではないが、追いついていないとのことで、ジャヌビアが出ました。低血糖にはならない安全な薬と言われました。

実は、4日に糖尿病と診断されその日から糖質制限をはじめました。2.日くらい白御飯を朝のみ50g食べましたが、江部先生の著書数冊購入させていただき、読んでからは御飯、ぱん、めん類は全く口にしていません。(7月6日〜)
コンビニの底糖質パンや肉、魚、野菜を調理したもので、厳密に計算していないのですが1日糖質30g以下ぐらいだと思っています。

江部先生のブログ記事で
75g経口ブドウ糖負荷試験(75gOGTT)実施前の3日間は
150g/日以上の糖質を摂取することが推奨されています。
糖質制限をしたまま、75g経口ブドウ糖負荷試験を受けると
糖質に対する人体の準備ができていないので、
一見耐糖能が低下しているようなデータになることがあるからです。

とあり、検査後に読んだので検査結果がどうなるか不安でした。そして上記の結果です。


せっかく糖質制限というものに出会えたので、できれば薬無しの食事だけで血糖値をコントロールしたいのですが、私の数値では薬を飲んだ方がいいでしょうか。
診察室では糖質制限をしていると言わないまま、処方されて帰宅しました。


7月4日の検査結果は、
随時血糖154
HbA1C7.9
尿糖2+

ALTが92で検査したところ、立派な脂肪肝だと言われました。

血圧が134 81
LDLコレステロール130


CA19-9(CLIA)は16.0u/mLです。


低血糖にはならないと言われましたので、ジャヌビア服用しながら糖質制限したほうがいいのでしょうか?ご教示いたらだければ幸いです。関連記事でも結構です。

江部先生には診察をお願いしたいのですが、すぐには難しいと思い、御著書を参考に糖質制限をやっていこうと思います。体重は一週間で4キロ減りました。

お忙しいところ、拙い質問を読んでいただきありがとうございました。】



こんにちは。
えりこさんから、
75g経口ブドウ糖負荷試験の結果とジャヌビア内服についてコメント・質問を頂きました。
えりこさん、拙著のご購入、ありがとうございます。

『7月4日の検査結果は、
随時血糖154mg/dl HbA1C7.9% 尿糖2+』


この時点で、HbA1c7.9%ですので、すでに糖尿病の可能性が極めて高いですね。

『7月20日の糖負荷検査結果
    前  30分  60分  120分
血糖  130   223  267   203
IRI   8.2   23.3  51.8   71.4
CPR   2.8   4.1  7.0    10.8 』


OGTTの結果は糖尿病型です。
HOMA-Rが2.63でインスリン抵抗性があり、脂肪肝もあります。
スーパー糖質制限食で、減量に成功すれば
インスリン抵抗性も脂肪肝も改善する可能性が高いです。

すでに一週間で4kg減量とのことですが、
カロリー制限はしないように気をつけましょう。
身長と体重はどのくらいでしょう?
カロリー制限し過ぎると、血糖は下がりますが、
体力がヘロヘロになるので注意が必要です。
糖質制限した分、脂肪とタンパク質は充分量摂取して
厚生労働省のいう「推定エネルギー必要量」は確保しましょう。

インスリン抵抗性が改善すれば、
空腹時血糖値も正常になると思います。

従って、ジャヌビア内服はなしで、
スーパー糖質制限食だけで、大丈夫と思います。
一ヶ月で、1%以上HbA1cが改善するので、
一ヶ月後の検査では、7.0%未満でコントロール良好になっている可能性が高いです。
二ヶ月後のHbA1cは6.2%未満で、正常範囲になると思います。


『江部先生のブログ記事で
75g経口ブドウ糖負荷試験(75gOGTT)実施前の3日間は
150g/日以上の糖質を摂取することが推奨されています。
糖質制限をしたまま、75g経口ブドウ糖負荷試験を受けると
糖質に対する人体の準備ができていないので、
一見耐糖能が低下しているようなデータになることがあるからです。』


そのようなケースがあることは間違いないです。
一方、えりこさんのHbA1cは7.9%ですので、
平均血糖値は180mg/dlあります。
従って、糖質制限食実践前に75gOGTTを実施しても
糖尿病型であった可能性が高いです。

*<平均血糖値 = HbA1c×28.7 - 46.7 >



江部康二
すき家で昼食、生協の食材で夕食、糖質制限合格点。
こんばんは。

2017/7/24(月)高雄病院京都駅前診療所の外来がとても忙しくて
患者さんには申し訳なかったのですが、
午前9時~午後2時くらいまでかかりました。
60人くらいの患者さんで、予約制ではあるのですが、
ピークは90分待ちくらいになってしまいました。

昼食は、すき屋しか営業してなかったので、
久しぶりに行きました。
駅前診療所から徒歩で1分くらいのロケーションです。

14:20 血糖値:100mg
14:25 牛丼ライト(つゆ抜き)、おんたま2個、鮭、豚汁を食べました。
合計¥930-でした。
15:25 食事開始後1時間血糖値:124mg
16:25 食事開始後2時間血糖値:128mg
と、私にしては珍しく、食後2時間のほうが少しだけ高かったです。
通常は、食後60~90分が食後血糖値のピークです。
ともあれ、食後血糖値は28mgの上昇なので、
糖質量は9.3gです。
私の場合、1gの糖質が食後血糖値をピークで3mg上昇させますので
2型糖尿人のごく一般的なタイプです。。

月曜日の夜は、連れ合いが江部診療所の夜診で仕事なので、
私は一人飯です。 ( ̄_ ̄|||)
昨日の月曜日は、レストランに行くのが面倒くさかったので、
生協で買い物して間に合わせました。

帰宅して
20:24 血糖値:104mg
生協で、カンパチと甘エビの刺身(半額)、イカの刺身(20%引き)
鶏モモ塩串焼き2本(半額)、出汁巻き(半額)、
冷やし茶碗蒸し、海草と大根サラダ、
別に狙ったつもりではないのですが、( ̄∇ ̄;)
午後8時前の買い物だったので、割引きが多かったです。  

糖質ゼロ発泡酒350mlを1缶飲みました。
サラダには、マヨネーズをたっぷりつけて食べました。
刺身は半額とかで安かったので沢山買いましたが
結構、動物性タンパク質が多いですね。
結構、美味しくて満足・満腹・糖質制限な夕食でした。

21:24 食事開始1時間後血糖値:123mg
21:54 食事開始90分後血糖値:131mg
22:24 食事開始2時間後血糖値:99mg

夕食では、食事開始後90分が血糖値上昇のピークでした。
27mgの上昇なので、食事の糖質量は9gと推測されます。

昼食、夕食とも、糖質量は10g以下で
食後血糖値は140mgを超えることもなく、
合格点ですね。  (^^)     


江部康二
「糖質制限食講演会 in 広島」 講演会&懇親会のご案内
こんにちは。

2017年9月10日(日)10:30~13:30頃
広島市で、一般向けの糖質制限食講演会を開催します。

過去、広島市では保険医協会主催など、医師向けの講演会はしたことがありますが、
一般向けの講演会は、広島市では初めてとなると思います。

私は牛田小学校→修道中学校→修道高校→京大医学部
といった経歴ですので、広島とはとても縁が深いです。

父、故江部喜一郎も70歳までは、広島市の八丁堀で開業していました。
今は当たり前となったビルドクターの走りでした。
自宅は別にあって、仕事場はビルの一角でというパターンです。

このような事情なので、広島の街は懐かしさでいっぱいです。
2018年3月18日(日)には、ホテルグランビア広島で、
修道高校の同窓会があり、私も出席します。
修道高校卒業50周年記念同期会です。
こちらも懐かしい顔ぶれに会うのが楽しみですが、
50年ぶりの同級生も沢山いるので顔がわかるか否かかなり不安です。

さて、
糖質制限食講演会 in 広島市(2017/9/10、日曜日)
は、
広島県福山市の瀬尾一史先生
山口県周南市の花岡篤哉先生
高雄病院の橋本眞由美 管理栄養士
にも、登場していただき、盛りだくさんの内容です。
勿論、私もトリをつとめさせていただきます。

広島市、広島県、中国地方の皆さん
是非、奮ってご参加くださいね。
お待ちしております。

そうそう、講演会の前夜(9/9土)に
八丁堀福屋さん近くの海鮮居酒屋さんで懇親会を催します。
2017年9月9日(土) 18:00~(2時間程度)

こちらも、奮ってご参加のほどよろしくお願い申し上げます。


江部康二



以下、事務局からのお知らせです。

***********

ブログ読者の皆様、いつも弊会のイベントへ多数ご参加いただきまして、
ありがとうございます。

9月10日(日)、広島市内で 一般の方向けの講演会を開催いたします。

第1部では、「糖質制限のすすめ」と題して、 広島県福山市の瀬尾一史先生(瀬尾クリニック)と 山口県周南市の花岡篤哉先生(新南陽整形外科クリニック)が、クリニックでの糖質制限の啓蒙やご指導とその効果などについてお話しくださいます。

第2部では、高雄病院の橋本眞由美 管理栄養士が、 「糖質制限 実践のイロハ」と題して、楽しく、正しく実践するための基本やコツ、注意点などを事例も交えてお話しします。

第3部では、理事長が「糖尿病・生活習慣病を予防&改善する食事法~糖質制限食は、人類本来の食事、人類の健康食」と題して講演。
15年に渡って実践・指導してきた「糖質制限食」について、 糖尿病やメタボなど生活習慣病の改善をはじめ、多くの良い効果をもたらす理由や仕組みを解説いたします。

また、講演会の前夜(9/9土)に懇親会を催します。
八丁堀福屋さん近くの海鮮居酒屋さんで、楽しく交流しませんか。

中国地方にお住まいの方をはじめ、たくさんのご参加を心よりお待ちしております。

◆掲載サイト: http://www.toushitsuseigen.or.jp/activity

★8/6(日)大阪講演会・交流会につきまして★
 たくさんお申し込みくださり、誠にありがとうございます。
 あと若干名様ずつ空きがございまして、引き続き、お申し込み受付ております。

///////////////////ご案内/////////////////////

  (一社)日本糖質制限医療推進協会主催

     糖質制限食講演会 in 広島

■日時:9月10日(日)10:30~13:30頃 ※開場・受付は10:10~

■会場:広島市まちづくり市民交流プラザ
    (合人社ウェンディひと・まちプラザ)北棟 6階
    「マルチメディアスタジオ」

    広島市中区袋町6番36号(袋町小学校と併設)
    http://www.cf.city.hiroshima.jp/m-plaza/kotsu.html

■内容:

◇第1部:「糖質制限のすすめ」

 1. 瀬尾 一史 医師 瀬尾クリニック(広島県福山市)

 2. 花岡 篤哉 医師 新南陽整形外科クリニック(山口県周南市)

◇第2部:「糖質制限 実践のイロハ」

 橋本 眞由美 管理栄養士 (財)高雄病院 栄養管理部長/当会アドバイザー

◇第3部:「糖尿病・生活習慣病を予防&改善する食事法
        ~糖質制限食は、人類本来の食事、人類の健康食」

 江部 康二 医師 (財)高雄病院理事長/当会理事長

◇質疑応答

※第1部40分、第2部30分、第3部60分、質疑応答20分程を予定しております。

■受講費: 賛助会員 2,000円 / 一般(会員以外の方) 2,500円


◇◆◇ 広島交流会 ◇◆◇

◆日時: 2017年9月9日(土) 18:00~(2時間程度)

◆場所: さかな市場はなれ 立町店
     広島市中区立町6-1 立町ウイングB1F
     https://r.gnavi.co.jp/y017604/map/

◆参加費: 賛助会員 5,500円 / 一般(会員以外の方) 6,000円


<以下広島講演会、交流会共通>

■お申し込みの流れ:

1. 下記「お申し込み方法」の該当するものからお申し込み下さい。
2. 事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3. 入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4. 当日、直接会場までお越しいただき、受付にてお名前をお伝え下さい。

■お申し込み方法:

★賛助会員の方:

 事務局へ、メールにて参加ご希望のイベント名(9/10広島講演会、9/9広島交流会)、
 ご参加人数をご明記の上、お申し込み下さい。
 ※領収書の発行をご希望の場合は、領収書宛名もお知らせ願います。
 
★賛助会員入会をご希望の方:

1. 入会案内および会員規約をお読み下さい。
   http://www.toushitsuseigen.or.jp/sign-up

 2. お申し込みは下のフォームからお願いします。
   「入会ならびに講演会出席のお問い合わせ」を選択いただき、
   「通信」欄に参加ご希望のイベント名(9/10広島講演会、9/9広島交流会)を
   ご記入下さい。
   http://www.toushitsuseigen.or.jp/contact
  
★一般(会員以外の方)で、講演会、交流会参加のみご希望の方:

 下のフォームからお申し込み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/seminar-hiroshima


◆その他:

・予約制です。当日参加はできません。

・講演会のキャンセルは9月8日(金)までに事務局へご連絡願います。
 それ以降のご返金は対応致しかねますので、予めご了承ください。

・交流会のキャンセルは9月6日(水)までに事務局へご連絡願います。
 それ以降のご返金は対応致しかねますので、予めご了承ください。

∞♪∽♪∝♪∞♪∽♪∝♪∞♪∽♪∝♪∞♪∽♪∝♪∞♪
DPP-4阻害剤。低血糖を起こしにくい。SU剤との作用機序の違い。
こんにちは。

2010年に承認されたDPP-4阻害剤は、
2017年現在、日本でもっとも使用頻度が高い経口糖尿病薬です。
日本の糖尿病治療薬として定着したと考えられます。
低血糖を生じにくいので、使いやすいと考えられます。

それでは、
DPP-4阻害剤(ジャヌビア、グラクティブ、トラゼンタ、ネシーナ、エクアなど)と
SU剤(アマリール、グリミクロン、オイグルコンなど)の
作用機序の違いについて、考えて見ます。

DPP-4阻害剤が関与するインクレチンがインスリン分泌を促す仕組みと、
SU剤がインスリン分泌を促す仕組み(☆)は、異なっています。

まず、SU剤の作用機序です。

難しい箇所は省いて、超簡単に言うと、SU剤はβ細胞表面のSU受容体と結合して、
カリウムチャンネルを閉じっぱなしにしてしまい、
その結果カルシウムが細胞内に流入してインスリンを分泌させます。

この場合、SU剤の作用時間(12~24時間)の間は、
血糖が高かろうが低かろうが関係なく、ずっとインスリンはだだ漏れ状態です。
だから低血糖が生じやすいのですね。

そして、インスリンを分泌しっぱなしのβ細胞が、
疲弊していく可能性があるわけです。

まあ、人為的に無理矢理カリウムチャンネルを閉じて、
β細胞を騙しているようなものですかね。


次にインクレチンとDPP-4阻害剤について考えて見ます。

インクレチンは、食事摂取により消化管から分泌され、
インスリン分泌を促進するホルモンで、
上部小腸にあるK細胞から分泌されるGIPと、
下部小腸にあるL細胞から分泌されるGlp1があります。

Glp1の主な生理作用はインスリン分泌促進作用ですが、
それ以外に膵グルカゴン分泌抑制作用、消化管運動抑制作用、
インスリン感受性亢進作用、そして膵β細胞保護・増殖作用が認められています。

GIPはGlp1に比べると作用は弱いとされています。

そして、Glp1やGIPを分解するDPP-4という酵素を阻害して分解を抑制し、
血中濃度を上昇させて保つのがDPP-4阻害剤です。

つまり、通常の食事では半減期が2分で失活が早いインクレチンというホルモンを、
DPP-4阻害薬によりDPP-4をブロックすることで、血中に保つわけです。

インクレチンは糖質や脂質を摂取すると消化管から分泌されて、
β細胞のインクレチン受容体に作用してβ細胞内のサイクリックAMPを上昇させ、
インスリン分泌の増幅経路に働きます。

こちらは、糖質を食べて血糖値が上昇してβ細胞内にとりこまれてATPが産生されて、カリウムチャンネルが閉じてカルシウムが細胞内に入ってきたときだけ、
増幅経路に働いてインスリンを分泌させます。

血糖値が下がって108mg/dlくらいになると、
β細胞はブドウ糖を取り込まなくなり細胞内カルシウムは増加しないので、
インクレチン濃度が高くても増幅経路は作用せず、インスリンは分泌されません。

インクレチンによるインスリン分泌促進作用はグルコース濃度依存性のものであり、
低血糖を起こさないと考えられます。即ち血糖値の上昇に応じて、それが高いほどインクレチンによるインスリン分泌促進作用が発揮されると考えられます。


はてさて、どうころんでも、結構難しいお話しですね。 ε-(-Д-)

<糖質摂取後、インスリン分泌に到る流れ>

以下は、糖質摂取後、インスリン分泌に到る一連の流れです。

①糖質摂取→血糖値上昇→糖輸送体でβ細胞内にブドウ糖取り込み→β細胞内ATP上昇→Kチャンネル閉鎖→脱分極→カルシウムチャンネル活性化→細胞内カルシウム濃度上昇→インスリン分泌


上記の一連の流れの過程において、インクレチンによる「β細胞内サイクリックAMP上昇」が加わると『Kチャンネル閉鎖』や『カルシウムチャンネル活性化』が促進されインスリン分泌が増幅されます。
さらにサイクリックAMP上昇はインスリン分泌を直接促進させるとされています。

このようにインクレチンは、β細胞内サイクリックAMP上昇を増幅させて、
ブドウ糖濃度が高いときにだけインスリン分泌を促します。


こういう作用機序なので、
インクレチンは血糖値が高いとき、その高さに応じてインスリン分泌作用を有し、
108mg/dl以下に血糖値が下がってきたら
インスリン分泌作用がなくなるわけなので、
単独使用では低血糖は理論的には起こりません。

またSU剤のように、24時間β細胞を鞭打つといった側面は皆無なので、
β細胞も疲弊しないのだと思います。

なお2型糖尿人では、血中Glp1濃度の低下が認められ、
膵β細胞におけるGlp1によるインスリン分泌の感受性も低いと言われています。

その意味では、
DPP-4阻害剤は、初期の糖尿病患者には特に有効性が高い可能性があります。



江部康二


(☆)<SU剤の作用機序とブドウ糖刺激による一般的なインスリンの分泌経路>

血液中のブドウ糖濃度が上昇すると、ブドウ糖は膵臓のβ細胞の表面に発現するGLUT2(糖輸送体2)により、
細胞の中に取り込まれます。

取り込まれたブドウ糖は代謝を受け、ミトコンドリアでATP(エネルギー)が産生されます。
このATP濃度が増すと、β細胞表面のカリウムチャンネルが閉じます。

そうするとKが細胞外にでなくなり、細胞膜の脱分極が起こり細胞内外で電位差が生じます。
その結果、カルシウムチャンネルが活性化しカルシウムが細胞内に流入します。
カルシウム濃度が上昇すると、β細胞は活発になり、インスリンを分泌します。

この一連の流れが、ブドウ糖刺激による一般的なインスリンの分泌経路です。

SU剤は、カリウムチャンネルの一部を構成するSU受容体と結合して、ATP濃度とは無関係にカリウムチャンネルを閉じてしまいます。

SU剤によりカリウムチャンネルが閉じてしまえば、上述の一般的なインスリン分泌経路の一連の流れと同様に、

(Kが細胞外にでなくなり、細胞膜の脱分極が起こり細胞内外で電位差が生じ、カルシウムチャンネルが活性化し)

カルシウムが細胞内に流入しカルシウム濃度が上昇し、β細胞は活発になりインスリンを分泌します。

この場合、SU剤の作用時間(12~24時間)の間は、血糖が高かろうが低かろうが関係なく、ずっとインスリンはだだ漏れ状態です。
だから低血糖が生じやすいのです。
アクトス(ピオグリタゾン)。男性の膀胱癌リスクあり?なし?
こんばんは。
今日は、アクトスについて考えて見ます。

武田薬品のアクトス(ピオグリタゾン)は、
ビグアナイド系薬(メトホルミンなど)と同じように
インスリン抵抗性を改善させる薬です。

発売前の研究において、
雄ラットで膀胱がんを増やす作用が報告されています。
しかし、この作用は雌ラットでは確認されていません。


仏国内の保健データベース内の約150万人の糖尿病患者(年齢40~79歳)に関する
2006~09年のデータを用いて、
膀胱がんの発症率を検討した後ろ向きコホート研究フランスの疫学調査において、
男性においてのみ、
アクトスで膀胱癌のリスクが有意差をもって認められたということです。
男性に膀胱がんリスクがあるということで、
フランスでは2011年以降、同薬の新規処方を中止しています。

FDA(米食品医薬品局)は2010年に膀胱がん患者に対しては投与すべきでないとし、
膀胱がん既往者に対しては慎重投与とする勧告を出しました。

これらを考慮して、私も、基本的に男性には投与しないようにしてきました。


KPNC(Kaiser Permanente Northern California)試験は、
米食品医薬品局(FDA)の要請を受けて
武田薬品工業が米国カリフォルニア州で実施している
アクトスとと膀胱がんの関係を評価するための疫学研究です。

10年間の試験期間が予定されており、
今年(2011年)4月号のDiabetes Careに
その5年時での中間解析結果が報告されました(Diabetes Care 2011; 34: 915-922)。

それによると,1997~2002年に登録された19万3,099人の患者のうち、
アクトス内服患者3万173人を
アクトス非内服糖尿病患者16万2,926人と比較したところ、
全体では有意な膀胱がんの増加は認められなかったものの、
2年以上使用している患者ではぎりぎりで有意なリスクの増加が認められました。


2014年、100万例以上の大規模コホート研究で、
ピオグリタゾン(アクトス)と膀胱がんに
関連は認められなかったと
Diabetologia(2014年12月3日オンライン版)で報告されました。

さらなる研究が必要であることは言うまでもないのですが、
肥満のない糖尿病患者には、
アクトスは、今までより少し使いやすくなったと言えます。


上述のように、フランス政府の決定はありましたが、
欧州医薬品庁(EMA)や米国医薬品庁(FDA)は、
アクトス使用には制限を加えず、モニタリングを続けるということです。

アクトスは、体重増加、浮腫、心不全などの副作用が一定懸念され私自身は、
もともとほとんど使っていません。

一方、前医で処方され副作用もなく経過がいい糖尿人(女性)で、
糖質制限食がキッチリできない人には、そのまま継続処方することがあります。

糖質制限食がキッチリできる人もいれば、できない人もいます。

上述のようにアクトス投与で、
男性の膀胱癌に関してリスクありとする報告となしとする報告があります。

私は男性には今まで通りに基本投与しないという
スタンスで、いきたいと思います。

一方、痩せ型の女性糖尿人には、
体重増加作用を期待して、アクトス投与も選択肢の一つかとは思います。



江部康二
米1億人超が糖尿病か予備軍、人口の3分の1 。しかし合併症は大幅減少。
こんにちは。

7/19(水) 14:55配信 AFP=時事
によれば、

2017年7月18日に発表されたアメリカ疾病管理予防センター(CDC)の報告書で、
米国では約1億人が糖尿病またはその予備軍となっていることが、
明らかになりました。
これは、米国人口の約3分の1にあたります。

CDCは隔年で発表している報告書で、
2015年に米国で死因第7位となった糖尿病を
「増大しつつある健康問題」と説明しています。
2015年には18歳以上の糖尿病患者が新たに150万人増えたと推定されています。

上記は
ヤフーニュース
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170719-00000022-jij_afp-int
の要約です。


このように、米国でも日本と同様糖尿病患者は増え続けています。

一方で、
医学雑誌「ニューイングランド ジャーナル オブ メディスン」2014年4月17日
に発表されたように、
米国の調査で、糖尿病合併症の発症率が、
この20年間(1990~2010年)に急速に低下していることが判明しています。(*)
(1)急性心筋梗塞 マイナス67.8% 
(2)高血糖症による死亡 マイナス64.4% 
(3)脳卒中 マイナス52.7%
(4)下肢切断 マイナス51.4%
(5)末期腎不全 マイナス28.3%


日本でも、2012年の統計まで糖尿病患者は増え続けています。
そして、日本では、糖尿病合併症は米国と異なり減少していません。

日本糖尿病学会『第56回日本糖尿病学会年次学術集会』熊本宣言2013
の記載が以下です。
『糖尿病合併症で苦しむ患者さんの数は今なお減少していません。
糖尿病腎症で透析になる人が年間16000人以上。
糖尿病網膜症で失明する人が年間3000人以上。
糖尿病足病変で切断する人が年間3000人以上。』
  


糖尿病の治療薬としては、米国も日本も差はありません。
なので、合併症発症率の差は、薬以外に要因があることとなります。

運動療法もそんなに差があるとは思えません。
そうなると残るのは、糖尿病の食事療法だけです。

米国では1993年から糖質管理食が広まりはじめました。
米国では1994年に炭水化物と脂質の割合を固定しなくなりました。
2005年、ボストンのジョスリン糖尿病センターは、
炭水化物の推奨量を40%に下げました。

全米最大の糖尿病患者会は、大分前から炭水化物40%ていどを推奨しているそうですが、
いつ頃からそうなのかは、判然としません。

ともあれ、米国では糖尿病と診断されたら、糖質摂取を意識することは、
1993年糖質管理食が広まり始めたころからは、
常識になっていったと思われます。

これに対して日本の糖尿病食は、
1969年から一貫して糖質60%を推奨しています。
2013年11月の食品交換表第7版で、初めて50~60%になりました。

糖尿病と診断されるまでの糖質摂取比率
米国が約50%で
日本が約60%です。


あくまでもアバウトな仮説ですが、
糖尿病と診断された後の糖質摂取比率が、
50%→40%の米国の糖尿病患者と
60%→60%の日本の糖尿病患者との差が、
合併症発症率の違いに反映された可能性が否定できないと私は思います。


(*)
Changes in Diabetes-Related Complications in the United States, 1990–2010
N Engl J Med 2014; 370:1514-1523April 17, 2014


江部康二
朝日カルチャーセンター京都教室。糖質制限と生活習慣病。9/5(火)。
こんにちは。

2017年9月5日(火) 15:00-16:30
朝日カルチャーセンター京都教室にて
糖質制限食の講座の講師をつとめます。

糖質制限と生活習慣病
加速する“脱”糖質潮流の正しい知識


京都教室では久しぶりの糖質制限食講座です。
この1年、糖質制限食の展開において大きな発展があり
いい意味のサプライズもありました。

2016年7月のNHKクローズアップ現代の試算によれば、
糖質制限市場は、3184億円とのことです。
医学界より、企業のほうが糖質制限食をビジネスチャンスと捉えて
行動が迅速なようです。

一方、医学界においても、嬉しいサプライズです。
2017年2月7日(火)午後から、東京大学医学部に行ってきました。
渡邊昌先生、門脇孝先生、江部康二の3人で鼎談を行いました。
二人で話し合うのが対談で、三人で話し合うのが鼎談です。
渡邊昌先生は、医学雑誌「医と食」の編集長です。
門脇孝先生は、
一般社団法人 日本糖尿病学会 理事長
であり、
東京大学大学院医学系研究科糖尿病・代謝内科教授
です。

日本糖尿病学会のトップとじっくり話し合うことができて、
とても有意義な90分間でした。

ケトン体に関しても「心血管イベント,および全死亡の発症率を低下」という
とてもポジティブな評価を示す研究が最近発表され、
糖質制限食にとって大きな追い風となりました。

このような、糖質制限食に関する最新の動向を、
本講座において余すこと無くお話ししたいと思います。
京都、関西方面の皆さん、是非奮って、ご参加頂けば幸いです。


江部康二



☆☆☆
以下、朝日カルチャーセンター京都教室のサイトから転載です。


糖質制限と生活習慣病
加速する“脱”糖質潮流の正しい知識


講師名 高雄病院理事長 江部 康二

講座内容
糖糖質制限食は、1999年から京都・高雄病院において糖尿病治療食として開始され、
合併症を予防できる唯一の食事療法として画期的な成果をあげてきました。
この課程で、肥満・メタボなどの生活習慣病にも有効ということが判明しました。
従来の糖尿病食(カロリー制限・高糖質食)では、必ず食後高血糖を生じるので、合併症の予防は困難です。
糖質制限食の実践により、様々な生活習慣病(片頭痛やニキビ・・・など)も改善します。
言い換えれば、生活習慣病とは、糖質の頻回過剰摂取が引き起こす現代病と言えます。
2016年、糖質制限市場が3000億円を超えたと試算されました。
いよいよ“脱”糖質時代の幕開けです。

日時・期間 火曜 15:00-16:30

日程 2017年 9/5


受講料(税込み)
会員 3,024円
一般 3,564円

注意事項
教材として資料をお配りする場合は、随時実費をいただきます。

お申し込み
https://www.asahiculture.jp/kyoto/course/6f1082eb-70bf-d593-603c-5915b53a7534
電話:075-231-9693

講師紹介
江部 康二 (エベ コウジ)
<プロフィール>
・ 1950年生まれ。
・ 1974年京都大学医学部卒業。
・ 1974年から京都大学胸部疾患研究所第一内科(現在京大呼吸器内科)
にて呼吸器科を学ぶ。
・ 1978年から高雄病院に医局長として勤務。1996年副院長就任。
・1999年高雄病院に糖質制限食導入。
・2000年理事長就任。
・ 2001年から糖質制限食に本格的に取り組む。
・2002年に自ら糖尿病であると気づいて以来、さらに糖尿病治療の研究に力を 注ぎ、
「糖質制限食」の体系を確立。これにより自身の糖尿病を克服。
内科医/漢方医/
一般財団法人高雄病院理事長/一般社団法人日本糖質制限医療推進協会理事長

<著書>
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』2005年(東洋経済新報社)
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編』2008年(東洋経済新報社)
『我ら糖尿人、元気なのにはわけがある』2009年(東洋経済新報社・作家宮本 輝氏との対談本)
『糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食』2010年(ナツメ社)
『主食をやめると健康になる』2011年(ダイヤモンド社)
『食品別糖質量ハンドブック』2012年(洋泉社)
『糖質オフ!健康法』2012年(PHP文庫)
『糖尿病治療のための!糖質制限食パーフェクトガイド』2013年(東洋経済新 報社)
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!新版』2014年(東洋経済新報社)
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!2 実践編 新版』2014年(東洋経済新報社)
『炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません』2014年(東洋経済新報社)
『江部先生、「糖質制限は危ない」って本当ですか? 』 2015年(洋泉社)
『なぜ糖質制限をすると糖尿病が良くなるのか』2015年(ナツメ社)
『糖質制限の教科書』2015年(洋泉社)監修
『よくわかる! すぐできる! 「 糖質オフ! 」健康法 』2016年(PHP研究所)
『人類最強の「糖質制限」論~ケトン体を味方に して痩せる、健康になる』2016年(SB新書)
『外食でやせる!』2017年(毎日新聞出版)
『江部康二の糖質制限革命』2017年(東洋経済新報社)
など多数。

ブログ『ドクター江部の糖尿病徒然日記( http://koujiebe.blog95.fc2.com/
は日に約6000~7000件のアクセスがあり、
糖尿病のかたやそのご家族から寄せられ た質問への回答や、
糖尿病・糖質制限食に関する 情報の発信に、日々尽力している。
インスリンの功罪。2017年。
1)
基礎分泌インスリンは、ヒトの生命維持に必要不可欠です。

2)
スーパー糖質制限食実践中でも、主として野菜分の糖質は摂取します。
従って、食事のたびに基礎分泌の2~3倍レベルの追加分泌インスリンがでます。

3)
インスリンは血糖値を下げる唯一のホルモンです。


4)
インスリン注射で、1型糖尿病患者の命が助かるようになり、
近年、寿命が延びてきました。

5)
過剰なインスリンは、酸化ストレスとなり、
がん、老化、動脈硬化、糖尿病合併症、アルツハイマー病など
様々な生活習慣病のリスクとなります。



こんにちは。

今回はインスリンの功罪について復習を兼ねて考察してみます。

インスリンには、24時間継続して少量出続けている基礎分泌と、
糖質を摂取して血糖値が上昇したときに出る追加分泌の2種類があります。

タンパク質摂取でも少量のインスリンが追加分泌されますが、
脂質摂取では、インスリンは追加分泌されません。

これでまず解るのは、食物を摂取していないときでも、
人体の代謝には、少量のインスリンが必須ということですね。

このインスリンの基礎分泌がなくなったら、人体の代謝全体が崩壊していきます。

つまり、基礎分泌のインスリンがないと、
全身の高度な代謝失調が生じ、生命の危険があります。

例えば「運動をしたらインスリン非依存的に血糖値がさがる」といっても、
インスリン基礎分泌が確保されているのが前提のお話です。

もし、基礎インスリンが不足している状態で運動すれば、
運動で血糖値はかえって上昇します。

また、肝臓で行っている糖新生も、基礎インスリンが分泌されていなければ制御不能となり、
空腹時血糖値が300mg/dl~400mg/dl、或いはこれ以上にもなります。

また、糖質を食べて血糖値が上昇したとき、
追加分泌のインスリンがでなければ、高血糖が持続します。

高血糖の持続は糖毒といわれ、膵臓のβ細胞を傷害し、
インスリン抵抗性を悪化させます。

さてブドウ糖が、細胞膜を通過するためには、特別な膜輸送タンパク質が必要です。

それが糖輸送体(GLUT)であり、現在GLUT1~GLUT14まで確認されています。

GLUT1は赤血球・脳・網膜などの糖輸送体で常に細胞の表面にあり、
血流さえあれば即血糖を取り込めます。

これに対して筋肉細胞と脂肪細胞に特異的なのがGLUT4で、
基礎分泌のインスリンレベルだと、通常は細胞内部に沈んでいます。

GLUT1~GLUT14の中で、インスリンに依存しているのはGLUT4だけで特殊です。

筋肉細胞と脂肪細胞にあるGLUT-4は、
インスリン追加分泌がないと細胞内に沈んでいるのでブドウ糖を取り込めません。

インスリンが追加分泌されるとGLUT-4は細胞表面に移動して血糖を取り込むのです。

このようにインスリンは、生命の維持に必須の重要なホルモンであることが確認できました。

また近年、1型糖尿病患者の寿命は延びています。

以下、糖尿病ネットワークから一部抜粋。
http://www.dm-net.co.jp/calendar/2016/024725.php

1975年に米国で行われた調査では1型糖尿病患者の寿命は、健康人に比べて27年短いとされていました。

スコットランドのダンディー大学が2万4,691人の1型糖尿病患者を対象に行った調査では、
20代前半の糖尿病患者の予想される平均余命は、
健康な人に比べ男性で11.1年、女性で12.9年短いという結果になりました(2015年1月報告)。


このようにインスリンの使用法や種類が改善されたことで、
1型糖尿病患者の寿命はかなり改善されてきています。

インスリン注射が、おおいに役に立っているわけです。


一方で過剰なインスリンの害にはエビデンスがあります。

たとえ基準値内でも、インスリンの血中濃度が高いほど、
アルツハイマー病、がん、肥満、高血圧などのリスクとなります。

また、高インスリン血症は、活性酸素を増加させ、
酸化ストレスリスクを生じます。


酸化ストレスは、老化・癌・動脈硬化・糖尿病合併症、その他多くの疾患の元凶とされていて、
パーキンソン病、狭心症、心筋梗塞、アルツハイマー病などにおいても
酸化ストレス関与の可能性が高いをされています。

ロッテルダム研究によれば、
インスリン使用中の糖尿人ではアルツハイマー病の相対危険度は4.3倍です。

Rotterdam研究(Neurology1999:53:1937-1942)
「高齢者糖尿病における、脳血管性痴呆(VD)の相対危険度は2.0倍。
アルツハイマー型痴呆(AD)の相対危険度は1.9倍。
インスリン使用者の相対危険度は4.3倍」


インスリン注射をしている糖尿人は、メトグルコで治療している糖尿人に比べて
ガンのリスクが1.9倍というカナダの研究もあります。

2005年の第65回米国糖尿病学会、
カナダのSamantha博士等が、10309名の糖尿病患者の研究成果を報告、
その後論文化。コホート研究。
 「メトフォルミン(インスリン分泌を促進させない薬)を使用しているグループに比べて、
インスリンを注射しているグループは、癌死亡率が1.9倍高まる。
SU剤(インスリン分泌促進剤)を内服しているグループは癌死亡率が1.3倍高まる。」 
Diabetes Care February 2006 vol. 29 no. 2 254-258


このようにインスリンの弊害を見てみると、
インスリンは血糖コントロールができている限り少なければ少ないほど、
身体には好ましいことがわかります。

別の言い方をすれば、農耕開始後、精製炭水化物開始後、
特に第二次大戦後に世界の食糧事情が良くなってからの糖質の頻回・過剰摂取が、
インスリンの頻回・過剰分泌を招き、
様々な生活習慣病の元凶となった構造が見えてきます。


スーパー糖質制限食を実践すれば、インスリンの分泌は必要最小限で済むようになり、
糖尿病は勿論のこと、様々な生活習慣病の予防が期待できます。

ブログ読者の皆さんも、スーパー糖質制限食実践で、
必要最低限のインスリンで血糖こントロールを維持して、健康ライフを送ってくださいね。

インスリンは糖質代謝の調整が主作用ですが、
それ以外にも下記のごとくいろいろな働きがあります。


☆☆☆インスリンの作用

インスリンは、グリコーゲン合成・タンパク質合成・脂肪合成など、
栄養素の同化を促進し、筋肉、脂肪組織、肝臓に取り込む。

インスリンが作用するのは、主として、筋肉(骨格筋、心筋)、脂肪組織、肝臓である。

A)糖質代謝
*ブドウ糖の筋肉細胞・脂肪細胞内への取り込みを促進させる。
*グリコーゲン合成を促進させる。
*グリコーゲン分解を抑制する。
*肝臓の糖新生を抑制し、ブドウ糖の血中放出を抑制する。

B)タンパク質代謝
*骨格筋に作用してタンパク質合成を促進させる。
*骨格筋に作用してタンパク質の異化を抑制する。

C)脂質代謝
*脂肪の合成を促進する。
*脂肪の分解を抑制する。




江部康二
日野原重明先生が逝去されました。
こんばんは。
2017年7月18日(火)午前、日野原重明先生が逝去されました。
105歳でした。

近年は、2日に一度ステーキを食べられるなど
糖質制限食的な食生活をしておられたので
京大医学部の大先輩ですが、親近感を覚えて
ご活躍を楽しみにしていました。

魚は毎日のように食べておられ、
脂のないステーキを、2日に1度食べておられたようです。
ステーキを食べる日は魚はなしです。

朝食はコーヒー、ジュース、ミルク、オリーブ油を摂取され、
昼食はミルクとクッキー2個だけなので、少食です。

夕食は茶碗半分ほどのご飯、たっぷりの野菜、
それにヒレ肉か魚で1日1300キロ・カロリーに制限されていました。

これだと、朝が糖質5~10g、昼が糖質15g、
夕が糖質40gくらいなので、一日の糖質摂取量は、60~65gくらいで
糖質摂取比率は約20%弱です。

最後は、食事が摂れなくなっておられたようですが、
経管栄養や胃ろうなどの延命治療を「やらない」と拒否されて、
ご家族が見守る中、静かに永眠されたそうです。

生活習慣病の名付け親でもあり、
多くのお仕事もされ、医師の鑑のような方でした。

心からご冥福をお祈り致します。

江部康二

1型糖尿病とインスリン注射。インスリンの功罪。糖質制限効果。
【17/07/17 あみ 食後四時間後の血糖値について
こんにちは‼
江部先生に教えていただきたいことが
あります。
私の主人が半年程前に
1型糖尿病と診断されました。
インスリンの分泌が0ではない為
毎食前にボグリボースを飲んで、
夜にランタスを3単位打って
食事での糖質を考えながら
血糖値コントロールをしています。
しかし、もともと痩せ型の主人が
糖質制限をすると体重が増えず
さらに痩せていってしまうため、
体力と筋力をつけたくて
速攻型のノボラピッドの
処方をしてもらい、休日や
仕事終わりの夕食といった、
仕事での低血糖リスクが避けられる時のみ
ボグリボースとインスリン注射で食事をすることにしました。
今までは食後二時間で180以下には抑えられ、そのまま時間がたつごとに下がっていき、食前では75~95くらいになっていたのですが、
ノボラピッドを使ってからは
食後一時間で170、食後二時間で95、食後三時間で106、食後四時間では198まで上がって、一度に下がった血糖値が時間がたつごとに上がってしまいます。
なにが考えられるのでしょうか、、、

糖質制限を推進されてる江部先生に
糖質制限をしない方向性のことを質問し
て申し訳ありません。
あと、他に体重を増やす方法があったら
それも教えていただきたいです。

お忙しいところすみません、、
よろしくお願いいたします。】



あみ さん

1型でも内因性インスリンが残っているのはとても良いことです。
血糖コントロール良好を保てば、1型でも長期に内因性インスリンが保たれます。
内因性インスリンが長期にわたり保たれることは極めて重要なことです。

さてインスリンは人体に絶対に必要で、なかったら人は生きていけません。
インスリンが発見されるまでは、内因性インスリンがゼロの1型糖尿病の人の
平均余命は半年でした。
1921年にインスリンが抽出され、1922年から臨床に使用され、
1型糖尿病患者の生存が確保できるようになりました。

一方で、血糖コントロールができている限りは、
インスリンは、内部のインスリンも外部のインスリン注射も
少なければ少ないほど身体に優しいです。
基礎分泌も追加分泌も必要最低限が好ましいのです。
このことをしっかり認識して頂きたいと思います。

インスリンは、注射量が多いとがんや老化やアルツハイマー病のリスクとなります。
インスリンは活性酸素も増加させる可能性が高く、がんや老化に繋がります。
つまり、インスリンは酸化ストレスリスクの元凶の一つなのです。

酸化ストレスが、
糖尿病合併症・動脈硬化・老化・癌・アルツハイマー病・パーキンソン病等の
元凶とされています。

従来の糖尿病食(カロリー制限・高糖質食)で、インスリン注射をして
厳格に治療すると、血糖値が乱高下する可能性が高いです。
「食後高血糖」と「平均血糖幅増大」は最大の酸化ストレスリスクです。
食前のインスリンの単位と食事の糖質量の関係ですが、
相対的に糖質量が多ければ血糖は200mg/dlを超えてきます。
一方相対的に糖質量が少なければ、血糖は60mg/dlを切って、低血糖となります。

きっちりカーボカウントをしてインスリンの単位を決めれば、
乱高下はあるていど改善すると思います。
カロリー制限だけで、カーボカウントをせずにインスリンを注射するのは
目を閉じて車の運転をするようなもので、極めて危険です。
「食後高血糖」と「平均血糖幅増大」を必ず生じます。

インスリン注射の単位を最低限に抑えて、
なおかつ血糖コントロール良好を保つことができるのは、
「スーパー糖質制限食」だけです。
スーパー糖質制限食なら、インスリンも最低単位なので低血糖も生じにくいです。



「今までは食後二時間で180以下には抑えられ、そのまま時間がたつごとに下がっていき、食前では75~95くらいになっていたのですが、
ノボラピッドを使ってからは
食後一時間で170、食後二時間で95、食後三時間で106、食後四時間では198まで上がって、一度に下がった血糖値が時間がたつごとに上がってしまいます。」

4時間後に血糖値が再上昇する理由はよくわかりませんが、
ノボラピッドの効果が切れる時間帯の可能性もあります。
ノボラピッドは10~20分で効果が出現し、最大作用時間が1~3時間で、
持続時間が3~5時間です。

ともあれ、ノボラピッドを使う前は「ランタス3単位+糖質制限食」でコントロール良好だったのですから、
インスリンの害もなく血糖コントロールも良く、とても好ましい状態だったと思います。
ランタス3単位というごく少量でコントロールできていたのですから素晴らしいです。

ご主人の唯一困った現象が、体重減少ですが、
糖質制限食実践で、通常は、肥満者は減量できて、
痩せすぎの人は、体重増加が可能です。

体重げ減少するということは、
単純に摂取エネルギーが消費エネルギーを下回っているということです。

体重を増やすには、「動物性脂肪」と「動物性蛋白」をしっかり摂取することです。
ヒレ肉よりはサーロイン、鶏ササミよりは皮付き脂付きの鶏モモ肉、豚バラ・・・
魚も脂ののったものを食べましょう。

その他、オリーブオイルとかエゴマ油とか植物性脂肪もいいです。
とにかく摂取エネルギーをしっかり確保しましょう。
少食なら、ナッツ類やチーズは糖質が少なくてカロリーが豊富なので重宝です。
アボカドもいいですね。


江部康二
妊娠糖尿病、緩い糖質制限で無事出産。出産後境界型?食後高血糖?
【17/07/16 うどん
妊娠糖尿病からの境界型?
江部先生はじめまして。私は40歳女156cm48kg、1歳1か月の子供がおります。
質問がありコメントさせていただきました。長文失礼します。
妊娠7か月の時に妊娠糖尿病と診断を受け、それからは白米をやめ玄米をお茶碗半分ほど、山盛りサラダを最初に食べる。甘いお菓子を極力我慢する、という対策で健康な赤ちゃんを産みました。出産の2ヶ月後に別の総合病院へ(出産時の担当医に必要だと言われていたので)75g負荷検査を受けに行きましたが血液検査の結果をみた担当医に「この数値では必要ない」と言われ(空腹時血糖73 A1c5.1)、それを信じてしまい検査を受けませんでした。それから気が緩んでしまい菓子パンや炭水化物もふつうに食べる生活に戻っていたのですが、先日、妊娠中に使っていた血糖値測定器で何気なく測ってみたら血糖値が200近くあるではないですか。すぐに病院には行けなかったので江部先生のブログを参考に自分なりの緩い糖質制限を行い(その間の血糖値90~250)1ヶ月後に検査してもらうと
空腹時血糖値 80  A1c 5.2

担当医はやはり「問題なし」との事でしたが、食後高血糖なのだと必死で訴え渋々75g負荷検査を行ってもらえました。

75g負荷検査  (空腹時)88 (A1c)5.3 (1h)248  (2h)188 

想像していた通り「境界型」との事。しかし特にアドバイス等なく、私が少し前から糖質を減らしている事を伝えたら「完全に絶ってしまうのは良くない。1日1600キロカロリー、そのうち炭水化物は4割程食べて」との答え。江部先生のおっしゃる事と違うようですし、そもそも検査すら受けなくて良いと言った担当医の言葉をなかなか鵜呑みに出来ずもんもんとしております。前置きが長かったですが、、
①私は本当に境界型でしょうか?(1h後血糖が高いので既に糖尿ではないか心配です)②境界型だとしたら、まだ治る見込みがありますか?③次の診察は3ヶ月後ですが、そのペースの診察で大丈夫でしょうか?
私は千葉の田舎に住んでいて、糖尿の専門は1つしかありません。本当なら病院を変えたい所なのですが、もちろん先生の糖質制限を推奨している病院は通える距離ではないので
す。どうかアドバイス頂ければと思います。
ちなみに先生の料理レシピで高かった中性脂肪87→42 LDLコレステロール149→105と1ヶ月程でかなり下がりました!ありがとうございました。】


こんにちは。
うどんさんから、コメント・質問を頂きました。

妊娠糖尿病と診断されたけれど、
玄米をお茶碗半分くらいに減らす緩い糖質制限で無事出産ということです。
良かったです。おめでとうございます。

『白米をやめ玄米をお茶碗半分ほど、
山盛りサラダを最初に食べる。
甘いお菓子を極力我慢する。』


これなら、玄米分の糖質が27~28gで、
野菜とかおかずなどの糖質を考慮すると、
1回の食事の糖質量が「合計30~40g」くらいの
緩やかな糖質制限食を実践されたのだと思います。
1日の糖質摂取量が「合計90~120g」くらいです。

糖尿病妊娠は、元々糖尿病があるので、
スーパー糖質制限食でないと血糖コントロールは困難と思います。

一方、うどんさんのような妊娠糖尿病は、元々糖尿病ではないので、
緩やかな糖質制限食でも血糖コントロールが可能なことが多いです。

『出産2ヶ月後の検査で、空腹時血糖73mg/dl A1c5.1%』

その後、菓子パンや炭水化物もふつうに食べる生活にして
血糖自己測定器で、200mg/dl近い血糖値となり
緩やかな糖質制限にして、90~250mg/dlていどの血糖値。

最近の75g負荷検査で
『血糖値が、空腹時:88  1h:248  2h:188mg/dl
HbA1c:5.3%』 


まず、大切なことは、うどんさんの検査結果や経過で明らかなように
空腹時血糖値とHbA1cのみでは、
「食後高血糖」は全くチェックできないという事実です。

実際、ほとんどの病院で、
空腹時血糖値とHbA1cだけで糖尿病の評価をしているので、
現実には食後高血糖が存在するのに、うどんさんと同様に、
担当医が「問題なし」と診断しているケースが、多いと思います。

近年、NHKでも取り上げるくらい
「食後高血糖」が心筋梗塞や脳梗塞のリスクとして問題となっているのに
医学界の認識は甘過ぎるとしか言いようがありません。
毎年、人工透析16000人、失明3000人、足切断3000人と
糖尿病合併症が減らないのも食後高血糖軽視のせいと思われます。


75g経口ブドウ糖負荷試験(75gOGTT)実施前の3日間は
150g/日以上の糖質を摂取することが推奨されています。
糖質制限をしたまま、75g経口ブドウ糖負荷試験を受けると
糖質に対する人体の準備ができていないので、
一見耐糖能が低下しているようなデータになることがあるからです。
うどんさんの場合は微妙ですが、
緩やかな糖質制限食なら、120g/日くらいで足りないかもしれませんね。


①私は本当に境界型でしょうか?(1h後血糖が高いので既に糖尿ではないか心配です)
検査データでは、2時間値が200mg/dl未満なので境界型です。

②境界型だとしたら、まだ治る見込みがありますか?

 治る見込みがあると思います。
 75gOGTTで境界型の人35名が1年間緩やかな糖質制限食を実践して、
 25名が、75gOGTTで正常化したという、前川智先生のご研究があります。

③次の診察は3ヶ月後ですが、そのペースの診察で大丈夫でしょうか?
 血糖自己測定器を持っておられるなら、検診は、1回/年で充分です。
そして糖尿病専門医に通院する必要も全くありません。
普通に風邪とかで受診している開業の医師でOKです。

血糖自己測定器(SMBG)で時々食後血糖値を測定して、
目標として
空腹時血糖値が110mg/dl未満
1時間値が180mg/dl未満
2時間値が140mg/dl未満
を達成していれば、緩やかな糖質制限食でも問題ないです。

緩やかな糖質制限食では、目標達成が困難なら
スーパー糖質制限食のほうがいいですね。


江部康二
「糖質制限~大人も子供も健やかになれる食事法~ in 大阪 講演会
こんんちは。

2017年8月6日(日) 13:20~
大阪大学中之島センターにおいて、
日本糖質制限医療推進協会主催の一年ぶりの講演会の開催です。
※開場・受付は13:00~

「糖質制限~大人も子供も健やかになれる食事法~その理論と実際」

三島塾塾長の三島学先生、
当会アドバイザーの山本心 管理栄養士(江部診療所)、
江部康二の三人の講師によるコラボ講演会です。

糖質制限で子どもが変わる! 三島塾レシピ
― 成績&集中力アップ! もう「勉強しなさい! 」は言わなくてOK
主婦の友社 (2017/6/7)
三島 学 (著), 江部 康二 (監修)


「糖質制限」が子供を救う
日本糖質制限医療推進協会( 2016/11/9)
三島 学 (著), 江部 康二 (監修)


で、おなじみの三島学塾長とは、初めて一緒に本格的に講演会をすることとなります。
山本心管理栄養士とは、札幌で一緒に講演会をしました。

三人で盛りだくさんの内容でお話しますので、
関西在住の皆さん、ブログ読者の皆さん、
是非、ご参加いただければ嬉しい限りです。

講演会の後は、近くのリーガロイヤルホテル大阪にて、
糖質制限な交流会を開催いたします。
子どもさんも参加OKですので、皆さん奮ってどうぞ。
交流会は17:30~19:30 です。
※開場・受付は17:10~



江部康二


☆☆☆
以下、事務局からのお知らせです。

***********

ブログ読者の皆様、いつも弊会のイベントへ多数ご参加いただきまして、
ありがとうございます。

8月6日(日)、大阪市内で、
「糖質制限~大人も子供も健やかになれる食事法~その理論と実際」
と題して、一般の方向けの講演会を開催いたします。

講師は、当会理事長 江部康二と、三島塾塾長の三島学先生、
当会アドバイザーの山本心 管理栄養士(江部診療所)です。

理事長は、糖質制限食が多くの良い効果をもたらす理由と仕組み、
基礎理論、これまでの歩みなどについてお話しします。

三島先生は、北九州・東京の三島塾での糖質制限の実践法や塾生の
子供たちの劇的な変化、成果をはじめ、子供の糖質制限について、
分かりやすくお話しくださいます。

山本管理栄養士は、昨秋の札幌講演会で好評いただいた内容ベースに、
実践の基本、実際に陥りやすいケース、自分にあった糖質制限を行う
ポイントなどをご説明します。

美味しく、楽しい糖質制限で、大人も子供も健やかに。各講師それぞれの
立場からお話しします。

また、講演会の後は、近くのリーガロイヤルホテル大阪にて、交流会を
開催いたします。

「オールデイダイニング リモネ」から供される、美味しいビュッフェ料理を
味わいつつ、楽しく親交を温めませんか。

関西にお住まいの方をはじめ、たくさんのご参加を心よりお待ちしております。

◆掲載サイト: http://www.toushitsuseigen.or.jp/activity

///////////////////ご案内/////////////////////

(一社)日本糖質制限医療推進協会主催 講演会・交流会(大阪)

<講演会>

「糖質制限~大人も子供も健やかになれる食事法~その理論と実際」

◆日程:2017年8月6日(日) 13:20~16:30頃 ※開場・受付は13:00~

◆会場: 大阪大学中之島センター10F 「佐治敬三メモリアルホール」

〒530-0005 大阪市北区中之島4-3-53
http://www.onc.osaka-u.ac.jp/others/map/index.php
京阪中之島線「中之島」駅 徒歩約5分

◆内容:

(1)「糖質制限食とは~基礎理論と歩み」(50分)

  江部 康二 医師 (高雄病院理事長/当会理事長)

(2)「糖質制限 実践の基本とコツ」(40分)

  山本 心 管理栄養士 (江部診療所/㈱京都高雄倶楽部/当会アドバイザー)

(3)「糖質制限でなぜ子供が変わるのか」(40分)

  三島 学 先生 (三島塾塾長/糖質セイゲニストin北九州世話人)

(4) 質疑応答(30-40分)

◆受講費: 賛助会員 2,400円  一般(会員の方以外)2,900円
       ※高校生以下は、受講費無料。


<交流会>

♪日程: 2017年8月6日(日) 17:30~19:30 ※開場・受付は17:10~

♪会場: リーガロイヤルホテル大阪「アネックス リモネ」(アネックス7F)

〒530-0005 大阪市北区中之島 5-3-68
https://www.rihga.co.jp/osaka/access
京阪電車中之島線「中之島」駅直結

♪会費: 賛助会員 6,000円  一般(会員の方以外)6,500円
小学生 3,300円 
      ※小学生未満は、お一人は無料、お二人目から3,000円 

♪形式など: 立食スタイル/ローストビーフ付ビュッフェ+フリードリンク


<以下講演会、交流会共通>

■お支払い方法: クレジットカード/銀行振込/郵便振替 ※事前決済のみとなります。

■お申し込みの流れ:

1. 下記「お申し込み方法」の該当するものからお申し込み下さい。
2. 事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3. 入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4. 当日、直接会場までお越しいただき、受付にてお名前をお伝え下さい。

■お申し込み方法:

★賛助会員の方:

 事務局まで、メールにて参加ご希望のイベント名(8/6大阪講演会、8/6大阪交流会、
 8/6大阪講演会・交流会)、ご参加人数をご明記の上、お申し込み下さい。

 ※領収書の発行をご希望の場合は、領収書宛名もお知らせ願います。
 ※講演会への高校生以下のご参加は無料ですが、人数把握のため、お知らせ下さい。
※交流会への小学生以下のご参加は小学生か小学生未満かをお知らせ下さい。

★賛助会員入会をご希望の方:

1. 入会案内および会員規約をお読み下さい。
   http://www.toushitsuseigen.or.jp/sign-up

 2. お申し込みは下のフォームからお願いします。
   「入会ならびに講演会出席のお問い合わせ」を選択いただき、
   「通信」欄に参加ご希望のイベント名(8/6大阪講演会、8/6大阪交流会、
   8/6大阪講演会・交流会)をご記入下さい。
    http://www.toushitsuseigen.or.jp/contact
  
★一般(非会員)で、講演会、交流会参加のみご希望の方:

 下のフォームからお申し込み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/seminar-gen


■その他:

・予約制です。事前にお申し込みください。

・交流会のみのご参加も受け付けております。

・講演会のキャンセルは8月4日(金)までに事務局へご連絡願います。
それ以降のご返金は対応致しかねますので、予めご了承ください。

・交流会のキャンセルは8月1日(火)までに事務局へご連絡願います。
それ以降のご返金は対応致しかねますので、予めご了承ください。

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『糖質制限で子どもが変わる! 三島塾レシピ』東洋経済オンライで記事に
こんにちは。

本日東洋経済オンラインニュースで
『糖質制限で子どもが変わる! 三島塾レシピ』
の記事がアップされました。

http://toyokeizai.net/articles/-/179230

子どもの糖質制限は何が良くて何が危ないか

血糖値の安定が肉体にも精神にも効く

三島 学 :三島塾塾長 2017年07月15日

「大人のダイエット」だけがその効果ではありません(写真:NOBU / PIXTA)
北九州で私が開く個人学習塾「三島塾」では、子どもに糖質制限をするように保護者に伝えている。簡単にいえば、食事の中から「糖質」を抜く食事方法だ。甘いお菓子やジュースはもちろん、ごはんやパン、めんといった主食、イモ類も極力食べない。

家庭では、朝食・夕食(弁当の場合は昼食も)を糖質制限食にかえる。塾では私自身が、ハンバーグやローストポークなどの肉料理を補食としてふるまっている。教室では、勉強の合間に子どもたちが肉にかぶりつくが、ごはんもパンもそこにはない。

実は私自身は6年ほど前から糖質制限を続けているが、糖尿病が改善しただけでなく驚くほど元気になり、頭がクリアになった。そんな私を見た保護者から「先生の糖質制限をうちの子にも教えてほしい」と言われたのがきっかけだ。

拙著『糖質制限で子どもが変わる! 三島塾レシピ』でも詳しく書いているが、実際に通っている子どもに糖質制限を実践してもらったところ、以下のような効果につながった。

●居眠りがなくなり、集中力がついて勉強がどんどん進むようになった

●多動ぎみだった子どもが急激に落ち着くようになった

●偏差値が10~20上がった。難関大学やトップ校に次々合格した

●アレルギー、アトピー性皮膚炎、冷え性、生理不順などの体調不良が改善した

「子どもに糖質制限?」最初はだれもが違和感を持つが…

以下続く
http://toyokeizai.net/articles/-/179230
このサイトで続きがご覧いただけます。




☆☆☆

糖質制限で子どもが変わる! 三島塾レシピ
― 成績&集中力アップ! もう「勉強しなさい! 」は言わなくてOK
– 2017/6/7 主婦の友社
三島 学 (著), 江部 康二 (監修)


が、アマゾンなどで2017年6月7日から販売中です。
三島学塾長の、子供の糖質制限シリーズの第2弾です。

 前著で、世界で初めての「子供の糖質制限」の本を上梓された三島塾長が、
今回、『糖質制限で子供が変わる!三島塾レシピ』を刊行されました。

 嬉しいことに、
「糖質制限」が子供を救う
を読んでいただいた主婦の友社さんから依頼があり、
とてもスムースに出版の運びとなりました。
三島塾長の血と汗と涙のこもった珠玉のレシピ集ですから、
必ずや読者の皆さんのお役にたてると思います。 

 私が常々言うように、糖質制限食は人類本来の食事であり、人類の健康食です。
ですから、子供の健康にもおおいに役立つはずです。
人類700万年間の歴史において、穀物を食べ始めたのは、約1万年前。
人体はその歴史のほぼすべての期間で、
糖質制限食を摂取しつつ突然変異を繰り返して、
消化・吸収・代謝のシステムを完成させています。

 すなわち我々の体は糖質制限食に特化して適合していると考えられるのです。
農耕開始前の人類は糖質制限食を実践しながら
妊娠・出産・子育てを含む日常生活を過ごしていたと考えられます。

 子供の成長において必須であるのは、
たんぱく質と脂質、そしてビタミン、ミネラル、食物繊維です。
筋肉や骨格や内臓の成長に特に大切なのは
たんぱく質と脂質であり、糖質ではありません。

 体の組成は、
水分55~65%、たんぱく質14~18%、脂肪=15~30%、ミネラル5~6%、
そして糖質は1%以下です。
もちろん個人差がありますが、
糖質は身体組成の成分としては、極めて微々たるものであり、
理論的には必須糖質はありません。

 本の内容はぜひ読んでいただきたいのですが、糖質制限食を実践することで、
子どもの授業中の眠気がなくなり、多動が消え、
集中力が増して学力がどんどん向上して、
劇的に変わったという三島塾での実例も、理論編でたくさん出てきます。

 おかだ小児科医院(滋賀県高島市)の岡田清春先生は
「おかゆから始めない離乳食のすすめ」を実践しておられます。
赤ちゃんの発育がとても健康的で丈夫になるとのことです。
本書に2ページ執筆していただいてます。

おかげさまで前著

「糖質制限」が子供を救う(日本糖質制限医療推進協会、大垣書店)
http://books.rakuten.co.jp/rb/14600870/
 → こちらは楽天ブックスでご購入頂けます。

の売れ行きも好調で、早くも増刷となりましたが、
自費出版本としては破格のことです。

 妊婦も赤ちゃんも子供も大人も糖質制限食で、健康になります。
まさに人類本来の食事、人類の健康食と言えます。
2017年は「子供の糖質制限」が重要なキーワードになるかもしれません。


江部康二
糖質摂取と食後の眠気。デブリンの生化学。
【17/07/14 T-akasaka
食後の眠気
いつもブログを楽しみに拝見しています。
食後の眠気についてですが、デブリンの生化学によると

「血液脳関門を介する輸送に対して他のアミノ酸がトリプトファンと競合すると、
トリプトファンの利用率が減弱する。
糖質の催眠効果は、インスリンの遊離が促進され、
他のアミノ酸が同化作用により血液中濃度が低下することにより競合が緩和され、
脳内に入るトリプトファン量が増加することにより眠気を引き起こす」

そうです。    原書7版 p990
引き続きのご活躍を祈念しております。】



こんにちは。

T-akasaka さんから、とても貴重な情報をコメント頂きました。
ありがとうございます。
糖質摂取に伴う眠気の出現が
デブリンの生化学の記載で、あるていど説明できると思います。


トリプトファン (Tryptophan) はアミノ酸の一種で、
ヒトにおける9つの必須アミノ酸の内の1つです。

セロトニン・メラトニンといったホルモンの前駆体でもあります。

メラトニンはトリプトファンからセロトニンを経て体内合成されます。
メラトニンは睡眠ホルモンとも呼ばれています。

糖質摂取→インスリン多量分泌→トリプトファン以外のアミノ酸の骨格筋への取り込みと蛋白質合成促進→
トリプトファン以外の血中アミノ酸濃度低下→相対的に血中トリプトファン濃度上昇→
血液脳関門を通過するトリプトファン増加→脳内トリプトファン量増加→
セロトニン増加→メラトニン増加→眠気出現



インスリンは、骨格筋に作用して、
トリプトファン以外のアミノ酸の細胞内への取り込みを増加させて、
蛋白質合成を促進させます。

バリン、ロイシン、イソロイシンは、筋肉合成に関わる主要なアミノ酸ですが、
中でもロイシンの役割が重要です。

血中のトリプトファンは輸送体によって脳内に運ばれますが、
この輸送体はバリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニンなど
長鎖中性アミノ酸も輸送します。


インスリン分泌によりバリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニンなど
トリプトファン以外の長鎖中性アミノ酸が、
筋肉合成に使われて血中濃度が低下すれば、
相対的に血中トリプトファン濃度が上昇します。

そして、競合する他のアミノ酸が減少すると、
血液脳関門を通過するトリプトファンも増加して、
眠気が出現することとなります。


江部康二
2010年5月、メトグルコ発売。許可用量増量。
こんにちは。

ビグアナイド系薬剤のメトグルコ(メトホルミン塩酸塩)が
2010年5月に発売されました。。


メトホルミンは、糖尿病の内服薬の中で、ビグアナイド系薬剤に属します。

ビグアナイド系薬剤は、その中の一つのフェンホルミンという薬が
乳酸アシドーシス(*)という副作用を起こしやすかったため、
一時期他の薬も含めてほとんど使われていませんでした。

しかし乳酸アシドーシスを起こしにくい
塩酸メトホルミン(メルビン、グリコランなど)塩酸ブホルミン(ジベトスB、ジベトンSなど)などが近年見直されてきました。

これは、英国の大規模臨床試験(UKPDS:1998年報告)で、
「塩酸メトホルミン投与により肥満のある2型糖尿病患者で死亡率を減少させた」
という結果がでたことによる影響が大きいと思います。

ビグアナイド剤の作用は、肝臓での糖新生の抑制が主で、
その他消化管からの糖吸収の抑制、末梢組織でのインスリン抵抗性の改善などがあります。

従ってSU剤とは違って、膵臓に直接作用するのではなく、膵外作用で血糖値を下げますので、
膵臓には優しい薬といえます。
また体重増加を生じないのも長所ですね。 (^_^)

単独使用では、低血糖を起こす危険は極めて低いです。
糖質制限食的にも、問題の少ない良い薬です。

しかし、肝腎の効きがそれほど良くなかったのです。
理論的にはいい感じなのになぜでしょう?

実は、欧米における1日使用量は1500~2250mgくらいで、最大量2550mg/日までOKなのですが、
日本では1日、750mg以下となっていたのです。

私も、膵臓に負担をかけない糖質制限食にぴったりの薬ということで、大勢の患者さんに処方してみたのですが、
量が少なすぎるためなのか、「効いた!」という印象がやや薄かったのです。

しかし、2010年5月20日、メトグルコ(メトホルミン塩酸塩)錠が、新薬として発売され、許可用量が増えました。
維持量が750~1500mg/日で、最大量が2250mg/日までOKとなりました。

1000mg/日くらいから、手応えを感じて、1500mg/日くらい投与するようになり、効果が確認できるようになりました。
日本人の場合は、1500mg/日以上の量だと、下痢をする人が多いです。

750mg/日以下だと、あまり効いた印象のないメトホルミンですが、1000mg/日以上だと効くように思います。


なお、肝障害や腎障害がある人は、やはり乳酸アシドーシスを起こしやすいので注意が必要です。
また、心肺機能に障害のある人や高齢者も、腎予備力の低下がありえるので慎重投与です。
上記以外の人には、副作用は少ない薬です。

作用機序から考えて、服用するなら、1日2~3回定期的に飲むほうが効果がでると思います。
ただ、早朝空腹時血糖値が高値の場合は、夕食後と寝る前に内服して夜間の糖新生をブロックするのもありと思います。

血糖値が180~200mg/dlを超えてくると、それだけでインスリン抵抗性が増します。
<糖質制限食+メトホルミン>で、1日24時間を通して、血糖値が180mgを超えなくなると、
インスリン抵抗性が速やかに改善し、同じ食事をしていても血糖コントロールがとても良くなります。

(*)
乳酸アシドーシス
ビグアナイド系薬剤は、肝における乳酸からの糖新生を抑制することで血糖を下げるので、
相対的に乳酸が増加します。
通常は乳酸が増加すればその代謝が活発となり、乳酸値のバランスは保たれます。
しかし、肝での乳酸の代謝能が低下している場合や、腎機能障害があるときは、
乳酸が増加した時に処理しきれずに高乳酸血症となり、乳酸アシドーシスを発症する危険性があります。

乳酸アシドーシスの初期症状として悪心、嘔吐、腹痛、下痢等や、倦怠感、筋肉痛などがあります。



江部康二
即効型インスリン分泌促進剤。グルファスト。スターシス。シュアポスト。
こんにちは。

本日も、経口糖尿病薬解説シリーズです。

グルファスト、スターシス、シュアポストは速効型インスリン分泌促進剤で、
グリニド系薬剤に分類されます。

約2時間くらい膵臓のβ細胞に働いてインスリン分泌を促します。

ごく短時間なのでβ細胞への負担は少ないです。

これに対してSU剤のアマリールやグリミクロンやオイグルコンは
約12~24時間β細胞に働くので、作用時間が長い分、膵臓に負担をかけています。

グリニド系薬剤に関しては、
冠婚葬祭や旅行など、やむを得ず糖質を摂取せざるをえないようなとき
食直前30秒に内服しますが、このていどなら、
膵臓のβ細胞への負担は全く問題ありません。

私も、糖尿病患者さんに、
旅行中とか外食でやむを得ないときなどのために、
αGI薬やグリニド系薬剤を処方しています。

1gの糖質が、体重64kgの2型糖尿人の血糖値を、約3mg血糖値を上昇させます。

グリニド系薬剤の効果には個人差があり、
1錠で20~60mgくらい血糖値を下げるとされています。

食後2時間血糖値180mg/dl未満を達成するには、
薬を飲んで、炊いたご飯一杯150gのところを、
100gくらい(2/3の量)に謙虚に食べるくらいが一般的です

グリニド系薬剤の中で、グルファストは食直前に内服して、β細胞に働きかけ、
主としてインスリン追加分泌第1相の分泌を促します。

追加分泌第1相は、β細胞にプールされているインスリンです。

その後、追加分泌第2相にもあるていど作用します。

改善といっても、β細胞そのものが正常に復活するという意味ではないですので、
糖質摂取時だけのほうが好ましいです。


高雄病院の入院患者さんのデータでは、炊いたご飯100gくらいなら、
グルファストで食後2時間血糖値180mg未満となる人もおられます。

グリニド系薬剤は、約2時間ていどだけ、膵臓のβ細胞を働かせますので、
SU剤に比べれば、β細胞への負担は少ないです。

炊いたご飯100gでも、グルコバイ単独やグルファスト単独では、180mgを超える糖尿人も、
「グルファスト+グルコバイ」なら、
食後2時間血糖値180mg未満の一応の目標達成の人もいます。



江部康二
『α-グルコシダーゼ阻害薬』(グルコバイ、ベイスン、セイブル)
こんにちは。

今回は、復習を兼ねて、
α(アルファ)-グルコシターゼ阻害薬剤(α-GI薬)について考えてみます。

デンプンのような多糖類は、α-アミラーゼという消化酵素の作用を得て、
二糖類(麦芽糖や蔗糖)やオリゴ糖に分解されます。

つまり、α-アミラーゼは、
穀物や芋のデンプンと呼ばれる多くの糖の集合体をまず第一段階で分解して少し大きさを小さくしています。

その後、この二糖類やオリゴ糖は、マルターゼ、スクラーゼ、グルコアミラーゼなどの酵素により、
単糖(ブドウ糖、果糖、ガラクトース等)に分解されて小腸から体内に吸収されます。

マルターゼ、スクラーゼ、グルコアミラーゼなどの酵素を総称して、α-グルコシダーゼと呼びます。

この、α-グルコシダーゼの働きを阻害することにより、腸管からの糖質の分解・吸収を遅延させて、
食後高血糖を抑制するお薬が、『α-グルコシダーゼ阻害薬』(グルコバイ、ベイスン、セイブル)です。

グルコバイ(アカルボース)はα-グルコシダーゼだけではなく、
α-アミラーゼに対する阻害作用も、もっています。

ベイスン(ボグリボース)やセイブル(ミグリトール)は、
α-グルコシダーゼの活性を阻害しますが、α-アミラーゼには影響を与えません。

従って、グルコバイの方が少し効果が強いですが、副作用もやや生じやすい。

副作用とは、ガス、腹満、腹痛、軟便などです。

それぞれ常用量で下記程度に血糖値を下げるとされています。

グルコバイ: 1時間値50mg、 2時間値40mg
ベイスン:  1時間値40mg、 2時間値30mg
セイブル:  1時間値60mg、 2時間値20mg

しかし、これほど下がらない人もあります。

セイブルは1時間値を下げるけれど、2時間値はあまり下げないのが特徴です。

いずれの薬も結構個人差が大きいですし、印象としては上記の数字ほど下がらない人のほうが多いです。

作用機序から考えて、膵臓のβ細胞には全く影響を与えないので、
SU剤のように疲れた膵臓を鞭打つといった欠点はありません。(^^)

しかし、比較的頻度の多い副作用として、分解が遅れて腸管に残った糖質が醗酵してガスがでたり、
お腹が張ったり、下痢をすることがあります。(-_-;)

ガスの貯留により、腸閉塞(イレウス)のような症状になる事があるので、
腹部手術歴の有る方は、禁忌とされています。

私自身で行った人体実験では、かなり興味深いことがありました。

グルコバイの常用量を食直前に服用して何種類かの食品を試食してみました。

蕎麦はほとんど腹満がなかったのですが、お餅は最悪で、腹満・腹痛・ガスのフルコースで、
病院に行こうか?(∵)?と思ったくらいでした。

うどんやご飯は、蕎麦に比べたらやや腹満・ガスなど出やすかったですね。

個人差はあると思いますが、参考にしていただけばと思います。

現在は、私は、食事の工夫をしてますので、内服薬は一切なしです。

糖尿人でスーパー 糖質制限食実践中の患者さんの場合は、ほとんど薬はなしですが、
お昼だけ主食ありの『スタンダード 糖質制限食』の時は、α-GI薬を食直前に内服してもらうことがあります。

従いまして、「糖尿病には糖質制限食」の高雄病院でも
比較的使用頻度の高いのが『α-グルコシダーゼ阻害薬』です。

高雄病院入院中にグルコバイ100mgを、食時開始30秒前に内服して、
昼食に例えば炊いたご飯100gなどで実験し、
食後2時間血糖値値が180mgを超えない量をリサーチすることも多いです。

炊いたご飯お茶碗一杯は約150gで、糖質を55g含んでいますが、
それでは糖質が多すぎて太刀打ちできないので、約100gに減らして実験します。

グルコバイ・ベイスン・セイブルを飲み忘れた場合、食べ始めてから飲んでもそれなりに有効です。
食事終了時に内服しても無効です。

基本的に安全性の高い薬ですが、まれに肝障害を来す例があるので、定期的な血液検査を推奨します。


朗報として、最近のCGM(Continuous Glucose Monitoring:持続ブドウ糖測定)システムの普及で、
α-GI薬が、食後高血糖と共に平均血糖変動幅増大をある程度コントロールしていることが判明し、
その有効性が見直されています。

2002年、2003年に、LancetやJAMA(米国医師会雑誌)に掲載されたSTOP-NIDDMという臨床試験(*)(**)で、
アカルボース(α-グルコシダーゼ阻害薬・グルコバイ)による治療は、
2型糖尿病の発症を36%、心血管疾患の発症を49%抑制すると報告されました。

2008年6月にヘルシンキで「第5回糖尿病とその合併症予防に関する世界会議」(WCPD)が開催され、
STOP-NIDDM試験のまとめが発表されました。

あまりにも、結果が良すぎるので、当時私は信用していなかったのですが、
近年のCGMの普及により、STOP-NIDDMの結果は、信頼できるものであったと納得がいきました。

CGMの普及により、α-GI薬のように見直される薬剤もあれば、
SU剤のように欠点がもろに暴露された薬剤もあり、栄枯盛衰ですね。

(*)
Lancet. 2002 Jun 15;359(9323):2072-7.
Acarbose for prevention of type 2 diabetes mellitus: the STOP-NIDDM randomised trial.
Chiasson JL1, Josse RG, Gomis R, Hanefeld M, Karasik A, Laakso M; STOP-NIDDM Trail Research Group.

(**)
Chiasson JL, Josse RG, Gomis R, Hanefeld M, Karasik A, Laakso M, STOP-NIDDM Trial Research Group
: Acarbose treatment and the risk of cardiovascular disease and hypertension in patients with impaired glucose tolerance: the STOP-NIDDM trial. JAMA 2003; 290: 486-494.


江部康二
CGMとSU剤。SU剤の使用は激減。
こんばんは。

CGM(Continuous Glucose Monitoring:持続ブドウ糖測定)

ブドウ糖値を数日間連続的に測定できる持続ブドウ糖測定装置が、
2012年4月から日本でも保険適応となり、
日常臨床で使用できるようになりました。

ブドウ糖値の日内変動を24時間通して把握できるので、
SMBG(血糖自己測定器)やHbA1cによるデータとは異なる情報を得ることができます。

血糖ではなく皮下間質液中のブドウ糖値を連続測定するのですが、
血糖値と同様とみなしてよいと思われます。
2000年頃、欧米で開発され使用されるようになりました。

このCGMによる検査で、
我が国において長年、糖尿病治療の第一選択剤として使われてきたSU剤には、
大きな問題があることが判明しました。

すなわち、SU剤は、食後高血糖を、ほとんど予防できていないし、
なおかつ空腹時の低血糖を生じやすいという二重の欠点があることが判明したのです。

そのため、現在SU剤の使用は、日本中で激減しています。

もともとSU剤は、疲れたβ細胞を鞭打つ側面がありますから、
本来、少量投与に越したことはないのです。

そしてもし、グリペンクラミド(オイグルコン、ダオニール:第2世代SU剤)や
第一世代のSU剤(ジメリンなど)を服用しておられる方がいたら、
心筋障害のリスクがあるので即刻中止することをお奨めします。

アマリールやグリミクロン(第3世代)も、
HbA1cの改善効果だけはあるものの、上述の様に
食後高血糖をマッチング良く防ぐことができないことと、
空腹時には低血糖を招きやすい欠点が、CGMにより明らかとなってきました。
SU剤は12~24時間と作用時間が長いのも低血糖になりやすい理由の一つです。

つまり、SU剤は「平均血糖変動幅増大」「食後高血糖」という最大の酸化ストレスリスクを予防できていないどころか、
悪化させている可能性が極めて高いのです。

HbA1cが一見改善したように見えても、実は極めて質の悪いHbA1cなのです。

CGMにより検査してみると、SU剤を内服して食事しても、
食後高血糖はほとんど防げていなくて、
空腹時の低血糖を生じていることが多かったのです。

例えば、夕食前にSU剤を内服して、従来の糖尿病食(高糖質食)を摂取すると、
食後1時間とか2時間の血糖値は軽く200mg/dlを超えてきます。
なおかつ、夜中の午前3時頃には、
50~60mg/dlなどの低血糖を高率に生じていたのです。

平均血糖値(HbA1c)は、一見6.5%とか良好でも、
SU剤を内服している場合は、「食後250mg/dlと空腹時50mg/dl」などの平均値をみているわけで、
極めて質の悪いHbA1cなのです。

これでは、わざわざ平均血糖変動幅を増大させて食後高血糖は防げず、
空腹時低血糖を頻回に起こすという百害あって一利なしの薬物ということになります。

「平均血糖変動幅増大」という最大の酸化ストレスリスクを
もっとも生じやすい薬物がSU剤といえます。

このため私自身は、5年前からSU剤の中止を開始し、
グリニド系薬剤(速効型インスリン分泌促進剤、グルファストやスターシスなど)やαグルコシダーゼ阻害剤(グルコバイ、ベイスン、セイブルなど)に変更しました。

今では、SU剤の使用は、ほとんど皆無ですが、
ごくまれに、アマリールが有効な患者さんがおられることはあります。
私が主治医である糖尿病患者さんは、300人以上はおられますが
そのうちアマリールを使用しているのは、1~2例です。


江部康二
『糖質制限食』で食後の眠気が改善すれば交通事故が激減する。
こんにちは。
今日の記事は、食事と眠気についての考察です。

<食後の眠気は糖質摂取のせいである>
ごく普通に食事をしている場合、食後の眠気はあって当たり前であり、
誰でもそんなものだと思っている人が多いと思います。

確かに、糖質を普通に食べている場合は、
食後の眠気は、ごく当たり前に出現する可能性が高いと思います。

空腹時血糖値が80mg/dlくらいの糖尿病ではない人が、
糖質を摂取して約1時間程で140~150mg/dlに上昇すると、
60~70mgの変動幅があります。

そうするとぼーっとしたり眠たくなったりします。

また、140~150mg/dlくらいから、
1時間で急速に80~90mg/dlくらいに下がると、
血糖変動幅は60~70mgあるのでやはりぼーっとしたり眠たくなったりします。

食後の眠気~居眠り運転は、交通事故の大きな要因であり危険です。

<糖質制限食なら食後の眠気がない-安全運転>
しかし、食後の眠気は、『糖質制限食』実践なら、まずなくなります。
つまり、食後の眠気出現は、実は糖質摂取が元凶と考えられます。

2016年、大阪で『糖質制限食』の講演をしたときの質疑応答で、
会場の参加者の方からご意見を頂きました。
「タクシー会社の事務職をしていますが、
運転手の勤務時間中の食事は『糖質制限食』にしています。」
とのことでした。
タクシー会社さんの名前は確認できていないのですが、
とてもリーズナブルな素晴らしいルールだと思います。
運転中の眠気に伴う事故が予防できると思います。

タクシー会社だけでなく、バス会社、トラック運送業、宅配便・・・などにおいても
ドライバーの方々が、勤務時間中だけでも『糖質制限食』を実践して頂けば
食後の眠気がなくなり、居眠り運転は激減し、
それに伴う交通事故も激減すると思われます。

職業ドライバー以外の一般のドライバーにおいても、
運転前の食事だけでも『糖質制限食』にして頂けば、
食後の眠気がなくなり、上記と同様の効果が得られると思います。

<糖質制限食で心理的に安定する-安全運転>

糖質制限食実践により、
食前・食後の血糖変動幅が極めて小さくなるので、心理的に安定します。
それにより、運転中のイライラとかムカツキとかの
ネガティブな感情も生じにくくなるので、
安全運転が当たり前となり、こちらの面でも交通事故予防になると思います。

<糖質制限食でも眠気が改善しない場合>
糖質制限食でも改善しない眠気は、特殊例であり、
「睡眠時無呼吸症候群」などの存在を考慮する必要があります。


<ドライバーの皆さんへの提案>

ドライバーの皆さん、
食後、ある程度以上の時間、車の運転をすることがわかっている時は、
是非『糖質制限食』を実践しましょう。
それにより、食後の眠気がなくなり、心理的に安定します。
簡単に試すことができますので、是非よろしく御願い申し上げます。


江部康二
大人も子供も健やかになれる食事法 糖質制限食講演会 in 大阪
おはようございます。

2017年8月6日(日) 13:20~
大阪大学中之島センターにおいて、
日本糖質制限医療推進協会主催の一年ぶりの講演会の開催です。
※開場・受付は13:00~

「糖質制限~大人も子供も健やかになれる食事法~その理論と実際」

三島塾塾長の三島学先生、
当会アドバイザーの山本心 管理栄養士(江部診療所)、
江部康二の三人の講師によるコラボ講演会です。

糖質制限で子どもが変わる! 三島塾レシピ
― 成績&集中力アップ! もう「勉強しなさい! 」は言わなくてOK
主婦の友社 (2017/6/7)
三島 学 (著), 江部 康二 (監修)


「糖質制限」が子供を救う
日本糖質制限医療推進協会( 2016/11/9)
三島 学 (著), 江部 康二 (監修)


で、おなじみの三島学塾長とは、初めて一緒に本格的に講演会をすることとなります。
山本心管理栄養士とは、札幌で一緒に講演会をしました。

三人で盛りだくさんの内容でお話しますので、
関西在住の皆さん、ブログ読者の皆さん、
是非、ご参加いただければ嬉しい限りです。

講演会の後は、近くのリーガロイヤルホテル大阪にて、
糖質制限な交流会を開催いたします。
子どもさんも参加OKですので、皆さん奮ってどうぞ。
交流会は17:30~19:30 です。
※開場・受付は17:10~



江部康二


☆☆☆
以下、事務局からのお知らせです。

***********

ブログ読者の皆様、いつも弊会のイベントへ多数ご参加いただきまして、
ありがとうございます。

8月6日(日)、大阪市内で、
「糖質制限~大人も子供も健やかになれる食事法~その理論と実際」
と題して、一般の方向けの講演会を開催いたします。

講師は、当会理事長 江部康二と、三島塾塾長の三島学先生、
当会アドバイザーの山本心 管理栄養士(江部診療所)です。

理事長は、糖質制限食が多くの良い効果をもたらす理由と仕組み、
基礎理論、これまでの歩みなどについてお話しします。

三島先生は、北九州・東京の三島塾での糖質制限の実践法や塾生の
子供たちの劇的な変化、成果をはじめ、子供の糖質制限について、
分かりやすくお話しくださいます。

山本管理栄養士は、昨秋の札幌講演会で好評いただいた内容ベースに、
実践の基本、実際に陥りやすいケース、自分にあった糖質制限を行う
ポイントなどをご説明します。

美味しく、楽しい糖質制限で、大人も子供も健やかに。各講師それぞれの
立場からお話しします。

また、講演会の後は、近くのリーガロイヤルホテル大阪にて、交流会を
開催いたします。

「オールデイダイニング リモネ」から供される、美味しいビュッフェ料理を
味わいつつ、楽しく親交を温めませんか。

関西にお住まいの方をはじめ、たくさんのご参加を心よりお待ちしております。

◆掲載サイト: http://www.toushitsuseigen.or.jp/activity

///////////////////ご案内/////////////////////

(一社)日本糖質制限医療推進協会主催 講演会・交流会(大阪)

<講演会>

「糖質制限~大人も子供も健やかになれる食事法~その理論と実際」

◆日程:2017年8月6日(日) 13:20~16:30頃 ※開場・受付は13:00~

◆会場: 大阪大学中之島センター10F 「佐治敬三メモリアルホール」

〒530-0005 大阪市北区中之島4-3-53
http://www.onc.osaka-u.ac.jp/others/map/index.php
京阪中之島線「中之島」駅 徒歩約5分

◆内容:

(1)「糖質制限食とは~基礎理論と歩み」(50分)

  江部 康二 医師 (高雄病院理事長/当会理事長)

(2)「糖質制限 実践の基本とコツ」(40分)

  山本 心 管理栄養士 (江部診療所/㈱京都高雄倶楽部/当会アドバイザー)

(3)「糖質制限でなぜ子供が変わるのか」(40分)

  三島 学 先生 (三島塾塾長/糖質セイゲニストin北九州世話人)

(4) 質疑応答(30-40分)

◆受講費: 賛助会員 2,400円  一般(会員の方以外)2,900円
       ※高校生以下は、受講費無料。


<交流会>

♪日程: 2017年8月6日(日) 17:30~19:30 ※開場・受付は17:10~

♪会場: リーガロイヤルホテル大阪「アネックス リモネ」(アネックス7F)

〒530-0005 大阪市北区中之島 5-3-68
https://www.rihga.co.jp/osaka/access
京阪電車中之島線「中之島」駅直結

♪会費: 賛助会員 6,000円  一般(会員の方以外)6,500円
小学生 3,300円 
      ※小学生未満は、お一人は無料、お二人目から3,000円 

♪形式など: 立食スタイル/ローストビーフ付ビュッフェ+フリードリンク


<以下講演会、交流会共通>

■お支払い方法: クレジットカード/銀行振込/郵便振替 ※事前決済のみとなります。

■お申し込みの流れ:

1. 下記「お申し込み方法」の該当するものからお申し込み下さい。
2. 事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3. 入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4. 当日、直接会場までお越しいただき、受付にてお名前をお伝え下さい。

■お申し込み方法:

★賛助会員の方:

 事務局まで、メールにて参加ご希望のイベント名(8/6大阪講演会、8/6大阪交流会、
 8/6大阪講演会・交流会)、ご参加人数をご明記の上、お申し込み下さい。

 ※領収書の発行をご希望の場合は、領収書宛名もお知らせ願います。
 ※講演会への高校生以下のご参加は無料ですが、人数把握のため、お知らせ下さい。
※交流会への小学生以下のご参加は小学生か小学生未満かをお知らせ下さい。

★賛助会員入会をご希望の方:

1. 入会案内および会員規約をお読み下さい。
   http://www.toushitsuseigen.or.jp/sign-up

 2. お申し込みは下のフォームからお願いします。
   「入会ならびに講演会出席のお問い合わせ」を選択いただき、
   「通信」欄に参加ご希望のイベント名(8/6大阪講演会、8/6大阪交流会、
   8/6大阪講演会・交流会)をご記入下さい。
    http://www.toushitsuseigen.or.jp/contact
  
★一般(非会員)で、講演会、交流会参加のみご希望の方:

 下のフォームからお申し込み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/seminar-gen


■その他:

・予約制です。事前にお申し込みください。

・交流会のみのご参加も受け付けております。

・講演会のキャンセルは8月4日(金)までに事務局へご連絡願います。
それ以降のご返金は対応致しかねますので、予めご了承ください。

・交流会のキャンセルは8月1日(火)までに事務局へご連絡願います。
それ以降のご返金は対応致しかねますので、予めご了承ください。

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糖質制限食で、ベテランズ国際柔道5連覇
こんにちは。

精神科医師Aさんから、耳よりな情報をコメント頂きました。
ありがとうございます。

糖質制限食実践で、中山直秀さんが、
ベテランズ国際柔道、66kg以下級で、5連覇ということです。

柔道という格闘技で、
糖質制限食が有効だということなので
とても嬉しい記事ですね。

このようにに減量が必要な格闘技においても、
糖質制限食は威力を発揮するようです。

以前も精神科医師Aさんからご教示頂きましたが
テコンドー選手の減量にケトン食(糖質制限食)が有効であったという
韓国の論文がありました。

普通食のグループとケトン食のグループを比較すると
2000m走での持久力は明らかにケトン食群が有利でした。
一方100m走の瞬発力では両群に差はありませんでした。

2015年01月28日 (水)の本ブログ記事
『テコンドー選手と減量と運動能力、ケトン食が有効』
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-3264.html
をご参照ください。



江部康二


☆☆☆
以下
長崎新聞の県内トピックスから
一部抜粋です。


【長崎新聞
県内トピックス (2017年7月7日更新)
http://www.nagasaki-np.co.jp/news/kennaitopix/2017/07/07091056051815.shtml

ベテランズ国際柔道5連覇

 6月に和歌山県で開かれた「2017年日本ベテランズ国際柔道大会」
(国際柔道連盟主催)40~44歳66キロ以下級で、
平戸市岩の上町の整骨院長、中山直秀さん(40)が優勝、
35~39歳のクラスから通算で5連覇を達成した。

・・・中略・・・

ブランクの後、国際柔道大会には2009年に初出場し優勝。翌年古里の平戸市に整骨院を開業後は、しばらく大会から遠ざかったが13年に再び優勝。
その後も、
妻の知香さん(30)が体重管理のため糖質を制限する食事を作るなどして夫を支え、
二人三脚で連覇への挑戦を続けてきた。

以下略・・・】
『江部康二の糖質制限革命』 ダ・ヴィンチニュースで記事に。
こんにちは。

江部康二の糖質制限革命: 医療、健康、食、そして社会のパラダイムシフト
単行本 – 2017/4/7 江部康二著 東洋経済新報社




ダ・ヴィンチニュースで記事に取り上げられました。

ダ・ヴィンチニュース
https://ddnavi.com/news/385985/a/



☆☆☆
以下、ダ・ヴィンチニュースから一部抜粋です。


“脱”糖質の流れが止まらない! 炭水化物を抜くだけ? 正しい「糖質制限」とは?

1週間で痩せる簡単ダイエット法

苦労無し 簡単にダイエットに成功好きなモノを食べて痩せる3つの裏ワザ

『江部康二の糖質制限革命 医療、健康、食、そして社会のパラダイムシフト』(江部康二/東洋経済新報社)

 ここ数年、健康やダイエットなど“身体”にまつわる対策として、糖質制限という言葉をよく見聞きする。すでに、実践している人たちも少なくないだろうが、その最新事情を伝える『江部康二の糖質制限革命 医療、健康、食、そして社会のパラダイムシフト』(江部康二/東洋経済新報社)が刊行された。

 本書は、医療の世界で糖質制限の研究と普及に務めてきた著者が、糖尿病や生活習慣病などの対策を主眼としてまとめ上げた一冊。その内容を元にいま一度、糖質制限のある生活を見つめ直してみたい。

■炭水化物を抜くだけ? 本来は「たんぱく質と脂質を増やす」のも鍵

 糖質制限といえば、真っ先に思い浮かぶのはご飯やパン、麺類などのいわゆる“炭水化物”を抜く食習慣だ。しかし、本来の意味は「糖質の多い食品を抜き、その分だけたんぱく質と脂質を増やす」ことだと著者はいう。

 特に大切なのは「たんぱく質と脂質を増やす」という部分で、これを心がけなければ人間が生きる上で必要なカロリー不足を引き起こしかねない。

 また、本書を読むとよくいわれる“ダイエット”の効果は、糖質制限のあくまでも副次的な作用であることがわかる。本来、糖質制限の主な目的は食後の血糖値上昇を抑えるためのものだ。糖尿病はもちろん、生活習慣病を予防する意味でも「重大な意味を持ちます」と著者は主張する。

 本書の研究結果によれば、正常な人であってもふつうに主食をとった場合に食後1時間の血糖値が「140〜180mg/dl」まで上がることがあるという。この数値は「血管を傷つける恐れがあるレベル血糖値」だというが、このような身体の変化を正常に保つのが本来の糖質制限の目的だ。

 著者の主張では、糖質制限を始めてから「半年から一年で理想体重」を取り戻すこともできるというが、いずれにせよ、まずはその前提をしっかりと理解した上での実践を心がけてほしい。

以下、略

続きは
ダ・ヴィンチニュース
https://ddnavi.com/news/385985/a/
で、御覧いただけます。


江部康二
夏の水分補給。脱水予防。熱中症予防。糖質制限OKな飲み物。
こんにちは。

本日も雨が降っている京都です。
2017年の関西・近畿地方の梅雨明けは
7月16日頃から7月26日頃の間くらいとなりそうです。
なかなかの暑さが続いてます。
最低気温が25度で、熱帯夜ですが、24度くらいが続く京都です。

さて高齢者(65歳以上)の2割が「隠れ脱水」の恐れありということです。
そして熱中症の4割は、住宅で生じ、そのほとんどが高齢者です。

熱中症は①体液の不足で起こる障害、②体温上昇で起こる障害の総称です。
脱水があると熱中症になりやすいので注意が必要です。

「隠れ脱水」とは、脱水症になりかけているのに、
本人も周囲も気がついてない状態のことを言います。

高齢者は、体液をためる「タンク」である筋肉が少ないのに加えて、
喉の渇きにも鈍感になっているので脱水になりやすいのです。

65歳以上の2割が「隠れ脱水」の恐れありということですので、
ブログ読者の皆さんも水分補給には充分留意してくださいね。

ちなみに私は67歳ですので水分補給はしっかりしています。


さて、スポーツや肉体労働をしていない時、
脱水予防に水分補給するなら、水が一番です。

汗を多くかいていない時は塩分補給は必要なく、水分補給だけで充分です。

お茶でもよいです。

単なる炭酸水もいいです。

個人的にはペリエが一番好きですが、
日常的にはもっと安価な炭酸水をケースで購入しています。

水やお茶など糖質のない糖質制限OKの飲み物は沢山あります。

糖質が少量の飲み物としては、成分未調整の豆乳もあります。
無調整豆乳100ml中に糖質は1.2g です。

ブラックコーヒーも糖質は少量です。
コーヒーの滲出液100g中に糖質は0.7gです。
私も、豆乳や、「ブラックコーヒー+生クリーム」をよく飲みます。
なお、紅茶の浸出液100g中に糖質は0.1gで、コーヒーよりかなり少ないです。

カフェインを気にするなら、水が一番ですが、
お茶の中では、番茶がカフェインが少ないですね。

玄米茶は10mg/100mlです。

麦茶、杜仲茶、ルイボスティーなどは、カフェインゼロです。
爽健美茶、十六茶もカフェインゼロです。

**飲料別カフェイン含有量(福岡県薬剤師会調べ)
http://www.fpa.or.jp/johocenter/yakuji-main/kusuriqanda.html
福岡県薬剤師会のサイト
http://www.fpa.or.jp/library/kusuriQA/50.pdf

コーヒー   60mg/100ml 
紅茶     30mg/100ml 
せん茶    20mg/100ml 
玉露     160mg/100ml 
番茶     10mg/100ml 
ウーロン茶  20mg/100ml 
麦茶     0mg/100ml


野外労働やスポーツで、一定以上汗をかいたときは、
水分に加えて、塩分補給も必要です。

熱中症ガイドライン・日本救急医学会2015年によれば熱中症の予防・治療には

「0.1 から 0.2%程度の食塩水、つまり 1L の水に 1 から 2g の 食塩。

推奨されている 飲 水 量 は 高 齢 者 を 含 む 学 童 か ら 成 人 が 500 ~ 1,000mL /日、
幼児が 300 ~ 600mL /日、乳児が 体重 1kg 当たり 30 ~ 50mL /日を目安としている。」


とされています。

手っ取り早くは、アクエリアスゼロでもいいと思います。

炭水化物0.7gと記載されていますが、カロリーゼロなので血糖を上昇させることは、ほとんどないです。

100ml当たり5kcal未満は、カロリーゼロと表示できます。

アクエリアスゼロの炭水化物0.7gは、
果糖、アセスルファムK、スクラロースと考えられるので、
ほぼ血糖は上げないと思います。

アクエリアスゼロ
100mlあたり
エネルギー 0kcal
タンパク質 0g
脂質     0g
炭水化物 0.7g
ナトリウム 40mg
カリウム 9mg
マグネシウム 1.2mg
L-カルニチン 10mg

原材料名 : 果糖、塩化Na、L-カルニチン L-酒石酸塩、香料、クエン酸、クエン酸Na、
甘味料(アセスルファムK、スクラロース)、
塩化K、硫酸Mg、乳酸Ca、酸化防止剤(ビタミンC)


人工甘味料が嫌な人は、「1L の水に 1 から 2g の 食塩」を
自分で作って飲めば良いと思います。


江部康二


☆☆☆参考

熱中症ガイドライン・日本救急医学会2015年
http://www.jaam.jp/html/info/2015/pdf/info-20150413.pdf


以下、熱中症ガイドラインからの抜粋です。
詳しくは
http://www.jaam.jp/html/info/2015/pdf/info-20150413.pdf
をご覧いただけば幸いです。


CQ1:本邦における熱中症の
発生頻度はどのくらいか
平成 25 年(2013 年)6 月 ~9 月の夏季 4 か月
間に医療機関を受診し、熱中症関連の診断を受けた
症例は、診療報酬明細 (いわゆるレセプト)ベース
で、407,948 人でした。


CQ1:どのような人が
熱中症にかかりやすいか?
疫 学
A:気温は環境要因の危険因子として重要である
(1C)。若年男性のスポーツ、中壮年男性の労働に
よる労作性熱中症は屋外での発症頻度が高く重症例
は少ない(1C)。高齢者では男女ともに日常生活の
なかで起こる非労作性熱中症の発症頻度が高い
(1C)。屋内で発症する非労作性熱中症では、高齢、
独居、日常生活動作の低下、精神疾患や心疾患など
の基礎疾患を有することが熱中症関連死に対する独
立危険因子である(1C)。


CQ3:熱中症の発生に関係する
気象条件にはどのような
ものがあるか
疫 学
A:熱中症の発生には気温・湿度・風速・日射輻射
が関係し、熱中症リスク指標として「暑さ指数
(WBGT)」が推奨される(1C)。梅雨明け前後の暑
さのピークで、熱中症の発生リスクが最も高く、重
症率も高い(1C)。また、暑くなる前は、真夏より
も低い温度で熱中症が発生する(1C)。


CQ4-1:熱中症の診断基準は、
どのようなものか?
診 断
A3-1:暑熱環境における体調不良では常に熱中症
を疑う。熱中症とは「暑熱環境における身体適応の
障害によって起こる状態の総称」である。すなわち
「暑熱による諸症状を呈するもの」のうちで、他の
原因疾患を除外したものを熱中症と診断する(1C)。

CQ4-2:熱中症の重症度は
どのように判定するか?
診 断
A3-2:熱中症を軽症から重症まで 1 つの軸でⅠ,Ⅱ,
Ⅲ度の 3 段階の重症度に分類する(1C)。Ⅰ度は現
場にて対処可能な病態、Ⅱ度は速やかに医療機関へ
の受診が必要な病態、Ⅲ度は採血、医療者による判
断により入院(場合により集中治療)が必要な病態
である(1C)。

CQ5:熱中症の予防・治療には
何を飲めばよいか
治 療
A5: 塩 分 と 水 分 の 両 者 を 適 切 に 含 ん だ も の
(0.1~0.2% の食塩水)が推奨される(1C)。現実的
には市販の経口補水液が望ましい。
0.1 から 0.2%程度の食塩水、つまり 1L の水に 1 から 2g の 食塩

推奨されている 飲 水 量 は 高 齢 者 を 含 む 学 童 か ら 成 人 が 500 ~ 1,000mL /日、
幼児が 300 ~ 600mL /日、乳児が 体重 1kg 当たり 30 ~ 50mL /日を目安としている。
糖質摂取とインスリン追加分泌。
こんにちは。

糖質を摂取して 血糖値が上昇すると、
即インスリン追加分泌が起こるのですが、
どのくらいの糖質量に対して反応するのでしょう。

例えば、野菜などに含まれる数グラムの糖質に対しては
インスリン追加分泌は、どのていど出るのでしょう。

通常の食事とスーパー糖質制限食では、
追加分泌インスリンの量はどのくらい差があるのでしょう。

通常糖尿病食とスーパー糖質制限食で、
食前・食後の血糖値・インスリン値の推移をみたデータがあるので
検討してみます。

通常糖尿病食は350kcal 糖質60%で約52.5g

糖質制限食は350kcal 糖質10%で約8.75g


< ケースA:  58才女性 2型糖尿病 Aさん>


通常糖尿病食血糖値、通常糖尿病食IRI   ◆糖質制限食血糖値、糖質制限食IRI
食前: 121mg/dl、2.2μU/ml     ◆124mg/dl、3.5μU/ml  
30分後: 206、6.2          ◆ 140、4.6
60分後: 304、19.1          ◆ 142、6.7
90分後: 250、23.1          ◆ 129、6.9
120分後: 198、21.6          ◆ 135、5.2

通常糖尿病食で糖質を52.5g摂取したときは、
Aさんの血糖値の上昇はかなりです。

それに伴い、糖尿病で分泌能力はやや低下していますが、
それなりにピークは、基礎分泌の10倍くらい
追加分泌インスリンが分泌されています。
しかし血糖コントロールはよくありません。

一方、糖質制限食で糖質8.75g(野菜分)なら、
血糖値の上昇は極めて少なく、インスリンの分泌もピークで2倍です。


< ケースB:  57才女性 2型糖尿病 Bさん>
通常糖尿病食血糖値、通常糖尿病食IRI   ◆糖質制限食血糖値、糖質制限食IRI

食前: 108mg/dl 、3.8μU/ml      ◆ 113mg/dl、4.1 μU/ml
30分後: 148、35.2           ◆ 115、10.1
60分後: 189、58.5           ◆ 116、11.7
90分後: 142、55.1           ◆ 108、10.6
120分後: 126、24.9           ◆107、13.5

Bさんの場合、1年間の糖質制限食実践で、
糖尿病型から正常型に耐糖能が改善しています。

通常糖尿病食で糖質を52.5g摂取したときは、
血糖値の上昇はみられますが、大量のインスリン追加分泌により、正常型で済んでいます。

ピークのインスリン分泌は基礎分泌の15倍と大量にでています。
BさんはAさんに比しインスリン分泌能力がしっかり残存しています。

一方、糖質制限食で糖質8.75g(野菜分)なら、血糖値の上昇は極めて少なく、
インスリンの分泌もピークで3倍です。

このように糖尿人でも正常人でも、
糖質摂取量により、インスリン追加分泌には、
はっきり差があります。

また膵臓のβ細胞のダメージの程度により、
同じ2型糖尿人でもインスリン分泌能力に差があります。

ちなみに、脂質摂取ではインスリン分泌なしで、
タンパク質摂取では少量インスリンが分泌されます。

インスリンは、人体で唯一血糖値を下げるホルモンで、
膵臓のランゲルハンス島のβ細胞でつくられ分泌されます。

24時間少量持続的に出ている基礎分泌のインスリンと、
糖質を摂取して食後血糖値が上昇したときに、
その10~30倍の量が出る追加分泌のインスリンがあります。

追加分泌のインスリンには、
即分泌される第1相と少し遅れて出る第2相があります。

正常人は、血糖値が上昇し始めたら即インスリンが追加分泌されます。

この第1相反応は、もともとプールされていたインスリンが5~10分間分泌されて、
糖質摂取時の急激な食後高血糖を防いでいます。

その後、膵臓のベータ細胞は、
第2相反応と呼ばれる持続するインスリン分泌を行います。

これは、食事における糖質の残りをカバーしています。
即ち、糖質を摂取している間は、第2相のインスリン分泌が持続します。

2型糖尿人は、通常、第1相反応が低下或いはなくなっていることが多いようです。
従って、糖質摂取時に血糖値の急激な上昇(グルコーススパイク)が起きてしまいます。

また、第二相も低下していることが多いので、糖質を摂取する限り、
一旦上昇した血糖値はなかなか下がってきません。

糖質制限食ならば、野菜分のごく少量の糖質だけなので、
2型糖尿人においても、食後高血糖はほとんど生じません。

追加分泌インスリンも、ごく少量ですみます。
追加分泌インスリンが少量なら、勿論、数時間後の機能性低血糖も生じません。

ただ、スーパー糖質制限食で、
食前より食後の血糖値の方が少し低くなる糖尿人が時におられます。

これは、追加分泌第一相のインスリン量が
摂取した少量の糖質分の血糖上昇をカバーして少し余ったということですが、
もちろん低血糖にはなりません。

なお、B)さんの事例で言えることですが、
正常人が普通に糖質を摂取すると上述のように大量の追加分泌インスリンが出ます。
インスリンは活性酸素を発生させ、酸化ストレスリスクとなります。
インスリンは人体に絶対必要であり、基礎分泌インスリンがなければヒトは死にます。
しかし、インスリン過剰分泌には
『発ガン・老化・アルツハイマー病・パーキンソン病・酸化ストレスなど』のリスクがあるので、
少量ですむにこしたことはないのです。

江部康二
糖質オフのレストランが増加。選択の基準は?糖質は何gまでOK?
【17/07/02 名古屋・h
糖質オフでもフルコ-ス
江部先生こんにちわ。

7月2日、日本経済新聞、日曜版、14ペ-ジ、
the STYLE/Gourmet に「糖質オフでもフルコ-ス」の記事が載っています。

東京・銀座イタリアンレストラン「ファロ銀座」が糖質を抑えたコ-スメニュ-くを3年前に考案したとのことです。パスタなどを味にこだわって、低糖質に工夫した方法などが詳細に紹介されています。
山田悟先生監修とのことで、総糖質量は21.9グラムとなっています。

日経までが糖質オフを紹介するようになったことは時代が大きく変わって来たことを示していると思います。

先生の近著、「糖質制限革命」の中でも述べておられる通り、糖質オフ市場急拡大です。
インタ-ネット調べると、糖質オフのレストラン、カフェがものすごく多くなっているのに驚きます。

上述ファロ資生堂のフルコ-ス、糖質量21.9グラムは若干多いので迷うところですが、私ならフルコ-スは止めパスタなどを外してアラカルト、糖質は10グラム程度にしたいところです。
近著の糖質制限メニュ-への要望にあるように、山田先生のロカボでOKの人もありますが、より少ない糖質量のメニュ-もあれば糖尿人にとっては有難いところです。

糖質オフがさらに広がり多くの人々の健康増進に寄与することを願っています。
先生の更なるご尽力をお願いします。

名古屋・h】


こんにちは。
名古屋・hさんから、
糖質オフレストランの情報を頂きました。
ありがとうございます。

近年、ご指摘のように糖質制限OKレストランがどんどん増えてきて
とても嬉しく思っています。

ただ、お店によって、フルコースの糖質量が違ってくるので
糖尿人は、自分で選択することが必要です。

私も、名古屋・hさんと同様に、一回の食事の糖質量を10gていどにしたいと
思っていますので、普通はアラカルトで頼むことが多いですね。


A)高雄病院のスーパー糖質制限食(1回の食事の糖質量10~20g以下)
B)山田悟先生の緩い糖質制限食(1回の食事の糖質量20~40g)

高雄病院のスーパー糖質制限食と山田先生のロカボでは、
このように、1回の糖質摂取量設定に、違いがあります。

1)食後高血糖改善効果
食後高血糖改善効果ですが、
A)は極めて効果が高いですがB)はかなり劣ります。

A)は、臨床的に合併症予防ができるレベル、
食後1時間血糖値180mg/dl未満、
食後2時間血糖値140mg/dl未満達成を目指していて、
ほとんどの場合それが可能です。

B)は食後1時間血糖値180mg/dl未満、
食後2時間血糖値140mg/dl未満を達成することは、
困難な糖尿人が多いと思います。
従って、従来の糖尿病食(高糖質食・一回の糖質量約90g)よりはましですが、
合併症をきっちり予防することは困難です。
B)は境界型レベルならば、糖尿病発症予防効果があるという論文があります。

2)追加分泌インスリン
A)は耐糖能正常型の人の場合でもインスリン追加分泌は2~3倍レベルですみます。
B)は耐糖能正常型なら、追加分泌インスリンは10倍~20倍レベルでます。

インスリンは人体に絶対必要であり、基礎分泌インスリンがなければヒトは死にます。
しかし、インスリンには
『発ガン・老化・アルツハイマー病・パーキンソン病・酸化ストレスなど』のリスクがあるので、少量ですむにこしたことはないのです。

従って、B)の場合は、野放しの高糖質食に比べればましですが、
インスリン過剰のリスクがあるていどあることになります。

A)の場合は、人類700万年間の狩猟・採集時代に、野生の果物、ナッツ類、根茎類を食べたレベルと同程度の追加分泌インスリンなので許容範囲と思います。

3)問題点
B)は、インスリン追加分泌が多いこと以外にも、
食後高血糖と平均血糖変動幅増大という酸化ストレスリスクに関しては、
効果が弱いので問題と言えます。

<考察>
A)の場合、殆どの糖尿人において、合併症予防という観点からは、
問題ないと思われます。
体重減少効果も同様であり、
「継続し易さ」「普及」「治療効果」においてバランスのとれた食事療法と言えます。

B)は、「継続し易さ」「普及」は優れていますが、
肝腎の治療効果が劣ることと、
食後高血糖と平均血糖変動幅増大という問題点を抱えています。
境界型レベルなら、糖尿病発症予防効果が期待できます。

ダイエット目的なら、A)で目標達成したあとB)で維持するというパターンもあります。

<結論>
自画自賛になりますが、
高雄病院のスーパー糖質制限食がやはりバランスがいいのかなと思います。(^^) 

一方、山田悟先生の緩い糖質制限食も役割分担という視点にたてば対立するというよりも、
一人一人の嗜好やニーズに応じて、相補的なものと思います。


江部康二