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緑茶、コーヒー、カフェインは糖尿病発症リスクを減らす。
こんにちは。
緑茶とコーヒー、いずれも私はよく飲みます。
それで、少し調べてみました。

糖尿病
Vol. 51 (2008) No. 6 P 471-472
特集 糖尿病発症要因としての生活習慣
―わが国における前向きコホート研究の結果を中心に
緑茶・コーヒーの糖尿病予防効果


少し前の研究ですが、
緑茶とコーヒーとカフェインに糖尿病発症リスクを減らす可能性があるとのことです。
特に、BMI が 25 kg/m2 以上の群ではその傾向が顕著だったそうです。
40~65歳の 17,413 人を5年間追跡した研究です。
緑茶は、不発酵茶の総称ですが、一番普通に日本人が飲んでいる緑茶は煎茶です。

糖尿病発症リスク比は、
緑茶週 1 杯以下の飲用と比べて1日6 杯以上では 0.67、
コーヒー週 1 杯以下と比べて、1 日 3 杯以上では 0.58 であり、
緑茶およびコーヒー飲用と糖尿病発症リスクを有意に減らしました。

緑茶およびコーヒーの糖尿病予防効果のメカニズムとしては,
緑茶やコーヒーに豊富に含まれるカフェインの
(1)基礎代謝の促進
(2)筋肉における脂肪燃焼
(3)グリコーゲンの異化
(4)末梢組織からの遊離脂肪酸の放出の促進

が考えられるそうです。

カフェインも適量なら、良い作用があるということですね。
緑茶6杯で、カフェインが120mg、
コーヒ3杯で、カフェインが180mgです。

カフェインを1日200~300mg以上摂取した場合は 個人差はありますが、
不眠・動悸・いらいら・頭痛・振戦・神経過敏などの
カフェイン過剰症状がでることがありますので、
飲みすぎには注意ですね。( ̄_ ̄|||)

カフェインを含む飲料には、コーヒー以外にお茶があります。

麦茶は、カフェインがゼロです。。
それに比べ、玉露のカフェイン含有量、半端じゃないですね。ヾ(゜▽゜)


**福岡市薬剤師会のサイト
http://www.fpa.or.jp/library/kusuriQA/50.pdf

飲料別カフェイン含有量
滲出液100ml中

玉露 160mg
煎茶 20mg
番茶 10mg
ほうじ茶 20mg
釜炒り茶 10mg
玄米茶 10mg
ウーロン茶 20mg
紅茶  30mg
コーヒー  60mg
麦茶    0mg


江部康二


☆☆☆
糖尿病
Vol. 51 (2008) No. 6 P 471-472


特集 糖尿病発症要因としての生活習慣
―わが国における前向きコホート研究の結果を中心に


緑茶・コーヒーの糖尿病予防効果


―JACC Study の結果から

丸山 広達   磯 博康
大阪大学大学院医学系研究科公衆衛生学

はじめに
欧米のコホート研究のメタ解析において,1 日 5∼6
杯以上のコーヒー飲用は1日2 杯以下の飲用に比べて
糖尿病の発症リスクが低率であることが示されてい
る1).しかしながら緑茶は欧米では一般的に飲用する
習慣がないため,糖尿病リスクとの関連はこれまで報
告されていなかった.そこで,筆者らは文部科学省助
成の大規模コホート研究(The Japan Collaborative
Cohort Study for Evaluation of Cancer Risk : JACC
Study)において,緑茶,コーヒー飲用と糖尿病リス
クとの関連について分析を行った2).

対象と方法
ベースライン時に糖尿病,心疾患,ガンの既往歴の
ない 40∼65 歳住民 17,413 人(男性 6,727 人,女性
10,686 人)を対象として,質問票によるコーヒー,紅
茶,緑茶,ウーロン茶の摂取状況と,5 年後の糖尿病
診断の有無との関連を分析した.

結 果
5 年の追跡期間中に 444 人(男性 231 人,女性 213
人)の糖尿病発症の申告があった.糖尿病発症リスク
比は,緑茶週 1 杯以下の飲用と比べて1日6 杯以上で
は 0.67,コーヒー週 1 杯以下と比べて,1 日 3 杯以上
では 0.58 であり,緑茶およびコーヒー飲用と糖尿病
発症リスクとの間に有意な負の関連が認められた
(Fig. 1).緑茶と糖尿病発症リスクとの関連は,特に
女性において強い関連が認められた(Fig. 2).
また,総カフェイン摂取量により 5 分位に分けて分
析した結果,総カフェイン摂取量が下位 20 パーセン
タイルの群(中央値 57 mg/day)に対し,上位 20 パー
センタイルの群(中央値 416 mg/day)では,糖尿病発
症リスク比が 0.67 であった.この負の関連は,特に
BMI が 25 kg/m2 以上の過体重の肥満者において顕著
であり,下位 20 パーセンタイルの群に対し,上位 20
パーセンタイルの群のリスク比は 0.49 であった(Fig.
3).カフェイン摂取と糖尿病発症リスク低下との関連
は,特に男性においてより強く認められた(Fig. 4).

おわりに
以上の結果から,緑茶およびコーヒーの飲用,そし
てカフェイン摂取が,糖尿病の発症リスクを減少させ
る可能性が示された.特に,BMI が 25 kg/m2 以上の
群ではその傾向が顕著であった.
緑茶およびコーヒーの糖尿病予防効果のメカニズム
としては,緑茶やコーヒーに豊富に含まれるカフェイ
ンの(1)基礎代謝の促進,(2)筋肉における脂肪燃焼,
(3)グリコーゲンの異化,(4)末梢組織からの遊離脂肪
酸の放出の促進が考えられる3).
また,カフェイン以外の作用として,緑茶に含まれ
ているエピガロカテキンガレート,コーヒーに含まれ
ているクロロゲン酸の抗酸化作用による,インスリン
抵抗性の改善が挙げられる4).加えて,緑茶カテキン
に関しては,HbA1C の低下作用も報告されている5).
さらに,緑茶やコーヒーは鉄分の吸収を抑えるため,
非ヘム鉄の体内貯蔵が低下し,インスリン抵抗性が改善する可能性がある。