HbA1cと空腹時血糖値による評価では食後高血糖を見逃す。GAは?
こんばんは。

日本糖尿病学会は血糖コントロールの指標としてHbA1cを選択しています。

2013年の熊本宣言後血糖コントロール目標として
合併症予防のために、血糖管理目標値をHbA1c7%未満とし、
対応する血糖値としては、空腹時血糖値130mg/dl未満食後2時間血糖値180mg/dl未満をおおよその目安としました。

現在、ほとんどの病院で血糖コントロールの評価に用いられているのは、「HbA1c」と「早朝空腹時血糖値」の2つです。

しかし、「HbA1c」と「早朝空腹時血糖値」の2つを検査しても、
食後高血糖があるかどうかは、全くわかりません。


例えば、HbA1cが6.8~6.9%であれば、7.0%未満で一応目標達成です。

しかし、従来の糖尿病食(高糖質食)を摂取しながら、
SU剤(アマリールなど)やインスリン注射で、HbA1c6.8~6.9%を達成していても、
食後高血糖と空腹時低血糖を日常的に生じている可能性が極めて高いのです。

食後血糖値が250mg/dl前後あり、
一方で夜間空腹時血糖値が薬物のせいで50mg/dl前後とかになっていると、
平均血糖値を反映するHbA1cは6.8~6.9%くらいになり、
糖尿病学会の目標では、見かけ上はコントロール良好となります。
例えば、HbA1c6.8%なら、平均血糖値は148mg/dlです。
HbA1c6.9%なら、平均血糖値は151.3mg/dlです。
あくまでもHbA1cは平均血糖値の指標ですから
その実態は
「250mg+50mg」÷2=150mg/dl
である可能性があるのです。

そもそも
HbA1cは短時間の食後高血糖は、反映しないのです。

この場合、HbA1c6.8~6.9%といっても、食後高血糖と平均血糖変動幅増大のある酸化ストレスリスクの高い、
極めて質の悪いHbA1c
であり、合併症の予防は困難です。

現実に、人工透析16000人/年、失明3000人/年、足切断3000人/年と、
HbA1cがコントロール良好にも関わらず、合併症を起こす糖尿人が後を絶たないのは、
従来の糖尿病食(高糖質食)と薬物療法のコンビによる「質の悪いHbA1c」であるからに他なりません。

CGM(Continuous Glucose Monitoring:持続ブドウ糖測定)システムで、24時間ブドウ糖を測定すれば、
質の悪いHbA1cのもとである「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」の存在は一目瞭然です。

しかし、CGMはインスリンポンプを実施している病院でないと
健康保険では検査できないのです。
高雄病院でもやっと去年から、CGMが保険で検査可能となりました。

簡便にチェックするなら、グリコアルブミン(GA)が便利です。

GAは食後高血糖があると短時間でもそれを反映する優れた指標なのです。

グリコアルブミンの基準値は、11.8~16.0%で、コントロール良好は、20.0%未満です。

私は最近の採血で

HbA1c(NGSP):5.8%(基準値4.6~6.2%)
グリコアルブミン(GA):13.4%(基準値11.8~16.0%)

というデータでした。

GAは基準値内の低めですので食後高血糖がほとんどないことを示しています。

従ってHbA1cも極めて質のいいHbA1cです。

ある50代男性糖尿人Aさんの検査では
HbA1c:5.8% 
グリコアルブミン:18.0%
でした。

江部康二とAさんと、HbA1cは全く同じです。

一方AさんのGAもコントロール良好ではあるのですが、私のデータと比べるとかなり高値です。

つまりAさんは、私に比べると食後高血糖が一定あることとなります。

よくよくAさんに聞いてみると

「麺類が好きで時々食べていました」

ということでした。

麺類を止めて貰ったら、GAも16.0%をきるようになりました。

このように考えて見ると本当は、月1回の健康保険の検査は、HbA1cよりもグリコアルブミン(GA)のほうが好ましいと言えます。

GAと空腹時血糖値あるいは随時血糖値の検査をしておけば、短時間の食後高血糖も見落とすことがなくなり、
一日を通して、HbA1cより正確な血糖値の変化を反映していることとなります。

しかし日本も世界もHbA1c一辺倒なので、他の病院や今までの検査との比較という意味では、
HbA1cを検査せざるを得ないのが現状です。

HbA1cとGAに関して、糖尿病専門医の先生方、そして日本糖尿病学会の見解を聞きたいところですね。

現在、日本の病院のほとんどがHbA1c単独です。
1型糖尿病の人は、HbA1cとGAを健康保険で同時に検査できます。
しかし2型糖尿人の場合は、HbA1cとGAとどちらか一つしか、
健康保険で検査できません。

高雄病院では、HbA1cとGAの意義をよく説明して、片方は保険外で同一月に測定とか、いろいろ工夫しています。


江部康二
栃木県野木町、糖質制限食ダブルヘッダー講演のご報告。
こんばんは。
先ほど、栃木県野木町から京都に帰ってきました。

野木町観光名所の旧下野煉化製造会社煉瓦窯(通称、野木町煉瓦窯)は
ホフマン式の煉瓦窯で、
明治23年(1890)から昭和46年(1971)までの間に多くの赤煉瓦を生産し、
日本の近代化に貢献したそうです。
http://www.town.nogi.lg.jp/page/page000843.html
昭和54年(1979)に国の重要文化財に指定されたそうです。
とても大きくて立派な煉瓦窯でしたよ。(^^)

2017/5/28(日)は、久しぶりのダブルヘッダー講演でした。

A)
午前中は、
健康タウンのぎ講演:一般向け
「糖尿病・メタボを予防する食事法」 
日時:5月28日(日)10時~12時
場所:野木町役場 新館2階 大会議室
後援:一般社団法人 小山地区医師会

菊池クリニック院長、菊池宏典先生が、
約20分間のご講演をいただき、
私が、10時半からの講演でした。
菊池先生はとてもわかりやすく、
ユーモアを交えて、生活習慣病やメタボリックドミノなどのお話しをされ、
糖質制限食の役割についても言及されました。
おかげさまで、私の講演もとてもやりやすかったです。
菊池宏典先生、ありがとうございました。

町民の方々が100人のご参加で、満員御礼でした。
活発な質疑応答もありました。
100人、誰一人居眠りすることなく熱心に聞いて頂き、嬉しい限りでした。
ランチは、こびとカフェさんの ローカーボランチBOX で、
美味しく楽しく糖質制限ランチをいただきました。

真瀬宏子町長、伏木富雄部長、石渡眞課長、
このたびは、お招き頂き、ありがとうございました。 m(_ _)mVV 


B)
医師会によるランチョンセミナー、
「小山地区医師会学術講演会」
日時:5月28日(日)13:00~14:30、
講義:70分、質疑応答 20分
演題
肥満・糖尿病と糖質制限食
  ~理論と実践~
抄録
「糖質制限食VS脂肪制限食」のRCT及びRCTメタ解析において、体重減少には糖質制限食が有効であった。
米国糖尿病学会は「成人糖尿病患者の食事療法に関する声明」で2013年10月、糖質制限食を正式に容認した。


「小山地区医師会学術講演会」は
医師の生涯教育の単位として認定して頂きました。
小山地区医師会様、
ご後援と単位認定をいただき、ありがとうございました。
50人の定員満員の参加者で、質問も相次ぎ、
とても充実した講演会となりました。
インスリンの話題もでました。

インスリンは、食べた糖質が血糖値を上昇させたとき、
まずは筋肉に取り込ませて血糖を
下げますが、余剰の血糖は中性脂肪に変えて、体脂肪として備蓄します。
このため、
現代では「インスリン=肥満ホルモン」というありがたくない名称がついています。
しかし、狩猟・採集時代の700万年間は、
毎日日常的に食料が確保できたわけではなく
ご先祖の生活は、基本的には飢餓との戦いの連続でした。
この飢餓に対する「唯一のセーフティーネット」が、
インスリンによる「体脂肪の備蓄」だったと考えられます。
狩猟・採集時代、血糖値を下げることよりも、
「体脂肪の備蓄」のほうが、インスリンの重要な役割だったと思われます。

佐々木栄子管理栄養士さんには、
前日から、道先案内人をつとめて頂き、誠にありがとうございました。
私は、かなり方向音痴気味なのでとても助かりました。

5/27(土)の前夜祭では、
イタリアンレストランで、牛肉、豚肉、鶏肉をはじめ、糖質制限な
盛りだくさんの料理をご馳走して頂き、おおいに堪能致しました。

菊池先生、佐々木さん、熱烈歓迎、ありがとうございました。 m(_ _)mVV 


江部康二

スーパー糖質制限食と「発がんリスク」、肉は?「発がん予防」は?
おはようございます。

糖質セイゲニストは、必然的によく肉を食べます。
肉の摂取と発がんのリスクについて
心配している糖質セイゲニストも多いと思いますので、
今回は、それについて考えて見ます。

赤身の肉・加工肉ですが、
がんのリスクを高めることを示唆する文献はあります。

そういう結論のいろんな文献がありますが、
全て糖質を約40~60%摂取している集団のデータなので、
スーパー糖質制限食実践者(糖質摂取比率12%)には、実はあてはまりません。

次に世界ガン研究基金の2007年の報告について検討してみます。
Food, Nutrition, Physical Activity and the the Prevention of Cancer: A Global Perspective
「食べもの、栄養、運動とがん予防」
http://www.wcrf.org/sites/default/files/english.pdf



まずは、ウィキペディアの解説です。
よくまとまっているので、以下に一部引用しました。

【食生活指針
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A3%9F%E7%94%9F%E6%B4%BB%E6%8C%87%E9%87%9D

2007年11月1日、世界がん研究基金とアメリカがん研究協会によって
7000以上の研究を根拠に「食べもの、栄養、運動とがん予防」が報告されている。

①肥満  ゴール:BMIは21-23の範囲に。 推薦:標準体重の維持、BMI25未満。

②運動   推薦:毎日少なくとも30分の運動。

③体重を増やす飲食物   推薦:高エネルギーの食べものや砂糖入り飲料やフルーツジュース、ファーストフードの摂取を制限する。飲料として水や茶や無糖コーヒーが推奨される。

④植物性食品   ゴール:毎日少なくとも600gの野菜や果物と、少なくとも25グラムの食物繊維を摂取するための精白されていない穀物である全粒穀物と豆を食べる。 推奨:毎日400g以上の野菜や果物と、全粒穀物と豆を食べる。精白された穀物などを制限する。
トランス脂肪酸は心臓病のリスクとなるが、がんへの関与は知られていない。

⑤動物性食品   赤肉(牛・豚・羊)を制限し、加工肉(ハム、ベーコン、サラミ、燻製肉、熟成肉、塩蔵肉)は避ける。赤肉より、鶏肉や魚が推奨される。 ゴール:赤肉は週300g以下に。 推奨:赤肉は週500g以下に。乳製品は議論があるため推奨していない。

⑥アルコール   男性は1日2杯、女性は1日1杯まで。

⑦保存、調理   ゴール:塩分摂取量を1日に5g以下に。 推奨:塩辛い食べものを避ける。塩分摂取量を1日に6g以下に。カビのある穀物や豆を避ける。

⑧サプリメント   ゴール:サプリメントなしで栄養が満たせる。
推奨:がん予防のためにサプリメントに頼らない。

⑨母乳哺育   6か月、母乳哺育をする。
これは母親を主に乳がんから、子供を肥満や病気から守る。

⑩がん治療後  がん治療を行ったなら、栄養、体重、運動について専門家の指導を受ける。

***
タバコの煙もがんの主因であると強調している。また、タバコとアルコールは相乗作用で発癌物質となる。】




肥満に関しては、大腸・食道・膵臓・腎臓・子宮内膜(子宮)・乳房のガンになるリスクが高まるとしています。
これら6つのガンに関しては、はっきり肥満がリスクになるということです。
また、胆嚢に関しては、肥満がおそらく発ガンのリスクを高めるとしています。
糖質制限食が肥満にはもっとも有効な治療法です。 (^_^)
肥満がリスクになるガンは、
高インスリン血症が関与している可能生が高いと思います。
「高インスリン血症」と「高血糖」には、
発ガンリスクであるというエビデンスがあります。
国際糖尿病連合(IDF)2011年の報告では
「食後高血糖は癌発症リスク上昇と関連する」として、
食後血糖値は、食後1~2時間で測定されるべきで、
160mg/dl未満が目標というのが加わりました。

②運動
③体重を増やす飲食物

は①とも関連してますね。私も賛成です。

④植物性食品では、食物繊維の摂取を推奨ですね。
また精製炭水化物の制限を推奨です。
賛成です。

⑤動物性食品
赤肉(牛・豚・羊)は週500g以下にという目標は、
日本人にはそんなに難しくはないように思いますが、
米国人にはとんでもなく厳しい数値目標ですね。
しかし、世界ガン研究基金の報告の元になった数多くの文献も、
やはり全て糖質を約40%~60%摂取している集団のデータなので、
スーパー糖質制限食実践者にはあてはまりません。
最近は、動物性脂肪の害はないという文献も出てきているので個人的には、
もう少し赤肉を食べてもいいように思います。

ごく普通の食事をしている集団(糖質摂取比率約40%~60%)においては、
糖質摂取比率12%のスーパー糖質制限食集団に比べると、
糖尿病でない耐糖能正常の人においても、
必ず「食後血糖値の上昇」と「高インスリン血症」を生じています。
「食後血糖値の上昇」と「高インスリン血症」を日常的に生じている集団においては、
世界ガン研究基金の報告のように
「動物性食品 赤肉(牛・豚・羊:四つ足動物)を制限し、
加工肉(ハム、ベーコン、サラミ、燻製肉、熟成肉、塩蔵肉)は避ける」
ほうが、発ガンに関して、安全な可能性が高いということには私も賛成です。

⑥アルコール
「男性は1日2杯まで」
これは仰有る通りかもしれませんが、残念ながら私には守れそうもありませんし、守っていませんね。(-_-;)

⑦保存、調理
塩分6g以下ですか。結構厳しいですね。σ(=_=;)ヾ

⑧⑨⑩は賛成です。

タバコの害も言うまでもないですね


個人的には「高インスリン血症」と「食後血糖値の上昇」という
発ガンリスクがほとんどないスーパー糖質制限食なら、
少なくとも、肥満関連のガンに対しては、
予防効果がある可能性が高いと思いますが、
あくまでも仮説であり、エビデンスがあるわけではありません。

加工肉にはいろいろな添加物が多いので、少量がいいかと思います。
そして魚と肉との比率は、大ざっぱに<1:1>くらいがいいかなと思っています。
勿論、魚が多くてもいいです。

私自身はスーパー糖質制限食を 2002年から実践して足かけ16年目ですが、
赤みの肉はしっかり食べています。

鶏肉も魚貝も卵も大豆製品もよく食べますし、葉野菜、海藻、茸もよく食べます。

間食でチーズ、ナッツ、スルメ、焼き海苔、干し海老、メザシ・・・もよく食べます。

果物は、少量を時に食べることがあります。

以下、結論です。

<スーパー糖質制限食とヒト発癌に関する考察>

A)「スーパー糖質制限食で発癌のリスク上昇というエビデンスはない。」
B)「スーパー糖質制限食で発癌のリスク減少というエビデンスもない。」
C)「糖質摂取比率12%の集団と通常食の集団における癌の発生を、長期間経過観察した臨床研究は、存在しない。」


1)スーパー糖質制限食で、明確な発癌リスクである食後高血糖と高インスリン血症は、
一日を通して確実に改善する。
2)スーパー糖質制限食で、発癌リスクを減らすHDL-Cが増加する。
3)スーパー糖質制限食を長期間続けて将来発癌リスクが上昇するとしたら
1)2)の利点を帳消しにしてさらにそれを上回る何らかの発癌リスクがあると仮定するしかない。
◇  →そのようなリスクは知られてない。


4)
1)2)3)を考慮すれば、あくまでも仮説であるが、
スーパー糖質制限食により、肥満関連のがんの予防効果が期待できる。



江部康二
2017年6月18日(日) 朝日カルチャーセンター立川教室。糖質制限食の講座。
おはようございます。

2017年6月18日(日)
朝日カルチャーセンター立川教室にて
糖質制限食の講座の講師をつとめます。

2016年4月30日(土)以来、立川では久しぶりです。
この1年、糖質制限食の展開において大きな発展があり
いい意味のサプライズもありました。

2016年7月のNHKクローズアップ現代の試算によれば、
糖質制限市場は、3184億円とのことです。
医学界より、企業のほうが糖質制限食をビジネスチャンスと捉えて
行動が迅速なようです。

一方、医学界においても、嬉しいサプライズです。
2017年2月7日(火)午後から、東京大学医学部に行ってきました。
渡邊昌先生、門脇孝先生、江部康二の3人で鼎談を行いました。
二人で話し合うのが対談で、三人で話し合うのが鼎談です。
渡邊昌先生は、医学雑誌「医と食」の編集長です。
門脇孝先生は、
一般社団法人 日本糖尿病学会 理事長
であり、
東京大学大学院医学系研究科糖尿病・代謝内科教授
です。

日本糖尿病学会のトップとじっくり話し合うことができて、
とても有意義な90分間でした。

ケトン体に関しても「心血管イベント,および全死亡の発症率を低下」という
とてもポジティブな評価を示す研究が最近発表され、
糖質制限食にとって大きな追い風となりました。

このような、糖質制限食に関する最新の動向を、本講座において
余すこと無くお話ししたいと思います。
東京、関東方面の皆さん、是非奮って、ご参加頂けば幸いです。


江部康二


☆☆☆
以下、朝日カルチャーセンター立川教室のサイトから一部抜粋。

朝日カルチャーセンター立川教室
糖尿病&生活習慣病と糖質制限食
講師名 高雄病院理事長 江部 康二
https://www.asahiculture.jp/tachikawa/course/6b4de227-9489-6f6c-0701-585a6ad79f60

講座内容
糖質制限食は、1999年から京都・高雄病院において糖尿病治療食として開始され、
合併症を予防できる唯一の食事療法として画期的な成果をあげてきました。
この課程で、肥満・メタボなど様々な生活習慣病にも有効ということが判明しました。
従来の糖尿病食(カロリー制限食)と糖質制限食の比較や注意点についてもお話します。(講師記)


日時・期間   日曜 13:30-15:00  6/18  1回
日程   2017年 6/18

受講料(税込み)
6月(1回)
会員 3,024円
一般 3,672円

お申し込み①
https://www.asahiculture.jp/tachikawa/course/6b4de227-9489-6f6c-0701-585a6ad79f60

お申し込み②
朝日カルチャーセンター立川教室 
電話:042-527-6511

講師紹介 江部 康二 (エベ コウジ)
<プロフィール>
・ 1950年生まれ。
・ 1974年京都大学医学部卒業。
・ 1974年から京都大学胸部疾患研究所第一内科(現在京大呼吸器内科)
にて呼吸器科を学ぶ。
・ 1978年から高雄病院に医局長として勤務。1996年副院長就任。
・1999年高雄病院に糖質制限食導入。
・2000年理事長就任。
・ 2001年から糖質制限食に本格的に取り組む。
・2002年に自ら糖尿病であると気づいて以来、さらに糖尿病治療の研究に力を 注ぎ、
「糖質制限食」の体系を確立。これにより自身の糖尿病を克服。
内科医/漢方医/
一般財団法人高雄病院理事長/一般社団法人日本糖質制限医療推進協会理事長

<著書>
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』2005年(東洋経済新報社)
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編』2008年(東洋経済新報社)
『我ら糖尿人、元気なのにはわけがある』2009年(東洋経済新報社・作家宮本 輝氏との対談本)
『糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食』2010年(ナツメ社)
『主食をやめると健康になる』2011年(ダイヤモンド社)
『食品別糖質量ハンドブック』2012年(洋泉社)
『糖質オフ!健康法』2012年(PHP文庫)
『糖尿病治療のための!糖質制限食パーフェクトガイド』2013年(東洋経済新 報社)
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!新版』2014年(東洋経済新報社)
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!2 実践編 新版』2014年(東洋経済新報社)
『炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません』2014年(東洋経済新報社)
『江部先生、「糖質制限は危ない」って本当ですか? 』 2015年(洋泉社)
『なぜ糖質制限をすると糖尿病が良くなるのか』2015年(ナツメ社)
『糖質制限の教科書』2015年(洋泉社)監修
『よくわかる! すぐできる! 「 糖質オフ! 」健康法 』2016年(PHP研究所)
『人類最強の「糖質制限」論~ケトン体を味方に して痩せる、健康になる』2016年(SB新書)
『江部康二の糖質制限革命』2017年(東洋経済新報社)
など多数。

ブログ
『ドクター江部の糖尿病徒然日記』( http://koujiebe.blog95.fc2.com/
は日に約数千件のアクセスがあり、
糖尿病のかたやそのご家族から寄せられ た質問への回答や、
糖尿病・糖質制限食に関する 情報の発信に、日々尽力している。
脂質栄養学会講演。脂質栄養学での論文。 糖尿病、久山町の悲劇と糖質制限法。
【17/05/23 らこ
江部先生の論文紹介お願い申し上げます。
脂質栄養学 第26巻,第 1 号(2017)p.47-57

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jln/26/1/26_47/_pdf

よろしくお願いします。】


おはようございます。

らこさんから
私の論文が、ネットにpdfファイルで公開されているとの
コメントをいただきました。
ありがとうございます。
論文は書きましたが、ネットでpdfファイル公開とは知りませんでした。

以下は
2016年9月16日(金)日本脂質栄養学会での発表の講演要旨です。
この講演を基に論文を執筆しました。
論文は
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jln/26/1/26_47/_pdf
を御覧頂けば幸いです。
やや長文となりますが、とても参考になると思います。

江部康二

糖尿病、久山町の悲劇と糖質制限法

財団法人高雄病院、日本糖質制限医療普及推進協会代表理事
江部 康二


講演要旨 
抄録

「摂取後直接、血糖に影響を与えるのは糖質のみであり、蛋白質・脂質は、摂取後、直接血糖に影響を及 ぼすことはない。」というのが米国糖尿病学会の見解である。これらは含有エネルギーとは無関係の生理学的事実である。食後高血糖と一日平均血糖変動幅増大が、糖尿病患者において最大の酸化ストレスリスクとなるが、これらを生じるのは糖質摂取だけであり、脂質や蛋白質を摂取しても生じない。糖質制限食なら食後高血糖は生じず、平均血糖変動幅は速やかに改善する。一方カロリー制限食を実践しても糖質を摂取すれば、必ず食後高血糖と平均血糖変動幅増大を生じる。酸化ストレス亢進は、糖尿病合併症、動脈硬化、ガン、老化、アルツハイマ-病、パーキンソン病などの元凶とされている。米国糖尿病学会は、2013 年 10 月、5 年ぶりに「栄養療法に関する声明」を発表し、全ての糖尿病患者に適した唯一無二の食事パターンはないと明言し、糖質制限食、地中海食、ベジタリアン食、低脂質食、DASH食を受容した。脳はブドウ糖だけでなくケトン体をエネルギー源としていくらでも利用する。ケトン体はインスリン作用が保たれているかぎり安全な物質である。ケトン体は肝細胞内で「脂肪酸→β酸化→アセチルCoA→ケトン体」という順番で日常的につくられていて、肝臓では使われずに、他の臓器・脳・筋肉のエネルギー源として供給される。日常生活では空腹時は心筋・骨格筋など多くの体細胞は脂肪酸・ケトン体を主エネルギー源としているのに対して、赤血球・脳・網膜など特殊な細胞だけがブドウ糖を主エネルギー源としている。なお赤血球はミトコンドリアがないのでブドウ糖だけが唯一のエネルギー源である。2型糖尿病高雄病院入院患者において、同一カロリーにそろえた従来の糖尿病食(高糖質食)と糖質制限食における血糖の日内変動を比較検討してみた。その結果、糖質制限食では従来の糖尿病食に比べて顕著な食後血糖改善効果が認められた。糖尿病合併症は米国においては激減したが、日本では毎年16000人が透析、3000人以上が失明、3000人以上が足切断に陥っている。九州大学医学部が1961年以来継続している信頼度の高い久山町研究において、糖尿病発症予防のため1988年から「食事療法+運動療法」により強力に指導が行われた。しかし2002年の統計では、従来の糖尿病食指導により糖尿病発症が激増しており、私はこれを久山町の悲劇と呼んでいる。

NHKマイあさラジオ。東洋経済オンライン。「江部康二の糖質制限革命」。
おはようございます。

NHKラジオ第一放送「マイあさラジオ」で、
2017/5/21(日)午前6時40分~約10分間
「著者からの手紙」のコーナーにおいて
高市佳明アナウンサーとインタビュー形式で
「江部康二の糖質制限革命」の紹介をして頂きました。

NHKネットラジオ - NHKオンラインの
番組ホームページから
5/21(日)「著者からの手紙」の放送を聞けるようになりました。
http://www4.nhk.or.jp/r-asa/359/

早朝の放送を聞き逃した方は、是非お聞き頂けば幸いです。



健康-東洋経済オンライン
http://toyokeizai.net/articles/-/171789?display=b

「糖質制限は痩せすぎる」にはこう対処せよ!
第一人者が伝授「正しい糖質制限ダイエット」
江部 康二 :高雄病院理事長 2017年05月20日
「「糖質制限は痩せすぎる」にはこう対処せよ!
第一人者が伝授「正しい糖質制限ダイエット」

糖質制限食で、なかにはやせすぎてしまう人も…。
著しいダイエット効果がある糖質制限を、夏に向け始めたいという方も多いことだろう。
だが、糖質制限食を日本で初めて紹介した江部康二医師によると、
糖質制限を行うにあたっては「落とし穴」があるので注意が必要であるという。
「正しい知識」が欠如したまま自己流で実践すると、
前々回(「糖質制限で痩せない!」にはこう対処せよ)解説したように
、期待したダイエット効果が得られないこともあるというのだ。
また逆に、多くの人にとってはぜいたくな悩みかもしれないが、
糖質制限で「やせすぎて困る」という人もいるという。
このたび『江部康二の糖質制限革命』を上梓した江部医師に、
糖質制限ダイエットによる「やせすぎ」への対処法を語っていただいた。

「やせすぎて困る」はエネルギー不足
前々回ご紹介した「やせられない」という方とは逆に、
糖質制限食を実践して「やせすぎて困る」という方も、まれにですがいらっしゃいます。
これからダイエットしたいという方にとっては、うらやましい悩みかもしれませんが、
読者からの質問でも時折見受けられます。比較的、高齢の女性に多いようです。
この「やせすぎる」の原因は、第1回(糖質制限ダイエットの恐ろしい「落とし穴」)でもふれたように、
多くはエネルギー不足によるものです。
糖質制限食には血糖コントロールを改善する効果とともに体重減少効果がありますが、
摂取エネルギーが十分ならば過度に減少することはありません。
その個人における適正な体重で落ち着きます。
ただ、なかには少食タイプの人もいて、
結果として低エネルギーになり、やせすぎることもあるのです。
年齢の高い女性にこうした方が多いのは、食が細くなっているためでしょう。

→次ページ 糖質制限食を食べきれないというケースも

続きは、
http://toyokeizai.net/articles/-/171789?display=b
のサイトをご覧頂けば幸いです。


江部康二
HbA1c、75gOGTT、糖尿病合併症、高血糖の記憶について
【17/05/23 みぃ
長文失礼します。
約3週間前に2型糖尿病の診断を受けた、30代前半、痩せ型女性です。
糖尿病の診断を受けてから先生のブログを子育ての合間に見させていただいているので、過去の記事へのコメントになってしまい、申し訳ありません。

私は10年ほど前からHbA1c5.2〜5.4%(JDS)、NGSPに変わってからは、5.6〜5.7%で、正常高値でした。この度、昨年秋頃から月一回風邪をひき、2か月前からは強い腹痛、下痢が時々あり、そして、急にエンジンが切れたようにだるくなり動けなくなることが時々あり、不眠(中途覚醒、早朝覚醒)も出てきたので、これはおかしいと思い、総診を受診しました。内分泌系の諸々の血液検査データは異常なし。ただ、HbA1cが5.9%と過去最高になっていたので、翌日から糖質制限を実施。4日後、糖尿病内科を受診し、FBS78,HbA1c5.6%でしたが、75gOGTTにて一時間後から200を超えており、2時間後までどんどん上がり(山型ではなく右肩上がりでした)、2時間後は265でした。

それから色々情報収集したり勉強したりして、既に自分は数々の合併症が出ていたことがわかりました。
私は二十歳の頃から、時々腕や太もも、脇などの内側にビリッと電撃痛が走ることがあり、これまでペインクリニックなどで診察してもらいましたが、原因が特定できませんでした。そして、いつの頃からか、足の裏がピリピリとしびれていたことにも最近気付きました。
合併症はHbA1cが7%くらいにならないと起こらないという自分の中の変な意識のせいで、完全に大事な症状を見逃していたのだなと反省しました。そして、ついに自律神経にまで症状が及んできていたのだと思い、大変怖くなりました。今週土曜日に、眼科で網膜症の検査をしてもらおうと思っています。

きっと、HbA1cが基準値を超えていなかっただけで、私の体の中では、低血糖と高血糖が繰り返され、もう長年糖尿病に罹患した状態だったのだと思いました。合併症に関しては、血糖コントロールが良くても、これまでの負の遺産で、悪化することもあると知り、ただただ怖いです。まだ子どもも小さく、二人目の妊娠希望もあります。不安ばかりですが、糖質制限の力を信じて継続するしかないですね。

ちなみに、妊娠中(約3年前)の50gGCTでは1時間後が134でギリギリひっかからなかったのですが、おそらく2時間後は下がることなくもっと上がっていたのだろうなと思い、よく無事に産まれてくれたと奇跡に感謝です。

また、今回も、総診では5.9%という値に対し、「正常範囲内ですよ?心配ですか?」と言われ、糖尿病内科でも、75gOGTTを自分から希望するまでは「5.6%だからまぁ緩く糖質制限をすればいいんじゃないかな」で終わらされるところだったので、改めて、糖尿病診断の困難さを感じました。

今はまだ頭がパニックで、色々考えては落ち込み、今後が不安でなりませんが、このブログにコメントされている皆様、糖質制限をしながら頑張っておられるので、私も力をもらって自分を奮い立たせたいと思います。】



こんにちは。
みぃ さんから、
HbA1c、75gOGTT、糖尿病合併症について、
コメント・質問を頂きました。

『75gOGTTにて一時間後から200を超えており、2時間後までどんどん上がり265』

これは糖質制限食を開始して4日後のデータなので、
見かけ上の耐糖能低下(糖尿病型)と思います。
糖質摂取の準備ができていない状態で、いきなり75gのブドウ糖という大量の糖質摂取なので、
油断していたβ細胞が対応ができなかったのだと思います。

糖尿病学会の推奨通り、75gOGTT検査前の3日間は、
150g/日以上の糖質摂取をしてから、検査すれば、
β細胞も油断していないので、もう少し良い結果(境界型ていど)であったと思います。

平均血糖値の換算式
<平均血糖値 = HbA1c×28.7 - 46.7>


HbA1cが5.9%なら、平均血糖値は122.6mg/dlです。
従って、普通の糖質ありの今までの食生活で、
食後血糖値が200mg/dlを超えていたということは、考えられません。

ここ5年間のHbA1cが5.6~5.9%なら
平均血糖値は、114mg/dl~122.6mg/dlですので
糖尿病合併症が出現することは、ありません。
足の裏のピリピリも、糖尿病合併症ではないと思います。

眼科検診は是非実施しておきましょう。
糖尿病網膜症はないと思いますが、確認して安心しましょう。


『合併症に関しては、血糖コントロールが良くても、これまでの負の遺産で、悪化することもある』

高血糖の記憶、消えない借金という概念は以下のようなことを言います。
例えば過去数年間高血糖でコントロール不良で
HbA1cが9.0%前後の糖尿人Dさんがいたとしましょう。
この糖尿人Dさんが、一念発起してスーパー糖質制限食を開始して、
ものの3ヶ月で、HbA1cが5.8%に改善し、空腹時血糖値も100mg/dlで
食後血糖値も140mg/dl未満となり、コントロール優秀を達成しました。

しかし、現在はコントロール優秀でも、過去のHbA1c9.0%の数年間で
すでに動脈硬化が起こっていたら、
それは消えない借金、高血糖の記憶として残存しています。

そのまま血糖コントロール良好を保っていても、
ベースにある高血糖の記憶により、1年後とか2年後に、
狭心症や心筋梗塞を発症する可能性があるのです。
このことを『高血糖の記憶』といい、油断は禁物なのです。

従って、糖尿病の方々は、
眼科検診、頸動脈エコー、心エコーなど、
画像診断をチェックしておくことが必要なのです。


ともあれ、
みぃ さんの場合は、
前述のように、高血糖の記憶がある可能性はほぼないと思いますので
安心していいと思います。

今から、糖質制限食を実践しておけば、将来の糖尿病発症が予防できますし、
第二子も、インスリンなしで妊娠・出産が可能です。

これからも美味しく楽しく糖質制限食を続けられて、
健康ライフを送って頂けば幸いです。


江部康二
第60回 日本糖尿病学会 年次学術集会[名古屋] の感想
【17/05/21 しらねのぞるば
第60回 日本糖尿病学会 年次学術集会[名古屋] 感想
糖質制限食の観点では,今回の目玉は,やはりDebate #4の『食事療法について再考する~エネルギー制限か糖質制限か~』でしたので,これを聴いて参りました.
このテーマになると 相変わらず会場は満席です.

演者は,エネルギー制限が 府立医大の福井道明先生,糖質制限が 北里研究所病院の山田悟先生で,この組み合わせは これで3回目の対決となります.

まず登壇した山田先生は,
================
学会では,今に至るもカロリー制限か糖質制限かの結論が出せないので,このようなDebateが行われるわけだが,世の中ではとっくに結論が出ている. 実際この学会会場近くのイオン金山を見ると,糖質制限食コーナーがあるほど,今や糖質制限は十分に普及した.

したがって,今更 糖質制限は何かとか,その利点について述べる必要性すら感じない.よって今回はカロリー制限食を推奨することがいかに間違っているか,この点にFocusする.

★診療ガイドラインにおける食事療法エビデンス提示
学会のガイドラインでは,現在でもカロリー制限食を推奨しているが,そのエビデンスはわずか3件の文献のみ(1件は食べ順)). 世界には糖質制限食を評価した多数の文献があるのに,それらは一切採用していない.

★カロリー制限食でいう,『適正なカロリー設定』は本当に適正か
学会ガイドラインでは,『適正カロリー』を,BMI22の標準体重×25-30kcal/kg(軽労作の場合)としているが,これが本当に適正か. ベッド上安静の人であっても,これ以上のカロリーが必要とされている.

★肥満でない人にまで,極端な低カロリー食を強いることが適切か

★そもそも,毎日の食事で,患者に摂取カロリーを把握しろということが,現実的か
100gの牛肉でも,部位や産地により,そのカロリーには数倍の開きがある. この一例を見ても摂取カロリーの正確な把握など不可能.

★1年中,常に一定のP/F/C 比を厳密に守った食事ができる人がいるだろうか?

★カロリー制限食で,肥満体重が減少した,というエビデンスはあるが,血糖コントロールが改善したというエビデンスはない. しかし糖質制限食にはある(学会ガイドラインは,このエビデンス論文を無視しているが)

★糖質制限食の長期安全性は不明というが,ではカロリー制限食の長期安全性のエビデンスは?

★カロリー制限食は,糖尿病治療食として,適当でないだけでなく,危険ではないか.
=========== 以上
と,いつものように多数のスライドで列挙されました.


対して,福井先生は,
================
◇糖質制限食は,食品交換表のP/F/C比率を外れざるを得ない,だから適切ではない. なぜなら食品交換表が適切だからである.
(すみません,ここの箇所,私にはどうしてもこのような循環論法にしか聞こえなかったのですが,他に正確に理解された方がおられたら,補足願います)

◇すべての糖質制限に反対しているのではない.あまりにも炭水化物過食に偏した食事嗜好の人や,P/F/Cがどうであれ 超肥満の人に対して,糖質を制限するのは当然. これらは『糖質が多すぎる』人なのだから.

◇腎症の人には糖質制限は危険,また動物性の蛋白質・脂質に偏ると,死亡率が上昇するという報告もある.

◆ただし,植物性の蛋白質・脂質,また 動物性でも魚を多くとれば,糖質制限はむしろ 死亡率がもっとも低いというデータもある.また脂質の鎖長(中鎖・短鎖)によっても,異なる.
=========== 以上

という反論でした.福井先生は『このDebateが始まって以来,私は全くブレていない』と言われていましたが,少なくとも,◆の箇所は,初期の頃とは正反対です. なにしろ『肉と油でギトギトの糖質制限食』と連呼していたのですから.

なお,このシンポジウム以外にも,最終日午後に,他学会と合同で「シンポジウム 26 ~これからの食事療法~」があり,これも聴講しましたが,割愛します. なぜなら 『糖尿病の食事療法』を説明された 杏林大学 石田均先生が,いつもの内容を話されただけでしたから. 強いて言えば,『食品交換表は,一律・機械的にすべての人に同じ食事をしろと言っているのではない』と述べられたのが耳新しかったぐらいでしょうか. もっともそのすぐ前に『食品交換表はBibleである』とも仰ったので,どこまで本気なのかは不明です.


なお,糖質制限食と直接の関係はないトピックスですが;

(1) ストレスで血糖値上昇することが実測された
『ストレスによってアドレナリン分泌が優位となり,血糖値は上昇する』とは,従来から言われてきたことですが,実際どうなのかと探してもデータはありませんでした. ところが,CGMの普及でこういうこともわかるようになってきたのですね. CGMを装着した人の3例で,食事などに全く関係なく血糖値が急上昇している時間帯があり,聞けばその時にもめごとなどがあって,ストレスを感じていたそうです. 今回はポスター発表が広い地下駐車場だったので,じっくり読むことができ,こんな面白い発表があることに気づきました.

(2) グルカゴンは悪者か
[グルカゴン Update]の講演で,インスリンとグルカゴンとは,血糖だけでなく,アミノ酸代謝においても正反対の作用を示すという発表を受けて,会場から
『人類は農耕により多量の糖質を摂取するようになる以前は,たんぱく質から得たアミノ酸,特に必須アミノ酸以外の 糖源性アミノ酸から糖新生するルートがメインだったのではないか. グルカゴンは,現代の人間から見ると,【血糖値を上げる】だが,人類の長い歴史では,【アミノ酸から糖質を得る】が本来の役割だったのでは』
という意見が出されて,なるほどなと思いました.


以 上】



こんにちは。
しらねのぞるばさんから
第60回 日本糖尿病学会 年次学術集会[名古屋] の感想を
コメント頂きました。
しらねのぞるばさん、いつもありがとうございます。
とても参考になります。

『今や糖質制限は十分に普及した.
したがって,今更 糖質制限は何かとか,その利点について述べる必要性すら感じない.よって今回はカロリー制限食を推奨することがいかに間違っているか,
この点にFocusする.』

山田悟先生、なかなか過激な発言ですが、私も大賛成です。

そして、『エネルギー制限高糖質食』の最大のリスクは、
「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」という酸化ストレスリスクを
食事のたびに、必ず生じるということです。
「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」が糖尿病合併症の元凶です。

従って、従来の糖尿病食(エネルギー制限高糖質食)では
糖尿病合併症を防ぐことは、理論的に不可能です。
端的に言えば、従来の糖尿病食(エネルギー制限高糖質食)は
『合併症製造食』です。


現実に糖尿病患者さんにおいて
毎年16000の人工透析、3000人の失明、3000人の足切断が発症しています。


福井道明先生の
『糖質制限食は,食品交換表のP/F/C比率を外れざるを得ない,だから適切ではない. なぜなら食品交換表が適切だからである』

このご発言ですが、食品交換表の、P/F/C比率にエビデンスがないことは明らかです。

「科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン」
2013(編集日本糖尿病学会)の食事療法の項に、

「摂取エネルギー量の決定」
「摂取成分量」

の項目で、摂取エネルギー量算定の目安や
炭水化物は指示エネルギー量の50~60%など、
グレードAで推奨してあります。

摂取エネルギー量の目安に従えば、
かなりのカロリー制限食(エネルギー制限食)となります。

まあ、結局、「食品交換表」も「科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン」も、
従来の糖尿病食である、「エネルギー制限・高糖質食」を、
相変わらずグレードAで推奨しているわけです。

そして、驚くべき事に、

「摂取エネルギー量の決定」
「摂取成分量」

の項目は、グレードAの推奨なのに、
根拠はともにコンセンサスなのです。

コンセンサスというのは、根拠となる論文がないので、
ガイドライン作成に関わった医師が相談して決めたということです。

つまり、科学的根拠に基づいていないことが、
明示されているのですから、何をか言わんやです。


結論です。
エネルギー制限食(従来の糖尿病食)では、
「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」、
そして糖尿病合併症を防ぐことは不可能です。

また、山田流の緩やかな糖質制限食で、糖尿人が
1回の食事の糖質量30~40gを摂取すれば、
こちらも残念ながら「食後高血糖」になる可能性が高いです。
緩やかな糖質制限食が有効なのは「境界型糖尿病」かごく軽症の糖尿病だけです。

「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」を確実に予防できるのは
1回の食事の糖質量が20g以下のスーパー糖質制限食だけです。



江部康二



(1) ストレスで血糖値上昇することが実測された。
(2) グルカゴンは悪者か


こちらも大変興味深い情報です。
ありがとうございます。
NHKマイあさラジオ。「江部康二の糖質制限革命」アマゾンランキング急上昇。
こんにちは。

NHKラジオ第一放送「マイあさラジオ」で、
2017/5/21(日)午前6時40分~約10分間
「著者からの手紙」のコーナーにおいて
高市佳明アナウンサーとインタビュー形式で
「江部康二の糖質制限革命」の紹介をして頂きました。

さすがの影響力で、
2017/5/21(日)午後5時現在で、
アマゾン総合ランキング24位に急上昇しました。
https://www.amazon.co.jp/gp/bestsellers/books/ref=pd_dp_ts_books_1#2

ジェームズ中野 さん のコメントにあるように、
NHK第一放送ラジオの200万人のリスナーのかなりが、糖質制限のことをご存知ない可能性があります。
その方々に糖質制限があるていどでも浸透するなら、大きな力となるかもしれませんね。


江部康二
NHKマイあさラジオ、「著者からの手紙」。「江部康二の糖質制限革命」
おはようございます。

5/16(火)は、東京に日帰りで行ってきました。
かのNHKのラジオの仕事でした。
番組名:NHKラジオ第一放送「マイあさラジオ」(AM594kH)
全国放送のワイド番組で、朝5:00~7:45、
200万人以上が聞いておられるそうです。

毎週日曜日6時40分~「著者からの手紙」(正味11分)
というコーナーで、著者のインタビューをしつつ
「江部康二の糖質制限革命」の紹介をしていただけるということで
ありがたいお話でした。

高市佳明 アナウンサーとは、30分くらいいろいろお話ししましたが、
放送は11分間です。

私の出番は5/21(日)6時40分からの放送ですので、
読者の皆さん是非、聞いていただけば幸いです。


☆☆☆
【17/05/18 SHUKAN
先生のインタビュー放送
「マイあさラジオ」絶対聴きたいです。
もし、朝寝坊?などで聴き逃した人のために、
NHKオンラインのホームページでストリーミング放送が聞けます。
「NHKまいあさラジオ」の「コーナーを聞く」から入ると「著者からの手紙」があります。
http://www4.nhk.or.jp/r-asa/359/
放送は日曜日ですから
翌月曜日(22日)の13時頃までにはアップされると思います。】


SHUKAN さん。
ありがとうございます。


江部康二


☆☆☆
5月21日日曜
NHKラジオ第1 午前5時00分~ 午前7時45分
NHKマイあさラジオ

午前5時00分

高市佳明 アナウンサー
渡辺ひとみ アナウンサー

▽ニュース
▽全国の天気
▽マイあさだより
「千葉」
▽きょうは何の日

▽いきもの☆いろいろ
「ハルゼミ」
写真家…海野和男
▽からだのキモチ

管理栄養士…浅尾貴子

午前6時10分

▽全国の天気
▽サエキけんぞうの素晴らしき80's
「ZOO,ZOO,ZOO」(パール兄弟)
「アニマル銀行」(パール兄弟)

午前6時40分 ~11分間
▽著者からの手紙
「江部康二の糖質制限革命」
江部康二


▽きょうは何の日

午前7時20分
強調文

▽サンデーエッセー
社会学者…古市憲寿
▽全国の天気
▽私のお気に入り
「安齋画伯のみやげっこ」
イラストレーター…安齋肇


糖質制限食と検査データ。HbA1c低値で心血管リスク上昇。
【17/05/19 笹身
データ提供
最近久しぶりに健康診断をしましたので、
僭越ながらデータ提供させて頂きたいと思います。

スペック:155cm30代女糖尿病未発症(糖質摂取時代は肥満病気まみれ)
現在糖質一日20g以下(月1、2度は飲み会食べ放題などで糖質摂取、運動日は多少多い)を半年以上継続。
2014年のデータ時は炭水化物抜き?(低脂質低カロリー食)。

2014/12      → 2017/4

BMI 22.8     → 21.1
中性脂肪 41    → 31
HDL 73       → 106
LDL 79       → 255
血糖値 75     → 71
HbA1c 5.1     → 5.0

現在の指標に当てはめると
前回のほうが一般的に健康ですね(疲れやすくて肌カサカサ病気も満載でしたが)。
脂質代謝で判定区分に思いっきり要治療と書かれていましたが、
無知な医者に薬で殺されたくはないのでスルーです。

ケトン代謝でもHbA1cは意外と下がらないものですね。
低すぎると心血管疾患リスクというのはやはり血糖値の乱高下(高糖質による低血糖)の所為ではないでしょうか。

糖質の害とケトン体の効能が年々あきらかになっていっているので
糖質食べない人用の健康診断もあると研究になると思うのですが……。】


こんばんは。
笹身さんから、検査データをコメントして頂きました。

2014年のデータは、炭水化物ありの低脂質低カロリー食でしょうか?

笹身さんの、糖質制限食実践後のデータは
中性脂肪値が低くて、HDL-Cが高値ですので、
LDL-Cが高値ですが、コレステロールを末梢組織に運んでくれている善玉のLDLですので問題ないです。

HbA1cは、基準値の下限に近いので、これ以上は下がりにくいと思います。

確かに、JPHC研究においてHbA1cが5.0%未満だと
5.0~5.5%を1として、心血管リスクが1.5倍に上昇しています。
http://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/3536.html

この原因は判然としませんが、
JPHC研究では、
「HbA1cは赤血球の寿命が短縮したり、若い赤血球が血液中に増加したりすると、見かけ上低めに測定されることが知られています。そのため、何らかの原因で、HbA1cが見かけ上低く測定されているために、低HbA1cの群で心血管疾患リスクが上昇しているものと考えられます。」
としていますが、スッキリした説明にはなっていませんね。

上記の説明のような特殊な病態を設定するよりは、
私も笹身さんがご指摘のように、高糖質食摂取後の低血糖による心血管リスク上昇と
考える方がスッキリすると思います。


江部康二
糖質制限食、空腹時検査で中性脂肪値改善。
【17/05/17 きたのむら
タイトルなし
以前記事に取り上げて頂いたきたのむらです。
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-category-11.html
江部先生にご教示頂いた通り、
10時間以上絶食をした状態で4月末に血液尿検査を受けて来ました。

    2017/2/20   2017/4/25
体重 158㎝/59㎏ → 55㎏
HbA1c 5.5 → 5.6
血糖値 98 → 98
ケトン体 +3 → +2
T-CHO 302 → 333
中性脂肪 164 → 52
HDL 50 → 64
LDL 216 → 248

という結果でした。
HDLも微量ですが増加しましたし
中性脂肪もきっちり下がっていました。
さらにこのままスーパー糖質制限を実施しながらコレステロールが落ち着くのを待ちたいと思います。

体重に関してはトータル25キロの減量に成功しました。BMIも22と23を行ったり来たりしているので体重も落ち着いてきた感じがします。
私は酷い喘息持ちなので運動やウォーキング等も一切していなくてここまで痩せる事が出来て糖尿病も良くなり糖質制限に出会えて本当に感謝しています。

私の主治医は市で唯一の糖尿病専門医ですが糖質制限に理解がなく、コレステロールが高い事について糖質が少ないからその分タンパク質や脂質で摂取してるからコレステロールが高くなる。だから糖質をもっと取らないとダメだ!と言います。次回は本当に薬を出しますと言われました。落ち着くまで待ってほしいと言いましたが待ってくれないようです。
ケトン体が出てる事に関しても体が飢餓状態だからだよと言い出す始末・・・。
宗田先生が『ケトン体が出ていたら「飢餓状態!」ほとんどの医者の頭はコレ!糖質やめて脂肪のエンジンが働いているだけなのに気がつかない!』と言っていますがまさにこれです。気付いていない先生です。

都会と違い医療過疎が進んでいる北海道のはずれの地域なので同じ市で病院や医師を選択する事も出来ません。病院もないし、医師もいないので。
でもこのままこの理解のない先生に診てもらう事が苦痛で仕方ありません。
日本糖質制限医療推進協会の提携機関で受診出来ないかなと思っています。
でも北海道はほぼ札幌ばかりでとてもおいそれと通院できる距離じゃないし車で片道6時間はかかるので帯広しかないなと。帯広でも片道3時間半かかるので中々大変です。

もっと糖質制限に理解のある先生が増えてくれたらなと。
医療過疎の地域にもそういう先生が1人でもいいからいてくれたらなと節に願います。】



こんばんは。
2017年03月10日 (金)の記事で取り上げた
きたのむら さん から、その後の経過をコメント頂きました。
ありがとうございます。

          2017/2/20     2017/4/25
体重 158㎝     59㎏      → 55㎏
HbA1c         5.5       → 5.6
血糖値         98       → 98
ケトン体        +3       → +2
T-CHO         302      → 333
中性脂肪       164       → 52
HDL           50       → 64
LDL           216      → 248


素晴らしい改善です。
LDLコレステロールも、HDL-Cが増えて、TGが見事に改善なので、
善玉のLDL-Cで、心配ないです。
25kgの減量も素晴らしいです。

スーパー糖質制限食を実践すると、中性脂肪は速やかに改善して
基準値内の下の方になります。
これは、事実なのですが、あくまでも10時間以上の絶食後の
早朝空腹時の検査であることが前提です。

スーパー糖質制限食の場合、高脂肪・高たんぱく食となりますが、
この食事由来の中性脂肪が、数時間は血中に循環しています。
前回のきたのむらさんの、中性脂肪値は164mg/dlと軽度高値でしたが
食後の検査だったのでしょう。
今回は、10時間以上絶食をした状態での早朝空腹時検査なので中性脂肪値は52mg/dlと見事に低下しています。
スーパー糖質セイゲニストの中性脂肪値はだいたい、これくらいが多いです。
ちなみに、
私の2017年3月の中性脂肪値は48mg/dl(50~149)です。

なお、きたのむらさんの、このデータなら、
糖尿病専門医にかかる必要は全くないです。
近所の普通の街のお医者さんで、充分と思います。


江部康二


☆☆☆以下、参考までに前回の記事です。

糖質制限食でHbA1c改善。LDLコレステロール、中性脂肪は?
2017年03月10日 (金)


【17/03/10 きたのむら

いつも江部先生のブログや本を読んで日々糖質制限に励んでいる40歳主婦です。
糖質制限.comさんにもいつもお世話になっております。

今までも沢山コレステロールについて取り上げていらっしゃいますが過去記事を読んでも自分はどれにも当てはまらない気がして不安でいっぱいで質問させて下さい。

昨年9月に別の案件で病院へ行った血液検査で立派なⅡ型糖尿病ですと診断されました。皆糖尿病の一家なのでいつかはと思ってたのですが流石にショックでした。HbA1c9.5でメトグルコを処方されたのですが、翌日には具合が悪くなって調べた結果低血糖ではなかったのでメトグルコに対してアレルギー症状を起こしたとかなと言われ薬なしで食事療法で頑張りましょうとなりました。もちろんカロリー制限食の指導を受けて帰宅しましたが、色々調べてるうちに先生のブログにたどり着いて記事を読み漁りネットで本を注文して早速スーパー糖質制限ダイエットを始めました。

2ヵ月ごとに通院して血液尿検査をしてます。
約半年でここまで改善出来ました。
2016/9/2 → 2017/2/20
158㎝/80㎏ → 59㎏
HbA1c 9.5 → 5.5
血糖値 175 → 98
ケトン体   → +3
T-CHO 223 → 302
中性脂肪 126 → 179 → 153 → 164
HDL 52 → 43 → 44 → 50
LDL 215 → 151 → 169 → 216
AST 81 → 16
ALT 90 → 11
LD 429 → 158
γGT 105 → 12

軒並み数値が改善して主治医も驚いていたのですが、中性脂肪とコレステロールが高い事に言及されて女性だし生理もあるから多少高いのは仕方ないんだけど。閉経後にこの数値だったらすぐ薬を処方するレベルだよと言われ、どっちにしてもこのままじゃ動脈硬化心筋梗塞のリスクが高いから次回薬を処方するかもと言われてしまいました。

江部先生のブログを読んでも、皆さん中性脂肪が改善されて低い方ばかりなのに、私は一向に中性脂肪が改善されなくてLDLも高くなってとても悩んでいます。自分のやり方が間違っているのかと毎日悶々としています。目標体重は55㎏なのでもう少しなのですが。
お忙しい中大変申し訳ないのですが、ご教示いただければ幸いです。】



こんばんは。

きたのむらさんから、糖質制限食でHbA1cと血糖値は劇的に改善したけれど、
LDLコレステロール値と中性脂肪値が心配というコメントを頂きました。

きたのむらさん、拙著のご購入、ありがとうございます。

約半年の経過
2016/9/2 → 2017/2/20
158㎝/80㎏ → 59㎏   
BMI 32 → 23.6
HbA1c 9.5 → 5.5
血糖値 175 → 98
ケトン体   → +3
T-CHO 223 → 302
中性脂肪 126 → 179 → 153 → 164
HDL 52 → 43 → 44 → 50
LDL 215 → 151 → 169 → 216
AST 81 → 16
ALT 90 → 11
LD 429 → 158
γGT 105 → 12


約半年の糖質制限食で、体重、HbA1c、血糖値、脂肪肝が劇的に改善しています。
素晴らしいです。

半年後も尿中ケトン体が陽性(+3)ですので、結構きっちり、糖質制限食が実践できていて、血中ケトン体がかなり高値と考えられ、とてもいいと思います。

中性脂肪値が164mg/dlと軽度高値ですが、10時間以上絶食後の、
早朝空腹時のデータでしょうか?

糖質制限食の場合、食後であれば、数時間は食材由来の中性脂肪が血中に存在するので、中性脂肪値を正確に評価するときは、上記の条件で検査することが必要です。

10時間以上絶食後の、早朝空腹時のデータであれば、中性脂肪値は基準値内になると思います。

スーパー糖質制限食実践で、HDLコレステロールが増加し、中性脂肪は減少します。

LDLコレステロール値は
215 → 151 → 169 → 216mg/dl
ですが、このまま、糖質制限食を続けていれば、
徐々に基準値になっていくと思います。

糖質制限食開始当初は、
①<肝臓で産生するコレステロール>
②<食材からのコレステロールの増加>
③<小粒子LDLコレステロールが減って、大きいLDLコレステロールが増加>

①がベースにあり、②と③が加わるので、
血清LDLコレステロール値は一旦、上昇することが多いです。
③は一見、LDLコレステロールが増加するのですが、標準の大きさの善玉のLDLコレステロールが増えるのでよいことです。
そのうち①が徐々に減少して調整するので、
徐々に基準値になっていきます。

個人差が大きくて、基準値になるのに半年~1年~2年~数年かかることがあります。

なお、脂肪を厳しく制限しても、5万人、8年間のRCT研究で、コレステロール値は不変でした。

つまり、食材からのコレステロールが多くても少なくても肝臓が調整するので、長期的には血中コレステロールには影響はないという極めて信頼度の高いエビデンスがあることとなります。(☆)

ともあれ、HDLコレステロールが正常で、中性性脂肪値が基準値なら、LDLコレステロールもよい仕事をしている善玉です。

このまま、糖質制限食を続けられて
1)HDLコレステロール値の増加
2)中性脂肪値の低下
1)2)の達成を目指しましょう。


(☆)
「低脂肪+野菜豊富な食生活」は心血管疾患、乳がん、大腸がんリスクを下げない。
TC(総コレステロール)も不変。
米国の大規模介入試験:5万人弱の閉経女性を対象に、対照群を置き、
  平均8年間にわたって追跡した結果が判明。
  (脂肪熱量比率20%で強力に指導)
*Journal of American Medical Association(JAMA)誌2006年2月8日号の疾患ごとにまとめられた3本の論文で報告。*Low-Fat Dietary Pattern and Risk of Invasive Breast Cancer  Low-Fat Dietary Pattern and Risk of Colorectal Cancer  Low-Fat Dietary Pattern and Risk of Cardiovascular Disease  : The Women's Health Initiative Randomized Controlled Dietary Modification TrialJAMA ,295(6):629-642.  643-654.  655-666.




江部康二
夕食時間が早いと翌朝空腹時血糖値が好ましく下がる。
こんにちは。

5/16(火)は、東京に日帰りで行ってきました。
かのNHKのラジオの仕事でした。
番組名:NHKラジオ第一放送「マイあさラジオ」(AM594kH)
全国放送のワイド番組で、朝5:00~8:00、
200万人以上が聞いておられるそうです。

毎週日曜日6時40分~「著者からの手紙」(正味11分)
というコーナーで、著者のインタビューをしつつ
「江部康二の糖質制限革命」の紹介をしていただけるということで
ありがたいお話でした。
私の出番は5/21(日)6時40分からの放送ですので、
読者の皆さん是非、聞いていただけば幸いです。

番組収録が終了したあと、出版社の編集の人と夕食を共にしました。
バルバッコア・クラシコ 丸の内店で
ブラジル料理のシュラスコをご馳走していただきました。
ありがとうございました。

肉を塊のまま串に刺し、
そのまま岩塩のみで焼き上げるブラジリアンバーベキュー(シュラスコ)の専門店です。
そのままの状態でテーブルまで運び、
目の前で好きな部分を好きなだけ切り分けてくれます。
肉は油を一切使用せずに焼き上げるそうです。
店内中央にある 30 種類にも及ぶ巨大なフレッシュ・サラダバーも自慢とのことです。

夕方5時~食事開始で、おなかいっぱい、
様々な部位の肉とサラダを食べました。
赤ワインもしっかり飲みました。
シュラスコは、生まれて初めて食べましたのでなかなかに面白かったです。

まさしく美味しく楽しく糖質制限食の夕餉を堪能しました。
午後7時過ぎの新幹線で帰京しましたが、
おなかいっぱいだったので、何も食べずに、焼酎の水割り2杯飲んで
深夜0時に眠りにつきました。

そうすると5/17(水)の
早朝空腹時血糖値(午前7時)が82mg/dl
とかなり低めでした。
びっくりして再度検査しても85mg/dlでした。
私も、一定の「暁現象」があるので、通常の早朝空腹時血糖値は
調子がいいと100mg~109mg/dl、
ややもすると110mg~125mg/dlと境界型
くらいのこともあります。
今までは、100mg/dlを切ることは年間通してあまりありませんでした。

従って、私としては、年間通して、82mg/dlというのは自己最低記録に近いのです。
夕食は通常は、早くても午後7時半で、遅ければ午後9~10時です。

今回の、空腹時血糖値82mg/dlという記録は
前夜の食事が午後5時~6時半くらいまでという
超早めだったことの影響の可能性が高いです。

もちろん、夕食開始が早いほうが翌朝の血糖値が下がることは経験していたので
なんとか午後9時までに食べるようにつとめてはいたのですが、
午後5時に夕食開始というのは年間通してまずありません。

東京日帰りのおかげで、とても良い経験をしました。


江部康二
高雄病院の糖質制限作りおき 洋泉社 (2017/5/1) 刊行
おはようございます。

高雄病院の糖質制限作りおき 洋泉社 (2017/5/1)
江部 康二 (監修), 検見﨑 聡美 (料理)
栄養指導 橋本眞由美(一般財団法人高雄病院栄養管理部長)





が、5月1日に刊行されます。

『高雄病院の糖質制限作りおき』は

高雄病院の糖質制限給食献立から、作りおきに適した料理を
検見崎先生に選んでいただき完成しました。
料理の栄養計算は、橋本眞由美栄養管理部長に御願いしました。

今、さまざまなメディアで注目を集めている糖質制限。
実は、日本での発祥は、高雄病院なのです。
 1999年に当時の、江部洋一郎院長が糖尿病の治療食として糖質制限食を導入しました。
 当初なかなか受け入れられなかった糖質制限という考え方ですが、
実際に糖尿病が改善することが知られるようになり、今では、
全国から糖尿病患者の方々が多数、高雄病院に入院されます。
 高雄病院では、糖質制限食を実施した入院患者の方が1200人以上にのぼり、
外来患者を合せると約3000人以上の治療実績を持っています。
 そしてほぼ全員に劇的な改善がみられています。

そのなかには、脂質と総カロリーを制限する一般的な糖尿病食のストレスに耐えかねてどうしても続けられなくなった人や、
あるいはきちんとカロリー制限食を続けていたのに血糖値をコントロールできなくなった方々も大勢います。
そんな方々も糖質制限による治療食を実践することで、例外なく改善しています。

 高雄病院では糖質制限食をはじめる際には、できれば一度入院し、
その間に糖質制限食について理解してもらうことを推奨しています。
そのおかげで、退院後も多くの方々が糖質制限食を継続していて、
大多数がコントロール良好な状態を維持できているのです。
 糖質制限は人体の代謝全体に関わるので、糖尿病を根本的なところから改善する効果が期待できます。

 糖尿病だけでなく、肥満、花粉症などのアレルギー疾患、逆流性食道炎、片頭痛、潰瘍性大腸炎、尋常性乾癬などなど
様々な生活習慣病が糖質制限食で改善します。
私は最近、生活習慣病と一般に言われている病気は、
実は『糖質頻回過剰摂取病』ではないかと思うようになりました。
なぜなら、上記のような様々な生活習慣病が、糖質制限食j実践で見事に改善するからです。

本書では高雄病院の糖質制限食を再現したレシピを紹介します。
ただし病院で出される食事は保存できません。
ですから本書で紹介する作りおきレシピは、高雄病院の糖質制限食を家庭でもつくれて、
保存がきくようにアレンジしたものになっています。

是非ご家庭で試していただければ嬉しいです。

江部康二
インスリン分泌指標、インスリン抵抗性指標。空腹時インスリン、Cペプチド。
こんばんは。

10時間以上の絶食で、
早朝空腹時のインスリン値、空腹時血糖値、空腹時Cペプチド値を
検査することで、インスリン分泌指標、インスリン抵抗性指標などを、
計算式で出すことができるので
今回は、それらを整理してみました。


インスリン分泌指標

【HOMA-β】
HOMA-βは内因性インスリン分泌機能を推定する指数です。

HOMA-βは、空腹時血糖値と空腹時インスリン値で計算するのですが、
経口血糖負荷試験(OGTT)時の2時間値のインスリン分泌量と、
よく相関することがわかっています。

homeostatic model assessment beta cell function
→略してHOMA-β

HOMA-β=360×空腹時インスリン値(μU/ml)÷(空腹時血糖値mg/ml-63)

という式で計算します。
空腹時血糖値130mg/dl以下なら信頼度が高いです。

正常値:40-60


【Cペプチド】
通常は、血液中のインスリン(IRI)そのものを測定しますが、
インスリン注射中の糖尿人は、C-ペプチド(CPR)というものを調べます。**

IRIの測定は、注射したインスリンの影響を受けますので不正確になりますが、
CPRの方は、外から注射したインスリンとは無関係の、
内因性インスリンの分泌状態を示しています。

早朝空腹時血中CPRを測定することで、
インスリンの基礎分泌能力がわかります。

蓄尿して一日尿中のCPRを測定することは、
一日の内因性インスリン分泌総量(基礎分泌+追加分泌)の指標となります。

【SUIT指数】
空腹時CPR(ng/ml)×1485/<空腹時血糖値(mg/dl)-61.8>
50%以下は軽度、20%以下は顕著なインスリン分泌低下。
20~23%以下だとインスリン治療が必要。

【Cペプチドインデックス(CPI)】
空腹時CPR(ng/ml)×100/空腹時血糖値(mg/dl)
1.2以上は正常。0.8以下でインスリン分泌低下。
1.2以上の場合は食事や経口薬治療、0.8未満の場合はインスリン療法を選択。
空腹時血糖値140mg/dl以上なら、CPIのほうが、HOMA-βやSUIT指数より信頼度が高い。


インスリン抵抗性指標
【HOMA-R】
HOMA-Rとはインスリン抵抗指数のことです。

HOMA-R=空腹時血糖値×空腹時インスリン値÷405

という式で計算します。

homeostasis model assessment insulin resistance
→略して HOMA-R

HOMA-Rが大きいほど、インスリン抵抗性が強いと考えられます。

1.6以下が正常で、2.5以上は抵抗性があると考えられます。
空腹時血糖値140mg/dl以下なら信頼度が高いです。



**
C-ペプチド(CPR)

C-ペプチド(CPR)は、
インスリン生合成の過程におけるプロインスリンの分解によって生じる副産物です。

インスリンとCPRの分泌動態には平行関係が存在します。

血中・尿中のCPR濃度を測定することにより、
膵ランゲルハンス島β細胞機能、
内因性インスリン分泌能を推測することができます。
第8回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会 in 高松 のご報告。
第8回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会
2017年5月14日(日)

シンポジウム10  9:15~10:45 
第2会場(サンポートホール高松 4階 第1小ホール)

「糖質制限とカロリー制限」 
~ PC 医の知識と対応:栄養、ケトン、出生前、メタボ~(実行委員会企画)
   座長:板東  浩(きたじま田岡病院/徳島大学)
企画責任者:板東  浩(きたじま田岡病院/徳島大学)


糖質制限食の有効性と安全性
江部 康二(一般財団法人高雄病院)

ケトン体の新知見
宗田 哲男(宗田マタニティクリニック)

糖質制限とエネルギー制限
〜食事療法はエビデンスの得難い領域である〜
津田 謹輔(帝塚山学院大学)

妊娠糖尿病における糖質制限食事療法の効果
松本 桃代(永井マザーズホスピタル)

プライマリ・ケア医による指導の工夫〜 CR vs LCD
板東  浩(きたじま田岡病院/徳島大学)


こんにちは。
先ほど高松から帰京しました。

第8回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会の
シンポジウム10
「糖質制限とカロリー制限」 
~ PC 医の知識と対応:栄養、ケトン、出生前、メタボ~
に、シンポジストの一人として参加しました。
満員御礼の盛況でした。
シンポジウム終了後は、本の販売エリアに移動し
サイン会や写真撮影で、各講師は大忙しでした。
質問もたくさんいただき、嬉しい限りでした。

それでは内容をご報告いたします。

まずは私の講演の抄録です。
抄録
従来の糖尿病治療の有効性・安全性は信頼度の高いRCTおよびRCTメタ解析において否定的である。
即ち糖質を普通に摂取して薬物治療で厳格に血糖コントロールを目指しても利益はごくわずかで、
低血糖リスクに相殺されるていどである。
これは糖質を摂取すると食後高血糖と平均血糖変動幅増大という酸化ストレスが必ず生じ合併症のリスクとなるからであり、
厳格な薬物治療を行えば低血糖リスクも生じる。
糖質制限食ならそれらが生じない。
米国糖尿病学会は、2007年までは糖質制限食を推奨しないとしていたが
2013年10月「成人糖尿病患者の食事療法に関する声明」において正式に容認した。
「飽和脂肪酸摂取量と脳心血管イベント発生は関係がない」
「低炭水化物・高脂肪・高タンパク食に冠動脈疾患のリスクなし」
「低脂質食に心血管疾患改善効果なし」
という結論の信頼度の高い論文が報告されており、
糖質制限食の長期安全性が一定担保された。
さらに、糖質制限食実践により、血糖値、HbA1c、中性脂肪値、HDLコレステロール値が改善する。
LDLコレステロール値も長期的には基準値となることが多い。
即ち動脈硬化のリスク要因が全て改善するので、糖質制限食の長期的予後は良好の可能性が高い。



宗田哲男先生は
ケトン体のスペシャリストとして、
胎児、新生児、胎盤、臍帯に高濃度のケトン体があることを
研究発表してこられました。
つまり胎児、新生児、胎盤、臍帯においては、
現行の基準値よりはるかに高値のケトン体が存在し、
それが正常であることが確認されたわけです。
2016年9月にはこのことに関する英文論文も出されました。
また1型糖尿病でインスリンなしで無事、出産された例など豊富な症例を紹介されました。
「ケトン体は、いつも人体を支える縁の下の力持ちであり、
糖質制限とは、糖質代謝をケトン代謝に戻すという、大転換事業である」
「それは、人体の代謝の基本に戻るということに他ならない。」
と喝破され、糖質制限食の本質について論じられました。


津田謹輔先生は
ニュートラルな立場から、
糖質制限とエネルギー制限について、発表されました。
1)エネルギー制限の役割は、肥満是正によりインスリン抵抗性を軽減すること。
  糖質制限の役割は低下しているインスリン分泌に過剰の負担をかけないこと。
2)栄養疫学と栄養実験。毎日食べるものが異なるヒトの食事については、
エビデンスの得難い領域である。
とされ、DIRECT試験と2017年米穀糖尿病学会のステートメントについても
意見を述べられました。


松本桃代管理栄養士は
妊娠糖尿病(GDM)について、
永井マザーズホスピタルの糖質制限食の豊富な臨床例を提示されました。
ほぼ全てのGDM妊婦において、母子ともに健康で安全な出産であることを
述べられました。
そして現行のガイドラインにおいて、
科学的根拠のある治療方法が見いだせたわけではないことを指摘されました。
妊娠糖尿病(GDM)の本態はインスリン抵抗性であり、
インスリンは多く分泌されているにも関わらず、高血糖を呈することを説明されました。
即ち、インスリンが沢山分泌されている妊娠糖尿病(GDM)の妊婦に、
さらに外部からインスリン注射をするという現行のガイドラインの矛盾点を
強調されました。
インスリンが大量に注射されれば、妊婦は肥満し、出産も難産となります。
理論的に考えて妊娠糖尿病の唯一の有効な治療法は「糖質制限食」です。


板東浩先生は
まずは海外や日本の糖質制限食の歴史を俯瞰されました。
そして、最近は糖尿病専門医においても「糖質制限食」を導入する場合も増えていることを述べられました。
板東先生は日本プライマリ・ケア連合学会において、
メタボ・ロコモワーキンググループを主催され「糖質制限食」の啓蒙活動を
精力的に展開しておられます。
第8回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会の大会長もつとめられました。


板東先生、この度はお招き頂きありがとうございました。 m(_ _)m
そして、第8回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会の大成功も
おめでとうございます。


江部康二
<糖質制限食に関するお知らせ・お願い・ご注意など> 2017年5月
【本ブログのコメント・質問・記事に関するお願い】

ブログ読者の皆さんには、いつもコメントいただき、ありがとうございます。

糖質制限食に関する質問についてですが、実際に高雄病院や江部診療所に来院されて診察した患者さんに対しては、医師としての責任・債務がありますので、個別に説明もしっかりさせて頂いていますし、フォローもしております。

一方、ブログ読者の皆さんの質問に関しては、糖質制限食に詳しい医師として、ボランティアで回答させていただいています。

診察もしておりませんしフォローもできませんので、責任もとれません。

私の回答は、あくまでも一般論としての参考意見とお考え頂けば幸いです。

また、ブログ記事や本に関しても同様に、糖質制限食に関する一般論としての参考意見とお考え下さい。

従いまして、読者の皆さんが私の参考意見を読まれて、どのように利用されるかは、自己責任でよろしくお願い申し上げます。m(_ _)m

そして読者の皆さんからもご意見いただきましたが、普通のお医者さんに相談可能な個人的な内容の質問は、ご自分の主治医にご相談頂けば助かります。

またネットで簡単に検索可能なことは、ご自分でお調べください。

質問が増えてきましたので、糖質制限食と関わりがないと判断した質問にはお答えできない場合もありますので、ご了承ください。m(_ _)m

普通のお医者さんでは解答不能の、糖質制限食に関わる質問は、何でもどんどんしていただけば嬉しいです。 (^_^)

掲載OKの質問に関して、読者の皆さんに共有していただきたい情報の場合は、ブログ本文記事にて、できるだけ順番にお答えしたいと思います。

質問によってはコメント欄でお早めにお答えする場合もありますのでご了承ください。

一方、質問がかなり増えてきていますので、なかなか即、お答えすることが困難となってきています。

糖質制限食に関わりのある全ての質問に、本文かコメントでお答えするようできるだけ努力はしていますが、できないときはご容赦願います。m(_ _)m

それから、「管理人のみ閲覧できる」「匿名希望」などの質問に関しては、コメント欄にお答えするか、一般的な話題に置き換えてブログに記載するようにしていますので、よろしくお願い申し上げます。


【糖質制限食を実践される時のご注意】

糖質制限食実践によりリアルタイムに血糖値が改善します。

このため既に、経口血糖降下剤(オイグルコン、アマリールなど)の内服やインスリン注射をしておられる糖尿人は、減薬しないと低血糖の心配がありますので必ず主治医と相談して頂きたいと思います。

一方、薬を使用してない糖尿人やメタボ人は、低血糖の心配はほとんどないので、自力で糖質制限食を実践して糖尿病やメタボ改善を目指していただけば幸いです。

内服薬やインスリン注射なしの糖尿人が糖質制限食を実践すると、食後高血糖は改善しますが、低血糖にはなりません。

血糖値が正常範囲である程度下がると、肝臓でアミノ酸・乳酸・グリセロール(脂肪の分解物)などから、ブドウ糖を作るからです。

これを糖新生といいます。

診断基準を満たす膵炎がある場合、肝硬変の場合、そして長鎖脂肪酸代謝異常症は、糖質制限食は適応となりませんのでご注意ください。

糖質制限食は相対的に高脂肪食になるので、診断基準を満たしている膵炎の患者さんには適応とならないのです。

進行した肝硬変では、糖新生能力が低下しているため適応となりません。

長鎖脂肪酸代謝異常症では、肉や魚などに含まれる長鎖脂肪酸が上手く利用できないので、適応となりません。

腎機能に関して、日本腎臓病学会編「CKD診療ガイド2013」において、eGFR60ml/分以上あれば顕性たんぱく尿の段階でも、たんぱく質は過剰な摂取をしないという表現となっていて、制限という記載はなしです。

従いまして、糖尿病腎症第3期でも、eGFR60ml/分以上なら、糖質制限食OKです。

また、米国糖尿病学会(ADA)は

Position Statement on Nutrition Therapy(栄養療法に関する声明)
Diabetes Care 2013年10月9日オンライン版

において、糖尿病腎症患者に対する蛋白質制限の意義を明確に否定しました。

根拠はランク(A)ですので、信頼度の高いRCT研究論文に基づく見解です。

今後は、糖尿病腎症第3期以降で、eGFRが60ml/分未満の場合も、患者さんとよく相談して、糖質制限食を実践するか否か、個別に対応することとなります。


なお、機能性低血糖症の場合、炭水化物依存症レベルが重症のとき、糖新生能力が低下していることがあり、まれに低血糖症を生じますので注意が必要です。

また、どのような食事療法でも合う合わないがあります。

糖質制限食もその一つですので、合わないとご自分で判断されたら中止していただけば幸いです。


【糖質制限食とは】

米国糖尿病協会(ADA)の患者教育用のテキストブックLife With Diabetes(2004年版)には、以下の記載があります。

「摂取後直接血糖に影響を与えるのは糖質のみである。
糖質は速やかに吸収され、直接100%血糖に変わり、ほぼ120分以内に吸収は終了する。
蛋白質・脂質は、摂取後、直接血糖に影響を及ぼすことはない。
『炭水化物・タンパク質・脂肪はカロリーを含有している。
炭水化物だけが、血糖値に直接影響を及ぼす。』」


これらは含有エネルギーとは無関係な三大栄養素の生理学的特質です。 

1997年版のLife With Diabetes(ADA刊行)では、

「タンパク質は約半分が血糖に変わり、脂質は10%未満が血糖に変わる」

という記載がありましたが、2004年版以降は変更されています。

このように糖質、脂質、タンパク質のうち糖質だけが直接、血糖値を上昇させます。

従って、糖質を摂取した時にはインスリンが大量に追加分泌されます。

脂質を摂取しても、インスリンの追加分泌はありません。

タンパク質はごく少量のインスリンを追加分泌させます。

現在糖尿病において、食後の急激な高血糖(グルコーススパイク)が大きな問題として注目されています。

食後高血糖が、心筋梗塞や脳梗塞などの合併症を起こす危険因子として確立されたからです。

また一日における、食前・食後・空腹時など血糖値の変動幅(平均血糖変動幅)が大きいほど、酸化ストレスが増強し動脈硬化のリスクとなることがわかってきました。

そして、食後高血糖と平均血糖変動幅増大を起こすのは、三大栄養素のなかで糖質だけなのです。

1gの糖質が、体重64kgの2型糖尿病の人の血糖値を約3mg上昇させます。

炊いた白ご飯茶碗1杯150g(252kcal)には、55.3gの糖質が含まれており、血糖値を166mg上昇させます。

一方、和牛サーロインステーキ(脂身つき)を200g(約1000キロカロリー)食べても、糖質含有量は1gもないので、食後血糖は3mg未満の上昇しかないのです。 

なお、1gの糖質が体重64kgの1型糖尿病の人の血糖値を5mg上昇させます。

糖質制限食の基本的な考え方は、上述のような生理学的事実をベースに、できるだけ糖質の摂取を低く抑えて、食後高血糖を防ぐというものです。

簡単に言えば、主食を抜いておかずばかり食べるというイメージになります。

抜く必要がある主食とは 、米飯・めん類・パンなどの米・麦製品や芋類など糖質が主成分のものです。

3食主食抜きのスーパー糖質制限食(糖質12%、タンパク質32%、脂質56%)なら、薬に頼ることなく速やかにリアルタイムで良好な血糖コントロールが可能です。

一方、上述の白ご飯とステーキの例でも明らかなように、カロリー計算に基づいて血糖値をコントロールすることは理論的に不可能です。

従って、現行の日本糖尿病学会推薦の糖尿病食(糖質60%、タンパク質20%、脂質20%)を実践する限りは、一日の摂取カロリーを1200キロカロリーと低く抑えたとしても、食後高血糖が必ず生じるのです。

糖尿病の改善には、カロリー制限より糖質制限ということがおわかりいただけたと思います。


なお糖質制限食は、カロリー無制限ということではありません。

日本糖尿病学会「糖尿病治療ガイド2014-2015」の

男性1400~2000kcal
女性1200~1800kcal

ほど厳しいカロリー制限は必要ありませんが、

「日本人の食事摂取基準」(2015年、厚生労働省)
に示す推定エネルギー必要量の範囲、
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000041955.pdf

推定エネルギー必要量(一日あたり)
              男性                  女性
15-17才        2500 2850 3150           2050 2300 2550kcal
18-29才        2300 2650  3050          1650  1950   2200
30-49才        2300 2650  3050            1750  2000  2300
50-69才        2100 2450  2800           1650  1900 2200 
70才          1850 2200  2500            1500  1750 2000

身体活動レベル    低い 普通 高い         低い  普通  高い

くらいが目安です。


そして2013年に糖尿病食事療法に関して画期的な変化がありました。

米国糖尿病学会が、
2013年10月発表の『栄養療法に関する声明』において、全ての糖尿病患者に適した唯一無二の治療食は存在しないと明記したのです。

これはそのまま、1969年の食品交換表第2版以降一貫して、糖尿病治療食として、唯一無二の「カロリー制限・高糖質食」を推奨し続けている日本糖尿病学会への痛烈な批判となっています。

さらに、米国糖尿病学会は『栄養療法に関する声明2013』において地中海食、ベジタリアン食、DASH食、低脂質食などと共に
「糖質制限食」も正式に受容しました。
このことは糖質制限食を推進する私達にとって、大変大きな追い風となりました。

なお、門脇孝日本糖尿病学会理事長によれば
東大病院では、2015年4月から、糖質40%の糖質制限食を供給しているそうです。
また門脇孝東大糖尿病・代謝内科教授ご自身も、緩やかな糖質制限食を実践されているとのことです。
2016/7/1(金)
東洋経済オンライン 
http://toyokeizai.net/articles/-/125237



<江部康二著 参考図書>


理論
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!糖質制限食のすすめ」2005年
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」2008年
「我ら糖尿人、元気なのには理由がある。」2009年 宮本輝先生との対談本
「やせる食べ方」2010年
「うちの母は糖尿人」2010年 監修:江部康二 著:伊藤きのと
(東洋経済新報社)
「糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食」2010年(ナツメ社)
腹いっぱい食べて楽々痩せる『満腹ダイエット』 (ソフトバンク新書)2011年
「主食をやめると健康になる」(ダイヤモンド社)2011年
「血糖コントロールの新常識! 糖質制限 完全ガイド」 (別冊宝島)2012年
「食品別糖質量ハンドブック」2012年(洋泉社)、
「糖質オフ!健康法」(PHP文庫)2012年
「主食を抜けば糖尿病はよくなる!糖質制限食のすすめ」(文春文庫)2012年
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」(文春文庫)2012年
「女性のための糖質制限ダイエットハンドブック」2012年(洋泉社)
「糖尿病治療のための!糖質制限食パーフェクトガイド」2013年(東洋経済新報社)
「医療の巨大転換を加速する」糖質制限食と湿潤療法のインパクト
 2013年(東洋経済新報社) 夏井睦先生との対談本
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!糖質制限食のすすめ 新版」2014年(東洋経済新報社)
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!2 実践編 新版」2014年(東洋経済新報社)
「炭水化物の食べ過ぎで早死にしてはいけません」2014年(東洋経済新報社)
一生太らない「やせる! 食べ方」2014年 (PHP文庫)
江部先生、「糖質制限は危ない」って本当ですか?2015年(洋泉社)
「なぜ糖質制限をすると糖尿病が良くなるのか」2015年(ナツメ社)
「糖質制限の教科書」2015年(洋泉社)監修
「人類最強の糖質制限論」2016年4月(SB新書)
「ハンディ版糖質制限の教科書」2016年4月(洋泉社)
「増補新版食品別糖質量ハンドブック」2016年6月(洋泉社)
「Dr.江部の健康食の新常識100 」(TJMOOK)2016年11月(宝島社)
マンガでわかる「糖質オフ! 」健康法2016年12月、(PHP研究所 )
外食でやせる! 「糖質オフ」で食べても飲んでも太らない体を手に入れる、2017年(毎日新聞出版)
「江部康二の糖質制限革命」2017年(東洋経済新報社)
など多数。

レシピ
「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」2006年(東洋経済新報社)
「糖質オフ」ごちそうごはん2009年(アスペクト)
dancyuプレジデントムック 「満腹ダイエット 」 2009年(プレジデント社)
「血糖値を上げない!健康おつまみ109」2010年(東洋経済新報社)
「やせる食べ方レシピ集」 2010年(東洋経済新報社)
「糖質オフダイエット 」2011年(レタスクラブ、角川マーケティング)
「誰もがストレスなくやせられる!糖質制限ダイエット」2011年(講談社)
「主食を抜けば糖尿病はよくなる」レシピ集2011年(東洋経済新報社)
高雄病院の「糖質制限」給食2012年(講談社)
糖尿病がどんどんよくなる「糖質制限食」おすすめレシピ集2012年(ナツメ社)
糖質制限の「主食もどき」レシピ2013年(東洋経済新報社)
高雄病院Dr江部が食べている「糖質制限」ダイエット2013年(講談社)
糖質オフのダイエット弁当2013年(家の光協会)
高雄病院「糖質制限給食」朝 昼 夕 14日間完全プログラム
糖尿病・肥満改善が自宅でできる! 2013年(講談社)
2週間チャレンジ! 糖質制限の太らない生活 2014年(洋泉社mook)
電子レンジで糖質オフの作りおき 2016年10月(宝島社)
「やせぐせがつく糖質オフの作りおき 」2017年(宝島社)
「高雄病院の糖質制限作りおき 」2017年(洋泉社)
糖質制限食で減量成功。力仕事も大丈夫。整形外科医も納得。
【17/05/11 植木屋
48才の庭師です。若い頃からこの仕事に就いており、かれこれ30年、
メシ(ご飯)を食わねば力仕事はできない、と思い込んでいました。
身長170cm、体重80kgで病気もせず、健康診断でも
何の問題も無かったので、ダイエットとは無縁の生活でした。
昼飯はチャーハンにラーメンにギョーザ、ある日はうどんとカツ丼。
今から思えば空恐ろしい食事内容でした。
でもまぁ、体力勝負の力仕事でしたから運動量もたいへんな量で
相撲取りの筋肉ですね~、と医者に言われて喜んでしました。

・・・前置きが長くなりましたが、そんな自分が糖質ダイエットを始めて、
そろそろ丸3年目に入ります。
きっかけは若い後輩が江部先生の本を読んで、糖質制限を始め
みるみる痩せてスマートになり、見た目はもちろんですけど
驚いた事に体力がまるで落ちず、いやいやむしろ動きが身軽になって
今まで以上にしゃきしゃき働いているではありませんか!
あれほどご飯が好きで自分と一緒に大飯食らいだった彼が
さほど空腹を訴えるわけでもなく、おにぎりの代わりにコンビニの野菜を
食べていましたけど、カロリーの高そうな唐揚げやらチーズは食べてましたし。

彼の変化に驚いて、自分も軽い気持ちで真似してみたのがきっかけです。
毎昼、彼と同じものを試しに食べてみると思っていたより腹が減らない。
で、なんだかんだ続けて行くうちに体重が半年ちょっとで10キロ以上
減りました。すると膝も腰も快調で、体が軽くなり、動きやすい!!!
何より、久しぶりに会う人が全員「肌がきれいになった。」と
言ってくれます。自分は特にどこも悪くなかったので血糖値とか
体調面での大きな変化はありませんが、皆に褒められて
「何かやってるの?」と聞かれるたびにうれしくて、江部先生のブログや
糖質制限の話をしています。これからもずっと今の調子で
緩やかですけど糖質制限を続けて行きたいと思っています。
先生、本当にありがとうございます!!! 】


こんにちは。
植木屋さんから、
糖質制限食で10kg以上の減量成功で
膝も腰も体も快調という嬉しいコメントをいただきました。
ありがとうございます。

3年目にして、10kg以上の減量成功ですね。
素晴らしい成果です。
若い後輩さん、私の本を購入していただいてありがとうございます。
是非、よろしくお伝えください。

実は、整形外科の医師に糖質制限賛成派が多いのですが、
理由があります。
腰痛や膝痛の患者さんは、整形外科のメインですが、
治療の根本は減量です。
しかしカロリー制限食の時代には、いくら患者さんに指導しても
減量成功することはほとんど皆無で、
整形外科医としては、なすすべがなかったと思います。

ところが、糖質制限食を導入すると、スルスルと痩せていき
それに伴い腰痛や膝痛も軽快という患者さんがドンドン出てきます。

それで、整形外科医に糖質制限食賛成派が非常に増えているのです。

ある整形外科医によれば、今までなら手術していたレベルの
「腰部脊柱管狭窄症」の患者さんが、
糖質制限食で減量成功して、手術不要となる例が続出だそうです。

植木屋さんも、このまま
美味しく楽しく糖質制限食を続けられて、健康ライフを維持してくださいね。


江部康二
外食でやせる! 「糖質オフ」で食べても飲んでも太らない体を手に入れる 。刊行。
こんにちは。

外食でやせる! 「糖質オフ」で食べても飲んでも太らない体を手に入れる
単行本 – 2017/3/27
毎日新聞出版
江部 康二 (著)




が出版されました。

糖質制限な外食に特化して、本を一冊作ってみました。

サラリーマンのほとんどが、一日に1~2回は外食になると思います。

私の糖尿病患者さんにおいても、
「外食が多いので、糖質制限はなかなか難しいです。」
と仰る方が結構おられます。

最近は、ファミレスやコンビニでも糖質制限なメニューや食材がどんどん増えていて、糖質セイゲニストにとって、とても暮らしやすい日本となっています。

本書が、
『全国の糖質セイゲニストの外食のバイブル』
になってくれれば、嬉しい限りです。


江部康二


以下は、
外食でやせる! 「糖質オフ」で食べても飲んでも太らない体を手に入れる
単行本 – 2017/3/27
毎日新聞出版
江部 康二 (著)




の「はじめに」です。

はじめに

ダイエットは現代人にとって永遠のテーマです。
それを実践するために、これまでさまざまな方法が紹介されてきました。
そのなかでも長年主流になってきたのが「カロリー制限」です。

しかし、カロリー制限で成果を上げるにはかなりの努力が必要です。

頑張っても思うように効果が出なかったり、リバウンドしてしまったり、ついには、「もうダイエットなんかやめてやるー!」と投げ出してしまった人もいるかもしれません。

そうした“挫折経験”を持つ人たちに伝えたいのが、私が提唱する「糖質制限ダイエット」です。
やり方はいたって簡単。

ご飯、パン、麺類、砂糖などの「糖質」を可能な限りカットし、肉、魚、豆腐などから「タンパク質」と「脂質」をしっかりとるだけ。
糖質さえ控えれば、あとは何を食べても大丈夫。
お酒を飲んでも問題ありません。

それなのに、すとんと体重が落ちますし、血糖値コントロールができることから健康増進効果も期待できます。

この糖質制限を取り入れた食事は、もともとは糖尿病の治療目的のために開発されました。

私が理事長を務める京都・高雄病院が血糖値をコントロールし、糖尿病とその合併症を防ぐため、1999年、日本で初めて取り入れたのが糖質制限食でした。

糖質を制限するだけという手軽さと、確かな効果が話題を呼び、糖尿病の患者さん以外にも実践する人が増えました。

今や“糖質制限ブーム”と呼べるほどのムーブメントが起きているともいえるでしょう。

その一方で、「外食が多いから糖質制限なんて無理」という声も聞こえてきます。

どうも働き盛りの40代、50代の男性会社員に多いようで、実際、高雄病院でも、外食を理由に糖質制限に踏み切れない、挫折してしまうという方がいらっしゃいます。

接待や宴会が多く、その席で自分だけ特別なメニューを食べるわけにいかないとか、昼は定食や丼モノなどしか選択肢がないとか言いわけする男性もいます。

しかし、本当に外食だけが理由でしょうか。

私はそうは思いません。

実際、私も外食派のひとりですが、身長167cm、体重57kg前後をもう14年以上キープしています。

2002年に52歳で糖尿病、メタボ、高血圧を発症した時は67kgありましたが、糖質制限食開始から半年で10kgの減量に成功し、全てのデータが正常となり現在に至っています。

どうも「糖質制限」と聞くと、糖質の少ない食材を選び、自分であれこれ工夫して調理しないとできない、ちょっと面倒なものと思い込んでしまう人が多いようですが、決してそうではありません。

外食でも、メニュー選びさえ間違えなければ、糖質制限は実践できるのです。

確かに忙しく働いている会社員のみなさんは、外食のメニュー選びに時間をかけている暇はないかもしれません。

ファーストフードや牛丼チェーンなどでパッと済ませたいときもあるでしょう。

しつこいようですが、それでも糖質制限は可能なのです。

今回は、そんな働く大人たちのために、「外食でできる糖質制限」をテーマにまとめてみました。

仕事の合間にパパッと済ませたい“早メシ”から、働く大人に欠かせない会食や接待、ストレス解消の宴会、さらに仕事の合間のおやつタイムまで、あらゆる場面での糖質制限食を提案しています。

ちょっとアプローチを変えるだけで、これまで口にしていた糖質たっぷりの食事を糖質制限食に切り替えることができるのです。

これを読んだらもう、「外食だから糖質制限ができない」とは言えなくなると思いますよ。



朝日カルチャー立川教室講座 糖尿病&生活習慣病と糖質制限食 ご案内
おはようございます。

2017年6月18日(日)
朝日カルチャーセンター立川教室にて
糖質制限食の講座の講師をつとめます。

2016年4月30日(土)以来、立川では久しぶりです。
この1年、糖質制限食の展開において大きな発展があり
いい意味のサプライズもありました。

2016年7月のNHKクローズアップ現代の試算によれば、
糖質制限市場は、3184億円とのことです。
医学界より、企業のほうが糖質制限食をビジネスチャンスと捉えて
行動が迅速なようです。

一方、医学界においても、嬉しいサプライズです。
2017年2月7日(火)午後から、東京大学医学部に行ってきました。
渡邊昌先生、門脇孝先生、江部康二の3人で鼎談を行いました。
二人で話し合うのが対談で、三人で話し合うのが鼎談です。
渡邊昌先生は、医学雑誌「医と食」の編集長です。
門脇孝先生は、
一般社団法人 日本糖尿病学会 理事長
であり、
東京大学大学院医学系研究科糖尿病・代謝内科教授
です。

日本糖尿病学会のトップとじっくり話し合うことができて、
とても有意義な90分間でした。

ケトン体に関しても「心血管イベント,および全死亡の発症率を低下」という
とてもポジティブな評価を示す研究が最近発表され、
糖質制限食にとって大きな追い風となりました。

このような、糖質制限食に関する最新の動向を、本講座において
余すこと無くお話ししたいと思います。
東京、関東方面の皆さん、是非奮って、ご参加頂けば幸いです。


江部康二


☆☆☆
以下、朝日カルチャーセンター立川教室のサイトから一部抜粋。

朝日カルチャーセンター立川教室
糖尿病&生活習慣病と糖質制限食
講師名 高雄病院理事長 江部 康二
https://www.asahiculture.jp/tachikawa/course/6b4de227-9489-6f6c-0701-585a6ad79f60

講座内容
糖質制限食は、1999年から京都・高雄病院において糖尿病治療食として開始され、
合併症を予防できる唯一の食事療法として画期的な成果をあげてきました。
この課程で、肥満・メタボなど様々な生活習慣病にも有効ということが判明しました。
従来の糖尿病食(カロリー制限食)と糖質制限食の比較や注意点についてもお話します。(講師記)


日時・期間   日曜 13:30-15:00  6/18  1回
日程   2017年 6/18

受講料(税込み)
6月(1回)
会員 3,024円
一般 3,672円

お申し込み①
https://www.asahiculture.jp/tachikawa/course/6b4de227-9489-6f6c-0701-585a6ad79f60

お申し込み②
朝日カルチャーセンター立川教室 
電話:042-527-6511

講師紹介 江部 康二 (エベ コウジ)
<プロフィール>
・ 1950年生まれ。
・ 1974年京都大学医学部卒業。
・ 1974年から京都大学胸部疾患研究所第一内科(現在京大呼吸器内科)
にて呼吸器科を学ぶ。
・ 1978年から高雄病院に医局長として勤務。1996年副院長就任。
・1999年高雄病院に糖質制限食導入。
・2000年理事長就任。
・ 2001年から糖質制限食に本格的に取り組む。
・2002年に自ら糖尿病であると気づいて以来、さらに糖尿病治療の研究に力を 注ぎ、
「糖質制限食」の体系を確立。これにより自身の糖尿病を克服。
内科医/漢方医/
一般財団法人高雄病院理事長/一般社団法人日本糖質制限医療推進協会理事長

<著書>
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』2005年(東洋経済新報社)
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編』2008年(東洋経済新報社)
『我ら糖尿人、元気なのにはわけがある』2009年(東洋経済新報社・作家宮本 輝氏との対談本)
『糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食』2010年(ナツメ社)
『主食をやめると健康になる』2011年(ダイヤモンド社)
『食品別糖質量ハンドブック』2012年(洋泉社)
『糖質オフ!健康法』2012年(PHP文庫)
『糖尿病治療のための!糖質制限食パーフェクトガイド』2013年(東洋経済新 報社)
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!新版』2014年(東洋経済新報社)
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!2 実践編 新版』2014年(東洋経済新報社)
『炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません』2014年(東洋経済新報社)
『江部先生、「糖質制限は危ない」って本当ですか? 』 2015年(洋泉社)
『なぜ糖質制限をすると糖尿病が良くなるのか』2015年(ナツメ社)
『糖質制限の教科書』2015年(洋泉社)監修
『よくわかる! すぐできる! 「 糖質オフ! 」健康法 』2016年(PHP研究所)
『人類最強の「糖質制限」論~ケトン体を味方に して痩せる、健康になる』2016年(SB新書)
『江部康二の糖質制限革命』2017年(東洋経済新報社)
など多数。

ブログ
『ドクター江部の糖尿病徒然日記』( http://koujiebe.blog95.fc2.com/
は日に約数千件のアクセスがあり、
糖尿病のかたやそのご家族から寄せられ た質問への回答や、
糖尿病・糖質制限食に関する 情報の発信に、日々尽力している。
日清医療食品の低糖質の宅配弁当が低カロリー過ぎる!
【17/05/08 おかだ
低糖質弁当
江部先生こんにちは
昨日の新聞の全面広告みて驚きました。
日清医療食品がだしている、低糖質の宅配弁当(おかず)の広告です。
なんと低カロリーです。
タレントのコメントが『糖質やカロリー控えめな食事と聞くと体にはいいかもしれない』とコメントしているではありませんか。
これをオカズにご飯を食べたら、全く低糖質ではありませんし、「糖質制限ってオカズだけ食べる」と理解してこれだけ食べれば明らかにエネルギー不足になります。
エネルギー不足で体調不良になった場合、「それみろ糖質制限は危険だ」と言われかねません。
まさに『混ぜるな危険』です。
メーカーとここの管理栄養士にどう考えているのか、質問してみたいです。
http://shokutakubin.com/lp/recommend_01/ 】


こんばんは。
小児科医のおかだ先生から、とても興味深い情報をコメント頂きました。
おりがとうございます。

日清医療食品のサイト、私も覗いてみました。
おかだ先生がご指摘のように、
低糖質なメニューはいいのですが、
一食あたりのカロリーは、以下のように非常に低いです。

食宅便低糖質セレクトAセット7種類で、
kcal    糖質
203     5.1
210      6.0
218      6.3
220      7.9
232      6.0
234     5.0
304kcal    3.1g


食宅便低糖質セレクトBセット7種類で、
179      6.3
187      6.2
189      8.7
205      6.1
231      9.8
238      5.0
267kcal    3.7g



日清医療食品さん、糖質制限とカロリー制限をごっちゃにしているみたいで
これでは困ります。

AセットもBセットも宅配で一食分が、このカロリーでは
エネルギー不足でヘロヘロになってしまいます。

おかだ先生が仰るように、
日清医療食品がだしている、低糖質の宅配弁当を食べて、
本当はエネルギー不足で体調不良になったのに、
「糖質制限食で体調不良になった」と誤解されます。

糖質制限食はカロリー制限食ではありません。
基本は厚生労働省のいう「推定エネルギー必要量」を摂取するので、
カロリー不足でヘロヘロになったりはしません。

日清医療食品さん、
糖質制限食とカロリー制限食は、基本理念が全く異なっていることを
しっかり認識して欲しいものです。

江部康二
急拡大する「糖質制限」市場が日本を救う!東洋経済オンライン。
こんにちは。

東洋経済オンライン
http://toyokeizai.net/articles/-/169856
の、第3回目の配信です。

急拡大する「糖質制限」市場が日本を救う!
http://toyokeizai.net/articles/-/169856

3000億円を突破!新市場をこう攻めよ
江部 康二 :高雄病院理事長 2017年05月08日

「糖質制限」市場は、今後さらなる成長が見込まれる
ご飯やパン、めん類など糖質の摂取を控える「糖質制限食」が大ブームとなっている。「糖質ゼロ」や「糖質オフ」をうたう飲料・食品が相次いで登場。外食チェーンも続々と低糖質メニューを打ち出すなど、「糖質制限」市場ともいうべき巨大マーケットが形成されている。
現在3000億円以上とされる「糖質制限」市場だが、糖質制限食の創始者である江部康二医師によると、今後さらに急成長することが見込まれるという。そして、医療費削減効果などとも相まって、日本経済の救世主となる可能性すらあると江部氏は指摘する。
長年、糖質制限食品・メニュー開発の指導・監修にもあたり、このたび『江部康二の糖質制限革命』を上梓した江部氏に、急拡大する糖質制限市場の展望を聞いた。



続々と出される「糖質制限」向けの食品・メニュー
糖質制限食の普及に伴って、「糖質オフ」「糖質ゼロ」「低糖質」などをうたい文句にした商品が、小売店の棚に数え切れないほど並んでいます。

NHK「クローズアップ現代プラス」(2016年7月20日放映)によると、2015年の「糖質オフ・ゼロ市場」は3184億円に達しているそうです。調査会社の富士経済の調べでは、2016年の同市場の規模は前年比7.7%増の3431億円の見込みと(『日経ビジネス』2016年11月7日号)、急拡大しています。

外食産業などにも新しい動きが見られます。

大手ファミリーレストランのガストでは糖質制限メニューを出しました。牛丼チェーン各社も、すき家が「牛丼ライト」を出すなど、糖質制限メニューを続々とメニューに加えています。いきなり!ステーキの急成長が注目を集めていますが、この背景にも糖質制限ブームがあるといわれています。

そのほかの外食チェーンでも、糖質制限に配慮したメニューが続々と出されており、こうした流れは今後も続くでしょう。


次ページ 「糖質制限市場はもっと大きくなるよ」
1~7ページあり。

http://toyokeizai.net/articles/-/169856
ここをクリックすると、記事の全文を見ることができます。

江部康二
原発、東芝や仏アレバの苦境。コストは激増。脱原発を。
こんにちは。

昨夜は、祇園で京大医学部同級生の食事会・飲み会がありました。
私を含めて5人集まりましたが、私以外の4名は皆、降圧剤などを飲んでいました。
私が、「どこも悪くないので、何も飲んでない。」 と言ったら
「お前は変や。さっさとどこか悪くなりなさい!」
と言われてしまいました。( ̄_ ̄|||)

まあ、こんな調子で言いたいことを言い合う会です。
いろんな話題がでますが、原発の話もでました。
原発賛成派と反対派と半々くらいでした。
お互いいろいろ言い分はあるようですが、
私は勿論反対派です。

調べて見ると、世界の原子力発電所製造は、3グループに分かれていて、
それぞれ三菱、日立、東芝が関わっています。
 三菱重は2006年に仏アレバと提携し、
日立製作所と米ゼネラル・エレクトリック(GE)、
東芝と米ウエスチングハウス(WH)と並ぶ3陣営体制が固まりました。

 この頃は、原発製造会社にとっては、受注も順調で、経営も順風満帆の時代でした。
しかし、2011年(平成23年)3月11日の東日本大震災による福島第一原子力発電所事故により、
国際的な原発に対する評価や流れは一変しました。
 福島第一原発事故は、国際原子力事象評価尺度 (INES) において
最悪のレベル7に分類される極めて深刻な事態でした。

これを受けて、世界中のほとんどの国で、「脱原発」の動きが加速しました。
例えばドイツは、エネルギー政策を根本的に変え、脱原発を明確にしました。
もともと原発擁護派だったメルケル首相が、福島事故の映像を見て批判派に転向し、
東日本大震災から4ヵ月後には、原発を2022年末までに全廃することを法制化したのです。

 福島事故以降は、世界中で原発の受注は激減し、
受注があっても安全性への担保が厳しく求められるようになり、
製造コストは急上昇しました。
 そのため、仏原子力大手アレバは2014年の決算で、6700億円の赤字となり、
2015年には仏電力公社(EDF)の傘下に入りました。
経営不振に陥ったアレバを仏電力公社(EDF)が救済する形です。

 2016年には、アレバと提携している三菱重工業と日本原燃がアレバへの援助で
400億~500億円に上る出資を行いました。
見通しの暗い原発事業への出資は、異例のことで、苦渋の決断と言えます。

 また、連日新聞誌上を賑わしたように、東芝と米ウエスチングハウス(WH)も苦境に陥っています。
こちらも安全性への担保のため製造コストが急上昇したことが採算面の悪化を直撃したと思われます。
 東芝は2017年3月期に米国の原子力発電事業で数千億円規模の減損損失が出る可能性があると発表しています。

今後、原発製造コストがさらに上昇する可能性はありますが、下がる可能性はありません。
原発の一番のメリットに上げられていたのが、コストが安価ということでした。
現時点では、そのメリットはすっかり失われました。
また、福島第一原発事故の処理費用や被災者への支援・補償などの金額は見通しが立たないほど巨大であり、
なおかつ、今後長期にわたり続くことは確実です。

これらを、原発が作る電力のコストに入れたら、
火力、水力、風力、太陽光いずれをも上まわる、もっとも割高の電力と言えます。


もう一つ、原発の大きなメリットとして、
炭酸ガスを排出しないクリーンな電力というのがありますがとんでもありません。
原発は炭酸ガスは排出しませんが、10万年間消えない核廃棄物を排出します。
人類は未だ、原発を稼働させたあとに出る"核のゴミ"を安全に処理する方法を見出していません。

2013年、小泉純一郎元首相が、フィンランドにある核廃棄物の最終処分場「オンカロ」を視察しました。
オンカロとはフィンランド語で「洞窟」「隠し場所」などを意味します。
ヘルシンキから約250km北西に位置するオルキルオト島に建設されたこの施設は、
原子力発電所から出る使用済み核燃料、
いわゆる「核のゴミ」を地中深く封印するための施設です。
 プルトニウムの半減期は2万4000年とされています。
オンカロは、こうした放射性廃棄物が無害になるまで、
10万年にわたって地下深く封じ込めるために作られたそうです。

小泉純一郎元首相は、10万年間も封じ込める必要がある「核のゴミ」という現実を目の当たりにして、
原発ゼロしかないという判断を下したそうです。

まして日本には、オンカロのような施設を建設可能は場所はどこにもありません。
将来的には原発ゼロしかないと私も思います。

一方、安全に原子力発電所を廃炉にするのは、大変な作業が必要です。
「原発解体先進国」英国では、原発の稼働が26年であり、
廃炉にかかる年数は何と90年だそうです。
廃炉にかかる費用も、英国によれば、一基約900億円と莫大なものです。

やはり、即原発ゼロに向けて発進ですね。
今発進しても、ゼロ達成まで90年かかるのですから。

そうそう、大事なことを忘れていました。
実は、2013年9月16日~2015年8月10日の約1年11ヶ月間、
日本で稼動していた(商業用)原子力発電所はありませんでした。
この間、日本で電力不足で困ったという話は全くありませんでしたね。


2017年5月現在、稼動中の原子力発電所は3基です。


江部康二
糖質制限で子供が変わる!三島塾レシピ。アマゾンで予約受付中。
こんばんは。
今日は、こどもの日です。

本日の記事は、こどもの日に相応しい話題です。 (^^)

糖質制限で子どもが変わる! 三島塾レシピ
― 成績&集中力アップ! もう「勉強しなさい! 」は言わなくてOK
– 2017/6/7
三島 学 (著), 江部 康二 (監修)

が、アマゾンで予約を受付中です。
なかなか好評です。
アマゾンの全ランキングで、277位と大健闘です。
三島学塾長の、子供の糖質制限シリーズの第2弾です。

 前著で、世界で初めての「子供の糖質制限」の本を上梓された三島塾長が、
今回、『糖質制限で子供が変わる!三島塾レシピ』を刊行されました。

 嬉しいことに、「糖質制限」が子供を救うを読んでいただいた主婦の友社さんから依頼があり、
とてもスムースに出版の運びとなりました。三島塾長の血と汗と涙のこもった珠玉のレシピ集ですから、
必ずや読者の皆さんのお役にたてると思います。 

 私が常々言うように、糖質制限食は人類本来の食事であり、人類の健康食です。
ですから、子供の健康にもおおいに役立つはずです。人類700万年間の歴史において、
穀物を食べ始めたのは、約1万年前。
人体はその歴史のほぼすべての期間で、糖質制限食を摂取しつつ突然変異を繰り返して、
消化・吸収・代謝のシステムを完成させています。

 すなわち我々の体は糖質制限食に特化して適合していると考えられるのです。
農耕開始前の人類は糖質制限食を実践しながら妊娠・出産・子育てを含む日常生活を過ごしていたと考えられます。
 子供の成長において必須であるのは、たんぱく質と脂質、そしてビタミン、ミネラル、食物繊維です。
筋肉や骨格や内臓の成長に特に大切なのはたんぱく質と脂質であり、糖質ではありません。

 体の組成は、水分55~65%、たんぱく質14~18%、脂肪=15~30%、ミネラル5~6%、
そして糖質は1%以下です。
もちろん個人差がありますが、糖質は身体組成の成分としては、極めて微々たるものであり、
理論的には必須糖質はありません。

 本の内容はぜひ読んでいただきたいのですが、糖質制限食を実践することで、
子どもの授業中の眠気がなくなり、多動が消え、集中力が増して学力がどんどん向上して、
劇的に変わったという三島塾での実例も、理論編でたくさん出てきます。

 おかだ小児科医院(滋賀県高島市)の岡田清春先生は「おかゆから始めない離乳食のすすめ」を実践しておられます。
赤ちゃんの発育がとても健康的で丈夫になるとのことです。
本書に2ページ執筆していただいてます。

おかげさまで前著
「糖質制限」が子供を救う(日本糖質制限医療推進協会、大垣書店)
http://books.rakuten.co.jp/rb/14600870/
 → こちらは楽天ブックスでご購入頂けます。
の売れ行きも好調で、早くも増刷となりましたが、
自費出版本としては破格のことです。

 妊婦も赤ちゃんも子供も大人も糖質制限食で、健康になります。
まさに人類本来の食事、人類の健康食と言えます。
2017年は「子供の糖質制限」が重要なキーワードになるかもしれません。


江部康二
昔は短命の理由、狩猟・採集時代と農耕時代の平均寿命は?
【17/05/03 スライムナイト
妊娠糖尿病
初めまして。妊娠糖尿病になり、手探り状態でいます。

先生の糖質制限に非常に興味があり、
病院では炭水化物を分食して子供の為に取りなさいと言います。

しかし、先生のブログや本では、糖質制限を推奨しており、
糖質を取らなければ無事に出産出来る確率が高いとあります。

私が疑問に思うのは、
飢餓時代や昔は、確かにご飯など無かった時代でも出産出来たのは分かりますが、

その代わり

「昔は短命」

だった事に注目しています。

無事に産まれても短命で早くに生命を無くす人が多かった時代に
食生活が関係してるからこそ、医療の発展も世界上位も分かりますが、
今の食文化で寿命が変わりつつあり、
長生き出来てると考えていますが、どう考えていますか??】



こんばんは。
スライムナイト さんから
「昔は短命」なのは食生活が関係しているのではないかという
コメントを頂きました。

昔にもいろいろありますが、
「昔は短命」にはご指摘通り食生活も関係していると私も思います。
ただ食文化というよりは、食糧事情の安定化が平均寿命に大きく関与しています。
例えば日本の戦後の平均寿命の増加には、食料事情の安定化の寄与が大きいです。


現代のように食糧事情が安定している中での糖質制限食なら
短命にはならず長生きです。
短命どころか糖質制限食で、動脈硬化や西洋型がんの予防が期待できるのも
平均寿命をのばすことに繋がります。
血流・代謝が良くなり免疫力も増強なので肺炎の予防効果も期待できます。


0才児の平均余命が「平均寿命」です。
平均寿命でポイントとなるのが乳幼児死亡率です。
例えば江戸時代の平均寿命は30~40歳と短いのですが、
生まれた子どもの半分以上が5歳までに死亡していたようです。
出産時の死亡や周産期の死亡、その後は感染症での死亡もあります。
麻疹や天然痘、コレラやインフルエンザ、
そして脚気でも多くの人が亡くなっています。
飢饉や火事、台風、水害など災害でも多くの人が亡くなっています。
江戸時代は出産で死亡する女性もかなり多かったとされています。

江戸時代も含め、昔は
赤ちゃんや乳幼児の死亡率、そして出産時の死亡率が高いので、
必然的に、平均寿命は短くなります。
実は、明治時代までは、
乳幼児死亡率と出産時の赤ちゃんの死亡率はかなり高かったのです。

赤ちゃんや乳幼児死亡、出産で死亡する女性は
医療の発展で激減しました。
江戸、明治までは、医療が未発達だったので、
赤ちゃんの死亡や出産時に死亡する女性は、かなり多かったのです。

平成の時代に、赤ちゃんが亡くなるとか、出産時に母親が亡くなることは
極めてまれなできごとなので、大変な事態なのですが、
江戸、明治では日常的な出来事だったのです。


次に
『狩猟採集民は農耕民より長命だった』という研究を紹介します。

骨で見分ける古代人の生活ぶり
http://www.wound-treatment.jp/dr/glucide_data/kagaku-asahi_1981.htm
科学朝日,41巻12号,1981年 記載の
カナダ・マックギル大教授/人類学 井川史子氏の論文

の要旨が以下です。

A)
ケンタッキー州,インディアン・ノール貝塚出土の285体の人骨
前者は紀元前3400年から同2000年ころ
狩猟,漁労,植物採取をしていた人々の残した貝塚で出土

B)
ケンタッキー州,ハーディン・ビレッジ遺構出土の人骨296体
西暦1500年から1675年ころの間
トウモロコシ,豆類,カボチャ類を栽培した人々が住んだ村落


A)とB)を比較した研究です。

米国、ケンタッキー州で出土した、狩猟・漁労・採集が生業の人骨285体と 、
トウモロコシ・豆類・カボチャ栽培が生業の人骨296体を比較したところ、
狩猟採集民のほうが、農耕民より長命であったことが判明しました。

男女ともにインディアン・ノールの狩猟採取民の方が長命でした。

死亡年齢で特に対照的なのは、4歳未満の小児死亡率の分布でした。

インディアン・ノールでは、70%が新生児と12ヶ月未満の乳児でしたが、
狩猟採集民は、新生児の間引きをする習慣があるので、
その影響があると考えられます。

一方ハーディン・ビレッジではその逆で、1~3歳の幼児が60%に達っしました。

すなわち、農耕民のほうは、離乳期に入ってからが危機であることが明らかです。

ハーディン・ビレッジの農耕民はトウモロコシ粉を水溶きしたようなものを離乳食に用いたと考えられます。

それが生涯を通じての栄養的欠陥の始まりになったと思われます。

アフリカや中央アメリカの農耕社会では柔らかいでんぷん質の食事が離乳食として与えられると、
下痢が始まり、各種の細菌侵入による疾患が起こり、タンパク質欠乏症を示すことが多いとされています。

ハーディン・ビレッジの農耕民でも同様のパターンが生じて、
短命に繋がった可能性があります。

6/3、6/4「低糖質スイーツ、料理教室」開催 in 京都
おはようございます。

2017年6月3日(土)、4日(日)、京都にて、日本糖質制限医療推進協会
主催の「低糖質スイーツ、料理教室」を開催します。

3日(土)のメイン講師は、「パティスリー ロア・レギューム」(埼玉県朝霞市)
の小寺幹成オーナーパティシエです。

小寺パティシエは、昨年11月には文化出版局から、
著書「おいしく作れる低糖質スイーツ」
http://books.bunka.ac.jp/np/isbn/9784579212866/
を出版され、ご自身がこれまで開発されたきた低糖質スイーツのレシピを
惜しみなく披露しておられます。
ちなみに、私は帯の推薦文を書きました(*^^)v

4日(日)の講師は、
管理栄養士の佐々木栄子さん(ローカーボクラブ代表/協会アドバイザー)です。

昨年ご好評いただいた、低糖質料理教室「糖質制限基本をマスター」
の続編、第2弾です。

佐々木栄子さんも今年1月に、著書『糖質オフのやせる「おきかえ」レシピ』を
PHP研究所より出版されました。
こちらの書籍は、私が監修し、解説を執筆しております。

生協会員の方向けの限定販売で、一般書店では販売していませんが、
生協に加入されていない方でも、PHP研究所さんのHP(※)より
直接ご購入いただけます。
http://www.php.co.jp/family/detail.php?id=83505

6月3日スイーツ教室は美味しい「低糖質ショートケーキ」、4日料理教室は、
ボリュームたっぷりの「糖質オフとんかつ・かつ丼」がテーマだそうです^^v

ともに、定員は24名様・先着順です。皆さん奮ってご参加くださいね。

江部康二


以下、事務局からのお知らせです。

*********

ブログ読者の皆様、いつも弊会の講演会や料理教室へ多数参加
いただきまして、ありがとうございます。

本日は、低糖質スイーツ・料理教室(京都)の開催をご案内申し上げます。

●―○―●―○―●―○―●―○―●―○―●―○―●

(一社)日本糖質制限医療推進協会主催 低糖質スイーツ・料理教室(京都)

1.『人気店のパティシエに学ぶ、低糖質スイーツ教室(京都)』

  第2回 「しっとり、ふわふわ。低糖質ショートケーキ」

◆日時: 2017年6月3日(土) 14:45~17:45頃 ※開場・受付は14:30~

 *4月のスイーツ教室と開催時間が異なります。
  今回は14時45分開始ですので、お間違えのないようお越しください。

♪講師: 小寺幹成 「パティスリー ロア・レギューム」オーナーパティシエ
      佐々木栄子 管理栄養士/健康運動実践指導者

◆参加費: 賛助会員料金 3,400円/一般料金 4,000円

☆内容紹介☆

美味しい低糖質菓子を自宅で楽しんでいただけるように、
お菓子作りの基礎から学べる講座です。

講師の小寺幹成パティシエに低糖質菓子を作る際のコツや工夫、
様々な技術をデモンストレーションや実習でレクチャーいただき、
参加者の皆様からの質問や疑問にもお答えいただきます。

第2回のテーマは、「低糖質ショートケーキ」で、スポンジ生地作りを
小寺パティシエが細かく丁寧にレクチャーされます。

しっとり、ふわふわ感のあるスポンジシートが焼けるようになれば、
様々な種類や形のケーキにも応用できます。

この機会に、ケーキの基本「スポンジ」作りをしっかりマスターしてみませんか。


2.『 糖質制限基本をマスター 続編:低糖質料理教室(京都)』
 
 第2回 「サクサク衣でボリュームたっぷり! 糖質オフ豚カツ・カツ丼」

◆日時: 2017年6月4日(日) 11:00~15:30頃 ※開場・受付は10:45~

♪講師: 佐々木栄子 管理栄養士/健康運動実践指導者

◆参加費: 賛助会員料金 3,200円/一般料金 3,800円

☆内容ご紹介☆

小麦粉や片栗粉、パン粉を使用した揚げ物は、衣の糖質量が
気になるところです。
特に衣に厚みがあると糖質量も無視できませんね・・。

当レッスンでは、糖質の少ない食材を活用して、ボリュームのある
豚カツを作っていただきます。

フライならではの、衣のサクサク感がたっぷり味わえる豚カツと、
こちらの豚カツを使った食べごたえ充分のかつ丼を佐々木先生がレッスン。

豚カツをマスターいただくことで、様々な食材の低糖質な揚げ物にも
応用していただけます。

また、簡単にできる野菜のおかず、汁ものなども作ります。

~以下両日共通~

*昨年の料理教室会場より変更しております。

◆会場:あじわい館(京の食文化ミュージアム)調理実習室

 〒600-8813 京都市下京区中堂寺南町130番地 京都青果センタービル3階
 http://www.kyo-ajiwaikan.com/access
 ☆JR丹波口駅より徒歩3分、京都リサーチパーク前バス停より徒歩2分

◆当日の流れ: レシピ説明 → 実習 → 試食(復習・歓談) → 片付け後、解散

◆持参いただくもの: エプロン、三角巾、ふきん(タオル)大・小各1枚(台ふき用・食器ふき用)、筆記用具

◆定員・対象: 24名様・一般(18歳以上)

■お申し込みの流れ:

1. 下記「お申し込み方法」の該当するものからお申し込み下さい。
2. 事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3. 入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4. 当日、直接会場までお越し下さい。

■お申し込み方法:

◆お願い◆
当教室は、一般の方にご自宅で作っていただくことを趣旨とした教室です。
製菓や料理(教室を含む)関連のお仕事をしておられる方、食品会社で企画・
開発をしておられる方など業界の方の場合は、その旨をお書き添えの上、
お申し込みください。

★賛助会員の方:

 参加ご希望の教室の「開催日と教室名(スイーツ、料理)」をご明記の上、
 事務局までメールにてお申し込み下さい。

★賛助会員入会をご希望の方:

1. 入会案内および会員規約をお読み下さい。
   http://www.toushitsuseigen.or.jp/sign-up

 2. お申し込みは下のフォームからお願いします。
   「入会ならびに講演会出席のお問い合わせ」を選択いただき、
   「通信」欄に参加ご希望の教室の「開催日と教室名(スイーツ、料理)」を
   ご記入下さい。
   http://www.toushitsuseigen.or.jp/contact
  
★一般(非会員)で、スイーツ、料理教室参加のみご希望の方:

 下のフォームからお申し込み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/lesson-a

◆その他

・お申し込み後、キャンセルされる場合は、5月30日(火)までにご連絡ください。

・5月31日(水)以降のキャンセルは、参加費の半額をキャンセル料金としていただきますので、予めご了承ください。

・当日の開場・受付開始は、レッスン開始時間の15分前からです。

・実習室で作ったもの以外の飲食はできません。ご自宅で作ったお料理やお菓子などの持ち込みはできませんのでご注意ください。

・皆さまで実習と試食を行っていただきますので、香水などのフレグランスはお控えください。

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◇イベント情報掲載URL: http://www.toushitsuseigen.or.jp/activity
東洋経済オンラインに私のインタビュー記事②が載りました。
東洋経済オンライン
http://toyokeizai.net/articles/-/168862


こんにちは。
東洋経済オンラインに私のインタビュー記事②が載りました。
http://toyokeizai.net/articles/-/168862

「糖質制限でも痩せない!」にはこう対処せよ
提唱者が指摘!それは「糖質制限もどき」です
江部 康二 :高雄病院理事長 2017年05月01日

糖質制限ダイエットの注意点とは?

ご飯やパン、麺類など糖質の摂取を控える「糖質制限食」が大ブームとなっている。
「糖質ゼロ」や「糖質オフ」をうたう飲料・食品が相次いで出され、
外食チェーンも続々と低糖質メニューを打ち出すなど、単なるブームを超えて、
もはやメガトレンドになったとの声もある。
著しいダイエット効果があるとされる糖質制限を、
夏に向け始めたいという方も多いことだろう。

だが、糖質制限食を日本で初めて紹介した江部康二医師によると、
糖質制限を行うにあたっては「落とし穴」があるので注意が必要であるという。
「正しい知識」が欠如したまま自己流で実践すると、
期待した効果が得られないこともあるというのだ。

前回(糖質制限ダイエットの恐ろしい「落とし穴」)に引き続き、
『江部康二の糖質制限革命』を上梓した江部医師に、
糖質制限ダイエットの注意点を語っていただいた。

「糖質制限してもやせない」人の勘違い
http://toyokeizai.net/articles/-/168862


以下続く

この続きは、東洋経済オンラインで御覧いただければ幸いです。


江部康二