2016年07月31日 (日)
こんにちは。
2016年7月30日(土)から富士見高原に滞在中です。
八ヶ岳山麓の標高1250mの高原です。
とにかく涼しいです。
軽井沢より、安くて涼しいです。
テニスをしているときも、日向(ひなた)は勿論暑いですが、木陰は充分涼しいので快適に過ごしています。
爽やかな風が心地いいです。
夜中は17~18度ですから、寒いくらいです。
京都とは月とスッポンの差ですね。
ちなみに滞在中のペンションには暖房機はあってもクーラーはありません。
7月30日の夜は、夕立が降ったあとの星空を見にいきましたが塵が雨でクリアされていて、とても綺麗でした。ヾ(^▽^)
今夜は、新月で快晴という年間通してめったにない恵まれた日なので、再び星空見学に行く予定です。
天の川もきっとくっきりと見えると思います。
第35回テニス合宿ですから、長く続いている分、65歳以上の方々が過半数を占めています。
最年少は21歳の青年です。
赤ちゃんの頃から合宿に参加してました。
テニスコーチが57歳で、あとみんな、50歳以上です。
まあ、テニスは、年齢・身の程をわきまえてほどほどに、夜の焼酎とワインとお喋りで、盛り上がってます。
食事やおつまみは、勿論スーパー糖質制限食ですよ。
あと3日間、快適な高原ライフを楽しみたいと思います。 (^_^)
江部康二
2016年7月30日(土)から富士見高原に滞在中です。
八ヶ岳山麓の標高1250mの高原です。
とにかく涼しいです。
軽井沢より、安くて涼しいです。
テニスをしているときも、日向(ひなた)は勿論暑いですが、木陰は充分涼しいので快適に過ごしています。
爽やかな風が心地いいです。
夜中は17~18度ですから、寒いくらいです。
京都とは月とスッポンの差ですね。
ちなみに滞在中のペンションには暖房機はあってもクーラーはありません。
7月30日の夜は、夕立が降ったあとの星空を見にいきましたが塵が雨でクリアされていて、とても綺麗でした。ヾ(^▽^)
今夜は、新月で快晴という年間通してめったにない恵まれた日なので、再び星空見学に行く予定です。
天の川もきっとくっきりと見えると思います。
第35回テニス合宿ですから、長く続いている分、65歳以上の方々が過半数を占めています。
最年少は21歳の青年です。
赤ちゃんの頃から合宿に参加してました。
テニスコーチが57歳で、あとみんな、50歳以上です。
まあ、テニスは、年齢・身の程をわきまえてほどほどに、夜の焼酎とワインとお喋りで、盛り上がってます。
食事やおつまみは、勿論スーパー糖質制限食ですよ。
あと3日間、快適な高原ライフを楽しみたいと思います。 (^_^)
江部康二
2016年07月29日 (金)
こんにちは。
相変わらず暑い日が続く京都です。
我が家の庭で、朝、日の出と共に「ジージー、ジャジャジャ」と私を起こしてくれるのはクマゼミです。
夏の風物詩ですね。
2015年の夏は、京都ではクマゼミが激減したのですが、今年は大丈夫そうです。
さて、2016年9月25日(日)、東京(千代田区)にて、講演・トークイベント
「”正しく”知らなきゃ損!糖質制限食とケトン体のこと 」
を開催します。
ケトン体のスペシャリスト宗田哲男先生(宗田マタニティクリニック)とのコラボ講演・トークイベントなのでとても楽しみです。
二人で楽しくわかりやすいお話を目指します。
関東方面の方々、多数のご参加を待っております。
なお
2016/7/30(土)~8/2(火)まで、恒例の夏休みです。
第35回テニス合宿で富士見高原に避暑にいきます。
ブログ更新は、できるかどうか?ですね。
江部康二
*********
以下、事務局からのお知らせです。
ブログ読者の皆様、弊会の講演会、料理教室へいつも多数ご参加いただきまして、ありがとうございます。
9月25日(日)、東京(千代田区)にて、講演・トークイベント
「”正しく”知らなきゃ損!糖質制限食とケトン体のこと 」を開催いたします。
講師は、ケトン体の安全性を世界に先駆けて立証した、産婦人科医の宗田哲男先生(宗田マタニティクリニック)と、当会理事長の江部康二です。
第1部では、宗田先生が「ケトン体の奇跡」をテーマに、理事長が「糖質制限食は、人類の健康食」をテーマに講演を。
第2部では、「糖質制限で日本が変わる!」をテーマに、共に糖質制限食の普及を推進してきた両講師によるトークを予定しております。
糖質制限食は、認知度が急速に高まり、メディアで取り上げられる機会も増えています。
しかし、その一方で、まだ、各メディアで必ずしも正確な情報が流れているとも言えず、玉石混交の感があります。
糖質制限食が広まりつつある今でこそ、織り交ぜの知識ではもったいない!
正しい知識を基に情報を取捨選択できることが、健康増進への近道となります。
糖質制限食の有効性と安全性、可能性を長年、臨床で目の当たりにしてきた両講師ならではの、歯切れのよいトークもお楽しみに。
また、イベント終了後に、講演会場と同フロアのカフェダイニングにて賛助会員交流会を催します。
この機会に皆さま奮って参加いただけますと幸いです。
*当日講演会終了後に、賛助会員交流会を開催致します。
◆講演会・賛助会員交流会情報URL: http://www.toushitsuseigen.or.jp/activity
///////////////////ご案内/////////////////////
(一社)日本糖質制限医療推進協会主催 講演&トークイベント
「”正しく”知らなきゃ損!糖質制限食とケトン体のこと 」
■日時:9/25(日)13:20~16:10 ※開場・受付開始は13:00~
■会場:WATERRAS COMMON (ワテラスコモン) 3F「ワテラスコモンホール」
東京都千代田区神田淡路町2丁目101番地
http://www.waterrascommon.com/access.html
■内容:
◆講演
1.「糖質制限食は、人類の健康食」
講師:江部 康二 医師 一般財団法人 高雄病院 理事長/当会理事長
2.「ケトン体の奇跡」
講師:宗田 哲男 医師 宗田マタニティクリニック 院長
◆両講師によるトーク 「糖質制限で日本が変わる!」
進行役:松本 桃代 管理栄養士 永井マザーズホスピタル/当会アドバイザー
◆質疑応答
※講演各40分、トーク40分、質疑応答20分程度を予定しております。
■参加費:賛助会員 2,500円 / 一般 3,000円 ■会場定員:160名
■お支払い方法: クレジットカード/銀行振込/郵便振替 ※事前決済のみとなります。
■お申し込みの流れ:
1. 下記「お申し込み方法」の該当するものからお申し込み下さい。
2. 事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3. 入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4. 当日、直接会場までお越し下さい。
■お申し込み方法:
★賛助会員の方:事務局までメールにてお申し込み下さい。
※領収書の発行をご希望の場合は、領収書宛名もお知らせ願います。
★賛助会員入会をご希望の方:
1. 入会案内および会員規約をお読み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/sign-up
2. お申し込みは下のフォームからお願いします。
「通信」欄に「9/25東京講演・トークイベント参加希望」とご記入下さい。
(交流会へ参加希望の場合は、その旨をご記入下さい。)
http://www.toushitsuseigen.or.jp/contact
★一般(非会員)で、講演会の受講のみご希望の方:
下のフォームからお申し込み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/seminar-gen
■その他:
・予約制です。当日参加はできません。
・キャンセルは9月23日(金)までに事務局へご連絡願います。
それ以降のご返金は原則、対応致しかねますので予めご了承ください。
相変わらず暑い日が続く京都です。
我が家の庭で、朝、日の出と共に「ジージー、ジャジャジャ」と私を起こしてくれるのはクマゼミです。
夏の風物詩ですね。
2015年の夏は、京都ではクマゼミが激減したのですが、今年は大丈夫そうです。
さて、2016年9月25日(日)、東京(千代田区)にて、講演・トークイベント
「”正しく”知らなきゃ損!糖質制限食とケトン体のこと 」
を開催します。
ケトン体のスペシャリスト宗田哲男先生(宗田マタニティクリニック)とのコラボ講演・トークイベントなのでとても楽しみです。
二人で楽しくわかりやすいお話を目指します。
関東方面の方々、多数のご参加を待っております。
なお
2016/7/30(土)~8/2(火)まで、恒例の夏休みです。
第35回テニス合宿で富士見高原に避暑にいきます。
ブログ更新は、できるかどうか?ですね。
江部康二
*********
以下、事務局からのお知らせです。
ブログ読者の皆様、弊会の講演会、料理教室へいつも多数ご参加いただきまして、ありがとうございます。
9月25日(日)、東京(千代田区)にて、講演・トークイベント
「”正しく”知らなきゃ損!糖質制限食とケトン体のこと 」を開催いたします。
講師は、ケトン体の安全性を世界に先駆けて立証した、産婦人科医の宗田哲男先生(宗田マタニティクリニック)と、当会理事長の江部康二です。
第1部では、宗田先生が「ケトン体の奇跡」をテーマに、理事長が「糖質制限食は、人類の健康食」をテーマに講演を。
第2部では、「糖質制限で日本が変わる!」をテーマに、共に糖質制限食の普及を推進してきた両講師によるトークを予定しております。
糖質制限食は、認知度が急速に高まり、メディアで取り上げられる機会も増えています。
しかし、その一方で、まだ、各メディアで必ずしも正確な情報が流れているとも言えず、玉石混交の感があります。
糖質制限食が広まりつつある今でこそ、織り交ぜの知識ではもったいない!
正しい知識を基に情報を取捨選択できることが、健康増進への近道となります。
糖質制限食の有効性と安全性、可能性を長年、臨床で目の当たりにしてきた両講師ならではの、歯切れのよいトークもお楽しみに。
また、イベント終了後に、講演会場と同フロアのカフェダイニングにて賛助会員交流会を催します。
この機会に皆さま奮って参加いただけますと幸いです。
*当日講演会終了後に、賛助会員交流会を開催致します。
◆講演会・賛助会員交流会情報URL: http://www.toushitsuseigen.or.jp/activity
///////////////////ご案内/////////////////////
(一社)日本糖質制限医療推進協会主催 講演&トークイベント
「”正しく”知らなきゃ損!糖質制限食とケトン体のこと 」
■日時:9/25(日)13:20~16:10 ※開場・受付開始は13:00~
■会場:WATERRAS COMMON (ワテラスコモン) 3F「ワテラスコモンホール」
東京都千代田区神田淡路町2丁目101番地
http://www.waterrascommon.com/access.html
■内容:
◆講演
1.「糖質制限食は、人類の健康食」
講師:江部 康二 医師 一般財団法人 高雄病院 理事長/当会理事長
2.「ケトン体の奇跡」
講師:宗田 哲男 医師 宗田マタニティクリニック 院長
◆両講師によるトーク 「糖質制限で日本が変わる!」
進行役:松本 桃代 管理栄養士 永井マザーズホスピタル/当会アドバイザー
◆質疑応答
※講演各40分、トーク40分、質疑応答20分程度を予定しております。
■参加費:賛助会員 2,500円 / 一般 3,000円 ■会場定員:160名
■お支払い方法: クレジットカード/銀行振込/郵便振替 ※事前決済のみとなります。
■お申し込みの流れ:
1. 下記「お申し込み方法」の該当するものからお申し込み下さい。
2. 事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3. 入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4. 当日、直接会場までお越し下さい。
■お申し込み方法:
★賛助会員の方:事務局までメールにてお申し込み下さい。
※領収書の発行をご希望の場合は、領収書宛名もお知らせ願います。
★賛助会員入会をご希望の方:
1. 入会案内および会員規約をお読み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/sign-up
2. お申し込みは下のフォームからお願いします。
「通信」欄に「9/25東京講演・トークイベント参加希望」とご記入下さい。
(交流会へ参加希望の場合は、その旨をご記入下さい。)
http://www.toushitsuseigen.or.jp/contact
★一般(非会員)で、講演会の受講のみご希望の方:
下のフォームからお申し込み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/seminar-gen
■その他:
・予約制です。当日参加はできません。
・キャンセルは9月23日(金)までに事務局へご連絡願います。
それ以降のご返金は原則、対応致しかねますので予めご了承ください。
2016年07月28日 (木)
こんばんは。
精神科医師Aさんから、
『糖尿病は海馬萎縮のリスク因子―罹病期間が長いほど萎縮進む』
という、久山町研究の最新報告について、コメント頂きました。
ありがとうございます。
65歳以上の福岡県久山町住民1,238人を対象に頭部MRI検査を実施して調査です。
糖尿病患者では脳萎縮、なかでも海馬萎縮が進んでいることがわかりました。
全脳萎縮、海馬萎縮、海馬優位の脳萎縮の3者に関して、食後2時間血糖値の上昇が有意に関与しており、空腹時血糖値との関連はみられませんでした。
糖尿病罹病期間が長くなるほど萎縮が進み、罹病期間が17年以上の患者では非糖尿病患者に比べて有意差が認められました。
中年期に糖尿病と診断された患者では、高齢になってから診断された患者に比べて海馬の萎縮が有意に進んでいました。
空腹時血糖値ではなく、食後高血糖が海馬萎縮(アルツハイマー病の特徴)に関与していることが今回の久山町研究で判明したわけです。
空腹時血糖値だけではなくて、食後2時間血糖値を測定したのは、九州大学医学部の先生方、good job ですね。
これで、食後高血糖がアルツハイマー病のリスクなるというエビデンスが一つ増えたことになります。
さて、そうすると、現在日本の病院の糖尿病外来や会社の健康診断の多くで行われている「HbA1cと早朝空腹時血糖値」を基本にした糖尿病の評価基準は、大きな問題をはらんでいると言えます。
すなわち、「HbA1cと早朝空腹時血糖値」検査では、食後高血糖の存在を見逃す可能性が高いのです。
HbA1cは、食後1~2時間の短時間の食後高血糖を捉えることができない検査です。
食後高血糖は、海馬萎縮(アルツハイマー病の特徴)のリスクだけではなく、酸化ストレスを生じて、動脈硬化・老化・癌・糖尿病合併症・パーキンソン病などのリスクになります。
現実には、日本の糖尿病患者のほとんどが、医師・栄養士の指導のもと、カロリー制限・高糖質食を一日3回、食べさせられています。
糖尿病で入院したときなどは、一日3回、丼飯が出るなど、もはや乱暴・狼藉状態ですね。
これでは、一日3回、必ず食後高血糖を生じます。
だからこそ、糖尿病で治療を受けているにも関わらず、毎年新たに、人工透析16000人、失明3000人、足切断3000人という悲惨な状況が、長年続いているわけです。
グリコアルブミン(GA)を調べれば、短時間の食後高血糖も捉えることができます。
従来の糖尿病食(カロリー制限・高糖質食)を摂取している糖尿人は、是非一度、グリコアルブミン(GA)を調べて、食後高血糖の有無をチェックするのが無難と思います。
1型の糖尿病患者さんで、HbA1cは6.6~6.8%(6.9%未満良好)とコントロール良好なのにGAは28~30%(20%未満良好)というパターンのかたが時におられます。
食後高血糖が低血糖気味の時と相殺されて、平均値のHbA1cは見かけ上はコントロール良好ですが、実態はコントロール全く不良なのです。
これでは、合併症は防げません。
2型の場合も1型ほどではないにしても、特にSU剤やインスリン注射を打っている糖尿人は、HbA1cは良好でもGAは不良というパターンは結構あると思いますので注意が必要です。
ともあれ、食後高血糖を予防できる唯一の食事療法は糖質制限食であることを、肝に銘じておく必要が有ると思います。
江部康二
【16/07/26 精神科医師A
最近の文献(2)
糖尿病は海馬萎縮のリスク因子―罹病期間が長いほど萎縮進む、久山町研究
http://www.carenet.com/news/general/hdnj/42303
糖尿病があると記憶に関わる脳の海馬の萎縮が進みやすく、罹病期間が長く、診断時期が早いほどそのリスクが高まることが、九州大学大学院衛生・公衆衛生学分野の久山町研究グループにより明らかにされた。この知見では、脳や海馬の萎縮には、空腹時血糖値ではなく食後2時間血糖値が有意に関連していたことから、糖尿病患者の海馬萎縮、認知症の発症予防には食後高血糖の是正が鍵となる可能性がある。詳細は「Diabetes Care」オンライン版に7月6日掲載された。
これまで欧米を中心とした研究で、糖尿病患者ではアルツハイマー病の発症リスクが高まることや、非糖尿病患者に比べてアルツハイマー病の特徴とされる海馬の萎縮が進んでいることが報告されている。久山町研究では、糖尿病および食後2時間血糖高値がアルツハイマー病の発症や老人斑の形成と有意に関連することが報告されているが、今回、同研究グループは、頭部MRIを用いて脳容積を測定し、糖尿病の有無との関連を検討した。
本研究では、65歳以上の福岡県久山町住民1,238人を対象に頭部MRI検査を行い、全脳容積(TBV)、頭蓋内容積(ICV)、海馬容積(HV)を測定。全脳萎縮の指標にTBV/ICV比、海馬萎縮の指標にHV/ICV比、海馬優位の脳萎縮の指標にHV/TBV比を算出し、糖尿病の指標との関連を調べた。対象者のうち23%(286人)が糖尿病患者であった。
その結果、年齢や性などの因子を調整した解析により、糖尿病患者では、非糖尿病患者に比べてTBV/ICV比、HV/ICV比、HV/TBV比はいずれも有意に小さく、糖尿病患者では脳萎縮、なかでも海馬萎縮が進んでいることがわかった(それぞれ77.6%対78.2%、0.513%対0.529%、0.660%対0.676%、いずれもP<0.01)。
また、これらの3つの指標はいずれも、食後2時間血糖値の上昇に伴って有意に小さくなったが、空腹時血糖値との関連はみられなかった。さらに、糖尿病罹病期間が長くなるほど3つの指標は小さくなる傾向がみられ、罹病期間が17年以上の患者では非糖尿病患者に比べて有意差が認められた。中年期に糖尿病と診断された患者では、高齢になってから診断された患者に比べて海馬の萎縮が有意に進んでいることもわかった。
Association Between Diabetes and Hippocampal Atrophy in Elderly Japanese: The Hisayama Study
http://care.diabetesjournals.org/content/early/2016/07/01/dc15-2800】
精神科医師Aさんから、
『糖尿病は海馬萎縮のリスク因子―罹病期間が長いほど萎縮進む』
という、久山町研究の最新報告について、コメント頂きました。
ありがとうございます。
65歳以上の福岡県久山町住民1,238人を対象に頭部MRI検査を実施して調査です。
糖尿病患者では脳萎縮、なかでも海馬萎縮が進んでいることがわかりました。
全脳萎縮、海馬萎縮、海馬優位の脳萎縮の3者に関して、食後2時間血糖値の上昇が有意に関与しており、空腹時血糖値との関連はみられませんでした。
糖尿病罹病期間が長くなるほど萎縮が進み、罹病期間が17年以上の患者では非糖尿病患者に比べて有意差が認められました。
中年期に糖尿病と診断された患者では、高齢になってから診断された患者に比べて海馬の萎縮が有意に進んでいました。
空腹時血糖値ではなく、食後高血糖が海馬萎縮(アルツハイマー病の特徴)に関与していることが今回の久山町研究で判明したわけです。
空腹時血糖値だけではなくて、食後2時間血糖値を測定したのは、九州大学医学部の先生方、good job ですね。
これで、食後高血糖がアルツハイマー病のリスクなるというエビデンスが一つ増えたことになります。
さて、そうすると、現在日本の病院の糖尿病外来や会社の健康診断の多くで行われている「HbA1cと早朝空腹時血糖値」を基本にした糖尿病の評価基準は、大きな問題をはらんでいると言えます。
すなわち、「HbA1cと早朝空腹時血糖値」検査では、食後高血糖の存在を見逃す可能性が高いのです。
HbA1cは、食後1~2時間の短時間の食後高血糖を捉えることができない検査です。
食後高血糖は、海馬萎縮(アルツハイマー病の特徴)のリスクだけではなく、酸化ストレスを生じて、動脈硬化・老化・癌・糖尿病合併症・パーキンソン病などのリスクになります。
現実には、日本の糖尿病患者のほとんどが、医師・栄養士の指導のもと、カロリー制限・高糖質食を一日3回、食べさせられています。
糖尿病で入院したときなどは、一日3回、丼飯が出るなど、もはや乱暴・狼藉状態ですね。
これでは、一日3回、必ず食後高血糖を生じます。
だからこそ、糖尿病で治療を受けているにも関わらず、毎年新たに、人工透析16000人、失明3000人、足切断3000人という悲惨な状況が、長年続いているわけです。
グリコアルブミン(GA)を調べれば、短時間の食後高血糖も捉えることができます。
従来の糖尿病食(カロリー制限・高糖質食)を摂取している糖尿人は、是非一度、グリコアルブミン(GA)を調べて、食後高血糖の有無をチェックするのが無難と思います。
1型の糖尿病患者さんで、HbA1cは6.6~6.8%(6.9%未満良好)とコントロール良好なのにGAは28~30%(20%未満良好)というパターンのかたが時におられます。
食後高血糖が低血糖気味の時と相殺されて、平均値のHbA1cは見かけ上はコントロール良好ですが、実態はコントロール全く不良なのです。
これでは、合併症は防げません。
2型の場合も1型ほどではないにしても、特にSU剤やインスリン注射を打っている糖尿人は、HbA1cは良好でもGAは不良というパターンは結構あると思いますので注意が必要です。
ともあれ、食後高血糖を予防できる唯一の食事療法は糖質制限食であることを、肝に銘じておく必要が有ると思います。
江部康二
【16/07/26 精神科医師A
最近の文献(2)
糖尿病は海馬萎縮のリスク因子―罹病期間が長いほど萎縮進む、久山町研究
http://www.carenet.com/news/general/hdnj/42303
糖尿病があると記憶に関わる脳の海馬の萎縮が進みやすく、罹病期間が長く、診断時期が早いほどそのリスクが高まることが、九州大学大学院衛生・公衆衛生学分野の久山町研究グループにより明らかにされた。この知見では、脳や海馬の萎縮には、空腹時血糖値ではなく食後2時間血糖値が有意に関連していたことから、糖尿病患者の海馬萎縮、認知症の発症予防には食後高血糖の是正が鍵となる可能性がある。詳細は「Diabetes Care」オンライン版に7月6日掲載された。
これまで欧米を中心とした研究で、糖尿病患者ではアルツハイマー病の発症リスクが高まることや、非糖尿病患者に比べてアルツハイマー病の特徴とされる海馬の萎縮が進んでいることが報告されている。久山町研究では、糖尿病および食後2時間血糖高値がアルツハイマー病の発症や老人斑の形成と有意に関連することが報告されているが、今回、同研究グループは、頭部MRIを用いて脳容積を測定し、糖尿病の有無との関連を検討した。
本研究では、65歳以上の福岡県久山町住民1,238人を対象に頭部MRI検査を行い、全脳容積(TBV)、頭蓋内容積(ICV)、海馬容積(HV)を測定。全脳萎縮の指標にTBV/ICV比、海馬萎縮の指標にHV/ICV比、海馬優位の脳萎縮の指標にHV/TBV比を算出し、糖尿病の指標との関連を調べた。対象者のうち23%(286人)が糖尿病患者であった。
その結果、年齢や性などの因子を調整した解析により、糖尿病患者では、非糖尿病患者に比べてTBV/ICV比、HV/ICV比、HV/TBV比はいずれも有意に小さく、糖尿病患者では脳萎縮、なかでも海馬萎縮が進んでいることがわかった(それぞれ77.6%対78.2%、0.513%対0.529%、0.660%対0.676%、いずれもP<0.01)。
また、これらの3つの指標はいずれも、食後2時間血糖値の上昇に伴って有意に小さくなったが、空腹時血糖値との関連はみられなかった。さらに、糖尿病罹病期間が長くなるほど3つの指標は小さくなる傾向がみられ、罹病期間が17年以上の患者では非糖尿病患者に比べて有意差が認められた。中年期に糖尿病と診断された患者では、高齢になってから診断された患者に比べて海馬の萎縮が有意に進んでいることもわかった。
Association Between Diabetes and Hippocampal Atrophy in Elderly Japanese: The Hisayama Study
http://care.diabetesjournals.org/content/early/2016/07/01/dc15-2800】
2016年07月27日 (水)
こんにちは。
精神科医師Aさんから興味深い情報をコメント頂きました。
ありがとうございます。
日本外科代謝栄養学会において
「糖質制限食が腸管虚血再灌流後の生体反応に及ぼす影響について」
という発表がありました。
マウスを通常食群(N=30)と糖質制限食群群(N=29)の2群に分けそれぞれ食餌を3週間自由摂取。
食餌の組成内容は
通常食: 炭水化物65% 脂質16% アミノ酸19%、
糖質制限食: 炭水化物20% 脂質62% アミノ酸18%
両群のマウスの上腸間膜動脈をしばって、60分間血流を止めます。
その後、血流を再開して、生存率を調べた研究です。
再灌流後の生存率は
12時間後 通常食:糖質制限食群 80% vs 100%
24時間後 通常食:糖質制限食群 53% vs69%
48時間後 通常食:糖質制限食群 30% vs52%
いずれも糖質制限食群で良好で、
特に12時間での生存率では有意差を認めました。
再灌流後6時間の血清中アデイポネクチン値、レプチン値、 腸管組織のSOD活性値に有意差なしなので、なぜ糖質制限食マウスで生存率が改善したかはさらなる検討が必要とのことです。
いつも私が言っているように、マウスの主食は本来は穀物なので高脂肪食を食べさせるのは、かなりのハンディになるはずです。
それにも関わらず、結果は、糖質制限・高脂肪食マウスの生存率が改善ですので高脂肪・低糖質食そのものに、なんらかの生存率を向上させる効能があったと考えられます。
あくまでも仮説ですが、ケトン体高値が生存率改善に関与している可能性がありますね。
血中ケトン体値を調べてあれば、と思いました。
江部康二
『16/07/26 精神科医師A
日本外科代謝栄養学会(1)
外科と代謝・栄養50巻3号 2016年6月15日発行
日本外科代謝栄養学会第53回学術集会プログラム・予稿
P178
糖質制限食が腸管虚血再灌流後の生体反応に及ぼす影響について
○渡邊智記1)2)、深柄和彦2)、村越智2)、 守屋智之 1)、李基成2)、山本順 司1)、長谷和生1)、安原洋2)
1)防衛医科大学校外科 2)東京大学医学部附属病院手術部
【背景】
近年、肥満患者に対する糖質制限食(Low carbohydrate-high fat diet 以下LCHFD)による栄養介入が、体重減少・耐糖能の改善や循環器疾患リスクの軽減に有効と報告されている。しかし、高脂肪食による炎症反応増悪の報告もあり、LCHFD摂取患者が外科侵襲後に予期せぬ転帰をたどる危険性も否定できない。今回我々は、LCHFD の摂取が外科侵襲時に及ぼす影響に関してマウス腸管虚血再灌流モデルで検討した。
【方法】
1) マウスを通常食群 (以下N群)(N=30)とLCHFD群(以下LCHFD群)(N=29)の2群に分けそれぞれ食餌を3週間自由摂取させた。
食餌の組成内容は通常食: 炭水化物65% 脂質16% アミノ酸19%、LCHFD食: 炭水化物20% 脂質62% アミノ酸18%であった。その後麻酔下に上腸間膜動脈をクランプ、60分後にクランプを解除し再灌流後の生存を48時間観察した。
2) マウスをN 群(N=9)、LCHFD群(N=9)の2群に分け、1)と同様に3週間の自由摂取の後に60分間の腸管虚血を施行。再灌流後6時間に致死せしめ、血液・腸管組織を採取。血清中のアデイポサイトカイン値、腸管組織のSOD活性値を測定しおよび腸管傷害度をChiu分類にて評価した。
【結果】
1) 再灌流後の生存率はN群、LCHFD群の順に12時間(80% vs 100%)、24時間(53% vs 69%)、48時間(30% vs 52%)であり、いずれもLCHFD群で良好で特に12時間での生存率では有意差を認 めた (Fisher's exact test: p=0.02)。生存時間においてもLCHFD群で良好な傾向がみられた (log rank test: p=0.07 )
2) 再灌流後6時間での各項目の値はN群、LCHFD群の順にアデイポネクチン: 5.8±0.7μl/ml vs 5.9±0.6μl/ml、レプチン: 4.4±0.5ng/ml vs 4.3±0.4ng/ml、 SOD活性値: 27.8±5.6u/g vs 34.1±4.7u/gと同等で、Chiu分類による腸管障害度の評価もN群平均Grade2.3、LCHFD群 平均Grade2.2であった。
【結語】
糖質制限食の比較的長期間(3週間)の自由摂取は腸管虚血再灌流後の予後改善をもたらした。しかし、血清中のアデイポサイトカイン値、腸管組織中SOD活性、腸管傷害の程度は大きな違いを認めず、生存改善の機序についてはさらなる検討が必要である。』
精神科医師Aさんから興味深い情報をコメント頂きました。
ありがとうございます。
日本外科代謝栄養学会において
「糖質制限食が腸管虚血再灌流後の生体反応に及ぼす影響について」
という発表がありました。
マウスを通常食群(N=30)と糖質制限食群群(N=29)の2群に分けそれぞれ食餌を3週間自由摂取。
食餌の組成内容は
通常食: 炭水化物65% 脂質16% アミノ酸19%、
糖質制限食: 炭水化物20% 脂質62% アミノ酸18%
両群のマウスの上腸間膜動脈をしばって、60分間血流を止めます。
その後、血流を再開して、生存率を調べた研究です。
再灌流後の生存率は
12時間後 通常食:糖質制限食群 80% vs 100%
24時間後 通常食:糖質制限食群 53% vs69%
48時間後 通常食:糖質制限食群 30% vs52%
いずれも糖質制限食群で良好で、
特に12時間での生存率では有意差を認めました。
再灌流後6時間の血清中アデイポネクチン値、レプチン値、 腸管組織のSOD活性値に有意差なしなので、なぜ糖質制限食マウスで生存率が改善したかはさらなる検討が必要とのことです。
いつも私が言っているように、マウスの主食は本来は穀物なので高脂肪食を食べさせるのは、かなりのハンディになるはずです。
それにも関わらず、結果は、糖質制限・高脂肪食マウスの生存率が改善ですので高脂肪・低糖質食そのものに、なんらかの生存率を向上させる効能があったと考えられます。
あくまでも仮説ですが、ケトン体高値が生存率改善に関与している可能性がありますね。
血中ケトン体値を調べてあれば、と思いました。
江部康二
『16/07/26 精神科医師A
日本外科代謝栄養学会(1)
外科と代謝・栄養50巻3号 2016年6月15日発行
日本外科代謝栄養学会第53回学術集会プログラム・予稿
P178
糖質制限食が腸管虚血再灌流後の生体反応に及ぼす影響について
○渡邊智記1)2)、深柄和彦2)、村越智2)、 守屋智之 1)、李基成2)、山本順 司1)、長谷和生1)、安原洋2)
1)防衛医科大学校外科 2)東京大学医学部附属病院手術部
【背景】
近年、肥満患者に対する糖質制限食(Low carbohydrate-high fat diet 以下LCHFD)による栄養介入が、体重減少・耐糖能の改善や循環器疾患リスクの軽減に有効と報告されている。しかし、高脂肪食による炎症反応増悪の報告もあり、LCHFD摂取患者が外科侵襲後に予期せぬ転帰をたどる危険性も否定できない。今回我々は、LCHFD の摂取が外科侵襲時に及ぼす影響に関してマウス腸管虚血再灌流モデルで検討した。
【方法】
1) マウスを通常食群 (以下N群)(N=30)とLCHFD群(以下LCHFD群)(N=29)の2群に分けそれぞれ食餌を3週間自由摂取させた。
食餌の組成内容は通常食: 炭水化物65% 脂質16% アミノ酸19%、LCHFD食: 炭水化物20% 脂質62% アミノ酸18%であった。その後麻酔下に上腸間膜動脈をクランプ、60分後にクランプを解除し再灌流後の生存を48時間観察した。
2) マウスをN 群(N=9)、LCHFD群(N=9)の2群に分け、1)と同様に3週間の自由摂取の後に60分間の腸管虚血を施行。再灌流後6時間に致死せしめ、血液・腸管組織を採取。血清中のアデイポサイトカイン値、腸管組織のSOD活性値を測定しおよび腸管傷害度をChiu分類にて評価した。
【結果】
1) 再灌流後の生存率はN群、LCHFD群の順に12時間(80% vs 100%)、24時間(53% vs 69%)、48時間(30% vs 52%)であり、いずれもLCHFD群で良好で特に12時間での生存率では有意差を認 めた (Fisher's exact test: p=0.02)。生存時間においてもLCHFD群で良好な傾向がみられた (log rank test: p=0.07 )
2) 再灌流後6時間での各項目の値はN群、LCHFD群の順にアデイポネクチン: 5.8±0.7μl/ml vs 5.9±0.6μl/ml、レプチン: 4.4±0.5ng/ml vs 4.3±0.4ng/ml、 SOD活性値: 27.8±5.6u/g vs 34.1±4.7u/gと同等で、Chiu分類による腸管障害度の評価もN群平均Grade2.3、LCHFD群 平均Grade2.2であった。
【結語】
糖質制限食の比較的長期間(3週間)の自由摂取は腸管虚血再灌流後の予後改善をもたらした。しかし、血清中のアデイポサイトカイン値、腸管組織中SOD活性、腸管傷害の程度は大きな違いを認めず、生存改善の機序についてはさらなる検討が必要である。』
2016年07月26日 (火)
こんにちは。
1がたさんから、コメント・質問を頂きました。
東京大学先端科学技術研究センター
オープンキャンパス公開シンポジウム
がんと生活習慣病の新しい栄養学(2016年6月3日)
の情報もコメント頂きました。
ありがとうございます。
とても参考になるので記事にしました。
「糖質を抑えることで健康になる」
「ケトン体が安全」
「脳はケトン体をエネルギー源とする」
「がん細胞のエネルギー源はブドウ糖」
・・・など
東京大学先端科学技術研究センターの先生方、私が日頃主張していることをきっちり説明して頂いて、素晴らしいです。 ヾ(^▽^)
good job です。
感謝です。 m(_ _)m
東大の最先端の研究者の先生方が糖質制限賛成派とは嬉しい限りで、大変、心強いですね。
江部康二
【16/07/16
1がた
はじめまして。最近ブログで勉強させていただいています。
本も買って先日読みました。
こちらには1型糖尿病のカテゴリーもあり、とても勉強になります。
私は1型糖尿病になり10年経ちます。女性で中年の年代です。
今までは打った分を食べて、上がりすぎては追加し、下がりすぎては食べて、、、ということで乱高下する事が多く、50から300、、など体に悪いなーと思いつつそんなことも珍しくないような状態でした。
病歴10年でも日々食べるものは違い、運動量も違います。
そんな中、昨年バセドー病を発症し投薬治療をしています。
薬の影響もあり最近体重が増えてきて悩んでいました。
そこで、低糖質にチャレンジしています。
完璧ではないにしても2週間ほどやってみて、体重はほとんど変わっていません。
インスリンの量はかなり減るようになりました。
バセドー病の薬を飲みつつ体重をキープしてるのがなんとなくの効果なのかな、とも思いますが、人生初の60キロ超えの体重をなんとか落としたいと切実に思っています。
太った?と言われたりして、人と会ったり外出も億劫になるような気分でおかしくなりそうです。
1型の場合は、ケトン体がですぎるとケトアシドーシスになり危険なのでしょうか。
でも、日に何度も測っていて、それほど血糖値が高くなるということありません。
それでもケトアシドーシスは心配なものでしょうか。
あと、1型の場合低血糖がこわいです。
健常の身体なら低糖質にした場合でも低血糖にならずにケトン体でエネルギーとなるんですよね?
1型の場合はそこまでいかずに低血糖になってしまい、ブドウ糖が必要になりますよね?
すると、低糖質の食事だとしても痩せられる気がしません。
以上の2点、もしよろければ教えていただけないでしょうか。
すでにそのような内容がもしあって読み切れてなければ申し訳ありません。
1型のカテゴリーも読んでいて、低血糖に効果的であることも読んだので、チャレンジしてみているのですが、あまりに体重が減らないので悲しくなってきました。
よろしくお願い致します。】
16/07/16 ドクター江部
1がた さん
1型糖尿病でも、脂肪酸-ケトン体は普通にエネルギー源にします。
糖質制限食でインスリン注射の量がかなり減ったのは、とても良いことです。
インスリンが減れば、低血糖も減ります。
インスリンは肥満ホルモンですので、それが減れば体重も減りやすくなります。
1型でもインスリンを注射して、インスリン作用が保たれているなら、「ケトアシドーシス」にはなりません。
インスリン作用が保たれていれば、血中ケトン体高値でも、それは全く安全なエネルギー源です。
糖質制限食実践で食後高血糖が改善しますが、血糖値が正常値でも低値になってくると 、肝臓で糖新生して血糖値を保つので低血糖にはなりません。
【16/07/16
1がた
江部先生
さっそくのお返事ありがとうございます。
気になっていたことが理解でき、スッキリしました。
コメント思い切ってしてよかったです。
また疑問があった時にはよろしくお願いします。】
【16/07/21
1がた
きのうの番組見ました。
なんだかいろいろつっこみどころ満載な感じでしたね。Twitterの反応見てみると、「やっぱり糖質制限は危険、こわい」などがならび、多くの人々がテレビの内容を素直に受け取っていました。なんだかなー。
家族や知人に反対されているような人はここぞとばかり非難の的になってしまうでしょうし。。
隠れメタボになるのもカロリー摂らなすぎの極端なダイエットしてる若い子にはよく言われていることですよね。ひとこと、糖質制限ではカロリーは確保してください、と言えばいいものを、、、悪意を感じましたよ。。
先月東大の先端研で行われた一般向けのセミナーで、新しい栄養の取り方、というような内容でいろいろな著名な先生方の研究発表がありました。内容は知らずに行きましたが、糖質を抑えることで健康になる、という内容がありました。ケトン体が安全とのこと。
1型の私、ケトアシドーシスはこわいこわいと教えられてきたので、目からウロコ状態でした。いろいろな情報聞きかじっていて、どれがほんとかわからない状態でしたが、そういう最先端の研究をされている先生方が江部先生と同じようなお話をされていたので、これは信用できるかな、と思い真剣に取り組むようになったのでした。
なぜ、テレビはああいうみんなが混乱する間違えた情報をわざわざ流すのでしょうねー。】
16/07/21 ドクター江部
1がた さん
『ひとこと、糖質制限ではカロリーは確保してください、と言えばいいものを、、、』
全く同感です。
NHKクローズアップ現代、
「糖質制限はダイエットにとても良い食事療法ですが、カロリーの確保だけ注意して下さい」
くらいなら、フェアな表現といえますね。
先月東大の先端研で行われた一般向けのセミナーで 『糖質を抑えることで健康になる。ケトン体が安全。』とのこと、 これは嬉しい情報ですね。 ありがとうございます。
最先端の研究をされている先生方、もし所属や姓名がわかれば、ご教示頂けば幸いです。
一般向けのセミナーでしたら、公開されたチラシかパンフレットがあったのでしょうね。
【16/07/21
1がた
http://www.lsbm.org/news/2016/0226.html
先月のセミナーのリンクです。
たまたま立ち寄ったようなセミナーでしたが、とても勉強になりました。
特に2つ目の発表されていた、脂肪を燃やす、というお話をされていた先生がケトンについて話されていました。
てんかんでしたっけ、ケトン食で健康には問題なく、脳はブドウ糖だけではなくケトンも栄養にできること、癌はブドウ糖をエサにして大きくなること、あとはFGF21というホルモン?とにかく飢餓シグナルが健康にいいことなど、なかなか難しい話でしたが、わかるところだけでも最先端の研究に触れることができてすごいなーと思いました。
わたしも普通に脳はブドウ糖しか栄養にできない、なんてずっと信じていたので。こういうことを知っていたら病気の経過もずいぶん変わっていたように思います。
先日、長く診ていただいている主治医に低糖質のことを言いましたら、筋肉が減っていくよ、と否定的な様子でした。少し残念ですが、人体実験のつもりでやっていきます。
もうすでに病気だし、リスクはもともとたくさん持っているわけで、A1cが下がる方がリスク回避としては上かと思うからです。
ちなみにタンパク質や脂肪は糖質の代わりにたくさんとっているので、お肌の状態などは以前よりいいですよ!】
16/07/21 ドクター江部
1がた さん
情報をありがとうございます。
とても助かります。
東京大学の公式サイトに載ってますね。
東京大学先端科学技術研究センター オープンキャンパス公開シンポジウム
がんと生活習慣病の新しい栄養学
2016年6月3日 午後2時から5時 先端研3号館 ENEOSホール
最先端の研究者のお話しですから、素晴らしい体験をされたと思います。
・脳はケトン体をいくらでもエネルギー源として利用する。
・ケトン食は難治性小児てんかんの治療食として公的ガイドラインが認めている。
・癌細胞はブドウ糖しかエネルギー源にできない。
これらは全て事実です。
そして、糖質制限食は、蛋白質を充分量摂取しますので、カロリーさえ確保しておけば筋肉が減少することはありません。
カロリー制限食は、蛋白質摂取も減ることがあるので筋肉減少の危険があります。
糖質制限食こそが、人類本来の食事であり、人類の健康食なのです。
☆☆☆
東京大学の公式サイト
東京大学先端科学技術研究センター システム生物医学ラボラトリー
http://www.lsbm.org/news/2016/0226.html
News
2016.02.26
東京大学先端科学技術研究センター オープンキャンパス公開シンポジウム
がんと生活習慣病の新しい栄養学
2016年6月3日 午後2時から5時 先端研3号館 ENEOSホール
高齢化社会になり、これまでの「野菜とお米」を食べていれば健康にいい、という刷り込みが本当なのか疑問がもたれています。
遺伝学の研究から、ずっと栄養がたりているより、周期的にネエルギー不足にし、「飢餓シグナル」を働かせた方が、寿命が長くなることがわかってきました。
体の中の異邦人のミトコンドリアの代謝のメカニズム理解をもとに最先端の気鋭の研究者が、「ちょっと難しいが大事な栄養のメカニズム」の入り口をツアーガイドしてくれます。
オープンキャンパスの公開シンポジウムで、誰もが迎えるエイジング、そしてがんと生活習慣病について、新しい考え方を紹介します。(無料、参加自由)
2時00分 オープニングリマーク 新しい栄養学
児玉 龍彦 (先端研教授)
2時10分 脂肪を燃やすメカニズム
酒井 寿郎 (先端研教授)
2時35分 FGF21ってなんだろう
稲垣 毅 (先端研准教授)
3時00分 がんになると代謝がかわる
大沢 毅 (先端研助教)
(休憩)
3時35分 脂肪肝
中島 淳(横浜市大教授)
4時00分 飢餓シグナルと生活習慣病治療
田中 十志也(先端研教授)
4時25分 エイジングと目の病気と栄養
坪田 一男 (慶応大教授)
4時50分 クロージングリマーク 新しい栄養学
中村 和男 (シミックホールディングス CEO)
1がたさんから、コメント・質問を頂きました。
東京大学先端科学技術研究センター
オープンキャンパス公開シンポジウム
がんと生活習慣病の新しい栄養学(2016年6月3日)
の情報もコメント頂きました。
ありがとうございます。
とても参考になるので記事にしました。
「糖質を抑えることで健康になる」
「ケトン体が安全」
「脳はケトン体をエネルギー源とする」
「がん細胞のエネルギー源はブドウ糖」
・・・など
東京大学先端科学技術研究センターの先生方、私が日頃主張していることをきっちり説明して頂いて、素晴らしいです。 ヾ(^▽^)
good job です。
感謝です。 m(_ _)m
東大の最先端の研究者の先生方が糖質制限賛成派とは嬉しい限りで、大変、心強いですね。
江部康二
【16/07/16
1がた
はじめまして。最近ブログで勉強させていただいています。
本も買って先日読みました。
こちらには1型糖尿病のカテゴリーもあり、とても勉強になります。
私は1型糖尿病になり10年経ちます。女性で中年の年代です。
今までは打った分を食べて、上がりすぎては追加し、下がりすぎては食べて、、、ということで乱高下する事が多く、50から300、、など体に悪いなーと思いつつそんなことも珍しくないような状態でした。
病歴10年でも日々食べるものは違い、運動量も違います。
そんな中、昨年バセドー病を発症し投薬治療をしています。
薬の影響もあり最近体重が増えてきて悩んでいました。
そこで、低糖質にチャレンジしています。
完璧ではないにしても2週間ほどやってみて、体重はほとんど変わっていません。
インスリンの量はかなり減るようになりました。
バセドー病の薬を飲みつつ体重をキープしてるのがなんとなくの効果なのかな、とも思いますが、人生初の60キロ超えの体重をなんとか落としたいと切実に思っています。
太った?と言われたりして、人と会ったり外出も億劫になるような気分でおかしくなりそうです。
1型の場合は、ケトン体がですぎるとケトアシドーシスになり危険なのでしょうか。
でも、日に何度も測っていて、それほど血糖値が高くなるということありません。
それでもケトアシドーシスは心配なものでしょうか。
あと、1型の場合低血糖がこわいです。
健常の身体なら低糖質にした場合でも低血糖にならずにケトン体でエネルギーとなるんですよね?
1型の場合はそこまでいかずに低血糖になってしまい、ブドウ糖が必要になりますよね?
すると、低糖質の食事だとしても痩せられる気がしません。
以上の2点、もしよろければ教えていただけないでしょうか。
すでにそのような内容がもしあって読み切れてなければ申し訳ありません。
1型のカテゴリーも読んでいて、低血糖に効果的であることも読んだので、チャレンジしてみているのですが、あまりに体重が減らないので悲しくなってきました。
よろしくお願い致します。】
16/07/16 ドクター江部
1がた さん
1型糖尿病でも、脂肪酸-ケトン体は普通にエネルギー源にします。
糖質制限食でインスリン注射の量がかなり減ったのは、とても良いことです。
インスリンが減れば、低血糖も減ります。
インスリンは肥満ホルモンですので、それが減れば体重も減りやすくなります。
1型でもインスリンを注射して、インスリン作用が保たれているなら、「ケトアシドーシス」にはなりません。
インスリン作用が保たれていれば、血中ケトン体高値でも、それは全く安全なエネルギー源です。
糖質制限食実践で食後高血糖が改善しますが、血糖値が正常値でも低値になってくると 、肝臓で糖新生して血糖値を保つので低血糖にはなりません。
【16/07/16
1がた
江部先生
さっそくのお返事ありがとうございます。
気になっていたことが理解でき、スッキリしました。
コメント思い切ってしてよかったです。
また疑問があった時にはよろしくお願いします。】
【16/07/21
1がた
きのうの番組見ました。
なんだかいろいろつっこみどころ満載な感じでしたね。Twitterの反応見てみると、「やっぱり糖質制限は危険、こわい」などがならび、多くの人々がテレビの内容を素直に受け取っていました。なんだかなー。
家族や知人に反対されているような人はここぞとばかり非難の的になってしまうでしょうし。。
隠れメタボになるのもカロリー摂らなすぎの極端なダイエットしてる若い子にはよく言われていることですよね。ひとこと、糖質制限ではカロリーは確保してください、と言えばいいものを、、、悪意を感じましたよ。。
先月東大の先端研で行われた一般向けのセミナーで、新しい栄養の取り方、というような内容でいろいろな著名な先生方の研究発表がありました。内容は知らずに行きましたが、糖質を抑えることで健康になる、という内容がありました。ケトン体が安全とのこと。
1型の私、ケトアシドーシスはこわいこわいと教えられてきたので、目からウロコ状態でした。いろいろな情報聞きかじっていて、どれがほんとかわからない状態でしたが、そういう最先端の研究をされている先生方が江部先生と同じようなお話をされていたので、これは信用できるかな、と思い真剣に取り組むようになったのでした。
なぜ、テレビはああいうみんなが混乱する間違えた情報をわざわざ流すのでしょうねー。】
16/07/21 ドクター江部
1がた さん
『ひとこと、糖質制限ではカロリーは確保してください、と言えばいいものを、、、』
全く同感です。
NHKクローズアップ現代、
「糖質制限はダイエットにとても良い食事療法ですが、カロリーの確保だけ注意して下さい」
くらいなら、フェアな表現といえますね。
先月東大の先端研で行われた一般向けのセミナーで 『糖質を抑えることで健康になる。ケトン体が安全。』とのこと、 これは嬉しい情報ですね。 ありがとうございます。
最先端の研究をされている先生方、もし所属や姓名がわかれば、ご教示頂けば幸いです。
一般向けのセミナーでしたら、公開されたチラシかパンフレットがあったのでしょうね。
【16/07/21
1がた
http://www.lsbm.org/news/2016/0226.html
先月のセミナーのリンクです。
たまたま立ち寄ったようなセミナーでしたが、とても勉強になりました。
特に2つ目の発表されていた、脂肪を燃やす、というお話をされていた先生がケトンについて話されていました。
てんかんでしたっけ、ケトン食で健康には問題なく、脳はブドウ糖だけではなくケトンも栄養にできること、癌はブドウ糖をエサにして大きくなること、あとはFGF21というホルモン?とにかく飢餓シグナルが健康にいいことなど、なかなか難しい話でしたが、わかるところだけでも最先端の研究に触れることができてすごいなーと思いました。
わたしも普通に脳はブドウ糖しか栄養にできない、なんてずっと信じていたので。こういうことを知っていたら病気の経過もずいぶん変わっていたように思います。
先日、長く診ていただいている主治医に低糖質のことを言いましたら、筋肉が減っていくよ、と否定的な様子でした。少し残念ですが、人体実験のつもりでやっていきます。
もうすでに病気だし、リスクはもともとたくさん持っているわけで、A1cが下がる方がリスク回避としては上かと思うからです。
ちなみにタンパク質や脂肪は糖質の代わりにたくさんとっているので、お肌の状態などは以前よりいいですよ!】
16/07/21 ドクター江部
1がた さん
情報をありがとうございます。
とても助かります。
東京大学の公式サイトに載ってますね。
東京大学先端科学技術研究センター オープンキャンパス公開シンポジウム
がんと生活習慣病の新しい栄養学
2016年6月3日 午後2時から5時 先端研3号館 ENEOSホール
最先端の研究者のお話しですから、素晴らしい体験をされたと思います。
・脳はケトン体をいくらでもエネルギー源として利用する。
・ケトン食は難治性小児てんかんの治療食として公的ガイドラインが認めている。
・癌細胞はブドウ糖しかエネルギー源にできない。
これらは全て事実です。
そして、糖質制限食は、蛋白質を充分量摂取しますので、カロリーさえ確保しておけば筋肉が減少することはありません。
カロリー制限食は、蛋白質摂取も減ることがあるので筋肉減少の危険があります。
糖質制限食こそが、人類本来の食事であり、人類の健康食なのです。
☆☆☆
東京大学の公式サイト
東京大学先端科学技術研究センター システム生物医学ラボラトリー
http://www.lsbm.org/news/2016/0226.html
News
2016.02.26
東京大学先端科学技術研究センター オープンキャンパス公開シンポジウム
がんと生活習慣病の新しい栄養学
2016年6月3日 午後2時から5時 先端研3号館 ENEOSホール
高齢化社会になり、これまでの「野菜とお米」を食べていれば健康にいい、という刷り込みが本当なのか疑問がもたれています。
遺伝学の研究から、ずっと栄養がたりているより、周期的にネエルギー不足にし、「飢餓シグナル」を働かせた方が、寿命が長くなることがわかってきました。
体の中の異邦人のミトコンドリアの代謝のメカニズム理解をもとに最先端の気鋭の研究者が、「ちょっと難しいが大事な栄養のメカニズム」の入り口をツアーガイドしてくれます。
オープンキャンパスの公開シンポジウムで、誰もが迎えるエイジング、そしてがんと生活習慣病について、新しい考え方を紹介します。(無料、参加自由)
2時00分 オープニングリマーク 新しい栄養学
児玉 龍彦 (先端研教授)
2時10分 脂肪を燃やすメカニズム
酒井 寿郎 (先端研教授)
2時35分 FGF21ってなんだろう
稲垣 毅 (先端研准教授)
3時00分 がんになると代謝がかわる
大沢 毅 (先端研助教)
(休憩)
3時35分 脂肪肝
中島 淳(横浜市大教授)
4時00分 飢餓シグナルと生活習慣病治療
田中 十志也(先端研教授)
4時25分 エイジングと目の病気と栄養
坪田 一男 (慶応大教授)
4時50分 クロージングリマーク 新しい栄養学
中村 和男 (シミックホールディングス CEO)
2016年07月25日 (月)
こんにちは。
このところ『自己流糖質制限』とか『極端な糖質制限』
という言葉が、マスコミで一人歩きしていると思います。
Ⅰ)自己流糖質制限?→極端なカロリー制限
まずは、「自己流糖質制限」ですが、
A)「本人は糖質制限食をしていると錯覚しているが、実際には極端なカロリー制限食をしている。」
クローズアップ現代などの、失敗例のほとんどが、これです。
つまり糖質制限による失敗ではなく、カロリー制限し過ぎによる失敗です。
これをもって、自己流糖質制限は危険と言われても、意味が通りません。
B)『糖質制限食を実践するときは、厚生労働省の言う推定エネルギー必要量を確保すること』
この説明だけでほとんどの失敗はなくなるでしょう。
NHKはじめマスコミが、B)の文言を一言入れて説明してくれさえすれば、極端なカロリー制限による犠牲者は激減するでしょう。
あとは、必須脂肪酸、必須アミノ酸、ビタミン、ミネラル、食物繊維の確保ですが、これは普通の食事でも、どのような食事療法でも一緒ですね。
ともあれ、そんなに難しいことではありません。
スーパー糖質制限食は、狩猟・採集時代700万年間の人類本来の食事、人類の健康食です。
各自が、本を読むなどして、自分の頭で考えて選択し、自己管理・自己責任で糖質制限食を実践して欲しいと思います。
Ⅱ)極端な糖質制限?→厳格な糖質制限
次に「極端な糖質制限」という文言ですが、言葉として美しくないし、極端という言葉自体が偏ったという意味があります。
従って、「極端な糖質制限」という言葉をマスコミは慎んで欲しいです。
もともと「スーパー糖質制限食」「ケトン食」「ケトジェニックダイエット」という言葉があります。
それが、わかりにくいというなら「緩やかな糖質制限食」に対して「厳格な糖質制限食」でもいいですね。
米国糖尿病学会が2008年以来5年ぶりに、成人糖尿病患者の食事療法に関する声明(Position Statement on Nutrition Therapy)
を改訂しました。(Diabetes Care 2013年10月9日オンライン版)。
2013年の声明では、全ての糖尿病患者に適した“one-size-fits-all(唯一無二の)”食事パターンは存在しないとの見解を表明しました。
そして、患者ごとにさまざまな食事パターン
〔地中海食,ベジタリアン食,糖質制限食,低脂質食,DASH(Dietary Approaches to Stop Hypertension)食〕
が受容可能であるとしています。
糖質制限食も正式に認められています。
2013年のADA声明改訂委員の1人が、デューク大学のYancy 准教授です。
デューク大学では、日常臨床に炭水化物を20g/日未満に制限する「糖質制限-ケトジェニック食」(ケトン食)を用いています。
これは、高雄病院のスーパー糖質制限食(糖質30~60g/日)より、さらに厳しい制限であり、まさに厳格な糖質制限食です。
米国では、糖質制限食の範疇として、デューク大学のような「ケトン食」も正式に容認されているということです。
江部康二
このところ『自己流糖質制限』とか『極端な糖質制限』
という言葉が、マスコミで一人歩きしていると思います。
Ⅰ)自己流糖質制限?→極端なカロリー制限
まずは、「自己流糖質制限」ですが、
A)「本人は糖質制限食をしていると錯覚しているが、実際には極端なカロリー制限食をしている。」
クローズアップ現代などの、失敗例のほとんどが、これです。
つまり糖質制限による失敗ではなく、カロリー制限し過ぎによる失敗です。
これをもって、自己流糖質制限は危険と言われても、意味が通りません。
B)『糖質制限食を実践するときは、厚生労働省の言う推定エネルギー必要量を確保すること』
この説明だけでほとんどの失敗はなくなるでしょう。
NHKはじめマスコミが、B)の文言を一言入れて説明してくれさえすれば、極端なカロリー制限による犠牲者は激減するでしょう。
あとは、必須脂肪酸、必須アミノ酸、ビタミン、ミネラル、食物繊維の確保ですが、これは普通の食事でも、どのような食事療法でも一緒ですね。
ともあれ、そんなに難しいことではありません。
スーパー糖質制限食は、狩猟・採集時代700万年間の人類本来の食事、人類の健康食です。
各自が、本を読むなどして、自分の頭で考えて選択し、自己管理・自己責任で糖質制限食を実践して欲しいと思います。
Ⅱ)極端な糖質制限?→厳格な糖質制限
次に「極端な糖質制限」という文言ですが、言葉として美しくないし、極端という言葉自体が偏ったという意味があります。
従って、「極端な糖質制限」という言葉をマスコミは慎んで欲しいです。
もともと「スーパー糖質制限食」「ケトン食」「ケトジェニックダイエット」という言葉があります。
それが、わかりにくいというなら「緩やかな糖質制限食」に対して「厳格な糖質制限食」でもいいですね。
米国糖尿病学会が2008年以来5年ぶりに、成人糖尿病患者の食事療法に関する声明(Position Statement on Nutrition Therapy)
を改訂しました。(Diabetes Care 2013年10月9日オンライン版)。
2013年の声明では、全ての糖尿病患者に適した“one-size-fits-all(唯一無二の)”食事パターンは存在しないとの見解を表明しました。
そして、患者ごとにさまざまな食事パターン
〔地中海食,ベジタリアン食,糖質制限食,低脂質食,DASH(Dietary Approaches to Stop Hypertension)食〕
が受容可能であるとしています。
糖質制限食も正式に認められています。
2013年のADA声明改訂委員の1人が、デューク大学のYancy 准教授です。
デューク大学では、日常臨床に炭水化物を20g/日未満に制限する「糖質制限-ケトジェニック食」(ケトン食)を用いています。
これは、高雄病院のスーパー糖質制限食(糖質30~60g/日)より、さらに厳しい制限であり、まさに厳格な糖質制限食です。
米国では、糖質制限食の範疇として、デューク大学のような「ケトン食」も正式に容認されているということです。
江部康二
2016年07月24日 (日)
こんにちは。
5月15日(日)テレビ朝日「やべっちFC」でサッカー長友選手が特集されました。
独占密着 長友佑都を変えた2つの事
『やべっちFC』の放送内容をユーチューブで見ました。
今、長友佑都選手が大事にしていることが2つあって、食事療法とヨガです。
インタビューでは、「ケトン体回路にしたい。」「ケトン体体質にしたい。」と強調してました。
サッカーもトータルかなりの距離を走りますが、このほとんど有酸素運動ですから『ケトン体-脂肪酸エネルギーシステム』の出番です。
身長?で体重が68kgで体脂肪率3%と低いのですが、2.04kgの脂肪です。
つまり脂肪で18360kcalのエネルギーの備蓄があります。
長友選手は1試合平均で12.756kmほど走るそうなので、アバウトな消費エネルギーは「68kg×12.75km=867kcal」となります。
長友選手は糖質制限食で、ケトン体体質になっているので、少々心拍数が上昇するようなレベルの運動量になっても、『ケトン体-脂肪酸エネルギーシステム』を使い続けることが可能です。
つまり脂肪を燃やすことで余裕で通常走行のためのエネルギーを賄うことができるので、『ブドウ糖-グリコ-ゲンシステム』はほとんど使わずに、筋肉中のグリコ-ゲンを節約できています。
ケトン体回路になっていなければ、心拍数が一定以上、上昇するような運動になると、ヒトは『ブドウ糖-グリコ-ゲンシステム』を使ってしまいます。
筋肉中のグリコーゲンは約300gで1200kcal分はあるのですが、人体のシステムは筋肉中のグリコーゲンが一定レベル以下に減ると急に動きが悪くなります。
これが、スタミナのない選手のパターンです。
長友選手はケトン体体質なので、筋肉中のグリコ-ゲン量には、たっぷり余裕があるので試合の後半になっても、全力ダッシュを繰り返すことが可能となり、抜群のスタミナを誇っているわけです。
通常の運動のときは、『ケトン体-脂肪酸エネルギーシステム』を使い、全力ダッシュのときだけは『ブドウ糖-グリコ-ゲンシステム』を使います。
ケトン体回路活性化により、試合での集中力もおおいにアップしたそうです。
1)<食事療法>
•2016年1月から糖質制限食開始。
•夕食では炭水化物は摂らない。
•ナッツ類やココナツオイルなどのオーガニック食品を摂る。
•お米や小麦粉などは摂らない。
•朝食はスムージーなど野菜や消化に良いものを摂る。
•姉の真穂さんが食事を作る。
長友選手は、
朝食は、果物と92%チョコとマヌカハニーなどありの、少し緩い糖質制限食、
昼食は、99%チョコありの、糖質制限食、
夕食は厳格な糖質制限食、
です。
朝と昼は、穀物や芋などは食べませんが、果物、92%チョコ、99%カカオチョコ、ナッツ、アサイー、チアシード、マヌカハニーなどを食べていますのでやや糖質ありですが、それ以外はココナッツオイル、鶏肉やサラダなど糖質制限食です。
まあ、穀物や芋はなしなので、朝・昼の糖質量も少なめなことは確かです。
2015年は怪我にも苦しみ、スタメン落ちしていたのですが、
2016年1月から糖質制限食を開始して、長友選手、現在インテルの中心選手として見事に結果を出していますね。
長友選手のある日の食事
朝食
スムージー(バナナ、りんご、キウイ、ほうれん草、ココナッツオイル、チアシード、アサイ、豆乳)。
ピスタチオ。チョコレート(92%カカオ)
昼食
ミックスサラダ、野菜たっぷりスープ、鶏肉、ピスタチオ、ダークチョコ(99%カカオ)
夕食
ミックスサラダ、鶏肉、魚、アスパラ、ほうれん草、くるみ、ピスタチオ、アーモンド
長友選手の食生活、プロスポーツ選手は勿論のこと一般のアマチュアスポーツ選手にも参考になると思います。
また、週末だけのスポーツ好きの人とかにも役に立つと思います。
私事で恐縮ですが、私も週1、或いは二週に1回のおじさんテニスしてますが、テニスクラブの他のおじさんに比べると、スタミナは抜群です。(^^)
2)<ヨガ>
体幹トレーニングと共にヨガを実践しているそうです。
ヨガは香川選手や岡崎選手、清武選手にも教えているそうです。
江部康二
5月15日(日)テレビ朝日「やべっちFC」でサッカー長友選手が特集されました。
独占密着 長友佑都を変えた2つの事
『やべっちFC』の放送内容をユーチューブで見ました。
今、長友佑都選手が大事にしていることが2つあって、食事療法とヨガです。
インタビューでは、「ケトン体回路にしたい。」「ケトン体体質にしたい。」と強調してました。
サッカーもトータルかなりの距離を走りますが、このほとんど有酸素運動ですから『ケトン体-脂肪酸エネルギーシステム』の出番です。
身長?で体重が68kgで体脂肪率3%と低いのですが、2.04kgの脂肪です。
つまり脂肪で18360kcalのエネルギーの備蓄があります。
長友選手は1試合平均で12.756kmほど走るそうなので、アバウトな消費エネルギーは「68kg×12.75km=867kcal」となります。
長友選手は糖質制限食で、ケトン体体質になっているので、少々心拍数が上昇するようなレベルの運動量になっても、『ケトン体-脂肪酸エネルギーシステム』を使い続けることが可能です。
つまり脂肪を燃やすことで余裕で通常走行のためのエネルギーを賄うことができるので、『ブドウ糖-グリコ-ゲンシステム』はほとんど使わずに、筋肉中のグリコ-ゲンを節約できています。
ケトン体回路になっていなければ、心拍数が一定以上、上昇するような運動になると、ヒトは『ブドウ糖-グリコ-ゲンシステム』を使ってしまいます。
筋肉中のグリコーゲンは約300gで1200kcal分はあるのですが、人体のシステムは筋肉中のグリコーゲンが一定レベル以下に減ると急に動きが悪くなります。
これが、スタミナのない選手のパターンです。
長友選手はケトン体体質なので、筋肉中のグリコ-ゲン量には、たっぷり余裕があるので試合の後半になっても、全力ダッシュを繰り返すことが可能となり、抜群のスタミナを誇っているわけです。
通常の運動のときは、『ケトン体-脂肪酸エネルギーシステム』を使い、全力ダッシュのときだけは『ブドウ糖-グリコ-ゲンシステム』を使います。
ケトン体回路活性化により、試合での集中力もおおいにアップしたそうです。
1)<食事療法>
•2016年1月から糖質制限食開始。
•夕食では炭水化物は摂らない。
•ナッツ類やココナツオイルなどのオーガニック食品を摂る。
•お米や小麦粉などは摂らない。
•朝食はスムージーなど野菜や消化に良いものを摂る。
•姉の真穂さんが食事を作る。
長友選手は、
朝食は、果物と92%チョコとマヌカハニーなどありの、少し緩い糖質制限食、
昼食は、99%チョコありの、糖質制限食、
夕食は厳格な糖質制限食、
です。
朝と昼は、穀物や芋などは食べませんが、果物、92%チョコ、99%カカオチョコ、ナッツ、アサイー、チアシード、マヌカハニーなどを食べていますのでやや糖質ありですが、それ以外はココナッツオイル、鶏肉やサラダなど糖質制限食です。
まあ、穀物や芋はなしなので、朝・昼の糖質量も少なめなことは確かです。
2015年は怪我にも苦しみ、スタメン落ちしていたのですが、
2016年1月から糖質制限食を開始して、長友選手、現在インテルの中心選手として見事に結果を出していますね。
長友選手のある日の食事
朝食
スムージー(バナナ、りんご、キウイ、ほうれん草、ココナッツオイル、チアシード、アサイ、豆乳)。
ピスタチオ。チョコレート(92%カカオ)
昼食
ミックスサラダ、野菜たっぷりスープ、鶏肉、ピスタチオ、ダークチョコ(99%カカオ)
夕食
ミックスサラダ、鶏肉、魚、アスパラ、ほうれん草、くるみ、ピスタチオ、アーモンド
長友選手の食生活、プロスポーツ選手は勿論のこと一般のアマチュアスポーツ選手にも参考になると思います。
また、週末だけのスポーツ好きの人とかにも役に立つと思います。
私事で恐縮ですが、私も週1、或いは二週に1回のおじさんテニスしてますが、テニスクラブの他のおじさんに比べると、スタミナは抜群です。(^^)
2)<ヨガ>
体幹トレーニングと共にヨガを実践しているそうです。
ヨガは香川選手や岡崎選手、清武選手にも教えているそうです。
江部康二
2016年07月23日 (土)
【16/07/23 OgTomo
NHKは2012年にも同じような番組を作っていました
カルピンチョ先生のブログを見ていたら次のような2012年の記事がありました。NHKって何年たっても全く進歩のない局ですね。あきれてしまいます。(クローズアップ現代のディレクターが同じ人なのかな?)
「クローズアップ現代で紹介された糖質制限で悪影響が出たケースは栄養失調」
http://xn--oqqx32i2ck.com/review/cat26/post_88.html
「クローズアップ現代で放送された糖質制限について」
http://xn--oqqx32i2ck.com/review/cat26/post_89.html】
おはようございます。
OgTomo さんから、NHKクローズアップ現代、2012年8月30日放送に関するコメントを頂きました。
OgTomo さん、情報をありがとうございます。
ブログ読者の皆さん、詳しくは、カルピンチョ先生のブログを見て頂けば幸いです。
http://xn--oqqx32i2ck.com/review/cat26/post_88.html
http://xn--oqqx32i2ck.com/review/cat26/post_89.html
カルピンチョ先生、いつも理論的で詳細な検討を加えた糖質制限なブログ、ありがとうございます。 m(_ _)m
NHKクローズアップ現代、2012年8月30日放送では、まず最初に糖質制限食成功例の女性が登場したのです。
従来の糖尿病食(カロリー制限・高糖質食食)では全く上手くいかなかったのが3月間の糖質制限食で20kgの減量に成功です。
85kgから65kgへの大変化ですが、
http://xn--oqqx32i2ck.com/review/cat26/post_89.html
にて衝撃の改善映像(糖質制限前→糖質制限後)を
見ることができます。ヾ(゜▽゜)
糖尿病はHbA1c7.6%だったのが、1ヶ月にはコントロール良好に改善したそうです。
この成功例の女性、その後私は直接お会いする機会があり、いろいろお話しすることができましたが、とてもチャーミングで素敵な方でしたよ。
そのあと失敗例の男性が登場ですが、この方も糖質制限といいつつ、 実態は今回(2016年7月20日のNHKクローズアップ現代)と同様『極端なカロリー制限』でした。
ヘロヘロになり階段を登るのも困難になったのですが、 この男性、それまでの摂取カロリーの1/3のカロリーしか摂取していなかったそうです。
今回(2016年7月20日)の放送でも、普通食における糖質、脂質、たんぱく質の摂取比率の円グラフをまず示し、その後、糖質制限食の説明では、円グラフの糖質分を全部カットして、それを脂質、たんぱく質を増やして補わない欠けたパターンで説明していました。
これでは、日頃摂取していたカロリーのうち糖質分60%カットですから、まさしく『極端なカロリ-制限食』にならざるを得ません。
極めてアンフェアな説明でした。
高雄病院のスーパー糖質制限食は、糖質を制限した分、脂質とたんぱく質は充分量摂取して、厚生労働省の言う「推定エネルギー必要量」を目安に摂取しますので決してカロリー不足にはなりません。
ともあれ、NHKクローズアップ現代、2012年8月30日放送では、成功例と失敗例という構図でしたが、今回(2016年7月20日放送)は失敗例だけでしたから、NHKさん進歩どころか退化してますね。 (-_-;)
江部康二
NHKは2012年にも同じような番組を作っていました
カルピンチョ先生のブログを見ていたら次のような2012年の記事がありました。NHKって何年たっても全く進歩のない局ですね。あきれてしまいます。(クローズアップ現代のディレクターが同じ人なのかな?)
「クローズアップ現代で紹介された糖質制限で悪影響が出たケースは栄養失調」
http://xn--oqqx32i2ck.com/review/cat26/post_88.html
「クローズアップ現代で放送された糖質制限について」
http://xn--oqqx32i2ck.com/review/cat26/post_89.html】
おはようございます。
OgTomo さんから、NHKクローズアップ現代、2012年8月30日放送に関するコメントを頂きました。
OgTomo さん、情報をありがとうございます。
ブログ読者の皆さん、詳しくは、カルピンチョ先生のブログを見て頂けば幸いです。
http://xn--oqqx32i2ck.com/review/cat26/post_88.html
http://xn--oqqx32i2ck.com/review/cat26/post_89.html
カルピンチョ先生、いつも理論的で詳細な検討を加えた糖質制限なブログ、ありがとうございます。 m(_ _)m
NHKクローズアップ現代、2012年8月30日放送では、まず最初に糖質制限食成功例の女性が登場したのです。
従来の糖尿病食(カロリー制限・高糖質食食)では全く上手くいかなかったのが3月間の糖質制限食で20kgの減量に成功です。
85kgから65kgへの大変化ですが、
http://xn--oqqx32i2ck.com/review/cat26/post_89.html
にて衝撃の改善映像(糖質制限前→糖質制限後)を
見ることができます。ヾ(゜▽゜)
糖尿病はHbA1c7.6%だったのが、1ヶ月にはコントロール良好に改善したそうです。
この成功例の女性、その後私は直接お会いする機会があり、いろいろお話しすることができましたが、とてもチャーミングで素敵な方でしたよ。
そのあと失敗例の男性が登場ですが、この方も糖質制限といいつつ、 実態は今回(2016年7月20日のNHKクローズアップ現代)と同様『極端なカロリー制限』でした。
ヘロヘロになり階段を登るのも困難になったのですが、 この男性、それまでの摂取カロリーの1/3のカロリーしか摂取していなかったそうです。
今回(2016年7月20日)の放送でも、普通食における糖質、脂質、たんぱく質の摂取比率の円グラフをまず示し、その後、糖質制限食の説明では、円グラフの糖質分を全部カットして、それを脂質、たんぱく質を増やして補わない欠けたパターンで説明していました。
これでは、日頃摂取していたカロリーのうち糖質分60%カットですから、まさしく『極端なカロリ-制限食』にならざるを得ません。
極めてアンフェアな説明でした。
高雄病院のスーパー糖質制限食は、糖質を制限した分、脂質とたんぱく質は充分量摂取して、厚生労働省の言う「推定エネルギー必要量」を目安に摂取しますので決してカロリー不足にはなりません。
ともあれ、NHKクローズアップ現代、2012年8月30日放送では、成功例と失敗例という構図でしたが、今回(2016年7月20日放送)は失敗例だけでしたから、NHKさん進歩どころか退化してますね。 (-_-;)
江部康二
2016年07月22日 (金)
おはようございます。
朝から夏空が広がりセミが賑やかに鳴いています。
今年は、7月に入ってから35度近い気温になる日が多く、厳しい暑さが続いています。
身体が暑さに慣れる前に気温が上がったものですから、体調を崩される方も多いです(^_^;)
ブログ読者の皆さんも、くれぐれもお気を付けくださいね。
さて今日のブログは、こんな暑い日に食べたくなる糖質制限アイスのご紹介です。

糖質制限フローズンヨーグルト
https://www.toushitsuseigen.com/products/detail164.html
先程、糖質制限アイスと紹介しましたが、正確にはアイスミルクになるんだそうです。
何故、名前がアイスクリームではないのか、糖質制限ドットコムの店長ヤマモトさんに聞いたところ、アイスクリームは乳成分の量によって以下のように種類が分けられているとのこと。
種類別アイスクリーム→乳固形分15.0%以上 うち乳脂肪分8.0%以上
種類別アイスミルク→乳固形分10.0%以上 うち乳脂肪分3.0%以上
種類別ラクトアイス→乳固形分3.0%以上
種類別氷菓→上記以外のもの
凍らせてあるお菓子(?)は「アイクリーム」とか「アイス」と呼ぶのが一般的で、わざわざ「コンビニにアイスミルク買いに行こう」とか「ラクトアイスが食べたい」なんて言う人はいないと思います(-_-)
私のような一般消費者からすれば、こんな細かい区分分けなどどうでもいい気がするのですが…。
さて、この糖質制限フローズンヨーグルトですが、口当たりのいいサッパリとしたアイスが食べたいと、私が糖質制限ドットコムにリクエストして完成しました。
最初に試作が出来た時、ヨーグルトと生クリームがベースと聞いて、濃厚なアイスをイメージしましたが、ふんわりとした食感と口どけにヨーグルトのサッパリ感が良くマッチしていて、とても食べやすいアイスになっていました(^^)
その後、何度か改良と試作を繰り返し、完成したのがこの糖質制限フローズンヨーグルトです。
もちろん、私江部康二の血糖測定もちゃんと行っております。
2016/5/27(金)
16:57 血糖値:106mg
ヨーグルトシャーベット、80g=100ml(糖質3.5g)
17:57 血糖値:118mg
12mgの上昇なので、ほぼ数値通りですね(^^)
見事合格です\(^o^)/
暑くてアイスクリームが食べたいけど、残念ながら通常のアイスクリームは我々糖尿人には高血糖を招くNG食品です。
この糖質制限フローズンヨーグルトなら、最小限の上昇で収まるので安心ですね(^^)
糖尿人、メタボ人、ダイエッターと全ての糖質セイゲニストの皆さん、是非一度お試しあれ。
江部康二
詳細と注文はこちらのページです。
糖質制限フローズンヨーグルト
https://www.toushitsuseigen.com/products/detail164.html
朝から夏空が広がりセミが賑やかに鳴いています。
今年は、7月に入ってから35度近い気温になる日が多く、厳しい暑さが続いています。
身体が暑さに慣れる前に気温が上がったものですから、体調を崩される方も多いです(^_^;)
ブログ読者の皆さんも、くれぐれもお気を付けくださいね。
さて今日のブログは、こんな暑い日に食べたくなる糖質制限アイスのご紹介です。

糖質制限フローズンヨーグルト
https://www.toushitsuseigen.com/products/detail164.html
先程、糖質制限アイスと紹介しましたが、正確にはアイスミルクになるんだそうです。
何故、名前がアイスクリームではないのか、糖質制限ドットコムの店長ヤマモトさんに聞いたところ、アイスクリームは乳成分の量によって以下のように種類が分けられているとのこと。
種類別アイスクリーム→乳固形分15.0%以上 うち乳脂肪分8.0%以上
種類別アイスミルク→乳固形分10.0%以上 うち乳脂肪分3.0%以上
種類別ラクトアイス→乳固形分3.0%以上
種類別氷菓→上記以外のもの
凍らせてあるお菓子(?)は「アイクリーム」とか「アイス」と呼ぶのが一般的で、わざわざ「コンビニにアイスミルク買いに行こう」とか「ラクトアイスが食べたい」なんて言う人はいないと思います(-_-)
私のような一般消費者からすれば、こんな細かい区分分けなどどうでもいい気がするのですが…。
さて、この糖質制限フローズンヨーグルトですが、口当たりのいいサッパリとしたアイスが食べたいと、私が糖質制限ドットコムにリクエストして完成しました。
最初に試作が出来た時、ヨーグルトと生クリームがベースと聞いて、濃厚なアイスをイメージしましたが、ふんわりとした食感と口どけにヨーグルトのサッパリ感が良くマッチしていて、とても食べやすいアイスになっていました(^^)
その後、何度か改良と試作を繰り返し、完成したのがこの糖質制限フローズンヨーグルトです。
もちろん、私江部康二の血糖測定もちゃんと行っております。
2016/5/27(金)
16:57 血糖値:106mg
ヨーグルトシャーベット、80g=100ml(糖質3.5g)
17:57 血糖値:118mg
12mgの上昇なので、ほぼ数値通りですね(^^)
見事合格です\(^o^)/
暑くてアイスクリームが食べたいけど、残念ながら通常のアイスクリームは我々糖尿人には高血糖を招くNG食品です。
この糖質制限フローズンヨーグルトなら、最小限の上昇で収まるので安心ですね(^^)
糖尿人、メタボ人、ダイエッターと全ての糖質セイゲニストの皆さん、是非一度お試しあれ。
江部康二
詳細と注文はこちらのページです。
糖質制限フローズンヨーグルト
https://www.toushitsuseigen.com/products/detail164.html
2016年07月21日 (木)
おはようございます。
2016/7/20(水)22:00~22:25まで、NHKクローズアップ現代で糖質制限食が特集されました。
私も江部診療所の夜診が終了したあと、帰宅してしっかり見ました。
まずは、糖質制限食が空前のブームだそうで、関連の市場は¥3184億円とのことでした。
どういう試算で、そうなるのかはよくわかりませんが、糖質制限食が現実に巨大な市場となったのは確かなことであり、それに私が一役か二役は関わっていると思うとまあ悪い気はしませんね。
安倍首相、景気対策に貢献ということで、表彰してくれないかな? (^^)
で、放送内容ですが、自己流で極端な糖質制限食をすると落とし穴がということで、男性と女性が一名ずつ登場しました。
男性は、自己流糖質制限食、例えば「キャベツの千切りと蒸し鶏」とかで減量成功、しばらくはよかったのですが、ある日通勤電車で意識不明となり救急車で運ばれたというエピソードでした。
この男性、平均約500kcal/日しか食べていなかったそうです。
これって、『糖質制限』ではなくて、まさしく『カロリー制限』ではないですか!
「極端なカロリー制限で、体調不良となり救急車騒ぎとなった」
というのが事実であり、糖質制限は何の関係もありません。
それをまるで糖質制限で体調を崩したというような展開で説明していて、かなり意図的な論理のすり替えあり、
視聴者を騙すに等しい行為でアンフェアです。.(ノ`A´)ノ
女性のケースも同様です。
自己流糖質制限食開始、1ヶ月後、ふらつきがでて体調不良になり病院を受診したということですが、こちらも実態は「極端なカロリー制限で、体調不良となり病院受診」であり、糖質制限食は何の関係もありません。
本ブログで、いつも強調しているように、高雄病院のスーパー糖質制限食は、カロリー制限食ではありません。
厚生労働省のいう「推定エネルギー必要量」を目安に脂質とタンパク質は充分量摂取します。
魚介類、肉類、卵、卵製品、乳製品、野菜、海草、茸、大豆製品・・・まんべんなく摂取するので、「必須脂肪酸、必須アミノ酸、ビタミン、ミネラル、食物繊維」これらが不足することはまずありません。
なお、必須糖質はありません。
従いまして、スーパー糖質制限食をきっちり実践するならば、決してクローズアップ現代の症例のようなことにはなりません。
危険なのは「極端なカロリー制限」であり「スーパー糖質制限食」は人類本来の食事であり人類の健康食なのです。
ともあれ、
ご飯をブロッコリーに代えたカツ丼、
パンなしのレタスバーガー、
麺抜きの野菜ちゃんぽん、
などなど、糖質制限メニューが、日本においてどんどん増えているのはとても良いことで、嬉しい限りです。
番組出演の群馬大学名誉教授の栄養学者の高橋久仁子さんが、
「ダイエットブームは、たいてい1~2ヶ月、長くても半年で終わるが糖質制限食は年単位で続いているのが不気味です。」
と述べておられました。
私の回答は、不気味でも何でもなく、糖質制限食はブームではなく真実であるということです。
すなわち、糖質制限食は生理学的事実に基づく基礎理論と、RCT研究論文・コホート研究により裏付けられたエビデンスがある科学的な食事療法なのです。
江部康二
2016/7/20(水)22:00~22:25まで、NHKクローズアップ現代で糖質制限食が特集されました。
私も江部診療所の夜診が終了したあと、帰宅してしっかり見ました。
まずは、糖質制限食が空前のブームだそうで、関連の市場は¥3184億円とのことでした。
どういう試算で、そうなるのかはよくわかりませんが、糖質制限食が現実に巨大な市場となったのは確かなことであり、それに私が一役か二役は関わっていると思うとまあ悪い気はしませんね。
安倍首相、景気対策に貢献ということで、表彰してくれないかな? (^^)
で、放送内容ですが、自己流で極端な糖質制限食をすると落とし穴がということで、男性と女性が一名ずつ登場しました。
男性は、自己流糖質制限食、例えば「キャベツの千切りと蒸し鶏」とかで減量成功、しばらくはよかったのですが、ある日通勤電車で意識不明となり救急車で運ばれたというエピソードでした。
この男性、平均約500kcal/日しか食べていなかったそうです。
これって、『糖質制限』ではなくて、まさしく『カロリー制限』ではないですか!
「極端なカロリー制限で、体調不良となり救急車騒ぎとなった」
というのが事実であり、糖質制限は何の関係もありません。
それをまるで糖質制限で体調を崩したというような展開で説明していて、かなり意図的な論理のすり替えあり、
視聴者を騙すに等しい行為でアンフェアです。.(ノ`A´)ノ
女性のケースも同様です。
自己流糖質制限食開始、1ヶ月後、ふらつきがでて体調不良になり病院を受診したということですが、こちらも実態は「極端なカロリー制限で、体調不良となり病院受診」であり、糖質制限食は何の関係もありません。
本ブログで、いつも強調しているように、高雄病院のスーパー糖質制限食は、カロリー制限食ではありません。
厚生労働省のいう「推定エネルギー必要量」を目安に脂質とタンパク質は充分量摂取します。
魚介類、肉類、卵、卵製品、乳製品、野菜、海草、茸、大豆製品・・・まんべんなく摂取するので、「必須脂肪酸、必須アミノ酸、ビタミン、ミネラル、食物繊維」これらが不足することはまずありません。
なお、必須糖質はありません。
従いまして、スーパー糖質制限食をきっちり実践するならば、決してクローズアップ現代の症例のようなことにはなりません。
危険なのは「極端なカロリー制限」であり「スーパー糖質制限食」は人類本来の食事であり人類の健康食なのです。
ともあれ、
ご飯をブロッコリーに代えたカツ丼、
パンなしのレタスバーガー、
麺抜きの野菜ちゃんぽん、
などなど、糖質制限メニューが、日本においてどんどん増えているのはとても良いことで、嬉しい限りです。
番組出演の群馬大学名誉教授の栄養学者の高橋久仁子さんが、
「ダイエットブームは、たいてい1~2ヶ月、長くても半年で終わるが糖質制限食は年単位で続いているのが不気味です。」
と述べておられました。
私の回答は、不気味でも何でもなく、糖質制限食はブームではなく真実であるということです。
すなわち、糖質制限食は生理学的事実に基づく基礎理論と、RCT研究論文・コホート研究により裏付けられたエビデンスがある科学的な食事療法なのです。
江部康二
2016年07月20日 (水)
【16/07/20 ジミー廣島
DPP4を再度投与
何度かお便りさせていた抱きました!糖質制限スーパーほぼ実施してから約一年半、当初hba1c9.2だったのが現在は、5.2までとなりました、現在は、金沢市に糖質制限に理解のある医師にお世話になっております。
じつは、 1年前、薬物の投与を止めたくて、江部先生に相談の上、現在の医師から高尾病院にかかり診察を受け、投薬が無くなりました!非常に良いことだと思いました!
しかし最近、朝方から昼食ぐらいまての間、暁現象がでるので[120~150]今の医師に相談しました!そしたら、あまり神経質に成らずに、運動とDPP4薬を取り入れて行きましょう!朝方の暁現象は、肝臓の糖新成が原因だからいい薬が出ましたからこれで運動療法と一緒に治療しましょう!となりました!
確かに最近ゴルフの時の昼食の際は、カレーなど食べても2時間後の血糖値は、正常値の時もあるので、糖質制限も緩めでスタンダードとか、プチの時もトキタマ有りました!炭水化物の味も最近蘇り主治医の誘惑に負けエクメットと言うのを処方されました!不思議と暁現象は、無くなり、昼飯に糖質をかなり摂取しても食後高血糖にならず、夜付き合いで酒を飲み、寿司を十巻食べても大丈夫です。
1年前エクアを処方されている時は、食後高血糖は、糖質の量のまま250とか300とか行ってましたがこのエクメット、麻薬のような感じがするのですがいかがでしょうか?プチでも良いでしょうか。スーパーに戻して投薬中止?迷っています!主治医は、重傷ではないのでこれで行きましょうと言うのです。投薬約半月です。食後高血糖がないのです迷います?先生教えてください!】
こんにちは。
ジミー廣島さんから、薬を内服して食後高血糖と暁現象が改善ということでエクメットについて、コメント・質問を頂きました。
ジミー廣島 さん
美味しく楽しく糖質制限食ですから、今のパターンで良いと思います。
<エクメット=エクア+メトグルコ>です。
エクアがDPP-4阻害剤で、メトグルコはビグアナイド剤です。
共に低血糖は起こしにくいし、副作用も比較的少ない薬です。
メトグルコは欧米では2型糖尿病に対する第一選択剤であり、現在がん予防効果があるかもということで臨床試験中です。
なかなか良い薬と思いますし、ジミー廣島 さんによく合っているのでしょう。
エクアもメトグルコも、夜間の肝臓の糖新生をあるていど抑えますので、暁現象が改善したのだと思います。
食後高血糖が改善したのは、エクメットの効果もありますが、ジミー廣島さんの追加分泌インスリン機能が改善したこともあると思います。
糖尿人の目標
1)空腹時血糖値:110mg/dl未満
2)食後1時間血糖値:180mg/dl未満
3)食後2時間血糖値:140mg/dl未満
糖尿人の目標1)2)3)を達成している限りは、合併症の心配はないので美味しく楽しく今のパターンをお続け下さい。
万一、食後高血糖が再び出現するようなことがあれば、その時はスーパー糖質制限食を考慮しましょう。
私、江部康二自身は全然つらくないので薬なしの「スーパー糖質制限食」で、焼酎や辛口ワインや糖質ゼロ発泡酒を嗜んでいます。
一方、長く続けることが優先順位の一番なので、一人一人自分に合ったやり方を目指せばよいと思います。
江部康二
DPP4を再度投与
何度かお便りさせていた抱きました!糖質制限スーパーほぼ実施してから約一年半、当初hba1c9.2だったのが現在は、5.2までとなりました、現在は、金沢市に糖質制限に理解のある医師にお世話になっております。
じつは、 1年前、薬物の投与を止めたくて、江部先生に相談の上、現在の医師から高尾病院にかかり診察を受け、投薬が無くなりました!非常に良いことだと思いました!
しかし最近、朝方から昼食ぐらいまての間、暁現象がでるので[120~150]今の医師に相談しました!そしたら、あまり神経質に成らずに、運動とDPP4薬を取り入れて行きましょう!朝方の暁現象は、肝臓の糖新成が原因だからいい薬が出ましたからこれで運動療法と一緒に治療しましょう!となりました!
確かに最近ゴルフの時の昼食の際は、カレーなど食べても2時間後の血糖値は、正常値の時もあるので、糖質制限も緩めでスタンダードとか、プチの時もトキタマ有りました!炭水化物の味も最近蘇り主治医の誘惑に負けエクメットと言うのを処方されました!不思議と暁現象は、無くなり、昼飯に糖質をかなり摂取しても食後高血糖にならず、夜付き合いで酒を飲み、寿司を十巻食べても大丈夫です。
1年前エクアを処方されている時は、食後高血糖は、糖質の量のまま250とか300とか行ってましたがこのエクメット、麻薬のような感じがするのですがいかがでしょうか?プチでも良いでしょうか。スーパーに戻して投薬中止?迷っています!主治医は、重傷ではないのでこれで行きましょうと言うのです。投薬約半月です。食後高血糖がないのです迷います?先生教えてください!】
こんにちは。
ジミー廣島さんから、薬を内服して食後高血糖と暁現象が改善ということでエクメットについて、コメント・質問を頂きました。
ジミー廣島 さん
美味しく楽しく糖質制限食ですから、今のパターンで良いと思います。
<エクメット=エクア+メトグルコ>です。
エクアがDPP-4阻害剤で、メトグルコはビグアナイド剤です。
共に低血糖は起こしにくいし、副作用も比較的少ない薬です。
メトグルコは欧米では2型糖尿病に対する第一選択剤であり、現在がん予防効果があるかもということで臨床試験中です。
なかなか良い薬と思いますし、ジミー廣島 さんによく合っているのでしょう。
エクアもメトグルコも、夜間の肝臓の糖新生をあるていど抑えますので、暁現象が改善したのだと思います。
食後高血糖が改善したのは、エクメットの効果もありますが、ジミー廣島さんの追加分泌インスリン機能が改善したこともあると思います。
糖尿人の目標
1)空腹時血糖値:110mg/dl未満
2)食後1時間血糖値:180mg/dl未満
3)食後2時間血糖値:140mg/dl未満
糖尿人の目標1)2)3)を達成している限りは、合併症の心配はないので美味しく楽しく今のパターンをお続け下さい。
万一、食後高血糖が再び出現するようなことがあれば、その時はスーパー糖質制限食を考慮しましょう。
私、江部康二自身は全然つらくないので薬なしの「スーパー糖質制限食」で、焼酎や辛口ワインや糖質ゼロ発泡酒を嗜んでいます。
一方、長く続けることが優先順位の一番なので、一人一人自分に合ったやり方を目指せばよいと思います。
江部康二
2016年07月19日 (火)
こんにちは。
一旦診断された糖尿病は、治るのでしょうか?治らないのでしょうか?
一般には、「一旦糖尿病になったら決して治らない。」というのが定説ですが、本当のところはどうなのでしょう。
それではまず、どのようにして糖尿病が発症するのかを考えてみます。
日本人の糖尿病発症は、食後高血糖が数年間続いているのを見逃しているうちに、遂に空腹時血糖値が上昇してきて、健康診断で発見されたというパターンが多いです。
即ち、糖尿病備軍になる前は食後高血糖にならないように、糖質を摂取したあと膵臓のβ細胞がインスリン追加分泌を頑張って大量に出し続けていきます。
インスリン(肥満ホルモン)の大量分泌が一定期間続くと肥満を生じます。
肥満があるとインスリン抵抗性(効きが悪くなる)が出現します。
そして長年β細胞が頑ばり続けた結果、β細胞が一部壊れて、とうとうインスリン分泌が追いつかなくなり、食後高血糖の段階に至ります。
この段階では、インスリン追加分泌の軽度の不足があり、食後2時間血糖値値が140~199mgの境界型レベルになりますが、まだ基礎分泌は保たれていて早朝空腹時血糖値は、110mg/dl未満で正常範囲を保つことがほとんどです。
食後高血糖の段階になると、高血糖そのものが膵臓のβ細胞を障害します。
この境界型レベル(食後高血糖)でも、β細胞はあるていど壊れてしまっています。
食後高血糖が180mgを超えてくると、β細胞への直接のダメージでインスリン分泌不足を悪化させ、また筋肉細胞のインスリン抵抗性も増してきて、糖毒と呼ばれる悪循環を生じます。
食後高血糖が数年間続くと、膵臓のβ細胞はさらに壊れていき、インスリン追加分泌の不足に加えて、インスリン基礎分泌不足となり、とうとう早朝空腹時血糖値が高値となるのです。
空腹時血糖値が126mg/dl以上
随時血糖値が200mg/dl以上
で糖尿病型と診断されます。
糖毒状態が1日の中でも長時間続くようになれば、急速に糖尿病が悪化していきます。
糖尿病は、「インスリン分泌不足」と「インスリン抵抗性」が合わさって発症しますが、日本人は、インスリン分泌不足が主で、欧米人は、インスリン抵抗性が主とされています。
インスリン分泌不足とインスリン抵抗性を合わせて、「インスリン作用不足」と言います。
A)<インスリン分泌不足が主の糖尿病>
インスリン分泌不足が主の場合、糖尿病と診断された時点で、報告によりばらつきますが、インスリンを作っている膵臓のランゲルハンス島のβ細胞の39%~65%が壊れているとされています。
残りのβ細胞は疲弊した状態と考えられます。
一般に、糖尿病が治らないと言われるのは、既に壊れてしまったβ細胞は、決して元に戻らないと言う意味です。
しかし、糖質制限食を実践して、膵臓が充分休養できれば、疲弊していたβ細胞が、正常に回復することが期待できます。
実際、入院時の空腹時血糖値が200mg近かった方が、糖質制限食実践1~2週間で、110mg/dlを切ってくることもあります。
特に糖尿病の罹病期間が短い場合は、回復が早いです。
食後高血糖の期間・年数が長いほど、β細胞がダメージを受けている割合が徐々に増えていき、ダメージが大きい細胞は、回復しにくくなっていくということになります。
次にインスリン抵抗性が主の糖尿病を考えてみます。
B)<インスリン抵抗性が主の糖尿病>
この場合、インスリン分泌能力はあるていど保たれていることが多いのです。
日本人でもこのタイプが少し増えてきています。
例えば、高度肥満や脂肪肝がありインスリン抵抗性が高まれば、インスリンは分泌されていても、糖尿病を発症することがあります。
このとき何らかの方法で肥満や脂肪肝が改善すれば、インスリン抵抗性が減少します。
そうすると、適量のインスリンで筋肉細胞や脂肪細胞内にブドウ糖を取り込むことが可能となり、元々インスリン分泌不足は、ほとんどないので血糖値は正常化し、糖尿病が治ることになります。
治るという言い方に語弊があるなら、インスリン作用不足が改善し健常のパターンに戻るということです。
実際、そういう患者さんを数名経験しました。
例えば、
「空腹時血糖値218mg/dl、HbA1c11.7%、163cm、72kg、BMI:27.1」
だった女性が、内服薬なしでスーパー糖質制限食を1年間続けて、60kg(BMI:22.6)と肥満が解消し、HbA1cは5.5%前後で保てるようになりました。
そうすると糖質を普通に摂取しても食後2時間血糖値が140mg/dl未満となり、正常型となりました。
勿論、空腹時血糖値も正常範囲です。
血液検査のデータでは、診断基準上は正常人としかいいようがありませんので、糖尿病のレッテルも消えました。
現段階なら、この患者さんが糖尿病専門医を受診して、いろいろ血液検査をされたとしても「糖尿病ではありません。診断基準からみて正常です。」という診断となるでしょう。
一方、β細胞があるていど壊れていれば、現在HbA1c:5.5%で、空腹時血糖値もインスリン値も正常でも、普通に糖質を食べたら、食後血糖値は180~200mg/dlを超えてきます。
江部康二の場合は、インスリン分泌不足が主でインスリン抵抗性が従の糖尿病でして、スーパー 糖質制限食を続けているかぎりは正常人ですが、糖質を摂取すれば残念ながら食後時間血糖値は200mgを超えて、立派な糖尿人です。
β細胞が既にかなり壊れていて、決して治らないパターンですね。(+_+)
結論です。
「インスリン抵抗性が主の糖尿病なら、抵抗性が改善すれば、糖代謝が正常人のパターンに戻る人も時にいる。」ということですね。
江部康二
一旦診断された糖尿病は、治るのでしょうか?治らないのでしょうか?
一般には、「一旦糖尿病になったら決して治らない。」というのが定説ですが、本当のところはどうなのでしょう。
それではまず、どのようにして糖尿病が発症するのかを考えてみます。
日本人の糖尿病発症は、食後高血糖が数年間続いているのを見逃しているうちに、遂に空腹時血糖値が上昇してきて、健康診断で発見されたというパターンが多いです。
即ち、糖尿病備軍になる前は食後高血糖にならないように、糖質を摂取したあと膵臓のβ細胞がインスリン追加分泌を頑張って大量に出し続けていきます。
インスリン(肥満ホルモン)の大量分泌が一定期間続くと肥満を生じます。
肥満があるとインスリン抵抗性(効きが悪くなる)が出現します。
そして長年β細胞が頑ばり続けた結果、β細胞が一部壊れて、とうとうインスリン分泌が追いつかなくなり、食後高血糖の段階に至ります。
この段階では、インスリン追加分泌の軽度の不足があり、食後2時間血糖値値が140~199mgの境界型レベルになりますが、まだ基礎分泌は保たれていて早朝空腹時血糖値は、110mg/dl未満で正常範囲を保つことがほとんどです。
食後高血糖の段階になると、高血糖そのものが膵臓のβ細胞を障害します。
この境界型レベル(食後高血糖)でも、β細胞はあるていど壊れてしまっています。
食後高血糖が180mgを超えてくると、β細胞への直接のダメージでインスリン分泌不足を悪化させ、また筋肉細胞のインスリン抵抗性も増してきて、糖毒と呼ばれる悪循環を生じます。
食後高血糖が数年間続くと、膵臓のβ細胞はさらに壊れていき、インスリン追加分泌の不足に加えて、インスリン基礎分泌不足となり、とうとう早朝空腹時血糖値が高値となるのです。
空腹時血糖値が126mg/dl以上
随時血糖値が200mg/dl以上
で糖尿病型と診断されます。
糖毒状態が1日の中でも長時間続くようになれば、急速に糖尿病が悪化していきます。
糖尿病は、「インスリン分泌不足」と「インスリン抵抗性」が合わさって発症しますが、日本人は、インスリン分泌不足が主で、欧米人は、インスリン抵抗性が主とされています。
インスリン分泌不足とインスリン抵抗性を合わせて、「インスリン作用不足」と言います。
A)<インスリン分泌不足が主の糖尿病>
インスリン分泌不足が主の場合、糖尿病と診断された時点で、報告によりばらつきますが、インスリンを作っている膵臓のランゲルハンス島のβ細胞の39%~65%が壊れているとされています。
残りのβ細胞は疲弊した状態と考えられます。
一般に、糖尿病が治らないと言われるのは、既に壊れてしまったβ細胞は、決して元に戻らないと言う意味です。
しかし、糖質制限食を実践して、膵臓が充分休養できれば、疲弊していたβ細胞が、正常に回復することが期待できます。
実際、入院時の空腹時血糖値が200mg近かった方が、糖質制限食実践1~2週間で、110mg/dlを切ってくることもあります。
特に糖尿病の罹病期間が短い場合は、回復が早いです。
食後高血糖の期間・年数が長いほど、β細胞がダメージを受けている割合が徐々に増えていき、ダメージが大きい細胞は、回復しにくくなっていくということになります。
次にインスリン抵抗性が主の糖尿病を考えてみます。
B)<インスリン抵抗性が主の糖尿病>
この場合、インスリン分泌能力はあるていど保たれていることが多いのです。
日本人でもこのタイプが少し増えてきています。
例えば、高度肥満や脂肪肝がありインスリン抵抗性が高まれば、インスリンは分泌されていても、糖尿病を発症することがあります。
このとき何らかの方法で肥満や脂肪肝が改善すれば、インスリン抵抗性が減少します。
そうすると、適量のインスリンで筋肉細胞や脂肪細胞内にブドウ糖を取り込むことが可能となり、元々インスリン分泌不足は、ほとんどないので血糖値は正常化し、糖尿病が治ることになります。
治るという言い方に語弊があるなら、インスリン作用不足が改善し健常のパターンに戻るということです。
実際、そういう患者さんを数名経験しました。
例えば、
「空腹時血糖値218mg/dl、HbA1c11.7%、163cm、72kg、BMI:27.1」
だった女性が、内服薬なしでスーパー糖質制限食を1年間続けて、60kg(BMI:22.6)と肥満が解消し、HbA1cは5.5%前後で保てるようになりました。
そうすると糖質を普通に摂取しても食後2時間血糖値が140mg/dl未満となり、正常型となりました。
勿論、空腹時血糖値も正常範囲です。
血液検査のデータでは、診断基準上は正常人としかいいようがありませんので、糖尿病のレッテルも消えました。
現段階なら、この患者さんが糖尿病専門医を受診して、いろいろ血液検査をされたとしても「糖尿病ではありません。診断基準からみて正常です。」という診断となるでしょう。
一方、β細胞があるていど壊れていれば、現在HbA1c:5.5%で、空腹時血糖値もインスリン値も正常でも、普通に糖質を食べたら、食後血糖値は180~200mg/dlを超えてきます。
江部康二の場合は、インスリン分泌不足が主でインスリン抵抗性が従の糖尿病でして、スーパー 糖質制限食を続けているかぎりは正常人ですが、糖質を摂取すれば残念ながら食後時間血糖値は200mgを超えて、立派な糖尿人です。
β細胞が既にかなり壊れていて、決して治らないパターンですね。(+_+)
結論です。
「インスリン抵抗性が主の糖尿病なら、抵抗性が改善すれば、糖代謝が正常人のパターンに戻る人も時にいる。」ということですね。
江部康二
2016年07月18日 (月)
こんにちは。
本日梅雨あけとのことですが、酷暑が続く京都です。
今朝の京都新聞の11面に、高齢者の2割が「隠れ脱水」の恐れありという記事が掲載されました。
「隠れ脱水」とは、脱水症になりかけているのに、本人も周囲も気がついてない状態のことを言います。
高齢者は、体液をためる「タンク」である筋肉が少ないのに加えて、喉の渇きにも鈍感になっているので脱水になりやすいのです。
65歳以上の2割が「隠れ脱水」の恐れありということですので、ブログ読者の皆さんも水分補給には充分留意してくださいね。
ちなみに私は66歳ですので水分補給はしっかりしています。
さて、スポーツや肉体労働をしていない時、脱水予防に水分補給するなら、水が一番です。
汗を多くかいていない時は塩分補給は必要なく、水分補給だけで充分です。
お茶でもよいです。
単なる炭酸水もいいです。
個人的にはペリエが一番好きですが、日常的にはもっと安価な炭酸水をケースで購入しています。
水やお茶など糖質のない糖質制限OKの飲み物は沢山あります。
糖質が少量の飲み物としては、成分未調整の豆乳もあります。
無調整豆乳100ml中に糖質は1.2g です。
ブラックコーヒーも糖質は少量です。
コーヒーの滲出液100g中に糖質は0.7gです。
私も、豆乳や、「ブラックコーヒー+生クリーム」をよく飲みます。
なお、紅茶の浸出液100g中に糖質は0.1gで、コーヒーよりかなり少ないです。
カフェインを気にするなら、水が一番ですが、お茶の中では、番茶がカフェインが少ないですね。
玄米茶は10mg/100mlです。
麦茶、杜仲茶、ルイボスティーなどは、カフェインゼロです。
爽健美茶、十六茶もカフェインゼロです。
**
**飲料別カフェイン含有量(福岡県薬剤師会調べ)
http://www.fpa.or.jp/johocenter/yakuji-main/kusuriqanda.html
福岡県薬剤師会のサイト
http://www.fpa.or.jp/library/kusuriQA/50.pdf
コーヒー 60mg/100ml
紅茶 30mg/100ml
せん茶 20mg/100ml
玉露 160mg/100ml
番茶 10mg/100ml
ウーロン茶 20mg/100ml
麦茶 0mg/100ml
野外労働やスポーツで、一定以上汗をかいたときは、水分に加えて、塩分補給も必要です。
熱中症ガイドライン・日本救急医学会2015年によれば熱中症の予防・治療には
「0.1 から 0.2%程度の食塩水、つまり 1L の水に 1 から 2g の 食塩。
推奨されている 飲 水 量 は 高 齢 者 を 含 む 学 童 か ら 成 人 が 500 ~ 1,000mL /日、
幼児が 300 ~ 600mL /日、乳児が 体重 1kg 当たり 30 ~ 50mL /日を目安としている。」
とされています。
手っ取り早くは、アクエリアスゼロでもいいと思います。
炭水化物0.7gと記載されていますが、カロリーゼロなので血糖を上昇させることは、ほとんどないです。
100ml当たり5kcal未満は、カロリーゼロと表示できます。
アクエリアスゼロの炭水化物0.7gは、果糖、アセスルファムK、スクラロースと考えられるので、ほぼ血糖は上げないと思います。
アクエリアスゼロ
100mlあたり
エネルギー 0kcal
タンパク質 0g
脂質 0g
炭水化物 0.7g
ナトリウム 40mg
カリウム 9mg
マグネシウム 1.2mg
L-カルニチン 10mg
原材料名 : 果糖、塩化Na、L-カルニチン L-酒石酸塩、香料、クエン酸、クエン酸Na、
甘味料(アセスルファムK、スクラロース)、
塩化K、硫酸Mg、乳酸Ca、酸化防止剤(ビタミンC)
人工甘味料が嫌な人は、「1L の水に 1 から 2g の 食塩」を自分で作って飲めば良いと思います。
江部康二
☆☆☆参考
熱中症ガイドライン・日本救急医学会2015年
http://www.jaam.jp/html/info/2015/pdf/info-20150413.pdf
以下、熱中症ガイドラインからの抜粋です。
詳しくは
http://www.jaam.jp/html/info/2015/pdf/info-20150413.pdf
をご覧いただけば幸いです。
CQ1:本邦における熱中症の
発生頻度はどのくらいか
平成 25 年(2013 年)6 月 ~9 月の夏季 4 か月
間に医療機関を受診し、熱中症関連の診断を受けた
症例は、診療報酬明細 (いわゆるレセプト)ベース
で、407,948 人でした。
CQ1:どのような人が
熱中症にかかりやすいか?
疫 学
A:気温は環境要因の危険因子として重要である
(1C)。若年男性のスポーツ、中壮年男性の労働に
よる労作性熱中症は屋外での発症頻度が高く重症例
は少ない(1C)。高齢者では男女ともに日常生活の
なかで起こる非労作性熱中症の発症頻度が高い
(1C)。屋内で発症する非労作性熱中症では、高齢、
独居、日常生活動作の低下、精神疾患や心疾患など
の基礎疾患を有することが熱中症関連死に対する独
立危険因子である(1C)。
CQ3:熱中症の発生に関係する
気象条件にはどのような
ものがあるか
疫 学
A:熱中症の発生には気温・湿度・風速・日射輻射
が関係し、熱中症リスク指標として「暑さ指数
(WBGT)」が推奨される(1C)。梅雨明け前後の暑
さのピークで、熱中症の発生リスクが最も高く、重
症率も高い(1C)。また、暑くなる前は、真夏より
も低い温度で熱中症が発生する(1C)。
CQ4-1:熱中症の診断基準は、
どのようなものか?
診 断
A3-1:暑熱環境における体調不良では常に熱中症
を疑う。熱中症とは「暑熱環境における身体適応の
障害によって起こる状態の総称」である。すなわち
「暑熱による諸症状を呈するもの」のうちで、他の
原因疾患を除外したものを熱中症と診断する(1C)。
CQ4-2:熱中症の重症度は
どのように判定するか?
診 断
A3-2:熱中症を軽症から重症まで 1 つの軸でⅠ,Ⅱ,
Ⅲ度の 3 段階の重症度に分類する(1C)。Ⅰ度は現
場にて対処可能な病態、Ⅱ度は速やかに医療機関へ
の受診が必要な病態、Ⅲ度は採血、医療者による判
断により入院(場合により集中治療)が必要な病態
である(1C)。
CQ5:熱中症の予防・治療には
何を飲めばよいか
治 療
A5: 塩 分 と 水 分 の 両 者 を 適 切 に 含 ん だ も の
(0.1~0.2% の食塩水)が推奨される(1C)。現実的
には市販の経口補水液が望ましい。
0.1 から 0.2%程度の食塩水、つまり 1L の水に 1 から 2g の 食塩
推奨されている 飲 水 量 は 高 齢 者 を 含 む 学 童 か ら 成 人 が 500 ~ 1,000mL /日、
幼児が 300 ~ 600mL /日、乳児が 体重 1kg 当たり 30 ~ 50mL /日を目安としている。
本日梅雨あけとのことですが、酷暑が続く京都です。
今朝の京都新聞の11面に、高齢者の2割が「隠れ脱水」の恐れありという記事が掲載されました。
「隠れ脱水」とは、脱水症になりかけているのに、本人も周囲も気がついてない状態のことを言います。
高齢者は、体液をためる「タンク」である筋肉が少ないのに加えて、喉の渇きにも鈍感になっているので脱水になりやすいのです。
65歳以上の2割が「隠れ脱水」の恐れありということですので、ブログ読者の皆さんも水分補給には充分留意してくださいね。
ちなみに私は66歳ですので水分補給はしっかりしています。
さて、スポーツや肉体労働をしていない時、脱水予防に水分補給するなら、水が一番です。
汗を多くかいていない時は塩分補給は必要なく、水分補給だけで充分です。
お茶でもよいです。
単なる炭酸水もいいです。
個人的にはペリエが一番好きですが、日常的にはもっと安価な炭酸水をケースで購入しています。
水やお茶など糖質のない糖質制限OKの飲み物は沢山あります。
糖質が少量の飲み物としては、成分未調整の豆乳もあります。
無調整豆乳100ml中に糖質は1.2g です。
ブラックコーヒーも糖質は少量です。
コーヒーの滲出液100g中に糖質は0.7gです。
私も、豆乳や、「ブラックコーヒー+生クリーム」をよく飲みます。
なお、紅茶の浸出液100g中に糖質は0.1gで、コーヒーよりかなり少ないです。
カフェインを気にするなら、水が一番ですが、お茶の中では、番茶がカフェインが少ないですね。
玄米茶は10mg/100mlです。
麦茶、杜仲茶、ルイボスティーなどは、カフェインゼロです。
爽健美茶、十六茶もカフェインゼロです。
**
**飲料別カフェイン含有量(福岡県薬剤師会調べ)
http://www.fpa.or.jp/johocenter/yakuji-main/kusuriqanda.html
福岡県薬剤師会のサイト
http://www.fpa.or.jp/library/kusuriQA/50.pdf
コーヒー 60mg/100ml
紅茶 30mg/100ml
せん茶 20mg/100ml
玉露 160mg/100ml
番茶 10mg/100ml
ウーロン茶 20mg/100ml
麦茶 0mg/100ml
野外労働やスポーツで、一定以上汗をかいたときは、水分に加えて、塩分補給も必要です。
熱中症ガイドライン・日本救急医学会2015年によれば熱中症の予防・治療には
「0.1 から 0.2%程度の食塩水、つまり 1L の水に 1 から 2g の 食塩。
推奨されている 飲 水 量 は 高 齢 者 を 含 む 学 童 か ら 成 人 が 500 ~ 1,000mL /日、
幼児が 300 ~ 600mL /日、乳児が 体重 1kg 当たり 30 ~ 50mL /日を目安としている。」
とされています。
手っ取り早くは、アクエリアスゼロでもいいと思います。
炭水化物0.7gと記載されていますが、カロリーゼロなので血糖を上昇させることは、ほとんどないです。
100ml当たり5kcal未満は、カロリーゼロと表示できます。
アクエリアスゼロの炭水化物0.7gは、果糖、アセスルファムK、スクラロースと考えられるので、ほぼ血糖は上げないと思います。
アクエリアスゼロ
100mlあたり
エネルギー 0kcal
タンパク質 0g
脂質 0g
炭水化物 0.7g
ナトリウム 40mg
カリウム 9mg
マグネシウム 1.2mg
L-カルニチン 10mg
原材料名 : 果糖、塩化Na、L-カルニチン L-酒石酸塩、香料、クエン酸、クエン酸Na、
甘味料(アセスルファムK、スクラロース)、
塩化K、硫酸Mg、乳酸Ca、酸化防止剤(ビタミンC)
人工甘味料が嫌な人は、「1L の水に 1 から 2g の 食塩」を自分で作って飲めば良いと思います。
江部康二
☆☆☆参考
熱中症ガイドライン・日本救急医学会2015年
http://www.jaam.jp/html/info/2015/pdf/info-20150413.pdf
以下、熱中症ガイドラインからの抜粋です。
詳しくは
http://www.jaam.jp/html/info/2015/pdf/info-20150413.pdf
をご覧いただけば幸いです。
CQ1:本邦における熱中症の
発生頻度はどのくらいか
平成 25 年(2013 年)6 月 ~9 月の夏季 4 か月
間に医療機関を受診し、熱中症関連の診断を受けた
症例は、診療報酬明細 (いわゆるレセプト)ベース
で、407,948 人でした。
CQ1:どのような人が
熱中症にかかりやすいか?
疫 学
A:気温は環境要因の危険因子として重要である
(1C)。若年男性のスポーツ、中壮年男性の労働に
よる労作性熱中症は屋外での発症頻度が高く重症例
は少ない(1C)。高齢者では男女ともに日常生活の
なかで起こる非労作性熱中症の発症頻度が高い
(1C)。屋内で発症する非労作性熱中症では、高齢、
独居、日常生活動作の低下、精神疾患や心疾患など
の基礎疾患を有することが熱中症関連死に対する独
立危険因子である(1C)。
CQ3:熱中症の発生に関係する
気象条件にはどのような
ものがあるか
疫 学
A:熱中症の発生には気温・湿度・風速・日射輻射
が関係し、熱中症リスク指標として「暑さ指数
(WBGT)」が推奨される(1C)。梅雨明け前後の暑
さのピークで、熱中症の発生リスクが最も高く、重
症率も高い(1C)。また、暑くなる前は、真夏より
も低い温度で熱中症が発生する(1C)。
CQ4-1:熱中症の診断基準は、
どのようなものか?
診 断
A3-1:暑熱環境における体調不良では常に熱中症
を疑う。熱中症とは「暑熱環境における身体適応の
障害によって起こる状態の総称」である。すなわち
「暑熱による諸症状を呈するもの」のうちで、他の
原因疾患を除外したものを熱中症と診断する(1C)。
CQ4-2:熱中症の重症度は
どのように判定するか?
診 断
A3-2:熱中症を軽症から重症まで 1 つの軸でⅠ,Ⅱ,
Ⅲ度の 3 段階の重症度に分類する(1C)。Ⅰ度は現
場にて対処可能な病態、Ⅱ度は速やかに医療機関へ
の受診が必要な病態、Ⅲ度は採血、医療者による判
断により入院(場合により集中治療)が必要な病態
である(1C)。
CQ5:熱中症の予防・治療には
何を飲めばよいか
治 療
A5: 塩 分 と 水 分 の 両 者 を 適 切 に 含 ん だ も の
(0.1~0.2% の食塩水)が推奨される(1C)。現実的
には市販の経口補水液が望ましい。
0.1 から 0.2%程度の食塩水、つまり 1L の水に 1 から 2g の 食塩
推奨されている 飲 水 量 は 高 齢 者 を 含 む 学 童 か ら 成 人 が 500 ~ 1,000mL /日、
幼児が 300 ~ 600mL /日、乳児が 体重 1kg 当たり 30 ~ 50mL /日を目安としている。
2016年07月17日 (日)
こんにちは。
今日は、祇園祭の前祭の山鉾巡行でした。
その祇園祭、宵々山、宵山、山鉾巡行が祇園祭と思ってらっしゃる方が多いですが、7月1日の吉符入りから31日の疫神社夏越祭まで続きます。
宵々山、宵山は歩行者天国になるので人出も多くマスコミにも取り上げられがちですが、実際は7月いっぱい行われる長いお祭りなのです。
今日の山鉾巡行、朝は結構な雨が降っていたのでどうなることかと心配しましたが、巡航の頃には止んでくれたので良かったです(^_^;)
山鉾巡行が終われば京都は梅雨明け、本格的な夏がやって来ます。
夏の暑い日は、冷たいビールをぐっと行きたいところですが、我々糖尿人にとって残念ながら普通のビールはNG飲料です。
糖質0発泡酒もありますが、ビールのようなコクがないので、こればかり飲んでいるとどうしても飽きが来てしまいます(^_^;)
そのような時にお薦めなのが、私が監修して作ってもらった、糖質制限ワインシリーズです。
スペインワインの赤・白から始まり、ロゼ、カバ、スペシャルカバ、そして今回ご紹介するフランスワインの赤・白・ロゼとラインナップが広がりました。
全種類、現地での検査・分析に加え、私、江部康二の血糖実験済み。
糖質セイゲニストの皆さんに安心して飲んで頂けるワインになっています(^^)
自分の好みに合わせて糖質制限ワインを選べるなんて、感無量、いい時代になりましたね(^o^)
このような素晴らしいワインを作ってくれたクリストフと醸造家の皆さんに、大きな感謝を送りたいと思います\(^o^)/
糖尿人、メタボ人、ダイエッター、全ての糖質セイゲニストの皆さん、是非一度お試しあれ。
江部康二
以下、あらてつさんのブログから転載です。
昨年5月17日に「Botanicaのスペシャルな糖質制限ランチと糖質制限スペインワインを楽しむ会」でお披露目させて頂き、一番人気となった糖質制限フランスワイン、CUVEE MONTAGUT (キュベモンタグ)、お陰さまで大好評発売中となっております。
あ、「Botanicaのスペシャルな糖質制限ランチと糖質制限スペインワインを楽しむ会」の模様はコチラからどうぞ。
Botanicaのスペシャルな糖質制限ランチと糖質制限スペインワインを楽しむ会
で、そのCUVEE MONTAGUT (キュベモンタグ)ですが、余りに好評なのに気を良くしたクリストフが、白とロゼを作ってしまいました。
じゃん

いや、正確に言うと作ったのはクリストフではなく、友達の醸造家のミッチェルなんですけどね。
因みにコヤツがクリストフ

今回、赤・白・ロゼと“だんご3兄弟”ならぬ“ワイン三兄弟”となったCUVEE MONTAGUT (キュベモンタグ)、事の起こりは、
「大学時代に醸造学を専攻していた時の同級生がラングドックでワインを作っている、とても意欲的で新しいことにチャレンジしているので、糖質制限ワインを作らせてみようと思うけど興味あるか?」とクリストフがスペイン語で言って、通訳してもらったのを聞いたのが始まりでした。
最初は、スペインワインのサーメンタムを扱ってるから要らないと返事をしたのですが、
「ラングドックは今素晴らしいワインを作っていて、同級生もその一人だ、一回作らせてサンプルを送るからドクター江部に実験してもらって欲しい」
と食い下がってきます。
このあとワインのマーケティングについて3時間あまり熱く語り続け、いい加減ウザくなって来た(笑)ので、「ほな作りいや。その代わり血糖値上がったら扱わへんで」と返事を通訳してもらいました。
待つことしばし、フランスからサンプルが送られて来まして、江部康二先生に飲んで頂き血糖値を測定してもらいますと…
あろうことか、見事に合格(笑)
「サーメンタムの時も散々苦労したのに、初めて作ってそないカンタンに糖質制限ワインやてできひんて。どうせ失敗するし扱わんでええやろ」
と思っていたのですが、ところがどっこい。
流石に学問として「醸造学」を修めた人物が作るだけあると妙に感心しましたね、はい。
ここからはアレヨアレヨと製造の準備が進み、昨年5月17日の会でお披露目となった次第です。
ワインに詳しい方ならご存知かと思いますが、この南仏ラングドックは、ブドウの栽培にとても適した気候で、豊富に収穫されるブドウから作ったデイリーワインの産地でした。大量に安いワインが作られることから、「ラングドック=安物」のレッテルが貼られてしまったそうです。
ところが、近年になって意欲的な新進気鋭の醸造家が集まるようになり、品質が目覚ましく向上、ボルドーにも負けないワインが作られるようになったことから、「フランスのニューワールド」と呼ばれるようになり、高品質ワインの産地となってるそうです。
なんて知ったようなこと書いてますが、ここまで全てクリストフの受け売りです(笑)
話を戻しますと、クリストフの同級生もその一人だそうで、そんな意欲的な醸造家だからこそ、糖質制限ワインなんてものを作ってくれたんでしょう。
作ってくれたミッチェルと奥様の画像はこちらのページに
↓ ↓ ↓
キュヴェ モンタグ
https://www.toushitsuseigen.com/products/detail113.html
で、肝心の糖質と味の方ですが、味の方はBotanicaのスペシャルな糖質制限ランチと糖質制限スペインワインを楽しむ会でも書きましたように、小室先生、夏井先生も大絶賛されるくらいの完成度、夏井先生なんて会の後半はこのワインしか飲んでおられませんでしたから(笑)
糖質制限では、赤ワインはOK食材になっておりますが、山ほどある赤ワインの中でどれを選べばいいのか、正直な所迷います。
ましてや白も辛口ならOKと言っても、どの程度の辛口なら良いのか分からないですし、ロゼになると市販で飲めるものなんてまず見つけることは不可能です。
買ってから尿糖紙つけたら色が変わったなんていった日には、残ったワイン全部捨てんとあきませんから。
その点、キュベ・モンタグシリーズでしたら、ワインの本場フランスの醸造学の粋を集めて完成しておりますので、安心して飲むことができます。
新進気鋭の醸造家が作り、江部康二先生の血糖検査で完成した糖質制限ワイン、是非一度お試しあれ。
詳細&お求めはコチラからどうぞ。
↓ ↓ ↓
キュヴェ モンタグ
https://www.toushitsuseigen.com/products/detail113.html
ご注文、スタッフ一同心よりお待ちしております。
コヤツも待ってます(笑)

今日は、祇園祭の前祭の山鉾巡行でした。
その祇園祭、宵々山、宵山、山鉾巡行が祇園祭と思ってらっしゃる方が多いですが、7月1日の吉符入りから31日の疫神社夏越祭まで続きます。
宵々山、宵山は歩行者天国になるので人出も多くマスコミにも取り上げられがちですが、実際は7月いっぱい行われる長いお祭りなのです。
今日の山鉾巡行、朝は結構な雨が降っていたのでどうなることかと心配しましたが、巡航の頃には止んでくれたので良かったです(^_^;)
山鉾巡行が終われば京都は梅雨明け、本格的な夏がやって来ます。
夏の暑い日は、冷たいビールをぐっと行きたいところですが、我々糖尿人にとって残念ながら普通のビールはNG飲料です。
糖質0発泡酒もありますが、ビールのようなコクがないので、こればかり飲んでいるとどうしても飽きが来てしまいます(^_^;)
そのような時にお薦めなのが、私が監修して作ってもらった、糖質制限ワインシリーズです。
スペインワインの赤・白から始まり、ロゼ、カバ、スペシャルカバ、そして今回ご紹介するフランスワインの赤・白・ロゼとラインナップが広がりました。
全種類、現地での検査・分析に加え、私、江部康二の血糖実験済み。
糖質セイゲニストの皆さんに安心して飲んで頂けるワインになっています(^^)
自分の好みに合わせて糖質制限ワインを選べるなんて、感無量、いい時代になりましたね(^o^)
このような素晴らしいワインを作ってくれたクリストフと醸造家の皆さんに、大きな感謝を送りたいと思います\(^o^)/
糖尿人、メタボ人、ダイエッター、全ての糖質セイゲニストの皆さん、是非一度お試しあれ。
江部康二
以下、あらてつさんのブログから転載です。
昨年5月17日に「Botanicaのスペシャルな糖質制限ランチと糖質制限スペインワインを楽しむ会」でお披露目させて頂き、一番人気となった糖質制限フランスワイン、CUVEE MONTAGUT (キュベモンタグ)、お陰さまで大好評発売中となっております。
あ、「Botanicaのスペシャルな糖質制限ランチと糖質制限スペインワインを楽しむ会」の模様はコチラからどうぞ。
Botanicaのスペシャルな糖質制限ランチと糖質制限スペインワインを楽しむ会
で、そのCUVEE MONTAGUT (キュベモンタグ)ですが、余りに好評なのに気を良くしたクリストフが、白とロゼを作ってしまいました。
じゃん

いや、正確に言うと作ったのはクリストフではなく、友達の醸造家のミッチェルなんですけどね。
因みにコヤツがクリストフ

今回、赤・白・ロゼと“だんご3兄弟”ならぬ“ワイン三兄弟”となったCUVEE MONTAGUT (キュベモンタグ)、事の起こりは、
「大学時代に醸造学を専攻していた時の同級生がラングドックでワインを作っている、とても意欲的で新しいことにチャレンジしているので、糖質制限ワインを作らせてみようと思うけど興味あるか?」とクリストフがスペイン語で言って、通訳してもらったのを聞いたのが始まりでした。
最初は、スペインワインのサーメンタムを扱ってるから要らないと返事をしたのですが、
「ラングドックは今素晴らしいワインを作っていて、同級生もその一人だ、一回作らせてサンプルを送るからドクター江部に実験してもらって欲しい」
と食い下がってきます。
このあとワインのマーケティングについて3時間あまり熱く語り続け、いい加減ウザくなって来た(笑)ので、「ほな作りいや。その代わり血糖値上がったら扱わへんで」と返事を通訳してもらいました。
待つことしばし、フランスからサンプルが送られて来まして、江部康二先生に飲んで頂き血糖値を測定してもらいますと…
あろうことか、見事に合格(笑)
「サーメンタムの時も散々苦労したのに、初めて作ってそないカンタンに糖質制限ワインやてできひんて。どうせ失敗するし扱わんでええやろ」
と思っていたのですが、ところがどっこい。
流石に学問として「醸造学」を修めた人物が作るだけあると妙に感心しましたね、はい。
ここからはアレヨアレヨと製造の準備が進み、昨年5月17日の会でお披露目となった次第です。
ワインに詳しい方ならご存知かと思いますが、この南仏ラングドックは、ブドウの栽培にとても適した気候で、豊富に収穫されるブドウから作ったデイリーワインの産地でした。大量に安いワインが作られることから、「ラングドック=安物」のレッテルが貼られてしまったそうです。
ところが、近年になって意欲的な新進気鋭の醸造家が集まるようになり、品質が目覚ましく向上、ボルドーにも負けないワインが作られるようになったことから、「フランスのニューワールド」と呼ばれるようになり、高品質ワインの産地となってるそうです。
なんて知ったようなこと書いてますが、ここまで全てクリストフの受け売りです(笑)
話を戻しますと、クリストフの同級生もその一人だそうで、そんな意欲的な醸造家だからこそ、糖質制限ワインなんてものを作ってくれたんでしょう。
作ってくれたミッチェルと奥様の画像はこちらのページに
↓ ↓ ↓
キュヴェ モンタグ
https://www.toushitsuseigen.com/products/detail113.html
で、肝心の糖質と味の方ですが、味の方はBotanicaのスペシャルな糖質制限ランチと糖質制限スペインワインを楽しむ会でも書きましたように、小室先生、夏井先生も大絶賛されるくらいの完成度、夏井先生なんて会の後半はこのワインしか飲んでおられませんでしたから(笑)
糖質制限では、赤ワインはOK食材になっておりますが、山ほどある赤ワインの中でどれを選べばいいのか、正直な所迷います。
ましてや白も辛口ならOKと言っても、どの程度の辛口なら良いのか分からないですし、ロゼになると市販で飲めるものなんてまず見つけることは不可能です。
買ってから尿糖紙つけたら色が変わったなんていった日には、残ったワイン全部捨てんとあきませんから。
その点、キュベ・モンタグシリーズでしたら、ワインの本場フランスの醸造学の粋を集めて完成しておりますので、安心して飲むことができます。
新進気鋭の醸造家が作り、江部康二先生の血糖検査で完成した糖質制限ワイン、是非一度お試しあれ。
詳細&お求めはコチラからどうぞ。
↓ ↓ ↓
キュヴェ モンタグ
https://www.toushitsuseigen.com/products/detail113.html
ご注文、スタッフ一同心よりお待ちしております。
コヤツも待ってます(笑)

糖質制限食・ダイエット食の通信販売|糖質制限ドットコム
糖質制限ドットコムは、糖質制限食の第一人者、高雄病院、江部康二先生監修による糖質オフな食材を販売、糖質制限食に取り組む皆様をサポートします。
2016年07月16日 (土)
こんにちは。
2016年8月21日(日)
大阪・中之島で、以下の一般向け糖質制限食講演会を開催します。
「美味しく、楽しく続けるために。糖質制限食のおさらい」
第1部、「糖質制限食のおさらい~実践編」 講師 橋本眞由美管理栄養士
第2部、「糖質制限食のおさらい~理論編」 講師 江部康二
1999年以来、紆余曲折はありましたが、2015年4月から、東大病院でも、糖質40%の糖質制限食を糖尿病食の選択肢の一つとして提供する時代となりました。
そして門脇孝日本糖尿病学会理事長ご自身も緩い糖質制限食実践中です。
やはり、2013年10月に米国糖尿病学会が糖質制限食を正式に容認したことが、大きな追い風となったようです。
嬉しい限りです。
今回も糖質制限食の基礎や最新の情報について、わかりやすいお話しを目指しますので、大阪、兵庫、京都、滋賀、奈良、和歌山・・・ブログ読者の皆さん、関西方面の方々、奮ってご参加頂けば幸いです。
江部康二
*********
以下、事務局からのお知らせです。
ブログ読者の皆様、弊会の講演会へいつも多数ご参加いただき、また、料理教室にもたくさんご参加、お申し込みいただきまして、ありがとうございます。
8月21日(日)、大阪・中之島で、「美味しく、楽しく続けるために。糖質制限食のおさらい」と題して、一般の方向けの講演会を開催いたします。
第1部は、「糖質制限食のおさらい~実践編」で、橋本眞由美管理栄養士(高雄病院/当会アドバイザー)がお話しします。
糖質とは、糖質制限食とはからはじまり、食べてよい食品・要注意食品、外食・中食・調理の際の工夫、知っておきたい便利食品など、糖質制限食の実践のための基本を解説します。
また、陥りがちな落とし穴や注意点、栄養指導時によくある問題点と改善への道のりなど、具体的な事例も交えてお話しします。
第2部は、「糖質制限食のおさらい~理論編」で、当会理事長、江部康二の講演です。
20世紀の日米における糖尿病食の変遷、糖質制限食のこれまでのあゆみや取り巻く状況の変化について、 また、糖質制限食の生理学的な基礎理論や糖質制限食の有効性と安全性に関する根拠などについてお話しします。
加えて、「高血糖の記憶」、「コレステロール」、「人体のエネルギーシステム」、「耐糖能と糖質制限食」、「ケトン食と糖質制限食」など、
難解な部分もありますが、おさえておきたいキーワードについても解説します。
ベテラン実践者の方は、復習と振り返りの機会として、初心者の方は、正しい理解と実践のために、皆さま奮って参加いただけますと幸いです。
関西にお住まいの方をはじめ、皆様のご参加を心よりお待ちしております。
*当日講演会終了後に、賛助会員交流会を開催致します。
◆講演会・賛助会員交流会情報URL: http://www.toushitsuseigen.or.jp/activity
///////////////////ご案内/////////////////////
(一社)日本糖質制限医療推進協会主催 大阪講演会
「美味しく、楽しく続けるために。糖質制限食のおさらい」
■日時: 2016年8月21日(日)13:50~16:30頃 ※開場・受付開始は、13:30~
■会場: 大阪大学中之島センター10F 「佐治敬三メモリアルホール」
〒530-0005 大阪市北区中之島4-3-53
http://www.onc.osaka-u.ac.jp/others/map/index.php
■内容:
・第1部: 「糖質制限食のおさらい~実践編」
講師: 橋本 眞由美 管理栄養士
一般財団法人高雄病院 栄養管理部 部長/当会アドバイザー
・第2部:「糖質制限食のおさらい~理論編」
講師: 江部 康二 医師
一般財団法人高雄病院理事長/当会理事長
・質疑応答
*第1部45分、第2部70分、質疑応答30分程度を予定しております。
■受講費: 賛助会員 2,000円 / 一般 2,500円
■お支払い方法:
クレジットカード/銀行振込/郵便振替 ※事前決済のみとなります。
■お申し込みの流れ:
1. 下記「お申し込み方法」の該当するものからお申し込み下さい。
2. 事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3. 入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4. 当日、直接会場までお越し下さい。
■お申し込み方法:
★賛助会員の方:事務局までメールにてお申し込み下さい。
※領収書の発行をご希望の場合は、領収書宛名もお知らせ願います。
★賛助会員入会をご希望の方:
1. 入会案内および会員規約をお読み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/sign-up
2. お申し込みは下のフォームからお願いします。
「通信」欄に「8/21 大阪講演会参加希望」とご記入下さい。
(交流会へ参加希望の場合は、その旨をご記入下さい。)
http://www.toushitsuseigen.or.jp/contact
★一般(非会員)で、講演会の受講のみご希望の方:
下のフォームからお申し込み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/seminar-gen
■その他:
・予約制です。当日参加はできません。
・キャンセルは8月19日(金)までに事務局へご連絡願います。
それ以降のご返金は原則、対応致しかねますので予めご了承ください。
2016年8月21日(日)
大阪・中之島で、以下の一般向け糖質制限食講演会を開催します。
「美味しく、楽しく続けるために。糖質制限食のおさらい」
第1部、「糖質制限食のおさらい~実践編」 講師 橋本眞由美管理栄養士
第2部、「糖質制限食のおさらい~理論編」 講師 江部康二
1999年以来、紆余曲折はありましたが、2015年4月から、東大病院でも、糖質40%の糖質制限食を糖尿病食の選択肢の一つとして提供する時代となりました。
そして門脇孝日本糖尿病学会理事長ご自身も緩い糖質制限食実践中です。
やはり、2013年10月に米国糖尿病学会が糖質制限食を正式に容認したことが、大きな追い風となったようです。
嬉しい限りです。
今回も糖質制限食の基礎や最新の情報について、わかりやすいお話しを目指しますので、大阪、兵庫、京都、滋賀、奈良、和歌山・・・ブログ読者の皆さん、関西方面の方々、奮ってご参加頂けば幸いです。
江部康二
*********
以下、事務局からのお知らせです。
ブログ読者の皆様、弊会の講演会へいつも多数ご参加いただき、また、料理教室にもたくさんご参加、お申し込みいただきまして、ありがとうございます。
8月21日(日)、大阪・中之島で、「美味しく、楽しく続けるために。糖質制限食のおさらい」と題して、一般の方向けの講演会を開催いたします。
第1部は、「糖質制限食のおさらい~実践編」で、橋本眞由美管理栄養士(高雄病院/当会アドバイザー)がお話しします。
糖質とは、糖質制限食とはからはじまり、食べてよい食品・要注意食品、外食・中食・調理の際の工夫、知っておきたい便利食品など、糖質制限食の実践のための基本を解説します。
また、陥りがちな落とし穴や注意点、栄養指導時によくある問題点と改善への道のりなど、具体的な事例も交えてお話しします。
第2部は、「糖質制限食のおさらい~理論編」で、当会理事長、江部康二の講演です。
20世紀の日米における糖尿病食の変遷、糖質制限食のこれまでのあゆみや取り巻く状況の変化について、 また、糖質制限食の生理学的な基礎理論や糖質制限食の有効性と安全性に関する根拠などについてお話しします。
加えて、「高血糖の記憶」、「コレステロール」、「人体のエネルギーシステム」、「耐糖能と糖質制限食」、「ケトン食と糖質制限食」など、
難解な部分もありますが、おさえておきたいキーワードについても解説します。
ベテラン実践者の方は、復習と振り返りの機会として、初心者の方は、正しい理解と実践のために、皆さま奮って参加いただけますと幸いです。
関西にお住まいの方をはじめ、皆様のご参加を心よりお待ちしております。
*当日講演会終了後に、賛助会員交流会を開催致します。
◆講演会・賛助会員交流会情報URL: http://www.toushitsuseigen.or.jp/activity
///////////////////ご案内/////////////////////
(一社)日本糖質制限医療推進協会主催 大阪講演会
「美味しく、楽しく続けるために。糖質制限食のおさらい」
■日時: 2016年8月21日(日)13:50~16:30頃 ※開場・受付開始は、13:30~
■会場: 大阪大学中之島センター10F 「佐治敬三メモリアルホール」
〒530-0005 大阪市北区中之島4-3-53
http://www.onc.osaka-u.ac.jp/others/map/index.php
■内容:
・第1部: 「糖質制限食のおさらい~実践編」
講師: 橋本 眞由美 管理栄養士
一般財団法人高雄病院 栄養管理部 部長/当会アドバイザー
・第2部:「糖質制限食のおさらい~理論編」
講師: 江部 康二 医師
一般財団法人高雄病院理事長/当会理事長
・質疑応答
*第1部45分、第2部70分、質疑応答30分程度を予定しております。
■受講費: 賛助会員 2,000円 / 一般 2,500円
■お支払い方法:
クレジットカード/銀行振込/郵便振替 ※事前決済のみとなります。
■お申し込みの流れ:
1. 下記「お申し込み方法」の該当するものからお申し込み下さい。
2. 事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3. 入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4. 当日、直接会場までお越し下さい。
■お申し込み方法:
★賛助会員の方:事務局までメールにてお申し込み下さい。
※領収書の発行をご希望の場合は、領収書宛名もお知らせ願います。
★賛助会員入会をご希望の方:
1. 入会案内および会員規約をお読み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/sign-up
2. お申し込みは下のフォームからお願いします。
「通信」欄に「8/21 大阪講演会参加希望」とご記入下さい。
(交流会へ参加希望の場合は、その旨をご記入下さい。)
http://www.toushitsuseigen.or.jp/contact
★一般(非会員)で、講演会の受講のみご希望の方:
下のフォームからお申し込み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/seminar-gen
■その他:
・予約制です。当日参加はできません。
・キャンセルは8月19日(金)までに事務局へご連絡願います。
それ以降のご返金は原則、対応致しかねますので予めご了承ください。
2016年07月15日 (金)
こんばんは
糖質制限食に関して、知人が欧米人であるとか、英語のサイトの情報を教えて欲しいというコメントが時々あります。
それで、今回は英語のサイトの糖質制限食情報を集めてみました。
英語のサイトの解説として、本ブログ記事も掲載しました。
1)
https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT01419587
ClinicalTrials.gov
A service of the U.S. National Institutes of Health
Ketogenic Diet With Chemoradiation for Lung Cancer (KETOLUNG)
アイオワ大学とNIHが2011年から継続中のケトン食と肺がん4期の臨床試験です。
これは、完全に学術的サイトです。
2017年7月に、第一回目の報告があります。
2)
糖尿病の人はなぜがんになりやすいか
2015年12月28日
http://mainichi.jp/premier/health/articles/20151224/med/00m/010/004000c
これは日本語の情報です。
ここに私の書いたものですが、アイオワ大学とNIHの研究の解説記事も少し載っています。
3)
糖質制限食にがん治療効果はあるか?
2016年1月29日江部康二 / 高雄病院理事長
http://mainichi.jp/premier/health/articles/20160128/med/00m/010/011000c
これは日本語の情報です。
4)
米国で1、2を争う癌専門病院
ニューヨークメモリアルスローンケータリング癌センターのセンター長兼CEO Craig.Thompson 博士は
『脂質を多く食べても癌のリスクは全く上昇しません 。糖質を多く食べると癌のリスクを著しく高めます 。
タンパク質はその中間に位置します』
と講演(動画)で述べています。英語の講演です。
http://www.youtube.com/watch?v=WUlE1VHGA40#t=27m0s
2014年04月16日 (水)の本ブログ記事
「糖質摂取多いと癌のリスク。スローン・ケタリング癌センターCEOの講演。」
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-2927.html
もご参照いただけば幸いです。
5)
「The Food Revolution - AHS 2011」
http://youtu.be/FSeSTq-N4U4
という英語の講演の動画(ユーチューブ)があります。
講演が40数分で質疑応答をいれて合計54分くらいです。
この動画、スウェーデンのアンドレアス・エンフェルト医師が、米国で糖質制限食の講演を行ったものです。
アンドレアス・エンフェルト医師は、スウェーデンの糖質制限派の医師です。
エンフェルト医師は、
Diet Doctor.com という英語のタイトルで、ホームページを作成してLCHF(Low Carb High Fat:糖質制限・高脂肪)について様々な情報提供、
研究者や医師や科学ジャーナリストへのインタビューを掲載しています。
勿論、英語のサイトです。
http://www.dietdoctor.com/about
2013年12月24日 (火)の本ブログ記事
「スウェーデンでは、23%の人が、糖質制限食を実践している。」
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-2800.html
をご参照頂けば幸いです。
江部康二
糖質制限食に関して、知人が欧米人であるとか、英語のサイトの情報を教えて欲しいというコメントが時々あります。
それで、今回は英語のサイトの糖質制限食情報を集めてみました。
英語のサイトの解説として、本ブログ記事も掲載しました。
1)
https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT01419587
ClinicalTrials.gov
A service of the U.S. National Institutes of Health
Ketogenic Diet With Chemoradiation for Lung Cancer (KETOLUNG)
アイオワ大学とNIHが2011年から継続中のケトン食と肺がん4期の臨床試験です。
これは、完全に学術的サイトです。
2017年7月に、第一回目の報告があります。
2)
糖尿病の人はなぜがんになりやすいか
2015年12月28日
http://mainichi.jp/premier/health/articles/20151224/med/00m/010/004000c
これは日本語の情報です。
ここに私の書いたものですが、アイオワ大学とNIHの研究の解説記事も少し載っています。
3)
糖質制限食にがん治療効果はあるか?
2016年1月29日江部康二 / 高雄病院理事長
http://mainichi.jp/premier/health/articles/20160128/med/00m/010/011000c
これは日本語の情報です。
4)
米国で1、2を争う癌専門病院
ニューヨークメモリアルスローンケータリング癌センターのセンター長兼CEO Craig.Thompson 博士は
『脂質を多く食べても癌のリスクは全く上昇しません 。糖質を多く食べると癌のリスクを著しく高めます 。
タンパク質はその中間に位置します』
と講演(動画)で述べています。英語の講演です。
http://www.youtube.com/watch?v=WUlE1VHGA40#t=27m0s
2014年04月16日 (水)の本ブログ記事
「糖質摂取多いと癌のリスク。スローン・ケタリング癌センターCEOの講演。」
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-2927.html
もご参照いただけば幸いです。
5)
「The Food Revolution - AHS 2011」
http://youtu.be/FSeSTq-N4U4
という英語の講演の動画(ユーチューブ)があります。
講演が40数分で質疑応答をいれて合計54分くらいです。
この動画、スウェーデンのアンドレアス・エンフェルト医師が、米国で糖質制限食の講演を行ったものです。
アンドレアス・エンフェルト医師は、スウェーデンの糖質制限派の医師です。
エンフェルト医師は、
Diet Doctor.com という英語のタイトルで、ホームページを作成してLCHF(Low Carb High Fat:糖質制限・高脂肪)について様々な情報提供、
研究者や医師や科学ジャーナリストへのインタビューを掲載しています。
勿論、英語のサイトです。
http://www.dietdoctor.com/about
2013年12月24日 (火)の本ブログ記事
「スウェーデンでは、23%の人が、糖質制限食を実践している。」
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-2800.html
をご参照頂けば幸いです。
江部康二
2016年07月14日 (木)
こんばんは。
糖質制限、長く続けるべきでない理由とは
http://kenko100.jp/articles/160713003987/#gsc.tab=0
という記事が、健康百科というサイトにのりました。
精神科医師Aさんにコメント頂きました。
以下、健康百科から一部抜粋です。
【ご飯やパン、麺類などの主食やイモ類などの炭水化物を減らす「糖質制限ダイエット(糖質制限食)」は、シンプルでわかりやすく、誰でもすぐに始められる人気のダイエット法だ。
ただ、腎臓の機能が落ちている場合など体の状態によっては糖質制限がさらに体調の悪化を招く場合も。
さらに、その減量効果が期待できるのは短い期間だけで、1年以上は続かないばかりか、長期的には死亡率を高めるとの研究結果も報告されているという。
5月19~21日に京都で開かれた日本糖尿病学会のシンポジウム「食事療法の新たなエビデンスを求めて」では、京都府立医科大学大学院内分泌代謝内科学の福井道明教授が、こうした医学的なデータを紹介した上で、糖質制限がどんな人に向いているのか、どんなことに注意すべきかなどについて解説した。】
腎機能障害に関しては、糖質制限食を実践するか否かは、個別対応であり、患者さんとよく相談しながら、毎月検査をして慎重に進めていく必要があります。
糖質制限食の減量効果に関しては、信頼度の高いRCT研究論文で、1年間のもの、2年間のもの、6年間のものが報告されています。
さらに、2015年12月、ランセットに、53のRCTのメタアナリシスによるシステマティック・レビューが掲載され、「低脂肪食よりも糖質制限食の方が減量効果が高い」と結論されています。
Lancet Diabetes Endocrinol 2015 Dec 01;3(12)968-979,
エビデンスレベルは最も上位にランクされますので、減量に関しては糖質制限食の圧勝と言っていいと思います。
さて、EBM(evidence based medicine、証拠に基づく医学)が、医学界を席巻しています。
しかしEBMだけに頼る医療には、明確に限界があります。
例えば糖質制限食に対して肯定的な研究論文もあれば否定的な研究論文もあります。
つまり、同じ糖質制限食に対して現実には結論の異なるEBMが存在するのです。
結局は、自分の頭で考えて、どちらのEBMを選択するかということになります。
次は長期的安全性について。
糖質制限食と「脳心血管疾患」について考えて見ます。
これらは、冠動脈疾患や脳卒中のことですので、ベースには動脈硬化の問題があります。
糖質制限食で動脈硬化のリスク要因となる
「コレステロール、中性脂肪、血糖、血圧、肥満など・・・」
全てが改善しますので少なくとも理論的には、動脈硬化の予防になると思います。
次は、糖質制限食の安全性を示す長期的エビデンスですね。
以下、4つの信頼度の高い研究があります。
1)ニューイングランドジャーナル掲載のコホート研究(冠動脈疾患)
低炭水化物・高脂肪・高タンパク食に冠動脈疾患のリスクなし。
82802人 20年間 2006年掲載 ハーバード大学
炭水化物摂取比率36.8±6.1%グループと58.8±7.0%のグループの比較。
一方総炭水化物摂取量は冠動脈疾患リスクの中等度増加に関連していた。
高GLは冠動脈疾患リスク増加と強く関連していた。
Halton TL, et al. Low-carbohydrate-diet score and the risk of coronary heart disease in women. New England Journal of Medicine 2006;355:1991-2002.
82802人の看護師を20年研究ですので、アンケートも緻密でニューイングランドジャーナルですから論文の信頼度も高いです。
炭水化物摂取比率36.8%の一番低い群から、58.8%の一番多い群まで10グループに分けての比較研究です。
GLはGlycemic Lord の略です。
GL(グリセミック・ロード)とは血糖負荷指数といった意味です。
<一人前の分量の食べ物に含まれる糖質のグラム数>×<その食べ物のGI>÷100で計算した数値が、GLです。
20以上が高、19~11が中、10以下が低とされています。
GL値とは、実際の食事でその食品の一人前の糖質分量を考慮して、どれだけ血糖値を上げやすいかを示す目安です。
糖質を多く摂取すると冠動脈疾患のリスクが増加し、糖質摂取比率が少なくても冠動脈疾患のリスクなしです。
2)コホート研究のメタアナリシス(脳心血管疾患)
21論文、約35万人をメタアナリシスして、5~23年追跡して1.1万人の脳心血管イベントが発生。
飽和脂肪摂取量と脳心血管イベントハザード比を検証してみると、飽和脂肪酸摂取量と脳心血管イベント発生は、関係がないことが判明。
Siri-Tarino, P.W., et al., Meta-analysis of prospective cohort studies evaluating the association of saturated fat with cardiovascular disease. Am J Clin Nutr, 2010. 91(3): p. 535-46.
メタアナリシスで、約35万人が対象の巨大な研究で、信頼度も高いです。
糖質制限食では、動物性脂肪の摂取を制限していないので、飽和脂肪酸の摂取量は一般食に比べてかなり多いです。
本研究により、飽和脂肪酸の摂取量は脳心血管疾患とは関係ないことがわかり、糖質制限食には大きな追い風です。
3)前向きコホート試験NIPPON DATA80(心血管死、総死亡率)
前向きコホート試験NIPPON DATA80 9200人 29年間 中村保幸ら。
第10分位(糖質摂取比率51.5%)のグループは、
第1分位(糖質摂取比率72.7%)のグループに比べて
女性においては心血管死のリスクが、59%、総死亡リスクが79%、
男女合わせると、それぞれ、74%、84%しかないという素晴らしい結論で、糖質制限群の圧勝。
Br J Nutr 2014; 112: 916-924
この研究は、日本人の研究です。
9200人を29年間ですので、大きな信頼度の高いコホート研究です。
糖質摂取比率が一番多い群から一番少ない群まで、10グループに分けて比較検討しています。
糖質摂取比率の少ない群は、多い群に比し、心血管死と総死亡リスクが有意に減っていますので、やはり糖質制限食には大きな追い風の研究です。
4)上海コホート研究(心血管疾患)
「糖質摂取量により4群に分けて、
糖質摂取量が多いほど心血管疾患の発症リスクが高い」
女性:糖質264g/日未満、264~282g未満、282~299g未満、299g以上
男性:糖質296g/日未満、296~319g未満、319~339g未満、339g以上
11万7366人を対象に、調べた研究。
女性が6万4,854人で、平均追跡期間が9.8年。
男性が5万2,512人で、mannnin 平均追跡期間が5.4年。
Am J Epidemiol. 2013 Nov 15;178(10):1542-9.
Dietary carbohydrates, refined grains, glycemic load, and risk of coronary heart disease in Chinese adults.
上海の研究です。
糖質を普通に食べている集団を、糖質摂取量により、4群に分けて比較検討しています。
11万7366人を平均9.8年追跡ですから、大きな信頼度の高いコホート研究です。
男女とも、糖質摂取量が多い群ほど心血管疾患の発症リスクが高いというわかりやすい結論です。
糖質の害、恐るべしです。
江部康二
糖質制限、長く続けるべきでない理由とは
http://kenko100.jp/articles/160713003987/#gsc.tab=0
という記事が、健康百科というサイトにのりました。
精神科医師Aさんにコメント頂きました。
以下、健康百科から一部抜粋です。
【ご飯やパン、麺類などの主食やイモ類などの炭水化物を減らす「糖質制限ダイエット(糖質制限食)」は、シンプルでわかりやすく、誰でもすぐに始められる人気のダイエット法だ。
ただ、腎臓の機能が落ちている場合など体の状態によっては糖質制限がさらに体調の悪化を招く場合も。
さらに、その減量効果が期待できるのは短い期間だけで、1年以上は続かないばかりか、長期的には死亡率を高めるとの研究結果も報告されているという。
5月19~21日に京都で開かれた日本糖尿病学会のシンポジウム「食事療法の新たなエビデンスを求めて」では、京都府立医科大学大学院内分泌代謝内科学の福井道明教授が、こうした医学的なデータを紹介した上で、糖質制限がどんな人に向いているのか、どんなことに注意すべきかなどについて解説した。】
腎機能障害に関しては、糖質制限食を実践するか否かは、個別対応であり、患者さんとよく相談しながら、毎月検査をして慎重に進めていく必要があります。
糖質制限食の減量効果に関しては、信頼度の高いRCT研究論文で、1年間のもの、2年間のもの、6年間のものが報告されています。
さらに、2015年12月、ランセットに、53のRCTのメタアナリシスによるシステマティック・レビューが掲載され、「低脂肪食よりも糖質制限食の方が減量効果が高い」と結論されています。
Lancet Diabetes Endocrinol 2015 Dec 01;3(12)968-979,
エビデンスレベルは最も上位にランクされますので、減量に関しては糖質制限食の圧勝と言っていいと思います。
さて、EBM(evidence based medicine、証拠に基づく医学)が、医学界を席巻しています。
しかしEBMだけに頼る医療には、明確に限界があります。
例えば糖質制限食に対して肯定的な研究論文もあれば否定的な研究論文もあります。
つまり、同じ糖質制限食に対して現実には結論の異なるEBMが存在するのです。
結局は、自分の頭で考えて、どちらのEBMを選択するかということになります。
次は長期的安全性について。
糖質制限食と「脳心血管疾患」について考えて見ます。
これらは、冠動脈疾患や脳卒中のことですので、ベースには動脈硬化の問題があります。
糖質制限食で動脈硬化のリスク要因となる
「コレステロール、中性脂肪、血糖、血圧、肥満など・・・」
全てが改善しますので少なくとも理論的には、動脈硬化の予防になると思います。
次は、糖質制限食の安全性を示す長期的エビデンスですね。
以下、4つの信頼度の高い研究があります。
1)ニューイングランドジャーナル掲載のコホート研究(冠動脈疾患)
低炭水化物・高脂肪・高タンパク食に冠動脈疾患のリスクなし。
82802人 20年間 2006年掲載 ハーバード大学
炭水化物摂取比率36.8±6.1%グループと58.8±7.0%のグループの比較。
一方総炭水化物摂取量は冠動脈疾患リスクの中等度増加に関連していた。
高GLは冠動脈疾患リスク増加と強く関連していた。
Halton TL, et al. Low-carbohydrate-diet score and the risk of coronary heart disease in women. New England Journal of Medicine 2006;355:1991-2002.
82802人の看護師を20年研究ですので、アンケートも緻密でニューイングランドジャーナルですから論文の信頼度も高いです。
炭水化物摂取比率36.8%の一番低い群から、58.8%の一番多い群まで10グループに分けての比較研究です。
GLはGlycemic Lord の略です。
GL(グリセミック・ロード)とは血糖負荷指数といった意味です。
<一人前の分量の食べ物に含まれる糖質のグラム数>×<その食べ物のGI>÷100で計算した数値が、GLです。
20以上が高、19~11が中、10以下が低とされています。
GL値とは、実際の食事でその食品の一人前の糖質分量を考慮して、どれだけ血糖値を上げやすいかを示す目安です。
糖質を多く摂取すると冠動脈疾患のリスクが増加し、糖質摂取比率が少なくても冠動脈疾患のリスクなしです。
2)コホート研究のメタアナリシス(脳心血管疾患)
21論文、約35万人をメタアナリシスして、5~23年追跡して1.1万人の脳心血管イベントが発生。
飽和脂肪摂取量と脳心血管イベントハザード比を検証してみると、飽和脂肪酸摂取量と脳心血管イベント発生は、関係がないことが判明。
Siri-Tarino, P.W., et al., Meta-analysis of prospective cohort studies evaluating the association of saturated fat with cardiovascular disease. Am J Clin Nutr, 2010. 91(3): p. 535-46.
メタアナリシスで、約35万人が対象の巨大な研究で、信頼度も高いです。
糖質制限食では、動物性脂肪の摂取を制限していないので、飽和脂肪酸の摂取量は一般食に比べてかなり多いです。
本研究により、飽和脂肪酸の摂取量は脳心血管疾患とは関係ないことがわかり、糖質制限食には大きな追い風です。
3)前向きコホート試験NIPPON DATA80(心血管死、総死亡率)
前向きコホート試験NIPPON DATA80 9200人 29年間 中村保幸ら。
第10分位(糖質摂取比率51.5%)のグループは、
第1分位(糖質摂取比率72.7%)のグループに比べて
女性においては心血管死のリスクが、59%、総死亡リスクが79%、
男女合わせると、それぞれ、74%、84%しかないという素晴らしい結論で、糖質制限群の圧勝。
Br J Nutr 2014; 112: 916-924
この研究は、日本人の研究です。
9200人を29年間ですので、大きな信頼度の高いコホート研究です。
糖質摂取比率が一番多い群から一番少ない群まで、10グループに分けて比較検討しています。
糖質摂取比率の少ない群は、多い群に比し、心血管死と総死亡リスクが有意に減っていますので、やはり糖質制限食には大きな追い風の研究です。
4)上海コホート研究(心血管疾患)
「糖質摂取量により4群に分けて、
糖質摂取量が多いほど心血管疾患の発症リスクが高い」
女性:糖質264g/日未満、264~282g未満、282~299g未満、299g以上
男性:糖質296g/日未満、296~319g未満、319~339g未満、339g以上
11万7366人を対象に、調べた研究。
女性が6万4,854人で、平均追跡期間が9.8年。
男性が5万2,512人で、mannnin 平均追跡期間が5.4年。
Am J Epidemiol. 2013 Nov 15;178(10):1542-9.
Dietary carbohydrates, refined grains, glycemic load, and risk of coronary heart disease in Chinese adults.
上海の研究です。
糖質を普通に食べている集団を、糖質摂取量により、4群に分けて比較検討しています。
11万7366人を平均9.8年追跡ですから、大きな信頼度の高いコホート研究です。
男女とも、糖質摂取量が多い群ほど心血管疾患の発症リスクが高いというわかりやすい結論です。
糖質の害、恐るべしです。
江部康二
2016年07月13日 (水)
こんにちは。
「ハンディ版 糖質制限の教科書」(洋泉社)¥864-
監修 江部康二
が2016年4月9日から発売中です。
現在、2万5000部と好調です。
これも、ブログ読者の皆さんの応援のおかげです。
ありがとうございます。 m(_ _)m
糖質制限の教科書という如くとてもわかりやすい構成となっています。
図や写真も豊富で、読みやすい内容です。
日頃、本が苦手の人でも、すっと一気に読めると思います。
糖質制限食を知らない友人、知人、ご家族、親戚などに糖質制限食を奨めるときには、最適の本と思います。
すでに糖質制限食を実践されている人も、糖質制限の全体像や知識を整理するにはとても良いと思います。
簡潔で読みやすい本ですが、科学的根拠も示してあり、疑問点にも答えていて結構密度の濃い内容となったと自負しています。
たいへんご好評をいただいた『糖質制限の教科書』 (洋泉社MOOK、2015/6/12)の内容は、ほぼそのままに、食品成分の数値などは、すべて新しい日本食品標準成分表2015年版(七訂)に即した最新のものに刷新しています。
値段もおさえ、携帯しやすいサイズでいつも手元に置いて使っていただけるようになったと思いますので、『食品別糖質量ハンドブック』とあわせて利用していただけば幸いです。
これから糖質制限食を始める人にはおおいにお役に立てると思いますので、
是非ご一読いただけば幸いです。
***「ハンディ版 糖質制限の教科書」の訂正です。
1)93ページ
必須アミノ酸
8種類のアミノ酸は
↓
9種類のアミノ酸は
2)116ページ、後ろから3,4行
・・・糖尿病と診断されます。
↓
・・・糖尿病型と診断されます。
3)122ページ、3行目
・・・腎臓、胆嚢の・・・
↓
・・・腎臓の・・・
江部康二
☆☆☆
以下は洋泉社の内容紹介です。
基本から実践、理論までこの1冊でわかる
ひと目で分かる食材の選び方
糖質制限でやせる仕組み
症状別・糖質制限の効果
疑問や不安を解消する糖質制限Q&A ほか
正しいやり方で、無理なくやせる、健康になる!
食品別糖質含有量一覧付き。
【監修】江部康二(えべ・こうじ)
医師。一般財団法人高雄病院理事長。
一般社団法人日本糖質制限医療推進協会理事長。
1950年京都府生まれ。
1974年京都大学医学部卒業。
京都大学胸部疾患研究所を経て、
1978年より高雄病院に医局長として勤務。
2000年理事長就任。
2001年から糖質制限食に本格的にとり組む。
2002年に自身の糖尿病に気づき、自ら糖質制限食を実践、肥満と糖尿病を克服。
豊富な症例をもとに糖質制限食の研究を続けている
「ハンディ版 糖質制限の教科書」(洋泉社)¥864-
監修 江部康二
が2016年4月9日から発売中です。
現在、2万5000部と好調です。
これも、ブログ読者の皆さんの応援のおかげです。
ありがとうございます。 m(_ _)m
糖質制限の教科書という如くとてもわかりやすい構成となっています。
図や写真も豊富で、読みやすい内容です。
日頃、本が苦手の人でも、すっと一気に読めると思います。
糖質制限食を知らない友人、知人、ご家族、親戚などに糖質制限食を奨めるときには、最適の本と思います。
すでに糖質制限食を実践されている人も、糖質制限の全体像や知識を整理するにはとても良いと思います。
簡潔で読みやすい本ですが、科学的根拠も示してあり、疑問点にも答えていて結構密度の濃い内容となったと自負しています。
たいへんご好評をいただいた『糖質制限の教科書』 (洋泉社MOOK、2015/6/12)の内容は、ほぼそのままに、食品成分の数値などは、すべて新しい日本食品標準成分表2015年版(七訂)に即した最新のものに刷新しています。
値段もおさえ、携帯しやすいサイズでいつも手元に置いて使っていただけるようになったと思いますので、『食品別糖質量ハンドブック』とあわせて利用していただけば幸いです。
これから糖質制限食を始める人にはおおいにお役に立てると思いますので、
是非ご一読いただけば幸いです。
***「ハンディ版 糖質制限の教科書」の訂正です。
1)93ページ
必須アミノ酸
8種類のアミノ酸は
↓
9種類のアミノ酸は
2)116ページ、後ろから3,4行
・・・糖尿病と診断されます。
↓
・・・糖尿病型と診断されます。
3)122ページ、3行目
・・・腎臓、胆嚢の・・・
↓
・・・腎臓の・・・
江部康二
☆☆☆
以下は洋泉社の内容紹介です。
基本から実践、理論までこの1冊でわかる
ひと目で分かる食材の選び方
糖質制限でやせる仕組み
症状別・糖質制限の効果
疑問や不安を解消する糖質制限Q&A ほか
正しいやり方で、無理なくやせる、健康になる!
食品別糖質含有量一覧付き。
【監修】江部康二(えべ・こうじ)
医師。一般財団法人高雄病院理事長。
一般社団法人日本糖質制限医療推進協会理事長。
1950年京都府生まれ。
1974年京都大学医学部卒業。
京都大学胸部疾患研究所を経て、
1978年より高雄病院に医局長として勤務。
2000年理事長就任。
2001年から糖質制限食に本格的にとり組む。
2002年に自身の糖尿病に気づき、自ら糖質制限食を実践、肥満と糖尿病を克服。
豊富な症例をもとに糖質制限食の研究を続けている
2016年07月12日 (火)
【16/07/11 沙門
ケトン体が血管を傷つける
江部先生
先日、NHKの番組ためしてガッテンで糖質制限について放送していましたが、その中でケトン体が血管を傷つけるという発言がありましたが、そのような論文や研究があるのでしょうか?私は血管を傷つけるのは糖質だと思っていたので少し驚きました。】
こんにちは。
沙門 さん から、ケトン体と血管についてコメント・質問をいただきました。
沙門 さん、そうですね。
糖質摂取による「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」が酸化ストレスリスクとなり、血管合併症の元凶となることには、多くのエビデンスがあります。
ケトン体に限らず、結論が異なる論文・研究はいつの時代にもあります。
かつて、確かにケトン体が危険視されていた時代がありましたが、最近の研究では、ケトン体は危険どころか、生体の最も重要なエネルギー源の一つです。 また生体に有用な作用を持っています。
A)
「βヒドロキシ酪酸は内在性のヒストン脱アセチル化酵素の阻害剤として酸化ストレスの抑制に寄与する」
という大変興味深いScience の論文もあります。
Science は、とても信頼度の高い権威ある科学雑誌です。
酸化ストレスを抑制することで、動脈硬化、癌、アルツハイマー病など様々な病気の予防になり、老化の抑制にもなります。
詳しくは
2013年02月12日 (火)の本ブログ記事
ケトン体が酸化ストレスの抑制に寄与する
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-2416.html
もご参照いただけば幸いです。
B)
また、ぺこぽよ さんからも以下のコメントを頂きました。
「神経内科分野からケトン体のアルツハイマー病への認知機能改善効果の報告が増えています。
動物実験でも認知機能の改善効果があるようです(Neurol.Aging 2012 Feb:33(2) 425 e19-425e27、Adv.Exp.Med.Biol 662:71-75. 2010、Biomaterials.34(30) 7552-7562.2013)。」
C)
さらに、しらねのぞるば さんから、「ケトン体は人体に必須の生化学役割を担っている」という当然とは言え重要なコメントをいただきました。
ディアベテス・リサーチ アンド クリニカル・プラクティスという英文医学雑誌に掲載された最新論文(*)の要約を紹介していただきました。
要約
ケトン体(β-ヒドロキシ酪酸)は、空腹時や運動時において、脂肪組織から末梢組織への便利なエネルギー運搬体である。
しかしながらβ-ヒドロキシ酪酸は、単なる代謝産物ではなく、重要な細胞内シグナル伝達の役割を持っている。
β-ヒドロキシ酪酸はヒストン脱アセチル化酵素の内因性抑制物質であり、少なくとも二つの細胞表面受容体のリガンドである。
それに加えてβ-ヒドロキシ酪酸代謝のダウンストリーム産物(アセチル-CoA、サクシニル-CoA、NAD+を含む)は、それ自体がシグナル活性を持っている。
β-ヒドロキシ酪酸のこれらの調整機能は、細胞機能と遺伝子発現との外部環境リンクに役立ち、2型糖尿病を含む代謝性疾患の病因論と治療に重要な意味をもつ。
論文の本意は
1)
ケトン体(β-ヒドロキシ酪酸)は、空腹時や運動時において、脂肪組織から末梢組織への便利なエネルギー運搬体である。
2)
β-ヒドロキシ酪酸は、エネルギー源であるだけではなく、重要な細胞内シグナル伝達の役割を持っている。
3)
β-ヒドロキシ酪酸は遺伝子の発現の制御にも関与している。
4)
β-ヒドロキシ酪酸のダウンストリーム産物もシグナル活性を持っている。
5)
β-ヒドロキシ酪酸のこれらの調整機能は、細胞機能と遺伝子発現の外部環境リンクに役立つ。
6)
β-ヒドロキシ酪酸のこれらの調整機能は、2型糖尿病を含む代謝性疾患の病因論と治療に重要な意味をもつ。
(*)Diabetes Research and Clinical Practice
Volume 106, Issue 2, Pages 173–181, November 2014
β-hydroxybutyrate: Much more than a metabolite
John C. Newman, Eric Verdin
ということで、A)B)C)を考慮すれば、ケトン体(β-ヒドロキシ酪酸)はエネルギー源としてとても便利なだけではなく、人体の機能が正常に働くために、大変重要な役割を果たしていることは明白です。
すなわちケトン体(β-ヒドロキシ酪酸)がなければ、そもそも人体の細胞は、まともに機能できないということです。
また、ケトン体は酸化ストレスの抑制やアルツハイマー病改善効果もあり、人体にとって極めて有益な物質です。
ケトン体(βヒドロキシ酪酸)の安全性の最終証明としては、宗田哲男医師の研究(私も共同演者の一人です)があります。
2014年第17回日本病態栄養学会。宗田医師らの発表。
*胎児の胎盤(絨毛間液)の平均βヒドロキシ酪酸値、平均1730μmol/L(58検体)
*新生児の血中平均βヒドロキシ酪酸値は、 平均240.4μmol/L(312例、生後4日)
*成人の現行の基準値は、 βヒドロキシ酪酸値は85 μmol/L以下。
2015年第18回日本病態栄養学会。宗田医師らの発表。分娩時60検体。
*胎盤組織液の平均βヒドロキシ酪酸値は2235.0μmol/L、臍帯血は平均779.2μmol/L
胎盤のケトン体は成人基準値の約30倍、新生児のケトン体は成人基準値の3~数倍と高値であり、インスリン作用が保たれている限りケトン体は極めて安全な物質です。
宗田医師の研究がもうすぐ論文化される予定ですので、乞うご期待です。
このように大切なケトン体のことを、まるで悪者のように扱う一部の医師には、猛省を促したいですね。
江部康二
たがしゅう先生から、ケトン体に関するわかりやすいコメントをいただきました。
ありがとうございます。
☆☆☆
【16/07/12 たがしゅう
広い視野でケトン体を捉える
江部先生
いつもお世話になっております。
またケトン体の安全性を担保するデータを信頼度の高いものを中心にまとめて頂き有難うございます。おかげさまで頭の中が整理されました。
その中でも宗田先生の研究報告が圧倒的に説得力があると私は思っています。宗田先生の御発表は、糖質制限妊婦だけの話と誤解されがちですが、そうではなくて糖質制限とは無関係に一般の妊婦においても胎児、胎盤、臍帯血のケトン体濃度が高かった事を示しているわけですから。
もしもケトン体が血管に悪いというのなら、ヒトは妊娠の時期からデフォルトで血管に悪い物質をたくさん抱えているのか、というヘンテコな話になってしまいます。
ケトン体を悪くみている医師は言わば「ケトアシドーシスの呪縛」に捉われています。原因と結果をはき違えたまま考えているから本質が見えないのだと思います。
糖尿病診療マスター
2016年6月号(Vol.14 No.6)
特集 食事療法 Revisit
上記の雑誌によれば、山田悟先生が「ケトン体は血管に悪い?」という心配を抱えておられる根拠論文は、いずれも最近早期の動脈硬化を捉える事ができる検査として注目されているFMD(flow mediated dilation; 血流依存性血管拡張反応)という検査について検証したものです。
このFMDという検査、主に上腕をマンシェットで5分程度圧迫して血管にわざと圧力をかけ、解除した時に血管がどのくらい拡がるか、というのをエコー下に計測し、数値化するというものです。
血管の内側を覆う内皮細胞がうまく機能していれば血管圧迫解除後速やかに拡張してくれるのですが、うまく拡張しない場合は内皮細胞の機能低下があるのではないかと考えられています。
内皮細胞の異常は動脈硬化の最初の段階だと考えられており、画像上動脈硬化がまだ見えない段階から内皮の機能を推測できるという点で、この検査は動脈硬化の早期発見に期待されているわけです。
一方でこのFMD、検査自体の信頼度にも問題点が残されている検査でもあります。その辺りは「血管機能の非侵襲的評価法に関するガイドライン Guidelines for non-invasive vascular function test (JCS 2013)」に詳しく書かれています。ネットで無料で閲覧可です。
具体的な問題点としては「分母である血管径基礎値が大きければ、たとえ内皮機能が正常であってもFMDは相対的に低く算出される」ことや「検査機器・手技(測定条件、カフの位置、血管径の測定方法、安静時径・最大拡張径の評価方法)の統一がなされていないこともFMD測定値の普遍性(施設間でのばらつき)に影響する」ことなどが挙げられます。
山田先生の根拠論文はコメント末に示す1)-3)ですが、読んでみるといずれも少人数(8~20名程度)、短期間(6週~2か月)での無作為ランダム化比較試験です。いずれの論文でも「低炭水化物食の方でFMDが低下したから、内皮機能が低下している可能性がある」と結論づけています。
おそらく山田先生に言わせればエビデンスレベル1(無作為ランダム化比較試験)だから信頼できる、ということなのでしょうけど、エビデンスレベル1なら何でもいいのか、と言いたくなります。短期間・少人数過ぎますし、2)の論文に至っては低炭水化物食で5日目に低下したFMDでは、60日目に元に戻っているという結果も提示されていました。
またFMDは捉える対象が早期すぎていろいろな条件で変動するようです。こちらのサイト(http://www.mediacross.jp/FMD/1-10.html)では運動でもFMDが低下する事が示されていますが、それだと「運動は血管に悪い?」という話になってしまいます。本当でしょうか?
いくらエビデンスレベルの高い論文だろうと、もともと信頼性に問題が残る検査で、しかも少人数で短期間で検証したようなものは、そのまま鵜呑みにはできないのではないでしょうか。
それに「木を見て森を見ず」にならないように、ケトン体にまつわる状況を俯瞰でみれば真実がどちらにあるかはすぐにわかります。
ケトン体は・・・
Aにとっては○
Bにとっては○
Cにとっては○
Dにとっては○
Eにとっては○
Fにとっては○
Gにとっては○
・・・
でもZにとっては×
そういう状況であれば、「Zの検証方法が間違っているんじゃないの?」と考えるのが普通ではないかと私は思います。
1) Phillips SA, Jurva JW, Syed AQ, et al(2008) Benent of low-fat over low-carbohydrate diet on endothelial health in obesity. Hypertension 51:376-382
2) Buscemi S, Verga S, Tranchina MR,et al(2009) Effects of hypocaloric very-low-carbohydrate diet vs. Mediterranean diet on endothelial function in obese women. Eur J Clin lnvest 39:339-347
3) Varady KA,Bhutani S,Klempel MC,et al(2011) Improvements in vascular health by a low-fat diet, but not a high-fat diet, are mediated by changes in adipocyte biology. Nutr J 10:8】
ケトン体が血管を傷つける
江部先生
先日、NHKの番組ためしてガッテンで糖質制限について放送していましたが、その中でケトン体が血管を傷つけるという発言がありましたが、そのような論文や研究があるのでしょうか?私は血管を傷つけるのは糖質だと思っていたので少し驚きました。】
こんにちは。
沙門 さん から、ケトン体と血管についてコメント・質問をいただきました。
沙門 さん、そうですね。
糖質摂取による「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」が酸化ストレスリスクとなり、血管合併症の元凶となることには、多くのエビデンスがあります。
ケトン体に限らず、結論が異なる論文・研究はいつの時代にもあります。
かつて、確かにケトン体が危険視されていた時代がありましたが、最近の研究では、ケトン体は危険どころか、生体の最も重要なエネルギー源の一つです。 また生体に有用な作用を持っています。
A)
「βヒドロキシ酪酸は内在性のヒストン脱アセチル化酵素の阻害剤として酸化ストレスの抑制に寄与する」
という大変興味深いScience の論文もあります。
Science は、とても信頼度の高い権威ある科学雑誌です。
酸化ストレスを抑制することで、動脈硬化、癌、アルツハイマー病など様々な病気の予防になり、老化の抑制にもなります。
詳しくは
2013年02月12日 (火)の本ブログ記事
ケトン体が酸化ストレスの抑制に寄与する
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-2416.html
もご参照いただけば幸いです。
B)
また、ぺこぽよ さんからも以下のコメントを頂きました。
「神経内科分野からケトン体のアルツハイマー病への認知機能改善効果の報告が増えています。
動物実験でも認知機能の改善効果があるようです(Neurol.Aging 2012 Feb:33(2) 425 e19-425e27、Adv.Exp.Med.Biol 662:71-75. 2010、Biomaterials.34(30) 7552-7562.2013)。」
C)
さらに、しらねのぞるば さんから、「ケトン体は人体に必須の生化学役割を担っている」という当然とは言え重要なコメントをいただきました。
ディアベテス・リサーチ アンド クリニカル・プラクティスという英文医学雑誌に掲載された最新論文(*)の要約を紹介していただきました。
要約
ケトン体(β-ヒドロキシ酪酸)は、空腹時や運動時において、脂肪組織から末梢組織への便利なエネルギー運搬体である。
しかしながらβ-ヒドロキシ酪酸は、単なる代謝産物ではなく、重要な細胞内シグナル伝達の役割を持っている。
β-ヒドロキシ酪酸はヒストン脱アセチル化酵素の内因性抑制物質であり、少なくとも二つの細胞表面受容体のリガンドである。
それに加えてβ-ヒドロキシ酪酸代謝のダウンストリーム産物(アセチル-CoA、サクシニル-CoA、NAD+を含む)は、それ自体がシグナル活性を持っている。
β-ヒドロキシ酪酸のこれらの調整機能は、細胞機能と遺伝子発現との外部環境リンクに役立ち、2型糖尿病を含む代謝性疾患の病因論と治療に重要な意味をもつ。
論文の本意は
1)
ケトン体(β-ヒドロキシ酪酸)は、空腹時や運動時において、脂肪組織から末梢組織への便利なエネルギー運搬体である。
2)
β-ヒドロキシ酪酸は、エネルギー源であるだけではなく、重要な細胞内シグナル伝達の役割を持っている。
3)
β-ヒドロキシ酪酸は遺伝子の発現の制御にも関与している。
4)
β-ヒドロキシ酪酸のダウンストリーム産物もシグナル活性を持っている。
5)
β-ヒドロキシ酪酸のこれらの調整機能は、細胞機能と遺伝子発現の外部環境リンクに役立つ。
6)
β-ヒドロキシ酪酸のこれらの調整機能は、2型糖尿病を含む代謝性疾患の病因論と治療に重要な意味をもつ。
(*)Diabetes Research and Clinical Practice
Volume 106, Issue 2, Pages 173–181, November 2014
β-hydroxybutyrate: Much more than a metabolite
John C. Newman, Eric Verdin
ということで、A)B)C)を考慮すれば、ケトン体(β-ヒドロキシ酪酸)はエネルギー源としてとても便利なだけではなく、人体の機能が正常に働くために、大変重要な役割を果たしていることは明白です。
すなわちケトン体(β-ヒドロキシ酪酸)がなければ、そもそも人体の細胞は、まともに機能できないということです。
また、ケトン体は酸化ストレスの抑制やアルツハイマー病改善効果もあり、人体にとって極めて有益な物質です。
ケトン体(βヒドロキシ酪酸)の安全性の最終証明としては、宗田哲男医師の研究(私も共同演者の一人です)があります。
2014年第17回日本病態栄養学会。宗田医師らの発表。
*胎児の胎盤(絨毛間液)の平均βヒドロキシ酪酸値、平均1730μmol/L(58検体)
*新生児の血中平均βヒドロキシ酪酸値は、 平均240.4μmol/L(312例、生後4日)
*成人の現行の基準値は、 βヒドロキシ酪酸値は85 μmol/L以下。
2015年第18回日本病態栄養学会。宗田医師らの発表。分娩時60検体。
*胎盤組織液の平均βヒドロキシ酪酸値は2235.0μmol/L、臍帯血は平均779.2μmol/L
胎盤のケトン体は成人基準値の約30倍、新生児のケトン体は成人基準値の3~数倍と高値であり、インスリン作用が保たれている限りケトン体は極めて安全な物質です。
宗田医師の研究がもうすぐ論文化される予定ですので、乞うご期待です。
このように大切なケトン体のことを、まるで悪者のように扱う一部の医師には、猛省を促したいですね。
江部康二
たがしゅう先生から、ケトン体に関するわかりやすいコメントをいただきました。
ありがとうございます。
☆☆☆
【16/07/12 たがしゅう
広い視野でケトン体を捉える
江部先生
いつもお世話になっております。
またケトン体の安全性を担保するデータを信頼度の高いものを中心にまとめて頂き有難うございます。おかげさまで頭の中が整理されました。
その中でも宗田先生の研究報告が圧倒的に説得力があると私は思っています。宗田先生の御発表は、糖質制限妊婦だけの話と誤解されがちですが、そうではなくて糖質制限とは無関係に一般の妊婦においても胎児、胎盤、臍帯血のケトン体濃度が高かった事を示しているわけですから。
もしもケトン体が血管に悪いというのなら、ヒトは妊娠の時期からデフォルトで血管に悪い物質をたくさん抱えているのか、というヘンテコな話になってしまいます。
ケトン体を悪くみている医師は言わば「ケトアシドーシスの呪縛」に捉われています。原因と結果をはき違えたまま考えているから本質が見えないのだと思います。
糖尿病診療マスター
2016年6月号(Vol.14 No.6)
特集 食事療法 Revisit
上記の雑誌によれば、山田悟先生が「ケトン体は血管に悪い?」という心配を抱えておられる根拠論文は、いずれも最近早期の動脈硬化を捉える事ができる検査として注目されているFMD(flow mediated dilation; 血流依存性血管拡張反応)という検査について検証したものです。
このFMDという検査、主に上腕をマンシェットで5分程度圧迫して血管にわざと圧力をかけ、解除した時に血管がどのくらい拡がるか、というのをエコー下に計測し、数値化するというものです。
血管の内側を覆う内皮細胞がうまく機能していれば血管圧迫解除後速やかに拡張してくれるのですが、うまく拡張しない場合は内皮細胞の機能低下があるのではないかと考えられています。
内皮細胞の異常は動脈硬化の最初の段階だと考えられており、画像上動脈硬化がまだ見えない段階から内皮の機能を推測できるという点で、この検査は動脈硬化の早期発見に期待されているわけです。
一方でこのFMD、検査自体の信頼度にも問題点が残されている検査でもあります。その辺りは「血管機能の非侵襲的評価法に関するガイドライン Guidelines for non-invasive vascular function test (JCS 2013)」に詳しく書かれています。ネットで無料で閲覧可です。
具体的な問題点としては「分母である血管径基礎値が大きければ、たとえ内皮機能が正常であってもFMDは相対的に低く算出される」ことや「検査機器・手技(測定条件、カフの位置、血管径の測定方法、安静時径・最大拡張径の評価方法)の統一がなされていないこともFMD測定値の普遍性(施設間でのばらつき)に影響する」ことなどが挙げられます。
山田先生の根拠論文はコメント末に示す1)-3)ですが、読んでみるといずれも少人数(8~20名程度)、短期間(6週~2か月)での無作為ランダム化比較試験です。いずれの論文でも「低炭水化物食の方でFMDが低下したから、内皮機能が低下している可能性がある」と結論づけています。
おそらく山田先生に言わせればエビデンスレベル1(無作為ランダム化比較試験)だから信頼できる、ということなのでしょうけど、エビデンスレベル1なら何でもいいのか、と言いたくなります。短期間・少人数過ぎますし、2)の論文に至っては低炭水化物食で5日目に低下したFMDでは、60日目に元に戻っているという結果も提示されていました。
またFMDは捉える対象が早期すぎていろいろな条件で変動するようです。こちらのサイト(http://www.mediacross.jp/FMD/1-10.html)では運動でもFMDが低下する事が示されていますが、それだと「運動は血管に悪い?」という話になってしまいます。本当でしょうか?
いくらエビデンスレベルの高い論文だろうと、もともと信頼性に問題が残る検査で、しかも少人数で短期間で検証したようなものは、そのまま鵜呑みにはできないのではないでしょうか。
それに「木を見て森を見ず」にならないように、ケトン体にまつわる状況を俯瞰でみれば真実がどちらにあるかはすぐにわかります。
ケトン体は・・・
Aにとっては○
Bにとっては○
Cにとっては○
Dにとっては○
Eにとっては○
Fにとっては○
Gにとっては○
・・・
でもZにとっては×
そういう状況であれば、「Zの検証方法が間違っているんじゃないの?」と考えるのが普通ではないかと私は思います。
1) Phillips SA, Jurva JW, Syed AQ, et al(2008) Benent of low-fat over low-carbohydrate diet on endothelial health in obesity. Hypertension 51:376-382
2) Buscemi S, Verga S, Tranchina MR,et al(2009) Effects of hypocaloric very-low-carbohydrate diet vs. Mediterranean diet on endothelial function in obese women. Eur J Clin lnvest 39:339-347
3) Varady KA,Bhutani S,Klempel MC,et al(2011) Improvements in vascular health by a low-fat diet, but not a high-fat diet, are mediated by changes in adipocyte biology. Nutr J 10:8】
2016年07月11日 (月)
【16/07/11 塩田光重
BMIは尺度と出来ますか?
江部先生
ご無沙汰致しております。
3年前に京都洛北に お伺いし診察戴き 大変有難う御座いました。
引き続き断糖食を継続しております。
お忙しいところ誠に恐縮で御座いますが、ご教示戴けましたら幸いに存じます。
①私 出来れば
BMI 22~24
を維持したいのですが、 目標BMIを維持する、この考えは間違いでしょうか?
②断糖食を続けて自然と落ち着く処はBMI
幾ら位になるのでしょうか?個人差が有るのでしょうか?
③私は現在、BMI 20程度が、この三年間 続いています。顔は、頬が少し痩けて見えます。もう少し断糖食事量を増やし頬の感じを改善したいのですが、良いのでしょうか?食事量を増やすとしたら、何のバロメーターを目安とすれば良いのでしょうか? BMI値をバロメーターとして見て、食事量を加減して良いのでしょうか?そもそも、食事量を加減する事でBMIをコントロールする事は可能なのでしょうか?
以上、できますれば ご教示戴きたくお願い申し上げる次第で御座います。
なお、これまでの経過は、20歳頃の体重は48㎏、身長158cm で 痩せていました。数年前 糖尿病発症、直前は54㎏、急激に痩せてきまして、3か月で頬が痩け、腹廻りも落ち50㎏、HbA1c 8.4になりました。江部先生の教えを知り、断糖食に直ちに変え、直ぐにHbA1cは6.0以下に。その後 維持しています。体重は現在50〜51㎏です。
メールで誠に失礼で御座いますが、 ご教示戴きたく宜しくお願い申し上げます。】
こんにちは。
塩田光重さんから、適正体重とBMIについて
コメント・質問を頂きました。
塩田さん、
HbA1c8.4% → その後6.0%以下
素晴らしい改善で、良かったです。
さて、糖質制限食で肥満の人は体重減少しますが、痩せ過ぎの人は体重が増加します。
いずれもその人における適正体重になって落ち着きます。
塩田さんは、現在51kgならBMI:20.4 なので、適正体重の下限くらいです。
1)世界ガン研究基金の報告(2007)では、ガン予防にはBMI:20~25未満 が目標。
2)ランセットの論文では欧米人はBMI:22.5~25 が総死亡率が一番低い。(*)
3)ニューイングランド・ジャーナルの論文では、アジア人はBMI:23~27 が
総死亡率が一番低い。(**)
1)2)3)を考慮すれば、現在痩せすぎの人は、少なくともBMI:20 は確保する方が、安全といえます。
ガン予防も含めると、適正体重はBMI:20~25 くらいで、その個人の一番体調の良い体重が目標です。
私個人は、2002年167cm、67kgでメタボの基準を全て満たしていましたが、半年間のスーパー糖質制限食で、10kgの減量に成功して、そのまま維持して現在にいたります。
現在の167cm、57kgというのは、よく動いていた学生時代の体型であり、体調もいいです。
私においては、『167cm、57kg、BMI:20.4』が適正体重と考えられます。
学生時代や20才のころの体重も、適正体重の一つの目安ですね。
塩田さんも、BMIが20.4で、体調良好なら、今の体重でもOKと思います。
糖質制限食の場合は、カロリー制限はしません。
厚生労働省のいう「推定エネルギー必要量」が目安となります。
もし、推定エネルギー必要量に足りてなければ、必要量を摂取してみましょう。
「日本人の食事摂取基準」(2015年、厚生労働省)
に示す推定エネルギー必要量の範囲、
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000041955.pdf
推定エネルギー必要量(一日あたり)
男性 女性
15-17才 2500 2850 3150 2050 2300 2550kcal
18-29才 2300 2650 3050 1650 1950 2200
30-49才 2300 2650 3050 1750 2000 2300
50-69才 2100 2450 2800 1650 1900 2200
70才 1850 2200 2500 1500 1750 2000
身体活動レベル 低い 普通 高い 低い 普通 高い
(*)
Prospective Studies Collaboration
PSC, Whitlock G, et al. Lancet 2009; 373: 1083–96
(**)
Zheng W, et al.N Engl J Med. 2011 Feb 24;364(8):719-29.
Association between body-mass index and risk of death in more than 1 million Asians.
江部康二
BMIは尺度と出来ますか?
江部先生
ご無沙汰致しております。
3年前に京都洛北に お伺いし診察戴き 大変有難う御座いました。
引き続き断糖食を継続しております。
お忙しいところ誠に恐縮で御座いますが、ご教示戴けましたら幸いに存じます。
①私 出来れば
BMI 22~24
を維持したいのですが、 目標BMIを維持する、この考えは間違いでしょうか?
②断糖食を続けて自然と落ち着く処はBMI
幾ら位になるのでしょうか?個人差が有るのでしょうか?
③私は現在、BMI 20程度が、この三年間 続いています。顔は、頬が少し痩けて見えます。もう少し断糖食事量を増やし頬の感じを改善したいのですが、良いのでしょうか?食事量を増やすとしたら、何のバロメーターを目安とすれば良いのでしょうか? BMI値をバロメーターとして見て、食事量を加減して良いのでしょうか?そもそも、食事量を加減する事でBMIをコントロールする事は可能なのでしょうか?
以上、できますれば ご教示戴きたくお願い申し上げる次第で御座います。
なお、これまでの経過は、20歳頃の体重は48㎏、身長158cm で 痩せていました。数年前 糖尿病発症、直前は54㎏、急激に痩せてきまして、3か月で頬が痩け、腹廻りも落ち50㎏、HbA1c 8.4になりました。江部先生の教えを知り、断糖食に直ちに変え、直ぐにHbA1cは6.0以下に。その後 維持しています。体重は現在50〜51㎏です。
メールで誠に失礼で御座いますが、 ご教示戴きたく宜しくお願い申し上げます。】
こんにちは。
塩田光重さんから、適正体重とBMIについて
コメント・質問を頂きました。
塩田さん、
HbA1c8.4% → その後6.0%以下
素晴らしい改善で、良かったです。
さて、糖質制限食で肥満の人は体重減少しますが、痩せ過ぎの人は体重が増加します。
いずれもその人における適正体重になって落ち着きます。
塩田さんは、現在51kgならBMI:20.4 なので、適正体重の下限くらいです。
1)世界ガン研究基金の報告(2007)では、ガン予防にはBMI:20~25未満 が目標。
2)ランセットの論文では欧米人はBMI:22.5~25 が総死亡率が一番低い。(*)
3)ニューイングランド・ジャーナルの論文では、アジア人はBMI:23~27 が
総死亡率が一番低い。(**)
1)2)3)を考慮すれば、現在痩せすぎの人は、少なくともBMI:20 は確保する方が、安全といえます。
ガン予防も含めると、適正体重はBMI:20~25 くらいで、その個人の一番体調の良い体重が目標です。
私個人は、2002年167cm、67kgでメタボの基準を全て満たしていましたが、半年間のスーパー糖質制限食で、10kgの減量に成功して、そのまま維持して現在にいたります。
現在の167cm、57kgというのは、よく動いていた学生時代の体型であり、体調もいいです。
私においては、『167cm、57kg、BMI:20.4』が適正体重と考えられます。
学生時代や20才のころの体重も、適正体重の一つの目安ですね。
塩田さんも、BMIが20.4で、体調良好なら、今の体重でもOKと思います。
糖質制限食の場合は、カロリー制限はしません。
厚生労働省のいう「推定エネルギー必要量」が目安となります。
もし、推定エネルギー必要量に足りてなければ、必要量を摂取してみましょう。
「日本人の食事摂取基準」(2015年、厚生労働省)
に示す推定エネルギー必要量の範囲、
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000041955.pdf
推定エネルギー必要量(一日あたり)
男性 女性
15-17才 2500 2850 3150 2050 2300 2550kcal
18-29才 2300 2650 3050 1650 1950 2200
30-49才 2300 2650 3050 1750 2000 2300
50-69才 2100 2450 2800 1650 1900 2200
70才 1850 2200 2500 1500 1750 2000
身体活動レベル 低い 普通 高い 低い 普通 高い
(*)
Prospective Studies Collaboration
PSC, Whitlock G, et al. Lancet 2009; 373: 1083–96
(**)
Zheng W, et al.N Engl J Med. 2011 Feb 24;364(8):719-29.
Association between body-mass index and risk of death in more than 1 million Asians.
江部康二
2016年07月10日 (日)
こんばんは。
2016/7/10(日)
朝日カルチャーセンター横浜教室講座のご報告です。
人類最強の「糖質制限」論
ケトン体を味方にして痩せる、健康になる
と題してお話ししましたが、満員御礼の盛況でした。
ブログ読者の皆さんも大勢参加して頂きました。
いつもありがとうございます。
活発な質疑応答もありました。
女性糖尿病患者さんで高雄病院入院もされた方からは、
「糖質制限食半年で髪の毛が黒く回復して、歯周症も改善した」
といううれしいご報告を受けました。
そして、何とあの世界的眼科外科医の深作秀春先生にもご参加頂きました。
講座の前に、ご挨拶して名刺交換したのですが、とても嬉しいサプライズでした。
深作眼科を受診して、初めて糖尿病の診断を受ける患者さんも多いそうです。
そして、その糖尿病の患者さんを糖尿病代謝内科に紹介して治療を開始するとかえって、糖尿病網膜症が悪化することが多く、ずっと疑問に思っておられ、糖質制限食に辿り着かれたとのことでした。
現在、深作眼科では、糖尿病患者さんには糖質制限食を奨めておられ、糖尿病網膜症の経過も良好です。
私も、深作秀春先生という大変強力な味方を得て、嬉しい限りです。
なお、横浜から京都に帰って、参議院選挙に行ってきました。
原子力発電所はできるだけ早く廃止にして欲しいと思っていますので、原発反対の候補と政党に投票しました。
江部康二
☆☆☆
以下は、再掲です。
眼科・深作秀春先生のコメント。糖尿病専門医の治療で網膜症が悪化。
【糖尿病性網膜症を悪化させるもの
いま国際眼科学会講演のためにニューオーリンズに来ています。
当地でも、あらためて江部先生のブログを読んでいます。
江部康二先生の著書を読み、私の患者にも糖質制限食を勧めております。
眼科に糖尿病の自覚が無くて、目がおかしいから来院する方が多いのです。
眼底を見ると糖尿病性網膜症が始まっており、かなり前から糖尿病があったに違いないとわかります。
のどが渇いてやたらと水を飲むとか、よくお小水を出すとか、疲れやすかったとか、いくつも自覚症状があっても、目が悪くなって初めてわかる人が多いのです。
そして、あなたは糖尿病ですねと診断すると、決まって糖尿病なんて言われたことが無いと怪訝そうに言い返します。
血糖が500ぐらいある重症の方でもです。
まだ、糖尿病性網膜症が軽いので、糖尿病内科の専門医に糖尿病治療を委ねましょうと紹介します。
そして、内服薬やインシュリンなどを使って、内科医は急速に血糖を下げようとするのです。
食事療法でカロリー制限もしていますが、糖質のご飯は同様に食べさせています。
つまり、ご飯を食べて高血糖になり、それをインシュリンで無理やり下げると言う「血糖のジェットコースター」状態となります。
その結果1か月もすると、糖尿病性網膜症は良くなるどころか、どんどん悪化しているのです。
私はかなり前から、血糖値の激しい上下の変化やインシュリンが何らかの悪さをして網膜の血管を障害すると思っていました。
その為に、血糖はやや高めで良いから急に下げたり低血糖になったりしないようにと、何回も多くの内科医に依頼しても、彼らは血糖を下げることしか興味がないかの如く急速に下げようとします。
糖尿病性網膜症は増殖膜変化で網膜剥離を起こし失明に繋がる病気ですが、この増殖膜変化はどうも内科医の糖尿病治療の後に増加しているのです。
血糖値の激しい上下やインシュリンの何らかの作用で血管壁が破けて出血し、それが新生血管や増殖膜変化になっているのはまず間違いないと思います。
つまり、内科医の治療によって糖尿病性網膜症は悪化させられているとしか思えないのです。
さらに、日本には優秀な眼科外科医がほとんどいないために、増殖性網膜症による網膜剥離は、大学病院や総合病院のような研修施設で手術すると、ほとんどが手術がうまくいかずに失明させられています。
増殖性網膜症での網膜剥離は、研修病院での手に負える代物ではないのです。
これは研修対処から外し、我々のような海外でも研鑽したり競争して勝ち抜いたような専門家の手術に任せるべきだと思います。
内科的な糖尿病コントロールは糖質制限でやり、運悪くすでに増殖性変化が進んで網膜剥離になった患者は、我々のような専門家に任せて小切開での硝子体手術で必ず治すのが、現代での理想のような気がします。
それにしても、毎日毎日、糖尿病により網膜症を起こし、硝子体出血、網膜剥離になった患者さんが全国より来ます。
これ以上増やさないためにも、糖質制限、ケトン体栄養生活を広めて頂きたいと思います。
深作 秀春】
こんばんは。
世界的眼科外科医の深作秀春先生から、2016/5/7、あらてつさんのブログにコメントを頂きました。
大変、興味深い重要な内容なので、本ブログで取り上げて記事にさせて頂きました。
深作秀春先生、事後承諾で誠に申し訳ありませんが、何卒ご容赦のほどお願い申し上げます。
深作先生、拙著やブログをお読みいただきありがとうございます。
また、糖尿病患者さんへ糖質制限食を勧めて頂いて、嬉しい限りであり強い味方を得た思いです。
『まだ、糖尿病性網膜症が軽いので、糖尿病内科の専門医に糖尿病治療を委ねましょうと紹介します。
そして、内服薬やインシュリンなどを使って、内科医は急速に血糖を下げようとするのです。
食事療法でカロリー制限もしていますが、糖質のご飯は同様に食べさせています。
つまり、ご飯を食べて高血糖になり、それをインシュリンで無理やり下げると言う「血糖のジェットコースター」状態となります。
その結果1か月もすると、糖尿病性網膜症は良くなるどころか、どんどん悪化しているのです。』
歯に衣を着せぬ貴重なご意見です。
患者さんサイドに立つ眼科医からも同様の意見を聞きます。
内科の糖尿病専門医に通院しているのに、一旦糖尿病網膜症になったら、基本的に一方通行で、合併症は進行していくそうです。
それが、糖質制限食を実践した糖尿病網膜症患者さんにおいて、進行がぴったり止まり、改善傾向も見られたということで、最初はびっくりしたそうです。
「血糖のジェットコースター」状態(平均血糖変動幅増大)と「食後高血糖」を防ぐことができるのは糖質制限食だけです。
<カロリー制限・高糖質食(従来の糖尿病食)+薬物療法(インスリンや内服薬)>では、深作先生の仰るように「食後高血糖」「平均血糖変動幅増大」は決して防げず、酸化ストレスのリスクとなり、網膜症の進行を止めることはできません。血糖値に直接影響を与えるのは、糖質だけなのです。
『私はかなり前から、血糖値の激しい上下の変化やインシュリンが何らかの悪さをして網膜の血管を障害すると思っていました。
その為に、血糖はやや高めで良いから急に下げたり低血糖になったりしないようにと、何回も多くの内科医に依頼しても、彼らは血糖を下げることしか興味がないかの如く急速に下げようとします。』
糖尿病専門医は、臨床現場では「空腹時血糖値とHbA1c」を血糖コントロール評価の基準にしているので「食後高血糖」や「平均血糖変動幅増大」という最大のリスクを本気でチェックしていないのが現状なのです。
糖尿病専門医がせめてグリコアルブミン(GA)を検査してくれれば、質の悪いHbA1cを見つけ出すことができるのですが、現実には行われていません。
『糖尿病性網膜症は増殖膜変化で網膜剥離を起こし失明に繋がる病気ですが、この増殖膜変化はどうも内科医の糖尿病治療の後に増加しているのです。
血糖値の激しい上下やインシュリンの何らかの作用で血管壁が破けて出血し、それが新生血管や増殖膜変化になっているのはまず間違いないと思います。
つまり、内科医の治療によって糖尿病性網膜症は悪化させられているとしか思えないのです。』
<高糖質食+薬物治療(インスリンや内服薬)>という糖尿専門医のワンパターンの治療では、「食後高血糖」や「平均血糖変動幅増大」は必ず生じ、酸化ストレスリスクがどんどん増大します。
酸化ストレスが増大すると細小血管の病変に悪影響を及ぼし出血もありえると思います。
また細小血管すなわち毛細血管は一層の内皮細胞とそれをとり巻く周皮細胞から構成されていますが、高血糖によるAGEsの形成は、細小血管の周皮細胞も内皮細胞も共に障害します。
これらの理由で、糖尿病専門医の治療によって、糖尿病網膜症がかえって悪化するのだと考えられます。
『日本には優秀な眼科外科医がほとんどいないために、増殖性網膜症による網膜剥離は、大学病院や総合病院のような研修施設で手術すると、ほとんどが手術がうまくいかずに失明させられています。
増殖性網膜症での網膜剥離は、研修病院での手に負える代物ではないのです。
これは研修対象から外し、我々のような海外でも研鑽したり競争して勝ち抜いたような専門家の手術に任せるべきだと思います。』
仰る通りと思います。
そうでないと、糖尿病による増殖性網膜症の患者さんに被害者が続出してしまいます。
『内科的な糖尿病コントロールは糖質制限でやり、運悪くすでに増殖性変化が進んで網膜剥離になった患者は、我々のような専門家に任せて小切開での硝子体手術で必ず治すのが、現代での理想のような気がします。』
こちらも、仰る通りと思います。
『それにしても、毎日毎日、糖尿病により網膜症を起こし、硝子体出血、網膜剥離になった患者さんが全国より来ます。
これ以上増やさないためにも、糖質制限、ケトン体栄養生活を広めて頂きたいと思います。』
この事実は現実に、日本糖尿病学会主導による従来の糖尿病治療(高糖質食+薬物療法)が、まったく上手くいっていない動かぬ証拠と言えます。
少しでも早く糖質制限食の有効性と安全性を医学界に啓蒙していき、従来の糖尿病食(合併症製造食)からの脱却を目指さないと日本の糖尿人が可哀想過ぎます。
2016年01月19日 (火)の本ブログ記事
「眼科外科医の糖質制限食。世界的眼科外科医の深作秀春先生からコメント頂きました。」
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-3662.html
もご参照頂けば幸いです。
江部康二
2016/7/10(日)
朝日カルチャーセンター横浜教室講座のご報告です。
人類最強の「糖質制限」論
ケトン体を味方にして痩せる、健康になる
と題してお話ししましたが、満員御礼の盛況でした。
ブログ読者の皆さんも大勢参加して頂きました。
いつもありがとうございます。
活発な質疑応答もありました。
女性糖尿病患者さんで高雄病院入院もされた方からは、
「糖質制限食半年で髪の毛が黒く回復して、歯周症も改善した」
といううれしいご報告を受けました。
そして、何とあの世界的眼科外科医の深作秀春先生にもご参加頂きました。
講座の前に、ご挨拶して名刺交換したのですが、とても嬉しいサプライズでした。
深作眼科を受診して、初めて糖尿病の診断を受ける患者さんも多いそうです。
そして、その糖尿病の患者さんを糖尿病代謝内科に紹介して治療を開始するとかえって、糖尿病網膜症が悪化することが多く、ずっと疑問に思っておられ、糖質制限食に辿り着かれたとのことでした。
現在、深作眼科では、糖尿病患者さんには糖質制限食を奨めておられ、糖尿病網膜症の経過も良好です。
私も、深作秀春先生という大変強力な味方を得て、嬉しい限りです。
なお、横浜から京都に帰って、参議院選挙に行ってきました。
原子力発電所はできるだけ早く廃止にして欲しいと思っていますので、原発反対の候補と政党に投票しました。
江部康二
☆☆☆
以下は、再掲です。
眼科・深作秀春先生のコメント。糖尿病専門医の治療で網膜症が悪化。
【糖尿病性網膜症を悪化させるもの
いま国際眼科学会講演のためにニューオーリンズに来ています。
当地でも、あらためて江部先生のブログを読んでいます。
江部康二先生の著書を読み、私の患者にも糖質制限食を勧めております。
眼科に糖尿病の自覚が無くて、目がおかしいから来院する方が多いのです。
眼底を見ると糖尿病性網膜症が始まっており、かなり前から糖尿病があったに違いないとわかります。
のどが渇いてやたらと水を飲むとか、よくお小水を出すとか、疲れやすかったとか、いくつも自覚症状があっても、目が悪くなって初めてわかる人が多いのです。
そして、あなたは糖尿病ですねと診断すると、決まって糖尿病なんて言われたことが無いと怪訝そうに言い返します。
血糖が500ぐらいある重症の方でもです。
まだ、糖尿病性網膜症が軽いので、糖尿病内科の専門医に糖尿病治療を委ねましょうと紹介します。
そして、内服薬やインシュリンなどを使って、内科医は急速に血糖を下げようとするのです。
食事療法でカロリー制限もしていますが、糖質のご飯は同様に食べさせています。
つまり、ご飯を食べて高血糖になり、それをインシュリンで無理やり下げると言う「血糖のジェットコースター」状態となります。
その結果1か月もすると、糖尿病性網膜症は良くなるどころか、どんどん悪化しているのです。
私はかなり前から、血糖値の激しい上下の変化やインシュリンが何らかの悪さをして網膜の血管を障害すると思っていました。
その為に、血糖はやや高めで良いから急に下げたり低血糖になったりしないようにと、何回も多くの内科医に依頼しても、彼らは血糖を下げることしか興味がないかの如く急速に下げようとします。
糖尿病性網膜症は増殖膜変化で網膜剥離を起こし失明に繋がる病気ですが、この増殖膜変化はどうも内科医の糖尿病治療の後に増加しているのです。
血糖値の激しい上下やインシュリンの何らかの作用で血管壁が破けて出血し、それが新生血管や増殖膜変化になっているのはまず間違いないと思います。
つまり、内科医の治療によって糖尿病性網膜症は悪化させられているとしか思えないのです。
さらに、日本には優秀な眼科外科医がほとんどいないために、増殖性網膜症による網膜剥離は、大学病院や総合病院のような研修施設で手術すると、ほとんどが手術がうまくいかずに失明させられています。
増殖性網膜症での網膜剥離は、研修病院での手に負える代物ではないのです。
これは研修対処から外し、我々のような海外でも研鑽したり競争して勝ち抜いたような専門家の手術に任せるべきだと思います。
内科的な糖尿病コントロールは糖質制限でやり、運悪くすでに増殖性変化が進んで網膜剥離になった患者は、我々のような専門家に任せて小切開での硝子体手術で必ず治すのが、現代での理想のような気がします。
それにしても、毎日毎日、糖尿病により網膜症を起こし、硝子体出血、網膜剥離になった患者さんが全国より来ます。
これ以上増やさないためにも、糖質制限、ケトン体栄養生活を広めて頂きたいと思います。
深作 秀春】
こんばんは。
世界的眼科外科医の深作秀春先生から、2016/5/7、あらてつさんのブログにコメントを頂きました。
大変、興味深い重要な内容なので、本ブログで取り上げて記事にさせて頂きました。
深作秀春先生、事後承諾で誠に申し訳ありませんが、何卒ご容赦のほどお願い申し上げます。
深作先生、拙著やブログをお読みいただきありがとうございます。
また、糖尿病患者さんへ糖質制限食を勧めて頂いて、嬉しい限りであり強い味方を得た思いです。
『まだ、糖尿病性網膜症が軽いので、糖尿病内科の専門医に糖尿病治療を委ねましょうと紹介します。
そして、内服薬やインシュリンなどを使って、内科医は急速に血糖を下げようとするのです。
食事療法でカロリー制限もしていますが、糖質のご飯は同様に食べさせています。
つまり、ご飯を食べて高血糖になり、それをインシュリンで無理やり下げると言う「血糖のジェットコースター」状態となります。
その結果1か月もすると、糖尿病性網膜症は良くなるどころか、どんどん悪化しているのです。』
歯に衣を着せぬ貴重なご意見です。
患者さんサイドに立つ眼科医からも同様の意見を聞きます。
内科の糖尿病専門医に通院しているのに、一旦糖尿病網膜症になったら、基本的に一方通行で、合併症は進行していくそうです。
それが、糖質制限食を実践した糖尿病網膜症患者さんにおいて、進行がぴったり止まり、改善傾向も見られたということで、最初はびっくりしたそうです。
「血糖のジェットコースター」状態(平均血糖変動幅増大)と「食後高血糖」を防ぐことができるのは糖質制限食だけです。
<カロリー制限・高糖質食(従来の糖尿病食)+薬物療法(インスリンや内服薬)>では、深作先生の仰るように「食後高血糖」「平均血糖変動幅増大」は決して防げず、酸化ストレスのリスクとなり、網膜症の進行を止めることはできません。血糖値に直接影響を与えるのは、糖質だけなのです。
『私はかなり前から、血糖値の激しい上下の変化やインシュリンが何らかの悪さをして網膜の血管を障害すると思っていました。
その為に、血糖はやや高めで良いから急に下げたり低血糖になったりしないようにと、何回も多くの内科医に依頼しても、彼らは血糖を下げることしか興味がないかの如く急速に下げようとします。』
糖尿病専門医は、臨床現場では「空腹時血糖値とHbA1c」を血糖コントロール評価の基準にしているので「食後高血糖」や「平均血糖変動幅増大」という最大のリスクを本気でチェックしていないのが現状なのです。
糖尿病専門医がせめてグリコアルブミン(GA)を検査してくれれば、質の悪いHbA1cを見つけ出すことができるのですが、現実には行われていません。
『糖尿病性網膜症は増殖膜変化で網膜剥離を起こし失明に繋がる病気ですが、この増殖膜変化はどうも内科医の糖尿病治療の後に増加しているのです。
血糖値の激しい上下やインシュリンの何らかの作用で血管壁が破けて出血し、それが新生血管や増殖膜変化になっているのはまず間違いないと思います。
つまり、内科医の治療によって糖尿病性網膜症は悪化させられているとしか思えないのです。』
<高糖質食+薬物治療(インスリンや内服薬)>という糖尿専門医のワンパターンの治療では、「食後高血糖」や「平均血糖変動幅増大」は必ず生じ、酸化ストレスリスクがどんどん増大します。
酸化ストレスが増大すると細小血管の病変に悪影響を及ぼし出血もありえると思います。
また細小血管すなわち毛細血管は一層の内皮細胞とそれをとり巻く周皮細胞から構成されていますが、高血糖によるAGEsの形成は、細小血管の周皮細胞も内皮細胞も共に障害します。
これらの理由で、糖尿病専門医の治療によって、糖尿病網膜症がかえって悪化するのだと考えられます。
『日本には優秀な眼科外科医がほとんどいないために、増殖性網膜症による網膜剥離は、大学病院や総合病院のような研修施設で手術すると、ほとんどが手術がうまくいかずに失明させられています。
増殖性網膜症での網膜剥離は、研修病院での手に負える代物ではないのです。
これは研修対象から外し、我々のような海外でも研鑽したり競争して勝ち抜いたような専門家の手術に任せるべきだと思います。』
仰る通りと思います。
そうでないと、糖尿病による増殖性網膜症の患者さんに被害者が続出してしまいます。
『内科的な糖尿病コントロールは糖質制限でやり、運悪くすでに増殖性変化が進んで網膜剥離になった患者は、我々のような専門家に任せて小切開での硝子体手術で必ず治すのが、現代での理想のような気がします。』
こちらも、仰る通りと思います。
『それにしても、毎日毎日、糖尿病により網膜症を起こし、硝子体出血、網膜剥離になった患者さんが全国より来ます。
これ以上増やさないためにも、糖質制限、ケトン体栄養生活を広めて頂きたいと思います。』
この事実は現実に、日本糖尿病学会主導による従来の糖尿病治療(高糖質食+薬物療法)が、まったく上手くいっていない動かぬ証拠と言えます。
少しでも早く糖質制限食の有効性と安全性を医学界に啓蒙していき、従来の糖尿病食(合併症製造食)からの脱却を目指さないと日本の糖尿人が可哀想過ぎます。
2016年01月19日 (火)の本ブログ記事
「眼科外科医の糖質制限食。世界的眼科外科医の深作秀春先生からコメント頂きました。」
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-3662.html
もご参照頂けば幸いです。
江部康二
2016年07月10日 (日)
こんにちは。
4月20日のブログ記事で紹介しました、私が監修して完成した糖質制限ミックス粉、京都江部粉の家庭用、
お家de簡単♪糖質制限 ミックス粉
https://www.toushitsuseigen.com/products/detail140.html
販売している糖質制限ドットコムのあらてつさんによると、想像していた以上の売れ行きだそうで、監修した身としては、嬉しい限りです(^o^)
糖質制限食の広がりと共に、ご自分で糖質制限パンを焼かれる方も増え、いろいろなレシピがネット上に公開されています。
私の患者さんもレシピを参考にパンを焼かれるのですが、どうもうまく膨らみませんと皆さん仰います。
グルテンをベースにしたパンは少し慣れが必要なので、最初のうちは難しいかも知れませんね(^_^;)
実は、以前から家で簡単にパンが焼けるミックス粉を出して欲しいとリクエストを多数頂いておりました。
そこで、業務用の京都江部粉を、どなたでもご家庭でカンタンに糖質制限パンを焼いて頂ける家庭用のミックス粉に改良しました。
それが前回ご紹介した

お家de簡単♪糖質制限 ミックス粉
https://www.toushitsuseigen.com/products/detail140.html
です。
ベースになった京都江部粉ですが、糖質制限ドットコムのあらてつさんによりますと…
「特に多いのが、「京都江部粉ってナニ?」という、もっとも基本的(笑)な質問でして、まあ、一口に言えば粉なので、「粉です」とお答えすれば手っ取り早いのですが、それでは身も蓋もないので解説致します。
『京都江部粉とは、ABS株式会社のマジック粉部長こと、私Sが開発した糖質制限ミックス粉で、麺用、パン用とあり、汎用性が高く、麺・パンだけでなく様々なものが作れるのが特徴です。
もちろん、パッチもん屋のミックス粉のように、表記してある以上に血糖値が上がったり、糖質量が倍違う商品企画書が後から出てくるなどといったことはありません。
江部康二先生が人体実験を繰り返して完成した、正に血と汗の結晶と言えるミックス粉です。』
by ABS株式会社 マジック粉部長
これ以上の詳細は、私も聞かされておりません(笑)
こちらがそのマジック粉部長。

因みに、私ども糖質制限ドットコムで販売している
おいしい糖質制限パン
http://www.toushitsuseigen.com/products/detail6.html
おいしい糖質制限食パン
http://www.toushitsuseigen.com/products/detail72.html
ローカーボ山型食パン
http://www.toushitsuseigen.com/products/detail7.html
おいしい糖質制限シナモンパン
http://www.toushitsuseigen.com/products/detail8.html
糖質制限 PIZZA
http://www.toushitsuseigen.com/products/detail69.html
は、全て 京都江部粉パン用ミックス粉を、
糖質制限 うどん/そば粉入り麺
http://www.toushitsuseigen.com/products/detail47.html
糖質制限 中華麺
http://www.toushitsuseigen.com/products/detail77.html
糖質制限 パスタ
http://www.toushitsuseigen.com/products/detail46.html
は、京都江部粉麺用ミックス粉を使っております。
さらに因みに、
カフェ・ハルディン
http://www008.upp.so-net.ne.jp/cafejardin/home.html
ドルチェ&パスタ ピキタン
http://dolcepastapichitan.web.fc2.com/pichitan.html
のパン、麺、スイーツも京都江部粉パン用&麺用ミックス粉を使った手作りです。
利野先生の
天然酵母のパン教室 アタサンテ
http://a-ta-sante.com/
では、
京都江部粉・麺ミックスで『水ナスの花山椒風味のマリネ』
京都江部粉・麺ミックスで『担々麺』
京都江部粉・麺ミックスで『カレーうどん』
京都江部粉麺ミックスで『三色素麺』
京都江部粉・パンミックスで『シフォンケーキ』
などなど、様々なメニューにチャレンジされ、京都江部粉の汎用性の高さを示して頂いてます。
今後、京都江部粉パン用&麺用ミックス粉を使用した、カフェ・ハルディン開発の新商品や、ドルチェ&パスタ ピキタン開発の新商品の発売、利野先生のパン教室&料理教室をどんどん開催していく予定なので、これからの京都江部粉にご期待ください。」
とのことです。
Ⅰ型糖尿病+管理栄養士Cocoroの糖質制限Blog
http://cocolowcarb.blog.fc2.com/
のCocoroちゃんとカフェ・ハルディンの宮本マスターの料理教室でも、もちろん「お家de簡単♪糖質制限 ミックス粉」を使っております。
Cocoroちゃんによりますと、今後、関東でも料理教室を開催したいとのことなので、関東方面の読者の皆さん、乞うご期待です\(^o^)/
江部康二
お家de簡単♪糖質制限 ミックス粉の詳細とお求めはこちらから
↓ ↓ ↓
お家de簡単♪糖質制限 ミックス粉
https://www.toushitsuseigen.com/products/detail140.html
4月20日のブログ記事で紹介しました、私が監修して完成した糖質制限ミックス粉、京都江部粉の家庭用、
お家de簡単♪糖質制限 ミックス粉
https://www.toushitsuseigen.com/products/detail140.html
販売している糖質制限ドットコムのあらてつさんによると、想像していた以上の売れ行きだそうで、監修した身としては、嬉しい限りです(^o^)
糖質制限食の広がりと共に、ご自分で糖質制限パンを焼かれる方も増え、いろいろなレシピがネット上に公開されています。
私の患者さんもレシピを参考にパンを焼かれるのですが、どうもうまく膨らみませんと皆さん仰います。
グルテンをベースにしたパンは少し慣れが必要なので、最初のうちは難しいかも知れませんね(^_^;)
実は、以前から家で簡単にパンが焼けるミックス粉を出して欲しいとリクエストを多数頂いておりました。
そこで、業務用の京都江部粉を、どなたでもご家庭でカンタンに糖質制限パンを焼いて頂ける家庭用のミックス粉に改良しました。
それが前回ご紹介した

お家de簡単♪糖質制限 ミックス粉
https://www.toushitsuseigen.com/products/detail140.html
です。
ベースになった京都江部粉ですが、糖質制限ドットコムのあらてつさんによりますと…
「特に多いのが、「京都江部粉ってナニ?」という、もっとも基本的(笑)な質問でして、まあ、一口に言えば粉なので、「粉です」とお答えすれば手っ取り早いのですが、それでは身も蓋もないので解説致します。
『京都江部粉とは、ABS株式会社のマジック粉部長こと、私Sが開発した糖質制限ミックス粉で、麺用、パン用とあり、汎用性が高く、麺・パンだけでなく様々なものが作れるのが特徴です。
もちろん、パッチもん屋のミックス粉のように、表記してある以上に血糖値が上がったり、糖質量が倍違う商品企画書が後から出てくるなどといったことはありません。
江部康二先生が人体実験を繰り返して完成した、正に血と汗の結晶と言えるミックス粉です。』
by ABS株式会社 マジック粉部長
これ以上の詳細は、私も聞かされておりません(笑)
こちらがそのマジック粉部長。

因みに、私ども糖質制限ドットコムで販売している
おいしい糖質制限パン
http://www.toushitsuseigen.com/products/detail6.html
おいしい糖質制限食パン
http://www.toushitsuseigen.com/products/detail72.html
ローカーボ山型食パン
http://www.toushitsuseigen.com/products/detail7.html
おいしい糖質制限シナモンパン
http://www.toushitsuseigen.com/products/detail8.html
糖質制限 PIZZA
http://www.toushitsuseigen.com/products/detail69.html
は、全て 京都江部粉パン用ミックス粉を、
糖質制限 うどん/そば粉入り麺
http://www.toushitsuseigen.com/products/detail47.html
糖質制限 中華麺
http://www.toushitsuseigen.com/products/detail77.html
糖質制限 パスタ
http://www.toushitsuseigen.com/products/detail46.html
は、京都江部粉麺用ミックス粉を使っております。
さらに因みに、
カフェ・ハルディン
http://www008.upp.so-net.ne.jp/cafejardin/home.html
ドルチェ&パスタ ピキタン
http://dolcepastapichitan.web.fc2.com/pichitan.html
のパン、麺、スイーツも京都江部粉パン用&麺用ミックス粉を使った手作りです。
利野先生の
天然酵母のパン教室 アタサンテ
http://a-ta-sante.com/
では、
京都江部粉・麺ミックスで『水ナスの花山椒風味のマリネ』
京都江部粉・麺ミックスで『担々麺』
京都江部粉・麺ミックスで『カレーうどん』
京都江部粉麺ミックスで『三色素麺』
京都江部粉・パンミックスで『シフォンケーキ』
などなど、様々なメニューにチャレンジされ、京都江部粉の汎用性の高さを示して頂いてます。
今後、京都江部粉パン用&麺用ミックス粉を使用した、カフェ・ハルディン開発の新商品や、ドルチェ&パスタ ピキタン開発の新商品の発売、利野先生のパン教室&料理教室をどんどん開催していく予定なので、これからの京都江部粉にご期待ください。」
とのことです。
Ⅰ型糖尿病+管理栄養士Cocoroの糖質制限Blog
http://cocolowcarb.blog.fc2.com/
のCocoroちゃんとカフェ・ハルディンの宮本マスターの料理教室でも、もちろん「お家de簡単♪糖質制限 ミックス粉」を使っております。
Cocoroちゃんによりますと、今後、関東でも料理教室を開催したいとのことなので、関東方面の読者の皆さん、乞うご期待です\(^o^)/
江部康二
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お家de簡単♪糖質制限 ミックス粉
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2016年07月09日 (土)
【本ブログのコメント・質問・記事に関するお願い】
ブログ読者の皆さんには、いつもコメントいただき、ありがとうございます。
糖質制限食に関する質問についてですが、実際に高雄病院や江部診療所に来院されて診察した患者さんに対しては、
医師としての責任・債務がありますので、個別に説明もしっかりさせて頂いていますし、フォローもしております。
一方、ブログ読者の皆さんの質問に関しては、糖質制限食に詳しい医師として、ボランティアで回答させていただいています。
診察もしておりませんしフォローもできませんので、責任もとれません。
私の回答は、あくまでも一般論としての参考意見とお考え頂けば幸いです。
また、ブログ記事や本に関しても同様に、糖質制限食に関する一般論としての参考意見とお考え下さい。
従いまして、読者の皆さんが私の参考意見を読まれて、どのように利用されるかは、
自己責任でよろしくお願い申し上げます。m(_ _)m
そして読者の皆さんからもご意見いただきましたが、普通のお医者さんに相談可能な個人的な内容の質問は、ご自分の主治医にご相談頂けば助かります。
またネットで簡単に検索可能なことは、ご自分でお調べください。
質問が増えてきましたので、糖質制限食と関わりがないと判断した質問にはお答えできない場合もありますので、
ご了承ください。m(_ _)m
普通のお医者さんでは解答不能の、糖質制限食に関わる質問は、何でもどんどんしていただけば嬉しいです。 (^_^)
掲載OKの質問に関して、読者の皆さんに共有していただきたい情報の場合は、ブログ本文記事にて、
できるだけ順番にお答えしたいと思います。
質問によっては、コメント欄でお早めにお答えする場合もありますのでご了承ください。
一方、質問がかなり増えてきていますので、なかなか即、お答えすることが困難となってきています。
糖質制限食に関わりのある全ての質問に、本文かコメントでお答えするようできるだけ努力はしていますが、
できないときはご容赦願います。m(_ _)m
【糖質制限食を実践される時のご注意】
糖質制限食実践によりリアルタイムに血糖値が改善します。
このため既に、経口血糖降下剤(オイグルコン、アマリールなど)の内服やインスリン注射をしておられる糖尿人は、
減薬しないと低血糖の心配がありますので必ず主治医と相談して頂きたいと思います。
一方、薬を使用してない糖尿人やメタボ人は、低血糖の心配はほとんどないので、
自力で糖質制限食を実践して糖尿病やメタボ改善を目指していただけば幸いです。
内服薬やインスリン注射なしの糖尿人が糖質制限食を実践すると、食後高血糖は改善しますが、低血糖にはなりません。
血糖値が正常範囲である程度下がると、肝臓でアミノ酸・乳酸・グリセロール(脂肪の分解物)などから、ブドウ糖を作るからです。
これを糖新生といいます。
診断基準を満たす膵炎がある場合、肝硬変の場合、そして長鎖脂肪酸代謝異常症は、
糖質制限食は適応となりませんのでご注意ください。
糖質制限食は相対的に高脂肪食になるので、診断基準を満たしている膵炎の患者さんには適応とならないのです。
進行した肝硬変では、糖新生能力が低下しているため適応となりません。
長鎖脂肪酸代謝異常症では、肉や魚などに含まれる長鎖脂肪酸が上手く利用できないので、適応となりません。
腎機能に関して、日本腎臓病学会編「CKD診療ガイド2013」において、eGFR60ml/分以上あれば顕性たんぱく尿の段階でも、
たんぱく質は過剰な摂取をしないという表現となっていて、制限という記載はなしです。
従いまして、糖尿病腎症第3期でも、eGFR60ml/分以上なら、糖質制限食OKです。
また、米国糖尿病学会(ADA)は
Position Statement on Nutrition Therapy(栄養療法に関する声明)
Diabetes Care 2013年10月9日オンライン版
において、糖尿病腎症患者に対する蛋白質制限の意義を明確に否定しました。
根拠はランク(A)ですので、信頼度の高いRCT研究論文に基づく見解です。
今後は、糖尿病腎症第3期以降で、eGFRが60ml/分未満の場合も、患者さんとよく相談して、糖質制限食を実践するか否か、
個別に対応することとなります。
なお、機能性低血糖症の場合、炭水化物依存症レベルが重症のとき、糖新生能力が低下していることがあり、
まれに低血糖症を生じますので注意が必要です。
また、どのような食事療法でも合う合わないがあります。
糖質制限食もその一つですので、合わないとご自分で判断されたら中止していただけば幸いです。
【糖質制限食とは】
米国糖尿病協会(ADA)の患者教育用のテキストブックLife With Diabetes(2004年版)には、以下の記載があります。
「摂取後直接血糖に影響を与えるのは糖質のみである。
糖質は速やかに吸収され、直接100%血糖に変わり、ほぼ120分以内に吸収は終了する。
蛋白質・脂質は、摂取後、直接血糖に影響を及ぼすことはない。
『炭水化物・タンパク質・脂肪はカロリーを含有している。
炭水化物だけが、血糖値に直接影響を及ぼす。』」
これらは含有エネルギーとは無関係な三大栄養素の生理学的特質です。
1997年版のLife With Diabetes(ADA刊行)では、
「タンパク質は約半分が血糖に変わり、脂質は10%未満が血糖に変わる」
という記載がありましたが、2004年版以降は変更されています。
このように糖質、脂質、タンパク質のうち糖質だけが直接、血糖値を上昇させます。
従って、糖質を摂取した時にはインスリンが大量に追加分泌されます。
脂質を摂取しても、インスリンの追加分泌はありません。
タンパク質はごく少量のインスリンを追加分泌させます。
現在糖尿病において、食後の急激な高血糖(グルコーススパイク)が大きな問題として注目されています。
食後高血糖が、心筋梗塞や脳梗塞などの合併症を起こす危険因子として確立されたからです。
また一日における、食前・食後・空腹時など血糖値の変動幅(平均血糖変動幅)が大きいほど、
酸化ストレスが増強し動脈硬化のリスクとなることがわかってきました。
そして、食後高血糖と平均血糖変動幅増大を起こすのは、三大栄養素のなかで糖質だけなのです。
1gの糖質が、体重64kgの2型糖尿病の人の血糖値を約3mg上昇させます。
炊いた白ご飯茶碗1杯150g(252kcal)には、55.3gの糖質が含まれており、血糖値を166mg上昇させます。
一方、和牛サーロインステーキ(脂身つき)を200g(約1000キロカロリー)食べても、
糖質含有量は1gもないので、食後血糖は3mg未満の上昇しかないのです。
なお、1gの糖質が体重64kgの1型糖尿病の人の血糖値を5mg上昇させます。
糖質制限食の基本的な考え方は、上述のような生理学的事実をベースに、
できるだけ糖質の摂取を低く抑えて、食後高血糖を防ぐというものです。
簡単に言えば、主食を抜いておかずばかり食べるというイメージになります。
抜く必要がある主食とは 、米飯・めん類・パンなどの米・麦製品や芋類など糖質が主成分のものです。
3食主食抜きのスーパー糖質制限食(糖質12%、タンパク質32%、脂質56%)なら、
薬に頼ることなく速やかにリアルタイムで良好な血糖コントロールが可能です。
一方、上述の白ご飯とステーキの例でも明らかなように、
カロリー計算に基づいて血糖値をコントロールすることは理論的に不可能です。
従って、現行の日本糖尿病学会推薦の糖尿病食(糖質60%、タンパク質20%、脂質20%)を実践する限りは、
一日の摂取カロリーを1200キロカロリーと低く抑えたとしても、食後高血糖が必ず生じるのです。
糖尿病の改善には、カロリー制限より糖質制限ということがおわかりいただけたと思います。
なお糖質制限食は、カロリー無制限ということではありません。
日本糖尿病学会「糖尿病治療ガイド2014-2015」の
男性1400~2000kcal
女性1200~1800kcal
ほど厳しいカロリー制限は必要ありませんが、
「日本人の食事摂取基準」(2015年、厚生労働省)
に示す推定エネルギー必要量の範囲、
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000041955.pdf
推定エネルギー必要量(一日あたり)
男性 女性
15-17才 2500 2850 3150 2050 2300 2550kcal
18-29才 2300 2650 3050 1650 1950 2200
30-49才 2300 2650 3050 1750 2000 2300
50-69才 2100 2450 2800 1650 1900 2200
70才 1850 2200 2500 1500 1750 2000
身体活動レベル 低い 普通 高い 低い 普通 高い
くらいが目安です。
そして2013年に糖尿病食事療法に関して画期的な変化がありました。
米国糖尿病学会が、
2013年10月発表の『栄養療法に関する声明』において、
全ての糖尿病患者に適した唯一無二の治療食は存在しないと明記したのです。
これはそのまま、1969年の食品交換表第2版以降一貫して、糖尿病治療食として、
唯一無二の「カロリー制限・高糖質食」を推奨し続けている日本糖尿病学会への痛烈な批判となっています。
さらに、米国糖尿病学会は『栄養療法に関する声明2013』において地中海食、ベジタリアン食、DASH食、低脂質食などと共に
「糖質制限食」も正式に受容しました。
このことは糖質制限食を推進する私達にとって、大変大きな追い風となりました。
さらに
2016年7月1日号の東洋経済オンラインhttp://toyokeizai.net/articles/-/125237
において、
門脇孝日本糖尿病学会理事長が、個人的立場としたうえで、
「糖質の量を4割程度(1日150g以下)に抑える緩やかな糖質制限食は推奨できる。」とし、
「東大病院でも2015年4月から糖質40%というメニューを提供している」と述べられ、
ご自身も糖質制限食を実践中とのことでした。
まさに今昔の感ありで、嬉しい意味での衝撃でした。
江部康二
ブログ読者の皆さんには、いつもコメントいただき、ありがとうございます。
糖質制限食に関する質問についてですが、実際に高雄病院や江部診療所に来院されて診察した患者さんに対しては、
医師としての責任・債務がありますので、個別に説明もしっかりさせて頂いていますし、フォローもしております。
一方、ブログ読者の皆さんの質問に関しては、糖質制限食に詳しい医師として、ボランティアで回答させていただいています。
診察もしておりませんしフォローもできませんので、責任もとれません。
私の回答は、あくまでも一般論としての参考意見とお考え頂けば幸いです。
また、ブログ記事や本に関しても同様に、糖質制限食に関する一般論としての参考意見とお考え下さい。
従いまして、読者の皆さんが私の参考意見を読まれて、どのように利用されるかは、
自己責任でよろしくお願い申し上げます。m(_ _)m
そして読者の皆さんからもご意見いただきましたが、普通のお医者さんに相談可能な個人的な内容の質問は、ご自分の主治医にご相談頂けば助かります。
またネットで簡単に検索可能なことは、ご自分でお調べください。
質問が増えてきましたので、糖質制限食と関わりがないと判断した質問にはお答えできない場合もありますので、
ご了承ください。m(_ _)m
普通のお医者さんでは解答不能の、糖質制限食に関わる質問は、何でもどんどんしていただけば嬉しいです。 (^_^)
掲載OKの質問に関して、読者の皆さんに共有していただきたい情報の場合は、ブログ本文記事にて、
できるだけ順番にお答えしたいと思います。
質問によっては、コメント欄でお早めにお答えする場合もありますのでご了承ください。
一方、質問がかなり増えてきていますので、なかなか即、お答えすることが困難となってきています。
糖質制限食に関わりのある全ての質問に、本文かコメントでお答えするようできるだけ努力はしていますが、
できないときはご容赦願います。m(_ _)m
【糖質制限食を実践される時のご注意】
糖質制限食実践によりリアルタイムに血糖値が改善します。
このため既に、経口血糖降下剤(オイグルコン、アマリールなど)の内服やインスリン注射をしておられる糖尿人は、
減薬しないと低血糖の心配がありますので必ず主治医と相談して頂きたいと思います。
一方、薬を使用してない糖尿人やメタボ人は、低血糖の心配はほとんどないので、
自力で糖質制限食を実践して糖尿病やメタボ改善を目指していただけば幸いです。
内服薬やインスリン注射なしの糖尿人が糖質制限食を実践すると、食後高血糖は改善しますが、低血糖にはなりません。
血糖値が正常範囲である程度下がると、肝臓でアミノ酸・乳酸・グリセロール(脂肪の分解物)などから、ブドウ糖を作るからです。
これを糖新生といいます。
診断基準を満たす膵炎がある場合、肝硬変の場合、そして長鎖脂肪酸代謝異常症は、
糖質制限食は適応となりませんのでご注意ください。
糖質制限食は相対的に高脂肪食になるので、診断基準を満たしている膵炎の患者さんには適応とならないのです。
進行した肝硬変では、糖新生能力が低下しているため適応となりません。
長鎖脂肪酸代謝異常症では、肉や魚などに含まれる長鎖脂肪酸が上手く利用できないので、適応となりません。
腎機能に関して、日本腎臓病学会編「CKD診療ガイド2013」において、eGFR60ml/分以上あれば顕性たんぱく尿の段階でも、
たんぱく質は過剰な摂取をしないという表現となっていて、制限という記載はなしです。
従いまして、糖尿病腎症第3期でも、eGFR60ml/分以上なら、糖質制限食OKです。
また、米国糖尿病学会(ADA)は
Position Statement on Nutrition Therapy(栄養療法に関する声明)
Diabetes Care 2013年10月9日オンライン版
において、糖尿病腎症患者に対する蛋白質制限の意義を明確に否定しました。
根拠はランク(A)ですので、信頼度の高いRCT研究論文に基づく見解です。
今後は、糖尿病腎症第3期以降で、eGFRが60ml/分未満の場合も、患者さんとよく相談して、糖質制限食を実践するか否か、
個別に対応することとなります。
なお、機能性低血糖症の場合、炭水化物依存症レベルが重症のとき、糖新生能力が低下していることがあり、
まれに低血糖症を生じますので注意が必要です。
また、どのような食事療法でも合う合わないがあります。
糖質制限食もその一つですので、合わないとご自分で判断されたら中止していただけば幸いです。
【糖質制限食とは】
米国糖尿病協会(ADA)の患者教育用のテキストブックLife With Diabetes(2004年版)には、以下の記載があります。
「摂取後直接血糖に影響を与えるのは糖質のみである。
糖質は速やかに吸収され、直接100%血糖に変わり、ほぼ120分以内に吸収は終了する。
蛋白質・脂質は、摂取後、直接血糖に影響を及ぼすことはない。
『炭水化物・タンパク質・脂肪はカロリーを含有している。
炭水化物だけが、血糖値に直接影響を及ぼす。』」
これらは含有エネルギーとは無関係な三大栄養素の生理学的特質です。
1997年版のLife With Diabetes(ADA刊行)では、
「タンパク質は約半分が血糖に変わり、脂質は10%未満が血糖に変わる」
という記載がありましたが、2004年版以降は変更されています。
このように糖質、脂質、タンパク質のうち糖質だけが直接、血糖値を上昇させます。
従って、糖質を摂取した時にはインスリンが大量に追加分泌されます。
脂質を摂取しても、インスリンの追加分泌はありません。
タンパク質はごく少量のインスリンを追加分泌させます。
現在糖尿病において、食後の急激な高血糖(グルコーススパイク)が大きな問題として注目されています。
食後高血糖が、心筋梗塞や脳梗塞などの合併症を起こす危険因子として確立されたからです。
また一日における、食前・食後・空腹時など血糖値の変動幅(平均血糖変動幅)が大きいほど、
酸化ストレスが増強し動脈硬化のリスクとなることがわかってきました。
そして、食後高血糖と平均血糖変動幅増大を起こすのは、三大栄養素のなかで糖質だけなのです。
1gの糖質が、体重64kgの2型糖尿病の人の血糖値を約3mg上昇させます。
炊いた白ご飯茶碗1杯150g(252kcal)には、55.3gの糖質が含まれており、血糖値を166mg上昇させます。
一方、和牛サーロインステーキ(脂身つき)を200g(約1000キロカロリー)食べても、
糖質含有量は1gもないので、食後血糖は3mg未満の上昇しかないのです。
なお、1gの糖質が体重64kgの1型糖尿病の人の血糖値を5mg上昇させます。
糖質制限食の基本的な考え方は、上述のような生理学的事実をベースに、
できるだけ糖質の摂取を低く抑えて、食後高血糖を防ぐというものです。
簡単に言えば、主食を抜いておかずばかり食べるというイメージになります。
抜く必要がある主食とは 、米飯・めん類・パンなどの米・麦製品や芋類など糖質が主成分のものです。
3食主食抜きのスーパー糖質制限食(糖質12%、タンパク質32%、脂質56%)なら、
薬に頼ることなく速やかにリアルタイムで良好な血糖コントロールが可能です。
一方、上述の白ご飯とステーキの例でも明らかなように、
カロリー計算に基づいて血糖値をコントロールすることは理論的に不可能です。
従って、現行の日本糖尿病学会推薦の糖尿病食(糖質60%、タンパク質20%、脂質20%)を実践する限りは、
一日の摂取カロリーを1200キロカロリーと低く抑えたとしても、食後高血糖が必ず生じるのです。
糖尿病の改善には、カロリー制限より糖質制限ということがおわかりいただけたと思います。
なお糖質制限食は、カロリー無制限ということではありません。
日本糖尿病学会「糖尿病治療ガイド2014-2015」の
男性1400~2000kcal
女性1200~1800kcal
ほど厳しいカロリー制限は必要ありませんが、
「日本人の食事摂取基準」(2015年、厚生労働省)
に示す推定エネルギー必要量の範囲、
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000041955.pdf
推定エネルギー必要量(一日あたり)
男性 女性
15-17才 2500 2850 3150 2050 2300 2550kcal
18-29才 2300 2650 3050 1650 1950 2200
30-49才 2300 2650 3050 1750 2000 2300
50-69才 2100 2450 2800 1650 1900 2200
70才 1850 2200 2500 1500 1750 2000
身体活動レベル 低い 普通 高い 低い 普通 高い
くらいが目安です。
そして2013年に糖尿病食事療法に関して画期的な変化がありました。
米国糖尿病学会が、
2013年10月発表の『栄養療法に関する声明』において、
全ての糖尿病患者に適した唯一無二の治療食は存在しないと明記したのです。
これはそのまま、1969年の食品交換表第2版以降一貫して、糖尿病治療食として、
唯一無二の「カロリー制限・高糖質食」を推奨し続けている日本糖尿病学会への痛烈な批判となっています。
さらに、米国糖尿病学会は『栄養療法に関する声明2013』において地中海食、ベジタリアン食、DASH食、低脂質食などと共に
「糖質制限食」も正式に受容しました。
このことは糖質制限食を推進する私達にとって、大変大きな追い風となりました。
さらに
2016年7月1日号の東洋経済オンラインhttp://toyokeizai.net/articles/-/125237
において、
門脇孝日本糖尿病学会理事長が、個人的立場としたうえで、
「糖質の量を4割程度(1日150g以下)に抑える緩やかな糖質制限食は推奨できる。」とし、
「東大病院でも2015年4月から糖質40%というメニューを提供している」と述べられ、
ご自身も糖質制限食を実践中とのことでした。
まさに今昔の感ありで、嬉しい意味での衝撃でした。
江部康二
2016年07月09日 (土)
【本ブログのコメント・質問・記事に関するお願い】
ブログ読者の皆さんには、いつもコメントいただき、ありがとうございます。
糖質制限食に関する質問についてですが、実際に高雄病院や江部診療所に来院されて診察した患者さんに対しては、
医師としての責任・債務がありますので、個別に説明もしっかりさせて頂いていますし、フォローもしております。
一方、ブログ読者の皆さんの質問に関しては、糖質制限食に詳しい医師として、ボランティアで回答させていただいています。
診察もしておりませんしフォローもできませんので、責任もとれません。
私の回答は、あくまでも一般論としての参考意見とお考え頂けば幸いです。
また、ブログ記事や本に関しても同様に、糖質制限食に関する一般論としての参考意見とお考え下さい。
従いまして、読者の皆さんが私の参考意見を読まれて、どのように利用されるかは、
自己責任でよろしくお願い申し上げます。m(_ _)m
そして読者の皆さんからもご意見いただきましたが、普通のお医者さんに相談可能な個人的な内容の質問は、ご自分の主治医にご相談頂けば助かります。
またネットで簡単に検索可能なことは、ご自分でお調べください。
質問が増えてきましたので、糖質制限食と関わりがないと判断した質問にはお答えできない場合もありますので、
ご了承ください。m(_ _)m
普通のお医者さんでは解答不能の、糖質制限食に関わる質問は、何でもどんどんしていただけば嬉しいです。 (^_^)
掲載OKの質問に関して、読者の皆さんに共有していただきたい情報の場合は、ブログ本文記事にて、
できるだけ順番にお答えしたいと思います。
質問によっては、コメント欄でお早めにお答えする場合もありますのでご了承ください。
一方、質問がかなり増えてきていますので、なかなか即、お答えすることが困難となってきています。
糖質制限食に関わりのある全ての質問に、本文かコメントでお答えするようできるだけ努力はしていますが、
できないときはご容赦願います。m(_ _)m
【糖質制限食を実践される時のご注意】
糖質制限食実践によりリアルタイムに血糖値が改善します。
このため既に、経口血糖降下剤(オイグルコン、アマリールなど)の内服やインスリン注射をしておられる糖尿人は、
減薬しないと低血糖の心配がありますので必ず主治医と相談して頂きたいと思います。
一方、薬を使用してない糖尿人やメタボ人は、低血糖の心配はほとんどないので、
自力で糖質制限食を実践して糖尿病やメタボ改善を目指していただけば幸いです。
内服薬やインスリン注射なしの糖尿人が糖質制限食を実践すると、食後高血糖は改善しますが、低血糖にはなりません。
血糖値が正常範囲である程度下がると、肝臓でアミノ酸・乳酸・グリセロール(脂肪の分解物)などから、ブドウ糖を作るからです。
これを糖新生といいます。
診断基準を満たす膵炎がある場合、肝硬変の場合、そして長鎖脂肪酸代謝異常症は、
糖質制限食は適応となりませんのでご注意ください。
糖質制限食は相対的に高脂肪食になるので、診断基準を満たしている膵炎の患者さんには適応とならないのです。
進行した肝硬変では、糖新生能力が低下しているため適応となりません。
長鎖脂肪酸代謝異常症では、肉や魚などに含まれる長鎖脂肪酸が上手く利用できないので、適応となりません。
腎機能に関して、日本腎臓病学会編「CKD診療ガイド2013」において、eGFR60ml/分以上あれば顕性たんぱく尿の段階でも、
たんぱく質は過剰な摂取をしないという表現となっていて、制限という記載はなしです。
従いまして、糖尿病腎症第3期でも、eGFR60ml/分以上なら、糖質制限食OKです。
また、米国糖尿病学会(ADA)は
Position Statement on Nutrition Therapy(栄養療法に関する声明)
Diabetes Care 2013年10月9日オンライン版
において、糖尿病腎症患者に対する蛋白質制限の意義を明確に否定しました。
根拠はランク(A)ですので、信頼度の高いRCT研究論文に基づく見解です。
今後は、糖尿病腎症第3期以降で、eGFRが60ml/分未満の場合も、患者さんとよく相談して、糖質制限食を実践するか否か、
個別に対応することとなります。
なお、機能性低血糖症の場合、炭水化物依存症レベルが重症のとき、糖新生能力が低下していることがあり、
まれに低血糖症を生じますので注意が必要です。
また、どのような食事療法でも合う合わないがあります。
糖質制限食もその一つですので、合わないとご自分で判断されたら中止していただけば幸いです。
【糖質制限食とは】
米国糖尿病協会(ADA)の患者教育用のテキストブックLife With Diabetes(2004年版)には、以下の記載があります。
「摂取後直接血糖に影響を与えるのは糖質のみである。
糖質は速やかに吸収され、直接100%血糖に変わり、ほぼ120分以内に吸収は終了する。
蛋白質・脂質は、摂取後、直接血糖に影響を及ぼすことはない。
『炭水化物・タンパク質・脂肪はカロリーを含有している。
炭水化物だけが、血糖値に直接影響を及ぼす。』」
これらは含有エネルギーとは無関係な三大栄養素の生理学的特質です。
1997年版のLife With Diabetes(ADA刊行)では、
「タンパク質は約半分が血糖に変わり、脂質は10%未満が血糖に変わる」
という記載がありましたが、2004年版以降は変更されています。
このように糖質、脂質、タンパク質のうち糖質だけが直接、血糖値を上昇させます。
従って、糖質を摂取した時にはインスリンが大量に追加分泌されます。
脂質を摂取しても、インスリンの追加分泌はありません。
タンパク質はごく少量のインスリンを追加分泌させます。
現在糖尿病において、食後の急激な高血糖(グルコーススパイク)が大きな問題として注目されています。
食後高血糖が、心筋梗塞や脳梗塞などの合併症を起こす危険因子として確立されたからです。
また一日における、食前・食後・空腹時など血糖値の変動幅(平均血糖変動幅)が大きいほど、
酸化ストレスが増強し動脈硬化のリスクとなることがわかってきました。
そして、食後高血糖と平均血糖変動幅増大を起こすのは、三大栄養素のなかで糖質だけなのです。
1gの糖質が、体重64kgの2型糖尿病の人の血糖値を約3mg上昇させます。
炊いた白ご飯茶碗1杯150g(252kcal)には、55.3gの糖質が含まれており、血糖値を166mg上昇させます。
一方、和牛サーロインステーキ(脂身つき)を200g(約1000キロカロリー)食べても、
糖質含有量は1gもないので、食後血糖は3mg未満の上昇しかないのです。
なお、1gの糖質が体重64kgの1型糖尿病の人の血糖値を5mg上昇させます。
糖質制限食の基本的な考え方は、上述のような生理学的事実をベースに、
できるだけ糖質の摂取を低く抑えて、食後高血糖を防ぐというものです。
簡単に言えば、主食を抜いておかずばかり食べるというイメージになります。
抜く必要がある主食とは 、米飯・めん類・パンなどの米・麦製品や芋類など糖質が主成分のものです。
3食主食抜きのスーパー糖質制限食(糖質12%、タンパク質32%、脂質56%)なら、
薬に頼ることなく速やかにリアルタイムで良好な血糖コントロールが可能です。
一方、上述の白ご飯とステーキの例でも明らかなように、
カロリー計算に基づいて血糖値をコントロールすることは理論的に不可能です。
従って、現行の日本糖尿病学会推薦の糖尿病食(糖質60%、タンパク質20%、脂質20%)を実践する限りは、
一日の摂取カロリーを1200キロカロリーと低く抑えたとしても、食後高血糖が必ず生じるのです。
糖尿病の改善には、カロリー制限より糖質制限ということがおわかりいただけたと思います。
なお糖質制限食は、カロリー無制限ということではありません。
日本糖尿病学会「糖尿病治療ガイド2014-2015」の
男性1400~2000kcal
女性1200~1800kcal
ほど厳しいカロリー制限は必要ありませんが、
「日本人の食事摂取基準」(2015年、厚生労働省)
に示す推定エネルギー必要量の範囲、
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000041955.pdf
推定エネルギー必要量(一日あたり)
男性 女性
15-17才 2500 2850 3150 2050 2300 2550kcal
18-29才 2300 2650 3050 1650 1950 2200
30-49才 2300 2650 3050 1750 2000 2300
50-69才 2100 2450 2800 1650 1900 2200
70才 1850 2200 2500 1500 1750 2000
身体活動レベル 低い 普通 高い 低い 普通 高い
くらいが目安です。
そして2013年に糖尿病食事療法に関して画期的な変化がありました。
米国糖尿病学会が、
2013年10月発表の『栄養療法に関する声明』において、
全ての糖尿病患者に適した唯一無二の治療食は存在しないと明記したのです。
これはそのまま、1969年の食品交換表第2版以降一貫して、糖尿病治療食として、
唯一無二の「カロリー制限・高糖質食」を推奨し続けている日本糖尿病学会への痛烈な批判となっています。
さらに、米国糖尿病学会は『栄養療法に関する声明2013』において地中海食、ベジタリアン食、DASH食、低脂質食などと共に
「糖質制限食」も正式に受容しました。
このことは糖質制限食を推進する私達にとって、大変大きな追い風となりました。
さらに
2016年7月1日号の東洋経済オンラインhttp://toyokeizai.net/articles/-/125237
において、
門脇孝日本糖尿病学会理事長が、個人的立場としたうえで、
「糖質の量を4割程度(1日150g以下)に抑える緩やかな糖質制限食は推奨できる。」とし、
「東大病院でも2015年4月から糖質40%というメニューを提供している」と述べられ、
ご自身も糖質制限食を実践中とのことでした。
まさに今昔の感ありで、嬉しい意味での衝撃でした。
江部康二
ブログ読者の皆さんには、いつもコメントいただき、ありがとうございます。
糖質制限食に関する質問についてですが、実際に高雄病院や江部診療所に来院されて診察した患者さんに対しては、
医師としての責任・債務がありますので、個別に説明もしっかりさせて頂いていますし、フォローもしております。
一方、ブログ読者の皆さんの質問に関しては、糖質制限食に詳しい医師として、ボランティアで回答させていただいています。
診察もしておりませんしフォローもできませんので、責任もとれません。
私の回答は、あくまでも一般論としての参考意見とお考え頂けば幸いです。
また、ブログ記事や本に関しても同様に、糖質制限食に関する一般論としての参考意見とお考え下さい。
従いまして、読者の皆さんが私の参考意見を読まれて、どのように利用されるかは、
自己責任でよろしくお願い申し上げます。m(_ _)m
そして読者の皆さんからもご意見いただきましたが、普通のお医者さんに相談可能な個人的な内容の質問は、ご自分の主治医にご相談頂けば助かります。
またネットで簡単に検索可能なことは、ご自分でお調べください。
質問が増えてきましたので、糖質制限食と関わりがないと判断した質問にはお答えできない場合もありますので、
ご了承ください。m(_ _)m
普通のお医者さんでは解答不能の、糖質制限食に関わる質問は、何でもどんどんしていただけば嬉しいです。 (^_^)
掲載OKの質問に関して、読者の皆さんに共有していただきたい情報の場合は、ブログ本文記事にて、
できるだけ順番にお答えしたいと思います。
質問によっては、コメント欄でお早めにお答えする場合もありますのでご了承ください。
一方、質問がかなり増えてきていますので、なかなか即、お答えすることが困難となってきています。
糖質制限食に関わりのある全ての質問に、本文かコメントでお答えするようできるだけ努力はしていますが、
できないときはご容赦願います。m(_ _)m
【糖質制限食を実践される時のご注意】
糖質制限食実践によりリアルタイムに血糖値が改善します。
このため既に、経口血糖降下剤(オイグルコン、アマリールなど)の内服やインスリン注射をしておられる糖尿人は、
減薬しないと低血糖の心配がありますので必ず主治医と相談して頂きたいと思います。
一方、薬を使用してない糖尿人やメタボ人は、低血糖の心配はほとんどないので、
自力で糖質制限食を実践して糖尿病やメタボ改善を目指していただけば幸いです。
内服薬やインスリン注射なしの糖尿人が糖質制限食を実践すると、食後高血糖は改善しますが、低血糖にはなりません。
血糖値が正常範囲である程度下がると、肝臓でアミノ酸・乳酸・グリセロール(脂肪の分解物)などから、ブドウ糖を作るからです。
これを糖新生といいます。
診断基準を満たす膵炎がある場合、肝硬変の場合、そして長鎖脂肪酸代謝異常症は、
糖質制限食は適応となりませんのでご注意ください。
糖質制限食は相対的に高脂肪食になるので、診断基準を満たしている膵炎の患者さんには適応とならないのです。
進行した肝硬変では、糖新生能力が低下しているため適応となりません。
長鎖脂肪酸代謝異常症では、肉や魚などに含まれる長鎖脂肪酸が上手く利用できないので、適応となりません。
腎機能に関して、日本腎臓病学会編「CKD診療ガイド2013」において、eGFR60ml/分以上あれば顕性たんぱく尿の段階でも、
たんぱく質は過剰な摂取をしないという表現となっていて、制限という記載はなしです。
従いまして、糖尿病腎症第3期でも、eGFR60ml/分以上なら、糖質制限食OKです。
また、米国糖尿病学会(ADA)は
Position Statement on Nutrition Therapy(栄養療法に関する声明)
Diabetes Care 2013年10月9日オンライン版
において、糖尿病腎症患者に対する蛋白質制限の意義を明確に否定しました。
根拠はランク(A)ですので、信頼度の高いRCT研究論文に基づく見解です。
今後は、糖尿病腎症第3期以降で、eGFRが60ml/分未満の場合も、患者さんとよく相談して、糖質制限食を実践するか否か、
個別に対応することとなります。
なお、機能性低血糖症の場合、炭水化物依存症レベルが重症のとき、糖新生能力が低下していることがあり、
まれに低血糖症を生じますので注意が必要です。
また、どのような食事療法でも合う合わないがあります。
糖質制限食もその一つですので、合わないとご自分で判断されたら中止していただけば幸いです。
【糖質制限食とは】
米国糖尿病協会(ADA)の患者教育用のテキストブックLife With Diabetes(2004年版)には、以下の記載があります。
「摂取後直接血糖に影響を与えるのは糖質のみである。
糖質は速やかに吸収され、直接100%血糖に変わり、ほぼ120分以内に吸収は終了する。
蛋白質・脂質は、摂取後、直接血糖に影響を及ぼすことはない。
『炭水化物・タンパク質・脂肪はカロリーを含有している。
炭水化物だけが、血糖値に直接影響を及ぼす。』」
これらは含有エネルギーとは無関係な三大栄養素の生理学的特質です。
1997年版のLife With Diabetes(ADA刊行)では、
「タンパク質は約半分が血糖に変わり、脂質は10%未満が血糖に変わる」
という記載がありましたが、2004年版以降は変更されています。
このように糖質、脂質、タンパク質のうち糖質だけが直接、血糖値を上昇させます。
従って、糖質を摂取した時にはインスリンが大量に追加分泌されます。
脂質を摂取しても、インスリンの追加分泌はありません。
タンパク質はごく少量のインスリンを追加分泌させます。
現在糖尿病において、食後の急激な高血糖(グルコーススパイク)が大きな問題として注目されています。
食後高血糖が、心筋梗塞や脳梗塞などの合併症を起こす危険因子として確立されたからです。
また一日における、食前・食後・空腹時など血糖値の変動幅(平均血糖変動幅)が大きいほど、
酸化ストレスが増強し動脈硬化のリスクとなることがわかってきました。
そして、食後高血糖と平均血糖変動幅増大を起こすのは、三大栄養素のなかで糖質だけなのです。
1gの糖質が、体重64kgの2型糖尿病の人の血糖値を約3mg上昇させます。
炊いた白ご飯茶碗1杯150g(252kcal)には、55.3gの糖質が含まれており、血糖値を166mg上昇させます。
一方、和牛サーロインステーキ(脂身つき)を200g(約1000キロカロリー)食べても、
糖質含有量は1gもないので、食後血糖は3mg未満の上昇しかないのです。
なお、1gの糖質が体重64kgの1型糖尿病の人の血糖値を5mg上昇させます。
糖質制限食の基本的な考え方は、上述のような生理学的事実をベースに、
できるだけ糖質の摂取を低く抑えて、食後高血糖を防ぐというものです。
簡単に言えば、主食を抜いておかずばかり食べるというイメージになります。
抜く必要がある主食とは 、米飯・めん類・パンなどの米・麦製品や芋類など糖質が主成分のものです。
3食主食抜きのスーパー糖質制限食(糖質12%、タンパク質32%、脂質56%)なら、
薬に頼ることなく速やかにリアルタイムで良好な血糖コントロールが可能です。
一方、上述の白ご飯とステーキの例でも明らかなように、
カロリー計算に基づいて血糖値をコントロールすることは理論的に不可能です。
従って、現行の日本糖尿病学会推薦の糖尿病食(糖質60%、タンパク質20%、脂質20%)を実践する限りは、
一日の摂取カロリーを1200キロカロリーと低く抑えたとしても、食後高血糖が必ず生じるのです。
糖尿病の改善には、カロリー制限より糖質制限ということがおわかりいただけたと思います。
なお糖質制限食は、カロリー無制限ということではありません。
日本糖尿病学会「糖尿病治療ガイド2014-2015」の
男性1400~2000kcal
女性1200~1800kcal
ほど厳しいカロリー制限は必要ありませんが、
「日本人の食事摂取基準」(2015年、厚生労働省)
に示す推定エネルギー必要量の範囲、
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000041955.pdf
推定エネルギー必要量(一日あたり)
男性 女性
15-17才 2500 2850 3150 2050 2300 2550kcal
18-29才 2300 2650 3050 1650 1950 2200
30-49才 2300 2650 3050 1750 2000 2300
50-69才 2100 2450 2800 1650 1900 2200
70才 1850 2200 2500 1500 1750 2000
身体活動レベル 低い 普通 高い 低い 普通 高い
くらいが目安です。
そして2013年に糖尿病食事療法に関して画期的な変化がありました。
米国糖尿病学会が、
2013年10月発表の『栄養療法に関する声明』において、
全ての糖尿病患者に適した唯一無二の治療食は存在しないと明記したのです。
これはそのまま、1969年の食品交換表第2版以降一貫して、糖尿病治療食として、
唯一無二の「カロリー制限・高糖質食」を推奨し続けている日本糖尿病学会への痛烈な批判となっています。
さらに、米国糖尿病学会は『栄養療法に関する声明2013』において地中海食、ベジタリアン食、DASH食、低脂質食などと共に
「糖質制限食」も正式に受容しました。
このことは糖質制限食を推進する私達にとって、大変大きな追い風となりました。
さらに
2016年7月1日号の東洋経済オンラインhttp://toyokeizai.net/articles/-/125237
において、
門脇孝日本糖尿病学会理事長が、個人的立場としたうえで、
「糖質の量を4割程度(1日150g以下)に抑える緩やかな糖質制限食は推奨できる。」とし、
「東大病院でも2015年4月から糖質40%というメニューを提供している」と述べられ、
ご自身も糖質制限食を実践中とのことでした。
まさに今昔の感ありで、嬉しい意味での衝撃でした。
江部康二
2016年07月08日 (金)
こんにちは。
2016年7月30日(土)、31日(日)
日本糖質制限医療推進協会主催の低糖質・京都料理教室を開催します。
講師は当会アドバイザーの佐々木栄子管理栄養士です。
30日は「低糖質なおつまみ&夏のスィーツ」
31日は「低糖質麺を美味しく!」
というテーマでの料理教室です。
皆さん、奮ってご参加くださいね。
定員は各日24名様で、現在、あと3名様ずつ空きがあるそうで、ご興味のある方は、お早めにお申し込みいただけばと思います^^v
江部康二
*********
以下、事務局からのお知らせです。
ブログ読者の皆様、弊会の講演会へいつも多数ご参加いただき、また、5月・6月の料理教室にもたくさんのお申し込みをいただきまして、ありがとうございます。
料理教室「糖質制限 基本をマスター」(講師:佐々木栄子 管理栄養士)の7月教室をご案内申し上げます。
おかげさまで好評いただき、5月・6月に加えまして、7月にも追加開催することとなりました。
7月教室のテーマは、
「低糖質なおつまみ&夏のスィーツ」と「低糖質麺を美味しく!」です。
7/30(土)のスイーツ部門では、
・安価な食材、旬の夏野菜を活用。普段お料理をしない男性の方にも
おすすめの「ローカーボなおつまみ」と
・アイス系のデザートやドリンク、冷やし汁粉など、ひんやり美味しい
「夏の低糖質スィーツ」を。
7/31(日)料理部門では、市販の低糖質麺を美味しく、飽きずに食べる工夫とテクニックを。
こんにゃく麺、おから麺、大豆麺、海藻麺・・・巷のスーパーでよく目にする低糖質麺を、様々なジャンルのつけ汁・タレで食べ比べます。
さらに低糖質麺のおかずへの応用も。これであなたも低糖質麺の達人に♪
残暑厳しい夏の後半を、美味しく、楽しく、元気に過ごすためのアイデアをたっぷりお届けします。
関西にお住まいの方をはじめ、皆様のご参加を心よりお待ちしております。
●―○―●―○―●―○―●―○―●―○―●―○―●―○―●
(一社)日本糖質制限医療推進協会主催 料理教室
「~糖質制限 基本をマスター:Part3~ 7月教室」
♪スイーツ部門(ショートレッスン)♪
◆日時: 2016年7月30日(土)13時~16時頃
◆テーマ: 「低糖質なおつまみ&夏のスィーツ」
◆メニュー数: 5~6品を予定
◆参加費: 賛助会員料金 1,600円/一般料金 2,000円
♪料理部門♪
◆日時: 2016年7月31日(日)11時~15時半頃
◆テーマ: 「低糖質麺を美味しく!」
◆メニュー数: 7~8品を予定
◆参加費: 賛助会員料金 3,000円/一般料金 3,800円
(以下、両部門共通)
◆会場: 京都テルサ 東館2F・調理実習室
京都市南区東九条下殿田町70番地
新町通九条下ル 京都府民総合交流プラザ内)
http://www.kyoto-terrsa.or.jp/access.html
(アクセス)
・JR京都駅(八条口西口)より南へ徒歩約15分
・地下鉄九条駅(京都駅より1駅)4番出口より西へ徒歩約5分
♪講師: 佐々木栄子 管理栄養士/健康運動実践指導者
ローカーボクラブ代表/医療法人鴻生会 小室クリニック(埼玉県)
/医療法人まゆき会 菊池クリニック(栃木県)
/(一社)日本糖質制限医療推進協会アドバイザー
◆当日の流れ: レシピ説明 → 実習 → 試食(復習・歓談) → 片付け後、解散
◆持参いただくもの: エプロン・三角巾・ハンドタオル1枚(食器ふき用)、
筆記用具
◆定員: 各日24名様
■お申し込みの流れ:
1. 下記「お申し込み方法」の該当するものからお申し込み下さい。
2. 事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3. 入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4. 当日、直接会場までお越し下さい。
■お申し込み方法:
★賛助会員の方:参加ご希望の教室の「開催日と教室名(スイーツ、料理)」を
ご明記の上、 事務局までメールにてお申し込みください。
★賛助会員入会をご希望の方:
1. 入会案内および会員規約をお読み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/sign-up
2. お申し込みは下のフォームからお願いします。
「通信」欄に参加ご希望の教室の「開催日と教室名(スイーツ、料理)」 をご記入下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/contact
★一般(非会員)で、料理教室参加のみご希望の方:
下のフォームからお申し込み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/lesson-a
■その他:
・予約制です。当日参加はできません。
・当日の開場・受付開始は、レッスン開始時間の15分前からです。
・実習室で作ったもの以外の飲食はできません。
ご自宅で作ったお料理やお菓子等の持ち込みはできませんのでご注意下さい。
・キャンセルは7月26日(火)までに事務局へご連絡願います。
それ以降のキャンセルは参加費の半額をキャンセル料金として
いただきますので、予めご了承下さい。
◇イベント情報掲載URL: http://www.toushitsuseigen.or.jp/activity
◇今後の開催について◇
今年前半のレッスンとして、料理教室は7月で一区切りといたします。
後半のレッスンは、秋(9月もしくは10月)からのスタートとなります。
人気の揚げ物や中華、秋冬にぴったりの煮込み料理、クリスマス料理やおせちを低糖質で。
身近な食材を使った、美味しい、楽しい低糖質料理教室の開催をまた予定しております。
●―○―●―○―●―○―●―○―●―○―●―○―●―○―●
2016年7月30日(土)、31日(日)
日本糖質制限医療推進協会主催の低糖質・京都料理教室を開催します。
講師は当会アドバイザーの佐々木栄子管理栄養士です。
30日は「低糖質なおつまみ&夏のスィーツ」
31日は「低糖質麺を美味しく!」
というテーマでの料理教室です。
皆さん、奮ってご参加くださいね。
定員は各日24名様で、現在、あと3名様ずつ空きがあるそうで、ご興味のある方は、お早めにお申し込みいただけばと思います^^v
江部康二
*********
以下、事務局からのお知らせです。
ブログ読者の皆様、弊会の講演会へいつも多数ご参加いただき、また、5月・6月の料理教室にもたくさんのお申し込みをいただきまして、ありがとうございます。
料理教室「糖質制限 基本をマスター」(講師:佐々木栄子 管理栄養士)の7月教室をご案内申し上げます。
おかげさまで好評いただき、5月・6月に加えまして、7月にも追加開催することとなりました。
7月教室のテーマは、
「低糖質なおつまみ&夏のスィーツ」と「低糖質麺を美味しく!」です。
7/30(土)のスイーツ部門では、
・安価な食材、旬の夏野菜を活用。普段お料理をしない男性の方にも
おすすめの「ローカーボなおつまみ」と
・アイス系のデザートやドリンク、冷やし汁粉など、ひんやり美味しい
「夏の低糖質スィーツ」を。
7/31(日)料理部門では、市販の低糖質麺を美味しく、飽きずに食べる工夫とテクニックを。
こんにゃく麺、おから麺、大豆麺、海藻麺・・・巷のスーパーでよく目にする低糖質麺を、様々なジャンルのつけ汁・タレで食べ比べます。
さらに低糖質麺のおかずへの応用も。これであなたも低糖質麺の達人に♪
残暑厳しい夏の後半を、美味しく、楽しく、元気に過ごすためのアイデアをたっぷりお届けします。
関西にお住まいの方をはじめ、皆様のご参加を心よりお待ちしております。
●―○―●―○―●―○―●―○―●―○―●―○―●―○―●
(一社)日本糖質制限医療推進協会主催 料理教室
「~糖質制限 基本をマスター:Part3~ 7月教室」
♪スイーツ部門(ショートレッスン)♪
◆日時: 2016年7月30日(土)13時~16時頃
◆テーマ: 「低糖質なおつまみ&夏のスィーツ」
◆メニュー数: 5~6品を予定
◆参加費: 賛助会員料金 1,600円/一般料金 2,000円
♪料理部門♪
◆日時: 2016年7月31日(日)11時~15時半頃
◆テーマ: 「低糖質麺を美味しく!」
◆メニュー数: 7~8品を予定
◆参加費: 賛助会員料金 3,000円/一般料金 3,800円
(以下、両部門共通)
◆会場: 京都テルサ 東館2F・調理実習室
京都市南区東九条下殿田町70番地
新町通九条下ル 京都府民総合交流プラザ内)
http://www.kyoto-terrsa.or.jp/access.html
(アクセス)
・JR京都駅(八条口西口)より南へ徒歩約15分
・地下鉄九条駅(京都駅より1駅)4番出口より西へ徒歩約5分
♪講師: 佐々木栄子 管理栄養士/健康運動実践指導者
ローカーボクラブ代表/医療法人鴻生会 小室クリニック(埼玉県)
/医療法人まゆき会 菊池クリニック(栃木県)
/(一社)日本糖質制限医療推進協会アドバイザー
◆当日の流れ: レシピ説明 → 実習 → 試食(復習・歓談) → 片付け後、解散
◆持参いただくもの: エプロン・三角巾・ハンドタオル1枚(食器ふき用)、
筆記用具
◆定員: 各日24名様
■お申し込みの流れ:
1. 下記「お申し込み方法」の該当するものからお申し込み下さい。
2. 事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3. 入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4. 当日、直接会場までお越し下さい。
■お申し込み方法:
★賛助会員の方:参加ご希望の教室の「開催日と教室名(スイーツ、料理)」を
ご明記の上、 事務局までメールにてお申し込みください。
★賛助会員入会をご希望の方:
1. 入会案内および会員規約をお読み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/sign-up
2. お申し込みは下のフォームからお願いします。
「通信」欄に参加ご希望の教室の「開催日と教室名(スイーツ、料理)」 をご記入下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/contact
★一般(非会員)で、料理教室参加のみご希望の方:
下のフォームからお申し込み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/lesson-a
■その他:
・予約制です。当日参加はできません。
・当日の開場・受付開始は、レッスン開始時間の15分前からです。
・実習室で作ったもの以外の飲食はできません。
ご自宅で作ったお料理やお菓子等の持ち込みはできませんのでご注意下さい。
・キャンセルは7月26日(火)までに事務局へご連絡願います。
それ以降のキャンセルは参加費の半額をキャンセル料金として
いただきますので、予めご了承下さい。
◇イベント情報掲載URL: http://www.toushitsuseigen.or.jp/activity
◇今後の開催について◇
今年前半のレッスンとして、料理教室は7月で一区切りといたします。
後半のレッスンは、秋(9月もしくは10月)からのスタートとなります。
人気の揚げ物や中華、秋冬にぴったりの煮込み料理、クリスマス料理やおせちを低糖質で。
身近な食材を使った、美味しい、楽しい低糖質料理教室の開催をまた予定しております。
●―○―●―○―●―○―●―○―●―○―●―○―●―○―●
2016年07月07日 (木)
こんにちは。
錦織圭選手、2015年度に続き2016年度もウィンブルドン、怪我で棄権でした。
松岡修造さん以来のベスト8めざしていたのにとても残念です。
不動の第1シード鉄人ノバク・ジョコビッチ選手も2016年度のウィンブルドンは、男子シングルス3回戦で、第28シードのサム・クエリー選手に敗れました。
オープン化以降最多記録だった4大大会での連勝も30で止まり、大番狂わせでした。
それにしても、錦織選手のテニスの技量は、4大大会で優勝してもおかしくないレベルに達していると思いますが、問題は怪我の多さです。
4大大会12勝を誇るジョコビッチは、とにかく怪我が少ないです。
錦織選手も、体幹トレーニングをしたり、専属トレーナーをつけるなど、体力増強と怪我防止に努力をしていると思うのですが、残念ながら怪我が多いです。
世界一流のアスリート同士なのですから、ジョコビッチ選手と比べて、錦織選手のトレーニング法が、とくに劣っているとは考えにくいです。
違うとしたら、食事の可能性があります。
糖質制限食と普通食を比べた場合、
最高強度の運動以外は
全て糖質制限食の方がパフォーマンスが良くて、
筋肉のダメージも少ないという研究報告があります。
テニスは最高強度の運動の持続はまずないので、糖質制限食が向いている可能性があります。
「ジョコビッチの生まれ変わる食事」
ノバク・ジョコビッチ (著), タカ大丸 (翻訳)三五館 (2015/3/21)
に載っている、ジョコビッチ選手の食事メニューを、高雄病院の橋本眞由美管理栄養士に計算して貰いました。
そうすると、グルテンフリーは勿論のことですが、
夕食は糖質制限食で、糖質量は、ざっとですが15~35g程度でした。
練習で運動量の多い、朝と昼の食事は糖質を普通に摂取しています。
朝食:70~100gの糖質
昼食:70~140g・・・時に11~32g(運動量少ないときか?)
朝後の間食:50~86g・・・時に9~21g(運動量少ないときか?)
昼食後の間食:32~69g・・・時に15~24g(運動量少ないときか?)
運動がない夕食は、間違いなく糖質制限食です。
それから、昼食と間食で糖質制限なパターンがたまにありますが、これは運動量が少ないときに調節しているのかもしれません。
運動量が多いときは、糖質を普通に摂取してもインスリン非依存的に筋肉が血糖を取り込むので、インスリンの弊害がなくてすみます。
しかし、運動量が少ないときに糖質を摂取するとインスリンが大量に分泌され、酸化ストレスリスクなどの弊害が生じるので、糖質制限するのが良いと考えられます。
ともあれ、ジョコビッチ選手という成功例が存在するのですから錦織選手も、夕食だけでも糖質制限食にしてみたらどうでしょう。
そうすれば、インスリン過剰分泌による酸化ストレスリスクが生じないので筋肉もスムースに回復し、怪我予防に役に立つ可能性があると思います。
江部康二
錦織圭選手、2015年度に続き2016年度もウィンブルドン、怪我で棄権でした。
松岡修造さん以来のベスト8めざしていたのにとても残念です。
不動の第1シード鉄人ノバク・ジョコビッチ選手も2016年度のウィンブルドンは、男子シングルス3回戦で、第28シードのサム・クエリー選手に敗れました。
オープン化以降最多記録だった4大大会での連勝も30で止まり、大番狂わせでした。
それにしても、錦織選手のテニスの技量は、4大大会で優勝してもおかしくないレベルに達していると思いますが、問題は怪我の多さです。
4大大会12勝を誇るジョコビッチは、とにかく怪我が少ないです。
錦織選手も、体幹トレーニングをしたり、専属トレーナーをつけるなど、体力増強と怪我防止に努力をしていると思うのですが、残念ながら怪我が多いです。
世界一流のアスリート同士なのですから、ジョコビッチ選手と比べて、錦織選手のトレーニング法が、とくに劣っているとは考えにくいです。
違うとしたら、食事の可能性があります。
糖質制限食と普通食を比べた場合、
最高強度の運動以外は
全て糖質制限食の方がパフォーマンスが良くて、
筋肉のダメージも少ないという研究報告があります。
テニスは最高強度の運動の持続はまずないので、糖質制限食が向いている可能性があります。
「ジョコビッチの生まれ変わる食事」
ノバク・ジョコビッチ (著), タカ大丸 (翻訳)三五館 (2015/3/21)
に載っている、ジョコビッチ選手の食事メニューを、高雄病院の橋本眞由美管理栄養士に計算して貰いました。
そうすると、グルテンフリーは勿論のことですが、
夕食は糖質制限食で、糖質量は、ざっとですが15~35g程度でした。
練習で運動量の多い、朝と昼の食事は糖質を普通に摂取しています。
朝食:70~100gの糖質
昼食:70~140g・・・時に11~32g(運動量少ないときか?)
朝後の間食:50~86g・・・時に9~21g(運動量少ないときか?)
昼食後の間食:32~69g・・・時に15~24g(運動量少ないときか?)
運動がない夕食は、間違いなく糖質制限食です。
それから、昼食と間食で糖質制限なパターンがたまにありますが、これは運動量が少ないときに調節しているのかもしれません。
運動量が多いときは、糖質を普通に摂取してもインスリン非依存的に筋肉が血糖を取り込むので、インスリンの弊害がなくてすみます。
しかし、運動量が少ないときに糖質を摂取するとインスリンが大量に分泌され、酸化ストレスリスクなどの弊害が生じるので、糖質制限するのが良いと考えられます。
ともあれ、ジョコビッチ選手という成功例が存在するのですから錦織選手も、夕食だけでも糖質制限食にしてみたらどうでしょう。
そうすれば、インスリン過剰分泌による酸化ストレスリスクが生じないので筋肉もスムースに回復し、怪我予防に役に立つ可能性があると思います。
江部康二
2016年07月06日 (水)
こんばんは。
梅雨明けしたかと思わせるような猛暑の日が続いています。
今日も各地で35℃を超えたそうで、ブログ読者の皆さん、くれぐれも熱中症にはお気をつけてくださいね(^_^;)
さて、私、江部康二、実は大のチョコレート好きで、小さい頃から甘いものはそんなに好きではなく、ケーキや饅頭など無くても全く困らないタイプでした。しかし、なぜかチョコレートだけは大好物でした。
50年間くらいチョコレートは嫌と言うほど食べましたが、歯は丈夫で全部残ってます。大学1年生の時1回だけ、奥歯を1本虫歯の治療をしましたが、その後歯の治療はしたことはありません。
そんな私ですが、52歳で、糖尿病になってからは砂糖入りのチョコレートなどもってのほかなので、つらいものがありましたが当初はもうあきらめてました。
ですが、ないのならいっその事作ってしまおうと、糖質制限ドットコムのあらてつさんに「糖質制限のチョコレートを作るように」と指示を出し、紆余曲折ありながら完成したのが、こちらのモリドル 糖質制限チョコレートです。

モリドル 糖質制限チョコレート
https://www.toushitsuseigen.com/products/detail94.html
このモリドル糖質制限チョコレートですが、私の指示で、甘味料をエリスリトールとステビアにしてもらいました。
エリスリトールはもちろん血糖値を上げませんが、日本で販売されているステビアにはけっこう混ぜ物が多いので、血糖値を上昇させてしまうことがあります。
ステビアの選定時から私が血糖値検査を行い、上昇が認められなかったものだけを指定材料にしました。
また、モリドルチョコレートの製造は、チョコレートの本場であるヨーロッパで行いました。
それは何故でしょう?
ヨーロッパでは、チョコレートを植物油脂でかさ増ししたりしないのと、コンチングの時間が日本と圧倒的に違うからです。
ブログ読者の皆さんも、チョコレートの原材料に「植物油脂」と書かれているのを見たことがあると思います。
日本のチョコレートのほとんどが、コストを減らしてかさ増しするために、カカオバターの割合を減らし植物油脂を使います。
ところが、チョコレートの国際基準では、植物油脂が5%以上入っているものは、チョコレートと呼んで販売できません。
なので日本のほとんどのチョコレートは、国際基準では“チョコレート”として認められないのです。
さらにヨーロッパでチョコレートの伝統を重んじる国では、植物油脂を入れたものをチョコレートとは認めていません。
今回発売のモリドルノンシュガーチョコレートは、植物油を一切使わず、ちゃんとカカオバターだけを使っています。
またヨーロッパでのチョコレート作りにおいて、コンチングに掛ける時間も日本の比ではありません。
コンチングとは、微粒子状に粉砕した原材料を高温で練り合わせる、チョコレート作製におけるとても重要な工程です。
このコンチングでチョコレートの味が決まると入っても過言ではないでしょう。
コンチングの時間が短いとカカオの風味が出ずチョコレートに酸味が残ってしまいます。
日本のチョコレートメーカーのコンチング時間は、コストを下げるため12~24時間ていどしか行いません。
日本製のチョコレートに独特の酸味があるのはこのためです。
それに比べ、ヨーロッパでは72時間のコンチングが通常です。
モリドルノンシュガーチョコレートのコンチングは、なんと78時間。
じっくりと手間と時間を掛けてしっかりコンチングすることにより、なめらかな舌ざわりとカカオの風味を最大限に引き出しています。
お土産でもらう海外の安いチョコレートが意外と美味しかったりするのは、これらの理由があるからです。
モリドルノンシュガーチョコレートは、ヨーロッパの伝統に基づく、本物のチョコレートです(^O^)
さて、美味しさもさることながら、糖尿人の皆さんが一番気になるのは、血糖値の上昇でしょう。
以下は、私、江部康二自らの測定結果です。
モリドルノンシュガーチョコレート ダーク
1枚100g中の糖質 0.5ḡ
2014年1月7日(火)
午後4:45 空腹時血糖値:119mg
スペイン新作ダークチョコレート60g摂取
午後5:45 食後1時間血糖値宇:111mg・・・
びっくりして測定し直して104mg
大成功です。
モリドルノンシュガーチョコレート ミルク
1枚100gあたりの糖質14.6g
2014年1月6日(月)
午後5:55 血糖値:114mg
スペイン新作ミルクチョコレート:60g摂取
午後6:55 血糖値:124mg
60gを丸ごと食べて、10mgの上昇。
60g中に3.33gの糖質。
10g中に0.555gの糖質。
100g中なら、5.55gの糖質。
合格ですね。
ミルクチョコレートの方は、100ḡあたりの糖質量が14.6gと多く表記されていますが、これは原材料の分析方法が日本と違うため、「糖質」に分類されてしまう成分が多いからだと思われます。
なので、血糖測定から逆算した糖質量と分析値に違いが出たのでしょう。
因みに、この原材料単体でも私が血糖測定しましたが、全く血糖値を上昇させませんでした(^O^)
チョコレートの本場ヨーロッパで私がとことん監修し、見事に血糖測定にも合格した モリドルノンシュガーチョコレート、糖尿人、メタボ人、ダイエッターなどの糖質セイゲニストはもちろん、一般の方に食べて頂いても充分以上に満足してもらえるでしょう\(^o^)/
ブログ読者の皆さん、是非お試しあれ。
江部康二
詳細と販売はこちらから
モリドル 糖質制限チョコレート
https://www.toushitsuseigen.com/products/detail94.html

梅雨明けしたかと思わせるような猛暑の日が続いています。
今日も各地で35℃を超えたそうで、ブログ読者の皆さん、くれぐれも熱中症にはお気をつけてくださいね(^_^;)
さて、私、江部康二、実は大のチョコレート好きで、小さい頃から甘いものはそんなに好きではなく、ケーキや饅頭など無くても全く困らないタイプでした。しかし、なぜかチョコレートだけは大好物でした。
50年間くらいチョコレートは嫌と言うほど食べましたが、歯は丈夫で全部残ってます。大学1年生の時1回だけ、奥歯を1本虫歯の治療をしましたが、その後歯の治療はしたことはありません。
そんな私ですが、52歳で、糖尿病になってからは砂糖入りのチョコレートなどもってのほかなので、つらいものがありましたが当初はもうあきらめてました。
ですが、ないのならいっその事作ってしまおうと、糖質制限ドットコムのあらてつさんに「糖質制限のチョコレートを作るように」と指示を出し、紆余曲折ありながら完成したのが、こちらのモリドル 糖質制限チョコレートです。

モリドル 糖質制限チョコレート
https://www.toushitsuseigen.com/products/detail94.html
このモリドル糖質制限チョコレートですが、私の指示で、甘味料をエリスリトールとステビアにしてもらいました。
エリスリトールはもちろん血糖値を上げませんが、日本で販売されているステビアにはけっこう混ぜ物が多いので、血糖値を上昇させてしまうことがあります。
ステビアの選定時から私が血糖値検査を行い、上昇が認められなかったものだけを指定材料にしました。
また、モリドルチョコレートの製造は、チョコレートの本場であるヨーロッパで行いました。
それは何故でしょう?
ヨーロッパでは、チョコレートを植物油脂でかさ増ししたりしないのと、コンチングの時間が日本と圧倒的に違うからです。
ブログ読者の皆さんも、チョコレートの原材料に「植物油脂」と書かれているのを見たことがあると思います。
日本のチョコレートのほとんどが、コストを減らしてかさ増しするために、カカオバターの割合を減らし植物油脂を使います。
ところが、チョコレートの国際基準では、植物油脂が5%以上入っているものは、チョコレートと呼んで販売できません。
なので日本のほとんどのチョコレートは、国際基準では“チョコレート”として認められないのです。
さらにヨーロッパでチョコレートの伝統を重んじる国では、植物油脂を入れたものをチョコレートとは認めていません。
今回発売のモリドルノンシュガーチョコレートは、植物油を一切使わず、ちゃんとカカオバターだけを使っています。
またヨーロッパでのチョコレート作りにおいて、コンチングに掛ける時間も日本の比ではありません。
コンチングとは、微粒子状に粉砕した原材料を高温で練り合わせる、チョコレート作製におけるとても重要な工程です。
このコンチングでチョコレートの味が決まると入っても過言ではないでしょう。
コンチングの時間が短いとカカオの風味が出ずチョコレートに酸味が残ってしまいます。
日本のチョコレートメーカーのコンチング時間は、コストを下げるため12~24時間ていどしか行いません。
日本製のチョコレートに独特の酸味があるのはこのためです。
それに比べ、ヨーロッパでは72時間のコンチングが通常です。
モリドルノンシュガーチョコレートのコンチングは、なんと78時間。
じっくりと手間と時間を掛けてしっかりコンチングすることにより、なめらかな舌ざわりとカカオの風味を最大限に引き出しています。
お土産でもらう海外の安いチョコレートが意外と美味しかったりするのは、これらの理由があるからです。
モリドルノンシュガーチョコレートは、ヨーロッパの伝統に基づく、本物のチョコレートです(^O^)
さて、美味しさもさることながら、糖尿人の皆さんが一番気になるのは、血糖値の上昇でしょう。
以下は、私、江部康二自らの測定結果です。
モリドルノンシュガーチョコレート ダーク
1枚100g中の糖質 0.5ḡ
2014年1月7日(火)
午後4:45 空腹時血糖値:119mg
スペイン新作ダークチョコレート60g摂取
午後5:45 食後1時間血糖値宇:111mg・・・
びっくりして測定し直して104mg
大成功です。
モリドルノンシュガーチョコレート ミルク
1枚100gあたりの糖質14.6g
2014年1月6日(月)
午後5:55 血糖値:114mg
スペイン新作ミルクチョコレート:60g摂取
午後6:55 血糖値:124mg
60gを丸ごと食べて、10mgの上昇。
60g中に3.33gの糖質。
10g中に0.555gの糖質。
100g中なら、5.55gの糖質。
合格ですね。
ミルクチョコレートの方は、100ḡあたりの糖質量が14.6gと多く表記されていますが、これは原材料の分析方法が日本と違うため、「糖質」に分類されてしまう成分が多いからだと思われます。
なので、血糖測定から逆算した糖質量と分析値に違いが出たのでしょう。
因みに、この原材料単体でも私が血糖測定しましたが、全く血糖値を上昇させませんでした(^O^)
チョコレートの本場ヨーロッパで私がとことん監修し、見事に血糖測定にも合格した モリドルノンシュガーチョコレート、糖尿人、メタボ人、ダイエッターなどの糖質セイゲニストはもちろん、一般の方に食べて頂いても充分以上に満足してもらえるでしょう\(^o^)/
ブログ読者の皆さん、是非お試しあれ。
江部康二
詳細と販売はこちらから
モリドル 糖質制限チョコレート
https://www.toushitsuseigen.com/products/detail94.html

2016年07月06日 (水)
こんにちは。
朝日カルチャーセンター横浜教室講座のご案内です。
2013年10月、 米国糖尿病学会は「食事療法に関する声明2013」において
糖質制限食を正式に容認しました。
その影響を徐々に受けてか、2016/7/1(金)の東洋経済オンラインで、
門脇孝日本糖尿病学会理事長は、
東大病院でも40%の糖質制限食を提供していると述べておられます。
また、ご自身が糖質制限食を実践中とのことでした。
変われば変わるものです。
ともあれ、糖質制限食賛成派の私にとってどんどん追い風が吹いてきて、嬉しい限りです。
講座では、
最新の本の内容も含めて、わかりやすくて楽しいお話しを目指します。
横浜・東京や関東圏の方々のご参加をお待ちしております。
https://www.asahiculture.jp/yokohama/course/1e4c00da-1ef3-7474-9c93-57147a3a58c4
このサイトからもお申し込み頂けます。
朝日カルチャーセンター 朝日JTB・交流文化塾 横浜教室
TEL:045-453-1122
出版記念講座
人類最強の「糖質制限」論
ケトン体を味方にして痩せる、健康になる
■日時:2016年7月10日(日)13:00~14:30
■受講料(税込み): 会員 3,024円 一般 3,672円
江部康二
☆☆☆
以下は、朝日カルチャーセンター横浜のサイトから抜粋です。
人類最強の「糖質制限」論
ケトン体を味方にして健康になる
講師名 高雄病院理事長 江部 康二
講座内容
近年注目されている糖質制限食ですが、1999年から京都・高雄病院において糖尿病治療食として開始されました。
その後、血糖値を良好に保ち糖尿病合併症を予防できる唯一の食事療法として画期的な成果をあげてきました。
この過程で、肥満・メタボリックシンドロームなど様々な生活習慣病にも有効ということが判明しました。
2013年10月には米国糖尿病学会が、「栄養療法に関する声明」において糖質制限食を正式に認めました。
このことが大きな追い風となり、日本でも糖質制限食賛成派の医師が増えました。
脳はブドウ糖だけでなくケトン体をエネルギー源とすることは明白です。
この間、胎盤のケトン体や新生児のケトン体は基準値より高値が普通と判明し、その安全性も確立しました。 (講師・記)
日時 2016/7/10(日) 13:00-14:30
受講料(税込み)
会員 3,024円
一般 3,672円
注意事項 ※この講座は一般の方を対象にしています。
個人的な治療相談は承りかねますのでご了承下さい。
お申し込み
https://www.asahiculture.jp/yokohama/course/1e4c00da-1ef3-7474-9c93-57147a3a58c4
朝日カルチャーセンター横浜教室 電話:045-453-1122
講師紹介 江部 康二 (エベ コウジ)
<プロフィール>
・ 1950年生まれ。
・ 1974年京都大学医学部卒業。
・ 1974年から京都大学胸部疾患研究所第一内科(現在京大呼吸器内科)
にて呼吸器科を学ぶ。
・ 1978年から高雄病院に医局長として勤務。1996年副院長就任。
・1999年高雄病院に糖質制限食導入。
・2000年理事長就任。
・ 2001年から糖質制限食に本格的に取り組む。
・2002年に自ら糖尿病であると気づいて以来、さらに糖尿病治療の研究に力を 注ぎ、
「糖質制限食」の体系を確立。これにより自身の糖尿病を克服。
内科医/漢方医/
一般財団法人高雄病院理事長/一般社団法人日本糖質制限医療推進協会理事長
<著書>
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』2005年(東洋経済新報社)
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編』2008年(東洋経済新報社)
『我ら糖尿人、元気なのにはわけがある』2009年(東洋経済新報社・作家宮本 輝氏との対談本)
『糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食』2010年(ナツメ社)
『主食をやめると健康になる』2011年(ダイヤモンド社)
『食品別糖質量ハンドブック』2012年(洋泉社)
『糖質オフ!健康法』2012年(PHP文庫)
『糖尿病治療のための!糖質制限食パーフェクトガイド』2013年(東洋経済新 報社)
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!新版』2014年(東洋経済新報社)
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!2 実践編 新版』2014年(東洋経済新報社)
『炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません』2014年(東洋経済新報社)
『江部先生、「糖質制限は危ない」って本当ですか? 』 2015年(洋泉社)
『なぜ糖質制限をすると糖尿病が良くなるのか』2015年(ナツメ社)
『糖質制限の教科書』2015年(洋泉社)監修
『よくわかる! すぐできる! 「 糖質オフ! 」健康法 』2016年(PHP研究所)
『人類最強の「糖質制限」論~ケトン体を味方に して痩せる、健康になる』2016年(SB新書)
など多数。
ブログ『ドクター江部の糖尿病徒然日記( http://koujiebe.blog95.fc2.com/ )
は日に約10000件のアクセスがあり、
糖尿病のかたやそのご家族から寄せられ た質問への回答や、
糖尿病・糖質制限食に関する 情報の発信に、日々尽力している。
朝日カルチャーセンター横浜教室講座のご案内です。
2013年10月、 米国糖尿病学会は「食事療法に関する声明2013」において
糖質制限食を正式に容認しました。
その影響を徐々に受けてか、2016/7/1(金)の東洋経済オンラインで、
門脇孝日本糖尿病学会理事長は、
東大病院でも40%の糖質制限食を提供していると述べておられます。
また、ご自身が糖質制限食を実践中とのことでした。
変われば変わるものです。
ともあれ、糖質制限食賛成派の私にとってどんどん追い風が吹いてきて、嬉しい限りです。
講座では、
最新の本の内容も含めて、わかりやすくて楽しいお話しを目指します。
横浜・東京や関東圏の方々のご参加をお待ちしております。
https://www.asahiculture.jp/yokohama/course/1e4c00da-1ef3-7474-9c93-57147a3a58c4
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朝日カルチャーセンター 朝日JTB・交流文化塾 横浜教室
TEL:045-453-1122
出版記念講座
人類最強の「糖質制限」論
ケトン体を味方にして痩せる、健康になる
■日時:2016年7月10日(日)13:00~14:30
■受講料(税込み): 会員 3,024円 一般 3,672円
江部康二
☆☆☆
以下は、朝日カルチャーセンター横浜のサイトから抜粋です。
人類最強の「糖質制限」論
ケトン体を味方にして健康になる
講師名 高雄病院理事長 江部 康二
講座内容
近年注目されている糖質制限食ですが、1999年から京都・高雄病院において糖尿病治療食として開始されました。
その後、血糖値を良好に保ち糖尿病合併症を予防できる唯一の食事療法として画期的な成果をあげてきました。
この過程で、肥満・メタボリックシンドロームなど様々な生活習慣病にも有効ということが判明しました。
2013年10月には米国糖尿病学会が、「栄養療法に関する声明」において糖質制限食を正式に認めました。
このことが大きな追い風となり、日本でも糖質制限食賛成派の医師が増えました。
脳はブドウ糖だけでなくケトン体をエネルギー源とすることは明白です。
この間、胎盤のケトン体や新生児のケトン体は基準値より高値が普通と判明し、その安全性も確立しました。 (講師・記)
日時 2016/7/10(日) 13:00-14:30
受講料(税込み)
会員 3,024円
一般 3,672円
注意事項 ※この講座は一般の方を対象にしています。
個人的な治療相談は承りかねますのでご了承下さい。
お申し込み
https://www.asahiculture.jp/yokohama/course/1e4c00da-1ef3-7474-9c93-57147a3a58c4
朝日カルチャーセンター横浜教室 電話:045-453-1122
講師紹介 江部 康二 (エベ コウジ)
<プロフィール>
・ 1950年生まれ。
・ 1974年京都大学医学部卒業。
・ 1974年から京都大学胸部疾患研究所第一内科(現在京大呼吸器内科)
にて呼吸器科を学ぶ。
・ 1978年から高雄病院に医局長として勤務。1996年副院長就任。
・1999年高雄病院に糖質制限食導入。
・2000年理事長就任。
・ 2001年から糖質制限食に本格的に取り組む。
・2002年に自ら糖尿病であると気づいて以来、さらに糖尿病治療の研究に力を 注ぎ、
「糖質制限食」の体系を確立。これにより自身の糖尿病を克服。
内科医/漢方医/
一般財団法人高雄病院理事長/一般社団法人日本糖質制限医療推進協会理事長
<著書>
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』2005年(東洋経済新報社)
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編』2008年(東洋経済新報社)
『我ら糖尿人、元気なのにはわけがある』2009年(東洋経済新報社・作家宮本 輝氏との対談本)
『糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食』2010年(ナツメ社)
『主食をやめると健康になる』2011年(ダイヤモンド社)
『食品別糖質量ハンドブック』2012年(洋泉社)
『糖質オフ!健康法』2012年(PHP文庫)
『糖尿病治療のための!糖質制限食パーフェクトガイド』2013年(東洋経済新 報社)
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!新版』2014年(東洋経済新報社)
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!2 実践編 新版』2014年(東洋経済新報社)
『炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません』2014年(東洋経済新報社)
『江部先生、「糖質制限は危ない」って本当ですか? 』 2015年(洋泉社)
『なぜ糖質制限をすると糖尿病が良くなるのか』2015年(ナツメ社)
『糖質制限の教科書』2015年(洋泉社)監修
『よくわかる! すぐできる! 「 糖質オフ! 」健康法 』2016年(PHP研究所)
『人類最強の「糖質制限」論~ケトン体を味方に して痩せる、健康になる』2016年(SB新書)
など多数。
ブログ『ドクター江部の糖尿病徒然日記( http://koujiebe.blog95.fc2.com/ )
は日に約10000件のアクセスがあり、
糖尿病のかたやそのご家族から寄せられ た質問への回答や、
糖尿病・糖質制限食に関する 情報の発信に、日々尽力している。
2016年07月05日 (火)
糖質制限OK食材 うなぎの白焼き 糖質制限ドットコムより新発売です。
こんにちは。
昨日の京都は、14時前に35.2度を記録し、今年初の猛暑日となりました。
今日も朝から気温が上がり、11時33分の時点で34.5度になったそうです。
全国的に気温が上がっているみたいなので、読者の皆さん、くれぐれも熱中症にお気をつけくださいね(^_^;)
急激な気温の上昇に早くも夏バテしそうですが、今日はこんな暑い日にピッタリの糖質制限OK食材のご紹介です。

うなぎの白焼きです。
先月、浜松からうなぎを販売されてる「うなぎの井口」の社長さんが訪ねて来られました。
なんでも、糖質制限でうなぎのタレを作りたいと、お付き合いのある他のメーカーさんのご紹介で来られました。
何を隠そう私、江部康二、チョコレート以外にうなぎも大好物で、あらてつさんから鰻屋さんからお会いしたいと連絡が有ったのですが…と聞かされた時、二つ返事でOKを出しました(^o^)
実際にお会いしてうなぎについてお話を聞いていると、なかなか興味深いものがありました。
うなぎそのものは糖質も殆ど無く、糖質制限OK食材なのですが、スーパーなどで売っているうなぎは、こってりと甘いタレが絡んでいて、到底、糖質制限食では避けた方がいい部類になってしまいます。
ですが、白焼きならタレが掛かっていないので、血糖値の上昇を気にせずに食べることが出来ますが、京都では白焼きのうなぎを売っている店が殆どありません。
ところが、浜松では独特なうなぎの食文化があり、うなぎは「白焼き」で流通しているそうです。
なんでも、料理店などは白焼きの鰻を仕入れて、それぞれのお店で独自のタレを使って焼くとのこと。
家庭でうなぎ食べる時も白焼きを買ってそれぞれ自宅で調理するそうです。
なので、他府県にはない「うなぎの白焼」文化が発展したんですね。
「うなぎの井口」さんでは、全てのうなぎを手間の掛かる手焼きで焼かれて、私も試食しましたが、ふっくらとしてうなぎの旨味が凝縮されていました(^o^)
この「うなぎの井口」の白焼きを、糖質制限ワイン、サーメンタムの白を呑みながらわさび醤油で食べていると、いつの間にか1本空けてしまい、危うく沈没するところでした(^_^;)
「うなぎの井口」さんでは、国産のうなぎを南アルプスの伏流水で育て臭みを取り、「裂3年、串8年、焼一生」と言われる職人の技で焼き上げ、独自の技術で真空包装してあるので、読者の皆さんもご家庭で焼きたての白焼きを大いに楽しんで頂けます(^_^)
こんな素晴らしいうなぎを焼いてくださった「うなぎの井口」の井口社長に、大きな感謝を送りたいと思います(^o^)
「うなぎの井口」の白焼きは、糖質制限ドットコムで販売することになりました。
うなぎの白焼き
https://www.toushitsuseigen.com/products/detail161.html
白焼き以外にも、美味しい食べ方や、糖質制限なうなぎのタレの作り方動画などが紹介されています。
全国の糖質セイゲニストの皆さん、今年の猛暑を、糖質を気にせず食べられる美味しいうなぎで乗り切りましょう\(^o^)/
江部康二
こんにちは。
昨日の京都は、14時前に35.2度を記録し、今年初の猛暑日となりました。
今日も朝から気温が上がり、11時33分の時点で34.5度になったそうです。
全国的に気温が上がっているみたいなので、読者の皆さん、くれぐれも熱中症にお気をつけくださいね(^_^;)
急激な気温の上昇に早くも夏バテしそうですが、今日はこんな暑い日にピッタリの糖質制限OK食材のご紹介です。

うなぎの白焼きです。
先月、浜松からうなぎを販売されてる「うなぎの井口」の社長さんが訪ねて来られました。
なんでも、糖質制限でうなぎのタレを作りたいと、お付き合いのある他のメーカーさんのご紹介で来られました。
何を隠そう私、江部康二、チョコレート以外にうなぎも大好物で、あらてつさんから鰻屋さんからお会いしたいと連絡が有ったのですが…と聞かされた時、二つ返事でOKを出しました(^o^)
実際にお会いしてうなぎについてお話を聞いていると、なかなか興味深いものがありました。
うなぎそのものは糖質も殆ど無く、糖質制限OK食材なのですが、スーパーなどで売っているうなぎは、こってりと甘いタレが絡んでいて、到底、糖質制限食では避けた方がいい部類になってしまいます。
ですが、白焼きならタレが掛かっていないので、血糖値の上昇を気にせずに食べることが出来ますが、京都では白焼きのうなぎを売っている店が殆どありません。
ところが、浜松では独特なうなぎの食文化があり、うなぎは「白焼き」で流通しているそうです。
なんでも、料理店などは白焼きの鰻を仕入れて、それぞれのお店で独自のタレを使って焼くとのこと。
家庭でうなぎ食べる時も白焼きを買ってそれぞれ自宅で調理するそうです。
なので、他府県にはない「うなぎの白焼」文化が発展したんですね。
「うなぎの井口」さんでは、全てのうなぎを手間の掛かる手焼きで焼かれて、私も試食しましたが、ふっくらとしてうなぎの旨味が凝縮されていました(^o^)
この「うなぎの井口」の白焼きを、糖質制限ワイン、サーメンタムの白を呑みながらわさび醤油で食べていると、いつの間にか1本空けてしまい、危うく沈没するところでした(^_^;)
「うなぎの井口」さんでは、国産のうなぎを南アルプスの伏流水で育て臭みを取り、「裂3年、串8年、焼一生」と言われる職人の技で焼き上げ、独自の技術で真空包装してあるので、読者の皆さんもご家庭で焼きたての白焼きを大いに楽しんで頂けます(^_^)
こんな素晴らしいうなぎを焼いてくださった「うなぎの井口」の井口社長に、大きな感謝を送りたいと思います(^o^)
「うなぎの井口」の白焼きは、糖質制限ドットコムで販売することになりました。
うなぎの白焼き
https://www.toushitsuseigen.com/products/detail161.html
白焼き以外にも、美味しい食べ方や、糖質制限なうなぎのタレの作り方動画などが紹介されています。
全国の糖質セイゲニストの皆さん、今年の猛暑を、糖質を気にせず食べられる美味しいうなぎで乗り切りましょう\(^o^)/
江部康二
糖質制限食・ダイエット食の通信販売|糖質制限ドットコム
糖質制限ドットコムは、糖質制限食の第一人者、高雄病院、江部康二先生監修による糖質オフな食材を販売、糖質制限食に取り組む皆様をサポートします。
2016年07月05日 (火)
【16/07/04 イオリ
はじめまして。
はじめまして。
初めてコメントしますイオリです。
今年の1月ごろから糖質制限をしており 先生のブログを大変参考させていただいてます。
本日、5月末に受けた会社の健康診断の結果が 帰ってきたのですが、尿酸が要再検査、血中脂質 が要受診となっており、少し不安を覚えました。
特にLDL-C/HDL-Cが2.4であり、糖質制限中としても かなり高い値であるため、やり方に問題があったのかと・・・
やり方を変えた方が良いのでしょうか?
▼ 健康診断
※去年⇒今年
--------
身長:168
体重:63.3⇒54.0
腹囲:79.0⇒65.2
--------
AST(GOT):23⇒26
ALT(GPT):8⇒8
γ-GT:19⇒14
--------
総コレステロール:158⇒333
中性脂肪:104⇒75
HDL-C:70⇒89
◎LDL-C:73⇒221
--------
尿素窒素:16⇒18
クレアチニン:0.88⇒0.86
--------
血糖:95⇒64
HbA1c:5.2⇒5.4
--------
◎尿酸:4.0⇒8.0
--------
白血球数:3.8⇒4.0
--------
赤血球数:503⇒507
血色素量:15.2⇒15.0
ヘマト:47.4⇒46.1
--------
▼ 私の糖質制限に関して
私は糖尿病ではないのですが、
「シリコンバレー式 自分を変える最強の食事」
という本の影響を受けて、健康のため完全無欠ダイエットを始めました。
完全無欠ダイエットはご存知でしょうか。糖質制限に加えて、食材に拘り、より毒素(カビ毒など)の少ない食べ物を食べようという考え方です。
糖質制限より実践が難しいので、一部(バターコーヒーなど)だけ取り入れる形としています。
1月から食生活はいろいろ変化していますが、 今現在、以下のような食生活を続けております。
・朝食:バターコーヒー(バター35g、MCTオイル15g)
※ 水筒に入れて昼過ぎぐらいまでチビチビと飲んでます。
・昼食:ステーキ300g+サラダ(いきなりステーキ)
・夕食:コンビニ弁当(最近は80g程度の白米付き)】
おはようございます。
イオリさんから、糖質制限食とコレステロール値、尿酸値についてコメント・質問をいただきました。
私は「シリコンバレー式 自分を変える最強の食事」 という本があるのは知っていますが、読んだことはありません。
イオリさんの脂質の変化は、もともと、菜食中心だった人が、糖質制限したときのパターンですね。
HDLコレステロールが増加して、中性脂肪が正常でも低めですので、LDLコレステロールも善玉が多いと思います。
悪玉の小粒子LDLや酸化LDLは少ないのでリスクは少ないです。
1年から数年レベルで肝臓が生産調整して基準値になることが多いですがLDLコレステロール値が気になれば、ゼチーアが糖質制限食の場合よく効きますし、副作用が比較的少ないです。
尿酸は、9mg/dlを超えれば治療対象ですが、過去痛風発作がなければ、経過をみてもいいと思います。
168cm 54kgと10kg近い減量で、BMIが19.1です。
摂取エネルギー不足で尿酸が上昇しますので、ご注意ください。
「魚:肉」の比率を「1:1」くらいにすると、脂質や尿酸も安定しやすいです。
さて、人体はタンパク質、脂質、無機質、水分等の主要成分により構成されています。
男と女で比べると、一般に女性は少し脂肪の割合が多いです。
人体全体の体組成はおよそですが以下のようです。
水分:55~65%
タンパク質:14~18%
脂肪:15~30%
ミネラル:5~6%
糖質は:1%以下・・・
つまり糖質は人体の構成成分としては極微量。
その中で、脳は脂質に富み、ヒト脳の乾燥重量の65%が脂質です。
脳脂質の半分がリン脂質、コレステロールが1/4、糖脂質が1/4です。
コレステロールは、生体のあらゆる細胞膜の構築に必須の物質であり、肝臓で合成し腸肝循環によって制御・調節されています。
このように、コレステロールは、人体にとって必要不可欠な、重要な構成成分の一つです。
ヒトだけではなく、約2億2500万年前に哺乳類が誕生して以来、生命現象の根幹をなす細胞膜などの原料として一貫して利用されてきたのです。
そのため血清コレステロール値は、摂取された食物のコレステロールが少ない場合は肝臓での合成が高まり、一方、摂取コレステロールが多い場合は、肝臓での合成が徐々に減少して、一定量を必ず確保するよう調整しています。
一般にLDLコレステロールは悪玉でHDLコレステロールは善玉という言い方をしますが、これは正確ではありません。
正常サイズのLDLは、中に約40%のコレステロールを含んでおり、それを末梢組織に運ぶ真っ当な役割を果たしています。
HDLは末梢組織の細胞で原料として使用されたあと、余ったコレステロールを回収して肝臓に運んでいます。
即ち、LDLもHDLも人体に必要なものであり、日々良い仕事をしており逆に少なすぎたら困るわけです。
LDLコレステロールの中で本当に問題となるのは、小粒子LDLコレステロール(小さくて高密度のLDL)と酸化LDLコレステロールです。
小粒子LDLは、真の悪玉である酸化LDLに変化しやすく危険な存在です。
小粒子LDLコレステロールは血管内皮に侵入しやすくそこで酸化されます。
酸化LDLは、血管内皮中で異物と見なされて大食細胞という免疫系の細胞に取り込まれていき、血管内皮細胞内でコレステロールを蓄積させ、動脈硬化を起こし心筋梗塞のリスクとなります。
酸化していない普通のLDLは、異物ではないので血管内皮に障害を起こしません。
中性脂肪が多くて、HDLコレステロールが少ない人は、小粒子LDLがたくさんある可能性が高いので要注意です。
HDLコレステロールが多くて中性脂肪が少ない人は、小粒子LDLコレステロールと酸化LDLコレステロールは少ないので安全です。
そして糖質制限食実践中の人は、HDLコレステロールが多くて、中性脂肪が少ないです。
つまり糖質制限食実践中であれば、少々LDLコレステロールが高値でも問題ないわけです。
江部康二
はじめまして。
はじめまして。
初めてコメントしますイオリです。
今年の1月ごろから糖質制限をしており 先生のブログを大変参考させていただいてます。
本日、5月末に受けた会社の健康診断の結果が 帰ってきたのですが、尿酸が要再検査、血中脂質 が要受診となっており、少し不安を覚えました。
特にLDL-C/HDL-Cが2.4であり、糖質制限中としても かなり高い値であるため、やり方に問題があったのかと・・・
やり方を変えた方が良いのでしょうか?
▼ 健康診断
※去年⇒今年
--------
身長:168
体重:63.3⇒54.0
腹囲:79.0⇒65.2
--------
AST(GOT):23⇒26
ALT(GPT):8⇒8
γ-GT:19⇒14
--------
総コレステロール:158⇒333
中性脂肪:104⇒75
HDL-C:70⇒89
◎LDL-C:73⇒221
--------
尿素窒素:16⇒18
クレアチニン:0.88⇒0.86
--------
血糖:95⇒64
HbA1c:5.2⇒5.4
--------
◎尿酸:4.0⇒8.0
--------
白血球数:3.8⇒4.0
--------
赤血球数:503⇒507
血色素量:15.2⇒15.0
ヘマト:47.4⇒46.1
--------
▼ 私の糖質制限に関して
私は糖尿病ではないのですが、
「シリコンバレー式 自分を変える最強の食事」
という本の影響を受けて、健康のため完全無欠ダイエットを始めました。
完全無欠ダイエットはご存知でしょうか。糖質制限に加えて、食材に拘り、より毒素(カビ毒など)の少ない食べ物を食べようという考え方です。
糖質制限より実践が難しいので、一部(バターコーヒーなど)だけ取り入れる形としています。
1月から食生活はいろいろ変化していますが、 今現在、以下のような食生活を続けております。
・朝食:バターコーヒー(バター35g、MCTオイル15g)
※ 水筒に入れて昼過ぎぐらいまでチビチビと飲んでます。
・昼食:ステーキ300g+サラダ(いきなりステーキ)
・夕食:コンビニ弁当(最近は80g程度の白米付き)】
おはようございます。
イオリさんから、糖質制限食とコレステロール値、尿酸値についてコメント・質問をいただきました。
私は「シリコンバレー式 自分を変える最強の食事」 という本があるのは知っていますが、読んだことはありません。
イオリさんの脂質の変化は、もともと、菜食中心だった人が、糖質制限したときのパターンですね。
HDLコレステロールが増加して、中性脂肪が正常でも低めですので、LDLコレステロールも善玉が多いと思います。
悪玉の小粒子LDLや酸化LDLは少ないのでリスクは少ないです。
1年から数年レベルで肝臓が生産調整して基準値になることが多いですがLDLコレステロール値が気になれば、ゼチーアが糖質制限食の場合よく効きますし、副作用が比較的少ないです。
尿酸は、9mg/dlを超えれば治療対象ですが、過去痛風発作がなければ、経過をみてもいいと思います。
168cm 54kgと10kg近い減量で、BMIが19.1です。
摂取エネルギー不足で尿酸が上昇しますので、ご注意ください。
「魚:肉」の比率を「1:1」くらいにすると、脂質や尿酸も安定しやすいです。
さて、人体はタンパク質、脂質、無機質、水分等の主要成分により構成されています。
男と女で比べると、一般に女性は少し脂肪の割合が多いです。
人体全体の体組成はおよそですが以下のようです。
水分:55~65%
タンパク質:14~18%
脂肪:15~30%
ミネラル:5~6%
糖質は:1%以下・・・
つまり糖質は人体の構成成分としては極微量。
その中で、脳は脂質に富み、ヒト脳の乾燥重量の65%が脂質です。
脳脂質の半分がリン脂質、コレステロールが1/4、糖脂質が1/4です。
コレステロールは、生体のあらゆる細胞膜の構築に必須の物質であり、肝臓で合成し腸肝循環によって制御・調節されています。
このように、コレステロールは、人体にとって必要不可欠な、重要な構成成分の一つです。
ヒトだけではなく、約2億2500万年前に哺乳類が誕生して以来、生命現象の根幹をなす細胞膜などの原料として一貫して利用されてきたのです。
そのため血清コレステロール値は、摂取された食物のコレステロールが少ない場合は肝臓での合成が高まり、一方、摂取コレステロールが多い場合は、肝臓での合成が徐々に減少して、一定量を必ず確保するよう調整しています。
一般にLDLコレステロールは悪玉でHDLコレステロールは善玉という言い方をしますが、これは正確ではありません。
正常サイズのLDLは、中に約40%のコレステロールを含んでおり、それを末梢組織に運ぶ真っ当な役割を果たしています。
HDLは末梢組織の細胞で原料として使用されたあと、余ったコレステロールを回収して肝臓に運んでいます。
即ち、LDLもHDLも人体に必要なものであり、日々良い仕事をしており逆に少なすぎたら困るわけです。
LDLコレステロールの中で本当に問題となるのは、小粒子LDLコレステロール(小さくて高密度のLDL)と酸化LDLコレステロールです。
小粒子LDLは、真の悪玉である酸化LDLに変化しやすく危険な存在です。
小粒子LDLコレステロールは血管内皮に侵入しやすくそこで酸化されます。
酸化LDLは、血管内皮中で異物と見なされて大食細胞という免疫系の細胞に取り込まれていき、血管内皮細胞内でコレステロールを蓄積させ、動脈硬化を起こし心筋梗塞のリスクとなります。
酸化していない普通のLDLは、異物ではないので血管内皮に障害を起こしません。
中性脂肪が多くて、HDLコレステロールが少ない人は、小粒子LDLがたくさんある可能性が高いので要注意です。
HDLコレステロールが多くて中性脂肪が少ない人は、小粒子LDLコレステロールと酸化LDLコレステロールは少ないので安全です。
そして糖質制限食実践中の人は、HDLコレステロールが多くて、中性脂肪が少ないです。
つまり糖質制限食実践中であれば、少々LDLコレステロールが高値でも問題ないわけです。
江部康二