2016年01月31日 (日)
こんばんは。
2016/1/30(土)
016年1月30日(土) 15:00~17:00
NHK文化センター京都(075-254-8701)
『美味しく楽しく健康 に!糖質制限食のすすめ』
~糖質制限食で治す糖尿病・メタボ・生活習慣病~
と題しての講演会、おかげさまで76名の参加者で満員御礼の盛況でした。
ブログ読者の皆さんには、講演会へのご参加、いつもありがとうございます。
講演では、現行の日本の糖尿病治療「カロリー制限高糖質食+薬物療法」では、『食後高血糖』と『平均血糖変動幅増大』が防げないので、合併症予防は理論的に不可能であることを強調しました。
<日本の糖尿病治療の現状>
結局、糖尿病が元で、毎年新たに、人工透析16000人、失明3000人、足切断3000人発症という厳しい現実を前にしては、いくら日本糖尿病学会が、「日本の糖尿病治療は世界最高水準」などと強調しても空しく響くだけです。
こんなことは、言いたくはないのですが、敢えて言わせて貰います。
「カロリー制限高糖質食」は、「合併症製造食」あるいは「慢性殺人食」としかいいようがありません。
日本の糖尿病治療の現状を憂えつつ、家に帰って、欧米の糖尿病治療の現況はどうなのかと文献を検討してみました。
そうすると、欧米の糖尿病治療の現実も極めて厳しいものであることが判明しました。
<欧米の糖尿病治療の現状>
「2型糖尿病の厳格な血糖管理の利益はわずか」と言う結論の
RCT研究論文のメタ解析報告が、
ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル誌(BMJ誌)
2011年7月30日号に掲載されていたのです。
フランスLyon第一大学のRemy Boussageon氏らの報告です。
Medline、Embase、コクランレビューに1950年から2010年7月までに登録された無作為化試験(RCT)の中から、厳しい条件を満たした研究を選出しました。
その結果以下の13件の研究が残りました。
UGDP(phenoformin、tolbutamide、insulinの3件)、Kumamoto、Veteran Affairs Feasibility study、
UKPDS(33と34の2件)、PROactive、Dargieらの2007年の研究、ACCORD、ADVANCE、VADT、HOME。
これら13件の研究をメタ解析したのがこの論文です。(☆)
この論文の結論は
「2型糖尿病の厳格な血糖管理の利益はわずか、低血糖リスクに相殺される程度」
ということです。
2型糖尿病患者に対して厳格な血糖管理を行っても、全死因死亡、心血管死亡リスクの低減効果はあったとしてもわずかで、重症低血糖リスクは2倍以上になることが、明らかとなっています。
13の厳選された信頼度の高いRCT論文のメタ解析ですので、エビデンスレベルは最高ランクであり、客観的・科学的・数量的・総括的な評価を目指した論文と言えます。
今回のメタ解析の結果、厳格な血糖管理の利益はあったとしてもわずかで、重症低血糖がもたらす害により相殺される程度であることが示唆されました。
死亡に対する影響も、「全死因死亡リスクは9%低下または19%上昇」「心血管死亡リスクは14%低下または43%上昇」という可能性が残るということでした。
つまり、厳格血糖管理群で、かえって死亡リスクが高まる可能性も充分あり得るという、厳しい結論です。(=_=;)
2008年報告のACCORD試験(今回のBMJ誌のメタ解析にも選ばれています)では、厳格管理群の総死亡率が標準治療群より有意に上昇し、物議をかもしたのは記憶に新しいところです
。
ACCORD試験の結果は、
「糖質を摂取しながら、厳格に糖尿病薬物治療を行えばかえって死亡リスクが高まった」
という恐るべき結論です。
そして、今回のBMJ誌の論文でも、糖質を摂取しながらの厳格薬物治療の利益はほとんどないに等しいし、場合により死亡リスクを高める可能性さえあるということです。
<結論>
糖質を普通に摂取して、薬物療法を行えば、日本では、合併症のオンパレードが待っています。
欧米でも、糖質を普通に摂取していたら、2型糖尿病の厳格な血糖管理の利益はわずかで、低血糖リスクに相殺される程度ということです。
『食後高血糖』と『平均血糖変動幅増大』を防ぎ、合併症予防や総死亡率減少が期待できるのは、糖質制限食だけです。
糖尿人のご同輩、くれぐれも、美味しく楽しく末長く、糖質制限食ですね。
自分の頭で考えて、判断し、選択して、身を守って頂けば幸いです。
(☆)Effect of intensive glucose lowering treatment on all cause mortality, cardiovascular death, and microvascular events in type 2 diabetes: meta-analysis of randomised controlled trials
BMJ 2011; 343 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.d4169 (Published 26 July 2011)
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21791495
江部康二
2016/1/30(土)
016年1月30日(土) 15:00~17:00
NHK文化センター京都(075-254-8701)
『美味しく楽しく健康 に!糖質制限食のすすめ』
~糖質制限食で治す糖尿病・メタボ・生活習慣病~
と題しての講演会、おかげさまで76名の参加者で満員御礼の盛況でした。
ブログ読者の皆さんには、講演会へのご参加、いつもありがとうございます。
講演では、現行の日本の糖尿病治療「カロリー制限高糖質食+薬物療法」では、『食後高血糖』と『平均血糖変動幅増大』が防げないので、合併症予防は理論的に不可能であることを強調しました。
<日本の糖尿病治療の現状>
結局、糖尿病が元で、毎年新たに、人工透析16000人、失明3000人、足切断3000人発症という厳しい現実を前にしては、いくら日本糖尿病学会が、「日本の糖尿病治療は世界最高水準」などと強調しても空しく響くだけです。
こんなことは、言いたくはないのですが、敢えて言わせて貰います。
「カロリー制限高糖質食」は、「合併症製造食」あるいは「慢性殺人食」としかいいようがありません。
日本の糖尿病治療の現状を憂えつつ、家に帰って、欧米の糖尿病治療の現況はどうなのかと文献を検討してみました。
そうすると、欧米の糖尿病治療の現実も極めて厳しいものであることが判明しました。
<欧米の糖尿病治療の現状>
「2型糖尿病の厳格な血糖管理の利益はわずか」と言う結論の
RCT研究論文のメタ解析報告が、
ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル誌(BMJ誌)
2011年7月30日号に掲載されていたのです。
フランスLyon第一大学のRemy Boussageon氏らの報告です。
Medline、Embase、コクランレビューに1950年から2010年7月までに登録された無作為化試験(RCT)の中から、厳しい条件を満たした研究を選出しました。
その結果以下の13件の研究が残りました。
UGDP(phenoformin、tolbutamide、insulinの3件)、Kumamoto、Veteran Affairs Feasibility study、
UKPDS(33と34の2件)、PROactive、Dargieらの2007年の研究、ACCORD、ADVANCE、VADT、HOME。
これら13件の研究をメタ解析したのがこの論文です。(☆)
この論文の結論は
「2型糖尿病の厳格な血糖管理の利益はわずか、低血糖リスクに相殺される程度」
ということです。
2型糖尿病患者に対して厳格な血糖管理を行っても、全死因死亡、心血管死亡リスクの低減効果はあったとしてもわずかで、重症低血糖リスクは2倍以上になることが、明らかとなっています。
13の厳選された信頼度の高いRCT論文のメタ解析ですので、エビデンスレベルは最高ランクであり、客観的・科学的・数量的・総括的な評価を目指した論文と言えます。
今回のメタ解析の結果、厳格な血糖管理の利益はあったとしてもわずかで、重症低血糖がもたらす害により相殺される程度であることが示唆されました。
死亡に対する影響も、「全死因死亡リスクは9%低下または19%上昇」「心血管死亡リスクは14%低下または43%上昇」という可能性が残るということでした。
つまり、厳格血糖管理群で、かえって死亡リスクが高まる可能性も充分あり得るという、厳しい結論です。(=_=;)
2008年報告のACCORD試験(今回のBMJ誌のメタ解析にも選ばれています)では、厳格管理群の総死亡率が標準治療群より有意に上昇し、物議をかもしたのは記憶に新しいところです
。
ACCORD試験の結果は、
「糖質を摂取しながら、厳格に糖尿病薬物治療を行えばかえって死亡リスクが高まった」
という恐るべき結論です。
そして、今回のBMJ誌の論文でも、糖質を摂取しながらの厳格薬物治療の利益はほとんどないに等しいし、場合により死亡リスクを高める可能性さえあるということです。
<結論>
糖質を普通に摂取して、薬物療法を行えば、日本では、合併症のオンパレードが待っています。
欧米でも、糖質を普通に摂取していたら、2型糖尿病の厳格な血糖管理の利益はわずかで、低血糖リスクに相殺される程度ということです。
『食後高血糖』と『平均血糖変動幅増大』を防ぎ、合併症予防や総死亡率減少が期待できるのは、糖質制限食だけです。
糖尿人のご同輩、くれぐれも、美味しく楽しく末長く、糖質制限食ですね。
自分の頭で考えて、判断し、選択して、身を守って頂けば幸いです。
(☆)Effect of intensive glucose lowering treatment on all cause mortality, cardiovascular death, and microvascular events in type 2 diabetes: meta-analysis of randomised controlled trials
BMJ 2011; 343 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.d4169 (Published 26 July 2011)
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21791495
江部康二
2016年01月30日 (土)
【糖質制限食を実践される時のご注意】
糖質制限食実践によりリアルタイムに血糖値が改善します。
このため既に、経口血糖降下剤(オイグルコン、アマリールなど)の内服やインスリン注射をしておられる糖尿人は、減薬しないと低血糖の心配がありますので必ず主治医と相談して頂きたいと思います。
一方、薬を使用してない糖尿人やメタボ人は、低血糖の心配はほとんどないので、自力で糖質制限食を実践して糖尿病やメタボ改善を目指していただけば幸いです。
内服薬やインスリン注射なしの糖尿人が糖質制限食を実践すると、食後高血糖は改善しますが、低血糖にはなりません。
血糖値が正常範囲である程度下がると、肝臓でアミノ酸・乳酸・グリセロール(脂肪の分解物)などから、ブドウ糖を作るからです。
これを糖新生といいます。
診断基準を満たす膵炎がある場合、肝硬変の場合、そして長鎖脂肪酸代謝異常症は、糖質制限食は適応となりませんのでご注意ください。
糖質制限食は相対的に高脂肪食になるので、診断基準を満たしている膵炎の患者さんには適応とならないのです。
進行した肝硬変では、糖新生能力が低下しているため適応となりません。
長鎖脂肪酸代謝異常症では、肉や魚などに含まれる長鎖脂肪酸が上手く利用できないので、適応となりません。
腎機能に関して、日本腎臓病学会編「CKD診療ガイド2013」において、eGFR60ml/分以上あれば顕性たんぱく尿の段階でも、たんぱく質は過剰な摂取をしないという表現となっていて、制限という記載はなしです。
従いまして、糖尿病腎症第3期でも、eGFR60ml/分以上なら、糖質制限食OKです。
また、米国糖尿病学会(ADA)は
Position Statement on Nutrition Therapy(栄養療法に関する声明)
Diabetes Care 2013年10月9日オンライン版
において、糖尿病腎症患者に対する蛋白質制限の意義を明確に否定しました。
根拠はランク(A)ですので、信頼度の高いRCT研究論文に基づく見解です。
今後は、糖尿病腎症第3期以降で、eGFRが60ml/分未満の場合も、患者さんとよく相談して、糖質制限食を実践するか否か、個別に対応することとなります。
なお、機能性低血糖症の場合、炭水化物依存症レベルが重症のとき、糖新生能力が低下していることがあり、まれに低血糖症を生じますので注意が必要です。
また、どのような食事療法でも合う合わないがあります。
糖質制限食もその一つですので、合わないとご自分で判断されたら中止していただけば幸いです。
【糖質制限食とは】
米国糖尿病協会(ADA)の患者教育用のテキストブックLife With Diabetes(2004年版)には、以下の記載があります。
「摂取後直接血糖に影響を与えるのは糖質のみである。
糖質は速やかに吸収され、直接100%血糖に変わり、ほぼ120分以内に吸収は終了する。
蛋白質・脂質は、摂取後、直接血糖に影響を及ぼすことはない。
『炭水化物・タンパク質・脂肪はカロリーを含有している。
炭水化物だけが、血糖値に直接影響を及ぼす。』」
これらは含有エネルギーとは無関係な三大栄養素の生理学的特質です。
1997年版のLife With Diabetes(ADA刊行)では、
「タンパク質は約半分が血糖に変わり、脂質は10%未満が血糖に変わる」
という記載がありましたが、2004年版以降は変更されています。
このように糖質、脂質、タンパク質のうち糖質だけが直接、血糖値を上昇させます。
従って、糖質を摂取した時にはインスリンが大量に追加分泌されます。
脂質を摂取しても、インスリンの追加分泌はありません。
タンパク質はごく少量のインスリンを追加分泌させます。
現在糖尿病において、食後の急激な高血糖(グルコーススパイク)が大きな問題として注目されています。
食後高血糖が、心筋梗塞や脳梗塞などの合併症を起こす危険因子として確立されたからです。
また一日における、食前・食後・空腹時など血糖値の変動幅(平均血糖変動幅)が大きいほど、酸化ストレスが増強し動脈硬化のリスクとなることがわかってきました。
そして、食後高血糖と平均血糖変動幅増大を起こすのは、三大栄養素のなかで糖質だけなのです。
1gの糖質が、体重64kgの2型糖尿病の人の血糖値を約3mg上昇させます。
炊いた白ご飯茶碗1杯150g(252kcal)には、55.3gの糖質が含まれており、血糖値を166mg上昇させます。
一方、和牛サーロインステーキ(脂身つき)を200g(約1000キロカロリー)食べても、糖質含有量は1gもないので、食後血糖は3mg未満の上昇しかないのです。
なお、1gの糖質が体重64kgの1型糖尿病の人の血糖値を5mg上昇させます。
糖質制限食の基本的な考え方は、上述のような生理学的事実をベースに、できるだけ糖質の摂取を低く抑えて、食後高血糖を防ぐというものです。
簡単に言えば、主食を抜いておかずばかり食べるというイメージになります。
抜く必要がある主食とは 、米飯・めん類・パンなどの米・麦製品や芋類など糖質が主成分のものです。
3食主食抜きのスーパー糖質制限食(糖質12%、タンパク質32%、脂質56%)なら、薬に頼ることなく速やかにリアルタイムで良好な血糖コントロールが可能です。
一方、上述の白ご飯とステーキの例でも明らかなように、カロリー計算に基づいて血糖値をコントロールすることは理論的に不可能です。
従って、現行の日本糖尿病学会推薦の糖尿病食(糖質60%、タンパク質20%、脂質20%)を実践する限りは、一日の摂取カロリーを1200キロカロリーと低く抑えたとしても、食後高血糖が必ず生じるのです。
糖尿病の改善には、カロリー制限より糖質制限ということがおわかりいただけたと思います。
なお糖質制限食は、カロリー無制限ということではありません。
日本糖尿病学会「糖尿病治療ガイド2014-2015」の
男性1400~2000kcal
女性1200~1800kcal
ほど厳しいカロリー制限は必要ありませんが、
「日本人の食事摂取基準」(2015年、厚生労働省)
に示す推定エネルギー必要量の範囲、
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000041955.pdf
推定エネルギー必要量(一日あたり)
男性 女性
15-17才 2500 2850 3150 2050 2300 2550kcal
18-29才 2300 2650 3050 1650 1950 2200
30-49才 2300 2650 3050 1750 2000 2300
50-69才 2100 2450 2800 1650 1900 2200
70才 1850 2200 2500 1500 1750 2000
身体活動レベル 低い 普通 高い 低い 普通 高い
くらいが目安です。
そして2013年に糖尿病食事療法に関して画期的な変化がありました。
米国糖尿病学会が、
2013年10月発表の『栄養療法に関する声明』において、全ての糖尿病患者に適した唯一無二の治療食は存在しないと明記したのです。
これはそのまま、1969年の食品交換表第2版以降一貫して、糖尿病治療食として、唯一無二の「カロリー制限・高糖質食」を推奨し続けている日本糖尿病学会への痛烈な批判となっています。
さらに、米国糖尿病学会は『栄養療法に関する声明2013』において地中海食、ベジタリアン食、DASH食、低脂質食などと共に
「糖質制限食」も正式に受容しました。
このことは糖質制限食を推進する私達にとって、大変大きな追い風となりました。
【本ブログのコメント・質問・記事に関するお願い】
ブログ読者の皆さんには、いつもコメントいただき、ありがとうございます。
糖質制限食に関する質問についてですが、実際に高雄病院や江部診療所に来院されて診察した患者さんに対しては、医師としての責任・債務がありますので、個別に説明もしっかりさせて頂いていますし、フォローもしております。
一方、ブログ読者の皆さんの質問に関しては、糖質制限食に詳しい医師として、ボランティアで回答させていただいています。
診察もしておりませんしフォローもできませんので、責任もとれません。
私の回答は、あくまでも一般論としての参考意見とお考え頂けば幸いです。
また、ブログ記事や本に関しても同様に、糖質制限食に関する一般論としての参考意見とお考え下さい。
従いまして、読者の皆さんが私の参考意見を読まれて、どのように利用されるかは、自己責任でよろしくお願い申し上げます。m(_ _)m
そして読者の皆さんからもご意見いただきましたが、普通のお医者さんに相談可能な個人的な内容の質問は、ご自分の主治医にご相談頂けば助かります。
またネットで簡単に検索可能なことは、ご自分でお調べください。
質問が増えてきましたので、糖質制限食と関わりがないと判断した質問にはお答えできない場合もありますので、ご了承ください。m(_ _)m
普通のお医者さんでは解答不能の、糖質制限食に関わる質問は、何でもどんどんしていただけば嬉しいです。 (^_^)
掲載OKの質問に関して、読者の皆さんに共有していただきたい情報の場合は、ブログ本文記事にて、できるだけ順番にお答えしたいと思います。
質問によってはコメント欄でお早めにお答えする場合もありますのでご了承ください。
一方、質問がかなり増えてきていますので、なかなか即、お答えすることが困難となってきています。
糖質制限食に関わりのある全ての質問に、本文かコメントでお答えするようできるだけ努力はしていますが、できないときはご容赦願います。m(_ _)m
それから、「管理人のみ閲覧できる」「匿名希望」などの質問に関しては、コメント欄にお答えするか、一般的な話題に置き換えてブログに記載するようにしていますので、よろしくお願い申し上げます。
<江部康二著 参考図書>
理論
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!糖質制限食のすすめ」2005年
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」2008年
「我ら糖尿人、元気なのには理由がある。」2009年 宮本輝先生との対談本
「やせる食べ方」2010年
「うちの母は糖尿人」2010年 監修:江部康二 著:伊藤きのと
(東洋経済新報社)
「糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食」2010年(ナツメ社)
腹いっぱい食べて楽々痩せる『満腹ダイエット』 (ソフトバンク新書)2011年
「主食をやめると健康になる」(ダイヤモンド社)2011年
「血糖コントロールの新常識! 糖質制限 完全ガイド」 (別冊宝島)2012年
「食品別糖質量ハンドブック」2012年(洋泉社)、
「糖質オフ!健康法」(PHP文庫)2012年
「主食を抜けば糖尿病はよくなる!糖質制限食のすすめ」(文春文庫)2012年
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」(文春文庫)2012年
「女性のための糖質制限ダイエットハンドブック」2012年(洋泉社)
「糖尿病治療のための!糖質制限食パーフェクトガイド」2013年(東洋経済新報社)
「医療の巨大転換を加速する」糖質制限食と湿潤療法のインパクト
2013年(東洋経済新報社) 夏井睦先生との対談本
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!糖質制限食のすすめ 新版」2014年(東洋経済新報社)
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!2 実践編 新版」2014年(東洋経済新報社)
「炭水化物の食べ過ぎで早死にしてはいけません」2014年(東洋経済新報社)
一生太らない「やせる! 食べ方」2014年 (PHP文庫)
江部先生、「糖質制限は危ない」って本当ですか?2015年(洋泉社)
「なぜ糖質制限をすると糖尿病が良くなるのか」2015年(ナツメ社)
「糖質制限の教科書」2015年(洋泉社)監修
レシピ
「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」2006年(東洋経済新報社)
「糖質オフ」ごちそうごはん2009年(アスペクト)
dancyuプレジデントムック 「満腹ダイエット 」 2009年(プレジデント社)
「血糖値を上げない!健康おつまみ109」2010年(東洋経済新報社)
「やせる食べ方レシピ集」 2010年(東洋経済新報社)
「糖質オフダイエット 」2011年(レタスクラブ、角川マーケティング)
「誰もがストレスなくやせられる!糖質制限ダイエット」2011年(講談社)
「主食を抜けば糖尿病はよくなる」レシピ集2011年(東洋経済新報社)
高雄病院の「糖質制限」給食2012年(講談社)
糖尿病がどんどんよくなる「糖質制限食」おすすめレシピ集2012年(ナツメ社)
糖質制限の「主食もどき」レシピ2013年(東洋経済新報社)
高雄病院Dr江部が食べている「糖質制限」ダイエット2013年(講談社)
糖質オフのダイエット弁当2013年(家の光協会)
高雄病院「糖質制限給食」朝 昼 夕 14日間完全プログラム
糖尿病・肥満改善が自宅でできる! 2013年(講談社)
2週間チャレンジ! 糖質制限の太らない生活 2014年(洋泉社mook)
DVD「糖質制限食を語る」http://www.yaserutabekata.com/shop/dvd.php 2011年
江部康二
糖質制限食実践によりリアルタイムに血糖値が改善します。
このため既に、経口血糖降下剤(オイグルコン、アマリールなど)の内服やインスリン注射をしておられる糖尿人は、減薬しないと低血糖の心配がありますので必ず主治医と相談して頂きたいと思います。
一方、薬を使用してない糖尿人やメタボ人は、低血糖の心配はほとんどないので、自力で糖質制限食を実践して糖尿病やメタボ改善を目指していただけば幸いです。
内服薬やインスリン注射なしの糖尿人が糖質制限食を実践すると、食後高血糖は改善しますが、低血糖にはなりません。
血糖値が正常範囲である程度下がると、肝臓でアミノ酸・乳酸・グリセロール(脂肪の分解物)などから、ブドウ糖を作るからです。
これを糖新生といいます。
診断基準を満たす膵炎がある場合、肝硬変の場合、そして長鎖脂肪酸代謝異常症は、糖質制限食は適応となりませんのでご注意ください。
糖質制限食は相対的に高脂肪食になるので、診断基準を満たしている膵炎の患者さんには適応とならないのです。
進行した肝硬変では、糖新生能力が低下しているため適応となりません。
長鎖脂肪酸代謝異常症では、肉や魚などに含まれる長鎖脂肪酸が上手く利用できないので、適応となりません。
腎機能に関して、日本腎臓病学会編「CKD診療ガイド2013」において、eGFR60ml/分以上あれば顕性たんぱく尿の段階でも、たんぱく質は過剰な摂取をしないという表現となっていて、制限という記載はなしです。
従いまして、糖尿病腎症第3期でも、eGFR60ml/分以上なら、糖質制限食OKです。
また、米国糖尿病学会(ADA)は
Position Statement on Nutrition Therapy(栄養療法に関する声明)
Diabetes Care 2013年10月9日オンライン版
において、糖尿病腎症患者に対する蛋白質制限の意義を明確に否定しました。
根拠はランク(A)ですので、信頼度の高いRCT研究論文に基づく見解です。
今後は、糖尿病腎症第3期以降で、eGFRが60ml/分未満の場合も、患者さんとよく相談して、糖質制限食を実践するか否か、個別に対応することとなります。
なお、機能性低血糖症の場合、炭水化物依存症レベルが重症のとき、糖新生能力が低下していることがあり、まれに低血糖症を生じますので注意が必要です。
また、どのような食事療法でも合う合わないがあります。
糖質制限食もその一つですので、合わないとご自分で判断されたら中止していただけば幸いです。
【糖質制限食とは】
米国糖尿病協会(ADA)の患者教育用のテキストブックLife With Diabetes(2004年版)には、以下の記載があります。
「摂取後直接血糖に影響を与えるのは糖質のみである。
糖質は速やかに吸収され、直接100%血糖に変わり、ほぼ120分以内に吸収は終了する。
蛋白質・脂質は、摂取後、直接血糖に影響を及ぼすことはない。
『炭水化物・タンパク質・脂肪はカロリーを含有している。
炭水化物だけが、血糖値に直接影響を及ぼす。』」
これらは含有エネルギーとは無関係な三大栄養素の生理学的特質です。
1997年版のLife With Diabetes(ADA刊行)では、
「タンパク質は約半分が血糖に変わり、脂質は10%未満が血糖に変わる」
という記載がありましたが、2004年版以降は変更されています。
このように糖質、脂質、タンパク質のうち糖質だけが直接、血糖値を上昇させます。
従って、糖質を摂取した時にはインスリンが大量に追加分泌されます。
脂質を摂取しても、インスリンの追加分泌はありません。
タンパク質はごく少量のインスリンを追加分泌させます。
現在糖尿病において、食後の急激な高血糖(グルコーススパイク)が大きな問題として注目されています。
食後高血糖が、心筋梗塞や脳梗塞などの合併症を起こす危険因子として確立されたからです。
また一日における、食前・食後・空腹時など血糖値の変動幅(平均血糖変動幅)が大きいほど、酸化ストレスが増強し動脈硬化のリスクとなることがわかってきました。
そして、食後高血糖と平均血糖変動幅増大を起こすのは、三大栄養素のなかで糖質だけなのです。
1gの糖質が、体重64kgの2型糖尿病の人の血糖値を約3mg上昇させます。
炊いた白ご飯茶碗1杯150g(252kcal)には、55.3gの糖質が含まれており、血糖値を166mg上昇させます。
一方、和牛サーロインステーキ(脂身つき)を200g(約1000キロカロリー)食べても、糖質含有量は1gもないので、食後血糖は3mg未満の上昇しかないのです。
なお、1gの糖質が体重64kgの1型糖尿病の人の血糖値を5mg上昇させます。
糖質制限食の基本的な考え方は、上述のような生理学的事実をベースに、できるだけ糖質の摂取を低く抑えて、食後高血糖を防ぐというものです。
簡単に言えば、主食を抜いておかずばかり食べるというイメージになります。
抜く必要がある主食とは 、米飯・めん類・パンなどの米・麦製品や芋類など糖質が主成分のものです。
3食主食抜きのスーパー糖質制限食(糖質12%、タンパク質32%、脂質56%)なら、薬に頼ることなく速やかにリアルタイムで良好な血糖コントロールが可能です。
一方、上述の白ご飯とステーキの例でも明らかなように、カロリー計算に基づいて血糖値をコントロールすることは理論的に不可能です。
従って、現行の日本糖尿病学会推薦の糖尿病食(糖質60%、タンパク質20%、脂質20%)を実践する限りは、一日の摂取カロリーを1200キロカロリーと低く抑えたとしても、食後高血糖が必ず生じるのです。
糖尿病の改善には、カロリー制限より糖質制限ということがおわかりいただけたと思います。
なお糖質制限食は、カロリー無制限ということではありません。
日本糖尿病学会「糖尿病治療ガイド2014-2015」の
男性1400~2000kcal
女性1200~1800kcal
ほど厳しいカロリー制限は必要ありませんが、
「日本人の食事摂取基準」(2015年、厚生労働省)
に示す推定エネルギー必要量の範囲、
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000041955.pdf
推定エネルギー必要量(一日あたり)
男性 女性
15-17才 2500 2850 3150 2050 2300 2550kcal
18-29才 2300 2650 3050 1650 1950 2200
30-49才 2300 2650 3050 1750 2000 2300
50-69才 2100 2450 2800 1650 1900 2200
70才 1850 2200 2500 1500 1750 2000
身体活動レベル 低い 普通 高い 低い 普通 高い
くらいが目安です。
そして2013年に糖尿病食事療法に関して画期的な変化がありました。
米国糖尿病学会が、
2013年10月発表の『栄養療法に関する声明』において、全ての糖尿病患者に適した唯一無二の治療食は存在しないと明記したのです。
これはそのまま、1969年の食品交換表第2版以降一貫して、糖尿病治療食として、唯一無二の「カロリー制限・高糖質食」を推奨し続けている日本糖尿病学会への痛烈な批判となっています。
さらに、米国糖尿病学会は『栄養療法に関する声明2013』において地中海食、ベジタリアン食、DASH食、低脂質食などと共に
「糖質制限食」も正式に受容しました。
このことは糖質制限食を推進する私達にとって、大変大きな追い風となりました。
【本ブログのコメント・質問・記事に関するお願い】
ブログ読者の皆さんには、いつもコメントいただき、ありがとうございます。
糖質制限食に関する質問についてですが、実際に高雄病院や江部診療所に来院されて診察した患者さんに対しては、医師としての責任・債務がありますので、個別に説明もしっかりさせて頂いていますし、フォローもしております。
一方、ブログ読者の皆さんの質問に関しては、糖質制限食に詳しい医師として、ボランティアで回答させていただいています。
診察もしておりませんしフォローもできませんので、責任もとれません。
私の回答は、あくまでも一般論としての参考意見とお考え頂けば幸いです。
また、ブログ記事や本に関しても同様に、糖質制限食に関する一般論としての参考意見とお考え下さい。
従いまして、読者の皆さんが私の参考意見を読まれて、どのように利用されるかは、自己責任でよろしくお願い申し上げます。m(_ _)m
そして読者の皆さんからもご意見いただきましたが、普通のお医者さんに相談可能な個人的な内容の質問は、ご自分の主治医にご相談頂けば助かります。
またネットで簡単に検索可能なことは、ご自分でお調べください。
質問が増えてきましたので、糖質制限食と関わりがないと判断した質問にはお答えできない場合もありますので、ご了承ください。m(_ _)m
普通のお医者さんでは解答不能の、糖質制限食に関わる質問は、何でもどんどんしていただけば嬉しいです。 (^_^)
掲載OKの質問に関して、読者の皆さんに共有していただきたい情報の場合は、ブログ本文記事にて、できるだけ順番にお答えしたいと思います。
質問によってはコメント欄でお早めにお答えする場合もありますのでご了承ください。
一方、質問がかなり増えてきていますので、なかなか即、お答えすることが困難となってきています。
糖質制限食に関わりのある全ての質問に、本文かコメントでお答えするようできるだけ努力はしていますが、できないときはご容赦願います。m(_ _)m
それから、「管理人のみ閲覧できる」「匿名希望」などの質問に関しては、コメント欄にお答えするか、一般的な話題に置き換えてブログに記載するようにしていますので、よろしくお願い申し上げます。
<江部康二著 参考図書>
理論
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!糖質制限食のすすめ」2005年
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」2008年
「我ら糖尿人、元気なのには理由がある。」2009年 宮本輝先生との対談本
「やせる食べ方」2010年
「うちの母は糖尿人」2010年 監修:江部康二 著:伊藤きのと
(東洋経済新報社)
「糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食」2010年(ナツメ社)
腹いっぱい食べて楽々痩せる『満腹ダイエット』 (ソフトバンク新書)2011年
「主食をやめると健康になる」(ダイヤモンド社)2011年
「血糖コントロールの新常識! 糖質制限 完全ガイド」 (別冊宝島)2012年
「食品別糖質量ハンドブック」2012年(洋泉社)、
「糖質オフ!健康法」(PHP文庫)2012年
「主食を抜けば糖尿病はよくなる!糖質制限食のすすめ」(文春文庫)2012年
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」(文春文庫)2012年
「女性のための糖質制限ダイエットハンドブック」2012年(洋泉社)
「糖尿病治療のための!糖質制限食パーフェクトガイド」2013年(東洋経済新報社)
「医療の巨大転換を加速する」糖質制限食と湿潤療法のインパクト
2013年(東洋経済新報社) 夏井睦先生との対談本
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!糖質制限食のすすめ 新版」2014年(東洋経済新報社)
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!2 実践編 新版」2014年(東洋経済新報社)
「炭水化物の食べ過ぎで早死にしてはいけません」2014年(東洋経済新報社)
一生太らない「やせる! 食べ方」2014年 (PHP文庫)
江部先生、「糖質制限は危ない」って本当ですか?2015年(洋泉社)
「なぜ糖質制限をすると糖尿病が良くなるのか」2015年(ナツメ社)
「糖質制限の教科書」2015年(洋泉社)監修
レシピ
「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」2006年(東洋経済新報社)
「糖質オフ」ごちそうごはん2009年(アスペクト)
dancyuプレジデントムック 「満腹ダイエット 」 2009年(プレジデント社)
「血糖値を上げない!健康おつまみ109」2010年(東洋経済新報社)
「やせる食べ方レシピ集」 2010年(東洋経済新報社)
「糖質オフダイエット 」2011年(レタスクラブ、角川マーケティング)
「誰もがストレスなくやせられる!糖質制限ダイエット」2011年(講談社)
「主食を抜けば糖尿病はよくなる」レシピ集2011年(東洋経済新報社)
高雄病院の「糖質制限」給食2012年(講談社)
糖尿病がどんどんよくなる「糖質制限食」おすすめレシピ集2012年(ナツメ社)
糖質制限の「主食もどき」レシピ2013年(東洋経済新報社)
高雄病院Dr江部が食べている「糖質制限」ダイエット2013年(講談社)
糖質オフのダイエット弁当2013年(家の光協会)
高雄病院「糖質制限給食」朝 昼 夕 14日間完全プログラム
糖尿病・肥満改善が自宅でできる! 2013年(講談社)
2週間チャレンジ! 糖質制限の太らない生活 2014年(洋泉社mook)
DVD「糖質制限食を語る」http://www.yaserutabekata.com/shop/dvd.php 2011年
江部康二
2016年01月29日 (金)
こんばんは。
糖尿病発見は、早ければ早いほどいいです。
境界型の段階で見つかれば、さらにいいです。
今回は、早期発見のノウハウを説明したいと思います。
<糖代謝異常の判定基準(日本糖尿病学会)>
A) 糖尿病型
①早朝空腹時血糖値が126mg/dl以上
②75gOGTTで120分後血糖値が200mg/dl以上
③随時血糖値200mg/dl以上
④HbA1c≧6.5%
①~④のいずれかが確認された場合は「糖尿病型」と判定する。
B) 正常型
⑤早朝空腹時血糖値が110mg/dl未満
⑥75gOGTTで120分後血糖値が140mg/dl未満
⑤および⑥の血糖値が確認された場合は「正常型」と判定する。
C) 境界型
正常型にも糖尿病型にも属さない場合は「境界型」と判定する。
<75gOGTT(75g経口ブドウ糖負荷試験)>
*朝まで、10時間以上の絶食のあと検査を実施する。
*検査終了までは、運動・喫煙は控える。
*負荷試験の前3日間は、150g/日以上の糖質摂取を、日本糖尿病学会は推奨。
*糖尿病と診断がついている場合は、原則として実施しない。
<糖尿病の診断>
1) 異なる日に①②③を、再確認できたら糖尿病と診断。
2) 「①+④」「②+④」「③+④」が同時に確認できたらは糖尿病と診断。
3) ④単独の場合、再検査で血糖値が糖尿病型なら、糖尿病と診断。
4) 血糖値が糖尿病型で糖尿病の典型的症状があるか糖尿病網膜症があれば糖尿病と診断。
* 糖尿病の診断には血糖検査は必須であり、HbA1cだけでは診断できない。
< 境界型の分類>
境界型にはWHO分類のIGT、IFG、IFG/IGTがある。
・IFG(Impaired fasting glycaemia): 空腹時血糖異常
・IGT(Impaired Glucose Tolerance): 耐糖能異常
a) 2時間値が140-199mg/dlとなる耐糖能異常であるIGT (Impaired Glucose Tolerance)
IGT単独なら早朝空腹時血糖値は110mg/dl未満で正常である。
b) 空腹時血糖値が110-125mg/dlとなるIFG (Impaired fasting glycaemia)
IFG単独なら75gOGTTにて2時間値は140mg/dl未満で正常である。
c) 両者の合併であるIFG/IGTの3つのパターンがある。
< 糖尿病発症に到る流れ>
Ⅰ) IGT→糖尿病(食後血糖値200mg/dl以上または75gOGTT2時間値200mg/dl以上)
このパターンの場合、既に糖尿病を発症している段階でも
早朝空腹時血糖値は正常で健診で見逃されるので、注意が必要。
Ⅱ) IGT→IFG/IGT→糖尿病(上記200mg/dl以上または空腹時血糖値126mg/dl以上)
このパターンは、IFG/IGTの段階で、通常の健診でもチェックできる。
Ⅲ) IFG→IFG/IGT→糖尿病
通常の健診でもチェックできる。パターンとしては少ない。
日本人では、IGTや200mg/dl以上の食後高血糖が、数年から10年続いて、
初めて早朝空腹時血糖値が110mg/dlを超えることが、最も多いとされています。
つまりⅠ)Ⅱ)のパターンが多くて、Ⅲ)のパターンは少ないのですね。
従いまして、一般的な健康診断の早朝空腹時血糖値で、
糖尿病の早期診断をするのは、おおいに無理があります。
そもそも日本人ではIFG単独の例は、かなり少ないと考えられます。
Ⅰ)Ⅱ)Ⅲ)どのパターンでも、最終的には、IGTを経て糖尿病型になると考えられます。
IFGからいきなり糖尿病型になるというのは、少ないと思います。
従って、なんとかIGTの段階(糖尿病発症前)でチェックできれば、
治療的には大変役立ちます。
<早期発見には>
そのためには、75g経口ブドウ糖負荷試験が一番確実です。
しかし、かなり面倒で手間暇も費用もかかりますから、
デンプン(糖質)一人前を食べ始めて1時間後の血糖値、
あるいは尿糖を調べれば簡便です。
尿糖が陽性ということは、180mg/dlを超える血糖値があった可能性が高いです。
1時間値が180mg/dlを超えていると、2時間値が140mg/dl未満で正常でも、
将来糖尿病になりやすいので注意が必要なのです。
糖尿病は、インスリン作用不足(インスリン分泌不足+インスリン抵抗性)がベースにあり、発症します。
日本人では、インスリン分泌不足が主で、インスリン抵抗性が従と言われています。
IGTの段階で、まずインスリン追加分泌が不足、あるいは遷延しています。
それが数年以上続いて、インスリン基礎分泌も不足してきたら、IFGも合併してきます。
一方、欧米人では、インスリン抵抗性が主で、インスリン分泌不足が従とされています。
この場合、インスリン分泌能力はまだあるけれど、
効きが悪い(インスリン抵抗性)ため高血糖となります。
そうすると、インスリン抵抗性のため、
基礎分泌のインスリンの量では早朝空腹時血糖値がやや高いけど、
追加分泌は大量に出せるので食後高血糖は防いでいるというIFGの人が、
日本より高率に存在する可能性があります。
日本人でも肥満が目立つ人は、
インスリン抵抗性が主の欧米パターンの糖尿病発症もありえます。
この場合、早期に発見できれば、インスリン分泌能力は残っているので、
肥満が改善してインスリン抵抗性が改善すれば、
糖尿病がほぼ治ったごとくになることもあり得ます。
ともあれ、IGT、IFG、IFG/IGTの段階で発見できればおおきなアドバンテージです。
この段階でなら、緩やかな糖質制限食でも、糖尿病発症は防げると思いますよ。ヾ(^▽^)
勿論、すでに糖尿病と診断された人は、スーパー糖質制限食が最適です。
江部康二
糖尿病発見は、早ければ早いほどいいです。
境界型の段階で見つかれば、さらにいいです。
今回は、早期発見のノウハウを説明したいと思います。
<糖代謝異常の判定基準(日本糖尿病学会)>
A) 糖尿病型
①早朝空腹時血糖値が126mg/dl以上
②75gOGTTで120分後血糖値が200mg/dl以上
③随時血糖値200mg/dl以上
④HbA1c≧6.5%
①~④のいずれかが確認された場合は「糖尿病型」と判定する。
B) 正常型
⑤早朝空腹時血糖値が110mg/dl未満
⑥75gOGTTで120分後血糖値が140mg/dl未満
⑤および⑥の血糖値が確認された場合は「正常型」と判定する。
C) 境界型
正常型にも糖尿病型にも属さない場合は「境界型」と判定する。
<75gOGTT(75g経口ブドウ糖負荷試験)>
*朝まで、10時間以上の絶食のあと検査を実施する。
*検査終了までは、運動・喫煙は控える。
*負荷試験の前3日間は、150g/日以上の糖質摂取を、日本糖尿病学会は推奨。
*糖尿病と診断がついている場合は、原則として実施しない。
<糖尿病の診断>
1) 異なる日に①②③を、再確認できたら糖尿病と診断。
2) 「①+④」「②+④」「③+④」が同時に確認できたらは糖尿病と診断。
3) ④単独の場合、再検査で血糖値が糖尿病型なら、糖尿病と診断。
4) 血糖値が糖尿病型で糖尿病の典型的症状があるか糖尿病網膜症があれば糖尿病と診断。
* 糖尿病の診断には血糖検査は必須であり、HbA1cだけでは診断できない。
< 境界型の分類>
境界型にはWHO分類のIGT、IFG、IFG/IGTがある。
・IFG(Impaired fasting glycaemia): 空腹時血糖異常
・IGT(Impaired Glucose Tolerance): 耐糖能異常
a) 2時間値が140-199mg/dlとなる耐糖能異常であるIGT (Impaired Glucose Tolerance)
IGT単独なら早朝空腹時血糖値は110mg/dl未満で正常である。
b) 空腹時血糖値が110-125mg/dlとなるIFG (Impaired fasting glycaemia)
IFG単独なら75gOGTTにて2時間値は140mg/dl未満で正常である。
c) 両者の合併であるIFG/IGTの3つのパターンがある。
< 糖尿病発症に到る流れ>
Ⅰ) IGT→糖尿病(食後血糖値200mg/dl以上または75gOGTT2時間値200mg/dl以上)
このパターンの場合、既に糖尿病を発症している段階でも
早朝空腹時血糖値は正常で健診で見逃されるので、注意が必要。
Ⅱ) IGT→IFG/IGT→糖尿病(上記200mg/dl以上または空腹時血糖値126mg/dl以上)
このパターンは、IFG/IGTの段階で、通常の健診でもチェックできる。
Ⅲ) IFG→IFG/IGT→糖尿病
通常の健診でもチェックできる。パターンとしては少ない。
日本人では、IGTや200mg/dl以上の食後高血糖が、数年から10年続いて、
初めて早朝空腹時血糖値が110mg/dlを超えることが、最も多いとされています。
つまりⅠ)Ⅱ)のパターンが多くて、Ⅲ)のパターンは少ないのですね。
従いまして、一般的な健康診断の早朝空腹時血糖値で、
糖尿病の早期診断をするのは、おおいに無理があります。
そもそも日本人ではIFG単独の例は、かなり少ないと考えられます。
Ⅰ)Ⅱ)Ⅲ)どのパターンでも、最終的には、IGTを経て糖尿病型になると考えられます。
IFGからいきなり糖尿病型になるというのは、少ないと思います。
従って、なんとかIGTの段階(糖尿病発症前)でチェックできれば、
治療的には大変役立ちます。
<早期発見には>
そのためには、75g経口ブドウ糖負荷試験が一番確実です。
しかし、かなり面倒で手間暇も費用もかかりますから、
デンプン(糖質)一人前を食べ始めて1時間後の血糖値、
あるいは尿糖を調べれば簡便です。
尿糖が陽性ということは、180mg/dlを超える血糖値があった可能性が高いです。
1時間値が180mg/dlを超えていると、2時間値が140mg/dl未満で正常でも、
将来糖尿病になりやすいので注意が必要なのです。
糖尿病は、インスリン作用不足(インスリン分泌不足+インスリン抵抗性)がベースにあり、発症します。
日本人では、インスリン分泌不足が主で、インスリン抵抗性が従と言われています。
IGTの段階で、まずインスリン追加分泌が不足、あるいは遷延しています。
それが数年以上続いて、インスリン基礎分泌も不足してきたら、IFGも合併してきます。
一方、欧米人では、インスリン抵抗性が主で、インスリン分泌不足が従とされています。
この場合、インスリン分泌能力はまだあるけれど、
効きが悪い(インスリン抵抗性)ため高血糖となります。
そうすると、インスリン抵抗性のため、
基礎分泌のインスリンの量では早朝空腹時血糖値がやや高いけど、
追加分泌は大量に出せるので食後高血糖は防いでいるというIFGの人が、
日本より高率に存在する可能性があります。
日本人でも肥満が目立つ人は、
インスリン抵抗性が主の欧米パターンの糖尿病発症もありえます。
この場合、早期に発見できれば、インスリン分泌能力は残っているので、
肥満が改善してインスリン抵抗性が改善すれば、
糖尿病がほぼ治ったごとくになることもあり得ます。
ともあれ、IGT、IFG、IFG/IGTの段階で発見できればおおきなアドバンテージです。
この段階でなら、緩やかな糖質制限食でも、糖尿病発症は防げると思いますよ。ヾ(^▽^)
勿論、すでに糖尿病と診断された人は、スーパー糖質制限食が最適です。
江部康二
2016年01月28日 (木)
こんばんは。
スーパー糖質制限食を実践していても、たまに糖質食べたい時や、食べざるを得ないときがありますが、その時の糖質摂取量許容範囲はどのくらいなのでしょう?
旅行中とか、葬式、結婚式などの時は、「私は糖質制限食中なのでご飯は食べません」とか皆の前でなかなか言いづらいものですので、今回は、それについて、考えてみます。
< 食後血糖値の許容範囲について>
体重64kgの2型糖尿人で、個人差はありますが、1gの糖質が約3mg血糖値を上昇させます。
食品別糖質量ハンドブックで食材の糖質量をチェックしつつ、1回に何gまでなら問題ないのかを考えましょう。
日本糖尿病学会の熊本宣言(2013年)によれば、食後2時間の血糖値が180mg/dl未満で収まる糖質量なら、動脈硬化のリスクが少ないので一応、許容範囲ということになります。
例えば、6枚切りトースト1枚(糖質量26.6g)食べても、食後2時間血糖値が180mg/dl未満ならギリギリOKということです。
つまり
[空腹時血糖値]+[糖質1g摂取による血糖値上昇×糖質量] が180mg/dl未満になるよう、各自で調整すればよいのです。
理想的には、
食後1時間血糖値が180mg/dl未満
食後2時間血糖値が140mg/dl未満
を目指します。
< 食直前の内服薬と糖質摂取について>
α-グルコシターゼ阻害薬であるグルコバイや、速攻型インスリン分泌促進薬であるグルファストを食前に飲んでも、糖質のドカ食いはよくありません。
というか、α-グルコシターゼ阻害薬や速攻型インスリン分泌促進薬には、それほど大きな力はないのです。
高雄病院入院中の糖尿人では、退院前に下記のような実験をします。
食事30秒前にグルコバイ100mgを内服して、炊いたご飯100g(糖質34.2g)を食べてもらいます。
これは茶碗2/3杯くらいの量です。
食後2時間血糖値が180mg/dl未満ならぼちぼちですが、理想的には140mg/dl未満を目指します。
180mg/dl以上ある場合、次は食事30秒前に「グルコバイ100mg+グルファスト10mg」を内服して、再び炊いたご飯100g(糖質34.2g)を食べて実験します。
これで、たいていは食後2時間血糖値が180mg/dlを切るようになります。
この実験で使うのは「炊いたごはん100g」と少なめです。
ドカ食いで、例えば300gのご飯を食べれば、糖質量は100g以上となります。
薬で食後高血糖を抑えきれる量ではないですね。
清く正しくより、美味しく楽しく末長く糖質制限食を続けることが大切です。
糖尿人も時々は、薬を内服して、丼や寿司、菓子類なども楽しんでいいとは思いますが、大量には食べないようにしましょう。
江部康二
スーパー糖質制限食を実践していても、たまに糖質食べたい時や、食べざるを得ないときがありますが、その時の糖質摂取量許容範囲はどのくらいなのでしょう?
旅行中とか、葬式、結婚式などの時は、「私は糖質制限食中なのでご飯は食べません」とか皆の前でなかなか言いづらいものですので、今回は、それについて、考えてみます。
< 食後血糖値の許容範囲について>
体重64kgの2型糖尿人で、個人差はありますが、1gの糖質が約3mg血糖値を上昇させます。
食品別糖質量ハンドブックで食材の糖質量をチェックしつつ、1回に何gまでなら問題ないのかを考えましょう。
日本糖尿病学会の熊本宣言(2013年)によれば、食後2時間の血糖値が180mg/dl未満で収まる糖質量なら、動脈硬化のリスクが少ないので一応、許容範囲ということになります。
例えば、6枚切りトースト1枚(糖質量26.6g)食べても、食後2時間血糖値が180mg/dl未満ならギリギリOKということです。
つまり
[空腹時血糖値]+[糖質1g摂取による血糖値上昇×糖質量] が180mg/dl未満になるよう、各自で調整すればよいのです。
理想的には、
食後1時間血糖値が180mg/dl未満
食後2時間血糖値が140mg/dl未満
を目指します。
< 食直前の内服薬と糖質摂取について>
α-グルコシターゼ阻害薬であるグルコバイや、速攻型インスリン分泌促進薬であるグルファストを食前に飲んでも、糖質のドカ食いはよくありません。
というか、α-グルコシターゼ阻害薬や速攻型インスリン分泌促進薬には、それほど大きな力はないのです。
高雄病院入院中の糖尿人では、退院前に下記のような実験をします。
食事30秒前にグルコバイ100mgを内服して、炊いたご飯100g(糖質34.2g)を食べてもらいます。
これは茶碗2/3杯くらいの量です。
食後2時間血糖値が180mg/dl未満ならぼちぼちですが、理想的には140mg/dl未満を目指します。
180mg/dl以上ある場合、次は食事30秒前に「グルコバイ100mg+グルファスト10mg」を内服して、再び炊いたご飯100g(糖質34.2g)を食べて実験します。
これで、たいていは食後2時間血糖値が180mg/dlを切るようになります。
この実験で使うのは「炊いたごはん100g」と少なめです。
ドカ食いで、例えば300gのご飯を食べれば、糖質量は100g以上となります。
薬で食後高血糖を抑えきれる量ではないですね。
清く正しくより、美味しく楽しく末長く糖質制限食を続けることが大切です。
糖尿人も時々は、薬を内服して、丼や寿司、菓子類なども楽しんでいいとは思いますが、大量には食べないようにしましょう。
江部康二
2016年01月27日 (水)
【16/01/26 しょうご
検査結果良好でした
江部先生こんにちは
日々先生のブログを参考にさせて頂いております。
日常のデスクワークが主の47歳男性です。
昨秋の健康診断結果が思わしくなく、血糖値やHbA1cの値は境界型でした。
非常にショックを受け、生活改善を行った結果が良好でしたので報告させていただきます。
具体的には、
①糖質制限(スーパーのつもりでしたが、実際には平均で30gかそれ以上摂取していた可能性あり)
②運動(ジム週2~3回/その他自宅で筋トレ 体重75kg→64kg 筋肉量維持 基礎代謝微増)禁酒
③禁酒(最近はノンアルビールでも十分においしいと思います!)
を行いました。
11月11日 1月23日
GOT/AST 39 19
GPT/ALT 68 17
γ-GPT 50 15
HDLC 57 73
LDLC 214 215
中性脂肪 278 66
空腹時血糖 116 90
Hba1c 6.0 5.0
忘年会シーズンやお正月を挟んでいたので、正直不安でしたが思った以上の結果でした。
今後も続けていこうと改めて気を引き締めたところです。
さて、この結果と今後について質問させてください。
①この結果は、インスリン抵抗性が改善されたことか、糖質制限によるものかどちらの効果だと想定されますでしょうか。
②インスリン抵抗性の改善によるものだとすれば、糖質を毎食30~40g摂取してもよろしいでしょうか。
一応主治医とは、少し炭水化物を増やし、春に再度検査するということにしております。
③月に1,2度位であればお寿司やラーメンなどを食べてもよろしいでしょうか。
④結果から見て、境界型を脱出できる可能性はあるのでしょうか。
⑤LDLCが下がらないのは、高脂質の食事が多いため仕方ないのでしょうか。
お忙しい中、いろいろと質問してしまい申し訳ありません。
いずれにせよ、先生のブログに出会えたおかげです。
もし、出会えていなければと思うとぞっとします。
本当にありがとうございます。
まわりにも肥満がおりますので、糖質制限をどんどん勧めたいと思います!
これからもよろしくお願いいたします。】
こんにちは、
しょうご さんから、検査データ改善のコメントを頂きました。
11月11日 1月23日
GOT/AST 39 19
GPT/ALT 68 17
γ-GPT 50 15
HDLC 57 73
LDLC 214 215
中性脂肪 278 66
空腹時血糖 116 90
Hba1c 6.0 5.0 %
体重 75 64kg
しょうごさん、見事な改善ですね。
良かったです。
なお、ノンアルコールビールは結構糖質量が多いものがあるので、要注意です。
「①この結果は、インスリン抵抗性が改善されたことか、糖質制限によるものかどちらの効果だと想定されますでしょうか。 」
糖質制限食と運動で、体重が11kg減少して肥満改善ですので、インスリン抵抗性も改善していると思います。
糖質制限食と運動の相乗効果ですね。
「②インスリン抵抗性の改善によるものだとすれば、糖質を毎食30~40g摂取してもよろしいでしょうか。
一応主治医とは、少し炭水化物を増やし、春に再度検査するということにしております。 」
1回の糖質摂取量が30~40gの緩い糖質制限食でも
食後1時間血糖値180mg/dl未満
食後2時間血糖値140mg/dl未満
を達成していれば大丈夫です。
「③月に1,2度位であればお寿司やラーメンなどを食べてもよろしいでしょうか。」
これも、
食後1時間血糖値180mg/dl未満
食後2時間血糖値140mg/dl未満
を達成していれば大丈夫です。
「④結果から見て、境界型を脱出できる可能性はあるのでしょうか。」
境界型を脱出できる可能性はあると思います。
新潟労災病院消化器内科部長前川智先生のご研究で
『糖質制限食が境界型糖尿病において、血糖コントロール及び2型糖尿病への進行を予防するのに有効である。』
という糖質セイゲニストにとって大変喜ばしい結果がでています。
2014年07月01日 (火)の本ブログ記事
「糖質制限食に関する英文論文、PubMed掲載。新潟労災、前川智先生。」
をご参照いただけば幸いです。
②③④は、血糖自己測定器を購入されて、調べるのが一番いいですね。
ニプロTRUEpico 自己検査用グルコース測定器 ¥3500ー
ニプロTRUEセンサー 自己検査用グルコースキット 1箱30枚で、¥2940ー
ニプロランセット 1箱30本で、¥520-
が一番安価です。
以下がニプロのサイトです。
https://www.nipro.co.jp/news/document/130521.pdf
「⑤LDLCが下がらないのは、高脂質の食事が多いため仕方ないのでしょうか。」
肝臓がコレステロール生産を調整しますが、個人差があります。
半年から1年で基準値内になる人もいれば、数年かかる人もいます。
ともあれ、HDLコレステロールが増加して、中性脂肪が正常低値ですのでLDLコレステロールも善玉と考えられます。
コレステロール摂取に関してですが
A)
2015年5月1日日本動脈硬化学会が、
「食事で体内のコレステロール値は大きく変わらない」との声明を発表しました。
B)
厚生労働省は、5年おきに改定する「食事摂取基準」の2015年版で、
科学的根拠が得られなかったとしてコレステロールの摂取基準を撤廃しました。
C)
米農務省は「コレステロールは過剰摂取を懸念すべき栄養素ではない」として、
摂取量を1日300ミリグラム未満に抑えていた食事指針を2015年見直す方向です。
A)B)C)のいずれもコレステロール摂取基準撤廃です。
これらを考慮すると今まで、日米共に長い間、コレステロールの摂取基準を設定して摂取制限を推奨してきたことが、無意味だったと認めたわけです。
米国ではずっと
「1日あたりのコレスレテロール摂取量上限は300mg。棒状のバター1本、または小さい卵2個、ステーキ300グラムに含まれる量」
を推奨し続けていましたが撤廃です。
日本の厚生労働省もこれまでは、コレステロール摂取量に関して
「18歳以上の男性は1日当たり750mgム未満、女性は600mg未満の摂取基準値」
を推奨でしたが撤廃です。
厚生労働省は
「食事からのコレステロールは一部に過ぎず、食事から多く取れば、体内で作る量を減らすなどの調整する仕組みがある」
と解説しています。
こんなことは、とっくにわかっていたこととなのですが、いまさらでも、厚生労働省がお墨付きを出してくれたのは良いことです。
卵や肉類、炒めもの、揚げ物など、コレステロールの多い食材も大丈夫ということですね。
江部康二
検査結果良好でした
江部先生こんにちは
日々先生のブログを参考にさせて頂いております。
日常のデスクワークが主の47歳男性です。
昨秋の健康診断結果が思わしくなく、血糖値やHbA1cの値は境界型でした。
非常にショックを受け、生活改善を行った結果が良好でしたので報告させていただきます。
具体的には、
①糖質制限(スーパーのつもりでしたが、実際には平均で30gかそれ以上摂取していた可能性あり)
②運動(ジム週2~3回/その他自宅で筋トレ 体重75kg→64kg 筋肉量維持 基礎代謝微増)禁酒
③禁酒(最近はノンアルビールでも十分においしいと思います!)
を行いました。
11月11日 1月23日
GOT/AST 39 19
GPT/ALT 68 17
γ-GPT 50 15
HDLC 57 73
LDLC 214 215
中性脂肪 278 66
空腹時血糖 116 90
Hba1c 6.0 5.0
忘年会シーズンやお正月を挟んでいたので、正直不安でしたが思った以上の結果でした。
今後も続けていこうと改めて気を引き締めたところです。
さて、この結果と今後について質問させてください。
①この結果は、インスリン抵抗性が改善されたことか、糖質制限によるものかどちらの効果だと想定されますでしょうか。
②インスリン抵抗性の改善によるものだとすれば、糖質を毎食30~40g摂取してもよろしいでしょうか。
一応主治医とは、少し炭水化物を増やし、春に再度検査するということにしております。
③月に1,2度位であればお寿司やラーメンなどを食べてもよろしいでしょうか。
④結果から見て、境界型を脱出できる可能性はあるのでしょうか。
⑤LDLCが下がらないのは、高脂質の食事が多いため仕方ないのでしょうか。
お忙しい中、いろいろと質問してしまい申し訳ありません。
いずれにせよ、先生のブログに出会えたおかげです。
もし、出会えていなければと思うとぞっとします。
本当にありがとうございます。
まわりにも肥満がおりますので、糖質制限をどんどん勧めたいと思います!
これからもよろしくお願いいたします。】
こんにちは、
しょうご さんから、検査データ改善のコメントを頂きました。
11月11日 1月23日
GOT/AST 39 19
GPT/ALT 68 17
γ-GPT 50 15
HDLC 57 73
LDLC 214 215
中性脂肪 278 66
空腹時血糖 116 90
Hba1c 6.0 5.0 %
体重 75 64kg
しょうごさん、見事な改善ですね。
良かったです。
なお、ノンアルコールビールは結構糖質量が多いものがあるので、要注意です。
「①この結果は、インスリン抵抗性が改善されたことか、糖質制限によるものかどちらの効果だと想定されますでしょうか。 」
糖質制限食と運動で、体重が11kg減少して肥満改善ですので、インスリン抵抗性も改善していると思います。
糖質制限食と運動の相乗効果ですね。
「②インスリン抵抗性の改善によるものだとすれば、糖質を毎食30~40g摂取してもよろしいでしょうか。
一応主治医とは、少し炭水化物を増やし、春に再度検査するということにしております。 」
1回の糖質摂取量が30~40gの緩い糖質制限食でも
食後1時間血糖値180mg/dl未満
食後2時間血糖値140mg/dl未満
を達成していれば大丈夫です。
「③月に1,2度位であればお寿司やラーメンなどを食べてもよろしいでしょうか。」
これも、
食後1時間血糖値180mg/dl未満
食後2時間血糖値140mg/dl未満
を達成していれば大丈夫です。
「④結果から見て、境界型を脱出できる可能性はあるのでしょうか。」
境界型を脱出できる可能性はあると思います。
新潟労災病院消化器内科部長前川智先生のご研究で
『糖質制限食が境界型糖尿病において、血糖コントロール及び2型糖尿病への進行を予防するのに有効である。』
という糖質セイゲニストにとって大変喜ばしい結果がでています。
2014年07月01日 (火)の本ブログ記事
「糖質制限食に関する英文論文、PubMed掲載。新潟労災、前川智先生。」
をご参照いただけば幸いです。
②③④は、血糖自己測定器を購入されて、調べるのが一番いいですね。
ニプロTRUEpico 自己検査用グルコース測定器 ¥3500ー
ニプロTRUEセンサー 自己検査用グルコースキット 1箱30枚で、¥2940ー
ニプロランセット 1箱30本で、¥520-
が一番安価です。
以下がニプロのサイトです。
https://www.nipro.co.jp/news/document/130521.pdf
「⑤LDLCが下がらないのは、高脂質の食事が多いため仕方ないのでしょうか。」
肝臓がコレステロール生産を調整しますが、個人差があります。
半年から1年で基準値内になる人もいれば、数年かかる人もいます。
ともあれ、HDLコレステロールが増加して、中性脂肪が正常低値ですのでLDLコレステロールも善玉と考えられます。
コレステロール摂取に関してですが
A)
2015年5月1日日本動脈硬化学会が、
「食事で体内のコレステロール値は大きく変わらない」との声明を発表しました。
B)
厚生労働省は、5年おきに改定する「食事摂取基準」の2015年版で、
科学的根拠が得られなかったとしてコレステロールの摂取基準を撤廃しました。
C)
米農務省は「コレステロールは過剰摂取を懸念すべき栄養素ではない」として、
摂取量を1日300ミリグラム未満に抑えていた食事指針を2015年見直す方向です。
A)B)C)のいずれもコレステロール摂取基準撤廃です。
これらを考慮すると今まで、日米共に長い間、コレステロールの摂取基準を設定して摂取制限を推奨してきたことが、無意味だったと認めたわけです。
米国ではずっと
「1日あたりのコレスレテロール摂取量上限は300mg。棒状のバター1本、または小さい卵2個、ステーキ300グラムに含まれる量」
を推奨し続けていましたが撤廃です。
日本の厚生労働省もこれまでは、コレステロール摂取量に関して
「18歳以上の男性は1日当たり750mgム未満、女性は600mg未満の摂取基準値」
を推奨でしたが撤廃です。
厚生労働省は
「食事からのコレステロールは一部に過ぎず、食事から多く取れば、体内で作る量を減らすなどの調整する仕組みがある」
と解説しています。
こんなことは、とっくにわかっていたこととなのですが、いまさらでも、厚生労働省がお墨付きを出してくれたのは良いことです。
卵や肉類、炒めもの、揚げ物など、コレステロールの多い食材も大丈夫ということですね。
江部康二
2016年01月26日 (火)
こんにちは。
2016年1月30日(土) 15:00~17:00
NHK文化センター京都(075-254-8701)
https://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_1092065.html
にて
『美味しく楽しく健康 に!糖質制限食のすすめ』
~糖質制限食で治す糖尿病・メタボ・生活習慣病~
と題して、お話します。
現在、約60名の参加者なので、もう少し余裕があります。
90分間の講演のあと、質疑応答時間を30分間とってありますので、いろいろ質問して頂けば幸いです。
わかりやすく楽しい講座にしたいと思いますので、京都、滋賀、大阪、近畿地方の糖尿人やメタボ人の方々、是非奮ってご参加くださいね。
江部康二
☆
以下、NHK文化センター京都のサイトから抜粋
近年注目されている糖質制限について、ご自身も実践し、肥満と糖尿病を克服された江部康二先生による講演会です。
数多くの臨床活動を通して、糖尿病、肥満、メタボリックシンドロームなどに対する糖質制限食の画期的な治療効果が証明されています。
運動を勧められても長続きしなかった方や色々なダイエットを試したけれど効果が表れなかった方、またこれから糖質制限食を始めてみようと思われている方に向け、その正しい知識と治療効果、カロリー制限食と糖質制限食の比較、注意点等をお話しします。
糖質制限食で、明日からの食生活を美味しく・楽しく・健康に!
☆☆
以下は当日の<講演要旨>です。
「脂肪悪玉説」、「カロリー至 上主義」、「脳のエネルギー源 はブドウ糖だけ」といった従来 の常識は現在根底から覆っています。
例えば全米健康調査、1971年と2000年の統計で、脂肪摂取比率は低下しているのに、肥満は倍増しています。
すなわち脂肪悪玉説には根拠がな かったのです。
さらに信頼度の高い論文 で、カロリー制限ありの「脂肪制 限食」と「地中海食」、カロリー制限 なしの「糖質制限食」の3者の効果 を比較検討した結果、糖質制限 食が最も体重を減少させ、 HDLコレステロールを増加さ せたことが明らかとなりました。
糖質制限食実践により、食事中にも常に脂肪が燃 え、肥満ホルモン・インスリン の追加分泌はごく少量で済むので、肥満が改善します。
米国糖尿病学会に よれば、食べ物が消化・吸収さ れたあと、糖質は直接血糖値に影響を与えますが、タンパク質・脂質は与えません。
糖尿病患者さんにおいて食後高血糖が糖尿病合併症の元凶です。
糖質制限食なら 食後高血糖はリアルタイムに改善します。
一方、カロリー制限食をしても糖質を 摂取すれば必ず食後高血糖を必ず生じます。
2型糖尿病高雄病院入院患者さんに おいて、同一カロリーにそろえ た従来の糖尿病食(高糖質食) と糖質制限食における血糖の日 内変動を比較検討してみました。
その結果、糖質制限食では従来の 糖尿病食(高糖質食)に比べて 顕著な食後血糖降下効果が認められました。
脳はブドウ糖だけでなくケトン 体という脂肪酸の分解物をエネルギー源としていくらでも利用します。
人体で唯一赤血球だけは、ミトコンドリア(細胞内にあるエネルギー生産装置)がないので、ブドウ糖だけが唯一のエ ネルギー源です。
人類700万年の進化と食生活 について考察してみました。
さらに食前 と食後の血糖変動の観点から人 類の食生活を3段階にわけて検 討してみました。
糖尿病・メタボ以外の生活習慣病とがんに関しても若干の考察を加えました。
日本人の5大疾病、4大死因と糖質制限食についても検討しました。
2016年1月30日(土) 15:00~17:00
NHK文化センター京都(075-254-8701)
https://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_1092065.html
にて
『美味しく楽しく健康 に!糖質制限食のすすめ』
~糖質制限食で治す糖尿病・メタボ・生活習慣病~
と題して、お話します。
現在、約60名の参加者なので、もう少し余裕があります。
90分間の講演のあと、質疑応答時間を30分間とってありますので、いろいろ質問して頂けば幸いです。
わかりやすく楽しい講座にしたいと思いますので、京都、滋賀、大阪、近畿地方の糖尿人やメタボ人の方々、是非奮ってご参加くださいね。
江部康二
☆
以下、NHK文化センター京都のサイトから抜粋
近年注目されている糖質制限について、ご自身も実践し、肥満と糖尿病を克服された江部康二先生による講演会です。
数多くの臨床活動を通して、糖尿病、肥満、メタボリックシンドロームなどに対する糖質制限食の画期的な治療効果が証明されています。
運動を勧められても長続きしなかった方や色々なダイエットを試したけれど効果が表れなかった方、またこれから糖質制限食を始めてみようと思われている方に向け、その正しい知識と治療効果、カロリー制限食と糖質制限食の比較、注意点等をお話しします。
糖質制限食で、明日からの食生活を美味しく・楽しく・健康に!
☆☆
以下は当日の<講演要旨>です。
「脂肪悪玉説」、「カロリー至 上主義」、「脳のエネルギー源 はブドウ糖だけ」といった従来 の常識は現在根底から覆っています。
例えば全米健康調査、1971年と2000年の統計で、脂肪摂取比率は低下しているのに、肥満は倍増しています。
すなわち脂肪悪玉説には根拠がな かったのです。
さらに信頼度の高い論文 で、カロリー制限ありの「脂肪制 限食」と「地中海食」、カロリー制限 なしの「糖質制限食」の3者の効果 を比較検討した結果、糖質制限 食が最も体重を減少させ、 HDLコレステロールを増加さ せたことが明らかとなりました。
糖質制限食実践により、食事中にも常に脂肪が燃 え、肥満ホルモン・インスリン の追加分泌はごく少量で済むので、肥満が改善します。
米国糖尿病学会に よれば、食べ物が消化・吸収さ れたあと、糖質は直接血糖値に影響を与えますが、タンパク質・脂質は与えません。
糖尿病患者さんにおいて食後高血糖が糖尿病合併症の元凶です。
糖質制限食なら 食後高血糖はリアルタイムに改善します。
一方、カロリー制限食をしても糖質を 摂取すれば必ず食後高血糖を必ず生じます。
2型糖尿病高雄病院入院患者さんに おいて、同一カロリーにそろえ た従来の糖尿病食(高糖質食) と糖質制限食における血糖の日 内変動を比較検討してみました。
その結果、糖質制限食では従来の 糖尿病食(高糖質食)に比べて 顕著な食後血糖降下効果が認められました。
脳はブドウ糖だけでなくケトン 体という脂肪酸の分解物をエネルギー源としていくらでも利用します。
人体で唯一赤血球だけは、ミトコンドリア(細胞内にあるエネルギー生産装置)がないので、ブドウ糖だけが唯一のエ ネルギー源です。
人類700万年の進化と食生活 について考察してみました。
さらに食前 と食後の血糖変動の観点から人 類の食生活を3段階にわけて検 討してみました。
糖尿病・メタボ以外の生活習慣病とがんに関しても若干の考察を加えました。
日本人の5大疾病、4大死因と糖質制限食についても検討しました。
2016年01月25日 (月)

おはようございます。
私が監修している糖質制限食材の販売サイト、
糖質制限ドットコム
https://www.toushitsuseigen.com/
にて、毎年11月から4月まで販売している糖質制限生チョコレート、ショコラ・ドゥ・ゼロ
今シーズンは、待てど暮らせど販売する様子がなく、
もしかして生産中止になったのか?と
心配された方も多かったのではないでしょうか(^_^;)
先週から、ようやく販売再開となりました\(^o^)/
今回の発売遅延にはわけが有りまして、これまでショコラ・ドゥ・ゼロで使用していた羅漢果顆粒が入手できなくなったのです。
羅漢果は、中国政府が生の果実の国外持ち出しを禁止しているほど貴重な果実なのですが、最近になって需要が急増、供給が追いつかなくなって羅漢果自体が品薄状態で価格が高騰しています。
羅漢果顆粒のメーカーさんが、原材料の羅漢果エキスが入手できなくなり、顆粒を作れなくなってしまいました。
さらに悪いことに、この品薄と価格高騰に付け込んで不正をする中国メーカーが後を絶たないそうです。
羅漢果顆粒、この数年、日本でもいろんなメーカーさんが販売していますが、殆どが原材料表記と中身がかけ離れてると思ってもらっていいです。
とある羅漢果顆粒を成分分析に出したところ、羅漢果に含まれる成分は一切検出されず、100%砂糖という驚くべき数値が出ました。
そんなこんなで、ようやく信頼できるメーカーさんを見つけ、サンプルを頂き試作、なんとか完成したのが今回の“ショコラ・ドゥ・ゼロ”です。
これまでの純度の高い羅漢果顆粒が手に入らなくなりましたが、比較的血糖値への影響が少ない果糖を使用した羅漢果顆粒に、エリスリトールを加え、菓子職人の稲井パティシエの努力で、これまでと同等の口どけを実現することに成功致しました。
今回新しくなったショコラ・ド・ゼロ、果糖が加わるので数値上は糖質量が増えてしまいましたが、完成に至るまで徹底して試作と試食、血糖測定を繰り返しました。
私、江部康二、自他ともに認めるチョコレート好きですが、これだけのチョコレートを食べたのは生涯で初めてです(-_-)
この大量の試作の中から合格し、今回晴れて発売再開となったショコラ・ドゥ・ゼロの測定値です。
2015年12月11日(金)
午後5:17 空腹時血糖値:111mg
ショコラドゼロC6個(81g)摂取
午後6:17 1時間後血糖値:118mg
この復活劇には、菓子職人、稲井パティシエの並々ならぬ努力と苦労が凝縮されています。
羅漢果顆粒が入手できなくなったトラブルを乗り越え、今シーズンも美味しくて血糖値の上がらないショコラ・ド・ゼロを完成させてくださった稲井パティシエに、大きな拍手を贈りたいと思います\(^o^)/
詳細と販売はこちらです。
ショコラ・ドゥ・ゼロ
https://www.toushitsuseigen.com/products/detail74.html
糖尿人、メタボ人、ダイエッター、全ての糖質セイゲニストの皆さん、是非ともお試しあれ。
江部康二
2016年01月24日 (日)
【16/01/24 徒然
お酒のカロリーについて
半年前からゆるい糖質制限をはじめ、3ヶ月前よりスーパー糖質制限に移行しました。
そのきっかけは、健康診断で、空腹時血糖が正常高値107で、中性脂肪 総コレステロールともに上がっていたからです。
糖質制限をはじめ、有酸素運動も合わせて、体脂肪は、30%→21% 体重50キロ→43キロになり、体調もよく朝の目覚め日々のやる気のアップなどいいことづくめです。
ただ、カロリー摂取においての疑問が残るりましたので質問させてください。
私は、1日のほとんどのカロリーを夕食で摂取するのですが、その時のカロリー計算で、お酒のカロリーを入れるべきか悩んでいます。お酒は基本的に、糖質制限でもokな赤ワインを毎日一本飲んでます。
食事のカロリーにお酒のカロリー合わせて考えると食事で摂るカロリーをかなり少なくしなければいけないので悩んでいます。
お酒は、エンプリーカロリーと言われていることからカロリー計算には入れなくていいのでしょうか?】
徒然さん
アルコール1gは約7kcalの燃焼エネルギーを有し、摂取時の利用効率は70%ていどと推定されています。
一方、糖尿病専門医研修ガイドブック 改定第4版 81ページの記載によれば、アルコールは体重増加作用がないので、 お酒のカロリーは計算しなくてもよいと思います。
ただ、赤ワインボトル1本は、さすがに多いですね。
世界がん研究基金2007年の勧告では、アルコールの推奨量は、男性は1日2杯、女性は1日1杯までとしています。
1杯はアルコール10~15グラムに相当します。
米国糖尿病学会は、アルコール24g(30ml)/日を食事と共に摂る程度なら適量としていますが、
ビール(5%)600ml、
ワイン(15%)200ml、
ウイスキー(43%)70mlに相当します。
世界がん研究基金の勧告で、アルコール摂取は、
「口腔・咽頭・喉頭がん、食道がん、大腸がん(男性)、乳がん」の確実なリスクであり、
「肝臓がん、大腸がん(女性)」 のリスクとなるので要注意です。
それから、過度のアルコール摂取は、肝細胞内での脂肪酸からの中性脂肪の過剰合成を引き起こします。
その一部は肝臓外へ分泌されて高中性脂肪血症の原因となり、一部は肝細胞内に蓄積されて脂肪肝の原因となります。
こちらも要注意ですね。
私自身のお酒の摂取量ですが、平均的には、糖質ゼロ発泡酒350mlを1缶、その後、焼酎の水割りを3~5杯です。
焼酎は25%の濃さで、720mlが3日間で空くくらいのペースです。
あるいは、糖質ゼロ発泡酒350mlを1缶と赤ワインを1/2本とかです。
家でたまに、赤ワイン、ボトル1本のむこともあります。
外で飲食のときは、焼酎の水割りを5~6杯のこともあります。
25度の焼酎が720mlなら、アルコールそのものは180ml含まれています。
従って、私は毎日60~75ml以上のアルコールを摂取していますので、世界がん研究基金や米国糖尿病協会の「適量」は、確実にオーバーしています。( ̄_ ̄|||)
このようにアルコールには発ガン性や脂肪肝のリスクも指摘されていますので、各自が自己責任で自己管理で適量!?の飲酒ということになるでしょうか? (^^)
江部康二
お酒のカロリーについて
半年前からゆるい糖質制限をはじめ、3ヶ月前よりスーパー糖質制限に移行しました。
そのきっかけは、健康診断で、空腹時血糖が正常高値107で、中性脂肪 総コレステロールともに上がっていたからです。
糖質制限をはじめ、有酸素運動も合わせて、体脂肪は、30%→21% 体重50キロ→43キロになり、体調もよく朝の目覚め日々のやる気のアップなどいいことづくめです。
ただ、カロリー摂取においての疑問が残るりましたので質問させてください。
私は、1日のほとんどのカロリーを夕食で摂取するのですが、その時のカロリー計算で、お酒のカロリーを入れるべきか悩んでいます。お酒は基本的に、糖質制限でもokな赤ワインを毎日一本飲んでます。
食事のカロリーにお酒のカロリー合わせて考えると食事で摂るカロリーをかなり少なくしなければいけないので悩んでいます。
お酒は、エンプリーカロリーと言われていることからカロリー計算には入れなくていいのでしょうか?】
徒然さん
アルコール1gは約7kcalの燃焼エネルギーを有し、摂取時の利用効率は70%ていどと推定されています。
一方、糖尿病専門医研修ガイドブック 改定第4版 81ページの記載によれば、アルコールは体重増加作用がないので、 お酒のカロリーは計算しなくてもよいと思います。
ただ、赤ワインボトル1本は、さすがに多いですね。
世界がん研究基金2007年の勧告では、アルコールの推奨量は、男性は1日2杯、女性は1日1杯までとしています。
1杯はアルコール10~15グラムに相当します。
米国糖尿病学会は、アルコール24g(30ml)/日を食事と共に摂る程度なら適量としていますが、
ビール(5%)600ml、
ワイン(15%)200ml、
ウイスキー(43%)70mlに相当します。
世界がん研究基金の勧告で、アルコール摂取は、
「口腔・咽頭・喉頭がん、食道がん、大腸がん(男性)、乳がん」の確実なリスクであり、
「肝臓がん、大腸がん(女性)」 のリスクとなるので要注意です。
それから、過度のアルコール摂取は、肝細胞内での脂肪酸からの中性脂肪の過剰合成を引き起こします。
その一部は肝臓外へ分泌されて高中性脂肪血症の原因となり、一部は肝細胞内に蓄積されて脂肪肝の原因となります。
こちらも要注意ですね。
私自身のお酒の摂取量ですが、平均的には、糖質ゼロ発泡酒350mlを1缶、その後、焼酎の水割りを3~5杯です。
焼酎は25%の濃さで、720mlが3日間で空くくらいのペースです。
あるいは、糖質ゼロ発泡酒350mlを1缶と赤ワインを1/2本とかです。
家でたまに、赤ワイン、ボトル1本のむこともあります。
外で飲食のときは、焼酎の水割りを5~6杯のこともあります。
25度の焼酎が720mlなら、アルコールそのものは180ml含まれています。
従って、私は毎日60~75ml以上のアルコールを摂取していますので、世界がん研究基金や米国糖尿病協会の「適量」は、確実にオーバーしています。( ̄_ ̄|||)
このようにアルコールには発ガン性や脂肪肝のリスクも指摘されていますので、各自が自己責任で自己管理で適量!?の飲酒ということになるでしょうか? (^^)
江部康二
2016年01月23日 (土)
こんにちは。
国立がん研究センターの多目的コホート研究(JPHC Study)から、2016年1月21日、「歩行時間と糖尿病のリスクとの関連」と題して発表がありました。
結論としては、1日の歩行時間が「30分未満」の群は、最も多い「2時間以上」の群に比べ、糖尿病のリスクが1・23倍ありました。
既に糖尿病とわかっている人は除外して、糖尿病と自覚していない全国の男女2万6488人(平均62歳)を対象に糖尿病の検査をしたところ、糖尿病と診断された人が、そこそこ発見されたというわけです。
つまり、本人が認知していない糖尿病を、血糖値やヘモグロビンA1c値で医学的に定義して発見したということです。
というわけでこの研究は、自分では糖尿病とは思っていなかったけれど実は糖尿病であった方々の、1日の歩行時間を比較検討したものです。
糖尿病なし 糖尿病あり 調整後オッズ比
30分未満 3815 190 1.23
30分-1時間未満 5959 238 0.99
1時間-2時間未満 5263 216 1.04
2時間以上 10393 414 1.00
調整後オッズ比は所管保健所、年齢、性別、BMI、収縮期血圧、糖尿病の家族歴にて調整
1日の歩行時間が「30分未満」の群(4005人)と「2時間以上」の群(10807人)では糖尿病リスクに有意差がありました。
しかし「30分~1時間未満」群(6097人)と「1~2時間未満」群(5479人)でも「2時間以上」群と、糖尿病リスクは有意差がでなかったので、どのくらい歩けばリスクが下がるかは明確にはわかりませんでした。
成人の一般的な歩数だと、2時間は1万2千歩、30分は3千歩に相当するそうです。
全国の男女2万6488人のうち、2時間以上歩く人達が実に10807人(40.8%)もいたとは驚きですね。
おそらく、もともと健康に関心をもつ人がこの研究に積極的に参加したものと思われます。
まあ、30分-1時間未満の歩行群でも、有意差はなかったのですから、2時間以上も歩かなくても、30分-1時間未満の歩行でもよさそうですね。
さらに言えば糖質制限食なら、30分未満どころかほどんと運動なしでも、糖尿病のリスクはないと思います。
<国立がん研究センター多目的コホート研究グループのまとめ>
BMIを調整した上でも有意な関連が認められており、身体活動による体重への影響とは独立して、歩行時間が糖尿病リスクと関連することが示唆されました。
しかし、1日の歩行時間は、個人のさまざまな生活習慣や健康に対する態度と関連するものと考えられます。
こうした要因が糖尿病のリスクとの関連に交絡している可能性は依然排除できておりません。
今後のさらなるエビデンスの蓄積が必要と考えています。
江部康二
☆☆☆
以下は、
国立がん研究センター
http://epi.ncc.go.jp/jphc/773/3767.html
の発表の一部引用です。
歩行時間と糖尿病との関連について
-多目的コホート研究(JPHC研究)からの成果報告-
私たちは、いろいろな生活習慣と、がん・脳卒中・虚血性心疾患・糖尿病などの病気との関連を明らかにし日本人の生活習慣予防と健康寿命の延伸に役立てるための研究を行っています。平成2年(1990年)と平成5年(1993年)に岩手県二戸、秋田県横手、長野県佐久、沖縄県中部、茨城県水戸、新潟県長岡、東京都葛飾、高知県中央東、長崎県上五島、沖縄県宮古の10保健所(呼称は2015年現在)管内に居住する40~69歳の男女のうち1998~2000年度(ベースライン調査)および2003~2005年度(5年後調査)に実施されました糖尿病調査に参加された方を対象とし、歩行時間と糖尿病のリスクの関連を調査しました。この結果を専門誌で論文発表しましたので紹介します(J Epidemiol, 2015 年12月WEB先行公開)。
身体活動と糖尿病リスクについて
身体活動は糖尿病の危険因子の中で修正可能な要因の一つであり、多くの観察研究で身体活動強度の低い生活が糖尿病のリスクを上昇させることが知られています。また、介入研究において、身体活動を上げることが糖尿病の発症に対して予防的な効果があることも報告されています。歩行は、多くの人にとって実践が容易な身体活動であり、欧米諸国の過去の研究においては糖尿病発症のリスクを下げることが報告されています。
しかし、アジア人を対象とした研究報告は依然多くありません。本研究では、この歩行と糖尿病のリスクの関連を「多目的コホート研究(JPHC研究)」の「糖尿病研究」において解析しました。具体的には、上記の参加者を対象とし、ベースライン調査を用いた「1日の歩行時間と自覚していない糖尿病の関連」の横断的解析と、ベースラインと5年後調査の両方を用いた「1日の歩行時間と5年間の糖尿病発症の関連」の縦断的解析の二つの解析を実施しました。
横断的解析:1日の歩行時間と有糖尿病の関連
横断的解析では、ベースライン調査に参加した人のうち既に糖尿病があることを認知している人を除外し、26,488名(調査時平均年齢62歳, 男性36%)を対象としました。ベースライン調査にて参加者が質問票で回答した1日の歩行時間を用いて、30分未満、30分‐1時間未満、1時間‐2時間未満、2時間以上に分け、本人が認知していない糖尿病(血糖値やヘモグロビンA1c値で定義)を有することとの関連を調査しました。調査の参加者のうち1,058名(4.0%)が糖尿病を有していました。
1日の歩行時間ごとに分けると、歩行時間が2時間以上の群では糖尿病の有病率が3.8%であったのに対し、30分未満の群では4.7%でした。地域、年齢、性別、BMI、収縮期血圧、糖尿病の家族歴などが結果に影響しないように配慮して分析したところ、1日の歩行時間が2時間以上の群と比較して、30分未満の群の糖尿病であるリスクは1.23倍(95%信頼区間:1.02-1.48)と高いことがわかりました。
表1.1日の歩行時間と有糖尿病の関連
縦断的解析:1日の歩行時間と5年間の糖尿病発症の関連
一方、縦断的な解析では、ベースライン調査で糖尿病がない人のうち、5年後調査にも参加した人を対象として解析を行いました。このため、対象者数は11,101名(調査時平均年齢62歳, 男性33%)となりました。このうち5年間に612名が糖尿病を発症しました。歩行時間で分けると、年齢調整した5年間の糖尿病累積発症率は、1日の歩行時間が2時間以上の群で4.6%に対し、30分未満では7.0%でした。しかし、2時間以上の群に比べ30分未満の群の糖尿病発症のリスクは1.10倍(95%信頼区間:0.82-1.48)で、統計学的には有意に高いわけではありませんでした。
表2.1日の歩行時間と5年間の糖尿病発症の関連
この研究について
本研究では、非糖尿病域の高HbA1c値も全がんリスクと関連していることを報告した最初の論文です。多目的コホート研究を含む多くの疫学研究から糖尿病と全がんリスクとの関連が報告されており、がん予防のためにも糖尿病を予防することが重要であると考えられています。非糖尿病域の高HbA1c値群における全がんリスク上昇を示した本研究により、糖尿病予防対策の重要性が一層示唆されました。
まとめ
これらの解析から、歩行時間の少ない人における糖尿病のリスク上昇が示唆されました。縦断的な解析では有意なリスク上昇を認めませんでしたが、これに関しては以下のような理由が考えられます。まず、対象者数が横断的な解析より少なく統計的検出力が不十分であった可能性があります。また、縦断的な解析への参加者は、ベースライン調査と5年後調査の両方に参加した人であり、より健康に対する意識が高い対象者であったとも推測されます。このため糖尿病の発症がより少なく、有意な結果が得られにくかった可能性が考えられます。
なお、横断解析ではBMIを調整した上でも有意な関連が認められており、身体活動による体重への影響とは独立して、歩行時間が糖尿病リスクと関連することが示唆されました。しかし、1日の歩行時間は、個人のさまざまな生活習慣や健康に対する態度と関連するものと考えられます。こうした要因が糖尿病のリスクとの関連に交絡している可能性は依然排除できておりません。今後のさらなるエビデンスの蓄積が必要と考えています。
国立がん研究センターの多目的コホート研究(JPHC Study)から、2016年1月21日、「歩行時間と糖尿病のリスクとの関連」と題して発表がありました。
結論としては、1日の歩行時間が「30分未満」の群は、最も多い「2時間以上」の群に比べ、糖尿病のリスクが1・23倍ありました。
既に糖尿病とわかっている人は除外して、糖尿病と自覚していない全国の男女2万6488人(平均62歳)を対象に糖尿病の検査をしたところ、糖尿病と診断された人が、そこそこ発見されたというわけです。
つまり、本人が認知していない糖尿病を、血糖値やヘモグロビンA1c値で医学的に定義して発見したということです。
というわけでこの研究は、自分では糖尿病とは思っていなかったけれど実は糖尿病であった方々の、1日の歩行時間を比較検討したものです。
糖尿病なし 糖尿病あり 調整後オッズ比
30分未満 3815 190 1.23
30分-1時間未満 5959 238 0.99
1時間-2時間未満 5263 216 1.04
2時間以上 10393 414 1.00
調整後オッズ比は所管保健所、年齢、性別、BMI、収縮期血圧、糖尿病の家族歴にて調整
1日の歩行時間が「30分未満」の群(4005人)と「2時間以上」の群(10807人)では糖尿病リスクに有意差がありました。
しかし「30分~1時間未満」群(6097人)と「1~2時間未満」群(5479人)でも「2時間以上」群と、糖尿病リスクは有意差がでなかったので、どのくらい歩けばリスクが下がるかは明確にはわかりませんでした。
成人の一般的な歩数だと、2時間は1万2千歩、30分は3千歩に相当するそうです。
全国の男女2万6488人のうち、2時間以上歩く人達が実に10807人(40.8%)もいたとは驚きですね。
おそらく、もともと健康に関心をもつ人がこの研究に積極的に参加したものと思われます。
まあ、30分-1時間未満の歩行群でも、有意差はなかったのですから、2時間以上も歩かなくても、30分-1時間未満の歩行でもよさそうですね。
さらに言えば糖質制限食なら、30分未満どころかほどんと運動なしでも、糖尿病のリスクはないと思います。
<国立がん研究センター多目的コホート研究グループのまとめ>
BMIを調整した上でも有意な関連が認められており、身体活動による体重への影響とは独立して、歩行時間が糖尿病リスクと関連することが示唆されました。
しかし、1日の歩行時間は、個人のさまざまな生活習慣や健康に対する態度と関連するものと考えられます。
こうした要因が糖尿病のリスクとの関連に交絡している可能性は依然排除できておりません。
今後のさらなるエビデンスの蓄積が必要と考えています。
江部康二
☆☆☆
以下は、
国立がん研究センター
http://epi.ncc.go.jp/jphc/773/3767.html
の発表の一部引用です。
歩行時間と糖尿病との関連について
-多目的コホート研究(JPHC研究)からの成果報告-
私たちは、いろいろな生活習慣と、がん・脳卒中・虚血性心疾患・糖尿病などの病気との関連を明らかにし日本人の生活習慣予防と健康寿命の延伸に役立てるための研究を行っています。平成2年(1990年)と平成5年(1993年)に岩手県二戸、秋田県横手、長野県佐久、沖縄県中部、茨城県水戸、新潟県長岡、東京都葛飾、高知県中央東、長崎県上五島、沖縄県宮古の10保健所(呼称は2015年現在)管内に居住する40~69歳の男女のうち1998~2000年度(ベースライン調査)および2003~2005年度(5年後調査)に実施されました糖尿病調査に参加された方を対象とし、歩行時間と糖尿病のリスクの関連を調査しました。この結果を専門誌で論文発表しましたので紹介します(J Epidemiol, 2015 年12月WEB先行公開)。
身体活動と糖尿病リスクについて
身体活動は糖尿病の危険因子の中で修正可能な要因の一つであり、多くの観察研究で身体活動強度の低い生活が糖尿病のリスクを上昇させることが知られています。また、介入研究において、身体活動を上げることが糖尿病の発症に対して予防的な効果があることも報告されています。歩行は、多くの人にとって実践が容易な身体活動であり、欧米諸国の過去の研究においては糖尿病発症のリスクを下げることが報告されています。
しかし、アジア人を対象とした研究報告は依然多くありません。本研究では、この歩行と糖尿病のリスクの関連を「多目的コホート研究(JPHC研究)」の「糖尿病研究」において解析しました。具体的には、上記の参加者を対象とし、ベースライン調査を用いた「1日の歩行時間と自覚していない糖尿病の関連」の横断的解析と、ベースラインと5年後調査の両方を用いた「1日の歩行時間と5年間の糖尿病発症の関連」の縦断的解析の二つの解析を実施しました。
横断的解析:1日の歩行時間と有糖尿病の関連
横断的解析では、ベースライン調査に参加した人のうち既に糖尿病があることを認知している人を除外し、26,488名(調査時平均年齢62歳, 男性36%)を対象としました。ベースライン調査にて参加者が質問票で回答した1日の歩行時間を用いて、30分未満、30分‐1時間未満、1時間‐2時間未満、2時間以上に分け、本人が認知していない糖尿病(血糖値やヘモグロビンA1c値で定義)を有することとの関連を調査しました。調査の参加者のうち1,058名(4.0%)が糖尿病を有していました。
1日の歩行時間ごとに分けると、歩行時間が2時間以上の群では糖尿病の有病率が3.8%であったのに対し、30分未満の群では4.7%でした。地域、年齢、性別、BMI、収縮期血圧、糖尿病の家族歴などが結果に影響しないように配慮して分析したところ、1日の歩行時間が2時間以上の群と比較して、30分未満の群の糖尿病であるリスクは1.23倍(95%信頼区間:1.02-1.48)と高いことがわかりました。
表1.1日の歩行時間と有糖尿病の関連
縦断的解析:1日の歩行時間と5年間の糖尿病発症の関連
一方、縦断的な解析では、ベースライン調査で糖尿病がない人のうち、5年後調査にも参加した人を対象として解析を行いました。このため、対象者数は11,101名(調査時平均年齢62歳, 男性33%)となりました。このうち5年間に612名が糖尿病を発症しました。歩行時間で分けると、年齢調整した5年間の糖尿病累積発症率は、1日の歩行時間が2時間以上の群で4.6%に対し、30分未満では7.0%でした。しかし、2時間以上の群に比べ30分未満の群の糖尿病発症のリスクは1.10倍(95%信頼区間:0.82-1.48)で、統計学的には有意に高いわけではありませんでした。
表2.1日の歩行時間と5年間の糖尿病発症の関連
この研究について
本研究では、非糖尿病域の高HbA1c値も全がんリスクと関連していることを報告した最初の論文です。多目的コホート研究を含む多くの疫学研究から糖尿病と全がんリスクとの関連が報告されており、がん予防のためにも糖尿病を予防することが重要であると考えられています。非糖尿病域の高HbA1c値群における全がんリスク上昇を示した本研究により、糖尿病予防対策の重要性が一層示唆されました。
まとめ
これらの解析から、歩行時間の少ない人における糖尿病のリスク上昇が示唆されました。縦断的な解析では有意なリスク上昇を認めませんでしたが、これに関しては以下のような理由が考えられます。まず、対象者数が横断的な解析より少なく統計的検出力が不十分であった可能性があります。また、縦断的な解析への参加者は、ベースライン調査と5年後調査の両方に参加した人であり、より健康に対する意識が高い対象者であったとも推測されます。このため糖尿病の発症がより少なく、有意な結果が得られにくかった可能性が考えられます。
なお、横断解析ではBMIを調整した上でも有意な関連が認められており、身体活動による体重への影響とは独立して、歩行時間が糖尿病リスクと関連することが示唆されました。しかし、1日の歩行時間は、個人のさまざまな生活習慣や健康に対する態度と関連するものと考えられます。こうした要因が糖尿病のリスクとの関連に交絡している可能性は依然排除できておりません。今後のさらなるエビデンスの蓄積が必要と考えています。
2016年01月22日 (金)
こんばんは。
「白米が健康寿命を縮める」
最近の医学研究でわかった口内最近の恐怖
花田信弘著(光文社新書)2015年
という本を読みました。
「歯原性菌血症」という概念をはじめてトータルに理解することができました。
花田信弘先生、ありがとうございます。
歯原性菌血症って、歯医者さん以外にはあまり馴染みのない言葉ですね。
私も、医師として不勉強で、あまり知らなかったのですが、この本を読んで、衝撃を受けました。
「菌血症」とは、血液中に細菌が認められる状態を言います。
本来、血液の中に細菌がいては困るわけですが、抜糸の後に菌血症を生じて、細菌性心内膜炎というこわい病気(死亡例あり)を発症することがあるということは、医師として私も認識していました。
これは、歯科医師の医療行為に伴って発症するので、「医原性菌血症」といいますが、歯石除去や抜歯のあとに発症ということなので、頻度としては少ないです。
「白米が健康長寿を縮める」を読んで、衝撃を受けたのは、発症頻度が圧倒的に高い「日常的歯原性菌血症」の方です。
日常性歯原性菌血症は、プラークが多かったり、歯肉炎で出血したりしていると、口腔内の傷口から血管内に歯周病菌が侵入して発症します。傷口というのは、虫歯の穴と、歯周症のポケットの2カ所です。
虫歯や歯周症を放置すると噛むだけで歯周病菌が血中に入ります。歯周症患者は毎日歯源性菌血症を起こして、血管内などに慢性の感染症を起こしている可能性があるのです。
歯周病菌の出す毒素により血管壁を始めとして体内の様々な器官に慢性炎症が生じてきます。
この慢性炎症が、動脈硬化・高血圧・糖尿病・認知症・リウマチなどの原因となることがわかってきています。
東京医科歯科大学の調査で、下肢血管疾患の患者約200名を調べたところ、80%において動脈壁に歯周症菌を認めたとのことです。
またアルツハイマー型認知症で死亡した患者の脳を調べたところ、歯周病菌が4割くらいの頻度で検出されたという報告もあります。
慢性関節リウマチのような、自己免疫疾患で原因不明とされてきた疾患でも、歯周病菌のもつ「PPAD」という酵素が発症と慢性化に関与していることが明らかになりました。
実際、リウマチ患者の膝関節滑液からは、非リウマチ患者と比べると何倍もの歯周病菌が検出されるとのことです。
このように、放置した虫歯や歯周症と歯周病菌による「日常的歯原性菌血症」は、慢性炎症を生じて様々な疾患のリスクとなることが分かってきました。
がん、心筋梗塞、脳卒中にも「日常的歯原性菌血症」が関与しているようです。
「日常的歯原性菌血症」を予防するには、勿論、歯科治療も大切です。
ただ、歯科治療以前に、虫歯菌や歯周病菌の餌になるのは白米などの糖質食品であることを
肝に銘じなくてはなりません。白米をたくさん食べているような人は、虫歯や歯周症にとてもなりやすいのです。
そして、スーパー糖質制限食なら、虫歯菌や歯周病菌の餌になる糖質が極めて少ないので、虫歯や歯周症そのものが予防できます。
そうすると「日常的歯原性菌血症」も予防できます。
かういう私も、虫歯ゼロで歯周症もなく、66歳で歯は全部残っています。
きっと「日常的歯原性菌血症」もないと思います。
ブログ読者の皆さんも、スーパー糖質制限食実践で、「日常的歯原性菌血症」を予防していただけば幸いです。
江部康二
「白米が健康寿命を縮める」
最近の医学研究でわかった口内最近の恐怖
花田信弘著(光文社新書)2015年
という本を読みました。
「歯原性菌血症」という概念をはじめてトータルに理解することができました。
花田信弘先生、ありがとうございます。
歯原性菌血症って、歯医者さん以外にはあまり馴染みのない言葉ですね。
私も、医師として不勉強で、あまり知らなかったのですが、この本を読んで、衝撃を受けました。
「菌血症」とは、血液中に細菌が認められる状態を言います。
本来、血液の中に細菌がいては困るわけですが、抜糸の後に菌血症を生じて、細菌性心内膜炎というこわい病気(死亡例あり)を発症することがあるということは、医師として私も認識していました。
これは、歯科医師の医療行為に伴って発症するので、「医原性菌血症」といいますが、歯石除去や抜歯のあとに発症ということなので、頻度としては少ないです。
「白米が健康長寿を縮める」を読んで、衝撃を受けたのは、発症頻度が圧倒的に高い「日常的歯原性菌血症」の方です。
日常性歯原性菌血症は、プラークが多かったり、歯肉炎で出血したりしていると、口腔内の傷口から血管内に歯周病菌が侵入して発症します。傷口というのは、虫歯の穴と、歯周症のポケットの2カ所です。
虫歯や歯周症を放置すると噛むだけで歯周病菌が血中に入ります。歯周症患者は毎日歯源性菌血症を起こして、血管内などに慢性の感染症を起こしている可能性があるのです。
歯周病菌の出す毒素により血管壁を始めとして体内の様々な器官に慢性炎症が生じてきます。
この慢性炎症が、動脈硬化・高血圧・糖尿病・認知症・リウマチなどの原因となることがわかってきています。
東京医科歯科大学の調査で、下肢血管疾患の患者約200名を調べたところ、80%において動脈壁に歯周症菌を認めたとのことです。
またアルツハイマー型認知症で死亡した患者の脳を調べたところ、歯周病菌が4割くらいの頻度で検出されたという報告もあります。
慢性関節リウマチのような、自己免疫疾患で原因不明とされてきた疾患でも、歯周病菌のもつ「PPAD」という酵素が発症と慢性化に関与していることが明らかになりました。
実際、リウマチ患者の膝関節滑液からは、非リウマチ患者と比べると何倍もの歯周病菌が検出されるとのことです。
このように、放置した虫歯や歯周症と歯周病菌による「日常的歯原性菌血症」は、慢性炎症を生じて様々な疾患のリスクとなることが分かってきました。
がん、心筋梗塞、脳卒中にも「日常的歯原性菌血症」が関与しているようです。
「日常的歯原性菌血症」を予防するには、勿論、歯科治療も大切です。
ただ、歯科治療以前に、虫歯菌や歯周病菌の餌になるのは白米などの糖質食品であることを
肝に銘じなくてはなりません。白米をたくさん食べているような人は、虫歯や歯周症にとてもなりやすいのです。
そして、スーパー糖質制限食なら、虫歯菌や歯周病菌の餌になる糖質が極めて少ないので、虫歯や歯周症そのものが予防できます。
そうすると「日常的歯原性菌血症」も予防できます。
かういう私も、虫歯ゼロで歯周症もなく、66歳で歯は全部残っています。
きっと「日常的歯原性菌血症」もないと思います。
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江部康二
2016年01月21日 (木)
こんにちは。
私の監修している糖質制限食販売サイト、
糖質制限ドットコム
https://www.toushitsuseigen.com/
の山本店長より、送料が無料になるお知らせが届きました。
各配送10,800円以上の購入で送料が無料になるとのこと。
これまでは、販売システムの都合で送料無料が出来なかったのですが、今回、サーバーメンテナンスと同時にシステムを入れ替えた為、送料無料が実現したそうです(^^)
私は、何回も注文するのが面倒臭く、ついまとめて買ってしまうので、この送料無料はとても嬉しいですね\(^o^)/
糖尿人には、私のような面倒くさがりが多いような感が有りますので、朗報ではないでしょうか。
是非一度お試しあれ。
江部康二
以下、山本店長からのご案内です。
【本日の店長山本からのお知らせ】
ドクター江部ブログ読者の皆様、ご無沙汰しております。
糖質制限ドットコム、店長ヤマモトです。
1月18日により良いサービスをご提供する為、新システムに変更致しました。
この度のシステム変更により、ご要望を多数頂いていた、「送料無料」が可能となりました\(^o^)/
「当店発送 常温便&冷蔵便(同梱)」
「当社発送 冷凍便」
「各メーカー直送 冷蔵便」
「各メーカー直送 冷凍便」
の各配送区分で、ご購入額が10,800円以上の便の送料が無料となります!
例えば、冷凍の商品を10,800円以上お買い上げ頂きますと、冷凍の送料756円(北海道1512円、沖縄1296円)が無料!
まとめ買いにとってもお得な「送料無料」、是非ともご利用くださいませ♪

ご注文はコチラ↓↓↓
https://www.toushitsuseigen.com/
皆様のご注文を心よりお待ちしております。
糖質制限ドットコム
店長 山本 怜
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江部康二
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糖質制限ドットコム
店長 山本 怜
糖質制限食・ダイエット食の通信販売|糖質制限ドットコム
糖質制限ドットコムは、糖質制限食の第一人者、高雄病院、江部康二先生監修による糖質オフな食材を販売、糖質制限食に取り組む皆様をサポートします。
2016年01月20日 (水)
こんばんは。
2016年1月30日(土) 15:00~17:00
NHK文化センター京都(075-254-8701)
にて
『美味しく楽しく健康 に!糖質制限食のすすめ』
~糖質制限食で治す糖尿病・メタボ・生活習慣病~
と題して、お話します。
わかりやすく楽しい講座にしたいと思いますので、京都、滋賀、大阪、近畿地方の糖尿人やメタボ人の方々、是非奮ってご参加くださいね。
江部康二
☆
以下、NHK文化センター京都のサイトから抜粋
「近年注目されている糖質制限について、ご自身も実践し、肥満と糖尿病を克服された江部康二先生による講演会です。
数多くの臨床活動を通して、糖尿病、肥満、メタボリックシンドロームなどに対する糖質制限食の画期的な治療効果が証明されています。 」
☆☆
以下は当日の<講演要旨>です。
「脂肪悪玉説」、「カロリー至 上主義」、「脳のエネルギー源 はブドウ糖だけ」といった従来 の常識は現在根底から覆っています。
例えば全米健康調査、1971年と2000年の統計で、脂肪摂取比率は低下しているのに、肥満は倍増しています。
すなわち脂肪悪玉説には根拠がな かったのです。
さらに信頼度の高い論文 で、カロリー制限ありの「脂肪制 限食」と「地中海食」、カロリー制限 なしの「糖質制限食」の3者の効果 を比較検討した結果、糖質制限 食が最も体重を減少させ、 HDLコレステロールを増加さ せたことが明らかとなりました。
糖質制限食実践により、食事中にも常に脂肪が燃 え、肥満ホルモン・インスリン の追加分泌はごく少量で済むので、肥満が改善します。
米国糖尿病学会に よれば、食べ物が消化・吸収さ れたあと、糖質は直接血糖値に影響を与えますが、タンパク質・脂質は与えません。
糖尿病患者さんにおいて食後高血糖が糖尿病合併症の元凶です。
糖質制限食なら 食後高血糖はリアルタイムに改善します。
一方、カロリー制限食をしても糖質を 摂取すれば必ず食後高血糖を必ず生じます。
2型糖尿病高雄病院入院患者さんに おいて、同一カロリーにそろえ た従来の糖尿病食(高糖質食) と糖質制限食における血糖の日 内変動を比較検討してみました。
その結果、糖質制限食では従来の 糖尿病食(高糖質食)に比べて 顕著な食後血糖降下効果が認められました。
脳はブドウ糖だけでなくケトン 体という脂肪酸の分解物をエネルギー源としていくらでも利用します。
人体で唯一赤血球だけは、ミトコンドリア(細胞内にあるエネルギー生産装置)がないので、ブドウ糖だけが唯一のエ ネルギー源です。
人類700万年の進化と食生活 について考察してみました。
さらに食前 と食後の血糖変動の観点から人 類の食生活を3段階にわけて検 討してみました。
糖尿病・メタボ以外の生活習慣病とがんに関しても若干の考察を加えました。
日本人の5大疾病、4大死因と糖質制限食についても検討しました。
2016年1月30日(土) 15:00~17:00
NHK文化センター京都(075-254-8701)
にて
『美味しく楽しく健康 に!糖質制限食のすすめ』
~糖質制限食で治す糖尿病・メタボ・生活習慣病~
と題して、お話します。
わかりやすく楽しい講座にしたいと思いますので、京都、滋賀、大阪、近畿地方の糖尿人やメタボ人の方々、是非奮ってご参加くださいね。
江部康二
☆
以下、NHK文化センター京都のサイトから抜粋
「近年注目されている糖質制限について、ご自身も実践し、肥満と糖尿病を克服された江部康二先生による講演会です。
数多くの臨床活動を通して、糖尿病、肥満、メタボリックシンドロームなどに対する糖質制限食の画期的な治療効果が証明されています。 」
☆☆
以下は当日の<講演要旨>です。
「脂肪悪玉説」、「カロリー至 上主義」、「脳のエネルギー源 はブドウ糖だけ」といった従来 の常識は現在根底から覆っています。
例えば全米健康調査、1971年と2000年の統計で、脂肪摂取比率は低下しているのに、肥満は倍増しています。
すなわち脂肪悪玉説には根拠がな かったのです。
さらに信頼度の高い論文 で、カロリー制限ありの「脂肪制 限食」と「地中海食」、カロリー制限 なしの「糖質制限食」の3者の効果 を比較検討した結果、糖質制限 食が最も体重を減少させ、 HDLコレステロールを増加さ せたことが明らかとなりました。
糖質制限食実践により、食事中にも常に脂肪が燃 え、肥満ホルモン・インスリン の追加分泌はごく少量で済むので、肥満が改善します。
米国糖尿病学会に よれば、食べ物が消化・吸収さ れたあと、糖質は直接血糖値に影響を与えますが、タンパク質・脂質は与えません。
糖尿病患者さんにおいて食後高血糖が糖尿病合併症の元凶です。
糖質制限食なら 食後高血糖はリアルタイムに改善します。
一方、カロリー制限食をしても糖質を 摂取すれば必ず食後高血糖を必ず生じます。
2型糖尿病高雄病院入院患者さんに おいて、同一カロリーにそろえ た従来の糖尿病食(高糖質食) と糖質制限食における血糖の日 内変動を比較検討してみました。
その結果、糖質制限食では従来の 糖尿病食(高糖質食)に比べて 顕著な食後血糖降下効果が認められました。
脳はブドウ糖だけでなくケトン 体という脂肪酸の分解物をエネルギー源としていくらでも利用します。
人体で唯一赤血球だけは、ミトコンドリア(細胞内にあるエネルギー生産装置)がないので、ブドウ糖だけが唯一のエ ネルギー源です。
人類700万年の進化と食生活 について考察してみました。
さらに食前 と食後の血糖変動の観点から人 類の食生活を3段階にわけて検 討してみました。
糖尿病・メタボ以外の生活習慣病とがんに関しても若干の考察を加えました。
日本人の5大疾病、4大死因と糖質制限食についても検討しました。
2016年01月19日 (火)
【16/01/19 深作 秀春
眼科外科医の糖質制限食
江部先生の本「なぜ糖質制限をすると糖尿病が良くなるのか」を読んで目からうろこが落ちる思いです。私は眼科外科医ですが、糖尿病の患者が非常に多くて糖質制限やケトン体の概念を導入しようと思っています。
医学部時代の同級生の話ですが糖尿病の専門医でした。ところが彼自身が糖尿病になり、自身が専門である従来の糖尿病の治療を行ってきました。
しかし、糖尿病のコントロールが悪く、さらに糖尿病性網膜症が進行してしまいました。彼は数年前に、江部先生の講演を聞き、糖質制限療法を始めました。全身のコントロールは改善し、インスリンも中止できました。
しかし、網膜症は既に重症の増殖性糖尿病性網膜症となり、網膜剥離も合併し視力をほぼ失ったのです。この重症の糖尿病性網膜症での網膜剥離は難しい症例で、世界の標準からみると遅れている日本の大学病院ではもはや手術もできないとされました。
私はインターンからアメリカで修業し、さらに網膜硝子体手術はドイツで修業をしています。その後、欧米での国の管轄の専門家となり(アメリカでは大学の関与をさせないで、日本のような大学に縛り付ける意味での大学が行う専門医制度では無く、国が厳密な専門医制度を行っています)世界基準の手術を行っています。
卒業以来没交渉だった彼が、大学の同僚や近医の眼科専門医の提案で、日本では唯一世界基準での手術治療を行っている当院を頼って来院しました。
彼の眼を、ドイツの仲間と一緒に開発した小切開硝子体手術をし、幸い網膜も復位し、すぐに視力を回復しました。彼は深く感謝し、日本の大学よりはるかに進んだ方法を開業医の眼科病院で行っているのに驚きました。
そして後日、彼が現在自身でも自分の施設でも行っている、糖質制限食の解説のある江部康二先生の著書をくれました。実に興味深いことを知りました。
普段我々の眼科外来で糖尿病性網膜症が見つかることで、多くの糖尿病が見つかることが多いのです。
しかし、網膜症を悪化させないために彼らのDMコントロールが難しい。現実に血糖の上下変動が糖尿病性網膜症を悪化させるのです。
何度も大学の糖尿病専門医に、血糖の上下変動を少なくするように低血糖を起こさせないようにと教育しましたが、ほとんどの内科医はインシュリンや内服薬で血糖を下げればよいんだ、としか考えていません。眼底など分からないのか、どんどん糖尿病性網膜症が悪化します。
しかも、日本の大学が作った分類では増殖性網膜症の進行は止められない福田分類など使っています。つまり同級生の彼のような増殖性糖尿病性網膜症からおきた網膜剥離は日本国内ではまず治らないのです。
これを欧米でいまや教育をしている、当院の方法による世界基準で手術して、ほとんどの症例を治癒させています。しかし、大学のボスのような輩は、治した症例を別の患者だとか、口にはできない酷い誹謗中傷を陰で行う有様です。
私は世界の中心のアメリカ眼科学会で最高賞を19回受賞し、国際学科学会の理事や眼科殿堂審査員など世界を指導する立場を経験してきました。多くの手術方法を開発していますが、そんな欧米では指導者である当方でも日本で発表する新しい方法は侮蔑を受け誹謗中傷を受けるのです。
世界の学会では新しい方法で無いと誰も賛辞しませんし尊敬もしません。一方では日本の学会は日本の大学が中心で、新しい方法は必ず無視するか馬鹿にしたがります。
日本の大学人が自分の知らない方法を認めると、自分が無能であることを認めることになるとの無意識の恐怖から、無視したり誹謗したりするのです。この為に、常に世界最先端と比べると20年ほどの認識のずれが有るのです。
例えば欧米の眼科医が驚き絶賛しその功績で私が理事になった「無縫合白内障手術」を世界で最初に発表したエピソードを言います。
最高賞の授賞式で、日本人で初めてのライバルが出来たとアメリカ学会会長から握手を求められたほどの評価を得た方法です。これは、白内障手術後の乱視を無くし術後の社会復帰を2週間ほどから2日程に短縮し術後の合併症をほぼ無くした革新的な方法で、学会で大賞を受けました。
翌年日本の全国的学会で同じ方法を発表すると、誰も意味を理解できないのです。ある大学人が、「最近変わった方法がアメリカで流行っているが単なる名前を売る方法だ」、などと侮蔑するありさまです。
その後も、世界の眼科手術を根底から変えた方法をいくつも開発して最高賞を19回も受賞しました。しかし、欧米では絶賛されているのに、日本ではほぼ理解されないのです。新しい画期的な正しい方法は日本の学会では常に嫌な反応を受けます。
江部先生の発表を、日本の糖尿病専門医の多くが理解していないのも、他人ごとでは無いのです。
私の発表も日本では理解されなくても、世界ではよく理解し採用されています。この私が考えた方法が世界を巡って日本に再上陸をすると、西洋人コンプレックスの日本の大学人はありがたがって認めるのです。その西洋人医師たちが私の弟子たちなのに日本人の私へは侮蔑したがるのです。
10年から20年経つと酷い侮蔑をした日本の大学人が反省の言葉も無く、まるで以前から私の方法をやっていたかのごとく発表するのにはブラックジョークなのかと笑えてきます。
ぜひ江部先生の糖質制限食を患者さんの糖尿病治療に取り入れようと思います。これが糖尿病性網膜症を悪化させる血糖の極端な上下変動や低血糖を防ぐ切り札だと信じるからです。糖質制限食などにつきご指導をお願いいたします。江部先生の本をさらに追加してレシピなども何冊も購入し、他の当院医師や入院食担当の当院の管理栄養士とも江部先生のご指導を情報共有していきます。】
こんにちは。
世界的眼科外科医の 深作 秀春 先生から、興味深いコメントを頂きました。
深作先生、ありがとうございます。
拙著の御購入もありがとうございます。
『医学部時代の同級生の話ですが糖尿病の専門医でした。ところが彼自身が糖尿病になり、自身が専門である従来の糖尿病の治療を行ってきました。
しかし、糖尿病のコントロールが悪く、さらに糖尿病性網膜症が進行してしまいました。彼は数年前に、江部先生の講演を聞き、糖質制限療法を始めました。全身のコントロールは改善し、インスリンも中止できました。
しかし、網膜症は既に重症の増殖性糖尿病性網膜症となり、網膜剥離も合併し視力をほぼ失ったのです。この重症の糖尿病性網膜症での網膜剥離は難しい症例で、世界の標準からみると遅れている日本の大学病院ではもはや手術もできないとされました。』
糖質制限食でインスリンも中止できるくらい、血糖コントロール良好となったのに、重症糖尿病網膜症と網膜剥離で視力低下したのは、高血糖の記憶(過去の高血糖による動脈硬化の消えない借金)のためと思われます。
日本の眼科手術が、世界水準から遅れているとは、初めて知りました。勉強になりました。
日本の大学病院では手術不能と言われた、同級生の「重症糖尿病性網膜症での網膜剥離」に対して、ドイツの仲間と一緒に開発された小切開硝子体手術を実践され、見事視力回復とは素晴らしいです。まさに世界水準のお仕事です。
『普段我々の眼科外来で糖尿病性網膜症が見つかることで、多くの糖尿病が見つかることが多いのです。しかし、網膜症を悪化させないために彼らのDMコントロールが難しい。現実に血糖の上下変動が糖尿病性網膜症を悪化させるのです。
何度も大学の糖尿病専門医に、血糖の上下変動を少なくするように低血糖を起こさせないようにと教育しましたが、ほとんどの内科医はインシュリンや内服薬で血糖を下げればよいんだ、としか考えていません。眼底など分からないのか、どんどん糖尿病性網膜症が悪化します。』
仰有る通りと思います。
従来の糖尿病食(カロリー制限高糖質食)では、「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」が必ず生じます。そして食後高血糖を起こさないように強力に薬物治療を行えば低血糖のリスクが大きく増大します。
これでは、糖尿病専門医の治療を受けていても、ご指摘通り糖尿病網膜症は悪化の一途だと思います。
『私は世界の中心のアメリカ眼科学会で最高賞を19回受賞し、国際学科学会の理事や眼科殿堂審査員など世界を指導する立場を経験してきました。多くの手術方法を開発していますが、そんな欧米では指導者である当方でも日本で発表する新しい方法は侮蔑を受け誹謗中傷を受けるのです。
世界の学会では新しい方法で無いと誰も賛辞しませんし尊敬もしません。一方では日本の学会は日本の大学が中心で、新しい方法は必ず無視するか馬鹿にしたがります。日本の大学人が自分の知らない方法を認めると、自分が無能であることを認めることになるとの無意識の恐怖から、無視したり誹謗したりするのです。この為に、常に世界最先端と比べると20年ほどの認識のずれが有るのです。』
「世界の学会では新しい手術方法を賛辞し尊敬するにの対して、日本の学会は日本の大学が中心で、新しい方法は必ず無視するか馬鹿にしたがる。」
これは、お粗末です。
深作先生、日本眼科学会の現状をよくぞ仰有ってくださいました。
自分たちの見栄のために、新しい手術方法を検討することさえ拒否するような態度は、医師として極めて問題であり、結局世界水準の眼科外科治療を受けることができない日本の患者さんが大迷惑を被ります。
世界最先端の治療水準から20年もずれたような眼科外科治療は、誰でも受けたくないと思います。
『例えば欧米の眼科医が驚き絶賛しその功績で私が理事になった「無縫合白内障手術」を世界で最初に発表したエピソードを言います。
最高賞の授賞式で、日本人で初めてのライバルが出来たとアメリカ学会会長から握手を求められたほどの評価を得た方法です。これは、白内障手術後の乱視を無くし術後の社会復帰を2週間ほどから2日程に短縮し術後の合併症をほぼ無くした革新的な方法で、学会で大賞を受けました。
翌年日本の全国的学会で同じ方法を発表すると、誰も意味を理解できないのです。ある大学人が、「最近変わった方法がアメリカで流行っているが単なる名前を売る方法だ」、などと侮蔑するありさまです。』
白内障手術後の乱視を無くし術後の社会復帰を2週間ほどから2日程に短縮し術後の合併症をほぼ無くした革新的な方法「無縫合白内障手術」が、米国学会で大賞を受けたのに、日本の眼科学会では、無視あるいは侮蔑とはひどいです。
私のような、内科医からみても、白内障手術後の乱視を無くし術後の社会復帰を2週間ほどから2日程に短縮し、術後の合併症をほぼ無くした革新的な方法「無縫合白内障手術」と聞いただけでも画期的と思います。
『10年から20年経つと酷い侮蔑をした日本の大学人が反省の言葉も無く、まるで以前から私の方法をやっていたかのごとく発表するのにはブラックジョークなのかと笑えてきます。』
「湿潤療法」の夏井睦先生が、同様のことを仰有っていました。
「傷は消毒するな」に対して、強硬に反対していた大学の医師が、10年くらい経ったら何の自己批判もなく、まるで自分が昔から「湿潤療法」をしていたみたいな本を書いたりすると苦笑いしておられました。
『糖質制限食を患者さんの糖尿病治療に取り入れようと思います。これが糖尿病性網膜症を悪化させる血糖の極端な上下変動や低血糖を防ぐ切り札だと信じるからです。
糖質制限食などにつきご指導をお願いいたします。江部先生の本をさらに追加してレシピなども何冊も購入し、他の当院医師や入院食担当の当院の管理栄養士とも江部先生のご指導を情報共有していきます。』
ありがとうございます。
仰有る通り、「糖質制限食」が、血糖の極端な上下変動や低血糖そして食後高血糖を防ぐ、唯一の糖尿病治療食です。
これらのリスクが断ち切れれば、糖尿病網膜症の予後も良好になると思います。
深作先生のような、世界最高水準の眼科外科医が、糖質制限食を導入して頂けるとは嬉しい限りで、糖尿病患者さんへの朗報です。
今後ともよろしくお願い申し上げます。
江部康二
眼科外科医の糖質制限食
江部先生の本「なぜ糖質制限をすると糖尿病が良くなるのか」を読んで目からうろこが落ちる思いです。私は眼科外科医ですが、糖尿病の患者が非常に多くて糖質制限やケトン体の概念を導入しようと思っています。
医学部時代の同級生の話ですが糖尿病の専門医でした。ところが彼自身が糖尿病になり、自身が専門である従来の糖尿病の治療を行ってきました。
しかし、糖尿病のコントロールが悪く、さらに糖尿病性網膜症が進行してしまいました。彼は数年前に、江部先生の講演を聞き、糖質制限療法を始めました。全身のコントロールは改善し、インスリンも中止できました。
しかし、網膜症は既に重症の増殖性糖尿病性網膜症となり、網膜剥離も合併し視力をほぼ失ったのです。この重症の糖尿病性網膜症での網膜剥離は難しい症例で、世界の標準からみると遅れている日本の大学病院ではもはや手術もできないとされました。
私はインターンからアメリカで修業し、さらに網膜硝子体手術はドイツで修業をしています。その後、欧米での国の管轄の専門家となり(アメリカでは大学の関与をさせないで、日本のような大学に縛り付ける意味での大学が行う専門医制度では無く、国が厳密な専門医制度を行っています)世界基準の手術を行っています。
卒業以来没交渉だった彼が、大学の同僚や近医の眼科専門医の提案で、日本では唯一世界基準での手術治療を行っている当院を頼って来院しました。
彼の眼を、ドイツの仲間と一緒に開発した小切開硝子体手術をし、幸い網膜も復位し、すぐに視力を回復しました。彼は深く感謝し、日本の大学よりはるかに進んだ方法を開業医の眼科病院で行っているのに驚きました。
そして後日、彼が現在自身でも自分の施設でも行っている、糖質制限食の解説のある江部康二先生の著書をくれました。実に興味深いことを知りました。
普段我々の眼科外来で糖尿病性網膜症が見つかることで、多くの糖尿病が見つかることが多いのです。
しかし、網膜症を悪化させないために彼らのDMコントロールが難しい。現実に血糖の上下変動が糖尿病性網膜症を悪化させるのです。
何度も大学の糖尿病専門医に、血糖の上下変動を少なくするように低血糖を起こさせないようにと教育しましたが、ほとんどの内科医はインシュリンや内服薬で血糖を下げればよいんだ、としか考えていません。眼底など分からないのか、どんどん糖尿病性網膜症が悪化します。
しかも、日本の大学が作った分類では増殖性網膜症の進行は止められない福田分類など使っています。つまり同級生の彼のような増殖性糖尿病性網膜症からおきた網膜剥離は日本国内ではまず治らないのです。
これを欧米でいまや教育をしている、当院の方法による世界基準で手術して、ほとんどの症例を治癒させています。しかし、大学のボスのような輩は、治した症例を別の患者だとか、口にはできない酷い誹謗中傷を陰で行う有様です。
私は世界の中心のアメリカ眼科学会で最高賞を19回受賞し、国際学科学会の理事や眼科殿堂審査員など世界を指導する立場を経験してきました。多くの手術方法を開発していますが、そんな欧米では指導者である当方でも日本で発表する新しい方法は侮蔑を受け誹謗中傷を受けるのです。
世界の学会では新しい方法で無いと誰も賛辞しませんし尊敬もしません。一方では日本の学会は日本の大学が中心で、新しい方法は必ず無視するか馬鹿にしたがります。
日本の大学人が自分の知らない方法を認めると、自分が無能であることを認めることになるとの無意識の恐怖から、無視したり誹謗したりするのです。この為に、常に世界最先端と比べると20年ほどの認識のずれが有るのです。
例えば欧米の眼科医が驚き絶賛しその功績で私が理事になった「無縫合白内障手術」を世界で最初に発表したエピソードを言います。
最高賞の授賞式で、日本人で初めてのライバルが出来たとアメリカ学会会長から握手を求められたほどの評価を得た方法です。これは、白内障手術後の乱視を無くし術後の社会復帰を2週間ほどから2日程に短縮し術後の合併症をほぼ無くした革新的な方法で、学会で大賞を受けました。
翌年日本の全国的学会で同じ方法を発表すると、誰も意味を理解できないのです。ある大学人が、「最近変わった方法がアメリカで流行っているが単なる名前を売る方法だ」、などと侮蔑するありさまです。
その後も、世界の眼科手術を根底から変えた方法をいくつも開発して最高賞を19回も受賞しました。しかし、欧米では絶賛されているのに、日本ではほぼ理解されないのです。新しい画期的な正しい方法は日本の学会では常に嫌な反応を受けます。
江部先生の発表を、日本の糖尿病専門医の多くが理解していないのも、他人ごとでは無いのです。
私の発表も日本では理解されなくても、世界ではよく理解し採用されています。この私が考えた方法が世界を巡って日本に再上陸をすると、西洋人コンプレックスの日本の大学人はありがたがって認めるのです。その西洋人医師たちが私の弟子たちなのに日本人の私へは侮蔑したがるのです。
10年から20年経つと酷い侮蔑をした日本の大学人が反省の言葉も無く、まるで以前から私の方法をやっていたかのごとく発表するのにはブラックジョークなのかと笑えてきます。
ぜひ江部先生の糖質制限食を患者さんの糖尿病治療に取り入れようと思います。これが糖尿病性網膜症を悪化させる血糖の極端な上下変動や低血糖を防ぐ切り札だと信じるからです。糖質制限食などにつきご指導をお願いいたします。江部先生の本をさらに追加してレシピなども何冊も購入し、他の当院医師や入院食担当の当院の管理栄養士とも江部先生のご指導を情報共有していきます。】
こんにちは。
世界的眼科外科医の 深作 秀春 先生から、興味深いコメントを頂きました。
深作先生、ありがとうございます。
拙著の御購入もありがとうございます。
『医学部時代の同級生の話ですが糖尿病の専門医でした。ところが彼自身が糖尿病になり、自身が専門である従来の糖尿病の治療を行ってきました。
しかし、糖尿病のコントロールが悪く、さらに糖尿病性網膜症が進行してしまいました。彼は数年前に、江部先生の講演を聞き、糖質制限療法を始めました。全身のコントロールは改善し、インスリンも中止できました。
しかし、網膜症は既に重症の増殖性糖尿病性網膜症となり、網膜剥離も合併し視力をほぼ失ったのです。この重症の糖尿病性網膜症での網膜剥離は難しい症例で、世界の標準からみると遅れている日本の大学病院ではもはや手術もできないとされました。』
糖質制限食でインスリンも中止できるくらい、血糖コントロール良好となったのに、重症糖尿病網膜症と網膜剥離で視力低下したのは、高血糖の記憶(過去の高血糖による動脈硬化の消えない借金)のためと思われます。
日本の眼科手術が、世界水準から遅れているとは、初めて知りました。勉強になりました。
日本の大学病院では手術不能と言われた、同級生の「重症糖尿病性網膜症での網膜剥離」に対して、ドイツの仲間と一緒に開発された小切開硝子体手術を実践され、見事視力回復とは素晴らしいです。まさに世界水準のお仕事です。
『普段我々の眼科外来で糖尿病性網膜症が見つかることで、多くの糖尿病が見つかることが多いのです。しかし、網膜症を悪化させないために彼らのDMコントロールが難しい。現実に血糖の上下変動が糖尿病性網膜症を悪化させるのです。
何度も大学の糖尿病専門医に、血糖の上下変動を少なくするように低血糖を起こさせないようにと教育しましたが、ほとんどの内科医はインシュリンや内服薬で血糖を下げればよいんだ、としか考えていません。眼底など分からないのか、どんどん糖尿病性網膜症が悪化します。』
仰有る通りと思います。
従来の糖尿病食(カロリー制限高糖質食)では、「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」が必ず生じます。そして食後高血糖を起こさないように強力に薬物治療を行えば低血糖のリスクが大きく増大します。
これでは、糖尿病専門医の治療を受けていても、ご指摘通り糖尿病網膜症は悪化の一途だと思います。
『私は世界の中心のアメリカ眼科学会で最高賞を19回受賞し、国際学科学会の理事や眼科殿堂審査員など世界を指導する立場を経験してきました。多くの手術方法を開発していますが、そんな欧米では指導者である当方でも日本で発表する新しい方法は侮蔑を受け誹謗中傷を受けるのです。
世界の学会では新しい方法で無いと誰も賛辞しませんし尊敬もしません。一方では日本の学会は日本の大学が中心で、新しい方法は必ず無視するか馬鹿にしたがります。日本の大学人が自分の知らない方法を認めると、自分が無能であることを認めることになるとの無意識の恐怖から、無視したり誹謗したりするのです。この為に、常に世界最先端と比べると20年ほどの認識のずれが有るのです。』
「世界の学会では新しい手術方法を賛辞し尊敬するにの対して、日本の学会は日本の大学が中心で、新しい方法は必ず無視するか馬鹿にしたがる。」
これは、お粗末です。
深作先生、日本眼科学会の現状をよくぞ仰有ってくださいました。
自分たちの見栄のために、新しい手術方法を検討することさえ拒否するような態度は、医師として極めて問題であり、結局世界水準の眼科外科治療を受けることができない日本の患者さんが大迷惑を被ります。
世界最先端の治療水準から20年もずれたような眼科外科治療は、誰でも受けたくないと思います。
『例えば欧米の眼科医が驚き絶賛しその功績で私が理事になった「無縫合白内障手術」を世界で最初に発表したエピソードを言います。
最高賞の授賞式で、日本人で初めてのライバルが出来たとアメリカ学会会長から握手を求められたほどの評価を得た方法です。これは、白内障手術後の乱視を無くし術後の社会復帰を2週間ほどから2日程に短縮し術後の合併症をほぼ無くした革新的な方法で、学会で大賞を受けました。
翌年日本の全国的学会で同じ方法を発表すると、誰も意味を理解できないのです。ある大学人が、「最近変わった方法がアメリカで流行っているが単なる名前を売る方法だ」、などと侮蔑するありさまです。』
白内障手術後の乱視を無くし術後の社会復帰を2週間ほどから2日程に短縮し術後の合併症をほぼ無くした革新的な方法「無縫合白内障手術」が、米国学会で大賞を受けたのに、日本の眼科学会では、無視あるいは侮蔑とはひどいです。
私のような、内科医からみても、白内障手術後の乱視を無くし術後の社会復帰を2週間ほどから2日程に短縮し、術後の合併症をほぼ無くした革新的な方法「無縫合白内障手術」と聞いただけでも画期的と思います。
『10年から20年経つと酷い侮蔑をした日本の大学人が反省の言葉も無く、まるで以前から私の方法をやっていたかのごとく発表するのにはブラックジョークなのかと笑えてきます。』
「湿潤療法」の夏井睦先生が、同様のことを仰有っていました。
「傷は消毒するな」に対して、強硬に反対していた大学の医師が、10年くらい経ったら何の自己批判もなく、まるで自分が昔から「湿潤療法」をしていたみたいな本を書いたりすると苦笑いしておられました。
『糖質制限食を患者さんの糖尿病治療に取り入れようと思います。これが糖尿病性網膜症を悪化させる血糖の極端な上下変動や低血糖を防ぐ切り札だと信じるからです。
糖質制限食などにつきご指導をお願いいたします。江部先生の本をさらに追加してレシピなども何冊も購入し、他の当院医師や入院食担当の当院の管理栄養士とも江部先生のご指導を情報共有していきます。』
ありがとうございます。
仰有る通り、「糖質制限食」が、血糖の極端な上下変動や低血糖そして食後高血糖を防ぐ、唯一の糖尿病治療食です。
これらのリスクが断ち切れれば、糖尿病網膜症の予後も良好になると思います。
深作先生のような、世界最高水準の眼科外科医が、糖質制限食を導入して頂けるとは嬉しい限りで、糖尿病患者さんへの朗報です。
今後ともよろしくお願い申し上げます。
江部康二
2016年01月18日 (月)
こんにちは。
昨年8月31日に拙著
『作りおきおかずで簡単! 糖質オフのダイエット弁当』家の光協会
江部康二 大庭英子 著
が、第7版、2,500部の増刷が決定、2万部突破、累計で21000部達成ですと記事にしたところ、12月5日には、第8版、3,000部の増刷の連絡が入りました(^O^)
これで累計24,000部となりました\(^o^)/
ブログ読者の皆様には、多くの応援をいただきありがとうございますm(__)m
家の光協会は、JAの出版部門になります。
あまり大々的な宣伝はしていないのですが、昨年から増刷のペースがかなり早まっています。
著名な料理研究家の大庭英子先生にメニューを考えて頂いてますので、レストランのメニューのようなレシピではなく、実際に簡単に作れてしかも美味しいといったところが好評のようです(^^)
糖質制限食でどんなお弁当を作ればよいか悩まれてる方はもちろん、日々のおかずの参考にもなりますので、是非ご一読いただければ幸いです。
江部康二
昨年8月31日に拙著
『作りおきおかずで簡単! 糖質オフのダイエット弁当』家の光協会
江部康二 大庭英子 著
が、第7版、2,500部の増刷が決定、2万部突破、累計で21000部達成ですと記事にしたところ、12月5日には、第8版、3,000部の増刷の連絡が入りました(^O^)
これで累計24,000部となりました\(^o^)/
ブログ読者の皆様には、多くの応援をいただきありがとうございますm(__)m
家の光協会は、JAの出版部門になります。
あまり大々的な宣伝はしていないのですが、昨年から増刷のペースがかなり早まっています。
著名な料理研究家の大庭英子先生にメニューを考えて頂いてますので、レストランのメニューのようなレシピではなく、実際に簡単に作れてしかも美味しいといったところが好評のようです(^^)
糖質制限食でどんなお弁当を作ればよいか悩まれてる方はもちろん、日々のおかずの参考にもなりますので、是非ご一読いただければ幸いです。
江部康二
2016年01月17日 (日)
こんばんは。
慢性腎臓病に対する食事療法基準2014年版に関して以前記事にしましたが、たんぱく質制限に関して、やや不正確な表現がありましたので今回、青字の部分を書き直しました。
日本腎臓病学会のサイト
http://www.jsn.or.jp/guideline/guideline.php
の中で、
<慢性腎臓病に対する食事療法基準 2014 年版(日本腎臓病学会誌、56巻5号)>
と
<CKD診療ガイドライン2013>
をPDFファイルで閲覧することができます。
<慢性腎臓病に対する食事療法基準2014年版>
表1 CKDステージによる食事療法基準
ステージ(GFR) たんぱく質(g/kgBW/日)
ステージ1(GFR≧90) 過剰な摂取をしない
ステージ 2(GFR 60~89) 過剰な摂取をしない
ステージ 3a(GFR 45~59) 0.8~1.0
ステージ 3b(GFR 30~44) 0.6~0.8
ステージ 4(GFR 15~29) 0.6~0.8
ステージ 5(GFR<15) 0.6~0.8
5D(透析療法中) 0.9~1.2
となっています。
透析になると、たんぱく摂取基準量が増えます。
CKDステージによる食事療法基準によれば、糖尿病腎症第3期で、蛋白尿が陽性の段階でもGFRが60ml/分以上あれば、
過剰な摂取はしないという表現ですので、GFRが60ml/分未満の時のようないわゆるたんぱく制限は必要ないわけです。
過剰を示す具体的な指示量としては、進行するリスクのある CKDにおいては 1.3 g/kg 標準体重/日を超えないことが
1 つの目安としてありますので透析中の人より、さらにたんぱく質摂取許容量が多くなっています。
エビデンスが相対的に少ない糖尿病性腎症においては、
ステージ G1~G2 では 1.0~1.2、
G3 では0.8~1.0、
G4~G5 では 0.6~0.8 g/kg 標準体重/日で指導してもよいとされています。
<CKD診療ガイドライン2013>
エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2013 編集 日本腎臓病学会
29ペ-ジに、以下の記載があります。
『3.CKDと栄養
5.たんぱく質制限の適応
たんぱく質制限の適応は、主にステージ G3b より進行した CKD であるが、画一的な制限は不適切であり、個々の症例に応じた検討が必要である。
これまでに行われた RCT のほとんどは、対象の平均年齢が50~55歳で、主に顕性蛋白尿を呈している CKD ステージ G3b~5 であること、つまり末期腎不全のリスクが高い集団に対して行われている。
日本の CKD ステージ G3a に多くみられるような蛋白尿の少ない高齢者は末期腎不全に至るリスクが低く、腎機能低下速度自体の抑制効果は明らかでないことからも、たんぱく質制限をそのような対象に行う意義は乏しい。
また,現時点では早期 CKD における有効性は不明である。
個々の症例に対する適応や制限のレベルは、事前に予想される末期腎不全に至る可能性とたんぱく質制限の潜在的な危険性の両面を考慮して、リスクとベネフィットの観点から、実際の診療にあたる腎臓専門医が慎重に検討する必要がある。』
*GはGFRのことで、G1、G2、G3a、G3b、G4、G5と進行していきます。
G1はGFRが90ml/分以上です。
G2はGFRが60~89ml/分
G3aはGFRが45~59ml/分
G3bはGFR が30~44ml/分
G4はGFR が15~29ml/分
G5はGFRが<15ml/分
5D(透析療法中)
CKD診療ガイドライン2013においても、画一的なたんぱく制限は不適切であり、個々の症例に応じた検討が必要としています。
また、たんぱく質制限の適応は主にステージ G3b(GFR45未満)より進行した CKD としています。
それでも、97頁で日本腎臓病学会は、一応たんぱく制限を推奨しています。
推奨グレード C1なので、エビデンスレベルは弱いです。
「たんぱく質摂取制限は、糖尿病性腎症の進展を抑制するというエビデンスは十分ではないが、一定の腎症抑制効果が期待できる可能性があるため推奨する。ただし、たんぱく質の制限量は個々の病態、リスク、アドヒアランスなどを総合的に判断して設定されるべきである。」
98頁には
「たんぱく質摂取制限の腎症の進展抑制に対する効果は明らかではない(特に 2 型糖尿病)」という記載もあります。
一方、98ページには
「非糖尿病慢性糸球体腎炎の腎不全(血清 Cr 6 mg/dL)症例を対象として、
超たんぱく質制限食(0.5 g/kg 標準体重/日未満)が腎機能低下を遅延させたことが報告されている。」
という記載もあります。
<米国糖尿病学会>
これに対して、米国糖尿病学会(ADA)は
Position Statement on Nutrition Therapy(栄養療法に関する声明)
Diabetes Care 2013年10月9日オンライン版
において、糖尿病腎症患者に対する蛋白質制限の意義を明確に否定しました。
『糖尿病腎症の所見のない糖尿病患者では、最適な血糖コントロール、あるいは、心血管疾患リスクの改善のための理想的な蛋白質摂取量に関しては、これを推奨するに足る十分なエビデンスは存在しない。したがって、目標は個別化されなければならない。C
糖尿病腎症(微量アルブミン尿、および、顕性蛋白尿)を有する糖尿病患者では、通常の摂取量以下に蛋白質摂取量を減量することは、血糖状態、心血管リスク、あるいは、糸球体ろ過率低下の経過に変化を与えないので、推奨されない。A』
糖尿病腎症のない糖尿病患者での理想的な蛋白質摂取量のエビデンスは、存在しないと断定しています。
さらに踏み込んで、糖尿病腎症を有する患者においても、「蛋白質制限は推奨しない」とランクAで断定しています。
根拠はランク(A)ですので、信頼度の高いRCT研究論文に基づく見解です。
<高雄病院の方針>
現時点で高雄病院では、糖尿病腎症でもeGFRが60ml/分以上の場合は、糖尿病コントロールのためにも糖質制限食を推奨しています。
糖尿病腎症で、腎機能悪化の最大のリスクは「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」と考えられるからです。
糖尿病腎症第3期以降で、eGFRが60ml/分未満の場合も、患者さんとよく相談して、糖質制限食を実践するか否か、個別に対応するようにしています。
万一スーパー糖質制限食でクレアチニン値の悪化傾向があれば、「超低たんぱく・低糖質・高脂肪食」・・・即ちケトン食も、腎不全に一考の余地ありと現在検討中です。
<結論>
1)GFRが60ml/分以上の場合は、タンパク質制限よりも血糖コントロールを優先して、
糖尿病腎症でも、普通にスーパー糖質制限食を実践することを推奨する。
2)GFRが60ml/分未満の場合は、よく相談して糖質制限食を実践するかどうか個別に対応する。
3)GFRが60ml/分未満で、スーパー糖質制限食を選択開始した場合、毎月腎機能検査を実施して、
血清クレアチニン値を測定し、その結果でスーパー糖質制限食を継続するか否かを決める。
慢性腎臓病に対する食事療法基準2014年版に関して以前記事にしましたが、たんぱく質制限に関して、やや不正確な表現がありましたので今回、青字の部分を書き直しました。
日本腎臓病学会のサイト
http://www.jsn.or.jp/guideline/guideline.php
の中で、
<慢性腎臓病に対する食事療法基準 2014 年版(日本腎臓病学会誌、56巻5号)>
と
<CKD診療ガイドライン2013>
をPDFファイルで閲覧することができます。
<慢性腎臓病に対する食事療法基準2014年版>
表1 CKDステージによる食事療法基準
ステージ(GFR) たんぱく質(g/kgBW/日)
ステージ1(GFR≧90) 過剰な摂取をしない
ステージ 2(GFR 60~89) 過剰な摂取をしない
ステージ 3a(GFR 45~59) 0.8~1.0
ステージ 3b(GFR 30~44) 0.6~0.8
ステージ 4(GFR 15~29) 0.6~0.8
ステージ 5(GFR<15) 0.6~0.8
5D(透析療法中) 0.9~1.2
となっています。
透析になると、たんぱく摂取基準量が増えます。
CKDステージによる食事療法基準によれば、糖尿病腎症第3期で、蛋白尿が陽性の段階でもGFRが60ml/分以上あれば、
過剰な摂取はしないという表現ですので、GFRが60ml/分未満の時のようないわゆるたんぱく制限は必要ないわけです。
過剰を示す具体的な指示量としては、進行するリスクのある CKDにおいては 1.3 g/kg 標準体重/日を超えないことが
1 つの目安としてありますので透析中の人より、さらにたんぱく質摂取許容量が多くなっています。
エビデンスが相対的に少ない糖尿病性腎症においては、
ステージ G1~G2 では 1.0~1.2、
G3 では0.8~1.0、
G4~G5 では 0.6~0.8 g/kg 標準体重/日で指導してもよいとされています。
<CKD診療ガイドライン2013>
エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2013 編集 日本腎臓病学会
29ペ-ジに、以下の記載があります。
『3.CKDと栄養
5.たんぱく質制限の適応
たんぱく質制限の適応は、主にステージ G3b より進行した CKD であるが、画一的な制限は不適切であり、個々の症例に応じた検討が必要である。
これまでに行われた RCT のほとんどは、対象の平均年齢が50~55歳で、主に顕性蛋白尿を呈している CKD ステージ G3b~5 であること、つまり末期腎不全のリスクが高い集団に対して行われている。
日本の CKD ステージ G3a に多くみられるような蛋白尿の少ない高齢者は末期腎不全に至るリスクが低く、腎機能低下速度自体の抑制効果は明らかでないことからも、たんぱく質制限をそのような対象に行う意義は乏しい。
また,現時点では早期 CKD における有効性は不明である。
個々の症例に対する適応や制限のレベルは、事前に予想される末期腎不全に至る可能性とたんぱく質制限の潜在的な危険性の両面を考慮して、リスクとベネフィットの観点から、実際の診療にあたる腎臓専門医が慎重に検討する必要がある。』
*GはGFRのことで、G1、G2、G3a、G3b、G4、G5と進行していきます。
G1はGFRが90ml/分以上です。
G2はGFRが60~89ml/分
G3aはGFRが45~59ml/分
G3bはGFR が30~44ml/分
G4はGFR が15~29ml/分
G5はGFRが<15ml/分
5D(透析療法中)
CKD診療ガイドライン2013においても、画一的なたんぱく制限は不適切であり、個々の症例に応じた検討が必要としています。
また、たんぱく質制限の適応は主にステージ G3b(GFR45未満)より進行した CKD としています。
それでも、97頁で日本腎臓病学会は、一応たんぱく制限を推奨しています。
推奨グレード C1なので、エビデンスレベルは弱いです。
「たんぱく質摂取制限は、糖尿病性腎症の進展を抑制するというエビデンスは十分ではないが、一定の腎症抑制効果が期待できる可能性があるため推奨する。ただし、たんぱく質の制限量は個々の病態、リスク、アドヒアランスなどを総合的に判断して設定されるべきである。」
98頁には
「たんぱく質摂取制限の腎症の進展抑制に対する効果は明らかではない(特に 2 型糖尿病)」という記載もあります。
一方、98ページには
「非糖尿病慢性糸球体腎炎の腎不全(血清 Cr 6 mg/dL)症例を対象として、
超たんぱく質制限食(0.5 g/kg 標準体重/日未満)が腎機能低下を遅延させたことが報告されている。」
という記載もあります。
<米国糖尿病学会>
これに対して、米国糖尿病学会(ADA)は
Position Statement on Nutrition Therapy(栄養療法に関する声明)
Diabetes Care 2013年10月9日オンライン版
において、糖尿病腎症患者に対する蛋白質制限の意義を明確に否定しました。
『糖尿病腎症の所見のない糖尿病患者では、最適な血糖コントロール、あるいは、心血管疾患リスクの改善のための理想的な蛋白質摂取量に関しては、これを推奨するに足る十分なエビデンスは存在しない。したがって、目標は個別化されなければならない。C
糖尿病腎症(微量アルブミン尿、および、顕性蛋白尿)を有する糖尿病患者では、通常の摂取量以下に蛋白質摂取量を減量することは、血糖状態、心血管リスク、あるいは、糸球体ろ過率低下の経過に変化を与えないので、推奨されない。A』
糖尿病腎症のない糖尿病患者での理想的な蛋白質摂取量のエビデンスは、存在しないと断定しています。
さらに踏み込んで、糖尿病腎症を有する患者においても、「蛋白質制限は推奨しない」とランクAで断定しています。
根拠はランク(A)ですので、信頼度の高いRCT研究論文に基づく見解です。
<高雄病院の方針>
現時点で高雄病院では、糖尿病腎症でもeGFRが60ml/分以上の場合は、糖尿病コントロールのためにも糖質制限食を推奨しています。
糖尿病腎症で、腎機能悪化の最大のリスクは「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」と考えられるからです。
糖尿病腎症第3期以降で、eGFRが60ml/分未満の場合も、患者さんとよく相談して、糖質制限食を実践するか否か、個別に対応するようにしています。
万一スーパー糖質制限食でクレアチニン値の悪化傾向があれば、「超低たんぱく・低糖質・高脂肪食」・・・即ちケトン食も、腎不全に一考の余地ありと現在検討中です。
<結論>
1)GFRが60ml/分以上の場合は、タンパク質制限よりも血糖コントロールを優先して、
糖尿病腎症でも、普通にスーパー糖質制限食を実践することを推奨する。
2)GFRが60ml/分未満の場合は、よく相談して糖質制限食を実践するかどうか個別に対応する。
3)GFRが60ml/分未満で、スーパー糖質制限食を選択開始した場合、毎月腎機能検査を実施して、
血清クレアチニン値を測定し、その結果でスーパー糖質制限食を継続するか否かを決める。
2016年01月16日 (土)
こんばんは
2015年度、糖質制限食は医学界にも一般社会にもますます順調に普及が進んでいきました。
嬉しい限りです。
2015年、東京、京都にて開催し、ご好評いただいた医療従事者向けセミナーを
2016年2月28日(日)京都
2016年3月13日(東京)
にて開催致します。
日本糖質制限医療推進協会主催 医療従事者向けセミナー(東京)
「糖質制限食による糖尿病指導~理論と実践~」
受付:12:20~
講演と質疑応答:12:50~16:40
場所:ソラシティカンファレンスセンター 2Fテラスルーム
第1部 理論編
糖尿病治療に関して、最新糖質制限食理論と共にエビデンスのお話を簡単に説明します。
2015年に得られた最新の糖質制限食情報もお話しします。
第1部は講義と質疑応答含めて40分間です。
第2部 症例報告と食事療法継続の工夫
6年に渡り糖質制限食の指導を行っておられる
医療法人鴻生会 小室クリニック(埼玉県)の小室富美子先生に
1型、2型糖尿病の症例や指導の工夫などについてお話しいただきます。
第3部 臨床実践編
糖尿病合併症の現状や久山町の悲劇など、そして薬剤の使い方のコツをお話します。
また、「すぐに良くなった症例」「治療に難渋した症例」「1型のインスリン分泌ゼロの症例」などを、実際に入院された患者さんのデータを見ながら検討します。
第3部は110分間ありますので、参加者の皆さんと共にディスカッション形式の症例検討を導入したいと思っています。
ご参加頂いた皆さんには、前回と同様に講演PPTスライドの、CD(PDFファイル)をお配りします。
東京をはじめ、関東、甲信越、東海、東北地方などの医療従事者の皆さん、奮ってご参加くださいね。
江部康二
**********
以下、事務局からのご案内です。
ブログ読者の皆様、講演会へいつも多数ご参加いただきましてありがとうございます。
2/28(日)の京都開催に続きまして、3/13(日)に東京にて医療従事者向けセミナーを開催致します。
東京でも第1部・第3部は、理事長 江部康二が講師をつとめます。
また、第2部は、6年に渡り糖質制限食の指導を行っておられる医療法人鴻生会 小室クリニック(埼玉県)の小室富美子先生に「症例報告と食事療法継続の工夫」と題して、1型、2型糖尿病の症例や指導の工夫などについてお話しいただきます。
医療従事者の皆様の多数のご参加を心よりお待ちしております。
*2/28(日)の医療従事者向けセミナー(京都)も引き続き募集しております。
//////////////ご案内/////////////////
一般社団法人日本糖質制限医療推進協会主催
医療従事者向け糖質制限食セミナー in 東京
「糖質制限食による糖尿病指導 ~理論と実践~」
■日時:3月13日(日)12:50~16:40頃
■会場:ソラシティカンファレンスセンター 2Fテラスルーム
東京都千代田区神田駿河台4-6
http://solacity.jp/cc/access/index.html
☆アクセス
・JR 中央・総武線「御茶ノ水」駅 聖橋口から徒歩1分
・東京メトロ 千代田線「新御茶ノ水駅」B2出口直結
■講師:
A:江部 康二 医師
(一財)高雄病院 理事長/(一社)日本糖質制限医療推進協会 理事長
B:小室 富美子 医師 医療法人鴻生会 小室クリニック
■内容:
第1部:理論編(講義30分・質疑応答10分) ※講師A
糖質制限食指導に必要な生理学的基礎理論を説明。三大栄養素と血糖、ケトン体の安全性、米国糖尿病学会の見解、CKDガイド2013の記載などについて言及。糖質制限食の有効性と安全性について、EBMの観点からRCT研究論文、長期のコホート研究により根拠を示します。
第2部:症例報告と食事療法継続の工夫(講義40分・質疑応答10分) ※講師B
小室クリニックは外来診療のみの無床診療所です。
当院では6年前から糖尿病の患者様に基本的には糖質制限食を指導しております。
これまでに経験した1型、2型糖尿病等の症例や、患者様に糖質制限を継続して いただくための工夫や試行錯誤をご紹介したいと思います。
第3部:臨床実践編(110分) ※講師A
糖尿病合併症の現状、久山町の悲劇について説明。高雄病院の豊富な臨床例を取り上げて検討。治療に難渋した症例を提示して参加者と共にディスカッション。メトホルミン・DPP-4阻害薬・α-GI薬・速効型インスリン分泌促進剤は比較的使用頻度が高いのでコツを伝授。SGLT阻害薬の上手な使い方、SU剤とチアゾリジン誘導体の位置づけを示します。糖質制限食実践中に生じうる好ましくない症状・変化について検討します。
*第3部の所要時間は、質疑応答、ディスカッションの時間を含みます。
■対象: 医療従事者(医師、歯科医師、薬剤師、看護師、栄養士、鍼灸師など)
■受講費:
・医師・歯科医師:
賛助会員 7,200円 / 一般(非会員) 9,000円
・上記以外の医療従事者:
賛助会員 6,000円 / 一般(非会員) 7,500円
*参加頂いた皆様には、映写・配布資料のデータ(PDF)CDをお配りします。
■お支払い方法: クレジットカード/銀行振込/郵便振替
※事前決済のみとなります。
※領収書をご希望の場合は、領収書宛名もお知らせ願います。
■お申し込みの流れ:
1. 下記「お申し込み方法」の該当するものからお申し込み下さい。
2. 事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3. 入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4. 当日、直接会場までお越し下さい。
■お申し込み方法:
★賛助会員の方
事務局までメールにて、医療機関でのご職種をご記入の上、お申し込み下さい。
★賛助会員入会をご希望の方:
1. 入会案内および会員規約をお読み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/#!membership/cdt9
<http://www.toushitsuseigen.or.jp/#%21membership/cdt9>
2. お申し込みは下のフォームからお願いします。
「通信」欄に以下をご記入下さい。
① 「3/13東京セミナー、参加希望」 とご記入下さい。
② 医療機関でのご職種をご記入下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/contact
★一般(非会員)で、セミナーの受講のみご希望の方:
下のフォームからお申し込み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/seminar-med
■その他:
・予約制です。当日参加はできません。
・キャンセルは3月11日(金)までに事務局までご連絡願います。
それ以降のご返金は原則、対応致しかねますので予めご了承下さい。
◇掲載ページ:http://www.toushitsuseigen.or.jp/activity
2015年度、糖質制限食は医学界にも一般社会にもますます順調に普及が進んでいきました。
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2016年3月13日(東京)
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日本糖質制限医療推進協会主催 医療従事者向けセミナー(東京)
「糖質制限食による糖尿病指導~理論と実践~」
受付:12:20~
講演と質疑応答:12:50~16:40
場所:ソラシティカンファレンスセンター 2Fテラスルーム
第1部 理論編
糖尿病治療に関して、最新糖質制限食理論と共にエビデンスのお話を簡単に説明します。
2015年に得られた最新の糖質制限食情報もお話しします。
第1部は講義と質疑応答含めて40分間です。
第2部 症例報告と食事療法継続の工夫
6年に渡り糖質制限食の指導を行っておられる
医療法人鴻生会 小室クリニック(埼玉県)の小室富美子先生に
1型、2型糖尿病の症例や指導の工夫などについてお話しいただきます。
第3部 臨床実践編
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ご参加頂いた皆さんには、前回と同様に講演PPTスライドの、CD(PDFファイル)をお配りします。
東京をはじめ、関東、甲信越、東海、東北地方などの医療従事者の皆さん、奮ってご参加くださいね。
江部康二
**********
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2/28(日)の京都開催に続きまして、3/13(日)に東京にて医療従事者向けセミナーを開催致します。
東京でも第1部・第3部は、理事長 江部康二が講師をつとめます。
また、第2部は、6年に渡り糖質制限食の指導を行っておられる医療法人鴻生会 小室クリニック(埼玉県)の小室富美子先生に「症例報告と食事療法継続の工夫」と題して、1型、2型糖尿病の症例や指導の工夫などについてお話しいただきます。
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*2/28(日)の医療従事者向けセミナー(京都)も引き続き募集しております。
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■会場:ソラシティカンファレンスセンター 2Fテラスルーム
東京都千代田区神田駿河台4-6
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・東京メトロ 千代田線「新御茶ノ水駅」B2出口直結
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A:江部 康二 医師
(一財)高雄病院 理事長/(一社)日本糖質制限医療推進協会 理事長
B:小室 富美子 医師 医療法人鴻生会 小室クリニック
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糖質制限食指導に必要な生理学的基礎理論を説明。三大栄養素と血糖、ケトン体の安全性、米国糖尿病学会の見解、CKDガイド2013の記載などについて言及。糖質制限食の有効性と安全性について、EBMの観点からRCT研究論文、長期のコホート研究により根拠を示します。
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小室クリニックは外来診療のみの無床診療所です。
当院では6年前から糖尿病の患者様に基本的には糖質制限食を指導しております。
これまでに経験した1型、2型糖尿病等の症例や、患者様に糖質制限を継続して いただくための工夫や試行錯誤をご紹介したいと思います。
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■対象: 医療従事者(医師、歯科医師、薬剤師、看護師、栄養士、鍼灸師など)
■受講費:
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・上記以外の医療従事者:
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★賛助会員の方
事務局までメールにて、医療機関でのご職種をご記入の上、お申し込み下さい。
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下のフォームからお申し込み下さい。
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■その他:
・予約制です。当日参加はできません。
・キャンセルは3月11日(金)までに事務局までご連絡願います。
それ以降のご返金は原則、対応致しかねますので予めご了承下さい。
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2016年01月15日 (金)
こんばんは。
私はかつて、2回ノロウィルスにやられたことがあります。
一回目は、天然物の岩牡蛎で、小料理屋さんでとても美味しく頂きましたが、約48時間後に嘔吐と下痢がありました。
一日で治りましたが、念のため宴会で一緒に食べた10人に聞いたら、ほぼ全員嘔吐と下痢がありましたので、まず間違いなくノロウィルス感染でしょう。
2回目は、某高級ホテルで食べた、帆立貝の焼き物(半生でジューシーでした)であたりました。
やはり48時間後に、いきなり嘔吐と下痢がありました。
こちらも一緒に食べた10数人に確認したところ、3人を除いて、全員が嘔吐と下痢がありあました。
幸い私は、1回の嘔吐と下痢でそのまま治りましたが、なかには3~5日間苦しんで点滴した人達もおられました。
生や半生の二枚貝に関しては、高級ホテルといえども、安心はできませんね。
3人だけ感染しなかったので不思議に思ってホテルに確認したところ、その3人だけは、帆立貝の産地が違っていたのです。
このように、生や半生の二枚貝は、基本的にノロフリーは極めて困難なことを、当時調べて確認しました。
ちなみに、魚介類によるノロウィルス感染症の、8割~10割(年度により、報告に少し差があります)が二枚貝によるものです。
以来、私は10数年、大好きな生の岩牡蛎と生の牡蛎、生の帆立貝の摂取を封印してきました。
しかしながら、近年、事情が好転しました。
1992年、岩ガキ人工採苗が、島根県隠岐島で成功したのです。
その後、研究が進み、養殖技術が確立していきました。
「隠岐のいわがき」ブランド化推進のため、2000年4月、イワガキ生産者・漁協・隠岐4町村および島根県は、「隠岐のいわがきブランド化推進協議会」を結成しました。
隠岐の海は本土から離れ、ノロウィルスがほとんど検出されません。
公表されている2008年から2010年の過去4年間の検査結果及び2011年の出荷前検査及び定期検査結果を全て開いて確認してみたそうですが、やはりノロウイルス遺伝子結果は全てマイナスであり、大腸菌及び一般細菌数においてもほとんどが検出されていません。
つまり隠岐の岩牡蛎なら、生食OKということです。浅学にしてつい最近このことを知りました。
それからは、隠岐の岩牡蠣であれば、生で食べています。
同様に、オーストラリアのタスマニア産の牡蛎もノロフリーです。
オーストラリア・タスマニア島の海にはそもそもノロウイルスが存在しないとされています。
そのタスマニア島の海で養殖した牡蛎はノロフリーなので、生食OKなのです。
オーストラリアでは、日本と対照的に、カキの97%が生食されるそうです。
自然な流れで、生食用に特化した養殖法が発展しました。
タスマニアは北海道を若干小さくしたほどの面積が あるのに、人口はわずか50万 人。
工場排水はなく、生活排水もごく少ないため、食中毒を起こすノ ロウイルスが存在しない「ノロフリー」 のカキができるのです。
タスマニア産の牡蛎、いきつけのレストランで奨められたのですが、一旦、撤退して、自分でネットで調べて大丈夫ということで、次回からは、生ガキをどんどん食べようと思います。
なお、「隠岐の岩ガキ」と「タスマニア産の生ガキ」以外にも、ノロフリーの牡蛎があるという情報をお持ちの方は、是非ご教示いただけば幸いです。
さて、ブログ読者の皆さん、本ブログを読まれて、「隠岐の岩ガキ」と「タスマニア産のカキ」
ここから先は、自己責任で、自分の頭で考えて判断して生で食べるか食べないか、決めていただけば幸いです。
今回の記事は、以下の1)2)3)のサイトを参考にし、一部引用させて頂きました。
1)
財団法人食品分析開発センターSUNATEC
「隠岐のいわがき」取材記(ノロウィルスフリーのカキが見つかった)
http://www.mac.or.jp/mail/110501/02.shtml
2)
隠岐のいわがきブランド化推進協議会 http://oki-iwagaki.com/
3)
日本の農林水産業に元気を Agrio 第0023号
2014年8月12日時事通信社
http://banraisya.co.jp/kanamaru/data/yotei/yotei529.pdf
江部康二
私はかつて、2回ノロウィルスにやられたことがあります。
一回目は、天然物の岩牡蛎で、小料理屋さんでとても美味しく頂きましたが、約48時間後に嘔吐と下痢がありました。
一日で治りましたが、念のため宴会で一緒に食べた10人に聞いたら、ほぼ全員嘔吐と下痢がありましたので、まず間違いなくノロウィルス感染でしょう。
2回目は、某高級ホテルで食べた、帆立貝の焼き物(半生でジューシーでした)であたりました。
やはり48時間後に、いきなり嘔吐と下痢がありました。
こちらも一緒に食べた10数人に確認したところ、3人を除いて、全員が嘔吐と下痢がありあました。
幸い私は、1回の嘔吐と下痢でそのまま治りましたが、なかには3~5日間苦しんで点滴した人達もおられました。
生や半生の二枚貝に関しては、高級ホテルといえども、安心はできませんね。
3人だけ感染しなかったので不思議に思ってホテルに確認したところ、その3人だけは、帆立貝の産地が違っていたのです。
このように、生や半生の二枚貝は、基本的にノロフリーは極めて困難なことを、当時調べて確認しました。
ちなみに、魚介類によるノロウィルス感染症の、8割~10割(年度により、報告に少し差があります)が二枚貝によるものです。
以来、私は10数年、大好きな生の岩牡蛎と生の牡蛎、生の帆立貝の摂取を封印してきました。
しかしながら、近年、事情が好転しました。
1992年、岩ガキ人工採苗が、島根県隠岐島で成功したのです。
その後、研究が進み、養殖技術が確立していきました。
「隠岐のいわがき」ブランド化推進のため、2000年4月、イワガキ生産者・漁協・隠岐4町村および島根県は、「隠岐のいわがきブランド化推進協議会」を結成しました。
隠岐の海は本土から離れ、ノロウィルスがほとんど検出されません。
公表されている2008年から2010年の過去4年間の検査結果及び2011年の出荷前検査及び定期検査結果を全て開いて確認してみたそうですが、やはりノロウイルス遺伝子結果は全てマイナスであり、大腸菌及び一般細菌数においてもほとんどが検出されていません。
つまり隠岐の岩牡蛎なら、生食OKということです。浅学にしてつい最近このことを知りました。
それからは、隠岐の岩牡蠣であれば、生で食べています。
同様に、オーストラリアのタスマニア産の牡蛎もノロフリーです。
オーストラリア・タスマニア島の海にはそもそもノロウイルスが存在しないとされています。
そのタスマニア島の海で養殖した牡蛎はノロフリーなので、生食OKなのです。
オーストラリアでは、日本と対照的に、カキの97%が生食されるそうです。
自然な流れで、生食用に特化した養殖法が発展しました。
タスマニアは北海道を若干小さくしたほどの面積が あるのに、人口はわずか50万 人。
工場排水はなく、生活排水もごく少ないため、食中毒を起こすノ ロウイルスが存在しない「ノロフリー」 のカキができるのです。
タスマニア産の牡蛎、いきつけのレストランで奨められたのですが、一旦、撤退して、自分でネットで調べて大丈夫ということで、次回からは、生ガキをどんどん食べようと思います。
なお、「隠岐の岩ガキ」と「タスマニア産の生ガキ」以外にも、ノロフリーの牡蛎があるという情報をお持ちの方は、是非ご教示いただけば幸いです。
さて、ブログ読者の皆さん、本ブログを読まれて、「隠岐の岩ガキ」と「タスマニア産のカキ」
ここから先は、自己責任で、自分の頭で考えて判断して生で食べるか食べないか、決めていただけば幸いです。
今回の記事は、以下の1)2)3)のサイトを参考にし、一部引用させて頂きました。
1)
財団法人食品分析開発センターSUNATEC
「隠岐のいわがき」取材記(ノロウィルスフリーのカキが見つかった)
http://www.mac.or.jp/mail/110501/02.shtml
2)
隠岐のいわがきブランド化推進協議会 http://oki-iwagaki.com/
3)
日本の農林水産業に元気を Agrio 第0023号
2014年8月12日時事通信社
http://banraisya.co.jp/kanamaru/data/yotei/yotei529.pdf
江部康二
2016年01月14日 (木)
【16/01/13 スーパー糖制限食をしたい夫婦
糖制限食の適応でしょうか
お忙しい中、申し訳ありません。
夫婦そろって糖尿病・肥満です。
夫は、クレアチニンが1.08で、医者から腎臓が弱ってきていると言われました。顔の頬に引きつりも起き始めたので、それも神経障害が出てきたのだろうと言われました。HbA1cは8.4です。薬は朝にアクトス30、アジルバ20、グラクティブ100mg、アマリール0.5mg、グリコラン250mg、ノルバスク5mg、バイアスピリン。夜はグリコランとノルバスク。毎食前にボグリボース0.2を飲んでいます。体重91キロ。
私のほうは、中性脂肪が245、総コレステロールが251、LDL163で投薬をはじめようかと言われました。それからアミラーゼが毎回35以下、CRP定量も毎回0.6以下にはならず、今回も0.8でした。担当医の話では、肥満だから内蔵が炎症を起こしているのだろうとの説明です。私の薬は朝と晩にエクア50mgとグリコラン250mg、毎食前にセイブル50mgです。体重は93キロの超肥満です。HbA1cは8.3です。
二人してすぐにでも江部先生のご本を参考に糖制限食(できればスーパー制限食)をはじめようと話していたのですが、腎臓障害があるとだめというようなことを読んだ記憶があったので不安になってしまいました。
私たちのような臨床検査結果でもスーパー糖制限食を実施してかまわないでしょうか。
ご多忙の中、勝手なことをお尋ねいたしまして先生のお時間を無駄にし本当に申し訳ありません。】
こんばんは。
スーパー糖制限食をしたい夫婦 さんから、スーパー糖質制限食と腎機能、アマリール内服などについて、コメント・質問をいただきました。
ご主人はクレアチニンが1.08mg/dlですが、基準値は「0.5~1.1mg/dl」くらいでしょうか?
確かに軽度腎機能障害の疑いはありますが、スーパー糖質制限食実践は可能と思います。
実践にあたっては、低血糖予防のためアマリールを中止するのがよいと思います。
他の内服薬は、大丈夫です。
腎機能障害のリスクとして最大なのは高血糖であり、ついで高血圧、肥満などがあります。
スーパー糖質制限食により、高血糖と肥満が改善すれば腎機能にもよい影響がでると思います。
減量に成功すれば降圧剤も減らせるかもしれません。
高タンパク食が腎機能に良くないという説もありますが、エビデンスレベルは低いです。
そして米国糖尿病学会は、糖尿病腎症には「蛋白制限」は推奨しないと2013年10月の栄養勧告で明言しています。
『GFR クレアチン』 でグーグルで検索してみましょう。
クレアチニン値と年齢・性別でeGFRが算出できる計算式のサイトがあるので調べてみましょう。
<高雄病院の方針>
現時点で高雄病院では、糖尿病腎症でもeGFRが60ml/分以上の場合は、糖尿病コントロールのためにも糖質制限食を推奨しています。
糖尿病腎症で、腎機能悪化の最大のリスクは「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」と考えられるからです。
糖尿病腎症第3期以降で、eGFRが60ml/分未満の場合も、患者さんとよく相談して、糖質制限食を実践するか否か、個別に対応するようにしています。
万一スーパー糖質制限食でクレアチニン値の悪化傾向があれば、「超低たんぱく・低糖質・高脂肪食」・・・即ちケトン食も、腎不全に一考の余地ありと現在検討中です。
1)GFRが60ml/分以上の場合は、タンパク質制限よりも血糖コントロールを優先して、
糖尿病腎症でも、普通にスーパー糖質制限食を実践することを推奨する。
2)GFRが60ml/分未満の場合は、よく相談して糖質制限食を実践するかどうか個別に対応する。
3)GFRが60ml/分未満で、スーパー糖質制限食を選択開始した場合、毎月腎機能検査を実施して、
血清クレアチニン値を測定し、その結果でスーパー糖質制限食を継続するか否かを決める。
上記が、腎機能障害がある糖尿人への高雄病院の方針です。
奥さんのCRP軽度上昇は、主治医の仰有る通り、肥満のためと思われます。
肥満者の脂肪組織が炎症を生じる物質を分泌させるのが原因とされています。
従って、スーパー糖質制限食で肥満が改善すれば、CRPも正常化すると思われます。
勿論、血糖値、HbA1cも改善します。
コレステロール値も経過をみてよいと思います。
上記に注意していただいて、ご夫婦でスーパー糖質制限食実践、OKと思います。
江部康二
糖制限食の適応でしょうか
お忙しい中、申し訳ありません。
夫婦そろって糖尿病・肥満です。
夫は、クレアチニンが1.08で、医者から腎臓が弱ってきていると言われました。顔の頬に引きつりも起き始めたので、それも神経障害が出てきたのだろうと言われました。HbA1cは8.4です。薬は朝にアクトス30、アジルバ20、グラクティブ100mg、アマリール0.5mg、グリコラン250mg、ノルバスク5mg、バイアスピリン。夜はグリコランとノルバスク。毎食前にボグリボース0.2を飲んでいます。体重91キロ。
私のほうは、中性脂肪が245、総コレステロールが251、LDL163で投薬をはじめようかと言われました。それからアミラーゼが毎回35以下、CRP定量も毎回0.6以下にはならず、今回も0.8でした。担当医の話では、肥満だから内蔵が炎症を起こしているのだろうとの説明です。私の薬は朝と晩にエクア50mgとグリコラン250mg、毎食前にセイブル50mgです。体重は93キロの超肥満です。HbA1cは8.3です。
二人してすぐにでも江部先生のご本を参考に糖制限食(できればスーパー制限食)をはじめようと話していたのですが、腎臓障害があるとだめというようなことを読んだ記憶があったので不安になってしまいました。
私たちのような臨床検査結果でもスーパー糖制限食を実施してかまわないでしょうか。
ご多忙の中、勝手なことをお尋ねいたしまして先生のお時間を無駄にし本当に申し訳ありません。】
こんばんは。
スーパー糖制限食をしたい夫婦 さんから、スーパー糖質制限食と腎機能、アマリール内服などについて、コメント・質問をいただきました。
ご主人はクレアチニンが1.08mg/dlですが、基準値は「0.5~1.1mg/dl」くらいでしょうか?
確かに軽度腎機能障害の疑いはありますが、スーパー糖質制限食実践は可能と思います。
実践にあたっては、低血糖予防のためアマリールを中止するのがよいと思います。
他の内服薬は、大丈夫です。
腎機能障害のリスクとして最大なのは高血糖であり、ついで高血圧、肥満などがあります。
スーパー糖質制限食により、高血糖と肥満が改善すれば腎機能にもよい影響がでると思います。
減量に成功すれば降圧剤も減らせるかもしれません。
高タンパク食が腎機能に良くないという説もありますが、エビデンスレベルは低いです。
そして米国糖尿病学会は、糖尿病腎症には「蛋白制限」は推奨しないと2013年10月の栄養勧告で明言しています。
『GFR クレアチン』 でグーグルで検索してみましょう。
クレアチニン値と年齢・性別でeGFRが算出できる計算式のサイトがあるので調べてみましょう。
<高雄病院の方針>
現時点で高雄病院では、糖尿病腎症でもeGFRが60ml/分以上の場合は、糖尿病コントロールのためにも糖質制限食を推奨しています。
糖尿病腎症で、腎機能悪化の最大のリスクは「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」と考えられるからです。
糖尿病腎症第3期以降で、eGFRが60ml/分未満の場合も、患者さんとよく相談して、糖質制限食を実践するか否か、個別に対応するようにしています。
万一スーパー糖質制限食でクレアチニン値の悪化傾向があれば、「超低たんぱく・低糖質・高脂肪食」・・・即ちケトン食も、腎不全に一考の余地ありと現在検討中です。
1)GFRが60ml/分以上の場合は、タンパク質制限よりも血糖コントロールを優先して、
糖尿病腎症でも、普通にスーパー糖質制限食を実践することを推奨する。
2)GFRが60ml/分未満の場合は、よく相談して糖質制限食を実践するかどうか個別に対応する。
3)GFRが60ml/分未満で、スーパー糖質制限食を選択開始した場合、毎月腎機能検査を実施して、
血清クレアチニン値を測定し、その結果でスーパー糖質制限食を継続するか否かを決める。
上記が、腎機能障害がある糖尿人への高雄病院の方針です。
奥さんのCRP軽度上昇は、主治医の仰有る通り、肥満のためと思われます。
肥満者の脂肪組織が炎症を生じる物質を分泌させるのが原因とされています。
従って、スーパー糖質制限食で肥満が改善すれば、CRPも正常化すると思われます。
勿論、血糖値、HbA1cも改善します。
コレステロール値も経過をみてよいと思います。
上記に注意していただいて、ご夫婦でスーパー糖質制限食実践、OKと思います。
江部康二
2016年01月13日 (水)
こんにちは。
2016/1/30(土)午後から清須市で腎臓病の市民講座が開催されます。
http://www.kiyosu8823.com/chubu/annai/syousai_i.htm
日時
平成28年1月30日(土) 13時00分 ~ 17時00分
*受付は12時30分からです。
場所
西枇杷島会館 2階 ホール/定員約130名
清須市西枇杷島町花咲84番地
テーマ
透析導入を遅らせるための腎不全の食事療法
-美味しく・楽しく続けるために-
講師
[管理栄養士の立場から]
菅野丈夫/昭和大学病院 管理栄養士
[患者・患者家族の立場から]
腎臓病の食事療法を実践している患者・患者家族からのメッセージ
[医師の立場から]
伊藤喜亮/きよすクリニック 院長
主催:中部臨床栄養研究会
後援:清須市
講座では、
昭和大学の管理栄養士さん(低たんぱく食)、
患者さん、
きよすクリニック 伊藤喜亮先生
の順番で、 低蛋白食と糖質制限食のお話があります。
伊藤喜亮先生は私のメル友です。
伊藤先生の講演内容は、通常の低たんぱく食である、でんぷんや低たんぱく米主体の食事療法の話しではなく、糖質を減らすことの重要性、コレステロール、脂質などについてお話しされるそうです。
糖尿病腎症以外の原因による慢性腎不全では、腎保護のために低たんぱく食が有効ですが、糖尿病腎症で通常のたんぱく制限の効果が低いのは、「糖尿病だから腎臓が悪くなる」というメカニズムに働きかけていないからとのことです。
糖質制限食にも低たんぱく食にも共に精通された伊藤喜亮先生のお話は、とても興味深いと思います。
清須市、名古屋市、愛知県、岐阜県など近隣のブログ読者の皆さん、是非、ご参加のほど。
江部康二
【16/01/12 愛知S
腎症の不安
初コメントです。50歳男子です。
昨年10月にうっ血性心不全で地元の総合病院に2週間入院しました。
入院時のデータがBNP:1225、HbA1C:11.1、クレアチニン:1.73、eGFR:34.7でした。入院目的は数値を立て直す事で1600Kcalと塩分6g以下の食事療法でした。
退院後の外来でBNP:73.3→16.3、HbA1C:8.5→6.6、クレアチニン:2.06→1.89→1.58→1.65という推移です。隔月での循環器と内分泌でのデータです。
糖尿病とは診断されていませんが退院後は測定器を購入し毎日食前の血糖値を測定しています。糖質制限は昨年12月から実施で、平均100で安心していましたが、NHKチョイスを見てから食後を測定してみると、塩やきとり(長ネギ1本分、鶏むね50g)、無調整豆乳(300ml)、プレーンヨーグルト(100g)の朝食後2Hで155でした。
糖質制限しているつもりが、グルコーススパイクを起こしていました。
一番不安なのはこの数値(1月8日・クレアチニン:1.65)で病院では腎症と診断していないことです。栄養士に聞くと4期に入るまでは大丈夫だとか。
一度江部先生の診察を受けたく予約しようと思います。】
16/01/12 ドクター江部
Re: 腎症の不安
愛知Sさん
長ネギ1本で、可食部が81g、そのうち糖質が4gくらい、
無調整豆乳300mlで、糖質が9.6gくらい、
プレーンヨーグルト100gの糖質は、5gくらいです。
合計すると、朝食一食分の糖質量は、約18.6gです。
朝食後2Hで155は、1gの糖質が約3mg血糖値を上昇させるということで、想定範囲内のように思えます。
「1月8日・クレアチニン:1.65」は、糖尿病腎症と思います。
通常は普通の病院では「蛋白制限」が推奨されます。
一方、高血糖が最もクレアチニン値を悪化させるので、糖質制限食で血糖コントロール良好を保つことは
腎機能悪化の予防になりえると思います。
2015年06月06日 (土)
「高タンパク食と腎機能と糖質制限食」
をご参照いただけば幸いです。
【16/01/12 愛知S
アドバイスありがとうございます
江部先生、アドバイスありがとうございます。
合併症は難渋するがゆえ、エビデンスを作るのも患者の努力が無ければ始りませんね。
一年ほど前に「オヤジダイエット部」という番組をテレビで見たことを思い出し、再度ネットで検索していたら江部先生の糖質制限にたどり着きました。
肉OK,あぶらOK,アルコールOK、当時はこの内容を馬鹿にしていましたが、今はなるほどです。
退院時の体重は65㎏でしたが、現在58㎏です。身長は153㎝なので、目標は標準BMIまであと7㎏です。
そして決して戻らないと言われる腎症をくい止め透析回避することです。】
2016/1/30(土)午後から清須市で腎臓病の市民講座が開催されます。
http://www.kiyosu8823.com/chubu/annai/syousai_i.htm
日時
平成28年1月30日(土) 13時00分 ~ 17時00分
*受付は12時30分からです。
場所
西枇杷島会館 2階 ホール/定員約130名
清須市西枇杷島町花咲84番地
テーマ
透析導入を遅らせるための腎不全の食事療法
-美味しく・楽しく続けるために-
講師
[管理栄養士の立場から]
菅野丈夫/昭和大学病院 管理栄養士
[患者・患者家族の立場から]
腎臓病の食事療法を実践している患者・患者家族からのメッセージ
[医師の立場から]
伊藤喜亮/きよすクリニック 院長
主催:中部臨床栄養研究会
後援:清須市
講座では、
昭和大学の管理栄養士さん(低たんぱく食)、
患者さん、
きよすクリニック 伊藤喜亮先生
の順番で、 低蛋白食と糖質制限食のお話があります。
伊藤喜亮先生は私のメル友です。
伊藤先生の講演内容は、通常の低たんぱく食である、でんぷんや低たんぱく米主体の食事療法の話しではなく、糖質を減らすことの重要性、コレステロール、脂質などについてお話しされるそうです。
糖尿病腎症以外の原因による慢性腎不全では、腎保護のために低たんぱく食が有効ですが、糖尿病腎症で通常のたんぱく制限の効果が低いのは、「糖尿病だから腎臓が悪くなる」というメカニズムに働きかけていないからとのことです。
糖質制限食にも低たんぱく食にも共に精通された伊藤喜亮先生のお話は、とても興味深いと思います。
清須市、名古屋市、愛知県、岐阜県など近隣のブログ読者の皆さん、是非、ご参加のほど。
江部康二
【16/01/12 愛知S
腎症の不安
初コメントです。50歳男子です。
昨年10月にうっ血性心不全で地元の総合病院に2週間入院しました。
入院時のデータがBNP:1225、HbA1C:11.1、クレアチニン:1.73、eGFR:34.7でした。入院目的は数値を立て直す事で1600Kcalと塩分6g以下の食事療法でした。
退院後の外来でBNP:73.3→16.3、HbA1C:8.5→6.6、クレアチニン:2.06→1.89→1.58→1.65という推移です。隔月での循環器と内分泌でのデータです。
糖尿病とは診断されていませんが退院後は測定器を購入し毎日食前の血糖値を測定しています。糖質制限は昨年12月から実施で、平均100で安心していましたが、NHKチョイスを見てから食後を測定してみると、塩やきとり(長ネギ1本分、鶏むね50g)、無調整豆乳(300ml)、プレーンヨーグルト(100g)の朝食後2Hで155でした。
糖質制限しているつもりが、グルコーススパイクを起こしていました。
一番不安なのはこの数値(1月8日・クレアチニン:1.65)で病院では腎症と診断していないことです。栄養士に聞くと4期に入るまでは大丈夫だとか。
一度江部先生の診察を受けたく予約しようと思います。】
16/01/12 ドクター江部
Re: 腎症の不安
愛知Sさん
長ネギ1本で、可食部が81g、そのうち糖質が4gくらい、
無調整豆乳300mlで、糖質が9.6gくらい、
プレーンヨーグルト100gの糖質は、5gくらいです。
合計すると、朝食一食分の糖質量は、約18.6gです。
朝食後2Hで155は、1gの糖質が約3mg血糖値を上昇させるということで、想定範囲内のように思えます。
「1月8日・クレアチニン:1.65」は、糖尿病腎症と思います。
通常は普通の病院では「蛋白制限」が推奨されます。
一方、高血糖が最もクレアチニン値を悪化させるので、糖質制限食で血糖コントロール良好を保つことは
腎機能悪化の予防になりえると思います。
2015年06月06日 (土)
「高タンパク食と腎機能と糖質制限食」
をご参照いただけば幸いです。
【16/01/12 愛知S
アドバイスありがとうございます
江部先生、アドバイスありがとうございます。
合併症は難渋するがゆえ、エビデンスを作るのも患者の努力が無ければ始りませんね。
一年ほど前に「オヤジダイエット部」という番組をテレビで見たことを思い出し、再度ネットで検索していたら江部先生の糖質制限にたどり着きました。
肉OK,あぶらOK,アルコールOK、当時はこの内容を馬鹿にしていましたが、今はなるほどです。
退院時の体重は65㎏でしたが、現在58㎏です。身長は153㎝なので、目標は標準BMIまであと7㎏です。
そして決して戻らないと言われる腎症をくい止め透析回避することです。】
2016年01月12日 (火)
こんにちは。
今回は、ノロウィルスのお話です。
ノロウィルスはインフルエンザウィルスより、はるかに感染しやすいので注意が必要です。
ノロウィルスで直接死亡することは、まずありません。
しかし、高齢者などでは、下痢・嘔吐による脱水や、吐瀉物による気道閉塞で死亡する場合もあります。
脱水には点滴での水分補給が有効です。
ノロウイルスは手指や食品などを介して、主として経口で感染します。
患者のふん便や吐瀉物には、大量のノロウィルスがいます。
とくに、感染源となりやすいのは吐瀉物です。
吐瀉物がじゅうたんにあって、乾燥しても12日間くらいは感染力があります。
また、乾燥した吐瀉物が微細な浮遊物となって感染源となります。
床等に飛び散った患者の吐ぶつやふん便を処理するときには、使い捨てのガウン(エプロン)、マスクと手袋を着用し汚物中のウイルスが飛び散らないように、ふん便、吐ぶつをペーパータオル等で静かに拭き取ります。
拭き取った後は、次亜塩素酸ナトリウム(*)で浸すように床を拭き取り、その後水拭きをします。
おむつ等は、速やかに閉じてふん便等を包み込みます。おむつや拭き取りに使用したペーパータオル等は、ビニール袋に密閉して廃棄します。
食品からの感染予防には加熱が有効です。
二枚貝の加熱調理でウイルスを失活させるには、中心部が85~90℃で少なくとも90秒間の加熱が必要とされています。
手洗いは、感染予防に極めて有効です。
手指、手掌、手背、爪、指間、全てを万遍なく洗うことが必要です。
15秒ぐらいかけて洗います。
消毒タイプで液体の石鹸があれば、使用します。
石鹸がなければお湯洗い・水洗いだけでも充分有効です。
手に残った水分は素早く拭き取ります。使い捨てのペーパータオルがいいです。
(*)
■次亜塩素酸ナトリウムの消毒液の作り方(広島市、福山市のサイトから引用)
ノロウイルスに対しては塩素系消毒剤である 次亜塩素酸ナトリウム による消毒が有効です。
次亜塩素酸ナトリウムは、薄めて使用します。
市販されている家庭用塩素系漂白剤(ハイター、ブリーチなど)の濃度は、約5%です。
■便やおう吐物が付着した床,衣類,トイレなどの消毒をする場合…
濃度が 0.1%(1,000ppm) の消毒液を作ります。(1リットルの水にハイター20ml))
■おもちゃ,調理器具,直接手で触れる部分などの消毒をする場合…
濃度が 0.02%(200ppm) の消毒液を作ります。(1リットルの水にハイター5ml))
●家庭用塩素系漂白剤のキャップの容量は通常20ml~25mlです。容器に書いてありますので、確認して使用してください。
【消毒液(次亜塩素酸ナトリウム溶液)を扱うときの注意】
・使用する時は換気を十分に行ってください。
・有毒な塩素ガスが発生しますので,酸性のものと絶対に混ぜないでください!
・皮膚への刺激が強いので,直接触れないよう,ビニール手袋などを使用してください。
・皮膚に付着した場合は,直ちに大量の水で十分洗い流してください。
・目に入った場合は,直ちに大量の水で十分洗い流し,医師の診察を受けてください。
・消毒液は,濃度が高いほどノロウイルスに対して有効ですが,反面,金属が錆びたり,
漂白(変色)作用が強くなったりしますので,注意してください。
・金属に使用した場合は,消毒後,水で洗い流すか,ふき取るなどしてください。
★ 感染経路(広島市のサイトから引用)
感染経路は、基本的にはノロウイルスが口から入り、消化器に達して主に腸管で増殖して感染します。
ノロウイルスが口に達する経路は様々で、具体的な経路を下に示しました。
感染性胃腸炎の原因となる病原体の中でも、ノロウイルスは他の病原体と異なり、経口感染や接触感染のみならず、
飛沫感染や空気感染を起こすことが最近になってわかってきました。
これらの感染経路を理解することが、予防する上で大切です。
1. 経口感染(食中毒)
・ウイルスに汚染された食品(二枚貝に含まれていることがあります。)を、
生または十分に加熱しないで食べた場合。
・感染した人が調理して食品や水が汚染され、それを食べたり飲んだりした場合。
2. 接触感染
・感染した人の便や吐物にふれ、手指をとおして口から入った場合。
・感染した人の手指や感染した人が触れた衣服、器具等に接触し、手指をとおして口から入った場合。
3. 飛沫感染
・患者の便や吐物が飛び散り、その飛沫(ノロウイルスを含んだ小さな水滴。1~2m飛散します。)を吸い込んだ場合。
・便や吐物を不用意に始末したときに発生した飛沫を吸い込んだ場合。
4. 空気感染
・患者の便や吐物の処理が不十分なため、それらが乾燥して飛沫よりもさらに細かい粒子となって空気中を 漂い、それを吸い込んだ場合。この場合感染源からかなり離れた場所でも、感染する可能性があります。
江部康二
☆☆☆
以下厚生労働省のサイトから引用・抜粋
厚生労働省・ノロウイルスに関するQ&A
(作成:平成16年2月4日 最終改定:平成27年6月30日)
ノロウイルスによる食中毒及び感染症の発生を防止するため、ノロウイルスに関する正しい知識と予防対策等について理解を深めていただきたく、厚生 労働省において、次のとおりノロウイルスに関するQ&Aを作成しました。今後、ノロウイルスに関する知見の進展等に対応して、逐次、本Q&Aを更新してい くこととしています。
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/kanren/yobou/040204-1.html
Q1 ノロウイルスによる胃腸炎はどのようなものですか?
A1 ノロウイルスによる感染性胃腸炎や食中毒は、一年を通して発生していますが、
特に冬季に流行します。
ノロウイルスは手指や食品などを介して、経口で感染し、ヒトの腸管で増殖し、おう吐、下痢、腹痛などを起こします。健康な方は軽症で回復しますが、子どもやお年寄りなどでは重症化したり、吐ぶつを誤って気道に詰まらせて死亡することがあります。
ノロウイルスについてはワクチンがなく、
また、治療は輸液などの対症療法に限られます。
従って、皆様の周りの方々と一緒に、次の予防対策を徹底しましょう。
患者のふん便や吐ぶつには大量のウイルスが排出されるので、
(1)食事の前やトイレの後などには、必ず手を洗いましょう。
(2)下痢やおう吐等の症状がある方は、
食品を直接取り扱う作業をしないようにしましょう。
(3)胃腸炎患者に接する方は、患者のふん便や吐ぶつを適切に処理し、
感染を広げないようにしましょう。
特に、子どもやお年寄りなど抵抗力の弱い方は、
加熱が必要な食品は中心部までしっかり加熱して食べましょう。
また、調理器具等は使用後に洗浄、殺菌しましょう。
Q3 ノロウイルスはどうやって感染するのですか?
A3
このウイルスの感染経路はほとんどが経口感染で、
次のような感染様式があると考えられています。
(1)患者のノロウイルスが大量に含まれるふん便や吐ぶつから人の手などを介して二次感 染した場合
(2)家庭や共同生活施設などヒト同士の接触する機会が多いところでヒトからヒトへ飛沫 感染等直接感染する場合
(3)食品取扱者(食品の製造等に従事する者、飲食店における調理従事者、家庭で調理を 行う者などが含まれます。)が感染しておりその者を介して汚染した食品を食べた場合
(4)汚染されていた二枚貝を、生あるいは十分に加熱調理しないで食べた場合
(5)ノロウイルスに汚染された井戸水や簡易水道を消毒不十分で摂取した場合
などがあります。
特に、食中毒では(3)のように食品取扱者を介してウイルスに汚染された食品を原因とする事例が、近年増加傾向にあります。
また、ノロウイルスは(3)、(4)、(5)のように食品や水を介したウイルス性食中毒の原因になるばかりでなく、(1)、(2)のようにウイルス性急性胃腸炎(感染症)の原因にもなります。この多彩な感染経路がノロウイルスの制御を困難なものにしています。
Q8 ノロウイルスに感染するとどんな症状になるのですか?
A8
潜伏期間(感染から発症までの時間)は24~48時間で、主症状は吐き気、嘔吐、下痢、腹痛であり、発熱は軽度です。通常、これら症状が1~2日続いた後、治癒し、後遺症もありません。また、感染しても発症しない場合や軽い風邪のような症状の場合もあります。
Q9 国内でノロウイルスの感染による死者はいますか?
A9
病院や社会福祉施設でノロウイルスの集団感染が発生している時期に、当該施設で死者が出たことがあります。
しかし、もともとの疾患や体力の低下などにより介護を必要としていた方などが亡くなった場合、ノロウイルスの感染がどの程度影響したのか見極めることは困難です。
なお、吐いた物を誤嚥することによる誤嚥性肺炎や吐いた物を喉に詰まらせて窒息する場合など、ノロウイルスが関係したと思われる場合であっても直接の原因とはならない場合もあります。
Q10 発症した場合の治療法はありますか?
A10
現在、このウイルスに効果のある抗ウイルス剤はありません。このため、通常、対症療法が行われます。特に、体力の弱い乳幼児、高齢者は、脱水症状を起こしたり、体力を消耗したりしないように、水分と栄養の補給を充分に行いましょう。脱水症状がひどい場合には病院で輸液を行うなどの治療が必要になります。
止しゃ薬(いわゆる下痢止め薬)は、病気の回復を遅らせることがあるので使用しないことが望ましいでしょう。
Q13 ノロウイルス食中毒の予防方法は?
A13
ノロウイルス食中毒を防ぐためには、(1)食品取扱者や調理器具などからの二次汚染を防止する (2)特に子どもやお年寄りなどの抵抗力の弱い方は、加熱が必要な食品は中心部までしっかり加熱することが重要です。特に、ノロウイルスに感染した人のふん便や吐ぶつには大量のウイルスが排出されるため、大量調理施設の食品取扱者がノロウイルスに感染していると、大規模な食中毒となる可能性があります。
Q15 手洗いはどのようにすればいいのですか?
A15
手洗いは、 手指に付着しているノロウイルスを減らす最も有効な方法です。 調理を行う前(特に飲食業を行っている場合は食事を提供する前も)、食事の前、トイレに行った後、下痢等の患者の汚物処理やオムツ交換等を行った後(手袋をして直接触れないようにしていても)には必ず行いましょう。常に爪を短く切って、指輪等をはずし、石けんを十分泡立て、ブラシなどを使用して手指を洗浄します。すすぎは温水による流水で十分に行い、清潔なタオル又はペーパータオルで拭きます。石けん自体にはノロウイルスを直接失活化する効果はありませんが、手の脂肪等の汚れを落とすことにより、ウイルスを手指から剥がれやすくする効果があります。
なお、消毒用エタノールによる手指消毒は、石けんと流水を用いた手洗いの代用にはなりませんが、すぐに石けんによる手洗いが出来ないような場合、あくまで一般的な感染症対策の観点から手洗いの補助として用いてください。
Q16 ノロウイルスに汚染された可能性のある調理台や調理器具はどのように殺菌したらいいのですか?
A16
一般的な感染症対策として、消毒用エタノールや逆性石鹸(塩化ベンザルコニウム)が用いられることがありますが、ノロウイルスを完全に失活化する方法としては、次亜塩素酸ナトリウム※や加熱による処理があります。
調理器具等は洗剤などを使用し十分に洗浄した後、次亜塩素酸ナトリウム※(塩素濃度200ppm)で浸すように拭くことでウイルスを失活化できます。
また、まな板、包丁、へら、食器、ふきん、タオル等は熱湯(85℃以上)で1分以上の加熱が有効です。
なお、二枚貝などを取り扱うときは、専用の調理器具(まな板、包丁等)を使用するか、調理器具を使用の都度洗浄、熱湯消毒する等の対策により、他の食材への二次汚染を防止するよう、特に注意するよう気をつけましょう。
※家庭用の次亜塩素酸ナトリウムを含む塩素系漂白剤でも代用できます。(使用に当たっては「使用上の注意」を確認しましょう。)
Q18 ノロウイルスによる感染性胃腸炎のまん延を防止する方法は?
A18
家庭内や集団で生活している施設においてノロウイルスが発生した場合、そのまん延を防ぐためには、ノロウイルスに感染した人のふん便や吐ぶつからの二次感染、ヒトからヒトへの直接感染、飛沫感染を予防する必要があります。
毎年、11月頃から2月の間に、乳幼児や高齢者の間でノロウイルスによる急性胃腸炎が流行しますが、この時期の乳幼児や高齢者の下痢便および吐ぶつには、ノロウイルスが大量に含まれていることがありますので、おむつ等の取扱いには十分注意しましょう。
Q19 患者のふん便や吐ぶつを処理する際に注意することはありますか?
A19
ノロウイルスが感染・増殖する部位は小腸と考えられています。したがって、嘔吐症状が強いときには、小腸の内容物とともにウイルスが逆流して、吐ぶつとともに排泄されます。このため、ふん便と同様に吐ぶつ中にも大量のウイルスが存在し感染源となりうるので、その処理には十分注意する必要があります。
12日以上前にノロウイルスに汚染されたカーペットを通じて、感染が起きた事例も知られており、時間が経っても、患者の吐ぶつ、ふん便やそれらにより汚染された床や手袋などには、感染力のあるウイルスが残っている可能性があります。このため、これら感染源となるものは必ず処理をしましょう。
床等に飛び散った患者の吐ぶつやふん便を処理するときには、使い捨てのガウン(エプロン)、マスクと手袋を着用し汚物中のウイルスが飛び散らないように、ふん便、吐ぶつをペーパータオル等で静かに拭き取ります。拭き取った後は、次亜塩素酸ナトリウム※(塩素濃度約200ppm)で浸すように床を拭き取り、その後水拭きをします。おむつ等は、速やかに閉じてふん便等を包み込みます。
おむつや拭き取りに使用したペーパータオル等は、ビニール袋に密閉して廃棄します。(この際、ビニール袋に廃棄物が充分に浸る量の次亜塩素酸ナトリウム※(塩素濃度約1,000ppm)を入れることが望ましい。)
また、ノロウイルスは乾燥すると容易に空中に漂い、これが口に入って感染することがあるので、吐ぶつやふん便は乾燥しないうちに床等に残らないよう速やかに処理し、処理した後はウイルスが屋外に出て行くよう空気の流れに注意しながら十分に喚気を行うことが感染防止に重要です。
11月頃から2月の間に、乳幼児や高齢者の間でノロウイルスによる急性胃腸炎が流行します。この時期の乳幼児や高齢者の下痢便および吐ぶつには、ノロウイルスが大量に含まれていることがありますので、おむつ等の取扱いには十分注意しましょう。
※家庭用の次亜塩素酸ナトリウムを含む塩素系漂白剤でも代用できます。(使用に当たっては「使用上の注意」を確認しましょう。)
Q20 吐ぶつやふん便が布団などのリネン類に付着した場合はどのように処理をすればよいですか。
A20
リネン等は、付着した汚物中のウイルスが飛び散らないように処理した後、洗剤を入れた水の中で静かにもみ洗いします。その際にしぶきを吸い込まないよう注意してください。下洗いしたリネン類の消毒は85℃・1分間以上の熱水洗濯が適しています。ただし、熱水洗濯が行える洗濯機がない場合には、次亜塩素酸ナトリウム※の消毒が有効です。その際も十分すすぎ、高温の乾燥機などを使用すると殺菌効果は高まります。布団などすぐに洗濯できない場合は、よく乾燥させ、スチームアイロンや布団乾燥機を使うと効果的です。また、下洗い場所を次亜塩素酸ナトリウム※(塩素濃度約200ppm)で消毒後、洗剤を使って掃除をする必要があります。次亜塩素酸ナトリウム※には漂白作用があります。薬剤の「使用上の注意」を確認してください。
※家庭用の次亜塩素酸ナトリウムを含む塩素系漂白剤でも代用できます。(使用に当たっては「使用上の注意」を確認しましょう。)
Q21 感染者が使用した食器類の消毒はどのようにしたらよいですか?
A21
施設の厨房等多人数の食事の調理、配食等をする部署へ感染者の使用した食器類や吐ぶつが付着した食器類を下膳する場合、注意が必要です。可能であれば食器等は、厨房に戻す前、食後すぐに次亜塩素酸ナトリウム液に十分浸し、消毒します。
また、食器等の下洗いや嘔吐後にうがいをした場所等も次亜塩素酸ナトリウム※(塩素濃度約200ppm)で消毒後、洗剤を使って掃除をするようにしてください。
※家庭用の次亜塩素酸ナトリウムを含む塩素系漂白剤でも代用できます。(使用に当たっては「使用上の注意」を確認しましょう。)
Q22 感染者が発生した場合、環境の消毒はどのようにしたらよいですか?
A22
ノロウイルスは感染力が強く、環境(ドアノブ、カーテン、リネン類、日用品など)からもウイルスが検出されます。感染者が発生した場合、消毒が必要な場合次亜塩素酸ナトリウム※などを使用してください。ただし、次亜塩素酸ナトリウム※は金属腐食性がありますので、消毒後の薬剤の拭き取りを十分にするよう注意してください。
※家庭用の次亜塩素酸ナトリウムを含む塩素系漂白剤でも代用できます。(使用に当たっては「使用上の注意」を確認しましょう。)
今回は、ノロウィルスのお話です。
ノロウィルスはインフルエンザウィルスより、はるかに感染しやすいので注意が必要です。
ノロウィルスで直接死亡することは、まずありません。
しかし、高齢者などでは、下痢・嘔吐による脱水や、吐瀉物による気道閉塞で死亡する場合もあります。
脱水には点滴での水分補給が有効です。
ノロウイルスは手指や食品などを介して、主として経口で感染します。
患者のふん便や吐瀉物には、大量のノロウィルスがいます。
とくに、感染源となりやすいのは吐瀉物です。
吐瀉物がじゅうたんにあって、乾燥しても12日間くらいは感染力があります。
また、乾燥した吐瀉物が微細な浮遊物となって感染源となります。
床等に飛び散った患者の吐ぶつやふん便を処理するときには、使い捨てのガウン(エプロン)、マスクと手袋を着用し汚物中のウイルスが飛び散らないように、ふん便、吐ぶつをペーパータオル等で静かに拭き取ります。
拭き取った後は、次亜塩素酸ナトリウム(*)で浸すように床を拭き取り、その後水拭きをします。
おむつ等は、速やかに閉じてふん便等を包み込みます。おむつや拭き取りに使用したペーパータオル等は、ビニール袋に密閉して廃棄します。
食品からの感染予防には加熱が有効です。
二枚貝の加熱調理でウイルスを失活させるには、中心部が85~90℃で少なくとも90秒間の加熱が必要とされています。
手洗いは、感染予防に極めて有効です。
手指、手掌、手背、爪、指間、全てを万遍なく洗うことが必要です。
15秒ぐらいかけて洗います。
消毒タイプで液体の石鹸があれば、使用します。
石鹸がなければお湯洗い・水洗いだけでも充分有効です。
手に残った水分は素早く拭き取ります。使い捨てのペーパータオルがいいです。
(*)
■次亜塩素酸ナトリウムの消毒液の作り方(広島市、福山市のサイトから引用)
ノロウイルスに対しては塩素系消毒剤である 次亜塩素酸ナトリウム による消毒が有効です。
次亜塩素酸ナトリウムは、薄めて使用します。
市販されている家庭用塩素系漂白剤(ハイター、ブリーチなど)の濃度は、約5%です。
■便やおう吐物が付着した床,衣類,トイレなどの消毒をする場合…
濃度が 0.1%(1,000ppm) の消毒液を作ります。(1リットルの水にハイター20ml))
■おもちゃ,調理器具,直接手で触れる部分などの消毒をする場合…
濃度が 0.02%(200ppm) の消毒液を作ります。(1リットルの水にハイター5ml))
●家庭用塩素系漂白剤のキャップの容量は通常20ml~25mlです。容器に書いてありますので、確認して使用してください。
【消毒液(次亜塩素酸ナトリウム溶液)を扱うときの注意】
・使用する時は換気を十分に行ってください。
・有毒な塩素ガスが発生しますので,酸性のものと絶対に混ぜないでください!
・皮膚への刺激が強いので,直接触れないよう,ビニール手袋などを使用してください。
・皮膚に付着した場合は,直ちに大量の水で十分洗い流してください。
・目に入った場合は,直ちに大量の水で十分洗い流し,医師の診察を受けてください。
・消毒液は,濃度が高いほどノロウイルスに対して有効ですが,反面,金属が錆びたり,
漂白(変色)作用が強くなったりしますので,注意してください。
・金属に使用した場合は,消毒後,水で洗い流すか,ふき取るなどしてください。
★ 感染経路(広島市のサイトから引用)
感染経路は、基本的にはノロウイルスが口から入り、消化器に達して主に腸管で増殖して感染します。
ノロウイルスが口に達する経路は様々で、具体的な経路を下に示しました。
感染性胃腸炎の原因となる病原体の中でも、ノロウイルスは他の病原体と異なり、経口感染や接触感染のみならず、
飛沫感染や空気感染を起こすことが最近になってわかってきました。
これらの感染経路を理解することが、予防する上で大切です。
1. 経口感染(食中毒)
・ウイルスに汚染された食品(二枚貝に含まれていることがあります。)を、
生または十分に加熱しないで食べた場合。
・感染した人が調理して食品や水が汚染され、それを食べたり飲んだりした場合。
2. 接触感染
・感染した人の便や吐物にふれ、手指をとおして口から入った場合。
・感染した人の手指や感染した人が触れた衣服、器具等に接触し、手指をとおして口から入った場合。
3. 飛沫感染
・患者の便や吐物が飛び散り、その飛沫(ノロウイルスを含んだ小さな水滴。1~2m飛散します。)を吸い込んだ場合。
・便や吐物を不用意に始末したときに発生した飛沫を吸い込んだ場合。
4. 空気感染
・患者の便や吐物の処理が不十分なため、それらが乾燥して飛沫よりもさらに細かい粒子となって空気中を 漂い、それを吸い込んだ場合。この場合感染源からかなり離れた場所でも、感染する可能性があります。
江部康二
☆☆☆
以下厚生労働省のサイトから引用・抜粋
厚生労働省・ノロウイルスに関するQ&A
(作成:平成16年2月4日 最終改定:平成27年6月30日)
ノロウイルスによる食中毒及び感染症の発生を防止するため、ノロウイルスに関する正しい知識と予防対策等について理解を深めていただきたく、厚生 労働省において、次のとおりノロウイルスに関するQ&Aを作成しました。今後、ノロウイルスに関する知見の進展等に対応して、逐次、本Q&Aを更新してい くこととしています。
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/kanren/yobou/040204-1.html
Q1 ノロウイルスによる胃腸炎はどのようなものですか?
A1 ノロウイルスによる感染性胃腸炎や食中毒は、一年を通して発生していますが、
特に冬季に流行します。
ノロウイルスは手指や食品などを介して、経口で感染し、ヒトの腸管で増殖し、おう吐、下痢、腹痛などを起こします。健康な方は軽症で回復しますが、子どもやお年寄りなどでは重症化したり、吐ぶつを誤って気道に詰まらせて死亡することがあります。
ノロウイルスについてはワクチンがなく、
また、治療は輸液などの対症療法に限られます。
従って、皆様の周りの方々と一緒に、次の予防対策を徹底しましょう。
患者のふん便や吐ぶつには大量のウイルスが排出されるので、
(1)食事の前やトイレの後などには、必ず手を洗いましょう。
(2)下痢やおう吐等の症状がある方は、
食品を直接取り扱う作業をしないようにしましょう。
(3)胃腸炎患者に接する方は、患者のふん便や吐ぶつを適切に処理し、
感染を広げないようにしましょう。
特に、子どもやお年寄りなど抵抗力の弱い方は、
加熱が必要な食品は中心部までしっかり加熱して食べましょう。
また、調理器具等は使用後に洗浄、殺菌しましょう。
Q3 ノロウイルスはどうやって感染するのですか?
A3
このウイルスの感染経路はほとんどが経口感染で、
次のような感染様式があると考えられています。
(1)患者のノロウイルスが大量に含まれるふん便や吐ぶつから人の手などを介して二次感 染した場合
(2)家庭や共同生活施設などヒト同士の接触する機会が多いところでヒトからヒトへ飛沫 感染等直接感染する場合
(3)食品取扱者(食品の製造等に従事する者、飲食店における調理従事者、家庭で調理を 行う者などが含まれます。)が感染しておりその者を介して汚染した食品を食べた場合
(4)汚染されていた二枚貝を、生あるいは十分に加熱調理しないで食べた場合
(5)ノロウイルスに汚染された井戸水や簡易水道を消毒不十分で摂取した場合
などがあります。
特に、食中毒では(3)のように食品取扱者を介してウイルスに汚染された食品を原因とする事例が、近年増加傾向にあります。
また、ノロウイルスは(3)、(4)、(5)のように食品や水を介したウイルス性食中毒の原因になるばかりでなく、(1)、(2)のようにウイルス性急性胃腸炎(感染症)の原因にもなります。この多彩な感染経路がノロウイルスの制御を困難なものにしています。
Q8 ノロウイルスに感染するとどんな症状になるのですか?
A8
潜伏期間(感染から発症までの時間)は24~48時間で、主症状は吐き気、嘔吐、下痢、腹痛であり、発熱は軽度です。通常、これら症状が1~2日続いた後、治癒し、後遺症もありません。また、感染しても発症しない場合や軽い風邪のような症状の場合もあります。
Q9 国内でノロウイルスの感染による死者はいますか?
A9
病院や社会福祉施設でノロウイルスの集団感染が発生している時期に、当該施設で死者が出たことがあります。
しかし、もともとの疾患や体力の低下などにより介護を必要としていた方などが亡くなった場合、ノロウイルスの感染がどの程度影響したのか見極めることは困難です。
なお、吐いた物を誤嚥することによる誤嚥性肺炎や吐いた物を喉に詰まらせて窒息する場合など、ノロウイルスが関係したと思われる場合であっても直接の原因とはならない場合もあります。
Q10 発症した場合の治療法はありますか?
A10
現在、このウイルスに効果のある抗ウイルス剤はありません。このため、通常、対症療法が行われます。特に、体力の弱い乳幼児、高齢者は、脱水症状を起こしたり、体力を消耗したりしないように、水分と栄養の補給を充分に行いましょう。脱水症状がひどい場合には病院で輸液を行うなどの治療が必要になります。
止しゃ薬(いわゆる下痢止め薬)は、病気の回復を遅らせることがあるので使用しないことが望ましいでしょう。
Q13 ノロウイルス食中毒の予防方法は?
A13
ノロウイルス食中毒を防ぐためには、(1)食品取扱者や調理器具などからの二次汚染を防止する (2)特に子どもやお年寄りなどの抵抗力の弱い方は、加熱が必要な食品は中心部までしっかり加熱することが重要です。特に、ノロウイルスに感染した人のふん便や吐ぶつには大量のウイルスが排出されるため、大量調理施設の食品取扱者がノロウイルスに感染していると、大規模な食中毒となる可能性があります。
Q15 手洗いはどのようにすればいいのですか?
A15
手洗いは、 手指に付着しているノロウイルスを減らす最も有効な方法です。 調理を行う前(特に飲食業を行っている場合は食事を提供する前も)、食事の前、トイレに行った後、下痢等の患者の汚物処理やオムツ交換等を行った後(手袋をして直接触れないようにしていても)には必ず行いましょう。常に爪を短く切って、指輪等をはずし、石けんを十分泡立て、ブラシなどを使用して手指を洗浄します。すすぎは温水による流水で十分に行い、清潔なタオル又はペーパータオルで拭きます。石けん自体にはノロウイルスを直接失活化する効果はありませんが、手の脂肪等の汚れを落とすことにより、ウイルスを手指から剥がれやすくする効果があります。
なお、消毒用エタノールによる手指消毒は、石けんと流水を用いた手洗いの代用にはなりませんが、すぐに石けんによる手洗いが出来ないような場合、あくまで一般的な感染症対策の観点から手洗いの補助として用いてください。
Q16 ノロウイルスに汚染された可能性のある調理台や調理器具はどのように殺菌したらいいのですか?
A16
一般的な感染症対策として、消毒用エタノールや逆性石鹸(塩化ベンザルコニウム)が用いられることがありますが、ノロウイルスを完全に失活化する方法としては、次亜塩素酸ナトリウム※や加熱による処理があります。
調理器具等は洗剤などを使用し十分に洗浄した後、次亜塩素酸ナトリウム※(塩素濃度200ppm)で浸すように拭くことでウイルスを失活化できます。
また、まな板、包丁、へら、食器、ふきん、タオル等は熱湯(85℃以上)で1分以上の加熱が有効です。
なお、二枚貝などを取り扱うときは、専用の調理器具(まな板、包丁等)を使用するか、調理器具を使用の都度洗浄、熱湯消毒する等の対策により、他の食材への二次汚染を防止するよう、特に注意するよう気をつけましょう。
※家庭用の次亜塩素酸ナトリウムを含む塩素系漂白剤でも代用できます。(使用に当たっては「使用上の注意」を確認しましょう。)
Q18 ノロウイルスによる感染性胃腸炎のまん延を防止する方法は?
A18
家庭内や集団で生活している施設においてノロウイルスが発生した場合、そのまん延を防ぐためには、ノロウイルスに感染した人のふん便や吐ぶつからの二次感染、ヒトからヒトへの直接感染、飛沫感染を予防する必要があります。
毎年、11月頃から2月の間に、乳幼児や高齢者の間でノロウイルスによる急性胃腸炎が流行しますが、この時期の乳幼児や高齢者の下痢便および吐ぶつには、ノロウイルスが大量に含まれていることがありますので、おむつ等の取扱いには十分注意しましょう。
Q19 患者のふん便や吐ぶつを処理する際に注意することはありますか?
A19
ノロウイルスが感染・増殖する部位は小腸と考えられています。したがって、嘔吐症状が強いときには、小腸の内容物とともにウイルスが逆流して、吐ぶつとともに排泄されます。このため、ふん便と同様に吐ぶつ中にも大量のウイルスが存在し感染源となりうるので、その処理には十分注意する必要があります。
12日以上前にノロウイルスに汚染されたカーペットを通じて、感染が起きた事例も知られており、時間が経っても、患者の吐ぶつ、ふん便やそれらにより汚染された床や手袋などには、感染力のあるウイルスが残っている可能性があります。このため、これら感染源となるものは必ず処理をしましょう。
床等に飛び散った患者の吐ぶつやふん便を処理するときには、使い捨てのガウン(エプロン)、マスクと手袋を着用し汚物中のウイルスが飛び散らないように、ふん便、吐ぶつをペーパータオル等で静かに拭き取ります。拭き取った後は、次亜塩素酸ナトリウム※(塩素濃度約200ppm)で浸すように床を拭き取り、その後水拭きをします。おむつ等は、速やかに閉じてふん便等を包み込みます。
おむつや拭き取りに使用したペーパータオル等は、ビニール袋に密閉して廃棄します。(この際、ビニール袋に廃棄物が充分に浸る量の次亜塩素酸ナトリウム※(塩素濃度約1,000ppm)を入れることが望ましい。)
また、ノロウイルスは乾燥すると容易に空中に漂い、これが口に入って感染することがあるので、吐ぶつやふん便は乾燥しないうちに床等に残らないよう速やかに処理し、処理した後はウイルスが屋外に出て行くよう空気の流れに注意しながら十分に喚気を行うことが感染防止に重要です。
11月頃から2月の間に、乳幼児や高齢者の間でノロウイルスによる急性胃腸炎が流行します。この時期の乳幼児や高齢者の下痢便および吐ぶつには、ノロウイルスが大量に含まれていることがありますので、おむつ等の取扱いには十分注意しましょう。
※家庭用の次亜塩素酸ナトリウムを含む塩素系漂白剤でも代用できます。(使用に当たっては「使用上の注意」を確認しましょう。)
Q20 吐ぶつやふん便が布団などのリネン類に付着した場合はどのように処理をすればよいですか。
A20
リネン等は、付着した汚物中のウイルスが飛び散らないように処理した後、洗剤を入れた水の中で静かにもみ洗いします。その際にしぶきを吸い込まないよう注意してください。下洗いしたリネン類の消毒は85℃・1分間以上の熱水洗濯が適しています。ただし、熱水洗濯が行える洗濯機がない場合には、次亜塩素酸ナトリウム※の消毒が有効です。その際も十分すすぎ、高温の乾燥機などを使用すると殺菌効果は高まります。布団などすぐに洗濯できない場合は、よく乾燥させ、スチームアイロンや布団乾燥機を使うと効果的です。また、下洗い場所を次亜塩素酸ナトリウム※(塩素濃度約200ppm)で消毒後、洗剤を使って掃除をする必要があります。次亜塩素酸ナトリウム※には漂白作用があります。薬剤の「使用上の注意」を確認してください。
※家庭用の次亜塩素酸ナトリウムを含む塩素系漂白剤でも代用できます。(使用に当たっては「使用上の注意」を確認しましょう。)
Q21 感染者が使用した食器類の消毒はどのようにしたらよいですか?
A21
施設の厨房等多人数の食事の調理、配食等をする部署へ感染者の使用した食器類や吐ぶつが付着した食器類を下膳する場合、注意が必要です。可能であれば食器等は、厨房に戻す前、食後すぐに次亜塩素酸ナトリウム液に十分浸し、消毒します。
また、食器等の下洗いや嘔吐後にうがいをした場所等も次亜塩素酸ナトリウム※(塩素濃度約200ppm)で消毒後、洗剤を使って掃除をするようにしてください。
※家庭用の次亜塩素酸ナトリウムを含む塩素系漂白剤でも代用できます。(使用に当たっては「使用上の注意」を確認しましょう。)
Q22 感染者が発生した場合、環境の消毒はどのようにしたらよいですか?
A22
ノロウイルスは感染力が強く、環境(ドアノブ、カーテン、リネン類、日用品など)からもウイルスが検出されます。感染者が発生した場合、消毒が必要な場合次亜塩素酸ナトリウム※などを使用してください。ただし、次亜塩素酸ナトリウム※は金属腐食性がありますので、消毒後の薬剤の拭き取りを十分にするよう注意してください。
※家庭用の次亜塩素酸ナトリウムを含む塩素系漂白剤でも代用できます。(使用に当たっては「使用上の注意」を確認しましょう。)
2016年01月11日 (月)
こんにちは
2015年度も、糖質制限食、医学界にも一般社会にもますます順調に普及が進んでいきました。
嬉しい限りです。
2015年、東京、京都にて開催し、ご好評いただいた医療従事者向けセミナーを
2016年2月28日(日)、京都にて開催致します。
日本糖質制限医療推進協会主催 医療従事者向けセミナー(京都)
「糖質制限食による糖尿病指導~理論と実践~」
受付:12:20~
講演と質疑応答:12:40~16:30
場所: 京都テルサ 東館3F D会議室
第1部 理論編
糖尿病治療に関して、最新糖質制限食理論と共にエビデンスのお話を簡単に説明します。
2015年に得られた最新の糖質制限食情報もお話しします。
第1部は講義と質疑応答含めて40分間です。
第2部 栄養指導編
高雄病院の栄養指導の実際を、橋本眞由美管理栄養士がお話します。
第2部は講義と質疑応答を含めて50分間です。
第3部 臨床実践編
糖尿病合併症の現状や久山町の悲劇など、そして薬剤の使い方のコツをお話します。
また、「すぐに良くなった症例」「治療に難渋した症例」「1型のインスリン分泌ゼロの症例」などを、実際に入院された患者さんのデータを見ながら検討します。
第3部は110分間ありますので、参加者の皆さんと共にディスカッション形式の症例検討を導入したいと思っています。
ご参加頂いた皆さんには、前回と同様に講演PPTスライドの、CD(PDFファイル)をお配りします。
関西、中国、九州、北陸の医療従事者の皆さん、奮ってご参加くださいね。
江部康二
*****
以下、事務局からのご案内です。
ブログ読者の皆様、講演会へいつも多数ご参加いただきましてありがとうございます。
2016年2月28日(日)、京都にて医療従事者対象のセミナーを開催致します。
今回は、糖質制限食指導に必要な理論をさらいつつ、糖尿病治療におけるより実践的な内容にウェイトをおき、難渋症例についての討議も予定しております。
医療従事者の皆様の多数のご参加を心よりお待ちしております。
*2016年3月13日(日)に東京でも医療従事者向けセミナーを開催致します。
(詳細のご案内やお申し込みの受付は、1月中旬からを予定しております。)
//////////////ご案内/////////////////
一般社団法人日本糖質制限医療推進協会主催
医療従事者向け糖質制限食セミナー in 京都
「糖質制限食による糖尿病指導~理論と実践~」
■日時:2月28日(日)12:40~16:30頃 ※開場・受付は12:20~
■会場: 京都テルサ 東館3F D会議室
京都市南区東九条下殿田町70番地
(新町通九条下ル 京都府民総合交流プラザ内)
http://www.kyoto-terrsa.or.jp/access.html
☆アクセス
・地下鉄九条駅4番出口より西へ徒歩約5分
・JR京都駅(八条口西口)より南へ徒歩約15分
■講師:
A:江部 康二 医師
(一財)高雄病院 理事長/(一社)日本糖質制限医療推進協会 理事長
B:橋本 眞由美 管理栄養士 (一財)高雄病院 栄養管理部 部長
■内容:
第1部:理論編(40分) ※講師A
糖質制限食指導に必要な生理学的基礎理論を説明。
三大栄養素と血糖、ケトン体の安全性、米国糖尿病学会の見解、CKDガイド2013の記載などについて言及。糖質制限食の有効性と安全性について、EBMの観点からRCT研究論文、長期のコホート研究により根拠を示します。
第2部:栄養指導編(50分) ※講師B
高雄病院では、3食とも主食なしのスーパー糖質制限食を実施しており、その具体的な食事内容を紹介致します。また、外来時と入院時における管理栄養士の栄養指導の方法及びポイント、実際の指導事例なども含めて糖質制限食を継続していただくための栄養士の関わり方をお話する予定です。
第3部:臨床実践編(110分) ※講師A
糖尿病合併症の現状、久山町の悲劇について説明。
高雄病院の豊富な臨床例を取り上げて検討。
治療に難渋した症例を提示して参加者と共にディスカッション。
メトホルミン・DPP-4阻害薬・α-GI薬・速効型インスリン分泌促進剤は比較的使用頻度が高いのでコツを伝授。
SGLT阻害薬の上手な使い方、SU剤とチアゾリジン誘導体の位置づけを示します。
糖質制限食実践中に生じうる好ましくない症状・変化について検討します。
*各所要時間は、質疑応答、ディスカッションの時間を含みます。
■対象: 医療従事者(医師、歯科医師、薬剤師、看護師、栄養士、鍼灸師など)
■受講費:
・医師・歯科医師:
賛助会員 7,200円 / 一般(非会員) 9,000円
・上記以外の医療従事者:
賛助会員 6,000円 / 一般(非会員) 7,500円
*参加頂いた皆様には、映写・配布資料のデータ(PDF)CDをお配りします。
■お支払い方法: クレジットカード/銀行振込/郵便振替
※事前決済のみとなります。
※領収書をご希望の場合は、領収書宛名もお知らせ願います。
■お申し込みの流れ:
1. 下記「お申し込み方法」の該当するものからお申し込み下さい。
2. 事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3. 入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4. 当日、直接会場までお越し下さい。
■お申し込み方法:
★賛助会員の方
事務局までメールにて、医療機関でのご職種をご記入の上、お申し込み下さい。
★賛助会員入会をご希望の方:
1. 入会案内および会員規約をお読み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/#!membership/cdt9
2. お申し込みは下のフォームからお願いします。
「通信」欄に以下をご記入下さい。
① 「2/28京都セミナー、参加希望」 とご記入下さい。
② 医療機関でのご職種をご記入下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/contact
★一般(非会員)で、セミナーの受講のみご希望の方:
下のフォームからお申し込み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/seminar-med
■その他:
・予約制です。当日参加はできません。
・キャンセルは2月26日(金)までに事務局までご連絡願います。
それ以降のご返金は原則、対応致しかねますので予めご了承下さい。
◇掲載ページ:http://www.toushitsuseigen.or.jp/activity
2015年度も、糖質制限食、医学界にも一般社会にもますます順調に普及が進んでいきました。
嬉しい限りです。
2015年、東京、京都にて開催し、ご好評いただいた医療従事者向けセミナーを
2016年2月28日(日)、京都にて開催致します。
日本糖質制限医療推進協会主催 医療従事者向けセミナー(京都)
「糖質制限食による糖尿病指導~理論と実践~」
受付:12:20~
講演と質疑応答:12:40~16:30
場所: 京都テルサ 東館3F D会議室
第1部 理論編
糖尿病治療に関して、最新糖質制限食理論と共にエビデンスのお話を簡単に説明します。
2015年に得られた最新の糖質制限食情報もお話しします。
第1部は講義と質疑応答含めて40分間です。
第2部 栄養指導編
高雄病院の栄養指導の実際を、橋本眞由美管理栄養士がお話します。
第2部は講義と質疑応答を含めて50分間です。
第3部 臨床実践編
糖尿病合併症の現状や久山町の悲劇など、そして薬剤の使い方のコツをお話します。
また、「すぐに良くなった症例」「治療に難渋した症例」「1型のインスリン分泌ゼロの症例」などを、実際に入院された患者さんのデータを見ながら検討します。
第3部は110分間ありますので、参加者の皆さんと共にディスカッション形式の症例検討を導入したいと思っています。
ご参加頂いた皆さんには、前回と同様に講演PPTスライドの、CD(PDFファイル)をお配りします。
関西、中国、九州、北陸の医療従事者の皆さん、奮ってご参加くださいね。
江部康二
*****
以下、事務局からのご案内です。
ブログ読者の皆様、講演会へいつも多数ご参加いただきましてありがとうございます。
2016年2月28日(日)、京都にて医療従事者対象のセミナーを開催致します。
今回は、糖質制限食指導に必要な理論をさらいつつ、糖尿病治療におけるより実践的な内容にウェイトをおき、難渋症例についての討議も予定しております。
医療従事者の皆様の多数のご参加を心よりお待ちしております。
*2016年3月13日(日)に東京でも医療従事者向けセミナーを開催致します。
(詳細のご案内やお申し込みの受付は、1月中旬からを予定しております。)
//////////////ご案内/////////////////
一般社団法人日本糖質制限医療推進協会主催
医療従事者向け糖質制限食セミナー in 京都
「糖質制限食による糖尿病指導~理論と実践~」
■日時:2月28日(日)12:40~16:30頃 ※開場・受付は12:20~
■会場: 京都テルサ 東館3F D会議室
京都市南区東九条下殿田町70番地
(新町通九条下ル 京都府民総合交流プラザ内)
http://www.kyoto-terrsa.or.jp/access.html
☆アクセス
・地下鉄九条駅4番出口より西へ徒歩約5分
・JR京都駅(八条口西口)より南へ徒歩約15分
■講師:
A:江部 康二 医師
(一財)高雄病院 理事長/(一社)日本糖質制限医療推進協会 理事長
B:橋本 眞由美 管理栄養士 (一財)高雄病院 栄養管理部 部長
■内容:
第1部:理論編(40分) ※講師A
糖質制限食指導に必要な生理学的基礎理論を説明。
三大栄養素と血糖、ケトン体の安全性、米国糖尿病学会の見解、CKDガイド2013の記載などについて言及。糖質制限食の有効性と安全性について、EBMの観点からRCT研究論文、長期のコホート研究により根拠を示します。
第2部:栄養指導編(50分) ※講師B
高雄病院では、3食とも主食なしのスーパー糖質制限食を実施しており、その具体的な食事内容を紹介致します。また、外来時と入院時における管理栄養士の栄養指導の方法及びポイント、実際の指導事例なども含めて糖質制限食を継続していただくための栄養士の関わり方をお話する予定です。
第3部:臨床実践編(110分) ※講師A
糖尿病合併症の現状、久山町の悲劇について説明。
高雄病院の豊富な臨床例を取り上げて検討。
治療に難渋した症例を提示して参加者と共にディスカッション。
メトホルミン・DPP-4阻害薬・α-GI薬・速効型インスリン分泌促進剤は比較的使用頻度が高いのでコツを伝授。
SGLT阻害薬の上手な使い方、SU剤とチアゾリジン誘導体の位置づけを示します。
糖質制限食実践中に生じうる好ましくない症状・変化について検討します。
*各所要時間は、質疑応答、ディスカッションの時間を含みます。
■対象: 医療従事者(医師、歯科医師、薬剤師、看護師、栄養士、鍼灸師など)
■受講費:
・医師・歯科医師:
賛助会員 7,200円 / 一般(非会員) 9,000円
・上記以外の医療従事者:
賛助会員 6,000円 / 一般(非会員) 7,500円
*参加頂いた皆様には、映写・配布資料のデータ(PDF)CDをお配りします。
■お支払い方法: クレジットカード/銀行振込/郵便振替
※事前決済のみとなります。
※領収書をご希望の場合は、領収書宛名もお知らせ願います。
■お申し込みの流れ:
1. 下記「お申し込み方法」の該当するものからお申し込み下さい。
2. 事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3. 入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4. 当日、直接会場までお越し下さい。
■お申し込み方法:
★賛助会員の方
事務局までメールにて、医療機関でのご職種をご記入の上、お申し込み下さい。
★賛助会員入会をご希望の方:
1. 入会案内および会員規約をお読み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/#!membership/cdt9
2. お申し込みは下のフォームからお願いします。
「通信」欄に以下をご記入下さい。
① 「2/28京都セミナー、参加希望」 とご記入下さい。
② 医療機関でのご職種をご記入下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/contact
★一般(非会員)で、セミナーの受講のみご希望の方:
下のフォームからお申し込み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/seminar-med
■その他:
・予約制です。当日参加はできません。
・キャンセルは2月26日(金)までに事務局までご連絡願います。
それ以降のご返金は原則、対応致しかねますので予めご了承下さい。
◇掲載ページ:http://www.toushitsuseigen.or.jp/activity
2016年01月10日 (日)
2016年01月09日(土)放送
1/9(土)夜8時00分~8時44分
NHK Eテレの「チョイス @病気になったとき」
糖尿病予備群と言われたら
■ 糖尿病予備群とは?
■ チョイス① 糖質制限
■ チョイス② 食習慣の見直し
■ チョイス③ 血糖値の自己計測
スタジオでお答えいただいた専門家
前川 智新潟労災病院 ダイエット科
消化器内科部長
前川 智(まえかわ・さとし)
こんにちは。
1/9(土)夜8時00分~8時44分、
NHK Eテレの「チョイス @病気になったとき」
で上記放送がありました。
私のメル友である新潟労災病院の前川智先生がご出演です。
前川先生、お疲れ様でした。
名古屋・hさんともうお一人からやや辛口のコメントをいただきました。
クワトロさんからはニュートラル~好意的なコメントをいただきました。
■ チョイス① 糖質制限
確かに糖尿病と既に診断された人の治療食としては、辛口のコメントのように「緩やかな糖質制限食」では<食後高血糖>が生じて、
合併症のリスクも防げない可能性が高いので、やはり「スーパー糖質制限食」が最も効果的です。
一方、今回の放送のテーマである「糖尿病予備群」からの脱却なら「緩やかな糖質制限食」でも実現できる可能性がとても高いのです。
そして、「糖質制限」という文言が、ポジティブ明確に記載されて明言されたのは、NHKではこれまでなかったことで、それだけでも大変良かったと思います。
前川先生のお考えは、
『緩やかでもいいので糖質制限を継続することで肥満脱却や糖尿病発症予防が可能である』
というスタンスであり、まずは糖質制限入門で糖尿病予備軍脱却を目指すという意味で納得できます。
野放しに大量の糖質を摂取し続けて、1~数年後にとうとう糖尿病発症というパターンがなくなるだけでもいいですし、予備軍(食後高血糖)の段階でも合併症リスクがあるのですが、そちらも防げるので、一石二鳥でもあります。
前川先生が、「糖質依存症」「アルコール依存症」「ニコチン依存症」に言及されたのも、糖質頻回・過剰摂取への注意喚起という意味でとても良かったと思います。
■ チョイス② 食習慣の見直し
こちらは、
『糖質だけが直接血糖に影響を与えて、たんぱく質・脂質は与えない』
という本質をはずしてますので、あまり役に立たないと思います。
まあ、糖尿病予備群の段階なら、野菜を先に摂取してとかでも、少しはましかもしれませんね。
■ チョイス③ 血糖値の自己計測
血糖自己測定器(SMBG)は、おおいに役立つと思います。
糖尿病予備群や糖尿人が、SMBGを購入して自分で食後血糖値を測定すれば、日本糖尿病学会が推奨する「カロリー制限食」を摂取すると、必ず食後高血糖を生じることが一目瞭然です。
これでは糖尿病合併症は防げません。
「スーパー糖質制限食」なら、食後高血糖は生じませんので合併症も予防できます。
即ち、糖尿人がご飯1杯(150g)食べたら血糖値は160~170mg上昇するので、軽く食後1~2時間血糖値は200mg/dlを超えてきます。
一方、ビーフステーキを200g食べても、血糖値は3mg/dlも上昇しないので、食後1~2時間血糖値は140mg/dlを超えることはほとんどありません。
このように、SMBGで食後血糖値を測定すれば「従来のカロリー制限食」と「スーパー糖質制限食」のどちらが効果的かは、リアルタイムに判明します。
血糖自己測定器(SMBG)で現在一番安価なのは、ニプロトゥルーピコ(TRUEpico) です。
ニプロTRUEpico 自己検査用グルコース測定器(本体) ¥3500ー
ニプロTRUEセンサー 自己検査用グルコースキット 1箱30枚で、¥2940ー
ニプロランセット(針) は、1箱30本で、¥520-
合計で¥6960-です。
今までの、血糖自己測定器は、本体が¥9000-とかなので、激安です。
小型で軽量で使いやすいです。
血糖自己測定器(SMBG)、是非購入していただけば良いなと思います。
江部康二
【16/01/09 名古屋・h
NHK、Eテレ糖質制限
江部先生
こんばんわ。Eテレ糖質制限の放映視ました。
当方の感想の要約は「隔靴掻痒」と言ったところです。
糖質を減らすことの大切さは述べられているのですが、血糖値を上げるのは糖質だけであるという原則をもっと明確に伝えるべきであったと思います。
なんとなく、食べ過ぎがいけないと解釈した人も多いのではないでしうか。
お酒にしても糖質を含む酒が問題であるということは伝わらなかった。
飲酒自体がいけないと解釈した人も多いと思います。
前川先生、太りすぎが問題でこれを防げば多くの糖尿病は防げると述べられたが、日本人ではやせた人、普通の体型の人でも糖尿病や予備軍が多いのではないでしょうか。
江部先生は全国で講演活動を続けておられます。
Eテレなどで、糖質制限の本質を明確に伝える放映をやって頂きたいものです。
名古屋・h 】
【16/01/10 見ましたけど内容が薄すぎる
チョイスを見ましたけど、あれは糖質制限の番組ではなかったですね。
糖質制限の話題は少しだけで、新潟の例ではまた野菜を先に食べるほうがいいとか言って、新潟の件でかなり時間を割いてましたしね。
江部先生のスーパー糖質制限は邪道であると思わせる番組構成で、実際に朝から食パン、昼はパスタで、夜制限のプチ糖質制限を糖質制限と紹介したりして、NHKはクローズアップ現代のトンデモ糖質制限の時もそうですが、本当にダメですね。
チョイスの通りにすると、糖尿病の人は合併症まっしぐらですね。】
【16/01/10 クワトロ
Eテレチョイス
私も見ていました。
なるほど・・NHKにしては良く踏ん切りましたね。
全国放送としては上出来でしょう。
ただ、セイゲニストが求めてる内容ではないですが、通常の方の入口としては及第点をどうにか付けれるのではないかと思います。
それにしても、先行して良いと思われる情報を伝えていこうという姿勢は理解できました。
あのNHKがです。
パラダイムシフトが起きるとおっしゃってる通り、
今年は爆発的に糖質制限の年になりそうですね。】
1/9(土)夜8時00分~8時44分
NHK Eテレの「チョイス @病気になったとき」
糖尿病予備群と言われたら
■ 糖尿病予備群とは?
■ チョイス① 糖質制限
■ チョイス② 食習慣の見直し
■ チョイス③ 血糖値の自己計測
スタジオでお答えいただいた専門家
前川 智新潟労災病院 ダイエット科
消化器内科部長
前川 智(まえかわ・さとし)
こんにちは。
1/9(土)夜8時00分~8時44分、
NHK Eテレの「チョイス @病気になったとき」
で上記放送がありました。
私のメル友である新潟労災病院の前川智先生がご出演です。
前川先生、お疲れ様でした。
名古屋・hさんともうお一人からやや辛口のコメントをいただきました。
クワトロさんからはニュートラル~好意的なコメントをいただきました。
■ チョイス① 糖質制限
確かに糖尿病と既に診断された人の治療食としては、辛口のコメントのように「緩やかな糖質制限食」では<食後高血糖>が生じて、
合併症のリスクも防げない可能性が高いので、やはり「スーパー糖質制限食」が最も効果的です。
一方、今回の放送のテーマである「糖尿病予備群」からの脱却なら「緩やかな糖質制限食」でも実現できる可能性がとても高いのです。
そして、「糖質制限」という文言が、ポジティブ明確に記載されて明言されたのは、NHKではこれまでなかったことで、それだけでも大変良かったと思います。
前川先生のお考えは、
『緩やかでもいいので糖質制限を継続することで肥満脱却や糖尿病発症予防が可能である』
というスタンスであり、まずは糖質制限入門で糖尿病予備軍脱却を目指すという意味で納得できます。
野放しに大量の糖質を摂取し続けて、1~数年後にとうとう糖尿病発症というパターンがなくなるだけでもいいですし、予備軍(食後高血糖)の段階でも合併症リスクがあるのですが、そちらも防げるので、一石二鳥でもあります。
前川先生が、「糖質依存症」「アルコール依存症」「ニコチン依存症」に言及されたのも、糖質頻回・過剰摂取への注意喚起という意味でとても良かったと思います。
■ チョイス② 食習慣の見直し
こちらは、
『糖質だけが直接血糖に影響を与えて、たんぱく質・脂質は与えない』
という本質をはずしてますので、あまり役に立たないと思います。
まあ、糖尿病予備群の段階なら、野菜を先に摂取してとかでも、少しはましかもしれませんね。
■ チョイス③ 血糖値の自己計測
血糖自己測定器(SMBG)は、おおいに役立つと思います。
糖尿病予備群や糖尿人が、SMBGを購入して自分で食後血糖値を測定すれば、日本糖尿病学会が推奨する「カロリー制限食」を摂取すると、必ず食後高血糖を生じることが一目瞭然です。
これでは糖尿病合併症は防げません。
「スーパー糖質制限食」なら、食後高血糖は生じませんので合併症も予防できます。
即ち、糖尿人がご飯1杯(150g)食べたら血糖値は160~170mg上昇するので、軽く食後1~2時間血糖値は200mg/dlを超えてきます。
一方、ビーフステーキを200g食べても、血糖値は3mg/dlも上昇しないので、食後1~2時間血糖値は140mg/dlを超えることはほとんどありません。
このように、SMBGで食後血糖値を測定すれば「従来のカロリー制限食」と「スーパー糖質制限食」のどちらが効果的かは、リアルタイムに判明します。
血糖自己測定器(SMBG)で現在一番安価なのは、ニプロトゥルーピコ(TRUEpico) です。
ニプロTRUEpico 自己検査用グルコース測定器(本体) ¥3500ー
ニプロTRUEセンサー 自己検査用グルコースキット 1箱30枚で、¥2940ー
ニプロランセット(針) は、1箱30本で、¥520-
合計で¥6960-です。
今までの、血糖自己測定器は、本体が¥9000-とかなので、激安です。
小型で軽量で使いやすいです。
血糖自己測定器(SMBG)、是非購入していただけば良いなと思います。
江部康二
【16/01/09 名古屋・h
NHK、Eテレ糖質制限
江部先生
こんばんわ。Eテレ糖質制限の放映視ました。
当方の感想の要約は「隔靴掻痒」と言ったところです。
糖質を減らすことの大切さは述べられているのですが、血糖値を上げるのは糖質だけであるという原則をもっと明確に伝えるべきであったと思います。
なんとなく、食べ過ぎがいけないと解釈した人も多いのではないでしうか。
お酒にしても糖質を含む酒が問題であるということは伝わらなかった。
飲酒自体がいけないと解釈した人も多いと思います。
前川先生、太りすぎが問題でこれを防げば多くの糖尿病は防げると述べられたが、日本人ではやせた人、普通の体型の人でも糖尿病や予備軍が多いのではないでしょうか。
江部先生は全国で講演活動を続けておられます。
Eテレなどで、糖質制限の本質を明確に伝える放映をやって頂きたいものです。
名古屋・h 】
【16/01/10 見ましたけど内容が薄すぎる
チョイスを見ましたけど、あれは糖質制限の番組ではなかったですね。
糖質制限の話題は少しだけで、新潟の例ではまた野菜を先に食べるほうがいいとか言って、新潟の件でかなり時間を割いてましたしね。
江部先生のスーパー糖質制限は邪道であると思わせる番組構成で、実際に朝から食パン、昼はパスタで、夜制限のプチ糖質制限を糖質制限と紹介したりして、NHKはクローズアップ現代のトンデモ糖質制限の時もそうですが、本当にダメですね。
チョイスの通りにすると、糖尿病の人は合併症まっしぐらですね。】
【16/01/10 クワトロ
Eテレチョイス
私も見ていました。
なるほど・・NHKにしては良く踏ん切りましたね。
全国放送としては上出来でしょう。
ただ、セイゲニストが求めてる内容ではないですが、通常の方の入口としては及第点をどうにか付けれるのではないかと思います。
それにしても、先行して良いと思われる情報を伝えていこうという姿勢は理解できました。
あのNHKがです。
パラダイムシフトが起きるとおっしゃってる通り、
今年は爆発的に糖質制限の年になりそうですね。】
2016年01月09日 (土)
こんにちは。
洋泉社から
「糖質制限の教科書」
(洋泉社MOOK) ムック ¥1080
が2015年6月に発売されました。
私が「監修」した本です。
おかげさまで売れ行き好調で、この度3刷が決定致しました。
累計は22000部となります。
教科書と題したムックですので、とてもわかりやすい構成となっています。
図や写真も豊富で、読みやすい内容です。
日頃、本が苦手の人でも、すっと一気に読めると思います。
これから糖質制限食を始める人には
おおいにお役に立てると思いますので、
是非ご一読いただけば幸いです。
江部康二
☆☆☆
以下は、洋泉社の内容紹介です。
基本から実践、理論までこの1冊でわかる正しいやり方で、無理なくやせる、健康になる!
・満腹OK! 血糖値を上げない!ひと目で分かる食材の選び方
・献立のつくり方
・知って納得!糖質制限でやせる仕組み
・続けるほど健康になる!症状別
・糖質制限の効果・疑問や不安を一気に解消する糖質制限Q&A
【監修】江部康二(えべ・こうじ)医師。
一般財団法人高雄病院理事長。
一般社団法人日本糖質制限医療推進協会理事長。
1950年京都府生まれ。
1974年京都大学医学部卒業。
京都大学胸部疾患研究所第一内科(現京大呼吸器内科)を経て、
1978年より高雄病院に医局長として勤務。
1999年、高雄病院に糖質制限食導入。
2000年理事長就任。
2001年から糖質制限食にとり組む。
2002年に自身の糖尿病に気づき、自ら糖質制限食を実践、肥満と糖尿病を克服。
豊富な症例をもとに糖質制限食の研究を続けている。
主な著・監修書に『食品別糖質量ハンドブック』
『江部先生、「糖質制限は危ない」って本当ですか?』(ともに洋泉社)、
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!新版』
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!2実践編 新版』(ともに東洋経済新報社)など多数
ブログ「ドクター江部の糖尿病徒然日記」
2016年01月08日 (金)
こんばんは。
嬉しいお知らせです。
新潟労災病院消化器内科部長、前川智先生がテレビ出演されます。
NHK Eテレの「チョイス @病気になったとき」という番組です。
テーマが「糖尿病 ~境界型から抜け出そう~」で、糖質制限の重要性を強調されたそうです。
前川先生は、
『糖質制限食が境界型糖尿病において、血糖コントロール及び2型糖尿病への進行を予防するのに有効である。』
という内容の英文論文を書いておられます。(☆☆☆)
放送予定日が2016年1月9日(土)夜8時00分~8時44分(NHK Eテレ)です。
全国の糖質セイゲニストの皆さん、是非視聴していただけば幸いです。
私も勿論、視聴します。
江部康二
以下は、2014年07月01日 (火)の本ブログ記事です。
◇◇◇
糖質制限食に関する英文論文、PubMed掲載。新潟労災、前川智先生。
2014年07月01日 (火)
こんばんは。
新潟労災病院消化器内科部長前川智先生が書かれた
「耐糖能異常に対する低炭水化物食の効果に関する後ろ向き研究」
と題した英文論文がPubMedに掲載されました。
Diabetes, Metabolic syndrome, Obesity, Target and Therapy
というニュージーランドの英文雑誌です。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4063858/ → ここで全文が閲覧可能です。
『糖質制限食が境界型糖尿病において、血糖コントロール及び2型糖尿病への進行を予防するのに有効である。』
という糖質セイゲニストにとって大変喜ばしい研究結果です。
『糖質制限症群の69.4%において、血糖値は12ヶ月で正常化し、経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)において2時間の血漿グルコースレベルは、33mg/dl減少した。』
糖質制限食実践により、境界型糖尿病の耐糖能が改善していて、素晴らしい成果です。
前川先生は、新潟労災病院において糖質制限食をダイエットなどに導入しておられ、今回の研究は、2007年4月から2012年3月までの期間で行われました。
日本の研究者による糖質制限食の英文論文が、どんどん発表されていくといいですね。
前川智先生、貴重な研究報告をありがとうございます。
江部康二
☆☆☆
Diabetes Metab Syndr Obes. 2014; 7: 195–201.
Retrospective study on the efficacy of a low-carbohydrate diet for impaired glucose tolerance
Satoshi Maekawa,1 Tetsuya Kawahara,2 Ryosuke Nomura,1 Takayuki Murase,1 Yasuyoshi Ann,1 Masayuki Oeholm,1 and Masaru Harada3
「耐糖能異常に対する低炭水化物食の効果に関する後ろ向き研究」
要約
背景
近年では、耐糖能障害(IGT)を有する人の数は世界中で着実に増加している。糖尿病の予防は、公衆衛生、医療、経済学の観点から重要であることは明らかである。近年、低炭水化物食(LCD)は、体重減少及び血糖コントロールに有用であることが報告されたが、LCDのIGTへの効果についての情報は存在しない。私たちは、IGTに対するLCDに焦点を当てた7日間の院内教育プログラムを計画した。
方法
被験者は2007年4月から2012年3月までに登録され、12カ月間追跡したIGTの72人の患者(LCD群が36、対照群が36)であった。我々は、LCD群と対照群を後ろ向き調査により比較した。
結果
LCD群の69.4%において、血糖値は12ヶ月で正常化し、経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)において2時間の血漿グルコースレベルは、33mg/dl減少した。また、糖尿病の発生率は、12ヶ月目に対照群よりLCD群において有意に低かった(0%対13.9%、P = 0.02)。LCD群は12ヶ月後に、HbA1c、空腹時血糖値、HOMA-R、体重、血清トリグリセリド(TG)の有意な減少を示した。一方HDLコレステロール値は有意な増加を示した。
結論
LCDは、IGTを有する患者において、血糖値を正常化し、2型糖尿病への進行を予防するのに有効である。
嬉しいお知らせです。
新潟労災病院消化器内科部長、前川智先生がテレビ出演されます。
NHK Eテレの「チョイス @病気になったとき」という番組です。
テーマが「糖尿病 ~境界型から抜け出そう~」で、糖質制限の重要性を強調されたそうです。
前川先生は、
『糖質制限食が境界型糖尿病において、血糖コントロール及び2型糖尿病への進行を予防するのに有効である。』
という内容の英文論文を書いておられます。(☆☆☆)
放送予定日が2016年1月9日(土)夜8時00分~8時44分(NHK Eテレ)です。
全国の糖質セイゲニストの皆さん、是非視聴していただけば幸いです。
私も勿論、視聴します。
江部康二
以下は、2014年07月01日 (火)の本ブログ記事です。
◇◇◇
糖質制限食に関する英文論文、PubMed掲載。新潟労災、前川智先生。
2014年07月01日 (火)
こんばんは。
新潟労災病院消化器内科部長前川智先生が書かれた
「耐糖能異常に対する低炭水化物食の効果に関する後ろ向き研究」
と題した英文論文がPubMedに掲載されました。
Diabetes, Metabolic syndrome, Obesity, Target and Therapy
というニュージーランドの英文雑誌です。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4063858/ → ここで全文が閲覧可能です。
『糖質制限食が境界型糖尿病において、血糖コントロール及び2型糖尿病への進行を予防するのに有効である。』
という糖質セイゲニストにとって大変喜ばしい研究結果です。
『糖質制限症群の69.4%において、血糖値は12ヶ月で正常化し、経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)において2時間の血漿グルコースレベルは、33mg/dl減少した。』
糖質制限食実践により、境界型糖尿病の耐糖能が改善していて、素晴らしい成果です。
前川先生は、新潟労災病院において糖質制限食をダイエットなどに導入しておられ、今回の研究は、2007年4月から2012年3月までの期間で行われました。
日本の研究者による糖質制限食の英文論文が、どんどん発表されていくといいですね。
前川智先生、貴重な研究報告をありがとうございます。
江部康二
☆☆☆
Diabetes Metab Syndr Obes. 2014; 7: 195–201.
Retrospective study on the efficacy of a low-carbohydrate diet for impaired glucose tolerance
Satoshi Maekawa,1 Tetsuya Kawahara,2 Ryosuke Nomura,1 Takayuki Murase,1 Yasuyoshi Ann,1 Masayuki Oeholm,1 and Masaru Harada3
「耐糖能異常に対する低炭水化物食の効果に関する後ろ向き研究」
要約
背景
近年では、耐糖能障害(IGT)を有する人の数は世界中で着実に増加している。糖尿病の予防は、公衆衛生、医療、経済学の観点から重要であることは明らかである。近年、低炭水化物食(LCD)は、体重減少及び血糖コントロールに有用であることが報告されたが、LCDのIGTへの効果についての情報は存在しない。私たちは、IGTに対するLCDに焦点を当てた7日間の院内教育プログラムを計画した。
方法
被験者は2007年4月から2012年3月までに登録され、12カ月間追跡したIGTの72人の患者(LCD群が36、対照群が36)であった。我々は、LCD群と対照群を後ろ向き調査により比較した。
結果
LCD群の69.4%において、血糖値は12ヶ月で正常化し、経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)において2時間の血漿グルコースレベルは、33mg/dl減少した。また、糖尿病の発生率は、12ヶ月目に対照群よりLCD群において有意に低かった(0%対13.9%、P = 0.02)。LCD群は12ヶ月後に、HbA1c、空腹時血糖値、HOMA-R、体重、血清トリグリセリド(TG)の有意な減少を示した。一方HDLコレステロール値は有意な増加を示した。
結論
LCDは、IGTを有する患者において、血糖値を正常化し、2型糖尿病への進行を予防するのに有効である。
2016年01月07日 (木)
こんにちは。
ITmediaというサイトのヘルスケア
http://healthcare.itmedia.co.jp/hc/articles/1601/04/news006.html
という項目の1月3日号に、
どんだけあるの!「○○ダイエット」の歴史をGoogleトレンドで振り返る (1/3)
過去に流行ったダイエットを、Googleトレンドでそのピークの時期と理由を網羅してみました。「そういえばそんなダイエットあったな……」と懐かしく思うものもあるかもしれません。
[石原亜香利,ITmedia]
という記事が掲載されました。
精神科医師Aさんから、コメントをいただきました。
ありがとうございました。
近年話題となった27種類のダイエットを「Googleトレンド」で追跡した企画です。
「○○ダイエット」というキーワードで検索して各ダイエットの流行すたれを見たものです。
27種類のダイエット法が、キーワードで検索されていますが、ほとんどにおいて、一時的な流行で終わっています。
「糖質制限」「体幹」ダイエットだけが、確実に長期にわたり検索されています。
「朝食抜き」ダイエットは2015年はブレークですが、今後続くかどうかはわかりません。
まあ私は、1984年(34歳)から、ずっと朝食抜きの一日二食なのですが・・・。
糖質制限食に関しては、新たな一つの食分野とマーケットを創成したという意味では、凄いことだなと思います。
つまり一時のブームではなく、医学的にも社会的にも定着した感があります。
理論的にも科学的にもこれほど体系づけられた食事療法は、未だかつてなかったと思います。
医学的にもエビデンスレベルが最も高いRCT研究論文で糖質制限食にポジティブなものが、私の調べた限りで8つあります。
これに対して、糖質制限食にネガティブなRCT研究論文は1つだけであり、しかもスポンサーが英国砂糖局といういわくつきの歪曲論文です。
さらにカロリー制限食に対してネガティブなRCT研究論文が1つあります。
糖質制限食、まさに、人類本来の食事、人類の健康食ですね。
なお医学的論文では、地中海式ダイエットにもポジティブな一定のエビデンスがあるのですが、日本の流行のダイエットという枠組みでは、登場しなかったようです。
江部康二
☆☆☆
以下、ITmediaのサイトから、一部引用です。
01. プチ断食
02. 低インシュリンダイエット
03. アブトロニック
04. ビリーズブートキャンプ
05. 骨盤矯正ダイエット
06. 朝バナナダイエット
07. スロートレーニング
08. レコーディングダイエット
09. 計るだけダイエット
10. フラフープダイエット
11. 夜トマトダイエット
12. ザ・トレーシー・メソッド
13. 巻くだけダイエット
14. モムチャンダイエット
15. カーヴィーダンス
16. タニタ食堂レシピ
17. ロングブレスダイエット
18. 塩麹ダイエット
19. 骨盤枕ダイエット
20. 糖質制限ダイエット
2011年頃から現在に至るまで人気を集め続けているこの方法は、高雄病院の理事長である江部康二医師が提唱した、糖尿病治療法。
糖尿病患者だけでなく、肥満やメタボリックシンドロームの人にも良い食事療法として話題になり、現在も検索数の多いダイエット法です。
糖質の多い米やパンなどの主食を抜いておかずを中心に食べることで、食後血糖値を上昇させないのが狙いです。
21. 食べる順番ダイエット
22. TRFダンササイズ
23. グリーンスムージー
24. サバ缶ダイエット
25. 朝食抜きダイエット
26. 夜ヨーグルトダイエット
27. 体幹ダイエット
2012年からじわじわきつつ、今年2015年も非常な人気を誇る「体幹ダイエット」は、アスリートなどが、
主に胴体の体幹トレーニングを重視していることが話題になったきっかけといわれています。
まとめ
いかがでしたか? 懐かしのダイエット法から、長きに渡ってブームが続く方法まで、ダイエット法は実に豊富!
長く検索され続けるものは、「朝食抜き」や「糖質制限」「体幹」など、日常的に誰もが簡単に実践できる要素のあるダイエット法のようでした。
今年2016年は、どんな新しいダイエット法がブームになるのでしょう? できれば次々にはやりものに飛び付くのではなく、
長く続けられて習慣化できるダイエットを始めたいものですね。
ITmediaというサイトのヘルスケア
http://healthcare.itmedia.co.jp/hc/articles/1601/04/news006.html
という項目の1月3日号に、
どんだけあるの!「○○ダイエット」の歴史をGoogleトレンドで振り返る (1/3)
過去に流行ったダイエットを、Googleトレンドでそのピークの時期と理由を網羅してみました。「そういえばそんなダイエットあったな……」と懐かしく思うものもあるかもしれません。
[石原亜香利,ITmedia]
という記事が掲載されました。
精神科医師Aさんから、コメントをいただきました。
ありがとうございました。
近年話題となった27種類のダイエットを「Googleトレンド」で追跡した企画です。
「○○ダイエット」というキーワードで検索して各ダイエットの流行すたれを見たものです。
27種類のダイエット法が、キーワードで検索されていますが、ほとんどにおいて、一時的な流行で終わっています。
「糖質制限」「体幹」ダイエットだけが、確実に長期にわたり検索されています。
「朝食抜き」ダイエットは2015年はブレークですが、今後続くかどうかはわかりません。
まあ私は、1984年(34歳)から、ずっと朝食抜きの一日二食なのですが・・・。
糖質制限食に関しては、新たな一つの食分野とマーケットを創成したという意味では、凄いことだなと思います。
つまり一時のブームではなく、医学的にも社会的にも定着した感があります。
理論的にも科学的にもこれほど体系づけられた食事療法は、未だかつてなかったと思います。
医学的にもエビデンスレベルが最も高いRCT研究論文で糖質制限食にポジティブなものが、私の調べた限りで8つあります。
これに対して、糖質制限食にネガティブなRCT研究論文は1つだけであり、しかもスポンサーが英国砂糖局といういわくつきの歪曲論文です。
さらにカロリー制限食に対してネガティブなRCT研究論文が1つあります。
糖質制限食、まさに、人類本来の食事、人類の健康食ですね。
なお医学的論文では、地中海式ダイエットにもポジティブな一定のエビデンスがあるのですが、日本の流行のダイエットという枠組みでは、登場しなかったようです。
江部康二
☆☆☆
以下、ITmediaのサイトから、一部引用です。
01. プチ断食
02. 低インシュリンダイエット
03. アブトロニック
04. ビリーズブートキャンプ
05. 骨盤矯正ダイエット
06. 朝バナナダイエット
07. スロートレーニング
08. レコーディングダイエット
09. 計るだけダイエット
10. フラフープダイエット
11. 夜トマトダイエット
12. ザ・トレーシー・メソッド
13. 巻くだけダイエット
14. モムチャンダイエット
15. カーヴィーダンス
16. タニタ食堂レシピ
17. ロングブレスダイエット
18. 塩麹ダイエット
19. 骨盤枕ダイエット
20. 糖質制限ダイエット
2011年頃から現在に至るまで人気を集め続けているこの方法は、高雄病院の理事長である江部康二医師が提唱した、糖尿病治療法。
糖尿病患者だけでなく、肥満やメタボリックシンドロームの人にも良い食事療法として話題になり、現在も検索数の多いダイエット法です。
糖質の多い米やパンなどの主食を抜いておかずを中心に食べることで、食後血糖値を上昇させないのが狙いです。
21. 食べる順番ダイエット
22. TRFダンササイズ
23. グリーンスムージー
24. サバ缶ダイエット
25. 朝食抜きダイエット
26. 夜ヨーグルトダイエット
27. 体幹ダイエット
2012年からじわじわきつつ、今年2015年も非常な人気を誇る「体幹ダイエット」は、アスリートなどが、
主に胴体の体幹トレーニングを重視していることが話題になったきっかけといわれています。
まとめ
いかがでしたか? 懐かしのダイエット法から、長きに渡ってブームが続く方法まで、ダイエット法は実に豊富!
長く検索され続けるものは、「朝食抜き」や「糖質制限」「体幹」など、日常的に誰もが簡単に実践できる要素のあるダイエット法のようでした。
今年2016年は、どんな新しいダイエット法がブームになるのでしょう? できれば次々にはやりものに飛び付くのではなく、
長く続けられて習慣化できるダイエットを始めたいものですね。
2016年01月06日 (水)
おはようございます。
今日は、糖質制限料理教室のお知らせです。
昨年の 12月12日(土)、
ローカーボクラブ代表 / 医療法人鴻生会 小室クリニック(埼玉県鴻巣市) /
(一社)日本糖質制限医療推進協会アドバイザー
の佐々木栄子管理栄養士による、糖質制限食おせち料理の講習会が開催され、募集と共に満席になり、講習も大好評でした(^_^)
アタサンテ糖質制限パン教室も毎回満席とのことなので、やはり糖質制限の料理教室は人気なのですね(^o^)
そこで、新年最初の糖質制限料理教室開催の案内が、Ⅰ型糖尿病+管理栄養士Cocoroの糖質制限Blogですっかりお馴染みになった京都高雄倶楽部の管理栄養士、Cocoroちゃんから来たのでご紹介します。
ドクター江部ブログの皆様、おはようございます。
京都高雄倶楽部管理栄養士のCocoroです。
来たる1月19日、誰でも簡単♪「糖質制限クッキング」を開催致します。
今回の料理講師は、もうすっかりお馴染みになりました、江部康二先生行きつけの糖質制限なスペイン料理屋さん、カフェ・ハルディンの宮本マスター。
お手軽カンタンな糖質制限レシピを沢山お持ちなので、糖質制限食で何を食べたら良いか分からないと仰る初心者の方から、もっとレパートリーを増やしたいと仰る上級者の方まで、とても参考になると思います。
あと、私Cocoroのプチ糖質制限講習会も行いますので、糖質制限食の勉強をされたい方も是非是非ご参加くださいませ。
それから、今回の会場は飲酒OK!(笑)なので、サーメンタムシリーズのロゼワインをご参加頂いた皆さんで試飲!
新年の乾杯を致しましょう\(^o^)/
もちろん、恒例のおみやげ付きです(笑)
詳細&お申込みはコチラからどうぞ
↓ ↓ ↓
主催:京都高雄倶楽部
協賛:ABS株式会社、福南食品工業株式会社
第1回 誰でも簡単♪「糖質制限クッキング」
~おうちのホームベーカリーでパンを作ろう~

料理講師: カフェ ハルディン 宮本マスター (写真右側)
<ご紹介> 糖質制限食とランニングを1年6か月実施し、約12kgの減量に成功。現在も継続中。
江部先生の御用達でもある「カフェ ハルディン」では一般的なスペイン料理と
パエリアやパスタ、ピザなど高糖質な食事を糖質制限食に変えてお店で提供中。
また、ABS株式会社とコラボレーションし、糖質制限の冷凍麺や冷凍炒飯などを開発、
糖質制限ドットコムにて販売をおこなっている。
≪ 内 容 ≫
◎クッキング (すべて糖質制限料理)
ホームベーカリーで超簡単!糖質制限パン
ピンチョス 数種類
チヂミ
ティラミス
▲ 糖質制限ロゼワインの試飲もできます!
◎お勉強会 (試食しながら)
管理栄養士Cocoroより糖質制限初心者でもわかる簡単な講習です。
★ここでしか手に入らない限定のお土産つき★
日 時 2016年1月19日 火曜日 11:00~14:00 (受付は10:50~)
講習料 4,000円 ※お支払いは事前銀行振込
(講習は、基本デモ型です。一部参加して頂けます)
場 所 Utari&Ipe 4階 (http://utaripe.com/)
京都市中京区西ノ京職司町67-15 4階
定 員 10名
持ち物 タオル・筆記用具・エプロン
お申込み 下記のお申込みフォームにてお申込みください。(1/12締切)
http://form1.fc2.com/form/?id=5f7cbad4da635ce2
※受付は先着順とさせて頂きます。
※メールにて振込先を連絡させて頂きます。
※ご入金の確認が取れた時点で参加決定とさせて頂きます。
※入金確認後の キャンセルは承っておりませんのでご了承下さい。
それでは、皆さまのご参加、スタッフ一同お待ちしております(^^)
今日は、糖質制限料理教室のお知らせです。
昨年の 12月12日(土)、
ローカーボクラブ代表 / 医療法人鴻生会 小室クリニック(埼玉県鴻巣市) /
(一社)日本糖質制限医療推進協会アドバイザー
の佐々木栄子管理栄養士による、糖質制限食おせち料理の講習会が開催され、募集と共に満席になり、講習も大好評でした(^_^)
アタサンテ糖質制限パン教室も毎回満席とのことなので、やはり糖質制限の料理教室は人気なのですね(^o^)
そこで、新年最初の糖質制限料理教室開催の案内が、Ⅰ型糖尿病+管理栄養士Cocoroの糖質制限Blogですっかりお馴染みになった京都高雄倶楽部の管理栄養士、Cocoroちゃんから来たのでご紹介します。
ドクター江部ブログの皆様、おはようございます。
京都高雄倶楽部管理栄養士のCocoroです。
来たる1月19日、誰でも簡単♪「糖質制限クッキング」を開催致します。
今回の料理講師は、もうすっかりお馴染みになりました、江部康二先生行きつけの糖質制限なスペイン料理屋さん、カフェ・ハルディンの宮本マスター。
お手軽カンタンな糖質制限レシピを沢山お持ちなので、糖質制限食で何を食べたら良いか分からないと仰る初心者の方から、もっとレパートリーを増やしたいと仰る上級者の方まで、とても参考になると思います。
あと、私Cocoroのプチ糖質制限講習会も行いますので、糖質制限食の勉強をされたい方も是非是非ご参加くださいませ。
それから、今回の会場は飲酒OK!(笑)なので、サーメンタムシリーズのロゼワインをご参加頂いた皆さんで試飲!
新年の乾杯を致しましょう\(^o^)/
もちろん、恒例のおみやげ付きです(笑)
詳細&お申込みはコチラからどうぞ
↓ ↓ ↓
主催:京都高雄倶楽部
協賛:ABS株式会社、福南食品工業株式会社
第1回 誰でも簡単♪「糖質制限クッキング」
~おうちのホームベーカリーでパンを作ろう~

料理講師: カフェ ハルディン 宮本マスター (写真右側)
<ご紹介> 糖質制限食とランニングを1年6か月実施し、約12kgの減量に成功。現在も継続中。
江部先生の御用達でもある「カフェ ハルディン」では一般的なスペイン料理と
パエリアやパスタ、ピザなど高糖質な食事を糖質制限食に変えてお店で提供中。
また、ABS株式会社とコラボレーションし、糖質制限の冷凍麺や冷凍炒飯などを開発、
糖質制限ドットコムにて販売をおこなっている。
≪ 内 容 ≫
◎クッキング (すべて糖質制限料理)
ホームベーカリーで超簡単!糖質制限パン
ピンチョス 数種類
チヂミ
ティラミス
▲ 糖質制限ロゼワインの試飲もできます!
◎お勉強会 (試食しながら)
管理栄養士Cocoroより糖質制限初心者でもわかる簡単な講習です。
★ここでしか手に入らない限定のお土産つき★
日 時 2016年1月19日 火曜日 11:00~14:00 (受付は10:50~)
講習料 4,000円 ※お支払いは事前銀行振込
(講習は、基本デモ型です。一部参加して頂けます)
場 所 Utari&Ipe 4階 (http://utaripe.com/)
京都市中京区西ノ京職司町67-15 4階
定 員 10名
持ち物 タオル・筆記用具・エプロン
お申込み 下記のお申込みフォームにてお申込みください。(1/12締切)
http://form1.fc2.com/form/?id=5f7cbad4da635ce2
※受付は先着順とさせて頂きます。
※メールにて振込先を連絡させて頂きます。
※ご入金の確認が取れた時点で参加決定とさせて頂きます。
※入金確認後の キャンセルは承っておりませんのでご了承下さい。
それでは、皆さまのご参加、スタッフ一同お待ちしております(^^)
糖質制限食・ダイエット食の通信販売|糖質制限ドットコム
糖質制限ドットコムは、糖質制限食の第一人者、高雄病院、江部康二先生監修による糖質オフな食材を販売、糖質制限食に取り組む皆様をサポートします。
2016年01月05日 (火)
こんにちは。
2016年1月30日(土) 15:00~17:00
NHK文化センター京都(075-254-8701)
にて
『美味しく楽しく健康 に!糖質制限食のすすめ』
~糖質制限食で治す糖尿病・メタボ・生活習慣病~
と題して、お話します。
わかりやすく楽しい講座にしたいと思いますので、京都、滋賀、大阪、近畿地方の糖尿人やメタボ人の方々、是非奮ってご参加くださいね。
江部康二
☆
以下、NHK文化センター京都のサイトから抜粋
「近年注目されている糖質制限について、ご自身も実践し、肥満と糖尿病を克服された江部康二先生による講演会です。
数多くの臨床活動を通して、糖尿病、肥満、メタボリックシンドロームなどに対する糖質制限食の画期的な治療効果が証明されています。 」
☆☆
以下は当日の<講演要旨>です。
「脂肪悪玉説」、「カロリー至 上主義」、「脳のエネルギー源 はブドウ糖だけ」といった従来 の常識は現在根底から覆っています。
例えば全米健康調査、1971年と2000年の統計で、脂肪摂取比率は低下しているのに、肥満は倍増しています。
すなわち脂肪悪玉説には根拠がな かったのです。
さらに信頼度の高い論文 で、カロリー制限ありの「脂肪制 限食」と「地中海食」、カロリー制限 なしの「糖質制限食」の3者の効果 を比較検討した結果、糖質制限 食が最も体重を減少させ、 HDLコレステロールを増加さ せたことが明らかとなりました。
糖質制限食実践により、食事中にも常に脂肪が燃 え、肥満ホルモン・インスリン の追加分泌はごく少量で済むので、肥満が改善します。
米国糖尿病学会に よれば、食べ物が消化・吸収さ れたあと、糖質は直接血糖値に影響を与えますが、タンパク質・脂質は与えません。
糖尿病患者さんにおいて食後高血糖が糖尿病合併症の元凶です。
糖質制限食なら 食後高血糖はリアルタイムに改善します。
一方、カロリー制限食をしても糖質を 摂取すれば必ず食後高血糖を必ず生じます。
2型糖尿病高雄病院入院患者さんに おいて、同一カロリーにそろえ た従来の糖尿病食(高糖質食) と糖質制限食における血糖の日 内変動を比較検討してみました。
その結果、糖質制限食では従来の 糖尿病食(高糖質食)に比べて 顕著な食後血糖降下効果が認められました。
脳はブドウ糖だけでなくケトン 体という脂肪酸の分解物をエネルギー源としていくらでも利用します。
人体で唯一赤血球だけは、ミトコンドリア(細胞内にあるエネルギー生産装置)がないので、ブドウ糖だけが唯一のエ ネルギー源です。
人類700万年の進化と食生活 について考察してみました。
さらに食前 と食後の血糖変動の観点から人 類の食生活を3段階にわけて検 討してみました。
糖尿病・メタボ以外の生活習慣病とがんに関しても若干の考察を加えました。
日本人の5大疾病、4大死因と糖質制限食についても検討しました。
2016年1月30日(土) 15:00~17:00
NHK文化センター京都(075-254-8701)
にて
『美味しく楽しく健康 に!糖質制限食のすすめ』
~糖質制限食で治す糖尿病・メタボ・生活習慣病~
と題して、お話します。
わかりやすく楽しい講座にしたいと思いますので、京都、滋賀、大阪、近畿地方の糖尿人やメタボ人の方々、是非奮ってご参加くださいね。
江部康二
☆
以下、NHK文化センター京都のサイトから抜粋
「近年注目されている糖質制限について、ご自身も実践し、肥満と糖尿病を克服された江部康二先生による講演会です。
数多くの臨床活動を通して、糖尿病、肥満、メタボリックシンドロームなどに対する糖質制限食の画期的な治療効果が証明されています。 」
☆☆
以下は当日の<講演要旨>です。
「脂肪悪玉説」、「カロリー至 上主義」、「脳のエネルギー源 はブドウ糖だけ」といった従来 の常識は現在根底から覆っています。
例えば全米健康調査、1971年と2000年の統計で、脂肪摂取比率は低下しているのに、肥満は倍増しています。
すなわち脂肪悪玉説には根拠がな かったのです。
さらに信頼度の高い論文 で、カロリー制限ありの「脂肪制 限食」と「地中海食」、カロリー制限 なしの「糖質制限食」の3者の効果 を比較検討した結果、糖質制限 食が最も体重を減少させ、 HDLコレステロールを増加さ せたことが明らかとなりました。
糖質制限食実践により、食事中にも常に脂肪が燃 え、肥満ホルモン・インスリン の追加分泌はごく少量で済むので、肥満が改善します。
米国糖尿病学会に よれば、食べ物が消化・吸収さ れたあと、糖質は直接血糖値に影響を与えますが、タンパク質・脂質は与えません。
糖尿病患者さんにおいて食後高血糖が糖尿病合併症の元凶です。
糖質制限食なら 食後高血糖はリアルタイムに改善します。
一方、カロリー制限食をしても糖質を 摂取すれば必ず食後高血糖を必ず生じます。
2型糖尿病高雄病院入院患者さんに おいて、同一カロリーにそろえ た従来の糖尿病食(高糖質食) と糖質制限食における血糖の日 内変動を比較検討してみました。
その結果、糖質制限食では従来の 糖尿病食(高糖質食)に比べて 顕著な食後血糖降下効果が認められました。
脳はブドウ糖だけでなくケトン 体という脂肪酸の分解物をエネルギー源としていくらでも利用します。
人体で唯一赤血球だけは、ミトコンドリア(細胞内にあるエネルギー生産装置)がないので、ブドウ糖だけが唯一のエ ネルギー源です。
人類700万年の進化と食生活 について考察してみました。
さらに食前 と食後の血糖変動の観点から人 類の食生活を3段階にわけて検 討してみました。
糖尿病・メタボ以外の生活習慣病とがんに関しても若干の考察を加えました。
日本人の5大疾病、4大死因と糖質制限食についても検討しました。
2016年01月04日 (月)
【16/01/03 ふぁに
先生、はじめまして。
9ヶ月ほど前から日に何度もブログを読んで勉強させていただいている ふぁに と申します。
数年位前から何となく体の不調があったり、疲れやすかったりということが度々ありましたが、毎年受ける人間ドックでは特に大きな異常も無く・・・。
気になるといえば、Hba1cが5.6や5.8という数字で。
炭水化物も好きで、毎日の間食も痩せ型(165.5センチ47kgほど)をいいこと?に続けていました。
去年の春先にあまりにも疲れやすいのと2kg程の体重減で、まさかと思い市販の尿糖試験紙を買い求め検査してみたところ、食後に尿糖が検出されました。
あまりのショックに半分パニックになりながらいろいろ検索をし、江部先生のブログにたどり着きました。
先生と先にコメントを書いていらっしゃる方々に感謝してもしきれない思いです。
それから書店にて先生の御著書を数冊買い求め「食品別糖質量ハンドブック」をもとに一回の食事の糖質量を20g以下に抑えるように食事をしてきました。
とは言っても週一は一回の食事の糖質が50g程度になる回もあったり、3泊四日の旅行では糖質三昧をやってみたり・・・(汗)
前置きがとても長くなりましたが、意を決して先月やっと75g負荷検査を受けてきました。(前3日間は150g以上の糖質を摂って)
その時の結果です。
血糖値 インスリン
空腹時 112 6.7
30分 202 23.1
60分 265 79.5
120分 137 57.1
60分の数値があまりにも高く驚いています。
尚、コレステロール値も高く医者から注意を受けるほどでした。
総コレステロール値320
中性脂肪 38
HDLコレステロール 125
LDLコレステロール 187
この結果の数値をどう解釈し、今後どのように生活を続ければよいのか、ご教示いただけたら幸いです。
運動不足もあったので、先月中旬頃より毎日夕方食前に30分程度2.5kmほどの早足ウォーキングも始めました。
糖質制限を始めてしばらく経った頃、原因のよくわからない足の痛みが消えていることにも気付きました。
まとまりの無い文章で申し訳ありません。】
こんにちは。
ふぁに さんから、75g経口ブドウ糖負荷試験の結果と血清コレステロール値についてコメント・質問をいただきました。
ふぁに さん
拙著の御購入、ありがとうございます。
2015年春に、食後で尿糖陽性ですので、食後血糖値も170~180mg/dlを超えていたものと思われます。
食後高血糖が数年間続いたあとに、早朝空腹時血糖値が126mg/dl以上の糖尿病型になるケースが多いとされています。
(前3日間は150g以上の糖質を摂って)
75g経口ブドウ糖負荷試験
血糖値 インスリン
空腹時 112 6.7
30分 202 23.1
60分 265 79.5
120分 137 57.1
75g経口ブドウ糖負荷試験の結果は
早朝空腹時血糖値が112mg/dlで境界型(110~125mg/dl)
負荷後2時間血糖値は137mg/dlで正常型(140mg/dl未満)
となります。
現時点では、境界型となりますが、60分血糖値が265mg/dlと180mg/dlを超えているので、将来糖尿病になりやすいとされています。
1回に「60~70~80g」とか野放しに糖質を摂取すれば、将来糖尿病発症の確率は極めて高いです。
1gの糖質が、ピーク60分後で2mg/dlほど血糖値を上昇させていますので、こちらも境界型レベルです。
ふぁにさんは、ごく早期に、耐糖能異常(境界型)が判明して、結果としてよかったと思います。
食後高血糖もはっきりしているので、今後も糖質制限食を続けていけば、糖尿病発症が予防できると思います。
目標は
早朝空腹時血糖値:110mg/dl未満
食後1時間血糖値:180mg/dl未満
食後2時間血糖値:140mg/dl未満
を、達成することです。
つらくなければ、1食の糖質摂取量「10~20g」以下のスーパー糖質制限食を実践されればいいと思います。
ふぁにさんの場合は、1回30gの糖質量なら、食後1時間値も180mg/dl未満を達成できると思います。
50gの糖質を摂取すれば、食後1時間血糖値は、200mg/dlを超える可能性が高いです。
まあ、週に1回くらいそんなことがあっても大丈夫と思います。
総コレステロール値 320
中性脂肪 38
HDLコレステロール 125
LDLコレステロール 187
HDLコレステロール値が高めで、中性脂肪値が低めなのでLDLコレステロールも善玉のものです。
悪玉の小粒子LDLコレステロールや超悪玉の酸化LDLコレステロールは少ないので心配ありません。
善玉のLDLコレステロールは、肝臓から末梢組織に細胞膜の原料であるコレステロールを運ぶ重要な役目を果たしています。
末梢組織で余ったコレステロールを肝臓まで回収してくるのがHDLコレステロールです。
両方とも人体にとって必要不可欠なものなのです。
江部康二
先生、はじめまして。
9ヶ月ほど前から日に何度もブログを読んで勉強させていただいている ふぁに と申します。
数年位前から何となく体の不調があったり、疲れやすかったりということが度々ありましたが、毎年受ける人間ドックでは特に大きな異常も無く・・・。
気になるといえば、Hba1cが5.6や5.8という数字で。
炭水化物も好きで、毎日の間食も痩せ型(165.5センチ47kgほど)をいいこと?に続けていました。
去年の春先にあまりにも疲れやすいのと2kg程の体重減で、まさかと思い市販の尿糖試験紙を買い求め検査してみたところ、食後に尿糖が検出されました。
あまりのショックに半分パニックになりながらいろいろ検索をし、江部先生のブログにたどり着きました。
先生と先にコメントを書いていらっしゃる方々に感謝してもしきれない思いです。
それから書店にて先生の御著書を数冊買い求め「食品別糖質量ハンドブック」をもとに一回の食事の糖質量を20g以下に抑えるように食事をしてきました。
とは言っても週一は一回の食事の糖質が50g程度になる回もあったり、3泊四日の旅行では糖質三昧をやってみたり・・・(汗)
前置きがとても長くなりましたが、意を決して先月やっと75g負荷検査を受けてきました。(前3日間は150g以上の糖質を摂って)
その時の結果です。
血糖値 インスリン
空腹時 112 6.7
30分 202 23.1
60分 265 79.5
120分 137 57.1
60分の数値があまりにも高く驚いています。
尚、コレステロール値も高く医者から注意を受けるほどでした。
総コレステロール値320
中性脂肪 38
HDLコレステロール 125
LDLコレステロール 187
この結果の数値をどう解釈し、今後どのように生活を続ければよいのか、ご教示いただけたら幸いです。
運動不足もあったので、先月中旬頃より毎日夕方食前に30分程度2.5kmほどの早足ウォーキングも始めました。
糖質制限を始めてしばらく経った頃、原因のよくわからない足の痛みが消えていることにも気付きました。
まとまりの無い文章で申し訳ありません。】
こんにちは。
ふぁに さんから、75g経口ブドウ糖負荷試験の結果と血清コレステロール値についてコメント・質問をいただきました。
ふぁに さん
拙著の御購入、ありがとうございます。
2015年春に、食後で尿糖陽性ですので、食後血糖値も170~180mg/dlを超えていたものと思われます。
食後高血糖が数年間続いたあとに、早朝空腹時血糖値が126mg/dl以上の糖尿病型になるケースが多いとされています。
(前3日間は150g以上の糖質を摂って)
75g経口ブドウ糖負荷試験
血糖値 インスリン
空腹時 112 6.7
30分 202 23.1
60分 265 79.5
120分 137 57.1
75g経口ブドウ糖負荷試験の結果は
早朝空腹時血糖値が112mg/dlで境界型(110~125mg/dl)
負荷後2時間血糖値は137mg/dlで正常型(140mg/dl未満)
となります。
現時点では、境界型となりますが、60分血糖値が265mg/dlと180mg/dlを超えているので、将来糖尿病になりやすいとされています。
1回に「60~70~80g」とか野放しに糖質を摂取すれば、将来糖尿病発症の確率は極めて高いです。
1gの糖質が、ピーク60分後で2mg/dlほど血糖値を上昇させていますので、こちらも境界型レベルです。
ふぁにさんは、ごく早期に、耐糖能異常(境界型)が判明して、結果としてよかったと思います。
食後高血糖もはっきりしているので、今後も糖質制限食を続けていけば、糖尿病発症が予防できると思います。
目標は
早朝空腹時血糖値:110mg/dl未満
食後1時間血糖値:180mg/dl未満
食後2時間血糖値:140mg/dl未満
を、達成することです。
つらくなければ、1食の糖質摂取量「10~20g」以下のスーパー糖質制限食を実践されればいいと思います。
ふぁにさんの場合は、1回30gの糖質量なら、食後1時間値も180mg/dl未満を達成できると思います。
50gの糖質を摂取すれば、食後1時間血糖値は、200mg/dlを超える可能性が高いです。
まあ、週に1回くらいそんなことがあっても大丈夫と思います。
総コレステロール値 320
中性脂肪 38
HDLコレステロール 125
LDLコレステロール 187
HDLコレステロール値が高めで、中性脂肪値が低めなのでLDLコレステロールも善玉のものです。
悪玉の小粒子LDLコレステロールや超悪玉の酸化LDLコレステロールは少ないので心配ありません。
善玉のLDLコレステロールは、肝臓から末梢組織に細胞膜の原料であるコレステロールを運ぶ重要な役目を果たしています。
末梢組織で余ったコレステロールを肝臓まで回収してくるのがHDLコレステロールです。
両方とも人体にとって必要不可欠なものなのです。
江部康二
2016年01月03日 (日)
こんばんは。
嬉しいお知らせです。
新潟労災病院消化器内科部長、前川智先生がテレビ出演されます。
NHK Eテレの「チョイス @病気になったとき」という番組です。
テーマが「糖尿病 ~境界型から抜け出そう~」で、糖質制限の重要性を強調されたそうです。
前川先生は、
『糖質制限食が境界型糖尿病において、血糖コントロール及び2型糖尿病への進行を予防するのに有効である。』
という内容の英文論文を書いておられます。(☆☆☆)
放送予定日が2016年1月9日(土)夜8時00分~8時44分(NHK Eテレ)です。
全国の糖質セイゲニストの皆さん、是非視聴していただけば幸いです。
江部康二
以下は、2014年07月01日 (火)の本ブログ記事です。
◇◇◇
糖質制限食に関する英文論文、PubMed掲載。新潟労災、前川智先生。
2014年07月01日 (火)
こんばんは。
新潟労災病院消化器内科部長前川智先生が書かれた
「耐糖能異常に対する低炭水化物食の効果に関する後ろ向き研究」
と題した英文論文がPubMedに掲載されました。
Diabetes, Metabolic syndrome, Obesity, Target and Therapy
というニュージーランドの英文雑誌です。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4063858/ → ここで全文が閲覧可能です。
『糖質制限食が境界型糖尿病において、血糖コントロール及び2型糖尿病への進行を予防するのに有効である。』
という糖質セイゲニストにとって大変喜ばしい研究結果です。
『糖質制限症群の69.4%において、血糖値は12ヶ月で正常化し、経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)において2時間の血漿グルコースレベルは、33mg/dl減少した。』
糖質制限食実践により、境界型糖尿病の耐糖能が改善していて、素晴らしい成果です。
前川先生は、新潟労災病院において糖質制限食をダイエットなどに導入しておられ、今回の研究は、2007年4月から2012年3月までの期間で行われました。
日本の研究者による糖質制限食の英文論文が、どんどん発表されていくといいですね。
前川智先生、貴重な研究報告をありがとうございます。
江部康二
☆☆☆
Diabetes Metab Syndr Obes. 2014; 7: 195–201.
Retrospective study on the efficacy of a low-carbohydrate diet for impaired glucose tolerance
Satoshi Maekawa,1 Tetsuya Kawahara,2 Ryosuke Nomura,1 Takayuki Murase,1 Yasuyoshi Ann,1 Masayuki Oeholm,1 and Masaru Harada3
「耐糖能異常に対する低炭水化物食の効果に関する後ろ向き研究」
要約
背景
近年では、耐糖能障害(IGT)を有する人の数は世界中で着実に増加している。糖尿病の予防は、公衆衛生、医療、経済学の観点から重要であることは明らかである。近年、低炭水化物食(LCD)は、体重減少及び血糖コントロールに有用であることが報告されたが、LCDのIGTへの効果についての情報は存在しない。私たちは、IGTに対するLCDに焦点を当てた7日間の院内教育プログラムを計画した。
方法
被験者は2007年4月から2012年3月までに登録され、12カ月間追跡したIGTの72人の患者(LCD群が36、対照群が36)であった。我々は、LCD群と対照群を後ろ向き調査により比較した。
結果
LCD群の69.4%において、血糖値は12ヶ月で正常化し、経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)において2時間の血漿グルコースレベルは、33mg/dl減少した。また、糖尿病の発生率は、12ヶ月目に対照群よりLCD群において有意に低かった(0%対13.9%、P = 0.02)。LCD群は12ヶ月後に、HbA1c、空腹時血糖値、HOMA-R、体重、血清トリグリセリド(TG)の有意な減少を示した。一方HDLコレステロール値は有意な増加を示した。
結論
LCDは、IGTを有する患者において、血糖値を正常化し、2型糖尿病への進行を予防するのに有効である。
嬉しいお知らせです。
新潟労災病院消化器内科部長、前川智先生がテレビ出演されます。
NHK Eテレの「チョイス @病気になったとき」という番組です。
テーマが「糖尿病 ~境界型から抜け出そう~」で、糖質制限の重要性を強調されたそうです。
前川先生は、
『糖質制限食が境界型糖尿病において、血糖コントロール及び2型糖尿病への進行を予防するのに有効である。』
という内容の英文論文を書いておられます。(☆☆☆)
放送予定日が2016年1月9日(土)夜8時00分~8時44分(NHK Eテレ)です。
全国の糖質セイゲニストの皆さん、是非視聴していただけば幸いです。
江部康二
以下は、2014年07月01日 (火)の本ブログ記事です。
◇◇◇
糖質制限食に関する英文論文、PubMed掲載。新潟労災、前川智先生。
2014年07月01日 (火)
こんばんは。
新潟労災病院消化器内科部長前川智先生が書かれた
「耐糖能異常に対する低炭水化物食の効果に関する後ろ向き研究」
と題した英文論文がPubMedに掲載されました。
Diabetes, Metabolic syndrome, Obesity, Target and Therapy
というニュージーランドの英文雑誌です。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4063858/ → ここで全文が閲覧可能です。
『糖質制限食が境界型糖尿病において、血糖コントロール及び2型糖尿病への進行を予防するのに有効である。』
という糖質セイゲニストにとって大変喜ばしい研究結果です。
『糖質制限症群の69.4%において、血糖値は12ヶ月で正常化し、経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)において2時間の血漿グルコースレベルは、33mg/dl減少した。』
糖質制限食実践により、境界型糖尿病の耐糖能が改善していて、素晴らしい成果です。
前川先生は、新潟労災病院において糖質制限食をダイエットなどに導入しておられ、今回の研究は、2007年4月から2012年3月までの期間で行われました。
日本の研究者による糖質制限食の英文論文が、どんどん発表されていくといいですね。
前川智先生、貴重な研究報告をありがとうございます。
江部康二
☆☆☆
Diabetes Metab Syndr Obes. 2014; 7: 195–201.
Retrospective study on the efficacy of a low-carbohydrate diet for impaired glucose tolerance
Satoshi Maekawa,1 Tetsuya Kawahara,2 Ryosuke Nomura,1 Takayuki Murase,1 Yasuyoshi Ann,1 Masayuki Oeholm,1 and Masaru Harada3
「耐糖能異常に対する低炭水化物食の効果に関する後ろ向き研究」
要約
背景
近年では、耐糖能障害(IGT)を有する人の数は世界中で着実に増加している。糖尿病の予防は、公衆衛生、医療、経済学の観点から重要であることは明らかである。近年、低炭水化物食(LCD)は、体重減少及び血糖コントロールに有用であることが報告されたが、LCDのIGTへの効果についての情報は存在しない。私たちは、IGTに対するLCDに焦点を当てた7日間の院内教育プログラムを計画した。
方法
被験者は2007年4月から2012年3月までに登録され、12カ月間追跡したIGTの72人の患者(LCD群が36、対照群が36)であった。我々は、LCD群と対照群を後ろ向き調査により比較した。
結果
LCD群の69.4%において、血糖値は12ヶ月で正常化し、経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)において2時間の血漿グルコースレベルは、33mg/dl減少した。また、糖尿病の発生率は、12ヶ月目に対照群よりLCD群において有意に低かった(0%対13.9%、P = 0.02)。LCD群は12ヶ月後に、HbA1c、空腹時血糖値、HOMA-R、体重、血清トリグリセリド(TG)の有意な減少を示した。一方HDLコレステロール値は有意な増加を示した。
結論
LCDは、IGTを有する患者において、血糖値を正常化し、2型糖尿病への進行を予防するのに有効である。
2016年01月02日 (土)
こんばんは。
RIO さんから、マサイ族の伝統的食生活(牛乳・ヨーグルト・牛の生き血)と健康度についてコメント・質問をいただきました。
まず、マサイ族と同様に、野菜と果物の摂取が、ほぼ無かったイヌイットと比較してみます。
イヌイットが伝統的食生活の頃は、野菜と果物の摂取が、ほぼ無かったので結果として、ビタミンC摂取不足があり、新生児高チロシン血症と壊血病のリスクがありました。
動物の内臓や血液にもビタミンCは少量含まれていますが、野菜や果物に比べるとごく少量なのです。
マサイ族の伝統的食生活においても、ビタミンC摂取が少ないことが知られています。
しかし、マサイ族はイヌイットと異なり、新生児高チロシン血症と壊血病のリスクはなく、また貧血もありません。
伝統的食生活の頃のマサイ族の主たる食事は、牛乳とヨーグルトと牛の生き血なのですが、健康度は高かったようです。
今回は、以下の論文をもとに、マサイ族のビタミンC血中濃度などについて考えてみます。
①Low ascorbate status in the Masai of Kenya
The American Journal of Clinical Nutrition 27: MARCH 1974, pp. 3 10-314.
http://www.ajcn.org/cgi/reprint/27/3/310.pdf
①を参考にして、アフリカのマサイ族の食生活を、検討してみました。
マサイ族は、牛乳及びヨーグルトを2~3リットル/日摂取します。
毎日、何キロも歩いて牛の放牧をし、腰に牛乳を入れた『キブユ』という瓢箪(ひょうたん)をぶら下げて歩くので、数日間で自然醗酵され、ヨーグルトになります。このように、マサイ族の主食は、牛乳とヨーグルトです。
放牧しながら飲むとすれば、どちらかというと、2~3日経過した牛乳や発酵してヨーグルトになったものの方が、新鮮な牛乳よりも主となります。
これらだけの食料で不足する鉄分は、牛の生き血で補っています。牛の生き血は、週に数回、牛乳に混ぜて飲んでいます。
マサイ族は、野菜や果物は一切食べないそうですので、ビタミンCをどうやって摂取しているのか不思議です。
ビタミンCは、ヒトは体内で合成できないので、必ず食物から摂取することが必要です。
牛は財産ということで、殺したりしませんので、牛肉も食べません。
山羊や羊も飼っていて、こちらは、お祝い事や家族に病人が出て、栄養をつけたいときに食べるそうです。
この時、山羊の生レバや生小腸も食べるそうです。
牛生レバのビタミンCは100g中に30mg
牛小腸のビタミンCは100g中に15mg
です。
ちなみに、100gあたりのビタミンCは
赤ピーマン170mg、パセリ120mg、柿70mg、イチゴ62mg、ブロッコリー54mg・・・です。
山羊の生レバや生小腸は、五訂日本食品標準表に載っていないのですが、牛に準する程度と思います。
したがって、山羊の生レバや生小腸はビタミンCがあるていど含まれていますが、日常的に摂取しているわけではありません。
牛の血漿中のビタミンC濃度は、1.4~3.6mg/dLであり、
人の血漿中ビタミンC濃度0.6–1.4mg/dLより高値です。
しかし、それでも、牛の血を1リットル飲んでもせいぜい30mgですから、やはり、牛の血でビタミンCが充分量摂取できるとは言えません。
①によれば
マサイの牛の新鮮な牛乳の中には、ビタミンC2.2mg/dl含まれています。
瓢箪(ひょうたん)に入れて、数日間発酵させてから飲むとすれば、ビタミンCの含有量は減少します。
例えば、瓢箪の中で4日間経過した牛乳は、ビタミンC0.4mg/dlに減ります。
そうなると、牛乳、ヨーグルト、生き血から得られる日々のビタミンC摂取量は、せいぜい30mg/日ていどでしかありません。
厚生労働省の推奨量が、100mg/日として、全然足りません。
①によれば
伝統的な食事をしているマサイ族の血清アスコルビン酸濃度は、0.16mg/dlとかなり低くなっています。
バンツー族は、0.56mg/100mlでやや低値ですが、マサイ族よりは、かなり高値です。
白血球の中の、ビタミンC濃度も、マサイ族はバンツー族の半分以下と低値です。
ビタミンB12は、マサイ族は1188pg/mlでバンツー族は404pg/mlで、マサイ族の方が高値でした。
赤血球中の葉酸はマサイ族は低値でした。
血清総タンパクはマサイ族がバンツー族よりやや高値でした。
上記検査データは、マサイ族が21名、バンツー族が24名の平均値です。
バンツー族は、ケニアやタンザニアの同じ地域に住んでいて、食生活はマサイ族とは異なり、穀物・野菜など何でも食べています。
他に、赤血球数、ヘモグロビン、白血球数、血小板数、血清鉄も検査されていますが、マサイ族、バンツー族ともに、異常はありませんでした。
結論として、マサイ族の血中ビタミンC濃度が低いのは、単純に食物から摂取するビタミンCが低いからと考えられます。
血漿ビタミンC濃度がこれほど低値なのに、壊血病や貧血は見られず、さらなる研究が必要と締めくくられています。
ちなみに、日本の厚生労働省の第6次改定「日本人の栄養所要量」によると、100mg/日のビタミンC摂取を推奨し、血漿中ビタミンC濃度基準値を0.7mg/dl以上に設定しています。
マサイ族の0.16mg/dlは兎も角として、人類の本当のビタミンC基準値はどのていどなのでしょう?
そして人類の本当のビタミンC摂取必要量はどのくらいなのでしょう?
人類が700万年の進化の過程でいったい何を食べてきたのかを考察するのに、人体で合成できないビタミンCの必須量が気になります。
7属23種の人類が生まれては消え、現在残っているのは現世人類(ホモ・サピエンス)だけです。
7属23種の人類は全てビタミンCは合成できなかったので、野草や果実からビタミンCを摂取していたと考えられます。
現世人類においても、伝統的食生活の頃のマサイ族やイヌイット以外は、野草や果実からビタミンCを摂取していたと考えられます。
ウィキペディアによれば
哺乳類ではテンジクネズミ(モルモットなど)や直鼻猿亜目の霊長類(サル、類人猿、ヒトなど)が、ビタミンCを合成できません。
霊長目でこビタミンCを合成する酵素の活性が失われたのは約6300万年前であり、直鼻猿亜目(酵素活性なし)と曲鼻猿亜目(酵素活性あり)の分岐が起こったのとほぼ同時だそうです。
江部康二
RIO さんから、マサイ族の伝統的食生活(牛乳・ヨーグルト・牛の生き血)と健康度についてコメント・質問をいただきました。
まず、マサイ族と同様に、野菜と果物の摂取が、ほぼ無かったイヌイットと比較してみます。
イヌイットが伝統的食生活の頃は、野菜と果物の摂取が、ほぼ無かったので結果として、ビタミンC摂取不足があり、新生児高チロシン血症と壊血病のリスクがありました。
動物の内臓や血液にもビタミンCは少量含まれていますが、野菜や果物に比べるとごく少量なのです。
マサイ族の伝統的食生活においても、ビタミンC摂取が少ないことが知られています。
しかし、マサイ族はイヌイットと異なり、新生児高チロシン血症と壊血病のリスクはなく、また貧血もありません。
伝統的食生活の頃のマサイ族の主たる食事は、牛乳とヨーグルトと牛の生き血なのですが、健康度は高かったようです。
今回は、以下の論文をもとに、マサイ族のビタミンC血中濃度などについて考えてみます。
①Low ascorbate status in the Masai of Kenya
The American Journal of Clinical Nutrition 27: MARCH 1974, pp. 3 10-314.
http://www.ajcn.org/cgi/reprint/27/3/310.pdf
①を参考にして、アフリカのマサイ族の食生活を、検討してみました。
マサイ族は、牛乳及びヨーグルトを2~3リットル/日摂取します。
毎日、何キロも歩いて牛の放牧をし、腰に牛乳を入れた『キブユ』という瓢箪(ひょうたん)をぶら下げて歩くので、数日間で自然醗酵され、ヨーグルトになります。このように、マサイ族の主食は、牛乳とヨーグルトです。
放牧しながら飲むとすれば、どちらかというと、2~3日経過した牛乳や発酵してヨーグルトになったものの方が、新鮮な牛乳よりも主となります。
これらだけの食料で不足する鉄分は、牛の生き血で補っています。牛の生き血は、週に数回、牛乳に混ぜて飲んでいます。
マサイ族は、野菜や果物は一切食べないそうですので、ビタミンCをどうやって摂取しているのか不思議です。
ビタミンCは、ヒトは体内で合成できないので、必ず食物から摂取することが必要です。
牛は財産ということで、殺したりしませんので、牛肉も食べません。
山羊や羊も飼っていて、こちらは、お祝い事や家族に病人が出て、栄養をつけたいときに食べるそうです。
この時、山羊の生レバや生小腸も食べるそうです。
牛生レバのビタミンCは100g中に30mg
牛小腸のビタミンCは100g中に15mg
です。
ちなみに、100gあたりのビタミンCは
赤ピーマン170mg、パセリ120mg、柿70mg、イチゴ62mg、ブロッコリー54mg・・・です。
山羊の生レバや生小腸は、五訂日本食品標準表に載っていないのですが、牛に準する程度と思います。
したがって、山羊の生レバや生小腸はビタミンCがあるていど含まれていますが、日常的に摂取しているわけではありません。
牛の血漿中のビタミンC濃度は、1.4~3.6mg/dLであり、
人の血漿中ビタミンC濃度0.6–1.4mg/dLより高値です。
しかし、それでも、牛の血を1リットル飲んでもせいぜい30mgですから、やはり、牛の血でビタミンCが充分量摂取できるとは言えません。
①によれば
マサイの牛の新鮮な牛乳の中には、ビタミンC2.2mg/dl含まれています。
瓢箪(ひょうたん)に入れて、数日間発酵させてから飲むとすれば、ビタミンCの含有量は減少します。
例えば、瓢箪の中で4日間経過した牛乳は、ビタミンC0.4mg/dlに減ります。
そうなると、牛乳、ヨーグルト、生き血から得られる日々のビタミンC摂取量は、せいぜい30mg/日ていどでしかありません。
厚生労働省の推奨量が、100mg/日として、全然足りません。
①によれば
伝統的な食事をしているマサイ族の血清アスコルビン酸濃度は、0.16mg/dlとかなり低くなっています。
バンツー族は、0.56mg/100mlでやや低値ですが、マサイ族よりは、かなり高値です。
白血球の中の、ビタミンC濃度も、マサイ族はバンツー族の半分以下と低値です。
ビタミンB12は、マサイ族は1188pg/mlでバンツー族は404pg/mlで、マサイ族の方が高値でした。
赤血球中の葉酸はマサイ族は低値でした。
血清総タンパクはマサイ族がバンツー族よりやや高値でした。
上記検査データは、マサイ族が21名、バンツー族が24名の平均値です。
バンツー族は、ケニアやタンザニアの同じ地域に住んでいて、食生活はマサイ族とは異なり、穀物・野菜など何でも食べています。
他に、赤血球数、ヘモグロビン、白血球数、血小板数、血清鉄も検査されていますが、マサイ族、バンツー族ともに、異常はありませんでした。
結論として、マサイ族の血中ビタミンC濃度が低いのは、単純に食物から摂取するビタミンCが低いからと考えられます。
血漿ビタミンC濃度がこれほど低値なのに、壊血病や貧血は見られず、さらなる研究が必要と締めくくられています。
ちなみに、日本の厚生労働省の第6次改定「日本人の栄養所要量」によると、100mg/日のビタミンC摂取を推奨し、血漿中ビタミンC濃度基準値を0.7mg/dl以上に設定しています。
マサイ族の0.16mg/dlは兎も角として、人類の本当のビタミンC基準値はどのていどなのでしょう?
そして人類の本当のビタミンC摂取必要量はどのくらいなのでしょう?
人類が700万年の進化の過程でいったい何を食べてきたのかを考察するのに、人体で合成できないビタミンCの必須量が気になります。
7属23種の人類が生まれては消え、現在残っているのは現世人類(ホモ・サピエンス)だけです。
7属23種の人類は全てビタミンCは合成できなかったので、野草や果実からビタミンCを摂取していたと考えられます。
現世人類においても、伝統的食生活の頃のマサイ族やイヌイット以外は、野草や果実からビタミンCを摂取していたと考えられます。
ウィキペディアによれば
哺乳類ではテンジクネズミ(モルモットなど)や直鼻猿亜目の霊長類(サル、類人猿、ヒトなど)が、ビタミンCを合成できません。
霊長目でこビタミンCを合成する酵素の活性が失われたのは約6300万年前であり、直鼻猿亜目(酵素活性なし)と曲鼻猿亜目(酵素活性あり)の分岐が起こったのとほぼ同時だそうです。
江部康二