2015年10月31日 (土)
京都市の糖質制限OKレストラン
カフェハルディン(スペイン料理)
京都市右京区鳴滝本町77(地図) TEL.(075)-464-8850
http://www008.upp.so-net.ne.jp/cafejardin/
エヴァンタイユ(フランス料理)
京都市左京区岩倉西五田町1-2 TEL:075-712-0750
http://www.eventail.jp/index.html
南山(焼き肉)
京都市左京区下鴨北野々神町31 北山通ノートルダム小前 TEL:075-722-4131
http://www.nanzan-net.com/
メゾン・ド・ヴァン鶉亭(フランス料理)
京都市下京区木屋町四条南団栗上る TEL:075-351-4005
http://www.caille.jp/
アスペルジュ・ブランシュ(フランス料理)075-352-4570
フェイスブック https://ja-jp.facebook.com/aspergeblanche
ホームページ http://www.aspergeblanche.com/
こんにちは。
上記は、京都市で私がよく行く糖質制限OKレストランです。
いずれも、電話で予約して、糖質制限食を食べることを告げていくのが、確実です。
今回は、もう一つお奨めのお店を追加です。
「西陣はしもと」、和食のお店です。
西陣の閑静な一画にある、小さなお店ですが、中はゆったりしています。
ちょっとリッチな気分で、本格的京料理を静かな雰囲気で楽しみたいときに訪れて欲しいお店です。
カップルでもいいし、一人でもいいし、少人数でもOKです。
天然鮮魚と旬の食材、カウンター8席という小さなスペースでのアットホームな空間で、ゆっくりと過ごせます。
若夫婦で3年前に開店したばかりのお店ですが、ご主人の腕は確かで、一流割烹店と何ら遜色はありません。
私もその技術には感心しました。奥さんのおもてなしも心地よいです。
糖質セイゲニストの皆さん、是非一度、電話で予約して訪れてみてくださいね。
糖質制限食を希望するお客さんも時々来られるそうです。
5,400円コース(例)
先附舞茸と水菜のあん肝和え
椀物焼きくもこと蕪の椀物
お造り鯛・平政・鯖
油物海老芋と車海老のそぼろあんかけ
酢物こっぺ蟹土佐酢ジュレかけ
焼物甘鯛の塩焼き
お食事釜飯・赤出汁・香の物
デザート黒ごまアイス
※コース内容は一例。季節や仕入状況により異なる。
※お造り、一品料理もあり。
西陣はしもと
営業時間 / 定休日
18:00~22:00 / 月曜定休
住所 〒602-8441 京都市上京区大宮通今出川上ル観世町109
お問い合せ・ご予約
TEL:075-203-4813
HP: http://www.nishijin-hashimoto.com/
MAIL:info@nishijin-hashimoto.com
江部康二
カフェハルディン(スペイン料理)
京都市右京区鳴滝本町77(地図) TEL.(075)-464-8850
http://www008.upp.so-net.ne.jp/cafejardin/
エヴァンタイユ(フランス料理)
京都市左京区岩倉西五田町1-2 TEL:075-712-0750
http://www.eventail.jp/index.html
南山(焼き肉)
京都市左京区下鴨北野々神町31 北山通ノートルダム小前 TEL:075-722-4131
http://www.nanzan-net.com/
メゾン・ド・ヴァン鶉亭(フランス料理)
京都市下京区木屋町四条南団栗上る TEL:075-351-4005
http://www.caille.jp/
アスペルジュ・ブランシュ(フランス料理)075-352-4570
フェイスブック https://ja-jp.facebook.com/aspergeblanche
ホームページ http://www.aspergeblanche.com/
こんにちは。
上記は、京都市で私がよく行く糖質制限OKレストランです。
いずれも、電話で予約して、糖質制限食を食べることを告げていくのが、確実です。
今回は、もう一つお奨めのお店を追加です。
「西陣はしもと」、和食のお店です。
西陣の閑静な一画にある、小さなお店ですが、中はゆったりしています。
ちょっとリッチな気分で、本格的京料理を静かな雰囲気で楽しみたいときに訪れて欲しいお店です。
カップルでもいいし、一人でもいいし、少人数でもOKです。
天然鮮魚と旬の食材、カウンター8席という小さなスペースでのアットホームな空間で、ゆっくりと過ごせます。
若夫婦で3年前に開店したばかりのお店ですが、ご主人の腕は確かで、一流割烹店と何ら遜色はありません。
私もその技術には感心しました。奥さんのおもてなしも心地よいです。
糖質セイゲニストの皆さん、是非一度、電話で予約して訪れてみてくださいね。
糖質制限食を希望するお客さんも時々来られるそうです。
5,400円コース(例)
先附舞茸と水菜のあん肝和え
椀物焼きくもこと蕪の椀物
お造り鯛・平政・鯖
油物海老芋と車海老のそぼろあんかけ
酢物こっぺ蟹土佐酢ジュレかけ
焼物甘鯛の塩焼き
お食事釜飯・赤出汁・香の物
デザート黒ごまアイス
※コース内容は一例。季節や仕入状況により異なる。
※お造り、一品料理もあり。
西陣はしもと
営業時間 / 定休日
18:00~22:00 / 月曜定休
住所 〒602-8441 京都市上京区大宮通今出川上ル観世町109
お問い合せ・ご予約
TEL:075-203-4813
HP: http://www.nishijin-hashimoto.com/
MAIL:info@nishijin-hashimoto.com
江部康二
2015年10月31日 (土)
【15/10/30 田中鈴木佐藤
日本地図で考えてみる食事の影響
燻製した加工肉はベンゾピレンが含まれるので発癌との関連は大いにありそうです。自作する程大好物なので複雑ですが。
赤肉についてはわかりませんが、肥満との関係は我が国では濃厚のようです。
地図から比較するに赤肉の摂取量はあまり関係なさそうです。加工肉は関係しそうですね。
都道府県別大腸癌死亡率(2012)
ttp://todo-ran.com/t/kiji/16785
都道府県別大腸癌死亡率(2012)
ttp://todo-ran.com/t/kiji/10434
都道府県別女性大腸癌死亡率(2012)
ttp://todo-ran.com/t/kiji/10439
都道府県別男性肥満率(2010)※女性版はありませんでした。
ttp://todo-ran.com/t/kiji/14169
都道府県別男子小中学生肥満率(2010)
ttp://todo-ran.com/t/kiji/13490
都道府県別女子小中学生肥満率(2010)
ttp://todo-ran.com/t/kiji/13494
都道府県別糖尿病1万人あたり糖尿病患者数
ttp://todo-ran.com/t/kiji/14753
赤肉について
都道府県別肉消費量(2013)
ttp://todo-ran.com/t/kiji/17985
都道府県別豚肉消費量(2013)
ttp://todo-ran.com/t/kiji/13461
都道府県別牛肉消費量(2013)
ttp://todo-ran.com/t/kiji/13457
加工肉について
都道府県別ベーコン消費量(2013)
ttp://todo-ran.com/t/kiji/18124
都道府県別ハム消費量(2013)
ttp://todo-ran.com/t/kiji/18118
都道府県別ソーセージ(魚肉等を除く)消費量(2013)
ttp://todo-ran.com/t/kiji/17996
おまけ 牛乳・乳製品
都道府県別牛乳消費量(2009)
ttp://todo-ran.com/t/kiji/13556
都道府県別バター消費量(2009)
ttp://todo-ran.com/t/kiji/13575
都道府県別チーズ消費量(2009)
ttp://todo-ran.com/t/kiji/13562
気付いた事、思った事
・肥満・大腸癌の上位にいる沖縄が糖尿病では最下位。
・四国の炭水化物大好き県である香川・徳島はともに糖尿病上位だが、香川の肥満は少ない。大腸癌は2県とも多くない。
・ベーコン消費量と大腸癌死亡率が類似している。ハム・ソーセージはあまり影響してない?
・ハム・ソーセージは製造工程で燻製していないか、燻製の際にケーシングするので直接煙に触れないのでベンズピレンの影響が少ないのかも。
・大腸癌牛乳・乳製品悪玉説についてはこれも関係無さそう。
URL数が多くて投稿できないので加工しました。】
おはようございます。
田中鈴木佐藤 さんから、大腸癌死亡率、肥満率、糖尿病患者数、赤肉摂取量、加工肉摂取量などの日本の情報について、コメントいただきました。
田中鈴木佐藤 さん、興味深い情報をありがとうございます。
とても参考になります。
ベンゾピレンは、国際がん研究機関(IARC)ではIARC発がん性リスク一覧で、グループ1(ヒトに対する発癌性が認められる)に分類していますね。
ベンゾピレンは、食品では「畜肉類や魚介類などの燻製製品や直火調理した食品」や油脂中などで極微量含有されています。
ベンゾピレンはベーコンにも含まれていますが、鰹節や焼き肉にも含まれています。
なお鰹節は、EUでなんと原則持ち込み禁止のようです。
鰹節は、IARCの表ではグループ2A(発がん性がおそらくある)ですが私は鰹節が好きでよく食べます。
時事ドットコム:
EUに「万博特例」要請=かつお節、フグ持ち込めず-ミラノ博の和食提供・政府
かつお節は製造過程でカツオの切り身をいぶす際に生成される発がん性物質「ベンゾピレン」の含有量が、EU基準を超える点が問題視されている。(2014/12/09)
結局、食品と発がんの関連は、複合的なものなので、単品でどうこう言う問題ではないように思います。
ただ、加工肉(ベーコン、ハム、ソーセージなど)を多く摂取する人の発がんリスクにはエビデンスがあるので、私も少量摂取にとどめようと思います。
「気付いた事、思った事
・肥満・大腸癌の上位にいる沖縄が糖尿病では最下位。
・四国の炭水化物大好き県である香川・徳島はともに糖尿病上位だが、香川の肥満は少ない。大腸癌は2県とも多くない。
・ベーコン消費量と大腸癌死亡率が類似している。ハム・ソーセージはあまり影響してない?
・ハム・ソーセージは製造工程で燻製していないか、燻製の際にケーシングするので直接煙に触れないのでベンズピレンの影響が少ないのかも。
・大腸癌牛乳・乳製品悪玉説についてはこれも関係無さそう。 」
田中鈴木佐藤さん、やはり、食品摂取、アルコール摂取、タバコ摂取、環境、運動、ストレス・・・いろんな要素が関わって、がんや肥満や糖尿病になるということだと思います。
江部康二
日本地図で考えてみる食事の影響
燻製した加工肉はベンゾピレンが含まれるので発癌との関連は大いにありそうです。自作する程大好物なので複雑ですが。
赤肉についてはわかりませんが、肥満との関係は我が国では濃厚のようです。
地図から比較するに赤肉の摂取量はあまり関係なさそうです。加工肉は関係しそうですね。
都道府県別大腸癌死亡率(2012)
ttp://todo-ran.com/t/kiji/16785
都道府県別大腸癌死亡率(2012)
ttp://todo-ran.com/t/kiji/10434
都道府県別女性大腸癌死亡率(2012)
ttp://todo-ran.com/t/kiji/10439
都道府県別男性肥満率(2010)※女性版はありませんでした。
ttp://todo-ran.com/t/kiji/14169
都道府県別男子小中学生肥満率(2010)
ttp://todo-ran.com/t/kiji/13490
都道府県別女子小中学生肥満率(2010)
ttp://todo-ran.com/t/kiji/13494
都道府県別糖尿病1万人あたり糖尿病患者数
ttp://todo-ran.com/t/kiji/14753
赤肉について
都道府県別肉消費量(2013)
ttp://todo-ran.com/t/kiji/17985
都道府県別豚肉消費量(2013)
ttp://todo-ran.com/t/kiji/13461
都道府県別牛肉消費量(2013)
ttp://todo-ran.com/t/kiji/13457
加工肉について
都道府県別ベーコン消費量(2013)
ttp://todo-ran.com/t/kiji/18124
都道府県別ハム消費量(2013)
ttp://todo-ran.com/t/kiji/18118
都道府県別ソーセージ(魚肉等を除く)消費量(2013)
ttp://todo-ran.com/t/kiji/17996
おまけ 牛乳・乳製品
都道府県別牛乳消費量(2009)
ttp://todo-ran.com/t/kiji/13556
都道府県別バター消費量(2009)
ttp://todo-ran.com/t/kiji/13575
都道府県別チーズ消費量(2009)
ttp://todo-ran.com/t/kiji/13562
気付いた事、思った事
・肥満・大腸癌の上位にいる沖縄が糖尿病では最下位。
・四国の炭水化物大好き県である香川・徳島はともに糖尿病上位だが、香川の肥満は少ない。大腸癌は2県とも多くない。
・ベーコン消費量と大腸癌死亡率が類似している。ハム・ソーセージはあまり影響してない?
・ハム・ソーセージは製造工程で燻製していないか、燻製の際にケーシングするので直接煙に触れないのでベンズピレンの影響が少ないのかも。
・大腸癌牛乳・乳製品悪玉説についてはこれも関係無さそう。
URL数が多くて投稿できないので加工しました。】
おはようございます。
田中鈴木佐藤 さんから、大腸癌死亡率、肥満率、糖尿病患者数、赤肉摂取量、加工肉摂取量などの日本の情報について、コメントいただきました。
田中鈴木佐藤 さん、興味深い情報をありがとうございます。
とても参考になります。
ベンゾピレンは、国際がん研究機関(IARC)ではIARC発がん性リスク一覧で、グループ1(ヒトに対する発癌性が認められる)に分類していますね。
ベンゾピレンは、食品では「畜肉類や魚介類などの燻製製品や直火調理した食品」や油脂中などで極微量含有されています。
ベンゾピレンはベーコンにも含まれていますが、鰹節や焼き肉にも含まれています。
なお鰹節は、EUでなんと原則持ち込み禁止のようです。
鰹節は、IARCの表ではグループ2A(発がん性がおそらくある)ですが私は鰹節が好きでよく食べます。
時事ドットコム:
EUに「万博特例」要請=かつお節、フグ持ち込めず-ミラノ博の和食提供・政府
かつお節は製造過程でカツオの切り身をいぶす際に生成される発がん性物質「ベンゾピレン」の含有量が、EU基準を超える点が問題視されている。(2014/12/09)
結局、食品と発がんの関連は、複合的なものなので、単品でどうこう言う問題ではないように思います。
ただ、加工肉(ベーコン、ハム、ソーセージなど)を多く摂取する人の発がんリスクにはエビデンスがあるので、私も少量摂取にとどめようと思います。
「気付いた事、思った事
・肥満・大腸癌の上位にいる沖縄が糖尿病では最下位。
・四国の炭水化物大好き県である香川・徳島はともに糖尿病上位だが、香川の肥満は少ない。大腸癌は2県とも多くない。
・ベーコン消費量と大腸癌死亡率が類似している。ハム・ソーセージはあまり影響してない?
・ハム・ソーセージは製造工程で燻製していないか、燻製の際にケーシングするので直接煙に触れないのでベンズピレンの影響が少ないのかも。
・大腸癌牛乳・乳製品悪玉説についてはこれも関係無さそう。 」
田中鈴木佐藤さん、やはり、食品摂取、アルコール摂取、タバコ摂取、環境、運動、ストレス・・・いろんな要素が関わって、がんや肥満や糖尿病になるということだと思います。
江部康二
2015年10月30日 (金)
〔15/10/29 精神科医師A
赤肉・加工肉のがんリスクについて
【国立がん研究センター発表】
http://www.ncc.go.jp/jp/information/20151029.html
大腸がんの発生に関して、日本人の平均的な摂取の範囲であれば赤肉や加工肉がリスクに与える影響は無いか、あっても、小さい
赤肉はたんぱく質やビタミンB、鉄、亜鉛など私たちの健康維持にとって有用な成分もたくさん含んでいる
総合的にみても、今回の評価を受けて極端に量を制限する必要性はない 〕
おはようございます。
2015年10月26日(月)
世界保健機関(WHO)の専門組織である国際がん研究機関(IARC)から
『加工肉摂取に「がんリスク」=毎日50グラムで18%増』
という発表があり、本ブログの記事(10月29日)にしました。
大腸がん(直腸がんや結腸がん)のリスクということです。
このIARCの発表に対して、国立がん研究センターが、2015年10月29日に見解を発表しました。
http://www.ncc.go.jp/jp/information/20151029.html
精神科医師Aさんから、情報をいただきました。
ありがとうございます。
全容を見たい方は、上記URLを訪問していただけば幸いです。
まず、「Red meat:赤肉」 は、牛・豚・羊肉などの肉のことで、脂肪分が少ない部位を示すいわゆる「赤身肉」とは異なりますので注意が必要です。
国立がん研究センターの見解としては、精神科医師Aさんのご指摘のように、
『日本人においては、加工肉・赤肉に関して、極端に量を制限する必要性はない』
としています。
1)
IARCの評価の基となった全世界地域の論文の赤肉摂取の範囲はおおむね一日50-100gで、中には200g以上わたる非常に高い地域もあった。2013年の国民健康・栄養調査によると日本人の赤肉・加工肉の摂取量は一日あたり63g(うち、赤肉は50g、加工肉は13g)で、世界的に見て最も摂取量の低い国の一つであった。
2)
当センター がん予防・検診研究センター 予防研究グループでは、国内の45-74歳の男女約8万人を対象に赤肉・加工肉摂取量と大腸がん罹患リスクについて追跡調査を行ったコホート研究の結果を、2011年に発表。
当センター がん予防・検診研究センター 予防研究グループでは、同研究は、赤肉・加工肉の摂取量に応じて低い方から高い方に5グループに分けてその後の大腸がんの発生リスクとの関連を検討した研究で、女性では毎日赤肉を80g**(調理前の重量。調理後は20%程度重量が減少する)以上食べるグループで結腸がんのリスクが高く、それ以下の摂取量ではリスク上昇はみられていない。男性では鶏肉も含む肉全体では摂取量の最も高い第5グループでリスク上昇がみらたが、赤肉では特に関連はみられていない。また、加工肉については男女ともに関連はみられていない。
3)
大腸がんの発生に関して、日本人の平均的な摂取の範囲であれば赤肉や加工肉がリスクに与える影響は無いか、あっても、小さい。
1)2)3)が、上記国立がん研究センター見解の根拠となっています。
つまり、日本は世界標準に比べて「加工肉・赤肉」の摂取量が最も少ない国のひとつなので、現状の摂取量で、一般的な日本人において大腸癌のリスクとなる根拠はないということです。
一方、我々糖質セイゲニストは、少なくとも赤肉の摂取量は、一般的な日本人の標準量よりは、かなり多いと思います。
この場合、大腸がんのリスクはどうなのでしょう?
赤肉摂取量は多いのですが、糖質セイゲニストの場合は、糖質摂取に伴う「食後血糖値上昇」「食後高インスリン血症」がほとんどありません。
「食後血糖値上昇」「食後高インスリン血症」には、明確な発がんリスクがあります。
IARCの見解は
糖質を普通に食べて、赤肉も多く食べると「食後血糖値上昇」「食後高インスリン血症」を生じて大腸がんのリスクの可能性があるということだと思います。
結論です。
糖質セイゲニストにおいては、赤肉をたくさん食べても、大腸がんのリスクにはならない可能性が高いと思われます。
江部康二
☆☆☆
以下は、国立がん研究センターのサイトから一部抜粋して転載です。
国立研究開発法人国立がん研究センター
情報提供
赤肉・加工肉のがんリスクについて
2015年10月29日
国立研究開発法人国立がん研究センター
この度の国際がん研究組織(IARC)による以下の発表について、当センターによる解説と当センターが2011年に発表した日本人における赤肉・加工肉摂取量と大腸がん罹患リスクについてお知らせいたします。
IARC Monographs evaluate consumption of red meat and processed meat
http://www.iarc.fr/en/media-centre/pr/2015/pdfs/pr240_E.pdf外部サイトへのリンク
1.解説
IARC主催の10か国、22人の専門家による会議で赤肉*(牛・豚・羊などの肉)、加工肉の人への発がん性についての評価が行われました。評価は全世界地域の人を対象とした疫学研究(エビデンス)、動物実験研究、メカニズム研究からなる科学的証拠に基づく総合的な判定です。
その結果、加工肉について“人に対して発がん性がある(Group1)”と、主に大腸がんに対する疫学研究の十分な証拠に基づいて判定されました。赤肉については疫学研究からの証拠は限定的ながら、メカニズムを裏付ける相応の証拠があることから、“おそらく人に対して発がん性がある(Group2A)”と判定しています。 疫学研究からの証拠を評価する際には、複数の疫学研究を精査して、バイアスや偶然、他の要因の影響(交絡)の可能性を否定出来る質の高い研究に、より重きが置かれるため、ここでいう十分な証拠とはそのような影響を排除した上で成立したものと言えます。そのような影響を否定できない場合は総合判定でGroup 2A以下となります。
また、すでに2007年に世界がん研究基金(WCRF)と米国がん研究協会(AICR)による評価報告書で、赤肉、加工肉の摂取は大腸がんのリスクを上げることが“確実”と判定されており、赤肉は調理後の重量で週500g以内、加工肉はできるだけ控えるように、と勧告しています。高用量の摂取地域を含む海外の評価における結果はある程度一致しているとも言えます。
表1に分類の定義を示します。 Group1に位置付けられたものは他に喫煙やアスベストなどこれまでに100以上あります。IARCではある条件下(たとえば事故や職業などの特殊環境下での大量曝露、地域特有の食事摂取状況)であっても発がん性の有無を警告する意味において行いますので (いわゆる“ハザードの同定”)、同じグループに分類されたものでも公衆衛生上のインパクトは要因の分布や疾病構造によります。要因が疾病に与えるインパクトを算出する疾病負担研究プロジェクトでは喫煙に起因する全世界のがん死亡は年間100万であったのに対し、アルコールは60万、大気汚染は20万、加工肉では3万4千人であったことが示されています。
今回の結果を踏まえて以後どのように公衆衛生上の目標を定めるかは、各国の赤肉などの摂取状況とその摂取量範囲でのリスクの大きさに基づいた“リスク評価“、さらには、がんや他の疾患への影響などを踏まえて行われるべきものです。
2.日本人における赤肉・加工肉摂取量と大腸がん罹患リスクについて
IARCの評価の基となった全世界地域の論文の赤肉摂取の範囲はおおむね一日50-100gで、中には200g以上わたる非常に高い地域もありました。2013年の国民健康・栄養調査によると日本人の赤肉・加工肉の摂取量は一日あたり63g(うち、赤肉は50g、加工肉は13g)で、世界的に見て最も摂取量の低い国の一つです。 当センター がん予防・検診研究センター 予防研究グループでは、国内の45-74歳の男女約8万人を対象に赤肉・加工肉摂取量と大腸がん罹患リスクについて追跡調査を行ったコホート研究の結果を、2011年に発表しています。
同研究は、赤肉・加工肉の摂取量に応じて低い方から高い方に5グループに分けてその後の大腸がんの発生リスクとの関連を検討した研究で、女性では毎日赤肉を80g**(調理前の重量。調理後は20%程度重量が減少する)以上食べるグループで結腸がんのリスクが高く、それ以下の摂取量ではリスク上昇はみられていません。男性では鶏肉も含む肉全体では摂取量の最も高い第5グループでリスク上昇がみられましたが、赤肉では特に関連はみられていません。また、加工肉については男女ともに関連はみられていません。大腸がんの発生に関して、日本人の平均的な摂取の範囲であれば赤肉や加工肉がリスクに与える影響は無いか、あっても、小さいと言えます。
多目的コホート研究 2011/11/28 赤肉・加工肉摂取量と大腸がん罹患リスクについて
http://epi.ncc.go.jp/jphc/584/2870.htmlncc管轄サイトへのリンク
3.日本人のためのがん予防法について
同予防研究グループでは、様々な生活習慣とがんとの関連について日本人を対象とした研究を基にIARCやWCRF/AICRによる報告書の手法を準用して評価を行っています。
表2に示す分類に基づいて赤肉、加工肉と大腸がんとの関連については、日本人の科学的証拠は6件のコホート研究および13件の症例・対照研究に基づき“可能性あり”と判定しています。海外に比べて弱い判定結果ですが、日本人における赤肉、加工肉の摂取量が低いことの影響が考えられます。
このような生活習慣要因の判定結果を基に、現状において推奨できる科学的根拠に基づくがん予防法「日本人のためのがん予防法」も提示しています。食事要因については「塩蔵品を控えること」「野菜・果物不足にならないこと」「熱い飲食物をとらないこと」を目標に定めています。2007年のWCRFとAICRの報告書の判定を踏まえてかつては赤肉、加工肉についても摂取を控えるように目標に入れていた時期もありますが、日本人での科学的証拠がそれほど明確でないため、また、総合的な健康影響からはある程度の摂取が必要と判断して現在は取り下げている現状にあります。
また、生活習慣とがんリスクの関係については、「リスクチェック」も公開し、生活習慣の改善によるがん予防に役立てていただいております。
がん情報サービス「日本人のためのがん予防法」
http://ganjoho.jp/public/pre_scr/prevention/evidence_based.htmlがん情報サービスへのリンク
科学的根拠に基づく発がん性・がん予防効果の評価とがん予防ガイドライン提言に関する研究 http://epi.ncc.go.jp/can_prevncc管轄サイトへのリンク
がんリスクチェック
http://epi.ncc.go.jp/riskcheck/index.htmlncc管轄サイトへのリンク
日本人の赤肉・加工肉の摂取量は世界的に見ても低く、平均的摂取の範囲であれば大腸がんのリスクへの影響はほとんど考えにくいでしょう。ただし、欧米でも多いとされる量の摂取であればリスクを上げる可能性は高いと思われます。また、今回、IARCにより発がん性ありと判定された加工肉についての科学的証拠は大腸がんを主体としたものであり、健康全般を考慮した観点に立った場合には、他の疾患への影響も考慮する必要があります。赤肉はたんぱく質やビタミンB、鉄、亜鉛など私たちの健康維持にとって有用な成分もたくさん含んでいます。飽和脂肪酸も含まれ、摂りすぎは動脈硬化、その結果としての心筋梗塞のリスクを高めますが、少なすぎると脳卒中(特に、出血性)のリスクを高めることが分かっています。日本においては心筋梗塞より脳卒中の罹患率の方が高いことから、総合的にみても、今回の評価を受けて極端に量を制限する必要性はないと言えるでしょう。 がんをはじめとした生活習慣病予防、総合的健康の観点からは、まずは「日本人のためのがん予防法」で定められた健康習慣全般に気を配ることが大切です。
*Red meat は、牛・豚・羊肉などの肉のことで、脂肪分が少ない部位を示す「赤身肉」とは異なります。
**大規模食生活調査および詳細な食事記録調査に基づく近似値
赤肉・加工肉のがんリスクについて
【国立がん研究センター発表】
http://www.ncc.go.jp/jp/information/20151029.html
大腸がんの発生に関して、日本人の平均的な摂取の範囲であれば赤肉や加工肉がリスクに与える影響は無いか、あっても、小さい
赤肉はたんぱく質やビタミンB、鉄、亜鉛など私たちの健康維持にとって有用な成分もたくさん含んでいる
総合的にみても、今回の評価を受けて極端に量を制限する必要性はない 〕
おはようございます。
2015年10月26日(月)
世界保健機関(WHO)の専門組織である国際がん研究機関(IARC)から
『加工肉摂取に「がんリスク」=毎日50グラムで18%増』
という発表があり、本ブログの記事(10月29日)にしました。
大腸がん(直腸がんや結腸がん)のリスクということです。
このIARCの発表に対して、国立がん研究センターが、2015年10月29日に見解を発表しました。
http://www.ncc.go.jp/jp/information/20151029.html
精神科医師Aさんから、情報をいただきました。
ありがとうございます。
全容を見たい方は、上記URLを訪問していただけば幸いです。
まず、「Red meat:赤肉」 は、牛・豚・羊肉などの肉のことで、脂肪分が少ない部位を示すいわゆる「赤身肉」とは異なりますので注意が必要です。
国立がん研究センターの見解としては、精神科医師Aさんのご指摘のように、
『日本人においては、加工肉・赤肉に関して、極端に量を制限する必要性はない』
としています。
1)
IARCの評価の基となった全世界地域の論文の赤肉摂取の範囲はおおむね一日50-100gで、中には200g以上わたる非常に高い地域もあった。2013年の国民健康・栄養調査によると日本人の赤肉・加工肉の摂取量は一日あたり63g(うち、赤肉は50g、加工肉は13g)で、世界的に見て最も摂取量の低い国の一つであった。
2)
当センター がん予防・検診研究センター 予防研究グループでは、国内の45-74歳の男女約8万人を対象に赤肉・加工肉摂取量と大腸がん罹患リスクについて追跡調査を行ったコホート研究の結果を、2011年に発表。
当センター がん予防・検診研究センター 予防研究グループでは、同研究は、赤肉・加工肉の摂取量に応じて低い方から高い方に5グループに分けてその後の大腸がんの発生リスクとの関連を検討した研究で、女性では毎日赤肉を80g**(調理前の重量。調理後は20%程度重量が減少する)以上食べるグループで結腸がんのリスクが高く、それ以下の摂取量ではリスク上昇はみられていない。男性では鶏肉も含む肉全体では摂取量の最も高い第5グループでリスク上昇がみらたが、赤肉では特に関連はみられていない。また、加工肉については男女ともに関連はみられていない。
3)
大腸がんの発生に関して、日本人の平均的な摂取の範囲であれば赤肉や加工肉がリスクに与える影響は無いか、あっても、小さい。
1)2)3)が、上記国立がん研究センター見解の根拠となっています。
つまり、日本は世界標準に比べて「加工肉・赤肉」の摂取量が最も少ない国のひとつなので、現状の摂取量で、一般的な日本人において大腸癌のリスクとなる根拠はないということです。
一方、我々糖質セイゲニストは、少なくとも赤肉の摂取量は、一般的な日本人の標準量よりは、かなり多いと思います。
この場合、大腸がんのリスクはどうなのでしょう?
赤肉摂取量は多いのですが、糖質セイゲニストの場合は、糖質摂取に伴う「食後血糖値上昇」「食後高インスリン血症」がほとんどありません。
「食後血糖値上昇」「食後高インスリン血症」には、明確な発がんリスクがあります。
IARCの見解は
糖質を普通に食べて、赤肉も多く食べると「食後血糖値上昇」「食後高インスリン血症」を生じて大腸がんのリスクの可能性があるということだと思います。
結論です。
糖質セイゲニストにおいては、赤肉をたくさん食べても、大腸がんのリスクにはならない可能性が高いと思われます。
江部康二
☆☆☆
以下は、国立がん研究センターのサイトから一部抜粋して転載です。
国立研究開発法人国立がん研究センター
情報提供
赤肉・加工肉のがんリスクについて
2015年10月29日
国立研究開発法人国立がん研究センター
この度の国際がん研究組織(IARC)による以下の発表について、当センターによる解説と当センターが2011年に発表した日本人における赤肉・加工肉摂取量と大腸がん罹患リスクについてお知らせいたします。
IARC Monographs evaluate consumption of red meat and processed meat
http://www.iarc.fr/en/media-centre/pr/2015/pdfs/pr240_E.pdf外部サイトへのリンク
1.解説
IARC主催の10か国、22人の専門家による会議で赤肉*(牛・豚・羊などの肉)、加工肉の人への発がん性についての評価が行われました。評価は全世界地域の人を対象とした疫学研究(エビデンス)、動物実験研究、メカニズム研究からなる科学的証拠に基づく総合的な判定です。
その結果、加工肉について“人に対して発がん性がある(Group1)”と、主に大腸がんに対する疫学研究の十分な証拠に基づいて判定されました。赤肉については疫学研究からの証拠は限定的ながら、メカニズムを裏付ける相応の証拠があることから、“おそらく人に対して発がん性がある(Group2A)”と判定しています。 疫学研究からの証拠を評価する際には、複数の疫学研究を精査して、バイアスや偶然、他の要因の影響(交絡)の可能性を否定出来る質の高い研究に、より重きが置かれるため、ここでいう十分な証拠とはそのような影響を排除した上で成立したものと言えます。そのような影響を否定できない場合は総合判定でGroup 2A以下となります。
また、すでに2007年に世界がん研究基金(WCRF)と米国がん研究協会(AICR)による評価報告書で、赤肉、加工肉の摂取は大腸がんのリスクを上げることが“確実”と判定されており、赤肉は調理後の重量で週500g以内、加工肉はできるだけ控えるように、と勧告しています。高用量の摂取地域を含む海外の評価における結果はある程度一致しているとも言えます。
表1に分類の定義を示します。 Group1に位置付けられたものは他に喫煙やアスベストなどこれまでに100以上あります。IARCではある条件下(たとえば事故や職業などの特殊環境下での大量曝露、地域特有の食事摂取状況)であっても発がん性の有無を警告する意味において行いますので (いわゆる“ハザードの同定”)、同じグループに分類されたものでも公衆衛生上のインパクトは要因の分布や疾病構造によります。要因が疾病に与えるインパクトを算出する疾病負担研究プロジェクトでは喫煙に起因する全世界のがん死亡は年間100万であったのに対し、アルコールは60万、大気汚染は20万、加工肉では3万4千人であったことが示されています。
今回の結果を踏まえて以後どのように公衆衛生上の目標を定めるかは、各国の赤肉などの摂取状況とその摂取量範囲でのリスクの大きさに基づいた“リスク評価“、さらには、がんや他の疾患への影響などを踏まえて行われるべきものです。
2.日本人における赤肉・加工肉摂取量と大腸がん罹患リスクについて
IARCの評価の基となった全世界地域の論文の赤肉摂取の範囲はおおむね一日50-100gで、中には200g以上わたる非常に高い地域もありました。2013年の国民健康・栄養調査によると日本人の赤肉・加工肉の摂取量は一日あたり63g(うち、赤肉は50g、加工肉は13g)で、世界的に見て最も摂取量の低い国の一つです。 当センター がん予防・検診研究センター 予防研究グループでは、国内の45-74歳の男女約8万人を対象に赤肉・加工肉摂取量と大腸がん罹患リスクについて追跡調査を行ったコホート研究の結果を、2011年に発表しています。
同研究は、赤肉・加工肉の摂取量に応じて低い方から高い方に5グループに分けてその後の大腸がんの発生リスクとの関連を検討した研究で、女性では毎日赤肉を80g**(調理前の重量。調理後は20%程度重量が減少する)以上食べるグループで結腸がんのリスクが高く、それ以下の摂取量ではリスク上昇はみられていません。男性では鶏肉も含む肉全体では摂取量の最も高い第5グループでリスク上昇がみられましたが、赤肉では特に関連はみられていません。また、加工肉については男女ともに関連はみられていません。大腸がんの発生に関して、日本人の平均的な摂取の範囲であれば赤肉や加工肉がリスクに与える影響は無いか、あっても、小さいと言えます。
多目的コホート研究 2011/11/28 赤肉・加工肉摂取量と大腸がん罹患リスクについて
http://epi.ncc.go.jp/jphc/584/2870.htmlncc管轄サイトへのリンク
3.日本人のためのがん予防法について
同予防研究グループでは、様々な生活習慣とがんとの関連について日本人を対象とした研究を基にIARCやWCRF/AICRによる報告書の手法を準用して評価を行っています。
表2に示す分類に基づいて赤肉、加工肉と大腸がんとの関連については、日本人の科学的証拠は6件のコホート研究および13件の症例・対照研究に基づき“可能性あり”と判定しています。海外に比べて弱い判定結果ですが、日本人における赤肉、加工肉の摂取量が低いことの影響が考えられます。
このような生活習慣要因の判定結果を基に、現状において推奨できる科学的根拠に基づくがん予防法「日本人のためのがん予防法」も提示しています。食事要因については「塩蔵品を控えること」「野菜・果物不足にならないこと」「熱い飲食物をとらないこと」を目標に定めています。2007年のWCRFとAICRの報告書の判定を踏まえてかつては赤肉、加工肉についても摂取を控えるように目標に入れていた時期もありますが、日本人での科学的証拠がそれほど明確でないため、また、総合的な健康影響からはある程度の摂取が必要と判断して現在は取り下げている現状にあります。
また、生活習慣とがんリスクの関係については、「リスクチェック」も公開し、生活習慣の改善によるがん予防に役立てていただいております。
がん情報サービス「日本人のためのがん予防法」
http://ganjoho.jp/public/pre_scr/prevention/evidence_based.htmlがん情報サービスへのリンク
科学的根拠に基づく発がん性・がん予防効果の評価とがん予防ガイドライン提言に関する研究 http://epi.ncc.go.jp/can_prevncc管轄サイトへのリンク
がんリスクチェック
http://epi.ncc.go.jp/riskcheck/index.htmlncc管轄サイトへのリンク
日本人の赤肉・加工肉の摂取量は世界的に見ても低く、平均的摂取の範囲であれば大腸がんのリスクへの影響はほとんど考えにくいでしょう。ただし、欧米でも多いとされる量の摂取であればリスクを上げる可能性は高いと思われます。また、今回、IARCにより発がん性ありと判定された加工肉についての科学的証拠は大腸がんを主体としたものであり、健康全般を考慮した観点に立った場合には、他の疾患への影響も考慮する必要があります。赤肉はたんぱく質やビタミンB、鉄、亜鉛など私たちの健康維持にとって有用な成分もたくさん含んでいます。飽和脂肪酸も含まれ、摂りすぎは動脈硬化、その結果としての心筋梗塞のリスクを高めますが、少なすぎると脳卒中(特に、出血性)のリスクを高めることが分かっています。日本においては心筋梗塞より脳卒中の罹患率の方が高いことから、総合的にみても、今回の評価を受けて極端に量を制限する必要性はないと言えるでしょう。 がんをはじめとした生活習慣病予防、総合的健康の観点からは、まずは「日本人のためのがん予防法」で定められた健康習慣全般に気を配ることが大切です。
*Red meat は、牛・豚・羊肉などの肉のことで、脂肪分が少ない部位を示す「赤身肉」とは異なります。
**大規模食生活調査および詳細な食事記録調査に基づく近似値
2015年10月29日 (木)
おはようございます。
じょん さんから、加工肉の発がんリスクについて、コメント・質問をいただきました。
『加工肉摂取に「がんリスク」=毎日50グラムで18%増―WHO』
という記事が時事通信から、配信されました。
確かに加工肉は、混合物のカテゴリーでアルコール飲料 と共にIARC(国際がん研究機関)で「グループ1」であり、少量にとどめるほうが無難のようです。
IARC「グループ1」は、『ヒトに対する発癌性が認められる』とされているもので、根拠となる学術論文がしっかりあるということです。
グループ1には、化学物質のカテゴリーでは、アスベスト、ヒ素、太陽光暴露、X線照射・・・などがあります。
環境のカテゴリーでは、タバコの喫煙、紫外線を発する日焼けマシーン・・・などがあります。
グループ1に関しては、単独で発がん性がある可能性があり、食品は少量にとどめ、環境は避けるに越したことはありません。
次に赤肉ですが、IARCで、『おそらくヒトに発がん性あり』というグループ2Aに分類されています。
こちらも一定の根拠となる論文があると考えられます。
しかし、グループ2Aの食品に関しては、合わせ技という可能性が高いと思います。
赤肉は、普通に糖質を食べている人にはがんのリスクとなる可能性がありますが、スーパー糖質制限食実践者の場合は大丈夫と個人的には思います。
なぜなら、明確な発がんリスクである「高インスリン血症」と「高血糖」が、スーパー糖質制限食実践者では、ほとんど生じないからです。
つまり、赤肉は糖質を摂取して、「高インスリン血症」と「高血糖」を日常的に生じている人においては、発がんリスクとなるということだと私は考えています。
なお、スーパー糖質制限食の範疇で
<必須アミノ酸、必須脂肪酸、ビタミン、ミネラル、微量元素、食物繊維>
+
<EPA・DHA>
を確保していれば、そのまま人類本来の食事、人類の健康食です。
これを達成するには、魚や野菜、海草、茸なども必要です。
もちろん、肉・卵・チーズも摂取OKです。
江部康二
【15/10/28 じょん
加工肉 赤肉の発がんリスク
こんばんは。
少し気になる記事があります。
26日にWHOがベーコンやハム、ソーセージなどの加工肉を1日50グラム食べると、結腸や直腸のがんにかかるリスクを18%高める、などとする研究結果を発表しています。この研究は、WHO傘下の国際がん研究機関(IARC、仏リヨン)の作業グループがまとめ発表されたもののようです。加工肉は、IARCの発がん性の基準で、喫煙やアスベストなどと同じ「グループ1」に分類されています。また、牛や豚、馬などの赤身の肉についても、発がんの可能性があるとする分類に位置づけています。
江部先生は、糖質制限を実践する上で、肉、魚、野菜、ナッツ等、バランスよく食べることを勧めておられます。一方で、MEC食がありますが、こちらはどちらかというと肉食中心のように感じています。私の勘違いかもしれませんが。
このような記事をみると、糖質制限を実践していく上でも、
江部先生が言われるように様々なものをバランスよく食べたほうがいいように感じています。いかがでしょうか?】
【http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151026-00000156-jij-int
加工肉摂取に「がんリスク」=毎日50グラムで18%増―WHO
時事通信 10月26日(月)23時19分配信
【ベルリン時事】世界保健機関(WHO)の専門組織である国際がん研究機関(本部フランス・リヨン)は26日、ハムやソーセージなどの加工肉を食べると、
がん発症リスクが高まるという「十分な証拠」があると発表した。
加工肉を毎日50グラム食べた場合、直腸や結腸のがんになる可能性が18%増すという。個人にとってのリスクは「小さい」ものの、摂取量が増えれば高まると指摘した。
また、牛や豚など赤身の肉にもがんを誘発する恐れがあると言及した。
国際がん研究機関は、赤身の肉は栄養価が高いとした上で、リスクとのバランスを踏まえながら当局が「食事に関する最良の勧告を行う」必要性を訴えた。同機関は800以上の研究結果を分析し、見解をまとめた。】
じょん さんから、加工肉の発がんリスクについて、コメント・質問をいただきました。
『加工肉摂取に「がんリスク」=毎日50グラムで18%増―WHO』
という記事が時事通信から、配信されました。
確かに加工肉は、混合物のカテゴリーでアルコール飲料 と共にIARC(国際がん研究機関)で「グループ1」であり、少量にとどめるほうが無難のようです。
IARC「グループ1」は、『ヒトに対する発癌性が認められる』とされているもので、根拠となる学術論文がしっかりあるということです。
グループ1には、化学物質のカテゴリーでは、アスベスト、ヒ素、太陽光暴露、X線照射・・・などがあります。
環境のカテゴリーでは、タバコの喫煙、紫外線を発する日焼けマシーン・・・などがあります。
グループ1に関しては、単独で発がん性がある可能性があり、食品は少量にとどめ、環境は避けるに越したことはありません。
次に赤肉ですが、IARCで、『おそらくヒトに発がん性あり』というグループ2Aに分類されています。
こちらも一定の根拠となる論文があると考えられます。
しかし、グループ2Aの食品に関しては、合わせ技という可能性が高いと思います。
赤肉は、普通に糖質を食べている人にはがんのリスクとなる可能性がありますが、スーパー糖質制限食実践者の場合は大丈夫と個人的には思います。
なぜなら、明確な発がんリスクである「高インスリン血症」と「高血糖」が、スーパー糖質制限食実践者では、ほとんど生じないからです。
つまり、赤肉は糖質を摂取して、「高インスリン血症」と「高血糖」を日常的に生じている人においては、発がんリスクとなるということだと私は考えています。
なお、スーパー糖質制限食の範疇で
<必須アミノ酸、必須脂肪酸、ビタミン、ミネラル、微量元素、食物繊維>
+
<EPA・DHA>
を確保していれば、そのまま人類本来の食事、人類の健康食です。
これを達成するには、魚や野菜、海草、茸なども必要です。
もちろん、肉・卵・チーズも摂取OKです。
江部康二
【15/10/28 じょん
加工肉 赤肉の発がんリスク
こんばんは。
少し気になる記事があります。
26日にWHOがベーコンやハム、ソーセージなどの加工肉を1日50グラム食べると、結腸や直腸のがんにかかるリスクを18%高める、などとする研究結果を発表しています。この研究は、WHO傘下の国際がん研究機関(IARC、仏リヨン)の作業グループがまとめ発表されたもののようです。加工肉は、IARCの発がん性の基準で、喫煙やアスベストなどと同じ「グループ1」に分類されています。また、牛や豚、馬などの赤身の肉についても、発がんの可能性があるとする分類に位置づけています。
江部先生は、糖質制限を実践する上で、肉、魚、野菜、ナッツ等、バランスよく食べることを勧めておられます。一方で、MEC食がありますが、こちらはどちらかというと肉食中心のように感じています。私の勘違いかもしれませんが。
このような記事をみると、糖質制限を実践していく上でも、
江部先生が言われるように様々なものをバランスよく食べたほうがいいように感じています。いかがでしょうか?】
【http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151026-00000156-jij-int
加工肉摂取に「がんリスク」=毎日50グラムで18%増―WHO
時事通信 10月26日(月)23時19分配信
【ベルリン時事】世界保健機関(WHO)の専門組織である国際がん研究機関(本部フランス・リヨン)は26日、ハムやソーセージなどの加工肉を食べると、
がん発症リスクが高まるという「十分な証拠」があると発表した。
加工肉を毎日50グラム食べた場合、直腸や結腸のがんになる可能性が18%増すという。個人にとってのリスクは「小さい」ものの、摂取量が増えれば高まると指摘した。
また、牛や豚など赤身の肉にもがんを誘発する恐れがあると言及した。
国際がん研究機関は、赤身の肉は栄養価が高いとした上で、リスクとのバランスを踏まえながら当局が「食事に関する最良の勧告を行う」必要性を訴えた。同機関は800以上の研究結果を分析し、見解をまとめた。】
2015年10月28日 (水)
おはようございます。
以前、私が監修している糖質制限食販売サイト、糖質制限ドットコムの運営会社、京都高雄倶楽部に新人さんが入りましたと記事にしました。
管理栄養士のCocoroちゃんです。

北九州の透析病院に務めていましたが、あらてつさんの3年に亘る説得の末、引き抜かれて来ました。
Cocoroちゃんは、5年前に新型インフルエンザに罹ったことから1型糖尿病を発症、私のブログと本に出会って糖質制限食を実践するようになったそうです。
コントロールの難しい1型糖尿病にも関わらず、なんと私、江部康二よりも良好なHbA1cを保っています(^_^;)
写真の通りまだ若いですが、管理栄養士としてとても優秀で、九州でも有数の透析病院に勤務していたので、沢山の症例を診てきていますし、何と言っても本人が1型糖尿病で、糖質制限食で良好なコントロールを保てていますので、他の誰よりも説得力が違います。
これまでの経験を活かし、毎週金曜日、江部診療所でも管理栄養士として栄養指導をしてもらっています(^^)
ブログ読者の皆さん、どうぞ宜しくお願い致しますm(__)m
江部康二
☆☆☆
管理栄養士のCocoroちゃんのブログです
Ⅰ型糖尿病+管理栄養士Cocoroの糖質制限Blog
http://cocolowcarb.blog.fc2.com/
以前、私が監修している糖質制限食販売サイト、糖質制限ドットコムの運営会社、京都高雄倶楽部に新人さんが入りましたと記事にしました。
管理栄養士のCocoroちゃんです。

北九州の透析病院に務めていましたが、あらてつさんの3年に亘る説得の末、引き抜かれて来ました。
Cocoroちゃんは、5年前に新型インフルエンザに罹ったことから1型糖尿病を発症、私のブログと本に出会って糖質制限食を実践するようになったそうです。
コントロールの難しい1型糖尿病にも関わらず、なんと私、江部康二よりも良好なHbA1cを保っています(^_^;)
写真の通りまだ若いですが、管理栄養士としてとても優秀で、九州でも有数の透析病院に勤務していたので、沢山の症例を診てきていますし、何と言っても本人が1型糖尿病で、糖質制限食で良好なコントロールを保てていますので、他の誰よりも説得力が違います。
これまでの経験を活かし、毎週金曜日、江部診療所でも管理栄養士として栄養指導をしてもらっています(^^)
ブログ読者の皆さん、どうぞ宜しくお願い致しますm(__)m
江部康二
☆☆☆
管理栄養士のCocoroちゃんのブログです
Ⅰ型糖尿病+管理栄養士Cocoroの糖質制限Blog
http://cocolowcarb.blog.fc2.com/
2015年10月27日 (火)
【15/10/26 滋賀県民
講演会ありがとうございます。
講演会ありがとうございました。
講演会で質問させていただいた、高雄病院に通院し、糖質制限指導を受け、劇的によくなった滋賀県民です。
大変ありがとうございます。数値を申し上げると、以下の通りです。
年月日 血糖値 HbA1c 尿素窒素 尿酸
14.12.13 469 12.2 15.8 4.5
15.01.10 105 9.5 23.1 6.7
15.02.14 85 6.9 22.2 7.0
15.03.14 94 6.0 25.0 6.7
15.04.18 93 5.5 32.2 7.2
15.06.06 101 5.4 23.5 6.7
15.08.01 106 5.6 20.5 7.5
15.09.26 97 5.6 22.5 7.3
糖質制限開始2か月で、HbA1cがほぼ正常値(7以下)に戻りました。
以前カロリー制限をしていたときは、11.5から6.9まで下がるのに半年かかりました。
ただカロリー制限中は辛く、その後断念してしまい元に戻ってしまいました。
現在スーパー糖質制限を実行中であり、米、パン、麺類の糖質をやめ、1週間に2、3回、糖質をとるときだけ、アカルボースを食前に飲むような状況です。
カロリー制限とは違い、食事量を減らすこともないので、今後もずっとつづけられそうです。
私の場合、カロリー制限を止めた後の健康診断で、糖尿病の再悪化が見つかり、たまたま糖質制限を推奨している産業医の先生から、高雄病院を紹介していただきました。
私自身一度カロリー制限で失敗したので、今回は違う方法でやってみようという思いもありました。
ただこんなにも劇的に数値が下がるとは思ってもいませんでした。
本当にありがとうございます。
ただ懸念点もあり、尿酸と尿素窒素の数値が、標準値より高くなっています。
当日の質問でも、この値について聞きましたが、あまり気にすることはないとのことでした。
なお血糖値が高い方が、体に悪いとの認識があり、糖質制限を止めるつもりはありません。
また先生は、摂取カロリーが少ないからではとのことでしたが、糖質は減りましたが、食べる量は変わっておらず、体重も糖質制限後、2kg程度しか減少していないことから、高たんぱく、高脂質になっているのが影響しているのではと心配しています。
現在経過観察中ですが、今後何に注意をすればよいのでしょうか。】
こんにちは。
滋賀医科大学 第41回若鮎祭 特別講演会
健康は食事から!
糖質制限食を始めよう!
にご参加頂いた滋賀県民さんから、糖質制限食で糖尿病劇的改善という嬉しいコメントを頂きました。
滋賀県民さん、講演会へのご参加、そしてコメントをありがとうございます。
年月日 血糖値 HbA1c
14.12.13 469mg 12.2%
始まりは、なかなかの大物ですね。
血糖値469mg/dlとは、すごいです。
仰る通りカロリー制限食は、つらいです。
和牛サーロインステーキの脂ののったのを200g食べたらそれだけで1000kcalです。
男性で1600kcal/日とかのカロリー制限食を指導されていたら、残りは600kcalしかありません。
これでは、「ステーキは食べるな!」と言われているようなものです。
スーパー糖質制限食開始3ヶ月後には、HbA1c6.0%とほぼ基準値です。
12.2%からですから、素晴らしい改善です。
高雄病院を紹介して頂いた糖質制限食推奨の産業医の先生、「good job」です。
ありがとうございます。
最近のHbA1cは、5.4~5.6%でコントロールは優で基準値内(正常値)です。
しかも、「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」のない質のいいHbA1cです。
SU剤内服やインスリン注射でHbA1cがコントロール良好でも、その場合は、「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」のある質の悪いHbA1cのことが多いので、注意が必要なのです。
さて、滋賀県民さんが心配しておられる「尿素窒素」と「尿酸」のことです。
スーパー糖質制限食の場合、高タンパク食になるので、尿素窒素がやや高値になることがありますが、これは生理的なもので、心配ありません。
血清クレアチニン値や血清シスタチンCが正常値なら、腎機能は大丈夫です。
「腎機能正常の人が高タンパク食を食べた結果腎機能が悪化した」というような論文(エビデンス)は存在しませんので安心してください。
次に尿酸ですが、過去痛風発作を起こしたことがないならば、9mg/dlまでは、経過観察でOKとされています。
4.5
6.7
7.0
6.7
7.2
6.7
7.5
7.3mg/dl
このデータの推移なら、薬なしで経過をみられても、全く問題ありません。
尿酸値は、従来、肉の摂りすぎや、ビールの飲み過ぎで高値となるということが常識だったのですが、食事由来のプリン体は総量の約20%に過ぎず、体内で生合成するプリン体80%に比し、かなり少ないということが判明しました。
<尿酸を上昇させる要因>
尿酸を確実に上昇させるのは、重要なものから順番に
1、ストレス
2、肥満
3、大量の飲酒
4、激しい運動
5、プリン体の摂りすぎ
だそうです。
<尿酸の生成と排泄、尿酸プール>
☆尿酸の生成
プリン体の代謝産物として、尿酸が作られます。
一日で産生される尿酸の総量:約700㎎
☆尿酸の排泄
一日で排出される尿酸の量:約700㎎
・ 尿から排泄:約525㎎(3/4)
・ 汗や消化液から排泄:約175㎎(1/4)
☆尿酸の体内プール
・ 健康な人の体内には常に1200㎎程度の尿酸がプールされています。
尿酸は、このように毎日生産と排泄を繰り返しながら一定量を保っています。
しかし、尿酸の排泄がうまくいかなくなったり、尿酸が体内で作られすぎると、尿酸値が上がります。
プリン体がきわめて多い(100g中300㎎以上)食品は、鶏レバー、白子などで、
多い(100g中200-300㎎)のは豚レバー、牛レバー、かつお、まいわし、大正えびなどです。
さすがに、これらの食品は摂りすぎない方がいいと思いますが、滋賀県民さんの場合は、このまま、スーパー糖質制限食を継続されていけば、そのうち基準値内に落ち着くと思います。
江部康二
講演会ありがとうございます。
講演会ありがとうございました。
講演会で質問させていただいた、高雄病院に通院し、糖質制限指導を受け、劇的によくなった滋賀県民です。
大変ありがとうございます。数値を申し上げると、以下の通りです。
年月日 血糖値 HbA1c 尿素窒素 尿酸
14.12.13 469 12.2 15.8 4.5
15.01.10 105 9.5 23.1 6.7
15.02.14 85 6.9 22.2 7.0
15.03.14 94 6.0 25.0 6.7
15.04.18 93 5.5 32.2 7.2
15.06.06 101 5.4 23.5 6.7
15.08.01 106 5.6 20.5 7.5
15.09.26 97 5.6 22.5 7.3
糖質制限開始2か月で、HbA1cがほぼ正常値(7以下)に戻りました。
以前カロリー制限をしていたときは、11.5から6.9まで下がるのに半年かかりました。
ただカロリー制限中は辛く、その後断念してしまい元に戻ってしまいました。
現在スーパー糖質制限を実行中であり、米、パン、麺類の糖質をやめ、1週間に2、3回、糖質をとるときだけ、アカルボースを食前に飲むような状況です。
カロリー制限とは違い、食事量を減らすこともないので、今後もずっとつづけられそうです。
私の場合、カロリー制限を止めた後の健康診断で、糖尿病の再悪化が見つかり、たまたま糖質制限を推奨している産業医の先生から、高雄病院を紹介していただきました。
私自身一度カロリー制限で失敗したので、今回は違う方法でやってみようという思いもありました。
ただこんなにも劇的に数値が下がるとは思ってもいませんでした。
本当にありがとうございます。
ただ懸念点もあり、尿酸と尿素窒素の数値が、標準値より高くなっています。
当日の質問でも、この値について聞きましたが、あまり気にすることはないとのことでした。
なお血糖値が高い方が、体に悪いとの認識があり、糖質制限を止めるつもりはありません。
また先生は、摂取カロリーが少ないからではとのことでしたが、糖質は減りましたが、食べる量は変わっておらず、体重も糖質制限後、2kg程度しか減少していないことから、高たんぱく、高脂質になっているのが影響しているのではと心配しています。
現在経過観察中ですが、今後何に注意をすればよいのでしょうか。】
こんにちは。
滋賀医科大学 第41回若鮎祭 特別講演会
健康は食事から!
糖質制限食を始めよう!
にご参加頂いた滋賀県民さんから、糖質制限食で糖尿病劇的改善という嬉しいコメントを頂きました。
滋賀県民さん、講演会へのご参加、そしてコメントをありがとうございます。
年月日 血糖値 HbA1c
14.12.13 469mg 12.2%
始まりは、なかなかの大物ですね。
血糖値469mg/dlとは、すごいです。
仰る通りカロリー制限食は、つらいです。
和牛サーロインステーキの脂ののったのを200g食べたらそれだけで1000kcalです。
男性で1600kcal/日とかのカロリー制限食を指導されていたら、残りは600kcalしかありません。
これでは、「ステーキは食べるな!」と言われているようなものです。
スーパー糖質制限食開始3ヶ月後には、HbA1c6.0%とほぼ基準値です。
12.2%からですから、素晴らしい改善です。
高雄病院を紹介して頂いた糖質制限食推奨の産業医の先生、「good job」です。
ありがとうございます。
最近のHbA1cは、5.4~5.6%でコントロールは優で基準値内(正常値)です。
しかも、「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」のない質のいいHbA1cです。
SU剤内服やインスリン注射でHbA1cがコントロール良好でも、その場合は、「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」のある質の悪いHbA1cのことが多いので、注意が必要なのです。
さて、滋賀県民さんが心配しておられる「尿素窒素」と「尿酸」のことです。
スーパー糖質制限食の場合、高タンパク食になるので、尿素窒素がやや高値になることがありますが、これは生理的なもので、心配ありません。
血清クレアチニン値や血清シスタチンCが正常値なら、腎機能は大丈夫です。
「腎機能正常の人が高タンパク食を食べた結果腎機能が悪化した」というような論文(エビデンス)は存在しませんので安心してください。
次に尿酸ですが、過去痛風発作を起こしたことがないならば、9mg/dlまでは、経過観察でOKとされています。
4.5
6.7
7.0
6.7
7.2
6.7
7.5
7.3mg/dl
このデータの推移なら、薬なしで経過をみられても、全く問題ありません。
尿酸値は、従来、肉の摂りすぎや、ビールの飲み過ぎで高値となるということが常識だったのですが、食事由来のプリン体は総量の約20%に過ぎず、体内で生合成するプリン体80%に比し、かなり少ないということが判明しました。
<尿酸を上昇させる要因>
尿酸を確実に上昇させるのは、重要なものから順番に
1、ストレス
2、肥満
3、大量の飲酒
4、激しい運動
5、プリン体の摂りすぎ
だそうです。
<尿酸の生成と排泄、尿酸プール>
☆尿酸の生成
プリン体の代謝産物として、尿酸が作られます。
一日で産生される尿酸の総量:約700㎎
☆尿酸の排泄
一日で排出される尿酸の量:約700㎎
・ 尿から排泄:約525㎎(3/4)
・ 汗や消化液から排泄:約175㎎(1/4)
☆尿酸の体内プール
・ 健康な人の体内には常に1200㎎程度の尿酸がプールされています。
尿酸は、このように毎日生産と排泄を繰り返しながら一定量を保っています。
しかし、尿酸の排泄がうまくいかなくなったり、尿酸が体内で作られすぎると、尿酸値が上がります。
プリン体がきわめて多い(100g中300㎎以上)食品は、鶏レバー、白子などで、
多い(100g中200-300㎎)のは豚レバー、牛レバー、かつお、まいわし、大正えびなどです。
さすがに、これらの食品は摂りすぎない方がいいと思いますが、滋賀県民さんの場合は、このまま、スーパー糖質制限食を継続されていけば、そのうち基準値内に落ち着くと思います。
江部康二
2015年10月26日 (月)
こんばんは。
滋賀医科大学 第41回若鮎祭 特別講演会
健康は食事から!
糖質制限食を始めよう!
<日時>
2015/10/25(日) 14:30~16:30
講演:90分間 質疑応答:30分間
のご報告です。
滋賀医科大学臨床講義棟1階 臨床講義室1が満席でしたので、150人くらい参加していただいて満員御礼でした。
寒風の中、ブログ読者の皆さんもたくさんご参加いただきありがとうございました。
高雄病院や江部診療所の患者さんもご参加いただき、ありがとうございました。
私も背広にネクタイでしたが、滋賀医科大学が、少し山の中ということもあり、かなり肌寒かったです。
滋賀医大出身の糖質制限食賛成派の医師も複数ご参加頂きました。
精神科医師Aさん、小児科の岡田先生、母校での講演会へのご参加、ありがとうございました。
滋賀医大の医学生諸君ももちろん参加です。
4回生が、実務を担当するということで学祭実行委員の安田さん、司会と進行、お疲れ様でした。
安田さんのお父上も、講演に来て頂いたとのことでした。
講演会、質疑応答とも終始、笑いに包まれて和やかな雰囲気でとても喋りやすかったです。
わかりやすく楽しくお話できたかなと思っています。
高雄病院に入院されて、糖尿病が劇的によくなったとコメントとされた参加者もおられて、私も、面目躍如といったところでした。(さくらではありませんので念のため・・・。)
質疑応答も30分しっかり行いました。
講演会・質疑応答終了後は、サイン会と撮影会になり、私もなかなかの人気者でした。
江部康二
滋賀医科大学 第41回若鮎祭 特別講演会
健康は食事から!
糖質制限食を始めよう!
<日時>
2015/10/25(日) 14:30~16:30
講演:90分間 質疑応答:30分間
のご報告です。
滋賀医科大学臨床講義棟1階 臨床講義室1が満席でしたので、150人くらい参加していただいて満員御礼でした。
寒風の中、ブログ読者の皆さんもたくさんご参加いただきありがとうございました。
高雄病院や江部診療所の患者さんもご参加いただき、ありがとうございました。
私も背広にネクタイでしたが、滋賀医科大学が、少し山の中ということもあり、かなり肌寒かったです。
滋賀医大出身の糖質制限食賛成派の医師も複数ご参加頂きました。
精神科医師Aさん、小児科の岡田先生、母校での講演会へのご参加、ありがとうございました。
滋賀医大の医学生諸君ももちろん参加です。
4回生が、実務を担当するということで学祭実行委員の安田さん、司会と進行、お疲れ様でした。
安田さんのお父上も、講演に来て頂いたとのことでした。
講演会、質疑応答とも終始、笑いに包まれて和やかな雰囲気でとても喋りやすかったです。
わかりやすく楽しくお話できたかなと思っています。
高雄病院に入院されて、糖尿病が劇的によくなったとコメントとされた参加者もおられて、私も、面目躍如といったところでした。(さくらではありませんので念のため・・・。)
質疑応答も30分しっかり行いました。
講演会・質疑応答終了後は、サイン会と撮影会になり、私もなかなかの人気者でした。
江部康二
2015年10月25日 (日)
こんばんは。
日本における、「糖尿病と糖質制限食」の歴史を概観してみました。
日本においても、明治、大正、昭和(第二次大戦終了くらいまで)と、厳重食(ほぼスーパー糖質制限食と一緒)が糖尿病治療食の標準でした。
カナダでインスリンが製造されたのが1921年ですが、欧米でもその頃までは、スーパー糖質制限食が糖尿病治療食の標準でした。
<夏目漱石と糖尿病と厳重食>
文豪夏目漱石(1867~1916年)は、糖尿病でした。
大正5年(1916)正月、右の上膊(上腕)神経に強い痛みと右上膊(上腕)の不全麻痺がありました。
薬、マッサージは無効で、4月、糖尿病と診断されました。
教え子の医師真鍋嘉一郎により、5月から、当時の最先端治療の「厳重食」を開始して、尿糖は消失しました。
7月終わりには、右の上膊神経の強い痛みと右上膊の不全麻痺が改善しました。
神経衰弱の症状も減退し糖尿病も改善しました。
しかしながら11月、胃潰瘍が再発。
12月9日、胃潰瘍による出血で死亡です。
厳重食で、糖尿病と糖尿病神経障害は著明改善ですが、残念ながら胃潰瘍のために死去しています。
<厳重食=スーパー糖質制限食>
昭和13年、18年の女子栄養大学の「厳重食」の解説(下記青字)をみると、まさに、「厳重食=スーパー糖質制限食」です。
『肉類(牛、豚、鶏、魚肉、内臓、心臓、肝臓、舌、膈、腎臓、骨髄)、貝類、卵類(鶏卵、鳥卵、魚卵)、
脂肪類(バター類、豚脂、ヘッド、肝油、オリーブ油、ごま油、)、豆類(豆腐、油揚げなど)、
味噌は少量、野菜(含水炭素5%以下)小松菜、京菜、白菜、筍、レタス、蕗、大根、アスパラ、
果実(含水炭素の少ないもの)びわ、すもも、苺、いちじく、メロン、パイナップル、パパイヤ、りんご、蜜柑、夏みかん・・・
*梨、ブドウ、柿、バナナはやや糖質が多いので警戒を要する。』
含水炭素とは炭水化物のことです。
夏目漱石と厳重食1)2)については、精神科医師Aさんに資料を提供して頂きました。ありがとうございました。
<日本における糖質制限食の歴史と食品交換表の登場>
戦前までは、上述のように厳重食(スーパー糖質制限食)が普通にありました。
日本でも、昭和18年(1943年) 頃は、上記女子栄養大の解説のように、まだ厳重食のほうが、幅を利かせていたようです。
そして、1945年の終戦後しばらく経過して、日本糖尿病学会のバイブルである食品交換表初版が1965年に発行されました。
初版は「医師・栄養士・患者にすぐ役だつ糖尿病治療のための食品交換表」という名称でした。
解説には、食事療法の原則として
「①適正なカロリー②糖質量の制限③糖質、たんぱく質、脂質のバランス④ビタミンおよびミネラルの適正な補給」
と記載されています。
なんと、2番目には、驚くべきことに「糖質量の制限」と明記してあります。
これが、1969年の第2版になると
「①適正なカロリー(カロリーの制限)②糖質、たんぱく質、脂質のバランス③ビタミンおよびミネラルの適正な補給」
と変更されて、「糖質量の制限」が削除されています。
糖尿病食事療法の原則から、「糖質制限」が消えて、「カロリー制限」が登場したのが2版です。
食品交換表第2版(1969年)以降は、最新の第7版(2013年)まで、日本糖尿病学会は、一貫して、カロリー制限食を唯一無二の食事療法として推奨しています。
<日本における近年の糖質制限食の歴史>
1969年以降、すっかり途絶えていた糖質制限食の臨床実践は、
1999年から釜池医師が宇和島で開始し、
同時に高雄病院でも筆者の兄江部洋一郎医師が開始し有効例を重ねました。
その経験を踏まえ医学文献では、
2004年に筆者が本邦初の糖質制限食有効例の報告を行いました。3)
2005年には筆者が本邦初の一般向けの本を出版しました。 4)
2006年荒木医師が「断糖宣言」
2007年釜池医師が「糖質ゼロの食事術」を刊行しました。
坂東医師、中村医師は、約1000人を肥満外来で治療し、糖質制限食の有効性を2008年に報告しました。 5)
2009年、2010年、医学雑誌に筆者が小論文を発表しました。 6)7)
その後、
2012年に山田悟医師、白澤医師、
2014年に渡辺信幸医師が一般向け糖質制限食の本を出版しました。8)9)10)
なお、2013年10月には、米国糖尿病学会が栄養療法に関する声明の中で、地中海食やベジタリアン食などと共に、糖質制限食を正式に容認しました。
この米国糖尿病学会の正式容認は、日本における糖質制限食普及に関して大変大きな追い風となりました。
糖質制限食の広がり、いよいよ加速がついてきました。
日本糖尿病学会は、米国の糖質制限食正式容認に関して沈黙したままですが、いつまで国民に隠蔽するつもりなのでしょうか?
1)香川綾: 女子栄養大学「栄養と料理」 第4巻第4号 p46
糖尿病の手当と食餌療法、昭和13年(1938年)
2)香川昇三:女子栄養大学「栄養と料理」 第9巻第5号 p27
糖尿病患者の厳重食、 昭和18年(1943年)
3)江部康二他:糖尿病食事療法として糖質制限食を実施した3症例,
京都医学会雑誌51(1):125-130、2004
4)江部康二:主食を抜けば糖尿病は良くなる!糖質制限食のすすめ、
2005年(東洋経済新報社)
5)坂東浩,中村巧:カーボカウントと糖質制限食, 治療,90(12):3105-3111,2008
6)江部康二:主食を抜けば(糖質を制限すれば)糖尿病は良くなる!,
治療,91(4):682-683,2009
7)江部康二:低糖質食(糖質制限食carbohydrate restriction)の意義,
内科,105(1):100-103,2010
8)山田悟:糖質制限食のススメ、2012年(東洋経済新報社)
9)白澤卓二:<白澤式>ケトン食事法、2012年(かんき出版)
10)渡辺信幸:日本人だからこそ「ご飯」を食べるな 肉・卵・チーズが健康長寿をつくる 、2014年(講談社)
江部康二
日本における、「糖尿病と糖質制限食」の歴史を概観してみました。
日本においても、明治、大正、昭和(第二次大戦終了くらいまで)と、厳重食(ほぼスーパー糖質制限食と一緒)が糖尿病治療食の標準でした。
カナダでインスリンが製造されたのが1921年ですが、欧米でもその頃までは、スーパー糖質制限食が糖尿病治療食の標準でした。
<夏目漱石と糖尿病と厳重食>
文豪夏目漱石(1867~1916年)は、糖尿病でした。
大正5年(1916)正月、右の上膊(上腕)神経に強い痛みと右上膊(上腕)の不全麻痺がありました。
薬、マッサージは無効で、4月、糖尿病と診断されました。
教え子の医師真鍋嘉一郎により、5月から、当時の最先端治療の「厳重食」を開始して、尿糖は消失しました。
7月終わりには、右の上膊神経の強い痛みと右上膊の不全麻痺が改善しました。
神経衰弱の症状も減退し糖尿病も改善しました。
しかしながら11月、胃潰瘍が再発。
12月9日、胃潰瘍による出血で死亡です。
厳重食で、糖尿病と糖尿病神経障害は著明改善ですが、残念ながら胃潰瘍のために死去しています。
<厳重食=スーパー糖質制限食>
昭和13年、18年の女子栄養大学の「厳重食」の解説(下記青字)をみると、まさに、「厳重食=スーパー糖質制限食」です。
『肉類(牛、豚、鶏、魚肉、内臓、心臓、肝臓、舌、膈、腎臓、骨髄)、貝類、卵類(鶏卵、鳥卵、魚卵)、
脂肪類(バター類、豚脂、ヘッド、肝油、オリーブ油、ごま油、)、豆類(豆腐、油揚げなど)、
味噌は少量、野菜(含水炭素5%以下)小松菜、京菜、白菜、筍、レタス、蕗、大根、アスパラ、
果実(含水炭素の少ないもの)びわ、すもも、苺、いちじく、メロン、パイナップル、パパイヤ、りんご、蜜柑、夏みかん・・・
*梨、ブドウ、柿、バナナはやや糖質が多いので警戒を要する。』
含水炭素とは炭水化物のことです。
夏目漱石と厳重食1)2)については、精神科医師Aさんに資料を提供して頂きました。ありがとうございました。
<日本における糖質制限食の歴史と食品交換表の登場>
戦前までは、上述のように厳重食(スーパー糖質制限食)が普通にありました。
日本でも、昭和18年(1943年) 頃は、上記女子栄養大の解説のように、まだ厳重食のほうが、幅を利かせていたようです。
そして、1945年の終戦後しばらく経過して、日本糖尿病学会のバイブルである食品交換表初版が1965年に発行されました。
初版は「医師・栄養士・患者にすぐ役だつ糖尿病治療のための食品交換表」という名称でした。
解説には、食事療法の原則として
「①適正なカロリー②糖質量の制限③糖質、たんぱく質、脂質のバランス④ビタミンおよびミネラルの適正な補給」
と記載されています。
なんと、2番目には、驚くべきことに「糖質量の制限」と明記してあります。
これが、1969年の第2版になると
「①適正なカロリー(カロリーの制限)②糖質、たんぱく質、脂質のバランス③ビタミンおよびミネラルの適正な補給」
と変更されて、「糖質量の制限」が削除されています。
糖尿病食事療法の原則から、「糖質制限」が消えて、「カロリー制限」が登場したのが2版です。
食品交換表第2版(1969年)以降は、最新の第7版(2013年)まで、日本糖尿病学会は、一貫して、カロリー制限食を唯一無二の食事療法として推奨しています。
<日本における近年の糖質制限食の歴史>
1969年以降、すっかり途絶えていた糖質制限食の臨床実践は、
1999年から釜池医師が宇和島で開始し、
同時に高雄病院でも筆者の兄江部洋一郎医師が開始し有効例を重ねました。
その経験を踏まえ医学文献では、
2004年に筆者が本邦初の糖質制限食有効例の報告を行いました。3)
2005年には筆者が本邦初の一般向けの本を出版しました。 4)
2006年荒木医師が「断糖宣言」
2007年釜池医師が「糖質ゼロの食事術」を刊行しました。
坂東医師、中村医師は、約1000人を肥満外来で治療し、糖質制限食の有効性を2008年に報告しました。 5)
2009年、2010年、医学雑誌に筆者が小論文を発表しました。 6)7)
その後、
2012年に山田悟医師、白澤医師、
2014年に渡辺信幸医師が一般向け糖質制限食の本を出版しました。8)9)10)
なお、2013年10月には、米国糖尿病学会が栄養療法に関する声明の中で、地中海食やベジタリアン食などと共に、糖質制限食を正式に容認しました。
この米国糖尿病学会の正式容認は、日本における糖質制限食普及に関して大変大きな追い風となりました。
糖質制限食の広がり、いよいよ加速がついてきました。
日本糖尿病学会は、米国の糖質制限食正式容認に関して沈黙したままですが、いつまで国民に隠蔽するつもりなのでしょうか?
1)香川綾: 女子栄養大学「栄養と料理」 第4巻第4号 p46
糖尿病の手当と食餌療法、昭和13年(1938年)
2)香川昇三:女子栄養大学「栄養と料理」 第9巻第5号 p27
糖尿病患者の厳重食、 昭和18年(1943年)
3)江部康二他:糖尿病食事療法として糖質制限食を実施した3症例,
京都医学会雑誌51(1):125-130、2004
4)江部康二:主食を抜けば糖尿病は良くなる!糖質制限食のすすめ、
2005年(東洋経済新報社)
5)坂東浩,中村巧:カーボカウントと糖質制限食, 治療,90(12):3105-3111,2008
6)江部康二:主食を抜けば(糖質を制限すれば)糖尿病は良くなる!,
治療,91(4):682-683,2009
7)江部康二:低糖質食(糖質制限食carbohydrate restriction)の意義,
内科,105(1):100-103,2010
8)山田悟:糖質制限食のススメ、2012年(東洋経済新報社)
9)白澤卓二:<白澤式>ケトン食事法、2012年(かんき出版)
10)渡辺信幸:日本人だからこそ「ご飯」を食べるな 肉・卵・チーズが健康長寿をつくる 、2014年(講談社)
江部康二
2015年10月24日 (土)
こんにちは。
糖質制限食講演会in熊本(熊本市)のご案内です。
熊本では、初めての一般向け講演会です。
糖質制限食実践中の熊本市の歯科医師、吉田毅先生のお話もあります。
私も最新の糖質制限食の話題を、できるだけわかりやすく楽しくお話したいと思います。
人類700万年の進化の歴史と食生活 についてもお話しします。
さらに食前 と食後の血糖値の変動幅から人 類の食生活を3段階にわけて検 討してみました。
農耕が始まる前の700万年間は、狩猟・採集・漁労が生業であり、人類皆糖質制限食でした。
農耕が始まり穀物を食べ始めたのはわずか1万年前からです。
すなわち糖質制限食は人類本来の食事であり、人類の健康食です。
糖尿病・メタボ以など生活習慣病、日本人の5大疾病、4大死因の予防と治療に糖質制限食が有効なのも、人類の健康食という意味ではおおいに納得できます。
熊本の皆様、奮ってご参加くださいね。
江部康二
*********
以下、事務局からのお知らせです。
ブログ読者の皆様、講演会へいつも多数ご参加いただきまして、ありがとうございます。
11月22日(日)、熊本市で一般の方向けの講演会を開催いたします。
理事長の講演に加えて、医療法人社団鏡会(熊本県八代市)理事長で歯科医師の吉田毅先生によるゲストトークを予定しております。
吉田先生は「糖質制限の勧め」と題し歯科医師として、糖質セイゲニストとして、糖質制限食のメリットについて実体験を語られます。
皆様のご参加を心よりお待ちしております。
///////////////////ご案内/////////////////////
一般社団法人日本糖質制限医療推進協会主催
糖質制限食講演会in熊本(熊本市)
■日時:2015年11月22日(日)14:10~16:30
※開場・受付は13:50~
■会場:くまもと県民交流館パレア 9F「会議室1」
熊本市中央区手取本町8番9号テトリアくまもとビル
http://www.parea.pref.kumamoto.jp/about03.html
■内容:
◇ゲストトーク 『糖質制限の勧め』
吉田 毅 歯科医師/医療法人社団鏡会(熊本県八代市)理事長
◇講演 『糖質制限食で治す糖尿病・メタボ・生活習慣病
-人類本来の食事、人類の健康食-』
江部 康二
(一財)高雄病院・(一社)日本糖質制限医療推進協会理事長
※ゲストトーク20分、講演80分、質疑応答30分を予定しております。
■受講費: 賛助会員 2,000円 / 一般(非会員) 2,500円
■お支払い方法:
クレジットカード/銀行振込/郵便振替 ※事前決済のみとなります。
■お申し込みの流れ:
1. 下記「お申し込み方法」の該当するものからお申し込み下さい。
2. 事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3. 入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4. 当日、直接会場までお越し下さい。
■お申し込み方法:
★賛助会員の方:事務局までメールにてお申し込み下さい。
★賛助会員入会をご希望の方:
1. 入会案内および会員規約をお読み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/#!membership/cdt9 "> http://www.toushitsuseigen.or.jp/#!membership/cdt9
2. お申し込みは下のフォームからお願いします。
「通信」欄に「11/22 熊本講演会参加希望」とご記入下さい。
(賛助会員交流会への参加もご希望の場合は、
「11/22 熊本講演会・交流会参加希望」とご記入下さい。)
http://www.toushitsuseigen.or.jp/contact
★一般(非会員)で、講演会の受講のみご希望の方:
下のフォームからお申し込み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/seminar-gen
■その他:
・予約制です。当日参加はできません。
・キャンセルは11月20日(金)までに事務局までご連絡願います。
◇講演会終了後、別会場で賛助会員交流会を開催致します。
◇掲載ページ:http://www.toushitsuseigen.or.jp/activity
//////////////////////////////////////
糖質制限食講演会in熊本(熊本市)のご案内です。
熊本では、初めての一般向け講演会です。
糖質制限食実践中の熊本市の歯科医師、吉田毅先生のお話もあります。
私も最新の糖質制限食の話題を、できるだけわかりやすく楽しくお話したいと思います。
人類700万年の進化の歴史と食生活 についてもお話しします。
さらに食前 と食後の血糖値の変動幅から人 類の食生活を3段階にわけて検 討してみました。
農耕が始まる前の700万年間は、狩猟・採集・漁労が生業であり、人類皆糖質制限食でした。
農耕が始まり穀物を食べ始めたのはわずか1万年前からです。
すなわち糖質制限食は人類本来の食事であり、人類の健康食です。
糖尿病・メタボ以など生活習慣病、日本人の5大疾病、4大死因の予防と治療に糖質制限食が有効なのも、人類の健康食という意味ではおおいに納得できます。
熊本の皆様、奮ってご参加くださいね。
江部康二
*********
以下、事務局からのお知らせです。
ブログ読者の皆様、講演会へいつも多数ご参加いただきまして、ありがとうございます。
11月22日(日)、熊本市で一般の方向けの講演会を開催いたします。
理事長の講演に加えて、医療法人社団鏡会(熊本県八代市)理事長で歯科医師の吉田毅先生によるゲストトークを予定しております。
吉田先生は「糖質制限の勧め」と題し歯科医師として、糖質セイゲニストとして、糖質制限食のメリットについて実体験を語られます。
皆様のご参加を心よりお待ちしております。
///////////////////ご案内/////////////////////
一般社団法人日本糖質制限医療推進協会主催
糖質制限食講演会in熊本(熊本市)
■日時:2015年11月22日(日)14:10~16:30
※開場・受付は13:50~
■会場:くまもと県民交流館パレア 9F「会議室1」
熊本市中央区手取本町8番9号テトリアくまもとビル
http://www.parea.pref.kumamoto.jp/about03.html
■内容:
◇ゲストトーク 『糖質制限の勧め』
吉田 毅 歯科医師/医療法人社団鏡会(熊本県八代市)理事長
◇講演 『糖質制限食で治す糖尿病・メタボ・生活習慣病
-人類本来の食事、人類の健康食-』
江部 康二
(一財)高雄病院・(一社)日本糖質制限医療推進協会理事長
※ゲストトーク20分、講演80分、質疑応答30分を予定しております。
■受講費: 賛助会員 2,000円 / 一般(非会員) 2,500円
■お支払い方法:
クレジットカード/銀行振込/郵便振替 ※事前決済のみとなります。
■お申し込みの流れ:
1. 下記「お申し込み方法」の該当するものからお申し込み下さい。
2. 事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3. 入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4. 当日、直接会場までお越し下さい。
■お申し込み方法:
★賛助会員の方:事務局までメールにてお申し込み下さい。
★賛助会員入会をご希望の方:
1. 入会案内および会員規約をお読み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/#!membership/cdt9 "> http://www.toushitsuseigen.or.jp/#!membership/cdt9
2. お申し込みは下のフォームからお願いします。
「通信」欄に「11/22 熊本講演会参加希望」とご記入下さい。
(賛助会員交流会への参加もご希望の場合は、
「11/22 熊本講演会・交流会参加希望」とご記入下さい。)
http://www.toushitsuseigen.or.jp/contact
★一般(非会員)で、講演会の受講のみご希望の方:
下のフォームからお申し込み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/seminar-gen
■その他:
・予約制です。当日参加はできません。
・キャンセルは11月20日(金)までに事務局までご連絡願います。
◇講演会終了後、別会場で賛助会員交流会を開催致します。
◇掲載ページ:http://www.toushitsuseigen.or.jp/activity
//////////////////////////////////////
2015年10月23日 (金)
<必須脂肪酸、必須アミノ酸、ビタミン、ミネラル、微量元素、食物繊維>
こんばんは。
『必須脂肪酸、必須アミノ酸、ビタミン、ミネラル、微量元素、食物繊維』
これらは、人類にとって必須であり、食材から摂る必要があります。
必須アミノ酸、必須脂肪酸は、厳然として存在します。
人体で生産することができないアミノ酸と脂肪酸は、必ず食物から摂取する必要があります。
また、ビタミンも体内で合成できないものがほとんどで、食物から摂取する必要がありますし、ミネラルや微量元素も同様に必須です。
共存する腸内細菌のために食物繊維も必要です。
必須脂肪酸は厳密にはリノール酸とαリノレン酸の2つだけです。
しかし、EPAとDHAも必須脂肪酸にカウントすることもあります。
これはEPAとDHAはαリノレン酸から人体の中で作ることもできるのですが、効率が悪いので、魚から摂取したほうが合理的だからです。
なお、スーパー糖質制限食なら、これらは全て充分量摂取できるので安心・安全です。
<人類に必須糖質はない>
これに対して、必須糖質は存在しません。
体内で必要なブドウ糖は、肝臓で糖新生してまかなうので、糖質を食物から摂取する必要はないのです。
国際食事エネルギーコンサルテーショングループの報告では、
「炭水化物(この場合は糖質とほぼ同義)の理論的な最小必要量はゼロである」(☆)
と明記されています。
<糖新生と赤血球、脳とケトン体>
人体内で唯一絶対にブドウ糖を必要とするのは、赤血球です。
赤血球は、人体の細胞で唯一、ミトコンドリアというエネルギー生産装置を持っていないので、ブドウ糖しかエネルギー源として利用できません。
空腹時や睡眠時などを含めると赤血球へのブドウ糖供給は、ほとんどが肝臓の糖新生によってまかなわれており、食材からは少量です。
脳はミトコンドリアを持っているので、脂肪酸の分解物のケトン体をいくらでもエネルギー源としますし、ブドウ糖も利用します。
他の心筋、骨格筋、体細胞は日常的には脂肪酸・ケトン体を主エネルギー源として、時々ブドウ糖も利用します。
<狩猟・採集時代炭水化物(糖質)の役割>
繰り返しますが、人類に必須糖質は存在しません。
それでは、人類にとって炭水化物(糖質)の存在意義および価値は何でしょう?
ひらたく言うと、人類にとって糖質は何のためにあるのでしょうか?
実は人類の進化の歴史において、農耕が始まる前の狩猟・採集時代700万年間においては、食材としての糖質の役割は、中性脂肪蓄積が第一義であったと考えられます。
初期の人類において、中性脂肪を体脂肪として蓄えておくことは、日常的に襲ってくる飢餓への、唯一のセーフティーネットであったと考えられます。
狩猟・採集時代に時々手に入った糖質は、野生の果物類、ナッツ類、そして山芋・百合根など根茎類です。
運良くこれらを得たとき、インスリンが追加分泌されて、筋肉細胞や脂肪細胞のGLUT4が細胞表面に上がり、血糖を取り込みます。
筋肉で利用せずに余った血糖は、全て脂肪細胞が取り込み中性脂肪に変えて蓄えます。
狩猟・採集時代においては、「インスリンと糖質」のコンビは、血糖値を下げる役割というよりも、もっぱら、脂肪蓄積装置として、稼働していたと考えられます。
また果物の果糖は、ブドウ糖にはほとんど変わりませんが吸収されて肝臓に至り、ブドウ糖より速やかに中性脂肪になり蓄積されます。果物の糖質には、ブドウ糖、ショ糖、果糖などがあります。
このように、人類の進化の過程では、糖質は時々しか手に入らないラッキー食材であり、貴重な中性脂肪蓄積のもとだったと考えられます。
<現代の糖質頻回・過剰摂取と肥満、生活習慣病>
本来、中性脂肪蓄積が第一義であった糖質を、農耕が定着して以降は、日常的に摂取するようになりました。
さらにこの200年は、精製炭水化物を常食するようになったので、大量の追加分泌インスリンがでて、大変中性脂肪が蓄積されやすい状況となり、肥満が発症しやすくなったのです。
今となっては、インスリンは肥満ホルモンとされていますが、狩猟・採集時代には、その卓越した脂肪を蓄積する能力が人類のご先祖を飢餓から救っていたのですから、インスリンそのものに罪はないと思うのですが・・・。
まあ、インスリンを大量に分泌せざるを得ない現代の食生活こそが、諸悪の根源と言えるでしょう。
そして大量のインスリンを分泌し続けて、40年、50年・・・
膵臓のβ細胞が疲弊し分泌能力が低下すれば、糖尿病を発症します。
700万年間の狩猟・採集時代は、β細胞はほとんど働く必要もなくのんびり過ごしていたと考えられます。
精製炭水化物登場以降の現代は、β細胞にとって朝から晩まで過剰に働き続けざるを得ない、受難の時代と言えるでしょう。
β細胞が過労死になってもおかしくないのが、現代の糖質過剰時代なのです。
そして糖質の頻回・過剰摂取による食後血糖値の上昇と大量のインスリン分泌がさまざまな生活習慣病の元凶と考えられます。
(☆)
Eur J Clin Nutr. 1999 Apr;53 Suppl 1:S177-8.
Report of the IDECG Working Group on lower and upper limits of carbohydrate and fat intake. International Dietary Energy Consultative Group.
Bier DM, Brosnan JT, Flatt JP, Hanson RW, Heird W, Hellerstein MK, Jéquier E, Kalhan S, Koletzko B, Macdonald I, Owen O, Uauy R.
江部康二
こんばんは。
『必須脂肪酸、必須アミノ酸、ビタミン、ミネラル、微量元素、食物繊維』
これらは、人類にとって必須であり、食材から摂る必要があります。
必須アミノ酸、必須脂肪酸は、厳然として存在します。
人体で生産することができないアミノ酸と脂肪酸は、必ず食物から摂取する必要があります。
また、ビタミンも体内で合成できないものがほとんどで、食物から摂取する必要がありますし、ミネラルや微量元素も同様に必須です。
共存する腸内細菌のために食物繊維も必要です。
必須脂肪酸は厳密にはリノール酸とαリノレン酸の2つだけです。
しかし、EPAとDHAも必須脂肪酸にカウントすることもあります。
これはEPAとDHAはαリノレン酸から人体の中で作ることもできるのですが、効率が悪いので、魚から摂取したほうが合理的だからです。
なお、スーパー糖質制限食なら、これらは全て充分量摂取できるので安心・安全です。
<人類に必須糖質はない>
これに対して、必須糖質は存在しません。
体内で必要なブドウ糖は、肝臓で糖新生してまかなうので、糖質を食物から摂取する必要はないのです。
国際食事エネルギーコンサルテーショングループの報告では、
「炭水化物(この場合は糖質とほぼ同義)の理論的な最小必要量はゼロである」(☆)
と明記されています。
<糖新生と赤血球、脳とケトン体>
人体内で唯一絶対にブドウ糖を必要とするのは、赤血球です。
赤血球は、人体の細胞で唯一、ミトコンドリアというエネルギー生産装置を持っていないので、ブドウ糖しかエネルギー源として利用できません。
空腹時や睡眠時などを含めると赤血球へのブドウ糖供給は、ほとんどが肝臓の糖新生によってまかなわれており、食材からは少量です。
脳はミトコンドリアを持っているので、脂肪酸の分解物のケトン体をいくらでもエネルギー源としますし、ブドウ糖も利用します。
他の心筋、骨格筋、体細胞は日常的には脂肪酸・ケトン体を主エネルギー源として、時々ブドウ糖も利用します。
<狩猟・採集時代炭水化物(糖質)の役割>
繰り返しますが、人類に必須糖質は存在しません。
それでは、人類にとって炭水化物(糖質)の存在意義および価値は何でしょう?
ひらたく言うと、人類にとって糖質は何のためにあるのでしょうか?
実は人類の進化の歴史において、農耕が始まる前の狩猟・採集時代700万年間においては、食材としての糖質の役割は、中性脂肪蓄積が第一義であったと考えられます。
初期の人類において、中性脂肪を体脂肪として蓄えておくことは、日常的に襲ってくる飢餓への、唯一のセーフティーネットであったと考えられます。
狩猟・採集時代に時々手に入った糖質は、野生の果物類、ナッツ類、そして山芋・百合根など根茎類です。
運良くこれらを得たとき、インスリンが追加分泌されて、筋肉細胞や脂肪細胞のGLUT4が細胞表面に上がり、血糖を取り込みます。
筋肉で利用せずに余った血糖は、全て脂肪細胞が取り込み中性脂肪に変えて蓄えます。
狩猟・採集時代においては、「インスリンと糖質」のコンビは、血糖値を下げる役割というよりも、もっぱら、脂肪蓄積装置として、稼働していたと考えられます。
また果物の果糖は、ブドウ糖にはほとんど変わりませんが吸収されて肝臓に至り、ブドウ糖より速やかに中性脂肪になり蓄積されます。果物の糖質には、ブドウ糖、ショ糖、果糖などがあります。
このように、人類の進化の過程では、糖質は時々しか手に入らないラッキー食材であり、貴重な中性脂肪蓄積のもとだったと考えられます。
<現代の糖質頻回・過剰摂取と肥満、生活習慣病>
本来、中性脂肪蓄積が第一義であった糖質を、農耕が定着して以降は、日常的に摂取するようになりました。
さらにこの200年は、精製炭水化物を常食するようになったので、大量の追加分泌インスリンがでて、大変中性脂肪が蓄積されやすい状況となり、肥満が発症しやすくなったのです。
今となっては、インスリンは肥満ホルモンとされていますが、狩猟・採集時代には、その卓越した脂肪を蓄積する能力が人類のご先祖を飢餓から救っていたのですから、インスリンそのものに罪はないと思うのですが・・・。
まあ、インスリンを大量に分泌せざるを得ない現代の食生活こそが、諸悪の根源と言えるでしょう。
そして大量のインスリンを分泌し続けて、40年、50年・・・
膵臓のβ細胞が疲弊し分泌能力が低下すれば、糖尿病を発症します。
700万年間の狩猟・採集時代は、β細胞はほとんど働く必要もなくのんびり過ごしていたと考えられます。
精製炭水化物登場以降の現代は、β細胞にとって朝から晩まで過剰に働き続けざるを得ない、受難の時代と言えるでしょう。
β細胞が過労死になってもおかしくないのが、現代の糖質過剰時代なのです。
そして糖質の頻回・過剰摂取による食後血糖値の上昇と大量のインスリン分泌がさまざまな生活習慣病の元凶と考えられます。
(☆)
Eur J Clin Nutr. 1999 Apr;53 Suppl 1:S177-8.
Report of the IDECG Working Group on lower and upper limits of carbohydrate and fat intake. International Dietary Energy Consultative Group.
Bier DM, Brosnan JT, Flatt JP, Hanson RW, Heird W, Hellerstein MK, Jéquier E, Kalhan S, Koletzko B, Macdonald I, Owen O, Uauy R.
江部康二
2015年10月22日 (木)
こんにちは。
滋賀医科大学 第41回若鮎祭 特別講演会
健康は食事から!
糖質制限食を始めよう!
<日時>
2015/10/25(日) 14:30~16:30
講演:90分間 質疑応答:30分間
のご案内です。
参加費無料でどなたでもOKの、市民公開講座ですので、滋賀県民の皆さん、或いは近畿地方の皆さん、是非、奮ってご参加くださいね。
医科大学の学園祭で講演するのは、初めてなのでとても楽しみです。
医大生や滋賀医大の医師も参加されると思いますので、生理学的事実や科学的根拠に基づくお話もしますが、基本わかりやすく楽しく糖質制限食の最新の話題を提供したいと思います。
質疑応答の時間もたっぷりとっていますので、どんどん質問していただけば幸いです。
江部康二
滋賀医科大学若鮎祭ホームページ
http://wakaayusai.wix.com/wakaayusai
☆☆☆
以下は、案内ポスターから転載です。
<演題>
滋賀医科大学 第41回若鮎祭 特別講演会
健康は食事から!
糖質制限食を始めよう!
<参加費>
無料
<場所>
滋賀医科大学 臨床講義棟1階 臨床講義室1
<日時>
2015/10/25(日) 14:30~16:30
講演:90分間 質疑応答:30分間
<内容>
糖質制限食は、ダイエット法としてだけでなく、糖尿病治療に最適な食事療法であり、加えて様々な生活習慣病の予防・改善につながることが近年の研究で分かっています。
本講演では、糖質制限食の効果と実践法について分かりやすく解説していただきます。
また、講演の最後には質疑応答の時間を設けていますので、疑問や不安を解消しましょう。
<講演者>
江部 康二先生
<プロフィール>
医師、高雄病院理事長。
1950年生まれ。京都大学医学部卒業。
高雄病院での臨床活動を通じて、糖尿病治療の研究に取り組み、
糖質制限食による治療体系を確立。これにより自身の糖尿病も克服する。
著書『主食を抜けば糖尿病は良くなる』はベストセラーとなり大反響を巻き起こした。
<抄録>
「脂肪悪玉説」、「カロリー至 上主義」、「脳のエネルギー源 はブドウ糖だけ」といった従来 の常識は現在根底から覆ってい る。例えば全米結構調査、1971年と2000年の統計で、脂肪摂取比率は低下しているのに、肥満は倍増している。すな わち脂肪悪玉説には根拠がな かった。
さらにニューイングランド・ ジャーナルの2008年の論文 で、カロリー制限ありの脂肪制 限食と地中海食、カロリー制限 なしの糖質制限食の3者の効果 を比較検討した結果、糖質制限 食が最も体重を減少させ、 HDLコレステロールを増加さ せたことが明らかとなった。糖質制限食実践によ り、食事中にも常に脂肪が燃 え、肥満ホルモン・インスリン の追加分泌はごく少量ですみ、 肝臓でアミノ酸などから糖新生 が行われエネルギーを消費し、体重減少につながる。
米国糖尿病学会に よれば、食べ物が消化・吸収さ れたあと、糖質は直接血糖値に影響を与えるが、タンパク質・脂質は与えない。動脈硬化のリス クとなるグルコーススパイク (急激な食後高血糖)を生じる のは糖質だけである。また酸化 ストレスのもととなる一日平均 血糖変動幅を悪化させるのも糖 質だけである。糖質制限食なら 食後高血糖は生じず、平均血糖 変動幅は速やかに改善する。一 方カロリー制限をしても糖質を 摂取すれば必ず食後高血糖を生 じ、平均血糖変動幅の悪化を招 き、酸化ストレスが亢進する。
2型糖尿病高雄病院入院患者に おいて、同一カロリーにそろえ た従来の糖尿病食(高糖質食) と糖質制限食における血糖の日 内変動を比較検討してみた。その結果、糖質制限食では従来の 糖尿病食(高糖質食)に比べて 顕著な食後血糖降下効果が認められた。
脳はブドウ糖だけでなくケトン 体をエネルギー源としていくら でも利用する。ケトン体は肝細 胞内で「脂肪酸→β酸化→アセ チルCoA→ケトン体」という 順番で日常的につくられてい て、肝臓では使われずに、他の 臓器・脳・筋肉のエネルギー源 として供給される。日常生活で は空腹時は心筋・骨格筋など多 くの体細胞は脂肪酸・ケトン体 を主エネルギー源としているの に対して、赤血球・脳・網膜な ど特殊な細胞だけがブドウ糖を 主エネルギー源としている。なお赤血球はミトコンドリアがな いのでブドウ糖だけが唯一のエ ネルギー源である。ミトコンド リアは細胞内のエネルギー生産処置である。
人類700万年の進化と食生活 について考察した。さらに食前 と食後の血糖変動の観点から人 類の食生活を3段階にわけて検 討した。糖尿病・メタボ以外の生活習慣病とがんに関しても若干の考察を加えた。日本人の5大疾病、4大死因と糖質制限食についても検討した。
滋賀医科大学 第41回若鮎祭 特別講演会
健康は食事から!
糖質制限食を始めよう!
<日時>
2015/10/25(日) 14:30~16:30
講演:90分間 質疑応答:30分間
のご案内です。
参加費無料でどなたでもOKの、市民公開講座ですので、滋賀県民の皆さん、或いは近畿地方の皆さん、是非、奮ってご参加くださいね。
医科大学の学園祭で講演するのは、初めてなのでとても楽しみです。
医大生や滋賀医大の医師も参加されると思いますので、生理学的事実や科学的根拠に基づくお話もしますが、基本わかりやすく楽しく糖質制限食の最新の話題を提供したいと思います。
質疑応答の時間もたっぷりとっていますので、どんどん質問していただけば幸いです。
江部康二
滋賀医科大学若鮎祭ホームページ
http://wakaayusai.wix.com/wakaayusai
☆☆☆
以下は、案内ポスターから転載です。
<演題>
滋賀医科大学 第41回若鮎祭 特別講演会
健康は食事から!
糖質制限食を始めよう!
<参加費>
無料
<場所>
滋賀医科大学 臨床講義棟1階 臨床講義室1
<日時>
2015/10/25(日) 14:30~16:30
講演:90分間 質疑応答:30分間
<内容>
糖質制限食は、ダイエット法としてだけでなく、糖尿病治療に最適な食事療法であり、加えて様々な生活習慣病の予防・改善につながることが近年の研究で分かっています。
本講演では、糖質制限食の効果と実践法について分かりやすく解説していただきます。
また、講演の最後には質疑応答の時間を設けていますので、疑問や不安を解消しましょう。
<講演者>
江部 康二先生
<プロフィール>
医師、高雄病院理事長。
1950年生まれ。京都大学医学部卒業。
高雄病院での臨床活動を通じて、糖尿病治療の研究に取り組み、
糖質制限食による治療体系を確立。これにより自身の糖尿病も克服する。
著書『主食を抜けば糖尿病は良くなる』はベストセラーとなり大反響を巻き起こした。
<抄録>
「脂肪悪玉説」、「カロリー至 上主義」、「脳のエネルギー源 はブドウ糖だけ」といった従来 の常識は現在根底から覆ってい る。例えば全米結構調査、1971年と2000年の統計で、脂肪摂取比率は低下しているのに、肥満は倍増している。すな わち脂肪悪玉説には根拠がな かった。
さらにニューイングランド・ ジャーナルの2008年の論文 で、カロリー制限ありの脂肪制 限食と地中海食、カロリー制限 なしの糖質制限食の3者の効果 を比較検討した結果、糖質制限 食が最も体重を減少させ、 HDLコレステロールを増加さ せたことが明らかとなった。糖質制限食実践によ り、食事中にも常に脂肪が燃 え、肥満ホルモン・インスリン の追加分泌はごく少量ですみ、 肝臓でアミノ酸などから糖新生 が行われエネルギーを消費し、体重減少につながる。
米国糖尿病学会に よれば、食べ物が消化・吸収さ れたあと、糖質は直接血糖値に影響を与えるが、タンパク質・脂質は与えない。動脈硬化のリス クとなるグルコーススパイク (急激な食後高血糖)を生じる のは糖質だけである。また酸化 ストレスのもととなる一日平均 血糖変動幅を悪化させるのも糖 質だけである。糖質制限食なら 食後高血糖は生じず、平均血糖 変動幅は速やかに改善する。一 方カロリー制限をしても糖質を 摂取すれば必ず食後高血糖を生 じ、平均血糖変動幅の悪化を招 き、酸化ストレスが亢進する。
2型糖尿病高雄病院入院患者に おいて、同一カロリーにそろえ た従来の糖尿病食(高糖質食) と糖質制限食における血糖の日 内変動を比較検討してみた。その結果、糖質制限食では従来の 糖尿病食(高糖質食)に比べて 顕著な食後血糖降下効果が認められた。
脳はブドウ糖だけでなくケトン 体をエネルギー源としていくら でも利用する。ケトン体は肝細 胞内で「脂肪酸→β酸化→アセ チルCoA→ケトン体」という 順番で日常的につくられてい て、肝臓では使われずに、他の 臓器・脳・筋肉のエネルギー源 として供給される。日常生活で は空腹時は心筋・骨格筋など多 くの体細胞は脂肪酸・ケトン体 を主エネルギー源としているの に対して、赤血球・脳・網膜な ど特殊な細胞だけがブドウ糖を 主エネルギー源としている。なお赤血球はミトコンドリアがな いのでブドウ糖だけが唯一のエ ネルギー源である。ミトコンド リアは細胞内のエネルギー生産処置である。
人類700万年の進化と食生活 について考察した。さらに食前 と食後の血糖変動の観点から人 類の食生活を3段階にわけて検 討した。糖尿病・メタボ以外の生活習慣病とがんに関しても若干の考察を加えた。日本人の5大疾病、4大死因と糖質制限食についても検討した。
2015年10月21日 (水)
【15/10/20 妊娠糖尿病について
失礼します。
先生のブログで、妊娠糖尿病になると将来真性の糖尿病となる割合は15%~60%という記事を拝見したのですが、中には妊娠中に糖尿病と診断されても中には産後普通の人と同じような食事をしていても一生発症しない方もいるのでしょうか?
また、それは稀ですか・・?
妊娠糖尿病だと将来の糖尿病は約束されたようなものなのでしょうか?
(普通の食事の場合)
好きなものを食べるのをためらい、ストレスを抱えながらこの先生きていくのでしょうか。。
私は今32週の妊婦です。BMI18.5です。
糖尿病と診断されていないのですが食後の血糖値が気になって仕方がなく、指先で測る簡易測定器を購入しました。
毎食測っているのではないのですが、空腹時85前後、ご飯100グラム+おかずで1時間後が110位。
120グラム+おかずの場合で1時間値が135前後。
150グラム+おかずだと1時間値170前後です。←このとき2時間値でも145であまり下がっていませんでした。
普段120グラムで食事しているのですが健常な婦さんは150グラムのご飯を取ってもここまで血糖値は上がらないと思います。
もう自分は妊娠糖尿病と思ってしまっています。
75グラム負荷検査を受けていないのですが本当に妊娠糖尿なのかどうか、婦人科できちんと負荷試験を受けてみるべきなのでしょうか?
うちの地域では50グラム試験はありませんでした。
自分で測定器買わなかったら血糖値に気づいていなかったと思います。
毎日そのことばかり考えています。
もうひとつ、病院と指先の血糖値はどちらを目安に信じればよいのでしょうか?
病院の数値がただしいのでしょうか?
お忙しいと存じますが、よろしくお願いします。】
こんにちは。
妊娠糖尿病についてコメント・質問を頂きました。
<妊娠糖尿病からの糖尿病発症率>
以下、日本糖尿病・妊娠学会のサイトから転載です。
http://www.dm-net.co.jp/jsdp/qa/e/q02/
●産後の注意点
Q妊娠糖尿病の人はお産後も定期的な健診が必要といわれましたが本当に必要なのですか?
A 最近の報告では、妊娠糖尿病の人は産後早期の3~6ヶ月の検査でも、5.4%が糖尿病、全体で25%に何らかの耐糖能異常が見られると報告されています。その他の報告を集計すると、産後1年以内では糖尿病になる頻度は2.6~38%、産後5~16年追求すると糖尿病は17~63%の頻度で発症すると報告されています。また最近のメタアナリシスでは、妊娠糖尿病の妊婦さんは耐糖能が正常の妊婦さんに比べて、将来糖尿病になる確率は7.43倍であると報告されています。
また、妊娠糖尿病の人を定期的に11年間追求した研究では、産後11年経った平均年齢40.6歳時にはメタボリックシンドロームの発症率は27.2%であり正常妊婦さんの8.2%に比較して明らかに高頻度に発症することが報告されています。
したがって、産後も定期的に耐糖能異常があるかどうかスクリーニングをうけることが大切であり、同時に食事や運動に気をつけていく必要があります。
(岡山大学 平松祐司)2007年11月
<出産後の糖質制限食>
科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン2013
220ページ
GDM(妊娠糖尿病)母体の耐糖能の再評価
1)妊娠糖尿病母体の耐糖能は分娩後6~12週の間に75gOGTTを行い再評価する。
2)分娩後耐糖能が正常化しても、妊娠糖尿病既往女性は
将来の糖尿病発症リスク群であり、長期にわたる追跡管理が必要である
最近のガイドラインでも妊娠糖尿病の母体は、糖尿病発症リスク群で、長期にわたる管理が必要とされていますので、糖質制限食を実践されたほうがいいと思います。
糖質制限食のモットーは、美味しく楽しく末長くですので、緩くてもいいのでお奨めです。
最近は、糖質制限食OKの、スイーツやチョコ、パン、パンケーキ、ピザ、パスタ、お好み焼きなどいろいろ発売されていますので、つらい我慢はなしで糖質制限食が可能です。
私自身は糖尿病なので、1回の食事の糖質量が10~20g以下の摂取です。
緩やかな糖質制限は1回の食事の糖質量が30~40gの摂取です。
『ご飯150グラムで、2時間値で145mg』なら、境界型ですので、緩やかな糖質制限食でも将来の糖尿病発症が予防できると思います。
糖質制限食は人類本来の食事であり人類の健康食なので、全身の血流・代謝がよくなり、自然治癒力も向上します。
<妊娠糖尿病の診断基準>
妊娠糖尿病 gestational diabetes mellitus (GDM)
75gOGTTにおいて次の基準の1点以上を満たした場合に診断する。
①空腹時血糖値 ≧92mg/dl (5.1mmol/l)
②1時間値 ≧180mg/dl (10.0mmol/l)
③2時間値 ≧153mg/dl (8.5mmol/l)
上記が妊娠糖尿病の診断基準です。
もう32週ですから、75g経口ブドウ糖負荷試験はどちらでもいいと思います。
妊婦において、現実に重要なのは、血糖コントロールです。
<妊娠糖尿病の血糖コントロール目標>
血糖の厳重な管理が最も大切です。
食前100mg/dl未満、食後2時間120mg/dl未満を目標に管理します。
糖質摂取のグラム数を考慮することで、この目標はクリアできると思います。
A)
妊娠中のコントロール目標は、「糖尿病妊娠」も「妊娠糖尿病」も
<妊娠中の血糖値コントロール目標>糖尿病治療ガイド(2014-2015)によれば
朝食前血糖値70~100mg/dl
食後2時間血糖値120mg/dl未満
HbA1c6.2%未満、NGSP値、
です。
B)
さらに、科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン2013、223ページによれば
「HbA1cが、鉄欠乏状態の影響を受け、血糖コントロール状態を反映しいない」
ため、GA(グリコアルブミン)15.8%未満が目標としています。
また食後1時間値140mg/dl未満が目標として好ましいとされています。
<母子ともに健康であるためには糖質制限食>
1)食前100mg/dl未満
2)食後2時間120mg/dl未満
3)食後1時間値140mg/dl未満
4)GA(グリコアルブミン)15.8%未満
血糖自己測定器で、1)2)3)をクリアする程度の糖質摂取量を目指しましょう。
そうすれば、自然に4)はクリアできます。
<血糖自己測定器の精度>
一応、±20%の誤差が、簡易血糖自己測定器にはあるとされています。
しかし、時に変な値がでることがあっても、病院の検査とそれほど大きな違いはないと思います。
血糖自己測定器のデータは毛細血管血なので、病院のデータ(静脈血)より数mg~10mgくらい高くでることが多いようです。
江部康二
失礼します。
先生のブログで、妊娠糖尿病になると将来真性の糖尿病となる割合は15%~60%という記事を拝見したのですが、中には妊娠中に糖尿病と診断されても中には産後普通の人と同じような食事をしていても一生発症しない方もいるのでしょうか?
また、それは稀ですか・・?
妊娠糖尿病だと将来の糖尿病は約束されたようなものなのでしょうか?
(普通の食事の場合)
好きなものを食べるのをためらい、ストレスを抱えながらこの先生きていくのでしょうか。。
私は今32週の妊婦です。BMI18.5です。
糖尿病と診断されていないのですが食後の血糖値が気になって仕方がなく、指先で測る簡易測定器を購入しました。
毎食測っているのではないのですが、空腹時85前後、ご飯100グラム+おかずで1時間後が110位。
120グラム+おかずの場合で1時間値が135前後。
150グラム+おかずだと1時間値170前後です。←このとき2時間値でも145であまり下がっていませんでした。
普段120グラムで食事しているのですが健常な婦さんは150グラムのご飯を取ってもここまで血糖値は上がらないと思います。
もう自分は妊娠糖尿病と思ってしまっています。
75グラム負荷検査を受けていないのですが本当に妊娠糖尿なのかどうか、婦人科できちんと負荷試験を受けてみるべきなのでしょうか?
うちの地域では50グラム試験はありませんでした。
自分で測定器買わなかったら血糖値に気づいていなかったと思います。
毎日そのことばかり考えています。
もうひとつ、病院と指先の血糖値はどちらを目安に信じればよいのでしょうか?
病院の数値がただしいのでしょうか?
お忙しいと存じますが、よろしくお願いします。】
こんにちは。
妊娠糖尿病についてコメント・質問を頂きました。
<妊娠糖尿病からの糖尿病発症率>
以下、日本糖尿病・妊娠学会のサイトから転載です。
http://www.dm-net.co.jp/jsdp/qa/e/q02/
●産後の注意点
Q妊娠糖尿病の人はお産後も定期的な健診が必要といわれましたが本当に必要なのですか?
A 最近の報告では、妊娠糖尿病の人は産後早期の3~6ヶ月の検査でも、5.4%が糖尿病、全体で25%に何らかの耐糖能異常が見られると報告されています。その他の報告を集計すると、産後1年以内では糖尿病になる頻度は2.6~38%、産後5~16年追求すると糖尿病は17~63%の頻度で発症すると報告されています。また最近のメタアナリシスでは、妊娠糖尿病の妊婦さんは耐糖能が正常の妊婦さんに比べて、将来糖尿病になる確率は7.43倍であると報告されています。
また、妊娠糖尿病の人を定期的に11年間追求した研究では、産後11年経った平均年齢40.6歳時にはメタボリックシンドロームの発症率は27.2%であり正常妊婦さんの8.2%に比較して明らかに高頻度に発症することが報告されています。
したがって、産後も定期的に耐糖能異常があるかどうかスクリーニングをうけることが大切であり、同時に食事や運動に気をつけていく必要があります。
(岡山大学 平松祐司)2007年11月
<出産後の糖質制限食>
科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン2013
220ページ
GDM(妊娠糖尿病)母体の耐糖能の再評価
1)妊娠糖尿病母体の耐糖能は分娩後6~12週の間に75gOGTTを行い再評価する。
2)分娩後耐糖能が正常化しても、妊娠糖尿病既往女性は
将来の糖尿病発症リスク群であり、長期にわたる追跡管理が必要である
最近のガイドラインでも妊娠糖尿病の母体は、糖尿病発症リスク群で、長期にわたる管理が必要とされていますので、糖質制限食を実践されたほうがいいと思います。
糖質制限食のモットーは、美味しく楽しく末長くですので、緩くてもいいのでお奨めです。
最近は、糖質制限食OKの、スイーツやチョコ、パン、パンケーキ、ピザ、パスタ、お好み焼きなどいろいろ発売されていますので、つらい我慢はなしで糖質制限食が可能です。
私自身は糖尿病なので、1回の食事の糖質量が10~20g以下の摂取です。
緩やかな糖質制限は1回の食事の糖質量が30~40gの摂取です。
『ご飯150グラムで、2時間値で145mg』なら、境界型ですので、緩やかな糖質制限食でも将来の糖尿病発症が予防できると思います。
糖質制限食は人類本来の食事であり人類の健康食なので、全身の血流・代謝がよくなり、自然治癒力も向上します。
<妊娠糖尿病の診断基準>
妊娠糖尿病 gestational diabetes mellitus (GDM)
75gOGTTにおいて次の基準の1点以上を満たした場合に診断する。
①空腹時血糖値 ≧92mg/dl (5.1mmol/l)
②1時間値 ≧180mg/dl (10.0mmol/l)
③2時間値 ≧153mg/dl (8.5mmol/l)
上記が妊娠糖尿病の診断基準です。
もう32週ですから、75g経口ブドウ糖負荷試験はどちらでもいいと思います。
妊婦において、現実に重要なのは、血糖コントロールです。
<妊娠糖尿病の血糖コントロール目標>
血糖の厳重な管理が最も大切です。
食前100mg/dl未満、食後2時間120mg/dl未満を目標に管理します。
糖質摂取のグラム数を考慮することで、この目標はクリアできると思います。
A)
妊娠中のコントロール目標は、「糖尿病妊娠」も「妊娠糖尿病」も
<妊娠中の血糖値コントロール目標>糖尿病治療ガイド(2014-2015)によれば
朝食前血糖値70~100mg/dl
食後2時間血糖値120mg/dl未満
HbA1c6.2%未満、NGSP値、
です。
B)
さらに、科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン2013、223ページによれば
「HbA1cが、鉄欠乏状態の影響を受け、血糖コントロール状態を反映しいない」
ため、GA(グリコアルブミン)15.8%未満が目標としています。
また食後1時間値140mg/dl未満が目標として好ましいとされています。
<母子ともに健康であるためには糖質制限食>
1)食前100mg/dl未満
2)食後2時間120mg/dl未満
3)食後1時間値140mg/dl未満
4)GA(グリコアルブミン)15.8%未満
血糖自己測定器で、1)2)3)をクリアする程度の糖質摂取量を目指しましょう。
そうすれば、自然に4)はクリアできます。
<血糖自己測定器の精度>
一応、±20%の誤差が、簡易血糖自己測定器にはあるとされています。
しかし、時に変な値がでることがあっても、病院の検査とそれほど大きな違いはないと思います。
血糖自己測定器のデータは毛細血管血なので、病院のデータ(静脈血)より数mg~10mgくらい高くでることが多いようです。
江部康二
2015年10月20日 (火)
こんにちは。
今回は、私自身の検査データの公開です。
それと糖質制限食実践時の検査データの推移のお話しです。
糖質制限食を実践により、血糖値や中性脂肪やコレステロール値など、さまざまな数値が改善します。
ただ、これらの検査データは、はっきり一定の傾向が出るものと、そうでないものがありますので、まずはその変化を示します。
<スーパー糖質制限食実践時の検査データの推移>
①血糖値は糖質制限食実践時にリアルタイムに改善します。
②スーパー糖質制限食なら、HbA1cは月に1~2%改善します。
③中性脂肪も速やかに改善します。
④HDLコレステロールは増加しますが、増加の程度と速度に個人差があります。
⑤LDLコレステロールは低下・不変・上昇と個人差があります。
上昇した人も半年〜1年~2年、3年くらいで落ち着くことが多いですが、
個人差があります。
⑥総コレステロールは、低下・不変・上昇と個人差があります。
上昇した人も半年〜1年~2年、3年くらいで落ち着くことが多いですが、
個人差があります。
⑦尿酸も低下・不変・上昇と個人差があります。
上昇した場合は、ほとんどが摂取エネルギー不足が原因です。
⑧尿素窒素はやや増加傾向になる人が多いですが、そのうち落ちつくことが多いです。
⑨クレアチニンは不変です。
⑩血清シスタチンCも不変です。
⑪血清カリウムも不変です。
⑫血中ケトン体は基準値より高値となりますが、生理的なもので心配ありません。
⑬尿中ケトン体は当初3カ月〜半年は陽性になりますが、その後陰性になることが多いです。
⑭脂肪肝に付随するGPTやγGTP値も改善します。
上記に記載していない血液検査や尿検査については、糖質制限食開始前後で差はありません。
LDLコレステロール・総コレステロールに関して「低下・不変・上昇」と個人差があるのですが、糖質制限食開始前に菜食中心で食材のコレステロールが少ない場合、肝臓でコレステロールをつくる能力が高まっています。
そういう場合糖質制限食で肉や卵などコレステロールの多い食材を摂取すると、一過性にLDL-コレステロール値が高くなりますが、半年~1年~2年で落ち着くことが多いです。
私自身は、HDLコレステロールはかなり増加し、LDLコレステロールは少し低下しました。
尿酸値が上昇した場合、摂取エネルギー不足のことが多いので注意が必要です。
私は2002年発覚の糖尿人で、その数年前から、早朝の空腹時血糖値109~111~112mg/dlとか、ギリギリ境界型でした。
2002年に糖尿病が発覚していらい、スーパー糖質制限食を実践しています。
食事は朝食抜きで、1984年34才から昼と夕の2回です。
身長:167cm 体重:67kg からスーパー糖質制限食を開始して半年で56~57kgとなりました。
現在57~58kgくらいです。2015年1月8日で65才となりました。
以下は2015年9月26日、朝9時、空腹時の検査結果です。
<江部康二の検査データ>
空腹時血糖値:90mg SMBG106mg
HbA1c:5.6%(6.2未満、NGSP)
GA:13.1%
CRP:0.08mg/dl
ケトン体:320μM/L(26~122) 糖質制限食中は生理的で正常値
アセト酢酸:40M/L(13~69)
3ヒドロキシ酪酸:280μM/L(76以下)
尿酸:3.5mg/dl(3.4~7.0)
TC:243mg/dl(150~219)
TG:97mg/dl(50~149)
HDL-C:112mg/dl(40~98)
LDL-C:112mg/dl(140未満)
BUN:13.8mg/dl(8~20)
クレアチニン:0.67mg/dl(0.6~1.1) eGFR:90.7
IRI:5.1(3~15μU/ml)
γGTP:35IU/L(48以下)
GOT:25IU/L(9~38)
GPT:24IU/L(5~39)
アルブミン:4.7g/dl(3.8~5.3)
尿中アルブミン:6.3mg/g・c(30.0未満)
尿蛋白:陰性
尿糖:陰性
尿中アセトン体:陰性
IRI:5.1(3~15μU/ml)
空腹時採血血糖値90mg SMBG106mg
<HOMA-R=空腹時血糖値×空腹時インスリン値÷405>
<HOMA-β=360×空腹時インスリン値(μU/ml)÷(空腹時血糖値mg/ml-63)>
HOMA-R:1.13 1.6以下が正常で、2.5以上は抵抗性があり。
HOMA-β:68 正常値:40-60 68は過去最高記録
空腹時血糖値90mgですが、108mgとか120mgのこともあります。
若干、暁現象もあります。
血糖自己測定器(SMBG)の空腹時血糖値が、病院の検査値より16mg高値でした。
IRI5.1μUと、今回は正常値で、私にしては多めでした。
HOMA-βは、2002年以降ずっと、40未満でインスリン分泌能が減少でしたが、2014年4月初めて、40と基準値下限に達しました。
その後は波がありましたが、今回は68と過去最高値でした。
HbA1cは5.6~5.9%(NGSP値)くらいを行ったり来たりしています。
グリコアルブミン(GA)を、試しに私費で測定してみたら13.4%(11.8~16.0)と前回かなり良好でした。
今回は13.1%とさらに良好でした。
HbA1cの値に対して、GAが相対的にさらに良い値なのは、食後高血糖がほとんどないことを示していて大変好ましいのです。
ケトン体は320μM と基準値よりはるかに高値ですが、心筋・骨格筋をはじめ全身の細胞がケトン体をしっかり効率よく利用していて、腎臓の再吸収も良好なので、尿中アセトン体は陰性です。
尿酸は3.5mgと低いくらいですが、これは体質と思います。
一日のタンパク質摂取量は130~140gくらいと、普通人よりかなり大量のタンパク質を摂取してます。
13年間、体重あたり2.4gのタンパク質ですね。
それでも尿酸は低めですし、腎機能に何の問題もありません。
BUN:13.8mg/dl(8~20)と基準値内で、クレアチニンも正常です。
高タンパク食を13年間続けてますが、eGFRはとても良いです。
脂質もかなりの量(110g/日)食べていますが中性脂肪は97mgです。
いつもより少し高めでした。
糖質は1日に40g足らずです。
TCは243mg、HDL-Cは112mg、LDL-Cは112mg
コレステロールに関しては、HDL-コレステロールが多いのが目立ちます。
中性脂肪が少なくて、HDL-Cが多いので、真の悪玉の小粒子LDL-Cや酸化LDL-Cは少ないと考えられ安心です。
前回は、TCは251mg、HDL-Cは87mg、LDL-Cは153mg で、ここ10年間ではじめてLDL-Cが基準値を超えて??でしたが
すぐに戻りました。
糖質制限食でHDL-Cが増加しますが、程度には個人差があります。
総コレステロールは、2007年ガイドライン以降では、評価基準から外されています。
なお、お酒は、糖質ゼロ発泡酒、焼酎の水割り、赤ワイン、辛口白ワインなどを雨の日も風の日も雷が鳴っても、毎日毎日、適宜、適量??飲んでいます。( ̄_ ̄|||)
肝機能は幸い、過去から現在まで常に正常です。 (^^)
江部康二
今回は、私自身の検査データの公開です。
それと糖質制限食実践時の検査データの推移のお話しです。
糖質制限食を実践により、血糖値や中性脂肪やコレステロール値など、さまざまな数値が改善します。
ただ、これらの検査データは、はっきり一定の傾向が出るものと、そうでないものがありますので、まずはその変化を示します。
<スーパー糖質制限食実践時の検査データの推移>
①血糖値は糖質制限食実践時にリアルタイムに改善します。
②スーパー糖質制限食なら、HbA1cは月に1~2%改善します。
③中性脂肪も速やかに改善します。
④HDLコレステロールは増加しますが、増加の程度と速度に個人差があります。
⑤LDLコレステロールは低下・不変・上昇と個人差があります。
上昇した人も半年〜1年~2年、3年くらいで落ち着くことが多いですが、
個人差があります。
⑥総コレステロールは、低下・不変・上昇と個人差があります。
上昇した人も半年〜1年~2年、3年くらいで落ち着くことが多いですが、
個人差があります。
⑦尿酸も低下・不変・上昇と個人差があります。
上昇した場合は、ほとんどが摂取エネルギー不足が原因です。
⑧尿素窒素はやや増加傾向になる人が多いですが、そのうち落ちつくことが多いです。
⑨クレアチニンは不変です。
⑩血清シスタチンCも不変です。
⑪血清カリウムも不変です。
⑫血中ケトン体は基準値より高値となりますが、生理的なもので心配ありません。
⑬尿中ケトン体は当初3カ月〜半年は陽性になりますが、その後陰性になることが多いです。
⑭脂肪肝に付随するGPTやγGTP値も改善します。
上記に記載していない血液検査や尿検査については、糖質制限食開始前後で差はありません。
LDLコレステロール・総コレステロールに関して「低下・不変・上昇」と個人差があるのですが、糖質制限食開始前に菜食中心で食材のコレステロールが少ない場合、肝臓でコレステロールをつくる能力が高まっています。
そういう場合糖質制限食で肉や卵などコレステロールの多い食材を摂取すると、一過性にLDL-コレステロール値が高くなりますが、半年~1年~2年で落ち着くことが多いです。
私自身は、HDLコレステロールはかなり増加し、LDLコレステロールは少し低下しました。
尿酸値が上昇した場合、摂取エネルギー不足のことが多いので注意が必要です。
私は2002年発覚の糖尿人で、その数年前から、早朝の空腹時血糖値109~111~112mg/dlとか、ギリギリ境界型でした。
2002年に糖尿病が発覚していらい、スーパー糖質制限食を実践しています。
食事は朝食抜きで、1984年34才から昼と夕の2回です。
身長:167cm 体重:67kg からスーパー糖質制限食を開始して半年で56~57kgとなりました。
現在57~58kgくらいです。2015年1月8日で65才となりました。
以下は2015年9月26日、朝9時、空腹時の検査結果です。
<江部康二の検査データ>
空腹時血糖値:90mg SMBG106mg
HbA1c:5.6%(6.2未満、NGSP)
GA:13.1%
CRP:0.08mg/dl
ケトン体:320μM/L(26~122) 糖質制限食中は生理的で正常値
アセト酢酸:40M/L(13~69)
3ヒドロキシ酪酸:280μM/L(76以下)
尿酸:3.5mg/dl(3.4~7.0)
TC:243mg/dl(150~219)
TG:97mg/dl(50~149)
HDL-C:112mg/dl(40~98)
LDL-C:112mg/dl(140未満)
BUN:13.8mg/dl(8~20)
クレアチニン:0.67mg/dl(0.6~1.1) eGFR:90.7
IRI:5.1(3~15μU/ml)
γGTP:35IU/L(48以下)
GOT:25IU/L(9~38)
GPT:24IU/L(5~39)
アルブミン:4.7g/dl(3.8~5.3)
尿中アルブミン:6.3mg/g・c(30.0未満)
尿蛋白:陰性
尿糖:陰性
尿中アセトン体:陰性
IRI:5.1(3~15μU/ml)
空腹時採血血糖値90mg SMBG106mg
<HOMA-R=空腹時血糖値×空腹時インスリン値÷405>
<HOMA-β=360×空腹時インスリン値(μU/ml)÷(空腹時血糖値mg/ml-63)>
HOMA-R:1.13 1.6以下が正常で、2.5以上は抵抗性があり。
HOMA-β:68 正常値:40-60 68は過去最高記録
空腹時血糖値90mgですが、108mgとか120mgのこともあります。
若干、暁現象もあります。
血糖自己測定器(SMBG)の空腹時血糖値が、病院の検査値より16mg高値でした。
IRI5.1μUと、今回は正常値で、私にしては多めでした。
HOMA-βは、2002年以降ずっと、40未満でインスリン分泌能が減少でしたが、2014年4月初めて、40と基準値下限に達しました。
その後は波がありましたが、今回は68と過去最高値でした。
HbA1cは5.6~5.9%(NGSP値)くらいを行ったり来たりしています。
グリコアルブミン(GA)を、試しに私費で測定してみたら13.4%(11.8~16.0)と前回かなり良好でした。
今回は13.1%とさらに良好でした。
HbA1cの値に対して、GAが相対的にさらに良い値なのは、食後高血糖がほとんどないことを示していて大変好ましいのです。
ケトン体は320μM と基準値よりはるかに高値ですが、心筋・骨格筋をはじめ全身の細胞がケトン体をしっかり効率よく利用していて、腎臓の再吸収も良好なので、尿中アセトン体は陰性です。
尿酸は3.5mgと低いくらいですが、これは体質と思います。
一日のタンパク質摂取量は130~140gくらいと、普通人よりかなり大量のタンパク質を摂取してます。
13年間、体重あたり2.4gのタンパク質ですね。
それでも尿酸は低めですし、腎機能に何の問題もありません。
BUN:13.8mg/dl(8~20)と基準値内で、クレアチニンも正常です。
高タンパク食を13年間続けてますが、eGFRはとても良いです。
脂質もかなりの量(110g/日)食べていますが中性脂肪は97mgです。
いつもより少し高めでした。
糖質は1日に40g足らずです。
TCは243mg、HDL-Cは112mg、LDL-Cは112mg
コレステロールに関しては、HDL-コレステロールが多いのが目立ちます。
中性脂肪が少なくて、HDL-Cが多いので、真の悪玉の小粒子LDL-Cや酸化LDL-Cは少ないと考えられ安心です。
前回は、TCは251mg、HDL-Cは87mg、LDL-Cは153mg で、ここ10年間ではじめてLDL-Cが基準値を超えて??でしたが
すぐに戻りました。
糖質制限食でHDL-Cが増加しますが、程度には個人差があります。
総コレステロールは、2007年ガイドライン以降では、評価基準から外されています。
なお、お酒は、糖質ゼロ発泡酒、焼酎の水割り、赤ワイン、辛口白ワインなどを雨の日も風の日も雷が鳴っても、毎日毎日、適宜、適量??飲んでいます。( ̄_ ̄|||)
肝機能は幸い、過去から現在まで常に正常です。 (^^)
江部康二
2015年10月19日 (月)
こんにちは。
糖質制限ドットコムより、糖質制限エクストラバージンオリーブオイルドレッシングが新発売となりました。
EXVオリーブオイルドレッシング

糖質制限ドットコムのドレッシングと言いますと、以前に紹介した糖質制限サウザンアイランドドレッシングと糖質制限万能ごまドレッシングが販売されていますが、今回はオリーブオイルを使ったサッパリとしたドレッシングです。
糖質制限でドレッシングと云えば、ある意味鬼門でもありました(^_^;)
例えば、サラダバーのあるファミリーレストランでしたら、自分でドレッシングを選べるのでまだいいのですが、普通のお店ですとサラダを頼むと否応なしにドレッシングが掛って出てきます(T_T)
特に業務用のドレッシングを使っているレストランなどは、砂糖たっぷりのドレッシングを使ってる場合が多いです。
なので私は、サラダを注文したときなど、砂糖たっぷりの甘いドレッシングは断って、マヨネーズを持ってきてもらいます。
ですが、正直なところ、マヨネーズばかりでは流石に飽きてきます(^_^;)
そこで、私が行きつけにしているスペイン料理屋のカフェ・ハルディンのドレッシングを糖質制限で、しかも持ち運びできるサイズで作って欲しいとあらてつさんに依頼したところ、宮本マスターがレシピを提供してくださいました。
宮本マスターのレシピに市販の為の改良を加えて完成したのがこの EXVオリーブオイルドレッシング です。
ベースになったオイルは、モリドル社のエクストラヴァージンオリーブオイルです。
モリドル社のエクストラヴァージンオリーブオイルは、これまで何度もブログでご紹介している、混ざりっけ無しの100%エクストラバージンオリーブオイルです。
スペイン産エクストラバージンオリーブオイル モリドルオリーブオイル
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-3378.html
このモリドルオリーブオイルの風味を活かしつつ、100mlあたりの糖質が2.8gとドレッシングとしては驚異的な数値に抑えてくれていますので、糖質セイゲニストとしては嬉しい限りです(^o^)
しかも、これまでの糖質制限サウザンアイランドドレッシングと糖質制限万能ごまドレッシングは500mlでしたが、この糖質制限EXVオリーブオイルドレッシングは200mlなので、持ち運びにも便利。
外食するときに持って行けるので、もうマヨネーズで我慢する必要はないですね(^^)
江部康二先生行きつけの糖質制限スペインレストラン、カフェ・ハルディンの宮本マスター考案、モリドルオリーブオイルを贅沢に使った糖質制限EXVオリーブオイルドレッシング、糖質制限セイゲニスト皆さん、ぜひ一度お試しあれ。
江部康二
詳細&お求めはこちらから。
糖質制限EXVオリーブオイルドレッシング
http://www.toushitsuseigen.com/products/detail119.html

カフェ・ハルディン
京都市右京区鳴滝本町77
TEL:075(464)8850
http://www008.upp.so-net.ne.jp/cafejardin/
定休日 火曜・第三月曜日
糖質制限ドットコムより、糖質制限エクストラバージンオリーブオイルドレッシングが新発売となりました。
EXVオリーブオイルドレッシング

糖質制限ドットコムのドレッシングと言いますと、以前に紹介した糖質制限サウザンアイランドドレッシングと糖質制限万能ごまドレッシングが販売されていますが、今回はオリーブオイルを使ったサッパリとしたドレッシングです。
糖質制限でドレッシングと云えば、ある意味鬼門でもありました(^_^;)
例えば、サラダバーのあるファミリーレストランでしたら、自分でドレッシングを選べるのでまだいいのですが、普通のお店ですとサラダを頼むと否応なしにドレッシングが掛って出てきます(T_T)
特に業務用のドレッシングを使っているレストランなどは、砂糖たっぷりのドレッシングを使ってる場合が多いです。
なので私は、サラダを注文したときなど、砂糖たっぷりの甘いドレッシングは断って、マヨネーズを持ってきてもらいます。
ですが、正直なところ、マヨネーズばかりでは流石に飽きてきます(^_^;)
そこで、私が行きつけにしているスペイン料理屋のカフェ・ハルディンのドレッシングを糖質制限で、しかも持ち運びできるサイズで作って欲しいとあらてつさんに依頼したところ、宮本マスターがレシピを提供してくださいました。
宮本マスターのレシピに市販の為の改良を加えて完成したのがこの EXVオリーブオイルドレッシング です。
ベースになったオイルは、モリドル社のエクストラヴァージンオリーブオイルです。
モリドル社のエクストラヴァージンオリーブオイルは、これまで何度もブログでご紹介している、混ざりっけ無しの100%エクストラバージンオリーブオイルです。
スペイン産エクストラバージンオリーブオイル モリドルオリーブオイル
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-3378.html
このモリドルオリーブオイルの風味を活かしつつ、100mlあたりの糖質が2.8gとドレッシングとしては驚異的な数値に抑えてくれていますので、糖質セイゲニストとしては嬉しい限りです(^o^)
しかも、これまでの糖質制限サウザンアイランドドレッシングと糖質制限万能ごまドレッシングは500mlでしたが、この糖質制限EXVオリーブオイルドレッシングは200mlなので、持ち運びにも便利。
外食するときに持って行けるので、もうマヨネーズで我慢する必要はないですね(^^)
江部康二先生行きつけの糖質制限スペインレストラン、カフェ・ハルディンの宮本マスター考案、モリドルオリーブオイルを贅沢に使った糖質制限EXVオリーブオイルドレッシング、糖質制限セイゲニスト皆さん、ぜひ一度お試しあれ。
江部康二
詳細&お求めはこちらから。
糖質制限EXVオリーブオイルドレッシング
http://www.toushitsuseigen.com/products/detail119.html

カフェ・ハルディン
京都市右京区鳴滝本町77
TEL:075(464)8850
http://www008.upp.so-net.ne.jp/cafejardin/
定休日 火曜・第三月曜日
糖質制限食・ダイエット食の通信販売|糖質制限ドットコム
糖質制限ドットコムは、糖質制限食の第一人者、高雄病院、江部康二先生監修による糖質オフな食材を販売、糖質制限食に取り組む皆様をサポートします。
2015年10月18日 (日)
日刊薬業の記事
『糖尿病が認知症発症のハイリスク要因
久山町コホート研究 ( 2015年10月9日 )
認知症の有病率はここ30年で増加しており、特にアルツハイマー病(AD)が急増していることが、九州大大学院医学研究院付属総合コホートセンターの二宮利治氏らが実施した福岡県久山町でのコホート研究で分かった。
耐糖能異常があるとADの発症リスクは2倍となり、糖尿病が認知症発症の大きなリスク因子になることも明らかになった。
厚生労働省調査でも同様の傾向にあることが分かっており、久山町研究でも糖尿病が認知症のリスクになることが裏付けられた。
久山町では1985年から6~7年ごとに、65歳以上を対象に認知症の有病率調査(前向きコホート研究)を行っている。
調査結果によると、85年の認知症有病率は6.7%だったが、2012年には約18%と65歳以上高齢者の6人に1人が認知症と診断された。
糖尿病の有病率については、88年に男性の15.3%だったのが02年に24.0%に増加。
男性の4人に1人が糖尿病の有病者で、糖尿病予備群である耐糖能異常や空腹時血糖異常を含むと、男性の6割、女性の4割が何らかの糖代謝異常を有していた。
耐糖能レベル別に認知症の発症リスクを見ると、60歳以上の男女1022例では、正常群に比べてADの発症リスクが2.1倍だった。
これらのデータから日本国内での認知症患者の将来推計を行ったところ、2025年に675万人、40年には800万人に達すると見通した。
糖尿病が40年までに20%増加するとの仮説で推計すると、認知症患者は25年に730万人、50年には1000万人を超えるまで増加すると指摘。
二宮氏は人口の1割が認知症になるとして、予防対策の重要性を強調した。
今月4日に開かれた日本認知症学会で二宮氏が報告した。 』
こんばんは。
じょんさんから、久山町コホート研究の最新情報をコメントいただきました。
ありがとうございます。
日刊薬業に掲載された記事で、九州大大学院医学研究院付属総合コホートセンターの二宮利治氏らが2015年10月4日に開かれた日本認知症学会で発表したものです。
短い記事でしたが、全文を手に入れることができました。
久山町研究においても、厚生労働省調査においても耐糖能異常があるとAD(アルツハイマー病)の発症リスクは2倍となり、糖尿病が認知症発症の大きなリスク因子になることも明らかとなりました。
久山町では、1985年の認知症有病率は6.7%でしたが、2012年には約18%と65歳以上高齢者の6人に1人が認知症と診断されています。
6人に1人というか、5.5人に1人ですね。
これは、第一感、多いと思います。
ちなみに日本全体を調べて見ると、日本の認知症高齢者の数は2012年の時点で全国に約462万人と推計されています。
日本の65歳以上の高齢者人口は、2012年度で約3000万人超ですから、認知症比率は、15.4%です。
やはり、久山町の方が多いですね。
ベースのリスクとなる糖尿病罹病率も、1988年以来14年間にわたり、糖尿病発症を予防する目的で14年間九州大学と中村学園大学栄養科学部が徹底した食事指導・運動指導にも関わらず、結果は大失敗で、2012年の調査で糖尿病は激増してしまいました。
2002年の時点で久山町の糖尿病罹患率は、は日本全体より突出して多いです。
2007年7月27日(金)毎日新聞朝刊 において研究責任者の九州大学・清原裕教授は
「88年以後、運動や食事指導など手を尽くしたのに糖尿病は増える一方。どうすれば減るのか、最初からやり直したい」
とのコメントを述べておられます。
実際14年間の努力にも関わらず、糖尿病の確定診断がついた人が
男性15.0→23.6%
女性9.9→13.4%
と著明に増加しています。
また男性では、40歳以上の久山町住人の約6割が、予備軍を含めた耐糖能異常という、とんでもない数字に増えています。
厚生労働省の国民・健康栄養調査によれば
2002年の40才以上の日本男性の15.6%が糖尿病
2002年の40才以上の日本女性の8.1%が糖尿病
でした。
運動療法が糖尿病発症予防に悪影響を与える可能性はないので、残るのは徹底的に指導された
日本糖尿病学会推奨の「カロリー制限・高糖質食」
が、糖尿病患者および耐糖能異常患者を激増させたという結論になります。
まあ、私達糖質セイゲニストにしてみれば「高糖質食が、糖尿病患者と耐糖能異常患者を増やす」というのは、自明の理なのですが・・・。
何せ、摂取後血糖に直接影響を与え、血糖値を上げるの糖質だけであり、たんぱく質・脂質は上げないのですから、「高糖質食を食べれば高血糖になり、糖尿になりやすい」というのは、小学生にでもわかる理屈と思うのですが・・・。
「久山町のデータをもとに日本国内での認知症患者の将来推計を行ったところ、2025年に675万人、40年には800万人に達すると見通しであり、糖尿病が40年までに20%増加するとの仮説で推計すると、認知症患者は25年に730万人、50年には1000万人を超えるまで増加する」と、二宮氏が指摘したとのことです。
しかしながら、久山町は、日本でも最も糖尿病罹患率が多い町であり、「カロリー制限・高糖質食」を指導されているのですから、久山町のデータを日本全体にあてはめることはできません。
現実に日本全体では、
2008年→2010年
97年以来13年ぶりに炭水化物比率が減少 60.4%→59.4%
97年以来13年ぶりに脂質比率が上昇 24.9%→25.9%
2007年→2012年 糖尿病の増加が急減しました。
2002年から2007年は150万人の増加に対して、
2007年kara2012年は、60万人の増加だったのです。
さらに糖尿病予備軍は、約1100万人で、2007年から約220万人減少しており、国民健康・栄養調査が始まって以来の快挙です。
炭水化物の摂取比率が減少したことが、快挙の要因と考えられます。
このことは、日本全体に「糖質制限食」が認知されてきたことが関与しているように思われます。
というか、それ以外に炭水化物摂取比率が1%減少する理由が考えられないのです。
結論です。
久山町研究により
「カロリー制限・高糖質食」が、糖尿病・認知症発症予防に失敗したという
信頼度の高い証拠があることとなります。
すなわち「カロリー制限・高糖質食」では、糖尿病・認知症発症予防は、不可能です。
糖尿病・認知症発症予防には、糖質制限食以外にはありません。
江部康二
【15/10/17 じょん
久山町コホート研究の追加報告
江部先生、
おはようございます。
インターネットで検索していたら、2015年10月9日の日刊薬業に久山町のコホート研究の結果が報告されていました。
糖尿病が認知症発症のハイリスク要因 久山町コホート研究( 2015年10月9日 )
認知症の有病率はここ30年で増加しており、特にアルツハイマー病(AD)が急増していることが、九州大大学院医学研究院付属総合コホートセンターの二宮利治氏らが実施した福岡県久山町でのコホート研究で分かった。耐糖能異常があるとADの発症リスクは2倍となり、糖尿病が認知症発症の大きなリスク因子になることも明らかになった。厚生労働省調査でも同様の傾向にあることが分かっており、久山町研究でも糖尿病が認知症のリスクになることが裏付けられた。
続きを読むためには、ログインの必要があるため、読むことができませんが、糖質主体の食事では、糖尿病やそれを原因とする認知症までが増えることが明らかとなったのですね。
ますます糖質制限食の意義が証明されたように思いました。】
『糖尿病が認知症発症のハイリスク要因
久山町コホート研究 ( 2015年10月9日 )
認知症の有病率はここ30年で増加しており、特にアルツハイマー病(AD)が急増していることが、九州大大学院医学研究院付属総合コホートセンターの二宮利治氏らが実施した福岡県久山町でのコホート研究で分かった。
耐糖能異常があるとADの発症リスクは2倍となり、糖尿病が認知症発症の大きなリスク因子になることも明らかになった。
厚生労働省調査でも同様の傾向にあることが分かっており、久山町研究でも糖尿病が認知症のリスクになることが裏付けられた。
久山町では1985年から6~7年ごとに、65歳以上を対象に認知症の有病率調査(前向きコホート研究)を行っている。
調査結果によると、85年の認知症有病率は6.7%だったが、2012年には約18%と65歳以上高齢者の6人に1人が認知症と診断された。
糖尿病の有病率については、88年に男性の15.3%だったのが02年に24.0%に増加。
男性の4人に1人が糖尿病の有病者で、糖尿病予備群である耐糖能異常や空腹時血糖異常を含むと、男性の6割、女性の4割が何らかの糖代謝異常を有していた。
耐糖能レベル別に認知症の発症リスクを見ると、60歳以上の男女1022例では、正常群に比べてADの発症リスクが2.1倍だった。
これらのデータから日本国内での認知症患者の将来推計を行ったところ、2025年に675万人、40年には800万人に達すると見通した。
糖尿病が40年までに20%増加するとの仮説で推計すると、認知症患者は25年に730万人、50年には1000万人を超えるまで増加すると指摘。
二宮氏は人口の1割が認知症になるとして、予防対策の重要性を強調した。
今月4日に開かれた日本認知症学会で二宮氏が報告した。 』
こんばんは。
じょんさんから、久山町コホート研究の最新情報をコメントいただきました。
ありがとうございます。
日刊薬業に掲載された記事で、九州大大学院医学研究院付属総合コホートセンターの二宮利治氏らが2015年10月4日に開かれた日本認知症学会で発表したものです。
短い記事でしたが、全文を手に入れることができました。
久山町研究においても、厚生労働省調査においても耐糖能異常があるとAD(アルツハイマー病)の発症リスクは2倍となり、糖尿病が認知症発症の大きなリスク因子になることも明らかとなりました。
久山町では、1985年の認知症有病率は6.7%でしたが、2012年には約18%と65歳以上高齢者の6人に1人が認知症と診断されています。
6人に1人というか、5.5人に1人ですね。
これは、第一感、多いと思います。
ちなみに日本全体を調べて見ると、日本の認知症高齢者の数は2012年の時点で全国に約462万人と推計されています。
日本の65歳以上の高齢者人口は、2012年度で約3000万人超ですから、認知症比率は、15.4%です。
やはり、久山町の方が多いですね。
ベースのリスクとなる糖尿病罹病率も、1988年以来14年間にわたり、糖尿病発症を予防する目的で14年間九州大学と中村学園大学栄養科学部が徹底した食事指導・運動指導にも関わらず、結果は大失敗で、2012年の調査で糖尿病は激増してしまいました。
2002年の時点で久山町の糖尿病罹患率は、は日本全体より突出して多いです。
2007年7月27日(金)毎日新聞朝刊 において研究責任者の九州大学・清原裕教授は
「88年以後、運動や食事指導など手を尽くしたのに糖尿病は増える一方。どうすれば減るのか、最初からやり直したい」
とのコメントを述べておられます。
実際14年間の努力にも関わらず、糖尿病の確定診断がついた人が
男性15.0→23.6%
女性9.9→13.4%
と著明に増加しています。
また男性では、40歳以上の久山町住人の約6割が、予備軍を含めた耐糖能異常という、とんでもない数字に増えています。
厚生労働省の国民・健康栄養調査によれば
2002年の40才以上の日本男性の15.6%が糖尿病
2002年の40才以上の日本女性の8.1%が糖尿病
でした。
運動療法が糖尿病発症予防に悪影響を与える可能性はないので、残るのは徹底的に指導された
日本糖尿病学会推奨の「カロリー制限・高糖質食」
が、糖尿病患者および耐糖能異常患者を激増させたという結論になります。
まあ、私達糖質セイゲニストにしてみれば「高糖質食が、糖尿病患者と耐糖能異常患者を増やす」というのは、自明の理なのですが・・・。
何せ、摂取後血糖に直接影響を与え、血糖値を上げるの糖質だけであり、たんぱく質・脂質は上げないのですから、「高糖質食を食べれば高血糖になり、糖尿になりやすい」というのは、小学生にでもわかる理屈と思うのですが・・・。
「久山町のデータをもとに日本国内での認知症患者の将来推計を行ったところ、2025年に675万人、40年には800万人に達すると見通しであり、糖尿病が40年までに20%増加するとの仮説で推計すると、認知症患者は25年に730万人、50年には1000万人を超えるまで増加する」と、二宮氏が指摘したとのことです。
しかしながら、久山町は、日本でも最も糖尿病罹患率が多い町であり、「カロリー制限・高糖質食」を指導されているのですから、久山町のデータを日本全体にあてはめることはできません。
現実に日本全体では、
2008年→2010年
97年以来13年ぶりに炭水化物比率が減少 60.4%→59.4%
97年以来13年ぶりに脂質比率が上昇 24.9%→25.9%
2007年→2012年 糖尿病の増加が急減しました。
2002年から2007年は150万人の増加に対して、
2007年kara2012年は、60万人の増加だったのです。
さらに糖尿病予備軍は、約1100万人で、2007年から約220万人減少しており、国民健康・栄養調査が始まって以来の快挙です。
炭水化物の摂取比率が減少したことが、快挙の要因と考えられます。
このことは、日本全体に「糖質制限食」が認知されてきたことが関与しているように思われます。
というか、それ以外に炭水化物摂取比率が1%減少する理由が考えられないのです。
結論です。
久山町研究により
「カロリー制限・高糖質食」が、糖尿病・認知症発症予防に失敗したという
信頼度の高い証拠があることとなります。
すなわち「カロリー制限・高糖質食」では、糖尿病・認知症発症予防は、不可能です。
糖尿病・認知症発症予防には、糖質制限食以外にはありません。
江部康二
【15/10/17 じょん
久山町コホート研究の追加報告
江部先生、
おはようございます。
インターネットで検索していたら、2015年10月9日の日刊薬業に久山町のコホート研究の結果が報告されていました。
糖尿病が認知症発症のハイリスク要因 久山町コホート研究( 2015年10月9日 )
認知症の有病率はここ30年で増加しており、特にアルツハイマー病(AD)が急増していることが、九州大大学院医学研究院付属総合コホートセンターの二宮利治氏らが実施した福岡県久山町でのコホート研究で分かった。耐糖能異常があるとADの発症リスクは2倍となり、糖尿病が認知症発症の大きなリスク因子になることも明らかになった。厚生労働省調査でも同様の傾向にあることが分かっており、久山町研究でも糖尿病が認知症のリスクになることが裏付けられた。
続きを読むためには、ログインの必要があるため、読むことができませんが、糖質主体の食事では、糖尿病やそれを原因とする認知症までが増えることが明らかとなったのですね。
ますます糖質制限食の意義が証明されたように思いました。】
2015年10月17日 (土)
こんにちは。
東洋経済ONLINE、2015年10月17日、
『心を変えれば健康になれる!』アドラー心理学で病気も良くなる 江部康二著
の著者インタビュー記事が載りました。
かなり照れくさいのですが、紹介したいと思います。
江部康二
以下東洋経済ONLINEの著者インタビューを一部転載です。
☆☆☆
http://toyokeizai.net/articles/-/87182
糖質制限の権威が語る「心と健康」の深い関係
アドラーは最強の健康法だった!
江部 康二 :高雄病院理事長2015年10月17日
「糖質オフ」食品が普及する昨今、新しい健康常識として定着した感がある「糖質制限食」。
その開拓者で普及の立役者でもある江部康二氏は、京都の高雄病院の理事長で、漢方やアトピー治療、断食療法などのパイオニアでもあった。
江部氏は、幾多の新療法を確立してきた自らの考え方がアドラーの心理学に非常に近いと言い、
『心を変えれば健康になれる!――アドラー心理学で病気も良くなる』を上梓した。
その江部氏に話を聞く。
糖質制限食ブームを巻き起こしたカリスマ医師が、今、いちばん伝えたいことは、「心と健康」の深い関係だった。
「病気を治すのは医者ではなく、あなた自身の心の持ち方です」
江部 康二(えべ こうじ) 内科医、漢方医。
高雄病院理事長、日本糖質制限医療推進協会理事長、江部診療所所長。
1950年生まれ。74年京都大学医学部卒業。
78年から高雄病院に勤務。
漢方療法、絶食療法、食養生、心理療法なども取り入れ、独自の臨床活動を行ってきた。
99年高雄病院に糖質制限食を導入し、2001年から本格的に取り組む。
02年に自らも糖尿病であると気づいて以来、さらに研究に力を注ぎ「糖質制限食」の体系を確立。
自身の糖尿病も克服する。
アドラーを日本医療の新常識に
――アドラーの心理学が病気の治療や健康と、どう関係しているのでしょうか。
たとえば、アドラーは「人を心と身体に分けることはできない」と言いました。
この見方は「全体論」と呼ばれ、漢方やホリスティック医学とも共通していて、専門分化が進みすぎて全体像がわかりにくいという、現代の西洋医学の問題点を解決するカギなんですよ。
特に、アトピーなどのアレルギー性疾患、メタボや糖尿病など現代社会で大きな問題となっている生活習慣病は、心と身体の結び付きに注目しないと改善できません。
このように、アドラーの問題解決についての考え方は、病気の治療や健康を考える際にも応用が可能で、実践的な健康法として非常に有用なのですね。
――アドラーを健康に応用するとは、具体的に言うと?
アドラーは自分と他人の「課題の分離」が重要だと言っていますが、病気の治療を有効にするためには、医者と患者の課題の分離が非常に大切です。
また、アドラーは対等な人間関係が悩み解決の前提だとしていますが、治療においても医者と患者とが「対等な人間関係」を築くことが、治療を有効にする前提となります。
ここまで挙げてきた「全体論」「課題の分離」「対等な人間関係」など、アドラーの提唱している考え方はどれも医療現場では重要で、今、言ったように実践的に使えます。
でも残念ながら、今の日本の医療現場では常識になっているとは言えません。
だからこそ、アドラーを応用した健康法をご紹介することには、意味があると思っているのです。
医者としての経験則、「心を変えると健康になれる」
――新しい療法をいくつも確立できた秘訣は?
別に目新しい療法ばかり探していたわけではないのです。
けれど、漢方やアトピー治療、心理療法、断食療法、玄米魚菜食、そして糖質制限食と、図らずも開拓者の役を何度もすることになったのは、私がアドラー的であることと無関係ではないのかもしれません。
私はアドラーの専門家ではありませんが、医者として生きるうちに、偶然にも、彼の勧めるような考え方や態度を、自然に身に付けていたようなのですね。
そこで、今度の本ではアドラー的な人間が出来上がっていく実例として、兄や両親との人間関係を含めた私の半生もご紹介しています。
たとえば、私は糖尿病です。
普通なら、糖尿病だという事実がわかればショックでしょうが、「これで、俺は糖質制限食の実験台になれる」と、むしろ前向きに心を変えることができました。
糖質制限食にたどり着けたのには、私自身の「心を変える」というアドラー的な態度があったからなのです。
言わば、医者として生きてきた私の半生は、アドラーの結論が健康の面でも正しいことを証明していたようなものだと、今にして思うんですよ。
――心を変えるとは、具体的にどのように変えるのでしょうか。
それまでの常識にとらわれず、病気と治療について新しい眼で見直すことを、「心を変える」と言っています。
「治さなくてもいい」病気もある
たとえば、アトピーの患者さんには、それが治ると、もっと悪い病気を発症させるケースがあり、中にはアトピーが完治した途端、精神病を発症して、自殺未遂を起こした人もいます。
こうしたケースを「治らなくてもいいアトピー」と私は呼びます。
この例では、「病気は何が何でも治すべきだ」という常識にとらわれると、真の健康が見えなくなると思うんですよ。
患者さんの健康のためには、むしろ治さないほうがいい病気もあるという事実は、心を変えないと気づくことができないんですね。
逆に、心を変えると新しい健康観が見えて、それを実現できると思うのです。
――新しい健康観とはどういうことでしょうか。
私は「健康の意味を自分で決めていい」と思っています。
すると、100人いれば、100とおりのそれぞれに違った健康観があることになります。
人によっては、「病気があっても健康に生きることは可能」という健康観もありうるのです。
たとえば、先ほども申し上げたとおり私は糖尿病ですが、糖質制限食を実行していて血糖値は正常ですし、合併症のリスクも正常な人とほぼ同じです。
現実に、私は病気なのに、健康になれたわけです。
同じように、どんな重病の人でも、心を変えれば、健康になれる道は必ずあります。
心を変えることで、自分自身が真に求める健康とは何なのかがわかるんですね。
自分の求める健康がわかってこそ、楽しく元気に生きていくことができるのだと思うんです。
つまり、新しい健康観とは、「自分が本当に求める健康」のことなのです。
今度の本を読んだことがきっかけになって、多くの人が心を変えて、本当に自分らしい健康を手に入れる。
ぜひ、そうなってほしいと、大いに期待しているんですよ。
東洋経済ONLINE、2015年10月17日、
『心を変えれば健康になれる!』アドラー心理学で病気も良くなる 江部康二著
の著者インタビュー記事が載りました。
かなり照れくさいのですが、紹介したいと思います。
江部康二
以下東洋経済ONLINEの著者インタビューを一部転載です。
☆☆☆
http://toyokeizai.net/articles/-/87182
糖質制限の権威が語る「心と健康」の深い関係
アドラーは最強の健康法だった!
江部 康二 :高雄病院理事長2015年10月17日
「糖質オフ」食品が普及する昨今、新しい健康常識として定着した感がある「糖質制限食」。
その開拓者で普及の立役者でもある江部康二氏は、京都の高雄病院の理事長で、漢方やアトピー治療、断食療法などのパイオニアでもあった。
江部氏は、幾多の新療法を確立してきた自らの考え方がアドラーの心理学に非常に近いと言い、
『心を変えれば健康になれる!――アドラー心理学で病気も良くなる』を上梓した。
その江部氏に話を聞く。
糖質制限食ブームを巻き起こしたカリスマ医師が、今、いちばん伝えたいことは、「心と健康」の深い関係だった。
「病気を治すのは医者ではなく、あなた自身の心の持ち方です」
江部 康二(えべ こうじ) 内科医、漢方医。
高雄病院理事長、日本糖質制限医療推進協会理事長、江部診療所所長。
1950年生まれ。74年京都大学医学部卒業。
78年から高雄病院に勤務。
漢方療法、絶食療法、食養生、心理療法なども取り入れ、独自の臨床活動を行ってきた。
99年高雄病院に糖質制限食を導入し、2001年から本格的に取り組む。
02年に自らも糖尿病であると気づいて以来、さらに研究に力を注ぎ「糖質制限食」の体系を確立。
自身の糖尿病も克服する。
アドラーを日本医療の新常識に
――アドラーの心理学が病気の治療や健康と、どう関係しているのでしょうか。
たとえば、アドラーは「人を心と身体に分けることはできない」と言いました。
この見方は「全体論」と呼ばれ、漢方やホリスティック医学とも共通していて、専門分化が進みすぎて全体像がわかりにくいという、現代の西洋医学の問題点を解決するカギなんですよ。
特に、アトピーなどのアレルギー性疾患、メタボや糖尿病など現代社会で大きな問題となっている生活習慣病は、心と身体の結び付きに注目しないと改善できません。
このように、アドラーの問題解決についての考え方は、病気の治療や健康を考える際にも応用が可能で、実践的な健康法として非常に有用なのですね。
――アドラーを健康に応用するとは、具体的に言うと?
アドラーは自分と他人の「課題の分離」が重要だと言っていますが、病気の治療を有効にするためには、医者と患者の課題の分離が非常に大切です。
また、アドラーは対等な人間関係が悩み解決の前提だとしていますが、治療においても医者と患者とが「対等な人間関係」を築くことが、治療を有効にする前提となります。
ここまで挙げてきた「全体論」「課題の分離」「対等な人間関係」など、アドラーの提唱している考え方はどれも医療現場では重要で、今、言ったように実践的に使えます。
でも残念ながら、今の日本の医療現場では常識になっているとは言えません。
だからこそ、アドラーを応用した健康法をご紹介することには、意味があると思っているのです。
医者としての経験則、「心を変えると健康になれる」
――新しい療法をいくつも確立できた秘訣は?
別に目新しい療法ばかり探していたわけではないのです。
けれど、漢方やアトピー治療、心理療法、断食療法、玄米魚菜食、そして糖質制限食と、図らずも開拓者の役を何度もすることになったのは、私がアドラー的であることと無関係ではないのかもしれません。
私はアドラーの専門家ではありませんが、医者として生きるうちに、偶然にも、彼の勧めるような考え方や態度を、自然に身に付けていたようなのですね。
そこで、今度の本ではアドラー的な人間が出来上がっていく実例として、兄や両親との人間関係を含めた私の半生もご紹介しています。
たとえば、私は糖尿病です。
普通なら、糖尿病だという事実がわかればショックでしょうが、「これで、俺は糖質制限食の実験台になれる」と、むしろ前向きに心を変えることができました。
糖質制限食にたどり着けたのには、私自身の「心を変える」というアドラー的な態度があったからなのです。
言わば、医者として生きてきた私の半生は、アドラーの結論が健康の面でも正しいことを証明していたようなものだと、今にして思うんですよ。
――心を変えるとは、具体的にどのように変えるのでしょうか。
それまでの常識にとらわれず、病気と治療について新しい眼で見直すことを、「心を変える」と言っています。
「治さなくてもいい」病気もある
たとえば、アトピーの患者さんには、それが治ると、もっと悪い病気を発症させるケースがあり、中にはアトピーが完治した途端、精神病を発症して、自殺未遂を起こした人もいます。
こうしたケースを「治らなくてもいいアトピー」と私は呼びます。
この例では、「病気は何が何でも治すべきだ」という常識にとらわれると、真の健康が見えなくなると思うんですよ。
患者さんの健康のためには、むしろ治さないほうがいい病気もあるという事実は、心を変えないと気づくことができないんですね。
逆に、心を変えると新しい健康観が見えて、それを実現できると思うのです。
――新しい健康観とはどういうことでしょうか。
私は「健康の意味を自分で決めていい」と思っています。
すると、100人いれば、100とおりのそれぞれに違った健康観があることになります。
人によっては、「病気があっても健康に生きることは可能」という健康観もありうるのです。
たとえば、先ほども申し上げたとおり私は糖尿病ですが、糖質制限食を実行していて血糖値は正常ですし、合併症のリスクも正常な人とほぼ同じです。
現実に、私は病気なのに、健康になれたわけです。
同じように、どんな重病の人でも、心を変えれば、健康になれる道は必ずあります。
心を変えることで、自分自身が真に求める健康とは何なのかがわかるんですね。
自分の求める健康がわかってこそ、楽しく元気に生きていくことができるのだと思うんです。
つまり、新しい健康観とは、「自分が本当に求める健康」のことなのです。
今度の本を読んだことがきっかけになって、多くの人が心を変えて、本当に自分らしい健康を手に入れる。
ぜひ、そうなってほしいと、大いに期待しているんですよ。
2015年10月16日 (金)
こんにちは。
新しい本を刊行しました。
『心を変えれば健康になれる!』アドラー心理学で病気も良くなる 江部康二著
東洋経済新報社 2015/10/16発売
アマゾンなどで、本日(2015/10/16)発売です。
簡単にいうと、
「スーパー糖質制限食をしながら、アドラー的な生き方を実践しているととても健康になれる」
というメッセージをこめた本です。
私の65年間の人生の流れを振り返って、自分の成長・変化の過程を物語っている本でもあります。
本書が少しでも、ブログ読者の皆さんのお役にたてれば幸いです。
江部康二
以下は
『心を変えれば健康になれる!』
のはじめにです。
☆☆☆
アドラー的な医者の健康則
私の生き方、考え方、心の持ち方などが、アドラー心理学の立場ととても似ていると、知り合いの医師に言われたことをきっかけに、今回の本は生まれました。
実際にアドラー心理学の本を最近になって初めて読んでみると、共感できることばかりで、感動したのです。
例えば、先日も高雄病院のあるスタッフから、こう言われました。
「先生は目上の人と話すときも、スタッフと話すときも患者さんと話すときも、いつも話し方や態度が変わりませんね。」
と言われました。
言われて気づくと、確かに私は昔から、誰とでも対等の目線で接してきたように思います。
どうもこんな人間は医者には珍しいらしいのですが、誰とでも対等であることは、アドラー心理学でも重視していると知り、共感したわけです。
他にも、私の生き方や考え方とアドラー心理学とは似ているところが多々あり、そのおかげか私は基本的にいつも機嫌がよくて、気分のムラがほとんどありません。
つまり心理的にとても安定しているので、一緒に仕事をしているスタッフにとっては、プレッシャーがなくてチーム医療をやりやすい医師として重宝されているようです。
アドラー的な医師であるため、周囲に安心感が生まれリラックスできる空間を提供できているように思うのです。
私は、1950年1月8日生まれで、エルビス・プレスリー、小泉純一郎元首相、そしてアジア最強?有名人の一人金正恩(キム・ジョンウン)第1書記とも同じ誕生日です。こう並べてみるとなかなか濃いメンバーですね。
2015年8月現在、私は65才ですが、年齢の割にはかなり健康です。
身長は167cm、体重は57~58kgで、BMIは20.4~20.8です。
一般に、身長については、年齢と共に縮む傾向があります。
骨密度が下がって骨の長さが縮んだり、骨格が歪んだりするからです。
事実、60才の男性患者さんが「若い頃に比べて、2cm縮んだ」と言っておられたので、(俺は大丈夫かいな?)とほんのチョッピリ不安でした。そこで、つい最近身長を計測したところ、20才のころから全く縮んでいなかったので、ほっと一安心でした。
この年齢で背がほとんど縮んでないのは、数%ほどしかいないでしょう。
歯は全て残っていて、虫歯もなく歯周症もありません。
65才で歯が全部残っているのは日本人100人中に1~3人だそうです。
目は近眼・老眼・乱視が三位一体となって何故か調和がとれて、眼鏡なしで、「広辞苑」も読めますし日常生活には全く不自由なしで、白内障もありません。
医学部の同級生である眼科医には「運がいい奴!」と言われているほどに目の健康度は高く、100人強の同級生にそんな奴は他にいません。
排尿もまったく不自由なしで、午前9時から外来診察でお茶やコーヒーを飲みながら、午後2時くらいまでぶっ通しで、50~60人くらいの患者さんを診察したあと、やおらトイレにたちます。
夜間尿も基本的には1回も行きません。
排尿に全く変化のない人は、私の世代だと数%ほどでしょうか。
聴力も全く低下していませんでいたが、これは同世代の数%しかいないでしょう。
同年齢の中で、私の健康度がどのくらい珍しいか、ざっと計算してみました。
歯と目の健康度がそれぞれ上位3%以内、排尿の健全さについては、数%ほど聴力の良さが上位数%、身長が縮んでない人は数%。
というわけでこれらの確率を全て掛け合わせてみると、な、な、何とビックリ!
私と同じほど健康な65歳は、「約1000万人に1人」ということになるじゃありませんか!?
自慢話になってしまってすいません。
もっとも、私にも加齢は髪の毛にでていて、白髪がめっきり増えて、おでこが大分広くなりました。
それでも、月曜日から土曜日まで毎日外来診察をし、病棟入院患者さんも普通に担当し、ブログは毎日更新し質問に回答し、講演は年間30件くらいこなし、本も50冊以上刊行し、マスコミの取材にも適宜応じていますので、結構忙しくしてますが、まあ元気です。
このように私が心身共に健康なのは、アドラー的生き方に原因の一つがあるように思うのです。
自慢ついでといってはなんですが、実は私にはギネスブックなみの記録が2つあります。
1つは、夏のテニス合宿で、1982年開始以来、2015年まで、34回ほど毎年続いています。
医師・看護師仲間とその家族・友人などをメンバーにした30名くらいの合宿ですが、大学体育会の合宿とかではなくて個人が主催する合宿としては、ギネスブックものかなと思っています。
もう1つは、バンド活動です。1994年11月以来、バンド<TURNING POINT> を率いて、毎月1回第三金曜日夜に、ライブ活動を続けてきました。
私はボーカルで、キーボード、ギター、ベース、ドラムス、女性ボーカル2名で、総勢7名です。
定期ライブ開始以来、一度も休んだことがないのはちょっと自慢です。
ジャンルはビートルズ、オーティス・レディング、スティービー・ワンダーなどの洋楽から、サザン・オールスターズ、坂本九、柳ジョージ、尾崎豊などの邦楽まで、要するに何でもありのバンドなので飽きが来なくて長続きしてるようです。
2014年12月に、ライブハウスが閉鎖するまで、20年間、アマチュアバンドで一回も休まずに定例ライブというのは、やはりギネスブックものかと秘かに自負しています。今も年に2回くらいはライブ活動を続けています。
34年続くテニス合宿、20年間の定例ライブ、いずれも人間関係良好の賜物かもしれません。
私の対等目線の付き合いとか心理的に安定しているとかアドラー的な側面が長年にわたるギネスブックものの記録につながったのかと思います。
本書は、65年間の人生の流れを振り返って、自分の成長・変化の過程を物語っています。
そして医師として経験的に掴んできた心と健康についての真実を、アドラーの考え方を借りて、整理してみました。
今までにないユニークな健康書であると同時に、人間関係など生き方・人生に対しても有益なヒントを提供する本になったと自負しております。
読者の皆さんの変化に役立てば幸いですし、今の私の生き方に共感していただけるなら、とても嬉しいです。
2015年10月
江部康二
以下は出版社の内容紹介です。
☆☆☆内容紹介
◆糖質制限食ブームを巻き起こしたカリスマ医師が
今いちばん伝えたいこと――。
「病気を治すのは医者ではなく、あなた自身の心の持ち方です」
◆漢方、心理療法、断食療法などを全国に先駆けて導入・実践し、
糖質制限食を日本で初めて提唱したことでも知られる著者が、
「心の持ち方」こそが健康への一番の近道であると説く異色の健康(自己啓発)書。
対人ストレスがなくなることで難病が治る例などもあり、
人間関係・心・身体は一体であると著者は早くから気づき治療に生かしてきた。
最近になり著者は、自身の経験から導き出した健康と病気の経験則は、
人間関係の心理学であるアドラーの教えと、驚くほど一致していることを発見する。
「人を心と身体に分けることはできない」
「原因よりも目的を重視せよ」
「自分と他人の課題を分ける」
……などとするアドラー心理学は、
健康を手に入れるための最適な教えでもあるというのだ。
本書では、そうした長年の医療経験から得た著者の結論を、
アドラー心理学を柱にしながら、豊富な症例を交え
分かりやすく解説している。
どんな健康法よりも大事な「心と健康」の問題に
真正面から斬りこんだ健康書であると同時に、
幸福な人生を手に入れるための自己啓発書ともなっている。
【著者の言葉】
医師として経験的につかんできた心と健康についての真実を、アドラーの考え方を借りて、整理してみました。今までにないユニークな健康書であると同時に、人間関係など生き方・人生に対しても有益なヒントを提供する本になったと自負しております。読者の皆さんの変化に役立てば幸いです……(「はじめに」より)
【本書の内容例】
○心と身体と人間関係はつながっている
○人間関係が病気の元になる
○治らなくていい病気もある
○治ると他の病気を引き起こすこともある
○アドラー心理学は最高の健康書にもなる
○ストレスがあると、治癒力そのものが落ちてしまう
○病気になりやすい性格、なりにくい性格
○他の人の役に立つ→幸福を感じる→健康
○時には主治医を替える勇気も必要
○がんであっても健康は求めることができる
○時には逃げることも必要
○身体の不調は、自分を変えろというサイン
○心を変えればストレスが減る
○人間関係の不安が減ると治療効果が高まる
○治療方針を選ぶのは医師ではなく患者自身
○病気発覚も好機ととらえる
○人間関係がきっかけとなり心は変わる
……
新しい本を刊行しました。
『心を変えれば健康になれる!』アドラー心理学で病気も良くなる 江部康二著
東洋経済新報社 2015/10/16発売
アマゾンなどで、本日(2015/10/16)発売です。
簡単にいうと、
「スーパー糖質制限食をしながら、アドラー的な生き方を実践しているととても健康になれる」
というメッセージをこめた本です。
私の65年間の人生の流れを振り返って、自分の成長・変化の過程を物語っている本でもあります。
本書が少しでも、ブログ読者の皆さんのお役にたてれば幸いです。
江部康二
以下は
『心を変えれば健康になれる!』
のはじめにです。
☆☆☆
アドラー的な医者の健康則
私の生き方、考え方、心の持ち方などが、アドラー心理学の立場ととても似ていると、知り合いの医師に言われたことをきっかけに、今回の本は生まれました。
実際にアドラー心理学の本を最近になって初めて読んでみると、共感できることばかりで、感動したのです。
例えば、先日も高雄病院のあるスタッフから、こう言われました。
「先生は目上の人と話すときも、スタッフと話すときも患者さんと話すときも、いつも話し方や態度が変わりませんね。」
と言われました。
言われて気づくと、確かに私は昔から、誰とでも対等の目線で接してきたように思います。
どうもこんな人間は医者には珍しいらしいのですが、誰とでも対等であることは、アドラー心理学でも重視していると知り、共感したわけです。
他にも、私の生き方や考え方とアドラー心理学とは似ているところが多々あり、そのおかげか私は基本的にいつも機嫌がよくて、気分のムラがほとんどありません。
つまり心理的にとても安定しているので、一緒に仕事をしているスタッフにとっては、プレッシャーがなくてチーム医療をやりやすい医師として重宝されているようです。
アドラー的な医師であるため、周囲に安心感が生まれリラックスできる空間を提供できているように思うのです。
私は、1950年1月8日生まれで、エルビス・プレスリー、小泉純一郎元首相、そしてアジア最強?有名人の一人金正恩(キム・ジョンウン)第1書記とも同じ誕生日です。こう並べてみるとなかなか濃いメンバーですね。
2015年8月現在、私は65才ですが、年齢の割にはかなり健康です。
身長は167cm、体重は57~58kgで、BMIは20.4~20.8です。
一般に、身長については、年齢と共に縮む傾向があります。
骨密度が下がって骨の長さが縮んだり、骨格が歪んだりするからです。
事実、60才の男性患者さんが「若い頃に比べて、2cm縮んだ」と言っておられたので、(俺は大丈夫かいな?)とほんのチョッピリ不安でした。そこで、つい最近身長を計測したところ、20才のころから全く縮んでいなかったので、ほっと一安心でした。
この年齢で背がほとんど縮んでないのは、数%ほどしかいないでしょう。
歯は全て残っていて、虫歯もなく歯周症もありません。
65才で歯が全部残っているのは日本人100人中に1~3人だそうです。
目は近眼・老眼・乱視が三位一体となって何故か調和がとれて、眼鏡なしで、「広辞苑」も読めますし日常生活には全く不自由なしで、白内障もありません。
医学部の同級生である眼科医には「運がいい奴!」と言われているほどに目の健康度は高く、100人強の同級生にそんな奴は他にいません。
排尿もまったく不自由なしで、午前9時から外来診察でお茶やコーヒーを飲みながら、午後2時くらいまでぶっ通しで、50~60人くらいの患者さんを診察したあと、やおらトイレにたちます。
夜間尿も基本的には1回も行きません。
排尿に全く変化のない人は、私の世代だと数%ほどでしょうか。
聴力も全く低下していませんでいたが、これは同世代の数%しかいないでしょう。
同年齢の中で、私の健康度がどのくらい珍しいか、ざっと計算してみました。
歯と目の健康度がそれぞれ上位3%以内、排尿の健全さについては、数%ほど聴力の良さが上位数%、身長が縮んでない人は数%。
というわけでこれらの確率を全て掛け合わせてみると、な、な、何とビックリ!
私と同じほど健康な65歳は、「約1000万人に1人」ということになるじゃありませんか!?
自慢話になってしまってすいません。
もっとも、私にも加齢は髪の毛にでていて、白髪がめっきり増えて、おでこが大分広くなりました。
それでも、月曜日から土曜日まで毎日外来診察をし、病棟入院患者さんも普通に担当し、ブログは毎日更新し質問に回答し、講演は年間30件くらいこなし、本も50冊以上刊行し、マスコミの取材にも適宜応じていますので、結構忙しくしてますが、まあ元気です。
このように私が心身共に健康なのは、アドラー的生き方に原因の一つがあるように思うのです。
自慢ついでといってはなんですが、実は私にはギネスブックなみの記録が2つあります。
1つは、夏のテニス合宿で、1982年開始以来、2015年まで、34回ほど毎年続いています。
医師・看護師仲間とその家族・友人などをメンバーにした30名くらいの合宿ですが、大学体育会の合宿とかではなくて個人が主催する合宿としては、ギネスブックものかなと思っています。
もう1つは、バンド活動です。1994年11月以来、バンド<TURNING POINT> を率いて、毎月1回第三金曜日夜に、ライブ活動を続けてきました。
私はボーカルで、キーボード、ギター、ベース、ドラムス、女性ボーカル2名で、総勢7名です。
定期ライブ開始以来、一度も休んだことがないのはちょっと自慢です。
ジャンルはビートルズ、オーティス・レディング、スティービー・ワンダーなどの洋楽から、サザン・オールスターズ、坂本九、柳ジョージ、尾崎豊などの邦楽まで、要するに何でもありのバンドなので飽きが来なくて長続きしてるようです。
2014年12月に、ライブハウスが閉鎖するまで、20年間、アマチュアバンドで一回も休まずに定例ライブというのは、やはりギネスブックものかと秘かに自負しています。今も年に2回くらいはライブ活動を続けています。
34年続くテニス合宿、20年間の定例ライブ、いずれも人間関係良好の賜物かもしれません。
私の対等目線の付き合いとか心理的に安定しているとかアドラー的な側面が長年にわたるギネスブックものの記録につながったのかと思います。
本書は、65年間の人生の流れを振り返って、自分の成長・変化の過程を物語っています。
そして医師として経験的に掴んできた心と健康についての真実を、アドラーの考え方を借りて、整理してみました。
今までにないユニークな健康書であると同時に、人間関係など生き方・人生に対しても有益なヒントを提供する本になったと自負しております。
読者の皆さんの変化に役立てば幸いですし、今の私の生き方に共感していただけるなら、とても嬉しいです。
2015年10月
江部康二
以下は出版社の内容紹介です。
☆☆☆内容紹介
◆糖質制限食ブームを巻き起こしたカリスマ医師が
今いちばん伝えたいこと――。
「病気を治すのは医者ではなく、あなた自身の心の持ち方です」
◆漢方、心理療法、断食療法などを全国に先駆けて導入・実践し、
糖質制限食を日本で初めて提唱したことでも知られる著者が、
「心の持ち方」こそが健康への一番の近道であると説く異色の健康(自己啓発)書。
対人ストレスがなくなることで難病が治る例などもあり、
人間関係・心・身体は一体であると著者は早くから気づき治療に生かしてきた。
最近になり著者は、自身の経験から導き出した健康と病気の経験則は、
人間関係の心理学であるアドラーの教えと、驚くほど一致していることを発見する。
「人を心と身体に分けることはできない」
「原因よりも目的を重視せよ」
「自分と他人の課題を分ける」
……などとするアドラー心理学は、
健康を手に入れるための最適な教えでもあるというのだ。
本書では、そうした長年の医療経験から得た著者の結論を、
アドラー心理学を柱にしながら、豊富な症例を交え
分かりやすく解説している。
どんな健康法よりも大事な「心と健康」の問題に
真正面から斬りこんだ健康書であると同時に、
幸福な人生を手に入れるための自己啓発書ともなっている。
【著者の言葉】
医師として経験的につかんできた心と健康についての真実を、アドラーの考え方を借りて、整理してみました。今までにないユニークな健康書であると同時に、人間関係など生き方・人生に対しても有益なヒントを提供する本になったと自負しております。読者の皆さんの変化に役立てば幸いです……(「はじめに」より)
【本書の内容例】
○心と身体と人間関係はつながっている
○人間関係が病気の元になる
○治らなくていい病気もある
○治ると他の病気を引き起こすこともある
○アドラー心理学は最高の健康書にもなる
○ストレスがあると、治癒力そのものが落ちてしまう
○病気になりやすい性格、なりにくい性格
○他の人の役に立つ→幸福を感じる→健康
○時には主治医を替える勇気も必要
○がんであっても健康は求めることができる
○時には逃げることも必要
○身体の不調は、自分を変えろというサイン
○心を変えればストレスが減る
○人間関係の不安が減ると治療効果が高まる
○治療方針を選ぶのは医師ではなく患者自身
○病気発覚も好機ととらえる
○人間関係がきっかけとなり心は変わる
……
2015年10月15日 (木)
おはようございます。
「『低糖質おせち』料理教室
~安心のローカーボおせちで、美味し楽しやお正月♪~」
のご案内です。
☆1. 朝霞(埼玉県)教室
◆日時: 11月8日(日)11:30~ (終了は16時頃を予定)
☆2. 京都教室
◆日時: 12月12日(土) 11:30~(終了は16時頃を予定)
朝霞市(埼玉県)と京都市の2カ所で開催します。
講師は
ローカーボクラブ代表 / 医療法人鴻生会 小室クリニック(埼玉県鴻巣市) /
(一社)日本糖質制限医療推進協会アドバイザー
の佐々木栄子管理栄養士です。
佐々木栄子管理栄養士は、糖質制限食のエキスパートであり、おせち料理の講師歴も20余年の達人です。
なんと、お雑煮もあるそうですよ。
普通のデパートやコンビニや料理屋のおせちは、砂糖をたっぷり使ってあるので、糖尿人には、御法度の存在です。
「お正月くらいはおせち食べてもええやろ。」という油断が命取りになるので、糖尿人や糖尿人を連れ合いにもつ主婦の方々、是非、糖質制限OKおせちをお勉強くださいね。
京都教室の試食・懇談には 私・江部康二も参加します。
江部診療所の外来終了後、駆けつけます。
作る方は、皆さんにお任せで、私は食べるほうに専念します。すいません。
糖質制限なおせちを美味しく食べることができるとは、おおいに楽しみで、待ち遠しいです。
江部康二
*********
以下、事務局からのお知らせです。
ブログ読者の皆様、講演会へいつも多数ご参加いただきまして、
ありがとうございます。
11月、12月に埼玉県朝霞市と京都市でおせち料理教室を開催致します。
首都圏・北関東、関西圏にお住まいの方をはじめ、皆様のご参加をお待ちしております。
///////////////////ご案内/////////////////////
一般社団法人日本糖質制限医療推進協会主催
「『低糖質おせち』料理教室
~安心のローカーボおせちで、美味し楽しやお正月♪~」
「祝い肴三種」をはじめ、基本のおせちを低糖質で「美味しく作るコツ」を
しっかり学んでいただけます。
伊達巻、田作り(ごまめ)、煮豆にきんとん・・・焼き餅、雑煮に正月菓子、
年末年始に活用いただけるオードブルもご紹介と盛りだくさんのレッスンです。
講師は、おせちを教えること20余年のキャリアを持つ、管理栄養士の
佐々木栄子先生(ローカーボクラブ代表・当協会アドバイザー)です。
糖質オフで安心かつ、美味しいおせちを楽しくマスターしてみませんか。
そしてよい新年をお迎えください。
☆1. 朝霞(埼玉県)教室
◆日時: 11月8日(日)11:30~ (終了は16時頃を予定)
◆場所: 埼玉県朝霞市中央公民館 2F・調理実習室
埼玉県朝霞市青葉台1丁目7-1
http://www.city.asaka.lg.jp/soshiki/43/chuoukoumin.html
☆アクセス: 東武東上線朝霞駅(南口)より徒歩約10分
*JR線ご利用の場合、JR武蔵野線「北朝霞」下車→徒歩1分 東武東上線への
乗り換えとなります。
*駅から会場の「朝霞市中央公民館・コミュニティーセンター」行きの
市内循環バスもあります。
朝霞駅まで、池袋から18分、横浜から1時間、都心からも好アクセスです。
(地下鉄有楽町線、副都心線、東横線、みなとみらい線から東武東上線へ直通)
☆2. 京都教室
◆日時: 12月12日(土) 11:30~(終了は16時頃を予定)
◆場所: 京都テルサ 東館2F・調理実習室
京都市南区東九条下殿田町70番地
(新町通九条下ル 京都府民総合交流プラザ内)
http://www.kyoto-terrsa.or.jp/access.html
☆アクセス:
・JR京都駅(八条口西口)より南へ徒歩約15分
・地下鉄九条駅(京都駅より一駅)4番出口より西へ徒歩約5分
■□■ 概要・お申し込みについて ■□■
◆講師: 佐々木栄子 管理栄養士/健康運動実践指導者
ローカーボクラブ代表 / 医療法人鴻生会 小室クリニック(埼玉県鴻巣市) /
(一社)日本糖質制限医療推進協会アドバイザー
◆当日の流れ: レシピ説明 → 実習 → 試食・懇談 → 片付け後、解散
*10品程度の実習を予定しております。
* 京都教室の試食・懇談には 江部理事長も参加予定です。
◆持参いただくもの: エプロン・三角巾・ハンドタオル1枚(食器ふき用)・筆記用具
■参加費: 各教室 お一人 3,500円
■定員: 各教室 22名様
■お支払い方法: 銀行振り込み・振り替え(事前決済)
■お申し込み締切:
朝霞教室 11月4日(水) / 京都教室 12月8日(火)
■お申し込みの流れ:
1. 下記「お申し込み方法」の該当するものからお申し込み下さい。
2. 事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3. 入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4. 当日、直接会場までお越し下さい。
■お申し込み方法:
★賛助会員の方:事務局までメールにてお申し込み下さい。
※複数名でお申し込みの場合は、①参加人数、②参加者のご氏名、
③性別、④ご年齢又はご年代もご記入ください。
★賛助会員入会をご希望の方:
1. 入会案内および会員規約をお読み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/#!membership/cdt9
2. お申し込みは下のフォームからお願いします。
「通信」欄に「朝霞(又は京都)おせち教室参加希望」とご記入下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/contact
★一般(非会員)で、おせち教室参加のみご希望の方:
下のフォームからお申し込み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/#!cooking/cplj
■その他
・お申し込み後、キャンセルされる場合は、お申し込み締切日までにご連絡ください。
・締切日以降のキャンセルは2,500円をキャンセル料金としていただきますので、
予めご了承ください。
・実習室で作ったもの以外の飲食はできません。
ご自宅で作ったお料理やお菓子などの持ち込みはできませんのでご注意ください。
◇掲載ページ:http://www.toushitsuseigen.or.jp/activity
「『低糖質おせち』料理教室
~安心のローカーボおせちで、美味し楽しやお正月♪~」
のご案内です。
☆1. 朝霞(埼玉県)教室
◆日時: 11月8日(日)11:30~ (終了は16時頃を予定)
☆2. 京都教室
◆日時: 12月12日(土) 11:30~(終了は16時頃を予定)
朝霞市(埼玉県)と京都市の2カ所で開催します。
講師は
ローカーボクラブ代表 / 医療法人鴻生会 小室クリニック(埼玉県鴻巣市) /
(一社)日本糖質制限医療推進協会アドバイザー
の佐々木栄子管理栄養士です。
佐々木栄子管理栄養士は、糖質制限食のエキスパートであり、おせち料理の講師歴も20余年の達人です。
なんと、お雑煮もあるそうですよ。
普通のデパートやコンビニや料理屋のおせちは、砂糖をたっぷり使ってあるので、糖尿人には、御法度の存在です。
「お正月くらいはおせち食べてもええやろ。」という油断が命取りになるので、糖尿人や糖尿人を連れ合いにもつ主婦の方々、是非、糖質制限OKおせちをお勉強くださいね。
京都教室の試食・懇談には 私・江部康二も参加します。
江部診療所の外来終了後、駆けつけます。
作る方は、皆さんにお任せで、私は食べるほうに専念します。すいません。
糖質制限なおせちを美味しく食べることができるとは、おおいに楽しみで、待ち遠しいです。
江部康二
*********
以下、事務局からのお知らせです。
ブログ読者の皆様、講演会へいつも多数ご参加いただきまして、
ありがとうございます。
11月、12月に埼玉県朝霞市と京都市でおせち料理教室を開催致します。
首都圏・北関東、関西圏にお住まいの方をはじめ、皆様のご参加をお待ちしております。
///////////////////ご案内/////////////////////
一般社団法人日本糖質制限医療推進協会主催
「『低糖質おせち』料理教室
~安心のローカーボおせちで、美味し楽しやお正月♪~」
「祝い肴三種」をはじめ、基本のおせちを低糖質で「美味しく作るコツ」を
しっかり学んでいただけます。
伊達巻、田作り(ごまめ)、煮豆にきんとん・・・焼き餅、雑煮に正月菓子、
年末年始に活用いただけるオードブルもご紹介と盛りだくさんのレッスンです。
講師は、おせちを教えること20余年のキャリアを持つ、管理栄養士の
佐々木栄子先生(ローカーボクラブ代表・当協会アドバイザー)です。
糖質オフで安心かつ、美味しいおせちを楽しくマスターしてみませんか。
そしてよい新年をお迎えください。
☆1. 朝霞(埼玉県)教室
◆日時: 11月8日(日)11:30~ (終了は16時頃を予定)
◆場所: 埼玉県朝霞市中央公民館 2F・調理実習室
埼玉県朝霞市青葉台1丁目7-1
http://www.city.asaka.lg.jp/soshiki/43/chuoukoumin.html
☆アクセス: 東武東上線朝霞駅(南口)より徒歩約10分
*JR線ご利用の場合、JR武蔵野線「北朝霞」下車→徒歩1分 東武東上線への
乗り換えとなります。
*駅から会場の「朝霞市中央公民館・コミュニティーセンター」行きの
市内循環バスもあります。
朝霞駅まで、池袋から18分、横浜から1時間、都心からも好アクセスです。
(地下鉄有楽町線、副都心線、東横線、みなとみらい線から東武東上線へ直通)
☆2. 京都教室
◆日時: 12月12日(土) 11:30~(終了は16時頃を予定)
◆場所: 京都テルサ 東館2F・調理実習室
京都市南区東九条下殿田町70番地
(新町通九条下ル 京都府民総合交流プラザ内)
http://www.kyoto-terrsa.or.jp/access.html
☆アクセス:
・JR京都駅(八条口西口)より南へ徒歩約15分
・地下鉄九条駅(京都駅より一駅)4番出口より西へ徒歩約5分
■□■ 概要・お申し込みについて ■□■
◆講師: 佐々木栄子 管理栄養士/健康運動実践指導者
ローカーボクラブ代表 / 医療法人鴻生会 小室クリニック(埼玉県鴻巣市) /
(一社)日本糖質制限医療推進協会アドバイザー
◆当日の流れ: レシピ説明 → 実習 → 試食・懇談 → 片付け後、解散
*10品程度の実習を予定しております。
* 京都教室の試食・懇談には 江部理事長も参加予定です。
◆持参いただくもの: エプロン・三角巾・ハンドタオル1枚(食器ふき用)・筆記用具
■参加費: 各教室 お一人 3,500円
■定員: 各教室 22名様
■お支払い方法: 銀行振り込み・振り替え(事前決済)
■お申し込み締切:
朝霞教室 11月4日(水) / 京都教室 12月8日(火)
■お申し込みの流れ:
1. 下記「お申し込み方法」の該当するものからお申し込み下さい。
2. 事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3. 入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4. 当日、直接会場までお越し下さい。
■お申し込み方法:
★賛助会員の方:事務局までメールにてお申し込み下さい。
※複数名でお申し込みの場合は、①参加人数、②参加者のご氏名、
③性別、④ご年齢又はご年代もご記入ください。
★賛助会員入会をご希望の方:
1. 入会案内および会員規約をお読み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/#!membership/cdt9
2. お申し込みは下のフォームからお願いします。
「通信」欄に「朝霞(又は京都)おせち教室参加希望」とご記入下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/contact
★一般(非会員)で、おせち教室参加のみご希望の方:
下のフォームからお申し込み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/#!cooking/cplj
■その他
・お申し込み後、キャンセルされる場合は、お申し込み締切日までにご連絡ください。
・締切日以降のキャンセルは2,500円をキャンセル料金としていただきますので、
予めご了承ください。
・実習室で作ったもの以外の飲食はできません。
ご自宅で作ったお料理やお菓子などの持ち込みはできませんのでご注意ください。
◇掲載ページ:http://www.toushitsuseigen.or.jp/activity
2015年10月14日 (水)
【15/10/14 オハナ
糖質制限4ヶ月目
江部先生こんばんは。
6月に1型糖尿病と診断された娘を持つ母です。
私も娘と一緒に糖質制限をしています。
私は糖質制限を始めるまでは生理不順で、ときに3ヶ月に一度しか生理がこないときがありました。
体調は常にだるく、カロリーを摂取してもカロリーを摂取しても気持ちよく1日を過ごす日など皆無でした。
後から分析してみると、私の食生活は大部分が糖質にたよったものでした。
ところが、糖質制限を始めて2ヶ月目で最初の生理が来て、次の月も、今月も順調に来るようになりました。
経血はサラサラ。
ドロドロ経血ではありません。
多少の睡眠不足があっても規則正しく毎月生理がきます。
毎日起きてすぐに食事が作れて、頭はすっきり。
体も軽くて、考え方も前向きに改善されました。
疲れにくくて、活動的な毎日を過ごしています。
肌の吹き出物も無くなり、キメの整った肌に落ち着いています。
糖質制限で学んだことは、そもそも人間にとって必要な栄養が糖質制限食によって満たされているということ。
必要なのは薬局で買える薬ではありませんでした。
長年悩まされていた口内炎も全く出来なくなりました。
口の中を噛んでしまい、傷がついても次の日には回復傾向にあります。
きっと、細胞の再生に必要なタンパク質の摂取が足りなすぎていたのではないかと思います。
生理不順も、次の月までに生理が始まることの出来る体になるための栄養が足りなすぎていたのではないかと思います。
糖質制限食は、炭水化物を大幅に減少させ、その足りない部分の摂取エネルギーを補うため、タンパク質や脂質やミネラルの摂取が増えるので、必然と本来、人間が必要としている量のタンパク質や脂質やミネラルが満たされていき、体の機能が正常に戻っていくのではないかと思いました。偉そうなこと言って申し訳ありません。
糖質制限食でカロリー計算をしていくと、こんなに食べるのか!と思う程、満腹な食事メニューです。
また、糖質制限食により、改めて、体は食事によって作られることを実感いたしました。
先生には感謝してもしきれません。
こんなに短期間で効果を実感出来る食事療法は他には無いのではないかと思うくらいです。】
こんばんは。
オハナ さんから、糖質制限食で生理不順が改善し、
体調も良好という嬉しいコメントを頂きました。
ありがとうございます。
糖質制限食で、身体のだるいのがとれて、毎日起きてすぐに食事が作れて、頭はすっきり。
体も軽くて、考え方も前向きに改善。
疲れにくくて、活動的な毎日。
肌の吹き出物も無くなり、キメの整った肌に。
素晴らしい改善ですね。
言い換えれば、糖質たっぷり生活だと、上記の様々な身体の不調があったということになります。
多くの人が、糖質過剰の食生活が元凶で、身体がだるい、頭がボー、疲れやすい、朝は起きにくい、吹き出物、口内炎・・・
様々な症状が生じているのに、気がついていないと思うのです。
毎日の過剰の食生活の中で、「そんなものだろう」と諦めているのでしょうね。
「糖質制限食は、炭水化物を大幅に減少させ、その足りない部分の摂取エネルギーを補うため、タンパク質や脂質やミネラルの摂取が増えるので、必然と本来、人間が必要としている量のタンパク質や脂質やミネラルが満たされていき、体の機能が正常に戻っていくのではないかと思いました。」
その通りと思います。
糖質制限食なら、「必須脂肪酸、必須アミノ酸、ビタミン、ミネラル、微量元素、食物繊維」すべてが必要充分量摂取できます。
糖質制限食は人類本来の食事であり、人類の健康食です。
全身の血流・代謝もよくなり、自然治癒力も高まります。
あるいは、その人がもっている本来の力を取り戻すという言い方もできますね。
1型糖尿病の娘さんも、スーパー糖質制限食なら、インスリンの単位が必要最低限で済むので、身体に優しいと思います。
インスリン注射単位が多いと、肥満、高血圧、アルツハーマー病、癌などのリスクになるので、血糖コントロール良好の範囲でインスリンの単位が少なくてすめばすむほど、好ましいのです。
これからも、親子で、美味しく楽しく末長く糖質制限食をお続けくださいね。
江部康二
糖質制限4ヶ月目
江部先生こんばんは。
6月に1型糖尿病と診断された娘を持つ母です。
私も娘と一緒に糖質制限をしています。
私は糖質制限を始めるまでは生理不順で、ときに3ヶ月に一度しか生理がこないときがありました。
体調は常にだるく、カロリーを摂取してもカロリーを摂取しても気持ちよく1日を過ごす日など皆無でした。
後から分析してみると、私の食生活は大部分が糖質にたよったものでした。
ところが、糖質制限を始めて2ヶ月目で最初の生理が来て、次の月も、今月も順調に来るようになりました。
経血はサラサラ。
ドロドロ経血ではありません。
多少の睡眠不足があっても規則正しく毎月生理がきます。
毎日起きてすぐに食事が作れて、頭はすっきり。
体も軽くて、考え方も前向きに改善されました。
疲れにくくて、活動的な毎日を過ごしています。
肌の吹き出物も無くなり、キメの整った肌に落ち着いています。
糖質制限で学んだことは、そもそも人間にとって必要な栄養が糖質制限食によって満たされているということ。
必要なのは薬局で買える薬ではありませんでした。
長年悩まされていた口内炎も全く出来なくなりました。
口の中を噛んでしまい、傷がついても次の日には回復傾向にあります。
きっと、細胞の再生に必要なタンパク質の摂取が足りなすぎていたのではないかと思います。
生理不順も、次の月までに生理が始まることの出来る体になるための栄養が足りなすぎていたのではないかと思います。
糖質制限食は、炭水化物を大幅に減少させ、その足りない部分の摂取エネルギーを補うため、タンパク質や脂質やミネラルの摂取が増えるので、必然と本来、人間が必要としている量のタンパク質や脂質やミネラルが満たされていき、体の機能が正常に戻っていくのではないかと思いました。偉そうなこと言って申し訳ありません。
糖質制限食でカロリー計算をしていくと、こんなに食べるのか!と思う程、満腹な食事メニューです。
また、糖質制限食により、改めて、体は食事によって作られることを実感いたしました。
先生には感謝してもしきれません。
こんなに短期間で効果を実感出来る食事療法は他には無いのではないかと思うくらいです。】
こんばんは。
オハナ さんから、糖質制限食で生理不順が改善し、
体調も良好という嬉しいコメントを頂きました。
ありがとうございます。
糖質制限食で、身体のだるいのがとれて、毎日起きてすぐに食事が作れて、頭はすっきり。
体も軽くて、考え方も前向きに改善。
疲れにくくて、活動的な毎日。
肌の吹き出物も無くなり、キメの整った肌に。
素晴らしい改善ですね。
言い換えれば、糖質たっぷり生活だと、上記の様々な身体の不調があったということになります。
多くの人が、糖質過剰の食生活が元凶で、身体がだるい、頭がボー、疲れやすい、朝は起きにくい、吹き出物、口内炎・・・
様々な症状が生じているのに、気がついていないと思うのです。
毎日の過剰の食生活の中で、「そんなものだろう」と諦めているのでしょうね。
「糖質制限食は、炭水化物を大幅に減少させ、その足りない部分の摂取エネルギーを補うため、タンパク質や脂質やミネラルの摂取が増えるので、必然と本来、人間が必要としている量のタンパク質や脂質やミネラルが満たされていき、体の機能が正常に戻っていくのではないかと思いました。」
その通りと思います。
糖質制限食なら、「必須脂肪酸、必須アミノ酸、ビタミン、ミネラル、微量元素、食物繊維」すべてが必要充分量摂取できます。
糖質制限食は人類本来の食事であり、人類の健康食です。
全身の血流・代謝もよくなり、自然治癒力も高まります。
あるいは、その人がもっている本来の力を取り戻すという言い方もできますね。
1型糖尿病の娘さんも、スーパー糖質制限食なら、インスリンの単位が必要最低限で済むので、身体に優しいと思います。
インスリン注射単位が多いと、肥満、高血圧、アルツハーマー病、癌などのリスクになるので、血糖コントロール良好の範囲でインスリンの単位が少なくてすめばすむほど、好ましいのです。
これからも、親子で、美味しく楽しく末長く糖質制限食をお続けくださいね。
江部康二
2015年10月14日 (水)
おはようございます。
私が監修して完成した糖質制限ワインと糖質制限ビュッフェを楽しむ会が、昨年11月は京都、今年の5月は東京で開催されました。
どちらも満員御礼で、会場ではグラスが足らなくなるくらいのワインが参加した皆さんの胃袋に消えていきました(^_^;)
関西、関東で開催したので、今度は九州地方でやって欲しいとリクエストを多数頂きましたので、福岡は博多での開催を決定です。
会場は、糖質制限の聖地、六本木のBotanicaと同じASOグループの、リストランテASO福岡天神です。
リストランテASO福岡天神では、普段は糖質制限メニューは出されていませんが、あらてつさんが博多に出張の際は糖質制限メニューをリクエストして作ってもらっているそうなので安心ですね(^O^)
ワインは、もちろん全て糖質制限の為に特別に醸造されたものばかりです。
赤はもちろん、白、ロゼ、カバ、限定生産カバに加え、今回は、5月の東京での開催時に大好評だったフランス、ラングドック産の糖質制限赤ワインが3種類も登場します。
因みにこのラングドックの赤ワイン、5月のパーティーでお披露目した時に夏井先生が随分と気に入ったみたいで、ひたすらこればっかり飲んでおられました(^_^;)
その時の様子です。
試飲会の様子です。
いつも大変お世話になっている、Botanica 星野支配人

飲む少し前に空気に触れさせるため栓を開けて頂いてます。

笑顔が素敵なスタッフの方

星野支配人とクリストフさん

不詳、私、江部康二がご挨拶させて頂きました

クリストフからワインの説明です

まだシラフの夏井先生の拍手(笑)

クリストフさんがあちこちで糖質制限ワインについて質問されていました

私もいろいろとご質問頂きました

前日は雨でしたが、この日は快晴で良かったです

小室先生ご夫妻です

新たにBotanicaの料理長になられた藤田シェフと星野支配人とクリストフさん

藤田シェフはフランスで料理の修行をされておられ、新井田シェフの右腕だった方です。
この度、Bitanica料理長に抜擢されました。
今回のワイン試飲会では、新しい糖質制限ワイン「MONTAGUT(モンタグ)」シリーズがお披露目されました。
現在糖質制限ドットコムで販売しているサーメンタムシリーズはスペインワインですが、MONTAGUTシリーズは、フランス産糖質制限ワインとなります。
クリストフさんの親友が経営しているシャトーで、手間暇かけて特別に糖質制限用に醸造してくれた赤ワインです。
試作品が完成する度に送って来て私が全部血糖測定して、正に私の血と汗と涙の結晶です(T_T)
小室先生がお持ちのワインがモンタグです

サーメンタムシリーズの赤ワインがメルローバリカ2009から2011に変わり、会場でも提供されて「美味しい!」と好評でしたが、今回の「MONTAGUT(モンタグ)」シリーズ、この日準備されたワインでカバに並んで人気でした。
因みに夏井先生、随分とモンタグが気に入ったのか、うまいうまいを連発してこればっかり飲んでました(^_^;)
モンタグで上機嫌の夏井先生

最後にあらてつさんから一本締めを頼まれましたが、「俺がする!」とゴキゲンの夏井先生が立候補したので奥ゆかしくゆずっておきました(笑)
上機嫌の夏井先生による一本締(笑)

テラスにて皆さんで記念撮影

なぜだか夏井先生までお見送りに参加(^_^;)

夏井先生、終始ご機嫌でした(笑)
糖質制限ワインをこれだけいっぺんに飲み比べできる機会は、そうそうありません。
しかも、ワインはどれも飲み放題なので、お値打ちでしょう(^O^)
糖尿人、メタボ人、ダイエッター、全ての糖質セイゲニストの皆さん、連休最後の夜を、スペシャルな糖質制限メニューと糖質制限ワインで締めくくろうではありませんか。
ご参加、お待ちしています。
江部康二
☆☆☆
以下、主催の京都高雄倶楽部からの参加申し込みの案内です。
【糖質オフ・ディナー&ワインの会 in 福岡】
■日時:2015年11月23日(月)18:30~20:30(18:00開場)
■会場:リストランテASO 福岡・天神
http://www.aso-net.jp/tenjin/
■ゲスト:江部康二 医師
(一財)高雄病院 理事長
(一社)日本糖質制限医療推進協会 理事長
■料金:12,000円(税サ込)
■形式:立食(糖質制限ディナービュッフェ)
■備考:アルコール飲料はCovides社の糖質制限ワイン・カヴァのみのご提供となります。ビール、糖質オフ発泡酒、焼酎等はございません。
■主催:Covides社 /(株)京都高雄倶楽部
■お申し込み
こちらのフォームよりお申し込みください。
http://event001.shop-pro.jp/
皆様のご参加、心よりお待ちしております。
私が監修して完成した糖質制限ワインと糖質制限ビュッフェを楽しむ会が、昨年11月は京都、今年の5月は東京で開催されました。
どちらも満員御礼で、会場ではグラスが足らなくなるくらいのワインが参加した皆さんの胃袋に消えていきました(^_^;)
関西、関東で開催したので、今度は九州地方でやって欲しいとリクエストを多数頂きましたので、福岡は博多での開催を決定です。
会場は、糖質制限の聖地、六本木のBotanicaと同じASOグループの、リストランテASO福岡天神です。
リストランテASO福岡天神では、普段は糖質制限メニューは出されていませんが、あらてつさんが博多に出張の際は糖質制限メニューをリクエストして作ってもらっているそうなので安心ですね(^O^)
ワインは、もちろん全て糖質制限の為に特別に醸造されたものばかりです。
赤はもちろん、白、ロゼ、カバ、限定生産カバに加え、今回は、5月の東京での開催時に大好評だったフランス、ラングドック産の糖質制限赤ワインが3種類も登場します。
因みにこのラングドックの赤ワイン、5月のパーティーでお披露目した時に夏井先生が随分と気に入ったみたいで、ひたすらこればっかり飲んでおられました(^_^;)
その時の様子です。
試飲会の様子です。
いつも大変お世話になっている、Botanica 星野支配人

飲む少し前に空気に触れさせるため栓を開けて頂いてます。

笑顔が素敵なスタッフの方

星野支配人とクリストフさん

不詳、私、江部康二がご挨拶させて頂きました

クリストフからワインの説明です

まだシラフの夏井先生の拍手(笑)

クリストフさんがあちこちで糖質制限ワインについて質問されていました

私もいろいろとご質問頂きました

前日は雨でしたが、この日は快晴で良かったです

小室先生ご夫妻です

新たにBotanicaの料理長になられた藤田シェフと星野支配人とクリストフさん

藤田シェフはフランスで料理の修行をされておられ、新井田シェフの右腕だった方です。
この度、Bitanica料理長に抜擢されました。
今回のワイン試飲会では、新しい糖質制限ワイン「MONTAGUT(モンタグ)」シリーズがお披露目されました。
現在糖質制限ドットコムで販売しているサーメンタムシリーズはスペインワインですが、MONTAGUTシリーズは、フランス産糖質制限ワインとなります。
クリストフさんの親友が経営しているシャトーで、手間暇かけて特別に糖質制限用に醸造してくれた赤ワインです。
試作品が完成する度に送って来て私が全部血糖測定して、正に私の血と汗と涙の結晶です(T_T)
小室先生がお持ちのワインがモンタグです

サーメンタムシリーズの赤ワインがメルローバリカ2009から2011に変わり、会場でも提供されて「美味しい!」と好評でしたが、今回の「MONTAGUT(モンタグ)」シリーズ、この日準備されたワインでカバに並んで人気でした。
因みに夏井先生、随分とモンタグが気に入ったのか、うまいうまいを連発してこればっかり飲んでました(^_^;)
モンタグで上機嫌の夏井先生

最後にあらてつさんから一本締めを頼まれましたが、「俺がする!」とゴキゲンの夏井先生が立候補したので奥ゆかしくゆずっておきました(笑)
上機嫌の夏井先生による一本締(笑)

テラスにて皆さんで記念撮影

なぜだか夏井先生までお見送りに参加(^_^;)

夏井先生、終始ご機嫌でした(笑)
糖質制限ワインをこれだけいっぺんに飲み比べできる機会は、そうそうありません。
しかも、ワインはどれも飲み放題なので、お値打ちでしょう(^O^)
糖尿人、メタボ人、ダイエッター、全ての糖質セイゲニストの皆さん、連休最後の夜を、スペシャルな糖質制限メニューと糖質制限ワインで締めくくろうではありませんか。
ご参加、お待ちしています。
江部康二
☆☆☆
以下、主催の京都高雄倶楽部からの参加申し込みの案内です。
【糖質オフ・ディナー&ワインの会 in 福岡】
■日時:2015年11月23日(月)18:30~20:30(18:00開場)
■会場:リストランテASO 福岡・天神
http://www.aso-net.jp/tenjin/
■ゲスト:江部康二 医師
(一財)高雄病院 理事長
(一社)日本糖質制限医療推進協会 理事長
■料金:12,000円(税サ込)
■形式:立食(糖質制限ディナービュッフェ)
■備考:アルコール飲料はCovides社の糖質制限ワイン・カヴァのみのご提供となります。ビール、糖質オフ発泡酒、焼酎等はございません。
■主催:Covides社 /(株)京都高雄倶楽部
■お申し込み
こちらのフォームよりお申し込みください。
http://event001.shop-pro.jp/
皆様のご参加、心よりお待ちしております。
2015年10月13日 (火)
こんにちは。
糖質制限食実践中に生じる好ましくない症状・変化についてですが、実際にはカロリー制限のし過ぎからくるものが、多いと思います。
つまり、本質は摂取エネルギー不足が原因で起こった症状を、糖質制限食で起こったと誤解するというパターンです。
生理が止まるとか不順になるのも、典型的なカロリー不足の症状です。
例えば、国立スポーツ科学センター(JISS)において、国内トップレベルの女性アスリート683名を対象に実施したアンケート調査結果(2014年)では、無月経を含む月経周期異常のあるアスリートは約40%であり、その主たる要因は、相対的な摂取エネルギー不足、体重・体脂肪の減少、ストレスなどでした。
糖質制限食を実践して標準必要エネルギーが確保されていれば、生理が止まるということはありません。
しかし、現実に、一念発起して、糖尿病治療やダイエット目的で糖質制限食を開始したときに、長年の習慣で脂質まで制限してしまう方が、時々おられます。
この場合「糖質制限+脂質制限」となりますので、実際に食べているものは、鶏のササミや白身魚などの脂肪の少ない動物性たんぱく質と大豆製品(豆腐、納豆・・・)など植物たんぱく質、そして葉野菜や海藻・茸の類いなど、低カロリー食材ばかりです。
こうなると、本人は気がつかないまま、摂取エネルギーはかなり少なくなり、厚生労働省のいう「標準必要エネルギー」を大幅に下回り、様々な症状と検査データの変化が生じます。
摂取エネルギー不足により生じる様々な症状を以下にまとめてみました。
<摂取エネルギー不足によって生じうる症状>
全身倦怠、筋力低下、無気力、髪がぬける、生理が止まる、生理不順、体重減りすぎ、低体温、冷え、色素性痒疹・・・、
これらの症状は、甲状腺機能低下症でも見られるので、区別がつきにくいかもしれませんね。
ただ甲状腺機能低下症では、体重が増加することが多い(約6割)ので参考になると思います。
また、甲状腺機能低下症は橋本病(慢性甲状腺炎)など原疾患が無い限り、そんなに簡単に発症することはありません。
気になれば、甲状腺機能検査をすれば明白になります。
遊離T3(FT3)基準値:2.1 - 3.8 pg/mL
遊離T4(FT4)基準値:0.82 - 1.63 ng/dL
甲状腺刺激ホルモン(TSH)基準値:0.38 - 4.31 μU/mL
この中で、FT4、TSHが正常なら、甲状腺機能は正常と考えていいです。
FT3だけが低値で、FT4、TSHとも正常な病態を「Low T3 syndrome」といい、摂取エネルギー不足や低栄養のとき見られます。
低T3症候群(Low T3 syndrome)は、甲状腺機能低下症ではないので甲状腺ホルモンを内服しても意味がありません。
摂取エネルギー不足や低栄養を改善することが本質的治療となります。
ネットで「糖質制限をしたら、甲状腺機能低下症になった。」というような書き込みをたまに見ますが、全て摂取カロリー不足による低T3症候群(Low T3 syndrome)と思われます。
本物の甲状腺機能低下症が、何らかの食事療法を開始して、3ヶ月や半年で発症するようなことは、まずありえません。
<摂取エネルギー不足によって生じうる検査データの変化>
1)低T3症候群
FT3が低値で、FT4、TSHとも正常な病態を「Low T3 syndrome」と言います。
コントロール不良の糖尿病など慢性消耗性の疾患で低栄養のとき、時々見かけます。
例えば神経性食思不振症などでの摂取エネルギー不足でも見られます。
これらは、見かけ上T3が低値なだけで、本当の甲状腺機能低下症では、ありません。
2)高尿酸血症
3)低ChE(コリンエステラーゼ)血症
肝機能検査の一つですが、摂取エネルギー不足で低下します。
4)血清アルブミン値の低下
人体の大事なたんぱく質です。摂取エネルギー不足で血清アルブミン値が低下します。
基準値は「3.8~5.3g/dL」ですが、4.3g/dl以上は確保しないと健康度が維持できません。
<結論>
糖質制限食開始後にみられる好ましくない症状(全身倦怠、筋力低下、無気力、無月経、生理不順・・・)のほとんどが摂取エネルギー不足からきています。
甲状腺機能低下症といきなり飛躍したりせずに、普通に摂取エネルギー不足を考慮してみてくださいね。
江部康二
糖質制限食実践中に生じる好ましくない症状・変化についてですが、実際にはカロリー制限のし過ぎからくるものが、多いと思います。
つまり、本質は摂取エネルギー不足が原因で起こった症状を、糖質制限食で起こったと誤解するというパターンです。
生理が止まるとか不順になるのも、典型的なカロリー不足の症状です。
例えば、国立スポーツ科学センター(JISS)において、国内トップレベルの女性アスリート683名を対象に実施したアンケート調査結果(2014年)では、無月経を含む月経周期異常のあるアスリートは約40%であり、その主たる要因は、相対的な摂取エネルギー不足、体重・体脂肪の減少、ストレスなどでした。
糖質制限食を実践して標準必要エネルギーが確保されていれば、生理が止まるということはありません。
しかし、現実に、一念発起して、糖尿病治療やダイエット目的で糖質制限食を開始したときに、長年の習慣で脂質まで制限してしまう方が、時々おられます。
この場合「糖質制限+脂質制限」となりますので、実際に食べているものは、鶏のササミや白身魚などの脂肪の少ない動物性たんぱく質と大豆製品(豆腐、納豆・・・)など植物たんぱく質、そして葉野菜や海藻・茸の類いなど、低カロリー食材ばかりです。
こうなると、本人は気がつかないまま、摂取エネルギーはかなり少なくなり、厚生労働省のいう「標準必要エネルギー」を大幅に下回り、様々な症状と検査データの変化が生じます。
摂取エネルギー不足により生じる様々な症状を以下にまとめてみました。
<摂取エネルギー不足によって生じうる症状>
全身倦怠、筋力低下、無気力、髪がぬける、生理が止まる、生理不順、体重減りすぎ、低体温、冷え、色素性痒疹・・・、
これらの症状は、甲状腺機能低下症でも見られるので、区別がつきにくいかもしれませんね。
ただ甲状腺機能低下症では、体重が増加することが多い(約6割)ので参考になると思います。
また、甲状腺機能低下症は橋本病(慢性甲状腺炎)など原疾患が無い限り、そんなに簡単に発症することはありません。
気になれば、甲状腺機能検査をすれば明白になります。
遊離T3(FT3)基準値:2.1 - 3.8 pg/mL
遊離T4(FT4)基準値:0.82 - 1.63 ng/dL
甲状腺刺激ホルモン(TSH)基準値:0.38 - 4.31 μU/mL
この中で、FT4、TSHが正常なら、甲状腺機能は正常と考えていいです。
FT3だけが低値で、FT4、TSHとも正常な病態を「Low T3 syndrome」といい、摂取エネルギー不足や低栄養のとき見られます。
低T3症候群(Low T3 syndrome)は、甲状腺機能低下症ではないので甲状腺ホルモンを内服しても意味がありません。
摂取エネルギー不足や低栄養を改善することが本質的治療となります。
ネットで「糖質制限をしたら、甲状腺機能低下症になった。」というような書き込みをたまに見ますが、全て摂取カロリー不足による低T3症候群(Low T3 syndrome)と思われます。
本物の甲状腺機能低下症が、何らかの食事療法を開始して、3ヶ月や半年で発症するようなことは、まずありえません。
<摂取エネルギー不足によって生じうる検査データの変化>
1)低T3症候群
FT3が低値で、FT4、TSHとも正常な病態を「Low T3 syndrome」と言います。
コントロール不良の糖尿病など慢性消耗性の疾患で低栄養のとき、時々見かけます。
例えば神経性食思不振症などでの摂取エネルギー不足でも見られます。
これらは、見かけ上T3が低値なだけで、本当の甲状腺機能低下症では、ありません。
2)高尿酸血症
3)低ChE(コリンエステラーゼ)血症
肝機能検査の一つですが、摂取エネルギー不足で低下します。
4)血清アルブミン値の低下
人体の大事なたんぱく質です。摂取エネルギー不足で血清アルブミン値が低下します。
基準値は「3.8~5.3g/dL」ですが、4.3g/dl以上は確保しないと健康度が維持できません。
<結論>
糖質制限食開始後にみられる好ましくない症状(全身倦怠、筋力低下、無気力、無月経、生理不順・・・)のほとんどが摂取エネルギー不足からきています。
甲状腺機能低下症といきなり飛躍したりせずに、普通に摂取エネルギー不足を考慮してみてくださいね。
江部康二
2015年10月12日 (月)
【15/10/12 HK
CKDについて
私自身はCKDが進んでももちろん糖質制限は工夫して行う必要があると思います。
ただ、CKD診療ガイド2013」において、「eGFR60ml/分以上あれば顕性たんぱく尿の段階でも、たんぱく質制限の必要なしと明示されました。」という部分ををみつけだせませんでした。 また腎学会の「慢性腎臓病に対する食事療法基準2014年版」ではCKDステージ1,2でたんぱく質の過剰な摂取をしない、ステージ3aで0.8-1.0、ステージ3b以降で0.6-0.8g/kgとなってます。
CKDでは低糖質中蛋白質高脂肪でなんとかせねばと思います。】
こんばんは。
HKさんから、糖尿病腎症と糖質制限食に関してコメントを頂きました。
コメント・情報をありがとうございます。
日本腎臓病学会のサイト
http://www.jsn.or.jp/guideline/guideline.php
の中で、
<慢性腎臓病に対する食事療法基準 2014 年版(日本腎臓病学会誌、56巻5号)>
と
<CKD診療ガイドライン2013>
をPDFファイルで閲覧することができます。
<慢性腎臓病に対する食事療法基準 2014 年版>
表1 CKDステージによる食事療法基準
ステージ(GFR) たんぱく質(g/kgBW/日)
ステージ1(GFR≧90) 過剰な摂取をしない
ステージ 2(GFR 60~89) 過剰な摂取をしない
ステージ 3a(GFR 45~59) 0.8~1.0
ステージ 3b(GFR 30~44) 0.6~0.8
ステージ 4(GFR 15~29) 0.6~0.8
ステージ 5(GFR<15) 0.6~0.8
5D(透析療法中) 0.9~1.2
となっています。
透析になると、たんぱく摂取基準量が増えます。
CKDステージによる食事療法基準によれば、糖尿病腎症第3期で、蛋白尿が陽性の段階でもGFRが60ml/分以上あれば、過剰な摂取はしないという表現ですので、いわゆるたんぱく制限は必要ないわけです。
過剰を示す具体的な指示量としては、進行するリスクのある CKDにおいては 1.3 g/kg 標準体重/日を超えないことが 1 つの目安としてありますので透析中の人より、さらにたんぱく質摂取量が多くなっています。
エビデンスが相対的に少ない糖尿病性腎症においては、
ステージ G1~G2 では 1.0~1.2、
G3 では0.8~1.0、
G4~G5 では 0.6~0.8 g/kg 標準体重/日で指導してもよいとされています。
<CKD診療ガイドライン2013>
エビデンスに基づく
CKD診療ガイドライン2013 編集 日本腎臓病学会
29ペ-ジに、以下の記載があります。
『3.CKDと栄養
5.たんぱく質制限の適応
たんぱく質制限の適応は、主にステージ G3b より進行した CKD であるが、画一的な制限は不適切であり、個々の症例に応じた検討が必要である。
これまでに行われた RCT のほとんどは、対象の平均年齢が50~55歳で、主に顕性蛋白尿を呈している CKD ステージ G3b~5 であること、つまり末期腎不全のリスクが高い集団に対して行われている。
日本の CKD ステージ G3a に多くみられるような蛋白尿の少ない高齢者は末期腎不全に至るリスクが低く、腎機能低下速度自体の抑制効果は明らかでないことからも、たんぱく質制限をそのような対象に行う意義は乏しい。
また,現時点では早期 CKD における有効性は不明である。
個々の症例に対する適応や制限のレベルは、事前に予想される末期腎不全に至る可能性とたんぱく質制限の潜在的な危険性の両面を考慮して、リスクとベネフィットの観点から、実際の診療にあたる腎臓専門医が慎重に検討する必要がある。』
*GはGFRのことで、G1、G2、G3a、G3b、G4、G5と進行していきます。
G1はGFRが90ml/分以上です。
G2はGFRが60~89ml/分
G3aはGFRが45~59ml/分
G 3bはGFR が30~44ml/分
G 4はGFR が15~29ml/分
G5はGFRが<15ml/分
5D(透析療法中)
CKD診療ガイドライン2013においても、画一的なたんぱく制限は不適切であり、個々の症例に応じた検討が必要としています。
また、たんぱく質制限の適応は主にステージ G3b(GFR45未満)より進行した CKD としています。
それでも、97頁で日本腎臓病学会は、一応たんぱく制限を推奨しています。
推奨グレード C1なので、エビデンスレベルは弱いです。
「たんぱく質摂取制限は、糖尿病性腎症の進展を抑制するというエビデンスは十分ではないが、一定の腎症抑制効果が期待できる可能性があるため推奨する。ただし、たんぱく質の制限量は個々の病態、リスク、アドヒアランスなどを総合的に判断して設定されるべきである。」
98頁には
「たんぱく質摂取制限の腎症の進展抑制に対する効果は明らかではない(特に 2 型糖尿病)」という記載もあります。
一方、98ページには
「非糖尿病慢性糸球体腎炎の腎不全(血清 Cr 6 mg/dL)症例を対象として、
超たんぱく質制限食(0.5 g/kg 標準体重/日未満)が腎機能低下を遅延させたことが報告されている。」
という記載もあります。
<米国糖尿病学会>
これに対して、米国糖尿病学会(ADA)は
Position Statement on Nutrition Therapy(栄養療法に関する声明)
Diabetes Care 2013年10月9日オンライン版
において、糖尿病腎症患者に対する蛋白質制限の意義を明確に否定しました。
『糖尿病腎症の所見のない糖尿病患者では、最適な血糖コントロール、あるいは、心血管疾患リスクの改善のための理想的な蛋白質摂取量に関しては、これを推奨するに足る十分なエビデンスは存在しない。したがって、目標は個別化されなければならない。C
糖尿病腎症(微量アルブミン尿、および、顕性蛋白尿)を有する糖尿病患者では、通常の摂取量以下に蛋白質摂取量を減量することは、血糖状態、心血管リスク、あるいは、糸球体ろ過率低下の経過に変化を与えないので、推奨されない。A』
糖尿病腎症のない糖尿病患者での理想的な蛋白質摂取量のエビデンスは、存在しないと断定しています。
さらに踏み込んで、糖尿病腎症を有する患者においても、「蛋白質制限は推奨しない」とランクAで断定しています。
根拠はランク(A)ですので、信頼度の高いRCT研究論文に基づく見解です。
<高雄病院の方針>
現時点で高雄病院では、糖尿病腎症でもeGFRが60ml/分以上の場合は、糖尿病コントロールのためにも糖質制限食を推奨しています。
糖尿病腎症で、腎機能悪化の最大のリスクは「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」と考えられるからです。
糖尿病腎症第3期以降で、eGFRが60ml/分未満の場合も、患者さんとよく相談して、糖質制限食を実践するか否か、個別に対応するようにしています。
万一スーパー糖質制限食でクレアチニン値の悪化傾向があれば、「超低たんぱく・低糖質・高脂肪食」・・・即ちケトン食も、腎不全に一考の余地ありと現在検討中です。
<結論>
1)GFRが60ml/分以上の場合は、タンパク質制限よりも血糖コントロールを優先して、
糖尿病腎症でも、普通にスーパー糖質制限食を実践することを推奨する。
2)GFRが60ml/分未満の場合は、よく相談して糖質制限食を実践するかどうか個別に対応する。
3)GFRが60ml/分未満で、スーパー糖質制限食を選択開始した場合、毎月腎機能検査を実施して、
血清クレアチニン値を測定し、その結果でスーパー糖質制限食を継続するか否かを決める。
CKDについて
私自身はCKDが進んでももちろん糖質制限は工夫して行う必要があると思います。
ただ、CKD診療ガイド2013」において、「eGFR60ml/分以上あれば顕性たんぱく尿の段階でも、たんぱく質制限の必要なしと明示されました。」という部分ををみつけだせませんでした。 また腎学会の「慢性腎臓病に対する食事療法基準2014年版」ではCKDステージ1,2でたんぱく質の過剰な摂取をしない、ステージ3aで0.8-1.0、ステージ3b以降で0.6-0.8g/kgとなってます。
CKDでは低糖質中蛋白質高脂肪でなんとかせねばと思います。】
こんばんは。
HKさんから、糖尿病腎症と糖質制限食に関してコメントを頂きました。
コメント・情報をありがとうございます。
日本腎臓病学会のサイト
http://www.jsn.or.jp/guideline/guideline.php
の中で、
<慢性腎臓病に対する食事療法基準 2014 年版(日本腎臓病学会誌、56巻5号)>
と
<CKD診療ガイドライン2013>
をPDFファイルで閲覧することができます。
<慢性腎臓病に対する食事療法基準 2014 年版>
表1 CKDステージによる食事療法基準
ステージ(GFR) たんぱく質(g/kgBW/日)
ステージ1(GFR≧90) 過剰な摂取をしない
ステージ 2(GFR 60~89) 過剰な摂取をしない
ステージ 3a(GFR 45~59) 0.8~1.0
ステージ 3b(GFR 30~44) 0.6~0.8
ステージ 4(GFR 15~29) 0.6~0.8
ステージ 5(GFR<15) 0.6~0.8
5D(透析療法中) 0.9~1.2
となっています。
透析になると、たんぱく摂取基準量が増えます。
CKDステージによる食事療法基準によれば、糖尿病腎症第3期で、蛋白尿が陽性の段階でもGFRが60ml/分以上あれば、過剰な摂取はしないという表現ですので、いわゆるたんぱく制限は必要ないわけです。
過剰を示す具体的な指示量としては、進行するリスクのある CKDにおいては 1.3 g/kg 標準体重/日を超えないことが 1 つの目安としてありますので透析中の人より、さらにたんぱく質摂取量が多くなっています。
エビデンスが相対的に少ない糖尿病性腎症においては、
ステージ G1~G2 では 1.0~1.2、
G3 では0.8~1.0、
G4~G5 では 0.6~0.8 g/kg 標準体重/日で指導してもよいとされています。
<CKD診療ガイドライン2013>
エビデンスに基づく
CKD診療ガイドライン2013 編集 日本腎臓病学会
29ペ-ジに、以下の記載があります。
『3.CKDと栄養
5.たんぱく質制限の適応
たんぱく質制限の適応は、主にステージ G3b より進行した CKD であるが、画一的な制限は不適切であり、個々の症例に応じた検討が必要である。
これまでに行われた RCT のほとんどは、対象の平均年齢が50~55歳で、主に顕性蛋白尿を呈している CKD ステージ G3b~5 であること、つまり末期腎不全のリスクが高い集団に対して行われている。
日本の CKD ステージ G3a に多くみられるような蛋白尿の少ない高齢者は末期腎不全に至るリスクが低く、腎機能低下速度自体の抑制効果は明らかでないことからも、たんぱく質制限をそのような対象に行う意義は乏しい。
また,現時点では早期 CKD における有効性は不明である。
個々の症例に対する適応や制限のレベルは、事前に予想される末期腎不全に至る可能性とたんぱく質制限の潜在的な危険性の両面を考慮して、リスクとベネフィットの観点から、実際の診療にあたる腎臓専門医が慎重に検討する必要がある。』
*GはGFRのことで、G1、G2、G3a、G3b、G4、G5と進行していきます。
G1はGFRが90ml/分以上です。
G2はGFRが60~89ml/分
G3aはGFRが45~59ml/分
G 3bはGFR が30~44ml/分
G 4はGFR が15~29ml/分
G5はGFRが<15ml/分
5D(透析療法中)
CKD診療ガイドライン2013においても、画一的なたんぱく制限は不適切であり、個々の症例に応じた検討が必要としています。
また、たんぱく質制限の適応は主にステージ G3b(GFR45未満)より進行した CKD としています。
それでも、97頁で日本腎臓病学会は、一応たんぱく制限を推奨しています。
推奨グレード C1なので、エビデンスレベルは弱いです。
「たんぱく質摂取制限は、糖尿病性腎症の進展を抑制するというエビデンスは十分ではないが、一定の腎症抑制効果が期待できる可能性があるため推奨する。ただし、たんぱく質の制限量は個々の病態、リスク、アドヒアランスなどを総合的に判断して設定されるべきである。」
98頁には
「たんぱく質摂取制限の腎症の進展抑制に対する効果は明らかではない(特に 2 型糖尿病)」という記載もあります。
一方、98ページには
「非糖尿病慢性糸球体腎炎の腎不全(血清 Cr 6 mg/dL)症例を対象として、
超たんぱく質制限食(0.5 g/kg 標準体重/日未満)が腎機能低下を遅延させたことが報告されている。」
という記載もあります。
<米国糖尿病学会>
これに対して、米国糖尿病学会(ADA)は
Position Statement on Nutrition Therapy(栄養療法に関する声明)
Diabetes Care 2013年10月9日オンライン版
において、糖尿病腎症患者に対する蛋白質制限の意義を明確に否定しました。
『糖尿病腎症の所見のない糖尿病患者では、最適な血糖コントロール、あるいは、心血管疾患リスクの改善のための理想的な蛋白質摂取量に関しては、これを推奨するに足る十分なエビデンスは存在しない。したがって、目標は個別化されなければならない。C
糖尿病腎症(微量アルブミン尿、および、顕性蛋白尿)を有する糖尿病患者では、通常の摂取量以下に蛋白質摂取量を減量することは、血糖状態、心血管リスク、あるいは、糸球体ろ過率低下の経過に変化を与えないので、推奨されない。A』
糖尿病腎症のない糖尿病患者での理想的な蛋白質摂取量のエビデンスは、存在しないと断定しています。
さらに踏み込んで、糖尿病腎症を有する患者においても、「蛋白質制限は推奨しない」とランクAで断定しています。
根拠はランク(A)ですので、信頼度の高いRCT研究論文に基づく見解です。
<高雄病院の方針>
現時点で高雄病院では、糖尿病腎症でもeGFRが60ml/分以上の場合は、糖尿病コントロールのためにも糖質制限食を推奨しています。
糖尿病腎症で、腎機能悪化の最大のリスクは「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」と考えられるからです。
糖尿病腎症第3期以降で、eGFRが60ml/分未満の場合も、患者さんとよく相談して、糖質制限食を実践するか否か、個別に対応するようにしています。
万一スーパー糖質制限食でクレアチニン値の悪化傾向があれば、「超低たんぱく・低糖質・高脂肪食」・・・即ちケトン食も、腎不全に一考の余地ありと現在検討中です。
<結論>
1)GFRが60ml/分以上の場合は、タンパク質制限よりも血糖コントロールを優先して、
糖尿病腎症でも、普通にスーパー糖質制限食を実践することを推奨する。
2)GFRが60ml/分未満の場合は、よく相談して糖質制限食を実践するかどうか個別に対応する。
3)GFRが60ml/分未満で、スーパー糖質制限食を選択開始した場合、毎月腎機能検査を実施して、
血清クレアチニン値を測定し、その結果でスーパー糖質制限食を継続するか否かを決める。
2015年10月11日 (日)
【糖質制限食を実践される時のご注意】
糖質制限食実践によりリアルタイムに血糖値が改善します。
このため既に、経口血糖降下剤(オイグルコン、アマリールなど)の内服やインスリン注射をしておられる糖尿人は、減薬しないと低血糖の心配がありますので必ず主治医と相談して頂きたいと思います。
一方、薬を使用してない糖尿人やメタボ人は、低血糖の心配はほとんどないので、自力で糖質制限食を実践して糖尿病やメタボ改善を目指していただけば幸いです。
内服薬やインスリン注射なしの糖尿人が糖質制限食を実践すると、食後高血糖は改善しますが、低血糖にはなりません。
血糖値が正常範囲である程度下がると、肝臓でアミノ酸・乳酸・グリセロール(脂肪の分解物)などから、ブドウ糖を作るからです。
これを糖新生といいます。
診断基準を満たす膵炎がある場合、肝硬変の場合、そして長鎖脂肪酸代謝異常症は、糖質制限食は適応となりませんのでご注意ください。
糖質制限食は相対的に高脂肪食になるので、診断基準を満たしている膵炎の患者さんには適応とならないのです。
進行した肝硬変では、糖新生能力が低下しているため適応となりません。
長鎖脂肪酸代謝異常症では、肉や魚などに含まれる長鎖脂肪酸が上手く利用できないので、適応となりません。
腎機能に関して、日本腎臓病学会編「CKD診療ガイド2013」において、eGFR60ml/分以上あれば顕性たんぱく尿の段階でも、たんぱく質制限の必要なしと明示されました。
従いまして、糖尿病腎症第3期でも、eGFR60ml/分以上なら、糖質制限食OKです。
また、米国糖尿病学会(ADA)は
Position Statement on Nutrition Therapy(栄養療法に関する声明)
Diabetes Care 2013年10月9日オンライン版
において、糖尿病腎症患者に対する蛋白質制限の意義を明確に否定しました。
根拠はランク(A)ですので、信頼度の高いRCT研究論文に基づく見解です。
今後は、糖尿病腎症第3期以降で、eGFRが60ml/分未満の場合も、患者さんとよく相談して、糖質制限食を実践するか否か、個別に対応することとなります。
なお、機能性低血糖症の場合、炭水化物依存症レベルが重症のとき、糖新生能力が低下していることがあり、まれに低血糖症を生じますので注意が必要です。
また、どのような食事療法でも合う合わないがあります。
糖質制限食もその一つですので、合わないとご自分で判断されたら中止していただけば幸いです。
【糖質制限食とは】
米国糖尿病協会(ADA)の患者教育用のテキストブックLife With Diabetes(2004年版)には、以下の記載があります。
「摂取後直接血糖に影響を与えるのは糖質のみである。
糖質は速やかに吸収され、直接100%血糖に変わり、ほぼ120分以内に吸収は終了する。
蛋白質・脂質は、摂取後、直接血糖に影響を及ぼすことはない。
『炭水化物・タンパク質・脂肪はカロリーを含有している。
炭水化物だけが、血糖値に直接影響を及ぼす。』」
これらは含有エネルギーとは無関係な三大栄養素の生理学的特質です。
1997年版のLife With Diabetes(ADA刊行)では、
「タンパク質は約半分が血糖に変わり、脂質は10%未満が血糖に変わる」
という記載がありましたが、2004年版以降は変更されています。
このように糖質、脂質、タンパク質のうち糖質だけが直接、血糖値を上昇させます。
従って、糖質を摂取した時にはインスリンが大量に追加分泌されます。
脂質を摂取しても、インスリンの追加分泌はありません。
タンパク質はごく少量のインスリンを追加分泌させます。
現在糖尿病において、食後の急激な高血糖(グルコーススパイク)が大きな問題として注目されています。
食後高血糖が、心筋梗塞や脳梗塞などの合併症を起こす危険因子として確立されたからです。
また一日における、食前・食後・空腹時など血糖値の変動幅(平均血糖変動幅)が大きいほど、酸化ストレスが増強し動脈硬化のリスクとなることがわかってきました。
そして、食後高血糖と平均血糖変動幅増大を起こすのは、三大栄養素のなかで糖質だけなのです。
1gの糖質が、体重64kgの2型糖尿病の人の血糖値を約3mg上昇させます。
炊いた白ご飯茶碗1杯150g(252kcal)には、55.3gの糖質が含まれており、血糖値を166mg上昇させます。
一方、和牛サーロインステーキ(脂身つき)を200g(約1000キロカロリー)食べても、糖質含有量は1gもないので、食後血糖は3mg未満の上昇しかないのです。
なお、1gの糖質が体重64kgの1型糖尿病の人の血糖値を5mg上昇させます。
糖質制限食の基本的な考え方は、上述のような生理学的事実をベースに、できるだけ糖質の摂取を低く抑えて、食後高血糖を防ぐというものです。
簡単に言えば、主食を抜いておかずばかり食べるというイメージになります。
抜く必要がある主食とは 、米飯・めん類・パンなどの米・麦製品や芋類など糖質が主成分のものです。
3食主食抜きのスーパー糖質制限食(糖質12%、タンパク質32%、脂質56%)なら、薬に頼ることなく速やかにリアルタイムで良好な血糖コントロールが可能です。
一方、上述の白ご飯とステーキの例でも明らかなように、カロリー計算に基づいて血糖値をコントロールすることは理論的に不可能です。
従って、現行の日本糖尿病学会推薦の糖尿病食(糖質60%、タンパク質20%、脂質20%)を実践する限りは、一日の摂取カロリーを1200キロカロリーと低く抑えたとしても、食後高血糖が必ず生じるのです。
糖尿病の改善には、カロリー制限より糖質制限ということがおわかりいただけたと思います。
なお糖質制限食は、カロリー無制限ということではありません。
日本糖尿病学会「糖尿病治療ガイド2014-2015」の
男性1400~2000kcal
女性1200~1800kcal
ほど厳しいカロリー制限は必要ありませんが、
「日本人の食事摂取基準」(2015年、厚生労働省)
に示す推定エネルギー必要量の範囲、
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000041955.pdf
推定エネルギー必要量(一日あたり)
男性 女性
15-17才 2500 2850 3150 2050 2300 2550kcal
18-29才 2300 2650 3050 1650 1950 2200
30-49才 2300 2650 3050 1750 2000 2300
50-69才 2100 2450 2800 1650 1900 2200
70才 1850 2200 2500 1500 1750 2000
身体活動レベル 低い 普通 高い 低い 普通 高い
くらいが目安です。
そして2013年に糖尿病食事療法に関して画期的な変化がありました。
米国糖尿病学会が、
2013年10月発表の『栄養療法に関する声明』において、全ての糖尿病患者に適した唯一無二の治療食は存在しないと明記したのです。
これはそのまま、1969年の食品交換表第2版以降一貫して、糖尿病治療食として、唯一無二の「カロリー制限・高糖質食」を推奨し続けている日本糖尿病学会への痛烈な批判となっています。
さらに、米国糖尿病学会は『栄養療法に関する声明2013』において地中海食、ベジタリアン食、DASH食、低脂質食などと共に
「糖質制限食」も正式に受容しました。
このことは糖質制限食を推進する私達にとって、大変大きな追い風となりました。
【本ブログのコメント・質問・記事に関するお願い】
ブログ読者の皆さんには、いつもコメントいただき、ありがとうございます。
糖質制限食に関する質問についてですが、実際に高雄病院や江部診療所に来院されて診察した患者さんに対しては、
医師としての責任・債務がありますので、個別に説明もしっかりさせて頂いていますし、フォローもしております。
一方、ブログ読者の皆さんの質問に関しては、糖質制限食に詳しい医師として、ボランティアで回答させていただいています。
診察もしておりませんしフォローもできませんので、責任もとれません。
私の回答は、あくまでも一般論としての参考意見とお考え頂けば幸いです。
また、ブログ記事や本に関しても同様に、糖質制限食に関する一般論としての参考意見とお考え下さい。
従いまして、読者の皆さんが私の参考意見を読まれて、どのように利用されるかは、
自己責任でよろしくお願い申し上げます。m(_ _)m
そして読者の皆さんからもご意見いただきましたが、普通のお医者さんに相談可能な個人的な内容の質問は、
ご自分の主治医にご相談頂けば助かります。
またネットで簡単に検索可能なことは、ご自分でお調べください。
質問が増えてきましたので、糖質制限食と関わりがないと判断した質問にはお答えできない場合もありますので、
ご了承ください。m(_ _)m
普通のお医者さんでは解答不能の、糖質制限食に関わる質問は、
何でもどんどんしていただけば嬉しいです。 (^_^)
掲載OKの質問に関して、読者の皆さんに共有していただきたい情報の場合は、
ブログ本文記事にて、できるだけ順番にお答えしたいと思います。
質問によってはコメント欄でお早めにお答えする場合もありますのでご了承ください。
一方、質問がかなり増えてきていますので、なかなか即、お答えすることが困難となってきています。
糖質制限食に関わりのある全ての質問に、本文かコメントでお答えするようできるだけ努力はしていますが、
できないときはご容赦願います。m(_ _)m
それから、「管理人のみ閲覧できる」「匿名希望」などの質問に関しては、コメント欄にお答えするか、
一般的な話題に置き換えてブログに記載するようにしていますので、よろしくお願い申し上げます。
<江部康二著 参考図書>
理論
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!糖質制限食のすすめ」2005年
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」2008年
「我ら糖尿人、元気なのには理由がある。」2009年 宮本輝先生との対談本
「やせる食べ方」2010年
「うちの母は糖尿人」2010年 監修:江部康二 著:伊藤きのと
(東洋経済新報社)
「糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食」2010年(ナツメ社)
腹いっぱい食べて楽々痩せる『満腹ダイエット』 (ソフトバンク新書)2011年
「主食をやめると健康になる」(ダイヤモンド社)2011年
「血糖コントロールの新常識! 糖質制限 完全ガイド」 (別冊宝島)2012年
「食品別糖質量ハンドブック」2012年(洋泉社)、
「糖質オフ!健康法」(PHP文庫)2012年
「主食を抜けば糖尿病はよくなる!糖質制限食のすすめ」(文春文庫)2012年
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」(文春文庫)2012年
「女性のための糖質制限ダイエットハンドブック」2012年(洋泉社)
「糖尿病治療のための!糖質制限食パーフェクトガイド」2013年(東洋経済新報社)
「医療の巨大転換を加速する」糖質制限食と湿潤療法のインパクト
2013年(東洋経済新報社) 夏井睦先生との対談本
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!糖質制限食のすすめ 新版」2014年(東洋経済新報社)
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!2 実践編 新版」2014年(東洋経済新報社)
「炭水化物の食べ過ぎで早死にしてはいけません」2014年(東洋経済新報社)
一生太らない「やせる! 食べ方」2014年 (PHP文庫)
江部先生、「糖質制限は危ない」って本当ですか?2015年(洋泉社)
「なぜ糖質制限をすると糖尿病が良くなるのか」2015年(ナツメ社)
「糖質制限の教科書」2015年(洋泉社)監修
レシピ
「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」2006年(東洋経済新報社)
「糖質オフ」ごちそうごはん2009年(アスペクト)
dancyuプレジデントムック 「満腹ダイエット 」 2009年(プレジデント社)
「血糖値を上げない!健康おつまみ109」2010年(東洋経済新報社)
「やせる食べ方レシピ集」 2010年(東洋経済新報社)
「糖質オフダイエット 」2011年(レタスクラブ、角川マーケティング)
「誰もがストレスなくやせられる!糖質制限ダイエット」2011年(講談社)
「主食を抜けば糖尿病はよくなる」レシピ集2011年(東洋経済新報社)
高雄病院の「糖質制限」給食2012年(講談社)
糖尿病がどんどんよくなる「糖質制限食」おすすめレシピ集2012年(ナツメ社)
糖質制限の「主食もどき」レシピ2013年(東洋経済新報社)
高雄病院Dr江部が食べている「糖質制限」ダイエット2013年(講談社)
糖質オフのダイエット弁当2013年(家の光協会)
高雄病院「糖質制限給食」朝 昼 夕 14日間完全プログラム
糖尿病・肥満改善が自宅でできる! 2013年(講談社)
2週間チャレンジ! 糖質制限の太らない生活 2014年(洋泉社mook)
DVD「糖質制限食を語る」http://www.yaserutabekata.com/shop/dvd.php 2011年
江部康二
糖質制限食実践によりリアルタイムに血糖値が改善します。
このため既に、経口血糖降下剤(オイグルコン、アマリールなど)の内服やインスリン注射をしておられる糖尿人は、減薬しないと低血糖の心配がありますので必ず主治医と相談して頂きたいと思います。
一方、薬を使用してない糖尿人やメタボ人は、低血糖の心配はほとんどないので、自力で糖質制限食を実践して糖尿病やメタボ改善を目指していただけば幸いです。
内服薬やインスリン注射なしの糖尿人が糖質制限食を実践すると、食後高血糖は改善しますが、低血糖にはなりません。
血糖値が正常範囲である程度下がると、肝臓でアミノ酸・乳酸・グリセロール(脂肪の分解物)などから、ブドウ糖を作るからです。
これを糖新生といいます。
診断基準を満たす膵炎がある場合、肝硬変の場合、そして長鎖脂肪酸代謝異常症は、糖質制限食は適応となりませんのでご注意ください。
糖質制限食は相対的に高脂肪食になるので、診断基準を満たしている膵炎の患者さんには適応とならないのです。
進行した肝硬変では、糖新生能力が低下しているため適応となりません。
長鎖脂肪酸代謝異常症では、肉や魚などに含まれる長鎖脂肪酸が上手く利用できないので、適応となりません。
腎機能に関して、日本腎臓病学会編「CKD診療ガイド2013」において、eGFR60ml/分以上あれば顕性たんぱく尿の段階でも、たんぱく質制限の必要なしと明示されました。
従いまして、糖尿病腎症第3期でも、eGFR60ml/分以上なら、糖質制限食OKです。
また、米国糖尿病学会(ADA)は
Position Statement on Nutrition Therapy(栄養療法に関する声明)
Diabetes Care 2013年10月9日オンライン版
において、糖尿病腎症患者に対する蛋白質制限の意義を明確に否定しました。
根拠はランク(A)ですので、信頼度の高いRCT研究論文に基づく見解です。
今後は、糖尿病腎症第3期以降で、eGFRが60ml/分未満の場合も、患者さんとよく相談して、糖質制限食を実践するか否か、個別に対応することとなります。
なお、機能性低血糖症の場合、炭水化物依存症レベルが重症のとき、糖新生能力が低下していることがあり、まれに低血糖症を生じますので注意が必要です。
また、どのような食事療法でも合う合わないがあります。
糖質制限食もその一つですので、合わないとご自分で判断されたら中止していただけば幸いです。
【糖質制限食とは】
米国糖尿病協会(ADA)の患者教育用のテキストブックLife With Diabetes(2004年版)には、以下の記載があります。
「摂取後直接血糖に影響を与えるのは糖質のみである。
糖質は速やかに吸収され、直接100%血糖に変わり、ほぼ120分以内に吸収は終了する。
蛋白質・脂質は、摂取後、直接血糖に影響を及ぼすことはない。
『炭水化物・タンパク質・脂肪はカロリーを含有している。
炭水化物だけが、血糖値に直接影響を及ぼす。』」
これらは含有エネルギーとは無関係な三大栄養素の生理学的特質です。
1997年版のLife With Diabetes(ADA刊行)では、
「タンパク質は約半分が血糖に変わり、脂質は10%未満が血糖に変わる」
という記載がありましたが、2004年版以降は変更されています。
このように糖質、脂質、タンパク質のうち糖質だけが直接、血糖値を上昇させます。
従って、糖質を摂取した時にはインスリンが大量に追加分泌されます。
脂質を摂取しても、インスリンの追加分泌はありません。
タンパク質はごく少量のインスリンを追加分泌させます。
現在糖尿病において、食後の急激な高血糖(グルコーススパイク)が大きな問題として注目されています。
食後高血糖が、心筋梗塞や脳梗塞などの合併症を起こす危険因子として確立されたからです。
また一日における、食前・食後・空腹時など血糖値の変動幅(平均血糖変動幅)が大きいほど、酸化ストレスが増強し動脈硬化のリスクとなることがわかってきました。
そして、食後高血糖と平均血糖変動幅増大を起こすのは、三大栄養素のなかで糖質だけなのです。
1gの糖質が、体重64kgの2型糖尿病の人の血糖値を約3mg上昇させます。
炊いた白ご飯茶碗1杯150g(252kcal)には、55.3gの糖質が含まれており、血糖値を166mg上昇させます。
一方、和牛サーロインステーキ(脂身つき)を200g(約1000キロカロリー)食べても、糖質含有量は1gもないので、食後血糖は3mg未満の上昇しかないのです。
なお、1gの糖質が体重64kgの1型糖尿病の人の血糖値を5mg上昇させます。
糖質制限食の基本的な考え方は、上述のような生理学的事実をベースに、できるだけ糖質の摂取を低く抑えて、食後高血糖を防ぐというものです。
簡単に言えば、主食を抜いておかずばかり食べるというイメージになります。
抜く必要がある主食とは 、米飯・めん類・パンなどの米・麦製品や芋類など糖質が主成分のものです。
3食主食抜きのスーパー糖質制限食(糖質12%、タンパク質32%、脂質56%)なら、薬に頼ることなく速やかにリアルタイムで良好な血糖コントロールが可能です。
一方、上述の白ご飯とステーキの例でも明らかなように、カロリー計算に基づいて血糖値をコントロールすることは理論的に不可能です。
従って、現行の日本糖尿病学会推薦の糖尿病食(糖質60%、タンパク質20%、脂質20%)を実践する限りは、一日の摂取カロリーを1200キロカロリーと低く抑えたとしても、食後高血糖が必ず生じるのです。
糖尿病の改善には、カロリー制限より糖質制限ということがおわかりいただけたと思います。
なお糖質制限食は、カロリー無制限ということではありません。
日本糖尿病学会「糖尿病治療ガイド2014-2015」の
男性1400~2000kcal
女性1200~1800kcal
ほど厳しいカロリー制限は必要ありませんが、
「日本人の食事摂取基準」(2015年、厚生労働省)
に示す推定エネルギー必要量の範囲、
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000041955.pdf
推定エネルギー必要量(一日あたり)
男性 女性
15-17才 2500 2850 3150 2050 2300 2550kcal
18-29才 2300 2650 3050 1650 1950 2200
30-49才 2300 2650 3050 1750 2000 2300
50-69才 2100 2450 2800 1650 1900 2200
70才 1850 2200 2500 1500 1750 2000
身体活動レベル 低い 普通 高い 低い 普通 高い
くらいが目安です。
そして2013年に糖尿病食事療法に関して画期的な変化がありました。
米国糖尿病学会が、
2013年10月発表の『栄養療法に関する声明』において、全ての糖尿病患者に適した唯一無二の治療食は存在しないと明記したのです。
これはそのまま、1969年の食品交換表第2版以降一貫して、糖尿病治療食として、唯一無二の「カロリー制限・高糖質食」を推奨し続けている日本糖尿病学会への痛烈な批判となっています。
さらに、米国糖尿病学会は『栄養療法に関する声明2013』において地中海食、ベジタリアン食、DASH食、低脂質食などと共に
「糖質制限食」も正式に受容しました。
このことは糖質制限食を推進する私達にとって、大変大きな追い風となりました。
【本ブログのコメント・質問・記事に関するお願い】
ブログ読者の皆さんには、いつもコメントいただき、ありがとうございます。
糖質制限食に関する質問についてですが、実際に高雄病院や江部診療所に来院されて診察した患者さんに対しては、
医師としての責任・債務がありますので、個別に説明もしっかりさせて頂いていますし、フォローもしております。
一方、ブログ読者の皆さんの質問に関しては、糖質制限食に詳しい医師として、ボランティアで回答させていただいています。
診察もしておりませんしフォローもできませんので、責任もとれません。
私の回答は、あくまでも一般論としての参考意見とお考え頂けば幸いです。
また、ブログ記事や本に関しても同様に、糖質制限食に関する一般論としての参考意見とお考え下さい。
従いまして、読者の皆さんが私の参考意見を読まれて、どのように利用されるかは、
自己責任でよろしくお願い申し上げます。m(_ _)m
そして読者の皆さんからもご意見いただきましたが、普通のお医者さんに相談可能な個人的な内容の質問は、
ご自分の主治医にご相談頂けば助かります。
またネットで簡単に検索可能なことは、ご自分でお調べください。
質問が増えてきましたので、糖質制限食と関わりがないと判断した質問にはお答えできない場合もありますので、
ご了承ください。m(_ _)m
普通のお医者さんでは解答不能の、糖質制限食に関わる質問は、
何でもどんどんしていただけば嬉しいです。 (^_^)
掲載OKの質問に関して、読者の皆さんに共有していただきたい情報の場合は、
ブログ本文記事にて、できるだけ順番にお答えしたいと思います。
質問によってはコメント欄でお早めにお答えする場合もありますのでご了承ください。
一方、質問がかなり増えてきていますので、なかなか即、お答えすることが困難となってきています。
糖質制限食に関わりのある全ての質問に、本文かコメントでお答えするようできるだけ努力はしていますが、
できないときはご容赦願います。m(_ _)m
それから、「管理人のみ閲覧できる」「匿名希望」などの質問に関しては、コメント欄にお答えするか、
一般的な話題に置き換えてブログに記載するようにしていますので、よろしくお願い申し上げます。
<江部康二著 参考図書>
理論
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!糖質制限食のすすめ」2005年
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」2008年
「我ら糖尿人、元気なのには理由がある。」2009年 宮本輝先生との対談本
「やせる食べ方」2010年
「うちの母は糖尿人」2010年 監修:江部康二 著:伊藤きのと
(東洋経済新報社)
「糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食」2010年(ナツメ社)
腹いっぱい食べて楽々痩せる『満腹ダイエット』 (ソフトバンク新書)2011年
「主食をやめると健康になる」(ダイヤモンド社)2011年
「血糖コントロールの新常識! 糖質制限 完全ガイド」 (別冊宝島)2012年
「食品別糖質量ハンドブック」2012年(洋泉社)、
「糖質オフ!健康法」(PHP文庫)2012年
「主食を抜けば糖尿病はよくなる!糖質制限食のすすめ」(文春文庫)2012年
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」(文春文庫)2012年
「女性のための糖質制限ダイエットハンドブック」2012年(洋泉社)
「糖尿病治療のための!糖質制限食パーフェクトガイド」2013年(東洋経済新報社)
「医療の巨大転換を加速する」糖質制限食と湿潤療法のインパクト
2013年(東洋経済新報社) 夏井睦先生との対談本
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!糖質制限食のすすめ 新版」2014年(東洋経済新報社)
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!2 実践編 新版」2014年(東洋経済新報社)
「炭水化物の食べ過ぎで早死にしてはいけません」2014年(東洋経済新報社)
一生太らない「やせる! 食べ方」2014年 (PHP文庫)
江部先生、「糖質制限は危ない」って本当ですか?2015年(洋泉社)
「なぜ糖質制限をすると糖尿病が良くなるのか」2015年(ナツメ社)
「糖質制限の教科書」2015年(洋泉社)監修
レシピ
「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」2006年(東洋経済新報社)
「糖質オフ」ごちそうごはん2009年(アスペクト)
dancyuプレジデントムック 「満腹ダイエット 」 2009年(プレジデント社)
「血糖値を上げない!健康おつまみ109」2010年(東洋経済新報社)
「やせる食べ方レシピ集」 2010年(東洋経済新報社)
「糖質オフダイエット 」2011年(レタスクラブ、角川マーケティング)
「誰もがストレスなくやせられる!糖質制限ダイエット」2011年(講談社)
「主食を抜けば糖尿病はよくなる」レシピ集2011年(東洋経済新報社)
高雄病院の「糖質制限」給食2012年(講談社)
糖尿病がどんどんよくなる「糖質制限食」おすすめレシピ集2012年(ナツメ社)
糖質制限の「主食もどき」レシピ2013年(東洋経済新報社)
高雄病院Dr江部が食べている「糖質制限」ダイエット2013年(講談社)
糖質オフのダイエット弁当2013年(家の光協会)
高雄病院「糖質制限給食」朝 昼 夕 14日間完全プログラム
糖尿病・肥満改善が自宅でできる! 2013年(講談社)
2週間チャレンジ! 糖質制限の太らない生活 2014年(洋泉社mook)
DVD「糖質制限食を語る」http://www.yaserutabekata.com/shop/dvd.php 2011年
江部康二
2015年10月10日 (土)
【15/10/09 ありがとう
お礼
江部先生、こんにちは
糖質制限を始めて9ヶ月の ありがとう です。
67歳です。
糖尿人歴概ね30年です。
高血圧歴もほぼ同じです。
糖質制限を始めるまでは、お医者さんの指導に従ってカロリー制限、運動にかなり精出していましたが(たぶん優秀な患者だったと思います)、HbA1cも血圧も一定以下には下がりませんでした。
一生お薬とお付き合いなのかなと、ずっと思っておりましたが、江部先生の本やブログで糖質制限に出会ってから、その実践でHbA1c、血圧とも顕著に改善していきました。
膝を痛めたこともあって、運動も以前と比べるとほとんど運動らしいものもしていませんが、体重もBMI標準に下がりました。
お陰様で、今月、お医者さんから高血糖のお薬も高血圧のお薬も「必要ないです」とのお墨付きを頂きました。
江部先生、本当に有難うございます。
残っていてくれたβ細胞さんも有難うございます。
糖質制限食を作ってくれている、嫁さんにも感謝、感謝です。
当初、お医者さんは糖質制限に否定的でした。
それで、毎日、血糖値(早朝空腹時、食前、食後1時間、食後2時間、就寝前)、血圧(起床時、昼食前、就寝前)の測定値を記録し、それぞれ一定期間の服薬中、休薬中の比較をグラフ化して、月一の検査時に持参し、両者に大差が無いことをアピールし続けました。
また、やむを得ず糖質を取らざるを得なかった時、あるいは意図的に糖質を取った時の血糖値の推移(グルコース・スパイク)をイベント事例として示し続けました。
それに対する(私の飲んでいる)薬の効果が限定的で有ることも明らかにしていきました。
そうする中、医院での検査値が改善していったこともあってか、お医者さんも「自己責任で糖質制限するなら」(筋肉量の減少等を心配されていたようです)と糖質制限を認めて頂くようになり、その内、診察室の本棚に江部先生の本が数冊見られるようになりました。
こうしたやり取りの中で、医者と患者の間で信頼感のようなものが醸成されて来たようにも思います。
お薬の処方は無くとも月一の検査を継続し、お医者さん(ホームドクター)の指導を受けながら糖質制限で血糖、血圧を適正にコントロールし、血管年齢を若く保つ努力を続け、健康寿命を長く保てればなと思っております。
江部先生、有難うございます。
長々とコメントしましたことお許し下さい。】
こんばんは。
糖尿病歴・高血圧歴共に30年のありがとうさんからとても嬉しいコメントを頂きました。
ありがとうさん、拙著のご購入、ありがとうございます。
医師の言うとおりに、カロリー制限食を実践して運動療法もしっかり頑張ったけれどHbA1cも血圧も一定以下には下がらなかったのが、糖質制限食開始後、著明に改善。
糖質制限食開始開始9ヶ月で体重も減少して、HbA1cも血圧も内服薬が中止になるほど良くなったとは素晴らしいです。
「毎日、血糖値(早朝空腹時、食前、食後1時間、食後2時間、就寝前)、血圧(起床時、昼食前、就寝前)の測定値を記録し、それぞれ一定期間の服薬中、休薬中の比較をグラフ化して、月一の検査時に持参し、両者に大差が無いことをアピールし続けました。」
これって、
早朝空腹時血糖値
朝食後1時間血糖値
朝食後2時間血糖値
昼食前血糖値
昼食後1時間血糖値
昼食後2時間血糖値
夕食前血糖値
夕食後1時間血糖値
夕食後2時間血糖値
就寝前血糖値
毎日10回ほど、血糖自己想定器で測定されたということでしょうか?
すごい努力ですね。
スーパー糖質制限食なら、糖尿病内服薬なしでも血糖コントロール良好であることを主治医にアピールし続けて、結果が出ていることにより、とうとう主治医に認めて頂けたと言うことで、努力の甲斐がありましたね。良かったです。
主治医も素晴らしいです。
頭ごなしに糖質制限食を否定することなく、根気よく見守って頂いたのは、なかなか守旧派の医師にはできないニュートラルなスタンスです。
薬を増やす医師はとても多いですが、薬を減らしてくれる医師は極めて少ないですので、本当にgood jobです。
医師患者関係が対等であり、次第に信頼関係が強まっていったのは、主治医とありがとうさんのとても良い出会いがあったのでしょう。
「糖質制限を認めて頂くようになり、その内、診察室の本棚に江部先生の本が数冊見られるようになりました。」
これは、嬉しいです。
是非主治医によろしくお伝えください。
このような患者さんの言うことにしっかり耳を傾け、患者さんの示すデータもきっちり見てくれるニュートラルな姿勢の医師が増えてくれると糖質制限食の普及も一段と加速すると思います。
ありがとうさんの努力も素晴らしいですが、β細胞、奥さん、そして血糖自己測定器にも、主治医にも感謝ですね。
そうそう、主治医に認めて貰うという目的のために、血糖自己測定器を購入してデータをとってアピールするという選択をされたありがとうさんも、とても賢明であり素晴らしいです。
江部康二
お礼
江部先生、こんにちは
糖質制限を始めて9ヶ月の ありがとう です。
67歳です。
糖尿人歴概ね30年です。
高血圧歴もほぼ同じです。
糖質制限を始めるまでは、お医者さんの指導に従ってカロリー制限、運動にかなり精出していましたが(たぶん優秀な患者だったと思います)、HbA1cも血圧も一定以下には下がりませんでした。
一生お薬とお付き合いなのかなと、ずっと思っておりましたが、江部先生の本やブログで糖質制限に出会ってから、その実践でHbA1c、血圧とも顕著に改善していきました。
膝を痛めたこともあって、運動も以前と比べるとほとんど運動らしいものもしていませんが、体重もBMI標準に下がりました。
お陰様で、今月、お医者さんから高血糖のお薬も高血圧のお薬も「必要ないです」とのお墨付きを頂きました。
江部先生、本当に有難うございます。
残っていてくれたβ細胞さんも有難うございます。
糖質制限食を作ってくれている、嫁さんにも感謝、感謝です。
当初、お医者さんは糖質制限に否定的でした。
それで、毎日、血糖値(早朝空腹時、食前、食後1時間、食後2時間、就寝前)、血圧(起床時、昼食前、就寝前)の測定値を記録し、それぞれ一定期間の服薬中、休薬中の比較をグラフ化して、月一の検査時に持参し、両者に大差が無いことをアピールし続けました。
また、やむを得ず糖質を取らざるを得なかった時、あるいは意図的に糖質を取った時の血糖値の推移(グルコース・スパイク)をイベント事例として示し続けました。
それに対する(私の飲んでいる)薬の効果が限定的で有ることも明らかにしていきました。
そうする中、医院での検査値が改善していったこともあってか、お医者さんも「自己責任で糖質制限するなら」(筋肉量の減少等を心配されていたようです)と糖質制限を認めて頂くようになり、その内、診察室の本棚に江部先生の本が数冊見られるようになりました。
こうしたやり取りの中で、医者と患者の間で信頼感のようなものが醸成されて来たようにも思います。
お薬の処方は無くとも月一の検査を継続し、お医者さん(ホームドクター)の指導を受けながら糖質制限で血糖、血圧を適正にコントロールし、血管年齢を若く保つ努力を続け、健康寿命を長く保てればなと思っております。
江部先生、有難うございます。
長々とコメントしましたことお許し下さい。】
こんばんは。
糖尿病歴・高血圧歴共に30年のありがとうさんからとても嬉しいコメントを頂きました。
ありがとうさん、拙著のご購入、ありがとうございます。
医師の言うとおりに、カロリー制限食を実践して運動療法もしっかり頑張ったけれどHbA1cも血圧も一定以下には下がらなかったのが、糖質制限食開始後、著明に改善。
糖質制限食開始開始9ヶ月で体重も減少して、HbA1cも血圧も内服薬が中止になるほど良くなったとは素晴らしいです。
「毎日、血糖値(早朝空腹時、食前、食後1時間、食後2時間、就寝前)、血圧(起床時、昼食前、就寝前)の測定値を記録し、それぞれ一定期間の服薬中、休薬中の比較をグラフ化して、月一の検査時に持参し、両者に大差が無いことをアピールし続けました。」
これって、
早朝空腹時血糖値
朝食後1時間血糖値
朝食後2時間血糖値
昼食前血糖値
昼食後1時間血糖値
昼食後2時間血糖値
夕食前血糖値
夕食後1時間血糖値
夕食後2時間血糖値
就寝前血糖値
毎日10回ほど、血糖自己想定器で測定されたということでしょうか?
すごい努力ですね。
スーパー糖質制限食なら、糖尿病内服薬なしでも血糖コントロール良好であることを主治医にアピールし続けて、結果が出ていることにより、とうとう主治医に認めて頂けたと言うことで、努力の甲斐がありましたね。良かったです。
主治医も素晴らしいです。
頭ごなしに糖質制限食を否定することなく、根気よく見守って頂いたのは、なかなか守旧派の医師にはできないニュートラルなスタンスです。
薬を増やす医師はとても多いですが、薬を減らしてくれる医師は極めて少ないですので、本当にgood jobです。
医師患者関係が対等であり、次第に信頼関係が強まっていったのは、主治医とありがとうさんのとても良い出会いがあったのでしょう。
「糖質制限を認めて頂くようになり、その内、診察室の本棚に江部先生の本が数冊見られるようになりました。」
これは、嬉しいです。
是非主治医によろしくお伝えください。
このような患者さんの言うことにしっかり耳を傾け、患者さんの示すデータもきっちり見てくれるニュートラルな姿勢の医師が増えてくれると糖質制限食の普及も一段と加速すると思います。
ありがとうさんの努力も素晴らしいですが、β細胞、奥さん、そして血糖自己測定器にも、主治医にも感謝ですね。
そうそう、主治医に認めて貰うという目的のために、血糖自己測定器を購入してデータをとってアピールするという選択をされたありがとうさんも、とても賢明であり素晴らしいです。
江部康二
2015年10月09日 (金)
こんにちは。
糖質制限食講演会in熊本(熊本市)のご案内です。
熊本では、初めての一般むけ講演会です。
糖質制限食実践中の熊本市の歯科医師、吉田毅先生のお話もあります。
私も最新の糖質制限食の話題を、できるだけわかりやすく楽しくお話したいと思います。
人類700万年の進化の歴史と食生活 についてもお話しします。
さらに食前 と食後の血糖値の変動幅から人 類の食生活を3段階にわけて検 討してみました。
農耕が始まる前の700万年間は、狩猟・採集・漁労が生業であり、人類皆糖質制限食でした。
農耕が始まり穀物を食べ始めたのはわずか1万年前からです。
すなわち糖質制限食は人類本来の食事であり、人類の健康食です。
糖尿病・メタボ以など生活習慣病、日本人の5大疾病、4大死因の予防と治療に糖質制限食が有効なのも、人類の健康食という意味ではおおいに納得できます。
熊本の皆様、奮ってご参加くださいね。
江部康二
*********
以下、事務局からのお知らせです。
ブログ読者の皆様、講演会へいつも多数ご参加いただきまして、ありがとうございます。
11月22日(日)、熊本市で一般の方向けの講演会を開催いたします。
理事長の講演に加えて、医療法人社団鏡会(熊本県八代市)理事長で歯科医師の吉田毅先生によるゲストトークを予定しております。
吉田先生は「糖質制限の勧め」と題し歯科医師として、糖質セイゲニストとして、糖質制限食のメリットについて実体験を語られます。
皆様のご参加を心よりお待ちしております。
///////////////////ご案内/////////////////////
一般社団法人日本糖質制限医療推進協会主催
糖質制限食講演会in熊本(熊本市)
■日時:2015年11月22日(日)14:10~16:30
※開場・受付は13:50~
■会場:くまもと県民交流館パレア 9F「会議室1」
熊本市中央区手取本町8番9号テトリアくまもとビル
http://www.parea.pref.kumamoto.jp/about03.html
■内容:
◇ゲストトーク 『糖質制限の勧め』
吉田 毅 歯科医師/医療法人社団鏡会(熊本県八代市)理事長
◇講演 『糖質制限食で治す糖尿病・メタボ・生活習慣病
-人類本来の食事、人類の健康食-』
江部 康二
(一財)高雄病院・(一社)日本糖質制限医療推進協会理事長
※ゲストトーク20分、講演80分、質疑応答30分を予定しております。
■受講費: 賛助会員 2,000円 / 一般(非会員) 2,500円
■お支払い方法:
クレジットカード/銀行振込/郵便振替 ※事前決済のみとなります。
■お申し込みの流れ:
1. 下記「お申し込み方法」の該当するものからお申し込み下さい。
2. 事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3. 入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4. 当日、直接会場までお越し下さい。
■お申し込み方法:
★賛助会員の方:事務局までメールにてお申し込み下さい。
★賛助会員入会をご希望の方:
1. 入会案内および会員規約をお読み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/#!membership/cdt9 "> http://www.toushitsuseigen.or.jp/#!membership/cdt9
2. お申し込みは下のフォームからお願いします。
「通信」欄に「11/22 熊本講演会参加希望」とご記入下さい。
(賛助会員交流会への参加もご希望の場合は、
「11/22 熊本講演会・交流会参加希望」とご記入下さい。)
http://www.toushitsuseigen.or.jp/contact
★一般(非会員)で、講演会の受講のみご希望の方:
下のフォームからお申し込み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/seminar-gen
■その他:
・予約制です。当日参加はできません。
・キャンセルは11月20日(金)までに事務局までご連絡願います。
◇講演会終了後、別会場で賛助会員交流会を開催致します。
◇掲載ページ:http://www.toushitsuseigen.or.jp/activity
//////////////////////////////////////
糖質制限食講演会in熊本(熊本市)のご案内です。
熊本では、初めての一般むけ講演会です。
糖質制限食実践中の熊本市の歯科医師、吉田毅先生のお話もあります。
私も最新の糖質制限食の話題を、できるだけわかりやすく楽しくお話したいと思います。
人類700万年の進化の歴史と食生活 についてもお話しします。
さらに食前 と食後の血糖値の変動幅から人 類の食生活を3段階にわけて検 討してみました。
農耕が始まる前の700万年間は、狩猟・採集・漁労が生業であり、人類皆糖質制限食でした。
農耕が始まり穀物を食べ始めたのはわずか1万年前からです。
すなわち糖質制限食は人類本来の食事であり、人類の健康食です。
糖尿病・メタボ以など生活習慣病、日本人の5大疾病、4大死因の予防と治療に糖質制限食が有効なのも、人類の健康食という意味ではおおいに納得できます。
熊本の皆様、奮ってご参加くださいね。
江部康二
*********
以下、事務局からのお知らせです。
ブログ読者の皆様、講演会へいつも多数ご参加いただきまして、ありがとうございます。
11月22日(日)、熊本市で一般の方向けの講演会を開催いたします。
理事長の講演に加えて、医療法人社団鏡会(熊本県八代市)理事長で歯科医師の吉田毅先生によるゲストトークを予定しております。
吉田先生は「糖質制限の勧め」と題し歯科医師として、糖質セイゲニストとして、糖質制限食のメリットについて実体験を語られます。
皆様のご参加を心よりお待ちしております。
///////////////////ご案内/////////////////////
一般社団法人日本糖質制限医療推進協会主催
糖質制限食講演会in熊本(熊本市)
■日時:2015年11月22日(日)14:10~16:30
※開場・受付は13:50~
■会場:くまもと県民交流館パレア 9F「会議室1」
熊本市中央区手取本町8番9号テトリアくまもとビル
http://www.parea.pref.kumamoto.jp/about03.html
■内容:
◇ゲストトーク 『糖質制限の勧め』
吉田 毅 歯科医師/医療法人社団鏡会(熊本県八代市)理事長
◇講演 『糖質制限食で治す糖尿病・メタボ・生活習慣病
-人類本来の食事、人類の健康食-』
江部 康二
(一財)高雄病院・(一社)日本糖質制限医療推進協会理事長
※ゲストトーク20分、講演80分、質疑応答30分を予定しております。
■受講費: 賛助会員 2,000円 / 一般(非会員) 2,500円
■お支払い方法:
クレジットカード/銀行振込/郵便振替 ※事前決済のみとなります。
■お申し込みの流れ:
1. 下記「お申し込み方法」の該当するものからお申し込み下さい。
2. 事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3. 入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4. 当日、直接会場までお越し下さい。
■お申し込み方法:
★賛助会員の方:事務局までメールにてお申し込み下さい。
★賛助会員入会をご希望の方:
1. 入会案内および会員規約をお読み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/#!membership/cdt9 "> http://www.toushitsuseigen.or.jp/#!membership/cdt9
2. お申し込みは下のフォームからお願いします。
「通信」欄に「11/22 熊本講演会参加希望」とご記入下さい。
(賛助会員交流会への参加もご希望の場合は、
「11/22 熊本講演会・交流会参加希望」とご記入下さい。)
http://www.toushitsuseigen.or.jp/contact
★一般(非会員)で、講演会の受講のみご希望の方:
下のフォームからお申し込み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/seminar-gen
■その他:
・予約制です。当日参加はできません。
・キャンセルは11月20日(金)までに事務局までご連絡願います。
◇講演会終了後、別会場で賛助会員交流会を開催致します。
◇掲載ページ:http://www.toushitsuseigen.or.jp/activity
//////////////////////////////////////
2015年10月08日 (木)
こんばんは。
滋賀医科大学 第41回若鮎祭 特別講演会
健康は食事から!
糖質制限食を始めよう!
<日時>
2015/10/25(日) 14:30~16:30
講演:90分間 質疑応答:30分間
のご案内です。
参加費無料の市民公開講座ですので、滋賀県民の皆さん、是非、奮ってご参加くださいね。
医科大学の学園祭で講演するのは、初めてなのでとても楽しみです。
医大生や滋賀医大の医師も参加されると思いますので、生理学的事実や科学的根拠に基づくお話もしますが、基本わかりやすく楽しく糖質制限食の最新の話題を提供したいと思います。
質疑応答の時間もたっぷりとっていますので、どんどん質問していただけば幸いです。
江部康二
滋賀医科大学若鮎祭ホームページ
http://wakaayusai.wix.com/wakaayusai
☆☆☆
以下は、案内ポスターから転載です。
<演題>
滋賀医科大学 第41回若鮎祭 特別講演会
健康は食事から!
糖質制限食を始めよう!
<参加費>
無料
<場所>
滋賀医科大学 臨床講義棟1階 臨床講義室1
<日時>
2015/10/25(日) 14:30~16:30
講演:90分間 質疑応答:30分間
<内容>
糖質制限食は、ダイエット法としてだけでなく、糖尿病治療に最適な食事療法であり、加えて様々な生活習慣病の予防・改善につながることが近年の研究で分かっています。
本講演では、糖質制限食の効果と実践法について分かりやすく解説していただきます。
また、講演の最後には質疑応答の時間を設けていますので、疑問や不安を解消しましょう。
<講演者>
江部 康二先生
<プロフィール>
医師、高雄病院理事長。
1950年生まれ。京都大学医学部卒業。
高雄病院での臨床活動を通じて、糖尿病治療の研究に取り組み、
糖質制限食による治療体系を確立。これにより自身の糖尿病も克服する。
著書『主食を抜けば糖尿病は良くなる』はベストセラーとなり大反響を巻き起こした。
<抄録>
「脂肪悪玉説」、「カロリー至 上主義」、「脳のエネルギー源 はブドウ糖だけ」といった従来 の常識は現在根底から覆ってい る。例えば全米結構調査、1971年と2000年の統計で、脂肪摂取比率は低下しているのに、肥満は倍増している。すな わち脂肪悪玉説には根拠がな かった。
さらにニューイングランド・ ジャーナルの2008年の論文 で、カロリー制限ありの脂肪制 限食と地中海食、カロリー制限 なしの糖質制限食の3者の効果 を比較検討した結果、糖質制限 食が最も体重を減少させ、 HDLコレステロールを増加さ せたことが明らかとなった。糖質制限食実践によ り、食事中にも常に脂肪が燃 え、肥満ホルモン・インスリン の追加分泌はごく少量ですみ、 肝臓でアミノ酸などから糖新生 が行われエネルギーを消費し、体重減少につながる。
米国糖尿病学会に よれば、食べ物が消化・吸収さ れたあと、糖質は直接血糖値に影響を与えるが、タンパク質・脂質は与えない。動脈硬化のリス クとなるグルコーススパイク (急激な食後高血糖)を生じる のは糖質だけである。また酸化 ストレスのもととなる一日平均 血糖変動幅を悪化させるのも糖 質だけである。糖質制限食なら 食後高血糖は生じず、平均血糖 変動幅は速やかに改善する。一 方カロリー制限をしても糖質を 摂取すれば必ず食後高血糖を生 じ、平均血糖変動幅の悪化を招 き、酸化ストレスが亢進する。
2型糖尿病高雄病院入院患者に おいて、同一カロリーにそろえ た従来の糖尿病食(高糖質食) と糖質制限食における血糖の日 内変動を比較検討してみた。その結果、糖質制限食では従来の 糖尿病食(高糖質食)に比べて 顕著な食後血糖降下効果が認められた。
脳はブドウ糖だけでなくケトン 体をエネルギー源としていくら でも利用する。ケトン体は肝細 胞内で「脂肪酸→β酸化→アセ チルCoA→ケトン体」という 順番で日常的につくられてい て、肝臓では使われずに、他の 臓器・脳・筋肉のエネルギー源 として供給される。日常生活で は空腹時は心筋・骨格筋など多 くの体細胞は脂肪酸・ケトン体 を主エネルギー源としているの に対して、赤血球・脳・網膜な ど特殊な細胞だけがブドウ糖を 主エネルギー源としている。なお赤血球はミトコンドリアがな いのでブドウ糖だけが唯一のエ ネルギー源である。ミトコンド リアは細胞内のエネルギー生産処置である。
人類700万年の進化と食生活 について考察した。さらに食前 と食後の血糖変動の観点から人 類の食生活を3段階にわけて検 討した。糖尿病・メタボ以外の生活習慣病とがんに関しても若干の考察を加えた。日本人の5大疾病、4大死因と糖質制限食についても検討した。
滋賀医科大学 第41回若鮎祭 特別講演会
健康は食事から!
糖質制限食を始めよう!
<日時>
2015/10/25(日) 14:30~16:30
講演:90分間 質疑応答:30分間
のご案内です。
参加費無料の市民公開講座ですので、滋賀県民の皆さん、是非、奮ってご参加くださいね。
医科大学の学園祭で講演するのは、初めてなのでとても楽しみです。
医大生や滋賀医大の医師も参加されると思いますので、生理学的事実や科学的根拠に基づくお話もしますが、基本わかりやすく楽しく糖質制限食の最新の話題を提供したいと思います。
質疑応答の時間もたっぷりとっていますので、どんどん質問していただけば幸いです。
江部康二
滋賀医科大学若鮎祭ホームページ
http://wakaayusai.wix.com/wakaayusai
☆☆☆
以下は、案内ポスターから転載です。
<演題>
滋賀医科大学 第41回若鮎祭 特別講演会
健康は食事から!
糖質制限食を始めよう!
<参加費>
無料
<場所>
滋賀医科大学 臨床講義棟1階 臨床講義室1
<日時>
2015/10/25(日) 14:30~16:30
講演:90分間 質疑応答:30分間
<内容>
糖質制限食は、ダイエット法としてだけでなく、糖尿病治療に最適な食事療法であり、加えて様々な生活習慣病の予防・改善につながることが近年の研究で分かっています。
本講演では、糖質制限食の効果と実践法について分かりやすく解説していただきます。
また、講演の最後には質疑応答の時間を設けていますので、疑問や不安を解消しましょう。
<講演者>
江部 康二先生
<プロフィール>
医師、高雄病院理事長。
1950年生まれ。京都大学医学部卒業。
高雄病院での臨床活動を通じて、糖尿病治療の研究に取り組み、
糖質制限食による治療体系を確立。これにより自身の糖尿病も克服する。
著書『主食を抜けば糖尿病は良くなる』はベストセラーとなり大反響を巻き起こした。
<抄録>
「脂肪悪玉説」、「カロリー至 上主義」、「脳のエネルギー源 はブドウ糖だけ」といった従来 の常識は現在根底から覆ってい る。例えば全米結構調査、1971年と2000年の統計で、脂肪摂取比率は低下しているのに、肥満は倍増している。すな わち脂肪悪玉説には根拠がな かった。
さらにニューイングランド・ ジャーナルの2008年の論文 で、カロリー制限ありの脂肪制 限食と地中海食、カロリー制限 なしの糖質制限食の3者の効果 を比較検討した結果、糖質制限 食が最も体重を減少させ、 HDLコレステロールを増加さ せたことが明らかとなった。糖質制限食実践によ り、食事中にも常に脂肪が燃 え、肥満ホルモン・インスリン の追加分泌はごく少量ですみ、 肝臓でアミノ酸などから糖新生 が行われエネルギーを消費し、体重減少につながる。
米国糖尿病学会に よれば、食べ物が消化・吸収さ れたあと、糖質は直接血糖値に影響を与えるが、タンパク質・脂質は与えない。動脈硬化のリス クとなるグルコーススパイク (急激な食後高血糖)を生じる のは糖質だけである。また酸化 ストレスのもととなる一日平均 血糖変動幅を悪化させるのも糖 質だけである。糖質制限食なら 食後高血糖は生じず、平均血糖 変動幅は速やかに改善する。一 方カロリー制限をしても糖質を 摂取すれば必ず食後高血糖を生 じ、平均血糖変動幅の悪化を招 き、酸化ストレスが亢進する。
2型糖尿病高雄病院入院患者に おいて、同一カロリーにそろえ た従来の糖尿病食(高糖質食) と糖質制限食における血糖の日 内変動を比較検討してみた。その結果、糖質制限食では従来の 糖尿病食(高糖質食)に比べて 顕著な食後血糖降下効果が認められた。
脳はブドウ糖だけでなくケトン 体をエネルギー源としていくら でも利用する。ケトン体は肝細 胞内で「脂肪酸→β酸化→アセ チルCoA→ケトン体」という 順番で日常的につくられてい て、肝臓では使われずに、他の 臓器・脳・筋肉のエネルギー源 として供給される。日常生活で は空腹時は心筋・骨格筋など多 くの体細胞は脂肪酸・ケトン体 を主エネルギー源としているの に対して、赤血球・脳・網膜な ど特殊な細胞だけがブドウ糖を 主エネルギー源としている。なお赤血球はミトコンドリアがな いのでブドウ糖だけが唯一のエ ネルギー源である。ミトコンド リアは細胞内のエネルギー生産処置である。
人類700万年の進化と食生活 について考察した。さらに食前 と食後の血糖変動の観点から人 類の食生活を3段階にわけて検 討した。糖尿病・メタボ以外の生活習慣病とがんに関しても若干の考察を加えた。日本人の5大疾病、4大死因と糖質制限食についても検討した。
2015年10月07日 (水)
こんにちは。
いろいろ調べて、紆余曲折はありましたが、食物繊維の含有エネルギーに関しては、
0kcal/g、1kcal/g、2kcal/g の三群があるとされています。
食物繊維の発酵・分解性はその種類によって異なります。
ペクチンのように腸内細菌によって容易に発酵・分解され、短鎖脂肪酸を産生して、エネルギーを供給するもの、セルロースのように腸内細菌による発酵・分解をほとんど受けず、短鎖脂肪酸を生成しないもの、これらの中間的なものがあります。
さて、昨日の記事の
『大腸細胞のエネルギー源は、短鎖脂肪酸のみ』
なのですが、その短鎖脂肪酸には「食物繊維+腸内細菌」由来のものと「血中に循環している短鎖脂肪酸」があります。
血中にある短鎖脂肪酸は、βヒドロキシ酪酸とアセト酢酸などケトン体であり、これらは肝臓で生産されています。
大腸細胞は、大腸由来と肝臓由来の短鎖脂肪酸を両方、エネルギー源として利用していると思います。
一般財団法人日本食品分析センター
Japan Food Research Laboratories
No.34 Jul. 2003
食物繊維の熱量(エネルギー)について
によれば、
平成15年2月17日付の厚生労働省の2種の通知
『「栄養表示基準等の取扱いについて」の 一部改正について』(食新発 第 0217001 号)ならびに
『「栄養表示基準における栄養成分等の 分析方法等について」の一部改正について』(食新発 第 0217002 号)により、
栄養表示基準に おける食物繊維の熱量(エネルギー)の取扱いが改正されました。
食物繊維は最大で1g 当たり2kcal であり、大腸内の腸内細菌による 発酵・分解を受け難いものでは、その発酵・分解性に応じて1g 当たり1kcal あるいは0kcal とされたようです。
奥ら(*)は、食物繊維の発酵・分解性に基づいて食物繊維素材のエネルギー換算係数を決めるに当たっての基準として
以下を提案しています。
①発酵・分解率が 75%以上のもの2 kcal/g
②発酵・分解率が 25%以上,75%未満のもの 1 kcal/g
③発酵・分解率が 25%未満のもの0 kcal/g
市販食物繊維素材のエネルギー換算係数(奥らの表を簡略化して以下作成)
① 2kcal/g: タマリンドシードガム、グァーガム、
グァーガム酵素分解物
小麦胚芽、湿熱処理でんぷん(難消化性でんぷん)、
水溶性大豆食物繊維(WSSF)、プルラン
② 1kcal/g: アラビアガム、難消化性デキストリン、
ビートファイバー
③ 0kcal/g: 低分子化アルギン酸ナトリウム、寒天、
キサンタンガム、ジェランガム、サイリウム種皮、
セルロース、ポリデキストロース
☆☆☆
コーンファイバー、水溶性コーンファイバー(アラビノキシラン)、小麦ふすま、specialty dextrin、難消化性でんぷんに関しては、データが少なかったが暫定的に、2kcal/gを用いる。
参考文献(*)
奥 恒行,山田 和彦,金谷 建一郎:日本食物繊維研究会誌,6,81-86(2002)
江部康二
いろいろ調べて、紆余曲折はありましたが、食物繊維の含有エネルギーに関しては、
0kcal/g、1kcal/g、2kcal/g の三群があるとされています。
食物繊維の発酵・分解性はその種類によって異なります。
ペクチンのように腸内細菌によって容易に発酵・分解され、短鎖脂肪酸を産生して、エネルギーを供給するもの、セルロースのように腸内細菌による発酵・分解をほとんど受けず、短鎖脂肪酸を生成しないもの、これらの中間的なものがあります。
さて、昨日の記事の
『大腸細胞のエネルギー源は、短鎖脂肪酸のみ』
なのですが、その短鎖脂肪酸には「食物繊維+腸内細菌」由来のものと「血中に循環している短鎖脂肪酸」があります。
血中にある短鎖脂肪酸は、βヒドロキシ酪酸とアセト酢酸などケトン体であり、これらは肝臓で生産されています。
大腸細胞は、大腸由来と肝臓由来の短鎖脂肪酸を両方、エネルギー源として利用していると思います。
一般財団法人日本食品分析センター
Japan Food Research Laboratories
No.34 Jul. 2003
食物繊維の熱量(エネルギー)について
によれば、
平成15年2月17日付の厚生労働省の2種の通知
『「栄養表示基準等の取扱いについて」の 一部改正について』(食新発 第 0217001 号)ならびに
『「栄養表示基準における栄養成分等の 分析方法等について」の一部改正について』(食新発 第 0217002 号)により、
栄養表示基準に おける食物繊維の熱量(エネルギー)の取扱いが改正されました。
食物繊維は最大で1g 当たり2kcal であり、大腸内の腸内細菌による 発酵・分解を受け難いものでは、その発酵・分解性に応じて1g 当たり1kcal あるいは0kcal とされたようです。
奥ら(*)は、食物繊維の発酵・分解性に基づいて食物繊維素材のエネルギー換算係数を決めるに当たっての基準として
以下を提案しています。
①発酵・分解率が 75%以上のもの2 kcal/g
②発酵・分解率が 25%以上,75%未満のもの 1 kcal/g
③発酵・分解率が 25%未満のもの0 kcal/g
市販食物繊維素材のエネルギー換算係数(奥らの表を簡略化して以下作成)
① 2kcal/g: タマリンドシードガム、グァーガム、
グァーガム酵素分解物
小麦胚芽、湿熱処理でんぷん(難消化性でんぷん)、
水溶性大豆食物繊維(WSSF)、プルラン
② 1kcal/g: アラビアガム、難消化性デキストリン、
ビートファイバー
③ 0kcal/g: 低分子化アルギン酸ナトリウム、寒天、
キサンタンガム、ジェランガム、サイリウム種皮、
セルロース、ポリデキストロース
☆☆☆
コーンファイバー、水溶性コーンファイバー(アラビノキシラン)、小麦ふすま、specialty dextrin、難消化性でんぷんに関しては、データが少なかったが暫定的に、2kcal/gを用いる。
参考文献(*)
奥 恒行,山田 和彦,金谷 建一郎:日本食物繊維研究会誌,6,81-86(2002)
江部康二
2015年10月06日 (火)
こんにちは。
細胞が活動するにはエネルギー源が必要です。
その中で、小腸と大腸は特殊なエネルギー源を利用しています。
A)小腸の細胞のエネルギー源はグルタミンが50~60%、ケトン体が15~20%、
ブドウ糖は5~7%とごく少ない。グルタミンは血中に最も多く含まれている遊離アミノ酸です。
*江部注
その他食事中のグルタミン酸、アスパラギン酸も小腸細胞でエネルギー源として代謝されます。
グルタミン、グルタミン酸、アスパラギン酸は、小麦粉、海藻、大豆、サトウキビ、肉、魚、卵、チーズ、トマトなど、いろいろな食品に含まれています。
B)大腸の細胞のエネルギー源は、短鎖脂肪酸(☆)のみである。
*江部注
短鎖脂肪酸は「食物繊維+腸内細菌」由来のものと血中にある短鎖脂肪酸があります。
血中にある短鎖脂肪酸は、βヒドロキシ酪酸とアセト酢酸などケトン体です。
A)B)に関して、私は浅学にして知りませんでした。
『治療に活かす!
栄養療法
はじめの一歩
清水健一郎 著
羊土社 2011年2月』
を読んで、初めて知りました。
臨床に即した栄養療法の本はほとんどないので、私にはとても参考になりました。
清水健一郎先生、ありがとうございました。
さて、今日は
『B)大腸の細胞のエネルギー源は、短鎖脂肪酸(☆)のみである』
このことの意味を、考えてみます。
短鎖脂肪酸は食材では、バターや酢くらいにしか含まれていません。
バターや酢だけでは、食材からの短鎖脂肪酸補充は、大腸のエネルギー源としては到底足りません。
そうすると、短鎖脂肪酸を人体内で自ら作成するしかありません。
つまり大腸内の腸内細菌が、食物繊維を分解して短鎖脂肪酸を産生してくれて、それがヒトの大腸細胞のエネルギー源となっているということです。
このヒト腸内の短鎖脂肪酸は、主として酪酸と考えられます。ヒトにおいて、食物繊維の摂取が極めて重要ということになります。
大腸細胞で利用せずに余った短鎖脂肪酸は、吸収されて全身の臓器のエネルギー源となります。
「食物繊維から腸内細菌が産生する短鎖脂肪酸が、大腸細胞のエネルギー源になる」
というのは、少なくとも現世人類全てにおいて共通の生理学的事実と考えられます。
ここにおいて、
1)蛋白質、脂質、糖質:分解・吸収されて人体のエネルギー源となる。
2)食物繊維:分解・吸収できないので人体のエネルギー源とならない。
1)はともかくとして、2)という現代栄養学の定説が覆りましたが、実は食物繊維でもエネルギー源になるものがあるという事実は、大分前から知られていたようです。
Ⅰ)摂取エネルギー > 消費エネルギー → 体重増加
Ⅱ)摂取エネルギー = 消費エネルギー → 体重不変
Ⅲ)摂取エネルギー < 消費エネルギー → 体重減少
Ⅰ)Ⅱ)Ⅲ)は、長らく、定説として、信じられてきましたが、間違いでした。
今後は、以下のようになると考えられます。
①摂取エネルギー+腸内細菌の作るエネルギー > 消費エネルギー → 体重増加
②摂取エネルギー+腸内細菌の作るエネルギー = 消費エネルギー → 体重不変
③摂取エネルギー+腸内細菌の作るエネルギー < 消費エネルギー → 体重減少
①②③で、考察していくと、腸内細菌の作る短鎖脂肪酸エネルギーが多い人は、大腸で利用しない余剰のエネルギーが体内に吸収されて利用されるので、低カロリーに抑えても、体重が減りにくいと考えられます。
食糧危機の時代が到来したときには、腸内細菌の作るエネルギーが多い人は大きなアドバンテージとなりますね。
(☆)
短鎖脂肪酸
ウィキペディア
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9F%AD%E9%8E%96%E8%84%82%E8%82%AA%E9%85%B8
短鎖脂肪酸(たんさしぼうさん、英: SCFA)は脂肪酸の一部で、炭素数6以下のものを指す。具体的には酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、酪酸、イソ吉草酸、吉草酸、カプロン酸、乳酸、コハク酸を指す。
反芻動物における役割
摂取した飼料が反芻胃内で微生物の発酵を受ける反芻動物においては、この発酵の際に生じる短鎖脂肪酸(主に酢酸、プロピオン酸、酪酸)が主なエネルギー源となる。 反すう胃内で生成した酪酸の多くは反すう胃粘膜でβ-ヒドロキシ酪酸に換されるため、肝門脈に現れるのはおよそ10分の1となる。このとき生成されるβ–ヒドロキシ酪酸も反すう家畜にとってはエネルギー源となる。 また、プロピオン酸の多くは肝臓で糖新生に利用され、反芻動物の糖要求の多くはプロピオン酸からの糖新生によってまかなわれる。
細胞が活動するにはエネルギー源が必要です。
その中で、小腸と大腸は特殊なエネルギー源を利用しています。
A)小腸の細胞のエネルギー源はグルタミンが50~60%、ケトン体が15~20%、
ブドウ糖は5~7%とごく少ない。グルタミンは血中に最も多く含まれている遊離アミノ酸です。
*江部注
その他食事中のグルタミン酸、アスパラギン酸も小腸細胞でエネルギー源として代謝されます。
グルタミン、グルタミン酸、アスパラギン酸は、小麦粉、海藻、大豆、サトウキビ、肉、魚、卵、チーズ、トマトなど、いろいろな食品に含まれています。
B)大腸の細胞のエネルギー源は、短鎖脂肪酸(☆)のみである。
*江部注
短鎖脂肪酸は「食物繊維+腸内細菌」由来のものと血中にある短鎖脂肪酸があります。
血中にある短鎖脂肪酸は、βヒドロキシ酪酸とアセト酢酸などケトン体です。
A)B)に関して、私は浅学にして知りませんでした。
『治療に活かす!
栄養療法
はじめの一歩
清水健一郎 著
羊土社 2011年2月』
を読んで、初めて知りました。
臨床に即した栄養療法の本はほとんどないので、私にはとても参考になりました。
清水健一郎先生、ありがとうございました。
さて、今日は
『B)大腸の細胞のエネルギー源は、短鎖脂肪酸(☆)のみである』
このことの意味を、考えてみます。
短鎖脂肪酸は食材では、バターや酢くらいにしか含まれていません。
バターや酢だけでは、食材からの短鎖脂肪酸補充は、大腸のエネルギー源としては到底足りません。
そうすると、短鎖脂肪酸を人体内で自ら作成するしかありません。
つまり大腸内の腸内細菌が、食物繊維を分解して短鎖脂肪酸を産生してくれて、それがヒトの大腸細胞のエネルギー源となっているということです。
このヒト腸内の短鎖脂肪酸は、主として酪酸と考えられます。ヒトにおいて、食物繊維の摂取が極めて重要ということになります。
大腸細胞で利用せずに余った短鎖脂肪酸は、吸収されて全身の臓器のエネルギー源となります。
「食物繊維から腸内細菌が産生する短鎖脂肪酸が、大腸細胞のエネルギー源になる」
というのは、少なくとも現世人類全てにおいて共通の生理学的事実と考えられます。
ここにおいて、
1)蛋白質、脂質、糖質:分解・吸収されて人体のエネルギー源となる。
2)食物繊維:分解・吸収できないので人体のエネルギー源とならない。
1)はともかくとして、2)という現代栄養学の定説が覆りましたが、実は食物繊維でもエネルギー源になるものがあるという事実は、大分前から知られていたようです。
Ⅰ)摂取エネルギー > 消費エネルギー → 体重増加
Ⅱ)摂取エネルギー = 消費エネルギー → 体重不変
Ⅲ)摂取エネルギー < 消費エネルギー → 体重減少
Ⅰ)Ⅱ)Ⅲ)は、長らく、定説として、信じられてきましたが、間違いでした。
今後は、以下のようになると考えられます。
①摂取エネルギー+腸内細菌の作るエネルギー > 消費エネルギー → 体重増加
②摂取エネルギー+腸内細菌の作るエネルギー = 消費エネルギー → 体重不変
③摂取エネルギー+腸内細菌の作るエネルギー < 消費エネルギー → 体重減少
①②③で、考察していくと、腸内細菌の作る短鎖脂肪酸エネルギーが多い人は、大腸で利用しない余剰のエネルギーが体内に吸収されて利用されるので、低カロリーに抑えても、体重が減りにくいと考えられます。
食糧危機の時代が到来したときには、腸内細菌の作るエネルギーが多い人は大きなアドバンテージとなりますね。
(☆)
短鎖脂肪酸
ウィキペディア
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9F%AD%E9%8E%96%E8%84%82%E8%82%AA%E9%85%B8
短鎖脂肪酸(たんさしぼうさん、英: SCFA)は脂肪酸の一部で、炭素数6以下のものを指す。具体的には酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、酪酸、イソ吉草酸、吉草酸、カプロン酸、乳酸、コハク酸を指す。
反芻動物における役割
摂取した飼料が反芻胃内で微生物の発酵を受ける反芻動物においては、この発酵の際に生じる短鎖脂肪酸(主に酢酸、プロピオン酸、酪酸)が主なエネルギー源となる。 反すう胃内で生成した酪酸の多くは反すう胃粘膜でβ-ヒドロキシ酪酸に換されるため、肝門脈に現れるのはおよそ10分の1となる。このとき生成されるβ–ヒドロキシ酪酸も反すう家畜にとってはエネルギー源となる。 また、プロピオン酸の多くは肝臓で糖新生に利用され、反芻動物の糖要求の多くはプロピオン酸からの糖新生によってまかなわれる。
2015年10月05日 (月)
こんばんんは。
糖質制限食「コラボ東京講演会:夏井睦先生&江部康二」のご報告です。
コラボ東京講演会
「元気過ぎる医師が語る、糖質制限食 ~人類の食・糖尿病」
ベストセラー「炭水化物が人類を滅ぼす」(2013年光文新書)の著者で、当会顧問の夏井睦先生と江部康二のコラボ講演会が
10月4日(日)13:20~16:30まで
WATERRAS COMMON (ワテラスコモン)3F「ワテラスコモンホール」
東京都千代田区神田淡路町2丁目101番地
にて開催されました。
私は、久しぶりに素面の夏井先生と話せて、とても有意義で楽しい時間を過ごせました。(^^)
夏井先生の「糖質制限から見た初期人類史」は
1)インスリンの原初の役割は脂肪蓄積。
2)植物は、葉・根・茎は食べられたら困る。死ぬ。
食べて欲しいのは果実。
種を動物が散布する。
3)ピスタチオと定住化。
4)定住化と小麦栽培。
5)農耕開始とともに低身長に。
6)日本の長寿村と短命村。近藤正二博士。
7)糖質は新型コカイン。
などなど、刺激的かつ大変格調高く興味深いお話でした。
私は、最新の糖質制限食の話題を、楽しくわかりやすくを目指してお話しました。
会場は超満員で、キャンセル待ちの状態でした。
質疑応答もたっぷり30分間とったのですが、講師二人が必要充分にお喋りだったもので、 (∵)?
まるで「トークショー」みたいになってしまい、数名の方には、質問に答える時間がなくなりすいませんでした。m(_ _)m
「子どもの糖質制限」について、会場から質問がありました。
調度、北九州市・三島塾の三島学塾長が参加しておられたので、答えて頂きました。
糖質制限食により、子供達の学習力や集中力が格段にアップして、偏差値も向上だそうです。
とにかく眠気がないので勉強がどんどんはかどります。
三島塾長は、こと「子どもの糖質制限」に関しては、日本の第一人者です。
三島塾長、ありがとうございました。
講演会後は、日本糖質制限医療推進協会・会員の交流会で盛り上がりました。
45名参加、貸し切りの立食パーティーで、糖質制限な夕べを美味しく楽しく吞んで食べておおいに喋って、過ごすことができました。 (⌒o⌒)v
江部康二
糖質制限食「コラボ東京講演会:夏井睦先生&江部康二」のご報告です。
コラボ東京講演会
「元気過ぎる医師が語る、糖質制限食 ~人類の食・糖尿病」
ベストセラー「炭水化物が人類を滅ぼす」(2013年光文新書)の著者で、当会顧問の夏井睦先生と江部康二のコラボ講演会が
10月4日(日)13:20~16:30まで
WATERRAS COMMON (ワテラスコモン)3F「ワテラスコモンホール」
東京都千代田区神田淡路町2丁目101番地
にて開催されました。
私は、久しぶりに素面の夏井先生と話せて、とても有意義で楽しい時間を過ごせました。(^^)
夏井先生の「糖質制限から見た初期人類史」は
1)インスリンの原初の役割は脂肪蓄積。
2)植物は、葉・根・茎は食べられたら困る。死ぬ。
食べて欲しいのは果実。
種を動物が散布する。
3)ピスタチオと定住化。
4)定住化と小麦栽培。
5)農耕開始とともに低身長に。
6)日本の長寿村と短命村。近藤正二博士。
7)糖質は新型コカイン。
などなど、刺激的かつ大変格調高く興味深いお話でした。
私は、最新の糖質制限食の話題を、楽しくわかりやすくを目指してお話しました。
会場は超満員で、キャンセル待ちの状態でした。
質疑応答もたっぷり30分間とったのですが、講師二人が必要充分にお喋りだったもので、 (∵)?
まるで「トークショー」みたいになってしまい、数名の方には、質問に答える時間がなくなりすいませんでした。m(_ _)m
「子どもの糖質制限」について、会場から質問がありました。
調度、北九州市・三島塾の三島学塾長が参加しておられたので、答えて頂きました。
糖質制限食により、子供達の学習力や集中力が格段にアップして、偏差値も向上だそうです。
とにかく眠気がないので勉強がどんどんはかどります。
三島塾長は、こと「子どもの糖質制限」に関しては、日本の第一人者です。
三島塾長、ありがとうございました。
講演会後は、日本糖質制限医療推進協会・会員の交流会で盛り上がりました。
45名参加、貸し切りの立食パーティーで、糖質制限な夕べを美味しく楽しく吞んで食べておおいに喋って、過ごすことができました。 (⌒o⌒)v
江部康二
2015年10月04日 (日)
おはようございます。
糖質制限食、ケトン食とがんについて、考察してみます。
がんは日本では現在も増え続けていて、2人に1人ががんになり、3人に1人ががんで死亡する時代です。
2013年、がん研究振興財団が発表したデータでは、1年間で新たにがんと診断された人は74万9767人であり、がんは、日本人の死因の一位です。
米国で1、2を争う癌専門病院 ニューヨークメモリアルスローンケータリング癌センターのセンター長兼CEO Craig.Thompson 博士は
『脂質を多く食べても癌のリスクは全く上昇しません 。糖質を多く食べると癌のリスクを著しく高めます 。
タンパク質はその中間に位置します』
と講演で述べています。
http://www.youtube.com/watch?v=WUlE1VHGA40#t=27m0s
私も糖質の頻回過剰摂取が、がん発症の元凶ではないかと考えているのでCraig.Thompson 博士の講演内容は我が意を得たりと思いました。
2011年7月から、アメリカではアイオワ大学とNIH(米国国立衛生研究所)によって、
「放射線治療と化学療法を実施した第4期の肺がんと膵臓がん」
に対するケトン食の効果を確かめる臨床研究が進められています。
2017年7月に中間報告が発表され、2019年7月に最終報告が発表される予定です。
血中ケトン体を高めるケトン食とは、脂質が75~80%、糖質が5%以下という割合になります。
スーパー糖質制限食の場合、脂質は50~60%ですから、これをさらに徹底した食事といえるでしょう。
なぜ、糖質を制限するとがんの治療になるのか、その理由の一つはがん細胞の特性にあります。
実は、がん細胞はブドウ糖しかエネルギー源として使えないことがわかっているのです。
人体のほとんどの細胞は、ブドウ糖だけでなく、脂肪酸や脂肪酸から作られるケトン体と呼ばれる物質をエネルギー源として使って生きています。
よく誤解されていますが、脳細胞もブドウ糖しか使えないわけではなく、脂肪酸の分解物のケトン体をいくらでも使えるのです。
ですから、ブドウ糖しか使えないがん細胞は、かなり変わり者ということになります。
PETという検査があります。
PET検査は、ガン細胞が正常細胞にくらべて、多くのブドウ糖を細胞内に取り込む性質を利用しています。
ブドウ糖に類似した成分(FDG)に「放射性同位元素」をくっつけて体内に注射します。
FDGはブドウ糖と同様に糖輸送体で細胞内に取り込まれます。
このFDGを検知するPETカメラ(CTに似た装置です)で体内のFDG分布を画像化して調べます。
FDGが多く集積している部位は、ガン細胞の可能性が高いということになります。
いろんなガンがありますから、全てというわけにはいかないのですが、このように、多くのガン細胞が、エネルギー源として大量のブドウ糖を利用していることは、間違いありません。
そうすると
「スーパー糖質制限食を実践すれば、血糖が少ないのでガンが縮小するのではないか?」
といった意見もでてくるでしょうし、私もかつてそう思っていました。
しかし、誠に残念ながら、ガン細胞は、GLUT-1を獲得していることが多いのです。(-д-;)
GLUT(糖輸送体)というのは、細胞のブドウ糖取り込み装置です。
筋肉細胞や脂肪細胞はGLUT-4で通常は細胞内に沈んでいて、インスリン追加分泌された時と筋収縮があった時に表面に上がってきて、ブドウ糖を取り込みます。
これに対して、脳や赤血球や網膜はGLUT-1を持っていて、こちらは常に細胞表面にあるので、優先的にブドウ糖をいつでも取り込めるわけです。
つまり、ガン細胞もGLUT-1を持っていることが多いので、他の体細胞に比べて、優先的にブドウ糖を取り込むことができるのです。
従いまして、ガン細胞も脳や赤血球並みにブドウ糖を取り込むことができるので、スーパー糖質制限食を実践しても、すでに存在しているガンを撲滅することはなかなかできないと思います。
しかし、野放しに糖質を摂取して血糖値を上昇させるよりは、スーパー糖質制限食ならある程度の兵糧攻めにはなるので、進行が少しは遅くなるかなというくらいの期待はあります。
また、スーパー糖質制限食により代謝全てが安定するので、免疫系を中心に自然治癒力が高まり、ガン進行を遅らせる方向に働いてくれる可能性もあります。
そして、理論的には、発ガンの明白なリスクである「高血糖」と「高インスリン血症」が一日を通して、スーパー糖質制限食実践者ではみられないので、発ガン予防の観点からは、大きなアドバンテージと言えます。
私は既にスーパー糖質制限食を13年間続けており、その期間においてはがん細胞の発生や増殖を予防しているはずですが、それでもがんになる可能性はあります。
なぜなら、がん細胞はCTなどの画像で発見できる5mm径ほどの大きさに成長するまで、10年から20年かかると考えられているからです。
例えば、がん検診で5mmの肺がんが発見されたとしても、厳密にはそれを早期発見とは呼べず、実際には最初の発生から10年以上の期間が経過しているはずだからです。
たとえ最新のPET検査で大きさがわずか5mmで見つかったとしても、早期発見であるはずがなく、もし転移があるとするならばとっくに転移していることになります。
その時点で転移がないならば、運が良かったということです。
私は2002年からスーパー糖質制限食を始めて、2015年現在足かけ14年目です。
従って2002年以降は、がん細胞の発生をかなり予防できていると思います。
しかし、糖質制限食を開始する以前に、既に最初のがん細胞が発生していたとすれば、スーパー糖質制限食でもがんを消失させるのは困難です。
つまり、私の身体でどこかの臓器に5mmの大きさのがんが見つかったとしたら、その時点で、別の場所に転移している可能性があるわけです。
勿論、運がよければ転移がない段階で、発見されることもあるでしょう。
私は高雄病院式のスーパー糖質制限食を実行していれば、かなりの程度、がんの予防になると思っています。
しかし、がんの治療ということになれば話は別で、もしがんになったら、スーパー糖質制限食よりもケトン食のほうが有効である可能性は高いと考えられます。
勿論、適応があるなら、手術・放射線治療・化学療法も考慮します。
動物実験では、ケトン体のがん細胞抑制効果が確認されていますし、上述のように、人に対する臨床研究も開始されているのですから、ケトン食のがん治療効果に関しては、一定の期待がもてると思います。
ガンのことはまだまだよくわからないことが多いので、断定的なことは何も言えないのですが、現在まで調べた知識の範囲内で、仮説として述べてみました。
江部康二
糖質制限食、ケトン食とがんについて、考察してみます。
がんは日本では現在も増え続けていて、2人に1人ががんになり、3人に1人ががんで死亡する時代です。
2013年、がん研究振興財団が発表したデータでは、1年間で新たにがんと診断された人は74万9767人であり、がんは、日本人の死因の一位です。
米国で1、2を争う癌専門病院 ニューヨークメモリアルスローンケータリング癌センターのセンター長兼CEO Craig.Thompson 博士は
『脂質を多く食べても癌のリスクは全く上昇しません 。糖質を多く食べると癌のリスクを著しく高めます 。
タンパク質はその中間に位置します』
と講演で述べています。
http://www.youtube.com/watch?v=WUlE1VHGA40#t=27m0s
私も糖質の頻回過剰摂取が、がん発症の元凶ではないかと考えているのでCraig.Thompson 博士の講演内容は我が意を得たりと思いました。
2011年7月から、アメリカではアイオワ大学とNIH(米国国立衛生研究所)によって、
「放射線治療と化学療法を実施した第4期の肺がんと膵臓がん」
に対するケトン食の効果を確かめる臨床研究が進められています。
2017年7月に中間報告が発表され、2019年7月に最終報告が発表される予定です。
血中ケトン体を高めるケトン食とは、脂質が75~80%、糖質が5%以下という割合になります。
スーパー糖質制限食の場合、脂質は50~60%ですから、これをさらに徹底した食事といえるでしょう。
なぜ、糖質を制限するとがんの治療になるのか、その理由の一つはがん細胞の特性にあります。
実は、がん細胞はブドウ糖しかエネルギー源として使えないことがわかっているのです。
人体のほとんどの細胞は、ブドウ糖だけでなく、脂肪酸や脂肪酸から作られるケトン体と呼ばれる物質をエネルギー源として使って生きています。
よく誤解されていますが、脳細胞もブドウ糖しか使えないわけではなく、脂肪酸の分解物のケトン体をいくらでも使えるのです。
ですから、ブドウ糖しか使えないがん細胞は、かなり変わり者ということになります。
PETという検査があります。
PET検査は、ガン細胞が正常細胞にくらべて、多くのブドウ糖を細胞内に取り込む性質を利用しています。
ブドウ糖に類似した成分(FDG)に「放射性同位元素」をくっつけて体内に注射します。
FDGはブドウ糖と同様に糖輸送体で細胞内に取り込まれます。
このFDGを検知するPETカメラ(CTに似た装置です)で体内のFDG分布を画像化して調べます。
FDGが多く集積している部位は、ガン細胞の可能性が高いということになります。
いろんなガンがありますから、全てというわけにはいかないのですが、このように、多くのガン細胞が、エネルギー源として大量のブドウ糖を利用していることは、間違いありません。
そうすると
「スーパー糖質制限食を実践すれば、血糖が少ないのでガンが縮小するのではないか?」
といった意見もでてくるでしょうし、私もかつてそう思っていました。
しかし、誠に残念ながら、ガン細胞は、GLUT-1を獲得していることが多いのです。(-д-;)
GLUT(糖輸送体)というのは、細胞のブドウ糖取り込み装置です。
筋肉細胞や脂肪細胞はGLUT-4で通常は細胞内に沈んでいて、インスリン追加分泌された時と筋収縮があった時に表面に上がってきて、ブドウ糖を取り込みます。
これに対して、脳や赤血球や網膜はGLUT-1を持っていて、こちらは常に細胞表面にあるので、優先的にブドウ糖をいつでも取り込めるわけです。
つまり、ガン細胞もGLUT-1を持っていることが多いので、他の体細胞に比べて、優先的にブドウ糖を取り込むことができるのです。
従いまして、ガン細胞も脳や赤血球並みにブドウ糖を取り込むことができるので、スーパー糖質制限食を実践しても、すでに存在しているガンを撲滅することはなかなかできないと思います。
しかし、野放しに糖質を摂取して血糖値を上昇させるよりは、スーパー糖質制限食ならある程度の兵糧攻めにはなるので、進行が少しは遅くなるかなというくらいの期待はあります。
また、スーパー糖質制限食により代謝全てが安定するので、免疫系を中心に自然治癒力が高まり、ガン進行を遅らせる方向に働いてくれる可能性もあります。
そして、理論的には、発ガンの明白なリスクである「高血糖」と「高インスリン血症」が一日を通して、スーパー糖質制限食実践者ではみられないので、発ガン予防の観点からは、大きなアドバンテージと言えます。
私は既にスーパー糖質制限食を13年間続けており、その期間においてはがん細胞の発生や増殖を予防しているはずですが、それでもがんになる可能性はあります。
なぜなら、がん細胞はCTなどの画像で発見できる5mm径ほどの大きさに成長するまで、10年から20年かかると考えられているからです。
例えば、がん検診で5mmの肺がんが発見されたとしても、厳密にはそれを早期発見とは呼べず、実際には最初の発生から10年以上の期間が経過しているはずだからです。
たとえ最新のPET検査で大きさがわずか5mmで見つかったとしても、早期発見であるはずがなく、もし転移があるとするならばとっくに転移していることになります。
その時点で転移がないならば、運が良かったということです。
私は2002年からスーパー糖質制限食を始めて、2015年現在足かけ14年目です。
従って2002年以降は、がん細胞の発生をかなり予防できていると思います。
しかし、糖質制限食を開始する以前に、既に最初のがん細胞が発生していたとすれば、スーパー糖質制限食でもがんを消失させるのは困難です。
つまり、私の身体でどこかの臓器に5mmの大きさのがんが見つかったとしたら、その時点で、別の場所に転移している可能性があるわけです。
勿論、運がよければ転移がない段階で、発見されることもあるでしょう。
私は高雄病院式のスーパー糖質制限食を実行していれば、かなりの程度、がんの予防になると思っています。
しかし、がんの治療ということになれば話は別で、もしがんになったら、スーパー糖質制限食よりもケトン食のほうが有効である可能性は高いと考えられます。
勿論、適応があるなら、手術・放射線治療・化学療法も考慮します。
動物実験では、ケトン体のがん細胞抑制効果が確認されていますし、上述のように、人に対する臨床研究も開始されているのですから、ケトン食のがん治療効果に関しては、一定の期待がもてると思います。
ガンのことはまだまだよくわからないことが多いので、断定的なことは何も言えないのですが、現在まで調べた知識の範囲内で、仮説として述べてみました。
江部康二