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糖質制限食・コラボ東京講演会「夏井睦先生&江部康二」満員御礼。
こんにちは

糖質制限食・コラボ東京講演会「夏井睦先生&江部康二」10月4日(日)

『元気過ぎる医師が語る、糖質制限食 ~人類の食・糖尿病』

満員御礼で、現在はキャンセル待ちとなりました。

ブログ読者の皆様、ご参加の皆様、ありがとうございました。 o(_ _)o



江部康二


*********
以下、事務局からのお知らせです。

ブログ読者の皆様、講演会へいつも多数ご参加いただきまして、ありがとうございます。

10月4日(日)の東京で、一般の方向けの講演会を開催いたします。

今回の講師は、ベストセラー「炭水化物が人類を滅ぼす 糖質制限からみた生命の科学」(2013年光文新書)の著者で、当会顧問の
夏井睦先生と江部康二理事長です。

皆様のご参加を心よりお待ちしております。

*おかげさまで残席が30席弱となりまして、参加ご希望の方はお早めにお申し込みいただけますと幸いです。

///////////////////ご案内/////////////////////

一般社団法人日本糖質制限医療推進協会主催 講演会(東京)

「元気過ぎる医師が語る、糖質制限食 ~人類の食・糖尿病」


■日時: 10月4日(日)13:20~16:10頃 
  ※入場受付・開場は13:00~

■会場:WATERRAS COMMON (ワテラスコモン)
    3F「ワテラスコモンホール」
     東京都千代田区神田淡路町2丁目101番地
    http://www.waterrascommon.com/access.html

■内容:

◆講演1:糖質制限から見た初期人類史

講師: 夏井 睦 医師 
    練馬光が丘病院 傷の治療センター科長
    一般社団法人 日本糖質制限医療推進協会 顧問

◆講演2: 糖尿病と糖質制限食

講師: 江部 康二 医師
    一般財団法人 高雄病院 理事長
    一般社団法人 日本糖質制限医療推進協会 理事長   

◆質疑応答

※講演は各60分を予定しています。

※講演後、両講師による質疑応答を30分程度予定しています。


■受講費: 賛助会員 2,500円 / 一般(非会員) 3,000円

■お支払い方法:

クレジットカード/銀行振込/郵便振替  ※事前決済のみとなります。

■お申し込みの流れ:

1. 下記「お申し込み方法」の該当するものからお申し込み下さい。
2. 事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3. 入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4. 当日、直接会場までお越し下さい。

■お申し込み方法:

★賛助会員の方:事務局までメールにてお申し込み下さい。

★賛助会員入会をご希望の方:

  1. 入会案内および会員規約をお読み下さい。
   http://www.toushitsuseigen.or.jp/#!membership/cdt9

 2. お申し込みは下のフォームからお願いします。
   「通信」欄に「10/4 東京講演会受講希望」とご記入下さい。
   http://www.toushitsuseigen.or.jp/contact
  
★一般(非会員)で、講演会の受講のみご希望の方:
  下のフォームからお申し込み下さい。
  http://www.toushitsuseigen.or.jp/seminar-gen

■その他:

・予約制です。当日参加はできません。
・キャンセルは10月2日(金)までに事務局までご連絡願います。

(掲載サイト:http://www.toushitsuseigen.or.jp/activity

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テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
作りおきおかずで簡単! 糖質オフのダイエット弁当 2万部達成しました。
おはようございます。

7月11日に拙著

『作りおきおかずで簡単! 糖質オフのダイエット弁当』家の光協会
江部康二 大庭英子 著




が、第6版、1,500部の増刷が決定、累計で18,500部、2万部まであと一息ですと記事にしたところ、なんと出版社から第7版、2,500部の増刷の連絡が入りました(^O^)

これで累計21,000部となりました\(^o^)/

ブログ読者の皆様には、多くの応援をいただきありがとうございますm(__)m

家の光協会は、JAの出版部門になります。

あまり大々的な宣伝はしていないのですが、今年に入って、増刷のペースが早まっているようです。

著名な料理研究家の大庭英子先生にメニューを考えて頂いてますので、レストランのメニューのようなレシピではなく、実際に簡単に作れてしかも美味しいといったところが好評のようです(^^)

糖質制限食でどんなお弁当を作ればよいか悩まれてる方はもちろん、日々のおかずの参考にもなりますので、是非ご一読いただければ幸いです。


江部康二


テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
ケトン体は人類の日常的な主要なエネルギー源。
おはようございます。

今回の記事では、まずケトン体は、人類の日常的な主要なエネルギー源であることを強調したいと思います。

糖質を普通に食べている人においても、空腹時は「脂肪酸-ケトン体」が人体の主たるエネルギー源なのです。

インスリン作用が保たれている時の生理的ケトン体上昇は、安全です。

一方、糖質摂取には大きなリスクがあります。

現代の糖質摂取量状況は明らかに過剰であり、従来の糖尿病食は危険であるということを論証します。

1)「脂肪酸-ケトン体エネルギーシステム」

スーパー糖質制限食では「脂肪酸-ケトン体エネルギーシステム」が主たるエネルギー源となります。

スーパー糖質制限食実践者において、エネルギー源としてタンパク質を利用することは、ほとんどありません。


2)ケトン体は人体の、極めて効率のよい主要なエネルギー源

糖質を普通に食べている人の、血中総ケトン体の基準値は、「26~122μM/L 」くらいです。

つまり、糖質を食べている人でも、日常的に24時間血中ケトン体は存在しているわけです。

糖質摂取開始後数時間くらいまでは心筋・骨格筋の主たるエネルギー源はブドウ糖です。

食事開始後から2時間くらいまでは、身体は食事由来のブドウ糖を利用します。

2時間経過すると肝臓のグリコーゲン分解で血糖値を保ちます。

糖質摂取開始後数時間くらい経過すると、肝臓の糖新生で血糖値を保つようになりますが、その頃には心筋・骨格筋など体細胞の主たるエネルギー源は<脂肪酸-ケトン体>に切り替わっていきます。

従って糖質を摂取している人においても、夜間睡眠時とか、日中でも空腹時は、心筋・骨格筋などの主たるエネルギー源は、実はブドウ糖ではなく<脂肪酸-ケトン体>なのです。

ケトン体は決して燃焼カスではなく、極めて効率のよい主要なエネルギー源なのです。

このことを多くの医師・栄養士がご存じないのは大変困ったもので、医療現場で混乱のもととなっています。

3)赤血球、脳、網膜など特殊な細胞は空腹時もブドウ糖がエネルギー源

夜間睡眠時や空腹時などにもブドウ糖をエネルギー源としているのは、赤血球、脳、網膜など特殊な細胞だけです。

夜間睡眠時とか、日中でも空腹時は、心筋・骨格筋などの主たるエネルギー源は、ブドウ糖ではなく<脂肪酸-ケトン体>なのです。

つまり糖質を普通に摂取している人においても、「脂肪酸-ケトン体」はごく日常的なエネルギー源として、全ての人類において利用されているというのが生理学的事実です。

4)食事中も「脂肪酸-ケトン体」がエネルギー源

スーパー糖質制限食実践者の場合は、食事中も「脂肪酸-ケトン体」がエネルギー源として利用されています。

つまりステーキを食べている最中にも脂肪は分解されて燃えているわけです。

このとき血中ケトン体濃度は、現行の基準値よりはるかに高値となりますが、インスリン作用が働いているので、生理的であり、全く安全です。

人類700万年間の狩猟・採集時代は糖質制限食なので、ご先祖は、日常生活の多くの場面で同様に「脂肪酸-ケトン体」をエネルギー源としていたと考えられます。

このことは、備蓄エネルギーの観点から考慮すると、体脂肪が10kgあれば、90000kcalとたっぷりあるのに対して、グリコーゲン250gなら、わずか1000kcalしかないことからもわかると思います。

すなわち

人類において身体の多くの細胞の主たるエネルギー源は「脂肪酸-ケトン体エネルギーシステム」

で、「ブドウ糖-グリコーゲンエネルギーシステム」は、緊急事態(闘争、逃走など激しい筋肉の収縮時)や運良く糖質を摂取できたときだけの予備システムであったということです。

5)インスリン作用があればケトン体上昇は生理的で安全

インスリン作用があるていど働いていれば、血中ケトン体が現行の基準値より高値でも生理的状態なので、何の問題もなく安全です。

ちなみに、胎児胎盤の絨毛間液のβヒドロキシ酪酸(ケトン体の一種)濃度は、1730μM/L で基準値「76μM/L 以下」より、20~30倍高値ですが、胎児においてはこちらが基準値(58検体の平均)なのです。

同様に、生後4日目の新生児のβヒドロキシ酪酸濃度は240μM/Lで、やはり現行の基準値より高値ですが、新生児においてはこちらが基準値(312例の平均)なのです。

このように胎児、新生児において現行の基準値よりはるかに高値でも生理的で安全なケトン体が、成人においても危険なわけがないのです。

6)糖尿病ケトアシドーシスはインスリン作用が欠落しているときだけ発症

一方、インスリン作用が欠落しているときの、糖尿病ケトアシドーシスは重篤な病態であり危険です。

言い換えると、インスリン作用が欠乏していない限り、「糖尿病ケトアシドーシス」は絶対に生じないのです。

このように、「生理的ケトン体上昇」と「糖尿病ケトアシドーシス」とは、全くことなる状態であることを知る必要があります。

このことも多くの医師・栄養士がご存じないので、医療現場混乱のもととなっています。

7)炭水化物は現代の摂取状況では危険、必須糖質はない

炭水化物は、現代の摂取状況では危険な代物です。

例えば日本糖尿病学会が推奨する<糖質50~60%>という比率は、あきらかに糖質過剰摂取であり、「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」を必ず、引き起こします。

「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」は酸化ストレスリスクであり、動脈硬化、がん、老化、アルツハイマー病などの元凶
となります。

そもそも炭水化物は、過去700万年の狩猟・採集時代は人類があまり摂取してこなかった栄養素なのです。

必須アミノ酸、必須脂肪酸、ビタミン、ミネラルは人類に絶対に必要ですが、必須糖質はないのです。

700万年間の狩猟・採集(糖質制限食)時代に形成された人類の消化管・栄養・生理・代謝などのシステムは、糖質制限食に適合するように特化しています。

摂取エネルギーの50~60%を糖質からとるような人類進化の歴史に反するとんでもないバランスの食事が、如何にヒトの身体に負担になるか、想像にかたくありません。

すなわち現代人の普通の食事は、全て炭水化物の頻回過剰摂取といっても過言ではありません。

生活習慣病の根本要因は、炭水化物の頻回過剰摂取とそれに伴うインスリンの頻回過剰分泌であると、私は考えています。

*炭水化物=糖質+食物繊維


8)厚生労働省のいう推定エネルギー必要量が目安

スーパー糖質制限食は、カロリー無制限というわけではありません。

糖尿病学会のいうような、カロリー制限食は必要ありませんが、厚生労働省のいう推定エネルギー必要量が目安となります。

「日本人の食事摂取基準」(2015年、厚生労働省)
に示す推定エネルギー必要量の範囲、
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000041955.pdf

推定エネルギー必要量/日
              男性                  女性
15-17才        2500 2850 3150          2050 2300 2550kcal
18-29才        2300 2650  3050          1650  1950   2200
30-49才        2300 2650  3050            1750  2000  2300
50-69才        2100 2450  2800           1650  1900 2200 
70才          1850 2200  2500            1500  1750 2000

身体活動レベル    低い 普通 高い         低い  普通  高い

くらいが目安です。



江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
人体の各臓器や細胞の具体的なエネルギー源は何?2015年8月。
おはようございます。

人体の各臓器や細胞の具体的なエネルギー源は何なのか、大変興味深い問題ですので、復習を兼ねて検討してみます。

人体の主たるエネルギー源として

A)脂肪酸-ケトン体エネルギーシステム
B)ブドウ糖-グリコーゲンエネルギーシステム

の2つのシステムがあります。

人体のほとんどの細胞が、A)B)をエネルギー源として利用しています。

A)B)以外の例外のエネルギー源として、
『グルタミン』と『短鎖脂肪酸』があります。

C)グルタミン
小腸はグルタミンが主たるエネルギー源です。
グルタミンが50~60%、ケトン体が15~20%、ブドウ糖は5~7%とごく少ないです。
グルタミンは血液など細胞外液に最も多く含まれている遊離アミノ酸です。
食事中のグルタミンは、小腸上皮細胞や腸管付属リンパ節細胞の、エネルギー源となります。
グルタミンは腎臓、肝臓、白血球、繊維芽細胞などでも、エネルギー源として利用されます。
グルタミンは、大豆製品、豚、かつお、アーモンド、チーズ、
カシューナッツ、鱈、ニワトリ、サケ、ヒラメ、鱧、
しらす干し、鯛、サワラ、アジ、エビ、鯖、クルミ、ブリ・・・などいろんな食材に含まれています。

D)短鎖脂肪酸(*)
大腸(大腸上皮細胞)は、短鎖脂肪酸しか、エネルギー源として使いません。
大腸は腸内細菌が、食物繊維を分解して作った短鎖脂肪酸をエネルギー源として利用しているのです。
余った短鎖脂肪酸は、全身の細胞のエネルギー源として利用されます。
そうすると、ヒトも牛や馬と同様に食物繊維を腸内細菌の力を借りてエネルギー源にできるということです。

「食べない生き方(サンマーク出版)2013年」の著者、森美智代さんの場合、腸内細菌の短鎖脂肪酸産生能力が極めて高いと考えられます。
彼女は一日150gの青汁とビタミンC、ビール酵母、藍藻サプリ、乾燥柿の葉のお茶(1.5~2リットル)だけで、19年間、普通に生きておられます。



さて、A)B)がエネルギー源となっているほとんどの細胞について整理してみます。

キーワードは、ミトコンドリアと血液脳関門(**)です。

ミトコンドリアは細胞内にあるエネルギー生産装置です。

ミトコンドリアがあると、TCAサイクルを回して、脂肪酸やケトン体をエネルギー源として利用することができるのです。
血液脳関門は、脳細胞の毛細血管にあり、脳細胞を物理的かつ化学的に守っています。

1)赤血球
 ミトコンドリアを持っていないので、「ブドウ糖」しかエネルギー源として利用できません。
人体でミトコンドリアを持っていないのは、赤血球だけです。

2)脳
 脳はミトコンドリアを持っているのですが、血液脳関門のため、脂肪酸は大きいので通過できません。
 従って、「ブドウ糖+ケトン体」をエネルギー源として、利用します。

3)筋肉・内臓・脂肪など、ほとんどの体組織
 ミトコンドリアを細胞内に有し、血液脳関門もないので、
「ブドウ糖+ケトン体+脂肪酸」をエネルギー源として 利用します。

4)肝臓
 肝細胞のなかで、ケトン体が生成されますが、肝細胞自らはケトン体を利用せず、
血中に送り込んで他の 組織に供給します。
 従って肝細胞は 「ブドウ糖+脂肪酸」をエネルギー源として利用します。


このように整理してみると、肝臓や腎臓で糖新生(アミノ酸、乳酸、グリセロールなどからブドウ糖を作ること)をして最低限の血糖値を確保しているのは、ひたすら赤血球のためということがわかります。

例えば脳は、ケトン体をいくらでもエネルギー源として利用できるのです。

そして小腸がグルタミンを主たるエネルギー源にしているのは、食べ物を消化吸収したとき、ブドウ糖や脂肪酸は、自分ではエネルギー源として利用せずに、他の臓器や筋肉に供給するためと思われます。

まあ、入口の小腸でブドウ糖や脂肪酸をエネルギー源として消費してしまったら、後に控える他の臓器や筋肉はエネルギー不足になってしまいますので、なかなかよくできたシステムと思います。

このパターンは、肝臓が、自身が生産した最も効率のよいエネルギー源であるケトン体を、自らは使用せずに他の臓器や筋肉に供給するのと同じことと思います。

人体の各臓器や各細胞のエネルギー源、かなり整理整頓できたと思います。 (^^)

今回の記事に関しては、清水健一郎先生の2冊のご著書がとても参考になりました。


治療に活かす!
栄養療法 はじめの一歩
清水健一郎 著
羊土社 2011年2月

モヤモヤ解消! 栄養療法にもっと強くなる
〜病状に合わせて効果的に続けるためのおいしい話
清水 健一郎  著
羊土社  2014年3月



江部康二


(*)
短鎖脂肪酸
ウィキペディア
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9F%AD%E9%8E%96%E8%84%82%E8%82%AA%E9%85%B8

短鎖脂肪酸(たんさしぼうさん、英: SCFA)は脂肪酸の一部で、炭素数6以下のものを指す。具体的には酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、酪酸、イソ吉草酸、吉草酸、カプロン酸、乳酸、コハク酸を指す。

反芻動物における役割

摂取した飼料が反芻胃内で微生物の発酵を受ける反芻動物においては、この発酵の際に生じる短鎖脂肪酸(主に酢酸、プロピオン酸、酪酸)が主なエネルギー源となる。 反すう胃内で生成した酪酸の多くは反すう胃粘膜でβ-ヒドロキシ酪酸に換されるため、肝門脈に現れるのはおよそ10分の1となる。このとき生成されるβ–ヒドロキシ酪酸も反すう家畜にとってはエネルギー源となる。 また、プロピオン酸の多くは肝臓で糖新生に利用され、反芻動物の糖要求の多くはプロピオン酸からの糖新生によってまかなわれる。



(**)
血液脳関門
ウィキペディア
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A1%80%E6%B6%B2%E8%84%B3%E9%96%A2%E9%96%80

<血液脳関門>

血液脳関門(けつえきのうかんもん、英語: blood-brain barrier, BBB)とは、血液と脳(そして脊髄を含む中枢神経系)の組織液との間の物質交換を制限する機構である。これは実質的に「血液と脳脊髄液との間の物質交換を制限する機構」=血液髄液関門 (blood-CSF barrier) でもあることになる。ただし、血液脳関門は脳室周囲器官(松果体、脳下垂体、最後野など)には存在しない。これは、これらの組織が分泌するホルモンなどの物質を全身に運ぶ必要があるためである。

<構造>

血液脳関門は、毛細血管の内皮細胞の間隔が極めて狭いことによる物理的な障壁であるが、これに加え、中枢神経組織の毛細血管内皮細胞自体が有する特殊な生理的機能、すなわち、グルコースをはじめとする必須内因性物質の取り込みと異物を排出する積極的なメカニズムが関与している。脂肪酸は脳関門を通れないため、脳は通常、脳関門を通過できるグルコースをエネルギー源としている[1]。グルコースが枯渇した場合、アセチルCoAから生成されたケトン体も脳関門を通過でき[2]、脳関門通過後に再度アセチルCoAに戻されて脳細胞のミトコンドリアのTCAサイクルでエネルギーとして利用される[1]。血液脳関門の働きにより、中枢神経系の生化学的な恒常性は極めて高度に維持されている。

その一方で、アルコール、カフェイン、ニコチン、抗うつ薬は、脳内へ通過できる[3]。かつては分子量500を超える分子(多くの蛋白質など)や、脂溶性が低い荷電したイオンは脂質二重膜を透過できず、血液循環から中枢神経系の中に入ることができないとされていた(分子量閾値説)が[4]、近年の研究により、脳毛細血管内皮細胞の細胞膜に存在するタンパク質が、脳内から血管へ物質を積極的に排出していることが明らかにされている[5]。

こうした毛細血管内皮細胞の機能はリンパ球やマクロファージや神経膠細胞から放出されるサイトカインによってコントロールされ得る。このため、脳炎や髄膜炎のときは血液脳関門の機能は低下する。また、膿瘍その他の感染巣形成や腫瘍といった、よりマクロなレベルの破壊を起こす疾患の存在によっても、血液脳関門は破綻する。

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質制限食「コラボ東京講演会:夏井睦先生&江部康二」のご案内
おはようございます。

糖質制限食「コラボ東京講演会:夏井睦先生&江部康二」のご案内です。

コラボ東京講演会は

「元気過ぎる医師が語る、糖質制限食 ~人類の食・糖尿病」

と題して、ベストセラー「炭水化物が人類を滅ぼす」(2013年光文新書)の著者で、当会顧問の夏井睦先生と江部康二のコラボ講演会です。

夏井先生は「糖質制限から見た初期人類史」というお題ですので、何だか壮大なお話が聞けそうです。
乞う、ご期待ですね。

関東方面の方々、多数のご参加を待っております。


江部康二


*********
以下、事務局からのお知らせです。

ブログ読者の皆様、講演会へいつも多数ご参加いただきまして、ありがとうございます。

10月4日(日)の東京で、一般の方向けの講演会を開催いたします。

今回の講師は、ベストセラー「炭水化物が人類を滅ぼす 糖質制限からみた生命の科学」(2013年光文新書)の著者で、当会顧問の
夏井睦先生と江部康二理事長です。

皆様のご参加を心よりお待ちしております。

*おかげさまで残席が30席弱となりまして、参加ご希望の方はお早めにお申し込みいただけますと幸いです。

///////////////////ご案内/////////////////////

一般社団法人日本糖質制限医療推進協会主催 講演会(東京)

「元気過ぎる医師が語る、糖質制限食 ~人類の食・糖尿病」


■日時: 10月4日(日)13:20~16:10頃 
  ※入場受付・開場は13:00~

■会場:WATERRAS COMMON (ワテラスコモン)
    3F「ワテラスコモンホール」
     東京都千代田区神田淡路町2丁目101番地
    http://www.waterrascommon.com/access.html

■内容:

◆講演1:糖質制限から見た初期人類史

講師: 夏井 睦 医師 
    練馬光が丘病院 傷の治療センター科長
    一般社団法人 日本糖質制限医療推進協会 顧問

◆講演2: 糖尿病と糖質制限食

講師: 江部 康二 医師
    一般財団法人 高雄病院 理事長
    一般社団法人 日本糖質制限医療推進協会 理事長   

◆質疑応答

※講演は各60分を予定しています。

※講演後、両講師による質疑応答を30分程度予定しています。


■受講費: 賛助会員 2,500円 / 一般(非会員) 3,000円

■お支払い方法:

クレジットカード/銀行振込/郵便振替  ※事前決済のみとなります。

■お申し込みの流れ:

1. 下記「お申し込み方法」の該当するものからお申し込み下さい。
2. 事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3. 入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4. 当日、直接会場までお越し下さい。

■お申し込み方法:

★賛助会員の方:事務局までメールにてお申し込み下さい。

★賛助会員入会をご希望の方:

  1. 入会案内および会員規約をお読み下さい。
   http://www.toushitsuseigen.or.jp/#!membership/cdt9

 2. お申し込みは下のフォームからお願いします。
   「通信」欄に「10/4 東京講演会受講希望」とご記入下さい。
   http://www.toushitsuseigen.or.jp/contact
  
★一般(非会員)で、講演会の受講のみご希望の方:
  下のフォームからお申し込み下さい。
  http://www.toushitsuseigen.or.jp/seminar-gen

■その他:

・予約制です。当日参加はできません。
・キャンセルは10月2日(金)までに事務局までご連絡願います。

(掲載サイト:http://www.toushitsuseigen.or.jp/activity

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テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
人工甘味料の定期摂取は糖質セイゲニストにはリスクにならない可能性大。
こんばんは。

前回の記事は、何が言いたいか焦点がやや、わかりにくいところがあったと思います。

従いまして、今回の記事は 、人工甘味料を定期的摂取したときのリスクに関しての考察に絞って整理してみました。

2015年7月22日のブログ記事では

『人工甘味料飲料を定期的に摂取すると、砂糖摂取と同程度に肥満・2型糖尿病・メタボリックシンドローム・心血管イベントリスクを高める恐れがあるので、やめた方がいいようです。』

と、そのときの私の見解を述べました。

しかしその根拠となる Trends in Endocrinology & Metabolism(TEM)に掲載された論文(☆)は、

糖質を普通に摂取している集団において、
A)人工甘味料飲料水定期摂取グループ
B)砂糖飲料水定期摂取グループ
C)甘味飲料を定期摂取していないグループ
A)B)C)の3グループを比較研究したものです。

私自身、サントリーオールフリー350ml缶(アセスルファムKを含有)を、夏は毎日のように定期摂取していますが、スーパー糖質制限食実践中なので、肥満・2型糖尿病・メタボリックシンドロームなどのリスクは全くないと思います。

あくまでも私見ですが、糖質セイゲニストにおいては、人工甘味料飲料水を定期的に、通常量(350ml×1~3回/日)とか摂取しても肥満しないし、2型糖尿病にもならないし、メタボにも心筋梗塞にもならないと思います。

このように、人工甘味料飲料を定期的に摂取して、肥満・2型糖尿病・メタボリックシンドローム・心血管イベントリスクを高める恐れがあるのは、普通に糖質を摂取している人における話と思います。


さて上述の

「ノンカロリー人工甘味料は、予想に反して代謝を障害し疾患リスクを増加させる」

という人工甘味料に関する総説論文に関して検討してみましょう。

Trends in Endocrinology & Metabolism(TEM)に掲載された論文(☆)です。

TEMの2012年のインパクトファクターは8.901ですのでなかなかの医学雑誌です。

まず、人工甘味料のみでは、インスリンやインクレチン分泌が促進されることはないことが記載されています。

人工甘味料を直接胃や腸に注入しても、通常の食後に起こるホルモン(インスリンやGLP-1のようなインクレチン)分泌の急性変化は起きないことが知られているとのことです。

しかし、人工甘味料飲料が、体重減少に役立ったり、2型糖尿病・メタボリックシンドローム・心血管イベントを防止したりするといった証拠はほとんど得られていないし、人工甘味料飲料を定期的に摂取している人は、そうでない人よりそれらの疾患のリスクが上昇するとのことです。

そのリスクの増加は、従来の砂糖による飲料と同程度だそうです。

TEM掲載論文(☆)の結論です。

1)人工甘味料は、インスリンを追加分泌させない。
2)しかし、人工甘味料飲料を定期的に摂取すると、肥満・2型糖尿病・メタボリックシンドローム・心血管イベントリスクを
  高める恐れがある。
3)飲料以外に含まれる人工甘味料が、どのような影響を及ぼすかは、はっきりしていない。

少なくとも、糖質を普通に食べている人においては、人工甘味料清涼飲料水を毎日飲んだりするのは、辞めた方がいいようですね。

一方、あくまでも私見ですが

糖質セイゲニストに関しては、人工甘味料飲料を定期的に常用量を摂取しいても、肥満・2型糖尿病・メタボリックシンドローム・心血管イベントリスクを高める恐れはないと思います。

スーパー糖質制限食そのものが、「肥満・2型糖尿病・メタボリックシンドローム・心血管イベント」のリスクを大幅に減らしています。

あとは、読者の皆さん、人工甘味料や人工甘味料飲料に関しては、自分で考えて、自己責任でお願いします。 m(_ _)m


江部康二



(☆)

Artificial sweeteners produce the counterintuitive effect of inducing metabolic derangements.

Susan E. Swithers

Trends in Endocrinology & Metabolism, Volume 24, Issue 9, 431-441, 11 July 2013
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
人工甘味料は、血糖値を上げず、インスリンも分泌させない。定期摂取は?
こんにちは。

今回は、もう一回復習を兼ねて、人工甘味料と血糖値、インスリンの正確な情報のお話です。

根拠となる論文も示しますが、個人的見解が少し変わりました。

まず変わらない結論ですが、

人工甘味料は血糖値を上昇させることはありません。
人工甘味料はインスリンを分泌させることもありません。


ネットでは、相変わらず、
「人工甘味料が血糖を上昇させる」
「人工甘味料がインスリンを分泌させる」
といった、間違った情報が日常的に発信されていますので、私も繰り返し正確な情報を発信する必要があるようです。

2013年8月29日の本ブログ記事で

『人工甘味料が直接、人の膵臓のβ細胞に作用して、大量のインスリン追加分泌を出させる』

というのは、全く事実無根の誤解ということを述べました。


すなわち、人工甘味料が直接、インスリンを分泌させるということはありません。


次いで人工甘味料の定期的摂取に関してです。

2015年7月22日のブログ記事では

『人工甘味料飲料を定期的に摂取すると、砂糖摂取と同程度に肥満・2型糖尿病・メタボリックシンドローム・心血管イベントリスクを高める恐れがあるので、やめた方がいいようです。』

と、そのときの私の見解を述べました。

しかし、その根拠となる Trends in Endocrinology & Metabolism(TEM)に掲載された論文(☆)は、

糖質を普通に摂取している集団において、
A)人工甘味料飲料水定期摂取グループ
B)砂糖飲料水定期摂取グループ
C)甘味飲料を定期摂取していないグループ
A)B)C)の3グループを比較研究したものです。

私自身、サントリーオールフリー350ml缶(アセスルファムKを含有)を、夏は毎日のように定期摂取していますが、スーパー糖質制限食実践中なので、肥満・2型糖尿病・メタボリックシンドロームなどのリスクは全くないと思います。

あくまでも私見ですが、糖質セイゲニストにおいては、人工甘味料飲料水を定期的に、通常量(350ml×1~3回/日)とか摂取しても肥満しないし、2型糖尿病にもならないし、メタボにも心筋梗塞にもならないと思います。

このように、人工甘味料飲料を定期的に摂取して、肥満・2型糖尿病・メタボリックシンドローム・心血管イベントリスクを高める恐れがあるのは普通に糖質を摂取している人における話と思います。


さて上述の

「ノンカロリー人工甘味料は、予想に反して代謝を障害し疾患リスクを増加させる」

という人工甘味料に関する総説論文に関して検討してみましょう。

Trends in Endocrinology & Metabolism(TEM)に掲載された論文(☆)です。

TEMの2012年のインパクトファクターは8.901ですのでなかなかの医学雑誌です。

まず、人工甘味料のみでは、インスリンやインクレチン分泌が促進されることはないことが記載されています。

人工甘味料を直接胃や腸に注入しても、通常の食後に起こるホルモン(インスリンやGLP-1のようなインクレチン)分泌の急性変化は起きないことが知られているとのことです。

しかし、人工甘味料飲料が、体重減少に役立ったり、2型糖尿病・メタボリックシンドローム・心血管イベントを防止したりするといった証拠はほとんど得られていないし、人工甘味料飲料を定期的に摂取している人は、そうでない人よりそれらの疾患のリスクが上昇するとのことです。

そのリスクの増加は、従来の砂糖による飲料と同程度だそうです。

TEM掲載論文(☆掲)の結論です。

1)人工甘味料は、インスリンを追加分泌させない。
2)しかし、人工甘味料飲料を定期的に摂取すると、肥満・2型糖尿病・メタボリックシンドローム・心血管イベントリスクを
  高める恐れがある。
3)飲料以外に含まれる人工甘味料が、どのような影響を及ぼすかは、はっきりしていない。

少なくとも、糖質を普通に食べている人においては、人工甘味料清涼飲料水を毎日飲んだりするのは、辞めた方がいいようですね。

一方、あくまでも私見ですが

糖質セイゲニストに関しては、人工甘味料飲料を定期的に常用量を摂取しいても肥満・2型糖尿病・メタボリックシンドローム・心血管イベントリスクを高める恐れはないと思います。

スーパー糖質制限食そのものが、「肥満・2型糖尿病・メタボリックシンドローム・心血管イベント」のリスクを大幅に減らしています。

あとは、読者の皆さん、人工甘味料や人工甘味料飲料に関しては、自分で考えて、自己責任でお願いします。 m(_ _)m


江部康二



【(☆)<論文総説内容>

1. ノンカロリー清涼飲料水=ASB(artificially sweetened beverage)と

   従来の砂糖による清涼飲料水=SSB(sugar-sweetened beverage)

2. ノンカロリー人工甘味料を用いた清涼飲料水(ASB)による悪影響

(1) ASBの飲用についての観察研究

(2) ASBの効果を見る介入研究

(3) ASB飲用と肥満についての因果関係は正しいのか?


3. ASB飲用に対する生理的反応

(1) 人工甘味料摂取は、ショ糖摂取とは異なる脳の反応を引き起こす

(2) 人工甘味料のみではインスリンやインクレチン分泌が促進されることはない

(3) ノンカロリー人工甘味料を摂取すると、摂食後のインスリンやインクレチンの放出が増強されなくなる


4. ASB飲用による生理的反応の障害: ASBは学習によって獲得した反応(learned responses)を減弱させる


結語

① ヒトやマウス・ラットモデルにおいて、ASBが体重減少に役立ったり、2型糖尿病・メタボリックシンドローム・心血管イベ強調文ントを防止したりするといった証拠はほとんど得られていない。一方、ASBを定期的に摂取しているヒトでは、そうでないヒトよりそれらのリスクが増加すること(しかもそのリスク増加は、SSB摂取の場合と同程度)が示唆されている。

② このような、今までの常識に反する結果は、ASBが「SSBの摂取後に引き起こされるべき、学習によって獲得された反応を減弱させる」という効果(ASB摂取ではSSB摂取の際に得られるはずのエネルギーが得られないので、それを代償するために起こると考えられる)を持つことによる考えられている。

③ノンカロリー人工甘味料は多くの食物にも含まれるようになってきた。そのような食物がASBのように体重や代謝に対して悪影響を与えるのか どうかは、まだはっきりしていない。しかし、食物の甘味は、ノンカロリーかどうかによらず摂取に注意が必要であることは間違いなさそうである。】



(☆)

Artificial sweeteners produce the counterintuitive effect of inducing metabolic derangements.

Susan E. Swithers

Trends in Endocrinology & Metabolism, Volume 24, Issue 9, 431-441, 11 July 2013


この英文論文を、「一人抄読会」というブログで、
糖尿病・代謝内分泌科のドクターが要約と解説をしておられます。

詳しい内容は、

一人抄読会 
http://syodokukai.exblog.jp/19325507 

を見て頂けば幸いです。
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質制限ドットコムより、糖質オフ パウンドケーキが新発売となりました。
こんにちは。

台風一過、夏の日差しとセミの声が戻ってきました。

今日もまた暑くなりそうです(^_^;)

さて、あらてつさんの糖質制限ドットコムより、糖質オフ パウンドケーキが新発売となりました。

パウンドケーキ


一昨年、私がコラムを連載していたマルヤナギさんの系列会社、株式会社だいずデイズさんのスーパー発芽大豆粉を使い、たっぷりのバターで、しっとり焼き上げたパウンドケーキです。

少量で腹持ちがいいので、朝食や間食はもちろん、糖質制限食に取り組んで口寂しい時などにお勧めです(^^)

スーパー発芽大豆については、だいずデイズさんのこちらのページに詳しいです。

スーパー発芽大豆とは?
http://daizu-days.com/otameshilp/

マルヤナギさんとだいずデイズさんは、「主食を抜けば糖尿病は良くなる」を書いた頃からのお付き合いで、蒸し大豆など日頃から私も食べています(^O^)

で、この糖質オフパウンドケーキですが、スーパー発芽大豆粉を使っているので、一般的な大豆粉よりも匂いが少なく、大変食べやすいです。

また、食物繊維も豊富なので、糖質制限食に取り組んで便秘になりがちな女性の方にも嬉しいですね。

女性だけじゃなくて、便秘気味の男性でもOKですが(^_^;)

糖質セイゲニストの皆さん、是非一度お試しあれ(^O^)


江部康二


詳細と販売はこちら


糖質オフ パウンドケーキ
http://www.toushitsuseigen.com/products/detail110.html
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
特定健康診査(メタボ健診)でひっかかり、糖質制限食で改善。
【15/08/24 静岡ロードスター

死の四重奏から生還しました

江部先生

初めてメール差し上げます。
63歳 男性、身長177cm、定年後再雇用制度を使ってフルタイムで働いています。
母親が筋金入りの糖尿病で、軽度の脳梗塞や心筋梗塞もおこしインシュリン生活です。

私は昨年の人間ドックでメタボ項目がすべて該当し、労災2次検診を受けました。 
労災2次検診は政府所管の保険事業では唯一黒字の保険のためか、以下の項目をすべて満たしたメタボ人を対象に、
労災保険が費用を出して2次検診を受けさせる制度のようです。

 ①血圧 収縮期血圧:130mmHg以上または拡張期血圧:85mmHg以上
 ②脂質 LDLコレステロール:140mg/dl以上またはHDLコレステロール:40mg/dl未満または中性脂肪:150mg/dl以上
 ③血糖値 空腹時血糖:100mg/dl以上またはHbA1c:5.6%以上(NGSP)
 ④肥満 BMI:25以上または腹囲:男性 85cm以上 / 女性 90cm以上

これは死の四重奏とも呼ばれるようで、すべて該当すると突然死の確率が高くなるため、労災保険を使って未然防止を狙っているようです。 それほど危ないってこと(?!)

2年前までは②のコレステロールの項目だけは基準内で助かっていましたが(それでも三重奏)、昨年はLDL-Cも基準オーバーとなり、めでたく(?)全項目該当してしまいました。(涙)

2次検診は血液検査以外に頸動脈のエコーや運動や食事の生活指導もありました。
幸い数値がそれほど高くなかったため通院や投薬はありませんでしたが、医師からは10kg減量するよう指導されました。 
指導した医師は私よりもBMIが大きそうでしたが、、、(笑)。
食事指導は糖質制限でなくてカロリー制限を指導されました。指導していただいた保健師さんの体型は、BMIが私をはるかに超えているようでした。

母親の糖尿病のこともあり先生の著書も知っていましたので、早速、先生の本を購入して勉強しました。

2次検診を受けた10月から緩いスタンダード糖質制限、今年に入ってからは主食を取らない緩いスーパー糖質制限にしました。
お酒はプレモルから糖質ゼロ発泡酒です(涙)
最初はおなかが減って辛かったですが、3ヶ月ほど経ったら体調絶好調になりました。

体重は10kg減までは減らなかったものの、
1年後の今月の人間ドックでは腹囲が7cm以上減ってメタボ基準の85cmを切りました。
医師や保健師さんからは「もうメタボじゃありません。リバンドしないよう、今の生活を続けてください。」と言われました。
糖質制限恐るべしです。

主な数値は、2014年8月→2015年8月(★マークは基準外)
体重 84→76.5 BMI 26.8★→24.5 腹囲 92★→84.5
血圧 136★/88★ →128/80
総コレステロール 203→188 HDL-C 55→60 LDL-C 141★→122 
中性脂肪 113→63
空腹時血糖値 111★→100★ HbA1c(NGSP)5.8★→5.7★
ALP(GPT) 17→9★ γ-GTP 42→20
BUN 18→20 クレアチニン 0.82→0.78

血糖値が基準を超えてるのは家系の影響でしょうか。
また、糖質制限はしましたがアルコール制限は全くしなかったにもかかわらず、昨年エコー検査で見つかった脂肪肝が消えてました。 
γGTPも大幅ダウン、ALPは今年、下限で★マークでした。

本当に江部先生に救われました。ありがとうございました。】



厚生労働省

生活習慣病予防にお役立てください
特定健康診査(いわゆるメタボ健診)・特定保健指導

1.背景
 現在、高齢化の急速な進展に伴い、疾病全体に占めるがん、虚血性心疾患、脳血管疾患、糖尿病等の生活習慣病の割合が増加傾向です。また、死亡原因でも生活習慣病が約6割を占めている状況です。
 また、生活習慣病の発症前の段階であるメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)が強く疑われる者と予備群と考えられる者を合わせた割合は、男女とも40歳以上では高く、男性では2人に1人、女性では5人に1人の割合に達しております。
このような中で、国民の、生涯にわたって生活の質の維持・向上のために、糖尿病、高血圧症、脂質異常症等の発症、あるいは重症化や合併症への進行の予防に重点を置いた取組が重要と考えます。


おはようございます。

静岡ロードスター さんから、糖質制限食で死の四重奏から生還という嬉しいコメントを頂きました。
拙著のご購入もありがとうございます。


e-ヘルスネット(厚生労働省)
死の四重奏(しのしじゅうそう)

1989年にアメリカで提唱された概念。
上半身肥満・糖代謝異常・高中性脂肪血症・高血圧の4つが重なり、冠動脈疾患が起きやすい状態。

メタボリックシンドロームの概念のいわば前身で、上半身肥満・糖代謝異常(糖尿病)・高中性脂肪血症(高脂血症)・高血圧が合併した状態を指します。

1989年にアメリカの研究者カプラン(Kaplan NM)によって提唱され、冠動脈疾患による死亡率が高く、まさに死の序曲を奏でるという意味合いから「死の四重奏(The Deadly Quartet)」と呼ばれました。

メタボリックシンドロームの概念との違いが曖昧に紹介されることがよくありますが、メタボリックシンドロームでは糖代謝異常・脂質代謝異常・高血圧の上流に、それらの原因として内臓脂肪蓄積を置いている点が大きく異なります。

メタボリックシンドロームは、この死の四重奏をはじめシンドロームX・インスリン抵抗性症候群・マルチプルリスクファクター症候群などの一連の概念を最終的に整理したものといえます。なお特定健診・特定保健指導では、メタボリックシンドロームの和名表記の同義語として「内臓脂肪症候群」の呼称を用いています。


上記の厚生労働省jのサイトで確認したところ、メタボリックシンドロームは、死の四重奏などの概念を発展させて整理したもので「内臓脂肪症候群」が同義語です。

つまり内臓脂肪蓄積から始まって、糖代謝異常・脂質代謝異常・高血圧に到るのがメタボリックシンドロームということです。

メタボ健診は、糖尿病、高血圧症、脂質異常症等の発症、あるいは重症化や合併症への進行の予防に重点を置いた取組です。

 ①血圧 収縮期血圧:130mmHg以上または拡張期血圧:85mmHg以上
 ②脂質 LDLコレステロール:140mg/dl以上またはHDLコレステロール:40mg/dl未満または中性脂肪:150mg/dl以上
 ③血糖値 空腹時血糖:100mg/dl以上またはHbA1c:5.6%以上(NGSP)
 ④肥満 BMI:25以上または腹囲:男性 85cm以上 / 女性 90cm以上

従って、通常の会社の健診に比べると、血圧と血糖値の基準がかなり厳しく設定されています。

早めに拾い上げて、発症予防に役立てようということのようです。

静岡ロードスター さんも、本格的高血圧や糖尿病を発症する前にメタボ健診でチェックされて、糖質制限食で減量成功です。
減量により、血圧は改善し、糖尿予備軍も正常化しています。
つまり、発症予防に成功しています。

そしてエコー検査で脂肪肝も改善で、HDL-Cが増加して、LDL-Cが基準値内となっています。
腹囲も改善して、内臓脂肪蓄積も正常化したようです。

ともあれ、①②③④全てが基準値内でメタボ脱却で、素晴らしい成果です。

これからも、美味しく楽しく末長く、糖質制限食をお続けください。

静岡ロードスター さんに10kg減量するように指導していただいた医師も保健師も、お二人とも立派なBMIだったのはご愛敬ですね。 ( ̄_ ̄|||)

指導していただいたメタボの医師や保健士さんは、カロリー制限食を実践しておられるのでしょうかね? (-_-;)


江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質制限ドットコムより、待望の大豆クッキーが復活です。
おはようございます。

あらてつさんの糖質制限ドットコムより、長らく販売が休止していた大豆クッキーが再販となりました(^^)

クッキー


思い起こせば10年前、『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』(東洋経済新報社)を上梓し、「糖質制限食」という言葉を初めて世に出した頃は、糖質制限食に対応できる食材や原材料など手探りの状態でした(^_^;)

そのような中で、「大豆粉」の存在を知り、パンやお菓子を作ってみたのですが、何分前例がなくレシピもないので、試行錯誤の連続でした。

度重なる失敗の末にようやく完成したのが大豆パン、大豆クッキー、大豆フィナンシェでした。

今でこそ糖質制限食と言う言葉が広がり、様々な糖質制限OK食材が販売されていますが、苦労の上に生み出されたクッキーが再販となりますと、感慨深いものがあります(^^)

再販と言いましても、10年前と比べて大豆粉もレシピも進化しておりますので、味に関しては格段の差があります。

プレーン、紅茶、ココアの三種類が用意されていますので、好みに合わせて選べるのが嬉しいですね。

また、大豆クッキーは常温で保存でき日持ちがしますので、講演に行く途中の新幹線の車中で食べることもあります。

忙しい時の診察の合間に食べるのにも便利です。

糖質セイゲニストの皆さん、是非お試しあれ(^o^)


江部康二


販売と詳細はこちらから


糖質オフ クッキー
http://www.toushitsuseigen.com/products/detail111.html

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
スーパー糖質制限食、緩やかな糖質制限食、質の良いHbA1c。
【15/08/22 魚田フラント

SU剤しかない…?

魚田フラントと申します。海辺に住む10年ほど前からの2型糖尿人。今年3月からの糖質セイゲニストです。

先生のブログや書籍を頼りに血糖値を下げようと「S糖質制限食」で頑張ってきています。いつもありがとう存じます。

さて、本日6週間ぶりにHbA1c検査&受診をしてまいりましたが、結果は7.2と前回6.7から0.5も上がってしまいました。

毎食時糖質は30g摂取程度に制限して5か月が経過しましたが、今回は良くなりませんでした。

主治医の話では、小生のような肥満型でない(当初身長166cm体重65kg→現在は体重55kg)糖尿人は「インスリン抵抗性」ではなく、「インスリン不足」のタイプが多く、糖質制限しても限界があるとの由。

SU剤で膵臓を刺激して血糖値を下げるしかない…と。

アマリール、セイブルそしてリバロの服用を2か月前に止め、メトグルコとジャヌビアは服用を続けてきています。

アマリールを止めた結果が出てきたのだろうということでした。食事、運動、特にストレスも無く、ここ6週間同じように暮らしてきたのに、やはりダメか…と少し落胆しています。

この後、朝の空腹時血糖を週3くらい測っていって血糖値が漸次上がってくるか様子見して、5週間後にSU剤を服用するか考えましょうとのことでした。

糖質制限食で良くなる投稿者さんのコメントをたくさん拝見致しますが、小生のような糖尿人もいますことをお伝え致します。

お読みいただき、ありがとう存じました。】



おはようございます。

魚田フラント さんから、「スーパー糖質制限食をしているが血糖値、HbA1cが改善しない」とのコメントをいただきましたので検討してみました。

魚田フラント さん

1gの糖質が、体重64kgの2型糖尿人の血糖値を約3mg上昇させます。

30gの糖質ですと、90mg上昇させます。

<30gの糖質>×3回/日。

そうすると食後血糖値は、一日三回、軽く180mgを超えているので、HbA1cが7.2%になったのだと思います。
推定平均血糖値は、159.9mg/dlです。

*推定平均血糖値(mg/dl)=HbA1c(NGSP)×28.7-46.7

少し勘違いされているようですが、魚田フラント さんが実践しておられるのは一回の食事で約30gの糖質ですので、<緩やかな糖質制限食>であり、<スーパー糖質制限食>ではありません。

また、アマリールを中止されて、30g×3回/日、糖質を摂取して、HbA1c7.2%なら、まあまあと思います。

つまり<緩やかな糖質制限食>でも、それなりの成果はでています。

アマリールを内服してのHbA1c6.7%は、「食後高血糖」「空腹時低血糖」「平均血糖変動幅増大」を伴う質の悪いHbA1cです。

「食後高血糖」「空腹時低血糖」「平均血糖変動幅増大」は酸化ストレスリスクとなります。

つまりアマリールを内服してHbA1c6.7%で一見良くても、合併症は防げない可能性が高いのです。

質の悪いHbA1cに関しては

2015年08月22日 (土)の本ブログ記事
「インスリン治療+カロリー制限食」。HbA1c6.2%なのに足指切断。


をご参照いただけば幸いです。


一方、アマリールを中止しての今回のHbA1c7.2%は、緩やかな糖質制限食ですので「食後高血糖」「平均血糖変動幅増大」が、カロリー制限食(高糖質食)に比べれば少し少なくて「空腹時低血糖」のない少しだけ質のいいHbA1cなのです。

アマリールは本人が気がつかずに、夜中などに低血糖を起こしやすい藥で危険なのですが、中止すれば低血糖のリスクはなくなります。

まあ、それでも一回30gの糖質ですので、ある程度の食後高血糖は起こりますし、ある程度の平均血糖変動幅増大もあります。

高雄病院の推奨するスーパー糖質制限食は、1回の食事の糖質摂取量を、<10~20g以下>とします。

スーパー糖質制限食なら、食後血糖値の上昇は、30~60mg以下で済みます。

これなら食後血糖値は180mgを超えないので、魚田フラント さんの場合、アマリールを中止してもHbA1cは6.7%以下を回復すると思います。

そしてスーパー糖質制限食なら「食後高血糖」「低血糖」「平均血糖変動幅増大」は皆無であり、酸化ストレスリスクのない極めて質のいいHbA1cです。

このように<緩やかな糖質制限食>は<従来の糖尿病食(高糖質食)>に比べると「食後高血糖」「平均血糖変動幅増大」に関してはある一定改善します。

しかしその改善効果は、魚田フラント さんが経験されたように、<スーパー糖質制限食>比べると、かなり弱いです。

やはり、糖尿人には、スーパー糖質制限食がお奨めです。


江部康二




【15/08/22 魚田フラント

30gから20gへの壁は高い!「スーパーではなかった?糖質制限食」(恥)

江部先生、早速のご教授恐縮です。

「Sではなかった?糖質制限食」に取り組んだ3月からは、おっしゃるとおり体重もHbA1cもぐんぐんと減って下がって、現在では体重10kg減(学生時代とほぼ同じ)HbA1cも7.8から6.6(前々回検査)に改善してきた次第です。しかし…。

ただいまの先生のコメントを拝見してすぐに先生のご著書「食品別糖質量ハンドブック」を横に、改めて毎日の朝食(定番)の糖質量をチェックし直しました。小生は20g程度とふんでいたのですが、やはり30g台でした。…

パンは手作りフスマパン(糖質量4g)で糖質0gのチョコクリームだし…、フルーツも2切れにしたし…とスーパー糖質制限内に収まっているものとばかり思っておりましたが、糖質量は、今日のフルーツの梨で7g、ヨーグルトは5gもあり、砂糖無しのクリープ入り(シュウ酸予防の為)コーヒー一杯すらも3.8gもありました。これに野菜やらマヨネーズやらを加えていくと30gを少し超えていました。

小生の連れ合いは分かっていたようですが、「メトグルコとジャヌビアを服用しているからそんなに血糖値は上がらないのでは…と思っていた次第です。そのための薬の服用だと…。実際、日々の自己血糖測定によりますと、朝食前後の血糖値の差が20から50はあります。空腹時の血糖値が日によって110台から130台とばらついています。110台の時は食後は160以内ですが130台ですと180まではいきませんが近くまでは上がっていました。

早速、今日の夕食から、しっかりと糖質摂取20g内の「スーパー糖質制限食」に挑戦して、5週間後の6.5%以下を目指し、「SU剤はいらないね」と、小生の主治医に言っていただけるように頑張りたいと思います。

先生、ご指摘ご指導を感謝申し上げます。

63歳 魚田フラント拝】

テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
「インスリン治療+カロリー制限食」。HbA1c6.2%なのに足指切断。
おはようございます。

先日、外来に受診された糖尿病患者さんから、お聞きしたお話です。

知り合いが、数年来インスリンを打っていて、HbA1c6.2%くらいをいつも維持してきたのに、結果として足指5本全部切断になってしまったとのことでした。

日本糖尿病学会は、HbA1c7.0%未満が合併症予防のコントロール目標としています。

そうするとこの糖尿人は、合併症予防の目標を充分達成していたのに、足指切断に到ったということです。

何故このような悲劇が生じるのでしょうか?

8月20日(木)の記事でも述べましたが、糖尿病専門医が、通常外来でコントロールの指標としている「空腹時血糖値+HbA1c」だけでは、食後血糖値の有無は全くチェックできないのです。

例えば、「SU剤+カロリー制限食(高糖質食)」で、HbA1c6.4%くらいの糖尿人においてCGM(*)を実施してみると、食後の高血糖は全く防いでおらず、夜中とか空腹時に低血糖を起こしていることがわかりました。

食後高血糖220mg、空腹時低血糖50mgとかを一日通して平均したらHbA1c6.4%になっていたのです。

これでは「食後高血糖」「平均血糖変動幅増大」という糖尿人最大の酸化ストレスは防げないので、当然HbA1cは一見良くても、合併症は防げません。

これを質の悪いHbA1cと呼びます。

従って、SU剤は百害あって一利なしといった位置づけの薬剤であり、即販売中止すべきであると本ブログで再三再四、述べています。

さすがに、日本全国でも、SU剤の使用量は半減していると思いますので、心ある医師は、SU剤をどんどん止めておられるのでしょう。

そして「インスリン治療+カロリー制限食(高糖質食)」でも、よほどピッタリとインスリンの単位と糖質量がマッチングしない限り、血糖コントロールは困難です。

少しインスリンが足らなければ、食後高血糖は必発であり、少しインスリンが多ければ、低血糖は必発です。

これでは、HbA1cは一見良くても、結局「食後高血糖」「平均血糖変動幅増大」という糖尿人最大の酸化ストレスは防げていないので、合併症は防げないということです。

HbA1cは数年間6.2%くらいを達成していたのに、足指5本切断に到った糖尿人は、上述の質の悪いHbA1cであったこととなります。

「インスリン治療+カロリー制限食(高糖質食)」で10年以上、HbA1c6.0%前後を保ったのに、結局人工透析になった患者さんもおられます。この患者さんも、質の悪いHbA1cだったことになります。

この点、スーパー糖質制限食で、HbA1cが6.0%とか6.2%とかの糖尿人は、「食後高血糖」「平均血糖変動幅増大」は全くないので、とても質の良いHbA1cであり、合併症は生じません。

カロリー制限食(高糖質食)と薬物療法で血糖コントロールしておられる糖尿人は、HbA1cが良いからと安心せず、血糖自己測定器で、食後の血糖値を測定してみましょう。

もし食後血糖値が高値なら、質の悪いHbA1cですので、糖質制限食を導入しなければ糖尿病合併症は防げません。

現実にはほとんどの医師は、食後高血糖に対処する知識を持っていないか、持っていても患者さんに指導しません。

糖尿人は、医師任せにせず、自分で身を守ることが必要です。


江部康二


(*)
CGM(Continuous Glucose Monitoring:持続ブドウ糖測定)システム

ブドウ糖値を数日間連続的に測定できる持続ブドウ糖測定装置(CGMS)が、2012年4月から日本でも保険適応となり、日常臨床で使用できるようになりました。

ブドウ糖値の日内変動を24時間通して把握できるので、SMBG(血糖自己測定器)やHbA1cによるデータとは異なる情報を得ることができます。

5分ごとに測定して、24時間で288回のブドウ糖測定が可能です。

血糖ではなく皮下間質液中のブドウ糖値を連続測定するのですが、血糖値と同様とみなしてよいと思われます。

2000年頃、欧米で開発され使用されるようになりました。


テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
HbA1cの検査機関による誤差。血糖自己測定器。
【15/08/19 a.m

こんなことって…

皆様のご質問、先生のご回答で勉強させていただいています。糖尿病予備軍とのことで、糖質制限食で救われ4年になります。何度かご教示いただいております。ありがとうございます。

きょうは、Hba1cの、検査機関による誤差についてお尋ねいたしたく存じます。

市立病院で糖質制限には懐疑的だが、そこは自己責任でということで、他にも脂質異常や高尿酸血症等で1ヵ月に1度採血していただいています。

そのa1c値が今年からじりじり上がり出し、昨年までは5.4~5.6ぐらいだった値が今年から5.7~5.9になり下がらなくなりました。5.9といえば平均血糖値が122.63ということになります。

自己測定器で測りますと、食後のピークで120前後、空腹時は89~100未満です。暁現象とやらかと明け方測りましても110未満です。

今年から始めたもので思い当たるもの、ココナッツオイルやコーヒーも止めてみましたがa1c値は5.9でした。

毎食8~10gの糖質摂取で5.9とはいつ高くなっているのだろうと恐ろしくなって、5.9と出た同じ日に別の医療機関で自費でHba1cとグリコアルブミンの検査していただきました。すると5.3でした(グリコアルブミンは14.4)。もちろんNGSPです。

自己測定器から見ましても5.3の平均105.41の方が近いと思います。ここまでの誤差が市立病院であり得るのでしょうか。検査方法の違いでこのようなことが発生するのでしょうか。

何卒、ご教示くださいますれば幸いです。】


おはようございます。

a.m さんから、 HbA1cの検査機関による誤差についてコメント・質問をいただきました。

血中クレアチニンの基準値とか、尿中アルブミンの基準値とか、様々な尿・血液の検査で、各施設間で基準値が少し違うことが多いです。

これは、使用する検査機器や検査キット、標準試薬などが異なるため、ある程度仕方のないことです。

HbA1cに関しては、各施設のデータがばらついている状況はまずいということで、日本糖尿病学会(JDS)により1993年から、国内での標準化が目指されました。

まずは、検査方法の統一化が進められました。

ついで、2001年に実試料標準物質「JDS Lot2」が認証されました。

その後、2006年に「JDS Lot3」が認証され切り替えられました。

JDS(Japan Diabetes Society)は、日本糖尿病学会のことです。

日本国内では、これで以前ほどは、施設間の差は無くなってきているはずなのですが・・・。

その後2012年4月1日から、HbA1cの表記が、国際基準のNGSP値となることに合わせて

JDS値で4.9%以下:    NGSP値(%)=JDS値(%)+0.3%
JDS値で5.0~9.9%:   NGSP値(%)=JDS値(%)+0.4%
JDS値で10.0~14.9%:  NGSP値(%)=JDS値(%)+0.5%

と変更されて現在に到ります。

しかしながら、検査機関による誤差は現在でも相変わらずあります。

HbA1cで0.2とか0.3%くらいは、日常的にあります。

統一を目指して日本糖尿病学会も努力はしてきたのですが、現実的にはそう上手くいっていないということです。

それでも、a.m さん の場合、同一日に別の検査機関で調べて5.9%が5.3%と、0.6%もの違いは、さすがに珍しいです。

ともあれ、どっちが正しいとか、二つの検査機関の誤差の原因を追及しても、得ることはほとんどないので、現実的な対応をするのが賢明と思います。

ということで、血糖自己測定器の血糖値データと一致する方のHbA1cの数値が信用できると思います。

従って、a.m さんのHbA1cは、5.3%とみなして良いと思います。

HbA1cの値に納得いかないとき、血糖自己測定器があると、便利です。

今回のa.m さんのように、別の検査機関で調べて確認することもできますね。

血糖自己測定器は、随分安価となったので、糖尿人の皆さんは是非購入されることをお奨めします。
得るものは多いと思いますよ。

現行の糖尿病外来での検査「空腹時血糖値+HbA1c」では、食後高血糖が見逃されてる可能性が極めて高いのです。

食後高血糖は糖尿病合併症の元凶の一つです。

糖尿人の皆さんにおいては、食後血糖値の測定が肝要なのです。

江部康二


☆☆☆
血糖自己測定器に関しては
2013年07月04日 (木)の本ブログ記事
「¥3500-の自己検査用グルコース(血糖)測定器 ニプロ 新発売」
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-2592.html

をご参照いただけば幸いです。
テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
「元気過ぎる医師が語る、糖質制限食 ~ロコモ・糖尿病 」 コラボ大阪講演会
おはようございます。

お盆が過ぎやっと、酷暑も過ぎ去った京都です。

ここ数日、大分しのぎやすくなり、夜もエアコンなしで眠れるようになりました。

本日はコラボ大阪講演会のご案内です。

今回は、一般向けの講演会です。

「元気過ぎる医師が語る、糖質制限食 ~ロコモ・糖尿病 」

と題して、テレビ東京系列「主治医が見つかる診療所」でもおなじみの中村巧先生(中村整形外科リハビリクリニック)と江部康二のコラボ講演会です。

中村先生は、2003年 から肥満外来を開設され、二人の管理栄養士と共に、12年 間で約2500例 のロ コモ肥満患者に糖質制限食と運動指導により健康的な減量指導を行って、素晴らしい成果をあげておられます。


「細マッチョ」が最後に笑う - 糖質制限+生物進化体操で、孫と走れる身体になる
中村 巧 (著), 桐山 秀樹 (その他)
中央公論新社


を、2015年7月に刊行されました。

ご自身は、軽くてしなやかな身体(細マッチョ)を作りあ げ100歳を超えて人生を走 れるように、自分の身体で挑戦 しておられます。

なお、私も現在65歳ですが、歯は全て残り虫歯はなしで、目は眼鏡なしで広辞苑が読めて日常生活不自由なしで、聴力も全く低下しておらず、夜間睡眠時の排尿もゼロで、背もまったく縮んでいません。

月、火、水、木、金、土と外来をこなし、入院患者さんも担当し、ブログを毎日更新し、講演は年間30回くらいこなし、本も毎年、書いています。

まあ、確かに元気ですね。

100歳まで生きるという現物を見たい方、
糖質制限食に興味のある方、
ロコモ・糖尿病に興味のある方、
肥満や生活習慣病に興味のある方、

などなど・・・

皆様奮って、是非ご参加のほどを・・・



江部康二



以下、事務局からのお知らせです。

☆☆☆

ブログ読者の皆様、講演会へいつも多数ご参加いただきまして、ありがとうござ います。

8月30日(日)、大阪・中之島で、

「元気過ぎる医師が語る、糖質制限食 ~ロコモ・糖尿病」

と題して、一般の方向けの講演会を開催いたします。

今回の講師は、マスターズ陸上の選手兼普及部長であり、テレビ東京系列「主治医が見つかる診療所」でもおなじみの医師、中村巧先生(中村整形外科 リハビリクリ ニック)と江部康二理事長です。

過密スケジュールもなんのその、ことさら元気な両医師が糖質制限を熱く語ります。

関西地区の皆様をはじめ、多数のご参加を心よりお待ちしております。


///////////////////ご案内/////////////////////

一般社団法人日本糖質制限医療推進協会主催 講演会(大阪)

元気過ぎる医師が語る、糖質制限食
~ロコモ・糖尿病

■日 時: 8月30日(日)13:50~16:30頃 
  ※入場受付・開場は13:30~

■会 場: 大阪大学中之島センター 10F
     「佐治敬三メモリアルホール」

〒530-0005 大阪市北区中之島4-3-53
http://www.onc.osaka-u.ac.jp/others/map/index.php

■内 容:

◆講演1:『細マッチョ』が最後に笑う(糖質制限と生物進化体操)
        ―健康長寿な日本人づくり― 

講師: 中村 巧 医師
    医療法人社団 中村整形外科リハビリクリニック 理事長
    株式会社 抗加齢医学研究所 代表取締役

◆講演2: 糖尿病と糖質制限食

講師: 江部 康二 医師
    (一財)高雄病院 理事長
    (一社)日本糖質制限医療推進協会 理事長   

◆質疑応答

※講演は各60分を予定しています。

※講演後、両講師による質疑応答を30分程度予定しています。


■受講費: 賛助会員 2,500円 / 一般(非会員) 3,000円

■お支払い方法:

クレジットカード/銀行振込/郵便振替  ※事前決済のみとなります。

■お申し込みの流れ:

1. 下記「お申し込み方法」の該当するものからお申し込み下さい。
2. 事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3. 入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4. 当日、直接会場までお越し下さい。

■お申し込み方法:

★賛助会員の方:事務局までメールにてお申し込み下さい。

★賛助会員入会をご希望の方:

  1. 入会案内および会員規約をお読み下さい。
   http://www.toushitsuseigen.or.jp/#!membership/cdt9

 2. お申し込みは下のフォームからお願いします。
   「通信」欄に「8/30 大阪講演会受講希望」とご記入下さい。
   http://www.toushitsuseigen.or.jp/contact
  
★一般(非会員)で、講演会の受講のみご希望の方:
  下のフォームからお申し込み下さい。
  http://www.toushitsuseigen.or.jp/seminar-gen

■その他:

・予約制です。当日参加はできません。
・キャンセルは8月28日(金)までに事務局までご連絡願います。

(掲載サイト:http://www.toushitsuseigen.or.jp/activity
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質制限ドットコムより、スーパープレミアムエクストラヴァージンオリーブオイル センタナリー入荷のお知らせ
おはようございます。

あらてつさんの糖質制限ドットコムから、スーパープレミアムエクストラヴァージンオリーブオイル センタナリー入荷のお知らせです。

このスーパープレミアムエクストラヴァージンオリーブオイル センタナリーは、アルベキーナという種類のオリーブのみ、しかも樹齢100年以上の木だけから集めた大変貴重なオリーブオイルです。

明らかに通常のオリーブオイルよりも濃厚で、オリーブ特有の辛みも強いのですが、一度食べたらクセになる美味しさです(^^)

発売以来大変好評で、 今年の入荷分は5月に早々に売り切れていたのですが、この度ようやく入荷致しました(^_^;)

なにぶん少量生産なので、一度売り切れると次の入荷まで時間が掛かってしまうのが難点ですが、待つだけの価値はあるオリーブオイルです(^O^)

オリーブオイル好きの糖質セイゲニストの皆さん、是非お試しあれ(^^)

以下、あらてつさんからのお知らせです。


江部康二




私ども京都高雄倶楽部が独占販売権を取得しております、樹齢100年を超えるオリーブの木から収穫した実だけを絞った、スーパープレミアムなエクストラヴァージン・オリーブオイル

“Centenary(センタナリー)”

せんたなり

お陰様で大変ご好評を頂いておりまして、こちらを使ったら、普通のモリドルオリーブオイルに戻れないと、嬉しいメールを頂戴しております。

いやいや、普通のモリドルオリーブオイルも、充分以上に美味しいのですが、やはり食べ比べてみると、むせ返るくらい濃厚な味と香りが、「ドヤッ!100年モンや!ドヤッ!」ってくらい、ノドの奥と鼻腔に強烈に主張してくるセンタナリーに、思わず「へへ〜、まいりました」と平伏してしまいます。

因みに、昨日サラダにかけてむせて吹き出してしまいました(笑)

そんなサラダ吹き出し記念日の今回は、センタナリーの故郷、スペインはレス・ガリゲス道中記再再掲です。 

バルセロナ中心部から、クリストフが150kmで運転する車で約2時間、やって来ましたレス・ガリゲス。

クリストフから

「な〜んも無いよ」

って言うくらいくらい田舎だと聞いておりましたが、どうしてなかなか風光明媚で素晴らしい町?村?です。


こんな感じ
町並み

町並み2

町並み3

こちらは教会
教会

なんと1462年建築!
1482年

雰囲気のいい町並みを抜けてオリーブ畑へ
オリーブ畑

広大な畑が広がっているんですが、すべてアルベキーナ種のオリーブです
オリーブ畑2


このオリーブ、樹齢300年だそうです
樹齢300年

青い実
青い実

熟した実
熟した実

クリストフと製造元の会長さん
エンリケさん

いろいろ話を聞いてます
ぱてー

近くのレストランにご招待頂きました
記念撮影

ここで一つ裏話。

よく、「希少な青い実を絞ったオイルです!」って謳い文句のオリーブオイルがありますが、どう違うの?って聞いたところ、「味が違う」だけだそうです(笑)

青い実なんて、「最初はみんな青いんだから希少でもなんでもない。」そうですよ(笑)

いや〜、日本で溢れている情報がいかにいい加減か、現地に行けばよく分かります。


さて、ここからは宣伝です(笑)

ご紹介した広大なオリーブ畑の、樹齢が100年以上のオリーブの木の実だけを摘み、新鮮なまま絞ったのが、私共京都高雄倶楽部が販売する、

スーパープレミアムエクストラヴァージンオリーブオイル センタナリー

せんたなり

樹齢100年の生命力を感じさせる強く芳醇な味と香り、“プレミアム”の名に恥じないオリーブオイルです。

で、どれだけ新鮮かといいますと、オリーブオイルの鮮度を示す基準値の「酸度」が

EU基準 0.8%

モリドルオリーブオイル 0.19%

センタナリー  0.09%

モリドルオリーブオイルでも基準値を大きく下回る酸度ですが、それをさらに、さらに下回る0.09%!を叩きだしております。

いかに新鮮かお分かり頂けるかと思います。


この、ちょー低酸度の、Denominación de Origen Les Garrigues(レ・ガリゲス原産地共同組合)で生産される、樹齢100年以上のオリーブの実だけを使ったプレミアムなオリーブオイル “Centenary(センタナリー)”

D.O.Garrigues(原産地管理呼称ガリゲス)の厳しい管理、監督下で作られたこのオイルはとても希少で、スペイン国内でも入手が困難です。

その“スーパープレミアムオリーブオイル”の独占販売権を私ども京都高雄倶楽部が獲得。

恐らく、と言うかDenominación de Origen Les Garriguesのスーパープレミアムオイルを日本で買えるのは、糖質制限ドットコムだけでしょう。

何故そんなこと言えるのか?

何故ならば、ここに来た初めての日本人が我々だから(笑)

日本人が来るって言うんで、近所中から人が集まってました(笑)

そうそう、他所で販売してる「100年もの」と銘打ったオリーブオイル、殆ど若い木のオリーブオイルと混ぜてます。

そのブレンドしたオイルを私どもの2〜3倍の値段で売っているのは如何なものかと。

嘘だと思ったら、検索してみてください。

瓶のサイズと価格見ると目が飛び出そうになりますので。

そんなちょー低酸度で濃厚な味わい且つ、混ぜ物一切なしの100%樹齢100年の木からだけ集めたオリーブを絞った、エクストラヴァージンオリーブオイル センタナリー


詳細&お求めはコチラ!!!
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モリドル オリーブオイル センタナリー
http://www.toushitsuseigen.com/products/detail68.html

皆さんのご注文、スタッフ一同お待ちしております♪



糖質制限食・ダイエット食の通信販売|糖質制限ドットコム

糖質制限ドットコムは、糖質制限食の第一人者、高雄病院、江部康二先生監修による糖質オフな食材を販売、糖質制限食に取り組む皆様をサポートします。



テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
GLUT-1欠損症と髄液糖と血糖。赤血球のエネルギー源は?
【15/08/17 平山貴久

ご質問宜しいでしょうか?

いつも御著書やブログで勉強させて頂いております。ありがとうございます。

ふと思ったのですが、GLUT1が欠損した場合、ミトコンドリアを持たない赤血球は何をエネルギー源とするのでしょうか?赤血球にはGLUT1のみではなく、GLUT4も存在するのであれば腑に落ちるのですが。

ご教示頂けましたら幸甚です。
どうぞ宜しくお願い申し上げます。】



こんにちは。

平山貴久さんから、GLUT-1欠損症で、赤血球のエネルギー源は何かというコメント・質問をいただきました。

まず、結論ですが、赤血球はブドウ糖しかエネルギー源にできません。

GLUT-1欠損症でも、赤血球のエネルギー源はブドウ糖だけです。

さて、血液脳関門にあるGLUT-1が正常に機能すれば、脳脊髄液中のブドウ糖は、血液中のブドウ糖濃度の60%くらいです。
髄液糖/血糖比、正常は0.6-0.7です。

髄液(脳脊髄液)とは、脳室系とクモ膜下腔を満たす、リンパ液のように無色透明な液体です。

GLUT-1欠損症の場合は、血液中の血糖値が正常値でも髄液検査では、髄液糖は 40 mg/dL 以下です。

髄液糖/血糖比は 0.45 以下(平均 0.35)です。

ということは、平均正常の半分くらいは、ブドウ糖を取り込めていることとなります。

つまりGLUT-1欠損症という診断名がついていても、ブドウ糖取り込み能力がかなり低下しているけれど、ゼロではないということです。

GLUT-1欠損症の赤血球も、脳の血液脳関門と同様にブドウ糖取り込み能力が低下していますが、平均、正常の半分程度は取り込めます。

血糖値が100mgとすれば、赤血球内に35mgとか45mgとかは取り込めます。

私が本断食をしたとき、血糖35mg/dlでしたが、脳はケトン体(断食中で高値)をエネルギー源として意識を保ち、赤血球は血糖35mg/dlでも事足りていたのだと思います。

即ち脳は血糖値35mg/dlでは、ケトン体がなければ意識不明ですが、赤血球は、血糖35mg/dlくらいあれば生きていけるのだと思います。


<追加>

血液脳関門にあるGLUT-1が正常に機能すれば、脳脊髄液中のブドウ糖は、血液中のブドウ糖濃度の60%くらいです。

糖尿病専門医研修ガイドブック(改訂第4版、2009年)293ページには、低血糖症の定義として、

「低血糖症状があり血糖値60mg/dl以下」

と記載されています。

血糖値が60mg/dlなら、脳脊髄液のブドウ糖濃度は36mg/dlです。

そうすると、赤血球も脳細胞も、それぞれブドウ糖濃度が35~36~37mg/dlくらいで、エネルギー源としては何とか足りているということのようです。

血糖値35mg/dlなら、脳脊髄液のブドウ糖濃度は21mg/dlですので、ケトン体髙値がなければ、意識不明ですね。




江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
人類史からひもとく糖質制限食。毎日新聞デジタルのご案内。
こんにちは

毎日新聞デジタルに2015年6月1日から、寄稿しています。

今後当分の期間、毎月2回私のエッセイが、毎日新聞デジタルに載ります。
1回の記事は1000~1600字で読みやすいボリュームです。

ブログ読者の皆さんには、一度覗いていただけば嬉しいです。
よろしくお願い申しあげます。 m(_ _)m

毎日新聞サイト内の記事は非会員は毎月5ページまで、無料会員登録をすると毎月10ページまで無料で見ることができます。

月2回更新の私のコラムを毎月2ページ読むのであれば、無料で見ることができます。

月に11ページ以上を読もうとすると、有料会員登録が必要になりますが、新聞購読者とそうでない人との違いがでてきます。

以下のサイトに有料会員登録の詳しい説明があります。
http://mainichi.jp/info/koudoku/

江部康二



☆☆☆

以下は毎日新聞デジタルのサイトの記載です。

毎日新聞・デジタル編集部
‏@mainichijpedit
定着してきた感のある糖質制限ダイエット。
なぜ効くのか、本当に健康に良いのかを700万年間のヒトの食事史から紐解きます。

http://goo.gl/WwohdA  

1)700万年間、ヒトが食べてきた食事とは?  人類史からひもとく糖質制限食 
毎日新聞ウェブサイトの読者の皆さん、初めまして。京都にある一般財団法人高雄病院理事長の江部康二です。
新しくオープンした「医療プレ...2015年6月1日


2)縄文人に虫歯が意外に多かった理由  人類史からひもとく糖質制限食 
◇古人骨から虫歯を探してみたら 今回は、縄文人の虫歯率が意外に多かったのには、糖質が関係しているという話です。
具体的には縄文人の...2015年6月23日


3)糖質制限食を13年間続けた結果は  人類史からひもとく糖質制限食 
◇糖質制限食とアンチエイジング 私は、1950年1月8日生まれで、2015年7月現在、65歳です。
余談ですが、エルビス・プレスリ...2015年7月8日


4)玄米魚菜食と断食の効果  人類史からひもとく糖質制限食 
私が食生活に本格的に興味を持つきっかけになった、ハンガーストライキの京大生を診た経験について、前回から話は続きます。 
◇「何を食...2015年7月24日


5)私が糖尿病になったわけ  人類史からひもとく糖質制限食 
今回は、私、江部康二が糖尿病を発症した当時のことや、糖質制限食を始めた経緯をお話しします。
日本人の5人に1人が糖尿病患者とその予...2015年8月11日


テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
ケトン体は脳のエネルギー源。ケトン体は安全。
【15/08/15 かんたん

高等学校教育とケトン体

こんばんは。先生のブログに、たまにお邪魔させていただいております かんたん です。

今回は、娘との会話で嬉しく思った事があり先生と皆さんに報告したくなりました。

私は二人の娘の母親なのですが、夕飯時に次女と糖質制限続いてるね!偉いよ、お母さん。なんて会話をしていると、普段は夕飯を遅めにとる長女がテーブルにつき言いました。

長女「糖質制限って、どうなの?って思ったけど、お母さん鬱病なのに元気になったよね。良かったね。でね、この間、学校の先生がケトン体の話をしたんだけど…。」

私「うん、先生なんて言ってた?」(ニヤニヤ)

長女「今までは、脳のエネルギーはブドウ糖だけって話が覆って、ケトン体も使えるって話してた。それでね、ケトン体ってなに?って思って先生に聞いたら色々教えてくれたよ。こんな大事な事が、比較的最近世の中に知れ渡ったなんて不思議でさ。」

私「そうだね。貴女は、どこまで理解出来た?」

長女「まず、脳のエネルギーになるって事と、ブドウ糖が必須じゃない細胞はケトン体が使えるって事かな。だから、人類は度々おこる食糧難をのりこえてこれたんだなって。」

私「良いところに気がついたじゃない(^-^)」

なんて、会話だったのですが、高等学校教育で教師がケトン体の話をした事が嬉しかったです。そして、それに対しての説明も解りやすくされており、いまだケトン体は危険!脳のエネルギーはブドウ糖のみ!などと言っているお医者様に聞かせてあげたい!と、思ってしまったくらいです。

ネット上でも、いまだに脳のエネルギーはブドウ糖のみ!なんて書かれているのを見るとガックリでしたが、こんな身近で未来を担う子供達に、正しい教育がされているんだと思うと先生のブログに報告せずにはいられませんでした(^-^)

長女は、私が普段から「燃えろ!ケトン体!」なんて、笑いながら言ってるのを気に止めていたのも嬉しかったです。

長女の頭には、糖質制限とケトン体が関係あるんだな。と思ったのでしょう(^-^)

また、長くなりましたが読んでいただきありがとうございました。】



こんにちは。

かんたんさんから、長女さんの高校の先生が「脳はケトン体がエネルギー源として使える」と授業で教えてくれたという嬉しいコメントを頂きました。

かんたんさんは、うつ状態が糖質制限食で改善したとのことで、良かったです。

おそらく全ての高校で「脳はケトン体がエネルギー源として使える」と教えているというわけではなくて、その先生が個人的に勉強されて自分の頭で考えて、是非生徒に伝えたいと思われたのでしょうね。

このように、自分の頭で考えて行動する学校の先生が増えてくると、日本の未来も明るいですね。

「いまだケトン体は危険!脳のエネルギーはブドウ糖のみ!などと言っているお医者様に聞かせてあげたい!」

そうですね。

いまだに医師や栄養学者の多くがそのように誤解しているのは、勉強不足としか言いようがなく、とても残念です。

医学の有名な教科書「ハーパー生化学」や「ガイトン臨床生理学」に、脳はケトン体をエネルギー源とすることが明記されています。

脳に関する真実は

「脳はエネルギー源としてケトン体をいくらでも利用できるし、ブドウ糖も利用できる。」

ということです。

『イラストレイテッド ハーパー・生化学 原書27版』(丸善)p154

には、

「脳はそのエネルギー要求の20%をケトン体でまかなうことができる」

と記載してあります。

それで、脳はどの程度までケトン体をエネルギー源とできるかということなのですが、ハーパー生化学のいう約20%までということはありません。

例えば、

ガイトン臨床生理学(米国の有名な医学の教科書です)
監訳・早川弘一、医学書院、1999年、870ページ

によれば、

「炭水化物がエネルギー源として使用できない時、生体のほとんどの細胞のエネルギー源は脂質の代謝により賄われる」

「エスキモー人種は時々完全な脂肪食をとるが・・・、・・・通常ブドウ糖しかエネルギー源として利用しない脳の細胞でさえ、数週間後には50~75%のエネルギ-を脂質(ケトン体)から得られるようになっている」

という記載があります。

そして食事療法に関わる医師や栄養学者は「ケトン食」の知識は、必要不可欠なので是非勉強して欲しいと思います。

Ketogenic Diet(ケトン食)は、2010年版COCHRANE LIBRARLY(コクラン ライブラリー)、2011年版NICE(英国政府ガイドライン)、という国際的に有名な公的治療ガイドラインにおいて、難治性小児てんかんの治療食として採用されました。

難治性小児てんかんの中でも、
糖輸送体(GLUT)1欠損症の場合は、「ケトン食」が唯一の治療法です。

細胞が血液中のブドウ糖を取り込むためには、糖輸送体が必要です。

現在までGLUT1~14までが発見されています。

脳・赤血球・網膜・生殖腺胚上皮の糖輸送体はGLUT1です。

GLUT1欠損症では、GLUT1に機能不全があるため、脳細胞が血液中のブドウ糖をエネルギー源としてほとんど利用できないので、通常の食事では意識不明やてんかんの発作を頻回に生じます。

ケトン食は、脂質摂取比率75~80%の、スーパー糖質制限食(56%)を上回る糖質制限食です。

ケトン食実践で血中ケトン体が高値(2000~4000μM/L)となり、ケトン体が脳のエネルギー源のほとんどを占めるようになれば、GLUT1欠損症の患者さんも健康な生活をおくれます。

つまり「GLUT1欠損症では脳はブドウ糖がエネルギー源として使えないので、ケトン体が脳の唯一のエネルギー源となる」のです。

ケトン食で明らかなように、インスリン作用が確保されている時のケトン体高値は、生理的で安全なものなのです。

この場合、エスキモーの50~75%より、さらに高い比率で脳はケトン体をエネルギー源としていると考えられます。

また私が34才で、本断食(カロリーゼロ、塩ゼロ、水のみ摂取)をしたとき、血糖は35mg/dlまで下がりました。

しかし普通に意識は清明で外来診察もしてましたので、この時私の脳はブドウ糖ではなく、ケトン体を主たるエネルギー源として利用していたと考えられます。

本断食でもケトン体は、2000~4000μM/Lになります。

ケトン体が基準値(26~122μM/L)しかなくて、血糖値が35mg/dlなら、脳はエネルギー源が全くたりないので、意識不明で昏睡になります。

糖新生(肝臓でアミノ酸、乳酸、グリセロールなどからブドウ糖を作る)は、脳ではなくて赤血球のために必要なのだと思います。

脳と違って、赤血球は血糖値35mg/dlくらいでも生きていけるようです。

赤血球だけは、内部にミトコンドリアをもっていないので、人体で唯一、ブドウ糖しかエネルギー源にできないのです。



江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
人体の基礎代謝の比率。信頼度の高いデータ。
こんにちは。

人体の基礎代謝の比率に関して、いろんなデータがネット上で出回っています。

その中で一番信頼できるデータが、

<人における組織・器官の代謝率>
肝臓27%、脳19%、心臓7%、腎臓10%、筋肉18%、その他19% 


であり、「 FAO/WHO/UNU合同特別専門委員会報告」1989、13ページのTABLE 2に記載されています。

一般に通説として筋肉が基礎代謝の40%とか言われていて、私も深く検証せずにそう思っていたのですが、肝臓27%、筋肉18%というのは意外でした。 (=_=;) 

ともあれ、糖質制限食(高脂質・高タンパク食)においては、人体最大の基礎代謝率を占める肝臓が、糖新生で活性化されるので、糖質制限食で基礎代謝が増加するという仮説は、なかなか説得力があると自画自賛しています。(^^)

通常は、筋肉量の増加が基礎代謝の増加なのですが、例えば甲状腺機能亢進症でも、基礎代謝の増加のために体重減少が生じますね。

「エネルギー・蛋白質の必要量―FAO/WHO/UNU合同特別専門委員会報告-ヒトにおける基礎代謝率」は、医歯薬出版 (1990/03)で単行本になっているのですが、とっくに絶版です。


以下が原著です。

今回、同級生の中村保幸氏の協力を得て、やっと原著を記載してあるサイトをつきとめることができました。

中村君に、謝謝です。 m(_ _)m

http://www.fao.org/3/contents/3079f916-ceb8-591d-90da-02738d5b0739/M2845E00.HTM

Joint FAO/WHO/UNU Expert Consultation on
Energy and Protein Requirements

Rome, 5 to 17 October 1981

BASAL METABOLIC RATE IN MAN

by J.V.G.A. Durnin University of Glasgow Glasgow Scotland


TABLE 2 .Metabolic Rates of Organs and Tissues in Man(13ページ)



アマゾン
http://www.amazon.co.jp/%E3%82%A8%E3%83%8D%E3%83%AB%E3%82%AE%E3%83%BC%E3%83%BB%E8%9B%8B%E7%99%BD%E8%B3%AA%E3%81%AE%E5%BF%85%E8%A6%81%E9%87%8F%E2%80%95FAO-WHO-UNU%E5%90%88%E5%90%8C%E7%89%B9%E5%88%A5%E5%B0%82%E9%96%80%E5%A7%94%E5%93%A1%E4%BC%9A%E5%A0%B1%E5%91%8A-WHO%E3%83%86%E3%82%AF%E3%83%8B%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%AC%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%BA-UNU%E5%90%88%E5%90%8C%E7%89%B9%E5%88%A5%E5%B0%82%E9%96%80%E5%A7%94%E5%93%A1%E4%BC%9A/dp/4263702476

エネルギー・蛋白質の必要量―FAO/WHO/UNU合同特別専門委員会報告 (WHOテクニカル・レポート・シリーズ)
単行本 – 1990/3
FAO/WHO/UNU合同特別専門委員会 (著), 井上五郎 (著)医歯薬出版 (1990/03)




江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
朝日カルチャーセンター京都教室・糖質制限食講座のご案内。
こんにちは。

朝日カルチャーセンター京都教室講座のご案内です。

糖質制限は危ない!って本当?
その不安や疑問、バッシングに科学的に回答


と題して、糖質制限食に対する様々な疑問や批判に、科学的根拠を示して回答します。

もちろん、最新の糖質制限食に関する基礎理論や症例報告もあります。

糖質制限食の有効性や安全性についても科学的根拠を示して説明します。

糖尿病を始め、日本の4大死因、5大疾病と糖質制限食のお話しもします。
質疑応答も20分間とたっぷり時間をとりました。

2014年6月の日経メディカルオンラインのアンケートで、日本全国の2263人の医師から有効回答があり、実に過半数の医師が「糖質制限」を支持ということでした。良い意味で衝撃的で、びっくりしました。

過半数(58.3%)の医師が「糖質制限」を支持していて、医師の3人に1人は自ら実行していました。
医師の4人に1人が「患者に勧めることがある」との回答でした。

また「今日の治療指針2015」にも、糖尿病治療食として初めて糖質制限食が取り上げられる時代となりました。

いよいよ糖質制限食の時代到来のようです。


江部康二



☆☆☆
以下
朝日カルチャーセンターのサイトから転載です。

糖質制限は危ない!って本当?
その不安や疑問、バッシングに科学的に回答

講師名 高雄病院理事長 江部 康二
講座内容
米国糖尿病学会では、2013年10月、すでに「糖質制限食」は正式に容認されています。それにも関わらず、日本では相変わらず、「糖質制限 食」に対する無根拠な批判が後を絶ちません。「糖質制限食を続けると死亡率が上がる?」「糖質を摂らないと筋肉量が減る?」「高 タンパク食で腎臓が悪くなる?」「高脂肪食で脳心血管疾患が増える?」「脳のエネルギー源はブドウ糖だけなので糖質制限は危険?」「ずっと続けても安 全?」これらのバッシングに不安を感じられた人も多いと思います。本講演では、これらの批判に対して、科学的根拠に基づき一刀両断に論破し、 糖質セイゲニ ストの悩みを一掃したいと思います。
http://koujiebe.blog95.fc2.com/"

日時・期間 火曜 13:30-15:00 8/18

日程 8/18(火)

受講料(税込み)
会員 3,024円
一般 3,564円

お申し込み 朝日カルチャーセンター京都教室 
075-231-9693

https://www.asahiculture.jp/kyoto/course/4ca12da1-b9f8-aa2f-3f3f-5555830f4c1b

講師紹介 江部 康二 (エベ コウジ)
1950年生まれ。 1974年京都大学医学部卒業。1974年から京都大学胸部疾患研究所第一内科(現在京大呼吸器内科) にて呼吸器科を学ぶ。1978年から高雄病院に医局長として勤務。1996年副院長就任。2000年理事長就任。2001年から糖質制限食に取り組む。2002年に自ら糖尿病であると気づいて以来、さらに糖尿病治療の研究に力を注ぎ、「糖質制限食」の体系を確立。これにより自身の糖尿病を克服。内科医/漢方医/一般財団法人高雄病院理事長/一般社団法人日本糖質制限医療推進協会理事長著書『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』(東洋経済新報社)作家宮本輝氏との対談、『我ら糖尿人、元気なのには理由がある』(東洋経済新報社)『主食をやめると健康になる』(ダイヤモンド社)『高雄病院の「糖質制限」給食』(講談社)『糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食』 (ナツメ社)『高雄病院 Dr.江部が食べている「糖質制限」ダイエット1ヵ月献立レシピ109』(講談社)『糖尿病治療のための! 糖質制限食パーフェクトガイド』 (東洋経済新報社)『炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません: 生活習慣病を予防&改善する糖質制限食31のポイント』 (東洋経済新報社)など多数。ブログ『ドクター江部の糖尿病徒然日記(http://koujiebe.blog95.fc2.com/)は、日に10000件のアクセスがあり、糖尿病のかたやそのご家族から寄せられ↓↓た質問への回答や、糖尿病・糖質制限食に関する情報の発信に、日々尽力している。

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質制限食実践時の検査データの推移。2015年8月。
おはようございます。

今回は、糖質制限食実践時の検査データの推移のお話しです。

糖質制限食を実践により、血糖値や中性脂肪やコレステロール値など、さまざまな数値が改善します。

ただ、これらの検査データは、はっきり一定の傾向が出るものと、そうでないものがありますので、まずはその変化を示します。


<スーパー糖質制限食実践時の検査データの推移>

①血糖値は糖質制限食実践時にリアルタイムに改善します。
②スーパー糖質制限食なら、HbA1cは月に1~2%改善します。
③中性脂肪も速やかに改善します。
④HDLコレステロールは増加しますが、増加の程度と速度に個人差があります。
⑤LDLコレステロールは低下・不変・上昇と個人差があります。
 上昇した人も半年〜1年~2年、3年くらいで落ち着くことが多いですが、
 個人差があります。
⑥総コレステロールは、低下・不変・上昇と個人差があります。
 上昇した人も半年〜1年~2年、3年くらいで落ち着くことが多いですが、
個人差があります。
⑦尿酸も低下・不変・上昇と個人差があります。
 上昇した場合は、ほとんどが摂取エネルギー不足が原因です。
⑧尿素窒素はやや増加傾向になる人が多いですが、そのうち落ちつくことが多いです。
⑨クレアチニンは不変です。
⑩血清シスタチンCも不変です。
⑪血清カリウムも不変です。
⑫血中ケトン体は基準値より高値となりますが、生理的なもので心配ありません。
⑬尿中ケトン体は当初3カ月〜半年は陽性になりますが、その後陰性になることが多いです。
⑭脂肪肝に付随するGPTやγGTP値も改善します。


上記に記載していない血液検査や尿検査については、糖質制限食開始前後で差はありません。

LDLコレステロール・総コレステロールに関して「低下・不変・上昇」と個人差があるのですが、糖質制限食開始前に菜食中心で食材のコレステロールが少ない場合、肝臓でコレステロールをつくる能力が高まっています。

そういう場合糖質制限食で肉や卵などコレステロールの多い食材を摂取すると、一過性にLDL-コレステロール値が高くなりますが、半年~1年~2年で落ち着くことが多いです。

私自身は、HDLコレステロールはかなり増加し、LDLコレステロールは少し低下しました。

尿酸値が上昇した場合、摂取エネルギー不足のことが多いので注意が必要です。

私は2002年発覚の糖尿人で、その数年前から、早朝の空腹時血糖値109~111~112mg/dlとか、ギリギリ境界型でした。

2002年に糖尿病が発覚していらい、スーパー糖質制限食を実践しています。

食事は朝食抜きで、1984年34才から昼と夕の2回です。

身長:167cm 体重:67kg からスーパー糖質制限食を開始して半年で56~57kgとなりました。

現在57~58kgくらいです。2015年1月8日で65才となりました。


以下は2015年6月19日、朝9時、空腹時の検査結果です。

<江部康二の検査データ>
空腹時血糖値:109mg 
HbA1c:5.8%(6.2未満、NGSP)
グリコアルブミン:13.4%(11.8~16.0)
総ケトン体:606μM/L(26~122) 糖質制限食中は生理的で正常値
アセト酢酸:106μM/L(13~69)
βヒドロキシ酪酸:500μM/L(76以下)
尿酸:3.4mg/dl(3.4~7.0)
TC:251mg/dl(150~219)
TG:51mg/dl(50~149)
HDL-C:87mg/dl(40~98)
LDL-C:153mg/dl(140未満)
BUN:17.9mg/dl(8~20)
クレアチニン:0.60mg/dl(0.6~1.1)  eGFR:102.4ml/min./1.73m2
シスタチンC:0.58mg/dl   (0.53~0.95) eGFR:131.6ml/min./1.73m2

IRI:3.2(3~15μU/ml)
γGTP:30IU/L(48以下)
GOT:19IU/L(9~38)
GPT:18IU/L(5~39)
アルブミン:4.4g/dl(3.8~5.3)

尿中アルブミン:6.5mg/g・c(30.0未満)
尿蛋白:陰性
尿糖:陰性
尿中アセトン体:陰性

IRI:3.2(3~15μU/ml)
空腹時採血血糖値109mg
<HOMA-R=空腹時血糖値×空腹時インスリン値÷405>
<HOMA-β=360×空腹時インスリン値(μU/ml)÷(空腹時血糖値mg/ml-63)>
HOMA-R:0.86  1.6以下が正常で、2.5以上は抵抗性があり。
HOMA-β:25.0   正常値:40-60


空腹時血糖値109mgですが、98mgとか120mgのこともあります。
若干、暁現象もあります・

IRI3.2μUと、今回は正常値でした。

HOMA-βは、2002年以降ずっと、40未満でインスリン分泌能が減少でしたが、2014年4月初めて、40と基準値下限に達しました。
その後は波があり、今回は25.0と再びやや低値でした。

HbA1cは5.6~5.9%(NGSP値)くらいを行ったり来たりしています。

グリコアルブミン(GA)を、試しに私費で測定してみたら13.4%(11.8~16.0)とかなり良好でした。

HbA1cの値に対して、GAが相対的にさらに良い値なのは、食後高血糖がほとんどないことを示していて大変好ましいのです。

ケトン体は606μM と基準値よりはるかに高値ですが、心筋・骨格筋をはじめ全身の細胞がケトン体をしっかり効率よく利用していて、腎臓の再吸収も良好なので、尿中アセトン体は陰性です。

尿酸は3.4mgと低いくらいですが、これは体質と思います。

一日のタンパク質摂取量は130~140gくらいと、普通人よりかなり大量のタンパク質を摂取してます。

13年間、体重あたり2.4gのタンパク質ですね。

それでも尿酸は低めですし、腎機能に何の問題もありません。

BUN:17.93mg/dl(8~20)と基準値内で、クレアチニンとシスタチンCも正常です。

高タンパク食を13年間続けてますが、eGFRはとても良いです。

脂質もかなりの量(110g/日)食べていますが中性脂肪は51mgです。

糖質は1日に40g足らずです。

TCは251mg、HDL-Cは87mg、LDL-Cは153mg

コレステロールに関しては、HDL-コレステロールが多いのが目立ちます。

糖質制限食でHDL-Cが増加しますが、程度には個人差があります。

総コレステロールは、2007年ガイドライン以降では、評価基準から外されています。

LDL-Cが今回は基準値を超えていますが、中性脂肪が少なくて、HDL-Cが多いので、真の悪玉の小粒子LDL-Cや酸化LDL-Cは少ないと考えられ安心です。

なお、お酒は、糖質ゼロ発泡酒、焼酎の水割り、赤ワイン、辛口白ワインなどを雨の日も風の日も雷が鳴っても、毎日毎日、適宜、適量??飲んでいます。( ̄_ ̄|||)

肝機能は幸い、過去から現在まで常に正常です。 (^^)


江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
ルセフィ(SGLT2阻害薬)と糖質制限食。コレステロール値。
【15/08/13 あむよん

ルセフィと糖質制限

江部先生 初めまして
あむよんと申します。

41歳 女性
2年前に2型糖尿病になりました。

6月の記事に投稿してすみません。

2013. 5. 31
血糖値 180
HbA1c 8.6
中性脂肪 245
LDLコレステロール 201
体重 69kg

発覚した当初は目の前が真っ白になり、どうやって病院から帰宅したかも覚えてなく、夫に言うのも恥ずかしく トイレで泣いていました。

処方された薬はメトグルコを朝昼夕に一錠ずつでした。

キチンとしなくてはと思い、カロリー制限と運動を頑張りました。(糖質制限の事を知りませんでした)

玄米や肉、魚、野菜、全てを計りながら食べて 有酸素運動も毎日ではないですが、頑張りました。

もともと太っていたので、体重が減ったおかげで 数値も良くなりました。

2014. 5. 28
血糖値 80
HbA1c 5.1
中性脂肪 207
LDLコレステロール 163
体重 58kg

ただ、とてもしんどく、お腹が空いてひもじく 空腹で眠れないし、顔色も青白い時がありました。
この頃、糖尿病の新薬が出まして メトグルコからルセフィに変更になりました。
摂取した糖分を尿から出してしまうので、水分を多めに摂ることを医師から言われました。
ルセフィにしてからは、体重管理がとても楽になり 顔色も良くなりました。

今年の3月頃から糖質制限を取り入れるようにしました。

2015. 5. 22
血糖値 82
HbA1c 4.8
中性脂肪 106
LDLコレステロール 168
体重 58kg

SGLT2阻害薬は 長期服用はやめた方がいい、半年〜1年位との事ですが 私はもう1年2ヶ月ほど服用していますが、主治医からは
毎回同じ量を処方されます。

LDLコレステロールも高いときで190もあるものですから コレステロールの薬も出そうとしています。

コレステロールはそんなに気にする必要もないとも記載されておりましたので、できたら飲みたくありません。

なので、主治医に『コレステロールの薬は様子を見させて下さい』と言いましたところ とてもムッとされました。
なので、私が糖質制限をしている事は伝えていません。
怒られるのが分かっているので。

長くなってスミマセン。
ここからがご質問したいところなのですが、 2年間 良い数値をキープ出来ているので、これからもスーパー糖質制限をキチンとするという事で薬を止めてしまっても大丈夫でしょうか?

本当は主治医に相談するのが筋だと分かっておりますが、ど〜も流れ作業のように患者の目も見ずに事務的に対応されて『1時間待ちの1分診察』なので話しづらいのです。

あと、私のように2型糖尿病でコレステロールも多い時で200近くある人でも 糖質の少ない お肉やチーズ、バターなどを摂取していて大丈夫でしょうか?

ご相談したく、こちらをお借りしました。
大変お忙しいところ申し訳ございません。
宜しくお願いいたします。】


こんにちは。

あむよんさんから、ルセフィと糖質制限、コレステロールについてコメント・質問を頂きました。

2013. 5. 31
血糖値 180
HbA1c 8.6
中性脂肪 245
LDLコレステロール 201
体重 69kg

2014. 5. 28
血糖値 80
HbA1c 5.1
中性脂肪 207
LDLコレステロール 163
体重 58kg



カロリー制限食と運動で頑張って体重が11kg減少して、HbA1cも8.6→5.1%に改善してますね。

メトグルコとカロリー制限と運動で、こんなに良くなる人もいるとは私としてはびっくりです。

まあ、ほとんどの人はカロリー制限食では良くなりませんので・・・。

ただし、とてもしんどくて、ひもじくて空腹で眠れない時があったとは、つらかったでしょう。

メトグルコをルセフィに変更して、体重管理が楽になり顔色も良くなったとのことですので、あむよん さんにはよく合った薬だったのでしょうね。

2015年3月頃から糖質制限食にして

2015. 5. 22
血糖値 82
HbA1c 4.8
中性脂肪 106
LDLコレステロール 168
体重 58kg


HbA1c4.8%は素晴らしいですし、中性脂肪も見事に改善しましたね。

すでに1年2ヶ月、ルセフィ(SGLT2阻害薬)を内服しておられるということは、そろそろ体重減少効果がなくなり、徐々に体重増加傾向に向かう時期です。

今がやめ時ですので、スーパー糖質制限食をキッチリ実践されてルセフィは中止しましょう。

これ以上ルセフィを続けると、基礎代謝が低下してきて、太りやすくなる可能性があります。


「私のように2型糖尿病でコレステロールも多い時で200近くある人でも 糖質の少ない お肉やチーズ、バターなどを摂取していて大丈夫でしょうか?」

ほとんどの場合、大丈夫です。

食材から摂取されるコレステロールの量が増加すると肝臓がコレステロール産生を減らして調整するようになります。

調整される速度には個人差がありますが、半年~1年~2年、3年で基準値になることが多いです。



江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
高雄病院で地域医療に興味がある医師を募集
こんにちは。

高雄病院では地域医療に興味のある常勤医師或いは非常勤医師を、1~2名募集しています。

年齢、性別問わずで、内科以外が専門の医師もOKです。

高雄病院は、療養型病床60床、一般病床(障害者病棟)52床があります。

糖尿病患者さん、アトピー患者さん、漢方患者さんなどの入院は一般病床の10ベッドくらいで回しています。


高雄地域には、高雄病院以外、診療所もありませんので、最近、訪問診療など地域医療の必要性が高まってきました。

現在、週3日間勤務の非常勤医師が訪問診療を行っています。

訪問診療希望の患者さんが、増えてきてますので、地域医療に興味のある医師に是非来て欲しいと思います。



医師の勤務は急性期の病院のように忙しくはありません。

病棟ナースも師長・主任以外は、定時に帰宅できることがほとんどです。

医師も、当直医待ちの待機担当医以外は、定時に帰宅できますし、勤務時間の空きの時間で糖質制限食や漢方の勉強もできる環境です。

給与は院内規定によります。

一般的にみて中の下くらいだと思いますが、仕事量からすればお得感があるかもしれません。

1~2年間の勤務でも結構ですし、長期も歓迎です。


高雄病院就職ご希望の医師は

〒616-8265
京都市右京区梅ヶ畑畑町3
高雄病院

電話:075-871-0245
までご連絡いただけば幸いです。

担当は田中誠事務長です。
事務長不在時は、総務部が担当します。

メールのお問い合わせでもOKです。
高雄病院のEメールアドレス : takao-info@ac.auone-net.jp



江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
日本でも、欧米諸国と同様、糖尿病合併症発症率は減少傾向か。
【15/08/10 無名糖尿病専門医

江部先生

江部先生取り上げて頂きありがとうございます。

都内河北鈴木さん、血糖コントロール改善してて本当に良かったですね。糖尿病は血糖コントロールが正常化しても治癒したとはいわないことになっています。減少したインスリン産生細胞が大幅に復活するということが今のところ考えにくいからです。

また、私が申し上げたかった点は、医療統計では糖尿病と一度診断されると薬を飲まなくて済むようになっても糖尿病とカウントされているということです。

糖尿病予備群は、ブドウ糖負荷試験が改善したりHbA1cが改善すれば正常者にカウントされるのと大きく違います。

前回私が申し上げたかったのは、米国でも我が国でも糖尿病合併症の発症率の減少はあまり変わらないだろうということです。

それは、この間の合併症の減少は降圧治療や脂質管理の改善がかなり貢献していると考えられているからでもあります(多くの文献があります)し、血糖コントロールについてもあまり大きな差がないように思われるからです(専門医のデータしかありませんが)。

江部先生、US Renal Data System (http://www.usrds.org)で米国の毎年の末期腎不全患者の発症数を見ることができます。

CDCの論文の20年間で末期腎不全発症数は年々増加し最近頭打ちです。そのうち50%位が糖尿病で、その数はやはり20年間で増加し最近頭打ちという我が国と同じ傾向であることが分かります。

したがって日米の末期腎不全発症率の変化は同じ方向を向いていると思います。

心血管イベントについては、一般住民コホートである久山町の中のごく一部の糖尿病患者のデータと専門医が診ている疾患コホートであるJDCSを直接比較することはあまり意味がないと思います(同じく専門医が診ている患者さんの介入研究で現在進行中のJ-DOIT3ではJDCSよりイベント発症率が大幅に減少しているとのことです)。

また、先生が引用しておられる西村先生自身がやっておられるJDCSから10年遅く始まったJDCPでも心筋梗塞や脳卒中の発症率は減っているそうです。

日本は高齢化してきていますので、動脈硬化性疾患や CKDでは加齢の影響がありますので、年齢構成の違う国のデータを比較するには年齢調整や他の危険因子の調整も必要なことは言うまでもありません。

失明や足切断については眼科学会や整形外科学会にもデータがないそうですが、先生があげておられるように随分昔からあまり根拠なく3000人といわれています。

もしこの数字が本当だとすれば、糖尿病患者は増加していますのでやはり発症率は下がっているということになります。

日本の標準的な治療は米国や欧州と変わりませんし(前回も申し上げましたとおり欧州各国でも糖尿病合併症の発症率は減少しているという論文は多くみられます)、米国で暮らしておりましたときにも米国糖尿病学会に出席しても、この20年間に非常に低糖質食が浸透してきたという実感はあまりありません。実際、米国の患者さんのBMIは高止まりです。

以上の様なこともあり、糖質摂取率の違いで日米の合併症の発症率が違いが出ているという江部先生の説には賛同できません。

そのような科学的根拠に基づかないお話しを先生がされるのは、検査や治療を受ける必要がある患者さんを医療不信に陥らせ医療機関から遠ざける危険があると申し上げているだけです。

私は、患者さんのデータが改善してまたそれで食事が楽しいのであれば、低糖質食であれ地中海食であれまたカロリー制限であれそれがその方にとって最も良い食事療法と思って診療において実践しています。糖尿病患者さんの合併症が0になる日が早く来るといいと思います。】


おはようございます。

無名糖尿病専門医さんから再度コメントをいただきました。

日本でも、欧米諸国と同様、糖尿病合併症発症率は減少傾向ということです。

忌憚のないニュートラルな立場からのご意見と思います。
ありがとうございます。

「US Renal Data System (http://www.usrds.org)で米国の毎年の末期腎不全患者の発症数を見ることができます。CDCの論文の20年間で末期腎不全発症数は年々増加し最近頭打ちです。そのうち50%位が糖尿病で、その数はやはり20年間で増加し最近頭打ちという我が国と同じ傾向であることが分かります。」

貴重な情報をありがとうございます。

このデータなら、日本の人工透析患者数の推移と同じ傾向ですね。

そうすると、米国の糖尿病末期腎不全発症率が28.3%減ったというのは不思議です。

今回の「米国の糖尿病合併症発症率が激減」という、CDCの発表は統計のとりかたに一定の問題があるのでしょうか?


「心血管イベントについては、一般住民コホートである久山町の中のごく一部の糖尿病患者のデータと専門医が診ている疾患コホートであるJDCSを直接比較することはあまり意味がないと思います」

久山町研究は、40才以上の住民の8割が健康診断に協力という精度の高いもので、信頼度も高いと思います。

久山町研究との比較は、私ではなく東京慈恵会医科大学の西村理明先生が、論文でそのように述べておられます。

専門医がきっちり診察しているJDCSのほうが、専門医の診察を受けていない久山町研究より虚血性心疾患の発症率の明らかな上昇ですので、専門医の治療効果に対して、一定の疑問が湧く結果ではあります。


「(同じく専門医が診ている患者さんの介入研究で現在進行中のJ-DOIT3ではJDCSよりイベント発症率が大幅に減少しているとのことです)。また、先生が引用しておられる西村先生自身がやっておられるJDCSから10年遅く始まったJDCPでも心筋梗塞や脳卒中の発症率は減っているそうです。」


日本でも、心筋梗塞や脳卒中の発症率が減少しているとは、嬉しいですね。

こちらは、専門医による糖尿病や高血圧の治療が一定の効果をあげて合併症発症率が減少したということで、とても良いことと思います。


「糖質摂取率の違いで日米の合併症の発症率が違いが出ているという江部先生の説には賛同できません。そのような科学的根拠に基づかないお話しを先生がされるのは、検査や治療を受ける必要がある患者さんを医療不信に陥らせ医療機関から遠ざける危険があると申し上げているだけです。」

米国では、ジョスリン糖尿病センターが糖質40%で、内科医や婦人科医などや患者会も糖尿病患者には糖質40%くらいを推奨することが多いようです。

「日本60%で米国40%の差が合併症発症率の差かもしれない」というのは、あくまでも仮説と断ってのお話ですが、そのような懸念をお感じになったとしたら、すいません。

医療不信というよりは、今の日本糖尿病学会の食事療法に関する治療方針に対して、糖尿病患者さんには疑問・不信をもって欲しいと思っています。


「私は、患者さんのデータが改善してまたそれで食事が楽しいのであれば、低糖質食であれ地中海食であれまたカロリー制限であれそれがその方にとって最も良い食事療法と思って診療において実践しています。糖尿病患者さんの合併症が0になる日が早く来るといいと思います。」

大賛成です。

先生のようなスタンスの糖尿病専門医が増えてくれば、日本の糖尿病患者さんも救われていくと思います。


さて2013年の統計で
糖尿病腎症からの人工透析は、年間新規導入16000人
糖尿病網膜症からの失明は、年間3000人
糖尿病足病変からの切断は、年間3000人以上

です。

欧州各国と同様に、日本でも近年糖尿病合併症の発症率は減少し始めているのかも知れませんが、やはり絶対数として多いとしか言いようがありません。

糖尿病合併症が発症する最大の理由として、「食後高血糖」「平均血糖変動幅増大」があります。

これらが酸化ストレスの元凶となり、動脈硬化のリスクとなるからです。

そして糖尿病患者さんが「カロリー制限・高糖質食(糖質60%)」を摂取する限り、「食後高血糖」「平均血糖変動幅増大」が、必ず生じます。

そうすると、従来の糖尿病食では理論的に合併症の予防は極めて困難ということになります。

インスリンや内服薬を使用しても、「食後高血糖」「平均血糖変動幅増大」をきっちり防ぐことは困難ですが、合併症発症率が減少しているなら、薬物療法はその分くらいは有効と考えられます。

これに対して、糖質制限食で血糖コントロール良好なら「食後高血糖」「平均血糖変動幅増大」は生じませんので、理論的には、合併症はほとんど生じないと考えられます。

私は、早急に、糖質摂取を減らして、日本の糖尿病患者さんを、合併症の悲劇から守る必要があると考えています。

私は患者さんサイドに立って、物事を考えます。

まあ、私自身が糖尿病患者ですので・・・。(^^)

日本糖尿病学会は、

「血糖値に直接影響を与えるのは糖質だけである」

という米国糖尿病学会の見解や

「米国糖尿病学会は2013年、糖質制限食を正式に受容した。」

という重要な事実を、国民や一般の医師に、早急に情報公開する義務があると思います。

私は、一医師そして一糖尿病患者として、今の日本糖尿病学会には、不信感を持っています。

糖尿病患者さんにも、今の日本糖尿病学会の食事療法には不信感を持って欲しいと思って、毎日ブログで、情報を発信しています。

糖質制限食に関する正確な情報を得て、自分で考えて治療法を選択する権利が患者さんにはありますが、現状はそれが無視されています。

多くの糖尿病専門医が、一方的に「カロリー制限・高糖質食」を唯一無二の食事療法として患者さんに押しつけています。

「カロリー制限・高糖質食」は、合併症誘発食であり、もっと過激に言えば、慢性殺人食とも言えます。

私は、日本糖尿病学会に、喧嘩を売っているのではありません。

「食後高血糖」「平均血糖変動幅増大」が酸化ストレスリスクであるということは糖尿病専門医において周知の事実なのに何故それを唯一生じる糖質を、大量摂取させるような、矛盾した食事療法を推奨するのか?理解に苦しみますので、できれば理論的に回答して欲しいと思っているわけです。

各糖尿病専門医も、それぞれ自分の頭で考えて、理論的に正しいと判断して治療法を選んで欲しいと思います。



江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
米国糖尿病合併症発症率、激減。日本では発症率増加。
【15/08/09 無名糖尿病専門医

日米の糖尿病合併症の違い

江部先生

時折、ブログを興味深く拝見しております。以前にも米国CDCのGreggらのデータをご自分流に解釈されており気になっていましたが、今回も明らかに誤った解釈をされていて患者さんの医療不信を助長しかねない内容になっておりますので、修正された方が良いと思い不躾ながら投稿いたします。

当該論文は、dm-netの解説にもありますように、発症率の推移を見たもので発症した患者数ではありません。

例えば、この間、米国の糖尿病患者数は、同じCDCのグループのJAMA 2014の論文を見ますと有病率が1.6倍ほどに増加していますので、米国全体の人口増も加味すると2倍近くになっているかもしれませんが、そうすると発症率は28%減少でも末期腎不全などの絶対数は増加しているはずです。dm-netでもGregg先生はそのように言われています。

翻って、我が国の場合透析導入者数は、この数年は横ばいないしは減少傾向にあり、糖尿病患者は増加していますので、発症率は減少しています(CDCのようなデータがないのは残念ですが)。

このような糖尿病患者における細小血管症・大血管症の発症率の低下は多くの先進国で同じ傾向と言われています。我が国でははっきりした統計は残念ながらありませんが、腎症や大血管症についてては降圧や脂質管理などなされるようになったことが大きな因子であると考えられますので、発症率は減少していると思われます。

JDCSのデータは、同じコホート内での推移を見ていますので、糖尿病の罹病期間や年齢が上がった来れば大血管症のリスクは当然上がります。CDCのデータは、新規発症なども含めた糖尿病患者における発症率なので意味合いが違います。

我が国では足切断も統計はありませんが、江部先生が言われる3000人が正しいとすれば、やはり発症率としては減少しているということになります。

蛇足ですが、国民健康栄養調査などの結果から我が国の糖尿病患者数が増加していることについて、様々な批判があります。勿論減少した方がいいのですが、糖尿病は一度診断されると治癒しませんので、血糖コントロールが良くなっても糖尿病患者さんとしてカウントされます。

したがって、糖尿病患者sンが長生きされるようになったことも患者数の増加に一定程度寄与していることに留意して頂きたいと思います。

このように、全体として糖尿病のケアは改善してきています。江部先生が言われるように、患者さんの選択肢が増えて少しでも快適な生活を送ることができることを多くのまじめな糖尿病専門医(かかりつけ医も)は願っていると思います。

今回の様な、全く科学的根拠に基づかない記事は、医療不信を招くという意味において、江部先生が普段批判しておられる低糖質食を含めた患者さんの希望に全く耳を貸そうともしない医師と同じくらい、患者さんの不利益になると思います。

長文で申し訳ありませんが、ご一考ください。】



無名糖尿病専門医さん

貴重なご意見をありがとうございます。

ご意見を受けて、もう一回調べ直して、できるだけ日本における根拠となるデータを集めてみました。

さて、ご指摘のように、この間(1990~2010年)米国では、糖尿病患者数は増加しています。

その中で、合併症発症率が激減していることは紛れのない事実です。

米国の調査において、糖尿病合併症の発症率が、この20年間(1990~2010年)で、急速に低下していました。

米国では、
(1)急性心筋梗塞 マイナス67.8% 
(2)高血糖症による死亡 マイナス64.4% 
(3)脳卒中 マイナス52.7%
(4)下肢切断 マイナス51.4%
(5)末期腎不全 マイナス28.3%


日本では
1)心筋梗塞はもともと米国に比べて発症率が少ないので、
  比較しにくいですが67.8%も減っていないと思います。
2)高血糖そのものによる死亡は、かなり少ないので、これは比較しにくいです。
3)脳卒中に関しては、やはり52.7%も減ってはいないと思います。
4)下肢切断の発症率も、ほとんど減っていないと思います。
5)末期腎不全は、新規透析に占める糖尿病腎症の割合は合増え止まりましたが、
  絶対数は増加し続けています。発症率も少なくとも28%も減少していないと思います。


2013年の統計で
糖尿病腎症からの人工透析は、年間新規導入16000人
糖尿病網膜症からの失明は、年間3000人
糖尿病足病変からの切断は、年間3000人以上
です。

日本では、ご指摘通り、統計が少ないのですが、合併症発症率が増えている可能性が極めて高いのです。

厚労省が公表した資料によると、糖尿病で治療を受けている患者のうち、足壊疽を合併している患者は5年間で、0.4%(1997年)から1.6%(2002年)に約4倍になっています。

合併症発症率が増加する理由として、糖質60%の従来の糖尿病食を摂取すれば、「食後高血糖」「平均血糖変動幅増大」という最大の酸化ストレスを必ず生じて動脈硬化のリスクとなるからです。

このように、糖質60%の食事を摂取する限り、理論的には合併症の予防は不可能に近いのです。

「食後高血糖」「平均血糖変動幅増大」が最大の酸化ストレスリスクであることには、エビデンスがあります。

JDCSに関しては以下の論文があります。
約10年前の久山町研究の成績と比べて
虚血性心疾患の発症率は明らかな上昇です。
脳卒中発症率も軽度上昇しています。


『糖尿病と冠動脈疾患の疫学(PDFファイル)
11ページ
http://www.igaku.co.jp/pdf/tonyo1007-2.pdf
Japan Diabetes Complication Study(JDCS)

1996年4月より行われているJDCSは,日本人2型糖尿病患者2205人を対象とした生活指導の効果を検討する前向き研究で,冠動脈疾患(狭心症と心筋梗塞)と脳卒中の発症率やリスク因子を検討している.登録時における対象者の平均年齢は59歳,平均罹病期間は11年であった.


7年間の観察期間における心血管疾患発症率は,1000人年あたり虚血性心疾患8.0,脳卒中7.4であり,約10年前に発表された久山町研究の成績と比べて,虚血性心疾患の発症率の明らかな上昇を認めた5)(表1).

 JDCS 9年次中間報告によると,1000人年あたりの冠動脈疾患の発症率は9.6,脳卒中は7.6であり,それぞれ一般住民の約3倍,約2倍であった7).従来,日本人一般人口では脳卒中の発症率のほうが冠動脈疾患のそれより多いが,同研究が対象とした世代の2型糖尿病患者では逆に冠動脈疾患が多いことが示されており,日本人においても糖尿病に罹患すると,冠動脈疾患の発症率は確実に欧米人の値に近づきつつあることが示されている.』

1983年から2007年まで24年間、新規人工透析患者における糖尿病腎症の割合は増え続けたあと増え止まり傾向です。

しかし、透析患者数全体が増え続けているので割合は増え止まりましたが、糖尿病腎症からの透析絶対数は2013年まで増え続けています。

糖尿病腎症からの透析患者は、年間透析患者の割合で、1998年に慢性糸球体腎炎を抜いて疾患別一位になっています。

               2007     2008     2009     2010年    
糖尿病腎症の割合   43.4      43.3     44.5     43.6 % 
透析患者数全体    275,242    283,421    290,661   298,252人 

               2011     2012     2013年
糖尿病腎症の割合    44.3      44.2     43.8%
透析患者数全体    304,856    310,007    314,180人

糖尿病患者の人工透析発症率がどのくらいで推移しているのか、統計がないのでわかりません。

しかし上記の数字をみて、米国並みに糖尿病患者さんの人工透析発症率が28.3%くらい大幅に減ったと考える人はまず皆無と思います。

発症率が仮に減ったとしてもごく小幅と思います。

糖尿病患者数も増えていますが、糖尿病腎症からの透析患者絶対数も2013年まで増え続けていますので。



江部康二

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日本海と日本列島。旧石器時代、縄文時代。氷河期・氷期・間氷期。
こんにちは。

今回は、「日本海と日本列島。旧石器時代、縄文時代。氷河期・氷期・間氷期。」と題して、考察してみます。

以下の青字は、

富山県の日本海学推進機構
キッズ日本海学 日本海の大きさは? 
http://www.nihonkaigaku.org/kids/secret/size.html

より引用です。
ありがとうございました。

【キッズ日本海学 日本海の大きさは? http://www.nihonkaigaku.org/kids/secret/size.html
日本海の面積は約103万km2です。
日本の国土面積は約38万km2ですから、日本列島が2.7個入ってしまいます。平均の深さは1350mです。
もっとも深いところは3796mあり、富士山(標高3776m)が沈んでしまいます。
また、太平洋などの外海(がいかい)とは、浅くてせまい5つの海峡(かいきょう)でつながる内海(うちうみ)となっています。
対馬(つしま)、関門(かんもん)、津軽(つがる)、宗谷(そうや)、 間宮(まみや)の各海峡の水深は、深いところでも130mほどです。
そのため、気象の変化などで海面が大きく低下すると、日本海は完全に孤立(こりつ)した海となってしまいます。】


さて、地球温暖化とかいろいろマスコミを賑わしていますが、実は今は「氷河期」であることを皆さん、ご存知でしょうか?

大陸上に氷河が存在する寒冷な時代を「氷河時代」といいます。

すなわちグリーンランドと南極に氷床(総面積5万km²以上の氷塊の集合体)がある現代は、氷河期なのです。

氷床は氷河より大規模なものを言います。

地球が誕生してから、「氷河時代」と「氷河がない暖かい時代」を数回繰り返してきました。

氷河時代の中でも「氷期」と「間氷期」があり、数万年の期間で、大陸上の氷河が増えたり減ったりしてきました。

最後の氷期(ウルム氷期)は、約7万年前に始まり約1万年前に終わりました。

その後、現在は間氷期にあり比較的温暖な時代と考えられています。

地球上の水は、固体(氷)、液体(水)、気体(水蒸気)の3つに形を変えながら、陸、海、空を循環しています。

氷期では、間氷期に比べて、1年の平均気温が5〜10℃ほど下がります。

寒冷になると、蒸発(じょうはつ)した海水の一部は、雪となって積もって、やがて氷河や氷床となっていきます。

こうして固体の氷が大量に陸上にとり残されていくと、海水の源である液体の水が海に流れ込む量が減少します。

そうすると、海面が下がって行き、160m近く海位がさがり、対馬(つしま)、関門(かんもん)、津軽(つがる)、宗谷(そうや)、 間宮(まみや)の各海峡は陸続きとなり、朝鮮半島やロシアとの間をマンモスなどが歩いて行き来できたわけです。

このように氷期には日本海が完全な内海(うちうみ)になり、太平洋とは隔絶した時期が一定期間あったと思われます。

日本の旧石器時代(数万年前~16000年前)は、氷期であり、日本と大陸は陸続きの期間が多かったと考えられます。

旧石器時代のご先祖は、ナウマン象、マンモス、オオツノ鹿などの大型動物を狩猟するのが主たる生業であり、糖質はほとんど摂取していないので虫歯率はゼロでした。

ウルム氷期後期になり、徐々に気候が暖かくなると、海位は徐々に上昇していき、対馬、関門、津軽、宗谷、間宮の各海峡が出現してきて日本列島は大陸とは陸続きではなくなります。

そうなるとナウマン象、マンモスは大陸から渡って来れなくなります。
その頃から縄文時代が始まります。

縄文時代が16000年前~約2500年前まで続き、狩猟・採集・漁労の3者がほぼ均等に営まれていました。

ドングリや栗などの糖質摂取のため、虫歯率は約8%と増加です。

その後、弥生時代が2500年前(紀元前500年)~紀元後300年まで続きます。
弥生時代は卑弥呼・邪馬台国時代まで約800年間続いたこととなります。
稲作で米を食べるようになり、虫歯率は約16%とさらに増加しました。

その後、古墳時代が300年から始まります。
古墳時代のあとは、飛鳥時代が590年~710年までありました。
710年からは奈良時代、794年から平安時代です。


江部康二
テーマ:糖質制限食
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「元気過ぎる医師が語る、糖質制限食 ~ロコモ・糖尿病 」 コラボ大阪講演会
こんにちは。

相変わらずしつこく猛暑が続く京都です。
夕方、局所的雷雨もあるのですが、気温は下がりません。

本日はコラボ大阪講演会のご案内です。
今回は、一般向けの講演会です。

「元気過ぎる医師が語る、糖質制限食 ~ロコモ・糖尿病 」

と題して、テレビ東京系列「主治医が見つかる診療所」でもおなじみの中村巧先生(中村整形外科リハビリクリニック)と江部康二のコラボ講演会です。

中村先生は、2003年 から肥満外来を開設され、二人の管理栄養士と共に、12年 間で約2500例 のロ コモ肥満患者に糖質制限食と運動指導により健康的な減量指導を行って、素晴らしい成果をあげておられます。

ご自身は、軽くてしなやかな身体(細マッチョ)を作りあ げ100歳を超えて人生を走 れるように、自分の身体で挑戦 しておられます。

100歳まで生きるという現物を見たい方は是非ご参加のほどを・・・



江部康二



以下、事務局からのお知らせです。

☆☆☆
ブログ読者の皆様、講演会へいつも多数ご参加いただきまして、ありがとうござ います。

8月30日(日)、大阪・中之島で、

「元気過ぎる医師が語る、糖質制限食 ~ロコモ・糖尿病」

と題して、一般の方向けの講演会を開催いたします。

今回の講師は、マスターズ陸上の選手兼普及部長であり、テレビ東京系列「主治医が見つかる診療所」でもおなじみの医師、中村巧先生(中村整形外科 リハビリクリ ニック)と江部康二理事長です。

過密スケジュールもなんのその、ことさら元気な両医師が糖質制限を熱く語ります。

関西地区の皆様をはじめ、多数のご参加を心よりお待ちしております。


///////////////////ご案内/////////////////////

一般社団法人日本糖質制限医療推進協会主催 講演会(大阪)

元気過ぎる医師が語る、糖質制限食
~ロコモ・糖尿病

■日 時: 8月30日(日)13:50~16:30頃 
  ※入場受付・開場は13:30~

■会 場: 大阪大学中之島センター 10F
     「佐治敬三メモリアルホール」

〒530-0005 大阪市北区中之島4-3-53
http://www.onc.osaka-u.ac.jp/others/map/index.php

■内 容:

◆講演1:『細マッチョ』が最後に笑う(糖質制限と生物進化体操)
        ―健康長寿な日本人づくり― 

講師: 中村 巧 医師
    医療法人社団 中村整形外科リハビリクリニック 理事長
    株式会社 抗加齢医学研究所 代表取締役

◆講演2: 糖尿病と糖質制限食

講師: 江部 康二 医師
    (一財)高雄病院 理事長
    (一社)日本糖質制限医療推進協会 理事長   

◆質疑応答

※講演は各60分を予定しています。

※講演後、両講師による質疑応答を30分程度予定しています。


■受講費: 賛助会員 2,500円 / 一般(非会員) 3,000円

■お支払い方法:

クレジットカード/銀行振込/郵便振替  ※事前決済のみとなります。

■お申し込みの流れ:

1. 下記「お申し込み方法」の該当するものからお申し込み下さい。
2. 事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3. 入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4. 当日、直接会場までお越し下さい。

■お申し込み方法:

★賛助会員の方:事務局までメールにてお申し込み下さい。

★賛助会員入会をご希望の方:

  1. 入会案内および会員規約をお読み下さい。
   http://www.toushitsuseigen.or.jp/#!membership/cdt9

 2. お申し込みは下のフォームからお願いします。
   「通信」欄に「8/30 大阪講演会受講希望」とご記入下さい。
   http://www.toushitsuseigen.or.jp/contact
  
★一般(非会員)で、講演会の受講のみご希望の方:
  下のフォームからお申し込み下さい。
  http://www.toushitsuseigen.or.jp/seminar-gen

■その他:

・予約制です。当日参加はできません。
・キャンセルは8月28日(金)までに事務局までご連絡願います。

(掲載サイト:http://www.toushitsuseigen.or.jp/activity
テーマ:糖質制限食
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熱血ナースMrs.GAGAのダイエット支援ブログ!!〜低糖質に愛をこめて〜
おはようこざいます。

宮崎市にて糖質制限食普及に燃えるMrs.GAGAさんのブログのご紹介です。


【熱血ナースMrs.GAGAのダイエット支援ブログ!!〜低糖質に愛をこめて〜
http://ameblo.jp/gaga-nurse/

<プロフィール>
ニックネーム: Mrs.GAGA
性別: 女性
お住まいの地域: 宮崎県
職業: 看護師
未既婚: 既婚
出没地: 宮崎市
出身校: 福岡赤十字看護専門学校

<自己紹介>
3人の男の子のお母さんです!自身も糖尿病のサラブレッド家系であることから、
糖質制限しています!】


Mrs.GAGAさんは、糖質制限食実践で、ご自身のアトピーが治っておられます。
http://ameblo.jp/gaga-nurse/entry-12057974158.html
ここで、写真が見れます。

宮崎市で、糖質制限食普及の使命感に燃えて奮闘する熱血ナースのブログ、是非ご覧あれ。

Mrs.GAGAさんには
2014年2月23日(日)の
糖質セイゲニストin宮崎 講演会「カロリー制限から糖質制限へ」
でお会いしました。

やるき充分で行動も伴っていて迅速、素晴らしいですね。 ヾ(^▽^)


江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
「糖質制限の教科書」 (洋泉社MOOK) 。ネット書店では、ジュンク堂にあります。
こんにちは。

洋泉社から
「糖質制限の教科書」
(洋泉社MOOK) ムック  ¥1080




が2015年6月12日に発売されました。
私が「監修」した本です。

教科書と題したムックですので、とてもわかりやすい構成となっています。

図や写真も豊富で、読みやすい内容です。

日頃、本が苦手の人でも、すっと一気に読めると思います。

これから糖質制限食を始める人には
おおいにお役に立てると思いますので、
是非ご一読いただけば幸いです。



お陰様で売れ行き好調です。
現在、インターネット書店では、ほとんど売り切れ状態で、ご迷惑をおかけしています。
一般書店では、在庫わずかの書店もありますが、まだいけると思います。

いま現在すぐに送料無料でオンラインでご購入いただけるネット書店さんですと
ジュンク堂に在庫がありました。
http://www.junkudo.co.jp/mj/products/detail.php?product_id=3000373672



出版社によるとお盆明けには、インターネット書店にも出荷できる手はずとのことです。

江部康二



☆☆☆

以下は洋泉社の内容紹介です。

基本から実践、理論までこの1冊でわかる正しいやり方で、無理なくやせる、健康になる!

・満腹OK! 血糖値を上げない!ひと目で分かる食材の選び方
・献立のつくり方
・知って納得!糖質制限でやせる仕組み
・続けるほど健康になる!症状別
・糖質制限の効果・疑問や不安を一気に解消する糖質制限Q&A

【監修】江部康二(えべ・こうじ)医師。
一般財団法人高雄病院理事長。
一般社団法人日本糖質制限医療推進協会理事長。
1950年京都府生まれ。
1974年京都大学医学部卒業。
京都大学胸部疾患研究所第一内科(現京大呼吸器内科)を経て、
1978年より高雄病院に医局長として勤務。
1999年、高雄病院に糖質制限食導入。
2000年理事長就任。
2001年から糖質制限食にとり組む。
2002年に自身の糖尿病に気づき、自ら糖質制限食を実践、肥満と糖尿病を克服。
豊富な症例をもとに糖質制限食の研究を続けている。
主な著・監修書に『食品別糖質量ハンドブック』
『江部先生、「糖質制限は危ない」って本当ですか?』(ともに洋泉社)、
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!新版』
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!2実践編 新版』(ともに東洋経済新報社)など多数
ブログ「ドクター江部の糖尿病徒然日記」http://koujiebe.blog95.fc2.com/


テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
米国では糖尿病合併症20年間で大幅減少、日本では増加。何故?再考。
こんばんは。

米国の調査で、糖尿病合併症の発症率が、この20年間(1990~2010年)に急速に低下していることが判明しました

医学誌「ニューイングランド ジャーナル オブ メディスン」に2014年4月17日付けで発表されました。


米国では、
(1)急性心筋梗塞 マイナス67.8% 
(2)高血糖症による死亡 マイナス64.4% 
(3)脳卒中 マイナス52.7%
(4)下肢切断 マイナス51.4%
(5)末期腎不全 マイナス28.3%


日本では
A)1996年開始のJDCS(2型糖尿病2205人の研究では)心筋梗塞、脳卒中の発症率は、
  7年目の統計より9年目の統計が増加している。
B)下肢切断も増加傾向にある。2014年で、年間約3000人以上。
C)糖尿病腎症からの透析絶対数は2013年まで増え続けている。



結局、米国では、1990~2010年にかけての20年間で、糖尿病合併症が大幅に減少していますが、日本では増加しています。
米国では、半減以上に減少した、心筋梗塞と脳卒中は、日本では増加しています。
米国では半減した下肢切断も、日本では増加傾向です。
米国では3割近く減った透析も、日本では絶対数は増加し続けています。
何故こんなにも差がついてしまったのでしょう?

糖尿病の治療薬としては、米国も日本もそんなに差はありません。

まあ、経口糖尿病薬7種の使い方や、注射薬2種の使い方に日米で差があって、それで、米国の方が圧倒的に合併症が少ないのなら、日本の糖尿病治療に携わる医師の医療レベルが米国に比し、極端に低レベルということになりますが、さすがにそれはないと思います。

なので、合併症発症率の差は、薬以外に要因があることとなります。

運動療法もそんなに差があるとは思えません。

そうなると残るのは、糖尿病の食事療法だけです。

米国では1993年から糖質管理食が広まりはじめました。

米国では1994年に炭水化物と脂質の割合を固定しなくなりました。

2005年、ボストンのジョスリン糖尿病センターは、炭水化物の推奨量を40%に下げました。

全米最大の糖尿病患者会は、大分前から炭水化物40%程度を推奨しているそうですが、いつ頃からそうなのかは、判然としません。

ともあれ、米国では糖尿病と診断されたら、糖質摂取を意識することは、1993年糖質管理食が広まり始めたころからは、常識になっていったと思われます。

これに対して日本の糖尿病食は、1969年から一貫して糖質60%を推奨しています。

あくまでも仮説ですが、
糖質摂取比率が、40%の米国の糖尿病患者と
糖質摂取比率が、60%の日本の糖尿病患者の差が、
合併症の差に繋がった可能性は高いと私は思います。

なお米国でも、糖尿病合併症の発症率は減少ですが、糖尿病患者数は増え続けています。

これは、糖尿病患者以外の米国人は、50%くらいの糖質摂取比率のため、、糖尿病発症が予防できていない可能性があります。


江部康二


☆☆☆
以下糖尿病ネットワークより抜粋
http://www.dm-net.co.jp/calendar/2014/021697.php

糖尿病合併症が20年間で大幅減少 
心筋梗塞や高血糖は60%以上減


2014年04月25日
カテゴリー:2014年 医療の進歩 糖尿病合併症

 心臓病や脳卒中、腎臓病、下肢切断といった糖尿病合併症の発症率が、米国でこの20年間に急速に低下していることが判明した。「糖尿病は数百万の患者の生活に影響をもたらす破壊的な病気ですが、医療は進歩しており、糖尿病合併症は減りつつあります」と、研究者はこの調査結果を歓迎している。

「脳卒中」や「下肢切断」も、20年間で50%以上減少
 この調査は、米国疾病予防管理センター(CDC)から研究助成を得て行われたもので、医学誌「ニューイングランド ジャーナル オブ メディスン」に4月17日付けで発表された。
 研究チームは、「米国医療聞取り調査」(National Health Interview Survey)、「全米退院調査」(National Hospital Discharge Survey)、「米国腎臓データシステム」(U.S. Renal Data System)、「米国人口動態統計」(National Vital Statistics System)の4件の大規模調査のデータを用いて、1990~2010年の糖尿病合併症の発症について調べた。
 その結果、2010年までに、以下の5つの合併症すべてにおいて、相対的な発生率が低下していることが判明した。

(1)急性心筋梗塞 マイナス67.8% (95%信頼区間[CI] -76.2~-59.3)
(2)高血糖症による死亡 マイナス64.4% (同-68.0~-60.9)
(3)脳卒中 マイナス52.7%
(4)下肢切断 マイナス51.4%
(5)末期腎不全 マイナス28.3% (同-34.6~-21.6)

 絶対的減少がもっとも大きかったのは「急性心筋梗塞」(1万人あたりマイナス95.6人)で、もっとも小さかったのは「高血糖による死亡」(同マイナス2.7)だった。
 「糖尿病合併症を長期間予防すれば、生活の質(QOL)の低下を防ぐことができます。糖尿病をもつ人は、治療を続けながら、より良く生活していくことができます」と、CDCのシニア研究員のエドワード グレッグ氏は述べている。
 糖尿病合併症が急速に減っている背景として、新しい治療薬が開発されるなど、糖尿病の治療の選択幅が拡大していることや、コレステロールなどの脂質や、血圧をコントロールする治療が普及したことを挙げている。
 「医療の進歩が影響しているのはもちろんのことですが、患者自身が食事や運動、禁煙などの生活スタイルを改善し、自己管理することが一般的に行われるようになったことも、大きく貢献しています。糖尿病は、医師や医療スタッフが合併症の危険因子を管理するよりも、患者自身が生活スタイルを改善することで得られるメリットが多い病気です」(グレッグ氏)。
 糖尿病の治療では、医療従事者が患者の生活習慣の指導を行い、自己管理を促しており、その努力が成果をもたらしはじめている。「生活習慣の指導はますます重要です」と指摘している。

20年で糖尿病人口は3倍に増加 医療費も急増
 良いニュースをもたらした調査結果だが、一方では、米国を含め世界中で糖尿病の患者数が増え続けていることが懸念されている。
 「米国だけでも糖尿病有病数が20年間で650万人から2,070万人と、3倍以上に増えています。さらに、糖尿病予備群の数は7,900万人以上に上ります。糖尿病合併症の発症率を抑えられても、糖尿病の全体の有病数が増え続けているので、糖尿病合併症は減っているとは言えないのです」と、グレッグ氏は注意を促している。
 糖尿病の経済的な負担も深刻だ。米国の糖尿病や合併症の医療費は年間18兆円(1,760億ドル)に上り、毎年増え続けている。
 「糖尿病腎症による腎不全、脳卒中、下肢切断などの数は、まだ多いのが現状です。糖尿病合併症を予防するとともに、2型糖尿病の発症数を減らす対策を行う必要があります」と、グレッグ氏は言う。
 なお、20年間の調査は情報が不足しており、1型糖尿病と2型糖尿病を識別できていないことや、糖尿病が原因となる視覚障害や、低血糖の影響などについても不明な点も多いことを付け加えている。

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