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糖質制限は危ない!って本当?朝日カルチャーセンター京都講座 ご案内
こんにちは。

朝日カルチャーセンター京都教室講座のご案内です。

糖質制限は危ない!って本当?
その不安や疑問、バッシングに科学的に回答


と題して、糖質制限食に対する様々な疑問や批判に、科学的根拠を示して回答します。

もちろん、最新の糖質制限食に関する基礎理論や症例報告もあります。

糖質制限食の有効性や安全性についても科学的根拠を示して説明します。

糖尿病を始め、日本の4大死因、5大疾病と糖質制限食のお話しもします。
質疑応答も20分間とたっぷり時間をとりました。

2014年6月の日経メディカルオンラインのアンケートで、日本全国の2263人の医師から有効回答があり、実に過半数の医師が「糖質制限」を支持ということでした。良い意味で衝撃的で、びっくりしました。

過半数(58.3%)の医師が「糖質制限」を支持していて、医師の3人に1人は自ら実行していました。
医師の4人に1人が「患者に勧めることがある」との回答でした。

また「今日の治療指針2015」にも、糖尿病治療食として初めて糖質制限食が取り上げられる時代となりました。

いよいよ糖質制限食の時代到来のようです。


江部康二



☆☆☆
以下
朝日カルチャーセンターのサイトから転載です。

糖質制限は危ない!って本当?
その不安や疑問、バッシングに科学的に回答

講師名 高雄病院理事長 江部 康二
講座内容
米国糖尿病学会では、2013年10月、すでに「糖質制限食」は正式に容認されています。それにも関わらず、日本では相変わらず、「糖質制限 食」に対する無根拠な批判が後を絶ちません。「糖質制限食を続けると死亡率が上がる?」「糖質を摂らないと筋肉量が減る?」「高 タンパク食で腎臓が悪くなる?」「高脂肪食で脳心血管疾患が増える?」「脳のエネルギー源はブドウ糖だけなので糖質制限は危険?」「ずっと続けても安 全?」これらのバッシングに不安を感じられた人も多いと思います。本講演では、これらの批判に対して、科学的根拠に基づき一刀両断に論破し、 糖質セイゲニ ストの悩みを一掃したいと思います。
http://koujiebe.blog95.fc2.com/"

日時・期間 火曜 13:30-15:00 8/18

日程 8/18(火)

受講料(税込み)
会員 3,024円
一般 3,564円

お申し込み 朝日カルチャーセンター京都教室 
075-231-9693

https://www.asahiculture.jp/kyoto/course/4ca12da1-b9f8-aa2f-3f3f-5555830f4c1b

講師紹介 江部 康二 (エベ コウジ)
1950年生まれ。 1974年京都大学医学部卒業。1974年から京都大学胸部疾患研究所第一内科(現在京大呼吸器内科) にて呼吸器科を学ぶ。1978年から高雄病院に医局長として勤務。1996年副院長就任。2000年理事長就任。2001年から糖質制限食に取り組む。2002年に自ら糖尿病であると気づいて以来、さらに糖尿病治療の研究に力を注ぎ、「糖質制限食」の体系を確立。これにより自身の糖尿病を克服。内科医/漢方医/一般財団法人高雄病院理事長/一般社団法人日本糖質制限医療推進協会理事長著書『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』(東洋経済新報社)作家宮本輝氏との対談、『我ら糖尿人、元気なのには理由がある』(東洋経済新報社)『主食をやめると健康になる』(ダイヤモンド社)『高雄病院の「糖質制限」給食』(講談社)『糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食』 (ナツメ社)『高雄病院 Dr.江部が食べている「糖質制限」ダイエット1ヵ月献立レシピ109』(講談社)『糖尿病治療のための! 糖質制限食パーフェクトガイド』 (東洋経済新報社)『炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません: 生活習慣病を予防&改善する糖質制限食31のポイント』 (東洋経済新報社)など多数。ブログ『ドクター江部の糖尿病徒然日記(http://koujiebe.blog95.fc2.com/)は、日に10000件のアクセスがあり、糖尿病のかたやそのご家族から寄せられ↓↓た質問への回答や、糖尿病・糖質制限食に関する情報の発信に、日々尽力している。

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
「元気過ぎる医師が語る、糖質制限食 ~ロコモ・糖尿病 」 コラボ大阪講演会

こんにちは。

相変わらず猛暑が続く京都です。

今日はコラボ大阪講演会のご案内です。
今回は、一般向けの講演会です。

「元気過ぎる医師が語る、糖質制限食 ~ロコモ・糖尿病 」

と題して

テレビ東京系列「主治医が見つかる診療所」でもおなじみの中村巧先生(中村整形外科リハビリクリニック)と
江部康二のコラボ講演会です。

中村先生は、2003年 から肥満外来を開設され、二人の管理栄養士と共に、
12年 間で約2500例 のロ コモ肥満患者に糖質制限食と運動指導により健康的な減量指導を行って、
素晴らしい成果をあげておられます。

ご自身は、軽くてしなやかな身体(細マッチョ)を作りあ げ100歳を超えて人生を走 れるように、
自分の身体で挑戦 しておられます。
100歳まで生きるという現物を見たい方は是非ご参加のほどを・・・



江部康二



以下、事務局からのお知らせです。

☆☆☆
ブログ読者の皆様、講演会へいつも多数ご参加いただきまして、ありがとうござ います。

8月30日(日)、大阪・中之島で、

「元気過ぎる医師が語る、糖質制限食 ~ロコモ・糖尿病」

と題して、一般の方向けの講演会を開催いたします。

今回の講師は、マスターズ陸上の選手兼普及部長であり、テレビ東京系列「主治医が見つかる診療所」でもおなじみの医師、中村巧先生(中村整形外科 リハビリクリ ニック)と江部康二理事長です。

過密スケジュールもなんのその、ことさら元気な両医師が糖質制限を熱く語ります。

関西地区の皆様をはじめ、多数のご参加を心よりお待ちしております。


///////////////////ご案内/////////////////////

一般社団法人日本糖質制限医療推進協会主催 講演会(大阪)

元気過ぎる医師が語る、糖質制限食
~ロコモ・糖尿病

■日 時: 8月30日(日)13:50~16:30頃 
  ※入場受付・開場は13:30~

■会 場: 大阪大学中之島センター 10F
     「佐治敬三メモリアルホール」

〒530-0005 大阪市北区中之島4-3-53
http://www.onc.osaka-u.ac.jp/others/map/index.php

■内 容:

◆講演1:『細マッチョ』が最後に笑う(糖質制限と生物進化体操)
        ―健康長寿な日本人づくり― 

講師: 中村 巧 医師
    医療法人社団 中村整形外科リハビリクリニック 理事長
    株式会社 抗加齢医学研究所 代表取締役

◆講演2: 糖尿病と糖質制限食

講師: 江部 康二 医師
    (一財)高雄病院 理事長
    (一社)日本糖質制限医療推進協会 理事長   

◆質疑応答

※講演は各60分を予定しています。

※講演後、両講師による質疑応答を30分程度予定しています。


■受講費: 賛助会員 2,500円 / 一般(非会員) 3,000円

■お支払い方法:

クレジットカード/銀行振込/郵便振替  ※事前決済のみとなります。

■お申し込みの流れ:

1. 下記「お申し込み方法」の該当するものからお申し込み下さい。
2. 事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3. 入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4. 当日、直接会場までお越し下さい。

■お申し込み方法:

★賛助会員の方:事務局までメールにてお申し込み下さい。

★賛助会員入会をご希望の方:

  1. 入会案内および会員規約をお読み下さい。
   http://www.toushitsuseigen.or.jp/#!membership/cdt9

 2. お申し込みは下のフォームからお願いします。
   「通信」欄に「8/30 大阪講演会受講希望」とご記入下さい。
   http://www.toushitsuseigen.or.jp/contact
  
★一般(非会員)で、講演会の受講のみご希望の方:
  下のフォームからお申し込み下さい。
  http://www.toushitsuseigen.or.jp/seminar-gen

■その他:

・予約制です。当日参加はできません。
・キャンセルは8月28日(金)までに事務局までご連絡願います。

(掲載サイト:http://www.toushitsuseigen.or.jp/activity
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
本ブログのコメント・質問・記事などに関するお願い
【本ブログのコメント・質問・記事に関するお願い】

ブログ読者の皆さんには、いつもコメントいただき、ありがとうございます。

糖質制限食に関する質問についてですが、実際に高雄病院や江部診療所に来院されて診察した患者さんに対しては、医師としての責任・債務がありますので、個別に説明もしっかりさせて頂いていますし、フォローもしております。

一方、ブログ読者の皆さんの質問に関しては、糖質制限食に詳しい医師として、ボランティアで回答させていただいています。

診察もしておりませんしフォローもできませんので、責任もとれません。

私の回答は、あくまでも一般論としての参考意見とお考え頂けば幸いです。

また、ブログ記事や本に関しても同様に、糖質制限食に関する一般論としての参考意見とお考え下さい。

従いまして、読者の皆さんが私の参考意見を読まれて、どのように利用されるかは、自己責任でよろしくお願い申し上げます。m(_ _)m

そして読者の皆さんからもご意見いただきましたが、普通のお医者さんに相談可能な個人的な内容の質問は、ご自分の主治医にご相談頂けば助かります。

またネットで簡単に検索可能なことは、ご自分でお調べください。

質問が増えてきましたので、糖質制限食と関わりがないと判断した質問にはお答えできない場合もありますので、ご了承ください。m(_ _)m

普通のお医者さんでは解答不能の、糖質制限食に関わる質問は、何でもどんどんしていただけば嬉しいです。 (^_^)

掲載OKの質問に関して、読者の皆さんに共有していただきたい情報の場合は、ブログ本文記事にて、できるだけ順番にお答えしたいと思います。

質問によってはコメント欄でお早めにお答えする場合もありますのでご了承ください。

一方、質問がかなり増えてきていますので、なかなか即、お答えすることが困難となってきています。

糖質制限食に関わりのある全ての質問に、本文かコメントでお答えするようできるだけ努力はしていますが、できないときはご容赦願います。m(_ _)m

それから、「管理人のみ閲覧できる」「匿名希望」などの質問に関しては、コメント欄にお答えするか、一般的な話題に置き換えてブログに記載するようにしていますので、よろしくお願い申し上げます。


江部康二



【15/07/28 鳥ちゃん
甘味料
江部先生、いつも書籍とブログで勉強し、 実践して、 「HbA1c」を基準内にコントロール できているものです。
私は、糖尿病と宣告をされたのをきっかけに始めました。

さて、教えて頂きたいことは、 甘味料についてです。
☆パルスイートは、3g当たり、 エネルギーは0kcalで糖質は3.0g
☆ラカントは、100g当たり、 エネルギーは、0kcalで炭水化物が99.5g

私は、食べ物の成分を見るときは、 炭水化物(糖質)を見て、 食べていいもの悪いものを判断していましたが、 これらの甘味料のように、カロリーが0ならば、 他に成分があってもOKということでしょうか?
(カロリー0ならば、他の食べ物も安全ということでしょうか?)

以上、よろしくお願いします。】



【15/07/29 高安
鳥ちゃんさん
甘味料について、江部先生はこれまで何度も書いておられます。
ブログ左のカテゴリー案内に、「甘味料」がありますよ。
炭水化物と糖質の違いも、ネットで検索すればすぐに出てきます。
この程度のことでお忙しい先生の手を煩わせないで、まずご自分で調べてみては如何です?】



【15/07/29 鳥ちゃん
申し訳ありません
大変申し訳ございませんでした。

ただ、このようなことでも、 簡潔にお答えを頂ける、 私たちの味方の先生だと思い、 甘えてしまいました。

以後、気をつけます。


【15/07/29 老婆心
タイトルなし
調べればわかることを 尋ねる人も人ですが ブログの管理人でもない人が 質問を妨げるのもどうかと 思います

質問をされた人の気持ちを ブログ管理人の気持ちを 第三者が壊すのはよくないと 思います

質問にお答えになるかどうかは ブログ管理人の意思

あなたの意思ではないと思いますが いかがでしょうか】



鳥ちゃん さん

まず、エネルギーが0kcalならば、その食材が血糖値を上昇させることはあり得ません。

そして糖質・脂質・タンパク質のなかで、消化・吸収されて直接血糖に変わるのは糖質だけです。

脂質・タンパク質は、消化・吸収されて直接血糖に変わることはありません。

このように血糖値を直接上昇させるのは糖質だけなのですが、血糖値を上げない糖質もあるのです。

すなわち糖質に分類されている中でエリスリトールと合成甘味料は、血糖値を上げません。

エリスリトール以外の糖アルコールは、砂糖の半分くらい血糖値を上げます。

上記以外の残りのほとんどの糖質は、どのような食材でも同じように血糖を上げます。

糖アルコールは糖質ですが、その中でエリスリトールだけは、ゼロカロリーで血糖値も上昇させません。

キシリトールやマルチトールやソルビトールなどの糖アルコールは、砂糖の半分くらい血糖値を上昇させます。

エリスリトールは、

ラカントS(サラヤ)
パルスイートRカロリーゼロ(味の素KK)
シュガーカットゼロ顆粒(浅田飴)

の主成分です。

すなわち、ラカントSやパルスイートやシュガーカットゼロ顆粒は糖質制限OK食材です。

エリスリトールの安全性は、EUでもFDAでも認められていて、総量規制も特にありません。

まあ大量に摂取すれば、まれに下痢することはありえるとは思います。


さて、質問の件ですが、高安 さんの仰るように、自分でサクサクと検索できるようなれば一番いいのですが、なかなか難しい場合も多いですね。

扉ページのカテゴリーで甘味料 の項に66の記事がありますので勉強にはなると思いますが、情報が大量で大変です。

ともあれ、グーグルで
「甘味料 江部」
「糖質 血糖上げない 江部」
「人工甘味料 天然甘味料 江部」
とかで検索すると、早いです。
これらで、欲しい情報に辿り着けば、目的達成です。

一方ご自分で、上手く検索できないときは初歩的なことでも、糖質制限に関する質問なら、OKですよ。

初歩的でも大切な情報は、反復して記事にするようにもしていますので。


高安さんも老婆心さんもコメント、ありがとうございます。

ブログ読者の皆さん、それぞれ、ご自分の意見があると思います。

批判的な意見、辛口の意見、ニュートラルな意見、賛同の意見、質問・・・いろいろあると思います。

その中で冷静に意見交換したり議論するのは、とても、よいことと思います。

個人攻撃など不適切なコメントの場合は、管理人が削除しています。


江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質制限ドットコムより、待望の大豆クッキーが復活です。
おはようございます。

あらてつさんの糖質制限ドットコムより、長らく販売が休止していた大豆クッキーが再販となりました(^^)

クッキー


思い起こせば10年前、『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』(東洋経済新報社)を上梓し、「糖質制限食」という言葉を初めて世に出した頃は、糖質制限食に対応できる食材や原材料など手探りの状態でした(^_^;)

そのような中で、「大豆粉」の存在を知り、パンやお菓子を作ってみたのですが、何分前例がなくレシピもないので、試行錯誤の連続でした。

度重なる失敗の末にようやく完成したのが大豆パン、大豆クッキー、大豆フィナンシェでした。

今でこそ糖質制限食と言う言葉が広がり、様々な糖質制限OK食材が販売されていますが、苦労の上に生み出されたクッキーが再販となりますと、感慨深いものがあります(^^)

再販と言いましても、10年前と比べて大豆粉もレシピも進化しておりますので、味に関しては格段の差があります。

プレーン、紅茶、ココアの三種類が用意されていますので、好みに合わせて選べるのが嬉しいですね。

また、大豆クッキーは常温で保存でき日持ちがしますので、講演に行く途中の新幹線の車中で食べることもあります。

忙しい時の診察の合間に食べるのにも便利です。

糖質セイゲニストの皆さん、是非お試しあれ(^o^)


江部康二


販売と詳細はこちらから


糖質オフ クッキー
http://www.toushitsuseigen.com/products/detail111.html

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質制限食実践中でも安心して飲めるワイン、サーメンタムシリーズ 
おはようございます。

日本全国で体温並みの猛暑日になっているようですが、標高1250mの富士見高原、とにかく涼しいです。

幸い(?)今のところ二日酔にもならず、快適なテニス合宿となっております(^^)

反吐を吐いたり、二日酔いで寝込む人も極めてまれとなりました。

まあ、若い頃に比べると、お酒の量も大分減ったのですが…(-_-)

糖質制限食もお酒も「美味しく楽しく」が基本ですね(^^)

さて、そのお酒ですが、私が監修して完成した糖質制限ワイン サーメンタム、おかげ様で大変好評だそうです(^o^)


ワイン

ろぜかば


カロリー制限食では真っ先に禁止される「アルコール」ですが、糖質制限食では、種類を選べばOKとしています。

焼酎、ウイスキー、ブランデーなどの蒸留酒は糖質が0なので飲んでも血糖値に影響を与えません。

一方、ビールや日本酒なのど醸造酒は糖質量が多く、糖質制限食ではNGとなります(^_^;)

同じ醸造酒でも、赤ワインや辛口の白ワインは糖質量が少いので、適量であればOKとしました(^O^)

ですが、この「適量」が分かりませんとよくご質問を頂きます。

確かに、尿糖試験紙で測るにもワインを開けてしまわないといけませんし、沢山のワインの中でどんなワインを選んでいいのか正直なところ分かりにくいです。

糖質制限食実践中でも安心して飲めるワインはないものか?

そう考えたあらてつさん、オリーブオイルのモリドル社との商談にスペインに行った時、ワインの醸造所に「糖質制限でワイン作って!」と頼み込んできました。

紆余曲折を経て完成したのが、Sarmentum(サーメンタム)

糖質制限専門ワインです。

あらてつさんが現地で尿糖試験紙で検査、合格したものを日本に持ち帰り、例によって、私、江部康二自らが血糖測定、見事に合格です。

空腹時でボトル半分開けるのはさすがにキビシイものがありましたが、これで糖質セイゲニストに皆さんに安心して飲んでもらえるワインが出来ると思うと、感無量です(^O^)

糖質制限食の定番、赤ワインに加え、本格白ワイン、ロゼ、カバも糖質制限で醸造です。


醸造元、コビデス社クリストフ氏より解説をご紹介します。


●Vino tinto(赤ワイン)

Sarmentum Merlot Barrica 2011

100%ペネデスのブドウ畑原産メルローを使い醸造。

収穫物は厳選し、精製には細心の注意を払っています。

アメリカンオーク樽で6ヶ月間寝かせ、当社ワイナリーにて最終調整したものです。

樽がもつザクロ色のトーンをもつ、鮮紅色が特徴です。

口の中では、パワフルでありながらまろやかで、後味が長く続き、バランスが取れています。テイスティングをすると、最初にメルローの品種の味が来て、あとからアメリカンオーク樽による、木の優しい味がします。

メルロー独自の、カカオやコーヒーといった類の香りと、樽から来る香ばしい感じがします。

米料理、チーズ、ソーセージ、鳥肉、肉の煮込み料理などのおともにおすすめです。

*Barricaはスペイン語で「樽」を意味し、600リットル以下の木樽で熟成した
 ワインに表示できます。

●Vino blanco(白ワイン)

Sarmentum Xarel.lo

ブドウ品種は、100%ペネデス原産地のブドウ畑産チャレロです。

このワインは、当社の他の製品同様、厳選されたブドウからとれたフリーラン果汁(高品質のワインを精製するために、ブドウから圧搾するのではなく、流れ出てくる果汁を使用している)によって精製されたものです。

若々しい白ワインで、ほんのり緑がかった青白い黄色をしています。

地中海のフルーツや白い花の、フルーティーな香りがします。

口の中ではさわやかで、バランスが取れた感じがします。味わいは、長く広がりをもっていて、非常にまろやかです。

果物や白い花の後味がします。

魚料理や癖の少ないチーズ、米料理や白身の肉料理に合わせるのが理想的です。

*サーメンタム チャレロは、果皮浸漬によって精製された特別なワインです。 これ(果皮浸漬)は、ブドウの果皮がより味わいと香りのある、特徴が際立つ部位であることから、フリーラン果汁にブドウの粒を入れて、非常に低い温度下で数時間浸すことで、官能特性の部分を形成させるというものです。

●Cava (カバ スパークリングワイン)

通常のCavaは、ドサージュといって、砂糖や甘いリキュールを添加し、味わいの最終調整を行いますが、このSarmentum Cava Brut Natureは、それらを一切加えずに仕上げています。

ブドウ品種は、ペネデス原産のXarel.lo(チャレロ)、Macabeo(マカベオ)、Parellada(パレリャーダ)の三種です。

穏やかな黄金色の反射のある、青白みかかった黄色。グラスに注ぐと数珠状の輪を形成しながら上昇する泡が、程よい感じで長時間放出されます。

ボトルの中で、わずかに熟した果実や花のニュアンスを帯びた、はちみつのようなクリアンサ独特の非常に心地よい香りがします。

飲んで頂くと爽やかな後味で、口の中で大変な心地よさを演出すします。ドライな感じで始まりますが、まろやかで温かみをもった感じで終わります。

香り高く、素直に後に残るまろやかな後味がたいへん心地良いCavaです。

●Rosé  (ロゼ)

100%ペネデスのブドウ畑原産テンプラニージョを使い醸造した、透明感のある桜色がかった赤のロゼワイン。

コルクを抜けば、フルーティーな特徴を持った上質で心地よい香りが拡がります。

口に含むと、ほどよい酸味のあるフレッシュさがありながら、口当たりがまろやかで飲みやすく、エレガントかつフルーティーな後味が残ります。

テンプラニージョの果実を思わせる香りと、重厚かつ繊細な味わい、酸味と渋みがバランスよく感じられるロゼは、どのような料理にも合わせて頂けるでしょう。



もちろん、赤・白・ロゼ・カバ、全て飲みましたが、赤はタンニンの程よい強さと繊細な後味のバランスが取れたワイン、白はとてもフルティーで飲みやすく、カバはドサージュしてないとは思えないほど口当たりがよく、ロゼはテンプラニージョの独特の香りがなんとも言えず、どれもグイグイ飲んでしまいます(^_^;)

すべて私が自ら実験台になり、血糖測定を実施、どれも血糖値に影響を与えませんので、安心してワインを楽しむことができます(^O^)

作ってくださったクリストフさんに大きな拍手を送りたいと思います\(^o^)/

この糖質制限ワイン、Sarmentum(サーメンタム)について、詳細&お買い求めはこちらから。
↓ ↓ ↓
糖質制限ワイン サーメンタム
http://www.toushitsuseigen.com/products/detail66.html

サーメンタム ロゼ&カバ
http://www.toushitsuseigen.com/products/detail81.html

サーメンタム カバ レゼルバ エスペシャル
http://www.toushitsuseigen.com/products/detail95.html


うだるような暑さが続いているので、キリッと冷やしたロゼ・白ワイン・カバなど良いのではないでしょうか。

お盆で帰郷される際や旅行のお供にもいいですね(^^)

左党の糖質セイゲニストの皆さん、是非お試しあれ。




江部康二


テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
作りおきおかずで簡単! 糖質オフのダイエット弁当 2万部達成しました。
こんにちは。

7月11日に拙著

『作りおきおかずで簡単! 糖質オフのダイエット弁当』家の光協会
江部康二 大庭英子 著




が、第6版、1,500部の増刷が決定、累計で18,500部、2万部まであと一息ですと記事にしたところ、なんと出版社から第7版、2,500部の増刷の連絡が入りました(^O^)

これで累計21,000部となりました\(^o^)/

ブログ読者の皆様には、多くの応援をいただきありがとうございますm(__)m

家の光協会は、JAの出版部門になります。

あまり大々的な宣伝はしていないのですが、今年に入って、増刷のペースが早まっているようです。

著名な料理研究家の大庭英子先生にメニューを考えて頂いてますので、レストランのメニューのようなレシピではなく、実際に簡単に作れてしかも美味しいといったところが好評のようです(^^)

糖質制限食でどんなお弁当を作ればよいか悩まれてる方はもちろん、日々のおかずの参考にもなりますので、是非ご一読いただければ幸いです。


江部康二


テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質制限OKな飲み物。夏の水分補給。
こんばんは。
酷暑が続く京都です。

ご高齢の患者さんが数名、脱水や熱中症で高雄病院に来院されました。

いずれもl軽症で点滴で回復されましたが、例年より多い気がします。

ブログ読者の皆さんも水分補給には充分留意してくださいね。

私は、7/25(土)から、3泊4日で7/28(火)まで、信州八ヶ岳山麓の富士見高原(標高1250m)にテニス合宿にいきます。
第34回目のテニス合宿です。

富士見高原の爽やかな涼を満喫してきたいと思います。

ブログの更新は二日酔いでなければできるかもしれませんが、自信はありません。

さて、スポーツや肉体労働をしていない時、脱水予防に水分補給するなら、水が一番です。

汗を多くかいていない時は塩分補給は必要なく、水分補給だけで充分です。

お茶でもよいです。 単なる炭酸水もいいです。 個人的にはペリエが一番好きですが、日常的にはもっと安価な炭酸水をケースで購入しています。

水やお茶など糖質のない糖質制限OKの飲み物は沢山あります。

糖質がごく少量の飲み物としては、成分未調整の豆乳もあります。

ブラックコーヒーも糖質はごく少量です。

私も、豆乳や、「ブラックコーヒー+生クリーム」をよく飲みます。

カフェインを気にするなら、水が一番ですが、お茶の中では、番茶がカフェインが少ないですね。
玄米茶は10mg/100mlです。

麦茶、杜仲茶、ルイボスティーなどは、カフェインゼロです。
爽健美茶、十六茶もカフェインゼロです。


**飲料別カフェイン含有量(福岡県薬剤師会調べ)
http://www.fpa.or.jp/johocenter/yakuji-main/kusuriqanda.html
福岡県薬剤師会のサイト
http://www.fpa.or.jp/library/kusuriQA/50.pdf

コーヒー   60mg/100ml 
紅茶     30mg/100ml 
せん茶    20mg/100ml 
玉露     160mg/100ml 
番茶     10mg/100ml 
ウーロン茶  20mg/100ml 
麦茶     0mg/100ml



野外労働やスポーツで、一定以上汗をかいたときは、水分に加えて、塩分補給も必要です。

熱中症ガイドライン・日本救急医学会2015年によれば熱中症の予防・治療には

「0.1 から 0.2%程度の食塩水、つまり 1L の水に 1 から 2g の 食塩。

推奨されている 飲 水 量 は 高 齢 者 を 含 む 学 童 か ら 成 人 が 500 ~ 1,000mL /日、
幼児が 300 ~ 600mL /日、乳児が 体重 1kg 当たり 30 ~ 50mL /日を目安としている。」


とされています。

手っ取り早くは、アクエリアスゼロでもいいと思います。

炭水化物0.7gと記載されていますが、カロリーゼロなので血糖を上昇させることは、まずないです。

アクエリアスゼロ
100mlあたり
エネルギー 0kcal
タンパク質 0g
脂質 0g
炭水化物 0.7g
ナトリウム 40mg
カリウム 9mg
マグネシウム 1.2mg
L-カルニチン 10mg

原材料名 : 果糖、塩化Na、L-カルニチン L-酒石酸塩、香料、クエン酸、クエン酸Na、
甘味料(アセスルファムK、スクラロース)、
塩化K、硫酸Mg、乳酸Ca、酸化防止剤(ビタミンC)


人工甘味料が嫌な人は
「1L の水に 1 から 2g の 食塩」を自分で作って飲めば良いと思います。


江部康二


☆☆☆参考
熱中症ガイドライン・日本救急医学会2015年
http://www.jaam.jp/html/info/2015/pdf/info-20150413.pdf


以下、熱中症ガイドラインからの抜粋です。
詳しくは
http://www.jaam.jp/html/info/2015/pdf/info-20150413.pdf
をご覧いただけば幸いです。


CQ1:本邦における熱中症の
発生頻度はどのくらいか
平成 25 年(2013 年)6 月 ~9 月の夏季 4 か月
間に医療機関を受診し、熱中症関連の診断を受けた
症例は、診療報酬明細 (いわゆるレセプト)ベース
で、407,948 人でした。


CQ1:どのような人が
熱中症にかかりやすいか?
疫 学
A:気温は環境要因の危険因子として重要である
(1C)。若年男性のスポーツ、中壮年男性の労働に
よる労作性熱中症は屋外での発症頻度が高く重症例
は少ない(1C)。高齢者では男女ともに日常生活の
なかで起こる非労作性熱中症の発症頻度が高い
(1C)。屋内で発症する非労作性熱中症では、高齢、
独居、日常生活動作の低下、精神疾患や心疾患など
の基礎疾患を有することが熱中症関連死に対する独
立危険因子である(1C)。


CQ3:熱中症の発生に関係する
気象条件にはどのような
ものがあるか
疫 学
A:熱中症の発生には気温・湿度・風速・日射輻射
が関係し、熱中症リスク指標として「暑さ指数
(WBGT)」が推奨される(1C)。梅雨明け前後の暑
さのピークで、熱中症の発生リスクが最も高く、重
症率も高い(1C)。また、暑くなる前は、真夏より
も低い温度で熱中症が発生する(1C)。


CQ4-1:熱中症の診断基準は、
どのようなものか?
診 断
A3-1:暑熱環境における体調不良では常に熱中症
を疑う。熱中症とは「暑熱環境における身体適応の
障害によって起こる状態の総称」である。すなわち
「暑熱による諸症状を呈するもの」のうちで、他の
原因疾患を除外したものを熱中症と診断する(1C)。

CQ4-2:熱中症の重症度は
どのように判定するか?
診 断
A3-2:熱中症を軽症から重症まで 1 つの軸でⅠ,Ⅱ,
Ⅲ度の 3 段階の重症度に分類する(1C)。Ⅰ度は現
場にて対処可能な病態、Ⅱ度は速やかに医療機関へ
の受診が必要な病態、Ⅲ度は採血、医療者による判
断により入院(場合により集中治療)が必要な病態
である(1C)。

CQ5:熱中症の予防・治療には
何を飲めばよいか
治 療
A5: 塩 分 と 水 分 の 両 者 を 適 切 に 含 ん だ も の
(0.1~0.2% の食塩水)が推奨される(1C)。現実的
には市販の経口補水液が望ましい。
0.1 から 0.2%程度の食塩水、つまり 1L の水に 1 から 2g の 食塩

推奨されている 飲 水 量 は 高 齢 者 を 含 む 学 童 か ら 成 人 が 500 ~ 1,000mL /日、
幼児が 300 ~ 600mL /日、乳児が 体重 1kg 当たり 30 ~ 50mL /日を目安としている。
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質制限は危ない!って本当?疑問に科学的に回答。朝日カルチャー京都。
こんにちは。

朝日カルチャーセンター京都教室講座のご案内です。

糖質制限は危ない!って本当?
その不安や疑問、バッシングに科学的に回答


と題して、糖質制限食に対する様々な疑問や批判に、科学的根拠を示して回答します。

もちろん、最新の糖質制限食に関する基礎理論や症例報告もあります。

糖質制限食の有効性や安全性についても科学的根拠を示して説明します。

糖尿病を始め、日本の4大死因、5大疾病と糖質制限食のお話しもします。
質疑応答も20分間とたっぷり時間をとりました。

2014年6月の日経メディカルオンラインのアンケートで、日本全国の2263人の医師から有効回答があり、実に過半数の医師が「糖質制限」を支持ということでした。良い意味で衝撃的で、びっくりしました。

過半数(58.3%)の医師が「糖質制限」を支持していて、医師の3人に1人は自ら実行していました。
医師の4人に1人が「患者に勧めることがある」との回答でした。

また「今日の治療指針2015」にも、糖尿病治療食として初めて糖質制限食が取り上げられる時代となりました。

いよいよ糖質制限食の時代到来のようです。


江部康二



☆☆☆
以下
朝日カルチャーセンターのサイトから転載です。

糖質制限は危ない!って本当?
その不安や疑問、バッシングに科学的に回答

講師名 高雄病院理事長 江部 康二
講座内容
米国糖尿病学会では、2013年10月、すでに「糖質制限食」は正式に容認されています。それにも関わらず、日本では相変わらず、「糖質制限 食」に対する無根拠な批判が後を絶ちません。「糖質制限食を続けると死亡率が上がる?」「糖質を摂らないと筋肉量が減る?」「高 タンパク食で腎臓が悪くなる?」「高脂肪食で脳心血管疾患が増える?」「脳のエネルギー源はブドウ糖だけなので糖質制限は危険?」「ずっと続けても安 全?」これらのバッシングに不安を感じられた人も多いと思います。本講演では、これらの批判に対して、科学的根拠に基づき一刀両断に論破し、 糖質セイゲニ ストの悩みを一掃したいと思います。
http://koujiebe.blog95.fc2.com/"

日時・期間 火曜 13:30-15:00 8/18

日程 8/18(火)

受講料(税込み)
会員 3,024円
一般 3,564円

お申し込み 朝日カルチャーセンター京都教室 
075-231-9693

https://www.asahiculture.jp/kyoto/course/4ca12da1-b9f8-aa2f-3f3f-5555830f4c1b

講師紹介 江部 康二 (エベ コウジ)
1950年生まれ。 1974年京都大学医学部卒業。1974年から京都大学胸部疾患研究所第一内科(現在京大呼吸器内科) にて呼吸器科を学ぶ。1978年から高雄病院に医局長として勤務。1996年副院長就任。2000年理事長就任。2001年から糖質制限食に取り組む。2002年に自ら糖尿病であると気づいて以来、さらに糖尿病治療の研究に力を注ぎ、「糖質制限食」の体系を確立。これにより自身の糖尿病を克服。内科医/漢方医/一般財団法人高雄病院理事長/一般社団法人日本糖質制限医療推進協会理事長著書『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』(東洋経済新報社)作家宮本輝氏との対談、『我ら糖尿人、元気なのには理由がある』(東洋経済新報社)『主食をやめると健康になる』(ダイヤモンド社)『高雄病院の「糖質制限」給食』(講談社)『糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食』 (ナツメ社)『高雄病院 Dr.江部が食べている「糖質制限」ダイエット1ヵ月献立レシピ109』(講談社)『糖尿病治療のための! 糖質制限食パーフェクトガイド』 (東洋経済新報社)『炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません: 生活習慣病を予防&改善する糖質制限食31のポイント』 (東洋経済新報社)など多数。ブログ『ドクター江部の糖尿病徒然日記(http://koujiebe.blog95.fc2.com/)は、日に10000件のアクセスがあり、糖尿病のかたやそのご家族から寄せられ↓↓た質問への回答や、糖尿病・糖質制限食に関する情報の発信に、日々尽力している。


テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
人工甘味料は、血糖値を上げず、インスリンも分泌させない。
こんにちは。

今回は、復習を兼ねて、人工甘味料と血糖値、インスリンの正確な情報のお話です。
根拠となる論文も示します。

人工甘味料は血糖値を上昇させることはありません。
人工甘味料はインスリンを分泌させることもありません。

しかしながら、人工甘味料飲料を定期的に摂取すると、砂糖摂取と同程度に肥満・2型糖尿病・メタボリックシンドローム・心血管イベントリスクを高める恐れがあるので、やめた方がいいようです。

なおエリスリトールは人工甘味料ではなく、糖アルコールに分類されますが、血糖値上昇もないし、人工甘味料のような問題はなく、安全性は確立しています。

ネットでは、相変わらず、
「人工甘味料が血糖を上昇させる」
「人工甘味料がインスリンを分泌すさせる」
といった、間違った情報が日常的に発信されていますので、私も繰り返し正確な情報を発信する必要があるようです。


2013年8月29日の本ブログ記事で

『人工甘味料が直接、人の膵臓のβ細胞に作用して、大量のインスリン追加分泌を出させる』

というのは、全く事実無根の誤解ということを述べました。

すなわち、人工甘味料が直接、インスリン分泌を出させるということはありません。

次に、

「ノンカロリー人工甘味料は、予想に反して代謝を障害し疾患リスクを増加させる」

という人工甘味料に関する総説論文に関して検討してみました。

Trends in Endocrinology & Metabolism(TEM)に掲載された論文(☆)です。

TEMの2012年のインパクトファクターは8.901ですのでなかなかの医学雑誌です。

まず、人工甘味料のみでは、インスリンやインクレチン分泌が促進されることはないことが記載されています。

人工甘味料を直接胃や腸に注入しても、通常の食後に起こるホルモン(インスリンやGLP-1のようなインクレチン)分泌の急性変化は起きないことが知られているとのことです。

しかし、人工甘味料飲料が、体重減少に役立ったり、2型糖尿病・メタボリックシンドローム・心血管イベントを防止したりするといった証拠はほとんど得られていないし、人工甘味料飲料を定期的に摂取している人は、そうでない人よりそれらの疾患のリスクが上昇するとのことです。

そのリスクの増加は、従来の砂糖による飲料と同程度だそうです。

結論です。

1)人工甘味料は、血糖値を上昇させないし、インスリンも追加分泌させない。
2)しかし、人工甘味料飲料を定期的に摂取すると、肥満・2型糖尿病・メタボリックシンドローム・心血管イベントリスクを
  高める恐れがある。
3)飲料以外に含まれる人工甘味料が、どのような影響を及ぼすかは、はっきりしていない。

少なくとも人工甘味料清涼飲料水を毎日飲んだりするのは、辞めた方がいいようですね。


江部康二



【(☆)<論文総説内容>

1. ノンカロリー清涼飲料水=ASB(artificially sweetened beverage)と

   従来の砂糖による清涼飲料水=SSB(sugar-sweetened beverage)

2. ノンカロリー人工甘味料を用いた清涼飲料水(ASB)による悪影響

(1) ASBの飲用についての観察研究

(2) ASBの効果を見る介入研究

(3) ASB飲用と肥満についての因果関係は正しいのか?


3. ASB飲用に対する生理的反応

(1) 人工甘味料摂取は、ショ糖摂取とは異なる脳の反応を引き起こす

(2) 人工甘味料のみではインスリンやインクレチン分泌が促進されることはない

(3) ノンカロリー人工甘味料を摂取すると、摂食後のインスリンやインクレチンの放出が増強されなくなる


4. ASB飲用による生理的反応の障害: ASBは学習によって獲得した反応(learned responses)を減弱させる


結語

① ヒトやマウス・ラットモデルにおいて、ASBが体重減少に役立ったり、2型糖尿病・メタボリックシンドローム・心血管イベ強調文ントを防止したりするといった証拠はほとんど得られていない。一方、ASBを定期的に摂取しているヒトでは、そうでないヒトよりそれらのリスクが増加すること(しかもそのリスク増加は、SSB摂取の場合と同程度)が示唆されている。

② このような、今までの常識に反する結果は、ASBが「SSBの摂取後に引き起こされるべき、学習によって獲得された反応を減弱させる」という効果(ASB摂取ではSSB摂取の際に得られるはずのエネルギーが得られないので、それを代償するために起こると考えられる)を持つことによる考えられている。

③ノンカロリー人工甘味料は多くの食物にも含まれるようになってきた。そのような食物がASBのように体重や代謝に対して悪影響を与えるのか どうかは、まだはっきりしていない。しかし、食物の甘味は、ノンカロリーかどうかによらず摂取に注意が必要であることは間違いなさそうである。】



(☆)

Artificial sweeteners produce the counterintuitive effect of inducing metabolic derangements.

Susan E. Swithers

Trends in Endocrinology & Metabolism, Volume 24, Issue 9, 431-441, 11 July 2013


この英文論文を、「一人抄読会」というブログで、糖尿病・代謝内分泌科のドクターが要約と解説をしておられます。

詳しい内容は、

一人抄読会 
http://syodokukai.exblog.jp/19325507 

を見て頂けば幸いです。
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
人工甘味料の許容量と安全性。1日許容摂取量(ADI)とは?
【15/07/20 柳川克典

古い記事なので仕方ありませんが、今は砂糖よりも人工甘味料の方が身体に悪いとされていますよね。自分も加工食品は原材料の表示を確認してから買うようにしています。特にアスパルテームや果糖ブドウ糖液糖などの人工甘味料は血糖値を上昇させて糖尿病や肥満に影響すると言われているので必ず避けます。炭酸飲料で人工甘味料が使われていないのは自分が調べた商品の中では、コカコーラライフだけでした。日本は食品後進国だと思っていますが、先生はどの様にお考えですか?教えてください。】



こんにちは。

人工甘味料の許容量に関して、柳川克典さんから、コメント・質問をいただきました。

確かに人工甘味料に関してネガティブなことを書いているサイトが多くて気になりますよね。

結論から言えば、私はそれほど気にしていません。

まず、果糖ブドウ糖液化糖は、血糖値を上昇させますが、アスパルテームなどの人工甘味料は血糖値を上昇させません。

基本的に厚生労働省やFAO/WHOの指針を守っていれば、人工甘味料、適量以内なら大丈夫と思います。

私自身も、サントリーオールフリーをよく飲んでいます。

オールフリーの栄養成分
麦芽、ホップ、香料、酸味料、カラメル色素、酸化防止剤(ビタミンC)、苦味料、
甘味料(アセスルファムK)


人工甘味料のアセスルファムKが含まれていますが、オールフリー350ml缶を3本/日くらいならなんの問題もないと思います。

さて、まず人工の添加物に対する無毒性量という基準があります。

無毒性量というのは「これ以上食べると毒になる」という量の2分の1の量のことです。

無毒性量を、さらに安全係数100で割ったものが1日許容摂取量(ADI)です。

例えばスクラロースは、

厚生労働省のホームページ
http://www.ffcr.or.jp/Zaidan/mhwinfo.nsf/0/06717d18e8757f2b4925672e0026538a?OpenDocument

に、動物実験の結果などが詳しく載っています。

これによるとスクラロースは、無毒性量が1500mg/kg体重/日です。

そうすると1日許容摂取量(ADI)は15mg/kg体重/日

日本人のショ糖の平均摂取量(35.0g)を、全てスクラロース(ショ糖の600倍の甘さ)に置き換えたとして計算される1日推定摂取量は、58.3mgとなります。

日本人の平均体重50kgで除すると、1日あたり1.17mg/kg体重を摂取することとなります。

これは、ADI:15mgの、12分の1ですね。

このページにケーキや飲料水などにおける使用基準も記載してあります。

例えば清涼飲料水は1kgにつき0.40g以下が使用基準です。

体重が50kgの人の1日許容摂取量(ADI)は750mgです。

ダイエット飲料に1kgにつき0.4gの上限のスクラロースが含まれているとしたら1875ccを飲むと、調度750mgですね。

他の人工甘味料は調べていませんが、350ml缶で3本(1050ml)くらいまでなら、まず1日許容摂取量(ADI)を超えることはないと思います。

より詳しくは、厚生労働省のサイトや、下記のJECFAのサイトで自分でお調べいただけば幸いです。

各添加物の安全性に関しては、

JECFA安全性評価-指定添加物のサイト
http://www.ffcr.or.jp/zaidan/FFCRHOME.nsf/pages/JECFA-ADI-D07

を見ると、あいうえお順で、人工甘味料を始めとしてほとんどの添加物が記載されています。

なお、ラカントSの主成分である
糖アルコールのエリスリトールはJECFA(FAO/WHO合同食品添加物専門委員会)により『安全性が十分に高いので、1日摂取許容量は定める必要がない(ADI not specified)』との評価を受けており、その安全性は世界的にも認証されています。(1999年6月)



江部康二
テーマ:糖質制限食
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HbA1c、GA,1,5-AG
【15/07/19 プーカプカ

自分の場合はGA値がモチベーションになりました

初めて投稿させて頂きます。

HbA1c13.3のところ、(1)ゆるい糖質制限73日間(2)スーパー糖質制限15日間で、初発から88日目のGA値が18.5となりました。

HbA1cが正常化したのは142日目の検査まで待たなくてはならかったので(6.0%になりました)、今思えばあの時点でGA値を知った事は、糖質制限を続けるうえでの強い動機づけとなりました。

患者の性格によっては、GA値の検査を主とするほうが励みになって治療態度が良くなるように思います。

末筆ですが、自分の人生を変えてくれた糖質制限治療に感謝しています。
ありがとうございます。】


プーカプカ さん。
良かったですね。

「HbA1cは赤血球の寿命が120日であるため3ヵ月前から採血時まで」
「GAはアルブミンの半減期が17日であるため3週間前から採血時まで」

の平均血糖値を反映します。

従って、プーカプカ さんの、短期間で速やかな血糖値の改善はGAでより早く評価できたと考えられます。

A)HbA1c
1)過去、1~3ヶ月の平均血糖値の評価となるので、動きはゆっくりである。
2)食後高血糖を鋭敏にキャッチすることができない欠点がある。


B)GA(グリコアルブミン)
1)過去、3週間の平均血糖値の評価になるので、改善速度が速い。
2)比較的短期の血糖管理状態を評価できる。
3)食後血糖値を鋭敏に反映するので、HbA1cの欠点を補える。


C)1,5-AG
1)糖質制限食実践者においては、検査することの意味がない。
2)糖質制限食実践者では、食材からの1,5-AGが少ないので、食後血糖正常者においても基準値より低値となるが、これは正常である。
3)糖質を摂取している糖尿人においては、尿糖が多い場合は1,5-AGが低値となり、
   食後高血糖を反映している。3~7日の血糖応答を評価している。
   短期の血糖管理状態を評価できる。
4)SGLT2阻害薬も尿糖が多くでるので、1,5-AGが低値となるが、意味はない。
5)血中1,5-AGは妊娠、慢性腎不全、重症肝硬変でも低下。また、アカルボース(グルコバイ)内服中の人も低値を示す。



<2008年4月23日の江部康二の血液検査、スーパー糖質制限食6年目>
1,5-AG:5.8μg/ml(基準値は12~43) 
と立派に低値でしたが、勿論生理的なもので何の問題もありません。


通常は、HbA1cを保険で測定したら、GAと1,5-AGは保険が適用されません。
1型糖尿病と妊娠糖尿病の場合は、月に2項目まで保険で算定可能ですので
私も、これからは、HbA1cとGAを測定しようと思います。



江部康二



☆☆☆
以下
[2015年5月13日]
Mt Pro 記事 から抜粋
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/1505/1505027.html

保険制約ありで
“GA,1,5-AGどちらも測定”は2割弱


3大血糖管理指標・読者アンケート
 血糖管理指標として,現在日常診療で用いられているHbA1cの他に,より短期の平均血糖を反映するグリコアルブミン(GA),食後血糖を推測する値とされる1,5アンヒドログルシトール(1,5-AG)がある。編集室では,これら3大血糖管理指標の認知度や測定実施率について,糖尿病診療を行っている病院,診療所の医師217人を対象にアンケートを実施。保険診療の制約があるGA,1,5-AGのどちらも測定している医師は全体で2割弱にとどまっていることが分かった。糖尿病患者の血糖管理の指標は空腹時血糖値からHbA1cにとって代わり,HbA1cが低下していれば血糖管理は良好であると考えられてきた。しかし,持続血糖モニター(CGM)の登場によってHbA1cだけで血糖を評価するのは不十分であることが明らかになった。

食後高血糖の指標は1,5-AG,2週間の血糖管理指標はGA


 1,5-AGは,主に野菜,穀類などの食物由来のグルコースに類似した糖類である。体内に取り込まれてもほとんど代謝変換されず,全身の組織に広く分布するが,栄養素としての利用がないため健康人では一定の値を示す。尿糖が多いと尿中への1,5-AG排泄量が増え,血中の1,5-AG濃度が低下する。1,5-AGは3~7日の血糖応答を反映するとされ,食後高血糖の評価に用いられる。

 GAは,グルコースがアルブミンと非酵素的に結合する糖化反応によって形成されるケトアミンである。GAは2週間の血糖応答を反映する指標であり,1,5-AGとともにHbA1cでは捉えられない比較的短期の血糖管理状態を評価できる。高血糖だと1,5-AGは低下,GAは上昇する。

 1990年代後半に3指標の同時測定が保険診療で算定できなくなったが, 2012年に1型糖尿病患者と妊娠糖尿病患者は月2項目まで,内服治療あるいはインスリン治療開始後は半年間に限り月2項目までの測定が保険診療で認められた。

保険診療の制約が測定の足かせに

 調査対象は,メール告知で募集した糖尿病診療を行っているMT Pro会員医師217人(病院勤務医116人,診療所開業または勤務101人,調査期間=2015年3月17~19日)。

 糖尿病専門医資格を有する病院勤務医(18.9%)と診療所医師(9.7%),非専門の病院勤務医(34.6%)と診療所医師(36.9%)の4つのカテゴリーに分けた。

 GA,1,5-AGの測定状況(図1)について,どちらも測定していると回答したのは全体で18.0%であった。その割合を4つのカテゴリーで比較すると,糖尿病専門医資格を有する病院勤務医(41.5%)と診療所医師(28.6%)で多かったが,非専門医でもそれぞれ12.0%,8.8%存在した。


 GA,1,5-AGを測定している医師の場合(図2),いずれも「可能な場合のみ測定」「月ごとに項目を変えて測定」する医師が多かった。中には病院負担で同月に測定している施設もあった。


「測定意義を感じない」の回答も

 GA,1,5-AGのどちらも測定しない理由を聞いたところ(図3),いずれも「保険診療の制約があるから」が最も多かった。「GA,1,5-AGは迅速検査ができないから」という理由も比較的多く見られた。


 「測定意義を感じないから」とする回答は,診療所の専門医以外の3つのカテゴリーで見られたが,病院勤務医では30歳代以下の専門医(33.3%)に限定されていた。

食後高血糖の評価,「食事時間と血糖値で推測」が最多

 糖尿病診療において(図4),食後高血糖はどのように評価しているのか。いずれのカテゴリーで最も多かったのは「食事時間と血糖値で推測」,次いで「自己血糖測定(SMBG)で判断」であり,「1,5-AGで判断」「経口糖負荷試験(OGTT)の結果で判断」と続いた。


HbA1c改善のはずが悪化したという経験は?

 「患者の食事・運動療法の自己申告では血糖改善が予想されたのにHbA1cが悪化している,逆に自己申告ではHbA1cが悪化しているはずだが,実際には改善していたという経験はないだろうか。また,患者が食事・運動療法を頑張ったと言っても,HbA1cが悪化しているのだから嘘をついているか頑張りが足りなかったのではないかと患者に確認した経験はないだろうか」

 こう問いかけるのは,2005年の開院以来,全ての糖尿病患者に3大指標を同時測定し,診療を行っている糖正会飯田橋メディカルクリニック(東京都)理事長の丹羽正孝氏である。GA,1,5-AGを測定すると,患者の直近の生活状況を把握できるため,患者自身の生活習慣是正への取り組みを適正に評価することが可能になる。同氏も「当院の患者は“生活の変化がGA,1,5-AGに如実にあらわれる”と口をそろえて言う」と話している。

 冒頭の読者アンケートの集計結果や同氏によるGA,1,5-AGの解説の詳細は,Medical Tribune 5月14日発行「糖尿病特集」で紹介する。

(編集室)

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
グリコアルブミン(GA)とHbA1cを比較することの意味。症例。
こんにちは。

グリコアルブミン(GA)とHbA1cを比較することの意味ですが、実際の症例で検討してみました。

1)60代女性 時々糖質摂取あるがHbA1cは良好
HbA1c:6.4%(NGSP)  JDS:6.0%
グリコアルブミン:20.0%
GA/HbA1c=3.33


2)50代男性 昼に麺類を食べるがHbA1cは良好
HbA1c:5.8%(NGSP)  JDS:5.4%
グリコアルブミン:18.0%
GA/HbA1c=3.33


3)50代男性 きっちりスーパー糖質制限食
HbA1c:5.8%(NGSP)  JDS:5.4%
グリコアルブミン:14.3%
GA/HbA1c=2.65

4)50代女性 きっちりスーパー糖質制限食
HbA1c:6.4%(NGSP)  JDS:6.0%
グリコアルブミン:14.8%
GA/HbA1c=2.47

5)江部康二 65才 きっちりスーパー糖質制限食
HbA1c(NGSP):5.8%(基準値4.6~6.2%) 
HbA1c(JDS):5.4%(基準値4.3~5.8%)
グリコアルブミン(GA):13.4%(基準値11.8~16.0%)
GA/HbA1c=2.48


1)と4)とを比べると、HbA1cは6.4%(NGSP)、6.0%(JDS)と同じですが、GA/HbA1cは、3.33と2.47と大きな差があります。

1)の女性は、同じ値のHbA1cでも、食後高血糖を生じていた質の良くないHbA1cということで、
4)の女性は、食後高血糖のない良質のHbA1cということがわかります。


同様に、2)3)5)の男性は、HbA1cは、5.8%(NGSP)、5.4%(JDS)と同じです。

しかし、GA/HbA1cは、3.33と2.47、2.48と大きな差があります。

2)の男性は同じ値のHbA1cでも食後高血糖を生じていた質の良くないHbA1cであり、
3)5)の男性は、食後高血糖のない良質のHbA1cということがわかります。

やはり、HbA1cだけでは食後高血糖を見逃してしまうので、グリコアルブミン(GA)も時々調べるのが正解と思われます。


グリコアルブミン(%)
17.0未満:優
17.0~20.0未満:良
20.0~21.0未満:不十分
21.0~24.0:不良
24.0以上:不可


HbA1c
6.0未満:血糖正常化を目指す際の目標
7.0未満:合併症予防のための目標
8.0未満:治療が困難なときの目標




江部康二



☆☆☆

以下は、2015年7月7日の、本ブログ記事の再掲です。

グリコアルブミン(GA)とHbA1cを比較することの意味

こんにちは。

今日は、グリコアルブミン(GA)とHbA1cを比較することの意味を考えてみます。

<グリコアルブミン(GA)とHbA1cの値の乖離>

2014年9月の採血で
HbA1c(NGSP):5.8%(基準値4.6~6.2%)
グリコアルブミン(GA):13.4%(基準値11.8~16.0%)
というデータでした。

まあ日本糖尿病学会の目標値では、「合併症予防が7.0%未満」、「血糖正常化を目指す際は6.0%未満」ですから、HbA1cのコントロールは優秀です。

しかし基準値の上限の近くであり、メタボ健診の特定保健指導は5.6%以上なので、これには引っ掛ってしまいます。

一方、GAのデータは、もっともっと優秀で、基準値の下限に近いくらいです。

この時は、浅学にして、HbA1cとGAの値がなぜこれだけ乖離するのかよくわかりませんでした。

<GAとHbA1cのそれぞれの意義>
一般的知識では、

「HbA1cは赤血球の寿命が120日であるため3ヵ月前から採血時まで」
「GAはアルブミンの半減期が17日であるため3週間前から採血時まで」

の平均血糖値を反映します。

しかし、この知識では、HbA1cTとGAの乖離の説明がつきません。

それで少し、ネットで調べてみました。

<GAとHbA1cの測定原理と食後高血糖の評価>

HbA1cとグリコアルブミン(GA)は、血液中のヘモグロビンとアルブミンが、それぞれ血糖と結合して変化したものの割合を示す検査値で、原理は同じです。

血液中のブドウ糖は、いろんなものにへばり付く性質があり、ヘモグロビン(赤血球の中にあるタンパク質)にくっついて変化したものがHbA1cで、アルブミンという血清中のタンパク質にくっついて変化したものが、グリコアルブミン(GA)ということです。

そして、同じ HbA1C値の糖尿病患者さんでも、食後高血糖が頻回にある患者さんの方が、グリコアルブミンが高くなりやすいことが分かりました。

アルブミンが血糖と結合してグリコアルブミンになるスピードは、ヘモグロビンが血糖と結合して HbA1Cになるスピードの9倍くらい速いと推測されています。

そのため、ごく短時間だけ現れる高血糖にも、グリコアルブミン値の方が HbA1C値より敏感に反応しやすいと考えられます。

ごく短時間だけ現れる高血糖は、通常は糖質摂取後の高血糖です。

これが、「グリコアルブミン検査は食後高血糖の評価に適している」とされる理由です。

<GA/HbA1cの比が大きいと食後高血糖が頻回>

食後高血糖の存在をよりはっきりとさせる方法として、グリコアルブミン値を HbA1C値で割って両者の比を計算する方法があります。

血糖コントロールが良いにしろ悪いにしろ、それが安定している場合、両者の比は、およそ3:1です。(但しHbA1cはJDS値)

つまりGA値が HbA1C(JDS)の約3倍です。

この約3倍というのは昔のHbA1c(JDS値)で計算したらぴったりですが、HbA1c(NGSP値)の場合は少し小さくずれます。

従って、GA/HbA1c比の計算をするときは、JDS値のHbA1cにするとよいです。

*JDS値+0.4=NGSP値
*NGSP値-0.4=JDS値

食後血糖値の変動が大きい糖尿人では、先ほど述べたようにグリコアルブミンの方が上昇しやすいため、GA/HbA1c比が大きくなります。

食後高血糖が頻回の場合は、GA/HbA1c比が4:1に近付いたり、それ以上に差が開くこともあるようです。

この差が大きいほど、合併症が進行しやすくなることを示した研究報告が最近増えてきました。

<糖質制限食なら、GA/HbA1cの比が小さい>
HbA1c(NGSP):5.8%(基準値4.6~6.2%) 
HbA1c(JDS):5.4%(基準値4.3~5.8%)
グリコアルブミン(GA):13.4%(基準値11.8~16.0%)

上記、江部康二の検査データだと、JDS値で計算して、GA/HbA1c比は、2.48:1とかなり低いです。

食後高血糖が極めて少ないことを示しています。

〔薬物療法+従来の糖尿病食(高糖質食)〕で
同じように
HbA1c5.8%(NGSP)
HbA1c5.4%(JDS)
であっても、食後高血糖があるので、GA/HbA1c比は、3:1以上の可能性が高いのです。

すなわち、食後高血糖のない質の良いHbA1cと、食後高血糖のある質の悪いHbA1cとを、GA/HbA1c比によって、区別し評価できるということになります。

GAとHbA1cは同じ月には保険請求できませんので、やや安価なHbA1cのほうを実費で保険外で調べればいいと思います。

私費で、HbA1cは¥500-くらいと思います。

グリコアルブミン検査は今後、普及していくと思います。

それによりグリコアルブミンと合併症の関係がさらに明確になることでしょう。



江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質制限食、「コラボ大阪講演会」「コラボ東京講演会」、のご案内
こんにちは。

台風は来なかったけれど、結構大雨の京都です。

今日はコラボ大阪講演会、コラボ東京講演会のご案内です。
今回は、一般向けの講演会です。

コラボ大阪講演会
「元気過ぎる医師が語る、糖質制限食 ~ロコモ・糖尿病 」
と題して

マスターズ陸上の選手兼普及部長であり、テレビ東京系列「主治医が見つかる診療所」でもおなじみの、中村巧先生(中村整形外科リハビリクリニック)と江部康二のコラボ講演会です。

中村先生は、2003年 から肥満外来を開設され、二人の管理栄養士と共に、12年 間で約2500例 のロ コモ肥満患者に糖質制限食と運動指導により健康的な減量指導を行って、素晴らしい成果をあげておられます。

ご自身は、軽くてしなやかな身体(細マッチョ)を作りあ げ100歳を超えて人生を走 れるように、自分の身体で挑戦 しておられます。
100歳まで生きるという現物を見たい方は是非ご参加のほどを・・・

コラボ東京講演会
「元気過ぎる医師が語る、糖質制限食 ~人類の食・糖尿病」
と題して
ベストセラー「炭水化物が人類を滅ぼす」(2013年光文新書)の著者で、当会顧問の夏井睦先生と江部康二のコラボ講演会です。

夏井先生は
「糖質制限から見た初期人類史」
というお題ですので、何だか壮大なお話が聞けそうです。
こうご期待ですね。

関東方面の方々、多数のご参加を待っております。


江部康二




以下、事務局からのお知らせです。

☆☆☆
ブログ読者の皆様、講演会へいつも多数ご参加いただきまして、
ありがとうございます。

8月30日(日)に大阪で、10月4日(日)に東京で、一般の方向けの
講演会を開催いたします。

関西圏、首都圏の皆様をはじめ、多数のご参加を心より
お待ちしております。

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◇1.大阪講演会開催のご案内

「元気過ぎる医師が語る、糖質制限食 ~ロコモ・糖尿病 」

今回の講師は、マスターズ陸上の選手兼普及部長であり、テレビ
東京系列「主治医が見つかる診療所」でもおなじみの医師、
中村巧先生(中村整形外科リハビリクリニック)と江部康二理事長です。


・日時: 8月30日(日)13:50~16:30頃 

・会場: 大阪大学中之島センター 10F 佐治敬三メモリアルホール
     http://www.onc.osaka-u.ac.jp/others/map/index.php

・講師: 中村 巧 医師(中村整形外科リハビリクリニック)、
      江部 康二

・受講費: 賛助会員 2,500円 / 一般(非会員) 3,000円


(同日17:15より、別会場にて賛助会員交流会を開催致します。)


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◇2.東京講演会開催のご案内

「元気過ぎる医師が語る、糖質制限食 ~人類の食・糖尿病」

今回の講師は、ベストセラー「炭水化物が人類を滅ぼす 糖質制限
からみた生命の科学」(2013年光文新書)の著者で、当会顧問の
夏井睦先生と江部康二理事長です。

・日時: 10月4日(日)13:20~16:10頃 

・会場: WATERRAS COMMON 3F ワテラスコモンホール
     http://www.waterrascommon.com/access.html

・講師: 夏井 睦 医師(練馬光が丘病院)、江部 康二

・受講費: 賛助会員 2,500円 / 一般(非会員) 3,000円


(講演会終了後、別会場で賛助会員交流会の開催を予定しております。)


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◆◇ 各イベントのお申し込み方法 ◆◇

予約制です。下記ページにて詳細・お申し込み方法を
ご確認の上、事前にお申し込みください。

http://www.toushitsuseigen.or.jp/activity



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テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
カロリーゼロ、糖質ゼロ表示と健康増進法
こんばんは。。

カロリーゼロ、糖質ゼロ、カロリーオフ・・・
いろいろな表示があり、存外わかりにくいですね。


「健康増進法」では、食品において栄養に関する表示を行える制度として、「栄養成分表示」(第31条)を定めています。

この「栄養表示基準に基づく栄養成分表示」において、

1.「無」「ゼロ」「ノン」「レス」など“含まない”という表示
2.「低」「ひかえめ」「少」「ライト」「ダイエット」「オフ」など“低い”という表示

を記載する時に、守るべき基準値が定められています。


具体的には、

「カロリーゼロ」
 食品100gあたり5kcal未満
(一般に飲用の液体では100mlあたり5kcal未満)

「カロリーオフ」
 食品100gあたり40kcal以下
(一般に飲用の液体では100mlあたり20kcal以下)

 と定められています。

「糖質ゼロ」
食品100gあたり0.5g未満
(一般に飲用の液体では100mlあたり0.5g未満)

と定められています。

従って、「カロリーゼロ」「糖質ゼロ」という表示がしてあっても、カロリーが全くないとか糖質が全く含まれていない、ということではありませんので、一定の注意が必要です。

例えば糖質ゼロの表示があっても、100mlあたり0.4gの糖質が含まれている可能性があるのです。

従って糖質ゼロ発泡酒350m缶を1本飲めば、1.4gの糖質がある可能性はあることとなります。

4本飲んだら、5.6gの糖質の可能性ですね。

まあともあれ、余程大量に飲まない限り、糖質ゼロとカロリーゼロの表示があれば、糖質制限OK食品と考えて大丈夫と思います。


東京都の食品安全情報サイト 食品衛生の窓 の健康増進法のPDFファイルでは、熱量、脂質、飽和脂肪酸、コレステロール、糖類、ナトリウムは、強調表示(カロリーオフなど・・・)に関しての記載があります。

しかし糖質に関しての記載はありません。

強調表示の基準が定められていない栄養成分について、「強調表示を行うことは差し支えないが、誇大な表示とならないよう十分な注意が必要である。」

という記載があります。

某ビールメーカーの広報によれば、
「糖質オフ」:飲用の液体では100mlあたり2.5g以下が、
表示できるとしています。


なお
「健康増進法」では、

ゼロ表示のときは・・・未満
オフ表示のときは・・・以下

としてあります。

参考:東京都の食品安全情報サイト 食品衛生の窓
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/anzen/hoei/hoei_016/hoei_16b.html


最後に「糖類ゼロ」という表示は、単糖類(ブドウ糖、果糖など)と2糖類(ショ糖、乳糖など)が含まれていないという意味ですので、マルチトールなどの甘味料が使用されていることがほとんどです。
マルチトールは砂糖の半分くらいは血糖を上げますので、
糖質制限食ではNG食品です。


糖質ゼロ、カロリーゼロは、糖質制限OK食品で、糖類ゼロは、糖質制限NG食品と覚えておきましょう。


 
江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質制限食とスタンス。医師患者関係。
こんにちは。

劇症1型糖尿病発症で、

血糖値は1848mg/dl、
意識不明、
糖尿病ケトアシドーシス

という、極めて重症の状態から生還されたちくてつさんから、辛口のコメントを頂きました。

ちくてつさんは、ご自身が大変勉強されてインスリンポンプも習熟され、スーパー糖質制限食をきっちり実践されて、HbA1c5%台を維持されていて、素晴らしいの一言です。

本当にちくてつさんの努力の賜と思います。

一方、私も多数の糖尿人を診察していますが、ちくてつさん同様にきっちりスーパー糖質制限食を実践されて、血液検査データ全て正常で、合併症なしの方も、おられます。

私自身も2002年以来、焼酎飲んで、肉や魚貝を食べて、卵にチーズに豆腐に野菜・海藻・茸を食べて、モリドルチョコ、糖質制限ピザ、糖質制限ケーキ・・・を食べて、美味しく楽しく、そしてきっちり長くスーパー糖質制限食を続けています。

私はつらくないから、末長く糖質制限食を続けることができると思います。

しかしながら、人はなかなか弱いものです。

「わかっちゃいるけど、やめられない」人もまた結構おられます。

私の患者さんでも、どうしても糖質がやめられない人もおられます。

私は糖質制限食の先達の医師として、糖尿病患者さんに、最良の糖尿病食事療法である糖質制限食を説明して、糖尿病のコントロールの仕方を指導するのがお仕事です。

糖尿病合併症の話もして、それを防ぐことができるのは糖質制限食だけであることも説明します。

それを患者さんが受け止めて理解してどう実践するかは、患者さん自身の仕事であり、私の仕事ではありません。

ですから、私は決して押しつけることはありません。


もちろん
1)スーパー糖質制限食
2)スタンダード糖質制限食
3)プチ糖質制限食
のなかで、
1)が一番効果があることは明らかですのでそれを薦めます。
しかし患者さんによっては、1)ができない人もいます。
そのようなときは、2)でも3)でもいいです。

糖質制限食は、やらないよりやった方が、例えどのタイプであれ、糖尿病学会推奨のカロリー制限食(高糖質食)よりは、はるかにましなのです。

私は、ぬるいかもしれませんが、そういうスタンスの医師です。

皆さんが、ちくてつさんのような優秀な患者さんだったら医師はとても楽なのですが、現実はそうはいきません。

また、話のしやすい対等感覚の医師もいれば、残念ながら上から目線の相談しにくい医師もいるのが現実です。

まあ、このブログへのコメント・質問も糖質制限食に関することなら、初歩的なことも含めて大丈夫、OKです。

反復して似たような質問があっても、またそれがブログ読者の皆さんの復習になるし新たな勉強にもなります。

糖質制限食に関する知識をインターネットで世界中で共有できて・・・。

それが、私の貢献感にもなりますので・・・

さて、日本で実践されている糖質制限食には

A)高雄病院のスーパー糖質制限食(1回の食事の糖質量20g以下)
B)山田悟先生の緩い糖質制限食(1回の食事の糖質量30~40g)
C)釜池豊秋先生の糖質ゼロ食(1日1食で、夕食、糖質は5g以下)

α)荒木裕先生の断糖食
β)渡辺信幸先生のMEC食

などがあり、1回の糖質摂取量設定に違いがあります。

それでは、各糖質制限食のスタンスはどう違うのでしょうか?

まず、A)B)C)について検討してみます。


1)継続し易さと普及に関する配慮

継続し易さ、普及という面からは、普通に考えてB)が一番楽です。

A)はそれに、次いで楽ですし、当初から「スーパー」「スタンダード」「プチ」といったラインナップが設定されていて、最近は「緩やかな」という選択肢もあるので、継続し易さと普及ということを重視しているわけです。

C)は、ベストと思う食事療法をストイックに実践するという求道者のスタンスであり、継続し易さや普及ということは、優先順位としては全く考慮されていません。

つまりC)はやりたい人やれる人が実践すればよいのであって、やりやすくするというスタンスは皆無です。

従って、A)B)の立場の糖質セイゲニストとC)の立場の求道者とは、いくら話し合っても折り合いがつくことは不可能ですので、私も無駄な努力をするつもりはありません。

2)食後高血糖改善効果

食後高血糖改善効果はC)が一番高いです。

A)がその次でB)はかなり劣ります。

C)なら、食後高血糖はほとんどありません。

A)は、臨床的に合併症予防ができるレベル、食後1時間血糖値180mg/dl未満、食後2時間血糖値140mg/dl未満達成を目指していて、ほとんどの場合それが可能です。

B)は食後1時間血糖値180mg/dl未満、食後2時間血糖値140mg/dl未満を達成することは、困難な糖尿人が多いと思いますが、従来の糖尿病食(高糖質食)よりはましです。

3)追加分泌インスリン

C)は耐糖能正常型の人でも、インスリン追加分泌はごくごく少量です。
A)は耐糖能正常型の人の場合でもインスリン追加分泌は2~3倍レベルですみます。
B)は耐糖能正常型なら、追加分泌インスリンは10倍~20倍レベルでます。

インスリンは人体に絶対必要であり、基礎分泌インスリンがなければヒトは死にます。

しかし、インスリンには発ガンリスクやアルツハイマー病のリスクがあるので、少量ですむにこしたことはないのです。

従って、B)の場合は、野放しの高糖質食に比べればましですが、インスリン過剰のリスクがあるていどあることになります。

A)の場合は、人類700万年間の狩猟・採集時代に、野生の果物、ナッツ類、根茎類を食べたレベルと同程度の追加分泌インスリンなので許容範囲と思います。

4)問題点

B)は、インスリン分泌が多いこと以外にも、食後高血糖と平均血糖変動幅増大という酸化ストレスリスクに関しては、効果が弱いので問題と言えます。

C)は、始めにくいこと、継続しにくいこと、普及しにくいことが問題点です。

5)考察

A)の場合、C)よりは治療効果は若干劣りますが、殆どの糖尿人において、合併症予防という観点からは、問題ないと思われます。

体重減少効果も同様であり、「継続し易さ」「普及」「治療効果」においてバランスのとれた食事療法と言えます。

B)は、「継続し易さ」「普及」は優れていますが、肝腎の治療効果が劣ることと、食後高血糖と平均血糖変動幅増大という問題点を抱えています。

C)は、始めにくいこと・継続しにくいこと・普及しにくいことという弱点がありますが、治療効果は抜群ですので、ビタミンCの摂取に留意して、個人的にやれる人はやればいいと思います。

結論として、自画自賛になりますが、高雄病院のスーパー糖質制限食が一番バランスがいいのかなと思います。(^^) 

一方、山田悟先生の緩い糖質制限食や釜池豊秋先生の糖質ゼロ食も、役割分担という視点に立てば、対立するというよりも、一人一人の嗜好やニーズに応じて、相補的なものと思います。

A)B)C)の3者ともに、日本糖尿病学会推奨の従来の糖尿病食(高糖質食)に比べれば治療効果ははるかに高いのですから。

6) α)とβ)について
α)の荒木式は、ほぼスーパー糖質制限食に近いと思います。

ただ、ビールに関して、麦芽とホップだけの本物のビールは呑んでもよいとされていますが、糖質含有量は、米・コーン・スターチが含まれている普通のビールと同じだけあるので、勿論NG食品です。

β)のMEC食も、基本的にはスーパー糖質制限食に近いと思います。

一日に摂るべき食品はM(お肉)・E(卵)・C(チーズ)の三点で、これらをしっかり食べて、その上でさらに食べたいと思ったら他の食品(糖質を含む)も適度にOKということです。

あとは、一口、30回は噛んで食べようということです。

ビタミンCと食物繊維の摂取に注意すれば、MEC食もOKと思います。

ただ糖質を多く摂取すれば当然食後高血糖となるので、注意が必要です。


江部康二


【15/07/15 ちくてつです

 「本来なら主治医に相談するべきですが、糖質制限の話をしたら、栄養士さんとともに、否定的でしたので、相談できません、
 お忙しい存じますが、もしご相談できたらとコメントしました。千葉県在住のため、江部先生の病院にいくことができません。残念です」
 
この人、何なんですか?

糖尿病は、合併症に発展すれば、「死ぬよりひどい生活」になる重篤な病気ですよ。
失明、下肢切断、血液透析が待っています。
そうなったら、大切な家族がどれほどの影響をうけるか?
金銭的な負担も巨額になりますし、血液透析になったら、国から500万円のカネをタダでもらえますが、それは税金です。

「千葉県在住のため、江部先生の病院にいくことができません。残念です」

血液透析になったら、どこへもゆけないでしょう!

しかも、糖尿人が血液透析になったら、5年生存率は50%、2人に1人は5年以内に死ぬという「死のロシアンルーレット」を、1型、2型の私たち糖尿人は覚悟しなければならないのです。
 
白米、ラーメン、パスタ、ピザ、そんなものを食べていたら、糖尿人のお先は真っ暗です。

なぜ、「ヘモグロビンA1cが6.0ですか! いったい何をしたのですか?」と主治医を驚かせないのですか?

糖質制限すればできることです。
そこから、主治医との会話が始まります。
まずは、あなたが努力すべきでしょう。
糖尿病は「あなたの問題」であり、「主治医の問題ではない」のです。
 
病気になって医者にかかれば、医者はカネをもらい、その対価として医療サービスを提供します。
患者はカネを払い、医者は標準治療をすすめる。
標準治療であれば、何かあっても、患者が下肢切断、血液透析になっても、裁判で訴えられることはない。
ですから、患者が相当優秀でなければ、医者は糖質制限などはすすめないし、認めないでしょう。
不幸にも、これが日本の糖尿病治療の現状です。

ですが、この人は医療サービスを購入したのです。

自分の購入した商品=医療サービスについて、なぜ、堂々と質問しないのでしょう?

以前にも書きましたが、医者は、絶大な権力を持っています。
医師免許です。
はじめて会った女性に、「そこで服を脱いで裸になりなさい」と命じて、そうさせる権力をもっています。
その権力は誰があたえたのですか?
アドラー心理学で言えば、患者である「あなた」でしょう。
あなた、医者に教祖のような権力を与えたから、あなたは主治医に質問すらできない。
あなたは主治医の奴隷であり、食いもの=カネのなる木なのです。

「糖尿人は医者の食いもの」
バーンスタイン先生が「糖尿病の解決」ではっきり書かれています。
多くの場合、そのとおりです。
 
しかし、認識をあらためるべきです。

「患者と医者は完璧に対等な関係」
ともに、共同体の一員として、共同体に貢献することを最大限に努力する。
糖尿病という重い病気にかかわる共同体です。
患者はカネを払って医療サービスを受けます。
医者はカネを受けとり医療サービスを提供します。
共同体のゴールは、患者と医者がともに努力し、改善、治癒させてゆく、1型であれば血糖値の完璧なコントロールを目指す、ですね。

これは常識でしょう。

江部先生はボランティアでブログの質問に答えておられます。

自分でできるだけ調べましょう。 】




テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
米国糖尿病学会・成人糖尿病患者の食事療法に関する声明
【15/07/12 まるお

いつもブログを楽しく拝見しております。

糖質制限がアメリカのDM患者の推奨食事には入ったということを話されていますが、同じくベジタリアン食も入っているようです。

この点のお考えを是非ご教授ください。】


こんにちは。

まるおさんから、米国糖尿病学会・成人糖尿病患者の食事療法に関する声明に関して、コメント・質問をいただきました。

米国糖尿病学会が2008年以来5年ぶりに、

成人糖尿病患者の食事療法に関する声明(Position Statement on Nutrition Therapy)

を改訂したと発表しました。(Diabetes Care 2013年10月9日オンライン版)。

今回の声明では、全ての糖尿病患者に適した“one-size-fits-all(唯一無二の)”食事パターンは存在しないとの見解を表明しました。

そして、患者ごとにさまざまな食事パターン〔地中海食,ベジタリアン食,糖質制限食,低脂質食,DASH(Dietary Approaches to Stop Hypertension)食〕が受容可能であるとしています。

他の4種類の食事パターンと共に、糖質制限食もちゃんと認められています。

下記で明らかなように、糖質管理食も推奨していますので、米国の成人糖尿病患者は、6種の食事パターンの中から患者さんと主治医が相談して、患者さん自身が選択できるということです。

糖尿人の江部康二は、糖質制限食を選択して、2002年から続けていて、検査データは全て正常です。

私の担当する糖尿病患者さんや生活習慣病の患者さんには、もちろん糖質制限食を推奨しますが、押しつけることはありません。


日本糖尿病学会も、そろそろ「カロリー制限食」という「唯一無二の食事パターン」を糖尿人に押しつけるのはやめにする時期がきたのではないでしょうか?

少なくとも米国のように食事療法の選択肢を増やしたうえで、患者さんに選ぶ権利をあげるのがフェアと思います。


さらに主要栄養素の最適な混合の項目で、

「全ての糖尿病患者に最適な炭水化物、蛋白質、脂質における理想的な比率を示唆するエビデンスはない。」ということを、ランク(B)としています。

注目の炭水化物の項目では、

・糖尿病患者における炭水化物の理想的な摂取量については結論が得られていないため、各患者と協議した目標を設定すべきである。(C)

・炭水化物の摂取量とインスリン使用は食後のインスリン反応に最も影響を与える可能性があるため、食事療法の計画を立てる上で考慮されるべきである。(A)

・炭水化物摂取をモニタリングを、カーボカウントで行うか、あるいは経験に基づく推測で実施するかは、依然として血糖管理の改善における重要な戦略である。(A)

・健康を考慮し、炭水化物は、特に脂肪・砂糖・ナトリウムが添加された食品からよりも、野菜、果物、全粒、豆、乳製品からより多く摂取することを勧めるべきである。(A)


蛋白質:脂質:炭水化物のPFCバランスに関しては、エビデンスなしです。

炭水化物に関して、理想的な摂取量については、結論が得られていないということです。

一方、炭水化物摂取量の考慮、炭水化物摂取モニタリングはランク(A)で推奨しており、「炭水化物だけが、血糖値に変わる」という知識が医学界に周知されていることが前提になっていると思われます。

エビデンスの格付けの定義
A:質の高いRCTに基づく明確なエビデンス
B:質の高いコホート研究に基づく補助的エビデンス
C:質の高くない研究に基づく補助的エビデンス
E:専門家のコンセンサスまたは臨床経験

米国糖尿病学会(ADA)の2013年10月の「栄養療法に関する声明」ですが、多様性と個別化を目指す中で、今まで以上に糖質制限食を受容という方向で、とても好ましいです。



江部康二



☆☆☆
以下MT Pro記事から一部抜粋
糖尿病患者の食事療法に関する声明を5年ぶりに改訂,ADA
個別化を推奨

 米国糖尿病学会(ADA)はこのほど,成人糖尿病患者の食事療法に関する声明(Position Statement on Nutrition Therapy)を改訂したと発表した(Diabetes Care 2013年10月9日オンライン版)。2008年に前回の改訂が行われてから5年ぶり。今回の改訂のポイントは,各患者の健康に関する目標や知識,個人的嗜好または文化的背景などに加え,食生活の変更に対する意欲や能力などに基づいて個別化されるべきとしている点だ。なお,今回の改訂は成人の1型および2型糖尿病患者に限定したレビューに基づいており,2型糖尿病の発症予防や合併症管理,妊娠糖尿病などは含まれていない。

“one-size-fits-all”の食事パターンはなし,患者の積極的な参加が不可欠

 糖尿病治療において,薬物療法の前に導入が推奨されている食事療法と運動療法。声明では,糖尿病患者における食事療法の理想について,“診断直後から管理栄養士(RD)もしくは米国外であれば有資格のプロ栄養士による指導が行われれるべき”と明記している。

 しかしながら現状は厳しく,“米国の糖尿病患者の約半数がなんらかの糖尿病に関する教育を受けたが,RDとの面談ができたのはより少ない”とした。ある報告では,1万8,404例の糖尿病患者のうち,最低1回以上の栄養に関する介入を受けたのは,わずか9.1%であったという。

 今回の声明では,全ての糖尿病患者に適した“one-size-fits-all(唯一無二の)”食事パターンは存在しないとの見解を表明。また,各患者が積極的に自己管理や教育に関わり,食生活の見直しを含む治療プランに医療者と共同で臨むことが不可欠である点も強調した。各患者の治療目標の達成と維持に向けて,患者ごとにさまざまな食事パターン〔地中海食,ベジタリアン食,糖質制限食,低脂質食,DASH(Dietary Approaches to Stop Hypertension)食〕が受容可能であるとしている。


19項目対象に提言とエビデンスの格付けまとめる

 ADAは今回の声明において,最近のデータに基づき,食事療法全体の総括から食事パターンや各種食品,アルコールやナトリウム摂取に至るまで計19項目について提言およびエビデンスの格付けを次のようにまとめた(表)。

表が上手く表示できなかったので、食事療法の提言の記載を、以下一部転載。


食事療法の提言
食事療法の効果
・全ての1型・2型糖尿病患者において、食事療法は全治療計画の中で効果的である。 (A)


栄養バランス
・過体重・肥満の2型糖尿病患者の場合、減量を促進するために健康的な食事パターンを維持しながら摂取エネルギー量を抑制することが推奨される。(A)


主要栄養素の最適な混合
・全ての糖尿病患者に最適な炭水化物、蛋白質、脂質における理想的な比率を示唆するエビデンスはない。(B)


食事パターン
・糖尿病の管理において、さまざまな食事パターン(種類の異なる料理や食品群)は許容される。食事パターンの推奨に際しては、各患者の嗜好(例:伝統、文化、宗教、健康上の信念、目標、経済事情)および代謝目標が考慮されるべきである。(E)

炭水化物
・糖尿病患者における炭水化物の理想的な摂取量については結論が得られていないため、各患者と協議した目標を設定すべきである。(C)
・炭水化物の摂取量とインスリン使用は食後のインスリン反応に最も影響を与える可能性があるため、食事療法の計画を立てる上で考慮されるべきである。(A)
・炭水化物摂取をモニタリングを、カーボカウントで行うか、あるいは経験に基づく推測で実施するかは、依然として血糖管理の改善における重要な戦略である。(A)
・健康を考慮し、炭水化物は、特に脂肪・砂糖・ナトリウムが添加された食品からよりも、野菜、果物、全粒、豆、乳製品からより多く摂取することを勧めるべきである。(A)

グリセミック指数(GI)および血糖負荷
・GI値の高い食品から低い食品に代替することで、多少の血糖改善効果が得られる可能性がある。(C)

食物繊維および全粒
・糖尿病患者は、少なくとも一般人口で推奨されるのと同量の食物繊維および全粒を消費すべきである。

澱粉の代替品としてのショ糖


果糖


非栄養性甘味料(NNS)・低カロリー甘味料


蛋白質


総脂肪


一価不飽和脂肪酸(MUFA)・多価不飽和脂肪酸(PUFA)


ω3系脂肪酸


飽和脂肪・食事性コレステロール・トランス脂肪


植物スタノール・ステロール


微量栄養素・ハーブ系サプリメント


アルコール


ナトリウム



有益性に対するバイアスの検証や長期的に持続可能かなど今後の課題も提示

 今回の改訂は,昨年発表された系統的レビューの結果に基づいて作成されたもの(関連記事,Diabetes Care 2012; 35: 434-445)。全ての患者に当てはまる唯一無二の食事療法は存在しないと明言し,各患者の健康に関する目標や知識,個人的嗜好または文化的背景などに加え,食生活の変更に対する意欲や能力などに基づいて個別化されるべきとしている。

 しかし,現段階では文献によって結果が異なる点もあることを認め,特に以下のような点については今後の研究でさらなる検証が不可欠と指摘した。

・多様な集団における食事パターンと疾患の関連
・地中海式食事パターンにおける有益性に対するバイアスと,地中海式食事パターンを多様な集団用にアレンジすること
・糖質制限食や中等度糖質食の定義の標準化および長期的持続可能性に対する決定
 
これらに加え,より多くの糖尿病患者が診断直後から長期的な食事療法を導入することに関する体系的なプロセスについても検討が必要とした。

(編集部)

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
モリドル糖質制限チョコレートにオレンジフレーバーとチェリーフレーバーが新登場
あらてつさんの糖質制限ドットコムで大好評のモリドル糖質制限チョコレートですが、この度、オレンジフレーバーとチェリーフレーバーが仲間入り致しました。

バケツチョコ

モリドル 糖質制限チョコレート、ミルク・ダークは、1枚100ḡの板チョコですが、今回新発売のオレンジフレーバーとチェリーフレーバーは、1枚約5ḡと食べやすいサイズにカットされたチョコが、写真のプラボトルに約120枚入での販売だそうです。

私は小さい頃から甘いものはそんなに好きではなく、ケーキや饅頭など無くても全く困らないタイプでした。しかし、なぜかチョコレートだけは大好物でした。

50数年間チョコレートは嫌と言うほど食べましたが、歯は丈夫で全部残ってます。大学1年生の時1回だけ、奥歯を1本虫歯の治療をしましたが、その後歯の治療はしたことはありません。

そんな私ですが、糖尿病になってからは砂糖入りのチョコレートなどもってのほかなので、つらいものがありましたが当初はもうあきらめてました。

ですが、ないのならいっその事作ってしまおうと、あらてつさんに「糖質制限のチョコレートを作るように」と指示を出し、紆余曲折ありながら完成したチョコレートなので、なみなみならぬ思い入れがあります(^^)

このモリドル糖質制限チョコレートには、私の指示で、甘味料にエリスリトールとステビアを使っています。

エリスリトールはもちろん血糖値を上げませんが、日本で販売されているステビアにはけっこう混ぜ物が多いので、血糖値を上昇させてしまうことがあります。

ステビアの選定時から私が血糖値検査を行い、上昇が認められなかったものだけを指定材料にしました。

また、モリドルチョコレートの製造は、チョコの本場であるヨーロッパで行いました。

それは何故でしょう?

ヨーロッパでは、チョコレートを植物油脂でかさ増ししたりしないのと、コンチングの時間が日本と圧倒的に違うからです。

ブログ読者の皆さんも、チョコレートの原材料に「植物油脂」と書かれているのを見たことがあると思います。

日本のチョコレートのほとんどが、コストを減らしてかさ増しするために、カカオバターの割合を減らし植物油脂を使います。

ところが、チョコレートの国際基準では、植物油脂が5%以上入っているものは、チョコレートと呼んで販売できません。

なので日本のほとんどのチョコレートは、国際基準では“チョコレート”として認められないのです。

さらにヨーロッパでチョコレートの伝統を重んじる国では、植物油脂を入れたものをチョコレートとは認めていません。

今回発売のモリドルノンシュガーチョコレートは、植物油を一切使わず、ちゃんとカカオバターだけを使っています。

またヨーロッパでのチョコレート作りにおいて、コンチングに掛ける時間も日本の比ではありません。

コンチングとは、微粒子状に粉砕した原材料を高温で練り合わせる、チョコレート作製におけるとても重要な工程です。

このコンチングでチョコレートの味が決まると入っても過言ではないでしょう。

コンチングの時間が短いとカカオの風味が出ずチョコレートに酸味が残ってしまいます。

日本のチョコレートメーカーのコンチング時間は、コストを下げるため12~24時間ていどしか行いません。

日本製のチョコレートに独特の酸味があるのはこのためです。

それに比べ、ヨーロッパでは72時間のコンチングが通常です。

モリドルノンシュガーチョコレートのコンチングは、なんと78時間。

じっくりと手間と時間を掛けてしっかりコンチングすることにより、なめらかな舌ざわりとカカオの風味を最大限に引き出しています。

お土産でもらう海外の安いチョコレートが意外と美味しかったりするのは、これらの理由があるからです。

モリドルノンシュガーチョコレートは、ヨーロッパの伝統に基づく、本物のチョコレートです(^O^)

美味しさもさることながら、糖尿人の皆さんが一番気になるのは、血糖値の上昇でしょう。

以下は、今回新発売の「オレンジ」「チェリー」のベースになったダークチョコでの、私、江部康二自らの測定結果です。

モリドルノンシュガーチョコレート ダーク 
1枚100g中の糖質 0.5ḡ

2014年1月7日(火)
午後4:45 空腹時血糖値:119mg
スペイン新作ダークチョコレート60g摂取
午後5:45 食後1時間血糖値宇:111mg・・・

びっくりして測定し直して104mg

大成功です。

また、この「1枚約5ḡ」というサイズは、昨年11月に京都ロイヤルホテルで行われた糖質制限スペインワインの試飲会でお披露目した際、「このサイズは食べやすい!」と、ご参加頂いた皆さんに大変好評でした。

プラボトルごと持ってポリポリ食べてしまいそうですね(笑)

気になる糖質量も、100ḡあたり0.5ḡ未満と、本国スペインでも「シュガーフリー」の認定を受けております。

あ、エリスリトールは除きますよ(^_^;)

食べきりサイズになったモリドル糖質制限チョコレートがぎっしり120枚入った、とっても贅沢な モリドル 糖質制限フレーバーチョコレート〈チェリー・オレンジ〉、糖質制限食に取り組まれる皆さん、是非一度お試しあれ\(^o^)/

おれんじ


江部康二


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テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
<糖質制限食に関するご注意・お知らせ・お願いなど> 2015年7月
【糖質制限食を実践される時のご注意】

本にも書いてありますが、 糖質制限食によりリアルタイムに血糖値が改善します。

このため既に、経口血糖降下剤(オイグルコン、アマリールなど)の内服やインスリン注射をしておられる糖尿人は、低血糖の心配がありますので必ず主治医と相談して頂きたいと思います。

一方、薬を使用してない糖尿人やメタボ人は、低血糖の心配はほとんどないので、自力で 糖質制限食を実践して糖尿病やメタボ改善を目指していただけば幸いです。

内服薬やインスリン注射なしの糖尿人が糖質制限食を実践すると、食後高血糖は改善しますが、低血糖にはなりません。

血糖値が正常範囲であるていど下がると、肝臓でアミノ酸・乳酸・グリセロール(脂肪の分解物)などから、ブドウ糖をつくるからです。

これを糖新生といいます。

診断基準を満たす膵炎がある場合、肝硬変の場合、そして長鎖脂肪酸代謝異常症は、糖質制限食は適応となりませんのでご注意ください。

糖質制限食は相対的に高脂肪食になるので、診断基準を満たしている膵炎の患者さんには適応とならないのです。

進行した肝硬変では、糖新生能力が低下しているため適応となりません。

長鎖脂肪酸代謝異常症では、脂肪酸が上手く利用できないので、適応となりません。

腎機能に関して、日本腎臓病学会編「CKD診療ガイド2013」において、eGFR60ml/分以上あれば顕性たんぱく尿の段階でも、たんぱく質制限の必要なしと明示されました。

従いまして、糖尿病腎症第3期でも、eGFR60ml/分以上なら、糖質制限食OKです。

また、米国糖尿病学会(ADA)は

Position Statement on Nutrition Therapy(栄養療法に関する声明)
Diabetes Care 2013年10月9日オンライン版

において、糖尿病腎症患者に対する蛋白質制限の意義を明確に否定しました。

根拠はランク(A)ですので、信頼度の高いRCT研究論文に基づく見解です。

今後は、糖尿病腎症第3期以降で、eGFRが60ml/分未満の場合も、患者さんとよく相談して、糖質制限食を実践するか否か、個別に対応することとなります。


なお、機能性低血糖症の場合、炭水化物依存症レベルが重症のとき、糖新生能力が低下していることがあり、まれに低血糖症を生じますので注意が必要です。

また、どのような食事療法でも合う合わないがあります。

糖質制限食もその一つですので、合わないとご自分で判断されたら中止していただけば幸いです。


【糖質制限食とは】

米国糖尿病協会(ADA)の患者教育用のテキストブックLife With Diabetes(2004年版)によれば、

「摂取後直接、血糖に変わるのは糖質のみである。
糖質は速やかに吸収され、直接100%血糖に変わり、ほぼ120分以内に吸収は終了する。
蛋白質・脂質は、摂取後、直接血糖に影響を及ぼすことはない。

『炭水化物・タンパク質・脂肪はカロリーを含有している。炭水化物だけが、血糖値に直接影響を及ぼす。』」


これらは含有エネルギーとは無関係な三大栄養素の生理学的特質です。 

1997年版のLife With Diabetes(ADA刊行)では、

「タンパク質は約半分が血糖に変わり、脂質は10%未満が血糖に変わる」

という記載がありましたが、2004年版以降は変更されています。

このように糖質、脂質、タンパク質のうち糖質だけが直接、血糖値を上昇させます。

従って、糖質を摂取した時にはインスリンが大量に追加分泌されます。

脂質を摂取しても、インスリンの追加分泌はありません。

タンパク質はごく少量のインスリンを追加分泌させます。

現在糖尿病において、食後の急激な高血糖(グルコーススパイク)が大きな問題として注目されています。

食後高血糖が、心筋梗塞や脳梗塞などの合併症を起こす危険因子として確立されたからです。

また一日における、食前・食後・空腹時など血糖値の変動幅(平均血糖変動幅)が大きいほど、酸化ストレスが増強し動脈硬化のリスクとなることがわかってきました。

そして、食後高血糖と平均血糖変動幅増大を起こすのは、三大栄養素のなかで糖質だけなのです。

1gの糖質が、体重64kgの2型糖尿病の人の血糖値を約3mg上昇させます。

炊いた白ご飯茶碗1杯150g(252kcal)には、55.3gの糖質が含まれており、血糖値を166mg上昇させます。

一方、和牛サーロインステーキ(脂身つき)を200g(約1000キロカロリー)食べても、糖質含有量は1gもないので、食後血糖は3mg未満の上昇しかないのです。 

なお、1gの糖質が体重64kgの1型糖尿病の人の血糖値を5mg上昇させます。

糖質制限食の基本的な考え方は、上述のような生理学的事実をベースに、できるだけ糖質の摂取を低く抑えて、食後高血糖を防ぐというものです。

簡単に言えば、主食を抜いておかずばかり食べるというイメージになります。

抜く必要がある主食とは 、米飯・めん類・パンなどの米・麦製品や芋類など糖質が主成分のものです。

3食主食抜きのスーパー糖質制限食(糖質12%、タンパク質32%、脂質56%)なら、薬に頼ることなく速やかにリアルタイムで良好な血糖コントロールが可能です。

一方、上述の白ご飯とステーキの例でも明らかなように、カロリー計算に基づいて血糖値をコントロールすることは理論的に不可能です。

従って、現行の日本糖尿病学会推薦の糖尿病食(糖質60%、タンパク質20%、脂質20%)を実践する限りは、一日の摂取カロリーを1200キロカロリーと低く抑えたとしても、食後高血糖が必ず生じるのです。

糖尿病の改善には、カロリー制限より糖質制限ということがおわかりいただけたと思います。

なお糖質制限食は、カロリー無制限ということではありません。

日本糖尿病学会「糖尿病治療ガイド2014-2015」の

男性1400~2000kcal
女性1200~1800kcal

ほど厳しいカロリー制限は必要ありませんが、

「日本人の食事摂取基準」(2015年、厚生労働省)
に示す推定エネルギー必要量の範囲、
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000041955.pdf
推定エネルギー必要量
              男性                  女性
15-17才        2500 2850 3150           2050 2300 2550kcal/日
18-29才        2300 2650  3050          1650  1950   2200
30-49才        2300 2650  3050            1750  2000  2300
50-69才        2100 2450  2800           1650  1900 2200 
70才          1850 2200  2500            1500  1750 2000

身体活動レベル    低い 普通 高い         低い  普通  高い


くらいが目安です。


なお、米国糖尿病学会は、2013年10月発表の『栄養療法に関する声明』において、全ての糖尿病患者に適した唯一無二の治療食は存在しないと明記しました。

これはそのまま、日本糖尿病学会への痛烈な批判となっています。

そして、地中海食、ベジタリアン食、DASH食、低脂質食などと共に「糖質制限食」も正式に受容しました。



<江部康二著 参考図書>


理論
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!糖質制限食のすすめ」2005年
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」2008年
「我ら糖尿人、元気なのには理由がある。」2009年 宮本輝先生との対談本
「やせる食べ方」2010年
「うちの母は糖尿人」2010年 監修:江部康二 著:伊藤きのと
(東洋経済新報社)
「糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食」2010年(ナツメ社)
腹いっぱい食べて楽々痩せる『満腹ダイエット』 (ソフトバンク新書)2011年
「主食をやめると健康になる」(ダイヤモンド社)2011年
「血糖コントロールの新常識! 糖質制限 完全ガイド」 (別冊宝島)2012年
「食品別糖質量ハンドブック」2012年(洋泉社)、
「糖質オフ!健康法」(PHP文庫)2012年
「主食を抜けば糖尿病はよくなる!糖質制限食のすすめ」(文春文庫)2012年
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」(文春文庫)2012年
「女性のための糖質制限ダイエットハンドブック」2012年(洋泉社)
「糖尿病治療のための!糖質制限食パーフェクトガイド」2013年(東洋経済新報社)
「医療の巨大転換を加速する」糖質制限食と湿潤療法のインパクト
 2013年(東洋経済新報社) 夏井睦先生との対談本
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!糖質制限食のすすめ 新版」2014年(東洋経済新報社)
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!2 実践編 新版」2014年(東洋経済新報社)
「炭水化物の食べ過ぎで早死にしてはいけません」2014年(東洋経済新報社)
一生太らない「やせる! 食べ方」2014年 (PHP文庫)
江部先生、「糖質制限は危ない」って本当ですか?2015年(洋泉社)
「なぜ糖質制限をすると糖尿病が良くなるのか」2015年(ナツメ社)
「糖質制限の教科書」2015年(洋泉社)監修

レシピ
「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」2006年(東洋経済新報社)
「糖質オフ」ごちそうごはん2009年(アスペクト)
dancyuプレジデントムック 「満腹ダイエット 」 2009年(プレジデント社)
「血糖値を上げない!健康おつまみ109」2010年(東洋経済新報社)
「やせる食べ方レシピ集」 2010年(東洋経済新報社)
「糖質オフダイエット 」2011年(レタスクラブ、角川マーケティング)
「誰もがストレスなくやせられる!糖質制限ダイエット」2011年(講談社)
「主食を抜けば糖尿病はよくなる」レシピ集2011年(東洋経済新報社)
高雄病院の「糖質制限」給食2012年(講談社)
糖尿病がどんどんよくなる「糖質制限食」おすすめレシピ集2012年(ナツメ社)
糖質制限の「主食もどき」レシピ2013年(東洋経済新報社)
高雄病院Dr江部が食べている「糖質制限」ダイエット2013年(講談社)
糖質オフのダイエット弁当2013年(家の光協会)
高雄病院「糖質制限給食」朝 昼 夕 14日間完全プログラム
糖尿病・肥満改善が自宅でできる! 2013年(講談社)
2週間チャレンジ! 糖質制限の太らない生活 2014年(洋泉社mook)

DVD「糖質制限食を語る」http://www.yaserutabekata.com/shop/dvd.php 2011年



【本ブログのコメント・質問・記事に関するお願い】

ブログ読者の皆さんには、いつもコメントいただき、ありがとうございます。

糖質制限食に関する質問についてですが、実際に高雄病院や江部診療所に来院されて診察した患者さんに対しては、医師としての責任・債務がありますので、個別に説明もしっかりさせて頂いていますし、フォローもしております。

一方、ブログ読者の皆さんの質問に関しては、糖質制限食に詳しい医師として、ボランティアで回答させていただいています。

診察もしておりませんしフォローもできませんので、責任もとれません。

私の回答は、あくまでも一般論としての参考意見とお考え頂けば幸いです。

また、ブログ記事や本に関しても同様に、糖質制限食に関する一般論としての参考意見とお考え下さい。

従いまして、読者の皆さんが私の参考意見を読まれて、どのように利用されるかは、自己責任でよろしくお願い申し上げます。m(_ _)m

そして読者の皆さんからもご意見いただきましたが、普通のお医者さんに相談可能な個人的な内容の質問は、ご自分の主治医にご相談頂けば助かります。

またネットで簡単に検索可能なことは、ご自分でお調べください。

質問が増えてきましたので、糖質制限食と関わりがないと判断した質問にはお答えできない場合もありますので、ご了承ください。m(_ _)m

普通のお医者さんでは解答不能の、糖質制限食に関わる質問は、何でもどんどんしていただけば嬉しいです。 (^_^)

掲載OKの質問に関して、読者の皆さんに共有していただきたい情報の場合は、ブログ本文記事にて、できるだけ順番にお答えしたいと思います。

質問によってはコメント欄でお早めにお答えする場合もありますのでご了承ください。

一方、質問がかなり増えてきていますので、なかなか即、お答えすることが困難となってきています。

糖質制限食に関わりのある全ての質問に、本文かコメントでお答えするようできるだけ努力はしていますが、できないときはご容赦願います。m(_ _)m

それから、「管理人のみ閲覧できる」「匿名希望」などの質問に関しては、コメント欄にお答えするか、一般的な話題に置き換えてブログに記載するようにしていますので、よろしくお願い申し上げます。




江部康二
作りおきおかずで簡単! 糖質オフのダイエット弁当 順調に増刷中です。
こんにちは。

『作りおきおかずで簡単! 糖質オフのダイエット弁当』家の光協会
江部康二 大庭英子 著




おかげさまで『糖質オフのダイエット弁当』の第6版、1,500部の増刷が決定しました(^O^)

ブログ読者の皆様には、多くの応援をいただきありがとうございますm(__)m

累計で18,500部となります。2万部まで、あと一息ですね(^^)

家の光協会は、農協、いや今はJAですね(^_^;)の、出版部門になります。

あまり大々的な宣伝はしていないのですが、今年に入って、増刷のペースが早まっているようです。

著名な料理研究家の大庭英子先生にメニューを考えて頂いてますので、レストランのメニューのようなレシピではなく、実際に簡単に作れてしかも美味しいといったところが好評のようです(^^)

糖質制限食でどんなお弁当を作ればよいか悩まれてる方はもちろん、日々のおかずの参考にもなりますので、是非ご一読いただければ幸いです。


江部康二


テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
京都市の糖質制限OKレストラン
カフェハルディン(スペイン料理)
 京都市右京区鳴滝本町77(地図)  TEL.(075)-464-8850
 http://www008.upp.so-net.ne.jp/cafejardin/

エヴァンタイユ(フランス料理)
 京都市左京区岩倉西五田町1-2  TEL:075-712-0750
 http://www.eventail.jp/index.html

南山(焼き肉)
 京都市左京区下鴨北野々神町31 北山通ノートルダム小前   TEL:075-722-4131
 http://www.nanzan-net.com/

メゾン・ド・ヴァン鶉亭(フランス料理) 

 京都市下京区木屋町四条南団栗上る  TEL:075-351-4005
 http://www.caille.jp/



こんにちは。

上記は、京都市で私がよく行く糖質制限OKレストランです。

いずれも、電話で予約して、糖質制限食を食べることを告げていくのが、確実です。


今回は、もう一つお奨めのお店を見つけました。
アスペルジュ・ブランシュというお店です。

京都駅から五条(京都市営地下鉄)まで、一駅で2分で到着です。

12席の小さなお店ですが、若夫婦二人で営業しておられます。
さっぱりとした清潔感のあるシンプルな内装で好感がもてます。

シェフとママさんのサービスも含めて、とても心地よい空間で、楽しい快適な時間が過ごせます。

京都・大原の農家から直接仕入れた野菜をたっぷり使ったフランス家庭料理をベースとしたビストロです。
勿論、牛、豚、鴨、羊も魚もあります。

リーズナブルなお値段で美味しいものをいろいろ選んで食べれます。
30種以上のメニュー構成です。

ママさんが奨めてくれるワインもリーズナブルな値段で、いろいろ揃えてありますので、予算をいって相談しましょう。

大原の無農薬野菜を使ったサラダは、お奨めです。

彩りの鮮やかさと美味しさに、いきなりサプライズ感があって嬉しいです。

熱々の鍋のまま出てくるシュークルート・ガルニもお気に入りの一つです。

勿論、普通のフレンチビストロ料理も各種あります。

糖質セイゲニストの皆さんは、電話で糖質制限と告げて予約するのがよいですね。


アスペルジュ・ブランシュ
075-352-4570
ママさんのフェイスブック https://ja-jp.facebook.com/aspergeblanche
ホームページ http://www.aspergeblanche.com/
営業時間 月・水~日  火曜日が定休日
ディナー18:00〜22:00(L.O)  
地下鉄烏丸線「五条」駅より南へ徒歩1分
五条駅(京都市営)から67m
烏丸五条の1つ西の細い通りを南へ67m、最初の角。



江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質制限食3年目、アンチエイジング効果
こんにちは。

糖質制限食3年目の元気な中高年さんから、アンチエイジングなコメントをいただきました。

元気な中高年さん、拙著のご購入ありがとうございます。

歯が全部揃っていて、
血圧正常で、
夜間頻尿がなくなり、
朝の生理現象復活し、
血管が太くなり(血流がいい)、
白内障もなく、
BMI適正で、
フルタイム働いて、
血液検査は全て正常。


肉体的にこれだけ、全部兼ね備えている65才は、かなり少ないと思います。
周りにもほとんどおられないのではないでしょうか?

元気な中高年さんも、100万人に一人かもと、自慢されてもいいですよ・・・。(⌒O⌒)

食欲もOKで、疲れにくくなり、心理的に安定されたのも素晴らしいです。

これからも美味しく楽しく末長く、糖質制限食をお続けくださいね。


江部康二


【15/07/10 元気な中高年

糖質制限に御意!
江部先生と同い年の65歳です。

40代後半から高血圧で、メタボ診断確定していました、2年前に糖尿病と診断され、江部先生の著書やこのブログを参考に、スーパー糖質制限をして3年目に入っています。

今は空腹時血糖値115前後、HbA1c(NGSP)は5.5前後で推移しています。

江部先生と同様に、
①歯は全部揃っています。
②血圧は至適範囲内で推移。
③夜間頻尿は無くなりました。
④腕の血管太くなり、浮上がって見えてきました。
⑤朝の男性生理現象復活で、血たぎっています。
⑥白内障もありません。
⑦減量は5kgですが、お腹の脂肪が取れ、BMI適正、細身のズボン買い換えて、ジャケットも良く似合い、皆んなに何故若作りしてるんですか、よくお似合いですよと声をかけられます!
⑧定年後再雇用で65歳まで勤めて、今も再就職で若い人たちと楽しく、フルタイム働いています。
⑨先月の定期血液検査全ての項目が正常範囲内

さらに食欲は強く、腹もちが良く空腹感があまり現れません、よく歩くので足の筋肉が凄く付いてきました、朝疲れが取れないなどの疲労感が無くなりました。

更に最善の効果は、感情が安定して、イライラしなくなり、事実(現実)を素直に見つめる事が出来る様になりました。つまりキレることが無くなりました。

もう糖質食には戻る気がしません!

糖質制限で魚貝・海藻・豚・牛・鳥肉を、葉野菜にたっぷりのマヨネーズ、きのこ、ナッツ、チーズ、赤ワイン・焼酎・糖質0の発泡酒、糖質ドットコムのチョコレート、鯖缶水煮、卵…、などなど、糖質極小食材を、美味しくたくさん食べて健康増進…、生活スタイルが身につきました。


今後どの様なアンチエイジング効果が現れるか、楽しみにしています。

江部康ニ医師と知り合えて良かった!

糖質制限に御意!】


テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
人類史からひもとく糖質制限食  3)糖質制限食を13年間続けた結果は
こんにちは。

デジタル毎日
連載第3回が、7月8日(水)掲載されました。
http://mainichi.jp/premier/health/entry/index.html?id=20150707med00m010006000c


人類史からひもとく糖質制限食
3)糖質制限食を13年間続けた結果は

2015年7月8日
江部康二 / 高雄病院理事長

糖質制限食とアンチエイジング

 私は、1950年1月8日生まれで、2015年7月現在、65歳です。余談ですが、エルビス・プレスリー、小泉純一郎元首相、そしてアジア最強(?)有名人の一人、金正恩(キム・ジョンウン)第1書記と誕生日が一緒なのです。我ながらなかなか濃いメンバーと思います。身長は167cm、体重は57〜58kgで、BMIは20.4〜20.8です。

 歯は全て残っていて、虫歯もなく歯周病もありません。65歳で歯が全部残っているのは日本人100人中1〜3人だそうです。目は近眼・老眼・乱視が三位一体となってなぜか調和がとれて、眼鏡なしで、広辞苑も読めますし日常生活には全く不自由なし。白内障もありません。同級生の眼科医には「運がいいやつ!」と言われていますが、確かに100人強の同級生にそんなやつはほとんどいません。

 老化のサインである夜間尿も基本的には一回もありません。睡眠時間は約7時間で、男性の健康のバロメーターである朝の生理現象もあります。これがないと、血管の老化や内臓疾患、うつ病などの疑いがありますから、全くバカにできません。身長は加齢で縮むことが多いですが、つい最近計測したところ、20歳のころから全く縮んでいなかったので、ほっと一安心でした。耳もバンドを組んで音楽をやっていますし、検査で聴力低下も全くありません。

 私は2002年、52歳の時に糖尿病が発覚した時から、糖質制限食を13年間実践中です。糖尿病が見つかった時は、体重は67kgあり、内臓脂肪も基準値を超え、高血圧もありました。血圧は普段が140〜150/90〜100、夜診が終了したあとなどは180/110という時もあり、ちょっとびびる数値でした。しかし糖質制限食を実践して、半年後には10kgの減量に成功し、血圧も120/80となり、血液検査データも全て正常になりました。そのまま現在にいたります。

 ちなみに、2015年6月のHbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー)は5.8%でした。ここで、この連載でこれから何度も登場するHbA1cについて少し説明しておきましょう。HbA1cは、赤血球中のたんぱく質であるヘモグロビンのうち、どれくらいの割合が糖と結合しているかを示す検査値です。過去1〜2カ月の血糖値の平均を反映して上下し、多くの病院の糖尿病外来では毎月測定されています。普段、血糖値が高い人はHbA1c値が高くなり、血糖値が低い人はHbA1c値も低くなります。HbA1c(国際標準値)が6.5%以上であれば糖尿病と診断されます。日本糖尿病学会は、糖尿病の合併症予防のためには7.0%未満、血糖正常化を目指すには6.0%未満を目標値に掲げています。

 というわけで歯が1〜3人/100人、目が1〜3人/100人、尿も数人?/100人、身長も数人?/100人として計算すると……なな何と、かなりアバウトだけれども65歳としては、100万人に1人のアンチエイジングおじさん?!  ヾ(゜▽゜)
いやはや、のっけから自慢話になってしまってすいません。もともと謙虚な人物のはずなのですが……。もっとも、加齢が表れているのは髪の毛でして、白髪がめっきり増えて、おでこがだいぶ広くなりました。

 それでも、月曜日から土曜日まで毎日外来診察をし、病棟入院患者さんも担当し、ブログは毎日更新し質問に回答し、講演は年間30件くらいこなし、本も50冊以上刊行し、マスコミの取材にも適宜応じていますので、結構忙しくしているのですが、まあ元気です。


ハンガーストライキと断食・玄米魚菜食

 さて、私が食生活について、本格的に興味を持ったきっかけは一本の電話からでした。
全共闘最後の世代である私に、京大時代の友人から・・・・・・

・・・・
・・・・
・・・・

続きは、
デジタル毎日
http://mainichi.jp/premier/health/entry/index.html?id=20150707med00m010006000c
で、お楽しみいただけば幸いです。 (^^)


江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質制限食と便秘?
こんばんは。

ちくてつさんから、「日刊ゲンダイ」の記事についてコメントいただきました。
ありがとうございます。

「排便障害も…流行の「炭水化物抜き」は腸に悪いと医師警鐘」

ということで、

松生クリニックの松生恒夫院長が、

「炭水化物とは、消化・吸収される糖質と消化されない食物繊維を合わせた総称です。炭水化物を取らないようにすると、結果的に食物繊維の摂取量が激減します。もともと、日本人の食物繊維摂取量は減っているのに、拍車をかける。すると、排便障害を起こすなどの腸ストレスを招いてしまうのです」

と述べておられます。

しかしながら、糖質制限食では、野菜、海藻、キノコなどしっかり摂取するので、かなりの量の食物繊維を摂取することになります。

高雄病院の糖質制限給食、1800kcal/日のメニューで、25g/日くらいの食物繊維摂取量となります。

1800kcal/日というのは、病院給食なのでどうしても一般の家庭での食事に比べたら少なめのカロリーです。

退院して以後の糖質制限食なら、厚生労働省のいう推定エネルギー必要量を摂取していただけばいいので、食物繊維も、26~27g/日くらいはとることとなります。

推定エネルギー必要量
              男性                 女性
15-17才        2500 2850 3150          2050 2300 2550kcal/日
18-29才        2300 2650  3050          1650  1950   2200
30-49才        2300 2650  3050            1750  2000  2300
50-69才        2100 2450  2800           1650  1900 2200 
70才          1850 2200  2500            1500  1750 2000
身体活動レベル    低い 普通 高い         低い  普通  高い


従いまして、以下の松生恒夫院長の指摘するような例は、特殊例と思われます。

「松生院長は来院する患者の1週間の食事メニューをチェック。ひどい便秘の30代の女性患者の場合、朝食は豆乳、ジュース、飲むヨーグルトのどれか、昼はほとんどが野菜サラダで、時々おにぎりやパンなどを追加、夜は野菜や海藻のサラダを中心に、ナムルや野菜炒めを加えていた。」

この方は、糖質制限というよりも、かなりの低カロリー食ですね。
これでは1000kcal/日もないと思います。

食物繊維も少ないかもしれませんが、それ以前にあまりにも小食過ぎて便秘になったと考えられます。

管理栄養士が、低カロリーであることに全く触れていないのは不思議です。

糖質制限食で時に便秘になる人がおられますが、ほとんどの場合、摂取エネルギー不足でした。

このような場合は、推定エネルギー必要量を摂取すれば自ずと改善します。

便通には、ちくてつさんの仰るように、呼吸法や運動もいいでしょうね。
腹巻きもいいのでしょうが、私はしたことがないです。(*^-^)

私は、1回/1~2週、テニスをしていますが、日常的に運動するのは時間的に無理なので、病院内でよく歩いています。

電話は滅多に使わずに、給食(地下)から病棟(2階、3階)までいったりきたり歩きます。

高雄病院の理事長室は、ちょっとした丘の上にあります。

取材にこられた記者さんなど、正面玄関から理事長室までたどり着いた時には、ほとんどの方が息切れしてます。

高雄病院京都駅前診療所はビルの4階ですが、階段をジョギングで上がるようにしています。


江部康二



【15/07/08 ちくてつです
「日刊ゲンダイ」に否定的な記事が出ましたね
 江部先生、いつもお世話になります。
 毎日の励みにしています。
 ありがとうございます。

 ところで7月7日付の「日刊ゲンダイ」に、「排便障害も…流行の「炭水化物抜き」は腸に悪いと医師警鐘」という記事が出ました。
 ウエブ版でライフの欄に掲載されていました。
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/161458/1

 同紙は以前から、糖質制限食をポジティブに記事にしています。ネットで検索すれば、たくさん、記事が出てきます。

 が、今回はこのようなタイトルで、以下の内容です。

<やみくもに炭水化物を減らすのは良くない(C)日刊ゲンダイ

「最近、腸の不調で来院する患者さんに新しい傾向が見られるようになった。共通しているのは“炭水化物抜きダイエット”をしていたか、現在、続行中ということです」

 こう話すのは、「『炭水化物』を抜くと腸はダメになる」などの著者である松生クリニックの松生恒夫院長。理由は何なのか?

「炭水化物とは、消化・吸収される糖質と消化されない食物繊維を合わせた総称です。炭水化物を取らないようにすると、結果的に食物繊維の摂取量が激減します。もともと、日本人の食物繊維摂取量は減っているのに、拍車をかける。すると、排便障害を起こすなどの腸ストレスを招いてしまうのです」

 これを確認するために、松生院長は来院する患者の1週間の食事メニューをチェック。ひどい便秘の30代の女性患者の場合、朝食は豆乳、ジュース、飲むヨーグルトのどれか、昼はほとんどが野菜サラダで、時々おにぎりやパンなどを追加、夜は野菜や海藻のサラダを中心に、ナムルや野菜炒めを加えていた。

「管理栄養士の計算では、その患者さんの1日の食物繊維摂取量は7・4グラム。18〜49歳の女性の理想的な食物繊維摂取量は20〜21グラム、男性は26〜27グラムなので、かなり低い。これでは腸の内容物を肛門に送り出す大蠕動が起こりにくい。仕事がデスクワークで運動量も少なく、より腸の状態が悪化したのです」

 60代の男性患者は、糖尿病のために朝食は紅茶、昼食は肉類と野菜、間食にナッツ、夕食は焼き魚や焼き肉、野菜炒め、ウイスキーの水割り数杯の生活を半年間続けた。

 すると体重が78キロから65キロまで減少(身長170センチ)したが、同時に腹部膨満感と残便感に悩まされるようになった。

「私が提唱している『停滞腸』を起こしていました。腸の活動が衰え、蠕動運動などがほとんど起こらなくなっていたのです。この患者さんのようなケースは、特に男性で炭水化物の摂取を制限している人に典型的です」

 (以下略)>

 江部先生のナツメ社の本には、糖質制限食で腸内細菌が変わり、便も質が変わると書いてありました。
 また、「炭水化物が人類を滅ぼす」(夏井睦著、光文社新書)の185ページですが、「雑食哺乳類の腸管と共生細菌」で、ヒトは「本来は肉食だったと考えざるをえない」と、ほかの哺乳類との比較で論じています。
 その上で、驚きの情報開示がなされています。

<話を人間の消化管に戻すと、人間の下部消化管(大腸)には数百種類、100兆個の腸内細菌が生息している。人間の体細胞の数がおよそ60兆個だから、数の上では体細胞より腸内細菌のほうがはるかに多いわけだ。
 とはいえもちろん、細菌の平均サイズは1ミクロンで、人間の細胞よりはるかに小さいため、100兆個の細菌をすべて集めても、せいぜい1・5kg程度である。
 ちなみに、人間の糞便の重量の半分以上は腸内細菌であり、これは前述の「食物のカロリー測定法」(【食物の熱量】=【食物を空気中で燃やして発生した熱量】ー【同量の食物を食べて出た排泄物を燃やして発生した熱量】)が、最初の前提からして間違っていることがわかる。糞便の半分以上が、食物と無関係の腸内細菌なのだから、いくら精密に発生熱量を測定したところで、正確な値が得られるわけがないのである。
 そして、大腸の腸内細菌は、ヒト(=宿主)の生存に極めて重要な役割を果たしている。一つは、外部から侵入した病原菌の増殖抑制と排除機能であり、もうひとつは、栄養産生機能である>

 「人間の糞便の重量の半分以上は腸内細菌」
 ですから、「腸内細菌よ、ありがとう」と感謝したいですね(^^)

 腸内細菌はとても大切。
 そして、腸の働きが正常かどうかも、とても大切です。

◎腸が動かない人の解決策は丹田呼吸法ですね

 ところで、「ゲンダイ」の記事は、糖尿病でなく、ダイエット目的で糖質制限食を行っている人に向けたもののようです。

 私が想像するに、あくまでも私の考えですが、こうした人たちは、
1)体温が低い(お腹が冷えている)
2)腸の働きが不活発
 ではないかと思います。

 排便も代謝ですから、1と2が原因で不調になっているのではないかと。
 解決するには、丹田呼吸法=腹式呼吸がいちばん楽で、効果的です。
 私は20年続けてきましたから、便秘に悩んだことはありません。
 低かった体温もあがりました。
 また、「グンゼの腹巻き」を使用した1か月の効果で、昨日、今朝と体温が36.6度に、平均から0.1度アップしています。
 
 ちなみに、私と一緒に糖質制限食を始めた奥ちゃんは、腸内細菌が変化した頃から便秘に悩んでいました。
 丹田呼吸法はしていません。
 が、早朝、会社までの30分近くのウォーキングを始めたところ、快便になりました。
 糖質制限食するには「運動が不可欠」、これはバーンスタイン先生も力説されています。
 1)、2)で悩んでいる糖質制限人には、あ)ウォーキング、い)丹田呼吸法、う)腹巻きをすすめたいですね。

 世の中では、これから、糖質制限食が大ブームになってゆきそうですね。
 テニスのno1ジョコビッチ選手の本はベストセラーですし、サッカーのメッシ選手も「ピザ絶ち」で、プレーのキレが抜群になったと話題です。

 しかし、体温が低く、腸の働きが不活発な人が糖質制限食を始めると、とくに、超多忙でデスクのパソコンにかじりつき、運動不足のビジネスパースンには、このような症状が出てくるのかもしれません。
 ちょっと心配、ですね。】

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ジャンル:ヘルス・ダイエット
グリコアルブミン(GA)とHbA1cを比較することの意味
こんにちは。

今日は、グリコアルブミン(GA)とHbA1cを比較することの意味を考えてみます。

<グリコアルブミン(GA)とHbA1cの値の乖離>

2014年9月の採血で
HbA1c(NGSP):5.8%(基準値4.6~6.2%)
グリコアルブミン(GA):13.4%(基準値11.8~16.0%)
というデータでした。

まあ日本糖尿病学会の目標値では、「合併症予防が7.0%未満」、「血糖正常化を目指す際は6.0%未満」ですから、HbA1cのコントロールは優秀です。

しかし基準値の上限の近くであり、メタボ健診の特定保健指導は5.6%以上なので、これには引っ掛ってしまいます。

一方、GAのデータは、もっともっと優秀で、基準値の下限に近いくらいです。

この時は、浅学にして、HbA1cとGAの値がなぜこれだけ乖離するのかよくわかりませんでした。

<GAとHbA1cのそれぞれの意義>
一般的知識では、

「HbA1cは赤血球の寿命が120日であるため3ヵ月前から採血時まで」
「GAはアルブミンの半減期が17日であるため3週間前から採血時まで」

の平均血糖値を反映します。

しかし、この知識では、HbA1cTとGAの乖離の説明がつきません。

それで少し、ネットで調べてみました。

<GAとHbA1cの測定原理と食後高血糖の評価>

HbA1cとグリコアルブミン(GA)は、血液中のヘモグロビンとアルブミンが、それぞれ血糖と結合して変化したものの割合を示す検査値で、原理は同じです。

血液中のブドウ糖は、いろんなものにへばり付く性質があり、ヘモグロビン(赤血球の中にあるタンパク質)にくっついて変化したものがHbA1cで、アルブミンという血清中のタンパク質にくっついて変化したものが、グリコアルブミン(GA)ということです。

そして、同じ HbA1C値の糖尿病患者さんでも、食後高血糖が頻回にある患者さんの方が、グリコアルブミンが高くなりやすいことが分かりました。

アルブミンが血糖と結合してグリコアルブミンになるスピードは、ヘモグロビンが血糖と結合して HbA1Cになるスピードの9倍くらい速いと推測されています。

そのため、ごく短時間だけ現れる高血糖にも、グリコアルブミン値の方が HbA1C値より敏感に反応しやすいと考えられます。

ごく短時間だけ現れる高血糖は、通常は糖質摂取後の高血糖です。

これが、「グリコアルブミン検査は食後高血糖の評価に適している」とされる理由です。

<GA/HbA1cの比が大きいと食後高血糖が頻回>

食後高血糖の存在をよりはっきりとさせる方法として、グリコアルブミン値を HbA1C値で割って両者の比を計算する方法があります。

血糖コントロールが良いにしろ悪いにしろ、それが安定している場合、両者の比は、およそ3:1です。(但しHbA1cはJDS値)

つまりGA値が HbA1C(JDS)の約3倍です。

この約3倍というのは昔のHbA1c(JDS値)で計算したらぴったりですが、HbA1c(NGSP値)の場合は少し小さくずれます。

従って、GA/HbA1c比の計算をするときは、JDS値のHbA1cにするとよいです。

*JDS値+0.4=NGSP値
*NGSP値-0.4=JDS値

食後血糖値の変動が大きい糖尿人では、先ほど述べたようにグリコアルブミンの方が上昇しやすいため、GA/HbA1c比が大きくなります。

食後高血糖が頻回の場合は、GA/HbA1c比が4:1に近付いたり、それ以上に差が開くこともあるようです。

この差が大きいほど、合併症が進行しやすくなることを示した研究報告が最近増えてきました。

<糖質制限食なら、GA/HbA1cの比が小さい>
HbA1c(NGSP):5.8%(基準値4.6~6.2%) 
HbA1c(JDS):5.4%(基準値4.3~5.8%)
グリコアルブミン(GA):13.4%(基準値11.8~16.0%)

上記、江部康二の検査データだと、JDS値で計算して、GA/HbA1c比は、2.48:1とかなり低いです。

食後高血糖が極めて少ないことを示しています。

〔薬物療法+従来の糖尿病食(高糖質食)〕で
同じように
HbA1c5.8%(NGSP)
HbA1c5.4%(JDS)
であっても、食後高血糖があるので、GA/HbA1c比は、3:1以上の可能性が高いのです。

すなわち、食後高血糖のない質の良いHbA1cと、食後高血糖のある質の悪いHbA1cとを、GA/HbA1c比によって、区別し評価できるということになります。

GAとHbA1cは同じ月には保険請求できませんので、やや安価なHbA1cのほうを実費で保険外で調べればいいと思います。

私費で、HbA1cは¥500-くらいと思います。

グリコアルブミン検査は今後、普及していくと思います。

それによりグリコアルブミンと合併症の関係がさらに明確になることでしょう。




江部康二

テーマ:糖質制限食
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京都江部粉・糖質制限パン講習会 のお知らせ
おはようございます。

今日は、私の監修で完成した糖質制限ミックス粉 京都江部粉 を使った糖質制限パンと料理教室のお知らせです。

あらてつさんの京都高雄倶楽部の主催ですでに3回開催され、大好評だそうです。

以下、あらてつからのお知らせです。




「天然酵母のパン教室 アタサンテ」 を主宰され、ナゾのマジック糖質制限パンミックス粉、京都江部粉を使ったパン教室を開催されている、利野 郁枝 先生と、私ども京都高雄倶楽部のコラボ企画、「京都高雄倶楽部主催・ABS(株)協賛 
a-ta-sant’e 京都江部粉・糖質制限パン講習会 」の第4回が、以下の日程で決まりました。


第4回 京都高雄倶楽部主催・ABS(株)協賛 
a-ta-sant’e 京都江部粉・糖質制限パン講習会 

=menu=
・バーンズパン
・江部バーガー(パテ作り)
・サバサンド(パテ作り)
・デザート(セミフリオ)
・お土産

ハルディンで出されている江部バーガーのパテを作ります。

日  時     7月21日 火曜日  10:30~13:30
講習料     7,000円
(講習は、デモ型ですが、一部参加して頂けます)
場  所     クリナップ神戸(最寄りの駅JR神戸すぐ)
神戸市中央区東川崎町1-2-2 HDCビル4F 078-367-2200
定  員     10名
持ち物     タオル・筆記用具・エプロン・エコバック
お申込み   天然酵母のパン教室 a・ta・sant’e  HPお問い合わせページより http://a-ta-sante.com

*先着順で受け付けさせて頂き、その後講習料の振込先を連絡させていただきますので、入金確認出来た時点でお席の確保となります。入金後のキャンセルは、返金しかねますのでご了承下さい。


今回も、江部康二先生行きつけの糖質制限なスペイン料理、カフェ・ハルディンの宮本マスターが参戦!

お店の裏メニューになっている「糖質制限 江部バーガー」と、糖質制限にアレンジしたトルコ名物の「サバサンド」、デザートには、超簡単、糖質制限セミフリオの作り方をレクチャーしてくださいます。

宮本マスター
宮本マスター

糖質制限な料理のレパートリーは日本1だと思うので、普段の料理で困っておられる方は、いろいろと相談してみるといいかもです。

宮本マスターの軽快なトークと業界裏話を是非お楽しみください(笑)

あと、講習時間が13:30までとなっておりますが、会場は夕方まで借りています。

料理と焼きあがったパンをゆっくり談笑しながら食べて頂いて、糖質制限に関する質問があれば、私か店長ヤマモトを捕まえてじっくりして頂けますし、もちろん、早く帰りたい方はお土産をお渡ししますので、食べ終わったらお帰り頂いて全然OK。

せっかく来て頂くので、最大限ご満足頂けるような教室にしていきたいと考えております。

皆さんのご参加、お待ちしております。


そうそう、「何処で買えるの?」と多々お問い合わせを頂くナゾのマジック糖質制限パンミックス粉、京都江部粉ですが、利野先生のアタサンテに参加された方には、教室で販売していますので、ちゃんとお家でも京都江部粉のパンを焼いて頂けます。






糖質制限食・ダイエット食の通信販売|糖質制限ドットコム

糖質制限ドットコムは、糖質制限食の第一人者、高雄病院、江部康二先生監修による糖質オフな食材を販売、糖質制限食に取り組む皆様をサポートします。


テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
75g経口ブドウ糖負荷試験と機能性低血糖について
【15/07/05 みなこ

初めまして
現在47歳の主婦です。
75g経口ブドウ糖負荷試験繋がりで質問させて頂きます。

若い頃より突然飢餓的な空腹に襲われることがあり、 その際に冷や汗や震え、手に力が入らなくなるなどの症状が出ます。

血糖値に異常があるのではと予想して、 ブドウ糖負荷試験(2時間)を受けました。

負荷前  80
30分後  144
60分後  216
90分後  217
120分後 222

食後高血糖ですね。
でも糖尿病ではないので気にすることはないとのこと。
低血糖症のことも聞いてみたのですが、あなたの場合は逆だから違いますよ、と。
境界型とも言われませんでした。

私は糖尿病でも低血糖症でもないのでしょうか?
2時間の計測では判断できないかもしれないですね。

最近の一番の悩みは、食後40〜50分経つと、激しい睡魔に襲われることです。
眠気を我慢するのではなく、眠いと感じる前に寝てしまっています。
座ったままで。

糖質20g以下を心がけること以外に、 対策やアドバイスがありましたらお願いいたします。】


こんにちは。

みなこさんから、75gブドウ糖負荷試験と機能性低血糖についてコメント・質問をいただきました。

みなこさんのデータは、負荷後2時間血糖値が222mg/dlなので診断基準的には「糖尿病型」です。

一回だけでは診断確定ではないですが、異なる日の再検査で、

随時血糖値200mg/dl以上、
空腹時血糖値126mg/dl以上
HbA1c6.5%以上

があれば、糖尿病と診断されます。

食後40~50分後の激しい睡魔ですが、糖質摂取に伴う血糖値の急激な上昇によるものと思われます。
負荷前:80mg/dl  →30分後:144mg/dl  → 60分後:216mg/dl

血糖値が1時間足らずで急激に上昇しても、下降しても眠たくなったり、ぼーっとしたりします。
みなこさんの場合、1時間で136mg上昇しています。


「若い頃より突然飢餓的な空腹に襲われることがあり、 その際に冷や汗や震え、手に力が入らなくなるなどの症状が出ます。」

この症状は機能性低血糖の可能性が高いと思います。

75gOGTTで4~5時間後に血糖値が60mg/dlをきっている可能性があります。

そのときに、強い空腹感・冷や汗・震え・脱力などが出現すると考えられます。

日常生活の中では、例えば、午後0:30に、糖質ありの昼食後、4~5時間後の午後4:30~5:30くらいに上記機能性低血糖の症状がでやすいと思います。


みなこさんの現在の問題点は「食後高血糖」「食後の激しい睡魔」「機能性低血糖」の3つです。
これらは、いずれもスーパー糖質制限食で改善されると思います。
それで必要十分と思います。


江部康二



【<糖尿病治療ガイド>
75gOGTT(75g経口ブドウ糖負荷試験)検査手順

①朝まで10時間以上の絶食のあと検査開始。午前9時頃が好ましい。
②空腹のまま採血し血糖値を測定する。
③次にブドウ糖を飲用させる。
④ブドウ糖負荷後、30分、1時間、2時間に採血し血糖値を測定する。
⑤空腹時血糖値と75gOGTTによる判定基準に従い、糖尿病型・正常型・境界型のいずれかに判定する。

*検査終了まで、喫煙・運動は控える。

A)75gOGTTは糖尿病の診断に必須ではない。
自覚症状などから明らかな高血糖が疑われるときは、まず空腹時血糖値または随時血糖値を測定すべきである。高血糖状態で75gOGTTを行えば、さらなる高血糖を引き起こし有害である。

B)75gOGTTで空腹時と30分後のインスリン値を測定すれば、インスリン分泌能の指標であるインスリン分泌指数が計算できる。

C)75gOGTTで30分後と1時間後の血糖値は糖尿病の診断には必ずしも必要ないが、糖尿病ハイリスク群を見いだすのに役立つ。】



<糖尿病型・正常型・境界型の区分と判定基準>

75g経口ブドウ糖負荷試験(75gOGTT)および、
随時血糖値、空腹時血糖値による判定基準をまとめると以下のようになります。

A)正常型
「空腹時血糖値が110mg/dl未満かつ120分後血糖値が140mg/dl未満」
を満たせば正常型。

B)境界型
正常型にも糖尿病型にも属さない場合をいう。

C)糖尿病型
「空腹時血糖値が126mg/dl以上またはOGTT120分後血糖値、随時血糖値が200mg/dl以上」
を満たせば糖尿病型。


テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
75g経口ブドウ糖負荷試験を実施することの意味
【15/07/04 ゆうげつ

ブドウ糖負荷試験前の運動は?

はじめまして、江部先生
42歳 148cm 39kg の女性です。

ちょうど1年前、かかりつけのクリニックで食後2時間後くらいに採血をする機会がありました。そこで血糖値145mg/dlくらいあることが分かり、主治医の先生からはあまり気にしなくていいといわれました。

半年前の職場の健康診断では、空腹時血糖84mg/dl HbA1c4.9%でほぼ例年通りの結果でした。

食後高血糖だとわかってから気になっていたのですが、偶然にも6月初めに近くの薬局の店頭で自己血糖測定器(アキュチェックSTメーター)を見つけ、早速購入しました。

糖質制限(3食主食抜き)開始し始めてからは、食後1時間値110mg/dl台のことがほとんどです。

   0分 82mg/dl
  30分 163mg/dl
  60分 172mg/dl
  120分 137mg/dl でした。

この結果を見て、やはり一度医療機関を受診しようかと考えています。
確定診断があったほうが、周囲にも、糖質制限をしている事情を説明しやすいかな…と。

そこで、質問なのですが、ブドウ糖負荷試験3日前から150g以上の糖質を摂取とのことですが、 高血糖になるとわかっていて、計4日間も糖質を大量にとるのは非常に不安なのです。

せめて3日間、糖質を取った後に、運動をして血糖値を下げたいと考えています。しかし、血糖値を運動によって下げることは「ブドウ糖負荷試験前3日間の150g以上の糖質摂取」の検査条件に反するものなのでしょうか?それともそんなことは関係ないのでしょうか?

江部先生、お忙しいところ恐れいますが、ご教授お願いいたします。】



ゆうげつさん。
1年前に、食後2時間血糖値が145mg/dlであったなら
その時点で、アバウトですが『境界型』で、食後高血糖タイプの可能性が高いです。

75g経口ブドウ糖負荷試験で、負荷後2時間値が

140mg~199mg/dlまでが境界型で、
140mg/dl未満が正常型、
200mg/dl以上が糖尿病型です。

2015/7/4朝に、だいたい45gの糖質を摂取したところ、
   0分 82mg/dl
  30分 163mg/dl
  60分 172mg/dl
  120分 137mg/dl


このデータでは60分値がピークで172mg、空腹時の82mgから90mgの血糖値上昇です。
すなわち、1gの糖質がピーク2mg/dlほど血糖値を上昇させています。

食事で75gの糖質を摂取したり、75gブドウ糖を経口負荷したりすれば、ピークの60分値は180mg/dlを超えて、120分値は140mg/dlを超える可能性が極めて高いです。

早朝空腹時血糖は82mg/dlとまったく問題ないので、食後高血糖タイプの境界型(IGT)ということです。

すなわち、自己血糖測定器により、ここまで詳細な情報がすでに得られているので、75g経口ブドウ糖負荷試験を実施する意味は少ないと思います。

食後高血糖で60分値が180mg/dlを超えているときは、将来糖尿病になりやすいので、今から緩くてもいいので糖質制限食を実践しておけば予防になりますね。

75g経口ブドウ糖負荷試験は、早期に境界型とか糖尿病型を発見するための手段です。

ゆうげつさんは、すでに境界型がほぼ確定しているので本来は適応外です。

勿論、すでに糖尿病と診断がついている人に75g経口ブドウ糖負荷試験は実施しません。

例えば、血糖自己測定器を持っていない人がメタボ健診で、早朝空腹時血糖値100mg/dl以上とかHbA1c5.6%以上のときは、正常高値の範疇に入るので特定保健指導を奨められます。

特定保健指導においては、肥満、糖尿病家族歴、高血圧、脂質異常症、喫煙の方は、75gOGTTを推奨されます。

日本糖尿病学会によれば、

「正常高値である100mg/dL~110mg/dL未満の人を対象に経口ブドウ糖負荷試験を行ったところ、25%~45%の人が境界型か糖尿病に属していた。」

とのことです。

私としては、メタボ健診正常高値の段階で、肥満や糖尿病家族歴がある人は、75g経口ブドウ糖負荷試験を実施する選択肢ありかなと思っています。

なお、75g経口ブドウ糖負荷試験の前3日間は、150g/日以上の糖質摂取を、日本糖尿病学会は推奨しています。

この間、日頃はしない運動をすることは、やはり検査結果に一定の影響が及ぶ可能性があり、今まで通りの普通の生活がいいと思います。


江部康二

テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
1型糖尿人の糖尿病治療情報。
こんにちは。

劇症1型糖尿人のちくてつさんから、1型糖尿人の糖尿病治療情報をコメント頂きました。
ありがとうございます。

1型糖尿人の懇親会に参加されてのご報告です。

ちくてつさんの主治医も仰っていた如く、血糖コントロールが良くない1型糖尿人がほとんどなのですね。

1型糖尿人の場合

1)糖質が血糖値に与える影響が一番大きい
2)内因性インスリンがでてないときはタンパク質もあるていど影響がある
3)脂質は血糖値に影響を与えない

といった基本情報を知識として持っていなければ、糖質制限食に思い至ることもありません。

従来の糖尿病食(高糖質食)で、カーボカウントさえもせずにインスリン注射の単位を決めているとすれば、血糖値の乱高下や低血糖も頻発ですし、当然「食後高血糖」「平均血糖変動幅増大」という酸化ストレスリスクを生じ、合併症発症も予防困難です。

1型糖尿人に対して

1)2)3)の基本知識と「従来の糖尿病食」以外に「カーボカウント」や「糖質制限食」といった選択肢もあるということを、糖尿人に教えるのは、医師の仕事と思います。

しかし、ちくてつさんもご指摘のように、これらの知識を得て、自分自身で考えて選択して、食事療法やインスリン注射に関して自己責任で自己管理をしていくのは、糖尿人自身がやらなくてはいけないお仕事です。

「馬を水辺に連れて行くことはできるが、水を飲むかどうかは馬次第である」

馬を例に出してすいませんが、アドラーはこのように述べています。

医師の仕事と患者さんの仕事と峻別できるということと思います。


江部康二


【15/07/04 ちくてつです

1型糖尿人の食生活に驚き!

昨年11月はじめ、劇症1型糖尿病を発症し、血糖値1800mg/dlをはるかに超える状態から、生還しました。

それまで、糖尿病の「と」の字も意識したことはありませんでした。

が、インスリンが出ないために、一生インスリンを打たなければならない重篤な病気だと知って、生き延びるための努力を始めました。
幸いに江部先生の著書に出会い、血糖値を正常人並にすれば、合併症は起きないし、健康に、元気に「暮らせそうだ」と納得しました。

そして、自分の体で人体実験を始めて7か月。
主治医も、ナースもいい人ばかりです。
1型糖尿人の懇親会を年に2度、開いていると聞いていました。
そして、誘われて、今日、参加しました。

5つのサークルにわかれて、情報交換しました。
私はインスリンポンプの使用者&使用希望者のサークル。
使用者は、私も含めて4人。
ポンプの針をお尻に置いている私以外の人は、トラブルに悩んでおられるようでした。
というか、「トラブル、ふつうに、あります」という感じです。
 
それ以前に、血糖値がコントロールできないことが当たり前のようでした。
皆さん、口を揃えて「血糖値のコントロールがむずかしい」と言われていました。

つまり、糖質制限をされていないのです。

インスリンの注入によって、食欲が増進し、美味しいものをどんどん食べているとか!

また、それらを食べるために、インスリンを多目に注入し、多目ですから誤差が大きくて、低血糖になったりしているとか!

血糖値20くらいになって失神し、

「気分よく目覚めたら、病院でした。あのまま死んだら幸せだったです。その日の食事は完食しました」

こんな風に、隣の74歳の1型糖尿人の先輩が話されていました。

1型糖尿人は、血糖のコントロールが難しいです。
でも、私は注射よりインスリンポンプのほうがコントロールしやすいと体験からわかりました。
コントロールしやすいという意味は、バーンスタイン先生のような「超厳格な糖質制限食」でなくていい、という意味です。

バーンスタイン先生は1型糖尿人であり、HbA1c4.5くらいの、平均血糖値85mg/dlのレベルに長年自分を保ち、患者さんたちにもそれを求めておられます。

私にはできません。

が、インスリンポンプを使えば、トラブルがなくなって1か月半で、HgA1c5.7以下が維持できると確信できるようになりましたから、そのうちに5.0を達成できると思います。

それも、毎日、糖質ゼロビールや焼酎、つまみをいただいたり、その他の好きなものをいただいたりし、ストレスのないかたちの糖質制限でです。

私ができているのに、今日、はじめて1型糖尿人の方々に会って、「血糖値が下がらない」、「コントロールできない」という話を聞いて不思議に思いました。

なぜ、下がらないのでしょうか?
なぜ、下げようしないのでしょうか?

つまりは、「下げようとされていない」これが真実のようでした。

それに300mg/dl超えでも全然、体に支障はでませんから、慣れてしまうようでした。

ところで、アドラー心理学では、たとえば、喫茶店でウエイトレスが、お客さんである「あなたに水をかけた」直後、あなたがウエイトレスに激怒した、という事例が紹介されています。

アドラーさんは、「あなたはウエイトレスに怒りをぶつけたくて全力でそうしている」
こう説明します。

そして、怒りをぶつけるのは、「怒りたいというあなたの欲求に全力で応えているということだ」と言うのです。
あなたのなかに怒りのマグマが溜まっていて、それを爆発されるきっかけを待っている、という説明です。
あなたは、全力で、怒りたくて怒っている。

これ、わかります。
私もそうでしたから。
気分障害に悩んでいました。
それはそれはひどく、人を傷つけました。
人をひどく傷つけ、自分はひどく落ち込みました。
それがどうやら、血糖値の乱高下せいだとわかり、コントロールができるようになってはじめて、「ジキル博士とハイド氏」の状態から脱却できました。

いまは、レストランでも、「いいんですよ。全然平気。気にしないで」とウエイトレスに言います。
怒るなんで考えられません。
そして最近、懇意のパブで、顔なじみの女性店員が「お客さん、怒ったこと、あるんですか?」と真顔で聞いてくれました。
「ありません」と答えながら、かつての自分を思い出しました。

この事例を、つまり、アドラー心理学を、今日の1型の皆さんの「血糖値がコントロールできない」という状況に当てはめましょう。

隣の74歳の男性が、「4回も低血糖で入院しました」と言われていました。
後で考えると、自慢のようでした。
「私は特別なんだ」と聞こえました。

かくいう私も、劇症1型糖尿病を発症し、血糖値1800mg/dlを超えました、と言って自慢しています。もしも自慢に聞こえるようでしたら、愚かです。
「ちくてつさん、愚かですね」と言ってください。
「その通りです」と答えます。

しかし、ほとんど死にかけていたところから生還し、それでも正常人なみの血糖値を維持したいと努力しているというスタンスなら、「頑張っている」と評価されるでしょうね。

話がそれました。

そこで、隣の男性に話しかけました。
好物がカツだと耳に入ったので、
「トンカツの衣をはがすと、血糖値を抑えられますよ」
その返事は、
「衣が美味しからトンカツを食べるんでしょ」
 
まさしく、その通りです。

「血糖値のコントロールができない」と嘆く、1型糖尿人&インスリンポンプ人に同情するのは、無駄であり、意味のないことだとわかりました。

求められていないのにするアドバイスは、「小さな親切、大きなお世話」だともわかりました。

しかし、糖尿病の真実とは、「血糖値はコントロールできる」です。
ところが、「血糖値をコントロールできない人は、全力でコントロールしないようにしている」のです。

トンカツの衣、美味しいですよね。
神田「まつや」のもりそば、かき揚げ天丼、超オイシイですよね。
キッチン南海のカツカレー、極うまっです。
築地のお寿司屋さんの寿司も、本当に美味しいですね。
それに、日本酒、地酒の数々。
数え上げればキリがないです。

血糖値をコントロールするためには、これらを捨てざるをえません。
私がいちばんさいしょに捨てたのは、43年間、毎日1箱以上吸ってきたタバコでした。
私のいちばんの好物でした。
が、江部先生の「血管を傷つける」という説明で納得し、捨てました。
以来、一度も吸いたくなく、夢でも吸っていません。
糖尿人の喫煙は大きなリスクです。

そして、問題のある患者のケアをするのは主治医の課題=仕事です。

血糖値のコントロールができないと嘆く人のケアも、主治医の課題ですが、本人が全力で血糖値を上げようとしているので、「馬の耳に念仏」のようです。

「1型糖尿国」は命懸けの世界ですから、私にとっては、人間観察の最前線であり、興味津々の世界です。 】



テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
「元気過ぎる医師が語る、糖質制限食 ~メタボ・ロコモ・糖尿病」講演会
こんにちは。

「元気過ぎる医師が語る、糖質制限食 ~ロコモ・糖尿病」

大阪講演会のお知らせです。

今回は、大阪で、中村巧先生と二人でコラボです。

大阪、神戸、京都・・・関西の皆さん、奮ってご参加くださいね。


江部康二



☆☆☆

以下、事務局からのお知らせです。

ブログ読者の皆様、講演会へいつも多数ご参加いただきまして、
ありがとうござ います。

8月30日(日)、大阪・中之島で、「元気過ぎる医師が語る、糖質制限食 ~ロコモ・糖尿病」と題して、一般の方向けの講演会を開催いたします。

今回の講師は、マスターズ陸上の選手兼普及部長であり、テレビ東京系列「主治医が見つかる診療所」でもおなじみの医師、中村巧先生(中村整形外科 リハビリクリ ニック)と江部康二理事長です。

過密スケジュールもなんのその、ことさら元気な両医師が糖質制限を熱く語ります。

関西地区の皆様をはじめ、多数のご参加を心よりお待ちしております。



///////////////////ご案内/////////////////////

一般社団法人日本糖質制限医療推進協会主催 講演会(大阪)

元気過ぎる医師が語る、糖質制限食
~ロコモ・糖尿病

■日 時: 8月30日(日)13:50~16:30頃 
  ※入場受付・開場は13:30~

■会 場: 大阪大学中之島センター 10F
     「佐治敬三メモリアルホール」

〒530-0005 大阪市北区中之島4-3-53
http://www.onc.osaka-u.ac.jp/others/map/index.php

■内 容:

◆講演1:『細マッチョ』が最後に笑う(糖質制限と生物進化体操)
        ―健康長寿な日本人づくり― 

講師: 中村 巧 医師
    医療法人社団 中村整形外科リハビリクリニック 理事長
    株式会社 抗加齢医学研究所 代表取締役

◆講演2: 糖尿病と糖質制限食

講師: 江部 康二 医師
    (一財)高雄病院 理事長
    (一社)日本糖質制限医療推進協会 理事長   

◆質疑応答

※講演は各60分を予定しています。

※講演後、両講師による質疑応答を30分程度予定しています。


■受講費: 賛助会員 2,500円 / 一般(非会員) 3,000円

■お支払い方法:

クレジットカード/銀行振込/郵便振替  ※事前決済のみとなります。

■お申し込みの流れ:

1. 下記「お申し込み方法」の該当するものからお申し込み下さい。
2. 事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3. 入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4. 当日、直接会場までお越し下さい。

■お申し込み方法:

★賛助会員の方:事務局までメールにてお申し込み下さい。

★賛助会員入会をご希望の方:

  1. 入会案内および会員規約をお読み下さい。
   http://www.toushitsuseigen.or.jp/#!membership/cdt9

 2. お申し込みは下のフォームからお願いします。
   「通信」欄に「8/30 大阪講演会受講希望」とご記入下さい。
   http://www.toushitsuseigen.or.jp/contact
  
★一般(非会員)で、講演会の受講のみご希望の方:
  下のフォームからお申し込み下さい。
  http://www.toushitsuseigen.or.jp/seminar-gen

■その他:

・予約制です。当日参加はできません。
・キャンセルは8月28日(金)までに事務局までご連絡願います。

(掲載サイト:http://www.toushitsuseigen.or.jp/#!/cr4r
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
高血糖の記憶。質のよいHbA1c。
【15/07/03 misako

先生、いつもありがとうございます。

じつは、まさに

「それから、一定の糖尿病罹病期間があって、血糖コントロールが悪かったけれど、その時点では網膜症はないと言われていた人が、糖質制限食を開始して血糖コントロール良好となり、数ヶ月後眼底検査をしたら軽症単純網膜症が発見された、というようなことがまれにあります。 これは糖質制限食開始時点で既に潜在的な網膜症はあったのが、時間的経過で顕在化したもので、高血糖の記憶によるものと思われます。」

この通りとしか思えない出来事が自分の身にふりかかってきてしまいました。

DKA(糖尿病ケトアシドーシス)で入院した時の眼底検査で「異常なしです」と言われていたのですが、半年ぶりにさきほど検査したら「単純性網膜症、ただしまだレーザー治療をするほどではない」と言われました。

このごろ血糖コントロールはとてもいいですし、ランタスの注射量も8→2単位にまで減ってきているので、どんどん悪化していくことは無いと思いますが、「高血糖の記憶」の恐ろしさを改めて痛感いたしました。】



こんにちは。

misako さんから、高血糖の記憶についてコメントいただきました。
ありがとうございます。

misako さん、糖尿病ケトアシドーシス(DKA)で入院されたとは大変でした。

糖尿病ケトアシドーシスは命に関わる重篤な病態です。

血糖コントロールが悪い状態がかなりの期間続いていて、とうとう発症したのだと思われます。

misako さんの入院時のHbA1cが15.0%でしたから、その可能性が高いです。

単純網膜症の初期なら、まだまだ大丈夫です。

ランタス2単位というごく少量のインスリンでHbA1cも6.0%未満でしたね。

例えば同じHbA1c6.0%だとしても、スーパー糖質制限食なら「食後高血糖」「平均血糖変動幅増大」という酸化ストレスリスクのない、良質なHbA1cです。

一方、従来の糖尿病食(高糖質食)なら「食後高血糖」「平均血糖変動幅増大」という酸化ストレスリスクを必ず生じるので、質の悪いHbA1cです。

このままスーパー糖質制限食を続けられたら、ランタスゼロも夢ではないですし、単純網膜症の進行は皆無です。

一番上手くいけば、単純網膜症が回復する可能性もありますよ。


江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット