2015年06月30日 (火)
こんにちは。
『食品別糖質量ハンドブック』洋泉社(2012年)
おかげさまで、第15刷、12万部となりました。
ブログ読者の皆様には、多くの応援をいただきありがとうございます。
今回、洋泉社から
「糖質制限の教科書」
(洋泉社MOOK) ムック ¥1080
が2015年6月12日に発売されました。
私が「監修」した本です。
洋泉社さん、朝日新聞や毎日新聞に広告を打って頑張って頂いてます。
教科書と題したムックですので、とてもわかりやすい構成となっています。
図や写真も豊富で、読みやすい内容です。
日頃、本が苦手の人でも、すっと一気に読めると思います。
これから糖質制限食を始める人には
おおいにお役に立てると思いますので、
是非ご一読いただけば幸いです。
江部康二
☆☆☆
以下は洋泉社の内容紹介です。
基本から実践、理論までこの1冊でわかる正しいやり方で、無理なくやせる、健康になる!
・満腹OK! 血糖値を上げない!ひと目で分かる食材の選び方
・献立のつくり方
・知って納得!糖質制限でやせる仕組み
・続けるほど健康になる!症状別
・糖質制限の効果・疑問や不安を一気に解消する糖質制限Q&A
【監修】江部康二(えべ・こうじ)医師。
一般財団法人高雄病院理事長。
一般社団法人日本糖質制限医療推進協会理事長。
1950年京都府生まれ。
1974年京都大学医学部卒業。
京都大学胸部疾患研究所第一内科(現京大呼吸器内科)を経て、
1978年より高雄病院に医局長として勤務。
1999年、高雄病院に糖質制限食導入。
2000年理事長就任。
2001年から糖質制限食にとり組む。
2002年に自身の糖尿病に気づき、自ら糖質制限食を実践、肥満と糖尿病を克服。
豊富な症例をもとに糖質制限食の研究を続けている。
主な著・監修書に『食品別糖質量ハンドブック』
『江部先生、「糖質制限は危ない」って本当ですか?』(ともに洋泉社)、
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!新版』
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!2実践編 新版』(ともに東洋経済新報社)など多数
ブログ「ドクター江部の糖尿病徒然日記」http://koujiebe.blog95.fc2.com/
『食品別糖質量ハンドブック』洋泉社(2012年)
おかげさまで、第15刷、12万部となりました。
ブログ読者の皆様には、多くの応援をいただきありがとうございます。
今回、洋泉社から
「糖質制限の教科書」
(洋泉社MOOK) ムック ¥1080
が2015年6月12日に発売されました。
私が「監修」した本です。
洋泉社さん、朝日新聞や毎日新聞に広告を打って頑張って頂いてます。
教科書と題したムックですので、とてもわかりやすい構成となっています。
図や写真も豊富で、読みやすい内容です。
日頃、本が苦手の人でも、すっと一気に読めると思います。
これから糖質制限食を始める人には
おおいにお役に立てると思いますので、
是非ご一読いただけば幸いです。
江部康二
☆☆☆
以下は洋泉社の内容紹介です。
基本から実践、理論までこの1冊でわかる正しいやり方で、無理なくやせる、健康になる!
・満腹OK! 血糖値を上げない!ひと目で分かる食材の選び方
・献立のつくり方
・知って納得!糖質制限でやせる仕組み
・続けるほど健康になる!症状別
・糖質制限の効果・疑問や不安を一気に解消する糖質制限Q&A
【監修】江部康二(えべ・こうじ)医師。
一般財団法人高雄病院理事長。
一般社団法人日本糖質制限医療推進協会理事長。
1950年京都府生まれ。
1974年京都大学医学部卒業。
京都大学胸部疾患研究所第一内科(現京大呼吸器内科)を経て、
1978年より高雄病院に医局長として勤務。
1999年、高雄病院に糖質制限食導入。
2000年理事長就任。
2001年から糖質制限食にとり組む。
2002年に自身の糖尿病に気づき、自ら糖質制限食を実践、肥満と糖尿病を克服。
豊富な症例をもとに糖質制限食の研究を続けている。
主な著・監修書に『食品別糖質量ハンドブック』
『江部先生、「糖質制限は危ない」って本当ですか?』(ともに洋泉社)、
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!新版』
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!2実践編 新版』(ともに東洋経済新報社)など多数
ブログ「ドクター江部の糖尿病徒然日記」http://koujiebe.blog95.fc2.com/
2015年06月29日 (月)
【15/06/22 ほんだ
ライザップと江部先生の糖質制限食両方の経験者です
私はライザップに入っております。低糖食をライザップで知り、あれこれ調べていくうちに江部先生、江部先生の糖質制限食を知りました。
ライザップの低糖食と、江部先生の糖質制限食は、炭水化物を摂取しないという点では似ていますが、根本が違うと思います。江部先生は医学的観点から論証されていますし、膨大な知識をお持ちです。何より御自ら14年も糖質制限食を実践されています。
ライザップは、炭水化物を制限する、食事はこれとこれがOK、これがダメ、という程度です。週刊誌に書かれているように、トレーナーは、栄養学や糖質制限&低糖食についての詳しい知識はお持ちではありません。
なので、私は筋トレはライザップ式に、糖質制限食は江部先生の方法に従って実践しております。よって、体調はとても良いです。
生理が止まったという方のことですが、私の知り合いにもいます。それは糖質制限食を行ったからではなく、自身で調べずに、ライザップの言う通りに、あれはダメ、これは良い、という知識が浅いトレーナーの食事管理内で行ったからだと思います。
私が江部先生の糖質制限を実践している旨を伝えたところ、生理が止まったり、あれこれ異常が出るので気を付けた方が良いと彼女から言われました。結果、二ヶ月後、全てにおいて改善したのは私で、彼女は生理が止まりました。
以前、江部先生が、監修をお断りになられたとおっしゃっていたので、実は安心しておりました。あまりにも派手な広告、解約させないシステム、知識の浅いトレーナー等から、いずれ叩かれるだろうと思っておりました。
週刊誌が大げさに書いていることもあるのですが、サプリやプロテインが月7万円と書かれているとしたら、プロテインは一ヶ月分で3万円です。それを何種類も買ってしまう方がいるのだと察します。一ヶ月3万円と聞くと高いですが、1食分千円は、ダイエット業界では、ちょっと高め程度ですから、そこまでではないと思います。でも高いことは高いですよね(笑)。
トレーナーにノルマがあるようですから、私は御祝儀(?)で一箱買いました。ダイエットやエステ業界は、ノルマもあるでしょうから、消費者がしっかりしていないと、という自己責任もあるかと思います。
また、トレーニングについては、きついですが、そこまで無理をさせているわけではないと感じます。骨折やヘルニアなどと書かれていますが、他のスポーツクラブでのパーソナルトレーニングでも、同様のことはあると察します。ライザップはあまりにも誇大広告を出しすぎて、数例のトラブルが大きくクローズアップされるというよくあるケースなのではないでしょうか。
赤井英和さんは、元々プロのボクサーだったことと、一週間に三回や四回(通常は二回)トレーニングし、最後はお水だけなどかなり絞ったそうで、普通は二ヶ月で6PACKは無理だとトレーナーから聞きました。
以前、江部先生がライザップの監修をされていると、ライザップの方から聞いたことがあります。多分ライザップを監修されている栄養士の方が、江部先生と共著されている(と記憶があります。違いましたらすみません)、それが変形されているのだろうか、と思いました。でも鵜呑みにする方もいるかと思います。
あれこれ書きましたが、両方の実践者の私がお伝えしたかったのは、ライザップの低糖食と、江部先生の糖質制限食は、次元が違うほど違うとお伝えしたかったです。】
ライザップと高雄病院の糖質制限食を両方経験された、ほんださんからコメントをいただきました。
ほんださん、わかりやすい情報をありがとうございます。
ライザップの監修をされている女性管理栄養士とは、2013年の日本糖質制限医療推進協会を立ち上げるときに袂を分かちました。
私が基本「サプリ」は必要ないと考えているのに対し、彼女はサプリを必要と考えていたことが、大きなスタンスの差で決別することとなりました。
つまり、2013年以降は、当該の女性管理栄養士と江部康二は、何の関係もありません。
「あれこれ書きましたが、両方の実践者の私がお伝えしたかったのは、ライザップの低糖食と、江部先生の糖質制限食は、次元が違うほど違うとお伝えしたかったです。」
ほんださん。
そのように言って頂くと、私もとても安心です。
ありがとうございます。
江部康二
ライザップと江部先生の糖質制限食両方の経験者です
私はライザップに入っております。低糖食をライザップで知り、あれこれ調べていくうちに江部先生、江部先生の糖質制限食を知りました。
ライザップの低糖食と、江部先生の糖質制限食は、炭水化物を摂取しないという点では似ていますが、根本が違うと思います。江部先生は医学的観点から論証されていますし、膨大な知識をお持ちです。何より御自ら14年も糖質制限食を実践されています。
ライザップは、炭水化物を制限する、食事はこれとこれがOK、これがダメ、という程度です。週刊誌に書かれているように、トレーナーは、栄養学や糖質制限&低糖食についての詳しい知識はお持ちではありません。
なので、私は筋トレはライザップ式に、糖質制限食は江部先生の方法に従って実践しております。よって、体調はとても良いです。
生理が止まったという方のことですが、私の知り合いにもいます。それは糖質制限食を行ったからではなく、自身で調べずに、ライザップの言う通りに、あれはダメ、これは良い、という知識が浅いトレーナーの食事管理内で行ったからだと思います。
私が江部先生の糖質制限を実践している旨を伝えたところ、生理が止まったり、あれこれ異常が出るので気を付けた方が良いと彼女から言われました。結果、二ヶ月後、全てにおいて改善したのは私で、彼女は生理が止まりました。
以前、江部先生が、監修をお断りになられたとおっしゃっていたので、実は安心しておりました。あまりにも派手な広告、解約させないシステム、知識の浅いトレーナー等から、いずれ叩かれるだろうと思っておりました。
週刊誌が大げさに書いていることもあるのですが、サプリやプロテインが月7万円と書かれているとしたら、プロテインは一ヶ月分で3万円です。それを何種類も買ってしまう方がいるのだと察します。一ヶ月3万円と聞くと高いですが、1食分千円は、ダイエット業界では、ちょっと高め程度ですから、そこまでではないと思います。でも高いことは高いですよね(笑)。
トレーナーにノルマがあるようですから、私は御祝儀(?)で一箱買いました。ダイエットやエステ業界は、ノルマもあるでしょうから、消費者がしっかりしていないと、という自己責任もあるかと思います。
また、トレーニングについては、きついですが、そこまで無理をさせているわけではないと感じます。骨折やヘルニアなどと書かれていますが、他のスポーツクラブでのパーソナルトレーニングでも、同様のことはあると察します。ライザップはあまりにも誇大広告を出しすぎて、数例のトラブルが大きくクローズアップされるというよくあるケースなのではないでしょうか。
赤井英和さんは、元々プロのボクサーだったことと、一週間に三回や四回(通常は二回)トレーニングし、最後はお水だけなどかなり絞ったそうで、普通は二ヶ月で6PACKは無理だとトレーナーから聞きました。
以前、江部先生がライザップの監修をされていると、ライザップの方から聞いたことがあります。多分ライザップを監修されている栄養士の方が、江部先生と共著されている(と記憶があります。違いましたらすみません)、それが変形されているのだろうか、と思いました。でも鵜呑みにする方もいるかと思います。
あれこれ書きましたが、両方の実践者の私がお伝えしたかったのは、ライザップの低糖食と、江部先生の糖質制限食は、次元が違うほど違うとお伝えしたかったです。】
ライザップと高雄病院の糖質制限食を両方経験された、ほんださんからコメントをいただきました。
ほんださん、わかりやすい情報をありがとうございます。
ライザップの監修をされている女性管理栄養士とは、2013年の日本糖質制限医療推進協会を立ち上げるときに袂を分かちました。
私が基本「サプリ」は必要ないと考えているのに対し、彼女はサプリを必要と考えていたことが、大きなスタンスの差で決別することとなりました。
つまり、2013年以降は、当該の女性管理栄養士と江部康二は、何の関係もありません。
「あれこれ書きましたが、両方の実践者の私がお伝えしたかったのは、ライザップの低糖食と、江部先生の糖質制限食は、次元が違うほど違うとお伝えしたかったです。」
ほんださん。
そのように言って頂くと、私もとても安心です。
ありがとうございます。
江部康二
2015年06月29日 (月)
こんにちは。
先日書いた「ライザップと江部康二は、全く無関係ですので混同しないで下さい。」の記事に、読者の方からコメント頂きました。
ライザップと高雄病院の推奨する「糖質制限食」とは、全く無関係です。
私は、以前に数回、ライザップから、監修者になって欲しいという依頼を受けましたが 、営利目的の会社ということで、キッパリことわりました。
江部康二とライザップは、何の関係もありません。
高雄病院や江部診療所で糖質制限食を指導している患者さんに対しては、当然、医師としての責任が生じます。
私達の指導している患者さんは、過去3000人以上ですが、「糖質制限で生理が止まって、腎機能が滅茶苦茶」というような方はおられません。
糖尿病患者さんが主なので、まあ、40代以上の方がほとんどですが・・・。
時にみられるのは、血糖値は改善したけれど、全身倦怠感、筋力低下、気力低下などを訴える患者さんです。
これらの患者さんのほぼ全てで『摂取エネルギー不足』が原因でした。
当然、摂取エネルギーを厚生労働省のいう推定必要エネルギーくらいまで増やすと上記の症状は改善します。
ライザップは、営利目的の企業です。
一方、病院は営利目的の企業ではありません。
公的病院も民間病院も、 医療は営利を目的として行ってはならないと、法律で規定されています。
高雄病院の糖質制限食も医療の一貫ですので、 病気の改善や健康増進が目的であり、営利目的ではありません。
この点で、「ライザップ」と「高雄病院の糖質制限食」とは峻別できます。
ライザップがどのような方針の食事療法を奨め、どのような運動療法を奨めるかはライザップの自由と思います。
それを選択するのは、一人一人の個人であり、結果に関してはその個人の自己責任です。
ライザップに奨められても、高額であるとか自分には合わないとか方針に納得できないとか、ライザップを選ばない選択肢も充分あるのです。
ともあれ、私の気持ちとしては、「ライザップ」と「高雄病院の糖質制限食」を一緒くたにして混同しないで欲しいということです。
【15/06/22 福助
ライザップ
江部先生
先週の週刊新潮にライザップの被害報告記事が掲載されてました。
http://haigyo.net/orange/?p=5866
背骨の骨折や頸椎のヘルニアなど、一般人にいきなりハードなトレーニングとハードな糖質制限を強制的に行うのは無謀の一言ですね。
高額な入会金・トレーニング代もさることながら、1ヶ月7万円のプロテインとサプリメントって何なのでしょう?
このことで糖質制限自体がマイナスの目で見られることになることは非常に辛いですね。。。】
福助さん。
コメント、ありがとうございます。
『高額な入会金・トレーニング代』・・・高雄病院の糖質制限食とは無縁ですね。
『1ヶ月7万円のプロテインとサプリメント』・・・高雄病院の糖質制限食ではありえないです。
ますます、「ライザップ方式」と「高雄病院の糖質制限食」とは、似ても似つかぬ別物ということがよくわかります。
ライザップ方式で、骨折や頚椎のヘルニアなどの被害にあった方がおられるなら、お気の毒に思います。
しかし、骨折や頚椎のヘルニアなど、高雄病院方式では、あり得ないことです。
江部康二
【15/06/22 プニプニ
ビックリしました
先ほどFacebookで赤井英和さんの減量メニューがアップされてましたが、糖質制限&アルコール禁止&トレーニングでした。
食事が糖質制限食でしたからそれだけを見たら同じ⁈かと思ってしまうような内容でした。
でも食事の内容があまりにも寂しくて、先生のハンドブックに載っていた食事例が豪華に見えます(笑)
ハンドブック、分かりやすくて助かります。
真面目に、時に緩く継続したいと思います。
約1カ月で4キロ減です。
血圧と血糖値は下がりました。
医師から次回の血液検査が楽しみだと軽いプレッシャーも。
これからもブログを楽しみにしています。】
プニプニさんから、赤井英和さんの「ライザップ減量メニュー」についてコメント頂きました。
ありがとうございます。
減量成功、血圧と血糖改善、良かったですね。
そうですか、赤井さんの食事内容に比べると、高雄病院の食事例が豪華なのですね。
それは嬉しいです。
赤井英和さんは、ライザップで「糖質制限」&「アルコール禁止」&「トレーニング」です。
それも、ハードトレーニングで、しょぼい食事なら、結構つらいですね。
高雄病院の糖質制限食は、アルコールOKと多彩な食事が肝(きも)ですから、ライザップとは大違いです。
江部康二は、「糖質制限」&「アルコールOK」&「トレーニングなし」で、糖尿病発覚の2002年から13年間継続中。
食事は、肉、魚貝、卵、チーズ、大豆製品、野菜、海藻、茸・・・とバラエティーに富んでいます。
2015年6月22日。167cm。57.1kg。
A)65才で歯は全部残っていて、虫歯も歯周症もなし。
B)目は、近眼・老眼・乱視はあるが、眼鏡なしで広辞苑が見えて、日常生活も全くOK。
C)聴力検査も全く正常で低下なし。
D)身長も、若い頃に比し、縮みなし。
E)基本的に夜中の尿はゼロで、尿の勢いもOK。
F)HbA1c:5.8%
G)血液検査、尿検査は正常。
で、なかなかの健康度です。
江部康二
先日書いた「ライザップと江部康二は、全く無関係ですので混同しないで下さい。」の記事に、読者の方からコメント頂きました。
ライザップと高雄病院の推奨する「糖質制限食」とは、全く無関係です。
私は、以前に数回、ライザップから、監修者になって欲しいという依頼を受けましたが 、営利目的の会社ということで、キッパリことわりました。
江部康二とライザップは、何の関係もありません。
高雄病院や江部診療所で糖質制限食を指導している患者さんに対しては、当然、医師としての責任が生じます。
私達の指導している患者さんは、過去3000人以上ですが、「糖質制限で生理が止まって、腎機能が滅茶苦茶」というような方はおられません。
糖尿病患者さんが主なので、まあ、40代以上の方がほとんどですが・・・。
時にみられるのは、血糖値は改善したけれど、全身倦怠感、筋力低下、気力低下などを訴える患者さんです。
これらの患者さんのほぼ全てで『摂取エネルギー不足』が原因でした。
当然、摂取エネルギーを厚生労働省のいう推定必要エネルギーくらいまで増やすと上記の症状は改善します。
ライザップは、営利目的の企業です。
一方、病院は営利目的の企業ではありません。
公的病院も民間病院も、 医療は営利を目的として行ってはならないと、法律で規定されています。
高雄病院の糖質制限食も医療の一貫ですので、 病気の改善や健康増進が目的であり、営利目的ではありません。
この点で、「ライザップ」と「高雄病院の糖質制限食」とは峻別できます。
ライザップがどのような方針の食事療法を奨め、どのような運動療法を奨めるかはライザップの自由と思います。
それを選択するのは、一人一人の個人であり、結果に関してはその個人の自己責任です。
ライザップに奨められても、高額であるとか自分には合わないとか方針に納得できないとか、ライザップを選ばない選択肢も充分あるのです。
ともあれ、私の気持ちとしては、「ライザップ」と「高雄病院の糖質制限食」を一緒くたにして混同しないで欲しいということです。
【15/06/22 福助
ライザップ
江部先生
先週の週刊新潮にライザップの被害報告記事が掲載されてました。
http://haigyo.net/orange/?p=5866
背骨の骨折や頸椎のヘルニアなど、一般人にいきなりハードなトレーニングとハードな糖質制限を強制的に行うのは無謀の一言ですね。
高額な入会金・トレーニング代もさることながら、1ヶ月7万円のプロテインとサプリメントって何なのでしょう?
このことで糖質制限自体がマイナスの目で見られることになることは非常に辛いですね。。。】
福助さん。
コメント、ありがとうございます。
『高額な入会金・トレーニング代』・・・高雄病院の糖質制限食とは無縁ですね。
『1ヶ月7万円のプロテインとサプリメント』・・・高雄病院の糖質制限食ではありえないです。
ますます、「ライザップ方式」と「高雄病院の糖質制限食」とは、似ても似つかぬ別物ということがよくわかります。
ライザップ方式で、骨折や頚椎のヘルニアなどの被害にあった方がおられるなら、お気の毒に思います。
しかし、骨折や頚椎のヘルニアなど、高雄病院方式では、あり得ないことです。
江部康二
【15/06/22 プニプニ
ビックリしました
先ほどFacebookで赤井英和さんの減量メニューがアップされてましたが、糖質制限&アルコール禁止&トレーニングでした。
食事が糖質制限食でしたからそれだけを見たら同じ⁈かと思ってしまうような内容でした。
でも食事の内容があまりにも寂しくて、先生のハンドブックに載っていた食事例が豪華に見えます(笑)
ハンドブック、分かりやすくて助かります。
真面目に、時に緩く継続したいと思います。
約1カ月で4キロ減です。
血圧と血糖値は下がりました。
医師から次回の血液検査が楽しみだと軽いプレッシャーも。
これからもブログを楽しみにしています。】
プニプニさんから、赤井英和さんの「ライザップ減量メニュー」についてコメント頂きました。
ありがとうございます。
減量成功、血圧と血糖改善、良かったですね。
そうですか、赤井さんの食事内容に比べると、高雄病院の食事例が豪華なのですね。
それは嬉しいです。
赤井英和さんは、ライザップで「糖質制限」&「アルコール禁止」&「トレーニング」です。
それも、ハードトレーニングで、しょぼい食事なら、結構つらいですね。
高雄病院の糖質制限食は、アルコールOKと多彩な食事が肝(きも)ですから、ライザップとは大違いです。
江部康二は、「糖質制限」&「アルコールOK」&「トレーニングなし」で、糖尿病発覚の2002年から13年間継続中。
食事は、肉、魚貝、卵、チーズ、大豆製品、野菜、海藻、茸・・・とバラエティーに富んでいます。
2015年6月22日。167cm。57.1kg。
A)65才で歯は全部残っていて、虫歯も歯周症もなし。
B)目は、近眼・老眼・乱視はあるが、眼鏡なしで広辞苑が見えて、日常生活も全くOK。
C)聴力検査も全く正常で低下なし。
D)身長も、若い頃に比し、縮みなし。
E)基本的に夜中の尿はゼロで、尿の勢いもOK。
F)HbA1c:5.8%
G)血液検査、尿検査は正常。
で、なかなかの健康度です。
江部康二
2015年06月28日 (日)
カフェハルディン(スペイン料理)
京都市右京区鳴滝本町77(地図) TEL.(075)-464-8850
http://www008.upp.so-net.ne.jp/cafejardin/
エヴァンタイユ(フランス料理)
京都市左京区岩倉西五田町1-2 TEL:075-712-0750
http://www.eventail.jp/index.html
南山(焼き肉)
京都市左京区下鴨北野々神町31 北山通ノートルダム小前 TEL:075-722-4131
http://www.nanzan-net.com/
メゾン・ド・ヴァン鶉亭(フランス料理)
京都市下京区木屋町四条南団栗上る TEL:075-351-4005
http://www.caille.jp/
こんにちは。
上記は、京都市で私がよく行く糖質制限OKレストランです。
いずれも、電話で予約して、糖質制限食を食べることを告げていくのが、確実です。
今回は、もう一つお奨めのお店を見つけました。
アスペルジュ・ブランシュというお店です。
京都駅から五条(京都市営地下鉄)まで、一駅で2分で到着です。
12席の小さなお店ですが、若夫婦二人で営業しておられます。
さっぱりとした清潔感のあるシンプルな内装で好感がもてます。
シェフとママさんのサービスも含めて、とても心地よい空間で、楽しい快適な時間が過ごせます。
京都・大原の農家から直接仕入れた野菜をたっぷり使ったフランス家庭料理をベースとしたビストロです。
勿論、牛、豚、鴨、羊も魚もあります。
リーズナブルなお値段で美味しいものをいろいろ選んで食べれます。
30種以上のメニュー構成です。
ママさんが奨めてくれるワインもリーズナブルな値段で、いろいろ揃えてありますので、予算をいって相談しましょう。
大原の無農薬野菜を使ったサラダは、お奨めです。
彩りの鮮やかさと美味しさに、いきなりサプライズ感があって嬉しいです。
熱々の鍋のまま出てくるシュークルート・ガルニもお気に入りの一つです。
勿論、普通のフレンチビストロ料理も各種あります。
糖質セイゲニストの皆さんは、電話で糖質制限と告げて予約するのがよいですね。
アスペルジュ・ブランシュ
075-352-4570
ママさんのフェイスブック https://ja-jp.facebook.com/aspergeblanche
ホームページ http://www.aspergeblanche.com/
営業時間 月・水~日 火曜日が定休日
ディナー18:00〜22:00(L.O)
地下鉄烏丸線「五条」駅より南へ徒歩1分
五条駅(京都市営)から67m
烏丸五条の1つ西の細い通りを南へ67m、最初の角。
江部康二
京都市右京区鳴滝本町77(地図) TEL.(075)-464-8850
http://www008.upp.so-net.ne.jp/cafejardin/
エヴァンタイユ(フランス料理)
京都市左京区岩倉西五田町1-2 TEL:075-712-0750
http://www.eventail.jp/index.html
南山(焼き肉)
京都市左京区下鴨北野々神町31 北山通ノートルダム小前 TEL:075-722-4131
http://www.nanzan-net.com/
メゾン・ド・ヴァン鶉亭(フランス料理)
京都市下京区木屋町四条南団栗上る TEL:075-351-4005
http://www.caille.jp/
こんにちは。
上記は、京都市で私がよく行く糖質制限OKレストランです。
いずれも、電話で予約して、糖質制限食を食べることを告げていくのが、確実です。
今回は、もう一つお奨めのお店を見つけました。
アスペルジュ・ブランシュというお店です。
京都駅から五条(京都市営地下鉄)まで、一駅で2分で到着です。
12席の小さなお店ですが、若夫婦二人で営業しておられます。
さっぱりとした清潔感のあるシンプルな内装で好感がもてます。
シェフとママさんのサービスも含めて、とても心地よい空間で、楽しい快適な時間が過ごせます。
京都・大原の農家から直接仕入れた野菜をたっぷり使ったフランス家庭料理をベースとしたビストロです。
勿論、牛、豚、鴨、羊も魚もあります。
リーズナブルなお値段で美味しいものをいろいろ選んで食べれます。
30種以上のメニュー構成です。
ママさんが奨めてくれるワインもリーズナブルな値段で、いろいろ揃えてありますので、予算をいって相談しましょう。
大原の無農薬野菜を使ったサラダは、お奨めです。
彩りの鮮やかさと美味しさに、いきなりサプライズ感があって嬉しいです。
熱々の鍋のまま出てくるシュークルート・ガルニもお気に入りの一つです。
勿論、普通のフレンチビストロ料理も各種あります。
糖質セイゲニストの皆さんは、電話で糖質制限と告げて予約するのがよいですね。
アスペルジュ・ブランシュ
075-352-4570
ママさんのフェイスブック https://ja-jp.facebook.com/aspergeblanche
ホームページ http://www.aspergeblanche.com/
営業時間 月・水~日 火曜日が定休日
ディナー18:00〜22:00(L.O)
地下鉄烏丸線「五条」駅より南へ徒歩1分
五条駅(京都市営)から67m
烏丸五条の1つ西の細い通りを南へ67m、最初の角。
江部康二
2015年06月28日 (日)
おはようございます。
劇症1型糖尿病のちくてつさんから、インスリンポンプと糖質制限食と血糖コントロールについて、詳細なコメントをいただきました。
貴重な体験報告をありがとうございます。
おおいに、参考になります。
人のインスリン分泌には、2種類あります。
1)基礎分泌インスリン(Basal insulin、 ベーサル インスリン)
2)追加分泌インスリン(Bolus insulin、 ボーラス インスリン)
基礎分泌インスリンは、24時間少量出続けているインスリンです。
追加分泌インスリンは、食事の時に分泌されるインスリンです。
追加分泌インスリンは、糖質摂取時に大量にでて、脂質摂取時はでません。
1型糖尿病で自分のインスリン分泌がない場合は、ベーサルインスリンとボーラスインスリンを、注射する必要があります。
このインスリン治療法が、基礎・追加インスリン療法(Basal-Bolus療法)と呼ばれています。
A)基礎・追加インスリン療法(Basal-Bolus療法)
トレシーバやランタスを、1日に1回注射して、ベーサル インスリンの代わりとし、朝・昼・夕の食事前に、超速効型インスリン(ヒューマログミリオペン、ノボラピッド、アピドラ)を一日3回注射して、ボーラス インスリンの代わりとします。
B)インスリンポンプ
「インスリンポンプ療法」(CSII)は、携帯型インスリン注入ポンプを用いて、インスリンを皮下に持続的に注入する治療法です。
ちくてつさんは、主治医とよく相談されて、メリット・デメリットもしっかり把握したうえで、インスリンポンプを使用しておられます。
江部康二
【15/06/27 ちくてつです
ラスさま、良かったら参考にしてください
らすおやじさま、1型の先輩ですね。
15年、長い年月ですね。
しかし、糖質制限によって、「糖尿国」に希望の光を灯していただきたいですね。
私もそう思って努力しています。
1型糖尿病の方は、インスリンがでませんから、1921年にインスリンが発明されるまでは「死病」でした。
インスリンもイーライリリーの良い製品が発明されて、副作用のない、50年以上打ち続けても生きられる人が多くなりました。
でも、いちばん大事なことは血糖値のコントロールです。
私の7か月の体験から、バーンスタイン先生が5.0くらいでコントロールされている、それで80歳になられているということは信じられませんでした。
そもそも、「血糖値はコントロールできない」と、ほぼすべての医者が考えていたのに、技術者のバーンスタイン先生は、科学的思考で、「できる」と思いつき、実践し、実現されました。その方法を、1型の患者さんに教えています。
ひけつは何でしょうか?
1も2も3も4も5も、糖質制限に尽きます。
糖質制限以外に、血糖をコントロールすることはできません。
しかし、ラスおやじさんのように、血糖値のコントロールが難しい人が大勢います。
私のコントロール方法が参考になりましたら、幸いです。できるだけわかりやすく紹介します。
まず、劇症1型で意識不明となり大学病院へ運ばれ、死にかけました。その時、うちの奥ちゃんは「ダメかもしれない」と覚悟したそうです。そう実の姉、姉の夫に話しました。
ところが、幸運にも生還。
入院した直後に、本当に幸運にも、大学病院のローソンの本棚で「糖質オフ健康法」を発見し、その日から始めました。
朝食のパンは8分の1くらい、ご飯も4分の1とかにしました。
ナースは「どれくらい食べました?」と聞いてきます。
周りの糖尿病患者たちは、「完食しました」と元気よく答えていましたが、血糖値は200超え、300超えでした。
私も200超えが長く続きました。
そして、退院してもいいと許され、「あなたならインスリポンプを使えるでしょう」と、習熟訓練を数日間した後で、インスリンポンプ生活の退院になりました。
インスリンの量は、私は当時、体重60〜61キロでした。
主治医が定めてくれた基礎インスリンの量は毎時0.35単位の24時間分ですから、8.4単位です。
現在は、多少いじって、暁現象に対処するために、7.5単位にしています。
インスリンポンプに使うインスリンはリスプロ(速攻型)のヒューマログというインスリンです。
基礎インスリンは、毎時、0.35とかが入るようになっているので、「注射よりはるかに楽で、コントロールが容易です」
ボーサルという注入は、食事の前に行います。
たとえば、私は毎朝、奥ちゃんが用意してくれる「野菜サラダ」(各種の野菜とココナッツオイル、納豆など)を1皿、それに味噌汁をいただきます。
たまぁに、パンを頂く時は、江部先生監修の糖質制限パンを1切れバターをつけていただきます。
奥ちゃんも付き合ってくれていますが、この糖質制限パンと糖質制限食のおかげで10キロ減量し、理想体重に近づいています。スタイルが良くなった、若返ったとほめられるので、私の糖質制限にしっかり協力してくれています。
ボーサルの量は、その時で違います。
コントロールが容易だと、ボーサル量も本当に容易で、「血糖の予測」ができるのです。
朝イチの血糖値を測り、ボーサルのインスリン投入量を計算し、昼前の血糖値を測定すると、予定した範囲内に収まっている。
1型糖尿人には、想像できないコントールかもしれませんが、「できます」。
そのためには、
1)朝食のメニューを固定する。
2)昼食もできるだけ固定する。私は野菜スープですが、週に何度か浮気します。ハンバーグ定食(ごはんはいただきません)、モスバーガーのハンバーグをレタスで挟んだもの+コーンスープ。
コーンスープはほんとうはNG食品ですが、モスバーガーのコーンスープは炭水化物18グラム相当で、私の血糖値を80〜90mg/dlもあげますが、その分2単位のインスリンを入れて、相殺します。
コーンスープの美味しさに、糖質制限を緩めているわけです^^;
では具体的に、1型糖尿人のインスリン投入量を算定する方法を紹介します。
私の6月26日の0640時の血糖値は103mg/dlでした。
これに対し、いつもの決まった朝食をいただきますから、午前中の自然な血糖値の上昇も加味し、また午前中には毎時0.3単位がポンプかた供給されていることも考慮し、インスリン1.5単位を朝食前に入れました。
昼前の1044時の血糖値は102mg/dlでした。
きちんとコントールできています。
インスリン投入量を決定する方法は、
1)食前の血糖値を測定する
2)食後2時間の血糖値を測定する
試行錯誤でしか、わかりません。
ですから、朝食は毎日、同じものをいただく必要があるのです。
食前の測定、食後の測定。
これを繰り返すことによって、「何をどう食べれば、血糖値がどうなるのか?」、体験的にわかってきます。
そして、「これはちょっと控えよう」と量を減らせるので、血糖値のコントロールができやすいのです。
私の場合、バターピーナッツは大好物ですから、血糖値があがるとわかってもやめられません。が、量や食べる時間帯、食べ方を工夫し、「血糖値が跳ねない」ようにしました。
まだまだコントロールが難しく、試行錯誤の状況ですが、インスリンポンプを使い、こんな具合のコントロール状況です。
基礎インスリン ボーサル 合計 血糖値の合計÷回数
6月23日 7.5単位 5.2単位 12.7単位 126mg/dl
6月24日 7.5単位 6.5単位 14.0単位 111同
6月25日 7.5単位 9.5単位 17.0単位 129同
6月26日 7.5単位 8.0単位 15.0単位 120同
かなり良好なコントールができるようになりました。目標はHbA1c5.0前後です。
低血糖を起こさず、この状態を維持することが課題です。
その一方で、できるだけ工夫して、コーンスープ、お寿司(親指大のものを懇意な板前さんに握ってもらっています)、天ぷら(衣は剥がします)、糖質制限パン、糖質制限チョコ、同シュークリム、同ケーキなども、たまぁにいただいています。
そして毎日、焼酎、糖質ゼロ&プリン体ゼロのビールや、赤ワインもいただいています。
つまり、食べることにストレスなく、血糖値をコントロールしたいと願い、工夫を重ねてきたわけです。
結論です。
ラスおやじさん、
1)糖質制限は絶対です。
でも、私たちおやじには料理その他で、難しいです。
どうしても、家族の協力が必要です。
糖尿病は私たちの課題ですから、家族に料理その他で協力してもらうには、「私は糖尿病合併症になりたくない。失明したくない、下肢切断したくない、血液透析したくない」と詳しく説明しましょう。
とくに糖尿病由来の血液透析は、5年生存率が50%。2人に1人が死ぬ、死のロシアンルーレットになってしまうということを家族に説明しましょう。
「そして、どうか、私のために協力してほしい」とお願いします。
家族の協力なしに、糖質制限はできません。
男性は無理です。
2)血糖の測定が絶対に必要です。
私は毎日4,5回、指に針を刺して測定しています。
「痛いですか?」と聞かれます。
もちろん、「痛いです」
が、この痛みは「生き延びるための痛み」だと思えばどうということはなく、耐えられます。
測定の工夫も大事ですね。
測定する指を、血糖値ログに記入しておきます。
6月27日でしたら、
朝イチ1a 昼前1b 午後2a 夕食前2b 就寝前3c
1は親指、aは手前で、bは向こう側です。指の両面に、a、bと記号をつけておけば順番に針を打つことができます。
以上ですが、1型糖尿人21万人の方の参考になることを、私は希望します。】
劇症1型糖尿病のちくてつさんから、インスリンポンプと糖質制限食と血糖コントロールについて、詳細なコメントをいただきました。
貴重な体験報告をありがとうございます。
おおいに、参考になります。
人のインスリン分泌には、2種類あります。
1)基礎分泌インスリン(Basal insulin、 ベーサル インスリン)
2)追加分泌インスリン(Bolus insulin、 ボーラス インスリン)
基礎分泌インスリンは、24時間少量出続けているインスリンです。
追加分泌インスリンは、食事の時に分泌されるインスリンです。
追加分泌インスリンは、糖質摂取時に大量にでて、脂質摂取時はでません。
1型糖尿病で自分のインスリン分泌がない場合は、ベーサルインスリンとボーラスインスリンを、注射する必要があります。
このインスリン治療法が、基礎・追加インスリン療法(Basal-Bolus療法)と呼ばれています。
A)基礎・追加インスリン療法(Basal-Bolus療法)
トレシーバやランタスを、1日に1回注射して、ベーサル インスリンの代わりとし、朝・昼・夕の食事前に、超速効型インスリン(ヒューマログミリオペン、ノボラピッド、アピドラ)を一日3回注射して、ボーラス インスリンの代わりとします。
B)インスリンポンプ
「インスリンポンプ療法」(CSII)は、携帯型インスリン注入ポンプを用いて、インスリンを皮下に持続的に注入する治療法です。
ちくてつさんは、主治医とよく相談されて、メリット・デメリットもしっかり把握したうえで、インスリンポンプを使用しておられます。
江部康二
【15/06/27 ちくてつです
ラスさま、良かったら参考にしてください
らすおやじさま、1型の先輩ですね。
15年、長い年月ですね。
しかし、糖質制限によって、「糖尿国」に希望の光を灯していただきたいですね。
私もそう思って努力しています。
1型糖尿病の方は、インスリンがでませんから、1921年にインスリンが発明されるまでは「死病」でした。
インスリンもイーライリリーの良い製品が発明されて、副作用のない、50年以上打ち続けても生きられる人が多くなりました。
でも、いちばん大事なことは血糖値のコントロールです。
私の7か月の体験から、バーンスタイン先生が5.0くらいでコントロールされている、それで80歳になられているということは信じられませんでした。
そもそも、「血糖値はコントロールできない」と、ほぼすべての医者が考えていたのに、技術者のバーンスタイン先生は、科学的思考で、「できる」と思いつき、実践し、実現されました。その方法を、1型の患者さんに教えています。
ひけつは何でしょうか?
1も2も3も4も5も、糖質制限に尽きます。
糖質制限以外に、血糖をコントロールすることはできません。
しかし、ラスおやじさんのように、血糖値のコントロールが難しい人が大勢います。
私のコントロール方法が参考になりましたら、幸いです。できるだけわかりやすく紹介します。
まず、劇症1型で意識不明となり大学病院へ運ばれ、死にかけました。その時、うちの奥ちゃんは「ダメかもしれない」と覚悟したそうです。そう実の姉、姉の夫に話しました。
ところが、幸運にも生還。
入院した直後に、本当に幸運にも、大学病院のローソンの本棚で「糖質オフ健康法」を発見し、その日から始めました。
朝食のパンは8分の1くらい、ご飯も4分の1とかにしました。
ナースは「どれくらい食べました?」と聞いてきます。
周りの糖尿病患者たちは、「完食しました」と元気よく答えていましたが、血糖値は200超え、300超えでした。
私も200超えが長く続きました。
そして、退院してもいいと許され、「あなたならインスリポンプを使えるでしょう」と、習熟訓練を数日間した後で、インスリンポンプ生活の退院になりました。
インスリンの量は、私は当時、体重60〜61キロでした。
主治医が定めてくれた基礎インスリンの量は毎時0.35単位の24時間分ですから、8.4単位です。
現在は、多少いじって、暁現象に対処するために、7.5単位にしています。
インスリンポンプに使うインスリンはリスプロ(速攻型)のヒューマログというインスリンです。
基礎インスリンは、毎時、0.35とかが入るようになっているので、「注射よりはるかに楽で、コントロールが容易です」
ボーサルという注入は、食事の前に行います。
たとえば、私は毎朝、奥ちゃんが用意してくれる「野菜サラダ」(各種の野菜とココナッツオイル、納豆など)を1皿、それに味噌汁をいただきます。
たまぁに、パンを頂く時は、江部先生監修の糖質制限パンを1切れバターをつけていただきます。
奥ちゃんも付き合ってくれていますが、この糖質制限パンと糖質制限食のおかげで10キロ減量し、理想体重に近づいています。スタイルが良くなった、若返ったとほめられるので、私の糖質制限にしっかり協力してくれています。
ボーサルの量は、その時で違います。
コントロールが容易だと、ボーサル量も本当に容易で、「血糖の予測」ができるのです。
朝イチの血糖値を測り、ボーサルのインスリン投入量を計算し、昼前の血糖値を測定すると、予定した範囲内に収まっている。
1型糖尿人には、想像できないコントールかもしれませんが、「できます」。
そのためには、
1)朝食のメニューを固定する。
2)昼食もできるだけ固定する。私は野菜スープですが、週に何度か浮気します。ハンバーグ定食(ごはんはいただきません)、モスバーガーのハンバーグをレタスで挟んだもの+コーンスープ。
コーンスープはほんとうはNG食品ですが、モスバーガーのコーンスープは炭水化物18グラム相当で、私の血糖値を80〜90mg/dlもあげますが、その分2単位のインスリンを入れて、相殺します。
コーンスープの美味しさに、糖質制限を緩めているわけです^^;
では具体的に、1型糖尿人のインスリン投入量を算定する方法を紹介します。
私の6月26日の0640時の血糖値は103mg/dlでした。
これに対し、いつもの決まった朝食をいただきますから、午前中の自然な血糖値の上昇も加味し、また午前中には毎時0.3単位がポンプかた供給されていることも考慮し、インスリン1.5単位を朝食前に入れました。
昼前の1044時の血糖値は102mg/dlでした。
きちんとコントールできています。
インスリン投入量を決定する方法は、
1)食前の血糖値を測定する
2)食後2時間の血糖値を測定する
試行錯誤でしか、わかりません。
ですから、朝食は毎日、同じものをいただく必要があるのです。
食前の測定、食後の測定。
これを繰り返すことによって、「何をどう食べれば、血糖値がどうなるのか?」、体験的にわかってきます。
そして、「これはちょっと控えよう」と量を減らせるので、血糖値のコントロールができやすいのです。
私の場合、バターピーナッツは大好物ですから、血糖値があがるとわかってもやめられません。が、量や食べる時間帯、食べ方を工夫し、「血糖値が跳ねない」ようにしました。
まだまだコントロールが難しく、試行錯誤の状況ですが、インスリンポンプを使い、こんな具合のコントロール状況です。
基礎インスリン ボーサル 合計 血糖値の合計÷回数
6月23日 7.5単位 5.2単位 12.7単位 126mg/dl
6月24日 7.5単位 6.5単位 14.0単位 111同
6月25日 7.5単位 9.5単位 17.0単位 129同
6月26日 7.5単位 8.0単位 15.0単位 120同
かなり良好なコントールができるようになりました。目標はHbA1c5.0前後です。
低血糖を起こさず、この状態を維持することが課題です。
その一方で、できるだけ工夫して、コーンスープ、お寿司(親指大のものを懇意な板前さんに握ってもらっています)、天ぷら(衣は剥がします)、糖質制限パン、糖質制限チョコ、同シュークリム、同ケーキなども、たまぁにいただいています。
そして毎日、焼酎、糖質ゼロ&プリン体ゼロのビールや、赤ワインもいただいています。
つまり、食べることにストレスなく、血糖値をコントロールしたいと願い、工夫を重ねてきたわけです。
結論です。
ラスおやじさん、
1)糖質制限は絶対です。
でも、私たちおやじには料理その他で、難しいです。
どうしても、家族の協力が必要です。
糖尿病は私たちの課題ですから、家族に料理その他で協力してもらうには、「私は糖尿病合併症になりたくない。失明したくない、下肢切断したくない、血液透析したくない」と詳しく説明しましょう。
とくに糖尿病由来の血液透析は、5年生存率が50%。2人に1人が死ぬ、死のロシアンルーレットになってしまうということを家族に説明しましょう。
「そして、どうか、私のために協力してほしい」とお願いします。
家族の協力なしに、糖質制限はできません。
男性は無理です。
2)血糖の測定が絶対に必要です。
私は毎日4,5回、指に針を刺して測定しています。
「痛いですか?」と聞かれます。
もちろん、「痛いです」
が、この痛みは「生き延びるための痛み」だと思えばどうということはなく、耐えられます。
測定の工夫も大事ですね。
測定する指を、血糖値ログに記入しておきます。
6月27日でしたら、
朝イチ1a 昼前1b 午後2a 夕食前2b 就寝前3c
1は親指、aは手前で、bは向こう側です。指の両面に、a、bと記号をつけておけば順番に針を打つことができます。
以上ですが、1型糖尿人21万人の方の参考になることを、私は希望します。】
2015年06月26日 (金)
「なぜ糖質制限をすると糖尿病が良くなるのか」
江部 康二 (著)
ナツメ社
2015年5月18日刊行
こんにちは。
「なぜ糖質制限をすると糖尿病が良くなるのか」
おかげさまで、重版が決まりました。
ブログ読者の皆様には、感謝・感謝です。m(._.)m
糖質制限のしくみ、食品の選び方・食べ方がこの本1冊でわかります。
糖質制限食がなぜ糖尿病によいのか、何を避けて何を食べればよいのか、また注意すべきことは何か。
この1冊で詳しく解説します。
この本は2010年に出版した
「糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食」ナツメ社
の内容を刷新した新版です。
旧版は、2014年9月現在で20刷を記録し、豊富なイラストと図解が読者から好評をいただき、発売から4年が経っても増刷を続けています。
旧版以降に糖尿病の研究が大幅に進み、日本の内外で糖尿病治療に大きな変化がありました。
新版を出すに当たり、そうした変化に応じて内容を一部改めました。
江部康二
以下は、「なぜ糖質制限をすると糖尿病が良くなるのか」のはじめにです。
はじめに
2013年以降、糖質制限食に関連して5つのうれしい変化がありました。
1つ目はアメリカで、糖尿病の食事療法の1つとして正式に認められたことです。これは、米国糖尿病学会が2013年10月に出した栄養療法に関する声明で発表されました。さらに同声明では「唯一無二の糖尿病食事療法はない」と明言しています。日本糖尿病学会の2013年3月の提言においては、「腎障害や脂質異常の有無に留意して・・・炭水化物の摂取比率が50%エネルギーを下回ることもありうる。」という記載もあります。しかし基本は相変わらず唯一無二のカロリー制限食(糖質50~60%)を推奨していますので、米国糖尿病学会の声明は日本糖尿病学会への痛烈な批判となっています。
また、日本腎臓病学会は「CKD治療ガイド2013」で、eGFRが60ml/分以上あれば、顕性タンパク尿の段階でも、タンパク質制限の必要なしとしました。即ち糖尿病腎症第3期でも eGFRが60ml/分以上あればタンパク質制限の必要なしなので糖質制限食も実践しやすくなりました。eGFRが60ml/分未満の場合は個別に相談して糖質制限食を導入するか否かを相談することとなります。
さらに2012年度の厚生労働省の調査で、糖尿病の患者数の増加率が激減し、予備群は調査を開始して以来、初めて減少したことが、2013年に発表されました。その背景には、2008年から2010年の調査で97年以来13年ぶりに炭水化物摂取比率が減少(60.4%→59.4%)し、97年以来13年ぶりに脂質摂取比率が上昇(24.9%→25.9%)したことがあります。ここ数年糖質制限食が急速に広まってきたことが大きな要因であることは間違いないでしょう。
4つめとして、血中ケトン体高値の安全性が確立されました。日本病態栄養学会年次学術集会(2014)において宗田哲男先生が、胎盤絨毛のケトン体値は成人基準値の20~30倍であることを報告され、ケトン体への懸念は払拭されました。
5つめとして、2014年7月の日経メディカルアンケートにおいて、回答した2263名の医師の過半数が「糖質制限」支持であることがわかりました。
こうした、糖質制限食への追い風ともいえる情報が、ここ数年続々と現れています。
この本は2010年に出版した「糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食」の内容を刷新した新版です。旧版は、2014年9月現在で20刷を記録し、豊富なイラストと図解が読者から好評をいただき、発売から4年が経っても増刷を続けています。
旧版を出版した当時は、「糖質」という言葉も一般的ではありませんでしたが、近年「糖質制限食」は雑誌やテレビで糖尿病の治療としてよく取り上げられ、広く認知されています。ダイエット法や健康法としてもよく聞かれるようになりました。
また、糖質オフのビールやスイーツ、パンも開発が進み、コンビニやスーパーで手軽に手に入るようになりました。糖尿人にとっては、かなり過ごしやすい環境になったのではないでしょうか。
糖質制限食の方法としては、やはりスーパーが一番のお奨めです。特に糖尿人においては、食後高血糖を生じない唯一の食事療法が「スーパー糖質制限食」です。旧版以降に糖尿病の研究が大幅に進み、日本の内外で糖尿病治療に大きな変化がありました。新版を出すに当たり、そうした変化に応じて内容を一部改めました。
基本的に糖質制限食は安全な治療法ですが、進めていく上でトラブルが起きたり、まれに不快な症状が現れたりする人もいます。それに対する解決法も示しています。糖質制限食が広まったことで出てきた批判にも返答していますから、不安や心配を払しょくし、安心して糖質制限食に取り組んでいただけます。2015年2月現在の糖質制限食の最新情報を網羅していますから、旧版や既刊を購入いただいた方にも、今回の新版はお役に立つでしょう。
本書が、糖尿人ならびに糖質セイゲニストの豊かな生活と食事の一助となりますことを、心よりお祈りします。
2015年4月
高雄病院理事長 江部康二
江部 康二 (著)
ナツメ社
2015年5月18日刊行
こんにちは。
「なぜ糖質制限をすると糖尿病が良くなるのか」
おかげさまで、重版が決まりました。
ブログ読者の皆様には、感謝・感謝です。m(._.)m
糖質制限のしくみ、食品の選び方・食べ方がこの本1冊でわかります。
糖質制限食がなぜ糖尿病によいのか、何を避けて何を食べればよいのか、また注意すべきことは何か。
この1冊で詳しく解説します。
この本は2010年に出版した
「糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食」ナツメ社
の内容を刷新した新版です。
旧版は、2014年9月現在で20刷を記録し、豊富なイラストと図解が読者から好評をいただき、発売から4年が経っても増刷を続けています。
旧版以降に糖尿病の研究が大幅に進み、日本の内外で糖尿病治療に大きな変化がありました。
新版を出すに当たり、そうした変化に応じて内容を一部改めました。
江部康二
以下は、「なぜ糖質制限をすると糖尿病が良くなるのか」のはじめにです。
はじめに
2013年以降、糖質制限食に関連して5つのうれしい変化がありました。
1つ目はアメリカで、糖尿病の食事療法の1つとして正式に認められたことです。これは、米国糖尿病学会が2013年10月に出した栄養療法に関する声明で発表されました。さらに同声明では「唯一無二の糖尿病食事療法はない」と明言しています。日本糖尿病学会の2013年3月の提言においては、「腎障害や脂質異常の有無に留意して・・・炭水化物の摂取比率が50%エネルギーを下回ることもありうる。」という記載もあります。しかし基本は相変わらず唯一無二のカロリー制限食(糖質50~60%)を推奨していますので、米国糖尿病学会の声明は日本糖尿病学会への痛烈な批判となっています。
また、日本腎臓病学会は「CKD治療ガイド2013」で、eGFRが60ml/分以上あれば、顕性タンパク尿の段階でも、タンパク質制限の必要なしとしました。即ち糖尿病腎症第3期でも eGFRが60ml/分以上あればタンパク質制限の必要なしなので糖質制限食も実践しやすくなりました。eGFRが60ml/分未満の場合は個別に相談して糖質制限食を導入するか否かを相談することとなります。
さらに2012年度の厚生労働省の調査で、糖尿病の患者数の増加率が激減し、予備群は調査を開始して以来、初めて減少したことが、2013年に発表されました。その背景には、2008年から2010年の調査で97年以来13年ぶりに炭水化物摂取比率が減少(60.4%→59.4%)し、97年以来13年ぶりに脂質摂取比率が上昇(24.9%→25.9%)したことがあります。ここ数年糖質制限食が急速に広まってきたことが大きな要因であることは間違いないでしょう。
4つめとして、血中ケトン体高値の安全性が確立されました。日本病態栄養学会年次学術集会(2014)において宗田哲男先生が、胎盤絨毛のケトン体値は成人基準値の20~30倍であることを報告され、ケトン体への懸念は払拭されました。
5つめとして、2014年7月の日経メディカルアンケートにおいて、回答した2263名の医師の過半数が「糖質制限」支持であることがわかりました。
こうした、糖質制限食への追い風ともいえる情報が、ここ数年続々と現れています。
この本は2010年に出版した「糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食」の内容を刷新した新版です。旧版は、2014年9月現在で20刷を記録し、豊富なイラストと図解が読者から好評をいただき、発売から4年が経っても増刷を続けています。
旧版を出版した当時は、「糖質」という言葉も一般的ではありませんでしたが、近年「糖質制限食」は雑誌やテレビで糖尿病の治療としてよく取り上げられ、広く認知されています。ダイエット法や健康法としてもよく聞かれるようになりました。
また、糖質オフのビールやスイーツ、パンも開発が進み、コンビニやスーパーで手軽に手に入るようになりました。糖尿人にとっては、かなり過ごしやすい環境になったのではないでしょうか。
糖質制限食の方法としては、やはりスーパーが一番のお奨めです。特に糖尿人においては、食後高血糖を生じない唯一の食事療法が「スーパー糖質制限食」です。旧版以降に糖尿病の研究が大幅に進み、日本の内外で糖尿病治療に大きな変化がありました。新版を出すに当たり、そうした変化に応じて内容を一部改めました。
基本的に糖質制限食は安全な治療法ですが、進めていく上でトラブルが起きたり、まれに不快な症状が現れたりする人もいます。それに対する解決法も示しています。糖質制限食が広まったことで出てきた批判にも返答していますから、不安や心配を払しょくし、安心して糖質制限食に取り組んでいただけます。2015年2月現在の糖質制限食の最新情報を網羅していますから、旧版や既刊を購入いただいた方にも、今回の新版はお役に立つでしょう。
本書が、糖尿人ならびに糖質セイゲニストの豊かな生活と食事の一助となりますことを、心よりお祈りします。
2015年4月
高雄病院理事長 江部康二
2015年06月25日 (木)
【15/06/24 あや
土日のみ炭水化物を食べる
こんにちわ、はじめまして。
ご質問がありコメントさせていただきました。
よろしければアドバイスいただければと思います。
32歳女性160㎝・60㎏糖尿病ではありません。あと5キロは落としたく減量目的で糖質制限ダイエットにチャレンジしています。
平日は炭水化物をほぼとらずこんにゃくや大根などを調理して食べてます。
ただ ずっと炭水化物をとれないのはつらいので土日のみ炭水化物を食べてもよいという自分ルールで続けています。(過去に似たようなご質問がありましたが糖尿病ではないため今回ご質問させていただきました)
お聞きしたいことが二つあります。
ひとつは糖質制限ダイエットは長く続けない、2、3か月ほどの短期間で行うということもお聞きします。
私のやり方ですと土日に食べれるのでストレスは少なく体重も微々たるものですが減っていっているのでこのままずっと続けていきたいと思っています。しかし中途半端に食べていることで体重が逆に増えたり(現に最近は停滞気味です)健康に害があるのなら平日もまったくとらないのではなく、控えるだけに切り替えようと思います。
また、平日は糖分を控えていますが、日中にガムシロップ入りのアイスコーヒーを飲んでいます。8gのガムシロップを一日2個接種していますがこれも控えたほうがよいでしょうか・・・?
糖質管理が必要でない人間がどこまで行っていいのか正しいやり方なのか不安になっています、よろしければご回答いただけるとありがたいです。】
あや さん
糖質制限食は人類本来の食事であり、人類の健康食です。
糖質制限食には「百利あって一害なしです」
従って人類であるならば、糖質摂取を意識するほうが健康増進につながります。
そして糖質制限食は、美味しく楽しく、末永くが基本スタンスです。
長く続けるにはそれなりに工夫がいります。
さて現代人で普通の食事の人は、理論的には、糖質の頻回過剰摂取があります。
1)スーパー糖質制限食
2)スタンダード糖質制限食
3)プチ糖質制限食
4)緩やかな糖質制限食
つらくない人は、1)が一番のお奨めです。
特に、糖尿病であれば、1)以外だと食後高血糖を生じるので1)がお奨めです。
私は糖尿人なので、スーパー糖質制限食を足かけ14年間続けています。
ダイエット目的なら、
1)で1~2週間がんばって、体重を減らして
2)3)4)でそれを維持するとかもありです。
月)~金)まで糖質制限食で、土)日)は糖質解禁というのもありです。
いずれにせよ、糖質を毎日ガッツリ200~300g食べている人に比べれば、糖質を意識して少しでも減らすならば、その分はましなわけです。
普通に糖質を食べている人には、一日に3~5回「食後高血糖」「インスリン過剰分泌」という酸化ストレスリスクが生じているわけです。
スーパー糖質制限食でも、野菜分の糖質を主に、1回の食事で<10~20g>くらい摂取しますが、これくらいまでなら、「食後高血糖」「インスリン過剰分泌」の害がほとんどありません。
野菜はビタミンC確保のために必要なのです。
逆に言えば、これ以上糖質を食べれば食べただけその害はでることになります。
これらを考慮して、長く続けることが、優先順位として、とても大切なので、自分で、どのタイプのとどの程度の糖質制限食を選択して折り合いをつけていくかということです。
江部康二
土日のみ炭水化物を食べる
こんにちわ、はじめまして。
ご質問がありコメントさせていただきました。
よろしければアドバイスいただければと思います。
32歳女性160㎝・60㎏糖尿病ではありません。あと5キロは落としたく減量目的で糖質制限ダイエットにチャレンジしています。
平日は炭水化物をほぼとらずこんにゃくや大根などを調理して食べてます。
ただ ずっと炭水化物をとれないのはつらいので土日のみ炭水化物を食べてもよいという自分ルールで続けています。(過去に似たようなご質問がありましたが糖尿病ではないため今回ご質問させていただきました)
お聞きしたいことが二つあります。
ひとつは糖質制限ダイエットは長く続けない、2、3か月ほどの短期間で行うということもお聞きします。
私のやり方ですと土日に食べれるのでストレスは少なく体重も微々たるものですが減っていっているのでこのままずっと続けていきたいと思っています。しかし中途半端に食べていることで体重が逆に増えたり(現に最近は停滞気味です)健康に害があるのなら平日もまったくとらないのではなく、控えるだけに切り替えようと思います。
また、平日は糖分を控えていますが、日中にガムシロップ入りのアイスコーヒーを飲んでいます。8gのガムシロップを一日2個接種していますがこれも控えたほうがよいでしょうか・・・?
糖質管理が必要でない人間がどこまで行っていいのか正しいやり方なのか不安になっています、よろしければご回答いただけるとありがたいです。】
あや さん
糖質制限食は人類本来の食事であり、人類の健康食です。
糖質制限食には「百利あって一害なしです」
従って人類であるならば、糖質摂取を意識するほうが健康増進につながります。
そして糖質制限食は、美味しく楽しく、末永くが基本スタンスです。
長く続けるにはそれなりに工夫がいります。
さて現代人で普通の食事の人は、理論的には、糖質の頻回過剰摂取があります。
1)スーパー糖質制限食
2)スタンダード糖質制限食
3)プチ糖質制限食
4)緩やかな糖質制限食
つらくない人は、1)が一番のお奨めです。
特に、糖尿病であれば、1)以外だと食後高血糖を生じるので1)がお奨めです。
私は糖尿人なので、スーパー糖質制限食を足かけ14年間続けています。
ダイエット目的なら、
1)で1~2週間がんばって、体重を減らして
2)3)4)でそれを維持するとかもありです。
月)~金)まで糖質制限食で、土)日)は糖質解禁というのもありです。
いずれにせよ、糖質を毎日ガッツリ200~300g食べている人に比べれば、糖質を意識して少しでも減らすならば、その分はましなわけです。
普通に糖質を食べている人には、一日に3~5回「食後高血糖」「インスリン過剰分泌」という酸化ストレスリスクが生じているわけです。
スーパー糖質制限食でも、野菜分の糖質を主に、1回の食事で<10~20g>くらい摂取しますが、これくらいまでなら、「食後高血糖」「インスリン過剰分泌」の害がほとんどありません。
野菜はビタミンC確保のために必要なのです。
逆に言えば、これ以上糖質を食べれば食べただけその害はでることになります。
これらを考慮して、長く続けることが、優先順位として、とても大切なので、自分で、どのタイプのとどの程度の糖質制限食を選択して折り合いをつけていくかということです。
江部康二
2015年06月24日 (水)
【15/06/23 整備士さん
コレステロールについて
初めまして江部先生。昨年10月に境界型と発覚した172cm54Kg男です。
その時の負荷試験では
空腹時77 インスリン2.4
二時間後125 インスリン76.3
という結果でした。
医者には典型的な日本人の糖尿型だねと言われ食事指導を受けましたが、あまり納得のいく説明がなく先生との相性も悪く困り果てていたところインターネットで糖質制限と出会いました。
それから8ヶ月たった5月の健康診断でHba1c5.7と安定していたもののコレステロールHDL 71 LDL 227 中性脂肪 35 で見事に要精検となってしまいました。
今の担当の医者には薬を飲めと言われましたが薬嫌いな私は未だにプラバスタチンを飲めずにいますが、この場合は様子を見た方がよろしいのでしょうか?】
こんにちは。
整備士さんから
75gブドウ糖負荷試験の血糖値、インスリン値とLDLコレステロールとスタチン剤(プラバスタチン)について、コメント・質問をいただきました。
まず、75g経口ブドウ糖負荷試験の結果ですが、
空腹時77 インスリン2.4
二時間後125 インスリン76.3
なら、2時間値が140mg/dl未満なので、診断基準では境界型ではなくて、正常型です。
基礎分泌インスリン値が2.4μU/mL
正常値: 2~10 μU/mL とか 5~15μU/mL
検査機関により、正常値が異なります。
整備士さんは、2.4 μU/mLですので、正常低値あるいはやや低値かもしれません。
しかし、空腹時血糖値が77mg/dlと正常なので、低めのインスリンで、血糖コントロール良好であり、とても好ましいパターンです。
インスリンは人体に絶対に必要なホルモンですが、インスリン値は低くてすめばすむほど、身体には優しいのです。
言い換えれば、インスリンが必要最低限ですむような食生活を実践していれば、過剰インスリンの弊害である<老化、がん、動脈硬化、アルツハイマー病などのリスク>が予防できるということです。
そして、インスリンが必要最低限ですむような食生活こそが、スーパー糖質制限食なのです。
負荷試験の2時間値が125mg/dlで、 インスリン76.3μU/mLです。
これは、すでに血糖値がかなり低下してきているのに、インスリンは結構多めにまだ分泌されていることになります。
インスリン追加分泌が出遅れて遷延するのが2型糖尿病の特徴なので、担当医はそのことを指摘したのだと思います。
しかし、現時点では正常型なので心配はありません。
今後、糖質制限食を続けていけば、インスリン追加分泌は少量で済むので<老化、がん、動脈硬化、アルツハイマー病などのリスク>はありませんし、糖尿病の発症も予防できます。
糖質制限8ヶ月後
HDLコレステロール71
LDLコレステロール 227
中性脂肪 35
整備士さんのデータは、HDLコレステロールがしっかりあり、中性脂肪が低いので、小粒子LDLコレステロールや酸化LDLコレステロールは少なく、普通のLDLコレステロールが主です。
すなわち、真の悪玉の小粒子LDLコレステロールや酸化LDLコレステロールは少ないので、LDLコレステロール 227mg/dlと高値でも心配ないと思います。
現在のLDLコレステロール高値は、
「糖質制限食実践により食事由来のコレステロールが増加したが、肝臓でのコレステロール合成量の低下がまだ追いついていない」
状態に加え、
「糖質制限食により小粒子LDLが減り、大粒子LDL(通常のLDL)が増えることで(LDLの粒子数は不変だが)LDLの質量が増えた」
結果だと考えられますので、心配ないのです。
上記仮説は、きよすクリニックの伊藤喜亮先生からご教示いただきました。
伊藤先生ありがとうございます。
このように糖質制限食後にLDLコレステロールが上昇することがありますが、悪いLDLコレステロールが減少して、良いLDLコレステロールが増えて生じる現象なのでOKなのです。
整備士さんも、このまま、スタチンなしで、経過を見られてよいと思います。
江部康二
【15/06/25 整備士さん
タイトルなし
丁寧なご返答ありがとうございます。
少し記入が足りなかったのが、負荷試験30分 168 インスリン21.8 60分 177 インスリン61.5 90分 177 インスリン60.6
インスリンでるのが遅いと言われてました。
しかし、今回の健康診断で脂質が心配だったものの肝臓の数値がすべて基準値ギリギリだったのが驚くほど改善しました!
さらに仕事中の眠気がなくなり、仕事上細かい作業が多いのですが、集中力があがり作業効率が良くなりました。
昨年の診断をキッカケに暴飲暴食をやめられ、素敵な糖質制限にも出会え、これからも油断せず頑張ってまいります。】
コレステロールについて
初めまして江部先生。昨年10月に境界型と発覚した172cm54Kg男です。
その時の負荷試験では
空腹時77 インスリン2.4
二時間後125 インスリン76.3
という結果でした。
医者には典型的な日本人の糖尿型だねと言われ食事指導を受けましたが、あまり納得のいく説明がなく先生との相性も悪く困り果てていたところインターネットで糖質制限と出会いました。
それから8ヶ月たった5月の健康診断でHba1c5.7と安定していたもののコレステロールHDL 71 LDL 227 中性脂肪 35 で見事に要精検となってしまいました。
今の担当の医者には薬を飲めと言われましたが薬嫌いな私は未だにプラバスタチンを飲めずにいますが、この場合は様子を見た方がよろしいのでしょうか?】
こんにちは。
整備士さんから
75gブドウ糖負荷試験の血糖値、インスリン値とLDLコレステロールとスタチン剤(プラバスタチン)について、コメント・質問をいただきました。
まず、75g経口ブドウ糖負荷試験の結果ですが、
空腹時77 インスリン2.4
二時間後125 インスリン76.3
なら、2時間値が140mg/dl未満なので、診断基準では境界型ではなくて、正常型です。
基礎分泌インスリン値が2.4μU/mL
正常値: 2~10 μU/mL とか 5~15μU/mL
検査機関により、正常値が異なります。
整備士さんは、2.4 μU/mLですので、正常低値あるいはやや低値かもしれません。
しかし、空腹時血糖値が77mg/dlと正常なので、低めのインスリンで、血糖コントロール良好であり、とても好ましいパターンです。
インスリンは人体に絶対に必要なホルモンですが、インスリン値は低くてすめばすむほど、身体には優しいのです。
言い換えれば、インスリンが必要最低限ですむような食生活を実践していれば、過剰インスリンの弊害である<老化、がん、動脈硬化、アルツハイマー病などのリスク>が予防できるということです。
そして、インスリンが必要最低限ですむような食生活こそが、スーパー糖質制限食なのです。
負荷試験の2時間値が125mg/dlで、 インスリン76.3μU/mLです。
これは、すでに血糖値がかなり低下してきているのに、インスリンは結構多めにまだ分泌されていることになります。
インスリン追加分泌が出遅れて遷延するのが2型糖尿病の特徴なので、担当医はそのことを指摘したのだと思います。
しかし、現時点では正常型なので心配はありません。
今後、糖質制限食を続けていけば、インスリン追加分泌は少量で済むので<老化、がん、動脈硬化、アルツハイマー病などのリスク>はありませんし、糖尿病の発症も予防できます。
糖質制限8ヶ月後
HDLコレステロール71
LDLコレステロール 227
中性脂肪 35
整備士さんのデータは、HDLコレステロールがしっかりあり、中性脂肪が低いので、小粒子LDLコレステロールや酸化LDLコレステロールは少なく、普通のLDLコレステロールが主です。
すなわち、真の悪玉の小粒子LDLコレステロールや酸化LDLコレステロールは少ないので、LDLコレステロール 227mg/dlと高値でも心配ないと思います。
現在のLDLコレステロール高値は、
「糖質制限食実践により食事由来のコレステロールが増加したが、肝臓でのコレステロール合成量の低下がまだ追いついていない」
状態に加え、
「糖質制限食により小粒子LDLが減り、大粒子LDL(通常のLDL)が増えることで(LDLの粒子数は不変だが)LDLの質量が増えた」
結果だと考えられますので、心配ないのです。
上記仮説は、きよすクリニックの伊藤喜亮先生からご教示いただきました。
伊藤先生ありがとうございます。
このように糖質制限食後にLDLコレステロールが上昇することがありますが、悪いLDLコレステロールが減少して、良いLDLコレステロールが増えて生じる現象なのでOKなのです。
整備士さんも、このまま、スタチンなしで、経過を見られてよいと思います。
江部康二
【15/06/25 整備士さん
タイトルなし
丁寧なご返答ありがとうございます。
少し記入が足りなかったのが、負荷試験30分 168 インスリン21.8 60分 177 インスリン61.5 90分 177 インスリン60.6
インスリンでるのが遅いと言われてました。
しかし、今回の健康診断で脂質が心配だったものの肝臓の数値がすべて基準値ギリギリだったのが驚くほど改善しました!
さらに仕事中の眠気がなくなり、仕事上細かい作業が多いのですが、集中力があがり作業効率が良くなりました。
昨年の診断をキッカケに暴飲暴食をやめられ、素敵な糖質制限にも出会え、これからも油断せず頑張ってまいります。】
2015年06月23日 (火)
こんにちは
毎日新聞デジタルに2015年6月1日から、寄稿しています。
今後当分の期間、毎月2回私のエッセイが、毎日新聞デジタルに載ります。
ブログ読者の皆さんには、一度覗いていただけば嬉しいです。
よろしくお願い申しあげます。 m(_ _)m
毎日新聞サイト内の記事は非会員は毎月5ページまで、無料会員登録をすると毎月10ページまで無料で見ることができます。
月2回更新の私のコラムを毎月2ページ読むのであれば、無料で見ることができます。
月に11ページ以上を読もうとすると、有料会員登録が必要になりますが、新聞購読者とそうでない人との違いがでてきます。
以下のサイトに有料会員登録の詳しい説明があります。
http://mainichi.jp/info/koudoku/
江部康二
☆☆☆
以下は毎日新聞デジタルのサイトの記載です。
毎日新聞・デジタル編集部
@mainichijpedit
定着してきた感のある糖質制限ダイエット。
なぜ効くのか、本当に健康に良いのかを700万年間のヒトの食事史から紐解きます
http://goo.gl/WwohdA
人類史からひもとく糖質制限食
2)縄文人に虫歯が意外に多かった理由
2015年6月23日
江部康二 / 高雄病院理事長
古人骨から虫歯を探してみたら
今回は、縄文人の虫歯率が意外に多かったのには、糖質が関係しているという話です。
具体的には縄文人の虫歯率は8.2%でした。
30%を超える現代日本人や、農耕が始まった弥生時代の16.2〜19.7%よりは低いのです。
しかし、近現代イヌイットや、7600〜3000年前のアメリカ先住民が3%未満であるのに比べると、縄文人の虫歯の多さは際だっています。
人類史と虫歯の関係がとても興味深かったので、「古病理学辞典」(藤田尚編、同成社)を読んでみました。
151ページの表1に古人骨における虫歯率の比較が載っていましたので、以下一部を抜粋してみました。
・・・中略・・・
原因は主食の木の実に含まれる糖質
・・・中略・・・
歯磨きをしなくても虫歯が少なかった大昔の人
日本において、つまようじを用いた歯の掃除の習慣が民衆に広まり、需要が拡大したのは江戸時代以降と言われています。
現在の歯ブラシによる歯磨きは明治以降です。
弥生人も縄文人も旧石器人も、現在のような歯磨きはしていません。
ということは、歯磨きをしなくても、糖質さえ取らなければ虫歯の発生率はかなり低かったということになります。
げに、糖質恐るべしですね。
毎日新聞デジタルに2015年6月1日から、寄稿しています。
今後当分の期間、毎月2回私のエッセイが、毎日新聞デジタルに載ります。
ブログ読者の皆さんには、一度覗いていただけば嬉しいです。
よろしくお願い申しあげます。 m(_ _)m
毎日新聞サイト内の記事は非会員は毎月5ページまで、無料会員登録をすると毎月10ページまで無料で見ることができます。
月2回更新の私のコラムを毎月2ページ読むのであれば、無料で見ることができます。
月に11ページ以上を読もうとすると、有料会員登録が必要になりますが、新聞購読者とそうでない人との違いがでてきます。
以下のサイトに有料会員登録の詳しい説明があります。
http://mainichi.jp/info/koudoku/
江部康二
☆☆☆
以下は毎日新聞デジタルのサイトの記載です。
毎日新聞・デジタル編集部
@mainichijpedit
定着してきた感のある糖質制限ダイエット。
なぜ効くのか、本当に健康に良いのかを700万年間のヒトの食事史から紐解きます
http://goo.gl/WwohdA
人類史からひもとく糖質制限食
2)縄文人に虫歯が意外に多かった理由
2015年6月23日
江部康二 / 高雄病院理事長
古人骨から虫歯を探してみたら
今回は、縄文人の虫歯率が意外に多かったのには、糖質が関係しているという話です。
具体的には縄文人の虫歯率は8.2%でした。
30%を超える現代日本人や、農耕が始まった弥生時代の16.2〜19.7%よりは低いのです。
しかし、近現代イヌイットや、7600〜3000年前のアメリカ先住民が3%未満であるのに比べると、縄文人の虫歯の多さは際だっています。
人類史と虫歯の関係がとても興味深かったので、「古病理学辞典」(藤田尚編、同成社)を読んでみました。
151ページの表1に古人骨における虫歯率の比較が載っていましたので、以下一部を抜粋してみました。
・・・中略・・・
原因は主食の木の実に含まれる糖質
・・・中略・・・
歯磨きをしなくても虫歯が少なかった大昔の人
日本において、つまようじを用いた歯の掃除の習慣が民衆に広まり、需要が拡大したのは江戸時代以降と言われています。
現在の歯ブラシによる歯磨きは明治以降です。
弥生人も縄文人も旧石器人も、現在のような歯磨きはしていません。
ということは、歯磨きをしなくても、糖質さえ取らなければ虫歯の発生率はかなり低かったということになります。
げに、糖質恐るべしですね。
2015年06月23日 (火)
おはようございます。
妊娠糖尿病とウテメリンと糖質制限食について、27週妊婦 さんから、コメント・質問を頂きました。
ウテメリンの高血糖の副作用の可能性については、産科医の宗田先生からご回答を頂きました。
宗田先生、いつもありがとうございます。
産科医の専門的アドバイスなので、信頼度が高いです。
27週妊婦さん、糖質制限食ならウテメリンを内服しても、血糖値上昇の心配はないということで、良かったです。
江部康二
【15/06/21
27週妊婦
ウテメリンと血糖値上昇
先生、突然のメッセージすみません。
3人目妊娠中で27w2dです。
6月19日に妊婦検診があり、子宮けいかんの長さが26.4mmと短く張りも少しあることから、張り止めのウテメリンを処方されました。
私は2人目の妊娠中に妊娠糖尿病になり、総合病院にてインスリン使用で39w4dで3280グラムで出産しました。
約一年半前の出産です。
その後、境界型になってしまったため色々調べて糖質制限を知り今日まで続けています。
今回の産院は前回とは別の所で、総合病院ではありません。
ウテメリンは血糖値を上げるとネットで調べたのですが、張りがある場合は服用しなければならないのでしょうか。
せっかく糖質制限しているのに、ウテメリンで上がってしまったら悔しいです。
それとも、やはり張り止めを優先してインスリンを打った方がいいのでしょうか?
突然のメッセージで本当に失礼かと思ったのですが、自分ではウテメリンと血糖値との関係が分からず、先生のご意見を聞けたらありがたいと思いメッセージしました。
ちなみに、11w4dで75グラムの血糖値検査をしたときは、大丈夫でした。
30wでまた血糖値の検査をする予定です。
中期後期には血糖値が上がりやすいとのことなので、できればこのまま糖質制限は続けていきたいと思っています。
長々すみません。
先生、多忙のこととは思いますが、御返事いただけると嬉しいです。】
15/06/21
ドクター江部
Re: ウテメリンと血糖値上昇
27週妊婦 さん
私は産婦人科医ではないので、明確な回答は困難です。
製薬会社のウテメリンの添付文書をみると、副作用に高血糖が確かにあります。
これは必ず高血糖が生じるということではなく、まれに高血糖を生じうるということです。
スーパー糖質制限食なら、ウテメリンを内服しても、インスリンなしで乗り切れる可能性が高いと思います。
ウテメリンの必要性に関しては、産婦人科の主治医とよくご相談ください。
【15/06/21
27週妊婦
ありがとうございました
先生、お忙しい中さっそくの返事に感謝します!
ありがとうございます!
産婦人科の先生にもウテメリン使用の不安を相談してみようと思います。
それまではスーパー糖質制限で頑張っていきたいと思います。】
【15/06/22
宗田
ウテメリンについて
産科医です。27週妊婦さんの質問にお答えします。
ウテメリンで血糖値が上がることがあるという報告はあるのでしょうが、当院で糖質制限をすすめている中で、ウテメリンで上昇して困るようなケースはありません。
安心して内服してください。
基本的にウテメリンは16週以降で使う流産早産予防の薬です。
この時期は耐糖能が下がります。
ですから2回目の糖負荷試験を行って、妊娠糖尿病を診断します。
ところが日本中どこの産科でも糖質は50%以上取るような指導をしていますからウテメリンのせいか、この時期のせいかどちらが原因で耐糖能が下がるのかは判定困難です。
私たちのような糖質制限をしている産科では、血糖コントロールで困ったことは1型でも2型糖尿病でも妊娠糖尿病でもありません。
ウテメリンは子宮筋などの収縮をおさえます。
もともとはぜんそくや呼吸器の疾患の薬が改良されたものだと聞いています。
これは心筋や呼吸筋などにも影響して動悸などの副作用を起こします。
自律神経などに影響与えることなどが血糖値にも影響しているようです。
ただ普通早産予防で入院した場合はウテメリン点滴を長期持続使います。
この際の補液は5%ブドウ糖液を使います。
これでも血糖値を押し上げています。
絶対安静のストレス、高糖質食事と補液などもあって血糖コントロールができなくなると思います。
糖質制限では、何も起こりません。安心して続けてください。】
【15/06/22
27週妊婦
宗田先生ありがとうございました
宗田先生、詳しいことを教えてくださりありがとうございました!
ずっと血糖値への影響が気になってモヤモヤしてウテメリン飲めずにいたのですが、スッキリしました。
安心して糖質制限を続けながら今日から服用始めたいと思います(^^)
本当にお忙しい中で、このように時間をさいて返事をくださったことに、感謝いたします!
ありがとうございました!】
妊娠糖尿病とウテメリンと糖質制限食について、27週妊婦 さんから、コメント・質問を頂きました。
ウテメリンの高血糖の副作用の可能性については、産科医の宗田先生からご回答を頂きました。
宗田先生、いつもありがとうございます。
産科医の専門的アドバイスなので、信頼度が高いです。
27週妊婦さん、糖質制限食ならウテメリンを内服しても、血糖値上昇の心配はないということで、良かったです。
江部康二
【15/06/21
27週妊婦
ウテメリンと血糖値上昇
先生、突然のメッセージすみません。
3人目妊娠中で27w2dです。
6月19日に妊婦検診があり、子宮けいかんの長さが26.4mmと短く張りも少しあることから、張り止めのウテメリンを処方されました。
私は2人目の妊娠中に妊娠糖尿病になり、総合病院にてインスリン使用で39w4dで3280グラムで出産しました。
約一年半前の出産です。
その後、境界型になってしまったため色々調べて糖質制限を知り今日まで続けています。
今回の産院は前回とは別の所で、総合病院ではありません。
ウテメリンは血糖値を上げるとネットで調べたのですが、張りがある場合は服用しなければならないのでしょうか。
せっかく糖質制限しているのに、ウテメリンで上がってしまったら悔しいです。
それとも、やはり張り止めを優先してインスリンを打った方がいいのでしょうか?
突然のメッセージで本当に失礼かと思ったのですが、自分ではウテメリンと血糖値との関係が分からず、先生のご意見を聞けたらありがたいと思いメッセージしました。
ちなみに、11w4dで75グラムの血糖値検査をしたときは、大丈夫でした。
30wでまた血糖値の検査をする予定です。
中期後期には血糖値が上がりやすいとのことなので、できればこのまま糖質制限は続けていきたいと思っています。
長々すみません。
先生、多忙のこととは思いますが、御返事いただけると嬉しいです。】
15/06/21
ドクター江部
Re: ウテメリンと血糖値上昇
27週妊婦 さん
私は産婦人科医ではないので、明確な回答は困難です。
製薬会社のウテメリンの添付文書をみると、副作用に高血糖が確かにあります。
これは必ず高血糖が生じるということではなく、まれに高血糖を生じうるということです。
スーパー糖質制限食なら、ウテメリンを内服しても、インスリンなしで乗り切れる可能性が高いと思います。
ウテメリンの必要性に関しては、産婦人科の主治医とよくご相談ください。
【15/06/21
27週妊婦
ありがとうございました
先生、お忙しい中さっそくの返事に感謝します!
ありがとうございます!
産婦人科の先生にもウテメリン使用の不安を相談してみようと思います。
それまではスーパー糖質制限で頑張っていきたいと思います。】
【15/06/22
宗田
ウテメリンについて
産科医です。27週妊婦さんの質問にお答えします。
ウテメリンで血糖値が上がることがあるという報告はあるのでしょうが、当院で糖質制限をすすめている中で、ウテメリンで上昇して困るようなケースはありません。
安心して内服してください。
基本的にウテメリンは16週以降で使う流産早産予防の薬です。
この時期は耐糖能が下がります。
ですから2回目の糖負荷試験を行って、妊娠糖尿病を診断します。
ところが日本中どこの産科でも糖質は50%以上取るような指導をしていますからウテメリンのせいか、この時期のせいかどちらが原因で耐糖能が下がるのかは判定困難です。
私たちのような糖質制限をしている産科では、血糖コントロールで困ったことは1型でも2型糖尿病でも妊娠糖尿病でもありません。
ウテメリンは子宮筋などの収縮をおさえます。
もともとはぜんそくや呼吸器の疾患の薬が改良されたものだと聞いています。
これは心筋や呼吸筋などにも影響して動悸などの副作用を起こします。
自律神経などに影響与えることなどが血糖値にも影響しているようです。
ただ普通早産予防で入院した場合はウテメリン点滴を長期持続使います。
この際の補液は5%ブドウ糖液を使います。
これでも血糖値を押し上げています。
絶対安静のストレス、高糖質食事と補液などもあって血糖コントロールができなくなると思います。
糖質制限では、何も起こりません。安心して続けてください。】
【15/06/22
27週妊婦
宗田先生ありがとうございました
宗田先生、詳しいことを教えてくださりありがとうございました!
ずっと血糖値への影響が気になってモヤモヤしてウテメリン飲めずにいたのですが、スッキリしました。
安心して糖質制限を続けながら今日から服用始めたいと思います(^^)
本当にお忙しい中で、このように時間をさいて返事をくださったことに、感謝いたします!
ありがとうございました!】
2015年06月21日 (日)
【15/06/21 のむさ
はじめまして
こんにちは。
https://twitter.com/sachiko_amiko/status/612356797618262017
産婦人科医さんの上記の連続ツイートで、
糖質制限で生理が止まって「30代前半なのに腎機能基礎値が滅茶苦茶」な方がいらっしゃったようです。
心配です。】
こんばんは。
のむささんから、糖質制限食とライザップに関して、コメント・質問を頂きました。
のむさ さん
この産婦人科医さんの仰っているのは、ライザップのお話ですね。
ライザップと高雄病院の推奨する「糖質制限食」とは、全く無関係です。
私は、以前に数回、ライザップから、監修者になって欲しいという依頼を受けましたが 、営利目的の会社ということで、キッパリことわりました。
江部康二とライザップは、何の関係もありません。
高雄病院や江部診療所で糖質制限食を指導している患者さんに対しては、当然、医師としての責任が生じます。
私達の指導している患者さんは、過去3000人以上ですが、「糖質制限で生理が止まって、腎機能が滅茶苦茶」というような方はおられません。
糖尿病患者さんが主なので、まあ、40代以上の方がほとんどですが・・・。
時にみられるのは、血糖値は改善したけれど、全身倦怠感、筋力低下、気力低下などを訴える患者さんです。
これらの患者さんのほぼ全てで『摂取エネルギー不足』が原因でした。
当然、摂取エネルギーを厚生労働省のいう推定必要エネルギーくらまで増やすと上記の症状は改善します。
ライザップは、営利目的の企業です。
一方、病院は営利目的の企業ではありません。
公的病院も民間病院も、 医療は営利を目的として行ってはならないと、法律で規定されています。
高雄病院の糖質制限食も医療の一貫ですので、 病気の改善や健康増進が目的であり、営利目的ではありません。
この点で、「ライザップ」と「高雄病院の糖質制限食」とは峻別できます。
ライザップがどのような方針の食事療法を奨め、どのような運動療法を奨めるかはライザップの自由と思います。
それを選択するのは、一人一人の個人であり、結果に関してはその個人の自己責任です。
ライザップに奨められても、高額であるとか自分には合わないとか方針に納得できないとか、ライザップを選ばない選択肢も充分あるのです。
ともあれ、私の気持ちとしては、「ライザップ」と「高雄病院の糖質制限食」を一緒くたにして混同しないで欲しいということです。
江部康二
【15/06/22 福助
ライザップ
江部先生
先週の週刊新潮にライザップの被害報告記事が掲載されてました。
http://haigyo.net/orange/?p=5866
背骨の骨折や頸椎のヘルニアなど、一般人にいきなりハードなトレーニングとハードな糖質制限を強制的に行うのは無謀の一言ですね。
高額な入会金・トレーニング代もさることながら、1ヶ月7万円のプロテインとサプリメントって何なのでしょう?
このことで糖質制限自体がマイナスの目で見られることになることは非常に辛いですね。。。】
福助さん。
コメント、ありがとうございます。
『高額な入会金・トレーニング代』・・・高雄病院の糖質制限食とは無縁ですね。
『1ヶ月7万円のプロテインとサプリメント』・・・高雄病院の糖質制限食ではありえないです。
ますます、「ライザップ方式」と「高雄病院の糖質制限食」とは、似ても似つかぬ別物ということがよくわかります。
ライザップ方式で、骨折や頚椎のヘルニアなどの被害にあった方がおられるなら、お気の毒に思います。
しかし、骨折や頚椎のヘルニアなど、高雄病院方式では、あり得ないことです。
江部康二
【15/06/22 プニプニ
ビックリしました
先ほどFacebookで赤井英和さんの減量メニューがアップされてましたが、糖質制限&アルコール禁止&トレーニングでした。
食事が糖質制限食でしたからそれだけを見たら同じ⁈かと思ってしまうような内容でした。
でも食事の内容があまりにも寂しくて、先生のハンドブックに載っていた食事例が豪華に見えます(笑)
ハンドブック、分かりやすくて助かります。
真面目に、時に緩く継続したいと思います。
約1カ月で4キロ減です。
血圧と血糖値は下がりました。
医師から次回の血液検査が楽しみだと軽いプレッシャーも。
これからもブログを楽しみにしています。】
プニプニさんから、赤井英和さんの「ライザップ減量メニュー」についてコメント頂きました。
ありがとうございます。
減量成功、血圧と血糖改善、良かったですね。
そうですか、赤井さんの食事内容に比べると、高雄病院の食事例が豪華なのですね。
それは嬉しいです。
赤井英和さんは、ライザップで「糖質制限」&「アルコール禁止」&「トレーニング」です。
それも、ハードトレーニングで、しょぼい食事なら、結構つらいですね。
高雄病院の糖質制限食は、アルコールOKと多彩な食事が肝(きも)ですから、ライザップとは大違いです。
江部康二は、「糖質制限」&「アルコールOK」&「トレーニングなし」で、
糖尿病発覚の2002年から13年間継続中。
食事は、肉、魚貝、卵、チーズ、大豆製品、野菜、海藻、茸・・・とバラエティーに富んでいます。
2015年6月22日。167cm。57.1kg。
A)65才で歯は全部残っていて、虫歯も歯周症もなし。
B)目は、近眼・老眼・乱視はあるが、眼鏡なしで広辞苑が見えて、日常生活も全くOK。
C)聴力検査も全く正常で低下なし。
D)身長も、若い頃に比し、縮みなし。
E)基本的に夜中の尿はゼロで、尿の勢いもOK。
F)HbA1c:5.8%
G)血液検査、尿検査は正常。
で、なかなかの健康度です。
江部康二
【15/06/22 ほんだ
ライザップと江部先生の糖質制限食両方の経験者です
私はライザップに入っております。低糖食をライザップで知り、あれこれ調べていくうちに江部先生、江部先生の糖質制限食を知りました。
ライザップの低糖食と、江部先生の糖質制限食は、炭水化物を摂取しないという点では似ていますが、根本が違うと思います。江部先生は医学的観点から論証されていますし、膨大な知識をお持ちです。何より御自ら14年も糖質制限食を実践されています。
ライザップは、炭水化物を制限する、食事はこれとこれがOK、これがダメ、という程度です。週刊誌に書かれているように、トレーナーは、栄養学や糖質制限&低糖食についての詳しい知識はお持ちではありません。
なので、私は筋トレはライザップ式に、糖質制限食は江部先生の方法に従って実践しております。よって、体調はとても良いです。
生理が止まったという方のことですが、私の知り合いにもいます。それは糖質制限食を行ったからではなく、自身で調べずに、ライザップの言う通りに、あれはダメ、これは良い、という知識が浅いトレーナーの食事管理内で行ったからだと思います。
私が江部先生の糖質制限を実践している旨を伝えたところ、生理が止まったり、あれこれ異常が出るので気を付けた方が良いと彼女から言われました。結果、二ヶ月後、全てにおいて改善したのは私で、彼女は生理が止まりました。
以前、江部先生が、監修をお断りになられたとおっしゃっていたので、実は安心しておりました。あまりにも派手な広告、解約させないシステム、知識の浅いトレーナー等から、いずれ叩かれるだろうと思っておりました。
週刊誌が大げさに書いていることもあるのですが、サプリやプロテインが月7万円と書かれているとしたら、プロテインは一ヶ月分で3万円です。それを何種類も買ってしまう方がいるのだと察します。一ヶ月3万円と聞くと高いですが、1食分千円は、ダイエット業界では、ちょっと高め程度ですから、そこまでではないと思います。でも高いことは高いですよね(笑)。
トレーナーにノルマがあるようですから、私は御祝儀(?)で一箱買いました。ダイエットやエステ業界は、ノルマもあるでしょうから、消費者がしっかりしていないと、という自己責任もあるかと思います。
また、トレーニングについては、きついですが、そこまで無理をさせているわけではないと感じます。骨折やヘルニアなどと書かれていますが、他のスポーツクラブでのパーソナルトレーニングでも、同様のことはあると察します。ライザップはあまりにも誇大広告を出しすぎて、数例のトラブルが大きくクローズアップされるというよくあるケースなのではないでしょうか。
赤井英和さんは、元々プロのボクサーだったことと、一週間に三回や四回(通常は二回)トレーニングし、最後はお水だけなどかなり絞ったそうで、普通は二ヶ月で6PACKは無理だとトレーナーから聞きました。
以前、江部先生がライザップの監修をされていると、ライザップの方から聞いたことがあります。多分ライザップを監修されている栄養士の方が、江部先生と共著されている(と記憶があります。違いましたらすみません)、それが変形されているのだろうか、と思いました。でも鵜呑みにする方もいるかと思います。
あれこれ書きましたが、両方の実践者の私がお伝えしたかったのは、ライザップの低糖食と、江部先生の糖質制限食は、次元が違うほど違うとお伝えしたかったです。】
ライザップと高雄病院の糖質制限食を両方経験された、ほんださんからコメントをいただきました。
ほんださん、わかりやすい情報をありがとうございます。
ライザップの監修をされている女性管理栄養士とは、2013年の日本糖質制限医療推進協会を立ち上げるときに袂を分かちました。
私が基本「サプリ」は必要ないと考えているのに対し、彼女はサプリを必要と考えていたことが、大きなスタンスの差で決別することとなりました。
つまり、2013年以降は、当該の女性管理栄養士と江部康二は、何の関係もありません。
「あれこれ書きましたが、両方の実践者の私がお伝えしたかったのは、ライザップの低糖食と、江部先生の糖質制限食は、次元が違うほど違うとお伝えしたかったです。」
ほんださん。
そのように言って頂くと、私もとても安心です。
ありがとうございます。
江部康二
はじめまして
こんにちは。
https://twitter.com/sachiko_amiko/status/612356797618262017
産婦人科医さんの上記の連続ツイートで、
糖質制限で生理が止まって「30代前半なのに腎機能基礎値が滅茶苦茶」な方がいらっしゃったようです。
心配です。】
こんばんは。
のむささんから、糖質制限食とライザップに関して、コメント・質問を頂きました。
のむさ さん
この産婦人科医さんの仰っているのは、ライザップのお話ですね。
ライザップと高雄病院の推奨する「糖質制限食」とは、全く無関係です。
私は、以前に数回、ライザップから、監修者になって欲しいという依頼を受けましたが 、営利目的の会社ということで、キッパリことわりました。
江部康二とライザップは、何の関係もありません。
高雄病院や江部診療所で糖質制限食を指導している患者さんに対しては、当然、医師としての責任が生じます。
私達の指導している患者さんは、過去3000人以上ですが、「糖質制限で生理が止まって、腎機能が滅茶苦茶」というような方はおられません。
糖尿病患者さんが主なので、まあ、40代以上の方がほとんどですが・・・。
時にみられるのは、血糖値は改善したけれど、全身倦怠感、筋力低下、気力低下などを訴える患者さんです。
これらの患者さんのほぼ全てで『摂取エネルギー不足』が原因でした。
当然、摂取エネルギーを厚生労働省のいう推定必要エネルギーくらまで増やすと上記の症状は改善します。
ライザップは、営利目的の企業です。
一方、病院は営利目的の企業ではありません。
公的病院も民間病院も、 医療は営利を目的として行ってはならないと、法律で規定されています。
高雄病院の糖質制限食も医療の一貫ですので、 病気の改善や健康増進が目的であり、営利目的ではありません。
この点で、「ライザップ」と「高雄病院の糖質制限食」とは峻別できます。
ライザップがどのような方針の食事療法を奨め、どのような運動療法を奨めるかはライザップの自由と思います。
それを選択するのは、一人一人の個人であり、結果に関してはその個人の自己責任です。
ライザップに奨められても、高額であるとか自分には合わないとか方針に納得できないとか、ライザップを選ばない選択肢も充分あるのです。
ともあれ、私の気持ちとしては、「ライザップ」と「高雄病院の糖質制限食」を一緒くたにして混同しないで欲しいということです。
江部康二
【15/06/22 福助
ライザップ
江部先生
先週の週刊新潮にライザップの被害報告記事が掲載されてました。
http://haigyo.net/orange/?p=5866
背骨の骨折や頸椎のヘルニアなど、一般人にいきなりハードなトレーニングとハードな糖質制限を強制的に行うのは無謀の一言ですね。
高額な入会金・トレーニング代もさることながら、1ヶ月7万円のプロテインとサプリメントって何なのでしょう?
このことで糖質制限自体がマイナスの目で見られることになることは非常に辛いですね。。。】
福助さん。
コメント、ありがとうございます。
『高額な入会金・トレーニング代』・・・高雄病院の糖質制限食とは無縁ですね。
『1ヶ月7万円のプロテインとサプリメント』・・・高雄病院の糖質制限食ではありえないです。
ますます、「ライザップ方式」と「高雄病院の糖質制限食」とは、似ても似つかぬ別物ということがよくわかります。
ライザップ方式で、骨折や頚椎のヘルニアなどの被害にあった方がおられるなら、お気の毒に思います。
しかし、骨折や頚椎のヘルニアなど、高雄病院方式では、あり得ないことです。
江部康二
【15/06/22 プニプニ
ビックリしました
先ほどFacebookで赤井英和さんの減量メニューがアップされてましたが、糖質制限&アルコール禁止&トレーニングでした。
食事が糖質制限食でしたからそれだけを見たら同じ⁈かと思ってしまうような内容でした。
でも食事の内容があまりにも寂しくて、先生のハンドブックに載っていた食事例が豪華に見えます(笑)
ハンドブック、分かりやすくて助かります。
真面目に、時に緩く継続したいと思います。
約1カ月で4キロ減です。
血圧と血糖値は下がりました。
医師から次回の血液検査が楽しみだと軽いプレッシャーも。
これからもブログを楽しみにしています。】
プニプニさんから、赤井英和さんの「ライザップ減量メニュー」についてコメント頂きました。
ありがとうございます。
減量成功、血圧と血糖改善、良かったですね。
そうですか、赤井さんの食事内容に比べると、高雄病院の食事例が豪華なのですね。
それは嬉しいです。
赤井英和さんは、ライザップで「糖質制限」&「アルコール禁止」&「トレーニング」です。
それも、ハードトレーニングで、しょぼい食事なら、結構つらいですね。
高雄病院の糖質制限食は、アルコールOKと多彩な食事が肝(きも)ですから、ライザップとは大違いです。
江部康二は、「糖質制限」&「アルコールOK」&「トレーニングなし」で、
糖尿病発覚の2002年から13年間継続中。
食事は、肉、魚貝、卵、チーズ、大豆製品、野菜、海藻、茸・・・とバラエティーに富んでいます。
2015年6月22日。167cm。57.1kg。
A)65才で歯は全部残っていて、虫歯も歯周症もなし。
B)目は、近眼・老眼・乱視はあるが、眼鏡なしで広辞苑が見えて、日常生活も全くOK。
C)聴力検査も全く正常で低下なし。
D)身長も、若い頃に比し、縮みなし。
E)基本的に夜中の尿はゼロで、尿の勢いもOK。
F)HbA1c:5.8%
G)血液検査、尿検査は正常。
で、なかなかの健康度です。
江部康二
【15/06/22 ほんだ
ライザップと江部先生の糖質制限食両方の経験者です
私はライザップに入っております。低糖食をライザップで知り、あれこれ調べていくうちに江部先生、江部先生の糖質制限食を知りました。
ライザップの低糖食と、江部先生の糖質制限食は、炭水化物を摂取しないという点では似ていますが、根本が違うと思います。江部先生は医学的観点から論証されていますし、膨大な知識をお持ちです。何より御自ら14年も糖質制限食を実践されています。
ライザップは、炭水化物を制限する、食事はこれとこれがOK、これがダメ、という程度です。週刊誌に書かれているように、トレーナーは、栄養学や糖質制限&低糖食についての詳しい知識はお持ちではありません。
なので、私は筋トレはライザップ式に、糖質制限食は江部先生の方法に従って実践しております。よって、体調はとても良いです。
生理が止まったという方のことですが、私の知り合いにもいます。それは糖質制限食を行ったからではなく、自身で調べずに、ライザップの言う通りに、あれはダメ、これは良い、という知識が浅いトレーナーの食事管理内で行ったからだと思います。
私が江部先生の糖質制限を実践している旨を伝えたところ、生理が止まったり、あれこれ異常が出るので気を付けた方が良いと彼女から言われました。結果、二ヶ月後、全てにおいて改善したのは私で、彼女は生理が止まりました。
以前、江部先生が、監修をお断りになられたとおっしゃっていたので、実は安心しておりました。あまりにも派手な広告、解約させないシステム、知識の浅いトレーナー等から、いずれ叩かれるだろうと思っておりました。
週刊誌が大げさに書いていることもあるのですが、サプリやプロテインが月7万円と書かれているとしたら、プロテインは一ヶ月分で3万円です。それを何種類も買ってしまう方がいるのだと察します。一ヶ月3万円と聞くと高いですが、1食分千円は、ダイエット業界では、ちょっと高め程度ですから、そこまでではないと思います。でも高いことは高いですよね(笑)。
トレーナーにノルマがあるようですから、私は御祝儀(?)で一箱買いました。ダイエットやエステ業界は、ノルマもあるでしょうから、消費者がしっかりしていないと、という自己責任もあるかと思います。
また、トレーニングについては、きついですが、そこまで無理をさせているわけではないと感じます。骨折やヘルニアなどと書かれていますが、他のスポーツクラブでのパーソナルトレーニングでも、同様のことはあると察します。ライザップはあまりにも誇大広告を出しすぎて、数例のトラブルが大きくクローズアップされるというよくあるケースなのではないでしょうか。
赤井英和さんは、元々プロのボクサーだったことと、一週間に三回や四回(通常は二回)トレーニングし、最後はお水だけなどかなり絞ったそうで、普通は二ヶ月で6PACKは無理だとトレーナーから聞きました。
以前、江部先生がライザップの監修をされていると、ライザップの方から聞いたことがあります。多分ライザップを監修されている栄養士の方が、江部先生と共著されている(と記憶があります。違いましたらすみません)、それが変形されているのだろうか、と思いました。でも鵜呑みにする方もいるかと思います。
あれこれ書きましたが、両方の実践者の私がお伝えしたかったのは、ライザップの低糖食と、江部先生の糖質制限食は、次元が違うほど違うとお伝えしたかったです。】
ライザップと高雄病院の糖質制限食を両方経験された、ほんださんからコメントをいただきました。
ほんださん、わかりやすい情報をありがとうございます。
ライザップの監修をされている女性管理栄養士とは、2013年の日本糖質制限医療推進協会を立ち上げるときに袂を分かちました。
私が基本「サプリ」は必要ないと考えているのに対し、彼女はサプリを必要と考えていたことが、大きなスタンスの差で決別することとなりました。
つまり、2013年以降は、当該の女性管理栄養士と江部康二は、何の関係もありません。
「あれこれ書きましたが、両方の実践者の私がお伝えしたかったのは、ライザップの低糖食と、江部先生の糖質制限食は、次元が違うほど違うとお伝えしたかったです。」
ほんださん。
そのように言って頂くと、私もとても安心です。
ありがとうございます。
江部康二
2015年06月20日 (土)
こんにちは。
劇症1型糖尿人のちくてつさんから、糖尿人と足のケアについて、コメントいただきました。
いつも参考になるコメントをありがとうございます。
糖質制限食実践後の尿酸高値に関しては、私の経験では、ほとんどの人において、「摂取エネルギー不足」でしたので、ちくてつさんも、そこだけご注意いただけば幸いです。
発症して、半年ちょっとなのに、糖尿病足病変に興味をもたれ、足のケアを心がけておられるのは、素晴らしいです。
備えあれば憂いなしですね。
一方、ちくてつさんは、2014年11月に劇症1型糖尿病を発症。
11月一杯は入院し、12月はじめに退院。
12月9日の診察時、血液検査の結果は、HbA1cが7.0%。
2015年1月20日の診察で、HbA1cが5.7%。
その後も、空腹時血糖値、食後血糖医、HbA1c全てコントロール良好を保っておられると思いますので、ちくてつさんに関しては、糖尿病足病変を含めて、合併症発症の心配はないと思いますよ。従って足のケアも、今のところ何もしなくても大丈夫と思います。
私・江部康二は、2002年6月に糖尿病発覚ですが、2015年6月まで13年間、スーパー糖質制限食で、血糖、HbA1c・・・全てコントロール良好なので、勿論糖尿病合併症なしです。
つまり、血糖コントロール良好の糖尿人は普通人と何ら変わらないので、足のケアも必要ないと思いますし、私も何にもしていません。
一方、コントロールに問題がある糖尿人は、足のケア、大事と思います。
バーンスタイン医師は、12才で1型糖尿病を発症され、内因性インスリはゼロです。
発症以後ずっとインスリン注射をしておられますが、30才代でタンパク尿が出現して、糖尿病腎症第3期となりました。
35才、糖尿病腎症の第3期となった頃、SMBGで血糖自己測定をしながら食事療法を研究し、朝6g、昼12g、夕12gの、徹底した糖質制限食を開始されました。
その後、蛋白尿が出現する段階の糖尿病腎症第3期から、糖質制限食で回復されタンパク尿が消失しました。
45才で医学部に入学、49才で医師になり、糖尿病を徹底的に研究。
以後、多数の糖尿病患者を診察され、糖尿病合併症もなく、現役医師として活動されています。
バーンスタイン医師は、68年間インスリン治療を継続され、なおかつ一旦合併症がでたのに糖質制限食で改善され、その後ずっと合併症なしです。
35才からスーパー糖質制限食を開始されて、糖尿病腎症第3期から回復され、2015年、80才現在、合併症なしでお元気です。
ブログ読者の糖尿人の皆さん、お互いに、スーパー糖質制限食実践で、合併症とは無縁の健康ライフをおくりましょうね。
江部康二
【15/06/19 ちくてつです
足のケアの話ですが・・・
すみません、テーマが外れているかもしれませんが、良かったら、耳を傾けていただきたいと投稿しました。
「バーンスタイン先生の糖尿病の解決」で、たくさんのヒントを得た私ですが、「これはー、大事かも」と思って、1か月実践してきた方法があります。
足のケアです。
大学病院に月イチ、外来診察に行きます。
インスリンポンプ人は義務だそうです。
主治医はやさしい人で、私が問うことに完璧に応えてくれますが、その他のことはほとんど言いません。
「順調ですよ」とか、「尿酸値が高いですから気をつけて」くらいです。
ちなみに、私の尿酸値は数値10を超えて、主治医は「いつ痛風が出てもおかしくありません。
親指がおかしくなったら、すぐ電話してください」と2か月前に言いました。
でも、私は「痛風は出ない」と確信しています。
その理由はまたの機会に。
いまは足のケアです。
大学病院の掲示板に、糖尿病合併症患者の悲惨な足が写真で掲載されていました。
皆さん、ごらんになったことがありますか?
糖尿病の方、ぜひ、ごらんになってください。 糖質制限の意欲が2倍、3倍になるでしょう。
バーンスタイン先生の本に、足のケアの方法が書いてありました。
大学病院の掲示板で、合併症の足を見て驚いたので、早速始めました。
もっとも簡単な方法からです。
つねに靴下をはく。
簡単ですね。
つぎが、天然のオイルをつかったマッサージ。
バーンスタイン先生は、バージンオイルをすすめておられます。
それで始めました。
その直後、非常に優秀な科学者の友人にこの話をしましたら、 「それなら、抗酸化力が抜群のグレープシードオイルがいいですよ」と教わりました。
すぐに実践しました。
とてもいい感じでした。
この頃、68歳の女性にこの話を伝えました。
「グレープシードオイルは、私、使っています。今日からやってみます」と言いました。
そして、今日、2015年6月19日、彼女から報告がありました。
「ほんとうにありがとうございます。うれしいです。 じつは、教えていただいたころ、足に問題があったのです。
靴ずれでタコができて、それが悪化して、痛くなっていました。
どうしようか、迷っていたのです。
そこへグレープシードオイルの話です。
塗ってマッサージを始めて数日で、痛みが消えました。
3週間くらいのいま、タコが柔らかくなっています。
グレープシードオイル、本当に良いです」
バーンスタイン先生の本には、「足のタコは削ったりしては絶対にダメ」と書いてあります。下肢切断につながるような重大リスクが生じるのです。 本を読んで確認してください。
糖尿人の足のケア、ほんとうに大事なことですが、あまり情報公開されていないようです。
でも、グレープシードオイルのマッサージでかなり改善されると思います。
糖質制限食&グレープシードオイルのマッサージ、皆さんがお試しになることを、私は希望します。】
劇症1型糖尿人のちくてつさんから、糖尿人と足のケアについて、コメントいただきました。
いつも参考になるコメントをありがとうございます。
糖質制限食実践後の尿酸高値に関しては、私の経験では、ほとんどの人において、「摂取エネルギー不足」でしたので、ちくてつさんも、そこだけご注意いただけば幸いです。
発症して、半年ちょっとなのに、糖尿病足病変に興味をもたれ、足のケアを心がけておられるのは、素晴らしいです。
備えあれば憂いなしですね。
一方、ちくてつさんは、2014年11月に劇症1型糖尿病を発症。
11月一杯は入院し、12月はじめに退院。
12月9日の診察時、血液検査の結果は、HbA1cが7.0%。
2015年1月20日の診察で、HbA1cが5.7%。
その後も、空腹時血糖値、食後血糖医、HbA1c全てコントロール良好を保っておられると思いますので、ちくてつさんに関しては、糖尿病足病変を含めて、合併症発症の心配はないと思いますよ。従って足のケアも、今のところ何もしなくても大丈夫と思います。
私・江部康二は、2002年6月に糖尿病発覚ですが、2015年6月まで13年間、スーパー糖質制限食で、血糖、HbA1c・・・全てコントロール良好なので、勿論糖尿病合併症なしです。
つまり、血糖コントロール良好の糖尿人は普通人と何ら変わらないので、足のケアも必要ないと思いますし、私も何にもしていません。
一方、コントロールに問題がある糖尿人は、足のケア、大事と思います。
バーンスタイン医師は、12才で1型糖尿病を発症され、内因性インスリはゼロです。
発症以後ずっとインスリン注射をしておられますが、30才代でタンパク尿が出現して、糖尿病腎症第3期となりました。
35才、糖尿病腎症の第3期となった頃、SMBGで血糖自己測定をしながら食事療法を研究し、朝6g、昼12g、夕12gの、徹底した糖質制限食を開始されました。
その後、蛋白尿が出現する段階の糖尿病腎症第3期から、糖質制限食で回復されタンパク尿が消失しました。
45才で医学部に入学、49才で医師になり、糖尿病を徹底的に研究。
以後、多数の糖尿病患者を診察され、糖尿病合併症もなく、現役医師として活動されています。
バーンスタイン医師は、68年間インスリン治療を継続され、なおかつ一旦合併症がでたのに糖質制限食で改善され、その後ずっと合併症なしです。
35才からスーパー糖質制限食を開始されて、糖尿病腎症第3期から回復され、2015年、80才現在、合併症なしでお元気です。
ブログ読者の糖尿人の皆さん、お互いに、スーパー糖質制限食実践で、合併症とは無縁の健康ライフをおくりましょうね。
江部康二
【15/06/19 ちくてつです
足のケアの話ですが・・・
すみません、テーマが外れているかもしれませんが、良かったら、耳を傾けていただきたいと投稿しました。
「バーンスタイン先生の糖尿病の解決」で、たくさんのヒントを得た私ですが、「これはー、大事かも」と思って、1か月実践してきた方法があります。
足のケアです。
大学病院に月イチ、外来診察に行きます。
インスリンポンプ人は義務だそうです。
主治医はやさしい人で、私が問うことに完璧に応えてくれますが、その他のことはほとんど言いません。
「順調ですよ」とか、「尿酸値が高いですから気をつけて」くらいです。
ちなみに、私の尿酸値は数値10を超えて、主治医は「いつ痛風が出てもおかしくありません。
親指がおかしくなったら、すぐ電話してください」と2か月前に言いました。
でも、私は「痛風は出ない」と確信しています。
その理由はまたの機会に。
いまは足のケアです。
大学病院の掲示板に、糖尿病合併症患者の悲惨な足が写真で掲載されていました。
皆さん、ごらんになったことがありますか?
糖尿病の方、ぜひ、ごらんになってください。 糖質制限の意欲が2倍、3倍になるでしょう。
バーンスタイン先生の本に、足のケアの方法が書いてありました。
大学病院の掲示板で、合併症の足を見て驚いたので、早速始めました。
もっとも簡単な方法からです。
つねに靴下をはく。
簡単ですね。
つぎが、天然のオイルをつかったマッサージ。
バーンスタイン先生は、バージンオイルをすすめておられます。
それで始めました。
その直後、非常に優秀な科学者の友人にこの話をしましたら、 「それなら、抗酸化力が抜群のグレープシードオイルがいいですよ」と教わりました。
すぐに実践しました。
とてもいい感じでした。
この頃、68歳の女性にこの話を伝えました。
「グレープシードオイルは、私、使っています。今日からやってみます」と言いました。
そして、今日、2015年6月19日、彼女から報告がありました。
「ほんとうにありがとうございます。うれしいです。 じつは、教えていただいたころ、足に問題があったのです。
靴ずれでタコができて、それが悪化して、痛くなっていました。
どうしようか、迷っていたのです。
そこへグレープシードオイルの話です。
塗ってマッサージを始めて数日で、痛みが消えました。
3週間くらいのいま、タコが柔らかくなっています。
グレープシードオイル、本当に良いです」
バーンスタイン先生の本には、「足のタコは削ったりしては絶対にダメ」と書いてあります。下肢切断につながるような重大リスクが生じるのです。 本を読んで確認してください。
糖尿人の足のケア、ほんとうに大事なことですが、あまり情報公開されていないようです。
でも、グレープシードオイルのマッサージでかなり改善されると思います。
糖質制限食&グレープシードオイルのマッサージ、皆さんがお試しになることを、私は希望します。】
2015年06月19日 (金)
【15/06/15 ほんだ
糖質制限食90日間健康ノート
江部先生
先生の信者(笑)のほんだです。
『糖質制限食90日間健康ノート』、三ヶ月間毎日記載しまして、やっと終了しました!!書くだけですが、毎日書き続けることにより、『本に見張られている』ようでした(笑)。先生の本はどれも素晴らしいのですが、こちらもとても役立ちました。また、二冊目を発注しました!
先生にもお聞きしたり(ブログ)、講演会に参加させて頂き、モチベーションを高く保つことが出来たお陰で続けることができました。世間には批判的な意見も多く、私がお世話になっている主治医も同じで、ケトン体が大量に出ると危険、極端な糖質制限はよくない、脳は糖質が必要、長く行った実験データがない、とおっしゃっていました。
先生の本や講演会で得た知識で、少しだけ『ケトン体は~、脳は~』とヤンワリ反論してみましたが、医学の専門知識が矢のように降ってきたので、糖質制限について語るのは止めました(笑)。
私の周りにもやり始めたものの、流石に医師から反対されると、心が揺らぐ人が多いようです。もったいないですよね。
また、雑誌や新聞で、如何に糖質制限が危険かが掲載されていると、よく大丈夫なのかと聞かれますが、先生の信者化(笑)している私は、何の疑問も感じません。良すぎるものは常に批判にさらされますし、抵抗勢力はそれはそれで、経済を支えていますよね(笑)。
ちょうど四ヶ月経過しましたので、効果を書かせて頂きます。
①体脂肪率の大幅減&体重減
②血液検査各数値の正常化
③深い睡眠(それまで夜中に4~5回トイレに起きていたのが、朝まで全く起きなくなりました。子供の頃からそうだったので何の疑問も持たなかったのですが、この睡眠の深さにはびっくりしています)
④頭の冴え、集中力のアップ
⑤生理痛改善(どんなことをしても治らなかった重い生理痛と出血過多が、ぴたっと無くなりました)
⑥白髪が7本(根本が)黒くなりました(殆ど白髪がない私の7本は大きい!)
⑦視力改善(裸眼で今まできましたが、最近かなり視力が落ちて、レーシックをしようかと考えていた程でした。が、必要なくなりました)
ほんだ さん
拙著『糖質制限食90日間健康ノート』のご購入、ありがとうございます。
糖質制限食で良い結果がでて、私も嬉しいです。
信者さん(笑)もぼちぼち嬉しいのですが、自分の頭で考えて判断して貰えたらもっと嬉しいです。 (^^)
糖質制限食賛成派の医師もかなり増えましたが、まだまだ、勉強不足の保守的な医師も多いのですね。
「脳はブドウ糖だけでなく、いくらでもケトン体をエネルギー源にする」
「糖質制限食で食後高血糖は改善するが、血糖値が正常低値になれば肝臓や腎臓でブドウ糖を産生するので、
低血糖にはならない」
「インスリン作用があるていど以上働いていれば血中ケトン体が基準値より高値でも、
生理的であり安全である:生理的ケトーシス」
「糖尿病ケトアシドーシスと生理的ケトーシスは全く異なるものである」
「糖尿病ケトアシドーシスは、インスリン作用欠落が、絶対必要条件である」
「インスリン作用欠落がないなら、糖尿病ケトアシドーシスは起こらない」
「正常胎児の胎盤組織液の、βヒドロキシ酪酸は、60検体の平均値で2235μM/Lで、
基準値(85μM/L以下)の20~30倍である」
「即ち胎児のケトン体値は高値が普通である」
「即ち胎児ではケトン体は危険でもなんでもない」
「胎児に安全なケトン体は小児にも成人にも当然安全である」
これらのことは、討論の余地のない、生理学的事実です。
要は、その医師に知識があるかないかだけのことです。
医師たる者は、人の命に関わる仕事をしているわけですから、是非、勉強して欲しいと思います。
さて、糖質制限食4ヶ月で
①体脂肪率の大幅減&体重減
②血液検査各数値の正常化
③深い睡眠(それまで夜中に4~5回トイレに起きていたのが、朝まで全く起きなくなりました。子供の頃からそうだったので何の疑問も持たなかったのですが、この睡眠の深さにはびっくりしています)
④頭の冴え、集中力のアップ
⑤生理痛改善(どんなことをしても治らなかった重い生理痛と出血過多が、ぴたっと無くなりました)
⑥白髪が7本(根本が)黒くなりました(殆ど白髪がない私の7本は大きい!)
⑦視力改善(裸眼で今まできましたが、最近かなり視力が落ちて、レーシックをしようかと考えていた程でした。が、必要なくなりました)
①~⑤は素晴らしい改善で、QOLが大幅アップですね。
⑥⑦
これは、明らかにアンチエイジング効果ですね。
わずか4ヶ月でアンチエイジング効果がでるとは素晴らしいです。
私は、2002年6月から13年間、スーパー糖質制限食実践中です。
本日、高雄病院の健康診断の日でした。
現在65才。167cm。57.6kg。
A)65才で歯は全部残っていて、虫歯も歯周症もありません。
B)目は、近眼・老眼・乱視はあるのですが、眼鏡なしで広辞苑が見えて、日常生活も全くOKです。
C)聴力検査も全く正常で低下なしでした。
D)身長も、若い頃に比し、縮んでいませんでした。
E)基本的に夜中の尿はゼロで、尿の勢いもよいです。
我ながら、結構なアンチエイジングおじさんですね。(⌒o⌒)v
残念ながら、髪の毛だけは、白髪がかなり増えて額がかなり広くなって、年相応の変化を来しています。( ̄_ ̄|||)
ほんださんは、白髪の根元が黒くなったとはすごいです。ヾ(^▽^)
髪の毛への効果は個人差がありそうですね。
ともあれ、糖質制限食で、現在の検査データや体重など健康度がメキメキ増進します。
さらにアンチエイジング効果も期待できるとは鬼に金棒ですね。
江部康二
糖質制限食90日間健康ノート
江部先生
先生の信者(笑)のほんだです。
『糖質制限食90日間健康ノート』、三ヶ月間毎日記載しまして、やっと終了しました!!書くだけですが、毎日書き続けることにより、『本に見張られている』ようでした(笑)。先生の本はどれも素晴らしいのですが、こちらもとても役立ちました。また、二冊目を発注しました!
先生にもお聞きしたり(ブログ)、講演会に参加させて頂き、モチベーションを高く保つことが出来たお陰で続けることができました。世間には批判的な意見も多く、私がお世話になっている主治医も同じで、ケトン体が大量に出ると危険、極端な糖質制限はよくない、脳は糖質が必要、長く行った実験データがない、とおっしゃっていました。
先生の本や講演会で得た知識で、少しだけ『ケトン体は~、脳は~』とヤンワリ反論してみましたが、医学の専門知識が矢のように降ってきたので、糖質制限について語るのは止めました(笑)。
私の周りにもやり始めたものの、流石に医師から反対されると、心が揺らぐ人が多いようです。もったいないですよね。
また、雑誌や新聞で、如何に糖質制限が危険かが掲載されていると、よく大丈夫なのかと聞かれますが、先生の信者化(笑)している私は、何の疑問も感じません。良すぎるものは常に批判にさらされますし、抵抗勢力はそれはそれで、経済を支えていますよね(笑)。
ちょうど四ヶ月経過しましたので、効果を書かせて頂きます。
①体脂肪率の大幅減&体重減
②血液検査各数値の正常化
③深い睡眠(それまで夜中に4~5回トイレに起きていたのが、朝まで全く起きなくなりました。子供の頃からそうだったので何の疑問も持たなかったのですが、この睡眠の深さにはびっくりしています)
④頭の冴え、集中力のアップ
⑤生理痛改善(どんなことをしても治らなかった重い生理痛と出血過多が、ぴたっと無くなりました)
⑥白髪が7本(根本が)黒くなりました(殆ど白髪がない私の7本は大きい!)
⑦視力改善(裸眼で今まできましたが、最近かなり視力が落ちて、レーシックをしようかと考えていた程でした。が、必要なくなりました)
ほんだ さん
拙著『糖質制限食90日間健康ノート』のご購入、ありがとうございます。
糖質制限食で良い結果がでて、私も嬉しいです。
信者さん(笑)もぼちぼち嬉しいのですが、自分の頭で考えて判断して貰えたらもっと嬉しいです。 (^^)
糖質制限食賛成派の医師もかなり増えましたが、まだまだ、勉強不足の保守的な医師も多いのですね。
「脳はブドウ糖だけでなく、いくらでもケトン体をエネルギー源にする」
「糖質制限食で食後高血糖は改善するが、血糖値が正常低値になれば肝臓や腎臓でブドウ糖を産生するので、
低血糖にはならない」
「インスリン作用があるていど以上働いていれば血中ケトン体が基準値より高値でも、
生理的であり安全である:生理的ケトーシス」
「糖尿病ケトアシドーシスと生理的ケトーシスは全く異なるものである」
「糖尿病ケトアシドーシスは、インスリン作用欠落が、絶対必要条件である」
「インスリン作用欠落がないなら、糖尿病ケトアシドーシスは起こらない」
「正常胎児の胎盤組織液の、βヒドロキシ酪酸は、60検体の平均値で2235μM/Lで、
基準値(85μM/L以下)の20~30倍である」
「即ち胎児のケトン体値は高値が普通である」
「即ち胎児ではケトン体は危険でもなんでもない」
「胎児に安全なケトン体は小児にも成人にも当然安全である」
これらのことは、討論の余地のない、生理学的事実です。
要は、その医師に知識があるかないかだけのことです。
医師たる者は、人の命に関わる仕事をしているわけですから、是非、勉強して欲しいと思います。
さて、糖質制限食4ヶ月で
①体脂肪率の大幅減&体重減
②血液検査各数値の正常化
③深い睡眠(それまで夜中に4~5回トイレに起きていたのが、朝まで全く起きなくなりました。子供の頃からそうだったので何の疑問も持たなかったのですが、この睡眠の深さにはびっくりしています)
④頭の冴え、集中力のアップ
⑤生理痛改善(どんなことをしても治らなかった重い生理痛と出血過多が、ぴたっと無くなりました)
⑥白髪が7本(根本が)黒くなりました(殆ど白髪がない私の7本は大きい!)
⑦視力改善(裸眼で今まできましたが、最近かなり視力が落ちて、レーシックをしようかと考えていた程でした。が、必要なくなりました)
①~⑤は素晴らしい改善で、QOLが大幅アップですね。
⑥⑦
これは、明らかにアンチエイジング効果ですね。
わずか4ヶ月でアンチエイジング効果がでるとは素晴らしいです。
私は、2002年6月から13年間、スーパー糖質制限食実践中です。
本日、高雄病院の健康診断の日でした。
現在65才。167cm。57.6kg。
A)65才で歯は全部残っていて、虫歯も歯周症もありません。
B)目は、近眼・老眼・乱視はあるのですが、眼鏡なしで広辞苑が見えて、日常生活も全くOKです。
C)聴力検査も全く正常で低下なしでした。
D)身長も、若い頃に比し、縮んでいませんでした。
E)基本的に夜中の尿はゼロで、尿の勢いもよいです。
我ながら、結構なアンチエイジングおじさんですね。(⌒o⌒)v
残念ながら、髪の毛だけは、白髪がかなり増えて額がかなり広くなって、年相応の変化を来しています。( ̄_ ̄|||)
ほんださんは、白髪の根元が黒くなったとはすごいです。ヾ(^▽^)
髪の毛への効果は個人差がありそうですね。
ともあれ、糖質制限食で、現在の検査データや体重など健康度がメキメキ増進します。
さらにアンチエイジング効果も期待できるとは鬼に金棒ですね。
江部康二
2015年06月18日 (木)
こんばんは。
涼風さんからトランス脂肪酸に関して、コメントをいただきました。
米食品医薬品局(FDA)がトランス脂肪酸を禁止するということで、トランス脂肪酸を比較的多く含むマヨネーズは、大丈夫かという質問も頂きました。
私も、早速ネットで調べてみたところ、日本経済新聞のサイトがみつかりました。(☆)
『米食品医薬品局(FDA)は16日、一部の菓子類やマーガリンなどに含まれ心臓疾患のリスクを高めるとされる「トランス脂肪酸」の原因となる油の使用を禁じると発表した。』
とのことです。
FDAが禁止するとした「トランス脂肪酸」は、液体の植物油などを水素を添加して、人工的に固める加工過程などで生成されるものを指していると思われます。
この人工的に産生されるトランス脂肪酸は 、炎症反応を増加させ血管内皮を損傷させるため、虚血性心疾患に悪影響を与えるとされ、摂取量が増えると、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎など、アレルギー疾患の罹患率が上がることも報告されています。
さらに、胎児や乳児の発達に影響を及ぼす可能性や、認知症の誘因の可能性も指摘されています。
一方、牛や羊などの反芻動物の脂肪分には、少量の天然のトランス脂肪酸が含まれています。
例えば、牛乳やバターやチーズにも含まれています。
この天然のトランス脂肪酸は、人工的なトランス脂肪酸とは成分が異なります。
天然のトランス脂肪酸は人体の役に立っているという説と、やはりよくないという説があり、明確な結論はでていません。
ともあれ同じトランス脂肪酸と名称がついていても、水素添加の人工的トランス脂肪酸と天然のトランス脂肪酸は、似て非なるものとしっかり認識しておく必要があります。
今回、FDAが禁止するとしたのは、あくまでも水素添加の人工のトランス脂肪酸であり、天然のトランス脂肪酸を禁止するわけではありません。
天然のトランス脂肪酸は、牛肉、牛脂、バター、乳製品などには比較的多く含まれています。
しかし、穀類、豆類、種実類、魚介類、卵類にも少量は含まれています。
FDAは、肉やバターや乳製品を食べるなとは言っていませんので安心してください。
マヨネーズは勿論のこと、牛肉やバターや乳製品も普通に食べて問題ないと私は考えています。
江部康二
(☆)
日本経済新聞
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ17HQH_X10C15A6000000/
2015/6/17
【ワシントン=川合智之】米食品医薬品局(FDA)は16日、一部の菓子類やマーガリンなどに含まれ心臓疾患のリスクを高めるとされる「トランス脂肪酸」の原因となる油の使用を禁じると発表した。「食用として一般的に安全とは認められない」と判断した。3年間の猶予期間を経て、2018年6月以降は食品への添加を原則認めない。
FDAは06年に食品への含有量表示を義務づけ、13年にトランス脂肪酸の使用を段階的に禁止する方針を表明した。03年から12年の間にトランス脂肪酸の消費量は78%減ったが、今回の決定で「冠動脈疾患を減らし、致命的な心臓病を年数千件減らせる」としている。
トランス脂肪酸は液体の植物油などを固める加工過程などで生成される。一部のマーガリンやパン、ケーキ、クッキー、ドーナツなどの洋菓子や揚げ物に含まれることがある。トランス脂肪酸を摂り過ぎると、血液中の悪玉コレステロールが増え、心臓病のリスクを高めるとの研究結果がある。
世界保健機関(WHO)はトランス脂肪酸の摂取を総エネルギー摂取量の1%未満に抑えるよう目標値を設定した。日本では食品安全委員会が12年の評価書で、日本人の大多数はWHOの目標を下回っているとして「通常の食生活では健康への影響は小さい」と結論づけたため、米国のような規制はされていない。
食品・飲食業界はトランス脂肪酸からの切り替えを急ぐ。FDAは移行コストを最大140億ドル(約1兆7千億円)と推定している。一方、切り替え先の飽和脂肪酸についても摂り過ぎの危険が指摘されており「栄養バランスのよい食事を心がけることが必要」(食品安全委)とされる
福助さんから、FDAが禁止するトランス脂肪酸について
参考になるコメントを頂きましたので記事に追加します。
15/06/19
「トランス脂肪酸」の原因となる油とは?
江部先生
日経の記事では、
「「トランス脂肪酸」の原因となる油の使用を禁ずる」
との表現ですが、これは単にトランス脂肪酸だけではなく、水素添加で生成された「水素硬化油」のことだそうです。
そしてその有害性ですが、現在ではその黒幕はトランス脂肪酸ではなく、
「ジヒドロ型ビタミンK1」
であるという説の方が根強いのだそうです。
(ジヒドロ型ビタミンK1とは、油に含まれるビタミンK1が水素添加により変化してできた物質です。)
↓ネタ元はこちらです。
http://ameblo.jp/kurashi-nizi/entry-12039978665.html
そして、自然界に存在するトランス脂肪酸が人体に影響を及ぼすことはほとんどなさそうとのことです。
(トランス脂肪酸自体が心臓疾患に影響を与えるという明確な根拠は無い。
(金城学院大学 http://www.kinjo-u.ac.jp/orc/document/topic2.pdf))
涼風さんからトランス脂肪酸に関して、コメントをいただきました。
米食品医薬品局(FDA)がトランス脂肪酸を禁止するということで、トランス脂肪酸を比較的多く含むマヨネーズは、大丈夫かという質問も頂きました。
私も、早速ネットで調べてみたところ、日本経済新聞のサイトがみつかりました。(☆)
『米食品医薬品局(FDA)は16日、一部の菓子類やマーガリンなどに含まれ心臓疾患のリスクを高めるとされる「トランス脂肪酸」の原因となる油の使用を禁じると発表した。』
とのことです。
FDAが禁止するとした「トランス脂肪酸」は、液体の植物油などを水素を添加して、人工的に固める加工過程などで生成されるものを指していると思われます。
この人工的に産生されるトランス脂肪酸は 、炎症反応を増加させ血管内皮を損傷させるため、虚血性心疾患に悪影響を与えるとされ、摂取量が増えると、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎など、アレルギー疾患の罹患率が上がることも報告されています。
さらに、胎児や乳児の発達に影響を及ぼす可能性や、認知症の誘因の可能性も指摘されています。
一方、牛や羊などの反芻動物の脂肪分には、少量の天然のトランス脂肪酸が含まれています。
例えば、牛乳やバターやチーズにも含まれています。
この天然のトランス脂肪酸は、人工的なトランス脂肪酸とは成分が異なります。
天然のトランス脂肪酸は人体の役に立っているという説と、やはりよくないという説があり、明確な結論はでていません。
ともあれ同じトランス脂肪酸と名称がついていても、水素添加の人工的トランス脂肪酸と天然のトランス脂肪酸は、似て非なるものとしっかり認識しておく必要があります。
今回、FDAが禁止するとしたのは、あくまでも水素添加の人工のトランス脂肪酸であり、天然のトランス脂肪酸を禁止するわけではありません。
天然のトランス脂肪酸は、牛肉、牛脂、バター、乳製品などには比較的多く含まれています。
しかし、穀類、豆類、種実類、魚介類、卵類にも少量は含まれています。
FDAは、肉やバターや乳製品を食べるなとは言っていませんので安心してください。
マヨネーズは勿論のこと、牛肉やバターや乳製品も普通に食べて問題ないと私は考えています。
江部康二
(☆)
日本経済新聞
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ17HQH_X10C15A6000000/
2015/6/17
【ワシントン=川合智之】米食品医薬品局(FDA)は16日、一部の菓子類やマーガリンなどに含まれ心臓疾患のリスクを高めるとされる「トランス脂肪酸」の原因となる油の使用を禁じると発表した。「食用として一般的に安全とは認められない」と判断した。3年間の猶予期間を経て、2018年6月以降は食品への添加を原則認めない。
FDAは06年に食品への含有量表示を義務づけ、13年にトランス脂肪酸の使用を段階的に禁止する方針を表明した。03年から12年の間にトランス脂肪酸の消費量は78%減ったが、今回の決定で「冠動脈疾患を減らし、致命的な心臓病を年数千件減らせる」としている。
トランス脂肪酸は液体の植物油などを固める加工過程などで生成される。一部のマーガリンやパン、ケーキ、クッキー、ドーナツなどの洋菓子や揚げ物に含まれることがある。トランス脂肪酸を摂り過ぎると、血液中の悪玉コレステロールが増え、心臓病のリスクを高めるとの研究結果がある。
世界保健機関(WHO)はトランス脂肪酸の摂取を総エネルギー摂取量の1%未満に抑えるよう目標値を設定した。日本では食品安全委員会が12年の評価書で、日本人の大多数はWHOの目標を下回っているとして「通常の食生活では健康への影響は小さい」と結論づけたため、米国のような規制はされていない。
食品・飲食業界はトランス脂肪酸からの切り替えを急ぐ。FDAは移行コストを最大140億ドル(約1兆7千億円)と推定している。一方、切り替え先の飽和脂肪酸についても摂り過ぎの危険が指摘されており「栄養バランスのよい食事を心がけることが必要」(食品安全委)とされる
福助さんから、FDAが禁止するトランス脂肪酸について
参考になるコメントを頂きましたので記事に追加します。
15/06/19
「トランス脂肪酸」の原因となる油とは?
江部先生
日経の記事では、
「「トランス脂肪酸」の原因となる油の使用を禁ずる」
との表現ですが、これは単にトランス脂肪酸だけではなく、水素添加で生成された「水素硬化油」のことだそうです。
そしてその有害性ですが、現在ではその黒幕はトランス脂肪酸ではなく、
「ジヒドロ型ビタミンK1」
であるという説の方が根強いのだそうです。
(ジヒドロ型ビタミンK1とは、油に含まれるビタミンK1が水素添加により変化してできた物質です。)
↓ネタ元はこちらです。
http://ameblo.jp/kurashi-nizi/entry-12039978665.html
そして、自然界に存在するトランス脂肪酸が人体に影響を及ぼすことはほとんどなさそうとのことです。
(トランス脂肪酸自体が心臓疾患に影響を与えるという明確な根拠は無い。
(金城学院大学 http://www.kinjo-u.ac.jp/orc/document/topic2.pdf))
2015年06月17日 (水)
【15/06/16 ぱぴこ
助言をよろしくお願いします。
江部先生
コメント欄にて失礼します。
今年に入り糖質制限を始めており、以前も2月ぐらいに相談させていただいたぱぴこと申します。
今回投稿したのは、アドバイスをいただけたらと思ったためです。
私は30代、157cm、40kgのやせ型、昨年末にOGTT1時間が243、(HOMA-β0.3) IGTの診断を受けました。
主治医は、糖質制限が良いとも悪いともいえないが血糖変動幅が少ないメリットや経過で採血上は大きな問題はなく、私の思いを尊重して下さっています。
3食主食抜き、糖質は1食15-30g程度でしています。
やせの大食いタイプのため、脂質とタンパク質で何とか体重は保つよう努力しています。
SMBGを購入し、食前、食後の推移を見ています。
当時はOGTT再検の相談もしましたが、主治医からは、先生と同様、再検よりは何を食べればどう推移するのかを見ながら食事をしていきましょうと助言を頂き、定期的に採血フォローをしています。
4月あたりから、食前、食後血糖が平均10程度上昇しており、6月の定期採血ではHbA1c5.1→5.6に上昇していました。
食前は70台→80-90台、食後1時間値は100-110台→120-150台に上がっている感じです。
また、2時間値にピークがずれてくることも出てきました。
一応、Hba1cでの平均血糖は116ぐらいですし、1時間値180 2時間値140の目安はクリアしているのですが…。
先生は糖質制限で、β細胞が休養できて耐糖能が改善する人もおり先生も改善した一方で、悪化することもあり、個人差があるとブログで読みました。また、様々な研究がされていることも知りました。
私の場合も、β細胞が休養ができ、少しづつでも改善することを期待していましたが、私の場合は、逆に耐糖能は悪化傾向なのかなと感じています。
とは言っても、ごくたまの普通のランチ等でご飯やパンの糖質をとれば200を優に超えるため、もはや糖質をとる食事内容に変えることは考えられないです。
主治医の先生とも相談し、こちらのブログも参考にしながら、糖質制限という食事療法を選択し続けているのは私なので、もちろん自己責任ということは承知の上ですが、
先生の患者さんで耐糖能が改善している人はそれでよいと思うのですが、逆に耐糖能が悪化しているような患者さんに対しては、その後の食事、内服療法他、フォローについては具体的にはどのようにされていますか?
ぜひ参考にしたいです。
助言をよろしくお願いいたします。】
こんばんは。
ぱぴこさんから、糖質制限と耐糖能について、コメント・質問をいただきました。
ぱぴこさんは、75gOGTTで、境界型糖尿病(IGT:食後高血糖タイプ)との診断を受けておられます。
境界型糖尿病(IGT:食後高血糖タイプ)と糖質制限食に関しては、新潟労災病院の前川智先生の以下の論文があります。
<糖質制限食と耐糖能に関する研究論文>
1)
新潟労災病院消化器内科部長前川智先生の論文
「耐糖能異常に対する低炭水化物食の効果に関する後ろ向き研究」
Diabetes, Metabolic syndrome, Obesity, Target and Therapy
(ニュージーランドの英文雑誌)
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4063858/ → ここで全文が閲覧可能です。
Diabetes Metab Syndr Obes. 2014; 7: 195–201.
Retrospective study on the efficacy of a low-carbohydrate diet for impaired glucose tolerance
Satoshi Maekawa,1 Tetsuya Kawahara,2 Ryosuke Nomura,1 Takayuki Murase,1 Yasuyoshi Ann,1 Masayuki Oeholm,1 and Masaru Harada3
12ヶ月間の低炭水化物ダイエット(120g/日の糖質)により、境界型糖尿病36名中25名(69.4%)が、OGTTで正常化。
11名(30%)は境界型(IGT)のまま。
糖尿病発症は0名(0%)。
対照群(普通食)36名中、3名(8%)が正常化。
28名(78%)は不変でIGTのまま。
5名(14%)が糖尿病発症。
糖質制限食実践により、1年後、境界型糖尿病の耐糖能が69%も正常化していて、対照群に比べて素晴らしい成果です。
1日の糖質摂取量を120gに設定したのが糖質制限食グループです。
普通食のグループは、200~240g/日くらい糖質を摂取しています。
境界型糖尿病(IGT:食後高血糖タイプ)と糖質制限食に関する論文は、世界的にもほとんど見られず、極めて貴重な論文と思います。
ぱぴこさんは、2014年12月
OGTT1時間が243mg/dlでIGTの診断です。
1時間値が180mg/dlを超えているので、将来糖尿病になる確立が高いタイプです。
しかし、糖質制限食を実践している限りは
「Hba1cでの平均血糖は116mg/dl
1時間値180mg/dl未満、2時間値140mg/dl未満の目安はクリア」
ですので、基準的には正常であり、将来の合併症の心配も皆無です。
主治医の仰るように、「75gOGTTも基本的には不必要」というか、臨床的な意味があまりありません。
とてもニュートラルな柔軟な対応の主治医殿であり、素晴らしい医師と思います。
耐糖能をどうしても確かめたいという願望があるなら、あえて75gOGTTをされてもいいのですが・・・。
耐糖能が悪化したか改善したか調べること自体が、学術論文としての価値があるなら兎も角として、個人レベルでは意味が少ないのです。
私も、2002年に糖尿病が発覚してから、75gOGTTはやったことがないですし、今後もするつもりはありません。
ぱぴこさんは、今のまま、「3食主食抜き、糖質は1食15-30g程度」のゆるい糖質制限食を続けられるのも良いですし、私のように1食10~20g以下のスーパー糖質制限食をされるのもよいでしょう。
目的論的に実務的に考えるなら、優先順位の一番は、「糖尿病を発症しないこと」と「合併症を起こさないこと」の2点です。
実は、IGTの段階でも心筋梗塞のリスクが増大することが明らかとなっています。
IGTの段階でも糖質を摂取すれば「食後高血糖「平均血糖変動幅増大」という酸化ストレスリスクが生じているからです。
現段階で糖質制限食を実践すれば、「食後高血糖「平均血糖変動幅増大」という酸化ストレスリスクは生じません。
私はそれでいいと思います。
パピコさん(境界型)も私(糖尿病)も糖質を摂取すれば「食後高血糖「平均血糖変動幅増大」という酸化ストレスリスクを生じ、危険です。
一方、パピコさん(境界型)も私(糖尿病)も、糖質制限食なら「食後高血糖「平均血糖変動幅増大」という酸化ストレスリスクは生じず、健康人ライフをまっとうできるということです。
江部康二
助言をよろしくお願いします。
江部先生
コメント欄にて失礼します。
今年に入り糖質制限を始めており、以前も2月ぐらいに相談させていただいたぱぴこと申します。
今回投稿したのは、アドバイスをいただけたらと思ったためです。
私は30代、157cm、40kgのやせ型、昨年末にOGTT1時間が243、(HOMA-β0.3) IGTの診断を受けました。
主治医は、糖質制限が良いとも悪いともいえないが血糖変動幅が少ないメリットや経過で採血上は大きな問題はなく、私の思いを尊重して下さっています。
3食主食抜き、糖質は1食15-30g程度でしています。
やせの大食いタイプのため、脂質とタンパク質で何とか体重は保つよう努力しています。
SMBGを購入し、食前、食後の推移を見ています。
当時はOGTT再検の相談もしましたが、主治医からは、先生と同様、再検よりは何を食べればどう推移するのかを見ながら食事をしていきましょうと助言を頂き、定期的に採血フォローをしています。
4月あたりから、食前、食後血糖が平均10程度上昇しており、6月の定期採血ではHbA1c5.1→5.6に上昇していました。
食前は70台→80-90台、食後1時間値は100-110台→120-150台に上がっている感じです。
また、2時間値にピークがずれてくることも出てきました。
一応、Hba1cでの平均血糖は116ぐらいですし、1時間値180 2時間値140の目安はクリアしているのですが…。
先生は糖質制限で、β細胞が休養できて耐糖能が改善する人もおり先生も改善した一方で、悪化することもあり、個人差があるとブログで読みました。また、様々な研究がされていることも知りました。
私の場合も、β細胞が休養ができ、少しづつでも改善することを期待していましたが、私の場合は、逆に耐糖能は悪化傾向なのかなと感じています。
とは言っても、ごくたまの普通のランチ等でご飯やパンの糖質をとれば200を優に超えるため、もはや糖質をとる食事内容に変えることは考えられないです。
主治医の先生とも相談し、こちらのブログも参考にしながら、糖質制限という食事療法を選択し続けているのは私なので、もちろん自己責任ということは承知の上ですが、
先生の患者さんで耐糖能が改善している人はそれでよいと思うのですが、逆に耐糖能が悪化しているような患者さんに対しては、その後の食事、内服療法他、フォローについては具体的にはどのようにされていますか?
ぜひ参考にしたいです。
助言をよろしくお願いいたします。】
こんばんは。
ぱぴこさんから、糖質制限と耐糖能について、コメント・質問をいただきました。
ぱぴこさんは、75gOGTTで、境界型糖尿病(IGT:食後高血糖タイプ)との診断を受けておられます。
境界型糖尿病(IGT:食後高血糖タイプ)と糖質制限食に関しては、新潟労災病院の前川智先生の以下の論文があります。
<糖質制限食と耐糖能に関する研究論文>
1)
新潟労災病院消化器内科部長前川智先生の論文
「耐糖能異常に対する低炭水化物食の効果に関する後ろ向き研究」
Diabetes, Metabolic syndrome, Obesity, Target and Therapy
(ニュージーランドの英文雑誌)
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4063858/ → ここで全文が閲覧可能です。
Diabetes Metab Syndr Obes. 2014; 7: 195–201.
Retrospective study on the efficacy of a low-carbohydrate diet for impaired glucose tolerance
Satoshi Maekawa,1 Tetsuya Kawahara,2 Ryosuke Nomura,1 Takayuki Murase,1 Yasuyoshi Ann,1 Masayuki Oeholm,1 and Masaru Harada3
12ヶ月間の低炭水化物ダイエット(120g/日の糖質)により、境界型糖尿病36名中25名(69.4%)が、OGTTで正常化。
11名(30%)は境界型(IGT)のまま。
糖尿病発症は0名(0%)。
対照群(普通食)36名中、3名(8%)が正常化。
28名(78%)は不変でIGTのまま。
5名(14%)が糖尿病発症。
糖質制限食実践により、1年後、境界型糖尿病の耐糖能が69%も正常化していて、対照群に比べて素晴らしい成果です。
1日の糖質摂取量を120gに設定したのが糖質制限食グループです。
普通食のグループは、200~240g/日くらい糖質を摂取しています。
境界型糖尿病(IGT:食後高血糖タイプ)と糖質制限食に関する論文は、世界的にもほとんど見られず、極めて貴重な論文と思います。
ぱぴこさんは、2014年12月
OGTT1時間が243mg/dlでIGTの診断です。
1時間値が180mg/dlを超えているので、将来糖尿病になる確立が高いタイプです。
しかし、糖質制限食を実践している限りは
「Hba1cでの平均血糖は116mg/dl
1時間値180mg/dl未満、2時間値140mg/dl未満の目安はクリア」
ですので、基準的には正常であり、将来の合併症の心配も皆無です。
主治医の仰るように、「75gOGTTも基本的には不必要」というか、臨床的な意味があまりありません。
とてもニュートラルな柔軟な対応の主治医殿であり、素晴らしい医師と思います。
耐糖能をどうしても確かめたいという願望があるなら、あえて75gOGTTをされてもいいのですが・・・。
耐糖能が悪化したか改善したか調べること自体が、学術論文としての価値があるなら兎も角として、個人レベルでは意味が少ないのです。
私も、2002年に糖尿病が発覚してから、75gOGTTはやったことがないですし、今後もするつもりはありません。
ぱぴこさんは、今のまま、「3食主食抜き、糖質は1食15-30g程度」のゆるい糖質制限食を続けられるのも良いですし、私のように1食10~20g以下のスーパー糖質制限食をされるのもよいでしょう。
目的論的に実務的に考えるなら、優先順位の一番は、「糖尿病を発症しないこと」と「合併症を起こさないこと」の2点です。
実は、IGTの段階でも心筋梗塞のリスクが増大することが明らかとなっています。
IGTの段階でも糖質を摂取すれば「食後高血糖「平均血糖変動幅増大」という酸化ストレスリスクが生じているからです。
現段階で糖質制限食を実践すれば、「食後高血糖「平均血糖変動幅増大」という酸化ストレスリスクは生じません。
私はそれでいいと思います。
パピコさん(境界型)も私(糖尿病)も糖質を摂取すれば「食後高血糖「平均血糖変動幅増大」という酸化ストレスリスクを生じ、危険です。
一方、パピコさん(境界型)も私(糖尿病)も、糖質制限食なら「食後高血糖「平均血糖変動幅増大」という酸化ストレスリスクは生じず、健康人ライフをまっとうできるということです。
江部康二
2015年06月16日 (火)
こんにちは。
もともと、SGLT2阻害薬は、比較的若い(40代、50代くらいまで)糖尿病患者で、肥満傾向のある人が対象です。
さらに、SU剤など低血糖を生じやすい薬は内服していなくて、他剤は無しか、せいぜい、1~2種類程度の薬までで、しっかり水分補給する意味を理解できる人まで絞って投与する必要がある薬と思います。
このように絞って、投与したならば、「重症低血糖、ケトアシドーシス、脳梗塞」はまず生じないと思います。
逆に言えばかなり安易に使われたので重篤な副作用が多発した可能性が高いのです。
とても脱水になりやすい薬なので、脳梗塞のリスクを高める可能性は高く、
充分な水分補給が必要不可欠な薬なので、高齢者には向かないのです。
とにかく、SGLT2阻害薬は、対象者を限定するべきであり、
使用期間は短期(せいぜい半年から1年)にとどめるべき薬と私は思っています。
夢の新薬のように登場したSGLT2阻害薬ですが、そんなええもんではなかったようです。
さらにもう一つ懸念があります。
それは、SGLT2阻害薬の長期投与により、基礎代謝が低下する可能性があることです。
『SGLT2阻害薬投与で健常人のデータでは、毎日50~60gのブドウ糖が尿から排泄されます。
2型糖尿人のデータでは、毎日71~93gのブドウ糖が尿から排泄されます。』
過去記事で、一日に100gのブドウ糖が尿中に排泄されるとか、一日に60gとか混乱していて、ブログ読者の皆さんにはご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。
SGLT2阻害薬の各メーカーさんに確認して、上記のことが判明しましたので、今回記事にしました。
つまり2型糖尿病患者さんにおいては、284~372kcal/日のエネルギーが尿中に排泄されるので、以前と同じ量の食事を食べているなら、理論的には痩せ続けることになります。
しかし、あるSGLT2阻害薬を投与開始して、一旦、37週で3kg減量になったあと、最終的に102週間(2年間)90名くらいで評価して、体重は1.7kg減というデータがあります。
ということは、人体が毎日284~372kcal相当のブドウ糖が尿から排泄されることに関して、何らかの調整を行って、37週目でボトムになったあと、体重は102週目まで緩やかに増加して、1.3kg分は戻ったということです。
そうすると、仮説としてまず最初に考えられるのは、1日あたりおよそ284~372kcalのエネルギーに相当するブドウ糖が、尿から排泄される結果としてのカロリー制限に対し、人体が基礎代謝を低下させて対応して体重減少を防いだということです。
例えば、通常のカロリー制限食を続けた場合も、体重が減り続けることはなく、一定期間でそれ以上減らなくなりますが、これも人体が基礎代謝を低下させて、低カロリー食に対応した結果と考えられます。
カロリー制限食にせよ、SGLT2阻害薬によるカロリー排泄にせよ、結果として摂取エネルギーが減少するので、人体は基礎代謝を低下させて、低エネルギー状態に適応すると考えられます。
そのため、カロリー制限食での減量は、必然的に失敗に終わるのです。
SGLT2阻害剤も短期間の使用にとどめないと、数年後には逆に体重が増える可能性もあるのです。
そして、SGLT2阻害薬を中止しても、基礎代謝が低下した状態がしばらく残存するなら、非常に肥満しやすい体質になっている可能性があるのです。
スーパー糖質制限食なら、基礎代謝が低下することなく、基礎代謝は増加するほうに向かいます。
そして、
「肥満ホルモンがほとんど出ないこと」
「糖新生でエネルギーを使うこと」
「体脂肪が常に燃えていること」
「食事誘発熱産生が増加すること」
により、順調に適正体重まで減量できますので、SGLT2阻害薬やカロリー制限食の減量効果とは、明らかに違いますね。
江部康二
もともと、SGLT2阻害薬は、比較的若い(40代、50代くらいまで)糖尿病患者で、肥満傾向のある人が対象です。
さらに、SU剤など低血糖を生じやすい薬は内服していなくて、他剤は無しか、せいぜい、1~2種類程度の薬までで、しっかり水分補給する意味を理解できる人まで絞って投与する必要がある薬と思います。
このように絞って、投与したならば、「重症低血糖、ケトアシドーシス、脳梗塞」はまず生じないと思います。
逆に言えばかなり安易に使われたので重篤な副作用が多発した可能性が高いのです。
とても脱水になりやすい薬なので、脳梗塞のリスクを高める可能性は高く、
充分な水分補給が必要不可欠な薬なので、高齢者には向かないのです。
とにかく、SGLT2阻害薬は、対象者を限定するべきであり、
使用期間は短期(せいぜい半年から1年)にとどめるべき薬と私は思っています。
夢の新薬のように登場したSGLT2阻害薬ですが、そんなええもんではなかったようです。
さらにもう一つ懸念があります。
それは、SGLT2阻害薬の長期投与により、基礎代謝が低下する可能性があることです。
『SGLT2阻害薬投与で健常人のデータでは、毎日50~60gのブドウ糖が尿から排泄されます。
2型糖尿人のデータでは、毎日71~93gのブドウ糖が尿から排泄されます。』
過去記事で、一日に100gのブドウ糖が尿中に排泄されるとか、一日に60gとか混乱していて、ブログ読者の皆さんにはご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。
SGLT2阻害薬の各メーカーさんに確認して、上記のことが判明しましたので、今回記事にしました。
つまり2型糖尿病患者さんにおいては、284~372kcal/日のエネルギーが尿中に排泄されるので、以前と同じ量の食事を食べているなら、理論的には痩せ続けることになります。
しかし、あるSGLT2阻害薬を投与開始して、一旦、37週で3kg減量になったあと、最終的に102週間(2年間)90名くらいで評価して、体重は1.7kg減というデータがあります。
ということは、人体が毎日284~372kcal相当のブドウ糖が尿から排泄されることに関して、何らかの調整を行って、37週目でボトムになったあと、体重は102週目まで緩やかに増加して、1.3kg分は戻ったということです。
そうすると、仮説としてまず最初に考えられるのは、1日あたりおよそ284~372kcalのエネルギーに相当するブドウ糖が、尿から排泄される結果としてのカロリー制限に対し、人体が基礎代謝を低下させて対応して体重減少を防いだということです。
例えば、通常のカロリー制限食を続けた場合も、体重が減り続けることはなく、一定期間でそれ以上減らなくなりますが、これも人体が基礎代謝を低下させて、低カロリー食に対応した結果と考えられます。
カロリー制限食にせよ、SGLT2阻害薬によるカロリー排泄にせよ、結果として摂取エネルギーが減少するので、人体は基礎代謝を低下させて、低エネルギー状態に適応すると考えられます。
そのため、カロリー制限食での減量は、必然的に失敗に終わるのです。
SGLT2阻害剤も短期間の使用にとどめないと、数年後には逆に体重が増える可能性もあるのです。
そして、SGLT2阻害薬を中止しても、基礎代謝が低下した状態がしばらく残存するなら、非常に肥満しやすい体質になっている可能性があるのです。
スーパー糖質制限食なら、基礎代謝が低下することなく、基礎代謝は増加するほうに向かいます。
そして、
「肥満ホルモンがほとんど出ないこと」
「糖新生でエネルギーを使うこと」
「体脂肪が常に燃えていること」
「食事誘発熱産生が増加すること」
により、順調に適正体重まで減量できますので、SGLT2阻害薬やカロリー制限食の減量効果とは、明らかに違いますね。
江部康二
2015年06月15日 (月)
こんばんは。
糖質制限食と「脳心血管疾患」について考えて見ます。
これらは、冠動脈疾患や脳卒中のことですので、ベースには動脈硬化の問題があります。
糖質制限食で動脈硬化のリスク要因となる
「コレステロール、中性脂肪、血糖、血圧、肥満など・・・」
全てが改善しますので少なくとも理論的には、動脈硬化の予防になると思います。
次は、糖質制限食の安全性を示す長期的エビデンスですね。
以下、4つの信頼度の高い研究があります。
1)ニューイングランドジャーナル掲載のコホート研究(冠動脈疾患)
低炭水化物・高脂肪・高タンパク食に冠動脈疾患のリスクなし。
82802人 20年間 2006年掲載 ハーバード大学
炭水化物摂取比率36.8±6.1%グループと58.8±7.0%のグループの比較。
一方総炭水化物摂取量は冠動脈疾患リスクの中等度増加に関連していた。
高GLは冠動脈疾患リスク増加と強く関連していた。
Halton TL, et al. Low-carbohydrate-diet score and the risk of coronary heart disease in women. New England Journal of Medicine 2006;355:1991-2002.
82802人の看護師を20年研究ですので、アンケートも緻密でニューイングランドジャーナルですから論文の信頼度も高いです。
炭水化物摂取比率36.8%の一番低い群から、58.8%の一番多い群まで10グループに分けての比較研究です。
GLはGlycemic Lord の略です。
GL(グリセミック・ロード)とは血糖負荷指数といった意味です。
<一人前の分量の食べ物に含まれる糖質のグラム数>×<その食べ物のGI>÷100で計算した数値が、GLです。
20以上が高、19~11が中、10以下が低とされています。
GL値とは、実際の食事でその食品の一人前の糖質分量を考慮して、どれだけ血糖値を上げやすいかを示す目安です。
糖質を多く摂取すると冠動脈疾患のリスクが増加し、糖質摂取比率が少なくても冠動脈疾患のリスクなしです。
2)コホート研究のメタアナリシス(脳心血管疾患)
21論文、約35万人をメタアナリシスして、
5~23年追跡して1.1万人の脳心血管イベントが発生。
飽和脂肪摂取量と脳心血管イベントハザード比を検証してみると、飽和脂肪酸摂取量と脳心血管イベント発生は、関係がないことが判明。
Siri-Tarino, P.W., et al., Meta-analysis of prospective cohort studies evaluating the association of saturated fat with cardiovascular disease. Am J Clin Nutr, 2010. 91(3): p. 535-46.
メタアナリシスで、約35万人が対象の巨大な研究で、信頼度も高いです。
糖質制限食では、動物性脂肪の摂取を制限していないので、飽和脂肪酸の摂取量は一般食に比べてかなり多いです。
本研究により、飽和脂肪酸の摂取量は脳心血管疾患とは関係ないことがわかり、糖質制限食には大きな追い風です。
3)前向きコホート試験NIPPON DATA80(心血管死、総死亡率)
前向きコホート試験NIPPON DATA80 9200人 29年間 中村保幸ら。
第10分位(糖質摂取比率51.5%)のグループは、
第1分位(糖質摂取比率72.7%)のグループに比べて
女性においては心血管死のリスクが、59%、総死亡リスクが79%、
男女合わせると、それぞれ、74%、84%しかないという素晴らしい結論で、糖質制限群の圧勝。
Br J Nutr 2014; 112: 916-924
この研究は、日本人の研究です。
9200人を29年間ですので、大きな信頼度の高いコホート研究です。
糖質摂取比率が一番多い群から一番少ない群まで、10グループに分けて比較検討しています。
糖質摂取比率の少ない群は、多い群に比し、心血管死と総死亡リスクが有意に減っていますので、やはり糖質制限食には大きな追い風の研究です。
4)上海コホート研究(心血管疾患)
「糖質摂取量により4群に分けて、
糖質摂取量が多いほど心血管疾患の発症リスクが高い」
女性:糖質264g/日未満、264~282g未満、282~299g未満、299g以上
男性:糖質296g/日未満、296~319g未満、319~339g未満、339g以上
11万7366人を対象に、調べた研究。
女性が6万4,854人で、平均追跡期間が9.8年。
男性が5万2,512人で、mannnin 平均追跡期間が5.4年。
Am J Epidemiol. 2013 Nov 15;178(10):1542-9.
Dietary carbohydrates, refined grains, glycemic load, and risk of coronary heart disease in Chinese adults.
上海の研究です。
糖質を普通に食べている集団を、糖質摂取量により、4群に分けて比較検討しています。
11万7366人を平均9.8年追跡ですから、大きな信頼度の高いコホート研究です。
男女とも、糖質摂取量が多い群ほど心血管疾患の発症リスクが高いというわかりやすい結論です。
糖質の害、恐るべしです。
江部康二
糖質制限食と「脳心血管疾患」について考えて見ます。
これらは、冠動脈疾患や脳卒中のことですので、ベースには動脈硬化の問題があります。
糖質制限食で動脈硬化のリスク要因となる
「コレステロール、中性脂肪、血糖、血圧、肥満など・・・」
全てが改善しますので少なくとも理論的には、動脈硬化の予防になると思います。
次は、糖質制限食の安全性を示す長期的エビデンスですね。
以下、4つの信頼度の高い研究があります。
1)ニューイングランドジャーナル掲載のコホート研究(冠動脈疾患)
低炭水化物・高脂肪・高タンパク食に冠動脈疾患のリスクなし。
82802人 20年間 2006年掲載 ハーバード大学
炭水化物摂取比率36.8±6.1%グループと58.8±7.0%のグループの比較。
一方総炭水化物摂取量は冠動脈疾患リスクの中等度増加に関連していた。
高GLは冠動脈疾患リスク増加と強く関連していた。
Halton TL, et al. Low-carbohydrate-diet score and the risk of coronary heart disease in women. New England Journal of Medicine 2006;355:1991-2002.
82802人の看護師を20年研究ですので、アンケートも緻密でニューイングランドジャーナルですから論文の信頼度も高いです。
炭水化物摂取比率36.8%の一番低い群から、58.8%の一番多い群まで10グループに分けての比較研究です。
GLはGlycemic Lord の略です。
GL(グリセミック・ロード)とは血糖負荷指数といった意味です。
<一人前の分量の食べ物に含まれる糖質のグラム数>×<その食べ物のGI>÷100で計算した数値が、GLです。
20以上が高、19~11が中、10以下が低とされています。
GL値とは、実際の食事でその食品の一人前の糖質分量を考慮して、どれだけ血糖値を上げやすいかを示す目安です。
糖質を多く摂取すると冠動脈疾患のリスクが増加し、糖質摂取比率が少なくても冠動脈疾患のリスクなしです。
2)コホート研究のメタアナリシス(脳心血管疾患)
21論文、約35万人をメタアナリシスして、
5~23年追跡して1.1万人の脳心血管イベントが発生。
飽和脂肪摂取量と脳心血管イベントハザード比を検証してみると、飽和脂肪酸摂取量と脳心血管イベント発生は、関係がないことが判明。
Siri-Tarino, P.W., et al., Meta-analysis of prospective cohort studies evaluating the association of saturated fat with cardiovascular disease. Am J Clin Nutr, 2010. 91(3): p. 535-46.
メタアナリシスで、約35万人が対象の巨大な研究で、信頼度も高いです。
糖質制限食では、動物性脂肪の摂取を制限していないので、飽和脂肪酸の摂取量は一般食に比べてかなり多いです。
本研究により、飽和脂肪酸の摂取量は脳心血管疾患とは関係ないことがわかり、糖質制限食には大きな追い風です。
3)前向きコホート試験NIPPON DATA80(心血管死、総死亡率)
前向きコホート試験NIPPON DATA80 9200人 29年間 中村保幸ら。
第10分位(糖質摂取比率51.5%)のグループは、
第1分位(糖質摂取比率72.7%)のグループに比べて
女性においては心血管死のリスクが、59%、総死亡リスクが79%、
男女合わせると、それぞれ、74%、84%しかないという素晴らしい結論で、糖質制限群の圧勝。
Br J Nutr 2014; 112: 916-924
この研究は、日本人の研究です。
9200人を29年間ですので、大きな信頼度の高いコホート研究です。
糖質摂取比率が一番多い群から一番少ない群まで、10グループに分けて比較検討しています。
糖質摂取比率の少ない群は、多い群に比し、心血管死と総死亡リスクが有意に減っていますので、やはり糖質制限食には大きな追い風の研究です。
4)上海コホート研究(心血管疾患)
「糖質摂取量により4群に分けて、
糖質摂取量が多いほど心血管疾患の発症リスクが高い」
女性:糖質264g/日未満、264~282g未満、282~299g未満、299g以上
男性:糖質296g/日未満、296~319g未満、319~339g未満、339g以上
11万7366人を対象に、調べた研究。
女性が6万4,854人で、平均追跡期間が9.8年。
男性が5万2,512人で、mannnin 平均追跡期間が5.4年。
Am J Epidemiol. 2013 Nov 15;178(10):1542-9.
Dietary carbohydrates, refined grains, glycemic load, and risk of coronary heart disease in Chinese adults.
上海の研究です。
糖質を普通に食べている集団を、糖質摂取量により、4群に分けて比較検討しています。
11万7366人を平均9.8年追跡ですから、大きな信頼度の高いコホート研究です。
男女とも、糖質摂取量が多い群ほど心血管疾患の発症リスクが高いというわかりやすい結論です。
糖質の害、恐るべしです。
江部康二
2015年06月14日 (日)
こんばんは。
糖質制限食初心者さんから、減量についてのコメント・質問をいただきました。
#1 普通の人
スーパー糖質制限食を実践した場合、ほとんどの人がカロリー制限なしで、厚生労働省のいう推定エネルギー必要量くらいを摂取して、順調に減量できます。
「日本人の食事摂取基準」(2015年、厚生労働省)
に示す推定エネルギー必要量の範囲、
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000041955.pdf
推定エネルギー必要量/日
男性 女性
15-17才 2500 2850 3150 2050 2300 2550kcal
18-29才 2300 2650 3050 1650 1950 2200
30-49才 2300 2650 3050 1750 2000 2300
50-69才 2100 2450 2800 1650 1900 2200
70才 1850 2200 2500 1500 1750 2000
身体活動レベル 低い 普通 高い 低い 普通 高い
くらいが目安です。
ですから、通常はスーパー糖質制限食実践なら、カロリー制限は必要ありません。
普通の人は、スーパー糖質制限食を満腹するまで食べると、調度、厚生労働省のいう推定エネルギー必要量くらいになるのです。
これは、魚や肉や卵など脂質・タンパク質の摂取が多いので、満足度・満腹度が得られやすいからだと思います。
しかし、約1割くらいの人が、スーパー糖質制限食でもなかなか痩せません。
痩せない場合、以下のの2つのタイプがあります。
#2 大食漢タイプ
これは文字通り、普通の人の1.5倍~2倍くらい食べる大食いの方々です。
スーパー糖質制限食においても、カロリー無制限というわけではありません。
大食いの方々は身体活動レベルが低いときのエネルギー必要量、
男性1850~2300kcal/日
女性1500~1750kcal/日
くらいを目安にすれば、目標体重にダイエットできると思います。
#3 倹約遺伝子タイプ
基礎代謝が体質的に低い方々です。
この場合は「スーパー糖質制限食+カロリー制限食」が必要です。
身長にもよりますがおよそ
男性1600~1800kcal/日
女性1200~1400kcal/日
くらいが目安でしょうか?
倹約遺伝子タイプは、女性が多いと思います。
江部康二
【15/06/13 糖質制限初心者
カロリー制限からの脱却のために
江部先生、 はじめまして。いつもブログ楽しく拝見させて頂いてます。
私は164cm/75kgの立派な肥満で、現在糖質制限でダイエット中です。
以前カロリー制限のみで20kgほど痩せたのですが、リバウンドしました。
江部先生の著書に出会い、目からウロコの気持ちで糖質制限を行ったところ、現在1ヶ月で-4kgという状態です。
今回コメントさせて頂いたのは、自分がまだカロリー制限の呪縛から離れられず、併用してしまっているからです。
スーパー糖質制限で主食を一切取らず、野菜、肉、チーズを食べていますがその上にカロリーを気にしてしまっています…
1日の摂取カロリーは800~1000kcal以下の日が多いです。
私は運動量が極端に低いため(毎日30分のウォーキングのみ)カロリーは少なめでいいと思ってるのですが、それでも少なすぎなのではと思っています。
カロリー摂取も極端に減らしてしまうと、反対に糖質制限の意味がないのではないか…
(正直なところ、元の体重が重いのでスーパー糖質制限でもっと減ると思ってました)
そう思いつつカロリー制限がなかなかやめられません。
先生、糖質制限と上記のようなカロリー制限について何かアドバイス頂けませんでしょうか。
カロリー制限を併用することで起きる弊害、もしくは反対にメリットがあるのか。
色々調べたり、本もたくさん読みましたがカロリー制限の呪縛は強いです…
お忙しいところ、勝手なお願い申し訳ありません。
「このリンクにあなたのほしい情報があります」
「この本のこの部分を読んで下さい」など、ヒントでも構いません。
どうかよろしくお願い致します。 】
糖質制限食初心者さんから、減量についてのコメント・質問をいただきました。
#1 普通の人
スーパー糖質制限食を実践した場合、ほとんどの人がカロリー制限なしで、厚生労働省のいう推定エネルギー必要量くらいを摂取して、順調に減量できます。
「日本人の食事摂取基準」(2015年、厚生労働省)
に示す推定エネルギー必要量の範囲、
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000041955.pdf
推定エネルギー必要量/日
男性 女性
15-17才 2500 2850 3150 2050 2300 2550kcal
18-29才 2300 2650 3050 1650 1950 2200
30-49才 2300 2650 3050 1750 2000 2300
50-69才 2100 2450 2800 1650 1900 2200
70才 1850 2200 2500 1500 1750 2000
身体活動レベル 低い 普通 高い 低い 普通 高い
くらいが目安です。
ですから、通常はスーパー糖質制限食実践なら、カロリー制限は必要ありません。
普通の人は、スーパー糖質制限食を満腹するまで食べると、調度、厚生労働省のいう推定エネルギー必要量くらいになるのです。
これは、魚や肉や卵など脂質・タンパク質の摂取が多いので、満足度・満腹度が得られやすいからだと思います。
しかし、約1割くらいの人が、スーパー糖質制限食でもなかなか痩せません。
痩せない場合、以下のの2つのタイプがあります。
#2 大食漢タイプ
これは文字通り、普通の人の1.5倍~2倍くらい食べる大食いの方々です。
スーパー糖質制限食においても、カロリー無制限というわけではありません。
大食いの方々は身体活動レベルが低いときのエネルギー必要量、
男性1850~2300kcal/日
女性1500~1750kcal/日
くらいを目安にすれば、目標体重にダイエットできると思います。
#3 倹約遺伝子タイプ
基礎代謝が体質的に低い方々です。
この場合は「スーパー糖質制限食+カロリー制限食」が必要です。
身長にもよりますがおよそ
男性1600~1800kcal/日
女性1200~1400kcal/日
くらいが目安でしょうか?
倹約遺伝子タイプは、女性が多いと思います。
江部康二
【15/06/13 糖質制限初心者
カロリー制限からの脱却のために
江部先生、 はじめまして。いつもブログ楽しく拝見させて頂いてます。
私は164cm/75kgの立派な肥満で、現在糖質制限でダイエット中です。
以前カロリー制限のみで20kgほど痩せたのですが、リバウンドしました。
江部先生の著書に出会い、目からウロコの気持ちで糖質制限を行ったところ、現在1ヶ月で-4kgという状態です。
今回コメントさせて頂いたのは、自分がまだカロリー制限の呪縛から離れられず、併用してしまっているからです。
スーパー糖質制限で主食を一切取らず、野菜、肉、チーズを食べていますがその上にカロリーを気にしてしまっています…
1日の摂取カロリーは800~1000kcal以下の日が多いです。
私は運動量が極端に低いため(毎日30分のウォーキングのみ)カロリーは少なめでいいと思ってるのですが、それでも少なすぎなのではと思っています。
カロリー摂取も極端に減らしてしまうと、反対に糖質制限の意味がないのではないか…
(正直なところ、元の体重が重いのでスーパー糖質制限でもっと減ると思ってました)
そう思いつつカロリー制限がなかなかやめられません。
先生、糖質制限と上記のようなカロリー制限について何かアドバイス頂けませんでしょうか。
カロリー制限を併用することで起きる弊害、もしくは反対にメリットがあるのか。
色々調べたり、本もたくさん読みましたがカロリー制限の呪縛は強いです…
お忙しいところ、勝手なお願い申し訳ありません。
「このリンクにあなたのほしい情報があります」
「この本のこの部分を読んで下さい」など、ヒントでも構いません。
どうかよろしくお願い致します。 】
2015年06月14日 (日)
こんばんは。
劇症1型糖尿病発症で、血糖値は1848mg/dl、意識不明、糖尿病ケトアシドーシス
という、極めて重症の状態から生還されたちくてつさんから、
「医師の課題と患者さんの課題」
「インスリン注射の誤差」
について、とても興味深いコメントをいだだきました。
ちくてつさん、ありがとうございます。
高雄病院で私が医師として新患の糖尿病患者さんを外来で診察するとき、まず「糖質制限食」という食事療法を紹介し説明します。
その後、管理栄養士が栄養指導します。
糖質制限食を紹介し説明するのが医師の課題(仕事)で、具体的な食事の指導をするのが栄養士の課題(仕事)です。
家に帰ってから糖質制限食を実践するのは、糖尿病患者さん自身の課題です。
ちくてつさんの仰る通り、「医師の課題」と「患者さんの課題」は全く別のものであり、医師が患者さんの課題をこなすことはあり得ないのです。
また、患者さんが勉強してきて質問してくれることは、医師は大歓迎です。
医師・患者関係も良くなるし、協力態勢もとりやすくなります。
ちくてつさんにコメントして頂いたバーンスタイン先生のインスリンに関する説明も大変参考になります。→ 青太字で大きい文字の部分です。
20単位とかの量を打つと、誤差は29%あるというのは医師も患者も知っておいたほうがいいです。
内因性インスリンがゼロの1型にはインスリンは絶対に必要ですが、1回に注射する単位が、6~7単位以下だと誤差がほとんどないとのことです。
江部康二
【15/06/13 ちくてつです
1型糖尿人の必読書ですね
江部先生、毎日のブログ更新、ありがとうございます。
先生がおっしゃるとおり、私たち糖尿人は、自分で調べられることは自分で調べ、「どうしてもわからないこと」はまず主治医に聞くべきだと思います。
私は劇症1型糖尿人のインスリンポンプ人ですが、主治医が言ってくれなかった「暁現象」について、「バーンスタイン医師の糖尿病の解決」(金芳堂)で知り、ポンプのベーサル(基礎)設定を変更し、主治医に言いましたら、「そうなんですよ」と説明してくれました。
江部先生は超多忙ですが、大学病院の主治医も多忙なのです。ですから、血糖がコントロールできているかどうかを主眼として、患者が聞くこと、疑問に思うことに対応する方がほとんどだと思います。ということは、患者が勉強することが、主治医の協力を得る上で大切なのです。
アドラー心理学では、その課題、問題は「誰の課題、問題なのか」を問えといいます。
私たちの糖尿病は、私たちの問題であり、主治医の問題ではありません。主治医が私たちの糖尿病を治してくれるのではなく、私たちが学び、実践し、主治医をサポーターとして信頼関係を築ければ、血糖のコントロールが上手にでき、無事に大往生まで長生きできるのだと思います。
糖尿人にとって、とくに1型糖尿人にとって、糖質制限食が「絶対に必要だ」ということが、「バーンスタイン医師の糖尿病の解決」の85ページに書かれています。
私が日々、認識し続けている情報開示です。良かったら、皆さんの参考にしてください。
◎インスリンの誤差は29%もある
<インスリンを打つとき、その全部が血液中に到達するわけではない。どの程度の量のインスリンが実際に吸収されるかについて、またインスリンに対する身体の感受性が毎日異なるなどある程度不確実性がある。インスリンをたくさん使うほど、不確実性の程度も増す。インスリンを打つとき、免疫の側から見た場合,あなたは皮下に本来そこにはないはずのものを注射しようとしているのである。したがって、そのインスリンの一部は血中に到達する以前に異物として破壊されるであろう。身体が破壊できる量はいくつかの要因による。第1はどの程度の量を注射するかということである。量が多いほど炎症と刺激を起こし、免疫系に対して危険信号を送る。その他の要因としては、深さ、スピード、注射の場所などがある。
あなたの注射はおのずとその都度変わるであろう。とても気むずかしい人でも毎日無意識に細かいことを変えるであろう。したがって、血流に到達するインスリンの量には常に多少の変動がある。量が多ければ変動も大きい。
数年前ミネソタ大学の研究者たちは、腕に20単位のインスリンを打った場合、血流に到達する量には日によって平均39%の変動があることを示した。彼らは腹部注射では変動がたった29%だったので、腹部注射だけを勧めた。研究報告を読むだけならばそれですむが、実際に注射する場合は血糖値に及ぼす影響を見逃せない。
例えば,一度にインスリン20単位打つとする。1単位は68kgの成人の血糖値を40mg/dl下げる。29%の変動は20単位の注射のなかで6単位の差を生ずる。すなわち,これは血糖値にして240mg/dlの不確実性(40mg/dlx6)である。
その結果は全く偶然に支配される血糖値であり、完全に予測不可能であり、まさにインスリン吸収量の変動によるものである。
研究や私自身の経験は,インスリン量が少ないほど変動が少ないことを示している。肥満でない1型糖尿病患者に対してわれわれは理想的には4分の1から6単位、最高でも7単位の1回注射量を希望する。典型的な場合、あなたは1回に3〜5単位注射するかもしれない。
このような低注射量では吸収の不確実性はゼロに近いから、腕に注射するか腹部に注射するかを悩む必要はない>
私の1日のインスリン注射量は平均でリスプロ15単位くらいです。
主治医が定めてくれたのは20単位でした。糖質制限食でインスリンの量を減らせています。しかし、ほかの1型の方もそうだと思いますが、インスリンで血糖値をコントロールするのはかなりやっかいです。試行錯誤の連続です。ですから、バーンスタイン先生のように、明るく糖質制限を実践してゆくことが大事だと思います。
「私の量は多いですか?」と主治医に聞きましたら、「あなたの体重の患者さんで、40単位打つ人もいますから、少ないですよ」と答えてくれました。
問えば答える、問わなければ答えてくれない。
糖尿病は私たちの問題ですから、1型の方はこの本で多くの知識が得られます。皆さんが読まれることを私は希望します。】
劇症1型糖尿病発症で、血糖値は1848mg/dl、意識不明、糖尿病ケトアシドーシス
という、極めて重症の状態から生還されたちくてつさんから、
「医師の課題と患者さんの課題」
「インスリン注射の誤差」
について、とても興味深いコメントをいだだきました。
ちくてつさん、ありがとうございます。
高雄病院で私が医師として新患の糖尿病患者さんを外来で診察するとき、まず「糖質制限食」という食事療法を紹介し説明します。
その後、管理栄養士が栄養指導します。
糖質制限食を紹介し説明するのが医師の課題(仕事)で、具体的な食事の指導をするのが栄養士の課題(仕事)です。
家に帰ってから糖質制限食を実践するのは、糖尿病患者さん自身の課題です。
ちくてつさんの仰る通り、「医師の課題」と「患者さんの課題」は全く別のものであり、医師が患者さんの課題をこなすことはあり得ないのです。
また、患者さんが勉強してきて質問してくれることは、医師は大歓迎です。
医師・患者関係も良くなるし、協力態勢もとりやすくなります。
ちくてつさんにコメントして頂いたバーンスタイン先生のインスリンに関する説明も大変参考になります。→ 青太字で大きい文字の部分です。
20単位とかの量を打つと、誤差は29%あるというのは医師も患者も知っておいたほうがいいです。
内因性インスリンがゼロの1型にはインスリンは絶対に必要ですが、1回に注射する単位が、6~7単位以下だと誤差がほとんどないとのことです。
江部康二
【15/06/13 ちくてつです
1型糖尿人の必読書ですね
江部先生、毎日のブログ更新、ありがとうございます。
先生がおっしゃるとおり、私たち糖尿人は、自分で調べられることは自分で調べ、「どうしてもわからないこと」はまず主治医に聞くべきだと思います。
私は劇症1型糖尿人のインスリンポンプ人ですが、主治医が言ってくれなかった「暁現象」について、「バーンスタイン医師の糖尿病の解決」(金芳堂)で知り、ポンプのベーサル(基礎)設定を変更し、主治医に言いましたら、「そうなんですよ」と説明してくれました。
江部先生は超多忙ですが、大学病院の主治医も多忙なのです。ですから、血糖がコントロールできているかどうかを主眼として、患者が聞くこと、疑問に思うことに対応する方がほとんどだと思います。ということは、患者が勉強することが、主治医の協力を得る上で大切なのです。
アドラー心理学では、その課題、問題は「誰の課題、問題なのか」を問えといいます。
私たちの糖尿病は、私たちの問題であり、主治医の問題ではありません。主治医が私たちの糖尿病を治してくれるのではなく、私たちが学び、実践し、主治医をサポーターとして信頼関係を築ければ、血糖のコントロールが上手にでき、無事に大往生まで長生きできるのだと思います。
糖尿人にとって、とくに1型糖尿人にとって、糖質制限食が「絶対に必要だ」ということが、「バーンスタイン医師の糖尿病の解決」の85ページに書かれています。
私が日々、認識し続けている情報開示です。良かったら、皆さんの参考にしてください。
◎インスリンの誤差は29%もある
<インスリンを打つとき、その全部が血液中に到達するわけではない。どの程度の量のインスリンが実際に吸収されるかについて、またインスリンに対する身体の感受性が毎日異なるなどある程度不確実性がある。インスリンをたくさん使うほど、不確実性の程度も増す。インスリンを打つとき、免疫の側から見た場合,あなたは皮下に本来そこにはないはずのものを注射しようとしているのである。したがって、そのインスリンの一部は血中に到達する以前に異物として破壊されるであろう。身体が破壊できる量はいくつかの要因による。第1はどの程度の量を注射するかということである。量が多いほど炎症と刺激を起こし、免疫系に対して危険信号を送る。その他の要因としては、深さ、スピード、注射の場所などがある。
あなたの注射はおのずとその都度変わるであろう。とても気むずかしい人でも毎日無意識に細かいことを変えるであろう。したがって、血流に到達するインスリンの量には常に多少の変動がある。量が多ければ変動も大きい。
数年前ミネソタ大学の研究者たちは、腕に20単位のインスリンを打った場合、血流に到達する量には日によって平均39%の変動があることを示した。彼らは腹部注射では変動がたった29%だったので、腹部注射だけを勧めた。研究報告を読むだけならばそれですむが、実際に注射する場合は血糖値に及ぼす影響を見逃せない。
例えば,一度にインスリン20単位打つとする。1単位は68kgの成人の血糖値を40mg/dl下げる。29%の変動は20単位の注射のなかで6単位の差を生ずる。すなわち,これは血糖値にして240mg/dlの不確実性(40mg/dlx6)である。
その結果は全く偶然に支配される血糖値であり、完全に予測不可能であり、まさにインスリン吸収量の変動によるものである。
研究や私自身の経験は,インスリン量が少ないほど変動が少ないことを示している。肥満でない1型糖尿病患者に対してわれわれは理想的には4分の1から6単位、最高でも7単位の1回注射量を希望する。典型的な場合、あなたは1回に3〜5単位注射するかもしれない。
このような低注射量では吸収の不確実性はゼロに近いから、腕に注射するか腹部に注射するかを悩む必要はない>
私の1日のインスリン注射量は平均でリスプロ15単位くらいです。
主治医が定めてくれたのは20単位でした。糖質制限食でインスリンの量を減らせています。しかし、ほかの1型の方もそうだと思いますが、インスリンで血糖値をコントロールするのはかなりやっかいです。試行錯誤の連続です。ですから、バーンスタイン先生のように、明るく糖質制限を実践してゆくことが大事だと思います。
「私の量は多いですか?」と主治医に聞きましたら、「あなたの体重の患者さんで、40単位打つ人もいますから、少ないですよ」と答えてくれました。
問えば答える、問わなければ答えてくれない。
糖尿病は私たちの問題ですから、1型の方はこの本で多くの知識が得られます。皆さんが読まれることを私は希望します。】
2015年06月13日 (土)
【糖質制限食を実践される時のご注意】
本にも書いてありますが、 糖質制限食によりリアルタイムに血糖値が改善します。
このため既に、経口血糖降下剤(オイグルコン、アマリールなど)の内服やインスリン注射をしておられる糖尿人は、低血糖の心配がありますので必ず主治医と相談して頂きたいと思います。
一方、薬を使用してない糖尿人やメタボ人は、低血糖の心配はほとんどないので、自力で 糖質制限食を実践して糖尿病やメタボ改善を目指していただけば幸いです。
内服薬やインスリン注射なしの糖尿人が糖質制限食を実践すると、食後高血糖は改善しますが、低血糖にはなりません。
血糖値が正常範囲であるていど下がると、肝臓でアミノ酸・乳酸・グリセロール(脂肪の分解物)などから、ブドウ糖をつくるからです。
これを糖新生といいます。
診断基準を満たす膵炎がある場合、肝硬変の場合、そして長鎖脂肪酸代謝異常症は、糖質制限食は適応となりませんのでご注意ください。
糖質制限食は相対的に高脂肪食になるので、診断基準を満たしている膵炎の患者さんには適応とならないのです。
進行した肝硬変では、糖新生能力が低下しているため適応となりません。
長鎖脂肪酸代謝異常症では、脂肪酸が上手く利用できないので、適応となりません。
腎機能に関して、日本腎臓病学会編「CKD診療ガイド2013」において、eGFR60ml/分以上あれば顕性たんぱく尿の段階でも、たんぱく質制限の必要なしと明示されました。
従いまして、糖尿病腎症第3期でも、eGFR60ml/分以上なら、糖質制限食OKです。
また、米国糖尿病学会(ADA)は
Position Statement on Nutrition Therapy(栄養療法に関する声明)
Diabetes Care 2013年10月9日オンライン版
において、糖尿病腎症患者に対する蛋白質制限の意義を明確に否定しました。
根拠はランク(A)ですので、信頼度の高いRCT研究論文に基づく見解です。
今後は、糖尿病腎症第3期以降で、eGFRが60ml/分未満の場合も、患者さんとよく相談して、糖質制限食を実践するか否か、個別に対応することとなります。
なお、機能性低血糖症の場合、炭水化物依存症レベルが重症のとき、糖新生能力が低下していることがあり、まれに低血糖症を生じますので注意が必要です。
また、どのような食事療法でも合う合わないがあります。
糖質制限食もその一つですので、合わないとご自分で判断されたら中止していただけば幸いです。
【糖質制限食とは】
米国糖尿病協会(ADA)の患者教育用のテキストブックLife With Diabetes(2004年版)によれば、
「摂取後直接、血糖に変わるのは糖質のみである。
糖質は速やかに吸収され、直接100%血糖に変わり、ほぼ120分以内に吸収は終了する。
蛋白質・脂質は、摂取後、直接血糖に影響を及ぼすことはない。
『炭水化物・タンパク質・脂肪はカロリーを含有している。炭水化物だけが、血糖値に直接影響を及ぼす。』」
これらは含有エネルギーとは無関係な三大栄養素の生理学的特質です。
1997年版のLife With Diabetes(ADA刊行)では、
「タンパク質は約半分が血糖に変わり、脂質は10%未満が血糖に変わる」
という記載がありましたが、2004年版以降は変更されています。
このように糖質、脂質、タンパク質のうち糖質だけが直接、血糖値を上昇させます。
従って、糖質を摂取した時にはインスリンが大量に追加分泌されます。
脂質を摂取しても、インスリンの追加分泌はありません。
タンパク質はごく少量のインスリンを追加分泌させます。
現在糖尿病において、食後の急激な高血糖(グルコーススパイク)が大きな問題として注目されています。
食後高血糖が、心筋梗塞や脳梗塞などの合併症を起こす危険因子として確立されたからです。
また一日における、食前・食後・空腹時など血糖値の変動幅(平均血糖変動幅)が大きいほど、酸化ストレスが増強し動脈硬化のリスクとなることがわかってきました。
そして、食後高血糖と平均血糖変動幅増大を起こすのは、三大栄養素のなかで糖質だけなのです。
1gの糖質が、体重64kgの2型糖尿病の人の血糖値を約3mg上昇させます。
炊いた白ご飯茶碗1杯150g(252kcal)には、55.3gの糖質が含まれており、血糖値を166mg上昇させます。
一方、和牛サーロインステーキ(脂身つき)を200g(約1000キロカロリー)食べても、糖質含有量は1gもないので、食後血糖は3mg未満の上昇しかないのです。
なお、1gの糖質が体重64kgの1型糖尿病の人の血糖値を5mg上昇させます。
糖質制限食の基本的な考え方は、上述のような生理学的事実をベースに、できるだけ糖質の摂取を低く抑えて、食後高血糖を防ぐというものです。
簡単に言えば、主食を抜いておかずばかり食べるというイメージになります。
抜く必要がある主食とは 、米飯・めん類・パンなどの米・麦製品や芋類など糖質が主成分のものです。
3食主食抜きのスーパー糖質制限食(糖質12%、タンパク質32%、脂質56%)なら、薬に頼ることなく速やかにリアルタイムで良好な血糖コントロールが可能です。
一方、上述の白ご飯とステーキの例でも明らかなように、カロリー計算に基づいて血糖値をコントロールすることは理論的に不可能です。
従って、現行の日本糖尿病学会推薦の糖尿病食(糖質60%、タンパク質20%、脂質20%)を実践する限りは、一日の摂取カロリーを1200キロカロリーと低く抑えたとしても、食後高血糖が必ず生じるのです。
糖尿病の改善には、カロリー制限より糖質制限ということがおわかりいただけたと思います。
なお糖質制限食は、カロリー無制限ということではありません。
日本糖尿病学会「糖尿病治療ガイド2014-2015」の
男性1400~2000kcal
女性1200~1800kcal
ほど厳しいカロリー制限は必要ありませんが、
「日本人の食事摂取基準」(2015年、厚生労働省)
に示す推定エネルギー必要量の範囲、
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000041955.pdf
推定エネルギー必要量
男性 女性
15-17才 2500 2850 3150 2050 2300 2550kcal/日
18-29才 2300 2650 3050 1650 1950 2200
30-49才 2300 2650 3050 1750 2000 2300
50-69才 2100 2450 2800 1650 1900 2200
70才 1850 2200 2500 1500 1750 2000
身体活動レベル 低い 普通 高い 低い 普通 高い
くらいが目安です。
なお、米国糖尿病学会は、2013年10月発表の『栄養療法に関する声明』において、全ての糖尿病患者に適した唯一無二の治療食は存在しないと明記しました。
これはそのまま、日本糖尿病学会への痛烈な批判となっています。
そして、地中海食、ベジタリアン食、DASH食、低脂質食などと共に「糖質制限食」も正式に受容しました。
<江部康二著 参考図書>
理論
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!糖質制限食のすすめ」2005年
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」2008年
「我ら糖尿人、元気なのには理由がある。」2009年 宮本輝先生との対談本
「やせる食べ方」2010年
「うちの母は糖尿人」2010年 監修:江部康二 著:伊藤きのと
(東洋経済新報社)
「糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食」2010年(ナツメ社)
腹いっぱい食べて楽々痩せる『満腹ダイエット』 (ソフトバンク新書)2011年
「主食をやめると健康になる」(ダイヤモンド社)2011年
「血糖コントロールの新常識! 糖質制限 完全ガイド」 (別冊宝島)2012年
「食品別糖質量ハンドブック」2012年(洋泉社)、
「糖質オフ!健康法」(PHP文庫)2012年
「主食を抜けば糖尿病はよくなる!糖質制限食のすすめ」(文春文庫)2012年
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」(文春文庫)2012年
「女性のための糖質制限ダイエットハンドブック」2012年(洋泉社)
「糖尿病治療のための!糖質制限食パーフェクトガイド」2013年(東洋経済新報社)
「医療の巨大転換を加速する」糖質制限食と湿潤療法のインパクト
2013年(東洋経済新報社) 夏井睦先生との対談本
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!糖質制限食のすすめ 新版」2014年(東洋経済新報社)
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!2 実践編 新版」2014年(東洋経済新報社)
「炭水化物の食べ過ぎで早死にしてはいけません」2014年(東洋経済新報社)
一生太らない「やせる! 食べ方」2014年 (PHP文庫)
江部先生、「糖質制限は危ない」って本当ですか?2015年(洋泉社)
「なぜ糖質制限をすると糖尿病が良くなるのか」2015年(ナツメ社)
レシピ
「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」2006年(東洋経済新報社)
「糖質オフ」ごちそうごはん2009年(アスペクト)
dancyuプレジデントムック 「満腹ダイエット 」 2009年(プレジデント社)
「血糖値を上げない!健康おつまみ109」2010年(東洋経済新報社)
「やせる食べ方レシピ集」 2010年(東洋経済新報社)
「糖質オフダイエット 」2011年(レタスクラブ、角川マーケティング)
「誰もがストレスなくやせられる!糖質制限ダイエット」2011年(講談社)
「主食を抜けば糖尿病はよくなる」レシピ集2011年(東洋経済新報社)
高雄病院の「糖質制限」給食2012年(講談社)
糖尿病がどんどんよくなる「糖質制限食」おすすめレシピ集2012年(ナツメ社)
糖質制限の「主食もどき」レシピ2013年(東洋経済新報社)
高雄病院Dr江部が食べている「糖質制限」ダイエット2013年(講談社)
糖質オフのダイエット弁当2013年(家の光協会)
高雄病院「糖質制限給食」朝 昼 夕 14日間完全プログラム
糖尿病・肥満改善が自宅でできる! 2013年(講談社)
2週間チャレンジ! 糖質制限の太らない生活 2014年(洋泉社mook)
DVD「糖質制限食を語る」http://www.yaserutabekata.com/shop/dvd.php 2011年
【本ブログのコメント・質問・記事に関するお願い】
ブログ読者の皆さんには、いつもコメントいただき、ありがとうございます。
糖質制限食に関する質問についてですが、実際に高雄病院や江部診療所に来院されて診察した患者さんに対しては、医師としての責任・債務がありますので、個別に説明もしっかりさせて頂いていますし、フォローもしております。
一方、ブログ読者の皆さんの質問に関しては、糖質制限食に詳しい医師として、ボランティアで回答させていただいています。
診察もしておりませんしフォローもできませんので、責任もとれません。
私の回答は、あくまでも一般論としての参考意見とお考え頂けば幸いです。
また、ブログ記事や本に関しても同様に、糖質制限食に関する一般論としての参考意見とお考え下さい。
従いまして、読者の皆さんが私の参考意見を読まれて、どのように利用されるかは、自己責任でよろしくお願い申し上げます。m(_ _)m
そして読者の皆さんからもご意見いただきましたが、普通のお医者さんに相談可能な個人的な内容の質問は、ご自分の主治医にご相談頂けば助かります。
またネットで簡単に検索可能なことは、ご自分でお調べください。
質問が増えてきましたので、糖質制限食と関わりがないと判断した質問にはお答えできない場合もありますので、ご了承ください。m(_ _)m
普通のお医者さんでは解答不能の、糖質制限食に関わる質問は、何でもどんどんしていただけば嬉しいです。 (^_^)
掲載OKの質問に関して、読者の皆さんに共有していただきたい情報の場合は、ブログ本文記事にて、できるだけ順番にお答えしたいと思います。
質問によってはコメント欄でお早めにお答えする場合もありますのでご了承ください。
一方、質問がかなり増えてきていますので、なかなか即、お答えすることが困難となってきています。
糖質制限食に関わりのある全ての質問に、本文かコメントでお答えするようできるだけ努力はしていますが、できないときはご容赦願います。m(_ _)m
それから、「管理人のみ閲覧できる」「匿名希望」などの質問に関しては、コメント欄にお答えするか、一般的な話題に置き換えてブログに記載するようにしていますので、よろしくお願い申し上げます。
江部康二
本にも書いてありますが、 糖質制限食によりリアルタイムに血糖値が改善します。
このため既に、経口血糖降下剤(オイグルコン、アマリールなど)の内服やインスリン注射をしておられる糖尿人は、低血糖の心配がありますので必ず主治医と相談して頂きたいと思います。
一方、薬を使用してない糖尿人やメタボ人は、低血糖の心配はほとんどないので、自力で 糖質制限食を実践して糖尿病やメタボ改善を目指していただけば幸いです。
内服薬やインスリン注射なしの糖尿人が糖質制限食を実践すると、食後高血糖は改善しますが、低血糖にはなりません。
血糖値が正常範囲であるていど下がると、肝臓でアミノ酸・乳酸・グリセロール(脂肪の分解物)などから、ブドウ糖をつくるからです。
これを糖新生といいます。
診断基準を満たす膵炎がある場合、肝硬変の場合、そして長鎖脂肪酸代謝異常症は、糖質制限食は適応となりませんのでご注意ください。
糖質制限食は相対的に高脂肪食になるので、診断基準を満たしている膵炎の患者さんには適応とならないのです。
進行した肝硬変では、糖新生能力が低下しているため適応となりません。
長鎖脂肪酸代謝異常症では、脂肪酸が上手く利用できないので、適応となりません。
腎機能に関して、日本腎臓病学会編「CKD診療ガイド2013」において、eGFR60ml/分以上あれば顕性たんぱく尿の段階でも、たんぱく質制限の必要なしと明示されました。
従いまして、糖尿病腎症第3期でも、eGFR60ml/分以上なら、糖質制限食OKです。
また、米国糖尿病学会(ADA)は
Position Statement on Nutrition Therapy(栄養療法に関する声明)
Diabetes Care 2013年10月9日オンライン版
において、糖尿病腎症患者に対する蛋白質制限の意義を明確に否定しました。
根拠はランク(A)ですので、信頼度の高いRCT研究論文に基づく見解です。
今後は、糖尿病腎症第3期以降で、eGFRが60ml/分未満の場合も、患者さんとよく相談して、糖質制限食を実践するか否か、個別に対応することとなります。
なお、機能性低血糖症の場合、炭水化物依存症レベルが重症のとき、糖新生能力が低下していることがあり、まれに低血糖症を生じますので注意が必要です。
また、どのような食事療法でも合う合わないがあります。
糖質制限食もその一つですので、合わないとご自分で判断されたら中止していただけば幸いです。
【糖質制限食とは】
米国糖尿病協会(ADA)の患者教育用のテキストブックLife With Diabetes(2004年版)によれば、
「摂取後直接、血糖に変わるのは糖質のみである。
糖質は速やかに吸収され、直接100%血糖に変わり、ほぼ120分以内に吸収は終了する。
蛋白質・脂質は、摂取後、直接血糖に影響を及ぼすことはない。
『炭水化物・タンパク質・脂肪はカロリーを含有している。炭水化物だけが、血糖値に直接影響を及ぼす。』」
これらは含有エネルギーとは無関係な三大栄養素の生理学的特質です。
1997年版のLife With Diabetes(ADA刊行)では、
「タンパク質は約半分が血糖に変わり、脂質は10%未満が血糖に変わる」
という記載がありましたが、2004年版以降は変更されています。
このように糖質、脂質、タンパク質のうち糖質だけが直接、血糖値を上昇させます。
従って、糖質を摂取した時にはインスリンが大量に追加分泌されます。
脂質を摂取しても、インスリンの追加分泌はありません。
タンパク質はごく少量のインスリンを追加分泌させます。
現在糖尿病において、食後の急激な高血糖(グルコーススパイク)が大きな問題として注目されています。
食後高血糖が、心筋梗塞や脳梗塞などの合併症を起こす危険因子として確立されたからです。
また一日における、食前・食後・空腹時など血糖値の変動幅(平均血糖変動幅)が大きいほど、酸化ストレスが増強し動脈硬化のリスクとなることがわかってきました。
そして、食後高血糖と平均血糖変動幅増大を起こすのは、三大栄養素のなかで糖質だけなのです。
1gの糖質が、体重64kgの2型糖尿病の人の血糖値を約3mg上昇させます。
炊いた白ご飯茶碗1杯150g(252kcal)には、55.3gの糖質が含まれており、血糖値を166mg上昇させます。
一方、和牛サーロインステーキ(脂身つき)を200g(約1000キロカロリー)食べても、糖質含有量は1gもないので、食後血糖は3mg未満の上昇しかないのです。
なお、1gの糖質が体重64kgの1型糖尿病の人の血糖値を5mg上昇させます。
糖質制限食の基本的な考え方は、上述のような生理学的事実をベースに、できるだけ糖質の摂取を低く抑えて、食後高血糖を防ぐというものです。
簡単に言えば、主食を抜いておかずばかり食べるというイメージになります。
抜く必要がある主食とは 、米飯・めん類・パンなどの米・麦製品や芋類など糖質が主成分のものです。
3食主食抜きのスーパー糖質制限食(糖質12%、タンパク質32%、脂質56%)なら、薬に頼ることなく速やかにリアルタイムで良好な血糖コントロールが可能です。
一方、上述の白ご飯とステーキの例でも明らかなように、カロリー計算に基づいて血糖値をコントロールすることは理論的に不可能です。
従って、現行の日本糖尿病学会推薦の糖尿病食(糖質60%、タンパク質20%、脂質20%)を実践する限りは、一日の摂取カロリーを1200キロカロリーと低く抑えたとしても、食後高血糖が必ず生じるのです。
糖尿病の改善には、カロリー制限より糖質制限ということがおわかりいただけたと思います。
なお糖質制限食は、カロリー無制限ということではありません。
日本糖尿病学会「糖尿病治療ガイド2014-2015」の
男性1400~2000kcal
女性1200~1800kcal
ほど厳しいカロリー制限は必要ありませんが、
「日本人の食事摂取基準」(2015年、厚生労働省)
に示す推定エネルギー必要量の範囲、
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000041955.pdf
推定エネルギー必要量
男性 女性
15-17才 2500 2850 3150 2050 2300 2550kcal/日
18-29才 2300 2650 3050 1650 1950 2200
30-49才 2300 2650 3050 1750 2000 2300
50-69才 2100 2450 2800 1650 1900 2200
70才 1850 2200 2500 1500 1750 2000
身体活動レベル 低い 普通 高い 低い 普通 高い
くらいが目安です。
なお、米国糖尿病学会は、2013年10月発表の『栄養療法に関する声明』において、全ての糖尿病患者に適した唯一無二の治療食は存在しないと明記しました。
これはそのまま、日本糖尿病学会への痛烈な批判となっています。
そして、地中海食、ベジタリアン食、DASH食、低脂質食などと共に「糖質制限食」も正式に受容しました。
<江部康二著 参考図書>
理論
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!糖質制限食のすすめ」2005年
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」2008年
「我ら糖尿人、元気なのには理由がある。」2009年 宮本輝先生との対談本
「やせる食べ方」2010年
「うちの母は糖尿人」2010年 監修:江部康二 著:伊藤きのと
(東洋経済新報社)
「糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食」2010年(ナツメ社)
腹いっぱい食べて楽々痩せる『満腹ダイエット』 (ソフトバンク新書)2011年
「主食をやめると健康になる」(ダイヤモンド社)2011年
「血糖コントロールの新常識! 糖質制限 完全ガイド」 (別冊宝島)2012年
「食品別糖質量ハンドブック」2012年(洋泉社)、
「糖質オフ!健康法」(PHP文庫)2012年
「主食を抜けば糖尿病はよくなる!糖質制限食のすすめ」(文春文庫)2012年
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」(文春文庫)2012年
「女性のための糖質制限ダイエットハンドブック」2012年(洋泉社)
「糖尿病治療のための!糖質制限食パーフェクトガイド」2013年(東洋経済新報社)
「医療の巨大転換を加速する」糖質制限食と湿潤療法のインパクト
2013年(東洋経済新報社) 夏井睦先生との対談本
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!糖質制限食のすすめ 新版」2014年(東洋経済新報社)
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!2 実践編 新版」2014年(東洋経済新報社)
「炭水化物の食べ過ぎで早死にしてはいけません」2014年(東洋経済新報社)
一生太らない「やせる! 食べ方」2014年 (PHP文庫)
江部先生、「糖質制限は危ない」って本当ですか?2015年(洋泉社)
「なぜ糖質制限をすると糖尿病が良くなるのか」2015年(ナツメ社)
レシピ
「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」2006年(東洋経済新報社)
「糖質オフ」ごちそうごはん2009年(アスペクト)
dancyuプレジデントムック 「満腹ダイエット 」 2009年(プレジデント社)
「血糖値を上げない!健康おつまみ109」2010年(東洋経済新報社)
「やせる食べ方レシピ集」 2010年(東洋経済新報社)
「糖質オフダイエット 」2011年(レタスクラブ、角川マーケティング)
「誰もがストレスなくやせられる!糖質制限ダイエット」2011年(講談社)
「主食を抜けば糖尿病はよくなる」レシピ集2011年(東洋経済新報社)
高雄病院の「糖質制限」給食2012年(講談社)
糖尿病がどんどんよくなる「糖質制限食」おすすめレシピ集2012年(ナツメ社)
糖質制限の「主食もどき」レシピ2013年(東洋経済新報社)
高雄病院Dr江部が食べている「糖質制限」ダイエット2013年(講談社)
糖質オフのダイエット弁当2013年(家の光協会)
高雄病院「糖質制限給食」朝 昼 夕 14日間完全プログラム
糖尿病・肥満改善が自宅でできる! 2013年(講談社)
2週間チャレンジ! 糖質制限の太らない生活 2014年(洋泉社mook)
DVD「糖質制限食を語る」http://www.yaserutabekata.com/shop/dvd.php 2011年
【本ブログのコメント・質問・記事に関するお願い】
ブログ読者の皆さんには、いつもコメントいただき、ありがとうございます。
糖質制限食に関する質問についてですが、実際に高雄病院や江部診療所に来院されて診察した患者さんに対しては、医師としての責任・債務がありますので、個別に説明もしっかりさせて頂いていますし、フォローもしております。
一方、ブログ読者の皆さんの質問に関しては、糖質制限食に詳しい医師として、ボランティアで回答させていただいています。
診察もしておりませんしフォローもできませんので、責任もとれません。
私の回答は、あくまでも一般論としての参考意見とお考え頂けば幸いです。
また、ブログ記事や本に関しても同様に、糖質制限食に関する一般論としての参考意見とお考え下さい。
従いまして、読者の皆さんが私の参考意見を読まれて、どのように利用されるかは、自己責任でよろしくお願い申し上げます。m(_ _)m
そして読者の皆さんからもご意見いただきましたが、普通のお医者さんに相談可能な個人的な内容の質問は、ご自分の主治医にご相談頂けば助かります。
またネットで簡単に検索可能なことは、ご自分でお調べください。
質問が増えてきましたので、糖質制限食と関わりがないと判断した質問にはお答えできない場合もありますので、ご了承ください。m(_ _)m
普通のお医者さんでは解答不能の、糖質制限食に関わる質問は、何でもどんどんしていただけば嬉しいです。 (^_^)
掲載OKの質問に関して、読者の皆さんに共有していただきたい情報の場合は、ブログ本文記事にて、できるだけ順番にお答えしたいと思います。
質問によってはコメント欄でお早めにお答えする場合もありますのでご了承ください。
一方、質問がかなり増えてきていますので、なかなか即、お答えすることが困難となってきています。
糖質制限食に関わりのある全ての質問に、本文かコメントでお答えするようできるだけ努力はしていますが、できないときはご容赦願います。m(_ _)m
それから、「管理人のみ閲覧できる」「匿名希望」などの質問に関しては、コメント欄にお答えするか、一般的な話題に置き換えてブログに記載するようにしていますので、よろしくお願い申し上げます。
江部康二
2015年06月12日 (金)
こんにちは。
糖質制限食を始めた方からたまにいただく質問の一つに、
「血糖値は良くなったが、体重が減って力が出ない」
というものがあります。
今までの経験では、このような場合、ほとんどの人が結果としてカロリー不足になっていました。
常識の壁はなかなか拭いがたいものがあって、無意識に脂肪制限もしてしまう人がいるのですね。
こうなると「糖質制限+脂肪制限」のダブルとなってカロリー不足となってしまいます。
特に年配の方で、もともと少食のタイプではカロリー不足対策が必要です。
具体的には、間食としてナッツ類(アーモンド、カシューナッツ、ピーナッツ等)を20-30粒程度なら糖質が約3-4gですので、一日に2-3回は大丈夫です。
1gの糖質が、体重64kgの2型糖尿人の血糖値を約3mgの血糖値を上昇させ、1型糖尿人なら約5mg上昇させますので、自分で計算してみましょう。
ナッツ類のなかで、糖質含有量が特に少ないのは、くるみ、松の実、カボチャの種で、100gあたり5g以下です。
厚生労働省の決まりでは、100g中糖質含有量が5g以下のものを低糖質食品と呼んでいます。
一般的なミックスナッツで、100g中に約16gの糖質が含まれています。
1/3袋弱なら、せいぜい5gの糖質ですね。
ちなみにバターピーナッツ40粒が40gで、その内糖質が4.5gです。
また、アーモンド35粒が50gで、その内糖質が4.7gです。
あと、糖質制限食でやせて力が入らないという人には、通常糖尿人には奨めないのですが、敢えて果物がお奨めです。
アボカドは、100g(1個)あたりの糖質含有量が0.9gと圧倒的に少ないので糖尿人にも問題なし、とてもいいですね。
その他、可食部100gあたり糖質10g以下の果物は、
いちご7粒、
パパイア1/2個
グレープフルーツ1/4個
夏みかん1/4個
はっさく1/3個
メロン1/8個
もも1/2個
などがあります。
7粒、1/2個、1/4個というのは、可食部が約100gとなる量です。
・グァバ 4.8g
・ラズベリー 5.5g
・アンズ 5.5g (いずれも100g中)
なども低糖質ですが、ちょっと手に入れにくいかもしれません。
果物に含まれる糖質は、「果糖・ショ糖・ブドウ糖」などです。
このうちメインの果糖は、血糖値をほとんど上昇させないので、穀物の糖質に比べると、食後高血糖にはややなりにくいです。
従って、100g食べて10g以下の糖質の果物は間食としてOKなのです。
しかし果糖はブドウ糖よりも速やかに中性脂肪に変わるので、最も太りやすい物質の一つです。
果物の中のショ糖やブドウ糖は血糖値を上昇させますので念のため。
糖質制限食を始めた方からたまにいただく質問の一つに、
「血糖値は良くなったが、体重が減って力が出ない」
というものがあります。
今までの経験では、このような場合、ほとんどの人が結果としてカロリー不足になっていました。
常識の壁はなかなか拭いがたいものがあって、無意識に脂肪制限もしてしまう人がいるのですね。
こうなると「糖質制限+脂肪制限」のダブルとなってカロリー不足となってしまいます。
特に年配の方で、もともと少食のタイプではカロリー不足対策が必要です。
具体的には、間食としてナッツ類(アーモンド、カシューナッツ、ピーナッツ等)を20-30粒程度なら糖質が約3-4gですので、一日に2-3回は大丈夫です。
1gの糖質が、体重64kgの2型糖尿人の血糖値を約3mgの血糖値を上昇させ、1型糖尿人なら約5mg上昇させますので、自分で計算してみましょう。
ナッツ類のなかで、糖質含有量が特に少ないのは、くるみ、松の実、カボチャの種で、100gあたり5g以下です。
厚生労働省の決まりでは、100g中糖質含有量が5g以下のものを低糖質食品と呼んでいます。
一般的なミックスナッツで、100g中に約16gの糖質が含まれています。
1/3袋弱なら、せいぜい5gの糖質ですね。
ちなみにバターピーナッツ40粒が40gで、その内糖質が4.5gです。
また、アーモンド35粒が50gで、その内糖質が4.7gです。
あと、糖質制限食でやせて力が入らないという人には、通常糖尿人には奨めないのですが、敢えて果物がお奨めです。
アボカドは、100g(1個)あたりの糖質含有量が0.9gと圧倒的に少ないので糖尿人にも問題なし、とてもいいですね。
その他、可食部100gあたり糖質10g以下の果物は、
いちご7粒、
パパイア1/2個
グレープフルーツ1/4個
夏みかん1/4個
はっさく1/3個
メロン1/8個
もも1/2個
などがあります。
7粒、1/2個、1/4個というのは、可食部が約100gとなる量です。
・グァバ 4.8g
・ラズベリー 5.5g
・アンズ 5.5g (いずれも100g中)
なども低糖質ですが、ちょっと手に入れにくいかもしれません。
果物に含まれる糖質は、「果糖・ショ糖・ブドウ糖」などです。
このうちメインの果糖は、血糖値をほとんど上昇させないので、穀物の糖質に比べると、食後高血糖にはややなりにくいです。
従って、100g食べて10g以下の糖質の果物は間食としてOKなのです。
しかし果糖はブドウ糖よりも速やかに中性脂肪に変わるので、最も太りやすい物質の一つです。
果物の中のショ糖やブドウ糖は血糖値を上昇させますので念のため。
2015年06月11日 (木)
おはようございます。
昨夜から自宅のパソコンがインターネットに繋がらなくなって、ブログ記事を更新できませんでした。
一度直してもらったはずなのですが、またダメになりました。(-_~-)
さて、6月9日(火)に興味深いニュースが配信されました。
ますゆきさんからコメントをいただきました。
ありがとうございます。
「15/06/09 ますゆき
国を動かした
砂糖に課税とのニュース
糖質制限が国を動かした」
厚生労働省の有識者会議が「タバコ、砂糖、アルコールなどへの課税強化を求めている」とのことです。
砂糖はもともと、嗜好品ですから、無くてもいいようなものです。
世界保健機関(WHO)は2015年3月4日、肥満や虫歯を予防するために、砂糖などの糖類を一日に摂取するカロリーの5%未満に抑えるべきだとする新指針を発表しています。
従来は10%までと推奨していましたが、各種の研究結果から基準を引き下げました。
平均的な成人で25グラム(ティースプーン6杯分)程度になります。
今回、有職者会議に拍手を送りたいのは、提言書にある「たばこ、アルコール、砂糖など、健康リスクに対する課税」という文言です。
WHOと同様に、砂糖の健康リスクについてはっきり言及したのは大変良いことと思います。
私も、砂糖の健康リスクは、たばこやアルコールと同類と思います。
日本国民に、砂糖など糖類(単糖類と二糖類)の健康リスクを知らしめるには、この文言は、おおいに役立つと思います。
「お砂糖"真"時代協議会」の反応が見たいですね。
まあ、さらに進んで、糖質の健康リスクにまで踏み込んでくれれば花丸だったですが・・・。
江部康二
以下、ヤフーニュースから転載です。
<ヤフーニュース フジテレビ系
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/fnn?a=20150609-00000381-fnn-soci
国民の健康対策として、砂糖などへの課税強化求める提言書まとめ
フジテレビ系(FNN) 6月9日(火)19時5分配信
国民の健康対策として、たばこ、アルコール、砂糖などへの課税強化を求めることなどを盛り込んだ提言書を、厚生労働省の有識者会議がまとめた。
いわゆる「団塊ジュニア」の世代が65歳を迎える、2035年までに実現すべき保険医療システムを示した提言書には、国民の健康対策として、たばこ、アルコール、砂糖などへの課税を強化することを求めている。
また、医療費抑制策として、風邪などの軽い病気の患者の自己負担は高くして、自分で治療することを促すなど、病気に応じて、負担割合を変えることなどが盛り込まれた。
また、たばこについては、2020年の東京オリンピックまでに、受動喫煙のない「たばこフリー」社会を実現し、2035年までには、喫煙者自体をゼロに近づけるためのあらゆる手段を講じるという。
また、厚労省内に推進本部を設置し、実行可能な施策から実施すべきだとしている。
現在、嗜好(しこう)品であるたばこ、そしてお酒には、税金がかけられている。
たばこ税は、1本およそ12円。
酒税は、酒の種類によって異なるが、ビールなら1缶350mlで、77円の税金が課せられている。
さらに、購入する際には、消費税も支払っている。
今回、まとめられた提言書の中には、たばこ、アルコール、砂糖など、健康リスクに対する課税という文言があり、嗜好品のお酒や、たばこに加えて、普段よく使う調味料の砂糖などにも課税を検討していくべきと書かれている。
こうした必需品が課税されるかもしれない事態に、疑問の声が上がっている。
街の人は、「生活必需品だから、(課税は)やめてほしいですね」、「(生活に)必要なものに税金かければ、みんな買うんだろうと思うけれど。そこから糖尿病などのリスクがっていうつながりは、難しいなと」、「食べ物は、絶対生きていくうえでいると思うので、違う税つけられても」などと話した。>
昨夜から自宅のパソコンがインターネットに繋がらなくなって、ブログ記事を更新できませんでした。
一度直してもらったはずなのですが、またダメになりました。(-_~-)
さて、6月9日(火)に興味深いニュースが配信されました。
ますゆきさんからコメントをいただきました。
ありがとうございます。
「15/06/09 ますゆき
国を動かした
砂糖に課税とのニュース
糖質制限が国を動かした」
厚生労働省の有識者会議が「タバコ、砂糖、アルコールなどへの課税強化を求めている」とのことです。
砂糖はもともと、嗜好品ですから、無くてもいいようなものです。
世界保健機関(WHO)は2015年3月4日、肥満や虫歯を予防するために、砂糖などの糖類を一日に摂取するカロリーの5%未満に抑えるべきだとする新指針を発表しています。
従来は10%までと推奨していましたが、各種の研究結果から基準を引き下げました。
平均的な成人で25グラム(ティースプーン6杯分)程度になります。
今回、有職者会議に拍手を送りたいのは、提言書にある「たばこ、アルコール、砂糖など、健康リスクに対する課税」という文言です。
WHOと同様に、砂糖の健康リスクについてはっきり言及したのは大変良いことと思います。
私も、砂糖の健康リスクは、たばこやアルコールと同類と思います。
日本国民に、砂糖など糖類(単糖類と二糖類)の健康リスクを知らしめるには、この文言は、おおいに役立つと思います。
「お砂糖"真"時代協議会」の反応が見たいですね。
まあ、さらに進んで、糖質の健康リスクにまで踏み込んでくれれば花丸だったですが・・・。
江部康二
以下、ヤフーニュースから転載です。
<ヤフーニュース フジテレビ系
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/fnn?a=20150609-00000381-fnn-soci
国民の健康対策として、砂糖などへの課税強化求める提言書まとめ
フジテレビ系(FNN) 6月9日(火)19時5分配信
国民の健康対策として、たばこ、アルコール、砂糖などへの課税強化を求めることなどを盛り込んだ提言書を、厚生労働省の有識者会議がまとめた。
いわゆる「団塊ジュニア」の世代が65歳を迎える、2035年までに実現すべき保険医療システムを示した提言書には、国民の健康対策として、たばこ、アルコール、砂糖などへの課税を強化することを求めている。
また、医療費抑制策として、風邪などの軽い病気の患者の自己負担は高くして、自分で治療することを促すなど、病気に応じて、負担割合を変えることなどが盛り込まれた。
また、たばこについては、2020年の東京オリンピックまでに、受動喫煙のない「たばこフリー」社会を実現し、2035年までには、喫煙者自体をゼロに近づけるためのあらゆる手段を講じるという。
また、厚労省内に推進本部を設置し、実行可能な施策から実施すべきだとしている。
現在、嗜好(しこう)品であるたばこ、そしてお酒には、税金がかけられている。
たばこ税は、1本およそ12円。
酒税は、酒の種類によって異なるが、ビールなら1缶350mlで、77円の税金が課せられている。
さらに、購入する際には、消費税も支払っている。
今回、まとめられた提言書の中には、たばこ、アルコール、砂糖など、健康リスクに対する課税という文言があり、嗜好品のお酒や、たばこに加えて、普段よく使う調味料の砂糖などにも課税を検討していくべきと書かれている。
こうした必需品が課税されるかもしれない事態に、疑問の声が上がっている。
街の人は、「生活必需品だから、(課税は)やめてほしいですね」、「(生活に)必要なものに税金かければ、みんな買うんだろうと思うけれど。そこから糖尿病などのリスクがっていうつながりは、難しいなと」、「食べ物は、絶対生きていくうえでいると思うので、違う税つけられても」などと話した。>
2015年06月09日 (火)
こんばんは。
スーパー糖質制限食開始後は、血糖値とHbA1Cは速やかに改善しますが、尿素窒素(BUN)が上昇することがあります。
尿素窒素(BUN)の一般的な正常値は8~20gm/dlくらいですが、スーパー糖質制限食中は、21~30mg/dl程度に上昇することがあります。
腎機能検査の一つである、BUNが基準値より高値であれば、誰でも気になりますよね。
でも、血清クレアチニン値や血清シスタチンC値が基準値内なら、BUNが高値でも生理的なものであり、腎機能障害ではないので心配ないです。
それでは、尿素窒素(BUN)がスーパー糖質制限食実践で、何故生理的高値になるのかを考えてみます。
細胞内の蛋白質が限度まで満たされると、体液中のアミノ酸は分解され、エネルギーとして使われたり、主に脂質あるいは、わずかながらグリコーゲンとして貯蔵されます。この大部分は、肝臓で行われます。
アミノ酸分解産物であるアンモニアが、そのままでは神経毒性を有するため、肝で尿素サイクルの代謝をうけて無害な尿素が産生されます。
尿素のほとんどは、腎臓の糸球体で濾過されて尿中に排泄されますが、その一部は再吸収され、血中に戻されます。
一部再吸収されるので、高タンパク食(糖質制限食)により血中尿素窒素(BUN)が高値となることがありますが、これは生理的な現象で、腎機能障害ではありません。
また、高タンパク食(糖質制限食)で、正常な腎臓に負担がかかるということもありません。
従いまして糖質制限食実践中の方において、BUN軽度高値でも、血中クレアチニン値や血中シスタチンCの値が正常であれば問題ありませんのでご安心ください。
血清シスタチンCは、血清クレアチニンよりは、かなり鋭敏な腎機能検査の指標で、初期の腎機能障害を拾い上げることができます。
つまりクレアチンが異常値になった段階はすでに、腎障害はあるていど進んでいる段階なので要注意なのです。
血清クレアチニン値は、GFRが30ml/min前後に低下する時期から上昇するのに対し、血清シスタチンC値はGFR 70ml/min前後に低下したころから上昇します。
したがって、シスタチンCはクレアチニンより初期の段階から腎機能障害をチェックできる利点があります。
シスタチンCを用いた、eGFR (eGFRcys) は、食事や筋肉量、運動の影響を受けずに、糸球体濾過量を反映するので、実際の腎機能を示す最もよい指標と考えられます。
『CKD診療ガイド2012』において、 「るいそうまたは下肢切断者などの筋肉量の少ない場合には、eGFRcysがより適切である」と、クレアチニンを用いた場合よりもシスタチンCを用いたeGFRが望ましいとされています。
なお血清クレアチニンは、尿素窒素よりは腎機能以外の要素の影響は受けにくいのですが、筋トレとかで筋肉量が多い人は、やや高値となります。
この場合は、血清クレアチニンが高値でも腎機能傷害ではありません。
このようなとき、血清シスタチンCを検査すれば本当の腎機能がわかります。
血液による腎機能検査の基準値
尿素窒素(BUN):8~20mg/dl
クレアチニン:0.6~1.1mg/dl
血清シスタチンC:0.53~0.95mg/dl
上記数値は、検査機関により差がありますが、およその基準値です。
血清シスタチンCは、男女で基準値が違う検査機関もあります。
eGFRの計算式は「シスタチンC eGFR」で、グーグルで検索すればすぐ表示されます。
年齢、性別、血清シスタチンC値を記入すれば計算できます。
江部康二
スーパー糖質制限食開始後は、血糖値とHbA1Cは速やかに改善しますが、尿素窒素(BUN)が上昇することがあります。
尿素窒素(BUN)の一般的な正常値は8~20gm/dlくらいですが、スーパー糖質制限食中は、21~30mg/dl程度に上昇することがあります。
腎機能検査の一つである、BUNが基準値より高値であれば、誰でも気になりますよね。
でも、血清クレアチニン値や血清シスタチンC値が基準値内なら、BUNが高値でも生理的なものであり、腎機能障害ではないので心配ないです。
それでは、尿素窒素(BUN)がスーパー糖質制限食実践で、何故生理的高値になるのかを考えてみます。
細胞内の蛋白質が限度まで満たされると、体液中のアミノ酸は分解され、エネルギーとして使われたり、主に脂質あるいは、わずかながらグリコーゲンとして貯蔵されます。この大部分は、肝臓で行われます。
アミノ酸分解産物であるアンモニアが、そのままでは神経毒性を有するため、肝で尿素サイクルの代謝をうけて無害な尿素が産生されます。
尿素のほとんどは、腎臓の糸球体で濾過されて尿中に排泄されますが、その一部は再吸収され、血中に戻されます。
一部再吸収されるので、高タンパク食(糖質制限食)により血中尿素窒素(BUN)が高値となることがありますが、これは生理的な現象で、腎機能障害ではありません。
また、高タンパク食(糖質制限食)で、正常な腎臓に負担がかかるということもありません。
従いまして糖質制限食実践中の方において、BUN軽度高値でも、血中クレアチニン値や血中シスタチンCの値が正常であれば問題ありませんのでご安心ください。
血清シスタチンCは、血清クレアチニンよりは、かなり鋭敏な腎機能検査の指標で、初期の腎機能障害を拾い上げることができます。
つまりクレアチンが異常値になった段階はすでに、腎障害はあるていど進んでいる段階なので要注意なのです。
血清クレアチニン値は、GFRが30ml/min前後に低下する時期から上昇するのに対し、血清シスタチンC値はGFR 70ml/min前後に低下したころから上昇します。
したがって、シスタチンCはクレアチニンより初期の段階から腎機能障害をチェックできる利点があります。
シスタチンCを用いた、eGFR (eGFRcys) は、食事や筋肉量、運動の影響を受けずに、糸球体濾過量を反映するので、実際の腎機能を示す最もよい指標と考えられます。
『CKD診療ガイド2012』において、 「るいそうまたは下肢切断者などの筋肉量の少ない場合には、eGFRcysがより適切である」と、クレアチニンを用いた場合よりもシスタチンCを用いたeGFRが望ましいとされています。
なお血清クレアチニンは、尿素窒素よりは腎機能以外の要素の影響は受けにくいのですが、筋トレとかで筋肉量が多い人は、やや高値となります。
この場合は、血清クレアチニンが高値でも腎機能傷害ではありません。
このようなとき、血清シスタチンCを検査すれば本当の腎機能がわかります。
血液による腎機能検査の基準値
尿素窒素(BUN):8~20mg/dl
クレアチニン:0.6~1.1mg/dl
血清シスタチンC:0.53~0.95mg/dl
上記数値は、検査機関により差がありますが、およその基準値です。
血清シスタチンCは、男女で基準値が違う検査機関もあります。
eGFRの計算式は「シスタチンC eGFR」で、グーグルで検索すればすぐ表示されます。
年齢、性別、血清シスタチンC値を記入すれば計算できます。
江部康二
2015年06月08日 (月)
【15/06/07 糖質制限推進Dr@北九州
大腸ガンと動物性脂肪
江部先生 こんばんは
いつもお世話になっております。
先生のブログ、いつも楽しみに読ませていただいております。
さて、先月、俳優の今井雅之さんが大腸ガンで急逝されましたが、大変ショッキングなニュースであり、テレビでも消化器専門医が出てきて、近年のわが国における大腸ガン増加の要因について解説されていて、食事の欧米化にともなう動物性脂肪の摂取の増加が大きな要因である、みたいなコメントをされていました。
糖質制限は必然的に動物性脂肪を増やすことになり、糖質セイゲニストの方の中には、不安に思われている方もおられると推察致します。
おそらくバイアスのかかった疫学的な調査データからの推測であり、有意なエビデンスはないのではないかと思われますが、先生のご意見をお聞かせいただけましたら幸いです。】
糖質制限推進Dr@北九州 さん
コメントありがとうございます。
世界ガン研究基金2011年の報告
結腸・直腸ガンと食べ物のリスク
確定リスク
赤肉
加工肉
酒(男性)
おそらくリスク
酒(女性)
世界ガン研究基金によれば、結腸・直腸ガンの確定リスクは、赤肉・加工肉・酒です。
女性では、お酒はおそらくリスクです。
赤肉ですから、動物タンパクが主成分ですが脂肪もあります。
100g中
和牛赤身ヒレで、
15.0の脂質、19.1gのタンパク質、
サーロインで、
23.7の脂質、17.4gのタンパク質です。
しかしながら、確定リスクの『赤身肉・加工肉・酒 』にしても、糖質を普通に、40~60%食べている集団においてということです。
従って、糖質摂取比率12%くらいの「スーパー糖質セイゲニスト」には、そもそも無関係のお話しです。
正確にはスーパー糖質セイゲニストにおいては『赤身肉・加工肉・酒 』が結腸・直腸ガンのリスクになるかどうか、エビデンスはないということです。
一方、理論的には、発ガンの明白なリスクである「高血糖」と「高インスリン血症」が、一日を通してスーパー糖質セイゲニストではみられないので、発ガン予防の観点からは、大きなアドバンテージと言えます。
さらに、米国医師会雑誌、2006年2月8日号に掲載された3本の論文において
「<低脂肪+野菜豊富な食生活>は乳癌、大腸癌、心血管疾患リスクを下げないし、総コレステロール値も不変であった。」
という報告がなされました。
米国医師会雑誌は、インパクトファクターが高く、ニューイングランドジャーナルに次ぐ権威有る医学雑誌です。
RCT研究論文ですので、エビデンスレベルも信頼度が高いです。
5万人弱の閉経女性を対象に、対照群を置き、平均8年間にわたって追跡した結果です。
高額の費用をつぎ込んだ大規模臨床試験で、二度とできない高いレベルの研究です。
2万5千人ずつにグループ分けをして、一方は、脂肪熱量比率20%で強力に低脂肪食を指導しました。
残るグループは脂肪制限なしなので、米国女性平均なら30数%の脂肪摂取比率です。
平均的米国女性に対して、約半分近くまで脂肪摂取比率を厳格に減らして臨床試験を実施したわけです。
研究をデザインした医師は、
「高脂肪食が大腸ガン、乳ガン、心血管疾患のリスクを増大させる=脂肪悪玉説」
という従来の定説を掲げて、それを証明するためにこのRCTを実施したと思います。
すなわち、
「低脂肪食実践により、大腸ガン、乳ガン、心血管疾患のリスクが減少する」
と信じてこのRCTを開始したと考えられます。
ところが、豈図らんや、低脂肪食は、乳ガン、大腸ガン、心血管疾患リスクを全く下げなかったのです。
これは、即ち、脂肪悪玉説が根底から否定されたということです。
結論です。
『5万人を8年間追跡したJAMA掲載のRCT研究論文で、
少なくとも乳ガン・大腸ガン・心血管疾患に関しては、脂肪悪玉説は否定された。』
ということになります。
脂肪悪玉説を根底から覆す良質の信頼度の高いエビデンスですね。
*Journal of American Medical Association(JAMA)誌
2006年2月8日号の疾患ごとにまとめられた3本の論文で報告。
*Low-Fat Dietary Pattern and Risk of Invasive Breast Cancer
Low-Fat Dietary Pattern and Risk of Colorectal Cancer
Low-Fat Dietary Pattern and Risk of Cardiovascular Disease
: The Women's Health Initiative Randomized Controlled Dietary Modification Trial
JAMA ,295(6):629-642. 643-654. 655-666.
大腸ガンと動物性脂肪
江部先生 こんばんは
いつもお世話になっております。
先生のブログ、いつも楽しみに読ませていただいております。
さて、先月、俳優の今井雅之さんが大腸ガンで急逝されましたが、大変ショッキングなニュースであり、テレビでも消化器専門医が出てきて、近年のわが国における大腸ガン増加の要因について解説されていて、食事の欧米化にともなう動物性脂肪の摂取の増加が大きな要因である、みたいなコメントをされていました。
糖質制限は必然的に動物性脂肪を増やすことになり、糖質セイゲニストの方の中には、不安に思われている方もおられると推察致します。
おそらくバイアスのかかった疫学的な調査データからの推測であり、有意なエビデンスはないのではないかと思われますが、先生のご意見をお聞かせいただけましたら幸いです。】
糖質制限推進Dr@北九州 さん
コメントありがとうございます。
世界ガン研究基金2011年の報告
結腸・直腸ガンと食べ物のリスク
確定リスク
赤肉
加工肉
酒(男性)
おそらくリスク
酒(女性)
世界ガン研究基金によれば、結腸・直腸ガンの確定リスクは、赤肉・加工肉・酒です。
女性では、お酒はおそらくリスクです。
赤肉ですから、動物タンパクが主成分ですが脂肪もあります。
100g中
和牛赤身ヒレで、
15.0の脂質、19.1gのタンパク質、
サーロインで、
23.7の脂質、17.4gのタンパク質です。
しかしながら、確定リスクの『赤身肉・加工肉・酒 』にしても、糖質を普通に、40~60%食べている集団においてということです。
従って、糖質摂取比率12%くらいの「スーパー糖質セイゲニスト」には、そもそも無関係のお話しです。
正確にはスーパー糖質セイゲニストにおいては『赤身肉・加工肉・酒 』が結腸・直腸ガンのリスクになるかどうか、エビデンスはないということです。
一方、理論的には、発ガンの明白なリスクである「高血糖」と「高インスリン血症」が、一日を通してスーパー糖質セイゲニストではみられないので、発ガン予防の観点からは、大きなアドバンテージと言えます。
さらに、米国医師会雑誌、2006年2月8日号に掲載された3本の論文において
「<低脂肪+野菜豊富な食生活>は乳癌、大腸癌、心血管疾患リスクを下げないし、総コレステロール値も不変であった。」
という報告がなされました。
米国医師会雑誌は、インパクトファクターが高く、ニューイングランドジャーナルに次ぐ権威有る医学雑誌です。
RCT研究論文ですので、エビデンスレベルも信頼度が高いです。
5万人弱の閉経女性を対象に、対照群を置き、平均8年間にわたって追跡した結果です。
高額の費用をつぎ込んだ大規模臨床試験で、二度とできない高いレベルの研究です。
2万5千人ずつにグループ分けをして、一方は、脂肪熱量比率20%で強力に低脂肪食を指導しました。
残るグループは脂肪制限なしなので、米国女性平均なら30数%の脂肪摂取比率です。
平均的米国女性に対して、約半分近くまで脂肪摂取比率を厳格に減らして臨床試験を実施したわけです。
研究をデザインした医師は、
「高脂肪食が大腸ガン、乳ガン、心血管疾患のリスクを増大させる=脂肪悪玉説」
という従来の定説を掲げて、それを証明するためにこのRCTを実施したと思います。
すなわち、
「低脂肪食実践により、大腸ガン、乳ガン、心血管疾患のリスクが減少する」
と信じてこのRCTを開始したと考えられます。
ところが、豈図らんや、低脂肪食は、乳ガン、大腸ガン、心血管疾患リスクを全く下げなかったのです。
これは、即ち、脂肪悪玉説が根底から否定されたということです。
結論です。
『5万人を8年間追跡したJAMA掲載のRCT研究論文で、
少なくとも乳ガン・大腸ガン・心血管疾患に関しては、脂肪悪玉説は否定された。』
ということになります。
脂肪悪玉説を根底から覆す良質の信頼度の高いエビデンスですね。
*Journal of American Medical Association(JAMA)誌
2006年2月8日号の疾患ごとにまとめられた3本の論文で報告。
*Low-Fat Dietary Pattern and Risk of Invasive Breast Cancer
Low-Fat Dietary Pattern and Risk of Colorectal Cancer
Low-Fat Dietary Pattern and Risk of Cardiovascular Disease
: The Women's Health Initiative Randomized Controlled Dietary Modification Trial
JAMA ,295(6):629-642. 643-654. 655-666.
2015年06月07日 (日)
こんにちは
毎日新聞デジタルに2015年6月1日から、寄稿しています。
今後当分の期間、毎月2回私のエッセイが、毎日新聞デジタルに載ります。
ブログ読者の皆さんには、一度覗いていただけば嬉しいです。
よろしくお願い申しあげます。 m(_ _)m
毎日新聞サイト内の記事は非会員は毎月5ページまで、無料会員登録をすると毎月10ページまで無料で見ることができます。
月2回更新の私のコラムを毎月2ページ読むのであれば、無料で見ることができます。
月に11ページ以上を読もうとすると、有料会員登録が必要になりますが、新聞購読者とそうでない人との違いがでてきます。
以下のサイトに有料会員登録の詳しい説明があります。
http://mainichi.jp/info/koudoku/
江部康二
☆☆☆
以下は毎日新聞デジタルのサイトの記載です。
毎日新聞・デジタル編集部
@mainichijpedit
定着してきた感のある糖質制限ダイエット。
なぜ効くのか、本当に健康に良いのかを
700万年間のヒトの食事史から紐解きます
http://goo.gl/WwohdA
まずは、糖質制限食とは何かの基本をどうぞ。
http://goo.gl/WwohdA
にて、第一回目の記事を閲覧できます。
以下記事の抜粋です。
人類史からひもとく糖質制限食
1)700万年間、ヒトが食べてきた食事とは?
毎日新聞ウェブサイトの読者の皆さん、初めまして。
京都にある一般財団法人高雄病院理事長の江部康二です。
新しくオープンした「医療プレミア」サイトでエッセーを連載させていただくことになりました。
タイトルは「人類史からひもとく糖質制限食」と大風呂敷? を広げてみました。
糖質制限食というと、「何のこっちゃ?」と思われる方もおられるのではないでしょうか。
まずは簡単に説明しましょう。
糖質だけが血糖値を上昇させる
・・・中略・・・
カロリー計算で血糖値をコントロールするのは不可能
・・・中略・・・
糖質制限食とは
・・・中略・・・
連載タイトルが「人類史からひもとく糖質制限食」ということで、勘のいい読者はお気づきかもしれませんが、糖質制限食は狩猟・採集時代の人類本来の食事でした。
人類は約700万年間の狩猟・採集時代、すなわち糖質制限食時代を経て、約1万年前に現在の中東・シリア付近で組織的な小麦栽培を始め、農耕・穀物食時代へと突入したというのが一般に知られている人類史です。
そうすると人類が穀物を主食としたのは、人類史においてわずか700分の1の期間にすぎないわけです。
このように考えると糖質制限食こそが、人類本来の食事・健康食と考えられます。
その証拠に糖尿病以外にもさまざまな生活習慣病が糖質制限食の実践により改善しますので、本連載で折に触れ取り上げたいと思います。
さらに人類の進化、糖質は嗜好(しこう)品でラッキー食材、二足歩行、衣服・言語の発明、農業は人類の原罪、ホモ・サピエンス、ネアンデルタール人・・・などなど
多岐にわたり話題を提供し、読者の皆さんの知的好奇心を満足させたいともくろんでおります。
江部康二
毎日新聞デジタルに2015年6月1日から、寄稿しています。
今後当分の期間、毎月2回私のエッセイが、毎日新聞デジタルに載ります。
ブログ読者の皆さんには、一度覗いていただけば嬉しいです。
よろしくお願い申しあげます。 m(_ _)m
毎日新聞サイト内の記事は非会員は毎月5ページまで、無料会員登録をすると毎月10ページまで無料で見ることができます。
月2回更新の私のコラムを毎月2ページ読むのであれば、無料で見ることができます。
月に11ページ以上を読もうとすると、有料会員登録が必要になりますが、新聞購読者とそうでない人との違いがでてきます。
以下のサイトに有料会員登録の詳しい説明があります。
http://mainichi.jp/info/koudoku/
江部康二
☆☆☆
以下は毎日新聞デジタルのサイトの記載です。
毎日新聞・デジタル編集部
@mainichijpedit
定着してきた感のある糖質制限ダイエット。
なぜ効くのか、本当に健康に良いのかを
700万年間のヒトの食事史から紐解きます
http://goo.gl/WwohdA
まずは、糖質制限食とは何かの基本をどうぞ。
http://goo.gl/WwohdA
にて、第一回目の記事を閲覧できます。
以下記事の抜粋です。
人類史からひもとく糖質制限食
1)700万年間、ヒトが食べてきた食事とは?
毎日新聞ウェブサイトの読者の皆さん、初めまして。
京都にある一般財団法人高雄病院理事長の江部康二です。
新しくオープンした「医療プレミア」サイトでエッセーを連載させていただくことになりました。
タイトルは「人類史からひもとく糖質制限食」と大風呂敷? を広げてみました。
糖質制限食というと、「何のこっちゃ?」と思われる方もおられるのではないでしょうか。
まずは簡単に説明しましょう。
糖質だけが血糖値を上昇させる
・・・中略・・・
カロリー計算で血糖値をコントロールするのは不可能
・・・中略・・・
糖質制限食とは
・・・中略・・・
連載タイトルが「人類史からひもとく糖質制限食」ということで、勘のいい読者はお気づきかもしれませんが、糖質制限食は狩猟・採集時代の人類本来の食事でした。
人類は約700万年間の狩猟・採集時代、すなわち糖質制限食時代を経て、約1万年前に現在の中東・シリア付近で組織的な小麦栽培を始め、農耕・穀物食時代へと突入したというのが一般に知られている人類史です。
そうすると人類が穀物を主食としたのは、人類史においてわずか700分の1の期間にすぎないわけです。
このように考えると糖質制限食こそが、人類本来の食事・健康食と考えられます。
その証拠に糖尿病以外にもさまざまな生活習慣病が糖質制限食の実践により改善しますので、本連載で折に触れ取り上げたいと思います。
さらに人類の進化、糖質は嗜好(しこう)品でラッキー食材、二足歩行、衣服・言語の発明、農業は人類の原罪、ホモ・サピエンス、ネアンデルタール人・・・などなど
多岐にわたり話題を提供し、読者の皆さんの知的好奇心を満足させたいともくろんでおります。
江部康二
2015年06月07日 (日)
こんにちは。
ぱるるさんから、糖質制限食で爪の症状が改善したという興味深いコメントをいただきました。
ありがとうございます。
5kgの減量成功も良かったです。
拙著のご購入も、ありがとうございます。
宮本輝先生の最新の著作
「田園発 港行き自転車」
は読まれましたか?
上下2刊の結構なボリュームですが、私は一気に読みました。
一人一人の普通の善良な人の存在の意味とか、気負わずにゆったりと
丁寧に描写してあり、読後感がほっこりで、おだやかな気分になります。
登場人物は皆いい人で、皆他人のためにそれなりにつくしていて、
それらが最後に富山の街で見事にまとまっていきます。
さて、3~4年前に割れた爪が、糖質制限3ヶ月で根元からしっかり正常の爪が伸びてきたということですが、良かったです。
実は、糖質制限食で、爪の伸びる速度が非常に早くなります。
私や糖質セイゲニストの友人は、今までの倍以上の早さで爪が伸びるので「爪ばっかり切っている」とぼやいてます。
糖質制限食で、全身の血流・代謝がよくなり、タンパク質もしっかり摂取するので爪の発育が良くなるのだと思います。
爪はタンパク質なので、爪の再生には糖質制限食がとてもいいのだと思いますよ。
江部康二
【15/06/07 ぱるる
ゆるゆる頑張っています
江部先生 こんにちは。
いつもブログを拝見しては先生や皆さんの貴重なご意見を参考にさせて いただいています。
先生のご本も何冊か熟読し、にわかセイゲニストとして頑張っています。
(私はテルニストなので対談面白かったです!)
ダイエット目的にスーパー糖質制限をして3ヶ月と少しが経ちました。
当初は100g減ったかと思うと元に戻り、思うように結果がでません。
くじけそうになった時、先生の何かの記事で3ヶ月からと読んだような 気がして自分を奮い立たせました。
そうすると、ここ暫くでゆるゆると体重が落ちてきて、約5キロの減量と なりました。やる気復活で、まだまだ頑張ります。
今日は少し驚いたことがあってコメントさせていただきました。
3~4年前に右手の小指をドアで挟み、爪が正常に生えてこなくなりました。
ギザギザの薄い爪が割れたまま伸び、割れた間の皮膚がむき出しです。
それが、昨日友人と久しぶりにコンサートに行くのに爪の手入れをしていて その小指の爪が根元からしっかりと伸び、ほぼ正常になっているのに気づき ました。もう諦めていたので自分でも驚きました。
また、左手の親指も随分前に端っこが割れて、割れた部分が伸びてくると ひどい痛みが伴っていたのですが、そういえば最近痛みを感じてないかもと、 よく見るとこれも根元の部分がしっかりしてきています。
皮膚科の先生は保湿しなさい、内科の先生は肝臓の機能は悪くはないが、休肝日 を作りなさいとの助言でも全くの進展なし。(あ、酒呑みです!)
どう考えても、この3ヶ月くらいで起こった奇跡のような気がして書かせていただきました。
思いもよらない副産物かもしれません。
先生、こんな事ってあるんでしょうか?不思議です。先ずは御礼いたします。^^】
ぱるるさんから、糖質制限食で爪の症状が改善したという興味深いコメントをいただきました。
ありがとうございます。
5kgの減量成功も良かったです。
拙著のご購入も、ありがとうございます。
宮本輝先生の最新の著作
「田園発 港行き自転車」
は読まれましたか?
上下2刊の結構なボリュームですが、私は一気に読みました。
一人一人の普通の善良な人の存在の意味とか、気負わずにゆったりと
丁寧に描写してあり、読後感がほっこりで、おだやかな気分になります。
登場人物は皆いい人で、皆他人のためにそれなりにつくしていて、
それらが最後に富山の街で見事にまとまっていきます。
さて、3~4年前に割れた爪が、糖質制限3ヶ月で根元からしっかり正常の爪が伸びてきたということですが、良かったです。
実は、糖質制限食で、爪の伸びる速度が非常に早くなります。
私や糖質セイゲニストの友人は、今までの倍以上の早さで爪が伸びるので「爪ばっかり切っている」とぼやいてます。
糖質制限食で、全身の血流・代謝がよくなり、タンパク質もしっかり摂取するので爪の発育が良くなるのだと思います。
爪はタンパク質なので、爪の再生には糖質制限食がとてもいいのだと思いますよ。
江部康二
【15/06/07 ぱるる
ゆるゆる頑張っています
江部先生 こんにちは。
いつもブログを拝見しては先生や皆さんの貴重なご意見を参考にさせて いただいています。
先生のご本も何冊か熟読し、にわかセイゲニストとして頑張っています。
(私はテルニストなので対談面白かったです!)
ダイエット目的にスーパー糖質制限をして3ヶ月と少しが経ちました。
当初は100g減ったかと思うと元に戻り、思うように結果がでません。
くじけそうになった時、先生の何かの記事で3ヶ月からと読んだような 気がして自分を奮い立たせました。
そうすると、ここ暫くでゆるゆると体重が落ちてきて、約5キロの減量と なりました。やる気復活で、まだまだ頑張ります。
今日は少し驚いたことがあってコメントさせていただきました。
3~4年前に右手の小指をドアで挟み、爪が正常に生えてこなくなりました。
ギザギザの薄い爪が割れたまま伸び、割れた間の皮膚がむき出しです。
それが、昨日友人と久しぶりにコンサートに行くのに爪の手入れをしていて その小指の爪が根元からしっかりと伸び、ほぼ正常になっているのに気づき ました。もう諦めていたので自分でも驚きました。
また、左手の親指も随分前に端っこが割れて、割れた部分が伸びてくると ひどい痛みが伴っていたのですが、そういえば最近痛みを感じてないかもと、 よく見るとこれも根元の部分がしっかりしてきています。
皮膚科の先生は保湿しなさい、内科の先生は肝臓の機能は悪くはないが、休肝日 を作りなさいとの助言でも全くの進展なし。(あ、酒呑みです!)
どう考えても、この3ヶ月くらいで起こった奇跡のような気がして書かせていただきました。
思いもよらない副産物かもしれません。
先生、こんな事ってあるんでしょうか?不思議です。先ずは御礼いたします。^^】
2015年06月06日 (土)
こんにちは。
「糖質制限食を実践すると、肉や卵等の動物性タンパク質の摂取量が増え、腸内細菌叢が乱れて、健康に悪影響が出るのではないでしょうか?」
といった質問を患者さんからされることがあります。
確かに、糖質制限食を実践すると相対的に高タンパク・高脂質になります。
動物性タンパク質も糖質制限食ではたっぷり摂取します。
巷で一部言われているように、動物性タンパク質は、人の健康に悪いのでしょうか?
この疑問に答えるべく、「人類本来の食生活とはどんなものなのか?」ということを考えてみると、農耕以前の人類は、そもそも糖質制限食を日常的に摂取していたことに思い至ります。
人類700万年の歴史の中で、農耕が始まってわずか1万年です。
ということは、人類は狩猟・採集時代の700万年間は、木の実・ナッツ・魚貝類・果物・野草・小動物・動物の肉・内臓・骨髄・昆虫などが日常的な食料であり、糖質制限食が本来の食生活でした。
農耕が開始された最近の1万年間だけが穀物を主食としているわけです。
従って、人類の歴史の中で穀物を主食としているのは、わずかな期間に過ぎないことがわかります。
つまり高タンパク・高脂質の糖質制限食は、人類が地上に誕生してから殆どの期間、日常的に摂取していた食生活に戻るだけということになります。
アラスカやグリーンランドのイヌイットの伝統的な食生活は、まさに糖質制限食ですね。マサイ族やモンゴルの遊牧民の伝統的食生活も糖質制限食です。
糖質制限食を続けることによって、血糖値・中性脂肪・HDL-コレステロール・内臓脂肪・血圧が改善し、基本的に血流・代謝すべてが良い方に向きます。
これらはメタボリック・シンドローム(代謝症候群)の指標そのものですが、糖質制限食で全て改善します。
ということは、糖質の過剰摂取こそが、メタボリック・シンドロームの根本要因だったと考えられます。
動物性タンパク質と腸内細菌ですが、人類本来の食生活に戻るわけなので、慣れの問題だけです。
糖質制限食でいったん便秘したり下痢したりする人がいますが、1~3ヶ月で慣れて快便となることが多いです。もちろん当初から便通に問題が生じない人もいます。
糖質制限食を実践すれば、動物性タンパク質の摂取は相対的に増加しますが、人類本来の食生活にもどり代謝全てが安定するので、理論的には健康に良いと考えられます。
次に、高タンパク食と腎機能について考えてみます。
1)日本腎臓病学会編「CKD診療ガイド2013」
腎機能に関して、日本腎臓病学会編「CKD診療ガイド2013」において、
eGFR60ml/分以上あれば顕性たんぱく尿の段階でも、
たんぱく質は過剰な摂取をしないという表現となっていて、制限という記載はなし。
2)米国糖尿病学会の栄養療法に関する声明
米国糖尿病学会(ADA)は、Position Statement on Nutrition Therapy(栄養療法に関する声明)
Diabetes Care 2013年10月9日オンライン版において、
糖尿病腎症患者に対する蛋白質制限の意義を明確に否定。
根拠はランク(A)で、信頼度の高いRCT研究論文に基づく見解。
3)「日本人の食事摂取基準」(2015年、厚生労働省)
「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」 報告書
II 各論
たんぱく質(PDF:1,149KB)
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000042630.pdf
<97ページ>
3─1.耐容上限量の設定
たんぱく質の耐容上限量は、たんぱく質の過剰摂取により生じる健康障害を根拠に設定されなければならない。
しかし現時点では、たんぱく質の耐容上限量を設定し得る明確な根拠となる報告は十分には見当たらない。
そこで、耐容上限量は設定しないこととした。
<98ページ>
4─1─1.たんぱく質と発症予防との関連
たんぱく質の摂取不足が脳卒中のリスクとなる可能性が指摘されており 70)、
疫学的にもたんぱく質摂取量と脳卒中発症率との間に有意な負の関連を認めた研究が存在する 71─73)。
しかし、有意な関連を認めなかった研究もあり 74)、結論はまだ出ていない。
たんぱく質の由来により、心血管危険因子に対するアウトカムや、死亡率に大きな差が見られる。
しかし、一致した見解は得られていない 75,76)。
高齢者の肥満では、内臓脂肪が増加しても筋肉量が減少するため、
BMI では肥満の程度が過小評価されがちである 77─79)。
減量する場合、生活機能を悪化させないように筋肉と骨量の喪失を最小限にする必要があり、
食事療法だけでなく運動療法も考慮しなければならない 80,81)。
健康な人でも、たんぱく質を過剰に摂取すると、
1 週間程度の短期では腎血行動態に変化をもたらして尿中アルブミンが増加するが 82)、
中期的には腎機能へ与える影響はほとんどない 83─85)。
たんぱく質が糖尿病腎症のない糖尿病において、腎症発症リスクになるとする明らかな根拠はない。
しかし、日本人を含む調査によれば、
たんぱく質の過剰摂取が糖尿病や心血管疾患の発症リスク増加につながる可能性がある 86─90)。
たんぱく質エネルギー比率が 20% エネルギーを超えた場合の健康障害として、
糖尿病発症リスクの増加、心血管疾患の増加、がんの発症率の増加、骨量の減少、BMI の増加などが挙げられる。
たんぱく質と糖尿病発症リスクとの関係を認めた研究 91─94)並びに、最近の系統的レビュー 94)では、
これらのどの事象についても明らかな関連を結論することはできないとしながら、
たんぱく質エネルギー比率が 20% エネルギーを超えた場合の安全性は確認できないと述べ、注意を喚起している。
糖質制限食は、高タンパク・高脂質食になりますが
1)により、糖尿病腎症第3期でも、eGFR60ml/分以上なら、蛋白質もある程度しっかり摂取して、糖質制限食OKです。
そして2)により、今後は、糖尿病腎症第3期以降で、eGFRが60ml/分未満の場合も、
患者さんとよく相談して、糖質制限食を実践するか否か、個別に対応することとなります。
3)を検討してみると、結局、現時点では、正常人がタンパク質をたくさん食べて危険という根拠もないけれど、
たくさん食べても安全という根拠もないということですね。
まさに、自分で考えて選択して自己責任で食事療法を実践することとなります。
ちなみに、江部康二は、糖尿病発覚の2002年(52才)からスーパー糖質制限食を開始して、2015年6月(65才)現在まで続けています。
タンパク質の摂取量は、一日あたり130~140gくらいと、普通人よりかなり大量のタンパク質を摂取してます。
体重あたり2.4gのタンパク質ですね。それでも尿酸は低めですし、腎機能に何の問題もありません。
2015年2月の検査データは
BUN:23.3mg/dl(8~20)
クレアチニン:0.63mg/dl(0.6~1.1) eGFR:97.1ml/min./1.73m2
シスタチンC:0.63mg/dl(0.53~0.95) eGFR:120.3ml/min./1.73m2
尿中アルブミン:6.3mg/g・c(30.0未満)
です。
BUNがやや高値ですが、高タンパク食において生理的な現象であり、クレアチニン、シスタチンC、eGFR、尿中微量アルブミンの検査が全て基準値内なので、腎機能に何の問題もありません。
私は、現在は、糖尿病患者さんに対して、糖尿病腎症でeGFRが60mg/分未満でも、個別によく相談して糖質制限食を実践するかどうかを決めています。
A)血糖コントロール良好を保つことは、腎血管と腎機能にはとてもよいことです。
B)eGFRが60mg/分未満の場合、高タンパク食が腎機能に悪影響を与えるか否かは、現在明確ではありません。
eGFRが60mg/分未満の場合、高タンパク食が腎機能を悪化させるという研究もありますが、
エビデンスレベルはかなり弱いのです。あとは、個人差がある可能性があります。
A)B)を考慮しながら、検査結果を経過観察して、糖質制限食を続けるか否かを検討していきます。
江部康二
「糖質制限食を実践すると、肉や卵等の動物性タンパク質の摂取量が増え、腸内細菌叢が乱れて、健康に悪影響が出るのではないでしょうか?」
といった質問を患者さんからされることがあります。
確かに、糖質制限食を実践すると相対的に高タンパク・高脂質になります。
動物性タンパク質も糖質制限食ではたっぷり摂取します。
巷で一部言われているように、動物性タンパク質は、人の健康に悪いのでしょうか?
この疑問に答えるべく、「人類本来の食生活とはどんなものなのか?」ということを考えてみると、農耕以前の人類は、そもそも糖質制限食を日常的に摂取していたことに思い至ります。
人類700万年の歴史の中で、農耕が始まってわずか1万年です。
ということは、人類は狩猟・採集時代の700万年間は、木の実・ナッツ・魚貝類・果物・野草・小動物・動物の肉・内臓・骨髄・昆虫などが日常的な食料であり、糖質制限食が本来の食生活でした。
農耕が開始された最近の1万年間だけが穀物を主食としているわけです。
従って、人類の歴史の中で穀物を主食としているのは、わずかな期間に過ぎないことがわかります。
つまり高タンパク・高脂質の糖質制限食は、人類が地上に誕生してから殆どの期間、日常的に摂取していた食生活に戻るだけということになります。
アラスカやグリーンランドのイヌイットの伝統的な食生活は、まさに糖質制限食ですね。マサイ族やモンゴルの遊牧民の伝統的食生活も糖質制限食です。
糖質制限食を続けることによって、血糖値・中性脂肪・HDL-コレステロール・内臓脂肪・血圧が改善し、基本的に血流・代謝すべてが良い方に向きます。
これらはメタボリック・シンドローム(代謝症候群)の指標そのものですが、糖質制限食で全て改善します。
ということは、糖質の過剰摂取こそが、メタボリック・シンドロームの根本要因だったと考えられます。
動物性タンパク質と腸内細菌ですが、人類本来の食生活に戻るわけなので、慣れの問題だけです。
糖質制限食でいったん便秘したり下痢したりする人がいますが、1~3ヶ月で慣れて快便となることが多いです。もちろん当初から便通に問題が生じない人もいます。
糖質制限食を実践すれば、動物性タンパク質の摂取は相対的に増加しますが、人類本来の食生活にもどり代謝全てが安定するので、理論的には健康に良いと考えられます。
次に、高タンパク食と腎機能について考えてみます。
1)日本腎臓病学会編「CKD診療ガイド2013」
腎機能に関して、日本腎臓病学会編「CKD診療ガイド2013」において、
eGFR60ml/分以上あれば顕性たんぱく尿の段階でも、
たんぱく質は過剰な摂取をしないという表現となっていて、制限という記載はなし。
2)米国糖尿病学会の栄養療法に関する声明
米国糖尿病学会(ADA)は、Position Statement on Nutrition Therapy(栄養療法に関する声明)
Diabetes Care 2013年10月9日オンライン版において、
糖尿病腎症患者に対する蛋白質制限の意義を明確に否定。
根拠はランク(A)で、信頼度の高いRCT研究論文に基づく見解。
3)「日本人の食事摂取基準」(2015年、厚生労働省)
「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」 報告書
II 各論
たんぱく質(PDF:1,149KB)
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000042630.pdf
<97ページ>
3─1.耐容上限量の設定
たんぱく質の耐容上限量は、たんぱく質の過剰摂取により生じる健康障害を根拠に設定されなければならない。
しかし現時点では、たんぱく質の耐容上限量を設定し得る明確な根拠となる報告は十分には見当たらない。
そこで、耐容上限量は設定しないこととした。
<98ページ>
4─1─1.たんぱく質と発症予防との関連
たんぱく質の摂取不足が脳卒中のリスクとなる可能性が指摘されており 70)、
疫学的にもたんぱく質摂取量と脳卒中発症率との間に有意な負の関連を認めた研究が存在する 71─73)。
しかし、有意な関連を認めなかった研究もあり 74)、結論はまだ出ていない。
たんぱく質の由来により、心血管危険因子に対するアウトカムや、死亡率に大きな差が見られる。
しかし、一致した見解は得られていない 75,76)。
高齢者の肥満では、内臓脂肪が増加しても筋肉量が減少するため、
BMI では肥満の程度が過小評価されがちである 77─79)。
減量する場合、生活機能を悪化させないように筋肉と骨量の喪失を最小限にする必要があり、
食事療法だけでなく運動療法も考慮しなければならない 80,81)。
健康な人でも、たんぱく質を過剰に摂取すると、
1 週間程度の短期では腎血行動態に変化をもたらして尿中アルブミンが増加するが 82)、
中期的には腎機能へ与える影響はほとんどない 83─85)。
たんぱく質が糖尿病腎症のない糖尿病において、腎症発症リスクになるとする明らかな根拠はない。
しかし、日本人を含む調査によれば、
たんぱく質の過剰摂取が糖尿病や心血管疾患の発症リスク増加につながる可能性がある 86─90)。
たんぱく質エネルギー比率が 20% エネルギーを超えた場合の健康障害として、
糖尿病発症リスクの増加、心血管疾患の増加、がんの発症率の増加、骨量の減少、BMI の増加などが挙げられる。
たんぱく質と糖尿病発症リスクとの関係を認めた研究 91─94)並びに、最近の系統的レビュー 94)では、
これらのどの事象についても明らかな関連を結論することはできないとしながら、
たんぱく質エネルギー比率が 20% エネルギーを超えた場合の安全性は確認できないと述べ、注意を喚起している。
糖質制限食は、高タンパク・高脂質食になりますが
1)により、糖尿病腎症第3期でも、eGFR60ml/分以上なら、蛋白質もある程度しっかり摂取して、糖質制限食OKです。
そして2)により、今後は、糖尿病腎症第3期以降で、eGFRが60ml/分未満の場合も、
患者さんとよく相談して、糖質制限食を実践するか否か、個別に対応することとなります。
3)を検討してみると、結局、現時点では、正常人がタンパク質をたくさん食べて危険という根拠もないけれど、
たくさん食べても安全という根拠もないということですね。
まさに、自分で考えて選択して自己責任で食事療法を実践することとなります。
ちなみに、江部康二は、糖尿病発覚の2002年(52才)からスーパー糖質制限食を開始して、2015年6月(65才)現在まで続けています。
タンパク質の摂取量は、一日あたり130~140gくらいと、普通人よりかなり大量のタンパク質を摂取してます。
体重あたり2.4gのタンパク質ですね。それでも尿酸は低めですし、腎機能に何の問題もありません。
2015年2月の検査データは
BUN:23.3mg/dl(8~20)
クレアチニン:0.63mg/dl(0.6~1.1) eGFR:97.1ml/min./1.73m2
シスタチンC:0.63mg/dl(0.53~0.95) eGFR:120.3ml/min./1.73m2
尿中アルブミン:6.3mg/g・c(30.0未満)
です。
BUNがやや高値ですが、高タンパク食において生理的な現象であり、クレアチニン、シスタチンC、eGFR、尿中微量アルブミンの検査が全て基準値内なので、腎機能に何の問題もありません。
私は、現在は、糖尿病患者さんに対して、糖尿病腎症でeGFRが60mg/分未満でも、個別によく相談して糖質制限食を実践するかどうかを決めています。
A)血糖コントロール良好を保つことは、腎血管と腎機能にはとてもよいことです。
B)eGFRが60mg/分未満の場合、高タンパク食が腎機能に悪影響を与えるか否かは、現在明確ではありません。
eGFRが60mg/分未満の場合、高タンパク食が腎機能を悪化させるという研究もありますが、
エビデンスレベルはかなり弱いのです。あとは、個人差がある可能性があります。
A)B)を考慮しながら、検査結果を経過観察して、糖質制限食を続けるか否かを検討していきます。
江部康二
2015年06月05日 (金)
【15/06/04 しらねのぞるば
糖尿病学会はSGLT2阻害薬を推奨?
SGLT2阻害薬の売り上げが期待通りに伸びないことにしびれを切らして糖尿病学会の重鎮が,こんな記事を書いています.
『専門医が率先しSGLT2阻害薬の有用性を検証すべき』
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/flash/jds2015/201506/542314.html
記事では,日本でのSGLT2阻害薬の処方実績が米国の1/10であることをけしからんとしていますが,そもそも高度肥満の多い米国糖尿病患者と,そうではない日本とでは適応範囲が異なるのは当たり前のことなのに,『日本でも米国並みに使え』というのは乱暴です.
また,日本での皮膚疾患副作用発生率が20%以上なのは,
『そんなに発生するわけがない.診断した医師にバイアスがかかっている』
とまで決めつけています.
結論として,もっとSGLT2阻害薬を使って,製薬会社の売り上げ向上に寄与しなさいという『指示』なのですが,現場の医師は初期副作用のあまりの多さに投与に慎重になっているわけで,これを学会の威光で強制するのは人体実験なのではないでしょうか.
短期・中長期の安全性にこれほど不安を持たれているSGLT2阻害薬を『もっと使え』と言う一方で,今年の下関での年次学術集会では,食事療法に関するシンポジウムで,糖質制限食への不安をかきたてる発表を行うなど,学会の基準はDouble Standardです.】
こんにちは。
『専門医が率先しSGLT2阻害薬の有用性を検証すべき』という日経メディカルの記事について、しらねのぞるばさんから、コメントを頂きました。ありがとうございます。
しらねのぞるば さん
全く同感です。
SGLT2阻害薬を飲んで、毎日強制的に60~100gのブドウ糖を尿中に排泄させるなら、 最初から糖質制限しておけば、そんな薬は必要ないわけです。
副作用が明らかに多くて死亡例も複数でたため、糖尿病学会そのものが、使用注意の緊急勧告を2回も出した薬であることを 忘れて、SGLT2阻害薬を『もっと使え』とは、この糖尿病学会重鎮氏、困ったものです。
【新型糖尿病薬服用、10人死亡 厚労省、適切使用指示へ
朝日新聞デジタル
田内康介2015年1月9日
新糖尿病治療薬の副作用報告
昨年4月以降に相次いで発売された新型の糖尿病治療薬を服用した患者10人が死亡していたことが、各製薬会社による副作用調査でわかった。因果関係は必ずしも明確でないが、脱水症を招き死亡につながったとみられる事例もあった。厚生労働省は適切な使用を呼びかけるため、添付文書を改訂するよう各社に指示する方針。
新薬は「SGLT2阻害薬」で、生活習慣が原因で患者数が多い2型糖尿病が対象。インスリンの分泌を促す従来の薬とちがい、尿中の糖を体内に吸収させるたんぱく質の働きを邪魔し、体外に出して血糖値を下げる。利尿作用があり、体重を減らす効果もあるとして注目されている。昨年4月以降、国内で6製品が販売され、専門家によると10万人以上が服用していると推定される。
朝日新聞が各社の調査を集計したところ、約3700人で約4800件の副作用報告があった。うち重篤なものは皮膚障害、尿路感染症、脱水症など630件で、10人が死亡していた。副作用報告は因果関係にかかわらず幅広く届けられる。】
朝日新聞デジタル版に「新型糖尿病薬服用、10人死亡 厚労省、適切使用指示へ」という記事が載ったのは記憶に新しいところです。
新型糖尿病内服薬とは「SGLT2阻害薬」のことです。
2014年4月に鳴り物入りで発売したものの、 いきなり死亡例が出て6月と8月に勧告(☆)ですから、さしもの日本糖尿病学会も事態の深刻さには気がついて、 対応は早かったと思います。
しかし、勧告後にも死亡例が相次いだことになります。
6月や8月の勧告にあるように 本来SGLT2阻害薬は、ごく限られた症例に使うべき薬剤です。
また、利尿剤との併用は推奨されないどころか禁忌と思います。
降圧剤の合剤で、利尿剤を含んでいるものもあるので、注意が必要です。
4月の発売時に、勧告レベルの注意喚起をしていれば、これほど重篤な副作用が多発することはなかったと思われますので 、やはり日本糖尿病学会の責任は重いと思います。
学会のプレスリリースにしても「夢の新薬」のようなイメージでした。
これにマスコミが安易に飛びつき、多くの糖尿病患者さんが偏った情報を鵜呑みにしてしまいました。
夢の新薬のように登場したSGLT2阻害薬ですが、そんなええもんではなかったということです。
今まで、SGLT2阻害薬は症例を絞って(若い人、脱水予防できる人、利尿剤を飲んでない人・・・)、短期間投与にとどめるべき薬と強調してきました。
私自身も糖毒解除のために短期間処方することがあります。
SGLT2阻害薬投与により、
空腹時血糖値は30~ 40mg/dL、
食後2時間血糖値はおよそ60mg/dL
下がるくらいの効果が期待できるので糖毒解除には便利な薬剤と思います。
しかし短期間にとどめるべき薬剤ということは変わりません。
江部康二
(☆)
以下は、日本糖尿病学会のサイトから抜粋です。
http://www.jds.or.jp/common/fckeditor/editor/filemanager/connectors/php/transfer.php?file=/uid000025_7265636F6D6D656E646174696F6E5F53474C54322E706466
SGLT2阻害薬の適正使用に関するRecommendation
策定:2014年6月13日
改訂:2014年8月29日
我が国で最初のSGLT2阻害薬が2014年4月17日発売され、続いて5月23日に新たにSGLT2阻害薬3剤が発売された。本薬剤は新しい作用機序を有する2型糖尿病薬であるが、治験の際に低血糖など糖尿病薬に共通する副作用に加えて、尿路・性器感染症など本薬剤に特徴的な副作用が認められていた。
加えて、本薬が広汎で複雑な代謝や循環への影響をきたしうることから、発売前から重篤なものを含む多様な副作用発症への懸念が持たれていた。発売開始から1ヶ月間の副作用報告を受け、重篤な副作用の懸念のうち、残念ながらいくつかが現実化したことを踏まえ、「SGLT2阻害薬の適正使用に関する委員会」を発足させ、検討を行い、6月13日に「SGLT2阻害薬の適正使用に関するRecommendation」を策定し公表した。
このたび、最初の副作用報告から2ヶ月半経過し新たな3剤の副作用報告も踏まえ最新の情報に基づき改訂を加えた。
8月17日の時点での各製剤の副作用報告によれば、予想された副作用である尿路・性器感染症に加え、重症低血糖、ケトアシドーシス、脳梗塞、全身性皮疹などの重篤な副作用がさらに増加している。
この中には、現時点では必ずしも因果関係が明らかでないものも含まれているが、多くが当初より懸念された副作用であることから、本委員会としては、これらの副作用情報をさらに広く共有することにより、今後、副作用のさらなる拡大を未然に防止することが必要と考え以下のRecommendationおよび具体的副作用事例とその対策を報告する。
Recommendation
1.インスリンやSU 薬等インスリン分泌促進薬と併用する場合には、低血糖に十分留意して、それらの用量を減じる(方法については下記参照)。インスリンとの併用は治験で安全性が検討されていないことから特に注意が必要である。患者にも低血糖に関する教育を十分行うこと。
2.高齢者への投与は、慎重に適応を考えたうえで開始する。発売から3ヶ月間に65歳以上の患者に投与する場合には、全例登録すること。
3.脱水防止について患者への説明も含めて十分に対策を講じること。利尿薬との併用は推奨されない。
4.発熱・下痢・嘔吐などがあるときないしは食思不振で食事が十分摂れないような場合(シックデイ)には必ず休薬する。
5.本剤投与後、薬疹を疑わせる紅斑などの皮膚症状が認められた場合には速やかに投与を中止し、皮膚科にコンサルテーションすること。また、必ず副作用報告を行うこと。
6.尿路感染・性器感染については、適宜問診・検査を行って、発見に努めること。問診では質問紙の活用も推奨される。発見時には、泌尿器科、婦人科にコンサルテーションすること。
7.原則として、本剤は当面他に2剤程度までの併用が推奨される。
以上、SGLT2阻害薬が発売されてから約3か月半の副作用情報を踏まえ、その使用にあたっての重要な注意喚起を行った。本薬剤は適応を十分に考慮した上で、添付文書に示されている安全性情報に十分な注意を払い、また本Recommendationを十分に踏まえて、特に安全性を最優先して適正使用されるべき薬剤である。
発売日から3ヵ月間に本剤を服用した高齢者(65歳以上)では全例の特定使用成績調査が定められており、是非ともそれに則った使用が推奨される。尚、本委員会は継続的にSGLT2阻害薬の安全性情報を収集・分析し、必要は注意喚起を行っていく。
「SGLT2阻害薬の適正使用に関する委員会」
京都大学大学院医学研究科 糖尿病・内分泌・栄養内科学 稲垣暢也
東京大学大学院医学系研究科 分子糖尿病科学 植木浩二郎
川崎医科大学 総合内科学1 加来浩平
東京大学大学院医学系研究科 糖尿病・代謝内科 門脇孝
関西電力病院 清野裕
旭川医科大学内科学講座病態代謝内科学分野羽田勝計
東京大学大学院医学系研究科皮膚科学 佐藤伸一
糖尿病学会はSGLT2阻害薬を推奨?
SGLT2阻害薬の売り上げが期待通りに伸びないことにしびれを切らして糖尿病学会の重鎮が,こんな記事を書いています.
『専門医が率先しSGLT2阻害薬の有用性を検証すべき』
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/flash/jds2015/201506/542314.html
記事では,日本でのSGLT2阻害薬の処方実績が米国の1/10であることをけしからんとしていますが,そもそも高度肥満の多い米国糖尿病患者と,そうではない日本とでは適応範囲が異なるのは当たり前のことなのに,『日本でも米国並みに使え』というのは乱暴です.
また,日本での皮膚疾患副作用発生率が20%以上なのは,
『そんなに発生するわけがない.診断した医師にバイアスがかかっている』
とまで決めつけています.
結論として,もっとSGLT2阻害薬を使って,製薬会社の売り上げ向上に寄与しなさいという『指示』なのですが,現場の医師は初期副作用のあまりの多さに投与に慎重になっているわけで,これを学会の威光で強制するのは人体実験なのではないでしょうか.
短期・中長期の安全性にこれほど不安を持たれているSGLT2阻害薬を『もっと使え』と言う一方で,今年の下関での年次学術集会では,食事療法に関するシンポジウムで,糖質制限食への不安をかきたてる発表を行うなど,学会の基準はDouble Standardです.】
こんにちは。
『専門医が率先しSGLT2阻害薬の有用性を検証すべき』という日経メディカルの記事について、しらねのぞるばさんから、コメントを頂きました。ありがとうございます。
しらねのぞるば さん
全く同感です。
SGLT2阻害薬を飲んで、毎日強制的に60~100gのブドウ糖を尿中に排泄させるなら、 最初から糖質制限しておけば、そんな薬は必要ないわけです。
副作用が明らかに多くて死亡例も複数でたため、糖尿病学会そのものが、使用注意の緊急勧告を2回も出した薬であることを 忘れて、SGLT2阻害薬を『もっと使え』とは、この糖尿病学会重鎮氏、困ったものです。
【新型糖尿病薬服用、10人死亡 厚労省、適切使用指示へ
朝日新聞デジタル
田内康介2015年1月9日
新糖尿病治療薬の副作用報告
昨年4月以降に相次いで発売された新型の糖尿病治療薬を服用した患者10人が死亡していたことが、各製薬会社による副作用調査でわかった。因果関係は必ずしも明確でないが、脱水症を招き死亡につながったとみられる事例もあった。厚生労働省は適切な使用を呼びかけるため、添付文書を改訂するよう各社に指示する方針。
新薬は「SGLT2阻害薬」で、生活習慣が原因で患者数が多い2型糖尿病が対象。インスリンの分泌を促す従来の薬とちがい、尿中の糖を体内に吸収させるたんぱく質の働きを邪魔し、体外に出して血糖値を下げる。利尿作用があり、体重を減らす効果もあるとして注目されている。昨年4月以降、国内で6製品が販売され、専門家によると10万人以上が服用していると推定される。
朝日新聞が各社の調査を集計したところ、約3700人で約4800件の副作用報告があった。うち重篤なものは皮膚障害、尿路感染症、脱水症など630件で、10人が死亡していた。副作用報告は因果関係にかかわらず幅広く届けられる。】
朝日新聞デジタル版に「新型糖尿病薬服用、10人死亡 厚労省、適切使用指示へ」という記事が載ったのは記憶に新しいところです。
新型糖尿病内服薬とは「SGLT2阻害薬」のことです。
2014年4月に鳴り物入りで発売したものの、 いきなり死亡例が出て6月と8月に勧告(☆)ですから、さしもの日本糖尿病学会も事態の深刻さには気がついて、 対応は早かったと思います。
しかし、勧告後にも死亡例が相次いだことになります。
6月や8月の勧告にあるように 本来SGLT2阻害薬は、ごく限られた症例に使うべき薬剤です。
また、利尿剤との併用は推奨されないどころか禁忌と思います。
降圧剤の合剤で、利尿剤を含んでいるものもあるので、注意が必要です。
4月の発売時に、勧告レベルの注意喚起をしていれば、これほど重篤な副作用が多発することはなかったと思われますので 、やはり日本糖尿病学会の責任は重いと思います。
学会のプレスリリースにしても「夢の新薬」のようなイメージでした。
これにマスコミが安易に飛びつき、多くの糖尿病患者さんが偏った情報を鵜呑みにしてしまいました。
夢の新薬のように登場したSGLT2阻害薬ですが、そんなええもんではなかったということです。
今まで、SGLT2阻害薬は症例を絞って(若い人、脱水予防できる人、利尿剤を飲んでない人・・・)、短期間投与にとどめるべき薬と強調してきました。
私自身も糖毒解除のために短期間処方することがあります。
SGLT2阻害薬投与により、
空腹時血糖値は30~ 40mg/dL、
食後2時間血糖値はおよそ60mg/dL
下がるくらいの効果が期待できるので糖毒解除には便利な薬剤と思います。
しかし短期間にとどめるべき薬剤ということは変わりません。
江部康二
(☆)
以下は、日本糖尿病学会のサイトから抜粋です。
http://www.jds.or.jp/common/fckeditor/editor/filemanager/connectors/php/transfer.php?file=/uid000025_7265636F6D6D656E646174696F6E5F53474C54322E706466
SGLT2阻害薬の適正使用に関するRecommendation
策定:2014年6月13日
改訂:2014年8月29日
我が国で最初のSGLT2阻害薬が2014年4月17日発売され、続いて5月23日に新たにSGLT2阻害薬3剤が発売された。本薬剤は新しい作用機序を有する2型糖尿病薬であるが、治験の際に低血糖など糖尿病薬に共通する副作用に加えて、尿路・性器感染症など本薬剤に特徴的な副作用が認められていた。
加えて、本薬が広汎で複雑な代謝や循環への影響をきたしうることから、発売前から重篤なものを含む多様な副作用発症への懸念が持たれていた。発売開始から1ヶ月間の副作用報告を受け、重篤な副作用の懸念のうち、残念ながらいくつかが現実化したことを踏まえ、「SGLT2阻害薬の適正使用に関する委員会」を発足させ、検討を行い、6月13日に「SGLT2阻害薬の適正使用に関するRecommendation」を策定し公表した。
このたび、最初の副作用報告から2ヶ月半経過し新たな3剤の副作用報告も踏まえ最新の情報に基づき改訂を加えた。
8月17日の時点での各製剤の副作用報告によれば、予想された副作用である尿路・性器感染症に加え、重症低血糖、ケトアシドーシス、脳梗塞、全身性皮疹などの重篤な副作用がさらに増加している。
この中には、現時点では必ずしも因果関係が明らかでないものも含まれているが、多くが当初より懸念された副作用であることから、本委員会としては、これらの副作用情報をさらに広く共有することにより、今後、副作用のさらなる拡大を未然に防止することが必要と考え以下のRecommendationおよび具体的副作用事例とその対策を報告する。
Recommendation
1.インスリンやSU 薬等インスリン分泌促進薬と併用する場合には、低血糖に十分留意して、それらの用量を減じる(方法については下記参照)。インスリンとの併用は治験で安全性が検討されていないことから特に注意が必要である。患者にも低血糖に関する教育を十分行うこと。
2.高齢者への投与は、慎重に適応を考えたうえで開始する。発売から3ヶ月間に65歳以上の患者に投与する場合には、全例登録すること。
3.脱水防止について患者への説明も含めて十分に対策を講じること。利尿薬との併用は推奨されない。
4.発熱・下痢・嘔吐などがあるときないしは食思不振で食事が十分摂れないような場合(シックデイ)には必ず休薬する。
5.本剤投与後、薬疹を疑わせる紅斑などの皮膚症状が認められた場合には速やかに投与を中止し、皮膚科にコンサルテーションすること。また、必ず副作用報告を行うこと。
6.尿路感染・性器感染については、適宜問診・検査を行って、発見に努めること。問診では質問紙の活用も推奨される。発見時には、泌尿器科、婦人科にコンサルテーションすること。
7.原則として、本剤は当面他に2剤程度までの併用が推奨される。
以上、SGLT2阻害薬が発売されてから約3か月半の副作用情報を踏まえ、その使用にあたっての重要な注意喚起を行った。本薬剤は適応を十分に考慮した上で、添付文書に示されている安全性情報に十分な注意を払い、また本Recommendationを十分に踏まえて、特に安全性を最優先して適正使用されるべき薬剤である。
発売日から3ヵ月間に本剤を服用した高齢者(65歳以上)では全例の特定使用成績調査が定められており、是非ともそれに則った使用が推奨される。尚、本委員会は継続的にSGLT2阻害薬の安全性情報を収集・分析し、必要は注意喚起を行っていく。
「SGLT2阻害薬の適正使用に関する委員会」
京都大学大学院医学研究科 糖尿病・内分泌・栄養内科学 稲垣暢也
東京大学大学院医学系研究科 分子糖尿病科学 植木浩二郎
川崎医科大学 総合内科学1 加来浩平
東京大学大学院医学系研究科 糖尿病・代謝内科 門脇孝
関西電力病院 清野裕
旭川医科大学内科学講座病態代謝内科学分野羽田勝計
東京大学大学院医学系研究科皮膚科学 佐藤伸一
2015年06月04日 (木)
こんばんは。
ニュースポストセブンのサイトに
『糖尿病死亡率が最も高い徳島 県民の糖分摂り過ぎ指摘される』
という記事が載りました。
misako さんから、コメントいただきました。
ありがとうございます。
徳島大学大学院心臓血管病態医学分野の島袋充生特任教授は、糖尿病の死亡率が最も高い要因として「肥満」と「糖質摂取」を指摘しています。
島袋氏によると
「徳島の人はお米をよく食べる上に砂糖の摂取が全国でトップクラス。
ご飯に砂糖をかけて食べている地域があるほどです。
全国で饅頭のあんこの量を比較すると、徳島が断トツに多いという調査もある。
甘党の県民性があるようです」
ご飯に砂糖とか、徳島ラーメンをおかずにご飯を食べるとか、掟破りの『ダブル炭水化物』連発ですね。 (→ο←)
上記のように島袋先生、大変いい線をついておられるのですが、『ダブル炭水化物』に対して、阿波踊り体操だけでは、焼け石に水でしょう。( ̄_ ̄|||)
「運動が増えている傾向はあるが、20~30年の生活習慣の結果である糖尿病が減るには、10年程度で明らかな改善は出ません。気長に、地道に取り組んでいくしかないでしょう」
そんな気長に構えていては、糖尿死亡率が全国一位の汚名をそそぐことは困難です。
徳島県民あげて「糖質制限食」に取り組めば、合併症は激減して、糖尿病死亡率も、ものの数年レベルで劇的に改善すると思われます。
島袋先生、糖質が悪いことが明らかなら、是非徳島県に糖質制限食を導入・普及させて欲しいですね。
徳島県も県民のために「糖質制限食」の本を大量に購入して配布すれば、私もとても嬉しいのですが・・・。(^^)
江部康二
☆☆☆
[ニュースポストセブン
http://www.news-postseven.com/archives/20150529_321690.html
糖尿病死亡率が最も高い徳島 県民の糖分摂り過ぎ指摘される
2015.05.29
都道府県によってがんや糖尿病などの死亡率に差が出るのはどうしてか。
厚労省の統計データなどをもとに、「健康格差」を徹底調査した。
糖尿病死亡率が最も高い徳島県は1993年から2013年まで、2007年を除いてワースト1位を記録し続けている。
その要因として、徳島大学大学院心臓血管病態医学分野の島袋充生特任教授は
「肥満」と「糖質摂取」を指摘する。
【糖尿病死亡率】
1位 徳島 17.6
2位 香川 17.4
3位 福島 16.2
↓
↓
↓
45位 愛知 8.3
46位 滋賀 7.3
47位 神奈川 7.1
※人口10万対、厚労省「2013年人口動態統計」より
「BMI25以上の肥満者の割合で比べると、徳島は沖縄、北海道に次いで全国で3番目に多い。しかし、沖縄の糖尿病発症率は低い。両者の違いは食事の仕方です。沖縄は総摂取カロリーに占める脂質の割合が高いが、お米をあまり食べないので総カロリーは増えない。
一方、徳島の人はお米をよく食べる上に砂糖の摂取が全国でトップクラス。ご飯に砂糖をかけて食べている地域があるほどです。全国で饅頭のあんこの量を比較すると、徳島が断トツに多いという調査もある。甘党の県民性があるようです」(島袋氏)
そうした現状を受け、徳島県は05年に「糖尿病緊急事態宣言」を発令。県民に運動や野菜摂取を勧めてきた。
「運動習慣がない人に向けて、阿波踊り体操を普及・啓発しています。座ったままできるものなど8バージョンあり、徳島県民にはなじみのあるリズムなので、生活の中に取り入れやすい面があると思います」(徳島県健康増進課)
そうした取り組みの成果が出るにはまだ時間がかかると前出・島袋氏はいう。
「運動が増えている傾向はあるが、20~30年の生活習慣の結果である糖尿病が減るには、10年程度で明らかな改善は出ません。気長に、地道に取り組んでいくしかないでしょう」
※SAPIO2015年6月号]
ニュースポストセブンのサイトに
『糖尿病死亡率が最も高い徳島 県民の糖分摂り過ぎ指摘される』
という記事が載りました。
misako さんから、コメントいただきました。
ありがとうございます。
徳島大学大学院心臓血管病態医学分野の島袋充生特任教授は、糖尿病の死亡率が最も高い要因として「肥満」と「糖質摂取」を指摘しています。
島袋氏によると
「徳島の人はお米をよく食べる上に砂糖の摂取が全国でトップクラス。
ご飯に砂糖をかけて食べている地域があるほどです。
全国で饅頭のあんこの量を比較すると、徳島が断トツに多いという調査もある。
甘党の県民性があるようです」
ご飯に砂糖とか、徳島ラーメンをおかずにご飯を食べるとか、掟破りの『ダブル炭水化物』連発ですね。 (→ο←)
上記のように島袋先生、大変いい線をついておられるのですが、『ダブル炭水化物』に対して、阿波踊り体操だけでは、焼け石に水でしょう。( ̄_ ̄|||)
「運動が増えている傾向はあるが、20~30年の生活習慣の結果である糖尿病が減るには、10年程度で明らかな改善は出ません。気長に、地道に取り組んでいくしかないでしょう」
そんな気長に構えていては、糖尿死亡率が全国一位の汚名をそそぐことは困難です。
徳島県民あげて「糖質制限食」に取り組めば、合併症は激減して、糖尿病死亡率も、ものの数年レベルで劇的に改善すると思われます。
島袋先生、糖質が悪いことが明らかなら、是非徳島県に糖質制限食を導入・普及させて欲しいですね。
徳島県も県民のために「糖質制限食」の本を大量に購入して配布すれば、私もとても嬉しいのですが・・・。(^^)
江部康二
☆☆☆
[ニュースポストセブン
http://www.news-postseven.com/archives/20150529_321690.html
糖尿病死亡率が最も高い徳島 県民の糖分摂り過ぎ指摘される
2015.05.29
都道府県によってがんや糖尿病などの死亡率に差が出るのはどうしてか。
厚労省の統計データなどをもとに、「健康格差」を徹底調査した。
糖尿病死亡率が最も高い徳島県は1993年から2013年まで、2007年を除いてワースト1位を記録し続けている。
その要因として、徳島大学大学院心臓血管病態医学分野の島袋充生特任教授は
「肥満」と「糖質摂取」を指摘する。
【糖尿病死亡率】
1位 徳島 17.6
2位 香川 17.4
3位 福島 16.2
↓
↓
↓
45位 愛知 8.3
46位 滋賀 7.3
47位 神奈川 7.1
※人口10万対、厚労省「2013年人口動態統計」より
「BMI25以上の肥満者の割合で比べると、徳島は沖縄、北海道に次いで全国で3番目に多い。しかし、沖縄の糖尿病発症率は低い。両者の違いは食事の仕方です。沖縄は総摂取カロリーに占める脂質の割合が高いが、お米をあまり食べないので総カロリーは増えない。
一方、徳島の人はお米をよく食べる上に砂糖の摂取が全国でトップクラス。ご飯に砂糖をかけて食べている地域があるほどです。全国で饅頭のあんこの量を比較すると、徳島が断トツに多いという調査もある。甘党の県民性があるようです」(島袋氏)
そうした現状を受け、徳島県は05年に「糖尿病緊急事態宣言」を発令。県民に運動や野菜摂取を勧めてきた。
「運動習慣がない人に向けて、阿波踊り体操を普及・啓発しています。座ったままできるものなど8バージョンあり、徳島県民にはなじみのあるリズムなので、生活の中に取り入れやすい面があると思います」(徳島県健康増進課)
そうした取り組みの成果が出るにはまだ時間がかかると前出・島袋氏はいう。
「運動が増えている傾向はあるが、20~30年の生活習慣の結果である糖尿病が減るには、10年程度で明らかな改善は出ません。気長に、地道に取り組んでいくしかないでしょう」
※SAPIO2015年6月号]
2015年06月03日 (水)
こんにちは。
糖質制限ドットコムのあらてつさんより、糖質制限ロールケーキ、リニューアルのお知らせが来ました。
糖質制限ロールケーキは、私の依頼で、日本で初めて糖質制限スイーツを作ってくださった、京都西院、菓子職人の稲井シェフが、3年の構想の果てに完成させ、2012年の10月から発売となったものです。
発売以来、常に人気商品のトップテンにランク入りするそうですから、糖尿人の皆さん、ロールケーキが本当にお好きなんですね(^_^;)
その人気の糖質制限ロールケーキが、この度リニューアルしたとのことです。

「極旨ダブルショコラロール」は「濃厚ショコラ・ティラミスロール」に、「贅沢ナッツロール」は「満足ナッツショコラロール」にと変わりました。
この新しいロールケーキ、試作の段階から何度も食べましたが、何も言われずに出されれば、糖質制限のロールケーキだと分からない完成度だと思います(^-^)v(^-^)v
このようなロールケーキを完成させてくれた稲井シェフに、大きな感謝を送りたいと思います。m(_ _)mVV

糖尿人、メタボ人、ダイエッターの皆さん、是非一度お試しあれ。
江部康二
詳細と販売はこちらになります。
糖質オフ ロールケーキ
http://www.toushitsuseigen.com/products/detail63.html
糖質制限ドットコムのあらてつさんより、糖質制限ロールケーキ、リニューアルのお知らせが来ました。
糖質制限ロールケーキは、私の依頼で、日本で初めて糖質制限スイーツを作ってくださった、京都西院、菓子職人の稲井シェフが、3年の構想の果てに完成させ、2012年の10月から発売となったものです。
発売以来、常に人気商品のトップテンにランク入りするそうですから、糖尿人の皆さん、ロールケーキが本当にお好きなんですね(^_^;)
その人気の糖質制限ロールケーキが、この度リニューアルしたとのことです。

「極旨ダブルショコラロール」は「濃厚ショコラ・ティラミスロール」に、「贅沢ナッツロール」は「満足ナッツショコラロール」にと変わりました。
この新しいロールケーキ、試作の段階から何度も食べましたが、何も言われずに出されれば、糖質制限のロールケーキだと分からない完成度だと思います(^-^)v(^-^)v
このようなロールケーキを完成させてくれた稲井シェフに、大きな感謝を送りたいと思います。m(_ _)mVV

糖尿人、メタボ人、ダイエッターの皆さん、是非一度お試しあれ。
江部康二
詳細と販売はこちらになります。
糖質オフ ロールケーキ
http://www.toushitsuseigen.com/products/detail63.html