2015年05月30日 (土)
米国糖尿病食事療法の変遷
<インスリン発見前>
1900年代初期までは米国では糖尿病治療食としては、糖質制限食が主流でし た。
それも、ほぼスーパー糖質制限食です。おそら くヨーロッパでも同様で あった思われます。
この頃すでに、食後血糖値を上昇させるのは、3大栄養素 のなかで主として糖質であるという ことが、認識されていたからです。
当時 は血糖値の測定はまだあまり一般的でなかったたので、もっぱら尿糖を検査し ていました。
尿糖が でない食事療法が糖尿病治療において優れているとさ れ、それが糖質制限食でした。
個人差はありますが尿に糖が出始めるのは、血 糖値が 170~180mg/dLを超えたときですので、当時としてはなかなか良い指標 でした。
例えば、糖尿病学の父と呼ばれるエリオット・ジョスリン医師が執筆した「ジョスリン糖尿病学」の初版は1916年出版ですが、 炭水化物は総摂取カロ リーの20%が標準と記載してあります。
このころ1型糖尿病は、診断後平均余 命6ヶ月の致命的な病気でした。
そ の1型糖尿病患者に、フレデリック・アレ ン医師の考案した「飢餓療法(炭水化物をほとんど含まない400kcal/日てい どの食 事)」が適用されて、極端な低カロリー食で、寿命を数ヶ月から1~2 年、まれに3年延ばしましたが、結局は致命的な疾患でした。
飢餓療法が一定の 効果をあげたのは、内因性インスリンゼロの1型糖尿病においては、糖質が直接血糖値を上昇させると共に、タンパク質も間接的に糖新生により血糖値を 上昇させることが関与していたと考えられます。
ちなみにジョスリン医師とア レン医師は、ハーバード大学医学 部の同窓生で良い友人でした。
<インスリン抽出以後>
1921年にカナダの整形外科医フレデリック・バンティングと医学生チャール ズ・ベストがインスリンの抽出に初めて成功しまし た。
トロント総合病院に おいて、1922年に当時14才の1型糖尿病患者(レナード・トンプスン少年)に 初めて注射し、血糖コント ロールに成功しました。
1型糖尿病はインスリン の登場までは、致命的な病気でしたが、インスリンにより生命を保つことが可 能となりました。
その後、インスリンを注射しておけば糖質を摂取しても血 糖値が上昇しないことが、徐々に周知されるようになりました。
その結果、 正常人なみに糖質を食べても、インスリンさえ打っておけばいいという流れと なっていき、1型においても2型においても、米国糖尿人の糖質摂取量は徐々に増えていきました。
<ADA(米国糖尿病学会)食事療法ガイドラインの変遷など>
ADA(米国糖尿病学会)ガイドラインが初めて制定されたのが1950年です。
上 述の流れを受けて、第一回目のガイドライン制 定時には、ADAは総摂取カロ リーに対して、炭水化物の摂取量を以前より増やしました。
1950年のガイドラ インでは炭水化物40% を推奨。
1971年のガイドラインでは炭水化物45%に増えました。
1986年のガイドライン でさらに炭水化物60%と増加。
1994 年のガイドラインでは、総摂取カロリー に対してタンパク質10~20%という規定がありますが、炭水化物・脂質の規定 はなくなりまし た。
1994年のガイドラインの時、オリーブオイルたっぷりの 地中海食も選択肢に加わわりました。
1994年以降、ガイドラインでは 炭水化 物と脂肪のカロリー比を固定しなくなりました。
1993年に発表された米国の1 型糖尿病研究・DCCTにおいて、糖質管理食 (カーボカウント)が成功を収め たことから、欧米では、糖質管理食が、1型糖尿病患者を中心に広まっていき ました。
1997年版米国 糖尿病学会の患者用テキストブックには
「糖質は 100%、タンパク質が50%、脂質が10%未満血糖に変わる」
とされていましたが、 2004年版では
「血糖値を上昇させるのは、糖質だけで、タンパク質・脂 質は上昇させない」
という記載に変更されました。
2005 年、ボストンのジョ スリン糖尿病センターは、炭水化物の推奨量を40%に下げました(Joslin Diabetes Mellitus 第14版、2005年、616ページ)。
ジョスリン糖尿病セン ターは、全米で最も評価の高い糖尿病治療センターの一つです。
<近年のADA(米国糖尿病学会)の、「食事療法に関する声明」の変遷>
2007年までは、ADA(米国糖尿病学会)は、食事療法において、糖質制限食は 推奨しないとしていました。
ADA(米国糖尿 病学会)の「食事療法に関する声 明2008」において「糖質のモニタリングは血糖管理の鍵となる」とランクAで 推奨され、「減量が望 まれる糖尿病患者には低カロリー食、もしくは低炭水 化物食によるダイエットが推奨される」と低糖質食を一定支持する見解が初めてだされました。
さらに2013年10月のADA(米国糖尿病学会)の、成人糖尿病 患者の食事療法に関する声明(Position Statement on Nutrition Therapy) では、全ての糖尿病患者に適した唯一無二の食事パターンは存在しないとの見 解を表明しました。
そして、患者ごとにさまざまな食事パターン 〔地中海 食,ベジタリアン食,糖質制限食,低脂質食,DASH(Dietary Approaches to Stop Hypertension)食〕が受容可能であるとしています。
糖質制限食も正式 に認められています。
このADAの見解は、1969年の食品交換表第2版 以降、 2013年の第7版まで、40年以上一貫して唯一無二のカロリー制限食を推奨し続 けている日本糖尿病学会への痛烈な批判となっ ています。
ADAの「食事療法に 関する声明2013」、糖質制限食にとって、大きな追い風となりました。
<インスリン発見前>
1900年代初期までは米国では糖尿病治療食としては、糖質制限食が主流でし た。
それも、ほぼスーパー糖質制限食です。おそら くヨーロッパでも同様で あった思われます。
この頃すでに、食後血糖値を上昇させるのは、3大栄養素 のなかで主として糖質であるという ことが、認識されていたからです。
当時 は血糖値の測定はまだあまり一般的でなかったたので、もっぱら尿糖を検査し ていました。
尿糖が でない食事療法が糖尿病治療において優れているとさ れ、それが糖質制限食でした。
個人差はありますが尿に糖が出始めるのは、血 糖値が 170~180mg/dLを超えたときですので、当時としてはなかなか良い指標 でした。
例えば、糖尿病学の父と呼ばれるエリオット・ジョスリン医師が執筆した「ジョスリン糖尿病学」の初版は1916年出版ですが、 炭水化物は総摂取カロ リーの20%が標準と記載してあります。
このころ1型糖尿病は、診断後平均余 命6ヶ月の致命的な病気でした。
そ の1型糖尿病患者に、フレデリック・アレ ン医師の考案した「飢餓療法(炭水化物をほとんど含まない400kcal/日てい どの食 事)」が適用されて、極端な低カロリー食で、寿命を数ヶ月から1~2 年、まれに3年延ばしましたが、結局は致命的な疾患でした。
飢餓療法が一定の 効果をあげたのは、内因性インスリンゼロの1型糖尿病においては、糖質が直接血糖値を上昇させると共に、タンパク質も間接的に糖新生により血糖値を 上昇させることが関与していたと考えられます。
ちなみにジョスリン医師とア レン医師は、ハーバード大学医学 部の同窓生で良い友人でした。
<インスリン抽出以後>
1921年にカナダの整形外科医フレデリック・バンティングと医学生チャール ズ・ベストがインスリンの抽出に初めて成功しまし た。
トロント総合病院に おいて、1922年に当時14才の1型糖尿病患者(レナード・トンプスン少年)に 初めて注射し、血糖コント ロールに成功しました。
1型糖尿病はインスリン の登場までは、致命的な病気でしたが、インスリンにより生命を保つことが可 能となりました。
その後、インスリンを注射しておけば糖質を摂取しても血 糖値が上昇しないことが、徐々に周知されるようになりました。
その結果、 正常人なみに糖質を食べても、インスリンさえ打っておけばいいという流れと なっていき、1型においても2型においても、米国糖尿人の糖質摂取量は徐々に増えていきました。
<ADA(米国糖尿病学会)食事療法ガイドラインの変遷など>
ADA(米国糖尿病学会)ガイドラインが初めて制定されたのが1950年です。
上 述の流れを受けて、第一回目のガイドライン制 定時には、ADAは総摂取カロ リーに対して、炭水化物の摂取量を以前より増やしました。
1950年のガイドラ インでは炭水化物40% を推奨。
1971年のガイドラインでは炭水化物45%に増えました。
1986年のガイドライン でさらに炭水化物60%と増加。
1994 年のガイドラインでは、総摂取カロリー に対してタンパク質10~20%という規定がありますが、炭水化物・脂質の規定 はなくなりまし た。
1994年のガイドラインの時、オリーブオイルたっぷりの 地中海食も選択肢に加わわりました。
1994年以降、ガイドラインでは 炭水化 物と脂肪のカロリー比を固定しなくなりました。
1993年に発表された米国の1 型糖尿病研究・DCCTにおいて、糖質管理食 (カーボカウント)が成功を収め たことから、欧米では、糖質管理食が、1型糖尿病患者を中心に広まっていき ました。
1997年版米国 糖尿病学会の患者用テキストブックには
「糖質は 100%、タンパク質が50%、脂質が10%未満血糖に変わる」
とされていましたが、 2004年版では
「血糖値を上昇させるのは、糖質だけで、タンパク質・脂 質は上昇させない」
という記載に変更されました。
2005 年、ボストンのジョ スリン糖尿病センターは、炭水化物の推奨量を40%に下げました(Joslin Diabetes Mellitus 第14版、2005年、616ページ)。
ジョスリン糖尿病セン ターは、全米で最も評価の高い糖尿病治療センターの一つです。
<近年のADA(米国糖尿病学会)の、「食事療法に関する声明」の変遷>
2007年までは、ADA(米国糖尿病学会)は、食事療法において、糖質制限食は 推奨しないとしていました。
ADA(米国糖尿 病学会)の「食事療法に関する声 明2008」において「糖質のモニタリングは血糖管理の鍵となる」とランクAで 推奨され、「減量が望 まれる糖尿病患者には低カロリー食、もしくは低炭水 化物食によるダイエットが推奨される」と低糖質食を一定支持する見解が初めてだされました。
さらに2013年10月のADA(米国糖尿病学会)の、成人糖尿病 患者の食事療法に関する声明(Position Statement on Nutrition Therapy) では、全ての糖尿病患者に適した唯一無二の食事パターンは存在しないとの見 解を表明しました。
そして、患者ごとにさまざまな食事パターン 〔地中海 食,ベジタリアン食,糖質制限食,低脂質食,DASH(Dietary Approaches to Stop Hypertension)食〕が受容可能であるとしています。
糖質制限食も正式 に認められています。
このADAの見解は、1969年の食品交換表第2版 以降、 2013年の第7版まで、40年以上一貫して唯一無二のカロリー制限食を推奨し続 けている日本糖尿病学会への痛烈な批判となっ ています。
ADAの「食事療法に 関する声明2013」、糖質制限食にとって、大きな追い風となりました。
2015年05月29日 (金)
【15/05/29 福助
血糖変動が冠動脈プラークの不安定性に影響
江部先生
これはスタチン使用に限定される問題とは限らないと思うのですが、 高血糖→低血糖の悪影響を示すエビデンスがまた一つ増えたようです。
----------------------------------------------------------------------
血糖変動が冠動脈プラークの不安定性に影響 2015年5月29日
コレステロール低下薬を服用している冠動脈疾患(CAD)患者では、血糖値の日内変動が冠動脈プラークの不安定性に影響する可能性が、神戸大学大学院医学研究科の黒田優氏らの研究で指摘された。「JACC: Cardiovascular Interventions」5月号に掲載された論文。
研究では、冠動脈インターベンション術(PCI)のため同大病院に紹介されてきたCAD患者のうち、スタチン服用下でLDLコレステロール120mg/dL未満、あるいはスタチン非服用下で同100 mg/dL未満の連続70例(うち糖尿病患者40例)を対象として、計165個の病変性状を評価。血糖値の日内変動が冠動脈プラークの性状に及ぼす影響を検討した。
その結果、プラークに占めるネクロティックコアの割合(%NC)は平均血糖変動幅(MAGE)に有意に相関することが分かった(r=0.490、P<0.001)。MAGEは%NCに最も強く影響する因子であり(係数β=0.080、P<0.001)、破綻しやすいthin-cap fibroatheromaの存在を示す唯一の独立した予測因子にもなっていた(オッズ比=1.037、95%信頼区間:1.010~1.065、P=0.007)。
黒田氏らはこの結果について、「血糖値の日内変動は、スタチン治療中のCAD患者における冠動脈プラークの不安定性に影響を及ぼすと考えられた。CAD患者に広くスタチンが投与されている現代においては、血糖変動の早期検出とコントロールの根拠についてさらなる研究が必要だ」と述べている。
記事原文 [2015年5月19日 HealthDayNews http://www.physiciansbriefing.com/Article.asp?AID=699510]
---------------------------------------------------------------------- 】
こんばんは。
福助さんから「血糖変動が冠動脈プラークの不安定性に影響」という興味深い論文についてコメントいただきました。
ありがとうございます。
心筋梗塞などにつながっていく破綻しやすいプラークのことを、ネクロティックコアと呼びます。
つまりネクロティックコアが多いほど、心筋梗塞のリスクは高まるわけです。
そして、プラークに占めるネクロティックコアの割合(%NC)は、平均血糖変動幅(MAGE)に有意に相関することがわかったとのことです。
MAGEというのは平均血糖変動幅の指標であり、高値であるほど平均血糖変動幅の増大があることとなります。
結論としては、平均血糖変動幅増大があるほどネクロティックコアの割合が増えて、心筋梗塞のリスクが高まるということです。
そして、平均血糖変動幅増大を引き起こすのは、三大栄養素のうち、糖質だけです。
福助さんがご指摘のように、スタチンの使用の有無に関わらず、平均血糖変動幅増大はネクロティックコアの割合を増やし、心筋梗塞のリスクを高めると言えます。
糖質制限食なら平均血糖変動幅増大を予防できて、心筋梗塞のリスクを減らすことが可能です。
またまた糖質制限食には、大きな追い風が吹いたようです。
江部康二
血糖変動が冠動脈プラークの不安定性に影響
江部先生
これはスタチン使用に限定される問題とは限らないと思うのですが、 高血糖→低血糖の悪影響を示すエビデンスがまた一つ増えたようです。
----------------------------------------------------------------------
血糖変動が冠動脈プラークの不安定性に影響 2015年5月29日
コレステロール低下薬を服用している冠動脈疾患(CAD)患者では、血糖値の日内変動が冠動脈プラークの不安定性に影響する可能性が、神戸大学大学院医学研究科の黒田優氏らの研究で指摘された。「JACC: Cardiovascular Interventions」5月号に掲載された論文。
研究では、冠動脈インターベンション術(PCI)のため同大病院に紹介されてきたCAD患者のうち、スタチン服用下でLDLコレステロール120mg/dL未満、あるいはスタチン非服用下で同100 mg/dL未満の連続70例(うち糖尿病患者40例)を対象として、計165個の病変性状を評価。血糖値の日内変動が冠動脈プラークの性状に及ぼす影響を検討した。
その結果、プラークに占めるネクロティックコアの割合(%NC)は平均血糖変動幅(MAGE)に有意に相関することが分かった(r=0.490、P<0.001)。MAGEは%NCに最も強く影響する因子であり(係数β=0.080、P<0.001)、破綻しやすいthin-cap fibroatheromaの存在を示す唯一の独立した予測因子にもなっていた(オッズ比=1.037、95%信頼区間:1.010~1.065、P=0.007)。
黒田氏らはこの結果について、「血糖値の日内変動は、スタチン治療中のCAD患者における冠動脈プラークの不安定性に影響を及ぼすと考えられた。CAD患者に広くスタチンが投与されている現代においては、血糖変動の早期検出とコントロールの根拠についてさらなる研究が必要だ」と述べている。
記事原文 [2015年5月19日 HealthDayNews http://www.physiciansbriefing.com/Article.asp?AID=699510]
---------------------------------------------------------------------- 】
こんばんは。
福助さんから「血糖変動が冠動脈プラークの不安定性に影響」という興味深い論文についてコメントいただきました。
ありがとうございます。
心筋梗塞などにつながっていく破綻しやすいプラークのことを、ネクロティックコアと呼びます。
つまりネクロティックコアが多いほど、心筋梗塞のリスクは高まるわけです。
そして、プラークに占めるネクロティックコアの割合(%NC)は、平均血糖変動幅(MAGE)に有意に相関することがわかったとのことです。
MAGEというのは平均血糖変動幅の指標であり、高値であるほど平均血糖変動幅の増大があることとなります。
結論としては、平均血糖変動幅増大があるほどネクロティックコアの割合が増えて、心筋梗塞のリスクが高まるということです。
そして、平均血糖変動幅増大を引き起こすのは、三大栄養素のうち、糖質だけです。
福助さんがご指摘のように、スタチンの使用の有無に関わらず、平均血糖変動幅増大はネクロティックコアの割合を増やし、心筋梗塞のリスクを高めると言えます。
糖質制限食なら平均血糖変動幅増大を予防できて、心筋梗塞のリスクを減らすことが可能です。
またまた糖質制限食には、大きな追い風が吹いたようです。
江部康二
2015年05月29日 (金)
【15/05/29 みいこ
江部先生
こんにちは。
私のHbA1cの変化です。
1月31日 9.1
3月17日 7.3
4月24日 6.5
5月25日 5.9
ついに5パーセント台まできました。
主治医は、こんなに劇的に改善する人は はじめてだとおっしゃいました。
江部先生のおかげです。
このまま糖質制限を続け、 合併症予防をします。
そして、まわりにも糖質制限を広めます。
嬉しくてコメントさせて頂きました。
ありがとうございました。】
こんばんは。
みいこ さんから、HbA1cの改善報告をコメント頂きました。
ありがとうございます。
見事な改善です。
良かったです。
主治医が仰るように、例えインスリン注射を使用しても、ここまで順調にHbA1cが改善するケースは珍しいと思います。
主治医にも糖質制限食を理解して頂いているようで、良かったですね。
上手にスーパー糖質制限食が実践できているのでしょう。
これからも美味しく楽しく末長く糖質制限食を続けられて、合併症なしの健康な人生を歩んで下さいね。
江部康二
江部先生
こんにちは。
私のHbA1cの変化です。
1月31日 9.1
3月17日 7.3
4月24日 6.5
5月25日 5.9
ついに5パーセント台まできました。
主治医は、こんなに劇的に改善する人は はじめてだとおっしゃいました。
江部先生のおかげです。
このまま糖質制限を続け、 合併症予防をします。
そして、まわりにも糖質制限を広めます。
嬉しくてコメントさせて頂きました。
ありがとうございました。】
こんばんは。
みいこ さんから、HbA1cの改善報告をコメント頂きました。
ありがとうございます。
見事な改善です。
良かったです。
主治医が仰るように、例えインスリン注射を使用しても、ここまで順調にHbA1cが改善するケースは珍しいと思います。
主治医にも糖質制限食を理解して頂いているようで、良かったですね。
上手にスーパー糖質制限食が実践できているのでしょう。
これからも美味しく楽しく末長く糖質制限食を続けられて、合併症なしの健康な人生を歩んで下さいね。
江部康二
2015年05月28日 (木)
おはようございます。
先日ご紹介した、「糖質制限ランチバイキングと糖質制限ワインを楽しむ会」ですが、大変好評だったため、早々に次回の開催が決定しました。
詳細につきましては、後日、主催の京都高雄倶楽部から案内が出ますのでご期待くださいね(^^)
さて、その糖質制限ワイン、サーメンタムですが、発売以来、大変好評だそうです。


カロリー制限食では真っ先に禁止される「アルコール」ですが、糖質制限食では、種類を選べばOKとしています。
焼酎、ウイスキー、ブランデーなどの蒸留酒は糖質が0なので飲んでも血糖値に影響を与えません。
一方、ビールや日本酒なのど醸造酒は糖質量が多く、糖質制限食ではNGとなります(^_^;)
同じ醸造酒でも、赤ワインや辛口の白ワインは糖質量が少いので、適量であればOKとしました(^O^)
ですが、この「適量」が分かりませんとよくご質問を頂きます。
確かに、尿糖試験紙で測るにもワインを開けてしまわないといけませんし、沢山のワインの中でどんなワインを選んでいいのか正直なところ分かりにくいです。
糖質制限食実践中でも安心して飲めるワインはないものか?
そう考えたあらてつさん、オリーブオイルのモリドル社との商談にスペインに行った時、ワインの醸造所に「糖質制限でワイン作って!」と頼み込んできました。
紆余曲折を経て完成したのが、Sarmentum(サーメンタム)
糖質制限専門ワインです。
あらてつさんが現地で尿糖試験紙で検査、合格したものを日本に持ち帰り、例によって、私、江部康二自らが血糖測定、見事に合格です。
空腹時でボトル半分開けるのはさすがにキビシイものがありましたが、これで糖質セイゲニストに皆さんに安心して飲んでもらえるワインが出来ると思うと、感無量です(^O^)
糖質制限食の定番、赤ワインに加え、本格白ワイン、ロゼ、カバも糖質制限で醸造です。
醸造元、コビデス社クリストフ氏より解説をご紹介します。
●Vino tinto(赤ワイン)
Sarmentum Merlot Barrica 2011
100%ペネデスのブドウ畑原産メルローを使い醸造。
収穫物は厳選し、精製には細心の注意を払っています。
アメリカンオーク樽で6ヶ月間寝かせ、当社ワイナリーにて最終調整したものです。
樽がもつザクロ色のトーンをもつ、鮮紅色が特徴です。
口の中では、パワフルでありながらまろやかで、後味が長く続き、バランスが取れています。テイスティングをすると、最初にメルローの品種の味が来て、あとからアメリカンオーク樽による、木の優しい味がします。
メルロー独自の、カカオやコーヒーといった類の香りと、樽から来る香ばしい感じがします。
米料理、チーズ、ソーセージ、鳥肉、肉の煮込み料理などのおともにおすすめです。
*Barricaはスペイン語で「樽」を意味し、600リットル以下の木樽で熟成した
ワインに表示できます。
●Vino blanco(白ワイン)
Sarmentum Xarel.lo
ブドウ品種は、100%ペネデス原産地のブドウ畑産チャレロです。
このワインは、当社の他の製品同様、厳選されたブドウからとれたフリーラン果汁(高品質のワインを精製するために、ブドウから圧搾するのではなく、流れ出てくる果汁を使用している)によって精製されたものです。
若々しい白ワインで、ほんのり緑がかった青白い黄色をしています。
地中海のフルーツや白い花の、フルーティーな香りがします。
口の中ではさわやかで、バランスが取れた感じがします。味わいは、長く広がりをもっていて、非常にまろやかです。
果物や白い花の後味がします。
魚料理や癖の少ないチーズ、米料理や白身の肉料理に合わせるのが理想的です。
*サーメンタム チャレロは、果皮浸漬によって精製された特別なワインです。 これ(果皮浸漬)は、ブドウの果皮がより味わいと香りのある、特徴が際立つ部位であることから、フリーラン果汁にブドウの粒を入れて、非常に低い温度下で数時間浸すことで、官能特性の部分を形成させるというものです。
●Cava (カバ スパークリングワイン)
通常のCavaは、ドサージュといって、砂糖や甘いリキュールを添加し、味わいの最終調整を行いますが、このSarmentum Cava Brut Natureは、それらを一切加えずに仕上げています。
ブドウ品種は、ペネデス原産のXarel.lo(チャレロ)、Macabeo(マカベオ)、Parellada(パレリャーダ)の三種です。
穏やかな黄金色の反射のある、青白みかかった黄色。グラスに注ぐと数珠状の輪を形成しながら上昇する泡が、程よい感じで長時間放出されます。
ボトルの中で、わずかに熟した果実や花のニュアンスを帯びた、はちみつのようなクリアンサ独特の非常に心地よい香りがします。
飲んで頂くと爽やかな後味で、口の中で大変な心地よさを演出すします。ドライな感じで始まりますが、まろやかで温かみをもった感じで終わります。
香り高く、素直に後に残るまろやかな後味がたいへん心地良いCavaです。
●Rosé (ロゼ)
100%ペネデスのブドウ畑原産テンプラニージョを使い醸造した、透明感のある桜色がかった赤のロゼワイン。
コルクを抜けば、フルーティーな特徴を持った上質で心地よい香りが拡がります。
口に含むと、ほどよい酸味のあるフレッシュさがありながら、口当たりがまろやかで飲みやすく、エレガントかつフルーティーな後味が残ります。
テンプラニージョの果実を思わせる香りと、重厚かつ繊細な味わい、酸味と渋みがバランスよく感じられるロゼは、どのような料理にも合わせて頂けるでしょう。
もちろん、赤・白・ロゼ・カバ、全て飲みましたが、赤はタンニンの程よい強さと繊細な後味のバランスが取れたワイン、白はとてもフルティーで飲みやすく、カバはドサージュしてないとは思えないほど口当たりがよく、ロゼはテンプラニージョの独特の香りがなんとも言えず、どれもグイグイ飲んでしまいます(^_^;)
すべて私が自ら実験台になり、血糖測定を実施、どれも血糖値に影響を与えませんので、安心してワインを楽しむことができます(^O^)
作ってくださったクリストフさんに大きな拍手を送りたいと思います\(^o^)/
この糖質制限ワイン、Sarmentum(サーメンタム)について、詳細&お買い求めはこちらから。
↓ ↓ ↓
糖質制限ワイン サーメンタム
http://www.toushitsuseigen.com/products/detail66.html
サーメンタム ロゼ&カバ
http://www.toushitsuseigen.com/products/detail81.html
サーメンタム カバ レゼルバ エスペシャル
http://www.toushitsuseigen.com/products/detail95.html
左党の糖質セイゲニストの皆さん、是非お試しあれ。
江部康二
先日ご紹介した、「糖質制限ランチバイキングと糖質制限ワインを楽しむ会」ですが、大変好評だったため、早々に次回の開催が決定しました。
詳細につきましては、後日、主催の京都高雄倶楽部から案内が出ますのでご期待くださいね(^^)
さて、その糖質制限ワイン、サーメンタムですが、発売以来、大変好評だそうです。


カロリー制限食では真っ先に禁止される「アルコール」ですが、糖質制限食では、種類を選べばOKとしています。
焼酎、ウイスキー、ブランデーなどの蒸留酒は糖質が0なので飲んでも血糖値に影響を与えません。
一方、ビールや日本酒なのど醸造酒は糖質量が多く、糖質制限食ではNGとなります(^_^;)
同じ醸造酒でも、赤ワインや辛口の白ワインは糖質量が少いので、適量であればOKとしました(^O^)
ですが、この「適量」が分かりませんとよくご質問を頂きます。
確かに、尿糖試験紙で測るにもワインを開けてしまわないといけませんし、沢山のワインの中でどんなワインを選んでいいのか正直なところ分かりにくいです。
糖質制限食実践中でも安心して飲めるワインはないものか?
そう考えたあらてつさん、オリーブオイルのモリドル社との商談にスペインに行った時、ワインの醸造所に「糖質制限でワイン作って!」と頼み込んできました。
紆余曲折を経て完成したのが、Sarmentum(サーメンタム)
糖質制限専門ワインです。
あらてつさんが現地で尿糖試験紙で検査、合格したものを日本に持ち帰り、例によって、私、江部康二自らが血糖測定、見事に合格です。
空腹時でボトル半分開けるのはさすがにキビシイものがありましたが、これで糖質セイゲニストに皆さんに安心して飲んでもらえるワインが出来ると思うと、感無量です(^O^)
糖質制限食の定番、赤ワインに加え、本格白ワイン、ロゼ、カバも糖質制限で醸造です。
醸造元、コビデス社クリストフ氏より解説をご紹介します。
●Vino tinto(赤ワイン)
Sarmentum Merlot Barrica 2011
100%ペネデスのブドウ畑原産メルローを使い醸造。
収穫物は厳選し、精製には細心の注意を払っています。
アメリカンオーク樽で6ヶ月間寝かせ、当社ワイナリーにて最終調整したものです。
樽がもつザクロ色のトーンをもつ、鮮紅色が特徴です。
口の中では、パワフルでありながらまろやかで、後味が長く続き、バランスが取れています。テイスティングをすると、最初にメルローの品種の味が来て、あとからアメリカンオーク樽による、木の優しい味がします。
メルロー独自の、カカオやコーヒーといった類の香りと、樽から来る香ばしい感じがします。
米料理、チーズ、ソーセージ、鳥肉、肉の煮込み料理などのおともにおすすめです。
*Barricaはスペイン語で「樽」を意味し、600リットル以下の木樽で熟成した
ワインに表示できます。
●Vino blanco(白ワイン)
Sarmentum Xarel.lo
ブドウ品種は、100%ペネデス原産地のブドウ畑産チャレロです。
このワインは、当社の他の製品同様、厳選されたブドウからとれたフリーラン果汁(高品質のワインを精製するために、ブドウから圧搾するのではなく、流れ出てくる果汁を使用している)によって精製されたものです。
若々しい白ワインで、ほんのり緑がかった青白い黄色をしています。
地中海のフルーツや白い花の、フルーティーな香りがします。
口の中ではさわやかで、バランスが取れた感じがします。味わいは、長く広がりをもっていて、非常にまろやかです。
果物や白い花の後味がします。
魚料理や癖の少ないチーズ、米料理や白身の肉料理に合わせるのが理想的です。
*サーメンタム チャレロは、果皮浸漬によって精製された特別なワインです。 これ(果皮浸漬)は、ブドウの果皮がより味わいと香りのある、特徴が際立つ部位であることから、フリーラン果汁にブドウの粒を入れて、非常に低い温度下で数時間浸すことで、官能特性の部分を形成させるというものです。
●Cava (カバ スパークリングワイン)
通常のCavaは、ドサージュといって、砂糖や甘いリキュールを添加し、味わいの最終調整を行いますが、このSarmentum Cava Brut Natureは、それらを一切加えずに仕上げています。
ブドウ品種は、ペネデス原産のXarel.lo(チャレロ)、Macabeo(マカベオ)、Parellada(パレリャーダ)の三種です。
穏やかな黄金色の反射のある、青白みかかった黄色。グラスに注ぐと数珠状の輪を形成しながら上昇する泡が、程よい感じで長時間放出されます。
ボトルの中で、わずかに熟した果実や花のニュアンスを帯びた、はちみつのようなクリアンサ独特の非常に心地よい香りがします。
飲んで頂くと爽やかな後味で、口の中で大変な心地よさを演出すします。ドライな感じで始まりますが、まろやかで温かみをもった感じで終わります。
香り高く、素直に後に残るまろやかな後味がたいへん心地良いCavaです。
●Rosé (ロゼ)
100%ペネデスのブドウ畑原産テンプラニージョを使い醸造した、透明感のある桜色がかった赤のロゼワイン。
コルクを抜けば、フルーティーな特徴を持った上質で心地よい香りが拡がります。
口に含むと、ほどよい酸味のあるフレッシュさがありながら、口当たりがまろやかで飲みやすく、エレガントかつフルーティーな後味が残ります。
テンプラニージョの果実を思わせる香りと、重厚かつ繊細な味わい、酸味と渋みがバランスよく感じられるロゼは、どのような料理にも合わせて頂けるでしょう。
もちろん、赤・白・ロゼ・カバ、全て飲みましたが、赤はタンニンの程よい強さと繊細な後味のバランスが取れたワイン、白はとてもフルティーで飲みやすく、カバはドサージュしてないとは思えないほど口当たりがよく、ロゼはテンプラニージョの独特の香りがなんとも言えず、どれもグイグイ飲んでしまいます(^_^;)
すべて私が自ら実験台になり、血糖測定を実施、どれも血糖値に影響を与えませんので、安心してワインを楽しむことができます(^O^)
作ってくださったクリストフさんに大きな拍手を送りたいと思います\(^o^)/
この糖質制限ワイン、Sarmentum(サーメンタム)について、詳細&お買い求めはこちらから。
↓ ↓ ↓
糖質制限ワイン サーメンタム
http://www.toushitsuseigen.com/products/detail66.html
サーメンタム ロゼ&カバ
http://www.toushitsuseigen.com/products/detail81.html
サーメンタム カバ レゼルバ エスペシャル
http://www.toushitsuseigen.com/products/detail95.html
左党の糖質セイゲニストの皆さん、是非お試しあれ。
江部康二
2015年05月27日 (水)
こんにちは。
精神科医師Aさんから
「沖縄クライシス」の原因、脂質過剰摂取の関与は低い
という第58回日本糖尿病学会年次学術集会での発表についてコメントをいただきました。
ありがとうございます。
北里大学北里研究所病院診療技術部栄養科の泉妃咲氏らの研究発表です。
検討によると「沖縄クライシス」の原因として、脂質過剰摂取の関与は低いということです。
このことは、柴田博先生が以前から指摘しておられ、私もブログ記事にしています。
沖縄クライシスの真相・柴田博先生
2013年07月07日 (日)の本ブログ記事
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-2595.html
泉妃咲氏の調査では
『 沖縄県の脂質摂取比率(総エネルギー比)は1995年をピークに、その後は低下する傾向にある。
同時期、摂取総エネルギーも減少している。脂質摂取量も、1990年以降は減少している。』
ということです。
沖縄県男性の平均寿命の全国順位は、75年10位、80年1位、85年1位、90年5位、95年4位と上位でしたが、2000年に26位となり、その後も05年25位、10年30位と2000年以降は下降傾向にあります。
2000年の調査で、いきなり26位に落ちたことが「沖縄クライシス」と呼ばれ、注目されたのです。
1990年以降は脂質摂取量が減少し、1995以降は脂質摂取比率も減少ですから、よく言われるような食生活の欧米化で脂質摂取比率が増えて「沖縄クライシス」が生じたのではないことは、柴田博氏や泉妃咲氏が指摘するように明らかです。
これに対して日本糖尿病学会の提言では、赤字で示している記載のように、脂質の過剰摂取が「沖縄クライシス」の元凶であり、その原因疾患は心血管疾患であるとしており、精神科医師Aさんのご指摘の如く二重に間違っています。
実際には上述のように、脂肪摂取比率は減少しています。
そして長寿の地位を落とした原因疾患は
1)酒よる肝疾患、
2)タバコによる肺疾患(慢性閉塞性肺疾患)、
3)ストレスによる自殺、
の3つの増加であり、心血管疾患は増加していないのです。
『日本人の糖尿病の食事療法に関する日本糖尿病学会の提言
糖尿病における食事療法の現状と課題
2013 年 3 月
日本糖尿病学会
1. 我が国の一般人口における栄養素摂取量の現況
・・・前略
脂質栄養の変化が疾患動態に密接に関係することは、沖縄県の事例に顕著に現れている。
沖縄県は従来、我が国の最長寿県とされてきたが、生活環境の欧米化に伴ってその地位を落とした。
その主たる原因は心血管疾患の増加にあるが、この間に肥満者の割合は全国でトップとなった。
平成 18 年の調査で栄養摂取状況を全国平均と比較すると、総エネルギー摂取量には差はないが、脂肪エネルギー比率が25%以上の者の割合は男女ともに 60%を越えており、全国平均の 40~50%をはるかに上回っている(2)。
この間の交通手段の発達などによる身体活動の低下に加えて、このような脂質栄養の過剰摂取が日本人における肥満そして糖尿病の増加に大きく関与しているのではないかと考えられており、糖尿病の予防の観点からも対処すべき大きな栄養学的課題となっている。・・・・・』
江部康二
【15/05/25 精神科医師A
沖縄クライシスの原因
「沖縄クライシス」の原因、脂質過剰摂取の関与は低い
日経メディカル日本糖尿病学会取材班
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/flash/jds2015/201505/542224.html
沖縄県男性の平均寿命の全国順位が、2000年調査で26位まで下落し、「沖縄クライシス」あるいは「26ショック」と呼ばれ話題となった。その一因として早い時期からのライフスタイルの欧米化が指摘されていたが、北里大学北里研究所病院診療技術部栄養科の泉妃咲氏らの検討の結果、脂質の過剰摂取が直接的要因とはなっていない可能性が示された。5月24日まで下関で開催されている第58回日本糖尿病学会で、同氏らが発表した。
泉氏らは今回、1975~2010年の沖縄県男性における平均寿命全国順位と、同期間の国民栄養調査から栄養素摂取量・摂取比率との関連を比較検討した。なお、両調査の実施年は完全に一致していないので、近い年に合わせた。
都道府県別生命表は国勢調査のデータを用いて5年ごとに発表されている。沖縄県男性の平均寿命の全国順位は、75年10位、80年1位、85年1位、90年5位、95年4位と上位だったが、2000年に26位となり、その後も05年25位、10年30位と2000年以降は下降傾向にある。
沖縄県の脂質摂取比率(総エネルギー比)は1995年をピークに、その後は低下する傾向にある。同時期、摂取総エネルギーも減少している。脂質摂取量も、1990年以降は減少している。
また、2002年の国民栄養調査から、都道府県別の栄養摂取量・摂取率と塩分摂取量との関連を調べてみた。沖縄県の塩分摂取量は10グラム以下で都道府県の中では最も少なく、脂質摂取比率は29%台で都道府県の中では最も高かった(ただし脂質摂取比率でみると沖縄県は全国の中位)。各都道府県の食塩摂取量と脂質摂取比率は有意な負の相関が見られ、脂質摂取比率が低い県では塩分摂取量が高くなっていた。沖縄県は他都道府県に比べ外れ値となっていたが、沖縄県を除いても有意な相関が認められた。
これらの結果から泉氏は「沖縄クライシスは、脂質の過剰摂取が要因であるとは言いがたいことが分かった。摂取エネルギーも減少していることから、問題になっている肥満の原因は運動量低下など他の要因を考える必要がある。また脂質と塩分の摂取に負の相関が認められたことから、食事指導で脂質の摂取を下げようとすると減塩の効果が減弱する可能性があることに注意が必要だ」と指摘した。
いわゆる沖縄クライシスの原因について、共同研究者で同病院糖尿病センターの山田悟氏は、「沖縄県男性の死因で全国平均より高いのは、中高年の自殺と肝疾患で、心疾患は平均的なレベル。動脈硬化性疾患の増加より、社会経済的な要因の関与が大きいのではないか」と話している。
◇
沖縄クライシスの真相・柴田博先生
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-2595.html
沖縄県民の栄養と病気罹患率、脂質摂取が多いが糖尿病は少ない
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-2548.html
糖尿病学会のインチキ提言はバレバレだ
www.jds.or.jp/modules/important/index.php?page=article&storyid=40
脂質栄養の変化が疾患動態に密接に関係することは、沖縄県の事例に顕著に現れている。
沖縄県は従来、我が国の最長寿県とされてきたが、生活環境の欧米化に伴ってその地位を落とした。その主たる原因は心血管疾患の増加にあるが、この間に肥満者の割合は全国でトップとなった。
平成18年の調査で栄養摂取 状況を全国平均と比較すると、総エネルギー摂取量には差はないが、脂肪エネルギー比率が25%以上の者の割合は男女ともに60%を越えており、全国平均の 40~50%をはるかに上回っている。
この間の交通手段の発達などによる身体活動の低下に加えて、このような脂質栄養の過剰摂取が日本人における肥満そして糖尿病の増加に大きく関与しているのではないかと考えられており、糖尿病の予防の観点からも対処すべき大きな栄養学的課題となっている。】
精神科医師Aさんから
「沖縄クライシス」の原因、脂質過剰摂取の関与は低い
という第58回日本糖尿病学会年次学術集会での発表についてコメントをいただきました。
ありがとうございます。
北里大学北里研究所病院診療技術部栄養科の泉妃咲氏らの研究発表です。
検討によると「沖縄クライシス」の原因として、脂質過剰摂取の関与は低いということです。
このことは、柴田博先生が以前から指摘しておられ、私もブログ記事にしています。
沖縄クライシスの真相・柴田博先生
2013年07月07日 (日)の本ブログ記事
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-2595.html
泉妃咲氏の調査では
『 沖縄県の脂質摂取比率(総エネルギー比)は1995年をピークに、その後は低下する傾向にある。
同時期、摂取総エネルギーも減少している。脂質摂取量も、1990年以降は減少している。』
ということです。
沖縄県男性の平均寿命の全国順位は、75年10位、80年1位、85年1位、90年5位、95年4位と上位でしたが、2000年に26位となり、その後も05年25位、10年30位と2000年以降は下降傾向にあります。
2000年の調査で、いきなり26位に落ちたことが「沖縄クライシス」と呼ばれ、注目されたのです。
1990年以降は脂質摂取量が減少し、1995以降は脂質摂取比率も減少ですから、よく言われるような食生活の欧米化で脂質摂取比率が増えて「沖縄クライシス」が生じたのではないことは、柴田博氏や泉妃咲氏が指摘するように明らかです。
これに対して日本糖尿病学会の提言では、赤字で示している記載のように、脂質の過剰摂取が「沖縄クライシス」の元凶であり、その原因疾患は心血管疾患であるとしており、精神科医師Aさんのご指摘の如く二重に間違っています。
実際には上述のように、脂肪摂取比率は減少しています。
そして長寿の地位を落とした原因疾患は
1)酒よる肝疾患、
2)タバコによる肺疾患(慢性閉塞性肺疾患)、
3)ストレスによる自殺、
の3つの増加であり、心血管疾患は増加していないのです。
『日本人の糖尿病の食事療法に関する日本糖尿病学会の提言
糖尿病における食事療法の現状と課題
2013 年 3 月
日本糖尿病学会
1. 我が国の一般人口における栄養素摂取量の現況
・・・前略
脂質栄養の変化が疾患動態に密接に関係することは、沖縄県の事例に顕著に現れている。
沖縄県は従来、我が国の最長寿県とされてきたが、生活環境の欧米化に伴ってその地位を落とした。
その主たる原因は心血管疾患の増加にあるが、この間に肥満者の割合は全国でトップとなった。
平成 18 年の調査で栄養摂取状況を全国平均と比較すると、総エネルギー摂取量には差はないが、脂肪エネルギー比率が25%以上の者の割合は男女ともに 60%を越えており、全国平均の 40~50%をはるかに上回っている(2)。
この間の交通手段の発達などによる身体活動の低下に加えて、このような脂質栄養の過剰摂取が日本人における肥満そして糖尿病の増加に大きく関与しているのではないかと考えられており、糖尿病の予防の観点からも対処すべき大きな栄養学的課題となっている。・・・・・』
江部康二
【15/05/25 精神科医師A
沖縄クライシスの原因
「沖縄クライシス」の原因、脂質過剰摂取の関与は低い
日経メディカル日本糖尿病学会取材班
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/flash/jds2015/201505/542224.html
沖縄県男性の平均寿命の全国順位が、2000年調査で26位まで下落し、「沖縄クライシス」あるいは「26ショック」と呼ばれ話題となった。その一因として早い時期からのライフスタイルの欧米化が指摘されていたが、北里大学北里研究所病院診療技術部栄養科の泉妃咲氏らの検討の結果、脂質の過剰摂取が直接的要因とはなっていない可能性が示された。5月24日まで下関で開催されている第58回日本糖尿病学会で、同氏らが発表した。
泉氏らは今回、1975~2010年の沖縄県男性における平均寿命全国順位と、同期間の国民栄養調査から栄養素摂取量・摂取比率との関連を比較検討した。なお、両調査の実施年は完全に一致していないので、近い年に合わせた。
都道府県別生命表は国勢調査のデータを用いて5年ごとに発表されている。沖縄県男性の平均寿命の全国順位は、75年10位、80年1位、85年1位、90年5位、95年4位と上位だったが、2000年に26位となり、その後も05年25位、10年30位と2000年以降は下降傾向にある。
沖縄県の脂質摂取比率(総エネルギー比)は1995年をピークに、その後は低下する傾向にある。同時期、摂取総エネルギーも減少している。脂質摂取量も、1990年以降は減少している。
また、2002年の国民栄養調査から、都道府県別の栄養摂取量・摂取率と塩分摂取量との関連を調べてみた。沖縄県の塩分摂取量は10グラム以下で都道府県の中では最も少なく、脂質摂取比率は29%台で都道府県の中では最も高かった(ただし脂質摂取比率でみると沖縄県は全国の中位)。各都道府県の食塩摂取量と脂質摂取比率は有意な負の相関が見られ、脂質摂取比率が低い県では塩分摂取量が高くなっていた。沖縄県は他都道府県に比べ外れ値となっていたが、沖縄県を除いても有意な相関が認められた。
これらの結果から泉氏は「沖縄クライシスは、脂質の過剰摂取が要因であるとは言いがたいことが分かった。摂取エネルギーも減少していることから、問題になっている肥満の原因は運動量低下など他の要因を考える必要がある。また脂質と塩分の摂取に負の相関が認められたことから、食事指導で脂質の摂取を下げようとすると減塩の効果が減弱する可能性があることに注意が必要だ」と指摘した。
いわゆる沖縄クライシスの原因について、共同研究者で同病院糖尿病センターの山田悟氏は、「沖縄県男性の死因で全国平均より高いのは、中高年の自殺と肝疾患で、心疾患は平均的なレベル。動脈硬化性疾患の増加より、社会経済的な要因の関与が大きいのではないか」と話している。
◇
沖縄クライシスの真相・柴田博先生
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-2595.html
沖縄県民の栄養と病気罹患率、脂質摂取が多いが糖尿病は少ない
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-2548.html
糖尿病学会のインチキ提言はバレバレだ
www.jds.or.jp/modules/important/index.php?page=article&storyid=40
脂質栄養の変化が疾患動態に密接に関係することは、沖縄県の事例に顕著に現れている。
沖縄県は従来、我が国の最長寿県とされてきたが、生活環境の欧米化に伴ってその地位を落とした。その主たる原因は心血管疾患の増加にあるが、この間に肥満者の割合は全国でトップとなった。
平成18年の調査で栄養摂取 状況を全国平均と比較すると、総エネルギー摂取量には差はないが、脂肪エネルギー比率が25%以上の者の割合は男女ともに60%を越えており、全国平均の 40~50%をはるかに上回っている。
この間の交通手段の発達などによる身体活動の低下に加えて、このような脂質栄養の過剰摂取が日本人における肥満そして糖尿病の増加に大きく関与しているのではないかと考えられており、糖尿病の予防の観点からも対処すべき大きな栄養学的課題となっている。】
2015年05月26日 (火)
おはようございます。
2015年5月21日~24日、下関で開催されている、第58回日本糖尿病学会年次学術集会において
「糖質制限食でHbA1cとBMIが改善」
というとても興味深い研究が発表されました。
素晴らしい信頼度の高い研究発表と思います。
順天堂大学代謝内分泌内科学の佐藤淳子氏の発表です。
順天堂大学ということでは、何と言っても、医師の年間講演料ランキング一位(4747万円)の河盛隆造氏が有名です。
順天堂大学特任教授で糖尿病医、超守旧派の河盛隆造氏ですが、お膝元で反乱?でしょうか。
HbA1c値が7.5%以上とコントロール不良で、
BMI:23以上の成人2型糖尿病患者66人を
エネルギー制限食群(33人)と糖質制限食群(33人)に分割
エネルギー制限食群は理想体重×28kcal/日が基本
糖質制限食群は1日の糖質摂取を約130gが基本
試験期間は6ヶ月間のRCT
試験開始時と終了時で改善度合いを見た結果、「糖質制限食群」の方が「エネルギー制限食群」と比べ、HbA1cとBMIが有意に改善していました。
6カ月間の試験終了時、糖質制限食群でHbA1cとBMIは有意に改善し、試験期間中に約87g/日の炭水化物が減少。
平均エネルギー摂取量も約400kcal/日減りました。
糖尿病薬を減薬することができた患者が6人ました。
インスリン投与量が減少した患者もいました。
今回の検討では腎機能や脂質の悪化は認められませんでした。
エネルギー制限食群で糖尿病薬を減量できたのは、たった1人でした。
「糖質制限食群」VS「エネルギー制限食群」
信頼度の高いRCTの結果において、糖質制限食の圧勝と言えます。
平均エネルギー摂取量が、約400kcal/日減少したことも、糖質制限食では、満腹度・満足度が高いので、我慢することなく自然に摂取エネルギーが減ったことを示唆しています。
このことは、食事療法の継続という意味で、ひもじくてつらい「エネルギー制限食」に対しておおきなアドバンテージと言えます。
イスラエルの有名なRCT論文DIRECT(Dietary Intervention Randomized Controlled Trial)でも、糖質制限食群で同様の摂取エネルギー減少があったのも記憶に新しいところです。
イスラエルの322人(男性86%)
(1)低脂肪食(カロリー制限あり)
(2)オリーブ油の地中海食(カロリー制限あり)
(3)低炭水化物食(カロリー制限なし)
3グループの食事法を2年間
低炭水化物食が最も体重減少。HDL-Cも増加。
カロリー制限ありとなしのハンディがあったが、
結果として、3群とも同一摂取カロリーとなった。
低炭水化物食群では、我慢することなる自然に摂取エネルギーが減ったと考えられる。
Iris Shai,et all:Weight Loss with a Low-Carbohydrate,Mediterranean,or Low-Fat Diet. NENGLJ MED JULY17,2008、VOL359.NO.3 229-241
【これらの結果から佐藤氏らは、「血糖コントロール不良の2型糖尿病患者に対し、糖質制限食は短期的には減量のための手段として有効なことが明らかになった」と発表。ただし、低血糖症状が現れた患者がいたこと、試験終了までに中断した患者数は糖質制限食群で多かったことに触れ、「低血糖のリスクに加え、患者によってはエネルギー制限食に比べて続けられない人がいる可能性もある。そのため、対象患者は十分に選ぶ必要があると考えられる。また、今回は短期的な検討結果であったため、今後は長期的継続の問題点を検討する必要がある」とまとめた。】
糖質制限食実践で、リアルタイムに食後高血糖が改善するので、薬やインスリンが同量のままなら、当然低血糖のリスクが生じます。
4人の患者さんで低血糖が生じたのは、医療側の問題であり、油断は禁物と思います。
高雄病院では、スーパー糖質制限食なら、食前のインスリンは1/3以下にし、SU剤やグリニド剤は中止します。
これなら低血糖のリスクは回避できます。
江部康二
以下
日経メディカル
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/flash/jds2015/201505/542218.html
から、抜粋
【学会フラッシュ:第58回日本糖尿病学会
2015年5月21日~24日 下関
糖質制限食でHbA1cとBMIが改善
低血糖リスクや継続可否を考慮し対象者の選定を
2015/5/23日本糖尿病学会取材班
順天堂大学代謝内分泌内科学の佐藤淳子氏
エネルギー制限食を続けられない2型糖尿病患者は多く、こうした患者を中心に糖質制限食が注目されている。血糖コントロール不良の2型糖尿病患者を対象に、糖質制限食の有効性と安全性を検討する目的で前向きランダム化比較試験を実施した結果、糖質制限食を摂取した群でHbA1cとBMIの改善を認めたことが明らかになった。順天堂大学代謝内分泌内科学の佐藤淳子氏らが第58回日本糖尿病学会(5月21~24日、下関開催)で発表した。
対象は、エネルギー制限食による栄養指導を2回以上受けるものの継続できず、HbA1c値が7.5%以上とコントロール不良で、BMI23kg/m2以上の成人2型糖尿病患者66人。尿定性検査で持続的に蛋白が陽性を示したり、血清クレアチニンが2.0mg/dL以上といった腎症の患者、重篤な合併症を持つ患者は除外した。
基準を満たした患者66人をエネルギー制限食群(33人)と糖質制限食群(33人)に割り付け、採血、採尿、体重測定、外来診療に加え、0、1、2、4、6カ月目に栄養指導(3日間の食事記録を基に)を実施した。この際、エネルギー制限食群には理想体重×28kcal/日を基本とするよう指導し、糖質制限食群には1日の糖質摂取を約130gにし、摂取する食品に制限は設けないが脂質は飽和脂肪酸よりも不飽和脂肪酸を多く摂取するように指導した。
試験開始時の患者背景および臨床背景は、エネルギー制限食群と脂質制限食群で男性比、年齢、BMI、HbA1c、糖尿病歴、TG、HDL-C、カロリー摂取量などで有意な差は認めなかった。
試験開始時と終了時で改善度合いを見た結果、糖質制限食群の方がエネルギー制限食群と比べ、HbA1cとBMIが有意に改善した(それぞれP=0.008、P=0.03)。具体的な数値は、HbA1cは糖質制限食群が-0.65%(-1.53~-0.1)、エネルギー制限食群が0%(-0.68~0.4)。BMIは糖質制限食群が-0.58kg/m2(-1.51~-0.16)だったのに対し、エネルギー制限食群は-0.22kg/m2(-0.58~0.24) だった。
食事内容について、試験終了時と開始時との差を両群で比較したところ、糖質制限食群で摂取カロリーと炭水化物量が有意に改善していた。カロリー摂取量は、糖質制限食群は-406kcal/日(-587~-44)となり、エネルギー制限食群の-14kcal/日(-449~-177)と比べて有意に減少していた(P=0.01)。炭水化物量も、糖質制限食群は-87g/日(-116~-40)で、エネルギー制限食群の-3g/日(-54~30)と比べて有意に減少した(P<0.01)。また、わずかではあるもののタンパク質や脂質についても糖質制限食の方が減少する傾向にあった。
糖尿病薬の増減については、エネルギー制限食群で糖尿病薬を減量したのは1人(メトホルミン・αグルコシダーゼ阻害薬)のみだったのに対し、糖質制限食群では6人が糖尿病薬を減薬できていた(SU薬4人、αグルコシダーゼ阻害薬2人、メトホルミン1人)。このうち2人は開始時から薬剤を減量していた。また、4人(1人は疑い例)の患者で低血糖症状が認め、その後インスリン投与量を減らした患者もいた。
なお、試験開始後に中断した患者数は、エネルギー制限食群は1人(他疾患で手術を行うため)。糖質制限食群では3人となった。糖質制限食群で中断した患者の内訳は、1人は自己中断、1人はプロトコール非遵守、1人は他疾患悪化が原因だった。
以前に通常の栄養指導を受けても血糖がうまくコントロールできなかった患者が対象ではあるものの、6カ月間の試験終了時、糖質制限食群でHbA1cとBMIは有意に改善し、試験期間中に約87g/日の炭水化物が減少。平均エネルギー摂取量も約400kcal/日減った。糖尿病薬を減薬することができた患者もいたほか、今回の検討では腎機能や脂質の悪化は認められなかった。
これらの結果から佐藤氏らは、「血糖コントロール不良の2型糖尿病患者に対し、糖質制限食は短期的には減量のための手段として有効なことが明らかになった」と発表。ただし、低血糖症状が現れた患者がいたこと、試験終了までに中断した患者数は糖質制限食群で多かったことに触れ、「低血糖のリスクに加え、患者によってはエネルギー制限食に比べて続けられない人がいる可能性もある。そのため、対象患者は十分に選ぶ必要があると考えられる。また、今回は短期的な検討結果であったため、今後は長期的継続の問題点を検討する必要がある」とまとめた。】
2015年5月21日~24日、下関で開催されている、第58回日本糖尿病学会年次学術集会において
「糖質制限食でHbA1cとBMIが改善」
というとても興味深い研究が発表されました。
素晴らしい信頼度の高い研究発表と思います。
順天堂大学代謝内分泌内科学の佐藤淳子氏の発表です。
順天堂大学ということでは、何と言っても、医師の年間講演料ランキング一位(4747万円)の河盛隆造氏が有名です。
順天堂大学特任教授で糖尿病医、超守旧派の河盛隆造氏ですが、お膝元で反乱?でしょうか。
HbA1c値が7.5%以上とコントロール不良で、
BMI:23以上の成人2型糖尿病患者66人を
エネルギー制限食群(33人)と糖質制限食群(33人)に分割
エネルギー制限食群は理想体重×28kcal/日が基本
糖質制限食群は1日の糖質摂取を約130gが基本
試験期間は6ヶ月間のRCT
試験開始時と終了時で改善度合いを見た結果、「糖質制限食群」の方が「エネルギー制限食群」と比べ、HbA1cとBMIが有意に改善していました。
6カ月間の試験終了時、糖質制限食群でHbA1cとBMIは有意に改善し、試験期間中に約87g/日の炭水化物が減少。
平均エネルギー摂取量も約400kcal/日減りました。
糖尿病薬を減薬することができた患者が6人ました。
インスリン投与量が減少した患者もいました。
今回の検討では腎機能や脂質の悪化は認められませんでした。
エネルギー制限食群で糖尿病薬を減量できたのは、たった1人でした。
「糖質制限食群」VS「エネルギー制限食群」
信頼度の高いRCTの結果において、糖質制限食の圧勝と言えます。
平均エネルギー摂取量が、約400kcal/日減少したことも、糖質制限食では、満腹度・満足度が高いので、我慢することなく自然に摂取エネルギーが減ったことを示唆しています。
このことは、食事療法の継続という意味で、ひもじくてつらい「エネルギー制限食」に対しておおきなアドバンテージと言えます。
イスラエルの有名なRCT論文DIRECT(Dietary Intervention Randomized Controlled Trial)でも、糖質制限食群で同様の摂取エネルギー減少があったのも記憶に新しいところです。
イスラエルの322人(男性86%)
(1)低脂肪食(カロリー制限あり)
(2)オリーブ油の地中海食(カロリー制限あり)
(3)低炭水化物食(カロリー制限なし)
3グループの食事法を2年間
低炭水化物食が最も体重減少。HDL-Cも増加。
カロリー制限ありとなしのハンディがあったが、
結果として、3群とも同一摂取カロリーとなった。
低炭水化物食群では、我慢することなる自然に摂取エネルギーが減ったと考えられる。
Iris Shai,et all:Weight Loss with a Low-Carbohydrate,Mediterranean,or Low-Fat Diet. NENGLJ MED JULY17,2008、VOL359.NO.3 229-241
【これらの結果から佐藤氏らは、「血糖コントロール不良の2型糖尿病患者に対し、糖質制限食は短期的には減量のための手段として有効なことが明らかになった」と発表。ただし、低血糖症状が現れた患者がいたこと、試験終了までに中断した患者数は糖質制限食群で多かったことに触れ、「低血糖のリスクに加え、患者によってはエネルギー制限食に比べて続けられない人がいる可能性もある。そのため、対象患者は十分に選ぶ必要があると考えられる。また、今回は短期的な検討結果であったため、今後は長期的継続の問題点を検討する必要がある」とまとめた。】
糖質制限食実践で、リアルタイムに食後高血糖が改善するので、薬やインスリンが同量のままなら、当然低血糖のリスクが生じます。
4人の患者さんで低血糖が生じたのは、医療側の問題であり、油断は禁物と思います。
高雄病院では、スーパー糖質制限食なら、食前のインスリンは1/3以下にし、SU剤やグリニド剤は中止します。
これなら低血糖のリスクは回避できます。
江部康二
以下
日経メディカル
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/flash/jds2015/201505/542218.html
から、抜粋
【学会フラッシュ:第58回日本糖尿病学会
2015年5月21日~24日 下関
糖質制限食でHbA1cとBMIが改善
低血糖リスクや継続可否を考慮し対象者の選定を
2015/5/23日本糖尿病学会取材班
順天堂大学代謝内分泌内科学の佐藤淳子氏
エネルギー制限食を続けられない2型糖尿病患者は多く、こうした患者を中心に糖質制限食が注目されている。血糖コントロール不良の2型糖尿病患者を対象に、糖質制限食の有効性と安全性を検討する目的で前向きランダム化比較試験を実施した結果、糖質制限食を摂取した群でHbA1cとBMIの改善を認めたことが明らかになった。順天堂大学代謝内分泌内科学の佐藤淳子氏らが第58回日本糖尿病学会(5月21~24日、下関開催)で発表した。
対象は、エネルギー制限食による栄養指導を2回以上受けるものの継続できず、HbA1c値が7.5%以上とコントロール不良で、BMI23kg/m2以上の成人2型糖尿病患者66人。尿定性検査で持続的に蛋白が陽性を示したり、血清クレアチニンが2.0mg/dL以上といった腎症の患者、重篤な合併症を持つ患者は除外した。
基準を満たした患者66人をエネルギー制限食群(33人)と糖質制限食群(33人)に割り付け、採血、採尿、体重測定、外来診療に加え、0、1、2、4、6カ月目に栄養指導(3日間の食事記録を基に)を実施した。この際、エネルギー制限食群には理想体重×28kcal/日を基本とするよう指導し、糖質制限食群には1日の糖質摂取を約130gにし、摂取する食品に制限は設けないが脂質は飽和脂肪酸よりも不飽和脂肪酸を多く摂取するように指導した。
試験開始時の患者背景および臨床背景は、エネルギー制限食群と脂質制限食群で男性比、年齢、BMI、HbA1c、糖尿病歴、TG、HDL-C、カロリー摂取量などで有意な差は認めなかった。
試験開始時と終了時で改善度合いを見た結果、糖質制限食群の方がエネルギー制限食群と比べ、HbA1cとBMIが有意に改善した(それぞれP=0.008、P=0.03)。具体的な数値は、HbA1cは糖質制限食群が-0.65%(-1.53~-0.1)、エネルギー制限食群が0%(-0.68~0.4)。BMIは糖質制限食群が-0.58kg/m2(-1.51~-0.16)だったのに対し、エネルギー制限食群は-0.22kg/m2(-0.58~0.24) だった。
食事内容について、試験終了時と開始時との差を両群で比較したところ、糖質制限食群で摂取カロリーと炭水化物量が有意に改善していた。カロリー摂取量は、糖質制限食群は-406kcal/日(-587~-44)となり、エネルギー制限食群の-14kcal/日(-449~-177)と比べて有意に減少していた(P=0.01)。炭水化物量も、糖質制限食群は-87g/日(-116~-40)で、エネルギー制限食群の-3g/日(-54~30)と比べて有意に減少した(P<0.01)。また、わずかではあるもののタンパク質や脂質についても糖質制限食の方が減少する傾向にあった。
糖尿病薬の増減については、エネルギー制限食群で糖尿病薬を減量したのは1人(メトホルミン・αグルコシダーゼ阻害薬)のみだったのに対し、糖質制限食群では6人が糖尿病薬を減薬できていた(SU薬4人、αグルコシダーゼ阻害薬2人、メトホルミン1人)。このうち2人は開始時から薬剤を減量していた。また、4人(1人は疑い例)の患者で低血糖症状が認め、その後インスリン投与量を減らした患者もいた。
なお、試験開始後に中断した患者数は、エネルギー制限食群は1人(他疾患で手術を行うため)。糖質制限食群では3人となった。糖質制限食群で中断した患者の内訳は、1人は自己中断、1人はプロトコール非遵守、1人は他疾患悪化が原因だった。
以前に通常の栄養指導を受けても血糖がうまくコントロールできなかった患者が対象ではあるものの、6カ月間の試験終了時、糖質制限食群でHbA1cとBMIは有意に改善し、試験期間中に約87g/日の炭水化物が減少。平均エネルギー摂取量も約400kcal/日減った。糖尿病薬を減薬することができた患者もいたほか、今回の検討では腎機能や脂質の悪化は認められなかった。
これらの結果から佐藤氏らは、「血糖コントロール不良の2型糖尿病患者に対し、糖質制限食は短期的には減量のための手段として有効なことが明らかになった」と発表。ただし、低血糖症状が現れた患者がいたこと、試験終了までに中断した患者数は糖質制限食群で多かったことに触れ、「低血糖のリスクに加え、患者によってはエネルギー制限食に比べて続けられない人がいる可能性もある。そのため、対象患者は十分に選ぶ必要があると考えられる。また、今回は短期的な検討結果であったため、今後は長期的継続の問題点を検討する必要がある」とまとめた。】
2015年05月25日 (月)
【15/05/24 かんたん
こんばんは。以前、頻尿の事で書かせていただきました、かんたんです。
今月半ばで、糖質制限をして1ヶ月半になりました。反応性低血糖がなくなり、頻尿も落ち着き体調良く過ごしています。先生のブログと書籍に出会えて本当に良かったです。
この度、また書かせていただきたく思ったのは、スーパー糖質制限を正しくおこなっていれば、短期間でも血液検査の結果が変わる事です。糖質セイゲニストの方々には、常識である事ですが、糖質制限を始めようか考えている方や、私のように始めて間もない方、いつも血液検査で泣かされている方にと思いました。
糖質制限を始める前の、3月。そして、始めてから1ヶ月半年近くの結果です。
糖質制限して、1ヶ月半が経ちました。この辺で、1度血液検査をしようと思い内科医にお願いしました。
結果が出ました!
3月4日検査 / 5月12日検査
LDLコレステロール値(基準値70~139)
156 / 145
HDLコレステロール値(基準値40~86)
44 / 56
中性脂肪(基準値35~149)
199 / 148
血糖値(空腹時70~109)
116 / 95
HbA1c(基準値4.6~6.2)
5.4 / 5.0
GOT(基準値10〜40)
18/20
GPT(5〜45)
13/14
ALP(110〜360)
219/212
r-GT(M75以下、F45以下)
18/15
と、出ました(^-^)
これは、かなり改善されています。まずは、LDLが下がりました。そして、HDLが上がりました。
中性脂肪は、去年のMAXは286でした。それが、大幅に減っています。私は、痩せていた時も中性脂肪は高かったのですが、基準値におさまるのは20代の時以来です。
血糖値は、実は昼食後2時間の数値です。
HbA1cは、順調に下がってます。
※HbA1cとは、計測した日から1~2ヶ月前の血糖の状態を推定する数値です。
これは、糖質制限を続ける上でモチベーションのアップに繋がりますね。内科医に、「凄いです!短期間に改善されてます!」と、言われニンマリ顔になってました。
※私は、糖尿人ではありませんが高インスリン血症です。何も知らないまま、いつもの高糖質の食事をしていたら糖尿人になっていました。
誰もが皆、このくらいの期間で改善するとは思ってはおりません。ただ、糖質制限を始めてみよう!と考えている方の背中を軽く押せたらと思いました。
長くなりましたが、読んでいただきありがとうございました。
これからも、美味しく楽しく行きます。
先生、ありがとうございます。】
こんにちは。
かんたんさんから、糖質制限食開始1ヶ月半という短期間で、検査データ改善が改善したという嬉しいコメントをいただきました。とても参考になります。
ありがとうございます。
糖質制限食で速やかに改善する検査もあればゆっくり改善する検査もあります。
またかんたんさんのように、ほとんどのデータが速やかに改善する人もありますが、こちらは個人差があります。
かんたんさん、反応性低血糖がなくなり、頻尿も落ち着き体調も良好で良かったです。
HbA1c、血糖値、中性脂肪値は、ほとんどの人でスーパー糖質制限食なら、1~2ヶ月で速やかに改善します。
HDLコレステロールとLDLコレステロールは、かんたんさんのように速やかに改善する場合もありますが、かなり期間が経過して改善する人もいます。
<スーパー糖質制限食実践時の検査データの推移>
①血糖値は糖質制限食実践時にリアルタイムに
改善します。
②スーパー糖質制限食なら、HbA1cは月に1~2%
改善します。
③中性脂肪も速やかに改善します。
④HDLコレステロールは増加しますが、増加の程度と
速度に個人差があります。
⑤LDLコレステロールは低下・不変・上昇と個人差が
あります。
上昇した人も半年〜1年~2年、3年くらいで落ち着く
ことが多いですが、個人差があります。
⑥総コレステロールは、低下・不変・上昇と個人差が
あります。
上昇した人も半年〜1年~2年、3年くらいで落ち着く
ことが多いですが、個人差があります。
⑦尿酸も低下・不変・上昇と個人差があります。
上昇した場合は、ほとんどが摂取エネルギー不足が
原因です。
⑧尿素窒素はやや増加傾向になる人が多いですが、
そのうち落ちつくことが多いです。
⑨クレアチニンは不変です。
⑩血清シスタチンCも不変です。
⑪血清カリウムも不変です。
⑫血中ケトン体は基準値より高値となりますが、生理
的なもので心配ありません。
⑬尿中ケトン体は当初3カ月〜半年は陽性になります
が、その後陰性になることが多いです。
⑭脂肪肝に付随するGPTやγGTP値も改善します。
LDLコレステロール・総コレステロールに関して「低下・不変・上昇」と個人差があるのですが、糖質制限食開始前に菜食中心で食材のコレステロールが少ない場合、肝臓でコレステロールをつくる能力が高まっています。
そういう場合糖質制限食で肉や卵などコレステロールの多い食材を摂取すると、一過性にLDL-コレステロール値が高くなりますが、半年~1年~2年、3年で落ち着くことが多いです。
私自身は、HDLコレステロールはかなり増加し、LDLコレステロールは少し低下しました。
江部康二
こんばんは。以前、頻尿の事で書かせていただきました、かんたんです。
今月半ばで、糖質制限をして1ヶ月半になりました。反応性低血糖がなくなり、頻尿も落ち着き体調良く過ごしています。先生のブログと書籍に出会えて本当に良かったです。
この度、また書かせていただきたく思ったのは、スーパー糖質制限を正しくおこなっていれば、短期間でも血液検査の結果が変わる事です。糖質セイゲニストの方々には、常識である事ですが、糖質制限を始めようか考えている方や、私のように始めて間もない方、いつも血液検査で泣かされている方にと思いました。
糖質制限を始める前の、3月。そして、始めてから1ヶ月半年近くの結果です。
糖質制限して、1ヶ月半が経ちました。この辺で、1度血液検査をしようと思い内科医にお願いしました。
結果が出ました!
3月4日検査 / 5月12日検査
LDLコレステロール値(基準値70~139)
156 / 145
HDLコレステロール値(基準値40~86)
44 / 56
中性脂肪(基準値35~149)
199 / 148
血糖値(空腹時70~109)
116 / 95
HbA1c(基準値4.6~6.2)
5.4 / 5.0
GOT(基準値10〜40)
18/20
GPT(5〜45)
13/14
ALP(110〜360)
219/212
r-GT(M75以下、F45以下)
18/15
と、出ました(^-^)
これは、かなり改善されています。まずは、LDLが下がりました。そして、HDLが上がりました。
中性脂肪は、去年のMAXは286でした。それが、大幅に減っています。私は、痩せていた時も中性脂肪は高かったのですが、基準値におさまるのは20代の時以来です。
血糖値は、実は昼食後2時間の数値です。
HbA1cは、順調に下がってます。
※HbA1cとは、計測した日から1~2ヶ月前の血糖の状態を推定する数値です。
これは、糖質制限を続ける上でモチベーションのアップに繋がりますね。内科医に、「凄いです!短期間に改善されてます!」と、言われニンマリ顔になってました。
※私は、糖尿人ではありませんが高インスリン血症です。何も知らないまま、いつもの高糖質の食事をしていたら糖尿人になっていました。
誰もが皆、このくらいの期間で改善するとは思ってはおりません。ただ、糖質制限を始めてみよう!と考えている方の背中を軽く押せたらと思いました。
長くなりましたが、読んでいただきありがとうございました。
これからも、美味しく楽しく行きます。
先生、ありがとうございます。】
こんにちは。
かんたんさんから、糖質制限食開始1ヶ月半という短期間で、検査データ改善が改善したという嬉しいコメントをいただきました。とても参考になります。
ありがとうございます。
糖質制限食で速やかに改善する検査もあればゆっくり改善する検査もあります。
またかんたんさんのように、ほとんどのデータが速やかに改善する人もありますが、こちらは個人差があります。
かんたんさん、反応性低血糖がなくなり、頻尿も落ち着き体調も良好で良かったです。
HbA1c、血糖値、中性脂肪値は、ほとんどの人でスーパー糖質制限食なら、1~2ヶ月で速やかに改善します。
HDLコレステロールとLDLコレステロールは、かんたんさんのように速やかに改善する場合もありますが、かなり期間が経過して改善する人もいます。
<スーパー糖質制限食実践時の検査データの推移>
①血糖値は糖質制限食実践時にリアルタイムに
改善します。
②スーパー糖質制限食なら、HbA1cは月に1~2%
改善します。
③中性脂肪も速やかに改善します。
④HDLコレステロールは増加しますが、増加の程度と
速度に個人差があります。
⑤LDLコレステロールは低下・不変・上昇と個人差が
あります。
上昇した人も半年〜1年~2年、3年くらいで落ち着く
ことが多いですが、個人差があります。
⑥総コレステロールは、低下・不変・上昇と個人差が
あります。
上昇した人も半年〜1年~2年、3年くらいで落ち着く
ことが多いですが、個人差があります。
⑦尿酸も低下・不変・上昇と個人差があります。
上昇した場合は、ほとんどが摂取エネルギー不足が
原因です。
⑧尿素窒素はやや増加傾向になる人が多いですが、
そのうち落ちつくことが多いです。
⑨クレアチニンは不変です。
⑩血清シスタチンCも不変です。
⑪血清カリウムも不変です。
⑫血中ケトン体は基準値より高値となりますが、生理
的なもので心配ありません。
⑬尿中ケトン体は当初3カ月〜半年は陽性になります
が、その後陰性になることが多いです。
⑭脂肪肝に付随するGPTやγGTP値も改善します。
LDLコレステロール・総コレステロールに関して「低下・不変・上昇」と個人差があるのですが、糖質制限食開始前に菜食中心で食材のコレステロールが少ない場合、肝臓でコレステロールをつくる能力が高まっています。
そういう場合糖質制限食で肉や卵などコレステロールの多い食材を摂取すると、一過性にLDL-コレステロール値が高くなりますが、半年~1年~2年、3年で落ち着くことが多いです。
私自身は、HDLコレステロールはかなり増加し、LDLコレステロールは少し低下しました。
江部康二
2015年05月24日 (日)
「なぜ糖質制限をすると糖尿病が良くなるのか」
江部 康二 (著)
ナツメ社
2015年5月18日刊行
こんにちは。
新刊のご案内です。
糖質制限のしくみ、食品の選び方・食べ方がこの本1冊でわかります。
糖質制限食がなぜ糖尿病によいのか、何を避けて何を食べればよいのか、また注意すべきことは何か。
この1冊で詳しく解説します。
この本は2010年に出版した「糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食」の内容を刷新した新版です。
旧版は、2014年9月現在で20刷を記録し、豊富なイラストと図解が読者から好評をいただき、発売から4年が経っても増刷を続けています。
旧版以降に糖尿病の研究が大幅に進み、日本の内外で糖尿病治療に大きな変化がありました。
新版を出すに当たり、そうした変化に応じて内容を一部改めました。
江部康二
以下は、「なぜ糖質制限をすると糖尿病が良くなるのか」のはじめにです。
はじめに
2013年以降、糖質制限食に関連して5つのうれしい変化がありました。
1つ目はアメリカで、糖尿病の食事療法の1つとして正式に認められたことです。これは、米国糖尿病学会が2013年10月に出した栄養療法に関する声明で発表されました。さらに同声明では「唯一無二の糖尿病食事療法はない」と明言しています。日本糖尿病学会の2013年3月の提言においては、「腎障害や脂質異常の有無に留意して・・・炭水化物の摂取比率が50%エネルギーを下回ることもありうる。」という記載もあります。しかし基本は相変わらず唯一無二のカロリー制限食(糖質50~60%)を推奨していますので、米国糖尿病学会の声明は日本糖尿病学会への痛烈な批判となっています。
また、日本腎臓病学会は「CKD治療ガイド2013」で、eGFRが60ml/分以上あれば、顕性タンパク尿の段階でも、タンパク質制限の必要なしとしました。即ち糖尿病腎症第3期でも eGFRが60ml/分以上あればタンパク質制限の必要なしなので糖質制限食も実践しやすくなりました。eGFRが60ml/分未満の場合は個別に相談して糖質制限食を導入するか否かを相談することとなります。
さらに2012年度の厚生労働省の調査で、糖尿病の患者数の増加率が激減し、予備群は調査を開始して以来、初めて減少したことが、2013年に発表されました。その背景には、2008年から2010年の調査で97年以来13年ぶりに炭水化物摂取比率が減少(60.4%→59.4%)し、97年以来13年ぶりに脂質摂取比率が上昇(24.9%→25.9%)したことがあります。ここ数年糖質制限食が急速に広まってきたことが大きな要因であることは間違いないでしょう。
4つめとして、血中ケトン体高値の安全性が確立されました。日本病態栄養学会年次学術集会(2014)において宗田哲男先生が、胎盤絨毛のケトン体値は成人基準値の20~30倍であることを報告され、ケトン体への懸念は払拭されました。
5つめとして、2014年7月の日経メディカルアンケートにおいて、回答した2263名の医師の過半数が「糖質制限」支持であることがわかりました。
こうした、糖質制限食への追い風ともいえる情報が、ここ数年続々と現れています。
この本は2010年に出版した「糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食」の内容を刷新した新版です。旧版は、2014年9月現在で20刷を記録し、豊富なイラストと図解が読者から好評をいただき、発売から4年が経っても増刷を続けています。
旧版を出版した当時は、「糖質」という言葉も一般的ではありませんでしたが、近年「糖質制限食」は雑誌やテレビで糖尿病の治療としてよく取り上げられ、広く認知されています。ダイエット法や健康法としてもよく聞かれるようになりました。
また、糖質オフのビールやスイーツ、パンも開発が進み、コンビニやスーパーで手軽に手に入るようになりました。糖尿人にとっては、かなり過ごしやすい環境になったのではないでしょうか。
糖質制限食の方法としては、やはりスーパーが一番のお奨めです。特に糖尿人においては、食後高血糖を生じない唯一の食事療法が「スーパー糖質制限食」です。旧版以降に糖尿病の研究が大幅に進み、日本の内外で糖尿病治療に大きな変化がありました。新版を出すに当たり、そうした変化に応じて内容を一部改めました。
基本的に糖質制限食は安全な治療法ですが、進めていく上でトラブルが起きたり、まれに不快な症状が現れたりする人もいます。それに対する解決法も示しています。糖質制限食が広まったことで出てきた批判にも返答していますから、不安や心配を払しょくし、安心して糖質制限食に取り組んでいただけます。2015年2月現在の糖質制限食の最新情報を網羅していますから、旧版や既刊を購入いただいた方にも、今回の新版はお役に立つでしょう。
本書が、糖尿人ならびに糖質セイゲニストの豊かな生活と食事の一助となりますことを、心よりお祈りします。
2015年4月
高雄病院理事長 江部康二
江部 康二 (著)
ナツメ社
2015年5月18日刊行
こんにちは。
新刊のご案内です。
糖質制限のしくみ、食品の選び方・食べ方がこの本1冊でわかります。
糖質制限食がなぜ糖尿病によいのか、何を避けて何を食べればよいのか、また注意すべきことは何か。
この1冊で詳しく解説します。
この本は2010年に出版した「糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食」の内容を刷新した新版です。
旧版は、2014年9月現在で20刷を記録し、豊富なイラストと図解が読者から好評をいただき、発売から4年が経っても増刷を続けています。
旧版以降に糖尿病の研究が大幅に進み、日本の内外で糖尿病治療に大きな変化がありました。
新版を出すに当たり、そうした変化に応じて内容を一部改めました。
江部康二
以下は、「なぜ糖質制限をすると糖尿病が良くなるのか」のはじめにです。
はじめに
2013年以降、糖質制限食に関連して5つのうれしい変化がありました。
1つ目はアメリカで、糖尿病の食事療法の1つとして正式に認められたことです。これは、米国糖尿病学会が2013年10月に出した栄養療法に関する声明で発表されました。さらに同声明では「唯一無二の糖尿病食事療法はない」と明言しています。日本糖尿病学会の2013年3月の提言においては、「腎障害や脂質異常の有無に留意して・・・炭水化物の摂取比率が50%エネルギーを下回ることもありうる。」という記載もあります。しかし基本は相変わらず唯一無二のカロリー制限食(糖質50~60%)を推奨していますので、米国糖尿病学会の声明は日本糖尿病学会への痛烈な批判となっています。
また、日本腎臓病学会は「CKD治療ガイド2013」で、eGFRが60ml/分以上あれば、顕性タンパク尿の段階でも、タンパク質制限の必要なしとしました。即ち糖尿病腎症第3期でも eGFRが60ml/分以上あればタンパク質制限の必要なしなので糖質制限食も実践しやすくなりました。eGFRが60ml/分未満の場合は個別に相談して糖質制限食を導入するか否かを相談することとなります。
さらに2012年度の厚生労働省の調査で、糖尿病の患者数の増加率が激減し、予備群は調査を開始して以来、初めて減少したことが、2013年に発表されました。その背景には、2008年から2010年の調査で97年以来13年ぶりに炭水化物摂取比率が減少(60.4%→59.4%)し、97年以来13年ぶりに脂質摂取比率が上昇(24.9%→25.9%)したことがあります。ここ数年糖質制限食が急速に広まってきたことが大きな要因であることは間違いないでしょう。
4つめとして、血中ケトン体高値の安全性が確立されました。日本病態栄養学会年次学術集会(2014)において宗田哲男先生が、胎盤絨毛のケトン体値は成人基準値の20~30倍であることを報告され、ケトン体への懸念は払拭されました。
5つめとして、2014年7月の日経メディカルアンケートにおいて、回答した2263名の医師の過半数が「糖質制限」支持であることがわかりました。
こうした、糖質制限食への追い風ともいえる情報が、ここ数年続々と現れています。
この本は2010年に出版した「糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食」の内容を刷新した新版です。旧版は、2014年9月現在で20刷を記録し、豊富なイラストと図解が読者から好評をいただき、発売から4年が経っても増刷を続けています。
旧版を出版した当時は、「糖質」という言葉も一般的ではありませんでしたが、近年「糖質制限食」は雑誌やテレビで糖尿病の治療としてよく取り上げられ、広く認知されています。ダイエット法や健康法としてもよく聞かれるようになりました。
また、糖質オフのビールやスイーツ、パンも開発が進み、コンビニやスーパーで手軽に手に入るようになりました。糖尿人にとっては、かなり過ごしやすい環境になったのではないでしょうか。
糖質制限食の方法としては、やはりスーパーが一番のお奨めです。特に糖尿人においては、食後高血糖を生じない唯一の食事療法が「スーパー糖質制限食」です。旧版以降に糖尿病の研究が大幅に進み、日本の内外で糖尿病治療に大きな変化がありました。新版を出すに当たり、そうした変化に応じて内容を一部改めました。
基本的に糖質制限食は安全な治療法ですが、進めていく上でトラブルが起きたり、まれに不快な症状が現れたりする人もいます。それに対する解決法も示しています。糖質制限食が広まったことで出てきた批判にも返答していますから、不安や心配を払しょくし、安心して糖質制限食に取り組んでいただけます。2015年2月現在の糖質制限食の最新情報を網羅していますから、旧版や既刊を購入いただいた方にも、今回の新版はお役に立つでしょう。
本書が、糖尿人ならびに糖質セイゲニストの豊かな生活と食事の一助となりますことを、心よりお祈りします。
2015年4月
高雄病院理事長 江部康二
2015年05月24日 (日)
【15/05/22 rikko
海外旅行の食事
いつも拝見させて頂いています。
この度 1週間イタリア旅行に出かけました。
パスタ、リゾットの街。自分たちで食事を選択す旅行ならともかく、添乗員さんにひたすらついて回る旅。もちろん食事は出されるままです。
H22年9月に境界型と言われ1か月カロリー制限。その後糖質制限を続けていますが、時々飲み会・食事会の時のみグルファストを服用。しかし海外旅行となると往復の飛行機の中を含めずっとということになりますので、今回テネリア20を飲んでみることにしました。その結果を報告します。
5/15
朝食前 97
朝食1時間後 130
昼食前 95
昼食1時間後 134
夕食前 87
夕食1時間後 123
5/18
夕食2時間後 127
5/19
夕食2時間後 109
これはなかなか良いぞと思っていました。
帰国後21日昼食に買ってきたリゾットを1人前弱食べました。その朝までテネリアは服用しています。
昼食後1時間後 206
旅行中はとにかく歩きました。なにせJTBの☆1という盛だくさんというかとにかく動き回るツアー。そのおかげで血糖値が抑えられたと思います。昨日は疲れ果て何もせずグターっとしているときの測定。
結論です。DPP4 阻害剤は低血糖も起こさず良い薬だと思います。しかしそれだけでは不十分。運動が必要です。旅行中の選択の一つとしてはありだと思います。
昨夜から糖質制限に戻りました。
また頑張ります。】
おはようございます。
rikko さんから、海外旅行の食事とDPP-4阻害剤について、コメントをいただきました。
よく歩いていた場合は、DPP-4阻害剤はかなり有効とのことです。
rikko さん、わかりやすい体験データをありがとうございます。
イタリア旅行中、テネリア(20)1錠(DPP-4阻害剤)を内服して食事。
5/15
朝食前 97
朝食1時間後 130
昼食前 95
昼食1時間後 134
夕食前 87
夕食1時間後 123
5/18
夕食2時間後 127
5/19
夕食2時間後 109
イタリア旅行ですから、当然、パスタやピザを食べておられると思いますが、食後1時間血糖値も食後2時間血糖値も140mg/dl未満であり、コントロール極めて良好ですね。
ところが、帰国後、同じようにテネリア(20)1錠を内服していて
昼食にリゾットを1人前弱食べたところ
1時間後血糖値は206mg/dlと高値。
この差は、rikko さんのご考察の通り、運動量の差と考えられます。
イタリア旅行中は終日よく歩いたので
<DPP-4阻害剤+運動>の相乗効果がでたと考えられます。
帰国後は
<DPP-4阻害剤単独>なので、効果が運動ありに比し、激減しています。
単純には、運動が食後の血糖値を70~80mg下げている見当です。
私も、DPP-4阻害剤は、時々処方しますが、糖質を1人前食べて、食後1時間血糖値、食後2時間血糖値を140mgt/dl未満に保つような効果はありません。
rikko さんの、帰国後の運動なしの場合の、食後血糖値がDPP-4単独の効果の実態と思います。
食後血糖値に関して「糖質制限食の効果」と「運動の効果」を調べるため、2008年に高雄病院と東海大学で共同研究を実施しました。
研究結果は、2009年の日本糖尿病学会年次学術集会で発表されました。
「糖質制限食の効果」は見事に証明されました。
一方「運動の効果」に関して研究の結論は
1)基礎分泌インスリンがあるていど以上不足している段階の糖尿人には、運動療法の効果がほとんどない。
2)BMI25以上の糖尿人も運動効果はほとんど期待できない。
3)BMIが25未満の普通の体型の人で、インスリン基礎分泌があるていど残っていれば、運動療法の効果は
期待できる
ということでした。 (^^)
rikko さんも、基礎分泌インスリンがあるていど以上残っていて肥満がないので、運動の効果が顕著に出たのだと思います。
江部康二
海外旅行の食事
いつも拝見させて頂いています。
この度 1週間イタリア旅行に出かけました。
パスタ、リゾットの街。自分たちで食事を選択す旅行ならともかく、添乗員さんにひたすらついて回る旅。もちろん食事は出されるままです。
H22年9月に境界型と言われ1か月カロリー制限。その後糖質制限を続けていますが、時々飲み会・食事会の時のみグルファストを服用。しかし海外旅行となると往復の飛行機の中を含めずっとということになりますので、今回テネリア20を飲んでみることにしました。その結果を報告します。
5/15
朝食前 97
朝食1時間後 130
昼食前 95
昼食1時間後 134
夕食前 87
夕食1時間後 123
5/18
夕食2時間後 127
5/19
夕食2時間後 109
これはなかなか良いぞと思っていました。
帰国後21日昼食に買ってきたリゾットを1人前弱食べました。その朝までテネリアは服用しています。
昼食後1時間後 206
旅行中はとにかく歩きました。なにせJTBの☆1という盛だくさんというかとにかく動き回るツアー。そのおかげで血糖値が抑えられたと思います。昨日は疲れ果て何もせずグターっとしているときの測定。
結論です。DPP4 阻害剤は低血糖も起こさず良い薬だと思います。しかしそれだけでは不十分。運動が必要です。旅行中の選択の一つとしてはありだと思います。
昨夜から糖質制限に戻りました。
また頑張ります。】
おはようございます。
rikko さんから、海外旅行の食事とDPP-4阻害剤について、コメントをいただきました。
よく歩いていた場合は、DPP-4阻害剤はかなり有効とのことです。
rikko さん、わかりやすい体験データをありがとうございます。
イタリア旅行中、テネリア(20)1錠(DPP-4阻害剤)を内服して食事。
5/15
朝食前 97
朝食1時間後 130
昼食前 95
昼食1時間後 134
夕食前 87
夕食1時間後 123
5/18
夕食2時間後 127
5/19
夕食2時間後 109
イタリア旅行ですから、当然、パスタやピザを食べておられると思いますが、食後1時間血糖値も食後2時間血糖値も140mg/dl未満であり、コントロール極めて良好ですね。
ところが、帰国後、同じようにテネリア(20)1錠を内服していて
昼食にリゾットを1人前弱食べたところ
1時間後血糖値は206mg/dlと高値。
この差は、rikko さんのご考察の通り、運動量の差と考えられます。
イタリア旅行中は終日よく歩いたので
<DPP-4阻害剤+運動>の相乗効果がでたと考えられます。
帰国後は
<DPP-4阻害剤単独>なので、効果が運動ありに比し、激減しています。
単純には、運動が食後の血糖値を70~80mg下げている見当です。
私も、DPP-4阻害剤は、時々処方しますが、糖質を1人前食べて、食後1時間血糖値、食後2時間血糖値を140mgt/dl未満に保つような効果はありません。
rikko さんの、帰国後の運動なしの場合の、食後血糖値がDPP-4単独の効果の実態と思います。
食後血糖値に関して「糖質制限食の効果」と「運動の効果」を調べるため、2008年に高雄病院と東海大学で共同研究を実施しました。
研究結果は、2009年の日本糖尿病学会年次学術集会で発表されました。
「糖質制限食の効果」は見事に証明されました。
一方「運動の効果」に関して研究の結論は
1)基礎分泌インスリンがあるていど以上不足している段階の糖尿人には、運動療法の効果がほとんどない。
2)BMI25以上の糖尿人も運動効果はほとんど期待できない。
3)BMIが25未満の普通の体型の人で、インスリン基礎分泌があるていど残っていれば、運動療法の効果は
期待できる
ということでした。 (^^)
rikko さんも、基礎分泌インスリンがあるていど以上残っていて肥満がないので、運動の効果が顕著に出たのだと思います。
江部康二
2015年05月23日 (土)
こんばんは。
劇症1型糖尿病から生還された、ちくてつさんから、とても参考になるコメントをいただきました。
ありがとうございます。
「インスリンを上手に使ってください」
とのコメントですが、まさにその通りです。
インスリンは絶対に必要ですが、少量ですむほど身体には優しいのです。
ロッテルダム研究によれば、インスリン使用中の糖尿人ではアルツハイマー病の相対危険度は4.3倍です。
Rotterdam研究(Neurology1999:53:1937-1942)
「高齢者糖尿病における、脳血管性痴呆(VD)の相対危険度は2.0倍。
アルツハイマー型痴呆(AD)の相対危険度は1.9倍。
インスリン使用者の相対危険度は4.3倍」
インスリン注射をしている糖尿人は、メトグルコで治療している糖尿人に比べてガンのリスクが1.9倍というカナダの研究もあります。
2005年の第65回米国糖尿病学会、
カナダのSamantha博士等が、10309名の糖尿病患者の研究成果を報告、
その後論文化。コホート研究。
「メトフォルミン(インスリン分泌を促進させない薬)を使用しているグループに比べて、インスリンを注射しているグループは、癌死亡率が1.9倍高まる。SU剤(インスリン分泌促進剤)を内服しているグループは癌死亡率が1.3倍高まる。」
Diabetes Care February 2006 vol. 29 no. 2 254-258
1型糖尿人でも2型糖尿人でも、インスリン注射を打っているなら、是非ともスーパー糖質制限食を実践して欲しいと思います。
従来の糖尿病食に比べたら、食前のインスリンの単位を1/3以下に減らすことができます。
インスリン注射は、上手に使いこなすことが、大変重要なのです。
アルツハイマー病もガンも各種難病も、皆なりたくないのは当たり前と思います。
10年前の京大医学部49年卒の同窓会で、「一番なりたくない病気は何か?」という質問を集まった数十名にしてみたところ、
ほぼ全員が「アルツハイマー病」と答えたのは印象的でした。
ちくてつさんのご意見と全く同様ですね。
閑話休題
ちくてつさん、
「ばあさまと恋に落ちた」
糖質制限OK食材、わかりやすくていいですね。
ば バター
あ アボガド
さ 魚
ま マヨネーズ
と 豆腐
こ コーヒー
い 犬
に 肉
お オリーブオイル
ち チーズ
た 卵
江部康二
【15/05/22 ちくてつです
インスリンを上手に使ってください
江部先生、ご紹介、ありがとうございます。
インスリンポンプ人になって、いろんなことに気づきました。
ニプロのCMに、中学生が手帳を見せて、ナースさんから「頑張っているじゃない」とほめられるものがありました。
何の手帳か、何の意味か、わからなかったのですが、この男子学生は1型糖尿病で、血糖値の記録をつける手帳をみせていたのだと、退院後にはじめて理解しました。
注射をし、血糖をつける日々。小学生から死ぬまで続きます。
私は63歳で発症しましたから、平均余命は19年ほどありますので、合併症さえ起こさなければ、良い人生を過ごせると思います。
「幸せな死のために一刻も早くあなたにお伝えしたいこと 若き外科医が見つめた『いのち』の現場三百六十五日」 (幻冬舎新書)
というベストセラーに、医者は「死ぬよりつらい人生があることを100%知っている」というすごいコメントがありました。
本当です。私も劇症1型を発症するまでは、死を意識したことはありませんから、「死ぬよりつらい状態」を考えもしませんでした。しかし著者のドクターは、ALSの例を出して、そんな状態があると説明しています。
私の場合、「死ぬよりつらい状態」があると、この本で気づきました。
糖尿病由来の失明。毎年3000人。
闘病由来の下肢切断。毎年3000人。
糖尿病由来の血液透析。毎年1万6000人。そのうちの2人に1人は5年生きられない。
「死ぬよりもつらい状態」よりもさらにつらい「最悪の状態」があることにも気づきました。
アルツハイマー病です。
糖尿人は正常人の2倍のリスク、インスリン依存の糖尿人は4倍のリスクです。
ですから、真剣に糖質制限をおこなって、自分も家族も不幸にする、このような未来を回避しなければならないと思います。
事実を知って、真摯に努力したいですね。
◎インスリンを拒む必要はありません
私の場合、この世に生還した時に、インスリンが出なくなっていました。完璧にすい臓の機能が壊れていました。
主治医の、「あなたを自殺させるわけにはゆかない」という説得に、「はい、従います」と答えました。
そして、想像もしなかったインスリン注射生活が始まりました。
第一回の注射、自分でしますが、「あらっ、なんてことはない」
全然痛くもなく、チクリ以下の感覚でした。
入院中、食前に3回、血糖値の測定とともに注射しました。
その後、糖尿病の雑誌、「さかえ」を渡されて、開いたページに、インスリン注射生活50年以上を達成した(生き延びた)人たちが、メーカーのイーライリリー社から表彰されたと紹介されていました。
実名での紹介です。
山田タエ子さま90歳、インスリン治療歴51歳などと。
10数名の皆さんの笑顔を見ていて、インスリンへの偏見が消えました。
2型人はインスリンをつかえば、すい臓の機能をよみがえらせる可能性があります。
1型人はインスリンで合併症を予防できて、死ぬよりつらい人生を回避できます。
糖質制限でインスリンの量が減らせると江部先生が言われているとおりです。インスリン人こそ、糖質制限ですね。
ところで、私が大好きだったのが、カツカレーです。美味しかったですねぇ^^;
いまも思い出します。
しかし、糖尿人にカレーはNGです。
「マンガでわかる肉体改造」というギャグマンガの単行本のなかに、カレーの材料、米、小麦粉、じゃがいも、人参などでカレーライス1杯500グラムに糖質が150グラムと説明されていました。
糖質150グラム=1型糖尿人の血糖値を150x5=750mg/dl上げてしまいます。
カツカレーへの欲求はこの数値を見て、完璧に消えました。
笑ってしまったのが、食べて良い食材の暗記方法です。
ごろあわせ。
「ばあさまと恋に落ちた」
ば バター
あ アボガド
さ 魚
ま マヨネーズ
と 豆腐
こ コーヒー
い 犬
に 肉
お オリーブオイル
ち チーズ
た 卵
犬が入っているのがギャグなんです。笑えますが、忘れませんね。
皆さんの参考、糖質制限への刺激になれば幸いです。】
劇症1型糖尿病から生還された、ちくてつさんから、とても参考になるコメントをいただきました。
ありがとうございます。
「インスリンを上手に使ってください」
とのコメントですが、まさにその通りです。
インスリンは絶対に必要ですが、少量ですむほど身体には優しいのです。
ロッテルダム研究によれば、インスリン使用中の糖尿人ではアルツハイマー病の相対危険度は4.3倍です。
Rotterdam研究(Neurology1999:53:1937-1942)
「高齢者糖尿病における、脳血管性痴呆(VD)の相対危険度は2.0倍。
アルツハイマー型痴呆(AD)の相対危険度は1.9倍。
インスリン使用者の相対危険度は4.3倍」
インスリン注射をしている糖尿人は、メトグルコで治療している糖尿人に比べてガンのリスクが1.9倍というカナダの研究もあります。
2005年の第65回米国糖尿病学会、
カナダのSamantha博士等が、10309名の糖尿病患者の研究成果を報告、
その後論文化。コホート研究。
「メトフォルミン(インスリン分泌を促進させない薬)を使用しているグループに比べて、インスリンを注射しているグループは、癌死亡率が1.9倍高まる。SU剤(インスリン分泌促進剤)を内服しているグループは癌死亡率が1.3倍高まる。」
Diabetes Care February 2006 vol. 29 no. 2 254-258
1型糖尿人でも2型糖尿人でも、インスリン注射を打っているなら、是非ともスーパー糖質制限食を実践して欲しいと思います。
従来の糖尿病食に比べたら、食前のインスリンの単位を1/3以下に減らすことができます。
インスリン注射は、上手に使いこなすことが、大変重要なのです。
アルツハイマー病もガンも各種難病も、皆なりたくないのは当たり前と思います。
10年前の京大医学部49年卒の同窓会で、「一番なりたくない病気は何か?」という質問を集まった数十名にしてみたところ、
ほぼ全員が「アルツハイマー病」と答えたのは印象的でした。
ちくてつさんのご意見と全く同様ですね。
閑話休題
ちくてつさん、
「ばあさまと恋に落ちた」
糖質制限OK食材、わかりやすくていいですね。
ば バター
あ アボガド
さ 魚
ま マヨネーズ
と 豆腐
こ コーヒー
い 犬
に 肉
お オリーブオイル
ち チーズ
た 卵
江部康二
【15/05/22 ちくてつです
インスリンを上手に使ってください
江部先生、ご紹介、ありがとうございます。
インスリンポンプ人になって、いろんなことに気づきました。
ニプロのCMに、中学生が手帳を見せて、ナースさんから「頑張っているじゃない」とほめられるものがありました。
何の手帳か、何の意味か、わからなかったのですが、この男子学生は1型糖尿病で、血糖値の記録をつける手帳をみせていたのだと、退院後にはじめて理解しました。
注射をし、血糖をつける日々。小学生から死ぬまで続きます。
私は63歳で発症しましたから、平均余命は19年ほどありますので、合併症さえ起こさなければ、良い人生を過ごせると思います。
「幸せな死のために一刻も早くあなたにお伝えしたいこと 若き外科医が見つめた『いのち』の現場三百六十五日」 (幻冬舎新書)
というベストセラーに、医者は「死ぬよりつらい人生があることを100%知っている」というすごいコメントがありました。
本当です。私も劇症1型を発症するまでは、死を意識したことはありませんから、「死ぬよりつらい状態」を考えもしませんでした。しかし著者のドクターは、ALSの例を出して、そんな状態があると説明しています。
私の場合、「死ぬよりつらい状態」があると、この本で気づきました。
糖尿病由来の失明。毎年3000人。
闘病由来の下肢切断。毎年3000人。
糖尿病由来の血液透析。毎年1万6000人。そのうちの2人に1人は5年生きられない。
「死ぬよりもつらい状態」よりもさらにつらい「最悪の状態」があることにも気づきました。
アルツハイマー病です。
糖尿人は正常人の2倍のリスク、インスリン依存の糖尿人は4倍のリスクです。
ですから、真剣に糖質制限をおこなって、自分も家族も不幸にする、このような未来を回避しなければならないと思います。
事実を知って、真摯に努力したいですね。
◎インスリンを拒む必要はありません
私の場合、この世に生還した時に、インスリンが出なくなっていました。完璧にすい臓の機能が壊れていました。
主治医の、「あなたを自殺させるわけにはゆかない」という説得に、「はい、従います」と答えました。
そして、想像もしなかったインスリン注射生活が始まりました。
第一回の注射、自分でしますが、「あらっ、なんてことはない」
全然痛くもなく、チクリ以下の感覚でした。
入院中、食前に3回、血糖値の測定とともに注射しました。
その後、糖尿病の雑誌、「さかえ」を渡されて、開いたページに、インスリン注射生活50年以上を達成した(生き延びた)人たちが、メーカーのイーライリリー社から表彰されたと紹介されていました。
実名での紹介です。
山田タエ子さま90歳、インスリン治療歴51歳などと。
10数名の皆さんの笑顔を見ていて、インスリンへの偏見が消えました。
2型人はインスリンをつかえば、すい臓の機能をよみがえらせる可能性があります。
1型人はインスリンで合併症を予防できて、死ぬよりつらい人生を回避できます。
糖質制限でインスリンの量が減らせると江部先生が言われているとおりです。インスリン人こそ、糖質制限ですね。
ところで、私が大好きだったのが、カツカレーです。美味しかったですねぇ^^;
いまも思い出します。
しかし、糖尿人にカレーはNGです。
「マンガでわかる肉体改造」というギャグマンガの単行本のなかに、カレーの材料、米、小麦粉、じゃがいも、人参などでカレーライス1杯500グラムに糖質が150グラムと説明されていました。
糖質150グラム=1型糖尿人の血糖値を150x5=750mg/dl上げてしまいます。
カツカレーへの欲求はこの数値を見て、完璧に消えました。
笑ってしまったのが、食べて良い食材の暗記方法です。
ごろあわせ。
「ばあさまと恋に落ちた」
ば バター
あ アボガド
さ 魚
ま マヨネーズ
と 豆腐
こ コーヒー
い 犬
に 肉
お オリーブオイル
ち チーズ
た 卵
犬が入っているのがギャグなんです。笑えますが、忘れませんね。
皆さんの参考、糖質制限への刺激になれば幸いです。】
2015年05月22日 (金)
【15/05/20 共香
愛玉子(オーギョーチ)という台湾デザートをご存じですか
江部先生、初めまして。
先月から糖質制限を始めています。
愛玉子(オーギョーチ)という台湾デザートをご存じですか。
台湾だけに自生するクワ科の木の実で 一般的にレモン味のシロップをかけて食べられているのですが 水の中で種を揉むだけでゲル状に固まり ペクチンが多く含まれ、腎臓の調子を整え利尿作用があるそうですが ゼリーとわらび餅の中間ぐらいの食感で、もちもちつるんと美味しく 母(糖尿病です)も私も昔から好きでよく食べていたのですが 調べてもその物自体の糖質は分かりませんでした。
糖質が低ければデザートや料理に色々と利用できるかなと思うのですが バーミヤンでも食べられると思います。
どうでしょうか。
お時間のある時にでもお答えいただけたらうれしいです。
既出の質問だったらすみません。
先生の著書はいくつか読ませていただいております。
私も4㎏ほど痩せました、いつもありがとうございます☆】
15/05/21 ドクター江部
Re: 愛玉子(オーギョーチ)という台湾デザートをご存じですか
共香 さん
愛玉子(オーギョーチー)は
台湾ではポピュラーなデザートで、アイギョクシ(愛玉子)はクワ科イチジク属のつる性植物。その果実から作られるゼリーのデザートをオーギョーチ(台湾語)という。(Wikipedia)
愛玉子(オーギョーチー)はそもそも果実であり、 カロリーも充分あるそうなので、糖質は多く含まれている可能性が高いです。 つまり糖質制限食NG食材です。
【15/05/21 alicia
愛玉子が気になって調べてみました!
愛玉子の栄養に関して調べていると
「米と同等のカロリーがある」と「カロリーはほとんどない」の二説に分離されていました。
市販品の栄養成分では加糖されているのが多く参考にしにくいですが、現地産の無糖愛玉子は2kcal/100g(?)との情報も…
参考:http://taiwangohan.blog.fc2.com/blog-entry-162.html
果実全体(または種子全体)で米と同等のカロリーが含まれるのであって、種子から抽出された成分のほとんどがペクチンならば低糖質食材に分類しても良いように思えます。
共香さんもその点が気になって質問されたのだと深読みしてみました。
一先ず、同等品の自作や凝固剤としての利用が目的なら製菓用ペクチンパウダーを購入した方が無難。という認識で結論をつけて良いでしょうか?
バーミヤンってレストランのデザート欄では「フルーツオーギョーチ 114kcal」で、見た感じ油脂成分が含まれなさそうなので、
材料の一部にゼラチンを利用していたとしても25g前後の糖質量を含んでいそうに見えます…】
【15/05/21 共香
お返事ありがとうございます
お忙しい中、早速のお返事ありがとうございます。
そうですか、残念です。
わらび餅風にできるかなと思っていたのですが。
若い頃、一日の食事をお茶漬けや素うどんなど 炭水化物だけで済ませていた時に 翌日にニキビができていて 脂っこい物食べてないのにどうしてだろうと思う日が何度かありました。
京都に住んでおりますので、いざとなったら母と共に 高雄病院にお世話になります。
ブログの更新いつもありがとうございます。】
こんにちは。
共香さん、alicia さんから、愛玉(オーギョー)、愛玉子(オーギョーチ)、オーギョーチゼリーになどについてコメント、質問をいただきました。
共香さん、私は、愛玉(オーギョー)や愛玉子(オーギョーチ)のことを、全く知らなかったのでWikipediaやネットでみて、一回目の回答を記載したのですが、浅学にして、かなり誤解していました。
すいませんでした。
alicia さんにご教示いただいた、サイトをみて、愛玉(オーギョー)の種である愛玉子(オーギョーチ)からつくったゼリーが、オーギョーチゼリーということが判明しました。
alicia さん、ありがとうございます。
Wikipediaも、よく読んでみると、
「取り出した胡麻粒ほどの大きさの種子を乾燥して保存し、愛玉冰の材料に用いる。」
と書いてありました。
愛玉は台湾語で「オーギョー」と発音するそうです。
台湾固有の植物でイチジクの仲間です。
発見は日本を代表する植物学者である牧野富太郎博士とのことです。
台湾では古くから食用とされていたようで、
その種子を愛玉子(オーギョーチ) と言います。
オーギョーチゼリーの作り方は、alicia さんにご教示いただいたサイトに詳しいです。
http://taiwangohan.blog.fc2.com/blog-entry-162.html
乾燥させた愛玉子(オーギョーチ)の入った袋を、一度沸騰させた水をいれたボウルに浸して、その後は袋をひたすら揉み込むのだそうです。
さて、愛玉子(オーギョーチ)は種子ですので、いわゆる果肉はありません。
そうすると成分は、ナッツに近く、脂質とたんぱく質が多くて糖質は少ないと考えられます。
それとペクチンがたっぷり含まれているものと思われます。
ペクチンは食物繊維に分類されています。
このように考察してみると砂糖や蜂蜜を入れていない、純粋なオーギョーチゼリーは、糖質制限食OK食品の可能性がでてきました。
しかし、純粋なオーギョーチゼリーの成分が載ったサイトは発見できませんでしたので、手に入れば、一度自分で人体実験をしてみようと思います。
江部康二
追記 2015/5/23(土)
15/05/22 山田 さんから
成分表の載っているサイトを教えて頂きました。
http://www.kainan-food.com.tw/prodetail.asp?id=751
ありがとうございます。
愛玉子(オーギョーチ、愛玉の種)の100gあたりの成分
カロリー:83.0kcal
蛋白質:1.4g
脂肪:0.6g
炭水化物:18.0g
糖 sugar:0.0g
愛玉子(オーギョーチ、愛玉の種)の炭水化物のかなりがペクチンの可能性があります。
しかも、乾燥したこの種を水の中で揉んで、ゼリーにするのですから、
水を含んだオギョーチゼリーの糖質量は、100gあたり、5g以下の可能性が高いので
糖質制限OK食材と思えてきました。
最終的にはやはり試してみることでしょうか。
愛玉子(オーギョーチ)という台湾デザートをご存じですか
江部先生、初めまして。
先月から糖質制限を始めています。
愛玉子(オーギョーチ)という台湾デザートをご存じですか。
台湾だけに自生するクワ科の木の実で 一般的にレモン味のシロップをかけて食べられているのですが 水の中で種を揉むだけでゲル状に固まり ペクチンが多く含まれ、腎臓の調子を整え利尿作用があるそうですが ゼリーとわらび餅の中間ぐらいの食感で、もちもちつるんと美味しく 母(糖尿病です)も私も昔から好きでよく食べていたのですが 調べてもその物自体の糖質は分かりませんでした。
糖質が低ければデザートや料理に色々と利用できるかなと思うのですが バーミヤンでも食べられると思います。
どうでしょうか。
お時間のある時にでもお答えいただけたらうれしいです。
既出の質問だったらすみません。
先生の著書はいくつか読ませていただいております。
私も4㎏ほど痩せました、いつもありがとうございます☆】
15/05/21 ドクター江部
Re: 愛玉子(オーギョーチ)という台湾デザートをご存じですか
共香 さん
愛玉子(オーギョーチー)は
台湾ではポピュラーなデザートで、アイギョクシ(愛玉子)はクワ科イチジク属のつる性植物。その果実から作られるゼリーのデザートをオーギョーチ(台湾語)という。(Wikipedia)
愛玉子(オーギョーチー)はそもそも果実であり、 カロリーも充分あるそうなので、糖質は多く含まれている可能性が高いです。 つまり糖質制限食NG食材です。
【15/05/21 alicia
愛玉子が気になって調べてみました!
愛玉子の栄養に関して調べていると
「米と同等のカロリーがある」と「カロリーはほとんどない」の二説に分離されていました。
市販品の栄養成分では加糖されているのが多く参考にしにくいですが、現地産の無糖愛玉子は2kcal/100g(?)との情報も…
参考:http://taiwangohan.blog.fc2.com/blog-entry-162.html
果実全体(または種子全体)で米と同等のカロリーが含まれるのであって、種子から抽出された成分のほとんどがペクチンならば低糖質食材に分類しても良いように思えます。
共香さんもその点が気になって質問されたのだと深読みしてみました。
一先ず、同等品の自作や凝固剤としての利用が目的なら製菓用ペクチンパウダーを購入した方が無難。という認識で結論をつけて良いでしょうか?
バーミヤンってレストランのデザート欄では「フルーツオーギョーチ 114kcal」で、見た感じ油脂成分が含まれなさそうなので、
材料の一部にゼラチンを利用していたとしても25g前後の糖質量を含んでいそうに見えます…】
【15/05/21 共香
お返事ありがとうございます
お忙しい中、早速のお返事ありがとうございます。
そうですか、残念です。
わらび餅風にできるかなと思っていたのですが。
若い頃、一日の食事をお茶漬けや素うどんなど 炭水化物だけで済ませていた時に 翌日にニキビができていて 脂っこい物食べてないのにどうしてだろうと思う日が何度かありました。
京都に住んでおりますので、いざとなったら母と共に 高雄病院にお世話になります。
ブログの更新いつもありがとうございます。】
こんにちは。
共香さん、alicia さんから、愛玉(オーギョー)、愛玉子(オーギョーチ)、オーギョーチゼリーになどについてコメント、質問をいただきました。
共香さん、私は、愛玉(オーギョー)や愛玉子(オーギョーチ)のことを、全く知らなかったのでWikipediaやネットでみて、一回目の回答を記載したのですが、浅学にして、かなり誤解していました。
すいませんでした。
alicia さんにご教示いただいた、サイトをみて、愛玉(オーギョー)の種である愛玉子(オーギョーチ)からつくったゼリーが、オーギョーチゼリーということが判明しました。
alicia さん、ありがとうございます。
Wikipediaも、よく読んでみると、
「取り出した胡麻粒ほどの大きさの種子を乾燥して保存し、愛玉冰の材料に用いる。」
と書いてありました。
愛玉は台湾語で「オーギョー」と発音するそうです。
台湾固有の植物でイチジクの仲間です。
発見は日本を代表する植物学者である牧野富太郎博士とのことです。
台湾では古くから食用とされていたようで、
その種子を愛玉子(オーギョーチ) と言います。
オーギョーチゼリーの作り方は、alicia さんにご教示いただいたサイトに詳しいです。
http://taiwangohan.blog.fc2.com/blog-entry-162.html
乾燥させた愛玉子(オーギョーチ)の入った袋を、一度沸騰させた水をいれたボウルに浸して、その後は袋をひたすら揉み込むのだそうです。
さて、愛玉子(オーギョーチ)は種子ですので、いわゆる果肉はありません。
そうすると成分は、ナッツに近く、脂質とたんぱく質が多くて糖質は少ないと考えられます。
それとペクチンがたっぷり含まれているものと思われます。
ペクチンは食物繊維に分類されています。
このように考察してみると砂糖や蜂蜜を入れていない、純粋なオーギョーチゼリーは、糖質制限食OK食品の可能性がでてきました。
しかし、純粋なオーギョーチゼリーの成分が載ったサイトは発見できませんでしたので、手に入れば、一度自分で人体実験をしてみようと思います。
江部康二
追記 2015/5/23(土)
15/05/22 山田 さんから
成分表の載っているサイトを教えて頂きました。
http://www.kainan-food.com.tw/prodetail.asp?id=751
ありがとうございます。
愛玉子(オーギョーチ、愛玉の種)の100gあたりの成分
カロリー:83.0kcal
蛋白質:1.4g
脂肪:0.6g
炭水化物:18.0g
糖 sugar:0.0g
愛玉子(オーギョーチ、愛玉の種)の炭水化物のかなりがペクチンの可能性があります。
しかも、乾燥したこの種を水の中で揉んで、ゼリーにするのですから、
水を含んだオギョーチゼリーの糖質量は、100gあたり、5g以下の可能性が高いので
糖質制限OK食材と思えてきました。
最終的にはやはり試してみることでしょうか。
2015年05月21日 (木)
こんにちは。
劇症1型糖尿病から生還された「ちくてつ」さんから、インスリンポンプのメリット・デメリットについて、詳しいコメントを頂きました。
ありがとうございます。
新刊『なぜ糖質制限をすると糖尿病が良くなるのか』2015/5/18(ナツメ社)
のご購入もありがとうございます。
ちくてつさんは、現在インスリンポンプを装着中ですので実体験レポートです。
私自身もインスリンポンプの患者さんは診ていないし、知識もほとんどなかったので、大変参考になりました。
インスリンポンプはとても便利な優れものですが、現時点で故障が多いのが難点で、担当医師もメンテナンスにあまり詳しくないとのことです。
それでバーンスタイン先生も、インスリンポンプよりもインスリン注射を推奨だそうです。
江部康二
15/05/20 ちくてつです
インスリン体験報告です
江部先生、毎日のブログ更新、ありがとうございます。
ナツメ社の新刊、Amazonで購入しました。在庫切れになっていましたから、好調に売れているようですね。
また、それだけニーズがあると思います。旧版には、たいへんお世話になりました。
半年前に劇症1型糖尿病を発症して以来、江部先生の本でたくさんのことを学び、糖質制限を実践してきました。
そして、この重篤な病気からたくさんのことを学びました。江部先生という存在を知ったことや、1型糖尿人で80歳を超えてお元気なバーンスタイン先生の「糖尿病の解決」と出会ったことです。
私の敬愛する塩谷信男医学博士(100歳まで現役で活躍されました)がモットーとされた「人生に無駄はない」を体験している最中です。
「糖尿病の解決」は絶版かと思っていましたら、Jeidoさんという方から、「版元の金芳堂のHP http://www.kinpodo-pub.co.jp/shosai/e0404-1399-5.html から普通に購入できますよ。送料500円かかりますが」と、ご親切な連絡がありました。
インスリンが生命維持に不可欠な1型糖尿人は絶対に読むべき本です。英語の原書もたいへんわかりやすいですから、海外の方はこちらをどうぞ。
今日、先生や1型糖尿人の方、21万人の方々に聞いていただきたいのは、インスリンポンプのことです。
入院中、インスリン注射の仕方を教わり、「インスリンポンプはどうですか? あなたでしたら使えると思います」と主治医にすすめられました(電子機器であり、表示はすべて英語なので、ハードルが高いわけです)。
インスリンポンプは24時間、体に装着し、ベーサル=基礎インスリンを毎時、0.1単位から設定でき、朝昼晩と注入できるスグレモノです。朝から昼が0.3単位、夜間が0.35単位とか設定できます。
そしてボーラスは食事前の血糖値を測り、いただく糖質に合わせてリスプロ(ヒューマログ)を注入します。ベーサルもボーラスもリスプロというのは、ひとつ問題で、バーンスタイン先生も指摘されていますが、インスリンポンプ人の大規模な人体実験でどうなるか、今後、わかってくるものと思われます。
ちなみに、バーンスタイン先生は、ポンプのトラブルを指摘されて、注射を推奨されています。
トラブルの最大のものは、インスリンポンプ人となって半年間の私の血糖値記録を見ましても、きちんとインスリンが注入できず、高血糖状態が続くトラブルが5、6回あったことです。
先週、天皇皇后両陛下がゆかれた金沢市を旅行しました。1型のインスリンポンプ人ですから、旅行には緊急時の注射器も持参します。
糖質制限食が、外食でしたからむずかしくて、血糖値が300mg/dl超えを記録し、2日間、200mg/dl超えでした。後で判明したのはポンプのトラブルでした!
(ところで、インスリンポンプは2日目、あるいは3日目にリザーバーの消耗品を交換する必要があります。これが結構面倒です。体に装着するのもコツがあるようですし、部位を上手に選定しなければなりません)
残念なことに、インスリンポンプのトラブルは、主治医もそれほど知識はなく、メーカーもトラブルの24時間相談で対応してはいますが、トラブル情報を積極的に開示していません。
ですから、1型糖尿人のインスリンポンプは、かなりリスクがあると思います。それでも、私は1年間、この人体実験を続けて、ヘモグロビンA1c5.0=平均血糖値100mg/dlが実現できるかどうか、挑戦してみようと思っています。
バーンスタイン先生は正常人の85mg/dlを長年、スーバー糖質制限食とインスリン注射で実践されてきましたから、それよりゆるめの100mg/dlを目指しています。
しかし、インスリンポンプにはリスクがあります。私が体験したトラブルです。
過去の経験から、旅行から帰って「これはおかしい」と思って、消耗品を交換しました。
そしてリスプロ3単位を注入しましたら、200超えから180台、そして120台へと順調に落ち着いてゆきました。
2日間、200超えでしたが、からだに支障、違和感はまったく出ませんでした。これが糖尿病の怖いところですね。
私が得た教訓としては、
1)インスリンポンプ人はこまめに血糖値を測定すること(いつ何時、ポンプが不調となり、血糖値が下がらない事態が起きるかわからないからです)。
2)半日くらい、インスリンを注入しても血糖値が下がらないなら、消耗品を取り替えてしまう。そして注入し、効果の出ている1時間後の血糖値を測定すること。
3)インスリンポンプ人には糖質制限が絶対に必要。それに1型人も、2型人でインスリンを注射している人も絶対に必要です。なぜなら、「糖尿病の解決」にあるように、インスリンの効果の誤差が大学の研究で明らかになっているからです。
注射ですら29%もの誤差があります。インスリンポンプはもっと大きいでしょう。
もしも、糖質制限人には絶対NG(ノー・グッド)のカレーをいただくために、7単位のリスプロを打つとすれば、誤差は2単位もあります。
2単位の誤差は、80mg/dlにもなりますから、とんでもない高血糖、あるいは低血糖になりかねません。
クルマ社会のアメリカでは、糖尿人が低血糖で起こした事故が多発していると、バーンスタイン先生は述べています。そしてスーパー糖質制限を実践する前に、ご自分が交通事故で死ななかったのは幸運な偶然の結果だと明かされています。
最後に、2型糖尿人も、毎日2、3回は血糖値を測っていただきたいですね。
のためには、センサーと針のセットで200回分が10980円(1回50円程度)のこちらを利用しましょう。並行輸入品です。
http://www.kettochi.biz/
冒頭に以下の説明があり、信頼できます。ただし、「昆布」を推奨するなど、小さなミスはあるようですが。
<最新のⅡ型糖尿病治療
最新のⅡ型糖尿病治療として注目されているのが「糖質制限食」です。正しい順序で炭水化物を最後に食べる方法は理に適っていますが、炭水化物でも糖質の含有量は様々です。それらを知っておく事で、糖質の少ないものを選ぶ事もでき、食事療法の効果を高めますので、ここでは最新のⅡ型糖尿病治療も参考に紹介しておきます。しかし「こうしなければいけない、これは絶対ダメ」という自分を追い詰めてしまう気持ちが一番継続の妨げになってしまうので、正しい知識を身につけた上、自分に合った方法で継続していきましょう。 (以下略)>
劇症1型糖尿病から生還された「ちくてつ」さんから、インスリンポンプのメリット・デメリットについて、詳しいコメントを頂きました。
ありがとうございます。
新刊『なぜ糖質制限をすると糖尿病が良くなるのか』2015/5/18(ナツメ社)
のご購入もありがとうございます。
ちくてつさんは、現在インスリンポンプを装着中ですので実体験レポートです。
私自身もインスリンポンプの患者さんは診ていないし、知識もほとんどなかったので、大変参考になりました。
インスリンポンプはとても便利な優れものですが、現時点で故障が多いのが難点で、担当医師もメンテナンスにあまり詳しくないとのことです。
それでバーンスタイン先生も、インスリンポンプよりもインスリン注射を推奨だそうです。
江部康二
15/05/20 ちくてつです
インスリン体験報告です
江部先生、毎日のブログ更新、ありがとうございます。
ナツメ社の新刊、Amazonで購入しました。在庫切れになっていましたから、好調に売れているようですね。
また、それだけニーズがあると思います。旧版には、たいへんお世話になりました。
半年前に劇症1型糖尿病を発症して以来、江部先生の本でたくさんのことを学び、糖質制限を実践してきました。
そして、この重篤な病気からたくさんのことを学びました。江部先生という存在を知ったことや、1型糖尿人で80歳を超えてお元気なバーンスタイン先生の「糖尿病の解決」と出会ったことです。
私の敬愛する塩谷信男医学博士(100歳まで現役で活躍されました)がモットーとされた「人生に無駄はない」を体験している最中です。
「糖尿病の解決」は絶版かと思っていましたら、Jeidoさんという方から、「版元の金芳堂のHP http://www.kinpodo-pub.co.jp/shosai/e0404-1399-5.html から普通に購入できますよ。送料500円かかりますが」と、ご親切な連絡がありました。
インスリンが生命維持に不可欠な1型糖尿人は絶対に読むべき本です。英語の原書もたいへんわかりやすいですから、海外の方はこちらをどうぞ。
今日、先生や1型糖尿人の方、21万人の方々に聞いていただきたいのは、インスリンポンプのことです。
入院中、インスリン注射の仕方を教わり、「インスリンポンプはどうですか? あなたでしたら使えると思います」と主治医にすすめられました(電子機器であり、表示はすべて英語なので、ハードルが高いわけです)。
インスリンポンプは24時間、体に装着し、ベーサル=基礎インスリンを毎時、0.1単位から設定でき、朝昼晩と注入できるスグレモノです。朝から昼が0.3単位、夜間が0.35単位とか設定できます。
そしてボーラスは食事前の血糖値を測り、いただく糖質に合わせてリスプロ(ヒューマログ)を注入します。ベーサルもボーラスもリスプロというのは、ひとつ問題で、バーンスタイン先生も指摘されていますが、インスリンポンプ人の大規模な人体実験でどうなるか、今後、わかってくるものと思われます。
ちなみに、バーンスタイン先生は、ポンプのトラブルを指摘されて、注射を推奨されています。
トラブルの最大のものは、インスリンポンプ人となって半年間の私の血糖値記録を見ましても、きちんとインスリンが注入できず、高血糖状態が続くトラブルが5、6回あったことです。
先週、天皇皇后両陛下がゆかれた金沢市を旅行しました。1型のインスリンポンプ人ですから、旅行には緊急時の注射器も持参します。
糖質制限食が、外食でしたからむずかしくて、血糖値が300mg/dl超えを記録し、2日間、200mg/dl超えでした。後で判明したのはポンプのトラブルでした!
(ところで、インスリンポンプは2日目、あるいは3日目にリザーバーの消耗品を交換する必要があります。これが結構面倒です。体に装着するのもコツがあるようですし、部位を上手に選定しなければなりません)
残念なことに、インスリンポンプのトラブルは、主治医もそれほど知識はなく、メーカーもトラブルの24時間相談で対応してはいますが、トラブル情報を積極的に開示していません。
ですから、1型糖尿人のインスリンポンプは、かなりリスクがあると思います。それでも、私は1年間、この人体実験を続けて、ヘモグロビンA1c5.0=平均血糖値100mg/dlが実現できるかどうか、挑戦してみようと思っています。
バーンスタイン先生は正常人の85mg/dlを長年、スーバー糖質制限食とインスリン注射で実践されてきましたから、それよりゆるめの100mg/dlを目指しています。
しかし、インスリンポンプにはリスクがあります。私が体験したトラブルです。
過去の経験から、旅行から帰って「これはおかしい」と思って、消耗品を交換しました。
そしてリスプロ3単位を注入しましたら、200超えから180台、そして120台へと順調に落ち着いてゆきました。
2日間、200超えでしたが、からだに支障、違和感はまったく出ませんでした。これが糖尿病の怖いところですね。
私が得た教訓としては、
1)インスリンポンプ人はこまめに血糖値を測定すること(いつ何時、ポンプが不調となり、血糖値が下がらない事態が起きるかわからないからです)。
2)半日くらい、インスリンを注入しても血糖値が下がらないなら、消耗品を取り替えてしまう。そして注入し、効果の出ている1時間後の血糖値を測定すること。
3)インスリンポンプ人には糖質制限が絶対に必要。それに1型人も、2型人でインスリンを注射している人も絶対に必要です。なぜなら、「糖尿病の解決」にあるように、インスリンの効果の誤差が大学の研究で明らかになっているからです。
注射ですら29%もの誤差があります。インスリンポンプはもっと大きいでしょう。
もしも、糖質制限人には絶対NG(ノー・グッド)のカレーをいただくために、7単位のリスプロを打つとすれば、誤差は2単位もあります。
2単位の誤差は、80mg/dlにもなりますから、とんでもない高血糖、あるいは低血糖になりかねません。
クルマ社会のアメリカでは、糖尿人が低血糖で起こした事故が多発していると、バーンスタイン先生は述べています。そしてスーパー糖質制限を実践する前に、ご自分が交通事故で死ななかったのは幸運な偶然の結果だと明かされています。
最後に、2型糖尿人も、毎日2、3回は血糖値を測っていただきたいですね。
のためには、センサーと針のセットで200回分が10980円(1回50円程度)のこちらを利用しましょう。並行輸入品です。
http://www.kettochi.biz/
冒頭に以下の説明があり、信頼できます。ただし、「昆布」を推奨するなど、小さなミスはあるようですが。
<最新のⅡ型糖尿病治療
最新のⅡ型糖尿病治療として注目されているのが「糖質制限食」です。正しい順序で炭水化物を最後に食べる方法は理に適っていますが、炭水化物でも糖質の含有量は様々です。それらを知っておく事で、糖質の少ないものを選ぶ事もでき、食事療法の効果を高めますので、ここでは最新のⅡ型糖尿病治療も参考に紹介しておきます。しかし「こうしなければいけない、これは絶対ダメ」という自分を追い詰めてしまう気持ちが一番継続の妨げになってしまうので、正しい知識を身につけた上、自分に合った方法で継続していきましょう。 (以下略)>
2015年05月20日 (水)
こんにちは。
糖質制限食講演会 in 宇都宮(栃木県) 満員御礼です。
現在、日本糖質制限医療推進協会のホームページでキャンセル待ちの状態です。
ブログ読者の皆様には、講演会へのご参加、ブログコメント、拙著のご購入などいつもありがとうございます。
江部康二
糖質制限食講演会 in 宇都宮(栃木県) 満員御礼です。
現在、日本糖質制限医療推進協会のホームページでキャンセル待ちの状態です。
ブログ読者の皆様には、講演会へのご参加、ブログコメント、拙著のご購入などいつもありがとうございます。
江部康二
2015年05月20日 (水)
先週日曜日、あらてつさんの京都高雄倶楽部主催、Covides社共催、スペインカタルーニャ州後援で、糖質制限ランチバイキングと糖質制限ワインを楽しむ会が、糖質制限の聖地、Botanicaで開催されました。
私も朝から新幹線に乗って参加してきました(^^)
昨年の11月にも京都で開催されたのですがとても好評で、カタルーニャ州から再度開催の予算がついたそうです。
今回は東京での開催ということもあり、当ブログでもお馴染みの
宗田マタニティクリニックの宗田先生
小室クリニックの小室先生ご夫妻
最近は湿潤療法より糖質制限食で有名(?)になった夏井睦先生
が駆けつけてくださり、他にも関東で糖質制限食による診療を行っておられるドクターの方々がご参加くださいました(^O^)
試飲会の様子です。
いつも大変お世話になっている、Botanica 星野支配人

飲む少し前に空気に触れさせるため栓を開けて頂いてます。

笑顔が素敵なスタッフの方

星野支配人とクリストフさん

不詳、私、江部康二がご挨拶させて頂きました

クリストフからワインの説明です

まだシラフの夏井先生の拍手(笑)

クリストフさんがあちこちで糖質制限ワインについて質問されていました

私もいろいろとご質問頂きました

前日は雨でしたが、この日は快晴で良かったです

小室先生ご夫妻です

新たにBotanicaの料理長になられた藤田シェフと星野支配人とクリストフさん

藤田シェフはフランスで料理の修行をされておられ、新井田シェフの右腕だった方です。
この度、Bitanica料理長に抜擢されました。
今回のワイン試飲会では、新しい糖質制限ワイン「MONTAGUT(モンタグ)」シリーズがお披露目されました。
現在糖質制限ドットコムで販売しているサーメンタムシリーズはスペインワインですが、MONTAGUTシリーズは、フランス産糖質制限ワインとなります。
クリストフさんの親友が経営しているシャトーで、手間暇かけて特別に糖質制限用に醸造してくれた赤ワインです。
試作品が完成する度に送って来て私が全部血糖測定して、正に私の血と汗と涙の結晶です(T_T)
小室先生がお持ちのワインがモンタグです

サーメンタムシリーズの赤ワインがメルローバリカ2009から2011に変わり、会場でも提供されて「美味しい!」と好評でしたが、今回の「MONTAGUT(モンタグ)」シリーズ、この日準備されたワインでカバに並んで人気でした。
因みに夏井先生、随分とモンタグが気に入ったのか、うまいうまいを連発してこればっかり飲んでました(^_^;)
モンタグで上機嫌の夏井先生

こちらは、秋に販売できるように準備中とのことです(^^)
最後にあらてつさんから一本締めを頼まれましたが、「俺がする!」とゴキゲンの夏井先生が立候補したので奥ゆかしくゆずっておきました(笑)
上機嫌の夏井先生による一本締(笑)

テラスにて皆さんで記念撮影

なぜだか夏井先生までお見送りに参加(^_^;)

これで4回目の開催となった糖質制限ワイン試飲会ですが、回を追うごとに参加者も増え、クリストフさんも感激しています。
次回は、秋に福岡での開催を予定しているそうなので、皆さん是非ご参加ください(^O^)
糖質制限ワインをこれだけいっぺんに飲み比べできる機会は、そうそうありませんので。
江部康二
今回の試飲会の会場、糖質制限の聖地Botanica
Botanica
http://www.danddlondon.jp/botanica/
〒107-0052
東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン ガーデンテラス4F
Tel. 03-5413-3282
Fax. 03-5413-0664
提供された糖質制限ワインはこちら
糖質制限ワイン サーメンタム
http://www.toushitsuseigen.com/products/detail66.html
サーメンタム ロゼ&カバ
http://www.toushitsuseigen.com/products/detail81.html
サーメンタム カバ レゼルバ エスペシャル
http://www.toushitsuseigen.com/products/detail95.html
私も朝から新幹線に乗って参加してきました(^^)
昨年の11月にも京都で開催されたのですがとても好評で、カタルーニャ州から再度開催の予算がついたそうです。
今回は東京での開催ということもあり、当ブログでもお馴染みの
宗田マタニティクリニックの宗田先生
小室クリニックの小室先生ご夫妻
最近は湿潤療法より糖質制限食で有名(?)になった夏井睦先生
が駆けつけてくださり、他にも関東で糖質制限食による診療を行っておられるドクターの方々がご参加くださいました(^O^)
試飲会の様子です。
いつも大変お世話になっている、Botanica 星野支配人

飲む少し前に空気に触れさせるため栓を開けて頂いてます。

笑顔が素敵なスタッフの方

星野支配人とクリストフさん

不詳、私、江部康二がご挨拶させて頂きました

クリストフからワインの説明です

まだシラフの夏井先生の拍手(笑)

クリストフさんがあちこちで糖質制限ワインについて質問されていました

私もいろいろとご質問頂きました

前日は雨でしたが、この日は快晴で良かったです

小室先生ご夫妻です

新たにBotanicaの料理長になられた藤田シェフと星野支配人とクリストフさん

藤田シェフはフランスで料理の修行をされておられ、新井田シェフの右腕だった方です。
この度、Bitanica料理長に抜擢されました。
今回のワイン試飲会では、新しい糖質制限ワイン「MONTAGUT(モンタグ)」シリーズがお披露目されました。
現在糖質制限ドットコムで販売しているサーメンタムシリーズはスペインワインですが、MONTAGUTシリーズは、フランス産糖質制限ワインとなります。
クリストフさんの親友が経営しているシャトーで、手間暇かけて特別に糖質制限用に醸造してくれた赤ワインです。
試作品が完成する度に送って来て私が全部血糖測定して、正に私の血と汗と涙の結晶です(T_T)
小室先生がお持ちのワインがモンタグです

サーメンタムシリーズの赤ワインがメルローバリカ2009から2011に変わり、会場でも提供されて「美味しい!」と好評でしたが、今回の「MONTAGUT(モンタグ)」シリーズ、この日準備されたワインでカバに並んで人気でした。
因みに夏井先生、随分とモンタグが気に入ったのか、うまいうまいを連発してこればっかり飲んでました(^_^;)
モンタグで上機嫌の夏井先生

こちらは、秋に販売できるように準備中とのことです(^^)
最後にあらてつさんから一本締めを頼まれましたが、「俺がする!」とゴキゲンの夏井先生が立候補したので奥ゆかしくゆずっておきました(笑)
上機嫌の夏井先生による一本締(笑)

テラスにて皆さんで記念撮影

なぜだか夏井先生までお見送りに参加(^_^;)

これで4回目の開催となった糖質制限ワイン試飲会ですが、回を追うごとに参加者も増え、クリストフさんも感激しています。
次回は、秋に福岡での開催を予定しているそうなので、皆さん是非ご参加ください(^O^)
糖質制限ワインをこれだけいっぺんに飲み比べできる機会は、そうそうありませんので。
江部康二
今回の試飲会の会場、糖質制限の聖地Botanica
Botanica
http://www.danddlondon.jp/botanica/
〒107-0052
東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン ガーデンテラス4F
Tel. 03-5413-3282
Fax. 03-5413-0664
提供された糖質制限ワインはこちら
糖質制限ワイン サーメンタム
http://www.toushitsuseigen.com/products/detail66.html
サーメンタム ロゼ&カバ
http://www.toushitsuseigen.com/products/detail81.html
サーメンタム カバ レゼルバ エスペシャル
http://www.toushitsuseigen.com/products/detail95.html
2015年05月19日 (火)
こんばんは。
今回はインスリンに関して、少し整理整頓してみましょう。
インスリンって、人体でどのような役割を果たしているのでしょう?
そしてインスリンは人体に絶対に必要なホルモンなのでしょうか?
インスリンには、24時間継続して少量出続けている基礎分泌と、糖質を摂取して血糖値が上昇したときに出る追加分泌の2種類があります。
これでまず解るのは、食物を摂取していないときでも、人体の代謝には、少量のインスリンが必須ということですね。
このインスリンの基礎分泌がなくなったら、人体の代謝全体が崩壊していきます。
つまり、基礎分泌のインスリンがないと、全身の高度な代謝失調が生じ、生命の危険があります。
例えば「運動をしたらインスリン非依存的に血糖値がさがる」といっても、インスリン基礎分泌が確保されているのが前提のお話です。
もし、基礎インスリンが不足している状態で運動すれば、運動で血糖値はかえって上昇します。
また、肝臓で行っている糖新生も、基礎インスリンが分泌されていなければ制御不能となり、空腹時血糖値が300mg/dl~400mg/dl、或いはこれ以上にもなります。
また、糖質を食べて血糖値が上昇したとき、追加分泌のインスリンがでなければ、高血糖が持続します。
高血糖の持続は糖毒といわれ、膵臓のβ細胞を傷害し、インスリン抵抗性を悪化させます。
急激に発症するタイプの1型糖尿病であれば、短期間でインスリン分泌が枯渇しますので、基礎分泌も追加分泌もなくなり血糖値が急上昇して、随時で250~500mg/dl、時には600mg/dl~1000mg/dlにもなります。
インスリンがないと筋肉細胞や脂肪細胞はブドウ糖を利用できないので高血糖が持続します。
そしてブドウ糖が利用できないので、脂肪酸や脂肪酸の分解産物のケトン体をエネルギー源にします。
糖尿病ケトアシドーシスは、インスリン作用の欠乏による全身の高度な代謝失調です。
強調しますが、インスリン作用の欠乏がすべての出発点ですから、それがなければ絶対に起こらない病態です。
つまり、インスリン作用の欠乏から始まる一連の流れ、
「インスリン作用の欠乏→拮抗ホルモンの過剰→全身の代謝障害→糖利用の低下・脂肪分解の亢進→高血糖・高遊離脂肪酸血症→ケトン体の産生亢進」
があり、結果としてケトン体が高くなるわけです。
ケトン体が高値となったとき、高度の代謝失調のため、緩衝作用もうまく働かず、酸性血症となり意識障害を生じ、放置すれば死にいたります。
このように、インスリン作用が欠落しているときの血中ケトン体上昇は病的であり、極めて危険です。
インスリンが発見される以前の1型糖尿病は、発症後、平均半年で死にいたる、致命的な病だったのです。
一方、糖質制限食やケトン食や断食でも、血中ケトン体が上昇しますが、これはインスリン作用が確保されている「生理的ケトン体上昇」なので、全く危険はありません。
例えば、胎盤のケトン体値は、成人の基準値の20~30倍あり、新生児は4~5倍ですが、それが普通であり、勿論全く安全ですね。
さてブドウ糖が、細胞膜を通過するためには、特別な膜輸送タンパク質が必要です。
それが糖輸送体(GLUT)であり、現在GLUT1~GLUT14まで確認されています。
GLUT1は赤血球・脳・網膜などの糖輸送体で常に細胞の表面にあり、血流さえあれば即血糖を取り込めます。
これに対して筋肉細胞と脂肪細胞に特異的なのがGLUT4で、基礎分泌のインスリンレベルだと、通常は細胞内部に沈んでいます。
GLUT1~GLUT14の中で、インスリンに依存しているのはGLUT4だけで特殊です。
筋肉細胞と脂肪細胞にあるGLUT-4は、インスリン追加分泌がないと細胞内に沈んでいるのでブドウ糖を取り込めません。
インスリンが追加分泌されるとGLUT-4は細胞表面に移動して血糖を取り込むのです。
上述のようにインスリンは、人体の生存に必須のホルモンであることが確認できました。
なお、必須ホルモンですが、血糖コントロールの折り合いが付く限り、少なければ少ないほど、身体には優しいのです。
過剰のインスリンは、発がん、肥満、アルツハイマ-病などのリスクになります。
インスリンは糖質代謝の調整が主作用ですが、それ以外にも下記のごとくいろいろな働きがあります。
☆☆☆インスリンの作用
インスリンは、グリコーゲン合成・タンパク質合成・脂肪合成など、栄養素の同化を促進し、筋肉、脂肪組織、肝臓に取り込む。
インスリンが作用するのは、主として、筋肉(骨格筋、心筋)、脂肪組織、肝臓である。
1)糖質代謝
*ブドウ糖の筋肉細胞・脂肪細胞内への取り込みを促進させる。
*グリコーゲン合成を促進させる。
*グリコーゲン分解を抑制する。
*肝臓の糖新生を抑制し、ブドウ糖の血中放出を抑制する。
2)タンパク質代謝
*骨格筋に作用してタンパク質合成を促進させる。
*骨格筋に作用してタンパク質の異化を抑制する。
3)脂質代謝
*脂肪の合成を促進する。
*脂肪の分解を抑制する。
今回はインスリンに関して、少し整理整頓してみましょう。
インスリンって、人体でどのような役割を果たしているのでしょう?
そしてインスリンは人体に絶対に必要なホルモンなのでしょうか?
インスリンには、24時間継続して少量出続けている基礎分泌と、糖質を摂取して血糖値が上昇したときに出る追加分泌の2種類があります。
これでまず解るのは、食物を摂取していないときでも、人体の代謝には、少量のインスリンが必須ということですね。
このインスリンの基礎分泌がなくなったら、人体の代謝全体が崩壊していきます。
つまり、基礎分泌のインスリンがないと、全身の高度な代謝失調が生じ、生命の危険があります。
例えば「運動をしたらインスリン非依存的に血糖値がさがる」といっても、インスリン基礎分泌が確保されているのが前提のお話です。
もし、基礎インスリンが不足している状態で運動すれば、運動で血糖値はかえって上昇します。
また、肝臓で行っている糖新生も、基礎インスリンが分泌されていなければ制御不能となり、空腹時血糖値が300mg/dl~400mg/dl、或いはこれ以上にもなります。
また、糖質を食べて血糖値が上昇したとき、追加分泌のインスリンがでなければ、高血糖が持続します。
高血糖の持続は糖毒といわれ、膵臓のβ細胞を傷害し、インスリン抵抗性を悪化させます。
急激に発症するタイプの1型糖尿病であれば、短期間でインスリン分泌が枯渇しますので、基礎分泌も追加分泌もなくなり血糖値が急上昇して、随時で250~500mg/dl、時には600mg/dl~1000mg/dlにもなります。
インスリンがないと筋肉細胞や脂肪細胞はブドウ糖を利用できないので高血糖が持続します。
そしてブドウ糖が利用できないので、脂肪酸や脂肪酸の分解産物のケトン体をエネルギー源にします。
糖尿病ケトアシドーシスは、インスリン作用の欠乏による全身の高度な代謝失調です。
強調しますが、インスリン作用の欠乏がすべての出発点ですから、それがなければ絶対に起こらない病態です。
つまり、インスリン作用の欠乏から始まる一連の流れ、
「インスリン作用の欠乏→拮抗ホルモンの過剰→全身の代謝障害→糖利用の低下・脂肪分解の亢進→高血糖・高遊離脂肪酸血症→ケトン体の産生亢進」
があり、結果としてケトン体が高くなるわけです。
ケトン体が高値となったとき、高度の代謝失調のため、緩衝作用もうまく働かず、酸性血症となり意識障害を生じ、放置すれば死にいたります。
このように、インスリン作用が欠落しているときの血中ケトン体上昇は病的であり、極めて危険です。
インスリンが発見される以前の1型糖尿病は、発症後、平均半年で死にいたる、致命的な病だったのです。
一方、糖質制限食やケトン食や断食でも、血中ケトン体が上昇しますが、これはインスリン作用が確保されている「生理的ケトン体上昇」なので、全く危険はありません。
例えば、胎盤のケトン体値は、成人の基準値の20~30倍あり、新生児は4~5倍ですが、それが普通であり、勿論全く安全ですね。
さてブドウ糖が、細胞膜を通過するためには、特別な膜輸送タンパク質が必要です。
それが糖輸送体(GLUT)であり、現在GLUT1~GLUT14まで確認されています。
GLUT1は赤血球・脳・網膜などの糖輸送体で常に細胞の表面にあり、血流さえあれば即血糖を取り込めます。
これに対して筋肉細胞と脂肪細胞に特異的なのがGLUT4で、基礎分泌のインスリンレベルだと、通常は細胞内部に沈んでいます。
GLUT1~GLUT14の中で、インスリンに依存しているのはGLUT4だけで特殊です。
筋肉細胞と脂肪細胞にあるGLUT-4は、インスリン追加分泌がないと細胞内に沈んでいるのでブドウ糖を取り込めません。
インスリンが追加分泌されるとGLUT-4は細胞表面に移動して血糖を取り込むのです。
上述のようにインスリンは、人体の生存に必須のホルモンであることが確認できました。
なお、必須ホルモンですが、血糖コントロールの折り合いが付く限り、少なければ少ないほど、身体には優しいのです。
過剰のインスリンは、発がん、肥満、アルツハイマ-病などのリスクになります。
インスリンは糖質代謝の調整が主作用ですが、それ以外にも下記のごとくいろいろな働きがあります。
☆☆☆インスリンの作用
インスリンは、グリコーゲン合成・タンパク質合成・脂肪合成など、栄養素の同化を促進し、筋肉、脂肪組織、肝臓に取り込む。
インスリンが作用するのは、主として、筋肉(骨格筋、心筋)、脂肪組織、肝臓である。
1)糖質代謝
*ブドウ糖の筋肉細胞・脂肪細胞内への取り込みを促進させる。
*グリコーゲン合成を促進させる。
*グリコーゲン分解を抑制する。
*肝臓の糖新生を抑制し、ブドウ糖の血中放出を抑制する。
2)タンパク質代謝
*骨格筋に作用してタンパク質合成を促進させる。
*骨格筋に作用してタンパク質の異化を抑制する。
3)脂質代謝
*脂肪の合成を促進する。
*脂肪の分解を抑制する。
2015年05月18日 (月)
こんばんは。
パソコンがネットに繋がりにくく、四苦八苦してます。
今、何とか繋がりました。
今日は2型糖尿人のアルコール摂取と血糖値のお話です。
2型糖尿人で、お酒を飲んだ場合は、糖質ありの食事をしても、不思議と血糖値が上がらないことがあります。
また、インスリン注射をしている人やSU剤を内服している糖尿人がアルコールを摂取すると、低血糖を生じやすくなります。
アルコールが血糖値を下げていると言えるのでしょうか?
まずは人体の血糖調節の仕組みを考えてみましょう。
血糖調節には食事とインスリン以外に、肝臓のグリコーゲン分解・糖新生、運動、ストレスなどいろいろな要素が絡みます。
これらの中で、空腹時と摂食時における、肝臓のグリコーゲン分解と糖新生がどうなるかを考えてみます。
1. 夜間就寝時以外にも、空腹時には日中でも肝臓のグリコーゲン分解と糖新生が血糖の供給源となります。
食事の糖質吸収が終了した直後(食事開始2時間後)には、肝臓のグリコーゲン分解が、循環血液中に入るブドウ糖の主要な供給源です。
食後数時間が経過し絶食状態が持続すると、グリコーゲン分解は休止となり、血中ブドウ糖の供給源は肝臓の糖新生に切り替わります。
2. 摂食時には消化管から吸収されたブドウ糖はまず肝臓に約50% 取り込まれて、それ以外が血液の大循環に回ります。
摂食時には肝臓のグリコーゲン分解・糖新生は抑制されます。
正常人では上記1と2がうまく機能していますが、糖尿人では「肝臓のグリコーゲン分解と糖新生」が摂食時にも抑制されにくいのです。
それで食事由来の血糖上昇に加えて、「肝臓のグリコーゲン分解と糖新生」があるので、食後高血糖が高度をなりやすいのです。
また糖尿人は、肝臓のブドウ糖取り込みも低下しているので、この面でも食後高血糖を起こしやすいのです。
次に、糖尿人がアルコールを摂取した場合を考えてみます。
アルコールそのものは、糖質や脂質と違って摂取しても体重増加作用がありませんし、血糖値も上昇させません。
(糖尿病専門医研修ガイドブック改訂第4版、2009年、81ページ)
アルコールを摂取すると、人体に対する毒物とみなされて優先的に肝臓で分解されますので、その間、同じ補酵素を使う糖新生がブロックされます。
従ってアルコールを摂取して、血中アルコール濃度が高い間は、糖尿人においても糖新生がブロックされるので、その分食後高血糖を起こしにくい理屈になりますね。
「アルコール+糖質摂取で血糖値が上がらない」という現象には、個人差があると思いますが、「糖新生のブロック」が関与していると考えられます。
同じ理由で、正常人でも空腹時にお酒を飲んだら低血糖を起こす可能性があります。
糖尿人でインスリン注射やSU剤を内服している場合、アルコールを大量に飲んで、食事量がたまたま少なかったりすると、アルコールによる糖新生のブロックが要因となって低血糖を起こし、倒れてしまうことがありえますので要注意です。
まして、インスリン注射やSU剤を内服している糖尿人が、空きっ腹にお酒を飲んだりするのはもっての外です。
いやはや「お酒は飲むべし、飲まれるべからず」ですね。
パソコンがネットに繋がりにくく、四苦八苦してます。
今、何とか繋がりました。
今日は2型糖尿人のアルコール摂取と血糖値のお話です。
2型糖尿人で、お酒を飲んだ場合は、糖質ありの食事をしても、不思議と血糖値が上がらないことがあります。
また、インスリン注射をしている人やSU剤を内服している糖尿人がアルコールを摂取すると、低血糖を生じやすくなります。
アルコールが血糖値を下げていると言えるのでしょうか?
まずは人体の血糖調節の仕組みを考えてみましょう。
血糖調節には食事とインスリン以外に、肝臓のグリコーゲン分解・糖新生、運動、ストレスなどいろいろな要素が絡みます。
これらの中で、空腹時と摂食時における、肝臓のグリコーゲン分解と糖新生がどうなるかを考えてみます。
1. 夜間就寝時以外にも、空腹時には日中でも肝臓のグリコーゲン分解と糖新生が血糖の供給源となります。
食事の糖質吸収が終了した直後(食事開始2時間後)には、肝臓のグリコーゲン分解が、循環血液中に入るブドウ糖の主要な供給源です。
食後数時間が経過し絶食状態が持続すると、グリコーゲン分解は休止となり、血中ブドウ糖の供給源は肝臓の糖新生に切り替わります。
2. 摂食時には消化管から吸収されたブドウ糖はまず肝臓に約50% 取り込まれて、それ以外が血液の大循環に回ります。
摂食時には肝臓のグリコーゲン分解・糖新生は抑制されます。
正常人では上記1と2がうまく機能していますが、糖尿人では「肝臓のグリコーゲン分解と糖新生」が摂食時にも抑制されにくいのです。
それで食事由来の血糖上昇に加えて、「肝臓のグリコーゲン分解と糖新生」があるので、食後高血糖が高度をなりやすいのです。
また糖尿人は、肝臓のブドウ糖取り込みも低下しているので、この面でも食後高血糖を起こしやすいのです。
次に、糖尿人がアルコールを摂取した場合を考えてみます。
アルコールそのものは、糖質や脂質と違って摂取しても体重増加作用がありませんし、血糖値も上昇させません。
(糖尿病専門医研修ガイドブック改訂第4版、2009年、81ページ)
アルコールを摂取すると、人体に対する毒物とみなされて優先的に肝臓で分解されますので、その間、同じ補酵素を使う糖新生がブロックされます。
従ってアルコールを摂取して、血中アルコール濃度が高い間は、糖尿人においても糖新生がブロックされるので、その分食後高血糖を起こしにくい理屈になりますね。
「アルコール+糖質摂取で血糖値が上がらない」という現象には、個人差があると思いますが、「糖新生のブロック」が関与していると考えられます。
同じ理由で、正常人でも空腹時にお酒を飲んだら低血糖を起こす可能性があります。
糖尿人でインスリン注射やSU剤を内服している場合、アルコールを大量に飲んで、食事量がたまたま少なかったりすると、アルコールによる糖新生のブロックが要因となって低血糖を起こし、倒れてしまうことがありえますので要注意です。
まして、インスリン注射やSU剤を内服している糖尿人が、空きっ腹にお酒を飲んだりするのはもっての外です。
いやはや「お酒は飲むべし、飲まれるべからず」ですね。
2015年05月17日 (日)
こんばんは。
糖質制限食講演会 in 宇都宮(栃木県)
2015/5/31(日)13:30~16:30
のご案内です。
宇都宮では、初めての糖質制限食講演会ですのでとても楽しみです。
糖質制限食関連の情報は、日進月歩です。
それに伴い、糖質制限食基礎理論も日々進化しています。
宇都宮講演では、最新の糖質制限食基礎理論と豊富な症例も紹介して、わかりやすく楽しいお話を目指します。
第一部は、私が、
「炭水化物の食べ過ぎで早死にしてはいけません
-糖尿病・生活習慣病を予防&改善する糖質制限食-」
と題して、糖質制限食の基礎と臨床をお話しします。
第二部は
「美味しい&楽しい糖質オフ入門-実践編」
と題して、管理栄養士の佐々木 栄子さんが、 糖質制限食の具体的な指導や実践を紹介されます。
宇都宮市を始め、栃木県や近隣の方々、是非ご参加いただければ幸いです。
江部康二
☆☆☆
以下、事務局からのご案内です。
ブログ読者の皆様、講演会へいつも多数ご参加いただきまして、ありがとうござ います。
5月31日(日)、栃木県宇都宮市で一般の方向けの講演会を開催することとなりました。
今回は、当会理事長の講演に加えまして、アドバイザーの佐々木栄子管理栄養士による講演「美味しい&楽しい糖質オフ入門-実践編」も予定しております。
糖質制限食の理論や有効性、安全性について、また具体的な実践法について、たっぷりお聴きいただける絶好の機会です。
北関東の皆様をはじめ、多数のご参加を心よりお待ちしております。
///////////////////ご案内/////////////////////
一般般社団法人日本糖質制限医療推進協会主催
糖質制限食講演会in宇都宮(栃木県)
■日時:2015年5月31日(日) 13:30~16:30頃
※開場・受付は13:10~
■会場:栃木県総合文化センター 第3会議室
栃木県宇都宮市本町1-8
http://www.sobun-tochigi.jp/access.html
※お車でお越しの方へ
会場駐車場はご利用いただけません。周辺の有料駐車場をご利用ください。
■内容
・第一部:「炭水化物の食べ過ぎで早死にしてはいけません
-糖尿病・生活習慣病を予防&改善する糖質制限食-」
講師:江部 康二 医師
(一財)高雄病院理事長/(一社)日本糖質制限医療推進協会理事長
・第二部:「美味しい&楽しい糖質オフ入門-実践編」
講師:佐々木 栄子 管理栄養士・健康運動実践指導者
ローカーボクラブ代表/(一社)日本糖質制限医療推進協会アドバイザー
(講師紹介:http://www.toushitsuseigen.or.jp/#!/cr4r )
※第一部は講演70分、質疑応答30分、第二部は講演45分、質疑応答15分を予定しております。
■受講費: 賛助会員 2,200円 / 一般(非会員) 2,700円
■お支払い方法:
クレジットカード/銀行振込/郵便振替 ※事前決済のみとなります。
■お申し込みの流れ:
1. 下記「お申し込み方法」の該当するものからお申し込み下さい。
2. 事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3. 入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4. 当日、直接会場までお越し下さい。
■お申し込み方法
★賛助会員の方:事務局までメールにてお申し込み下さい。
★賛助会員入会をご希望の方:
1. 入会案内および会員規約をお読み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/#!membership/cdt9
2. お申し込みは下のフォームからお願いします。
「通信」欄に「5/31 宇都宮講演会受講希望」とご記入下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/contact
★一般(非会員)で、講演会の受講のみご希望の方:
下のフォームからお申し込み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/seminar-gen
■その他:
・予約制です。当日参加はできません。
・キャンセルは5月29日(金)までに事務局までご連絡願います。
・参加いただいた皆様には、講師の佐々木栄子さんによる、ご当地グルメにちなんだ低糖質料理と
簡単スイーツの「ちょこっとレシピ」をお配りします。
糖質制限食講演会 in 宇都宮(栃木県)
2015/5/31(日)13:30~16:30
のご案内です。
宇都宮では、初めての糖質制限食講演会ですのでとても楽しみです。
糖質制限食関連の情報は、日進月歩です。
それに伴い、糖質制限食基礎理論も日々進化しています。
宇都宮講演では、最新の糖質制限食基礎理論と豊富な症例も紹介して、わかりやすく楽しいお話を目指します。
第一部は、私が、
「炭水化物の食べ過ぎで早死にしてはいけません
-糖尿病・生活習慣病を予防&改善する糖質制限食-」
と題して、糖質制限食の基礎と臨床をお話しします。
第二部は
「美味しい&楽しい糖質オフ入門-実践編」
と題して、管理栄養士の佐々木 栄子さんが、 糖質制限食の具体的な指導や実践を紹介されます。
宇都宮市を始め、栃木県や近隣の方々、是非ご参加いただければ幸いです。
江部康二
☆☆☆
以下、事務局からのご案内です。
ブログ読者の皆様、講演会へいつも多数ご参加いただきまして、ありがとうござ います。
5月31日(日)、栃木県宇都宮市で一般の方向けの講演会を開催することとなりました。
今回は、当会理事長の講演に加えまして、アドバイザーの佐々木栄子管理栄養士による講演「美味しい&楽しい糖質オフ入門-実践編」も予定しております。
糖質制限食の理論や有効性、安全性について、また具体的な実践法について、たっぷりお聴きいただける絶好の機会です。
北関東の皆様をはじめ、多数のご参加を心よりお待ちしております。
///////////////////ご案内/////////////////////
一般般社団法人日本糖質制限医療推進協会主催
糖質制限食講演会in宇都宮(栃木県)
■日時:2015年5月31日(日) 13:30~16:30頃
※開場・受付は13:10~
■会場:栃木県総合文化センター 第3会議室
栃木県宇都宮市本町1-8
http://www.sobun-tochigi.jp/access.html
※お車でお越しの方へ
会場駐車場はご利用いただけません。周辺の有料駐車場をご利用ください。
■内容
・第一部:「炭水化物の食べ過ぎで早死にしてはいけません
-糖尿病・生活習慣病を予防&改善する糖質制限食-」
講師:江部 康二 医師
(一財)高雄病院理事長/(一社)日本糖質制限医療推進協会理事長
・第二部:「美味しい&楽しい糖質オフ入門-実践編」
講師:佐々木 栄子 管理栄養士・健康運動実践指導者
ローカーボクラブ代表/(一社)日本糖質制限医療推進協会アドバイザー
(講師紹介:http://www.toushitsuseigen.or.jp/#!/cr4r )
※第一部は講演70分、質疑応答30分、第二部は講演45分、質疑応答15分を予定しております。
■受講費: 賛助会員 2,200円 / 一般(非会員) 2,700円
■お支払い方法:
クレジットカード/銀行振込/郵便振替 ※事前決済のみとなります。
■お申し込みの流れ:
1. 下記「お申し込み方法」の該当するものからお申し込み下さい。
2. 事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3. 入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4. 当日、直接会場までお越し下さい。
■お申し込み方法
★賛助会員の方:事務局までメールにてお申し込み下さい。
★賛助会員入会をご希望の方:
1. 入会案内および会員規約をお読み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/#!membership/cdt9
2. お申し込みは下のフォームからお願いします。
「通信」欄に「5/31 宇都宮講演会受講希望」とご記入下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/contact
★一般(非会員)で、講演会の受講のみご希望の方:
下のフォームからお申し込み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/seminar-gen
■その他:
・予約制です。当日参加はできません。
・キャンセルは5月29日(金)までに事務局までご連絡願います。
・参加いただいた皆様には、講師の佐々木栄子さんによる、ご当地グルメにちなんだ低糖質料理と
簡単スイーツの「ちょこっとレシピ」をお配りします。
2015年05月16日 (土)
「なぜ糖質制限をすると糖尿病が良くなるのか」
江部 康二 (著)
ナツメ社
2015年5月18日刊行
こんにちは。
新刊のご案内です。
糖質制限のしくみ、食品の選び方・食べ方がこの本1冊でわかります。
糖質制限食がなぜ糖尿病によいのか、何を避けて何を食べればよいのか、また注意すべきことは何か。
この1冊で詳しく解説します。
この本は2010年に出版した「糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食」の内容を刷新した新版です。
旧版は、2014年9月現在で20刷を記録し、豊富なイラストと図解が読者から好評をいただき、発売から4年が経っても増刷を続けています。
旧版以降に糖尿病の研究が大幅に進み、日本の内外で糖尿病治療に大きな変化がありました。
新版を出すに当たり、そうした変化に応じて内容を一部改めました。
江部康二
以下は、「なぜ糖質制限をすると糖尿病が良くなるのか」のはじめにです。
はじめに
2013年以降、糖質制限食に関連して5つのうれしい変化がありました。
1つ目はアメリカで、糖尿病の食事療法の1つとして正式に認められたことです。これは、米国糖尿病学会が2013年10月に出した栄養療法に関する声明で発表されました。さらに同声明では「唯一無二の糖尿病食事療法はない」と明言しています。日本糖尿病学会の2013年3月の提言においては、「腎障害や脂質異常の有無に留意して・・・炭水化物の摂取比率が50%エネルギーを下回ることもありうる。」という記載もあります。しかし基本は相変わらず唯一無二のカロリー制限食(糖質50~60%)を推奨していますので、米国糖尿病学会の声明は日本糖尿病学会への痛烈な批判となっています。
また、日本腎臓病学会は「CKD治療ガイド2013」で、eGFRが60ml/分以上あれば、顕性タンパク尿の段階でも、タンパク質制限の必要なしとしました。即ち糖尿病腎症第3期でも eGFRが60ml/分以上あればタンパク質制限の必要なしなので糖質制限食も実践しやすくなりました。eGFRが60ml/分未満の場合は個別に相談して糖質制限食を導入するか否かを相談することとなります。
さらに2012年度の厚生労働省の調査で、糖尿病の患者数の増加率が激減し、予備群は調査を開始して以来、初めて減少したことが、2013年に発表されました。その背景には、2008年から2010年の調査で97年以来13年ぶりに炭水化物摂取比率が減少(60.4%→59.4%)し、97年以来13年ぶりに脂質摂取比率が上昇(24.9%→25.9%)したことがあります。ここ数年糖質制限食が急速に広まってきたことが大きな要因であることは間違いないでしょう。
4つめとして、血中ケトン体高値の安全性が確立されました。日本病態栄養学会年次学術集会(2014)において宗田哲男先生が、胎盤絨毛のケトン体値は成人基準値の20~30倍であることを報告され、ケトン体への懸念は払拭されました。
5つめとして、2014年7月の日経メディカルアンケートにおいて、回答した2263名の医師の過半数が「糖質制限」支持であることがわかりました。
こうした、糖質制限食への追い風ともいえる情報が、ここ数年続々と現れています。
この本は2010年に出版した「糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食」の内容を刷新した新版です。旧版は、2014年9月現在で20刷を記録し、豊富なイラストと図解が読者から好評をいただき、発売から4年が経っても増刷を続けています。
旧版を出版した当時は、「糖質」という言葉も一般的ではありませんでしたが、近年「糖質制限食」は雑誌やテレビで糖尿病の治療としてよく取り上げられ、広く認知されています。ダイエット法や健康法としてもよく聞かれるようになりました。
また、糖質オフのビールやスイーツ、パンも開発が進み、コンビニやスーパーで手軽に手に入るようになりました。糖尿人にとっては、かなり過ごしやすい環境になったのではないでしょうか。
糖質制限食の方法としては、やはりスーパーが一番のお奨めです。特に糖尿人においては、食後高血糖を生じない唯一の食事療法が「スーパー糖質制限食」です。旧版以降に糖尿病の研究が大幅に進み、日本の内外で糖尿病治療に大きな変化がありました。新版を出すに当たり、そうした変化に応じて内容を一部改めました。
基本的に糖質制限食は安全な治療法ですが、進めていく上でトラブルが起きたり、まれに不快な症状が現れたりする人もいます。それに対する解決法も示しています。糖質制限食が広まったことで出てきた批判にも返答していますから、不安や心配を払しょくし、安心して糖質制限食に取り組んでいただけます。2015年2月現在の糖質制限食の最新情報を網羅していますから、旧版や既刊を購入いただいた方にも、今回の新版はお役に立つでしょう。
本書が、糖尿人ならびに糖質セイゲニストの豊かな生活と食事の一助となりますことを、心よりお祈りします。
2015年4月
高雄病院理事長 江部康二
江部 康二 (著)
ナツメ社
2015年5月18日刊行
こんにちは。
新刊のご案内です。
糖質制限のしくみ、食品の選び方・食べ方がこの本1冊でわかります。
糖質制限食がなぜ糖尿病によいのか、何を避けて何を食べればよいのか、また注意すべきことは何か。
この1冊で詳しく解説します。
この本は2010年に出版した「糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食」の内容を刷新した新版です。
旧版は、2014年9月現在で20刷を記録し、豊富なイラストと図解が読者から好評をいただき、発売から4年が経っても増刷を続けています。
旧版以降に糖尿病の研究が大幅に進み、日本の内外で糖尿病治療に大きな変化がありました。
新版を出すに当たり、そうした変化に応じて内容を一部改めました。
江部康二
以下は、「なぜ糖質制限をすると糖尿病が良くなるのか」のはじめにです。
はじめに
2013年以降、糖質制限食に関連して5つのうれしい変化がありました。
1つ目はアメリカで、糖尿病の食事療法の1つとして正式に認められたことです。これは、米国糖尿病学会が2013年10月に出した栄養療法に関する声明で発表されました。さらに同声明では「唯一無二の糖尿病食事療法はない」と明言しています。日本糖尿病学会の2013年3月の提言においては、「腎障害や脂質異常の有無に留意して・・・炭水化物の摂取比率が50%エネルギーを下回ることもありうる。」という記載もあります。しかし基本は相変わらず唯一無二のカロリー制限食(糖質50~60%)を推奨していますので、米国糖尿病学会の声明は日本糖尿病学会への痛烈な批判となっています。
また、日本腎臓病学会は「CKD治療ガイド2013」で、eGFRが60ml/分以上あれば、顕性タンパク尿の段階でも、タンパク質制限の必要なしとしました。即ち糖尿病腎症第3期でも eGFRが60ml/分以上あればタンパク質制限の必要なしなので糖質制限食も実践しやすくなりました。eGFRが60ml/分未満の場合は個別に相談して糖質制限食を導入するか否かを相談することとなります。
さらに2012年度の厚生労働省の調査で、糖尿病の患者数の増加率が激減し、予備群は調査を開始して以来、初めて減少したことが、2013年に発表されました。その背景には、2008年から2010年の調査で97年以来13年ぶりに炭水化物摂取比率が減少(60.4%→59.4%)し、97年以来13年ぶりに脂質摂取比率が上昇(24.9%→25.9%)したことがあります。ここ数年糖質制限食が急速に広まってきたことが大きな要因であることは間違いないでしょう。
4つめとして、血中ケトン体高値の安全性が確立されました。日本病態栄養学会年次学術集会(2014)において宗田哲男先生が、胎盤絨毛のケトン体値は成人基準値の20~30倍であることを報告され、ケトン体への懸念は払拭されました。
5つめとして、2014年7月の日経メディカルアンケートにおいて、回答した2263名の医師の過半数が「糖質制限」支持であることがわかりました。
こうした、糖質制限食への追い風ともいえる情報が、ここ数年続々と現れています。
この本は2010年に出版した「糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食」の内容を刷新した新版です。旧版は、2014年9月現在で20刷を記録し、豊富なイラストと図解が読者から好評をいただき、発売から4年が経っても増刷を続けています。
旧版を出版した当時は、「糖質」という言葉も一般的ではありませんでしたが、近年「糖質制限食」は雑誌やテレビで糖尿病の治療としてよく取り上げられ、広く認知されています。ダイエット法や健康法としてもよく聞かれるようになりました。
また、糖質オフのビールやスイーツ、パンも開発が進み、コンビニやスーパーで手軽に手に入るようになりました。糖尿人にとっては、かなり過ごしやすい環境になったのではないでしょうか。
糖質制限食の方法としては、やはりスーパーが一番のお奨めです。特に糖尿人においては、食後高血糖を生じない唯一の食事療法が「スーパー糖質制限食」です。旧版以降に糖尿病の研究が大幅に進み、日本の内外で糖尿病治療に大きな変化がありました。新版を出すに当たり、そうした変化に応じて内容を一部改めました。
基本的に糖質制限食は安全な治療法ですが、進めていく上でトラブルが起きたり、まれに不快な症状が現れたりする人もいます。それに対する解決法も示しています。糖質制限食が広まったことで出てきた批判にも返答していますから、不安や心配を払しょくし、安心して糖質制限食に取り組んでいただけます。2015年2月現在の糖質制限食の最新情報を網羅していますから、旧版や既刊を購入いただいた方にも、今回の新版はお役に立つでしょう。
本書が、糖尿人ならびに糖質セイゲニストの豊かな生活と食事の一助となりますことを、心よりお祈りします。
2015年4月
高雄病院理事長 江部康二
2015年05月15日 (金)
こんにちは。
今まで、SGLT2阻害薬は症例を絞って(若い人、脱水予防できる人、利尿剤を飲んでない人・・・)、短期間投与にとどめるべき薬と強調してきました。
私自身も糖毒解除のために短期間処方することがあります。
SGLT2阻害薬投与により、
空腹時血糖値は30~ 40mg/dL、
食後2時間血糖値はおよそ60mg/dL
下がるくらいの効果が期待できるので糖毒解除には便利な薬剤と思います。
しかし短期間にとどめるべき薬剤ということは変わりません。
さてSGLT2阻害薬に関して、1日に100gのブドウ糖が尿中に排泄されて、400kcal/日が失われるとブログ記事で再三書いてきました。
しかし、私の勘違いだったようで、最近メーカーのMRさんに確認したところ、
1日に60gのブドウ糖が尿中に排泄されて、
240kcal/日が失われるということでした。
炊いたご飯一膳分のカロリーに相当するので、そのように理解すると記憶しやすいですね。
腎糸球体で濾過されて尿細管に排出されたブドウ糖は、近位尿細管に発現しているSGLT2で約90%、SGLT1で約10%の割合で再吸収されるので合計100%吸収されて、健常者では尿糖はでません。
そしてSGLT2阻害薬でSGLT2が完全に阻害されても、SGLT1の予備能によりブドウ糖はあるていど再吸収されます。
つまり、本来SGLT2分の160g尿中に排泄されるはずのブドウ糖が、SGLT1の予備能によって、120g(いつもの20g+予備能100g=120g・・・約67%)再吸収するので、60gの排泄ということになるのです。
健常者
1)
糸球体で濾過されるグルコース、180g/日
2)
SGLT2に再吸収されるグルコース、160g/日(約90%)
3)
SGLT1に再吸収されるグルコース、20g/日(約10%)
4)
尿糖排泄なし
SGLT2阻害薬でSGLT2が完全に阻害された場合
1)
糸球体で濾過されるグルコース、180g/日
2)
SGLT2に再吸収されるグルコース、0g/日(0%)
3)
SGLT1に再吸収されるグルコース、120g/日(約67%)
4)
尿糖排泄60g/日。ご飯約1膳分。
本日の記事は以下の文献を参考にしました。
*Abdul-Ghani M.A.et all:
DIABETES, VOL. 62, 3324-3328 OCTOBER 2013
今まで、SGLT2阻害薬は症例を絞って(若い人、脱水予防できる人、利尿剤を飲んでない人・・・)、短期間投与にとどめるべき薬と強調してきました。
私自身も糖毒解除のために短期間処方することがあります。
SGLT2阻害薬投与により、
空腹時血糖値は30~ 40mg/dL、
食後2時間血糖値はおよそ60mg/dL
下がるくらいの効果が期待できるので糖毒解除には便利な薬剤と思います。
しかし短期間にとどめるべき薬剤ということは変わりません。
さてSGLT2阻害薬に関して、1日に100gのブドウ糖が尿中に排泄されて、400kcal/日が失われるとブログ記事で再三書いてきました。
しかし、私の勘違いだったようで、最近メーカーのMRさんに確認したところ、
1日に60gのブドウ糖が尿中に排泄されて、
240kcal/日が失われるということでした。
炊いたご飯一膳分のカロリーに相当するので、そのように理解すると記憶しやすいですね。
腎糸球体で濾過されて尿細管に排出されたブドウ糖は、近位尿細管に発現しているSGLT2で約90%、SGLT1で約10%の割合で再吸収されるので合計100%吸収されて、健常者では尿糖はでません。
そしてSGLT2阻害薬でSGLT2が完全に阻害されても、SGLT1の予備能によりブドウ糖はあるていど再吸収されます。
つまり、本来SGLT2分の160g尿中に排泄されるはずのブドウ糖が、SGLT1の予備能によって、120g(いつもの20g+予備能100g=120g・・・約67%)再吸収するので、60gの排泄ということになるのです。
健常者
1)
糸球体で濾過されるグルコース、180g/日
2)
SGLT2に再吸収されるグルコース、160g/日(約90%)
3)
SGLT1に再吸収されるグルコース、20g/日(約10%)
4)
尿糖排泄なし
SGLT2阻害薬でSGLT2が完全に阻害された場合
1)
糸球体で濾過されるグルコース、180g/日
2)
SGLT2に再吸収されるグルコース、0g/日(0%)
3)
SGLT1に再吸収されるグルコース、120g/日(約67%)
4)
尿糖排泄60g/日。ご飯約1膳分。
本日の記事は以下の文献を参考にしました。
*Abdul-Ghani M.A.et all:
DIABETES, VOL. 62, 3324-3328 OCTOBER 2013
2015年05月14日 (木)
おはようございます。
膵炎と糖質制限食2
慢性膵炎と糖質制限食です。
2)「慢性膵炎」
■慢性膵炎の臨床診断基準(膵臓24: 645-708,2009)
慢性膵炎の診断項目
① 特徴的な画像所見
② 特徴的な組織所見
③ 反復する上腹部痛発作
④ 血中または尿中膵酵素値の異常
⑤ 膵外分泌障害
⑥ 1日80g以上(純エタノール換算)の持続する飲酒歴
慢性膵炎確診: a、bのいずれかが認められる。
a. ①または②の確診所見。
b. ①または②の準確診所見と, ③④⑤のうち2項目以上。
慢性膵炎準確診:①または②の準確診所見が認められる。
早期慢性膵炎:③~⑥のいずれか2項目以上と早期慢性膵炎の画像所見が認められる。
難病情報センターのサイトから抜粋
定義
膵臓の内部に不規則な線維化、細胞浸潤、実質の脱落、肉芽組織などの慢性変化が生じ、進行すると膵外分泌・内分泌機能の低下を伴う病態である。
膵内部の病理組織学的変化は、基本的には膵臓全体に存在するが、病変の程度は不均一で、分布や進行性も様々である。
これらの変化は、持続的な炎症やその遺残により生じ、多くは非可逆性である。
慢性膵炎では、腹痛や腹部圧痛などの臨床症状、膵外分泌・内分泌機能不全による臨床症候を伴うものが典型的である。
臨床観察期間内では、無痛性あるいは無症候性症例も存在し、このような症例では、臨床診断基準をより厳密に適用するべきである。
慢性膵炎を、成因によってアルコール性と非アルコール性に分類する。
自己免疫性膵炎と閉塞性膵炎は、治療により病態や病理所見が改善する事があり、可逆性である点より、現時点では膵の慢性炎症として別個に扱う。
分類
・アルコール性慢性膵炎
・非アルコール性慢性膵炎(特発性、遺伝性、家族性など)
注 1. 自己免疫性膵炎および閉塞性膵炎は、現時点では膵の慢性炎症として別個に扱う。
慢性膵炎に関して詳しくは
難病情報センターのサイト
http://www.nanbyou.or.jp/entry/193
をご参照いただけば幸いです。
厚生労働省難治性疾患克服研究事業難治性膵疾患に関する調査研究班の全国調査によると、2011年1年間に医療機関を受診した慢性膵炎患者さんの数は約67,000人、人口10万人あたりの数は52.4人と推定されています。
2011年の1年間に新たに慢性膵炎を発病した患者さんは約18,000人でした。
慢性膵炎は、再燃と改善(間欠期)を繰り返しながら、徐々に膵臓が慢性炎症のために壊れて膵機能不全に進行していく病気です。
確定診断には画像診断或いは組織診断が必須です。
慢性膵炎の再燃期は、腹痛があり、アミラーゼ・リパーゼなどが高値となります。
慢性膵炎の再燃期は、急性膵炎に準じる治療が必要なので、絶飲食や、脂肪制限が必要であり、糖質制限食は無理です。
絶飲食の期間を過ぎても、腹痛を有する時期は、禁酒と脂肪制限が必要です。
食事中脂肪は1回摂取量10g以下、1日摂取量30g(0.5g/kg/日)が目安となります。
再燃を予防するには、アルコールを控えることと禁煙が最も重要です。
間欠期で腹痛がない時期も、確定診断がついている慢性膵炎では、高脂肪食は好ましくないので、糖質制限食はNGと思われます。
しかし、本格的に診断基準を満たしている慢性膵炎とアミラーゼが軽度高値だけで腹痛もないというレベルの状態とは違うと思います。
現在、アミラーゼやリパーゼが少し高いだけで、他の検査が正常で、腹痛もなければ糖質制限食はOKと思います。
しかしアルコールとタバコは、膵臓には大変良くないので注意が必要です。
江部康二
膵炎と糖質制限食2
慢性膵炎と糖質制限食です。
2)「慢性膵炎」
■慢性膵炎の臨床診断基準(膵臓24: 645-708,2009)
慢性膵炎の診断項目
① 特徴的な画像所見
② 特徴的な組織所見
③ 反復する上腹部痛発作
④ 血中または尿中膵酵素値の異常
⑤ 膵外分泌障害
⑥ 1日80g以上(純エタノール換算)の持続する飲酒歴
慢性膵炎確診: a、bのいずれかが認められる。
a. ①または②の確診所見。
b. ①または②の準確診所見と, ③④⑤のうち2項目以上。
慢性膵炎準確診:①または②の準確診所見が認められる。
早期慢性膵炎:③~⑥のいずれか2項目以上と早期慢性膵炎の画像所見が認められる。
難病情報センターのサイトから抜粋
定義
膵臓の内部に不規則な線維化、細胞浸潤、実質の脱落、肉芽組織などの慢性変化が生じ、進行すると膵外分泌・内分泌機能の低下を伴う病態である。
膵内部の病理組織学的変化は、基本的には膵臓全体に存在するが、病変の程度は不均一で、分布や進行性も様々である。
これらの変化は、持続的な炎症やその遺残により生じ、多くは非可逆性である。
慢性膵炎では、腹痛や腹部圧痛などの臨床症状、膵外分泌・内分泌機能不全による臨床症候を伴うものが典型的である。
臨床観察期間内では、無痛性あるいは無症候性症例も存在し、このような症例では、臨床診断基準をより厳密に適用するべきである。
慢性膵炎を、成因によってアルコール性と非アルコール性に分類する。
自己免疫性膵炎と閉塞性膵炎は、治療により病態や病理所見が改善する事があり、可逆性である点より、現時点では膵の慢性炎症として別個に扱う。
分類
・アルコール性慢性膵炎
・非アルコール性慢性膵炎(特発性、遺伝性、家族性など)
注 1. 自己免疫性膵炎および閉塞性膵炎は、現時点では膵の慢性炎症として別個に扱う。
慢性膵炎に関して詳しくは
難病情報センターのサイト
http://www.nanbyou.or.jp/entry/193
をご参照いただけば幸いです。
厚生労働省難治性疾患克服研究事業難治性膵疾患に関する調査研究班の全国調査によると、2011年1年間に医療機関を受診した慢性膵炎患者さんの数は約67,000人、人口10万人あたりの数は52.4人と推定されています。
2011年の1年間に新たに慢性膵炎を発病した患者さんは約18,000人でした。
慢性膵炎は、再燃と改善(間欠期)を繰り返しながら、徐々に膵臓が慢性炎症のために壊れて膵機能不全に進行していく病気です。
確定診断には画像診断或いは組織診断が必須です。
慢性膵炎の再燃期は、腹痛があり、アミラーゼ・リパーゼなどが高値となります。
慢性膵炎の再燃期は、急性膵炎に準じる治療が必要なので、絶飲食や、脂肪制限が必要であり、糖質制限食は無理です。
絶飲食の期間を過ぎても、腹痛を有する時期は、禁酒と脂肪制限が必要です。
食事中脂肪は1回摂取量10g以下、1日摂取量30g(0.5g/kg/日)が目安となります。
再燃を予防するには、アルコールを控えることと禁煙が最も重要です。
間欠期で腹痛がない時期も、確定診断がついている慢性膵炎では、高脂肪食は好ましくないので、糖質制限食はNGと思われます。
しかし、本格的に診断基準を満たしている慢性膵炎とアミラーゼが軽度高値だけで腹痛もないというレベルの状態とは違うと思います。
現在、アミラーゼやリパーゼが少し高いだけで、他の検査が正常で、腹痛もなければ糖質制限食はOKと思います。
しかしアルコールとタバコは、膵臓には大変良くないので注意が必要です。
江部康二
2015年05月13日 (水)
こんにちは。
今日のブログは、そのモリドルから出ているオリーブオイルのご紹介です。
拙著を買ってくださった方やブログ読者の皆さんから、時折、糖質制限食で使っていい油は何がありますかとご質問頂きます。
このような時、私は、オレイン酸が主成分のオリーブオイルの使用を勧めています。
かつて、「植物油に含まれるリノール酸が身体に良いので積極的に摂りましょう」と言われた時期がありました。
ところが日本の現状では、リノール酸の過剰摂取が問題となっています。
リノール酸摂りすぎの弊害(心臓・脳血管系疾患、欧米型癌、アレルギー性疾患、その他炎症性疾患)が、動物実験のみならず臨床的にも明らかにされてきたのです。
そして、リノール酸は多くの植物油の主成分で、安価な大豆油やコーン油には特に多く含まれています。
オリーブオイルの主成分は、一価不飽和脂肪酸であるオレイン酸です。そして大多数の栄養学者がオリーブオイルの摂取を奨めています。
オリーブオイル摂取とヒトに関しては、現在までの疫学的報告では、心血管系ににも癌予防にもよい結果がでています。私自身も、もっぱらオリーブオイルを使っています。
このオリーブオイルをたっぷり摂取することで有名なのが地中海食です。
2004年の米国医師会雑誌の論文で「地中海食摂取、喫煙なし、適度なアルコール摂取、身体活動」を実践しているヨーロッパの人々において、心血管疾患と癌の発症が統計的に有意に少ないことが報告されました。(*)
またヒトにおける、信頼度の高い疫学研究に関する論文が、Nature Reviews Cardiology という世界心臓連合(WHF)の公式誌にハーバード大学の研究者により2007年に報告されました。
この論文に「地中海食は、心血管系への利点と、種々の美味しい物を食べられるので持続しやすいこともあり、ますます人気が上昇している。」との記載があります。(**)
その地中海食の本場、スペインはカタルーニャから届いたオリーブオイルが、これまで何度かご紹介した、あらてつさんの糖質制限ドットコムで販売している、モリドルオリーブオイルです。
我々日本人は、オリーブオイルと言えば真っ先にイタリアが思い浮かびますが、実はスペインの方が生産量が遥かに多く、スペインのオリーブオイル生産量は、世界のおよそ40%を締めていて、しかも、イタリア製オリーブオイルの70%以上がなんとスペイン産とのこと(-_-;)
これまでイタリア産と思って買っていたものが、実はスペイン産だったのですね(^_^;)
さらに、オリーブオイル業界、聞くところによるといろいろと複雑で、「エクストラヴァージンオリーブオイル」といいながら、そうでないものがかなりの割合で流通しているそうです(-_-;)
ですがこのモリドルオリーブオイルは、あらてつさんが直接工場まで行って「冷温圧搾・無濾過・無添加・混ざりっけ無しのエクストラヴァージンオリーブオイル」であることを確認してきました。
あらてつさん、知っている人は知っている、知らない人も知っている「かなりうるさい男」ですので、工場を隅から隅まで調べて現地の人たちに嫌がられてきたことは、想像に難くありません。
スペインでも「うるさいぶり」を遺憾なく発揮してきたあらてつさん太鼓判のモリドルオリーブオイル、私もこのブログをご覧の糖尿人、メタボ人、ダイエッターの皆さんにお勧め致します(^O^)
以下、あらてつさんからの案内です。
江部康二
(*)
Knoops KTB, de Groot LCPGM, Kromhout D, et al. 2004. Mediterranean diet, lifestyle factors, and 10-year mortality in elderly European men and women: the HALE Project. JAMA 292: 1433-39.
(**)Popular weight-loss diets: from evidence to practice
Vasanti S Malik & Frank B Hu
Nature Reviews Cardiology 4, 34–41 (1 January 2007)
オリーブオイル百年の伝統のあるシウラナ地方(スペイン北東部、カタルーニャ地方)からお届けする、混じりっけナシの100%エクストラヴァージンオリーブオイル、モリドルオリーブオイル、好評発売中です。
このモリドルオリーブオイル、実際に現地に言ってオリーブ畑とオリーブ工場を見学してきましたが、いやはや、ほんまに手間暇かけて愛情注いでオリーブオイルを作っておられるのが、よ〜くわかりました。
そりゃ機械は使っていますが、オリーブの収穫からオイルの製造・瓶詰めまで、行程がほとんど手作業に近いんですよね。
正直、「ここまで手かけてんねや!」と驚きましたもん。
あとね、オリーブ畑で生産農家の方とお話させて頂いた際に、
「うちでは化学肥料や農薬は一切使っていない。この栽培方法で州からメダルをもらったんだ。」
と誇らしげに語っておられましたし、
モリドルオリーブオイルの方は
「このオイルは、私の子どものようなものです。」
と仰ってましてね、なるほど、モリドルオリーブオイルは、この方たちが作っているから美味しんだ、このオイルの販売を決めた私の目に狂いはなかったと、思いっきり自画自賛しました(笑)
まあ、冗談さておき、
「江部康二先生はオリーブオイルを推奨されてるけど、正直どれを選んでいいのかわからない」
や
「よく店でエクストラヴァージンオリーブオイルって書いてあるけど、ほんまなんか?」
とお悩みや疑問のお声を頂戴します。
そんなお悩みの皆様に、本場スペインから直輸入、少量生産のエクストラヴァージンオリーブオイル、モリドルオリーブオイル、あらてつが全身全霊をもってお勧め致します。
それでは、モリドル社のパトリシアさんからのメッセージを紹介します。
モリ・ドルのエクストラバージン・オリーブオイル
モリ・ドルは、私たちの地域の人々や農作業員が、黄金の液体とも呼ばれるエクストラバージン・オリーブオイルを抽出するために、一年を通じてその大地に施してきた入念な作業と手入れの結晶です。
オイル百年の伝統のあるシウラナ地方(スペイン北東部、カタルーニャ地方)では、最高のシェフや料理批評家から最も高い評価を受けている、アルベキナ種と言うオリーブオイル生産用の品種のみを使用しています。
モリ・ドルのオリーブは、木から直接採取し、フライス(オリーブを碾く作業)は、果実の自然な特性を保持するため、冷温で行われます。その優れた特性と官能特性をそのまま維持するために、モリ・ドルは、フィルタリングされていないエクストラバージン・オリーブオイルとなっています。
この製法によって密度、香り、ボディが保たれている、という、極めて例外的ともいえる評価を受けています。瓶の底に堆積物が沈降することがありますが、健康上全く無害であり、自然由来のものであることの証拠でもあります。
つまり、これは100%純粋な天然オリーブ果汁なのです。
オリーブオイルには、多くの種類と品種があります。しかしその中でも、酸性度を1°未満に保持したものだけが、エクストラバージンと呼ばれる最高ランクのカテゴリとして(EEC規則1513/2001による)最も高い評価を得ることができます。私たちは、モリ·ドルが酸性度を0.3°に抑えてこのカテゴリに入っていることを、誇りに思っています。
オリーブそのものの持つ天然成分によって、このオイルが、抗酸化成分やポリフェノール性化合物を豊富に含んでいるため、酸化を抑えたり、体の諸器官に非常に有益な効果をもたらしたりするということも、忘れてはいけません。
その複雑な香りと味わいは、料理のうま味を引き立たせることができます。フルーティーかつ丸みのある味わいがあり、収斂性が低く、バナナ、イチゴ、リンゴ、クルミ、アーモンドやアーティチョークの熟したような非常にバランスのとれた香りがします。トマトを思わせる懐かしい趣を鼻腔に感じます。そして、非常に表現力のある、すっきりとしたナッツのような後味がします。
料理に使えば、味に力を与え、個性を引き立たせます。生鮮食品(パン、サラダ、野菜など)に使用すれば、より一層の官能特性を感じることができます。オイルを加熱して使用する際も、食品がカリっとした状態で形よく保持し、オイルに含まれている脂肪酸と抗酸化物質が食品に回って安定し、ボリュームが増すことから、高温にもよく対応すると言えます。
これらすべての特性のおかげで、モリ・ドルは、最高レベルのエクストラバージン・オリーブオイルであると同時に、健康的でよく知られている地中海料理を作る際に欠かせない食品の一つとして、認められるようになりました。

モリドルエクストラバージンオリーブオイル
是非皆さんもお試しください。
詳細・ご購入はこちらから
↓ ↓ ↓
モリドルエクストラヴァージンオリーブオイル
http://www.toushitsuseigen.com/products/detail48.html
今日のブログは、そのモリドルから出ているオリーブオイルのご紹介です。
拙著を買ってくださった方やブログ読者の皆さんから、時折、糖質制限食で使っていい油は何がありますかとご質問頂きます。
このような時、私は、オレイン酸が主成分のオリーブオイルの使用を勧めています。
かつて、「植物油に含まれるリノール酸が身体に良いので積極的に摂りましょう」と言われた時期がありました。
ところが日本の現状では、リノール酸の過剰摂取が問題となっています。
リノール酸摂りすぎの弊害(心臓・脳血管系疾患、欧米型癌、アレルギー性疾患、その他炎症性疾患)が、動物実験のみならず臨床的にも明らかにされてきたのです。
そして、リノール酸は多くの植物油の主成分で、安価な大豆油やコーン油には特に多く含まれています。
オリーブオイルの主成分は、一価不飽和脂肪酸であるオレイン酸です。そして大多数の栄養学者がオリーブオイルの摂取を奨めています。
オリーブオイル摂取とヒトに関しては、現在までの疫学的報告では、心血管系ににも癌予防にもよい結果がでています。私自身も、もっぱらオリーブオイルを使っています。
このオリーブオイルをたっぷり摂取することで有名なのが地中海食です。
2004年の米国医師会雑誌の論文で「地中海食摂取、喫煙なし、適度なアルコール摂取、身体活動」を実践しているヨーロッパの人々において、心血管疾患と癌の発症が統計的に有意に少ないことが報告されました。(*)
またヒトにおける、信頼度の高い疫学研究に関する論文が、Nature Reviews Cardiology という世界心臓連合(WHF)の公式誌にハーバード大学の研究者により2007年に報告されました。
この論文に「地中海食は、心血管系への利点と、種々の美味しい物を食べられるので持続しやすいこともあり、ますます人気が上昇している。」との記載があります。(**)
その地中海食の本場、スペインはカタルーニャから届いたオリーブオイルが、これまで何度かご紹介した、あらてつさんの糖質制限ドットコムで販売している、モリドルオリーブオイルです。
我々日本人は、オリーブオイルと言えば真っ先にイタリアが思い浮かびますが、実はスペインの方が生産量が遥かに多く、スペインのオリーブオイル生産量は、世界のおよそ40%を締めていて、しかも、イタリア製オリーブオイルの70%以上がなんとスペイン産とのこと(-_-;)
これまでイタリア産と思って買っていたものが、実はスペイン産だったのですね(^_^;)
さらに、オリーブオイル業界、聞くところによるといろいろと複雑で、「エクストラヴァージンオリーブオイル」といいながら、そうでないものがかなりの割合で流通しているそうです(-_-;)
ですがこのモリドルオリーブオイルは、あらてつさんが直接工場まで行って「冷温圧搾・無濾過・無添加・混ざりっけ無しのエクストラヴァージンオリーブオイル」であることを確認してきました。
あらてつさん、知っている人は知っている、知らない人も知っている「かなりうるさい男」ですので、工場を隅から隅まで調べて現地の人たちに嫌がられてきたことは、想像に難くありません。
スペインでも「うるさいぶり」を遺憾なく発揮してきたあらてつさん太鼓判のモリドルオリーブオイル、私もこのブログをご覧の糖尿人、メタボ人、ダイエッターの皆さんにお勧め致します(^O^)
以下、あらてつさんからの案内です。
江部康二
(*)
Knoops KTB, de Groot LCPGM, Kromhout D, et al. 2004. Mediterranean diet, lifestyle factors, and 10-year mortality in elderly European men and women: the HALE Project. JAMA 292: 1433-39.
(**)Popular weight-loss diets: from evidence to practice
Vasanti S Malik & Frank B Hu
Nature Reviews Cardiology 4, 34–41 (1 January 2007)
オリーブオイル百年の伝統のあるシウラナ地方(スペイン北東部、カタルーニャ地方)からお届けする、混じりっけナシの100%エクストラヴァージンオリーブオイル、モリドルオリーブオイル、好評発売中です。
このモリドルオリーブオイル、実際に現地に言ってオリーブ畑とオリーブ工場を見学してきましたが、いやはや、ほんまに手間暇かけて愛情注いでオリーブオイルを作っておられるのが、よ〜くわかりました。
そりゃ機械は使っていますが、オリーブの収穫からオイルの製造・瓶詰めまで、行程がほとんど手作業に近いんですよね。
正直、「ここまで手かけてんねや!」と驚きましたもん。
あとね、オリーブ畑で生産農家の方とお話させて頂いた際に、
「うちでは化学肥料や農薬は一切使っていない。この栽培方法で州からメダルをもらったんだ。」
と誇らしげに語っておられましたし、
モリドルオリーブオイルの方は
「このオイルは、私の子どものようなものです。」
と仰ってましてね、なるほど、モリドルオリーブオイルは、この方たちが作っているから美味しんだ、このオイルの販売を決めた私の目に狂いはなかったと、思いっきり自画自賛しました(笑)
まあ、冗談さておき、
「江部康二先生はオリーブオイルを推奨されてるけど、正直どれを選んでいいのかわからない」
や
「よく店でエクストラヴァージンオリーブオイルって書いてあるけど、ほんまなんか?」
とお悩みや疑問のお声を頂戴します。
そんなお悩みの皆様に、本場スペインから直輸入、少量生産のエクストラヴァージンオリーブオイル、モリドルオリーブオイル、あらてつが全身全霊をもってお勧め致します。
それでは、モリドル社のパトリシアさんからのメッセージを紹介します。
モリ・ドルのエクストラバージン・オリーブオイル
モリ・ドルは、私たちの地域の人々や農作業員が、黄金の液体とも呼ばれるエクストラバージン・オリーブオイルを抽出するために、一年を通じてその大地に施してきた入念な作業と手入れの結晶です。
オイル百年の伝統のあるシウラナ地方(スペイン北東部、カタルーニャ地方)では、最高のシェフや料理批評家から最も高い評価を受けている、アルベキナ種と言うオリーブオイル生産用の品種のみを使用しています。
モリ・ドルのオリーブは、木から直接採取し、フライス(オリーブを碾く作業)は、果実の自然な特性を保持するため、冷温で行われます。その優れた特性と官能特性をそのまま維持するために、モリ・ドルは、フィルタリングされていないエクストラバージン・オリーブオイルとなっています。
この製法によって密度、香り、ボディが保たれている、という、極めて例外的ともいえる評価を受けています。瓶の底に堆積物が沈降することがありますが、健康上全く無害であり、自然由来のものであることの証拠でもあります。
つまり、これは100%純粋な天然オリーブ果汁なのです。
オリーブオイルには、多くの種類と品種があります。しかしその中でも、酸性度を1°未満に保持したものだけが、エクストラバージンと呼ばれる最高ランクのカテゴリとして(EEC規則1513/2001による)最も高い評価を得ることができます。私たちは、モリ·ドルが酸性度を0.3°に抑えてこのカテゴリに入っていることを、誇りに思っています。
オリーブそのものの持つ天然成分によって、このオイルが、抗酸化成分やポリフェノール性化合物を豊富に含んでいるため、酸化を抑えたり、体の諸器官に非常に有益な効果をもたらしたりするということも、忘れてはいけません。
その複雑な香りと味わいは、料理のうま味を引き立たせることができます。フルーティーかつ丸みのある味わいがあり、収斂性が低く、バナナ、イチゴ、リンゴ、クルミ、アーモンドやアーティチョークの熟したような非常にバランスのとれた香りがします。トマトを思わせる懐かしい趣を鼻腔に感じます。そして、非常に表現力のある、すっきりとしたナッツのような後味がします。
料理に使えば、味に力を与え、個性を引き立たせます。生鮮食品(パン、サラダ、野菜など)に使用すれば、より一層の官能特性を感じることができます。オイルを加熱して使用する際も、食品がカリっとした状態で形よく保持し、オイルに含まれている脂肪酸と抗酸化物質が食品に回って安定し、ボリュームが増すことから、高温にもよく対応すると言えます。
これらすべての特性のおかげで、モリ・ドルは、最高レベルのエクストラバージン・オリーブオイルであると同時に、健康的でよく知られている地中海料理を作る際に欠かせない食品の一つとして、認められるようになりました。

モリドルエクストラバージンオリーブオイル
是非皆さんもお試しください。
詳細・ご購入はこちらから
↓ ↓ ↓
モリドルエクストラヴァージンオリーブオイル
http://www.toushitsuseigen.com/products/detail48.html
糖質制限食・ダイエット食の通信販売|糖質制限ドットコム
糖質制限ドットコムは、糖質制限食の第一人者、高雄病院、江部康二先生監修による糖質オフな食材を販売、糖質制限食に取り組む皆様をサポートします。
2015年05月12日 (火)
こんばんは。
<膵炎と糖質制限食>
今回まずは、急性膵炎のお話です。
次回は慢性膵炎のお話です。
1)「急性膵炎」
診断基準を満たす急性膵炎は、急性腹症の一つであり、軽症と重症に分けられます。
急性膵炎臨床診断基準 (2008年改訂)
1) 上腹部に急性腹痛発作と圧痛がある。
2) 血中、または尿中に膵酵素の上昇がある。
3) 超音波、CTまたはMRIで膵に急性膵炎に伴う異常所見がある。
上記 3項目中 2項目以上を満たし、他の膵疾患および急性腹症を除外したものを急性膵炎と診断。ただし、慢性膵炎の急性発症は急性膵炎に含める。膵酵素は膵特異性の高いもの(膵アミラーゼ、リパーゼなど)を測定することが望ましい。
急性膵炎で症状があるときは、治療として、まず膵臓を安静に保つために食事や水分の摂取を禁じ、点滴を大量にします。
重症の場合は10%近くが死亡するこわい病気です。
たんぱく分解酵素阻害薬の投与。
感染症を予防するために抗菌薬も投与。
重症急性膵炎では、循環管理や呼吸管理などの集中治療。
動注治療、持続的血液濾過透析などが必要となります。
急性膵炎は、致命的経過をとることがある重症例を除き、一般的には可逆性であり、臨床的回復後約 6 か月経過すると、膵臓は機能的・形態的にほぼ旧に復するとされます。
詳しくは
難病情報センター
http://www.nanbyou.or.jp/entry/119
急性膵炎のサイトをご参照ください。
ともあれ急性膵炎の症状が、治まったら、糖質制限食は実践OKとなります。
一方アルコールが急性膵炎のもっとも多い原因ですから、過度な飲酒を控えることが大変重要です。
1日あたりの飲酒量が増えるに伴い急性膵炎のリスクが上昇することが知られています。
江部康二
☆☆☆
以下、難病情報センター
http://www.nanbyou.or.jp/entry/119
のサイトから一部抜粋。
1. 重症急性膵炎とはどのような病気ですか
急性膵炎とは、食物の消化に必要な消化酵素(炭水化物を分解するアミラーゼ、たんぱく質を分解するトリプシン、脂肪を分解するリパーゼなど)と血糖の調節に必要なホルモン(血糖を下げるインスリンと血糖を高くするグルカゴンなど)を分泌する膵臓に、急激に炎症が起こり激烈な腹痛がおこる病気です。本来、食べ物を溶かす働きをする消化酵素が、膵臓自身を溶かしてしまう病気ともいえます。急性膵炎の中には、膵臓が腫れるだけで容易に回復する比較的軽症のもの(浮腫性膵炎)から、膵臓や周囲に出血や壊死を起こし(壊死性膵炎)、急激に死に至る重症例まで様々あり、その程度により軽症と重症とに分類されています。このうち、重症急性膵炎とは膵臓だけではなく、肺、腎臓、肝臓、消化管などの重要臓器にも障害を起こしたり(多臓器不全)、重篤な感染症を合併する致命率の高い急性膵炎を指します。重症急性膵炎は、10%近くの方が亡くなられる重い病気で、厚生労働省の特定疾患(いわゆる「難病」)に指定されています。
8. この病気はどういう経過をたどるのですか
急性膵炎は通常、持続的で激しい上腹部痛で発症します。急性膵炎の中には、膵臓が腫れただけで容易に回復する比較的軽症のもの(浮腫性膵炎)から、膵臓や周囲に出血や壊死を起こし(壊死性膵炎)、急激に死に至る重症例まで様々あり、その程度により軽症と重症とに分類されています。このうち、重症急性膵炎では膵臓だけではなく、肺、腎臓、肝臓、消化管などの重要臓器にも障害を起こしたり(多臓器不全)、重篤な感染症を合併することがあります。急性膵炎全体では約2%、重症急性膵炎では約8%の方が治療にも関わらず、亡くなられます。急性膵炎の長期予後は比較的良好であり、多くは発症前と同じ状態にまで回復して社会復帰することが可能とされます。しかし、膵臓が広い範囲で壊死に陥った場合には膵臓の機能が欠落し、糖尿病や消化吸収障害などの後遺症が出ることがあります。これらに対しては適切な治療(食事療法やインスリン投与、消化酵素剤の服用)により対応します。
9. この病気は日常生活でどのような注意が必要ですか
アルコールが急性膵炎のもっとも多い原因ですから、過度な飲酒を控えることが大変重要です。1日あたりの飲酒量が増えるに伴い急性膵炎のリスクが上昇することが知られています。急性膵炎の発生要因に関する研究によると、急性膵炎発症前24時間に100グラム以上のアルコール相当量を飲酒した場合には、飲酒しなかった場合に比べて膵炎のリスクは4.4倍に上昇します。同様に、膵炎発症前1か月間の飲酒量(アルコール相当量)が1日あたり50-99グラムでは3.5倍、100グラム以上では5.4倍に膵炎リスクが上昇します。
<膵炎と糖質制限食>
今回まずは、急性膵炎のお話です。
次回は慢性膵炎のお話です。
1)「急性膵炎」
診断基準を満たす急性膵炎は、急性腹症の一つであり、軽症と重症に分けられます。
急性膵炎臨床診断基準 (2008年改訂)
1) 上腹部に急性腹痛発作と圧痛がある。
2) 血中、または尿中に膵酵素の上昇がある。
3) 超音波、CTまたはMRIで膵に急性膵炎に伴う異常所見がある。
上記 3項目中 2項目以上を満たし、他の膵疾患および急性腹症を除外したものを急性膵炎と診断。ただし、慢性膵炎の急性発症は急性膵炎に含める。膵酵素は膵特異性の高いもの(膵アミラーゼ、リパーゼなど)を測定することが望ましい。
急性膵炎で症状があるときは、治療として、まず膵臓を安静に保つために食事や水分の摂取を禁じ、点滴を大量にします。
重症の場合は10%近くが死亡するこわい病気です。
たんぱく分解酵素阻害薬の投与。
感染症を予防するために抗菌薬も投与。
重症急性膵炎では、循環管理や呼吸管理などの集中治療。
動注治療、持続的血液濾過透析などが必要となります。
急性膵炎は、致命的経過をとることがある重症例を除き、一般的には可逆性であり、臨床的回復後約 6 か月経過すると、膵臓は機能的・形態的にほぼ旧に復するとされます。
詳しくは
難病情報センター
http://www.nanbyou.or.jp/entry/119
急性膵炎のサイトをご参照ください。
ともあれ急性膵炎の症状が、治まったら、糖質制限食は実践OKとなります。
一方アルコールが急性膵炎のもっとも多い原因ですから、過度な飲酒を控えることが大変重要です。
1日あたりの飲酒量が増えるに伴い急性膵炎のリスクが上昇することが知られています。
江部康二
☆☆☆
以下、難病情報センター
http://www.nanbyou.or.jp/entry/119
のサイトから一部抜粋。
1. 重症急性膵炎とはどのような病気ですか
急性膵炎とは、食物の消化に必要な消化酵素(炭水化物を分解するアミラーゼ、たんぱく質を分解するトリプシン、脂肪を分解するリパーゼなど)と血糖の調節に必要なホルモン(血糖を下げるインスリンと血糖を高くするグルカゴンなど)を分泌する膵臓に、急激に炎症が起こり激烈な腹痛がおこる病気です。本来、食べ物を溶かす働きをする消化酵素が、膵臓自身を溶かしてしまう病気ともいえます。急性膵炎の中には、膵臓が腫れるだけで容易に回復する比較的軽症のもの(浮腫性膵炎)から、膵臓や周囲に出血や壊死を起こし(壊死性膵炎)、急激に死に至る重症例まで様々あり、その程度により軽症と重症とに分類されています。このうち、重症急性膵炎とは膵臓だけではなく、肺、腎臓、肝臓、消化管などの重要臓器にも障害を起こしたり(多臓器不全)、重篤な感染症を合併する致命率の高い急性膵炎を指します。重症急性膵炎は、10%近くの方が亡くなられる重い病気で、厚生労働省の特定疾患(いわゆる「難病」)に指定されています。
8. この病気はどういう経過をたどるのですか
急性膵炎は通常、持続的で激しい上腹部痛で発症します。急性膵炎の中には、膵臓が腫れただけで容易に回復する比較的軽症のもの(浮腫性膵炎)から、膵臓や周囲に出血や壊死を起こし(壊死性膵炎)、急激に死に至る重症例まで様々あり、その程度により軽症と重症とに分類されています。このうち、重症急性膵炎では膵臓だけではなく、肺、腎臓、肝臓、消化管などの重要臓器にも障害を起こしたり(多臓器不全)、重篤な感染症を合併することがあります。急性膵炎全体では約2%、重症急性膵炎では約8%の方が治療にも関わらず、亡くなられます。急性膵炎の長期予後は比較的良好であり、多くは発症前と同じ状態にまで回復して社会復帰することが可能とされます。しかし、膵臓が広い範囲で壊死に陥った場合には膵臓の機能が欠落し、糖尿病や消化吸収障害などの後遺症が出ることがあります。これらに対しては適切な治療(食事療法やインスリン投与、消化酵素剤の服用)により対応します。
9. この病気は日常生活でどのような注意が必要ですか
アルコールが急性膵炎のもっとも多い原因ですから、過度な飲酒を控えることが大変重要です。1日あたりの飲酒量が増えるに伴い急性膵炎のリスクが上昇することが知られています。急性膵炎の発生要因に関する研究によると、急性膵炎発症前24時間に100グラム以上のアルコール相当量を飲酒した場合には、飲酒しなかった場合に比べて膵炎のリスクは4.4倍に上昇します。同様に、膵炎発症前1か月間の飲酒量(アルコール相当量)が1日あたり50-99グラムでは3.5倍、100グラム以上では5.4倍に膵炎リスクが上昇します。
2015年05月11日 (月)
こんにちは。
糖質制限食講演会 in 宇都宮(栃木県)
2015/5/31(日)13:30~16:30
のご案内です。
宇都宮では、初めての糖質制限食講演会ですのでとても楽しみです。
糖質制限食関連の情報は、日進月歩です。
それに伴い、糖質制限食基礎理論も日々進化しています。
宇都宮講演では、最新の糖質制限食基礎理論と豊富な症例も紹介して、わかりやすく楽しいお話を目指します。
第一部は、私が、
「炭水化物の食べ過ぎで早死にしてはいけません
-糖尿病・生活習慣病を予防&改善する糖質制限食-」
と題して、糖質制限食の基礎と臨床をお話しします。
第二部は
「美味しい&楽しい糖質オフ入門-実践編」
と題して、管理栄養士の佐々木 栄子さんが、 糖質制限食の具体的な指導や実践を紹介されます。
宇都宮市を始め、栃木県や近隣の方々、是非ご参加いただければ幸いです。
江部康二
☆☆☆
以下、事務局からのご案内です。
ブログ読者の皆様、講演会へいつも多数ご参加いただきまして、ありがとうござ います。
5月31日(日)、栃木県宇都宮市で一般の方向けの講演会を開催することとなりました。
今回は、当会理事長の講演に加えまして、アドバイザーの佐々木栄子管理栄養士による講演「美味しい&楽しい糖質オフ入門-実践編」も予定しております。
糖質制限食の理論や有効性、安全性について、また具体的な実践法について、たっぷりお聴きいただける絶好の機会です。
北関東の皆様をはじめ、多数のご参加を心よりお待ちしております。
///////////////////ご案内/////////////////////
一般般社団法人日本糖質制限医療推進協会主催
糖質制限食講演会in宇都宮(栃木県)
■日時:2015年5月31日(日) 13:30~16:30頃
※開場・受付は13:10~
■会場:栃木県総合文化センター 第3会議室
栃木県宇都宮市本町1-8
http://www.sobun-tochigi.jp/access.html
※お車でお越しの方へ
会場駐車場はご利用いただけません。周辺の有料駐車場をご利用ください。
■内容
・第一部:「炭水化物の食べ過ぎで早死にしてはいけません
-糖尿病・生活習慣病を予防&改善する糖質制限食-」
講師:江部 康二 医師
(一財)高雄病院理事長/(一社)日本糖質制限医療推進協会理事長
・第二部:「美味しい&楽しい糖質オフ入門-実践編」
講師:佐々木 栄子 管理栄養士・健康運動実践指導者
ローカーボクラブ代表/(一社)日本糖質制限医療推進協会アドバイザー
(講師紹介:http://www.toushitsuseigen.or.jp/#!/cr4r )
※第一部は講演70分、質疑応答30分、第二部は講演45分、質疑応答15分を予定しております。
■受講費: 賛助会員 2,200円 / 一般(非会員) 2,700円
■お支払い方法:
クレジットカード/銀行振込/郵便振替 ※事前決済のみとなります。
■お申し込みの流れ:
1. 下記「お申し込み方法」の該当するものからお申し込み下さい。
2. 事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3. 入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4. 当日、直接会場までお越し下さい。
■お申し込み方法
★賛助会員の方:事務局までメールにてお申し込み下さい。
★賛助会員入会をご希望の方:
1. 入会案内および会員規約をお読み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/#!membership/cdt9
2. お申し込みは下のフォームからお願いします。
「通信」欄に「5/31 宇都宮講演会受講希望」とご記入下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/contact
★一般(非会員)で、講演会の受講のみご希望の方:
下のフォームからお申し込み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/seminar-gen
■その他:
・予約制です。当日参加はできません。
・キャンセルは5月29日(金)までに事務局までご連絡願います。
・参加いただいた皆様には、講師の佐々木栄子さんによる、ご当地グルメにちなんだ低糖質料理と
簡単スイーツの「ちょこっとレシピ」をお配りします。
糖質制限食講演会 in 宇都宮(栃木県)
2015/5/31(日)13:30~16:30
のご案内です。
宇都宮では、初めての糖質制限食講演会ですのでとても楽しみです。
糖質制限食関連の情報は、日進月歩です。
それに伴い、糖質制限食基礎理論も日々進化しています。
宇都宮講演では、最新の糖質制限食基礎理論と豊富な症例も紹介して、わかりやすく楽しいお話を目指します。
第一部は、私が、
「炭水化物の食べ過ぎで早死にしてはいけません
-糖尿病・生活習慣病を予防&改善する糖質制限食-」
と題して、糖質制限食の基礎と臨床をお話しします。
第二部は
「美味しい&楽しい糖質オフ入門-実践編」
と題して、管理栄養士の佐々木 栄子さんが、 糖質制限食の具体的な指導や実践を紹介されます。
宇都宮市を始め、栃木県や近隣の方々、是非ご参加いただければ幸いです。
江部康二
☆☆☆
以下、事務局からのご案内です。
ブログ読者の皆様、講演会へいつも多数ご参加いただきまして、ありがとうござ います。
5月31日(日)、栃木県宇都宮市で一般の方向けの講演会を開催することとなりました。
今回は、当会理事長の講演に加えまして、アドバイザーの佐々木栄子管理栄養士による講演「美味しい&楽しい糖質オフ入門-実践編」も予定しております。
糖質制限食の理論や有効性、安全性について、また具体的な実践法について、たっぷりお聴きいただける絶好の機会です。
北関東の皆様をはじめ、多数のご参加を心よりお待ちしております。
///////////////////ご案内/////////////////////
一般般社団法人日本糖質制限医療推進協会主催
糖質制限食講演会in宇都宮(栃木県)
■日時:2015年5月31日(日) 13:30~16:30頃
※開場・受付は13:10~
■会場:栃木県総合文化センター 第3会議室
栃木県宇都宮市本町1-8
http://www.sobun-tochigi.jp/access.html
※お車でお越しの方へ
会場駐車場はご利用いただけません。周辺の有料駐車場をご利用ください。
■内容
・第一部:「炭水化物の食べ過ぎで早死にしてはいけません
-糖尿病・生活習慣病を予防&改善する糖質制限食-」
講師:江部 康二 医師
(一財)高雄病院理事長/(一社)日本糖質制限医療推進協会理事長
・第二部:「美味しい&楽しい糖質オフ入門-実践編」
講師:佐々木 栄子 管理栄養士・健康運動実践指導者
ローカーボクラブ代表/(一社)日本糖質制限医療推進協会アドバイザー
(講師紹介:http://www.toushitsuseigen.or.jp/#!/cr4r )
※第一部は講演70分、質疑応答30分、第二部は講演45分、質疑応答15分を予定しております。
■受講費: 賛助会員 2,200円 / 一般(非会員) 2,700円
■お支払い方法:
クレジットカード/銀行振込/郵便振替 ※事前決済のみとなります。
■お申し込みの流れ:
1. 下記「お申し込み方法」の該当するものからお申し込み下さい。
2. 事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3. 入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4. 当日、直接会場までお越し下さい。
■お申し込み方法
★賛助会員の方:事務局までメールにてお申し込み下さい。
★賛助会員入会をご希望の方:
1. 入会案内および会員規約をお読み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/#!membership/cdt9
2. お申し込みは下のフォームからお願いします。
「通信」欄に「5/31 宇都宮講演会受講希望」とご記入下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/contact
★一般(非会員)で、講演会の受講のみご希望の方:
下のフォームからお申し込み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/seminar-gen
■その他:
・予約制です。当日参加はできません。
・キャンセルは5月29日(金)までに事務局までご連絡願います。
・参加いただいた皆様には、講師の佐々木栄子さんによる、ご当地グルメにちなんだ低糖質料理と
簡単スイーツの「ちょこっとレシピ」をお配りします。
2015年05月10日 (日)
【15/05/10 ゆう
疑問です
境界型で糖質制限していた方が今まではご飯を1膳たべたりすると食後2時間で150とかあったのが、 日本糖尿病学会が推奨する糖質多め《ご飯、いもなど》、たんぱく質控えめに変えたら、食後2時間で110くらいに改善したとネットでみかけました。
炭水化物がおおめなため2時間にはさがりきっているからということが考えられますか?
いきなり日本糖尿病学会の通りの食生活で改善。とネットでみたので気になりました。】
ゆうさん
コメントありがとうございます。
<糖質制限食と耐糖能>
<従来の糖尿病食と耐糖能>
に関してですが、個々人において、それぞれ違うようです。
ゆうさんが見たそのネットの人は、そういうデータだったのでしょう。
しかしながら個人的体験データというのは、その人においては意味はあると思いますが、その個人的体験データを一般化して皆に当てはめることには無理があります。
なので、
「75gブドウ糖負荷試験で境界型と診断された人を一定の数、集めて、
<糖質制限食 VS 従来の糖尿病食>
<糖質制限食 VS 日本人の普通食>
を一定期間継続して摂取して然る後に、もう1回75g経口ブドウ糖負荷試験をして、改善効果を確かめる。」
といったデザインの研究を行えば、その結果は、一般化しても問題は少ないと考えられます。
まあ、だからこそ、面倒ではありますが、エビデンスレベルを高めるには、一定の人数を集めた研究が必要となるわけです。
従来の糖尿病食というのは、そもそも日本人の平均的な糖質・タンパク質・脂質の摂取比率が目安になっています。
例えば、従来の糖尿病食(日本糖尿病学会)の糖質摂取比率は50~60%ですが、日本人の平均糖質摂取比率は、最近の30年間は57.4~61.5%程度です。
平均的な日本人の食事の、バランスはここ30年間「糖質60%、脂質25%、タンパク質15%」です。
もともと、日本糖尿病学会のいう「糖質60%、脂質25%以下、タンパク質15%」とほぼ、一緒ですね。
さて境界型糖尿病と糖質制限食に関しては、すでに研究論文が発表されています。
新潟労災病院消化器内科部長前川智先生が書かれた
「耐糖能異常に対する低炭水化物食の効果に関する後ろ向き研究」
と題した英文論文が2014年6月、PubMedに掲載されました。
Diabetes, Metabolic syndrome, Obesity, Target and Therapy
というニュージーランドの英文雑誌です。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4063858/ → ここで全文が閲覧可能です。
75g経口ブドウ糖負荷試験で診断された境界型72名を
「糖質120g/日の糖質制限食群36人」
「食事指導なしの普通食群36人」
に分けて、1年間経過を追った研究です。
『糖質制限食が境界型糖尿病において、血糖コントロール及び2型糖尿病への進行を予防するのに有効である。』
という糖質セイゲニストにとって大変喜ばしい研究結果となりました。
『糖質制限症群の69.4%において、血糖値は12ヶ月で正常化し、経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)において2時間の血漿グルコースレベルは、33mg/dl減少した。』
糖質制限食実践により、境界型糖尿病の耐糖能が改善して、69.4%(36名中25名)が正常型になっていて、素晴らしい成果です。残りの11名は境界型のまま不変で、悪化して糖尿病型になった人はなしでした。
これに対して、通常食群36名においては、3名が正常型に、28名は不変で、5名は悪化して糖尿病型になっていました。
<糖質制限食群 VS 日本人の普通食群>
効果の差は明白ですね。
前川智先生は、新潟労災病院において糖質制限食をダイエットなどに導入しておられ、今回の研究は、2007年4月から2012年3月までの期間で行われました。
日本の研究者による糖質制限食の英文論文が、どんどん発表されていくといいですね。
前川智先生、貴重な研究報告をありがとうございます。
江部康二
☆☆☆
Diabetes Metab Syndr Obes. 2014; 7: 195–201.
Retrospective study on the efficacy of a low-carbohydrate diet for impaired glucose tolerance
Satoshi Maekawa,1 Tetsuya Kawahara,2 Ryosuke Nomura,1 Takayuki Murase,1 Yasuyoshi Ann,1 Masayuki Oeholm,1 and Masaru Harada3
「耐糖能異常に対する低炭水化物食の効果に関する後ろ向き研究」
要約
背景
近年では、耐糖能障害(IGT)を有する人の数は世界中で着実に増加している。糖尿病の予防は、公衆衛生、医療、経済学の観点から重要であることは明らかである。近年、低炭水化物食(LCD)は、体重減少及び血糖コントロールに有用であることが報告されたが、LCDのIGTへの効果についての情報は存在しない。私たちは、IGTに対するLCDに焦点を当てた7日間の院内教育プログラムを計画した。
方法
被験者は2007年4月から2012年3月までに登録され、12カ月間追跡したIGTの72人の患者(LCD群が36、対照群が36)であった。我々は、LCD群と対照群を後ろ向き調査により比較した。
結果
LCD群の69.4%において、血糖値は12ヶ月で正常化し、経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)において2時間の血漿グルコースレベルは、33mg/dl減少した。また、糖尿病の発生率は、12ヶ月目に対照群よりLCD群において有意に低かった(0%対13.9%、P = 0.02)。LCD群は12ヶ月後に、HbA1c、空腹時血糖値、HOMA-R、体重、血清トリグリセリド(TG)の有意な減少を示した。一方HDLコレステロール値は有意な増加を示した。
結論
LCDは、IGTを有する患者において、血糖値を正常化し、2型糖尿病への進行を予防するのに有効である。
疑問です
境界型で糖質制限していた方が今まではご飯を1膳たべたりすると食後2時間で150とかあったのが、 日本糖尿病学会が推奨する糖質多め《ご飯、いもなど》、たんぱく質控えめに変えたら、食後2時間で110くらいに改善したとネットでみかけました。
炭水化物がおおめなため2時間にはさがりきっているからということが考えられますか?
いきなり日本糖尿病学会の通りの食生活で改善。とネットでみたので気になりました。】
ゆうさん
コメントありがとうございます。
<糖質制限食と耐糖能>
<従来の糖尿病食と耐糖能>
に関してですが、個々人において、それぞれ違うようです。
ゆうさんが見たそのネットの人は、そういうデータだったのでしょう。
しかしながら個人的体験データというのは、その人においては意味はあると思いますが、その個人的体験データを一般化して皆に当てはめることには無理があります。
なので、
「75gブドウ糖負荷試験で境界型と診断された人を一定の数、集めて、
<糖質制限食 VS 従来の糖尿病食>
<糖質制限食 VS 日本人の普通食>
を一定期間継続して摂取して然る後に、もう1回75g経口ブドウ糖負荷試験をして、改善効果を確かめる。」
といったデザインの研究を行えば、その結果は、一般化しても問題は少ないと考えられます。
まあ、だからこそ、面倒ではありますが、エビデンスレベルを高めるには、一定の人数を集めた研究が必要となるわけです。
従来の糖尿病食というのは、そもそも日本人の平均的な糖質・タンパク質・脂質の摂取比率が目安になっています。
例えば、従来の糖尿病食(日本糖尿病学会)の糖質摂取比率は50~60%ですが、日本人の平均糖質摂取比率は、最近の30年間は57.4~61.5%程度です。
平均的な日本人の食事の、バランスはここ30年間「糖質60%、脂質25%、タンパク質15%」です。
もともと、日本糖尿病学会のいう「糖質60%、脂質25%以下、タンパク質15%」とほぼ、一緒ですね。
さて境界型糖尿病と糖質制限食に関しては、すでに研究論文が発表されています。
新潟労災病院消化器内科部長前川智先生が書かれた
「耐糖能異常に対する低炭水化物食の効果に関する後ろ向き研究」
と題した英文論文が2014年6月、PubMedに掲載されました。
Diabetes, Metabolic syndrome, Obesity, Target and Therapy
というニュージーランドの英文雑誌です。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4063858/ → ここで全文が閲覧可能です。
75g経口ブドウ糖負荷試験で診断された境界型72名を
「糖質120g/日の糖質制限食群36人」
「食事指導なしの普通食群36人」
に分けて、1年間経過を追った研究です。
『糖質制限食が境界型糖尿病において、血糖コントロール及び2型糖尿病への進行を予防するのに有効である。』
という糖質セイゲニストにとって大変喜ばしい研究結果となりました。
『糖質制限症群の69.4%において、血糖値は12ヶ月で正常化し、経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)において2時間の血漿グルコースレベルは、33mg/dl減少した。』
糖質制限食実践により、境界型糖尿病の耐糖能が改善して、69.4%(36名中25名)が正常型になっていて、素晴らしい成果です。残りの11名は境界型のまま不変で、悪化して糖尿病型になった人はなしでした。
これに対して、通常食群36名においては、3名が正常型に、28名は不変で、5名は悪化して糖尿病型になっていました。
<糖質制限食群 VS 日本人の普通食群>
効果の差は明白ですね。
前川智先生は、新潟労災病院において糖質制限食をダイエットなどに導入しておられ、今回の研究は、2007年4月から2012年3月までの期間で行われました。
日本の研究者による糖質制限食の英文論文が、どんどん発表されていくといいですね。
前川智先生、貴重な研究報告をありがとうございます。
江部康二
☆☆☆
Diabetes Metab Syndr Obes. 2014; 7: 195–201.
Retrospective study on the efficacy of a low-carbohydrate diet for impaired glucose tolerance
Satoshi Maekawa,1 Tetsuya Kawahara,2 Ryosuke Nomura,1 Takayuki Murase,1 Yasuyoshi Ann,1 Masayuki Oeholm,1 and Masaru Harada3
「耐糖能異常に対する低炭水化物食の効果に関する後ろ向き研究」
要約
背景
近年では、耐糖能障害(IGT)を有する人の数は世界中で着実に増加している。糖尿病の予防は、公衆衛生、医療、経済学の観点から重要であることは明らかである。近年、低炭水化物食(LCD)は、体重減少及び血糖コントロールに有用であることが報告されたが、LCDのIGTへの効果についての情報は存在しない。私たちは、IGTに対するLCDに焦点を当てた7日間の院内教育プログラムを計画した。
方法
被験者は2007年4月から2012年3月までに登録され、12カ月間追跡したIGTの72人の患者(LCD群が36、対照群が36)であった。我々は、LCD群と対照群を後ろ向き調査により比較した。
結果
LCD群の69.4%において、血糖値は12ヶ月で正常化し、経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)において2時間の血漿グルコースレベルは、33mg/dl減少した。また、糖尿病の発生率は、12ヶ月目に対照群よりLCD群において有意に低かった(0%対13.9%、P = 0.02)。LCD群は12ヶ月後に、HbA1c、空腹時血糖値、HOMA-R、体重、血清トリグリセリド(TG)の有意な減少を示した。一方HDLコレステロール値は有意な増加を示した。
結論
LCDは、IGTを有する患者において、血糖値を正常化し、2型糖尿病への進行を予防するのに有効である。
2015年05月09日 (土)
こんにちは。
A)
2015年5月1日
日本動脈硬化学会が、
「食事で体内のコレステロール値は大きく変わらない」との声明を発表しました。
B)
厚生労働省は、5年おきに改定する「食事摂取基準」の2015年版で、科学的根拠が得られなかったとしてコレステロールの摂取基準を撤廃しました。
C)
米農務省は「コレステロールは過剰摂取を懸念すべき栄養素ではない」として、摂取量を1日300ミリグラム未満に抑えていた食事指針を2015年見直す方向です。
A)B)C)のいずれもコレステロール摂取基準撤廃です。
これらを考慮すると今まで、日米共に長い間、コレステロールの摂取基準を設定して、摂取制限を推奨してきたことが、無意味だったと認めたわけですね。
まあ、『過ちては改むるに憚ること勿れ』ですから、とても良いこととは思います。
しかし米国ではずっと
「1日あたりのコレスレテロール摂取量上限は300mg。棒状のバター1本、または小さい卵2個、ステーキ300グラムに含まれる量」
を推奨し続けていたのはいったい何だったのでしょうね?
日本の厚生労働省もこれまでは、
「18歳以上の男性は1日当たり750mgム未満、女性は600mg未満の摂取基準値」
を推奨でした。
過ちを改めるには、かなり遅きに失したと思うのは私だけでしょうか?
厚生労働省は「食事からのコレステロールは一部に過ぎず、食事から多く取れば、体内で作る量を減らすなどの調整する仕組みがある」と解説。
いやはや、こんなことは、何十年も前から判明していたことと思うのですが・・・
江部康二
☆☆☆
以下毎日新聞のサイトから、一部抜粋
http://mainichi.jp/select/news/20150502k0000m040167000c.html
【コレステロール値:「食事で変わらず」動脈硬化学会が声明
毎日新聞 2015年05月02日
日本人のコレステロール摂取
取りすぎると動脈硬化などを招くとして悪者扱いされてきたコレステロールについて、日本動脈硬化学会(佐藤靖史理事長)は1日、「食事で体内のコレステロール値は大きく変わらない」との声明を発表した。厚生労働省も今年、5年ぶりに改定された「食事摂取基準」で、コレステロールの基準を撤廃しており、これを容認した形だ。動脈硬化予防には食事だけでなく、生活習慣や運動など包括的な対策が大切だとしている。
コレステロールは脂質の一種で、食べ物からのほか肝臓でも作られる。動脈硬化学会は血中の「悪玉」のコレステロールが高いと心筋梗塞(こうそく)を起こしやすいとして警告する一方、日本脂質栄養学会は「数値が高い人はむしろ長生き」と主張し、論争が続いていた。
厚労省はこれまで、18歳以上の男性は1日当たり750ミリグラム未満、女性は600ミリグラム未満の摂取基準値を設けていた。しかし5年おきに改定する「食事摂取基準」の2015年版で、科学的根拠が得られなかったとして基準を撤廃。卵の摂取量と心筋梗塞の発症リスクとの関連を調べた日本人約10万人の研究で「関連なし」との結果が出たことなどを例示し「食事からのコレステロールは一部に過ぎず、食事から多く取れば、体内で作る量を減らすなどの調整する仕組みがある」と解説した。
米農務省も「コレステロールは過剰摂取を懸念すべき栄養素ではない」として、摂取量を1日300ミリグラム未満に抑えていた食事指針を今年見直す方向だ。
こうした中、動脈硬化学会は1日の声明で「食べるのを制限しても血中の値が低下する人と、しにくい人がいて、個人差が大きい」と基準の撤廃に賛同した。悪玉コレステロールの値が高い人はコレステロールの摂取制限が推奨されるとする一方、食事や運動、生活習慣を全体的に改善することが必要とした。食事についても脂質だけを減らすのではなく「食物繊維を多く含む大豆製品や海藻、野菜類を増やすことが大切」と訴えた。
生活習慣病に詳しいたちかわ総合健診センター(新潟県長岡市)の小田栄司センター長は「BMI(体格指数)が30を超える肥満の人は食事制限が心臓病予防に効果的だが、悪玉コレステロールが高くない人は、食事よりも運動の方が効果がある。指針などで一律に定めるのではなく、個々の状態に応じて考えることが大切だ」と話している。
下桐実雅子、永山悦子】
A)
2015年5月1日
日本動脈硬化学会が、
「食事で体内のコレステロール値は大きく変わらない」との声明を発表しました。
B)
厚生労働省は、5年おきに改定する「食事摂取基準」の2015年版で、科学的根拠が得られなかったとしてコレステロールの摂取基準を撤廃しました。
C)
米農務省は「コレステロールは過剰摂取を懸念すべき栄養素ではない」として、摂取量を1日300ミリグラム未満に抑えていた食事指針を2015年見直す方向です。
A)B)C)のいずれもコレステロール摂取基準撤廃です。
これらを考慮すると今まで、日米共に長い間、コレステロールの摂取基準を設定して、摂取制限を推奨してきたことが、無意味だったと認めたわけですね。
まあ、『過ちては改むるに憚ること勿れ』ですから、とても良いこととは思います。
しかし米国ではずっと
「1日あたりのコレスレテロール摂取量上限は300mg。棒状のバター1本、または小さい卵2個、ステーキ300グラムに含まれる量」
を推奨し続けていたのはいったい何だったのでしょうね?
日本の厚生労働省もこれまでは、
「18歳以上の男性は1日当たり750mgム未満、女性は600mg未満の摂取基準値」
を推奨でした。
過ちを改めるには、かなり遅きに失したと思うのは私だけでしょうか?
厚生労働省は「食事からのコレステロールは一部に過ぎず、食事から多く取れば、体内で作る量を減らすなどの調整する仕組みがある」と解説。
いやはや、こんなことは、何十年も前から判明していたことと思うのですが・・・
江部康二
☆☆☆
以下毎日新聞のサイトから、一部抜粋
http://mainichi.jp/select/news/20150502k0000m040167000c.html
【コレステロール値:「食事で変わらず」動脈硬化学会が声明
毎日新聞 2015年05月02日
日本人のコレステロール摂取
取りすぎると動脈硬化などを招くとして悪者扱いされてきたコレステロールについて、日本動脈硬化学会(佐藤靖史理事長)は1日、「食事で体内のコレステロール値は大きく変わらない」との声明を発表した。厚生労働省も今年、5年ぶりに改定された「食事摂取基準」で、コレステロールの基準を撤廃しており、これを容認した形だ。動脈硬化予防には食事だけでなく、生活習慣や運動など包括的な対策が大切だとしている。
コレステロールは脂質の一種で、食べ物からのほか肝臓でも作られる。動脈硬化学会は血中の「悪玉」のコレステロールが高いと心筋梗塞(こうそく)を起こしやすいとして警告する一方、日本脂質栄養学会は「数値が高い人はむしろ長生き」と主張し、論争が続いていた。
厚労省はこれまで、18歳以上の男性は1日当たり750ミリグラム未満、女性は600ミリグラム未満の摂取基準値を設けていた。しかし5年おきに改定する「食事摂取基準」の2015年版で、科学的根拠が得られなかったとして基準を撤廃。卵の摂取量と心筋梗塞の発症リスクとの関連を調べた日本人約10万人の研究で「関連なし」との結果が出たことなどを例示し「食事からのコレステロールは一部に過ぎず、食事から多く取れば、体内で作る量を減らすなどの調整する仕組みがある」と解説した。
米農務省も「コレステロールは過剰摂取を懸念すべき栄養素ではない」として、摂取量を1日300ミリグラム未満に抑えていた食事指針を今年見直す方向だ。
こうした中、動脈硬化学会は1日の声明で「食べるのを制限しても血中の値が低下する人と、しにくい人がいて、個人差が大きい」と基準の撤廃に賛同した。悪玉コレステロールの値が高い人はコレステロールの摂取制限が推奨されるとする一方、食事や運動、生活習慣を全体的に改善することが必要とした。食事についても脂質だけを減らすのではなく「食物繊維を多く含む大豆製品や海藻、野菜類を増やすことが大切」と訴えた。
生活習慣病に詳しいたちかわ総合健診センター(新潟県長岡市)の小田栄司センター長は「BMI(体格指数)が30を超える肥満の人は食事制限が心臓病予防に効果的だが、悪玉コレステロールが高くない人は、食事よりも運動の方が効果がある。指針などで一律に定めるのではなく、個々の状態に応じて考えることが大切だ」と話している。
下桐実雅子、永山悦子】
2015年05月08日 (金)
【朝日新聞デジタル
http://news.yahoo.co.jp/pickup/6159154
コーヒーや緑茶、1日数杯で長寿効果 19年間追跡調査
朝日新聞デジタル 5月7日(木)11時31分配信
コーヒーや緑茶を日常的によく飲んでいる人は、そうでない人に比べて病気などで死亡するリスクが低いとする調査結果を、国立がん研究センターなどの研究チームがまとめた。コーヒーに含まれるポリフェノール、緑茶に含まれるカテキンが血圧を下げ、両方に含まれるカフェインが血管や呼吸器の働きをよくしている可能性があるという。
全国に住む40~69歳の男女約9万人に対し、コーヒーや緑茶を1日どれくらい飲むかを、ほかの生活習慣などと合わせて質問し、経過を約19年間追った。
この間に約1万3千人が亡くなっていた。
コーヒーや緑茶をよく飲む人は死亡率が低く、コーヒーを1日に3~4杯飲む人ではほとんど飲まない人に比べて、死亡リスクが24%低かった。緑茶は1日1杯未満の人に比べ、1日5杯以上飲む男性で死亡リスクが13%、女性で17%低かった。
どちらも、死亡のリスクにかかわる年齢や運動習慣などは影響しないように統計学的に調整した。
朝日新聞社 】
こんばんは。
青子 さん から
「コーヒーや緑茶、1日数杯で長寿効果 19年間追跡調査」
という、朝日新聞デジタルの記事についてコメントいただきました。
ありがとうございます。
コーヒー党にとって、とてもいいニュースですね。
糖質制限食的には、一日に3~4杯のコーヒーは全く問題ないと思います。
抽出したコーヒー100cc中に、0.7gの糖質が含まれていますが微量です。
私も、1日に3~4杯くらい飲んでいます。
普通の喫茶店で、出される紅茶の量は、一杯で140ccくらいです。
普通の喫茶店で標準的なカップで飲むコーヒーは、カップ8分目入れた状態で100~120ccが標準です。
マグカップの場合は、180~220ccほど入ります。
五訂日本食品標準成分表によると
コーヒー・浸出液100g中に
『エネルギー(kcal) 4.0
たんぱく質(g) 0.2
脂質(g) 0.0
炭水化物(g) 0.7
※食物繊維(g) 0.0
カフェイン40mg』
が含まれています。
なおカフェインを1日200~300mg以上摂取した場合は 個人差はありますが、不眠・動悸・いらいら・頭痛・振戦・神経過敏などのカフェイン過剰症状がでることがありますので、飲みすぎには注意ですね。( ̄_ ̄|||)
カフェインを含む飲料には、コーヒー以外にお茶があります。
玉露のカフェインは半端じゃないですね。ヾ(゜▽゜)
**飲料別カフェイン含有量(福岡県薬剤師会調べ)
コーヒー 40mg/100ml
紅茶 50mg/100ml
せん茶 20mg/100ml
玉露 160mg/100ml
番茶 10mg/100ml
ウーロン茶 20mg/100ml
健茶王 13mg/100ml
江部康二
http://news.yahoo.co.jp/pickup/6159154
コーヒーや緑茶、1日数杯で長寿効果 19年間追跡調査
朝日新聞デジタル 5月7日(木)11時31分配信
コーヒーや緑茶を日常的によく飲んでいる人は、そうでない人に比べて病気などで死亡するリスクが低いとする調査結果を、国立がん研究センターなどの研究チームがまとめた。コーヒーに含まれるポリフェノール、緑茶に含まれるカテキンが血圧を下げ、両方に含まれるカフェインが血管や呼吸器の働きをよくしている可能性があるという。
全国に住む40~69歳の男女約9万人に対し、コーヒーや緑茶を1日どれくらい飲むかを、ほかの生活習慣などと合わせて質問し、経過を約19年間追った。
この間に約1万3千人が亡くなっていた。
コーヒーや緑茶をよく飲む人は死亡率が低く、コーヒーを1日に3~4杯飲む人ではほとんど飲まない人に比べて、死亡リスクが24%低かった。緑茶は1日1杯未満の人に比べ、1日5杯以上飲む男性で死亡リスクが13%、女性で17%低かった。
どちらも、死亡のリスクにかかわる年齢や運動習慣などは影響しないように統計学的に調整した。
朝日新聞社 】
こんばんは。
青子 さん から
「コーヒーや緑茶、1日数杯で長寿効果 19年間追跡調査」
という、朝日新聞デジタルの記事についてコメントいただきました。
ありがとうございます。
コーヒー党にとって、とてもいいニュースですね。
糖質制限食的には、一日に3~4杯のコーヒーは全く問題ないと思います。
抽出したコーヒー100cc中に、0.7gの糖質が含まれていますが微量です。
私も、1日に3~4杯くらい飲んでいます。
普通の喫茶店で、出される紅茶の量は、一杯で140ccくらいです。
普通の喫茶店で標準的なカップで飲むコーヒーは、カップ8分目入れた状態で100~120ccが標準です。
マグカップの場合は、180~220ccほど入ります。
五訂日本食品標準成分表によると
コーヒー・浸出液100g中に
『エネルギー(kcal) 4.0
たんぱく質(g) 0.2
脂質(g) 0.0
炭水化物(g) 0.7
※食物繊維(g) 0.0
カフェイン40mg』
が含まれています。
なおカフェインを1日200~300mg以上摂取した場合は 個人差はありますが、不眠・動悸・いらいら・頭痛・振戦・神経過敏などのカフェイン過剰症状がでることがありますので、飲みすぎには注意ですね。( ̄_ ̄|||)
カフェインを含む飲料には、コーヒー以外にお茶があります。
玉露のカフェインは半端じゃないですね。ヾ(゜▽゜)
**飲料別カフェイン含有量(福岡県薬剤師会調べ)
コーヒー 40mg/100ml
紅茶 50mg/100ml
せん茶 20mg/100ml
玉露 160mg/100ml
番茶 10mg/100ml
ウーロン茶 20mg/100ml
健茶王 13mg/100ml
江部康二
2015年05月07日 (木)
こんばんは。
2015/4/14のMT Proにおいて
「コレステロールが下がれば血糖は上がる!スタチンによる耐糖能障害悪化の理由も解明」
という記事が載りました。
2014年06月13日 (金)の本ブログ記事
「高強度スタチンは糖尿病リスク上昇に関連」
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-2994.html
でも取り上げましたが、スタチン剤で糖尿病リスク上昇というのは、もはや常識レベルになってきています。
例えば、「今日の治療薬」(南江堂)という、とてもポピュラーな毎年出る薬の本がありますが、2014年版の368ページに
「大規模臨床試験のメタアナリシスから、スタチンにより、糖尿病の新規発症がプラセボに比較して9%有意に上昇することが示された。また大規模な観察研究であるWHIでも、スタチン使用群で糖尿病の新規発症が多いことが示された」
と記載してあります。
スタチンというコレステロールを下げる薬には、横紋筋融解症、ミオパチー(筋肉痛)、肝障害などの副作用があることはよく知られていますが、糖尿病の新規発症にもしっかり留意する必要があるようです。
今回のJAMA(2015; 313: 1029-1036)の論文では、スタチン使用の有無にかかわらず、コレステロールの下降そのものが血糖の上昇と関連していることが示唆されました。
家族制高コレステロール血症の患者では、細胞内へのコレステロールの取り込みが低下しています。
著者らは、
「コレステロールの細胞取り込みを増加させるスタチンが糖尿病の有病率を上昇させるのであれば、コレステロールの細胞取り込みが低下している家族性高コレステロール血症患者では糖尿病の有病率が低下しているはずだ」
との仮説をたて、検証しました。
主解析の結果、粗解析(6万3,318人)では、家族性高コレステロール血症患者の1.75%(440人/2万5,137人)と対照者の2.93%(1,119人/3万8,183人)が2型糖尿病を有しており、家族性高コレステロール血症患者の2型糖尿病発症オッズ比は、0.62(95%CI 0.55~0.69)で有意に有病率が低かったことが判明しました。
調整後解析(3万7,233人)でも、家族性高コレステロール血症患者の1.44%(177人/1万2,300人)と対照者の3.26%(812人/2万4,898人)が2型糖尿病を有しており、家族性高コレステロール血症患者の2型糖尿病発症オッズ比は、0.49(95%CI 0.42~0.58)で有意に有病率が低かったことがわかりました。
さらに家族性高コレステロール血症患者において、コレステロール取り込みの障害が重度になるほど2型糖尿病の有病率は低くなっていたことも示されました。
これらにより、上記仮説は一定、証明されたと思われます。
「論文の著者らは、・・・中略・・・β細胞内にコレステロールが貯留することがβ細胞を障害させると考えている。」
「スタチンによる耐糖能の悪化は起こるべくして起こる主作用」
ということならば、スタチンで、コレステロールの細胞内への取り込みを増加させて、血中コレステロール値を下げることの意味そのものが問い直されて然るべきかと私は思います。
コレステロールを下げるべきか否かにおいて、「日本動脈硬化学会」と「日本脂質栄養学会」のバトルが続いています。
私自身は、「家族性の特殊例を除いては、高コレステロール血症にスタチンは不必要」という、日本脂質栄養学会の見解に賛成です。
コレステロールは、とかく悪者にされがちですが、実は、細胞膜や男性ホルモン、女性ホルモンなどの原料として人体に必要不可欠な大切な物質です。
脳の乾燥重量の65%は脂質であり、その1/4はコレステロールであり、脳においてもコレステロールは重要な構成物質なのです。
一般にLDLコレステロールは悪玉でHDLコレステロールは善玉という言い方をしますが、これも正確ではありません。
正常サイズのLDLは、中に約40%のコレステロールを含んでおり、それを末梢組織に運ぶ真っ当な役割を果たしています。
HDLは末梢組織の細胞で原料として使用されたあと、余ったコレステロールを回収して肝臓に運んでいます。
即ち、LDLもHDLも人体に必要なものであり、日々良い仕事をしており逆に少なすぎたら困るわけです。
これらのことを普通に考察すると、
「むやみにスタチンでコレステロール値を下げることは如何なものか」
と考える次第です。
江部康二
☆☆☆
以下
2015/4/14MT Pro記事から一部抜粋
[2015年4月14日]ドクターズアイ・最新論文で考える日常臨床
コレステロールが下がれば血糖は上がる!
スタチンによる耐糖能障害悪化の理由も解明
北里研究所病院糖尿病センター 山田 悟
研究の背景:なぜスタチンが血糖を上昇させるのか
スタチンによる耐糖能障害の悪化は以前から報告され,その作用はスタチン全体の普遍的な作用であると考えられるようになった(Lancet 2010; 375: 735-742,JAMA 2011; 305: 2556-2564)。しかし,スタチンには多面的な作用があるとされることもあり,なぜスタチンが血糖を上昇させるのかについて,詳細な検討はなされてこなかったように思う。
このたび,スタチン使用の有無にかかわらず,コレステロールの下降そのものが血糖の上昇と関連していることを示唆する論文がJAMA(2015; 313: 1029-1036)に掲載された。コレステロールと血糖値との複雑な関係を垣間見る思いであり,ご紹介したい。
研究のポイント1:家族性高コレステロール血症の病型別の2型糖尿病有病率の解析
オランダ・アムステルダムの科学医学センターのKastelein氏らは,コレステロールの細胞取り込みを増加させるスタチンが糖尿病の有病率を上昇させるのであれば,コレステロールの細胞取り込みが低下している家族性高コレステロール血症患者では糖尿病の有病率が低下しているはずだとの仮説を立て,オランダの家族性高コレステロール血症スクリーニングプログラムのデータによりこの仮説を検証することとした。
1994年に開始された家族性高コレステロール血症スクリーニングプログラムでは,家族性高コレステロール血症が疑われた患者でDNA検査が実施され,変異が確認された場合には第一親等の親族でも同様にDNA検査が実施され,また,第一親等の中でも家族性高コレステロール血症患者が見つかると,患者や第一親等は調査を受け,糖尿病の有無,投薬内容や臨床データが集められた。また,2004年以降は脂質プロファイルやリポプロテインの検討もなされた。
本研究では,高コレステロール血症と糖尿病有病率の関係を知るために,家族性高コレステロール血症患者とそうした変異をもたない第一親等の人(対照者)とで,糖尿病有病率の比較がなされた(主解析)。また,家族性高コレステロール血症患者については, apoBの変異者とLDL受容体の変異者に分類したり,あるいは,LDL受容体の変異者をLDL受容体の完全欠損者と部分欠損者とに分けたりした解析(二次解析)もなされた。
研究のポイント2:家族性高コレステロール血症患者は糖尿病になりにくい
1994年1月~2014年1月に6万3,385人にDNA検査が実施された。そのうち65人は家族性高コレステロール血症のホモ欠損者であるという理由で対象から除外され(私にはホモ欠損者を除外する理由が理解できない),2型糖尿病かどうかのデータが取られていなかった2人も除外して,計6万3,318人が主解析(粗解析)の対象となった。また,調整に必要な脂質プロファイル,BMI,喫煙状況,年齢のデータが不明な人が除外され,3万7,233人が主解析(調整後解析)の対象となった。そこからさらに前駆蛋白質転換酵素サブチリシン/ケキシン9(PCSK9)変異者も除外され(私にはPCSK9変異者を除外する理由が理解できないが,おそらく56人とあまりに少数のためと思われる),3万7,177人が二次解析の対象となった。
主解析の結果,粗解析(6万3,318人)では,家族性高コレステロール血症患者の1.75%(440人/2万5,137人)と対照者の2.93%(1,119人/3万8,183人)が2型糖尿病を有しており,家族性高コレステロール血症患者の2型糖尿病発症オッズ比は0.62(95%CI 0.55~0.69)で有意に有病率が低かった※1。
調整後解析(3万7,233人)でも,家族性高コレステロール血症患者の1.44%(177人/1万2,300人)と対照者の3.26%(812人/2万4,898人)が2型糖尿病を有しており,家族性高コレステロール血症患者の2型糖尿病発症オッズ比は0.49(95%CI 0.42~0.58)で有意に有病率が低かった※2。
また,家族性高コレステロール血症患者を遺伝子異常で分類すると,コレステロール取り込みの障害が重度になるほど2型糖尿病の有病率は低くなっていた(表)。
私の考察:細胞内コレステロール取り込みが耐糖能障害に関与
以前,家族性高コレステロール血症患者と年齢・性をマッチさせた対照とで冠動脈硬化を比較した研究において,家族性高コレステロール血症患者での2型糖尿病有病率が低いことが報告されていた(Eur J Clin Invest 1997; 27: 366-373)。今回の研究は,この先行研究における二次的な解析の結果を,主解析として再確認したものであり,スタチン使用の有無にかかわらず,細胞のコレステロール取り込みの障害そのものが耐糖能と直接的に関連することを示すものである。
論文の著者らは,β細胞をLDL(コレステロール)とともに培養すると死んでしまったり(Endocrinology 2002; 143: 3449-3453),インスリン分泌が障害されたりし(Endocrinology 2009; 150: 4521-4530),また,β細胞からのコレステロールの排泄障害でも同様のことが生じる(Nat Med 2007; 13: 340-347)ことから,β細胞内にコレステロールが貯留することがβ細胞を障害させると考えている。
もちろん,本研究は横断研究であり,因果関係に結論を出すことはできないが,β細胞内のコレステロール代謝に注目する必要があることを知らしめた点で興味深く,また,スタチンによる耐糖能の悪化は起こるべくして起こる主作用であるとする点でも関心を集めるであろう。
ただし,これまでも繰り返し語られてきたように,スタチン剤の使用は2型糖尿病患者を増やしても心血管死亡率を低下させるものであり,高コレステロール血症患者へのスタチンの投与を躊躇すべきではない(Lancet 2010; 375: 700-701,JAMA 2015; 313: 1016-1017)。
※1 山田註;分母を加算すると6万3,320人になるので,本来の6万3,318人と合致しない。2型糖尿病の有無が不明だったはずの2人が除外されずにカウントされていると思われる
※2 山田註;分母を加算すると3万7,198人になるので,本来の3万7,233人と合致しない。この不一致の理由は不明である
2015/4/14のMT Proにおいて
「コレステロールが下がれば血糖は上がる!スタチンによる耐糖能障害悪化の理由も解明」
という記事が載りました。
2014年06月13日 (金)の本ブログ記事
「高強度スタチンは糖尿病リスク上昇に関連」
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-2994.html
でも取り上げましたが、スタチン剤で糖尿病リスク上昇というのは、もはや常識レベルになってきています。
例えば、「今日の治療薬」(南江堂)という、とてもポピュラーな毎年出る薬の本がありますが、2014年版の368ページに
「大規模臨床試験のメタアナリシスから、スタチンにより、糖尿病の新規発症がプラセボに比較して9%有意に上昇することが示された。また大規模な観察研究であるWHIでも、スタチン使用群で糖尿病の新規発症が多いことが示された」
と記載してあります。
スタチンというコレステロールを下げる薬には、横紋筋融解症、ミオパチー(筋肉痛)、肝障害などの副作用があることはよく知られていますが、糖尿病の新規発症にもしっかり留意する必要があるようです。
今回のJAMA(2015; 313: 1029-1036)の論文では、スタチン使用の有無にかかわらず、コレステロールの下降そのものが血糖の上昇と関連していることが示唆されました。
家族制高コレステロール血症の患者では、細胞内へのコレステロールの取り込みが低下しています。
著者らは、
「コレステロールの細胞取り込みを増加させるスタチンが糖尿病の有病率を上昇させるのであれば、コレステロールの細胞取り込みが低下している家族性高コレステロール血症患者では糖尿病の有病率が低下しているはずだ」
との仮説をたて、検証しました。
主解析の結果、粗解析(6万3,318人)では、家族性高コレステロール血症患者の1.75%(440人/2万5,137人)と対照者の2.93%(1,119人/3万8,183人)が2型糖尿病を有しており、家族性高コレステロール血症患者の2型糖尿病発症オッズ比は、0.62(95%CI 0.55~0.69)で有意に有病率が低かったことが判明しました。
調整後解析(3万7,233人)でも、家族性高コレステロール血症患者の1.44%(177人/1万2,300人)と対照者の3.26%(812人/2万4,898人)が2型糖尿病を有しており、家族性高コレステロール血症患者の2型糖尿病発症オッズ比は、0.49(95%CI 0.42~0.58)で有意に有病率が低かったことがわかりました。
さらに家族性高コレステロール血症患者において、コレステロール取り込みの障害が重度になるほど2型糖尿病の有病率は低くなっていたことも示されました。
これらにより、上記仮説は一定、証明されたと思われます。
「論文の著者らは、・・・中略・・・β細胞内にコレステロールが貯留することがβ細胞を障害させると考えている。」
「スタチンによる耐糖能の悪化は起こるべくして起こる主作用」
ということならば、スタチンで、コレステロールの細胞内への取り込みを増加させて、血中コレステロール値を下げることの意味そのものが問い直されて然るべきかと私は思います。
コレステロールを下げるべきか否かにおいて、「日本動脈硬化学会」と「日本脂質栄養学会」のバトルが続いています。
私自身は、「家族性の特殊例を除いては、高コレステロール血症にスタチンは不必要」という、日本脂質栄養学会の見解に賛成です。
コレステロールは、とかく悪者にされがちですが、実は、細胞膜や男性ホルモン、女性ホルモンなどの原料として人体に必要不可欠な大切な物質です。
脳の乾燥重量の65%は脂質であり、その1/4はコレステロールであり、脳においてもコレステロールは重要な構成物質なのです。
一般にLDLコレステロールは悪玉でHDLコレステロールは善玉という言い方をしますが、これも正確ではありません。
正常サイズのLDLは、中に約40%のコレステロールを含んでおり、それを末梢組織に運ぶ真っ当な役割を果たしています。
HDLは末梢組織の細胞で原料として使用されたあと、余ったコレステロールを回収して肝臓に運んでいます。
即ち、LDLもHDLも人体に必要なものであり、日々良い仕事をしており逆に少なすぎたら困るわけです。
これらのことを普通に考察すると、
「むやみにスタチンでコレステロール値を下げることは如何なものか」
と考える次第です。
江部康二
☆☆☆
以下
2015/4/14MT Pro記事から一部抜粋
[2015年4月14日]ドクターズアイ・最新論文で考える日常臨床
コレステロールが下がれば血糖は上がる!
スタチンによる耐糖能障害悪化の理由も解明
北里研究所病院糖尿病センター 山田 悟
研究の背景:なぜスタチンが血糖を上昇させるのか
スタチンによる耐糖能障害の悪化は以前から報告され,その作用はスタチン全体の普遍的な作用であると考えられるようになった(Lancet 2010; 375: 735-742,JAMA 2011; 305: 2556-2564)。しかし,スタチンには多面的な作用があるとされることもあり,なぜスタチンが血糖を上昇させるのかについて,詳細な検討はなされてこなかったように思う。
このたび,スタチン使用の有無にかかわらず,コレステロールの下降そのものが血糖の上昇と関連していることを示唆する論文がJAMA(2015; 313: 1029-1036)に掲載された。コレステロールと血糖値との複雑な関係を垣間見る思いであり,ご紹介したい。
研究のポイント1:家族性高コレステロール血症の病型別の2型糖尿病有病率の解析
オランダ・アムステルダムの科学医学センターのKastelein氏らは,コレステロールの細胞取り込みを増加させるスタチンが糖尿病の有病率を上昇させるのであれば,コレステロールの細胞取り込みが低下している家族性高コレステロール血症患者では糖尿病の有病率が低下しているはずだとの仮説を立て,オランダの家族性高コレステロール血症スクリーニングプログラムのデータによりこの仮説を検証することとした。
1994年に開始された家族性高コレステロール血症スクリーニングプログラムでは,家族性高コレステロール血症が疑われた患者でDNA検査が実施され,変異が確認された場合には第一親等の親族でも同様にDNA検査が実施され,また,第一親等の中でも家族性高コレステロール血症患者が見つかると,患者や第一親等は調査を受け,糖尿病の有無,投薬内容や臨床データが集められた。また,2004年以降は脂質プロファイルやリポプロテインの検討もなされた。
本研究では,高コレステロール血症と糖尿病有病率の関係を知るために,家族性高コレステロール血症患者とそうした変異をもたない第一親等の人(対照者)とで,糖尿病有病率の比較がなされた(主解析)。また,家族性高コレステロール血症患者については, apoBの変異者とLDL受容体の変異者に分類したり,あるいは,LDL受容体の変異者をLDL受容体の完全欠損者と部分欠損者とに分けたりした解析(二次解析)もなされた。
研究のポイント2:家族性高コレステロール血症患者は糖尿病になりにくい
1994年1月~2014年1月に6万3,385人にDNA検査が実施された。そのうち65人は家族性高コレステロール血症のホモ欠損者であるという理由で対象から除外され(私にはホモ欠損者を除外する理由が理解できない),2型糖尿病かどうかのデータが取られていなかった2人も除外して,計6万3,318人が主解析(粗解析)の対象となった。また,調整に必要な脂質プロファイル,BMI,喫煙状況,年齢のデータが不明な人が除外され,3万7,233人が主解析(調整後解析)の対象となった。そこからさらに前駆蛋白質転換酵素サブチリシン/ケキシン9(PCSK9)変異者も除外され(私にはPCSK9変異者を除外する理由が理解できないが,おそらく56人とあまりに少数のためと思われる),3万7,177人が二次解析の対象となった。
主解析の結果,粗解析(6万3,318人)では,家族性高コレステロール血症患者の1.75%(440人/2万5,137人)と対照者の2.93%(1,119人/3万8,183人)が2型糖尿病を有しており,家族性高コレステロール血症患者の2型糖尿病発症オッズ比は0.62(95%CI 0.55~0.69)で有意に有病率が低かった※1。
調整後解析(3万7,233人)でも,家族性高コレステロール血症患者の1.44%(177人/1万2,300人)と対照者の3.26%(812人/2万4,898人)が2型糖尿病を有しており,家族性高コレステロール血症患者の2型糖尿病発症オッズ比は0.49(95%CI 0.42~0.58)で有意に有病率が低かった※2。
また,家族性高コレステロール血症患者を遺伝子異常で分類すると,コレステロール取り込みの障害が重度になるほど2型糖尿病の有病率は低くなっていた(表)。
私の考察:細胞内コレステロール取り込みが耐糖能障害に関与
以前,家族性高コレステロール血症患者と年齢・性をマッチさせた対照とで冠動脈硬化を比較した研究において,家族性高コレステロール血症患者での2型糖尿病有病率が低いことが報告されていた(Eur J Clin Invest 1997; 27: 366-373)。今回の研究は,この先行研究における二次的な解析の結果を,主解析として再確認したものであり,スタチン使用の有無にかかわらず,細胞のコレステロール取り込みの障害そのものが耐糖能と直接的に関連することを示すものである。
論文の著者らは,β細胞をLDL(コレステロール)とともに培養すると死んでしまったり(Endocrinology 2002; 143: 3449-3453),インスリン分泌が障害されたりし(Endocrinology 2009; 150: 4521-4530),また,β細胞からのコレステロールの排泄障害でも同様のことが生じる(Nat Med 2007; 13: 340-347)ことから,β細胞内にコレステロールが貯留することがβ細胞を障害させると考えている。
もちろん,本研究は横断研究であり,因果関係に結論を出すことはできないが,β細胞内のコレステロール代謝に注目する必要があることを知らしめた点で興味深く,また,スタチンによる耐糖能の悪化は起こるべくして起こる主作用であるとする点でも関心を集めるであろう。
ただし,これまでも繰り返し語られてきたように,スタチン剤の使用は2型糖尿病患者を増やしても心血管死亡率を低下させるものであり,高コレステロール血症患者へのスタチンの投与を躊躇すべきではない(Lancet 2010; 375: 700-701,JAMA 2015; 313: 1016-1017)。
※1 山田註;分母を加算すると6万3,320人になるので,本来の6万3,318人と合致しない。2型糖尿病の有無が不明だったはずの2人が除外されずにカウントされていると思われる
※2 山田註;分母を加算すると3万7,198人になるので,本来の3万7,233人と合致しない。この不一致の理由は不明である
2015年05月06日 (水)
こんばんは。
朝日カルチャーセンター立川教室にて
『炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません』
-生活習慣病を予防&改善する糖質制限食-
と題して、講座の講師をつとめます。
2015年5月30日(土)
講演:15:00~16:30 90分間
質疑応答:16:30~17:00 30分間
糖尿病を始め、日本の4大死因、5大疾病と糖質制限食のお話をします。
がん、心疾患、脳血管疾患、肺炎、これらは現代日本の4大死因です。
厚生労働省が2011年に日本人の5大疾病を発表していますが、以前から多 かった、がん、脳卒中、心筋梗塞、糖尿病に、新しく精神疾患を加えた5つの疾病を指します。
これらの病気の増加は、重大な社会問題であり早急な対 策が必要です。
実はこれら全ての疾病の予防と治療に関して有効と考えられるのが糖質制限食です。
米国糖尿病学会によれば、食べ物が消化・吸収されたあと、血糖に直接影響を与えるのは、糖質だけであり、タンパク質・脂質は直接血糖に影響を与えることはありません。
この生理学的事実をもとに糖尿病の治療に画期的な効果をあげて来た糖質制限食ですが、今回は他の様々な生活習慣病にも有効であることも、お話ししたいと思います。
質疑応答も30分間とたっぷり時間をとりました。
2014年6月の日経メディカルオンラインのアンケートで、日本全国の2263人の医師から有効回答があり、実に過半数の医師が「糖質制限」を支持ということでした。良い意味で衝撃的で、びっくりしました。
過半数(58.3%)の医師が「糖質制限」を支持していて、医師の3人に1人は自ら実行していました。
医師の4人に1人が「患者に勧めることがある」との回答でした。
また、「今日の治療指針2015」にも、糖尿病治療食として初めて糖質制限食が取り上げられる時代となりました。
「今日の治療指針」は日本のほとんどの病院においてある臨床の教科書のような医学書で、毎年改訂されていますが、糖尿病治療食として、「糖質制限食」が正式に掲載されたのは初めてです。
このように、糖質制限食は、医学界においても、着実に認められつつあります。
立川、東京方面の、糖尿人、メタボ人の方々、そして生活習慣病に興味のある人は奮ってご参加下さいね。
江部康二
以下はアサヒカルチャー立川教室のサイトからの抜粋です
朝日カルチャーセンター立川教室
講座
『炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません』
講師名 高雄病院理事長 江部 康二
講座内容
血糖値を良好に保ち、糖尿病病合併症を予防できる唯一の食事療法が「糖質制限食」です。
日本人の四大死因(がん、心疾患、肺炎、脳血管疾患)にも炭水化物の過剰摂取が関与しており、糖質制限食で予防可能です。
■日時:5/30(土)15:00-17:00
■受講料:会員は、3,024円。一般は 3,672円。
■お申し込み・問い合わせ先:042-527-6511
講師紹介 江部 康二 (エベ コウジ)
1950年生まれ。 1974年京都大学医学部卒業。1974年から京都大学胸部疾患研究所第一内科(現在京大呼吸器内科) にて呼吸器科を学ぶ。
1978年から高雄病院に医局長として勤務。1996年副院長就任。2000年理事長就任。2001年から糖質制限食に取り組む。
2002年に自ら糖尿病であると気づいて以来、さらに糖尿病治療の研究に力を注ぎ、「糖質制限食」の体系を確立。これにより自身の糖尿病を克服。
内科医/漢方医/一般財団法人高雄病院理事長/一般社団法人日本糖質制限医療推進協会理事長
著書
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』(東洋経済新報社)2005年
作家宮本輝氏との対談、『我ら糖尿人、元気なのには理由がある』(東洋経済新報社)2009年
『糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食』 (ナツメ社)2010年
『主食をやめると健康になる』(ダイヤモンド社)2011年
『高雄病院の「糖質制限」給食』(講談社)2012年
『高雄病院 Dr.江部が食べている「糖質制限」ダイエット1ヵ月献立レシピ109』(講談社)2013年
『糖尿病治療のための! 糖質制限食パーフェクトガイド』 (東洋経済新報社)2013年
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!新版』(東洋経済新報社)2014年
『炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません: 生活習慣病を予防&改善する糖質制限食31のポイント』 (東洋経済新報社)2014年
『江部先生、「糖質制限は危ない」って本当ですか?』(洋泉社)2015年
など多数。
ブログ『ドクター江部の糖尿病徒然日記(http://koujiebe.blog95.fc2.com/)は、日に10000件のアクセスがあり、糖尿病のかたやそのご家族から寄せられた質問への回答や、糖尿病・糖質制限食に関する情報の発信に、日々尽力している。
朝日カルチャーセンター立川教室にて
『炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません』
-生活習慣病を予防&改善する糖質制限食-
と題して、講座の講師をつとめます。
2015年5月30日(土)
講演:15:00~16:30 90分間
質疑応答:16:30~17:00 30分間
糖尿病を始め、日本の4大死因、5大疾病と糖質制限食のお話をします。
がん、心疾患、脳血管疾患、肺炎、これらは現代日本の4大死因です。
厚生労働省が2011年に日本人の5大疾病を発表していますが、以前から多 かった、がん、脳卒中、心筋梗塞、糖尿病に、新しく精神疾患を加えた5つの疾病を指します。
これらの病気の増加は、重大な社会問題であり早急な対 策が必要です。
実はこれら全ての疾病の予防と治療に関して有効と考えられるのが糖質制限食です。
米国糖尿病学会によれば、食べ物が消化・吸収されたあと、血糖に直接影響を与えるのは、糖質だけであり、タンパク質・脂質は直接血糖に影響を与えることはありません。
この生理学的事実をもとに糖尿病の治療に画期的な効果をあげて来た糖質制限食ですが、今回は他の様々な生活習慣病にも有効であることも、お話ししたいと思います。
質疑応答も30分間とたっぷり時間をとりました。
2014年6月の日経メディカルオンラインのアンケートで、日本全国の2263人の医師から有効回答があり、実に過半数の医師が「糖質制限」を支持ということでした。良い意味で衝撃的で、びっくりしました。
過半数(58.3%)の医師が「糖質制限」を支持していて、医師の3人に1人は自ら実行していました。
医師の4人に1人が「患者に勧めることがある」との回答でした。
また、「今日の治療指針2015」にも、糖尿病治療食として初めて糖質制限食が取り上げられる時代となりました。
「今日の治療指針」は日本のほとんどの病院においてある臨床の教科書のような医学書で、毎年改訂されていますが、糖尿病治療食として、「糖質制限食」が正式に掲載されたのは初めてです。
このように、糖質制限食は、医学界においても、着実に認められつつあります。
立川、東京方面の、糖尿人、メタボ人の方々、そして生活習慣病に興味のある人は奮ってご参加下さいね。
江部康二
以下はアサヒカルチャー立川教室のサイトからの抜粋です
朝日カルチャーセンター立川教室
講座
『炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません』
講師名 高雄病院理事長 江部 康二
講座内容
血糖値を良好に保ち、糖尿病病合併症を予防できる唯一の食事療法が「糖質制限食」です。
日本人の四大死因(がん、心疾患、肺炎、脳血管疾患)にも炭水化物の過剰摂取が関与しており、糖質制限食で予防可能です。
■日時:5/30(土)15:00-17:00
■受講料:会員は、3,024円。一般は 3,672円。
■お申し込み・問い合わせ先:042-527-6511
講師紹介 江部 康二 (エベ コウジ)
1950年生まれ。 1974年京都大学医学部卒業。1974年から京都大学胸部疾患研究所第一内科(現在京大呼吸器内科) にて呼吸器科を学ぶ。
1978年から高雄病院に医局長として勤務。1996年副院長就任。2000年理事長就任。2001年から糖質制限食に取り組む。
2002年に自ら糖尿病であると気づいて以来、さらに糖尿病治療の研究に力を注ぎ、「糖質制限食」の体系を確立。これにより自身の糖尿病を克服。
内科医/漢方医/一般財団法人高雄病院理事長/一般社団法人日本糖質制限医療推進協会理事長
著書
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』(東洋経済新報社)2005年
作家宮本輝氏との対談、『我ら糖尿人、元気なのには理由がある』(東洋経済新報社)2009年
『糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食』 (ナツメ社)2010年
『主食をやめると健康になる』(ダイヤモンド社)2011年
『高雄病院の「糖質制限」給食』(講談社)2012年
『高雄病院 Dr.江部が食べている「糖質制限」ダイエット1ヵ月献立レシピ109』(講談社)2013年
『糖尿病治療のための! 糖質制限食パーフェクトガイド』 (東洋経済新報社)2013年
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!新版』(東洋経済新報社)2014年
『炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません: 生活習慣病を予防&改善する糖質制限食31のポイント』 (東洋経済新報社)2014年
『江部先生、「糖質制限は危ない」って本当ですか?』(洋泉社)2015年
など多数。
ブログ『ドクター江部の糖尿病徒然日記(http://koujiebe.blog95.fc2.com/)は、日に10000件のアクセスがあり、糖尿病のかたやそのご家族から寄せられた質問への回答や、糖尿病・糖質制限食に関する情報の発信に、日々尽力している。
2015年05月06日 (水)
【15/05/06 misako
私が糖尿病性ケトアシドーシスを起こして緊急入院した時は、医師から1型を疑われましたが、結局2型だろうという結論になりました。
ヘモグロビンA1cが15.0とかなり高い値であったこと、抗GAD抗体その他いくつかの検査の結果が陰性であったこと、家族歴(父と弟が2型)などから2型と診断されましたが、「レアケース」と言われました。
2型ではケトアシドーシスはまず起こらない、と書いてあるサイトもありますが、私のような場合もあるということで・・・
ちなみに、数日前から風邪の症状があったので、口当たりのいいアイスやヤクルトばかり摂取し、イオン飲料をがぶ呑みしていました。】
こんにちは。
misakoさんから、2型でも糖尿病性ケトアシドーシスになったというコメントをいただきました。
確かに「レアケース・・・まれなケース」と思いますので考察してみましょう。
大分暑くて汗ばむ季節となってきました。
私も、今日、自転車で初めて知人の家まで行ったらずっと登りで、かなりしんどくて、汗もたっぷりかきました。
自動車で行ってたときは、そんな登りとか、全く気がついてませんでした。(=_=;)
さて、暑くなってくるとペットボトルを持ち歩いたりして、清涼飲料水を1日2~3リットル毎日飲み続ける人がいます。
もともと2型糖尿病であったり境界型糖尿病レベルの人が、液体の糖質(清涼飲料水)のような吸収されやすい糖質を、多量に毎日のように摂取していると、飲む度に血糖値が急上昇してインスリンが大量に追加分泌されます。
このようなペットボトル生活を、1~2週間から1ヶ月近く続けていると、ついには膵臓のβ細胞が疲弊してしまい、インスリンの生産が追いつかなくなり血糖値が高くなります。
一旦血糖値が高くなると糖毒状態となります。(*)
糖毒の悪循環が続けばインスリン作用は遂に欠落してしまい、糖尿病性ケトアシドーシスという危険な状態になり、ものの1~2週間で意識の混濁や昏睡に陥るケースもあります。
この様なときは、緊急入院して生理的食塩水の点滴で脱水を補正し、インスリン注射をして、血糖値をコントロールします。
血糖がコントロールできれば糖毒状態は急速に改善し、
インスリン分泌能力も回復することがほとんどです。
従って、退院後はもとの状態に戻るので、インスリン注射も勿論必要ありません。
清涼飲料水ケトーシスの特徴
①清涼飲料水を大量に摂取する(一日平均約2リットル)
②青年期から中年にかけての男性に多い
③発症時に肥満があるが肥満歴を有する人が大半
④血縁者に糖尿病患者がいるケースが半分以上
⑤患者に病識がないか乏しい
大量の液体の糖質を摂取することが、ペットボトル症候群(清涼飲料水ケトーシス)の元凶です。
液体糖質大量摂取以外には起こりえない病態ですが、今でも時々見かけます。
2型糖尿病で、糖尿病ケトアシドーシスを発症する場合、ほとんどがペットボトル症候群です。
misakoさんのケースは、もともと糖尿病であったところに、風邪気味で数日間、大量の清涼飲料水を飲んでペットボトル症候群的な病態に陥った可能性がありますね。
液体糖質摂取によるペットボトル症候群は、日本人に多い病態で、欧米白人にはほとんど見られませんが、インスリン分泌能力の差が関係しているのかもしれません。
欧米白人は、インスリン分泌能力が高いので、清涼飲料水を大量に飲んでも、なかなか高血糖になりにくいにくいものと思われます。
そのかわり、インスリンを長期に大量に分泌し続ける能力により、150kgを超える巨大な肥満患者が多数存在することになります。
いずれにせよ、ブドウ糖や砂糖入りの清涼飲料水は、危険な飲み物という認識が必要と思います。
ちなみに米国飲料協会(ABA)は、公立小中学校でのエネルギー量(糖質)の多い清涼飲料水の発売を2009年、全面停止しています。
(*)糖毒
① 高血糖の持続→膵臓のランゲルハンス島のβ細胞にダメージ→インスリン分泌低下
② 高血糖の持続→細胞レベルでのインスリン抵抗性増大
高血糖があると①と②が体内で生じます。
インスリン分泌低下と抵抗性増大が生じれば、ますます高血糖となります。
≪高血糖の持続→インスリン分泌低下とインスリン抵抗性増大→高血糖の持続→≫
この悪循環パターンを、臨床的には「糖毒」 と呼びます。
なぜ、高血糖自体がインスリン分泌を低下させるのか、インスリン抵抗性を増大させるのか、最先端の研究で調べられてはいるのですが、はっきり言ってまだよくわからないのが現状です。
江部康二
私が糖尿病性ケトアシドーシスを起こして緊急入院した時は、医師から1型を疑われましたが、結局2型だろうという結論になりました。
ヘモグロビンA1cが15.0とかなり高い値であったこと、抗GAD抗体その他いくつかの検査の結果が陰性であったこと、家族歴(父と弟が2型)などから2型と診断されましたが、「レアケース」と言われました。
2型ではケトアシドーシスはまず起こらない、と書いてあるサイトもありますが、私のような場合もあるということで・・・
ちなみに、数日前から風邪の症状があったので、口当たりのいいアイスやヤクルトばかり摂取し、イオン飲料をがぶ呑みしていました。】
こんにちは。
misakoさんから、2型でも糖尿病性ケトアシドーシスになったというコメントをいただきました。
確かに「レアケース・・・まれなケース」と思いますので考察してみましょう。
大分暑くて汗ばむ季節となってきました。
私も、今日、自転車で初めて知人の家まで行ったらずっと登りで、かなりしんどくて、汗もたっぷりかきました。
自動車で行ってたときは、そんな登りとか、全く気がついてませんでした。(=_=;)
さて、暑くなってくるとペットボトルを持ち歩いたりして、清涼飲料水を1日2~3リットル毎日飲み続ける人がいます。
もともと2型糖尿病であったり境界型糖尿病レベルの人が、液体の糖質(清涼飲料水)のような吸収されやすい糖質を、多量に毎日のように摂取していると、飲む度に血糖値が急上昇してインスリンが大量に追加分泌されます。
このようなペットボトル生活を、1~2週間から1ヶ月近く続けていると、ついには膵臓のβ細胞が疲弊してしまい、インスリンの生産が追いつかなくなり血糖値が高くなります。
一旦血糖値が高くなると糖毒状態となります。(*)
糖毒の悪循環が続けばインスリン作用は遂に欠落してしまい、糖尿病性ケトアシドーシスという危険な状態になり、ものの1~2週間で意識の混濁や昏睡に陥るケースもあります。
この様なときは、緊急入院して生理的食塩水の点滴で脱水を補正し、インスリン注射をして、血糖値をコントロールします。
血糖がコントロールできれば糖毒状態は急速に改善し、
インスリン分泌能力も回復することがほとんどです。
従って、退院後はもとの状態に戻るので、インスリン注射も勿論必要ありません。
清涼飲料水ケトーシスの特徴
①清涼飲料水を大量に摂取する(一日平均約2リットル)
②青年期から中年にかけての男性に多い
③発症時に肥満があるが肥満歴を有する人が大半
④血縁者に糖尿病患者がいるケースが半分以上
⑤患者に病識がないか乏しい
大量の液体の糖質を摂取することが、ペットボトル症候群(清涼飲料水ケトーシス)の元凶です。
液体糖質大量摂取以外には起こりえない病態ですが、今でも時々見かけます。
2型糖尿病で、糖尿病ケトアシドーシスを発症する場合、ほとんどがペットボトル症候群です。
misakoさんのケースは、もともと糖尿病であったところに、風邪気味で数日間、大量の清涼飲料水を飲んでペットボトル症候群的な病態に陥った可能性がありますね。
液体糖質摂取によるペットボトル症候群は、日本人に多い病態で、欧米白人にはほとんど見られませんが、インスリン分泌能力の差が関係しているのかもしれません。
欧米白人は、インスリン分泌能力が高いので、清涼飲料水を大量に飲んでも、なかなか高血糖になりにくいにくいものと思われます。
そのかわり、インスリンを長期に大量に分泌し続ける能力により、150kgを超える巨大な肥満患者が多数存在することになります。
いずれにせよ、ブドウ糖や砂糖入りの清涼飲料水は、危険な飲み物という認識が必要と思います。
ちなみに米国飲料協会(ABA)は、公立小中学校でのエネルギー量(糖質)の多い清涼飲料水の発売を2009年、全面停止しています。
(*)糖毒
① 高血糖の持続→膵臓のランゲルハンス島のβ細胞にダメージ→インスリン分泌低下
② 高血糖の持続→細胞レベルでのインスリン抵抗性増大
高血糖があると①と②が体内で生じます。
インスリン分泌低下と抵抗性増大が生じれば、ますます高血糖となります。
≪高血糖の持続→インスリン分泌低下とインスリン抵抗性増大→高血糖の持続→≫
この悪循環パターンを、臨床的には「糖毒」 と呼びます。
なぜ、高血糖自体がインスリン分泌を低下させるのか、インスリン抵抗性を増大させるのか、最先端の研究で調べられてはいるのですが、はっきり言ってまだよくわからないのが現状です。
江部康二
2015年05月05日 (火)
こんにちは。
劇症1型糖尿病発症で、
血糖値は1848mg/dl、
意識不明、
糖尿病ケトアシドーシス
という、極めて重症の状態から生還されたちくてつさんから、大変参考になるコメントをいただきました。
ちくてつさん
コメントありがとうございます。
生還できて本当に良かったです。
劇症1型糖尿病は日本で5000~7000名程度の患者さんがいると推定されています。
私はまだ診察したことがありませんが、劇症1型糖尿病はその時点で診断をつけてインスリン治療を開始しないと数日で死亡してしまう重篤な疾患です。
数日前から感冒様症状、異常な口渇、全身倦怠などがあり、尿糖陽性、尿中ケトン体陽性なら劇症1型糖尿病を疑う必要があるそうです。
このとき血液検査をすれば、血糖値は異常高値を示しますが、HbA1cはそんなに高値ではないのです。(HbA1c8.7%未満)
あまりに急激な発症のために、過去1~2ヶ月の血糖の平均値をあらわすHbA1cは、上昇する暇がないのです。
劇症1型糖尿病診断基準(2012)
下記1~3のすべての項目を満たすものを劇症1型糖尿病と診断する。
糖尿病症状発現後1週間前後以内でケトーシスあるいはケトアシドーシスに陥る(初診時尿ケトン体陽性、血中ケトン体上昇のいずれかを認める。)
初診時の(随時)血糖値が288 mg/dl (16.0 mmol/l) 以上であり、かつHbA1c値 (NGSP)<8.7 %である。
発症時の尿中Cペプチド<10 µg/day、または、空腹時血清Cペプチド<0.3 ng/ml かつ グルカゴン負荷後(または食後2時間)血清Cペプチド<0.5 ng/ml である。
劇症1型糖尿病の患者さんが最初に受診するのは、一般開業医や救急外来ですので、当該の医師は「劇症1型糖尿病」という疾患があることを知っていないと見逃してしまう危険があるので注意が必要です。
「1 型糖尿病」は、国内で年間約14000人が発症し、約 21 万人が治療を続けている決して珍しくない疾患です。
劇症1型糖尿病患者は日本で5000~7000名程度なので、1型糖尿病全体の、2.4%~3.3%となります。
ちくてつさん
「糖質オフ!健康法」PHP文庫(2012年)のご購入ありがとうごさいます。
本書は、コンビニのローソンにおいてありますので、売れ行きも好調で、10万部を突破しています。
「1型糖尿人は、インスリンを打たないと死にますから、意識を高く保たざるをえません。 」
仰る通りです。
血糖コントロールも2型に比べたら難しいので、よりタイトな糖質制限が必要です。
一方、1型でも「少量のインスリン注射+糖質制限食+必要ならタンパク質カウント」で、バーンスタイン医師のように、12才に1型糖尿病を発症され、以後インスリンを打ち続けて80才現在、糖尿病合併症もなく、現役医師としてお元気にお過ごしの方もおられます。
ちくてつさんも、バーンスタイン医師を目指してくださいね。
「2型糖尿人の方は体に何の支障もでません。
低血糖は出ますが、高血糖では支障はでません。」
確かに、低血糖では、動悸、頻脈、冷や汗、意識障害などの症状が出ますが、300mg、400mg/dlの高血糖があっても、
症状はでないひとがほとんどです。
しかしながら、食後高血糖の毎日の積み重ねが、糖尿病合併症の元凶となるわけですから、日々の血糖コントロールが重要であることは、言うまでもありません。
「糖尿病は恐るべき病気です。
その真実の姿を知れば、糖質制限せざるをえません。
ぜひ、真実の姿を知っていただきたいですね!」
同感です。
糖尿病腎症、糖尿病網膜症、糖尿病神経障害、心筋梗塞、脳梗塞、糖尿病足病変など有名な合併症だけでなく、血糖値の乱高下による気分障害もあります。
糖尿人は、「食後高血糖」「血糖値の乱高下(平均血糖変動幅増大)」を防いで、糖尿病合併症を予防できるのは糖質制限食だけであるということを、明確に認識する必要があります。
江部康二
【15/05/04 ちくてつです
友人のおばさんは自殺しました
糖質制限食を始めたら一生続けます。
糖尿病になったら一生、糖質制限を続けます。
一生続ける決心をして実践できれば、合併症を予防できます。
そして、正常人の2倍ものリスクのあるアルツハイマー病すら予防できる可能性が出てきます。
加えて、ココナッツオイル、ビタミンDの錠剤、こむら返りなどを改善する「らくらく毛管運動」によってリスクがさらに軽減できます、できると思います。私がいま人体実験している最中です。
私は1型糖尿病を発症し、劇症でしたから、死にかけました。
大学病院に意識不明で搬送され、2日間、生死をさまよいました。ごくまれに意識が戻った時に、お迎えが来なかったのです。血糖値は1848というギネス並でした。
が、「お迎えが来ていない。私は死なない」と確信しました。
そして生き延びました。
よみがえって数日後に出会ったのが「糖質オフ健康法」でした。
その日から実践し始め、今日に至っていますし、一生実践します。
1型糖人は、インスリンを打たないと死にますから、意識を高く保たざるをえません。
血糖をコントールせざるをえません。
そして、保険で1日4回までの血糖測定がでできます。
1型以外の方が血糖を測定するには、おカネがかかります。
日本ではセンサー1枚の価格が130〜150円もします。4回測定すれば500円程度。月に1万5000円です。
どうなっているのでしょうか?
ちなみに、1型糖尿人は月に1度主治医に診察してもらわなければなりません。
本来入院すべき重篤な患者が自宅で生活している。医者が1か月に1度は診察し、病状を判断すべきだという趣旨です。
この1か月に1度の診察で、63歳の私の診察費+コスト(インスリンポンプの消耗品、センサー、インスリンなど)で、1万8000円前後かかります。
月に1万8000円ですよ、江部先生の本を読んで、糖尿病の発症を防いでいれば、かからないコストでした。
年間20万円ほど。
20年生きるとして、240万円。
しかも、インスリンポンプを体に装着し、毎日4、5回血糖値を測定し、合併症が出ないようにさまざまな工夫をしています。
食べるものも、制限されます。食費は高くなります。
皆さん、しっかり、私たちの体験から学び、「糖尿病にはならない」、なった場合、「合併症にはならない」と決心し、糖質制限していただきたいですね。
2型糖尿人の方は体に何の支障もでません。
低血糖は出ますが、高血糖では支障はでません。
私が食後1時間で469mg/dlの血糖値を記録した日、海鮮焼きそばを3分の1いただいた日ですが、体に全然支障はでませんでした。
この数値を見て、「一生、そば、パスタはいただかない」と決意しました。
またその頃、私の友人にこの話をしたときに、「私のおばさんは、合併症が悪化して、医者から下肢を切断すると言われて自殺しました」と教えてくれました。
これほどの悲劇が起きるのが糖尿病です。
糖尿病由来の下肢切断は、アメリカでは「サラミ外科」と呼ばれています。サラミを切るように、体を切断してゆくからです。
それに加えて、糖尿病が原因で家庭崩壊、凶悪犯罪を犯す事例もたくさん出ていますが、日本のマスコミは報道しません。
血糖値の乱高下は「気分障害」という病気をまねきます。
別名、「ジギル博士とハイド氏病」です。これは私が名づけました。
家庭内、職場、そして友人関係など、いちばん大事な人との関係を滅茶苦茶にするのが、血糖値の乱高下です。低血糖状態がハイド氏です。これ以上ないほどの「いやなやつ」になり、家族や親友を傷つけます。
糖尿病は恐るべき病気です。
その真実の姿を知れば、糖質制限せざるをえません。
ぜひ、真実の姿を知っていただきたいですね! 】
劇症1型糖尿病発症で、
血糖値は1848mg/dl、
意識不明、
糖尿病ケトアシドーシス
という、極めて重症の状態から生還されたちくてつさんから、大変参考になるコメントをいただきました。
ちくてつさん
コメントありがとうございます。
生還できて本当に良かったです。
劇症1型糖尿病は日本で5000~7000名程度の患者さんがいると推定されています。
私はまだ診察したことがありませんが、劇症1型糖尿病はその時点で診断をつけてインスリン治療を開始しないと数日で死亡してしまう重篤な疾患です。
数日前から感冒様症状、異常な口渇、全身倦怠などがあり、尿糖陽性、尿中ケトン体陽性なら劇症1型糖尿病を疑う必要があるそうです。
このとき血液検査をすれば、血糖値は異常高値を示しますが、HbA1cはそんなに高値ではないのです。(HbA1c8.7%未満)
あまりに急激な発症のために、過去1~2ヶ月の血糖の平均値をあらわすHbA1cは、上昇する暇がないのです。
劇症1型糖尿病診断基準(2012)
下記1~3のすべての項目を満たすものを劇症1型糖尿病と診断する。
糖尿病症状発現後1週間前後以内でケトーシスあるいはケトアシドーシスに陥る(初診時尿ケトン体陽性、血中ケトン体上昇のいずれかを認める。)
初診時の(随時)血糖値が288 mg/dl (16.0 mmol/l) 以上であり、かつHbA1c値 (NGSP)<8.7 %である。
発症時の尿中Cペプチド<10 µg/day、または、空腹時血清Cペプチド<0.3 ng/ml かつ グルカゴン負荷後(または食後2時間)血清Cペプチド<0.5 ng/ml である。
劇症1型糖尿病の患者さんが最初に受診するのは、一般開業医や救急外来ですので、当該の医師は「劇症1型糖尿病」という疾患があることを知っていないと見逃してしまう危険があるので注意が必要です。
「1 型糖尿病」は、国内で年間約14000人が発症し、約 21 万人が治療を続けている決して珍しくない疾患です。
劇症1型糖尿病患者は日本で5000~7000名程度なので、1型糖尿病全体の、2.4%~3.3%となります。
ちくてつさん
「糖質オフ!健康法」PHP文庫(2012年)のご購入ありがとうごさいます。
本書は、コンビニのローソンにおいてありますので、売れ行きも好調で、10万部を突破しています。
「1型糖尿人は、インスリンを打たないと死にますから、意識を高く保たざるをえません。 」
仰る通りです。
血糖コントロールも2型に比べたら難しいので、よりタイトな糖質制限が必要です。
一方、1型でも「少量のインスリン注射+糖質制限食+必要ならタンパク質カウント」で、バーンスタイン医師のように、12才に1型糖尿病を発症され、以後インスリンを打ち続けて80才現在、糖尿病合併症もなく、現役医師としてお元気にお過ごしの方もおられます。
ちくてつさんも、バーンスタイン医師を目指してくださいね。
「2型糖尿人の方は体に何の支障もでません。
低血糖は出ますが、高血糖では支障はでません。」
確かに、低血糖では、動悸、頻脈、冷や汗、意識障害などの症状が出ますが、300mg、400mg/dlの高血糖があっても、
症状はでないひとがほとんどです。
しかしながら、食後高血糖の毎日の積み重ねが、糖尿病合併症の元凶となるわけですから、日々の血糖コントロールが重要であることは、言うまでもありません。
「糖尿病は恐るべき病気です。
その真実の姿を知れば、糖質制限せざるをえません。
ぜひ、真実の姿を知っていただきたいですね!」
同感です。
糖尿病腎症、糖尿病網膜症、糖尿病神経障害、心筋梗塞、脳梗塞、糖尿病足病変など有名な合併症だけでなく、血糖値の乱高下による気分障害もあります。
糖尿人は、「食後高血糖」「血糖値の乱高下(平均血糖変動幅増大)」を防いで、糖尿病合併症を予防できるのは糖質制限食だけであるということを、明確に認識する必要があります。
江部康二
【15/05/04 ちくてつです
友人のおばさんは自殺しました
糖質制限食を始めたら一生続けます。
糖尿病になったら一生、糖質制限を続けます。
一生続ける決心をして実践できれば、合併症を予防できます。
そして、正常人の2倍ものリスクのあるアルツハイマー病すら予防できる可能性が出てきます。
加えて、ココナッツオイル、ビタミンDの錠剤、こむら返りなどを改善する「らくらく毛管運動」によってリスクがさらに軽減できます、できると思います。私がいま人体実験している最中です。
私は1型糖尿病を発症し、劇症でしたから、死にかけました。
大学病院に意識不明で搬送され、2日間、生死をさまよいました。ごくまれに意識が戻った時に、お迎えが来なかったのです。血糖値は1848というギネス並でした。
が、「お迎えが来ていない。私は死なない」と確信しました。
そして生き延びました。
よみがえって数日後に出会ったのが「糖質オフ健康法」でした。
その日から実践し始め、今日に至っていますし、一生実践します。
1型糖人は、インスリンを打たないと死にますから、意識を高く保たざるをえません。
血糖をコントールせざるをえません。
そして、保険で1日4回までの血糖測定がでできます。
1型以外の方が血糖を測定するには、おカネがかかります。
日本ではセンサー1枚の価格が130〜150円もします。4回測定すれば500円程度。月に1万5000円です。
どうなっているのでしょうか?
ちなみに、1型糖尿人は月に1度主治医に診察してもらわなければなりません。
本来入院すべき重篤な患者が自宅で生活している。医者が1か月に1度は診察し、病状を判断すべきだという趣旨です。
この1か月に1度の診察で、63歳の私の診察費+コスト(インスリンポンプの消耗品、センサー、インスリンなど)で、1万8000円前後かかります。
月に1万8000円ですよ、江部先生の本を読んで、糖尿病の発症を防いでいれば、かからないコストでした。
年間20万円ほど。
20年生きるとして、240万円。
しかも、インスリンポンプを体に装着し、毎日4、5回血糖値を測定し、合併症が出ないようにさまざまな工夫をしています。
食べるものも、制限されます。食費は高くなります。
皆さん、しっかり、私たちの体験から学び、「糖尿病にはならない」、なった場合、「合併症にはならない」と決心し、糖質制限していただきたいですね。
2型糖尿人の方は体に何の支障もでません。
低血糖は出ますが、高血糖では支障はでません。
私が食後1時間で469mg/dlの血糖値を記録した日、海鮮焼きそばを3分の1いただいた日ですが、体に全然支障はでませんでした。
この数値を見て、「一生、そば、パスタはいただかない」と決意しました。
またその頃、私の友人にこの話をしたときに、「私のおばさんは、合併症が悪化して、医者から下肢を切断すると言われて自殺しました」と教えてくれました。
これほどの悲劇が起きるのが糖尿病です。
糖尿病由来の下肢切断は、アメリカでは「サラミ外科」と呼ばれています。サラミを切るように、体を切断してゆくからです。
それに加えて、糖尿病が原因で家庭崩壊、凶悪犯罪を犯す事例もたくさん出ていますが、日本のマスコミは報道しません。
血糖値の乱高下は「気分障害」という病気をまねきます。
別名、「ジギル博士とハイド氏病」です。これは私が名づけました。
家庭内、職場、そして友人関係など、いちばん大事な人との関係を滅茶苦茶にするのが、血糖値の乱高下です。低血糖状態がハイド氏です。これ以上ないほどの「いやなやつ」になり、家族や親友を傷つけます。
糖尿病は恐るべき病気です。
その真実の姿を知れば、糖質制限せざるをえません。
ぜひ、真実の姿を知っていただきたいですね! 】