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2015/5/31(日) 糖質制限食講演会 in 宇都宮(栃木県) ご案内 
こんにちは。


糖質制限食講演会 in 宇都宮(栃木県)

2015/5/31(日)13:30~16:30



のご案内です。

宇都宮では、初めての糖質制限食講演会ですのでとても楽しみです。

糖質制限食関連の情報は、日進月歩です。

それに伴い、糖質制限食基礎理論も日々進化しています。

宇都宮講演では、最新の糖質制限食基礎理論と豊富な症例も紹介して、わかりやすく楽しいお話を目指します。

第一部は、私が、

「炭水化物の食べ過ぎで早死にしてはいけません
        -糖尿病・生活習慣病を予防&改善する糖質制限食-」

と題して、糖質制限食の基礎と臨床をお話しします。

第二部は

「美味しい&楽しい糖質オフ入門-実践編」

と題して、管理栄養士の佐々木 栄子さんが、  糖質制限食の具体的な指導や実践を紹介されます。

宇都宮市を始め、栃木県や近隣の方々、是非ご参加いただければ幸いです。


江部康二



☆☆☆
以下、事務局からのご案内です。

ブログ読者の皆様、講演会へいつも多数ご参加いただきまして、ありがとうござ います。

5月31日(日)、栃木県宇都宮市で一般の方向けの講演会を開催することとなりました。

今回は、当会理事長の講演に加えまして、アドバイザーの佐々木栄子管理栄養士による講演「美味しい&楽しい糖質オフ入門-実践編」も予定しております。

糖質制限食の理論や有効性、安全性について、また具体的な実践法について、たっぷりお聴きいただける絶好の機会です。

北関東の皆様をはじめ、多数のご参加を心よりお待ちしております。


///////////////////ご案内/////////////////////

一般般社団法人日本糖質制限医療推進協会主催

  糖質制限食講演会in宇都宮(栃木県)

■日時:2015年5月31日(日) 13:30~16:30頃 
  ※開場・受付は13:10~

■会場:栃木県総合文化センター 第3会議室
    栃木県宇都宮市本町1-8
    http://www.sobun-tochigi.jp/access.html

※お車でお越しの方へ
会場駐車場はご利用いただけません。周辺の有料駐車場をご利用ください。


■内容

・第一部:「炭水化物の食べ過ぎで早死にしてはいけません
        -糖尿病・生活習慣病を予防&改善する糖質制限食-」

 講師:江部 康二  医師
     
   (一財)高雄病院理事長/(一社)日本糖質制限医療推進協会理事長

・第二部:「美味しい&楽しい糖質オフ入門-実践編」

 講師:佐々木 栄子  管理栄養士・健康運動実践指導者
     
   ローカーボクラブ代表/(一社)日本糖質制限医療推進協会アドバイザー

  (講師紹介:http://www.toushitsuseigen.or.jp/#!/cr4r


※第一部は講演70分、質疑応答30分、第二部は講演45分、質疑応答15分を予定しております。

■受講費: 賛助会員 2,200円 / 一般(非会員) 2,700円

■お支払い方法:

クレジットカード/銀行振込/郵便振替 ※事前決済のみとなります。

■お申し込みの流れ:

1. 下記「お申し込み方法」の該当するものからお申し込み下さい。
2. 事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3. 入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4. 当日、直接会場までお越し下さい。

■お申し込み方法

★賛助会員の方:事務局までメールにてお申し込み下さい。

★賛助会員入会をご希望の方:

 1. 入会案内および会員規約をお読み下さい。
   http://www.toushitsuseigen.or.jp/#!membership/cdt9

 2. お申し込みは下のフォームからお願いします。
   「通信」欄に「5/31 宇都宮講演会受講希望」とご記入下さい。
   http://www.toushitsuseigen.or.jp/contact

★一般(非会員)で、講演会の受講のみご希望の方:
 
 下のフォームからお申し込み下さい。
 http://www.toushitsuseigen.or.jp/seminar-gen

■その他:

・予約制です。当日参加はできません。

・キャンセルは5月29日(金)までに事務局までご連絡願います。

・参加いただいた皆様には、講師の佐々木栄子さんによる、ご当地グルメにちなんだ低糖質料理と
 簡単スイーツの「ちょこっとレシピ」をお配りします。



テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質制限食と歯。江部康二の歯。
こんばんは。

糖質制限食講演会 in 高松 (2015年4月26日、日曜日)

の前夜祭(4/25)に、徳島市の歯科エス・デンタルクリニック院長の篠原啓之先生が参加されました。

篠原先生には、前もって私の歯のレントゲン写真を送付して見て貰っていました。

近年、日本人歯の数は増加しているそうですが、それでも、70~74歳の平均残存歯は16本で 、半分の歯が失われてています。

日本人が歯をなくす原因の1位は、歯周症で2位がう蝕(虫歯)、3位が破折(割れたり折れること)とされていましたが、歯科医でメンテナンスしていても失われる歯は、約6割が破折のようです。

篠原先生のご研究では、メンテナンス中に歯を失った方々の特徴として、過去の虫歯の治療で、無髄歯(神経を抜いた歯)になったりクラウンを被せたりした、強度が弱い歯の持ち主が、「歯ぎしり」をすると、その歯が破折しやすいそうです。

そして、虫歯の根本要因も歯ぎしりの要因も、いずれも糖質の過剰摂取というのが篠原先生のご意見で、私も賛成です。

日本の旧石器時代人(数万年前~約16000年前まで)の生業は、狩猟(ナウマン象、マンモス、エゾ鹿・・・)であり、糖質はほとんんどなく、化石における虫歯率もほぼゼロでした。

その後の縄文人(約16000年前~約3000年前まで)の虫歯率は8.2%に増えましたが、ドングリや栗、果物などの糖質のせいと思われます。

そして農耕が始まって、米を食べ始めた弥生人(約3000年前~紀元300年頃まで)の虫歯率は16.2~19.7%と倍増です。
さらに現代人の虫歯率は40%を超えています。

糖質摂取比率と虫歯率の関係、見事なまでに明白です。

そして、夕食の糖質過剰摂取により、インスリンが出過ぎて夜間に低血糖気味になり、アドレナリンなどが分泌されて歯ぎしりを生じるというのが篠原先生の仮説であり、なかなか説得力があると私も思います。

つまり、糖質摂取が、虫歯や歯ぎしりの根本要因なら、糖質制限食でそれらを防げるということになります。

篠原先生を初めてして、全国の糖質セイゲニストの歯医者さんが現在研究中ですが、明らかによい効果がでています。

さて、江部康二の歯ですが、65歳現在、全て残っていますし、虫歯はゼロで、歯周症もなしです。

私は上の親知らずが元々ない進化した(?)人類で、歯は28本なのですが、全て残っていて、抜歯もなしです。

歯科の治療は、20歳のとき右の奥歯が、「チョコレート虫歯?」になり治療しましたが、それ1回だけです。

あとは、歯石除去はしますが、歯の治療を受けたのは、生涯1回だけです。

52歳、糖尿病発覚時から現在まであしかけ14年スーパー糖質制限食を続けています。

65歳で、歯が全部残っている人は、日本人100人中に1~3人であり、トップレベルの健康な歯と、篠原先生には、しっかり褒めていただきました。

ついでですが、眼は眼鏡なしで、広辞苑が普通に読めますし、日常生活もOKで、白内障も緑内障もありません。
勿論、コンタクトレンズもなしです。

京大医学部の同級生が100人くらいいますが、同じように見える人物は、もう誰もいません。

アレルギー性結膜炎と近眼・老眼・乱視はあるのですが、うまいこと調和がとれていて見えるので、スーパー糖質制限食のおかげなのか、或いはとても運がいいのかと思っています。



江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
牛乳とヨーグルトの糖質の差は?血糖値の上昇は?2015年4月。
こんにちは。

牛乳とヨーグルトに含まれている糖質の差はどの程度あるのでしょう。

そして、両者を摂取したあとの、血糖値の上昇に差はあるのでしょうか。

今回は、これらについて、考察してみます。

まず、牛乳100ml中に5gの糖質が含まれていますが、この糖質のほぼ全てが乳糖です。

一方、ヨーグルトに含まれている糖質は、乳糖だけではありません。
ヨーグルトは発酵乳に分類されます。

プレーンヨーグルトも100ml中に5gの糖質です。

「発酵乳は乳糖が牛乳よりも20~30%減少し、少量のガラクトース(0.2~1.3%)とブドウ糖(通常は痕跡)になり、これが乳酸に変化する。乳酸が生成しすぎると乳酸菌の生育が止まるので乳糖は完全に消費されない。普通乳酸は0.85~1.2%生成する。」

以上のことから発酵乳(ヨーグルト)に含まれる糖質は、

<乳糖+ガラクトース>

ということになります。

「乳酸」は、分類上は短鎖脂肪酸に含まれますが、血糖は上昇させません。

ガラクトースの血糖上昇作用はブドウ糖より低く、果糖(フルクトース)並のようです。

ブドウ糖は「通常は痕跡」レベルだそうです。

従いましてプレーンヨーグルト摂取による血糖上昇要因は、乳糖分解後のガラクトースが主です。

牛乳の糖質は全て乳糖なのに対して、ヨーグルトの糖質は<乳糖+ガラクトース>です。

従って、100g中に5gと、同量の糖質であれば、ヨーグルトは牛乳よりは血糖上昇が少ない可能性が高いですね。

なお、日本人やアジア人に多い乳糖不耐症の場合は、ラクターゼ(乳糖分解酵素)が少ないです。

ラクターゼは乳糖を分解して、ガラクトースとブドウ糖にします。

乳糖不耐症では、乳糖が分解できないかできても少量なので、血糖値の上昇はラクターゼを正常に持っている人に比べると少ない可能性が高いですね。

通常は1gの糖質が、体重64kgの2型糖尿人の血糖値を3mg上昇させます。

欧米人が牛乳を飲んだ場合は、乳糖を100%分解してブドウ糖とガラクトースになります。

ガラクトースはエネルギーを含有していて100%体内に吸収されますが、ガラクトースの血糖上昇作用は果糖と同様にきわめて少ないです。

そうすると1gの乳糖は、3mg血糖上昇させることはなく、それより少ないと考えられます。

しかし、日本人やアジア人では、乳糖分解酵素がどの程度残っているかによりますが、1~2mg以下のこともありうると思います。


以下、私自身(2型糖尿人)で実験してみました。

2013年10月31日(木)
午後5:30 空腹時血糖値:126mg
明治牛乳、200ml、炭水化物9.9g、食物繊維0。
午後6:30血糖値:148mg・・・22mg上昇


私の場合、1gの乳糖が2.2mg血糖値を上昇させています。

しかし、炊いたご飯やパンのように、1gの糖質が3mg血糖値を上昇はさせていません。

私にはあるていど乳糖分解酵素が残っているので、牛乳を飲んでも下痢をすることはないし、かなり吸収されています。

私の場合は乳糖分解酵素は、ほとんど普通に残っていて、乳糖(ラクトース)を分解して、ブドウ糖とガラクトースとして吸収しているけれど、ガラクトース分はあまり血糖値を上げないので、1gの乳糖が血糖値を、2.2mg上昇させたと考えられます。

乳糖が血糖値をどのていど上昇させるかは、乳糖分解酵素の残存量により、かなり個人差がありそうですね。

次に、ヨーグルトで実験してみました。
2015年4月12日(日)
空腹時血糖値:107mg
小岩井ヨーグルト209g摂取(100g中に4.6gなので、9.6gの糖質)
1時間後血糖値:117mg
ヨーグルト成分の中の9.6gの糖質
を食べて、血糖値は10mgの上昇。


ヨーグルトの場合は、糖質は<乳糖+ガラクトース>なので、9.6gのうち、乳糖分だけだと、大分少ないはずです。

結果として、1gの糖質が、1mgくらいしか血糖値を上昇させていませんでした。


私の場合は、牛乳の糖質に対してヨーグルトの糖質は、約半分の血糖上昇ですんだということとなります。

ヨーグルトなら200g食べても、血糖値は10mgしか上昇しません。

この実験で少しヨーグルトが食べやすくなりました。(^^)


今回のブログ記事は、(株)江崎グリコ研究員・八木章さんにアドバイスをいただきました。

八木さん、ありがとうございました。


江部康二



☆☆☆
追記
私は2型糖尿人です。
2002年、52才のとき発症(発覚)です。

私の場合、
A)1gの糖質(穀物の澱粉、ブドウ糖、砂糖など)が
  約3mg血糖値を上昇させます。

B)牛乳の糖質(乳糖)1gが、血糖値を約2.2mg上昇
  させます。
つまり乳糖は普通の糖質の2/3くらい私の血糖値を
  上昇させます。

C)ヨーグルトの糖質(乳糖+ガラクトース)1gが、血糖
  値を約1mg上昇させます。
 つまりヨーグルトの糖質は普通の糖質の、1/3くらい
私の血糖値を上昇させます。


*私の場合、いろんな食材で食後血糖値のピークを測定しましたが
 ほぼ常に60分値がピークでした。


*私は成人後、20才代とか、牛乳を500mlとか1Lとか
飲んだこともありますが、下痢も何もないので、私は
比較的乳糖分解酵素が多く残存しているタイプと考
えられます。

*牛乳を少し飲むと下痢する人は、乳糖分解酵素が
あまり残存していないタイプなので、牛乳を少々飲ん
でも血糖値は上昇しにくいはずですが、そもそもあま
り飲めないですね。



テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質制限食講演会 in 高松 の御報告
【15/04/26 柴宏くん

香川県講演お疲れ様でした

今日の香川県講演お疲れ様でした。
先生の講演を直に聞けなおかつ糖質制限食についてとても勉強になりました。
質疑応答についても丁寧に説明して頂き
本当にありがとうございましたm(_ _)m

これからも江部先生、瀬尾先生御指導のもと糖質制限食を継続していこうと思います。そして糖質制限食を香川県でも普及出来るよう頑張っていきたいです。

本当にありがとうございましたm(_ _)m

また香川県に講演や食事会に来ていただければ幸いです(≧∇≦) 】



15/04/26 ドクター江部
Re: 香川県講演お疲れ様でした
柴宏くん

本日はお疲れ様でした。

柴宏くん の30kg減量発言のときは 会場の女性の過半数がどよめきましたね。


【15/04/26 柴宏くん

はい(≧∇≦)あのどよめきはびっくりしました ;^_^A

でも先生の講演は最初から最後まで大盛況でした。
香川県民もカロリー制限食に疑問を持たれている事がわかりました(T . T)
今後も糖質制限食を勉強し香川県でも糖質制限食を普及出来るよう努めていきたいです(≧∇≦)
本当にありがとうございましたm(_ _)m
また香川県に是非お越しください。
お待ちしております。
楽しいお話また聞かせてください。
あとお身体にお気をつけ下さいm(_ _)m 】


【15/04/27 クワトロ
高松講演、お疲れ様
講演前の散歩で、高松港へ突き落とされなくてよかったですね(笑)
私も楽しく聴かせていただきました。
ありがとうございます。
先生、時間配分ぴったりなのにびっくりしました。
また受付も皆さんご丁寧に対応していただいてお疲れ様でした。
瀬尾先生のサプライズ講演もおもしろかったです。
皆さん、良いデータを集めておられるようで、現場は大変なのだなぁと実感しました。

また、よろしくお願いします。】


クワトロさん。
講演会、ご参加、ありがとうございます。

うどん県で糖質制限食のお話しです・・・。(*- -)(*_ _)

講演前の散歩で、高松港へ突き落とされなくてよかったです。(^^) 

おかげさまで、88名の方にご参加いただき、大盛況でした。

前夜祭も医師ご夫妻や歯科医師など医療関係者が14名集まり、糖質制限な宴でおおいに盛り上がりました。

瀬尾先生のサプライズ講演(15分間で症例報告など)では、某市民病院に入院して、糖尿病が大悪化というのが印象にのこりました。

瀬尾一史先生は、泌尿器科・内科ですが、糖尿病患者さんも多数診て実績をあげておられます。

その瀬尾先生が診ていた糖尿病患者さん、糖質制限食でHbA1c6.2%程度で良好なコントロールでしたが、手術のため約1ヶ月、某市民病院に入院されて、栄養士と医師の指導のもと「従来の糖尿病食」をしっかり実践されて退院されたそうです。

退院直後に瀬尾クリニックで検査したら、HbA1c8.4%と大悪化で患者さんはびっくりでした。

退院後は再び糖質制限食に戻して、1ヶ月後には6.4%に改善です。

いやはや、従来の糖尿病食(カロリー制限・高糖質食)恐るべしです。

参加していただいた方々の、ノリもとても良くて、笑いの絶えない、とても楽しい講演会でした。
讃岐の人は、ノリがいいですね。

うどん県で糖質制限食のお話しでしたから、それなりに心配だったのですが、予想以上にフレンドリーで嬉しかったです。

そうそう、岡山、津山、坂出、徳島、高知などからもご参加いただきました。
ありがとうございます。

質疑応答時間も30分間しっかり取りました。

お陰様で、密度の濃い充実した講演会となりました。
ありがとうございました。


美術館北通り診療所内科の瀬尾憲正先生ご夫妻とスタッフには、講演会の準備で大変お世話になり、ありがとうございました。

瀬尾憲正先生は、京大医学部の同級生です。

最後に、四国新聞OBの明石安哲氏にも大変お世話になり、ありがとうございました。


江部康二



☆☆☆

四国と福山の糖質制限OK医療機関


広島県福山市今津町5-2-2
084-934-2233
瀬尾クリニック 泌尿器科・内科
瀬尾一史先生


医療法人社団 美術館北通り診療所
内科 瀬尾憲正 先生
〒760-0029 香川県高松市丸亀町13−3 高松丸亀町商店街参番街
087-813-2220
URL:www.machikuri.or.jp/


たかはし整形外科医院
高橋 裕彦先生
電話番号:0877-45-6121
住所 (〒762-0038)香川県坂出市笠指町2-43


〒781-1103高知県土佐市高岡町丙64-1
088-856-6300
杏クリニック  院長
山本 拓(やまもと ひらく) 先生


宮川貴弘先生
宮川漢方クリニック
高知市南はりまや町2丁目12番21号
電話:088-882-9770


坂東正章先生
坂東ハートクリニック
〒770-8025 徳島市三軒屋町下分28
電話:088-669-6255

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質制限ワインサーメンタム メルローバリカ2011発売のお知らせ。
おはようございます。

私が監修し、あらてつさんの糖質制限ドットコムで発売中の、世界初の糖質制限専門ワインブランド、サーメンタムですが、お陰様で糖質制限実践中でも安心して飲めると大変好評です(^O^)

お試し頂いた読者の皆さんには心よりお礼申し上げますm(__)m

さて、そのサーメンタムですが、赤ワインのメルローバリカ2009が全て完売、新たに2011が入荷しました。

あかしろ


カロリー制限食では真っ先に禁止される「アルコール」ですが、糖質制限食では、種類を選べばOKとしています。

焼酎、ウイスキー、ブランデーなどの蒸留酒は糖質が0なので飲んでも血糖値に影響を与えません。

一方、ビールや日本酒なのど醸造酒は糖質量が多く、糖質制限食ではNGとなります(^_^;)

同じ醸造酒でも、赤ワインや辛口の白ワインは糖質量が少いので、適量であればOKとしました(^O^)

ですが、この「適量」が分かりませんとよくご質問を頂きます。

確かに、尿糖試験紙で測るにもワインを開けてしまわないといけませんし、沢山のワインの中でどんなワインを選んでいいのか正直なところ分かりにくいです。

糖質制限食実践中でも安心して飲めるワインはないものか?

そう考えたあらてつさん、オリーブオイルのモリドル社との商談にスペインに行った時、ワインの醸造所に「糖質制限でワイン作って!」と頼み込んできました。

紆余曲折を経て完成したのが、Sarmentum(サーメンタム)

糖質制限専門ワインです。

あらてつさんが現地で尿糖試験紙で検査、合格したものを日本に持ち帰り、例によって、私、江部康二自らが血糖測定、見事に合格です。

空腹時でボトル半分開けるのはさすがにキビシイものがありましたが、これで糖質セイゲニストに皆さんに安心して飲んでもらえるワインが出来ると思うと、感無量です(^O^)

糖質制限食の定番、赤ワインに加え、本格白ワイン、ロゼ、カバも糖質制限で醸造です。

ろぜかば


醸造元、コビデス社クリストフ氏より解説をご紹介します。


●Vino tinto(赤ワイン)

Sarmentum Merlot Barrica 2011

100%ペネデスのブドウ畑原産メルローを使い醸造。

収穫物は厳選し、精製には細心の注意を払っています。

アメリカンオーク樽で6ヶ月間寝かせ、当社ワイナリーにて最終調整したものです。

樽がもつザクロ色のトーンをもつ、鮮紅色が特徴です。

口の中では、パワフルでありながらまろやかで、後味が長く続き、バランスが取れています。テイスティングをすると、最初にメルローの品種の味が来て、あとからアメリカンオーク樽による、木の優しい味がします。

メルロー独自の、カカオやコーヒーといった類の香りと、樽から来る香ばしい感じがします。

米料理、チーズ、ソーセージ、鳥肉、肉の煮込み料理などのおともにおすすめです。

*Barricaはスペイン語で「樽」を意味し、600リットル以下の木樽で熟成した
 ワインに表示できます。

●Vino blanco(白ワイン)

Sarmentum Xarel.lo

ブドウ品種は、100%ペネデス原産地のブドウ畑産チャレロです。

このワインは、当社の他の製品同様、厳選されたブドウからとれたフリーラン果汁(高品質のワインを精製するために、ブドウから圧搾するのではなく、流れ出てくる果汁を使用している)によって精製されたものです。

若々しい白ワインで、ほんのり緑がかった青白い黄色をしています。

地中海のフルーツや白い花の、フルーティーな香りがします。

口の中ではさわやかで、バランスが取れた感じがします。味わいは、長く広がりをもっていて、非常にまろやかです。

果物や白い花の後味がします。

魚料理や癖の少ないチーズ、米料理や白身の肉料理に合わせるのが理想的です。

*サーメンタム チャレロは、果皮浸漬によって精製された特別なワインです。 これ(果皮浸漬)は、ブドウの果皮がより味わいと香りのある、特徴が際立つ部位であることから、フリーラン果汁にブドウの粒を入れて、非常に低い温度下で数時間浸すことで、官能特性の部分を形成させるというものです。

●Cava (カバ スパークリングワイン)

通常のCavaは、ドサージュといって、砂糖や甘いリキュールを添加し、味わいの最終調整を行いますが、このSarmentum Cava Brut Natureは、それらを一切加えずに仕上げています。

ブドウ品種は、ペネデス原産のXarel.lo(チャレロ)、Macabeo(マカベオ)、Parellada(パレリャーダ)の三種です。

穏やかな黄金色の反射のある、青白みかかった黄色。グラスに注ぐと数珠状の輪を形成しながら上昇する泡が、程よい感じで長時間放出されます。

ボトルの中で、わずかに熟した果実や花のニュアンスを帯びた、はちみつのようなクリアンサ独特の非常に心地よい香りがします。

飲んで頂くと爽やかな後味で、口の中で大変な心地よさを演出すします。ドライな感じで始まりますが、まろやかで温かみをもった感じで終わります。

香り高く、素直に後に残るまろやかな後味がたいへん心地良いCavaです。

●Rosé  (ロゼ)

100%ペネデスのブドウ畑原産テンプラニージョを使い醸造した、透明感のある桜色がかった赤のロゼワイン。

コルクを抜けば、フルーティーな特徴を持った上質で心地よい香りが拡がります。

口に含むと、ほどよい酸味のあるフレッシュさがありながら、口当たりがまろやかで飲みやすく、エレガントかつフルーティーな後味が残ります。

テンプラニージョの果実を思わせる香りと、重厚かつ繊細な味わい、酸味と渋みがバランスよく感じられるロゼは、どのような料理にも合わせて頂けるでしょう。



もちろん、赤・白・ロゼ・カバ、全て飲みましたが、赤はタンニンの程よい強さと繊細な後味のバランスが取れたワイン、白はとてもフルティーで飲みやすく、カバはドサージュしてないとは思えないほど口当たりがよく、ロゼはテンプラニージョの独特の香りがなんとも言えず、どれもグイグイ飲んでしまいます(^_^;)

すべて私が自ら実験台になり、血糖測定を実施、どれも血糖値に影響を与えませんので、安心してワインを楽しむことができます(^O^)

作ってくださったクリストフさんに大きな拍手を送りたいと思います\(^o^)/

この糖質制限ワイン、Sarmentum(サーメンタム)について、詳細&お買い求めはこちらから。
↓ ↓ ↓
糖質制限ワイン サーメンタム メルローバリカ2011&チャレロ
http://www.toushitsuseigen.com/products/detail66.html

サーメンタム ロゼ&カバ
http://www.toushitsuseigen.com/products/detail81.html

左党の糖質セイゲニストの皆さん、是非お試しあれ。




江部康二


テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
2015年4月18日(土)京都市中京東部医師会学術講演会のご報告
こんばんは。

2015年4月18日(土)は、京都市中京東部医師会学術講演会で

糖質制限食による糖尿病治療
~理論と実践~  そして漢方


と題して、講師をつとめました。
15名の医師が参加されました。

不肖江部康二、過去、北海道から沖縄まで、医師会や保険医協会や病院主催の糖質制限食講演会で呼んでいただいています。

特に、

2012年1月15日(日
)第15回日本病態栄養学会年次学術集会(国立京都国際会館)

において行われた「糖尿病治療に低炭水化物食は是か?非か?」と題したディベートセッション以降は、格段に医療関係主催の講演会が増えました。

2012年01月16日 (月)の本ブログ記事
「糖尿病治療に低炭水化物食は是か?非か?」ディベートのご報告
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-1946.html
をご参照いただけば幸いです。


しかし、地元京都では、何と今回が初めての医師会主催の糖質制限食講演会でした。

なので、正直、大変嬉しかったです。

過去京都では、諸般の事情で、なかなか医師会や保険医協会主催での講演が困難という経緯がありましたので・・・。

京都市中京東部医師会学術講演会では、90分間の講演のあと約1時間の質疑応答がありました。

和気藹々ながらも、活発で密度の濃い議論ができて、大変実りの多い会でした。

中京東部医師会会長の岩野正宏先生
中京東部医師会監事の西村利朗先生
学術講演会講師としてお招きいただいて大変ありがとうございます。

これを機に、京都の医師にも、糖質制限食への理解がさらに広がっていくとこを願っております。


江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質制限でダイエット成功。心筋梗塞で大学病院入院中の兄上は?
【15/04/25 Momo

ダイエットに成功しました。

2014年の11月末から糖質制限を始めました。糖尿病はありませんでしたが、体重増加、高血圧、高コレステロール、網脈静脈閉塞症などがあり、とにかく体重を落とすことを目標にしました。

始めて2週間は炭水化物を抜くことが非常に辛かったのですが、その後は徐々に慣れ、5ヶ月経った今、10kg以上の減量に成功しました。太る前に着ていた洋服が緩くなるほど瘦せました。糖質制限のダイエット効果に驚いています。

実は兄が糖尿病で先日心筋梗塞で病院に運ばれ、カテーテルでステントを入れる手術を受けました。

5日間入院しました。兄は標準体重を大幅に越えていますが、入院中糖尿病の兄の食事は180グラムのご飯とほんの少しのおかずというものでした。

糖尿病なのに、ご飯中心の食事ってと驚いたのと同時にそのような食事では本人の空腹感も強く、とても辛そうでした。

兄には糖質制限で体重を落とし、糖尿病の状態を改善することが絶対に必要だと思うのですが、病院での食事指導でもご飯を抜かないでカロリー制限をすることを言われたようです。

病院は東京信濃町にある有名なK大学病院です。そんな立派な病院のお医者様の指導に間違いがあるはずはないと、兄は糖質制限を試みる気持ちを持てないでいます。

とても残念なことです。

義太夫さんの記事を読んで、このままでは兄も同じ道を歩むのではと心配でたまりません。

義太夫さんはカロリー制限で空腹と戦うことの大変さを嘆いていらっしゃいましたが、糖質制限でダイエットをしている私は空腹に悩まされることは一切無く、たったの5ヶ月で10キロ以上のダイエットに成功しました。

今日は誕生日でしたので、5ヶ月ぶりに、好きな物を好きなだけ食べる「爆発の日」にしようと決めていましたが、甘いものを食べても、甘さが強く感じられ過ぎてあまり美味しいとも思わなくなっていました。

用意されたバースデーケーキはせっかくなのでかなりの量をいただきましたが、明日からまたしっかりと糖質制限生活に戻りたいと思っています。

糖質制限ノートをつけていくうちに、食べている食品の糖質もおおよその見当がつくようになりました。

私は取り返しがつかないことになる前に糖質制限でダイエットに成功できました。

世の中の多くの方が取り返しがつかないことになる前に糖質制限で健康を取戻せるよう、心から願っております。】


こんにちは。
Momo さんから、糖質制限でダイエット成功というコメントをいただきました。

一方、兄上は、<糖尿病+肥満+心筋梗塞>で大学病院入院中ですが、つらいカロリー制限・高糖質食を実践しておられ、
立派な病院のお医者様の指導に間違いがあるはずがないと、糖質制限食には否定的ということです。

Momo さん

糖質制限食で、つらい思いをすることもなく5ヶ月で、10kgの減量成功、良かったです。
ひもじくてつらいカロリー制限食とは、えらい違いですね。

兄上の心筋梗塞ですが、まずはステントで救命できて良かったです。

しかし、ステントは、厳密にいうと緊急避難的に金属の管を心臓の冠動脈に挿入して、血流を回復させたということです。

つまり根本的に心臓の血管が良くなっているわけではありません。

このまま糖尿病で従来の糖尿病食(カロリー制限・高糖質食)を続ければ「食後高血糖」「平均血糖変動幅増大」のために今度は、また別の場所の冠動脈が狭窄を起こして、再度ステントを挿入するということになります。

そのうち、3本、4本、5本とステントが入って、とうとうそれでは追いつかなくて、結局、冠動脈バイパス手術を開胸して行うような事態になります。

従来の糖尿病食(カロリー制限・高糖質食)では、糖尿病合併症の進行を防ぐことや予防は、大変困難なのです。

兄上には、わかりやすいので、まずは週刊ポストの記事を読んで貰ってください。

その後、さらに私の本を読んで、兄上ご自身が判断して、糖質制限食を選択していただけば良いと思います。

日本では、糖尿病合併症があとを絶ちません。
糖尿病腎症・・・毎年16000人が新たに人工透析開始です。
糖尿病網膜症・・・毎年3000人が、新たに失明です。
糖尿病足病変・・・毎年3000人が、新たに足切断です。

上記の事実は、立派な病院の指導によって行われている日本の現行の糖尿病治療(カロリー制限・高糖質食+薬物療法)が、ほとんど合併症を防げていない、動かぬ証拠と思います。

米国の調査で、糖尿病合併症の発症率が、この20年間(1990~2010年)に急速に低下していることが判明しました。

米国では、
(1)急性心筋梗塞 マイナス67.8% 
(2)高血糖症による死亡 マイナス64.4% 
(3)脳卒中 マイナス52.7%
(4)下肢切断 マイナス51.4%
(5)末期腎不全 マイナス28.3%

ですが、日本では、ほとんど減っていないと思います。

日米の糖尿病薬物治療には大きな差はありません。

そうなると、あくまでも仮説ですが、
糖質摂取比率が、40%の米国の糖尿病患者と
糖質摂取比率が、60%の日本の糖尿病患者の差が、
合併症の差に繋がった可能性は高いと私は思います。

2015年03月12日 (木)
「米国、糖尿病合併症20年間で大幅減少、心筋梗塞は60%以上減」
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-3309.html
をご参照いただけば幸いです。



江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質制限食でHbA1c改善。母上はカロリー制限で網膜症。
【15/04/24 みいこ

はじめまして。
いつもブログを拝見させていただいております。41歳の主婦です。

私は今年の1月、
空腹時230
HBa1c9.1
江部先生のブログを参考にさせて頂いて、
先月は
空腹時86
HBa1c7.3
体重13キロ減。
改善してきました。ありがとうございます。

母の事ですが、30年糖尿病を患い、 今も、カロリー制限をやっています。
血糖値を下げるには糖質制限をと言ってるのですが…。

網膜症も出ていまして、最近目の手術しました。

その他の合併症が出ないためにも、 もっと糖質制限を勧めた方がいいでしょうか?
ちなみに母は73歳です。
高齢者でも糖質制限は有効ですか? 】


おはようございます。

みいこさんから、糖質制限食で、HbA1c、血糖値改善という嬉しいコメントをいただきました。

みいこさん。

2015年1月
空腹時血糖値:230mg/dl
HbA1c:9.1%

2015年3月
空腹時血糖値:86mg
HbA1c:7.3%
体重は13kg減

素晴らしい改善です。
良かったです。

このまま、HbA1c7.0%未満を達成して糖尿病合併症を予防しましょう。

従来の糖尿病食(カロリー制限・高糖質食)で経口糖尿病薬やインスリン注射により血糖コントロールをしている場合、食後高血糖と空腹時低血糖を生じ、平均血糖変動幅増大も生じます。

従って、たとえHbA1cのコントロールが7.0%未満と良好でも「食後高血糖」「平均血糖変動幅増大」という酸化ストレスリスクを毎日生じている質の悪いHbA1cです。従って合併症予防は困難です。

一方、スーパー糖質制限食実践中には「食後高血糖」「平均血糖変動幅増大」は生じないので、質の良いHbA1cです。
従って、糖尿病合併症は生じません。

母上にも勿論糖質制限食は有効です。

今後、糖尿病合併症が進行したり、新たに発症しないように糖質制限食を実践されたらよいと思います。

ただし、ご本人が糖質制限食の意義を理解されて納得して実践されないと、継続は困難と思います。


江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
著名人&患者団体が「カロリー制限」に異議あり!ポスト記事 2
【15/04/24 精神科医師A

週刊ポスト2015年5月1日号
グレート義太夫 正しい療法知っていれば透析遅らせたと後悔
http://www.news-postseven.com/archives/20150424_317857.html

 週に3回の透析治療を受けているお笑い芸人・グレート義太夫氏(56)は、日本の医学会が推奨する糖尿病の治療法、「摂取カロリーの半分を炭水化物で摂る食事療法」が時代遅れで効果がないと指摘されていることを昨今の報道により知り、怒りがこみ上げてきたという。

「僕が糖尿病だっていわれたのは35歳の頃です。今から20年くらい前ですが、その頃にはこんな話聞いたことなかったですからね。とにかくカロリーを抑えなさいって指導でした。学会のガイドライン通り、一日のカロリーの半分くらいは炭水化物で摂って、あとはバランスよく腹八分目ということでした。糖質制限のほうがいい結果になるなんて初めて知りましたよ」

 同氏は笑いのために体を張ってきたことが、糖尿病につながったと苦笑する。

「若い時は中ジョッキ一杯分のガムシロップやハチミツの一気飲み競争で笑いを取っていました。糖尿病にもなりますよ。たけし軍団の連中も最初はお見舞いだとかいってわざとホールケーキをプレゼントしてくるジョークで僕をいじめていて、透析を始めてからようやく気を遣ってくれるようになりました。

 でも殿(ビートたけし)だけは別。あの人はとことん笑いを追求していて、僕が透析を始めたことを報告したら、『じゃあ今日からお前の芸名は夏目透析だ』っていいましたから。さすがに丁重にお断わりしましたけど(笑い)」

 病院では摂取カロリーを制限するため、食べる量を全体的に減らす指導がなされた。

「これが辛い。お腹が減ったらついつい食べちゃうから僕みたいなだらしない人間は長続きしません。糖質制限であれば、もちろん節度は必要でしょうけど、糖質さえ気にすればある程度は空腹を我慢しなくてよかったわけでしょう。悔やまれますよ。

 番組収録が深夜に終わって仲間と焼肉屋に繰り出す時も、『カロリーを抑える』ということが頭にありましたからまずご飯でお腹をいっぱいにして、それから肉に箸を伸ばしていたんです。やるべきことの正反対をやっていた」

 カロリー制限生活が辛くて病院に足が向かなくなり、中途半端な状態で治療を放り出した。そして、今では週3回の透析が欠かせない体になってしまった。

「糖質制限を知っていれば透析をもう少し遅らせることができたかもしれません。そう考えると学会の食事療法を恨んじゃいますよ」】



精神科医師Aさんから

週刊ポスト2015年5月1日号
グレート義太夫 正しい療法知っていれば透析遅らせたと後悔
http://www.news-postseven.com/archives/20150424_317857.html

の情報をコメントいただきました。
ありがとうございます。

週刊ポストの五月一日号(4/20発売)134ページから136ページに

糖尿病 著名人&患者団体が
「カロリー制限」に異議あり!


という記事が載りました。

シリーズの第三弾です。

2015/4/23(木)の本ブログ記事では
主として華道家の假屋崎省吾氏(56才)のコメントを、掲載しました。
今回は、グレート義太夫さんのコメントです。

「焼き肉屋で米ばかり食べた」

お笑い芸人・グレート義太夫氏のコメントです。

グレート義太夫氏は現在56才で、週に3回の透析治療を受けておられます。

カロリー制限なので焼き肉屋にいってもご飯ばかり食べたりで、
つらかったということです。

カロリー制限生活がつらくて病院に足が向かなくなり治療中断で、結局透析になったそうです。

グレート義太夫さん、たとえ透析になっていても糖質制限食はとても有効です。

腎臓は兎も角として、今後、心臓や脳の糖尿病合併症を予防するには糖質制限食が最適ですので、是非取り組んで頂きたいです。



江部康二
テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖尿病 著名人&患者団体が「カロリー制限」に異議あり!ポスト記事
こんにちは。

週刊ポストの五月一日号(4/20発売)134ページから136ページに

糖尿病 著名人&患者団体が
「カロリー制限」に異議あり!


という記事が載りました。

シリーズの第三弾ですね。


「無駄にした日々を返して」

華道家の假屋崎省吾氏(56才)のコメントです。

下記の青字のNEWSポストセブン記事を、ご参照いただけば幸いです。

假屋崎さん、間に合う内に、「糖質制限食」を実践して、是非、合併症予防を予防して頂きたいです。

「焼き肉屋で米ばかり食べた」

お笑い芸人・グレート義太夫氏のコメントです。

グレート義太夫氏は現在56才で、週に3回の透析治療を受けておられます。

カロリー制限なので焼き肉屋にいってもご飯ばかり食べたりで、つらかったということです。

カロリー制限生活がつらくて病院に足が向かなくなり治療中断で、結局透析になったそうです。

グレート義太夫さん、たとえ透析になっていても糖質制限食はとても有効です。

腎臓は兎も角として、今後、心臓や脳の糖尿病合併症を予防するには糖質制限食が最適ですので、是非取り組んで頂きたいです。


自分の「適正量」を探す

経済評論家・森永卓郎氏(57才)のコメントです。

森永氏の主治医は糖質制限のほうが効果があるといっているとのこと。

しかし森永氏は、炭水化物制限が良いとわかっていても炭水化物が大好きなのだそうです。

森永さん、今は糖質制限食がすごく実践しやすくなっているのであきらめずに、糖質制限食に再挑戦して欲しいです。

糖質制限レストランもありますし、居酒屋ならどこでもOKです。

スイーツ、パスタ、お好み焼き、パンケーキ、ピザ・・・などなど糖質制限OKなものがありますよ。

合併症予防には糖質制限食以外にないのです。


江部康二



☆☆☆

以下、NEWSポストセブン記事から一部転載です。
http://www.news-postseven.com/archives/20150423_317837.html

假屋崎省吾氏 糖尿病カロリー制限を勝手に緩和し体調が安定
2015.04.23 07:00


糖尿病患者は全国に約950万人、予備群も含めれば国民の6人に1人が患っているというのに、日本では「食事療法はカロリー制限」という間違った常識が根付いている。
時代遅れの医療の内容に糖尿病を患う当事者たちから、驚きと怒りの声があがっている。
10年前に糖尿病の診断を受けた華道家・假屋崎省吾氏(56)は呆れた表情を浮かべた。

「糖尿病学会はいまだに『1日の摂取カロリーの半分を炭水化物で摂れ』って指導しているんですね。私でさえ、いろんな人の話を聞いて糖質がマズいっていうのは知識としてありますよ。炭水化物って糖質でしょ? ダメに決まってるじゃない」

日本の“権威”である糖尿病学会は患者の食事療法として「カロリー制限」を推奨する。診療ガイドラインでは、体格や日々の運動量に応じて1日の摂取カロリーを割り出し、そのうち50~60%を炭水化物(糖質)で摂取することを推奨する。
つまり「カロリー制限」であると同時に、「炭水化物推奨」でもある。

世界では最新研究に基づいてカロリーではなく「糖質」を制限することが主流となっている。米国の学会は、合併症につながる急激な血糖値上昇を引き起こすのは「三大栄養素の中で炭水化物だけ」と10年以上前に公式見解を出している。
日本のやり方では患者が危険に晒される。

假屋崎氏が振り返る。

「父も糖尿病だったから遺伝もあると思いますけど、寝不足やストレスが直接の原因でしょうね。食生活は滅茶苦茶で、バイキングに行けば一食で一日分を食べてしまっていたし、甘いものに目がないから羊羹なんか丸かじりで一本食べていましたよ」


異常な喉の渇きと疲れやすさを感じて病院で検査を受けると、糖尿病の指標となる空腹時血糖値が270(126以上が異常値)を超えていた。

「即入院だといわれたんですけど、スケジュールがいっぱいで無理だとお願いしたら食事療法と薬の処方が始まりました。一日の摂取カロリーを1600キロカロリーに抑えてくださいといわれました」

まさに学会ガイドラインに沿った食事療法だった。

假屋崎氏はそれまでの生活を反省しカロリー制限に真面目に取り組んだが、症状は改善しなかった。

「カロリーさえ気にすればいいんだと思って、栄養価のないものばかり食べる生活になってしまったんです。今になって考えるとカロリー制限神話の弊害よね。糖質制限をやっていたら肉や魚で栄養は摂れたはずだけど、とにかくカロリーを減らさなきゃ、と肉や魚も口にしないようになった。そうしたら血糖値以外の数値に異常が出てしまった。それでカロリー制限を自分で勝手に緩和したら体調が安定するようになったの」

その後、病院から足が遠のいて不規則な生活に戻り、昨年末の人間ドックでは再び空腹時血糖値が279という数値になってしまった。現在は薬で凌ぐ日々だ。

「カロリー制限でだいぶ苦労したけど、糖質制限が世界の主流なら、そうしたほうがいい。なんだか悔しいよね。カロリー制限のために費やした努力が無駄だったってことでしょ。あの年月を返してほしいわよ」

※週刊ポスト2015年5月1日号


テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
「糖質制限は危ない」って本当ですか? (洋泉社)江部 康二 (著) 校正
江部先生、「糖質制限は危ない」って本当ですか?

(洋泉社)江部 康二 (著)  \1404-
2015/4/11 刊行。

アマゾンなどネットや一般書店で発売中。






こんにちは。

米国糖尿病学会では、2013年10月、すでに「糖質制限食」は正式に容認されています。

それにも関わらず、日本では相変わらず、「糖質制限食」に対する無根拠な批判が後を絶ちません。

それらの批判に対して、科学的根拠に基づき一刀両断に論破したのが本書です。

全国の糖質セイゲニストの悩みを一掃する本になったと自負しています。

本書が読者の皆さんのお役にたてばとても嬉しいです。


江部康二



☆☆☆

以下校正です。


江部先生、「糖質制限は危ない」って本当ですか?

校正。

p2 8行目
  ・・・自負しています。→ 思っています。

p3  5行目
   ・・・ありました。米国で、→ ありました。それは米国で、

p20 後ろから6行目
  ・・・たが、糖質制限食には→たが、糖質制限食の有効性に関しては

p35 3行目 
   ・・・悪いとも言える → 悪いといえる


p50 3行目
  エビデンスのない論文を・・・→信頼度の低い論文を

p51 後ろから2行目
・・・という論文はまったくエビデンスがなく→という結論は信頼度が低く



P72 4行目

私自身のことをいえば、2002年、52歳のときに自分自身が糖尿病であることがわかり、なおかつメタボリックシンドロームの基準も満たしていました。すぐにスーパー糖質制限食を開始して半年間で67kgから10㎏の減量に成功しました。そのまま現在にいたり、身長167㎝、体重57㎏でBMIは20.4。よく動いていた学生時代の体型を取り戻し、アレルギー鼻炎が改善するとともに、疲れにくく、風邪もひきにくくなりました
 
p79  3行目
ペットボトル症候群という名の依存症

ペットボトル入りの甘みの強い清涼飲料水の場合、糖質の平均濃度は10%にものぼり、1ℓ当たり100gという驚くべき糖質が含まれています。1~2ℓ入りのペットボトル入りの清涼飲料水を何本も飲めば、短時間のうちに何百グラムという糖質を摂取して急激な血糖上昇を招きます。これに対処するためにインスリンが大量に分泌されますが、2~3週間も続けると膵臓のβ細胞が疲弊して、重症の高血糖が下がらなくなるのが、近年問題になっているペットボトル症候群です。これも糖質依存症の一種といえるかもしれません


p92 6行目
メタボリックシンドロームも、アレルギー疾患などさまざまな生活習慣病も、この頻回・過剰のグルコースミニスパイクとそれに伴うインスリンの過剰分泌こそが元凶なのではないか。私はそう考えています。


p97
さらに2015年1月10日、第18回日本病態栄養学会年次学術集会において胎盤組織内のβヒドロキシ酪酸値は、平均2235.0μmol/Lであり、臍帯βヒドロキシ酪酸値は、平均779.2μmol/Lで、胎盤内が有意に高値であることを報告されました。これは60例の正常分娩妊婦における測定です。

p100 1行目
インスリン作用不足 → インスリン作用欠落


p101 9行目
このようにして、ケトン臭は必ず改善していきますから、あまり心配する必要はありません。
なおβヒドロキシ酪酸、アセト酢酸、アセトンの3者がケトン体と呼ばれています。
ケトン基をもっている物質がケトン体なのですが、βヒドロキシ酪酸はケトン基をもっていません。従って厳密には、ケトン体ではないのですが、習慣上ケトン体と呼んでいます。


p124 3行目
新潟労災病院消化器内科部長前川智先生が書かれた「耐糖能異常に対する低炭水化物食の効果に関する後ろ向き研究」と題した英文論文(ニュージーランドの医学雑誌)が、2014年文献検索サイトPubMedに掲載されました。

p134 後ろから2行目
また、DCCTによって、糖質が食後血糖値を上げるという事実に基づいた糖質管理食(カーボカウント)の有効性が、大規模で長期にわたる臨床試験で初めて証明され ました。

p137 1行目

近年、1型糖尿病の多くは、自己免疫機能の誤動作によって発症することが明らかとなりました。急激に発症し、インスリン治療が必要となることが多いのですが、数年にわたってインスリン分泌が保たれるタイプもあります。自己免疫性が明確でない1型もあり特発性と分類されます。特発性の中で劇症1型糖尿病はその時点で診断をつけてインスリン治療を開始しないと数日で死亡してしまう重篤な疾患です。劇症1型糖尿病は日本で5000~7000名程度の患者さんがいると推定されています。

p156 3行目
私は、ずっと増え続けてきた炭水化物摂取比率が、2008年から2010年にかけて60.4%から59.4%に減って、一方でずっと減少し続けてきた脂肪摂取比率が、2008年から2010年にかけて24.9%から25.9%に増えたためと考えています。そして私が2005年1月、日本初の糖質制限食の本(主食を抜けば糖尿病は良くなる!東洋経済新報社)を上梓したこともその要因と思います。

p186 後ろから1行目
それから3時間は糖質代謝が必要となり、数時間経つとようやく脂質代謝へと切り替わり
ます。


p187 9行目
さらに、それから数時間ほどが経って、ようやく脂質代謝に切り替わろうというころに、今度はビールなどを飲みながらおつまみなどをつまんだりするのです。

p190 後ろから3行目
さらに高血糖によって酸化ストレスが増し、血管が傷つきやすくなります。血管壁が傷つくと、コレステロールがくっつき修復します。これを繰り返すと、動脈硬化がすすみます。高血糖になると、これらの理由で血流が悪くなっていくのです。

p193 後ろから7行目
 現在、基礎分泌のインスリンの基準値は3~15マイクロユニットとされています。しかし、農耕以前の人類の基準値はもっと低く、せいぜい1.5~6マイクロユニットくらいだったのではないかと、私は考えています。

p198 後ろから3行目
糖質制限食が発がんのリスクであるこの3つの要素(肥満、高インスリン血症、高血糖)を解消することについては、はっきり科学的に確認されています。従って、糖質制限食が、がんの発症を予防する可能性に関して、理論的に非常に有望だと考えられるのです。


☆☆☆<内容紹介>
一度でも不安、疑問に思ったすべての方へ
「糖質制限食を続けると死亡率が上がる?」
「糖質を摂らないと筋肉量が減る?」
「高タンパク・高脂質の食事で病気になる?」
「ずっと続けても安全?」etc.
糖質制限食第一人者が、間違いだらけのバッシングに科学的に回答します!



☆☆☆<まえがき>

 日本で初めての糖質制限食の本「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」を世に出したのは、2005年1月のことでした。

1999年に私の兄である江部洋一郎院長(当時)が、高雄病院において糖尿病患者さんに糖質制限食を開始しました。

2001年から私も本格的に糖質制限食による糖尿病治療に取り組み、画期的な成果をあげてきました。

4年間の臨床経験に基づき日本初の糖質制限食の本を上梓したのですが、おかげさまでロングセラーとなり、「糖質制限食」という言葉が日本に定着していったきっかけになったと自負しています。

その後、理論面の本やレシピ本などを各社から多数出版してきました。この間、糖質制限食を日本に広める役目を確実に果たしてきたかなと自負しています。

この4~5年、テレビ・新聞・雑誌などのマスコミが、こぞって糖質制限食を取り上げ、世間一般の認知度は格段に上がりました。特に、2012年は、糖質制限食普及において、飛躍の年となりました。

2012年1月15日、京都国際会館で開催された第15回日本病態栄養学会年次学術集会において「糖尿病治療に糖質制限食は是か?非か?」というディベートセッションが行われ、私は是側の演者として講演しました。通常は3000人規模の学会に4000人の医師・栄養士が参加し大きな反響を巻き起こしました。

このことは糖質制限食が医学界の表舞台に初登場したという意味で、大きな一歩といえます。私のブログ「ドクター江部の糖尿病徒然日記」のアクセス件数もこの日を境に1000件以上増えて、2015年現在1日に10000件のアクセスがある人気ブログとなりました。

このセッション以降、日本全国の医師会や病院から講演依頼が相次ぐようになり、医学界にも爆発的に糖質制限食が広がり始めています。

さらに2013年以降、糖質制限食に追い風となる大きな変化がありました。米国で、糖尿病の食事療法の選択肢として糖質制限食が正式に認められたことです。これは、米国糖尿病学会が2013年10月に出した「栄養療法に関する声明」で発表されました。さらに同声明では「唯一無二の糖尿病食事療法はない」と明言しています。

米国糖尿病学会の声明は、「唯一無二のカロリー制限・高糖質食」を1969年以来、一貫して推奨し続けている日本糖尿病学会への痛烈な批判となっています。

糖質制限食が、これだけ普及していくなかで、糖質制限食に対する批判も登場してきました。根拠のない批判に対してブログなどで、根拠を示して糖質制限食の有効性・安全性を証明してきました。

糖質制限食に肯定的な信頼度の高い英文論文は多数ありますが、否定的な論文は少数で、しかも信頼度の低いものです。本書では、糖質制限食に対する様々な批判や誤解に明確な回答を与えて、全国の糖質セイゲニストに安心を担保するように心がけました。本書が皆様のお役に立てれば幸いです。


☆☆☆<あとがき>

妊娠糖尿病や糖尿病妊娠に糖質制限食を導入されて、画期的な成果をあげておられるのが、宗田マタニティクリニックの宗田哲男医師と永井クリニックの永井泰先生です。

宗田医師は、2015年1月第18回日本病態栄養学会年次学術集会で、正常妊婦60名において、分娩時に胎盤のケトン体値を測定し報告されました(詳しくは本文をご参照ください)。

その結果、胎盤内のケトン体値は、基準値に対して20~30倍の高値ででした。このように胎児においてはケトン体は主たるエネルギー源であり高値が当たり前で、まったく安全なものですので成人においても勿論安全です。

多くの医師がスーパー糖質制限食実践時に基準値より高値となるケトン体が危険であると誤解しているのですが、この研究でケトン体への懸念は払拭されました。

そして2012年度の厚生労働省の調査で、糖尿病の患者数の増加率が激減し、予備群は調査を開始して以来、初めて減少したことが、2013年に発表されました。その背景には、2008年から2010年の調査で1997年以来13年ぶりに炭水化物摂取比率が減少し、1997年以来13年ぶりに脂質摂取比率が上昇したことがあります。

ここ数年糖質制限食が急速に広まってきたことが大きな要因であることは間違いないでしょう。そうです、糖質制限食の普及が、糖尿病予備群を初めて減少させたのです。赤ちゃんから小児、成人、高齢者にいたるまで、糖質制限食の役割は大きくなっていきます。



江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
朝日カルチャーセンター立川教室・糖質制限食講座のご案内。5/30(土)
こんにちは。

朝日カルチャーセンター立川教室にて

『炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません』
 -生活習慣病を予防&改善する糖質制限食-

と題して、講座の講師をつとめます。

2015年5月30日(土)
講演:15:00~16:30 90分間
質疑応答:16:30~17:00  30分間

糖尿病を始め、日本の4大死因、5大疾病と糖質制限食のお話しをします。

がん、心疾患、脳血管疾患、肺炎、これらは現代日本の4大死因です。

厚生労働省が2011年に日本人の5大疾病を発表していますが、以前から多 かった、がん、脳卒中、心筋梗塞、糖尿病に、新しく精神疾患を加えた5つの疾病を指します。

これらの病気の増加は、重大な社会問題であり早急な対 策が必要です。

実はこれら全ての疾病の予防と治療に関して有効と考えられるのが糖質制限食です。

米国糖尿病学会によれば、食べ物が消化・吸収されたあと、血糖に直接影響を与えるのは、糖質だけであり、タンパク質・脂質は直接血糖に影響を与えることはありません。

この生理学的事実をもとに糖尿病の治療に画期的な効果をあげて来た糖質制限食ですが、今回は他の様々な生活習慣病にも有効であることも、お話ししたいと思います。

質疑応答も30分間とたっぷり時間をとりました。

2014年6月の日経メディカルオンラインのアンケートで、日本全国の2263人の医師から有効回答があり、実に過半数の医師が「糖質制限」を支持ということでした。良い意味で衝撃的で、びっくりしました。

過半数(58.3%)の医師が「糖質制限」を支持していて、医師の3人に1人は自ら実行していました。

医師の4人に1人が「患者に勧めることがある」との回答でした。

また、「今日の治療指針2015」にも、糖尿病治療食として初めて糖質制限食が取り上げられる時代となりました。

「今日の治療指針」は日本のほとんどの病院においてある臨床の教科書のような医学書で、毎年改訂されていますが、糖尿病治療食として、「糖質制限食」が正式に掲載されたのは初めてです。


このように、糖質制限食は、医学界においても、着実に認められつつあります。

立川、東京方面の、糖尿人、メタボ人の方々、そして生活習慣病に興味のある人は奮ってご参加下さいね。


江部康二




以下はアサヒカルチャー立川教室のサイトからの抜粋です

朝日カルチャーセンター立川教室 
https://www.asahiculture.jp/tachikawa/course/dc72079e-7c6d-d53c-aba3-54d18e7745f5

講座


『炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません』


講師名 高雄病院理事長 江部 康二

講座内容
血糖値を良好に保ち、糖尿病病合併症を予防できる唯一の食事療法が「糖質制限食」です。
日本人の四大死因(がん、心疾患、肺炎、脳血管疾患)にも炭水化物の過剰摂取が関与しており、糖質制限食で予防可能です。

■日時:5/30(土)15:00-17:00
■受講料:会員は、3,024円。一般は 3,672円。
■お申し込み・問い合わせ先042-527-6511



講師紹介 江部 康二 (エベ コウジ)
1950年生まれ。 1974年京都大学医学部卒業。1974年から京都大学胸部疾患研究所第一内科(現在京大呼吸器内科) にて呼吸器科を学ぶ。
1978年から高雄病院に医局長として勤務。1996年副院長就任。2000年理事長就任。2001年から糖質制限食に取り組む。
2002年に自ら糖尿病であると気づいて以来、さらに糖尿病治療の研究に力を注ぎ、「糖質制限食」の体系を確立。これにより自身の糖尿病を克服。
内科医/漢方医/一般財団法人高雄病院理事長/一般社団法人日本糖質制限医療推進協会理事長

著書
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』(東洋経済新報社)2005年
作家宮本輝氏との対談、『我ら糖尿人、元気なのには理由がある』(東洋経済新報社)2009年
『糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食』 (ナツメ社)2010年
『主食をやめると健康になる』(ダイヤモンド社)2011年
『高雄病院の「糖質制限」給食』(講談社)2012年
『高雄病院 Dr.江部が食べている「糖質制限」ダイエット1ヵ月献立レシピ109』(講談社)2013年
『糖尿病治療のための! 糖質制限食パーフェクトガイド』 (東洋経済新報社)2013年
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!新版』(東洋経済新報社)2014年
『炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません: 生活習慣病を予防&改善する糖質制限食31のポイント』 (東洋経済新報社)2014年
『江部先生、「糖質制限は危ない」って本当ですか?』(洋泉社)2015年
など多数。

ブログ『ドクター江部の糖尿病徒然日記(http://koujiebe.blog95.fc2.com/)は、日に10000件のアクセスがあり、糖尿病のかたやそのご家族から寄せられた質問への回答や、糖尿病・糖質制限食に関する情報の発信に、日々尽力している。
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖尿病専門医が「糖尿病はカロリー制限では治らない」説に同意。週刊ポスト。
こんばんは。

京都は相変わらずの雨です。

4月でこんなに雨が続く日々は、記憶にありません。

さて、精神科医師Aさんから、週刊ポストの記事が、ウェブサイトに載っていることをコメントで教えていただきました。
ありがとうございます。

興味深いので、以下、一部を転載します。

糖尿病専門医からも『糖尿病は「カロリー制限」では治らない!』という4/6(月)発売の週刊ポスト記事に多くの賛同の声がよせられたそうです。

ただし、意見を述べるのは匿名という条件つきですが・・・。


江部康二


以下、NEWSポストセブン記事から一部転載

「NEWS ポストセブン」は小学館が発行する「週刊ポスト」「女性セブン」「SAPIO」「マネーポスト」4誌を統合したニュースサイトです。各誌の最新記事・コラム等をネット用に再編集し、掲載するほか他のニュースサイトにも配信します。

糖尿病専門医が「糖尿病はカロリー制限では治らない」説に同意

DATE:2015.04.17 07:01 NEWSポストセブン
http://getnews.jp/archives/919913


「糖尿病治療にはカロリー制限」という日本の医療の“常識”のおかしさを指摘した「週刊ポスト」前号(4月17日号)のレポートは大きな反響を呼んだ。カロリー制限を推奨する学会側の関係者からも「ポストの記事は正しい」と少なからぬ声が寄せられたが、そうした医師らに実名証言を求めると「それだけは勘弁してほしい……」と及び腰になった。間違いに気付きながら患者不在の医療を進めることほど罪深いことはない。

糖尿病学会に所属する専門医が、匿名を条件に口を開いた。

「週刊ポストの記事はもっともな内容だったと思いますよ。学会ガイドラインでの『カロリー制限推奨』やそれとセットになっている『糖質制限批判』はおかしいという声が内部にも結構あります。ただ、学会の重鎮の先生方を相手に、正面切っておかしいとはいえません」

前号で掲載したレポート〈糖尿病は「カロリー制限」では治らない!〉への感想だ。日本の医学会で食事療法として推奨される「カロリー制限」が世界から見ると時代遅れの手法であることを指摘した記事には、糖尿病と闘う患者のみならず、専門医から多くの賛同の声が寄せられた。

前号の内容を簡単におさらいしておく。日本糖尿病学会は『科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン2013』で食事療法としてカロリー制限を採用。身長や普段の仕事内容に応じて1日の摂取カロリーを定め、そのうち50~60%を炭水化物(糖質)から摂取することを推奨している。

一方、世界ではカロリーではなく「糖質」の摂取を制限するのが主流となっている。2004年には米国糖尿病学会が「カロリーを含有する炭水化物、たんぱく質、脂肪のうち、炭水化物だけが血糖値を上昇させる」ことを公式見解とし、医療従事者向けのテキストの記述を書き換えた。糖尿患者にとって大敵である血糖値上昇を抑えるには、カロリー制限ではなく糖質制限が必要との考え方である。

にもかかわらず、日本の学会は脂肪の摂取を減らすカロリー制限にこだわり、糖質の割合は多いほうが良いとの見解を維持してきた。

学会だけではない。

2005年に厚労省と農水省が定めた「食事バランスガイド」は健康維持のための食事構成を提示する。まず年齢や普段の仕事内容に応じて1日の総摂取カロリーを定め、その上で主食、副菜、主菜、牛乳・乳製品、果物それぞれの品目数をSV(サービング)という単位で示している。

たとえば18~69歳の男性で軽い運動を日常的に行なう人であれば、1日の摂取カロリーは2600プラスマイナス200キロカロリーで、主食は1日7~8SVが推奨される。ご飯(中盛り)なら4、5杯程度だ。

東海大学名誉教授の大櫛陽一・大櫛医学情報研究所所長が指摘する。

「このガイドラインに従えばカロリーの半分以上を炭水化物から摂らなければならないことになる。世界の常識からはかけ離れています。たとえば米科学アカデミーの推奨する1日の炭水化物の摂取量は130グラムです」

炭水化物は1グラムあたり4キロカロリーなので、130グラムなら520キロカロリーとなる。2600キロカロリーが総摂取エネルギーなら、たった20%だ。「カロリーの過半を炭水化物で摂る」という厚労省と農水省のバランスガイドとは大きな差がある。

他にも厚労省の「日本人の食事摂取基準」ではカロリーの50~65%を炭水化物から摂取することを目標に掲げ、それが生活習慣病予防につながるとしてきた。

「平成24年国民栄養調査によれば日本人は1日260グラムの炭水化物を摂取しています。アメリカの推奨量の倍です」(同前)

そうした啓蒙の下で状況は悪化している。日本人の糖尿病患者数は2012年に約950万人となり、予備群を含めると約2000万人超といわれている。

糖尿病が深刻なのは、高血糖の状態が続くことで様々な合併症が起こるからだ。筋肉の萎縮する神経障害、失明の恐れがある網膜症、週に数回の人工透析が必要になる腎症の3大合併症に加え、脳卒中や心筋梗塞のリスクも高まる。

学会や国のガイドラインという“権威”の指示を鵜呑みにしていては、自らの命を危険に晒すことになりかねない。


※週刊ポスト2015年4月24日号



テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
「糖質制限食講演会 in 高松」のご案内。2015年4月26日(日)。
こんにちは。

『糖質制限食講演会 in 高松』 のご案内です。

■日時:2015年4月26日(日)14:00~16:10  
※開場・受付は13:40~
「炭水化物の食べ過ぎで早死にしてはいけません
 ~糖尿病・生活習慣病を予防&改善する糖質制限食~」

■会場: サンポートホール高松 54会議室


現在、60名のお申し込みで、徐々に増えてきましたが、まだまだ席に余裕があります。

日本全国の本ブログ読者の皆さん、香川県や高松市などに知り合いがおられましたら、『糖質制限食講演会 in 高松』が開催されるという情報を知らせていただければ、大変助かります。

よろしくお願い申しあげます。 m(_ _)mV

高知新聞には『糖質制限食講演会 in 高松』の情報を載せていただいて、結構反響がありましたが、現地のうどん県では、まだまだ情報不足の状態です。

おかげさまで、RNCラジオ西日本放送
2015/4/21(火)午後2時45分からの7〜8分間
江部康二が生放送で出演して、『糖質制限食講演会 in 高松』のお話をします。

四国新聞さんも、
『糖質制限食講演会 in 高松』の情報を掲載していただいたら嬉しいです。
よろしくお願い申しあげます。 m(_ _)mV


実は私の連れ合いは、高松市出身なので、若い頃高松には何度も訪れて、昔は私もうどんをしっかり食べてました。

勿論、糖尿人発覚以前のことですが・・・。

当時、喫茶店のメニューに普通にうどんがあるのに、びっくりしました。

最近の香川県のソウルフード、アンケート

1位「讃岐うどん」86.5%
2位「讃岐うどんバーガー」15.0%
3位「小豆島そうめん」11.9%
4位「ぴっぴ飯」10.9%
5位「骨付鳥」10.4%


トップ5のうち、3つがうどんからみで、さすがです。

骨付き鳥以外は、全て炭水化物ですね。

香川県では2012年度から、県内小中学校で実施する血液検査を含む小児生活習慣病予防健診にもとづく実態把握を開始しています。

糖尿病予防のため、全県の都道府県単位で小学生の血液検査が実施されるのは、全国でもはじめてのことです。

これはこれでなかなか素晴らしい試みです。

ところが、2013年の健診で

『香川県の小学校4年生の、1割強が、血液検査で肝機能や脂質異常があり、HbA1cも1割強が糖尿病の疑いがあるか、発症リスクが高いレベル』

ということです。

小学生の血液検査による健診は、全国でもはじめてのことらしいので、他の県との比較はできません。

しかし、どう考えてもこの数字は多いように思えます。

普通に考えて、親と同じようなものを子供も食べると思います。

そうすると、うどんを二玉・三玉食べて、天ぷらやおにぎりも併せてとか、「うどん+いなり寿司・巻きずし」という大人と一緒の「最凶のダブル炭水化物パターン」が子供でも日常の可能性があります。( ̄_ ̄|||)

「ダブル炭水化物 → 脂肪肝」
「ダブル炭水化物 → 糖尿病」
「ダブル炭水化物 → 肥満」

というパターンは、私達、糖質セイゲニストから見ると、脂肪肝や糖尿病や肥満発症の王道のようなもので、本当に困ったものです。 (→ο←)

香川県以外では、ここまでのダブル炭水化物食は、一般的ではないと思いますので、

『小学校4年生の、1割強が、血液検査で肝機能や脂質異常があり、HbA1cも1割強が糖尿病の疑いがあるか、発症リスクが高いレベル』

というようなことは考えにくいです。

香川の人口10万人当たりの糖尿病受療率は308人で、全国ワースト2位、糖尿病による死亡率は同ワースト9位です。

県は今後も、小児期からの正しい生活習慣を啓発する施策に力を入れるそうですが、

「炭水化物の頻回・過剰摂取こそが、糖尿病・肥満・生活習慣病発症の元凶である。」

という本質に気がつかない限りは、香川県では、成人も子供も、脂肪肝・糖尿病・生活習慣病の罠から逃れることは、なかなか困難と思えます。

香川県の皆様、是非是非、本講演会にご参加いただき、講演内容を吟味して、自分自身の頭で考えて、ご判断いただけば幸いです。



江部康二



☆☆☆
*************

以下、事務局からのご案内です。

ブログ読者の皆様、講演会へいつも多数ご参加いただきまして、ありがとうござ います。

4月26日(日)、香川県高松市で一般向けの講演会を開催することとなりました。

四国、瀬戸内地方の皆様をはじめ、多数のご参加を心よりお待ちしております。


///////////////////ご案内/////////////////////

日本糖質制限医療推進協会主催 講演会(香川)

「炭水化物の食べ過ぎで早死にしてはいけません
 ~糖尿病・生活習慣病を予防&改善する糖質制限食~」


■日時: 2015年4月26日(日) 14:00~16:10頃 ※開場・受付は13:40~

■会場: サンポートホール高松 54会議室
      香川県高松市サンポート2-1 高松シンボルタワー内ホール棟5階
      http://www.sunport-hall.jp/access/
      ☆アクセス: JR高松駅から徒歩3分

■講師: 江部 康二
      (一財)高雄病院理事長・(一社)日本糖質制限医療推進協会理事長

■内容: 講演90分と質疑応答30分程度を予定しております。

■受講費: 賛助会員 2,000円 / 一般(非会員) 2,500円

■お支払い方法:

クレジットカード/銀行振込/郵便振替 ※事前決済のみとなります。

■お申し込みの流れ:

1.下記「お申し込み方法」の該当するものからお申し込み下さい。
2.事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3.入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4.当日、直接会場までお越し下さい。

■その他:

・予約制です。当日参加はできません。
・キャンセルは4月24日(金)までに事務局までご連絡願います。

■お申し込み方法

★賛助会員の方:事務局までメールにてお申し込み下さい。

★賛助会員入会をご希望の方:

 1.入会案内および会員規約をお読み下さい。
   http://www.toushitsuseigen.or.jp/#!membership/cdt9
 
 2.お申し込みは下のフォームからお願いします。
   「通信」欄に「4/26 香川講演会受講希望」とご記入下さい。
   http://www.toushitsuseigen.or.jp/#!inquiry/c1u8p

★一般(非会員)で、講演会の受講のみご希望の方:

 こちらからお申し込み下さい。
 http://www.toushitsuseigen.or.jp/#!form-ippan/c1yjl
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
バランスのよい食事?厚生労働省、農林水産省。日本糖尿病学会。
【15/04/18 Kジロー

江部先生はじめまして。
著書、およびブログ楽しく拝見させていただいてます。

スーパー糖質制限で、3か月で11キロの減量に成功しました。体調も良いです。

しかし、このことを人に話すと「バランスよく食べろ」の大合唱(もちろん親切からだと思いますが…)。何も考えずに発せられるバランスという言葉に若干腹が立ちます。バランスって便利な言葉ですね(笑)。

質問なのですが、従来の糖質60%が理想というのは、いつ、だれが何の根拠で言い出したのでしょうか?】



Kジロー さん。

2005年に厚生労働省と農林水産省がまとめた「食事バランスガイド」には、糖質を含めてバランスよく食べるようにと書かれています。

しかし、この推奨にはエビデンスはありません。

なぜなら、「食事バランスガイド」は、日本人の平均的な食事を調査して作成したものにすぎません。

つまり、「バランスのとれた食事」と称するものをを科学的に究明したり、あるいは観察研究したりして、その結果を示しているわけではないからです。

これはあくまでも、日本人の日常的な食事の平均値を提示しているだけなのです。

日本糖尿病学会のガイドラインの糖質60%というのも同じ理由で、日本人の平均的な食事の比率です。

すなわち、論文によるエビデンスとかは皆無であり、つまり無根拠です。

食品交換表も同じことで、無根拠にも関わらず、1969年以来、40数年にわたり、糖質摂取比率60%のカロリー制限食を、推奨し続けています。


「科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン」2013(編集日本糖尿病学会)の食事療法の項に、

「摂取エネルギー量の決定」
「摂取成分量」

の項目で、摂取エネルギー量算定の目安や炭水化物は指示エネルギー量の50~60%など、グレードAで推奨してあります。

摂取エネルギー量の目安に従えば、かなりのカロリー制限食(低カロリー食)となります。

まあ、結局、従来の糖尿病食である、「カロリー制限・高糖質食」を、相変わらずグレードAで推奨しているわけです。

そして、以前にもブログ記事にしましたが驚くべき事に、

「摂取エネルギー量の決定」
「摂取成分量」

の項目は、グレードAの推奨なのに、根拠はともにコンセンサスなのです。

コンセンサスというのは、根拠となる論文がないので、ガイドライン作成に関わった医師が相談して決めたということです。

つまり、科学的根拠に基づいていないことが、明示されているのです。

何をかいわんや・・・ですね。

つまり、糖尿病の食事療法に関しては、現在エビデンスはないのです。

これは、糖質制限食においても同様です。

「カロリー制限・高糖質食(従来の糖尿病食)」にも「糖質制限食」にも、ともにエビデンス(無作為割り付け臨床試験(RCT)、前向きコホート研究)は無いのです。

一方、生理学的事実として、糖質制限食なら、食後高血糖は生じず、カロリー制限・高糖質食なら、食後高血糖が必ず生じるということが明白です。

そして、<食後高血糖ガイドライン2007国際糖尿病連合>によれば、食後高血糖は、大血管合併症の独立した危険因子であり、癌発症リスク上昇と関連するとのことです。

糖質制限食により、食後高血糖を防ぐことの意味は、大変大きいと思います。



江部康二

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1型糖尿病とインスリンと糖質制限食
【15/04/17 ちくてつです

「糖尿病の解決」が私のバイブルです

江部先生、毎日のブログ更新、ありがとうございます。
毎日拝見し、「インスリンポンプ生活人」の励みとさせていただいています。

今回の新刊も素晴らしい内容ですね。
友人たちにもすすめています。

先生の著書と出会い、糖質制限生活を始めて半年が過ぎました。
毎日飲酒する、陶淵明的(?)生き方を、劇症1型糖尿病発症後も続けています。

先生がおっしゃるとおり、血糖値のコントールが重要だと、毎日、4、5回の測定を続けています。
そして、食べものの試行錯誤が続いています。

江部先生が詳しく紹介されているバーンスタイン先生の「糖尿病の解決」も私のバイブルになりました。

血糖値のコントールの重要性が説かれ、「合併症が出てからでも間に合う」可能性がある、「間に合った人がいる」という、糖尿人にはうれしいことが書かれているからです。

私が参考にしたのは、「何度も測定する」、「何かあったら測定する」というアドバイスです。そしてインスリンで数値を抑える。

バーンスタイン先生は、ヘモグロビンA1c の数値が4の半ばを維持されています。

平均血糖値85mg/dlの正常人レベルです。

そして、患者さんにも、同じレベルの血糖値でコントールすることをすすめています。

それからインスリンが不可欠な1型糖尿人にとって、ショックなことも明かされていました。

インスリンの投与量が多いと、インスリンが血糖に与える効果の誤差が大きくなるということです。

高血糖のリスク、低血糖のリスクが大きくなるのですから、毎日のインスリン量はできるだけ下げる必要があります。

江部先生、バーンスタイン先生がおっしゃるとおり、糖質制限食でインスリンの量を減らす必要があります。

私の場合、主治医が定めてくれたのは、基礎インスリンが8単位、ボーラスによる注入が12単位です。1日合計20単位。
 
それがボーラスが10単位を切るくらいに減ってきました。さらに減らしたいと思っています。

これまでは、ヘモグロビンA1c6.0の平均血糖値135mg/dlを目指そうとしていました。
でも、これで満足してはいけないと頭を切り替えました。
そして、「私も当面、平均100mg/dlを目指そう」と決心しました。
 
ただし、絶対に低血糖になってはいけないので、用心しながらの試行錯誤が続くと思います。

また、インスリンポンプは、注射と比べて、注入トラブルなどのリスクがありますから、正常人より高めの目標にすべきだとバーンスタイン先生が言われていて、それに従っています。

血糖の厳格なコントロールを目指して始めたのが数日前です。
すると、たしかに、数値も変わりました。良くなりました。

朝イチから就寝前の数値です。

4月15日
 136mg、143mg、104mg、92mg、149mg

4月16日
 99mg、127mg、87mg、90mg、231mg

16日の夜の231mg/dlは失敗でした。

つい、毛ガニを購入し、蒸していただきました。

以前も毛ガニで血糖が跳ねたのですが、ついつい好物なので購入しました。
こりましたので、毛ガニはNG食品にしました。
 
私の場合、1日の血糖値を合計し、平均値も出しています。
 15日が124.8mg
 16日が126.8mg
 
1型のインスリン生活人は、とにかくこまめに血糖値を測定する必要があります。
測定すれば、コントールしやすくなるからです。
1型は1日4回までなら測定コストに保険が適用されます。

それ以上測りたい方、あるいは糖尿病予備軍の方で血糖を正常にコントールしたい方は、センサーのコストが1枚50円という格安の測定器、消耗品を購入できます。

並行輸入品ですが。測定器は世界最大のスーパー、ウォールマートが開発したReliOnです。

良かったら、こちらの「お客様の声」をチェックしてみてください。
http://www.kettochi.biz/

最後にもうひとつ、大好物のピーナッツ(落花生)をNG食品にしました。

バーンスタイン先生が、1オンス(約28グラム)のピーナッツで血糖値がゆっくりと3時間くらいかけて80mg/dl上がったと報告されていたからです。

わずか28グラムのピーナッツと80mg/dlの血糖の上昇は見合いませんよね。】



こんばんは。

劇症1型糖尿病のちくてつさんから、とても参考になるコメントをいただきました。
ありがとうございます。

【江部先生が詳しく紹介されているバーンスタイン先生の「糖尿病の解決」も私のバイブルになりました。

血糖値のコントールの重要性が説かれ、「合併症が出てからでも間に合う」可能性がある、「間に合った人がいる」という、糖尿人にはうれしいことが書かれているからです】


バーンスタイン先生ご自身が、糖尿病腎症第3期から、スーパー糖質制限食を実践されて正常に回復されていますね。

【それからインスリンが不可欠な1型糖尿人にとって、ショックなことも明かされていました。

インスリンの投与量が多いと、インスリンが血糖に与える効果の誤差が大きくなるということです。

高血糖のリスク、低血糖のリスクが大きくなるのですから、毎日のインスリン量はできるだけ下げる必要があります。】


ショックではありますが、とても大切な事実です。

2型糖尿人においても一緒のことです。

糖質制限食実践によりインスリンの単位が減れば、それだけ誤差も少なくなるし、血糖値の乱高下も少なくなります。


 【4月15日
 136mg、143mg、104mg、92mg、149mg

 4月16日
 99mg、127mg、87mg、90mg、231mg

 16日の夜の231mg/dlは失敗でした。

つい、毛ガニを購入し、蒸していただきました。】


毛ガニのとき以外はすばらしい数値ですね。

毛ガニのタンパク質で、間接的に血糖値が上昇したと考えられます。

1型糖尿人で、内因性インスリンゼロの場合は、タンパク質摂取でグルカゴンが分泌されてもインスリンが分泌できないので
肝臓の糖新生により、間接的に血糖値が上昇します。

ちくてつさん、バーンスタイン医師の本を参考にして、タンパク質のカウントをすれば、毛ガニも少々はいけるかもしれませんよ。

なお脂質では直接的には勿論のこと間接的にも血糖値は上昇しません。

【 それ以上測りたい方、あるいは糖尿病予備軍の方で血糖を正常にコントールしたい方は、センサーのコストが1枚50円という格安の測定器、消耗品を購入できます。

並行輸入品ですが。測定器は世界最大のスーパー、ウォールマートが開発したReliOnです。
良かったら、こちらの「お客様の声」をチェックしてみてください。
http://www.kettochi.biz/


参考になります。

ネットに詳しい方、あるいはネットに詳しい友人がいる方は、試して見る価値がありますね。


江部康二


***
通常は、血糖値に直接影響を与えるのは糖質だけでタンパク質、脂質は直接影響を与えることはありません。

従って、2型糖尿人なら、カーボカウントをしてインスリン単位とのマッチングを良くすれば血糖値の乱高下は予防できます。

インスリン作用があるていど残っているなら、タンパク質を摂取してグルカゴンが分泌されても、インスリンも同時に分泌されるのでお互いの効果が相殺されて、血糖値への影響がないのです。

1gの糖質が、体重64kgの2型糖尿病の人の血糖値を約3mg上昇させます。

炊いた白ご飯茶碗1杯150g(252kcal)には、55.3gの糖質が含まれており、血糖値を166mg上昇させます。

一方、脂ののった和牛サーロインステーキを200g(約1000キロカロリー)食べても、糖質含有量は1gもないので、食後血糖は3mg未満の上昇しかないのです。 

なお、1gの糖質が体重64kgの1型糖尿病の人の血糖値を約5mg上昇させます。

このようにカロリー計算では、食後血糖値の予測は不可能です。

カロリー制限食でカーボカウントもせずにインスリン注射を打つのは、目をつむって車の運転をするくらい危険なことで、現行の日本糖尿病学会推奨のインスリン治療法では、食後血糖値の乱高下は防げません。

インスリン注射をしている糖尿人は、主治医が反対して「糖質制限食」が無理なら、せめて「カーボカウント」はして、血糖値の乱高下から身を守りましょう。

しかし、1型糖尿人で、内因性インスリン分泌ゼロの場合は、タンパク質の摂取によりグルカゴンは分泌されますが、インスリンは分泌できないので、グルカゴンの糖新生作用により、間接的に血糖値が上昇します。

従って、この場合は「カーボカウント+タンパク質カウント」が必要となります。

ちくてつさんは、このタイプと思われます。




江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
1型糖尿病、糖質制限食で55年、68年元気。子供に糖質制限は?
【15/04/16 ちょぼ

1型で50年以上合併症なし
というdiabetes dailyの記事を読みました。Ron Raab という方です。

秘訣はa low carbohydrate regimeとおっしゃっています。1型でも有効だと実証されていますね。

わたしも1型ですが、食い意地が張っているので、なかなか実践できません^^;;

確かにインスリン量を減らすと、低血糖も減るのでコントロールはしやすくなります。

ただ、成長期の子供さんにも勧めて良いものかどうか、迷うところです。

血糖値の乱高下に悩んでいるお母さんには勧めたいのですが、どうでしょうね?】



ちょぼ さん

情報をありがとうございます。

1型糖尿病のロン・ラブさん、ローカーボなのですね。

diabetes daily
https://www.diabetesdaily.com/blog/tag/ron-raab/


ロン・ラブさん、1型でインスリン注射を開始して55年間以上合併症もなしでお元気とは立派です。
1957年に6歳で診断されたそうです。

1990年代の初めから糖質制限食を初めて現在に至っておられるので40歳ごろから開始です。

糖質制限食開始が、糖尿病合併症が生じる前で、間に合って良かったです。

米国のバーンスタイン医師(バーンスタイン医師の糖尿病の解決の著者)も、ご自身が1型糖尿病です。

小児期12才に1型糖尿病を発症され、以後インスリンを打ち続けておられます。

35才、糖尿病腎症の第3期となった頃、SMBGで血糖自己測定をしながら食事療法を研究し、徹底した糖質制限食を開始されました。

蛋白尿が出現する段階の糖尿病腎症第3期から、糖質制限食で回復されタンパク尿が消失しました。

45才で医学部に入学、49才で医師になり、糖尿病を徹底的に研究。

以後、多数の糖尿病患者を診察され、80才現在、糖尿病合併症もなく、現役医師としてお元気にお過ごしです。

バーンスタイン医師は、68年間インスリン治療を継続され、なおかつ一旦合併症がでたのに糖質制限食で改善され、その後ずっと合併症なしです。

それから、1型糖尿病の成長期の子供さんのことですが、糖質制限食を実践しても大丈夫です。

成長期の子供に、カロリー制限は成長障害の危険があると思います。

一方、糖質制限は脂質とタンパク質で充分な標準必要エネルギーを摂取するので成長障害とかは生じないと思います。

伝統的食生活を送っていた頃のイヌイット、モンゴルの遊牧民、マサイ族は、3000~4000年?くらい、いずれもスーパー糖質制限食で、妊娠・出産・子育て・・・日常生活を送っていましたが、子供の成長に問題があったという報告は皆無です。


江部康二


☆☆☆
北九州三島さんからの嬉しいコメントです。
三島さん、ありがとうございます。

【子供の糖質制限
大丈夫です。塾生、小1(~浪人生はともかく)、身長も平均以上に伸びています。人体組成(水分、たんぱく質、脂質、ビタミン・ミネラル・糖質)の順に食べるよう推奨しています。補食、お肉100g、卵2個、彩の野菜をちょっぴり。毎日、40人分作っています。塾弁もご飯なし。FB子供の糖質制限で毎日、更新しています。
2015/04/16(Thu) 21:50 | URL | 北九州・三島 | 】
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質制限食講演会in宇都宮(栃木県)のご案内
こんばんは。

糖質制限食講演会in宇都宮(栃木県)のご案内です。

宇都宮では、初めての糖質制限食講演会ですのでとても楽しみです。

糖質制限食関連の情報は、日進月歩です。

それに伴い、糖質制限食基礎理論も日々進化しています。

宇都宮講演では、最新の糖質制限食基礎理論と豊富な症例も紹介して、わかりやすく楽しいお話を目指します。

宇都宮市を始め、栃木県や近隣の方々、是非ご参加いただけけば幸いです。


江部康二



☆☆☆
以下、事務局からのご案内です。

ブログ読者の皆様、講演会へいつも多数ご参加いただきまして、
ありがとうござ います。

5月31日(日)、栃木県宇都宮市で一般の方向けの講演会を開催
することとなりました。

今回は、当会理事長の講演に加えまして、アドバイザーの佐々木栄子
管理栄養士による講演「美味しい&楽しい糖質オフ入門-実践編」
も予定しております。

糖質制限食の理論や有効性、安全性について、また具体的な実践法
について、たっぷりお聴きいただける絶好の機会です。

北関東の皆様をはじめ、多数のご参加を心よりお待ちしております。


///////////////////ご案内/////////////////////

一般般社団法人日本糖質制限医療推進協会主催

  糖質制限食講演会in宇都宮(栃木県)

■日時:2015年5月31日(日) 13:30~16:30頃 
  ※開場・受付は13:10~

■会場:栃木県総合文化センター 第3会議室
    栃木県宇都宮市本町1-8
    http://www.sobun-tochigi.jp/access.html

※お車でお越しの方へ
会場駐車場はご利用いただけません。周辺の有料駐車場をご利用ください。


■内容

・第一部:「炭水化物の食べ過ぎで早死にしてはいけません
        -糖尿病・生活習慣病を予防&改善する糖質制限食-」

 講師:江部 康二  医師
     
   (一財)高雄病院理事長/(一社)日本糖質制限医療推進協会理事長

・第二部:「美味しい&楽しい糖質オフ入門-実践編」

 講師:佐々木 栄子  管理栄養士・健康運動実践指導者
     
   ローカーボクラブ代表/(一社)日本糖質制限医療推進協会アドバイザー

  (講師紹介:http://www.toushitsuseigen.or.jp/#!/cr4r


※第一部は講演70分、質疑応答30分、第二部は講演45分、質疑応答15分を予定しております。

■受講費: 賛助会員 2,200円 / 一般(非会員) 2,700円

■お支払い方法:

クレジットカード/銀行振込/郵便振替 ※事前決済のみとなります。

■お申し込みの流れ:

1. 下記「お申し込み方法」の該当するものからお申し込み下さい。
2. 事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3. 入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4. 当日、直接会場までお越し下さい。

■お申し込み方法

★賛助会員の方:事務局までメールにてお申し込み下さい。

★賛助会員入会をご希望の方:

 1. 入会案内および会員規約をお読み下さい。
   http://www.toushitsuseigen.or.jp/#!membership/cdt9

 2. お申し込みは下のフォームからお願いします。
   「通信」欄に「5/31 宇都宮講演会受講希望」とご記入下さい。
   http://www.toushitsuseigen.or.jp/contact

★一般(非会員)で、講演会の受講のみご希望の方:
 
 下のフォームからお申し込み下さい。
 http://www.toushitsuseigen.or.jp/seminar-gen

■その他:

・予約制です。当日参加はできません。

・キャンセルは5月29日(金)までに事務局までご連絡願います。

・参加いただいた皆様には、講師の佐々木栄子さんによる、ご当地
グルメにちなんだ低糖質料理と簡単スイーツの「ちょこっとレシピ」を
お配りします。
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
スーパー糖質制限食実践2ヶ月で、HbA1c・脂肪肝改善。CK高値は?
【15/04/14 鳥ちゃん

お礼と報告

江部先生、嬉しい結果が出たので報告させて下さい。

私は、54歳の男性会社員です。

健康診断の血液検査で、ひっかかり、 病院で再検査して頂いたところ、 糖尿病・高血圧・脂肪肝と言われました。

糖尿病と高血圧については、 すぐに薬を飲むように言われましたが、 今までの不摂生の生活習慣病だとわかっていたので、 一度、食事を見直してからと、薬は拒みました。 (薬を拒むと、町の医院に転院するように勧められました)

それで、ネットで色々と調べていくと、 先生のブログを知り、 やる限りは中途半端は嫌な性格なので、 先生の著書を読みまくって勉強し、 2月9日より「スーパー糖質制限食」を はじめて、2カ月後の4月9日に、 町の医院で血液検査をした結果です。

まず、身長178センチ 92キロが82キロで10キロ減
運動はしていません。(^^ゞ

前回基準値より高かった数値の比較が、
血糖 124が93
HbA1c 6.8が5.8
GOT 58が30
GPT 88が32
LDH 237が検査なし

血液に関しては、検査がなかった項目も ありましたが、全て正常に。

ただ、
CKが 378と高く、
中性脂肪は32と低くなっていましたが、
ドクターは心配ないとのこと。

血圧は、
上が、140後半から150前半
下が、90後半から100前半だったのが、
今は、
上が、120後半130前半に
下が、80から80後半まで。

血圧に関しては、良くなったけど、 欲を言えば、もう少し下がって欲しいです。

「スーパー糖質制限食」で塩分も気にしていますが、 もっと、塩分を減らした方がいいのでしょうね。

このようの結果になったのは、 江部先生のおかげです。
心よりありがとうございます。

また、「スーパー糖質制限食」を理解してくれて、 食事を作ってくれた家内にも感謝です。


追伸
来月に町の医院のドクターより、 栄養指導を受けるようにと 診察と共に予約を入れてもらいましたが、 数値がよくなり、 いまさら、栄養指導は必要なのか 少々疑問です。】


鳥ちゃん

薬を拒否されて、食事療法を選択されたのは正解です。

本来、医師もまず食事と運動を奨めて、それで改善がない場合は仕方ないので、薬物投与を考慮するというのが王道です。

薬を飲まないと言ったら、町の医院への転院を奨めるとは、医師として如何なものかと思います。

スーパー糖質制限食実践2ヶ月、運動なしで

身長178センチ
体重: 92キロ → 82キロ
血糖: 124 → 93
HbA1c :6.8 → 5.8
GOT: 58 → 30
GPT: 88 → 32
血圧:140~150/96~104 → 126~134/80~89


血糖値、HbA1c、体重、データ改善、良かったです。
脂肪肝も血圧も見事な改善ですね。
中性脂肪が32と低いのは、まったく問題ないです。

運動なしということですが、新たに散歩やジョギングとか筋トレとかはされてないということだと思います。

CKが高いのは、数日前とか前日にたまたま、良く歩いたとか、旅行したとか、 打撲したとか、筋肉に関わる要素はなかったでしょうか?

いつもより、多く歩くだけでも、筋肉細胞は一定の障害を被るので、CKは少し高値となります。

筋肉注射でもCKは少し高値となります。

CKが 378と軽度高値ですが、上記筋肉関連の事象があれば問題ないです。

まあ、心筋梗塞などでは2000とかになります。

あと甲状腺機能低下症で、CKが上昇することがありますので、筋肉が無関係なら、念のため血液で甲状腺の検査をしましょう。



江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
「ガイドライン通りの食事で患者が増えた」週刊ポスト記事。
こんばんは。

糖尿病「カロリー制限では治らない」本誌前号に学会騒然

週刊ポスト四月二十四日号(四月十三日、月曜日発売)144ページから147ページに

「ガイドライン通りの食事で患者が増えた」

衝撃調査を公開する


という記事が掲載されました。


糖尿病「カロリー制限では治らない」本誌前号に学会騒然だそうです。

今回の記事も、大櫛陽一先生と江部康二の談話が掲載されています。
さらに山田悟先生も登場しています。

今回は、かなりのインパクトのある記事でした。

日本糖尿病学会に所属する専門医が匿名で登場して、日本糖尿病学会に対して批判的な発言をしているのも興味深いです。

糖尿病専門医でも若手で、英文論文を読んでおられるような方々は、米国糖尿病学会が2013年に正式に「糖質制限食」を容認したことをご存知のはずです。

また「血糖値に直接影響するのは糖質だけで、タンパク質・脂質は直接影響を与えることはない」と米国糖尿病学会の患者向けテキストブックに書いてあることもご存知と思います。

従って隠れ糖質制限食賛成派は結構おられると思います。

国も「カロリー制限」派

糖尿病学会に所属する専門医が匿名を条件に口を開いています。

「週刊ポストの記事はもっともな内容と思いますよ。・・・・・ただ、学会の重鎮の先生方を相手に、正面切っておかしいとは言えません。」

”食事指導”したのに、病人増

ご存知、福岡県久山町研究のお話です。
私もコメントを述べています。

1988年~14年間にわたって、九州大学と中村学園が強力して、栄養指導をして糖尿病発症を予防しようとしたにも関わらず、2002年の調査では、糖尿病が激増していたのです。

中村学園の内田氏も語っているように、日本糖尿病学会推奨の「バランスのいい食事」が指導された結果が、糖尿病激増だったのです。

男性
        1988         2002
糖尿病    15.0        23.6%
IGT      19.2        21.6%
IFG       8.0        14.7%
合計      42.2        59.9%


女性 
        1988         2002
糖尿病    9.9         13.4%
IGT      18.8         21.3%
IFG       4.9          6.6%
合計     33.6         41.3%

2007年7月27日(金)毎日新聞朝刊
研究責任者の九州大学・清原裕教授も

「88年以後、運動や食事指導など手を尽くしたのに糖尿病は増える一方。どうすれば減るのか、最初からやり直したい」

とのコメントを述べておられます。


「学会が否定しても止められない」
匿名の糖尿病専門医が、SGLT2阻害薬について
糖尿病学会の方針に疑問を呈しています。


死亡率は本当に上がるのか
能登論文のお話です。
前出・江部氏はこんな疑問を投げかける。

「論文では492の論文から9つを選び、内容を検証して『炭水化物制限食を嗜好する人は、脂肪や動物性タンパク質の摂取量が高値となる傾向にあり、そのことが総死亡の増加への関与が想定される』と結論づけています。しかしエビデンスレベルが3と低く、論文内では『確固たる結論を出すことはできない』としているにもかかわらず、当時マスコミでは糖質制限を否定する断定的な表現で報じられてしまいました。またハーバード大学が06年に発表した女性看護師8万2802人に対する追跡研究のようなエビデンスレベルが高い研究では、脂肪とたんぱく質が多く、炭水化物が少ない食事をしているグループで心臓病のリスクが上昇しなかったと糖質制限食に有利な結論となっています。」

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
江部先生、「糖質制限は危ない」って本当ですか? (洋泉社) 上梓。
江部先生、「糖質制限は危ない」って本当ですか?

(洋泉社)江部 康二 (著)  \1404-
2015/4/11 上梓。
ベストセラー1位- カテゴリ 糖尿病
アマゾンなどネットや一般書店で発売中。






こんばんは。

米国糖尿病学会では、2013年10月、すでに「糖質制限食」は正式に容認されています。

それにも関わらず、日本では相変わらず、「糖質制限食」に対する無根拠な批判が後を絶ちません。

それらの批判に対して、科学的根拠に基づき一刀両断に論破したのが本書です。

全国の糖質セイゲニストの悩みを一掃する本になったと自負しています。

本書が読者の皆さんのお役にたてばとても嬉しいです。


江部康二

<内容紹介>
一度でも不安、疑問に思ったすべての方へ
「糖質制限食を続けると死亡率が上がる?」
「糖質を摂らないと筋肉量が減る?」
「高タンパク・高脂質の食事で病気になる?」
「ずっと続けても安全?」etc.
糖質制限食第一人者が、間違いだらけのバッシングに科学的に回答します!



<まえがき>

 日本で初めての糖質制限食の本「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」を世に出したのは、2005年1月のことでした。

1999年に私の兄である江部洋一郎院長(当時)が、高雄病院において糖尿病患者さんに糖質制限食を開始しました。

2001年から私も本格的に糖質制限食による糖尿病治療に取り組み、画期的な成果をあげてきました。

4年間の臨床経験に基づき日本初の糖質制限食の本を上梓したのですが、おかげさまでロングセラーとなり、「糖質制限食」という言葉が日本に定着していったきっかけになったと自負しています。

その後、理論面の本やレシピ本などを各社から多数出版してきました。この間、糖質制限食を日本に広める役目を確実に果たしてきたかなと自負しています。

この4~5年、テレビ・新聞・雑誌などのマスコミが、こぞって糖質制限食を取り上げ、世間一般の認知度は格段に上がりました。特に、2012年は、糖質制限食普及において、飛躍の年となりました。

2012年1月15日、京都国際会館で開催された第15回日本病態栄養学会年次学術集会において「糖尿病治療に糖質制限食は是か?非か?」というディベートセッションが行われ、私は是側の演者として講演しました。通常は3000人規模の学会に4000人の医師・栄養士が参加し大きな反響を巻き起こしました。

このことは糖質制限食が医学界の表舞台に初登場したという意味で、大きな一歩といえます。私のブログ「ドクター江部の糖尿病徒然日記」のアクセス件数もこの日を境に1000件以上増えて、2015年現在1日に10000件のアクセスがある人気ブログとなりました。

このセッション以降、日本全国の医師会や病院から講演依頼が相次ぐようになり、医学界にも爆発的に糖質制限食が広がり始めています。

さらに2013年以降、糖質制限食に追い風となる大きな変化がありました。米国で、糖尿病の食事療法の選択肢として糖質制限食が正式に認められたことです。これは、米国糖尿病学会が2013年10月に出した「栄養療法に関する声明」で発表されました。さらに同声明では「唯一無二の糖尿病食事療法はない」と明言しています。

米国糖尿病学会の声明は、「唯一無二のカロリー制限・高糖質食」を1969年以来、一貫して推奨し続けている日本糖尿病学会への痛烈な批判となっています。

糖質制限食が、これだけ普及していくなかで、糖質制限食に対する批判も登場してきました。根拠のない批判に対してブログなどで、根拠を示して糖質制限食の有効性・安全性を証明してきました。

糖質制限食に肯定的な信頼度の高い英文論文は多数ありますが、否定的な論文は少数で、しかも信頼度の低いものです。本書では、糖質制限食に対する様々な批判や誤解に明確な回答を与えて、全国の糖質セイゲニストに安心を担保するように心がけました。本書が皆様のお役に立てれば幸いです。


<あとがき>

妊娠糖尿病や糖尿病妊娠に糖質制限食を導入されて、画期的な成果をあげておられるのが、宗田マタニティクリニックの宗田哲男医師と永井クリニックの永井泰先生です。

宗田医師は、2015年1月第18回日本病態栄養学会年次学術集会で、正常妊婦60名において、分娩時に胎盤のケトン体値を測定し報告されました(詳しくは本文をご参照ください)。

その結果、胎盤内のケトン体値は、基準値に対して20~30倍の高値ででした。このように胎児においてはケトン体は主たるエネルギー源であり高値が当たり前で、まったく安全なものですので成人においても勿論安全です。

多くの医師がスーパー糖質制限食実践時に基準値より高値となるケトン体が危険であると誤解しているのですが、この研究でケトン体への懸念は払拭されました。

そして2012年度の厚生労働省の調査で、糖尿病の患者数の増加率が激減し、予備群は調査を開始して以来、初めて減少したことが、2013年に発表されました。その背景には、2008年から2010年の調査で1997年以来13年ぶりに炭水化物摂取比率が減少し、1997年以来13年ぶりに脂質摂取比率が上昇したことがあります。

ここ数年糖質制限食が急速に広まってきたことが大きな要因であることは間違いないでしょう。そうです、糖質制限食の普及が、糖尿病予備群を初めて減少させたのです。赤ちゃんから小児、成人、高齢者にいたるまで、糖質制限食の役割は大きくなっていきます。



江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
「糖質制限食講演会 in 高松」のご案内。2015年4月26日(日)。
こんにちは。

『糖質制限食講演会 in 高松』 のご案内です。

■日時:2015年4月26日(日)14:00~16:10  
※開場・受付は13:40~
「炭水化物の食べ過ぎで早死にしてはいけません
 ~糖尿病・生活習慣病を予防&改善する糖質制限食~」

■会場: サンポートホール高松 54会議室


現在、50名弱のお申し込みですので、席にまだまだ余裕があります。

日本全国の本ブログ読者の皆さん、香川県や高松市などに知り合いがおられましたら、『糖質制限食講演会 in 高松』が開催されるという情報を知らせていただければ、大変助かります。

よろしくお願い申しあげます。 m(_ _)mV

高知新聞には『糖質制限食講演会 in 高松』の情報を載せていただいたのですが、現地のうどん県では、まだまだ情報不足の状態です。


実は私の連れ合いは、高松市出身なので、若い頃高松には何度も訪れて、昔は私もうどんをしっかり食べてました。

勿論、糖尿人発覚以前のことですが・・・。

当時、喫茶店のメニューに普通にうどんがあるのに、びっくりしました。

最近の香川県のソウルフード、アンケート

1位「讃岐うどん」86.5%
2位「讃岐うどんバーガー」15.0%
3位「小豆島そうめん」11.9%
4位「ぴっぴ飯」10.9%
5位「骨付鳥」10.4%


トップ5のうち、3つがうどんからみで、さすがです。

骨付き鳥以外は、全て炭水化物ですね。

香川県では2012年度から、県内小中学校で実施する血液検査を含む小児生活習慣病予防健診にもとづく実態把握を開始しています。

糖尿病予防のため、全県の都道府県単位で小学生の血液検査が実施されるのは、全国でもはじめてのことです。

これはこれでなかなか素晴らしい試みです。

ところが、2013年の健診で

『香川県の小学校4年生の、1割強が、血液検査で肝機能や脂質異常があり、HbA1cも1割強が糖尿病の疑いがあるか、発症リスクが高いレベル』

ということです。

小学生の血液検査による健診は、全国でもはじめてのことらしいので、他の県との比較はできません。

しかし、どう考えてもこの数字は多いように思えます。

普通に考えて、親と同じようなものを子供も食べると思います。

そうすると、うどんを二玉・三玉食べて、天ぷらやおにぎりも併せてとか、「うどん+いなり寿司・巻きずし」という大人と一緒の「最凶のダブル炭水化物パターン」が子供でも日常の可能性があります。( ̄_ ̄|||)

「ダブル炭水化物 → 脂肪肝」
「ダブル炭水化物 → 糖尿病」
「ダブル炭水化物 → 肥満」

というパターンは、私達、糖質セイゲニストから見ると、脂肪肝や糖尿病や肥満発症の王道のようなもので、本当に困ったものです。 (→ο←)

香川県以外では、ここまでのダブル炭水化物食は、一般的ではないと思いますので、

『小学校4年生の、1割強が、血液検査で肝機能や脂質異常があり、HbA1cも1割強が糖尿病の疑いがあるか、発症リスクが高いレベル』

というようなことは考えにくいです。

香川の人口10万人当たりの糖尿病受療率は308人で、全国ワースト2位、糖尿病による死亡率は同ワースト9位です。

県は今後も、小児期からの正しい生活習慣を啓発する施策に力を入れるそうですが、

「炭水化物の頻回・過剰摂取こそが、糖尿病・肥満・生活習慣病発症の元凶である。」

という本質に気がつかない限りは、香川県では、成人も子供も、脂肪肝・糖尿病・生活習慣病の罠から逃れることは、なかなか困難と思えます。

香川県の皆様、是非是非、本講演会にご参加いただき、講演内容を吟味して、自分自身の頭で考えて、ご判断いただけば幸いです。



江部康二



☆☆☆
*************

以下、事務局からのご案内です。

ブログ読者の皆様、講演会へいつも多数ご参加いただきまして、ありがとうござ います。

4月26日(日)、香川県高松市で一般向けの講演会を開催することとなりました。

四国、瀬戸内地方の皆様をはじめ、多数のご参加を心よりお待ちしております。


///////////////////ご案内/////////////////////

日本糖質制限医療推進協会主催 講演会(香川)

「炭水化物の食べ過ぎで早死にしてはいけません
 ~糖尿病・生活習慣病を予防&改善する糖質制限食~」


■日時: 2015年4月26日(日) 14:00~16:10頃 ※開場・受付は13:40~

■会場: サンポートホール高松 54会議室
      香川県高松市サンポート2-1 高松シンボルタワー内ホール棟5階
      http://www.sunport-hall.jp/access/
      ☆アクセス: JR高松駅から徒歩3分

■講師: 江部 康二
      (一財)高雄病院理事長・(一社)日本糖質制限医療推進協会理事長

■内容: 講演90分と質疑応答30分程度を予定しております。

■受講費: 賛助会員 2,000円 / 一般(非会員) 2,500円

■お支払い方法:

クレジットカード/銀行振込/郵便振替 ※事前決済のみとなります。

■お申し込みの流れ:

1.下記「お申し込み方法」の該当するものからお申し込み下さい。
2.事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3.入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4.当日、直接会場までお越し下さい。

■その他:

・予約制です。当日参加はできません。
・キャンセルは4月24日(金)までに事務局までご連絡願います。

■お申し込み方法

★賛助会員の方:事務局までメールにてお申し込み下さい。

★賛助会員入会をご希望の方:

 1.入会案内および会員規約をお読み下さい。
   http://www.toushitsuseigen.or.jp/#!membership/cdt9
 
 2.お申し込みは下のフォームからお願いします。
   「通信」欄に「4/26 香川講演会受講希望」とご記入下さい。
   http://www.toushitsuseigen.or.jp/#!inquiry/c1u8p

★一般(非会員)で、講演会の受講のみご希望の方:

 こちらからお申し込み下さい。
 http://www.toushitsuseigen.or.jp/#!form-ippan/c1yjl


テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
<糖質制限食に関するご注意・お知らせ・お願いなど> 2015年4月
【糖質制限食を実践される時のご注意】

本にも書いてありますが、 糖質制限食によりリアルタイムに血糖値が改善します。

このため既に、経口血糖降下剤(オイグルコン、アマリールなど)の内服やインスリン注射をしておられる糖尿人は、低血糖の心配がありますので必ず主治医と相談して頂きたいと思います。

一方、薬を使用してない糖尿人やメタボ人は、低血糖の心配はほとんどないので、自力で 糖質制限食を実践して糖尿病やメタボ改善を目指していただけば幸いです。

内服薬やインスリン注射なしの糖尿人が糖質制限食を実践すると、食後高血糖は改善しますが、低血糖にはなりません。

血糖値が正常範囲であるていど下がると、肝臓でアミノ酸・乳酸・グリセロール(脂肪の分解物)などから、ブドウ糖をつくるからです。

これを糖新生といいます。

血液検査で、活動性の膵炎がある場合、肝硬変の場合、そして長鎖脂肪酸代謝異常症は、糖質制限食は適応となりませんのでご注意ください。

糖質制限食は相対的に高脂肪食になるので、活動性膵炎には適応とならないのです。

進行した肝硬変では、糖新生能力が低下しているため適応となりません。

長鎖脂肪酸代謝異常症では、脂肪酸が上手く利用できないので、適応となりません。

腎機能に関して、日本腎臓病学会編「CKD診療ガイド2013」において、eGFR60ml/分以上あれば顕性たんぱく尿の段階でも、たんぱく質制限の必要なしと明示されました。

従いまして、糖尿病腎症第3期でも、eGFR60ml/分以上なら、糖質制限食OKです。

また、米国糖尿病学会(ADA)は

Position Statement on Nutrition Therapy(栄養療法に関する声明)
Diabetes Care 2013年10月9日オンライン版

において、糖尿病腎症患者に対する蛋白質制限の意義を明確に否定しました。

根拠はランク(A)ですので、信頼度の高いRCT研究論文に基づく見解です。

今後は、糖尿病腎症第3期以降で、eGFRが60ml/分未満の場合も、患者さんとよく相談して、糖質制限食を実践するか否か、個別に対応することとなります。


なお、機能性低血糖症の場合、炭水化物依存症レベルが重症のとき、糖新生能力が低下していることがあり、まれに低血糖症を生じますので注意が必要です。

また、どのような食事療法でも合う合わないがあります。

糖質制限食もその一つですので、合わないとご自分で判断されたら中止していただけば幸いです。


【糖質制限食とは】

米国糖尿病協会(ADA)の患者教育用のテキストブックLife With Diabetes(2004年版)によれば、

「摂取後直接、血糖に変わるのは糖質のみである。
糖質は速やかに吸収され、直接100%血糖に変わり、ほぼ120分以内に吸収は終了する。
蛋白質・脂質は、摂取後、直接血糖に影響を及ぼすことはない。

『炭水化物・タンパク質・脂肪はカロリーを含有している。炭水化物だけが、血糖値に直接影響を及ぼす。』」


これらは含有エネルギーとは無関係な三大栄養素の生理学的特質です。 

1997年版のLife With Diabetes(ADA刊行)では、

「タンパク質は約半分が血糖に変わり、脂質は10%未満が血糖に変わる」

という記載がありましたが、2004年版以降は変更されています。

このように糖質、脂質、タンパク質のうち糖質だけが直接、血糖値を上昇させます。

従って、糖質を摂取した時にはインスリンが大量に追加分泌されます。

脂質を摂取しても、インスリンの追加分泌はありません。

タンパク質はごく少量のインスリンを追加分泌させます。

現在糖尿病において、食後の急激な高血糖(グルコーススパイク)が大きな問題として注目されています。

食後高血糖が、心筋梗塞や脳梗塞などの合併症を起こす危険因子として確立されたからです。

また一日における、食前・食後・空腹時など血糖値の変動幅(平均血糖変動幅)が大きいほど、酸化ストレスが増強し動脈硬化のリスクとなることがわかってきました。

そして、食後高血糖と平均血糖変動幅増大を起こすのは、三大栄養素のなかで糖質だけなのです。

1gの糖質が、体重64kgの2型糖尿病の人の血糖値を約3mg上昇させます。

炊いた白ご飯茶碗1杯150g(252kcal)には、55.3gの糖質が含まれており、血糖値を166mg上昇させます。

一方、和牛サーロインステーキ(脂身つき)を200g(約1000キロカロリー)食べても、糖質含有量は1gもないので、食後血糖は3mg未満の上昇しかないのです。 

なお、1gの糖質が体重64kgの1型糖尿病の人の血糖値を5mg上昇させます。

糖質制限食の基本的な考え方は、上述のような生理学的事実をベースに、できるだけ糖質の摂取を低く抑えて、食後高血糖を防ぐというものです。

簡単に言えば、主食を抜いておかずばかり食べるというイメージになります。

抜く必要がある主食とは 、米飯・めん類・パンなどの米・麦製品や芋類など糖質が主成分のものです。

3食主食抜きのスーパー糖質制限食(糖質12%、タンパク質32%、脂質56%)なら、薬に頼ることなく速やかにリアルタイムで良好な血糖コントロールが可能です。

一方、上述の白ご飯とステーキの例でも明らかなように、カロリー計算に基づいて血糖値をコントロールすることは理論的に不可能です。

従って、現行の日本糖尿病学会推薦の糖尿病食(糖質60%、タンパク質20%、脂質20%)を実践する限りは、一日の摂取カロリーを1200キロカロリーと低く抑えたとしても、食後高血糖が必ず生じるのです。

糖尿病の改善には、カロリー制限より糖質制限ということがおわかりいただけたと思います。

なお糖質制限食は、カロリー無制限ということではありません。

日本糖尿病学会「糖尿病治療ガイド2014-2015」の

男性1400~2000kcal
女性1200~1800kcal

ほど厳しいカロリー制限は必要ありませんが、

「日本人の食事摂取基準」(2015年、厚生労働省)
に示す推定エネルギー必要量の範囲、
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000041955.pdf
推定エネルギー必要量
              男性                  女性
15-17才        2500 2850 3150           2050 2300 2550kcal/日
18-29才        2300 2650  3050          1650  1950   2200
30-49才        2300 2650  3050            1750  2000  2300
50-69才        2100 2450  2800           1650  1900 2200 
70才          1850 2200  2500            1500  1750 2000

身体活動レベル    低い 普通 高い         低い  普通  高い


くらいが目安です。


なお、米国糖尿病学会は、2013年10月発表の『栄養療法に関する声明』において、全ての糖尿病患者に適した唯一無二の治療食は存在しないと明記しました。

これはそのまま、日本糖尿病学会への痛烈な批判となっています。

そして、地中海食、ベジタリアン食、DASH食、低脂質食などと共に
「糖質制限食」も正式に受容
しました。



<江部康二著 参考図書>


理論
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!糖質制限食のすすめ」2005年
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」2008年
「我ら糖尿人、元気なのには理由がある。」2009年 宮本輝先生との対談本
「やせる食べ方」2010年
「うちの母は糖尿人」2010年 監修:江部康二 著:伊藤きのと
(東洋経済新報社)
「糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食」2010年(ナツメ社)
腹いっぱい食べて楽々痩せる『満腹ダイエット』 (ソフトバンク新書)2011年
「主食をやめると健康になる」(ダイヤモンド社)2011年
「血糖コントロールの新常識! 糖質制限 完全ガイド」 (別冊宝島)2012年
「食品別糖質量ハンドブック」2012年(洋泉社)、
「糖質オフ!健康法」(PHP文庫)2012年
「主食を抜けば糖尿病はよくなる!糖質制限食のすすめ」(文春文庫)2012年
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」(文春文庫)2012年
「女性のための糖質制限ダイエットハンドブック」2012年(洋泉社)
「糖尿病治療のための!糖質制限食パーフェクトガイド」2013年(東洋経済新報社)
「医療の巨大転換を加速する」糖質制限食と湿潤療法のインパクト
 2013年(東洋経済新報社) 夏井睦先生との対談本
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!糖質制限食のすすめ 新版」2014年(東洋経済新報社)
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!2 実践編 新版」2014年(東洋経済新報社)
「炭水化物の食べ過ぎで早死にしてはいけません」2014年(東洋経済新報社)
一生太らない「やせる! 食べ方」2014年 (PHP文庫)
江部先生、「糖質制限は危ない」って本当ですか?2015年(洋泉社)

レシピ
「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」2006年(東洋経済新報社)
「糖質オフ」ごちそうごはん2009年(アスペクト)
dancyuプレジデントムック 「満腹ダイエット 」 2009年(プレジデント社)
「血糖値を上げない!健康おつまみ109」2010年(東洋経済新報社)
「やせる食べ方レシピ集」 2010年(東洋経済新報社)
「糖質オフダイエット 」2011年(レタスクラブ、角川マーケティング)
「誰もがストレスなくやせられる!糖質制限ダイエット」2011年(講談社)
「主食を抜けば糖尿病はよくなる」レシピ集2011年(東洋経済新報社)
高雄病院の「糖質制限」給食2012年(講談社)
糖尿病がどんどんよくなる「糖質制限食」おすすめレシピ集2012年(ナツメ社)
糖質制限の「主食もどき」レシピ2013年(東洋経済新報社)
高雄病院Dr江部が食べている「糖質制限」ダイエット2013年(講談社)
糖質オフのダイエット弁当2013年(家の光協会)
高雄病院「糖質制限給食」朝 昼 夕 14日間完全プログラム
糖尿病・肥満改善が自宅でできる! 2013年(講談社)
2週間チャレンジ! 糖質制限の太らない生活 2014年(洋泉社mook)

DVD「糖質制限食を語る」http://www.yaserutabekata.com/shop/dvd.php 2011年



【本ブログのコメント・質問・記事に関するお願い】

ブログ読者の皆さんには、いつもコメントいただき、ありがとうございます。

糖質制限食に関する質問についてですが、実際に高雄病院や江部診療所に来院されて診察した患者さんに対しては、医師としての責任・債務がありますので、個別に説明もしっかりさせて頂いていますし、フォローもしております。

一方、ブログ読者の皆さんの質問に関しては、糖質制限食に詳しい医師として、ボランティアで回答させていただいています。

診察もしておりませんしフォローもできませんので、責任もとれません。

私の回答は、あくまでも一般論としての参考意見とお考え頂けば幸いです。

また、ブログ記事や本に関しても同様に、糖質制限食に関する一般論としての参考意見とお考え下さい。

従いまして、読者の皆さんが私の参考意見を読まれて、どのように利用されるかは、自己責任でよろしくお願い申し上げます。m(_ _)m

そして読者の皆さんからもご意見いただきましたが、普通のお医者さんに相談可能な個人的な内容の質問は、ご自分の主治医にご相談頂けば助かります。

またネットで簡単に検索可能なことは、ご自分でお調べください。

質問が増えてきましたので、糖質制限食と関わりがないと判断した質問にはお答えできない場合もありますので、ご了承ください。m(_ _)m

普通のお医者さんでは解答不能の、糖質制限食に関わる質問は、何でもどんどんしていただけば嬉しいです。 (^_^)

掲載OKの質問に関して、読者の皆さんに共有していただきたい情報の場合は、ブログ本文記事にて、できるだけ順番にお答えしたいと思います。

質問によってはコメント欄でお早めにお答えする場合もありますのでご了承ください。

一方、質問がかなり増えてきていますので、なかなか即、お答えすることが困難となってきています。

糖質制限食に関わりのある全ての質問に、本文かコメントでお答えするようできるだけ努力はしていますが、できないときはご容赦願います。m(_ _)m

それから、「管理人のみ閲覧できる」「匿名希望」などの質問に関しては、コメント欄にお答えするか、一般的な話題に置き換えてブログに記載するようにしていますので、よろしくお願い申し上げます。




江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
炭水化物の定義、日本とオーストラリアの違い
【15/04/09 dabo_gc

日本と海外と表記基準が違う件

初めまして。もう何年もブログを読ませて頂いていますが、書き込みは初めてです。

アトキンス式を含む「ローカーボダイエット」ですが、日本ではあれは「食物繊維」を摂らないから駄目だという方がいらっしゃるのに気が付きました。

先生が書かれているように日本では「炭水化物=糖質+食物繊維」ですが、(私の在住している)オーストラリアでは「炭水化物=糖類(糖質ではない)+澱粉」という考え方で、食物繊維(Dietary Fibre)は炭水化物(Carbohydrate)とは別項目で成分表も表示されています。

つまり、日本で言う「糖質制限」は少なくともオーストラリアにおいては「炭水化物制限」と全く同じであることを意味します。

すでにご存知だとは思いますし、こんな古いエントリーに今頃コメントを入れて申し訳ありません。

ただ、この表記基準の違いを知らずに海外の「炭水化物制限」を議論する方がネットの中には多いようですので、是非、先生のお時間があります時にでも、周知徹底していただけたらいらぬ議論も減るのではないかと思い、書かせて頂きました。】


こんにちは。

オーストラリア在住の、dabo_gc さんから、日本の炭水化物とオーストラリアの炭水化物は、意味が違うというコメントをいただきました。

ありがとうございます。

日本では、「炭水化物=糖質+食物繊維」
オーストラリアでは、「炭水化物=糖類(糖質ではない)+澱粉」


なるほど、大きく異なっていますね。

オーストラリアでは、炭水化物表示の中に食物繊維が含まれていないので、

『日本の糖質表示』=『オーストラリアの炭水化物表示』

となるわけですか。

糖類なのですが、日本では、

「糖類=単糖類(ブドウ糖、果糖など)+2糖類(ショ糖、乳糖など)」
「糖質=糖類+オリゴ糖+澱粉+糖アルコール+合成甘味料」


です。

オーストラリアの糖類表示は

「糖類=単糖類+2糖類+オリゴ糖など多糖類」

ということになるのでしょうか?

さて、米国の炭水化物表示はどのようになっているのでしょうか?

どなたか、米国本土やハワイ在住の方、ご教示いただけば幸いです。

よろしくお願い申し上げます。


【carbohydrate(英語)=炭水化物(日本語)】

ということで、英語と日本語で炭水化物に関しては、ピッタリの訳語があります。

しかし、carbohydrateの定義に関しては、国により差があるのが現状です。

さらに、日本語の糖質にピッタリ一致する英単語がないのです。

このことが、いろいろ混乱を生んできた要因と思われます。

医学論文などでは
【available carbohydrate(英語)=糖質(日本語)】
とされていますので、英単語はないけれど、
available carbohydrate という複合語でいいのかと思います。



江部康二


☆☆☆
<健康増進法における栄養表示基準>

日本では、健康増進法における栄養表示基準というのがあって、各メーカーさんはこれに従っています。

栄養表示基準では栄養成分表示を行う場合、基本表示は

<エネルギー、たんぱく質、脂質、炭水化物、ナトリウム>

の5成分表示とされています。

「炭水化物、糖質、糖類」を整理すると下記の如くにまとめることができます。

①栄養表示基準上は、たんぱく質や脂質、灰分(ミネラル分)のいずれにも分類されないものは炭水化物に計算。
②炭水化物=糖質+食物繊維
③糖質=糖類+糖アルコール+三糖類以上+合成甘味料
④糖類=単糖類+二糖類

*三糖類以上=でんぷん、オリゴ糖、デキストリン
*二糖類=砂糖、麦芽糖、乳糖
*単糖類=ブドウ糖、果糖、ガラクトース
*糖アルコール=エリスリトール、キシリトール、マルチトール、ソルビトールなど
*合成甘味料=アスパルテーム、アセスルファムK、スクラロース、サッカリン、ネオテームなど

**食物繊維(ヒトで消化・吸収されないので基本的にはゼロカロリー)
 一、水溶性食物繊維
  a)ポリデキストロース  
   海藻、こんにゃくの他、野菜、果汁類にも含まれる水溶性の食物繊維
   です。ぶどう糖などから作られます。
  b)難消化性デキストリン
   とうもろこしなどに含まれる水溶性の食物繊維です。とうもろこしでんぷん
   などを分解して作られます。糖質の吸収を穏やかにする作用があり、
   血糖値が高めの方向けの特定保健用食品の機能素材となっています。

 二、不溶性食物繊維  セルロース
   植物の細胞壁の構成成分です。不溶性の食物繊維です。食品には粘性を
   与えたりするために利用されています。

食品100g中の炭水化物を表示するとき、基準に則れば、

炭水化物=100g-<水分+タンパク質+脂質+灰分>

となります。

つまり、栄養表示上は、たんぱく質、脂質、灰分のいずれにも分類されないものは、☆炭水化物に計算されます。

合成甘味料が糖質に分類されるのは、何だか変ですが、炭水化物・糖質の栄養表示基準の定義に従えばそうなります。


テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
脳はケトン体をエネルギー源にできるのに、何故低血糖発作になるの?
江部先生、「糖質制限は危ない」って本当ですか?

(洋泉社)江部 康二 (著)  \1404-
2015/4/11刊行。アマゾンで予約受付中。







こんばんは。

「脳はケトン体をエネルギー源にできるはずなのに、何故低血糖になると意識不明になるの?」

という質問をいただきましたので、検討してみます。

糖質を普通に食べている人の、総ケトン体の基準値は、「26~122μM/L」

その中でβヒドロキシ酪酸の基準値は、「76μM/L以下」です。

胎児の胎盤組織液の、βヒドロキシ酪酸は、60検体の平均値で2235.0μM/Lです。

私が34才のとき、本断食(カロリーゼロ、塩ゼロ)をしましたが、血糖35mg/dlでした。しかし、外来診察もこなしていました。

このときのβヒドロキシ酪酸は5000μM/Lくらいはあったと思います。

1991年に甲田光雄先生推奨のすまし汁断食(210kcal、3gの塩)を行った時は

3日間の漸減食
3日間の210kcal/日の超少食期
3日間の漸増食

というパターンです。

1991
3/4   1200kcal/日
3/5   1200
3/6   1200
3/7   1000
3/8    700
3/9    330
3/10    210
3/11    210
3/12    210
3/13   350
3/14   600
3/15  1000
3/16  1200
3/17  1600
3/18  1600

3/13、断食(超少食期)あけの朝で
βヒドロキシ酪酸:3507
空腹時血糖値:52
でした。

すまし汁断食中は、外来業務、病棟業務、テニスクラブでテニス・・・要するに、ごく普通の日常を送っていました。

私以外にも、2015年2月に高雄病院に入院されて超少食療法を実践された男性も、断食(超少食期)あけの朝で

空腹時血糖値:41mg/dl
βヒドロキシ酪酸:5562μM/L

というデータでしたが、全く普通に喋って歩いて問題なしでした。

つまり、ケトン体(βヒドロキシ酪酸)が、2000~3000~4000レベルあれば、血糖値が35mg/dlとか41mg/dlとか52mg/dlとかでも、脳はケトン体をエネルギー源として普通に活動できるわけです。

血糖値35mg/dlは、ブドウ糖しかエネルギー源として使えない赤血球のために、肝臓が糖新生して確保していると考えられます。

日頃糖質を摂取している人は、「ブドウ糖-グリコーゲンエネルギーシステム」を主に使っていますので、脳はもっぱらブドウ糖をエネルギー源として利用しています。

このときインスリン注射やSU剤で急に低血糖になったら、総ケトン体は「26~122」、βヒドロキシ酪酸は「76以下」しかないので、脳のエネルギー源としてはまったく足らないのです。

脳が低血糖発作を生じないレベルのケトン体数値の目安は、胎児の胎盤組織液の、βヒドロキシ酪酸濃度の2235.0μM/Lくらいかなと推測しています。


江部康二


テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
グルコーススパイクとミニスパイクと糖質制限食
江部先生、「糖質制限は危ない」って本当ですか?

(洋泉社)江部 康二 (著)  \1404-
2015/4/11刊行。アマゾンで予約受付中。







こんばんは。

今回は、グルコーススパイク(ブドウ糖スパイク)のお話です。

近年の糖尿病の話題として、

『空腹時血糖値と食後高血糖値の差(ブドウ糖スパイク)が大きいほど、リアルタイムに大血管の内皮が傷害されて動脈硬化になりやすく、将来心筋梗塞や脳梗塞などの合併症の危険性が高まる』

ということが明らかとなりました。

糖尿病の人は、当然、ブドウ糖スパイクが大きいわけです。

また食後血糖値が180mg/dlを超えると動脈硬化のリスクとなります。

例えば、空腹時血糖値が100mg/dl~110mg/dl未満などと正常でも、糖質一人前を摂取後の血糖値のピークは200~300mg/dlとなってしまいます。1gの糖質が体重64kgの人で、約3mg血糖値を上昇させるからです。

ちなみに脂質やタンパク質を食べても、血糖値は上昇しないので、ブドウ糖スパイクは起こりません。

つまり、2型糖尿人が従来の糖尿病食(高糖質食)を実践してひもじいのを我慢してカロリー制限しても、糖質を摂取するので食後高血糖は防げません。

炊いたご飯軽く1杯は150gで、250kcalですが、糖質を55g含んでいるので、165mgも血糖値を上げ、グルコーススパイクを必ず生じるのです。

そして食後血糖値と空腹時の血糖変動幅の増加(平均血糖変動幅増大)も血管内皮の障害を生じますが、これを生じるのも糖質摂取時だけです。

スーパー糖質制限食なら、食後高血糖も平均血糖変動幅増大も生じません。

このように将来の糖尿病合併症を予防するためには、糖質制限食以外の食事療法は存在しないのです。

次に、糖尿病がない人でも、精製された炭水化物(高GI食品)を食べれば、糖尿病の人に比べれば小さいとはいえ、ブドウ糖スパイクを生じます。

健常者でも耐糖能には個人差がありますが、一人前の糖質摂取で、30~60mgくらい血糖値が上昇します。

このとき、180mg/dlを超える食後高血糖を防ぐためにインスリンの追加分泌は数倍~30倍でます。

そうすると代謝全般に乱れが生じて、アレルギー疾患や高脂血症・肥満など様々な生活習慣病にも悪影響を与えます。

私は、この小さなブドウ糖スパイクを、『ミニスパイク』と呼んでいます。

この『グルコースミニスパイク』と『インスリンの過剰分泌』を毎日数回繰り返しているのが、現代人の食生活ですが、これこそが、様々な生活習慣病の元凶と考えられます。

精製された炭水化物は、特に血糖を上昇させやすい食品です。

GIの基準となるブドウ糖が100として、マッシュポテトは血糖上昇指数(GI)が87、白パンなどの精製小麦粉製品は75もあります。

ちなみに白米は73、玄米は68、うどんが55、スパゲッティ49、茹でた大豆が15です。(*炭水化物=糖質+食物繊維)

http://www.mendosa.com/gilists.htm

このサイトは、David Mendosaという、「ミスターGI」とも呼べるマニアックなおじさんが運営していて、およそGIのことならなんでも載っています。

英文ですが、GIに興味がある方はお暇なときに覗いてみてください。


やや意外なのは、うどんやスパゲッティの方が玄米よりGIが低いということです。

4/26(土)に『うどん県』で『糖質制限食』の講演ですが、ほんの少しですが、おみやげができました。

糖尿病が無ければ、うどんやスパゲッティや玄米などGIの比較的低いものを主食としていれば、ミニスパイクも生じにくく、血管内皮の障害のリスクも無くなりますし代謝も安定します。

例えば欧米の栄養ガイドラインには、精製された穀物はやめて、未精製の穀物を食べるよう明記してあります。

しかしながら、糖尿病の人は低GI食品でも含まれる糖質の絶対量に応じて血糖が上昇するので、GI値はあまり役に立たず、糖質制限が必要なのです。

過去経験的に、「玄米魚菜食がいろんな病気の改善に良い」と言われ、高雄病院でも1984年から玄米魚菜食を給食で提供してきました。

なぜ良いのか、理論的根拠に長年悩んでいましたが、「ブドウ糖ミニスパイク理論」でやっと説明がつきました。

世界中に、今まで様々な食事療法があり、それぞれ治療効果を謳っていますが、やはり「ブドウ糖ミニスパイクが少ない」という一点で共通していることが多いようです。

なお、スーパー糖質制限食ならミニスパイクも全く起こらず、血糖値は勿論、血流・代謝全てが安定します。


江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
江部先生、「糖質制限は危ない」って本当ですか? (洋泉社) 刊行。
江部先生、「糖質制限は危ない」って本当ですか?

(洋泉社)江部 康二 (著)  \1404-
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こんばんは。

米国糖尿病学会では、2013年10月、すでに「糖質制限食」は正式に容認されています。

それにも関わらず、日本では相変わらず、「糖質制限食」に対する無根拠な批判が後を絶ちません。

それらの批判に対して、科学的根拠に基づき一刀両断に論破したのが本書です。

全国の糖質セイゲニストの悩みを一掃する本になったと自負しています。

本書が読者の皆さんのお役にたてばとても嬉しいです。


江部康二

<内容紹介>
一度でも不安、疑問に思ったすべての方へ
「糖質制限食を続けると死亡率が上がる?」
「糖質を摂らないと筋肉量が減る?」
「高タンパク・高脂質の食事で病気になる?」
「ずっと続けても安全?」etc.
糖質制限食第一人者が、間違いだらけのバッシングに科学的に回答します!


<まえがき>

 日本で初めての糖質制限食の本「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」を世に出したのは、2005年1月のことでした。

1999年に私の兄である江部洋一郎院長(当時)が、高雄病院において糖尿病患者さんに糖質制限食を開始しました。

2001年から私も本格的に糖質制限食による糖尿病治療に取り組み、画期的な成果をあげてきました。

4年間の臨床経験に基づき日本初の糖質制限食の本を上梓したのですが、おかげさまでロングセラーとなり、「糖質制限食」という言葉が日本に定着していったきっかけになったと自負しています。

その後、理論面の本やレシピ本などを各社から多数出版してきました。この間、糖質制限食を日本に広める役目を確実に果たしてきたかなと自負しています。

この4~5年、テレビ・新聞・雑誌などのマスコミが、こぞって糖質制限食を取り上げ、世間一般の認知度は格段に上がりました。特に、2012年は、糖質制限食普及において、飛躍の年となりました。

2012年1月15日、京都国際会館で開催された第15回日本病態栄養学会年次学術集会において「糖尿病治療に糖質制限食は是か?非か?」というディベートセッションが行われ、私は是側の演者として講演しました。通常は3000人規模の学会に4000人の医師・栄養士が参加し大きな反響を巻き起こしました。

このことは糖質制限食が医学界の表舞台に初登場したという意味で、大きな一歩といえます。私のブログ「ドクター江部の糖尿病徒然日記」のアクセス件数もこの日を境に1000件以上増えて、2015年現在1日に10000件のアクセスがある人気ブログとなりました。

このセッション以降、日本全国の医師会や病院から講演依頼が相次ぐようになり、医学界にも爆発的に糖質制限食が広がり始めています。

さらに2013年以降、糖質制限食に追い風となる大きな変化がありました。米国で、糖尿病の食事療法の選択肢として糖質制限食が正式に認められたことです。これは、米国糖尿病学会が2013年10月に出した「栄養療法に関する声明」で発表されました。さらに同声明では「唯一無二の糖尿病食事療法はない」と明言しています。

米国糖尿病学会の声明は、「唯一無二のカロリー制限・高糖質食」を1969年以来、一貫して推奨し続けている日本糖尿病学会への痛烈な批判となっています。

糖質制限食が、これだけ普及していくなかで、糖質制限食に対する批判も登場してきました。根拠のない批判に対してブログなどで、根拠を示して糖質制限食の有効性・安全性を証明してきました。

糖質制限食に肯定的な信頼度の高い英文論文は多数ありますが、否定的な論文は少数で、しかも信頼度の低いものです。本書では、糖質制限食に対する様々な批判や誤解に明確な回答を与えて、全国の糖質セイゲニストに安心を担保するように心がけました。本書が皆様のお役に立てれば幸いです。

<あとがき>

妊娠糖尿病や糖尿病妊娠に糖質制限食を導入されて、画期的な成果をあげておられるのが、宗田マタニティクリニックの宗田哲男医師と永井クリニックの永井泰先生です。

宗田医師は、2015年1月第18回日本病態栄養学会年次学術集会で、正常妊婦60名において、分娩時に胎盤のケトン体値を測定し報告されました(詳しくは本文をご参照ください)。

その結果、胎盤内のケトン体値は、基準値に対して20~30倍の高値ででした。このように胎児においてはケトン体は主たるエネルギー源であり高値が当たり前で、まったく安全なものですので成人においても勿論安全です。

多くの医師がスーパー糖質制限食実践時に基準値より高値となるケトン体が危険であると誤解しているのですが、この研究でケトン体への懸念は払拭されました。

そして2012年度の厚生労働省の調査で、糖尿病の患者数の増加率が激減し、予備群は調査を開始して以来、初めて減少したことが、2013年に発表されました。その背景には、2008年から2010年の調査で1997年以来13年ぶりに炭水化物摂取比率が減少し、1997年以来13年ぶりに脂質摂取比率が上昇したことがあります。

ここ数年糖質制限食が急速に広まってきたことが大きな要因であることは間違いないでしょう。そうです、糖質制限食の普及が、糖尿病予備群を初めて減少させたのです。赤ちゃんから小児、成人、高齢者にいたるまで、糖質制限食の役割は大きくなっていきます。



江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖尿病は「カロリー制限」では治らない!週刊ポスト記事。
こんばんは。

週刊ポスト四月十七日号(四月六日発売)
145ページから147ページに、
糖尿病は「カロリー制限」では治らない!
という記事が掲載されました。

まずは
東海大学名誉教授の大櫛陽一先生が
カロリー制限批判の論陣を張っておられます。

私も、参加しています。
146ページから147ページまで、
「エビデンスはないが推奨する」という項で
糖尿病学会の食事療法への批判と症例提示などしています。

以下は、私関連の記事の一部抜粋です。



前略・・・
「エビデンスはないが推奨する」

糖尿病治療を研究する京都・高雄病院の江部康二・理事長は、
脂肪摂取を減らしても糖尿病対策にはつながらないと指摘する。

「全米健康調査によると、米国人男性の摂取栄養素のうち、
脂肪が占める割合は71年の36・9%から00年には32・8%へと減少したものの、
肥満率は上がり糖尿病患者は増えました。
一方、糖質(炭水化物)摂取比率はその間、増え続けました。
脂質を減らし糖質が増えた結果、肥満も糖尿病も劇的に増えたのです。

 肥満の解消は糖尿病の予防・治療において重要ですが、
1965年から2006年までに発表された『脂肪制限・カロリー制限食』『低炭水化物食』についての論文を
網羅して検討したハーバード大学の研究グループは、
『カロリー制限食は長期的な観点で減量および心臓血管病のリスクの軽減させない』と結論づけています。

国際肥満研究連合の公式ジャーナルに掲載されたメタ解析(複数の臨床データを統計的に解析した評価)でも
糖質制限食とカロリー制限食を比較しており、
体重減少について糖質制限食のほうが有効だと明確に記載されています。」



別掲の表は江部氏提供のデータで、糖尿病患者が学会の推奨する「カロリー制限食(1400㌔㌍、炭水化物の割合は50~60%)」で生活した場合と「糖質制限食(同、炭水化物の割合は12%)」を摂った場合の血糖値を比較したものだ。食事から2時間後の血糖値はカロリー制限食では300近くになっているのに対し、糖質制限では180前後にとどまっていることがわかる。

中略・・・
だが、実は学会の主張する「カロリー制限」こそエビデンスがいいかげんなのである。
それを学会は最新の版の診療ガイドラインで自ら明らかにしていた。
前出・江部氏が説明する。

「学会の診療ガイドラインではエビデンスレベルが5段階規定されています。
摂取エネルギー制限、つまりカロリー制限については、
根拠はエビデンスレベルがない最低ランクの『コンセンサス』(話し合いによる合意)だとしています。
それなのに推奨レベルは4段階のうち最高のAに設定しています。
『科学的根拠はないけど強く推奨します』という論理矛盾も甚だしい主張なのです」


江部康二
「糖質制限食講演会 in 高松」のご案内。2015年4月26日(日)。
こんばんは。

いよいよ、うどん県で、糖質制限食の講演会を行うこととなりました。

■日時:2015年4月26日(日)14:00~16:10  
※開場・受付は13:40~
「炭水化物の食べ過ぎで早死にしてはいけません
 ~糖尿病・生活習慣病を予防&改善する糖質制限食~」

■会場: サンポートホール高松 54会議室


私の連れ合いは、香川県高松市出身なので、高松には何度も訪れて、昔は私もうどんをしっかり食べてました。

勿論、糖尿人発覚以前のことですが・・・。

当時、喫茶店のメニューに普通にうどんがあるのに、びっくりしました。

最近の香川県のソウルフード、アンケート

1位「讃岐うどん」86.5%
2位「讃岐うどんバーガー」15.0%
3位「小豆島そうめん」11.9%
4位「ぴっぴ飯」10.9%
5位「骨付鳥」10.4%


トップ5のうち、3つがうどんからみで、さすがです。

骨付き鳥以外は、全て炭水化物ですね。

香川県では2012年度から、県内小中学校で実施する血液検査を含む小児生活習慣病予防健診にもとづく実態把握を開始しています。

糖尿病予防のため、全県の都道府県単位で小学生の血液検査が実施されるのは、全国でもはじめてのことです。

これはこれでなかなか素晴らしい試みです。

ところが、2013年の健診で

『香川県の小学校4年生の、1割強が、血液検査で肝機能や脂質異常があり、HbA1cも1割強が糖尿病の疑いがあるか、発症リスクが高いレベル』

ということです。

小学生の血液検査による健診は、全国でもはじめてのことらしいので、他の県との比較はできません。

しかし、どう考えてもこの数字は多いように思えます。

普通に考えて、親と同じようなものを子供も食べると思います。

そうすると、うどんを二玉・三玉食べて、天ぷらやおにぎりも併せてとか、「うどん+いなり寿司・巻きずし」という大人と一緒の
「最凶のダブル炭水化物パターン」が子供でも日常の可能性があります。( ̄_ ̄|||)

「ダブル炭水化物→脂肪肝」「ダブル炭水化物→糖尿病」

というパターンは、私達、糖質セイゲニストから見ると、脂肪肝や糖尿病発症の王道のようなもので、本当に困ったものです。 (→ο←)

香川県以外では、ここまでのダブル炭水化物食は、一般的ではないと思いますので、

『小学校4年生の、1割強が、血液検査で肝機能や脂質異常があり、HbA1cも1割強が糖尿病の疑いがあるか、発症リスクが高いレベル』

というようなことは考えにくいです。

香川の人口10万人当たりの糖尿病受療率は308人で全国ワースト2位、糖尿病による死亡率は同ワースト9位です。

県は今後も、小児期からの正しい生活習慣を啓発する施策に力を入れるそうですが、

「炭水化物の頻回・過剰摂取こそが、糖尿病・肥満・生活習慣病発症の元凶である。」

という本質に気がつかない限りは、香川県では、成人も子供も、脂肪肝・糖尿病・生活習慣病の罠から逃れることは、なかなか困難と思えます。

香川県の皆様、是非是非、本講演会にご参加いただき、講演内容を吟味して、自分自身の頭で考えて、ご判断いただけば幸いです。



江部康二



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以下、事務局からのご案内です。

ブログ読者の皆様、講演会へいつも多数ご参加いただきまして、ありがとうござ います。

4月26日(日)、香川県高松市で一般向けの講演会を開催することとなりました。

四国、瀬戸内地方の皆様をはじめ、多数のご参加を心よりお待ちしております。


///////////////////ご案内/////////////////////

日本糖質制限医療推進協会主催 講演会(香川)

「炭水化物の食べ過ぎで早死にしてはいけません
 ~糖尿病・生活習慣病を予防&改善する糖質制限食~」


■日時: 2015年4月26日(日) 14:00~16:10頃 ※開場・受付は13:40~

■会場: サンポートホール高松 54会議室
      香川県高松市サンポート2-1 高松シンボルタワー内ホール棟5階
      http://www.sunport-hall.jp/access/
      ☆アクセス: JR高松駅から徒歩3分

■講師: 江部 康二
      (一財)高雄病院理事長・(一社)日本糖質制限医療推進協会理事長

■内容: 講演90分と質疑応答30分程度を予定しております。

■受講費: 賛助会員 2,000円 / 一般(非会員) 2,500円

■お支払い方法:

クレジットカード/銀行振込/郵便振替 ※事前決済のみとなります。

■お申し込みの流れ:

1.下記「お申し込み方法」の該当するものからお申し込み下さい。
2.事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3.入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4.当日、直接会場までお越し下さい。

■その他:

・予約制です。当日参加はできません。
・キャンセルは4月24日(金)までに事務局までご連絡願います。

■お申し込み方法

★賛助会員の方:事務局までメールにてお申し込み下さい。

★賛助会員入会をご希望の方:

 1.入会案内および会員規約をお読み下さい。
   http://www.toushitsuseigen.or.jp/#!membership/cdt9
 
 2.お申し込みは下のフォームからお願いします。
   「通信」欄に「4/26 香川講演会受講希望」とご記入下さい。
   http://www.toushitsuseigen.or.jp/#!inquiry/c1u8p

★一般(非会員)で、講演会の受講のみご希望の方:

 こちらからお申し込み下さい。
 http://www.toushitsuseigen.or.jp/#!form-ippan/c1yjl

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
ルールさえ守れば、ステロイド外用剤はとても有用です。
【15/04/04 モン吉

本日のアレルギー講演会

江部先生、講演会お疲れ様でした。

私も参加させて頂きました。

最初の園城 三花トリオさんの演奏は 知っている曲ばかりだったと云う事もあり とても素晴らしかったです。

先生のお話では、私の娘二人もアトピーがあり 近くの医院でステロイド剤をよくもらっていたので あまり使わないように言っていたのですが 今日の先生のお話をお聴ききして 誤解であった事が分かりました。

私のように、危険だと誤解している人は 結構多いように思います。

先生と園城さんとのトークショーも とても面白かったですね
「エッ、先生そんな事言っていいんですか!?」
というようなお話もあり、笑いが絶えませんでしたね
今日は先生の「ええ声~」の歌が聴けなかったのは少し残念でした。

講演も演奏もとても素晴らしい内容でした。
ありがとうございました。】



モン吉 さん

健康管理と癒し ~アレルギーとのつきあい方~ 
講演会 医総会WEEK 2015/4/4(土)13:30~15:00


への、ご参加、ありがとうございました。

京都劇場で歌声を披露できるようになるには「10年早い?・・・10年遅い?」

いずれにせよ、夢にとどめておきます。(^^)

さて、ステロイド外用剤は、とても治療に役立つのですが、使い方にルールがあります。

ルールさえ守れば、副作用もなく大変有用な外用剤なのです。

実は、高雄病院でも、初期の段階では、副作用を恐れてステロイド外用剤を一切使用せずに、アトピー治療をしていたのです。

私は1978年から高雄病院に勤務していますが、アトピーの漢方治療が、マスコミに取り上げられたこともあり、1980年頃には多数のアトピー患者さんが受診されるようになりました。

1985年くらいまでは、一切ステロイド外用剤を使わないで漢方薬の内服とワセリンや亜鉛華軟膏、紫雲膏や太乙膏などで治療していました。

それで、上手くいくこともあるのですが、上手くいかないこともありました。

私の場合、上手くいかなかった症例を覚えているタイプなので、心がだんだんしんどくなっていきました。

特に、一気にステロイド外用剤を中止して、リバウンドで全身の発赤、浸出液、発熱などを生じ、顔面が腫れ上がったりした場合は、アトピー性白内障を発症する患者さんがありました。

白内障になれば、手術が必要ですし、患者さんは大変辛い思いをします。

そして治療者である私も、大変辛い思いを抱えることになりました。

この時点で、じっくり考え直して、一気にステロイド外用剤を中止するようなことはやめて、徐々に減量、離脱を目指すように方針を変更しました。

漢方治療や食事療法に本当に治療効果があるのなら、ステロイド外用剤を徐々に減量・離脱することが可能なはずであると考えたのです。

勿論、様々の試行錯誤はありましたが、この治療方針は、日を追って上手くいくようになっていきました。

ステロイド外用剤の上手な塗り方・やめ方の確立です。

さらに、プロトピック軟膏が1999年11月に世界で初めて、日本で発売されました。

その後、欧米でも発売され、米国ではプロトピックは

「人生を変える薬:life changing medicine」

と呼ばれたことがあります。

プロトピック軟膏は、ステロイド外用剤とは異なり、長期に使用しても副作用はニキビくらいで、他はほとんどない外用剤です。
プロトピック軟膏の上手な塗り方・やめ方も確立していきました。

このようにして、漢方薬と食事療法、ステロイド外用剤とプトトピック軟膏、これらをベースに医師と患者の信頼関係をしっかり築いてゆき、アトピーの根治を目指す「高雄病院方式のアトピー治療」が完成しました。

<高雄病院の治療方針 ~自然治癒力を高める~>
1)東洋医学的治療(漢方)を行なう。
2)適切な食事療法を行なう。
3)生活習慣(スキンケア,環境整備,ライフスタイルなど)を見直す。
4)副腎皮質ステロイドホルモン外用薬の上手な使用。
5)プロトピック軟膏の上手な使用。
6)治療の教育を実施→高雄病院アトピー学校。
7)信頼関係をしっかり築く。
*アトピー学校で症状を改善させ、治しかたを教育・指導する。
*学んだことを実践して治していくのは患者さん自身である。

<アトピー性皮膚炎治療目標の優先順位>
1 生命を守る・・・極めてまれだが、かき傷から敗血症を起こし死亡例あり。
2 生活の質を保つ・・・仕事に行き、学校に通えることが大切。
3 副作用を出さない

<高雄病院アトピー治療四つのキーワ-ド>
 1 アトピーは自己管理が大切な病気です。
 2 信頼できる医師(治療者)を確保しましょう。→信頼関係の回復
 3 生活習慣の見直しが治療のベースです。→行動変容
 4 漢方の服用、外用薬の上手なぬりかた・やめかたを実践し根治を目指しましょう。


その後は、ステロイド外用剤の副作用を出すことなくアトピー性皮膚炎をコントロールし、さらには根本的に治ることも期待できるようになりました。

1980年ごろは、副作用を恐れるあまり「ステロイドは悪い奴」と思っていた私ですが、紆余曲折を経て、1985年~1990年にかけて変化していき、その後は、ルールさえ守れば「ステロイドはいい奴」というイメージに至りました。


江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット