ADAの1型糖尿病に対する合同声明(2014)と糖質管理食
こんにちは。

米国糖尿病学会(ADA)の、「1型糖尿病患者と糖質管理食」に対する見解を調べてみました。

2014年に、米国糖尿病学会の1型糖尿病に関するPosition Statement(合同声明)が、Diabetes Care(米国糖尿病学会公式誌)に発表されていました。

Position Statement(合同声明)は、一番格式が高いものです。

その2042ページのNUTRITION THERAPY(栄養療法)の中のRecommendations(推奨)の項に

『Monitoring carbohydrate intake, whether by carbohydrate counting or experience-based estimation, remains a key strategy in achieving glycemic control. 』

『炭水化物の摂取をモニタリングすることは、カーボカウンティングであれ、経験に基づく評価であれ、血糖コントロール達成において、依然として鍵となる戦略のままである。』


と明記してありました。

少なくとも米国糖尿病学会は、1型糖尿病に関して「カーボカウンティング」をはじめとして炭水化物をモニタリングすることを、きっちり推奨していました。

日本糖尿病学会さん、またまたガラパゴスにならないようにせめて、1型糖尿病でインスリン注射をしている患者さんには、倫理的にも「カロリー制限食」ではなく「糖質管理食」を推奨するのが本筋ではないでしょうか。

1型糖尿病患者さんのために
是非ともよろしくお願い申し上げます。


江部康二


☆☆☆
http://care.diabetesjournals.org/content/early/2014/06/09/dc14-1140.full.pdf
2034 Diabetes Care
Type 1 Diabetes Through the Life Span: A Position Statement of the American Diabetes Association

2042 Position Statement

NUTRITION THERAPY

Nutrition therapy is an important component of the treatment plan for all individuals with type 1 diabetes. Each patient should have an individualized food plan based on food preferences, schedule, and physical activity. Nutrition therapy aims to ensure that the patient and family understand the impact food has on blood glucose, how food interacts with exercise and insulin to prevent hypoand hyperglycemia and to achieve glucose goals, and how to implement the food plan in a variety of situations. The food plan takes into consideration the patient’s numeracy, literacy, engagement, and ability to adjust insulin. General diabetes nutrition principles, as defined in the ADA Standards of Care, apply to people with type 1 diabetes, particularly in reference to normal growth and development in youth and the maintenance of a healthy body weight at all ages.
Specifically, with regards to individuals with type 1 diabetes, topics such as carbohydrate counting and meal composition should be addressed.
For selected individuals who have mastered carbohydrate counting,
education on the impact of protein and fat on glycemic excursions (逸脱)should be incorporated into diabetes management (32). Those who are overweight or obese may benefit from weight reduction counseling.

Recommendations
・ Individualized medical nutrition therapy is recommended for all people with type 1 diabetes as an effective component of the overall treatment plan. (A)
・ Monitoring carbohydrate intake, whether by carbohydrate counting or experience-based estimation, remains a key strategy in achieving glycemic control. (B)
・ If adults with type 1 diabetes choose to drink alcohol, they should be advised to do so in moderation (one drink per day or less for adult women and two drinks per day or less for adult men). Discussion with a health care provider is advised to explore potential interactions with medications. Adults should be advised that alcohol can lower blood glucose levels and that driving after drinking alcohol is contraindicated. (E)


テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
1型糖尿病の講演会。糖質管理食の話はなし。
こんばんは。

先日、1型糖尿病の講演会があったので、参加しました。
1型糖尿病の講演会はめったにないので、貴重な経験でした。

前半は劇症1型糖尿病の話が中心でした。
劇症1型糖尿病は日本で5000~7000名程度の患者さんがいると推定されています。

私はまだ診察したことがありませんが、劇症1型糖尿病はその時点で診断をつけてインスリン治療を開始しないと数日で死亡してしまう重篤な疾患です。

数日前から感冒様症状、異常な口渇、全身倦怠などがあり、尿糖陽性、尿中ケトン体陽性なら劇症1型糖尿病を疑う必要があるそうです。

このとき血液検査をすれば、血糖値は異常高値を示しますが、HbA1cはそんなに高値ではないのです。(HbA1c8.7%未満)

あまりに急激な発症のために、過去1~2ヶ月の血糖の平均値をあらわすHbA1cは、上昇する暇がないのです。

劇症1型糖尿病診断基準(2012)
下記1~3のすべての項目を満たすものを劇症1型糖尿病と診断する。

糖尿病症状発現後1週間前後以内でケトーシスあるいはケトアシドーシスに陥る(初診時尿ケトン体陽性、血中ケトン体上昇のいずれかを認める。)

初診時の(随時)血糖値が288 mg/dl (16.0 mmol/l) 以上であり、かつHbA1c値 (NGSP)<8.7 %である。
発症時の尿中Cペプチド<10 µg/day、または、空腹時血清Cペプチド<0.3 ng/ml かつ グルカゴン負荷後(または食後2時間)血清Cペプチド<0.5 ng/ml である。


劇症1型糖尿病の患者さんが最初に受診するのは、一般開業医や救急外来ですので、当該の医師は「劇症1型糖尿病」という疾患があることを知っていないと見逃してしまう危険があるので注意が必要です。

私も講演会に参加して、「劇症1型糖尿病」の存在を肝に銘じることとします。

「1 型糖尿病」は、国内で年間約14000人が発症し、約 21 万人が治療を続けている決して珍しくない疾患です。

劇症1型糖尿病患者は日本で5000~7000名程度なので1型糖尿病全体の、2.4%~3.3%となります。


後半は、2型糖尿病も含めてのお話でしたが、食事療法の話はほとんど無かったので残念でした。

講演会終了後の懇親会で、演者の先生に、1型糖尿病患者に「糖質管理食」は導入しておられるか質問したのですが、驚くべきことに、ほとんど興味を示されませんでした。

1型糖尿病治療の専門家が、「糖質管理食(カーボカウント)」の指導もせずにインスリン注射を処方していることになるので、唖然としました。

これが日本の糖尿病専門医の現状なのだと思うと慄然としました。

カーボカウントもせずにインスリン注射をするということは、目をつむって車の運転をしているようなものです。

これでは血糖値の乱高下は必発です。

血糖値に直接影響を与えるのは、糖質だけです。

タンパク質・脂質は血糖値に直接影響を与えることはないのです。

つまり、カロリー計算では、食後血糖値の上昇程度を予測することは不可能であり、インスリンの単位をマッチングよく決めることもまた不可能なのです。

演者は、劇症1型糖尿病の患者さんが、経過中に血糖50mg/dl以下の低血糖を20~30回も生じたお話しをされました。

カーボカウントもせずにインスリン注射をして低血糖頻発というのは、私にはとうてい理解できません。

日本の糖尿病専門医の方々、インスリン注射をしておられる糖尿病患者さんには、せめて「糖質管理食(カーボカウント)」の指導をしてくださるようお願い申しあげます。

カロリー計算でインスリンを打てば、血糖値の乱高下は必発ですので、カーボカウントは絶対に必要なのです。

糖質制限食とはいいません。

せめて糖質管理食くらいは、患者さんの命を守るためにも導入して欲しいです。




江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質制限食で、焼酎を飲んでるのにγ-GTPが改善。糖新生は。
【15/03/28 本田

低糖食の危険について

江部先生

先生の信者(?)になった者です(笑)。
今、コマーシャルを盛んにしているスポーツジムに入り、そこで低糖食を知りました。
あれこれ調べていくうちに、先生のことを知り、先生が書かれた本をかなり読みました。

低糖食を始めてちょうど1ヶ月になります。
効果は、
①減量
②睡眠の質の向上
③集中力アップ
④体脂肪率ダウン
です。
⑤血圧低下

そこで、先生にお聞きしたいことがございます。

上記効果の他に、γーGTPの数値が正常化したのですが、低糖食をはじめて、ほぼ毎日のように焼酎の炭酸割りは飲んでいました。が、昨日の血液検査では、それまで高かったγーGTPの数値が下がり、正常になりました。なぜ、低糖食でこの数値が下がるのでしょうか?

次に、長期的に低糖食を続けると、外から入ってくる糖がないため、肝臓では糖を作らなければならず、その結果肝臓を酷使することになるとのことを、http://www.sairem-iberica.com/tyouki.html で読みました。先生のご意見をお聞きしたく、こちらに書かせて頂きました。

お忙しい中、恐縮ですがご意見頂戴できれば幸いです。】


おはようございます。

本田さんから、
『糖質制限食で、焼酎を飲んでるのにγ-GTPが改善。』
という、コメントをいただきました。

本田さん、拙著のご購入、ありがとうございます。
早速に効果がでて、私も嬉しいです。

γ-GTPですが、一般にアルコール摂取により、数値が高くなると言われています。
それもあるのですが、実は脂肪肝でもγ-GTPは高値となります。

本田さんのγ-GTP高値は、アルコールよりも、脂肪肝のほうに大きな原因だったと考えられます。

つまり
『糖質制限食実践 → 脂肪肝改善 → γ-GTP改善 』
ということです。

①減量
②睡眠の質の向上
③集中力アップ
④体脂肪率ダウン
⑤血圧正常化

も良かったですね。

これらは、糖質制限食実践で多くの人にみられる改善点です。

http://www.sairem-iberica.com/tyouki.html
のサイトは、見ました。
知識不足と誤解が多く残念なサイトです。

まず旧態依然たる「脳はブドウ糖しかエネルギー源にできない」という記載がある時点で、このサイト、まあ、終わっています。

脳は、ケトン体という脂肪酸の分解・代謝産物をいくらでもエネルギー源にできます。

それから、肝臓でブドウ糖を新たに作ることを「糖新生」といいます。

全ての人類において、糖質を摂取していてもしていなくても、空腹時や睡眠時には、糖新生は毎日行われています。

糖新生により、血糖値は空腹時でも保たれているわけです。

糖質制限食実践者においては、摂食時にも糖新生が行われているのが、糖質摂取者との違いですが、糖新生には脂肪分解のエネルギーが使われるので、肥満が改善しやすいのです。

そして、人類は狩猟・採集時代の700万年間は、基本的に糖質制限食ですから、糖新生は日常的に活発に行われていたと考えられます。

農耕開始後の1万年間は、穀物摂取により、食事開始後2時間くらいは、食事由来の糖質からのブドウ糖が血中にあります。

2時間後から数時間は、肝臓のグリコ-ゲン分解で血糖値を保ちます。数時間経過すると、肝臓の糖新生で血糖値を保ちます。

我々、現代の糖質セイゲニストは、700万年間続いた人類のご先祖の時代の食生活(糖質制限食)に戻るだけですから、「糖新生」は負担でもなんでもありません。

進化の事実として、人類は、狩猟・採集を生業として糖質制限食(糖質10~20%)を実践しながら、700万年かけて突然変異を繰り返し、身体の消化管・生理・代謝システムを完成させたわけです。

つまり我々人類の身体は、糖質制限食に特化して適合しているのです。

そこに、いきなり、穀物からの糖質を摂取エネルギー比率の60%摂取するようになったのですから、とんでもないバランスの悪さです。

現代人が普通と思って食べている「糖質60%食」は、いかに身体に負担となっているかは、想像に難くないですね。

第二次大戦後、世界の食糧事情が豊になった結果としての、「糖質の頻回・過剰摂取」およびそれに伴う「インスリンの頻回・過剰分泌」が生活習慣病の元凶と考えられます。



江部康二


テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
ブドウ糖錠剤と血糖自己測定器で、ミニ糖負荷試験。
【15/03/26 しらねのぞるば

年に1回 自分の耐糖能を測定しています

糖質制限食を継続している限りは,血糖値は安定しており,定期健診での採血検査結果や体調もいいのですが,時々「はて,自分の一日の(あるいは1食の)糖質摂取量はこれで最適なのだろうか? どこまでが安全ラインで,どこからが危険なのか?」と思う時があります.

というのも,自宅での食事は糖質量を把握しているからいいのですが,外食で他に選択の余地のない場合,『これはどうみても糖質50gくらい. どこまで食べられるのか?』などと思うことは,セイゲニストの皆様でも経験されるのではないでしょうか? 特に出張先などで,初めてみる料理は悩ましいです.

そこで,私は毎年1回,自分の耐糖能を自己測定しています. もちろん75gのブドウ糖などおそろしくて飲めませんから,G.ベッカー女史の著書【注1】を参考にして,市販のブドウ糖錠剤を使ったミニ糖負荷試験です.

【注1】グレッチェン・ベッカー 「糖尿病・最初の1年」 p.290
~あなたは自分のミニ耐糖能検査ができます~


方法は簡単で,空腹時に,市販ブドウ糖錠剤(これは正確に3gです)を少量の熱湯に溶かし,これを100ccほどのソーダ水で割って,一口で飲みきり,ストップウォッチをにらんで10,20,30,60,120分後の血糖値を測るというものです.

通常の糖負荷試験よりも初期の時間刻みが細かいのは,服用するブドウ糖の量が少ないので,血糖値のピーク時刻を見逃さないためです.

そして,ブドウ糖錠剤の個数を変えて,これを何度か繰り返しました.
測定開始はいずれも早朝空腹時です.

結果は下記の通り.

[ブドウ糖錠剤の個数と血糖値の変化]
     4個   6個  8個  10個
0分   93    95   101  97
10分  115   117   127 134
20分  127   140   164  169
30分  121   162   178  190
60分  100   124   165  158
120分  99   97    112  108
180分  98   94    103  101


この結果を見ると,私の安全ライン,つまりどの時点でも血糖値180を越えないというのは,ブドウ糖錠剤 8個でした.つまり 3g×8=24 gが,現在の耐糖能限界ということになります.

もちろんこれは吸収の速いブドウ糖を一気にのんだ場合であって,実際の食事中の糖質はブドウ糖ではなく砂糖や澱粉であり,さらに食物繊維・蛋白質・脂質などとも一緒に摂っているし,その消化・吸収に要する時間と,食事にかける時間も考えれば【注2】,食事中の糖質はこれほど急速には吸収されないので,1食あたりの糖質は,これより相当多くても大丈夫でしょう.よって1食あたり糖質24gが「絶対安全ライン」,そしてその2倍の50gくらいが「毎日でなければ多分大丈夫ライン」と判断しています.

このように,自分自身の体で確認した指標があれば,これこそ正真正銘の「エビデンス」なので安心です.

【注2】ただし,大盛りのざるそばを,たった数秒で食べきった人をみたことがあります.こんな食べ方は命を縮めてますね.

なお,以上は私の場合であって,正常人であれ,糖尿人であれ,この値は一人一人違うはずです. ぜひ皆様もご自分で確認されることをおすすめします.

この試験は今年で3回目ですが,毎年同じような結果です.

よく「糖質制限すると,耐糖能が低下する」などと言われる方がいますが,少なくとも私の場合はこの3年間悪化していません. それどころか,データを詳細にみると,やや改善傾向があるかな?とみえるのですが,これはまだデータ数(n)が少ないので,SMBG機器の測定誤差範囲に埋もれて判然としません. もう数年すればわかりそうですが.】


こんにちは。

しらねのぞるば さんから、ブドウ糖錠剤と血糖自己測定器で、ミニ糖負荷試験をした結果をコメントいただきました。

しらねのぞるばさん、ありがとうございます。

確かに、75gブドウ糖負荷試験は、糖尿人には怖くてやれません。

しらねのぞるばさんの場合は、ほとんどの場合、ブドウ糖錠内服後30分値が、血糖値のピークですね。

外食時に糖質をやむを得ず摂取したときには、今後は食後30分値を測定するだけで充分ですね。

4錠(12g)・・・1gの糖質がピーク2.83mg血糖値上昇
6錠(18g)・・・1gの糖質がピーク3.72mg血糖値上昇
8錠(24g)・・・1gの糖質がピーク3.21mg血糖値上昇
10錠(30g)・・・1gの糖質がピーク3.1mg血糖値上昇

バーンスタイン先生の、「体重64kgの2型糖尿人で1gの糖質が血糖値を約3mg上昇させる」という法則ですが、摂取量が少ないとバラつくようです。30gのブドウ糖なら、ほぼぴったりです。


『1食あたり糖質24gが「絶対安全ライン」,そしてその2倍の50gくらいが「毎日でなければ多分大丈夫ライン」と判断しています。』

しらねのぞるばさんにおいては、仰る通りと思います。

血糖自己測定器を持っている糖尿人は、しらねのぞるばさんのように、ミニ糖負荷試験をして、各個人の安全圏を確かめるのもいいですね。0分、30分、60分、120分、180分くらいの測定でもOKと思います。

なお各糖尿人によって、負荷後血糖値のピークは、30分、60分、120分とそれぞれ違うと思います。



江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
高雄病院アトピー学校と第29回日本医学会総会2015関西。
こんにちは。

第29回日本医学会総会2015関西 が開催されます。

『医総会WEEK』では、市民公開講座やコンサートが行われますが、私も参加させていただくこととなりました。

「高雄病院のアトピー・アレルギー治療と自己管理」と題して、お話します。

日時 2015年4月4日(土)13:30~15:00
会場 京都劇場


アトピーコップ、
『糖質制限食』とアレルギー疾患、
イヌイットにアレルギー疾患がまれであった、
ブドウ糖ミニスパイクと生活習慣病、
アトピー性皮膚炎、気管支喘息、
ステロイド薬とアトピー、喘息、
日光杉並木の歴史と花粉症、
高雄病院アトピー学校、
アトピー性皮膚炎治療目標の優先順位、
アトピー性皮膚炎とチーム医療と癒し、
チーム医療の効果、
高雄病院アトピー治療:四つのキーワード、

などなど、盛りだくさんにわかりやすく楽しくお話します。

詳細・お申し込みは下記URLより。

★医総会Week HP

http://isoukaiweek2015.jp/

★健康管理と癒し ~アレルギーとのつきあい方~ 事前参加登録を開始

http://isoukaiweek2015.jp/program/detail/k02.html




高雄病院には2015年現在も、たくさんのアトピー患者さんが来院されます。

アトピーの外来患者さんは今も一番多いですし、入院患者さんも糖尿病についで多いです。

高雄病院方式のアトピー性皮膚炎治療は 、入院しての「アトピー学校」につきると思います。

アトピー学校とは1995年から開始された「アトピー治療のための教育プログラム」です。

1999年からプロトピック軟膏が使えるようになり、アトピー患者さんの改善率や治癒率は劇的に向上しました。

<漢方治療+食事療法+ステロイド外用薬+プロトピック軟膏>により、アトピー性皮膚炎の根治を目指すのが高雄病院のアトピー性皮膚炎治療です。

16年間プロトピック軟膏を日本で一番多く使ってきて、まさに人生を変える力のある素晴らしい薬と認識しています。

高雄病院アトピー学校では、まずは入院していただき、漢方生薬や漢方エキスを内服して、ステロイド外用薬やプロトピック軟膏を塗布して、症状のコントロールをします。

そのあとは、退院したあともコントロール良好が保てるように、食生活、外用薬の上手なぬりかた・やめかた、漢方薬の役割など・・・、アトピーの自己管理に必要な知識や技を入院中に学んでもらい、また体験していただきます。

高雄病院アトピー学校で、アトピーを治すというよりも、アトピーの根本的な治し方を学んでいただくということです。

入院してアトピーの皮膚症状が良くなるのは、ある意味当たり前なのですが、退院後もその良い状態を保つことは結構難しいことなのです。

他の病院と高雄病院の入院治療における一番大きな違いは、退院後の自己管理のための教育システムがあるかないかです。

この入院システムを学校と呼んでいるのは、教育の意味が大きいからなのです。

また、食生活や治療指針の提供・勉強や漢方薬の投与も、他の病院とはひと味違う特徴です。

ともあれ、皮膚のコントロール良好の状態を保ち続けることが根治への道です。

表皮細胞は表面から、角層、顆粒層、有刺層、基底層の順に並んでいます。一番表面の角層は約10層からなり、皮膚のバリア機能を担っています。基底細胞が分裂して、娘細胞が生まれて表皮表面で脱落するまでの時間をターンオーバー時間と呼び、約45日と言われています。

ターンオーバーの速度ですが、細胞分裂を繰り返し、上へ上へと押し上げられ、角質に到達するまで約14日間、そして表層でバリアとして活躍し、垢としてはがれ落ちるまでに14日間、合計でおよそ28日間で生まれ変わるという説もあります。

一方、28日周期は20代のサイクルで、年齢とともに徐々に遅くなるとも言われています。

アトピー性皮膚炎では、もともとバリア機能に問題があり、慢性に表皮に皮膚炎を繰り返して、皮膚が分厚くなる苔癬化や色素沈着を生じていることが多いのですが、そうなるとますます皮膚バリア機能が悪くなって悪循環します。

幸い、表皮にはターンオーバー機能があるので、掻きむしったり慢性炎症で乱れた細胞も必ず入れ替わっていきます。

一般にアトピーは治りにくいと言われていますが、コントロール良好を保ちバリア機能回復まで持って行ければ、その部位の皮膚に関しては、根本的治癒も夢ではありません。

バリア機能回復までに要する期間は、罹病期間や重症度により個人差はありますが、経験的には半年~1年くらいが一つの目安です。

よく「アトピーは治りにくいから一生付き合うつもりで・・・。」などと医師が言うことがあるのですが、そんなことはありません。

皮膚炎を繰り返せば、いつまで経っても治りませんが、悪循環を断ち切り皮膚炎を繰り返さずにコントロール良好を維持すれば、ターンオーバー機能により表皮はバリア機能を回復して、いくらでも治るのです。

コントロール良好を維持するため、おおいに役に立つのがプロトピック軟膏なのです。

漢方生薬やエキス治療も、皮膚が赤く熱をもって腫れている炎症が主の時は、熱をとり腫れを退かせる対症療法が中心です。

症状がコントロールできたあとは、細胞が早く入れ替わるように、気の巡り、血の巡りをよくするような生薬に、シフトさせていきます。

食生活や漢方薬で身体の中から、良い細胞に早く入れ替わるようサポートし、プロトピック軟膏を中心に時々ステロイド軟膏も使用し、掻爬行為を予防して、アトピーの根本的治癒を目指すのが、高雄病院方式のアトピー治療です。

なお、食生活に関してですが、糖質制限食で、勿論アトピーは良くなることが多いです。

一方、糖尿病ではありませんので、未精製穀物を主食として、日頃の運動量に応じて少量~適量摂取する、高雄病院食生活十箇条でもいいと思います。


江部康二



(*)
『高雄病院食生活十箇条』 -アレルギー疾患の治療や生活習慣病予防に-

一、主食は未精製の穀物(玄米、全粒粉のパンなど)を
  日頃の運動量に応じて少量~適量
二、白パン・白砂糖など精製炭水化物の摂取は極力減らす
三、発酵食品(味噌、漬け物、納豆など)をきちんと食べる
四、液体でカロリーを摂らない(飲みものは水、番茶、麦茶、ほうじ茶など)
五、魚貝類はしっかり食べ、肉類は適量を摂る
六、季節の野菜や海草はしっかり食べ、旬の果物も適量摂る
七、オリーブオイルや魚油(EPA、DHA)など身体に良い油脂は積極的に摂る
八、牛乳は少量とし、チーズやプレーンヨーグルトは適量摂る
九、できる限り化学合成添加物の入っていない安全な食品を選ぶ
十、食事は楽しく、ゆっくり、よくかんで



(**)<ブドウ糖スパイクとブドウ糖ミニスパイク>

空腹時血糖値と食後血糖値の差が大きいことを「ブドウ糖スパイク」といいます。

糖尿病の人が糖質を摂取すればブドウ糖スパイクは100~200,300mg/dlとなり、リアルタイムに血管内皮に悪影響を与え、将来の動脈硬化や心筋梗塞のリスクとなります。

正常の人でも白いパンなど精製された糖質を食べると、60~70mgのブドウ糖ミニスパイクを生じて代謝が乱れます。ミニスパイクの度にインスリンが大量に追加分泌されます。

基礎分泌の10~30倍レベル、インスリンが追加分泌される事態は、救急車の出動に等しいととらえるのが正確と思います。(=_=;) 

このブドウ糖ミニスパイクとインスリン追加分泌を毎日頻回に繰り返すことが、アトピー性皮膚炎や糖尿病など生活習慣病の根本要因と私は考えています。

玄米なら、正常の人だと20~40mgしか血糖を上昇させず、代謝が安定します。

しかし、残念ながら糖尿病になってしまったら、私自身でも明らかなように、玄米でも100~200mgのブドウ糖スパイクを起こしてしまうので、スーパー糖質制限食が必要となるのです。

スーパー糖質制限食なら、血糖値の上下動は正常人ではほとんどなくなり、糖尿人でも少なくなります。


テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
日本医学会総会2015。医総会WEEK。アレルギー・健康管理と癒し。
こんにちは。

第29回日本医学会総会2015関西 が開催されます。

その中で2015年4月4日(土)から4月12日(日)までが『医総会WEEK』で、市民公開講座やコンサートが行われますが、私も参加させていただくこととなりました。

「高雄病院のアトピー・アレルギー治療と自己管理」と題して、お話します。

日時 4月4日(土)13:30~15:00
会場 京都劇場


アトピーコップ、
『糖質制限食』とアレルギー疾患、
イヌイットにアレルギー疾患がまれであった、
ブドウ糖ミニスパイクと生活習慣病、
アトピー性皮膚炎、気管支喘息、
ステロイド薬とアトピー、喘息、
日光杉並木の歴史と花粉症、
高雄病院アトピー学校、
アトピー性皮膚炎治療目標の優先順位、
アトピー性皮膚炎とチーム医療と癒し、
チーム医療の効果、
高雄病院アトピー治療:四つのキーワード、

などなど、盛りだくさんにわかりやすく楽しくお話します。

園城三花トリオとの共演で、コンサートと講演のあとは30分ほど4人でアトピー・アレルギー談義となります。

音楽やアトピー・アレルギーに興味がある方は、是非、ご参加くださいね。


江部康二



詳細・お申し込みは下記URLより。

★医総会Week HP

http://isoukaiweek2015.jp/

★健康管理と癒し ~アレルギーとのつきあい方~ 事前参加登録を開始

http://isoukaiweek2015.jp/program/detail/k02.html



☆☆☆

以下は医学会総会事務局のちらしです。

医学会総会2015関西

~医と健康を考える、市民のための9日間~ 医総会WEEK

アレルギー
健康管理と癒し

2015年4月4日(土)13:30~15:00
京都劇場
京都市下京区烏丸通り塩小路下る京都駅ビル内

花粉症や喘息、アトピー性皮膚炎で悩む方が近年増えています。
免疫反応が過剰におこるアレルギー。
様々な要因が考えられ、過剰な反応が様々に発現します。
ある方は涙や鼻水が溢れたり、痒くなったり、蕁麻疹がでたり、発熱したり。
人それぞれに病因や症状や程度が異なり、生活、環境やストレスなどでなかなか改善できないものです。
日常生活に支障をきたすアレルギー疾患ですが、これらとどう付き合っていくか、皆さんと考えましょう。コンサートも予定しています。


プログラム

13:30~14:00 やすらぎのコンサート
園城 三花 トリオ

園城三花トリオは、ソロ・フルート奏者として長年活躍する
園城三花と京都市芸術大学出身バイオリニスト古味亜紀と
チェリスト細辻秀美によるクラシカルトリオ。京都を拠点に
西洋のメロディーから日本の調べ、バロックからJ-POPまで
をオリジナルアレンジでカバーする今話題のトリオ。
園城 三花(フルート)
古味 亜紀(バイオリン)
細辻 秀美(チェロ)


14:00~15:00 講演
高雄病院のアトピー・アレルギー治療と自己管理
講師 江部康二

プロフィール
1950年生まれ。 1974年京都大学医学部卒業。1974年から京都大学胸部疾患研究所第一内科(現在京大呼吸器内科)にて呼吸器科を学ぶ。
1978年から高雄病院に医局長として勤務。アトピ-患者さんを多数診察。「高雄病院アトピー学校」呼ばれる入院教育プログラムを発足。気管支喘息・花粉症などのアレルギ患者さんも多数診察。
1999年高雄病院に糖質制限食導入。2000年理事長就任。2001年から糖質制限食に本格的に取り組む。2002年に自ら糖尿病であると気づいて以来、さらに糖尿病治療の研究に力を注ぎ、「糖質制限食」の体系を確立。これにより自身の糖尿病を克服。
内科医/漢方医/(財)高雄病院理事長/社団法人日本糖質制限医療推進協会理事長

著書
『ドクター江部のアトピー学校』2005年(東洋経済新報社)
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』2005年(東洋経済新報社)
『糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食』2010年(ナツメ社)
『主食をやめると健康になる』2011年(ダイヤモンド社)
『食品別糖質量ハンドブック』2012年(洋泉社)
『糖質オフ!健康法』2012年(PHP文庫)
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!新版』2014年(東洋経済新報社)
『炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません』2014年(東洋経済新報社)
『一生太らない「やせる! 食べ方」 』2014年(PHP文庫)
など多数。

ブログ『ドクター江部の糖尿病徒然日記(http://koujiebe.blog95.fc2.com/
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
「糖質制限食講演会 in 高松」のご案内。2015年4月26日(日)。
こんにちは。

とうとう、うどん県で、糖質制限食の講演会を行うこととなりました。

■日時:2015年4月26日(日)14:00~16:10  
※開場・受付は13:40~
「炭水化物の食べ過ぎで早死にしてはいけません
 ~糖尿病・生活習慣病を予防&改善する糖質制限食~」

■会場: サンポートホール高松 54会議室


私の連れ合いは、香川県高松市出身なので、高松には何度も訪れて、昔はうどんもしっかり食べてました。
勿論、糖尿人発覚以前のことですが・・・。

当時、喫茶店のメニューに普通にうどんがあるのに、びっくりしました。

香川県のソウルフード、アンケート

1位「讃岐うどん」86.5%
2位「讃岐うどんバーガー」15.0%
3位「小豆島そうめん」11.9%
4位「ぴっぴ飯」10.9%
5位「骨付鳥」10.4%

トップ5のうち、3つがうどんからみで、さすがです。
骨付き鳥以外は、炭水化物ですね。

香川県では2012年度から、県内小中学校で実施する血液検査を含む小児生活習慣病予防健診にもとづく実態把握を開始しています。

糖尿病予防のため、全県の都道府県単位で小学生の血液検査が実施されるのは、全国でもはじめてのことです。

これはこれでなかなか素晴らしい試みです。

ところが、2013年の健診で

『香川県の小学校4年生の、1割強が、血液検査で肝機能や脂質異常があり、HbA1cも1割強が糖尿病の疑いがあるか、発症リスクが高いレベル』

ということです。

小学生の血液検査による健診は、全国でもはじめてのことらしいので、他の県との比較はできません。

しかし、どう考えてもこの数字は多いように思えます。

普通に考えて親と同じようなものを子供も食べると思います。

そうすると、うどんを二玉・三玉食べて、天ぷらやおにぎりも併せてとか「うどん+いなり寿司・巻きずし」という大人と一緒の
最凶のダブル炭水化物パターンが子供でも日常の可能性があります。( ̄_ ̄|||)

「ダブル炭水化物→脂肪肝」「ダブル炭水化物→糖尿病」

というパターンは、私達、糖質セイゲニストから見ると、脂肪肝や糖尿病発症の王道のようなもので、本当に困ったものです。 (→ο←)

香川県以外では、ここまでのダブル炭水化物食は、一般的ではないと思いますので、

『小学校4年生の、1割強が、血液検査で肝機能や脂質異常があり、HbA1cも1割強が糖尿病の疑いがあるか、発症リスクが高いレベル』

というようなことは考えにくいです。

香川の人口10万人当たりの糖尿病受療率は308人で全国ワースト2位、糖尿病による死亡率は同ワースト9位です。

県は今後も、小児期からの正しい生活習慣を啓発する施策に力を入れるそうですが、

「炭水化物の頻回・過剰摂取こそが、糖尿病・肥満・生活習慣病発症の元凶である。」

という本質に気がつかない限りは、香川県では、成人も子供も、脂肪肝・糖尿病・生活習慣病の罠から逃れることは、なかなか困難と思えます。

香川県の皆様、是非是非、本講演会にご参加いただき、講演内容を吟味して、自分自身の頭で考えて、ご判断いただけば幸いです。



江部康二



☆☆☆
*************

以下、事務局からのご案内です。

ブログ読者の皆様、講演会へいつも多数ご参加いただきまして、ありがとうござ います。

4月26日(日)、香川県高松市で一般向けの講演会を開催することとなりました。

四国、瀬戸内地方の皆様をはじめ、多数のご参加を心よりお待ちしております。


///////////////////ご案内/////////////////////

日本糖質制限医療推進協会主催 講演会(香川)

「炭水化物の食べ過ぎで早死にしてはいけません
 ~糖尿病・生活習慣病を予防&改善する糖質制限食~」


■日時: 2015年4月26日(日) 14:00~16:10頃 ※開場・受付は13:40~

■会場: サンポートホール高松 54会議室
      香川県高松市サンポート2-1 高松シンボルタワー内ホール棟5階
      http://www.sunport-hall.jp/access/
      ☆アクセス: JR高松駅から徒歩3分

■講師: 江部 康二
      (一財)高雄病院理事長・(一社)日本糖質制限医療推進協会理事長

■内容: 講演90分と質疑応答30分程度を予定しております。

■受講費: 賛助会員 2,000円 / 一般(非会員) 2,500円

■お支払い方法:

クレジットカード/銀行振込/郵便振替 ※事前決済のみとなります。

■お申し込みの流れ:

1.下記「お申し込み方法」の該当するものからお申し込み下さい。
2.事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3.入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4.当日、直接会場までお越し下さい。

■その他:

・予約制です。当日参加はできません。
・キャンセルは4月24日(金)までに事務局までご連絡願います。

■お申し込み方法

★賛助会員の方:事務局までメールにてお申し込み下さい。

★賛助会員入会をご希望の方:

 1.入会案内および会員規約をお読み下さい。
   http://www.toushitsuseigen.or.jp/#!membership/cdt9
 
 2.お申し込みは下のフォームからお願いします。
   「通信」欄に「4/26 香川講演会受講希望」とご記入下さい。
   http://www.toushitsuseigen.or.jp/#!inquiry/c1u8p

★一般(非会員)で、講演会の受講のみご希望の方:

 こちらからお申し込み下さい。
 http://www.toushitsuseigen.or.jp/#!form-ippan/c1yjl
脂質制限ガイドラインは間違っている?
こんばんは。

「脂質制限ガイドラインは間違っている?」という記事が、MT Proに掲載されました。

北里研究所病院糖尿病センター山田悟医師が執筆しておられます。

脂質制限食が、本当に心血管疾患を予防できるのか否か、近年、世界で論争となっています。

従来の常識では

「動物性脂肪の主成分の飽和脂肪酸が脳心血管イベントに良くないので、植物性脂肪を中心に不飽和脂肪酸を摂取するのがよい」

ということが過去言われてきました。

これに対して、例えば 2010年のAm J Clin Nutr(臨床栄養学雑誌)に、メタアナリシスと総説が発表されました。

21論文、約35万人をメタアナリシスして、5~23年追跡して1.1万人の脳心血管イベントが発生しました。

そして飽和脂肪摂取量と脳心血管イベントハザード比を検証してみると、飽和脂肪酸摂取量と脳心血管イベント発生は、関係がないことが明らかとなりました。(*)

今回,1983年以前に報告されていたランダム化比較試験(RCT)7論文を、メタ解析した結果「脂肪制限は冠動脈疾患死や全死亡を全く予防できていない」と結論づけた論文がOpen Heart(2015; 2: e000196)に報告されました。
Open HeartはBMJ(ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル)の姉妹誌です。

さらに、日本人が対象の日本のコホート研究において、脂質摂取とさまざまなアウトカムとの間に相関がないか、負の相関があるそうです。

それも1件だけではなく、複数のコホート研究においてそうした負の相関が認められているとのことです。

つまり脂肪制限どころか、しっかり食べた方が総死亡率が減る可能性が高いわけです。

糖質セイゲニストにとって、大変嬉しい追い風が世界でも日本でも吹いてきましたね。


(*)
Siri-Tarino, P.W., et al., Meta-analysis of prospective cohort studies evaluating the association of saturated fat with cardiovascular disease. Am J Clin Nutr, 2010. 91(3): p. 535-46.



☆☆☆

以下MT Pro記事から一部抜粋
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/doctoreye/dr150303.html


脂質制限ガイドラインは間違っている?
RCTのメタ解析からは脂質制限の結論は得られない
北里研究所病院糖尿病センター 山田 悟
研究の背景:脂質制限に対する批判論が世界的に噴出

多くの学会のガイドラインは心血管疾患の予防のために脂質摂取を制限するよう求めてきた。わが国の『動脈硬化性疾患予防ガイドライン2012』でも脂肪エネルギー比を20~25%にするようにとの記述があり(p57),それは『動脈硬化性疾患診療ガイドライン2002』(p25)から一貫したものである。

米国においては1977年に「Dietary goals for the United States 1st ed.」,英国においては1983年に「A discussion paper on proposals for nutritional guidelines for health education in Britain」と,脂質制限を求めるガイドラインが初めてつくられたが,逆に高脂質食による介入で心血管疾患が予防されることを明らかにしたPREDIMED試験(N Engl J Med 2013; 368: 1279-1290)や,飽和脂肪酸をω-6リノール酸に置換する介入でかえって心血管疾患が増えることを示したSydney Diet Heart Studyの結果が報告されて以降(BMJ 2013; 346: e8707),がぜん,脂質制限に対する批判論が世界的に噴出してきている(Adv Nutr 2013; 4: 294-302,BMJ 2013; 347: f6340,Ann Nutr Metab 2013; 63: 159-167,Eur J Nutr 2015年2月4日オンライン版)。

今回,1983年以前に報告されていたランダム化比較試験(RCT)をメタ解析しても,脂肪制限は冠動脈疾患死や全死亡を全く予防できておらず,こうした英米のガイドラインはその成立時点から間違っていたとする論文がBMJの姉妹誌Open Heart(2015; 2: e000196)に報告されたのでご紹介したい。



研究のポイント1:
6件のRCT,7本の論文をメタ解析の対象に

本研究では,英国・西スコットランド大学を中心とした研究者らが,MEDLINE,Cochrane Libraryのデータベースから,“RCTで,脂質摂取やコレステロール摂取への介入を行い,1年以上の試験期間をもっていて,全死亡率がアウトカムとして報告されている研究”を収集した。EMBASEなどの他の有名なデータベースは,当時の試験の登録数が十分でないことから対象とされなかった。

当初の検索で98本の論文がヒットしたが,題名や抄録から80本が除外され,非ランダム化比較試験であったり,クロスオーバー試験であったりすることなどからさらなる除外をして,最終的に6件の研究,7本の論文が採用された。この検索は2人の研究者が独立して担当し,最終的な6件の研究の採用においては両者が同意したという。6件のうち,3件はアウトカム評価に対して盲検化しており,3件はアウトカム評価に非盲検であった。


研究のポイント2:
脂質制限は全死亡予防にも冠動脈疾患死予防にも無効

その結果,これらのRCTは2,467人の被検者を含んでおり(脂質制限群1,227人,対照群1,240人),計740人が死亡(うち冠動脈疾患死が423人)していた。脂質制限群の死亡者数はいずれも370人で同数であり,死亡率は脂質制限群では30.2%,対照群では29.8%で有意差はなかった(図1)。

dr150303_fig1.jpg
冠動脈疾患死については脂質制限群で207人,対照群で216人であり,やはり両者に有意差はなかった(図2)。


dr150303_fig2.jpg
私の考察:日本においては脂質摂取は奨励されるべき?

世界中が脂質制限食を推奨する契機となった論文として有名なのはSeven Countries Study〔Circulation 1970; 41(4 suppl): I186-I195〕である。しかし,この研究は観察研究であり,今のEvidence-Based Medicine(EBM:科学的根拠に基づく医療)※ではエビデンスレベルが低い研究という位置付けになる。今回の研究者らは1983年に英国の最初の脂質制限ガイドラインができるまでに報告されていたRCTを収集し,1990年代に確立されたEBM(JAMA 1993; 270: 2093-2095)の観点から,それら英米のガイドラインが妥当だったといえるかどうかを検証しようとしたのである。そして,そうした現在のEBMの観点で見ると,1977年や1983年に作成された脂質制限を推奨するガイドラインは,全くもってエビデンスに基づいておらず,そのような結論にはならないはずだというのが今回の論文の著者Harcombe氏らの主張である。

一方,本論文のEditorialで英国保健サービス(NHS)の循環器医であるBahl氏は「今回のRCTのメタ解析で脂質制限食の有効性が示されなかったことは,アドヒアランスのことを考えれば驚くべきものではなく,既存の観察研究における脂質摂取と心血管疾患の正の相関を考えれば,脂質制限を推奨するガイドラインを改訂する必要はない」との反論をしている(Open Heart2015; 2: e000229)。

例えてみれば,「睡眠時間を7時間以上にすれば,居眠り運転を減らせる」という仮説があったとして,そのような指導へのアドヒアランスは実社会で高いわけはなく,そのような指導をすることの価値がRCTで示されなかったとしても,それでも「睡眠時間を7時間以上にすべきだ」という文言をガイドラインに残したい,という主張をしているのがBahl氏であり,そんな指導には実効性がないから意味がないと主張しているのがHarcombe氏らなのかもしれない。そう考えると,両者の主張はそれぞれに理解ができるものとなる。

ただ,そうはならないのがわが国である。わが国の観察研究では,脂質摂取とさまざまなアウトカムとの間に相関がないか,負の相関があるのである。それも1件だけではなく,複数のコホート研究においてそうした負の相関が認められている。ここ数年間で報告された総脂質摂取と死亡率の関係もそうである(JACC; Nutr Metab 2014; 11: 12,J Nutr 2012; 142: 1713-1719)。さらに,トランス脂肪酸を除いて最も心血管イベントと関連すると疑われている飽和脂肪酸に限定して,心血管イベントとの相関を見てもそうである(JPHC; Eur Heart J 2013; 34: 1225-1232,JACC; Am J Clin Nutr 2010; 92: 759-765,LSS; Stroke 2004; 35: 1531-1537)。

そう考えると,仮に欧米のガイドラインに(欧米人の観察研究のデータを基に)脂質摂取を制限すべきだとする文言が残ったとしても,わが国では(日本人の観察研究のデータを基に)脂質摂取を増やすべきだと主張することはあっても,制限すべきだとする根拠は存在しないことになる。

昨年,雑誌Time(2014年6月23日号)が表紙に「Eat Butter」という文字を載せ,脂質制限をやめるように(ending the war on fat)と全米に勧告したが,実は,わが国でも,昨年報告された日本人の食事摂取基準2015で,脂質摂取の目安量がエネルギー比率20~30%とされ,食事摂取基準2010における20~25%が緩和されていた。実は,既にわが国でも脂質制限の時代は終焉を迎え始めているのかもしれない。


テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
モリドルチョコレート、入荷のお知らせ
こんにちは。

あらてつさんの糖質制限ドットコムに、待望のモリドルチョコレートが入荷しました(^O^)

次はいつ入るんだ?とあらてつさんに催促すること約二ヶ月、ようやくの販売再開です\(^o^)/


チョコラテ


モリドルノンシュガーチョコレート
http://www.toushitsuseigen.com/products/detail94.html

私は小さい頃から甘いものはそんなに好きではなく、ケーキや饅頭など無くても全く困らないタイプでした。しかし、なぜかチョコレートだけは大好物でした。

50数年間チョコレートは嫌と言うほど食べましたが、歯は丈夫で全部残ってます。大学1年生の時1回だけ、奥歯を1本虫歯の治療をしましたが、その後歯の治療はしたことはありません。

そんな私ですが、糖尿病になってからは砂糖入りのチョコレートなどもってのほかなので、つらいものがありましたが当初はもうあきらめてました。

ですが、ないのならいっその事作ってしまおうと、あらてつさんに「糖質制限のチョコレートを作るように」と指示を出し、紆余曲折ありながら完成したチョコレートなので、万感の思いがあります。

さてこのモリドルチョコレートですが、甘味料は私の指示で、エリスリトールとステビアを使っています。

エリスリトールはもちろん血糖値を上げませんが、日本で販売されているステビアにはけっこう混ぜ物が多いので、血糖値を上昇させてしまうことがあります。

ステビアの選定時から私が血糖値検査を行い、上昇が認められなかったものだけを指定材料にしました。

また、モリドルチョコレートの製造は、チョコの本場であるヨーロッパで行いました。

それは何故でしょう?

ヨーロッパでは、チョコレートを植物油脂でかさ増ししたりしないのと、コンチングの時間が日本と圧倒的に違うからです。

ブログ読者の皆さんも、チョコレートの原材料に「植物油脂」と書かれているのを見たことがあると思います。

日本のチョコレートのほとんどが、コストを減らしてかさ増しするために、カカオバターの割合を減らし植物油脂を使います。

ところが、チョコレートの国際基準では、植物油脂が5%以上入っているものは、チョコレートと呼んで販売できません。

なので日本のほとんどのチョコレートは、国際基準では“チョコレート”として認められないのです。

さらにヨーロッパでチョコレートの伝統を重んじる国では、植物油脂を入れたものをチョコレートとは認めていません。

今回発売のモリドルノンシュガーチョコレートは、植物油を一切使わず、ちゃんとカカオバターだけを使っています。

またヨーロッパでのチョコレート作りにおいて、コンチングに掛ける時間も日本の比ではありません。

コンチングとは、微粒子状に粉砕した原材料を高温で練り合わせる、チョコレート作製におけるとても重要な工程です。

このコンチングでチョコレートの味が決まると入っても過言ではないでしょう。

コンチングの時間が短いとカカオの風味が出ずチョコレートに酸味が残ってしまいます。

日本のチョコレートメーカーのコンチング時間は、コストを下げるため12~24時間ていどしか行いません。

日本製のチョコレートに独特の酸味があるのはこのためです。

それに比べ、ヨーロッパでは72時間のコンチングが通常です。

モリドルノンシュガーチョコレートのコンチングは、なんと78時間。

じっくりと手間と時間を掛けてしっかりコンチングすることにより、なめらかな舌ざわりとカカオの風味を最大限に引き出しています。

お土産でもらう海外の安いチョコレートが意外と美味しかったりするのは、これらの理由があるからです。

モリドルノンシュガーチョコレートは、ヨーロッパの伝統に基づく、本物のチョコレートです(^O^)

美味しさもさることながら、糖尿人の皆さんが一番気になるのは、血糖値の上昇でしょう。

以下は、私、江部康二自らの測定結果です。

モリドルノンシュガーチョコレート ダーク 
1枚100g中の糖質 0.5ḡ

2014年1月7日(火)
午後4:45 空腹時血糖値:119mg
スペイン新作ダークチョコレート60g摂取
午後5:45 食後1時間血糖値宇:111mg・・・

びっくりして測定し直して104mg

大成功です。


モリドルノンシュガーチョコレート ミルク
1枚100gあたりの糖質14.6g

2014年1月6日(月)
午後5:55 血糖値:114mg
スペイン新作ミルクチョコレート:60g摂取
午後6:55 血糖値:124mg

60gを丸ごと食べて、10mgの上昇。
60g中に3.33gの糖質。
10g中に0.555gの糖質。
100g中なら、5.55gの糖質。


合格ですね。

ミルクチョコレートの方は、100ḡあたりの糖質量が14.6gと多く表記されていますが、これは原材料の分析方法が日本と違うため、「糖質」に分類されてしまう成分が多いからだと思われます。

なので、血糖測定から逆算した糖質量と分析値に違いが出たのでしょう。

因みに、この原材料単体でも私が血糖測定しましたが、全く血糖値を上昇させませんでした(^O^)

チョコレートの本場ヨーロッパで私がとことん監修し、見事に血糖測定にも合格した モリドルノンシュガーチョコレート、糖尿人、メタボ人、ダイエッターなどの糖質セイゲニストはもちろん、一般の方に食べて頂いても充分以上に満足してもらえるでしょう\(^o^)/

ブログ読者の皆さん、是非お試しあれ。


江部康二


詳細と販売はこちらから

モリドルノンシュガーチョコレート
http://www.toushitsuseigen.com/products/detail94.html

チョコラテカケラ


テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
メッシが、もしかして、糖質制限食で減量成功で好調復活!?
こんばんは。

あの、リーガエスパニョーラ、バルセロナのメッシが、大好物のピザを一切やめて体重が3.5kg減少して、好調を取り戻したとのことです。

専属栄養士がついたとのことですけれど、減量に成功しているし、まず「糖質制限食」を実践していると考えられますね。(^^)

世界サッカー界の至宝が、糖質制限食で復活なのでしょうか? ヽ(*`▽´)ノ

どなたかより詳しい情報をご存知の方がいれば是非教えてくださいね。m(_ _)m


現在テニスのナンバー・ワンの、ジョコビッチは、小麦の摂取を止めてから、急にパフォーマンスが向上して、あっというまに、No.1になりました。

ジョコビッチの場合は、糖質制限食というよりは、「小麦グルテンアレルギー」が明確となり、それを除去することで、本来の運動能力が5セット持続するようになったことが、No.1になれた大きな要因とと思われます。


江部康二



☆☆☆
以下、ヤフーニュースから一部抜粋
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150321-00010012-footballc-socc

【メッシが好調を取り戻したのは専属栄養士のおかげ?
フットボールチャンネル 3月21日(土)13時3分配信

メッシが好調を取り戻したのは専属栄養士のおかげ?
リオネル・メッシ[写真:Getty Images]

リーガエスパニョーラで首位に返り咲き、チャンピオンズリーグでもプレミアリーグ昨季覇者のマンチェスター・シティを下して8強進出を果たしたバルセロナで大活躍を見せているアルゼンチン代表FWリオネル・メッシが、再び好調を取り戻した理由が明らかとなった。20日の大手メディア『ユーロスポーツ』などが報じた。

バルセロナは今季前半戦、不振気味のメッシと共に実力を最大限に発揮できず、一方で好調だったポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウド擁するレアル・マドリーに国内リーグ首位の座を明け渡し、世界最高の個人賞であるFIFAバロンドールも2年連続でロナウドに奪われた。

しかし、バロンドール授賞式を境に状況は一変した。バロンドールのジンクス(受賞後に調子を落とし、輝きが失われる徴候)がロナウドに見られるようになると、メッシが復調した。

第27節を終えて通算32ゴールを記録しているメッシは、リーガエスパニョーラの得点ランキングで30ゴールのロナウドを抜いてトップに立つと、それに比例するようにリーグでも同ライバルと勝ち点1差で首位に返り咲いている。

その最大の理由としてスペイン紙『アス』はメッシが大好物であるピザを一切食べなくなった事を挙げている。一方で同国紙『エル・ムンド・デポルティーボ』は、メッシは新たに専属栄養士を雇ったことで3.5kgの減量に成功したとしている。

両クラブは現地時間22日にバルセロナのホームで行われる『エル・クラシコ』で激突する。

藤井重隆】



テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
10年以上続いた逆流性食道炎が糖質制限食で改善。
【15/03/20 ともえ

逆流性食道炎について

江部先生初めまして。
私は38歳の女性です。

私は10年以上逆流性食道炎を患っているのですが、ここ最近症状がかなり酷くなり24時間食事中も痰が張り付いている状態で、水や唾液すら飲み込むことが困難になり常に吐き気を感じておりました。

病院にもずっと通っており毎年胃カメラ検査もしており投薬も続けておりましたが一向に良くならず、絶望的な気持ちで独自にネットで情報を集めていたところ、先週こちらの江部先生のブログに辿り着き、糖質制限が逆流性食道炎に効果があるという記事を拝見しました。

早速先週から炭水化物を一切とらず、糖質も極力減らした生活を始め、今日で1週間目となります。

その結果始めて数日で痰の量が格段に少なくなりました。全くなくなったわけではありませんが、吐き気は失せ、食後の胃もたれも少なくなりました。

逆流性食道炎の治療は、油分・肉類・食物繊維は消化に悪いため極力摂らず、濃い味のものや酸味や乳製品もNG、よく噛んで腹六分目に食べるよう指導されてきましたが、それでは一体何を食べたら良いのかとおじやばかりを食べていました。それでも良くならず、何を食べても吐き戻しそうになり体力は落ちてゆき、もう死にたいとまで思い詰めていました。

それが、炭水化物を食べない、それだけでこんなに短期間に症状が緩和するなんて本当に救われた気持ちです。まだ症状はありますので、これからも続けていこうと思っておりますが、まずは本当にありがとうございます。江部先生に心から感謝しております。

そして、糖質制限を続けるにあたってお伺いしたい事がいくつかあります。

私はメニエール病も患い、主治医から有酸素運動をするよう指導を受けており、平日は30分、休日は1時間の有酸素運動を続けております。

糖質を殆ど摂っていない状態で、この有酸素運動をこれまで通り続けても良いものでしょうか?メニエールの症状は運動のおかげか今は治まっていますが、一度発症するとかなり辛いため、運動は極力続けたいのですが・・何か注意すべきことはありますでしょうか。

また、糖質制限を始めてから筋肉が弱くなったというか、階段の上り下りがとても辛くなって息切れをするようになったのですが、このような症状は改善していくものなのでしょうか。対策などがあれば教えていただけませんでしょうか。

それと、私はガリガリの体型なので(160cm、41kg)糖質制限を続ける事でこれ以上痩せてしまわないか心配です。糖質を制限し、有酸素運動を続けながらも、これ以上痩せずに済む方法はありますでしょうか・・。

また、私は腎臓のクレアチニンの数値がここ3年の健康診断で基準値より少し上を示しています。3年前が0.73mg、2年前が0.76mg、昨年は0.70mgでした。2年前の検査ではタンパクが出ています。健診の際の先生のお話では問題ないので再検査の必要はないとおっしゃっていましたが、この数値で糖質制限は影響はあるものでしょうか。

お忙しい先生に長々と色々な質問をして申し訳ございません。ぶしつけな事とは存じておりますが、もしもお時間があります時があればご教授頂ければ幸いに思います。

最後になりますが先生のブログに出会えて本当に良かったと思っております。長年の病気による絶望感に希望が差しました。生きる力が湧いてきました。先生の御本も沢山出版されているようですので、是非購入しもっと勉強させて頂きたいと思っております。心から感謝しております。ありがとうございます。

先生のこれからの益々のご活躍をお祈り申し上げます。】



こんにちは。

10年以上続いた逆流性食道炎が糖質制限食で改善という嬉しいコメントを、ともえさんから、いただきました。

ともえさん、良かったですね。

逆流性食道炎のほとんどが、スーパー糖質制限食でリアルタイムに改善していきます。
このまま、糖質制限食を続けて、さらなる改善を目指しましょう。

糖質制限食実践により、有酸素運動における持久力は向上します。

つまり、ほとんどの運動で糖質制限食の方が、パフォーマンスが良くなります。

100m競争など最高強度の運動だけは、糖質摂取するほうが良いです。

2014年07月16日 (水)の本ブログ記事

「ケトン食で、オフロード自転車競技者の運動能力が向上」
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-3032.html


をご参照いただけば幸いです。

糖質制限食は、タンパク質をしっかり食べるので、筋力が落ちることはありません。

もし力が入らないとかがあるなら、摂取エネルギー不足の可能性が高いです。

脂質・タンパク質はしっかり摂取して、厚生労働省のいう標準必要エネルギーは確保しましょう。

160cmで41kgなら、BMIは15.8で、かなり痩せすぎです。

脂質・タンパク質をしっかり食べて、体重を増やしましょう

38才女性で、クレアチニン値0.70mg/dlなら、eGFRは74.6ml/min./1.73m2 です。

「GFR 計算」でグーグルで検索すると計算式のサイトがでてきます。

日本腎臓病学会のCKDガイド2013によれば、GFR60ml以上あれば、タンパク制限の必要無しなので、ともえさんは安心して糖質制限症をお続けください。


☆☆☆
「日本人の食事摂取基準」(2015年、厚生労働省)


に示す推定エネルギー必要量の範囲、
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000041955.pdf
推定エネルギー必要量
              男性                  女性
15-17才        2500 2850 3150           2050 2300 2550kcal/日
18-29才        2300 2650  3050          1650  1950   2200
30-49才        2300 2650  3050            1750  2000  2300
50-69才        2100 2450  2800           1650  1900  2200 
70才          1850 2200  2500            1500  1750  2000

身体活動レベル  低い 普通 高い           低い  普通  高い




江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
昆布の種類と糖質含有量。素干しと食品。
【15/03/19 精神科医師A

昆布の糖質
「意外なのは昆布で、100g中30.8gと糖質過多」とありますが、昆布の種類にもよります

なとりの昆布製品について調べました

1) おやつ昆布(棹前昆布)
www.natori.co.jp/product/product_item.html?p_id=503410
 12g中
 糖質0.3g
 食物線維5.1g

2) ひとくち昆布(棹前昆布)
www.natori.co.jp/product/product_item.html?p_id=506240
 7g中
 糖質0.2g
 食物線維3.0g

3) おつまみ昆布(厚葉昆布)
www.natori.co.jp/product/product_item.html?p_id=506870
 18g中
 糖質3.0g
 食物線維5.9g

棹前昆布は通常の昆布漁が始まるよりも早い時期(6月頃)に採った昆布です。成長した 昆布の昆布漁解禁を棹入れ(さおいれ)というため、その時期の前に採取された昆布なので『棹前昆布』(棹入れ前の昆布)とよばれています。
棹入れ前の早い時期に採ります。糖質が少ないのが特徴です。】


こんばんは。

精神科医師Aさんから、昆布の糖質含有量について、コメントをいただきました。

精神科医師A さん、昆布の調査、ありがとうございます。

「意外なのは昆布で、100g中30.8gと糖質過多」というのは、乾燥状態の昆布(素干し)のことです。
水分を充分含んだ状態の食品の昆布だと大分減ります。

それにしても、棹入れ前昆布の糖質は少ないですね。

1) おやつ昆布(棹前昆布) :100g中に2.5gの糖質ですから、糖質制限OKですね。
2) ひとくち昆布(棹前昆布) :100g中に2.86gの糖質ですから、糖質制限OKですね。
3) おつまみ昆布(厚葉昆布):100g中に16.67gの糖質ですから、糖質制限NGですね。


なお、以下は五訂日本食品標準成分表に記載してある昆布の糖質含有量です。

素干しの昆布でも種類によってかなり糖質含有量は違いますのでびっくりしました。

棹前のながこんぶの素干しなら100g中、21.7gより、もっと糖質含有量は少ない可能性がありますね。

☆☆☆
五訂日本食品標準成分表


A)素干し
ながこんぶ素干し:100g中糖質は21.7g
えながおにこんぶ素干し:糖質は30.8g
まこんぶ素干し:糖質は34.4g

B)そのまま食べられる食品
刻みこんぶ:100g中の糖質は6.9g
削り昆布:100g中の糖質は22g
塩昆布:100g中の糖質は23.9g
こんぶ・つくだ煮:100g中の糖質は27.1g


テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
日本医学会総会2015。医総会WEEK。アレルギー・健康管理と癒し。
おはようございます。

第29回日本医学会総会2015関西 が開催されます。

その中で2015年4月4日(土)から4月12日(日)までが『医総会WEEK』で、市民公開講座やコンサートが行われますが、私も参加させていただくこととなりました。

「高雄病院のアトピー・アレルギー治療と自己管理」と題して、お話します。

園城三花トリオとの共演で、コンサートと講演のあとは30分ほど4人でアトピー・アレルギー談義となります。

音楽やアトピー・アレルギーに興味がある方は、是非、ご参加くださいね。


江部康二



詳細・お申し込みは下記URLより。

★医総会Week HP

http://isoukaiweek2015.jp/

★健康管理と癒し ~アレルギーとのつきあい方~ 事前参加登録を開始

http://isoukaiweek2015.jp/program/detail/k02.html



☆☆☆

以下は医学会総会事務局のちらしです。

医学会総会2015関西

~医と健康を考える、市民のための9日間~ 医総会WEEK

アレルギー
健康管理と癒し

2015年4月4日(土)13:30~15:00
京都劇場
京都市下京区烏丸通り塩小路下る京都駅ビル内

花粉症や喘息、アトピー性皮膚炎で悩む方が近年増えています。
免疫反応が過剰におこるアレルギー。
様々な要因が考えられ、過剰な反応が様々に発現します。
ある方は涙や鼻水が溢れたり、痒くなったり、蕁麻疹がでたり、発熱したり。
人それぞれに病因や症状や程度が異なり、生活、環境やストレスなどでなかなか改善できないものです。
日常生活に支障をきたすアレルギー疾患ですが、これらとどう付き合っていくか、皆さんと考えましょう。コンサートも予定しています。


プログラム

13:30~14:00 やすらぎのコンサート
園城 三花 トリオ

園城三花トリオは、ソロ・フルート奏者として長年活躍する
園城三花と京都市芸術大学出身バイオリニスト古味亜紀と
チェリスト細辻秀美によるクラシカルトリオ。京都を拠点に
西洋のメロディーから日本の調べ、バロックからJ-POPまで
をオリジナルアレンジでカバーする今話題のトリオ。
園城 三花(フルート)
古味 亜紀(バイオリン)
細辻 秀美(チェロ)


14:00~15:00 講演
高雄病院のアトピー・アレルギー治療と自己管理
講師 江部康二

プロフィール
1950年生まれ。 1974年京都大学医学部卒業。1974年から京都大学胸部疾患研究所第一内科(現在京大呼吸器内科)にて呼吸器科を学ぶ。
1978年から高雄病院に医局長として勤務。アトピ-患者さんを多数診察。「高雄病院アトピー学校」呼ばれる入院教育プログラムを発足。気管支喘息・花粉症などのアレルギ患者さんも多数診察。
1999年高雄病院に糖質制限食導入。2000年理事長就任。2001年から糖質制限食に本格的に取り組む。2002年に自ら糖尿病であると気づいて以来、さらに糖尿病治療の研究に力を注ぎ、「糖質制限食」の体系を確立。これにより自身の糖尿病を克服。
内科医/漢方医/(財)高雄病院理事長/社団法人日本糖質制限医療推進協会理事長

著書
『ドクター江部のアトピー学校』2005年(東洋経済新報社)
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』2005年(東洋経済新報社)
『糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食』2010年(ナツメ社)
『主食をやめると健康になる』2011年(ダイヤモンド社)
『食品別糖質量ハンドブック』2012年(洋泉社)
『糖質オフ!健康法』2012年(PHP文庫)
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!新版』2014年(東洋経済新報社)
『炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません』2014年(東洋経済新報社)
『一生太らない「やせる! 食べ方」 』2014年(PHP文庫)
など多数。

ブログ『ドクター江部の糖尿病徒然日記(http://koujiebe.blog95.fc2.com/
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
太らない居酒屋メニューの新常識。産経ビズ。
こんにちは。

産経ビズ(SankeiBiz)
に私が監修した記事が載りました。

太らない居酒屋メニューの新常識 これを読めば飲み会は怖くない!

結構、お役に立つとおもいますよ。

これは、主にダイエット向けの記事ですので、糖尿人は、シュークリームやチーズケーキもなしがいいですね。

http://www.sankeibiz.jp/econome/news/150315/ecb1503151702002-n1.htm
産経ビズのサイトで写真入りの記事を見ることができます。


江部康二

☆☆☆
以下、産経ビズ(SankeiBiz)から抜粋

SankeiBiz

http://www.sankeibiz.jp/econome/news/150315/ecb1503151702002-n1.htm


太らない居酒屋メニューの新常識 これを読めば飲み会は怖くない!
2015.3.15 17:02

【カラダ・マネジメント虎の巻】

 3、4月は送別会や歓迎会など飲み会が続き、とてもダイエットは望めないと思いがちだが、「糖質制限ダイエット」を提唱する京都・高雄病院理事長、江部康二先生いわく「居酒屋は食べてもOKな食材ばかり」。

『和民』のメニューをもとに安心して注文できるポイントを江部先生に聞いた。

●店選びは居酒屋が理想的!

 日本料理や中華料理は砂糖を多く使い、フレンチやイタリアンは少なめ。居酒屋のメニューは低糖質のものが多く安心して食べられる。価格も手頃な居酒屋が、ダイエットに最適なのだ(写真は『和民』の個室)。

 
●サラダにはマヨネーズ!カロリーOFFは避けるのが◎

 糖質は根野菜の多く含まれているが、葉野菜は少ない。むしろ気にすべきはドレッシング。糖質が少ないマヨネーズで食べよう。ただし、「カロリーオフ」をうたったものは、低カロリーでも糖質の割合が多いので、普通のタイプを。

 
●酒はビール→ハイボール、焼酎、ウィスキー

 ビールはコップ1杯当たりの糖質が約6g。知らず知らずのうちに糖質摂取量があっという間に増えてしまいがちだ。「最初の乾杯はビール」につきあったら、その後は糖質を含まないハイボールや焼酎などに切り替えていこう。


●ワインは絶対、辛口

 口当たりがよくフルーティーな味わいが特徴の白ワインには糖質が多く含まれる傾向が強い。赤ワインのほうが糖質の少ないものが多いので安心だ。白・赤問わず甘口は避け、辛口を選ぶようにした。


●鍋はNo Problem

 寒い時期の宴会に欠かせないのが鍋。おわんに入れるの際に好きなものを選べるので、糖質の少ない肉や魚を中心にとれば問題なし。写真のもつ鍋は、がっつりいきたい男性注意の宴会にもぴったりだ。


●焼き鳥、焼き肉は塩

 肉類は低糖質なので気にせず食べられる。焼き鳥はレバー、ムネ肉、ナンコツほか、部位にかかわらずOK。焼き肉も同様だ。むしろ注意したいのは、糖質を多く含む、たれ。注文する際は、必ず「塩で」と。お願いしよう。

 
●揚げ物よろこんで!

 鶏以外にも揚げ物メニューはたくさんある。イカリングやオニオンリング、それに大エビを使ったフライなども気にせず食べて構わない。ただし、衣には小麦粉が使われているので、衣が厚すぎる場合は中身だけ食べよう。


●カクテルはジンorウオツカベースに!

 甘い口当たりのカクテルには当然ながら糖質が多く含まれる。ベースとなるお酒のうち、ブランデーやジン、ウオツカなどの蒸留酒は糖質ゼロなので、これらを使ったカクテルを選ぼう。写真のジンライムも低糖質でおすすめ。


●鶏の唐揚げ歓迎!鶏マヨは最高!!

 唐揚げは衣に片栗粉や小麦粉を使っているとはいえ、気にするレベルではない。マヨネーズにつけて食べる“鶏マヨ”も全く問題なし!ちなみに、家で作る際は衣に大豆粉を使うとおいしく糖質制限できる

 
●刺身は何を食べてもOK!

 お酒にぴったりの刺身。こちらも気にせず食して構わない。赤身、トロ、白魚、イカ、タコ、ウニ、イクラ……何を食べてもOKだ。刺身だけなら大丈夫だが、シャリ付きの寿司は糖質が増えるので注意。

 
●皮に気をつければ餃子もぱくぱく

 餃子は皮の部分に小麦を使っているため、100g中24gもの糖質が含まれている。そこで、最初の数個はそのまま食べても、残りは皮を残す。見た目があまり美しくはないが、これならばぱくぱく食べても影響は少なくない。

 
●ソーセージは心配なし。ただし魚肉ソーセージに注意!

 ソーセージはハムよりも糖質が多く含まれているものの、気にするほどではない。ただし、魚肉ソーセージは別。つなぎに小麦粉を使っているため、糖質が高いのだ。フランクフルトも糖質やや高め。


●乾きもの、ナッツ類をつまみに

 酒のつまみにおすすめなのは、天日干しのするめやいわし、貝柱などの“乾きもの”。マヨネーズにつけて食べても大丈夫。ナッツや松の実、くるみなどもOKだ。缶詰は甘くないもの、ツナや貝類なら問題なく食べられる。


●クリスマスケーキは濃厚なチーズケーキにすべし

 クリスマスの定番、ショートケーキは糖質が100gあたり46.5gときわめて高いのでNG。フルーツタルトも同様。わりと少ないのはチーズケーキで、100g当たり15g。チーズをたっぷり使ったベークドタイプを選びたい。

 
●おでんは卵、すじ肉、しらたき

 卵。すじ肉、しらたき、こんにゃく、がんもどき。豆腐など大丈夫。さつま揚げやちくわぶはNG。意外なのは昆布で、100g中30.8gと糖質過多。なお、しらたきは糖質制限メニューに幅広く応用可。

 
●デザートはシュークリームをチョイス

 甘いものは別腹、という人は男性にも少なくない。だが、デザートには当然ながら糖質が多く含まれているものが多いので注意が必要。シュークリームは100g当たり22.1gなので、やむをえない時は1個だけいただこう。



◎居酒屋で頼んでいけないメニュー

●原則、主食は食べない

 糖質制限ダイエットの原則として、白米や麺類、パンなどの炭水化物を多く含むものは糖質が多く含まれているので、食べない。せっかく糖質の少ないメニューを選んでも、最後にごはんを食べては意味がない。

 
●キムチは糖質過多!パクパクつまむの禁止

 ぴりっと辛いキムチは酒のさかなに最適だが、日本向けのものには砂糖がたくさん使われているので、食べ過ぎは禁物。キムチに限らず漬物には少なからず砂糖が使われているので、パクパクとつまんでいると糖質過多になる。

 
●つまみのドライフルーツNG!

 つまみに乾きものやナッツ類OKと書いたが、決して食べてはいけないのがドライフルーツ。果物類には果糖という糖質が含まれていて、ドライフルーツには水分が抜けているぶん、糖質の割合がとても高いからだ。



テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
千葉県鎌ヶ谷市医師会学術講演会「糖質制限食による糖尿病治療」のご報告
おはようございます。

2015年3月17日(火)20:00~21:20
千葉県鎌ヶ谷市医師会学術講演会の講師として

糖質制限食による糖尿病治療
  ~理論と実践~


と題して、お話をしてきました。

東京駅からタクシーで1時間20分とはるばる行ってきました。

通常は、十数人の参加者なのが、今回は45名の出席で大盛況でした。

はるばる行ったかいがありあました。

半数は医師で、あと栄養士、看護師、保健士などのご参加でした。

活発な質疑応答もあり、大変有意義な会でした。

ここ最近は、各地の講演会で医師の参加が目立って増えており糖質制限食の医学界での広がりを実感します。

講演会終了後は、鎌ヶ谷市で一番美味しい焼き肉屋さんで懇親会があり、おおいに飲んで食べて喋って、ご馳走になりました。

鎌ヶ谷市医師会会長の堀江直茂先生、学術担当理事の大石孝先生、学術講演会にお招き頂き、そしてご馳走して頂き、ありがとうございました。 m(_ _)m

鎌ヶ谷市でも糖質制限食が広がりそうで、嬉しい限りです。

懇親会終了後は、タクシーで東京マリオットホテルまで移動で、何とかシンデレラおじさんで、12時前に辿り着きました。

帰りのタクシーは、夜なので道が空いていて、50分ちょっとで無事到着でした。

ホテルの部屋に置いてあった赤ワインのハーフボトルを1本飲んで、熟睡です。

午前7:54東京発の「のぞみ」で、いまさっき、帰京しました。

これから高雄病院に向かいます。


江部康二


テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
「糖質制限食講演会 in 高松」のご案内。2015年4月26日(日)。
こんばんは。

とうとう、うどん県で、糖質制限食の講演会を行うこととなりました。

■日時:2015年4月26日(日)14:00~16:10  
※開場・受付は13:40~
「炭水化物の食べ過ぎで早死にしてはいけません
 ~糖尿病・生活習慣病を予防&改善する糖質制限食~」

■会場: サンポートホール高松 54会議室


私の連れ合いは、香川県高松市出身なので、高松には何度も訪れて、昔はうどんもしっかり食べてました。
勿論、糖尿人発覚以前のことですが・・・。

当時、喫茶店のメニューに普通にうどんがあるのに、びっくりしました。

香川県のソウルフード、アンケート

1位「讃岐うどん」86.5%
2位「讃岐うどんバーガー」15.0%
3位「小豆島そうめん」11.9%
4位「ぴっぴ飯」10.9%
5位「骨付鳥」10.4%

トップ5のうち、3つがうどんからみで、さすがです。
骨付き鳥以外は、炭水化物ですね。

香川県では2012年度から、県内小中学校で実施する血液検査を含む小児生活習慣病予防健診にもとづく実態把握を開始しています。

糖尿病予防のため、全県の都道府県単位で小学生の血液検査が実施されるのは、全国でもはじめてのことです。

これはこれでなかなか素晴らしい試みです。

ところが、2013年の健診で

『香川県の小学校4年生の、1割強が、血液検査で肝機能や脂質異常があり、HbA1cも1割強が糖尿病の疑いがあるか、発症リスクが高いレベル』

ということです。

小学生の血液検査による健診は、全国でもはじめてのことらしいので、他の県との比較はできません。

しかし、どう考えてもこの数字は多いように思えます。

普通に考えて親と同じようなものを子供も食べると思います。

そうすると、うどんを二玉・三玉食べて、天ぷらやおにぎりも併せてとか「うどん+いなり寿司・巻きずし」という大人と一緒の
最凶のダブル炭水化物パターンが子供でも日常の可能性があります。( ̄_ ̄|||)

「ダブル炭水化物→脂肪肝」「ダブル炭水化物→糖尿病」

というパターンは、私達、糖質セイゲニストから見ると、脂肪肝や糖尿病発症の王道のようなもので、本当に困ったものです。 (→ο←)

香川県以外では、ここまでのダブル炭水化物食は、一般的ではないと思いますので、

『小学校4年生の、1割強が、血液検査で肝機能や脂質異常があり、HbA1cも1割強が糖尿病の疑いがあるか、発症リスクが高いレベル』

というようなことは考えにくいです。

香川の人口10万人当たりの糖尿病受療率は308人で全国ワースト2位、糖尿病による死亡率は同ワースト9位です。

県は今後も、小児期からの正しい生活習慣を啓発する施策に力を入れるそうですが、

「炭水化物の頻回・過剰摂取こそが、糖尿病・肥満・生活習慣病発症の元凶である。」

という本質に気がつかない限りは、香川県では、成人も子供も、脂肪肝・糖尿病・生活習慣病の罠から逃れることは、なかなか困難と思えます。

香川県の皆様、是非是非、本講演会にご参加いただき、講演内容を吟味して、自分自身の頭で考えて、ご判断いただけば幸いです。



江部康二



☆☆☆
*************

以下、事務局からのご案内です。

ブログ読者の皆様、講演会へいつも多数ご参加いただきまして、ありがとうござ います。

4月26日(日)、香川県高松市で一般向けの講演会を開催することとなりました。

四国、瀬戸内地方の皆様をはじめ、多数のご参加を心よりお待ちしております。


///////////////////ご案内/////////////////////

日本糖質制限医療推進協会主催 講演会(香川)

「炭水化物の食べ過ぎで早死にしてはいけません
 ~糖尿病・生活習慣病を予防&改善する糖質制限食~」


■日時: 2015年4月26日(日) 14:00~16:10頃 ※開場・受付は13:40~

■会場: サンポートホール高松 54会議室
      香川県高松市サンポート2-1 高松シンボルタワー内ホール棟5階
      http://www.sunport-hall.jp/access/
      ☆アクセス: JR高松駅から徒歩3分

■講師: 江部 康二
      (一財)高雄病院理事長・(一社)日本糖質制限医療推進協会理事長

■内容: 講演90分と質疑応答30分程度を予定しております。

■受講費: 賛助会員 2,000円 / 一般(非会員) 2,500円

■お支払い方法:

クレジットカード/銀行振込/郵便振替 ※事前決済のみとなります。

■お申し込みの流れ:

1.下記「お申し込み方法」の該当するものからお申し込み下さい。
2.事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3.入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4.当日、直接会場までお越し下さい。

■その他:

・予約制です。当日参加はできません。
・キャンセルは4月24日(金)までに事務局までご連絡願います。

■お申し込み方法

★賛助会員の方:事務局までメールにてお申し込み下さい。

★賛助会員入会をご希望の方:

 1.入会案内および会員規約をお読み下さい。
   http://www.toushitsuseigen.or.jp/#!membership/cdt9
 
 2.お申し込みは下のフォームからお願いします。
   「通信」欄に「4/26 香川講演会受講希望」とご記入下さい。
   http://www.toushitsuseigen.or.jp/#!inquiry/c1u8p

★一般(非会員)で、講演会の受講のみご希望の方:

 こちらからお申し込み下さい。
 http://www.toushitsuseigen.or.jp/#!form-ippan/c1yjl

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
日本糖尿病学会(JDS)の糖質制限食に対する見解
【15/03/13 YFC

JDSの糖質制限食に対する見解

江部先生

阪神尼崎で開業している山前と申します。

先日地区医師会の講演会に川崎医科大学特任教授の加来先生がお見えになり、「糖尿病薬物治療の現状と展望」と題したご講演をされました。

講演の内容自体は一般論とスポンサー企業の製品の説明であったのですが、質疑応答で興味深いやりとりがあったのでご報告します。

SGLT2の話しから、糖質制限食についての質問となり、加来先生の意見を伺ったわけですが、まとめると以下のとおりです。
1.JDSが理想の栄養バランスと行っている糖質50-60%は、現状の日本人の栄養バランスがこの程度であるために設定した。
2.この糖質50-60%に科学的根拠はない。
3.糖質制限食をしてもらっても構わない。
4.JDSは糖質制限食を否定するものではない。
5.糖質は総カロリーの1/3程度が良いのではないか。
6.糖質を制限すると総カロリーが低下するので効果があるのではないか。
7.腎機能に応じて指導内容を変更すべき。
といったものでした。

加来先生のお話ではJDSの提言作成にかなり関わったようです。その先生が糖質は1/3が良いのではないか、JDSは糖質制限食を否定しない、とおっしゃっていましたので驚きました。

少しずつ糖質制限がアカデミアに認められる日が近づいているのではないかと感じた次第です。

毎月近隣の住民向けに健康セミナーと称して30分程度のミニ講義をしていますが、来月は糖質制限食について講演します。自分の出来る範囲で頑張っていきます。
今後とも宜しくお願い致します。

やまさきファミリークリニック
山前浩一郎 】


こんばんは。

尼崎の、やまさきファミリークリニック 山前浩一郎 先生から、興味深いコメントをいただきました。

貴重な情報を、ありがとうございます。

川崎医科大学特任教授の加来先生は、日本糖尿病学会(JDS)の評議員ですね。

1.JDSが理想の栄養バランスと行っている糖質50-60%は、現状の日本人の栄養バランスがこの程度であるために設定した。

つまり、単なる平均値であり、それがよいかどうかは全く別ということです。

2.この糖質50-60%に科学的根拠はない。

当然、根拠となるRCT研究論文は、皆無ということです。

3.糖質制限食をしてもらっても構わない。

この発言は、山前先生と同様、私も正直驚きました。

日本糖尿病学会の評議員の立場にある医師が、医師会の講演という一定公的な場で、「糖質制限食をしてもらっても構わない」と言うことができるレベルまでは、日本糖尿病学会も進化したのでしょうね。
大変喜ばしいことです。

4.JDSは糖質制限食を否定するものではない。

2013年3月の「日本人の糖尿病の食事療法に関する日本糖尿病学会の提言」では、
『炭水化物のみを極端に制限して減量を図ることは・・・エビデンスが不足しており現時点では薦められない。』
『炭水化物50%~60%、たんぱく質20%以下を目標。脂質の摂取上限は25%を推奨。』
でしたから、かなりの温度差が感じられます。

糖質制限食推進派にとっては、とても良い変化です。

5.糖質は総カロリーの1/3程度が良いのではないか。

糖質33%がよいというのが加来先生のご意見なら、50~60%の糖質を推奨という糖尿病学会の提言よりは、はるかに糖質制限食に肯定的になってます。


6.糖質を制限すると総カロリーが低下するので効果があるのではないか。

このご意見だけは、とても残念です。

脂の乗った和牛サーロインステーキ200gは約1000kcalですが、糖質はグリコーゲン分の0.6gしかありませんので、食後血糖値は2mg程度しか上昇しません。

一方、炊いたご飯軽く一膳は、150gで約250kcalですが、糖質は55gあるので、食後血糖値は165mgくらい上昇します。

このことは、科学的事実であり、論争の余地はありません。

血糖値に直接影響を与えるのは糖質だけで、タンパク質・脂質は影響を与えません。

このように、血糖値上昇と摂取カロリーは無関係であることは、医師はしっかりと認識しておく必要があります。

7.腎機能に応じて指導内容を変更すべき。

日本腎臓病学会は「CKD治療ガイド2013」で、eGFRが60ml/分以上あれば、顕性タンパク尿の段階でも、タンパク質制限の必要なしとしました。

即ち糖尿病腎症第3期でも eGFRが60ml/分以上あればタンパク質制限の必要なしなので糖質制限食も実践しやすくなりました。

eGFRが60ml/分未満の場合は個別に相談して糖質制限食を導入するか否かを相談することとなります。

なお、米国糖尿病学会は、2013年10月の「栄養療法に関する声明」において、『糖尿病腎症の所見のない糖尿病患者では、最適な血糖コントロール、あるいは、心血管疾患リスクの改善のための理想的な蛋白質摂取量に関しては、これを推奨するに足る十分なエビデンスは存在しない。したがって、目標は個別化されなければならない。

C糖尿病腎症(微量アルブミン尿、および、顕性蛋白尿)を有する糖尿病患者では、通常の摂取量以下に蛋白質摂取量を減量することは、血糖状態、心血管リスク、あるいは、糸球体ろ過率低下の経過に変化を与えないので、推奨されない。A』としています。

つまり、糖尿病腎症のない糖尿病患者での理想的な蛋白質摂取量のエビデンスは存在しないと断定しています。

さらに踏み込んで、糖尿病腎症を有する患者においても、「蛋白質制限は推奨しない」とランクAで断定しています。

山前先生も仰っているように、日本糖尿病学会(JDS)が、米国糖尿病学会(ADA)と同様に糖質制限食を正式に認める日は近いのでしょうか?



江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
「豚皮を揚げて食べる会in大阪」2015/3/14(土)のご報告
こんにちは。

「豚皮を揚げて食べる会in大阪」無事終了です。

今回は、一次会で帰京しましたが、相変わらずとても楽しい会でした。

「豚皮を揚げて食べる会in大阪」は、

3月14日(土)14:00~17:45
レンタルスペーススマイル(大阪市 淀川区 塚本2-28-17 川田ビル2F/東海道本線塚本駅近く)

で、開催されました。
会費¥3000-

やはり、大人気で35人の定員が夏井先生のブログ公開後、瞬時に満員となったそうです。

主催者【夏井先生とポークおじさん林 和弘さん(株式会社ランニングマンhttp://www.runningman.info/)】
が準備してくださったものや、参加者の持ち込んだ、

<お酒・おつまみ・スイーツ>が以下です。
糖質オフビール:350mlを一人2本分
赤ワイン3本
チョット渋めのフルボディー赤&アーモンド
「お抹茶」 を持ってまいります。持参しますお茶碗は自分用のだけですが、良ろしかったら、ご自身用のお茶碗をお持込み願いますれば、お茶を立てさせて頂きます。
鳥はむ作りました
がっちょ(ネズミゴチ)の唐揚げ
自家製ブランパンを焼いて持ってきます。フランスみやげのパテの缶詰をパンに塗ってお出しします。
Nuccaの低糖質ブドウパン、菓子パン数種
手羽元ジンジャー焼き
バナナブレッド
とりチャーシュー
糖質制限okモリドルミルクチョコを5つ
菓子職人のロールケーキ
木次のチーズ
低糖質ほうれん草とベーコンのキッシュ
糖質ゼロの日本酒を、1.8リットル
宮崎名物鶏炭火焼ゆずこしょう味
オーストリア・シュタイヤマルク州のかぼちゃの種
京都江部粉で作ったシフォンケーキ
バターたっぷり《低糖質オリーブガレット》焼きます! 糖質量一個0.5g
キリンフリー3本
低糖質ジュース(シュエップス フルーツビネガー0.8、フルーツビネガースパークリング1.3) 各3本ぐらい。(持てるだけ)
ベビーチーズ数種
ウイスキーの「ボウモア12年」を一本
おからとナッツのブラウニー
糖質制限ドットコムの「糖質オフのチーズ蒲鉾」
つまみやすそうなチーズ
石垣島の泡盛720ml
いつもの低糖質チーズケーキ
煎じがら(豚の胃袋を揚げて味付けした,広島の名物)塩味としょうゆ味
燻製専門店のおつまみ
「茜霧島」という芋焼酎
限定版の初号Hiニッカ復刻版(ウィスキー)
厳選・無添加のナッツ(ピーカンナッツなどなど
自然栽培のラム酒

豪華絢爛のご馳走とおつまみとスイーツです。 ヽ(*`▽´)ノ 

これで、¥3000-は、超お得です!

私は、現在品切れ中の血糖値を上げないスペイン製モリドルチョコダーク(100g)×5個、を「豚皮会」に持っていくべく、江部診療所の冷蔵庫に確保していたのですが、急いで出かけて、コロッと忘れてしましました。( ̄_ ̄|||)

私は外来診療後に駆けつけたので、午後3時過ぎの参加でした。

夏井先生をはじめほとんどの方が、ほんのりピンクに色づいて、例によってすでにほろ酔い気分でご機嫌でした。

夏井先生、今回は、ワイアレスヘッドセットを準備して、マイクを使って司会進行を仕切っておられました。

夏井先生と私と参加者の方3人で記念写真を、駆けつけで、10数人分撮りました。

ポークおじさん林 和弘さんは、例によって黙々とリアルタイムに豚皮を揚げ続けてくださいました。謝謝!m(_ _)m

各地の医師や看護師や栄養士が参加しておられ、糖質制限な話題で盛り上がりました。

あとは鍼灸師、整体師、化学者、パン作りの先生、一般の方、皆元気いっぱいで、飲むわ食べるわ喋るわ・・・絶好調の宴でした。(⌒o⌒)v

アタサンテ・京都江部粉糖質制限パン教室・主宰の利野郁枝さんに作っていただいた、京都江部粉のシフォンケーキ、とても美味しかったです。 (^_^)

こんな楽しい会は、行けそうだったら、またいきたいと思います。



江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
高雄病院のアトピー・アレルギー治療と自己管理。『医総会WEEK』
おはようございます。

第29回日本医学会総会2015関西 が開催されます。

その中で2015年4月4日(土)から4月12日(日)までが『医総会WEEK』で、市民公開講座やコンサートが行われますが、
私も参加させていただくこととなりました。

「高雄病院のアトピー・アレルギー治療と自己管理」と題して、お話します。

園城三花トリオとの共演で、コンサートと講演のあとは30分ほど4人でアトピー・アレルギー談義となります。

音楽やアトピー・アレルギーに興味がある方は、是非、ご参加くださいね。


江部康二




詳細・お申し込みは下記URLより。

★医総会Week HP

http://isoukaiweek2015.jp/

★健康管理と癒し ~アレルギーとのつきあい方~ 事前参加登録を開始

http://isoukaiweek2015.jp/program/detail/k02.html




☆☆☆

以下は医学会総会事務局のちらしです。

医学会総会2015関西

~医と健康を考える、市民のための9日間~ 医総会WEEK

アレルギー
健康管理と癒し

2015年4月4日(土)13:30~15:00
京都劇場
京都市下京区烏丸通り塩小路下る京都駅ビル内

花粉症や喘息、アトピー性皮膚炎で悩む方が近年増えています。
免疫反応が過剰におこるアレルギー。
様々な要因が考えられ、過剰な反応が様々に発現します。
ある方は涙や鼻水が溢れたり、痒くなったり、蕁麻疹がでたり、発熱したり。
人それぞれに病因や症状や程度が異なり、生活、環境やストレスなどでなかなか改善できないものです。
日常生活に支障をきたすアレルギー疾患ですが、これらとどう付き合っていくか、皆さんと考えましょう。コンサートも予定しています。


プログラム

13:30~14:00 やすらぎのコンサート
園城 三花 トリオ

園城三花トリオは、ソロ・フルート奏者として長年活躍する
園城三花と京都市芸術大学出身バイオリニスト古味亜紀と
チェリスト細辻秀美によるクラシカルトリオ。京都を拠点に
西洋のメロディーから日本の調べ、バロックからJ-POPまで
をオリジナルアレンジでカバーする今話題のトリオ。
園城 三花(フルート)
古味 亜紀(バイオリン)
細辻 秀美(チェロ)


14:00~15:00 講演
高雄病院のアトピー・アレルギー治療と自己管理
講師 江部康二

プロフィール
1950年生まれ。 1974年京都大学医学部卒業。1974年から京都大学胸部疾患研究所第一内科(現在京大呼吸器内科)にて呼吸器科を学ぶ。
1978年から高雄病院に医局長として勤務。アトピ-患者さんを多数診察。「高雄病院アトピー学校」呼ばれる入院教育プログラムを発足。気管支喘息・花粉症などのアレルギ患者さんも多数診察。
1999年高雄病院に糖質制限食導入。2000年理事長就任。2001年から糖質制限食に本格的に取り組む。2002年に自ら糖尿病であると気づいて以来、さらに糖尿病治療の研究に力を注ぎ、「糖質制限食」の体系を確立。これにより自身の糖尿病を克服。
内科医/漢方医/(財)高雄病院理事長/社団法人日本糖質制限医療推進協会理事長

著書
『ドクター江部のアトピー学校』2005年(東洋経済新報社)
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』2005年(東洋経済新報社)
『糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食』2010年(ナツメ社)
『主食をやめると健康になる』2011年(ダイヤモンド社)
『食品別糖質量ハンドブック』2012年(洋泉社)
『糖質オフ!健康法』2012年(PHP文庫)
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!新版』2014年(東洋経済新報社)
『炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません』2014年(東洋経済新報社)
『一生太らない「やせる! 食べ方」 』2014年(PHP文庫)
など多数。

ブログ『ドクター江部の糖尿病徒然日記(http://koujiebe.blog95.fc2.com/
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
低カロリーダイエットで失敗、糖質制限ダイエットで成功。報告2。
【15/03/12 プーすけ

お久しぶりですプーすけです。

昨年、ダイエットの成果をブログで紹介していただきました

あれから、ほぼ5ヶ月。体重は減り続け、ついに58キロ台になり、体脂肪率も28%になりました。

さすがに最初のように一ヶ月で5キロとかは減りませんが、一ヶ月単位で見たら1キロづつくらい緩やかに下がり続けています。

ウエスト84センチが67センチになりました。

あと、昨年要精密検査だった項目はすべて異常なしになりました。

毎日空腹を感じることなく生活できて、健康になっている 本当にすばらしいダイエットに出会えてよかったです。

でも、これでわかったことがひとつあります。
私、低血糖のようでした。
どうしても仕事上、昼には糖質の多い食事になることがあるのですが、その時、食後2時間くらいで軽いめまいを感じます。最初は貧血かと思ったのですが、たまたま血液検査で血糖値が54しかありませんでした。

確実に制限出来ているときは感じないめまいなので、これが原因だと思います。

糖尿病検査でひっかかったことはありませんが、予備軍なんでしょうか?
このまま、糖質制限で防げますか?
ちなみに、他界した父は重度の糖尿でした。】



こんにちは。

プーすけさんから、2度目のデータ改善報告をコメント頂きました。
ありがとうございます。

プーすけ さん 、データ改善、体重減少、良かったですね。

2014年の健康診断で、肥満、高LDLコレステロール血症、高尿酸血症で要精密検査との判定。

2014年8月1日から、糖質制限食開始
身長158cm 体重75kg BMI:30.0 からスタート。

2014年10月11日、65.5kgと、9.5kgキロ減量。BMI:26.2

2015年3月12日、糖質制限食開始7ヶ月目で、
体重58kg。BMI:23.2、体脂肪率28%。

健康診断の血液検査で、「高LDLコレステロール血症、高尿酸血症」は基準値内に改善。

客観的データでも主観的感覚でもとても健康になっておられ、素晴らしいですね。

「どうしても仕事上、昼には糖質の多い食事になることがあるのですが、その時、食後2時間くらいで軽いめまいを感じます。最初は貧血かと思ったのですが、たまたま血液検査で血糖値が54mg/dlしかありませんでした。」

血糖値が54mg/dlなら、機能性低血糖の可能性が高いです。

糖質制限食なら、機能性低血糖の症状は予防できます。

父上が糖尿病なら、プーすけ さんも、インスリン追加分泌が遷延するタイプの可能性があり、 機能性低血糖を生じやすいですし、将来糖尿病にもなりやすいです。

糖尿病発症も糖質制限食で予防できますので、これからも美味しく楽しく末長く糖質制限食をお続け下さいね。 (^^)



江部康二




低カロリーダイエットで失敗、
糖質制限ダイエットで成功。

2014年10月11日 (土)

【14/10/11 プーすけ

はじめまして。

健康診断で、肥満、高LDLコレステロール血症、高尿酸血症で要精密検査となったものです。

身長158センチに体重75キロとりっぱなメタボです。

これではいけないと、ダイエットを開始し、その時に先生の糖質制限を知りました。

実は以前から炭水化物抜きダイエットは知っていました。

しかし、10年前、某大学の食物栄養学の教授の講演で「脳はぶどう糖が必須だから、絶対に主食は抜いてはいけません」と聞かされ、ずっとそうだと信じていました。

なので、今回、この教授の話とは全く違う糖質制限に不安を覚えながらも、何度も低カロリーダイエットを失敗してきているので、今度こそという思いが強くありました。

8月1日より開始し、本日現在65,5キロと、9.5キロ減量できました。

先日驚いたのが、職場の人に勧められ、断りきれず1個だけ食べた伊勢の名物であるお餅の味がおいしく感じなかったことです。

私は、あのお餅が大好物で、以前は一人で4個くらいぺろっと食べてしまうほどでした。

しかし、先日食べたとき、甘ったるさに気持ち悪いとさえ思ってしまいました。

たった2か月、糖質を制限しているだけで、こんなに味覚が変わるんだとおもいました。

日頃、ラカントと、大豆粉やおからでケーキも作るので、決して甘いのもを食べていないわけではないのですが・・・。

低カロリーダイエットを繰り返していた時と違い、空腹感もなく、ストレスを感じないすばらしい減量法です。

それに、運動もしていないのに、体組成計で図るたび、減るのが筋肉ではなく体脂肪率だということも驚きです。

先日、健康診断があり、結果はまだですが、どこまで改善できているか期待と不安でドキドキしています。

今後もおいしく糖質制限を続けながら、目標体重55キロをめざします。

それに、糖尿で、BOTという治療を受けている友人に、糖質制限を行ってほしいという思いがあります。

友人の主治医は糖質制限を知っておられ、進められているようですが、本人が「ご飯我慢できない」と拒否しています。

まずは、自分がお手本となって辛くないよ、こんなに改善するんだよと教えてあげたいと思っています。

長々と書いてしまい申し訳ございません。】



こんにちは。

プーすけさんから、
「低カロリーダイエットで失敗、糖質制限ダイエットで成功。」
という嬉しいコメントをいただきました。

身長158cm。体重75kg。
2014年8月1日から糖質制限食を開始して、10月11日、2ヶ月ちょっとで9.5kg減量して、65.5kg。

楽にできて、体脂肪率も減少とは、素晴らしい成果ですね。

カロリー制限によるダイエットは、一旦体重が減少しても、人体が基礎代謝を低下させて、低カロリー状態に適応するので、
ほとんど失敗します。

具体的には、カロリー制限で、半年くらいは体重減少しますが、その後は徐々に体重が増えていきます。

カロリー制限をやめて元の摂取量に戻せば、基礎代謝が低下している分、今までより太りやすくなります。

糖質制限食なら、カロリー制限はなく標準必要摂取カロリーを摂取してもいいので、基礎代謝の低下はなく、ダイエット効果も継続します。

糖質制限食による体重減少効果は、以下の①~④によります。

①インスリン(肥満ホルモン)が基礎分泌以外ほとんど出ない。
②食事中も含めて常に体脂肪が燃えている。
③食事中も含めて常に肝臓で糖新生が行われ、それにかなりのエネルギーを消費する。
④高タンパク食により、食事誘発熱産生(DIT)が亢進する。。

詳しくは
2014年04月14日 (月)の本ブログ記事
「糖質制限食による体重減少効果。2014年4月。」
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-2925.html
をご参照ください。

それから、スーパー糖質制限食を実践すると食後高血糖はリアルタイムに改善しますが、肝臓や腎臓が糖新生(アミノ酸や乳酸などからブドウ糖を作ること)しますので、低血糖にはなりません。

さらに、脳はケトン体という脂肪酸の分解物をエネルギー源としていくらでも利用できますから、「脳はブドウ糖が必須」という某大学の食物栄養学の教授の発言は完璧な間違いです。

必須脂肪酸、必須アミノ酸、ビタミン、ミネラル、微量元素は、食材から摂取することがに絶対に必要ですが、必須糖質はありません。これは議論の余地のない生理学的事実です。

体内で必要なブドウ糖は、肝臓で糖新生してまかなうので、食物から摂取する必要はないのです。

国際食事エネルギーコンサルテーショングループの報告では、
「炭水化物(この場合は糖質とほぼ同義)の理論的な最小必要量はゼロである」
と明記されています。(☆)


プーすけさん、これからも、安心して、美味しく楽しく末長く糖質制限食をお続けくださいね。


(☆)
Eur J Clin Nutr. 1999 Apr;53 Suppl 1:S177-8.
Report of the IDECG Working Group on lower and upper limits of carbohydrate and fat intake. International Dietary Energy Consultative Group.
Bier DM, Brosnan JT, Flatt JP, Hanson RW, Heird W, Hellerstein MK, J?quier E, Kalhan S, Koletzko B, Macdonald I, Owen O, Uauy R.


江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
米国、糖尿病合併症20年間で大幅減少、心筋梗塞は60%以上減
こんばんは。

米国の調査で、糖尿病合併症の発症率が、この20年間(1990~2010年)に急速に低下していることが判明しました

医学誌「ニューイングランド ジャーナル オブ メディスン」に2014年4月17日付けで発表されました。

米国では、

(1)急性心筋梗塞 マイナス67.8% 
(2)高血糖症による死亡 マイナス64.4% 
(3)脳卒中 マイナス52.7%
(4)下肢切断 マイナス51.4%
(5)末期腎不全 マイナス28.3%

日本では

1)心筋梗塞はもともと米国に比べて発症率が少ないので、
  比較しにくいですが67.8%も減っていないと思います。
2)高血糖そのものによる死亡は、かなり少ないので、やはり比較しにくいです。
3)脳卒中に関しては、やはり52.7%も減ってはいないと思います。
4)下肢切断は、ほとんど減っていないと思います。
5)末期腎不全は、新規透析に占める糖尿病腎症の割は合増え止まりましたが、絶対数は増加し続けています。

1)3)に関しては、日本では米国ほど減少していません。
4)は、ほとんど減少していません。
5)は、1983年から2007年まで24年間、糖尿病腎症の割合は増え続けたあと増え止まったようです。
しかし透析患者数全体が増え続けているので、糖尿病腎症からの透析絶対数は2013年まで増え続けています。
  年間透析患者の割合で、1998年に慢性糸球体腎炎を抜いて疾患別一位になっています。

               2007      2008   2009    2010    2011    2012     2013
糖尿病腎症の割合   43.4      43.3    44.5    43.6     44.3    44.2     43.8%
透析患者数全体     275,242  283,421  290,661  298,252  304,856   310,007   314,180

 

結局、米国では、1990~2010年にかけての20年間で、糖尿病合併症が大幅に減少していますが、日本ではほとんど減少していません。

糖尿病の治療薬としては、米国も日本もそんなに差はありません。なので、合併症発症率の差は、薬以外に要因があることとなります。

運動療法もそんなに差があるとは思えません。そうなると残るのは、糖尿病の食事療法だけです。

米国では1993年から糖質管理食が広まりはじめました。

米国では1994年に炭水化物と脂質の割合を固定しなくなりました。

2005年、ボストンのジョスリン糖尿病センターは、炭水化物の推奨量を40%に下げました。

全米最大の糖尿病患者会は、大分前から炭水化物40%ていどを推奨しているそうですが、いつ頃からそうなのかは、判然としません。

ともあれ、米国では糖尿病と診断されたら、糖質摂取を意識することは、1993年糖質管理食が広まり始めたころからは、常識になっていったと思われます。

これに対して日本の糖尿病食は、1969年から一貫して糖質60%を推奨しています。

あくまでも仮説ですが、
糖質摂取比率が、40%の米国の糖尿病患者と
糖質摂取比率が、60%の日本の糖尿病患者の差が、
合併症の差に繋がった可能性は高いと私は思います。

なお米国でも、糖尿病合併症の発症率は減少ですが、糖尿病患者数は増え続けています。

これは、糖尿病患者以外の米国人は、50%くらいの糖質摂取比率のため、糖尿病発症が予防できていない可能性があります。


江部康二


☆☆☆
以下糖尿病ネットワークより抜粋
http://www.dm-net.co.jp/calendar/2014/021697.php

糖尿病合併症が20年間で大幅減少 
心筋梗塞や高血糖は60%以上減


2014年04月25日
カテゴリー:2014年 医療の進歩 糖尿病合併症

 心臓病や脳卒中、腎臓病、下肢切断といった糖尿病合併症の発症率が、米国でこの20年間に急速に低下していることが判明した。「糖尿病は数百万の患者の生活に影響をもたらす破壊的な病気ですが、医療は進歩しており、糖尿病合併症は減りつつあります」と、研究者はこの調査結果を歓迎している。

「脳卒中」や「下肢切断」も、20年間で50%以上減少
 この調査は、米国疾病予防管理センター(CDC)から研究助成を得て行われたもので、医学誌「ニューイングランド ジャーナル オブ メディスン」に4月17日付けで発表された。
 研究チームは、「米国医療聞取り調査」(National Health Interview Survey)、「全米退院調査」(National Hospital Discharge Survey)、「米国腎臓データシステム」(U.S. Renal Data System)、「米国人口動態統計」(National Vital Statistics System)の4件の大規模調査のデータを用いて、1990~2010年の糖尿病合併症の発症について調べた。
 その結果、2010年までに、以下の5つの合併症すべてにおいて、相対的な発生率が低下していることが判明した。

(1)急性心筋梗塞 マイナス67.8% (95%信頼区間[CI] -76.2~-59.3)
(2)高血糖症による死亡 マイナス64.4% (同-68.0~-60.9)
(3)脳卒中 マイナス52.7%
(4)下肢切断 マイナス51.4%
(5)末期腎不全 マイナス28.3% (同-34.6~-21.6)

 絶対的減少がもっとも大きかったのは「急性心筋梗塞」(1万人あたりマイナス95.6人)で、もっとも小さかったのは「高血糖による死亡」(同マイナス2.7)だった。
 「糖尿病合併症を長期間予防すれば、生活の質(QOL)の低下を防ぐことができます。糖尿病をもつ人は、治療を続けながら、より良く生活していくことができます」と、CDCのシニア研究員のエドワード グレッグ氏は述べている。
 糖尿病合併症が急速に減っている背景として、新しい治療薬が開発されるなど、糖尿病の治療の選択幅が拡大していることや、コレステロールなどの脂質や、血圧をコントロールする治療が普及したことを挙げている。
 「医療の進歩が影響しているのはもちろんのことですが、患者自身が食事や運動、禁煙などの生活スタイルを改善し、自己管理することが一般的に行われるようになったことも、大きく貢献しています。糖尿病は、医師や医療スタッフが合併症の危険因子を管理するよりも、患者自身が生活スタイルを改善することで得られるメリットが多い病気です」(グレッグ氏)。
 糖尿病の治療では、医療従事者が患者の生活習慣の指導を行い、自己管理を促しており、その努力が成果をもたらしはじめている。「生活習慣の指導はますます重要です」と指摘している。

20年で糖尿病人口は3倍に増加 医療費も急増
 良いニュースをもたらした調査結果だが、一方では、米国を含め世界中で糖尿病の患者数が増え続けていることが懸念されている。
 「米国だけでも糖尿病有病数が20年間で650万人から2,070万人と、3倍以上に増えています。さらに、糖尿病予備群の数は7,900万人以上に上ります。糖尿病合併症の発症率を抑えられても、糖尿病の全体の有病数が増え続けているので、糖尿病合併症は減っているとは言えないのです」と、グレッグ氏は注意を促している。
 糖尿病の経済的な負担も深刻だ。米国の糖尿病や合併症の医療費は年間18兆円(1,760億ドル)に上り、毎年増え続けている。
 「糖尿病腎症による腎不全、脳卒中、下肢切断などの数は、まだ多いのが現状です。糖尿病合併症を予防するとともに、2型糖尿病の発症数を減らす対策を行う必要があります」と、グレッグ氏は言う。
 なお、20年間の調査は情報が不足しており、1型糖尿病と2型糖尿病を識別できていないことや、糖尿病が原因となる視覚障害や、低血糖の影響などについても不明な点も多いことを付け加えている。













テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
甘味料について
こんにちは。

今回は久しぶりに、甘味料のことを復習を兼ねて考えてみます。

まず大きく分けて、天然甘味料と人工甘味料の2つに分類できます。

次に、人工甘味料を合成甘味料と糖アルコールに分けてみました。

1 天然甘味料

ショ糖(サトウキビ、テンサイなど)、ステビオサイド(ステビア)、グリチルリチン酸(甘草)、蜂蜜、メープルシロップ、果糖、麦芽糖など、天然の植物や食品中に含まれている甘み成分を取り出し精製、濃縮した甘味料のこと。

2 人工甘味料(広義の意味)

人工的に作られた甘みのある物質のこと。
合成甘味料、糖アルコールなどがあります。

a)合成甘味料

人工甘味料の一種で、人為的に化学合成された甘みのある物質(甘味料)のこと。
砂糖より低カロリー、低価格、などの特徴がある。

狭義の意味の人工甘味料は合成甘味料と同義で使われることがあります。

サッカリン、スクラロース、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、ネオテーム、アドバンテームなどがあります。
これらの6種は、FDA(アメリカ食品医薬品局)および厚生労働省が認可しています。

b)糖アルコール

キシリトール、ソルビトール、エリスリトール、マルチトール、ラクチトールなどがあります。

キシリトールは野菜や果物などに、ソルビトールはプルーン、ナシ、リンゴなどに、
エリスリトールは果実、花の蜜などにそれぞれ含まれています。

マルチトール、ラクチトールもそれぞれ麦芽糖、乳糖を原料としています。

自然界に存在するものなので、糖アルコールは合成甘味料には分類されません。

糖アルコールの安全性は確立しています。

糖アルコールの中でエリスリトールだけは、血糖値を上昇させず、カロリーもゼロです。

糖アルコールのカロリーですが、欧州連合 (EU) では、エリスリトール以外のすべての糖アルコールに対し一律に 2.4 kcal/g という値を表示することが義務付けられているようです。

合成甘味料のなかで、ズルチンとチクロは戦後間もない日本で貴重な甘みとして広く使用されたのですが、発ガン性などのため、1969年と1970年にそれぞれ使用禁止となっています。

サッカリンも発癌性テストが陽性に出て、食品衛生法により1973年にいったん全面禁止となりました。

ところが1ヶ月後、食品別の使用基準が制定されると、制限付きながらサッカリンはあっさり再認可されました。

米国では長期間にわたり結構大量に使っているようです。

アスパルテームは、FDA(米国食料医薬品庁)により人工甘味料として1981年に使用が許可されています。

現在、製法特許は味の素が持っており、国内ではアスパルテームを使った食卓用甘味料「パルスイート® カロリーゼロ」が販売されています。

アスパルテームはアスパラギン酸とフェニルアラニンという2つの天然アミノ酸が結合したものです。

体内に吸収されると、速やかに2つのアミノ酸とごく微量のメタノールに分解されます。

欠点は添加物として比較的不安定であることです。

メタノール(メチルアルコール)は、大量だと失明を起こすなど毒性が強いですが、本来、ひと、動物、植物の体内に天然に存在するもので、ひと血液中の常成分の一つです。

現在、FDAおよび厚生労働省が食品への使用を許可している人工甘味料は、サッカリン、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース、ネオテーム、アドバンテームの6種です。

これらの人工甘味料は「フリーフード」と呼ばれ、米国心臓病協会や米国糖尿病協会も肯定的ではあります。

カロリーはないのでダイエットにはよいし、血糖値を上昇させないという意味では糖尿病にもOKですが、一日摂取許容量が決められている合成甘味料をわざわざ大量に摂取する必要もないと思います。

アセスルファムカリウムは、アスパルテームと違って酸性・高温条件でも変化しにくいので、炭酸飲料のほかクッキーなどの焼き菓子にも利用できます。


江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
日本医事新報「臨床医学の展望2015」の記事「糖尿病・内分泌代謝学」の感想
【15/03/08 しらねのぞるば

日本医事新報「臨床医学の展望2015」より

最近の日本医事新報(No.4740; 2015年2月28日)の特集「臨床医学の展望2015」のp.45-48に,「糖尿病・内分泌代謝学」というタイトルで,慶應大学医学部の河合俊英・伊藤裕 両先生が,3つのトピックスを挙げておられます.

Topic 1:SGLT2阻害薬
Topic 2:糖質制限食(低炭水化物食)
Topic 3:米国で糖尿病合併症が20年で大幅減少

いずれも,事実関係を中心とした中立的な記載です.

Topic 1の「SGLT2阻害薬」では,この薬剤の作用機序・効果・副作用についてわかりやすく解説しています.注目したのは,副作用の項で「(SGLT2阻害薬は)生理的な機構を破綻させる薬剤ともいえる」とあり,これは今まで私がみた中では,もっとも強い表現の警告です.

記事では死亡例が10件あったことも書かれているのですが,一方で厚労省の「医薬品・医療機器等安全性情報」(No.320; 2015年1月29日)の「重要な副作用等に関する情報」を見ると,SGLT2阻害薬の副作用症例が書かれているものの,わざわざ各薬剤ごとに「うち死亡0例」と注記されています. 因果関係は不明であるということなのでしょうが,厚労省はいったいどちらの方を向いているのやら.

Topic 2の「糖質制限食(低炭水化物食)」では,米国糖尿学会(ADA)の2014年『成人糖尿病患者の食事療法に関する声明』を紹介しており,そこでは「すべての糖尿病患者にふさわしい食事パターンは存在せず,患者ごとに地中海食・ベジタリアン食・脂肪制限食・糖質制限食など様々な食事パターンが受容可能である」と明記しています.

著者の一人,伊藤裕 先生は,「空腹時血糖値・HBA1cが正常でも,食後の血糖値が高い糖尿病予備群の段階から合併症の危険は始まっている」と解説されている方ですから;

『メタボリックドミノ食い止めよう!』
http://sales.nipro.co.jp/freestyle/diabeters/domino/index.html

高糖質食の危険性を意識されているのでしょう.

ただ,この記事中の「BMI30超の肥満は欧米では人口の20%以上である一方,日本人では成人人口の3%程度であり,日本人における糖質制限食の減量効果は顕著にみられない」という記載には少し首をひねりましたが,これは「同じような高度肥満であれば,米国人でも日本人でも同じように減量効果がみられる」ことを逆に認めておられるのだな,と解釈しました.

また,この記事には,糖質制限食に否定的な方が必ず言及する「糖質制限するとケトン体が云々~」という記載が一切ないことも好ましい印象でした.

ところが,京都大学医学部 糖尿病・栄養内科のホームページをみると;

糖尿病性ケトアシドーシス:
【体内にケトン体という有害物質が多量に作り出されます】
http://metab.kuhp.kyoto-u.ac.jp/to_patient/online/a005.html

などという記載があります. 日本病態栄養学会で,宗田先生が新生児・胎盤には高濃度のケトン体が存在することを発表されているにもかかわらず,まだこんなことを書いているのですね.『日本の新生児は高濃度の有害物質を抱えて出産してくる』由々しい事態と思っておられるのでしょうか?そうであれば,今すぐ対策をご教示いただきたいものです.

Topic 3の「米国で糖尿病合併症が20年で大幅減少」は,1990-2010年の20年間で,例えば急性心筋梗塞が67.8%減少,その他の合併症も相対比50~60%の減少であったという報告の引用です.

「糖尿病を原因とする死亡」の統計の取り方が日米で異なるせいなのかもしれませんが,数々の新薬が登場した割には,日本では糖尿病患者は一向に減る気配を見せず(糖尿病予備軍だけは2012年推計で減少し始めたようですが,予備軍は治療を受けていないので,これは「新薬の効果」ではありません),日米の糖尿病医療への取り組みには何か根本的な違いがあるのではないでしょうか.】


こんにちは。

しらねのぞるば さんから、興味深いコメントをいただきました。

日本医事新報の特集「臨床医学の展望2015」の「糖尿病・内分泌代謝学」というタイトルの記事についてです。
いつもありがとうございます。


Topic 1:SGLT2阻害薬

副作用の項で「(SGLT2阻害薬は)生理的な機構を破綻させる薬剤ともいえる」というのは、確かに今までで一番シビアな意見ですね。

私も、SGLT2阻害薬 は毎日、100gのブドウ糖を尿中に排泄して400kcal/日を失わせる薬なので、長期に内服すれば、人体は基礎代謝を減らして適応する可能性が高く、使うとしても糖毒解除などのために短期間が良いと思います。


Topic 2:「糖質制限食(低炭水化物食)」

医事新報というポピュラーな医学雑誌で、米国糖尿病学会の栄養療法に関する最新の情報を紹介して貰えるのは、大変有意義です。

これで、米国糖尿病学会が2013年10月から、正式に糖質制限食を受容しているということが、日本の一般の医師にかなり認知されることとなります。

ケトン体に対するネガティブな記載がないことも含めて、河合俊英先生、伊藤裕 先生に感謝です。

一方、京都大学医学部 糖尿病・栄養内科のホームページに
http://metab.kuhp.kyoto-u.ac.jp/to_patient/online/a005.html

「・・・ケトン体という有害物質・・・」という記載がありますね。

我が母校ながら、これは完全な誤解であり、残念極まりないです。

胎児や新生児のケトン体は基準値より数倍~30倍の高値です。

すなわちケトン体は胎児や新生児の主要なエネルギー源であり、まったく安全な物質です。

少なくとも全ての人類が、空腹時や睡眠時には、心筋・骨格筋などの体細胞はケトン体を主たるエネルギー源としていることもご存じないようです。

京大糖尿病・栄養内科のサイトは、インスリン作用が欠落していることが前提の「糖尿病ケトアシドーシス」という重篤な病態と、インスリン作用が確保されているときの「生理的ケトーシス」の区別がついていないようですね。


Topic 3の「米国で糖尿病合併症が20年で大幅減少」は、とても興味深いです。

わが日本では、糖尿病合併症が20年で大幅減少ということはまずないです。

日米の糖尿病患者における糖質摂取量の差が、糖尿病合併症発症に関係している可能性があります。

近日中にここらあたりを少し検証して記事にしたいと思います。


江部康二
テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質制限食医療従事者向けセミナーin東京のご報告
日本糖質制限医療推進協会主催 医療従事者向けセミナー(東京)

  「糖質制限食による糖尿病指導~理論と実践~」

■日時: 2015年3月8日(日) 13:45~17:30頃 ※受付13:30~

■場所: ソラシティカンファレンスセンター2階テラスルーム
東京都千代田区神田駿河台4-6
http://solacity.jp/cc/visitor_ja/index.html
     
■アクセス:
・JR中央・総武線「御茶ノ水」駅聖橋口から徒歩1分
・東京メトロ千代田線「新御茶ノ水」駅B2出口直結
・東京メトロ丸ノ内線「御茶ノ水」駅出口1から徒歩4分
 
◆スケジュール:

第一部  13:45~14:35 「基礎理論」 ※講師A

第二部  14:45~15:35 「症例検討と薬剤の使い方など」 ※講師A

質疑応答 15:35~16:05

第三部  17:20~17:10 「高雄病院における糖質制限給食とその取り組み」※講師B

質疑応答 17:10~17:30

◆講師:

A:江部 康二 医師
  (一財)高雄病院 理事長/(一社)日本糖質制限医療推進協会 理事長

B:橋本 眞由美 管理栄養士
  (一財)高雄病院 栄養管理部 部長

◆対象: 医療従事者(医師、歯科医師、薬剤師、看護師、栄養士、鍼灸師など)



こんにちは。

糖質制限食医療従事者向けセミナーin東京
大盛況のうちに無事終了しました。
たくさんのご参加ありがとうございました。

会場のソラシティはとても綺麗な新しいビルで、広くて使いやすく好印象でした。
JRお茶の水駅から徒歩1分と交通の便も良かったです。

定員いっぱいの70名が参加されて、熱気のあふれるセミナーとなりました。

医師が24名、歯科医師が4名、栄養士が12名、 看護師・保健師・助産師が12名、薬剤師が3名、鍼灸師・柔道整復師が7名
その他4名といったメンバーでした。

医師の参加がどんどん増えているのは心強いです。

東京、関東は勿論のこと、山形、岡山、兵庫、鳥取、福岡などの遠方からもご参加いただきました。

質疑応答もたっぷり行うことができました。

内容が充実した質問が多くて、とても意義深いセミナーとなりました。

栄養士の方々からも実践的な質問が相次いで、糖質制限食指導にかける熱意がおおいに感じられました。

すでに糖質制限食を実践している方々が多かったです。

一方、これから診療に糖質制限食を取り入れるつもりでセミナーに参加された医師や栄養士もおられました。

京都セミナーの時も実感しましたが、糖質制限食の輪は日本全国に確実に広がっていますね。 (^_^)


江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
日本医学会総会2015。医総会WEEK。アレルギー・健康管理と癒し。
こんにちは。

第29回日本医学会総会2015関西 が開催されます。

その中で2015年4月4日(土)から4月12日(日)までが『医総会WEEK』で、市民公開講座やコンサートが行われますが、私も参加させていただくこととなりました。

「高雄病院のアトピー・アレルギー治療と自己管理」と題して、お話します。

園城三花トリオとの共演で、コンサートと講演のあとは30分ほど4人でアトピー・アレルギー談義となります。

音楽やアトピー・アレルギーに興味がある方は、是非、ご参加くださいね。


江部康二

詳細・お申し込みは下記URLより。

★医総会Week HP

http://isoukaiweek2015.jp/

★健康管理と癒し ~アレルギーとのつきあい方~ 事前参加登録を開始

http://isoukaiweek2015.jp/program/detail/k02.html


☆☆☆

以下は医学会総会事務局のちらしです。

医学会総会2015関西

~医と健康を考える、市民のための9日間~ 医総会WEEK

アレルギー
健康管理と癒し

2015年4月4日(土)13:30~15:00
京都劇場
京都市下京区烏丸通り塩小路下る京都駅ビル内

花粉症や喘息、アトピー性皮膚炎で悩む方が近年増えています。
免疫反応が過剰におこるアレルギー。
様々な要因が考えられ、過剰な反応が様々に発現します。
ある方は涙や鼻水が溢れたり、痒くなったり、蕁麻疹がでたり、発熱したり。
人それぞれに病因や症状や程度が異なり、生活、環境やストレスなどでなかなか改善できないものです。
日常生活に支障をきたすアレルギー疾患ですが、これらとどう付き合っていくか、皆さんと考えましょう。コンサートも予定しています。


プログラム

13:30~14:00 やすらぎのコンサート
園城 三花 トリオ

園城三花トリオは、ソロ・フルート奏者として長年活躍する
園城三花と京都市芸術大学出身バイオリニスト古味亜紀と
チェリスト細辻秀美によるクラシカルトリオ。京都を拠点に
西洋のメロディーから日本の調べ、バロックからJ-POPまで
をオリジナルアレンジでカバーする今話題のトリオ。
園城 三花(フルート)
古味 亜紀(バイオリン)
細辻 秀美(チェロ)


14:00~15:00 講演
高雄病院のアトピー・アレルギー治療と自己管理
講師 江部康二

プロフィール
1950年生まれ。 1974年京都大学医学部卒業。1974年から京都大学胸部疾患研究所第一内科(現在京大呼吸器内科)にて呼吸器科を学ぶ。
1978年から高雄病院に医局長として勤務。アトピ-患者さんを多数診察。「高雄病院アトピー学校」呼ばれる入院教育プログラムを発足。気管支喘息・花粉症などのアレルギ患者さんも多数診察。
1999年高雄病院に糖質制限食導入。2000年理事長就任。2001年から糖質制限食に本格的に取り組む。2002年に自ら糖尿病であると気づいて以来、さらに糖尿病治療の研究に力を注ぎ、「糖質制限食」の体系を確立。これにより自身の糖尿病を克服。
内科医/漢方医/(財)高雄病院理事長/社団法人日本糖質制限医療推進協会理事長

著書
『ドクター江部のアトピー学校』2005年(東洋経済新報社)
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』2005年(東洋経済新報社)
『糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食』2010年(ナツメ社)
『主食をやめると健康になる』2011年(ダイヤモンド社)
『食品別糖質量ハンドブック』2012年(洋泉社)
『糖質オフ!健康法』2012年(PHP文庫)
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!新版』2014年(東洋経済新報社)
『炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません』2014年(東洋経済新報社)
『一生太らない「やせる! 食べ方」 』2014年(PHP文庫)
など多数。

ブログ『ドクター江部の糖尿病徒然日記(http://koujiebe.blog95.fc2.com/
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
1日の糖類は小さじ6杯分まで WHOが新指針
こんにちは。

WHOが、「1日の糖類は小さじ6杯分まで」という新指針を発表しました。

『糖類』に関する指針で、『糖質』に関する指針ではありませんので、誤解のないように注意が必要です。

新指針では、糖類のうち単糖類と2糖類のショ糖(砂糖)の摂取を総摂取カロリーの5%未満に抑えれば、健康増進効果が得られるとしています。

一日の摂取エネルギーが2000kcalとして、5%なら、25g(ティースプーン6杯分)となります。

従来は10%でしたので、半分になりました。

糖質制限食的には、好ましい変化と言えますね。


江部康二


☆☆☆以下日本経済新聞ウェブサイトから転載

 【1日の糖類は小さじ6杯分まで WHOが新指針
2015/3/5 6:06

「ジュネーブ=原克彦」
世界保健機関(WHO)は4日、肥満や虫歯を予防するために、砂糖などの糖類を一日に摂取するカロリーの5%未満に抑えるべきだとする新指針を発表した。平均的な成人で25グラム(ティースプーン6杯分)程度。従来は10%までと推奨していたが、各種の研究結果から基準を引き下げた。

 WHOが摂取量の制限を推奨するのは、糖類のうち単糖類と2糖類のショ糖(砂糖)に限る。主に加工食品や清涼飲料に加えられる砂糖のほか、蜂蜜や果汁飲料などに含まれる。未加工の青果類や牛乳に含まれる糖分は対象外だ。

 新指針では引き続き「10%までを推奨する」としつつも、「5%より低ければ、さらに健康増進効果を得られる」と追加した。WHOは2014年3月に新指針の案を公表し、意見を受け付けてきた。寄せられた意見は1千件を超えた。一部には反対意見もあったが、推奨基準の内容は変えなかった。

 WHOは過去にも糖類摂取量の抑制を図ろうとしたが、米国の砂糖関連業界などが強く反発し、実現できなかった。近年の世界的な健康志向の高まりが、追い風になったもようだ。3日には食品世界最大手のネスレ(スイス)が砂糖を従来より3割減らしたシリアルを欧州で売り出すと発表するなど、食品企業も消費者の意向を組んだ商品を投入している。

 記者会見したWHOディレクターのフランチェスコ・ブランカ博士は、インドやアフリカでも所得水準が高まるにつれて「加工食品を食べる機会が増え、糖類の摂取も膨らむ傾向がある」と指摘。地方よりも都市部の方が摂取量が多く、国によっては子供の摂取量が成人を大きく上回る。

 WHOは大さじ1杯のケチャップにも4グラムの糖類が含まれることなどを紹介し、一般的に「甘いもの」とみられない食品にも砂糖が多く加えられていると警告した。糖類摂取の抑制が虫歯予防に効果的だとする研究では、戦中・戦後の日本のデータが貢献しているという。】


テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
乳児期からピーナツ、アレルギー抑制か 英米の研究班
こんにちは

福助さんから朝日新聞デジタルの情報をコメントいただきました。
「乳児期からピーナツ、アレルギー抑制か 英米の研究班」という記事です。

精神科医師Aさんから、その記事のもとになった、ニューイングランド・ジャーナルの論文情報をコメントいただきました。

ありがとうございます。

以下朝日新聞デジタルより転載。

http://digital.asahi.com/articles/ASH342J20H34ULBJ003.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_ASH342J20H34ULBJ003
乳児期からピーナツ、アレルギー抑制か 英米の研究班

ワシントン=小林哲2015年3月4日12時42分

乳児のうちからピーナツを食べた方が、食べなかった子よりアレルギーになりにくいとする研究結果を、ロンドン大や米国立衛生研究所(NIH)などの研究チームが発表した。「食物アレルギーの予防に一石を投じる成果」とする一方、アレルギーになりやすい体質の子に与えるときは、専門医に相談するよう注意を呼びかけている。

米医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(電子版)に論文が掲載された。

研究チームは、イスラエルと英国に住むユダヤ人の幼児では、遺伝的な体質は似ているはずなのに、英国の方がピーナツアレルギーの子どもの割合が高い点に注目。イスラエルの家庭では、幼いうちからピーナツを食べさせる習慣があるため、分析を始めた。

卵アレルギーや皮膚炎があるなど、アレルギーになりやすい体質の乳児(4~11カ月)600人以上を対象に選定。ピーナツをまったく食べさせないグループと、1週間あたり最低でも6グラムのピーナツたんぱく質を含む食事をとるグループに分け、5歳になるまで追跡調査を続けた。重いピーナツアレルギーを発症した子は、調査から除外した。

その結果、ピーナツを食べたグループは、アレルギーを発症する割合が食べなかったグループの約7分の1だったという。

研究チームは「早いうちにピーナツを与えることが、実際に有益であることを初めて示せた」と説明している。(ワシントン=小林哲)】


Randomized Trial of Peanut Consumption in Infants at Risk for Peanut Allergy
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1414850#t=article




「卵アレルギーや皮膚炎があるなど、アレルギーになりやすい体質の乳児(4~11カ月)600人以上を対象に選定。ピーナツをまったく食べさせないグループと、1週間あたり最低でも6グラムのピーナツたんぱく質を含む食事をとるグループに分け、5歳になるまで追跡調査を続けた」

福助さん、無作為化比較試験(RCT:Randomized Controlled Trial)に基づく研究論文で600人以上が対象ですし、ニューイングランド・ジャーナルに掲載されてますので、かなり信頼度が高いと言えそうですよ。

早い内にピーナッツを与えると、ピーナッツアレルギーを発症する割合が約1/7となったわけですから、糖質制限食的には嬉しいですね。

離乳食にピーナッツを採用すれば、将来ピーナッツアレルギーを発症する予防になる可能性が高いです。




江部康二


テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質制限食と血清尿酸値について。2015年3月。
こんにちは。

過去の記事で、糖質制限食と血清尿酸値について書いたことがありますが、久しぶりに再考してみます。

尿酸値に関しては、糖質制限食実践で、減少する人、不変の人、増加する人と個人差が大きいです。

もともと尿酸が高値だったのが糖質制限食で基準値になる人がいますが、これは問題ないですね。

肥満がある人が糖質制限食で減量に成功したら、尿酸値が基準値になることは考えられます。

もともと尿酸値は正常だったのに、糖質制限食実践で高値となる人がいます。

一番多いのは、低カロリー過ぎた場合です。

糖質制限食開始後、急に尿酸値が上昇したときは、大多数の人が、摂取エネルギー不足でした。


2012年4月4日の毎日新聞の記事によれば、

『激しい関節痛を起こす痛風の発症は、原因物質の尿酸を尿から出す機能だけでなく、
腸から排出する機能が低下することも一因』

とのことです。

『尿酸は3分の2が腎臓から、3分の1が腸から排出される』

とは、初めて知りました。

この腸からの排泄機能も、個人差に関係しているのでしょうね。

体内で尿酸をつくり過ぎるか、尿からの排泄が悪いため、高尿酸血症になると考えられてきましたが、これらに腸からの排泄障害も加わることとなりました。

あくまでも私見ですが、この腸からの尿酸排泄は、生活習慣やストレスの影響を一番受けやすいような気がしますね。

ただ、低カロリーすぎると、どんな内容の食事でも、尿酸値が上昇するので注意が必要です。

例えば断食(絶食)をすると、尿酸値は急激に上昇します。

断食前6mg/dlが、断食中は9~10mg/dlに上昇したりします。

さて糖質制限食を実践すれば、相対的に高タンパク・高脂質食となります。

一般に高タンパク食だと尿酸値が上昇するとされていますが、ことはそれほど単純ではありません。

例えば、江部康二は、2002年以来13年間、スーパー糖質制限食実践で130g~150g/日のタンパク質を摂取していて、かなりの高タンパク食です。

しかしながら、尿酸値はこの10年間、一貫して2.4~3.5mg/dl(3.4~7.0)程度と低い方です。

尿酸は体内の酸化ストレスに対抗する物質という説があります。

私はスーパー糖質制限食で体内の酸化ストレスが少ないので、尿酸も少なくてすんでいるというポジティブな仮説もありかと考えています。

通常、糖質制限食でいったん尿酸値が上昇した人も、摂取エネルギーが足りているならば、数ヶ月~1年で元の値に戻ることが多いので経過をみることが多いです。

ただ、過去痛風発作を起こしたことがある人は、内服も考慮する必要があります。

過去痛風発作を起こしたことがない場合は、尿酸8~9mg/dlとかでも、経過をみてよいと思います。

過去尿路結石のあった人や家系的に腎臓結石持の方々は、尿酸が高値となったときは、梅干しを食べるとか、わかめ・ほうれん草・大根・キャベツ・茄子・しいたけなど摂取で尿をアルカリに保って尿酸が結晶化しにくいようして、尿酸値が基準値にもどるのを待つのが安全と思います。

尿酸値は、従来、肉の摂りすぎや、ビールの飲み過ぎで高値となるということが常識だったのですが、食事由来の尿酸は約100mgで、一日に生産される総量約700mgに比し、かなり少ないということが判明しました。

自らが痛風患者であり、痛風専門医でもある、元鹿児島大学病院内科教授、納(おさめ)光弘先生によれば、食事よりストレスや肥満のほうが、尿酸値への影響が多いことがわかってきました。

尿酸を確実に上昇させるのは、重要なものから順番に

1、ストレス
2、肥満
3、大量の飲酒
4、激しい運動
5、プリン体の摂りすぎ

だそうです。

納先生の指摘されているストレスは、精神的なもののようです。

例えば、納先生が学会の会頭をされたときに尿酸値が一番上昇して、学会が終了したら、ビールを飲んでも下がったそうです。

学会会頭という精神的ストレスで、腸からの尿酸排泄が減少した可能性がありますね。

これらに特殊例として肉体的ストレスである
「断食や極端な低カロリーのときは尿酸値上昇」
というのが、一番上にくる感じですね。


**参考
「痛風はビールを飲みながらでも治る」(小学館文庫)2004年
鹿児島大学病院内科教授、納(おさめ)光弘先生 著



江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
「食品別糖質量ハンドブック」洋泉社。11万部突破。
こんにちは。

「食品別糖質量ハンドブック」洋泉社 江部康二 監修
2012年10月25日、刊行。

おかげさまで、13刷、11万部突破です。

たくさんの方にご購入いただき、とても嬉しく思います。

糖尿人、メタボ人、生活習慣病の改善を目指す方、健康のために糖質制限食をされる方のお役にたてば幸いです。

ハンドブック

この本、¥840- と手軽な価格でよくまとまっています。

じっくり時間をかけて作っていただいたので、とても使いやすい完成度の高いハンドブックとなりました。

写真も鮮明で、糖質量の文字も大きくて、わかりやすいです。

洋泉社さん、ありがとうございます。 m(_ _)m

糖質制限食を指導する立場の医師・栄養士はもちろん、糖質制限食実践中の患者さんにも強い味方となってくれると思います。






江部康二



☆☆☆

以下「食品別糖質量ハンドブック」のはじめにです。

はじめに

2005年に「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」(東洋経済新報社)を、日本で初めて「糖質制限食」の理論的な本として上梓しました。その後、理論面の本やレシピ本などを各社から多数出版してきました。この間、糖質制限食を日本に広める役目を確実に果たしてきたかなと自負しています。

特にこの1~2年、テレビ・新聞・雑誌などのマスコミが、こぞって糖質制限食を取り上げ、世間一般の認知度は格段に上がったと思います。

2012年1月15日、京都国際会館で開催された第15回日本病態栄養学会年次学術集会において「糖尿病治療に低炭水化物食は是か?非か?」というディベートセッションが行われ、私は是側の演者として講演しました。通常は3000人規模の学会に4000人の医師・栄養士が参加し大きな反響を巻き起こしました。このことは糖質制限食が医学界の表舞台に初登場したという意味で、大きな一歩といえます。

私のブログ「ドクター江部の糖尿病徒然日記」のアクセス件数もこの日を境に1000件以上増えて、現在1日に15000件のアクセスがある人気ブログとなりました。

さらにこのセッション以降、日本全国の医師会や病院から講演依頼があり、2012年はすでに12回の医師・医療関係者向け糖質制限食講演会を行いました。医学界にも爆発的に糖質制限食が広がり始めていて、嬉しい限りです。

このような状況の中で、糖質制限食を推進しておられる医師や栄養士から、食品や料理の糖質のグラム数がわかり、持ち運びもできるようなハンドブックを是非出版して欲しいとの声が多く聞かれるようになりました。確かにそのようなハンドブックがあればとても便利です。

本書は、身近な食品や料理の糖質量・たんぱく質量・カロリーなどが、写真入りでひとめでわかるように工夫されています。糖質制限食を指導する立場の医師・栄養士はもちろん、糖質制限食実践中の患者さんにも強い味方となってくれると思います。是非ご一読いただければ幸いです。

2012年10月
高雄病院理事長
江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
標準体重の人と糖質制限食
【15/02/28 えむ

標準体重の糖質制限でダイエット

初めまして、先生のブログにたどり着きスーパー糖質制限を知りました。

私はかれこれ20年ダイエットを繰り返している45歳女です。ここ3年くらいは1日1000kcalくらいで標準体型を維持してきました。

飢餓スイッチが入ってます。すぐに太ります。

最近3キロ増えた事によりダイエットを開始しましたが全然減りませんでした。
スーパー糖質制限を初めて3週間ですが1.2キロ減りましたがここで停滞しております。
ここ20年間で初めて食べて痩せる経験をしました。本当に驚きました。

160センチ55キロBMI21.48なので先生のお話によると体重は減らないかもしれません。でもあと2キロ落としたいのです。

私は体脂肪が29%あります。
同じBMIの人でも体脂肪が18%の人と30%の人では全く違うと思います。
体重の減少はなくても続けて行けば体脂肪は減りますか?
もう少し体重を減らしたい場合は高タンパク質低脂肪にすれば体重も減少するでしょうか?

お忙しいとは思いますがお返事頂けると嬉しいです。】



こんにちは。
えむさんから標準体重と糖質制限食についてコメント・質問をいただきました。。

えむさん、1日1000kcalで、標準体重維持なら、基礎代謝が低いタイプと思います。

スーパー糖質制限食開始して、3週間で1.2kg減量されたのは、いつもと同じ1000kcal/日の摂取エネルギーということですね。

「ここ20年間で初めて食べて痩せる経験をしました。本当に驚きました。」

それは、良かったです。

160センチ55キロBMI21.48 体脂肪率29% なら、スーパー糖質制限食でもこれ以上体重は減少しない可能性があります。

タニタが発表した平均体脂肪率(☆)は、40~59歳の女性で22~35%ですので、標準内です。

低めの標準が、22~28%で高めの標準が29~35%です。

女性で体脂肪率が18%なら標準より低いですので痩せすぎということになります。

痩せすぎより標準内の29%のほうがいいと思います。

スーパー糖質制限食の場合、血中ケトン体が高値となります。

ケトン体は脂肪酸の分解物ですので、高値なのは脂肪が燃えている証拠と言えます。

従いまして、理論的には、体重があまり変わらなくても、脂肪が燃えている分、体脂肪率は減少することとなりますね。

スーパー糖質制限食は、肥満の人が標準体重になるのに一番適した食事療法です。

一人一人が、一番体調が良い体重が、その個人の適正体重で、BMIは20以上で25未満の範囲になると考えられます。

そして糖質制限食は、人類本来の食事、人類の健康食ですので、長く続けていくことが肝要です。

また必須脂肪酸、必須アミノ酸、ビタミン、ミネラル、微量元素は食材から摂取する必要があります。

高タンパク低脂肪だと、必須脂肪酸が不足する可能性があります。

長く続けるためにもスーパー糖質制限食(脂質56%、タンパク質32%、糖質12%)で美味しく楽しく末長く糖質制限食がいいと思います。


(☆)http://www.tanita.co.jp/support/faq.html


江部康二

テーマ:糖質制限食
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