2014年11月30日 (日)
こんばんは。
先ほど、静岡講演会から帰京しました。
11月29日(土)は、ホテルクエスト清水 にて、前夜祭で、25名の参加、糖質制限な食事とワイン、焼酎、糖質ゼロ発泡酒で盛り上がりました。
歯医者さんが多かったです。
中には、11ヶ月で20kg減量成功の歯医者さんもおられました。
ホテルクエスト清水(TEL:054-366-7101) では、桜ヶ丘病院の石井医師・本康管理栄養士監修で、駿河湾レシピという、糖質制限食が提供されています。
11月30日(日)は、「駿河湾レシピ」のランチを頂きましたが、総糖質量は19.9gと抑えたメニューで、彩り、味、食感、地元の野菜・魚・肉・・・申し分なく美味しかったです。
駿河湾レシピのディナーもあるそうです。
静岡の糖質セイゲニストの皆さん、是非一度電話で問い合わせてみられては如何でしょう。
11月30日(日)の講演会(静岡県総合研修所もくせい会館)
「炭水化物を減らして健康に!
~糖質制限食と糖尿病・メタボ・生活習慣病・がん…~」
50数名の熱心な参加者で盛り上がりました。
すでに、糖質制限食を実践しておられる方が多く、質問も理論面や実践面などかなりハイレベルのものがほとんどで、答える方も気合いが入りました。
90分間の講演、30分間の質疑応答でしたが、それでもやはり少し時間が足りませんで、申し訳ありませんでした。
帰りは新幹線の時間に少し余裕があったので、静岡駅ビルの居酒屋で地元の名物メニューを堪能しました。
金目鯛、太刀魚の刺身は京都では、食べたことがなく美味しかったです。
生の桜エビは、年に2シーズンくらいしか食べれないそうで、ピッタリ時期がよかったようです。
生の桜エビは、静岡以外ではほとんどないですね。
静岡名物の黒はんぺんも食べましたよ。
静岡、食べ物も美味しく、気候も温暖でとても暮らしやすい土地でまた行きたいです。
最後になりましたが、前夜祭、講演会共に、大変お世話になりました。
歯科医で糖質セイゲニストの長谷川幸男先生、
整形外科医で糖質セイゲニストの嘉本拓生先生
ありがとうございました。m(_ _)mV
江部康二
先ほど、静岡講演会から帰京しました。
11月29日(土)は、ホテルクエスト清水 にて、前夜祭で、25名の参加、糖質制限な食事とワイン、焼酎、糖質ゼロ発泡酒で盛り上がりました。
歯医者さんが多かったです。
中には、11ヶ月で20kg減量成功の歯医者さんもおられました。
ホテルクエスト清水(TEL:054-366-7101) では、桜ヶ丘病院の石井医師・本康管理栄養士監修で、駿河湾レシピという、糖質制限食が提供されています。
11月30日(日)は、「駿河湾レシピ」のランチを頂きましたが、総糖質量は19.9gと抑えたメニューで、彩り、味、食感、地元の野菜・魚・肉・・・申し分なく美味しかったです。
駿河湾レシピのディナーもあるそうです。
静岡の糖質セイゲニストの皆さん、是非一度電話で問い合わせてみられては如何でしょう。
11月30日(日)の講演会(静岡県総合研修所もくせい会館)
「炭水化物を減らして健康に!
~糖質制限食と糖尿病・メタボ・生活習慣病・がん…~」
50数名の熱心な参加者で盛り上がりました。
すでに、糖質制限食を実践しておられる方が多く、質問も理論面や実践面などかなりハイレベルのものがほとんどで、答える方も気合いが入りました。
90分間の講演、30分間の質疑応答でしたが、それでもやはり少し時間が足りませんで、申し訳ありませんでした。
帰りは新幹線の時間に少し余裕があったので、静岡駅ビルの居酒屋で地元の名物メニューを堪能しました。
金目鯛、太刀魚の刺身は京都では、食べたことがなく美味しかったです。
生の桜エビは、年に2シーズンくらいしか食べれないそうで、ピッタリ時期がよかったようです。
生の桜エビは、静岡以外ではほとんどないですね。
静岡名物の黒はんぺんも食べましたよ。
静岡、食べ物も美味しく、気候も温暖でとても暮らしやすい土地でまた行きたいです。
最後になりましたが、前夜祭、講演会共に、大変お世話になりました。
歯科医で糖質セイゲニストの長谷川幸男先生、
整形外科医で糖質セイゲニストの嘉本拓生先生
ありがとうございました。m(_ _)mV
江部康二
2014年11月29日 (土)
こんにちは。
face book で
「血糖値に影響を与えるのは糖質のみ。」
というADAの記載、正確には
「血糖値に直接影響を与えるのは糖質のみ。」
と言うADAの文言に関して、糖尿病専門医と糖質セイゲニスト医の間で、論争があったようです。
科学的な学術論争はとても良いことです。
学問の進歩には必要不可欠なものと思います。
私はface book はほとんど見ないのですが、友人が、やり取りをコピーして送信してくれたので見ることができました。
なかなか面白い議論でしたが、外野からの論評はアンフェアなので遠慮しておきます。
かわりに、
「血糖に直接影響を与えるのは糖質のみ。」
というADA(米国糖尿病学会)の記載に関連する事柄を、1)~8)まで整理してまとめてみました。
1)「血糖値に直接影響を与えるのは糖質のみである」
2)「1型糖尿病で内因性インスリンが枯渇している場合や2型糖尿病でも内因性インスリンが枯渇に近いときは、
グルカゴン分泌を介してタンパク質が間接的に血糖値を上昇させる」
3)「上記の2)を除く大多数の内因性インスリンが残っている糖尿病患者においては、摂取後血糖値を上昇させ
るのは糖質のみである。」
4)「1)2)3)より、大多数の内因性インスリンが残っている糖尿病患者においては、糖質制限食が極めて有効である」
5)「脂質はインスリンもグルカゴンも分泌させない。」
6)「タンパク質はインスリンとグルカゴンを両方分泌させるので2)のケースを除いては効果は相殺されて、血糖値に
影響を与えない。」
7)「2)のようなケースでも、糖質制限食を導入することで、インスリンの量を大幅に減らすことができる。」
8)「2)のようなケースでは糖質制限に加えてタンパク質のカウントもするとコントロールはさらに良くなる。」
手元に、以下の本(英文の原書)があります。
American Diabetes Association
Life With Diabetes:A Siries of Teaching Outlines
by the Michigan Diabetes Research and Training Center ,
-4th Edition-,2009
57ページに
「Carbohydrate,protein,and fat contain calories.
Only Carbohydrates directly affect blood glucose levels. 」
という文章が記載してあります。
-3th Edition-2004年版から、継続してこの記載があります。
直訳すると
「炭水化物・タンパク質・脂肪はカロリーを含有している。炭水化物のみが、血糖値に直接影響を及ぼす。」
つまりADAによれば、タンパク質と脂肪は血糖値に直接影響を及ぼすことはないのです。
直接という言葉が意味深で、上記2)のようなケースがあっても矛盾しない表現にしたのでしょうね。
ADA(米国糖尿病学会)、流石です。
江部康二
face book で
「血糖値に影響を与えるのは糖質のみ。」
というADAの記載、正確には
「血糖値に直接影響を与えるのは糖質のみ。」
と言うADAの文言に関して、糖尿病専門医と糖質セイゲニスト医の間で、論争があったようです。
科学的な学術論争はとても良いことです。
学問の進歩には必要不可欠なものと思います。
私はface book はほとんど見ないのですが、友人が、やり取りをコピーして送信してくれたので見ることができました。
なかなか面白い議論でしたが、外野からの論評はアンフェアなので遠慮しておきます。
かわりに、
「血糖に直接影響を与えるのは糖質のみ。」
というADA(米国糖尿病学会)の記載に関連する事柄を、1)~8)まで整理してまとめてみました。
1)「血糖値に直接影響を与えるのは糖質のみである」
2)「1型糖尿病で内因性インスリンが枯渇している場合や2型糖尿病でも内因性インスリンが枯渇に近いときは、
グルカゴン分泌を介してタンパク質が間接的に血糖値を上昇させる」
3)「上記の2)を除く大多数の内因性インスリンが残っている糖尿病患者においては、摂取後血糖値を上昇させ
るのは糖質のみである。」
4)「1)2)3)より、大多数の内因性インスリンが残っている糖尿病患者においては、糖質制限食が極めて有効である」
5)「脂質はインスリンもグルカゴンも分泌させない。」
6)「タンパク質はインスリンとグルカゴンを両方分泌させるので2)のケースを除いては効果は相殺されて、血糖値に
影響を与えない。」
7)「2)のようなケースでも、糖質制限食を導入することで、インスリンの量を大幅に減らすことができる。」
8)「2)のようなケースでは糖質制限に加えてタンパク質のカウントもするとコントロールはさらに良くなる。」
手元に、以下の本(英文の原書)があります。
American Diabetes Association
Life With Diabetes:A Siries of Teaching Outlines
by the Michigan Diabetes Research and Training Center ,
-4th Edition-,2009
57ページに
「Carbohydrate,protein,and fat contain calories.
Only Carbohydrates directly affect blood glucose levels. 」
という文章が記載してあります。
-3th Edition-2004年版から、継続してこの記載があります。
直訳すると
「炭水化物・タンパク質・脂肪はカロリーを含有している。炭水化物のみが、血糖値に直接影響を及ぼす。」
つまりADAによれば、タンパク質と脂肪は血糖値に直接影響を及ぼすことはないのです。
直接という言葉が意味深で、上記2)のようなケースがあっても矛盾しない表現にしたのでしょうね。
ADA(米国糖尿病学会)、流石です。
江部康二
2014年11月28日 (金)
こんにちは。
糖尿病治療ガイド
日本糖尿病学会 (編さん)
は、2年に1回、刊行されています。
それで
「糖尿病治療ガイド2012-2013」 → 「糖尿病治療ガイド2014-2015」
において、かなり大きな変化があって、個人的にはびっくりしました。
4 食事療法
の項目において長年の間
1)適正なエネルギー摂取量の指示
ということで
通常
男性では1400~1800kcal
女性では1200~1600kcal
の範囲にあると記載していたのが、
「糖尿病治療ガイド2014-2015」(2014年5月発行)
において
4 食事療法(39ページ)
の項目で
1)適正なエネルギー摂取量の指示
が
通常
男性では1400~2000kcal
女性では1200~1800kcal
の範囲にあると変更されていました。
『糖尿病治療ガイド』は1999年に初版が作製されて以来、ほぼ2年おきに改訂され、足掛け16年間にわたって発行されています。
この間、一貫して「男性では1400~1800kcal、女性では1200~1600kcal」と記載されてきたのです。
今回どさくさに紛れてといっては失礼なのですが、いきなり男女とも、200kcalずつ増えていました。
糖尿病学会、いったい如何なる心境の変化なのでしょうね?
「カロリー制限食には、長期的有効性・安全性に関してエビデンスはない」という私達の批判に対して、200kcal増やして、矛先をかわしたのでしょうか?
増やしたことに関して何の説明もないのは困ったものですが、とりあえず、良い方向への変化ではあります。
江部康二
糖尿病治療ガイド
日本糖尿病学会 (編さん)
は、2年に1回、刊行されています。
それで
「糖尿病治療ガイド2012-2013」 → 「糖尿病治療ガイド2014-2015」
において、かなり大きな変化があって、個人的にはびっくりしました。
4 食事療法
の項目において長年の間
1)適正なエネルギー摂取量の指示
ということで
通常
男性では1400~1800kcal
女性では1200~1600kcal
の範囲にあると記載していたのが、
「糖尿病治療ガイド2014-2015」(2014年5月発行)
において
4 食事療法(39ページ)
の項目で
1)適正なエネルギー摂取量の指示
が
通常
男性では1400~2000kcal
女性では1200~1800kcal
の範囲にあると変更されていました。
『糖尿病治療ガイド』は1999年に初版が作製されて以来、ほぼ2年おきに改訂され、足掛け16年間にわたって発行されています。
この間、一貫して「男性では1400~1800kcal、女性では1200~1600kcal」と記載されてきたのです。
今回どさくさに紛れてといっては失礼なのですが、いきなり男女とも、200kcalずつ増えていました。
糖尿病学会、いったい如何なる心境の変化なのでしょうね?
「カロリー制限食には、長期的有効性・安全性に関してエビデンスはない」という私達の批判に対して、200kcal増やして、矛先をかわしたのでしょうか?
増やしたことに関して何の説明もないのは困ったものですが、とりあえず、良い方向への変化ではあります。
江部康二
2014年11月27日 (木)
こんにちは。
2014/11/30(日)静岡市・糖質制限食一般向け講演会のご案内です。
静岡市は、医師会主催の講演会に講師として招いて頂いたことはありますが、一般向け講演会は初めてです。
糖尿病のお話は勿論のこと、
日本人の
四大死因(がん、心疾患、肺炎、脳血管疾患)
や
五大疾病(がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病、精神疾患)
と糖質制限食についても最新刊の
『炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません』
生活習慣病を予防&改善する糖質制限食31のポイント
江部康二著 東洋経済新報社
の内容も含めてわかりやすくお話しします。
『炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません』は、おかげさまで第3刷となりました。
がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病の元凶は、糖質の頻回・過剰摂取の可能性が極めて高いのです。
近年のうつ病の増加に関しても、糖質摂取による血糖変動の関与が疑われます。
また糖質制限食の有効性・安全性・可能性についても詳しくお話します。
東海地方の糖尿人、メタボ人の皆さん、そして日本人の四大死因や五大疾病に興味がある方も、是非ご参加くださいね。
江部康二
以下、事務局からのご案内です。
☆☆☆
ブログ読者の皆様、講演会へいつも多数ご参加いただきましてありがとうございます。
11月30日(日)、静岡市内で一般向けの講演会を開催致します。
http://toushitsuseigen.or.jp/activity.html#schedule20141130
「炭水化物を減らして健康に!~糖質制限食と糖尿病・メタボ・生活習慣病・がん…~」
と題し、理事長 江部康二がたっぷりお話し致します。
東海地方の皆様をはじめ、多数のご参加を心よりお待ちしております。
///////////////////ご案内/////////////////////
一般社団法人日本糖質制限医療推進協会主催 講演会(静岡)
「炭水化物を減らして健康に!
~糖質制限食と糖尿病・メタボ・生活習慣病・がん…~」
■日時:2014年11月30日(日) 14:10~16:30頃
※入場受付・開場は13:50~
■会場:静岡県総合研修所もくせい会館 2F第一会議室(大会議室)
静岡県静岡市葵区鷹匠3-6-1
http://mokuseikaikan.jp/about/access/
☆アクセス
・JR静岡駅北口から徒歩15分
・静鉄日吉町駅から徒歩5分
■講師:江部 康二
(一財)高雄病院理事長・(一社)日本糖質制限医療推進協会理事長
■内容: 講演90分・質疑応答30分程度
■受講費:賛助会員 2,000円 / 一般(非会員) 2,500円
■お支払い方法:クレジットカード/銀行振込/郵便振替
※事前決済のみとなります。
■お申し込み方法
・賛助会員の方
事務局までメールにてお申し込み下さい。
・賛助会員入会をご希望いただける方
1.入会案内および会員規約をお読み下さい。
http://toushitsuseigen.or.jp/member.html
2.お申し込みはこちらのフォームからお願いします。
http://toushitsuseigen.or.jp/contact.php
「お問い合せ内容」欄に「11/30静岡講演会、受講希望」とご記入下さい。
・一般(非会員)で、講演会の受講のみご希望の方
こちらのフォームよりお申し込み下さい。
https://ssl.form-mailer.jp/fms/9fef653b323705
■お申し込みの流れ
1.会員の方はメールにて、会員以外の方は各種フォームにてご連絡下さい。
2.事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3.入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4.当日、直接会場までお越し下さい。
■その他
・予約制です。当日参加はできません。
・キャンセルは11月28日(金)までに事務局までご連絡願います。
それ以降のご返金には対応致しかねますので予めご了承ください。
2014/11/30(日)静岡市・糖質制限食一般向け講演会のご案内です。
静岡市は、医師会主催の講演会に講師として招いて頂いたことはありますが、一般向け講演会は初めてです。
糖尿病のお話は勿論のこと、
日本人の
四大死因(がん、心疾患、肺炎、脳血管疾患)
や
五大疾病(がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病、精神疾患)
と糖質制限食についても最新刊の
『炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません』
生活習慣病を予防&改善する糖質制限食31のポイント
江部康二著 東洋経済新報社
の内容も含めてわかりやすくお話しします。
『炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません』は、おかげさまで第3刷となりました。
がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病の元凶は、糖質の頻回・過剰摂取の可能性が極めて高いのです。
近年のうつ病の増加に関しても、糖質摂取による血糖変動の関与が疑われます。
また糖質制限食の有効性・安全性・可能性についても詳しくお話します。
東海地方の糖尿人、メタボ人の皆さん、そして日本人の四大死因や五大疾病に興味がある方も、是非ご参加くださいね。
江部康二
以下、事務局からのご案内です。
☆☆☆
ブログ読者の皆様、講演会へいつも多数ご参加いただきましてありがとうございます。
11月30日(日)、静岡市内で一般向けの講演会を開催致します。
http://toushitsuseigen.or.jp/activity.html#schedule20141130
「炭水化物を減らして健康に!~糖質制限食と糖尿病・メタボ・生活習慣病・がん…~」
と題し、理事長 江部康二がたっぷりお話し致します。
東海地方の皆様をはじめ、多数のご参加を心よりお待ちしております。
///////////////////ご案内/////////////////////
一般社団法人日本糖質制限医療推進協会主催 講演会(静岡)
「炭水化物を減らして健康に!
~糖質制限食と糖尿病・メタボ・生活習慣病・がん…~」
■日時:2014年11月30日(日) 14:10~16:30頃
※入場受付・開場は13:50~
■会場:静岡県総合研修所もくせい会館 2F第一会議室(大会議室)
静岡県静岡市葵区鷹匠3-6-1
http://mokuseikaikan.jp/about/access/
☆アクセス
・JR静岡駅北口から徒歩15分
・静鉄日吉町駅から徒歩5分
■講師:江部 康二
(一財)高雄病院理事長・(一社)日本糖質制限医療推進協会理事長
■内容: 講演90分・質疑応答30分程度
■受講費:賛助会員 2,000円 / 一般(非会員) 2,500円
■お支払い方法:クレジットカード/銀行振込/郵便振替
※事前決済のみとなります。
■お申し込み方法
・賛助会員の方
事務局までメールにてお申し込み下さい。
・賛助会員入会をご希望いただける方
1.入会案内および会員規約をお読み下さい。
http://toushitsuseigen.or.jp/member.html
2.お申し込みはこちらのフォームからお願いします。
http://toushitsuseigen.or.jp/contact.php
「お問い合せ内容」欄に「11/30静岡講演会、受講希望」とご記入下さい。
・一般(非会員)で、講演会の受講のみご希望の方
こちらのフォームよりお申し込み下さい。
https://ssl.form-mailer.jp/fms/9fef653b323705
■お申し込みの流れ
1.会員の方はメールにて、会員以外の方は各種フォームにてご連絡下さい。
2.事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3.入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4.当日、直接会場までお越し下さい。
■その他
・予約制です。当日参加はできません。
・キャンセルは11月28日(金)までに事務局までご連絡願います。
それ以降のご返金には対応致しかねますので予めご了承ください。
2014年11月26日 (水)
こんにちは。
11月24日のヤフーニュースに 『炭水化物は飽和脂肪より健康に悪い? 研究』 という記事が載りました。
米オンライン科学誌プロスワン(PLOS ONE)で発表された、米オハイオ州立大学のジェフ・ボレック氏の論文の紹介記事です。
結論としては、
「摂取する飽和脂肪は必ずしも体内にセーブ(蓄積)されないこと、そして、脂肪に関してセーブ(調節)すべき主要な因子は、食事に含まれる炭水化物だということ」
です。
「食事中の炭水化物を減らして飽和脂肪を約2倍に増やした場合、血液中の飽和脂肪の総量は増加せず、大半の参加者で
血中の飽和脂肪が低下していた」
そうです。
「炭水化物が非常に少ない食事を摂取すると、体は飽和脂肪を優先的に燃焼させる」
「今回の成果は飽和脂肪を悪者扱いしてきた通説に異を唱えるもので、食事に含まれる飽和脂肪と病気が相互的に関連してないことの知見を拡大するものだ」
「飽和脂肪に関する誤解が広く流布している。集団調査では、食事の飽和脂肪と心臓病との関連性は明らかに存在しない。それでも、食事指針は飽和脂肪の制限を推奨し続けている。これは科学的ではないし、賢明でもない」
とのボレック氏の言は、まさに我が意を得たりです。
食事において『糖質制限して飽和脂肪解禁』が、健康維持には科学的と言えます。
さらに『飽和脂肪酸摂取量と脳心血管イベント発生は関係がない』 という信頼度の高い2010年のAm J Clin Nutrの総説もあります。飽和脂肪酸悪玉説の崩壊ですね。
「21論文、約35万人をメタアナリシスして、5~23年追跡して1.1万人の脳心血管イベントが発生。
飽和脂肪摂取量と脳心血管イベントハザード比を検証してみると、飽和脂肪酸摂取量と脳心血管イベント発生は、関係がないことが判明。」
Siri-Tarino, P.W., et al., Meta-analysis of prospective cohort studies
evaluating the association of saturated fat with cardiovascular disease.
Am J Clin Nutr, 2010. 91(3): p. 535-46.
江部康二
☆
以下はヤフーニュースです。
【ヤフー ニュース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141124-00000004-jij_afp-int
炭水化物は飽和脂肪より健康に悪い? 研究
AFP=時事 11月24日(月)配信
心臓病など多岐にわたる健康上の問題に関連するとして長きにわたり悪者扱いされてきた飽和脂肪だが、摂取量を2倍~3倍近くにしても、その血中濃度は上昇しないことを明らかにしたとする研究論文が、21日の米オンライン科学誌プロスワン(PLOS ONE)で発表された。
一方、炭水化物については、糖尿病と心臓病のリスク増に関連がある脂肪酸の血中濃度上昇に関係していることが、同じ研究で示された。
論文の主執筆者、米オハイオ州立大学(Ohio State University)のジェフ・ボレック(Jeff Volek)氏は、論文の中で「ポイントは、摂取する飽和脂肪は必ずしも体内にセーブ(蓄積)されないこと、そして、脂肪に関してセーブ(調節)すべきの主要な因子は、食事に含まれる炭水化物だということだ」と語っている。
研究チームは今回の研究で、実験に参加した16人に対し、4か月半の厳しい食事管理を行った。食事の内容は3週ごとに変更され、含まれる炭水化物、総脂質、飽和脂肪が調整された。
その結果、食事中の炭水化物を減らして飽和脂肪を増やした場合、血液中の飽和脂肪の総量は増加しなかった。それどころか大半の参加者で血中の飽和脂肪が低下していたことを研究チームは確認した。
論文によると、炭水化物の少ない食事を与えると、体内の「パルミトレイン酸」と呼ばれる脂肪酸が低下したとされ、これは炭水化物の再導入で徐々に増加したという。パルミトレイン酸について研究チームは、「病気を促進する恐れがある、健康に有害な炭水化物の代謝」に関係するものとしている。
このパルミトレイン酸の増加は、炭水化物が体内で燃焼されずに脂肪に変換される割合が増加していることを示していると研究チームは指摘する。
「炭水化物が非常に少ない食事を摂取すると、体は飽和脂肪を優先的に燃焼させる」とボレック氏は説明。
「今回の研究に参加する以前に比べて約2倍の飽和脂肪を参加者に摂取させたが、血液中の飽和脂肪の量を測定すると、大半の参加者では低下していた」とした。
また今回の成果は「飽和脂肪を悪者扱いしてきた通説に異を唱えるもので、食事に含まれる飽和脂肪と病気が相互的に関連してないことの知見を拡大するものだ」と付け加えている。
参加者は実験終了までに、血糖、インスリン、血圧に「著しい改善」がみられ、体重も平均で10キロ減少したという。
「飽和脂肪に関する誤解が広く流布している。集団調査では、食事の飽和脂肪と心臓病との関連性は明らかに存在しない。それでも、食事指針は飽和脂肪の制限を推奨し続けている。これは科学的ではないし、賢明でもない」とボレック氏は話している。
翻訳編集 AFPBB News】
☆☆
以下のサイトで、米オンライン科学誌プロスワン(PLOS ONE)に掲載された米オハイオ州立大学のジェフ・ボレック氏の論文を見ることができます。
http://www.plosone.org/article/info%3Adoi%2F10.1371%2Fjournal.pone.0113605
米オンライン科学誌プロスワン
Effects of Step-Wise Increases in Dietary Carbohydrate on Circulating Saturated Fatty Acids and Palmitoleic Acid in Adults with Metabolic Syndrome
Brittanie M. Volk,et all
Published: November 21, 2014DOI: 10.1371/journal.pone.0113605
Abstract
Recent meta-analyses have found no association between heart disease and dietary saturated fat; however, higher proportions of plasma saturated fatty acids (SFA) predict greater risk for developing type-2 diabetes and heart disease. These observations suggest a disconnect between dietary saturated fat and plasma SFA, but few controlled feeding studies have specifically examined how varying saturated fat intake across a broad range affects circulating SFA levels. Sixteen adults with metabolic syndrome (age 44.9±9.9 yr, BMI 37.9±6.3 kg/m2) were fed six 3-wk diets that progressively increased carbohydrate (from 47 to 346 g/day) with concomitant decreases in total and saturated fat. Despite a distinct increase in saturated fat intake from baseline to the low-carbohydrate diet (46 to 84 g/day), and then a gradual decrease in saturated fat to 32 g/day at the highest carbohydrate phase, there were no significant changes in the proportion of total SFA in any plasma lipid fractions. Whereas plasma saturated fat remained relatively stable, the proportion of palmitoleic acid in plasma triglyceride and cholesteryl ester was significantly and uniformly reduced as carbohydrate intake decreased, and then gradually increased as dietary carbohydrate was re-introduced. The results show that dietary and plasma saturated fat are not related, and that increasing dietary carbohydrate across a range of intakes promotes incremental increases in plasma palmitoleic acid, a biomarker consistently associated with adverse health outcomes.
11月24日のヤフーニュースに 『炭水化物は飽和脂肪より健康に悪い? 研究』 という記事が載りました。
米オンライン科学誌プロスワン(PLOS ONE)で発表された、米オハイオ州立大学のジェフ・ボレック氏の論文の紹介記事です。
結論としては、
「摂取する飽和脂肪は必ずしも体内にセーブ(蓄積)されないこと、そして、脂肪に関してセーブ(調節)すべき主要な因子は、食事に含まれる炭水化物だということ」
です。
「食事中の炭水化物を減らして飽和脂肪を約2倍に増やした場合、血液中の飽和脂肪の総量は増加せず、大半の参加者で
血中の飽和脂肪が低下していた」
そうです。
「炭水化物が非常に少ない食事を摂取すると、体は飽和脂肪を優先的に燃焼させる」
「今回の成果は飽和脂肪を悪者扱いしてきた通説に異を唱えるもので、食事に含まれる飽和脂肪と病気が相互的に関連してないことの知見を拡大するものだ」
「飽和脂肪に関する誤解が広く流布している。集団調査では、食事の飽和脂肪と心臓病との関連性は明らかに存在しない。それでも、食事指針は飽和脂肪の制限を推奨し続けている。これは科学的ではないし、賢明でもない」
とのボレック氏の言は、まさに我が意を得たりです。
食事において『糖質制限して飽和脂肪解禁』が、健康維持には科学的と言えます。
さらに『飽和脂肪酸摂取量と脳心血管イベント発生は関係がない』 という信頼度の高い2010年のAm J Clin Nutrの総説もあります。飽和脂肪酸悪玉説の崩壊ですね。
「21論文、約35万人をメタアナリシスして、5~23年追跡して1.1万人の脳心血管イベントが発生。
飽和脂肪摂取量と脳心血管イベントハザード比を検証してみると、飽和脂肪酸摂取量と脳心血管イベント発生は、関係がないことが判明。」
Siri-Tarino, P.W., et al., Meta-analysis of prospective cohort studies
evaluating the association of saturated fat with cardiovascular disease.
Am J Clin Nutr, 2010. 91(3): p. 535-46.
江部康二
☆
以下はヤフーニュースです。
【ヤフー ニュース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141124-00000004-jij_afp-int
炭水化物は飽和脂肪より健康に悪い? 研究
AFP=時事 11月24日(月)配信
心臓病など多岐にわたる健康上の問題に関連するとして長きにわたり悪者扱いされてきた飽和脂肪だが、摂取量を2倍~3倍近くにしても、その血中濃度は上昇しないことを明らかにしたとする研究論文が、21日の米オンライン科学誌プロスワン(PLOS ONE)で発表された。
一方、炭水化物については、糖尿病と心臓病のリスク増に関連がある脂肪酸の血中濃度上昇に関係していることが、同じ研究で示された。
論文の主執筆者、米オハイオ州立大学(Ohio State University)のジェフ・ボレック(Jeff Volek)氏は、論文の中で「ポイントは、摂取する飽和脂肪は必ずしも体内にセーブ(蓄積)されないこと、そして、脂肪に関してセーブ(調節)すべきの主要な因子は、食事に含まれる炭水化物だということだ」と語っている。
研究チームは今回の研究で、実験に参加した16人に対し、4か月半の厳しい食事管理を行った。食事の内容は3週ごとに変更され、含まれる炭水化物、総脂質、飽和脂肪が調整された。
その結果、食事中の炭水化物を減らして飽和脂肪を増やした場合、血液中の飽和脂肪の総量は増加しなかった。それどころか大半の参加者で血中の飽和脂肪が低下していたことを研究チームは確認した。
論文によると、炭水化物の少ない食事を与えると、体内の「パルミトレイン酸」と呼ばれる脂肪酸が低下したとされ、これは炭水化物の再導入で徐々に増加したという。パルミトレイン酸について研究チームは、「病気を促進する恐れがある、健康に有害な炭水化物の代謝」に関係するものとしている。
このパルミトレイン酸の増加は、炭水化物が体内で燃焼されずに脂肪に変換される割合が増加していることを示していると研究チームは指摘する。
「炭水化物が非常に少ない食事を摂取すると、体は飽和脂肪を優先的に燃焼させる」とボレック氏は説明。
「今回の研究に参加する以前に比べて約2倍の飽和脂肪を参加者に摂取させたが、血液中の飽和脂肪の量を測定すると、大半の参加者では低下していた」とした。
また今回の成果は「飽和脂肪を悪者扱いしてきた通説に異を唱えるもので、食事に含まれる飽和脂肪と病気が相互的に関連してないことの知見を拡大するものだ」と付け加えている。
参加者は実験終了までに、血糖、インスリン、血圧に「著しい改善」がみられ、体重も平均で10キロ減少したという。
「飽和脂肪に関する誤解が広く流布している。集団調査では、食事の飽和脂肪と心臓病との関連性は明らかに存在しない。それでも、食事指針は飽和脂肪の制限を推奨し続けている。これは科学的ではないし、賢明でもない」とボレック氏は話している。
翻訳編集 AFPBB News】
☆☆
以下のサイトで、米オンライン科学誌プロスワン(PLOS ONE)に掲載された米オハイオ州立大学のジェフ・ボレック氏の論文を見ることができます。
http://www.plosone.org/article/info%3Adoi%2F10.1371%2Fjournal.pone.0113605
米オンライン科学誌プロスワン
Effects of Step-Wise Increases in Dietary Carbohydrate on Circulating Saturated Fatty Acids and Palmitoleic Acid in Adults with Metabolic Syndrome
Brittanie M. Volk,et all
Published: November 21, 2014DOI: 10.1371/journal.pone.0113605
Abstract
Recent meta-analyses have found no association between heart disease and dietary saturated fat; however, higher proportions of plasma saturated fatty acids (SFA) predict greater risk for developing type-2 diabetes and heart disease. These observations suggest a disconnect between dietary saturated fat and plasma SFA, but few controlled feeding studies have specifically examined how varying saturated fat intake across a broad range affects circulating SFA levels. Sixteen adults with metabolic syndrome (age 44.9±9.9 yr, BMI 37.9±6.3 kg/m2) were fed six 3-wk diets that progressively increased carbohydrate (from 47 to 346 g/day) with concomitant decreases in total and saturated fat. Despite a distinct increase in saturated fat intake from baseline to the low-carbohydrate diet (46 to 84 g/day), and then a gradual decrease in saturated fat to 32 g/day at the highest carbohydrate phase, there were no significant changes in the proportion of total SFA in any plasma lipid fractions. Whereas plasma saturated fat remained relatively stable, the proportion of palmitoleic acid in plasma triglyceride and cholesteryl ester was significantly and uniformly reduced as carbohydrate intake decreased, and then gradually increased as dietary carbohydrate was re-introduced. The results show that dietary and plasma saturated fat are not related, and that increasing dietary carbohydrate across a range of intakes promotes incremental increases in plasma palmitoleic acid, a biomarker consistently associated with adverse health outcomes.
2014年11月25日 (火)
【14/11/25 Momo
脂肪と乳癌
初めまして。
今年8月、網膜静脈閉塞症で眼底出血しました。高血圧、高コレステロール、更年期に入り体重が15kg程増加。
これを気に糖質制限を真剣に始めようと思っております。糖質制限食ノートも早速購入させて頂きました。
少し気になるのは世間では脂質が乳癌のリスクを高めると言われています。
牛乳、乳製品、牛肉など、乳癌リスクを上げるとおもわれますか?】
こんにちは。
Momo さんから、脂肪は乳ガン発症のリスクか否か?
というコメント・質問をいただきました。
Momo さん、糖質制限食90日間健康ノート(洋泉社)のご購入、ありがとうございます。
ご質問の件ですが、確かに『脂肪悪玉説』が、戦後、先進国を席巻して、
「大腸ガン、乳ガン、心筋梗塞などの元凶は脂肪摂取過剰である。」
という(根拠のない)定説がまことしやかに信じられてきたと思います。
これに対して、大変興味深い研究結果が発表されました。
米国医師会雑誌、2006年2月8日号に掲載された3本の論文において
「<低脂肪+野菜豊富な食生活>は乳癌、大腸癌、心血管疾患リスクを下げないし、総コレステロール値も不変であった。」
という報告がなされたのです。(*)
米国医師会雑誌は、インパクトファクターが高く、ニューイングランドジャーナルに次ぐ権威ある医学雑誌です。
RCT研究論文ですので、エビデンスレベルも一番高いです。
5万人弱の閉経女性を対象に、対照群を置き、平均8年間にわたって追跡した結果です。
高額の費用をつぎ込んだ大規模臨床試験で、二度とできない高いレベルの研究です。
2万5千人ずつにグループ分けをして、一方は、脂肪熱量比率20%で強力に低脂肪食を指導しました。
残るグループは脂肪制限なしなので、米国女性平均なら30数%の脂肪摂取比率です。
平均的米国女性に対して、約半分近くまで、脂肪摂取比率を厳格に減らして臨床試験を実施したわけです。
研究をデザインした医師は、
「高脂肪食が大腸ガン、乳ガン、心血管疾患のリスクを増大させる」=『脂肪悪玉説』
という従来の定説を掲げて、それを証明するためにこのRCTを実施したと思います。
すなわち、
「低脂肪食実践により、大腸ガン、乳ガン、心血管疾患のリスクが減少する」
と信じてこのRCTを開始したと考えられます。
ところが、豈図らんや、低脂肪食は、乳癌、大腸癌、心血管疾患リスクを全く下げなかったのです。
これは、即ち、脂肪悪玉説が根底から否定されたということです。
結論です。
「5万人を8年間追跡したJAMA掲載のRCT研究論文で、少なくとも乳ガン・大腸ガン・心血管疾患に関しては、脂肪悪玉説は否定された。」
ということになります。
脂肪悪玉説を根底から覆す、良質の信頼度の高いエビデンスですね。
なお、世界ガン研究基金は2007年の報告で、肥満があると、大腸・食道・膵臓・腎臓・子宮内膜(子宮)・乳房のガンになるリスクが高まるとしています。
これら6つのガンに関しては、はっきり肥満がリスクになるということです。
また、胆嚢に関しては、肥満がおそらく発ガンのリスクを高めるとしています。
Momo さん、乳癌も肥満が関与しているので、とりあえず、BMI25未満を目指しましょう。
美味しく楽しく楽に続けられるという意味でも、糖質制限食が肥満にはもっとも有効な治療法です。 (^_^)
(*)Journal of American Medical Association(JAMA)誌
2006年2月8日号の疾患ごとにまとめられた3本の論文で報告。
Low-Fat Dietary Pattern and Risk of Invasive Breast Cancer
Low-Fat Dietary Pattern and Risk of Colorectal Cancer
Low-Fat Dietary Pattern and Risk of Cardiovascular Disease
: The Women's Health Initiative Randomized Controlled Dietary Modification Trial
JAMA ,295(6):629-642. 643-654. 655-666.
江部康二
脂肪と乳癌
初めまして。
今年8月、網膜静脈閉塞症で眼底出血しました。高血圧、高コレステロール、更年期に入り体重が15kg程増加。
これを気に糖質制限を真剣に始めようと思っております。糖質制限食ノートも早速購入させて頂きました。
少し気になるのは世間では脂質が乳癌のリスクを高めると言われています。
牛乳、乳製品、牛肉など、乳癌リスクを上げるとおもわれますか?】
こんにちは。
Momo さんから、脂肪は乳ガン発症のリスクか否か?
というコメント・質問をいただきました。
Momo さん、糖質制限食90日間健康ノート(洋泉社)のご購入、ありがとうございます。
ご質問の件ですが、確かに『脂肪悪玉説』が、戦後、先進国を席巻して、
「大腸ガン、乳ガン、心筋梗塞などの元凶は脂肪摂取過剰である。」
という(根拠のない)定説がまことしやかに信じられてきたと思います。
これに対して、大変興味深い研究結果が発表されました。
米国医師会雑誌、2006年2月8日号に掲載された3本の論文において
「<低脂肪+野菜豊富な食生活>は乳癌、大腸癌、心血管疾患リスクを下げないし、総コレステロール値も不変であった。」
という報告がなされたのです。(*)
米国医師会雑誌は、インパクトファクターが高く、ニューイングランドジャーナルに次ぐ権威ある医学雑誌です。
RCT研究論文ですので、エビデンスレベルも一番高いです。
5万人弱の閉経女性を対象に、対照群を置き、平均8年間にわたって追跡した結果です。
高額の費用をつぎ込んだ大規模臨床試験で、二度とできない高いレベルの研究です。
2万5千人ずつにグループ分けをして、一方は、脂肪熱量比率20%で強力に低脂肪食を指導しました。
残るグループは脂肪制限なしなので、米国女性平均なら30数%の脂肪摂取比率です。
平均的米国女性に対して、約半分近くまで、脂肪摂取比率を厳格に減らして臨床試験を実施したわけです。
研究をデザインした医師は、
「高脂肪食が大腸ガン、乳ガン、心血管疾患のリスクを増大させる」=『脂肪悪玉説』
という従来の定説を掲げて、それを証明するためにこのRCTを実施したと思います。
すなわち、
「低脂肪食実践により、大腸ガン、乳ガン、心血管疾患のリスクが減少する」
と信じてこのRCTを開始したと考えられます。
ところが、豈図らんや、低脂肪食は、乳癌、大腸癌、心血管疾患リスクを全く下げなかったのです。
これは、即ち、脂肪悪玉説が根底から否定されたということです。
結論です。
「5万人を8年間追跡したJAMA掲載のRCT研究論文で、少なくとも乳ガン・大腸ガン・心血管疾患に関しては、脂肪悪玉説は否定された。」
ということになります。
脂肪悪玉説を根底から覆す、良質の信頼度の高いエビデンスですね。
なお、世界ガン研究基金は2007年の報告で、肥満があると、大腸・食道・膵臓・腎臓・子宮内膜(子宮)・乳房のガンになるリスクが高まるとしています。
これら6つのガンに関しては、はっきり肥満がリスクになるということです。
また、胆嚢に関しては、肥満がおそらく発ガンのリスクを高めるとしています。
Momo さん、乳癌も肥満が関与しているので、とりあえず、BMI25未満を目指しましょう。
美味しく楽しく楽に続けられるという意味でも、糖質制限食が肥満にはもっとも有効な治療法です。 (^_^)
(*)Journal of American Medical Association(JAMA)誌
2006年2月8日号の疾患ごとにまとめられた3本の論文で報告。
Low-Fat Dietary Pattern and Risk of Invasive Breast Cancer
Low-Fat Dietary Pattern and Risk of Colorectal Cancer
Low-Fat Dietary Pattern and Risk of Cardiovascular Disease
: The Women's Health Initiative Randomized Controlled Dietary Modification Trial
JAMA ,295(6):629-642. 643-654. 655-666.
江部康二
2014年11月24日 (月)
こんばんは。
2014/11/30(日)静岡市・糖質制限食一般向け講演会のご案内です。
静岡市は、医師会主催の講演会に講師として招いて頂いたことはありますが、一般向け講演会は初めてです。
糖尿病のお話は勿論のこと、
日本人の
四大死因(がん、心疾患、肺炎、脳血管疾患)
や
五大疾病(がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病、精神疾患)
と糖質制限食についても最新刊の
『炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません』
生活習慣病を予防&改善する糖質制限食31のポイント
江部康二著 東洋経済新報社
の内容も含めてわかりやすくお話しします。
『炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません』は、おかげさまで第3刷となりました。
がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病の元凶は、糖質の頻回・過剰摂取の可能性が極めて高いのです。
近年のうつ病の増加に関しても、糖質摂取による血糖変動の関与が疑われます。
また糖質制限食の有効性・安全性・可能性についても詳しくお話します。
東海地方の糖尿人、メタボ人の皆さん、そして日本人の四大死因や五大疾病に興味がある方も、是非ご参加くださいね。
江部康二
以下、事務局からのご案内です。
☆☆☆
ブログ読者の皆様、講演会へいつも多数ご参加いただきましてありがとうございます。
11月30日(日)、静岡市内で一般向けの講演会を開催致します。
http://toushitsuseigen.or.jp/activity.html#schedule20141130
「炭水化物を減らして健康に!~糖質制限食と糖尿病・メタボ・生活習慣病・がん…~」
と題し、理事長 江部康二がたっぷりお話し致します。
東海地方の皆様をはじめ、多数のご参加を心よりお待ちしております。
///////////////////ご案内/////////////////////
一般社団法人日本糖質制限医療推進協会主催 講演会(静岡)
「炭水化物を減らして健康に!
~糖質制限食と糖尿病・メタボ・生活習慣病・がん…~」
■日時:2014年11月30日(日) 14:10~16:30頃
※入場受付・開場は13:50~
■会場:静岡県総合研修所もくせい会館 2F第一会議室(大会議室)
静岡県静岡市葵区鷹匠3-6-1
http://mokuseikaikan.jp/about/access/
☆アクセス
・JR静岡駅北口から徒歩15分
・静鉄日吉町駅から徒歩5分
■講師:江部 康二
(一財)高雄病院理事長・(一社)日本糖質制限医療推進協会理事長
■内容: 講演90分・質疑応答30分程度
■受講費:賛助会員 2,000円 / 一般(非会員) 2,500円
■お支払い方法:クレジットカード/銀行振込/郵便振替
※事前決済のみとなります。
■お申し込み方法
・賛助会員の方
事務局までメールにてお申し込み下さい。
・賛助会員入会をご希望いただける方
1.入会案内および会員規約をお読み下さい。
http://toushitsuseigen.or.jp/member.html
2.お申し込みはこちらのフォームからお願いします。
http://toushitsuseigen.or.jp/contact.php
「お問い合せ内容」欄に「11/30静岡講演会、受講希望」とご記入下さい。
・一般(非会員)で、講演会の受講のみご希望の方
こちらのフォームよりお申し込み下さい。
https://ssl.form-mailer.jp/fms/9fef653b323705
■お申し込みの流れ
1.会員の方はメールにて、会員以外の方は各種フォームにてご連絡下さい。
2.事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3.入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4.当日、直接会場までお越し下さい。
■その他
・予約制です。当日参加はできません。
・キャンセルは11月28日(金)までに事務局までご連絡願います。
それ以降のご返金には対応致しかねますので予めご了承ください。
2014/11/30(日)静岡市・糖質制限食一般向け講演会のご案内です。
静岡市は、医師会主催の講演会に講師として招いて頂いたことはありますが、一般向け講演会は初めてです。
糖尿病のお話は勿論のこと、
日本人の
四大死因(がん、心疾患、肺炎、脳血管疾患)
や
五大疾病(がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病、精神疾患)
と糖質制限食についても最新刊の
『炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません』
生活習慣病を予防&改善する糖質制限食31のポイント
江部康二著 東洋経済新報社
の内容も含めてわかりやすくお話しします。
『炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません』は、おかげさまで第3刷となりました。
がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病の元凶は、糖質の頻回・過剰摂取の可能性が極めて高いのです。
近年のうつ病の増加に関しても、糖質摂取による血糖変動の関与が疑われます。
また糖質制限食の有効性・安全性・可能性についても詳しくお話します。
東海地方の糖尿人、メタボ人の皆さん、そして日本人の四大死因や五大疾病に興味がある方も、是非ご参加くださいね。
江部康二
以下、事務局からのご案内です。
☆☆☆
ブログ読者の皆様、講演会へいつも多数ご参加いただきましてありがとうございます。
11月30日(日)、静岡市内で一般向けの講演会を開催致します。
http://toushitsuseigen.or.jp/activity.html#schedule20141130
「炭水化物を減らして健康に!~糖質制限食と糖尿病・メタボ・生活習慣病・がん…~」
と題し、理事長 江部康二がたっぷりお話し致します。
東海地方の皆様をはじめ、多数のご参加を心よりお待ちしております。
///////////////////ご案内/////////////////////
一般社団法人日本糖質制限医療推進協会主催 講演会(静岡)
「炭水化物を減らして健康に!
~糖質制限食と糖尿病・メタボ・生活習慣病・がん…~」
■日時:2014年11月30日(日) 14:10~16:30頃
※入場受付・開場は13:50~
■会場:静岡県総合研修所もくせい会館 2F第一会議室(大会議室)
静岡県静岡市葵区鷹匠3-6-1
http://mokuseikaikan.jp/about/access/
☆アクセス
・JR静岡駅北口から徒歩15分
・静鉄日吉町駅から徒歩5分
■講師:江部 康二
(一財)高雄病院理事長・(一社)日本糖質制限医療推進協会理事長
■内容: 講演90分・質疑応答30分程度
■受講費:賛助会員 2,000円 / 一般(非会員) 2,500円
■お支払い方法:クレジットカード/銀行振込/郵便振替
※事前決済のみとなります。
■お申し込み方法
・賛助会員の方
事務局までメールにてお申し込み下さい。
・賛助会員入会をご希望いただける方
1.入会案内および会員規約をお読み下さい。
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・予約制です。当日参加はできません。
・キャンセルは11月28日(金)までに事務局までご連絡願います。
それ以降のご返金には対応致しかねますので予めご了承ください。
2014年11月24日 (月)
【14/11/21 たまご
糖質制限の受け止め方
初めまして、糖質制限半年目のたまごと申します。
「主食を抜けば糖尿病は良くなる」とブログをいつも参考にさせて頂いています。
身近に糖質を我慢するのが難しい、辛いという方がいます。私もふと炭水化物を食べたくなるときもあるのですが、ある日思ったんです。
健康を考えて、私はこの半生、ずっと脂質制限で生きてきたじゃないかと。焼き肉やバターやチーズやナッツなんてたまに(か、少しの)お楽しみでしたし、カロリーもほどほどに気をつけて、卵なんてあまり買わなかったし、「脂肪ゼロ」と書かれた食べ物なら糖質なんか見もせず安心して食べてました。
スーパー糖質制限で以前より脂質を増やし、今まで避けていた美味しいものが食べられるようになって、なんか制限というより『解禁』という方が合ってるような感覚です。バターを使ったプレーンオムレツの美味しさ、糖質制限しなかったら味わえない幸せでした(笑)
制限というと我慢と同じように感じる方もおられるかも知れませんが、『解禁』と思えば楽しい気持ちで続けられるんじゃないかなーなんて思いました。受け止め方次第で辛さは変わるんじゃないかなと。
その上健康になりますしね!私は食生活を変えて、貧血が劇的に改善されました。
これからも勉強させて頂きます。
そして、エリスリトールチョコレートは常備させて頂きます!】
こんにちは。
たまごさんから、糖質制限の受け止め方と題して、嬉しいコメントをいただきました。
糖質制限食 → 脂質解禁食
とても参考になります。
ありがとうございます。
「主食を抜けば糖尿病は良くなる」のご購入もありがとうございます。
『健康を考えて、私はこの半生、ずっと脂質制限で生きてきたじゃないかと。』
そうですよね。
健康のため、あるいは糖尿病や肥満の改善のため、医師も栄養士もマスコミもこぞって「カロリー制限、脂質制限」と金科玉条のように唱えていた時代が、日本では高度経済成長のあと長らく続いていました。
「カロリー制限、脂質制限」となれば、カロリーや脂肪の多い、ステーキ、チーズ、バター、ナッツ、チョコレート、オリーブオイル、マヨネーズ・・・などは御法度です。
つらいつらい「カロリー制限、脂質制限」を長らく続けてきても肥満、糖尿病、生活習慣病は、全く改善しなかったのが現実です。
これに対して、脂質解禁食(糖質制限食)なら、ステーキもバターもチーズもナッツもエリスリトールチョコもオリーブオイルもマヨネーズ・・・も安心して食べることができて、肥満、糖尿病、生活習慣病は改善ですから、言うことなしですね。
まさに美味しく楽しく末長く脂質解禁食(糖質制限食)実践で健康を回復です。
江部康二
糖質制限の受け止め方
初めまして、糖質制限半年目のたまごと申します。
「主食を抜けば糖尿病は良くなる」とブログをいつも参考にさせて頂いています。
身近に糖質を我慢するのが難しい、辛いという方がいます。私もふと炭水化物を食べたくなるときもあるのですが、ある日思ったんです。
健康を考えて、私はこの半生、ずっと脂質制限で生きてきたじゃないかと。焼き肉やバターやチーズやナッツなんてたまに(か、少しの)お楽しみでしたし、カロリーもほどほどに気をつけて、卵なんてあまり買わなかったし、「脂肪ゼロ」と書かれた食べ物なら糖質なんか見もせず安心して食べてました。
スーパー糖質制限で以前より脂質を増やし、今まで避けていた美味しいものが食べられるようになって、なんか制限というより『解禁』という方が合ってるような感覚です。バターを使ったプレーンオムレツの美味しさ、糖質制限しなかったら味わえない幸せでした(笑)
制限というと我慢と同じように感じる方もおられるかも知れませんが、『解禁』と思えば楽しい気持ちで続けられるんじゃないかなーなんて思いました。受け止め方次第で辛さは変わるんじゃないかなと。
その上健康になりますしね!私は食生活を変えて、貧血が劇的に改善されました。
これからも勉強させて頂きます。
そして、エリスリトールチョコレートは常備させて頂きます!】
こんにちは。
たまごさんから、糖質制限の受け止め方と題して、嬉しいコメントをいただきました。
糖質制限食 → 脂質解禁食
とても参考になります。
ありがとうございます。
「主食を抜けば糖尿病は良くなる」のご購入もありがとうございます。
『健康を考えて、私はこの半生、ずっと脂質制限で生きてきたじゃないかと。』
そうですよね。
健康のため、あるいは糖尿病や肥満の改善のため、医師も栄養士もマスコミもこぞって「カロリー制限、脂質制限」と金科玉条のように唱えていた時代が、日本では高度経済成長のあと長らく続いていました。
「カロリー制限、脂質制限」となれば、カロリーや脂肪の多い、ステーキ、チーズ、バター、ナッツ、チョコレート、オリーブオイル、マヨネーズ・・・などは御法度です。
つらいつらい「カロリー制限、脂質制限」を長らく続けてきても肥満、糖尿病、生活習慣病は、全く改善しなかったのが現実です。
これに対して、脂質解禁食(糖質制限食)なら、ステーキもバターもチーズもナッツもエリスリトールチョコもオリーブオイルもマヨネーズ・・・も安心して食べることができて、肥満、糖尿病、生活習慣病は改善ですから、言うことなしですね。
まさに美味しく楽しく末長く脂質解禁食(糖質制限食)実践で健康を回復です。
江部康二
2014年11月23日 (日)
【14/11/23 青シャツ
気になることがありまして
糖質制限約2年の青シャツです。
緩い1型で内因性インスリンは少し残っています。
さて気になることですが、血糖値を上昇させないエリスリトール等の人工甘味料ですが、逆に血糖値を下げる作用があるのだろうか?ということです。先生はダークチョコを食べたあとの血糖値が下がっています。私も人工甘味料摂取後の血糖値が下降することがあります。(毎回測定するわけではないですが)
下がるのはいいのですが、何に起因して下がるのかが気になります。ただの気のせい、たまたま測定のタイミングのせいなら問題無いのですが、まさかβ細胞を刺激しインスリンを分泌させるなんてことだと、私のような疲弊したすい臓を持っていると困りものです。
ふと気になりまして書き込みました。
とはいえ、私もチョコ好きなんですよね〜。】
青シャツ さん
コメントありがとうございます。
糖質制限チョコレート、いいですね。ヾ(^▽^)
私はケーキはなくてもあまり困りませんが、チョコレートがなくて、さみしかったです。(*- -)(*_ _)
ご質問の件ですが、エリスリトールや人工甘味料にはβ細胞刺激作用はありませんので、インスリンを分泌させて血糖を下げることはないです。
さて、インスリンには、24時間継続して少量出続けている基礎分泌と、糖質を摂取して血糖値が上昇したときに出る追加分泌の2種類があります。(*)
食事を食べたときに出る追加分泌インスリンには、元々プールされている第一相と、その後糖質量に応じて新たに分泌される第二相があります。
今回の江部康二のデータですが、ダークチョコレートに含まれているエリスリトールや人工甘味料以外の、少量の糖質に反応してあるていど第一相が分泌されて、食前より食後の血糖値の方が下がったと思われます。
つまり、結果として摂取した糖質量にぴったりマッチするよりも、少しだけ多めの第一相インスリンが分泌されたものと考えられます。
高雄病院入院中のスーパー糖質制限食実践中の糖尿人において、食前の血糖値より食後の血糖値が下がることは時々あります。
スーパー糖質制限食に含まれる糖質量が数グラムとか少ないと、そのようになりやすいです。
「人工甘味料単独摂取で血糖値が下がったことがある」ということなら、それは血糖自己測定器(SMBG)の測定誤差によると考えられます。血糖自己測定器は、(±)20%の誤差があります。
江部康二
(*)
タンパク質摂取時にも少量のインスリンが追加分泌されますが、同時にグルカゴンも分泌されて、その効果は相殺されるので、通常はタンパク質摂取は食後血糖値に影響を与えません。
気になることがありまして
糖質制限約2年の青シャツです。
緩い1型で内因性インスリンは少し残っています。
さて気になることですが、血糖値を上昇させないエリスリトール等の人工甘味料ですが、逆に血糖値を下げる作用があるのだろうか?ということです。先生はダークチョコを食べたあとの血糖値が下がっています。私も人工甘味料摂取後の血糖値が下降することがあります。(毎回測定するわけではないですが)
下がるのはいいのですが、何に起因して下がるのかが気になります。ただの気のせい、たまたま測定のタイミングのせいなら問題無いのですが、まさかβ細胞を刺激しインスリンを分泌させるなんてことだと、私のような疲弊したすい臓を持っていると困りものです。
ふと気になりまして書き込みました。
とはいえ、私もチョコ好きなんですよね〜。】
青シャツ さん
コメントありがとうございます。
糖質制限チョコレート、いいですね。ヾ(^▽^)
私はケーキはなくてもあまり困りませんが、チョコレートがなくて、さみしかったです。(*- -)(*_ _)
ご質問の件ですが、エリスリトールや人工甘味料にはβ細胞刺激作用はありませんので、インスリンを分泌させて血糖を下げることはないです。
さて、インスリンには、24時間継続して少量出続けている基礎分泌と、糖質を摂取して血糖値が上昇したときに出る追加分泌の2種類があります。(*)
食事を食べたときに出る追加分泌インスリンには、元々プールされている第一相と、その後糖質量に応じて新たに分泌される第二相があります。
今回の江部康二のデータですが、ダークチョコレートに含まれているエリスリトールや人工甘味料以外の、少量の糖質に反応してあるていど第一相が分泌されて、食前より食後の血糖値の方が下がったと思われます。
つまり、結果として摂取した糖質量にぴったりマッチするよりも、少しだけ多めの第一相インスリンが分泌されたものと考えられます。
高雄病院入院中のスーパー糖質制限食実践中の糖尿人において、食前の血糖値より食後の血糖値が下がることは時々あります。
スーパー糖質制限食に含まれる糖質量が数グラムとか少ないと、そのようになりやすいです。
「人工甘味料単独摂取で血糖値が下がったことがある」ということなら、それは血糖自己測定器(SMBG)の測定誤差によると考えられます。血糖自己測定器は、(±)20%の誤差があります。
江部康二
(*)
タンパク質摂取時にも少量のインスリンが追加分泌されますが、同時にグルカゴンも分泌されて、その効果は相殺されるので、通常はタンパク質摂取は食後血糖値に影響を与えません。
2014年11月21日 (金)
おはようございます。
あらてつさんの糖質制限ドットコムより、待望のエリスリトールチョコが新発売となりました(^O^)
昨年より試作を何度か食べ、まだかまだかとあらてつさんに催促すること幾星霜、ようやく、ようやくエリスリトールチョコの販売です\(^o^)/
こちらです。

モリドルノンシュガーチョコレート
http://www.toushitsuseigen.com/products/detail94.html
私は小さい頃から甘いものはそんなに好きではなく、ケーキや饅頭など無くても全く困らないタイプでした。しかし、なぜかチョコレートだけは大好物でした。
50数年間チョコレートは嫌と言うほど食べましたが、歯は丈夫で全部残ってます。大学1年生の時1回だけ、奥歯を1本虫歯の治療をしましたが、その後歯の治療はしたことはありません。
そんな私ですが、糖尿病になってからは砂糖入りのチョコレートなどもってのほかなので、つらいものがありましたが当初はもうあきらめてました。
ですが、ないのならいっその事作ってしまおうと、あらてつさんに「糖質制限のチョコレートを作るように」と指示を出し、紆余曲折ありながら今回の販売に辿り着いたので、万感の思いがあります。
さて今回発売されるチョコレートですが、甘味料は私の指示で、エリスリトールとステビアを使っています。
エリスリトールはもちろん血糖値を上げませんが、日本で販売されているステビアにはけっこう混ぜ物が多いので、血糖値を上昇させてしまうことがあります。
ステビアの選定時から私が血糖値検査を行い、上昇が認められなかったものだけを指定材料にしました。
また、モリドルチョコレートの製造は、チョコの本場であるヨーロッパで行いました。
それは何故でしょう?
ヨーロッパでは、チョコレートを植物油脂でかさ増ししたりしないのと、コンチングの時間が日本と圧倒的に違うからです。
ブログ読者の皆さんも、チョコレートの原材料に「植物油脂」と書かれているのを見たことがあると思います。
日本のチョコレートのほとんどが、コストを減らしてかさ増しするために、カカオバターの割合を減らし植物油脂を使います。
ところが、チョコレートの国際基準では、植物油脂が5%以上入っているものは、チョコレートと呼んで販売できません。
なので日本のほとんどのチョコレートは、国際基準では“チョコレート”として認められないのです。
さらにヨーロッパでチョコレートの伝統を重んじる国では、植物油脂を入れたものをチョコレートとは認めていません。
今回発売のモリドルノンシュガーチョコレートは、植物油を一切使わず、ちゃんとカカオバターだけを使っています。
またヨーロッパでのチョコレート作りにおいて、コンチングに掛ける時間も日本の比ではありません。
コンチングとは、微粒子状に粉砕した原材料を高温で練り合わせる、チョコレート作製におけるとても重要な工程です。
このコンチングでチョコレートの味が決まると入っても過言ではないでしょう。
コンチングの時間が短いとカカオの風味が出ずチョコレートに酸味が残ってしまいます。
日本のチョコレートメーカーのコンチング時間は、コストを下げるため12~24時間ていどしか行いません。
日本製のチョコレートに独特の酸味があるのはこのためです。
それに比べ、ヨーロッパでは72時間のコンチングが通常です。
モリドルノンシュガーチョコレートのコンチングは、なんと78時間。
じっくりと手間と時間を掛けてしっかりコンチングすることにより、なめらかな舌ざわりとカカオの風味を最大限に引き出しています。
お土産でもらう海外の安いチョコレートが意外と美味しかったりするのは、これらの理由があるからです。
モリドルノンシュガーチョコレートは、ヨーロッパの伝統に基づく、本物のチョコレートです(^O^)
美味しさもさることながら、糖尿人の皆さんが一番気になるのは、血糖値の上昇でしょう。
以下は、私、江部康二自らの測定結果です。
モリドルノンシュガーチョコレート ダーク
1枚100g中の糖質 0.5ḡ
2014年1月7日(火)
午後4:45 空腹時血糖値:119mg
スペイン新作ダークチョコレート60g摂取
午後5:45 食後1時間血糖値宇:111mg・・・
びっくりして測定し直して104mg
大成功です。
モリドルノンシュガーチョコレート ミルク
1枚100gあたりの糖質14.6g
2014年1月6日(月)
午後5:55 血糖値:114mg
スペイン新作ミルクチョコレート:60g摂取
午後6:55 血糖値:124mg
60gを丸ごと食べて、10mgの上昇。
60g中に3.33gの糖質。
10g中に0.555gの糖質。
100g中なら、5.55gの糖質。
合格ですね。
ミルクチョコレートの方は、100ḡあたりの糖質量が14.6gと多く表記されていますが、これは原材料の分析方法が日本と違うため、「糖質」に分類されてしまう成分が多いからだと思われます。
なので、血糖測定から逆算した糖質量と分析値に違いが出たのでしょう。
因みに、この原材料単体でも私が血糖測定しましたが、全く血糖値を上昇させませんでした(^O^)
チョコレートの本場ヨーロッパで私がとことん監修し、見事に血糖測定にも合格した モリドルノンシュガーチョコレート、糖尿人、メタボ人、ダイエッターなどの糖質セイゲニストはもちろん、一般の方に食べて頂いても充分以上に満足してもらえるでしょう\(^o^)/
ブログ読者の皆さん、是非お試しあれ。
江部康二
詳細と販売はこちらから
モリドルノンシュガーチョコレート
http://www.toushitsuseigen.com/products/detail94.html

あらてつさんの糖質制限ドットコムより、待望のエリスリトールチョコが新発売となりました(^O^)
昨年より試作を何度か食べ、まだかまだかとあらてつさんに催促すること幾星霜、ようやく、ようやくエリスリトールチョコの販売です\(^o^)/
こちらです。

モリドルノンシュガーチョコレート
http://www.toushitsuseigen.com/products/detail94.html
私は小さい頃から甘いものはそんなに好きではなく、ケーキや饅頭など無くても全く困らないタイプでした。しかし、なぜかチョコレートだけは大好物でした。
50数年間チョコレートは嫌と言うほど食べましたが、歯は丈夫で全部残ってます。大学1年生の時1回だけ、奥歯を1本虫歯の治療をしましたが、その後歯の治療はしたことはありません。
そんな私ですが、糖尿病になってからは砂糖入りのチョコレートなどもってのほかなので、つらいものがありましたが当初はもうあきらめてました。
ですが、ないのならいっその事作ってしまおうと、あらてつさんに「糖質制限のチョコレートを作るように」と指示を出し、紆余曲折ありながら今回の販売に辿り着いたので、万感の思いがあります。
さて今回発売されるチョコレートですが、甘味料は私の指示で、エリスリトールとステビアを使っています。
エリスリトールはもちろん血糖値を上げませんが、日本で販売されているステビアにはけっこう混ぜ物が多いので、血糖値を上昇させてしまうことがあります。
ステビアの選定時から私が血糖値検査を行い、上昇が認められなかったものだけを指定材料にしました。
また、モリドルチョコレートの製造は、チョコの本場であるヨーロッパで行いました。
それは何故でしょう?
ヨーロッパでは、チョコレートを植物油脂でかさ増ししたりしないのと、コンチングの時間が日本と圧倒的に違うからです。
ブログ読者の皆さんも、チョコレートの原材料に「植物油脂」と書かれているのを見たことがあると思います。
日本のチョコレートのほとんどが、コストを減らしてかさ増しするために、カカオバターの割合を減らし植物油脂を使います。
ところが、チョコレートの国際基準では、植物油脂が5%以上入っているものは、チョコレートと呼んで販売できません。
なので日本のほとんどのチョコレートは、国際基準では“チョコレート”として認められないのです。
さらにヨーロッパでチョコレートの伝統を重んじる国では、植物油脂を入れたものをチョコレートとは認めていません。
今回発売のモリドルノンシュガーチョコレートは、植物油を一切使わず、ちゃんとカカオバターだけを使っています。
またヨーロッパでのチョコレート作りにおいて、コンチングに掛ける時間も日本の比ではありません。
コンチングとは、微粒子状に粉砕した原材料を高温で練り合わせる、チョコレート作製におけるとても重要な工程です。
このコンチングでチョコレートの味が決まると入っても過言ではないでしょう。
コンチングの時間が短いとカカオの風味が出ずチョコレートに酸味が残ってしまいます。
日本のチョコレートメーカーのコンチング時間は、コストを下げるため12~24時間ていどしか行いません。
日本製のチョコレートに独特の酸味があるのはこのためです。
それに比べ、ヨーロッパでは72時間のコンチングが通常です。
モリドルノンシュガーチョコレートのコンチングは、なんと78時間。
じっくりと手間と時間を掛けてしっかりコンチングすることにより、なめらかな舌ざわりとカカオの風味を最大限に引き出しています。
お土産でもらう海外の安いチョコレートが意外と美味しかったりするのは、これらの理由があるからです。
モリドルノンシュガーチョコレートは、ヨーロッパの伝統に基づく、本物のチョコレートです(^O^)
美味しさもさることながら、糖尿人の皆さんが一番気になるのは、血糖値の上昇でしょう。
以下は、私、江部康二自らの測定結果です。
モリドルノンシュガーチョコレート ダーク
1枚100g中の糖質 0.5ḡ
2014年1月7日(火)
午後4:45 空腹時血糖値:119mg
スペイン新作ダークチョコレート60g摂取
午後5:45 食後1時間血糖値宇:111mg・・・
びっくりして測定し直して104mg
大成功です。
モリドルノンシュガーチョコレート ミルク
1枚100gあたりの糖質14.6g
2014年1月6日(月)
午後5:55 血糖値:114mg
スペイン新作ミルクチョコレート:60g摂取
午後6:55 血糖値:124mg
60gを丸ごと食べて、10mgの上昇。
60g中に3.33gの糖質。
10g中に0.555gの糖質。
100g中なら、5.55gの糖質。
合格ですね。
ミルクチョコレートの方は、100ḡあたりの糖質量が14.6gと多く表記されていますが、これは原材料の分析方法が日本と違うため、「糖質」に分類されてしまう成分が多いからだと思われます。
なので、血糖測定から逆算した糖質量と分析値に違いが出たのでしょう。
因みに、この原材料単体でも私が血糖測定しましたが、全く血糖値を上昇させませんでした(^O^)
チョコレートの本場ヨーロッパで私がとことん監修し、見事に血糖測定にも合格した モリドルノンシュガーチョコレート、糖尿人、メタボ人、ダイエッターなどの糖質セイゲニストはもちろん、一般の方に食べて頂いても充分以上に満足してもらえるでしょう\(^o^)/
ブログ読者の皆さん、是非お試しあれ。
江部康二
詳細と販売はこちらから
モリドルノンシュガーチョコレート
http://www.toushitsuseigen.com/products/detail94.html

2014年11月20日 (木)
【14/11/20 米国在住
江部先生こんにちは
丁寧に解説いただき光栄です。
ありがとうございます。
私は糖尿発覚した4年前、LOW-CARBO推奨のクリニックは ロサンゼルス、サンフランシスコ、ニューヨーク市の一部だけでしたが、 現在はほとんどの大都市では糖質制限の指導が受けられると思います。
私のドクター曰く、医師ほぼ全員が糖質を減らすとA1c値が改善すると認識していても ADAガイドラインに忠実なクリニックでは積極的に推進しないんだそう。
アメリカは患者の希望で治療が選べるので 自分から申し出れば糖質制限の選択はできるようです。
患者の認識としても、ダイエット法としてのAtkins、Macrobioticなどとよい意味で混同されていて 白いパンや砂糖はダメ、WHOLE FOODS(全粒粉や玄米)はセーフ、野菜類は更に良しという感じで、 厳密でないものの、比較的簡単に実践できる環境にあります。
薬についてですが、保険の種類や保険非加入など経済的条件により様々です。
国柄食べ過ぎ肥満が多く、まず痩せることに集中します、医療費に制限のない高い保険の人にはたんまり薬がでる反面、保険の無い人には絶食してでも痩せろという過激な先生もいるようです。
体重と食事をコントロール出来るようになった患者には 投薬なし&糖質制限でずっと観察のみの人は非常に多いです。
食事をコントロールしても数値が安定しない人、食欲を抑えるのが難しい人などは投薬が続くことになり、 その際には低血糖を心配してか糖質制限を薦めなくなります。
薬を飲みながら糖質を控えるくらいで低血糖になるものなのでしょうか?
投薬なしの割合、糖質制限の認知度ともに地域差はかなりあると思います。
New York、Bostonなどの北東部、西海岸でもLA、San Francisco、Seattleなど都市部では糖尿持ちの過半数は何らかの形でLow Carboを実践していると思います。
肥満率が低く投薬なしの人が多いです。
上記のようにDietとDiabetesが言葉から似ていて、血糖を下げること=痩せること=糖質を減らす のような概念が広く浸透しています。
それ以外の南東部、中西部などは肥満率も高く経口薬インスリンとも投与率は高いです。
食事が肉とパン、パスタ、ポテト中心にサラダ少量と、大量の炭水化物を含み糖質制限しようにも食べる物がなくなってしまいそうです。
余談ですが、アメリカでもアジア系の糖尿率は高いそうで、一番はインドなど西アジア系だそうです。
やはり食事の影響は大きいんですかね。】
米国在住さんから、米国の糖尿病事情について、コメントいただきました。
米国在住さん、早速にわかりやすい情報提供をありがとうございます。
とても参考になります。
『私は糖尿発覚した4年前、LOW-CARBO推奨のクリニックは ロサンゼルス、サンフランシスコ、ニューヨーク市の一部だけでしたが、 現在はほとんどの大都市では糖質制限の指導が受けられると思います。』
なるほど、米国でもここ4年くらい糖質制限が広がり、現在では少なくとも都市部では指導が受けられる状況なのですね。
日本も、もう一頑張り、二頑張りくらいで都市部なら糖質制限OK医療機関が出揃いそうです。
『私のドクター曰く、医師ほぼ全員が糖質を減らすとA1c値が改善すると認識していても ADAガイドラインに忠実なクリニックでは積極的に推進しないんだそう。
アメリカは患者の希望で治療が選べるので 自分から申し出れば糖質制限の選択はできるようです。』
そうですね。
米国の医師は医学部教育において、「摂取後血糖に変わるのは糖質だけで、タンパク質・脂質は変わらない」という生理学的事実を学ぶので、糖質制限の意義は共通認識していると思います。
ADA(米国糖尿病学会)ガイドラインでも2013年10月からは、糖質制限食を正式に受容しました。
これにより一般のクリニックにおいても流れは良い方向に向かっていくと思います。
『体重と食事をコントロール出来るようになった患者には 投薬なし&糖質制限でずっと観察のみの人は非常に多いです。
食事をコントロールしても数値が安定しない人、食欲を抑えるのが難しい人などは投薬が続くことになり、 その際には低血糖を心配してか糖質制限を薦めなくなります。 薬を飲みながら糖質を控えるくらいで低血糖になるものなのでしょうか?』
体重と食事をコントロール出来るようになった患者には 、投薬なし&糖質制限でずっと観察のみの人は非常に多いというのは素晴らしいですね。
日本でも、糖質セイゲニストなら、藥なしで血糖コントロール良好は当たり前なのですが、まだまだ少数派です。
投薬を続ける場合は、糖質制限を薦めなくなるというのは、米国医師の実践的な判断と思います。
アマリール、グリミクロン、オイグルコンなどのSU剤はインスリン分泌促進剤で膵臓のβ細胞に長時間作用します。
糖質制限食を実践するとリアルタイムに食後高血糖が改善するので、SU剤をそのまま内服していると低血糖の恐れがあるのです。
まあ、きっちり糖質制限食ができれば、SU剤など要らないのですが、それができない患者さんもいるので仕方ないのでしょう。
メトグルコやDPP-4阻害剤やαGI薬などは、低血糖の恐れがほとんどないので、内服しながら糖質制限食を実践してもOKと思います。
『New York、Bostonなどの北東部、西海岸でもLA、San Francisco、Seattleなど都市部では糖尿持ちの過半数は何らかの形でLow Carboを実践していると思います。 肥満率が低く投薬なしの人が多いです。』
富裕層やインテリ層など糖尿病のことをよく勉強している糖尿人は、自分で選んで糖質制限食実践で自己管理なのだと思います。
糖質制限食実践者なら、肥満率も低く血糖コントロールも良好で、投薬もなしなのでしょう。
『それ以外の南東部、中西部などは肥満率も高く経口薬インスリンとも投与率は高いです。
食事が肉とパン、パスタ、ポテト中心にサラダ少量と、大量の炭水化物を含み糖質制限しようにも食べる物がなくなってしまいそうです。』
南部諸州は黒人の住民が多く、貧困層も多いです。
貧困層が摂取可能な、安価な食品は、圧倒的に炭水化物です。
肉や魚は高価なので、貧困層には高値の花なのです。
南部を中心とした15州の644郡にまたがる一帯は「糖尿病ベルト地帯」と呼ばれています。
南部諸州は、黒人を主に貧困層が多く、全米平均に比べると、糖尿病や肥満の罹患率が高いのです。
まさに「炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません」状態なのです。
江部康二
江部先生こんにちは
丁寧に解説いただき光栄です。
ありがとうございます。
私は糖尿発覚した4年前、LOW-CARBO推奨のクリニックは ロサンゼルス、サンフランシスコ、ニューヨーク市の一部だけでしたが、 現在はほとんどの大都市では糖質制限の指導が受けられると思います。
私のドクター曰く、医師ほぼ全員が糖質を減らすとA1c値が改善すると認識していても ADAガイドラインに忠実なクリニックでは積極的に推進しないんだそう。
アメリカは患者の希望で治療が選べるので 自分から申し出れば糖質制限の選択はできるようです。
患者の認識としても、ダイエット法としてのAtkins、Macrobioticなどとよい意味で混同されていて 白いパンや砂糖はダメ、WHOLE FOODS(全粒粉や玄米)はセーフ、野菜類は更に良しという感じで、 厳密でないものの、比較的簡単に実践できる環境にあります。
薬についてですが、保険の種類や保険非加入など経済的条件により様々です。
国柄食べ過ぎ肥満が多く、まず痩せることに集中します、医療費に制限のない高い保険の人にはたんまり薬がでる反面、保険の無い人には絶食してでも痩せろという過激な先生もいるようです。
体重と食事をコントロール出来るようになった患者には 投薬なし&糖質制限でずっと観察のみの人は非常に多いです。
食事をコントロールしても数値が安定しない人、食欲を抑えるのが難しい人などは投薬が続くことになり、 その際には低血糖を心配してか糖質制限を薦めなくなります。
薬を飲みながら糖質を控えるくらいで低血糖になるものなのでしょうか?
投薬なしの割合、糖質制限の認知度ともに地域差はかなりあると思います。
New York、Bostonなどの北東部、西海岸でもLA、San Francisco、Seattleなど都市部では糖尿持ちの過半数は何らかの形でLow Carboを実践していると思います。
肥満率が低く投薬なしの人が多いです。
上記のようにDietとDiabetesが言葉から似ていて、血糖を下げること=痩せること=糖質を減らす のような概念が広く浸透しています。
それ以外の南東部、中西部などは肥満率も高く経口薬インスリンとも投与率は高いです。
食事が肉とパン、パスタ、ポテト中心にサラダ少量と、大量の炭水化物を含み糖質制限しようにも食べる物がなくなってしまいそうです。
余談ですが、アメリカでもアジア系の糖尿率は高いそうで、一番はインドなど西アジア系だそうです。
やはり食事の影響は大きいんですかね。】
米国在住さんから、米国の糖尿病事情について、コメントいただきました。
米国在住さん、早速にわかりやすい情報提供をありがとうございます。
とても参考になります。
『私は糖尿発覚した4年前、LOW-CARBO推奨のクリニックは ロサンゼルス、サンフランシスコ、ニューヨーク市の一部だけでしたが、 現在はほとんどの大都市では糖質制限の指導が受けられると思います。』
なるほど、米国でもここ4年くらい糖質制限が広がり、現在では少なくとも都市部では指導が受けられる状況なのですね。
日本も、もう一頑張り、二頑張りくらいで都市部なら糖質制限OK医療機関が出揃いそうです。
『私のドクター曰く、医師ほぼ全員が糖質を減らすとA1c値が改善すると認識していても ADAガイドラインに忠実なクリニックでは積極的に推進しないんだそう。
アメリカは患者の希望で治療が選べるので 自分から申し出れば糖質制限の選択はできるようです。』
そうですね。
米国の医師は医学部教育において、「摂取後血糖に変わるのは糖質だけで、タンパク質・脂質は変わらない」という生理学的事実を学ぶので、糖質制限の意義は共通認識していると思います。
ADA(米国糖尿病学会)ガイドラインでも2013年10月からは、糖質制限食を正式に受容しました。
これにより一般のクリニックにおいても流れは良い方向に向かっていくと思います。
『体重と食事をコントロール出来るようになった患者には 投薬なし&糖質制限でずっと観察のみの人は非常に多いです。
食事をコントロールしても数値が安定しない人、食欲を抑えるのが難しい人などは投薬が続くことになり、 その際には低血糖を心配してか糖質制限を薦めなくなります。 薬を飲みながら糖質を控えるくらいで低血糖になるものなのでしょうか?』
体重と食事をコントロール出来るようになった患者には 、投薬なし&糖質制限でずっと観察のみの人は非常に多いというのは素晴らしいですね。
日本でも、糖質セイゲニストなら、藥なしで血糖コントロール良好は当たり前なのですが、まだまだ少数派です。
投薬を続ける場合は、糖質制限を薦めなくなるというのは、米国医師の実践的な判断と思います。
アマリール、グリミクロン、オイグルコンなどのSU剤はインスリン分泌促進剤で膵臓のβ細胞に長時間作用します。
糖質制限食を実践するとリアルタイムに食後高血糖が改善するので、SU剤をそのまま内服していると低血糖の恐れがあるのです。
まあ、きっちり糖質制限食ができれば、SU剤など要らないのですが、それができない患者さんもいるので仕方ないのでしょう。
メトグルコやDPP-4阻害剤やαGI薬などは、低血糖の恐れがほとんどないので、内服しながら糖質制限食を実践してもOKと思います。
『New York、Bostonなどの北東部、西海岸でもLA、San Francisco、Seattleなど都市部では糖尿持ちの過半数は何らかの形でLow Carboを実践していると思います。 肥満率が低く投薬なしの人が多いです。』
富裕層やインテリ層など糖尿病のことをよく勉強している糖尿人は、自分で選んで糖質制限食実践で自己管理なのだと思います。
糖質制限食実践者なら、肥満率も低く血糖コントロールも良好で、投薬もなしなのでしょう。
『それ以外の南東部、中西部などは肥満率も高く経口薬インスリンとも投与率は高いです。
食事が肉とパン、パスタ、ポテト中心にサラダ少量と、大量の炭水化物を含み糖質制限しようにも食べる物がなくなってしまいそうです。』
南部諸州は黒人の住民が多く、貧困層も多いです。
貧困層が摂取可能な、安価な食品は、圧倒的に炭水化物です。
肉や魚は高価なので、貧困層には高値の花なのです。
南部を中心とした15州の644郡にまたがる一帯は「糖尿病ベルト地帯」と呼ばれています。
南部諸州は、黒人を主に貧困層が多く、全米平均に比べると、糖尿病や肥満の罹患率が高いのです。
まさに「炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません」状態なのです。
江部康二
2014年11月19日 (水)
こんにちは。
糖質制限食90日間健康ノート(洋泉社)
単行本(ソフトカバー)
2014年11月14日発売
のお知らせです。
「食べたものを記録すること」がダイエット成功、健康管理のカギ!
糖質を摂取していないつもりでも、意外なものに糖質が含まれていることがあります。
食事や間食、飲み物など、口にしたものをすべて記録することで、それまで気にしていなかった食べ物や糖質量を意識するようになり、体重や体調変化との関係を確認できるようになります。
毎日記録するので目標も明確になり、モチベーションのアップにつながります。
また、日々の健康管理にも役立ちます。
内容
食べたものを書くだけで、ダイエットにも健康管理にも効果抜群!
糖質制限食のやり方やメカニズム、ひと目で分かるOK食品・NG食品表、
各ページには糖質制限食に役立つワンポイント情報も掲載!
食品別糖質含有量一覧付き
『糖質制限食90日間健康ノート』(洋泉社)
は
『食品別糖質量ハンドブック』(洋泉社)
の姉妹編です。
『食品別糖質量ハンドブック』はおかげさまで、10万部を突破しました。m(_ _)mV
江部康二
糖質制限食90日間健康ノート(洋泉社)
単行本(ソフトカバー)
2014年11月14日発売
のお知らせです。
「食べたものを記録すること」がダイエット成功、健康管理のカギ!
糖質を摂取していないつもりでも、意外なものに糖質が含まれていることがあります。
食事や間食、飲み物など、口にしたものをすべて記録することで、それまで気にしていなかった食べ物や糖質量を意識するようになり、体重や体調変化との関係を確認できるようになります。
毎日記録するので目標も明確になり、モチベーションのアップにつながります。
また、日々の健康管理にも役立ちます。
内容
食べたものを書くだけで、ダイエットにも健康管理にも効果抜群!
糖質制限食のやり方やメカニズム、ひと目で分かるOK食品・NG食品表、
各ページには糖質制限食に役立つワンポイント情報も掲載!
食品別糖質含有量一覧付き
『糖質制限食90日間健康ノート』(洋泉社)
は
『食品別糖質量ハンドブック』(洋泉社)
の姉妹編です。
『食品別糖質量ハンドブック』はおかげさまで、10万部を突破しました。m(_ _)mV
江部康二
2014年11月18日 (火)
こんにちは。
MT Proの2014年10月23日のドクターズアイにおいて
カロリー制限食の安全性神話に暗雲
Look AHEAD試験の骨密度に関するサブ解析から
と題して、山田悟氏の解説が掲載されました。
Look AHEAD試験は2013年に報告されたランダム化比較試験(RCT)です。
BMI 25以上の2型糖尿病患者が対象です。
1)強化介入群:カロリー制限(1,200~1,800kcal/日)と運動で7%以上の体重減量を達成・維持する群〕2,570例
2)対照群:2575例
での研究です。
2014年にLook AHEAD試験の、骨密度の変化に関するサブ解析が報告されました。
「ディアベテス・ケア(米国糖尿病学会誌)2014; 37: 2822-2829」
骨密度データのある1,309例のサブ解析です。
サブ解析の結果、男性では強化介入群では対照群に比べて、有意に全大腿骨近位部、大腿骨頸部の骨密度の低下が大きいことが判明しましたが、腰椎では差はなしでした。
全大腿骨近位部の骨密度の変化に対しては体重減少が有意に相関していました。
女性では両群ともに骨密度が低下し、どの部分についても両群に差異はありませんでした。
結局、本研究は
1,200~1,800kcalのカロリー制限食が
平均身長174.9cmの男性において
有意に骨密度を低下させることを示しています。
日本糖尿病学会編の糖尿病治療ガイド2014-2015では
男性1400~1800kcal/日 → 1400~2000kcal/日
女性1200~1600kcal/日 → 1200~1800kcal/日
を適正なエネルギー摂取量として推奨しています。
とうとう男女とも摂取エネルギーを少し増やしてますね。
しかし推奨していますが、エビデンスはないのが現状です。
<レベル1+ レベル1 レベル2 レベル3 レベル4>と5段階のエビデンスレベルが規定されているのですが、エネルギー制限食に関しては、エビデンスレベルなしの、コンセンサス(談合による合意)だけです。
日本糖尿病学会は、1969年の食品交換表第2版以降、エビデンスなしのエネルギー制限食を長年推奨してきました。
しかし今回の研究で、少なくとも男性においては、カロリー制限食による骨密度低下のリスクが示されたわけです。
カロリー制限食の安全神話に暗雲・・・カロリー制限食の落日ですね。
江部康二
以下、MT Proの2014年10月23日のドクターズアイ記事から一部抜粋
☆☆☆
ドクターズアイ・最新論文で考える日常臨床
カロリー制限食の安全性神話に暗雲
Look AHEAD試験の骨密度に関するサブ解析から
北里研究所病院糖尿病センター 山田 悟
研究の背景:1,200~1,800kcal/日のカロリー制限食が最善とされてきた
前回,NIPPON DATA80(Br J Nutr 2014; 112: 916-924)のご紹介をし,糖質制限食にまつわる議論は終焉を迎えたという旨の私見を述べさせていただいた(関連記事)。そして,極端な糖尿病食事療法についての議論そのものはさらに進めていくべきであると申し上げた。
しかし,それ以前に,私たちがこれまで最善だとしてきた,1,200~1,800kcal/日のカロリー制限食に問題があるかもしれないとする論文がDiabetes Care(2014; 37: 2822-2829)に発表された。オリジナルのデータがN Engl J Med(2013; 369: 145-154)に報告されたLook AHEAD試験(関連記事)のサブ解析である。
あらためて糖尿病食事療法に真摯に原点から科学的に向き合わなければならないと感じさせてくれる重要な論文だと思うので,ご紹介したい。
研究のポイント1:Look AHEAD試験参加者中,骨密度データのある1,309例のサブ解析
Look AHEAD試験は昨年に報告されたランダム化比較試験(RCT)である(N Engl J Med2013; 369: 145-154)。対象者は年齢45歳以上,BMI 25以上の2型糖尿病患者であり,①強化生活習慣介入群〔強化介入群;カロリー制限(1,200~1,800kcal/日で,脂質30%未満,蛋白質15%超,糖質50~55%のエネルギー比率)と身体活動増加により7%以上の体重減量を達成・維持する群〕2,570例と,②対照群(糖尿病教育とサポートを受ける群)2,575例-にランダムに割り付けられた。
主要評価項目は,複合心血管イベント(心血管死,非致死性心筋梗塞,非致死性脳卒中,狭心症での入院の4項目)の発症であり,中央値9.6年の観察期間中に両群に全く差異は生じていなかった。
今回の論文では,骨密度の変化を評価項目としたサブ解析の結果が報告されている。Look AHEAD試験自体は米国の16施設で実施されたが,骨密度の試験は5施設で実施された。また,骨密度は二重エネルギーX線吸収測定法(DXA)により測定されたが,測定器の限界で体重300Ibs(約136kg)以上の人は測定ができないため,計1,373例がベースラインでの骨密度測定を受け,最終的に1,309例がベースラインと4年間でのフォローアップ時の骨密度データの解析対象となった(データ欠失の最大の理由は体重が300Ibs以上になったことであった)。
なお,この1,309例の体格について見ると,平均身長は男性174.9cm,女性160.3cm,平均体重はそれぞれ104.0kg,92.7kgであった。また,骨密度の測定は,全身,腰椎,全大腿骨近位部,大腿骨頸部に分けて解析された。
研究のポイント2:強化介入群の男性では有意に骨密度の低下が大きい
ベースライン時の両群の特徴を見てみると,両群ともに母集団の特徴とかけ離れたデータにはなっていなかった。また,両群で経口ステロイド薬,ビスホスホネート製剤,チアゾリジン薬の使用比率に差異はなかった。
解析の結果,男性では強化介入群では対照群に比べて,有意に全大腿骨近位部,大腿骨頸部の骨密度の低下が大きいことが判明した。一方,腰椎については差異はなかった。また,女性では両群ともに骨密度が低下し,どの部分についても両群に差異はなかった。
こうした骨密度の変化に対して,どのような要素が関係しているのかを解析したところ,アルコール摂取,喫煙状況,カルシウム摂取,運動体力は無関係であり,全大腿骨近位部の骨密度の変化に対しては体重減少が有意に相関していた(図)。このため,骨密度の変化を体重の変化量で補正してみたところ,両群の骨密度に関する差異は消失したという。
私の考察:わが国でもカロリー制限食に関する新たな議論が必要
わが国では,これまでも現在でも糖尿病治療のための食事療法としてまさに1,200~2,000kcalのカロリー制限食が指導されている〔今年出版された「糖尿病治療ガイド2014-2015」にもその旨が明記されている(39ページ)〕。しかし,このレベルのカロリー制限食の有効性や安全性についての論文は「科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン2013」に1件も引用されておらず,エビデンスレベルが示す通り,まさにこの記述はコンセンサスにすぎないことが分かる。
一方,今回ご紹介したLook AHEAD試験のサブ解析は1,200~1,800kcalのカロリー制限食が平均身長174.9cmの男性において有意に骨密度を低下させることを示している。私たちが日常診療で用いてきた(用いている)カロリー制限は,患者の骨密度を減少させてしまう可能性があることになる。
もちろん,男性でも大腿骨近位部以外では骨密度の変化は同等であった。また,女性では(平均身長160.3cmの女性に対しては),両群に骨密度の差異は(4年後の時点では)なかった。しかし,だからといってこのカロリー制限食は安全だと断じることは難しいであろう。
振り返ると,米国糖尿病学会(ADA)の最初の食事療法ガイドラインでは最重要課題としてカロリーの適正化を挙げていた(Diabetes Care 1971; 20: 633-634)。ただし,それはあくまでも体重を適正にするためのものであり,適正な体重であればカロリー制限は必要ないということであった。そして,1994年以降は,カロリー制限食は一般には長期の体重管理を維持できないとして,理想的な体重を得るためのカロリー適正化ですら課題から外している(Diabetes Care1994; 17: 519-522)。
欧州糖尿病学会(EASD)でも,以前からBMI 25未満の糖尿病患者に対してカロリー制限は不要である旨を述べている(Nutr Metab Cardiovasc Dis 2004; 14: 373-394)。
私たちは今も,肥満度にかかわらずカロリー制限食を推奨している。それは,本当に妥当なことなのであろうか。安全性は担保されているのであろうか。長期の有効性は確認できるのであろうか。欧米と同様に肥満から脱却するための一時的な食事法にとどめておいた方がよいのではないか。このLook AHEAD試験のサブ解析は,そんな疑問を痛切に感じさせる論文であった。日本糖尿病学会の食事療法に関する提言が言うように,今こそ,私たちは,真摯に糖尿病食事療法について研究を積み重ね,科学的な議論をしていかなければならない。
MT Proの2014年10月23日のドクターズアイにおいて
カロリー制限食の安全性神話に暗雲
Look AHEAD試験の骨密度に関するサブ解析から
と題して、山田悟氏の解説が掲載されました。
Look AHEAD試験は2013年に報告されたランダム化比較試験(RCT)です。
BMI 25以上の2型糖尿病患者が対象です。
1)強化介入群:カロリー制限(1,200~1,800kcal/日)と運動で7%以上の体重減量を達成・維持する群〕2,570例
2)対照群:2575例
での研究です。
2014年にLook AHEAD試験の、骨密度の変化に関するサブ解析が報告されました。
「ディアベテス・ケア(米国糖尿病学会誌)2014; 37: 2822-2829」
骨密度データのある1,309例のサブ解析です。
サブ解析の結果、男性では強化介入群では対照群に比べて、有意に全大腿骨近位部、大腿骨頸部の骨密度の低下が大きいことが判明しましたが、腰椎では差はなしでした。
全大腿骨近位部の骨密度の変化に対しては体重減少が有意に相関していました。
女性では両群ともに骨密度が低下し、どの部分についても両群に差異はありませんでした。
結局、本研究は
1,200~1,800kcalのカロリー制限食が
平均身長174.9cmの男性において
有意に骨密度を低下させることを示しています。
日本糖尿病学会編の糖尿病治療ガイド2014-2015では
男性1400~1800kcal/日 → 1400~2000kcal/日
女性1200~1600kcal/日 → 1200~1800kcal/日
を適正なエネルギー摂取量として推奨しています。
とうとう男女とも摂取エネルギーを少し増やしてますね。
しかし推奨していますが、エビデンスはないのが現状です。
<レベル1+ レベル1 レベル2 レベル3 レベル4>と5段階のエビデンスレベルが規定されているのですが、エネルギー制限食に関しては、エビデンスレベルなしの、コンセンサス(談合による合意)だけです。
日本糖尿病学会は、1969年の食品交換表第2版以降、エビデンスなしのエネルギー制限食を長年推奨してきました。
しかし今回の研究で、少なくとも男性においては、カロリー制限食による骨密度低下のリスクが示されたわけです。
カロリー制限食の安全神話に暗雲・・・カロリー制限食の落日ですね。
江部康二
以下、MT Proの2014年10月23日のドクターズアイ記事から一部抜粋
☆☆☆
ドクターズアイ・最新論文で考える日常臨床
カロリー制限食の安全性神話に暗雲
Look AHEAD試験の骨密度に関するサブ解析から
北里研究所病院糖尿病センター 山田 悟
研究の背景:1,200~1,800kcal/日のカロリー制限食が最善とされてきた
前回,NIPPON DATA80(Br J Nutr 2014; 112: 916-924)のご紹介をし,糖質制限食にまつわる議論は終焉を迎えたという旨の私見を述べさせていただいた(関連記事)。そして,極端な糖尿病食事療法についての議論そのものはさらに進めていくべきであると申し上げた。
しかし,それ以前に,私たちがこれまで最善だとしてきた,1,200~1,800kcal/日のカロリー制限食に問題があるかもしれないとする論文がDiabetes Care(2014; 37: 2822-2829)に発表された。オリジナルのデータがN Engl J Med(2013; 369: 145-154)に報告されたLook AHEAD試験(関連記事)のサブ解析である。
あらためて糖尿病食事療法に真摯に原点から科学的に向き合わなければならないと感じさせてくれる重要な論文だと思うので,ご紹介したい。
研究のポイント1:Look AHEAD試験参加者中,骨密度データのある1,309例のサブ解析
Look AHEAD試験は昨年に報告されたランダム化比較試験(RCT)である(N Engl J Med2013; 369: 145-154)。対象者は年齢45歳以上,BMI 25以上の2型糖尿病患者であり,①強化生活習慣介入群〔強化介入群;カロリー制限(1,200~1,800kcal/日で,脂質30%未満,蛋白質15%超,糖質50~55%のエネルギー比率)と身体活動増加により7%以上の体重減量を達成・維持する群〕2,570例と,②対照群(糖尿病教育とサポートを受ける群)2,575例-にランダムに割り付けられた。
主要評価項目は,複合心血管イベント(心血管死,非致死性心筋梗塞,非致死性脳卒中,狭心症での入院の4項目)の発症であり,中央値9.6年の観察期間中に両群に全く差異は生じていなかった。
今回の論文では,骨密度の変化を評価項目としたサブ解析の結果が報告されている。Look AHEAD試験自体は米国の16施設で実施されたが,骨密度の試験は5施設で実施された。また,骨密度は二重エネルギーX線吸収測定法(DXA)により測定されたが,測定器の限界で体重300Ibs(約136kg)以上の人は測定ができないため,計1,373例がベースラインでの骨密度測定を受け,最終的に1,309例がベースラインと4年間でのフォローアップ時の骨密度データの解析対象となった(データ欠失の最大の理由は体重が300Ibs以上になったことであった)。
なお,この1,309例の体格について見ると,平均身長は男性174.9cm,女性160.3cm,平均体重はそれぞれ104.0kg,92.7kgであった。また,骨密度の測定は,全身,腰椎,全大腿骨近位部,大腿骨頸部に分けて解析された。
研究のポイント2:強化介入群の男性では有意に骨密度の低下が大きい
ベースライン時の両群の特徴を見てみると,両群ともに母集団の特徴とかけ離れたデータにはなっていなかった。また,両群で経口ステロイド薬,ビスホスホネート製剤,チアゾリジン薬の使用比率に差異はなかった。
解析の結果,男性では強化介入群では対照群に比べて,有意に全大腿骨近位部,大腿骨頸部の骨密度の低下が大きいことが判明した。一方,腰椎については差異はなかった。また,女性では両群ともに骨密度が低下し,どの部分についても両群に差異はなかった。
こうした骨密度の変化に対して,どのような要素が関係しているのかを解析したところ,アルコール摂取,喫煙状況,カルシウム摂取,運動体力は無関係であり,全大腿骨近位部の骨密度の変化に対しては体重減少が有意に相関していた(図)。このため,骨密度の変化を体重の変化量で補正してみたところ,両群の骨密度に関する差異は消失したという。
私の考察:わが国でもカロリー制限食に関する新たな議論が必要
わが国では,これまでも現在でも糖尿病治療のための食事療法としてまさに1,200~2,000kcalのカロリー制限食が指導されている〔今年出版された「糖尿病治療ガイド2014-2015」にもその旨が明記されている(39ページ)〕。しかし,このレベルのカロリー制限食の有効性や安全性についての論文は「科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン2013」に1件も引用されておらず,エビデンスレベルが示す通り,まさにこの記述はコンセンサスにすぎないことが分かる。
一方,今回ご紹介したLook AHEAD試験のサブ解析は1,200~1,800kcalのカロリー制限食が平均身長174.9cmの男性において有意に骨密度を低下させることを示している。私たちが日常診療で用いてきた(用いている)カロリー制限は,患者の骨密度を減少させてしまう可能性があることになる。
もちろん,男性でも大腿骨近位部以外では骨密度の変化は同等であった。また,女性では(平均身長160.3cmの女性に対しては),両群に骨密度の差異は(4年後の時点では)なかった。しかし,だからといってこのカロリー制限食は安全だと断じることは難しいであろう。
振り返ると,米国糖尿病学会(ADA)の最初の食事療法ガイドラインでは最重要課題としてカロリーの適正化を挙げていた(Diabetes Care 1971; 20: 633-634)。ただし,それはあくまでも体重を適正にするためのものであり,適正な体重であればカロリー制限は必要ないということであった。そして,1994年以降は,カロリー制限食は一般には長期の体重管理を維持できないとして,理想的な体重を得るためのカロリー適正化ですら課題から外している(Diabetes Care1994; 17: 519-522)。
欧州糖尿病学会(EASD)でも,以前からBMI 25未満の糖尿病患者に対してカロリー制限は不要である旨を述べている(Nutr Metab Cardiovasc Dis 2004; 14: 373-394)。
私たちは今も,肥満度にかかわらずカロリー制限食を推奨している。それは,本当に妥当なことなのであろうか。安全性は担保されているのであろうか。長期の有効性は確認できるのであろうか。欧米と同様に肥満から脱却するための一時的な食事法にとどめておいた方がよいのではないか。このLook AHEAD試験のサブ解析は,そんな疑問を痛切に感じさせる論文であった。日本糖尿病学会の食事療法に関する提言が言うように,今こそ,私たちは,真摯に糖尿病食事療法について研究を積み重ね,科学的な議論をしていかなければならない。
2014年11月17日 (月)
【14/11/15 米国在住
江部先生こんにちは
4年ほど前にアメリカでの糖尿食事情についてコメントした者です。
以来、糖質を抑えながらHbA1cは5.2-5.8キープできております。
この数年の間に米国では糖質制限が更に身近な存在になりました。
DiabeteがなくともLow-carboが有効なダイエット法として一般人に定着してきたことで外食がとても楽になりました。
たいていの料理は一般人と変わらず、パンやポテト類の代わりに満腹感はレタス、 カロリーはナッツで満たすようなメニューです。
都市部の医師も肥満でない患者には糖質を抑える食事を積極的に勧めるようになりました。
肥満型患者には先ずカロリー制限で減量を急ぎ、のちに糖質を抑えるよう指導されます。
私のクリニックでは共通して総カロリー、糖質量、ナトリウム量をカウントしながら下記4ポイントを留意するよう指導されます。
1、パン、パスタ、米、ポテト類は控えめにして、肉野菜などの後に食べるように
2、主食を減らすと塩分が多くなりがちなのでドレシング、スープ、ソースの類を控えめに
3、人工甘味料の安全性が定かでないのでSuger free飲料や菓子類もストレスにならない程度に控える
4、酒はビールと甘いカクテル以外はOK
私を含む無投薬で血糖コントロールできている患者は 血糖値測定器と同じ要領でHbA1cを計るA1C nowという使い捨て測定器で 自宅で毎月A1cを計りながら、診察はカウンセリングと食事指導のみで 病院通いもストレスでなくなりました。
医師曰く、糖質制限はどの薬よりも糖尿に効果的で、副作用もなく医療費削減になると、 江部先生が何年もおっしゃっている話がこちらでは一般的になりました。
日本では投薬に頼る治療がまだまだ主流だと聞きますが、 いずれ糖質過多の有害性に目を向けられるようになると願います。】
こんばんは。
米国在住さんから、アメリカでの糖尿食事情についてコメントをいただきました。
4年前にもコメントいただいていてます。
ありがとうございます。
米国在住さんは、 HbA1c5.2-5.8%キープとコントロール優秀ですね。
Low-carboが定着してきて外食が楽になったとは喜ばしいですね。
米国の都市では一般的なのか、はたまたカリフォルニアあたりは進んでいるけれど東部はイマイチとか、地域差はどうなのでしょうか?
『 私のクリニックでは共通して総カロリー、糖質量、ナトリウム量をカウントしながら下記4ポイントを留意するよう指導されます。
1、パン、パスタ、米、ポテト類は控えめにして、肉野菜などの後に食べるように
2、主食を減らすと塩分が多くなりがちなのでドレシング、スープ、ソースの類を控えめに
3、人工甘味料の安全性が定かでないのでSuger free飲料や菓子類もストレスにならない程度に控える
4、酒はビールと甘いカクテル以外はOK』
なるほど、緩やかな糖質制限食というスタンスですね。
『私を含む無投薬で血糖コントロールできている患者は 血糖値測定器と同じ要領でHbA1cを計るA1C nowという使い捨て測定器で 自宅で毎月A1cを計りながら、診察はカウンセリングと食事指導のみで 病院通いもストレスでなくなりました。』
A1C now は日本ではまだ普及していないですね。
血糖自己測定器(SMBG)とA1C nowがあれば、確かに医療機関では食事指導と診察のみで大幅な医療費削減ですし、通院も楽ですね。
日本では、7種類の経口糖尿病薬、2種類の注射薬がごく日常的に投与されています。
この薬のラインアップは、アメリカも一緒と思うのですが、糖質制限食で、薬なしの糖尿人が、アメリカには多いのでしょうか?
それともアメリカでも地域差が非常に大きいのでしょうか?
『医師曰く、糖質制限はどの薬よりも糖尿に効果的で、副作用もなく医療費削減になると』
私はまさに我が意を得たりで大賛成なのですが、この件も、この医師が特殊な糖質制限賛成派なのか、それともアメリカではごく普通にほとんどの医師が糖質制限食を推奨する段階なのか?どうなのでしょう?
クエッション?に関して、米国在住さんのご存知の範囲で、ご教示いただけば幸いです。
江部康二
江部先生こんにちは
4年ほど前にアメリカでの糖尿食事情についてコメントした者です。
以来、糖質を抑えながらHbA1cは5.2-5.8キープできております。
この数年の間に米国では糖質制限が更に身近な存在になりました。
DiabeteがなくともLow-carboが有効なダイエット法として一般人に定着してきたことで外食がとても楽になりました。
たいていの料理は一般人と変わらず、パンやポテト類の代わりに満腹感はレタス、 カロリーはナッツで満たすようなメニューです。
都市部の医師も肥満でない患者には糖質を抑える食事を積極的に勧めるようになりました。
肥満型患者には先ずカロリー制限で減量を急ぎ、のちに糖質を抑えるよう指導されます。
私のクリニックでは共通して総カロリー、糖質量、ナトリウム量をカウントしながら下記4ポイントを留意するよう指導されます。
1、パン、パスタ、米、ポテト類は控えめにして、肉野菜などの後に食べるように
2、主食を減らすと塩分が多くなりがちなのでドレシング、スープ、ソースの類を控えめに
3、人工甘味料の安全性が定かでないのでSuger free飲料や菓子類もストレスにならない程度に控える
4、酒はビールと甘いカクテル以外はOK
私を含む無投薬で血糖コントロールできている患者は 血糖値測定器と同じ要領でHbA1cを計るA1C nowという使い捨て測定器で 自宅で毎月A1cを計りながら、診察はカウンセリングと食事指導のみで 病院通いもストレスでなくなりました。
医師曰く、糖質制限はどの薬よりも糖尿に効果的で、副作用もなく医療費削減になると、 江部先生が何年もおっしゃっている話がこちらでは一般的になりました。
日本では投薬に頼る治療がまだまだ主流だと聞きますが、 いずれ糖質過多の有害性に目を向けられるようになると願います。】
こんばんは。
米国在住さんから、アメリカでの糖尿食事情についてコメントをいただきました。
4年前にもコメントいただいていてます。
ありがとうございます。
米国在住さんは、 HbA1c5.2-5.8%キープとコントロール優秀ですね。
Low-carboが定着してきて外食が楽になったとは喜ばしいですね。
米国の都市では一般的なのか、はたまたカリフォルニアあたりは進んでいるけれど東部はイマイチとか、地域差はどうなのでしょうか?
『 私のクリニックでは共通して総カロリー、糖質量、ナトリウム量をカウントしながら下記4ポイントを留意するよう指導されます。
1、パン、パスタ、米、ポテト類は控えめにして、肉野菜などの後に食べるように
2、主食を減らすと塩分が多くなりがちなのでドレシング、スープ、ソースの類を控えめに
3、人工甘味料の安全性が定かでないのでSuger free飲料や菓子類もストレスにならない程度に控える
4、酒はビールと甘いカクテル以外はOK』
なるほど、緩やかな糖質制限食というスタンスですね。
『私を含む無投薬で血糖コントロールできている患者は 血糖値測定器と同じ要領でHbA1cを計るA1C nowという使い捨て測定器で 自宅で毎月A1cを計りながら、診察はカウンセリングと食事指導のみで 病院通いもストレスでなくなりました。』
A1C now は日本ではまだ普及していないですね。
血糖自己測定器(SMBG)とA1C nowがあれば、確かに医療機関では食事指導と診察のみで大幅な医療費削減ですし、通院も楽ですね。
日本では、7種類の経口糖尿病薬、2種類の注射薬がごく日常的に投与されています。
この薬のラインアップは、アメリカも一緒と思うのですが、糖質制限食で、薬なしの糖尿人が、アメリカには多いのでしょうか?
それともアメリカでも地域差が非常に大きいのでしょうか?
『医師曰く、糖質制限はどの薬よりも糖尿に効果的で、副作用もなく医療費削減になると』
私はまさに我が意を得たりで大賛成なのですが、この件も、この医師が特殊な糖質制限賛成派なのか、それともアメリカではごく普通にほとんどの医師が糖質制限食を推奨する段階なのか?どうなのでしょう?
クエッション?に関して、米国在住さんのご存知の範囲で、ご教示いただけば幸いです。
江部康二
2014年11月17日 (月)
【14/11/16 岸和田のセイゲニスト
コープイン京都での講習会有難うございました。
昨日は、コープイン京都での講習会有難うございました。 m(_ _)m
江部先生や、橋本栄養士先生のタメになるお話が聞けて、とても良かったです!
しかも無料でした。関係者の方々には頭の下がる思いです。この場をお借りして御礼申し上げます。
m(_ _)m
講習会のお話の中で、先生は、未だに自分の歯を失ってないとお話しされてました。
先日のテレビで、永久歯28本のうち、50代後半で平均4本、60代後半で平均7本、70代後半で平均13本失うとのことでした。そして、高齢になっても、歯が丈夫だと、脳と脚の機能が衰えにくいとの事でした。
番組では、咀嚼回数と歯磨きを増やすと事が、歯を失わない秘訣と言ってましたが、糖質制限を加えると、無敵だなと感じました。
私も、糖質制限半年足らずですが、虫歯や歯槽膿漏もなくなり、嬉しいです!
歯磨きは夜しかしてませんが…反省(歯磨き粉も夏井先生のご指南で止めました)
帰りは、ご挨拶も出来ず失礼致しました。
帰りの会場近くの錦市場で、糖質制限食べ歩きをして帰りました。
錦市場、道幅も狭くいい雰囲気で、とても気に入りました!
また訪れたいと思います!
講習会前にステーキ、夜に食べ歩きやトンカツ(衣片側剥)などを食べたのですが、翌朝も体重は増える所が、微減してました!
ようやく私も、セミ糖質セイゲニストになれたかもです。(笑) 】
こんにちは
岸和田のセイゲニスト さんから
2014年11月15日(土)13:30~17:00に開催された
第33回市民公開講座・京都
「いのちの科学フォーラム」
糖尿病・生活習慣病の対策は糖質摂取の制限から
ー健康な長寿をめざしてー
について、コメントを頂きました。
100人の参加者があり盛況でした。
ブログ読者の皆さんにもご参加いただき、ありがとうございました。
岸和田のセイゲニストさんも、ご参加ありがとうございました。
虫歯や歯槽膿漏が糖ST言う制限食で改善してよかったですね。
橋本管理栄養士の実践的なお話しもわかりやすくて、きっとお役にたてたと思います。
中村保幸先生のお話、やや難しいところもあったのですが、日本人のデータで、糖質制限食の優位が確かめられたという意味で、画期的でした。
中村先生のご発表は、NIPPON DATA 80の29年間の追跡結果データを検討したものです。
9200人を29年間追跡して、
第1分位:糖質を一番摂取している群:糖質摂取比率は総摂取エネルギーの72.7%
第2分位~第9分位
第10分位:糖質制限を一番している群:糖質摂取比率は総摂取エネルギーの51.5%
糖質を一番摂取している群から順番に一番摂取してない群まで10群に分けて検討です。
その結果、
第10分位(糖質摂取比率51.5%)のグループは、第1分位(糖質摂取比率72.7%)のグループに比べて、女性においては心血管死のリスクが、59%しかないという素晴らしい結論で、糖質制限食の圧勝です。
10分位で、糖質摂取が少ないほど、心血管死のリスクが少ないという大変わかりやすい結果となりました。
なんと緩やかな糖質制限食でも、糖質たっぷり食に比べたら4割以上、心血管死が減るということが疫学的に確認されたわけです。
糖質制限食にとって、画期的な信頼度の高いエビデンスが登場したと言えます。
あくまでも私の個人的な意見ですが、緩やかな糖質制限食でこれだけの有意差が出たのなら、スーパー糖質制限食ならもっともっとすごい差がでるでしょうね。
一方、中村保幸先生のご指摘通り、私が実践している糖質摂取比率12%のスーパー糖質制限食に関しては、この報告にはデータがありません。
従って、この報告がそのままスーパー糖質制限食の安全性を担保するエビデンスにはなりません。
しかし、「平均血糖変動幅増大と食後高血糖」という最大の酸化ストレスリスクを生じない唯一の食事療法がスーパー糖質制限食ですから、長期的安全性も悪かろうはずがないですね。
中村保幸先生、貴重な信頼度の高いデータ報告をありがとうございました。
江部康二
コープイン京都での講習会有難うございました。
昨日は、コープイン京都での講習会有難うございました。 m(_ _)m
江部先生や、橋本栄養士先生のタメになるお話が聞けて、とても良かったです!
しかも無料でした。関係者の方々には頭の下がる思いです。この場をお借りして御礼申し上げます。
m(_ _)m
講習会のお話の中で、先生は、未だに自分の歯を失ってないとお話しされてました。
先日のテレビで、永久歯28本のうち、50代後半で平均4本、60代後半で平均7本、70代後半で平均13本失うとのことでした。そして、高齢になっても、歯が丈夫だと、脳と脚の機能が衰えにくいとの事でした。
番組では、咀嚼回数と歯磨きを増やすと事が、歯を失わない秘訣と言ってましたが、糖質制限を加えると、無敵だなと感じました。
私も、糖質制限半年足らずですが、虫歯や歯槽膿漏もなくなり、嬉しいです!
歯磨きは夜しかしてませんが…反省(歯磨き粉も夏井先生のご指南で止めました)
帰りは、ご挨拶も出来ず失礼致しました。
帰りの会場近くの錦市場で、糖質制限食べ歩きをして帰りました。
錦市場、道幅も狭くいい雰囲気で、とても気に入りました!
また訪れたいと思います!
講習会前にステーキ、夜に食べ歩きやトンカツ(衣片側剥)などを食べたのですが、翌朝も体重は増える所が、微減してました!
ようやく私も、セミ糖質セイゲニストになれたかもです。(笑) 】
こんにちは
岸和田のセイゲニスト さんから
2014年11月15日(土)13:30~17:00に開催された
第33回市民公開講座・京都
「いのちの科学フォーラム」
糖尿病・生活習慣病の対策は糖質摂取の制限から
ー健康な長寿をめざしてー
について、コメントを頂きました。
100人の参加者があり盛況でした。
ブログ読者の皆さんにもご参加いただき、ありがとうございました。
岸和田のセイゲニストさんも、ご参加ありがとうございました。
虫歯や歯槽膿漏が糖ST言う制限食で改善してよかったですね。
橋本管理栄養士の実践的なお話しもわかりやすくて、きっとお役にたてたと思います。
中村保幸先生のお話、やや難しいところもあったのですが、日本人のデータで、糖質制限食の優位が確かめられたという意味で、画期的でした。
中村先生のご発表は、NIPPON DATA 80の29年間の追跡結果データを検討したものです。
9200人を29年間追跡して、
第1分位:糖質を一番摂取している群:糖質摂取比率は総摂取エネルギーの72.7%
第2分位~第9分位
第10分位:糖質制限を一番している群:糖質摂取比率は総摂取エネルギーの51.5%
糖質を一番摂取している群から順番に一番摂取してない群まで10群に分けて検討です。
その結果、
第10分位(糖質摂取比率51.5%)のグループは、第1分位(糖質摂取比率72.7%)のグループに比べて、女性においては心血管死のリスクが、59%しかないという素晴らしい結論で、糖質制限食の圧勝です。
10分位で、糖質摂取が少ないほど、心血管死のリスクが少ないという大変わかりやすい結果となりました。
なんと緩やかな糖質制限食でも、糖質たっぷり食に比べたら4割以上、心血管死が減るということが疫学的に確認されたわけです。
糖質制限食にとって、画期的な信頼度の高いエビデンスが登場したと言えます。
あくまでも私の個人的な意見ですが、緩やかな糖質制限食でこれだけの有意差が出たのなら、スーパー糖質制限食ならもっともっとすごい差がでるでしょうね。
一方、中村保幸先生のご指摘通り、私が実践している糖質摂取比率12%のスーパー糖質制限食に関しては、この報告にはデータがありません。
従って、この報告がそのままスーパー糖質制限食の安全性を担保するエビデンスにはなりません。
しかし、「平均血糖変動幅増大と食後高血糖」という最大の酸化ストレスリスクを生じない唯一の食事療法がスーパー糖質制限食ですから、長期的安全性も悪かろうはずがないですね。
中村保幸先生、貴重な信頼度の高いデータ報告をありがとうございました。
江部康二
2014年11月16日 (日)
2014/11/30(日)静岡市・糖質制限食一般向け講演会のご案内
おはようございます。
2014/11/30(日)静岡市・糖質制限食一般向け講演会のご案内です。
静岡市は、医師会主催の講演会に講師として招いて頂いたことはありますが、一般向け講演会は初めてです。
糖尿病のお話は勿論のこと、
日本人の
四大死因(がん、心疾患、肺炎、脳血管疾患)
や
五大疾病(がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病、精神疾患)
と糖質制限食についても最新刊の
『炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません』
生活習慣病を予防&改善する糖質制限食31のポイント
江部康二著 東洋経済新報社
の内容も含めてわかりやすくお話しします。
『炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません』は、おかげさまで第3刷となりました。
がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病の元凶は、糖質の頻回・過剰摂取の可能性が極めて高いのです。
近年のうつ病の増加に関しても、糖質摂取による血糖変動の関与が疑われます。
また糖質制限食の有効性・安全性・可能性についても詳しくお話します。
東海地方の糖尿人、メタボ人の皆さん、そして日本人の四大死因や五大疾病に興味がある方も、是非ご参加くださいね。
江部康二
以下、事務局からのご案内です。
☆☆☆
ブログ読者の皆様、講演会へいつも多数ご参加いただきましてありがとうございます。
11月30日(日)、静岡市内で一般向けの講演会を開催致します。
http://toushitsuseigen.or.jp/activity.html#schedule20141130
「炭水化物を減らして健康に!~糖質制限食と糖尿病・メタボ・生活習慣病・がん…~」
と題し、理事長 江部康二がたっぷりお話し致します。
東海地方の皆様をはじめ、多数のご参加を心よりお待ちしております。
///////////////////ご案内/////////////////////
一般社団法人日本糖質制限医療推進協会主催 講演会(静岡)
「炭水化物を減らして健康に!
~糖質制限食と糖尿病・メタボ・生活習慣病・がん…~」
■日時:2014年11月30日(日) 14:10~16:30頃
※入場受付・開場は13:50~
■会場:静岡県総合研修所もくせい会館 2F第一会議室(大会議室)
静岡県静岡市葵区鷹匠3-6-1
http://mokuseikaikan.jp/about/access/
☆アクセス
・JR静岡駅北口から徒歩15分
・静鉄日吉町駅から徒歩5分
■講師:江部 康二
(一財)高雄病院理事長・(一社)日本糖質制限医療推進協会理事長
■内容: 講演90分・質疑応答30分程度
■受講費:賛助会員 2,000円 / 一般(非会員) 2,500円
■お支払い方法:クレジットカード/銀行振込/郵便振替
※事前決済のみとなります。
■お申し込み方法
・賛助会員の方
事務局までメールにてお申し込み下さい。
・賛助会員入会をご希望いただける方
1.入会案内および会員規約をお読み下さい。
http://toushitsuseigen.or.jp/member.html
2.お申し込みはこちらのフォームからお願いします。
http://toushitsuseigen.or.jp/contact.php
「お問い合せ内容」欄に「11/30静岡講演会、受講希望」とご記入下さい。
・一般(非会員)で、講演会の受講のみご希望の方
こちらのフォームよりお申し込み下さい。
https://ssl.form-mailer.jp/fms/9fef653b323705
■お申し込みの流れ
1.会員の方はメールにて、会員以外の方は各種フォームにてご連絡下さい。
2.事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3.入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4.当日、直接会場までお越し下さい。
■その他
・予約制です。当日参加はできません。
・キャンセルは11月28日(金)までに事務局までご連絡願います。
それ以降のご返金には対応致しかねますので予めご了承ください。
おはようございます。
2014/11/30(日)静岡市・糖質制限食一般向け講演会のご案内です。
静岡市は、医師会主催の講演会に講師として招いて頂いたことはありますが、一般向け講演会は初めてです。
糖尿病のお話は勿論のこと、
日本人の
四大死因(がん、心疾患、肺炎、脳血管疾患)
や
五大疾病(がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病、精神疾患)
と糖質制限食についても最新刊の
『炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません』
生活習慣病を予防&改善する糖質制限食31のポイント
江部康二著 東洋経済新報社
の内容も含めてわかりやすくお話しします。
『炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません』は、おかげさまで第3刷となりました。
がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病の元凶は、糖質の頻回・過剰摂取の可能性が極めて高いのです。
近年のうつ病の増加に関しても、糖質摂取による血糖変動の関与が疑われます。
また糖質制限食の有効性・安全性・可能性についても詳しくお話します。
東海地方の糖尿人、メタボ人の皆さん、そして日本人の四大死因や五大疾病に興味がある方も、是非ご参加くださいね。
江部康二
以下、事務局からのご案内です。
☆☆☆
ブログ読者の皆様、講演会へいつも多数ご参加いただきましてありがとうございます。
11月30日(日)、静岡市内で一般向けの講演会を開催致します。
http://toushitsuseigen.or.jp/activity.html#schedule20141130
「炭水化物を減らして健康に!~糖質制限食と糖尿病・メタボ・生活習慣病・がん…~」
と題し、理事長 江部康二がたっぷりお話し致します。
東海地方の皆様をはじめ、多数のご参加を心よりお待ちしております。
///////////////////ご案内/////////////////////
一般社団法人日本糖質制限医療推進協会主催 講演会(静岡)
「炭水化物を減らして健康に!
~糖質制限食と糖尿病・メタボ・生活習慣病・がん…~」
■日時:2014年11月30日(日) 14:10~16:30頃
※入場受付・開場は13:50~
■会場:静岡県総合研修所もくせい会館 2F第一会議室(大会議室)
静岡県静岡市葵区鷹匠3-6-1
http://mokuseikaikan.jp/about/access/
☆アクセス
・JR静岡駅北口から徒歩15分
・静鉄日吉町駅から徒歩5分
■講師:江部 康二
(一財)高雄病院理事長・(一社)日本糖質制限医療推進協会理事長
■内容: 講演90分・質疑応答30分程度
■受講費:賛助会員 2,000円 / 一般(非会員) 2,500円
■お支払い方法:クレジットカード/銀行振込/郵便振替
※事前決済のみとなります。
■お申し込み方法
・賛助会員の方
事務局までメールにてお申し込み下さい。
・賛助会員入会をご希望いただける方
1.入会案内および会員規約をお読み下さい。
http://toushitsuseigen.or.jp/member.html
2.お申し込みはこちらのフォームからお願いします。
http://toushitsuseigen.or.jp/contact.php
「お問い合せ内容」欄に「11/30静岡講演会、受講希望」とご記入下さい。
・一般(非会員)で、講演会の受講のみご希望の方
こちらのフォームよりお申し込み下さい。
https://ssl.form-mailer.jp/fms/9fef653b323705
■お申し込みの流れ
1.会員の方はメールにて、会員以外の方は各種フォームにてご連絡下さい。
2.事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3.入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4.当日、直接会場までお越し下さい。
■その他
・予約制です。当日参加はできません。
・キャンセルは11月28日(金)までに事務局までご連絡願います。
それ以降のご返金には対応致しかねますので予めご了承ください。
2014年11月15日 (土)
おはようございます。
埼玉県朝霞市で、2010年に「ローカーボクラブ」を設立され、糖質制限食の普及活動を精力的に展開されている、管理栄養士の佐々木栄子さんから、とても嬉しいお便りを頂きました。
2014年11月、埼玉県朝霞市で行政の企画事業として「糖質制限食」の市民向け講座が開催されました。
座学の講義で2時間、一枠。調理実習が、2日間連続で、合計二枠
というとても充実した内容でした。
地方自治体の企画事業として「糖質制限食」が組み込まれたことは、日本で初めてのことで画期的なことと思います。 ヾ(^▽^)
これをきっかけに全国の市町村で、糖質制限食の企画が広がっていけば、日本全国の糖尿病や生活習慣病は激減して、医療費削減間違いなしです。
日本全国の市町村の行政担当の皆さん、「糖質制限食」市民向け講座の企画、是非よろしくお願い申し上げます。 m(_ _)m
江部康二
☆☆☆
以下、
ローカーボクラブ代表
管理栄養士 佐々木栄子さんからのメッセージです。
【 埼玉県朝霞市から嬉しいご報告です。
先日、埼玉県朝霞市にある中央公民館主催事業にて「糖質制限食」の講座が開催されました。
朝霞市民大学講座・悠ゆう大学
「健康&リフレッシュコース」の一科目として
座学で一枠、2時間、糖質制限食の講義。
→2014年11月6日(木)
翌週には調理実習として2日間連続の二枠と充実のプログラム。
→2014年11月11日(火)、12日(水)
地方自治体の正規企画として画期的な取り組みでした。
調理実習は自由選択にも関わらず多くの受講生にご参加いただき、実際に糖質制限食を作って食べていただきました。
公民館の職員さんも2日間連続で4名、私のアシスタントも兼ねてご参加いただき、しっかり学んでいただきました。
ここ数年注目され、市民の関心も高まっている「糖質制限食」にスポットを当ててみよう!という朝霞市中央公民館の講座企画担当の職員さんの提案で、大変有意義な講座となりました。
市民の健康づくりとして、糖質制限食を提案していく時代が来たのです。(嬉しい!!)
講義と料理教室と三日間、講師を勤めさせていただき、私も貴重な経験を積むことができました。
江部先生のブログを見ていらっしゃる方々のお住まいの地域、町で、糖質制限食の講座がどんどん開催されることを願っています。
ちなみに、料理教室でのメニューは
*豆腐のお好み焼き
*おからでポテサラ
*豆乳ポタージュ
*おからケーキ
*わらび餅風ゼリー
*油揚げポテチ・のり塩味
*朝霞市で採れた新鮮野菜の料理3種類。
糖質の低い緑野菜で簡単和え物、浅漬けなどを作りました。
どれも簡単で美味しくできて、身近で安価な食材で作りましたので大好評でした。
朝霞市のスーパーでは「おから」が売れまくっているようです。
以上、簡単ではありますがご報告させていただきました。
ローカーボクラブ代表
管理栄養士 佐々木栄子 】
埼玉県朝霞市で、2010年に「ローカーボクラブ」を設立され、糖質制限食の普及活動を精力的に展開されている、管理栄養士の佐々木栄子さんから、とても嬉しいお便りを頂きました。
2014年11月、埼玉県朝霞市で行政の企画事業として「糖質制限食」の市民向け講座が開催されました。
座学の講義で2時間、一枠。調理実習が、2日間連続で、合計二枠
というとても充実した内容でした。
地方自治体の企画事業として「糖質制限食」が組み込まれたことは、日本で初めてのことで画期的なことと思います。 ヾ(^▽^)
これをきっかけに全国の市町村で、糖質制限食の企画が広がっていけば、日本全国の糖尿病や生活習慣病は激減して、医療費削減間違いなしです。
日本全国の市町村の行政担当の皆さん、「糖質制限食」市民向け講座の企画、是非よろしくお願い申し上げます。 m(_ _)m
江部康二
☆☆☆
以下、
ローカーボクラブ代表
管理栄養士 佐々木栄子さんからのメッセージです。
【 埼玉県朝霞市から嬉しいご報告です。
先日、埼玉県朝霞市にある中央公民館主催事業にて「糖質制限食」の講座が開催されました。
朝霞市民大学講座・悠ゆう大学
「健康&リフレッシュコース」の一科目として
座学で一枠、2時間、糖質制限食の講義。
→2014年11月6日(木)
翌週には調理実習として2日間連続の二枠と充実のプログラム。
→2014年11月11日(火)、12日(水)
地方自治体の正規企画として画期的な取り組みでした。
調理実習は自由選択にも関わらず多くの受講生にご参加いただき、実際に糖質制限食を作って食べていただきました。
公民館の職員さんも2日間連続で4名、私のアシスタントも兼ねてご参加いただき、しっかり学んでいただきました。
ここ数年注目され、市民の関心も高まっている「糖質制限食」にスポットを当ててみよう!という朝霞市中央公民館の講座企画担当の職員さんの提案で、大変有意義な講座となりました。
市民の健康づくりとして、糖質制限食を提案していく時代が来たのです。(嬉しい!!)
講義と料理教室と三日間、講師を勤めさせていただき、私も貴重な経験を積むことができました。
江部先生のブログを見ていらっしゃる方々のお住まいの地域、町で、糖質制限食の講座がどんどん開催されることを願っています。
ちなみに、料理教室でのメニューは
*豆腐のお好み焼き
*おからでポテサラ
*豆乳ポタージュ
*おからケーキ
*わらび餅風ゼリー
*油揚げポテチ・のり塩味
*朝霞市で採れた新鮮野菜の料理3種類。
糖質の低い緑野菜で簡単和え物、浅漬けなどを作りました。
どれも簡単で美味しくできて、身近で安価な食材で作りましたので大好評でした。
朝霞市のスーパーでは「おから」が売れまくっているようです。
以上、簡単ではありますがご報告させていただきました。
ローカーボクラブ代表
管理栄養士 佐々木栄子 】
2014年11月14日 (金)
【14/11/11 てぃ
長文で申し訳ありません!
はじめまして。今年の夏頃からスーパー糖質制限を始めて、体重もHbA1c数値も以前より良くなりました。
私は20才位から、尿蛋白がででいるのですが、その当時はまだ糖尿病ではなく、行った病院の医師から、早朝尿に蛋白が出てなければ大丈夫、と言われました。
20代半ば頃糖尿病になったのですが、糖尿病が原因か、太り過ぎが原因で蛋白が出ているのかわからない、痩せれば良くなるかもしれないと言われました。
現在30代、体重も83→66と、17kg程落ちましたが先月の健康診断で尿蛋白+2でした。
尿蛋白がでていても、このまま糖質制限を続けても大丈夫なのでしょうか?
腎機能が心配です…】
こんにちは。
てぃさんから、蛋白尿と糖質制限食、腎機能と糖質制限食についてコメント・質問をいただきました。
てぃさん、HbA1cの改善、17kgの減量成功、良かったですね。
20才くらいから蛋白尿で、当時はまだ糖尿病はなし。
そういうことなら、体位や運動後に蛋白尿が陽性となる、健常者にもある生理的蛋白尿の可能性もありますが、一方、何らかの腎疾患がある可能性もあります。
早朝第一尿で、蛋白尿が陰性なら、「生理的蛋白尿」の可能性が高いです。
早朝第一尿で、尿蛋白陽性なら、「尿細管性蛋白尿」「糸球体性蛋白尿」などの腎疾患の可能性があるので、医療機関でまずは、尿沈査という検査をしましょう。
尿沈渣(にょうちんさ)とは、尿を遠心分離器にかけたときに沈殿してくる様々な固形成分を顕微鏡で観察する検査です。
尿沈渣で腎臓などの異常が疑われれば、より詳しい検査を腎臓内科(腎臓専門医)で実施する必要があります。
さて、ご質問の件ですが、蛋白尿が陽性でも、血液検査で腎機能が保たれていれば、スーパー糖質制限食OKです。
具体的には、血清クレアチニン検査や血清シスタチンCの検査をして計算式でeGFRを算定します。
これは医療機関や検査機関がしてくれます。
日本腎臓病学会のCKD診療ガイド2013によれば、eGFRが60ml/分以上あれば、蛋白尿が陽性でも蛋白制限の必要はないので、糖質制限食OKです。
即ち糖尿病腎症第3期でも eGFRが60ml/分以上あれば蛋白制限必要なしです。
CKD診療ガイド2013では、糖尿病腎症第3期で、eGFR60ml/分未満には、エビデンスレベルは低い(科学的根拠は低い)けれどタンパク制限を推奨です。
糖尿病腎症以外のCKDは、eGFRが45ml/分未満でタンパク制限推奨ですが、個別の検討が必要と記載されています。
結論です。
1)
てぃさんの場合、eGFRが60ml/分以上と推定されますのでスーパー糖質制限食を実践されて、OKです。
一方、尿沈査などを検査しておくことも必要ですね。
2)
eGFRが60ml/分未満の糖尿病腎症第3期の糖尿人は、個別によく相談して糖質制限食をするか否かを
決めることとなります。
江部康二
長文で申し訳ありません!
はじめまして。今年の夏頃からスーパー糖質制限を始めて、体重もHbA1c数値も以前より良くなりました。
私は20才位から、尿蛋白がででいるのですが、その当時はまだ糖尿病ではなく、行った病院の医師から、早朝尿に蛋白が出てなければ大丈夫、と言われました。
20代半ば頃糖尿病になったのですが、糖尿病が原因か、太り過ぎが原因で蛋白が出ているのかわからない、痩せれば良くなるかもしれないと言われました。
現在30代、体重も83→66と、17kg程落ちましたが先月の健康診断で尿蛋白+2でした。
尿蛋白がでていても、このまま糖質制限を続けても大丈夫なのでしょうか?
腎機能が心配です…】
こんにちは。
てぃさんから、蛋白尿と糖質制限食、腎機能と糖質制限食についてコメント・質問をいただきました。
てぃさん、HbA1cの改善、17kgの減量成功、良かったですね。
20才くらいから蛋白尿で、当時はまだ糖尿病はなし。
そういうことなら、体位や運動後に蛋白尿が陽性となる、健常者にもある生理的蛋白尿の可能性もありますが、一方、何らかの腎疾患がある可能性もあります。
早朝第一尿で、蛋白尿が陰性なら、「生理的蛋白尿」の可能性が高いです。
早朝第一尿で、尿蛋白陽性なら、「尿細管性蛋白尿」「糸球体性蛋白尿」などの腎疾患の可能性があるので、医療機関でまずは、尿沈査という検査をしましょう。
尿沈渣(にょうちんさ)とは、尿を遠心分離器にかけたときに沈殿してくる様々な固形成分を顕微鏡で観察する検査です。
尿沈渣で腎臓などの異常が疑われれば、より詳しい検査を腎臓内科(腎臓専門医)で実施する必要があります。
さて、ご質問の件ですが、蛋白尿が陽性でも、血液検査で腎機能が保たれていれば、スーパー糖質制限食OKです。
具体的には、血清クレアチニン検査や血清シスタチンCの検査をして計算式でeGFRを算定します。
これは医療機関や検査機関がしてくれます。
日本腎臓病学会のCKD診療ガイド2013によれば、eGFRが60ml/分以上あれば、蛋白尿が陽性でも蛋白制限の必要はないので、糖質制限食OKです。
即ち糖尿病腎症第3期でも eGFRが60ml/分以上あれば蛋白制限必要なしです。
CKD診療ガイド2013では、糖尿病腎症第3期で、eGFR60ml/分未満には、エビデンスレベルは低い(科学的根拠は低い)けれどタンパク制限を推奨です。
糖尿病腎症以外のCKDは、eGFRが45ml/分未満でタンパク制限推奨ですが、個別の検討が必要と記載されています。
結論です。
1)
てぃさんの場合、eGFRが60ml/分以上と推定されますのでスーパー糖質制限食を実践されて、OKです。
一方、尿沈査などを検査しておくことも必要ですね。
2)
eGFRが60ml/分未満の糖尿病腎症第3期の糖尿人は、個別によく相談して糖質制限食をするか否かを
決めることとなります。
江部康二
2014年11月13日 (木)
おはようございます。
あらてつさんの糖質制限ドットコムにて、今年も糖質制限クリスマスケーキの予約受付中です。

今年も昨年に引き続き、ホールタイプが二種類、ビッシュ・ド・ノエルが2種類ですが、昨年のケーキとは大きく内容が変わっています(^^)
私、江部康二、早速4台とも予約しました(^O^)
試作段階や最終製品まで、何度か試食しましたが、今年のクリスマスケーキは、原材料に謎の糖質制限ミックス粉、京都江部粉を使っていて、完成度は過去最高、糖質制限と言われなければ、分かる人はいないのではないかと思います。
こんなに素晴しいケーキを作ってくださった、菓子職人の稲井シェフに心から敬意を払いたいと思います\(^o^)/
詳細・ご予約はこちらになります。
↓ ↓ ↓
菓子職人 糖質制限クリスマスケーキ
http://www.toushitsuseigen.com/products/detail75.html
あらてつさんによると、毎年売り切れてお客様に怒られるので、今年はさらに数量を増やしたとのことです。
ブログ読者の糖質セイゲニストの皆さん、今年のクリスマスは、稲井シェフ渾身の糖質制限クリスマスケーキを是非お試しあれ。
江部康二
あらてつさんの糖質制限ドットコムにて、今年も糖質制限クリスマスケーキの予約受付中です。

今年も昨年に引き続き、ホールタイプが二種類、ビッシュ・ド・ノエルが2種類ですが、昨年のケーキとは大きく内容が変わっています(^^)
私、江部康二、早速4台とも予約しました(^O^)
試作段階や最終製品まで、何度か試食しましたが、今年のクリスマスケーキは、原材料に謎の糖質制限ミックス粉、京都江部粉を使っていて、完成度は過去最高、糖質制限と言われなければ、分かる人はいないのではないかと思います。
こんなに素晴しいケーキを作ってくださった、菓子職人の稲井シェフに心から敬意を払いたいと思います\(^o^)/
詳細・ご予約はこちらになります。
↓ ↓ ↓
菓子職人 糖質制限クリスマスケーキ
http://www.toushitsuseigen.com/products/detail75.html
あらてつさんによると、毎年売り切れてお客様に怒られるので、今年はさらに数量を増やしたとのことです。
ブログ読者の糖質セイゲニストの皆さん、今年のクリスマスは、稲井シェフ渾身の糖質制限クリスマスケーキを是非お試しあれ。
江部康二
2014年11月12日 (水)
【14/11/12 IWT
岩田健太郎先生
岩田健太郎先生のブログ
糖質制限は体に良いのか】
リンクはこちら
IWT さん
興味深い情報をありがとうございます。
岩田健太郎先生、感染症治療のスペシャリストで、私の尊敬する医師の一人です。
ブログもニュートラルな見解で、私も納得できることがほとんどです。
岩田先生のもともとの普段の食事が糖質制限的食事だったこと、それをさらに糖質制限を強めて自分で試されたことも素晴らしいです。
メタ解析に対する私の誤解も指摘していただき、とても勉強になりました。
ブログで取り上げていただいたことも含めて、岩田先生、ありがとうございます。
そうそう、私のブログも覗いていただいているようで嬉しいですね。
岩田先生のブログ、長いので一部特に興味深いところを抜粋して検討します。
『・・・ ぼくの場合BMIが20~21、体脂肪率が6%代で筋肉質の体です。運動もそれなりにしています。たんぱく質の摂取量が多くなれば、筋肉がつきすぎてしまうのは、当たり前と言えば当たり前のことでした。・・・』
体脂肪率6%台というのは、一流スポーツアスリートレベルですから、岩田先生すごく体を鍛えておられますね。
筋肉量が増えて、体重も増えたということです。
運動と高蛋白食で筋肉量が増えたということは、通常は素晴らしいことなのですが、岩田先生はこれ以上筋肉をつけたくないということで、もともとの緩い糖質制限的食事に戻されたそうです。
『・・・そろそろ、結論です。糖質制限によって長生きできる、という保証は(少なくとも現時点のデータでは)なさそうです。かといって、糖質制限をするとバタバタ早死にする、というわけでもなさそうです。長期的には「どっちでもいいじゃん」ということになります。
さて、糖質制限は長生きだけを目標に行われているわけではありません。ダイエット目的に行うこともあれば、病気の治療に、例えば糖尿病の治療の一助として行うこともあるでしょう。・・・』
エビデンスレベル(根拠となる論文)でいえば、岩田先生の仰有る通りで、良いという論文と悪いという論文があるので、現時点でニュートラルには、糖質制限食の長期的予後は、良いとも悪いとも言えないという立場はよく理解できます。
まあ個人的には、エビデンスレベルでも糖質制限食肯定の論文が優位と思っています。
2014年11月06日 (木)の本ブログ記事
「糖質制限食の長期的安全性と根拠となる信頼度の高い論文」
をご参照ください。
あとは、科学的事実に基づいて論理的に考察するとどうなるかですが、糖尿人においては、「食後高血糖」「平均血糖変動幅」という酸化ストレス(合併症リスク)を生じないのは糖質制限食だけです。
従来の糖尿病食(高糖質食)は、必ず「食後高血糖」「平均血糖変動幅」という酸化ストレス(合併症リスク)を生じます。
毎日、3~5回、合併症リスクを生じるような食事療法(高糖質食)を、年単位で続けてもいいことは何もなく、幸せにはなれないとういうのが、論理的思考の導く結論です。
科学的事実に基づく論理的思考の導く結論は、エビデンス(根拠となる論文)で確かめるまでもないと思います。
『・・・とすればです。一番良いのは「自分で試して確認してみる」ことです。・・・』
これも、岩田先生の仰有る通りと思います。
自分で試して確認して、いいと判断すれば続けるし、合わないと思えばやめればいいと思います。
江部康二
2014年11月11日 (火)
【14/11/10 美月(30代)
やはり糖質制限反対されました。
こんにちは☆
9日仙台で開催されたドクターサーチみやぎ、今回は「糖尿病」をテーマにしたセミナーに参加してきました。
パネルディスカッションでは、私が事前に質問した「糖質制限について」が読まれ、お医者様に応えてもらえたのですが、はやりエビデンスがない、5年後、10年後どうなるか分からないので薦められない。
20年前に、アメリカの糖尿病学会で一度認められたが、やはりダメになってやらなくなった。
栄養失調の親から生まれた子供が数十年後に糖尿病を発症する、という言い方もしていました。
要は、糖質制限を若い人がして生まれた子供が糖尿病になるかも?ということでしょうか。
まぁ反対されるとは思っていたのでやっぱりな、という印象でした。
そのセミナーには300人以上も集まったのですが
・糖尿病と歯周病との関係
・糖尿病には症状がないので、必ず健診を受けて数値をチェックしてください
・カロリー制限と運動が大事 というようなお話でした。
糖尿病予防や、どうしたら良くなるかについては一切話がありませんでした。
たまたま私の隣の席になった女性も、もっと違う話を聞きたかった、とおっしゃっていました。
私がマイクを取り返して、「糖尿病は良くなります!!」と自分の体験を含め糖質制限の話をしようかなと思ったくらいでした。って冗談ですが、本当に残念です。
ですが、その隣の席になった女性には糖質制限と江部先生のお話をしたので、一人だけには伝わったかな?なんて思っています。
話は変わりますが、今朝めざましTVでローソンのブランパンが紹介されていました。
そして、昼休みローソンに行ったら、いつもはあるのに全て売りきれていました。
糖質プリンもなかなか出会えません。
ローソンだけではなく、大手企業で力をいれて商品開発など行ってどこでも買えるようにしてもらえるといいですよね。】
こんにちは。
美月(30代) さんから、
糖質制限食 VS 従来の糖尿病食(カロリー制限・高糖質食)
に関して、コメント・質問をいただきました。
「ドクターサーチみやぎ」の情報もありがとうございます。
美月(30代) さん
【仙台で開催されたドクターサーチみやぎ、
「糖尿病」をテーマにしたセミナー】
へのご参加。
それはそれは、お疲れ様でした。
ご苦労様でした。
「糖質制限について」事前に質問を提出されていたにも関わらず担当医師の回答は勉強不足で残念です。
『ドクターサーチミヤギでの医師の回答
糖質制限食に関して
A)エビデンスがない、
B)5年後、10年後どうなるか分からないので薦められない。
C)20年前に、アメリカの糖尿病学会で一度認められたが、
やはりダメになってやらなくなった。
D)栄養失調の親から生まれた子供が数十年後に糖尿病を発症する、
という言い方もしていました。
要は、糖質制限を若い人がして生まれた子供が糖尿病になるかも?
ということでしょうか。』
A)
糖質制限食には少なくとも6つのRCT論文という信頼度の高いエビデンスがあります。
エビデンスがないのは、日本糖尿病学会推奨の「カロリー制限・高糖質食」の方です。
2014年11月07日 (金)の本ブログ記事
「糖質制限食の有効性を示す信頼度の高いRCT論文」をご参照ください。
B)
「5年、10年後どうなるか分からない」・・・
従来の糖尿病食(カロリー制限・高糖質食)と薬物療法により、糖尿病患者において毎年16000人の透析、3000人の失明、3000人の足切断という合併症が生じています。
5年後、10年後どころか毎年糖尿病合併症の犠牲者が多発しているのが現状です。
従来の治療が上手くいっていない動かぬ証拠と言えます。
糖質摂取は「食後高血糖」「平均血糖変動幅増大」という最大の酸化ストレスリスクを生じ将来の合併症リスクとなりますが、タンパク質と脂質ではそれらは生じません。
このように従来の糖尿病食で将来の合併症を防ぐのは理論的に考えて極めて困難なのです。
糖尿病合併症を予防できるのは理論的に考えて「食後高血糖」「平均血糖変動幅増大」を生じない糖質制限食だけなのです。
C)
2013年10月、米国糖尿病学会が「栄養療法に関する声明」を発表して「糖質制限食」を正式に受容したのは、記憶に新しいところです。回答した医師は、勉強不足の一言です。
D)
妊婦の総摂取カロリー不足とその赤ちゃんの成人後の肥満・糖尿病・高血圧発症に関しては、オランダの信頼度の高いデータがあります。
第2次大戦中、ナチスドイツ占領下のオランダにおいて、出入港禁止措置のため、オランダの一部の地域では厳しい食料難に陥りました。
妊娠中だった母親たちも十分な食事が摂れず、飢餓状態で子供を産みました。
カロリー摂取量は700 kcal/日だったと言われています。
このとき生まれた子どもに対して疫学調査を行ったところ、成人した後に高確率で肥満・糖尿病・高血圧などの病気を発症していました。
これは、摂取エネルギー不足が主たる要因であり、糖質制限食とは何の関係もありません。
そもそも糖質制限食では脂質・タンパク質から充分量のエネルギーを摂取するので、カロリー不足にはなりません。
このオランダの報告を、担当の医師はうろ覚えで話したものと考えられますが、糖質制限食とは無関係の話を持ち出して聴衆を惑わすとは詐欺同然ですね。(`Д´)
★★
なお、カロリー制限食実践により、骨粗鬆症のリスクが増加するという論文も、つい最近、発表されました。
Diabetes Care(2014; 37: 2822-2829)
Diabetes Careは米国糖尿病学会誌です。
カロリー制限食の落日ですね。 (*_*)
この論文については、近日中にブログ記事にしたいと思います。
☆☆
歯周症の元凶となるミュータンス菌などの口腔内細菌の餌となるのも糖質だけであり、タンパク質と脂質は餌になりません。
すなわちスーパー糖質制限食なら、歯周症や虫歯の予防になりますので、歯医者さんの糖質セイゲニストは多いです。
ちなみに私は現在64才で、2002年から足かけ13年スーパー糖質制限食を実践中ですが歯は全部残っていて虫歯もゼロで、歯周症もありません。(^^)
江部康二
やはり糖質制限反対されました。
こんにちは☆
9日仙台で開催されたドクターサーチみやぎ、今回は「糖尿病」をテーマにしたセミナーに参加してきました。
パネルディスカッションでは、私が事前に質問した「糖質制限について」が読まれ、お医者様に応えてもらえたのですが、はやりエビデンスがない、5年後、10年後どうなるか分からないので薦められない。
20年前に、アメリカの糖尿病学会で一度認められたが、やはりダメになってやらなくなった。
栄養失調の親から生まれた子供が数十年後に糖尿病を発症する、という言い方もしていました。
要は、糖質制限を若い人がして生まれた子供が糖尿病になるかも?ということでしょうか。
まぁ反対されるとは思っていたのでやっぱりな、という印象でした。
そのセミナーには300人以上も集まったのですが
・糖尿病と歯周病との関係
・糖尿病には症状がないので、必ず健診を受けて数値をチェックしてください
・カロリー制限と運動が大事 というようなお話でした。
糖尿病予防や、どうしたら良くなるかについては一切話がありませんでした。
たまたま私の隣の席になった女性も、もっと違う話を聞きたかった、とおっしゃっていました。
私がマイクを取り返して、「糖尿病は良くなります!!」と自分の体験を含め糖質制限の話をしようかなと思ったくらいでした。って冗談ですが、本当に残念です。
ですが、その隣の席になった女性には糖質制限と江部先生のお話をしたので、一人だけには伝わったかな?なんて思っています。
話は変わりますが、今朝めざましTVでローソンのブランパンが紹介されていました。
そして、昼休みローソンに行ったら、いつもはあるのに全て売りきれていました。
糖質プリンもなかなか出会えません。
ローソンだけではなく、大手企業で力をいれて商品開発など行ってどこでも買えるようにしてもらえるといいですよね。】
こんにちは。
美月(30代) さんから、
糖質制限食 VS 従来の糖尿病食(カロリー制限・高糖質食)
に関して、コメント・質問をいただきました。
「ドクターサーチみやぎ」の情報もありがとうございます。
美月(30代) さん
【仙台で開催されたドクターサーチみやぎ、
「糖尿病」をテーマにしたセミナー】
へのご参加。
それはそれは、お疲れ様でした。
ご苦労様でした。
「糖質制限について」事前に質問を提出されていたにも関わらず担当医師の回答は勉強不足で残念です。
『ドクターサーチミヤギでの医師の回答
糖質制限食に関して
A)エビデンスがない、
B)5年後、10年後どうなるか分からないので薦められない。
C)20年前に、アメリカの糖尿病学会で一度認められたが、
やはりダメになってやらなくなった。
D)栄養失調の親から生まれた子供が数十年後に糖尿病を発症する、
という言い方もしていました。
要は、糖質制限を若い人がして生まれた子供が糖尿病になるかも?
ということでしょうか。』
A)
糖質制限食には少なくとも6つのRCT論文という信頼度の高いエビデンスがあります。
エビデンスがないのは、日本糖尿病学会推奨の「カロリー制限・高糖質食」の方です。
2014年11月07日 (金)の本ブログ記事
「糖質制限食の有効性を示す信頼度の高いRCT論文」をご参照ください。
B)
「5年、10年後どうなるか分からない」・・・
従来の糖尿病食(カロリー制限・高糖質食)と薬物療法により、糖尿病患者において毎年16000人の透析、3000人の失明、3000人の足切断という合併症が生じています。
5年後、10年後どころか毎年糖尿病合併症の犠牲者が多発しているのが現状です。
従来の治療が上手くいっていない動かぬ証拠と言えます。
糖質摂取は「食後高血糖」「平均血糖変動幅増大」という最大の酸化ストレスリスクを生じ将来の合併症リスクとなりますが、タンパク質と脂質ではそれらは生じません。
このように従来の糖尿病食で将来の合併症を防ぐのは理論的に考えて極めて困難なのです。
糖尿病合併症を予防できるのは理論的に考えて「食後高血糖」「平均血糖変動幅増大」を生じない糖質制限食だけなのです。
C)
2013年10月、米国糖尿病学会が「栄養療法に関する声明」を発表して「糖質制限食」を正式に受容したのは、記憶に新しいところです。回答した医師は、勉強不足の一言です。
D)
妊婦の総摂取カロリー不足とその赤ちゃんの成人後の肥満・糖尿病・高血圧発症に関しては、オランダの信頼度の高いデータがあります。
第2次大戦中、ナチスドイツ占領下のオランダにおいて、出入港禁止措置のため、オランダの一部の地域では厳しい食料難に陥りました。
妊娠中だった母親たちも十分な食事が摂れず、飢餓状態で子供を産みました。
カロリー摂取量は700 kcal/日だったと言われています。
このとき生まれた子どもに対して疫学調査を行ったところ、成人した後に高確率で肥満・糖尿病・高血圧などの病気を発症していました。
これは、摂取エネルギー不足が主たる要因であり、糖質制限食とは何の関係もありません。
そもそも糖質制限食では脂質・タンパク質から充分量のエネルギーを摂取するので、カロリー不足にはなりません。
このオランダの報告を、担当の医師はうろ覚えで話したものと考えられますが、糖質制限食とは無関係の話を持ち出して聴衆を惑わすとは詐欺同然ですね。(`Д´)
★★
なお、カロリー制限食実践により、骨粗鬆症のリスクが増加するという論文も、つい最近、発表されました。
Diabetes Care(2014; 37: 2822-2829)
Diabetes Careは米国糖尿病学会誌です。
カロリー制限食の落日ですね。 (*_*)
この論文については、近日中にブログ記事にしたいと思います。
☆☆
歯周症の元凶となるミュータンス菌などの口腔内細菌の餌となるのも糖質だけであり、タンパク質と脂質は餌になりません。
すなわちスーパー糖質制限食なら、歯周症や虫歯の予防になりますので、歯医者さんの糖質セイゲニストは多いです。
ちなみに私は現在64才で、2002年から足かけ13年スーパー糖質制限食を実践中ですが歯は全部残っていて虫歯もゼロで、歯周症もありません。(^^)
江部康二
2014年11月10日 (月)
こんばんは。
2014/11/30(日)静岡市・糖質制限食一般向け講演会のご案内です。
静岡市は、医師会主催の講演会に講師として招いて頂いたことはありますが、一般向け講演会は初めてです。
糖尿病のお話は勿論のこと、
日本人の
四大死因(がん、心疾患、肺炎、脳血管疾患)
や
五大疾病(がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病、精神疾患)
と糖質制限食についてもわかりやすくお話しします。
がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病の元凶は、糖質の頻回・過剰摂取の可能性が極めて高いのです。
近年のうつ病の増加に関しても、糖質摂取による血糖変動の関与が疑われます。
また糖質制限食の有効性・安全性・可能性についても詳しくお話します。
東海地方の糖尿人、メタボ人の皆さん、そして日本人の四大死因や五大疾病に興味がある方も、是非ご参加くださいね。
江部康二
以下、事務局からのご案内です。
☆☆☆
ブログ読者の皆様、講演会へいつも多数ご参加いただきましてありがとうございます。
11月30日(日)、静岡市内で一般向けの講演会を開催致します。
http://toushitsuseigen.or.jp/activity.html#schedule20141130
「炭水化物を減らして健康に!~糖質制限食と糖尿病・メタボ・生活習慣病・がん…~」
と題し、理事長 江部康二がたっぷりお話し致します。
東海地方の皆様をはじめ、多数のご参加を心よりお待ちしております。
///////////////////ご案内/////////////////////
一般社団法人日本糖質制限医療推進協会主催 講演会(静岡)
「炭水化物を減らして健康に!
~糖質制限食と糖尿病・メタボ・生活習慣病・がん…~」
■日時:2014年11月30日(日) 14:10~16:30頃
※入場受付・開場は13:50~
■会場:静岡県総合研修所もくせい会館 2F第一会議室(大会議室)
静岡県静岡市葵区鷹匠3-6-1
http://mokuseikaikan.jp/about/access/
☆アクセス
・JR静岡駅北口から徒歩15分
・静鉄日吉町駅から徒歩5分
■講師:江部 康二
(一財)高雄病院理事長・(一社)日本糖質制限医療推進協会理事長
■内容: 講演90分・質疑応答30分程度
■受講費:賛助会員 2,000円 / 一般(非会員) 2,500円
■お支払い方法:クレジットカード/銀行振込/郵便振替
※事前決済のみとなります。
■お申し込み方法
・賛助会員の方
事務局までメールにてお申し込み下さい。
・賛助会員入会をご希望いただける方
1.入会案内および会員規約をお読み下さい。
http://toushitsuseigen.or.jp/member.html
2.お申し込みはこちらのフォームからお願いします。
http://toushitsuseigen.or.jp/contact.php
「お問い合せ内容」欄に「11/30静岡講演会、受講希望」とご記入下さい。
・一般(非会員)で、講演会の受講のみご希望の方
こちらのフォームよりお申し込み下さい。
https://ssl.form-mailer.jp/fms/9fef653b323705
■お申し込みの流れ
1.会員の方はメールにて、会員以外の方は各種フォームにてご連絡下さい。
2.事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3.入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4.当日、直接会場までお越し下さい。
■その他
・予約制です。当日参加はできません。
・キャンセルは11月28日(金)までに事務局までご連絡願います。
それ以降のご返金には対応致しかねますので予めご了承ください。
2014/11/30(日)静岡市・糖質制限食一般向け講演会のご案内です。
静岡市は、医師会主催の講演会に講師として招いて頂いたことはありますが、一般向け講演会は初めてです。
糖尿病のお話は勿論のこと、
日本人の
四大死因(がん、心疾患、肺炎、脳血管疾患)
や
五大疾病(がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病、精神疾患)
と糖質制限食についてもわかりやすくお話しします。
がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病の元凶は、糖質の頻回・過剰摂取の可能性が極めて高いのです。
近年のうつ病の増加に関しても、糖質摂取による血糖変動の関与が疑われます。
また糖質制限食の有効性・安全性・可能性についても詳しくお話します。
東海地方の糖尿人、メタボ人の皆さん、そして日本人の四大死因や五大疾病に興味がある方も、是非ご参加くださいね。
江部康二
以下、事務局からのご案内です。
☆☆☆
ブログ読者の皆様、講演会へいつも多数ご参加いただきましてありがとうございます。
11月30日(日)、静岡市内で一般向けの講演会を開催致します。
http://toushitsuseigen.or.jp/activity.html#schedule20141130
「炭水化物を減らして健康に!~糖質制限食と糖尿病・メタボ・生活習慣病・がん…~」
と題し、理事長 江部康二がたっぷりお話し致します。
東海地方の皆様をはじめ、多数のご参加を心よりお待ちしております。
///////////////////ご案内/////////////////////
一般社団法人日本糖質制限医療推進協会主催 講演会(静岡)
「炭水化物を減らして健康に!
~糖質制限食と糖尿病・メタボ・生活習慣病・がん…~」
■日時:2014年11月30日(日) 14:10~16:30頃
※入場受付・開場は13:50~
■会場:静岡県総合研修所もくせい会館 2F第一会議室(大会議室)
静岡県静岡市葵区鷹匠3-6-1
http://mokuseikaikan.jp/about/access/
☆アクセス
・JR静岡駅北口から徒歩15分
・静鉄日吉町駅から徒歩5分
■講師:江部 康二
(一財)高雄病院理事長・(一社)日本糖質制限医療推進協会理事長
■内容: 講演90分・質疑応答30分程度
■受講費:賛助会員 2,000円 / 一般(非会員) 2,500円
■お支払い方法:クレジットカード/銀行振込/郵便振替
※事前決済のみとなります。
■お申し込み方法
・賛助会員の方
事務局までメールにてお申し込み下さい。
・賛助会員入会をご希望いただける方
1.入会案内および会員規約をお読み下さい。
http://toushitsuseigen.or.jp/member.html
2.お申し込みはこちらのフォームからお願いします。
http://toushitsuseigen.or.jp/contact.php
「お問い合せ内容」欄に「11/30静岡講演会、受講希望」とご記入下さい。
・一般(非会員)で、講演会の受講のみご希望の方
こちらのフォームよりお申し込み下さい。
https://ssl.form-mailer.jp/fms/9fef653b323705
■お申し込みの流れ
1.会員の方はメールにて、会員以外の方は各種フォームにてご連絡下さい。
2.事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3.入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4.当日、直接会場までお越し下さい。
■その他
・予約制です。当日参加はできません。
・キャンセルは11月28日(金)までに事務局までご連絡願います。
それ以降のご返金には対応致しかねますので予めご了承ください。
2014年11月10日 (月)
【14/11/10 タブー改
お久しぶりです。
こんにちは。
糖尿人の家族の糖質制限の経過をご報告いたします。(現在開始2ヶ月ちょっと)
病院で発覚したのではなく、自分で糖尿病と気づいたので即糖質制限開始
投薬、インシュリン無し
身長163センチ体重88・9→体重78・3
血糖値450→早朝血糖値 130空腹血糖値 110
血圧180以上→上 135 下 75
血糖値測定器で毎日測定しております。
早朝血糖値や空腹血糖値がたまに(2週間のうち?1日くらいの割合で)10から20程度上がってしまう謎の現象がありますが、そのあと血糖値の値が一段良くなる気がします。
例えですが、血糖値一週間平均140だった時にいきなり次の日の血糖値が160とかになってあせっていたら、そのまた次の日に過去最低記録の 血糖値125になって、その後125がまたずっと続いてまた一日だけ増えてといった具合で110という数字が見えて来ました。
増えてしまう日も糖質制限食以外は食べていないので減る前の不思議現象として気にしないようになりました。
とにかく、劇的に改善しました。ありがとうございます。
あのまま何もしなかったら今頃はと思うと恐ろしいです。
私も付き合いで糖質制限してかなり体重が減りサイズダウンできました。
女性は糖質制限に向かないというのをテレビで見たことがありますが、そうでもないということが実感できました。
今では他の家族も加わって家族で糖質制限しています。
疎外感が無いから糖尿人の家族も続けられると思います。
いままで間食が多かったのでむしろ食費も少し減りました♪( ´▽`) 】
こんばんは。
タブー改さんから糖尿人のご家族が、糖質制限食で、血糖値・血圧・体重改善という嬉しいコメントをいただきました。
糖尿人のご家族
糖質制限食開始2ヶ月で、
身長163cm
体重88.9kg →体重78.3kg
血糖値450mg/dl → 早朝血糖値 130mg/dl 空腹血糖値 110 mg/dl
血圧180以上 → 135/75
素晴らしい改善ですね。
良かったです。
血糖自己測定器には、上下20%程度の誤差がありますので、あるていどの変動があっても、あまり気にしなくていいですよ。
流れとして、140mg平均だったのが、125mg/dlとか110mg/dl台が見えてきているのは、着実に改善している証拠と思います。
女性は糖質制限に向かないということはありません。
一般に男性より基礎代謝が少ないので少し痩せにくいという側面はあります。
しかし、男女共に、肥満の人において、どのような食事療法よりも糖質制限食が一番やせやすいことは間違いないです。
タブー改さんも減量成功で良かったです。
確かに家族で糖質制限なら、疎外感もなく続けやすいですね。
そうそう、仰有るとおり、間食する欲望が減るので、食費も減ります。
私も、糖質制限前に比べたら、糖質制限開始後は間食は激減しました。
例えば、本日の朝は「コーヒー+生クリーム」
昼食は、コンビニのおでん「卵、大根、ロールキャベツ、つみれ、厚揚げ」でいつもより少なめでしたが、午後は間食なし。
今午後7時前で、これから夕食ですが、今日は間食なしですね。
江部康二
お久しぶりです。
こんにちは。
糖尿人の家族の糖質制限の経過をご報告いたします。(現在開始2ヶ月ちょっと)
病院で発覚したのではなく、自分で糖尿病と気づいたので即糖質制限開始
投薬、インシュリン無し
身長163センチ体重88・9→体重78・3
血糖値450→早朝血糖値 130空腹血糖値 110
血圧180以上→上 135 下 75
血糖値測定器で毎日測定しております。
早朝血糖値や空腹血糖値がたまに(2週間のうち?1日くらいの割合で)10から20程度上がってしまう謎の現象がありますが、そのあと血糖値の値が一段良くなる気がします。
例えですが、血糖値一週間平均140だった時にいきなり次の日の血糖値が160とかになってあせっていたら、そのまた次の日に過去最低記録の 血糖値125になって、その後125がまたずっと続いてまた一日だけ増えてといった具合で110という数字が見えて来ました。
増えてしまう日も糖質制限食以外は食べていないので減る前の不思議現象として気にしないようになりました。
とにかく、劇的に改善しました。ありがとうございます。
あのまま何もしなかったら今頃はと思うと恐ろしいです。
私も付き合いで糖質制限してかなり体重が減りサイズダウンできました。
女性は糖質制限に向かないというのをテレビで見たことがありますが、そうでもないということが実感できました。
今では他の家族も加わって家族で糖質制限しています。
疎外感が無いから糖尿人の家族も続けられると思います。
いままで間食が多かったのでむしろ食費も少し減りました♪( ´▽`) 】
こんばんは。
タブー改さんから糖尿人のご家族が、糖質制限食で、血糖値・血圧・体重改善という嬉しいコメントをいただきました。
糖尿人のご家族
糖質制限食開始2ヶ月で、
身長163cm
体重88.9kg →体重78.3kg
血糖値450mg/dl → 早朝血糖値 130mg/dl 空腹血糖値 110 mg/dl
血圧180以上 → 135/75
素晴らしい改善ですね。
良かったです。
血糖自己測定器には、上下20%程度の誤差がありますので、あるていどの変動があっても、あまり気にしなくていいですよ。
流れとして、140mg平均だったのが、125mg/dlとか110mg/dl台が見えてきているのは、着実に改善している証拠と思います。
女性は糖質制限に向かないということはありません。
一般に男性より基礎代謝が少ないので少し痩せにくいという側面はあります。
しかし、男女共に、肥満の人において、どのような食事療法よりも糖質制限食が一番やせやすいことは間違いないです。
タブー改さんも減量成功で良かったです。
確かに家族で糖質制限なら、疎外感もなく続けやすいですね。
そうそう、仰有るとおり、間食する欲望が減るので、食費も減ります。
私も、糖質制限前に比べたら、糖質制限開始後は間食は激減しました。
例えば、本日の朝は「コーヒー+生クリーム」
昼食は、コンビニのおでん「卵、大根、ロールキャベツ、つみれ、厚揚げ」でいつもより少なめでしたが、午後は間食なし。
今午後7時前で、これから夕食ですが、今日は間食なしですね。
江部康二
2014年11月10日 (月)
【14/11/09 J
肌荒れが…!
先生:
長年首と胸元の肌荒れに悩んでました。毛穴が赤く腫れ、ボツボツができたかと思えば、今度は乾燥で粉を吹いたり…季節関係なしにその繰り返しでした。
薬塗っても治らず、糖質制限始めて2週間過ぎたあたりから改善され始め、明日でちょうど1ヶ月になりますが、ほぼ全治です!
こんなすべすべな肌見るの何年ぶりだろう!って本当に感動してます!
今思えば砂糖による炎症だったんですね…。
その他にクリーム塗らなくても肘も乾燥しなくなりましたし、顔もキメが細かくなり、白くなった気がします!この前わざと丸一日洗顔もスキンケアもしないでいたら、全く乾燥しませんでした!
きっと一生糖質制限です!!】
こんばんは。
J さんから、長年の肌荒れが糖質制限食で改善、という嬉しいコメントをいただきました。
J さん、良かったですね。 (^_^)
肌荒れですが、砂糖だけではなくて、穀物や芋といった糖質摂取全般の影響だった可能性も高いです。
ニキビもスーパー糖質制限食で速やかに改善します。
しかし一定量以上(個人差あり)の糖質を食べると、即ニキビができます。
私自身も40歳代になって、冬場は乾燥肌が目立ち、手指は爪の付け根で逆むけ、顔は白い粉拭き、耳はしもやけといった状況でした。
しかし、52歳でスーパー糖質制限食を開始してからは、お肌しっとりとなり、しもやけも逆むけもなくなりましたよ。(^^)
江部康二
肌荒れが…!
先生:
長年首と胸元の肌荒れに悩んでました。毛穴が赤く腫れ、ボツボツができたかと思えば、今度は乾燥で粉を吹いたり…季節関係なしにその繰り返しでした。
薬塗っても治らず、糖質制限始めて2週間過ぎたあたりから改善され始め、明日でちょうど1ヶ月になりますが、ほぼ全治です!
こんなすべすべな肌見るの何年ぶりだろう!って本当に感動してます!
今思えば砂糖による炎症だったんですね…。
その他にクリーム塗らなくても肘も乾燥しなくなりましたし、顔もキメが細かくなり、白くなった気がします!この前わざと丸一日洗顔もスキンケアもしないでいたら、全く乾燥しませんでした!
きっと一生糖質制限です!!】
こんばんは。
J さんから、長年の肌荒れが糖質制限食で改善、という嬉しいコメントをいただきました。
J さん、良かったですね。 (^_^)
肌荒れですが、砂糖だけではなくて、穀物や芋といった糖質摂取全般の影響だった可能性も高いです。
ニキビもスーパー糖質制限食で速やかに改善します。
しかし一定量以上(個人差あり)の糖質を食べると、即ニキビができます。
私自身も40歳代になって、冬場は乾燥肌が目立ち、手指は爪の付け根で逆むけ、顔は白い粉拭き、耳はしもやけといった状況でした。
しかし、52歳でスーパー糖質制限食を開始してからは、お肌しっとりとなり、しもやけも逆むけもなくなりましたよ。(^^)
江部康二
2014年11月09日 (日)
こんばんは
本日(2014/11/9)は日本プライマリケア連合学会
第9回秋期生涯教育セミナーのワークショップ
に講師として参加してきました。
会場は大阪の科学技術センターで、靱公園の隣にあります。
「うつぼ」公園と読むそうです。
知らなかったら、まず読めませんね。(∵)?
大阪は面白い地名がとても多いようです。
「新時代の常識」と題してのワークショップでした。
ワークショップの定員は、募集開始後あっという間に満員となったそうです。(^^)
大櫛陽一先生『人間ドック学会の新基準をめぐって-脂質と血圧』
鳥谷部俊一先生 『褥瘡治療の概論と関連事項』
板東浩先生『糖質制限の実践法』
江部康二『糖質制限をめぐる話題』『糖質制限の今後の展開』
9:00~12:00まで各講師
ワークショップ1の部屋と
ワークショップ2の部屋を行ったり来たりしながら新時代の常識をおおいに語りました。
「コレステロール、高血圧」
「褥瘡の治療」
「糖質制限食による糖尿病治療」
それぞれ「旧常識」を「新常識」が席巻し始めているのが現状の段階でしょうか?
まだまだ旧常識の抵抗勢力も根強いものがあり、油断は禁物です。
日本プライマリケア連合学会は、私と同世代の医師もおられますが、若い医師がどんどん参加しているとても勢いのある学会です。
立ち上げの当初から、製薬メーカーの寄付は一切受け付けず、会員の会費のみで運営している、超クリーンな学会です。
こんな学会(製薬会社の寄付がゼロ)は日本では、たった一つかもしれません。
さて、少し前の日本の医学界は、専門医が幅をきかしていて、どんどん特化していた時代でした。
例えば、私のような一般内科医からみたら、心臓の専門が循環器科医で皆一緒と思うのですが、特化路線でいくと、虚血性心疾患(心筋梗塞や狭心症)の専門医と、不整脈(心房細動、期外収縮、上室性頻拍、頻脈、徐脈・・・)の専門医は違うのだそうです。
ここまで特化するとメリットもあるのですがデメリットもあります。
各科の専門医が沢山集まっているのが例えば大学病院です。
でも「どんな症状でもとりあえず診察して、専門医に紹介する必要があればそうするし、必要なければさっさと自分で治療する」といったスタンスのお医者さんがいると患者さんはとても助かると思います。
とても簡単に言うと、とりあえず何でも診てくれて、自分で治療もすれば紹介もしてくれるスタンスのお医者さんが「プライマリケア医」なのです。
若い医師がこれだけ多くプライマリケア連合学会に参加するのは、専門医偏重が幅をきかせていた旧来の医学界に対して、批判的な視点を持ち始めた若手医師が多くなったということだと思います。
私も製薬会社との癒着は一切ない人間ですが、プライマリケア連合学会の超クリーンな姿勢には頭が下がります。
今後も精一杯協力していきたいと思います。
江部康二
本日(2014/11/9)は日本プライマリケア連合学会
第9回秋期生涯教育セミナーのワークショップ
に講師として参加してきました。
会場は大阪の科学技術センターで、靱公園の隣にあります。
「うつぼ」公園と読むそうです。
知らなかったら、まず読めませんね。(∵)?
大阪は面白い地名がとても多いようです。
「新時代の常識」と題してのワークショップでした。
ワークショップの定員は、募集開始後あっという間に満員となったそうです。(^^)
大櫛陽一先生『人間ドック学会の新基準をめぐって-脂質と血圧』
鳥谷部俊一先生 『褥瘡治療の概論と関連事項』
板東浩先生『糖質制限の実践法』
江部康二『糖質制限をめぐる話題』『糖質制限の今後の展開』
9:00~12:00まで各講師
ワークショップ1の部屋と
ワークショップ2の部屋を行ったり来たりしながら新時代の常識をおおいに語りました。
「コレステロール、高血圧」
「褥瘡の治療」
「糖質制限食による糖尿病治療」
それぞれ「旧常識」を「新常識」が席巻し始めているのが現状の段階でしょうか?
まだまだ旧常識の抵抗勢力も根強いものがあり、油断は禁物です。
日本プライマリケア連合学会は、私と同世代の医師もおられますが、若い医師がどんどん参加しているとても勢いのある学会です。
立ち上げの当初から、製薬メーカーの寄付は一切受け付けず、会員の会費のみで運営している、超クリーンな学会です。
こんな学会(製薬会社の寄付がゼロ)は日本では、たった一つかもしれません。
さて、少し前の日本の医学界は、専門医が幅をきかしていて、どんどん特化していた時代でした。
例えば、私のような一般内科医からみたら、心臓の専門が循環器科医で皆一緒と思うのですが、特化路線でいくと、虚血性心疾患(心筋梗塞や狭心症)の専門医と、不整脈(心房細動、期外収縮、上室性頻拍、頻脈、徐脈・・・)の専門医は違うのだそうです。
ここまで特化するとメリットもあるのですがデメリットもあります。
各科の専門医が沢山集まっているのが例えば大学病院です。
でも「どんな症状でもとりあえず診察して、専門医に紹介する必要があればそうするし、必要なければさっさと自分で治療する」といったスタンスのお医者さんがいると患者さんはとても助かると思います。
とても簡単に言うと、とりあえず何でも診てくれて、自分で治療もすれば紹介もしてくれるスタンスのお医者さんが「プライマリケア医」なのです。
若い医師がこれだけ多くプライマリケア連合学会に参加するのは、専門医偏重が幅をきかせていた旧来の医学界に対して、批判的な視点を持ち始めた若手医師が多くなったということだと思います。
私も製薬会社との癒着は一切ない人間ですが、プライマリケア連合学会の超クリーンな姿勢には頭が下がります。
今後も精一杯協力していきたいと思います。
江部康二
2014年11月08日 (土)
こんにちは。
2014年11月7日(金)19:30-21:30
「秋の夜長を楽しみましょう。糖質オフ・スペイン料理とスペインワイン・カヴァの宴」
と題して、(一社)日本糖質制限医療推進協会主催の糖質制限なパーティーが京都ロイヤルホテル&スパ 宴会場にて、ブッフェ形式で開催されました。
京都や神戸の近畿圏は勿論のこと、東京や九州からも参加していただき、定員いっぱい30名の華やかなパーティーとなりました。
長峯順三ロイヤルホテル総料理長、渾身の糖質制限食料理が20種類くらい色とりどりにとりそろえられ、見た目も味も堪能しました。ヾ(^▽^)
スペインのカヴァ(発泡ワイン)、白、赤、ロゼと4種類の糖質制限なワインも美味しく楽しく味わいました。(^^)
私と川島実医師とクリストフ(ワインの生産者)のスピーチのあと、料理とワインも存分に味わいながら、参加された人で一言話したい方々にもスピーチしていただき、おおいに盛り上がりました。
川島実医師は、京大医学部出身の私の後輩で元プロボクサーで西日本ウェルター級新人王も獲得しました。
2014年11月から高雄病院に就労されて、地域医療を担当されます。
本ブログでお馴染みの、モン吉さんには、最初の一人目として私がお願いしてスピーチしていただきました。
モン吉さん、突然の指名ですいませんでした。m(_ _)m
モン吉さんは、2007年3月、HbA1c11.4% 空腹時血糖値389mg/dlで糖尿病と診断されて、即私の本を読まれてスーパー糖質制限食を開始されて半年後にはHbA1c6.3%に改善されて、体重も10kg減量です。
2014年10月現在は、HbA1c5.6%と絶好調で、全ての検査データが基準値内で、スーパー糖質制限食の優等生です。
株式会社クボタの方と積水ハウスの方が参加しておられて、会社の産業医(いずれも女性)が、糖尿病や肥満の人には糖質制限食を薦めたそうで、とても嬉しい驚きでした。
無事パーティーも終了し、ほろ酔い気分でタクシーに乗ったら何と運転手さんが「糖質セイゲニスト」でした。
タクシーに乗るとき送って来たスタッフが、私のことを先生と呼んでいたので何の先生かということで会話が始まりました。
糖質制限食で12kgの減量に成功だそうで、体調もとてもいいそうです。
色紙にサインしてから、タクシーを降りました。 (´_`?)
企業の産業医にタクシードライバー・・・
糖質制限食、順調な広がりを見せてますね。
江部康二
2014年11月7日(金)19:30-21:30
「秋の夜長を楽しみましょう。糖質オフ・スペイン料理とスペインワイン・カヴァの宴」
と題して、(一社)日本糖質制限医療推進協会主催の糖質制限なパーティーが京都ロイヤルホテル&スパ 宴会場にて、ブッフェ形式で開催されました。
京都や神戸の近畿圏は勿論のこと、東京や九州からも参加していただき、定員いっぱい30名の華やかなパーティーとなりました。
長峯順三ロイヤルホテル総料理長、渾身の糖質制限食料理が20種類くらい色とりどりにとりそろえられ、見た目も味も堪能しました。ヾ(^▽^)
スペインのカヴァ(発泡ワイン)、白、赤、ロゼと4種類の糖質制限なワインも美味しく楽しく味わいました。(^^)
私と川島実医師とクリストフ(ワインの生産者)のスピーチのあと、料理とワインも存分に味わいながら、参加された人で一言話したい方々にもスピーチしていただき、おおいに盛り上がりました。
川島実医師は、京大医学部出身の私の後輩で元プロボクサーで西日本ウェルター級新人王も獲得しました。
2014年11月から高雄病院に就労されて、地域医療を担当されます。
本ブログでお馴染みの、モン吉さんには、最初の一人目として私がお願いしてスピーチしていただきました。
モン吉さん、突然の指名ですいませんでした。m(_ _)m
モン吉さんは、2007年3月、HbA1c11.4% 空腹時血糖値389mg/dlで糖尿病と診断されて、即私の本を読まれてスーパー糖質制限食を開始されて半年後にはHbA1c6.3%に改善されて、体重も10kg減量です。
2014年10月現在は、HbA1c5.6%と絶好調で、全ての検査データが基準値内で、スーパー糖質制限食の優等生です。
株式会社クボタの方と積水ハウスの方が参加しておられて、会社の産業医(いずれも女性)が、糖尿病や肥満の人には糖質制限食を薦めたそうで、とても嬉しい驚きでした。
無事パーティーも終了し、ほろ酔い気分でタクシーに乗ったら何と運転手さんが「糖質セイゲニスト」でした。
タクシーに乗るとき送って来たスタッフが、私のことを先生と呼んでいたので何の先生かということで会話が始まりました。
糖質制限食で12kgの減量に成功だそうで、体調もとてもいいそうです。
色紙にサインしてから、タクシーを降りました。 (´_`?)
企業の産業医にタクシードライバー・・・
糖質制限食、順調な広がりを見せてますね。
江部康二
2014年11月07日 (金)
こんばんは。
今回は、糖質制限食の有効性を示す信頼度の高いRCT論文を紹介します。
食事療法のRCTはそんなにないので、貴重な論文です。
RCT論文はエビデンスレベルが最も高いとされています。
1)は糖質摂取量40g/日未満の、スーパー糖質制限食の論文です。
低脂質食との比較です。
2)3)は糖質摂取比率40%の緩い糖質制限食と
50%の低脂質群・地中海食群との比較です。
4)はRCT論文のメタ解析です。
5)は糖質50%未満の低糖質地中海食群と低脂肪食群の比較で、同一カロリーです。
6)はRCT論文のメタ解析です。
1)4)5)6)は、いずれも脂質制限食に対して糖質制限食の圧勝です。
2)は糖質制限食が一番体重を減らし、唯一HbA1cを改善させました。
3)は糖質制限食と地中海食が、6年後でも有意に体重を低下させましたが、低脂質食は体重減少の有意差が
なくなっていました。
RCT論文
1)
低糖質食 vs. 低脂質食,減量やCVDリスク低減で、低糖質食の圧勝。1年間。
低糖質食は40g/日未満。
Ann Intern Med. 2014 Sep 2;161(5):309-18
2)
低炭水化物食で一番体重減少・ HDL-C増加
脂肪制限食、地中海食、低炭水化物食の3群
当初糖質20g/日以下。3ヶ月後から120g/日以下を目指すも、
結局女性150g/日、男性180g/日で40%の糖質。
DIRECT (Dietary Intervention Randomized Controlled Trial)
2年間の研究。
Iris Shai,et all:Weight Loss with a Low-Carbohydrate,Mediterranean,or Low-Fat Diet. NENGLJ MED JULY17,2008、VOL359.NO.3 229-241
3)
2)のフォローアップ研究。合計6年間。
地中海食、低炭水化物食の2群は、6年後も体重減少に有意差あり。
Four-Year Follow-up after Two-Year Dietary Interventions
N Engl J Med 2012; 367:1373-1374October 4, 2012
4)
体重減少、中性脂肪減少、HDL-C増加は低炭水化物食が低脂質・低カロリー食に比し有効。13の電子データベースの2000年1月~2007年3月の低炭水化物食と低脂質食比較RCTをメタ解析。
Systematic review of randomized controlled trials of low-carbohydrate vs. low-fat/low-calorie diets in the management of obesity and its comorbidities M. Hession,et all
Obesity Reviews(国際肥満研究連合の公式ジャーナル)
Volume 10, Issue 1, pages 36–50, January 2009
5)
低糖質地中海食(LCMD)。8年間RCT研究論文。
糖質50%未満のLCMD群と低脂肪群の比較。女性は1500kcal/日。男性は1800kcal/日。
新たに診断された2型糖尿病患者では、LCMDは低脂肪食と比較して、HbA1cレベルの大きな減少、糖尿病の寛解率が高く、糖尿病治療薬の導入を遅らせた。
Diabetes Care. 2014 Jul;37(7):1824-30.
The effects of a Mediterranean diet on the need for diabetes drugs and remission of newly diagnosed type 2 diabetes: follow-up of a randomized trial.
6)
23レポートのメタ解析によって
研究期間にかかわらず糖質制限食が体重,脂質,血糖,血圧を改善させる。
Obes Rev 2012; 13: 1048-1066
Systematic review and meta-analysis of clinical trials
of the effects of low carbohydrate diets on
cardiovascular risk factorsobr_1021
江部康二
今回は、糖質制限食の有効性を示す信頼度の高いRCT論文を紹介します。
食事療法のRCTはそんなにないので、貴重な論文です。
RCT論文はエビデンスレベルが最も高いとされています。
1)は糖質摂取量40g/日未満の、スーパー糖質制限食の論文です。
低脂質食との比較です。
2)3)は糖質摂取比率40%の緩い糖質制限食と
50%の低脂質群・地中海食群との比較です。
4)はRCT論文のメタ解析です。
5)は糖質50%未満の低糖質地中海食群と低脂肪食群の比較で、同一カロリーです。
6)はRCT論文のメタ解析です。
1)4)5)6)は、いずれも脂質制限食に対して糖質制限食の圧勝です。
2)は糖質制限食が一番体重を減らし、唯一HbA1cを改善させました。
3)は糖質制限食と地中海食が、6年後でも有意に体重を低下させましたが、低脂質食は体重減少の有意差が
なくなっていました。
RCT論文
1)
低糖質食 vs. 低脂質食,減量やCVDリスク低減で、低糖質食の圧勝。1年間。
低糖質食は40g/日未満。
Ann Intern Med. 2014 Sep 2;161(5):309-18
2)
低炭水化物食で一番体重減少・ HDL-C増加
脂肪制限食、地中海食、低炭水化物食の3群
当初糖質20g/日以下。3ヶ月後から120g/日以下を目指すも、
結局女性150g/日、男性180g/日で40%の糖質。
DIRECT (Dietary Intervention Randomized Controlled Trial)
2年間の研究。
Iris Shai,et all:Weight Loss with a Low-Carbohydrate,Mediterranean,or Low-Fat Diet. NENGLJ MED JULY17,2008、VOL359.NO.3 229-241
3)
2)のフォローアップ研究。合計6年間。
地中海食、低炭水化物食の2群は、6年後も体重減少に有意差あり。
Four-Year Follow-up after Two-Year Dietary Interventions
N Engl J Med 2012; 367:1373-1374October 4, 2012
4)
体重減少、中性脂肪減少、HDL-C増加は低炭水化物食が低脂質・低カロリー食に比し有効。13の電子データベースの2000年1月~2007年3月の低炭水化物食と低脂質食比較RCTをメタ解析。
Systematic review of randomized controlled trials of low-carbohydrate vs. low-fat/low-calorie diets in the management of obesity and its comorbidities M. Hession,et all
Obesity Reviews(国際肥満研究連合の公式ジャーナル)
Volume 10, Issue 1, pages 36–50, January 2009
5)
低糖質地中海食(LCMD)。8年間RCT研究論文。
糖質50%未満のLCMD群と低脂肪群の比較。女性は1500kcal/日。男性は1800kcal/日。
新たに診断された2型糖尿病患者では、LCMDは低脂肪食と比較して、HbA1cレベルの大きな減少、糖尿病の寛解率が高く、糖尿病治療薬の導入を遅らせた。
Diabetes Care. 2014 Jul;37(7):1824-30.
The effects of a Mediterranean diet on the need for diabetes drugs and remission of newly diagnosed type 2 diabetes: follow-up of a randomized trial.
6)
23レポートのメタ解析によって
研究期間にかかわらず糖質制限食が体重,脂質,血糖,血圧を改善させる。
Obes Rev 2012; 13: 1048-1066
Systematic review and meta-analysis of clinical trials
of the effects of low carbohydrate diets on
cardiovascular risk factorsobr_1021
江部康二
2014年11月06日 (木)
こんばんは。
今日は、糖質制限食の長期的安全性と根拠となる信頼度の高い論文を紹介したいと思います。
さて医学においてディベート(討論)を行うとき、現時点ではEBMにより根拠を明らかにする必要があります。
例えば、「糖質制限食の長期的安全性に関して是か?非か?」といった主題で、是側と非側が、EBMに基づいてディベートを行うわけです。
evidence based medicine(証拠に基づく医学)→略してEBM
EBMが現在、医学界を席巻しています。
医学界において、evidence(エビデンス、証拠、根拠)となるのは、基本的に医学雑誌に掲載された論文です。
ニューイングランド・ジャーナル、ランセット、米国医師会雑誌など、定評ある医学専門誌に掲載された論文であることも、evidence(エビデンス、証拠)の大きな要素となります。
その論文も
①無作為割り付け臨床試験(RCT)
②前向きコホート研究
③コホート内症例割り付け研究
④後ろ向けコホート研究
⑤症例対照研究
⑥地域相関研究
⑦時系列研究
⑧症例報告
⑨実証的研究に基づかない権威者の意見
といった順番で、信頼度に差をつけられています。
結局、根拠となるEBMとしては、現実にはこれらの中で
①無作為割り付け臨床試験(RCT)
②前向きコホート研究
の二つだけとなります。
以下に、EBMとして信頼度の高い長期の研究を列挙します。
いずれも、糖質制限食の長期的安全性を保証する論文です。
1)はRCT論文で8年間であり、信頼度はトップランクの研究です。
2)3)4)5)は前向きコホート研究であり、信頼度は上から二番目です。
糖質制限食の長期的安全性の肯定に関しては、EBMに基づき少なくとも五つの信頼度の高い研究論文が存在するわけです。
なおこれらの論文は、スーパー糖質制限食に関するものではありません。
普通に食事をしている集団(糖質も食べている)において、糖質を多く食べている群と比較的少ない群を比較したものです。
例えば
2)は
炭水化物摂取比率36.8±6.1%グループと58.8±7.0%のグループの比較です。
炭水化物摂取の多いグループは冠動脈疾患リスクが増加です。
4)は
糖質摂取比率51.5%のグループと糖質摂取比率72.7%のグループの比較です。
糖質摂取比率が一番少ない51.5%のグループは一番多い72.7%のグループに比較すると
心血管死のリスクが59%しかありません。
いずれも糖質大量摂取の弊害(心血管リスク)を如実に示しています。
結果として糖質摂取が少ないほど心血管リスク軽減において有利になることも示しています。
長期の研究
1)RCT論文
低糖質地中海食(LCMD)。8年間RCT論文。
糖質50%未満のLCMD群と低脂肪群の比較。
女性は1800kcal/日。男性は1800kcal/日。
新たに診断された2型糖尿病患者では、LCMDは低脂肪食と比較して、
HbA1cレベルの大きな減少、糖尿病の寛解率が高く、糖尿病治療薬の導入を遅らせた。
Diabetes Care. 2014 Jul;37(7):1824-30.
The effects of a Mediterranean diet on the need for diabetes drugs and remission of newly diagnosed type 2 diabetes: follow-up of a randomized trial.
2)前向きコホート研究
低炭水化物・高脂肪・高タンパク食に冠動脈疾患のリスクなし
一方総炭水化物摂取量は冠動脈疾患リスクの中等度増加に関連していた。
高GLは冠動脈疾患リスク増加と強く関連していた。
ニューイングランドジャーナルのコホート研究
82802人 20年間 2006年掲載 ハーバード大学
炭水化物摂取比率36.8±6.1%グループと58.8±7.0%のグループの比較。
Halton TL, et al. Low-carbohydrate-diet score and the risk of coronary heart disease in women. New England Journal of Medicine 2006;355:1991-2002.
3)前向きコホート研究
21論文、約35万人をメタアナリシスして、
5~23年追跡して1.1万人の脳心血管イベントが発生。
飽和脂肪摂取量と脳心血管イベントハザード比を検証してみると、
飽和脂肪酸摂取量と脳心血管イベント発生は、関係がないことが判明。
Siri-Tarino, P.W., et al., Meta-analysis of prospective cohort studies evaluating the association of saturated fat with cardiovascular disease. Am J Clin Nutr, 2010. 91(3): p. 535-46.
4)前向きコホート研究
「糖質制限食の安全性にエビデンス」
前向きコホート試験NIPPON DATA80 29年間 中村保幸
第10分位(糖質摂取比率51.5%)のグループは、第1分位(糖質摂取比率72.7%)のグループに比べて女性においては心血管死のリスクが、
59%しかないという素晴らしい結論で、糖質制限食の圧勝。
Br J Nutr 2014; 112: 916-924
5)前向きコホート研究
上海コホート研究
「糖質摂取量により4群に分けて、糖質摂取量が多いほど心血管疾患の発症リスクが高い」
11万7366人を対象に、調べた研究。
女性が6万4,854人で、平均追跡期間が9.8年。
男性が5万2,512人で、平均追跡期間が5.4年。
女性 心血管発症リスク
1、糖質摂取量264g/日未満 ---------- 1.00
2、糖質摂取量264g~282g/日未満-------- 1.19
3、糖質摂取量282g~299g/日未満-------- 1.76
4、糖質摂取量299g/日以上 ----------- 2.41
男性 心血管発症リスク
1、糖質摂取量296g/日未満 ------------ 1.00
2、糖質摂取量296g~319g/日未満 ---------- 1.50
3、糖質摂取量319g~339g/日未満 ---------- 2.22
4、糖質摂取量339g/日以上
Am J Epidemiol. 2013 Nov 15;178(10):1542-9.
Dietary carbohydrates, refined grains, glycemic load, and risk of coronary heart disease in Chinese adults.
今日は、糖質制限食の長期的安全性と根拠となる信頼度の高い論文を紹介したいと思います。
さて医学においてディベート(討論)を行うとき、現時点ではEBMにより根拠を明らかにする必要があります。
例えば、「糖質制限食の長期的安全性に関して是か?非か?」といった主題で、是側と非側が、EBMに基づいてディベートを行うわけです。
evidence based medicine(証拠に基づく医学)→略してEBM
EBMが現在、医学界を席巻しています。
医学界において、evidence(エビデンス、証拠、根拠)となるのは、基本的に医学雑誌に掲載された論文です。
ニューイングランド・ジャーナル、ランセット、米国医師会雑誌など、定評ある医学専門誌に掲載された論文であることも、evidence(エビデンス、証拠)の大きな要素となります。
その論文も
①無作為割り付け臨床試験(RCT)
②前向きコホート研究
③コホート内症例割り付け研究
④後ろ向けコホート研究
⑤症例対照研究
⑥地域相関研究
⑦時系列研究
⑧症例報告
⑨実証的研究に基づかない権威者の意見
といった順番で、信頼度に差をつけられています。
結局、根拠となるEBMとしては、現実にはこれらの中で
①無作為割り付け臨床試験(RCT)
②前向きコホート研究
の二つだけとなります。
以下に、EBMとして信頼度の高い長期の研究を列挙します。
いずれも、糖質制限食の長期的安全性を保証する論文です。
1)はRCT論文で8年間であり、信頼度はトップランクの研究です。
2)3)4)5)は前向きコホート研究であり、信頼度は上から二番目です。
糖質制限食の長期的安全性の肯定に関しては、EBMに基づき少なくとも五つの信頼度の高い研究論文が存在するわけです。
なおこれらの論文は、スーパー糖質制限食に関するものではありません。
普通に食事をしている集団(糖質も食べている)において、糖質を多く食べている群と比較的少ない群を比較したものです。
例えば
2)は
炭水化物摂取比率36.8±6.1%グループと58.8±7.0%のグループの比較です。
炭水化物摂取の多いグループは冠動脈疾患リスクが増加です。
4)は
糖質摂取比率51.5%のグループと糖質摂取比率72.7%のグループの比較です。
糖質摂取比率が一番少ない51.5%のグループは一番多い72.7%のグループに比較すると
心血管死のリスクが59%しかありません。
いずれも糖質大量摂取の弊害(心血管リスク)を如実に示しています。
結果として糖質摂取が少ないほど心血管リスク軽減において有利になることも示しています。
長期の研究
1)RCT論文
低糖質地中海食(LCMD)。8年間RCT論文。
糖質50%未満のLCMD群と低脂肪群の比較。
女性は1800kcal/日。男性は1800kcal/日。
新たに診断された2型糖尿病患者では、LCMDは低脂肪食と比較して、
HbA1cレベルの大きな減少、糖尿病の寛解率が高く、糖尿病治療薬の導入を遅らせた。
Diabetes Care. 2014 Jul;37(7):1824-30.
The effects of a Mediterranean diet on the need for diabetes drugs and remission of newly diagnosed type 2 diabetes: follow-up of a randomized trial.
2)前向きコホート研究
低炭水化物・高脂肪・高タンパク食に冠動脈疾患のリスクなし
一方総炭水化物摂取量は冠動脈疾患リスクの中等度増加に関連していた。
高GLは冠動脈疾患リスク増加と強く関連していた。
ニューイングランドジャーナルのコホート研究
82802人 20年間 2006年掲載 ハーバード大学
炭水化物摂取比率36.8±6.1%グループと58.8±7.0%のグループの比較。
Halton TL, et al. Low-carbohydrate-diet score and the risk of coronary heart disease in women. New England Journal of Medicine 2006;355:1991-2002.
3)前向きコホート研究
21論文、約35万人をメタアナリシスして、
5~23年追跡して1.1万人の脳心血管イベントが発生。
飽和脂肪摂取量と脳心血管イベントハザード比を検証してみると、
飽和脂肪酸摂取量と脳心血管イベント発生は、関係がないことが判明。
Siri-Tarino, P.W., et al., Meta-analysis of prospective cohort studies evaluating the association of saturated fat with cardiovascular disease. Am J Clin Nutr, 2010. 91(3): p. 535-46.
4)前向きコホート研究
「糖質制限食の安全性にエビデンス」
前向きコホート試験NIPPON DATA80 29年間 中村保幸
第10分位(糖質摂取比率51.5%)のグループは、第1分位(糖質摂取比率72.7%)のグループに比べて女性においては心血管死のリスクが、
59%しかないという素晴らしい結論で、糖質制限食の圧勝。
Br J Nutr 2014; 112: 916-924
5)前向きコホート研究
上海コホート研究
「糖質摂取量により4群に分けて、糖質摂取量が多いほど心血管疾患の発症リスクが高い」
11万7366人を対象に、調べた研究。
女性が6万4,854人で、平均追跡期間が9.8年。
男性が5万2,512人で、平均追跡期間が5.4年。
女性 心血管発症リスク
1、糖質摂取量264g/日未満 ---------- 1.00
2、糖質摂取量264g~282g/日未満-------- 1.19
3、糖質摂取量282g~299g/日未満-------- 1.76
4、糖質摂取量299g/日以上 ----------- 2.41
男性 心血管発症リスク
1、糖質摂取量296g/日未満 ------------ 1.00
2、糖質摂取量296g~319g/日未満 ---------- 1.50
3、糖質摂取量319g~339g/日未満 ---------- 2.22
4、糖質摂取量339g/日以上
Am J Epidemiol. 2013 Nov 15;178(10):1542-9.
Dietary carbohydrates, refined grains, glycemic load, and risk of coronary heart disease in Chinese adults.
2014年11月05日 (水)
こんにちは。
我が国において長年、糖尿病治療の第一選択剤として使われてきたSU剤には、大きな問題があることが判明しました。
そのため、現在SU剤の使用は激減していますが、まだ使用している医師もいます。
例えば10月に高雄病院を受診された糖尿病の新患の男性、8月に近くの街のお医者さんで、糖尿病を指摘され、大病院を紹介されました。
ご自分で糖質制限食を開始したので、大病院受診時にはHbA1cは随分改善していました。
しかし改善しているのは明らかなのに、担当医は糖質制限食のことを話すと全面否定だったそうです。
あげくに出した薬は、SU剤のアマリールでした。
根拠もなく糖質制限食を批判する一方で、SU剤を平気で処方するとは、勉強不足の一言です。
幸いこの患者さんは私のブログや本で勉強しておられたのでアマリールは内服せずに、そのまま高雄病院を受診されたそうです。
患者さんの方が、余程よく勉強しておられますね。
私の場合も、以前は、スーパー糖質制限食が上手く実践できないために、コントロールがいまいちの糖尿人に、やむを得ずSU剤(アマリール:第3世代)を投与することがありました。
しかし原則として、0.5mgの錠剤を1錠/日、若しくは 0.5mgの錠剤×2/日などの少量にしていました。
SU剤は、疲れたβ細胞を鞭打つ側面がありますから、本来、少量投与に越したことはないからです。
そしてもし、グリペンクラミド(オイグルコン、ダオニール:第2世代SU剤)や第一世代のSU剤(ジメリンなど)を服用しておられる方がいたら、心筋障害のリスクがあるので即刻中止することをお奨めします。
さらに近年、アマリールやグリミクロン(第3世代)も、HbA1cの改善効果だけはあるものの、食後高血糖をマッチング良く防ぐことができないことと、空腹時には低血糖を招きやすい欠点が、CGM(☆)により明らかとなってきました。
つまり、SU剤は「平均血糖変動幅増大」「食後高血糖」という最大の酸化ストレスリスクを予防できていないどころか、悪化させている可能性が極めて高いのです。
HbA1cが一見改善したように見えても、実は極めて質の悪いHbA1cなのです。
CGMにより検査してみると、SU剤を内服して食事しても、食後高血糖はほとんど防げていなくて、空腹時の低血糖を生じていることが多かったのです。
例えば、夕食前にSU剤を内服して、従来の糖尿病食(高糖質食)を摂取すると、食後1時間とか2時間の血糖値は軽く200mg/dlを超えてきます。なおかつ、夜中の午前3時頃には、50~60mg/dlなどの低血糖を高率に生じていたのです。
平均血糖値(HbA1c)は、一見6.5%とか良好でも、SU剤を内服していた場合は、「食後250mg/dlと空腹時50mg/dl」などの平均値をみているわけで、極めて質の悪いHbA1cなのです。
これでは、わざわざ平均血糖変動幅を増大させて食後高血糖は防げず、空腹時低血糖を頻回に起こすという百害あって一利なしの薬物ということになります。
「平均血糖変動幅増大」という最大の酸化ストレスリスクをもっとも生じやすい薬物がSU剤といえます。
このため私自身は、2年前からSU剤の中止を開始しました。1年前にはSU剤をすべて中止して、グリニド系薬剤(速効型インスリン分泌促進剤、グルファストやスターシスなど)やαグルコシダーゼ阻害剤(グルコバイ、ベイスン、セイブルなど)に変更しました。
日本糖尿病学会は、これらのCGMデータによる生理学的事実を、広く一般医師に公表し説明する義務があると思います。
しっかり説明して、SU剤の使用中止を早急に勧告すべきです。
これは、日本糖尿病学会の喫緊の義務と思います。
江部康二
(☆)CGM
CGM(Continuous Glucose Monitoring:持続ブドウ糖測定)システム
ブドウ糖値を数日間連続的に測定できる持続ブドウ糖測定装置(CGMS)が、2012年4月から日本でも保険適応となり、日常臨床で使用できるようになりました。
ブドウ糖値の日内変動を24時間通して把握できるので、SMBG(血糖自己測定器)やHbA1cによるデータとは異なる情報を得ることができます。
5分ごとに測定して、24時間で288回のブドウ糖測定が可能です。血糖ではなく皮下間質液中のブドウ糖値を連続測定するのですが、血糖値と同様とみなしてよいと思われます。2000年頃、欧米で開発され使用されるようになりました。
我が国において長年、糖尿病治療の第一選択剤として使われてきたSU剤には、大きな問題があることが判明しました。
そのため、現在SU剤の使用は激減していますが、まだ使用している医師もいます。
例えば10月に高雄病院を受診された糖尿病の新患の男性、8月に近くの街のお医者さんで、糖尿病を指摘され、大病院を紹介されました。
ご自分で糖質制限食を開始したので、大病院受診時にはHbA1cは随分改善していました。
しかし改善しているのは明らかなのに、担当医は糖質制限食のことを話すと全面否定だったそうです。
あげくに出した薬は、SU剤のアマリールでした。
根拠もなく糖質制限食を批判する一方で、SU剤を平気で処方するとは、勉強不足の一言です。
幸いこの患者さんは私のブログや本で勉強しておられたのでアマリールは内服せずに、そのまま高雄病院を受診されたそうです。
患者さんの方が、余程よく勉強しておられますね。
私の場合も、以前は、スーパー糖質制限食が上手く実践できないために、コントロールがいまいちの糖尿人に、やむを得ずSU剤(アマリール:第3世代)を投与することがありました。
しかし原則として、0.5mgの錠剤を1錠/日、若しくは 0.5mgの錠剤×2/日などの少量にしていました。
SU剤は、疲れたβ細胞を鞭打つ側面がありますから、本来、少量投与に越したことはないからです。
そしてもし、グリペンクラミド(オイグルコン、ダオニール:第2世代SU剤)や第一世代のSU剤(ジメリンなど)を服用しておられる方がいたら、心筋障害のリスクがあるので即刻中止することをお奨めします。
さらに近年、アマリールやグリミクロン(第3世代)も、HbA1cの改善効果だけはあるものの、食後高血糖をマッチング良く防ぐことができないことと、空腹時には低血糖を招きやすい欠点が、CGM(☆)により明らかとなってきました。
つまり、SU剤は「平均血糖変動幅増大」「食後高血糖」という最大の酸化ストレスリスクを予防できていないどころか、悪化させている可能性が極めて高いのです。
HbA1cが一見改善したように見えても、実は極めて質の悪いHbA1cなのです。
CGMにより検査してみると、SU剤を内服して食事しても、食後高血糖はほとんど防げていなくて、空腹時の低血糖を生じていることが多かったのです。
例えば、夕食前にSU剤を内服して、従来の糖尿病食(高糖質食)を摂取すると、食後1時間とか2時間の血糖値は軽く200mg/dlを超えてきます。なおかつ、夜中の午前3時頃には、50~60mg/dlなどの低血糖を高率に生じていたのです。
平均血糖値(HbA1c)は、一見6.5%とか良好でも、SU剤を内服していた場合は、「食後250mg/dlと空腹時50mg/dl」などの平均値をみているわけで、極めて質の悪いHbA1cなのです。
これでは、わざわざ平均血糖変動幅を増大させて食後高血糖は防げず、空腹時低血糖を頻回に起こすという百害あって一利なしの薬物ということになります。
「平均血糖変動幅増大」という最大の酸化ストレスリスクをもっとも生じやすい薬物がSU剤といえます。
このため私自身は、2年前からSU剤の中止を開始しました。1年前にはSU剤をすべて中止して、グリニド系薬剤(速効型インスリン分泌促進剤、グルファストやスターシスなど)やαグルコシダーゼ阻害剤(グルコバイ、ベイスン、セイブルなど)に変更しました。
日本糖尿病学会は、これらのCGMデータによる生理学的事実を、広く一般医師に公表し説明する義務があると思います。
しっかり説明して、SU剤の使用中止を早急に勧告すべきです。
これは、日本糖尿病学会の喫緊の義務と思います。
江部康二
(☆)CGM
CGM(Continuous Glucose Monitoring:持続ブドウ糖測定)システム
ブドウ糖値を数日間連続的に測定できる持続ブドウ糖測定装置(CGMS)が、2012年4月から日本でも保険適応となり、日常臨床で使用できるようになりました。
ブドウ糖値の日内変動を24時間通して把握できるので、SMBG(血糖自己測定器)やHbA1cによるデータとは異なる情報を得ることができます。
5分ごとに測定して、24時間で288回のブドウ糖測定が可能です。血糖ではなく皮下間質液中のブドウ糖値を連続測定するのですが、血糖値と同様とみなしてよいと思われます。2000年頃、欧米で開発され使用されるようになりました。
2014年11月04日 (火)
【14/11/03 フィガロ
グルファストの効用について
江部先生、いつもブログから色々と参考にさせて頂いております。ありがとうございます。 私は38歳男性で、今年の1月に糖尿病の診断を受け、入院・インスリン強化治療を経て、その後ジャヌビアとグルファストで血糖値コントロールしておりました。
入院時はA1C12,2でしたが、3月には7,3になりインスリン治療から薬に切り替わり、5月には6,3まで落ち着きました。 そこから下げ止まりとなったこと、朝の血糖値が高いことを主治医に相談したとろこ、ピオグリタゾンを追加されました。1ヶ月ほど服用するも、朝の血糖値も改善される気配が無いためピオグリタゾンとグルファストの服用を止め、以前から知っていた江部先生が推奨されております、糖質制限に切り替えました。朝の血糖値が、高い時には140~150あったのが、現在は110~125と境界線程度に落ち着きました。また食後血糖もリアルタイムに下がっており、その効果を実感しております。通院が2ヶ月毎のため、どの程度A1Cに反映されるかわかりませんが、6,0が切れるか楽しみにしています。その中で現在服用を止めているグルファストについてご教授頂きたいのです。
①基本糖質制限をしていますが、止む得ず糖質を多く摂取する場合、グルファストを服用しています。服用頻度は週一程度です。膵臓を刺激してインスリンを分泌させるため、かなり膵臓に普段をかけているのでしょうか?極力服用を抑えたほうがよろしいでしょうか?
②先日、あらためてグルファストについて調べておりましたら、インスリン分泌遅延を改善させるとありました。これが本当なら、服用を続けたほうがよろしいのでしょうか?
ご多忙だと思いますが、ご教授頂けると幸いです。よろしくお願い致します。】
こんにちは。
フィガロさんから、糖質制限食とグルファストについてコメント・質問をいただきました。
ピオグリタゾン(アクトス)とグルファストの服用を中止し、糖質制限食に切り替えて、早朝空腹時血糖値が、140~150mg/dlから110~125mg/dlに改善。
糖尿病型から、境界型レベルになったので、合併症予防の観点からはとても良いことです。
食後血糖値はスーパー糖質制限食ならほとんど上昇しないと思います。
次回のHbA1cが6%未満になればいいですね。
「①基本糖質制限をしていますが、止む得ず糖質を多く摂取する場合、グルファストを服用しています。服用頻度は週一程度です。
膵臓を刺激してインスリンを分泌させるため、かなり膵臓に普段をかけているのでしょうか?
極力服用を抑えたほうがよろしいでしょうか?」
グルファストは速効型インスリン分泌促進剤です。
2時間くらい膵臓のβ細胞に働いてインスリン分泌を促します。
ごく短時間なのでβ細胞への負担は少ないです。
これに対してSU剤のアマリールは約12時間、オイグルコンは約24時間β細胞に働くので、作用時間が長い分、膵臓に負担をかけています。
私は、2年前からSU剤は中止し始めて、約1年前からは全く使用していません。
日本全体でもSU剤の使用は、激減しています。
グルファストに関しては、週一回ていどなら、全く問題ありません。
私も旅行中とか外食でやむを得ないときなどにグルファストを処方しています。
1gの糖質が約3mg血糖値を上昇させます。
グルファストの効果には個人差があり、1錠で20~60mgくらい血糖値を下げるとされています。
グルファストは5mgの錠剤と10mgの錠剤があります。
食後血糖値180mg/dl未満を達成するには、薬を飲んで、炊いたご飯一杯150gのところを、100~110gくらいに謙虚に食べるくらいが一般的です
「②先日、あらためてグルファストについて調べておりましたら、インスリン分泌遅延を改善させるとありました。これが本当なら、服用を続けたほうがよろしいのでしょうか? 」
グルファストは食直前に内服して、β細胞に働きかけ、主としてインスリン追加分泌第1相の分泌を促します。
追加分泌第1相は、β細胞にプールされているインスリンです。
その後、追加分泌第2相にもあるていど作用します。
改善といっても、β細胞そのものが正常に復活するという意味ではないですので、糖質摂取時だけのほうが好ましいです。
2型糖尿病患者の非糖尿病の近親者を調べたら、追加分泌の第1相が低下・欠如している人が時々いるようです。
つまり、先天的に膵臓のベータ細胞の機能がよろしくない一群の人達がいて、当然糖尿病になりやすいというパターンが一つ存在するわけです。
正常の人は、血糖値が上昇し始めたら即インスリンが追加分泌されます。
これは第1相反応と呼ばれ、もともとプールされていたインスリンが5~10分間分泌されて、糖質摂取時の急激な食後高血糖を防いでいます。
その後、膵臓のベータ細胞は、第2相反応と呼ばれるやや少なめの、持続するインスリン分泌を行います。
これは、食事における糖質の残りをカバーしています。
即ち、糖質を摂取している間は、第2相のインスリン分泌が持続します。
江部康二
グルファストの効用について
江部先生、いつもブログから色々と参考にさせて頂いております。ありがとうございます。 私は38歳男性で、今年の1月に糖尿病の診断を受け、入院・インスリン強化治療を経て、その後ジャヌビアとグルファストで血糖値コントロールしておりました。
入院時はA1C12,2でしたが、3月には7,3になりインスリン治療から薬に切り替わり、5月には6,3まで落ち着きました。 そこから下げ止まりとなったこと、朝の血糖値が高いことを主治医に相談したとろこ、ピオグリタゾンを追加されました。1ヶ月ほど服用するも、朝の血糖値も改善される気配が無いためピオグリタゾンとグルファストの服用を止め、以前から知っていた江部先生が推奨されております、糖質制限に切り替えました。朝の血糖値が、高い時には140~150あったのが、現在は110~125と境界線程度に落ち着きました。また食後血糖もリアルタイムに下がっており、その効果を実感しております。通院が2ヶ月毎のため、どの程度A1Cに反映されるかわかりませんが、6,0が切れるか楽しみにしています。その中で現在服用を止めているグルファストについてご教授頂きたいのです。
①基本糖質制限をしていますが、止む得ず糖質を多く摂取する場合、グルファストを服用しています。服用頻度は週一程度です。膵臓を刺激してインスリンを分泌させるため、かなり膵臓に普段をかけているのでしょうか?極力服用を抑えたほうがよろしいでしょうか?
②先日、あらためてグルファストについて調べておりましたら、インスリン分泌遅延を改善させるとありました。これが本当なら、服用を続けたほうがよろしいのでしょうか?
ご多忙だと思いますが、ご教授頂けると幸いです。よろしくお願い致します。】
こんにちは。
フィガロさんから、糖質制限食とグルファストについてコメント・質問をいただきました。
ピオグリタゾン(アクトス)とグルファストの服用を中止し、糖質制限食に切り替えて、早朝空腹時血糖値が、140~150mg/dlから110~125mg/dlに改善。
糖尿病型から、境界型レベルになったので、合併症予防の観点からはとても良いことです。
食後血糖値はスーパー糖質制限食ならほとんど上昇しないと思います。
次回のHbA1cが6%未満になればいいですね。
「①基本糖質制限をしていますが、止む得ず糖質を多く摂取する場合、グルファストを服用しています。服用頻度は週一程度です。
膵臓を刺激してインスリンを分泌させるため、かなり膵臓に普段をかけているのでしょうか?
極力服用を抑えたほうがよろしいでしょうか?」
グルファストは速効型インスリン分泌促進剤です。
2時間くらい膵臓のβ細胞に働いてインスリン分泌を促します。
ごく短時間なのでβ細胞への負担は少ないです。
これに対してSU剤のアマリールは約12時間、オイグルコンは約24時間β細胞に働くので、作用時間が長い分、膵臓に負担をかけています。
私は、2年前からSU剤は中止し始めて、約1年前からは全く使用していません。
日本全体でもSU剤の使用は、激減しています。
グルファストに関しては、週一回ていどなら、全く問題ありません。
私も旅行中とか外食でやむを得ないときなどにグルファストを処方しています。
1gの糖質が約3mg血糖値を上昇させます。
グルファストの効果には個人差があり、1錠で20~60mgくらい血糖値を下げるとされています。
グルファストは5mgの錠剤と10mgの錠剤があります。
食後血糖値180mg/dl未満を達成するには、薬を飲んで、炊いたご飯一杯150gのところを、100~110gくらいに謙虚に食べるくらいが一般的です
「②先日、あらためてグルファストについて調べておりましたら、インスリン分泌遅延を改善させるとありました。これが本当なら、服用を続けたほうがよろしいのでしょうか? 」
グルファストは食直前に内服して、β細胞に働きかけ、主としてインスリン追加分泌第1相の分泌を促します。
追加分泌第1相は、β細胞にプールされているインスリンです。
その後、追加分泌第2相にもあるていど作用します。
改善といっても、β細胞そのものが正常に復活するという意味ではないですので、糖質摂取時だけのほうが好ましいです。
2型糖尿病患者の非糖尿病の近親者を調べたら、追加分泌の第1相が低下・欠如している人が時々いるようです。
つまり、先天的に膵臓のベータ細胞の機能がよろしくない一群の人達がいて、当然糖尿病になりやすいというパターンが一つ存在するわけです。
正常の人は、血糖値が上昇し始めたら即インスリンが追加分泌されます。
これは第1相反応と呼ばれ、もともとプールされていたインスリンが5~10分間分泌されて、糖質摂取時の急激な食後高血糖を防いでいます。
その後、膵臓のベータ細胞は、第2相反応と呼ばれるやや少なめの、持続するインスリン分泌を行います。
これは、食事における糖質の残りをカバーしています。
即ち、糖質を摂取している間は、第2相のインスリン分泌が持続します。
江部康二