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玄米菜食なのに妊娠糖尿病発症、人工甘味料の安全性は?糖質の危険性は?
こんばんは

みききさんから、人工甘味料に関してコメント質問をいただきました。

みききさんは玄米菜食を実践していたのに、妊娠糖尿病を発症されました。
今は糖質制限ライフでお元気です。

私自身も、34才(1984年)から、高雄病院給食では玄米魚菜食、家では胚芽米と魚菜食を主として油脂や肉はできるだけ控えめにして、健康には留意していたつもりでした。

それなのに、52才(2002年)のときに、糖尿病を発症してしまいました(*- -)(*_ _)

その後は、スーパー糖質制限食で、速やかに糖尿病は改善し、全く藥はなしで、64才(2014年)の現在まで元気に過ごしています。

玄米魚菜食も18年間していましたが、その長所と欠点も今ではよく分かっています。

そして糖質制限食は、人類本来の食事・人類の健康食ですので、「百利あって一害なし」と考えています。

さて、

『人工甘味料は砂糖より悪く神経錯乱させるとかあまいものがもっと食べたくなる』

というコメントですが、科学的根拠となる信頼度の高い論文はありません。

そして人工甘味料に関しては、許容量が定められています。

まず人工の添加物に対する無毒性量というのがあります。

無毒性量というのは「これ以上食べると毒になる」という量の2分の1の量のことです。

無毒性量を、さらに安全係数100で割ったものが1日許容摂取量(ADI)です。

人工甘味料を使用した飲料やチョコレートなどを常用量摂取したとしても、1日許容摂取量(ADI)を超えることは、まずありえません。

厚生労働省が、食品を許可するときに人工甘味料の使用量を1日許容摂取量(ADI)を考慮して設定しているからです。

例えば人工甘味料入りの飲料を、350ml缶で3本(1050ml)くらいまでなら、1日許容摂取量(ADI)を超えることはありません。

各添加物の安全性に関しては、下記のJECFAのサイトで自分でお調べいただけば幸いです。

JECFA安全性評価-指定添加物のサイト
http://www.ffcr.or.jp/zaidan/FFCRHOME.nsf/pages/JECFA-ADI-D07

をみると、あいうえお順で、人工甘味料を始めとしてほとんどの添加物が記載されています。

なお、ラカントSの主成分である糖アルコールのエリスリトールは、JECFA(FAO/WHO合同食品添加物専門委員会)により

『安全性が十分に高いので、1日摂取許容量は定める必要がない(ADI not specified)』

との評価を受けており、その安全性は世界的にも認証されています。(1999年6月)

従いまして、どうしても信念として人工甘味料が嫌という人は、サラヤの「ラカントS」を使用するか、エリスリトールを使用すればいいですね。

ラカントSの主成分はエリスリトールでごく少量の羅漢果エキスが含まれています。

エリスリトールは果物やワインの甘み成分で、羅漢果は果物ですので、全て自然界に存在するものです。

私自身は、味の素の「パルスイートゼロ」や浅田飴の「シュガーカットゼロ」もOKと思います。

それぞれ少量のアスパルテームとスクラロースという人工甘味料が含まれていますが、1日許容摂取量(ADI)的には全く問題ありません。

糖質制限OKのサントリーの「オールフリー」もよく飲んでいます。アセスルファムKが含まれていますが、全く気にしていません。

日本小児神経学会のサイト 
http://child-neuro-jp.org/visitor/qa2/a36.html
36:てんかんの食事療法(ケトン食療法)について。

においても、「・・・砂糖の代わりに人工甘味料を使用し、・・・」と記載してあります。

つまり小児科医の学会という非常に慎重な集団においても、このように人工甘味料を受容しています。

人工甘味料のことよりも、福助さんもご指摘のように、糖質の害のほうがはるかに大きく深刻なのです。

糖質の過剰摂取により、糖尿人だけで考えても、食後高血糖と平均血糖変動幅増大による酸化ストレスで、透析、足切断、失明、心筋梗塞、脳梗塞、がん・・・多大な被害が出ています。

さらに日本人の

四大死因(がん、心疾患、肺炎、脳血管疾患)
五大疾病(がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病、精神疾患)

に関しても、がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病の元凶は、糖質の頻回・過剰摂取の可能性が極めて高いのです。

近年のうつ病の増加に関しても糖質摂取による血糖変動の関与が疑われます。

無根拠に人工甘味料の批判をするよりも、現実に存在する糖質摂取の実害をしっかり見つめることの方が、優先順位の一位です。


江部康二




【14/10/31 みきき

お久しぶりにコメントします★

江部先生、おはようございます。

次男妊娠中糖尿病になり、 玄米菜食が糖尿病予防に良いと信じて続けてたから 粗食のすすめの幕内さんや、乳がんと牛乳の佐藤さんの影響でした) 添加物は控えたりいわゆるマクロビに近い考えをとりいれていて 健康に気を付けてたつもりだったから 糖尿病とわかったときは相当ショックでした。

でも江部先生に初心者むけのレシピ本をブログで 丁寧に教えて頂き、救われた一人です。

その節は本当にありがとうございました。

あれから約2年たちますが今ではガイドブックを見ずに 食材の糖質量も把握できて料理が出来るようになり 楽しく糖質制限ライフを過ごせています。

今日コメントしたのは、どうしても疑問があり、 江部先生や江部先生ブログ愛読者の大先輩にアドバイス頂けたら‥と思い 先生お忙しいなか本当に申し訳ないですがコメントさせて頂きました。

糖質制限を続けていくなかで なにか不安なことや解らないことがあったら 江部先生のブログからキーワード検索すれば いつも解決できて不安がなくなって 有用な情報量に感謝でした。

今回、玄米菜食してたころのブログを 放置していて久しぶりにログインしたら、 最新記事に血糖値に影響しない甘味料一覧などの記事だけあげてたんですが

http://blog.livedoor.jp/mikiki_boss/archives/51842246.html
上記リンクの記事に書かれたコメントです。

人工甘味料は砂糖より悪く 神経錯乱させるとか あまいものがもっと食べたくなる

というような内容でした。

わたし自身体感として 炭水化物、糖質たっぷりなスイーツを見ても 血糖値が急上昇することは自己測定していくなかで
いやというほど解っているからなのか 体質変化なのか、全く食べたい欲求は起こらなくなりました。

あえて食べたいなら、菓子職人さんの 糖質制限仕様のプロが作る血糖値に影響しないスイーツを かんばったごほうびに♪というくらいです♪ヽ(´▽`)/

個人的な体感としてだけですが 人工甘味料で甘いものがもっと食べたくなるどころか 炭水化物たっぷり糖質たっぷりの食べ物をみても何も思わなくなっているんですが わたし一人の体感としてだけでは根拠に乏しく 上記リンクの記事に書かれたしらないかたからのコメントの内容には 科学的事実や科学的根拠など何か情報はありますでしょうか?

江部先生ブログを検索したのですが、 神経錯乱だとか、甘いものの欲求が増えるなど そのようなデータは見つけられませんでした

私のブログに不安を煽るコメント入れてきた方はデータに基づいた上で コメントしてきたのか、ご存知の方いらっしゃいましたらご教授頂けましたら幸いです。m(__)m 】



テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
産業医も推奨!!糖質制限食
【14/10/31 元気な中高年

産業医も推奨!!

健康診断の結果で、血糖値・HbA1cの高い従業員を数名ずつ、会社内の診療所に呼んで、糖質制限の指導が始まりました。

糖質制限の指導など、今年からです、これまではカロリー制限と運動の指導でしたが…、

理解ある女性の産業医です、この先生は社内食堂で、主食のご飯は食べていません。

世間一般に、糖質制限が広がりつつあると、内心喜んでいます。

これひとえに、江部康二先生の熱心な活動の成果と思います。

感謝しています、ありがとうございます。】


こんばんは。

元気な中高年さんから、大変嬉しいコメントをいただきました。
ありがとうございます。

女性の産業医さん、素晴らしいですね。

社内食堂で、昼食のおかずだけ食べて、ご飯を食べないとはとても勇気ある行動です。

ご自分も糖質制限食を実践されて、社員の皆さんに指導されているので、信頼度も高いです。

このような産業医さんが増えていけば、糖尿病やメタボで悩むサラリーマンもめいめき改善して、日本の医療費もどんどん減っていくと思います。


江部康二



テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
第24回日本疫学会学術総会で報告。 糖質制限食の安全性にエビデンス。
こんにちは。

第24回日本疫学会学術総会の報告です。

「糖質制限食の安全性にエビデンス」

というタイトルで、ウェブ版のメディカル・トリビューンに掲載されました。
[2014年2月13日(VOL.47 NO.7) p.01]

NIPPON DATA 80の29年間の追跡結果データを検討したもので、発表者の中村保幸先生は、私の京大医学部の同級生です。

2014年11月15日(土)13:30~17:00
会 場:コープイン京都
第33回市民公開講座   
「いのちの科学フォーラム」
糖尿病・生活習慣病の対策は糖質摂取の制限から
ー健康な長寿をめざしてー


での中村先生のご講演は、このNIPPON DATA 80のお話になると思います。

NIPPON DATA(National Integrated Project for Prospective Observation of Non-communicable Disease And its Trends in the Aged)は、日本の前向きコホート試験です。

日本全国から選ばれた13771人の30歳以上の住民が対象で、登録に同意した10546人をその後、経過観察しました。

1980年に基礎調査が行われたコホートがNIPPON DATA80です。

今回の報告は、2009年の時点での死亡データを解析したものです。

登録時のデータがない者、登録時点で心血管イベントの既往のあった者、経過観察ができなかった者を除いて、9200人(女性5160人、男性4040人)での解析が行われました。

9200人を29年間追跡して、

第1分位:糖質を一番摂取している群:糖質摂取比率は総摂取エネルギーの72.7%
第2分位~第9分位
第10分位:糖質制限を一番している群:糖質摂取比率は総摂取エネルギーの51.5%

糖質を一番摂取している群から順番に一番摂取してない群まで10群に分けて検討です。

その結果、

第10分位(糖質摂取比率51.5%)のグループは、第1分位(糖質摂取比率72.7%)のグループに比べて、女性においては心血管死のリスクが59%しかないという素晴らしい結論で、糖質制限食の圧勝です。

なんと緩やかな糖質制限食でも、糖質たっぷり食に比べたら4割以上、心血管死が減るということですね。

糖質制限食にとって、画期的な信頼度の高いエビデンスが登場したと言えます。

あくまでも私の個人的な意見ですが、緩やかな糖質制限食でこれだけの有意差が出たのなら、スーパー糖質制限食ならもっともっとすごい差がでるでしょうね。

一方、中村保幸先生のご指摘通り、私が実践している糖質摂取比率12%のスーパー糖質制限食に関しては、この報告にはデータがありません。

従って、この報告がそのままスーパー糖質制限食の安全性を担保するエビデンスにはなりません。

しかし、「平均血糖変動幅増大と食後高血糖」という最大の酸化ストレスリスクを生じない唯一の食事療法がスーパー糖質制限食ですから、長期的安全性も悪かろうはずがないですね。

中村保幸先生、貴重な信頼度の高いデータ報告をありがとうございました。


なお2013年10月16日 (水)の本ブログ記事
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-2709.html
MTpro、「糖質摂取の多い集団で心血管疾患発症リスクが高い」

もご参照いただけば幸いです。

上海前向きコホート研究においても、NIPPON DATA 80と同様の結論なのは心強いです。


江部康二



以下メディカル・トリビューン記事より一部転載

メディカル・トリビューン
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtnews/2014/M47070011/

NIPPON DATA 80

糖質制限食の安全性にエビデンス
糖質制限食(低炭水化物食)の安全性をめぐり,活発な議論が展開される中,日本を代表する疫学データベースから,比較的軽度の糖質制限食に関するエビデンスが示された。京都女子大学教授の中村保幸氏らがNIPPON DATA 80の29年間の追跡結果を分析し,糖質摂取率と心血管死,総死亡との関連について検討したもので,第24回日本疫学会学術総会(1月23〜25日,会長=東北大学大学院公衆衛生学・辻一郎氏)で発表した。

9,200人を29年追跡

わが国では糖質摂取率が欧米に比べて高く,極端な糖質制限は普及していない。そこで,中村氏らは比較的軽度の糖質制限食が心血管死,総死亡に及ぼす影響をNIPPON DATA 80のデータベースを用いて検討した。

1980年にランダム抽出した全国300カ所の30歳以上の男女を対象として,秤量記録法による3日間の栄養調査と生活習慣調査,血液生化学検査を行った。追跡開始時の脳梗塞,心筋梗塞既往例を除外した9,200人(平均年齢51歳,女性56%)を29年にわたり追跡した。

食事摂取の評価は,Haltonらの方法に準じて男女別に糖質摂取量を高値から低値へ11分位に,蛋白質と脂肪の摂取量を低値から高値に11分位に分類。それぞれ0〜10の点数を付け,それらを合計して低糖質食スコア(0〜30点)を作成(同スコアが高いほど糖質摂取率が低い)。さらに,同スコアを10分位に分け,糖質制限食が心血管死,総死亡に及ぼす影響について社会経済因子を含めた交絡因子で調整し,Cox法を用いて解析した。

女性では死亡リスク低下

29年の追跡期間中,1,171人の心血管死(女性52%)と3,443人(同48%)の総死亡があった。平均糖質摂取率は総熱量の約60%で,10点を付けた11分位の最低糖質摂取群でも女性で17.3〜53.5%,男性で18.8〜51.6%の範囲であった。

女性では,低糖質食スコア最低10分位に比べて最高10分位では心血管死のハザード比(HR)が0.59(95%CI 0.38〜0.92,傾向のP=0.019),総死亡のHRが0.73(同0.57〜0.93,傾向のP=0.020)と有意にリスクが低下(図)。男女合わせた解析でも心血管死のHRが0.74(同0.55〜0.99,傾向のP=0.033),総死亡のHRが0.84(同0.72〜0.99,傾向のP=0.030)とリスクは低下した。

図表

しかし,男性では有意な関連はなかった。中村氏は「男性は外食が多いこと,喫煙など他の危険因子の頻度が高いことによる効果の希釈が原因として想定される」と述べた。

さらに高度の糖質制限食の安全性については不明だという。


テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖尿病・生活習慣病の対策は糖質摂取の制限から。京都にてフォーラム。
こんにちは。

2014年11月15日(土)13:30~17:00

第33回市民公開講座・京都    参加料無料 

「いのちの科学フォーラム」

糖尿病・生活習慣病の対策は糖質摂取の制限から

ー健康な長寿をめざしてー

のご案内です。

「糖質摂取の制限と糖尿病」 
  江部康二(高雄病院理事長)  

「糖質摂取制限の有効性・安全性を疫学的手法により検証する」
  中村保幸(京都女子大学教授)     

「高雄病院における糖質摂取を制限した食事の実際」
  橋本眞由美(高雄病院栄養科長)

演者は3人です。
中村保之先生は、京大医学部の同級生です。

3人の総合討論もありますし、盛りだくさんです。
京都、滋賀、大阪など近畿圏の方、是非ご参加くださいね。


江部康二



☆☆☆

以下、主催の(公財)体質研究会のサイトの案内文です。

第33回市民公開講座・京都    参加料無料 

「いのちの科学フォーラム」

糖尿病・生活習慣病の対策は糖質摂取の制限から

ー健康な長寿をめざして


日 時:2014年11月15日(土)13:30~17:00

会 場:コープイン京都

    〒604-8113 京都市中京区柳馬場通蛸薬師上る井筒屋町411

      TEL 075-256-6600

13:30~13:40  開会の挨拶 小野公二(京都大学名誉教授)

13:40~14:30 「糖質摂取の制限と糖尿病」

          江部康二(高雄病院理事長)  

14:30~15:20 「糖質摂取制限の有効性・安全性を疫学的手法により検証する」

          中村保幸(京都女子大学教授)     

15:20~15:30  休 憩 

15:30~16:10 「高雄病院における糖質摂取を制限した食事の実際」

         橋本眞由美(高雄病院栄養科長) 

16:10~16:50    総 合 討 論 

16:50~17:00  閉会の挨拶 小西淳二((公財)体質研究会理事長、京大名誉教授)

参加受付:参加料は無料でどなたでも参加できます。
会場準備の都合上、参加者氏名(フリガナ明記)、職業および連絡先を、
2014年11月4日(火)までに、「第33回いのちの科学フォーラム申込み」と書いて、
FAX(075-702-2141)またはメール(mo-inochi@taishitsu.or.jp)にて、
(公財)体質研究会までお知らせ下さい。
会場の都合で定員になり次第締め切らせて頂きます。
なお締切日以降に参加を希望される場合も、下記までお問い合わせ下さい。

世話人代表:小野公二(京都大学名誉教授)

世話人:内海博司、山岸秀夫 

連絡先:(公財)体質研究会 〒606-0805  京都市左京区下鴨森本町15 

    生産開発科学研究所4F  TEL:075-702-0824   FAX:075-702-2141

主 催:(公財)体質研究会 

後 援:京都新聞


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ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖尿病&予備軍でも食べられる「こってりメニュー」 リスト、週刊ポスト
こんにちは

糖尿病&予備軍でも食べられる「こってりメニュー」 リスト

という記事が、週刊ポスト11.7号の150~153ページに掲載されました。

私も、インタビューに答える形で登場しています。

以下私が喋っているところだけ、週刊ポストの記事からご一部、抜粋です。


糖尿病患者は「過去最多」
・・・・・略

「一般的に『体に悪そう』というイメージがある食事でも、糖尿病には決して悪くないというケースは多い」

そう語るのは、自身糖尿病で同じ悩みをもつ多くの患者を診ている京都市の高雄病院理事長・江部康二氏だ。

「血糖値を押し上げるのは糖質だけだということが、近年の研究でわかってきています。カロリーや脂質を制限する必要はありません。つまり糖尿病が気になっている人でも糖質の摂取量さえ気を付ければ、肉やお酒も楽しめるのです」

カルビは「200人前」OK

「糖尿病には糖質オフ」というのはよく知られた話だが、実際に何がどれくらい食べられるのか。

それを見ていく前に、そもそもなぜ糖尿病が起きるのかのメカニズムを簡単におさらいしておきたい。

糖質を取ると血糖値が上がる。生きていくためにはある程度の血糖値が必要だが、上昇しすぎると余分な糖が血管や神経細胞、腎臓などに負担をかける。

それを避けるために「インスリン」が膵臓から分泌されるが、糖質を取り過ぎる状態が長く続いてインスリンを出す細胞の機能が低下すると、上昇した血糖値がなかなか下がらなくなる。そうなると「発症」だ。

健康診断ではかる「空腹時血糖」が126㍉㌘(血液1㌥㍑あたり、以下同)で「糖尿病型」と判断される
(110~125㍉㌘が境界型、109㍉㌘以下は正常型)。

糖尿病には大きく分けて免疫システムがうまく働かないことで発症することが多い「1型」と、生活習慣などが原因とされる「2型」があり、日本の糖尿病の95%以上は「2型」だ。

だからこそ食事による「糖質管理」が重要であることは間違いない。

「『糖尿が気になる人』も含めた健康な人なら1食あたり糖質換算で『40㌘』まで食べても心配ないといえるでしょう。
それくらいならば血糖値の上昇しすぎにはなりません。

ちなみに、すでに発症した人の場合は『20㌘』以下。健康な人の半分の量となります」(江部氏)

・・・・・略

和食はヘルシーとは限らない
・・・・・略



今回の週刊ポストの記事は、糖尿病や予備軍でも美味しいものを食べられるし、お酒も飲めるというのが基本コンセプトです。
まあ、カルビは「200人前」OK、というのは超大げさなキャッチコピーですが・・・。

単純に糖質40g以下あるいは20g以下になる量を、焼き肉店、揚げ物、お酒、中華料理、居酒屋、その他、主食、デザートで
いろいろ計算してリストにして出してくれています。

すでに糖尿病になっている場合は、一回の糖質摂取量合計を10~20g以下にすれば、食後2時間血糖値が180mg/dlを超えることがほとんどなくて、合併症予防におおいに役立つということです。

そして予備軍や健康人の場合は、一回の糖質摂取量合計を30~40g以下にすれば、将来糖尿病になるリスクが、大幅に減るということです。

一日の糖質摂取量は、90~120g以下ですね。

<一回の糖質摂取量合計を30~40g以下、一日の糖質摂取量90~120g以下>で糖尿病発症リスク減少という根拠の一つは、新潟労災病院消化器内科部長前川智先生が書かれた

「耐糖能異常に対する低炭水化物食の効果に関する後ろ向き研究」

と題した英文論文(ニュージーランドの英文雑誌)です。(*)

糖質制限食群と対照群(普通食)の効果の差は歴然ですね。

境界型糖尿病(予備軍)から糖尿病への移行が完全に予防できて、約7割の人は、予備軍から正常型に改善しています。

(*)
PubMed掲載
Diabetes, Metabolic syndrome, Obesity, Target and Therapy

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4063858/  → ここで全文が閲覧可能です。

『糖質制限食が境界型糖尿病において、血糖コントロール及び2型糖尿病への進行を予防するのに有効である。』


『境界型糖尿病36名に、糖質制限食(糖質120g/日)を実践、12ヶ月で、25名(69.4%)において、経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)で血糖値はで正常化。11名が不変。糖尿病発症はゼロ。』

『対照群(普通食)36名中、3名(8%)が正常化。28名(78%)は不変でIGT(境界型)のままで、5名(14%)が糖尿病発症。』




江部康二
テーマ:糖質制限食
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人類の食事回数。2014年10月考察。
こんばんは。

「人類は本来、一日三食か二食かはたまた、一食か?」

興味ある問題ですね。

かく言う私は、1984年、34才の時にに行った第一回目の断食以降は、朝食抜きの一日二食です。

一時三ヶ月ぐらい一日一食にしてみましたが、空腹感というより間が持たない感じで二食に戻しました。

「美味しく楽しく 糖質制限食」がモットーですから、やはり一日二回くらいは美味しいもの食べたいですよね。

一日一食だと、二食に比べたら食事を楽しむ回数が半減ですから、34才から100才?までだと、ざっと24000回くらいの食事の楽しみが消滅します。

日本でも、江戸時代初期までは一日二食で、中期から三食になったようです。

後醍醐天皇撰の『日中行事』は、宮中における日々の行事や毎月の月奏祭・祓などを記した書ですが、「朝の御膳は午(うま)の刻なり。」との記載があります。

後醍醐天皇(ごだいごてんのう1288-1339)は、鎌倉時代後期から南北朝時代初期にかけての第96代天皇で、南朝の初代天皇です。

このように平安時代や鎌倉時代の貴族は一日二食であり、朝食が午(うま)の刻(正午)で、夕食が申(さる)の刻(午後4時)だったようです。

イギリスやフランスなどヨーロッパの国々でも、18世紀に二食から三食になったので、「一日三食」の歴史は浅いのです。

英語の朝食はbreakfastですが、一日の最初の食事(断食を破る)を意味していたのが転じて朝食になりました。

当初のbreakfastは一仕事終えたあと、正午頃食べていたのかもしれません。

世界的に見ても、伝統的なライフスタイルを保っている部族は、一日二食のことが多いようです。

特に朝起きて何の活動もしていないのに、すぐ食事を摂るという現代人のような「変な?習慣」はありません。

今回のブログは、小山内博先生の

「明日から朝食をやめなさい」
21世紀ブックス/主婦と生活社 (1984/11)

を参考にし、一部引用させていただきました。


江部康二


***

以前の記事で"清少納言は「枕草子」のなかで「たくみの物食うこそいとあやしけれ」と、大工が昼食をとること(多食)を揶揄しています"と書いたことがありましたが、これは勘違いで、食事回数のことではなくて、大工がガツガツと早食い、大食いするさまを述べたもののようです。

『枕草子』には、三巻本、能因本、前田家本、堺本という4つの本文系統があるそうで、「たくみの物食うこそいとあやしけれ」という文章は能因本に載っていますが他には載っていないようです。

能因本『枕冊子』 「春曙抄」の巻12 三百十三段 

『たくみの物食ふこそ、いとあやしけれ。寝殿を建てて、東(ひむがし)の対だちたる

屋(や)を造るとて、たくみどもゐ並みて、物食ふを、東面(おもて)に出でて見れ

ば、まづ、持て来るや遅きと、汁物(しるもの)取りてみな飲みて、土器(かはらけ)

はついすゑつ。次に あはせ をみな食ひつれば、おものは不用(ふよう)なめりと

見るほどに、やがてこそ失(う)せにしか。三、四人ゐたりし者の、みな さ せし

かば、たくみの さるなめりと思ふなり。あな、もたいなのことどもや。』



テーマ:糖質制限食
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2014年11月2日(日)、富山市・一般向け糖質制限食講演会のご案内
こんにちは。

富山市・一般向け糖質制限食講演会のご案内です。

2014年11月2日(日)、富山市内の富山県総合福祉会館「サンシップとやま」にて、

「炭水化物を減らして健康に! ~糖質制限食と糖尿病・メタボ・生活習慣病・がん…~」

と題してお話しします。

最新刊の

『炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません: 生活習慣病を予防&改善する糖質  制限食31のポイント』
(東洋経済新報社)2014年8月



おかげさまで、第3版となりました。

新刊からのお話しも盛り込んで、わかりやすくお話ししたいと思います。

今回の講演では、エビデンスだけにこだわるのではなく、それらをベースに糖質制限食の持つポテンシャル・可能性について
わかりやすく広く大胆に考察してみました。

例えば、日本人の四大死因や五大疾病の元凶は、糖質の頻回過剰摂取である可能性が高いことを平易に説明します。

*四大死因:がん、心疾患、肺炎、脳血管疾患
*五大疾病:がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病、精神疾患


勿論、糖尿病やメタボのこと、糖質制限食の基礎理論や世界の最新の話題もわかりやすくお話します。

日常よくある病気の、片頭痛・逆流性食道炎(胸やけ)・ニキビ・花粉症・アトピーなどが糖質制限食実践で改善することについてもお話しします。

富山市では初めての講演会なので、とても楽しみです。

富山市、富山県、北陸地方、そして近隣の皆様、奮ってご参加下さいね。


江部康二


*****************************

以下、事務局からのご案内です。

ブログ読者の皆様、講演会へいつも多数ご参加いただきましてありがとうございます。

11月2日(日)、富山市内で一般向けの講演会を開催致します。

「炭水化物を減らして健康に! ~糖質制限食と糖尿病・メタボ・生活習慣病・がん…~」

と題し、理事長 江部康二がお話し致します。

一般の方も医療従事者の方も多数のご参加を心よりお待ちしております。


///////////////////ご案内/////////////////////

一般社団法人日本糖質制限医療推進協会主催 講演会(富山)

 「炭水化物を減らして健康に!
  ~糖質制限食と糖尿病・メタボ・生活習慣病・がん…~」

■日時:11月2日(日)14:10~16:30頃 ※入場受付・開場は13:50~

■会場:富山県総合福祉会館「サンシップとやま」 6F 研修室602~604
     富山県富山市安住町5-21
     http://www.wel.pref.toyama.jp/about/4_map.html

    ☆アクセス
      ・JR富山駅から徒歩15分
      ・市電(富山駅から大学行き)「県庁前」下車徒歩2分

■講師: 江部 康二
     (一財)高雄病院理事長・(一社)日本糖質制限医療推進協会理事長

■内容: 講演90分・質疑応答30分程度

■受講費: 賛助会員 2,000円 / 一般(非会員) 2,500円

■お支払い方法:クレジットカード/銀行振込/郵便振替
        ※事前決済のみとなります。

■お申し込み方法:
・賛助会員の方
事務局までメールにてお申し込み下さい。

・賛助会員入会をご希望いただける方
1.入会案内および会員規約をお読み下さい。
  http://toushitsuseigen.or.jp/member.html
2.お申し込みはこちらのフォームからお願いします。
  http://toushitsuseigen.or.jp/contact.php
「お問い合せ内容」欄に「11/2富山講演会、受講希望」とご記入下さい。

・一般(非会員)で、講演会の受講のみご希望の方
こちらのフォームよりお申し込み下さい。
 https://ssl.form-mailer.jp/fms/50d6c040319506

■お申し込みの流れ
1.会員の方はメールにて、会員以外の方は各種フォームにてご連絡下さい。
2.事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3.入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4.当日、直接会場までお越し下さい。
強調文

■その他:
・予約制です。当日参加はできません。
・キャンセルは10月30日(木)までに事務局までご連絡願います。
 それ以降の返金には対応致しかねますので予めご了承ください。<
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テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
国際がん研究機関 (IARC) による発がん性リスクの一覧
こんにちは。

人工甘味料や添加物などに関して、発がん性とかいろいろ雑誌や本やマスコミなどに書かれていますが、ほとんどが信頼度の低いもので根拠も明らかではありません。

化学物質、混合物、環境の発がん性リスクに関して、国際がん研究機関 (IARC)が詳細に検討しています。
これが一番信頼度が高いと思われます。

正確な最新情報は、

IARC のウェブサイト
http://monographs.iarc.fr/

で確認していただけば幸いです。

簡便には、ウィキペディアに、国際がん研究機関 (IARC)の翻訳版が掲載されています。(☆)

例えばアルコール飲料には、明確な発がん性があります。

まあ私はそれを承知の上で毎日お酒を嗜んでいますが・・・。

太陽光にも、発がん性が認められますが、私は毎日浴びています。

外で、テニスをすることもあります。

コーヒーにも発がん性が疑われるそうですが、承知の上で私は毎日飲んでいます。

結局、地球上の文明国で生活している以上は、発がんリスクゼロにするのは不可能です。

私の場合は、医学的に明白な発がんリスクである「高血糖」「高インスリン血症」を、スーパー糖質制限食で予防していますので、日本でガソリン車を運転して普通の生活環境で暮らしていますが心配はしていません。


江部康二


以下はウィキペディアから、ごく一部を抜粋です。

IARC発がん性リスク一覧
グループ1
(ヒトに対する発癌性が認められる (Carcinogenic)、化学物質、混合物、環境)
化学物質:アフラトキシン、アスベスト、ヒ素・・・更年期以降のエストロゲン療法・・・プルトニウム・・・X線照射・・・
太陽光曝露
ヘリコバクター・ピロリ感染
B型肝炎ウイルスの慢性感染
C型肝炎ウイルスの慢性感染
HIV-1ウイルスの感染
ヒト-パピローマウイルス16型の感染
ヒト-パピローマウイルス18型の感染・・・
・・・
      
混合物:アルコール飲料・・・ビンロウジュの実・・・
環境:タバコの喫煙・・・紫外線を発する日焼けマシーン

グループ2
(ヒトに対する発癌性があると考えられる、化学物質、混合物、環境)
グループ2A
(ヒトに対する発癌性がおそらくある (Probably Carcinogenic)、化学物質、混合物、環境)
化学物質:紫外線A  紫外線B 紫外線C ・・・
混合物:熱いマテ茶・・・
環境:美容・理容に従事

グループ2B
(ヒトに対する発癌性が疑われる (Possibly Carcinogenic)、化学物質、混合物、環境)
化学物質:アセトアルデヒド・・・ワラビ属のシダ ・・・カーボンブラック
混合物:コーヒー・・・ガソリン、ガソリンエンジンの排気ガス、重油・・・
環境:大工・建具作業に従事、金属コバルトを扱う、ドライクリーニングに従事、印刷作業に従事 、服飾製造業に従事

グループ3
(ヒトに対する発癌性が分類できない (Not Classifiable as to its Carcinogenic)、化学物質、混合物、環境)

グループ4
(ヒトに対する発癌性がおそらくない (Probably Not Carcinogenic)、化学物質、混合物、環境





(☆)
ウィキペディア
http://ja.wikipedia.org/wiki/IARC%E7%99%BA%E3%81%8C%E3%82%93%E6%80%A7%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%82%AF%E4%B8%80%E8%A6%A7

IARC発がん性リスク一覧
IARC発がん性リスク一覧は、国際がん研究機関 (IARC) による発がん性リスクの一覧である。この表の見方は項目発癌性を参照のこと。
一部の項目については、最新の情報を反映していないおそれがある。
最新の分類については IARC のウェブサイト
http://monographs.iarc.fr/
で確認されたい。


テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質制限食とグルテンフリーは違います。
【14/10/25 バッテラ

グルテンの摂取は?

江部先生
初めまして

2週間ほど前から糖質制限を行っており、血糖値が食後2時間で200mg/DLから90mg/DL前後になりました。
HbAc1は9月の時点で10もあったので次回診察時にいくらになっているか楽しみです。

ところで、 いろいろ調べてるうちにグルテンは主成分がタンパク質とのことで、低糖質料理の幅を広げるために検討したのですが、実際のところグルテンは摂取しても良いものなのでしょうか?

どうも糖質制限+グルテンフリーを実施してる人が(ネット上では)多いので、グルテンも糖質制限的には良くないのか?と混乱しています。】



バッテラ さん

血糖値改善、良かったですね。

グルテンは小麦、大麦、ライ麦などに含まれるタンパク質ですが、市販の小麦グルテンには、あるていど糖質も含まれています。ですから、糖質制限食では、小麦グルテンは少量にとどめる必要があります。

糖質制限食OKのパンもありますが、少量の小麦グルテンを使用しています。
グルテンを使わないとパンになりませんので。

欧米人に結構多い、「グルテンアレルギー」の人達には、グルテンフリーが必要です。

例えばテニスのジョコビッチ選手が小麦グルテンアレルギーで、グルテンフリーにしてからナンバー1になりましたね。

糖質制限0Kパンもグルテンアレルギーの人には、NGです。

日本人には、グルテンアレルギーは少ないです。

従って、グルテンアレルギーのない人は、普通に糖質制限食実践でグルテンフリーは必要ありません。


江部康二


テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
成人てんかんにも、ケトン食が適用される時代に。
【14/10/24 しいたけ

本当にすごいです。

以前もコメントさせていただきました、しいたけです。

てんかんも患っています。私自身糖尿防止で始めましたが、発作がほぼ減りました。

今は多剤投与よりケトン食の方がリスクが少ないため、大人には少し違う形の食事療養が適用され、かなりの結果がでているみたいです。(ただ健康診断はした上で行うみたいです)】



こんにちは。

しいたけさんから、成人のてんかんも糖質制限食で改善したという、とても嬉しいコメントをいただきました。

ありがとうございます。

小児難治性てんかんに「ケトン食」が有効なことは明白です。

Ketogenic Diet(ケトン食)が、2010年版COCHRANE LIBRARLY(コクラン ライブラリー)と、2011年版NICE(英国政府ガイドライン)の、難治性小児てんかん治療に採用されたのは、記憶に新しいところです。

これまでは、ケトン食に対して治療効果は認められていましたが、治療の選択肢には入れられず、「推奨しない」とされていました。

RCTなどのエビデンスには乏しいとの指摘はありますが、難治性の小児てんかん発作を50%削減する点で有意差が得られたことが、評価されたのだと思います。

また、一時的な副作用はありえますが、重篤な副作用が無いことも認められました。

2010年版COCHRANE LIBRARLY(コクラン ライブラリー)
2011年版NICE(英国政府ガイドライン)

という極めて権威のある二つのガイドラインが、ケトン食に対して明確にポジティブな評価を与えたことは歴史的転換点であり、ビッグニュースと思います。

私達、糖質制限食を推奨する立場の人間にとって、大きな追い風でした。

今回、しいたけさんの情報で、成人のてんかんにも、ケトン食が応用されるようになり、治療効果をあげているということです。

大変興味深いし、嬉しい限りです。


江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
平日はスーパー糖質制限食、土日は炭水化物あり。リスクは?
【14/10/22 gorilla

危険行為でしょうか?

江部先生はじめまして。
不躾な質問失礼致します。
糖尿病治療開始して、間もなく1年の食べる事が大好きな糖尿人(43歳/男性) です。

私のここ3ヶ月の食事パターンですが、平日(月〜金)は概ねスーパー糖質制限を実践しておりますが、週末(土日)は外食等で炭水化物を気の済むまで食べてしまいます。
逆に言うと、週末の食事を楽しみに平日の糖質制限を頑張れているといった感じです。

月一の血液検査は良くも悪くもならず、HbA1c6.0の横ばいです。

本題です。
週末限定とはいえ、暴飲暴食は直ちに止めないと、将来取り返しのつかない事になる様な行為でしょうか?

それとも、月一の検査結果に悪化が見られなければ、問題無し程度と考えて良いものでしょうか?

アドバイス頂けましたら幸いです。】



こんばんは。

gorilla さんから「平日はスーパー糖質制限食、土日は炭水化物あり。リスクは?」というコメントと質問をいただきました。

gorilla さん、HbA1c:6.0% なら、平均血糖値に関してはコントロール良好です。

平日(月~金)の糖質制限食実践により、良い効果が出ていると思います。

日本糖尿病学会のコントロール目標は確実にクリアしておられるので、糖尿病専門医や普通の医師に通院しておられるのなら、褒められるデータです。

しかしながら、土日だけは、糖質をしっかり摂取されているので「食後高血糖」「平均血糖変動幅増大」が、必ず生じていますのでその分、糖尿病合併症リスクとなります。

「週末限定とはいえ、暴飲暴食は直ちに止めないと、将来取り返しのつかない事になる様な行為でしょうか? 」

毎日、従来の糖尿病食(高糖質食)を食べている糖尿人は、毎日、「食後高血糖」「平均血糖変動幅増大」を生じていますので、合併症リスクは日々蓄積していくことになり、合併症予防は基本的に不可能であり、あとは運を天に任すのみです。

土日だけ、糖質を摂取している糖尿人は、毎日糖質を摂取している糖尿人に比べれば、はるかにましで単純計算では
合併症リスクは、2/7ということになりますので、約1/3以下になる計算です。

一方、毎日、スーパー糖質制限食を実践している糖尿人は、「食後高血糖」「平均血糖変動幅増大」がないので、空腹時血糖値も110mg/dl未満なら合併症リスクは、ほとんどないと思います。

gorilla さん、結局かなり単純なお話で、合併症リスクの確率の問題です。

食事療法は長く続けることが大切なので、今のパターンでも、ギリギリ何とか、ぼちぼちですが、糖質解禁は週一として、リスクは1/7という手もありますね。

あと、血糖自己測定器を購入されて、土日にどの程度の「食後高血糖」「平均血糖変動幅増大」が生じているのか、測定するのも選択肢の一つです。

毎日、スーパー糖質制限食へのモチベーションが高まるかもしれませんよ。 (^^)



江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
SGLT2阻害薬、服薬期間はどのくらいがいいのか。
【14/10/22 ダイバー

スーグラについて

江部先生

いつも興味深く拝見させていただいてます。

私は、42歳男性です。
昨年4月に健康診断で糖尿病が発覚し、直ぐに先生の糖質制限を開始し、半年後にはHbA1cが12.5~5.9になりました。その後、6前後をうろちょろしていて、医師からジャヌビアを処方されたのですが、6前後から更に下がることはありませんでした。
自分で測定器を購入し、2週間ずつでは、ありますが、ジャヌビア「あり」と「なし」で、毎食前と2h後を計測し、相関を取ると違いに優位な差はありませんでした。

糖質制限なのでやはり、食後は飲んでも飲まなくても数値は10~35程度の上昇に留まった状態でした。

ただ、気になったのが朝食を食べても食べなくても、午前10時頃をピークに、150辺りまで血糖が上がってしまうことでした。
その時の医師は、糖質制限に非常に反対する人で、私が糖質を摂っていないから、消化管からのグルコースの吸収という刺激が少ないために、インクレチンその物の分泌が少ないからそれを分解する酵素を阻害しても効かないのでは?
と質問してもいっこうに取り合ってくれませんでした。

そして、まだ体重が93kgあったこともあり、LDLコレステロール、尿酸値が高かったので、メバロチン、ザイロリックも同時に処方されました。

その後、ちょうど今年のその医師が辞められ、新しい先生に代わったので、改めて相談させてもらったら、その先生は糖質制限を薦めはしないけど否定もしない感じで、何かしら障害がでなければ良いのではというスタンスの方で、午前中の血糖を下げるために、スーグラを使ってみましょう。ということになりました。

そして、今ジャヌビア、メバロチン、ザイロリック、スーグラを飲んでいますが、3ヶ月目から、午前中の血糖110前後、HbA1c5.5前後、尿糖+、尿ケトン+となっています。

今回、先生の書き込みを見て、短期処方が良いとの事ですが、私もその方が良いのでしょうか?
午前中のこう血糖が凄く怖いのですが。。。
もし、宜しかったら、アドバイスを宜しくお願い致します。

長文にて、大変失礼しました。

宜しくお願い致します。】


おはようございます。

ダイバーさんから、SGLT2阻害薬についてコメント・質問をいただきました。

ダイバーさん。

2013年4月から糖質制限食を開始で、半年で、HbA1c:12.5% → 5.9 % 素晴らしい改善ですね。
良かったです。

早朝空腹時血糖値が、150mg/dlくらいから下がらないのは、暁現象のためと思われます。→2014/10/22の本ブログ記事をご参照ください。

スーパー糖質制限食で食後高血糖はリアルタイムに改善しますが、暁現象のため、早朝空腹時血糖値だけが下がりにくい場合があります。

この場合も、メトグルコやDPP-4阻害剤が、あるていど有効です。

いずれも夜中の肝臓の糖新生を抑制するので、早朝空腹時血糖値が下がります。

DPP-4阻害薬は夜間のグルカゴンの活動を抑制することで糖新生を減らします。

スーグラ(SGLT2阻害薬)投与後、早朝空腹時血糖値が、110mg/dlていどに改善しているので薬の効果があったと考えられます。

体重が93kgなら、肥満改善することで、インスリン抵抗性が減り、早朝空腹時血糖値も下がるので、糖質制限食実践継続は一石二鳥です。

スーグラも半年間は明らかな体重減少効果があるので、良いことと思います。

しかし、SGLT2阻害薬は半年以降は、体重が再び少しずつ増加していきます。

これは身体が基礎代謝を減らして適応するためと考えられます。

このため、スーグラ(SGLT2阻害薬)は、半年くらいの内服期間にとどめて、その間、体重減少が上手く達成できれば、中止したほうがよいと思います。

SGLT2阻害薬を1年、2年内服し続けて基礎代謝が低下すれば、肥満をはじめとして様々な弊害が出る可能性があると思います。



江部康二

テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
早朝空腹時血糖値と暁現象
【14/10/21shina

糖質制限7か月で効果が見られないのはなぜ?

始めまして
スーパー糖質制限を開始して、約7か月経過します。

ご飯、パン、麺類は一切食べず 肉、魚、野菜、豆腐類と かなりがんばっているつもりですが、 A1cや空腹時血糖値は、悪化はしないものの たいして変わりません。

A1cは開始から今まで、6.3前後
空腹時血糖値は、130~160
昼にサバ缶だけ食べて
夕方6時の血糖値がこの値です。
当初は、A1cが5.5ぐらい
血糖値が80ぐらいになると思っていました。
なぜでしょうか?

補足 渋い赤ワインは飲んでいます。
薬は、低血糖予防のため、飲むのをやめたり 今日は、ちと糖質がやばいと思えば飲んだりとしています。
ということで、効果が出ない原因がわかりません。
体質なのかやり方に不備があるか、ご教授ください。】


こんにちは。

shina さん から、空腹時血糖値が、スーパー糖質制限食開始7ヶ月経過しても下がらないというコメントを頂きました。

shina さん、10時間以上絶食後の早朝空腹時血糖値は如何でしょう?

糖尿病歴の長さにもよると思いますが、早朝空腹時血糖値:130~160mg/dl ならば暁現象と思われます。

朝の出だしが、130~160mg/dlと底上げならば、平均血糖値の指標であるHbA1cが5%台にならないと思います。

スーパー糖質制限食で食後高血糖は改善したけれど、早朝空腹時血糖値だけがなかなか下がらないとのコメントをよくいただきます。

例えば、

「寝る前午後11時の血糖値は100mg/dlと好調だったのに、その後何も食べずに寝て起きて、翌朝午前9時の血糖値は130mg~160mg/dlに上昇していた。」

といったことが糖尿人において時々見られます。

この眠前より翌朝の血糖値が上昇することを、糖尿人特有の「暁現象」と呼びます。

多くの場合、就寝後8~10時間で、血糖値が一番上昇します。

空腹時には、肝臓のグリコーゲン分解と糖新生が、血糖の供給源となります。

グリコーゲン分解に関しては、糖尿人と正常人との間に差はないとされています。

一方、糖新生は、糖尿人においては、増加することが多いです。

正常人においては、血液中のインスリンが5μU/ml以上あれば、糖新生は急激に低下します。

しかし、2型糖尿病においては、正常人の2倍以上のインスリンが必要とされることが多いのです。

インスリン基礎分泌が不足してくると、夜間の肝臓の糖新生を制御できずに、早朝空腹時血糖値が高値となり、暁現象を生じるものと考えられます。

朝に血糖値が上昇するまでの時間と増加量には、個人差があります。

1型糖尿人のバーンスタイン医師は、充分量の持続型インスリン3単位を就寝前に注射しているにもかかわらず、起床時の血糖値が10~100mg/dlほど就寝時より高値となるそうです。

暁現象の機序は、完全に解明されているわけではありませんが、肝臓が早朝には、他の時間帯以上に、血液中に循環しているインスリンを不活化させるとういう説があります。そのため、肝臓の糖新生が高まります。インスリンが、外部から注射したものであれ、内部でつくったものであれ同様です。

早朝空腹時ですから、インスリンを打っていない人では、基礎分泌のインスリンが循環している時間帯ですね。

正常人はこのとき、インスリンを増産して調整しますが、糖尿人はそれが不足するので暁現象が発生します。

暁現象の改善のために、

①スーパー糖質制限食で膵臓のβ細胞に休養を与える。
②筋トレで筋肉量を増やす。
③有酸素運動を継続して、筋肉細胞へのインスリンの効きを良くする。

内服薬なしで①②③を根気よく続けるのもよい方法と思います。

①②③で早朝空腹時血糖値の改善がないときは、薬剤としてはメトホルミン(ビグアナイド剤、メトグルコ、メルビンなど)内服で、肝臓の糖新生を抑制する選択肢もあります。

メトホルミンは、米国糖尿病学会の勧告では、2型糖尿人において、第一選択剤と評価されています。

またDPP-4阻害剤にはグルカゴン分泌抑制作用もあり、これが夜間の糖新生を抑制して早朝空腹時血糖値低下に繋がります。

単剤で、改善目標が達成できないときは「メトホルミン+DPP-4阻害剤」内服で、まずは、早朝空腹時血糖値140mg/dl未満を目指します。

早朝空腹時血糖値が140mg/dlを超えると、いろいろリスクが出てきます。

日本糖尿病学会は、合併症予防のための目標値として、2013年6月1日から、早朝空腹時血糖値130mg/dl未満を推奨しています。

スーパー糖質セイゲニストとしては、目指すのは早朝空腹時血糖値110mg/dl未満の正常値ですね。


江部康二


テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
2014年11月2日(日)、富山市・一般向け糖質制限食講演会のご案内
こんにちは。
富山市・一般向け糖質制限食講演会のご案内です。

2014年11月2日(日)
富山市内の富山県総合福祉会館「サンシップとやま」
にて
「炭水化物を減らして健康に! ~糖質制限食と糖尿病・メタボ・生活習慣病・がん…~」
と題してお話しします。

最新刊の
『炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません: 生活習慣病を予防&改善する糖質  制限食31のポイント』
(東洋経済新報社)2014年8月



おかげさまで、第3版となりました。

新刊からのお話しも盛り込んで、わかりやすくお話ししたいと思います。

今回の講演では、エビデンスだけにこだわるのではなく、
それらをベースに糖質制限食の持つポテンシャル・可能性について
わかりやすく広く大胆に考察してみました。

例えば、日本人の四大死因や五大疾病の元凶は、
糖質の頻回過剰摂取である可能性が高いことを平易に説明します。

勿論、糖尿病やメタボのこと、
糖質制限食の基礎理論や世界の最新の話題もわかりやすくお話します。

日常よくある病気の、片頭痛・逆流性食道炎(胸やけ)・ニキビ・花粉症・アトピーなどが
糖質制限食実践で改善することについてもお話しします。

富山市では初めての講演会なので、とても楽しみです。

富山市、富山県、北陸地方の皆様、奮ってご参加下さいね。


江部康二


*****************************

以下、事務局からのご案内です。

ブログ読者の皆様、講演会へいつも多数ご参加いただきまして
ありがとうございます。

11月2日(日)、富山市内で一般向けの講演会を開催致します。

「炭水化物を減らして健康に! ~糖質制限食と糖尿病・メタボ・生活習慣病・
がん…~」と題し、理事長 江部康二がお話し致します。

一般の方も医療従事者の方も多数のご参加を心よりお待ちしております。


///////////////////ご案内/////////////////////

一般社団法人日本糖質制限医療推進協会主催 講演会(富山)

 「炭水化物を減らして健康に!
  ~糖質制限食と糖尿病・メタボ・生活習慣病・がん…~」

■日時:11月2日(日)14:10~16:30頃 ※入場受付・開場は13:50~

■会場:富山県総合福祉会館「サンシップとやま」 6F 研修室602~604
     富山県富山市安住町5-21
     http://www.wel.pref.toyama.jp/about/4_map.html

    ☆アクセス
      ・JR富山駅から徒歩15分
      ・市電(富山駅から大学行き)「県庁前」下車徒歩2分

■講師: 江部 康二
     (一財)高雄病院理事長・(一社)日本糖質制限医療推進協会理事長

■内容: 講演90分・質疑応答30分程度

■受講費: 賛助会員 2,000円 / 一般(非会員) 2,500円

■お支払い方法:クレジットカード/銀行振込/郵便振替
        ※事前決済のみとなります。

■お申し込み方法:
・賛助会員の方
事務局までメールにてお申し込み下さい。

・賛助会員入会をご希望いただける方
1.入会案内および会員規約をお読み下さい。
  http://toushitsuseigen.or.jp/member.html
2.お申し込みはこちらのフォームからお願いします。
  http://toushitsuseigen.or.jp/contact.php
「お問い合せ内容」欄に「11/2富山講演会、受講希望」とご記入下さい。

・一般(非会員)で、講演会の受講のみご希望の方
こちらのフォームよりお申し込み下さい。
 https://ssl.form-mailer.jp/fms/50d6c040319506

■お申し込みの流れ
1.会員の方はメールにて、会員以外の方は各種フォームにてご連絡下さい。
2.事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3.入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4.当日、直接会場までお越し下さい。
強調文
■その他:
・予約制です。当日参加はできません。
・キャンセルは10月30日(木)までに事務局までご連絡願います。
 それ以降の返金には対応致しかねますので予めご了承ください。<
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SGLT2阻害薬の市販直後調査で5人の死亡例
こんにちは。

「SGLT2阻害薬の市販直後調査で5人の死亡例」という記事が、日経メディカルに載りました。

福助さんから、情報をいただきました。
ありがとうございます。

SGLT2阻害薬、想定外の死亡例が相次いでいます。

私の場合、SGLT2阻害薬は、ご本人の希望があり、40代、50代までで比較的若く、他の内服薬がないか1種類までで、脱水などの副作用に関して理解力がある患者さんに限り、ごく少数に処方していました。

しかし、基礎代謝を減らす可能性が高いこともあり、短期間の使用にとどめるべき薬と判断しましたので、一旦、休薬する方向で全ての患者さんを説得しました。

今後は旅行中とかに限定して、短期的に処方する薬かと思っています。


江部康二



【14/10/21福助
SGLT2阻害薬の市販直後調査で5人の死亡例
江部先生

どんどんと死者が増えていってます。。。

昨年の今頃は、ゆるめの糖質制限と合わせて本薬を使用出来たら良いなと思っていましたが、スーパー一本にして本当に良かったと思います。


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http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/int/201410/538956.html

SGLT2阻害薬の市販直後調査で5人の死亡例 利尿薬との併用は要注意、下痢や嘔吐時にはすぐに休薬を

2014/10/17   高志昌宏=日経メディカル

10月上旬までにメーカー各社が公表したナトリウムグルコース共輸送担体(SGLT)2阻害薬に関する市販直後調査の中間報告から、同薬3剤で5人の死亡例が報告されていることが分かった。

発売が最も早かったイプラグリフロジン(スーグラ)は、製造販売承認取得日(2014年1月17日)から発売開始5カ月後に当たる9月16日までの中間集計(第6回中間報告)が、10月14日に公開された。死亡例は1人で、動悸、胸痛、発熱、冷汗が発現し本剤の投与を中止したが、その5日後に自宅で倒れているところを発見された。調査の結果、死因、発見時の状況などは不明だった。

5月23日に発売されたダパグリフロジン(フォシーガ)は、承認日から発売開始4カ月後に当たる9月22日までの中間集計(第4回中間報告)が10月7日に公開された。死亡例は以下の3人だった。

・60歳代男性。もともと服薬コンプライアンス不良で血糖値が乱高下していた。併用糖尿病薬はグリメピリド、ボグリボース、シタグリプチン。本剤投与約2カ月後、患者自身が低血糖症状を訴えて来院。血糖測定をしたところ160mg/dLで、低血糖の可能性は低いと判断、グリメピリドが中止された。4日後に倒れて救急車で搬送され、搬送先の病院で死亡した。死因不明。詳細調査中。

・50歳代男性。高血圧、脂質異常症、メタボリック症候群(体重99.4kg)、関節リウマチを合併。併用被疑薬は糖尿病薬(グリメピリド、ビルダグリプチン、メトホルミン)、プラバスタチン、テルミサルタン・ヒドロクロロチアジド配合剤、ニフェジピン、センノシド、酸化マグネシウム、抗リウマチ薬(ステロイド、免疫抑制薬=詳細不明)。本剤開始46日後に下痢、嘔吐、倦怠感、発汗を訴え、補液開始15分後にショック状態となったため救急蘇生術を施行した。救急隊により他院搬送されたが、約9時間後に死亡(本症例は第3回中間報告から記載あり)。

・60歳代女性。腰椎すべり症、高血圧、高コレステロール血症、骨粗鬆症を合併。併用被疑薬はイルベサルタン・トリクロルメチアジド配合剤、アスピリン、ニフェジピン、ピタバスタチン、アレンドロン酸。本剤開始50日後、自宅の布団の中で死亡しているのを家人が発見。死亡直前の服薬状況および死因は不明。

同じ5月に発売されたトホグリフロジン(デベルザ/アプルウェイ)も、承認日から発売開始4カ月後に当たる9月22日までの中間集計が10月6日に公開された。本剤での死亡例は1人。60歳代男性で、慢性心不全、低酸素症、発作性心房細動などを合併していた。本剤開始119日目、下痢・嘔吐が頻回に発現していたが水分摂取が不十分であり、脱水により高血糖昏睡が発現し死亡に至ったとみられる。脱水の原因として、本剤以外に、下痢、嘔吐、入浴による発汗、利尿薬併用が考えられた。

ルセオグリフロジン(ルセフィ)については、9月24日に公開された発売16週後(9月11日)までの中間報告では、死亡例の報告はない。9月3日に発売のカナグリフロジン(カナグル)も10月17日付で発売1カ月後の中間報告が公表されたが、死亡例はないとのことだ。

いずれのケースでも、SGLT2阻害薬の服用と死亡との因果関係は明確ではない。また、これらの集計は主に医療機関からの自発報告に基づくため、総投与患者数が明らかではない。そのため発現頻度は不明で、各SGLT2阻害薬間での比較も不可能だ。

死亡例の報告について杏林大学糖尿病・内分泌・代謝内科准教授の犬飼浩一氏は、SGLT2阻害薬と利尿薬の併用によるイベントリスクの上昇を指摘する。実際、死亡した5人中3人で利尿薬が併用されていたとの記載がある。

 「SGLT2の阻害によりナトリウムも体外に排泄される。生体の代償反応によって遠位の尿細管でナトリウムの再吸収が高まるが、利尿薬を併用しているとそれも抑制され、脱水が顕著になる。糖尿病のため動脈硬化の進行も早い患者であるだけに、脱水による易血栓性の亢進がイベントにつながりやすい。これに嘔吐や下痢が加われば脱水はさらに高度になり、リスクも増すだろう」と犬飼氏。そこで嘔吐や下痢などを来した、いわゆるシックデイのときはすぐにSGLT2阻害薬を休薬するよう指導しておくことも大切とのことだ。

日本糖尿病学会などは、副作用事例の増加を受け「SGLT2阻害薬の適正使用に関するRecommendation」を8月29日に改訂発表している(関連記事)。今後、SGLT2阻害薬を投与する症例の選択や特に投与初期の経過観察に関して、より慎重な対応が要求される。】



テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖尿病、デタラメ治療で年間3000人が失明、足切断、16000人が透析。
こんばんは。

NEWS ポストセブンのサイトに、 雑誌SAPIO2014年11月号に掲載された江部康二のインタビュー記事がアップされていました。(*)

精神科医師Aさんから、情報をいただきました。
ありがとうございます。

「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」が、糖尿病合併症の最大のリスクであることは世界の医学界の共通認識です。

そして、「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」を生じるのは、糖質摂取時だけでタンパク質・脂質摂取時には生じないのです。

このシンプルな生理学的事実に基づき、血糖コントロールを保ち合併症を予防するのが糖質制限食なのです。

従来の糖尿病食(カロリー制限・高糖質食)では、「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」は決して防げないので、合併症の予防も困難であることは肝に銘じなくてはなりません。



江部康二


(*)
NEWS ポストセブン
http://www.news-postseven.com/archives/20141019_280810.html
デタラメ治療の結果 糖尿病で年間3000人以上が失明、足切断
2014.10.19 07:00


予備軍を合わせ国内で糖尿病患者は2000万人を超えるといわれるが、その医療では、実に多くの「ウソ」がまかり通っている。そう指摘するのは、高雄病院理事長の江部康二医師だ。自身が糖尿病の内科医が、日本の糖尿病治療の欺瞞を暴く。
 

* * *


そもそも糖尿病とは血糖値が高くなる病気のことだ。血糖値が高くなると体内の酸化バランスが崩れ、活性酸素が生じて血管が傷つきやすくなる。また、血糖値が上がると血糖値を下げる唯一のホルモンであるインスリンが分泌される。インスリンは中性脂肪の分解を妨げ、血糖を体脂肪に変えて体重を増やす「肥満ホルモン」であり、高インスリン状態は動脈硬化を招く。

この病気で本当に怖いのは合併症だ。血糖値の乱高下で血管が老化し、細い血管が傷つくと「三大合併症」と呼ばれる網膜症、腎症、神経障害となり、太い血管が損傷すると脳梗塞や心筋梗塞に至る。

元凶である血糖値の上昇を招く唯一の原因は、糖質(炭水化物)の摂取だ。かつて米国糖尿病学会は3大栄養素(糖質、たんぱく質、脂質)のうち「たんぱく質や脂質も血糖に変わる」としていたが、研究が進み「糖質のみが血糖値を上げる」と2004年に見解を改めた。これが他の先進国も認める「国際基準」だ。

唯一、血糖値を上げる糖質を制限すれば、血糖値上昇を抑えられる私の提唱する糖質制限食はこのシンプルな事実に基づく。

ところが日本糖尿病学会はこの事実を隠し、2013年11月に発行の『糖尿病食事療法のための食品交換表 第7版』で「血糖値に影響を及ぼす栄養素は主として炭水化物だが、脂質とたんぱく質も影響を及ぼす」などと記載した。科学的根拠がなく、世界的な潮流とは真逆の非常識な見解だ。

学会は現在も糖尿病治療として「炭水化物50~60%、たんぱく質20%以下、脂質の摂取上限25%」、「女性1日1200~1400kcal」、「男性1日1600~1800kcal」のカロリー制限食を推奨する。脂質とたんぱく質を控えれば、血糖値が上がる炭水化物を多く摂取しても構わないというのだ。

論理矛盾も甚だしいが、この弊害は明らかだ。2型糖尿病患者が60%の糖質を摂取すると食後の血糖値は必ず200mg/dlを超える。血糖値が180mg/dlを超えると動脈硬化や合併症のリスクが高まることは、世界の医学界でエビデンス(科学的な根拠)として認められている。

デタラメな治療の結果、年間1万6000人以上が糖尿病腎症から透析を受け、その医療費は年間800億円に及ぶ。さらに、年間3000人以上が糖尿病網膜症で失明し、同じく年間3000人以上が糖尿病足病変で足を切断している。これだけの患者数が物語るのは学会が主導する糖尿病治療の不首尾に他ならない。


※SAPIO2014年11月号


テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
朝日カルチャー湘南教室講座のご報告と白神先生、河合先生
おはようございます。。

朝日カルチャーセンター湘南教室講座のご報告です。

2014年10月19日(日曜) 10:00-11:30
『炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません』

と題して、私がお話しました。

会場が、壁面総ガラス張りだっとので、びっくりしましたが、ダンス教室などに使う広い教室を使用したとのことで納得しました。

新著
『炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません: 生活習慣病を予防&改善する糖質  制限食31のポイント』
(東洋経済新報社)2014年8月



おかげさまで、第3版となりました。

今回の講座では、本書の内容に従い、エビデンスだけにこだわるのではなく、それらをベースに糖質制限食の持つポテンシャル・可能性についてわかりやすく広く大胆に考察してみました。

例えば、日本人の四大死因や五大疾病の元凶は、糖質の頻回過剰摂取である可能性が高いことを平易に説明しました。

勿論、糖尿病やメタボのこと、糖質制限食の基礎理論や世界の最新の話題もわかりやすくお話しました。

おかげさまで、盛況でした。

ブログ読者の皆さんには、いつもありがとうございます。


<横浜、藤沢の糖質制限食OKドクター>

〒252-0804
神奈川県藤沢市湘南台1-1-6 湘南台クリニックBL 3F
TEL 0466-41-4192
湘南台しらがクリニック院長 白神 敏雄先生
http://www.s-s-cli.com/


神奈川県横浜市青葉区すすき野2-6-12
TEL: 045-902-5001
URL: http://home.m01.itscom.net/kawaiiin/
河合医院院長 河合康夫 先生



江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
朝日カルチャー横浜、夏井先生との対談のご報告と白神先生。
こんばんは。

朝日カルチャーセンター横浜教室
夏井睦先生との対談
糖質制限は「食」を変える


大盛況のうちに、無事終了しました。

ブログ読者の皆さんも多数参加していただき、ありがとうございました。

夏井先生のユーモア溢れる語り口と毒舌には感心しました。
私も笑いっぱなしでした。

10月18日(日)は横浜に宿泊したので、夏井先生、井上先生、白神先生、河合先生と一緒に糖質制限な夕食とワインと焼酎を楽しみました。

さて、講座にご参加いただいた川端さんから、コメント・質問をいただきました。


【14/10/18 川端

こんばんは
今日、横浜でお話を聞かせていただきました。
ありがとうございました。

私は46歳の女性です。
LDLが高く脂質異常症と診断され、四年前から薬(リピトール)を飲んでLDLは70~80です。

ですが体が痛くて主治医の先生に相談しても筋肉が溶ける?
数値が出ていないから、大丈夫。
と言われ・・・

でも痛いから薬を止めてみたい、糖質制限をして体質改善をしたい!とお願いしたけれど、「今の日本の医学は予防医学なの、だからあなたの様にLDLが高い人は一生飲んで生活しないとね、国が定めたことなの!」と言われました。

でも、痛みに耐えて暮らしたくないので、9月から勝手に薬を止めて、江部先生と夏井先生の本を読み、自分で糖質制限を始めています。

体調はとってもいいです。

このまま薬を飲まない生活で過ごしたいのですが、やはり不安もあります。

横浜で糖質制限を認めてくださるお医者様が知りたいのですが・・・

宜しくお願いします。】



川端さん、リピトールは止めても全く問題はないと思います。

女性でリピトールなどのスタチン系薬剤を内服している人は、欧米にはほとんどいません。

先進国で日本の医師だけが、女性にどんどんスタチン剤を処方するのですが、如何なものかと思います。

まして、血液検査でCPKという筋肉が溶けた時の検査が数値的に正常だとしても、体が痛いのは明らかに異常なことです。

リピトールを中止して、体の痛みがなくなったのなら、薬剤の副作用であった可能性は極めて高いです。

「今の日本の医学は予防医学なの、だからあなたの様にLDLが高い人は一生飲んで生活しないとね、国が定めたことなの!」

これは、ひどいですね。

国が定めてなどいません。

利益相反が、たっぷりの日本動脈硬化学会が、定めたガイドラインがあるだけです。

LDLコレステロールの米国ガイドライン(心臓病学会 2013年11月)
正常 189以下 (97%)
遺伝病検査 190以上 ( 3%)
*低下治療目標値は廃止されました


日本動脈硬化学会、特定健診(40~74歳)LDLコレステロールの指標
正常 119以下 (45%)
生活習慣指導 120~139 (25%)
受診勧奨 140以上 (30%)


日米のLDLコレステロールの基準に対するガイドラインも、上述のように大きな差があります。

米国ガイドラインで、低下治療目標値が廃止されたのは、極めて大きな変化と言えます。


横浜の糖質制限食OKな医師ですが、白神敏雄先生と河合康夫先生がおられます。

〒252-0804
神奈川県藤沢市湘南台1-1-6 湘南台クリニックBL 3F
TEL 0466-41-4192
湘南台しらがクリニック院長 白神 敏雄先生
http://www.s-s-cli.com/


神奈川県横浜市青葉区すすき野2-6-12
TEL: 045-902-5001
URL: http://home.m01.itscom.net/kawaiiin/
河合医院院長 河合康夫 先生



江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
<糖質制限食に関するご注意・お知らせ・お願いなど> 2014年10月

【糖質制限食を実践される時のご注意】

本にも書いてありますが、 糖質制限食によりリアルタイムに血糖値が改善します。

このため既に、経口血糖降下剤(オイグルコン、アマリールなど)の内服やインスリン注射をしておられる糖尿人は、低血糖の心配がありますので必ず主治医と相談して頂きたいと思います。

一方、薬を使用してない糖尿人やメタボ人は、低血糖の心配はほとんどないので、自力で 糖質制限食を実践して糖尿病やメタボ改善を目指していただけば幸いです。

内服薬やインスリン注射なしの糖尿人が糖質制限食を実践すると、食後高血糖は改善しますが、低血糖にはなりません。

血糖値が正常範囲であるていど下がると、肝臓でアミノ酸・乳酸・グリセロール(脂肪の分解物)などから、ブドウ糖をつくるからです。

これを糖新生といいます。

血液検査で、活動性の膵炎がある場合、肝硬変の場合、そして長鎖脂肪酸代謝異常症は、糖質制限食は適応となりませんのでご注意ください。

糖質制限食は相対的に高脂肪食になるので、活動性膵炎には適応とならないのです。

肝硬変では、糖新生能力が低下しているため適応となりません。

長鎖脂肪酸代謝異常症では、脂肪酸が上手く利用できないので、適応となりません。

腎機能に関して、日本腎臓病学会編「CKD診療ガイド2012」において、eGFR60ml/分以上あれば顕性たんぱく尿の段階でも、たんぱく質制限の必要なしと明示され、日本糖尿病学会も2013年3月の提言で、それに従うとしました。

従いまして、糖尿病腎症第3期でも、eGFR60ml/分以上なら、糖質制限食OKです。

また、米国糖尿病学会(ADA)は

Position Statement on Nutrition Therapy(栄養療法に関する声明)
Diabetes Care 2013年10月9日オンライン版

において、糖尿病腎症患者に対する蛋白質制限の意義を明確に否定しました。

根拠はランク(A)ですので、信頼度の高いRCT研究論文に基づく見解です。

今後は、糖尿病腎症第3期以降で、eGFRが60ml/分未満の場合も、患者さんとよく相談して、
糖質制限食を実践するか否か、個別に対応することとなります。


なお、機能性低血糖症の場合、炭水化物依存症レベルが重症のとき、糖新生能力が低下していることがあり、
まれに低血糖症を生じますので注意が必要です。

また、どのような食事療法でも合う合わないがあります。

糖質制限食もその一つですので、合わないとご自分で判断されたら中止していただけば幸いです。



【糖質制限食とは】


米国糖尿病協会(ADA)の患者教育用のテキストブックLife With Diabetesによれば、食べ物が消化・吸収されたあと、糖質は100%血糖に変わりますが、タンパク質・脂質は血糖に変わりません。

また糖質は、摂取直後から急峻に血糖値を高く速く上昇させ、2時間以内にほとんどすべてが吸収されます。

これらは含有エネルギーとは無関係な三大栄養素の生理学的特質です。 

1997年版のLife With Diabetes(ADA刊行)では、

「タンパク質は約半分が血糖に変わり、脂質は10%未満が血糖に変わる」

という記載がありましたが、2004年版以降は変更されています。

このように糖質、脂質、タンパク質のうち糖質だけが血糖値を上昇させます。

従って、糖質を摂取した時にはインスリンが大量に追加分泌されます。

脂質を摂取しても、インスリンの追加分泌はありません。

タンパク質はごく少量のインスリンを追加分泌させます。

現在糖尿病において、食後の急激な高血糖(グルコーススパイク)が大きな問題として注目されています。

食後高血糖が、心筋梗塞や脳梗塞などの合併症を起こす危険因子として確立されたからです。

また一日における、食前・食後・空腹時など血糖値の変動幅(平均血糖変動幅)が大きいほど、酸化ストレスが増強し動脈硬化のリスクとなることがわかってきました。

そして、食後高血糖と平均血糖変動幅増大を起こすのは、三大栄養素のなかで糖質だけなのです。

1gの糖質が、体重64kgの2型糖尿病の人の血糖値を約3mg上昇させます。

炊いた白ご飯茶碗1杯150g(252kcal)には、55.3gの糖質が含まれており、血糖値を166mg上昇させます。

一方、牛サーロインステーキを200g(約1000キロカロリー)食べても、糖質含有量は1gもないので、食後血糖は3mg未満の上昇しかないのです。 

なお、1gの糖質が体重64kgの1型糖尿病の人の血糖値を5mg上昇させます。

糖質制限食の基本的な考え方は、上述のような生理学的事実をベースに、できるだけ糖質の摂取を低く抑えて、食後高血糖を防ぐというものです。

簡単に言えば、主食を抜いておかずばかり食べるというイメージになります。

抜く必要がある主食とは米飯・めん類・パンなどの米・麦製品や芋類など糖質が主成分のものです。

3食主食抜きのスーパー糖質制限食(糖質12%、タンパク質32%、脂質56%)なら、薬に頼ることなく速やかにリアルタイムで良好な血糖コントロールが可能です。

一方、上述の白ご飯とステーキの例でも明らかなように、カロリー計算に基づいて血糖値をコントロールすることは理論的に不可能です。

従って、現行の日本糖尿病学会推薦の糖尿病食(糖質60%、タンパク質20%、脂質20%)を実践する限りは、一日の摂取カロリーを1200キロカロリーと低く抑えたとしても、食後高血糖が必ず生じるのです。

糖尿病の改善には、カロリー制限より糖質制限ということがおわかりいただけたと思います。

なお糖質制限食は、カロリー無制限ということではありません。

日本糖尿病学会「食品交換表」の

男性1400~1800kcal
女性1200~1600kcal

ほど厳しいカロリー制限は必要ありませんが、

国立健康・栄養研究所の
「日本人の食事摂取基準」(2010年、厚生労働省)
への解説に示す推定エネルギー必要量の範囲、

すなわち18才以上の成人で身体活動レベルが普通なら

男性:2200~2650キロカロリー 
女性:1700~1950キロカロリー

身体活動レベルが低い人は

男性:1850~2250キロカロリー  
女性:1450~1700キロカロリー

くらいが目安です。

なお、米国糖尿病学会は、2013年10月発表の『栄養療法に関する声明』において全ての糖尿病患者に適した唯一無二の治療食は存在しないと明記しました。

これはそのまま、日本糖尿病学会への痛烈な批判となっています。

そして、地中海食、ベジタリアン食、DASH食、低脂質食などと共に
「糖質制限食」
も正式に受容しました。




<江部康二著 参考図書>

理論
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!糖質制限食のすすめ」2005年
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」2008年
「我ら糖尿人、元気なのには理由がある。」2009年 宮本輝先生との対談本
「やせる食べ方」2010年
「うちの母は糖尿人」2010年 監修:江部康二 著:伊藤きのと
(東洋経済新報社)
「糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食」2010年(ナツメ社)
腹いっぱい食べて楽々痩せる『満腹ダイエット』 (ソフトバンク新書) 2011年
「主食をやめると健康になる」(ダイヤモンド社)2011年
「血糖コントロールの新常識! 糖質制限 完全ガイド」 (別冊宝島)2012年
「食品別糖質量ハンドブック」2012年(洋泉社)、
「糖質オフ!健康法」(PHP文庫)2012年
「主食を抜けば糖尿病はよくなる!糖質制限食のすすめ」(文春文庫)2012年
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」(文春文庫)2012年
「女性のための糖質制限ダイエットハンドブック」2013年(洋泉社)
「糖尿病治療のための!糖質制限食パーフェクトガイド」2013年(東洋経済新報社)
「医療の巨大転換を加速する」糖質制限食と湿潤療法のインパクト
 2013年(東洋経済新報社) 夏井睦先生との対談本
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!糖質制限食のすすめ 新版」2014年(東洋経済新報社)
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!2 実践編 新版」2014年(東洋経済新報社)
「炭水化物の食べ過ぎで早死にしてはいけません」2014年(東洋経済新報社)

レシピ
「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」2006年(東洋経済新報社)
「糖質オフ」ごちそうごはん2009年(アスペクト)
dancyuプレジデントムック 「満腹ダイエット 」 2009年(プレジデント社)
「血糖値を上げない!健康おつまみ109」2010年(東洋経済新報社)
「やせる食べ方レシピ集」 2010年(東洋経済新報社)
「糖質オフダイエット 」2011年(レタスクラブ、角川マーケティング)
「誰もがストレスなくやせられる!糖質制限ダイエット」 2011年(講談社)
「主食を抜けば糖尿病はよくなる」レシピ集2011年(東洋経済新報社)
高雄病院の「糖質制限」給食2012年(講談社)
糖尿病がどんどんよくなる「糖質制限食」おすすめレシピ集2012年(ナツメ社)
糖質制限の「主食もどき」レシピ2013年(東洋経済新報社)
高雄病院Dr江部が食べている「糖質制限」ダイエット2013年(講談社)
糖質オフのダイエット弁当2013年(家の光協会)
高雄病院「糖質制限給食」朝 昼 夕 14日間完全プログラム
糖尿病・肥満改善が自宅でできる! 2013年(講談社)
2週間チャレンジ! 糖質制限の太らない生活 2014年(洋泉社mook)

DVD「糖質制限食を語る」http://www.yaserutabekata.com/shop/dvd.php 2011年



【本ブログのコメント・質問・記事に関するお願い】


ブログ読者の皆さんには、いつもコメントいただき、ありがとうございます。

糖質制限食に関する質問についてですが、実際に高雄病院や江部診療所に来院されて診察した患者さんに対しては、医師としての責任・債務がありますので、個別に説明もしっかりさせて頂いていますし、フォローもしております。

一方、ブログ読者の皆さんの質問に関しては、糖質制限食に詳しい医師として、ボランティアで回答させていただいています。

診察もしておりませんしフォローもできませんので、責任もとれません。

私の回答は、あくまでも一般論としての参考意見とお考え頂けば幸いです。

また、ブログ記事や本に関しても同様に、糖質制限食に関する一般論としての参考意見とお考え下さい。

従いまして、読者の皆さんが私の参考意見を読まれて、どのように利用されるかは、自己責任でよろしくお願い申し上げます。m(_ _)m

そして読者の皆さんからもご意見いただきましたが、普通のお医者さんに相談可能な個人的な内容の質問は、ご自分の主治医にご相談頂けば助かります。

またネットで簡単に検索可能なことは、ご自分でお調べください。


質問が増えてきましたので、糖質制限食と関わりがないと判断した質問にはお答えできない場合もありますので、ご了承ください。m(_ _)m

普通のお医者さんでは解答不能の、糖質制限食に関わる質問は、何でもどんどんしていただけば嬉しいです。 (^_^)

掲載OKの質問に関して、読者の皆さんに共有していただきたい情報の場合は、ブログ本文記事にて、できるだけ順番にお答えしたいと思います。

質問によってはコメント欄でお早めにお答えする場合もありますのでご了承ください。

一方、質問がかなり増えてきていますので、なかなか即、お答えすることが困難となってきています。

糖質制限食に関わりのある全ての質問に、本文かコメントでお答えするようできるだけ努力はしていますが、できないときはご容赦願います。m(_ _)m

それから、「管理人のみ閲覧できる」「匿名希望」などの質問に関しては、コメント欄にお答えするか、一般的な話題に置き換えてブログに記載するようにしていますので、よろしくお願い申し上げます。



江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
血中1,5-AG値の意義。糖質制限食と血中1,5-AG値。
こんにちは。

血中1,5-AG値と糖質制限食について時々質問があるので、復習を兼ねて考察してみます。

合わせて血中1,5-AG値の意義についても考察してみました。

1,5-AGは、ブドウ糖についで多い単糖で、広く生物界に存在します。

食物から経口的に摂取され、腎臓でほとんど再吸収され、ごく一部が尿中に排泄されます。

栄養素としての働きはほとんどないようですが、ブドウ糖と同じように血液中にいつも一定量存在しています。
また体内の各臓器に広く分布しプールされています。

食事からの供給量に比べて体内蓄積量が大きいので、通常は食事の前後で血中濃度の差はありません。

血中1,5-AGは、フルクトサミンやグリコアルブミンやHbA1cではチェックできない食後高血糖の状況を知ることができます。

高血糖があり尿中にブドウ糖が排泄されるようになると、1,5-AGも尿中に排泄されるようになり、結果として血中の1,5-AGが低下します。

これはブドウ糖と1,5-AGとは構造が似ているため、腎の尿細管での1,5-AG再吸収がブドウ糖により競合阻害されるためです。

従って、基本的には

「尿糖が陽性であるから、血中1,5-AGが低下する」

という公式が成り立ちます。

ほとんどの場合は、食後高血糖のような短時間のスパイク状の変化の影響を鋭敏に反映しています。

しかし、例えば高血糖がなくても尿糖が陽性になる腎性糖尿でも1,5-AGが低下します。

また、最近話題のSGLT2阻害薬でも、一日に100gのブドウ糖が尿中に排泄されるわけですから、血中1,5-AGは著明に低下すると思われます。

すなわち、SGLT2阻害薬を内服している人は、血中1,5-AGを調べても意味がないということです。

「尿糖が陽性であるから、血中1,5-AGが低下する」という公式の例外として、飢餓があります。

高血糖もなく尿糖もなくても食事から摂取される1,5-AGが飢餓により枯渇したために、血中の1,5-AGが低下することとなります。

なお、血中1,5-AGは妊娠、慢性腎不全、重症肝硬変でも低下します。また、アカルボース(グルコバイ)内服中の人も低値を示します。

1,5-AGはいろんな食材に含まれているそうなのですが、どのような食材に多く含まれているのか調べてもはっきりわかりませんでした。

しかし、植物体のなかでデンプンから1,5-AGが生合成されるとの文献がありましたので、どうやらデンプンの多い食材に1,5-AGが多く含まれいるようです。

そうすると 糖質制限食をある程度長期間実践していたら、1,5-AGを多く含む食材の摂取が減るので、血中1,5-AGが生理的に低下しても不思議ではありません。この場合生理的な低下なのでまったく問題はありません。

保険診療では1,5-AGは、HbA1c、グリコアルブミン、フルクトサミンと同じ範疇の扱いを受け、いずれか1つの項目を月1回に限ってしか認められていません。

高雄病院ではHbA1cを調べていて、血中1,5-AGは調べませんので、糖尿病患者さんのデータがありません。

糖質制限食と血中1,5-AGに関して興味がありましたので、私自身で調べてみたところ、
<2008年4月23日の江部康二の血液検査、スーパー糖質制限食6年目>
1,5-AG:5.8μg/ml(基準値は12~43) 
と立派に低値でしたが、勿論生理的なもので何の問題もありません。


結論です。

1)一般的には、血中1,5-AGは、食後高血糖(尿糖)があると低下するマーカーである。
2)従って、HbA1cが正常でも、血中1,5-AGが低値なら食後高血糖を見逃している可能性がある。
3)SGLT2阻害薬を内服中の糖尿人は低値となるが問題はない。
4)アカルボース(グルコバイ)内服中の糖尿人も低値となるが、問題はない。
5)血中1,5-AGは妊娠、慢性腎不全、重症肝硬変でも低下する。
6)糖質制限食実践中であれば、血中1,5-AGは低値となるが、問題はない。




江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質オフ・スペイン料理と糖質制限スペインワイン・カヴァの宴 のお知らせ。
こんにちは。

(一社)日本糖質制限医療推進協会より、秋の糖質オフ・美食イベントのご案内が届いております。

「秋の夜長を楽しみましょう。糖質オフ・スペイン料理とスペインワイン・カヴァの宴」

と題しまして、ビュッフェ形式で美味しいワインとスペイン料理をいただきつつ、わいわい楽しむ催しです。

糖質ゼロワインとカヴァ(スパークリングワイン)は、スペインのコビデス社にご提供いただくことになりました。

同社のマーケティングディレクター・クリストフさんにもこのイベントにお越しいただき、糖質ゼロ・ワインについて熱く語ってもらいます。

以前、高雄病院に勤務していた川島実先生(気仙沼市立本吉病院元院長)も駆けつけてくれますので、私、江部康二と二本立てのプチトークを予定しています。

私も楽しみにしています。ふるってご参加下さいね。

江部康二

以下、主催の日本糖質制限医療推進協会からのご案内です。




「秋の夜長を楽しみましょう。糖質オフ・スペイン料理とスペインワイン・カヴァの宴♪」

江部康二&川島実医師によるプチ講演(?)付き

かつて「京大医学部生プロボクサー」として話題となり、現在もテレビ番組「情熱大陸」への出演を始め、様々なメディアで引っ張りだこの川島実 医師(気仙沼市立 本吉病院院長)。

川島先生は以前高雄病院に勤務されてましたが、その後、医師としての研鑽を積むべく全国の病院で武者修行。

2011年からは、東日本大震災で大きな被害を受け、存続が危ぶまれていた本吉病院の院長を引き受け、見事に立ち直らせたその手腕は大きな注目を集めています。

今回は、お馴染み(?)江部・当会理事長と川島医師による二本立てトークを予定しています。

京都ロイヤルホテル自慢のローストビーフも付けていただけるそうです♪

皆様のご参加をお待ちしております。

・日時: 11/7(金) 19:30-21:30 (受付開始19:00-)

・会場: 京都ロイヤルホテル&スパ 宴会場
      http://www.ishinhotels.com/kyoto-royal/jp/access/

・料金: お一人さま3,500円(当日お支払い)

・形式: 立食

・スケジュール: ※変更になる場合があります

 ①19:30-19:45 江部康二先生のプチトーク
 ②19:45-20:00 川島実先生のプチトーク
 ③20:00-21:30 乾杯&会食&Covides社クリストフ氏によるワインの話

・お申込み方法: 下記フォームよりお願いします。

https://ssl.form-mailer.jp/fms/8c081c2f324933

・協賛: Covides社(スペイン。ワイン製造販売)

・備考:

※アルコール飲料は、糖質制限ワイン・カヴァのみのご提供となります。
  ビール、糖質オフ発泡酒、焼酎等はございません。

※定員(20名様程度)になり次第、締め切らせていただきます。


テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
2014/10/19(日)朝日カルチャーセンター湘南教室講座のご案内。
こんにちは。

朝日カルチャーセンター湘南教室講座のご案内です。

2014年10月19日(日曜) 10:00-11:30
『炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません』

と題して、私がお話します。

糖質制限食の基礎理論や世界の最新の話題もわかりやすくお話します。

新著
『炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません: 生活習慣病を予防&改善する糖質  制限食31のポイント』
(東洋経済新報社)2014年8月



おかげさまで、第3版となりました。
ありがとうございます。


本書では、エビデンスだけにこだわるのではなく、
それらをベースに糖質制限食の持つポテンシャル・可能性について
わかりやすく広く大胆に考察してみました。

例えば冒頭では、日本人の四大死因や五大疾病の元凶は、
糖質の頻回過剰摂取である可能性が高いことを理論的に平易に説明しています。

講座では、糖尿病やメタボだけでなく
日本人の四大死因や五大疾病と糖質制限食についても取り上げてわかりやすくお話しします。

糖尿人、メタボ人に限らず、日本人の四大死因や五大疾病に興味がある方も、是非ご参加くださいね。


江部康二


☆☆☆☆
以下
朝日カルチャー湘南教室のサイト 
http://www.asahiculture.com/LES/detail.asp?CNO=259079&userflg=0
から転載です。

炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません

講師名 高雄病院理事長 江部 康二

講座内容

がん、心疾患、脳血管疾患、肺炎、これらは現代日本の4大死因です。
厚生労働省が2011年に日本人の5大疾病を発表しています。
以前から多かった、がん、脳卒中、心臓病、糖尿病に、新しく精神疾患を加えた5つの疾病を指します。
これらの病気の増加は、重大な社会問題であり早急な対策が必要です。
実はこれら全ての疾病の予防と治療に関して有効と考えられるのが糖質制限食です。
今回は、その有効性・可能性についてお話しします。(講師記)
  
*ブログ「ドクター江部の糖尿病徒然日記」は毎日10000件のアクセスがあります。糖質制限食を初めて紹介した『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』(東洋経済新報社)は、ベストセラーとなり、芥川賞作家・宮本輝氏との対談本『我ら糖尿人、元気なのには理由がある。』(東洋経済新報社)は全国で反響を巻き起こしました。
 
 
日時 2014年10月19日(日曜) 10:00-11:30

受講料(税込み) 会員 3,024円 一般 3,672円

お申し込み
朝日カルチャー教室湘南 電話:0466-24-2255
                 月~土 9:30~19:00

講師紹介
江部 康二(エベ コウジ)
1950年生まれ。 1974年京都大学医学部卒業。
1974年から京都大学胸部疾患研究所第一内科(現在京大呼吸器内科) にて
呼吸器科を学ぶ。
1978年から高雄病院に医局長として勤務。1996年副院長就任。
2000年理事長就任。
2001年から糖質制限食に取り組む。
2002年に自ら糖尿病であると気づいて以来、さらに糖尿病治療の研究に力を注ぎ、「糖質制限食」の体系を確立。これにより自身の糖尿病を克服。

内科医/漢方医/一般財団法人高雄病院理事長/一般社団法人日本糖質制限医療推進協会理事長

著書
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』(東洋経済新報社)
作家宮本輝氏との対談、『我ら糖尿人、元気なのには理由がある』
(東洋経済新報社)
『主食をやめると健康になる』(ダイヤモンド社)
『高雄病院の「糖質制限」給食』(講談社)
『糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食』 (ナツメ社)
『高雄病院 Dr.江部が食べている「糖質制限」ダイエット1ヵ月献立レシピ109』
(講談社)
『糖尿病治療のための! 糖質制限食パーフェクトガイド』 (東洋経済新報社)
『炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません: 生活習慣病を予防&改善する糖質  制限食31のポイント』 (東洋経済新報社)
など多数。

ブログ『ドクター江部の糖尿病徒然日記(http://koujiebe.blog95.fc2.com/
は、日に10000件のアクセスがあり、糖尿病のかたやそのご家族から寄せられた質問への回答や、糖尿病・糖質制限食に関する情報の発信に、日々尽力している。
人体の臓器や細胞のエネルギー源は何?2014年10月整理版。
こんにちは。

人体のエネルギー源として

A)脂肪酸-ケトン体エネルギーシステム
B)ブドウ糖-グリコーゲンエネルギーシステム

があります。

ほとんどの細胞が、A)B)をエネルギー源として使用しています。

A)B)以外の例外のエネルギー源として、グルタミンと短鎖脂肪酸(*)があります。

C)グルタミン
D)短鎖脂肪酸

小腸はグルタミンが主たるエネルギー源です。
グルタミンが50~60%、ケトン体が15~20%、ブドウ糖は5~7%とごく少ないです。
グルタミンは血中に最も多く含まれている遊離アミノ酸です。

大腸は、短鎖脂肪酸しか、エネルギー源として使いません。

大腸は腸内細菌が、食物繊維を分解して作った短鎖脂肪酸をエネルギー源として利用しているのです。


さて、A)B)がエネルギー源となっているほとんどの細胞について整理してみます。

キーワードは、ミトコンドリアと血液脳関門(**)です。

ミトコンドリアは細胞内にあるエネルギー生産装置です。

ミトコンドリアがあると、TCAサイクルを回して、脂肪酸やケトン体をエネルギー源として利用することができるのです。
血液脳関門は、脳細胞の毛細血管にあり、脳細胞を物理的かつ化学的に守っています。

1)赤血球
 ミトコンドリアを持っていないので、「ブドウ糖」しかエネルギー源として利用できません。
 人体でミトコンドリアを持っていないのは、赤血球だけです。

2)脳
 脳はミトコンドリアを持っているのですが、血液脳関門のため、脂肪酸は大きいので通過できません。
 従って、「ブドウ糖+ケトン体」をエネルギー源として、利用します。

3)筋肉・内臓・脂肪など、ほとんどの体組織
 ミトコンドリアを細胞内に有し、血液脳関門もないので、
「ブドウ糖+ケトン体+脂肪酸」をエネルギー源として 利用します。

4)肝臓
 肝細胞のなかで、ケトン体が生成されますが、肝細胞自らはケトン体を利用せず、
血中に送り込んで他の 組織に供給します。
 従って肝細胞は 「ブドウ糖+脂肪酸」をエネルギー源として利用します。

小腸がグルタミンを主たるエネルギー源にしているのは、消化吸収したとき、ブドウ糖や脂肪酸などは他の臓器に供給するためと思われます。

これは、最も効率のよいエネルギー源であるケトン体を、自らは使用せずに他の臓器に供給する肝臓と同じことと思います。

人体の臓器や細胞のエネルギー源、かなり整理整頓できたと思います。 (^^)

本日の記事は、高雄病院の川村力医師とのディスカッションがおおいに参考になりました。

とくに小腸とグルタミンに関して、川村医師に、謝謝です。 m(_ _)m

そして、清水健一郎先生の2冊のご著書がとても参考になりました。

清水先生、ありがとうございます。m(_ _)mV

医療関係者の方々で、とくにNSTチームに所属しておられたら、清水先生の以下の2冊のご著書は、必読と思います。


治療に活かす!
栄養療法 はじめの一歩
清水健一郎 著
羊土社 2011年2月

モヤモヤ解消! 栄養療法にもっと強くなる
〜病状に合わせて効果的に続けるためのおいしい話
清水 健一郎  著
羊土社  2014年3月



江部康二


(*)
短鎖脂肪酸
ウィキペディア
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9F%AD%E9%8E%96%E8%84%82%E8%82%AA%E9%85%B8

短鎖脂肪酸(たんさしぼうさん、英: SCFA)は脂肪酸の一部で、炭素数6以下のものを指す。具体的には酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、酪酸、イソ吉草酸、吉草酸、カプロン酸、乳酸、コハク酸を指す。

反芻動物における役割

摂取した飼料が反芻胃内で微生物の発酵を受ける反芻動物においては、この発酵の際に生じる短鎖脂肪酸(主に酢酸、プロピオン酸、酪酸)が主なエネルギー源となる。 反すう胃内で生成した酪酸の多くは反すう胃粘膜でβ-ヒドロキシ酪酸に換されるため、肝門脈に現れるのはおよそ10分の1となる。このとき生成されるβ–ヒドロキシ酪酸も反すう家畜にとってはエネルギー源となる。 また、プロピオン酸の多くは肝臓で糖新生に利用され、反芻動物の糖要求の多くはプロピオン酸からの糖新生によってまかなわれる。



(**)
血液脳関門
ウィキペディア
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A1%80%E6%B6%B2%E8%84%B3%E9%96%A2%E9%96%80

<血液脳関門>

血液脳関門(けつえきのうかんもん、英語: blood-brain barrier, BBB)とは、血液と脳(そして脊髄を含む中枢神経系)の組織液との間の物質交換を制限する機構である。これは実質的に「血液と脳脊髄液との間の物質交換を制限する機構」=血液髄液関門 (blood-CSF barrier) でもあることになる。ただし、血液脳関門は脳室周囲器官(松果体、脳下垂体、最後野など)には存在しない。これは、これらの組織が分泌するホルモンなどの物質を全身に運ぶ必要があるためである。

<構造>

血液脳関門は、毛細血管の内皮細胞の間隔が極めて狭いことによる物理的な障壁であるが、これに加え、中枢神経組織の毛細血管内皮細胞自体が有する特殊な生理的機能、すなわち、グルコースをはじめとする必須内因性物質の取り込みと異物を排出する積極的なメカニズムが関与している。脂肪酸は脳関門を通れないため、脳は通常、脳関門を通過できるグルコースをエネルギー源としている[1]。グルコースが枯渇した場合、アセチルCoAから生成されたケトン体も脳関門を通過でき[2]、脳関門通過後に再度アセチルCoAに戻されて脳細胞のミトコンドリアのTCAサイクルでエネルギーとして利用される[1]。血液脳関門の働きにより、中枢神経系の生化学的な恒常性は極めて高度に維持されている。

その一方で、アルコール、カフェイン、ニコチン、抗うつ薬は、脳内へ通過できる[3]。かつては分子量500を超える分子(多くの蛋白質など)や、脂溶性が低い荷電したイオンは脂質二重膜を透過できず、血液循環から中枢神経系の中に入ることができないとされていた(分子量閾値説)が[4]、近年の研究により、脳毛細血管内皮細胞の細胞膜に存在するタンパク質が、脳内から血管へ物質を積極的に排出していることが明らかにされている[5]。

こうした毛細血管内皮細胞の機能はリンパ球やマクロファージや神経膠細胞から放出されるサイトカインによってコントロールされ得る。このため、脳炎や髄膜炎のときは血液脳関門の機能は低下する。また、膿瘍その他の感染巣形成や腫瘍といった、よりマクロなレベルの破壊を起こす疾患の存在によっても、血液脳関門は破綻する。


テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
2014/11/30(日)静岡市・糖質制限食一般向け講演会のご案内です。
こんばんは。

2014/11/30(日)静岡市・糖質制限食一般向け講演会のご案内です。

静岡も、医師会主催の講演会に講師として招いて頂いたことはありますが、一般向け講演会は初めてです。

糖尿病のお話は勿論のこと、
日本人の

四大死因(がん、脳卒中、心臓病、肺炎)

五大疾病(がん、脳卒中、心臓病、糖尿病、精神疾患)

と糖質制限食についてもわかりやすくお話しします。

糖質制限食の有効性・安全性・可能性についても詳しくお話します。

東海地方の糖尿人、メタボ人の皆さん、そして日本人の四大死因や五大疾病に興味がある方も、是非ご参加くださいね。


江部康二


*************

以下、事務局からのご案内です。

ブログ読者の皆様、講演会へいつも多数ご参加いただきまして
ありがとうございます。

11月30日(日)、静岡市内で一般向けの講演会を開催致します。
 http://toushitsuseigen.or.jp/activity.html#schedule20141130

11月2日(日)の富山講演会と同様に、「炭水化物を減らして健康に!
~糖質制限食と糖尿病・メタボ・生活習慣病・がん…~」と題し、
理事長 江部康二がたっぷりお話し致します。

東海地方の皆様をはじめ、多数のご参加を心よりお待ちしております。

★11月2日(日)富山講演会のご参加も受付中でございます。
 こちらもどうぞよろしくお願いいたします!
 http://toushitsuseigen.or.jp/activity.html#schedule


///////////////////ご案内/////////////////////

一般社団法人日本糖質制限医療推進協会主催 講演会(静岡)

 「炭水化物を減らして健康に!
  ~糖質制限食と糖尿病・メタボ・生活習慣病・がん…~」

■日時:2014年11月30日(日) 14:10~16:30頃
    ※入場受付・開場は13:50~

■会場:静岡県総合研修所もくせい会館 2F第一会議室(大会議室)
     静岡県静岡市葵区鷹匠3-6-1
     http://mokuseikaikan.jp/about/access/

     ☆アクセス
       ・JR静岡駅北口から徒歩15分
       ・静鉄日吉町駅から徒歩5分

■講師:江部 康二
     (一財)高雄病院理事長・(一社)日本糖質制限医療推進協会理事長

■内容: 講演90分・質疑応答30分程度

■受講費:賛助会員 2,000円 / 一般(非会員) 2,500円

■お支払い方法:クレジットカード/銀行振込/郵便振替
           ※事前決済のみとなります。

■お申し込み方法

・賛助会員の方
事務局までメールにてお申し込み下さい。

・賛助会員入会をご希望いただける方
1.入会案内および会員規約をお読み下さい。
 http://toushitsuseigen.or.jp/member.html
2.お申し込みはこちらのフォームからお願いします。
 http://toushitsuseigen.or.jp/contact.php
 「お問い合せ内容」欄に「11/30静岡講演会、受講希望」とご記入下さい。

・一般(非会員)で、講演会の受講のみご希望の方
こちらのフォームよりお申し込み下さい。
 https://ssl.form-mailer.jp/fms/9fef653b323705

■お申し込みの流れ
1.会員の方はメールにて、会員以外の方は各種フォームにてご連絡下さい。
2.事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3.入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4.当日、直接会場までお越し下さい。

■その他
・予約制です。当日参加はできません。
・キャンセルは11月28日(金)までに事務局までご連絡願います。
 それ以降のご返金には対応致しかねますので予めご了承ください。
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
SGLT2阻害薬の内服で、2名の糖尿病患者さんが死亡。
おはようございます。

しらねのぞるばさん、精神科医師Aさん、アッピさん、daniel さんから

「SGLT2阻害薬で死亡例」

という情報をコメントをいただきました。
ありがとうございます。

「SGLT2阻害薬の内服で、2名の糖尿病患者さんが死亡」という報道がありました。(☆)

4月に鳴り物入りで発売して、 6月と8月に勧告(☆☆)ですから、 日本糖尿病学会、事態の深刻さには気がついて、 対応は早かったと思います。

しかし、6月や8月の勧告にあるように 本来SGLT2阻害薬は、

ごく限られた症例に使うべき薬剤

です。

4月の発売時に、勧告レベルの注意喚起をしていれば、これほど重篤な副作用が多発することはなかったと思われますので 、やはり日本糖尿病学会の責任は免れないと思います。

そして、SGLT2阻害薬はを長期に内服すると基礎代謝を落としてしまう可能性が高いので、短期間の使用ににとどめるべき薬剤です。

『SGLT2阻害薬を服用すると、1日あたりおよそ240kcalのエネルギーに相当するブドウ糖60gが尿から排泄される』

240kcal/日のエネルギーが排泄されるということは、単純理論的には痩せ続けることになります。

しかし、あるSGLT2阻害薬を投与開始して、一旦、37週で3kg減量になったあと、最終的に102週間(2年間)90名くらいで評価して、体重は1.7kg減というデータがあります。

ということは、人体が毎日240kcal相当のブドウ糖が尿から排泄されることに関して、何らかの調整を行って、37週目でボトムになったあと、体重は102週目まで緩やかに増加して、1.3kg分は戻ったということです。

そうすると、仮説としてまず最初に考えられるのは、1日あたりおよそ240kcalのエネルギーに相当するブドウ糖が、尿から排泄される結果としてのカロリー制限に対し、人体が基礎代謝を低下させて対応して、それ以上の体重減少を防いだということです。

基礎代謝が低下すれば、人体に様々な悪影響が出ます。

夢の新薬のように登場したSGLT2阻害薬ですが、そんなええもんではなかったということです。

日本糖尿病学会は、発売までは、かなりSGLT2阻害剤を推奨していましたので、このたびの副作用の多発には、一定の責任があると思います。

そもそも、きっちり、スーパー糖質制限食なら、必要ない薬です。


江部康二


(☆)
以下、読売新聞のサイトから転載

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141011-00050075-yom-soci
糖尿病新薬、使用の患者2人死亡…利尿薬を併用
読売新聞 10月11日(土)14時53分配信

 今春から相次ぎ発売されている糖尿病の新薬「SGLT2阻害薬」を使用した患者2人が死亡していたことが、各社の市販直後調査でわかった。

 2人は利尿薬を併用していたとの報告があり、専門医は慎重な服用を呼びかけている。

 SGLT2阻害薬は、腎臓で糖の再吸収を抑え、糖分を尿中に排出させる。体重の減少効果も期待でき注目されているが、尿が増え、脱水を起こす場合がある。

 死亡したのは60歳代と50歳代の男性。サノフィと興和が製造販売を手がける「アプルウェイ/デベルザ」と、アストラゼネカなどが販売する「フォシーガ」をそれぞれ服用していた。2人は体外に水分を排出する利尿薬を併用するなどし、脱水を起こしたとされる。



(☆☆)
以下は、日本糖尿病学会のサイトから抜粋です。


http://www.jds.or.jp/common/fckeditor/editor/filemanager/connectors/php/transfer.php?file=/uid000025_7265636F6D6D656E646174696F6E5F53474C54322E706466

SGLT2阻害薬の適正使用に関するRecommendation

策定:2014年6月13日
改訂:2014年8月29日

我が国で最初のSGLT2阻害薬が2014年4月17日発売され、続いて5月23日に新たにSGLT2阻害薬3剤が発売された。本薬剤は新しい作用機序を有する2型糖尿病薬であるが、治験の際に低血糖など糖尿病薬に共通する副作用に加えて、尿路・性器感染症など本薬剤に特徴的な副作用が認められていた。

加えて、本薬が広汎で複雑な代謝や循環への影響をきたしうることから、発売前から重篤なものを含む多様な副作用発症への懸念が持たれていた。発売開始から1ヶ月間の副作用報告を受け、重篤な副作用の懸念のうち、残念ながらいくつかが現実化したことを踏まえ、「SGLT2阻害薬の適正使用に関する委員会」を発足させ、検討を行い、6月13日に「SGLT2阻害薬の適正使用に関するRecommendation」を策定し公表した。

このたび、最初の副作用報告から2ヶ月半経過し新たな3剤の副作用報告も踏まえ最新の情報に基づき改訂を加えた。

8月17日の時点での各製剤の副作用報告によれば、予想された副作用である尿路・性器感染症に加え、重症低血糖、ケトアシドーシス、脳梗塞、全身性皮疹などの重篤な副作用がさらに増加している。

この中には、現時点では必ずしも因果関係が明らかでないものも含まれているが、多くが当初より懸念された副作用であることから、本委員会としては、これらの副作用情報をさらに広く共有することにより、今後、副作用のさらなる拡大を未然に防止することが必要と考え以下のRecommendationおよび具体的副作用事例とその対策を報告する。


Recommendation


1.インスリンやSU 薬等インスリン分泌促進薬と併用する場合には、低血糖に十分留意して、それらの用量を減じる(方法については下記参照)。インスリンとの併用は治験で安全性が検討されていないことから特に注意が必要である。患者にも低血糖に関する教育を十分行うこと。

2.高齢者への投与は、慎重に適応を考えたうえで開始する。発売から3ヶ月間に65歳以上の患者に投与する場合には、全例登録すること。

3.脱水防止について患者への説明も含めて十分に対策を講じること。利尿薬との併用は推奨されない。

4.発熱・下痢・嘔吐などがあるときないしは食思不振で食事が十分摂れないような場合(シックデイ)には必ず休薬する。

5.本剤投与後、薬疹を疑わせる紅斑などの皮膚症状が認められた場合には速やかに投与を中止し、皮膚科にコンサルテーションすること。また、必ず副作用報告を行うこと。

6.尿路感染・性器感染については、適宜問診・検査を行って、発見に努めること。問診では質問紙の活用も推奨される。発見時には、泌尿器科、婦人科にコンサルテーションすること。

7.原則として、本剤は当面他に2剤程度までの併用が推奨される。


以上、SGLT2阻害薬が発売されてから約3か月半の副作用情報を踏まえ、その使用にあたっての重要な注意喚起を行った。本薬剤は適応を十分に考慮した上で、添付文書に示されている安全性情報に十分な注意を払い、また本Recommendationを十分に踏まえて、特に安全性を最優先して適正使用されるべき薬剤である。

発売日から3ヵ月間に本剤を服用した高齢者(65歳以上)では全例の特定使用成績調査が定められており、是非ともそれに則った使用が推奨される。尚、本委員会は継続的にSGLT2阻害薬の安全性情報を収集・分析し、必要は注意喚起を行っていく。
「SGLT2阻害薬の適正使用に関する委員会」
京都大学大学院医学研究科 糖尿病・内分泌・栄養内科学 稲垣暢也
東京大学大学院医学系研究科 分子糖尿病科学 植木浩二郎
川崎医科大学 総合内科学1 加来浩平
東京大学大学院医学系研究科 糖尿病・代謝内科 門脇孝
関西電力病院 清野裕
旭川医科大学内科学講座病態代謝内科学分野羽田勝計
東京大学大学院医学系研究科皮膚科学 佐藤伸一
テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
「第566回実地医家のための会」会場・東京医科歯科大学症例検討室、ご報告
こんばんは。

先ほど、東京から帰京しました。
今回は、日帰りです。

2014年10月12日(日)
「第566回実地医家のための会、10月例会」

が、 東京医科歯科大学B棟5階症例検討室において開催され、私が第一部の講師をつとめました。

医師と薬剤師、合わせて約50名が参加されました。

566回も続く勉強会は、勿論日本一ですし、世界的にみてもギネスブックものかもしれません。

そんな、伝統ある会でお話させていただいてとても光栄でした。

質疑応答も、医療関係のことに絞られて活況を呈し、大変密度の濃いものとなりました。

参加された医師の中には、自身糖質制限食を実践されている方もおられました。

糖質制限食でインスリンフリーになった患者さんもおられるとのことで頼もしい限りでした。

糖質制限食、実地医家において、順調な広がりを見せており、嬉しいです。 (^_^)

司会をつとめて頂きました、石橋幸滋先生、お招き頂いて大変ありがとうございました。

おかげさまで、充実した時間を過ごすことができました。m(_ _)m


江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
低カロリーダイエットで失敗、糖質制限ダイエットで成功。
【14/10/11 プーすけ

はじめまして。

健康診断で、肥満、高LDLコレステロール血症、高尿酸血症で要精密検査となったものです。

身長158センチに体重75キロとりっぱなメタボです。

これではいけないと、ダイエットを開始し、その時に先生の糖質制限を知りました。

実は以前から炭水化物抜きダイエットは知っていました。

しかし、10年前、某大学の食物栄養学の教授の講演で「脳はぶどう糖が必須だから、絶対に主食は抜いてはいけません」と聞かされ、ずっとそうだと信じていました。

なので、今回、この教授の話とは全く違う糖質制限に不安を覚えながらも、何度も低カロリーダイエットを失敗してきているので、今度こそという思いが強くありました。

8月1日より開始し、本日現在65,5キロと、9.5キロ減量できました。

先日驚いたのが、職場の人に勧められ、断りきれず1個だけ食べた伊勢の名物であるお餅の味がおいしく感じなかったことです。

私は、あのお餅が大好物で、以前は一人で4個くらいぺろっと食べてしまうほどでした。

しかし、先日食べたとき、甘ったるさに気持ち悪いとさえ思ってしまいました。

たった2か月、糖質を制限しているだけで、こんなに味覚が変わるんだとおもいました。

日頃、ラカントと、大豆粉やおからでケーキも作るので、決して甘いのもを食べていないわけではないのですが・・・。

低カロリーダイエットを繰り返していた時と違い、空腹感もなく、ストレスを感じないすばらしい減量法です。

それに、運動もしていないのに、体組成計で図るたび、減るのが筋肉ではなく体脂肪率だということも驚きです。

先日、健康診断があり、結果はまだですが、どこまで改善できているか期待と不安でドキドキしています。

今後もおいしく糖質制限を続けながら、目標体重55キロをめざします。

それに、糖尿で、BOTという治療を受けている友人に、糖質制限を行ってほしいという思いがあります。

友人の主治医は糖質制限を知っておられ、進められているようですが、本人が「ご飯我慢できない」と拒否しています。

まずは、自分がお手本となって辛くないよ、こんなに改善するんだよと教えてあげたいと思っています。

長々と書いてしまい申し訳ございません。】


こんにちは。

プーすけさんから、
「低カロリーダイエットで失敗、糖質制限ダイエットで成功。」
という嬉しいコメントをいただきました。

身長158cm。体重75kg。
2014年8月1日から糖質制限食を開始して、10月11日、2ヶ月ちょっとで9.5kg減量して、65.5kg。

楽にできて、体脂肪率も減少とは、素晴らしい成果ですね。

カロリー制限によるダイエットは、一旦体重が減少しても、人体が基礎代謝を低下させて、低カロリー状態に適応するので、
ほとんど失敗します。

具体的には、カロリー制限で、半年くらいは体重減少しますが、その後は徐々に体重が増えていきます。

カロリー制限をやめて元の摂取量に戻せば、基礎代謝が低下している分、今までより太りやすくなります。

糖質制限食なら、カロリー制限はなく標準必要摂取カロリーを摂取してもいいので、基礎代謝の低下はなく、ダイエット効果も継続します。

糖質制限食による体重減少効果は、以下の①~④によります。

①インスリン(肥満ホルモン)が基礎分泌以外ほとんど出ない。
②食事中も含めて常に体脂肪が燃えている。
③食事中も含めて常に肝臓で糖新生が行われ、それにかなりのエネルギーを消費する。
④高タンパク食により、食事誘発熱産生(DIT)が亢進する。。

詳しくは
2014年04月14日 (月)の本ブログ記事
「糖質制限食による体重減少効果。2014年4月。」
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-2925.html
をご参照ください。

それから、スーパー糖質制限食を実践すると食後高血糖はリアルタイムに改善しますが、肝臓や腎臓が糖新生(アミノ酸や乳酸などからブドウ糖を作ること)しますので、低血糖にはなりません。

さらに、脳はケトン体という脂肪酸の分解物をエネルギー源としていくらでも利用できますから、「脳はブドウ糖が必須」という某大学の食物栄養学の教授の発言は完璧な間違いです。

必須脂肪酸、必須アミノ酸、ビタミン、ミネラル、微量元素は、食材から摂取することがに絶対に必要ですが、必須糖質はありません。これは議論の余地のない生理学的事実です。

体内で必要なブドウ糖は、肝臓で糖新生してまかなうので、食物から摂取する必要はないのです。

国際食事エネルギーコンサルテーショングループの報告では、「炭水化物(この場合は糖質とほぼ同義)の理論的な最小必要量はゼロである」(☆)と明記されています。


プーすけさん、これからも、安心して、美味しく楽しく末長く糖質制限食をお続けくださいね。


(☆)
Eur J Clin Nutr. 1999 Apr;53 Suppl 1:S177-8.
Report of the IDECG Working Group on lower and upper limits of carbohydrate and fat intake. International Dietary Energy Consultative Group.
Bier DM, Brosnan JT, Flatt JP, Hanson RW, Heird W, Hellerstein MK, J?quier E, Kalhan S, Koletzko B, Macdonald I, Owen O, Uauy R.


江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
鹿島労災病院・糖質制限食講演会の御報告
2014/10/9(木)
鹿島労災病院で糖質制限食の講演会が開催されました。

第一部の一般向け講演には、186名の方が参加されて、講堂の通路まで補助椅子で埋め尽くされる盛況でした。

第二部の医療関係者向け講演会にも、120名の方が参加されました。
千葉県から参加された医師もおられました。
合わせて300人を超える活況でした。

第一部の前には、糖質制限食の給食が予約済みの19名に提供されました。
豪華なメニューの昼食で、栄養士さんの努力の結晶ですね。

講演会後は、鹿島労災病院の医師、栄養士、鍼灸師、看護師、検査技師、放射線科技師、理学療法士、事務局の皆さんなど総勢19名が集い、「びすとろわくわく」で、糖質制限な食事と糖質ゼロ発泡酒とワインと焼酎をいただきました。

イタリアン&フレンチの糖質制限なフルコース、とても美味しかったです。

「びすとろわくわく」さん、ありがとうございました。

そしてお招きいただきました鹿島労災病院院長の山口邦雄先生、太田静香先生、事務局長の野中博明さん、ありがとうございました。

鹿島労災病院では、糖質制限食の入院治療も外来治療もOKですし、和漢診療センターもあります。
糖質制限食と漢方、高雄病院と似てますね。

糖質制限食の本格的入院治療が可能なのは、関東では鹿島労災病院だけと思います。

インスリン注射が要らなくなった糖尿病患者さんも、複数おられるそうです。

糖質制限食や漢方治療に興味がある医師を
鹿島労災病院 
http://www.kashimah.rofuku.go.jp/
では募集しておられますので、関心があるドクターは是非どうぞ。


江部康二


テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
11月2日(日)、富山市・一般向け糖質制限食講演会のご案内
おはようございます。

富山市・一般向け糖質制限食講演会のご案内です。

2014年11月2日(日)
富山市内の富山県総合福祉会館「サンシップとやま」にて、

「炭水化物を減らして健康に! ~糖質制限食と糖尿病・メタボ・生活習慣病・がん…~」

と題してお話しします。

最新刊の

「炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません: 生活習慣病を予防&改善する糖質制限食31のポイント」
(東洋経済新報社)

からのお話しも盛り込んで、わかりやすくお話ししたいと思います。

糖質制限食の基礎理論や世界の最新の話題もわかりやすくお話します。

『炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません: 生活習慣病を予防&改善する糖質制限食31のポイント』
(東洋経済新報社)

においては、エビデンスだけにこだわるのではなく、それらをベースに糖質制限食の持つポテンシャル・可能性についてわかりやすく広く大胆に考察してみました。

例えば冒頭では、日本人の四大死因や五大疾病の元凶は、糖質の頻回過剰摂取である可能性が高いことを理論的に平易に説明しています。

講演では、日本人の四大死因や五大疾病と糖質制限食についても取り上げてわかりやすくお話しします。

糖尿人、メタボ人に限らず、日本人の四大死因や五大疾病に興味がある方も、是非ご参加くださいね。

富山市では初めての講演会なので、とても楽しみです。

富山市、富山県、北陸地方の皆様、奮ってご参加下さいね。


江部康二


以下、事務局からのご案内です。

☆☆☆

ブログ読者の皆様、講演会へいつも多数ご参加いただきましてありがとうございます。

11月2日(日)、富山市内で一般向けの講演会を開催致します。

「炭水化物を減らして健康に! ~糖質制限食と糖尿病・メタボ・生活習慣病・がん…~」と題し、
理事長 江部康二がお話し致します。

北陸地方の皆様をはじめ、多数のご参加を心よりお待ちしております。


 http://toushitsuseigen.or.jp/activity.html#schedule20140928


///////////////////ご案内/////////////////////


一般社団法人日本糖質制限医療推進協会主催 講演会(富山)

 「炭水化物を減らして健康に!
  ~糖質制限食と糖尿病・メタボ・生活習慣病・がん…~」

■日時:11月2日(日)14:10~16:30頃 ※入場受付・開場は13:50~

■会場:富山県総合福祉会館「サンシップとやま」 6F 研究室602~604
     富山県富山市安住町5-21
     http://www.wel.pref.toyama.jp/about/4_map.html

    ☆アクセス
      ・JR富山駅から徒歩15分
      ・市電(富山駅から大学行き)「県庁前」下車徒歩2分

■講師: 江部 康二
     (一財)高雄病院理事長・(一社)日本糖質制限医療推進協会理事長

■内容: 講演90分・質疑応答30分程度

■受講費: 賛助会員 2,000円 / 一般(非会員) 2,500円

■お支払い方法:クレジットカード/銀行振込/郵便振替
        ※事前決済のみとなります。

■お申し込み方法:
・賛助会員の方
事務局までメールにてお申し込み下さい。

・賛助会員入会をご希望いただける方
1.入会案内および会員規約をお読み下さい。
  http://toushitsuseigen.or.jp/member.html
2.お申し込みはこちらのフォームからお願いします。
  http://toushitsuseigen.or.jp/contact.php
「お問い合せ内容」欄に「10/2富山講演会、受講希望」とご記入下さい。

・一般(非会員)で、講演会の受講のみご希望の方
こちらのフォームよりお申し込み下さい。
 https://ssl.form-mailer.jp/fms/50d6c040319506

■お申し込みの流れ
1.会員の方はメールにて、会員以外の方は各種フォームにてご連絡下さい。
2.事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3.入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4.当日、直接会場までお越し下さい。

■その他:
・予約制です。当日参加はできません。
・キャンセルは10月30日(木)までに事務局までご連絡願います。
 それ以降の返金には対応致しかねますので予めご了承ください。


テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
「食品別糖質量ハンドブック」洋泉社、10万部突破。
こんにちは。

「食品別糖質量ハンドブック」洋泉社 江部康二 監修
2012年10月25日、刊行。

おかげさまで、12刷、10万部突破です。

たくさんの方にご購入いただき、とても嬉しく思います。

糖尿人、メタボ人、生活習慣病の改善を目指す方、健康のために糖質制限食をされる方のお役にたてば幸いです。


ハンドブック


この本、¥840- と手軽な価格でよくまとまっています。

じっくり時間をかけて作っていただいたので、とても使いやすい完成度の高いハンドブックとなりました。

写真も鮮明で、糖質量の文字も大きくて、わかりやすいです。

洋泉社さん、ありがとうございます。 m(_ _)m

糖質制限食を指導する立場の医師・栄養士はもちろん、糖質制限食実践中の患者さんにも強い味方となってくれると思います。






江部康二



☆☆☆

以下「食品別糖質量ハンドブック」のはじめにです。

はじめに

2005年に「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」(東洋経済新報社)を、日本で初めて「糖質制限食」の理論的な本として上梓しました。その後、理論面の本やレシピ本などを各社から多数出版してきました。この間、糖質制限食を日本に広める役目を確実に果たしてきたかなと自負しています。

特にこの1~2年、テレビ・新聞・雑誌などのマスコミが、こぞって糖質制限食を取り上げ、世間一般の認知度は格段に上がったと思います。

2012年1月15日、京都国際会館で開催された第15回日本病態栄養学会年次学術集会において「糖尿病治療に低炭水化物食は是か?非か?」というディベートセッションが行われ、私は是側の演者として講演しました。通常は3000人規模の学会に4000人の医師・栄養士が参加し大きな反響を巻き起こしました。このことは糖質制限食が医学界の表舞台に初登場したという意味で、大きな一歩といえます。

私のブログ「ドクター江部の糖尿病徒然日記」のアクセス件数もこの日を境に1000件以上増えて、現在1日に15000件のアクセスがある人気ブログとなりました。

さらにこのセッション以降、日本全国の医師会や病院から講演依頼があり、2012年はすでに12回の医師・医療関係者向け糖質制限食講演会を行いました。医学界にも爆発的に糖質制限食が広がり始めていて、嬉しい限りです。

このような状況の中で、糖質制限食を推進しておられる医師や栄養士から、食品や料理の糖質のグラム数がわかり、持ち運びもできるようなハンドブックを是非出版して欲しいとの声が多く聞かれるようになりました。確かにそのようなハンドブックがあればとても便利です。

本書は、身近な食品や料理の糖質量・たんぱく質量・カロリーなどが、写真入りでひとめでわかるように工夫されています。糖質制限食を指導する立場の医師・栄養士はもちろん、糖質制限食実践中の患者さんにも強い味方となってくれると思います。是非ご一読いただければ幸いです。

2012年10月
高雄病院理事長
江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット