2014年09月30日 (火)
【14/09/28 高橋です。
はじめまして。
江部先生、初めまして。
糖質制限出産で検索し、こちらのブログへたどり着きました。
私は37歳の主婦で、昨年待望の第一子を出産出来ました。
実はその前に、4度も稽留流産をしており、もう子供は産めないのではないかと思っていました。
私は10年前に糖尿病になり、インスリンを打っていました。
一日30単位打っており、妊娠が分かってからも毎日30打っていました。
それで、いつも自然妊娠はするのですが、胎児が育たないのです。
心拍を確認する前に、稽留流産でした。
不育症検査をしても、原因が分からず。
そして、4度目の流産確定の時に、もしかしてインスリンを打っているからじゃないか?と、ふと思ったのです。
それで色々ネットで検索して、糖質制限を妊婦に勧めている産婦人科医や、江部先生の事も知り、その日からインスリンをスッパリ止めて、糖質制限を開始。
4回目の稽留流産の後処置手術を受けた7ヵ月後にまた妊娠し、その時は糖質制限をして3ヶ月、インスリンを止めて3ヶ月たっていました。
妊娠中もずっと糖質制限を続け、私昨年の10月下旬に、健康な子供を出産したんです!!
胎児も2800gで、普通に分娩しました。
子供も異常なし、2800gだったので出産時も楽でした。
本当に糖質制限と、インスリン注射に止める事に気づけて、奇跡のタイミングだったと思います。
今振り返ると、一日30単位は打ちすぎていたと思うのですが、大学病院の医師は何も言わなかったし、しっかり注射を打って血糖コントロールしましょうって言ってたんですよね。。。
私は、糖尿病妊婦に、絶対糖質制限してと伝えたいです。
インスリン注射は、なるべく控えた方がいい。
特に妊娠初期は絶対に、止めたほうがいいと経験上断言します。
江部先生、おかげさまで5度目の正直で子供を産む事が出来ました。
感謝しております。
今実は第二子妊娠中で、3ヶ月です。
もちろん、糖質制限続けていますよ!^^
インスリンも無しです!
感謝です。】
こんにちは。
高橋さんから
「糖尿病妊娠、糖質制限食でインスリンフリーとなり、元気な赤ちゃんを出産」
というとても嬉しいコメントをいただきました。
高橋さん、おめでとうございます。
10年来の糖尿病で、インスリン30単位/日を注射していて4度ほど稽留流産、今回は糖質制限食でインスリンフリーで37才で無事、第一子出産です。
さて、インスリンそのものが、稽留流産に関与していることはまずないと思います。
というのが、インスリン登場以降、世界中で、数多くの糖尿病妊娠でインスリンを注射して出産している事実があるからです。
しかしながら、高血糖による母体、胎児への合併症として
【胎児への影響】
・流産、奇形、巨大児、未熟児、低血糖児、心臓病、胎児死亡 など
【母体への影響】
・糖尿病腎症の悪化、糖尿病網膜症の悪化
・早産、
・尿路感染症
・妊娠高血圧症候群、羊水過多
・赤ちゃんが巨大児になることにより、難産になったり、帝王切開になるリスクの増加
などがあります。
高血糖により、これだけのリスクが母体と胎児に生じます。
そして、日本糖尿病学会推奨のカロリー制限食(高糖質食)で食後高血糖を防ぐことは、インスリン注射をしていても至難の業です。
さらに、食後高血糖を防ごうとして、インスリンの量を増やせば、今度は母体は低血糖のリスクが大きく増加します。
そして、普通に糖質を摂取して、インスリン注射で厳格にコントロールしようとすると、一日の血糖値の変動幅が、増大します。
食後高血糖と平均血糖変動幅の増大が一番大きな酸化ストレスリスクとなります。(*)
酸化ストレスは、母体にも胎児にも当然、悪影響を及ぼします。
高橋さんの場合も、食後高血糖、低血糖、平均血糖変動幅増大、酸化ストレス増大・・・、これらの要因が、合わさって、稽留流産を生じた可能性があります。
つまり高橋さんだけではなく、糖尿病妊娠で、糖質を普通に食べてインスリン注射を打っている場合は、上記のリスクは常にあるわけです。
この場合、インスリンは高血糖を防ぐためにやむを得ず注射しているわけですが、結局、糖質摂取による上記の弊害のほうが、流産などの合併症に対してはるかに大きい影響を与えていると思います。
糖尿病妊娠で糖質を普通に食べてインスリンを注射して、無事出産されている方も多いと思いますが、このように見てくると、それはある意味運がいい人と言えるのかもしれません。
その点、スーパー糖質制限食に切り替えて、インスリンフリーになると、まず、血糖コントロールが一日を通して、とても良好となります。
そして、食後高血糖、低血糖、平均血糖変動幅増大、酸化ストレス増大といった母体と胎児に悪影響を及ぼす要因が、全てなくなります。
その結果、無事、元気な赤ちゃんが生まれたのだと思います。ヾ(^▽^)
(*)
酸化ストレスに関しては、
2014年07月14日 (月)の本ブログ記事
酸化ストレス・・・て何?食後高血糖と平均血糖変動幅増大がリスク!
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-3030.html
をご参照いただけば幸いです。
江部康二
はじめまして。
江部先生、初めまして。
糖質制限出産で検索し、こちらのブログへたどり着きました。
私は37歳の主婦で、昨年待望の第一子を出産出来ました。
実はその前に、4度も稽留流産をしており、もう子供は産めないのではないかと思っていました。
私は10年前に糖尿病になり、インスリンを打っていました。
一日30単位打っており、妊娠が分かってからも毎日30打っていました。
それで、いつも自然妊娠はするのですが、胎児が育たないのです。
心拍を確認する前に、稽留流産でした。
不育症検査をしても、原因が分からず。
そして、4度目の流産確定の時に、もしかしてインスリンを打っているからじゃないか?と、ふと思ったのです。
それで色々ネットで検索して、糖質制限を妊婦に勧めている産婦人科医や、江部先生の事も知り、その日からインスリンをスッパリ止めて、糖質制限を開始。
4回目の稽留流産の後処置手術を受けた7ヵ月後にまた妊娠し、その時は糖質制限をして3ヶ月、インスリンを止めて3ヶ月たっていました。
妊娠中もずっと糖質制限を続け、私昨年の10月下旬に、健康な子供を出産したんです!!
胎児も2800gで、普通に分娩しました。
子供も異常なし、2800gだったので出産時も楽でした。
本当に糖質制限と、インスリン注射に止める事に気づけて、奇跡のタイミングだったと思います。
今振り返ると、一日30単位は打ちすぎていたと思うのですが、大学病院の医師は何も言わなかったし、しっかり注射を打って血糖コントロールしましょうって言ってたんですよね。。。
私は、糖尿病妊婦に、絶対糖質制限してと伝えたいです。
インスリン注射は、なるべく控えた方がいい。
特に妊娠初期は絶対に、止めたほうがいいと経験上断言します。
江部先生、おかげさまで5度目の正直で子供を産む事が出来ました。
感謝しております。
今実は第二子妊娠中で、3ヶ月です。
もちろん、糖質制限続けていますよ!^^
インスリンも無しです!
感謝です。】
こんにちは。
高橋さんから
「糖尿病妊娠、糖質制限食でインスリンフリーとなり、元気な赤ちゃんを出産」
というとても嬉しいコメントをいただきました。
高橋さん、おめでとうございます。
10年来の糖尿病で、インスリン30単位/日を注射していて4度ほど稽留流産、今回は糖質制限食でインスリンフリーで37才で無事、第一子出産です。
さて、インスリンそのものが、稽留流産に関与していることはまずないと思います。
というのが、インスリン登場以降、世界中で、数多くの糖尿病妊娠でインスリンを注射して出産している事実があるからです。
しかしながら、高血糖による母体、胎児への合併症として
【胎児への影響】
・流産、奇形、巨大児、未熟児、低血糖児、心臓病、胎児死亡 など
【母体への影響】
・糖尿病腎症の悪化、糖尿病網膜症の悪化
・早産、
・尿路感染症
・妊娠高血圧症候群、羊水過多
・赤ちゃんが巨大児になることにより、難産になったり、帝王切開になるリスクの増加
などがあります。
高血糖により、これだけのリスクが母体と胎児に生じます。
そして、日本糖尿病学会推奨のカロリー制限食(高糖質食)で食後高血糖を防ぐことは、インスリン注射をしていても至難の業です。
さらに、食後高血糖を防ごうとして、インスリンの量を増やせば、今度は母体は低血糖のリスクが大きく増加します。
そして、普通に糖質を摂取して、インスリン注射で厳格にコントロールしようとすると、一日の血糖値の変動幅が、増大します。
食後高血糖と平均血糖変動幅の増大が一番大きな酸化ストレスリスクとなります。(*)
酸化ストレスは、母体にも胎児にも当然、悪影響を及ぼします。
高橋さんの場合も、食後高血糖、低血糖、平均血糖変動幅増大、酸化ストレス増大・・・、これらの要因が、合わさって、稽留流産を生じた可能性があります。
つまり高橋さんだけではなく、糖尿病妊娠で、糖質を普通に食べてインスリン注射を打っている場合は、上記のリスクは常にあるわけです。
この場合、インスリンは高血糖を防ぐためにやむを得ず注射しているわけですが、結局、糖質摂取による上記の弊害のほうが、流産などの合併症に対してはるかに大きい影響を与えていると思います。
糖尿病妊娠で糖質を普通に食べてインスリンを注射して、無事出産されている方も多いと思いますが、このように見てくると、それはある意味運がいい人と言えるのかもしれません。
その点、スーパー糖質制限食に切り替えて、インスリンフリーになると、まず、血糖コントロールが一日を通して、とても良好となります。
そして、食後高血糖、低血糖、平均血糖変動幅増大、酸化ストレス増大といった母体と胎児に悪影響を及ぼす要因が、全てなくなります。
その結果、無事、元気な赤ちゃんが生まれたのだと思います。ヾ(^▽^)
(*)
酸化ストレスに関しては、
2014年07月14日 (月)の本ブログ記事
酸化ストレス・・・て何?食後高血糖と平均血糖変動幅増大がリスク!
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-3030.html
をご参照いただけば幸いです。
江部康二
2014年09月29日 (月)
こんにちは。
一般社団法人日本糖質制限医療推進協会主催 講演会(東京)
「脂肪・コレステロール、糖尿病の真実」
■日時: 9月28日(日) 13:20~16:00頃 ※入場受付・開場は、13:00~
■会場: WATERRAS COMMON (ワテラスコモン) 3F「ワテラスコモンホール」
◆講演① 『脂肪とコレステロールは、あなたの体にいいですよ』
講師: 大櫛陽一 東海大学名誉教授/大櫛医学情報研究所所長
◆講演② 『糖質制限食による糖尿病治療』
講師: 江部康二(一財)高雄病院理事長/(一社)日本糖質制限医療推進協会理事長
無事終了しました。
ワテラスコモンホール、新しくできれいな建物で気持ち良かったです。
アクセスも、東京メトロ千代田線「新御茶ノ水」駅徒歩約2分
JR「御茶ノ水」駅徒歩約3分
東京メトロ丸ノ内線「淡路町」駅徒歩約2分
と事情に幸便です。
方向音痴の私も、京都駅→東京駅→中央線でJR御茶ノ水駅→徒歩
迷わずに辿り着きました。
また使いたくなる会場でした。
参加者も優に140名を超えて大盛況でした。
ブログ読者の皆さんには、いつもご協力いただき、ありがとうございます。
大櫛陽一先生は、根拠となる論文を逐一示しながら、中性脂肪が少々高値でも心配ないことをまず、話されました。
米国ガイドライン(N Engl J Med 2007;357:1009)では、
心筋梗塞の既往歴のない人
正常 999以下 (99.9%)
急性膵炎予防 1,000以上 ( 0.1%)
ということだそうで、私もびっくりでした。
中性脂肪値999mg/dlまでは治療の必要なしです。
急性膵炎を予防する意味で、血清中性脂肪値が1000mg/dl以上ある人は、治療の対象となるということです。
日本動脈硬化学会、特定健診(40~74歳)
判定基準
正常 149以下 (76%)
生活習慣指導 150~299 (20%)
受診勧奨 300以上 ( 4%)
日米の中性脂肪のガイドラインを比較すると、あまりの差に二度びっくりですね。
コレステロールに関しても、家族性高コレステロール血症の一部の人が、抗血栓薬の投与が必要であるけれど、それ以外はスタチンも含めて内服薬は不要との説明でした。
米国ガイドライン(心臓病学会 2013年11月)
正常 189以下 (97%)
遺伝病検査 190以上 ( 3%)
*低下治療目標値は廃止されました
日本動脈硬化学会、特定健診(40~74歳)
正常 119以下 (45%)
生活習慣指導 120~139 (25%)
受診勧奨 140以上 (30%)
日米のLDLコレステロールの基準に対するガイドラインも上述のように大きな差があります。
米国ガイドラインで、低下治療目標値が廃止されたのは、極めて大きな変化と言えます。
私は糖尿病を中心に、60分間、理論と実践を語りました。
藤原道長(日本最初の糖尿人)、
三大栄養素と血糖値、
米国糖尿病学会2013年の栄養療法に関する声明、
食品交換表第7版、2013年、
インスリンは三重の肥満ホルモン、
日本腎臓病学会のCKDガイド2012、
糖質制限食と腎不全、
厚生労働省、国民栄養の現状、三大栄養素の摂取比率の推移、
糖尿病患者数、糖尿病予備群患者数の推移、
信頼度の高いDIRECT、
信頼度の高いACCORD、
糖尿病患者さんの症例報告、
酸化ストレスと疾病、
日本糖尿病学会の血糖コントロール目標(2013年6月1日)
糖尿病合併症:透析、切断、失明、
久山町の悲劇、
薬物療法(内服薬7種、注射薬2種)の多さ、
テーラーメードダイエット
・・・・・
結構盛りだくさんにお話しました。
質疑応答の時間を30分とっていたのですが、質問が引きも切らず、とうとう時間が足らなくなって打ち止めとなり、申し訳ありませんでした。
ともあれ大変充実した有意義な講演会でした。
講演の後、各地から参加の医師と栄養士約20名でで意見交換会をもち、糖質制限食のネットワークが確実に広がっていることを実感できました。
江部康二
一般社団法人日本糖質制限医療推進協会主催 講演会(東京)
「脂肪・コレステロール、糖尿病の真実」
■日時: 9月28日(日) 13:20~16:00頃 ※入場受付・開場は、13:00~
■会場: WATERRAS COMMON (ワテラスコモン) 3F「ワテラスコモンホール」
◆講演① 『脂肪とコレステロールは、あなたの体にいいですよ』
講師: 大櫛陽一 東海大学名誉教授/大櫛医学情報研究所所長
◆講演② 『糖質制限食による糖尿病治療』
講師: 江部康二(一財)高雄病院理事長/(一社)日本糖質制限医療推進協会理事長
無事終了しました。
ワテラスコモンホール、新しくできれいな建物で気持ち良かったです。
アクセスも、東京メトロ千代田線「新御茶ノ水」駅徒歩約2分
JR「御茶ノ水」駅徒歩約3分
東京メトロ丸ノ内線「淡路町」駅徒歩約2分
と事情に幸便です。
方向音痴の私も、京都駅→東京駅→中央線でJR御茶ノ水駅→徒歩
迷わずに辿り着きました。
また使いたくなる会場でした。
参加者も優に140名を超えて大盛況でした。
ブログ読者の皆さんには、いつもご協力いただき、ありがとうございます。
大櫛陽一先生は、根拠となる論文を逐一示しながら、中性脂肪が少々高値でも心配ないことをまず、話されました。
米国ガイドライン(N Engl J Med 2007;357:1009)では、
心筋梗塞の既往歴のない人
正常 999以下 (99.9%)
急性膵炎予防 1,000以上 ( 0.1%)
ということだそうで、私もびっくりでした。
中性脂肪値999mg/dlまでは治療の必要なしです。
急性膵炎を予防する意味で、血清中性脂肪値が1000mg/dl以上ある人は、治療の対象となるということです。
日本動脈硬化学会、特定健診(40~74歳)
判定基準
正常 149以下 (76%)
生活習慣指導 150~299 (20%)
受診勧奨 300以上 ( 4%)
日米の中性脂肪のガイドラインを比較すると、あまりの差に二度びっくりですね。
コレステロールに関しても、家族性高コレステロール血症の一部の人が、抗血栓薬の投与が必要であるけれど、それ以外はスタチンも含めて内服薬は不要との説明でした。
米国ガイドライン(心臓病学会 2013年11月)
正常 189以下 (97%)
遺伝病検査 190以上 ( 3%)
*低下治療目標値は廃止されました
日本動脈硬化学会、特定健診(40~74歳)
正常 119以下 (45%)
生活習慣指導 120~139 (25%)
受診勧奨 140以上 (30%)
日米のLDLコレステロールの基準に対するガイドラインも上述のように大きな差があります。
米国ガイドラインで、低下治療目標値が廃止されたのは、極めて大きな変化と言えます。
私は糖尿病を中心に、60分間、理論と実践を語りました。
藤原道長(日本最初の糖尿人)、
三大栄養素と血糖値、
米国糖尿病学会2013年の栄養療法に関する声明、
食品交換表第7版、2013年、
インスリンは三重の肥満ホルモン、
日本腎臓病学会のCKDガイド2012、
糖質制限食と腎不全、
厚生労働省、国民栄養の現状、三大栄養素の摂取比率の推移、
糖尿病患者数、糖尿病予備群患者数の推移、
信頼度の高いDIRECT、
信頼度の高いACCORD、
糖尿病患者さんの症例報告、
酸化ストレスと疾病、
日本糖尿病学会の血糖コントロール目標(2013年6月1日)
糖尿病合併症:透析、切断、失明、
久山町の悲劇、
薬物療法(内服薬7種、注射薬2種)の多さ、
テーラーメードダイエット
・・・・・
結構盛りだくさんにお話しました。
質疑応答の時間を30分とっていたのですが、質問が引きも切らず、とうとう時間が足らなくなって打ち止めとなり、申し訳ありませんでした。
ともあれ大変充実した有意義な講演会でした。
講演の後、各地から参加の医師と栄養士約20名でで意見交換会をもち、糖質制限食のネットワークが確実に広がっていることを実感できました。
江部康二
2014年09月28日 (日)
おはようございます。
隆祥館(リュウショウカン)書店主催、出版記念講演会(2014/10/5、日曜日)のご案内です。
会場は、大阪市中央区上本町変電所ホ-ルです。
『 炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません 』(東洋経済新報社)
2014年8月1日刊行
の出版記念講演会です。
隆祥館(リュウショウカン)書店の店長、二村知子さんが企画してくださいました。
二村知子店長、ありがとうございます。
『炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません』
は、一般向けのとてもわかりやすい内容の新刊です。
前著
「糖尿病治療のための!糖質制限食パーフェクトガイド」2013年(東洋経済新報社)
は、医師・医療関係者・専門的な知識を得たい人のための本です。
エビデンスレベルの高い研究論文から、従来の糖尿病治療の限界を証明し、
糖質制限食の有効性や安全性を実証しました。
今回の
『炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません』
は、エビデンスだけにこだわるのではなく、それらをベースに糖質制限食の持つポテンシャル・可能性について、
わかりやすく広く大胆に考察してみました。
例えば冒頭では、日本人の四大死因や五大疾病の元凶は、
糖質の頻回過剰摂取である可能性が高いことを理論的に平易に説明しています。
つまり、日本人の
四大死因(1がん、2心疾患、3脳血管疾患、4肺炎)
や
五大疾病(がん、脳卒中、心臓病、糖尿病、精神疾患)
は、
スーパー糖質制限食で予防できる可能性が高いのです。
読み出したら、一気に読みたくなる内容の本と自負しています。
糖質制限食や人間栄養学や健康に興味がある人、そして従来の医学や栄養学の常識を疑い、
自分自身で考えることを目指す人には最適の本と思いますので是非ご一読を!
そして、10/5(日)隆祥館書店主催「江部康二出版記念 講演会」に是非、ご参加を!
お待ちしています。
なお、9/28(日)の「脂肪・コレステロール・糖尿病の真実」東京講演会は、満員御礼となりました。
ありがとうございます。
江部康二
☆☆☆
以下、隆祥館(リュウショウカン)書店の講演会案内サイトから一部抜粋です。
http://atta2.weblogs.jp/ryushokan/2014/08/2014105-%E4%BD%9C%E5%AE%B6%E3%81%95%E3%82%93%E3%81%A8%E3%81%AE%E9%9B%86%E3%81%84-%E6%B1%9F%E9%83%A8%E5%BA%B7%E4%BA%8C%E5%85%88%E7%94%9F%E3%82%92%E5%9B%B2%E3%82%80%E4%BC%9A-no77.html
<糖質制限食を実践されている江部康二先生を囲む会 >
『炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません』
生活習慣病を予防&改善する糖質制限食31のポイント
江部康二著 東洋経済新報社
2014年8月1日(金)から発売中
東洋経済新報社発刊記念イベント
日時: 10月5日(日) 13:00
開場: 13:00
開演: 14:00
講演: 14:00~15:15
質疑応答: 15:15~15:30
会場: 大阪市中央区上本町変電所ホ-ル CafeBreakTime:
参加費:本代1404円+参加費1500円 含み 2,900円
講演会のみ参加の場合 2500円 当日料金 3,000円
(要予約・事前購入制とさせていただきます。先着順100名)
* 振込先 三井住友銀行上町支店
(普通) 1353923 カ)リュウショウカンショテン
(時間の都合上、サインは、当店でお買上の方に限らせていただきます。)
申込み・お問合せ: 隆祥館書店
TEL: 06-6768-1023
Eメ-ル: ryushokan@eos.ocn.ne.jp
主催: 隆祥館書店 後援:東洋経済新報社
2014/10/5 作家さんとの集い
< 江部康二先生を囲む会 > No.77
********** 隆祥館書店からのお知らせ **********
今回は、糖尿病の治療法として『糖質制限食』を唱えて、多くの糖尿病患者さんから支持されている内科医の江部康二先生に登場いただくことになりました。
先生ご自身が2型の糖尿病患者でいらっしゃいますが、既に10年以上糖質制限食を実践されており、血糖値等のデータは完全に正常値です。薬も全く飲んでおられません。
その秘密は糖質(炭水化物)を取らないということにあります。
最近のご研究では成人病をはじめとする多くの病気の原因にも糖質が関係するということがわかってきました。
プロジェクタ-でメカニズムについても、丁寧に説明して下さいます。
是非、食生活を見直すきっかとして、この講演会にご参加くださいませ。
【江部先生 プロフィール】 ------------------------
高雄病院理事長、日本糖質制限医療推進協会理事長、医師
1950年京都府生まれ 京都大学医学部卒業
糖尿病治療食として近年、急速に注目されている糖質制限食の先駆者の一人で
日本でその認知を広めてきた最大の功労者。
2001年から糖質制限食を糖尿病治療食として積極的に導入し、2013年までに
1600人を超える患者に指導を行う。
2005年に、日本で初めて糖質制限食を紹介した著書
『主食を抜けば糖尿病は良くなる』がベストセラーになる。
-----------------------------------
隆祥館(リュウショウカン)書店主催、出版記念講演会(2014/10/5、日曜日)のご案内です。
会場は、大阪市中央区上本町変電所ホ-ルです。
『 炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません 』(東洋経済新報社)
2014年8月1日刊行
の出版記念講演会です。
隆祥館(リュウショウカン)書店の店長、二村知子さんが企画してくださいました。
二村知子店長、ありがとうございます。
『炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません』
は、一般向けのとてもわかりやすい内容の新刊です。
前著
「糖尿病治療のための!糖質制限食パーフェクトガイド」2013年(東洋経済新報社)
は、医師・医療関係者・専門的な知識を得たい人のための本です。
エビデンスレベルの高い研究論文から、従来の糖尿病治療の限界を証明し、
糖質制限食の有効性や安全性を実証しました。
今回の
『炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません』
は、エビデンスだけにこだわるのではなく、それらをベースに糖質制限食の持つポテンシャル・可能性について、
わかりやすく広く大胆に考察してみました。
例えば冒頭では、日本人の四大死因や五大疾病の元凶は、
糖質の頻回過剰摂取である可能性が高いことを理論的に平易に説明しています。
つまり、日本人の
四大死因(1がん、2心疾患、3脳血管疾患、4肺炎)
や
五大疾病(がん、脳卒中、心臓病、糖尿病、精神疾患)
は、
スーパー糖質制限食で予防できる可能性が高いのです。
読み出したら、一気に読みたくなる内容の本と自負しています。
糖質制限食や人間栄養学や健康に興味がある人、そして従来の医学や栄養学の常識を疑い、
自分自身で考えることを目指す人には最適の本と思いますので是非ご一読を!
そして、10/5(日)隆祥館書店主催「江部康二出版記念 講演会」に是非、ご参加を!
お待ちしています。
なお、9/28(日)の「脂肪・コレステロール・糖尿病の真実」東京講演会は、満員御礼となりました。
ありがとうございます。
江部康二
☆☆☆
以下、隆祥館(リュウショウカン)書店の講演会案内サイトから一部抜粋です。
http://atta2.weblogs.jp/ryushokan/2014/08/2014105-%E4%BD%9C%E5%AE%B6%E3%81%95%E3%82%93%E3%81%A8%E3%81%AE%E9%9B%86%E3%81%84-%E6%B1%9F%E9%83%A8%E5%BA%B7%E4%BA%8C%E5%85%88%E7%94%9F%E3%82%92%E5%9B%B2%E3%82%80%E4%BC%9A-no77.html
<糖質制限食を実践されている江部康二先生を囲む会 >
『炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません』
生活習慣病を予防&改善する糖質制限食31のポイント
江部康二著 東洋経済新報社
2014年8月1日(金)から発売中
東洋経済新報社発刊記念イベント
日時: 10月5日(日) 13:00
開場: 13:00
開演: 14:00
講演: 14:00~15:15
質疑応答: 15:15~15:30
会場: 大阪市中央区上本町変電所ホ-ル CafeBreakTime:
参加費:本代1404円+参加費1500円 含み 2,900円
講演会のみ参加の場合 2500円 当日料金 3,000円
(要予約・事前購入制とさせていただきます。先着順100名)
* 振込先 三井住友銀行上町支店
(普通) 1353923 カ)リュウショウカンショテン
(時間の都合上、サインは、当店でお買上の方に限らせていただきます。)
申込み・お問合せ: 隆祥館書店
TEL: 06-6768-1023
Eメ-ル: ryushokan@eos.ocn.ne.jp
主催: 隆祥館書店 後援:東洋経済新報社
2014/10/5 作家さんとの集い
< 江部康二先生を囲む会 > No.77
********** 隆祥館書店からのお知らせ **********
今回は、糖尿病の治療法として『糖質制限食』を唱えて、多くの糖尿病患者さんから支持されている内科医の江部康二先生に登場いただくことになりました。
先生ご自身が2型の糖尿病患者でいらっしゃいますが、既に10年以上糖質制限食を実践されており、血糖値等のデータは完全に正常値です。薬も全く飲んでおられません。
その秘密は糖質(炭水化物)を取らないということにあります。
最近のご研究では成人病をはじめとする多くの病気の原因にも糖質が関係するということがわかってきました。
プロジェクタ-でメカニズムについても、丁寧に説明して下さいます。
是非、食生活を見直すきっかとして、この講演会にご参加くださいませ。
【江部先生 プロフィール】 ------------------------
高雄病院理事長、日本糖質制限医療推進協会理事長、医師
1950年京都府生まれ 京都大学医学部卒業
糖尿病治療食として近年、急速に注目されている糖質制限食の先駆者の一人で
日本でその認知を広めてきた最大の功労者。
2001年から糖質制限食を糖尿病治療食として積極的に導入し、2013年までに
1600人を超える患者に指導を行う。
2005年に、日本で初めて糖質制限食を紹介した著書
『主食を抜けば糖尿病は良くなる』がベストセラーになる。
-----------------------------------
2014年09月27日 (土)
【14/09/27 ジャイアントキリング
無題
ためしてガッテンで、「果糖」は、血糖値を挙げないそうです。
はっきり言ってました!!
ドカベンがお亡くなりになりました。
糖尿病の合併症で人工透析をしているのはしていましたが。
52歳。
糖尿病の恐ろしさを改めて感じました。
合掌。】
ジャイアントキリングさん。
コメントありがとうございます。
ドカベンさん、残念でした。
私自身も、父親は糖尿病が原因で77才で足を切断して、80才で心筋梗塞、肺炎で永眠しました。
2001年12月のことでした。
私が、糖質制限食に取り組む以前の段階で、糖尿病合併症のオンパレードで、逝ったわけで、とても残念なことでした。
さて、果糖ですが、仰る通り、血糖値は、少ししかあげません。
しかし、ブドウ糖よりも中性脂肪に変わりやすいので、大変肥満しやすいです。
果糖は実に面白い性質をもっていますので、少し詳しく検討してみましょう。
まず、果糖は、ブドウ糖とは代謝経路が全く異なっています。
そして、果糖のGI(血糖上昇指数)は20くらいと低いです。
低いけれど、GIが20あるということは、
それくらいは血糖を上げるということです。
果糖の代謝経路は特殊で、10%がブドウ糖に変換され吸収されますが、残りの90%は、果糖のまま吸収され、肝臓でそのまま直接代謝されます。
ですから、果糖は血糖値をほとんど上昇させず、インスリンの分泌もほとんど促しません。
つまり、果糖のGI値が低いのは、果糖が「ブドウ糖として」利用されるのはごく一部であるからであり、
果糖の吸収速度が遅いからGI値が低いというわけではありません。
消化吸収されて肝門脈に流れ込んだ果糖は肝臓で、ブドウ糖より速く解糖作用をうけます。
これは、ブドウ糖が解糖系に入って代謝されていく時には、ホスホフルクトキナーゼという酵素が必要なのですが、
果糖はこの段階をバイパスして、速やかに解糖系に入って代謝されるからです。
肝臓に取り込まれたブドウ糖、果糖は解糖系、TCAサイクルを経てATP産生に消費され、余分なものは、グリコーゲン、中性脂肪に変換されます。
肝臓のグリコーゲン蓄積には限りがあるので、ブドウ糖より速やかに代謝された果糖の代謝産物により、脂肪酸合成が促進され、中性脂肪の合成が亢進し、高中性脂肪血症となります。
血糖値の上昇をみるGI値では「ブドウ糖>砂糖>果糖」ですが、中性脂肪値の上昇速度は、「果糖>砂糖>ブドウ糖」となります。
ですから、果糖は、ブドウ糖に比べれば血糖値は少ししか上昇させませんが、
中性脂肪合成を促進させ、太りやすい性質をもっています。
果物の糖質の主成分は果糖ですので、血糖値はパンや米など穀物より上昇させにくいですが、
中性脂肪に変わるという意味では多く摂ればやはり太ると思います。
また果物には、果糖以外にブドウ糖やショ糖も含まれているのでその分はしっかり血糖を上げます。
農耕以前の人類は、来るべき冬の食糧難に備えて、実りの秋に果物を摂取して、
効率よく中性脂肪を蓄えていたと、考えられます。
果物には、果糖、ブドウ糖、ショ糖などが含まれています。
従って果物を摂取すれば
1)「果糖→中性脂肪」
2)「ブドウ糖→インスリン→中性脂肪」
1)2)の二つのルートで、中性脂肪を蓄えることができて、700万年にわたり、飢餓に対するセーフティーネットとして役だってきたと考えられます。
**
今回のブログは「ハーパー・生化学」
原書27版、上代淑人監訳、丸善株式会社、2007年
などを参考にしました。
江部康二
無題
ためしてガッテンで、「果糖」は、血糖値を挙げないそうです。
はっきり言ってました!!
ドカベンがお亡くなりになりました。
糖尿病の合併症で人工透析をしているのはしていましたが。
52歳。
糖尿病の恐ろしさを改めて感じました。
合掌。】
ジャイアントキリングさん。
コメントありがとうございます。
ドカベンさん、残念でした。
私自身も、父親は糖尿病が原因で77才で足を切断して、80才で心筋梗塞、肺炎で永眠しました。
2001年12月のことでした。
私が、糖質制限食に取り組む以前の段階で、糖尿病合併症のオンパレードで、逝ったわけで、とても残念なことでした。
さて、果糖ですが、仰る通り、血糖値は、少ししかあげません。
しかし、ブドウ糖よりも中性脂肪に変わりやすいので、大変肥満しやすいです。
果糖は実に面白い性質をもっていますので、少し詳しく検討してみましょう。
まず、果糖は、ブドウ糖とは代謝経路が全く異なっています。
そして、果糖のGI(血糖上昇指数)は20くらいと低いです。
低いけれど、GIが20あるということは、
それくらいは血糖を上げるということです。
果糖の代謝経路は特殊で、10%がブドウ糖に変換され吸収されますが、残りの90%は、果糖のまま吸収され、肝臓でそのまま直接代謝されます。
ですから、果糖は血糖値をほとんど上昇させず、インスリンの分泌もほとんど促しません。
つまり、果糖のGI値が低いのは、果糖が「ブドウ糖として」利用されるのはごく一部であるからであり、
果糖の吸収速度が遅いからGI値が低いというわけではありません。
消化吸収されて肝門脈に流れ込んだ果糖は肝臓で、ブドウ糖より速く解糖作用をうけます。
これは、ブドウ糖が解糖系に入って代謝されていく時には、ホスホフルクトキナーゼという酵素が必要なのですが、
果糖はこの段階をバイパスして、速やかに解糖系に入って代謝されるからです。
肝臓に取り込まれたブドウ糖、果糖は解糖系、TCAサイクルを経てATP産生に消費され、余分なものは、グリコーゲン、中性脂肪に変換されます。
肝臓のグリコーゲン蓄積には限りがあるので、ブドウ糖より速やかに代謝された果糖の代謝産物により、脂肪酸合成が促進され、中性脂肪の合成が亢進し、高中性脂肪血症となります。
血糖値の上昇をみるGI値では「ブドウ糖>砂糖>果糖」ですが、中性脂肪値の上昇速度は、「果糖>砂糖>ブドウ糖」となります。
ですから、果糖は、ブドウ糖に比べれば血糖値は少ししか上昇させませんが、
中性脂肪合成を促進させ、太りやすい性質をもっています。
果物の糖質の主成分は果糖ですので、血糖値はパンや米など穀物より上昇させにくいですが、
中性脂肪に変わるという意味では多く摂ればやはり太ると思います。
また果物には、果糖以外にブドウ糖やショ糖も含まれているのでその分はしっかり血糖を上げます。
農耕以前の人類は、来るべき冬の食糧難に備えて、実りの秋に果物を摂取して、
効率よく中性脂肪を蓄えていたと、考えられます。
果物には、果糖、ブドウ糖、ショ糖などが含まれています。
従って果物を摂取すれば
1)「果糖→中性脂肪」
2)「ブドウ糖→インスリン→中性脂肪」
1)2)の二つのルートで、中性脂肪を蓄えることができて、700万年にわたり、飢餓に対するセーフティーネットとして役だってきたと考えられます。
**
今回のブログは「ハーパー・生化学」
原書27版、上代淑人監訳、丸善株式会社、2007年
などを参考にしました。
江部康二
2014年09月26日 (金)
こんにちは
2014/9/29号のアエラ、26・27ページに「糖質制限論争」と題して記事が載っています。
私が推進派で、幕内秀夫氏(管理栄養士)が反対派で、質問に答える形式で、それぞれ意見を述べています。
直接討論したわけではないので、話が噛み合ってない所もあります。
ともあれ、幕内氏の主張に対しては、全て即反論できます。
なおアエラさんが、見出しに「肉食は人類本来の食事」と私が述べたように書いてますが、勿論、肉・魚・野菜・・・海藻・茸・昆虫・木の実・野生の果物・根茎・動物の骨髄・・・などが人類本来の食事です。
そして、糖質制限食は、農耕が始まる前の狩猟・採集時代700万年間の食事であり、人類本来の食事、人類の健康食です。
端的にいえば、人類の健康食ですから「糖質制限食には百利あって一害なし」です。
そうそう、糖質制限は兎も角として、カロリー摂取不足の人が時々おられて、好ましくない症状を訴えることがあるので、そこは要注意です。
糖質制限食実践中の好ましくない症状のほとんどが、実はカロリー不足によるものです。
それから、肝硬変・長鎖脂肪酸代謝異常症・活動性膵炎の場合は、糖質制限食は適応となりません。
以下、見出しだけ、並べてみましたが、興味ある方は読んでみてくださいね。
推進派の江部康二医師に聞く
肉食は人類本来の食事
-糖質制限食のメリットは?
-なぜ糖質摂取は良くないのですか
糖質減で心も安定
-反対派は、糖質制限食ダイエットは健康に悪影響を及ぼすと主張しています。
-糖質制限食ダイエットは一時的な流行にすぎないとの見方もあります。
反対派の幕内秀夫氏に聞く
心配される無生理や不妊症
-糖質制限食ダイエットのどこが問題なのですか。
-なぜ糖質制限への支持が広がっているのでしょうか。
-推進派は「現代人は糖質の取りすぎ」と主張しています。
-このダイエットによって、どんな影響が考えられますか。
縄文人、肉食説は疑問
-肉食が人類本来の食事との主張もあります。
-では、望ましい食事については、どうお考えですか。
江部康二
2014/9/29号のアエラ、26・27ページに「糖質制限論争」と題して記事が載っています。
私が推進派で、幕内秀夫氏(管理栄養士)が反対派で、質問に答える形式で、それぞれ意見を述べています。
直接討論したわけではないので、話が噛み合ってない所もあります。
ともあれ、幕内氏の主張に対しては、全て即反論できます。
なおアエラさんが、見出しに「肉食は人類本来の食事」と私が述べたように書いてますが、勿論、肉・魚・野菜・・・海藻・茸・昆虫・木の実・野生の果物・根茎・動物の骨髄・・・などが人類本来の食事です。
そして、糖質制限食は、農耕が始まる前の狩猟・採集時代700万年間の食事であり、人類本来の食事、人類の健康食です。
端的にいえば、人類の健康食ですから「糖質制限食には百利あって一害なし」です。
そうそう、糖質制限は兎も角として、カロリー摂取不足の人が時々おられて、好ましくない症状を訴えることがあるので、そこは要注意です。
糖質制限食実践中の好ましくない症状のほとんどが、実はカロリー不足によるものです。
それから、肝硬変・長鎖脂肪酸代謝異常症・活動性膵炎の場合は、糖質制限食は適応となりません。
以下、見出しだけ、並べてみましたが、興味ある方は読んでみてくださいね。
推進派の江部康二医師に聞く
肉食は人類本来の食事
-糖質制限食のメリットは?
-なぜ糖質摂取は良くないのですか
糖質減で心も安定
-反対派は、糖質制限食ダイエットは健康に悪影響を及ぼすと主張しています。
-糖質制限食ダイエットは一時的な流行にすぎないとの見方もあります。
反対派の幕内秀夫氏に聞く
心配される無生理や不妊症
-糖質制限食ダイエットのどこが問題なのですか。
-なぜ糖質制限への支持が広がっているのでしょうか。
-推進派は「現代人は糖質の取りすぎ」と主張しています。
-このダイエットによって、どんな影響が考えられますか。
縄文人、肉食説は疑問
-肉食が人類本来の食事との主張もあります。
-では、望ましい食事については、どうお考えですか。
江部康二
2014年09月25日 (木)
こんばんは。
日経メディカルのサイトに以下の記事が載っていました。(☆)
福助さん、toshitsuzeroさんからコメントをいただきました。
ありがとうございます。
(☆)
以下、日経メディカルのサイトから、一部転載です。
【http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/flash/easd2014/201409/538486.html
学会フラッシュ:欧州糖尿病学会2014
2014年9月16日~20日 Vienna, Austria
低炭水化物ダイエットは置き換える脂質の種類に注意を
2014/9/20 欧州糖尿病学会取材班
オランダUniversity Medical Center UtrechtのMarjo Campmans氏
低炭水化物食で炭水化物を脂質に置き換える場合、脂肪酸の種類によって全死因死亡率や心血管疾患(CVD)死亡リスクが異なることが示された。オランダUniversity Medical Center UtrechtのMarjo Campmans氏が、第50回欧州糖尿病学会(EASD2014、9月16~19日、ウィーン開催)で発表した。
炭水化物を脂質に置き換える低炭水化物食では、やがて血中脂質を悪化させ、死亡リスクを増加させる高脂肪食につながる恐れがある。また、2型糖尿病患者がどの種類の脂質を炭水化物の置き換え食品とすべきかは、いまだに議論があるところだ。そこでCampmans氏らは、炭水化物を(1)総脂質、(2)飽和脂肪酸(SFAs)、(3)一価不飽和脂肪酸(MUFAs)、(4)多価不飽和脂肪酸(PUFAs)と置換した場合について、全死因死亡、CVD死亡リスク、5年間の体重変化との関連を検討した。
対象は、欧州の癌と栄養に関する前向きコホート研究(European Prospective Investigation into Cancer and Nutrition:EPIC)に含まれる2型糖尿病患者6192人とした。平均9.2年間のフォローアップ期間中に、791例が死亡し、そのうちCVDによって死亡したのは268例だった。
解析の結果、炭水化物10gを総脂質またはSFAsへ置き換えると、全死因死亡リスクが増加していた。一方、MUFAsに置き換えるとリスクは低下した。CVD死亡リスクは、炭水化物をSFAsまたはPUFAsに置換した場合に増加した。炭水化物を総脂質またはMUFAsに置換した場合、5年間で体重が減少していた。MUFAsは有意な減少だった。
これらの結果からCampmans氏は、「糖尿病患者において、炭水化物を総脂質やSFAs、PUFAsに置換すると、CVD死亡リスクあるいは全死因死亡リスクが上昇した。一方、MUFAsへの置換は全死因死亡リスクの低減と関連した」と結論し、「低炭水化物食のガイドラインは、炭水化物を脂質に置き換えることを推奨するのではなく、脂肪酸の種類に焦点を当てるべき」と提言した。】
炭水化物10g(40kcal)を脂質に置き換えて解析した研究のようですが、福助さん、toshitsuzeroさんもご指摘のように、あまりにも少量なので意味がわかりません。
もしかしたら、日経メディカルさんの誤訳?かもしれないので、論文が医学雑誌に掲載されたら再検討が必要かもしれません。
結論的には、
MUFAs(一価不飽和脂肪酸・・・オリーブオイルなど)が良くて
SFAs(飽和脂肪酸・・・肉などの脂)と
PUFAs(多価不飽和脂肪酸・・・ナッツや魚貝など)が良くないということなのですが、これは、到底エビデンスレベルではないですね。
対象は、
「欧州の癌と栄養に関する前向きコホート研究(European Prospective Investigation into Cancer and Nutrition:EPIC)に含まれる2型糖尿病患者6192人」
です。
2型糖尿病患者の研究なのですが、ヨーロッパの人々、とりあえずアバウトに設定して、少なく見ても普通は約2000kcal/日くらいは摂取していて、糖質は50%くらいです。そうすると糖質摂取量は250g/日です。
糖質250gのうち、10gを置き換えても、僅か4%を置き換えただけですのでこの研究はますます意味不明です。
さらに言わせて貰えば、糖質130g/日以下が、世界基準での糖質制限食の定義です。
従って、この研究は糖質制限食とは、全く無縁のものと言えます。
例えばスーパー糖質制限食なら、糖質摂取量は40~60g/日以下です。
そして糖尿病患者において1回の糖質摂取量が、40~50g以上あれば、確実に「食後高血糖」と「平均血糖幅増大」という
最大の酸化ストレスリスクを生じます。酸化ストレスは、糖尿病合併症、動脈硬化、がんなどの元凶です。
このように多大な酸化ストレスリスクのある2型糖尿病患者に対して、糖質10gを脂質に置き換える程度のチェンジは焼け石に水のようなもので、研究目的もなんだかよくわかりません。
私は一2型糖尿人として、「食後高血糖」と「平均血糖幅増大」という最大の酸化ストレスリスクを生じない唯一の食事療法「スーパー糖質制限食」を美味しく楽しくこれからも続けていきます。
江部康二
日経メディカルのサイトに以下の記事が載っていました。(☆)
福助さん、toshitsuzeroさんからコメントをいただきました。
ありがとうございます。
(☆)
以下、日経メディカルのサイトから、一部転載です。
【http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/flash/easd2014/201409/538486.html
学会フラッシュ:欧州糖尿病学会2014
2014年9月16日~20日 Vienna, Austria
低炭水化物ダイエットは置き換える脂質の種類に注意を
2014/9/20 欧州糖尿病学会取材班
オランダUniversity Medical Center UtrechtのMarjo Campmans氏
低炭水化物食で炭水化物を脂質に置き換える場合、脂肪酸の種類によって全死因死亡率や心血管疾患(CVD)死亡リスクが異なることが示された。オランダUniversity Medical Center UtrechtのMarjo Campmans氏が、第50回欧州糖尿病学会(EASD2014、9月16~19日、ウィーン開催)で発表した。
炭水化物を脂質に置き換える低炭水化物食では、やがて血中脂質を悪化させ、死亡リスクを増加させる高脂肪食につながる恐れがある。また、2型糖尿病患者がどの種類の脂質を炭水化物の置き換え食品とすべきかは、いまだに議論があるところだ。そこでCampmans氏らは、炭水化物を(1)総脂質、(2)飽和脂肪酸(SFAs)、(3)一価不飽和脂肪酸(MUFAs)、(4)多価不飽和脂肪酸(PUFAs)と置換した場合について、全死因死亡、CVD死亡リスク、5年間の体重変化との関連を検討した。
対象は、欧州の癌と栄養に関する前向きコホート研究(European Prospective Investigation into Cancer and Nutrition:EPIC)に含まれる2型糖尿病患者6192人とした。平均9.2年間のフォローアップ期間中に、791例が死亡し、そのうちCVDによって死亡したのは268例だった。
解析の結果、炭水化物10gを総脂質またはSFAsへ置き換えると、全死因死亡リスクが増加していた。一方、MUFAsに置き換えるとリスクは低下した。CVD死亡リスクは、炭水化物をSFAsまたはPUFAsに置換した場合に増加した。炭水化物を総脂質またはMUFAsに置換した場合、5年間で体重が減少していた。MUFAsは有意な減少だった。
これらの結果からCampmans氏は、「糖尿病患者において、炭水化物を総脂質やSFAs、PUFAsに置換すると、CVD死亡リスクあるいは全死因死亡リスクが上昇した。一方、MUFAsへの置換は全死因死亡リスクの低減と関連した」と結論し、「低炭水化物食のガイドラインは、炭水化物を脂質に置き換えることを推奨するのではなく、脂肪酸の種類に焦点を当てるべき」と提言した。】
炭水化物10g(40kcal)を脂質に置き換えて解析した研究のようですが、福助さん、toshitsuzeroさんもご指摘のように、あまりにも少量なので意味がわかりません。
もしかしたら、日経メディカルさんの誤訳?かもしれないので、論文が医学雑誌に掲載されたら再検討が必要かもしれません。
結論的には、
MUFAs(一価不飽和脂肪酸・・・オリーブオイルなど)が良くて
SFAs(飽和脂肪酸・・・肉などの脂)と
PUFAs(多価不飽和脂肪酸・・・ナッツや魚貝など)が良くないということなのですが、これは、到底エビデンスレベルではないですね。
対象は、
「欧州の癌と栄養に関する前向きコホート研究(European Prospective Investigation into Cancer and Nutrition:EPIC)に含まれる2型糖尿病患者6192人」
です。
2型糖尿病患者の研究なのですが、ヨーロッパの人々、とりあえずアバウトに設定して、少なく見ても普通は約2000kcal/日くらいは摂取していて、糖質は50%くらいです。そうすると糖質摂取量は250g/日です。
糖質250gのうち、10gを置き換えても、僅か4%を置き換えただけですのでこの研究はますます意味不明です。
さらに言わせて貰えば、糖質130g/日以下が、世界基準での糖質制限食の定義です。
従って、この研究は糖質制限食とは、全く無縁のものと言えます。
例えばスーパー糖質制限食なら、糖質摂取量は40~60g/日以下です。
そして糖尿病患者において1回の糖質摂取量が、40~50g以上あれば、確実に「食後高血糖」と「平均血糖幅増大」という
最大の酸化ストレスリスクを生じます。酸化ストレスは、糖尿病合併症、動脈硬化、がんなどの元凶です。
このように多大な酸化ストレスリスクのある2型糖尿病患者に対して、糖質10gを脂質に置き換える程度のチェンジは焼け石に水のようなもので、研究目的もなんだかよくわかりません。
私は一2型糖尿人として、「食後高血糖」と「平均血糖幅増大」という最大の酸化ストレスリスクを生じない唯一の食事療法「スーパー糖質制限食」を美味しく楽しくこれからも続けていきます。
江部康二
2014年09月24日 (水)
こんにちは。
隆祥館(リュウショウカン)書店主催、出版記念講演会(2014/10/5、日曜日)のご案内です。
会場は、大阪市中央区上本町変電所ホ-ルです。
『 炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません 』(東洋経済新報社)
2014年8月1日刊行
の出版記念講演会です。
隆祥館(リュウショウカン)書店の店長、二村知子さんが企画してくださいました。
二村知子店長、ありがとうございます。
『炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません』
は、一般向けのとてもわかりやすい内容の新刊です。
前著
「糖尿病治療のための!糖質制限食パーフェクトガイド」2013年(東洋経済新報社)
は、医師・医療関係者・専門的な知識を得たい人のための本です。
エビデンスレベルの高い研究論文から、従来の糖尿病治療の限界を証明し、糖質制限食の有効性や安全性を実証しました。
今回の
『炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません』
は、エビデンスだけにこだわるのではなく、それらをベースに糖質制限食の持つポテンシャル・可能性について、わかりやすく広く大胆に考察してみました。
例えば冒頭では、日本人の四大死因や五大疾病の元凶は、糖質の頻回過剰摂取である可能性が高いことを理論的に平易に説明しています。
つまり、日本人の
四大死因(1がん、2心疾患、3脳血管疾患、4肺炎)
や
五大疾病(がん、脳卒中、心臓病、糖尿病、精神疾患)
は、
スーパー糖質制限食で予防できる可能性が高いのです。
読み出したら、一気に読みたくなる内容の本と自負しています。
糖質制限食や人間栄養学や健康に興味がある人、そして従来の医学や栄養学の常識を疑い、自分自身で考えることを目指す人には最適の本と思いますので是非ご一読を!
そして、10/5(日)隆祥館書店主催「江部康二出版記念 講演会」に是非、ご参加を!
お待ちしています。
なお、9/28(日)の「脂肪・コレステロール・糖尿病の真実」東京講演会は、満員御礼となりました。
ありがとうございます。
江部康二
☆☆☆
以下、隆祥館(リュウショウカン)書店の講演会案内サイトから一部抜粋です。
http://atta2.weblogs.jp/ryushokan/2014/08/2014105-%E4%BD%9C%E5%AE%B6%E3%81%95%E3%82%93%E3%81%A8%E3%81%AE%E9%9B%86%E3%81%84-%E6%B1%9F%E9%83%A8%E5%BA%B7%E4%BA%8C%E5%85%88%E7%94%9F%E3%82%92%E5%9B%B2%E3%82%80%E4%BC%9A-no77.html
<糖質制限食を実践されている江部康二先生を囲む会 >
『炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません』
生活習慣病を予防&改善する糖質制限食31のポイント
江部康二著 東洋経済新報社
2014年8月1日(金)から発売中
東洋経済新報社発刊記念イベント
日時: 10月5日(日) 13:00
開場: 13:00
開演: 14:00
講演: 14:00~15:15
質疑応答: 15:15~15:30
会場: 大阪市中央区上本町変電所ホ-ル CafeBreakTime:
参加費:本代1404円+参加費1500円 含み 2,900円
講演会のみ参加の場合 2500円 当日料金 3,000円
(要予約・事前購入制とさせていただきます。先着順100名)
* 振込先 三井住友銀行上町支店
(普通) 1353923 カ)リュウショウカンショテン
(時間の都合上、サインは、当店でお買上の方に限らせていただきます。)
申込み・お問合せ: 隆祥館書店
TEL: 06-6768-1023
Eメ-ル: ryushokan@eos.ocn.ne.jp
主催: 隆祥館書店 後援:東洋経済新報社
2014/10/5 作家さんとの集い
< 江部康二先生を囲む会 > No.77
********** 隆祥館書店からのお知らせ **********
今回は、糖尿病の治療法として『糖質制限食』を唱えて、多くの糖尿病患者さんから支持されている内科医の江部康二先生に登場いただくことになりました。
先生ご自身が2型の糖尿病患者でいらっしゃいますが、既に10年以上糖質制限食を実践されており、血糖値等のデータは完全に正常値です。薬も全く飲んでおられません。
その秘密は糖質(炭水化物)を取らないということにあります。
最近のご研究では成人病をはじめとする多くの病気の原因にも糖質が関係するということがわかってきました。
プロジェクタ-でメカニズムについても、丁寧に説明して下さいます。
是非、食生活を見直すきっかとして、この講演会にご参加くださいませ。
【江部先生 プロフィール】 ------------------------
高雄病院理事長、日本糖質制限医療推進協会理事長、医師
1950年京都府生まれ 京都大学医学部卒業
糖尿病治療食として近年、急速に注目されている糖質制限食の先駆者の一人で
日本でその認知を広めてきた最大の功労者。
2001年から糖質制限食を糖尿病治療食として積極的に導入し、2013年までに
1600人を超える患者に指導を行う。
2005年に、日本で初めて糖質制限食を紹介した著書
『主食を抜けば糖尿病は良くなる』がベストセラーになる。
-----------------------------------
隆祥館(リュウショウカン)書店主催、出版記念講演会(2014/10/5、日曜日)のご案内です。
会場は、大阪市中央区上本町変電所ホ-ルです。
『 炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません 』(東洋経済新報社)
2014年8月1日刊行
の出版記念講演会です。
隆祥館(リュウショウカン)書店の店長、二村知子さんが企画してくださいました。
二村知子店長、ありがとうございます。
『炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません』
は、一般向けのとてもわかりやすい内容の新刊です。
前著
「糖尿病治療のための!糖質制限食パーフェクトガイド」2013年(東洋経済新報社)
は、医師・医療関係者・専門的な知識を得たい人のための本です。
エビデンスレベルの高い研究論文から、従来の糖尿病治療の限界を証明し、糖質制限食の有効性や安全性を実証しました。
今回の
『炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません』
は、エビデンスだけにこだわるのではなく、それらをベースに糖質制限食の持つポテンシャル・可能性について、わかりやすく広く大胆に考察してみました。
例えば冒頭では、日本人の四大死因や五大疾病の元凶は、糖質の頻回過剰摂取である可能性が高いことを理論的に平易に説明しています。
つまり、日本人の
四大死因(1がん、2心疾患、3脳血管疾患、4肺炎)
や
五大疾病(がん、脳卒中、心臓病、糖尿病、精神疾患)
は、
スーパー糖質制限食で予防できる可能性が高いのです。
読み出したら、一気に読みたくなる内容の本と自負しています。
糖質制限食や人間栄養学や健康に興味がある人、そして従来の医学や栄養学の常識を疑い、自分自身で考えることを目指す人には最適の本と思いますので是非ご一読を!
そして、10/5(日)隆祥館書店主催「江部康二出版記念 講演会」に是非、ご参加を!
お待ちしています。
なお、9/28(日)の「脂肪・コレステロール・糖尿病の真実」東京講演会は、満員御礼となりました。
ありがとうございます。
江部康二
☆☆☆
以下、隆祥館(リュウショウカン)書店の講演会案内サイトから一部抜粋です。
http://atta2.weblogs.jp/ryushokan/2014/08/2014105-%E4%BD%9C%E5%AE%B6%E3%81%95%E3%82%93%E3%81%A8%E3%81%AE%E9%9B%86%E3%81%84-%E6%B1%9F%E9%83%A8%E5%BA%B7%E4%BA%8C%E5%85%88%E7%94%9F%E3%82%92%E5%9B%B2%E3%82%80%E4%BC%9A-no77.html
<糖質制限食を実践されている江部康二先生を囲む会 >
『炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません』
生活習慣病を予防&改善する糖質制限食31のポイント
江部康二著 東洋経済新報社
2014年8月1日(金)から発売中
東洋経済新報社発刊記念イベント
日時: 10月5日(日) 13:00
開場: 13:00
開演: 14:00
講演: 14:00~15:15
質疑応答: 15:15~15:30
会場: 大阪市中央区上本町変電所ホ-ル CafeBreakTime:
参加費:本代1404円+参加費1500円 含み 2,900円
講演会のみ参加の場合 2500円 当日料金 3,000円
(要予約・事前購入制とさせていただきます。先着順100名)
* 振込先 三井住友銀行上町支店
(普通) 1353923 カ)リュウショウカンショテン
(時間の都合上、サインは、当店でお買上の方に限らせていただきます。)
申込み・お問合せ: 隆祥館書店
TEL: 06-6768-1023
Eメ-ル: ryushokan@eos.ocn.ne.jp
主催: 隆祥館書店 後援:東洋経済新報社
2014/10/5 作家さんとの集い
< 江部康二先生を囲む会 > No.77
********** 隆祥館書店からのお知らせ **********
今回は、糖尿病の治療法として『糖質制限食』を唱えて、多くの糖尿病患者さんから支持されている内科医の江部康二先生に登場いただくことになりました。
先生ご自身が2型の糖尿病患者でいらっしゃいますが、既に10年以上糖質制限食を実践されており、血糖値等のデータは完全に正常値です。薬も全く飲んでおられません。
その秘密は糖質(炭水化物)を取らないということにあります。
最近のご研究では成人病をはじめとする多くの病気の原因にも糖質が関係するということがわかってきました。
プロジェクタ-でメカニズムについても、丁寧に説明して下さいます。
是非、食生活を見直すきっかとして、この講演会にご参加くださいませ。
【江部先生 プロフィール】 ------------------------
高雄病院理事長、日本糖質制限医療推進協会理事長、医師
1950年京都府生まれ 京都大学医学部卒業
糖尿病治療食として近年、急速に注目されている糖質制限食の先駆者の一人で
日本でその認知を広めてきた最大の功労者。
2001年から糖質制限食を糖尿病治療食として積極的に導入し、2013年までに
1600人を超える患者に指導を行う。
2005年に、日本で初めて糖質制限食を紹介した著書
『主食を抜けば糖尿病は良くなる』がベストセラーになる。
-----------------------------------
2014年09月24日 (水)
【14/09/24 yuguchi
低血糖のこと
私ではなく、母が糖尿病で 最近癌を発症してしまい、 糖質制限のことを調べております。
インスリンによって糖新生が抑制されるというような解説を別のことろで見たのですが。
持続型のインスリンによって、 血糖値が下げられている状態で 糖新生が阻害されていた状態が長く場合、 糖質を制限すると 低血糖にならないのか心配なのですが。
私の理解が間違っているかもしれませんが 糖制限する場合は インスリンの量を、それにあわせて 抑える必要があるのでしょうか?】
こんにちは。
yuguchi さんから、インスリンと糖新生の抑制について、コメント・質問をいただきました。
インスリンの作用には、以下(☆)のものがあり、糖新生の抑制もその一つです。
さて持続型インスリンを打っているということは、基礎分泌インスリンが不足しているということです。
インスリンには、24時間継続して少量出続けている基礎分泌と、糖質を摂取して血糖値が上昇したときに出る追加分泌の2種類があります。
これで解るのは、食物を摂取していないときでも、人体の代謝には、少量のインスリンが必須ということですね。
このインスリンの基礎分泌がなくなったら、人体の代謝全体が崩壊していきます。
つまり、基礎分泌のインスリンなしでは、筋肉など体の主要な組織で、まともにエネルギー代謝が行えません。
(まあ、脳細胞とか赤血球とか特殊な細胞は、インスリンに非依存的にブドウ糖を利用していますが・・・)
例えば「運動をしたらインスリン非依存的に血糖値がさがる」といっても、インスリン基礎分泌が確保されているのが前提のお話です。
もし、基礎インスリンが不足している状態で運動すれば、血糖値はかえって上昇します。
また、肝臓で行っている糖新生も、基礎インスリンが分泌されていなければ制御不能となり、空腹時血糖値が300mgとか400mgとか以上にもなります。
ということで、持続型インスリンを注射して、基礎分泌インスリンを確保し、肝臓が糖新生し過ぎて高血糖にならないように制御しているわけです。
持続型インスリン注射で早朝空腹時血糖値を、90~125mg/dlくらいにして、高血糖にならないようにコントロールするわけです。
従いまして、早朝空腹時血糖値のコントロール良好を保つ量の持続型インスリンを注射して、スーパー糖質制限食をしても低血糖にはならないのでご安心ください。
(☆)
インスリンの作用
インスリンは、グリコーゲン合成・タンパク質合成・脂肪合成など、栄養素の同化を促進し、筋肉、脂肪組織、肝臓に取り込む。
インスリンが作用するのは、主として、筋肉(骨格筋、心筋)、脂肪組織、肝臓である。
1)糖質代謝
*ブドウ糖の筋肉細胞・脂肪細胞内への取り込みを促進させる。
*グリコーゲン合成を促進させる。
*グリコーゲン分解を抑制する。
*肝臓の糖新生を抑制し、ブドウ糖の血中放出を抑制する。
2)タンパク質代謝
*骨格筋に作用してタンパク質合成を促進させる。
*骨格筋に作用してタンパク質の異化を抑制する。
3)脂質代謝
*脂肪の合成を促進する。
*脂肪の分解を抑制する。
江部康二
低血糖のこと
私ではなく、母が糖尿病で 最近癌を発症してしまい、 糖質制限のことを調べております。
インスリンによって糖新生が抑制されるというような解説を別のことろで見たのですが。
持続型のインスリンによって、 血糖値が下げられている状態で 糖新生が阻害されていた状態が長く場合、 糖質を制限すると 低血糖にならないのか心配なのですが。
私の理解が間違っているかもしれませんが 糖制限する場合は インスリンの量を、それにあわせて 抑える必要があるのでしょうか?】
こんにちは。
yuguchi さんから、インスリンと糖新生の抑制について、コメント・質問をいただきました。
インスリンの作用には、以下(☆)のものがあり、糖新生の抑制もその一つです。
さて持続型インスリンを打っているということは、基礎分泌インスリンが不足しているということです。
インスリンには、24時間継続して少量出続けている基礎分泌と、糖質を摂取して血糖値が上昇したときに出る追加分泌の2種類があります。
これで解るのは、食物を摂取していないときでも、人体の代謝には、少量のインスリンが必須ということですね。
このインスリンの基礎分泌がなくなったら、人体の代謝全体が崩壊していきます。
つまり、基礎分泌のインスリンなしでは、筋肉など体の主要な組織で、まともにエネルギー代謝が行えません。
(まあ、脳細胞とか赤血球とか特殊な細胞は、インスリンに非依存的にブドウ糖を利用していますが・・・)
例えば「運動をしたらインスリン非依存的に血糖値がさがる」といっても、インスリン基礎分泌が確保されているのが前提のお話です。
もし、基礎インスリンが不足している状態で運動すれば、血糖値はかえって上昇します。
また、肝臓で行っている糖新生も、基礎インスリンが分泌されていなければ制御不能となり、空腹時血糖値が300mgとか400mgとか以上にもなります。
ということで、持続型インスリンを注射して、基礎分泌インスリンを確保し、肝臓が糖新生し過ぎて高血糖にならないように制御しているわけです。
持続型インスリン注射で早朝空腹時血糖値を、90~125mg/dlくらいにして、高血糖にならないようにコントロールするわけです。
従いまして、早朝空腹時血糖値のコントロール良好を保つ量の持続型インスリンを注射して、スーパー糖質制限食をしても低血糖にはならないのでご安心ください。
(☆)
インスリンの作用
インスリンは、グリコーゲン合成・タンパク質合成・脂肪合成など、栄養素の同化を促進し、筋肉、脂肪組織、肝臓に取り込む。
インスリンが作用するのは、主として、筋肉(骨格筋、心筋)、脂肪組織、肝臓である。
1)糖質代謝
*ブドウ糖の筋肉細胞・脂肪細胞内への取り込みを促進させる。
*グリコーゲン合成を促進させる。
*グリコーゲン分解を抑制する。
*肝臓の糖新生を抑制し、ブドウ糖の血中放出を抑制する。
2)タンパク質代謝
*骨格筋に作用してタンパク質合成を促進させる。
*骨格筋に作用してタンパク質の異化を抑制する。
3)脂質代謝
*脂肪の合成を促進する。
*脂肪の分解を抑制する。
江部康二
2014年09月23日 (火)
こんにちは。
以前にこのブログで紹介した、沖縄那覇にある、私、江部康二監修の糖質制限OKレストラン、
ドルチェとパスタのお店
ピキタン
沖縄県内や他府県だけでなく、なんとタイからもわざわざ足を運んでくださるお客さんがおられるとのこと、嬉しい限りです(^^)
ピキタンさんは、イタリアンの店で修行したご主人と、パティシエの奥さんが7年前に那覇でオープンされました。
「本当に美味しくて安心なものを食べてもらいたい。」と、パンやスイーツ、ソーセージからベーコンまで、殆どの食材を手作りされているお店です。
沖縄病のあらてつさんがフラッとお店に入り、そのままご主人と意気投合、糖質制限のメニューを作ってもらうことになりました。
ご主人と奥さんの糖質制限食にかける真摯な思いは、「1型糖尿病の方が食べても血糖値の上がらないものを作りたい」との言葉に現れていて、私だけでなく、1型糖尿病の栄養士さんも実際に食べて血糖値を測り、合格したものしか出さないという徹底ぶりです。
これだけの熱意を持って糖質制限食に取り組んで頂けるのは、我々糖尿人としては嬉しい限りですね(^O^)
お店の外観です

看板です

本日のメニュー

カウンター席

テーブル席

ランチセット

手打ちの糖質制限パスタと手捏ねの糖質制限パン。
因みに、パスタは、あらてつさんの大好物、紫蘇ジェノベーゼです。
糖質制限パスタと糖質制限ラザニアのハーフ&ハーフ

糖質制限パスタと肉料理のプレート

マッシュポテトのように見えるのは、実はマッシュポテトじゃありません。
これは是非お店で実際に食べてみて下さい。
ビックリしますよ(^O^)
こちらはドルチェ(デザート)です
大人気、ベリーのタルト

金柑のタルト

シフォンケーキとロールケーキ

ドルチェ盛り合わせ

もちろんどれも糖質制限。
アイスクリームも絶品、全てお店で手作りです(^O^)
このピキタンさんで出されている手捏ねの糖質制限パンと糖質制限タルトが、同じく私が監修するやせる食べ方ドットコムにて好評発売中です。

プレーンと黒糖、紅芋の三種類です。
以下は、それぞれの血糖測定結果になります。
プレーン
午後3:50 血糖値:120mg
2個摂取
午後4:50 血糖値:120mg
黒糖
午前8時 血糖値:128mg
2個摂取
午前9時 血糖値:134mg
紅芋
午後5:40 血糖値:117mg
2個摂取。
午後6:40 血糖値:123mg
3種類とも、2個ずつ食べての結果なので、これはもう素晴らし結果ですね(^^)
このピキタンさんの糖質制限パン、血糖値の上昇が最低限に抑えられているだけでなく、驚くのはその美味しさです。
これまでの糖質制限パンでは、どうしても独特の臭いや後味が残ったものですが、このピキタンさんのパンは、全くイヤな臭いがありません。
それどころか、ふわふわもちもちでパサツキがなく、糖質制限パンでは史上最高に美味しいパンになっています(^O^)
こちらはタルトです。

私の血糖測定値です。
6月21日(土)
午前7:30 空腹時血糖値:112mg
ベリータルト100ḡ摂取(糖質5.8/100g)
午前8:30 1時間後血糖値:134mg
あらてつさんのムスメのココロちゃんの測定値です。
★ベリーのタルト
今回食べたケーキで1番美味しかったです!
タルト生地もなぜか独特の風味をあまり感じませんでした。
ジャリジャリ感も書かれてるほどは感じませんでした。
ベリーなので血糖上昇覚悟で頂きましたが、そこまで上がりませんでしたので、また食べたいです(*^^*)
50g摂取(送っていただいた約1/2量)
食前 72
1時間 116(+44)
2時間 108
ココロちゃんは1型糖尿病で、1ḡの糖質で10mg/dl 以上血糖値が上がります。
食後に追加のインスリンは打っていません。
この数値は素晴らしいと思います。
血糖値の上昇を最小限に抑え、更に最高に美味しい糖質制限パンと糖質制限タルト、是非、ダイエッターだけでなく、糖尿人、メタボ人、全ての糖質セイゲニストに皆さんにお勧めします\(^o^)/
販売はこちらです。
やせる食べ方ドットコム
糖質オフまるパン
http://www.yaserutabekata.com/shop/lowcarb_marupan.php
季節の糖質制限タルト
http://www.yaserutabekata.com/shop/sweets_tart.php
是非、お試しあれ(^O^)
お店の方はこちらです。
DOLCE&PASTA
ピキタン
那覇市松尾1-10-7
TEL:090-1864-6990
URL:http://dolcepastapichitan.web.fc2.com/pichitan.html
【定休日】火曜日
糖質制限食ご希望の方、当日も対応してくださいますが、できれば予約をお願い致しますm(__)m
お二人の熱意と笑顔と最高の料理がお待ちしています。

江部康二
以前にこのブログで紹介した、沖縄那覇にある、私、江部康二監修の糖質制限OKレストラン、
ドルチェとパスタのお店
ピキタン
沖縄県内や他府県だけでなく、なんとタイからもわざわざ足を運んでくださるお客さんがおられるとのこと、嬉しい限りです(^^)
ピキタンさんは、イタリアンの店で修行したご主人と、パティシエの奥さんが7年前に那覇でオープンされました。
「本当に美味しくて安心なものを食べてもらいたい。」と、パンやスイーツ、ソーセージからベーコンまで、殆どの食材を手作りされているお店です。
沖縄病のあらてつさんがフラッとお店に入り、そのままご主人と意気投合、糖質制限のメニューを作ってもらうことになりました。
ご主人と奥さんの糖質制限食にかける真摯な思いは、「1型糖尿病の方が食べても血糖値の上がらないものを作りたい」との言葉に現れていて、私だけでなく、1型糖尿病の栄養士さんも実際に食べて血糖値を測り、合格したものしか出さないという徹底ぶりです。
これだけの熱意を持って糖質制限食に取り組んで頂けるのは、我々糖尿人としては嬉しい限りですね(^O^)
お店の外観です

看板です

本日のメニュー

カウンター席

テーブル席

ランチセット

手打ちの糖質制限パスタと手捏ねの糖質制限パン。
因みに、パスタは、あらてつさんの大好物、紫蘇ジェノベーゼです。
糖質制限パスタと糖質制限ラザニアのハーフ&ハーフ

糖質制限パスタと肉料理のプレート

マッシュポテトのように見えるのは、実はマッシュポテトじゃありません。
これは是非お店で実際に食べてみて下さい。
ビックリしますよ(^O^)
こちらはドルチェ(デザート)です
大人気、ベリーのタルト

金柑のタルト

シフォンケーキとロールケーキ

ドルチェ盛り合わせ

もちろんどれも糖質制限。
アイスクリームも絶品、全てお店で手作りです(^O^)
このピキタンさんで出されている手捏ねの糖質制限パンと糖質制限タルトが、同じく私が監修するやせる食べ方ドットコムにて好評発売中です。

プレーンと黒糖、紅芋の三種類です。
以下は、それぞれの血糖測定結果になります。
プレーン
午後3:50 血糖値:120mg
2個摂取
午後4:50 血糖値:120mg
黒糖
午前8時 血糖値:128mg
2個摂取
午前9時 血糖値:134mg
紅芋
午後5:40 血糖値:117mg
2個摂取。
午後6:40 血糖値:123mg
3種類とも、2個ずつ食べての結果なので、これはもう素晴らし結果ですね(^^)
このピキタンさんの糖質制限パン、血糖値の上昇が最低限に抑えられているだけでなく、驚くのはその美味しさです。
これまでの糖質制限パンでは、どうしても独特の臭いや後味が残ったものですが、このピキタンさんのパンは、全くイヤな臭いがありません。
それどころか、ふわふわもちもちでパサツキがなく、糖質制限パンでは史上最高に美味しいパンになっています(^O^)
こちらはタルトです。

私の血糖測定値です。
6月21日(土)
午前7:30 空腹時血糖値:112mg
ベリータルト100ḡ摂取(糖質5.8/100g)
午前8:30 1時間後血糖値:134mg
あらてつさんのムスメのココロちゃんの測定値です。
★ベリーのタルト
今回食べたケーキで1番美味しかったです!
タルト生地もなぜか独特の風味をあまり感じませんでした。
ジャリジャリ感も書かれてるほどは感じませんでした。
ベリーなので血糖上昇覚悟で頂きましたが、そこまで上がりませんでしたので、また食べたいです(*^^*)
50g摂取(送っていただいた約1/2量)
食前 72
1時間 116(+44)
2時間 108
ココロちゃんは1型糖尿病で、1ḡの糖質で10mg/dl 以上血糖値が上がります。
食後に追加のインスリンは打っていません。
この数値は素晴らしいと思います。
血糖値の上昇を最小限に抑え、更に最高に美味しい糖質制限パンと糖質制限タルト、是非、ダイエッターだけでなく、糖尿人、メタボ人、全ての糖質セイゲニストに皆さんにお勧めします\(^o^)/
販売はこちらです。
やせる食べ方ドットコム
糖質オフまるパン
http://www.yaserutabekata.com/shop/lowcarb_marupan.php
季節の糖質制限タルト
http://www.yaserutabekata.com/shop/sweets_tart.php
是非、お試しあれ(^O^)
お店の方はこちらです。
DOLCE&PASTA
ピキタン
那覇市松尾1-10-7
TEL:090-1864-6990
URL:http://dolcepastapichitan.web.fc2.com/pichitan.html
【定休日】火曜日
糖質制限食ご希望の方、当日も対応してくださいますが、できれば予約をお願い致しますm(__)m
お二人の熱意と笑顔と最高の料理がお待ちしています。

江部康二
2014年09月22日 (月)
こんばんは。
貧血があるとHbA1cの値は上がるのでしょうか?
それとも下がるのでしょうか?
貧血とHbA1cの関係を説明する前に、HbA1c(ヘモグロビンA1c)とは何かを考えてみましょう。
赤血球の中に含まれているヘモグロビンは、鉄を含む赤色の色素部分のヘムと、蛋白部分のグロビンでできています。
ヘモグロビンはグロビン部分の違いによりHbA、HbA2、HbFの3種類に分けられます。
成人では、HbAが97%を占めています。
血液中には、赤血球や糖類やその代謝産物が流れていて、お互いに結合する傾向があります。
赤血球中のヘモグロビンと、血中のブドウ糖など単糖類が結合したものが、グリケーティッドヘモグロビンです。
これを略してグリコヘモグロビンですが、HbA1とほぼ同義語として使用されています。
グリコヘモグロビンは、元のヘモグロビンとは電気的性質が異なるため、検査により識別することができます。
HbA1は、さらにHbA1a、HbA1b、HbA1cなどに分けることができます。
このうち糖尿病の検査の指標として汎用されているHbA1cは、ヘモグロビンA(HbA)にグルコース(ブドウ糖)が結合したものです。当然、血糖値が高値であるほど、ヘモグロビンと結合しやすいのです。
HbA1cの生産量は、Hb(ヘモグロビン)の寿命と血糖値に依存します。
赤血球は骨髄で作られて血液中を循環し、寿命は約120日間ですから、HbA1cは過去4ヶ月(120日間)の血糖値の動きを示しています。
より詳しく分析すると、HbA1c値の約50%は過去1ヶ月間の間に作られ、約25%が過去2ヶ月、残りの約25%が過去3~4ヶ月で作られます。
従いまして、HbA1cの値は通常は過去1~2ヶ月の平均血糖値を反映していると、考えればよいことになります。
さて、溶血性貧血、腎性貧血など、赤血球の寿命が短縮するような病態のときは、HbA1cの生産量がその分蓄積されずに減りますので、実際の値よりも低くなります。肝硬変に伴う脾機能亢進による貧血も赤血球の寿命が短縮します。
鉄欠乏性貧血の場合、鉄不足で貧血のときは、代償性に赤血球の寿命が延びるので、HbA1cは寿命が延びた分蓄積して、高値にシフトします。
鉄剤投与を開始して、鉄欠乏性貧血が回復している時期は、幼弱赤血球が増えて、赤血球の寿命が短くなり、HbA1cは低値となります。
従いまして、糖尿病腎症から透析になった糖尿人の場合は、腎性貧血で赤血球の寿命が短くなっているので、見かけ上はHbA1cが改善して、低下したようにみえますが、実態を反映していないことになります。
それで日本透析医学会では透析患者の血糖指標としては、グリコアルブミン(GA)を推奨しています。
血液中のタンパク質の一種であるアルブミンにブドウ糖がくっついたものをグリコアルブミン(GA)といい、GAは、約2週間の血糖状態をもっとも鋭敏に反映すると言われています。
そして、アルブミンは赤血球の寿命とは無関係なので、貧血にも影響されないので、日本透析医学会が推奨しているわけですね。
江部康二
貧血があるとHbA1cの値は上がるのでしょうか?
それとも下がるのでしょうか?
貧血とHbA1cの関係を説明する前に、HbA1c(ヘモグロビンA1c)とは何かを考えてみましょう。
赤血球の中に含まれているヘモグロビンは、鉄を含む赤色の色素部分のヘムと、蛋白部分のグロビンでできています。
ヘモグロビンはグロビン部分の違いによりHbA、HbA2、HbFの3種類に分けられます。
成人では、HbAが97%を占めています。
血液中には、赤血球や糖類やその代謝産物が流れていて、お互いに結合する傾向があります。
赤血球中のヘモグロビンと、血中のブドウ糖など単糖類が結合したものが、グリケーティッドヘモグロビンです。
これを略してグリコヘモグロビンですが、HbA1とほぼ同義語として使用されています。
グリコヘモグロビンは、元のヘモグロビンとは電気的性質が異なるため、検査により識別することができます。
HbA1は、さらにHbA1a、HbA1b、HbA1cなどに分けることができます。
このうち糖尿病の検査の指標として汎用されているHbA1cは、ヘモグロビンA(HbA)にグルコース(ブドウ糖)が結合したものです。当然、血糖値が高値であるほど、ヘモグロビンと結合しやすいのです。
HbA1cの生産量は、Hb(ヘモグロビン)の寿命と血糖値に依存します。
赤血球は骨髄で作られて血液中を循環し、寿命は約120日間ですから、HbA1cは過去4ヶ月(120日間)の血糖値の動きを示しています。
より詳しく分析すると、HbA1c値の約50%は過去1ヶ月間の間に作られ、約25%が過去2ヶ月、残りの約25%が過去3~4ヶ月で作られます。
従いまして、HbA1cの値は通常は過去1~2ヶ月の平均血糖値を反映していると、考えればよいことになります。
さて、溶血性貧血、腎性貧血など、赤血球の寿命が短縮するような病態のときは、HbA1cの生産量がその分蓄積されずに減りますので、実際の値よりも低くなります。肝硬変に伴う脾機能亢進による貧血も赤血球の寿命が短縮します。
鉄欠乏性貧血の場合、鉄不足で貧血のときは、代償性に赤血球の寿命が延びるので、HbA1cは寿命が延びた分蓄積して、高値にシフトします。
鉄剤投与を開始して、鉄欠乏性貧血が回復している時期は、幼弱赤血球が増えて、赤血球の寿命が短くなり、HbA1cは低値となります。
従いまして、糖尿病腎症から透析になった糖尿人の場合は、腎性貧血で赤血球の寿命が短くなっているので、見かけ上はHbA1cが改善して、低下したようにみえますが、実態を反映していないことになります。
それで日本透析医学会では透析患者の血糖指標としては、グリコアルブミン(GA)を推奨しています。
血液中のタンパク質の一種であるアルブミンにブドウ糖がくっついたものをグリコアルブミン(GA)といい、GAは、約2週間の血糖状態をもっとも鋭敏に反映すると言われています。
そして、アルブミンは赤血球の寿命とは無関係なので、貧血にも影響されないので、日本透析医学会が推奨しているわけですね。
江部康二
2014年09月21日 (日)
こんにちは。
2014年10月9日(木)
鹿島労災病院講堂において、糖質制限食の講演会が開催され、私が講師をつとめます。
鹿島労災病院は、茨城県神栖市にあるのですが、近隣の方々是非、ご参加くださいね。
鹿島労災病院では、すでに糖質制限食を導入しておられ、糖尿病患者さんに画期的な治療効果をあげておられます。
茨城県で初めての糖質制限食講演会です。
近隣の皆さん、是非奮ってご参加くださいね。
江部康二
☆☆☆
以下、鹿島労災病院事務局からのお知らせです。
******************
糖質制限食の有効性と可能性~基礎と臨床~
http://www.kashimah.rofuku.go.jp/toushitsu/pdf/kouenkai_20141009.pdf
■日時:10月9日(木)
第一部 14:30~(一般向け)
第二部 17:00~(医療従事者向け)
※各部講演60分+質疑応答
■会場: 鹿島労災病院 講堂
茨城県神栖市土合本町一丁目9108番地2
http://www.kashimah.rofuku.go.jp/access/index.html
■参加費: 無料
■申し込み・問い合わせ先:鹿島労災病院 総務課 TEL0479-48-4111
♪JRバスツアーも併催されます♪
『糖質制限食と漢方体験ツアー』
http://www.jrbuskanto.co.jp/bus_tour/tour/post_350.html
■出発日: 10月9日(木)
■出発地: 品川駅港南口、川崎駅東口、海浜幕張駅
★内容:糖質制限食の試食体験、試食後の健康体操、漢方薬展示・説明、
江部康二医師による糖質制限食講演の受講
■ツアー参加費用: 7,900円(バス代、食事代、テキスト代、講習会参加費込)
■募集人員:40名様(最少催行人員20名様)
■申し込み・問い合わせ先:
ジェイアールバス関東(株) 本社運輸営業部 TEL03-5334-0808(平日10時~17時)
2014年10月9日(木)
鹿島労災病院講堂において、糖質制限食の講演会が開催され、私が講師をつとめます。
鹿島労災病院は、茨城県神栖市にあるのですが、近隣の方々是非、ご参加くださいね。
鹿島労災病院では、すでに糖質制限食を導入しておられ、糖尿病患者さんに画期的な治療効果をあげておられます。
茨城県で初めての糖質制限食講演会です。
近隣の皆さん、是非奮ってご参加くださいね。
江部康二
☆☆☆
以下、鹿島労災病院事務局からのお知らせです。
******************
糖質制限食の有効性と可能性~基礎と臨床~
http://www.kashimah.rofuku.go.jp/toushitsu/pdf/kouenkai_20141009.pdf
■日時:10月9日(木)
第一部 14:30~(一般向け)
第二部 17:00~(医療従事者向け)
※各部講演60分+質疑応答
■会場: 鹿島労災病院 講堂
茨城県神栖市土合本町一丁目9108番地2
http://www.kashimah.rofuku.go.jp/access/index.html
■参加費: 無料
■申し込み・問い合わせ先:鹿島労災病院 総務課 TEL0479-48-4111
♪JRバスツアーも併催されます♪
『糖質制限食と漢方体験ツアー』
http://www.jrbuskanto.co.jp/bus_tour/tour/post_350.html
■出発日: 10月9日(木)
■出発地: 品川駅港南口、川崎駅東口、海浜幕張駅
★内容:糖質制限食の試食体験、試食後の健康体操、漢方薬展示・説明、
江部康二医師による糖質制限食講演の受講
■ツアー参加費用: 7,900円(バス代、食事代、テキスト代、講習会参加費込)
■募集人員:40名様(最少催行人員20名様)
■申し込み・問い合わせ先:
ジェイアールバス関東(株) 本社運輸営業部 TEL03-5334-0808(平日10時~17時)
2014年09月21日 (日)
【14/09/19 大阪人
人口甘味料の摂取量の目安
江部先生、こんばんは。
いつもブログを拝見させていただいております。
私は糖質制限で血糖コントロールして2年になります。
おかげさまで、先月の検査でHbA1c(NGSP)は5.0%でした。
空腹時血糖値も85~100くらいです。
で、今回の記事についてですが 私はビールが好きなので糖質ゼロビールをよく飲むのですが 人口甘味料の摂取量を調べてもそこまで詳しいのを見つけられませんでしたので質問させて下さい。
ゼロコーラやペプシネックス そして一般的な糖質ゼロビール(人工甘味料入り) だと1日に摂取可能な量は約何リッターでしょう。
申し訳ありませんが教えて頂けると嬉しいです。
宜しくお願い致します。】
こんにちは。
人工甘味料の許容量に関して、大阪人さんから、コメント・質問をいただきました。
まず人工の添加物に対する無毒性量というのがあります。
無毒性量というのは「これ以上食べると毒になる」という量の2分の1の量のことです。
無毒性量を、さらに安全係数100で割ったものが1日許容摂取量(ADI)です。
例えばスクラロースは、
厚生労働省のホームページ
http://www.ffcr.or.jp/Zaidan/mhwinfo.nsf/0/06717d18e8757f2b4925672e0026538a?OpenDocument
に、動物実験の結果などが詳しく載っています。
これによるとスクラロースは、無毒性量が1500mg/kg体重/日です。
そうすると1日許容摂取量(ADI)は15mg/kg体重/日
日本人のショ糖の平均摂取量(35.0g)を、全てスクラロース(ショ糖の600倍の甘さ)に置き換えたとして計算される1日推定摂取量は、58.3mgとなります。
日本人の平均体重50kgで除すると、1日あたり1.17mg/kg体重を摂取することとなります。
これは、ADI:15mgの、12分の1ですね。
このページにケーキや飲料水などにおける使用基準も記載してあります。
例えば清涼飲料水は1kgにつき0.40g以下が使用基準です。
体重が50kgの人の1日許容摂取量(ADI)は750mgです。
ダイエット飲料に1kgにつき0.4gの上限のスクラロースが含まれているとしたら1875ccを飲むと、調度750mgですね。
他の人工甘味料は調べていませんが、350ml缶で3本(1050ml)くらいまでなら、まず1日許容摂取量(ADI)を超えることはないと思います。
より詳しくは、厚生労働省のサイトや、下記のJECFAのサイトで自分でお調べいただけば幸いです。
各添加物の安全性に関しては、
JECFA安全性評価-指定添加物のサイト
http://www.ffcr.or.jp/zaidan/FFCRHOME.nsf/pages/JECFA-ADI-D07
をみると、あいうえお順で、人工甘味料を始めとしてほとんどの添加物が記載されています。
なお、ラカントSの主成分である
糖アルコールのエリスリトールはJECFA(FAO/WHO合同食品添加物専門委員会)により『安全性が十分に高いので、1日摂取許容量は定める必要がない(ADI not specified)』との評価を受けており、その安全性は世界的にも認証されています。(1999年6月)
江部康二
人口甘味料の摂取量の目安
江部先生、こんばんは。
いつもブログを拝見させていただいております。
私は糖質制限で血糖コントロールして2年になります。
おかげさまで、先月の検査でHbA1c(NGSP)は5.0%でした。
空腹時血糖値も85~100くらいです。
で、今回の記事についてですが 私はビールが好きなので糖質ゼロビールをよく飲むのですが 人口甘味料の摂取量を調べてもそこまで詳しいのを見つけられませんでしたので質問させて下さい。
ゼロコーラやペプシネックス そして一般的な糖質ゼロビール(人工甘味料入り) だと1日に摂取可能な量は約何リッターでしょう。
申し訳ありませんが教えて頂けると嬉しいです。
宜しくお願い致します。】
こんにちは。
人工甘味料の許容量に関して、大阪人さんから、コメント・質問をいただきました。
まず人工の添加物に対する無毒性量というのがあります。
無毒性量というのは「これ以上食べると毒になる」という量の2分の1の量のことです。
無毒性量を、さらに安全係数100で割ったものが1日許容摂取量(ADI)です。
例えばスクラロースは、
厚生労働省のホームページ
http://www.ffcr.or.jp/Zaidan/mhwinfo.nsf/0/06717d18e8757f2b4925672e0026538a?OpenDocument
に、動物実験の結果などが詳しく載っています。
これによるとスクラロースは、無毒性量が1500mg/kg体重/日です。
そうすると1日許容摂取量(ADI)は15mg/kg体重/日
日本人のショ糖の平均摂取量(35.0g)を、全てスクラロース(ショ糖の600倍の甘さ)に置き換えたとして計算される1日推定摂取量は、58.3mgとなります。
日本人の平均体重50kgで除すると、1日あたり1.17mg/kg体重を摂取することとなります。
これは、ADI:15mgの、12分の1ですね。
このページにケーキや飲料水などにおける使用基準も記載してあります。
例えば清涼飲料水は1kgにつき0.40g以下が使用基準です。
体重が50kgの人の1日許容摂取量(ADI)は750mgです。
ダイエット飲料に1kgにつき0.4gの上限のスクラロースが含まれているとしたら1875ccを飲むと、調度750mgですね。
他の人工甘味料は調べていませんが、350ml缶で3本(1050ml)くらいまでなら、まず1日許容摂取量(ADI)を超えることはないと思います。
より詳しくは、厚生労働省のサイトや、下記のJECFAのサイトで自分でお調べいただけば幸いです。
各添加物の安全性に関しては、
JECFA安全性評価-指定添加物のサイト
http://www.ffcr.or.jp/zaidan/FFCRHOME.nsf/pages/JECFA-ADI-D07
をみると、あいうえお順で、人工甘味料を始めとしてほとんどの添加物が記載されています。
なお、ラカントSの主成分である
糖アルコールのエリスリトールはJECFA(FAO/WHO合同食品添加物専門委員会)により『安全性が十分に高いので、1日摂取許容量は定める必要がない(ADI not specified)』との評価を受けており、その安全性は世界的にも認証されています。(1999年6月)
江部康二
2014年09月20日 (土)
【糖質制限食を実践される時のご注意】
本にも書いてありますが、 糖質制限食によりリアルタイムに血糖値が改善します。
このため既に、経口血糖降下剤(オイグルコン、アマリールなど)の内服やインスリン注射をしておられる糖尿人は、低血糖の心配がありますので必ず主治医と相談して頂きたいと思います。
一方、薬を使用してない糖尿人やメタボ人は、低血糖の心配はほとんどないので、自力で 糖質制限食を実践して糖尿病やメタボ改善を目指していただけば幸いです。
内服薬やインスリン注射なしの糖尿人が糖質制限食を実践すると、食後高血糖は改善しますが、低血糖にはなりません。
血糖値が正常範囲であるていど下がると、肝臓でアミノ酸・乳酸・グリセロール(脂肪の分解物)などから、ブドウ糖をつくるからです。
これを糖新生といいます。
血液検査で、活動性の膵炎がある場合、肝硬変の場合、そして長鎖脂肪酸代謝異常症は、糖質制限食は適応となりませんのでご注意ください。
糖質制限食は相対的に高脂肪食になるので、活動性膵炎には適応とならないのです。
肝硬変では、糖新生能力が低下しているため適応となりません。
長鎖脂肪酸代謝異常症では、脂肪酸が上手く利用できないので、適応となりません。
腎機能に関して、日本腎臓病学会編「CKD診療ガイド2012」において、eGFR60ml/分以上あれば顕性たんぱく尿の段階でも、たんぱく質制限の必要なしと明示され、日本糖尿病学会も2013年3月の提言で、それに従うとしました。
従いまして、糖尿病腎症第3期でも、eGFR60ml/分以上なら、糖質制限食OKです。
「糖尿病性腎症病期分類の改訂について」
糖尿病性腎症合同委員会からのお知らせ 2013年12月
『第3期A、第3期Bという分類がなくなり、第3期に統一する。
尿アルブミン値の程度に拘らずeGFR 30 ml/分/1.73m2未満を全て腎不全とする。』
また、米国糖尿病学会(ADA)は
Position Statement on Nutrition Therapy(栄養療法に関する声明)
Diabetes Care 2013年10月9日オンライン版
において、糖尿病腎症患者に対する蛋白質制限の意義を明確に否定しました。
根拠はランク(A)ですので、信頼度の高いRCT研究論文に基づく見解です。
今後は、糖尿病腎症第3期以降で、eGFRが60ml/分未満の場合も、患者さんとよく相談して、
糖質制限食を実践するか否か、個別に対応することとなります。
なお、機能性低血糖症の場合、炭水化物依存症レベルが重症のとき、糖新生能力が低下していることがあり、
まれに低血糖症を生じますので注意が必要です。
また、どのような食事療法でも合う合わないがあります。
糖質制限食もその一つですので、合わないとご自分で判断されたら中止していただけば幸いです。
【糖質制限食とは】
米国糖尿病協会(ADA)の患者教育用のテキストブックLife With Diabetesによれば、食べ物が消化・吸収されたあと、糖質は100%血糖に変わりますが、タンパク質・脂質は血糖に変わりません。
また糖質は、摂取直後から急峻に血糖値を高く速く上昇させ、2時間以内にほとんどすべてが吸収されます。
これらは含有エネルギーとは無関係な三大栄養素の生理学的特質です。
1997年版のLife With Diabetes(ADA刊行)では、
「タンパク質は約半分が血糖に変わり、脂質は10%未満が血糖に変わる」
という記載がありましたが、2004年版以降は変更されています。
このように糖質、脂質、タンパク質のうち糖質だけが血糖値を上昇させます。
従って、糖質を摂取した時にはインスリンが大量に追加分泌されます。
脂質を摂取しても、インスリンの追加分泌はありません。
タンパク質はごく少量のインスリンを追加分泌させます。
現在糖尿病において、食後の急激な高血糖(グルコーススパイク)が大きな問題として注目されています。
食後高血糖が、心筋梗塞や脳梗塞などの合併症を起こす危険因子として確立されたからです。
また一日における、食前・食後・空腹時など血糖値の変動幅(平均血糖変動幅)が大きいほど、酸化ストレスが増強し動脈硬化のリスクとなることがわかってきました。
そして、食後高血糖と平均血糖変動幅増大を起こすのは、三大栄養素のなかで糖質だけなのです。
1gの糖質が、体重64kgの2型糖尿病の人の血糖値を約3mg上昇させます。
炊いた白ご飯茶碗1杯150g(252kcal)には、55.3gの糖質が含まれており、血糖値を166mg上昇させます。
一方、牛サーロインステーキを200g(約1000キロカロリー)食べても、糖質含有量は1gもないので、食後血糖は3mg未満の上昇しかないのです。
なお、1gの糖質が体重64kgの1型糖尿病の人の血糖値を5mg上昇させます。
糖質制限食の基本的な考え方は、上述のような生理学的事実をベースに、できるだけ糖質の摂取を低く抑えて、食後高血糖を防ぐというものです。
簡単に言えば、主食を抜いておかずばかり食べるというイメージになります。
抜く必要がある主食とは米飯・めん類・パンなどの米・麦製品や芋類など糖質が主成分のものです。
3食主食抜きのスーパー糖質制限食(糖質12%、タンパク質32%、脂質56%)なら、薬に頼ることなく速やかにリアルタイムで良好な血糖コントロールが可能です。
一方、上述の白ご飯とステーキの例でも明らかなように、カロリー計算に基づいて血糖値をコントロールすることは理論的に不可能です。
従って、現行の日本糖尿病学会推薦の糖尿病食(糖質60%、タンパク質20%、脂質20%)を実践する限りは、一日の摂取カロリーを1200キロカロリーと低く抑えたとしても、食後高血糖が必ず生じるのです。
糖尿病の改善には、カロリー制限より糖質制限ということがおわかりいただけたと思います。
なお糖質制限食は、カロリー無制限ということではありません。
日本糖尿病学会「食品交換表」の
男性1400~1800kcal
女性1200~1600kcal
ほど厳しいカロリー制限は必要ありませんが、
国立健康・栄養研究所の
「日本人の食事摂取基準」(2010年、厚生労働省)
への解説に示す推定エネルギー必要量の範囲、
すなわち18才以上の成人で身体活動レベルが普通なら
男性:2200~2650キロカロリー
女性:1700~1950キロカロリー
身体活動レベルが低い人は
男性:1850~2250キロカロリー
女性:1450~1700キロカロリー
くらいが目安です。
なお、米国糖尿病学会は、2013年10月発表の『栄養療法に関する声明』において全ての糖尿病患者に適した唯一無二の治療食は存在しないと明記しました。
これはそのまま、日本糖尿病学会への痛烈な批判となっています。
そして、地中海食、ベジタリアン食、DASH食、低脂質食などと共に
「糖質制限食」も正式に受容しました。
<江部康二著 参考図書>
理論
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!糖質制限食のすすめ」2005年
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」2008年
「我ら糖尿人、元気なのには理由がある。」2009年 宮本輝先生との対談本
「やせる食べ方」2010年
「うちの母は糖尿人」2010年 監修:江部康二 著:伊藤きのと
(東洋経済新報社)
「糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食」2010年(ナツメ社)
腹いっぱい食べて楽々痩せる『満腹ダイエット』 (ソフトバンク新書) 2011年
「主食をやめると健康になる」(ダイヤモンド社)2011年
「血糖コントロールの新常識! 糖質制限 完全ガイド」 (別冊宝島)2012年
「食品別糖質量ハンドブック」2012年(洋泉社)、
「糖質オフ!健康法」(PHP文庫)2012年
「主食を抜けば糖尿病はよくなる!糖質制限食のすすめ」(文春文庫)2012年
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」(文春文庫)2012年
「女性のための糖質制限ダイエットハンドブック」2013年(洋泉社)
「糖尿病治療のための!糖質制限食パーフェクトガイド」2013年(東洋経済新報社)
「医療の巨大転換を加速する」糖質制限食と湿潤療法のインパクト
2013年(東洋経済新報社) 夏井睦先生との対談本
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!糖質制限食のすすめ 新版」2014年(東洋経済新報社)
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!2 実践編 新版」2014年(東洋経済新報社)
「炭水化物の食べ過ぎで早死にしてはいけません」2014年(東洋経済新報社)
レシピ
「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」2006年(東洋経済新報社)
「糖質オフ」ごちそうごはん2009年(アスペクト)
dancyuプレジデントムック 「満腹ダイエット 」 2009年(プレジデント社)
「血糖値を上げない!健康おつまみ109」2010年(東洋経済新報社)
「やせる食べ方レシピ集」 2010年(東洋経済新報社)
「糖質オフダイエット 」2011年(レタスクラブ、角川マーケティング)
「誰もがストレスなくやせられる!糖質制限ダイエット」 2011年(講談社)
「主食を抜けば糖尿病はよくなる」レシピ集2011年(東洋経済新報社)
高雄病院の「糖質制限」給食2012年(講談社)
糖尿病がどんどんよくなる「糖質制限食」おすすめレシピ集2012年(ナツメ社)
糖質制限の「主食もどき」レシピ2013年(東洋経済新報社)
高雄病院Dr江部が食べている「糖質制限」ダイエット2013年(講談社)
糖質オフのダイエット弁当2013年(家の光協会)
高雄病院「糖質制限給食」朝 昼 夕 14日間完全プログラム
糖尿病・肥満改善が自宅でできる! 2013年(講談社)
2週間チャレンジ! 糖質制限の太らない生活 2014年(洋泉社mook)
DVD「糖質制限食を語る」http://www.yaserutabekata.com/shop/dvd.php 2011年
【本ブログのコメント・質問・記事に関するお願い】
ブログ読者の皆さんには、いつもコメントいただき、ありがとうございます。
糖質制限食に関する質問についてですが、実際に高雄病院や江部診療所に来院されて診察した患者さんに対しては、医師としての責任・債務がありますので、個別に説明もしっかりさせて頂いていますし、フォローもしております。
一方、ブログ読者の皆さんの質問に関しては、糖質制限食に詳しい医師として、ボランティアで回答させていただいています。
診察もしておりませんしフォローもできませんので、責任もとれません。
私の回答は、あくまでも一般論としての参考意見とお考え頂けば幸いです。
また、ブログ記事や本に関しても同様に、糖質制限食に関する一般論としての参考意見とお考え下さい。
従いまして、読者の皆さんが私の参考意見を読まれて、どのように利用されるかは、自己責任でよろしくお願い申し上げます。m(_ _)m
そして読者の皆さんからもご意見いただきましたが、普通のお医者さんに相談可能な個人的な内容の質問は、ご自分の主治医にご相談頂けば助かります。
またネットで簡単に検索可能なことは、ご自分でお調べください。
質問が増えてきましたので、糖質制限食と関わりがないと判断した質問にはお答えできない場合もありますので、ご了承ください。m(_ _)m
普通のお医者さんでは解答不能の、糖質制限食に関わる質問は、何でもどんどんしていただけば嬉しいです。 (^_^)
掲載OKの質問に関して、読者の皆さんに共有していただきたい情報の場合は、ブログ本文記事にて、できるだけ順番にお答えしたいと思います。
質問によってはコメント欄でお早めにお答えする場合もありますのでご了承ください。
一方、質問がかなり増えてきていますので、なかなか即、お答えすることが困難となってきています。
糖質制限食に関わりのある全ての質問に、本文かコメントでお答えするようできるだけ努力はしていますが、できないときはご容赦願います。m(_ _)m
それから、「管理人のみ閲覧できる」「匿名希望」などの質問に関しては、コメント欄にお答えするか、一般的な話題に置き換えてブログに記載するようにしていますので、よろしくお願い申し上げます。
江部康二
本にも書いてありますが、 糖質制限食によりリアルタイムに血糖値が改善します。
このため既に、経口血糖降下剤(オイグルコン、アマリールなど)の内服やインスリン注射をしておられる糖尿人は、低血糖の心配がありますので必ず主治医と相談して頂きたいと思います。
一方、薬を使用してない糖尿人やメタボ人は、低血糖の心配はほとんどないので、自力で 糖質制限食を実践して糖尿病やメタボ改善を目指していただけば幸いです。
内服薬やインスリン注射なしの糖尿人が糖質制限食を実践すると、食後高血糖は改善しますが、低血糖にはなりません。
血糖値が正常範囲であるていど下がると、肝臓でアミノ酸・乳酸・グリセロール(脂肪の分解物)などから、ブドウ糖をつくるからです。
これを糖新生といいます。
血液検査で、活動性の膵炎がある場合、肝硬変の場合、そして長鎖脂肪酸代謝異常症は、糖質制限食は適応となりませんのでご注意ください。
糖質制限食は相対的に高脂肪食になるので、活動性膵炎には適応とならないのです。
肝硬変では、糖新生能力が低下しているため適応となりません。
長鎖脂肪酸代謝異常症では、脂肪酸が上手く利用できないので、適応となりません。
腎機能に関して、日本腎臓病学会編「CKD診療ガイド2012」において、eGFR60ml/分以上あれば顕性たんぱく尿の段階でも、たんぱく質制限の必要なしと明示され、日本糖尿病学会も2013年3月の提言で、それに従うとしました。
従いまして、糖尿病腎症第3期でも、eGFR60ml/分以上なら、糖質制限食OKです。
「糖尿病性腎症病期分類の改訂について」
糖尿病性腎症合同委員会からのお知らせ 2013年12月
『第3期A、第3期Bという分類がなくなり、第3期に統一する。
尿アルブミン値の程度に拘らずeGFR 30 ml/分/1.73m2未満を全て腎不全とする。』
また、米国糖尿病学会(ADA)は
Position Statement on Nutrition Therapy(栄養療法に関する声明)
Diabetes Care 2013年10月9日オンライン版
において、糖尿病腎症患者に対する蛋白質制限の意義を明確に否定しました。
根拠はランク(A)ですので、信頼度の高いRCT研究論文に基づく見解です。
今後は、糖尿病腎症第3期以降で、eGFRが60ml/分未満の場合も、患者さんとよく相談して、
糖質制限食を実践するか否か、個別に対応することとなります。
なお、機能性低血糖症の場合、炭水化物依存症レベルが重症のとき、糖新生能力が低下していることがあり、
まれに低血糖症を生じますので注意が必要です。
また、どのような食事療法でも合う合わないがあります。
糖質制限食もその一つですので、合わないとご自分で判断されたら中止していただけば幸いです。
【糖質制限食とは】
米国糖尿病協会(ADA)の患者教育用のテキストブックLife With Diabetesによれば、食べ物が消化・吸収されたあと、糖質は100%血糖に変わりますが、タンパク質・脂質は血糖に変わりません。
また糖質は、摂取直後から急峻に血糖値を高く速く上昇させ、2時間以内にほとんどすべてが吸収されます。
これらは含有エネルギーとは無関係な三大栄養素の生理学的特質です。
1997年版のLife With Diabetes(ADA刊行)では、
「タンパク質は約半分が血糖に変わり、脂質は10%未満が血糖に変わる」
という記載がありましたが、2004年版以降は変更されています。
このように糖質、脂質、タンパク質のうち糖質だけが血糖値を上昇させます。
従って、糖質を摂取した時にはインスリンが大量に追加分泌されます。
脂質を摂取しても、インスリンの追加分泌はありません。
タンパク質はごく少量のインスリンを追加分泌させます。
現在糖尿病において、食後の急激な高血糖(グルコーススパイク)が大きな問題として注目されています。
食後高血糖が、心筋梗塞や脳梗塞などの合併症を起こす危険因子として確立されたからです。
また一日における、食前・食後・空腹時など血糖値の変動幅(平均血糖変動幅)が大きいほど、酸化ストレスが増強し動脈硬化のリスクとなることがわかってきました。
そして、食後高血糖と平均血糖変動幅増大を起こすのは、三大栄養素のなかで糖質だけなのです。
1gの糖質が、体重64kgの2型糖尿病の人の血糖値を約3mg上昇させます。
炊いた白ご飯茶碗1杯150g(252kcal)には、55.3gの糖質が含まれており、血糖値を166mg上昇させます。
一方、牛サーロインステーキを200g(約1000キロカロリー)食べても、糖質含有量は1gもないので、食後血糖は3mg未満の上昇しかないのです。
なお、1gの糖質が体重64kgの1型糖尿病の人の血糖値を5mg上昇させます。
糖質制限食の基本的な考え方は、上述のような生理学的事実をベースに、できるだけ糖質の摂取を低く抑えて、食後高血糖を防ぐというものです。
簡単に言えば、主食を抜いておかずばかり食べるというイメージになります。
抜く必要がある主食とは米飯・めん類・パンなどの米・麦製品や芋類など糖質が主成分のものです。
3食主食抜きのスーパー糖質制限食(糖質12%、タンパク質32%、脂質56%)なら、薬に頼ることなく速やかにリアルタイムで良好な血糖コントロールが可能です。
一方、上述の白ご飯とステーキの例でも明らかなように、カロリー計算に基づいて血糖値をコントロールすることは理論的に不可能です。
従って、現行の日本糖尿病学会推薦の糖尿病食(糖質60%、タンパク質20%、脂質20%)を実践する限りは、一日の摂取カロリーを1200キロカロリーと低く抑えたとしても、食後高血糖が必ず生じるのです。
糖尿病の改善には、カロリー制限より糖質制限ということがおわかりいただけたと思います。
なお糖質制限食は、カロリー無制限ということではありません。
日本糖尿病学会「食品交換表」の
男性1400~1800kcal
女性1200~1600kcal
ほど厳しいカロリー制限は必要ありませんが、
国立健康・栄養研究所の
「日本人の食事摂取基準」(2010年、厚生労働省)
への解説に示す推定エネルギー必要量の範囲、
すなわち18才以上の成人で身体活動レベルが普通なら
男性:2200~2650キロカロリー
女性:1700~1950キロカロリー
身体活動レベルが低い人は
男性:1850~2250キロカロリー
女性:1450~1700キロカロリー
くらいが目安です。
なお、米国糖尿病学会は、2013年10月発表の『栄養療法に関する声明』において全ての糖尿病患者に適した唯一無二の治療食は存在しないと明記しました。
これはそのまま、日本糖尿病学会への痛烈な批判となっています。
そして、地中海食、ベジタリアン食、DASH食、低脂質食などと共に
「糖質制限食」も正式に受容しました。
<江部康二著 参考図書>
理論
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!糖質制限食のすすめ」2005年
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」2008年
「我ら糖尿人、元気なのには理由がある。」2009年 宮本輝先生との対談本
「やせる食べ方」2010年
「うちの母は糖尿人」2010年 監修:江部康二 著:伊藤きのと
(東洋経済新報社)
「糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食」2010年(ナツメ社)
腹いっぱい食べて楽々痩せる『満腹ダイエット』 (ソフトバンク新書) 2011年
「主食をやめると健康になる」(ダイヤモンド社)2011年
「血糖コントロールの新常識! 糖質制限 完全ガイド」 (別冊宝島)2012年
「食品別糖質量ハンドブック」2012年(洋泉社)、
「糖質オフ!健康法」(PHP文庫)2012年
「主食を抜けば糖尿病はよくなる!糖質制限食のすすめ」(文春文庫)2012年
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」(文春文庫)2012年
「女性のための糖質制限ダイエットハンドブック」2013年(洋泉社)
「糖尿病治療のための!糖質制限食パーフェクトガイド」2013年(東洋経済新報社)
「医療の巨大転換を加速する」糖質制限食と湿潤療法のインパクト
2013年(東洋経済新報社) 夏井睦先生との対談本
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!糖質制限食のすすめ 新版」2014年(東洋経済新報社)
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!2 実践編 新版」2014年(東洋経済新報社)
「炭水化物の食べ過ぎで早死にしてはいけません」2014年(東洋経済新報社)
レシピ
「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」2006年(東洋経済新報社)
「糖質オフ」ごちそうごはん2009年(アスペクト)
dancyuプレジデントムック 「満腹ダイエット 」 2009年(プレジデント社)
「血糖値を上げない!健康おつまみ109」2010年(東洋経済新報社)
「やせる食べ方レシピ集」 2010年(東洋経済新報社)
「糖質オフダイエット 」2011年(レタスクラブ、角川マーケティング)
「誰もがストレスなくやせられる!糖質制限ダイエット」 2011年(講談社)
「主食を抜けば糖尿病はよくなる」レシピ集2011年(東洋経済新報社)
高雄病院の「糖質制限」給食2012年(講談社)
糖尿病がどんどんよくなる「糖質制限食」おすすめレシピ集2012年(ナツメ社)
糖質制限の「主食もどき」レシピ2013年(東洋経済新報社)
高雄病院Dr江部が食べている「糖質制限」ダイエット2013年(講談社)
糖質オフのダイエット弁当2013年(家の光協会)
高雄病院「糖質制限給食」朝 昼 夕 14日間完全プログラム
糖尿病・肥満改善が自宅でできる! 2013年(講談社)
2週間チャレンジ! 糖質制限の太らない生活 2014年(洋泉社mook)
DVD「糖質制限食を語る」http://www.yaserutabekata.com/shop/dvd.php 2011年
【本ブログのコメント・質問・記事に関するお願い】
ブログ読者の皆さんには、いつもコメントいただき、ありがとうございます。
糖質制限食に関する質問についてですが、実際に高雄病院や江部診療所に来院されて診察した患者さんに対しては、医師としての責任・債務がありますので、個別に説明もしっかりさせて頂いていますし、フォローもしております。
一方、ブログ読者の皆さんの質問に関しては、糖質制限食に詳しい医師として、ボランティアで回答させていただいています。
診察もしておりませんしフォローもできませんので、責任もとれません。
私の回答は、あくまでも一般論としての参考意見とお考え頂けば幸いです。
また、ブログ記事や本に関しても同様に、糖質制限食に関する一般論としての参考意見とお考え下さい。
従いまして、読者の皆さんが私の参考意見を読まれて、どのように利用されるかは、自己責任でよろしくお願い申し上げます。m(_ _)m
そして読者の皆さんからもご意見いただきましたが、普通のお医者さんに相談可能な個人的な内容の質問は、ご自分の主治医にご相談頂けば助かります。
またネットで簡単に検索可能なことは、ご自分でお調べください。
質問が増えてきましたので、糖質制限食と関わりがないと判断した質問にはお答えできない場合もありますので、ご了承ください。m(_ _)m
普通のお医者さんでは解答不能の、糖質制限食に関わる質問は、何でもどんどんしていただけば嬉しいです。 (^_^)
掲載OKの質問に関して、読者の皆さんに共有していただきたい情報の場合は、ブログ本文記事にて、できるだけ順番にお答えしたいと思います。
質問によってはコメント欄でお早めにお答えする場合もありますのでご了承ください。
一方、質問がかなり増えてきていますので、なかなか即、お答えすることが困難となってきています。
糖質制限食に関わりのある全ての質問に、本文かコメントでお答えするようできるだけ努力はしていますが、できないときはご容赦願います。m(_ _)m
それから、「管理人のみ閲覧できる」「匿名希望」などの質問に関しては、コメント欄にお答えするか、一般的な話題に置き換えてブログに記載するようにしていますので、よろしくお願い申し上げます。
江部康二
2014年09月19日 (金)
こんばんは。
「人工甘味料で糖尿病リスク増加、ネイチャー誌に論文」
という記事が、新聞やネットに載りました。
その中で下記(☆)は、比較的良くまとまっている、BB NEWS のAFPというサイトの記事です。
ネイチャーですから、一流紙です。
しかし、
「複数のマウスと少人数の人間に対して実験を行った結果」
「広く使用されている3種類のNAS(アスパルテーム、スクラロース、サッカリン)を選び、人間の推奨最大摂取量をマウスの体の大きさに合わせて換算した量を飲み水に混ぜてマウスに与えた」
つまり、人間の推奨最大量をマウスに与えた実験で、
「NASを与えられたマウスには耐糖能障害がみられたが、ただの水や砂糖水を摂取したマウスにはみられなかった。」
ということです。
まあ、とりあえず、いわゆる人工甘味料は、少量にとどめておけば、めったなことはないと思います。
もともと、人工甘味料は大量に摂取するようなものではないと思います。
なお、エリスリトールはいわゆる人工甘味料の範疇には入りませんのでご安心を。
江部康二
(☆)
[AFP
BB NEWS
http://www.afpbb.com/articles/-/3026232
人工甘味料で糖尿病リスク増加、ネイチャー誌に論文
2014年09月18日 10:34 発信地:パリ/フランス
【9月18日 AFP】
健康的とされる人工甘味料が、実際には糖尿病のリスクを高めている可能性があるとする研究論文が17日、英科学誌ネイチャー(Nature)に発表された。
人工甘味料が幅広い食品に使用され推奨されている現状の見直しを訴えている。
ノンカロリー人工甘味料(NAS)とも呼ばれるこの添加物は、ソーダやシリアル、デザートなどに使用されており、体重増加や糖分摂取を気にする人々向けの巨大市場となっている。
一部の専門家らは、世界各国で増加している2型糖尿病患者や、血糖値の上昇を伴う「耐糖能障害」と呼ばれる糖尿病の前段階に当たる状態の患者に対して、NASを推奨している。
NAS分子は、舌の上に甘い味覚を残した後、体内に吸収されることなく腸管を通過する。これが、砂糖とは違い、カロリー量が無視できる程度(あるいはゼロ)になる理由だ。
しかし論文によると、複数のマウスと少人数の人間に対して実験を行った結果、NASが腸内細菌の増殖と機能を阻害し、実は耐糖能障害を促進していることが分かったという。
イスラエル・ワイツマン科学研究所(Weizmann Institute of Science)のエラン・エリナフ(Eran Elinav)氏とエラン・セガル(Eran Segal)氏が率いる研究チームは、広く使用されている3種類のNAS(アスパルテーム、スクラロース、サッカリン)を選び、人間の推奨最大摂取量をマウスの体の大きさに合わせて換算した量を飲み水に混ぜてマウスに与えた。
その結果、NASを与えられたマウスには耐糖能障害がみられたが、ただの水や砂糖水を摂取したマウスにはみられなかった。
また研究チームは、NASを摂取したマウスとブドウ糖を摂取したマウスの排せつ物を、腸内細菌を持たないマウスの体内に注入した。すると、NASの排せつ物を注入されたマウスの血糖値は急上昇し、腸内細菌が別のグループと比べより活発に栄養分からブドウ糖を搾取する働きを見せた。
チームは次の段階として、研究対象を人間に移した。まず、糖尿病ではない381人から得たアンケートや健康データを入念に調べたところ、耐糖能障害とNAS摂取量増加との間には「重要な」関連性があることが分かった。
さらに研究チームは、普段はNASを摂取しないボランティア7人に、米食品医薬品局(US Food and Drug Administration、FDA)が推奨する最大摂取量の甘味料を含んだ食事を7日間とってもらった。結果、マウスと同様に、4人の血糖値は5~7日以内に上昇し、腸内細菌の構成にも変化が見られたという。(c)AFP/Richard INGHAM ]
「人工甘味料で糖尿病リスク増加、ネイチャー誌に論文」
という記事が、新聞やネットに載りました。
その中で下記(☆)は、比較的良くまとまっている、BB NEWS のAFPというサイトの記事です。
ネイチャーですから、一流紙です。
しかし、
「複数のマウスと少人数の人間に対して実験を行った結果」
「広く使用されている3種類のNAS(アスパルテーム、スクラロース、サッカリン)を選び、人間の推奨最大摂取量をマウスの体の大きさに合わせて換算した量を飲み水に混ぜてマウスに与えた」
つまり、人間の推奨最大量をマウスに与えた実験で、
「NASを与えられたマウスには耐糖能障害がみられたが、ただの水や砂糖水を摂取したマウスにはみられなかった。」
ということです。
まあ、とりあえず、いわゆる人工甘味料は、少量にとどめておけば、めったなことはないと思います。
もともと、人工甘味料は大量に摂取するようなものではないと思います。
なお、エリスリトールはいわゆる人工甘味料の範疇には入りませんのでご安心を。
江部康二
(☆)
[AFP
BB NEWS
http://www.afpbb.com/articles/-/3026232
人工甘味料で糖尿病リスク増加、ネイチャー誌に論文
2014年09月18日 10:34 発信地:パリ/フランス
【9月18日 AFP】
健康的とされる人工甘味料が、実際には糖尿病のリスクを高めている可能性があるとする研究論文が17日、英科学誌ネイチャー(Nature)に発表された。
人工甘味料が幅広い食品に使用され推奨されている現状の見直しを訴えている。
ノンカロリー人工甘味料(NAS)とも呼ばれるこの添加物は、ソーダやシリアル、デザートなどに使用されており、体重増加や糖分摂取を気にする人々向けの巨大市場となっている。
一部の専門家らは、世界各国で増加している2型糖尿病患者や、血糖値の上昇を伴う「耐糖能障害」と呼ばれる糖尿病の前段階に当たる状態の患者に対して、NASを推奨している。
NAS分子は、舌の上に甘い味覚を残した後、体内に吸収されることなく腸管を通過する。これが、砂糖とは違い、カロリー量が無視できる程度(あるいはゼロ)になる理由だ。
しかし論文によると、複数のマウスと少人数の人間に対して実験を行った結果、NASが腸内細菌の増殖と機能を阻害し、実は耐糖能障害を促進していることが分かったという。
イスラエル・ワイツマン科学研究所(Weizmann Institute of Science)のエラン・エリナフ(Eran Elinav)氏とエラン・セガル(Eran Segal)氏が率いる研究チームは、広く使用されている3種類のNAS(アスパルテーム、スクラロース、サッカリン)を選び、人間の推奨最大摂取量をマウスの体の大きさに合わせて換算した量を飲み水に混ぜてマウスに与えた。
その結果、NASを与えられたマウスには耐糖能障害がみられたが、ただの水や砂糖水を摂取したマウスにはみられなかった。
また研究チームは、NASを摂取したマウスとブドウ糖を摂取したマウスの排せつ物を、腸内細菌を持たないマウスの体内に注入した。すると、NASの排せつ物を注入されたマウスの血糖値は急上昇し、腸内細菌が別のグループと比べより活発に栄養分からブドウ糖を搾取する働きを見せた。
チームは次の段階として、研究対象を人間に移した。まず、糖尿病ではない381人から得たアンケートや健康データを入念に調べたところ、耐糖能障害とNAS摂取量増加との間には「重要な」関連性があることが分かった。
さらに研究チームは、普段はNASを摂取しないボランティア7人に、米食品医薬品局(US Food and Drug Administration、FDA)が推奨する最大摂取量の甘味料を含んだ食事を7日間とってもらった。結果、マウスと同様に、4人の血糖値は5~7日以内に上昇し、腸内細菌の構成にも変化が見られたという。(c)AFP/Richard INGHAM ]
2014年09月18日 (木)
こんばんは。
最近、酸化ストレスが慢性病の元凶として、問題となっています。
今回は、酸化ストレスについて検討してみます。
人体は、酸化反応と抗酸化反応のバランスがとれていると、正常に機能します。
酸化反応が抗酸化反応を上まわった状態を酸化ストレスといいます。細胞内のミトコンドリア(*)の活動で日常的に活性酸素が発生しますが、生体の抗酸化反応で処理しています。
スーパーーパーオキシドディスムターゼ (Superoxide dismutase, SOD) は、細胞内に発生した活性酸素を分解する酵素です。生体内のビタミンC、ビタミンE、グルタチオンなどが抗酸化作用を有しています。ヒトにおいて、最も一般的な酸化ストレスの発生源は喫煙と高血糖です。
『高血糖→糖化蛋白生成亢進→糖化蛋白が種々の酵素と反応して活性酸素生成。』
高血糖は、糖化蛋白(**)の生成を亢進させます。
糖化蛋白は、様々な酵素と反応して、活性酸素を生成します。
活性酸素は生体の酸化反応の大本です。
酸化ストレスが、動脈硬化・老化・癌・アルツハイマー・パーキンソン等、様々な疾病の元凶とされています。
血糖値に関しては食後高血糖と平均血糖変動幅増大が最大の酸化ストレスリスクとされています。これは世界中の医学界において、認められています。
糖質・脂質・蛋白質のうち、食後高血糖と平均血糖変動幅増大を引き起こすのは、糖質だけです。
従って、日本糖尿病学会推奨のカロリー制限食(高糖質食)を、つらいのに一生懸命我慢して頑張っても食後高血糖と平均血糖変動幅増大を予防することは、理論的に不可能なのです。
糖尿病の食事療法において、食後高血糖と平均血糖変動幅増大を予防できるのは糖質制限食だけです。
日本糖尿病学会は、「食事療法」と「食後高血糖と平均血糖変動幅増大の予防」について、学会として指針を示すべきだと思います。
(*)ミトコンドリア
ミトコンドリアは細胞の中にあるエネルギー生産装置です。
酸素の存在下において、ミトコンドリアの中でTCA回路(クエン酸回路)が作動して、エネルギーを作って、
それにより身体は活動しています。
ミトコンドリアの活動の過程で出る「廃棄物」が活性酸素です。
(**)糖化蛋白
糖化反応(とうかはんのう)とは、グルコースなどの糖が、直接タンパク質または脂質に結合する反応の事です。
糖尿病の検査指標のHbA1cは、糖化したヘモグロビンのことです。
糖化反応の初期段階のアマドリ化合物としては、HbA1cやグリコアルブミンなどが代表的な物質です。
糖化反応系はアマドリ化合物生成までの反応を初期段階と呼び、以降の後期段階反応と区別しています。
最近AGEs(advanced glycation endprpducts:糖化最終産物)が注目されています。
AGEsは血管内皮を障害して動脈硬化の元となり、活性酸素も発生させます。
江部康二
最近、酸化ストレスが慢性病の元凶として、問題となっています。
今回は、酸化ストレスについて検討してみます。
人体は、酸化反応と抗酸化反応のバランスがとれていると、正常に機能します。
酸化反応が抗酸化反応を上まわった状態を酸化ストレスといいます。細胞内のミトコンドリア(*)の活動で日常的に活性酸素が発生しますが、生体の抗酸化反応で処理しています。
スーパーーパーオキシドディスムターゼ (Superoxide dismutase, SOD) は、細胞内に発生した活性酸素を分解する酵素です。生体内のビタミンC、ビタミンE、グルタチオンなどが抗酸化作用を有しています。ヒトにおいて、最も一般的な酸化ストレスの発生源は喫煙と高血糖です。
『高血糖→糖化蛋白生成亢進→糖化蛋白が種々の酵素と反応して活性酸素生成。』
高血糖は、糖化蛋白(**)の生成を亢進させます。
糖化蛋白は、様々な酵素と反応して、活性酸素を生成します。
活性酸素は生体の酸化反応の大本です。
酸化ストレスが、動脈硬化・老化・癌・アルツハイマー・パーキンソン等、様々な疾病の元凶とされています。
血糖値に関しては食後高血糖と平均血糖変動幅増大が最大の酸化ストレスリスクとされています。これは世界中の医学界において、認められています。
糖質・脂質・蛋白質のうち、食後高血糖と平均血糖変動幅増大を引き起こすのは、糖質だけです。
従って、日本糖尿病学会推奨のカロリー制限食(高糖質食)を、つらいのに一生懸命我慢して頑張っても食後高血糖と平均血糖変動幅増大を予防することは、理論的に不可能なのです。
糖尿病の食事療法において、食後高血糖と平均血糖変動幅増大を予防できるのは糖質制限食だけです。
日本糖尿病学会は、「食事療法」と「食後高血糖と平均血糖変動幅増大の予防」について、学会として指針を示すべきだと思います。
(*)ミトコンドリア
ミトコンドリアは細胞の中にあるエネルギー生産装置です。
酸素の存在下において、ミトコンドリアの中でTCA回路(クエン酸回路)が作動して、エネルギーを作って、
それにより身体は活動しています。
ミトコンドリアの活動の過程で出る「廃棄物」が活性酸素です。
(**)糖化蛋白
糖化反応(とうかはんのう)とは、グルコースなどの糖が、直接タンパク質または脂質に結合する反応の事です。
糖尿病の検査指標のHbA1cは、糖化したヘモグロビンのことです。
糖化反応の初期段階のアマドリ化合物としては、HbA1cやグリコアルブミンなどが代表的な物質です。
糖化反応系はアマドリ化合物生成までの反応を初期段階と呼び、以降の後期段階反応と区別しています。
最近AGEs(advanced glycation endprpducts:糖化最終産物)が注目されています。
AGEsは血管内皮を障害して動脈硬化の元となり、活性酸素も発生させます。
江部康二
2014年09月17日 (水)
こんにちは。
隆祥館(リュウショウカン)書店主催、出版記念講演会(2014/10/5、日曜日)のご案内です。
会場は、大阪市中央区上本町変電所ホ-ルです。
『 炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません 』(東洋経済新報社)
2014年8月1日刊行
の出版記念講演会です。
隆祥館(リュウショウカン)書店の店長、二村知子さんが企画してくださいました。
二村知子店長、ありがとうございます。
『炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません』
は、一般向けのとてもわかりやすい内容の新刊です。
前著
「糖尿病治療のための!糖質制限食パーフェクトガイド」2013年(東洋経済新報社)
は、医師・医療関係者・専門的な知識を得たい人のための本です。
エビデンスレベルの高い研究論文から、従来の糖尿病治療の限界を証明し、糖質制限食の有効性や安全性を実証しました。
今回の
『炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません』
は、エビデンスだけにこだわるのではなく、それらをベースに糖質制限食の持つポテンシャル・可能性について、わかりやすく広く大胆に考察してみました。
例えば冒頭では、日本人の四大死因や五大疾病の元凶は、糖質の頻回過剰摂取である可能性が高いことを理論的に平易に説明しています。
つまり、日本人の
四大死因(1がん、2心疾患、3脳血管疾患、4肺炎)
や
五大疾病(がん、脳卒中、心臓病、糖尿病、精神疾患)
は、
スーパー糖質制限食で予防できる可能性が高いのです。
読み出したら、一気に読みたくなる内容の本と自負しています。
糖質制限食や人間栄養学や健康に興味がある人、そして従来の医学や栄養学の常識を疑い、自分自身で考えることを目指す人には最適の本と思いますので是非ご一読を!
そして、10/5(日)隆祥館書店主催「江部康二出版記念 講演会」に是非、ご参加を!
お待ちしています。
江部康二
☆☆☆
以下、隆祥館(リュウショウカン)書店の講演会案内サイトから一部抜粋です。
http://atta2.weblogs.jp/ryushokan/2014/08/2014105-%E4%BD%9C%E5%AE%B6%E3%81%95%E3%82%93%E3%81%A8%E3%81%AE%E9%9B%86%E3%81%84-%E6%B1%9F%E9%83%A8%E5%BA%B7%E4%BA%8C%E5%85%88%E7%94%9F%E3%82%92%E5%9B%B2%E3%82%80%E4%BC%9A-no77.html
<糖質制限食を実践されている江部康二先生を囲む会 >
『炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません』
生活習慣病を予防&改善する糖質制限食31のポイント
江部康二著 東洋経済新報社
2014年8月1日(金)から発売中
東洋経済新報社発刊記念イベント
日時: 10月5日(日) 13:00
開場: 13:00
開演: 14:00
講演: 14:00~15:15
質疑応答: 15:15~15:30
会場: 大阪市中央区上本町変電所ホ-ル CafeBreakTime:
参加費:本代1404円+参加費1500円 含み 2,900円
講演会のみ参加の場合 2500円 当日料金 3,000円
(要予約・事前購入制とさせていただきます。先着順100名)
* 振込先 三井住友銀行上町支店
(普通) 1353923 カ)リュウショウカンショテン
(時間の都合上、サインは、当店でお買上の方に限らせていただきます。)
申込み・お問合せ: 隆祥館書店
TEL: 06-6768-1023
Eメ-ル: ryushokan@eos.ocn.ne.jp
主催: 隆祥館書店 後援:東洋経済新報社
2014/10/5 作家さんとの集い
< 江部康二先生を囲む会 > No.77
********** 隆祥館書店からのお知らせ **********
今回は、糖尿病の治療法として『糖質制限食』を唱えて、多くの糖尿病患者さんから支持されている内科医の江部康二先生に登場いただくことになりました。
先生ご自身が2型の糖尿病患者でいらっしゃいますが、既に10年以上糖質制限食を実践されており、血糖値等のデータは完全に正常値です。薬も全く飲んでおられません。
その秘密は糖質(炭水化物)を取らないということにあります。
最近のご研究では成人病をはじめとする多くの病気の原因にも糖質が関係するということがわかってきました。
プロジェクタ-でメカニズムについても、丁寧に説明して下さいます。
是非、食生活を見直すきっかとして、この講演会にご参加くださいませ。
【江部先生 プロフィール】 ------------------------
高雄病院理事長、日本糖質制限医療推進協会理事長、医師
1950年京都府生まれ 京都大学医学部卒業
糖尿病治療食として近年、急速に注目されている糖質制限食の先駆者の一人で
日本でその認知を広めてきた最大の功労者。
2001年から糖質制限食を糖尿病治療食として積極的に導入し、2013年までに
1600人を超える患者に指導を行う。
2005年に、日本で初めて糖質制限食を紹介した著書
『主食を抜けば糖尿病は良くなる』がベストセラーになる。
-----------------------------------
隆祥館(リュウショウカン)書店主催、出版記念講演会(2014/10/5、日曜日)のご案内です。
会場は、大阪市中央区上本町変電所ホ-ルです。
『 炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません 』(東洋経済新報社)
2014年8月1日刊行
の出版記念講演会です。
隆祥館(リュウショウカン)書店の店長、二村知子さんが企画してくださいました。
二村知子店長、ありがとうございます。
『炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません』
は、一般向けのとてもわかりやすい内容の新刊です。
前著
「糖尿病治療のための!糖質制限食パーフェクトガイド」2013年(東洋経済新報社)
は、医師・医療関係者・専門的な知識を得たい人のための本です。
エビデンスレベルの高い研究論文から、従来の糖尿病治療の限界を証明し、糖質制限食の有効性や安全性を実証しました。
今回の
『炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません』
は、エビデンスだけにこだわるのではなく、それらをベースに糖質制限食の持つポテンシャル・可能性について、わかりやすく広く大胆に考察してみました。
例えば冒頭では、日本人の四大死因や五大疾病の元凶は、糖質の頻回過剰摂取である可能性が高いことを理論的に平易に説明しています。
つまり、日本人の
四大死因(1がん、2心疾患、3脳血管疾患、4肺炎)
や
五大疾病(がん、脳卒中、心臓病、糖尿病、精神疾患)
は、
スーパー糖質制限食で予防できる可能性が高いのです。
読み出したら、一気に読みたくなる内容の本と自負しています。
糖質制限食や人間栄養学や健康に興味がある人、そして従来の医学や栄養学の常識を疑い、自分自身で考えることを目指す人には最適の本と思いますので是非ご一読を!
そして、10/5(日)隆祥館書店主催「江部康二出版記念 講演会」に是非、ご参加を!
お待ちしています。
江部康二
☆☆☆
以下、隆祥館(リュウショウカン)書店の講演会案内サイトから一部抜粋です。
http://atta2.weblogs.jp/ryushokan/2014/08/2014105-%E4%BD%9C%E5%AE%B6%E3%81%95%E3%82%93%E3%81%A8%E3%81%AE%E9%9B%86%E3%81%84-%E6%B1%9F%E9%83%A8%E5%BA%B7%E4%BA%8C%E5%85%88%E7%94%9F%E3%82%92%E5%9B%B2%E3%82%80%E4%BC%9A-no77.html
<糖質制限食を実践されている江部康二先生を囲む会 >
『炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません』
生活習慣病を予防&改善する糖質制限食31のポイント
江部康二著 東洋経済新報社
2014年8月1日(金)から発売中
東洋経済新報社発刊記念イベント
日時: 10月5日(日) 13:00
開場: 13:00
開演: 14:00
講演: 14:00~15:15
質疑応答: 15:15~15:30
会場: 大阪市中央区上本町変電所ホ-ル CafeBreakTime:
参加費:本代1404円+参加費1500円 含み 2,900円
講演会のみ参加の場合 2500円 当日料金 3,000円
(要予約・事前購入制とさせていただきます。先着順100名)
* 振込先 三井住友銀行上町支店
(普通) 1353923 カ)リュウショウカンショテン
(時間の都合上、サインは、当店でお買上の方に限らせていただきます。)
申込み・お問合せ: 隆祥館書店
TEL: 06-6768-1023
Eメ-ル: ryushokan@eos.ocn.ne.jp
主催: 隆祥館書店 後援:東洋経済新報社
2014/10/5 作家さんとの集い
< 江部康二先生を囲む会 > No.77
********** 隆祥館書店からのお知らせ **********
今回は、糖尿病の治療法として『糖質制限食』を唱えて、多くの糖尿病患者さんから支持されている内科医の江部康二先生に登場いただくことになりました。
先生ご自身が2型の糖尿病患者でいらっしゃいますが、既に10年以上糖質制限食を実践されており、血糖値等のデータは完全に正常値です。薬も全く飲んでおられません。
その秘密は糖質(炭水化物)を取らないということにあります。
最近のご研究では成人病をはじめとする多くの病気の原因にも糖質が関係するということがわかってきました。
プロジェクタ-でメカニズムについても、丁寧に説明して下さいます。
是非、食生活を見直すきっかとして、この講演会にご参加くださいませ。
【江部先生 プロフィール】 ------------------------
高雄病院理事長、日本糖質制限医療推進協会理事長、医師
1950年京都府生まれ 京都大学医学部卒業
糖尿病治療食として近年、急速に注目されている糖質制限食の先駆者の一人で
日本でその認知を広めてきた最大の功労者。
2001年から糖質制限食を糖尿病治療食として積極的に導入し、2013年までに
1600人を超える患者に指導を行う。
2005年に、日本で初めて糖質制限食を紹介した著書
『主食を抜けば糖尿病は良くなる』がベストセラーになる。
-----------------------------------
2014年09月17日 (水)
【14/09/16 横浜のM
ケトジェニックというダイエット法
先生、内容とは別のことで申し訳ありません。友人がケトジェニックダイエットを始めました。彼女が言うのには、糖質制限の進化系(本に書いてあるそうです)だから、同じよと言います。毎日ウロペーパーで尿を計っているようなので、私も計測してみましたら、まったく反応しません。私はスーパー糖質制限2年目です。体重も10キロ減量。血糖値は当初ほどは高くありませんが、まだ、空腹時が高く、ベイスン、アクアを処方されております。ケトジェニックは糖質制限の進化系なのでしょうか。尿ケトン検査紙は、体の指標になるのか、お教えください。】
おはようございます。
横浜のMさんから、ケトジェニックダイエットと糖質制限食と尿中ケトン体についてコメント、質問をいただきました。
横浜のM さん、ケトジェニックダイエットは、順天堂大学の白澤卓二先生などが、提唱されていると思います。
進化系?かどうかは兎も角として、糖質制限食の範疇に入るダイエットのようですね。
糖質制限食を高雄病院が初めて導入したのが、1999年です。
当時の院長、私の兄である江部洋一郎医師が導入しました。
2005年に「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」を私が上梓しました。
おそらく日本で初めての糖質制限食の本と思います。
そして、高雄病院の提唱する「糖質制限食」も、インターネットや英文論文などから世界最先端の情報を得て、日々進化を続けています。
ですから、高雄病院の「糖質制限食」は常に進化系ということになります。
さて、尿中ケトン体ですが、スーパー糖質制限食を開始して1~3ヶ月くらいまでは、陽性になることが多いです。
例えばスーパー糖質制限食で、血中総ケトン体が400~1000μU/Lくらいになりますが、初期段階では、尿中ケトン体陽性となります。
3ヶ月~半年を超えてくると、血中ケトン体が400~1000μU/Lくらいあっても、尿中ケトン体は陰性となります。
心筋や骨格筋など体細胞が、ケトン体をどんどん効率よくエネルギー源とするようになり、腎臓のケトン体再吸収能力も高まるからと考えられます。
足かけ13年間、スーパー糖質制限食実践中の私の血中総ケトン体値は、400~600~1200μM/Lくらいですが、初期の段階を除いて、尿中ケトン体は常に陰性です。
横浜のMさんも、気になれば、血中ケトン体(ケトン体分画)を測定してみたら如何でしょう。
難治性小児てんかんの治療食であるケトン食は、脂質摂取比率75~80%という、究極のスーパー糖質制限食ですが、この場合、血中総ケトン体は、3000μU/L~4000μU/Lレベルに上昇します。
このレベルの濃度だと、身体で使い切れずに腎臓の再吸収も超えて、尿中ケトン体は常に陽性となります。
江部康二
2014年09月16日 (火)
こんにちは。
今回は、がんについて、再考してみます。
がんには、生活習慣病型と感染症型との2つのタイプがあります。
A)
生活習慣病型のがんについて、世界がん研究基金が2007年に
「腎臓がん、膵臓がん、食道がん、子宮体がん、大腸がん、乳がんの6つと、おそらく胆のうがんの7つには肥満がかかわっている」
と報告しています。
リスクを下げるには「適正体重の維持」が肝要であり、BMI20~25未満に保つことを推奨しています。
肥満は生活習慣に起因しているため、これら7つのがんは生活習慣病型と呼ばれており、日本を含めた先進諸国で急増しているタイプです。
そして、生活習慣病型のがんについて、元凶ではないかと疑われているのが、高血糖であり高インスリン血症なのです。
高インスリン血症も高血糖も肥満すると起こりやすくなりますが、この2つに発がんリスクがあることが、明らかになっています。
生活習慣病型のがんについて、スーパー糖質制限食には予防効果のある可能性が非常に高いと考えられます。
なぜならば、肥満、高インスリン血症、高血糖、これら生活習慣病型のがんにつながると疑われている要因の全てについて、スーパー糖質制限食で防ぐことができるからです。
肥満、高インスリン血症、高血糖は、いずれも糖質過剰な食生活で起こります。
生活習慣病型のがんに関しては、
1)高インスリン血症がない(高インスリン血症は発がんリスクでエビデンスあり)
2)食後高血糖がない(食後高血糖も発がんリスクでエビデンスあり)
3)肥満がない(肥満も発がんリスクでありエビデンスあり)
4)HDLコレステロールが増加する(HDLコレステロールにはがん予防効果あり)
あくまでも仮説ですが、1)2)3)4)の利点により、生活習慣病型のがんは、スーパー糖質制限食で予防できる可能性があります。
B)
感染症型のがんとしては、胃がん、肝がん、子宮頸がんなどがあります。
これらは、感染症が引き金になって起こるタイプのがんです。
がん細胞は、正常な細胞が増殖するときに遺伝子つまりDNAの複製に失敗して、生まれてしまいます。
細菌やウイルスに感染すると、炎症を起こし細胞が頻繁に壊れます。それを修復するには細胞が増殖しなければなりませんが、このときにDNAの複製にエラーが起こり、それが蓄積されると、がん細胞が発生します。
つまり、細菌やウイルス感染により慢性炎症が起こり持続し、細胞傷害と再生を繰り返す機会が増えて細胞内の遺伝子異常が蓄積されて発症するのが、感染症型のがんなのです。
持続炎症により細胞が頻繁に壊れると、細胞はそれだけ多くの増殖をしなければなりません。
DNAの複製を頻繁に繰り返すため、エラーが起こりやすくなり、がん細胞の発生リスクが増すわけです。
胃がんはヘリコバクターピロリという特殊な細菌の持続感染、肝がんの場合はB型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスの持続感染、子宮頸がんの場合は、ヒトパピローマウイルスの持続感染が、主な原因でがん化を起こします。
感染症型のがんに関しては、スーパー糖質制限食でも予防は困難と考えられます。
何故なら細菌やウイルスの持続感染を食事療法(スーパー糖質制限食)で取り除くことはできないからです。
かつて伝統的な食生活(スーパー糖質制限食)の頃のイヌイットも、外部から新たに持ち込まれたEBウィルスのために、鼻咽頭と唾液腺のがんが多く発生した歴史があります。
EBウィルス持続感染で特に鼻咽頭と唾液腺のがんになったのは、イヌイットの民族としての特異性とされています。
同じEBウィルス感染で、アフリカではバーキットリンパ腫発症が多いのです。
江部康二
今回は、がんについて、再考してみます。
がんには、生活習慣病型と感染症型との2つのタイプがあります。
A)
生活習慣病型のがんについて、世界がん研究基金が2007年に
「腎臓がん、膵臓がん、食道がん、子宮体がん、大腸がん、乳がんの6つと、おそらく胆のうがんの7つには肥満がかかわっている」
と報告しています。
リスクを下げるには「適正体重の維持」が肝要であり、BMI20~25未満に保つことを推奨しています。
肥満は生活習慣に起因しているため、これら7つのがんは生活習慣病型と呼ばれており、日本を含めた先進諸国で急増しているタイプです。
そして、生活習慣病型のがんについて、元凶ではないかと疑われているのが、高血糖であり高インスリン血症なのです。
高インスリン血症も高血糖も肥満すると起こりやすくなりますが、この2つに発がんリスクがあることが、明らかになっています。
生活習慣病型のがんについて、スーパー糖質制限食には予防効果のある可能性が非常に高いと考えられます。
なぜならば、肥満、高インスリン血症、高血糖、これら生活習慣病型のがんにつながると疑われている要因の全てについて、スーパー糖質制限食で防ぐことができるからです。
肥満、高インスリン血症、高血糖は、いずれも糖質過剰な食生活で起こります。
生活習慣病型のがんに関しては、
1)高インスリン血症がない(高インスリン血症は発がんリスクでエビデンスあり)
2)食後高血糖がない(食後高血糖も発がんリスクでエビデンスあり)
3)肥満がない(肥満も発がんリスクでありエビデンスあり)
4)HDLコレステロールが増加する(HDLコレステロールにはがん予防効果あり)
あくまでも仮説ですが、1)2)3)4)の利点により、生活習慣病型のがんは、スーパー糖質制限食で予防できる可能性があります。
B)
感染症型のがんとしては、胃がん、肝がん、子宮頸がんなどがあります。
これらは、感染症が引き金になって起こるタイプのがんです。
がん細胞は、正常な細胞が増殖するときに遺伝子つまりDNAの複製に失敗して、生まれてしまいます。
細菌やウイルスに感染すると、炎症を起こし細胞が頻繁に壊れます。それを修復するには細胞が増殖しなければなりませんが、このときにDNAの複製にエラーが起こり、それが蓄積されると、がん細胞が発生します。
つまり、細菌やウイルス感染により慢性炎症が起こり持続し、細胞傷害と再生を繰り返す機会が増えて細胞内の遺伝子異常が蓄積されて発症するのが、感染症型のがんなのです。
持続炎症により細胞が頻繁に壊れると、細胞はそれだけ多くの増殖をしなければなりません。
DNAの複製を頻繁に繰り返すため、エラーが起こりやすくなり、がん細胞の発生リスクが増すわけです。
胃がんはヘリコバクターピロリという特殊な細菌の持続感染、肝がんの場合はB型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスの持続感染、子宮頸がんの場合は、ヒトパピローマウイルスの持続感染が、主な原因でがん化を起こします。
感染症型のがんに関しては、スーパー糖質制限食でも予防は困難と考えられます。
何故なら細菌やウイルスの持続感染を食事療法(スーパー糖質制限食)で取り除くことはできないからです。
かつて伝統的な食生活(スーパー糖質制限食)の頃のイヌイットも、外部から新たに持ち込まれたEBウィルスのために、鼻咽頭と唾液腺のがんが多く発生した歴史があります。
EBウィルス持続感染で特に鼻咽頭と唾液腺のがんになったのは、イヌイットの民族としての特異性とされています。
同じEBウィルス感染で、アフリカではバーキットリンパ腫発症が多いのです。
江部康二
2014年09月15日 (月)
こんばんは。
2014年9月28日(日)に、
「脂肪・コレステロール、糖尿病の真実」
と題し、東京千代田区「ワテラスコモンホール」にて、講演会を行います。
今回は、「脂肪・コレステロール」分野の第一人者である、
東海大学名誉教授 大櫛陽一先生
をお招きして、私と2人での講演会となります。
第5回 日本プライマリ・ケア連合学会学術大会、2014年5月10日(土)、シンポジウム
10.新しい常識を人々に~糖質制限、褥瘡、脂質の考え方~
では、5人のパネリストの一人として大櫛先生と私も参加しましたが、超満員になり、糖質制限や脂質の新常識に関心のある医師がどんどん増加しているのを実感できました。
『2263人の医師にインターネットでアンケートしたところ、過半数の医師が「糖質制限」を支持』という記事が、日経メディカルの2014/7/9号に掲載されたのも記憶に新しいところです。
今回は、大櫛陽一先生と江部康二のコラボの講演会で、大阪中之島講演に続いて、二回目の試みなので、さらにパワーアップでとても楽しみです。
脂肪・コレステロール、糖尿病の真実を、2人でしっかり語り、質疑応答も30分たっぷり時間をとります。
東京そして関東の糖尿人、メタボ人、コレステロールや脂質関連に興味がある方・・・奮ってご参加下さいね。ヾ(^▽^)
江部康二
☆☆☆
以下、事務局からのご案内です。
ブログ読者の皆様、講演会へいつも多数ご参加いただきましてありがとうございます。
8月3日(日)の大阪・中之島での開催に続きまして、9月28日(日)に、東京・御茶ノ水にて、東海大学名誉教授 大櫛陽一先生と江部康二理事長による、一般向けの講演会を開催いたします。
糖質制限食との関連性も高い「脂肪・コレステロール」について、この分野の第一人者、大櫛陽一先生によるレクチャーで理解を深めていただける、絶好の機会です。
糖質制限食とその有効性については、江部康二理事長がお話しいたします。
関東の皆様をはじめ、多数のご参加を心よりお待ちしております。
///////////////////ご案内/////////////////////
一般社団法人日本糖質制限医療推進協会主催 講演会(東京)
「脂肪・コレステロール、糖尿病の真実」
■日時: 9月28日(日) 13:20~16:00頃 ※入場受付・開場は、13:00~
■会場: WATERRAS COMMON (ワテラスコモン) 3F「ワテラスコモンホール」
東京都千代田区神田淡路町2丁目101番地
http://www.waterrascommon.com/access.html
☆アクセス
東京メトロ千代田線「新御茶ノ水」駅徒歩約2分
JR「御茶ノ水」駅徒歩約3分
東京メトロ丸ノ内線「淡路町」駅徒歩約2分
■内容
◆講演① 『脂肪とコレステロールは、あなたの体にいいですよ』
講師: 大櫛陽一 東海大学名誉教授/大櫛医学情報研究所所長
(講師略歴)
1971年 大阪大学大学院工学研究科修了
同年 大阪府に就職。以下を兼任(~1988年)
成人病センター、羽曳野病院、母子センター、府立病院
1988年 東海大学医学部教授(基礎医学系)
2012年 東海大学名誉教授、大櫛医学情報研究所所長
(著書)
・血圧が下がる新食事法(新DASH食) 成美堂出版 2013年
・健康診断の恐怖 宝島社 2013年
・間違っていた糖尿病治療 医学芸術社 2012年
・100歳まで長生きできるコレステロール革命 永岡書店 2012年
・長寿のためのコレステロールガイドライン 中日出版 2010年
・脳卒中データバンク2009 中山書店 2009年
・メタボの罠 角川SSC新書 2007年
◆講演② 『糖質制限食による糖尿病治療』
講師: 江部康二
(一財)高雄病院理事長/(一社)日本糖質制限医療推進協会理事長
※講演後、両講師による質疑応答を30分程度予定しています。
■受講費:賛助会員 2,800円 / 一般(非会員) 3,400円
■お支払い方法:クレジットカード/銀行振込/郵便振替
※事前決済のみとなります。
■お申し込み方法
・賛助会員の方
事務局までメールにてお申し込み下さい。
・賛助会員入会をご希望いただける方
1.入会案内および会員規約をお読み下さい。
http://toushitsuseigen.or.jp/member.html
2.お申し込みはこちらのフォームからお願いします。
http://toushitsuseigen.or.jp/contact.php
「お問い合せ内容」欄に「9/28東京講演会、受講希望」とご記入下さい。
・一般(非会員)で、講演会の受講のみご希望の方
こちらのフォームよりお申し込み下さい。
https://ssl.form-mailer.jp/fms/ecbe3241312842
■お申し込みの流れ
1.会員の方はメールにて、会員以外の方は各種フォームにてご連絡下さい。
2.事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3.入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4.当日、直接会場までお越し下さい。
■その他
・予約制です。当日参加はできません。
・キャンセルは9月25日(木)までにお願い致します。
それ以降の返金は対応致しかねますので予めご了承ください。
☆☆☆
新刊のご案内です。
おかげさまで早くも2版となりました。
Kindleでも販売開始となりました。
読んでいただいて、よかったら、アマゾンの書評を書いていただけば嬉しいです。 (^^)
よろしくお願い申しあげます。
『炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません』
生活習慣病を予防&改善する糖質制限食31のポイント
江部康二著 東洋経済新報社
2014年8月1日(金)から発売中
2014年9月28日(日)に、
「脂肪・コレステロール、糖尿病の真実」
と題し、東京千代田区「ワテラスコモンホール」にて、講演会を行います。
今回は、「脂肪・コレステロール」分野の第一人者である、
東海大学名誉教授 大櫛陽一先生
をお招きして、私と2人での講演会となります。
第5回 日本プライマリ・ケア連合学会学術大会、2014年5月10日(土)、シンポジウム
10.新しい常識を人々に~糖質制限、褥瘡、脂質の考え方~
では、5人のパネリストの一人として大櫛先生と私も参加しましたが、超満員になり、糖質制限や脂質の新常識に関心のある医師がどんどん増加しているのを実感できました。
『2263人の医師にインターネットでアンケートしたところ、過半数の医師が「糖質制限」を支持』という記事が、日経メディカルの2014/7/9号に掲載されたのも記憶に新しいところです。
今回は、大櫛陽一先生と江部康二のコラボの講演会で、大阪中之島講演に続いて、二回目の試みなので、さらにパワーアップでとても楽しみです。
脂肪・コレステロール、糖尿病の真実を、2人でしっかり語り、質疑応答も30分たっぷり時間をとります。
東京そして関東の糖尿人、メタボ人、コレステロールや脂質関連に興味がある方・・・奮ってご参加下さいね。ヾ(^▽^)
江部康二
☆☆☆
以下、事務局からのご案内です。
ブログ読者の皆様、講演会へいつも多数ご参加いただきましてありがとうございます。
8月3日(日)の大阪・中之島での開催に続きまして、9月28日(日)に、東京・御茶ノ水にて、東海大学名誉教授 大櫛陽一先生と江部康二理事長による、一般向けの講演会を開催いたします。
糖質制限食との関連性も高い「脂肪・コレステロール」について、この分野の第一人者、大櫛陽一先生によるレクチャーで理解を深めていただける、絶好の機会です。
糖質制限食とその有効性については、江部康二理事長がお話しいたします。
関東の皆様をはじめ、多数のご参加を心よりお待ちしております。
///////////////////ご案内/////////////////////
一般社団法人日本糖質制限医療推進協会主催 講演会(東京)
「脂肪・コレステロール、糖尿病の真実」
■日時: 9月28日(日) 13:20~16:00頃 ※入場受付・開場は、13:00~
■会場: WATERRAS COMMON (ワテラスコモン) 3F「ワテラスコモンホール」
東京都千代田区神田淡路町2丁目101番地
http://www.waterrascommon.com/access.html
☆アクセス
東京メトロ千代田線「新御茶ノ水」駅徒歩約2分
JR「御茶ノ水」駅徒歩約3分
東京メトロ丸ノ内線「淡路町」駅徒歩約2分
■内容
◆講演① 『脂肪とコレステロールは、あなたの体にいいですよ』
講師: 大櫛陽一 東海大学名誉教授/大櫛医学情報研究所所長
(講師略歴)
1971年 大阪大学大学院工学研究科修了
同年 大阪府に就職。以下を兼任(~1988年)
成人病センター、羽曳野病院、母子センター、府立病院
1988年 東海大学医学部教授(基礎医学系)
2012年 東海大学名誉教授、大櫛医学情報研究所所長
(著書)
・血圧が下がる新食事法(新DASH食) 成美堂出版 2013年
・健康診断の恐怖 宝島社 2013年
・間違っていた糖尿病治療 医学芸術社 2012年
・100歳まで長生きできるコレステロール革命 永岡書店 2012年
・長寿のためのコレステロールガイドライン 中日出版 2010年
・脳卒中データバンク2009 中山書店 2009年
・メタボの罠 角川SSC新書 2007年
◆講演② 『糖質制限食による糖尿病治療』
講師: 江部康二
(一財)高雄病院理事長/(一社)日本糖質制限医療推進協会理事長
※講演後、両講師による質疑応答を30分程度予定しています。
■受講費:賛助会員 2,800円 / 一般(非会員) 3,400円
■お支払い方法:クレジットカード/銀行振込/郵便振替
※事前決済のみとなります。
■お申し込み方法
・賛助会員の方
事務局までメールにてお申し込み下さい。
・賛助会員入会をご希望いただける方
1.入会案内および会員規約をお読み下さい。
http://toushitsuseigen.or.jp/member.html
2.お申し込みはこちらのフォームからお願いします。
http://toushitsuseigen.or.jp/contact.php
「お問い合せ内容」欄に「9/28東京講演会、受講希望」とご記入下さい。
・一般(非会員)で、講演会の受講のみご希望の方
こちらのフォームよりお申し込み下さい。
https://ssl.form-mailer.jp/fms/ecbe3241312842
■お申し込みの流れ
1.会員の方はメールにて、会員以外の方は各種フォームにてご連絡下さい。
2.事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3.入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4.当日、直接会場までお越し下さい。
■その他
・予約制です。当日参加はできません。
・キャンセルは9月25日(木)までにお願い致します。
それ以降の返金は対応致しかねますので予めご了承ください。
☆☆☆
新刊のご案内です。
おかげさまで早くも2版となりました。
Kindleでも販売開始となりました。
読んでいただいて、よかったら、アマゾンの書評を書いていただけば嬉しいです。 (^^)
よろしくお願い申しあげます。
『炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません』
生活習慣病を予防&改善する糖質制限食31のポイント
江部康二著 東洋経済新報社
2014年8月1日(金)から発売中
2014年09月14日 (日)
こんにちは。
2014年09月05日 (金)の本ブログ記事
「SGLT2阻害薬、副作用多発。対象例は、絞るべき。」
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-3095.html
で書きましたように、
もともと、SGLT2阻害薬は、比較的若い(40代、50代くらいまで)糖尿病患者で、肥満傾向のある人が対象です。
さらに、SU剤など低血糖を生じやすい薬は内服していなくて、他剤はなしか、せいぜい、1~2種類程度の薬までで、しっかり水分補給する意味を理解できる人まで絞って投与する必要がある薬と思います。
このように絞って、投与したならば、「重症低血糖、ケトアシドーシス、脳梗塞」はまず生じないと思うので、逆に言えばかなり安易に使われた可能性が高いのです。
とても脱水になりやすい薬なので、脳梗塞のリスクを高める可能性は高く、充分な水分補給が必要不可欠な薬なので、高齢者には向かないのです。
とにかく、SGLT2阻害薬は、対象者を限定するべきであり、使用期間は短期(せいぜい半年から1年)にとどめるべき薬と私は思っています。
夢の新薬のように登場したSGLT2阻害薬ですが、そんなええもんではなかったようです。
さらにもう一つ懸念があります。
それは、SGLT2阻害薬の長期投与により、基礎代謝が低下する可能性があることです。
『SGLT2阻害薬を服用すると、1日あたりおよそ400kcal⇒240kcalのエネルギーに相当するブドウ糖100g⇒60gが尿から排泄される』
400kcal/日のエネルギーが排泄されるということは、単純理論的には痩せ続けることになります。
しかし、あるSGLT2阻害薬を投与開始して、一旦、37週で3kg減量になったあと、最終的に102週間(2年間)90名くらいで評価して、体重は1.7kg減というデータがあります。
ということは、人体が毎日400kcal相当のブドウ糖が尿から排泄されることに関して、何らかの調整を行って、37週目でボトムになったあと、体重は102週目まで緩やかに増加して、1.3kg分は戻ったということです。
そうすると、仮説としてまず最初に考えられるのは、1日あたりおよそ240kcalのエネルギーに相当するブドウ糖が、尿から排泄される結果としてのカロリー制限に対し、人体が基礎代謝を低下させて対応して体重減少を防いだということです。
例えば、通常のカロリー制限食を続けた場合も、体重が減り続けることはなく一定期間でそれ以上減らなくなりますが、これも人体が基礎代謝を低下させて、低カロリー食に対応した結果と考えられます。
昨日(2014/9/13)のブログで検証したDIRECT論文の図が以下ですが、カロリー制限をして、5ヶ月目にボトムになったあと、
徐々に体重はリバウンドしています。
これは上述の如くカロリー制限に人体が適応して、基礎代謝を下げた結果と考えられます。
カロリー制限を指示された「脂肪制限食と地中海食」を比較すると、特に脂肪制限食のリバウンドが大きいです。
この研究、さらに6年後には脂肪制限食だけは体重減少の有意差がなくなっていました。
糖質制限食と地中海食は、体重減少は少なくなりましたが、6年後も有意差をもって減っていました。

カロリー制限食にせよ、SGLT2阻害薬によるカロリー排泄にせよ、結果として摂取エネルギーが減少するので、人体は基礎代謝を低下させて、低エネルギー状態に適応すると考えられます。
そのため、カロリー制限食での減量は、必然的に失敗に終わるのです。
SGLT2阻害剤も短期間の使用にとどめないと、数年後には、逆に体重が増える可能性もあるのです。
そして、SGLT2阻害薬を中止しても、基礎代謝が低下した状態がしばらく残存するなら、非常に肥満しやすい体質になっている可能性があるのです。
スーパー糖質制限食なら、基礎代謝が低下することなく、基礎代謝は増加するほうに向かいます。
そして、
「肥満ホルモンがほとんど出ないこと」
「糖新生でエネルギーを使うこと」
「体脂肪が常に燃えていること」
「食事誘発熱産生が増加すること」
により、順調に適正体重まで減量できますので、SGLT2阻害薬の減量効果とは、明らかに違いますね。
江部康二
2014年09月05日 (金)の本ブログ記事
「SGLT2阻害薬、副作用多発。対象例は、絞るべき。」
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-3095.html
で書きましたように、
もともと、SGLT2阻害薬は、比較的若い(40代、50代くらいまで)糖尿病患者で、肥満傾向のある人が対象です。
さらに、SU剤など低血糖を生じやすい薬は内服していなくて、他剤はなしか、せいぜい、1~2種類程度の薬までで、しっかり水分補給する意味を理解できる人まで絞って投与する必要がある薬と思います。
このように絞って、投与したならば、「重症低血糖、ケトアシドーシス、脳梗塞」はまず生じないと思うので、逆に言えばかなり安易に使われた可能性が高いのです。
とても脱水になりやすい薬なので、脳梗塞のリスクを高める可能性は高く、充分な水分補給が必要不可欠な薬なので、高齢者には向かないのです。
とにかく、SGLT2阻害薬は、対象者を限定するべきであり、使用期間は短期(せいぜい半年から1年)にとどめるべき薬と私は思っています。
夢の新薬のように登場したSGLT2阻害薬ですが、そんなええもんではなかったようです。
さらにもう一つ懸念があります。
それは、SGLT2阻害薬の長期投与により、基礎代謝が低下する可能性があることです。
『SGLT2阻害薬を服用すると、1日あたりおよそ400kcal⇒240kcalのエネルギーに相当するブドウ糖100g⇒60gが尿から排泄される』
400kcal/日のエネルギーが排泄されるということは、単純理論的には痩せ続けることになります。
しかし、あるSGLT2阻害薬を投与開始して、一旦、37週で3kg減量になったあと、最終的に102週間(2年間)90名くらいで評価して、体重は1.7kg減というデータがあります。
ということは、人体が毎日400kcal相当のブドウ糖が尿から排泄されることに関して、何らかの調整を行って、37週目でボトムになったあと、体重は102週目まで緩やかに増加して、1.3kg分は戻ったということです。
そうすると、仮説としてまず最初に考えられるのは、1日あたりおよそ240kcalのエネルギーに相当するブドウ糖が、尿から排泄される結果としてのカロリー制限に対し、人体が基礎代謝を低下させて対応して体重減少を防いだということです。
例えば、通常のカロリー制限食を続けた場合も、体重が減り続けることはなく一定期間でそれ以上減らなくなりますが、これも人体が基礎代謝を低下させて、低カロリー食に対応した結果と考えられます。
昨日(2014/9/13)のブログで検証したDIRECT論文の図が以下ですが、カロリー制限をして、5ヶ月目にボトムになったあと、
徐々に体重はリバウンドしています。
これは上述の如くカロリー制限に人体が適応して、基礎代謝を下げた結果と考えられます。
カロリー制限を指示された「脂肪制限食と地中海食」を比較すると、特に脂肪制限食のリバウンドが大きいです。
この研究、さらに6年後には脂肪制限食だけは体重減少の有意差がなくなっていました。
糖質制限食と地中海食は、体重減少は少なくなりましたが、6年後も有意差をもって減っていました。

カロリー制限食にせよ、SGLT2阻害薬によるカロリー排泄にせよ、結果として摂取エネルギーが減少するので、人体は基礎代謝を低下させて、低エネルギー状態に適応すると考えられます。
そのため、カロリー制限食での減量は、必然的に失敗に終わるのです。
SGLT2阻害剤も短期間の使用にとどめないと、数年後には、逆に体重が増える可能性もあるのです。
そして、SGLT2阻害薬を中止しても、基礎代謝が低下した状態がしばらく残存するなら、非常に肥満しやすい体質になっている可能性があるのです。
スーパー糖質制限食なら、基礎代謝が低下することなく、基礎代謝は増加するほうに向かいます。
そして、
「肥満ホルモンがほとんど出ないこと」
「糖新生でエネルギーを使うこと」
「体脂肪が常に燃えていること」
「食事誘発熱産生が増加すること」
により、順調に適正体重まで減量できますので、SGLT2阻害薬の減量効果とは、明らかに違いますね。
江部康二
2014年09月13日 (土)

こんにちは。
よく引用されるイスラエルのShai先生の有名な論文、DIRECT
「低炭水化物食で体重減少・ HDL-C増加・HbA1c改善 RCT研究論文」
イスラエルの322人(男性86%)
(1)低脂肪食(カロリー制限あり)女性1500kcal、男性1800kcal
(2)オリーブ油の地中海食(カロリー制限あり)女性1500kcal、男性1800kcal
(3)低炭水化物食(カロリー制限なし)
3グループの食事法を2年間
低炭水化物食が、最も体重減少。HDL-Cも増加。
36名の糖尿病患者においてHbA1cが有意差をもって改善
Iris Shai,et all:Weight Loss with a Low-Carbohydrate,Mediterranean,or Low-Fat Diet.
NENGLJ MED JULY17,2008、VOL359. NO.3 229-241
をあらためて、検証してみます。
糖質制限群は、最初の2ヶ月は20g/日に糖質を制限、その後3ヶ月目からは徐々に緩めて120g/日までOKと設定しています。
しかしながら、6ヶ月後、12ヶ月後、24ヶ月後、全て40~41%の糖質を摂取しています。
つまり、このDIRECT論文も、最初の2ヶ月間~5ヶ月間を除いたら、
糖質40%の糖質制限食群(中糖質群)と
糖質約50%の低脂肪食群、地中海食群(高糖質群)を
比べた研究ということになります。
3群とも、出発点のベースラインからは、日々の摂取カロリーが6ヶ月後、12ヶ月後、24ヶ月後と全て、有意に減少しています。
ベースラインからのカロリー減少幅に3群で有意差はありませんでした。
糖質制限食群はカロリー制限なしの設定ですが、低脂肪食群、地中海食群と有意差無く摂取エネルギーが減少しています。
結局、結果として、同一摂取エネルギーの「糖質制限食群」「低脂肪食群」「地中海食群」
の3群の体重減少を2年間みた研究ということになります。
それで女性1500kcal、男性1800calのカロリー制限ありの他の2群に摂取カロリーを合わせてみると糖質制限食群でも、女性で150g/日、男性で180g/日の炭水化物を摂取していることになります。
設定の120g/日をかなりオーバーしています。
これでは折角減少した体重もリバウンドを起こすでしょうね。
現実に2年後には、3群ともリバウンドを起こしています。
糖質制限食群も一番体重が減少していますが、当初の5ヶ月間で達成した体重減少からは少しリバウンドしています。
この経過は、グラフをご参照ください。
さて、それでも2年間の研究終了の時点で、<糖質制限食群・地中海食群>と<脂肪制限食群>の体重減少を比べてみると糖質制限食群・地中海食群が、脂肪制限食群に比し、統計的有意差をもって減少していました。
この点において、『同一摂取エネルギーなら、糖質・脂質・蛋白質の何を食べても体重に与える影響は一緒』という、「カロリー神話」は、統計的有意差があったのですから明白に崩壊しています。
次に最初の2ヶ月間~6ヶ月間を検討してみます。糖質制限食群では、3ヶ月目から、20g/日の糖質を徐々に緩めて120g/日までOKとしています。
しかし、現実には6ヶ月後には、男性180g/日、女性150g/日摂取でした。
3群とも一番体重が減少している5ヶ月目で比べてみると(グラフ参照)、糖質制限食群は、6.5kgくらい減少で、地中会食群と脂質制限食群は、4.5kgくらいの減少で、あきらかに有意差があります。
糖質制限食群は、一旦6.5kgくらい減少したあと、糖質摂取量が徐々に増える従い、体重も徐々に増加したと考えられます。
私のようにスーパー糖質制限食実践中の場合、一旦減少して適正になった体重はリバウンドを起こすことなく維持できます。
スーパー糖質制限食の場合は、40~60g/日の糖質摂取量で、糖質の摂取比率は12%くらいです。
DIRECT研究においても、40~60g/日の糖質量を守ったならば、リバウンドをおこすことなく、体重減少を維持できたと考えられます。
DIRECT
Table2 炭水化物摂取比率
糖質制限群
ベースラインン:50.8%
6ヶ月後:41.4
12ヶ月後:41.6
24ヶ月後:40.4
地中海食群
ベースラインン:51.5%
6ヶ月後:49.8
12ヶ月後:50.0
24ヶ月後:50.2
低脂肪食群
ベースラインン:51.8%
6ヶ月後:50.4
12ヶ月後:50.5
24ヶ月後:50.7
江部康二
2014年09月12日 (金)
こんにちは。
「急速な血糖値・HbA1cの改善により、網膜症の一時的な悪化や眼底出血を起こすことがある」
という従来からの定説があります。
確かに、インスリン注射やSU剤などにより急速に血糖値が改善した場合、改善速度が速いほど、網膜症の悪化率が高かったという論文報告があります。
実際に日常臨床上、糖尿人を診察しておられる医師においては経験があることと思われます。
とは言え、一時的な悪化はあっても、長期的には血糖コントロールが良い方が網膜症にも良いということも報告されています。
それでは 糖質制限食によって、血糖値が急速に改善した場合はどうなのでしょう?
網膜症の悪化や眼底出血の心配はないのでしょうか?
実は当初、私達も糖質制限食でインスリン注射以上に速やかに血糖コントロールが良くなるので、このことを懸念していました。
幸い、1999年、高雄病院で糖質制限食開始以来の経験で、糖質制限食による改善では基本的に網膜症の悪化はありませんでしたので、今は全く心配はしていません。
しかし、
1)インスリン注射やSU剤による急速なHbA1c改善:網膜症悪化や眼底出血あり。
何故、網膜症の悪化や眼底出血があるのか、現時点では原因不明。
2)糖質制限によるより急速なHbA1c改善:網膜症の悪化なし
こちらも、何故、網膜症が悪化しないのか現時点では理由は不明。
同じようにHbA1cが改善するのに、なぜこうも違うのか、疑問が残ります。
平均血糖値(HbA1c)が同じように良くなるにもかかわらず、インスリンやSU剤の投与による場合と糖質制限食による場合で、このように明暗がわかれるのには、必ず理由があるはずです。
それで、以下、あくまでも仮説ですが考察してみました。
以前は、長年にわたって血糖コントロールの評価基準として、空腹時血糖値とHbA1cが使用されてきました。
しかし、近年の信頼度の高い研究により、空腹時血糖値とHbA1cがコントロール良好でも、糖尿病合併症は防げないことがわかってきたのです。
それどころか、糖質を普通に摂取しながら、インスリン注射やSU剤で厳格に治療すると、総死亡率が上昇するという信頼度の高いエビデンスが報告されました。(*)
すなわち、食後高血糖と平均血糖変動幅の増大が、最大の酸化ストレスリスクであり、糖尿病合併症の元凶ということがわかってきたのです。
空腹時血糖値とHbA1cだけによる評価では、食後高血糖と平均血糖変動幅の増大は全く知ることができないのです。
人体は、酸化反応と抗酸化反応のバランスがとれていると、正常に機能します。
酸化反応が抗酸化反応を上まわった状態を酸化ストレスといいます。
酸化ストレスが、糖尿病合併症・動脈硬化・老化・癌・アルツハイマー・パーキンソン等、様々な疾病の元凶とされています。
このことは、世界中の医学界において、認められています。
糖質を普通に摂取しながら、インスリンやSU剤で厳格に治療してHbA1cを急速に下げると、低血糖も生じやすくなるし、平均血糖変動幅の増大も必発となります。
つまり、
1)の場合は、見かけ上はHbA1cは急速に改善したように見えても、その実態は、「低血糖」と「平均血糖変動幅増大」という最大の酸化ストレスリスクをともなう『質の悪いHbA1c』だったのです。
従って、網膜症悪化や眼底出血を生じた可能性が高いのです。
一方、2)糖質制限食でHbA1cが改善した場合には、薬も使用していないので、「低血糖」も「平均血糖変動幅増大」もない『質のいいHbA1c』なのです。
そのため急速なHbA1c改善にもかかわらず、網膜症の悪化がないと考えられます。
これらにより、糖質制限食の場合、急速な血糖値改善にもかかわらず、網膜症の悪化が生じにくいと考えられます。
既にインスリン注射やSU剤を内服していて、ある時に糖質制限食を開始して、血糖値・HbA1cが急速に改善していく場合も、
インスリン注射やSU剤の量は基本的に減量されていくし、代謝全般も改善されていくので、糖尿病網膜症は起こりにくいと思います。
糖質を摂取して、インスリンやSU剤の効能だけに依存して血糖値を下げた場合と、糖質制限食で薬物に頼らずに自然に血糖値が改善した場合との差、すなわち「低血糖、食後高血糖、平均血糖変動幅増大」の酸化ストレスリスクが、両者で全く異なることがお解りいただけたでしょうか。
なお、過去の高血糖のため、すでに糖尿病網膜症が存在している時は、糖質制限食で血糖コントロール良好を維持していれば糖尿病網膜症の進行は、徐々に止まると思います。
そして時間をかけて、ある程度改善する可能性はあります。
しかし、糖質制限食で血糖コントロール良好となっても、既存の糖尿病網膜症が、メキメキ治るわけではありませんので、念のため。
それから、一定の糖尿病罹病期間があって、血糖コントロールが悪かったけれど、その時点では網膜症はないと言われていた人が、糖質制限食を開始して血糖コントロール良好となり、数ヶ月後眼底検査をしたら軽症単純網膜症が発見された、というようなことがまれにあります。
これは糖質制限食開始時点で既に潜在的な網膜症はあったのが、時間的経過で顕在化したもので、高血糖の記憶(**)によるものと思われます。
すなわち糖質制限食で網膜症になったのではなく、過去の高血糖の借金が顕在化したものと思われます。
以上、仮説の段階ではありますが、それなりに説得力のある説明と自負しています。
(*)2011/07/18 の本ブログ記事
「ACCORD試験の死亡リスクと低血糖とSMBGサブ解析2011」
をご参照ください。
(**)2010-11-14のブログ
「高血糖の記憶とAGE」をご参照ください。
江部康二
「急速な血糖値・HbA1cの改善により、網膜症の一時的な悪化や眼底出血を起こすことがある」
という従来からの定説があります。
確かに、インスリン注射やSU剤などにより急速に血糖値が改善した場合、改善速度が速いほど、網膜症の悪化率が高かったという論文報告があります。
実際に日常臨床上、糖尿人を診察しておられる医師においては経験があることと思われます。
とは言え、一時的な悪化はあっても、長期的には血糖コントロールが良い方が網膜症にも良いということも報告されています。
それでは 糖質制限食によって、血糖値が急速に改善した場合はどうなのでしょう?
網膜症の悪化や眼底出血の心配はないのでしょうか?
実は当初、私達も糖質制限食でインスリン注射以上に速やかに血糖コントロールが良くなるので、このことを懸念していました。
幸い、1999年、高雄病院で糖質制限食開始以来の経験で、糖質制限食による改善では基本的に網膜症の悪化はありませんでしたので、今は全く心配はしていません。
しかし、
1)インスリン注射やSU剤による急速なHbA1c改善:網膜症悪化や眼底出血あり。
何故、網膜症の悪化や眼底出血があるのか、現時点では原因不明。
2)糖質制限によるより急速なHbA1c改善:網膜症の悪化なし
こちらも、何故、網膜症が悪化しないのか現時点では理由は不明。
同じようにHbA1cが改善するのに、なぜこうも違うのか、疑問が残ります。
平均血糖値(HbA1c)が同じように良くなるにもかかわらず、インスリンやSU剤の投与による場合と糖質制限食による場合で、このように明暗がわかれるのには、必ず理由があるはずです。
それで、以下、あくまでも仮説ですが考察してみました。
以前は、長年にわたって血糖コントロールの評価基準として、空腹時血糖値とHbA1cが使用されてきました。
しかし、近年の信頼度の高い研究により、空腹時血糖値とHbA1cがコントロール良好でも、糖尿病合併症は防げないことがわかってきたのです。
それどころか、糖質を普通に摂取しながら、インスリン注射やSU剤で厳格に治療すると、総死亡率が上昇するという信頼度の高いエビデンスが報告されました。(*)
すなわち、食後高血糖と平均血糖変動幅の増大が、最大の酸化ストレスリスクであり、糖尿病合併症の元凶ということがわかってきたのです。
空腹時血糖値とHbA1cだけによる評価では、食後高血糖と平均血糖変動幅の増大は全く知ることができないのです。
人体は、酸化反応と抗酸化反応のバランスがとれていると、正常に機能します。
酸化反応が抗酸化反応を上まわった状態を酸化ストレスといいます。
酸化ストレスが、糖尿病合併症・動脈硬化・老化・癌・アルツハイマー・パーキンソン等、様々な疾病の元凶とされています。
このことは、世界中の医学界において、認められています。
糖質を普通に摂取しながら、インスリンやSU剤で厳格に治療してHbA1cを急速に下げると、低血糖も生じやすくなるし、平均血糖変動幅の増大も必発となります。
つまり、
1)の場合は、見かけ上はHbA1cは急速に改善したように見えても、その実態は、「低血糖」と「平均血糖変動幅増大」という最大の酸化ストレスリスクをともなう『質の悪いHbA1c』だったのです。
従って、網膜症悪化や眼底出血を生じた可能性が高いのです。
一方、2)糖質制限食でHbA1cが改善した場合には、薬も使用していないので、「低血糖」も「平均血糖変動幅増大」もない『質のいいHbA1c』なのです。
そのため急速なHbA1c改善にもかかわらず、網膜症の悪化がないと考えられます。
これらにより、糖質制限食の場合、急速な血糖値改善にもかかわらず、網膜症の悪化が生じにくいと考えられます。
既にインスリン注射やSU剤を内服していて、ある時に糖質制限食を開始して、血糖値・HbA1cが急速に改善していく場合も、
インスリン注射やSU剤の量は基本的に減量されていくし、代謝全般も改善されていくので、糖尿病網膜症は起こりにくいと思います。
糖質を摂取して、インスリンやSU剤の効能だけに依存して血糖値を下げた場合と、糖質制限食で薬物に頼らずに自然に血糖値が改善した場合との差、すなわち「低血糖、食後高血糖、平均血糖変動幅増大」の酸化ストレスリスクが、両者で全く異なることがお解りいただけたでしょうか。
なお、過去の高血糖のため、すでに糖尿病網膜症が存在している時は、糖質制限食で血糖コントロール良好を維持していれば糖尿病網膜症の進行は、徐々に止まると思います。
そして時間をかけて、ある程度改善する可能性はあります。
しかし、糖質制限食で血糖コントロール良好となっても、既存の糖尿病網膜症が、メキメキ治るわけではありませんので、念のため。
それから、一定の糖尿病罹病期間があって、血糖コントロールが悪かったけれど、その時点では網膜症はないと言われていた人が、糖質制限食を開始して血糖コントロール良好となり、数ヶ月後眼底検査をしたら軽症単純網膜症が発見された、というようなことがまれにあります。
これは糖質制限食開始時点で既に潜在的な網膜症はあったのが、時間的経過で顕在化したもので、高血糖の記憶(**)によるものと思われます。
すなわち糖質制限食で網膜症になったのではなく、過去の高血糖の借金が顕在化したものと思われます。
以上、仮説の段階ではありますが、それなりに説得力のある説明と自負しています。
(*)2011/07/18 の本ブログ記事
「ACCORD試験の死亡リスクと低血糖とSMBGサブ解析2011」
をご参照ください。
(**)2010-11-14のブログ
「高血糖の記憶とAGE」をご参照ください。
江部康二
2014年09月11日 (木)
こんにちは。
腎不全の漢方<養腎降濁湯>への問い合わせが、結構あります。
養腎降濁湯は、黄耆(おうぎ)という生薬を主役とした煎じ薬です。
他に、桂皮、土茯苓、甘草、芍薬、茯苓、白朮、炮附子・・・など、12種類くらいの生薬で構成されています。
これらは健康保険が効きます。
萆薢(ひかい)という生薬も大事なものの一つですが、これは、保険外となります。
黄耆が皮疹の副作用のため使えないときは、晋耆(しんぎ)を使いますが、これも保険外です。
10人に1人くらい、黄耆で皮疹がでる人がいます。
2013年現在、糖尿病が原因で腎不全になり、新たに人工透析に入る人が、年間15837人(約800億円)もいますから、
是非 糖質制限食で糖尿病のコントロールをして、腎機能が悪化しないようにしたいものです。
2013年度は、全体で314180人(約1兆5700億円)が人工透析をしています。
現行の日本糖尿病学会推奨の糖尿病食は<カロリー制限・高糖質食>です。
高糖質食を摂取すれば、<食後高血糖と平均血糖変動幅増大>という糖尿病合併症の元凶を必ず生じます。
すなわち、現行の糖尿病食で、「糖尿病→糖尿病腎症→腎不全→透析」というコースを予防することは、運を天に任すようなもので、困難なのです。
万一、既に腎機能が悪化しているときは、漢方生薬「養腎降濁湯」が約7割弱の人に有効です。
腎不全の原因が糖尿病でも慢性腎炎でも有効です。
効果は、1~2ヶ月以内にでますので、その時点で有効かどうかを判断して、継続するか中止するかを決めます。
血清クレアチニン値が、下がれば有効で、上がれば無効です。
血清クレアチニン値が不変の場合はそのまま服薬して経過をみます。
同じ腎不全でも、血清クレアチニン値が、2~3mg/dl以下くらいまでのほうが、効果は出やすいです。
それ以上だと効果は出にくいです。
やはり、漢方治療も早ければ早いほどいいのです。
ただし、一旦、約7割の人に有効なのですが、それが、半年、1年、2年・・・数年と安定して続くか否かは、個人差が大きく、今後の課題と言えます。
江部康二
2017年7月、追加
養腎降濁湯で腎機能が一旦、改善しても、半年~1年くらいで、再び悪化する症例もあり、
なかなか一筋縄ではいきません。
なお、多発性嚢胞腎の場合は、嚢胞による物理的な腎障害なので、効果がでにくいです。
腎不全の漢方<養腎降濁湯>への問い合わせが、結構あります。
養腎降濁湯は、黄耆(おうぎ)という生薬を主役とした煎じ薬です。
他に、桂皮、土茯苓、甘草、芍薬、茯苓、白朮、炮附子・・・など、12種類くらいの生薬で構成されています。
これらは健康保険が効きます。
萆薢(ひかい)という生薬も大事なものの一つですが、これは、保険外となります。
黄耆が皮疹の副作用のため使えないときは、晋耆(しんぎ)を使いますが、これも保険外です。
10人に1人くらい、黄耆で皮疹がでる人がいます。
2013年現在、糖尿病が原因で腎不全になり、新たに人工透析に入る人が、年間15837人(約800億円)もいますから、
是非 糖質制限食で糖尿病のコントロールをして、腎機能が悪化しないようにしたいものです。
2013年度は、全体で314180人(約1兆5700億円)が人工透析をしています。
現行の日本糖尿病学会推奨の糖尿病食は<カロリー制限・高糖質食>です。
高糖質食を摂取すれば、<食後高血糖と平均血糖変動幅増大>という糖尿病合併症の元凶を必ず生じます。
すなわち、現行の糖尿病食で、「糖尿病→糖尿病腎症→腎不全→透析」というコースを予防することは、運を天に任すようなもので、困難なのです。
万一、既に腎機能が悪化しているときは、漢方生薬「養腎降濁湯」が約7割弱の人に有効です。
腎不全の原因が糖尿病でも慢性腎炎でも有効です。
効果は、1~2ヶ月以内にでますので、その時点で有効かどうかを判断して、継続するか中止するかを決めます。
血清クレアチニン値が、下がれば有効で、上がれば無効です。
血清クレアチニン値が不変の場合はそのまま服薬して経過をみます。
同じ腎不全でも、血清クレアチニン値が、2~3mg/dl以下くらいまでのほうが、効果は出やすいです。
それ以上だと効果は出にくいです。
やはり、漢方治療も早ければ早いほどいいのです。
ただし、一旦、約7割の人に有効なのですが、それが、半年、1年、2年・・・数年と安定して続くか否かは、個人差が大きく、今後の課題と言えます。
江部康二
2017年7月、追加
養腎降濁湯で腎機能が一旦、改善しても、半年~1年くらいで、再び悪化する症例もあり、
なかなか一筋縄ではいきません。
なお、多発性嚢胞腎の場合は、嚢胞による物理的な腎障害なので、効果がでにくいです。
2014年09月10日 (水)
こんにちは。
富山市・一般向け糖質制限食講演会のご案内です。
2014年11月2日(日)
富山市内の富山県総合福祉会館「サンシップとやま」
にて
「炭水化物を減らして健康に! ~糖質制限食と糖尿病・メタボ・生活習慣病・がん…~」
と題してお話しします。
最新刊の
「炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません: 生活習慣病を予防&改善する糖質制限食31のポイント」
(東洋経済新報社)
からのお話しも盛り込んで、わかりやすくお話ししたいと思います。
富山市では初めての講演会なので、とても楽しみです。
富山市、富山県、北陸地方の皆様、奮ってご参加下さいね。
江部康二
以下、事務局からのご案内です。
☆☆☆
ブログ読者の皆様、講演会へいつも多数ご参加いただきましてありがとうございます。
11月2日(日)、富山市内で一般向けの講演会を開催致します。
「炭水化物を減らして健康に! ~糖質制限食と糖尿病・メタボ・生活習慣病・がん…~」と題し、理事長 江部康二がお話し致します。
北陸地方の皆様をはじめ、多数のご参加を心よりお待ちしております。
★9月28日(日)の東京講演会にも多数お申し込みいただいておりまして、ありがとうございます。
こちらも引き続きご参加を受け付けております!
http://toushitsuseigen.or.jp/activity.html#schedule20140928
///////////////////ご案内/////////////////////
一般社団法人日本糖質制限医療推進協会主催 講演会(富山)
「炭水化物を減らして健康に!
~糖質制限食と糖尿病・メタボ・生活習慣病・がん…~」
■日時:11月2日(日)14:10~16:30頃 ※入場受付・開場は13:50~
■会場:富山県総合福祉会館「サンシップとやま」 6F 研究室602~604
富山県富山市安住町5-21
http://www.wel.pref.toyama.jp/about/4_map.html
☆アクセス
・JR富山駅から徒歩15分
・市電(富山駅から大学行き)「県庁前」下車徒歩2分
■講師: 江部 康二
(一財)高雄病院理事長・(一社)日本糖質制限医療推進協会理事長
■内容: 講演90分・質疑応答30分程度
■受講費: 賛助会員 2,000円 / 一般(非会員) 2,500円
■お支払い方法:クレジットカード/銀行振込/郵便振替
※事前決済のみとなります。
■お申し込み方法:
・賛助会員の方
事務局までメールにてお申し込み下さい。
・賛助会員入会をご希望いただける方
1.入会案内および会員規約をお読み下さい。
http://toushitsuseigen.or.jp/member.html
2.お申し込みはこちらのフォームからお願いします。
http://toushitsuseigen.or.jp/contact.php
「お問い合せ内容」欄に「10/2富山講演会、受講希望」とご記入下さい。
・一般(非会員)で、講演会の受講のみご希望の方
こちらのフォームよりお申し込み下さい。
https://ssl.form-mailer.jp/fms/50d6c040319506
■お申し込みの流れ
1.会員の方はメールにて、会員以外の方は各種フォームにてご連絡下さい。
2.事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3.入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4.当日、直接会場までお越し下さい。
■その他:
・予約制です。当日参加はできません。
・キャンセルは10月30日(木)までに事務局までご連絡願います。
それ以降の返金には対応致しかねますので予めご了承ください。
富山市・一般向け糖質制限食講演会のご案内です。
2014年11月2日(日)
富山市内の富山県総合福祉会館「サンシップとやま」
にて
「炭水化物を減らして健康に! ~糖質制限食と糖尿病・メタボ・生活習慣病・がん…~」
と題してお話しします。
最新刊の
「炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません: 生活習慣病を予防&改善する糖質制限食31のポイント」
(東洋経済新報社)
からのお話しも盛り込んで、わかりやすくお話ししたいと思います。
富山市では初めての講演会なので、とても楽しみです。
富山市、富山県、北陸地方の皆様、奮ってご参加下さいね。
江部康二
以下、事務局からのご案内です。
☆☆☆
ブログ読者の皆様、講演会へいつも多数ご参加いただきましてありがとうございます。
11月2日(日)、富山市内で一般向けの講演会を開催致します。
「炭水化物を減らして健康に! ~糖質制限食と糖尿病・メタボ・生活習慣病・がん…~」と題し、理事長 江部康二がお話し致します。
北陸地方の皆様をはじめ、多数のご参加を心よりお待ちしております。
★9月28日(日)の東京講演会にも多数お申し込みいただいておりまして、ありがとうございます。
こちらも引き続きご参加を受け付けております!
http://toushitsuseigen.or.jp/activity.html#schedule20140928
///////////////////ご案内/////////////////////
一般社団法人日本糖質制限医療推進協会主催 講演会(富山)
「炭水化物を減らして健康に!
~糖質制限食と糖尿病・メタボ・生活習慣病・がん…~」
■日時:11月2日(日)14:10~16:30頃 ※入場受付・開場は13:50~
■会場:富山県総合福祉会館「サンシップとやま」 6F 研究室602~604
富山県富山市安住町5-21
http://www.wel.pref.toyama.jp/about/4_map.html
☆アクセス
・JR富山駅から徒歩15分
・市電(富山駅から大学行き)「県庁前」下車徒歩2分
■講師: 江部 康二
(一財)高雄病院理事長・(一社)日本糖質制限医療推進協会理事長
■内容: 講演90分・質疑応答30分程度
■受講費: 賛助会員 2,000円 / 一般(非会員) 2,500円
■お支払い方法:クレジットカード/銀行振込/郵便振替
※事前決済のみとなります。
■お申し込み方法:
・賛助会員の方
事務局までメールにてお申し込み下さい。
・賛助会員入会をご希望いただける方
1.入会案内および会員規約をお読み下さい。
http://toushitsuseigen.or.jp/member.html
2.お申し込みはこちらのフォームからお願いします。
http://toushitsuseigen.or.jp/contact.php
「お問い合せ内容」欄に「10/2富山講演会、受講希望」とご記入下さい。
・一般(非会員)で、講演会の受講のみご希望の方
こちらのフォームよりお申し込み下さい。
https://ssl.form-mailer.jp/fms/50d6c040319506
■お申し込みの流れ
1.会員の方はメールにて、会員以外の方は各種フォームにてご連絡下さい。
2.事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3.入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4.当日、直接会場までお越し下さい。
■その他:
・予約制です。当日参加はできません。
・キャンセルは10月30日(木)までに事務局までご連絡願います。
それ以降の返金には対応致しかねますので予めご了承ください。
2014年09月09日 (火)
こんにちは。
2014年9月8日(月)の記事に続いて、メディカル朝日の9月号の感想です。
今回は、東京慈恵医科大学糖尿病・代謝・内分泌内科教授・宇都宮一典先生の[巻頭言]に対する反論です。
メディカル朝日の9月号では、先月号の『前篇』に続いて『糖尿病治療 up to date(後編)』として、『最新の糖尿病食事療法』を特集しています.
特集各記事は以下の通りです。
[巻頭言] 糖尿病の食事療法の現状と課題 (P14-15)
[1] 糖尿病における食事療法の在り方-炭水化物栄養の考え方 (P16-18)
[2] 食事療法における脂質摂取の在り方-日本人の食事摂取基準(2015年版)に向けて
(P19-21)
[3] 糖尿病腎症の病期分類改訂と食事指導の在り方 (P20-25)
[4] 医師が把握すべき食品交換表第7版への改訂ポイント(P26-28)
[巻頭言]と[1] は、東京慈恵医科大学糖尿病・代謝・内分泌内科教授の宇都宮一典先生です。
巻頭言で、宇都宮先生は、1960年代の高度経済成長期から、
70%を超えていた炭水化物摂取比率は60%まで減少していると記述しておられ、
それを根拠に、糖尿病の増加は、炭水化物の過多ではなく、
脂質栄養の変化にその原因があるとしておられますが、これは事実誤認です。


図で、明らかなように、厚生労働省調査・国民栄養の現状によれば、
1955年からいったん減少し始めた炭水化物摂取比率は、
1997年をボトムに、今度は2008年まで、ずっと増加し続けています。
1955年からいったん増加し始めた脂肪摂取比率は、
1997年をピークに、今度は2008年まで減少し続けています。
(図をクリックすると少し大きくなります)
そしてこの間、糖尿病は増加し続けていたのです。
つまり、1997年~2008年までの11年間、炭水化物摂取比率は増え続け、脂肪摂取比率は減り続けて、糖尿病は増加し続けているのです。
2008年→2010年
97年以来13年ぶりに炭水化物比率が減少 60.4%→59.4%
97年以来13年ぶりに脂質比率が上昇 24.9%→25.9%
と、13年ぶりに大きな変化が訪れました。
13年ぶりの逆転現象です。
その結果 、2012年の糖尿病有病率は、2007年に比し、約60万人増加で、増加率が急減しています。
1990年:560万人
1997年:690万人(130万人増加)
2002年:740万人(50万人増加)
2007年:890万人(5年間で150万人増加、増加率は20%)
2012年:950万人(5年間で60万人増加、増加率は6.7%)
これで見ると、2002年→2007年の増加率が、半端じゃないですね。
2007年→2012年の増加は、60万人で
2002年→2007年の増加、150万人に比し、激減です。
さらに、糖尿病予備軍は、約1100万人で、2007年から約220万人減少で、国民健康・栄養調査が始まって以来の快挙です。
冷静に考えて、糖尿病増加の勢いが弱まり、予備軍は初めて減少です。
何故このような好ましい変化が生じたのでしょう。
実は上述の如く、
ずっと増え続けいた炭水化物摂取比率が、2008年から2010年にかけて、60.4%から59.4%に減っていて、
ずっと減少し続けていた脂質摂取比率が、2008年から2010年にかけて、24.9%から25.9%に増えているのです。
13年ぶりの逆転現象です。
そして、これを受けて、20007年から2012年にかけて糖尿病の増加が急減して、糖尿病予備群に至っては220万人も減少しているのです。
保健所や一般の医師・栄養士の食事指導は、旧態依然たる日本糖尿病学会推奨で唯一無二のカロリー制限食で、数十年来不変ですので、今更この影響はないと思います。
2000年~2012年まで日本の人口は1億2000万ちょっとで大きな変化はありません。
そして、この間、高齢化はどんどん進んでいるので、普通に考えると高齢者に多い病気である糖尿病は、より増加し易い状況だったと言えます。それが歯止めがかかり、予備軍は初の減少です。
こうなると、あくまでも仮説ですが、炭水化物摂取比率が減って脂質摂取比率が増えて、糖尿病予備軍が減少したのは、
糖質制限食普及の影響の可能性が、最も考えられます。 (^^)
というか、他の要因は、ほとんど考えにくいのです。 (∵)?
拙著「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」(東洋経済新報社)を上梓したのが、2005年です。
そして、糖質制限食がどんどん知名度をあげ、日本全国に普及してきているのは周知の事実です。
この仮説が正しいなら、糖質制限食は医療費削減において多大な功績を成したことになり、嬉しい限りですね。ヾ(^▽^)
江部康二
2014年9月8日(月)の記事に続いて、メディカル朝日の9月号の感想です。
今回は、東京慈恵医科大学糖尿病・代謝・内分泌内科教授・宇都宮一典先生の[巻頭言]に対する反論です。
メディカル朝日の9月号では、先月号の『前篇』に続いて『糖尿病治療 up to date(後編)』として、『最新の糖尿病食事療法』を特集しています.
特集各記事は以下の通りです。
[巻頭言] 糖尿病の食事療法の現状と課題 (P14-15)
[1] 糖尿病における食事療法の在り方-炭水化物栄養の考え方 (P16-18)
[2] 食事療法における脂質摂取の在り方-日本人の食事摂取基準(2015年版)に向けて
(P19-21)
[3] 糖尿病腎症の病期分類改訂と食事指導の在り方 (P20-25)
[4] 医師が把握すべき食品交換表第7版への改訂ポイント(P26-28)
[巻頭言]と[1] は、東京慈恵医科大学糖尿病・代謝・内分泌内科教授の宇都宮一典先生です。
巻頭言で、宇都宮先生は、1960年代の高度経済成長期から、
70%を超えていた炭水化物摂取比率は60%まで減少していると記述しておられ、
それを根拠に、糖尿病の増加は、炭水化物の過多ではなく、
脂質栄養の変化にその原因があるとしておられますが、これは事実誤認です。


図で、明らかなように、厚生労働省調査・国民栄養の現状によれば、
1955年からいったん減少し始めた炭水化物摂取比率は、
1997年をボトムに、今度は2008年まで、ずっと増加し続けています。
1955年からいったん増加し始めた脂肪摂取比率は、
1997年をピークに、今度は2008年まで減少し続けています。
(図をクリックすると少し大きくなります)
そしてこの間、糖尿病は増加し続けていたのです。
つまり、1997年~2008年までの11年間、炭水化物摂取比率は増え続け、脂肪摂取比率は減り続けて、糖尿病は増加し続けているのです。
2008年→2010年
97年以来13年ぶりに炭水化物比率が減少 60.4%→59.4%
97年以来13年ぶりに脂質比率が上昇 24.9%→25.9%
と、13年ぶりに大きな変化が訪れました。
13年ぶりの逆転現象です。
その結果 、2012年の糖尿病有病率は、2007年に比し、約60万人増加で、増加率が急減しています。
1990年:560万人
1997年:690万人(130万人増加)
2002年:740万人(50万人増加)
2007年:890万人(5年間で150万人増加、増加率は20%)
2012年:950万人(5年間で60万人増加、増加率は6.7%)
これで見ると、2002年→2007年の増加率が、半端じゃないですね。
2007年→2012年の増加は、60万人で
2002年→2007年の増加、150万人に比し、激減です。
さらに、糖尿病予備軍は、約1100万人で、2007年から約220万人減少で、国民健康・栄養調査が始まって以来の快挙です。
冷静に考えて、糖尿病増加の勢いが弱まり、予備軍は初めて減少です。
何故このような好ましい変化が生じたのでしょう。
実は上述の如く、
ずっと増え続けいた炭水化物摂取比率が、2008年から2010年にかけて、60.4%から59.4%に減っていて、
ずっと減少し続けていた脂質摂取比率が、2008年から2010年にかけて、24.9%から25.9%に増えているのです。
13年ぶりの逆転現象です。
そして、これを受けて、20007年から2012年にかけて糖尿病の増加が急減して、糖尿病予備群に至っては220万人も減少しているのです。
保健所や一般の医師・栄養士の食事指導は、旧態依然たる日本糖尿病学会推奨で唯一無二のカロリー制限食で、数十年来不変ですので、今更この影響はないと思います。
2000年~2012年まで日本の人口は1億2000万ちょっとで大きな変化はありません。
そして、この間、高齢化はどんどん進んでいるので、普通に考えると高齢者に多い病気である糖尿病は、より増加し易い状況だったと言えます。それが歯止めがかかり、予備軍は初の減少です。
こうなると、あくまでも仮説ですが、炭水化物摂取比率が減って脂質摂取比率が増えて、糖尿病予備軍が減少したのは、
糖質制限食普及の影響の可能性が、最も考えられます。 (^^)
というか、他の要因は、ほとんど考えにくいのです。 (∵)?
拙著「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」(東洋経済新報社)を上梓したのが、2005年です。
そして、糖質制限食がどんどん知名度をあげ、日本全国に普及してきているのは周知の事実です。
この仮説が正しいなら、糖質制限食は医療費削減において多大な功績を成したことになり、嬉しい限りですね。ヾ(^▽^)
江部康二
2014年09月08日 (月)
【14/09/07 しらねのぞるば
メディカル朝日 2014年9月号
メディカル朝日の今月号では,先月号の『前篇』に続いて『糖尿病治療 up to date(後編)』として,『最新の糖尿病食事療法』を特集しています.
特集各記事は以下の通りです(番号は私がつけたものです).
(巻頭言) 糖尿病の食事療法の現状と課題
[1] 糖尿病における食事療法の在り方-炭水化物栄養の考え方
[2] 食事療法における脂質摂取の在り方-日本人の食事摂取基準(2015年版)に向けて
[3] 糖尿病腎症の病期分類改訂と食事指導の在り方
[4] 医師が把握すべき食品交換表第7版への改訂ポイント
これらの各記事全文を,特に【最新の】糖尿病食事療法 と銘打った以上は,どこまで最新のエビデンスを引用しているか,という観点から読んでみました.
論外だったのは[4] (著者は,やっぱりねの杏林大学:石田先生)で,『最新の』どころか,引用文献は食品交換表第7版以外,一切ありませんでした.
また,[3]も引用文献 9報中,2012年のものが1件のみで,とても最新の進歩を解説したとは思えません.
これらに対して,[2]は引用12報中,2010年以降の論文が7報と,特集の趣旨にかなった最新の情報を提供しています. しかも内容をみても,『難しいコレステロール摂取基準の設定』,『n-3PUFA」(=不飽和脂肪酸)摂取効果の現状』などでは,一方的に「コレステロール=悪」,「不飽和脂肪酸=善」などと決めつけるのではなく,最新の医学情報を根拠にして,冷静にこれらのメリット/デメリットを評価しています.
最後に,タイトルを見てもっとも期待した[1]ですが,この記事も[4]と同様に,文献は一切引用していません.しかし,米国糖尿病学会(ADA)が昨年発表した「成人糖尿病患者の食事療法に関する声明(Position Statement on Nutrition Therapy)」(Diabetes Care Vol.36,3821-3842)には言及しています.これは,おそらく日本糖尿病学会の幹部としては初めてではないでしょうか. ただし,その引用の仕方は下記の通りです.
" 一方,近年では米国糖尿病学会(ADA)のように,糖尿病の状態によっては必要な栄養素には違いがあり,特定の比率を決めることはできないとして,数値を示さないガイドラインも見られる"(p.17)
" 米国糖尿病学会は,2013年10月,食事療法に関する新たなstatementを発表した. 従来の「低脂質,地中海食とともに低炭水化物食は体重減少に短期的には有効」との記述は廃し[※],個々人の食パターンは維持しながら,総エネルギー摂取量の適正化を優先するとしている"(p.18)
私だけかもしれませんが,後者の文章のこの表現では,ADAの原文を読まずに,これだけを読んだ人は,『なんだ,やはり米国でも日本糖尿病学会の言う通り,カロリー制限食を推奨したのだな』と思ってしまうのではないでしょうか? しかもこの記事の最後は,下記で締めくくられています.
"生活習慣病の食事療法を論ずるに際して,よって立つべき視点は,日本人がこれまで培ってきた伝統的な食文化である"(p.18)
いよいよ高糖質・カロリー制限食が形勢不利になってきたので,最後は『食文化の違いはどうにもならないのだ』と,論点をすり替える伏線を張り始めたかな?と思いました.
[※] したがって,今月号の『月刊糖尿病』で,『低炭水化物食は2年までという制限がある』とした記事は間違いであることは,ここでも示されています.】
こんばんは。
しらねのぞるばさんから
メディカル朝日 2014年9月号
『糖尿病治療 up to date(後編)』
『最新の糖尿病食事療法』特集
について、コメント・感想をいただきました。
しらねのぞるばさん、ありがとうございます。
私もメディカル朝日 2014年9月号を読んでみました。
[巻頭言] 糖尿病の食事療法の現状と課題 (P14-15)
[1] 糖尿病における食事療法の在り方-炭水化物栄養の考え方 (P16-18)
[2] 食事療法における脂質摂取の在り方-日本人の食事摂取基準(2015年版)に向けて
(P19-21)
[3] 糖尿病腎症の病期分類改訂と食事指導の在り方 (P20-25)
[4] 医師が把握すべき食品交換表第7版への改訂ポイント(P26-28)
[4] の著者は杏林大学、石田均先生で、しらねのぞるばさんがご指摘のように根拠となる論文も何もあげずに、自分の仮説を展開しておられるだけですね。
[1] の著者は、東京慈恵医科大学糖尿病・代謝・内分泌内科教授の宇都宮一典先生です。
確かに、日本糖尿病学会の幹部として、初めて米国糖尿病学会(ADA)が、2013年10月に発表した「成人糖尿病患者の食事療法に関する声明(Position Statement on Nutrition Therapy)」(Diabetes Care Vol.36,3821-3842)に言及しておられます。
" 一方,近年では米国糖尿病学会(ADA)のように,糖尿病の状態によっては必要な栄養素には違いがあり,特定の比率を決めることはできないとして,数値を示さないガイドラインも見られる"(p.17)
" 米国糖尿病学会は,2013年10月,食事療法に関する新たなstatementを発表した. 従来の「低脂質,地中海食とともに低炭水化物食は体重減少に短期的には有効」との記述は廃し[※],個々人の食パターンは維持しながら,総エネルギー摂取量の適正化を優先するとしている"(p.18)
しかし、この引用の仕方は、いかにもアンフェアですね。
米国糖尿病学会(ADA)の声明の一番肝腎な
A)「全ての糖尿病患者に適した“唯一無二の”食事パターンは存在しない」
B)「患者ごとに個別に様々な食事パターン〔地中海食,ベジタリアン食,糖質制限食,低脂質食,カーボカウント・・・など〕が受容可能。」
という記載を、故意に無視しておられます。
A)は、唯一無二の食事パターン<カロリー制限・高糖質食>を相変わらず推奨し続けている日本糖尿病学会に対して、痛烈な批判となっています。
B)は、糖質制限食を米国糖尿病学会が公的に受容したということです。
このように重要な、A)B)という記載をを故意に無視されるとは、科学的態度とは到底言えず、極めて残念です。
"生活習慣病の食事療法を論ずるに際して,よって立つべき視点は,
日本人がこれまで培ってきた伝統的な食文化である"(p.18)
この記述もご指摘どおり、もろのすり替えですね。
食文化云々という前に、
「血糖を上げるのは糖質だけで、タンパク質・脂質は上げない」
という生理学的事実を、日本国民や一般の医師に公表する義務が日本糖尿病学会にはあると思います。
[※] したがって,9月号の『月刊糖尿病』で,『低炭水化物食は2年までという制限がある』とした記事は間違いであることは,ここでも示されています.
これに関しては、宇都宮先生も、認められたということですね。
江部康二
メディカル朝日 2014年9月号
メディカル朝日の今月号では,先月号の『前篇』に続いて『糖尿病治療 up to date(後編)』として,『最新の糖尿病食事療法』を特集しています.
特集各記事は以下の通りです(番号は私がつけたものです).
(巻頭言) 糖尿病の食事療法の現状と課題
[1] 糖尿病における食事療法の在り方-炭水化物栄養の考え方
[2] 食事療法における脂質摂取の在り方-日本人の食事摂取基準(2015年版)に向けて
[3] 糖尿病腎症の病期分類改訂と食事指導の在り方
[4] 医師が把握すべき食品交換表第7版への改訂ポイント
これらの各記事全文を,特に【最新の】糖尿病食事療法 と銘打った以上は,どこまで最新のエビデンスを引用しているか,という観点から読んでみました.
論外だったのは[4] (著者は,やっぱりねの杏林大学:石田先生)で,『最新の』どころか,引用文献は食品交換表第7版以外,一切ありませんでした.
また,[3]も引用文献 9報中,2012年のものが1件のみで,とても最新の進歩を解説したとは思えません.
これらに対して,[2]は引用12報中,2010年以降の論文が7報と,特集の趣旨にかなった最新の情報を提供しています. しかも内容をみても,『難しいコレステロール摂取基準の設定』,『n-3PUFA」(=不飽和脂肪酸)摂取効果の現状』などでは,一方的に「コレステロール=悪」,「不飽和脂肪酸=善」などと決めつけるのではなく,最新の医学情報を根拠にして,冷静にこれらのメリット/デメリットを評価しています.
最後に,タイトルを見てもっとも期待した[1]ですが,この記事も[4]と同様に,文献は一切引用していません.しかし,米国糖尿病学会(ADA)が昨年発表した「成人糖尿病患者の食事療法に関する声明(Position Statement on Nutrition Therapy)」(Diabetes Care Vol.36,3821-3842)には言及しています.これは,おそらく日本糖尿病学会の幹部としては初めてではないでしょうか. ただし,その引用の仕方は下記の通りです.
" 一方,近年では米国糖尿病学会(ADA)のように,糖尿病の状態によっては必要な栄養素には違いがあり,特定の比率を決めることはできないとして,数値を示さないガイドラインも見られる"(p.17)
" 米国糖尿病学会は,2013年10月,食事療法に関する新たなstatementを発表した. 従来の「低脂質,地中海食とともに低炭水化物食は体重減少に短期的には有効」との記述は廃し[※],個々人の食パターンは維持しながら,総エネルギー摂取量の適正化を優先するとしている"(p.18)
私だけかもしれませんが,後者の文章のこの表現では,ADAの原文を読まずに,これだけを読んだ人は,『なんだ,やはり米国でも日本糖尿病学会の言う通り,カロリー制限食を推奨したのだな』と思ってしまうのではないでしょうか? しかもこの記事の最後は,下記で締めくくられています.
"生活習慣病の食事療法を論ずるに際して,よって立つべき視点は,日本人がこれまで培ってきた伝統的な食文化である"(p.18)
いよいよ高糖質・カロリー制限食が形勢不利になってきたので,最後は『食文化の違いはどうにもならないのだ』と,論点をすり替える伏線を張り始めたかな?と思いました.
[※] したがって,今月号の『月刊糖尿病』で,『低炭水化物食は2年までという制限がある』とした記事は間違いであることは,ここでも示されています.】
こんばんは。
しらねのぞるばさんから
メディカル朝日 2014年9月号
『糖尿病治療 up to date(後編)』
『最新の糖尿病食事療法』特集
について、コメント・感想をいただきました。
しらねのぞるばさん、ありがとうございます。
私もメディカル朝日 2014年9月号を読んでみました。
[巻頭言] 糖尿病の食事療法の現状と課題 (P14-15)
[1] 糖尿病における食事療法の在り方-炭水化物栄養の考え方 (P16-18)
[2] 食事療法における脂質摂取の在り方-日本人の食事摂取基準(2015年版)に向けて
(P19-21)
[3] 糖尿病腎症の病期分類改訂と食事指導の在り方 (P20-25)
[4] 医師が把握すべき食品交換表第7版への改訂ポイント(P26-28)
[4] の著者は杏林大学、石田均先生で、しらねのぞるばさんがご指摘のように根拠となる論文も何もあげずに、自分の仮説を展開しておられるだけですね。
[1] の著者は、東京慈恵医科大学糖尿病・代謝・内分泌内科教授の宇都宮一典先生です。
確かに、日本糖尿病学会の幹部として、初めて米国糖尿病学会(ADA)が、2013年10月に発表した「成人糖尿病患者の食事療法に関する声明(Position Statement on Nutrition Therapy)」(Diabetes Care Vol.36,3821-3842)に言及しておられます。
" 一方,近年では米国糖尿病学会(ADA)のように,糖尿病の状態によっては必要な栄養素には違いがあり,特定の比率を決めることはできないとして,数値を示さないガイドラインも見られる"(p.17)
" 米国糖尿病学会は,2013年10月,食事療法に関する新たなstatementを発表した. 従来の「低脂質,地中海食とともに低炭水化物食は体重減少に短期的には有効」との記述は廃し[※],個々人の食パターンは維持しながら,総エネルギー摂取量の適正化を優先するとしている"(p.18)
しかし、この引用の仕方は、いかにもアンフェアですね。
米国糖尿病学会(ADA)の声明の一番肝腎な
A)「全ての糖尿病患者に適した“唯一無二の”食事パターンは存在しない」
B)「患者ごとに個別に様々な食事パターン〔地中海食,ベジタリアン食,糖質制限食,低脂質食,カーボカウント・・・など〕が受容可能。」
という記載を、故意に無視しておられます。
A)は、唯一無二の食事パターン<カロリー制限・高糖質食>を相変わらず推奨し続けている日本糖尿病学会に対して、痛烈な批判となっています。
B)は、糖質制限食を米国糖尿病学会が公的に受容したということです。
このように重要な、A)B)という記載をを故意に無視されるとは、科学的態度とは到底言えず、極めて残念です。
"生活習慣病の食事療法を論ずるに際して,よって立つべき視点は,
日本人がこれまで培ってきた伝統的な食文化である"(p.18)
この記述もご指摘どおり、もろのすり替えですね。
食文化云々という前に、
「血糖を上げるのは糖質だけで、タンパク質・脂質は上げない」
という生理学的事実を、日本国民や一般の医師に公表する義務が日本糖尿病学会にはあると思います。
[※] したがって,9月号の『月刊糖尿病』で,『低炭水化物食は2年までという制限がある』とした記事は間違いであることは,ここでも示されています.
これに関しては、宇都宮先生も、認められたということですね。
江部康二
2014年09月07日 (日)
こんにちは。
2014年9月5日のMT Proに
「低糖質食 vs. 低脂質食,減量やCVDリスク低減でどちらに軍配?」
という記事が、掲載されました。
148人の肥満者を低糖質食と低脂質食にわけて、1年間みた並行群間ランダム化比較試験(RCT)であり、掲載雑誌はAnn Intern Medです。
Ann Intern Medの2013年のインパクトファクターは16.104で、高いです
evidence based medicine(証拠に基づく医学、EBM)においては、
①無作為割り付け臨床試験
②前向きコホート研究
③コホート内症例割り付け研究
④後ろ向けコホート研究
⑤症例対照研究
⑥地域相関研究
⑦時系列研究
⑧症例報告
⑨実証的研究に基づかない権威者の意見
の順番で、信頼度が高いとされています。
一般にエビデンスレベルが高い研究論文と言うときは、
①無作為割り付け臨床試験(RCT)
②前向きコホート研究
に基づく論文のことをさします。
今回の「低糖質食vs 低脂質食」RCT研究論文は、148人という規模で、1年間の介入で、完遂率は両群とも約80%ですので、EBM的には、極めて信頼度の高い良質な論文と言えます。
<方法と経過>
両群で、1年間を通して、摂取エネルギーには有意差なしです。
低糖質群は、糖質40g/日ですから、スーパー糖質制限食レベルの食事で緩やかな糖質制限ではなく、タイトな糖質制限であり、とても好ましいです。
低脂質群は、脂肪エネルギー比率30%未満,飽和脂肪酸は7%未満です。
<結果>
1)体重減少は低糖質群で優位に大きく、改善しました。
2)内臓脂肪減少は低糖質群で優位に大きく、改善しました
3)HDLコレステロールは、低糖質群で優位に大きく、上昇しました。
4)TC/HDL-C比は,低糖質食群で有意に低下して、改善です。
5)トリグリセライド(TG)値も低糖質食群でより大きな低下が認められました。
6)C反応性蛋白(CRP)値も、低糖質群でが有意に改善しました。
7)フラミンガムリスクスコア(FRS)を用いた冠動脈性心疾患(CHD)の10年リスクは低糖質食群で有意に改善していました。
8)総コレステロール値、 LDLコレステロール値は両群ともに変化なしです。
9)両群とも血圧や血糖値の有意な低下はなしです。
10)血中インスリン値や血中クレアチニン値は両群で低下していて、群間差はなしです。
1)~7)の7項目において、低糖質食が低脂質食に圧勝ですね。
タイトな糖質制限食であれば、これくらいの差が出て当然と思います。
今までの研究は、糖質摂取が120g/日とか緩やかなものが多かったので、項目によっては、やや有意差が出にくいきらいもあったようですが、今回は40g/日未満だったので、顕著に差がでました。
<結論>
完遂率の高い(約80%)1年間のRCTにおいて、低糖質食により「CVDや糖尿病・腎臓病のない肥満者」の体重、内臓脂肪、HDL-C値、TC/HDL比、TG値、CRP値、CHDの10年リスクが有意に改善することが示されました。
RCTで、Ann Intern Medに掲載ですので、信頼度が高い論文です。
<考察>
このように信頼度の高いRCT研究論文において、低糖質食のメリットが明確に示されたことは、糖質制限食推進派において、大変大きな追い風であり、嬉しい限りです。
江部康二
以下MT Pro記事から抜粋です。
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/1409/1409018.html
低糖質食 vs. 低脂質食,減量やCVDリスク低減でどちらに軍配?
肥満者が対象の米・RCT
米・Tulane University School of Public Health and Tropical MedicineのLydia A. Bazzano氏らは,心血管疾患(CVD)や糖尿病のない肥満者148例を対象に低糖質食と低脂質食による介入を行った並行群間ランダム化比較試験(RCT)の結果をAnn Intern Med(2014; 161: 309-318)で報告。1年間の介入後,減量やCVD危険因子の改善効果を比較した結果が示された。
試験完遂率は約80%
低糖質食は減量を目的とした食事療法として普及しているが,CVDリスクとの関連を検討した研究の結果は一貫していない。また,その多くは小規模研究で試験完遂率が低く,多様な人口群を対象としていないなどの限界があった。さらに,標準的な低糖質食が評価されていない研究や, 2型糖尿病やメタボリックシンドロームを既に発症した重症肥満患者を対象とした研究が多かった。
そこでBazzano氏らは今回,CVDや糖尿病,腎臓病がない肥満者に対し,標準的な低糖質食または低脂質食による介入を行い,各食事療法による体重とCVDリスクへの影響について検討した。
2008~11年にメーリングリストやチラシ,職場や地域のスクリーニング,テレビ広告などを通じ, BMI 30~45で22~75歳の男女に参加を募り,148例を登録。肥満治療薬の使用者や過去6カ月以内に6.8kg以上の体重減少が見られた者は除外した。参加者の平均年齢は46.8歳で,女性が88%,アフリカ系米国人が51%を占めた。
73例を低脂質食(脂肪エネルギー比率30%未満,飽和脂肪酸は7%未満)群に,75例を低糖質食(糖質40g/日未満)群にランダムに割り付けた。参加者には身体活動量を変えないように指導し,1日1食,低脂質食や低糖質食の置き換え食品(バーやシェイク)を支給した。また,両群において介入開始後4週までは個別に週1回,その5カ月後までは少人数グループ単位で隔週,残りの6カ月間は月1回のペースで栄養士によるカウンセリングが行われた。
ベースライン時および3,6,12カ月時に平日と週末の食事内容に基づき栄養摂取量を算出。また,身長,体重,血圧を測定し,採血,採尿を行った。
1年間の試験完遂率は低脂質食群82%(60例),低糖質食群79%(59人)であった。追跡期間中,エネルギー摂取量に群間差はなく,低脂質食群では総糖質量が多く,蛋白質,総脂肪,飽和脂肪酸,一価不飽和脂肪酸の摂取が少なかった。
低糖質群で体重,HDL-C,CHD 10年リスクなどが有意に改善
3,6,12カ月時の体重減少は低脂質食群と比べて低糖質食群で大きかった。ベースライン時と比べた12カ月後の体重の変化は低脂質食群の−1.8kgに対して低糖質食群では−5.3kgとより大きく,両群間の平均差は−3.5kg(95%CI −5.6~−1.4,P=0.002)であった。
12カ月後の内臓脂肪の減少率も,低脂質食群に比べて低糖質食群でより大きかった(平均差−1.5%,95%CI −2.6~−0.4,P=0.011)。腹囲については,3,6カ月後には低糖質食群でより大きな減少が見られたが,12カ月後には群間差は消失した。
12カ月後の両群における総コレステロール(TC)値, LDLコレステロール(LDL-C)値に有意な変化はなかった。一方,HDLコレステロール(HDL-C)値は低脂質食群と比べ低糖質食群で有意に上昇(平均差7.0mg/dL,95%CI 3.0~11.0mg/dL,P<0.001)。TC/HDL-C比は,低糖質食群で有意に低下していた(平均差−0.44 ,95%CI −0.71~−0.16,P=0.002)。トリグリセライド(TG)値も低糖質食群でより大きな低下が認められた(平均差 −14.1mg/dL,95%CI −27.4~−0.8mg/dL,P=0.038)。
その他,低糖質食群では低脂質食群と比べて12カ月後のC反応性蛋白(CRP)値が有意に改善した。両群とも血圧や血糖値の有意な低下はなかった。血中インスリン値や血中クレアチニン値は両群で低下していたが,群間差はなかった。
フラミンガムリスクスコア(FRS)を用いた冠動脈性心疾患(CHD)の10年リスクは低糖質食群で有意に改善していた(平均差−1.4%,95%CI −2.1~−0.6)。
糖質制限は減量やCVD予防の選択肢の1つに
このように,完遂率の高い(約80%)1年間の試験RCTにおいて,低糖質食によりCVDや糖尿病,腎臓病のない肥満者の体重,HDL-C値,TC/HDL比,TG値,CRP値,CHDの10年リスクが有意に改善することが示された。
米国ではCVDが死因の3分の1を占め,その危険因子である肥満は公衆衛生の最重要課題となっている。Bazzano氏らは「減量やCVD危険因子の改善を望む肥満者にとって,糖質制限は選択肢の1つになるだろう」と結論付けている。
(木下 愛美)
2014年9月5日のMT Proに
「低糖質食 vs. 低脂質食,減量やCVDリスク低減でどちらに軍配?」
という記事が、掲載されました。
148人の肥満者を低糖質食と低脂質食にわけて、1年間みた並行群間ランダム化比較試験(RCT)であり、掲載雑誌はAnn Intern Medです。
Ann Intern Medの2013年のインパクトファクターは16.104で、高いです
evidence based medicine(証拠に基づく医学、EBM)においては、
①無作為割り付け臨床試験
②前向きコホート研究
③コホート内症例割り付け研究
④後ろ向けコホート研究
⑤症例対照研究
⑥地域相関研究
⑦時系列研究
⑧症例報告
⑨実証的研究に基づかない権威者の意見
の順番で、信頼度が高いとされています。
一般にエビデンスレベルが高い研究論文と言うときは、
①無作為割り付け臨床試験(RCT)
②前向きコホート研究
に基づく論文のことをさします。
今回の「低糖質食vs 低脂質食」RCT研究論文は、148人という規模で、1年間の介入で、完遂率は両群とも約80%ですので、EBM的には、極めて信頼度の高い良質な論文と言えます。
<方法と経過>
両群で、1年間を通して、摂取エネルギーには有意差なしです。
低糖質群は、糖質40g/日ですから、スーパー糖質制限食レベルの食事で緩やかな糖質制限ではなく、タイトな糖質制限であり、とても好ましいです。
低脂質群は、脂肪エネルギー比率30%未満,飽和脂肪酸は7%未満です。
<結果>
1)体重減少は低糖質群で優位に大きく、改善しました。
2)内臓脂肪減少は低糖質群で優位に大きく、改善しました
3)HDLコレステロールは、低糖質群で優位に大きく、上昇しました。
4)TC/HDL-C比は,低糖質食群で有意に低下して、改善です。
5)トリグリセライド(TG)値も低糖質食群でより大きな低下が認められました。
6)C反応性蛋白(CRP)値も、低糖質群でが有意に改善しました。
7)フラミンガムリスクスコア(FRS)を用いた冠動脈性心疾患(CHD)の10年リスクは低糖質食群で有意に改善していました。
8)総コレステロール値、 LDLコレステロール値は両群ともに変化なしです。
9)両群とも血圧や血糖値の有意な低下はなしです。
10)血中インスリン値や血中クレアチニン値は両群で低下していて、群間差はなしです。
1)~7)の7項目において、低糖質食が低脂質食に圧勝ですね。
タイトな糖質制限食であれば、これくらいの差が出て当然と思います。
今までの研究は、糖質摂取が120g/日とか緩やかなものが多かったので、項目によっては、やや有意差が出にくいきらいもあったようですが、今回は40g/日未満だったので、顕著に差がでました。
<結論>
完遂率の高い(約80%)1年間のRCTにおいて、低糖質食により「CVDや糖尿病・腎臓病のない肥満者」の体重、内臓脂肪、HDL-C値、TC/HDL比、TG値、CRP値、CHDの10年リスクが有意に改善することが示されました。
RCTで、Ann Intern Medに掲載ですので、信頼度が高い論文です。
<考察>
このように信頼度の高いRCT研究論文において、低糖質食のメリットが明確に示されたことは、糖質制限食推進派において、大変大きな追い風であり、嬉しい限りです。
江部康二
以下MT Pro記事から抜粋です。
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/1409/1409018.html
低糖質食 vs. 低脂質食,減量やCVDリスク低減でどちらに軍配?
肥満者が対象の米・RCT
米・Tulane University School of Public Health and Tropical MedicineのLydia A. Bazzano氏らは,心血管疾患(CVD)や糖尿病のない肥満者148例を対象に低糖質食と低脂質食による介入を行った並行群間ランダム化比較試験(RCT)の結果をAnn Intern Med(2014; 161: 309-318)で報告。1年間の介入後,減量やCVD危険因子の改善効果を比較した結果が示された。
試験完遂率は約80%
低糖質食は減量を目的とした食事療法として普及しているが,CVDリスクとの関連を検討した研究の結果は一貫していない。また,その多くは小規模研究で試験完遂率が低く,多様な人口群を対象としていないなどの限界があった。さらに,標準的な低糖質食が評価されていない研究や, 2型糖尿病やメタボリックシンドロームを既に発症した重症肥満患者を対象とした研究が多かった。
そこでBazzano氏らは今回,CVDや糖尿病,腎臓病がない肥満者に対し,標準的な低糖質食または低脂質食による介入を行い,各食事療法による体重とCVDリスクへの影響について検討した。
2008~11年にメーリングリストやチラシ,職場や地域のスクリーニング,テレビ広告などを通じ, BMI 30~45で22~75歳の男女に参加を募り,148例を登録。肥満治療薬の使用者や過去6カ月以内に6.8kg以上の体重減少が見られた者は除外した。参加者の平均年齢は46.8歳で,女性が88%,アフリカ系米国人が51%を占めた。
73例を低脂質食(脂肪エネルギー比率30%未満,飽和脂肪酸は7%未満)群に,75例を低糖質食(糖質40g/日未満)群にランダムに割り付けた。参加者には身体活動量を変えないように指導し,1日1食,低脂質食や低糖質食の置き換え食品(バーやシェイク)を支給した。また,両群において介入開始後4週までは個別に週1回,その5カ月後までは少人数グループ単位で隔週,残りの6カ月間は月1回のペースで栄養士によるカウンセリングが行われた。
ベースライン時および3,6,12カ月時に平日と週末の食事内容に基づき栄養摂取量を算出。また,身長,体重,血圧を測定し,採血,採尿を行った。
1年間の試験完遂率は低脂質食群82%(60例),低糖質食群79%(59人)であった。追跡期間中,エネルギー摂取量に群間差はなく,低脂質食群では総糖質量が多く,蛋白質,総脂肪,飽和脂肪酸,一価不飽和脂肪酸の摂取が少なかった。
低糖質群で体重,HDL-C,CHD 10年リスクなどが有意に改善
3,6,12カ月時の体重減少は低脂質食群と比べて低糖質食群で大きかった。ベースライン時と比べた12カ月後の体重の変化は低脂質食群の−1.8kgに対して低糖質食群では−5.3kgとより大きく,両群間の平均差は−3.5kg(95%CI −5.6~−1.4,P=0.002)であった。
12カ月後の内臓脂肪の減少率も,低脂質食群に比べて低糖質食群でより大きかった(平均差−1.5%,95%CI −2.6~−0.4,P=0.011)。腹囲については,3,6カ月後には低糖質食群でより大きな減少が見られたが,12カ月後には群間差は消失した。
12カ月後の両群における総コレステロール(TC)値, LDLコレステロール(LDL-C)値に有意な変化はなかった。一方,HDLコレステロール(HDL-C)値は低脂質食群と比べ低糖質食群で有意に上昇(平均差7.0mg/dL,95%CI 3.0~11.0mg/dL,P<0.001)。TC/HDL-C比は,低糖質食群で有意に低下していた(平均差−0.44 ,95%CI −0.71~−0.16,P=0.002)。トリグリセライド(TG)値も低糖質食群でより大きな低下が認められた(平均差 −14.1mg/dL,95%CI −27.4~−0.8mg/dL,P=0.038)。
その他,低糖質食群では低脂質食群と比べて12カ月後のC反応性蛋白(CRP)値が有意に改善した。両群とも血圧や血糖値の有意な低下はなかった。血中インスリン値や血中クレアチニン値は両群で低下していたが,群間差はなかった。
フラミンガムリスクスコア(FRS)を用いた冠動脈性心疾患(CHD)の10年リスクは低糖質食群で有意に改善していた(平均差−1.4%,95%CI −2.1~−0.6)。
糖質制限は減量やCVD予防の選択肢の1つに
このように,完遂率の高い(約80%)1年間の試験RCTにおいて,低糖質食によりCVDや糖尿病,腎臓病のない肥満者の体重,HDL-C値,TC/HDL比,TG値,CRP値,CHDの10年リスクが有意に改善することが示された。
米国ではCVDが死因の3分の1を占め,その危険因子である肥満は公衆衛生の最重要課題となっている。Bazzano氏らは「減量やCVD危険因子の改善を望む肥満者にとって,糖質制限は選択肢の1つになるだろう」と結論付けている。
(木下 愛美)
2014年09月06日 (土)
こんにちは。
隆祥館(リュウショウカン)書店主催、出版記念講演会(2014/10/5、日曜日)のご案内です。
会場は、大阪市中央区上本町変電所ホ-ルです。
『 炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません 』(東洋経済新報社)
2014年8月1日刊行
の出版記念講演会です。
隆祥館(リュウショウカン)書店の店長、二村知子さんが企画してくださいました。
二村知子店長、ありがとうございます。
『炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません』
は一般向けのとてもわかりやすい内容の新刊です。
前著
「糖尿病治療のための!糖質制限食パーフェクトガイド」2013年(東洋経済新報社)
は、医師・医療関係者・専門的な知識を得たい人のための本です。
エビデンスレベルの高い研究論文から、従来の糖尿病治療の限界を証明し、糖質制限食の有効性や安全性を実証しました。
今回の
『炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません』
は、エビデンスだけにこだわるのではなく、それらをベースに糖質制限食の持つポテンシャル・可能性について、わかりやすく広く大胆に考察してみました。
例えば冒頭では、日本人の四大死因や五大疾病の元凶は、糖質の頻回過剰摂取である可能性が高いことを理論的に平易に説明しています。
つまり、日本人の
四大死因(1がん、2心疾患、3脳血管疾患、4肺炎)
や
五大疾病(がん、脳卒中、心臓病、糖尿病、精神疾患)
は、
スーパー糖質制限食で予防できる可能性が高いのです。
読み出したら、一気に読みたくなる内容の本と自負しています。
糖質制限食や人間栄養学や健康に興味がある人、そして従来の医学や栄養学の常識を疑い、自分自身で考えることを目指す人には最適の本と思いますので是非ご一読を!
そして、10/5(日)隆祥館書店主催「江部康二出版記念 講演会」に是非、ご参加を!
お待ちしています。
江部康二
☆☆☆
以下、隆祥館(リュウショウカン)書店の講演会案内サイトから一部抜粋です。
http://atta2.weblogs.jp/ryushokan/2014/08/2014105-%E4%BD%9C%E5%AE%B6%E3%81%95%E3%82%93%E3%81%A8%E3%81%AE%E9%9B%86%E3%81%84-%E6%B1%9F%E9%83%A8%E5%BA%B7%E4%BA%8C%E5%85%88%E7%94%9F%E3%82%92%E5%9B%B2%E3%82%80%E4%BC%9A-no77.html
<糖質制限食を実践されている江部康二先生を囲む会 >
『炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません』
生活習慣病を予防&改善する糖質制限食31のポイント
江部康二著 東洋経済新報社
2014年8月1日(金)から発売中
東洋経済新報社発刊記念イベント
日時: 10月5日(日) 13:00
開場: 13:00
開演: 14:00
講演: 14:00~15:15
質疑応答: 15:15~15:30
会場: 大阪市中央区上本町変電所ホ-ル CafeBreakTime:
参加費:本代1404円+参加費1500円 含み 2,900円
講演会のみ参加の場合 2500円 当日料金 3,000円
(要予約・事前購入制とさせていただきます。先着順100名)
* 振込先 三井住友銀行上町支店
(普通) 1353923 カ)リュウショウカンショテン
(時間の都合上、サインは、当店でお買上の方に限らせていただきます。)
申込み・お問合せ: 隆祥館書店
TEL: 06-6768-1023
Eメ-ル: ryushokan@eos.ocn.ne.jp
主催: 隆祥館書店 後援:東洋経済新報社
2014/10/5 作家さんとの集い
< 江部康二先生を囲む会 > No.77
********** 隆祥館書店からのお知らせ **********
今回は、糖尿病の治療法として『糖質制限食』を唱えて、多くの糖尿病患者さんから支持されている内科医の江部康二先生に登場いただくことになりました。
先生ご自身が2型の糖尿病患者でいらっしゃいますが、既に10年以上糖質制限食を実践されており、血糖値等のデータは完全に正常値です。薬も全く飲んでおられません。
その秘密は糖質(炭水化物)を取らないということにあります。
最近のご研究では成人病をはじめとする多くの病気の原因にも糖質が関係するということがわかってきました。
プロジェクタ-でメカニズムについても、丁寧に説明して下さいます。
是非、食生活を見直すきっかとして、この講演会にご参加くださいませ。
【江部先生 プロフィール】 ------------------------
高雄病院理事長、日本糖質制限医療推進協会理事長、医師
1950年京都府生まれ 京都大学医学部卒業
糖尿病治療食として近年、急速に注目されている糖質制限食の先駆者の一人で
日本でその認知を広めてきた最大の功労者。
2001年から糖質制限食を糖尿病治療食として積極的に導入し、2013年までに
1600人を超える患者に指導を行う。
2005年に、日本で初めて糖質制限食を紹介した著書
『主食を抜けば糖尿病は良くなる』がベストセラーになる。
-----------------------------------
隆祥館(リュウショウカン)書店主催、出版記念講演会(2014/10/5、日曜日)のご案内です。
会場は、大阪市中央区上本町変電所ホ-ルです。
『 炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません 』(東洋経済新報社)
2014年8月1日刊行
の出版記念講演会です。
隆祥館(リュウショウカン)書店の店長、二村知子さんが企画してくださいました。
二村知子店長、ありがとうございます。
『炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません』
は一般向けのとてもわかりやすい内容の新刊です。
前著
「糖尿病治療のための!糖質制限食パーフェクトガイド」2013年(東洋経済新報社)
は、医師・医療関係者・専門的な知識を得たい人のための本です。
エビデンスレベルの高い研究論文から、従来の糖尿病治療の限界を証明し、糖質制限食の有効性や安全性を実証しました。
今回の
『炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません』
は、エビデンスだけにこだわるのではなく、それらをベースに糖質制限食の持つポテンシャル・可能性について、わかりやすく広く大胆に考察してみました。
例えば冒頭では、日本人の四大死因や五大疾病の元凶は、糖質の頻回過剰摂取である可能性が高いことを理論的に平易に説明しています。
つまり、日本人の
四大死因(1がん、2心疾患、3脳血管疾患、4肺炎)
や
五大疾病(がん、脳卒中、心臓病、糖尿病、精神疾患)
は、
スーパー糖質制限食で予防できる可能性が高いのです。
読み出したら、一気に読みたくなる内容の本と自負しています。
糖質制限食や人間栄養学や健康に興味がある人、そして従来の医学や栄養学の常識を疑い、自分自身で考えることを目指す人には最適の本と思いますので是非ご一読を!
そして、10/5(日)隆祥館書店主催「江部康二出版記念 講演会」に是非、ご参加を!
お待ちしています。
江部康二
☆☆☆
以下、隆祥館(リュウショウカン)書店の講演会案内サイトから一部抜粋です。
http://atta2.weblogs.jp/ryushokan/2014/08/2014105-%E4%BD%9C%E5%AE%B6%E3%81%95%E3%82%93%E3%81%A8%E3%81%AE%E9%9B%86%E3%81%84-%E6%B1%9F%E9%83%A8%E5%BA%B7%E4%BA%8C%E5%85%88%E7%94%9F%E3%82%92%E5%9B%B2%E3%82%80%E4%BC%9A-no77.html
<糖質制限食を実践されている江部康二先生を囲む会 >
『炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません』
生活習慣病を予防&改善する糖質制限食31のポイント
江部康二著 東洋経済新報社
2014年8月1日(金)から発売中
東洋経済新報社発刊記念イベント
日時: 10月5日(日) 13:00
開場: 13:00
開演: 14:00
講演: 14:00~15:15
質疑応答: 15:15~15:30
会場: 大阪市中央区上本町変電所ホ-ル CafeBreakTime:
参加費:本代1404円+参加費1500円 含み 2,900円
講演会のみ参加の場合 2500円 当日料金 3,000円
(要予約・事前購入制とさせていただきます。先着順100名)
* 振込先 三井住友銀行上町支店
(普通) 1353923 カ)リュウショウカンショテン
(時間の都合上、サインは、当店でお買上の方に限らせていただきます。)
申込み・お問合せ: 隆祥館書店
TEL: 06-6768-1023
Eメ-ル: ryushokan@eos.ocn.ne.jp
主催: 隆祥館書店 後援:東洋経済新報社
2014/10/5 作家さんとの集い
< 江部康二先生を囲む会 > No.77
********** 隆祥館書店からのお知らせ **********
今回は、糖尿病の治療法として『糖質制限食』を唱えて、多くの糖尿病患者さんから支持されている内科医の江部康二先生に登場いただくことになりました。
先生ご自身が2型の糖尿病患者でいらっしゃいますが、既に10年以上糖質制限食を実践されており、血糖値等のデータは完全に正常値です。薬も全く飲んでおられません。
その秘密は糖質(炭水化物)を取らないということにあります。
最近のご研究では成人病をはじめとする多くの病気の原因にも糖質が関係するということがわかってきました。
プロジェクタ-でメカニズムについても、丁寧に説明して下さいます。
是非、食生活を見直すきっかとして、この講演会にご参加くださいませ。
【江部先生 プロフィール】 ------------------------
高雄病院理事長、日本糖質制限医療推進協会理事長、医師
1950年京都府生まれ 京都大学医学部卒業
糖尿病治療食として近年、急速に注目されている糖質制限食の先駆者の一人で
日本でその認知を広めてきた最大の功労者。
2001年から糖質制限食を糖尿病治療食として積極的に導入し、2013年までに
1600人を超える患者に指導を行う。
2005年に、日本で初めて糖質制限食を紹介した著書
『主食を抜けば糖尿病は良くなる』がベストセラーになる。
-----------------------------------
2014年09月05日 (金)
こんにちは。
日本糖尿病学会が、SGLT2阻害薬について勧告(Recommendation )を出しました。
2014年4月から発売開始ですが、想定した以上に副作用が発生したために、まず、2014年6月13日 に勧告を策定しました。
さらに副作用報告が相次いだので、2014年8月29日に、早速に策定の改訂版をリリースしました。
もともと、予想された副作用である「尿路・性器感染症」に加え、想定範囲を上回る頻度で、「重症低血糖、ケトアシドーシス、脳梗塞、全身性皮疹」などの重篤な副作用が報告されたので、相次いで勧告が出されたわけです。
もともと、SGLT2阻害薬は、比較的若い(40代、50代くらいまで)糖尿病患者で、肥満傾向のある人が対象です。
さらに、SU剤など低血糖を生じやすい薬は内服していなくて、他剤はなしか、せいぜい、1~2種類程度の薬までで、しっかり水分補給する意味を理解できる人まで絞って投与する必要がある薬と思います。
このように絞って、投与したならば、「重症低血糖、ケトアシドーシス、脳梗塞」はまず生じないと思うので、逆に言えばかなり安易に使われた可能性が高いのです。
とても脱水になりやすい薬なので、脳梗塞のリスクを高める可能性は高く、充分な水分補給が必要不可欠な薬なので、高齢者には向かないのです。
とにかく、SGLT2阻害薬は、対象者を限定するべきであり、使用期間は短期(せいぜい半年から1年)にとどめるべき薬と私は思っています。
夢の新薬のように登場したSGLT2阻害薬ですが、そんなええもんではなかったようです。 (*_*)
日本糖尿病学会は、発売までは、かなりSGLT2阻害剤を推奨していましたので、このたびの副作用の多発には、一定の責任があると思います。
一方、副作用多発に対しては、速やかに、2回の勧告(Recommendation )をリリースしたので、対応としては早かったのでまあまあと思います。
江部康二
☆☆☆
以下は、日本糖尿病学会のサイトから抜粋です。
http://www.jds.or.jp/common/fckeditor/editor/filemanager/connectors/php/transfer.php?file=/uid000025_7265636F6D6D656E646174696F6E5F53474C54322E706466
SGLT2阻害薬の適正使用に関するRecommendation
策定:2014年6月13日
改訂:2014年8月29日
我が国で最初のSGLT2阻害薬が2014年4月17日発売され、続いて5月23日に新たにSGLT2阻害薬3剤が発売された。本薬剤は新しい作用機序を有する2型糖尿病薬であるが、治験の際に低血糖など糖尿病薬に共通する副作用に加えて、尿路・性器感染症など本薬剤に特徴的な副作用が認められていた。
加えて、本薬が広汎で複雑な代謝や循環への影響をきたしうることから、発売前から重篤なものを含む多様な副作用発症への懸念が持たれていた。発売開始から1ヶ月間の副作用報告を受け、重篤な副作用の懸念のうち、残念ながらいくつかが現実化したことを踏まえ、「SGLT2阻害薬の適正使用に関する委員会」を発足させ、検討を行い、6月13日に「SGLT2阻害薬の適正使用に関するRecommendation」を策定し公表した。
このたび、最初の副作用報告から2ヶ月半経過し新たな3剤の副作用報告も踏まえ最新の情報に基づき改訂を加えた。
8月17日の時点での各製剤の副作用報告によれば、予想された副作用である尿路・性器感染症に加え、重症低血糖、ケトアシドーシス、脳梗塞、全身性皮疹などの重篤な副作用がさらに増加している。
この中には、現時点では必ずしも因果関係が明らかでないものも含まれているが、多くが当初より懸念された副作用であることから、本委員会としては、これらの副作用情報をさらに広く共有することにより、今後、副作用のさらなる拡大を未然に防止することが必要と考え以下のRecommendationおよび具体的副作用事例とその対策を報告する。
Recommendation
1.インスリンやSU 薬等インスリン分泌促進薬と併用する場合には、低血糖に十分留意して、それらの用量を減じる(方法については下記参照)。インスリンとの併用は治験で安全性が検討されていないことから特に注意が必要である。患者にも低血糖に関する教育を十分行うこと。
2.高齢者への投与は、慎重に適応を考えたうえで開始する。発売から3ヶ月間に65歳以上の患者に投与する場合には、全例登録すること。
3.脱水防止について患者への説明も含めて十分に対策を講じること。利尿薬との併用は推奨されない。
4.発熱・下痢・嘔吐などがあるときないしは食思不振で食事が十分摂れないような場合(シックデイ)には必ず休薬する。
5.本剤投与後、薬疹を疑わせる紅斑などの皮膚症状が認められた場合には速やかに投与を中止し、皮膚科にコンサルテーションすること。また、必ず副作用報告を行うこと。
6.尿路感染・性器感染については、適宜問診・検査を行って、発見に努めること。問診では質問紙の活用も推奨される。発見時には、泌尿器科、婦人科にコンサルテーションすること。
7.原則として、本剤は当面他に2剤程度までの併用が推奨される。
以上、SGLT2阻害薬が発売されてから約3か月半の副作用情報を踏まえ、その使用にあたっての重要な注意喚起を行った。本薬剤は適応を十分に考慮した上で、添付文書に示されている安全性情報に十分な注意を払い、また本Recommendationを十分に踏まえて、特に安全性を最優先して適正使用されるべき薬剤である。
発売日から3ヵ月間に本剤を服用した高齢者(65歳以上)では全例の特定使用成績調査が定められており、是非ともそれに則った使用が推奨される。尚、本委員会は継続的にSGLT2阻害薬の安全性情報を収集・分析し、必要は注意喚起を行っていく。
「SGLT2阻害薬の適正使用に関する委員会」
京都大学大学院医学研究科 糖尿病・内分泌・栄養内科学 稲垣暢也
東京大学大学院医学系研究科 分子糖尿病科学 植木浩二郎
川崎医科大学 総合内科学1 加来浩平
東京大学大学院医学系研究科 糖尿病・代謝内科 門脇孝
関西電力病院 清野裕
旭川医科大学内科学講座病態代謝内科学分野羽田勝計
東京大学大学院医学系研究科皮膚科学 佐藤伸一
日本糖尿病学会が、SGLT2阻害薬について勧告(Recommendation )を出しました。
2014年4月から発売開始ですが、想定した以上に副作用が発生したために、まず、2014年6月13日 に勧告を策定しました。
さらに副作用報告が相次いだので、2014年8月29日に、早速に策定の改訂版をリリースしました。
もともと、予想された副作用である「尿路・性器感染症」に加え、想定範囲を上回る頻度で、「重症低血糖、ケトアシドーシス、脳梗塞、全身性皮疹」などの重篤な副作用が報告されたので、相次いで勧告が出されたわけです。
もともと、SGLT2阻害薬は、比較的若い(40代、50代くらいまで)糖尿病患者で、肥満傾向のある人が対象です。
さらに、SU剤など低血糖を生じやすい薬は内服していなくて、他剤はなしか、せいぜい、1~2種類程度の薬までで、しっかり水分補給する意味を理解できる人まで絞って投与する必要がある薬と思います。
このように絞って、投与したならば、「重症低血糖、ケトアシドーシス、脳梗塞」はまず生じないと思うので、逆に言えばかなり安易に使われた可能性が高いのです。
とても脱水になりやすい薬なので、脳梗塞のリスクを高める可能性は高く、充分な水分補給が必要不可欠な薬なので、高齢者には向かないのです。
とにかく、SGLT2阻害薬は、対象者を限定するべきであり、使用期間は短期(せいぜい半年から1年)にとどめるべき薬と私は思っています。
夢の新薬のように登場したSGLT2阻害薬ですが、そんなええもんではなかったようです。 (*_*)
日本糖尿病学会は、発売までは、かなりSGLT2阻害剤を推奨していましたので、このたびの副作用の多発には、一定の責任があると思います。
一方、副作用多発に対しては、速やかに、2回の勧告(Recommendation )をリリースしたので、対応としては早かったのでまあまあと思います。
江部康二
☆☆☆
以下は、日本糖尿病学会のサイトから抜粋です。
http://www.jds.or.jp/common/fckeditor/editor/filemanager/connectors/php/transfer.php?file=/uid000025_7265636F6D6D656E646174696F6E5F53474C54322E706466
SGLT2阻害薬の適正使用に関するRecommendation
策定:2014年6月13日
改訂:2014年8月29日
我が国で最初のSGLT2阻害薬が2014年4月17日発売され、続いて5月23日に新たにSGLT2阻害薬3剤が発売された。本薬剤は新しい作用機序を有する2型糖尿病薬であるが、治験の際に低血糖など糖尿病薬に共通する副作用に加えて、尿路・性器感染症など本薬剤に特徴的な副作用が認められていた。
加えて、本薬が広汎で複雑な代謝や循環への影響をきたしうることから、発売前から重篤なものを含む多様な副作用発症への懸念が持たれていた。発売開始から1ヶ月間の副作用報告を受け、重篤な副作用の懸念のうち、残念ながらいくつかが現実化したことを踏まえ、「SGLT2阻害薬の適正使用に関する委員会」を発足させ、検討を行い、6月13日に「SGLT2阻害薬の適正使用に関するRecommendation」を策定し公表した。
このたび、最初の副作用報告から2ヶ月半経過し新たな3剤の副作用報告も踏まえ最新の情報に基づき改訂を加えた。
8月17日の時点での各製剤の副作用報告によれば、予想された副作用である尿路・性器感染症に加え、重症低血糖、ケトアシドーシス、脳梗塞、全身性皮疹などの重篤な副作用がさらに増加している。
この中には、現時点では必ずしも因果関係が明らかでないものも含まれているが、多くが当初より懸念された副作用であることから、本委員会としては、これらの副作用情報をさらに広く共有することにより、今後、副作用のさらなる拡大を未然に防止することが必要と考え以下のRecommendationおよび具体的副作用事例とその対策を報告する。
Recommendation
1.インスリンやSU 薬等インスリン分泌促進薬と併用する場合には、低血糖に十分留意して、それらの用量を減じる(方法については下記参照)。インスリンとの併用は治験で安全性が検討されていないことから特に注意が必要である。患者にも低血糖に関する教育を十分行うこと。
2.高齢者への投与は、慎重に適応を考えたうえで開始する。発売から3ヶ月間に65歳以上の患者に投与する場合には、全例登録すること。
3.脱水防止について患者への説明も含めて十分に対策を講じること。利尿薬との併用は推奨されない。
4.発熱・下痢・嘔吐などがあるときないしは食思不振で食事が十分摂れないような場合(シックデイ)には必ず休薬する。
5.本剤投与後、薬疹を疑わせる紅斑などの皮膚症状が認められた場合には速やかに投与を中止し、皮膚科にコンサルテーションすること。また、必ず副作用報告を行うこと。
6.尿路感染・性器感染については、適宜問診・検査を行って、発見に努めること。問診では質問紙の活用も推奨される。発見時には、泌尿器科、婦人科にコンサルテーションすること。
7.原則として、本剤は当面他に2剤程度までの併用が推奨される。
以上、SGLT2阻害薬が発売されてから約3か月半の副作用情報を踏まえ、その使用にあたっての重要な注意喚起を行った。本薬剤は適応を十分に考慮した上で、添付文書に示されている安全性情報に十分な注意を払い、また本Recommendationを十分に踏まえて、特に安全性を最優先して適正使用されるべき薬剤である。
発売日から3ヵ月間に本剤を服用した高齢者(65歳以上)では全例の特定使用成績調査が定められており、是非ともそれに則った使用が推奨される。尚、本委員会は継続的にSGLT2阻害薬の安全性情報を収集・分析し、必要は注意喚起を行っていく。
「SGLT2阻害薬の適正使用に関する委員会」
京都大学大学院医学研究科 糖尿病・内分泌・栄養内科学 稲垣暢也
東京大学大学院医学系研究科 分子糖尿病科学 植木浩二郎
川崎医科大学 総合内科学1 加来浩平
東京大学大学院医学系研究科 糖尿病・代謝内科 門脇孝
関西電力病院 清野裕
旭川医科大学内科学講座病態代謝内科学分野羽田勝計
東京大学大学院医学系研究科皮膚科学 佐藤伸一
2014年09月04日 (木)
こんばんは。
人工甘味料とインスリン、人工甘味料とケトン体について、大畑さんから、コメント・質問をいただきました。
人工甘味料とインスリン分泌、ケトン体値、いろいろ、ネット上で信頼度の低い間違った情報が出回っているようなので、もう一度整理整頓します。
【14/09/03 大畑
人工甘味料とインシュリン
江部先生、失礼します。
Facebookである方が、「人工甘味料は、膵臓の甘味受容体を刺激するためインスリンの追加分泌で低血糖や中性脂肪燃焼の抑制が起きるのではないか。」と書いています。先生の過去の記事を読ませていただいて、それは事実無根ではないですか?ということと、江部先生のブログ記事を紹介させていただきました。事後報告で申し訳ありません。不都合があるようでしたら削除しますのでお知らせください。】
【Re: 人工甘味料とインシュリン
大畑 さん
OKです。】
【14/09/03 大畑
人工甘味料とインシュリン2
度々申し訳ありません。
ある方がケトジェニックダイエットアドバイザーの勉強会に参加され、人工甘味料を使った後の明らかな血中ケトンの下降データを見たそうです。つまり脂肪燃焼は一気に減退するとおっしゃるのです。そこには血糖値の上昇についての関連はデータには入っていなかったそうですが。その方は思い当たったので、その日から人工甘味料をやめ、一週間で3キロ体重が落ちたそうです。これは本当でしょうか? 】
【14/09/04 ドクター江部
Re: 人工甘味料とインシュリン2
大畑 さん
「ある方がケトジェニックダイエットアドバイザーの勉強会に参加され、人工甘味料を使った後の明らかな血中ケトンの下降データを見たそうです。つまり脂肪燃焼は一気に減退するとおっしゃるのです」
この情報は、論文化もされていないので、業者さんに都合のいい信頼度の低いデータと思います。
現実に医療機関で、推奨される、「難治性小児てんかん」の治療食としての ケトン食においても、人工甘味料は使用されています。】
まず、人工甘味料とインスリン分泌に関してですが、結論から言うと、
経口摂取した人工甘味料が直接、人体においてインスリン分泌を促すということは
ありません。
信頼度の高い英文論文によると、人工甘味料のみでは、インスリンやインクレチン分泌が促進されることはないことが記載されています。
人工甘味料を直接胃や腸に注入しても、通常の食後に起こるホルモン(インスリンやGLP-1のようなインクレチン)分泌の急性変化は起きないことが知られているとのことです。
詳しくは
2013年08月29日 (木)の本ブログ記事
「人工甘味料が、大量のインスリン分泌を促す?真相は?」
koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-2653.html
2014年05月23日 (金)の本ブログ記事
「人工甘味料とインスリン分泌。人工甘味料と糖尿病。」
koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-2972.html
をご参照ください。
次に、人工甘味料と血中ケトン体値の検討です。
日本小児神経学会のサイト http://child-neuro-jp.org/visitor/qa2/a36.html
に以下の記載があります。
36:てんかんの食事療法(ケトン食療法)について。
1)てんかんで抗てんかん薬を内服していますがよくなりません。食事療法を勧められましたがどのような食事療法がありますか?
もっとも代表的な食事療法はケトン食療法です。日本ではあまり普及していませんが欧米や韓国では難治性てんかんの治療法の一つとして確立しています。ケトン食療法は糖・炭水化物を減らし脂肪を増やした食事で、脂肪が分解されてケトン体が体内で作られ効果を発揮します。
お米、パン、パスタなどはできるだけ食べないようにして、砂糖の代わりに人工甘味料を使用し、卵、豆腐、肉、魚主体の食事に食用油を添加し、食事中の脂肪:(糖+炭水化物+タンパク質)の比率(ケトン指数)を 3~4:1にします。
医師を通じて入手できる特殊ミルク(ケトンフォーミュラ)はいろいろな料理にも利用できます。効果を高めるためにカロリーや水分を7~8割に制限する場合があります。
タンパク質を制限しないで糖・炭水化物を10~15g/日までにして脂肪を多めに摂取する修正アトキンス食も有効性が報告されています。
いずれもバランスの偏った食事なので医師と栄養士の指導が必要です。
ケトン食においては、糖質を徹底的に減らして、脂質を増やし、血中ケトン体値を高めるようにします。
総摂取カロリーにおける、脂質の比率は75~80%です。
医療におけるケトン食は、極めて厳密なものであり、例えば、内服薬(糖衣錠)に含まれるていどの少量の糖質でも、血中ケトン体値は下がってしまうので、避けるようにしています。
そのケトン食において、砂糖の代わりに人工甘味料を使用すると小児神経学会のサイトに明記してあるのですから、
人工甘味料で血中ケトン体値が下降するとは考えられません。
ケトン食あるいはスーパー糖質制限食実践中の人においても、人工甘味料あるいは、糖アルコールの中でエリスリトールは使用OKの食材なのです。
江部康二
人工甘味料とインスリン、人工甘味料とケトン体について、大畑さんから、コメント・質問をいただきました。
人工甘味料とインスリン分泌、ケトン体値、いろいろ、ネット上で信頼度の低い間違った情報が出回っているようなので、もう一度整理整頓します。
【14/09/03 大畑
人工甘味料とインシュリン
江部先生、失礼します。
Facebookである方が、「人工甘味料は、膵臓の甘味受容体を刺激するためインスリンの追加分泌で低血糖や中性脂肪燃焼の抑制が起きるのではないか。」と書いています。先生の過去の記事を読ませていただいて、それは事実無根ではないですか?ということと、江部先生のブログ記事を紹介させていただきました。事後報告で申し訳ありません。不都合があるようでしたら削除しますのでお知らせください。】
【Re: 人工甘味料とインシュリン
大畑 さん
OKです。】
【14/09/03 大畑
人工甘味料とインシュリン2
度々申し訳ありません。
ある方がケトジェニックダイエットアドバイザーの勉強会に参加され、人工甘味料を使った後の明らかな血中ケトンの下降データを見たそうです。つまり脂肪燃焼は一気に減退するとおっしゃるのです。そこには血糖値の上昇についての関連はデータには入っていなかったそうですが。その方は思い当たったので、その日から人工甘味料をやめ、一週間で3キロ体重が落ちたそうです。これは本当でしょうか? 】
【14/09/04 ドクター江部
Re: 人工甘味料とインシュリン2
大畑 さん
「ある方がケトジェニックダイエットアドバイザーの勉強会に参加され、人工甘味料を使った後の明らかな血中ケトンの下降データを見たそうです。つまり脂肪燃焼は一気に減退するとおっしゃるのです」
この情報は、論文化もされていないので、業者さんに都合のいい信頼度の低いデータと思います。
現実に医療機関で、推奨される、「難治性小児てんかん」の治療食としての ケトン食においても、人工甘味料は使用されています。】
まず、人工甘味料とインスリン分泌に関してですが、結論から言うと、
経口摂取した人工甘味料が直接、人体においてインスリン分泌を促すということは
ありません。
信頼度の高い英文論文によると、人工甘味料のみでは、インスリンやインクレチン分泌が促進されることはないことが記載されています。
人工甘味料を直接胃や腸に注入しても、通常の食後に起こるホルモン(インスリンやGLP-1のようなインクレチン)分泌の急性変化は起きないことが知られているとのことです。
詳しくは
2013年08月29日 (木)の本ブログ記事
「人工甘味料が、大量のインスリン分泌を促す?真相は?」
koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-2653.html
2014年05月23日 (金)の本ブログ記事
「人工甘味料とインスリン分泌。人工甘味料と糖尿病。」
koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-2972.html
をご参照ください。
次に、人工甘味料と血中ケトン体値の検討です。
日本小児神経学会のサイト http://child-neuro-jp.org/visitor/qa2/a36.html
に以下の記載があります。
36:てんかんの食事療法(ケトン食療法)について。
1)てんかんで抗てんかん薬を内服していますがよくなりません。食事療法を勧められましたがどのような食事療法がありますか?
もっとも代表的な食事療法はケトン食療法です。日本ではあまり普及していませんが欧米や韓国では難治性てんかんの治療法の一つとして確立しています。ケトン食療法は糖・炭水化物を減らし脂肪を増やした食事で、脂肪が分解されてケトン体が体内で作られ効果を発揮します。
お米、パン、パスタなどはできるだけ食べないようにして、砂糖の代わりに人工甘味料を使用し、卵、豆腐、肉、魚主体の食事に食用油を添加し、食事中の脂肪:(糖+炭水化物+タンパク質)の比率(ケトン指数)を 3~4:1にします。
医師を通じて入手できる特殊ミルク(ケトンフォーミュラ)はいろいろな料理にも利用できます。効果を高めるためにカロリーや水分を7~8割に制限する場合があります。
タンパク質を制限しないで糖・炭水化物を10~15g/日までにして脂肪を多めに摂取する修正アトキンス食も有効性が報告されています。
いずれもバランスの偏った食事なので医師と栄養士の指導が必要です。
ケトン食においては、糖質を徹底的に減らして、脂質を増やし、血中ケトン体値を高めるようにします。
総摂取カロリーにおける、脂質の比率は75~80%です。
医療におけるケトン食は、極めて厳密なものであり、例えば、内服薬(糖衣錠)に含まれるていどの少量の糖質でも、血中ケトン体値は下がってしまうので、避けるようにしています。
そのケトン食において、砂糖の代わりに人工甘味料を使用すると小児神経学会のサイトに明記してあるのですから、
人工甘味料で血中ケトン体値が下降するとは考えられません。
ケトン食あるいはスーパー糖質制限食実践中の人においても、人工甘味料あるいは、糖アルコールの中でエリスリトールは使用OKの食材なのです。
江部康二