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インスリン分泌指数、HOMA-β。インスリン分泌指標の考察。
【14/06/28 おか

質問させていただきます。

 江部先生
 いつも先生のブログを度々参考にさせていただいているものです。
 質問させて早速ですが、質問させていただきます。
 
 私は33歳男性、身長173cm、体重57kgのものです。父方の祖母が糖尿病性腎症で透析になったという家族歴があり、糖尿病の恐ろしさを身に染みていました。
そこで25歳くらいまでは最高体重が67㎏ありましたが、主食の白米を減らし徐々に体重を60kgまで減らしました。
現在、やや意識して糖質制限(厳格ではありません)してかつウォーキングやジョギング30~40分/日を5~6日/週で健康管理し、HbA1c 5.1~5.3%(NGSP)で経過しておりました。しかし、昨年の献血でのグリコアルブミンが15%前後で正常高値であり、食後血糖が高いのかと考えました。
そこで先日、開業医に受診し75gOGTTを施行していただきました。結果は
時間 インスリン 血糖
0分  2.9     83
30分 20.2    145
60分 28.0    148
90分 16.1    91
120分 18.3   113
HOMA R 0.59, インスリン分泌指数 0.28, HOMA-β 52.2%
尿糖はすべて陰性という結果でした。

 正常範囲内であり糖尿病ではないが、インスリンの分泌のパターンが遅く、かつ濃度が低いと言われました。体重を増やさないことと、念のため半年に1度受診するように言われました。

この結果をみるとインスリン抵抗性は問題ないようですが、インスリン分泌指数はかなり低く、糖尿病型と言えるようです。

1)インスリン分泌指数が異常だとOGTT正常でも糖尿病型へと移行しやすいとのことですが、同じインスリン分泌能力を示すHOMA-βが正常の場合はどうなのでしょうか?
2)インスリン抵抗性がなく、インスリン分泌能力が低いのは、生活習慣によるものよりも遺伝によるものが大きいのでしょうか?
3)インスリン分泌を改善する方法はありますでしょうか?
4)これからの生活習慣では食後の運動、筋トレ、糖質制限などは必要なのでしょうか?ちなみに体重はこれ以上は減らしたくありません。

長文で大変申し訳ございませんが、何卒ご教示よろしくお願いします。】



おかさんから、インスリン分泌指数、HOMA-β、HOMA-Rなどの解釈について、コメント・質問をいただきました。

最近私は、血中インスリン濃度について、現在の基準値は、糖質を普通に摂取している人における基準値であり、人類本来の基準に比し、高過ぎるのではないかと考えています。

すなわち、700万年間の狩猟・採集時代の空腹時血中インスリン濃度の基準値は、現行の「3~15μU/ml」よりは、はるかに低かった可能性が高いと考えています。

これらを背景にご質問の検討をしてみます。

1)インスリン分泌指数が異常だとOGTT正常でも糖尿病型へと移行しやすいとのことですが、同じインスリン分泌能力を示すHOMA-βが正常の場合はどうなのでしょうか?

インスリン分泌指数(*)はインスリン追加分泌のうち初期追加分泌能の指標です。

HOMA-β(**)は、空腹時のデータから計算するのですが、経口血糖負荷試験時の2時間値のインスリン分泌量と、よく相関しますので、インスリン追加分泌のうち、第2相を反映しています。

教科書的には、インスリン分泌指数が0.4未満は、糖尿病型であり、境界型でも将来糖尿病になりやすいとされています。

一方、おかさんは、空腹時インスリンが 2.9μU/mlとやや低めですが、空腹時血糖値は83mg/dlと正常なので、少量のインスリンで血糖コントロールができている好ましい状態と言えます。

インスリン追加分泌も、インスリン分泌指数は0.28とやや低いのですが、

「30分値:145mg/dl 60分値:148mg/dl」

と良好で、ここでも少量のインスリンで血糖コントロールができており、好ましい状態と言えます。

つまりインスリンの効きがいいので、少量のインスリンで事足りているわけです。

従って、全く問題ないと思います。

私は、最近は、農耕以前(穀物摂取なし)の人類の早朝空腹時のインスリン値は、1.5~6.0μU/mlくらいではなかったかと考えています。

つまり、空腹時IRI:10μU/mlなどは、基準値(3~15μU/ml)内ですが、すでに肥満などによるインスリン抵抗性があるのではないかと思うのです。

ただ、インンスリンがないと、人は死亡します。

実際、1921年にインスリンが合成されるまでは、1型糖尿病で内因性インスリンゼロの場合は平均余命は半年程度でした。

一方、インスリンは肥満ホルモンであり、過剰分泌では発癌性があり、アルツハイマー病のリスクともなり、老化のリスクでもあります。

つまり、インスリンというホルモンは人体に絶対に必要なのですが、血糖コントロールができている限りにおいて、その分泌が少なければ少ないほど身体には優しいのです。

言い換えれば、インスリン分泌が少なくてすむ食生活を心がけていれば、肥満、癌、アルツハイマー病、老化、動脈硬化などのリスクは減少するのです。

2)インスリン抵抗性がなく、インスリン分泌能力が低いのは、生活習慣によるものよりも遺伝によるものが大きいのでしょうか?

元々は遺伝的体質がベースにあると思いますが、生活習慣も関与していきます。

3)インスリン分泌を改善する方法はありますでしょうか?

「正常範囲内であり糖尿病ではないが、インスリンの分泌のパターンが遅く、かつ濃度が低い」

従来の考えは主治医のご指摘通りですが、私は 少ないインスリンで血糖コントロールできているので問題ないと思います。

4)これからの生活習慣では食後の運動、筋トレ、糖質制限などは必要なのでしょうか?
ちなみに体重はこれ以上は減らしたくありません。


「身長173cm、体重57kg、BMI:19」 ですから、もう少し体重を増やしてもよいと思います。

糖質制限食は人類本来の食事であり人類の健康食なので、健康のためには緩くてもいいので実践されたほうがいいと思います。

運動も、骨粗鬆症予防などの意味でいいですね。

糖質制限食実践でたんぱく質をしっかり摂取して、筋トレをすれば筋肉量が増えて体重も増えてとても好ましいと思います。

なおグリコアルブミン(****)15%前後も、基準値内で心配ないと思います。



(*)インスリン分泌指数
インスリン追加分泌のうち初期追加分泌能はインスリン分泌指数で見る。
Insulinogenic index(⊿IRI/⊿BS)
=(負荷後30分IRI値-負荷後IRI値)/ (負荷後30分血糖値-負荷前血糖値)
0.4以上は初期追加分泌能維持。2型では0.3以下が多い。

(**)HOMA-β
<HOMA-β=360×空腹時インスリン値(μU/mL)/(空腹時血糖値(mg/dL)-63)>
経口血糖負荷試験時の2時間値のインスリン分泌量と、よく相関する。
空腹時血糖値130mg以下なら信頼度高い。
正常値:40-60
30%以下は軽度、15%以下は顕著なインスリン分泌低下。

(***)HOMA-R インスリン抵抗性指標
<HOMA-R=空腹時血糖値(mg/dL)×空腹時インスリン値(μU/mL)/405 >
1.6以下が正常、2.5以上は抵抗性あり。
空腹時血糖値140mg以下なら信頼度高い。

(****)<グリコアルブミン値>日本赤十字社
15.6%未満:正常
15.6%以上16.5%未満:正常高値
16.5%以上18.3%未満:境界域
18.3%以上:糖尿病域
と判定されます。



江部康二

テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
「脂肪・コレステロール、糖尿病の真実」大阪中之島講演会のご案内
おはようございます。

2014年8月3日(日)に、「脂肪・コレステロール、糖尿病の真実」と題し、
大阪大学中之島センター10F 「佐治敬三メモリアルホール」にて、講演会を行います。

今回は、「脂肪・コレステロール」分野の第一人者である東海大学名誉教授 大櫛陽一先生をお招きして、私と2人での講演会となります。

脂肪・コレステロール、糖尿病の真実を、2人でしっかり語り、質疑応答も30分たっぷり時間をとります。

大阪そして大阪近隣の糖尿人、メタボ人、脂質関連に興味がある人・・・奮ってご参加下さいね。

江部康二


******************************

以下、事務局からのご案内です。

ブログ読者の皆様、講演会へいつも多数ご参加いただきましてありがとうございます。

大阪・中之島にて、一般向けの講演会を開催いたします。

今回は、「脂肪・コレステロール、糖尿病の真実」というテーマのもと、東海大学名誉教授 大櫛陽一先生と江部康二理事長による講演を予定しております。

糖質制限食との関連性も高い「脂肪・コレステロール」について、この分野の第一人者、大櫛先生によるレクチャーで理解を深めていただける、絶好の機会です。

糖質制限食とその有効性については、今回も理事長 江部康二がしっかりとお話しいたします。

関西地区の皆様をはじめ、多数のご参加を心よりお待ちしております。

(関東地区でも秋に同様の講演会を開催する予定です。)

///////////////////ご案内/////////////////////

一般社団法人日本糖質制限医療推進協会主催 講演会(大阪)

    「脂肪・コレステロール、糖尿病の真実」

■日時:8月3日(日)13:50~16:40頃
             ※入場受付・開場は13:30~

■会場: 大阪大学中之島センター10F 「佐治敬三メモリアルホール」
 〒530-0005 大阪市北区中之島4-3-53
 http://www.onc.osaka-u.ac.jp/others/map/index.php

■内容

◆講演① 『脂肪とコレステロールは、あなたの体にいいですよ』

講師: 大櫛陽一
    東海大学名誉教授/大櫛医学情報研究所所長

[講師略歴]

1971年 大阪大学大学院工学研究科修了
  同年 大阪府に就職。以下を兼任(~1988年)
      成人病センター、羽曳野病院、母子センター、府立病院
1988年 東海大学医学部教授(基礎医学系)
2012年 東海大学名誉教授、大櫛医学情報研究所所長

[著書]

・血圧が下がる新食事法(新DASH食) 成美堂出版 2013年
・健康診断の恐怖 宝島社 2013年
・間違っていた糖尿病治療 医学芸術社 2012年
・100歳まで長生きできるコレステロール革命 永岡書店 2012年
・長寿のためのコレステロールガイドライン 中日出版 2010年
・脳卒中データバンク2009 中山書店 2009年
・メタボの罠 角川SSC新書 2007年

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

◆講演② 『糖質制限食による糖尿病治療』

講師: 江部康二
  (一財)高雄病院理事長/(一社)日本糖質制限医療推進協会理事長

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

※抄録は、こちらでご覧いただけます。
  http://toushitsuseigen.or.jp/pdf/20140803lecture.pdf

※講演後、両講師による質疑応答を30分、予定しております。

■受講費:賛助会員 2,800円 / 一般(非会員) 3,300円

■お支払い方法: クレジットカード/銀行振込/郵便振替
           ※事前決済のみとなります。

■お申し込み方法

・賛助会員の方
事務局までメールにてお申し込み下さい。

・賛助会員入会をご希望の方
1.入会案内および会員規約をお読み下さい。
 http://toushitsuseigen.or.jp/member.html

2.お申し込みはこちらのフォームからお願いします。
 http://toushitsuseigen.or.jp/contact.php
 「お問い合せ内容」欄に「8/3大阪講演会、受講希望」とご記入下さい。

・一般(非会員)で、講演会の受講のみご希望の方
こちらのフォームよりお申し込み下さい。
https://ssl.form-mailer.jp/fms/9cbd1ef7287071

■お申し込みの流れ

1.会員の方はメールにて、会員以外の方は各種フォームにてご連絡下さい。
2.事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3.入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4.当日、直接会場までお越し下さい。

■その他

・予約制です。当日参加はできません。
・キャンセルは7月31日(木)までにお願い致します。
 それ以降の返金には対応致しかねますので予めご了承ください。
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
米国と英国で糖尿病が爆発的に増加。日本で血糖自己測定器を支給は?
こんにちは。

糖尿病ネットワークのニュース/資料室に 

2014年06月19日
「米国と英国で糖尿病が爆発的に増加 3人に1人が糖尿病予備群」

という記事が掲載されました。

米国の2012年の調査によると、糖尿病有病数は2,900万人を超え、全人口の9.3%が糖尿病と推定されています。
2012年の人口は3億1390万人です。

日本の2012年の調査では、糖尿病有病者数は950万人で、全人口の7.4%が糖尿病です。
2012年の人口は1億2760万人です。

英国の2012年の調査では、糖尿病有病者数は320万人で、全人口の7.3%が糖尿病です。

ともあれ、米国の糖尿病有病率が一番多いのは当たり前として、日本の方が、英国より糖尿病有病率が僅かですが多いというのは、大変意外でした。

英国では、かかりつけ医師(GP:General Practitioner)が、あらゆる疾患の初期診察、治療を行う制度が確立しています。

GPの指導のもと、国営健康保険に加入している40~74歳の人が、血液検査などの健診を受けられる「NHSヘルスチェック」が普及していて、年間に130万人が健診を受けています。

英国では成人の35.3%が糖尿病前症とみられています。

糖尿病前症を、健診で早い段階で発見し、食事や運動などの生活スタイルを見直し、肥満を是正することで、2型糖尿病の発症を防ぐことができているのでしょうか?

日本でもメタボ健診とかしているのですが、企業中心ですね。

英国のように無料で「国営健康保険に加入している40~74歳の人」を全員健診ではありません。

もっとも、私の提案は、総花的なメタボ健診はもうやめて「40~74歳の人」に適宜、血糖自己測定器を配給することです。

年度毎に、先ず70代、次年度に60代、・・・50代、40代とかに順番に支給でもいいです。

血糖自己測定器が随分安くなったので、一人当たりの費用は、メタボ健診にかかる費用よりかなり安いと思います。

健診用に大量生産すれば、血糖自己測定器はもっと激安になると思います。

自分で血糖値を測定すれば、

「血糖値を上げるのは糖質だけで、たんぱく質・脂質は上げない」

ということは、一目瞭然です。

糖尿病予備軍の段階でセルフチェックできれば、糖質摂取量は必然的に減少して、将来の糖尿病発症が随分予防できると思います。

厚生労働省、このとても建設的な提案に乗ってくれないかな。


江部康二


☆☆☆
以下糖尿病ネットワークから一部転載

【 糖尿病ネットワーク
http://www.dm-net.co.jp/calendar/2014/022025.php
2014年06月19日
2014年 糖尿病の統計

米国と英国で糖尿病が爆発的に増加
 
3人に1人が糖尿病予備群


糖尿病と糖尿病予備群の数は世界的に増加している。米国と英国の成人の3分の1以上が糖尿病予備群で、米国では「国民の5人に1人」が糖尿病を発症すると予測されている。

米国の糖尿病有病率は9.3% 

4分の1が未診断


米国の2012年の調査によると、糖尿病有病数は2,900万人を超え、全人口の9.3%が糖尿病と推定されている。うち4分の1に相当する810万人が糖尿病と診断されておらず、治療も受けていない。

米国疾病管理予防センター(CDC)によると、糖尿病有病数は2010年の調査よりも300万人増えた。2012年に新たに糖尿病と診断された人の数は170万人だった。

さらに、20歳以上の3人に1人以上(37%)に相当する8,600万人が、糖尿病と診断されないが血糖値が正常値よりも高い「糖尿病前症」(Prediabetes)だ。その割合は、65歳以上の人の51%に相当するという。

糖尿病前症の人は、食事を見直して、運動を習慣として行い、体重を減らす対策をしないでいると、15~30%が5年以内に2型糖尿病を発症するとみられている。

子供や若者の糖尿病も増えている。年間に1型糖尿病と診断された患者数は1万8,436人で、2型糖尿病は5,089人だった。

2025年までに5人に1人が糖尿病を発症

糖尿病は、高血糖によってさまざまな合併症が引き起こされる「進行性の」病気だ。適切な治療を行わないでいると、心臓病、腎臓病、失明、下肢の切断など、深刻な健康上の問題が引き起こし、患者の生活の質(QOL)を著しく悪化させる。CDCによると、糖尿病は米国で7番目に死亡数の多い病気だ。

「有効な対策を行わず、このまま糖尿病有病者と予備群の数が増え続けると、2025年までに国民の5人に1人が糖尿病を発症することになります。そして2050年には3人に1人が糖尿病という事態になります」と、CDCの糖尿病部門のディレクターであるアン オルブライト氏は言う。

「健康な生活スタイルを選択することが、糖尿病を予防・改善するための最善の策であることは明らかです。食事や運動を見直すことは、糖尿病を指摘された全ての人に勧められます。飲み薬やインスリンなどによる治療法も進歩しています。糖尿病を早期に発見し、治療を中断しないことが望まれます」と、強調している。

糖尿病による経済的な負担も深刻で、2012年の米国の糖尿病の医療費は18.2兆円(1790億ドル)に上り、糖尿病による経済的な損失も合わせると、年間24.9兆円(2450億ドル)が失われているという。

英国の糖尿病有病率は7.3% 

健診で早期発見


英国でも糖尿病は増加している。英国民保健サービス(NHS)の調査によると、英国では320万人が糖尿病と診断されており、85万人が治療を受けていないという。

英国の2012年の糖尿病有病率は7.3%で、2030年までに8.8%に上昇するとみられている。

英国では、かかりつけ医師(GP:General Practitioner)が、あらゆる疾患の初期診察、治療を行う制度が確立している。

GPの指導のもと、国営健康保険に加入している40~74歳の人が血液検査などの健診を受けられる「NHSヘルスチェック」が普及しており、年間に130万人が健診を受けている。

英国では成人の35.3%が糖尿病前症とみられている。糖尿病前症を早い段階で発見し、食事や運動などの生活スタイルを見直し、肥満を是正することで、2型糖尿病の発症を防ぐことができる。

NHSによると、健診制度のおかげで年間4,000人の糖尿病と、1,600人の心筋梗塞と脳卒中を予防できているという。
Statistics About Diabetes(米国糖尿病学会 2014年6月10日)
"Third of adults in England" have pre-diabetes(英国糖尿病学会 2014年6月10日) 】



テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
向精神薬の副作用と糖尿病。守備範囲を超えています。
【14/06/27 糖質制限初心者

向精神薬の副作用と糖尿病についてご教示ください

江部先生

初めまして、いつもお世話になっております。

糖尿病の治療法を調べておりまして、先生のお名前を拝見しました。家族のことでご相談させていただきたく連絡させていただいた次第です。

実家(愛媛県宇和島市近郊)に今年60になる兄がおりまして、統合失調症との診断で40年治療を続けておりますがなかなか良くならず毎日大量の薬を服用している状況です。

そればかりか長年の薬の副作用か糖尿病の症状ほか強い喉の渇きが出始め大変心配しております。改善しないのは大量の向精神薬の副作用のように思えてなりません。

素人ながら処方量の上限いっぱいの量が長期間出されていることに強い疑問を持っております。

もし、可能でしたら実家近くで糖質制限と減薬のご指導いただける所をご紹介いただけないでしょうか。

長文失礼しました。
よろしくお願いします。】


糖質制限初心者 さん

宇和島市近くの医療機関は残念ながら知りません。

またこのご質問は私の守備範囲を超えた内容ですので明快な回答は困難です。

糖質制限食で、糖尿病はかなり改善する可能性が高いです。

精神症状も少しは良くなる可能性はありますが、大きな改善は困難と思います。

糖質制限食に関する質問についてですが、実際に高雄病院や江部診療所に来院されて診察した患者さんに対しては、医師としての責任・債務がありますので、個別に説明もしっかりさせて頂いていますし、経過もみます。

一方、ブログ読者の皆さんの質問に関しては、糖質制限食に詳しい医師として、無償で回答させていただいています。

診察もしておりませんし経過観察もできませんので、責任もとれません。

私の回答は、あくまでも一般論としての参考意見とお考え頂けば幸いです。

また、ブログ記事や本に関しても同様に、糖質制限食に関する一般論としての参考意見とお考え下さい。

従いまして、読者の皆さんが私の参考意見を読まれて、どのように利用されるかは、自己責任でよろしくお願い申し上げます。
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
日本病態栄養学会での能登氏の発言を批判する。
こんにちは

精神科医師Aさんから、大変興味深い情報をコメントいただきました。

2014/1/11
第17回日本病態栄養学会年次学術集会(大阪国際会議場)

合同パネルディスカッション1
「糖尿病の食事療法のあり方を巡って」 

において、パネリストの一人である能登氏は、2年間のDIRECT(*) 終了後、4年間のフォローアップの結果(**)について
「6年後には3群共ほぼベースラインの体重に戻っていた」と説明しました。

これに対してフロアから

「元論文では、地中海食群と炭水化物群では体重に有意な減少があったはず」

との質問がありました。

この質問に能登氏は、「Baselineの91kgより1kg程度の減少である」と返答しました。

この能登氏の説明も返答も、故意に歪曲・虚偽表現をしておられるとしか言いようがありません。

原著に『統計的に有意差がある』と明記してある事柄を、一読者である能登氏が『3群共ほぼベースラインの体重に戻っていた』と勝手に歪曲解釈をして、それを公的な学会の場で述べるとは、言語道断の暴挙と言えます。

DIRECT 終了後4年間のフォローアップ試験の結果ですが、低炭水化物群において、以下の如く、1.7kgの減少を6年後も維持しており、地中海食群と共に、統計的に有意差があります。

低脂肪食群だけが、0.6kgの減少で有意差がなくなっていました。


             Baseline     6年後
低脂肪食群      91.3kg  →  90.7kg (p<0.28)   0.6kgの減少 
地中海食群      91.1kg  →  88.0kg (p<0.001)  3.1kgの減少 
低炭水化物食群   91.8kg  →  90.1kg (p<0.02)   1.7kgの減少 

(*)
Iris Shai,et all:Weight Loss with a Low-Carbohydrate,Mediterranean,or Low-Fat Diet.
NENGLJ MED JULY17,2008、VOL359. NO.3 229-241
DIRECT(Dietary Intervention Randomized Controlled Trial)

(**)
DIRECT 終了後4年間のフォローアップ試験の結果
Iris Shaisi 氏
「この2年間の介入研究は、特に地中海食および糖質制限食食を摂取していた被験者には、部分的な体重増加を伴うものの、介入後も長期に続く好ましい効果があった」

江部康二

【 14/06/25 精神科医師A

能登氏の言い訳

2014/1/11 病態栄養学会(大阪)
合同パネルディスカッション1
「糖尿病の食事療法のあり方を巡って」

座長:宇都宮一典他
パネリスト:能登洋、幣憲一郎他

席上で、能登氏は、DIRECT試験について「6年後には3群共ほぼベースラインの体重に戻っていた」と説明した

質問が出た。「元論文では、地中海食群と炭水化物群では体重に有意な減少があったはず」

これに能登氏は、「Baselineの91kgより1kg程度の減少である」と返答した。

また宇都宮氏は「欧米人の肥満程度は強く、日本人にあてはめにくい」と付け加えた

 □

後で論文を読み返してみた。”1kg程度の減少”とは思えないが…


         Baseline   6年後
低脂肪群     91.3kg → 90.7kg (p<0.28)
地中海群     91.1kg → 88.0kg (p<0.001)
低炭水化物群   91.8kg → 90.1kg (p<0.02) 】


テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質制限の効果。スペインからのコメント。
【14/06/25 España

糖質制限の効果

江部先生
こんにちは。

以前に一度質問をさせて頂いたものです。
そのせつはありがとうございました。

糖質制限を始めてから3ヶ月半が経ちました。

3ヶ月辺りから、炭水化物中毒の禁断症状が出なくなってきました。(低血糖症状、怒りなど)

今あらためて、糖質制限に辿り着けたこと感謝しています。

現在31歳ですが、高校に入学した頃から体調がどんどん悪くなって行っていたように思います。

考えてみれば、中学校までは給食でおかずをしっかり食べていたのが、高校にはおにぎりやパン、コンビニのうどんなどを毎日持って行っていましたので、体調が悪くなって当たり前だと思いました。

体調不良の症状としては、低血糖、イライラ、気分の浮き沈み、自責の念、疲労感、アトピー、掌蹠膿疱症、目の疲れ、唇の荒れがありました。

アトピーは、まだ野菜を食べ過ぎたり、甘い野菜を取るだけでふわっと痒くなりますが外側は完全にクリア、掌蹠膿疱症はものすごくゆっくりではありますが確実に改善の方向、他の症状は嘘のように消えました。

まるで別の身体を手に入れたように毎日元気で、楽しいです。
これが健康なんだと。
過去の辛さ思い出すと涙が出ます。

スペイン在住で、周りに糖質制限を理解してくれる人は殆どおらず、説明しても変な顔をされるばかりですので、ただただ自分が元気になって行く姿を見てもらうことにしました。

ここに書かせていただいたのは、他にも実は私のように長年解決出来ていない体調不良で悩んでいる方がいるんじゃないかと思い、そういうかたの励みになればと思ったからです。

そしてあらためて、こうして日々ブログを綴って勇気づけて下さる先生に感謝いたします。

糖質制限が日本だけでなく、世界中に広まり、より多くの人がそれぞれのベストな状態に戻ることが出来ますように。】


こんにちは。

スペイン在住のEspañaさんから、
糖質制限食で、
「低血糖、イライラ、気分の浮き沈み、自責の念、疲労感、アトピー、掌蹠膿疱症、目の疲れ、唇の荒れ」
が改善という、とても嬉しいコメントをいただきました。
大変参考になります。
ありがとうございます。

Españaさんが仰有るように、原因不明の体調不良で悩んでいる人において、糖質の頻回・過剰摂取がその元凶である可能性があります。

勿論みんながみんなということではありませんが、糖尿病がない人においても、糖質摂取による食前・食後血糖値の乱高下とインスリンの過剰分泌が、様々な不定愁訴を引き起こしている可能性があるのです。

このようなとき、スーパー糖質制限食を実践して試してみる価値は充分あると思います。

万一、症状改善がなければ元の食事に戻せばいいだけです。

糖尿病、肥満は勿論のこととして、偏頭痛、ニキビ、逆流性食道炎が、スーパー糖質制限食で劇的に改善することが多いのは周知のことです。

アトピー性皮膚炎、気管支喘息、花粉症などアレルギーが関与する病気もスーパー糖質制限食でよくなることが多いです。
尋常性乾癬や掌蹠膿疱症も良くなることが多いです。

Españaさんのように、イライラ、気分の浮き沈み、自責の念、疲労感、目の疲れ、唇の荒れ・・・といった不定愁訴も改善することもありますので、スーパー糖質制限食、一考の価値ありですね。


江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
スーパー糖質制限食と動脈硬化、骨粗鬆症、中性脂肪、糖新生
【14/06/24 あーちゃん

教えてください 糖新生は悪なのか?

「新しい創傷治療」ブログから 釜池先生のお考えが載っておりました。

 「江部式糖質制限」なら骨粗鬆症も動脈硬化も加速する危険性があります.その理由は、江部式では「ブドウ糖」から「ケトン体」への「エネルギー基質の転換」が起こらないからです.(むしろエネルギー代謝が「フシゼン」なまま、と言ったほうが良い)

ブドウ糖を主たるエネルギー源としたままで、ブドウ糖の元である「糖質(正しくはトーシツ)」の摂取を減らせば、アミノ酸からの糖新生を増やさざるを得ず、その結果、たんぱく質の不足が生じます.たんぱく質の不足が、筋肉量、骨量の減少を生みます.

血中脂質の処理能力が低下している(脂肪組織のLPL活性が低下)状態で、「ある量以上」の糖質を摂取すれば、摂取した脂質(中性脂肪)の処理は激減します.それが脂質異常症です.

糖質摂取を制限して(減らして)、かつ、摂取エネルギーを消費量に見合うだけ確保するには、脂質摂取の増加が必須です.
「糖質制限」では、脂質摂取量が増え、なおかつ、「ある量以上」の糖質を摂取します.脂質異常症が進行してもおかしくありません.」

私、アホなんでよく理解できなくて。糖新生はステキ!と思ってましたが・・なんのことやら・・申し訳ないです。何がいけないのか・・それとも大丈夫なのか教えてください。】


あーちゃんから「江部式糖質制限」に対する批判について、コメントいただきました。

あーちゃん、結論から言いますが、高雄病院方式のスーパー糖質制限食実践で何の問題もないです。

以下は、2002年からスーパー糖質制限食を実践している私の最近の検査データです。

<江部康二の検査データ>
2014年4月12日(土)
空腹時血糖値:108mg 
HbA1c:5.7%(6.2未満、NGSP)
ケトン体:1146μM/L(26~122) 糖質制限食中は生理的で正常値
アセト酢酸:179μM/L(13~69)
3ヒドロキシ酪酸:967μM/L(76以下)

尿酸:3.5mg/dl(3.4~7.0)
TC:248mg/dl(150~219)
TG:56mg/dl(50~149)
HDL-C:107mg/dl(40~98)
LDL-C:129mg/dl(140未満)
BUN:21.0mg/dl(8~20)
クレアチニン:0.69mg/dl(0.6~1.1)

IRI:5.0(3~15μU/ml)
γGTP:31IU/L(48以下)
GOT:19IU/L(9~38)
GPT:18IU/L(5~39)
アルブミン:4.5g/dl(3.8~5.3)

尿中アルブミン:6.0mg/g・c(30.0未満)
尿蛋白:陰性
尿糖:陰性
尿中アセトン体:陰性


上述のように私の血中ケトン体値は、基準値よりはるかに高値で、脂肪酸-ケトン体エネルギーシステムが有効に働いています。

2002年糖尿病が発覚したとき、腹囲86cm、内臓脂肪CT127cm2 、高血圧などメタボの診断基準を全て満たしていましたが、半年のスーパー糖質制限食実践で、10kgの減量に成功し、全ての検査データが正常値となりました。

脂肪酸-ケトン体エネルギーシステムが活性化して、脂肪がどんどん燃焼して57kgと学生時代の体型に戻り、2014年現在も維持しています。

中性脂肪も、勿論正常値であり、かなり低めの方です。

1/1~2週、ですがテニスもしていますし、トレーニングとか鍛えてないわりには、筋力もまあまああり、歩くのもかなり早い方で、階段はたいてい走って登っていますよ。

スーパー糖質制限食なら、タンパク質も充分量を摂取するので、肝臓が糖新生しても、タンパク質不足になることはなく、筋肉の量も維持できます。

従って、骨粗鬆症の心配もありませんし、糖新生はステキなのです。

スーパー糖質制限食なら「脂肪酸-ケトン体エネルギーシステム」が活性化して、脂肪がどんどん燃焼するので、肥満の人は適正体重に改善します。

スーパー糖質制限食をきっちり実践している場合、ほとんどの人が、私のと同様のデータとなります。

これで、あーちゃんの心配は、払拭できましたでしょうか?

なお糖新生に関して、詳しい説明は、2011年05月28日 (土)の本ブログ記事

「脂肪分解と糖新生と糖質制限食」

をご参照いただけば幸いです。

<スーパー糖質制限食実践時の検査データの推移>

①血糖値は糖質制限食実践時にリアルタイムに改善します。
②スーパー糖質制限食なら、HbA1cは月に1~2%改善します。
③中性脂肪も速やかに改善します。
④HDL(善玉)コレステロールは増加しますが、増加の程度と速度に個人差があります。
⑤LDL(悪玉)コレステロールは低下・不変・上昇と個人差があります。
 上昇した人も半年〜1年くらいで落ち着くことが多いですが、個人差があります。
⑥総コレステロールは、低下・不変・上昇と個人差があります。
 上昇した人も半年〜1年くらいで落ち着くことが多いですが、個人差があります。
⑦尿酸も低下・不変・上昇と個人差があります。
 上昇した人も半年〜1年くらいで落ち着くことが多いですが、個人差があります。
⑧尿素窒素はやや増加傾向になる人が多いですが、そのうち落ちつくことが多いです。
⑨クレアチニンは不変です。
⑩カリウムも不変です。
⑪血中ケトン体は基準値より高値となりますが、生理的なもので心配ありません。
⑫尿中ケトン体は当初3カ月〜半年は陽性になりますが、その後陰性になることが多いです。
⑬脂肪肝に付随するGPTやγGTP値も改善します。

LDLコレステロール・総コレステロールに関して「低下・不変・上昇」と個人差があるのですが、糖質制限食開始前に菜食中心で食材のコレステロールが少ない場合、肝臓でコレステロールをつくる能力が高まっています。

そういう場合糖質制限食で肉や卵などコレステロールの多い食材を摂取すると、一過性にLDL-コレステロール値が高くなりますが、半年~1年~2年で落ち着くことが多いです。

このように、スーパー糖質制限食実践で、動脈硬化のリスク要因とされていた

「血糖、HbA1c、中性脂肪、HDL-コレステロール、LDL-コレステロール」

全てのデータが改善しますので動脈硬化の予防も期待できます。

従って、スーパー糖質制限食の長期予後も、良いと考えられます。


江部康二


テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
『炭水化物制限の方が総カロリー制限より減量効果が大きい。○か×か?』
【14/06/23 福助

追加です

件の能登氏のネット連載記事ですが、他に、

『炭水化物制限の方が総カロリー制限より減量効果が大きい。○か×か?』

→「×」。
①2008年、イスラエルから発表された「炭水化物制限食」「脂質制限食」「地中海式食」の3群による減量効果の比較試験の結果について、
・炭水化物制限食を1年以上継続できた人が約80%しかいなかった。
・3群の中で炭水化物制限食群の総カロリーが最も低かった(論文発表後に指摘されたため別報にて開示)。※1
・その後発表された続報では、6年後には3群共ほぼベースラインの体重に戻っていた。※2

②06年に発表されたメタアナリシスでは、脂質制限食と比較して炭水化物制限食は開始後6カ月までは有意な体重減少をもたらすが、継続率は50~70%で、1年後には有意差は消失することが報告された。※3

③総カロリーは同じだが、炭水化物、蛋白質、脂質の構成比率が異なる食事による減量効果の比較試験が09年に米国から発表されたが、その結果は高炭水化物摂取群と炭水化物制限群では2年後の減量効果に有意差を認めなかった。※4

④他の研究でも、総カロリー制限の方が、炭水化物や脂質を制限するよりも減量において重要であることは示されている。※5

とのことです。

何かまた都合の良いことだけを取り上げているようなきな臭さ。。。

無理やり自ら望む結論へと導いているように感じるのは私だけでしょうか?


※1 Moller K, Krogh-Madsen R. Weight loss with a low-carbohydrate, Mediterranean, or low-fat diet. N Engl J Med. 2008;359:2170; author reply 1-2.
※2 Schwarzfuchs D, Golan R, Shai I. Four-year follow-up after two-year dietary interventions. N Engl J Med. 2012;367:1373-4.
※3 Nordmann AJ, Nordmann A, Briel M, et al. Effects of low-carbohydrate vs low-fat diets on weight loss and cardiovascular risk factors: a meta-analysis of randomized controlled trials. Arch Intern Med. 2006;166:285-93.
※4 Sacks FM, Bray GA, Carey VJ, et al. Comparison of weight-loss diets with different compositions of fat, protein, and carbohydrates. N Engl J Med. 2009;360:859-73.
※5 Foster GD, Wyatt HR, Hill JO, et al. Weight and metabolic outcomes after 2 years on a low-carbohydrate versus low-fat diet: a randomized trial. Ann Intern Med. 2010;153:147-57. 】



こんにちは。

福助さんから
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/series/noto/201307/531703.html
2013/7/23のm3.comの能登洋氏の記事
『炭水化物制限の方が総カロリー制限より減量効果が大きい。○か×か?』

についてコメントをいただきました。

福助さんのご指摘通り、能登先生、かなり意図的に、論文の結論をねじ曲げてます。

科学者としてフェアではないです。

①は
イスラエルのIris Shai先生の論文(ニューイングランド・ジャーナル掲載)
DIRECT(Dietary Intervention Randomized Controlled Trial)についてです。
Iris Shai,et all:Weight Loss with a Low-Carbohydrate,Mediterranean,or Low-Fat Diet.
NENGLJ MED JULY17,2008、VOL359. NO.3 229-241

DIRECTの結論は、

イスラエルの322人(男性86%)
(1)低脂肪食(カロリー制限あり)女性1500kcal、男性1800kcal
(2)オリーブ油の地中海食(カロリー制限あり)女性1500kcal、男性1800kcal
(3)低炭水化物食(カロリー制限なし)
3群の食事法を2年間実施。
低炭水化物食が、最も体重減少し、HDL-Cも増加。
36名の糖尿病患者において低炭水化物食群だけがHbA1cが有意差をもって改善。

です。

糖質制限群は、最初の2ヶ月は20g/日に糖質を制限、その後3ヶ月目からは徐々に緩めて120g/日までOKと設定しています。

しかしながら、6ヶ月後、12ヶ月後、24ヶ月後、40~41%の糖質を摂取しています。

つまり、このDIRECT論文も、糖質40%の糖質制限食群(中糖質群)と糖質約50%の低脂肪食群、地中海食群(高糖質群)を
比べた研究ということになります。

それで女性1500kcal、男性1800calのカロリー制限ありの他の2群に摂取カロリーを合わせてみると糖質制限食群でも、女性で150g/日、男性で180g/日の炭水化物を摂取していたことになります。

高雄病院のスーパー糖質制限食とは、3ヶ月以降の糖質摂取量が異なる研究です。

それでは、能登氏のいうDIRECTの問題点を検証してみます。

能登氏

『まず、炭水化物制限食を1年以上継続できた人が約80%しかいなかった点である。』


この点に関しては、以下の精神科医医師Aさんのコメント(13/07/26)があります。

「原文のFig.1をよく読んでみよう


-----低脂肪食-地中海食-低炭水化物食

開始時---104---109----109名

06か月---104---107----105

12か月---100---105----102

18か月---096---096----089

24か月---094---093----085

http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa0708681#t=article

ごらんのように、炭水化物制限食を1年間継続できた人が約93.5%、1年6ヶ月継続できた人が約81.7%、2年間継続できた人が約78.0%であった。

能登氏の文章表現は疑問である。」


精神科医師Aさん、ありがとうございます。

ご指摘通りと思います。

能登氏

『3食群間で総カロリーが異なっており,糖質制限食の総カロリーが最も低かったため,減量効果が糖質制限によるものなのか総カロリー制限によるものなのか結論づけることができない。』


これは、不思議です。論文をきっちり読まれたのでしょうか?

この表現は誤解としか言いようがありません。

まずベースラインの総摂取カロリーや、タンパク質・脂質・糖質摂取組成は、無作為割り付け試験ですので基本的に同一で、それが出発点です。

原著の論文には、試験開始後3群とも、出発点のベースラインからは、日々の摂取カロリーが、6ヶ月後、12ヶ月後、24ヶ月後と全て、有意に減少しています。

そして、ベースラインからのカロリー減少幅に、3群で有意差はないということが明記してあります。

つまり、原著において、著者が総摂取カロリーに有意差がないと明記しているのを無視して

「3食群間で総カロリーが異なっており,糖質制限食の総カロリーが最も低かった」

と能登先生が述べておられるのは、いくら何でも著者のShai先生に失礼だと思います。

それから、低脂肪食と地中海食は女性1500kcal、男性1800kcalというカロリー制限があったのに対して、糖質制限はカロリー無制限というハンディキャップがありました。

それにも関わらず、糖質制限食群の場合も他の2群と同等の摂取カロリー減が認められたのは一見不思議です。

理由があるとすれば、満足感の高い食事であったので多くのカロリーを摂取する必然性がなかったということでしょうか。

これは、あくまでも仮説ですが、糖質制限食の一つの利点と言えるかもしれません。

高タンパク・高脂質食では、満足感が高いので、食後の空腹感が生じにくくなり、自然に摂取カロリーが減少するという研究報告もあります。



能登氏

『その後発表された報告では,6年後には3食群ともほぼベースラインの体重に戻っていた。』


これも、結論をねじ曲げた表現でフェアではありません。

「DIRECT 後の4年間のフォローアップ研究」が実施され、6年後も、体重減少の幅は小さくなりましたが、糖質制限食と地中海食では体重減少に関してまだ統計的有意差を保っていました。

統計的有意差があるのを無視して、3群とも一緒くたにするのは、能登先生、如何なものでしょう。

歪曲・虚偽表現と言われてもしかたがないと思います。

唯一脂質制限食だけが、6年後には体重減少の有意差が無くなっていました。

ただ有意差はあったのですが、一旦減った体重が一定リバウンドしたのは、スーパー糖質制限食のように、糖質12%で継続せずに、40%くらい摂取したためと思われます。

スーパー糖質制限食ならリバウンドしません。

同じ論文を読んで、能登先生がこのような歪曲した解釈を、日経メディカルに載せられたことは、極めて残念です。

次に③です。
能登氏

『総カロリーは同じだが、炭水化物、蛋白質、脂質の構成比率が異なる食事による減量効果の比較試験が09年に米国から発表された。その結果は、高炭水化物摂取群と炭水化物制限群では2年後の減量効果に有意差を認めなかったというものだった(図4)8)。』


この引用論文は、

2013年7月31日(水)の本ブログ記事
「日本医事新報、能登氏の論文で引用されている論文の検証」

で批判したものです。

この能登氏が引用したSacksらのニューイングランド・ジャーナル掲載の論文は、デザイン的に途中から破綻しており、結論はかなり無理があり、信頼度も低いものです。

詳しくは2013年7月31日(水)の本ブログ記事をご参照いただけば幸いです。

ニューイングランド・ジャーナルのような有名医学雑誌でさえも、このような「歪曲論文」が掲載されるのですから、私達読者は、「要約」だけでなく「本文」をちゃんと読んでからでないと信用できないので、注意が必要ということですね。




江部康二



テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質オフあんぱん新発売のお知らせ。
こんにちは。

私が監修している糖質制限ドットコムの姉妹サイト、

やせる食べ方ドットコム
http://www.yaserutabekata.com/

から、糖質オフあんぱんが新発売となりました。

あんぱん2

エリスリトールで炊いたつぶあんを、特性の糖質制限パン生地で包んだあんぱんです。

通常のあんぱんと違い、薄皮タイプのあんぱんですので、かなりあんこのボリュームがあります(^^)

あんぱん1

特製の糖質オフあんこを、50g!も使っており、とても満足感があります(^O^)

私は、一つ食べると十分満腹になります(^_^;)

ちゃんと小豆を使って粒あんを作っていますので、若干糖質は多くなりますが、通常のあんぱんと変わらない味と食べごたえなのが嬉しいです(^^ゞ

糖質オフあんぱん1個あたりの糖質量は約8gですから、1個食べると2型糖尿人の血糖値が約24mg/dlの上昇になる計算です。

この程度ですと、空腹時が100mg/dl くらいの糖尿人でしたら、食後血糖値が130mg/dl以内に納まりますので、間食に食べてもらうのに良いかも知れません。

もちろん、糖尿人以外の糖質セイゲニスト、ダイエッターやメタボ人の皆さんには、安心の糖質量ですね(^_^)

見た目も可愛いですし、普通のあんぱんと全く変わりません。

あんぱん3

たっぷり特製の糖質制限あんこが入った、ボリュームたっぷりの糖質オフあんぱん、糖質セイゲニストの皆さんに是非ともオススメ致します。

江部康二

詳細&お買い求めはコチラからどうぞ!
↓    ↓    ↓
糖質オフあんぱん
http://www.yaserutabekata.com/shop/bread_anpan.php



テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
「糖質制限食一般向け講演会 in 米子」2014年6月29日(日)
こんにちは

ブログ読者の皆さんには、交流会、講演会などいつも多数ご参加いただきありがとうございます。

今回の記事は、
鳥取県米子市で、初めての一般向け糖質制限食講演会のご案内です。
書籍販売もあります。

2014年6月29日(日)
13:30~ 講演会
     講演75分+質疑応答25分

質疑応答の時間もたっぷり取ります。

糖質過多な現代の食生活。

それによって引き起こされる糖尿病など生活習慣病の数々。

「糖質摂取が何故良くないか」そのメカニズムわかりやすく説明し、対して人類本来の食事といえる糖質制限食の有効性と可能性について具体的にお話しします。

そして糖尿病患者さんの血液検査データも豊富に紹介します。

同一摂取カロリーで揃えた「従来の糖尿病食 VS スーパー糖質制限食」の血糖値の日内変動データ比較は圧巻です。

食後高血糖と平均血糖変動幅に関しては、糖質制限食の圧勝で、その差は「月とスッポン」です。

米国糖尿病学会が、2013年10月の「栄養療法に関する声明」において、糖質制限食も正式に容認しました。

日本における糖質制限食の普及においてこの上ない追い風です。

お近くの方々は是非ご参加くださいね。

米子では、提携医療機関がまだないので、糖質制限食に興味ある医師のご参加も歓迎です。

医師の方は、前もって主催の(有)ナイスさんいんまでご連絡頂ければ助かります。

よろしくお願い申し上げます。


江部康二


☆☆☆
ナイスさんいん創立10周年特別企画講演会
「糖質制限食の有効性・可能性 ~糖尿病・メタボ・生活習慣病・がん・・・~」

■日程: 6月29日(日曜日)
■時間: 13:00より受付、13:30より開始
■会場: 米子全日空ホテル
 鳥取県米子市久米町53番2号
 http://www.anahotel-yonago.com/access/index.html

■受講費:一般¥3,000
■問い合わせ先:(有)ナイスさんいん 0859-27-3599

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
ターザン2014.6.26の記事、能登氏論述への反論。
【14/06/19 名古屋・h

能登洋先生の糖質制限中傷記事

江部先生こんばんわ。

「長期の糖質制限で死に至る!?こんな研究結果もあるのだ。」
「糖尿病予防効果には疑問符も。」

こんな見出しで記事を書くことは異常、国立病院の医長としては失格、曲学阿世の徒と言われても仕方がないと思います。

国立国際医療研究センタ-病院、糖尿病内分泌代謝科医長、能登洋先生がTarzan(タ-ザン)と言う雑誌、6月26日(No.651)号、19ペ-ジに書かれた記事です。

「長期の糖質制限で死に至る」の欄では、最低糖質摂取率群(30~40%)と最高摂取率群(60~70%)を比較すると前者の死亡率が1.3倍高い。Lagiou,2007,Nilsson,2012など4つの研究名が記されている。

ス-パ-糖質制限の糖質摂取は12%なので、この研究の範囲外であるが、研究結果と見出しには大きな差があり、読者に著しい誤解を与え、悪意さえ感じられる。

「糖尿病の予防効果には疑問符も。」の欄では、低脂質、地中海式、糖質制限の各ダイエットの体重変化のグラフが示されているのと、「私どもの最近の研究では、糖質制限で糖尿病の発症率は増えてもいないし減ってもいないことが判明した。つまり糖尿病に対して著しく予防効果があるとは言い難いのでは、」と述べておられるのみである。

グラフはそれを示していないし、能登先生の最近の研究結果も示されていないので、やはり不適切な見出しと言わざるをえない。

タ-ザンは筋トレなどを扱う若者向けの雑誌ですが、このような記事を載せることは医者として不適切と思います。

能登見解について、江部先生のご意見をお聞かせいただければ幸いです。

名古屋・h】


名古屋・hさんから
能登洋氏がTarzan(タ-ザン)、6月26日(No.651)号、に書かれた記事についてコメント・質問をいただきました。

能登氏の論述の根拠は、信頼度の低い論文によるものです。

従って、ターザンの記事も全く信頼に値しません。

ニューイングランド・ジャーナルに掲載された信頼度の高い論文の結論は

「低炭水化物食に冠動脈疾患リスクなし。高炭水化物食にリスクあり。」

です。

以下、検証してみます。

1)
能登氏のあげる糖質制限食に否定的な論文ですが、例えば、以下のLagiouの論文は極めて信頼度が低いもので、世界中から批判が相次いで賛成のコメントは皆無という曰くつきのものです。

BMJ 2012;344:e4026 doi: 10.1136/bmj.e4026 (Published 26 June 2012)
Pagona Lagiou et all:
Low carbohydrate-high protein diet and incidence of
cardiovascular diseases in Swedish women:
prospective cohort study


Lagiouの論文に関しては、能登氏の所属する国立国際医療研究センタ-病院の以下のサイトでさえも、信頼性が低い可能性を示しています。

http://www.ncgm-dmic.jp/public/articleInfoDetail.do?articleInfoId=504

自分の所属する病院のサイトで、信頼度が低い可能性があると指摘しているような論文を、糖質制限食を批判する根拠にしていること自体、矛盾でありお気の毒です。


2)
日本糖尿病学会編集の「科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン2013」のエビデンスレベルは、レベル1、2、3、4というランクで評価してあります。

日経メディカルWebサイトの連載:糖尿病治療のエビデンス

2013. 6. 26第2回低炭水化物食を続けると、死亡リスクが増える。○か×か?
http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/mem/pub/series/noto/201306/531241.html

という能登氏自身が解説した記事があります。

その中で、能登氏は以下の自分自身の論文に関して、エビデンスレベル3と低レベルであることを認めています。

また、上述のLagiouの論文(極めて信頼度が低い)のデータを、自分の論文の統計データに加えています。

この時点で能登氏の論文の信頼も地に落ちたと言えるでしょう。

Noto H, Goto, et al. Low-carbohydrate diets and all-cause mortality: a systematic review and meta-analysis of observational studies. PLoS One.2013;8(1):e55030.

エビデンスレベル3の研究を根拠に、「長期の糖質制限で死に至る!?こんな研究結果もあるのだ。」などど扇情的な表現を許容するのは、科学者の態度とは言えません。

通常は、エビデンスに基づくという表現をする際は、エビデンスレベル1か2を指します。

能登氏
「今回の解析はさまざまな理由で炭水化物摂取量が低かった人達の観察研究の結果であり、管理された低炭水化物食による介入研究の結果ではないため、確固たる結論を出すことはできない(表2のエビデンス水準の3に相当)。」


能登氏は、医学サイトでは自分で「確固たる結論を出すことはできない」と言いながら、マスコミに登場するときは、まるで確固たる結論のような言い方をして、一般大衆を騙して扇動するような態度をとっているのは、科学者としてフェアとは言えません。

3)
糖質制限食の長期予後の経過ですが、ハーバード大学の研究で、ニューイングランド・ジャーナルに掲載された「82,802人、20年間」という信頼度の高いものがあります。

Halton TL, et al. Low-carbohydrate-diet score and the risk of coronary heart disease in women. New England Journal of Medicine 2006;355:1991-2002.

この信頼度の高い論文の結論は、82,802人、20年間の研究において
「低炭水化物食に冠動脈疾患リスクなし。高炭水化物食にリスクあり。」
です。

4) 

信頼度の低いLagiouの論文(1)と信頼度の高いHaltonの論文(3)の詳しい解説は、

2012年09月17日 (月)の本ブログ記事
「低炭水化物食に冠動脈疾患リスクなし。高炭水化物食にリスクあり。」

をご参照頂けば幸いです。


5)
能登氏
「私どもの最近の研究では、糖質制限で糖尿病の発症率は増えてもいないし減ってもいない。」


能登氏の研究は知りませんが、厚生労働省が発表した、「国民栄養の状況」「日本における糖尿病患者数の推移」という公的なデータがあり、誰でもネットで見ることができます。

厚生労働省のデータを見ると、実は1997年以降ずっと増え続けいた炭水化物摂取比率が、2008年から2010年にかけて、60.4%から59.4%と、1%減っています。

そして、1997年以降ずっと減少傾向だった脂質摂取比率が、2008年から2010年にかけて、24.9%から25.9%と、1%増えているのです。

そして、これを受けて、20007年から2012年にかけて糖尿病の増加が急減して、糖尿病予備群は220万人も減少しているのです。

まさに、「糖質摂取比率が減って、脂質摂取比率が増えて日本の糖尿病増加が急減して、予備軍にいたっては戦後初めて減少した」のです。

詳しくは、
2014年01月26日 (日)の本ブログ記事
「炭水化物摂取比率が減少して、糖尿病の増加が急減し、 糖尿病予備軍は減少。」
をご参照いただけば幸いです。

結論です。

1)2)3)4)5)より糖質制限食の長期安全性は、信頼度の高い論文で担保されていて、「糖質摂取が減れば糖尿病が減る」という厚生労働省の信頼度の高いデータがあります。



江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
モリドル アルベキーナオリーブ デリカテッセン 新発売のお知らせ
おはようございます。

あらてつさんの糖質制限ドットコムから、糖質制限食にピッタリの新しい商品が発売されました。

アルベキーナ

モリドル アルベキーナオリーブ デリカテッセン
http://www.toushitsuseigen.com/products/detail88.html

糖質制限食を実践していて、取り敢えず困るのが調味料。

市販の調味料は、砂糖が大量に入っているものが多いので、糖質制限食には向きません。

ですから自ずと塩だけの味付けになるのですが、私の患者さんも、塩味ばかりで飽きてくると口をそろえておっしゃいます(^_^;)

糖質制限ドットコムでは、糖質制限ケチャップに糖質制限ウスターソース、糖質制限とんかつソースに糖質制限お好みソース、糖質制限焼き肉のタレ、糖質制限だし醤油、糖質制限ドレッシング、糖質制限ぽん酢二種類と、糖質制限食対応の調味料を揃えてくれてますが、たまには違った味も楽しみたいものです。

そこであらてつさん、今回スペインからこのようなものを輸入しました。

アルベキーナ塩

オリーブの入った塩だそうです。

解説によりますと、

「世界的に有名なミシュランスターのシェフ達が使うAñanaの塩。

工業的なプロセスを一切省き、伝統的な技法によってのみ結晶化されるAñanaの塩は、ミネラルや微量元素に富み、あらゆる食材の風味を引き立ててくれます。

そのAñanaの塩に、最適な熟度で収穫したアルベキーナオリーブを合わせました。

ミネラルに富むAñanaの塩とアルベキーナオリーブの風合いは格別で、牛肉、豚肉、鶏肉、魚介類、野菜など、料理の種類を選びません。」


私の行きつけのスペイン料理屋、カフェ・ハルディンさんでも、このオリーブ塩を使っていますが、ただ単にこれまで塩コショウで食べていたお肉が、いきなり違う料理になるくらい味と雰囲気が変わります(^O^)

お肉だけではなく、魚やサラダにかけても、これまでとは全く違う風味になるので、とても気に入りました(^O^)

しかも、基本的に塩なので、パラパラっとかけるだけ。

面倒くさがりの私にもピッタリの調味料です(^_^;)

「糖質制限で使える調味料がない」とお嘆きの糖質セイゲニストの皆さんに、是非ともお勧めですね。

次にご紹介するのは、アルベキーナペースト。

アルベキーナペースト

アルベキーナの実を磨り潰し、塩で味を整えてエクストラバージンオリーブオイルとセイボリーで風味付けした以外、一切無添加アルベキーナ100%のペーストだそうです。

あらてつさん曰く、

「バルセロナでスライスしたパンにこのペーストを塗って、アンチョビとトマトをトッピングしたものを良く見かけました。」

とのことなので、カフェ・ハルディンの宮本マスターに、糖質制限パンで作ってもらいました。

とっても美味しかったです(^O^)

欠点は、ワインが進んでしまうことですね(^_^;)

左党の糖質ニストには、たまらない食材だと思います。

もちろん、普通に料理に使ってもらっても大丈夫です。

宮本マスター曰く

「肉を焼いて塗っても美味しいですよ」

と作って下さいました。

肉2

奥のパンは、先程の美味しい糖質制限パンにペースト塗って、アンチョビとトマトを乗せたものですね。

とても美味しかったですよ(^O^)

料理好きの皆さんにも、是非お勧めします(^_^)

次も、ワインのおつまみにピッタリの商品です。

オリーブの実

オリーブの実ですね。

家に帰って、ワイン片手に食べだしたら、止まらなくなります(^_^;)

焼酎にもとても良く合いますよ。

びん詰のオリーブの実っていろんな種類が出てますが、私はこのアルベキーナオリーブが一番美味しいかなと思いました。

アルベキーナオリーブの実は、他のオリーブに比べて小ぶりで、味がギュッと濃縮されている気がします。

モリドル社のアルベキーナオリーブのオリーブオイルがあれだけ美味しいのですから、実が美味しくないはずがないですね。

定番のワインのおつまみはもちろん、料理に添えたりサラダに混ぜてもらってもいいです。

アルベキーナの実は調味料とは違いますが、糖質制限食のメニューの幅を広げてくれること間違いなしなので、糖質セイゲニストの皆さん、是非ともお試しください\(^o^)/

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糖質制限ドットコムは、糖質制限食の第一人者、高雄病院、江部康二先生監修による糖質オフな食材を販売、糖質制限食に取り組む皆様をサポートします。





江部康二



テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
まず炭水化物を制限、それでもコントロールできなければSGLT2阻害薬を考慮
【14/06/18 精神科医師A

SGLT2阻害薬(1)
Medical Tribune 2014年5月8日号
p. si-8~9
糖尿病特集
治療のパラダイムシフト−新規薬剤をどう位置付け使っていくか

植木浩二郎氏 東京大学大学院分子糖尿病科学講座特任教授

これまでにない機序を持つSGLT2阻害薬。この春から臨床導入されるが,では,これをどう評価し,使っていけばよいのか

植木氏は「治療の選択肢が増えることは歓迎したい。しかし,SGLT2阻害薬の位置付けはこれから。当面は,肥満があり比較的若い糖尿病患者が適応になるだろう」と受け止める

また,その使い方については「血糖値が上がるのは糖分の取り過ぎが一因。したがって,まず食事療法で炭水化物を制限する。それでも血糖をコントロールできない場合,この薬の投与を考えるのが望ましい」と語る】


精神科医師Aさんから
とても興味深い情報をコメントいただきました。
ありがとうございます。

「血糖値が上がるのは糖分の取り過ぎが一因。したがって,まず食事療法で炭水化物を制限する。それでも血糖をコントロールできない場合,この薬の投与を考えるのが望ましい」

植木浩二郎先生、素晴らしいご発言です。

2013年1月13日(日)京都国際開会で開催された、第16回日本病態栄養学会年次学術総会のMeet the ExpertⅡ-2というセッションにおいて、東大糖尿病・代謝内科の植木浩二郎先生は

『脳はケトン体も利用できる』
『脂肪摂取率 25%未満でなければならないということに科学的根拠はない』
『蛋白質摂取量も体重基準で推奨しているが,これも科学的根拠はない』
『カロリー制限食に糖尿病患者の寿命を延長させるというエビデンスはない』

ということを、淡々と発言しておられました。

これらの科学的真実を普通に語るということは、今の糖尿病学会では結構難しいことなので、大変共感を覚えました。

今回のMedical Tribune 2014年5月8日号における

「血糖値が上がるのは糖分の取り過ぎが一因。したがって、まず食事療法で炭水化物を制限する。それでも血糖をコントロールできない場合,この薬の投与を考えるのが望ましい」

という植木先生のご発言も、ニュートラルで信頼できるものです。

植木先生のような考えの糖尿病専門医が増えれば、現行の<カロリー制限食(高糖質食)+薬物療法>により、合併症に苦しむ糖尿人が激減すると思います。


江部康二

テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
「糖質制限食一般向け講演会 in 米子」2014年6月29日(日)
こんにちは

ブログ読者の皆さんには、交流会、講演会などいつも多数ご参加いただきありがとうございます。

今回の記事は、
鳥取県米子市で、初めての一般向け糖質制限食講演会のご案内です。
書籍販売もあります。

2014年6月29日(日)
13:30~ 講演会
     講演75分+質疑応答25分

質疑応答の時間もたっぷり取ります。

糖質過多な現代の食生活。

それによって引き起こされる糖尿病など生活習慣病の数々。

「糖質摂取が何故良くないか」そのメカニズムわかりやすく説明し、対して人類本来の食事といえる糖質制限食の有効性と可能性について具体的にお話しします。

そして糖尿病患者さんの血液検査データも豊富に紹介します。

同一摂取カロリーで揃えた「従来の糖尿病食 VS スーパー糖質制限食」の血糖値の日内変動データ比較は圧巻です。

食後高血糖と平均血糖変動幅に関しては、糖質制限食の圧勝で、その差は「月とスッポン」です。

米国糖尿病学会が、2013年10月の「栄養療法に関する声明」において、糖質制限食も正式に容認しました。

日本における糖質制限食の普及においてこの上ない追い風です。

お近くの方々は是非ご参加くださいね。

米子では、提携医療機関がまだないので、糖質制限食に興味ある医師のご参加も歓迎です。

医師の方は、前もって主催の(有)ナイスさんいんまでご連絡頂ければ助かります。

よろしくお願い申し上げます。


江部康二


☆☆☆
ナイスさんいん創立10周年特別企画講演会
「糖質制限食の有効性・可能性 ~糖尿病・メタボ・生活習慣病・がん・・・~」

■日程: 6月29日(日曜日)
■時間: 13:00より受付、13:30より開始
■会場: 米子全日空ホテル
 鳥取県米子市久米町53番2号
 http://www.anahotel-yonago.com/access/index.html

■受講費:一般¥3,000
■問い合わせ先:(有)ナイスさんいん 0859-27-3599




テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
メトホルミン不応例への二次治療,優先すべきはインスリンかSU薬か
こんにちは。

MT Pro に

「メトホルミン不応例への二次治療,優先すべきはインスリンかSU薬か」

という記事が掲載されました。

欧米では、2型糖尿病治療の第一選択剤は、メトホルミンです。

今回のJAMAに発表された米国の研究は、メトホルミン単独治療では、血糖管理が不良であった症例に追加治療として
「メトホルミン+SU剤」か「メトホルミン+インスリン注射」のどちらかを実施して、両グループの総死亡のリスクなどを観察したものです。

研究者は「メトホルミンへのインスリン追加による強化治療が、SU薬による同治療に比べ心血管疾患や死亡までのリスクを低下させるとの仮説」に基づき検討を行ったのですが、結果は、逆になりました。

即ちインスリン追加強化治療グループの方が、SU剤追加グループより総死亡率が優位な上昇を示したのです。

米国では、

「メトホルミンへのインスリン追加による強化治療が、SU薬による同治療に比べ心血管疾患や死亡までのリスクを低下させるとの仮説」

や、膵β細胞の機能保持を期待して、インスリン治療を導入する医師が増えていたので、この傾向に冷や水を浴びせる結果となりました。

今回の研究の結果を見ると、2008年の「ACCORD」試験を思い起こします。

インスリン治療やSU剤で強化治療をして、HbA1cを厳格に6.0%を目指したグループと通常治療でHbA1c7.5%を目指したグループの比較で、強化治療群の方が有意差をもって総死亡率が上昇したのです。

5年間予定の研究が総死亡率上昇のため3.4年目で緊急中止になったのですが、中止時の平均HbA1cは厳格血糖管理群6.4%、通常血糖管理群7.5%でした。

HbA1cは良かったのに総死亡率が上昇した理由として、「低血糖の増加、体重増加、血糖変動幅増大」などが問題とされました。

結局糖質を普通に摂取しながら、厳格に薬物治療を実施すると、かえって総死亡率が上昇するという信頼度の高いエビデンスが出た訳です。

今回の研究も、同様の理由が考えられます。

つまりインスリン治療のほうが、SU剤より、「低血糖の増加、体重増加、血糖変動幅増大」を生じやすかった可能性があります。

やはり、普通に糖質を食べながら、インスリンなどで強化治療すると、総死亡率においてリスクとなるという新たなエビデンスの一つと考えられます。

SU剤も「低血糖の増加、体重増加、血糖変動幅増大」を生じて、禁止した方がいい薬なのですが、「糖質摂取量とのマッチングの悪いインスリン注射」の方が、さらに危険ということのようです。



江部康二




☆☆☆
MT Pro 記事から一部転載
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/1406/1406052.html

【2014年6月16日
メトホルミン不応例への二次治療,優先すべきはインスリンかSU薬か
米の傾向スコアマッチングによる後ろ向き研究
 米Veterans Health Administration–Tennessee Valley Healthcare System Geriatric Research Education Clinical CenterのChristianne L. Roumie氏らは,メトホルミン単剤の一次治療による血糖管理不良例に対する二次治療としてメトホルミンにSU薬,インスリンのどちらを先に追加すべきかを検討。その結果をJAMA(2014; 311: 2288-2296)に報告した。退役軍人健康庁(VHA)データベースなどに基づき,2001~08年にメトホルミン単独投与を受けていた17万8,341例から,その後インスリンまたはSU薬の追加処方を受けていた患者を抽出。傾向スコアマッチングによる急性心筋梗塞(AMI),脳卒中または死亡リスクを比較した。

早急かつ柔軟な血糖管理から増えるインスリン早期導入

 米国糖尿病学会(ADA)のガイドラインでは,一次治療のメトホルミンによる単独治療で3カ月以内に良好な血糖管理(多くの場合,HbA1c7%未満が基準)が得られなかった患者への二次的な強化治療としてSU薬,インスリンの他,チアゾリジン系薬,DPP-4阻害薬,GLP-1受容体拮抗薬が同列に示されている(関連記事)。二次治療として,どの薬剤を先行して使用すべきかについては現時点で一致した見解はないとRoumie氏ら。早急かつ柔軟な血糖管理が可能としてインスリンを使用することがあるが,現時点で早期インスリン治療が膵β細胞の機能保持に有効との報告が数件あり,メトホルミンとの早期併用療法を行う医師は増えている。しかし,患者からは自己注射の難しさや体重増加,低血糖への懸念から,インスリン導入を遅らせて欲しいとしばしば要望があると日常臨床上の問題を指摘する。同氏らはメトホルミンへのインスリン追加による強化治療が,SU薬による同治療に比べ心血管疾患や死亡までのリスクを低下させるとの仮説に基づき検討を行った。

傾向スコアマッチングによるインスリン追加群2,436例,SU薬追加群1万2,180例を比較

 VHAやメディケア,メディケイドに登録され,2年以上の定期治療歴のあった18歳以上の成人のうち,2001~08年にメトホルミンの使用を開始した患者17万8,341例を抽出。このうち,引き続きインスリンまたはSU薬の追加による強化治療を受けていた患者について,インスリンまたはSU薬追加による2011年9月までのAMI,脳卒中による入院あるいは全死亡のリスクを比較した。

 対象期間にメトホルミン単独治療を受けていた17万8,341例のうち,2,948例がインスリンを,3万9,990例がSU薬による強化療法を受けていた。心血管予後や全死亡に関連する背景因子を調整した傾向スコアマッチングによるサブコホートはインスリン追加群2,436例,SU薬追加群1万2,180例。

インスリン追加群で複合心血管疾患+全死亡リスクが有意に上昇,心血管疾患+心血管死リスクは上昇せず

 強化療法開始までのメトホルミン単独使用期間の中央値は14カ月(IQR 5~30),HbA1c中央値は8.1%(同7.2~9.9%),強化療法以降の追跡期間中央値は14カ月(同6~29カ月)であった。

 追跡期間におけるAMI+脳卒中+全死亡発生件数は,SU薬追加群の634件に対しインスリン追加群では172件。SU薬追加群に対するインスリン追加群の複合心血管疾患+全死亡の調整後ハザード比(HR)は1.30(95%CI 1.07~1.58,P=0.009)と有意に上昇。一方,二次評価項目のAMI+脳卒中のHRは0.88(同0.59~1.30,P=0.52)であったが,全死亡のHRは1.44(同1.15~1.79,P=0.001)と有意な上昇を示した。

 なお,AMI+脳卒中あるいは心血管疾患死の複合イベントのHRは0.98(同0.71~1.34,P=0.87)と有意な上昇は見られなかった。

 Roumie氏らは,メトホルミンにインスリンを加えた強化療法がSU薬追加の場合に比べ,非致死性心血管疾患と全死亡のリスク上昇に関連していたと結論。インスリン使用患者における複合イベントリスクの上昇について詳しい検討が必要な他,現行GLで推奨されている経口薬による管理が可能な症例に対し,SU薬と同等にインスリンを推奨する妥当性の検討も必要と述べた。

(坂口 恵) 】




テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
妊娠糖尿病と糖質制限食。宗田先生からコメント。
こんにちは。

産婦人科医師の宗田先生から、妊娠糖尿病などに関してコメントをいただきました。
ありがとうございます。

宗田先生は、年間約700の分娩を手がける第一線の産婦人科医師です。

妊娠糖尿病に関しても2010年から糖質制限食でコントロールしておられます。

妊婦に糖質制限食を導入された結果、安産となり、帝王切開率が約1/3に減少したそうです。

年間分娩数約1300の永井クリニックの永井泰先生と共に、第1回の母子栄養懇話会を開催されました。
素晴らしいことです。

妊娠糖尿病の患者さんに対し、安易に「糖質摂取+インスリン」を押しつける旧来の常識を覆すには、宗田先生や永井先生のような産婦人科医師が増えていくことが必要です。

母子栄養懇話会がそのきっかけになればいいですね。

江部康二


【14/06/15 産婦人科医 宗田

妊娠糖尿病

nyuさん、産婦人科医よりもはるかによく勉強されていますね。

困ったことにいまだに多くの産婦人科医、内科医は妊娠糖尿病にお米をたくさん食べろと言います。当院では、たくさんの方が、糖質制限で元気な赤ちゃんを生んでいます。

妊娠中の体重増加ですが、私たちの経験ではこれは、あまり児の体重とは関係ないようです。最近まったく体重は増えないで、3000グラムの赤ちゃんを産んだ方がいます。

糖質制限していると平均では、母の体重が5キロ増加くらいで、赤ちゃんは2800-3000グラムありますし、体重を20キロ減らしても2600以上で産んでいます。決して栄養を取らないのでなく糖質を取らないだけなのです。

ですから1700カロリ-なんて遠慮しないで2500カロリーは美味しいお肉や魚、卵で取ってください。

人間の体は消化器官は基本的に肉食動物に近いのです。お米を食べないと母乳が出ないという馬鹿な医者もいますが、糖質制限でたくさん出ます。トラやライオンだって普通に子育てできるでしょう。

そういうとトラやライオンとは違うと言った医者がいましたが、そういう医者こそラットやマウスで食の実験をしてヒトに置き換えるのが得意です。私はまだマウスよりライオンの方がヒトに近いと思いますけれど。

最近、あまりに妊娠と糖質制限で悩んでいる方が多いのでフェイスブックで「妊娠と糖質制限&MEC食}というグループを立ち上げました。九州の三島先生の協力もあってわずか数日で700名近い方がグループに参加されています。そこで妊娠中に糖質制限でよい結果を出された方がコメントしていますので、のぞいてみてください。
https://www.facebook.com/groups/ninshin/



【14/06/15 産婦人科医 宗田

妊娠糖尿病

江部先生、昨日都内で永井クリニックの永井泰先生を会長にした第1回の母子栄養懇話会が開かれました。全国の管理栄養士、助産師など120名で母子栄養の経験交流をしてまいりました。

妊娠糖尿病にインスリンを打てばいいんだという安易な病院がたくさんあるようですが、難渋していることも事実のようです。

ある産婦人科の大御所が、帰りがけに『なんで糖尿病に糖を取らせるんだろうね。これは、怪しいと前々から思っていたんだよ。』とおっしゃっていきました。

全国には糖質についても独自にいろいろ研究しているクリニックもあり、交流を深めながら、母子栄養の研究を進めてまいります。よろしく応援ください。】



【14/06/15 産婦人科医 宗田

精神科医師Aさん

ご紹介いただきましてありがとうございます。

江部先生のブログを見て、来院される方がたくさんおられます。糖尿病妊娠で中絶をすすめられたり、分食でうまくいかないことやインスリンが増える一方だったりとかひどい現状なのですが、糖質をやめたら何も起こらず、しかも、みなさんが、なんのことなく順調にお産の日を迎えています。】


テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
妊娠糖尿病と糖質制限食
【14/06/13 nyu

妊娠糖尿病について

初めまして。現在妊娠30週のnyuと申します。

28週目くらいにブドウ糖負荷試験を受け、再検査に引っかかり、75gの糖負荷試験では食前:83、1時間後:193、2時間後:139となり、妊娠糖尿病と診断されました。HbA1cは5.1でした。

医師から「6回の分食にしてください。何を食べてもよいです」と言われましたが、血糖値が上がることが怖く、良い対策はないか調べていた際にこちらのブログへたどり着きました。書籍も購入し、糖質制限食で血糖値対策を行うことに決めました。

糖質制限食(スーパーとスタンダードの間)に切り替えてから、血糖値は食前:80前後(たまに90超)、食後1時間:110前後となり、かなり安定しています。糖質制限食の素晴らしさを実感しています。

ただ、もともと小食なのもあって、糖質制限食にしてから体重が増えないのです。むしろ少し減りました・・・。

妊娠前の体重は42~43kg、糖質制限開始前は49.8kgでした。糖質制限を始めてからは、49kgを切ったり切らなかったりです。
1日の摂取カロリーは、大体1300~1700kcalです。頑張って食べるようにはしています。

次の健診時、1ヶ月ほど(糖質制限食に切り替えてから2週間)体重が増えていないことを問題視した医師に、「炭水化物を食べてください。摂取カロリーを増やしてください。2000kcalが目標です」と言われました。

炭水化物を食べると血糖値が上がりますよね?それは困るんですが・・・と返答したところ、「血糖値は上がるけど仕方ない。インスリン注射で下げればいいから大丈夫」とのこと。

私は炭水化物を食べて血糖値を上げて膵臓を疲弊させ、かつインスリン注射でもっと疲れさせることはしたくありません。

しかし医師たちからすると、体重が増えないことにより子の低体重を招き、子に影響が出ることの方が問題のようです。
ちなみに、我が子は順調に育っています。体重も平均くらいです。

江部先生のブログを拝読していると、糖質制限食で元気な赤ちゃんを産んだ方のことが取り上げられており、私も糖質制限をしつつ元気なわが子を産みたいと考えています。

しかし、大学病院の医師たちの言うとおり、子のために炭水化物を摂らなければならないのでしょうか?

いきなりぶしつけな質問、申し訳ありません。

お時間がありましたらお答えいただければと思います。】



nyu さん

拙著のご購入、ありがとうございます。
糖質制限食で、妊娠糖尿病の血糖コントロール良好、良かったです。

妊娠10ヶ月の赤ちゃんと母体の体重増加ですが、

赤ちゃんが約3kg
胎盤・羊水が約1kg
母体の必須体重増加約3~4kg

くらいです。

母体必須体重増加というのは、大きくなった子宮や蓄えられた脂肪分、また妊娠によって増えた血液や体液分です。

「我が子は順調に育っています。体重も平均くらいです。」

ということなら、母体の体重増加がなくても、赤ちゃんは順調に育っているので、問題ないと思います。

一方、母体のためには摂取エネルギーを、主治医の仰るように2000kcalは欲しい気がしますが、妊娠前42kgで、今49kgなら、すでに7kg増加していますね。

その意味では、妊娠30週で7kg増加なら、適正な体重増加と言えますので、そこのところを産婦人科医とよく相談してみてください。

それから炭水化物を摂取しなくても、農耕開始前700万年間の人類は、狩猟・採集(すなわち糖質制限食)で妊娠・出産・子育て・日常生活を送っていたので、問題ないです。

伝統的食生活の頃のイヌイット、マサイ族、モンゴル遊牧民もほぼスーパー糖質制限食で妊娠・出産・子育て・日常生活を送っていたのですから、炭水化物を摂取しなくても問題ないです。

炭水化物を摂取しないといっても、葉野菜や海藻や茸は食べますので、その分の少量の糖質は摂取することになります。

スーパー糖質制限食実践で、血中ケトン体値が現行の基準値より上昇しますが、これもまったく問題ありません。

2014年1月12日(日)第17回日本病態栄養学会年次学術集会(大阪国際会議場)で、宗田哲男先生が、世界初の画期的な研究成果を発表されました。

人工流産胎児(58検体)の絨毛の組織間液のβヒドロキシ酪酸値(ケトン体の一つ)の測定です。

何と平均1730μmol/Lとかなりの高値です。

成人の基準値は76μmol/L以下なのですが、胎児の絨毛間液においては、1730μmol/Lていどが、基準値ということになります。

糖質を普通に摂取している成人の基準値の、約20~30倍以上ですね。

また生後4日目の新生児(312名)のβヒドロキシ酪酸も、生後1ヶ月の新生児(40名)のβヒドロキシ酪酸も高値です。

こちらもこれだけの数がまとまったのは、世界初と思います。

インスリン作用が保たれている場合、ケトン体が現行の基準値より高値でも、安全であることの証明がなされたと言えます。

そして、胎児・新生児のケトン体の基準値は、現行の基準値よりはるかに高値であることがわかりました。

ケトン体に関して、医学の進歩に寄与する画期的な研究です。

胎児のケトン体値(βヒドロキシ酪酸値)が、通常の成人の基準値より20~30倍高値なのが普通であることが判明したので
、妊婦のケトン体値が少々、現行の基準値より高値でも何の問題もないということですね。

最後になりましたが、炭水化物を食べてインスリンを打つということは、母体にかなりの負担を強いることとなります。

「炭水化物摂取+インスリン」で、高血糖や低血糖が生じれば、母体にも胎児にも悪影響があります。

勿論食事療法(糖質制限食)だけで妊娠糖尿病の血糖コントロールができる方が、母体にも胎児にも格段に優しいのです。



江部康二



テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
「脂肪・コレステロール、糖尿病の真実」大阪講演会のご案内
おはようございます。

2014年8月3日(日)に、「脂肪・コレステロール、糖尿病の真実」と題し、大阪大学中之島センター10F 「佐治敬三メモリアルホール」にて、講演会を行います。

今回は、「脂肪・コレステロール」分野の第一人者である東海大学名誉教授 大櫛陽一先生をお招きして、私と2人での講演会となります。

脂肪・コレステロール、糖尿病の真実を、2人でしっかり語り、質疑応答も30分たっぷり時間をとります。

大阪そして大阪近隣の糖尿人、メタボ人、脂質関連に興味がある人・・・奮ってご参加下さいね。

江部康二

******************************

以下、事務局からのご案内です。

ブログ読者の皆様、講演会へいつも多数ご参加いただきましてありがとうございます。

大阪・中之島にて、一般向けの講演会を開催いたします。

今回は、「脂肪・コレステロール、糖尿病の真実」というテーマのもと、東海大学名誉教授 大櫛陽一先生と江部康二理事長による講演を予定しております。

糖質制限食との関連性も高い「脂肪・コレステロール」について、この分野の第一人者、大櫛先生によるレクチャーで理解を深めていただける、絶好の機会です。

糖質制限食とその有効性については、今回も理事長 江部康二がしっかりとお話しいたします。

関西地区の皆様をはじめ、多数のご参加を心よりお待ちしております。

(関東地区でも秋に同様の講演会を開催する予定です。)

///////////////////ご案内/////////////////////

一般社団法人日本糖質制限医療推進協会主催 講演会(大阪)

    「脂肪・コレステロール、糖尿病の真実」

■日時:8月3日(日)13:50~16:40頃
             ※入場受付・開場は13:30~

■会場: 大阪大学中之島センター10F 「佐治敬三メモリアルホール」
 〒530-0005 大阪市北区中之島4-3-53
 http://www.onc.osaka-u.ac.jp/others/map/index.php

■内容

◆講演① 『脂肪とコレステロールは、あなたの体にいいですよ』

講師: 大櫛陽一
    東海大学名誉教授/大櫛医学情報研究所所長

[講師略歴]

1971年 大阪大学大学院工学研究科修了
  同年 大阪府に就職。以下を兼任(~1988年)
      成人病センター、羽曳野病院、母子センター、府立病院
1988年 東海大学医学部教授(基礎医学系)
2012年 東海大学名誉教授、大櫛医学情報研究所所長

[著書]

・血圧が下がる新食事法(新DASH食) 成美堂出版 2013年
・健康診断の恐怖 宝島社 2013年
・間違っていた糖尿病治療 医学芸術社 2012年
・100歳まで長生きできるコレステロール革命 永岡書店 2012年
・長寿のためのコレステロールガイドライン 中日出版 2010年
・脳卒中データバンク2009 中山書店 2009年
・メタボの罠 角川SSC新書 2007年

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

◆講演② 『糖質制限食による糖尿病治療』

講師: 江部康二
  (一財)高雄病院理事長/(一社)日本糖質制限医療推進協会理事長

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

※抄録は、こちらでご覧いただけます。
  http://toushitsuseigen.or.jp/pdf/20140803lecture.pdf

※講演後、両講師による質疑応答を30分、予定しております。

■受講費:賛助会員 2,800円 / 一般(非会員) 3,300円

■お支払い方法: クレジットカード/銀行振込/郵便振替
           ※事前決済のみとなります。

■お申し込み方法

・賛助会員の方
事務局までメールにてお申し込み下さい。

・賛助会員入会をご希望の方
1.入会案内および会員規約をお読み下さい。
 http://toushitsuseigen.or.jp/member.html

2.お申し込みはこちらのフォームからお願いします。
 http://toushitsuseigen.or.jp/contact.php
 「お問い合せ内容」欄に「8/3大阪講演会、受講希望」とご記入下さい。

・一般(非会員)で、講演会の受講のみご希望の方
こちらのフォームよりお申し込み下さい。
https://ssl.form-mailer.jp/fms/9cbd1ef7287071

■お申し込みの流れ

1.会員の方はメールにて、会員以外の方は各種フォームにてご連絡下さい。
2.事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3.入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4.当日、直接会場までお越し下さい。

■その他

・予約制です。当日参加はできません。
・キャンセルは7月31日(木)までにお願い致します。
 それ以降の返金には対応致しかねますので予めご了承ください。
高強度スタチンは糖尿病リスク上昇に関連
「高強度スタチンは糖尿病リスク上昇に関連」

という記事が、日経メディカルに掲載されました。

長谷川さんから情報をいただきました。
ありがとうございます。

BMJ誌(ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル)の記事です。

心血管疾患の2次予防を目的とする高強度スタチンの使用は、糖尿病発症リスクの中等度上昇に関係していた。

「リスク上昇は強力ではないが、高強度スタチンを処方する際には、糖尿病リスクに留意する必要がある」と著者らは述べている。


一言でいえば、著者らのいうとおりと思います。

スタチン剤で糖尿病リスク上昇というのは、もはや常識レベルになってきていますね。

例えば、「今日の治療薬」(南江堂)という、とてもポピュラーな毎年でる薬の本がありますが、2014年版の368ページに

「大規模臨床試験のメタアナリシスから、スタチンにより、糖尿病の新規発症がプラセボに比較して9%有意に上昇することが示された。また大規模な観察研究であるWHIでも、スタチン使用群で糖尿病の新規発症が多いことが示された」

と記載してあります。

スタチンというコレステロールを下げる薬には、横紋筋融解症、ミオパチー(筋肉痛)、肝障害などの副作用があることは、よく知られていますが、糖尿病の新規発症にも、しっかり留意する必要があるようです。

コレステロールを下げるべきか否かにおいて「日本動脈硬化学会」と「日本脂質栄養学会」のバトルが続いています。

私自身は、「家族性の特殊例を除いては、高コレステロール血症にスタチンは不必要」という、日本脂質栄養学会の見解に賛成です。

コレステロールは、とかく悪者にされがちですが、実は、細胞膜や男性ホルモン、女性ホルモンなどの原料として人体に必要不可欠な大切な物質です。

脳の乾燥重量の65%は脂質であり、その1/4はコレステロールであり、脳においてもコレステロールは重要な構成物質なのです。

一般にLDLコレステロールは悪玉でHDLコレステロールは善玉という言い方をしますが、これも正確ではありません。

正常サイズのLDLは、中に約40%のコレステロールを含んでおり、それを末梢組織に運ぶ真っ当な役割を果たしています。

HDLは末梢組織の細胞で原料として使用されたあと余ったコレステロールを回収して肝臓に運んでいます。 

即ち、LDLもHDLも人体に必要なものであり、日々良い仕事をしており逆に少なすぎたら困るわけです。

これらのことを普通に考察すると、

「むやみにスタチンでコレステロール値を下げることは如何なものか」

と、私は思うわけです。


江部康二


【14/06/12 わんわんこと長谷川清久
日経メディカルから
海外論文ピックアップ BMJ誌よりBMJ誌から

高強度スタチンは糖尿病リスク上昇に関連

心血管疾患の2次予防目的で低強度スタチンと比較したメタアナリシスの結果

2014/6/12
大西淳子=医学ジャーナリスト
 心血管疾患の2次予防のために行われるスタチン投与では、低強度スタチンに比べて高強度スタチンの方が糖尿病発症リスクが高いこと、特に処方開始から4カ月間のリスク上昇が大きいことが、複数の住民ベースのコホート研究と、それらのメタアナリシスの結果として示された。カナダBritish Columbia大学のColin R Dormuth氏らが、BMJ誌電子版に2014年5月29日に報告した。
 米国食品医薬品局(FDA)は、ランダム化比較試験のデータを対象に行われた2件のメタアナリシスの結果に基づいて、スタチンのラベルを2012年2月に変更し、血糖への影響(糖尿病発症、HbA1c値または空腹時血糖の上昇など)を追加させている。
 著者らは、心血管疾患2次予防を目的とするスタチン処方において、強度が高いスタチンと、低いスタチンを用いた場合の糖尿病新規発症リスクを比較するため、住民ベースのコホート研究を8件行い、それらのデータのメタアナリシスを実施した。
 カナダ6州の住民の医療記録と、米国と英国でそれぞれ収集された大規模なデータセット(英国の臨床診療研究データリンク、US MarketScan)を利用して、1997年1月1日から2011年3月31日に、主要な心血管イベント(心筋梗塞、脳卒中、CABG、PCI)により入院し、退院後90日以内にスタチンの処方を新たに受けていた、40歳以上で糖尿病ではない患者13万6966人の情報を得た。
 それらの患者についてコホートごとに、ネステッドケースコントロール分析をas-treatedで行った。具体的には、同一コホートの中から、ケースと性別、年齢、コホート組み入れ時期がマッチする、糖尿病を発症していないコントロールを、ケース1人当たり10人抽出し、条件付きロジスティック回帰分析を行って、低強度スタチンを使用する低強度群と、高強度スタチンを使用する高強度群の糖尿病新規発症のオッズ比を求めた。その際、米Brigham and Womens’ Hospitalが提供している高次元傾向スコア・アルゴリズムを用いて、多様な交絡因子候補で調整した。最後にメタアナリシスを行い、対象としたコホート全体で比較を行った。
 処方されていたスタチンの強度はLDL-C低下作用の大きさ(低下率が45%未満を低強度、45%以上を高強度)に基づいて判断した。

 主要評価項目は、スタチンの処方開始から2年以内の新規発症糖尿病による入院、もしくはインスリンまたは経口糖尿病治療薬の処方とした。

 スタチンの継続使用開始から2年間に糖尿病を新規に発症したのは3629人(高強度群が2402人、低強度群は954人)で、それらの患者にマッチするコントロールは計3万5623人だった。

 メタアナリシスの結果は、高強度のスタチンを使用していた患者における、糖尿病新規発症リスクの有意な増加を示した。低強度群と比較した率比は1.15(95%信頼区間1.05-1.26)で、リスク上昇は使用開始から120日目までが最も大きかった(率比1.26、1.07-1.47)。121日以降~1年までのリスク上昇も有意だった(率比1.19、1.02-1.38)が、1年以降~2年までの率比は1.08(0.93-1.25)と有意差を示さなかった。

 固定効果モデルではなく、ランダム効果モデルを用いると、2年間の高用量スタチン使用と糖尿病の関係は弱まった(率比1.11、0.96-1.27)。また、感度解析として、スタチン使用開始から90日以内に糖尿病を発症した患者を除外すると、やはり2年間の高用量スタチンの使用と糖尿病の関係は弱くなった(1.11、0.85-1.47)。しかし、この方法でも121日以降~1年までのリスク上昇は有意だった(1.23、1.05-1.44)。

 心血管疾患の2次予防を目的とする高強度スタチンの使用は、糖尿病発症リスクの中等度上昇に関係していた。「リスク上昇は強力ではないが、高強度スタチンを処方する際には、糖尿病リスクに留意する必要がある」と著者らは述べている】


カロリー制限で糖尿病徐々に悪化、糖質制限で改善。
【14/06/11 メタボ脱出を目指す主婦

たった一か月で

初めて書かせていただきます。
今日はどうしても先生に感謝の気持ちをお伝えしたくて書き込みしております。

ちょうど一か月前の5月9日、かねてから高脂血症、糖尿で通院していた病院での空腹時血糖値が172 ヘモグロビンA1Cは7.2と出ました。

その2か月前の3月の検査では、各々163 7.0。
さらにその2か月前の1月は、各々136 6.8。

3年に及ぶ通院でじわじわとですが数値は悪化していました。

ちなみに、3年前の数値は各々126 5.7です。

ただ、10年ほど前から太りだし(もともとぽっちゃりで若い頃から55キロくらいはありましたが)身長150センチなのに、体重は80キロ以上、この間の健康診断では必ず、 脂肪肝、高コレステロール、高中性脂肪で要精検、要治療との結果でした。

今年の4月に何年かぶりに喘息の発作が出てステロイド剤を点滴と飲み薬で使用しました。現在もステロイド吸入は手放せません。

血液検査の数値が悪化することは呼吸器の医師から説明がありましたが、それにしても12時間以上絶食した後の午前の血糖値が172なんて・・・と、正直ショックでした。その時はお腹も空いていたので、これで昼食を食べたらどうなるんだろう・・・とも思いました。

そして、自分なりに努力して、ない時間とお金を工面してジムに通ったり、食べたい気持ちを我慢して医師の勧める1400kcalの食事になるよう計算し、お腹が空いても水や野菜で凌ぎ、それでも体重はほとんど減らず、病院に行けば努力が足りないと怒られる。なんていうか、そんな自分が情けないというか、やるせないというか・・・

効果のある具体策を示さず怒るばかりの栄養士と医師に腹が立ったりもしました。

私が通院していた糖尿の医師は、カロリー制限をもっと徹底しろと怒る医師でした。でも、コメを食べろと言うんですよね・・・。

その病院の栄養士も、私はもともと主食(米や麺)には執着がなかったのに、炭水化物の割合が足りないからコメをもっと食べるようにしてカロリーは減らせ、と言うんです。

以前から、薄々、血糖値を上げるのは糖質じゃないの?という認識は私の中にありました。

そして、カロリー制限だけではいったん体重が減ったとしてもリバウンドしやすいことも過去の数々のダイエットを通して身をもって知っていました。

だから、米はなるべく食べたくないし、カロリー制限でリバウンドを繰り返した結果が今の状態を生んでいるのだ、と反論すると、それは屁理屈で努力が足りないと一斉攻撃を受けます。そして、何が何でもコメを食べろと・・・。

おかしいんじゃないの?と思いました。

言っていることと目指しているものが違うんじゃないか、と。

それで、とりあえず喘息で通院している病院へ紹介状を書いてもらい、医師を変え、ネットを彷徨い、先生のこのブログにたどり着きました。

速攻で先生のご著書を数冊買いこみ、丸1日で読破し、スーパー糖質制限を始めました。

忘れもしない、糖質制限を開始したのは先月12日。

そして、昨日、新たに通院するようになった病院での検査結果。

空腹時血糖値 143 ヘモグロビンa1c 6.6、γGTP 中性脂肪 HDL LDL すべて正常。

それもギリギリ正常値に食い込んだみたいな正常ではなくて、どストライクの正常値。

前医師から紹介状を受け取っている今度の医師も驚いていました。が、私がもっとびっくりです。

たった一か月・・・、たった一か月、江部先生の言うとおりに実行しただけで、こんなに結果が変わるとは!

今まで3年以上も怒られながら苦しんで、努力を重ねたのに数値が悪化していくあの日々は何だったのでしょうか。

本当に、先生には感謝しても感謝しても足りないくらいです。

体重もこの一か月で6キロ減りました。脱メタボに一筋の希望の光を与えていただきました。

先生、本当にありがとうございます。

高尾医院がもう少し近かったら、先生のところで診ていただきたいのですが、生憎こちらは北の田舎町。診察していただくために通うには遠いです。

先生のようなお医者様が増えればいいのに、と心から思います。きっと、私のように、おかしいと思いながらも具体的にどうすれば良いのかがわからず、医師や栄養士に怒られながら情けない思いをし、病状を悪化させていく人たちは多いのではないかと思います。

長くなりましたのでこの辺で筆をおきますが、これからも啓蒙活動を頑張ってください。

そして、先生のお考えを引き継ぐ人をたくさん育ててください。お願いします。

私も、これからも地道に糖質制限で頑張っていきます。また良いことがあったら書き込みさせていただくかもしれません。

本当に本当にありがとうございました。】


こんばんは。

メタボ脱出を目指す主婦さんから、興味深いコメントをいただきました。

メタボ脱出を目指す主婦さん、拙著のご購入ありがとうございます。

つらいカロリー制限で怒られながら3年間頑張ったけれど、糖尿病は徐々に悪化していく一方・・・

それが、スーパー糖質制限食で速やかに改善。

良かったです。

2014年5月9日    空腹時血糖値:172  HbA1c:7.2
     5月12日、スーパー糖質制限食開始
     6月10日   空腹時血糖値:143  HbA1c:6.6
脂肪肝、高コレステロール、高中性脂肪 も改善

データ改善、良かったです。

1ヶ月で6kgの減量成功も素晴らしいです。

この調子なら、スーパー糖質制限食を継続すれば、空腹時血糖値も110mg/dl未満となり、HbA1cもさらに改善すると思います。

メタボ脱出も夢ではありません。

「私が通院していた糖尿の医師は、カロリー制限をもっと徹底しろと怒る医師でした。

・・・。その病院の栄養士も、炭水化物の割合が足りないからコメをもっと食べるようにしてカロリーは減らせ・・・。」

「ジムに通ったり、食べたい気持ちを我慢して医師の勧める1400kcalの食事になるよう計算し、お腹が空いても水や野菜で凌ぎ、それでも体重はほとんど減らず、病院に行けば努力が足りないと怒られる。・・・

効果のある具体策を示さず怒るばかりの栄養士と医師に腹が立ったりもしました。」

「今まで3年以上も怒られながら苦しんで、努力を重ねたのに数値が悪化していくあの日々は何だったのでしょうか。」

「私のように、おかしいと思いながらも具体的にどうすれば良いのかがわからず、医師や栄養士に怒られながら情けない思いをし、病状を悪化させていく人たちは多いのではないかと思います。」


3年間のご苦労、お察しいたします。

現実には、ごく一般の病院で同じようなつらい目にあっている糖尿人が、日本中に沢山おられると思います。

悲劇としか言いようがありません。

糖尿人が、カロリー制限食を医師や栄養士に勧められて一生懸命頑張っても、所詮は『カロリー制限食=高糖質食』なので
「食後高血糖」も「平均血糖変動幅増大」防ぐことは不可能です。

つまり、患者さんがどんなに頑張ってカロリー制限食をしても、血糖コントロール良好を保つことは、ほぼ不可能と言えます。

欧米では、「血糖値に変わるのは糖質だけで、たんぱく質、脂質は変わらない」という生理学的事実は、医師・看護師・栄養士全てが学校教育を受けて、共通知識となっています。

それを前提に食事療法が考慮されているわけです。

日本では、スタートラインとなる「血糖値に変わるのは糖質だけ」という基本的に大切な知識が、医師・栄養士・看護師の学校教育において欠落しているので、はっきり言って話にならないくらいお粗末な状況なのです。

自分達の不勉強を棚に上げて、患者さんを怒る医師・栄養士というのは、医療従事者として言語道断です。

メタボ脱出を目指す主婦さんは、元の病院に見切りをつけて大正解です。

喘息の主治医の適切な対応に感謝ですね。

新しい糖尿病の主治医も、糖質制限食を受け入れてくれて嬉しいです。

メタボ脱出を目指す主婦さん、スーパー糖質制限食は、気管支喘息にも良いと思います。

このまま美味しく楽しく末長く糖質制限食を続けて、健康を取り戻してくださいね。



江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
アメリカの食糧事情、ドキュメンタリー映画 。子供の肥満。
【14/06/10 甘いミカン

お久しぶりです。

アメリカの食糧事情、ドキュメンタリー映画
糖質取り過ぎの招くもの・・・
『 Fed Up (フェド・アップ) 』
http://podcast.tbsradio.jp/tama954/files/20140610_machi.mp3


甘いミカン さん

情報をありがとうございます。

アメリカの食糧事情、ドキュメンタリー映画
糖質取り過ぎの招くもの・・・
『 Fed Up (フェド・アップ) 』
http://podcast.tbsradio.jp/tama954/files/20140610_machi.mp3

米国カリフォルニア・バークレー在住の日本人映画評論家町山氏が、『 Fed Up (フェド・アップ) 』というドキュメンタリー映画について、日本のラジオ番組で日本語で解説しています。(TBSラジオ954、たまむすび)

とても興味深い内容です。

15~20分くらいなので、聞く価値はあると思います。

読者の皆さん、是非聞いてみてください。

以下は、大ざっぱな内容です。

『4人の肥満児の米国のドキュメンタリー映画・・・糖尿病もある4人の肥満児。
子供の3人に一人が肥満。
どうして肥満したか、日常生活で追いかけていくドキュメンタリー。

「糖質はもう沢山だ。」

南部、中西部の田舎町の貧乏な家庭の子供が肥満。
運動では痩せるのは超大変。

「カロリーより糖質が問題」「加工食品ばかり食べている」

貧困地域にはスーパーがなく、小さい食料品店で生鮮食品は置いてなくて、加工食品ばかり。

貧困層は車もないので大きいスーパーに行けない。

フード・デザート(食べ物砂漠)・・・食べ物砂漠地域に2350万人の貧困層が住んでいる。

米国の6人に1人は、栄養状態が悪い肥満。

糖質にはカロリーがあるが、ビタミン、ミネラルな、鉄分などは含まれていない。

全米で5000万人が「肥満+栄養失調」。

軍隊への入隊も、検査段階で、25%が栄養不良で落とされる。

貧困層に連符政府が配付するフード・チケット、補助金・・・野菜は高くて買えない。

安いものは シリアル、パン、コーンフレーク、ポテトチップ、パスタ・・・即多ベられる炭水化物加工食品

一億ドル・・・貧困層に非常に多い糖尿病対策への費用・・・

ミッシェル・オバマ・・・肥満との戦い。
レッツ・ムーブという運動・・・
2010年、学校給食、ヘルシー法成立。
コーラ、ソーダ、フライドポテト、キャンディー・・・は、ヘルシー法で禁止。

しかし、ジャンクフードの会社が学校を援助する。

貧しい地域は、学校の経営が大変で、ジャンクフードの会社がつけ込む。

学校給食の75%にジャンクフード会社が入っている。

安価な冷凍ピザ、ハンバーガー、ホットドッグ、サンドイッチ・・・

全米55000人の栄養士、栄養士組合。

この組合は、オミッシェル・オバマ夫人の方針に反対している。

組合はヘルシー法に反対している。

野菜を
給食に導入しても、子供が食べずに捨てているので無駄だと組合。。

精製炭水化物もヘルシー法で禁止。全粒粉パンはOK。

全粒粉パンはまずいので子供が食べないと、栄養士組合。

とうとう、ヘルシー法を緩める法案が下院で通ってしまった。

栄養士協会の予算の半分は、ジャンクフード会社のお金。

南部出身の議員が、資金を援助して貰っているので、穀物会社とジャンクフード会社を擁護する。

国の援助金も85%穀物予算、15%畜産、野菜には援助金ゼロ。』


いやはや、アメリカ貧困層の実態は、大変、悲惨な状況となっているようですね。


江部康二


テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
血糖値、γGTP、中性脂肪、HbA1cが改善。合併症予防効果。
【14/06/08 gansa

これまでの結果です。参考になればさいわいです

江部先生こんにちは。3月28日にコメントを書かせていただいたものです。
前回は実名でしたが今後は仮名で書かせていただきます。

現在54歳です。

昨年11月にHbA1cが14.5になり急ぎ先生の本を購入しとにかく頭に叩き込んで糖質制限を行ってきました。

定期健診でない11月に血液検査をしたのは、急激に痩せたことを久しぶりに会った母親と、血圧の薬を月に一度貰う調剤薬局の先生に指摘されたからです。

先生のご著書を参考にさせていただき、お昼の弁当の玄米以外は極力糖質の少ないものを、パンやラーメンも糖質制限のものを購入して先生のご著書に近づけるべく実践を続けております。

以下の一覧は、経緯でございます。

25年3月からの数値です。
25年3月と26年3月はいずれも会社の定期健診です。
25年にはメタボリックであり、動脈硬化指数3.0、体重82キロ、26年3月はメタボ脱出、動脈硬化指数1.8、体重71でした。現在の体重は68キロです。

      25.3  25.11  25.12  26.3  26.5
γGT   273   135    81   73   62
中性脂肪   379   280   94   138   109
血糖     220   303     121   103   99
HbA1c  7.5   14.5    9.9   5.9    6.0

先ほど5月31日の検査結果を受け取ってきました。

私の主治医の先生、看護師さんも驚かれております。

先生のこのブログをご覧になっていらっしゃる方々へ少しでも参考になれば幸いです。】



こんにちは。

gansa さんから、糖質制限食で、血糖値、γGTP、中性脂肪、HbA1cが改善という嬉しいコメントを頂きました。

gansa さん、拙著のご購入、ありがとうございます。

劇的症状改善ですね。

大変参考になります。

素晴らしいです。

      25.3    25.11    25.12    26.3    26.5
γGT   273     135       81       73      62
中性脂肪  379    280       94      138     109
血糖    220     303      121      103      99
HbA1c  7.5      14.5      9.9       5.9      6.0


平成25年3月のHbA1cが7.5%なので 、その後の8ヶ月間で14.5%まで急速に悪化しています。

この経過なら、まだまだフレッシュな糖尿病悪化であり、年余にわたっているわけではないので、今回の改善が充分間に合って、合併症予防が可能だと思います。

2014年5月の最新のHbA1c6.0%も、「食後高血糖」「平均血糖変動幅増大」がない、質の良いHbA1cです。

御母上と、調剤薬局の先生のアドバイスのおかげですね。

主治医や看護師さんもビックリされて、喜んで頂いたのでしょうか。

糖質制限食も許容して貰えたのなら良かったですね。

数年間血糖コントロール不良のまま放置してしまうと、糖尿病の合併症が生じてしまう可能性がありますので、治療開始は早ければ早いほどいいのです。

糖尿病神経障害は、特に早ければ罹病後2~3年で発症することもあります。

糖尿病網膜症は、通常は罹病後5年以降に始まるとされています。

細小血管合併症には、糖尿病神経障害、糖尿病網膜症、糖尿病腎症など、大血管合併症には、心筋梗塞、脳卒中、糖尿病足病変などがあります。

一般的には、糖尿病発症後、数年間以上の期間で合併症発症だと思います。

あと、従来の糖尿病食(高糖質食)を摂取している場合、薬物療法で一見HbA1cはコントロール良好に見えても、「食後高血糖」「平均血糖変動幅増大」という酸化ストレスリスクは防げていないので、糖尿病合併症予防も、その分は難しいと思われます。

そこが糖質制限食による質のいいHbA1c、と従来の糖尿病食(高糖質食)による質の悪いHbA1cの大きな差なのです。



江部康二


テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
2013年度の日本人の死因・・・糖質制限食の可能性。
こんにちは。

厚生労働省発表の

平成25年人口動態統計月報年計(概数)の概況
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai13/index.html

を見てみました。


2013年度の日本人の死因の順位をみると

1)悪性新生物(がん)が36万4,721人(28.8%)と最多。
 死亡者のおよそ3.5人に1人はがんが原因で死亡。
2)第2位は心疾患で19万6,547人(15.5%)、
3)第3位は肺炎の12万2,880(9.7%)、
4)第4位は脳血管疾患で11万8,286人(9.3%)。


です。

結局がんと動脈硬化(心疾患と脳血管疾患)が、死因の双璧ですね。

生活習慣病型のがんと動脈硬化は、スーパー糖質制限食で予防できる可能性が高いです。

肺炎も血清アルブミン4.3g/dl以上あれば、予防しやすいのです。

糖質制限食で動物性たんぱく質をしっかり摂取して血清アルブミンを増やせば、肺炎も予防しやすくなります。

死因の順位の5以下です。

5)老衰 6万9684人
6)不慮の事故 3万9435人
7)自殺 2万6038人
8)腎不全 2万5074人
9)慢性閉塞性肺疾患 1万6408人
10)大動脈瘤及び解離 1万6073人
11)糖尿病 1万3783人


糖尿病による死亡は、11位と意外に少ないように思えます。

しかし、がん・心疾患・脳血管疾患には、かなり色濃く糖尿病が関わっています。

肺炎も糖尿病のコントロールが悪いと重症化して命に関わります。

腎不全と大動脈瘤に関しても糖尿病がおおいに関わっています。

こうみると、日本人の死因トップ10の内、6つに糖尿病が大きく関わっているので、単独の糖尿病による死亡が、11位で少ないようにみえても、糖尿病に関しては油断も隙もあったものではないのです。

糖尿人やメタボ人のご同輩の皆さん、スーパー糖質制限食実践で、「血糖コントロール」「インスリン分泌コントロール」「肥満改善」を達成し、酸化ストレスリスクを減らして、動脈硬化・がん・老化・アルツハイマー病・・・を予防して、楽しい快適な人生を送ろうではありませんか。


江部康二


テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
「食事は糖質制限?、カロリー制限?」日本抗加齢医学会総会ワークショップ
こんにちは。

2014.6.7(土)大阪国際会議場で、第14回日本抗加齢医学会総会が開催されました。

私も

「食事は糖質制限?、カロリー制限?」

と題した、ワークショップに演者として参加しました。


クリニカルWS2第2会場 「食事は糖質制限?、カロリー制限?」
2014.6.7(土)15:00-16:00
CWS2-C1 座長 1 板東 浩 きたじま田岡病院/徳島大学
CWS2-C2 座長 2 中村 巧 中村整形外科リハビリクリニック整形外科
CWS2-1 演者 1 江部 康二 高雄病院
CWS2-2 演者 2 櫻井 かほる 抗加齢医学研究所ベストエイジング
CWS2-3 演者 3 石橋 幸滋 石橋クリニック
CWS2-4 演者 4 板東 浩 きたじま田岡病院/徳島大学


1)江部康二
糖質制限食の基礎理論・有効性と安全性  

2)櫻井かほる 
糖質制限食と魅力的な運動療法によるメタボ・ロコモ対策の実践

3)石橋幸滋 
プライマリ・ケアの現場で生かす糖質制限、カロリー制限 

4)板東浩 
カロリー制限の特徴と今後の活用

5)総合討論


300人収容の会場が満員となり、立ち見もでる大盛況でした。

私は、基礎理論・有効性と安全性をエビデンスに基づきお話ししました。

トピックスとして

A)
米国糖尿病学会が、2013年10月の「栄養療法に関する声明」において、糖質制限食も正式に受容したこと。
B)
胎児の胎盤のβヒドロキシ酪酸値が1730μM/L、
新生児のβヒドロキシ酪酸値が240μM/L、
と成人の基準値(76μM/L以下)よりはるかに高値(2014年1月第17回日本病態栄養学会年次学術集会で、宗田哲男先生発表)であること。

を紹介しました。

そして、 βヒドロキシ酪酸(ケトン体)は、胎児・新生児においては現行の基準値よりはるかに高値であることが生理的であり、重要なエネルギー源となっていて、インスリン作用がある限り、当然安全性も極めて高いということを強調しました。

櫻井先生は、「糖質制限食+運動療法」で、メタボ・ロコモが改善というお話をされ、高齢者が座ったままでできる運動療法を紹介されました。会場参加者も実技の練習に参加しました。

石橋先生は、本ワークショップのために2週間、糖質制限食を実践し、2kgの減量に成功されました。先生は甘党なので、このまま続けるのはつらいとのことでした。

体験を通して、糖質制限食が合う人と会わない人、カロリー制限食が合う人合わない人が現実にいるので、そこをうまく振り分けていきたいと、実践的なお話でした。

坂東先生は、日本におけるカロリー制限食の歴史的な流れと、日本糖尿病学会の糖質制限食に対するスタンスの変遷を話されました。

米国糖尿病学会が糖質制限食を受容したことも紹介され、今後数年で、日本においても糖質制限食が受容されるとの展望を述べられました。

総合討論でも質問が相次ぎ、時間切れとなりました。

仕方ないので会場の外で、糖質制限な質問に応じていたら、40分間が経過していました。

大変な熱気溢れる、糖質制限ワークショップとなりました。


江部康二


テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖尿病の都道府県別ランキング ワーストは徳島、ベストは神奈川
こんばんは。

長谷川さんから、糖尿病ネットワーク2014年6月5日の記事

「糖尿病の都道府県別ランキング ワーストは徳島、ベストは神奈川」

についてコメントいただきました。
ありがとうございます。

人口10万人に対する糖尿病による死亡率を都道府県別にみると、徳島県が17.6人と、全国平均の11.0人を大きく上回り、6年連続で全国ワースト1位でした。

徳島県の糖尿病死亡率は、1993年から去年までの20年間で、ワースト1位を脱したのは2007年の1度だけです。

「2008年人口動態統計月報年計」では、再び徳島県が糖尿病死亡率ワーストワンとなってしまいました。

県によれば「原因は運動不足と食べ過ぎ」だそうで、県民平均の1日の歩数は6200歩と、全国平均より1000歩も少なく、肥満の割合も高いようです。

公共交通機関が少なくて、マイカーを利用する県民が多いことが運動不足に繋がっているようです。

国土交通省四国地方整備局の2000年度の調査によると、主な交通手段に乗用車を挙げる人は、京阪神32.9%に対し徳島県60.3%と倍近くです。

また徳島県は、特産のサツマイモ「鳴門金時」や「阿波和三盆(わさんぼん)糖」など、甘い食べ物が有名です。

料理も濃い味が好まれ、すし飯にもたっぷりと砂糖を使います。

米と芋の消費量が多く、甘い物好きということで、誠に遺憾ながらこれ以上ない『アンチ 糖質制限食』の食生活です。

何とかしなくてはと、2005年に発令された徳島県と医師会の「糖尿病緊急事態宣言」では「毎日30分歩き、腹7分目に」という目標を掲げました。

明快でわかりやすいのですが、これは結局、旧態依然たる『運動療法とカロリー制限の食事療法』であり、当然糖質たっぷり食の推奨です。

<血糖値を上昇させるのは糖質のみ→糖尿病改善・予防にはカロリー制限より糖質制限>

という本質的に大切な知識が欠落していますから、はっきり言って目標達成は困難です。

徳島県が、大英断で、糖尿病食指導に糖質制限の考え方を導入していただけば、全てが解決するのですが・・・

ちなみに、2013年度糖尿病死亡率ワースト2位は香川県(うどん県)の17.4人です。


江部康二
 



☆☆☆
【糖尿病ネットワーク
http://www.dm-net.co.jp/calendar/2014/021920.php
糖尿病の都道府県別ランキング ワーストは徳島、ベストは神奈川
2014年06月05日

厚生労働省はこのほど、2013年人口動態統計(概数)の結果を発表した。糖尿病や高血圧症が深く関わる心疾患や脳血管疾患で亡くなる人の数は年々増えている。

自然増減数は7年連続のマイナス

出生数は102万9,800人で、前年より7,431人減少した。合計特殊出生率は1.43で、前年より0.02ポイント増加した。35歳以上の出産が増えているが、女性全体の数が減っているため、出生数は過去最少だった。

また、死亡数は126万8,432人で、前年より1万2,073人増加した。出生と死亡数の差である自然増減数はマイナス23万8,632人で、前年より1万9,504人減少し、7年連続のマイナスとなった。

出生数が死亡数を上回った県は、神奈川県、愛知県、滋賀県、沖縄県の4県のみで、43都道府県は出生数が死亡数を下回っている。

死因の順位をみると、悪性新生物(がん)が36万4,721人(28.8%)と最多。死亡者のおよそ3.5人に1人はがんが原因で死亡したことになる。第2位は心疾患で19万6,547人(15.5%)、第3位は肺炎の12万2,880(9.7%)、第4位は脳血管疾患で11万8,286人(9.3%)となっている。

糖尿病死亡率 全国ワーストは徳島県 ベストは神奈川県

年齢別に死因をみると、年齢が高くなるにしたがい割合が増えるのは心疾患と脳血管疾患、肺炎。がんで亡くなる人の割合も、男性では60歳代、女性では50歳代までは高いが、それ以降は年齢が上がるにつれ心疾患や脳血管疾患の割合が男女とも高くなる。

一方で、糖尿病が原因の死亡数は1万3,783人と多くないが、実際には糖尿病(高血糖)や高血圧が悪影響をもたらし、心疾患や脳血管疾患が進展するケースが多い。

人口10万人に対する糖尿病による死亡率を都道府県別にみると、徳島県が17.6人と、全国平均の11.0人を大きく上回り、6年連続で全国ワースト1位だったことが明らかになった。

徳島県の糖尿病死亡率は、1993年から去年までの20年間で、ワースト1位を脱したのは2007年の1度だけ。ワースト2位は香川県の17.4人、3位福島県の16.1人だった。

一方、全国ベスト1位は神奈川県の7.1人だった。全国平均を大きく下回り、ワーストの徳島県の半分以下にとどまっている。ベスト2位は滋賀県の7.3人、3位は愛知県の8.2人だった。

徳島県はこれまで、健康とくしま県民会議を設立し、運動不足の解消や野菜の摂取を呼びかけてきたが、「早期発見や治療につながる対策も検討したい」としている。

神奈川県は、早い時期から「糖尿病連携手帳」の普及や、糖尿病の地域医療連携の拡充をはかり、糖尿病予備群と指摘された人に早い時期で食生活指導を行うなど、対策を重ねてきた成果といえる。

日本人の死因の上位を占める生活習慣病の発症に、食事や運動、喫煙、飲酒、ストレスなどの生活習慣が深く関わっている。また、糖尿病、高血圧症、脂質異常症は心疾患や脳血管疾患の危険因子となる。

良好な血糖コントロールを維持することで、これらの病気の多くは予防・改善が可能なので、糖尿病療養への取り組みはとりわけ重要となる。血糖値の高い人ではそうでない人に比べ、心疾患の危険性が3~4倍に高まるとの調査結果が報告されている。

平成25年人口動態統計月報年計(概数)の概況(厚生労働省) 】




テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
香川県内小4の1割強、血液検査で肝機能や脂質異常。
【四国新聞社

http://www.shikoku-np.co.jp/kagawa_news/social/20140605000169
香川ニュース

県内小4の1割強、肝機能や脂質異常/血液検査
2014/06/05 09:55

香川県内16市町の小学4年生を対象に、2013年度に実施した血液検査の結果、1割強の児童に肝機能や脂質の異常がみられたことが、県のまとめで分かった。12年度の調査結果とほぼ同様の傾向で、県健康福祉総務課は「検査で異常値が出た児童や保護者には適切な指導を行い、生活習慣や食生活の見直しを呼び掛けていく」としている。

血液検査は、脂質や血糖の状態を調べ、糖尿病など生活習慣病につながるリスクを早期に見つけるのが狙い。県は12年度、市町に費用の半額を補助し、児童の血液検査を推進する制度を創設。12年度は12市町の6743人、13年度は独自に5年生で実施した東かがわ市を除く16市町の7907人が検査を受けた。

13年度の集計によると、肝機能を判定する「AST」「γ(ガンマ)―GTP」などのいずれかで異常値を示したのは、男女平均10・5%(前年度12・3%)で、男女別では男子12・2%(同14・5%)、女子8・7%(同9・9%)。前年度よりやや改善がみられた。

コレステロールや中性脂肪などのいずれかで基準値を超え、「脂質異常」とされたのは、男女平均11・3%(同11・1%)で、男女別は男子10・2%(同10・3%)、女子12・5%(同12・0%)と、前年度比でほぼ横ばい。肥満傾向の児童は男子11・0%(同11・7%)、女子8・6%(同9・3%)となった。

過去1~2カ月の血糖状態を示すHbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー)が高く、糖尿病の疑いがあるか、発症リスクの高い児童は男子11・3%(同10・5%)、女子11・1%(同8・9%)だった。

併せて実施したアンケートによると、長時間ゲームをしていたり、朝食をあまり食べなかったりする児童に肥満や脂質の異常が多いことも分かった。

厚生労働省調査では、香川の人口10万人当たりの糖尿病受療率は308人で全国ワースト2位、糖尿病による死亡率は同ワースト9位。県は今後も、小児期からの正しい生活習慣を啓発する施策に力を入れる。】


こんばんは。

県内小4の1割強、肝機能や脂質異常/血液検査

という何とも恐ろしいニュースが、香川県から飛び込んできました。

タンヤオさんにコメントいただきました。
ありがとうございます。

香川県では2012年度から、県内小中学校で実施する血液検査を含む小児生活習慣病予防健診にもとづく実態把握を開始しています。

糖尿病予防のため、全県の都道府県単位で小学生の血液検査が実施されるのは、全国でもはじめてのことです。

これはこれでなかなか素晴らしい試みです。

ところが、2013年の健診で香川県の小学校4年生の、1割強が、血液検査で肝機能や脂質異常があり、HbA1cも1割強が糖尿病の疑いがあるか、発症リスクが高いレベルということです。

小学生の血液検査による健診は、全国でもはじめてのことらしいので、他の県との比較はできません。

しかし、どう考えてもこの数字は多いように思えます。

普通に考えて親と同じようなものを子供も食べると思います。

そうすると、うどんを二玉・三玉食べて、天ぷらやおにぎりも併せてとか「うどん+いなり寿司・巻きずし」という大人と一緒の
最凶のダブル炭水化物パターンが子供でも日常の可能性があります。( ̄_ ̄|||)

「ダブル炭水化物→脂肪肝」「ダブル炭水化物→糖尿病」

というパターンは、私達、糖質セイゲニストから見ると、脂肪肝や糖尿病発症の王道のようなもので、本当に困ったものです。 (→ο←)

香川県以外では、ここまでのダブル炭水化物食は、一般的ではないと思いますので、

「小学校4年生の、1割強が、血液検査で肝機能や脂質異常があり、HbA1cも1割強が糖尿病の疑いがあるか、発症リスクが高いレベル」

というようなことは考えにくいです。

【香川の人口10万人当たりの糖尿病受療率は308人で全国ワースト2位、糖尿病による死亡率は同ワースト9位。県は今後も、小児期からの正しい生活習慣を啓発する施策に力を入れる。】

今日のお話は、エビデンスレベルの話ではなく、あくまでも仮説レベルの話なのですが、

「炭水化物の頻回・過剰摂取こそが、糖尿病・肥満・生活習慣病発症の元凶である。」

という本質に気がつかない限りは、香川県では、成人も子供も、脂肪肝・糖尿病・生活習慣病の罠から逃れることは、不可能に思えます。

香川県の行政担当の方々、本ブログ記事をみたら、是非私を、うどん県に呼んでくれませんかね?

行政主催で糖質制限食の講演会をさせて貰えば、江部康二が香川県民の救世主となること間違いないと思うのですが・・・。 (^^)


江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
太りすぎ、3人に1人 世界で21億人に増加 。
日本経済新聞電子版

【太りすぎ、3人に1人 世界で21億人に増加

2014/5/31 11:59
ワシントン=共同

1990年代以降に世界的に体重増加の傾向が強まり、現在は3人に1人が肥満か体重超過の状態にあるとする報告を、日本を含む国際研究チームがまとめた。特に先進国の子供や若者で90年代に肥満が急増していた。29日付の英医学誌ランセット電子版に発表した。

世界保健機関(WHO)は2025年に肥満の増加を止める目標を掲げているが、以前からの“肥満大国”米国に加え、経済成長が著しい中国やインドなどで増加が続くと予想される。チームは「国際的なリーダーシップで対策を講じないと達成は難しい」と警告している。

チームは1980~2013年の世界約190カ国の保健データを分析。体重を身長の2乗で割った体格指数(BMI)が25以上(体重超過)の人は、この間に約8億5700万人から約21億人に増加した。人口比では13年に成人男性の36.9%、成人女性の38.0%が体重超過だった。

国別では、クウェートやトンガ、キリバスなどでBMI30以上(肥満)の人が半数を占める深刻な状況。米国は男性の31.7%、女性の33.9%が肥満と先進国で最も高かった。日本は男性4.5%、女性3.3%と欧米より低かった。

肥満は生活習慣病などの原因となって年間340万人が死亡し、健康寿命を4%縮めると推計されている。

 日本からは国立健康・栄養研究所や国立循環器病研究センター、帝京大などの研究者が参加した。】


こんばんは。

共同通信から2014年5月31日「太りすぎ、3人に1人 世界で21億人に増加」というニュースが供給されました。

第2次大戦後、少なくとも世界中の先進国で、脂肪摂取が肥満の原因ということで、「脂肪摂取比率を減らして、糖質の摂取比率をあげる。」という食事目標が設定されて、実践されてきました。

その結果まずは世界中の文明国で肥満が激増しました。

以下は、毎日新聞 2010年11月05日の記事です。

【先進国の肥満深刻化 OECDが初の報告書

肥満:先進国で深刻化 3割超す国も/貧困層で増加/啓発充実など各国に求め

OECDが初の報告書

先進国の肥満の現状と予防策の費用対効果について、経済協力開発機構(OECD)が9月、初の報告書を発表した。貧困層での肥満増加が目立ち、米国や英国など10年以内に国民の3分の2以上が太りすぎや肥満になると予測される国もあるという。

OECDは各国政府に健康教育の充実などの対策強化を求めている。】

貧困層で肥満が増加ということは、まさに安価な炭水化物の頻回・過剰摂取そのものが原因の可能性が高いのです。

2010年のOECDの報告から、今回の2014年の発表ですが、肥満増加の勢いは加速がかかっています。

ついで米国の国民栄養調査の統計です。
<米国の統計>
             1971年  →  2000年  → 2010年 
炭水化物         42.4   →  49.0%
脂質            36.9   →  32.8%
BMI30以上の肥満率   14.5   →  30.9%  → 35.9%

1971年から2000年にかけて脂質の摂取比率が減少して、炭水化物の摂取比率が増加して、肥満倍増です。

その後の10年で、さらに肥満が増えています。

つまり目標達成にも関わらず肥満倍増ですから、目標そのものが間違っていた可能性が高いのです。

2011.7.26の、サンケイビズ(産経新聞のネット版)に

「米国を覆い尽くす最悪の肥満率」という非営利団体と慈善団体のリポートに関する興味深い記事が載っていました。

それによると、肥満率が高い10州のうち9州は南部で、最も高かったのはミシシッピ州で34%、次いでアラバマ、ウェストバージニア州となっています。南部を中心とした15州の644郡にまたがる一帯を「糖尿病ベルト地帯」と名付けたそうです。

米国南部は、もともと肥満者の割合が高い州が多く、肥満と関連する糖尿病と高血圧症の罹患率も高いことが、2004年にすでに、報告されています。2011年、事態はさらに深刻化したようです。

1862年リンカーン大統領の「奴隷解放宣言」や1865年の南北戦争集結を経て、南部の州で奴隷の扱いを受けていた黒人は解放されました。

しかし、この歴史的背景から、南部諸州では貧しい黒人の人口比率が高いのです。

貧困層は、肉や魚などタンパク質や脂質の多い食材は高価なので、手に入りにくく、安価な炭水化物の摂取量が多くなります。結局、炭水化物の頻回・過剰摂取が肥満や糖尿病の元凶と考えられます。

「炭水化物が肥満の元凶であり、脂質は犯人ではない」という本質に気がつかない限り、世界中の肥満増加に歯止めがかかることはないでしょう。


江部康二

テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
米国の糖尿病治療、食事療法、糖質制限食
【4/06/04 目標達成

アメリカより

江部先生

こんにちは。お返事、ありがとうございます。感謝、感謝です。お忙しい先生より、返信が遅れて申し訳ございません。

結果は病院の数字です。朝空腹時は、自己測定通常102~116ぐらです(10%~20%ぐらいの誤差か?)。相変わらず生理周期は高めで、時に自己測定130とか出ちゃいます…メトフォルミン1500mg/日で様子をみてみます。さらに減らせたら、嬉しいです。

米国事情ですが、私のような一般人がおこがましくお伝えしてよいものやら ( ̄▽ ̄) ちょっとしたご参考までに。

米国の糖尿人にとっては、「Carb(炭水化物/糖質)カウント」は常識になっていると感じます。「糖質をかなり厳しく制限して達成しているA1Cです」と伝えていますが、医師から一度たりとも否定的なことを言われたことはありません。

S糖質制限を始めて2週間ほど経った頃に、専門医の初診でした。2週間分の自己測定値を確認した専門医が、「このまま糖質制限できますか?そうなら、1ヶ月後に再診。4ヶ月後に血液検査ね。」と言われ、メトフォルミン1000mg/日を処方されました。否定、質問、疑念発言は一切無かったです。A1Cが安定している今、専門医に「まぁ、予想外に糖質を食べちゃったときのためにもメトフォルミン飲んでおけば安心でしょ」って感じで言われました。

専門医検診の合間に、風邪で家庭医に、眼科・歯科・婦人科の定期検診を受けており、血糖コントロールのため糖質制限をしていることを伝えています。異を唱える医師はいません。

「糖質量」「健康的な食事」「適度な運動」、そして「肥満ならカロリー計算でダイエット」が金字塔でしょうか。

そのダイエットですが、米人糖尿人曰く「糖質カウントすれば痩せるから、カロリー計算必要無いし」だそうです。糖尿と縁が無い米人は、「カロリー摂取過多=肥満=糖尿病」って感じているようです。しかし、糖尿人や、近親に糖尿人がいる人は「糖質」に注目しています。「姪は1型。糖質すごく気をつけてるよ」「2型。糖質カウントしてインシュリンしてる」「糖質量XXが目標」という会話は普通です。

知り合いの白人糖尿人男性(2型38歳)はランタスを打っていますが、インシュリンの処方にあたって、糖質カウントの仕方を習っています。専門医のオフィスにも、「糖質カウント」を習うセミナーの広告が張ってある時があります。

日本お医者さんが「糖質制限を否定した」というご相談が目に留まります。幸いに、米国で医師や医療関係からそういう嫌な思いは受けたことがありませんし、今後も無いだろうなと思います。米国で患者にまで浸透している糖質の知識に(米国が全てではないですけれど)、日本でなぜ反対するお医者さんが沢山いるのか? 正直不思議でなりません…

実際、糖質制限実践継続が難しい人もいるようです。糖質カウントをせず薬やインシュリンに頼った糖尿人もいらっしゃると思います。でも、知識が無いのと、実行が難しいのとでは、スタート地点が違いますよね。

最後に家庭医の事ですが、糖尿人診てくれます。ただ私の場合、かなり高齢でいらっしゃるので、いつ引退されるか心配で専門医につきました。今後、新しい家庭医についた時、便宜が良ければ、血糖管理も家庭医に診てもらう事もありかな。他の専門医(婦人科・眼科・歯科)は、主に年間の定期検診でお世話になっています。

長々と申し訳ありません。もっと要約したかったのですが。最後まで読んでくださりありがとうございます。】


こんにちは。

アメリカの目標達成さんから、米国の糖尿病治療、食事療法、糖質制限食の情報をコメントいただきました。
ありがとうございます。

「朝空腹時は、自己測定通常102~116ぐらです(10%~20%ぐらいの誤差か?)。
相変わらず生理周期は高めで、時に自己測定130とか出ちゃいます。」


生理前が高くなることが多いのでしょうか?

一般に生理前は、血糖値がいつもより、20~30mgくらい上昇することがあります。

1型糖尿病なら、生理前は60mgくらい高くなることもあります。

米国の糖尿病治療ですが、実際に治療を受けている目標達成さんの実体験がとても参考になります。

医師の目線とはまた別に、患者さん目線の情報はとても貴重です。

「米国の糖尿人にとっては、「Carb(炭水化物/糖質)カウント」は常識になっていると感じます。「糖質をかなり厳しく制限して達成しているA1Cです」と伝えていますが、医師から一度たりとも否定的なことを言われたことはありません。」

これは、日本とは大きな違いですね。

その意味では、日本の糖尿人の多くは、旧態依然たる糖尿病専門医のために虐げられていると言えます。

「専門医検診の合間に、風邪で家庭医に、眼科・歯科・婦人科の定期検診を受けており、血糖コントロールのため糖質制限をしていることを伝えています。異を唱える医師はいません。」

このことも、日本とは大きな違いです。

アメリカでは、眼科・歯科・婦人科においても、糖質制限は日常的に受容されている食事療法の一つということなのでしょう。

「日本お医者さんが「糖質制限を否定した」というご相談が目に留まります。幸いに、米国で医師や医療関係からそういう嫌な思いは受けたことがありませんし、今後も無いだろうなと思います。米国で患者にまで浸透している糖質の知識に(米国が全てではないですけれど)、日本でなぜ反対するお医者さんが沢山いるのか? 正直不思議でなりません…」

全く、同感です。

特に、2013年10月の米国糖尿病学会「食事療法に関する声明」において糖質制限食も正式に受容されたのですから、日本糖尿病学会も、そろそろ普通に選択肢の一つとして、認めてもおかしくはないのですが・・・。

「実際、糖質制限実践継続が難しい人もいるようです。糖質カウントをせず薬やインシュリンに頼った糖尿人もいらっしゃると思います。でも、知識が無いのと、実行が難しいのとでは、スタート地点が違いますよね。 」

そうですね。

日本でも糖質制限食の説明をしても、実践困難な糖尿人もおられます。

しかし、説明を聞いて糖質制限食実践で、薬やインスリンなしで血糖コントロール良好の人も大勢おられます。

そして、一番多いのが、医療機関を受診しても、唯一無二の食事療法「カロリー制限食(高糖質低脂肪食)」を指導・強制されて、他に食事療法の選択肢のない糖尿人です。

カロリー制限食(従来の糖尿病食)では、糖尿病合併症を予防することはとても難しいです。

糖尿病合併症を確実に予防できる可能性が高い食事療法は糖質制限食だけなので、このような状況は早急に何とかしなくてはいけないと思っています。


江部康二

テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
「脂肪・コレステロール、糖尿病の真実」大阪・中之島講演
こんにちは。

2014年8月3日(日)に、「脂肪・コレステロール、糖尿病の真実」と題し、大阪大学中之島センター10F 「佐治敬三メモリアルホール」にて、講演会を行います。

今回は、「脂肪・コレステロール」分野の第一人者である東海大学名誉教授 大櫛陽一先生をお招きして、私と2人での講演会となります。

脂肪・コレステロール、糖尿病の真実を、2人でしっかり語り、質疑応答も30分たっぷり時間をとります。

大阪そして大阪近隣の糖尿人、メタボ人、脂質関連に興味がある人・・・奮ってご参加下さいね。

江部康二

******************************

以下、事務局からのご案内です。

ブログ読者の皆様、講演会へいつも多数ご参加いただきましてありがとうございます。

大阪・中之島にて、一般向けの講演会を開催いたします。

今回は、「脂肪・コレステロール、糖尿病の真実」というテーマのもと、東海大学名誉教授 大櫛陽一先生と江部康二理事長による講演を予定しております。

糖質制限食との関連性も高い「脂肪・コレステロール」について、この分野の第一人者、大櫛先生によるレクチャーで理解を深めていただける、絶好の機会です。

糖質制限食とその有効性については、今回も理事長 江部康二がしっかりとお話しいたします。

関西地区の皆様をはじめ、多数のご参加を心よりお待ちしております。

(関東地区でも秋に同様の講演会を開催する予定です。)

///////////////////ご案内/////////////////////

一般社団法人日本糖質制限医療推進協会主催 講演会(大阪)

    「脂肪・コレステロール、糖尿病の真実」

■日時:8月3日(日)13:50~16:40頃
             ※入場受付・開場は13:30~

■会場: 大阪大学中之島センター10F 「佐治敬三メモリアルホール」
 〒530-0005 大阪市北区中之島4-3-53
 http://www.onc.osaka-u.ac.jp/others/map/index.php

■内容

◆講演① 『脂肪とコレステロールは、あなたの体にいいですよ』

講師: 大櫛陽一
    東海大学名誉教授/大櫛医学情報研究所所長

[講師略歴]

1971年 大阪大学大学院工学研究科修了
  同年 大阪府に就職。以下を兼任(~1988年)
      成人病センター、羽曳野病院、母子センター、府立病院
1988年 東海大学医学部教授(基礎医学系)
2012年 東海大学名誉教授、大櫛医学情報研究所所長

[著書]

・血圧が下がる新食事法(新DASH食) 成美堂出版 2013年
・健康診断の恐怖 宝島社 2013年
・間違っていた糖尿病治療 医学芸術社 2012年
・100歳まで長生きできるコレステロール革命 永岡書店 2012年
・長寿のためのコレステロールガイドライン 中日出版 2010年
・脳卒中データバンク2009 中山書店 2009年
・メタボの罠 角川SSC新書 2007年

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

◆講演② 『糖質制限食による糖尿病治療』

講師: 江部康二
  (一財)高雄病院理事長/(一社)日本糖質制限医療推進協会理事長

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

※抄録は、こちらでご覧いただけます。
  http://toushitsuseigen.or.jp/pdf/20140803lecture.pdf

※講演後、両講師による質疑応答を30分、予定しております。

■受講費:賛助会員 2,800円 / 一般(非会員) 3,300円

■お支払い方法: クレジットカード/銀行振込/郵便振替
           ※事前決済のみとなります。

■お申し込み方法

・賛助会員の方
事務局までメールにてお申し込み下さい。

・賛助会員入会をご希望の方
1.入会案内および会員規約をお読み下さい。
 http://toushitsuseigen.or.jp/member.html

2.お申し込みはこちらのフォームからお願いします。
 http://toushitsuseigen.or.jp/contact.php
 「お問い合せ内容」欄に「8/3大阪講演会、受講希望」とご記入下さい。

・一般(非会員)で、講演会の受講のみご希望の方
こちらのフォームよりお申し込み下さい。
https://ssl.form-mailer.jp/fms/9cbd1ef7287071

■お申し込みの流れ

1.会員の方はメールにて、会員以外の方は各種フォームにてご連絡下さい。
2.事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3.入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4.当日、直接会場までお越し下さい。

■その他

・予約制です。当日参加はできません。
・キャンセルは7月31日(木)までにお願い致します。
 それ以降の返金には対応致しかねますので予めご了承ください。
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
スーパー糖質制限食実践:体重減少、脂肪率減少、筋肉量維持。
【14/06/01 サラリーマン

糖質制限6ヶ月の結果です

49才のサラリーマンです。

糖質制限6ヶ月の一事例ということで、お役に立つかわかりませんがご参考までに経過をご報告させていただきます。

体重等の推移は以下のとおりです(身長180㎝。スポーツクラブの体組成計です。筋肉量として何を計測しているかは不明ですが推移ということでご覧ください。ちなみにタニタの体組成計では61㎏と出ます)。

   体重  脂肪率(量)  筋肉量
4月 83.3㎏ 25.1%(20.9㎏) 26.8㎏(参考)
11月 85.8㎏ 26.6%(22.8㎏) 27.2㎏(開始時)
12月 80.5㎏ 25.1%(20.2㎏) 25.8㎏
1月  78.3㎏ 22.8%(17.9kg) 25.8㎏
2月  75.6㎏ 21.0%(15.9㎏) 25.5㎏
3月  75.8㎏ 19.2%(14.6㎏) 26.1㎏
4月  74.3㎏ 18.1%(13.4㎏) 26.1㎏
5月  73.1㎏ 15.7%(11.5㎏) 26.3㎏(6ヶ月経過)

結果 -12.5㎏ -10.9%(-11.3㎏) -0.9㎏

このほかウエストは94㎝→82㎝、スポーツクラブの体組成計の内臓脂肪指数は120→60と大成功です。

もともと平日1万歩前後と土日にエアロビクス(ハード系)+ジム計2時間程度の運動習慣があってもそれまでは順調に増量していた中この結果、やはり食生活(=糖質制限)のおかげです。

筋肉量については、減っても仕方がないと思っていましたが、体重減少の大半が脂肪で正直驚いています。

土日の筋トレを少し増やしていますのでその効果もあるかもしれませんが、かなり厳格に糖質制限してきた中、1月以降は脂肪減で筋肉増加で推移しており、カロリー不足でなければ筋肉を分解あるいはアミノ酸を利用してエネルギーに…、ではないということですね。

また、運動中も最初の1ヶ月程度は若干重たい感じがいていまいたが、その後はハイテンションでしっかり動けています。

体の順応の速さについては個人差があるかもしれませんが、一般人の健康増進レベルの運動であれば、全く問題ないという一例です。

・・・・・・・

実は、もともと食後の強烈な眠気があったところ昨年11月に入り夕方だるさとともに冷汗がでるようになりネットで検索、先生のブログを拝見したことがきっかけで、即スーパー糖質制限を初めました。

最初の2~3週間は食後の眠気や冷汗はなくなったものの、何となくテンションが上がらないなあと思っていたところ、単に主食と芋類を抜いただけで完全にカロリー不足だったようで(最初筋肉が落ちた原因かもしれません)、その後は先生のごご著書を参考に糖質を毎食20ℊ未満に抑える一方、おかずを増量したりナッツ類やチーズの間食を加えたところ、体が順応してきたこともあってか、とても快調な日々を送っております(ちなみに晩酌はスタイルフリー2本を毎日。宴席は乾杯のビールの後、焼酎かハイボールにしてます)。

また精神面の安定や睡眠、集中力、乾燥肌、便通についても大きく改善しています。
本当にありがとうございます。

健康診断を含め、今後も経過を記録していくつもりです。
勝手ながら時々ご報告させていただきます。

先生の益々のご活躍を祈念しております。】



こんにちは。

サラリーマンさんから

スーパー糖質制限食実践で、「体重減少、脂肪率減少、筋肉量維持」

という嬉しいコメントをいただきました。

11月 85.8㎏ 26.6%(22.8㎏) 27.2㎏(開始時)
12月 80.5㎏ 25.1%(20.2㎏) 25.8㎏


開始直後の1ヶ月で、5.3kgとかなりの体重減少です。

この間脂肪が2.6kg、筋肉が1.4kgの減少です。

この時の筋肉量の減少ですが、カロリー不足の影響と共に、筋肉中の水分が初期段階で急速に減ったための可能性があります。

その後、摂取エネルギーを増やしてスーパー糖質制限食を継続したところ
2月  75.6㎏ 21.0%(15.9㎏) 25.5㎏
3月  75.8㎏ 19.2%(14.6㎏) 26.1㎏
4月  74.3㎏ 18.1%(13.4㎏) 26.1㎏
5月  73.1㎏ 15.7%(11.5㎏) 26.3㎏(6ヶ月経過)


脂肪が、減少して、筋肉量は増えていますので、理想的な展開です。


サラリーマンさんの仰有るとおり、一般人の健康増進レベルの運動であれば、スーパー糖質制限食は全く問題ないし、筋肉量も増えうるということなのでしょう。

瞬発力やパワーが主となるハードな運動の場合、アスリートもどきさんのコメントにもあったように上手くいかない場合があるようなので、今後の課題です。


「もともと平日1万歩前後と土日にエアロビクス(ハード系)+ジム計2時間程度の運動習慣があってもそれまでは順調に増量していた中この結果、やはり食生活(=糖質制限)のおかげです。 」

サラリーマンさん、一般人に比べたら、結構運動量豊富なライフスタイルだったのに、体重増加でピークは85.8kgだったのが、
スーパー糖質制限食で見事に体重減少、筋肉量維持、体調良好・・・

素晴らしいです。

やはり糖質を食べながら、運動だけで体重を減らすというのは、なかなか難しいことなのですね。


江部康二


テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット