日本糖質制限医療推進協会主催 講演会(東京) ご報告
おはようございます。

2014年3月30日(日)午後1時~午後3時
一般社団法人 日本糖質制限医療推進協会主催 講演会(東京)

糖質制限食の有効性・可能性 ―食のパラダイムシフト―
    ~糖尿病・メタボ・生活習慣病・がん・・・~

おかげさまで大盛況の内に終了しました。

ブログ読者の皆さんにおかれましては、いつもご協力ありがとうございます。

約100名の参加で、予約キャンセルは1名のみでした。

参加者の熱意はなかなかすごくて、開場30分以上前から大勢集まっておられました。

開場後、最前列から順番に席が埋まっていくので、いい意味でびっくりしました。

普通は、最前列や前のほうは空いていて、なかなか埋まらないものなので、参加者の意気込みを感じました。

今回の講演会の特徴は、若い参加者が多かったことです。

女性も20代前半とか、男性も学生さんと思えるような若々しい参加者が多くて、新鮮でした。

今までは、糖尿病やメタボといえば、「中高年+高齢者」が定番でしたので、糖質制限食がより広い範囲において、受け入れられていきつつあり、新たな流れの始まりなのかなと嬉しく思いました。

質疑応答も、25分間を予定していたのですが、熱心な質問が相次ぎ、45分間くらいかかりました。

厚生労働省の国民栄養の現状統計において

1997年以来、増加し続けていた炭水化物摂取比率が
2008年→2010年 は  60.4%→59.4% と
11年ぶりに1%減少し、
1997年以降、減少し続けていた脂肪摂取比率が、
2008年→2010年 は24.9%→25.9% と
11年ぶりに1%増加しました。 

そして糖尿病予備群は、2007年から2012年にかけて約220万人減少しました。

これは国民健康・栄養調査が始まって以来の快挙です。

このことは、中高年や高齢者といった<糖尿病・メタボ年齢層>以外にも、
<糖質制限食は人類の健康食>
<糖質制限食で生活習慣病予防>
<糖質制限食で美味しく楽しくダイエット>
といった糖質制限食のポジティブイメージが、日本国民全体や若年層に浸透してきていることの反映かと思います。

3月30日の東京講演会に、若い参加者が多かったことも、日本全体が糖質制限食を認知して受け入れいきつつある流れの一環のように思えます。

講演会終了後、午後3時15分~4時50分、日本糖質制限医療推進協会の賛助会員に残っていただき、協会の活動報告、意見交換会を行いました。

いろんな建設的な意見がありました。

日本の農業と糖質制限食の両立をどう目指すか?

災害時の糖質制限食備蓄はどうするか?

などなど、すぐには解決しないけれど、今後考えていかなくてはならない課題も出てきました。

このあと、賛助会員の

中村修さん、
長谷川清久さん、
黒須俊隆さん
小室クリニックの小室富美子先生、
宗田マタニティクリニックの宗田哲男先生、
きよすクリニックの伊藤喜亮先生、

のご発表がありました。

それぞれ有意義で実践的な発表でした。

午後4:50、充実した会が無事終了しました。

糖質制限食の未来がとても明るく感じた一日でした。


江部康二


テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
生理的ケトン体上昇は安全、ケトン体は人類の日常的なエネルギー源
こんばんは。

mawさんから、

日経トレンディネットの2014年3月13日
「炭水化物って、本当に悪者なの?」

という医学博士 大西睦子先生執筆の記事について、コメントいただきました。

まずは、大西睦子先生に一言、江部康二の著作やブログをみてほんの少し勉強していただけば、このような誤解だらけの記事はお書きにならないでしょうに、残念です。( ̄_ ̄|||)

以下一つ一つ、正しい知識を説明していきます。

それがそのまま、大西睦子先生の誤解への反論となります。

1)

スーパー糖質制限食実践者において、エネルギー源としてタンパク質を利用することは、ほとんどありません。

スーパー糖質制限食では「脂肪酸-ケトン体エネルギーシステム」が主たるエネルギー源となります。

2)

糖質を普通に食べている人の、血中総ケトン体の基準値は、「26~122μM/L 」くらいです。

つまり、糖質を食べている人でも、日常的に24時間血中ケトン体は存在しているわけです。

糖質摂取開始後3~4時間までは心筋・骨格筋の主たるエネルギー源はブドウ糖ですが、糖質摂取後4時間くらい経過すると、心筋・骨格筋など体細胞の主たるエネルギー源は<脂肪酸-ケトン体>に切り替わっていきます。

従って糖質を摂取している人においても、夜間睡眠時とか、日中でも空腹時は、心筋・骨格筋などの主たるエネルギー源は、実はブドウ糖ではなく<脂肪酸-ケトン体>なのです。

ケトン体は決して燃焼カスではなく、極めて効率のよいエネルギー源なのです。

このことを多くの医師・栄養士がご存じないのは大変困ったもので、医療現場で混乱のもととなっています。

3)

夜間睡眠時や空腹時などにもブドウ糖をエネルギー源としているのは、赤血球、脳、網膜など特殊な細胞だけです。

つまり糖質を普通に摂取している人においても、「脂肪酸-ケトン体」はごく日常的なエネルギー源として、全ての人類において利用されているというのが生理学的事実です。

4)

スーパー糖質制限食実践者の場合は、食事中にも「脂肪酸-ケトン体」がエネルギー源として利用されています。

つまりステーキを食べている最中にも脂肪は分解されて燃えているわけです。

このとき血中ケトン体濃度は、現行の基準値よりはるかに高値となりますが、インスリン作用が働いているので、生理的であり、全く安全です。

人類700万年間の狩猟・採集時代は糖質制限食なので、ご先祖は、日常生活の多くの場面で同様に「脂肪酸-ケトン体」をエネルギー源としていたと考えられます。

このことは、備蓄エネルギーの観点から考慮すると、体脂肪が10kgあれば、90000kcalとたっぷりあるのに対して、グリコーゲン250gなら、わずか1000kcalしかないことからもわかると思います。

すなわち

人類において身体の多くの細胞の主たるエネルギー源は「脂肪酸-ケトン体エネルギーシステム」

で、「ブドウ糖-グリコーゲンエネルギーシステム」は、緊急事態(闘争、逃走など激しい筋肉の収縮時)や運良く糖質を摂取できたときだけの予備システムであったということです。

5)

すなわち、インスリン作用があるていど働いていれば、血中ケトン体が現行の基準値より高値でも生理的状態なので、何の問題もなく安全です。

ちなみに、胎児胎盤の絨毛間液のβヒドロキシ酪酸(ケトン体の一種)濃度は、1730μM/L で基準値「76μM/L 以下」より、20~30倍高値ですが、胎児においてはこちらが基準値(58検体の平均)なのです。

同様に、生後4日目の新生児のβヒドロキシ酪酸濃度は240μM/Lで、やはり現行の基準値より高値ですが、新生児においてはこちらが基準値(312例の平均)なのです。

このように胎児、新生児において現行の基準値よりはるかに高値でも生理的で安全なケトン体が、成人においても危険なわけがないのです。

6)

一方、インスリン作用が欠落しているときの、糖尿病ケトアシドーシスは重篤な病態であり危険です。

言い換えると、インスリン作用が欠乏していない限り、「糖尿病ケトアシドーシス」は絶対に生じないのです。

このように、「生理的ケトン体上昇」と「糖尿病ケトアシドーシス」とは全くことなる状態であることを知る必要があります。

このことも多くの医師・栄養士がご存じないので、医療現場混乱のもととなっています。

7)

炭水化物は、現代の摂取状況では、悪者ですというしかないです。

そもそも炭水化物は、過去700万年の狩猟・採集時代は人類があまり摂取してこなかった栄養素なのです。

必須アミノ酸、必須脂肪酸、ビタミン、ミネラルは人類に絶対に必要ですが、必須糖質はないのです。

大西先生は「取り過ぎ傾向の炭水化物を減らす」のはいいと仰っています。

しかし例えば日本糖尿病学会が推奨する<糖質50~60%>という比率について、いったいどのように考えておられるのか聞いてみたいです。

700万年間の狩猟・採集(糖質制限食)時代に、形成された人類の消化管・栄養・生理・代謝などのシステムは糖質制限食に適合するように特化しています。

摂取エネルギーの50~60%をとるようなとんでもないバランスの食事が、如何にヒトの身体に負担になるか、想像にかたくありません。

すなわち現代人の普通の食事は、全て炭水化物の頻回過剰摂取といっても過言ではありません。

生活習慣病の根本要因は炭水化物の頻回過剰摂取とそれに伴うインスリンの頻回過剰分泌であると、私は考えています。

8)

なおスーパー糖質制限食は、カロリー無制限というわけではありません。

糖尿病学会のいうような、カロリー制限食は必要ありませんが、厚生労働省のいう標準必要摂取エネルギーが目安となります。


*炭水化物=糖質+食物繊維

江部康二



【14/03/28 maw

江部先生へ

下記の様な記事が有りました。
反論をお願いします。

日経トレンディネット
連載:医学博士 大西睦子のそれって本当? 食・医療・健康のナゾ
炭水化物って、本当に悪者なの?
医学博士 大西睦子


2014年03月13日
食、医療など“健康”にまつわる情報は日々更新され、あふれています。この連載では、現在米国ボストン在住の大西睦子氏が、ハーバード大学における食事や遺伝子と病気に関する基礎研究の経験、論文や米国での状況などを交えながら、健康や医療に関するさまざまな疑問や話題を、グローバルな視点で解説していきます。

第10回は、ダイエットで何かと話題の「炭水化物」について。


 もし東京から大坂まで早く移動したいのなら、バスではなく新幹線を、もし早くたくさんの情報を収集したいのなら、図書館ではなくインターネットを使用しますよね。では、体の運動機能をうまく働かせたいときは、どうでしょう?

これには効率の良いエネルギー=炭水化物を摂取する必要があります。

低炭水化物ダイエットで起きる体内燃料カス問題

食事から摂取した炭水化物は消化され、ブドウ糖にまで分解されます。
ブドウ糖は、体のほとんどの細胞にとって、最も効率の良いメインのエネルギー源であり、不要な副産物=燃焼カスも出ません。

ところが、エネルギー源としてタンパク質を使った場合にはアンモニアが、脂肪を使用した場合にはケトン体という副産物=燃焼カスが出ます。

私たちの体は、これらの燃焼カスを処理するシステムを持ってはいます。

このうち細胞内で生じた毒性の強いアンモニアは、グルタミンやアラニン(主に筋肉)に変換されて血中に入り、肝臓に運ばれ、肝臓で比較的無害な尿素に変換されます。まさしく燃焼カスなわけです。

一方ケトン体も主に肝臓で作られますが、絶食時などブドウ糖が枯渇した時には重要なエネルギー源となります。
過剰な摂取が問題で、ケトアシドーシス(ケトン体が過剰に蓄積し、体内が酸性に傾く状態)などの恐れも出てくるわけです。

つまり取り過ぎ傾向の炭水化物を減らす、という意味の低炭水化物ダイエットは大いに結構なのですが、糖質をゼロに近いくらいに減らして、脂肪とタンパク質から必要なカロリー摂取するという行き過ぎた低炭水化物ダイエットを続ければ、健康に悪影響があります。

脂肪とタンパク質摂取でできた燃料カスが、体内で処理できなくなり健康に害をおよぼしますし、「炭水化物さえ避けていればたくさん食べても太らない」という誤った考えまで刷り込まれる恐れもありますから。

掲載URL:
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/column/20140312/1055903/


テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質制限食でED(勃起不全)改善
こんばんは。

ぶりおさんから、勃起不全(ぼっきふぜん、英: Erectile Dysfunction; ED)改善という、とても嬉しいコメントをいただきました。


【「糖質制限食パーフェクトガイド」は他の先生の書籍とコンセプトが違って、ブログを熟読している者にとってもありがたいものです。】


ありがとうございます。

医師や栄養士の知識整理、守旧派への理論武装に役立つ本と自負していますが、勿論、一般の人で理論やエビデンスが好きな人にも喜んでいただける本ですので、是非、ご一読を。


【私は糖質制限食でうつ病、脂肪肝、肝機能障害、高血圧、肥満などなど色々な病気が劇的に良くなったのですが、実はEDも治ってしまいました。】


ぶりおさん、素晴らしいデータ改善ですね。
良かったです。

確かに、脂肪肝、肝機能障害、肥満はほとんどの人において速やかに改善します。

肥満に伴う高血圧も、たいていは改善します。

うつ病もぶりおさんのように改善する人も多いのですが、個人差があるようです。

EDに関しては、仰る通り、話題にあがることが比較的少ないです。

しかし、ぶりおさん以外にも、朝立ち復活のコメントをいただいた方が複数おられます。

かくいう私も、40才代後半から、「あれ、やばいかも・・・?」という時期があったのですが、52才からスーパー糖質制限食を開始してしばらくしてからは、朝立ちは「完全復活の日々」の毎日です。

こちらも勿論、個人差はあると思うのですが、糖尿病に伴うEDは、糖質制限食で糖尿病が良くなれば、当然改善する可能性があります。

糖尿病がない方においても、年齢とともにEDは気になる症状の一つです。

スーパー糖質制限食で、全身の血流・代謝が良くなるので、ED改善にもおおいに役立つと思います。

心当たりのある方は、是非、お試しあれ。


江部康二


【14/03/28 ぶりお

あまり聞かないのですが

江部先生いつもブログや書籍で勉強させていただいています。

「糖質制限食パーフェクトガイド」は他の先生の書籍とコンセプトが違って、ブログを熟読している者にとってもありがたいものです。

ところで、いつもブログを拝見していて思っていることがあるのですが、ある事柄について糖質セイゲニストの皆さんのコメントにもあまり話題に挙がらないことがあります。

私は糖質制限食でうつ病、脂肪肝、肝機能障害、高血圧、肥満などなど色々な病気が劇的に良くなったのですが、実はEDも治ってしまいました。

久しく経験していなかった朝立ちもの毎朝の状態になり、中年のおっさんなのに実感としては角度、硬さとも大学生時代に戻ったような感じです。

糖尿病の方がEDになることはよくあることと思います。

そして糖質制限食によって動脈硬化が改善し、血流が良くなることは糖質セイゲニストであれば常識といってもいいと思います。

男性でしたら大きくなるメカニズム、つまり陰茎海綿体に血液が充満し硬く大きく屹立することは誰でもご存知だと思います・・・

つまりなにが言いたいかというと、糖質制限食はED治療にも極めて有効ではないのかということも一つのアピールポイントになるのではないかということです。

皆さんは糖質制限食の実践により息子が元気になっていませんか?

甦る男の自信!頬を赤らめるお母さん!そんな糖質制限食の効果も素敵やん!

と、日頃思っています。大変失礼いたしました。

(一部の語句でコメントができなくなるようなので修正しました)】




テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
「糖尿病治療のための!糖質制限食パーフェクトガイド」のご案内
こんばんは。

「主食を抜けば糖尿病は良くなる!糖質制限食のすすめ 新版」2014年(東洋経済新報社)
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!2 実践編」2014年(東洋経済新報社)

おかげさまで、売れ行き順調です。

これらは、一般向けの本ですが、今回は

「糖尿病治療のための!糖質制限食パーフェクトガイド」江部康二著
2013年8月 東洋経済新報社 

のご案内です。こちらは医療関係者向けの本です。



今回の本、¥ 3,465と、やや高いです。 m(_ _)m

医家向けに書いた初めての本です。一般の人には少し堅苦しいと思います。

医師・医療関係者・専門的な知識を得たい人のための本です。

エビデンスレベルの高い研究論文から、従来の糖尿病治療の限界を証明し、
糖質制限食の有効性や安全性を実証しました。

論文も各章で整理して、読者が調べやすいように配慮してあります。

繰り返される非科学的な糖質制限食批判へも徹底反論しています。

引用文献が豊富ですので、糖質制限食批判に対して読者が反論するときには、
かなりお役に立つと思います。

実際、複数の医師から

「よくまとまっている。整理されていて使いやすい。辞書がわりにも使える。糖質制限食批判への反論に便利・・・」

など、お褒めの言葉をいただきました。(^^)

糖質制限食勉強会の教科書として使っているという医師もおられ
嬉しい限りでした。

実は、兄、江部洋一郎高雄病院名誉院長からも
「今度の本は今までで一番いいね」と声をかけて貰いました。

兄から褒められた経験がほとんどないので、ちょっぴり嬉しかったです。

食事指導・投薬方針など、高雄病院で行われている治療の実際も公開し、
これからの糖尿病治療、メタボ・肥満対策の具体的な指針を示しました。

平均血糖変動幅増大と食後高血糖の酸化ストレスリスクなども詳しく考察しています。

内容紹介

【主要目次】
第1章 糖質制限食に関するエビデンス
第2章 従来の糖尿病治療の限界を証明する研究
第3章 糖質制限食への批判に答える研究
第4章 生理学的な事実
第5章 生理学から見る糖質制限食の安全性
第6章 栄養学的な事実
第7章 糖質制限食の実際
第8章 糖質制限食の可能性


◆前帯コピー

医師をはじめ医療関者、専門的な知識を得たい人--必読!

もう、知らないではすまされない!

エビデンスレベルの高い最新研究から、従来の糖尿病治療の限界を証明し、糖質制限食の有効性や安全性を実証。
繰り返される非科学的な糖質制限食批判へも徹底反論。

食事指導・投薬方針など、高雄病院で行われている治療の実際も公開し、これからの糖尿病治療、メタボ・肥満対策の具体的な指針を示す。

◆後帯コピー

これからの糖尿病治療、メタボ・肥満対策のバイブル

三大栄養素の生理学的な事実から考えて、血糖コントロールの上で、従来の高糖質の治療食よりも糖質制限食のほうが有利となります。

さらに、体重減少、体内の脂質状況の改善についても効果があることは、複数の非常にエビデンスレベルの高い研究により証明されています。

近年、大きな注目を集めている、食後高血糖の防止、血糖変動幅の縮小、低血糖の予防に関しても、糖質制限食は抜群の効果があり、ますます評価が高まっています。

事実、欧米では、数々のエビデンスがあり、既に糖質制限食の有効性と安全性については認められていて、公式な治療食の選択肢の一つとなっています。

これからの糖尿病治療において、日本でも、糖質制限食は重要な選択肢となるでしょう。



以下は、「糖尿病治療のための!糖質制限食パーフェクトガイド」の「はじめ」にです。

糖質制限食とは

アメリカ糖尿病学会(ADA)によれば、食べ物が摂取され消化・吸収された後、糖質は100%が血糖に変わりますが、たんぱく質と脂質は血糖に変わりません。また、糖質は摂取直後から急峻に血糖値を上昇させ、2時間以内にほとんど吸収されます。これらは含有エネルギーとは無関係な三大栄養素の生理学的な特質です。

食事で糖質を摂取したときだけは血糖値が急上昇することになり、インスリンが大量に追加分泌されます。脂質を摂取してもインスリンの追加分泌はありませんし、たんぱく質を摂取したときにはごく少量の追加分泌があるだけです。

現在、糖尿病の治療において食後の急激な高血糖、すなわち「グルコーススパイク」が大きな問題として注目されています。食後高血糖が心筋梗塞や脳梗塞などの合併症の危険因子として認識されるようになったからです。

そして、食後高血糖を起こすのは、三大栄養素のなかで糖質だけです。

1gの糖質摂取により、体重64kgの2型糖尿病の人の血糖値は3mg/dl上昇するとされています。茶碗一杯分に当たる150g(252Kcal)の白米飯には55.3gの糖質が含まれており、これを摂取すれば166mg/dlの血糖上昇が起こることになります。

ところが、牛サーロインステーキを200g(約1000Kcal)食べたとしても、糖質含有量は1g未満であり、食後高血糖をほとんど生じません。

なお、1型糖尿病の場合、1gの糖質摂取で、体重64kgの人の血糖値を5mg/dl上昇させるとされています。

 
糖質制限食の基本的な考え方は、上述のような生理学的な事実を基盤として、出来るだけ糖質の摂取を抑え、食後高血糖を防ぐというものです。米飯、麺類、パンなどの穀類や、イモ類など、糖質の多い食品を出来るだけ避ける食事となります。

なお、カロリー計算は原則的に不要ですが、摂取カロリーが無制限というわけではありません。

糖尿病学会の推奨する厳格なカロリー制限は必要ありませんが、身体活動レベルが低い場合は厚生労働省のいう標準的な範囲でのエネルギー摂取を行い、男性ならば1850~2250Kcal、女性ならば1450~1700Kcalを目安とします。

高雄病院で指導している糖質制限食の場合、一日の食事全てにおいて糖質を制限すると総カロリーにおける三大栄養素の比率は糖質12%、たんぱく質32%、脂質56%ほどになりますが、薬剤に頼ることなく速やかに血糖値改善が起こり、良好な血糖コントロールが可能です。

しかし、従来の糖尿病食の場合、糖質60%、たんぱく質20%、脂質20%という比率であり高糖質食となるため、一日の摂取カロリーを1200Kcalに抑えたとしても、食後高血糖を必ず生じます。白米飯と牛サーロインステーキの比較で明らかなように、高糖質食で食後高血糖を防ぐことは理論的に不可能です。

三大栄養素の生理学的な事実から考えて、血糖コントロールの上で従来の高糖質の治療食よりも糖質制限食のほうが有利となります。

さらに、体重減少、体内の脂質状況の改善についても効果があり、複数の非常にエビデンスレベルの高い研究により証明されています。

ここ数年で大きな注目を集めている低血糖の防止、血糖変動幅の縮小に関しても、糖質制限食は効果が高く、ますます治療効果への評価が高まっています。

これからの糖尿病治療において、糖質制限食は重要な選択肢となるでしょう。

本書は糖尿病および糖質制限食に関する主だった研究や知識を集めたものです。また、高雄病院で糖質制限食を10年余りにわたり指導してきた経験やデータもご紹介しております。医療関係者の皆様を初め、糖質制限食についてより詳しく知りたいと考えておられる方のご参考になるかと思っております。

なお、本書の内容は私のブログである「ドクター江部の糖尿病徒然日記」を中心に、これまでの講演会の内容やデータを加味する形で構成しています。ブログは5年以上を経過して内容が膨大になっておりますが、本書はそれを体系化しており、ブログをご覧いただく際にも便利かと思います。

糖質制限食を詳しく知っていただくためにも、またより有効に安全に実施していただくためにも、ぜひ活用していただきたいと願っております。


江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
従来の糖尿病治療と糖尿病網膜症の発症頻度。
こんにちは。

わが国において2型糖尿病患者を対象に行われた、 代表的な無作為割り付け試験の一つにあげられるのが

厚生労働省班研究
Japan Diabetes Complications Study(JDCS)

です。

文字通り、糖尿病合併症の本格的研究です。

その中で、今回は糖尿病網膜症の発症について検討してみました。

すなわちJDCSにおいて網膜症の発症・進展について検討したサブ解析の検討です。

●デザイン コホート。
●試験期間 追跡期間は8年。試験期間は1996年3月~2003年3月。
●対象患者 1631例:JDCSの参加者(40~70歳の日本人の2型糖尿病患者2033例)のうち、
ベースラインに糖尿病網膜症を認めない患者1221例と
ベースラインに軽度非増殖性糖尿病網膜症を認める患者410例。
参加者全員が糖尿病専門医療機関(主に大学病院)59施設の糖尿病患者。



JDCSに参加した患者さんは、全員医療機関に登録されて、 全員きっちり、糖尿病専門医の治療を受けておられます。

そしてそれでも約8年間で、網膜症が1221例中に約28%発症するというデータが明らかになりました。

生活習慣介入群と非介入群では、有意差はありませんでした。

また8年間で410例中に約15.9%が網膜症の悪化が見られました。

こちらも生活習慣介入群と非介入群では、有意差はありませんでした。

つまり、現行の日本最高水準の糖尿病治療を受けていても、経年的に糖尿病網膜症は確実に、年間3~4%ずつ新たに発症し続けていくことが本研究により、明らかになったわけです。

従来の糖尿病治療<カロリー制限高糖質食+薬物療法>では、「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」を防ぐことは、
理論的に不可能です。

だからこそ、経年的に糖尿病網膜症が確実に、年間3~4%ずつ新たに発症し続けていって、8年目で累計28%に達したわけです。

網膜症だけではなく、他の糖尿病合併症発症も同じことで、従来の糖尿病治療<カロリー制限高糖質食+薬物療法>では
経年的に確実に増え続けていくことは明らかです。

経年的に増加し続け行く糖尿病合併症を予防できるのは、「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」を生じない糖質制限食だけです。

スーパー糖質制限食を実践している私の目標は、糖尿病網膜症を含めて、糖尿病腎症、糖尿病神経障害、心血管合併症・・・全てを予防し発症させないことです。

糖尿病歴12年で、現在64才ですが、目標達成しています。

ブログ読者の糖尿人の皆さん、スーパー糖質制限食実践により

<日本糖尿病学会2013年5月までの目標値>
空腹時血糖値:110mg/dl未満
食後血糖値:1時間180mg/dl、2時間140mg/dl未満
HbA1c:6.2%(NGSP)未満

を達成して、糖尿病合併症発症予防をめざしましょう。


江部康二


テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖尿人・江部康二、久しぶりに眼科受診してきました。
こんにちは。

2014年3月25日(火)午前中、約10年ぶりに眼科を受診してきました。

私は病歴12年の糖尿病患者ですから、本当は年1回くらいの眼科検診は必須なのです。

高雄病院や江部診療所に来られる糖尿病患者さんには、

「1/年は必ず眼科受診をしてください。糖尿病網膜症が発見されれば眼科主治医の指示に従ってください。」

と説明している私ですが、医者の不養生というか忙しかったというか、言い訳ばかりですが、ずっと眼科受診していませんでした。

ともあれ

HbA1c(NGSP):5.6~5.9%
空腹時血糖値:90~110~125mg/dl
食後血糖値:140mg/dl未満

が私のこの12年間のデータです。

ちなみに私は血糖自己測定器(SMBG)を持っています。

空腹時血糖値が時に境界型になることがありますが、あとは基本的に基準値内です。

<日本糖尿病学会2013年5月までの目標値>
空腹時血糖値:110mg/dl未満
食後血糖値:1時間180mg/dl、2時間140mg/dl未満
HbA1c:6.2%(NGSP)未満


<日本糖尿病学会2013年6月からの目標値>
HbA1c(NGSP):7.0%未満→合併症予防のための目標
空腹時血糖値:130mg/dl未満
食後2時間血糖血:180mg/dl未満


なので、日本糖尿病学会の2013年6月以降の目標値は完全にクリアですし、2013年5月までの、より厳しい目標値も、早朝空腹時血糖値が時に境界型になるくらいであとはクリアなので、合併症は、まあ大丈夫だろうと高をくくって早10年です。

江部診療所の近くの西村眼科医院に受診しました。

前週に連れ合いが飛蚊症で受診していたし、江部診療所のスタッフもお世話になっているので、何となく安心して受診することができました。

眼科医院のスタッフによりまず各種検査(眼底、眼圧、視力・・・)をして頂きました。

次いで西村先生の診察で、拡大鏡で角膜の傷の有無など確認して頂きました。

西村先生は女性医師です。

眼底写真の検査結果などてきぱきと説明していただき、待ち時間15~20分、検査・診察時間30分くらいで、サクサクと診察終了でした。

西村先生、ありがとうございました。

結果は、

眼底検査は両目共正常。
勿論糖尿病網膜症なし。
眼圧右13,左14で正常。
視力:右0.6、左0.2・・・近眼、老眼、乱視あり
白内障なし。
角膜も綺麗。

ただし両目ともアレルギー性結膜炎ありで、完全フリーとはなりませんでした。

ともあれ、点眼薬なしでOKとのことでした。

近眼・老眼・乱視ありですが、相変わらず裸眼で広辞苑も見えます。

「せめて、2~3年に1回くらいは眼科検診をしてください。」

と西村先生に言われましたので

「1//年、必ず受診します。」

と殊勝に答える私でした。

ところで、よい子の糖尿人の皆さんは、1/年は、眼科受診しましょうね。

でも、血糖自己測定器(SMBG)を持っていて、

空腹時血糖値:110mg/dl未満
食後血糖値:1時間180mg/dl、2時間140mg/dl未満

を達成している人は、1/2年の眼科検診でOKかもしれません。


☆☆☆
西村眼科医院
〒606-0862
京都府京都市左京区下鴨本町11
久米衣料品店ビル1階
075-712-0190


江部康二


テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
蛋白質摂取量について
こんにちは。

蛋白質摂取量について、精神科医師Aさんからコメント・情報をいただきました。
ありがとうございます。


蛋白摂取量について(1)(2)
a)
米国糖尿病学会の2013年10月の「栄養療法に関する声明」において糖尿病腎症がある場合でも、蛋白質制限は推奨しないと明言。
b)
米国内科学会のCKDガイドライン(2013年)においても

「軽中等症のCKDでは摂取蛋白量を減らしても末期腎障害への進展には差がなかった、全死亡にも差がなかった」

と蛋白質制限の効果を否定。


精神科医師Aさんのご指摘通り、米国糖尿病学会も米国内科学会も2013年の段階で、蛋白質制限の効果に対して否定的な見解です。


蛋白摂取量について(3)

 日本糖尿病学会の『糖尿病治療ガイド2012-2013』では、

糖尿病腎症2期では蛋白制限食(1.0~1.2g/day/kg)
3期Aではさらに0.8~1.0 g/day/kg

の蛋白制限が記載されている。

食品交換表7版(2013年11月)も同様。


ただし、日本糖尿病学会は「日本人の糖尿病の食事療法に関する日本糖尿病学会の提言 2013年3月」において、タンパク質に関しては「 CKD診療ガイド2012」に従うとしています。

「 CKD診療ガイド2012」に従うならば、GFR60ml/分以上の場合、蛋白質制限は必要ないので、糖尿病腎症第3期Aの段階までは、蛋白質制限必要なしと日本糖尿病学会も認めていることとなります。

蛋白摂取量について(4)
第22回世界糖尿病会議(2013年12月2日~6日)で、

「糖尿病腎症を有する2型糖尿病の高タンパク質食、腎機能に影響及ぼさず。」

という研究報告が発表された。

http://www.m3.com/overseasAcademy/report/article/10254/?refererType=academyTopCategories


この研究は、糖尿病腎症を有する2型糖尿病患者において、高蛋白食(蛋白質摂取比率30%)を摂取した群は、標準食(蛋白質摂取比率20%)を摂取した群と比較して、腎機能に関して有害な影響を及ぼさなかったという結論です。

スーパー糖質制限食は、蛋白質摂取比率が約30%の高蛋白食になるのですが、本研究により、糖尿病腎症の患者さんにおいても、その安全性が一定担保されたということであり、追い風ですね。



江部康二


14/03/24 精神科医師A
蛋白摂取量について(1)
(大阪府吹田市の清水Drのblogより)
www.shimizu-clinic.biz/blog/2014/01/post_43.html

米国糖尿病栄養ガイドラインが改定されました(Diabetes Care 2013)。
その中の蛋白摂取量について紹介します。

  腎障害がない人の理想的な蛋白摂取量:よくわかってない。
  糖尿病性腎症がある人(微量蛋白尿、顕性蛋白尿)の蛋白摂取量:
    通常の蛋白摂取量から、さらに下げることは推奨しない。
  蛋白は血糖を上げずにインスリン分泌を増加させる:
    低血糖の治療・予防に蛋白を多く含む炭水化物は使うべきでない。

米国内科学会のCKDガイドラインでも、
  「軽中等症のCKDでは摂取蛋白量を減らしても末期腎障害への
   進展には差がなかった、全死亡にも差がなかった」
としています(Ann Intern Med 2013)
  (CKD:慢性腎臓病)

米国では蛋白摂取量の考えが変わってきています。



14/03/24 精神科医師A
蛋白摂取量について(2)
<米国内科学会のCKDガイドライン>
Screening, Monitoring, and Treatment of Stage 1 to 3 Chronic Kidney Disease: A Clinical Practice Guideline From the American College of Physicians
Ann Intern Med. 2013;159(12):835-847-847
17 December 2013

http://annals.org/article.aspx?articleid=1757302&resultClick=3

◇ Low-Protein Diet Versus Usual-Protein Diet

Low-quality evidence from 3 trials comparing a low-protein diet with usual diet in patients with stage 1 to 3 CKD (92–94)
showed no statistically significant difference in association with ESRD (Table 3),
and data from 4 trials (93–96) showed no statistically significant difference in the risk for all-cause mortality (Table 3).

◇ 蛋白制限食と、蛋白通常食
 CKDstage1~3で、蛋白制限食と蛋白通常食とを比較したエビデンスの低い3論文では、末期腎障害への進展には統計学的な有意差はなかった。
また4編の論文では、すべての死因を含む死亡リスクにおいて、統計学的な有意差はなかった。
ESRD: End Stage Renal Disease

なお文献No.93は、金沢医大・古家Drの論文である。



14/03/24 精神科医師A
蛋白摂取量について(3)
 日本糖尿病学会の『糖尿病治療ガイド』では、
糖尿病腎症2期では蛋白制限食(1.0~1.2g/day/kg) 、
3期Aではさらに0.8~1.0 g/day/kg の蛋白制限が記載されている。
食品交換表7版も同様である

 一方『科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン2013』102頁では、こうある
www.jds.or.jp/common/fckeditor/editor/filemanager/connectors/php/transfer.php?file=/uid000025_474C323031332D30382E706466
「低たんぱく食の有効性に関する科学的根拠は十分とはいえないが、高たんぱく食は高リン血症や高カリウム血症の原因となるため、顕性腎症期以降では、食事のたんぱく制限が必要と考えられる」

 日本人の食事摂取基準(2010)では蛋白質の推定平均必要量は0.72g/day/kg であり、0.8g/kg/day まで下げると下限に近く、必須アミノ酸の不足の可能性もある

『エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2013」39頁にはこうある。
www.jsn.or.jp/guideline/pdf/CKD_evidence2013/03honbun_teisei.pdf
「たんぱく質不足には生命予後に対して潜在的なリスクが否定できないため,必要以上のたんぱく質制限は避けることが望ましい」



14/03/24 精神科医師A
蛋白摂取量について(4)
第22回 世界糖尿病会議(IDF2013) 【開催期間:2013年12月2日~6日】

◇2型糖尿病の高タンパク質食、腎機能に影響及ぼさず
 2型糖尿病の高タンパク質食、腎機能に影響及ぼさず 高タンパク質の食事療法が2型糖尿病患者やアルブミン尿を呈する患者の腎機能や糖・脂質代謝に及ぼす影響は十分明らかになっていない。そこで南オーストラリア大学のEva Pedersen氏らは、アルブミン尿and/or腎機能障害を呈する2型糖尿病患者において、炭水化物に対してタンパク質の比が高い食事による減量が腎機能、血糖、および脂質代謝に及ぼす影響について検討し報告した。Pedersen氏は、アルブミン尿and/or腎機能障害を呈する2型糖尿病患者において、高タンパク質食は標準食と同様に、体重が減少し、腎機能および血糖値に有害な影響を及ぼさず、脂質代謝にも影響が少なかったことより、アルブミン尿and/or腎機能障害を呈する2型糖尿病患者における高タンパク質食による食事療法は、安全に実施できる可能性があると解説した。
---------------------------------------------------------
 本研究の対象となったのは、BMIが27kg/m²以上で、高アルブミン尿を呈する18-75歳の2型糖尿病患者。推算糸球体濾過量(eGFR)が40mL/min/1.73m²超で、24時間畜尿によるアルブミン排泄率が30-600mg/24時間もしくはアルブミン・クレアチニン比が3.0-60.0mg/mmolを高アルブミン尿と定義した。
 対象は、総エネルギー6,000kJ(約1,430kcal)の高タンパク質食(タンパク質30%、脂質30%、炭水化物40%;以下HPD)と標準食(タンパク質20%、脂質30%、炭水化物50%;以下SPD)の2群に無作為に割り付けられた。追跡観察期間は1年間。
 試験を完遂した45人の患者背景を見ると、年齢60.8歳、男性35人、女性10人、BMI 36.0kg/m²、HbA1c 7.3%だった。
 ベースラインからの体重減少は、HPD群9.7kg、SPD群6.6kgで両群に有意な差は見られなかった。同様に、アイソトープにより測定したGFRとアルブミン排泄率のベースラインからの変化量も両群で有意な差はなかった。
 持続血糖測定器で測定した血糖値は、両群で同様に改善が認められた。
 LDLコレステロールはHPD群で有意に高かったが(p=0.049)、総コレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪に有意な差は見られなかった。
 収縮期血圧は、SPD群よりもHPD群の方が有意に低く(p=0.036)、拡張期血圧は有意には至らなかったものの、低い傾向を示した(p=0.054)。
 これらの結果より、Pedersen氏は「アルブミン尿and/or腎機能障害を呈する2型糖尿病患者において、高タンパク質食は標準食と同様に、体重が減少し、腎機能および血糖値有害な影響を及ぼさず、脂質代謝にも影響は少なかった」と解説し、「アルブミン尿and/or腎機能障害を呈する2型糖尿病患者における高タンパク質食による食事療法は、安全に実施できる可能性がある」と指摘した。
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
高雄病院の「糖尿病・糖質制限食入院治療」について
【14/03/24 もーはち

入院期間
こんにちは。何度か質問に答えていただきありがとうございます。

今、僕は糖尿病、高脂血症、喘息、痛風、睡眠時無呼吸症候群、高血圧、肥満症、脂肪肝の治療を受けて薬も飲んでいます。

肥満が治れば他の病気も良くなると思うのですが、1ヶ月くらい糖質制限で入院させてもらう事はできないのでしょうか?

このままでは短い命になると思うので、がっつりと結果をだして、希望を持って帰りたいと思います。

県外からなのですが、一年に1回ぐらい体のメンテナンスのために糖質制限入院はできないものでしょうか?】


こんにちは。

もーはちさんから、高雄病院の「糖尿病・糖質制限食入院治療」についてコメント・質問をいただきました。

基本的には、まず外来診察を経て、担当医が入院の適応ありと判断して、入院の手続きが始まります。

一方、高雄病院では、県外や遠方の患者さんで入院希望の方も多いので、「診療情報提供書」があれば、場合により、外来受診なしで、直接入院も可能としています。

具体的には、主治医の先生に前もって診療情報提供書を高雄病院に送付して頂いて、高雄病院の担当医が入院可能か否かをまず、判断します。

入院OKとなれば、入院担当職員と電話で相談していただき、入院日、入院期間などを決めていきます。

診療情報提供書があり、入院OKとなった時は、外来診察を経ずに、直接入院も可能です。

通常、2週間くらいの入院が多いですが、もーはちさんの場合は減量も兼ねてなら1ヶ月も大丈夫です。

糖尿病や肥満が改善すれば、高脂血症、喘息、痛風、睡眠時無呼吸症候群、高血圧、脂肪肝も良くなると思います。

糖尿病などがありますので、健康保険が効きます。

高雄病院には、2013年現在月に平均15名の糖尿人が、全国から糖質制限食治療を希望して入院されます。

遠方の方は、入院して糖質制限食で糖尿病自己管理の体験をし知識を会得してもらい、退院されたら地元の医師にフォローしていただきます。

京都や近くの糖尿人でも、外来で、なかなか血糖値が下がりきらない時などは、入院すると改善する人がほとんどですので、『コントロール・教育入院』がお奨めです。

14日間あれば、コントロール・教育入院が可能です。
勿論健康保険が効きます。

最初の数日間のスーパー糖質制限食で内服薬中止して、コントロール良好となることがほとんどなので、次の7日間は、グルコバイ(100)1錠を、食直前30秒に内服して、あえて炊いたご飯2/3膳(約100g)など摂取して、食後血糖値がどのくらい上昇するかを試してみます。

食後2時間で180mg/dl未満ならまあまあで、140mg/dl未満なら合格です。

グルコバイだけで力が及ばない時は、「グルコバイ+グルファスト」食直前30秒に内服で試します。

期間的に余裕があれば、パンやうどんなども試します。

これは、退院後どうしても、或いはやむを得ず糖質摂取せざるを得ないときのためのシミュレーションです。(^^)

インスリン注射をされている時は、3~4週間あった方が確実に減量できます。インスリンの量は1/3以下になります。

内因性インスリンがあるていど残存している方は、インスリン離脱もできます。

2型だけでなく、1型の糖尿人でも、インスリンの量は1/3以下になります。

入院して一日7~8回、毎食前・食後の血糖値を測定することで、「通常のカロリー制限の糖尿病食」と「糖質制限食」の効果の大きな差がリアルタイムに確認できます。

血糖値を上げるのは糖質だけで、タンパク質・脂質はあげないということを、身をもって体験することで、糖質制限食へのモチベーションが高まります。

この検査を血糖値の日内変動といいます。

入院2日目に「カロリー制限食(高糖質)」、4日目に「スーパー糖質制限食」で同一カロリーにして日内変動を行います。

入院して糖質制限食を摂取しての血糖値日内変動検査を実施しているのは、日本中で高雄病院以外はほとんどありません。

同一カロリーでも、糖質を摂取すれば、インスリン注射や経口血糖降下剤を内服していても、食後血糖値は200mg/dlを超えることが多いですが、スーパー糖質制限食なら、薬・注射なしで食後血糖値は140mg/dlのことがほとんどです。

勿論、個人差はあります。

入院中はその他、内臓脂肪CTや頸動脈エコーなど、糖尿病に関連するいろいろな検査もあります。

一日の尿をためて、尿糖測定やインスリン分泌量測定(尿中Cペプチド測定)も行います。

一日尿のCペプチド測定で、トータルなインスリンの分泌量がチェックできます。

早朝空腹時の血中IRI(インスリン)かCペプチド(インスリン注射をしている人はこちらを測定)を調べることで、基礎分泌のインスリンがどのくらいでているかわかります。

インスリン抵抗性の検査やインスリン追加分泌能の検査もあります。

管理栄養士による具体的な栄養指導もあります。
 
糖質制限食を体験し学ばれて、退院後は地元の病院で通院され、6ヶ月に一回くらい京都観光を兼ねて高雄病院あるいは高雄病院京都駅前診療所に来て頂いている方もおられます。

遠方の場合、年に一回、糖質制限食入院をされる方もおられます。

入院・外来治療の実績があれば、高雄病院への電話で栄養相談やメールでの質問もOKです。

高雄病院では現実に、関東、北海道、九州、東海、中部、中国地方など、様々な遠方地域の糖尿人の入院も多いです。
北海道から九州まで万遍なくこられます。

全国の糖尿人の方々も、糖質制限食入院治療ご希望の場合は、

高雄病院 075-871-0245

まで、電話され、入院担当職員とご相談いただけば幸いです。 (^_^)


江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖尿病腎症と糖質制限食


【14/03/22 Momo
糖尿病腎症

はじめまして、江部先生。
私の父は長い間糖尿病を患っております。

甘く見ていたようでずっと適当でしたが、1年以上前からはかなり真剣に取り組み始め、現在HbA1cも6以下で安定しているようです。

というのも、糖尿病腎症になってしまい、このままいくと人工透析をせざるを得ないというところまでいってしまったからです。今は少し落ち着いて透析は免れたのですが・・・。

先生の本を何冊か購入して現在糖質制限食をやりはじめたいと勉強中なのですが、私が調べたところ、腎臓病にはあまり良くないと書いてある記事をたくさん読みました。

ただ、先生のブログの記事2013年12月05日 (木)で、「2型糖尿病の高タンパク質食、腎機能に影響及ぼさず。」という内容がありましたが、実際に、糖尿病腎症の父は、糖質制限食をやり始めて良いのでしょうか?

信頼おける先生のご意見が聞きたくてメッセージしました。
よろしくお願い致します。】



こんにちは。
Momoさんから、糖尿病腎症と糖質制限食について、コメント・質問を頂きました。

Momoさん、拙著のご購入、ありがとうございます。

糖尿病腎症と糖質制限食、切実な問題なので、詳細に検討してみます。

<日本におけるタンパク質制限のガイドライン>

「日本腎臓病学会編 CKD(*)診療ガイド 2012」によれば、GFRが60ml/分以上あれば、顕性タンパク尿の段階でも、タンパク質制限必要なしです。

そして日本糖尿病学会は、「日本人の糖尿病の食事療法に関する日本糖尿病学会の提言 2013年3月」において、タンパク質に関しては「 CKD診療ガイド2012」に従うとしています。

従って、糖尿病腎症第3期Aの段階までは、GFRが60ml/分以上なので、例え、蛋白尿が陽性でも、蛋白質制限食の必要はないと、「日本腎臓病学会」「日本糖尿病学会」が認めていることとなります。

一方、GFRが60ml/分未満になれば、「CKDガイドライン2012」では、タンパク質制限食(0.8~1.0 g/kg体重/日)の開始となります。

すなわち、糖尿病腎症第3期Bの段階からは、GFRが60ml/分未満なので、日本においては、現時点でタンパク質制限が推奨されているのですが、実はエビデンスレベルはあまり高くないのです。

<欧米におけるタンパク質制限食に対する評価>

次に海外の状況を検討してみます。

A)
第22回世界糖尿病会議(2013年12月2日~6日)で、「2型糖尿病の高タンパク質食、腎機能に影響及ぼさず。」という研究報告が発表されました。(**)

本研究の対象は、BMIが27以上で、尿中微量アルブミン陽性と腎機能障害の両方、あるいはいずれか一方のある2型糖尿病患者、45名。

総エネルギー約1,430kcalの

高タンパク質食(タンパク質30%、脂質30%、炭水化物40%;以下HPD)
標準食(タンパク質20%、脂質30%、炭水化物50%;以下SPD)

の2群に無作為に割り付けて、追跡観察期間は1年間。

結果は、腎障害のある2型糖尿病患者に、高蛋白食(摂取比率30%)を摂取させて、標準蛋白食(摂取比率20%)のグループと比較しましたが、腎機能において有害な影響なしということでした。

今回の世界糖尿病会議における発表は、糖尿病腎症の患者でも、高蛋白食を安全に実施できることを示唆しています。

B)
2013年10月に、5年ぶりに発表された米国糖尿病学会の、
「栄養療法に関する声明(Position Statement on Nutrition Therapy)」で、

『糖尿病腎症の所見のない糖尿病患者では、最適な血糖コントロール、あるいは、心血管疾患リスクの改善のための理想的な蛋白質摂取量に関しては、これを推奨するに足る十分なエビデンスは存在しない。したがって、目標は個別化されなければならない。C

糖尿病腎症(微量アルブミン尿、および、顕性蛋白尿)を有する糖尿病患者では、通常の摂取量以下に蛋白質摂取量を減量することは、血糖状態、心血管リスク、あるいは、糸球体ろ過率低下の経過に変化を与えないので、推奨されない。A』


糖尿病腎症のない糖尿病患者での理想的な蛋白質摂取量のエビデンスは、存在しないと断定しています。

さらに踏み込んで、糖尿病腎症を有する患者においても、「蛋白質制限は推奨しない」とランクAで断定しています。

A)腎機能悪化に関して、世界糖尿病会議の発表で、 高蛋白食の安全性が一定ていど担保されました。

B)腎機能改善に関して、米国糖尿病学会の声明では、低蛋白食の意義が否定されました。

A)B)を考慮すると、スーパー糖質制限食(高タンパク食)には、かなりの追い風です。

<結論>

1)GFRが60ml/分以上の場合は、タンパク質制限の必要がないので、糖尿病腎症でも、普通にスーパー糖質制限食を
  実践してよい。
2)GFRが60ml/分未満の場合は、よく相談して糖質制限食を実践するかどうか個別に対応する。
3)GFRが60ml/分未満で、スーパー糖質制限食を選択開始した場合、毎月腎機能検査を実施して、血清クレアチニン値を
  測定し、その結果でスーパー糖質制限食を継続するか否かを決める。


(*)CKD:Chronic Kidney Disease・・・日本語では「慢性腎臓病」

(**)
第22回 世界糖尿病会議(IDF2013)【開催期間:2013年12月2日~6日】
2型糖尿病の高タンパク質食、腎機能に影響及ぼさず
2013年12月4日 
http://www.m3.com/overseasAcademy/report/article/10254/?refererType=academyTopCategories


江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
『主食を抜けば糖尿病は良くなる! 新版』 『・・・2実践編 新版』 刊行
おはようございます。

『主食を抜けば糖尿病は良くなる! 新版』2014年(東洋経済新報社)


『主食を抜けば糖尿病は良くなる!2 実践編 新版』2014年(東洋経済新報社)


アマゾンで2014年3月14日(金)から販売開始となりました。

『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』2005年(東洋経済新報社)
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!2実践編』2008年(東洋経済新報社)

もそれぞれ、おかげさまでロングセラーとなり、多くの方々にご愛読いただき嬉しい限りです。

2005年から9年、2008年から6年が経過し、記載してあるデータ情報などが、どんどん変化してきました。

また、

米国糖尿病学会の2013年10月の栄養療法に関する声明の発表、

日本腎臓病学会「CKDガイド2012」でGFR60上は、たんぱく質制限なしと明記、

2013年、糖尿病の診断フローチャート、評価基準が変更・・・

など、数字データ以外にも、様々な大きな変化がありました。

今回、最新情報を入るだけ盛り込んで、大幅にリニューアルして、新版が完成しました。

皆様のお役に立てれば、幸いです。


江部康二


以下は、

『主食を抜けば糖尿病は良くなる! 新版』2014年(東洋経済新報社)
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!2 実践編 新版』2014年(東洋経済新報社)

の、「新版刊行にあたって」です。



『主食を抜けば糖尿病は良くなる!新版』

新版刊行にあたって


二〇〇五年一月に『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』(東洋経済新報社)を上梓してから九年が経過しました。

本書は日本で初めて「糖質制限食」を理論的に紹介した本であり、二〇一三年に至るまで一九刷りを記録するロングセラーとなり、日本に糖質制限食を広める先駆的な役目を果たしました。

その影響は海外にも波及しており、韓国と台湾でも翻訳書が出版されています。

ここ二~三年、テレビ・新聞・雑誌などのマスコミがこぞって糖質制限食を取り上げ、世間一般の認知度は格段に上がりました。

昨今、「糖質ゼロ」「糖質オフ」をうたい文句とした飲料や食品が当たり前のようにスーパーやコンビニの店頭に並んでいるのを見るにつけ、「糖質」という言葉すらほとんど 知られていなかった九年前とは隔世の感を覚えます。

この変化にとって一つのエポックとなったのは、二〇一二年一月一五日、京都国際会館で開催された第一五回日本病態栄養学会年次学術集会でした。

「糖尿病治療に低炭水化物食は是か?非か?」というディベートセッションが行われ、私は「是」、つまり糖 質制限食を肯定する側の演者として、否定する側の先生方と議論を戦わせました。

このディベートは行われる前から医学関係者の間で大きな関心を集めていて、通常は 三〇〇〇人規模の学会に四〇〇〇人の医師・栄養士が参加するという非常な盛況ぶりでした。

糖質制限食の有効性と安全性を合理的に説明した私の主張は大きな反響を巻き起こし、その後、糖質制限食を公式に認めるべきだとする論調を高めていきます。

このディベートは、糖質制限食が医学界の表舞台に初登場したという意味を持っており、新しくて有効な食事療法としての認知が広まり、糖尿病治療の現場を変えていくための大きな一歩となりました。

以降、私に対する日本全国の医師会・保険医協会や病院からの講演依頼が急増し、北海道から沖縄まで医師・医療関係者向けの糖質制限食講演会を行いました。

医学界にも 爆発的に糖質制限食が広がり始めているのです。

今回、糖質制限食普及の原点である本書を九年ぶりに改訂することとなりました。

糖尿病研究が急速に進展したため、日本の内外における糖尿病治療のスタンスが、かなり大きく、しかも嬉しい方向へと変化しており、それに応じて内容を改める必要が生じたためです。変化の主なものを挙げます。

○米国糖尿病学会が二〇一三年の栄養療法に関する声明で、糖質制限食を治療食の選択肢の一つとして公式に認め、かつ、 「唯一無二の糖尿病食事療法はない」と明言した。

○日本腎臓病学会編『CKD診療ガイド2012』において、糖質制限食は糖尿病性 腎症第三期Aまでは適用が
 可能であるとし、それまでの情報が刷新された。

○二〇一三年、糖尿病の診断フローチャート、評価基準が変更となった。


今回、こうした新しいスタンスに対応する形へと文章を改めました。

このほか、最新 の関連研究なども付け加えています。

また本書では、日本の糖尿病患者数、高雄病院の糖尿病患者数など数字データを二〇一三年現在で最新のものとしました。

そして近年、高雄病院では、スーパー糖質制限食(ページ参照)を推奨していますので、第7章の給食の献立表などもスーパー糖質制限食としました。糖質制限食の実践ノウハウについても最新のものを付け加えてあります。

なお、HbA1c(グリコヘモグロビン値)に関して、二〇一三年四月一日から、NGSP値に統一されていますので、改訂版では、最新の糖尿病の診断フローチャート評価基準のHbA1cを、NGSP値で記載しました。

旧版の時点ではHbA1cがJDS値で、二〇一三年の新基準とは異なっていましたが、新版では、JDS値をNGS P値に換算して統一してありますのでご注意ください。

本書は、糖質制限食を世に広める起爆剤としての歴史的な意義を持つだけでなく、この食事療法のエッセンスが純粋な形で凝縮しており、入門書として現在でも最も適したものです。

新しい知見を加えた改訂版が、旧版以上に皆様のお役に立つことを著者として心より願っております。


二〇一四年二月

高雄病院理事長 江部康二



[主要目次]
カラー口絵 糖質制限食と従来の糖尿病食
新版刊行にあたって
プロローグ 糖尿病治療食はカロリー制限から糖質制限へ
第1章 糖尿病治療は糖質制限で変わる
第2章 糖質制限食で糖尿病は劇的に改善する
第3章 糖質制限食が効く理由
第4章 糖質制限食で食べて良いもの、悪いもの
第5章 糖尿病2050万人の時代
第6章 これからの食生活を見直すために
第7章 糖質制限食 1週間の朝昼夕メニュー(献立)
付録1 食品の糖質量リスト  
付録2 食べてよい食品、避けたい食品 
糖質制限食・関係機関のご案内



『主食を抜けば糖尿病は良くなる! 2 実践編 新版』

新版刊行にあたって


このたび、『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』が新版刊行の運びとなり、よい機会ですので、続編である『主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編』も改訂し、『主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編 新版』として刊行することにいたしました。

日本における糖尿病に対する認識が急速に変わりつつあり、糖質制限食への関心と期待が非常に高まっている今、旧版の表現を一部改め、さらに新しい知見を加えたほうが、よりご理解をいただきやすいだろうと考えたためです。

二〇〇八年二月に本書旧版の初版を刊行して以降も、糖質制限食を希望されて高雄病 院を受診される糖尿病患者さんは増え続けています。

二〇一三年の時点で、糖質制限食のため入院された患者さんは累計八〇〇人以上、外来患者さんは二〇〇〇人以上となりました。

二〇〇七年二月から始めたブログ「ドクター江部の糖尿病徒然日記」も、アクセス数が約一万件という人気ブログとなっています。

こうした事実からも、糖質制限食への関心が高まっていることを感じざるをえません。

本書の改訂は、そうした多くの方々のご期待に応えるものです。

なお、二〇一三年四月一日から、 HbA1c(グリコヘモグロビン値)がNGSP値(国際基準)に統一されましたので、
新版ではNGSP値で統一しました。

また、統計数字などは二〇一三年現在の最新のものとしました。

糖質制限食の実践ノウハウなどについても最新のものを付け加えてあります。

本書が旧版以上に糖質制限食実践のお役に立つことを願っております。

二〇一四年二月

高雄病院理事長 江部康二



[主要目次]
とじ込み付録1「食品の糖質量リスト」
とじ込み付録2「食べてよい食品、避けたい食品」  
新版刊行にあたって
プロローグ 糖質制限食が理解される時代へ
第1章 糖質制限食の概要
第2章 これからの糖尿病治療に有益な知識
第3章 糖質制限食の実践
第4章 糖質制限食を実践する工夫
第5章 糖質制限食への誤解を解く
第6章 現代に必要な糖質制限
特別付録 最強のスーパー糖質制限食--1週間献立
糖質制限食・関係機関のご案内
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質制限食で体調良好。きよすクリニック。第三金曜ライブ。
おはようございます。

kayaさんから、糖質制限食で、糖尿病改善、体調良好、減量成功という嬉しいコメントをいただきました。

kayaさんが受診された、清須市の

「きよすクリニック」
http://www.kiyosu8823.com/sinryo/intyo.htm

は、伊藤 喜亮(いとう よしあき)先生が院長です。

伊藤先生は、糖質制限食にも湿潤療法にも精通しておられます。

私とはメル友で、いろいろ情報交換して、貴重な知識などをご教示いただいてます。

3月21日(金)はたまたま祝日で休診なので、何と清須市から、京都まで、私がボーカルをつとめる「ターニングポイント」の第三金曜ライブ(場所:カフェドーム)に来ていただけるそうで、嬉しい限りです。

伊藤先生、ありがとうございます。

カフェドーム:075-862-1101
http://caferest-dome.com/
電話番号とホームページアドレスが変更になりました。
京都市右京区太秦下刑部町148
地下鉄東西線の終点「太秦天神川駅」下車 徒歩1分


もし、ブログ読者の皆さんで、本日、京都に来ておられたら、
午後7:30オープン ~ 午後10時ぐらいまで、
「ターニングポイント」のライブが、午後8時から2ステージありますので、是非どうぞ。


閑話休題。

kayaさん、よいタイミングで糖質制限食を開始されて、信頼できる医師に巡り会えたこと、とてもよい流れですね。

仰るとおり、糖質制限食はカロリー制限食に比べると、我慢しなくても楽にできるので長く続けられるのが大きな利点です。

御母上は、残念でした。

現行の日本糖尿病学会の治療(カロリー制限食+薬物療法)では、食後血糖コントロールは困難です。

徐々に薬物が増えて、ついにはインスリン注射の導入となります。

それでも、高糖質食を摂取すれば、食後高血糖と平均血糖変動幅増大を防ぐことはできないので、糖尿病合併症や発がんのリスクが増大していくのです。

糖尿人において、合併症と発がんのリスクを防ぐことが可能なのは、糖質制限食だけです。

kayaさん、これからも美味しく楽しく、末長く糖質制限食を続けられて健康な生活をご享受くださいね。


江部康二



【14/03/21 kaya

始めまして。
昨年9月に糖尿かも、と健康診断で言われました。
前から危なかったのですが、家系だしと諦めもありました。
母親が30代から糖尿でしたので。
母の食事を見て育ったので、ガッカリしたのと、あれなら酷くなってしまった方がラクだ、と思ってました。毎回の単位計算とうすーい味付け。
マズイのです。

その母は、ガンで亡くなったのですが、末期ガンで抗がん剤も効かないと言われているのに、病院からは糖尿病の治療が必要なのでインスリン注射をし、薬を飲めと言われました。今更????と怒りを感じて、ますます糖尿治療に疑問や不信感やらを抱いていました。

いろいろ模索した結果、先生のブログにたどり着きました。
手探りながら食事を続けて6ヶ月。
先生のブログに登場するきよすクリニックに行ってみました。
検査を受けたら、これならいいよ、と言ってもらえました。

一人で頑張るのもいいですが、状態を確認もしないと心配だし、と悩んだ結果の診察でしたが、丁寧に教えてくださり、食事の指導も安心できます。

見守られていると思うとますます続けられそうです。

食事にちょっと飽きてきてしまったのは本音としてありますが、でも大好きだった甘いものを食べた後には、舌が痺れる感覚が分かるようになり、もう一般食にもどる自信はありません、、、。

なので、これからも先生のブログ励みに続けて行きたいと思っています。

ダイエットしたくてカロリー控えていた頃は増加してばかりだった体重が、モリモリお腹いっぱいと思って食べても不思議と減って行きます。

今はやっと標準体重になりましたが、この不思議さに他の病気か??と思うほどです。
痩せるためには頑張れませんでしたが、元気でいたいと思うとできるものですね。

おかげさまで、体も軽くなり、自由に動けます。
楽しい毎日です。ありがとうございます。

一言お礼を言いたくてコメント欄に書き込みをさせていただきました。】


テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
循環器専門医には糖質制限賛成派がかなり存在。

【14/03/18 精神科医師A

Dr米田の講演会

このままでは危ない!心臓病と科学的ダイエット
www.nhk-cul.co.jp/programs/program_934796.html

糖質制限食ダイエットを 心臓病の治療にも活かす
www.nhk-cul.co.jp/programs/program_933961.html】



こんばんは。

精神科医師Aさん
興味深い情報をありがとうございます。

心臓血管外科の、米田正始先生が、心臓病の予防や治療に糖質制限食が有効とお考えとは、嬉しいですね。

循環器専門医には糖質制限賛成派がかなり存在されているようです。

米田先生の他にも循環器専門医の医師には、糖質制限賛成派が複数おられます。

岐阜ハートセンター院長の上野勝巳先生は循環器内科医ですが糖質制限賛成派です。

岐阜ハートセンター副院長で循環器内科の松尾仁司先生、
岐阜ハートセンター心臓血管外科部長の富田伸司先生も糖質制限賛成派です。

岐阜ハートセンターでは、栄養士さんも糖質制限食に賛成で、2010年4月5日から糖質制限食体験入院を開始しておられます。

豊橋ハートセンター院長の鈴木孝彦先生も、糖質制限賛成派です。

2012年8月30日(木)三原市の興生総合病院で、

第一回三原糖尿病治療学術講演会 ~低炭水化物療法は、是か非か?~

が開催され、

「糖尿病に対する糖質制限食の有効性・安全性」

と題して、私が60分間講演しました。

三原市・尾道市・福山市などから、医師.栄養士.看護師約120名の参加者で立ち見がでる盛況でした。

座長をつとめて頂いた興生総合病院心臓血管センター長の平井章三先生によれば、「循環器専門医の間では、すでに糖質制限食がブーム」とのことでした。

日本全国の循環器専門医の先生方、糖質制限食推進の心強い味方として頼りにしていますので、よろしくお願い申し上げます。 m(_ _)m



江部康二


以下は、精神科医師Aさんにコメント頂いたNHKカルチャー梅田のサイトから抜粋です。

☆☆☆
糖質制限食ダイエットを
心臓病の治療にも活かす

講師 高の原中央病院かんさいハートセンター特任院長  米田正始

心臓外科のスーパードクターがお話します。
心臓外科の名医として数多くのマスコミに取り上げられてきたスーパードクターの講演会。
話題の糖質制限食が心臓病の予防や治療にも役立つことがわかりました。
心臓病や心臓手術を通して正しいダイエットを考えます。


テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
2014年3月30日(日)糖質制限食東京講演会。 満員御礼。
こんにちは。

ブログ読者の皆さんには、交流会、講演会などいつも多数ご参加いただきありがとうございます。

2014年3月30日(日)の、
一般向け・糖質制限食東京講演会 
主催 日本糖質制限医療推進協会
お陰様で満員御礼となり、現在キャンセル待ちの状態です。
ありがとうございました。 m(_ _)m



江部康二


糖質過多な現代の食生活。

それによって引き起こされる糖尿病など生活習慣病の数々。

「糖質摂取が何故良くないか」そのメカニズムわかりやすく説明し、対して人類本来の食事といえる糖質制限食の有効性と可能性について具体的にお話しします。

そして糖尿病患者さんの血液検査データも豊富に紹介します。

同一摂取カロリーで揃えた「従来の糖尿病食 VS スーパー糖質制限食」の血糖値の日内変動データ比較は圧巻です。

食後高血糖と平均血糖変動幅に関しては、糖質制限食の圧勝で、その差は「月とスッポン」です。

米国糖尿病学会が2008年以来5年ぶりに、成人糖尿病患者の食事療法に関する声明(Position Statement on Nutrition Therapy)を改訂しました。(Diabetes Care 2013年10月9日オンライン版)

2013年10月の米国糖尿病学会の栄養療法の声明は画期的なものであり、

全ての糖尿病患者に適した“one-size-fits-all(唯一無二の)”食事パターンは存在しない

との見解を表明しました。

このことは、食品交換表1969年の第2版以降、唯一無二の食事療法(カロリー制限食)を推奨し続けている日本糖尿病学会に対する痛烈な批判となっています。

そして、患者ごとにさまざまな食事パターン〔地中海食,ベジタリアン食,糖質制限食,低脂質食,DASH(Dietary Approaches to Stop Hypertension)食〕が受容可能であるとしています。

糖質制限食もちゃんと認められています。

極めて重要なことですが、糖尿病合併症を防ぐには、「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」を生じないことが必要不可欠です。

しかしながら糖質を摂取すれば、必ず「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」を生じます。

すなわち、従来の糖尿病食(高糖質食)では、糖尿病合併症を防ぐことは理論的に不可能なのです。

「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」を生じない唯一の食事療法が、糖質制限食なのです。

年間

16000人が糖尿病腎症から透析 → 医療費800億円、
3000人が糖尿病網膜症から失明
3000人が糖尿病足病変から足切断


というのが厳しい現実です。

このように合併症に苦しむ多数の糖尿病患者さんの存在そのものが、
「日本糖尿病学会主導の従来の糖尿病治療が決して上手くいっていない」
ことの動かぬ証拠と言えます。

糖尿病合併症を生じさせないためには、糖尿人の皆さんは自分自身の頭で考えて身を守ることが必要です。

本講演では、糖尿病を中心に糖質制限食の有効性・安全性をわかりやすく説明します。

また生活習慣病やがんへの糖質制限食の有効性・可能性にも少し言及します。



江部康二



☆☆☆
以下事務局からのお知らせです。

//////////////////ご案内////////////////////

一般社団法人 日本糖質制限医療推進協会主催 講演会(東京)
糖質制限食の有効性・可能性 ―食のパラダイムシフト―
    ~糖尿病・メタボ・生活習慣病・がん・・・~

◆日時: 2014年3月30日(日) 13:00~14:40頃 ※入場受付(開場)は、12:40~

◆場所: 銀座ルノアール貸会議室プラザ八重洲北口 5階-2・3号室
      東京都中央区八重洲1-7-4 矢満登ビル
      http://www.mapion.co.jp/m/35.67784789_139.77351336_10/

    ☆アクセス:東京駅八重洲北口から外堀通りを渡り、
           八重洲北口通りに入り日興コーディアル証券の並び

◆講師: 江部康二
      (一財)高雄病院 理事長/(一社)日本糖質制限医療推進協会理事長

◆定員:90名

◆受講費:賛助会員 2,600円 / 一般(非会員) 3,200円

◆補足:「賛助会員連絡会」開催のご案内

講演会終了後15:00より、講演会に参加頂いた賛助会員の皆様を対象に、同会場
にて連絡会を開催いたします。
理事長をはじめ協会からのご報告と意見交換会、賛助会員の方の糖質制限食推進
に関するご活動のミニ発表会などを予定しております。

・賛助会員(3/30現在)限定の会合です。あしからずご了承ください。
・16:30頃終了予定です。
・賛助会員の方で連絡会のみの参加をご希望の場合は、参加費300円を頂戴致します。
  
◆お支払い方法:クレジットカード/銀行振込/郵便振替 ※事前決済のみとなります。

◆お申し込み方法:
 ・賛助会員の方
  事務局までメールにてお申し込み下さい。

 ・賛助会員入会をご希望の方
  1.入会案内および会員規約をお読み下さい。
   http://toushitsuseigen.or.jp/member.html

  2.お申し込みはこちらのフォームからお願いします。
   http://toushitsuseigen.or.jp/contact.php
   「お問い合せ内容」欄に「3/30講演会、受講希望」とご記入下さい。
 
 ・一般(非会員)で、講演会の受講のみご希望の方
  こちらのフォームよりお申し込み下さい。
  https://ssl.form-mailer.jp/fms/9cbd1ef7287071

◆お申し込みの流れ:
1.会員の方はメールにて、会員以外の方は各種フォームにてご連絡下さい。
2.事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3.入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4.当日、直接会場までお越し下さい。

◆その他:
・予約制です。当日参加はできません。
・キャンセルは3月26日(水)までにお願い致します。
 それ以降の返金には対応致しかねますので予めご了承ください。


【賛助会員の皆様へ:連絡会内ミニ発表会・発表者募集のご案内 】

お住まいの地域での糖質制限に関するサークル活動、勉強会、ネットを通して
情報発信・・etc, 糖質制限食の普及推進のご活動をしていらっしゃる方、
日頃のお取り組みをこの機会にご報告・PRいただけませんか。

発表をご希望いただける方は、事務局までメールにてお知らせください。

※3月9日(日)までにご連絡ください。
 その際に発表予定のご活動の概要をお知らせください。

※1件につき5分~10分程度のご発表時間を想定しておりますが、件数に応じて、当日の持ち時間を事前にお知らせいたします。

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
厚生労働省・日本人の食事摂取基準(2015 年版、案)
こんにちは。

厚生労働省・日本人の食事摂取基準(2015 年版、案)
概略
www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000040332.html

上記に関して、精神科医師Aさんと、モリモトさんから情報をいただきました。ありがとうございます。

日本人の食事摂取基準(2015 年版、案)
資料2(PDF:3,078KB)
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000040331.pdf

このURLからアクセスできます。

厚生労働省・日本人の食事摂取基準(2015 年版、案)の資料1、2、3をまとめたワーキンググループの座長が佐々木敏先生で、東京大学大学院教授です。

佐々木敏先生は、日本を代表する人間栄養学の泰斗であり、豊富な知識に基づく正確でニュートラルな発言が特徴です。

糖質制限食に対しても、根拠のない批判はされず、世界標準の公平な意見を述べておられます。

私の尊敬する医師のお一人です。

資料2の、P105、P113、P121に、それぞれ

「栄養素摂取と高血圧との関連」
「栄養素摂取と脂質異常症との関連」
「栄養素摂取と高血糖との関連」

の図が掲載してあります。

「肥満を介する経路と介さない経路があることに注意したい」

という文言が各図に書いてあり、よく見ると、糖質のもつリスクが明瞭になります。

ブログ読者の皆さん、是非
日本人の食事摂取基準(2015 年版、案)
資料2(PDF:3,078KB)
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000040331.pdf
を覗いてみてください。

1)
P105
図1 栄養素摂取と高血圧との関連(特に重要なもの)
食塩が、太い線で直接高血圧に結びついています。(++)
そして炭水化物とアルコールは、普通の線で、直接高血圧に結びついています。(+)
次いで、炭水化物・脂質・たんぱく質はエネルギー過剰による肥満を介して間接的に高血圧に関連しています。

2)
P113
脂質異常症
図1 栄養素摂取と脂質異常症との関連(特に重要なもの)
飽和脂肪酸は太い線で、直接高LDLコレステロール血症に結びついています。(++)
食事性コレステロールは、普通の線で直接高LDLコレステロール血症に結びついています。(+)
炭水化物の中で糖は、普通の線で、直接、低HDLコレステロール血症と高トリグリセリド血症に結びついています。
脂質・炭水化物・アルコール・たんぱく質は、エネルギー過剰による肥満を介して
間接的に脂質異常症に関与しています。

3)
P121
図2 栄養素摂取と高血糖との関連(特に重要なもの)
炭水化物は、太い線で直接高血糖に結びついています。(++)
炭水化物・脂質・たんぱく質はエネルギー過剰による内臓脂肪肥満(インスリン抵抗性)
を介して、間接的に高血糖に影響を与えます。

すなわち、米国糖尿病学会の見解と同様に、 「血糖に直接変わるのは糖質だけ」というのが明確に判る図です。

脂質とたんぱく質は、直接血糖には変わらないが、 エネルギー摂取過剰と内臓脂肪肥満を介して、インスリン作用不足に影響を与えるということですね。

1)「栄養素摂取と高血圧との関連」
2)「栄養素摂取と脂質異常症との関連」
3)「栄養素摂取と高血糖との関連」

の3つの図をまとめてみると、炭水化物は、直接的に

『高血圧、低HDLコレステロール血症と高トリグリセリド血症、高血糖』

に影響を与えているわけで、私や夏井先生でなくても、「そんなもの要らない」となりますね。

糖質セイゲニストにとって、日本人の食事摂取基準(2015 年版、案)という追い風が吹いたようです。


江部康二


テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
インスリンの作用と糖輸送体と基礎分泌・追加分泌など。2014年3月。
こんばんは。

今回はインスリンについて考えてみます。

1)インスリンの作用にはどのようなものがあるのでしょう。
2)糖輸送体とインスリンの関係は?
3)基礎分泌インスリン・追加分泌インスリンについて。

1)インスリンの作用(☆☆☆)

 a)インスリンは、筋肉細胞に血糖を取り込ませ血糖値を下げます。
 b)そして余剰の血糖値は脂肪細胞に取り込ませて中性脂肪として蓄えさせます。
 c)インスリンは脂肪細胞における中性脂肪の分解を抑制します。
 d)インスリンは血中の中性脂肪を分解して脂肪酸にし、脂肪細胞内に取り込ませて再び中性脂肪に合成して蓄えます。
 e)また肝臓における糖新生を抑制し、グリコーゲンの合成を促進し、結果として、肝静脈へのブドウ糖放出を
  抑制し、血糖を下げます。

b)c)d)の作用によりインスリンは肥満ホルモンと呼ばれています。

2)インスリンと糖輸送体

糖質を食べて血糖値が上昇したときは、インスリンが大量に追加分泌されて、筋肉細胞内の糖輸送体(Glut4)が細胞表面に移動するので血糖を取り込めます。Glut4が筋肉細胞内にあるときは、血糖をほとんど取り込めません。

細胞が血糖を内部に取り込むためには糖輸送体が必要であり、現在まで、糖輸送体1~14までが発見されています。

糖輸送体1~14のうち、インスリンが作用するのは、糖輸送体4(GLUT4)だけです。

筋肉細胞と脂肪細胞の糖輸送体は、Glut4で常は細胞内部に沈んでいます。

Glut4はインスリンが追加分泌されたとき、及び筋肉が収縮したときに細胞表面に移行して、血中の糖を細胞内に取り込みます。

筋肉の収縮時のGlut4の細胞表面への移動は、インスリン非依存的です。


3)基礎分泌インスリン・追加分泌インスリンについて

インスリンは、人体で唯一血糖値を下げるホルモンで、膵臓のランゲルハンス島のβ細胞でつくられ分泌されます。

24時間少量持続的に出ている基礎分泌のインスリンと、糖質を摂取して食後血糖値が上昇したときに、その10~30倍の量が出る追加分泌のインスリンがあります。

追加分泌のインスリンには、即分泌される第1相と少し遅れて出る第2相があります。

正常人は、血糖値が上昇し始めたら即インスリンが追加分泌されます。

この第1相反応は、もともとプールされていたインスリンが5~10分間分泌されて、糖質摂取時の急激な食後高血糖を防いでいます。

その後、膵臓のベータ細胞は、第2相反応と呼ばれる持続するインスリン分泌を行います。

これは、食事における糖質の残りをカバーしています。

即ち、糖質を摂取している間は、第2相のインスリン分泌が持続します。

2型糖尿人は、通常、第1相反応が低下或いはなくなっていることが多いようです。従って、糖質摂取時に血糖値の急激な上昇(グルコーススパイク)が起きてしまいます。

また、第2相も低下していることが多いので、糖質を摂取する限り、一旦上昇した血糖値はなかなか下がってきません。

糖質制限食ならば、野菜分のごく少量の糖質だけなので、2型糖尿人においても、食後高血糖はほとんど生じません。追加分泌インスリンも、ごく少量ですみます。

基礎分泌インスリンは、検査機関にもよりますが、基準値はIRI:3~15μU/mlくらいです。

しかし私は、現在「基礎分泌インスリンは低くて空腹時血糖値も正常というパターン」が一番いいと考えています。

例えば、IRIが3未満で、2.5とかでも、空腹時血糖値が110mg未満の正常値ならそれでいいと思います。

逆にIRIが15で基準値で血糖値も110mg未満というパターンより好ましいのです。

狩猟・採集時代すなわち糖質制限食時代の700万年間は、空腹時インスリンの基準値は1.5~5μU/mlくらいだったのではないかと考えています。

あくまでも糖質を頻回・過剰摂取している現代の基礎分泌インスリンの基準値がIRI:3~15μU/mlということに過ぎません。

つまりインスリンは人体に絶対に必要なのですが、それ自体に発癌、老化、肥満などのリスクがあるので、インスリンが少なくてマッチングがいい人のほうが好ましいのです。

すなわちインスリン作用が確保されていて血糖コントロール良好であるならば、インスリン分泌はは少量であれば少量であるほど好ましいのです。

なお脳の糖輸送体は、Glut1であり、常に細胞表面に存在しているので、血流さえあればいつでも血糖を取り込めます。

ちなみに赤血球や網膜もGlut1を持っているので、インスリンに関係なく血糖を取り込めます。


江部康二


☆☆☆インスリンの作用

インスリンは、グリコーゲン合成・タンパク質合成・脂肪合成など、栄養素の同化を促進し、筋肉、脂肪組織、肝臓に取り込む。

インスリンが作用するのは、主として、筋肉(骨格筋、心筋)、脂肪組織、肝臓である。

1)糖質代謝
*ブドウ糖の筋肉細胞・脂肪細胞内への取り込みを促進させる。
*グリコーゲン合成を促進させる。
*グリコーゲン分解を抑制する。
*肝臓の糖新生を抑制し、ブドウ糖の血中放出を抑制する。

2)タンパク質代謝
*骨格筋に作用してタンパク質合成を促進させる。
*骨格筋に作用してタンパク質の異化を抑制する。

3)脂質代謝
*脂肪の合成を促進する。
*脂肪の分解を抑制する。


テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
1型糖尿病と糖質制限食、血糖値改善、インスリン注射も少量でOK。
【14/03/13 バイエルン ありがとうございます!

江部先生

初めまして。昨年5月に主人(34歳)が1型糖尿病を発症しました。ドイツ在住のものです。

急激に痩せ、のどの渇きもあり受診。ホームドクターに糖尿病の診断を受け、その日のうちにインスリンを出しやすくする薬と体の糖を尿から排出する薬を処方されました。飲み始めてから3日後に目のピントが合わなくなりはじめ、再度検査。ホームドクターから電話がありすぐに仕事を早退して専門医へ行くようにと言われました。専門医は即、1型の診断。インスリン生活が始まりました。

ドイツ語が日常会話程度の私には日本語で糖尿病について調べることしかなく、必死でネットの中で検索していったところ先生のブログに出会えました。妊婦だった私は寝る暇もおしんで必死で読みました。これは!と確信し、ドイツ人の主人にも説明をし、病院から指示されていた糖質管理食から糖質制限食に切り替えました。

すると
2013年 5月HBA1c 11,9%
2013年 8月 6,5%
2013年12月 5,8%と正常値になりました。
主人も私も主治医も大満足です。

主人はアピドラ朝1~2、昼0~2、夜1~3単位 
ラントス就寝前 10単位を注射しています。

先生のおかげでインスリンの量を最低限に抑えることができているのかなと思います。発症後10ヶ月が経ちますたが今では糖質制限レシピにもすっかり慣れ食事も楽しんでいます。また少しの筋トレ運動だけで今までに見たことがない大きな力こぶが出来て本人は低糖食のおかげだ~!と満足しています^^;

先生のブログに出会えなかったら不安な毎日を過ごしていたことと思います。お腹にいた赤ちゃんも今ではお座りをしています。主人と明るく元気に毎日を過ごせているのも先生のおかげと心より感謝しています。本当にありがとうございます!これからもどうぞよろしくお願いします。】


こんばんは。

バイエルンさんから、ご主人が1型糖尿病で糖質制限食を実践されて、血糖値とHbA1cが改善し、インスリンも少量でOKという嬉しいコメントをいただきました。

バイエルン さん

2013年 5月  HbA1c:11.9%
2013年 8月  HbA1c:6.5%
2013年 12月  HbA1c:5.8%と正常値


素晴らしい改善ですね。

ドイツ人のご主人や主治医が、糖質制限食を受け入れてくれて、良かったです。

はるかドイツの地で、私のブログがお役に立てたとは、とても嬉しく思います。(^^)

「アピドラ朝1~2、昼0~2、夜1~3単位 
ラントス就寝前 10単位を注射しています。」


インスリンは人体に絶対に必要なホルモンですが、少量で血糖管理できれば人体にはとても優しいのです。

今のインスリン単位なら、とても少量で好ましくて、良かったです。

これからも美味しく楽しく糖質制限食をお続け下さいね。

なお
「The Food Revolution - AHS 2011」
http://youtu.be/FSeSTq-N4U4

という講演の動画(ユーチューブ)があります。

講演が40数分で質疑応答をいれて合計54分くらいです。

この動画、スウェーデンのアンドレアス・エンフェルト医師が、米国で糖質制限食の講演を行ったものです。

エンフェルト医師は、アニカ・ダールクヴィスト医師にいち早く賛同し、Diet Doctor.com という英語のタイトルで、ホームページを作成してLCHF(Low Carb High Fat:糖質制限・高脂肪)について様々な情報提供、研究者や医師や科学ジャーナリストへのインタビューを掲載しています。
http://www.dietdoctor.com/about

アニカ・ダールクヴィスト医師は、「1型糖尿病+肥満」の女性で、スウェーデンにおける糖質制限食の草分けです。

勿論、糖質制限食で、糖尿病も肥満もコントロール良好となっておられ、動画で写真もでてきますが、とても健康的な容姿を保っておられます。

動画は英語なので、私の英語力では、話はあまりわからなかったのですが、スライドを見て、およその内容は理解できました。

注目すべきは、スウェーデンでも、米国と同様に、バターなど脂肪の摂取比率が減り続けて炭水化物摂取が増え続け、それに伴い肥満が増え続けたことです。

エンフェルト医師によれば、スウェーデンでは、23%の人が、程度に差はあるけれど、糖質制限食を実践しているそうです。

バイエルンさん、ご主人や主治医が、興味を示されるなら、英語のサイトなので上記もサイトも参考にされては如何でしょう。


江部康二


テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
<糖質制限食に関するお知らせ・お願いなど> 2014年3月
【糖質制限食を実践される時のご注意】

本にも書いてありますが、 糖質制限食によりリアルタイムに血糖値が改善します。

このため既に、経口血糖降下剤(オイグルコン、アマリールなど)の内服やインスリン注射をしておられる糖尿人は、低血糖の心配がありますので必ず主治医と相談して頂きたいと思います。

一方、薬を使用してない糖尿人やメタボ人は、低血糖の心配はほとんどないので、自力で 糖質制限食を実践して糖尿病やメタボ改善を目指していただけば幸いです。

内服薬やインスリン注射なしの糖尿人が糖質制限食を実践すると、食後高血糖は改善しますが、低血糖にはなりません。

血糖値が正常範囲であるていど下がると、肝臓でアミノ酸・乳酸・グリセロール(脂肪の分解物)などから、ブドウ糖をつくるからです。

これを糖新生といいます。

血液検査で、活動性の膵炎がある場合、肝硬変の場合、そして長鎖脂肪酸代謝異常症は、糖質制限食は適応となりませんのでご注意ください。

糖質制限食は相対的に高脂肪食になるので、活動性膵炎には適応とならないのです。

肝硬変では、糖新生能力が低下しているため適応となりません。

長鎖脂肪酸代謝異常症では、脂肪酸が上手く利用できないので、適応となりません。

腎機能に関して、日本腎臓病学会編「CKD診療ガイド2012」において、GFR60ml/分以上あれば顕性たんぱく尿の段階でも、たんぱく質制限の必要なしと明示され、日本糖尿病学会も2013年3月の提言で、それに従うとしました。

従いまして、糖尿病腎症第3期Aまでは、糖質制限食OKです。

また、米国糖尿病学会(ADA)は

Position Statement on Nutrition Therapy(栄養療法に関する声明)
Diabetes Care 2013年10月9日オンライン版

において、糖尿病腎症患者に対する蛋白質制限の意義を明確に否定しました。

根拠はランク(A)ですので、信頼度の高いRCT研究論文に基づく見解です。

今後は、糖尿病腎症第3期B以降(GFRが60ml/分未満)の場合も、患者さんとよく相談して、糖質制限食を実践するか否か、個別に対応することとなります。


なお、機能性低血糖症の場合、炭水化物依存症レベルが重症のとき、糖新生能力が低下していることがあり、まれに低血糖症を生じますので注意が必要です。

また、どのような食事療法でも合う合わないがあります。

糖質制限食もその一つですので、合わないとご自分で判断されたら中止していただけば幸いです。



【糖質制限食とは】


米国糖尿病協会(ADA)の患者教育用のテキストブックLife With Diabetesによれば、食べ物が消化・吸収されたあと、糖質は100%血糖に変わりますが、タンパク質・脂質は血糖に変わりません。

また糖質は、摂取直後から急峻に血糖値を高く速く上昇させ、2時間以内にほとんどすべてが吸収されます。

これらは含有エネルギーとは無関係な三大栄養素の生理学的特質です。 

1997年版のLife With Diabetes(ADA刊行)では、

「タンパク質は約半分が血糖に変わり、脂質は10%未満が血糖に変わる」

という記載がありましたが、2004年版以降は変更されています。

このように糖質、脂質、タンパク質のうち糖質だけが血糖値を上昇させます。

従って、糖質を摂取した時にはインスリンが大量に追加分泌されます。

脂質を摂取しても、インスリンの追加分泌はありません。

タンパク質はごく少量のインスリンを追加分泌させます。

現在糖尿病において、食後の急激な高血糖(グルコーススパイク)が大きな問題として注目されています。

食後高血糖が、心筋梗塞や脳梗塞などの合併症を起こす危険因子として確立されたからです。

また一日における、食前・食後・空腹時など血糖値の変動幅(平均血糖変動幅)が大きいほど、酸化ストレスが増強し動脈硬化のリスクとなることがわかってきました。

そして、食後高血糖と平均血糖変動幅増大を起こすのは、三大栄養素のなかで糖質だけなのです。

1gの糖質が、体重64kgの2型糖尿病の人の血糖値を約3mg上昇させます。

炊いた白ご飯茶碗1杯150g(252kcal)には、55.3gの糖質が含まれており、血糖値を166mg上昇させます。

一方、牛サーロインステーキを200g(約1000キロカロリー)食べても、糖質含有量は1gもないので、食後血糖は3mg未満の上昇しかないのです。 

なお、1gの糖質が体重64kgの1型糖尿病の人の血糖値を5mg上昇させます。

糖質制限食の基本的な考え方は、上述のような生理学的事実をベースに、できるだけ糖質の摂取を低く抑えて、食後高血糖を防ぐというものです。

簡単に言えば、主食を抜いておかずばかり食べるというイメージになります。

抜く必要がある主食とは米飯・めん類・パンなどの米・麦製品や芋類など糖質が主成分のものです。

3食主食抜きのスーパー糖質制限食(糖質12%、タンパク質32%、脂質56%)なら、薬に頼ることなく速やかにリアルタイムで良好な血糖コントロールが可能です。

一方、上述の白ご飯とステーキの例でも明らかなように、カロリー計算に基づいて血糖値をコントロールすることは理論的に不可能です。

従って、現行の日本糖尿病学会推薦の糖尿病食(糖質60%、タンパク質20%、脂質20%)を実践する限りは、一日の摂取カロリーを1200キロカロリーと低く抑えたとしても、食後高血糖が必ず生じるのです。

糖尿病の改善には、カロリー制限より糖質制限ということがおわかりいただけたと思います。

なお糖質制限食は、カロリー無制限ということではありません。

日本糖尿病学会「食品交換表」の

男性1400~1800kcal
女性1200~1600kcal

ほど厳しいカロリー制限は必要ありませんが、

国立健康・栄養研究所の
「日本人の食事摂取基準」(2010年、厚生労働省)
への解説に示す推定エネルギー必要量の範囲、

すなわち18才以上の成人で身体活動レベルが普通なら

男性:2200~2650キロカロリー 
女性:1700~1950キロカロリー

身体活動レベルが低い人は

男性:1850~2250キロカロリー  
女性:1450~1700キロカロリー

くらいが目安です。

なお、米国糖尿病学会は、2013年10月発表の『栄養療法に関する声明』において全ての糖尿病患者に適した唯一無二の治療食は存在しないと明記しました。

これはそのまま、日本糖尿病学会への痛烈な批判となっています。

そして、地中海食、ベジタリアン食、DASH食、低脂質食などと共に
「糖質制限食」
も正式に受容しました。




<江部康二著 参考図書>

理論
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!糖質制限食のすすめ」2005年
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」2008年
「我ら糖尿人、元気なのには理由がある。」2009年 宮本輝先生との対談本
「やせる食べ方」2010年
「うちの母は糖尿人」2010年 監修:江部康二 著:伊藤きのと
(東洋経済新報社)
「糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食」2010年(ナツメ社)
腹いっぱい食べて楽々痩せる『満腹ダイエット』 (ソフトバンク新書) 2011年
「主食をやめると健康になる」(ダイヤモンド社)2011年
「血糖コントロールの新常識! 糖質制限 完全ガイド」 (別冊宝島)2012年
「糖質オフ!健康法」(PHP文庫)2012年
「主食を抜けば糖尿病はよくなる!糖質制限食のすすめ」(文春文庫)2012年
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」(文春文庫)2012年
「女性のための糖質制限ダイエットハンドブック」2013年(洋泉社)
「糖尿病治療のための!糖質制限食パーフェクトガイド」2013年(東洋経済新報社)
「医療の巨大転換を加速する」糖質制限食と湿潤療法のインパクト
 2013年(東洋経済新報社) 夏井睦先生との対談本
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!糖質制限食のすすめ 新版」2014年(東洋経済新報社)
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!2 実践編」2014年(東洋経済新報社)

レシピ
「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」2006年(東洋経済新報社)
「糖質オフ」ごちそうごはん2009年(アスペクト)
dancyuプレジデントムック 「満腹ダイエット 」 2009年(プレジデント社)
「血糖値を上げない!健康おつまみ109」2010年(東洋経済新報社)
「やせる食べ方レシピ集」 2010年(東洋経済新報社)
「糖質オフダイエット 」2011年(レタスクラブ、角川マーケティング)
「誰もがストレスなくやせられる!糖質制限ダイエット」 2011年(講談社)
「主食を抜けば糖尿病はよくなる」レシピ集2011年(東洋経済新報社)
高雄病院の「糖質制限」給食2012年(講談社)
糖尿病がどんどんよくなる「糖質制限食」おすすめレシピ集2012年(ナツメ社)
糖質制限の「主食もどき」レシピ2013年(東洋経済新報社)
高雄病院Dr江部が食べている「糖質制限」ダイエット2013年(講談社)
糖質オフのダイエット弁当2013年(家の光協会)
高雄病院「糖質制限給食」朝 昼 夕 14日間完全プログラム
糖尿病・肥満改善が自宅でできる! 2013年(講談社)

DVD「糖質制限食を語る」http://www.yaserutabekata.com/shop/dvd.php 2011年



【本ブログのコメント・質問・記事に関するお願い】


ブログ読者の皆さんには、いつもコメントいただき、ありがとうございます。

糖質制限食に関する質問についてですが、実際に高雄病院や江部診療所に来院されて診察した患者さんに対しては、医師としての責任・債務がありますので、個別に説明もしっかりさせて頂いていますし、フォローもしております。

一方、ブログ読者の皆さんの質問に関しては、糖質制限食に詳しい医師として、ボランティアで回答させていただいています。

診察もしておりませんしフォローもできませんので、責任もとれません。

私の回答は、あくまでも一般論としての参考意見とお考え頂けば幸いです。

また、ブログ記事や本に関しても同様に、糖質制限食に関する一般論としての参考意見とお考え下さい。

従いまして、読者の皆さんが私の参考意見を読まれて、どのように利用されるかは、自己責任でよろしくお願い申し上げます。m(_ _)m

そして読者の皆さんからもご意見いただきましたが、普通のお医者さんに相談可能な個人的な内容の質問は、ご自分の主治医にご相談頂けば助かります。

またネットで簡単に検索可能なことは、ご自分でお調べください。


質問が増えてきましたので、糖質制限食と関わりがないと判断した質問にはお答えできない場合もありますので、ご了承ください。m(_ _)m

普通のお医者さんでは解答不能の、糖質制限食に関わる質問は、何でもどんどんしていただけば嬉しいです。 (^_^)

掲載OKの質問に関して、読者の皆さんに共有していただきたい情報の場合は、ブログ本文記事にて、できるだけ順番にお答えしたいと思います。

質問によってはコメント欄でお早めにお答えする場合もありますのでご了承ください。

一方、質問がかなり増えてきていますので、なかなか即、お答えすることが困難となってきています。

糖質制限食に関わりのある全ての質問に、本文かコメントでお答えするようできるだけ努力はしていますが、できないときはご容赦願います。m(_ _)m

それから、「管理人のみ閲覧できる」「匿名希望」などの質問に関しては、コメント欄にお答えするか、一般的な話題に置き換えてブログに記載するようにしていますので、よろしくお願い申し上げます。



テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
【糖質制限に関するアンケート】 by 夏井睦先生
こんにちは。

日本糖質制限医療推進協会顧問の夏井睦先生が、糖質制限の現状を知るために

【糖質制限に関するアンケート】フォーム

を立ち上げられました。

このアンケートフォームはGoogle driveを利用して作られたそうです。

下記がそのアドレスです。

https://docs.google.com/forms/d/1l5M-yzXroALSlGwpuy1FK-qCB3zghmCMfrCWMwOb1-0/viewform

私も、早速アンケートに記入しました。

上記URLにいって、アンケート用紙に記入して、画面の左下のsubmit ボタンを押して終了です。

3~4~5分で完了すると思います。

ブログ読者の皆さん、【糖質制限に関するアンケート】にご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。


江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
『主食を抜けば糖尿病は良くなる! 新版』 『・・・2実践編 新版』 刊行
おはようございます。

『主食を抜けば糖尿病は良くなる! 新版』2014年(東洋経済新報社)


『主食を抜けば糖尿病は良くなる!2 実践編 新版』2014年(東洋経済新報社)


アマゾンで2014年3月14日(金)から販売開始となりました。

『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』2005年(東洋経済新報社)
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!2実践編』2008年(東洋経済新報社)

もそれぞれ、おかげさまでロングセラーとなり、多くの方々にご愛読いただき嬉しい限りです。

2005年から9年、2008年から6年が経過し、記載してあるデータ情報などが、どんどん変化してきました。

また、

米国糖尿病学会の2013年10月の栄養療法に関する声明の発表、

日本腎臓病学会「CKDガイド2012」でGFR60上は、たんぱく質制限なしと明記、

2013年、糖尿病の診断フローチャート、評価基準が変更・・・

など、数字データ以外にも、様々な大きな変化がありました。

今回、最新情報を入るだけ盛り込んで、大幅にリニューアルして、新版が完成しました。

皆様のお役に立てれば、幸いです。


江部康二


以下は、

『主食を抜けば糖尿病は良くなる! 新版』2014年(東洋経済新報社)
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!2 実践編 新版』2014年(東洋経済新報社)

の、「新版刊行にあたって」です。



『主食を抜けば糖尿病は良くなる!新版』

新版刊行にあたって


二〇〇五年一月に『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』(東洋経済新報社)を上梓してから九年が経過しました。

本書は日本で初めて「糖質制限食」を理論的に紹介した本であり、二〇一三年に至るまで一九刷りを記録するロングセラーとなり、日本に糖質制限食を広める先駆的な役目を果たしました。

その影響は海外にも波及しており、韓国と台湾でも翻訳書が出版されています。

ここ二~三年、テレビ・新聞・雑誌などのマスコミがこぞって糖質制限食を取り上げ、世間一般の認知度は格段に上がりました。

昨今、「糖質ゼロ」「糖質オフ」をうたい文句とした飲料や食品が当たり前のようにスーパーやコンビニの店頭に並んでいるのを見るにつけ、「糖質」という言葉すらほとんど 知られていなかった九年前とは隔世の感を覚えます。

この変化にとって一つのエポックとなったのは、二〇一二年一月一五日、京都国際会館で開催された第一五回日本病態栄養学会年次学術集会でした。

「糖尿病治療に低炭水化物食は是か?非か?」というディベートセッションが行われ、私は「是」、つまり糖 質制限食を肯定する側の演者として、否定する側の先生方と議論を戦わせました。

このディベートは行われる前から医学関係者の間で大きな関心を集めていて、通常は 三〇〇〇人規模の学会に四〇〇〇人の医師・栄養士が参加するという非常な盛況ぶりでした。

糖質制限食の有効性と安全性を合理的に説明した私の主張は大きな反響を巻き起こし、その後、糖質制限食を公式に認めるべきだとする論調を高めていきます。

このディベートは、糖質制限食が医学界の表舞台に初登場したという意味を持っており、新しくて有効な食事療法としての認知が広まり、糖尿病治療の現場を変えていくための大きな一歩となりました。

以降、私に対する日本全国の医師会・保険医協会や病院からの講演依頼が急増し、北海道から沖縄まで医師・医療関係者向けの糖質制限食講演会を行いました。

医学界にも 爆発的に糖質制限食が広がり始めているのです。

今回、糖質制限食普及の原点である本書を九年ぶりに改訂することとなりました。

糖尿病研究が急速に進展したため、日本の内外における糖尿病治療のスタンスが、かなり大きく、しかも嬉しい方向へと変化しており、それに応じて内容を改める必要が生じたためです。変化の主なものを挙げます。

○米国糖尿病学会が二〇一三年の栄養療法に関する声明で、糖質制限食を治療食の選択肢の一つとして公式に認め、かつ、 「唯一無二の糖尿病食事療法はない」と明言した。

○日本腎臓病学会編『CKD診療ガイド2012』において、糖質制限食は糖尿病性 腎症第三期Aまでは適用が
 可能であるとし、それまでの情報が刷新された。

○二〇一三年、糖尿病の診断フローチャート、評価基準が変更となった。


今回、こうした新しいスタンスに対応する形へと文章を改めました。

このほか、最新 の関連研究なども付け加えています。

また本書では、日本の糖尿病患者数、高雄病院の糖尿病患者数など数字データを二〇一三年現在で最新のものとしました。

そして近年、高雄病院では、スーパー糖質制限食(ページ参照)を推奨していますので、第7章の給食の献立表などもスーパー糖質制限食としました。糖質制限食の実践ノウハウについても最新のものを付け加えてあります。

なお、HbA1c(グリコヘモグロビン値)に関して、二〇一三年四月一日から、NGSP値に統一されていますので、改訂版では、最新の糖尿病の診断フローチャート評価基準のHbA1cを、NGSP値で記載しました。

旧版の時点ではHbA1cがJDS値で、二〇一三年の新基準とは異なっていましたが、新版では、JDS値をNGS P値に換算して統一してありますのでご注意ください。

本書は、糖質制限食を世に広める起爆剤としての歴史的な意義を持つだけでなく、この食事療法のエッセンスが純粋な形で凝縮しており、入門書として現在でも最も適したものです。

新しい知見を加えた改訂版が、旧版以上に皆様のお役に立つことを著者として心より願っております。


二〇一四年二月

高雄病院理事長 江部康二



[主要目次]
カラー口絵 糖質制限食と従来の糖尿病食
新版刊行にあたって
プロローグ 糖尿病治療食はカロリー制限から糖質制限へ
第1章 糖尿病治療は糖質制限で変わる
第2章 糖質制限食で糖尿病は劇的に改善する
第3章 糖質制限食が効く理由
第4章 糖質制限食で食べて良いもの、悪いもの
第5章 糖尿病2050万人の時代
第6章 これからの食生活を見直すために
第7章 糖質制限食 1週間の朝昼夕メニュー(献立)
付録1 食品の糖質量リスト  
付録2 食べてよい食品、避けたい食品 
糖質制限食・関係機関のご案内



『主食を抜けば糖尿病は良くなる! 2 実践編 新版』

新版刊行にあたって


このたび、『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』が新版刊行の運びとなり、よい機会ですので、続編である『主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編』も改訂し、『主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編 新版』として刊行することにいたしました。

日本における糖尿病に対する認識が急速に変わりつつあり、糖質制限食への関心と期待が非常に高まっている今、旧版の表現を一部改め、さらに新しい知見を加えたほうが、よりご理解をいただきやすいだろうと考えたためです。

二〇〇八年二月に本書旧版の初版を刊行して以降も、糖質制限食を希望されて高雄病 院を受診される糖尿病患者さんは増え続けています。

二〇一三年の時点で、糖質制限食のため入院された患者さんは累計八〇〇人以上、外来患者さんは二〇〇〇人以上となりました。

二〇〇七年二月から始めたブログ「ドクター江部の糖尿病徒然日記」も、アクセス数が約一万件という人気ブログとなっています。

こうした事実からも、糖質制限食への関心が高まっていることを感じざるをえません。

本書の改訂は、そうした多くの方々のご期待に応えるものです。

なお、二〇一三年四月一日から、 HbA1c(グリコヘモグロビン値)がNGSP値(国際基準)に統一されましたので、
新版ではNGSP値で統一しました。

また、統計数字などは二〇一三年現在の最新のものとしました。

糖質制限食の実践ノウハウなどについても最新のものを付け加えてあります。

本書が旧版以上に糖質制限食実践のお役に立つことを願っております。

二〇一四年二月

高雄病院理事長 江部康二



[主要目次]
とじ込み付録1「食品の糖質量リスト」
とじ込み付録2「食べてよい食品、避けたい食品」  
新版刊行にあたって
プロローグ 糖質制限食が理解される時代へ
第1章 糖質制限食の概要
第2章 これからの糖尿病治療に有益な知識
第3章 糖質制限食の実践
第4章 糖質制限食を実践する工夫
第5章 糖質制限食への誤解を解く
第6章 現代に必要な糖質制限
特別付録 最強のスーパー糖質制限食--1週間献立
糖質制限食・関係機関のご案内

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質制限食実践と周囲の説得。
【14/03/12 しゅん

コメントの掲載ありがとうございます。

先生のお言葉、非常に励みになります。

あれからも順調に継続できておりますが、体重の減少ペースを危惧して、周囲から、糖質を取れというプレッシャーがかかってかわすのが大変です。

心配から来るものであることは理解しているものの、性格的にも中途半端にやるのが苦手なので周囲への配慮に苦労します。

この様なことがネックで糖質制限を断念する人も多いのではないかと感じます。

個人の取り組みでさえこうなのですから、医師という立場で取り組まれている先生の御苦労は察するに余りあります。

糖質制限による糖尿病治療への正しい理解が、早く一般に広まることを願っております。】


こんにちは。

しゅんさんから、糖質制限食実践で、体重が減少すると周囲が心配して、糖質を摂れというプレッシャーがかかって、かわすのが大変というコメントを頂きました。

しゅんさん、ご苦労のほど、お察し申し上げます。

「医師という立場で取り組まれている先生の御苦労は察するに余りあります。」

ありがとうございます。

糖質制限食全般に対する、陰口や根拠のない誹謗・中傷などは、マスコミを利用した守旧派勢力により結構ありましたし、これからもあると思いますので、その都度反論していきます。

一方、意外というかやっぱりというか、いつの間にか『出すぎた杭』になっていたようで私個人に対して面と向かった反論や批判はほぼ皆無なのです。

ですから、心配をおかけしたようですが、大丈夫です。

さて、周囲が親切心から、「糖質を摂取せよ」とプレッシャーをかけてくる場合、しゅんさん以外にも多くの糖質セイゲニストが苦労されていることと思います。

対策として、まずは、

1)

「2013年10月、米国糖尿病学会の栄養療法に関する声明において、 糖質制限食も、公的に受容された。」

という、お墨付きで、如何でしょう。

2)

次いで、

「イギリス糖尿病学会でも、2011年ガイドラインから糖質制限食は選択肢の一つとして、認められている。」

と追い打ちをかけましょう。

3)

さらに、

「スウェーデン社会保険庁も2008年から、公的に糖質制限食を認めている。」

と、第3弾でだめ押しをしておきましょう。

なお、スウェーデンは、40歳以上の成人において最も糖質制限食が実践されている国と思われます。


しゅんさん、以上の理論武装で、周囲を安心させてあげては如何でしょう。



江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
WHO 「1日糖類量約25g以下を推奨」 2014年3月
こんにちは。

WHOが3月5日から公式サイト上で糖類摂取に関するガイドラインのドラフト案を公開しました。

糖類ですから、単糖類と二糖類のことです。

具体的には、ブドウ糖、果糖、蔗糖、砂糖などのことです。

「炭水化物、糖質、糖類」を整理すると下記の如くにまとめることができます。

①栄養表示基準上は、たんぱく質や脂質、灰分(ミネラル分)のいずれにも分類されないものは炭水化物に計算。
②炭水化物=糖質+食物繊維
③糖質=糖類+糖アルコール+三糖類以上+合成甘味料
④糖類=単糖類+二糖類

*三糖類以上=でんぷん、オリゴ糖、デキストリン
*二糖類=砂糖、麦芽糖、乳糖
*単糖類=ブドウ糖、果糖、ガラクトース
*糖アルコール=エリスリトール、キシリトール、マルチトール、ソルビトールなど
*合成甘味料=アスパルテーム、アセスルファムK、スクラロース、サッカリン、ネオテームなど



従って、今回のWHOの

「1日糖類量をティースプーン6杯(約25g)以下を推奨」

には、当然ながら

『三糖類以上のでんぷん、オリゴ糖、デキストリン』
『糖アルコール』
『合成甘味料』

は含まれていません。

つまり「1日糖質量を25g以下」ではありませんので、誤解のないように。

ともあれ、WHOの2002年のガイドラインでは、

「1日糖類量をティースプーン12杯(約50g)以下を推奨」

だったので、半分に減ったわけでいい傾向と思います。


江部康二



以下
MT Pro 記事からの抜粋です。

☆☆☆
[2014年3月7日]
WHO,疾病予防のための糖類摂取量「1日スプーン6杯程度」を推奨へ

GL案への意見募集を開始

世界保健機関(WHO)が3月5日から公式サイト上で糖類摂取に関するガイドライン(以下GL)のドラフト案を公開,意見募集を開始した。新GLではBMI正常範囲の成人の1日糖類量をティースプーン6杯程度(約25g)を推奨することなどが盛り込まれる見通し。

肥満だけでなく,齲歯予防も重視

同GLの目的としてWHOは「成人や小児の肥満や齲歯につながる糖類の摂取量を制限し,公衆衛生上の問題を減少させる」ことを掲げている。

2002年のGLでは糖類摂取量を1日の総エネルギーの10%未満とすることが推奨されていた。新GLではさらに糖類摂取量を1日の総エネルギーの5%以下とすることで付加的なベネフィットが得られるとの推奨が追加される。これは正常範囲のBMIの成人の場合1日にティースプーン6杯(約25g)程度の砂糖に相当する量。制限の対象となるのはグルコース,フルクトースなどの単糖類,スクロースやテーブルシュガーなどの二糖類で,これらは食品に添加されているだけでなく蜂蜜やシロップ,フルーツジュースや果物にも元来含まれている。

WHOは新しい推奨のエビデンスとして,これまでに行われた2報のシステマチックレビューとメタ解析を紹介。1報は68件のランダム化比較試験(RCT)および観察研究を対象としたもので,食事制限を行っていない成人を対象とした各種試験により糖類摂取量の減少と体重減少,同摂取量の増加と体重増加の有意な関連が確認された他,小児を対象とした前向き研究では加糖飲料の摂取によりその後の肥満リスクが増加するとの結果が示されている(BMJ2012; 345: e7492)。

もう1報は糖類制限による齲歯予防効果との関連を検討したWHOのグループによる55報(小児対象の研究がほとんど)の論文を含むシステマチックレビュー。1日の総カロリー摂取量に占める糖類が10%未満の場合でも中等度の齲歯予防効果が見られたが,5%未満ではより明らかな予防効果が期待でき,一生涯における齲歯のリスクを最小化する目標として妥当との結論が示されている(JDR 2014; 93: 8-18)。

テーブルスプーン1杯のケチャップに「砂糖4g」,ソーダ1缶で「40g」

しかし,この「糖類1日スプーン6杯程度」の目標を達成するのはそう容易なことではないようだ。糖類は目に見えない形で加工食品に広く用いられている。WHOによると,テーブルスプーン1杯分のケチャップには4g(ティースプーン1杯),加糖炭酸飲料1缶には40g(ティースプーン10杯)の砂糖が含まれている。

WHOは無制限な糖類摂取がさまざまな非感染性疾患(NCD)につながる肥満や齲歯などの歯科関連疾患を引き起こすおそれがあると指摘。健康および適正体重の維持には,糖類制限を含むエネルギー摂取のバランスの見直しが重要と述べている。

意見募集は今年3月5日から31日まで。誰でも,利益相反情報を開示した上でコメント可能と記されている。

(坂口 恵)
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
医療関係者向けセミナー 京都 「糖尿病治療のための糖質制限食指導」 ご報告
おはようございます。

2014年3月9日(日)
一般社団法人 日本糖質制限医療推進協会主催 
    医療関係者向けセミナー 京都
  「糖尿病治療のための糖質制限食指導」

盛況の内に終了しました。

東京、埼玉、名古屋、滋賀、奈良、京都、大阪、兵庫、高知、鳥取、北九州・・・

日本各地から、20名以上の医師が参加されました。

歯科医師、栄養士、薬剤師、看護師、鍼灸師・・・

総勢48名が参加され満員御礼となりました。

定員が48名でしたので、2月中旬には満員となりました。

参加できなかった方々には申し訳ありませんでした。

医療現場において関心が大変高まっているようで、糖質制限食の普及速度に加速がかかっており、嬉しい限りです。

スケジュールをゆったりととったので、質疑応答の時間もしっかり確保できて、中身の濃い充実した満足度の高いセミナーとなったと思います。

講演会終了のあと、名刺交換会も行いました。

休憩時間には、コーヒーと紅茶もお出しして、くつろいでいただきました。

本セミナーに出席された先生方、糖質制限食関するご質問などありましたら、お気軽にメールしていただけば幸いです。


江部康二



一般社団法人 日本糖質制限医療推進協会主催 
    医療関係者向け講演会 京都
  「糖尿病治療のための糖質制限食指導」

■日時: 2014年3月9日(日)13:00~ 

■場所:メルパルク京都4階研修室3「藤」 JR京都駅から徒歩1分

■スケジュール:

第一部: 13:00~14:05 「基礎理論」 ※講師A

 休憩  14:05~14:15

第二部: 14:15~15:20 「症例検討と薬剤の使い方」 ※講師A

 休憩  15:20~15:40

第三部: 15:40~16:50
      「高雄病院 糖質制限給食の実際と栄養士の関わり方」※講師B

*講義時間・質疑応答時間について
  第一部・第二部は講座各50分、質疑応答各15分
  第三部は講座50分、質疑応答20分。

■講師

A:江部 康二 医師
  (一財)高雄病院 理事長
  (一社)日本糖質制限医療推進協会 理事長

B:橋本 眞由美 管理栄養士
  (一財)高雄病院 栄養管理部 部長

■対象:医療従事者(医師、歯科医師、薬剤師、看護師、栄養士、鍼灸師など)



テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
出戻り糖質セイゲニスト、スーパー糖質制限で劇的改善。
こんにちは。

出戻り糖質セイゲニストの Hiro さんから、スーパー糖質制限で劇的改善という嬉しいコメントをいただきました。

Hiro さん

現在の腎機能は、CKDガイドライン(2013年03月24日 の本ブログ記事ご参照ください)では、G2A3です。

糖尿病腎症のステージは、第3期Aです。

2013年3月、日本糖尿病学会は、提言において

「CKDにおいては、日本腎臓病学会のガイドラインに従う」

と発表しました。

従いまして、日本腎臓病学会も日本糖尿病学会も Hiro さんの腎機能に関しては、タンパク制限必要なしのお墨付きとなります。

安心して、スーパー糖質制限食を実践してくださいね。

有名な糖尿病専門医に、カロリー制限食(高糖質食)を強いられるより、諸橋弘子医師(*)に受診されたのは、賢明です。

諸橋弘子医師は糖質制限食にも精通しておられます。

スーパー糖質制限食実践で、レベミル24単位だけで

HbA1cは

退院時:12.3%(NGSP)
3週間後:9.7%
更にその4週間後は:7.6%

とても順調な改善です。

血糖自己測定器を持っておられると思いますので、低血糖にならないように安全を期して、早朝空腹時血糖値が、90~125mg/dlにコントロールされては如何でしょう。

早朝空腹時血糖値がコントロール良好なら、スーパー糖質制限食で一日通して血糖コントロール良好となると思います。
レベミルの単位も減らせると思います。

以下は参考までにレベミルのスケールの例です。

<レベミルのスケール>
早朝空腹時血糖値のデータに基づき、
前夜のレベミルの単位を基準に増減する。
早朝空腹時血糖値
70mg/dl未満:    レベミル2単位減量
70~90mg/dl未満:  レベミル1単位減量
90~126mg/dl未満: レベミル同量
126~150mg/dl未満: レベミル1単位増量
150mg/dl以上:   レベミル2単位増量



(*)
諸橋弘子先生
〒950-0912
新潟市中央区南笹口1丁目1番30号
ラサ内科皮膚科クリニック 025-247-3811
http://www.lhasaclinic.com/



江部康二


【14/03/09 Hiro

出戻り糖質制限

はじめまして、かれこれ糖尿歴25年選手のHiroと申します。
実は出戻り糖質セイゲニストでもあります。

10年前に諸橋弘子医師の指導の元、スタンダードもどき糖質制限を2年ほど行いHbA1cは10台から7.3まで改善したのですが、その後先生が転勤されたのとその後の主治医と喧嘩別れをしたことから、半ばどうでもいいやという気分になり治療をサボっておりました。

そのまま7年が過ぎ、他の医師の元で治療を再開したり休止したり…。

まさに不良患者を地でいく生活を続けてきましたが、昨年あたりから足に穿刺痛や電撃痛を常時感じるようになり(網膜と末梢神経、小血管は既に発症済みです ^^;;)、流石にこれでは透析が近いかとこれが最期と覚悟し本腰を入れて治療に専念することとしました。

随時血糖は450オーバー、HbA1cは12.8からのスタートです。

この県のみならず、近県も含めて一番の権威のある内分泌内科のS医師の元で治療を受けられることとなりました。

しかし考えてみれば、権威がある=日本糖尿病学会代表、みたいなものですから教育入院中のカロリー制限食は、かつて糖質制限をやった経験のある私にはどうにも受け入れ難いものでした。

ま、治療を始める前はそんな事気にしないで炭水化物を食いまくっていたんですけどね。勝手なもんだw

そこで教育入院の途中から自分で勝手に糖質制限を始めてしまいました。
やっぱり、不良患者ですわw

今回は江部先生のブログで勉強させていただいて、昔よりは幾分知識も増えたと思いますので、いきなりスーパーからの開始です。

eGFRは65.7、尿ALB1日量が459という状態ですが、勝手にCKDステージはG2A3だろうと判断してスーパーを開始しました(合っていますでしょうか?ドキドキ…)。

教育入院退院の前日に、諸橋医師が近くで開院してることを知りましたので、セカンドオピニオンとしてそちらからも診ていただいています。

先に知っていれば、最初っからそっちへ行っていたのに。

退院時のHbA1cは12.3(NGSP)。そこから三週間後は9.7。そして更に四週間後は7.6でした。

恐るべきスーパー糖質制限効果。スタンダードもどき(もしかしたらプチだったかも?)では二年で3ほど下がったのが、7週間で5も落ちました。

インスリンも二種類処方されていましたが、糖質制限をするのなら基礎分泌分のレベミル24単位/dayだけで良いだろうとの判断をいただきました。

で、早速今日から勝手に1/2量に減らして打っていますが…やっぱ、不良だ。】




テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
3月30日(日)糖質制限食東京講演会 主催 日本糖質制限医療推進協会
こんにちは。

ブログ読者の皆さんには、交流会、講演会などいつも多数ご参加いただきありがとうございます。

2014年3月30日(日)に、一般向けの講演会を東京・八重洲で開催することとなりました。

糖質過多な現代の食生活。

それによって引き起こされる糖尿病など生活習慣病の数々。

「糖質摂取が何故良くないか」そのメカニズムわかりやすく説明し、対して人類本来の食事といえる糖質制限食の有効性と可能性について具体的にお話しします。

そして糖尿病患者さんの血液検査データも豊富に紹介します。

同一摂取カロリーで揃えた「従来の糖尿病食 VS スーパー糖質制限食」の血糖値の日内変動データ比較は圧巻です。

食後高血糖と平均血糖変動幅に関しては、糖質制限食の圧勝で、その差は「月とスッポン」です。

米国糖尿病学会が2008年以来5年ぶりに、成人糖尿病患者の食事療法に関する声明(Position Statement on Nutrition Therapy)を改訂しました。(Diabetes Care 2013年10月9日オンライン版)

2013年10月の米国糖尿病学会の栄養療法の声明は画期的なものであり、

全ての糖尿病患者に適した“one-size-fits-all(唯一無二の)”食事パターンは存在しない

との見解を表明しました。

このことは、食品交換表1969年の第2版以降、唯一無二の食事療法(カロリー制限食)を推奨し続けている日本糖尿病学会に対する痛烈な批判となっています。

そして、患者ごとにさまざまな食事パターン〔地中海食,ベジタリアン食,糖質制限食,低脂質食,DASH(Dietary Approaches to Stop Hypertension)食〕が受容可能であるとしています。

糖質制限食もちゃんと認められています。

極めて重要なことですが、糖尿病合併症を防ぐには、「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」を生じないことが必要不可欠です。

しかしながら糖質を摂取すれば、必ず「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」を生じます。

すなわち、従来の糖尿病食(高糖質食)では、糖尿病合併症を防ぐことは理論的に不可能なのです。

「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」を生じない唯一の食事療法が、糖質制限食なのです。

年間

16000人が糖尿病腎症から透析 → 医療費800億円、
3000人が糖尿病網膜症から失明
3000人が糖尿病足病変から足切断


というのが厳しい現実です。

このように合併症に苦しむ多数の糖尿病患者さんの存在そのものが、
「日本糖尿病学会主導の従来の糖尿病治療が決して上手くいっていない」
ことの動かぬ証拠と言えます。

糖尿病合併症を生じさせないためには、糖尿人の皆さんは自分自身の頭で考えて身を守ることが必要です。

本講演では、糖尿病を中心に糖質制限食の有効性・安全性をわかりやすく説明します。

また生活習慣病やがんへの糖質制限食の有効性・可能性にも少し言及します。



江部康二



☆☆☆
以下事務局からのお知らせです。

//////////////////ご案内////////////////////

一般社団法人 日本糖質制限医療推進協会主催 講演会(東京)
糖質制限食の有効性・可能性 ―食のパラダイムシフト―
    ~糖尿病・メタボ・生活習慣病・がん・・・~

◆日時: 2014年3月30日(日) 13:00~14:40頃 ※入場受付(開場)は、12:40~

◆場所: 銀座ルノアール貸会議室プラザ八重洲北口 5階-2・3号室
      東京都中央区八重洲1-7-4 矢満登ビル
      http://www.mapion.co.jp/m/35.67784789_139.77351336_10/

    ☆アクセス:東京駅八重洲北口から外堀通りを渡り、
           八重洲北口通りに入り日興コーディアル証券の並び

◆講師: 江部康二
      (一財)高雄病院 理事長/(一社)日本糖質制限医療推進協会理事長

◆定員:90名

◆受講費:賛助会員 2,600円 / 一般(非会員) 3,200円

◆補足:「賛助会員連絡会」開催のご案内

講演会終了後15:00より、講演会に参加頂いた賛助会員の皆様を対象に、同会場
にて連絡会を開催いたします。
理事長をはじめ協会からのご報告と意見交換会、賛助会員の方の糖質制限食推進
に関するご活動のミニ発表会などを予定しております。

・賛助会員(3/30現在)限定の会合です。あしからずご了承ください。
・16:30頃終了予定です。
・賛助会員の方で連絡会のみの参加をご希望の場合は、参加費300円を頂戴致します。
  
◆お支払い方法:クレジットカード/銀行振込/郵便振替 ※事前決済のみとなります。

◆お申し込み方法:
 ・賛助会員の方
  事務局までメールにてお申し込み下さい。

 ・賛助会員入会をご希望の方
  1.入会案内および会員規約をお読み下さい。
   http://toushitsuseigen.or.jp/member.html

  2.お申し込みはこちらのフォームからお願いします。
   http://toushitsuseigen.or.jp/contact.php
   「お問い合せ内容」欄に「3/30講演会、受講希望」とご記入下さい。
 
 ・一般(非会員)で、講演会の受講のみご希望の方
  こちらのフォームよりお申し込み下さい。
  https://ssl.form-mailer.jp/fms/9cbd1ef7287071

◆お申し込みの流れ:
1.会員の方はメールにて、会員以外の方は各種フォームにてご連絡下さい。
2.事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3.入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4.当日、直接会場までお越し下さい。

◆その他:
・予約制です。当日参加はできません。
・キャンセルは3月26日(水)までにお願い致します。
 それ以降の返金には対応致しかねますので予めご了承ください。


【賛助会員の皆様へ:連絡会内ミニ発表会・発表者募集のご案内 】

お住まいの地域での糖質制限に関するサークル活動、勉強会、ネットを通して
情報発信・・etc, 糖質制限食の普及推進のご活動をしていらっしゃる方、
日頃のお取り組みをこの機会にご報告・PRいただけませんか。

発表をご希望いただける方は、事務局までメールにてお知らせください。

※3月9日(日)までにご連絡ください。
 その際に発表予定のご活動の概要をお知らせください。

※1件につき5分~10分程度のご発表時間を想定しておりますが、件数に応じて、当日の持ち時間を事前にお知らせいたします。

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
兵庫県保険医協会 診療内容向上研究会 糖質制限食講演
おはようございます。

2014年3月8日(土)は、午後5時から兵庫県保険医協会主催の診療内容向上研究会で、糖質制限食のお話をさせて頂きました。

毎月1回、2000年から続いているとのことで、今回は第493回目でした。

神戸フコク生命海岸通りビル5階の協会会議室が会場でした。

通常50~100名の参加者ということでしたが、今回の

「糖質制限食の有効性と安全性」
-糖尿病・動脈硬化・癌・肥満と糖質制限食-

には、156名の医師・栄養士・看護師などに参加いただき、超満員でした。

大変ありがたいことで、糖質制限食に関する関心の高さを感じました。

90分間の講演と質疑応答も30分でたっぷり時間をかけました。

それでも、最後は質問が一部打ち切りになり、すいませんでした。

米国糖尿病学会が2008年以来5年ぶりに、成人糖尿病患者の食事療法に関する声明(Position Statement on Nutrition Therapy)を発表して、(Diabetes Care 2013年10月9日オンライン版)

全ての糖尿病患者に適した“one-size-fits-all(唯一無二の)”食事パターンは存在しないとの見解を表明しました。

そして、患者ごとにさまざまな食事パターン

〔地中海食,ベジタリアン食,糖質制限食,低脂質食,DASH(Dietary Approaches to Stop Hypertension)食〕

が受容可能であるとしています。

つまり米国糖尿病学会は、糖質制限食を公的に受容しているのです。

これは少し興味を持って勉強すればすぐにわかる事実ですから、日本糖尿病学会が、いくら抵抗しても無駄です。

今後多くの日本の医師がどんどん糖質制限食に理解を示していくものと思われ、日本糖尿病学会だけが、ガラパゴス状態です。

実際、診療内容向上研究会の会場でも、数名の医師が既に自ら糖質制限食に取り組んでおられました。

座長の清水映二先生が保険医協会を通して、兵庫県の糖質制限食OKの医療機関をリストアップしてくださるとのことで嬉しい限りです。

清水映二先生、この度は、診療内容向上研究会に呼んで頂き、誠にありがとうございました。

大変有意義な時間となりました。

江部康二
テーマ:糖質制限食
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スーパー糖質制限食で、脂肪肝、糖尿病改善、減量成功
【14/03/07 しゅん

いつもブログを拝見しております。

昨年末に喉がつかえる様な症状が出て病院にかかったところ、 それ自体は内視鏡等で特に異常なしとなったのですが、 年明けの血液検査で「脂肪肝だね」「数値的には糖尿だよ」と 言われてしまい、病院が勧めるカロリー制限を開始しました。
ただ、それ単体で2週間続けてもさほど効果がなく、他の治療法を 模索していたところ、先生の提言するスーパー糖質制限食に出会い、 7週間取り組み(運動もやり)、本日再検査(検体)を行った結果、

体重 12kg減(ウエストも10cm以上減)
早朝空腹時血糖値 131->93
ヘモグロビン 6.5->5.8
HbA1c 6.9->6.2
中性脂肪 328->93
AST 43->16
ALT 70->16
γ-GTP 152->25

と、肝臓系の項目も含めて全て改善し、Drも、これならこのまま取り組めば問題ないでしょう、ということでした。

個人的にも、スーパー糖質制限食は非常に理にかなっており、食事の注意点も少なく、実際に短期間で結果も出て、最初に気になった喉のつかえやゲップ等も、知らぬ間に全てなくなってしまっていました。

まだ平均体重からすると少し重めなのと、ヘモグロビンやHbA1cは 上限ギリギリくらいなので、もっと余裕のある状態まで減らしたいと思います。】


こんにちは。

しゅん さんから、スーパー糖質制限食で、脂肪肝、糖尿病改善、減量成功という嬉しいコメントをいただきました。

体重 12kg減(ウエストも10cm以上減)
早朝空腹時血糖値 131・・・93mg/dl
ヘモグロビン 6.5・・・5.8%
HbA1c 6.9・・・6.2 %(NGSP)
中性脂肪 328・・・93 mg/dl
AST 43・・・16
ALT 70・・・16
γ-GTP 152・・・25


見事な改善です。

脂肪肝も劇的な改善で、素晴らしいです。

Drも受容してくれて、良かったですね。

柔軟な対応のできる好ましい医師です。

のどのつかえやげっぷも、炭水化物過剰摂取の影響だったのかも知れませんね。

このまま美味しく楽しく糖質制限食をお続けください。


江部康二


テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
京大病院入院。給食と糖質制限食は?
【14/03/06 BT

京大病院病院食

はじめまして。

基準値に迫り来る血糖値を押し止めようと、三年ほど前に糖質制限を始め、現在は極めて良好な状態を保っています。

さて、最近、江部先生の母校の大学病院に膀胱腫瘍の手術のために入院した際、ダメ元で糖質制限中であることを伝えて、病院食についての配慮をお願いしてみました。

私 主食は食べないんです。
京 では何か代わりのものが出せないか考えましょう。
私 例えば?
京 カロリーメイトとか。
私 それなら結構です。お豆腐とかならありがたいですが。

と、こんなやり取りの結果、毎食小さな豆腐が1パック追加で出されました。

しかし、ご飯は220gだか250gだかのまま。

もったいないのでご飯なしにして欲しいとお願いしたところ、それは規則上できないとのことでした。

お豆腐はありがたくいただきましたが、毎食無駄になっていくご飯を見るのは複雑な思いでした。

入院中の糖質制限を謂わば黙認してくれたことには感謝していますが、病院食のオプションとして糖質制限食が取り入れられるまでの、道のりの長さを思いました。

病院食のおかずは薄味でとてもおいしかったです。

ご飯の代わりは、持参のくるみや、院内ローソンのブランパンが役に立ちました。

ローソンでバターも置いていてくれれば完璧だったのですが。

これからも折に触れて、様々なリクエストやお願いはしていきたいと思います。

一歩でも半歩でも前へ進めるように。】


【14/03/07 BT

補足

江部先生

コメント取り上げていただいてありがとうございます。

一点書き忘れたことがありますので補足です。

糖質制限の理由として、逆流性食道炎があってご飯を食べると胸焼けがして困るという点も申し述べました。もちろんこれは事実です。ひょっとすると、このことも糖質制限黙認につながったのかも知れません。

同室にガンの化学療法を始めようとしている糖尿病のお年寄りがおられました。副作用で食欲がなくなったときのための特別メニューの説明が耳に入ってきました。

「ご飯が食べにくければ、おにぎりでも、おうどんでも、焼きそばでも、お好きなものをお選びいただけますのでご安心ください。」

ステロイド系の薬剤で血糖値の上昇が予測されるので、インシュリンの量を増やして対応するとの説明もされていました。

これが現状なんだと痛感した一コマでした。】


こんにちは。

BTさんから、京大病院病院食と糖質制限食について、興味深いコメントをいただきました。

ありがとうございます。

血糖値良好、良かったですね。

主食を食べないということを容認してくれて小さいながらも豆腐パックをつけてくれたとは、京大病院の栄養士さん、なかなかのサービスぶりですね。

規則上、ご飯を出さざるを得ないのも、理解できます。

他の京大病院入院経験ありの患者さんからの情報でも、京大病院の栄養士さんの何割かは糖質制限食に理解があるとのことでした。

まあ、病院全体の栄養科としては、カロリー制限食が建前なのでしょう。

泌尿器科入院も幸いしたと思います。

京大病院糖尿病代謝内科入院だと、唯一無二の従来の「糖尿病食」を強要されて、バトルになった可能性もありますね。

手術などで、入院の時は、 BT さんのように、とりあえず話してみるアプローチもあります。

一方、何も言わないで、おかずだけ食べて院内のコンビニで糖質制限OKのおでん、豚シャブサラダ、蒸し鶏サラダ、ゆで卵、ナッツ類・・・

などでしのぐのもありと思います。

***
BTさんから、追加コメントがありました。

逆流性食道炎も、スーパー糖質制限食で、たちどころに解決ですね。


江部康二


テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質制限食と生理的ケトン体上昇、1型糖尿病とケトン体
こんにちは。

1型さんから、1型糖尿病とケトン体について、コメント質問を頂きました。

1型 さん、インスリンを打っておられる1型糖尿病でも、血糖コントロール良好なら、インスリン作用はきっちり働いている証拠です。

インスリン作用が働いていて、血糖コントロール良好なら、1型、2型を問わず、血中ケトン体が従来の基準値より高値で尿中ケトン体が陽性でも、これは生理的なものです。

この場合まったく問題はなくて、正常ですので心配ないです。

このまま、糖質制限食で、少量のインスリン単位で、血糖コントロールしていきましょう。

日本では、「生理的ケトン体上昇」と「病理的ケトン体上昇(糖尿病ケトアシドーシス)」の区別がついている医師が少ないのは、とても残念なことです。

『糖質制限によって即効性のインスリン量が
1食15~20→0~2程度に減り、身体的にはもちろん経済的にも嬉しい限りです。』


これは素晴らしいです。

インスリンは人体に絶対に必要なものですが、インスリン注射にせよ内因性インスリンにせよ少量で済むほど、人体にとっては大変都合がいいのです。

さて、ケトン体に関して、かなり悪いイメージが一般的な医学界ではまかり通ってます。

ケトン体について、まず知っておいて頂きたいのは

「正常で生理的な状態で産生が高まるケトン体上昇」

があるということです。

これは「インスリン作用が欠落して、糖尿病が大悪化した状態で産生が高まる病理的ケトン体上昇」とは、体内の状況が全く異なり、生体への危険性は全くありません。

「生理的な状態のケトン体上昇」



「病理的状態のケトン体上昇」→糖尿病ケトアシドーシス(インスリン作用欠落)

をしっかり区別する必要があります。

アセトン、アセト酢酸、β-ヒドロキシ酪酸のことをまとめてケトン体といいます。

ケトン体は脂肪の分解により肝臓で作られ、血液中に出されます。

β-ヒドロキシ酪酸はケトン基がないので正確にはケトン体ではないのですが、慣例上はケトン体と呼ばれています。

ケトン体は心筋、骨格筋、腎臓などさまざまな臓器で日常的にエネルギー源として利用されており、脂肪の合成にも再利用されます。

実際、基礎代謝の大部分を占める骨格筋や心筋は、空腹時や睡眠時にはエネルギー源の大部分が脂肪酸-ケトン体です。

つまり私達はごく日常的に「脂肪酸-ケトン体」エネルギーシステムを利用して生きているのです。

それで「正常で生理的な状態で産生が高まるケトン体」は、断食・スーパー糖質制限食・小児難治性てんかんの治療食「ケトン食」を実践したときなどに、「脂肪酸-ケトン体」エネルギーシステムが活発化して起こる現象です。

この時は血糖値は基本的に正常で、インスリン作用は保たれています。

断食というと特殊に思えますが、人類の700万年の長い歴史の中では食料不足の方が普通ですので、「脂肪酸-ケトン体」エネルギーシステムは、ごく日常的に活発化したり普通に戻ったりしながら稼働してきたと考えられます。

ケトン体の基準値は26-122μM/Lですが、これはあくまでも、現代人が日常的に三食以上糖質を摂取している条件下の基準値です。

断食中や 糖質制限食の初期の段階だと、ケトン体は1000-4000μM/L程度上昇するのが普通です。

例えば、スーパー糖質制限食を実践中の江部康二のケトン体は300-1200μM/Lくらいです。

要するに「脂肪酸-ケトン体」システムが活発化すれば、単純に血中のケトン体値は高値となりますが、血糖値が正常でインスリン作用が保たれていれば、全く何の問題もありませんし、これは正常な生理的な現象なのです。

この時尿中ケトン体が陽性でも、勿論なんの問題もありません。


なお

「病理的状態のケトン体」→糖尿病ケトアシドーシス(インスリン作用欠落)

の方は、1型糖尿病で、急にインスリンを中止・減量したときや、2型のペットボトル症候群など、特殊な状況以外では、生じません。

つまり、糖尿病ケトシドーシスは、一番最初にインスリン作用の欠落があるわけで、それ以外では絶対に生じないのです。


江部康二


【14/03/05 1型

ケトン体

はじめまして

糖尿病歴20年の1型糖尿病患者です。

1ヶ月ほど前にこちらのブログを見つけてすぐに江部先生の書籍を買いあさり、糖質制限食を実践していたところ、先日の定期検査でケトン体が+2となり、主治医より炭水化物の摂取を強く勧められました。

糖質制限食により血糖値が安定し、ヘモグロビンも低下していただけにこのまま中止してしまっていいものか悩んでいます。

もしこのような悩みについてすでに解説済みであればアドレスを教えて頂けないでしょうか。
(探しても見つからず書籍にも1型に関する記述は見当たりませんでした)

お忙しいとは存じますがよろしくお願いいたします。】


14/03/05 ドクター江部
Re: ケトン体
1型 さん

インスリンを打っておられる1型糖尿病で、血糖コントロール良好なら、インスリン作用はきっちり働いている証拠です。

インスリン作用が働いていて、血糖コントロール良好なら、1型、2型を問わず、血中ケトン体が基準値より高値で、尿中
ケトン体が陽性でも生理的なものです。

この場合まったく問題はなくて、正常ですので心配ないです。

このまま、糖質制限食で、少量のインスリン単位で、血糖コントロールしていきましょう。

日本では、「生理的ケトン体上昇」と「病理的ケトン体上昇(糖尿病ケトアシドーシス)」の区別がついている医師が少ないのは、とても残念なことです。



【14/03/05 1型
Re: ケトン体
わざわざご回答ありがとうございます。

ようやく関連記事を見つけ、先ほどから熟読しておりました。

インスリン作用が欠乏していなければ、ケトン体が上昇しても糖尿病ケトアシドーシスにはならないということなのですね。
余談ですが糖質制限によって即効性のインスリン量が1食15~20→0~2程度に減り、身体的にはもちろん経済的にも嬉しい限りです。】


テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
カロリー制限食7年間、症状悪化して糖質制限に
こんにちは。

るなさんから、貴重な体験をコメント頂きました。

『担当医と栄養士の言うとおり、まさに現在の日本の糖尿病治療方法そのものを7年半誠実に頑張りました。

でも、検査する度に結果は悪くなる一方で、色々な薬を飲んでみても効かない上に副作用に苦しみ、もうどうなっても良いから通院するのはやめようかと思うようになり、疲れ果てていました。』


上記のるなさんのつらい体験は、従来の糖尿病治療を受けている他の多くの糖尿人においても、よくあることなので、兎に角、早急になんとかしなくてはなりません。

るなさんは、合併症として糖尿病神経障害ですが、もっと年数が経過した糖尿人だと、人工透析、失明、足切断といった
よりシビアな合併症を起こすことも多いのです。

基本的には従来の糖尿病治療(高糖質食+薬物療法)では、合併症を防ぐのは困難なのです。

アマリールは、食後高血糖を防がずに、空腹時低血糖を生じやすい薬物なのでるなさんには、即中止していただきました。

るなさんは7年間苦しまれたのですが、2014年2月1日から、糖質制限食を開始されて、

『2/1から2/25のスーパー糖質制限で、Ha1c7.2→6.9 中性脂肪325→194
食後2時間血糖値236→食後1時間血糖値178 』


見事に血糖コントロール良好となっておられます。

糖尿病学会的には、

HbA1c7.0未満、空腹時血糖値130mg/dl未満、食後2時間血糖値180mg/dl未満

を達成すれば、合併症予防効果ありとしています。

るなさん、達成されてます。

さらには

HbA1c6.0未満、空腹時血糖値110mg/dl未満、食後2時間血糖値140mg/dl未満

を目指していけば、糖尿病神経障害による足のシビレや痛みも、時間はかかるかもしれませんが、改善することも期待できます。

3月4日の診察で、担当医が受け入れてくださったのはとても良かったです。
柔軟性がある良い医師と思います。

なお、動脈硬化に関して、糖質制限食で長期的に悪化するというエビデンスはありません。

逆に82802人、20年間のコホート研究(ハーバード大学、2006年、☆)で、糖質制限食に心血管疾患のリスクはありませんでした。

これは信頼度の高い研究で立派なエビデンスです。

一方、上記論文によれば総炭水化物摂取量は冠動脈疾患リスクの中等度増加に関連し、 高GL(糖負荷)は冠動脈疾患リスク増加と強く関連していました。



Halton TL, et al. Low-carbohydrate-diet score and the risk of coronary heart disease in women. New England Journal of Medicine 2006;355:1991-2002.


江部康二


【14/02/11 るな

アマリール飲んでますが、糖質制限食始めてます
江部先生、はじめまして。

このブログにたどり着き、本当に救われた思いです。

糖尿病発覚は、突然の膀胱炎からでした。

今まで7年半糖尿病治療をしていましたが、昨年末の診察時に担当医(糖尿病専門医)から、まだ腎症になってないから大丈夫と言われ、とても違和感がありました。

まだって?そのうちなるということ?と不信感でいっぱいになり、色々調べてこのブログにたどり着きました。

担当医と栄養士の言うとおり、まさに現在の日本の糖尿病治療方法そのものを7年半誠実に頑張りました。

でも、検査する度に結果は悪くなる一方で、色々な薬を飲んでみても効かない上に副作用に苦しみ、もうどうなっても良いから通院するのはやめようかと思うようになり、疲れ果てていました。

やせ形糖尿病なのですが(BMI17.5)、体重を維持するためには、炭水化物を沢山取るようにと言われていたので そうしていました。

また、治療前は朝食は食べず、昼夜2回の食事が習慣だったのですが、3回食べるように言われたので、食べたくもない朝食を無理に食べていました。

自分で血糖値を測定していた頃は、食後1時間で300近くにはなっていました。

1月にこのブログを参考にして、プチ糖質制限食を10日間、スタンダード糖質制限食を10日間、2月1日からスーパー糖質制限食を実践しています。

先生の著書も数種類購入し読んでいますが、まだまだ発見が多くて興味深いです。

現在の薬は 朝、アマリール0.5mg ブロプレス錠4 4mg。
         夜、アマリール0.5mg ブロプレス錠4 4mg  リバロ1mg   エパデールS 900mg です。

2006年5月 治療開始時結果

空腹時血糖 118
食後2時間血糖 231
Ha1c 5.5
LDL 82
HDL 46.8
中性脂肪 132

2013年12月 最新結果

空腹時血糖 未測定(過去測定時は140前後)
食後2時間血糖 236
Ha1c 7.2
LDL 266
HDL 68.8
中性脂肪 325 
酒は飲みません。果物もほとんど食べません。辛党なので甘い物もほとんど食べません。間食の習慣はありません。

こんなに色々悪化してしまいましたが、まだ手遅れではないのでしょうか・・・

四肢末端の左右対称性の疼痛(穿刺痛、電撃痛など)、異常感覚(じんじん、ぴりぴり、灼熱感など)を特徴とする、有通性神経障害あります。

が、整形外科へ行くように言われたことがありますが、糖尿病のせいだと思っていたので行っていません。

去年の年末、静脈血栓が飛んで、足の指の血管が突然激痛と共に切れて、内出血状態になりました。

それ以降エパデールS900mgを処方されました。

次の受診予約が3月なので、それまで担当医とは糖質制限食について相談できないのですが、今更もとの食事に戻すのは恐いし、勝手に朝のアマリールと朝食をやめ 夜だけアマリールを飲んでいます。

低血糖が心配です。去年夏、夜中の3時頃に、急に寒くなりがたがたと震えがきたことがありましたが、それが低血糖だったのかもしれません。

糖質制限食に変えてからはまだないです。もし症状が出たら、夜のアマリールも中止すれば良いのでしょうか。

と言うより、アマリールを飲んでいるのに低血糖にならないのが変ではないでしょうか?なってても気づいていないだけ?

血液ドロドロのせいなのか(?)深めに刺さないとなかなか採血できず、痛いので測定するのも勇気が必要で そんなに頻繁には測定してないのですが、

2/7 朝空腹時127→食後1時間169→食後2時間125
   昼食前92→食後1時間123→食後2時間157
   夕食前90→食後1時間117→食後2時間117

2/9 朝食抜き
   昼食前103→食後1時間192→食後2時間171  
  ケンタッキーフライドチキ ンオリジナル2個食べました。上がります

2/10 朝食抜き
   夕食前未測定→食後1時間143→食後2時間未測定 
ほぼ正確に糖質量を計算しましたが 14.1gとりました。

尿糖測定紙での測定も、いつもは、「500多めの検出」でしたが、検出されなくなりました。

1日3回の食後に来る強烈な眠気からも解放されました。

今までの7年半は一体何だったのか、虚しさと怒りが混ざったような気分です。

まだ始めたばかりで、病院での検査もこれからですが、糖質制限食で改善することを信じて頑張るつもりです。

担当医は多分、糖質制限食反対派なんだと思いますが、自分の選択で押し切るつもりです。

どうにもならないなら病院変えます。

ボランティアでこのような貴重なブログを書いていただいていることに、深く感謝申し上げます。

ありがとうございます。希望が持ててきました。】




14/02/11 ドクター江部 Re: アマリール飲んでますが、糖質制限食始めてます
るな さん

拙著のご購入、ありがとうございます。
オリジナルチキン1個で100g中約9gの糖質
です。

2/7 朝空腹時127→食後1時間169→食後2時間125
   昼食前92→食後1時間123→食後2時間157
   夕食前90→食後1時間117→食後2時間117

とてもいいデータです。
夜のアマリールも、中止しましょう。
このまま、スーパー糖質制限食で問題ないと思います。
スーパー糖質制限食なら血液サラサラです。
脂質・タンパク質はしっかり摂取して、
エネルギー不足で体重が減らないようにしましょう。


【14/03/04 るな
2/11のブログでコメントいただきありがとうございました。

本日、担当医と相談しまして、痩せすぎだから難しいし、長期的には動脈硬化が進むから反対だと言われましたが、本人が納得することも大事だからということで、受け入れていただけました。
2/1から2/25のスーパー糖質制限で、Ha1c7.2→6.9 中性脂肪325→194
食後2時間血糖値236→食後1時間血糖値178

ただ、食前血糖値が119だったので 取った糖質量が2.8gなのに59の上昇が疑問です。
体重39kg前後で普段は糖質1gで4上昇しています。
体重が少ないと上昇幅が大きいのでしょうか・・・
尿酸値が7.4→8 高すぎて驚きですが、一時的なものなのだと思うことにします。

勝手に始めたけれども、担当医と相談の上、糖質制限に取り組めるので安心できました。江部先生のおかげです。ありがとうございました。】


テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コレステロールについての考察。2014年3月。
おはようございます。

コレステロールについての質問はよくありあますので、少し詳しく考察してみます。

人体はタンパク質、脂質、無機質、水分等の主要成分により構成されています。

男と女で比べると、一般に女性は少し脂肪の割合が多いです。

人体全体の体組成はおよそですが以下のようです。

水分:55~65%
タンパク質:14~18%
脂肪:15~30%
ミネラル:5~6%
糖質は:1%以下・・・つまり糖質は人体の構成成分としては極微量。

その中で、脳は脂質に富み、ヒト脳の乾燥重量の65%が脂質です。

脳脂質の半分がリン脂質、コレステロールが1/4、糖脂質が1/4です。

コレステロールは、生体のあらゆる細胞膜の構築に必須の物質であり、肝臓で合成し腸肝循環によって制御・調節されています。

このように、コレステロールは、人体にとって必要不可欠な、重要な構成成分の一つです。

ヒトだけではなく、約2億2500万年前に哺乳類が誕生して以来、生命現象の根幹をなす細胞膜などの原料として一貫して利用されてきたのです。

そのため血清コレステロール値は、摂取された食物のコレステロールが少ない場合は肝臓での合成が高まり、一方、摂取コレステロールが多い場合は、肝臓での合成が徐々に減少して、一定量を必ず確保するよう調整しています。

食事中のコレステロール摂取量に対する血清コレステロールの上昇には、個人差が結構あります。

例えば玄米菜食の実践により「コレステロールを食事からあまりとらない食生活」だったとすれば、肝臓でのコレステロール合成能力はかなり高まっています。

この時、糖質制限食で食事からコレステロールがたくさん入ってきたら、

「肝臓のコレステロール合成増強+食事からのコレステロールの増加」

となりますので、普通の食事だった人よりは、血清コレステロールが高値となりやすいです。

玄米菜食を実践していて糖尿病を発症した人が、糖質制限食に切り替えた場合などですね。

この場合、基準値だったコレステロール値が、総コレステロールで300mg超え、LDLコレステロールで200mg超えに一旦上昇します。

しかし一旦上昇したコレステロールも、肝臓が徐々にコレステロール産生を調整するので、1年、2年単位で基準値に落ち着いてきます。

もともと卵とかコレステロールを多く含むものをよく食べていた人は、糖質制限食を実践しても血清コレステロール値はあまり変化ないと思います。

このように糖質制限食開始前の食生活において、コレステロールをどの程度摂取していたかで、開始後のコレステロール値が、かなり影響を受ける可能性があります。

なお、「総コレステロール高値と心筋梗塞は無関係」というエビデンスが蓄積したので、2007年4月の日本動脈硬化学会のガイドライン以降は、総コレステロール値は「脂質異常症」の診断基準から外れました。

従いまして、コレステロールに関して、動脈硬化のリスク要因として問題となるのは、HDLコレステロールが低値の人とLDLコレステロールが高値の人です。

2010年後半、日本脂質栄養学会と日本動脈硬化学会の間で、コレステロール論争が持ち上がったのは記憶に新しいところです。

日本動脈硬化学会が2007年に作成したガイドラインは、基本的に「コレステロールは低ければ低いほど良い」という立場です。

これに対して、日本脂質栄養学会は「コレステロールは高い方が長生き」というガイドラインを2010年に作成し、論争を挑みました。

2014年現在、論争に決着がついたとは言えませんが、私は脂質栄養学会の主張のほうに、一貫性と整合性があると思います。

長い進化の過程を経て、哺乳類・人類の生命活動の根幹をなすコレステロールが少々増えたからといって、人体に悪いと言うことは、基本的には考えにくいことでした。

しかし過去、疫学的研究で「LDL-コレステロール高値→心筋梗塞」というエビデンスが蓄積されたかに見えていました。

ところが、製薬会社との癒着研究の問題もあり、特に2004年以降、再検討が必要と考えられるようになってきました。

欧米では「利益相反」や「製薬企業によるエビデンスの不正」が問題となって、2004年以降、治験や医学論文に対して科学的厳密さがより強く要求されるようになりました。

その結果、2006年以降に発表されたコレステロール低下薬に関する無作為化対照試験(RCT)である、ASPEN(16)、ENHANCE(17)、SEAS(18)、GISS-HF(19)、 CORONA(20)、AURORA(21)などでは、スタチンによりLDL-Cは下がりましたが、心血管系イベントや総死亡には効果が無いと報告されるようになりました。

日本動脈硬化学会の「コレステロールは低ければ低いほど良い」という立場が、大きく揺らいでいるのが欧米の現状です。

英国のコクラン ライブラリー(2011)では、
健康診断でコレステロール値が高いというだけの人には
スタチンの処方は不必要と結論しています。
(COCHRANE Statins for the primary prevention of cardiovascular disease 2011)


日本においても、家族性高コレステロール血症の人や、過去に心血管疾患のある人以外は、スタチンの内服は必要ない可能性があり、今後検討が必要と思います。

一方、2013年11月に発表された、米国心臓協会(AHA)と米国心臓病学会(ACC)のガイドラインは、再びスタチンの使用を奨励していますが、早くも物議を醸しています。

米国心臓協会(AHA)と米国心臓病学会(ACC)は製薬企業との関係で、態度がぶれているように思えます。

米国のNationalガイドライン(NCEP ATPⅢ 2001年)は2004年改訂以降停止しています。

欧米でも日本でも当分は、コレステロール論争が続きそうです。


糖質制限食実践後の検査データ

1 血糖値はリアルタイムに改善します。
2 スーパー糖質制限食なら、HbA1cは月に、1~2%改善します。
3 中性脂肪も速やかに改善します。
4 HDL-コレステロールは増加します。増加しますが、増加の程度と速度に個人差があります。
5 LDL-コレステロールは低下・不変・上昇と個人差があります。
  上昇した人も、半年~1年くらいで落ち着くことが多いですが、個人差があります。
 糖質制限食開始前、菜食中心だった場合、LDL-コレステロールは一旦上昇します。
6 総コレステロールは、低下・不変・上昇と個人差があります。
  上昇した人も半年~1年くらいで落ち着くことが多いですが個人差があります。
 糖質制限食開始前、菜食中心だった場合、LDL-コレステロールは一旦上昇します。
7 尿酸も低下・不変・上昇と個人差があります。
  上昇した人も、半年~1年くらいで落ち着くことが多いですが、個人差があります。
 尿酸値が上昇した場合、エネルギー摂取不足がないかチェックする必要があります。
8 尿素窒素はやや増加傾向になる人が多いですが、そのうち落ちつくことが多いです。
9 クレアチニンは不変です。
10 カリウムも不変です。
11 血中ケトン体は現行の基準値より高値となりますが、生理的なものです。
12 尿中ケトン体は当初3ヶ月~半年は陽性になりますが、その後陰性化することが多いです。
   しかし、ケトン食レベルの厳格な糖質制限食だと、尿中ケトン体は常に陽性です。
13 脂肪肝に付随する、GPTやγGTP高値も改善します。




江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット