2014年02月28日 (金)
こんにちは。
『主食を抜けば糖尿病は良くなる! 新版』2014年(東洋経済新報社)
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!2 実践編 新版』2014年(東洋経済新報社)
アマゾンで予約販売開始となりました。
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』2005年(東洋経済新報社)
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編』2008年(東洋経済新報社)
もそれぞれ、おかげさまでロングセラーとなり、多くの方々にご愛読いただき嬉しい限りです。
2005年から9年、2008年から6年が経過し、記載してあるデータ情報などが、どんどん変化してきました。
また、米国糖尿病学会の2013年10月の栄養療法に関する声明の発表、日本腎臓病学会「CKDガイド2012」でGFR60上は、たんぱく質制限なしと明記、2013年、糖尿病の診断フローチャート、評価基準が変更・・・
など、数字データ以外にも大きな変化がありました。
今回、最新情報を入るだけ盛り込んで、大幅にリニューアルして、新版が完成しました。
皆様のお役に立てれば、幸いです。
江部康二
以下出版社からの紹介文です。
『主食を抜けば糖尿病は良くなる! 新版』
糖尿病にはもちろん、ダイエット、メタボ対策にも画期的な効果をあげる「糖質制限食」入門の決定版。糖質制限ブームの火つけ役となった名著に最新情報を盛り込んで大幅リニューアル。1週間献立、食品糖質量リスト付き。
[主要目次]
カラー口絵 糖質制限食と従来の糖尿病食
新版刊行にあたって
プロローグ 糖尿病治療食はカロリー制限から糖質制限へ
第1章 糖尿病治療は糖質制限で変わる
第2章 糖質制限食で糖尿病は劇的に改善する
第3章 糖質制限食が効く理由
第4章 糖質制限食で食べて良いもの、悪いもの
第5章 糖尿病2050万人の時代
第6章 これからの食生活を見直すために
第7章 糖質制限食 1週間の朝昼夕メニュー(献立)
付録1 食品の糖質量リスト
付録2 食べてよい食品、避けたい食品
糖質制限食・関係機関のご案内
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!2 実践編 新版』
糖尿病にはもちろん、ダイエット、メタボ対策にも画期的な効果をあげる「糖質制限食」実践書の決定版。糖質制限ブームの火つけ役となった名著に最新情報を盛り込んで大幅リニューアル。とじこみ付録「食品糖質量リスト」「食べてよい食品、避けたい食品」のほか、スーパー糖質制限食1週間献立付き。
[主要目次]
とじ込み付録1「食品の糖質量リスト」
とじ込み付録2「食べてよい食品、避けたい食品」
新版刊行にあたって
プロローグ 糖質制限食が理解される時代へ
第1章 糖質制限食の概要
第2章 これからの糖尿病治療に有益な知識
第3章 糖質制限食の実践
第4章 糖質制限食を実践する工夫
第5章 糖質制限食への誤解を解く
第6章 現代に必要な糖質制限
特別付録 最強のスーパー糖質制限食--1週間献立
糖質制限食・関係機関のご案内
『主食を抜けば糖尿病は良くなる! 新版』2014年(東洋経済新報社)
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!2 実践編 新版』2014年(東洋経済新報社)
アマゾンで予約販売開始となりました。
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』2005年(東洋経済新報社)
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編』2008年(東洋経済新報社)
もそれぞれ、おかげさまでロングセラーとなり、多くの方々にご愛読いただき嬉しい限りです。
2005年から9年、2008年から6年が経過し、記載してあるデータ情報などが、どんどん変化してきました。
また、米国糖尿病学会の2013年10月の栄養療法に関する声明の発表、日本腎臓病学会「CKDガイド2012」でGFR60上は、たんぱく質制限なしと明記、2013年、糖尿病の診断フローチャート、評価基準が変更・・・
など、数字データ以外にも大きな変化がありました。
今回、最新情報を入るだけ盛り込んで、大幅にリニューアルして、新版が完成しました。
皆様のお役に立てれば、幸いです。
江部康二
以下出版社からの紹介文です。
『主食を抜けば糖尿病は良くなる! 新版』
糖尿病にはもちろん、ダイエット、メタボ対策にも画期的な効果をあげる「糖質制限食」入門の決定版。糖質制限ブームの火つけ役となった名著に最新情報を盛り込んで大幅リニューアル。1週間献立、食品糖質量リスト付き。
[主要目次]
カラー口絵 糖質制限食と従来の糖尿病食
新版刊行にあたって
プロローグ 糖尿病治療食はカロリー制限から糖質制限へ
第1章 糖尿病治療は糖質制限で変わる
第2章 糖質制限食で糖尿病は劇的に改善する
第3章 糖質制限食が効く理由
第4章 糖質制限食で食べて良いもの、悪いもの
第5章 糖尿病2050万人の時代
第6章 これからの食生活を見直すために
第7章 糖質制限食 1週間の朝昼夕メニュー(献立)
付録1 食品の糖質量リスト
付録2 食べてよい食品、避けたい食品
糖質制限食・関係機関のご案内
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!2 実践編 新版』
糖尿病にはもちろん、ダイエット、メタボ対策にも画期的な効果をあげる「糖質制限食」実践書の決定版。糖質制限ブームの火つけ役となった名著に最新情報を盛り込んで大幅リニューアル。とじこみ付録「食品糖質量リスト」「食べてよい食品、避けたい食品」のほか、スーパー糖質制限食1週間献立付き。
[主要目次]
とじ込み付録1「食品の糖質量リスト」
とじ込み付録2「食べてよい食品、避けたい食品」
新版刊行にあたって
プロローグ 糖質制限食が理解される時代へ
第1章 糖質制限食の概要
第2章 これからの糖尿病治療に有益な知識
第3章 糖質制限食の実践
第4章 糖質制限食を実践する工夫
第5章 糖質制限食への誤解を解く
第6章 現代に必要な糖質制限
特別付録 最強のスーパー糖質制限食--1週間献立
糖質制限食・関係機関のご案内
2014年02月28日 (金)
こんにちは。
宮崎県の糖尿人の皆さんに朗報です。
宮崎県の糖質制限食OKのクリニックが見つかりました。
2014年2月23日(日)の宮崎講演会にご参加いただいた、玉置 昇 先生が院長の
医療法人社団 昇陽会 たまきクリニック
http://tamakiclinic.byoinnavi.jp/pc/
です。
内科、胃腸科、循環器科、小児科と「かかりつけ医」として幅広い診療を展開されています。
勿論糖尿病もOKです。
玉置先生ご自身は糖尿病ではありませんが、糖質制限食実践で、体重減少・体調良好だそうです。
宮崎市ではないのですが、宮崎市内から、自動車で30~40分の綾町にクリニックはあります。
宮崎県の糖尿人の皆さん、糖質制限食ご希望のときはたまきクリニックにまずは電話にてご相談いただけば幸いです。
医療法人社団 昇陽会 たまきクリニック
〒880-1303
宮崎県東諸県郡綾町南俣657-4
TEL 0985-77-2512 FAX 0985-77-2512
玉置 昇 先生
江部康二
宮崎県の糖尿人の皆さんに朗報です。
宮崎県の糖質制限食OKのクリニックが見つかりました。
2014年2月23日(日)の宮崎講演会にご参加いただいた、玉置 昇 先生が院長の
医療法人社団 昇陽会 たまきクリニック
http://tamakiclinic.byoinnavi.jp/pc/
です。
内科、胃腸科、循環器科、小児科と「かかりつけ医」として幅広い診療を展開されています。
勿論糖尿病もOKです。
玉置先生ご自身は糖尿病ではありませんが、糖質制限食実践で、体重減少・体調良好だそうです。
宮崎市ではないのですが、宮崎市内から、自動車で30~40分の綾町にクリニックはあります。
宮崎県の糖尿人の皆さん、糖質制限食ご希望のときはたまきクリニックにまずは電話にてご相談いただけば幸いです。
医療法人社団 昇陽会 たまきクリニック
〒880-1303
宮崎県東諸県郡綾町南俣657-4
TEL 0985-77-2512 FAX 0985-77-2512
玉置 昇 先生
江部康二
2014年02月27日 (木)
こんにちは。
ブログ読者の皆さんには、交流会、講演会などいつも多数ご参加いただきありがとうございます。
2014年3月30日(日)に、一般向けの講演会を東京・八重洲で開催することとなりました。
糖質過多な現代の食生活。
それによって引き起こされる糖尿病など生活習慣病の数々。
「糖質摂取が何故良くないか」そのメカニズムわかりやすく説明し、対して人類本来の食事といえる糖質制限食の有効性と可能性について具体的にお話しします。
そして糖尿病患者さんの血液検査データも豊富に紹介します。
同一摂取カロリーで揃えた「従来の糖尿病食 VS スーパー糖質制限食」の血糖値の日内変動データ比較は圧巻です。
食後高血糖と平均血糖変動幅に関しては、糖質制限食の圧勝で、その差は「月とスッポン」です。
米国糖尿病学会が2008年以来5年ぶりに、成人糖尿病患者の食事療法に関する声明(Position Statement on Nutrition Therapy)を改訂しました。(Diabetes Care 2013年10月9日オンライン版)
2013年10月の米国糖尿病学会の栄養療法の声明は画期的なものであり、
全ての糖尿病患者に適した“one-size-fits-all(唯一無二の)”食事パターンは存在しない
との見解を表明しました。
このことは、食品交換表1969年の第2版以降、唯一無二の食事療法(カロリー制限食)を推奨し続けている日本糖尿病学会に対する痛烈な批判となっています。
そして、患者ごとにさまざまな食事パターン〔地中海食,ベジタリアン食,糖質制限食,低脂質食,DASH(Dietary Approaches to Stop Hypertension)食〕が受容可能であるとしています。
糖質制限食もちゃんと認められています。
極めて重要なことですが、糖尿病合併症を防ぐには、「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」を生じないことが必要不可欠です。
しかしながら糖質を摂取すれば、必ず「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」を生じます。
すなわち、従来の糖尿病食(高糖質食)では、糖尿病合併症を防ぐことは理論的に不可能なのです。
「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」を生じない唯一の食事療法が、糖質制限食なのです。
年間
16000人が糖尿病腎症から透析 → 医療費800億円、
3000人が糖尿病網膜症から失明
3000人が糖尿病足病変から足切断
というのが厳しい現実です。
このように合併症に苦しむ多数の糖尿病患者さんの存在そのものが、
「日本糖尿病学会主導の従来の糖尿病治療が決して上手くいっていない」
ことの動かぬ証拠と言えます。
糖尿病合併症を生じさせないためには、糖尿人の皆さんは自分自身の頭で考えて身を守ることが必要です。
本講演では、糖尿病を中心に糖質制限食の有効性・安全性をわかりやすく説明します。
また生活習慣病やがんへの糖質制限食の有効性・可能性にも少し言及します。
江部康二
☆☆☆
以下事務局からのお知らせです。
//////////////////ご案内////////////////////
一般社団法人 日本糖質制限医療推進協会主催 講演会(東京)
糖質制限食の有効性・可能性 ―食のパラダイムシフト―
~糖尿病・メタボ・生活習慣病・がん・・・~
◆日時: 2014年3月30日(日) 13:00~14:40頃 ※入場受付(開場)は、12:40~
◆場所: 銀座ルノアール貸会議室プラザ八重洲北口 5階-2・3号室
東京都中央区八重洲1-7-4 矢満登ビル
http://www.mapion.co.jp/m/35.67784789_139.77351336_10/
☆アクセス:東京駅八重洲北口から外堀通りを渡り、
八重洲北口通りに入り日興コーディアル証券の並び
◆講師: 江部康二
(一財)高雄病院 理事長/(一社)日本糖質制限医療推進協会理事長
◆定員:90名
◆受講費:賛助会員 2,600円 / 一般(非会員) 3,200円
◆補足:「賛助会員連絡会」開催のご案内
講演会終了後15:00より、講演会に参加頂いた賛助会員の皆様を対象に、同会場
にて連絡会を開催いたします。
理事長をはじめ協会からのご報告と意見交換会、賛助会員の方の糖質制限食推進
に関するご活動のミニ発表会などを予定しております。
・賛助会員(3/30現在)限定の会合です。あしからずご了承ください。
・16:30頃終了予定です。
・賛助会員の方で連絡会のみの参加をご希望の場合は、参加費300円を頂戴致します。
◆お支払い方法:クレジットカード/銀行振込/郵便振替 ※事前決済のみとなります。
◆お申し込み方法:
・賛助会員の方
事務局までメールにてお申し込み下さい。
・賛助会員入会をご希望の方
1.入会案内および会員規約をお読み下さい。
http://toushitsuseigen.or.jp/member.html
2.お申し込みはこちらのフォームからお願いします。
http://toushitsuseigen.or.jp/contact.php
「お問い合せ内容」欄に「3/30講演会、受講希望」とご記入下さい。
・一般(非会員)で、講演会の受講のみご希望の方
こちらのフォームよりお申し込み下さい。
https://ssl.form-mailer.jp/fms/9cbd1ef7287071
◆お申し込みの流れ:
1.会員の方はメールにて、会員以外の方は各種フォームにてご連絡下さい。
2.事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3.入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4.当日、直接会場までお越し下さい。
◆その他:
・予約制です。当日参加はできません。
・キャンセルは3月26日(水)までにお願い致します。
それ以降の返金には対応致しかねますので予めご了承ください。
【賛助会員の皆様へ:連絡会内ミニ発表会・発表者募集のご案内 】
お住まいの地域での糖質制限に関するサークル活動、勉強会、ネットを通して
情報発信・・etc, 糖質制限食の普及推進のご活動をしていらっしゃる方、
日頃のお取り組みをこの機会にご報告・PRいただけませんか。
発表をご希望いただける方は、事務局までメールにてお知らせください。
※3月9日(日)までにご連絡ください。
その際に発表予定のご活動の概要をお知らせください。
※1件につき5分~10分程度のご発表時間を想定しておりますが、件数に応じて、当日の持ち時間を事前にお知らせいたします。
ブログ読者の皆さんには、交流会、講演会などいつも多数ご参加いただきありがとうございます。
2014年3月30日(日)に、一般向けの講演会を東京・八重洲で開催することとなりました。
糖質過多な現代の食生活。
それによって引き起こされる糖尿病など生活習慣病の数々。
「糖質摂取が何故良くないか」そのメカニズムわかりやすく説明し、対して人類本来の食事といえる糖質制限食の有効性と可能性について具体的にお話しします。
そして糖尿病患者さんの血液検査データも豊富に紹介します。
同一摂取カロリーで揃えた「従来の糖尿病食 VS スーパー糖質制限食」の血糖値の日内変動データ比較は圧巻です。
食後高血糖と平均血糖変動幅に関しては、糖質制限食の圧勝で、その差は「月とスッポン」です。
米国糖尿病学会が2008年以来5年ぶりに、成人糖尿病患者の食事療法に関する声明(Position Statement on Nutrition Therapy)を改訂しました。(Diabetes Care 2013年10月9日オンライン版)
2013年10月の米国糖尿病学会の栄養療法の声明は画期的なものであり、
全ての糖尿病患者に適した“one-size-fits-all(唯一無二の)”食事パターンは存在しない
との見解を表明しました。
このことは、食品交換表1969年の第2版以降、唯一無二の食事療法(カロリー制限食)を推奨し続けている日本糖尿病学会に対する痛烈な批判となっています。
そして、患者ごとにさまざまな食事パターン〔地中海食,ベジタリアン食,糖質制限食,低脂質食,DASH(Dietary Approaches to Stop Hypertension)食〕が受容可能であるとしています。
糖質制限食もちゃんと認められています。
極めて重要なことですが、糖尿病合併症を防ぐには、「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」を生じないことが必要不可欠です。
しかしながら糖質を摂取すれば、必ず「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」を生じます。
すなわち、従来の糖尿病食(高糖質食)では、糖尿病合併症を防ぐことは理論的に不可能なのです。
「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」を生じない唯一の食事療法が、糖質制限食なのです。
年間
16000人が糖尿病腎症から透析 → 医療費800億円、
3000人が糖尿病網膜症から失明
3000人が糖尿病足病変から足切断
というのが厳しい現実です。
このように合併症に苦しむ多数の糖尿病患者さんの存在そのものが、
「日本糖尿病学会主導の従来の糖尿病治療が決して上手くいっていない」
ことの動かぬ証拠と言えます。
糖尿病合併症を生じさせないためには、糖尿人の皆さんは自分自身の頭で考えて身を守ることが必要です。
本講演では、糖尿病を中心に糖質制限食の有効性・安全性をわかりやすく説明します。
また生活習慣病やがんへの糖質制限食の有効性・可能性にも少し言及します。
江部康二
☆☆☆
以下事務局からのお知らせです。
//////////////////ご案内////////////////////
一般社団法人 日本糖質制限医療推進協会主催 講演会(東京)
糖質制限食の有効性・可能性 ―食のパラダイムシフト―
~糖尿病・メタボ・生活習慣病・がん・・・~
◆日時: 2014年3月30日(日) 13:00~14:40頃 ※入場受付(開場)は、12:40~
◆場所: 銀座ルノアール貸会議室プラザ八重洲北口 5階-2・3号室
東京都中央区八重洲1-7-4 矢満登ビル
http://www.mapion.co.jp/m/35.67784789_139.77351336_10/
☆アクセス:東京駅八重洲北口から外堀通りを渡り、
八重洲北口通りに入り日興コーディアル証券の並び
◆講師: 江部康二
(一財)高雄病院 理事長/(一社)日本糖質制限医療推進協会理事長
◆定員:90名
◆受講費:賛助会員 2,600円 / 一般(非会員) 3,200円
◆補足:「賛助会員連絡会」開催のご案内
講演会終了後15:00より、講演会に参加頂いた賛助会員の皆様を対象に、同会場
にて連絡会を開催いたします。
理事長をはじめ協会からのご報告と意見交換会、賛助会員の方の糖質制限食推進
に関するご活動のミニ発表会などを予定しております。
・賛助会員(3/30現在)限定の会合です。あしからずご了承ください。
・16:30頃終了予定です。
・賛助会員の方で連絡会のみの参加をご希望の場合は、参加費300円を頂戴致します。
◆お支払い方法:クレジットカード/銀行振込/郵便振替 ※事前決済のみとなります。
◆お申し込み方法:
・賛助会員の方
事務局までメールにてお申し込み下さい。
・賛助会員入会をご希望の方
1.入会案内および会員規約をお読み下さい。
http://toushitsuseigen.or.jp/member.html
2.お申し込みはこちらのフォームからお願いします。
http://toushitsuseigen.or.jp/contact.php
「お問い合せ内容」欄に「3/30講演会、受講希望」とご記入下さい。
・一般(非会員)で、講演会の受講のみご希望の方
こちらのフォームよりお申し込み下さい。
https://ssl.form-mailer.jp/fms/9cbd1ef7287071
◆お申し込みの流れ:
1.会員の方はメールにて、会員以外の方は各種フォームにてご連絡下さい。
2.事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3.入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4.当日、直接会場までお越し下さい。
◆その他:
・予約制です。当日参加はできません。
・キャンセルは3月26日(水)までにお願い致します。
それ以降の返金には対応致しかねますので予めご了承ください。
【賛助会員の皆様へ:連絡会内ミニ発表会・発表者募集のご案内 】
お住まいの地域での糖質制限に関するサークル活動、勉強会、ネットを通して
情報発信・・etc, 糖質制限食の普及推進のご活動をしていらっしゃる方、
日頃のお取り組みをこの機会にご報告・PRいただけませんか。
発表をご希望いただける方は、事務局までメールにてお知らせください。
※3月9日(日)までにご連絡ください。
その際に発表予定のご活動の概要をお知らせください。
※1件につき5分~10分程度のご発表時間を想定しておりますが、件数に応じて、当日の持ち時間を事前にお知らせいたします。
2014年02月26日 (水)
こんばんは。
昨日に続いて、第24回日本疫学会学術総会での報告です。
「糖質制限食の安全性にエビデンス」
というタイトルで、ウェブ版のメディカル・トリビューンに掲載されました。
NIPPON DATA 80の29年間の追跡結果データを検討したもので、発表者の中村保幸先生は、私の京大医学部の同級生です。
9200人を29年間追跡して、
第1分位:糖質を一番摂取している群:糖質摂取比率は総摂取エネルギーの72.7%
第2分位~第9分位
第10分位:糖質制限を一番している群:糖質摂取比率は総摂取エネルギーの51.5%
糖質を一番摂取している群から順番に一番摂取してない群まで10群に分けて検討です。
その結果、
第10分位(糖質摂取比率51.5%)のグループは、第1分位(糖質摂取比率72.7%)のグループに比べて女性においては心血管死のリスクが、59%しかないという素晴らしい結論で、糖質制限食の圧勝です。
なんと緩やかな糖質制限食でも、糖質たっぷり食に比べたら4割以上、心血管死が減るということですね。
糖質制限食にとって、画期的な信頼度の高いエビデンスが登場したと言えます。
あくまでも私の個人的な意見ですが、緩やかな糖質制限食でこれだけの有意差が出たのなら、スーパー糖質制限食ならもっともっとすごい差がでるでしょうね。
一方、中村保幸先生のご指摘通り、私が実践している糖質摂取比率12%のスーパー糖質制限食に関しては、この報告にはデータがありません。
従って、この報告がそのままスーパー糖質制限食の安全性を担保するエビデンスにはなりません。
しかし、「平均血糖変動幅増大と食後高血糖」という最大の酸化ストレスリスクを生じない唯一の食事療法がスーパー糖質制限食ですから、長期的安全性も悪かろうはずがないですね。
中村保幸先生、貴重な信頼度の高いデータ報告をありがとうございました。
なお2013年10月16日 (水)の本ブログ記事
MTpro、「糖質摂取の多い集団で心血管疾患発症リスクが高い」
もご参照いただけば幸いです。
上海前向きコホート研究においても、NIPPON DATA 80と同様の結論なのは心強いです。
江部康二
以下メディカル・トリビューン記事より一部転載
メディカル・トリビューン
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtnews/2014/M47070011/
NIPPON DATA 80
糖質制限食の安全性にエビデンス
糖質制限食(低炭水化物食)の安全性をめぐり,活発な議論が展開される中,日本を代表する疫学データベースから,比較的軽度の糖質制限食に関するエビデンスが示された。京都女子大学教授の中村保幸氏らがNIPPON DATA 80の29年間の追跡結果を分析し,糖質摂取率と心血管死,総死亡との関連について検討したもので,第24回日本疫学会学術総会(1月23〜25日,会長=東北大学大学院公衆衛生学・辻一郎氏)で発表した。
9,200人を29年追跡
わが国では糖質摂取率が欧米に比べて高く,極端な糖質制限は普及していない。そこで,中村氏らは比較的軽度の糖質制限食が心血管死,総死亡に及ぼす影響をNIPPON DATA 80のデータベースを用いて検討した。
1980年にランダム抽出した全国300カ所の30歳以上の男女を対象として,秤量記録法による3日間の栄養調査と生活習慣調査,血液生化学検査を行った。追跡開始時の脳梗塞,心筋梗塞既往例を除外した9,200人(平均年齢51歳,女性56%)を29年にわたり追跡した。
食事摂取の評価は,Haltonらの方法に準じて男女別に糖質摂取量を高値から低値へ11分位に,蛋白質と脂肪の摂取量を低値から高値に11分位に分類。それぞれ0〜10の点数を付け,それらを合計して低糖質食スコア(0〜30点)を作成(同スコアが高いほど糖質摂取率が低い)。さらに,同スコアを10分位に分け,糖質制限食が心血管死,総死亡に及ぼす影響について社会経済因子を含めた交絡因子で調整し,Cox法を用いて解析した。
女性では死亡リスク低下
29年の追跡期間中,1,171人の心血管死(女性52%)と3,443人(同48%)の総死亡があった。平均糖質摂取率は総熱量の約60%で,10点を付けた11分位の最低糖質摂取群でも女性で17.3〜53.5%,男性で18.8〜51.6%の範囲であった。
女性では,低糖質食スコア最低10分位に比べて最高10分位では心血管死のハザード比(HR)が0.59(95%CI 0.38〜0.92,傾向のP=0.019),総死亡のHRが0.73(同0.57〜0.93,傾向のP=0.020)と有意にリスクが低下(図)。男女合わせた解析でも心血管死のHRが0.74(同0.55〜0.99,傾向のP=0.033),総死亡のHRが0.84(同0.72〜0.99,傾向のP=0.030)とリスクは低下した。
図表
しかし,男性では有意な関連はなかった。中村氏は「男性は外食が多いこと,喫煙など他の危険因子の頻度が高いことによる効果の希釈が原因として想定される」と述べた。
さらに高度の糖質制限食の安全性については不明だという。
昨日に続いて、第24回日本疫学会学術総会での報告です。
「糖質制限食の安全性にエビデンス」
というタイトルで、ウェブ版のメディカル・トリビューンに掲載されました。
NIPPON DATA 80の29年間の追跡結果データを検討したもので、発表者の中村保幸先生は、私の京大医学部の同級生です。
9200人を29年間追跡して、
第1分位:糖質を一番摂取している群:糖質摂取比率は総摂取エネルギーの72.7%
第2分位~第9分位
第10分位:糖質制限を一番している群:糖質摂取比率は総摂取エネルギーの51.5%
糖質を一番摂取している群から順番に一番摂取してない群まで10群に分けて検討です。
その結果、
第10分位(糖質摂取比率51.5%)のグループは、第1分位(糖質摂取比率72.7%)のグループに比べて女性においては心血管死のリスクが、59%しかないという素晴らしい結論で、糖質制限食の圧勝です。
なんと緩やかな糖質制限食でも、糖質たっぷり食に比べたら4割以上、心血管死が減るということですね。
糖質制限食にとって、画期的な信頼度の高いエビデンスが登場したと言えます。
あくまでも私の個人的な意見ですが、緩やかな糖質制限食でこれだけの有意差が出たのなら、スーパー糖質制限食ならもっともっとすごい差がでるでしょうね。
一方、中村保幸先生のご指摘通り、私が実践している糖質摂取比率12%のスーパー糖質制限食に関しては、この報告にはデータがありません。
従って、この報告がそのままスーパー糖質制限食の安全性を担保するエビデンスにはなりません。
しかし、「平均血糖変動幅増大と食後高血糖」という最大の酸化ストレスリスクを生じない唯一の食事療法がスーパー糖質制限食ですから、長期的安全性も悪かろうはずがないですね。
中村保幸先生、貴重な信頼度の高いデータ報告をありがとうございました。
なお2013年10月16日 (水)の本ブログ記事
MTpro、「糖質摂取の多い集団で心血管疾患発症リスクが高い」
もご参照いただけば幸いです。
上海前向きコホート研究においても、NIPPON DATA 80と同様の結論なのは心強いです。
江部康二
以下メディカル・トリビューン記事より一部転載
メディカル・トリビューン
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtnews/2014/M47070011/
NIPPON DATA 80
糖質制限食の安全性にエビデンス
糖質制限食(低炭水化物食)の安全性をめぐり,活発な議論が展開される中,日本を代表する疫学データベースから,比較的軽度の糖質制限食に関するエビデンスが示された。京都女子大学教授の中村保幸氏らがNIPPON DATA 80の29年間の追跡結果を分析し,糖質摂取率と心血管死,総死亡との関連について検討したもので,第24回日本疫学会学術総会(1月23〜25日,会長=東北大学大学院公衆衛生学・辻一郎氏)で発表した。
9,200人を29年追跡
わが国では糖質摂取率が欧米に比べて高く,極端な糖質制限は普及していない。そこで,中村氏らは比較的軽度の糖質制限食が心血管死,総死亡に及ぼす影響をNIPPON DATA 80のデータベースを用いて検討した。
1980年にランダム抽出した全国300カ所の30歳以上の男女を対象として,秤量記録法による3日間の栄養調査と生活習慣調査,血液生化学検査を行った。追跡開始時の脳梗塞,心筋梗塞既往例を除外した9,200人(平均年齢51歳,女性56%)を29年にわたり追跡した。
食事摂取の評価は,Haltonらの方法に準じて男女別に糖質摂取量を高値から低値へ11分位に,蛋白質と脂肪の摂取量を低値から高値に11分位に分類。それぞれ0〜10の点数を付け,それらを合計して低糖質食スコア(0〜30点)を作成(同スコアが高いほど糖質摂取率が低い)。さらに,同スコアを10分位に分け,糖質制限食が心血管死,総死亡に及ぼす影響について社会経済因子を含めた交絡因子で調整し,Cox法を用いて解析した。
女性では死亡リスク低下
29年の追跡期間中,1,171人の心血管死(女性52%)と3,443人(同48%)の総死亡があった。平均糖質摂取率は総熱量の約60%で,10点を付けた11分位の最低糖質摂取群でも女性で17.3〜53.5%,男性で18.8〜51.6%の範囲であった。
女性では,低糖質食スコア最低10分位に比べて最高10分位では心血管死のハザード比(HR)が0.59(95%CI 0.38〜0.92,傾向のP=0.019),総死亡のHRが0.73(同0.57〜0.93,傾向のP=0.020)と有意にリスクが低下(図)。男女合わせた解析でも心血管死のHRが0.74(同0.55〜0.99,傾向のP=0.033),総死亡のHRが0.84(同0.72〜0.99,傾向のP=0.030)とリスクは低下した。
図表
しかし,男性では有意な関連はなかった。中村氏は「男性は外食が多いこと,喫煙など他の危険因子の頻度が高いことによる効果の希釈が原因として想定される」と述べた。
さらに高度の糖質制限食の安全性については不明だという。
2014年02月25日 (火)
第24回日本疫学会学術総会[久山町研究]
【蛋白質の摂取量が多いほど,脳卒中および脳出血の発症リスクが低下
発表者: 九州大学・小澤 未央 氏 (1月25日,一般口演)
目的: 日本人地域一般住民を対象に,蛋白質の摂取量と脳卒中発症リスクとの関連を検討。
コホート・手法: 久山町研究。心血管疾患既往者,および蛋白質摂取量が極端な人(高値,低値とも全体の1%)を除外した2400人を19年間追跡。1日あたりの蛋白質摂取量の四分位により対象者を4つのカテゴリーに分類(Q1: 50 g未満,Q2: 50~55.5 g,Q3: 55.6~61.4 g,Q4: 61.5 g以上)。 (久山町研究へ)
結果: 蛋白質摂取量は,脳卒中発症の多変量調整ハザード比の低下と有意に関連していた。脳卒中病型別にみると,脳出血では同様の結果が得られたが,脳梗塞については,蛋白質摂取量との有意な関連はみられず。蛋白質の種類(動物性/植物性)ごとに解析を行うと,脳卒中発症の多変量調整ハザード比は植物性蛋白質の摂取量が多いほど有意に低下したが,動物性蛋白質摂取量との関連はみられず,この結果は脳梗塞についても同様であった。脳出血については,動物性蛋白質の摂取量が多いほど発症の多変量調整ハザード比が有意に低下していたが,植物性蛋白質では有意な関連はみられなかった。
小澤未央氏のコメント
今回の結果から,蛋白質摂取が脳卒中発症リスクの低下と関連していることが示唆されました。動物性蛋白質と植物性蛋白質に分けて検討した場合に,動物性蛋白質は脳出血に対して,植物性蛋白質は脳梗塞に対してそれぞれ予防的に働いていたことから,これまでに蛋白質摂取の効果として報告されている降圧作用以外にも,動物性蛋白質と植物性蛋白質のそれぞれに特有のメカニズムによる脳卒中予防効果がある可能性があります。そのため,動物性蛋白質,植物性蛋白質の両方をバランスよく摂取することが大切だと考えられます。】
こんにちは。
精神科医師Aさんから情報をいただきましたが、
第24回日本疫学会学術総会が、
2014年1月23日(木)~25日(土)の3日間、仙台にて開催されました。
http://www.epi-c.jp/entry/e800_0_jea2014.html#3rd
興味深い報告が複数ありましたが、まずは久山町研究です。
九州大学の小澤美央氏が、久山町研究のデータを元に発表されました。
結論は
「蛋白質の摂取量が多いほど、脳卒中および脳出血のリスクが低下」
ということです。
結果をみると、脳卒中(脳出血+脳梗塞)全体と脳出血単独に関しては、蛋白質摂取が多いほど発症リスクが低下していましたが、脳梗塞に関してはリスク低下はなしです。
さらに、動物性蛋白質と植物性蛋白質に分けて検討したところ、大変興味深い結果がでています。
すなわち、
動物性蛋白質摂取が多いと、脳出血に対して予防的に働き、
植物性蛋白質摂取が多いと、脳梗塞に対して予防的に働く
という結論です。
糖質制限食なら、
動物性蛋白質(肉、魚、卵、チーズ・・・)
植物性蛋白質(豆腐・納豆・湯葉・厚揚げ・がんもどき・枝豆など大豆製品、クルミ・アーモンド・ピーナッツなどナッツ類・・・)
など、そもそも蛋白質摂取量は、従来の糖尿病食に比べたら比較にならないほど多いです。
そうすると普通に糖質制限食を実践していたら、自然に動物性蛋白質と植物性蛋白質をバランスよく多めに摂取できることになるので、脳出血も脳梗塞も予防できるという結論となります。
久山町研究という信頼度の高い疫学データから得られた結果に基づく結論なので、私の我田引水ということにはなりませんね。
久山町研究にはいつも感謝です。
小澤美央先生、素晴らしい研究発表を、ありがとうございます。
江部康二
【蛋白質の摂取量が多いほど,脳卒中および脳出血の発症リスクが低下
発表者: 九州大学・小澤 未央 氏 (1月25日,一般口演)
目的: 日本人地域一般住民を対象に,蛋白質の摂取量と脳卒中発症リスクとの関連を検討。
コホート・手法: 久山町研究。心血管疾患既往者,および蛋白質摂取量が極端な人(高値,低値とも全体の1%)を除外した2400人を19年間追跡。1日あたりの蛋白質摂取量の四分位により対象者を4つのカテゴリーに分類(Q1: 50 g未満,Q2: 50~55.5 g,Q3: 55.6~61.4 g,Q4: 61.5 g以上)。 (久山町研究へ)
結果: 蛋白質摂取量は,脳卒中発症の多変量調整ハザード比の低下と有意に関連していた。脳卒中病型別にみると,脳出血では同様の結果が得られたが,脳梗塞については,蛋白質摂取量との有意な関連はみられず。蛋白質の種類(動物性/植物性)ごとに解析を行うと,脳卒中発症の多変量調整ハザード比は植物性蛋白質の摂取量が多いほど有意に低下したが,動物性蛋白質摂取量との関連はみられず,この結果は脳梗塞についても同様であった。脳出血については,動物性蛋白質の摂取量が多いほど発症の多変量調整ハザード比が有意に低下していたが,植物性蛋白質では有意な関連はみられなかった。
小澤未央氏のコメント
今回の結果から,蛋白質摂取が脳卒中発症リスクの低下と関連していることが示唆されました。動物性蛋白質と植物性蛋白質に分けて検討した場合に,動物性蛋白質は脳出血に対して,植物性蛋白質は脳梗塞に対してそれぞれ予防的に働いていたことから,これまでに蛋白質摂取の効果として報告されている降圧作用以外にも,動物性蛋白質と植物性蛋白質のそれぞれに特有のメカニズムによる脳卒中予防効果がある可能性があります。そのため,動物性蛋白質,植物性蛋白質の両方をバランスよく摂取することが大切だと考えられます。】
こんにちは。
精神科医師Aさんから情報をいただきましたが、
第24回日本疫学会学術総会が、
2014年1月23日(木)~25日(土)の3日間、仙台にて開催されました。
http://www.epi-c.jp/entry/e800_0_jea2014.html#3rd
興味深い報告が複数ありましたが、まずは久山町研究です。
九州大学の小澤美央氏が、久山町研究のデータを元に発表されました。
結論は
「蛋白質の摂取量が多いほど、脳卒中および脳出血のリスクが低下」
ということです。
結果をみると、脳卒中(脳出血+脳梗塞)全体と脳出血単独に関しては、蛋白質摂取が多いほど発症リスクが低下していましたが、脳梗塞に関してはリスク低下はなしです。
さらに、動物性蛋白質と植物性蛋白質に分けて検討したところ、大変興味深い結果がでています。
すなわち、
動物性蛋白質摂取が多いと、脳出血に対して予防的に働き、
植物性蛋白質摂取が多いと、脳梗塞に対して予防的に働く
という結論です。
糖質制限食なら、
動物性蛋白質(肉、魚、卵、チーズ・・・)
植物性蛋白質(豆腐・納豆・湯葉・厚揚げ・がんもどき・枝豆など大豆製品、クルミ・アーモンド・ピーナッツなどナッツ類・・・)
など、そもそも蛋白質摂取量は、従来の糖尿病食に比べたら比較にならないほど多いです。
そうすると普通に糖質制限食を実践していたら、自然に動物性蛋白質と植物性蛋白質をバランスよく多めに摂取できることになるので、脳出血も脳梗塞も予防できるという結論となります。
久山町研究という信頼度の高い疫学データから得られた結果に基づく結論なので、私の我田引水ということにはなりませんね。
久山町研究にはいつも感謝です。
小澤美央先生、素晴らしい研究発表を、ありがとうございます。
江部康二
2014年02月24日 (月)
【14/02/24 SHUKAN
インスリンのはたらき
安心して糖質制限が進められる根拠を、いつもわかりやすく説明して下さってありがとうございます。
前から疑問に思っていることがあるのですがよろしければ教えて下さい。
1型糖尿病を除けば、インスリンの基礎分泌があることはわかりましたが、
「インスリンの作用がある程度保たれていれば糖質制限をしてもケトン体上昇は生理的なものであり、深刻なケトアシドーシスにはならない。」
という理由がよくわかりません。
これは脂肪が分解されてケトン体ができるときにインスリンによってケトン体を作りすぎない何かのメカニズムが働くのでしょうか。】
こんばんは
SHUKAN さんから、「インスリン作用がある時の血中ケトン体」と「インスリン作用がない時の血中ケトン体」について、コメント・質問をいただきました。
例えば、ケトン食実践中の小児では、基礎分泌のインスリンは勿論出ていますし、必要最小限の追加分泌インスリンも出ていますが、血中ケトン体は3000~5000μM/Lくらいで基準値「26~122」の30倍、40倍の値となります。
仮にインスリンが大量に分泌されれば、脂肪分解抑制作用があるので、ケトン体産生も抑制されると思います。
しかし、基礎分泌と最小限の追加分泌ていどのインスリン量であれば、上述のように血中ケトン体は、3000~5000μM/Lまで生理的に上昇します。
このように、ケトン食や断食実践中などには、血中ケトン体値は現行の基準値よりはるかに高値となりますが、この場合はインスリン作用は確保されていますので、生理的なものであり問題ないのです。
そしてケトン体が現行の基準値より高値でも、インスリン作用が確保されている限り、血液や肺や腎臓の「緩衝作用」(*)「酸塩基平衡」(**)により、アシドーシスにはなりません。
さてケトン体そのものに毒性はないのですが酸性の物質です。生体内では、代謝に伴ないケトン体以外にも酸が産生されますが、「緩衝作用」「酸塩基平衡」により体内や血液のpHは一定に保たれているのです。
しかし、インスリン作用が欠落している場合はそうはいきません。
インスリン作用が欠乏すると体内では急性代謝失調を生じます。
すなわち
「インスリン作用の欠乏→拮抗ホルモンの過剰→全身の代謝障害→糖利用低下・脂肪分解亢進→高血糖・高遊離脂肪酸→ケトン体産生亢進」
という重篤な病態を生じます。
この時点で、既に重症であり代謝は破綻しており、ホメオスターシスも崩壊していて「緩衝作用」「酸塩基平衡」は上手く機能しなくなっています。
上記の一連の流れの結果として生じたケトン体は毒性はないけれど酸性なので、「緩衝作用」「酸塩基平衡」が上手く機能しない状態だと、血液のpHを一定に保つことができないので、酸性血症となるのです。
「インスリン作用の欠乏→拮抗ホルモンの過剰→全身の代謝障害→糖利用低下・脂肪分解亢進→高血糖・高遊離脂肪酸→ケトン体産生亢進」
→「緩衝作用」「酸塩基平衡」が上手く働かずに→糖尿病ケトアシドーシス
という最終的な流れとなります。
つまり、糖尿病性ケトアシドーシスは、インスリン作用が欠落しての急性代謝失調がない限り、絶対に生じない病態なのです。
逆にいえば、いくら血中ケトン体値が高値でも、基礎分泌インスリンや最低限の追加分泌インスリンが確保されている限りは、「緩衝作用」「酸塩基平衡」が上手く機能しているので「糖尿病ケトアシドーシス」は絶対に発症しないのです。
(*)緩衝作用
血液の緩衝機構として、重炭酸緩衝系、ヘモグロビン系、血漿蛋白系、リン酸系がある。
そのうち約65%を重炭酸緩衝系が、約30%をヘモグロビン系が担っている。
重炭酸緩衝系は、炭酸(H2CO3)と、重炭酸(HCO3-)との混合系である。
(**)酸塩基平衡
生体内では、代謝に伴ない酸が産生されるが、細胞の活動が正常に営まれるには酸塩基平衡を維持する必要がある。
体内のpHを一定に保つため、血液や体液の緩衝作用(緩衝機構)、呼吸による調節作用、腎臓による調節機構がある。
腎臓が主な産生部位であるHCO3-濃度と呼吸機能で調節されCO2の分圧によってpHは調整される。
江部康二
インスリンのはたらき
安心して糖質制限が進められる根拠を、いつもわかりやすく説明して下さってありがとうございます。
前から疑問に思っていることがあるのですがよろしければ教えて下さい。
1型糖尿病を除けば、インスリンの基礎分泌があることはわかりましたが、
「インスリンの作用がある程度保たれていれば糖質制限をしてもケトン体上昇は生理的なものであり、深刻なケトアシドーシスにはならない。」
という理由がよくわかりません。
これは脂肪が分解されてケトン体ができるときにインスリンによってケトン体を作りすぎない何かのメカニズムが働くのでしょうか。】
こんばんは
SHUKAN さんから、「インスリン作用がある時の血中ケトン体」と「インスリン作用がない時の血中ケトン体」について、コメント・質問をいただきました。
例えば、ケトン食実践中の小児では、基礎分泌のインスリンは勿論出ていますし、必要最小限の追加分泌インスリンも出ていますが、血中ケトン体は3000~5000μM/Lくらいで基準値「26~122」の30倍、40倍の値となります。
仮にインスリンが大量に分泌されれば、脂肪分解抑制作用があるので、ケトン体産生も抑制されると思います。
しかし、基礎分泌と最小限の追加分泌ていどのインスリン量であれば、上述のように血中ケトン体は、3000~5000μM/Lまで生理的に上昇します。
このように、ケトン食や断食実践中などには、血中ケトン体値は現行の基準値よりはるかに高値となりますが、この場合はインスリン作用は確保されていますので、生理的なものであり問題ないのです。
そしてケトン体が現行の基準値より高値でも、インスリン作用が確保されている限り、血液や肺や腎臓の「緩衝作用」(*)「酸塩基平衡」(**)により、アシドーシスにはなりません。
さてケトン体そのものに毒性はないのですが酸性の物質です。生体内では、代謝に伴ないケトン体以外にも酸が産生されますが、「緩衝作用」「酸塩基平衡」により体内や血液のpHは一定に保たれているのです。
しかし、インスリン作用が欠落している場合はそうはいきません。
インスリン作用が欠乏すると体内では急性代謝失調を生じます。
すなわち
「インスリン作用の欠乏→拮抗ホルモンの過剰→全身の代謝障害→糖利用低下・脂肪分解亢進→高血糖・高遊離脂肪酸→ケトン体産生亢進」
という重篤な病態を生じます。
この時点で、既に重症であり代謝は破綻しており、ホメオスターシスも崩壊していて「緩衝作用」「酸塩基平衡」は上手く機能しなくなっています。
上記の一連の流れの結果として生じたケトン体は毒性はないけれど酸性なので、「緩衝作用」「酸塩基平衡」が上手く機能しない状態だと、血液のpHを一定に保つことができないので、酸性血症となるのです。
「インスリン作用の欠乏→拮抗ホルモンの過剰→全身の代謝障害→糖利用低下・脂肪分解亢進→高血糖・高遊離脂肪酸→ケトン体産生亢進」
→「緩衝作用」「酸塩基平衡」が上手く働かずに→糖尿病ケトアシドーシス
という最終的な流れとなります。
つまり、糖尿病性ケトアシドーシスは、インスリン作用が欠落しての急性代謝失調がない限り、絶対に生じない病態なのです。
逆にいえば、いくら血中ケトン体値が高値でも、基礎分泌インスリンや最低限の追加分泌インスリンが確保されている限りは、「緩衝作用」「酸塩基平衡」が上手く機能しているので「糖尿病ケトアシドーシス」は絶対に発症しないのです。
(*)緩衝作用
血液の緩衝機構として、重炭酸緩衝系、ヘモグロビン系、血漿蛋白系、リン酸系がある。
そのうち約65%を重炭酸緩衝系が、約30%をヘモグロビン系が担っている。
重炭酸緩衝系は、炭酸(H2CO3)と、重炭酸(HCO3-)との混合系である。
(**)酸塩基平衡
生体内では、代謝に伴ない酸が産生されるが、細胞の活動が正常に営まれるには酸塩基平衡を維持する必要がある。
体内のpHを一定に保つため、血液や体液の緩衝作用(緩衝機構)、呼吸による調節作用、腎臓による調節機構がある。
腎臓が主な産生部位であるHCO3-濃度と呼吸機能で調節されCO2の分圧によってpHは調整される。
江部康二
2014年02月23日 (日)
こんばんは。
一般社団法人日本糖質制限医療推進協会 協賛イベント
主催 レストランバルカドーロ 鍋倉シェフご夫妻
糖質セイゲニストin宮崎 講演会 「カロリー制限から糖質制限へ」
『宮崎一般向け講演会』
2014年02月23日 (日)12:00~16:00
100名超の参加者で大盛況でした。
本ブログの記事を見て参加された方も多数おられたそうで、ありがとうございました。 m(_ _)m
「バルカドーロ」特製の低糖質なお弁当をまずはいただいて、腹ごしらえしてから講演会開始でした。
チキンガランティーヌ、スナックエンドウ・青菜のソテー、大根のブイヨン煮、
チョウザメの香草焼き、しらたきのペペロンチーノ、キクイモのグラタン、
キーマカレー、豆腐ライス、カプレーゼ、タコのアラビアータ、
もやしときのこのバルサミコ酢マリネ、キッシュワタナベ、オムレツ、
きゅうりのピクルス、生ハム、モルタデッラ、パンナコッタ、パプリカマリネ、
ナスとアンチョビのオイル漬け、インサラータ・ロマーナ
なんと20種類の糖質制限なイタリアンお弁当でした。
とっても美味しかったです。
鍋倉シェフ、ありがとうございました。 m(_ _)mV
講演会には、妊娠糖尿病と診断されたけれど、糖質制限食でインスリンなしで無事出産という女性も2名参加しておられて、大変嬉しかったです。
一人のお母さんは、赤ちゃんも連れてきておられました。
元気な赤ちゃんで皮膚もつるつるしっとりでした。
お母さんも乳腺炎もなく妊娠中も出産後もとても順調とのことでした。
<三島さんのご講演>
糖尿病改善、糖尿病腎症第2期が1期に改善、メタボ改善、歯周症改善、眠気消失、髪の毛増加、4時間半の睡眠で17時間塾講師として働いてとても元気溌剌。
とまずはご自身のご報告。
塾の生徒も糖質制限食にしたら、授業中に寝なくなって、集中力倍増、偏差値上昇、受験成功、アトピー改善・・・と素晴らしい効果。
そして、一つだけ大変怖いお話。
三島さんは4人兄弟で、全員男性で全員糖尿病。
三島さん(三男)は糖質制限食で糖尿病改善の話をご兄弟にして、長兄さんと末の弟さんは糖質制限食を取り入れて同様に糖尿病改善。
次兄さんだけは、東京の某大学病院の糖尿病専門医に通院し続けられて、カロリー制限食を続けられて糖質制限食は導入されず、2014年とうとう透析導入になってしまわれたそうです。
私の講演は、90分間あったので、比較的ゆっくりとわかりやすく糖質制限食全般の話をすることができました。
1型糖尿病の方も3名参加しておられました。
いずれの方も糖質制限食で、インスリンの単位がかなり減量できたそうで、嬉しい限りです。
質疑応答も25分あったのですが、最後はサイン会のため打ち切りになってすいませんでした。 m(_ _)m
医師も5名参加しておられたそうです。
お一人とは名刺交換できましたが、救急総合診療部勤務とのことでしたので、一般的な糖尿病診療という意味では無理でした。
講演会にご参加いただいた宮崎市の内科医師の方々、本ブログをご覧いただいて、糖質制限食に興味がおありでしたら
高雄病院のメールアドレスtakao-info@ac.auone-net.jp
に是非ご連絡いただけば幸いです。
江部康二
一般社団法人日本糖質制限医療推進協会 協賛イベント
主催 レストランバルカドーロ 鍋倉シェフご夫妻
糖質セイゲニストin宮崎 講演会 「カロリー制限から糖質制限へ」
『宮崎一般向け講演会』
2014年02月23日 (日)12:00~16:00
100名超の参加者で大盛況でした。
本ブログの記事を見て参加された方も多数おられたそうで、ありがとうございました。 m(_ _)m
「バルカドーロ」特製の低糖質なお弁当をまずはいただいて、腹ごしらえしてから講演会開始でした。
チキンガランティーヌ、スナックエンドウ・青菜のソテー、大根のブイヨン煮、
チョウザメの香草焼き、しらたきのペペロンチーノ、キクイモのグラタン、
キーマカレー、豆腐ライス、カプレーゼ、タコのアラビアータ、
もやしときのこのバルサミコ酢マリネ、キッシュワタナベ、オムレツ、
きゅうりのピクルス、生ハム、モルタデッラ、パンナコッタ、パプリカマリネ、
ナスとアンチョビのオイル漬け、インサラータ・ロマーナ
なんと20種類の糖質制限なイタリアンお弁当でした。
とっても美味しかったです。
鍋倉シェフ、ありがとうございました。 m(_ _)mV
講演会には、妊娠糖尿病と診断されたけれど、糖質制限食でインスリンなしで無事出産という女性も2名参加しておられて、大変嬉しかったです。
一人のお母さんは、赤ちゃんも連れてきておられました。
元気な赤ちゃんで皮膚もつるつるしっとりでした。
お母さんも乳腺炎もなく妊娠中も出産後もとても順調とのことでした。
<三島さんのご講演>
糖尿病改善、糖尿病腎症第2期が1期に改善、メタボ改善、歯周症改善、眠気消失、髪の毛増加、4時間半の睡眠で17時間塾講師として働いてとても元気溌剌。
とまずはご自身のご報告。
塾の生徒も糖質制限食にしたら、授業中に寝なくなって、集中力倍増、偏差値上昇、受験成功、アトピー改善・・・と素晴らしい効果。
そして、一つだけ大変怖いお話。
三島さんは4人兄弟で、全員男性で全員糖尿病。
三島さん(三男)は糖質制限食で糖尿病改善の話をご兄弟にして、長兄さんと末の弟さんは糖質制限食を取り入れて同様に糖尿病改善。
次兄さんだけは、東京の某大学病院の糖尿病専門医に通院し続けられて、カロリー制限食を続けられて糖質制限食は導入されず、2014年とうとう透析導入になってしまわれたそうです。
私の講演は、90分間あったので、比較的ゆっくりとわかりやすく糖質制限食全般の話をすることができました。
1型糖尿病の方も3名参加しておられました。
いずれの方も糖質制限食で、インスリンの単位がかなり減量できたそうで、嬉しい限りです。
質疑応答も25分あったのですが、最後はサイン会のため打ち切りになってすいませんでした。 m(_ _)m
医師も5名参加しておられたそうです。
お一人とは名刺交換できましたが、救急総合診療部勤務とのことでしたので、一般的な糖尿病診療という意味では無理でした。
講演会にご参加いただいた宮崎市の内科医師の方々、本ブログをご覧いただいて、糖質制限食に興味がおありでしたら
高雄病院のメールアドレスtakao-info@ac.auone-net.jp
に是非ご連絡いただけば幸いです。
江部康二
2014年02月22日 (土)
こんにちは。
いつも本ブログで、インンスリンは必要最小限の量で生命活動が維持できるパターンが一番好ましいと言っています。
しかし、インスリンは生命維持に必要不可欠の物質であることも忘れてはなりません。
今回はインスリンの必要性と存在意義について考えてみます。
インスリンには、24時間継続して少量出続けている基礎分泌と、糖質を摂取して血糖値が上昇したときに出る追加分泌の2種類があります。
これで解るのは、食物を摂取していないときでも、人体の代謝には、少量のインスリンが必須ということですね。
このインスリンの基礎分泌がなくなったら、人体の代謝全体が崩壊していきます。
つまり、基礎分泌のインスリンなしでは、筋肉など体の主要な組織で、まともにエネルギー代謝が行えません。
(まあ、脳細胞とか赤血球とか特殊な細胞は、インスリンに非依存的にブドウ糖を利用していますが・・・)
例えば「運動をしたらインスリン非依存的に血糖値がさがる」といっても、インスリン基礎分泌が確保されているのが前提のお話です。
もし、基礎インスリンが不足している状態で運動すれば、血糖値はかえって上昇します。
また、肝臓で行っている糖新生も、基礎インスリンが分泌されていなければ制御不能となり、空腹時血糖値が300mgとか400mgとか以上にもなります。
また、糖質を食べて血糖値が上昇したとき、追加分泌のインスリンがでなければ、高血糖が持続します。
高血糖の持続は糖毒といわれ、代謝全てを乱していきます。
急激に発症するタイプの1型糖尿病であれば、短期間でインスリン分泌がゼロになるので、基礎分泌も追加分泌もなくなり血糖値が急上昇して、随時で250~500mgとか600mg/dl以上1000mgにもなります。
細胞はブドウ糖を利用できないので、脂肪の分解産物のケトン体が急上昇し、エネルギー源にしますが、酸性血症となり意識障害を生じ、放置すれば死に至ります。
インスリン作用が欠落しているときの血中ケトン体上昇は病態であり、極めて危険です。
上述のインスリン作用欠落による糖尿病ケトアシドーシスは、インスリン作用が確保されていて糖質制限食や断食で生理的にケトン体が上昇する場合とは、まったく異なる病態です。
実際、インスリンが発見される以前の1型糖尿病は、発症後数ヶ月から2年以内に死にいたる、致命的な病だったのです。
人体にとって、いかにインスリンが必要かということがわかると思います。
それからGlut1(糖輸送体)は、インスリン非依存的で脳細胞や赤血球や網膜細胞の表面にあり、いつでも血液中からブドウ糖をとりこめます。
しかし、筋肉細胞や脂肪細胞の糖輸送体ははGlut4で、常は細胞内部に沈んでいます。
インスリン追加分泌があると、Glut4は細胞表面に移動して血液中のブドウ糖を取り込みます。
つまりGlut4はインスリン追加分泌がないと血糖を細胞内に取り込めないのです。
このようにインスリンは、人体の生存に必須のホルモンなのです。
糖質代謝の調整が主作用ですが、それ以外にも下記のごとくいろいろな働きがあります。
☆☆☆インスリンの作用
インスリンは、グリコーゲン合成・タンパク質合成・脂肪合成など、栄養素の同化を促進し、筋肉、脂肪組織、肝臓に取り込む。
インスリンが作用するのは、主として、筋肉(骨格筋、心筋)、脂肪組織、肝臓である。
1)糖質代謝
*ブドウ糖の筋肉細胞・脂肪細胞内への取り込みを促進させる。
*グリコーゲン合成を促進させる。
*グリコーゲン分解を抑制する。
*肝臓の糖新生を抑制し、ブドウ糖の血中放出を抑制する。
2)タンパク質代謝
*骨格筋に作用してタンパク質合成を促進させる。
*骨格筋に作用してタンパク質の異化を抑制する。
3)脂質代謝
*脂肪の合成を促進する。
*脂肪の分解を抑制する。
江部康二
いつも本ブログで、インンスリンは必要最小限の量で生命活動が維持できるパターンが一番好ましいと言っています。
しかし、インスリンは生命維持に必要不可欠の物質であることも忘れてはなりません。
今回はインスリンの必要性と存在意義について考えてみます。
インスリンには、24時間継続して少量出続けている基礎分泌と、糖質を摂取して血糖値が上昇したときに出る追加分泌の2種類があります。
これで解るのは、食物を摂取していないときでも、人体の代謝には、少量のインスリンが必須ということですね。
このインスリンの基礎分泌がなくなったら、人体の代謝全体が崩壊していきます。
つまり、基礎分泌のインスリンなしでは、筋肉など体の主要な組織で、まともにエネルギー代謝が行えません。
(まあ、脳細胞とか赤血球とか特殊な細胞は、インスリンに非依存的にブドウ糖を利用していますが・・・)
例えば「運動をしたらインスリン非依存的に血糖値がさがる」といっても、インスリン基礎分泌が確保されているのが前提のお話です。
もし、基礎インスリンが不足している状態で運動すれば、血糖値はかえって上昇します。
また、肝臓で行っている糖新生も、基礎インスリンが分泌されていなければ制御不能となり、空腹時血糖値が300mgとか400mgとか以上にもなります。
また、糖質を食べて血糖値が上昇したとき、追加分泌のインスリンがでなければ、高血糖が持続します。
高血糖の持続は糖毒といわれ、代謝全てを乱していきます。
急激に発症するタイプの1型糖尿病であれば、短期間でインスリン分泌がゼロになるので、基礎分泌も追加分泌もなくなり血糖値が急上昇して、随時で250~500mgとか600mg/dl以上1000mgにもなります。
細胞はブドウ糖を利用できないので、脂肪の分解産物のケトン体が急上昇し、エネルギー源にしますが、酸性血症となり意識障害を生じ、放置すれば死に至ります。
インスリン作用が欠落しているときの血中ケトン体上昇は病態であり、極めて危険です。
上述のインスリン作用欠落による糖尿病ケトアシドーシスは、インスリン作用が確保されていて糖質制限食や断食で生理的にケトン体が上昇する場合とは、まったく異なる病態です。
実際、インスリンが発見される以前の1型糖尿病は、発症後数ヶ月から2年以内に死にいたる、致命的な病だったのです。
人体にとって、いかにインスリンが必要かということがわかると思います。
それからGlut1(糖輸送体)は、インスリン非依存的で脳細胞や赤血球や網膜細胞の表面にあり、いつでも血液中からブドウ糖をとりこめます。
しかし、筋肉細胞や脂肪細胞の糖輸送体ははGlut4で、常は細胞内部に沈んでいます。
インスリン追加分泌があると、Glut4は細胞表面に移動して血液中のブドウ糖を取り込みます。
つまりGlut4はインスリン追加分泌がないと血糖を細胞内に取り込めないのです。
このようにインスリンは、人体の生存に必須のホルモンなのです。
糖質代謝の調整が主作用ですが、それ以外にも下記のごとくいろいろな働きがあります。
☆☆☆インスリンの作用
インスリンは、グリコーゲン合成・タンパク質合成・脂肪合成など、栄養素の同化を促進し、筋肉、脂肪組織、肝臓に取り込む。
インスリンが作用するのは、主として、筋肉(骨格筋、心筋)、脂肪組織、肝臓である。
1)糖質代謝
*ブドウ糖の筋肉細胞・脂肪細胞内への取り込みを促進させる。
*グリコーゲン合成を促進させる。
*グリコーゲン分解を抑制する。
*肝臓の糖新生を抑制し、ブドウ糖の血中放出を抑制する。
2)タンパク質代謝
*骨格筋に作用してタンパク質合成を促進させる。
*骨格筋に作用してタンパク質の異化を抑制する。
3)脂質代謝
*脂肪の合成を促進する。
*脂肪の分解を抑制する。
江部康二
2014年02月20日 (木)
こんにちは。
週刊現代(2月15日)の記事は、根拠なしの暴論です。
webサイトにまた載ったようですね。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/38359
糖質制限でたんぱく質が消費されすぎて筋力の低下や骨粗しょう症の危険があるなどの記事です。
私はすでに、2002年以来、12年間スーパー糖質制限食ですが、元気です。
糖質制限食で、筋力低下や骨粗鬆症を生じるというエビデンスは存在しません。
一医師が、持論を展開するのは勝手ですが、根拠となる論文も何も存在しないのですから週刊現代の記事は単なる憶測に過ぎないということです。
根拠のない憶測・暴論を検証もせず取り上げる週刊現代の姿勢には、憤りを覚えます。
<糖質制限食と世界の動向>
米国糖尿病学会は、2008年からは、部分的に糖質制限食を認め、2013年10月の栄養療法に関するコメントで、正式に「糖質制限食」を受容しています。
スウェーデン社会保険庁も、2008年から「糖質制限食」を公的に認めています。
英国糖尿病学会も2011年から「糖質制限食」を選択肢の一つとして認めています。
糖質制限食に関して、世界の趨勢に出遅れて、ガラパゴス状態なのが、日本糖尿病学会です。
Ketogenic Diet(ケトン食)は、スーパー糖質制限食より更に厳しい糖質制限を実践しますが、
2010年版COCHRANE LIBRARLY(コクラン ライブラリー)
2011年版NICE(英国政府ガイドライン)
という国際的に有名な公的治療ガイドラインに、難治性小児てんかんの治療食として採用されました。
このように、世界各国で「糖質制限食」は公的に認められています。
糖質制限食の安全性に関しても、少なくとも、米国糖尿病学会、スウェーデン社会保険庁、英国糖尿病学会、コクラン、英国政府において、容認されていることとなりますね。
<カロリー制限食の危険性と糖質制限食の安全性>
A)平均血糖変動幅増大
B)食後高血糖
現在、世界の医学界において、A)B)が糖尿病における最大の酸化ストレスリスクということが明白となっています。
勿論エビデンスとなる論文があります。
酸化ストレスは、がん・老化・動脈硬化・アルツハイマー病などの元凶とされています。
そして、このA)B)を生じるのは、糖質・脂質・タンパク質のうち、糖質を摂取したときだけです。
すなわち、脂質・タンパク質を摂取しても、A)B)は生じません。
そうすると、従来の糖尿病食(高糖質食)を摂取すれば、必ずA)B)が生じて、酸化ストレスリスクが増大することとなります。
一方、糖質制限食なら、A)B)は生じず、酸化ストレスリスクも生じません。
<糖質制限食の長期的安全性は理論的に明らか>
長期的安全性を担保する論文は「糖質制限食」にも「カロリー制限食」にも存在しません。
しかし、毎日「平均血糖変動幅増大」「食後高血糖」を生じるカロリー制限食を長期に続ければ、長期的にも悪い結果しかありえません。
短期的に破綻している食事療法(高糖質食)を長期に続けていい結果がでるわけがありません。
一方、糖質制限食なら、毎日の食事において、「平均血糖変動幅増大」「食後高血糖」は生じませんので、良いことを毎日長期に続けていけば良い結果が待っていることは明らかです。
<合併症の悲劇、カロリー制限食で合併症は防げない>
糖尿病合併症を防ぐには、「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」を生じないことが必要不可欠です。
しかしながら糖質を摂取すれば、必ず「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」を生じます。
すなわち、従来の糖尿病食(高糖質食)では、糖尿病合併症を防ぐことは理論的に不可能なのです。
年間
16000人が糖尿病腎症から透析 → 医療費800億円、
3000人が糖尿病網膜症から失明
3000人が糖尿病足病変から足切断
というのが厳しい現実なのです。
これらの方々は、全て医師や栄養士の言うことを聞かずに、薬もまともに内服せずに暴飲・暴食をしたのでしょうか?
いえいえそんなことはありません。
ほとんどの方は、医師や栄養士の言うとおりに、つらくとも我慢してカロリー制限食を実践し、酒も飲まず、運動もし、
血糖コントロールが徐々に悪くなれば、経口糖尿病薬が増えていき、それでも効果が良くなければ、インスリン注射を導入して、清く正しく頑張ってきたにもかかわらず、糖尿病網膜症、糖尿病腎症、糖尿病壊疽・・・を合併してきてしまったのです。
即ち、糖尿病患者さんに罪はないのです。
罪は一重に高糖質食にあるのです。
カロリー制限食(高糖質・低脂質食)を実践する限りは、かなり運が良くない限り糖尿病合併症から免れることは至難の技です。
「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」を生じない、唯一の食事療法が糖質制限食であり、唯一の合併症予防食なのです。
<終わりに>
週刊現代の無根拠な暴論に対して、きっちりと根拠を示して糖質制限食の有効性と安全性を説明しました。
そして、きっちり根拠を示して、従来の糖尿病食(カロリー制限高糖質食)の危険性を説明しました。
【糖質制限食を実践される時のご注意】
糖質制限食によりリアルタイムに血糖値が改善します。
このため既に、SU剤や速効型インスリン分泌促進剤の内服やインスリン注射をしておられる糖尿人は、低血糖の心配がありますので必ず医師と相談して頂きたいと思います。
血液検査で、活動性の膵炎がある場合、肝硬変の場合、そして長鎖脂肪酸代謝異常症は、糖質制限食は適応となりませんのでご注意ください。
糖質制限食は相対的に高脂肪食になるので、活動性膵炎には適応とならないのです。
肝硬変では、糖新生能力が低下しているため適応となりません。
長鎖脂肪酸代謝異常症では、脂肪酸が上手く利用できないので、適応となりません。
腎不全の場合は、患者さんとよく相談して、糖質制限食を実践するか否か、個別に対応することとなります。
週刊現代(2月15日)の記事は、根拠なしの暴論です。
webサイトにまた載ったようですね。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/38359
糖質制限でたんぱく質が消費されすぎて筋力の低下や骨粗しょう症の危険があるなどの記事です。
私はすでに、2002年以来、12年間スーパー糖質制限食ですが、元気です。
糖質制限食で、筋力低下や骨粗鬆症を生じるというエビデンスは存在しません。
一医師が、持論を展開するのは勝手ですが、根拠となる論文も何も存在しないのですから週刊現代の記事は単なる憶測に過ぎないということです。
根拠のない憶測・暴論を検証もせず取り上げる週刊現代の姿勢には、憤りを覚えます。
<糖質制限食と世界の動向>
米国糖尿病学会は、2008年からは、部分的に糖質制限食を認め、2013年10月の栄養療法に関するコメントで、正式に「糖質制限食」を受容しています。
スウェーデン社会保険庁も、2008年から「糖質制限食」を公的に認めています。
英国糖尿病学会も2011年から「糖質制限食」を選択肢の一つとして認めています。
糖質制限食に関して、世界の趨勢に出遅れて、ガラパゴス状態なのが、日本糖尿病学会です。
Ketogenic Diet(ケトン食)は、スーパー糖質制限食より更に厳しい糖質制限を実践しますが、
2010年版COCHRANE LIBRARLY(コクラン ライブラリー)
2011年版NICE(英国政府ガイドライン)
という国際的に有名な公的治療ガイドラインに、難治性小児てんかんの治療食として採用されました。
このように、世界各国で「糖質制限食」は公的に認められています。
糖質制限食の安全性に関しても、少なくとも、米国糖尿病学会、スウェーデン社会保険庁、英国糖尿病学会、コクラン、英国政府において、容認されていることとなりますね。
<カロリー制限食の危険性と糖質制限食の安全性>
A)平均血糖変動幅増大
B)食後高血糖
現在、世界の医学界において、A)B)が糖尿病における最大の酸化ストレスリスクということが明白となっています。
勿論エビデンスとなる論文があります。
酸化ストレスは、がん・老化・動脈硬化・アルツハイマー病などの元凶とされています。
そして、このA)B)を生じるのは、糖質・脂質・タンパク質のうち、糖質を摂取したときだけです。
すなわち、脂質・タンパク質を摂取しても、A)B)は生じません。
そうすると、従来の糖尿病食(高糖質食)を摂取すれば、必ずA)B)が生じて、酸化ストレスリスクが増大することとなります。
一方、糖質制限食なら、A)B)は生じず、酸化ストレスリスクも生じません。
<糖質制限食の長期的安全性は理論的に明らか>
長期的安全性を担保する論文は「糖質制限食」にも「カロリー制限食」にも存在しません。
しかし、毎日「平均血糖変動幅増大」「食後高血糖」を生じるカロリー制限食を長期に続ければ、長期的にも悪い結果しかありえません。
短期的に破綻している食事療法(高糖質食)を長期に続けていい結果がでるわけがありません。
一方、糖質制限食なら、毎日の食事において、「平均血糖変動幅増大」「食後高血糖」は生じませんので、良いことを毎日長期に続けていけば良い結果が待っていることは明らかです。
<合併症の悲劇、カロリー制限食で合併症は防げない>
糖尿病合併症を防ぐには、「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」を生じないことが必要不可欠です。
しかしながら糖質を摂取すれば、必ず「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」を生じます。
すなわち、従来の糖尿病食(高糖質食)では、糖尿病合併症を防ぐことは理論的に不可能なのです。
年間
16000人が糖尿病腎症から透析 → 医療費800億円、
3000人が糖尿病網膜症から失明
3000人が糖尿病足病変から足切断
というのが厳しい現実なのです。
これらの方々は、全て医師や栄養士の言うことを聞かずに、薬もまともに内服せずに暴飲・暴食をしたのでしょうか?
いえいえそんなことはありません。
ほとんどの方は、医師や栄養士の言うとおりに、つらくとも我慢してカロリー制限食を実践し、酒も飲まず、運動もし、
血糖コントロールが徐々に悪くなれば、経口糖尿病薬が増えていき、それでも効果が良くなければ、インスリン注射を導入して、清く正しく頑張ってきたにもかかわらず、糖尿病網膜症、糖尿病腎症、糖尿病壊疽・・・を合併してきてしまったのです。
即ち、糖尿病患者さんに罪はないのです。
罪は一重に高糖質食にあるのです。
カロリー制限食(高糖質・低脂質食)を実践する限りは、かなり運が良くない限り糖尿病合併症から免れることは至難の技です。
「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」を生じない、唯一の食事療法が糖質制限食であり、唯一の合併症予防食なのです。
<終わりに>
週刊現代の無根拠な暴論に対して、きっちりと根拠を示して糖質制限食の有効性と安全性を説明しました。
そして、きっちり根拠を示して、従来の糖尿病食(カロリー制限高糖質食)の危険性を説明しました。
【糖質制限食を実践される時のご注意】
糖質制限食によりリアルタイムに血糖値が改善します。
このため既に、SU剤や速効型インスリン分泌促進剤の内服やインスリン注射をしておられる糖尿人は、低血糖の心配がありますので必ず医師と相談して頂きたいと思います。
血液検査で、活動性の膵炎がある場合、肝硬変の場合、そして長鎖脂肪酸代謝異常症は、糖質制限食は適応となりませんのでご注意ください。
糖質制限食は相対的に高脂肪食になるので、活動性膵炎には適応とならないのです。
肝硬変では、糖新生能力が低下しているため適応となりません。
長鎖脂肪酸代謝異常症では、脂肪酸が上手く利用できないので、適応となりません。
腎不全の場合は、患者さんとよく相談して、糖質制限食を実践するか否か、個別に対応することとなります。
2014年02月19日 (水)
こんばんは
内分泌医の きよすクリニック 伊藤喜亮先生から、甲状腺機能低下症などについて、メールをいただきました。
伊藤先生は湿潤療法も糖質制限食も達人ですので、とても幅広い診療範囲ですね。
伊藤喜亮先生談
「甲状腺機能を評価するために重要なホルモンである、TSH、フリーT4、フリーT3のうち、下垂体から分泌されるTSHと甲状腺ホルモンであるフリーT3は変動が大きく、甲状腺ホルモンであるフリーT4は半減期が長く変動が少ないため、TSHやフリーT3が異常値を呈した場合には一度で判断せず、再検査を行ってから判断することが多いです。
(問診およびTSHとフリーT4が基準値内で、
フリーT3が低値の場合はほぼ low T3 syndromeと診断できますが)
甲状腺機能低下症の治療にT3製剤ではなくT4製剤を用いるのも半減期が長いためですね。
当院で採用している検査センターにおけるフリーT4の基準値は、0.8-1.9ng/dLですが、甲状腺機能亢進症の症状が出るのは、およそ2.5-3ng/dLより高値の場合のことが多く、多少高い程度では無症状です。
また、甲状腺機能低下症の症状が出るのは、およそ0.5-0.6ng/dLを下回った場合のことが多いです。
甲状腺機能低下症をT4製剤で治療する場合は、フリーT4が基準値内を目指しますが、同時にTSHが基準値内(先に述べたように変動が多いため、1回の採血では判断しない)を目標とします。
甲状腺機能亢進症(バセドウ病)にメルカゾールなどで治療する場合も、フリーT4の正常化およびTSHが基準値内であることを目標とします。
メルカゾールが効き過ぎるとフリーT4が低値となり、ネガティブフィードバックによりTSHが上昇し甲状腺を刺激してしまうので、TSHが上昇しない程度に甲状腺ホルモンを抑える必要があります。
甲状腺機能亢進症(バセドウ病)は、眼球突出・発汗・頻脈・落ち着きがないなどの症状があるため採血をしなくてもかなり見つけられますが、採血では、総コレステロールおよびLDL定値、ALP高値などが認められます。
甲状腺機能低下症の症状は他の疾患でも認められる症状と重なるので、自覚症状だけでは診断できませんが、自覚症状に加え、GOT・LDH・CK(CPK)・総コレステロールおよびLDLが高値であれば、かなりの確率で診断できます。」
江部康二の質問
『「甲状腺機能低下症は、かなり進行していないと、脱毛・筋力低下・生理不順・全身倦怠・痩せすぎ・冷え・無気力・・・などの症状は出ない」という私の個人的経験は一般的にも言えることなのでしょうか?』
伊藤先生
『おっしゃるとおりです。
先のメールに記載したように、
===========================
*甲状腺機能低下症の症状が出るのは、およそ0.5-0.6ng/dLを下回った場合のことが多いです。
*甲状腺機能低下症の症状は他の疾患でも認められる症状と重なるので、自覚症状だけでは診断できませんが、
自覚症状に加え、GOT・LDH・CK(CPK)・総コレステロールおよびLDLが高値であれば、かなりの確率で診断できます。
===========================
検査データとしては、GOT・LDH・CK(CPK)・総コレステロールおよびLDLが高値になるくらいだと思います。
高コレステロールの場合、GPTでなくGOTが高い、CK、LDHが高いなども認められれば甲状腺ホルモンをチェックする必要があります。(もちろん、心筋梗塞も念頭に置きますが)。
フリーT4がやや低値または、潜在性甲状腺機能低下症(フリーT4が正常下限でTSHが上昇している)程度では、症状はまずありません。
あと、海藻類は低糖質、低カロリーのものが多く、ミネラルも豊富なので、ダイエットや美容のために多く摂取している場合があります。
日本は島国なので、海藻類の摂取量(つまりヨード摂取量)は大陸に住むの欧米人とくらべて格段に多く、日本人の通常の海藻類の摂取量を大きく上回って摂取すると甲状腺に影響を与えることがあります。
「甲状腺機能に影響することがあるので、海藻類は日本人が平均的に食べる程度の量にとどめましょう」と説明しています。』
江部康二の質問
『バーンスタイン医師といいケイト医師といい、米国では「低T3症候群」の知識がないのでしょうか?不思議です。』
伊藤先生
『内分泌医でなければあまり知らないと思いますよ。』
どうやら「Low T3 syndrome(低T3症候群)」は、医師の間でもあまり知られていない概念のようです。ですから、バーンスタイン医師やケイト医師のような誤解を生じたわけですね。
結論として、3ヶ月や半年程度の食事療法やダイエットで、甲状腺機能低下症を発症することはありえません。
そして原発性甲状腺機能低下症の症状や徴候は、基本的には軽微で潜行性です。
すなわち「脱毛・筋力低下・生理不順・全身倦怠・痩せすぎ・冷え・無気力・・・ 」などの症状は、かなり進行した甲状腺機能低下症でないと出現しません。
甲状腺機能低下症の原因は
1)原発性甲状腺機能低下症(慢性甲状腺炎による甲状腺機能低下症)
2)先天的なもの
先天性甲状腺機能低下症(クレチン症)
異所性甲状腺腫(正常な位置に甲状腺がなく、
舌根部分などに甲状腺組織が認められます)
3)一過性のもの
産後一過性甲状腺機能低下症
破壊性甲状腺炎の回復期
4)海草(ヨード)の取りすぎによる甲状腺機能低下症
(これは、海草(特に昆布)の摂取制限をするだけで改善します)
5)甲状腺の病気の治療によるもの(永続性です)
術後甲状腺機能低下症
アイソトープ治療後甲状腺機能低下症
1)2)3)4)5)で網羅していると思います。
他にはないと思います。
すなわち食事療法で甲状腺機能低下症を起こすことは、そもそもあり得ないのです。
ダイエット中やスーパー糖質制限食実践中に出現しうる「脱毛・筋力低下・生理不順・全身倦怠・痩せすぎ・冷え・無気力・・・ 」などの症状は、全て、結果として摂取エネルギーが低すぎたときに生じるものです。
摂取エネルギー過少によるこれらの症状は、1~3ヶ月 でも出現します。
この時血液中のフリーT3が低値でも、フリーT4とTSHは正常値であり、これは「Low T3 syndrome(低T3症候群)」と呼ばれる状態であり、決して甲状腺機能低下症ではないのです。
3日間にわたり、「Low T3 syndrome(低T3症候群)」と甲状腺機能低下症についてしつこく記事にしてみました。
いろいろご教示いただいた、きよすクリニック 伊藤喜亮先生 に深謝いたします。
江部康二
内分泌医の きよすクリニック 伊藤喜亮先生から、甲状腺機能低下症などについて、メールをいただきました。
伊藤先生は湿潤療法も糖質制限食も達人ですので、とても幅広い診療範囲ですね。
伊藤喜亮先生談
「甲状腺機能を評価するために重要なホルモンである、TSH、フリーT4、フリーT3のうち、下垂体から分泌されるTSHと甲状腺ホルモンであるフリーT3は変動が大きく、甲状腺ホルモンであるフリーT4は半減期が長く変動が少ないため、TSHやフリーT3が異常値を呈した場合には一度で判断せず、再検査を行ってから判断することが多いです。
(問診およびTSHとフリーT4が基準値内で、
フリーT3が低値の場合はほぼ low T3 syndromeと診断できますが)
甲状腺機能低下症の治療にT3製剤ではなくT4製剤を用いるのも半減期が長いためですね。
当院で採用している検査センターにおけるフリーT4の基準値は、0.8-1.9ng/dLですが、甲状腺機能亢進症の症状が出るのは、およそ2.5-3ng/dLより高値の場合のことが多く、多少高い程度では無症状です。
また、甲状腺機能低下症の症状が出るのは、およそ0.5-0.6ng/dLを下回った場合のことが多いです。
甲状腺機能低下症をT4製剤で治療する場合は、フリーT4が基準値内を目指しますが、同時にTSHが基準値内(先に述べたように変動が多いため、1回の採血では判断しない)を目標とします。
甲状腺機能亢進症(バセドウ病)にメルカゾールなどで治療する場合も、フリーT4の正常化およびTSHが基準値内であることを目標とします。
メルカゾールが効き過ぎるとフリーT4が低値となり、ネガティブフィードバックによりTSHが上昇し甲状腺を刺激してしまうので、TSHが上昇しない程度に甲状腺ホルモンを抑える必要があります。
甲状腺機能亢進症(バセドウ病)は、眼球突出・発汗・頻脈・落ち着きがないなどの症状があるため採血をしなくてもかなり見つけられますが、採血では、総コレステロールおよびLDL定値、ALP高値などが認められます。
甲状腺機能低下症の症状は他の疾患でも認められる症状と重なるので、自覚症状だけでは診断できませんが、自覚症状に加え、GOT・LDH・CK(CPK)・総コレステロールおよびLDLが高値であれば、かなりの確率で診断できます。」
江部康二の質問
『「甲状腺機能低下症は、かなり進行していないと、脱毛・筋力低下・生理不順・全身倦怠・痩せすぎ・冷え・無気力・・・などの症状は出ない」という私の個人的経験は一般的にも言えることなのでしょうか?』
伊藤先生
『おっしゃるとおりです。
先のメールに記載したように、
===========================
*甲状腺機能低下症の症状が出るのは、およそ0.5-0.6ng/dLを下回った場合のことが多いです。
*甲状腺機能低下症の症状は他の疾患でも認められる症状と重なるので、自覚症状だけでは診断できませんが、
自覚症状に加え、GOT・LDH・CK(CPK)・総コレステロールおよびLDLが高値であれば、かなりの確率で診断できます。
===========================
検査データとしては、GOT・LDH・CK(CPK)・総コレステロールおよびLDLが高値になるくらいだと思います。
高コレステロールの場合、GPTでなくGOTが高い、CK、LDHが高いなども認められれば甲状腺ホルモンをチェックする必要があります。(もちろん、心筋梗塞も念頭に置きますが)。
フリーT4がやや低値または、潜在性甲状腺機能低下症(フリーT4が正常下限でTSHが上昇している)程度では、症状はまずありません。
あと、海藻類は低糖質、低カロリーのものが多く、ミネラルも豊富なので、ダイエットや美容のために多く摂取している場合があります。
日本は島国なので、海藻類の摂取量(つまりヨード摂取量)は大陸に住むの欧米人とくらべて格段に多く、日本人の通常の海藻類の摂取量を大きく上回って摂取すると甲状腺に影響を与えることがあります。
「甲状腺機能に影響することがあるので、海藻類は日本人が平均的に食べる程度の量にとどめましょう」と説明しています。』
江部康二の質問
『バーンスタイン医師といいケイト医師といい、米国では「低T3症候群」の知識がないのでしょうか?不思議です。』
伊藤先生
『内分泌医でなければあまり知らないと思いますよ。』
どうやら「Low T3 syndrome(低T3症候群)」は、医師の間でもあまり知られていない概念のようです。ですから、バーンスタイン医師やケイト医師のような誤解を生じたわけですね。
結論として、3ヶ月や半年程度の食事療法やダイエットで、甲状腺機能低下症を発症することはありえません。
そして原発性甲状腺機能低下症の症状や徴候は、基本的には軽微で潜行性です。
すなわち「脱毛・筋力低下・生理不順・全身倦怠・痩せすぎ・冷え・無気力・・・ 」などの症状は、かなり進行した甲状腺機能低下症でないと出現しません。
甲状腺機能低下症の原因は
1)原発性甲状腺機能低下症(慢性甲状腺炎による甲状腺機能低下症)
2)先天的なもの
先天性甲状腺機能低下症(クレチン症)
異所性甲状腺腫(正常な位置に甲状腺がなく、
舌根部分などに甲状腺組織が認められます)
3)一過性のもの
産後一過性甲状腺機能低下症
破壊性甲状腺炎の回復期
4)海草(ヨード)の取りすぎによる甲状腺機能低下症
(これは、海草(特に昆布)の摂取制限をするだけで改善します)
5)甲状腺の病気の治療によるもの(永続性です)
術後甲状腺機能低下症
アイソトープ治療後甲状腺機能低下症
1)2)3)4)5)で網羅していると思います。
他にはないと思います。
すなわち食事療法で甲状腺機能低下症を起こすことは、そもそもあり得ないのです。
ダイエット中やスーパー糖質制限食実践中に出現しうる「脱毛・筋力低下・生理不順・全身倦怠・痩せすぎ・冷え・無気力・・・ 」などの症状は、全て、結果として摂取エネルギーが低すぎたときに生じるものです。
摂取エネルギー過少によるこれらの症状は、1~3ヶ月 でも出現します。
この時血液中のフリーT3が低値でも、フリーT4とTSHは正常値であり、これは「Low T3 syndrome(低T3症候群)」と呼ばれる状態であり、決して甲状腺機能低下症ではないのです。
3日間にわたり、「Low T3 syndrome(低T3症候群)」と甲状腺機能低下症についてしつこく記事にしてみました。
いろいろご教示いただいた、きよすクリニック 伊藤喜亮先生 に深謝いたします。
江部康二
2014年02月19日 (水)
こんにちは。
<医療関係者向けの講演会 in 京都>
多数のお申し込み、ありがとうございました。
やや早いのですが、満員御礼となりました。
ただいま、キャンセル待ちの状態です。
臨床における糖質制限食療法の導入について、三部構成で具体的かつ実践的に講義します。
今回は、糖尿病に絞って最新の情報を取り上げてお話します。
米国糖尿病学会が2008年以来5年ぶりに、成人糖尿病患者の食事療法に関する声明(Position Statement on Nutrition Therapy)を改訂しました。(Diabetes Care 2013年10月9日オンライン版)
2013年10月の米国糖尿病学会の栄養療法の声明は画期的なものであり、
全ての糖尿病患者に適した“one-size-fits-all(唯一無二の)”食事パターンは存在しないとの見解を表明しました。
このことは、唯一無二の食事療法を推奨し続けている日本糖尿病学会に対する痛烈な批判となっています。
そして、患者ごとにさまざまな食事パターン〔地中海食,ベジタリアン食,糖質制限食,低脂質食,DASH(Dietary Approaches to Stop Hypertension)食〕が受容可能であるとしています。
糖質制限食もちゃんと認められています。
2013年日本腎臓病学会の糖尿病腎症のガイドラインも蛋白質制限に関して、大きな変化がありました。
そして糖尿病患者さんの血液検査データも豊富に紹介します。
同一摂取カロリーで揃えた「従来の糖尿病食 VS スーパー糖質制限食」の血糖値の日内変動データ比較は圧巻です。
食後高血糖と平均血糖変動幅に関しては、糖質制限食の圧勝で、その差は「月とスッポン」です。
糖尿病合併症を防ぐには、「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」を生じないことが必要不可欠です。
しかしながら糖質を摂取すれば、必ず「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」を生じます。
「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」を生じない、唯一の食事療法が糖質制限食なのです。
すなわち、従来の糖尿病食(高糖質食)では、糖尿病合併症を防ぐことは理論的に不可能なのです。
年間
16000人が糖尿病腎症から透析 → 医療費800億円、
3000人が糖尿病網膜症から失明
3000人が糖尿病足病変から足切断
というのが厳しい現実なのです。
糖尿病合併症を生じさせないために、医療関係者の皆さんには、是非糖質制限食を学びそのエキスパートとなって欲しいと願ってやみません。
第一部と第二部は理事長 江部康二による糖質制限食療法の基礎理論・症例の検討・薬剤の使い方・最新の動向についての講義、
第三部は高雄病院の橋本眞由美管理栄養士による糖質制限給食や栄養指導などの取り組みについての講義です。
江部康二
以下事務局からの案内です。
//////////////////ご案内////////////////////
一般社団法人 日本糖質制限医療推進協会主催
医療関係者向け講演会 京都
「糖尿病治療のための糖質制限食指導」
■日時: 2014年3月9日(日)13:00~ ※受付12:40~
■場所:メルパルク京都 4F 研修室3【藤】
京都市下京区東洞院通七条下ル東塩小路町676番13
アクセス:JR京都駅(烏丸中央口)から徒歩1分
http://www.mielparque.jp/kyoto/access/
■スケジュール:
第一部: 13:00~14:05 「基礎理論」 ※講師A
休憩 14:05~14:15
第二部: 14:15~15:20 「症例検討と薬剤の使い方」 ※講師A
休憩 15:20~15:40
第三部: 15:40~16:50
「高雄病院 糖質制限給食の実際と栄養士の関わり方」※講師B
*講義時間・質疑応答時間について
第一部・第二部は講座各50分、質疑応答各15分
第三部は講座50分、質疑応答20分を予定しております。
■講師
A:江部 康二 医師
(一財)高雄病院 理事長
(一社)日本糖質制限医療推進協会 理事長
B:橋本 眞由美 管理栄養士
(一財)高雄病院 栄養管理部 部長
■対象:医療従事者(医師、歯科医師、薬剤師、看護師、栄養士、鍼灸師など)
■補足:
・「糖尿病治療のための!糖質制限食パーフェクトガイド」(東洋経済新報社)
レベルの内容を予定しておりますので、事前に同著を読んでおいていただく
ことを推奨致します。
・参加頂いた皆様には、映写資料データ(PDF)のCDをお配り致します。
■受講費:
・賛助会員 8,000円
・一般(非会員) 10,000円
■お支払い方法:クレジットカード/銀行振込/郵便振替 ※事前決済のみとなりま
す。
■お申し込み方法
・賛助会員の方
事務局までメールにて以下2点をご記入の上、お申し込み下さい。
①「3/9セミナー、受講希望」のコメント
②医療機関にて従事していらっしゃる職種
・賛助会員入会をご希望の方
1.入会案内および会員規約をお読み下さい。
http://toushitsuseigen.or.jp/member.html
2.入会・受講のお申し込みはこちらのフォームからお願いします。
http://toushitsuseigen.or.jp/contact.php
「お問い合せ内容」欄に以下2点をご記入下さい。
①「3/9セミナー、受講希望」のコメント
②医療機関にて従事していらっしゃる職種
・一般(非会員)で、講演会の受講のみご希望の方
こちらのフォームよりお申し込み下さい。
https://ssl.form-mailer.jp/fms/0625a3b0281969
■お申し込みの流れ
1.会員の方はメールにて、会員以外の方は各種フォームにてご連絡下さい。
2.事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3.入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4.当日、直接会場までお越し下さい。
■その他:
・予約制です。当日参加はできません。
・キャンセルは3月5日(水)までにお願い致します。
それ以降の返金には対応致しかねますので予めご了承ください。
////////////////////////////////////////////////
<医療関係者向けの講演会 in 京都>
多数のお申し込み、ありがとうございました。
やや早いのですが、満員御礼となりました。
ただいま、キャンセル待ちの状態です。
臨床における糖質制限食療法の導入について、三部構成で具体的かつ実践的に講義します。
今回は、糖尿病に絞って最新の情報を取り上げてお話します。
米国糖尿病学会が2008年以来5年ぶりに、成人糖尿病患者の食事療法に関する声明(Position Statement on Nutrition Therapy)を改訂しました。(Diabetes Care 2013年10月9日オンライン版)
2013年10月の米国糖尿病学会の栄養療法の声明は画期的なものであり、
全ての糖尿病患者に適した“one-size-fits-all(唯一無二の)”食事パターンは存在しないとの見解を表明しました。
このことは、唯一無二の食事療法を推奨し続けている日本糖尿病学会に対する痛烈な批判となっています。
そして、患者ごとにさまざまな食事パターン〔地中海食,ベジタリアン食,糖質制限食,低脂質食,DASH(Dietary Approaches to Stop Hypertension)食〕が受容可能であるとしています。
糖質制限食もちゃんと認められています。
2013年日本腎臓病学会の糖尿病腎症のガイドラインも蛋白質制限に関して、大きな変化がありました。
そして糖尿病患者さんの血液検査データも豊富に紹介します。
同一摂取カロリーで揃えた「従来の糖尿病食 VS スーパー糖質制限食」の血糖値の日内変動データ比較は圧巻です。
食後高血糖と平均血糖変動幅に関しては、糖質制限食の圧勝で、その差は「月とスッポン」です。
糖尿病合併症を防ぐには、「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」を生じないことが必要不可欠です。
しかしながら糖質を摂取すれば、必ず「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」を生じます。
「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」を生じない、唯一の食事療法が糖質制限食なのです。
すなわち、従来の糖尿病食(高糖質食)では、糖尿病合併症を防ぐことは理論的に不可能なのです。
年間
16000人が糖尿病腎症から透析 → 医療費800億円、
3000人が糖尿病網膜症から失明
3000人が糖尿病足病変から足切断
というのが厳しい現実なのです。
糖尿病合併症を生じさせないために、医療関係者の皆さんには、是非糖質制限食を学びそのエキスパートとなって欲しいと願ってやみません。
第一部と第二部は理事長 江部康二による糖質制限食療法の基礎理論・症例の検討・薬剤の使い方・最新の動向についての講義、
第三部は高雄病院の橋本眞由美管理栄養士による糖質制限給食や栄養指導などの取り組みについての講義です。
江部康二
以下事務局からの案内です。
//////////////////ご案内////////////////////
一般社団法人 日本糖質制限医療推進協会主催
医療関係者向け講演会 京都
「糖尿病治療のための糖質制限食指導」
■日時: 2014年3月9日(日)13:00~ ※受付12:40~
■場所:メルパルク京都 4F 研修室3【藤】
京都市下京区東洞院通七条下ル東塩小路町676番13
アクセス:JR京都駅(烏丸中央口)から徒歩1分
http://www.mielparque.jp/kyoto/access/
■スケジュール:
第一部: 13:00~14:05 「基礎理論」 ※講師A
休憩 14:05~14:15
第二部: 14:15~15:20 「症例検討と薬剤の使い方」 ※講師A
休憩 15:20~15:40
第三部: 15:40~16:50
「高雄病院 糖質制限給食の実際と栄養士の関わり方」※講師B
*講義時間・質疑応答時間について
第一部・第二部は講座各50分、質疑応答各15分
第三部は講座50分、質疑応答20分を予定しております。
■講師
A:江部 康二 医師
(一財)高雄病院 理事長
(一社)日本糖質制限医療推進協会 理事長
B:橋本 眞由美 管理栄養士
(一財)高雄病院 栄養管理部 部長
■対象:医療従事者(医師、歯科医師、薬剤師、看護師、栄養士、鍼灸師など)
■補足:
・「糖尿病治療のための!糖質制限食パーフェクトガイド」(東洋経済新報社)
レベルの内容を予定しておりますので、事前に同著を読んでおいていただく
ことを推奨致します。
・参加頂いた皆様には、映写資料データ(PDF)のCDをお配り致します。
■受講費:
・賛助会員 8,000円
・一般(非会員) 10,000円
■お支払い方法:クレジットカード/銀行振込/郵便振替 ※事前決済のみとなりま
す。
■お申し込み方法
・賛助会員の方
事務局までメールにて以下2点をご記入の上、お申し込み下さい。
①「3/9セミナー、受講希望」のコメント
②医療機関にて従事していらっしゃる職種
・賛助会員入会をご希望の方
1.入会案内および会員規約をお読み下さい。
http://toushitsuseigen.or.jp/member.html
2.入会・受講のお申し込みはこちらのフォームからお願いします。
http://toushitsuseigen.or.jp/contact.php
「お問い合せ内容」欄に以下2点をご記入下さい。
①「3/9セミナー、受講希望」のコメント
②医療機関にて従事していらっしゃる職種
・一般(非会員)で、講演会の受講のみご希望の方
こちらのフォームよりお申し込み下さい。
https://ssl.form-mailer.jp/fms/0625a3b0281969
■お申し込みの流れ
1.会員の方はメールにて、会員以外の方は各種フォームにてご連絡下さい。
2.事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3.入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4.当日、直接会場までお越し下さい。
■その他:
・予約制です。当日参加はできません。
・キャンセルは3月5日(水)までにお願い致します。
それ以降の返金には対応致しかねますので予めご了承ください。
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2014年02月18日 (火)
こんにちは。
14/02/14 滋賀井上 さんからコメントいただきましたが、
『これまで語られることのなかった糖質制限の副作用情報の開示と対処が必要』
と題して、自己暗示研究家さんが、アマゾンのサイトに「糖尿病治療のための! 糖質制限食パーフェクトガイド 」のレビューを書いておられます。
http://www.amazon.co.jp/product-reviews/4492045058/ref=cm_cr_dp_text?ie=UTF8&showViewpoints=0&sortBy=byRankDescending#R24U2N9VKIC7EL
「糖尿病治療のための! 糖質制限食パーフェクトガイド 」(東洋経済新報社)2013年の中に、『糖質制限の副作用情報の開示と対処』に関することが記載されてないので、☆☆☆☆☆の評価にしたかったけれど☆☆☆☆にしたとありました。
私も以前、この書評を拝見して、ごもっともなご意見と思いましたので、本ブログ記事においても、
「糖質制限食実践中に生じうる好ましくない症状・変化について」1)~7)
まで、記事を掲載しました。(2014/2/15の本ブログ記事をご参照ください)
自己暗示研究家さんは書評の中で
Dr.ケイトの記事
「Going Low-Carb too Fast May Trigger Thyroid Troubles and Hormone Imbalance」
「低糖質を速くやりすぎると甲状腺問題とホルモンのアンバランスの引き金を引く」
(1)
高糖質食(普通の日本人は糖質60~70%程度)から、いきなり厳しい低糖質食(しばしば50g未満)へ変えると、からだが飢餓状態に陥ったと判断し、甲状腺ホルモンT4を肝臓などで高活性のT3に変換するのではなく、無活性のリバースT3に変換する量を増やしてしまう。このため、甲状腺ホルモンT3が不足し、臨床的には甲状腺機能低下症と同じ症状が発生する。
について触れておられます。
(1)は自己暗示研究家さんが訳されたDr.ケイトの記事の要約です。
このDr.ケイトの仮説(1)は、そのまま摂取エネルギー不足による「Low T3 syndrome(低T3症候群)」のことです。
甲状腺機能低下症というのは完全に誤解です。(低T3症候群については、2014/2.17の本ブログ記事をご参照ください)
本当の飢餓状態(例えば神経性食欲不振症など)ではT3が低下しても、T4、TSHは正常です。
T3が低値で、T4、TSHとも正常な病態は「Low T3 syndrome」と呼ばれます。
糖質制限食実践で、しっかり標準必要エネルギーを摂取している場合にはそもそも「Low T3 syndrome」は生じません。
「糖質制限+カロリー制限」で、摂取エネルギー不足により本当に飢餓状態になれば「Low T3 syndrome」を生じる可能生があります。
飢餓や低栄養の場合、人体が代謝を低下させてエネルギー消費を抑えるための生体反応と考えられています。
これは甲状腺機能低下症ではありません。
甲状腺機能は正常なので、TSHも正常なのです。
Dr.ケイトやDr.バーンスタインが、「Low T3 syndrome(低T3症候群)」のことをご存じないのは不思議です。
本当の「甲状腺機能低下症」ならば、TSHが高値になります。
これが鑑別として一番参考になると思います。
TSHが、30~60ng/ml(基準値0.44~4.95ng/ml)くらいあって、甲状腺機能低下症なのに、無症状な人は結構おられます。
ちなみにTSH:10ng/ml以上は要治療とされています。
しかし例えば無症候性の甲状腺機能低下症は比較的一般的で、高齢女性、特に橋本甲状腺炎が基礎にある高齢女性の15%近くに生じるそうです。
つまり少々の甲状腺機能低下があっても、無症状のことも多いということですね。
結論としてスーパー糖質制限食で、しっかりエネルギー摂取している人が、3ヶ月や半年で甲状腺機能低下症になることはありえないと思います。
自己暗示研究家さんが書評の中で懸念されている「全身倦怠感、筋力低下、痩せ過ぎ、生理不順、脱毛、生理が止まる、冷え、無気力、皮膚乾燥・・・」などの、甲状腺機能低下症のときに見られる症状が、糖質制限食実践中にもしあったとすれば、それは摂取エネルギー不足が原因と考えられます。
少なくとも高雄病院の糖尿病患者さんで、糖質制限食を実践中に「全身倦怠感、筋力低下、痩せ過ぎ、生理不順、脱毛、生理が止まる、冷え、無気力、皮膚乾燥・・・」などの訴えがあった方々を、栄養指導したところ、全員が摂取エネルギー不足でした。
例えば、男性で1200kcal/日とか女性では1000kcal/日とかです。
当然のことですが、糖質制限食の範疇で摂取エネルギーを増やして、厚生労働省のいう標準必要エネルギーを満たして貰うと、皆さん「全身倦怠感、筋力低下、痩せ過ぎ・・・」は速やかに改善しました。
なお、糖質制限食とは何の関係もなく、ただダイエットが目的で、摂取エネルギーが低カロリー過ぎても、
「全身倦怠感、筋力低下、痩せ過ぎ、生理不順、脱毛、生理が止まる、冷え、無気力、皮膚乾燥・・・」
といった症状は出現すると思いますが、勿論これも甲状腺機能低下症ではありません。
この場合は「Low T3 syndrome(低T3症候群)」を呈する可能性はあります。
江部康二
14/02/14 滋賀井上 さんからコメントいただきましたが、
『これまで語られることのなかった糖質制限の副作用情報の開示と対処が必要』
と題して、自己暗示研究家さんが、アマゾンのサイトに「糖尿病治療のための! 糖質制限食パーフェクトガイド 」のレビューを書いておられます。
http://www.amazon.co.jp/product-reviews/4492045058/ref=cm_cr_dp_text?ie=UTF8&showViewpoints=0&sortBy=byRankDescending#R24U2N9VKIC7EL
「糖尿病治療のための! 糖質制限食パーフェクトガイド 」(東洋経済新報社)2013年の中に、『糖質制限の副作用情報の開示と対処』に関することが記載されてないので、☆☆☆☆☆の評価にしたかったけれど☆☆☆☆にしたとありました。
私も以前、この書評を拝見して、ごもっともなご意見と思いましたので、本ブログ記事においても、
「糖質制限食実践中に生じうる好ましくない症状・変化について」1)~7)
まで、記事を掲載しました。(2014/2/15の本ブログ記事をご参照ください)
自己暗示研究家さんは書評の中で
Dr.ケイトの記事
「Going Low-Carb too Fast May Trigger Thyroid Troubles and Hormone Imbalance」
「低糖質を速くやりすぎると甲状腺問題とホルモンのアンバランスの引き金を引く」
(1)
高糖質食(普通の日本人は糖質60~70%程度)から、いきなり厳しい低糖質食(しばしば50g未満)へ変えると、からだが飢餓状態に陥ったと判断し、甲状腺ホルモンT4を肝臓などで高活性のT3に変換するのではなく、無活性のリバースT3に変換する量を増やしてしまう。このため、甲状腺ホルモンT3が不足し、臨床的には甲状腺機能低下症と同じ症状が発生する。
について触れておられます。
(1)は自己暗示研究家さんが訳されたDr.ケイトの記事の要約です。
このDr.ケイトの仮説(1)は、そのまま摂取エネルギー不足による「Low T3 syndrome(低T3症候群)」のことです。
甲状腺機能低下症というのは完全に誤解です。(低T3症候群については、2014/2.17の本ブログ記事をご参照ください)
本当の飢餓状態(例えば神経性食欲不振症など)ではT3が低下しても、T4、TSHは正常です。
T3が低値で、T4、TSHとも正常な病態は「Low T3 syndrome」と呼ばれます。
糖質制限食実践で、しっかり標準必要エネルギーを摂取している場合にはそもそも「Low T3 syndrome」は生じません。
「糖質制限+カロリー制限」で、摂取エネルギー不足により本当に飢餓状態になれば「Low T3 syndrome」を生じる可能生があります。
飢餓や低栄養の場合、人体が代謝を低下させてエネルギー消費を抑えるための生体反応と考えられています。
これは甲状腺機能低下症ではありません。
甲状腺機能は正常なので、TSHも正常なのです。
Dr.ケイトやDr.バーンスタインが、「Low T3 syndrome(低T3症候群)」のことをご存じないのは不思議です。
本当の「甲状腺機能低下症」ならば、TSHが高値になります。
これが鑑別として一番参考になると思います。
TSHが、30~60ng/ml(基準値0.44~4.95ng/ml)くらいあって、甲状腺機能低下症なのに、無症状な人は結構おられます。
ちなみにTSH:10ng/ml以上は要治療とされています。
しかし例えば無症候性の甲状腺機能低下症は比較的一般的で、高齢女性、特に橋本甲状腺炎が基礎にある高齢女性の15%近くに生じるそうです。
つまり少々の甲状腺機能低下があっても、無症状のことも多いということですね。
結論としてスーパー糖質制限食で、しっかりエネルギー摂取している人が、3ヶ月や半年で甲状腺機能低下症になることはありえないと思います。
自己暗示研究家さんが書評の中で懸念されている「全身倦怠感、筋力低下、痩せ過ぎ、生理不順、脱毛、生理が止まる、冷え、無気力、皮膚乾燥・・・」などの、甲状腺機能低下症のときに見られる症状が、糖質制限食実践中にもしあったとすれば、それは摂取エネルギー不足が原因と考えられます。
少なくとも高雄病院の糖尿病患者さんで、糖質制限食を実践中に「全身倦怠感、筋力低下、痩せ過ぎ、生理不順、脱毛、生理が止まる、冷え、無気力、皮膚乾燥・・・」などの訴えがあった方々を、栄養指導したところ、全員が摂取エネルギー不足でした。
例えば、男性で1200kcal/日とか女性では1000kcal/日とかです。
当然のことですが、糖質制限食の範疇で摂取エネルギーを増やして、厚生労働省のいう標準必要エネルギーを満たして貰うと、皆さん「全身倦怠感、筋力低下、痩せ過ぎ・・・」は速やかに改善しました。
なお、糖質制限食とは何の関係もなく、ただダイエットが目的で、摂取エネルギーが低カロリー過ぎても、
「全身倦怠感、筋力低下、痩せ過ぎ、生理不順、脱毛、生理が止まる、冷え、無気力、皮膚乾燥・・・」
といった症状は出現すると思いますが、勿論これも甲状腺機能低下症ではありません。
この場合は「Low T3 syndrome(低T3症候群)」を呈する可能性はあります。
江部康二
2014年02月17日 (月)
こんにちは。
消化器内科医さんから、コメント・アドバイスをいただきましたように「Low T3 syndrome(低T3症候群)」について考えてみます。
T3という甲状腺ホルモンだけが低値で、T4という甲状腺ホルモンは正常で、TSH(甲状腺刺激ホルモン)も正常な病態です。
これは、甲状腺機能低下症ではありません。
ただ、かのバーンスタイン先生でさえも、「低T3症候群」に関して、甲状腺機能低下症と誤解しておられたので、一般の方には特にわかりにくい状況と思います。
それで消化器内科医さんが気にかけられたものと思います。
2012年12月28日 (金)の本ブログ記事
「山田悟先生がバーンスタイン医師をインタビュー③。 MT Pro 。」
に詳しく記載してありますが、下記のバーンスタイン医師の見解(糖尿病患者と甲状腺機能低下症)に対して、きよすクリニック伊藤喜亮先生から、
「見かけ上の甲状腺機能低下症で、本当の低下症ではない」
と、ご意見をいただいたことがありました。
Bernstein医師
『私の診ている糖尿病患者さんの85%は,私が最初に診た時点では甲状腺機能が低下していました。そうした患者さんは易疲労感などを訴えてクリニックを受診するのですが,検査してみるとかなり進行した糖尿病で,かつ甲状腺機能の低下が認められます。活性型の甲状腺ホルモン(トリヨードサイロニン:T3)と非活性型の甲状腺ホルモン(サイロキシン:T4)では,特に前者の低下が顕著です。
T4の分子中にはヨードが4分子存在し,肝臓や腎臓でそのうちの1個が外れてT3になるのですが,糖尿病に伴い甲状腺機能の低下している人では,このT4からT3への変換がうまくいっていないわけです。
また,通常の甲状腺機能低下症では,T3が低下するとその代償として甲状腺ホルモン分泌刺激ホルモン(TSH)が上昇しますが,糖尿病に伴う甲状腺機能の低下ではTSHは上昇しません。』
きよすクリニック伊藤喜亮先生
『T3が低値で、T4、TSHとも正常な病態は「Low T3 syndrome」と呼ばれます。
記事の中にもあるように、代謝を低下させてエネルギー消費を抑えるための生体反応と考えられています。
甲状腺が悪いのではないので、TSHは上昇していません。
ですから「甲状腺機能低下」という言葉は適切ではなく、疲労感が出るほど悪い状態の糖尿病では、上述のようにエネルギー消費を抑えるために「T3を低く抑えている状態」と言えると思います。』
伊藤先生、ご指摘ありがとうございました。
私も伊藤先生のご意見に全面的に賛成です。
私も、バーンスタイン先生、いくらなんでも85%が甲状腺機能低下症とはありえないと思ってました。
T3が低値で、T4、TSHとも正常な病態「Low T3 syndrome(低T3症候群)」は、臨床上、時々見かけます。
バーンスタイン医師のいうコントロール不良の糖尿病以外にも、慢性消耗性の疾患で低栄養のときにも見かけます。
例えば神経性食思不振症などでは比較的よく見られます。
これらは、見かけ上T3が低値なだけで、本当の甲状腺機能低下症ではありません。
従って、甲状腺ホルモンのチラージンSなどを投与しても無意味です。
治療は原疾患の慢性消耗状態や低栄養状態を改善してやれば、おのずから低T3も改善して正常値となるのです。
スーパー糖質制限食を実践して、ヘロヘロになったり、筋力が落ちたり、髪の毛が抜けたりといった症状を訴える方々が
たまにおられます。
これは糖質制限食のせいではなく、脂質も制限して、結果として摂取エネルギーが低過ぎたために生じる症状です。
この時、血液検査をしてT3が低いと、甲状腺機能低下症と誤診する可能性があります。
しかしこれは「Low T3 syndrome(低T3症候群)」であり、本当の甲状腺機能低下症ではありません。
摂取エネルギーを標準まで増やせば、症状も改善してT3も改善します。
江部康二
消化器内科医さんから、コメント・アドバイスをいただきましたように「Low T3 syndrome(低T3症候群)」について考えてみます。
T3という甲状腺ホルモンだけが低値で、T4という甲状腺ホルモンは正常で、TSH(甲状腺刺激ホルモン)も正常な病態です。
これは、甲状腺機能低下症ではありません。
ただ、かのバーンスタイン先生でさえも、「低T3症候群」に関して、甲状腺機能低下症と誤解しておられたので、一般の方には特にわかりにくい状況と思います。
それで消化器内科医さんが気にかけられたものと思います。
2012年12月28日 (金)の本ブログ記事
「山田悟先生がバーンスタイン医師をインタビュー③。 MT Pro 。」
に詳しく記載してありますが、下記のバーンスタイン医師の見解(糖尿病患者と甲状腺機能低下症)に対して、きよすクリニック伊藤喜亮先生から、
「見かけ上の甲状腺機能低下症で、本当の低下症ではない」
と、ご意見をいただいたことがありました。
Bernstein医師
『私の診ている糖尿病患者さんの85%は,私が最初に診た時点では甲状腺機能が低下していました。そうした患者さんは易疲労感などを訴えてクリニックを受診するのですが,検査してみるとかなり進行した糖尿病で,かつ甲状腺機能の低下が認められます。活性型の甲状腺ホルモン(トリヨードサイロニン:T3)と非活性型の甲状腺ホルモン(サイロキシン:T4)では,特に前者の低下が顕著です。
T4の分子中にはヨードが4分子存在し,肝臓や腎臓でそのうちの1個が外れてT3になるのですが,糖尿病に伴い甲状腺機能の低下している人では,このT4からT3への変換がうまくいっていないわけです。
また,通常の甲状腺機能低下症では,T3が低下するとその代償として甲状腺ホルモン分泌刺激ホルモン(TSH)が上昇しますが,糖尿病に伴う甲状腺機能の低下ではTSHは上昇しません。』
きよすクリニック伊藤喜亮先生
『T3が低値で、T4、TSHとも正常な病態は「Low T3 syndrome」と呼ばれます。
記事の中にもあるように、代謝を低下させてエネルギー消費を抑えるための生体反応と考えられています。
甲状腺が悪いのではないので、TSHは上昇していません。
ですから「甲状腺機能低下」という言葉は適切ではなく、疲労感が出るほど悪い状態の糖尿病では、上述のようにエネルギー消費を抑えるために「T3を低く抑えている状態」と言えると思います。』
伊藤先生、ご指摘ありがとうございました。
私も伊藤先生のご意見に全面的に賛成です。
私も、バーンスタイン先生、いくらなんでも85%が甲状腺機能低下症とはありえないと思ってました。
T3が低値で、T4、TSHとも正常な病態「Low T3 syndrome(低T3症候群)」は、臨床上、時々見かけます。
バーンスタイン医師のいうコントロール不良の糖尿病以外にも、慢性消耗性の疾患で低栄養のときにも見かけます。
例えば神経性食思不振症などでは比較的よく見られます。
これらは、見かけ上T3が低値なだけで、本当の甲状腺機能低下症ではありません。
従って、甲状腺ホルモンのチラージンSなどを投与しても無意味です。
治療は原疾患の慢性消耗状態や低栄養状態を改善してやれば、おのずから低T3も改善して正常値となるのです。
スーパー糖質制限食を実践して、ヘロヘロになったり、筋力が落ちたり、髪の毛が抜けたりといった症状を訴える方々が
たまにおられます。
これは糖質制限食のせいではなく、脂質も制限して、結果として摂取エネルギーが低過ぎたために生じる症状です。
この時、血液検査をしてT3が低いと、甲状腺機能低下症と誤診する可能性があります。
しかしこれは「Low T3 syndrome(低T3症候群)」であり、本当の甲状腺機能低下症ではありません。
摂取エネルギーを標準まで増やせば、症状も改善してT3も改善します。
江部康二
2014年02月16日 (日)
おはようございます。
ブログ読者の皆さんには、交流会、講演会などいつも多数ご参加いただきありがとうございます。
2014年3月30日(日)に、一般向けの講演会を東京・八重洲で開催することとなりました。
糖質過多な現代の食生活。
それによって引き起こされる糖尿病など生活習慣病の数々。
「糖質摂取が何故良くないか」そのメカニズムわかりやすく説明し、対して人類本来の食事といえる糖質制限食の有効性と可能性について具体的にお話しします。
そして糖尿病患者さんの血液検査データも豊富に紹介します。
同一摂取カロリーで揃えた「従来の糖尿病食 VS スーパー糖質制限食」の血糖値の日内変動データ比較は圧巻です。
食後高血糖と平均血糖変動幅に関しては、糖質制限食の圧勝で、その差は「月とスッポン」です。
米国糖尿病学会が2008年以来5年ぶりに、成人糖尿病患者の食事療法に関する声明(Position Statement on Nutrition Therapy)を改訂しました。(Diabetes Care 2013年10月9日オンライン版)
2013年10月の米国糖尿病学会の栄養療法の声明は画期的なものであり、
全ての糖尿病患者に適した“one-size-fits-all(唯一無二の)”食事パターンは存在しない
との見解を表明しました。
このことは、食品交換表1969年の第2版以降、唯一無二の食事療法(カロリー制限食)を推奨し続けている日本糖尿病学会に対する痛烈な批判となっています。
そして、患者ごとにさまざまな食事パターン〔地中海食,ベジタリアン食,糖質制限食,低脂質食,DASH(Dietary Approaches to Stop Hypertension)食〕が受容可能であるとしています。
糖質制限食もちゃんと認められています。
極めて重要なことですが、糖尿病合併症を防ぐには、「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」を生じないことが必要不可欠です。
しかしながら糖質を摂取すれば、必ず「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」を生じます。
すなわち、従来の糖尿病食(高糖質食)では、糖尿病合併症を防ぐことは理論的に不可能なのです。
「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」を生じない唯一の食事療法が、糖質制限食なのです。
年間
16000人が糖尿病腎症から透析 → 医療費800億円、
3000人が糖尿病網膜症から失明
3000人が糖尿病足病変から足切断
というのが厳しい現実です。
このように合併症に苦しむ多数の糖尿病患者さんの存在そのものが、「日本糖尿病学会主導の従来の糖尿病治療が決して上手くいっていない」ことの動かぬ証拠と言えます。
糖尿病合併症を生じさせないためには、糖尿人の皆さんは自分自身の頭で考えて身を守ることが必要です。
本講演では、糖尿病を中心に糖質制限食の有効性・安全性をわかりやすく説明します。
また生活習慣病やがんへの糖質制限食の有効性・可能性にも少し言及します。
江部康二
☆☆☆
以下事務局からのお知らせです。
//////////////////ご案内////////////////////
一般社団法人 日本糖質制限医療推進協会主催 講演会(東京)
糖質制限食の有効性・可能性 ―食のパラダイムシフト―
~糖尿病・メタボ・生活習慣病・がん・・・~
◆日時: 2014年3月30日(日) 13:00~14:40頃 ※入場受付(開場)は、12:40~
◆場所: 銀座ルノアール貸会議室プラザ八重洲北口 5階-2・3号室
東京都中央区八重洲1-7-4 矢満登ビル
http://www.mapion.co.jp/m/35.67784789_139.77351336_10/
☆アクセス:東京駅八重洲北口から外堀通りを渡り、
八重洲北口通りに入り日興コーディアル証券の並び
◆講師: 江部康二
(一財)高雄病院 理事長/(一社)日本糖質制限医療推進協会理事長
◆定員:90名
◆受講費:賛助会員 2,600円 / 一般(非会員) 3,200円
◆補足:「賛助会員連絡会」開催のご案内
講演会終了後15:00より、講演会に参加頂いた賛助会員の皆様を対象に、同会場
にて連絡会を開催いたします。
理事長をはじめ協会からのご報告と意見交換会、賛助会員の方の糖質制限食推進
に関するご活動のミニ発表会などを予定しております。
・賛助会員(3/30現在)限定の会合です。あしからずご了承ください。
・16:30頃終了予定です。
・賛助会員の方で連絡会のみの参加をご希望の場合は、参加費300円を頂戴致します。
◆お支払い方法:クレジットカード/銀行振込/郵便振替 ※事前決済のみとなります。
◆お申し込み方法:
・賛助会員の方
事務局までメールにてお申し込み下さい。
・賛助会員入会をご希望の方
1.入会案内および会員規約をお読み下さい。
http://toushitsuseigen.or.jp/member.html
2.お申し込みはこちらのフォームからお願いします。
http://toushitsuseigen.or.jp/contact.php
「お問い合せ内容」欄に「3/30講演会、受講希望」とご記入下さい。
・一般(非会員)で、講演会の受講のみご希望の方
こちらのフォームよりお申し込み下さい。
https://ssl.form-mailer.jp/fms/9cbd1ef7287071
◆お申し込みの流れ:
1.会員の方はメールにて、会員以外の方は各種フォームにてご連絡下さい。
2.事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3.入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4.当日、直接会場までお越し下さい。
◆その他:
・予約制です。当日参加はできません。
・キャンセルは3月26日(水)までにお願い致します。
それ以降の返金には対応致しかねますので予めご了承ください。
【賛助会員の皆様へ:連絡会内ミニ発表会・発表者募集のご案内 】
お住まいの地域での糖質制限に関するサークル活動、勉強会、ネットを通して
情報発信・・etc, 糖質制限食の普及推進のご活動をしていらっしゃる方、
日頃のお取り組みをこの機会にご報告・PRいただけませんか。
発表をご希望いただける方は、事務局までメールにてお知らせください。
※3月9日(日)までにご連絡ください。
その際に発表予定のご活動の概要をお知らせください。
※1件につき5分~10分程度のご発表時間を想定しておりますが、件数に応じて、
当日の持ち時間を事前にお知らせいたします。
***
消火器内科医 さん
アドバイスありがとうございます。
何故か、禁止ワードでひっかかり、コメントアップできないので、
ブログ記事の下に書き込みました。
実は、アマゾンの自己暗示研究家さんの評をみて、
まずはブログで「糖質制限食実践中に生じうる好ましくない症状・変化について」
をシリーズで、1)~7)まで記事にしました。
その後、医療関係社向け講演会でも、取り上げるようにしています。
今後、「好ましくない症状と変化」について、ご指摘のように、反復して記事にしていきたいと思います。
とりあえずは、読者が、過去記事を検索し易いように、1)~7)まで羅列してみました。
また低血糖が最もこわいので、8)として追加しておきました。
江部康二
ブログ読者の皆さんには、交流会、講演会などいつも多数ご参加いただきありがとうございます。
2014年3月30日(日)に、一般向けの講演会を東京・八重洲で開催することとなりました。
糖質過多な現代の食生活。
それによって引き起こされる糖尿病など生活習慣病の数々。
「糖質摂取が何故良くないか」そのメカニズムわかりやすく説明し、対して人類本来の食事といえる糖質制限食の有効性と可能性について具体的にお話しします。
そして糖尿病患者さんの血液検査データも豊富に紹介します。
同一摂取カロリーで揃えた「従来の糖尿病食 VS スーパー糖質制限食」の血糖値の日内変動データ比較は圧巻です。
食後高血糖と平均血糖変動幅に関しては、糖質制限食の圧勝で、その差は「月とスッポン」です。
米国糖尿病学会が2008年以来5年ぶりに、成人糖尿病患者の食事療法に関する声明(Position Statement on Nutrition Therapy)を改訂しました。(Diabetes Care 2013年10月9日オンライン版)
2013年10月の米国糖尿病学会の栄養療法の声明は画期的なものであり、
全ての糖尿病患者に適した“one-size-fits-all(唯一無二の)”食事パターンは存在しない
との見解を表明しました。
このことは、食品交換表1969年の第2版以降、唯一無二の食事療法(カロリー制限食)を推奨し続けている日本糖尿病学会に対する痛烈な批判となっています。
そして、患者ごとにさまざまな食事パターン〔地中海食,ベジタリアン食,糖質制限食,低脂質食,DASH(Dietary Approaches to Stop Hypertension)食〕が受容可能であるとしています。
糖質制限食もちゃんと認められています。
極めて重要なことですが、糖尿病合併症を防ぐには、「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」を生じないことが必要不可欠です。
しかしながら糖質を摂取すれば、必ず「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」を生じます。
すなわち、従来の糖尿病食(高糖質食)では、糖尿病合併症を防ぐことは理論的に不可能なのです。
「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」を生じない唯一の食事療法が、糖質制限食なのです。
年間
16000人が糖尿病腎症から透析 → 医療費800億円、
3000人が糖尿病網膜症から失明
3000人が糖尿病足病変から足切断
というのが厳しい現実です。
このように合併症に苦しむ多数の糖尿病患者さんの存在そのものが、「日本糖尿病学会主導の従来の糖尿病治療が決して上手くいっていない」ことの動かぬ証拠と言えます。
糖尿病合併症を生じさせないためには、糖尿人の皆さんは自分自身の頭で考えて身を守ることが必要です。
本講演では、糖尿病を中心に糖質制限食の有効性・安全性をわかりやすく説明します。
また生活習慣病やがんへの糖質制限食の有効性・可能性にも少し言及します。
江部康二
☆☆☆
以下事務局からのお知らせです。
//////////////////ご案内////////////////////
一般社団法人 日本糖質制限医療推進協会主催 講演会(東京)
糖質制限食の有効性・可能性 ―食のパラダイムシフト―
~糖尿病・メタボ・生活習慣病・がん・・・~
◆日時: 2014年3月30日(日) 13:00~14:40頃 ※入場受付(開場)は、12:40~
◆場所: 銀座ルノアール貸会議室プラザ八重洲北口 5階-2・3号室
東京都中央区八重洲1-7-4 矢満登ビル
http://www.mapion.co.jp/m/35.67784789_139.77351336_10/
☆アクセス:東京駅八重洲北口から外堀通りを渡り、
八重洲北口通りに入り日興コーディアル証券の並び
◆講師: 江部康二
(一財)高雄病院 理事長/(一社)日本糖質制限医療推進協会理事長
◆定員:90名
◆受講費:賛助会員 2,600円 / 一般(非会員) 3,200円
◆補足:「賛助会員連絡会」開催のご案内
講演会終了後15:00より、講演会に参加頂いた賛助会員の皆様を対象に、同会場
にて連絡会を開催いたします。
理事長をはじめ協会からのご報告と意見交換会、賛助会員の方の糖質制限食推進
に関するご活動のミニ発表会などを予定しております。
・賛助会員(3/30現在)限定の会合です。あしからずご了承ください。
・16:30頃終了予定です。
・賛助会員の方で連絡会のみの参加をご希望の場合は、参加費300円を頂戴致します。
◆お支払い方法:クレジットカード/銀行振込/郵便振替 ※事前決済のみとなります。
◆お申し込み方法:
・賛助会員の方
事務局までメールにてお申し込み下さい。
・賛助会員入会をご希望の方
1.入会案内および会員規約をお読み下さい。
http://toushitsuseigen.or.jp/member.html
2.お申し込みはこちらのフォームからお願いします。
http://toushitsuseigen.or.jp/contact.php
「お問い合せ内容」欄に「3/30講演会、受講希望」とご記入下さい。
・一般(非会員)で、講演会の受講のみご希望の方
こちらのフォームよりお申し込み下さい。
https://ssl.form-mailer.jp/fms/9cbd1ef7287071
◆お申し込みの流れ:
1.会員の方はメールにて、会員以外の方は各種フォームにてご連絡下さい。
2.事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3.入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4.当日、直接会場までお越し下さい。
◆その他:
・予約制です。当日参加はできません。
・キャンセルは3月26日(水)までにお願い致します。
それ以降の返金には対応致しかねますので予めご了承ください。
【賛助会員の皆様へ:連絡会内ミニ発表会・発表者募集のご案内 】
お住まいの地域での糖質制限に関するサークル活動、勉強会、ネットを通して
情報発信・・etc, 糖質制限食の普及推進のご活動をしていらっしゃる方、
日頃のお取り組みをこの機会にご報告・PRいただけませんか。
発表をご希望いただける方は、事務局までメールにてお知らせください。
※3月9日(日)までにご連絡ください。
その際に発表予定のご活動の概要をお知らせください。
※1件につき5分~10分程度のご発表時間を想定しておりますが、件数に応じて、
当日の持ち時間を事前にお知らせいたします。
***
消火器内科医 さん
アドバイスありがとうございます。
何故か、禁止ワードでひっかかり、コメントアップできないので、
ブログ記事の下に書き込みました。
実は、アマゾンの自己暗示研究家さんの評をみて、
まずはブログで「糖質制限食実践中に生じうる好ましくない症状・変化について」
をシリーズで、1)~7)まで記事にしました。
その後、医療関係社向け講演会でも、取り上げるようにしています。
今後、「好ましくない症状と変化」について、ご指摘のように、反復して記事にしていきたいと思います。
とりあえずは、読者が、過去記事を検索し易いように、1)~7)まで羅列してみました。
また低血糖が最もこわいので、8)として追加しておきました。
江部康二
2014年02月15日 (土)
【14/02/14 滋賀井上
これまで語られることのなかった糖質制限の副作用情報の開示と対処が必要
アマソンの糖尿病治療のための! 糖質制限食パーフェクトガイド のレビューをご存知でしょうか?
http://www.amazon.co.jp/product-reviews/4492045058/ref=cm_cr_dp_text?ie=UTF8&showViewpoints=0&sortBy=byRankDescending#R24U2N9VKIC7EL
By 自己暗示研究家様からの投稿です。
私もとても気になっています。
私も便秘がひどいです。
いつも、おなかが張った状態です。
コメントあれば、お願いします。
井上 】
こんばんは。
糖質制限食を実践中に生じうる好ましくない症状・変化について、滋賀井上さんから、コメントをいただきました。
2014年3月9日(日)の医療関係者向け講演会でも
「糖質制限食実践中に生じうる好ましくない症状・変化について」
の項目を設けて、詳しく解説します。
2013年12月8日(日)の医療関係者向け東京講演でも、同様にお話ししました。
本ブログ記事においても、
「糖質制限食実践中に生じうる好ましくない症状・変化について」1)~7)
まで、記事で公開していますので、ご参照いただけば幸いです。
2013年10月22日 (火)
糖質制限食実践中に生じることがある好ましくない症状について(1)
「全身倦怠感など」
2013年10月23日 (水)
糖質制限食実践中に生じることがある好ましくない症状について(2)
「こむら返り」
2013年11月01日 (金)
糖質制限食実践中生じることがある好ましくない症状・変化(3)
「高尿酸血症」
2013年11月02日 (土)
糖質制限食実践中生じることがある好ましくない症状・変化(4)
「高LDL血症」
2013年11月03日 (日)
糖質制限食実践中生じることがある好ましくない症状・変化(5)
「摂取エネルギー不足によって生じうる症状」
2013年11月12日 (火)
糖質制限食実践中に生じることがある好ましくない症状・変化(6)
「便秘について」
2013年11月16日 (土)
糖質制限食実践中に生じることがある好ましくない症状・変化について(7)
「高血糖の記憶」
糖質制限食実践中に生じることがある好ましくない症状・変化について(8)
SU剤、即効型インスリン分泌促進剤、インスリン注射をしている場合は低血糖注意。
SU剤、即効型インスリン分泌促進剤はスーパー糖質制限食なら中止。
インスリンはスーパー糖質制限食なら、1/3~1/4以下に減量。
江部康二
これまで語られることのなかった糖質制限の副作用情報の開示と対処が必要
アマソンの糖尿病治療のための! 糖質制限食パーフェクトガイド のレビューをご存知でしょうか?
http://www.amazon.co.jp/product-reviews/4492045058/ref=cm_cr_dp_text?ie=UTF8&showViewpoints=0&sortBy=byRankDescending#R24U2N9VKIC7EL
By 自己暗示研究家様からの投稿です。
私もとても気になっています。
私も便秘がひどいです。
いつも、おなかが張った状態です。
コメントあれば、お願いします。
井上 】
こんばんは。
糖質制限食を実践中に生じうる好ましくない症状・変化について、滋賀井上さんから、コメントをいただきました。
2014年3月9日(日)の医療関係者向け講演会でも
「糖質制限食実践中に生じうる好ましくない症状・変化について」
の項目を設けて、詳しく解説します。
2013年12月8日(日)の医療関係者向け東京講演でも、同様にお話ししました。
本ブログ記事においても、
「糖質制限食実践中に生じうる好ましくない症状・変化について」1)~7)
まで、記事で公開していますので、ご参照いただけば幸いです。
2013年10月22日 (火)
糖質制限食実践中に生じることがある好ましくない症状について(1)
「全身倦怠感など」
2013年10月23日 (水)
糖質制限食実践中に生じることがある好ましくない症状について(2)
「こむら返り」
2013年11月01日 (金)
糖質制限食実践中生じることがある好ましくない症状・変化(3)
「高尿酸血症」
2013年11月02日 (土)
糖質制限食実践中生じることがある好ましくない症状・変化(4)
「高LDL血症」
2013年11月03日 (日)
糖質制限食実践中生じることがある好ましくない症状・変化(5)
「摂取エネルギー不足によって生じうる症状」
2013年11月12日 (火)
糖質制限食実践中に生じることがある好ましくない症状・変化(6)
「便秘について」
2013年11月16日 (土)
糖質制限食実践中に生じることがある好ましくない症状・変化について(7)
「高血糖の記憶」
糖質制限食実践中に生じることがある好ましくない症状・変化について(8)
SU剤、即効型インスリン分泌促進剤、インスリン注射をしている場合は低血糖注意。
SU剤、即効型インスリン分泌促進剤はスーパー糖質制限食なら中止。
インスリンはスーパー糖質制限食なら、1/3~1/4以下に減量。
江部康二
2014年02月14日 (金)
こんにちは。
3月7日(金)スペインからモリドル社(オリーブオイル)のパトリシアさん、コビデスワイナリーのクリストフさんが来日されます。
そのお二人の提案で、私の行きつけの糖質制限なスペイン料理屋さん「カフェ・ハルディン」にて、オリーブオイルとオリーブの試食会が開催されます。
モリドルの一番搾りエクストラバージンオリーブオイルはもちろん、アルベキーナオリーブの実、ペースト、オリーブ塩を使った料理を、糖質制限な赤ワイン・白ワイン・カバ(スパークリングワイン)・ロゼを飲みながら、試食して頂こうという企画です。
昨年も開催して、大いに盛り上がりました。
今回も、私、江部康二が参加します(^O^)
皆様のお申し込みをお待ち致しております\(^o^)/
江部康二
以下、主催の京都高雄倶楽部からのお知らせです。
【日時】2013 3/7(金)19:00-(予定)
【場所】カフェ ハルディン
京都市右京区鳴滝本町77
http://www008.upp.so-net.ne.jp/cafejardin/
【定員】11名様
【料金】5,500円
・糖質制限スペインワイン代込
・他の飲料はワンドリンク500円
主催:(株)京都高雄倶楽部
協賛:MOLI d'OR ・(一社)日本糖質制限医療推進協会
・予約をご希望の方は、以下のフォームよりお申し込み下さい。
申込みフォーム
https://ssl.form-mailer.jp/fms/5cc3a220287440" target="_blank" title="https://ssl.form-mailer.jp/fms/5cc3a220287440">https://ssl.form-mailer.jp/fms/5cc3a220287440
・3日以内にメールにてご予約成立の有無をご連絡を差し上げます。
・定員になり次第、募集を停止いたします。
※ご注意
江部康二先生のブログコメントからの申込は受け付けておりません。
3月7日(金)スペインからモリドル社(オリーブオイル)のパトリシアさん、コビデスワイナリーのクリストフさんが来日されます。
そのお二人の提案で、私の行きつけの糖質制限なスペイン料理屋さん「カフェ・ハルディン」にて、オリーブオイルとオリーブの試食会が開催されます。
モリドルの一番搾りエクストラバージンオリーブオイルはもちろん、アルベキーナオリーブの実、ペースト、オリーブ塩を使った料理を、糖質制限な赤ワイン・白ワイン・カバ(スパークリングワイン)・ロゼを飲みながら、試食して頂こうという企画です。
昨年も開催して、大いに盛り上がりました。
今回も、私、江部康二が参加します(^O^)
皆様のお申し込みをお待ち致しております\(^o^)/
江部康二
以下、主催の京都高雄倶楽部からのお知らせです。
【日時】2013 3/7(金)19:00-(予定)
【場所】カフェ ハルディン
京都市右京区鳴滝本町77
http://www008.upp.so-net.ne.jp/cafejardin/
【定員】11名様
【料金】5,500円
・糖質制限スペインワイン代込
・他の飲料はワンドリンク500円
主催:(株)京都高雄倶楽部
協賛:MOLI d'OR ・(一社)日本糖質制限医療推進協会
・予約をご希望の方は、以下のフォームよりお申し込み下さい。
申込みフォーム
https://ssl.form-mailer.jp/fms/5cc3a220287440" target="_blank" title="https://ssl.form-mailer.jp/fms/5cc3a220287440">https://ssl.form-mailer.jp/fms/5cc3a220287440
・3日以内にメールにてご予約成立の有無をご連絡を差し上げます。
・定員になり次第、募集を停止いたします。
※ご注意
江部康二先生のブログコメントからの申込は受け付けておりません。
2014年02月14日 (金)
【14/02/14 北九州 三島
医療関係者が実践
北九州市内の大手の総合病院でも、医師が自ら糖質制限を開始。お昼から御飯を削除。
15KG減量に成功、同じ病院の他の医師にも伝播中!
近々、コンタクトを取ってみます。(笑) 】
こんにちは。
北九州 三島さんから
嬉しいお便りです。
総合病院の医師が、糖質制限を開始して、15kgの減量に成功です。
糖質制限食がどんどん広がっていますね。
自分で実践してみたら、すぐにその良さが実感できるし、データもついてきます。
カロリー制限のひもじさやつらさとは無縁の世界です。
反対派の医師は、ほとんどの場合自分は実践せずに、従来の常識のみから観念的に批判しているだけですね。
江部康二
医療関係者が実践
北九州市内の大手の総合病院でも、医師が自ら糖質制限を開始。お昼から御飯を削除。
15KG減量に成功、同じ病院の他の医師にも伝播中!
近々、コンタクトを取ってみます。(笑) 】
こんにちは。
北九州 三島さんから
嬉しいお便りです。
総合病院の医師が、糖質制限を開始して、15kgの減量に成功です。
糖質制限食がどんどん広がっていますね。
自分で実践してみたら、すぐにその良さが実感できるし、データもついてきます。
カロリー制限のひもじさやつらさとは無縁の世界です。
反対派の医師は、ほとんどの場合自分は実践せずに、従来の常識のみから観念的に批判しているだけですね。
江部康二
2014年02月14日 (金)
おはようございます。
京都にて医療関係者向けの講演会を開催します。
臨床における糖質制限食療法の導入について、三部構成で具体的かつ実践的に講義します。
今回は、糖尿病に絞って最新の情報を取り上げてお話します。
米国糖尿病学会が2008年以来5年ぶりに、成人糖尿病患者の食事療法に関する声明(Position Statement on Nutrition Therapy)を改訂しました。(Diabetes Care 2013年10月9日オンライン版)
2013年10月の米国糖尿病学会の栄養療法の声明は画期的なものであり、
全ての糖尿病患者に適した“one-size-fits-all(唯一無二の)”食事パターンは存在しないとの見解を表明しました。
このことは、唯一無二の食事療法を推奨し続けている日本糖尿病学会に対する痛烈な批判となっています。
そして、患者ごとにさまざまな食事パターン〔地中海食,ベジタリアン食,糖質制限食,低脂質食,DASH(Dietary Approaches to Stop Hypertension)食〕が受容可能であるとしています。
糖質制限食もちゃんと認められています。
2013年日本腎臓病学会の糖尿病腎症のガイドラインも蛋白質制限に関して、大きな変化がありました。
そして糖尿病患者さんの血液検査データも豊富に紹介します。
同一摂取カロリーで揃えた「従来の糖尿病食 VS スーパー糖質制限食」の血糖値の日内変動データ比較は圧巻です。
食後高血糖と平均血糖変動幅に関しては、糖質制限食の圧勝で、その差は「月とスッポン」です。
糖尿病合併症を防ぐには、「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」を生じないことが必要不可欠です。
しかしながら糖質を摂取すれば、必ず「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」を生じます。
「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」を生じない、唯一の食事療法が糖質制限食なのです。
すなわち、従来の糖尿病食(高糖質食)では、糖尿病合併症を防ぐことは理論的に不可能なのです。
年間
16000人が糖尿病腎症から透析 → 医療費800億円、
3000人が糖尿病網膜症から失明
3000人が糖尿病足病変から足切断
というのが厳しい現実なのです。
糖尿病合併症を生じさせないために、医療関係者の皆さんには、是非糖質制限食を学びそのエキスパートとなって欲しいと願ってやみません。
第一部と第二部は理事長 江部康二による糖質制限食療法の基礎理論・症例の検討・薬剤の使い方・最新の動向についての講義、
第三部は高雄病院の橋本眞由美管理栄養士による糖質制限給食や栄養指導などの取り組みについての講義です。
江部康二
以下事務局からの案内です。
//////////////////ご案内////////////////////
一般社団法人 日本糖質制限医療推進協会主催
医療関係者向け講演会 京都
「糖尿病治療のための糖質制限食指導」
■日時: 2014年3月9日(日)13:00~ ※受付12:40~
■場所:メルパルク京都 4F 研修室3【藤】
京都市下京区東洞院通七条下ル東塩小路町676番13
アクセス:JR京都駅(烏丸中央口)から徒歩1分
http://www.mielparque.jp/kyoto/access/
■スケジュール:
第一部: 13:00~14:05 「基礎理論」 ※講師A
休憩 14:05~14:15
第二部: 14:15~15:20 「症例検討と薬剤の使い方」 ※講師A
休憩 15:20~15:40
第三部: 15:40~16:50
「高雄病院 糖質制限給食の実際と栄養士の関わり方」※講師B
*講義時間・質疑応答時間について
第一部・第二部は講座各50分、質疑応答各15分
第三部は講座50分、質疑応答20分を予定しております。
■講師
A:江部 康二 医師
(一財)高雄病院 理事長
(一社)日本糖質制限医療推進協会 理事長
B:橋本 眞由美 管理栄養士
(一財)高雄病院 栄養管理部 部長
■対象:医療従事者(医師、歯科医師、薬剤師、看護師、栄養士、鍼灸師など)
■補足:
・「糖尿病治療のための!糖質制限食パーフェクトガイド」(東洋経済新報社)
レベルの内容を予定しておりますので、事前に同著を読んでおいていただく
ことを推奨致します。
・参加頂いた皆様には、映写資料データ(PDF)のCDをお配り致します。
■受講費:
・賛助会員 8,000円
・一般(非会員) 10,000円
■お支払い方法:クレジットカード/銀行振込/郵便振替 ※事前決済のみとなりま
す。
■お申し込み方法
・賛助会員の方
事務局までメールにて以下2点をご記入の上、お申し込み下さい。
①「3/9セミナー、受講希望」のコメント
②医療機関にて従事していらっしゃる職種
・賛助会員入会をご希望の方
1.入会案内および会員規約をお読み下さい。
http://toushitsuseigen.or.jp/member.html
2.入会・受講のお申し込みはこちらのフォームからお願いします。
http://toushitsuseigen.or.jp/contact.php
「お問い合せ内容」欄に以下2点をご記入下さい。
①「3/9セミナー、受講希望」のコメント
②医療機関にて従事していらっしゃる職種
・一般(非会員)で、講演会の受講のみご希望の方
こちらのフォームよりお申し込み下さい。
https://ssl.form-mailer.jp/fms/0625a3b0281969
■お申し込みの流れ
1.会員の方はメールにて、会員以外の方は各種フォームにてご連絡下さい。
2.事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3.入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4.当日、直接会場までお越し下さい。
■その他:
・予約制です。当日参加はできません。
・キャンセルは3月5日(水)までにお願い致します。
それ以降の返金には対応致しかねますので予めご了承ください。
////////////////////////////////////////////////
京都にて医療関係者向けの講演会を開催します。
臨床における糖質制限食療法の導入について、三部構成で具体的かつ実践的に講義します。
今回は、糖尿病に絞って最新の情報を取り上げてお話します。
米国糖尿病学会が2008年以来5年ぶりに、成人糖尿病患者の食事療法に関する声明(Position Statement on Nutrition Therapy)を改訂しました。(Diabetes Care 2013年10月9日オンライン版)
2013年10月の米国糖尿病学会の栄養療法の声明は画期的なものであり、
全ての糖尿病患者に適した“one-size-fits-all(唯一無二の)”食事パターンは存在しないとの見解を表明しました。
このことは、唯一無二の食事療法を推奨し続けている日本糖尿病学会に対する痛烈な批判となっています。
そして、患者ごとにさまざまな食事パターン〔地中海食,ベジタリアン食,糖質制限食,低脂質食,DASH(Dietary Approaches to Stop Hypertension)食〕が受容可能であるとしています。
糖質制限食もちゃんと認められています。
2013年日本腎臓病学会の糖尿病腎症のガイドラインも蛋白質制限に関して、大きな変化がありました。
そして糖尿病患者さんの血液検査データも豊富に紹介します。
同一摂取カロリーで揃えた「従来の糖尿病食 VS スーパー糖質制限食」の血糖値の日内変動データ比較は圧巻です。
食後高血糖と平均血糖変動幅に関しては、糖質制限食の圧勝で、その差は「月とスッポン」です。
糖尿病合併症を防ぐには、「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」を生じないことが必要不可欠です。
しかしながら糖質を摂取すれば、必ず「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」を生じます。
「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」を生じない、唯一の食事療法が糖質制限食なのです。
すなわち、従来の糖尿病食(高糖質食)では、糖尿病合併症を防ぐことは理論的に不可能なのです。
年間
16000人が糖尿病腎症から透析 → 医療費800億円、
3000人が糖尿病網膜症から失明
3000人が糖尿病足病変から足切断
というのが厳しい現実なのです。
糖尿病合併症を生じさせないために、医療関係者の皆さんには、是非糖質制限食を学びそのエキスパートとなって欲しいと願ってやみません。
第一部と第二部は理事長 江部康二による糖質制限食療法の基礎理論・症例の検討・薬剤の使い方・最新の動向についての講義、
第三部は高雄病院の橋本眞由美管理栄養士による糖質制限給食や栄養指導などの取り組みについての講義です。
江部康二
以下事務局からの案内です。
//////////////////ご案内////////////////////
一般社団法人 日本糖質制限医療推進協会主催
医療関係者向け講演会 京都
「糖尿病治療のための糖質制限食指導」
■日時: 2014年3月9日(日)13:00~ ※受付12:40~
■場所:メルパルク京都 4F 研修室3【藤】
京都市下京区東洞院通七条下ル東塩小路町676番13
アクセス:JR京都駅(烏丸中央口)から徒歩1分
http://www.mielparque.jp/kyoto/access/
■スケジュール:
第一部: 13:00~14:05 「基礎理論」 ※講師A
休憩 14:05~14:15
第二部: 14:15~15:20 「症例検討と薬剤の使い方」 ※講師A
休憩 15:20~15:40
第三部: 15:40~16:50
「高雄病院 糖質制限給食の実際と栄養士の関わり方」※講師B
*講義時間・質疑応答時間について
第一部・第二部は講座各50分、質疑応答各15分
第三部は講座50分、質疑応答20分を予定しております。
■講師
A:江部 康二 医師
(一財)高雄病院 理事長
(一社)日本糖質制限医療推進協会 理事長
B:橋本 眞由美 管理栄養士
(一財)高雄病院 栄養管理部 部長
■対象:医療従事者(医師、歯科医師、薬剤師、看護師、栄養士、鍼灸師など)
■補足:
・「糖尿病治療のための!糖質制限食パーフェクトガイド」(東洋経済新報社)
レベルの内容を予定しておりますので、事前に同著を読んでおいていただく
ことを推奨致します。
・参加頂いた皆様には、映写資料データ(PDF)のCDをお配り致します。
■受講費:
・賛助会員 8,000円
・一般(非会員) 10,000円
■お支払い方法:クレジットカード/銀行振込/郵便振替 ※事前決済のみとなりま
す。
■お申し込み方法
・賛助会員の方
事務局までメールにて以下2点をご記入の上、お申し込み下さい。
①「3/9セミナー、受講希望」のコメント
②医療機関にて従事していらっしゃる職種
・賛助会員入会をご希望の方
1.入会案内および会員規約をお読み下さい。
http://toushitsuseigen.or.jp/member.html
2.入会・受講のお申し込みはこちらのフォームからお願いします。
http://toushitsuseigen.or.jp/contact.php
「お問い合せ内容」欄に以下2点をご記入下さい。
①「3/9セミナー、受講希望」のコメント
②医療機関にて従事していらっしゃる職種
・一般(非会員)で、講演会の受講のみご希望の方
こちらのフォームよりお申し込み下さい。
https://ssl.form-mailer.jp/fms/0625a3b0281969
■お申し込みの流れ
1.会員の方はメールにて、会員以外の方は各種フォームにてご連絡下さい。
2.事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3.入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4.当日、直接会場までお越し下さい。
■その他:
・予約制です。当日参加はできません。
・キャンセルは3月5日(水)までにお願い致します。
それ以降の返金には対応致しかねますので予めご了承ください。
////////////////////////////////////////////////
2014年02月13日 (木)
【14/02/13 ヘルミ
仙台で糖質制限レストランですって?!
江部先生 こんにちは。
仙台在住、大酒のみのヘルミです。
ついに仙台でも糖質制限を掲げたレストランが!!
心強い限りです。お店の名前も教えてほしかったです。
低血糖問題、心配です。みなさんちょっとは勉強して取り組んでくれるといいのですがね。】
ヘルミさん
こんばんは。
お久しぶりです。
ギネスブックもののコレステロール値はその後如何ですか?
何故か禁止ワードに阻まれてコメント欄に回答できないので、記事にしました。
糖質制限食レストラン、私が自分で、ネットで調べてみました。
幸いすぐに見つかりました。
糖質制限食レストラン「オスティナート」です。
仙台市青葉区にあります。
宮城県仙台市青葉区五橋二丁目7-8 朝日プラザ五橋Ⅲ 101号
予約専用電話:022-748-5068
定休日 月・火・水曜日
http://r-ostinato.com/index.html
糖質制限食レストラン
オスティナート
2014年02月13日 (木)
こんにちは。
「宮崎一般向け講演会」のご案内です。
糖質セイゲニストin宮崎 講演会 「カロリー制限から糖質制限へ」
宮崎では、初めての講演会です。
2013年10月の米国糖尿病学会の栄養療法の声明、2013年日本腎臓病学会の糖尿病腎症のガイドラインなど、最新の情報を取り上げて解説します。
例えば、米国糖尿病学会は、糖質制限食を公式に容認しました。
そして糖尿病患者さんの血液検査データも紹介します。
同一摂取カロリーで揃えた「従来の糖尿病食 VS スーパー糖質制限食」
の血糖値の日内変動データ比較は圧巻です。
食後高血糖と平均血糖変動幅に関しては、糖質制限食の圧勝で、その差は「月とスッポン」です。
糖尿病合併症を防ぐには、「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」を生じないことが必要不可欠です。
しかしながら糖質を摂取すれば、必ず「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」を生じます。
「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」を生じない、唯一の食事療法が糖質制限食なのです。
すなわち、従来の糖尿病食(高糖質食)では、糖尿病合併症を防ぐことは理論的に不可能なのです。
年間
16000人が糖尿病腎症から透析、
3000人が糖尿病網膜症から失明、
3000人が糖尿病足病変から足切断、
というのが厳しい現実なのです。
糖尿病以外にも、ガンや生活習慣病のお話しもします。
糖質制限食とその可能性についてもお話しします。
糖質制限食は人類本来の食事であり、人類の健康食と言えます。
生活習慣病とされる多くの疾患が、実は糖質過剰摂取病なのです。
人類の身体は、700万年間の狩猟・採集時代で完成されました。
すなわち糖質制限食に適合するように創られました。
農耕開始して穀物を食べ始めたのは、わずか10000年間に過ぎません。
人類の身体のシステムは、穀物を50~60%も摂取するようにはできていないのです。
宮崎の皆さん、わかりやすいお話しを心掛けますので是非、ご参加くださいね。
そうそう、「糖質セイゲニストin北九州」世話人、三島塾代表の三島学氏のお話もあります。
受験生と糖質制限食と偏差値のお話しとか大変興味深い演題となると思います。
私もおおいに楽しみにしています。
江部康二
以下、一般社団法人日本糖質制限医療推進協会事務局からのお知らせです。
***************************
宮崎にて一般向けの講演会を協賛いたします。
//////////////////ご案内////////////////////
一般社団法人日本糖質制限医療推進協会 協賛イベント
糖質セイゲニストin宮崎 講演会
「カロリー制限から糖質制限へ」
宮崎にて、当協会理事長 江部康二が講師を務める講演会が開催されます。
シーガイア近くのレストラン「バルカドーロ」特製の低糖質なお弁当でランチタイムをお過ごし頂いた後、「糖質セイゲニストin北九州」世話人の三島学さんのお話、理事長の講演と続きます。
温暖なリゾート地、宮崎・シーガイアでの糖質制限食講演会です。
◆日時:2014年2月23日(日)12:00~16:00頃まで ※11:00開場
◆場所:フェニックス・シーガイア・リゾート コテージヒムカ ひむかルーム2F
〒880-8545 宮崎県宮崎市大字塩路字浜山3083番地
http://www.seagaia.co.jp/japanese/access/seagaiamap.html
◆講師:
・江部 康二 (一財)高雄病院 理事長、(一社)日本糖質制限医療推進協会 理事長
・三島 学 氏 三島塾代表、「糖質セイゲニストin北九州」世話人
◆参加費:お1人様 3,300円(バルカドーロ鍋倉シェフ特製ローカーボ弁当付き)
◆お申し込み・お問い合わせ:
レストランバルカドーロ(Tel:0985-25-0733)へご連絡ください。
「宮崎一般向け講演会」のご案内です。
糖質セイゲニストin宮崎 講演会 「カロリー制限から糖質制限へ」
宮崎では、初めての講演会です。
2013年10月の米国糖尿病学会の栄養療法の声明、2013年日本腎臓病学会の糖尿病腎症のガイドラインなど、最新の情報を取り上げて解説します。
例えば、米国糖尿病学会は、糖質制限食を公式に容認しました。
そして糖尿病患者さんの血液検査データも紹介します。
同一摂取カロリーで揃えた「従来の糖尿病食 VS スーパー糖質制限食」
の血糖値の日内変動データ比較は圧巻です。
食後高血糖と平均血糖変動幅に関しては、糖質制限食の圧勝で、その差は「月とスッポン」です。
糖尿病合併症を防ぐには、「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」を生じないことが必要不可欠です。
しかしながら糖質を摂取すれば、必ず「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」を生じます。
「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」を生じない、唯一の食事療法が糖質制限食なのです。
すなわち、従来の糖尿病食(高糖質食)では、糖尿病合併症を防ぐことは理論的に不可能なのです。
年間
16000人が糖尿病腎症から透析、
3000人が糖尿病網膜症から失明、
3000人が糖尿病足病変から足切断、
というのが厳しい現実なのです。
糖尿病以外にも、ガンや生活習慣病のお話しもします。
糖質制限食とその可能性についてもお話しします。
糖質制限食は人類本来の食事であり、人類の健康食と言えます。
生活習慣病とされる多くの疾患が、実は糖質過剰摂取病なのです。
人類の身体は、700万年間の狩猟・採集時代で完成されました。
すなわち糖質制限食に適合するように創られました。
農耕開始して穀物を食べ始めたのは、わずか10000年間に過ぎません。
人類の身体のシステムは、穀物を50~60%も摂取するようにはできていないのです。
宮崎の皆さん、わかりやすいお話しを心掛けますので是非、ご参加くださいね。
そうそう、「糖質セイゲニストin北九州」世話人、三島塾代表の三島学氏のお話もあります。
受験生と糖質制限食と偏差値のお話しとか大変興味深い演題となると思います。
私もおおいに楽しみにしています。
江部康二
以下、一般社団法人日本糖質制限医療推進協会事務局からのお知らせです。
***************************
宮崎にて一般向けの講演会を協賛いたします。
//////////////////ご案内////////////////////
一般社団法人日本糖質制限医療推進協会 協賛イベント
糖質セイゲニストin宮崎 講演会
「カロリー制限から糖質制限へ」
宮崎にて、当協会理事長 江部康二が講師を務める講演会が開催されます。
シーガイア近くのレストラン「バルカドーロ」特製の低糖質なお弁当でランチタイムをお過ごし頂いた後、「糖質セイゲニストin北九州」世話人の三島学さんのお話、理事長の講演と続きます。
温暖なリゾート地、宮崎・シーガイアでの糖質制限食講演会です。
◆日時:2014年2月23日(日)12:00~16:00頃まで ※11:00開場
◆場所:フェニックス・シーガイア・リゾート コテージヒムカ ひむかルーム2F
〒880-8545 宮崎県宮崎市大字塩路字浜山3083番地
http://www.seagaia.co.jp/japanese/access/seagaiamap.html
◆講師:
・江部 康二 (一財)高雄病院 理事長、(一社)日本糖質制限医療推進協会 理事長
・三島 学 氏 三島塾代表、「糖質セイゲニストin北九州」世話人
◆参加費:お1人様 3,300円(バルカドーロ鍋倉シェフ特製ローカーボ弁当付き)
◆お申し込み・お問い合わせ:
レストランバルカドーロ(Tel:0985-25-0733)へご連絡ください。
2014年02月12日 (水)
オスティナートさん。
拙著のご購入ありがとうございます。
「糖質制限食パーフェクトガイド」が愛読書とは嬉しいです。
2012/6:HbA1C8.2%
2014/2:HbA1C5.4%
薬、一切なしで、見事な改善です。
素晴らしい成果です。
仙台市で糖質制限専門イタリアンレストランをリニューアルオープンとは素敵です。 (^_^)
一方、インスリン注射や経口血糖降下薬を内服中の糖尿人で、糖質制限食で低血糖を起こされた方がおられるとのこと、ご苦労のほどお察し申し上げます。
患者さんが、薬の名前も効能も知らないことも含めて、何と言っても、医師の説明不足が問題ですね。
少なくとも、速効型インスリン分泌促進剤とSU剤においては、医師は低血糖の副作用のことを説明する義務があると思います。
インスリン注射の方は、糖質制限食なら、いつも普通に糖質を食べているときの単位の1/3~1/4の量にするのが安全です。
SU薬(アマリール、グリミクロン、オイグルコンなど)
α-GI薬(グルコバイ、ベイスン、セイブルなど)
SGLT2阻害薬(新発売、スーグラなど)
は、スーパー糖質制限食の摂取前は休薬でよいと思います。
DPP-4阻害薬、メトグルコ、アクトスなどは、そのまま内服して大丈夫です。
それから仙台の糖質制限食に理解のある医師ですが、橋本雄二先生に相談されては如何でしょう。
〒980-0822
仙台市青葉区立町27-26
橋本クリニック 橋本雄二先生
tel 022-222-8666
江部康二
【14/02/11 オスティナート
経口血糖降下薬の使用について
江部先生初めまして
ペンネームにしました、オスティナートとはイタリア語で頑固者を意味します。
先生のお好きな音楽では、あるパターンを執拗に繰り返すという音楽技法です。
私は糖質制限食に出合い、執拗に、頑固にスーパー糖質制限食を続けています。
その意味で私は、オスティナート糖質制限食なのでしょうか。
私の職業は料理人で、自分自身2012/6に糖尿病が発症しHbA1C8.2でした。
そこで、江部先生の著書を拝見し、糖質制限食に出合いました。
現在数値は2014/2で、HbA1C5.4を薬もインスリンもなしで、1年8ヶ月以上維持しています。
なお、今は糖質制限食パーフェクトガイドが愛読書です。
東北の地方都市にある私のレストランは、これを機会に糖質制限食専門のレストランとしてリニューアルオープンしました。
ところが、問題が起きています。それはレストランで糖質制限食を糖質量20g以下で提供しているため、 いつも通りに薬またはインスリンを注射して、低血糖になるお客様がたまにいらっしゃるということです。
(インスリン注射を打ち、コース料理を召し上がり、そして2時間後に血糖値55mgという低血糖を起こされたお客様がいらっしゃいました。)
そのため、予約をお受けするときにSU剤を服用されているか、またインスリンを注射しているかをお伺いしています。
ところがインスリン注射は別として、自分が飲んでいる薬の名前も、薬の効能も知らない人がほとんどのようです。
自分が飲んでいる薬をほとんど把握してない事実には驚くばかりです。
処方している医師も、患者さんにあまり説明していないようで、大いに問題があります。
また医師任せにしている患者さんにも問題があると思います。
お食事にきて下さる方が、SU剤、即効性血糖降下剤などを服用される限り、私のような料理人から、薬剤の中止、 または減薬の指示をすることもできず困っています。
かといって糖質制限反対派、又は無関心派、の医師がほとんどの地方都市(東北仙台)では、 医師に相談もできず困っている糖尿病患者がほとんどです。
関東・関西など、中央でご活躍されている、糖質制限推進派の先生方にも、いろいろお考えがあるとは思います。
ただ、糖質制限に無関心な医師たちにより薬剤使用の乱用が行われていることも確かです。
私料理人の立場からも、薩長連合とは言いませんが、早く一つの団体をつくり、 また糖質制限食に関する、最低の基準(ルール)を作り、糖質制限にご理解のある医師を全国及び地方都市にも増やしていただきたいと思います。
去年のクリスマスイブこと、以前高雄病院にいたという、素敵な女性(スズキサマ)がご来店されました。
そして、江部先生のことを康先生と懐かしそうに、私に紹介してくださいました。
先生にはまだお会いしたことはありませんが、優しいお人柄を感じさせて頂きました。】
拙著のご購入ありがとうございます。
「糖質制限食パーフェクトガイド」が愛読書とは嬉しいです。
2012/6:HbA1C8.2%
2014/2:HbA1C5.4%
薬、一切なしで、見事な改善です。
素晴らしい成果です。
仙台市で糖質制限専門イタリアンレストランをリニューアルオープンとは素敵です。 (^_^)
一方、インスリン注射や経口血糖降下薬を内服中の糖尿人で、糖質制限食で低血糖を起こされた方がおられるとのこと、ご苦労のほどお察し申し上げます。
患者さんが、薬の名前も効能も知らないことも含めて、何と言っても、医師の説明不足が問題ですね。
少なくとも、速効型インスリン分泌促進剤とSU剤においては、医師は低血糖の副作用のことを説明する義務があると思います。
インスリン注射の方は、糖質制限食なら、いつも普通に糖質を食べているときの単位の1/3~1/4の量にするのが安全です。
SU薬(アマリール、グリミクロン、オイグルコンなど)
α-GI薬(グルコバイ、ベイスン、セイブルなど)
SGLT2阻害薬(新発売、スーグラなど)
は、スーパー糖質制限食の摂取前は休薬でよいと思います。
DPP-4阻害薬、メトグルコ、アクトスなどは、そのまま内服して大丈夫です。
それから仙台の糖質制限食に理解のある医師ですが、橋本雄二先生に相談されては如何でしょう。
〒980-0822
仙台市青葉区立町27-26
橋本クリニック 橋本雄二先生
tel 022-222-8666
江部康二
【14/02/11 オスティナート
経口血糖降下薬の使用について
江部先生初めまして
ペンネームにしました、オスティナートとはイタリア語で頑固者を意味します。
先生のお好きな音楽では、あるパターンを執拗に繰り返すという音楽技法です。
私は糖質制限食に出合い、執拗に、頑固にスーパー糖質制限食を続けています。
その意味で私は、オスティナート糖質制限食なのでしょうか。
私の職業は料理人で、自分自身2012/6に糖尿病が発症しHbA1C8.2でした。
そこで、江部先生の著書を拝見し、糖質制限食に出合いました。
現在数値は2014/2で、HbA1C5.4を薬もインスリンもなしで、1年8ヶ月以上維持しています。
なお、今は糖質制限食パーフェクトガイドが愛読書です。
東北の地方都市にある私のレストランは、これを機会に糖質制限食専門のレストランとしてリニューアルオープンしました。
ところが、問題が起きています。それはレストランで糖質制限食を糖質量20g以下で提供しているため、 いつも通りに薬またはインスリンを注射して、低血糖になるお客様がたまにいらっしゃるということです。
(インスリン注射を打ち、コース料理を召し上がり、そして2時間後に血糖値55mgという低血糖を起こされたお客様がいらっしゃいました。)
そのため、予約をお受けするときにSU剤を服用されているか、またインスリンを注射しているかをお伺いしています。
ところがインスリン注射は別として、自分が飲んでいる薬の名前も、薬の効能も知らない人がほとんどのようです。
自分が飲んでいる薬をほとんど把握してない事実には驚くばかりです。
処方している医師も、患者さんにあまり説明していないようで、大いに問題があります。
また医師任せにしている患者さんにも問題があると思います。
お食事にきて下さる方が、SU剤、即効性血糖降下剤などを服用される限り、私のような料理人から、薬剤の中止、 または減薬の指示をすることもできず困っています。
かといって糖質制限反対派、又は無関心派、の医師がほとんどの地方都市(東北仙台)では、 医師に相談もできず困っている糖尿病患者がほとんどです。
関東・関西など、中央でご活躍されている、糖質制限推進派の先生方にも、いろいろお考えがあるとは思います。
ただ、糖質制限に無関心な医師たちにより薬剤使用の乱用が行われていることも確かです。
私料理人の立場からも、薩長連合とは言いませんが、早く一つの団体をつくり、 また糖質制限食に関する、最低の基準(ルール)を作り、糖質制限にご理解のある医師を全国及び地方都市にも増やしていただきたいと思います。
去年のクリスマスイブこと、以前高雄病院にいたという、素敵な女性(スズキサマ)がご来店されました。
そして、江部先生のことを康先生と懐かしそうに、私に紹介してくださいました。
先生にはまだお会いしたことはありませんが、優しいお人柄を感じさせて頂きました。】
2014年02月11日 (火)
こんにちは。
小児科医の岡田清春先生から、
「SU剤内服やインスリン注射などの治療をしている糖尿人が糖質制限食を実践するときの注意喚起をして欲しい」
とのメッセージを頂きました。
最近、とみに糖質制限食が普及してきています。
それに伴い、主治医に内緒で、患者さんが自分で勝手に糖質制限食を実践したら、場合により低血糖を生じることがあり得ます。
このとき、糖質制限食反対派の医師が主治医であれば、
「糖質制限食自体が危険」
「学会が推奨しない食事療法をするから低血糖になった」
などと患者さんや家族に、一方的・短絡的に説明する可能性があります。
実際には、インスリン注射・SU剤・即効型インスリン分泌促進剤など、インスリンが関与する治療を受けている場合は、減薬や休薬をせずに、スーパー糖質制限食を実践すれば、低血糖の可能性があるので、厳重な注意(休薬や減薬)が必要ということです。
スーパー糖質制限食なら、食後血糖値の上昇は、少ないのでそもそもSU剤・即効型インスリン分泌促進剤は休薬できます。
インスリン注射単位も1/3~1/4以下になり、中止できる糖尿人もいます。
「スーパー糖質制限食」+「休薬・減薬」で、血糖コントロールは良好となります。
血糖値を上昇させるのは、<糖質・脂質・タンパク質>のうち糖質だけなので、糖質を制限すれば、リアルタイムに食後高血糖が改善します。
つまりスーパー糖質制限食実践時には、インスリン注射・SU剤・即効型インスリン分泌促進剤などの薬物は、必ず休薬するか減薬しないといけないわけです。
糖質制限食普及に伴い、北海道から沖縄まで、糖質制限食賛成派の医師が増えてきています。
糖尿病で薬物療法を受けている糖尿人は、必ず医師と相談して、安全に糖質制限食を実践していただきたいと思います。
なおSU剤は、食後高血糖は防がず、空腹時低血糖を生じる可能性が高い、百害あって一利なしの薬物なので、使用禁止にすべきだと思います。
江部康二
☆☆☆岡田清春先生のメッセージ
『イノベータ理論』
じつは私もSU剤を飲んでいたり、カーボカウントをせず、インスリン注射をしている糖尿病の方が、主治医に黙って、(前に糖質制限と言って怒られたから?)休薬や減量せずに糖質制限を始めて重篤な低血糖を起こし、それを診た主治医が危険であると言って禁止したのに、糖質制限をしたからこうなったと診断され、患者や家族に説明される危険性を感じています。
イノベータ理論というのがあります。長いですがコピペします。
1,イノベーター(Innovators:革新者):
冒険心にあふれ、新しいものを進んで採用する人。市場全体の2.5%。
アーリーアダプター(Early Adopters:初期採用者):
流行に敏感で、情報収集を自ら行い、判断する人。
他の消費層への影響力が大きく、オピニオンリーダーとも呼ばれる。
市場全体の13.5%。
アーリーマジョリティ(Early Majority:前期追随者):
比較的慎重派な人。平均より早くに新しいものを取り入れる。
ブリッジピープルとも呼ばれる。
市場全体の34.0%。
レイトマジョリティ(Late Majority:後期追随者):
比較的懐疑的な人。
周囲の大多数が試している場面を見てから同じ選択をする。
フォロワーズとも呼ばれる。市場全体の34.0%。
ラガード(Laggards:遅滞者):
最も保守的な人。流行や世の中の動きに関心が薄い。
イノベーションが伝統になるまで採用しない。
伝統主義者とも訳される。
市場全体の16.0%。
糖質制限は現在アーリーアダプター段階からアーリーマジョリティ段階に入ったと思われます。
「情報収集を自ら行」わない人が糖質制限を始める段階かと思われます。
この段階では、より一層の注意喚起が必要だと思われます。
【糖質制限食を実践される時のご注意】 は先生の著書の扉ページに赤で書いてもいいくらいだと思います。
特にSU剤を飲んでいる人はSU剤をやめずに糖質制限をすると危険であることは念を押しすぎてもおしすぎることはないかと考えます。
レイトマジョリティ段階になると自分の飲んでいる薬の作用機序どころか、名前の知らないひとが、糖質制限を始めるでしょう。
糖質制限が普及していくなかで、必須のリスク管理だと思います。
小児科医の岡田清春先生から、
「SU剤内服やインスリン注射などの治療をしている糖尿人が糖質制限食を実践するときの注意喚起をして欲しい」
とのメッセージを頂きました。
最近、とみに糖質制限食が普及してきています。
それに伴い、主治医に内緒で、患者さんが自分で勝手に糖質制限食を実践したら、場合により低血糖を生じることがあり得ます。
このとき、糖質制限食反対派の医師が主治医であれば、
「糖質制限食自体が危険」
「学会が推奨しない食事療法をするから低血糖になった」
などと患者さんや家族に、一方的・短絡的に説明する可能性があります。
実際には、インスリン注射・SU剤・即効型インスリン分泌促進剤など、インスリンが関与する治療を受けている場合は、減薬や休薬をせずに、スーパー糖質制限食を実践すれば、低血糖の可能性があるので、厳重な注意(休薬や減薬)が必要ということです。
スーパー糖質制限食なら、食後血糖値の上昇は、少ないのでそもそもSU剤・即効型インスリン分泌促進剤は休薬できます。
インスリン注射単位も1/3~1/4以下になり、中止できる糖尿人もいます。
「スーパー糖質制限食」+「休薬・減薬」で、血糖コントロールは良好となります。
血糖値を上昇させるのは、<糖質・脂質・タンパク質>のうち糖質だけなので、糖質を制限すれば、リアルタイムに食後高血糖が改善します。
つまりスーパー糖質制限食実践時には、インスリン注射・SU剤・即効型インスリン分泌促進剤などの薬物は、必ず休薬するか減薬しないといけないわけです。
糖質制限食普及に伴い、北海道から沖縄まで、糖質制限食賛成派の医師が増えてきています。
糖尿病で薬物療法を受けている糖尿人は、必ず医師と相談して、安全に糖質制限食を実践していただきたいと思います。
なおSU剤は、食後高血糖は防がず、空腹時低血糖を生じる可能性が高い、百害あって一利なしの薬物なので、使用禁止にすべきだと思います。
江部康二
☆☆☆岡田清春先生のメッセージ
『イノベータ理論』
じつは私もSU剤を飲んでいたり、カーボカウントをせず、インスリン注射をしている糖尿病の方が、主治医に黙って、(前に糖質制限と言って怒られたから?)休薬や減量せずに糖質制限を始めて重篤な低血糖を起こし、それを診た主治医が危険であると言って禁止したのに、糖質制限をしたからこうなったと診断され、患者や家族に説明される危険性を感じています。
イノベータ理論というのがあります。長いですがコピペします。
1,イノベーター(Innovators:革新者):
冒険心にあふれ、新しいものを進んで採用する人。市場全体の2.5%。
アーリーアダプター(Early Adopters:初期採用者):
流行に敏感で、情報収集を自ら行い、判断する人。
他の消費層への影響力が大きく、オピニオンリーダーとも呼ばれる。
市場全体の13.5%。
アーリーマジョリティ(Early Majority:前期追随者):
比較的慎重派な人。平均より早くに新しいものを取り入れる。
ブリッジピープルとも呼ばれる。
市場全体の34.0%。
レイトマジョリティ(Late Majority:後期追随者):
比較的懐疑的な人。
周囲の大多数が試している場面を見てから同じ選択をする。
フォロワーズとも呼ばれる。市場全体の34.0%。
ラガード(Laggards:遅滞者):
最も保守的な人。流行や世の中の動きに関心が薄い。
イノベーションが伝統になるまで採用しない。
伝統主義者とも訳される。
市場全体の16.0%。
糖質制限は現在アーリーアダプター段階からアーリーマジョリティ段階に入ったと思われます。
「情報収集を自ら行」わない人が糖質制限を始める段階かと思われます。
この段階では、より一層の注意喚起が必要だと思われます。
【糖質制限食を実践される時のご注意】 は先生の著書の扉ページに赤で書いてもいいくらいだと思います。
特にSU剤を飲んでいる人はSU剤をやめずに糖質制限をすると危険であることは念を押しすぎてもおしすぎることはないかと考えます。
レイトマジョリティ段階になると自分の飲んでいる薬の作用機序どころか、名前の知らないひとが、糖質制限を始めるでしょう。
糖質制限が普及していくなかで、必須のリスク管理だと思います。
2014年02月10日 (月)
こんにちは。
何度か紹介した、あらてつさんの糖質制限ドットコムで販売している、モリドルオリーブオイル、昨年入荷分は全て売り切れて、入荷待ちの状態でした。
昨日、今年の初搾りが入荷したとのことで、やっと購入できます(^O^)
オリーブオイル業界、聞くところによるといろいろと複雑で、「エクストラヴァージンオリーブオイル」といいながら、そうでないものがかなりの割合で流通しているそうです。
ですがこのモリドルオリーブオイルは、あらてつさんが直接工場まで行って「冷温圧搾・無濾過・無添加・混ざりっけ無しのエクストラヴァージンオリーブオイル」であることを確認してきました。
あらてつさん、知っている人は知っている「かなりうるさい男」ですので、工場を隅から隅まで調べて現地の人たちに嫌がられてきたことは、想像に難くありません。
スペインでも「うるさいぶり」を遺憾なく発揮してきたあらてつさん太鼓判のモリドルオリーブオイル、私もこのブログをご覧の糖尿人、メタボ人、ダイエッターの皆さんにお勧め致します。
以下、あらてつさんからの案内です。
江部康二
オリーブオイルの本場スペインより、初搾りエクストラバージンオリーブオイルが入荷しました。
昨年、スペインから直輸入してあっという間に完売となりました、モリドルエクストラバージンオリーブオイル、今回、初搾りエクストラバージンオリーブオイルが入荷しましたのでご案内です。
Primera extracción en frío(初搾りエクストラバージンオリーブオイル)発売開始!
オリーブオイル百年の伝統のあるシウラナ地方(スペイン北東部、カタルーニャ地方)から、初摘、初搾りのオリーブオイルが入荷しました。
年に一回、この時期だけしか販売されない大変貴重なオリーブオイルです。
Primera extracción en frío オリーブオイルは、収穫したてのオリーブを風味が損なわれないように冷温圧搾し、濾過せずそのまま瓶詰します。
なので一般的なオリーブオイルよりも色合いが濃く、オリーブ本来の香りや味わいをストレートにお楽しみいただけます。
一年を通して、今だけしか出てこない貴重なオリーブオイルです。
通常のオリーブオイルにない濃厚な味と香りをお楽しみ頂けます。
モリドル社のパトリシアさんからのメッセージを紹介します。
モリ・ドルのエクストラバージン・オリーブオイル
モリ・ドルは、私たちの地域の人々や農作業員が、黄金の液体とも呼ばれるエクストラバージン・オリーブオイルを抽出するために、一年を通じてその大地に施してきた入念な作業と手入れの結晶です。
オイル百年の伝統のあるシウラナ地方(スペイン北東部、カタルーニャ地方)では、最高のシェフや料理批評家から最も高い評価を受けている、アルベキナ種と言うオリーブオイル生産用の品種のみを使用しています。
モリ・ドルのオリーブは、木から直接採取し、フライス(オリーブを碾く作業)は、果実の自然な特性を保持するため、冷温で行われます。その優れた特性と官能特性をそのまま維持するために、モリ・ドルは、フィルタリングされていないエクストラバージン・オリーブオイルとなっています。
この製法によって密度、香り、ボディが保たれている、という、極めて例外的ともいえる評価を受けています。瓶の底に堆積物が沈降することがありますが、健康上全く無害であり、自然由来のものであることの証拠でもあります。
つまり、これは100%純粋な天然オリーブ果汁なのです。
オリーブオイルには、多くの種類と品種があります。しかしその中でも、酸性度を1°未満に保持したものだけが、エクストラバージンと呼ばれる最高ランクのカテゴリとして(EEC規則1513/2001による)最も高い評価を得ることができます。私たちは、モリ·ドルが酸性度を0.3°に抑えてこのカテゴリに入っていることを、誇りに思っています。
オリーブそのものの持つ天然成分によって、このオイルが、抗酸化成分やポリフェノール性化合物を豊富に含んでいるため、酸化を抑えたり、体の諸器官に非常に有益な効果をもたらしたりするということも、忘れてはいけません。
その複雑な香りと味わいは、料理のうま味を引き立たせることができます。フルーティーかつ丸みのある味わいがあり、収斂性が低く、バナナ、イチゴ、リンゴ、クルミ、アーモンドやアーティチョークの熟したような非常にバランスのとれた香りがします。トマトを思わせる懐かしい趣を鼻腔に感じます。そして、非常に表現力のある、すっきりとしたナッツのような後味がします。
料理に使えば、味に力を与え、個性を引き立たせます。生鮮食品(パン、サラダ、野菜など)に使用すれば、より一層の官能特性を感じることができます。オイルを加熱して使用する際も、食品がカリっとした状態で形よく保持し、オイルに含まれている脂肪酸と抗酸化物質が食品に回って安定し、ボリュームが増すことから、高温にもよく対応すると言えます。
これらすべての特性のおかげで、モリ・ドルは、最高レベルのエクストラバージン・オリーブオイルであると同時に、健康的でよく知られている地中海料理を作る際に欠かせない食品の一つとして、認められるようになりました。

数量・期間限定のモリドル初搾りエクストラバージンオリーブオイル
是非皆さんもお試しください。
詳細・ご購入はこちらから
↓ ↓ ↓
モリドル 初摘み・初搾りオリーブオイル
http://www.toushitsuseigen.com/products/detail82.html
何度か紹介した、あらてつさんの糖質制限ドットコムで販売している、モリドルオリーブオイル、昨年入荷分は全て売り切れて、入荷待ちの状態でした。
昨日、今年の初搾りが入荷したとのことで、やっと購入できます(^O^)
オリーブオイル業界、聞くところによるといろいろと複雑で、「エクストラヴァージンオリーブオイル」といいながら、そうでないものがかなりの割合で流通しているそうです。
ですがこのモリドルオリーブオイルは、あらてつさんが直接工場まで行って「冷温圧搾・無濾過・無添加・混ざりっけ無しのエクストラヴァージンオリーブオイル」であることを確認してきました。
あらてつさん、知っている人は知っている「かなりうるさい男」ですので、工場を隅から隅まで調べて現地の人たちに嫌がられてきたことは、想像に難くありません。
スペインでも「うるさいぶり」を遺憾なく発揮してきたあらてつさん太鼓判のモリドルオリーブオイル、私もこのブログをご覧の糖尿人、メタボ人、ダイエッターの皆さんにお勧め致します。
以下、あらてつさんからの案内です。
江部康二
オリーブオイルの本場スペインより、初搾りエクストラバージンオリーブオイルが入荷しました。
昨年、スペインから直輸入してあっという間に完売となりました、モリドルエクストラバージンオリーブオイル、今回、初搾りエクストラバージンオリーブオイルが入荷しましたのでご案内です。
Primera extracción en frío(初搾りエクストラバージンオリーブオイル)発売開始!
オリーブオイル百年の伝統のあるシウラナ地方(スペイン北東部、カタルーニャ地方)から、初摘、初搾りのオリーブオイルが入荷しました。
年に一回、この時期だけしか販売されない大変貴重なオリーブオイルです。
Primera extracción en frío オリーブオイルは、収穫したてのオリーブを風味が損なわれないように冷温圧搾し、濾過せずそのまま瓶詰します。
なので一般的なオリーブオイルよりも色合いが濃く、オリーブ本来の香りや味わいをストレートにお楽しみいただけます。
一年を通して、今だけしか出てこない貴重なオリーブオイルです。
通常のオリーブオイルにない濃厚な味と香りをお楽しみ頂けます。
モリドル社のパトリシアさんからのメッセージを紹介します。
モリ・ドルのエクストラバージン・オリーブオイル
モリ・ドルは、私たちの地域の人々や農作業員が、黄金の液体とも呼ばれるエクストラバージン・オリーブオイルを抽出するために、一年を通じてその大地に施してきた入念な作業と手入れの結晶です。
オイル百年の伝統のあるシウラナ地方(スペイン北東部、カタルーニャ地方)では、最高のシェフや料理批評家から最も高い評価を受けている、アルベキナ種と言うオリーブオイル生産用の品種のみを使用しています。
モリ・ドルのオリーブは、木から直接採取し、フライス(オリーブを碾く作業)は、果実の自然な特性を保持するため、冷温で行われます。その優れた特性と官能特性をそのまま維持するために、モリ・ドルは、フィルタリングされていないエクストラバージン・オリーブオイルとなっています。
この製法によって密度、香り、ボディが保たれている、という、極めて例外的ともいえる評価を受けています。瓶の底に堆積物が沈降することがありますが、健康上全く無害であり、自然由来のものであることの証拠でもあります。
つまり、これは100%純粋な天然オリーブ果汁なのです。
オリーブオイルには、多くの種類と品種があります。しかしその中でも、酸性度を1°未満に保持したものだけが、エクストラバージンと呼ばれる最高ランクのカテゴリとして(EEC規則1513/2001による)最も高い評価を得ることができます。私たちは、モリ·ドルが酸性度を0.3°に抑えてこのカテゴリに入っていることを、誇りに思っています。
オリーブそのものの持つ天然成分によって、このオイルが、抗酸化成分やポリフェノール性化合物を豊富に含んでいるため、酸化を抑えたり、体の諸器官に非常に有益な効果をもたらしたりするということも、忘れてはいけません。
その複雑な香りと味わいは、料理のうま味を引き立たせることができます。フルーティーかつ丸みのある味わいがあり、収斂性が低く、バナナ、イチゴ、リンゴ、クルミ、アーモンドやアーティチョークの熟したような非常にバランスのとれた香りがします。トマトを思わせる懐かしい趣を鼻腔に感じます。そして、非常に表現力のある、すっきりとしたナッツのような後味がします。
料理に使えば、味に力を与え、個性を引き立たせます。生鮮食品(パン、サラダ、野菜など)に使用すれば、より一層の官能特性を感じることができます。オイルを加熱して使用する際も、食品がカリっとした状態で形よく保持し、オイルに含まれている脂肪酸と抗酸化物質が食品に回って安定し、ボリュームが増すことから、高温にもよく対応すると言えます。
これらすべての特性のおかげで、モリ・ドルは、最高レベルのエクストラバージン・オリーブオイルであると同時に、健康的でよく知られている地中海料理を作る際に欠かせない食品の一つとして、認められるようになりました。

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糖質制限食・ダイエット食の通信販売|糖質制限ドットコム
糖質制限ドットコムは、糖質制限食の第一人者、高雄病院、江部康二先生監修による糖質オフな食材を販売、糖質制限食に取り組む皆様をサポートします。
2014年02月09日 (日)
こんばんは。
スーグラ(SGLT2阻害薬)が、厚労省の薬食審医薬品第一部会において、2014年1月17日に認可されました。薬価収載は、2014年4月の予定です。
精神科医師Aさん、情報をありがとうございます。
SGLT2阻害薬に関しては、以前精神科医師Aさんから、京大の稲垣先生が日経メディカルに解説しておられた記事をコメントいただきました。よくまとまっているので、一部転載します。(☆)
SGLT2阻害薬は、ブドウ糖を尿から排泄させるという全く新しい機序の薬品なので、発想はとても面白いと思います。
有効性に関するデータを見ると、SGLT2阻害薬を12~26週間にわたり単独投与すると、HbA1c値はベースラインから最大1.2%程度まで低下。
空腹時血糖値は30~40mg/dL、食後2時間血糖値はおよそ60mg/dL低下です。
また体重減少があるのも興味深いです。
しかし、スーパー糖質制限食なら食後高血糖は生じないので、そもそも必要ない薬です。
もっともスーパー糖質制限食ができない人には選択肢の一つになる可能性はあります。
それから、副作用ですが、尿の中に大量のブドウ糖が排泄されるので、尿路感染とか女性では性器感染症も生じやすくなると思います。
また、ブドウ糖排泄にともない、浸透圧利尿で尿量が増加して脱水になる可能性もあるので、高齢者には注意が必要です。
SGLT2阻害薬内服で、
血中総ケトン体が平均0.3mmol/L(300μmol/L)増加です。
血中総ケトン体の基準値が、「26~122μM/L」ですので結構な上昇ですね。
血液中のブドウ糖を60g(240キロカロリー)尿中に排泄するので、その分脂肪をエネルギー源とするため、
肝臓でのケトン体生成が高まるものと思われます。
スーパー糖質制限食では、食後高血糖が正常血糖になり、肝臓の糖新生があるので低血糖にはなりません。
糖質摂取時に比べたら、糖質制限時は、脂肪を主たるエネルギー源にするので、肝臓でケトン体を生成します。
結果的には、糖質制限食でもSGLT2阻害薬内服でも、血中ケトン体が上昇しますが、インスリン作用があるていど以上あるなら、生理的なもので心配はいりません。
稲垣先生、SGLT2阻害薬内服時のケトン体上昇は「当然の現象」と許容しておられるので、スーパー糖質制限食実践時のケトン体上昇も、「当然の現象」で危険ではないと認識しておられるのでしょうかね。
江部康二
(☆)
日経メディカル2012年8月号特別編集版「糖尿病診療の最新動向」から一部転載
糖を尿中に排泄させる、新機序のSGLT2阻害薬
2012/8/29 満武里奈=日経メディカル別冊
糖尿病治療において、次に登場する新規治療薬として注目されている薬剤の1つがSGLT2阻害薬だ。尿中に糖を積極的に排泄することで、血糖値を減少させる。現在、日本でも複数の開発が進められているSGLT2阻害薬の特徴を紹介する。
京都大学大学院医学研究科糖尿病・栄養内科学教授の稲垣暢也氏
「糖尿病という疾患名は、尿中に糖が出ることに由来しているが、ナトリウム・グルコース共輸送体(sodiumglucosetransporter:SGLT)2阻害薬は“尿中に糖が出ることが悪い”という常識を逆転させて開発された薬剤だ」と、京都大学糖尿病・栄養内科学教授の稲垣暢也氏は説明する。
SGLT2阻害薬は、血液中の過剰な糖を尿中に積極的に排泄させることで血糖値を減少させるという、新しい作用機序を持つ経口薬だ。スルホニル尿素(SU)薬などとは異なり、インスリン分泌に作用しないのも特徴の1つに挙げられる。
投与対象として軽症の肥満例が向く
SGLT2阻害薬は、現在少なくとも8種類の薬剤について開発が進められており、その多くは国内でフェーズ3試験が進行中だ(表1)。単剤投与のほか、従来の糖尿病治療薬との併用療法についても検討が進められている(表2)。
表1●開発中の主なSGLT2阻害薬(稲垣氏による)
(*クリックすると拡大表示されます)
表2●結果が公表されている主なSGLT2阻害薬の臨床試験(稲垣氏による)
(*クリックすると拡大表示されます)
このうち、dapagliflozinには今年に入り欧州で承認勧告が出され、canagliflozinは欧米で承認申請中の段階だ。
臨床試験登録時の患者背景、投与期間、実施地域にばらつきはあるが、「現段階では、安全性・有効性の大まかな傾向は同じと理解して問題ないだろう」(稲垣氏)。
有効性に関するデータを見ると、SGLT2阻害薬を12~26週間にわたり単独投与すると、HbA1c値はベースラインから最大1.2%程度まで低下していた(図2a)。また、空腹時血糖値は30~40mg/dL、食後2時間血糖値はおよそ60mg/dL下がっている。
図2●主なSGLT2阻害薬の単独投与におけるHbA1c値と体重の変化量(稲垣氏による)
(*クリックすると拡大表示されます)
注目されているのは、従来の経口の糖尿病治療薬では得られなかった体重減少が認められる点で(図2b)、一部の薬剤では脂肪量や内臓脂肪量が低下したという報告もある。
では、近い将来SGLT2阻害薬が臨床現場に登場した際、どのような患者に投与することが想定されるのだろうか。稲垣氏は「血糖値を下げるだけでなく、体重減少効果もあるため、比較的軽症の肥満を伴うような患者に向いているのではないか」と語る。
尿路感染症やケトン体に留意
これまでの試験データでは、SGLT2阻害薬の主な副作用は尿路感染症で、発現率は5%前後だ。SGLT2阻害薬によって尿中の糖濃度が高くなり、菌が繁殖しやすい状態になっているためだ。
特に女性では、主にカンジダに起因する性器感染症が見られたが、いずれも投与を中断せずに治療可能な範囲だった。
一般に、糖尿病治療薬で懸念されるのは重篤な低血糖だが、単独投与した際の発現率は対照群との間に有意差は見られなかった。
また、SGLT2阻害薬の投与中に、血中の総ケトン体が平均0.3mmol/L増加したことが報告されており、ケトアシドーシスとの違いを見極めて治療する必要がある。これは、SGLT2阻害薬が1日当たりおよそ400kcalのエネルギーに相当する糖を尿中に捨てていることに起因する現象だ。
低炭水化物ダイエットと似たような状態になるため、脂肪をエネルギー源とする際に、アセチルCoAを経て、最終産物のケトン体が増加する。稲垣氏は「SGLT2阻害薬投与によってケトン体が増加するのは当然の現象だが、インスリン分泌不全患者にSGLT2阻害薬を投与してしまうと、簡単にケトアシドーシスを引き起こすことが想定されるので慎重な観察が必要」と指摘する。
そのほかの注意点として、「SGLT2阻害薬はインスリン分泌やインスリン抵抗性など、糖尿病の根本的な病態を改善する薬剤ではないので、病態によっては既存薬を併用することが必要になる」と、稲垣氏は語る。
一方、多尿について懸念する向きもある。SGLT2阻害薬を服薬すると糖が排泄されるため、浸透圧利尿作用によって尿量が増加し、脱水が起こる可能性が指摘されている。もっとも、服薬開始1~2日に尿量が一時的に増加したという報告はあるが、投与期間中継続して尿量が増加したというデータはない。
「臨床試験では赤血球の濃度を示すヘマトクリット値、ヘモグロビン値が上昇していることから、軽度の脱水が起きている可能性はあり得る」と稲垣氏は指摘する。腎機能が低下している患者、とくに高齢者では、脱水症状を示しやすいため、細心の注意が必要になりそうだ。
稲垣氏は、「これまでにない作用機序の薬剤なので、従来の治療薬とうまく組み合わせて用いると治療効果が高まるのではないか」と、SGLT2阻害薬に期待感を示している。
スーグラ(SGLT2阻害薬)が、厚労省の薬食審医薬品第一部会において、2014年1月17日に認可されました。薬価収載は、2014年4月の予定です。
精神科医師Aさん、情報をありがとうございます。
SGLT2阻害薬に関しては、以前精神科医師Aさんから、京大の稲垣先生が日経メディカルに解説しておられた記事をコメントいただきました。よくまとまっているので、一部転載します。(☆)
SGLT2阻害薬は、ブドウ糖を尿から排泄させるという全く新しい機序の薬品なので、発想はとても面白いと思います。
有効性に関するデータを見ると、SGLT2阻害薬を12~26週間にわたり単独投与すると、HbA1c値はベースラインから最大1.2%程度まで低下。
空腹時血糖値は30~40mg/dL、食後2時間血糖値はおよそ60mg/dL低下です。
また体重減少があるのも興味深いです。
しかし、スーパー糖質制限食なら食後高血糖は生じないので、そもそも必要ない薬です。
もっともスーパー糖質制限食ができない人には選択肢の一つになる可能性はあります。
それから、副作用ですが、尿の中に大量のブドウ糖が排泄されるので、尿路感染とか女性では性器感染症も生じやすくなると思います。
また、ブドウ糖排泄にともない、浸透圧利尿で尿量が増加して脱水になる可能性もあるので、高齢者には注意が必要です。
SGLT2阻害薬内服で、
血中総ケトン体が平均0.3mmol/L(300μmol/L)増加です。
血中総ケトン体の基準値が、「26~122μM/L」ですので結構な上昇ですね。
血液中のブドウ糖を60g(240キロカロリー)尿中に排泄するので、その分脂肪をエネルギー源とするため、
肝臓でのケトン体生成が高まるものと思われます。
スーパー糖質制限食では、食後高血糖が正常血糖になり、肝臓の糖新生があるので低血糖にはなりません。
糖質摂取時に比べたら、糖質制限時は、脂肪を主たるエネルギー源にするので、肝臓でケトン体を生成します。
結果的には、糖質制限食でもSGLT2阻害薬内服でも、血中ケトン体が上昇しますが、インスリン作用があるていど以上あるなら、生理的なもので心配はいりません。
稲垣先生、SGLT2阻害薬内服時のケトン体上昇は「当然の現象」と許容しておられるので、スーパー糖質制限食実践時のケトン体上昇も、「当然の現象」で危険ではないと認識しておられるのでしょうかね。
江部康二
(☆)
日経メディカル2012年8月号特別編集版「糖尿病診療の最新動向」から一部転載
糖を尿中に排泄させる、新機序のSGLT2阻害薬
2012/8/29 満武里奈=日経メディカル別冊
糖尿病治療において、次に登場する新規治療薬として注目されている薬剤の1つがSGLT2阻害薬だ。尿中に糖を積極的に排泄することで、血糖値を減少させる。現在、日本でも複数の開発が進められているSGLT2阻害薬の特徴を紹介する。
京都大学大学院医学研究科糖尿病・栄養内科学教授の稲垣暢也氏
「糖尿病という疾患名は、尿中に糖が出ることに由来しているが、ナトリウム・グルコース共輸送体(sodiumglucosetransporter:SGLT)2阻害薬は“尿中に糖が出ることが悪い”という常識を逆転させて開発された薬剤だ」と、京都大学糖尿病・栄養内科学教授の稲垣暢也氏は説明する。
SGLT2阻害薬は、血液中の過剰な糖を尿中に積極的に排泄させることで血糖値を減少させるという、新しい作用機序を持つ経口薬だ。スルホニル尿素(SU)薬などとは異なり、インスリン分泌に作用しないのも特徴の1つに挙げられる。
投与対象として軽症の肥満例が向く
SGLT2阻害薬は、現在少なくとも8種類の薬剤について開発が進められており、その多くは国内でフェーズ3試験が進行中だ(表1)。単剤投与のほか、従来の糖尿病治療薬との併用療法についても検討が進められている(表2)。
表1●開発中の主なSGLT2阻害薬(稲垣氏による)
(*クリックすると拡大表示されます)
表2●結果が公表されている主なSGLT2阻害薬の臨床試験(稲垣氏による)
(*クリックすると拡大表示されます)
このうち、dapagliflozinには今年に入り欧州で承認勧告が出され、canagliflozinは欧米で承認申請中の段階だ。
臨床試験登録時の患者背景、投与期間、実施地域にばらつきはあるが、「現段階では、安全性・有効性の大まかな傾向は同じと理解して問題ないだろう」(稲垣氏)。
有効性に関するデータを見ると、SGLT2阻害薬を12~26週間にわたり単独投与すると、HbA1c値はベースラインから最大1.2%程度まで低下していた(図2a)。また、空腹時血糖値は30~40mg/dL、食後2時間血糖値はおよそ60mg/dL下がっている。
図2●主なSGLT2阻害薬の単独投与におけるHbA1c値と体重の変化量(稲垣氏による)
(*クリックすると拡大表示されます)
注目されているのは、従来の経口の糖尿病治療薬では得られなかった体重減少が認められる点で(図2b)、一部の薬剤では脂肪量や内臓脂肪量が低下したという報告もある。
では、近い将来SGLT2阻害薬が臨床現場に登場した際、どのような患者に投与することが想定されるのだろうか。稲垣氏は「血糖値を下げるだけでなく、体重減少効果もあるため、比較的軽症の肥満を伴うような患者に向いているのではないか」と語る。
尿路感染症やケトン体に留意
これまでの試験データでは、SGLT2阻害薬の主な副作用は尿路感染症で、発現率は5%前後だ。SGLT2阻害薬によって尿中の糖濃度が高くなり、菌が繁殖しやすい状態になっているためだ。
特に女性では、主にカンジダに起因する性器感染症が見られたが、いずれも投与を中断せずに治療可能な範囲だった。
一般に、糖尿病治療薬で懸念されるのは重篤な低血糖だが、単独投与した際の発現率は対照群との間に有意差は見られなかった。
また、SGLT2阻害薬の投与中に、血中の総ケトン体が平均0.3mmol/L増加したことが報告されており、ケトアシドーシスとの違いを見極めて治療する必要がある。これは、SGLT2阻害薬が1日当たりおよそ400kcalのエネルギーに相当する糖を尿中に捨てていることに起因する現象だ。
低炭水化物ダイエットと似たような状態になるため、脂肪をエネルギー源とする際に、アセチルCoAを経て、最終産物のケトン体が増加する。稲垣氏は「SGLT2阻害薬投与によってケトン体が増加するのは当然の現象だが、インスリン分泌不全患者にSGLT2阻害薬を投与してしまうと、簡単にケトアシドーシスを引き起こすことが想定されるので慎重な観察が必要」と指摘する。
そのほかの注意点として、「SGLT2阻害薬はインスリン分泌やインスリン抵抗性など、糖尿病の根本的な病態を改善する薬剤ではないので、病態によっては既存薬を併用することが必要になる」と、稲垣氏は語る。
一方、多尿について懸念する向きもある。SGLT2阻害薬を服薬すると糖が排泄されるため、浸透圧利尿作用によって尿量が増加し、脱水が起こる可能性が指摘されている。もっとも、服薬開始1~2日に尿量が一時的に増加したという報告はあるが、投与期間中継続して尿量が増加したというデータはない。
「臨床試験では赤血球の濃度を示すヘマトクリット値、ヘモグロビン値が上昇していることから、軽度の脱水が起きている可能性はあり得る」と稲垣氏は指摘する。腎機能が低下している患者、とくに高齢者では、脱水症状を示しやすいため、細心の注意が必要になりそうだ。
稲垣氏は、「これまでにない作用機序の薬剤なので、従来の治療薬とうまく組み合わせて用いると治療効果が高まるのではないか」と、SGLT2阻害薬に期待感を示している。
2014年02月08日 (土)
こんにちは。
2014年1月16日のMT Pro記事
Doctor's Eye 最新論文で考える日常臨床
に、
日本人でも糖質制限食は有効−初のRCT
と題して、
北里研究所病院糖尿病センター長 山田 悟氏の論考が掲載されました。
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/doctoreye/dr140101.html
山田氏自身の論文《日本内科学会の英文誌Intern Med(2014;53:13-19)に掲載》の解説などです。
北里研究所病院糖尿病センター通院中の2型糖尿病患者で、既にカロリー制限食(25~30kcal/kg標準体重)の指導を受け薬物療法も受けて、なおHbA1c 6.9~8.4%の2型糖尿病患者が対象。
24名の被験者はランダムに、カロリー制限群と糖質制限群の2群に割り付けられて
2ヶ月ごとに3回指導。
6ヶ月後、HbA1cと中性脂肪値は、糖質制限群のみで有意に改善。
HbA1cはカロリー制限群に比し、有意に改善。
小規模ながらRCT研究論文で、カロリー制限なしの糖質制限食(1日70~130gの糖質量)が、カロリー制限食(従来の糖尿病食)と比較して、HbA1cに関して有意差がでたのは、大きな意味があります。
山田悟氏に拍手をおくりたいと思います。
山田流の緩やかな糖質制限食でも、カロリー制限食に比し有意差がでたのですからスーパー糖質制限食(1日30~60gの糖質量)なら、もっと大きな有意差がでる可能性が高いです。
山田氏も指摘しているごとく、日本糖尿病学会は
『“科学的根拠に基づかない(コンセンサスに基づく)食事療法”を“科学的根拠に基づく診療ガイドライン”に記載させたまま、10年を無為に過ごしてきてしまった。』
ということです。
日本糖尿病学会推奨の「唯一無二のカロリー制限食」は、すでに時代錯誤の代物です。
米国糖尿病学会の2013年10月の栄養療法に関する声明のように、エビデンスがないことに関しては強要せず、糖質制限食や地中海食などを選択肢の一つとして受容する態度の方が、よほどすっきりしてフェアネスがあると思うのは私だけでしょうか?
江部康二
☆☆☆
以下
MT Pro記事 2014年1月16日 の抜粋です。
日本人でも糖質制限食は有効−初のRCT
北里研究所病院糖尿病センター 山田 悟
研究の背景:日本人における糖質制限食のRCTの報告はなかった
ここ数年,糖質制限食に対する注目ががぜん高まっている(関連記事)。米国糖尿病学会(ADA)の食事療法に関するガイドラインでも,2002年版(Diabetes Care 2002;25:148-198)では“糖質制限食はすべきでない”とし,2008年版(Diabetes Care 2008;31: S61-S78)では“糖質制限食は体重減量に有効”としながらも脂質プロファイルや腎機能に対するモニタリングが必要という条件を設定していたのに対し,2013年版(Diabetes Care 2013;36:3821-3842)ではそうした条件を外し,さまざまな受容可能な食事法の1つという形で取り入れている。しかし,日本人におけるランダム化比較試験(RCT)のデータは欠如していた。
このたび,私たちのデータが日本内科学会の英文誌Intern Med(2014;53:13-19)に掲載されたので,せんえつではあるがご紹介したい。
研究のポイント1:日本人2型糖尿病患者24例のRCT
本研究は,北里研究所病院糖尿病センターの外来に通院していて,既にカロリー制限食(25~30kcal/kg標準体重)の指導を受けたことがあり,薬物療法も受けながら,なおHbA1c 6.9~8.4%の2型糖尿病患者を対象とした。
被検者はランダムに2群に割り付けられ,カロリー制限群は以前と同様の25~30kcal/kg指導を2カ月ごとに3回(開始時,2カ月後,4カ月後)受け,糖質制限群は1食20~40g(1日10gの間食を含めて1日70~130g)に糖質を制限するよう2カ月ごとに3回指導された。糖質制限群では脂質や蛋白質,総カロリー摂取量については制限をかけず,それらについてひょう量することも求めなかった。主要評価項目は6カ月間でのHbA1cの変化量とし,体重,脂質,血圧,腎機能,肝機能についても併せて評価した。また,治療満足度や治療負担感,脈波伝播速度についても検討した。
研究のポイント2:糖質制限食指導への切り替えはカロリー制限食再指導より有効
24例(平均年齢63.2歳,男性12例,平均BMI 25.8,平均HbA1c 7.6% )の患者が登録され,12例ずつ2群に割り付けられた。HbA1cは糖質制限群においてのみ有意に改善し(7.6±0.4%→7.0±0.7%, P=0.03),その改善の変化量はカロリー制限群(7.7±0.6%→7.5±1.0% , n.s.)より有意に大きかった(P=0.03)。
体重,脂質,血圧,腎機能,肝機能の6カ月での変化量は両群に有意差はなかったが,トリグリセライド(TG)については糖質制限群においてのみ有意に改善し(141.7±76.2 mg/dL,→83.5±40.6mg/dL, P=0.02),カロリー制限群(155.2±86.4 mg/dL→148.4±90.7mg/dL, n.s.)との間で差のある傾向が認められていた(P=0.08,図)。
photo
Diabetes Treatment Satisfaction Questionnaire(DTSQ)という質問票で検討した治療満足度は,両群ともに平均で3点以上点数を上げていたが(36点満点で評点し,点数が高い方が満足度が高い),両群ともにその向上は統計学的に有意ではなかった。また,Problem Area in Diabetes Survey(PAID)という質問票で検討した治療負担感は糖質制限群のみで4点以上点数を下げていたが(20~100点で評点し,点数が低い方が負担感が軽い),その改善は統計学的に有意ではなかった。さらに,脈波伝播速度についても両群とも有意な変化は認められなかった。
私の考察:日本の(糖尿病)栄養学の新時代の幕開けを期待したい
昨年,ADAが栄養療法のガイドラインを改訂し(Diabetes Care 2013;36:3821-3842),糖質制限食を第一選択肢の1つとしたことは以前に報告した(関連記事)。幸い,本研究でも腎機能や脂質プロファイルは改善することはあっても悪化は全くなく,かつてADAが糖質制限食に寄せていた“(蛋白摂取過剰に伴う)腎機能の悪化”や,“(脂質摂取過剰に伴う)血中脂質プロファイルの悪化”といった懸念(Diabetes Care 2008;31:S61-S78)が杞憂であることが日本人でも確認された。また,本研究における糖質制限群の平均BMIは24.5であり,“肥満の欧米人と同様に非肥満の日本人においても糖質制限食は有効”ということが証明された。現時点で,“カロリー制限食に対する副次的食事療法として糖質制限食は安全で有効だ”ということは断言できよう。
私はかつてDIRECT試験の結果を紹介し,「低炭水化物食(糖質制限食)や地中海食を推奨される先生方からの比較研究の報告を期待したい」と述べた(関連記事)。それが,結局は私たちから糖質制限食に関するRCTの最初の報告をすることとなった。ミイラ取りがミイラになったような気分である。そして,ミイラになって見えてきたことは,現在の日本の(糖尿病)栄養学が停滞しているということである。
例えば,日本糖尿病学会の『科学的根拠に基づく診療ガイドライン2013』(JDS2013)の食事療法の項で引用されている27件の参考文献および3件の参考資料,合わせて30件の論文のうち,日本人が筆頭著者になっているものは6件である。そのうち2件は日本人が実施したメタ解析であり,日本人の糖尿病患者を扱った論文ではない。よって,日本人の糖尿病患者を扱った論文は4件である。その内容をまとめると,表の通りである。
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一方,JDS2013の食事療法の勧告文は,①早食いするな,②野菜から先に食べよ,③咀嚼能力を付けよ,④1型糖尿病患者にはカーボカウントを指導せよ−とはなっていない。記載されているのは,①25〜35kcal/kg標準体重でカロリー制限せよ,②炭水化物50~60%,蛋白質1.0~1.2g/kg,残りを脂質という三大栄養素比率にせよ,である。さかのぼって,最初の『科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン』(JDS2004)をひも解いても,ほぼ同じ内容が記述され,一貫してこの記述のエビデンスレベルはコンセンサスである。私たちは“科学的根拠に基づかない(コンセンサスに基づく)食事療法”を“科学的根拠に基づく診療ガイドライン”に記載させたまま,10年を無為に過ごしてきてしまったのである。
一方,ADAは,糖尿病患者に理想的な三大栄養素比率など存在しないと断言しているが(Diabetes Care 2013;36:3821-3842),それは数多くの米国人を対象とした臨床試験のデータがあって初めて言ってきたことである(Diabetes Care 2012; 35:434-445)。今回の私たちの論文が,初めて日本人を対象にして三大栄養素比率に正面切って取り組んだRCTということになるが,これを契機として,さまざまな日本人を対象とした三大栄養素比率についての研究がなされ,日本人での理想的な三大栄養素比率も存在しないのか,それとも存在するのか,存在するとすればそれはどのような比率なのか,についての議論が今年から発展していくことを期待したい。
2014年1月16日のMT Pro記事
Doctor's Eye 最新論文で考える日常臨床
に、
日本人でも糖質制限食は有効−初のRCT
と題して、
北里研究所病院糖尿病センター長 山田 悟氏の論考が掲載されました。
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/doctoreye/dr140101.html
山田氏自身の論文《日本内科学会の英文誌Intern Med(2014;53:13-19)に掲載》の解説などです。
北里研究所病院糖尿病センター通院中の2型糖尿病患者で、既にカロリー制限食(25~30kcal/kg標準体重)の指導を受け薬物療法も受けて、なおHbA1c 6.9~8.4%の2型糖尿病患者が対象。
24名の被験者はランダムに、カロリー制限群と糖質制限群の2群に割り付けられて
2ヶ月ごとに3回指導。
6ヶ月後、HbA1cと中性脂肪値は、糖質制限群のみで有意に改善。
HbA1cはカロリー制限群に比し、有意に改善。
小規模ながらRCT研究論文で、カロリー制限なしの糖質制限食(1日70~130gの糖質量)が、カロリー制限食(従来の糖尿病食)と比較して、HbA1cに関して有意差がでたのは、大きな意味があります。
山田悟氏に拍手をおくりたいと思います。
山田流の緩やかな糖質制限食でも、カロリー制限食に比し有意差がでたのですからスーパー糖質制限食(1日30~60gの糖質量)なら、もっと大きな有意差がでる可能性が高いです。
山田氏も指摘しているごとく、日本糖尿病学会は
『“科学的根拠に基づかない(コンセンサスに基づく)食事療法”を“科学的根拠に基づく診療ガイドライン”に記載させたまま、10年を無為に過ごしてきてしまった。』
ということです。
日本糖尿病学会推奨の「唯一無二のカロリー制限食」は、すでに時代錯誤の代物です。
米国糖尿病学会の2013年10月の栄養療法に関する声明のように、エビデンスがないことに関しては強要せず、糖質制限食や地中海食などを選択肢の一つとして受容する態度の方が、よほどすっきりしてフェアネスがあると思うのは私だけでしょうか?
江部康二
☆☆☆
以下
MT Pro記事 2014年1月16日 の抜粋です。
日本人でも糖質制限食は有効−初のRCT
北里研究所病院糖尿病センター 山田 悟
研究の背景:日本人における糖質制限食のRCTの報告はなかった
ここ数年,糖質制限食に対する注目ががぜん高まっている(関連記事)。米国糖尿病学会(ADA)の食事療法に関するガイドラインでも,2002年版(Diabetes Care 2002;25:148-198)では“糖質制限食はすべきでない”とし,2008年版(Diabetes Care 2008;31: S61-S78)では“糖質制限食は体重減量に有効”としながらも脂質プロファイルや腎機能に対するモニタリングが必要という条件を設定していたのに対し,2013年版(Diabetes Care 2013;36:3821-3842)ではそうした条件を外し,さまざまな受容可能な食事法の1つという形で取り入れている。しかし,日本人におけるランダム化比較試験(RCT)のデータは欠如していた。
このたび,私たちのデータが日本内科学会の英文誌Intern Med(2014;53:13-19)に掲載されたので,せんえつではあるがご紹介したい。
研究のポイント1:日本人2型糖尿病患者24例のRCT
本研究は,北里研究所病院糖尿病センターの外来に通院していて,既にカロリー制限食(25~30kcal/kg標準体重)の指導を受けたことがあり,薬物療法も受けながら,なおHbA1c 6.9~8.4%の2型糖尿病患者を対象とした。
被検者はランダムに2群に割り付けられ,カロリー制限群は以前と同様の25~30kcal/kg指導を2カ月ごとに3回(開始時,2カ月後,4カ月後)受け,糖質制限群は1食20~40g(1日10gの間食を含めて1日70~130g)に糖質を制限するよう2カ月ごとに3回指導された。糖質制限群では脂質や蛋白質,総カロリー摂取量については制限をかけず,それらについてひょう量することも求めなかった。主要評価項目は6カ月間でのHbA1cの変化量とし,体重,脂質,血圧,腎機能,肝機能についても併せて評価した。また,治療満足度や治療負担感,脈波伝播速度についても検討した。
研究のポイント2:糖質制限食指導への切り替えはカロリー制限食再指導より有効
24例(平均年齢63.2歳,男性12例,平均BMI 25.8,平均HbA1c 7.6% )の患者が登録され,12例ずつ2群に割り付けられた。HbA1cは糖質制限群においてのみ有意に改善し(7.6±0.4%→7.0±0.7%, P=0.03),その改善の変化量はカロリー制限群(7.7±0.6%→7.5±1.0% , n.s.)より有意に大きかった(P=0.03)。
体重,脂質,血圧,腎機能,肝機能の6カ月での変化量は両群に有意差はなかったが,トリグリセライド(TG)については糖質制限群においてのみ有意に改善し(141.7±76.2 mg/dL,→83.5±40.6mg/dL, P=0.02),カロリー制限群(155.2±86.4 mg/dL→148.4±90.7mg/dL, n.s.)との間で差のある傾向が認められていた(P=0.08,図)。
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Diabetes Treatment Satisfaction Questionnaire(DTSQ)という質問票で検討した治療満足度は,両群ともに平均で3点以上点数を上げていたが(36点満点で評点し,点数が高い方が満足度が高い),両群ともにその向上は統計学的に有意ではなかった。また,Problem Area in Diabetes Survey(PAID)という質問票で検討した治療負担感は糖質制限群のみで4点以上点数を下げていたが(20~100点で評点し,点数が低い方が負担感が軽い),その改善は統計学的に有意ではなかった。さらに,脈波伝播速度についても両群とも有意な変化は認められなかった。
私の考察:日本の(糖尿病)栄養学の新時代の幕開けを期待したい
昨年,ADAが栄養療法のガイドラインを改訂し(Diabetes Care 2013;36:3821-3842),糖質制限食を第一選択肢の1つとしたことは以前に報告した(関連記事)。幸い,本研究でも腎機能や脂質プロファイルは改善することはあっても悪化は全くなく,かつてADAが糖質制限食に寄せていた“(蛋白摂取過剰に伴う)腎機能の悪化”や,“(脂質摂取過剰に伴う)血中脂質プロファイルの悪化”といった懸念(Diabetes Care 2008;31:S61-S78)が杞憂であることが日本人でも確認された。また,本研究における糖質制限群の平均BMIは24.5であり,“肥満の欧米人と同様に非肥満の日本人においても糖質制限食は有効”ということが証明された。現時点で,“カロリー制限食に対する副次的食事療法として糖質制限食は安全で有効だ”ということは断言できよう。
私はかつてDIRECT試験の結果を紹介し,「低炭水化物食(糖質制限食)や地中海食を推奨される先生方からの比較研究の報告を期待したい」と述べた(関連記事)。それが,結局は私たちから糖質制限食に関するRCTの最初の報告をすることとなった。ミイラ取りがミイラになったような気分である。そして,ミイラになって見えてきたことは,現在の日本の(糖尿病)栄養学が停滞しているということである。
例えば,日本糖尿病学会の『科学的根拠に基づく診療ガイドライン2013』(JDS2013)の食事療法の項で引用されている27件の参考文献および3件の参考資料,合わせて30件の論文のうち,日本人が筆頭著者になっているものは6件である。そのうち2件は日本人が実施したメタ解析であり,日本人の糖尿病患者を扱った論文ではない。よって,日本人の糖尿病患者を扱った論文は4件である。その内容をまとめると,表の通りである。
photo
一方,JDS2013の食事療法の勧告文は,①早食いするな,②野菜から先に食べよ,③咀嚼能力を付けよ,④1型糖尿病患者にはカーボカウントを指導せよ−とはなっていない。記載されているのは,①25〜35kcal/kg標準体重でカロリー制限せよ,②炭水化物50~60%,蛋白質1.0~1.2g/kg,残りを脂質という三大栄養素比率にせよ,である。さかのぼって,最初の『科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン』(JDS2004)をひも解いても,ほぼ同じ内容が記述され,一貫してこの記述のエビデンスレベルはコンセンサスである。私たちは“科学的根拠に基づかない(コンセンサスに基づく)食事療法”を“科学的根拠に基づく診療ガイドライン”に記載させたまま,10年を無為に過ごしてきてしまったのである。
一方,ADAは,糖尿病患者に理想的な三大栄養素比率など存在しないと断言しているが(Diabetes Care 2013;36:3821-3842),それは数多くの米国人を対象とした臨床試験のデータがあって初めて言ってきたことである(Diabetes Care 2012; 35:434-445)。今回の私たちの論文が,初めて日本人を対象にして三大栄養素比率に正面切って取り組んだRCTということになるが,これを契機として,さまざまな日本人を対象とした三大栄養素比率についての研究がなされ,日本人での理想的な三大栄養素比率も存在しないのか,それとも存在するのか,存在するとすればそれはどのような比率なのか,についての議論が今年から発展していくことを期待したい。
2014年02月07日 (金)
こんばんは。
精神科医師Aさんから、週刊ポスト2014年2月14日号(136~139)の記事
それでもあなたは「炭水化物」食べますか
について情報を頂きました。
ありがとうございます。
(☆)の記事抜粋にあるように、江部康二の名前も登場しています。
もっとも私は糖尿病専門医ではなくて、自分自身が糖尿病の内科医です。
この記事、前半はイスラエルのグループのRCT研究論文(☆☆)の紹介や、北里研究所糖尿病センターの山田悟氏のRCT研究論文の紹介で、糖質制限食に肯定的な内容です。
山田氏の研究も日本初の糖質制限食RCT研究論文なので価値が高いと思います。
一方、後半は、糖質制限食に批判的な内容で
1)国立国際医療センター病院の能登洋氏の玉石混淆論文(☆☆☆)
2)日本糖尿病学会の2013年の提言
「炭水化物のみを極端に制限して減量を図ることは、その本来の効果のみならず、長期的な食事療法としての遵守性や
安全性など重要な点についてこれを担保するエビデンスが不足しており、現時点では薦められない。」
3)愛し野内科クリニックの岡本卓氏の指摘
「米国研究で厳格治療群の死亡率が上昇、・・・低血糖が良くない」
「糖質制限食も血糖を下げるので危険」
などを紹介しています。
糖質制限食に肯定的な意見と反対の意見と両方を掲載しているのは、ジャーナリズムとしてはニュートラルな態度と言え、週刊現代(2月15日)の一方的な無根拠の暴論記事に比べ、はるかに健全です。
1)に関しては、
2013年02月27日 (水)の本ブログ記事で反論しています。
2)に関しては、日本糖尿病学会推奨の唯一無二のカロリー制限食においても
「長期的な食事療法としての遵守性や安全性など重要な点についてこれを担保するエビデンスが不足」
ということは全く同様です。
3)に関しては岡本氏は、誤解されているようです。
米国研究で厳格治療群の死亡率が上昇・・・というのは、ACCORD研究(☆☆☆☆)のことと思われます。
この研究は、正確には「普通に糖質を食べながら、インスリンやSU剤などで厳格に血糖コントロールしようとすると総死亡率が上昇した。低血糖に注意。」というものです。
すなわち、糖質を食べながら薬物で厳格に治療すると、極めて低血糖を生じやすくなり危険ということなのです。
一方、糖質制限食なら薬物は基本使用しないかごく少量なので、そもそも低血糖を起こしにくいのです。
糖質制限食で、高血糖は改善しますが、血糖値が正常範囲で低下してくると肝臓でブドウ糖をつくる糖新生が行われるので、低血糖にはならないのです。
結局、低血糖というのは、インスリン注射かSU剤などの薬を内服している場合が、ほとんどなのです。
江部康二
以下
週刊ポスト2014年2月14日号の記事から一部抜粋
(☆)
「糖質制限は日本人にも有効」論文で”セイゲニスト”が大増殖
それでもあなたは「炭水化物」食べますか
数あるダイエット法のなかでも、効果が高いとされ、それだけに健康への影響を巡って賛否両論かまびすしいのが糖質制限ダイエットだろう。「炭水化物ダイエット」「満腹ダイエット」とも呼ばれている話題の痩身術だ。
世界的なブームのきっかけは2008年に米国の医学誌に掲載されたイスラエルの研究グループの論文だった。それまでは糖尿病患者への食事療法としては、食事の摂取量全体を減らすカロリー制限食が主流だったが、同グループは患者への2年間の比較試験で、カロリーは制限せずに炭水化物や果物など糖質の摂取量だけを制限した食事の減量効果が高く、中性脂肪などの改善も顕著だったという研究結果を発表した。
これが、「腹一杯食べても痩せられる」と注目され、糖尿病ではない人にもダイエット効果があると広まった。
日本では、糖尿病の専門医で『腹いっぱい食べて楽々痩せる「満腹ダイエット」』などの著書がある江部康二・高雄病院理事長が提唱して火がついたが、日本人を対象とした比較研究がなかったため、日本糖尿病学会の関係者からこのダイエット法の危険性を指摘する声が少なくなかった。
だが、そこに新たな研究結果が報告された。北里大学北里研究所病院糖尿病センターの研究チームが日本人の糖尿病患者24人を対象に食事療法の比較研究を行ない、「日本人にも糖質制限食は有効だ」とした論文が今年1月、医学誌に掲載されたのだ。
メタボ予防やメンタルケアの面から糖質制限食を治療に取り入れているひめのともみクリニックの姫野友美・院長が語る。
「これまでも糖質制限食が日本人患者の症状改善に有効という症例は数多くあったが、科学的な比較試験はなかった。今回、それが医学的に実証されたことは意義がある」
食品メーカーも「低糖質食品」市場に注目し始めている。前出の北里大学・糖尿病センター長の山田悟氏は、昨年11月に「低糖質食」の普及を目指す社団法人「食・楽・健康協会」を設立。同協会には糖質制限ダイエット中の人からは商品が敬遠されそうな大手菓子メーカーの江崎グリコをはじめ、キリン、ローソンも支援企業として名を連ねている。それだけ、「糖質制限食」ブームの高まりに関心が強い証拠だろう。
(☆☆)
2013年04月28日 (日)の本ブログ記事
「DIRECT。低炭水化物食で体重減少。リバウンドは?」をご参照ください。
(☆☆☆)
2013年02月27日 (水)の本ブログ記事
「能登論文は、選択した文献が玉石混交、残念。」をご参照ください。
(☆☆☆☆)
2011年07月18日 (月)の本ブログ記事
「ACCORD試験の死亡リスクと低血糖とSMBGサブ解析2011」をご参照ください。
精神科医師Aさんから、週刊ポスト2014年2月14日号(136~139)の記事
それでもあなたは「炭水化物」食べますか
について情報を頂きました。
ありがとうございます。
(☆)の記事抜粋にあるように、江部康二の名前も登場しています。
もっとも私は糖尿病専門医ではなくて、自分自身が糖尿病の内科医です。
この記事、前半はイスラエルのグループのRCT研究論文(☆☆)の紹介や、北里研究所糖尿病センターの山田悟氏のRCT研究論文の紹介で、糖質制限食に肯定的な内容です。
山田氏の研究も日本初の糖質制限食RCT研究論文なので価値が高いと思います。
一方、後半は、糖質制限食に批判的な内容で
1)国立国際医療センター病院の能登洋氏の玉石混淆論文(☆☆☆)
2)日本糖尿病学会の2013年の提言
「炭水化物のみを極端に制限して減量を図ることは、その本来の効果のみならず、長期的な食事療法としての遵守性や
安全性など重要な点についてこれを担保するエビデンスが不足しており、現時点では薦められない。」
3)愛し野内科クリニックの岡本卓氏の指摘
「米国研究で厳格治療群の死亡率が上昇、・・・低血糖が良くない」
「糖質制限食も血糖を下げるので危険」
などを紹介しています。
糖質制限食に肯定的な意見と反対の意見と両方を掲載しているのは、ジャーナリズムとしてはニュートラルな態度と言え、週刊現代(2月15日)の一方的な無根拠の暴論記事に比べ、はるかに健全です。
1)に関しては、
2013年02月27日 (水)の本ブログ記事で反論しています。
2)に関しては、日本糖尿病学会推奨の唯一無二のカロリー制限食においても
「長期的な食事療法としての遵守性や安全性など重要な点についてこれを担保するエビデンスが不足」
ということは全く同様です。
3)に関しては岡本氏は、誤解されているようです。
米国研究で厳格治療群の死亡率が上昇・・・というのは、ACCORD研究(☆☆☆☆)のことと思われます。
この研究は、正確には「普通に糖質を食べながら、インスリンやSU剤などで厳格に血糖コントロールしようとすると総死亡率が上昇した。低血糖に注意。」というものです。
すなわち、糖質を食べながら薬物で厳格に治療すると、極めて低血糖を生じやすくなり危険ということなのです。
一方、糖質制限食なら薬物は基本使用しないかごく少量なので、そもそも低血糖を起こしにくいのです。
糖質制限食で、高血糖は改善しますが、血糖値が正常範囲で低下してくると肝臓でブドウ糖をつくる糖新生が行われるので、低血糖にはならないのです。
結局、低血糖というのは、インスリン注射かSU剤などの薬を内服している場合が、ほとんどなのです。
江部康二
以下
週刊ポスト2014年2月14日号の記事から一部抜粋
(☆)
「糖質制限は日本人にも有効」論文で”セイゲニスト”が大増殖
それでもあなたは「炭水化物」食べますか
数あるダイエット法のなかでも、効果が高いとされ、それだけに健康への影響を巡って賛否両論かまびすしいのが糖質制限ダイエットだろう。「炭水化物ダイエット」「満腹ダイエット」とも呼ばれている話題の痩身術だ。
世界的なブームのきっかけは2008年に米国の医学誌に掲載されたイスラエルの研究グループの論文だった。それまでは糖尿病患者への食事療法としては、食事の摂取量全体を減らすカロリー制限食が主流だったが、同グループは患者への2年間の比較試験で、カロリーは制限せずに炭水化物や果物など糖質の摂取量だけを制限した食事の減量効果が高く、中性脂肪などの改善も顕著だったという研究結果を発表した。
これが、「腹一杯食べても痩せられる」と注目され、糖尿病ではない人にもダイエット効果があると広まった。
日本では、糖尿病の専門医で『腹いっぱい食べて楽々痩せる「満腹ダイエット」』などの著書がある江部康二・高雄病院理事長が提唱して火がついたが、日本人を対象とした比較研究がなかったため、日本糖尿病学会の関係者からこのダイエット法の危険性を指摘する声が少なくなかった。
だが、そこに新たな研究結果が報告された。北里大学北里研究所病院糖尿病センターの研究チームが日本人の糖尿病患者24人を対象に食事療法の比較研究を行ない、「日本人にも糖質制限食は有効だ」とした論文が今年1月、医学誌に掲載されたのだ。
メタボ予防やメンタルケアの面から糖質制限食を治療に取り入れているひめのともみクリニックの姫野友美・院長が語る。
「これまでも糖質制限食が日本人患者の症状改善に有効という症例は数多くあったが、科学的な比較試験はなかった。今回、それが医学的に実証されたことは意義がある」
食品メーカーも「低糖質食品」市場に注目し始めている。前出の北里大学・糖尿病センター長の山田悟氏は、昨年11月に「低糖質食」の普及を目指す社団法人「食・楽・健康協会」を設立。同協会には糖質制限ダイエット中の人からは商品が敬遠されそうな大手菓子メーカーの江崎グリコをはじめ、キリン、ローソンも支援企業として名を連ねている。それだけ、「糖質制限食」ブームの高まりに関心が強い証拠だろう。
(☆☆)
2013年04月28日 (日)の本ブログ記事
「DIRECT。低炭水化物食で体重減少。リバウンドは?」をご参照ください。
(☆☆☆)
2013年02月27日 (水)の本ブログ記事
「能登論文は、選択した文献が玉石混交、残念。」をご参照ください。
(☆☆☆☆)
2011年07月18日 (月)の本ブログ記事
「ACCORD試験の死亡リスクと低血糖とSMBGサブ解析2011」をご参照ください。
2014年02月06日 (木)
京都にて医療関係者向けの講演会を
開催します。
臨床における糖質制限食療法の導入について、三部構成で具体的かつ実践的に講義します。
今回は、糖尿病に絞って最新の情報を取り上げてお話します。
米国糖尿病学会が2008年以来5年ぶりに、成人糖尿病患者の食事療法に関する声明(Position Statement on Nutrition Therapy)を改訂しました。(Diabetes Care 2013年10月9日オンライン版)
2013年10月の米国糖尿病学会の栄養療法の声明は画期的なものであり、
全ての糖尿病患者に適した“one-size-fits-all(唯一無二の)”食事パターンは存在しないとの見解を表明しました。
このことは、唯一無二の食事療法を推奨し続けている日本糖尿病学会に対する痛烈な批判となっています。
そして、患者ごとにさまざまな食事パターン〔地中海食,ベジタリアン食,糖質制限食,低脂質食,DASH(Dietary Approaches to Stop Hypertension)食〕が受容可能であるとしています。
糖質制限食もちゃんと認められています。
2013年日本腎臓病学会の糖尿病腎症のガイドラインも蛋白質制限に関して、大きな変化がありました。
そして糖尿病患者さんの血液検査データも豊富に紹介します。
同一摂取カロリーで揃えた「従来の糖尿病食 VS スーパー糖質制限食」の血糖値の日内変動データ比較は圧巻です。
食後高血糖と平均血糖変動幅に関しては、糖質制限食の圧勝で、その差は「月とスッポン」です。
糖尿病合併症を防ぐには、「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」を生じないことが必要不可欠です。
しかしながら糖質を摂取すれば、必ず「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」を生じます。
「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」を生じない、唯一の食事療法が糖質制限食なのです。
すなわち、従来の糖尿病食(高糖質食)では、糖尿病合併症を防ぐことは理論的に不可能なのです。
年間
16000人が糖尿病腎症から透析 → 医療費800億円、
3000人が糖尿病網膜症から失明
3000人が糖尿病足病変から足切断
というのが厳しい現実なのです。
糖尿病合併症を生じさせないために、医療関係者の皆さんには、是非糖質制限食を学びそのエキスパートとなって欲しいと願ってやみません。
第一部と第二部は理事長 江部康二による糖質制限食療法の基礎理論・症例の検討・薬剤の使い方・最新の動向についての講義、第三部は高雄病院の橋本眞由美管理栄養士による糖質制限給食や栄養指導などの取り組みについての講義です。
江部康二
以下事務局からの案内です。
//////////////////ご案内////////////////////
一般社団法人 日本糖質制限医療推進協会主催
医療関係者向け講演会 京都
「糖尿病治療のための糖質制限食指導」
■日時: 2014年3月9日(日)13:00~ ※受付12:40~
■場所:メルパルク京都 4F 研修室3【藤】
京都市下京区東洞院通七条下ル東塩小路町676番13
アクセス:JR京都駅(烏丸中央口)から徒歩1分
http://www.mielparque.jp/kyoto/access/
■スケジュール:
第一部: 13:00~14:05 「基礎理論」 ※講師A
休憩 14:05~14:15
第二部: 14:15~15:20 「症例検討と薬剤の使い方」 ※講師A
休憩 15:20~15:40
第三部: 15:40~16:50
「高雄病院 糖質制限給食の実際と栄養士の関わり方」※講師B
*講義時間・質疑応答時間について
第一部・第二部は講座各50分、質疑応答各15分
第三部は講座50分、質疑応答20分を予定しております。
■講師
A:江部 康二 医師
(一財)高雄病院 理事長
(一社)日本糖質制限医療推進協会 理事長
B:橋本 眞由美 管理栄養士
(一財)高雄病院 栄養管理部 部長
■対象:医療従事者(医師、歯科医師、薬剤師、看護師、栄養士、鍼灸師など)
■補足:
・「糖尿病治療のための!糖質制限食パーフェクトガイド」(東洋経済新報社)
レベルの内容を予定しておりますので、事前に同著を読んでおいていただく
ことを推奨致します。
・参加頂いた皆様には、映写資料データ(PDF)のCDをお配り致します。
■受講費:
・賛助会員 8,000円
・一般(非会員) 10,000円
■お支払い方法:クレジットカード/銀行振込/郵便振替 ※事前決済のみとなりま
す。
■お申し込み方法
・賛助会員の方
事務局までメールにて以下2点をご記入の上、お申し込み下さい。
①「3/9セミナー、受講希望」のコメント
②医療機関にて従事していらっしゃる職種
・賛助会員入会をご希望の方
1.入会案内および会員規約をお読み下さい。
http://toushitsuseigen.or.jp/member.html
2.入会・受講のお申し込みはこちらのフォームからお願いします。
http://toushitsuseigen.or.jp/contact.php
「お問い合せ内容」欄に以下2点をご記入下さい。
①「3/9セミナー、受講希望」のコメント
②医療機関にて従事していらっしゃる職種
・一般(非会員)で、講演会の受講のみご希望の方
こちらのフォームよりお申し込み下さい。
https://ssl.form-mailer.jp/fms/0625a3b0281969
■お申し込みの流れ
1.会員の方はメールにて、会員以外の方は各種フォームにてご連絡下さい。
2.事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3.入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4.当日、直接会場までお越し下さい。
■その他:
・予約制です。当日参加はできません。
・キャンセルは3月5日(水)までにお願い致します。
それ以降の返金には対応致しかねますので予めご了承ください。
////////////////////////////////////////////////
開催します。
臨床における糖質制限食療法の導入について、三部構成で具体的かつ実践的に講義します。
今回は、糖尿病に絞って最新の情報を取り上げてお話します。
米国糖尿病学会が2008年以来5年ぶりに、成人糖尿病患者の食事療法に関する声明(Position Statement on Nutrition Therapy)を改訂しました。(Diabetes Care 2013年10月9日オンライン版)
2013年10月の米国糖尿病学会の栄養療法の声明は画期的なものであり、
全ての糖尿病患者に適した“one-size-fits-all(唯一無二の)”食事パターンは存在しないとの見解を表明しました。
このことは、唯一無二の食事療法を推奨し続けている日本糖尿病学会に対する痛烈な批判となっています。
そして、患者ごとにさまざまな食事パターン〔地中海食,ベジタリアン食,糖質制限食,低脂質食,DASH(Dietary Approaches to Stop Hypertension)食〕が受容可能であるとしています。
糖質制限食もちゃんと認められています。
2013年日本腎臓病学会の糖尿病腎症のガイドラインも蛋白質制限に関して、大きな変化がありました。
そして糖尿病患者さんの血液検査データも豊富に紹介します。
同一摂取カロリーで揃えた「従来の糖尿病食 VS スーパー糖質制限食」の血糖値の日内変動データ比較は圧巻です。
食後高血糖と平均血糖変動幅に関しては、糖質制限食の圧勝で、その差は「月とスッポン」です。
糖尿病合併症を防ぐには、「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」を生じないことが必要不可欠です。
しかしながら糖質を摂取すれば、必ず「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」を生じます。
「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」を生じない、唯一の食事療法が糖質制限食なのです。
すなわち、従来の糖尿病食(高糖質食)では、糖尿病合併症を防ぐことは理論的に不可能なのです。
年間
16000人が糖尿病腎症から透析 → 医療費800億円、
3000人が糖尿病網膜症から失明
3000人が糖尿病足病変から足切断
というのが厳しい現実なのです。
糖尿病合併症を生じさせないために、医療関係者の皆さんには、是非糖質制限食を学びそのエキスパートとなって欲しいと願ってやみません。
第一部と第二部は理事長 江部康二による糖質制限食療法の基礎理論・症例の検討・薬剤の使い方・最新の動向についての講義、第三部は高雄病院の橋本眞由美管理栄養士による糖質制限給食や栄養指導などの取り組みについての講義です。
江部康二
以下事務局からの案内です。
//////////////////ご案内////////////////////
一般社団法人 日本糖質制限医療推進協会主催
医療関係者向け講演会 京都
「糖尿病治療のための糖質制限食指導」
■日時: 2014年3月9日(日)13:00~ ※受付12:40~
■場所:メルパルク京都 4F 研修室3【藤】
京都市下京区東洞院通七条下ル東塩小路町676番13
アクセス:JR京都駅(烏丸中央口)から徒歩1分
http://www.mielparque.jp/kyoto/access/
■スケジュール:
第一部: 13:00~14:05 「基礎理論」 ※講師A
休憩 14:05~14:15
第二部: 14:15~15:20 「症例検討と薬剤の使い方」 ※講師A
休憩 15:20~15:40
第三部: 15:40~16:50
「高雄病院 糖質制限給食の実際と栄養士の関わり方」※講師B
*講義時間・質疑応答時間について
第一部・第二部は講座各50分、質疑応答各15分
第三部は講座50分、質疑応答20分を予定しております。
■講師
A:江部 康二 医師
(一財)高雄病院 理事長
(一社)日本糖質制限医療推進協会 理事長
B:橋本 眞由美 管理栄養士
(一財)高雄病院 栄養管理部 部長
■対象:医療従事者(医師、歯科医師、薬剤師、看護師、栄養士、鍼灸師など)
■補足:
・「糖尿病治療のための!糖質制限食パーフェクトガイド」(東洋経済新報社)
レベルの内容を予定しておりますので、事前に同著を読んでおいていただく
ことを推奨致します。
・参加頂いた皆様には、映写資料データ(PDF)のCDをお配り致します。
■受講費:
・賛助会員 8,000円
・一般(非会員) 10,000円
■お支払い方法:クレジットカード/銀行振込/郵便振替 ※事前決済のみとなりま
す。
■お申し込み方法
・賛助会員の方
事務局までメールにて以下2点をご記入の上、お申し込み下さい。
①「3/9セミナー、受講希望」のコメント
②医療機関にて従事していらっしゃる職種
・賛助会員入会をご希望の方
1.入会案内および会員規約をお読み下さい。
http://toushitsuseigen.or.jp/member.html
2.入会・受講のお申し込みはこちらのフォームからお願いします。
http://toushitsuseigen.or.jp/contact.php
「お問い合せ内容」欄に以下2点をご記入下さい。
①「3/9セミナー、受講希望」のコメント
②医療機関にて従事していらっしゃる職種
・一般(非会員)で、講演会の受講のみご希望の方
こちらのフォームよりお申し込み下さい。
https://ssl.form-mailer.jp/fms/0625a3b0281969
■お申し込みの流れ
1.会員の方はメールにて、会員以外の方は各種フォームにてご連絡下さい。
2.事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3.入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4.当日、直接会場までお越し下さい。
■その他:
・予約制です。当日参加はできません。
・キャンセルは3月5日(水)までにお願い致します。
それ以降の返金には対応致しかねますので予めご了承ください。
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2014年02月05日 (水)
こんにちは。
インスリン作用が確保されているときのケトン体高値(現行の基準値より高値)は、生理的で安全なものであることを、2月4日のブログ記事で述べました。
今日は、インスリン作用が欠落している時の病理的ケトアシドーシス(糖尿病ケトアシドーシス)のお話しです。
<糖尿病ケトアシドーシス>
糖尿病はインスリンの作用不足があり、細胞内にうまくブドウ糖が取り込めなくなる病気で、そのため慢性の高血糖状態が生じます。
高血糖にもいろんなレベルがありますが、非常に重症の糖尿病を考えてみましょう。
血糖値が300~500mg/dl以上もあり、口渇・多飲・多尿・腹痛・悪心・嘔吐・脱水・意識レベル低下、尿中ケトン体が強陽性などの症状・所見があれば、糖尿病性ケトアシドーシスと診断できます。
もちろん血中ケトン体も高値であり、生理的食塩水の点滴・速効型インスリンの静注など緊急的治療が必要となります。
糖尿病ケトアシドーシスの時の総ケトン体値は、3000μM/dl以上(26~122が基準値)となります。
糖尿病ケトアシドーシスは、インスリン作用の欠乏による全身の高度の代謝失調状態です。
強調しますが、前提にインスリン作用の欠乏があり、それが全ての出発点です。
つまり、インスリン作用の欠乏がなければ、糖尿病ケトアシドーシスは絶対に起こらないのです。
『インスリン作用の極度の低下、インスリン拮抗ホルモンであるグルカゴン・カテコールアミン・成長ホルモンの過剰』
などにより、全身の高度の代謝失調、糖利用の低下・脂肪分解の亢進がおこり、高血糖と高遊離脂肪酸血症を生じます。
遊離脂肪酸は、インスリン欠乏下の肝では、急速な酸化をうけケトン体に分解されます。
インスリン作用欠乏から始まる流れ、
「インスリン作用の欠乏→拮抗ホルモンの過剰→全身の代謝障害→糖利用低下・脂肪分解亢進→高血糖・高遊離脂肪酸→ケトン体産生亢進→糖尿病ケトアシドーシス」
があり、結果としてケトン体が産生されて高値となるわけです。
ケトン体高値は、始まりではなくて、あくまでも結果なのです。
このように糖尿病ケトアシドーシスの本質は、インスリン作用の欠乏による全身の高度の代謝障害です。
その結果として血中ケトン体が高値となり、全身の高度の代謝障害のため緩衝作用がうまく働かなければ、アシドーシスや脱水となり、重症では昏睡にいたります。
結果としてのケトン体高値が、まるで、始まりであり原因であるかのように本末転倒して受けとめられ、「ケトン体はこわい」という誤解が生じたものと考えられます。
インスリン作用が確保されていて、緩衝作用も働いている限りは、ケトン体は極めて安全な物質です。
しかし、インスリン作用が欠落していて、緩衝作用もうまく働かない病態においては、ケトン体そのものに毒性はなくても、酸性の物質なので結果としてアシドーシスになるということです。
即ち現実には「糖尿病ケトアシドーシス時のケトン体産生の亢進」は、インスリン作用の欠乏が前提にある病態であり、1型糖尿病患者さんのシックデイやインスリン注射を中断したときに起こることがほとんどです。
2型糖尿病では、清涼飲料水多飲による、所謂「ペットボトル症候群」でケトアシドーシスを生じることがあります。
断食や 糖質制限食実践に伴う「生理的ケトン体産生の亢進」の場合は、インスリン作用の欠乏はありませんし、血液の緩衝作用も有効に作用していますので何の問題もありません。
例えば断食の初期は一過性にアシドーシスになりますが、緩衝作用で徐々に補正されていきます。
また、健常人が激しい運動をした場合にも、一過性に血中ケトン体は増加しますが、勿論、生理的現象です。
結論です。
インスリン作用が欠乏していて高血糖を伴う高度の代謝障害は、それ自体その時点で重症です。
この時結果として血中ケトン体が上昇してくれば、アシドーシスも合併して、「糖尿病ケトアシドーシス」となり、さらに危険な病態となります。
一方、インスリン作用が確保されていて高血糖を伴わない血中・尿中ケトン体の上昇は、生理的範囲内の現象であり、人類700万年の歴史のなかで日常的に経験されてきたことなので安全です。
江部康二
インスリン作用が確保されているときのケトン体高値(現行の基準値より高値)は、生理的で安全なものであることを、2月4日のブログ記事で述べました。
今日は、インスリン作用が欠落している時の病理的ケトアシドーシス(糖尿病ケトアシドーシス)のお話しです。
<糖尿病ケトアシドーシス>
糖尿病はインスリンの作用不足があり、細胞内にうまくブドウ糖が取り込めなくなる病気で、そのため慢性の高血糖状態が生じます。
高血糖にもいろんなレベルがありますが、非常に重症の糖尿病を考えてみましょう。
血糖値が300~500mg/dl以上もあり、口渇・多飲・多尿・腹痛・悪心・嘔吐・脱水・意識レベル低下、尿中ケトン体が強陽性などの症状・所見があれば、糖尿病性ケトアシドーシスと診断できます。
もちろん血中ケトン体も高値であり、生理的食塩水の点滴・速効型インスリンの静注など緊急的治療が必要となります。
糖尿病ケトアシドーシスの時の総ケトン体値は、3000μM/dl以上(26~122が基準値)となります。
糖尿病ケトアシドーシスは、インスリン作用の欠乏による全身の高度の代謝失調状態です。
強調しますが、前提にインスリン作用の欠乏があり、それが全ての出発点です。
つまり、インスリン作用の欠乏がなければ、糖尿病ケトアシドーシスは絶対に起こらないのです。
『インスリン作用の極度の低下、インスリン拮抗ホルモンであるグルカゴン・カテコールアミン・成長ホルモンの過剰』
などにより、全身の高度の代謝失調、糖利用の低下・脂肪分解の亢進がおこり、高血糖と高遊離脂肪酸血症を生じます。
遊離脂肪酸は、インスリン欠乏下の肝では、急速な酸化をうけケトン体に分解されます。
インスリン作用欠乏から始まる流れ、
「インスリン作用の欠乏→拮抗ホルモンの過剰→全身の代謝障害→糖利用低下・脂肪分解亢進→高血糖・高遊離脂肪酸→ケトン体産生亢進→糖尿病ケトアシドーシス」
があり、結果としてケトン体が産生されて高値となるわけです。
ケトン体高値は、始まりではなくて、あくまでも結果なのです。
このように糖尿病ケトアシドーシスの本質は、インスリン作用の欠乏による全身の高度の代謝障害です。
その結果として血中ケトン体が高値となり、全身の高度の代謝障害のため緩衝作用がうまく働かなければ、アシドーシスや脱水となり、重症では昏睡にいたります。
結果としてのケトン体高値が、まるで、始まりであり原因であるかのように本末転倒して受けとめられ、「ケトン体はこわい」という誤解が生じたものと考えられます。
インスリン作用が確保されていて、緩衝作用も働いている限りは、ケトン体は極めて安全な物質です。
しかし、インスリン作用が欠落していて、緩衝作用もうまく働かない病態においては、ケトン体そのものに毒性はなくても、酸性の物質なので結果としてアシドーシスになるということです。
即ち現実には「糖尿病ケトアシドーシス時のケトン体産生の亢進」は、インスリン作用の欠乏が前提にある病態であり、1型糖尿病患者さんのシックデイやインスリン注射を中断したときに起こることがほとんどです。
2型糖尿病では、清涼飲料水多飲による、所謂「ペットボトル症候群」でケトアシドーシスを生じることがあります。
断食や 糖質制限食実践に伴う「生理的ケトン体産生の亢進」の場合は、インスリン作用の欠乏はありませんし、血液の緩衝作用も有効に作用していますので何の問題もありません。
例えば断食の初期は一過性にアシドーシスになりますが、緩衝作用で徐々に補正されていきます。
また、健常人が激しい運動をした場合にも、一過性に血中ケトン体は増加しますが、勿論、生理的現象です。
結論です。
インスリン作用が欠乏していて高血糖を伴う高度の代謝障害は、それ自体その時点で重症です。
この時結果として血中ケトン体が上昇してくれば、アシドーシスも合併して、「糖尿病ケトアシドーシス」となり、さらに危険な病態となります。
一方、インスリン作用が確保されていて高血糖を伴わない血中・尿中ケトン体の上昇は、生理的範囲内の現象であり、人類700万年の歴史のなかで日常的に経験されてきたことなので安全です。
江部康二
2014年02月04日 (火)
こんばんは。
ケトン体が現在の基準値より高値でも、インスリン作用が保たれていれば、生理的な現象であり、安全なものです。
例えば、断食中とかスーパー糖質制限食やケトン食実践中のケトン値が基準値より高値なのは、この生理的なものです。
日常的に糖質を摂取している場合の血中総ケトン体の現行基準値は、施設により差はありますが、『26~122μM/L 』くらいです。
日常的に糖質を摂取している人でも、これくらいの血中ケトン体は常に存在していて、特に空腹時には、心筋や骨格筋など多くの体細胞の主たるエネルギー源となっているのです。
つまり、ケトン体は人体のごく普通のエネルギー源であり、当然安全性は高いのです。
絶食療法中やケトン食実践中には、血中ケトン体は、3000~4000μM/Lくらいに上昇し、現行基準値の30~40倍の高値になりますが、それ自体は、各細胞において全く安全なものです。
例えば、生後4日目の新生児312名において、
一般食、糖質制限食にかかわらず、βヒドロキシ酪酸値の平均値は240.4μmol/L
同様に生後1ヶ月の新生児40名において、βヒドロキシ酪酸値の平均値は400μmol/L
です。
βヒドロキシ酪酸はケトン体の一種で、基準値は76mol/L以下です。
さらに、胎児58検体のの胎盤のβヒドロキシ酪酸は平均1730mol/Lで、基準値の20倍以上です。
つまり、胎児、新生児においては、ケトン体はごく普通に生理的に現行の基準値より高値なのです。
胎児や新生児においては、こちらが本当の基準値と言えるでしょう。
このように、ケトン体は、危険どころか、胎児や新生児においては極めて重要なエネルギー源となっているのです。
胎児や新生児において重要なエネルギー源となっているケトン体が、大人には危険という論理は成り立ちません。
ケトン体は成人においても重要なエネルギー源であり、安全なものなのです。
どれくらい安全かを、もう一つのエネルギー源であるブドウ糖と比べてみると、わかりやすいですね。
血糖値が、ケトン体と同様に、基準値の30倍で3000mg/dlになったらなんて、想像もできませんね。
ブドウ糖は手っ取り早くて、便利なエネルギー源ではあるのです。
しかし空腹時血糖値は110mg/dl未満、食後血糖値180mg/dl未満といった極めて狭い範囲に管理しておかないと酸化ストレスリスクなどを生じる危険なエネルギー源なのです。
江部康二
ケトン体が現在の基準値より高値でも、インスリン作用が保たれていれば、生理的な現象であり、安全なものです。
例えば、断食中とかスーパー糖質制限食やケトン食実践中のケトン値が基準値より高値なのは、この生理的なものです。
日常的に糖質を摂取している場合の血中総ケトン体の現行基準値は、施設により差はありますが、『26~122μM/L 』くらいです。
日常的に糖質を摂取している人でも、これくらいの血中ケトン体は常に存在していて、特に空腹時には、心筋や骨格筋など多くの体細胞の主たるエネルギー源となっているのです。
つまり、ケトン体は人体のごく普通のエネルギー源であり、当然安全性は高いのです。
絶食療法中やケトン食実践中には、血中ケトン体は、3000~4000μM/Lくらいに上昇し、現行基準値の30~40倍の高値になりますが、それ自体は、各細胞において全く安全なものです。
例えば、生後4日目の新生児312名において、
一般食、糖質制限食にかかわらず、βヒドロキシ酪酸値の平均値は240.4μmol/L
同様に生後1ヶ月の新生児40名において、βヒドロキシ酪酸値の平均値は400μmol/L
です。
βヒドロキシ酪酸はケトン体の一種で、基準値は76mol/L以下です。
さらに、胎児58検体のの胎盤のβヒドロキシ酪酸は平均1730mol/Lで、基準値の20倍以上です。
つまり、胎児、新生児においては、ケトン体はごく普通に生理的に現行の基準値より高値なのです。
胎児や新生児においては、こちらが本当の基準値と言えるでしょう。
このように、ケトン体は、危険どころか、胎児や新生児においては極めて重要なエネルギー源となっているのです。
胎児や新生児において重要なエネルギー源となっているケトン体が、大人には危険という論理は成り立ちません。
ケトン体は成人においても重要なエネルギー源であり、安全なものなのです。
どれくらい安全かを、もう一つのエネルギー源であるブドウ糖と比べてみると、わかりやすいですね。
血糖値が、ケトン体と同様に、基準値の30倍で3000mg/dlになったらなんて、想像もできませんね。
ブドウ糖は手っ取り早くて、便利なエネルギー源ではあるのです。
しかし空腹時血糖値は110mg/dl未満、食後血糖値180mg/dl未満といった極めて狭い範囲に管理しておかないと酸化ストレスリスクなどを生じる危険なエネルギー源なのです。
江部康二
2014年02月04日 (火)
【14/02/03 peco
はじめまして。昨年8月に糖尿病と診断され、病院で勧められた食事法(カロリー制限)の後、先生の著書に出会い、糖質制限に切り替えた結果1月には 空腹時血糖値 250 →120前後
10%→6.7%と改善し、それだけでなくそれまでどうしても下がらなかった肝臓の数値や中性脂肪も大幅に改善しました。
心配なのはLDL HDLともにあまり変化がみられないことです。長い目でみれば、だんだん改善されてくるのでしょうか?他の数値が劇的に改善したので、こちらはどうなのかとちょっと心配になりました。
さらに本日週刊現代に糖質制限でたんぱく質が消費されすぎて筋力の低下や骨粗しょう症の危険があるとの記事が載りました。
ブログにて先生のお考えをお聞かせいただけるとうれしいです。】
peco さん
拙著のご購入、ありがとうございます。
コレステロールに関しては、 扉ページの、コレステロールの項をご参照ください。
週刊現代(2月15日)の記事は、、根拠なしの暴論です。
私はすでに、2002年以来、12年間スーパー糖質制限食ですが、元気ですよ。
糖質制限食で、筋力低下や骨粗鬆症を生じるというエビデンスは存在しません。
一医師が、持論を展開するのは、勝手ですが、根拠となる論文も何も存在しないのですから単なる憶測ということです。
根拠のない憶測・暴論を検証もせず取り上げる週刊現代の姿勢には、憤りを覚えます。
米国糖尿病学会は、2013年10月の栄養療法に関するコメントで、正式に「糖質制限食」を受容しています。
スウェーデン社会保険庁も、「糖質制限食」を公的に認めています。
英国糖尿病学会も「糖質制限食」を選択肢の一つとして認めています。
糖質制限食に関して、世界の趨勢に、出遅れて、ガラパゴス状態なのが、日本糖尿病学会です。
Ketogenic Diet(ケトン食)は、スーパー糖質制限食より更に厳しい糖質制限を実践しますが、
2010年版COCHRANE LIBRARLY(コクラン ライブラリー)
2011年版NICE(英国政府ガイドライン)
という国際的に有名な公的治療ガイドラインに、難治性小児てんかんの治療食として採用されました。
このように、世界各国で「糖質制限食」は公的に認められています。
糖質制限食の安全性に関しても、少なくとも、米国糖尿病学会、スウェーデン社会保険庁、英国糖尿病学会、コクラン、英国政府において、容認されていることとなりますね。
江部康二
はじめまして。昨年8月に糖尿病と診断され、病院で勧められた食事法(カロリー制限)の後、先生の著書に出会い、糖質制限に切り替えた結果1月には 空腹時血糖値 250 →120前後
10%→6.7%と改善し、それだけでなくそれまでどうしても下がらなかった肝臓の数値や中性脂肪も大幅に改善しました。
心配なのはLDL HDLともにあまり変化がみられないことです。長い目でみれば、だんだん改善されてくるのでしょうか?他の数値が劇的に改善したので、こちらはどうなのかとちょっと心配になりました。
さらに本日週刊現代に糖質制限でたんぱく質が消費されすぎて筋力の低下や骨粗しょう症の危険があるとの記事が載りました。
ブログにて先生のお考えをお聞かせいただけるとうれしいです。】
peco さん
拙著のご購入、ありがとうございます。
コレステロールに関しては、 扉ページの、コレステロールの項をご参照ください。
週刊現代(2月15日)の記事は、、根拠なしの暴論です。
私はすでに、2002年以来、12年間スーパー糖質制限食ですが、元気ですよ。
糖質制限食で、筋力低下や骨粗鬆症を生じるというエビデンスは存在しません。
一医師が、持論を展開するのは、勝手ですが、根拠となる論文も何も存在しないのですから単なる憶測ということです。
根拠のない憶測・暴論を検証もせず取り上げる週刊現代の姿勢には、憤りを覚えます。
米国糖尿病学会は、2013年10月の栄養療法に関するコメントで、正式に「糖質制限食」を受容しています。
スウェーデン社会保険庁も、「糖質制限食」を公的に認めています。
英国糖尿病学会も「糖質制限食」を選択肢の一つとして認めています。
糖質制限食に関して、世界の趨勢に、出遅れて、ガラパゴス状態なのが、日本糖尿病学会です。
Ketogenic Diet(ケトン食)は、スーパー糖質制限食より更に厳しい糖質制限を実践しますが、
2010年版COCHRANE LIBRARLY(コクラン ライブラリー)
2011年版NICE(英国政府ガイドライン)
という国際的に有名な公的治療ガイドラインに、難治性小児てんかんの治療食として採用されました。
このように、世界各国で「糖質制限食」は公的に認められています。
糖質制限食の安全性に関しても、少なくとも、米国糖尿病学会、スウェーデン社会保険庁、英国糖尿病学会、コクラン、英国政府において、容認されていることとなりますね。
江部康二