2014年02月03日 (月)
こんにちは。
女子栄養大学の香川靖雄先生が『栄養と料理』2014年1月号 に、有害な情報と題して、論陣をはっておられます。
精神科医師Aさんから、コメント・情報をいただきました。
香川先生、相変わらず、
「脳はブドウ糖しか利用できないのです。」
と断定しておられますが、とんでもない有害情報を自ら発信しておられます。 (*_*)
そろそろ、勉強していただきたいと思います。
間違った情報を発信し続けることは、ご自身が仰有るとおり、害悪です。
普通に、初心に戻られ、ハーパー生化学やガイトン臨床生理学を読んで頂きたいと思います。
そして栄養学者として「ケトン食」の知識は、必要不可欠なので是非勉強して欲しいと思います。
Ketogenic Diet(ケトン食)は、2010年版COCHRANE LIBRARLY(コクラン ライブラリー)、2011年版NICE(英国政府ガイドライン)、という国際的に有名な公的治療ガイドラインに難治性小児てんかん治療に採用されました。
脳に関する真実は
「脳はエネルギー源としてケトン体をいくらでも利用できるし、ブドウ糖も利用できる。」
ということです。
『イラストレイテッド ハーパー・生化学 原書27版』(丸善)p154
には、脳はそのエネルギー要求の20%をケトン体でまかなうことができると記載してあります。
それで、脳はどの程度までケトン体をエネルギー源とできるかということなのですが、ハーパー生化学のいう約20%までということはありません。
例えば、
ガイトン臨床生理学(米国の有名な医学の教科書です)
監訳・早川弘一、医学書院、1999年、870ページ
によれば、
「炭水化物がエネルギー源として使用できない時、生体のほとんどの細胞のエネルギー源は脂質の代謝により賄われる」
「エスキモー人種は時々完全な脂肪食をとるが・・・、・・・通常ブドウ糖しかエネルギー源として利用しない脳の細胞でさえ、数週間後には50~75%のエネルギ-を脂質(ケトン体)から得られるようになっている」
という記載があります。
さらに、糖輸送体(GLUT)1欠損症の場合は、「ケトン食」が唯一の治療法です。
細胞が血液中のブドウ糖を取り込むためには、糖輸送体が必要です。
現在までGLUT1~14までが発見されています。
脳・赤血球・網膜・生殖腺胚上皮の糖輸送体はGLUT1です。
GLUT1欠損症では、GLUT1に機能不全があるため、脳細胞が血液中のブドウ糖をエネルギー源としてほとんど利用できないので、通常の食事では意識不明やてんかんの発作を頻回に生じます。
ケトン食は、脂質摂取比率75~80%の、スーパー糖質制限食(56%)を上回る糖質制限食です。
ケトン食実践で血中ケトン体が高値(2000~4000μM/L)となり、ケトン体が脳のエネルギー源のほとんどを占めるようになれば、GLUT1欠損症の患者さんも健康な生活をおくれます。
つまりGLUT1欠損症では脳はブドウ糖がエネルギー源として使えないので、ケトン体が脳の唯一のエネルギー源となるのです。
この場合、エスキモーの50~75%より、さらに高い比率で脳はケトン体をエネルギー源としていると考えられます。
また私が34才で、本断食(カロリーゼロ、塩ゼロ、水のみ摂取)をしたとき、血糖は35mg/dlまで下がりました。
しかし普通に意識は清明で外来もしてましたので、この時私の脳は、ブドウ糖ではなくケトン体を主たるエネルギー源として利用していたと考えられます。
本断食でもケトン体は、2000~4000μM/Lになります。
ケトン体が基準値(26~122μM/L)しかなくて、血糖値が35mg/dlなら、脳はエネルギー源がないので、意識不明で昏睡になります。
糖新生(肝臓でアミノ酸、乳酸、グリセロールなどからブドウ糖を作る)は、脳ではなくて赤血球のために必要なのだと思います。脳と違って、赤血球は血糖値35mg/dlくらいでも生きていけるようです。
江部康二
【14/02/02 精神科医師A
有害な情報
『栄養と料理』2014年1月号
<最先端を行く『栄養学レビュー』> (部分抜粋)
女子栄養大学副学長 香川靖雄
http://www.ilsijapan.org/ILSIJapan/BOOK/Reviews/NR栄養学レビュー22-1.php
P124
◇有害情報の防波堤
健康ブームといわれる昨今、多くの健康食品や健康法が唱えられています。短期間で減量したり血糖値を下げる方法などがその例ですが、急激な体重減少や血糖低下は、筋肉や骨のたんぱく質の分解を招き、体に害を与えます
(中略)
そこで国民を有害な“健康情報”から守る防波堤が必要です。『栄養学レビュー』は、その役割を担うと私は考えています。
P125
日本で氾濫する“健康情報”は、特定の健康法に関する1つの論文だけを誇大に報道しますが、同誌の論文は、直接人体に試みた研究を、有害や無効とする論文も含めてすべて表や図に公平にまとめ、比較 分析したものです、このような系統的評価をメタアナリシスと呼びます。厳密には無作為化比較対照餞験でそれぞれの健康への効果を被験者数や効果の程度に応じて重みをつけ、続計学的な分析がなされます。そしてその結論の科学的根拠を探ります。
*第20回女子栄養大学栄養科学研究所講演会
2010年11月6日 香川靖雄
講演録が2011年の栄養科学研究所年報に掲載されました。
P26
それでは、朝食を欠食するとどうして脳の働きが悪くなるのでしょうか。それは、血糖が下がるからです。肝臓に蓄えられている糖は、朝になったらほとんど使い切ってしまいます。朝ご飯を食べなかったら体の中にあるブドウ糖は脳に集まって代謝されます。間違ったことを言う人がいて、どんな根拠があるかわかりませんが、「脳はブドウ糖の他の栄養素も分解できる」とインターネットで堂々と言っています。それは間違いです、脳はブドウ糖しか利用できないのです。
□ □
…有害な情報は結局どっちかね? 】
女子栄養大学の香川靖雄先生が『栄養と料理』2014年1月号 に、有害な情報と題して、論陣をはっておられます。
精神科医師Aさんから、コメント・情報をいただきました。
香川先生、相変わらず、
「脳はブドウ糖しか利用できないのです。」
と断定しておられますが、とんでもない有害情報を自ら発信しておられます。 (*_*)
そろそろ、勉強していただきたいと思います。
間違った情報を発信し続けることは、ご自身が仰有るとおり、害悪です。
普通に、初心に戻られ、ハーパー生化学やガイトン臨床生理学を読んで頂きたいと思います。
そして栄養学者として「ケトン食」の知識は、必要不可欠なので是非勉強して欲しいと思います。
Ketogenic Diet(ケトン食)は、2010年版COCHRANE LIBRARLY(コクラン ライブラリー)、2011年版NICE(英国政府ガイドライン)、という国際的に有名な公的治療ガイドラインに難治性小児てんかん治療に採用されました。
脳に関する真実は
「脳はエネルギー源としてケトン体をいくらでも利用できるし、ブドウ糖も利用できる。」
ということです。
『イラストレイテッド ハーパー・生化学 原書27版』(丸善)p154
には、脳はそのエネルギー要求の20%をケトン体でまかなうことができると記載してあります。
それで、脳はどの程度までケトン体をエネルギー源とできるかということなのですが、ハーパー生化学のいう約20%までということはありません。
例えば、
ガイトン臨床生理学(米国の有名な医学の教科書です)
監訳・早川弘一、医学書院、1999年、870ページ
によれば、
「炭水化物がエネルギー源として使用できない時、生体のほとんどの細胞のエネルギー源は脂質の代謝により賄われる」
「エスキモー人種は時々完全な脂肪食をとるが・・・、・・・通常ブドウ糖しかエネルギー源として利用しない脳の細胞でさえ、数週間後には50~75%のエネルギ-を脂質(ケトン体)から得られるようになっている」
という記載があります。
さらに、糖輸送体(GLUT)1欠損症の場合は、「ケトン食」が唯一の治療法です。
細胞が血液中のブドウ糖を取り込むためには、糖輸送体が必要です。
現在までGLUT1~14までが発見されています。
脳・赤血球・網膜・生殖腺胚上皮の糖輸送体はGLUT1です。
GLUT1欠損症では、GLUT1に機能不全があるため、脳細胞が血液中のブドウ糖をエネルギー源としてほとんど利用できないので、通常の食事では意識不明やてんかんの発作を頻回に生じます。
ケトン食は、脂質摂取比率75~80%の、スーパー糖質制限食(56%)を上回る糖質制限食です。
ケトン食実践で血中ケトン体が高値(2000~4000μM/L)となり、ケトン体が脳のエネルギー源のほとんどを占めるようになれば、GLUT1欠損症の患者さんも健康な生活をおくれます。
つまりGLUT1欠損症では脳はブドウ糖がエネルギー源として使えないので、ケトン体が脳の唯一のエネルギー源となるのです。
この場合、エスキモーの50~75%より、さらに高い比率で脳はケトン体をエネルギー源としていると考えられます。
また私が34才で、本断食(カロリーゼロ、塩ゼロ、水のみ摂取)をしたとき、血糖は35mg/dlまで下がりました。
しかし普通に意識は清明で外来もしてましたので、この時私の脳は、ブドウ糖ではなくケトン体を主たるエネルギー源として利用していたと考えられます。
本断食でもケトン体は、2000~4000μM/Lになります。
ケトン体が基準値(26~122μM/L)しかなくて、血糖値が35mg/dlなら、脳はエネルギー源がないので、意識不明で昏睡になります。
糖新生(肝臓でアミノ酸、乳酸、グリセロールなどからブドウ糖を作る)は、脳ではなくて赤血球のために必要なのだと思います。脳と違って、赤血球は血糖値35mg/dlくらいでも生きていけるようです。
江部康二
【14/02/02 精神科医師A
有害な情報
『栄養と料理』2014年1月号
<最先端を行く『栄養学レビュー』> (部分抜粋)
女子栄養大学副学長 香川靖雄
http://www.ilsijapan.org/ILSIJapan/BOOK/Reviews/NR栄養学レビュー22-1.php
P124
◇有害情報の防波堤
健康ブームといわれる昨今、多くの健康食品や健康法が唱えられています。短期間で減量したり血糖値を下げる方法などがその例ですが、急激な体重減少や血糖低下は、筋肉や骨のたんぱく質の分解を招き、体に害を与えます
(中略)
そこで国民を有害な“健康情報”から守る防波堤が必要です。『栄養学レビュー』は、その役割を担うと私は考えています。
P125
日本で氾濫する“健康情報”は、特定の健康法に関する1つの論文だけを誇大に報道しますが、同誌の論文は、直接人体に試みた研究を、有害や無効とする論文も含めてすべて表や図に公平にまとめ、比較 分析したものです、このような系統的評価をメタアナリシスと呼びます。厳密には無作為化比較対照餞験でそれぞれの健康への効果を被験者数や効果の程度に応じて重みをつけ、続計学的な分析がなされます。そしてその結論の科学的根拠を探ります。
*第20回女子栄養大学栄養科学研究所講演会
2010年11月6日 香川靖雄
講演録が2011年の栄養科学研究所年報に掲載されました。
P26
それでは、朝食を欠食するとどうして脳の働きが悪くなるのでしょうか。それは、血糖が下がるからです。肝臓に蓄えられている糖は、朝になったらほとんど使い切ってしまいます。朝ご飯を食べなかったら体の中にあるブドウ糖は脳に集まって代謝されます。間違ったことを言う人がいて、どんな根拠があるかわかりませんが、「脳はブドウ糖の他の栄養素も分解できる」とインターネットで堂々と言っています。それは間違いです、脳はブドウ糖しか利用できないのです。
□ □
…有害な情報は結局どっちかね? 】
2014年02月02日 (日)
こんばんは。
「炭水化物(糖質)の存在意義および価値は?
ひらたく言うと、糖質は何のためにあるのでしょうか?」
こんな質問を、ある新聞記者さんからいただきましたので考えてみました。
必須アミノ酸、必須脂肪酸は、厳然と存在します。
人体で生産することができないアミノ酸と脂肪酸は、必ず食物から摂取する必要があります。
また、ビタミンも体内で合成できないものがほとんどで、食物から摂取する必要がありますし、ミネラルや微量元素も同様に必須です。
これに対して、必須糖質は存在しません。
体内で必要なブドウ糖は、肝臓で糖新生してまかなうので、食物から摂取する必要はないのです。
国際食事エネルギーコンサルテーショングループの報告では、
「炭水化物(この場合は糖質とほぼ同義)の理論的な最小必要量はゼロである」(☆)
と明記されています。
人体内で唯一絶対にブドウ糖を必要とするのは、赤血球です。
赤血球は、人体の細胞で唯一、ミトコンドリアというエネルギー生産装置を持っていないので、ブドウ糖しか利用できません。
空腹時や睡眠時などを含めると赤血球へのブドウ糖供給は、ほとんどが肝臓の糖新生によって、まかなわれており、食材からは少量です。
脳はミトコンドリアを持っているので、脂肪酸の分解物のケトン体をいくらでもエネルギー源としますし、ブドウ糖も利用します。
他の心筋、骨格筋、体細胞は日常的には脂肪酸・ケトン体を主エネルギー源として、時々ブドウ糖も利用します。
<炭水化物(糖質)の役割>
人類の進化の歴史において、農耕が始まる前の狩猟・採集時代700万年間においては、食材としての糖質の役割は、中性脂肪蓄積が第一義であったと考えられます。
初期の人類において、中性脂肪を体脂肪として蓄えておくことは、日常的に襲ってくる飢餓への、唯一のセーフティーネットであったと考えられます。
狩猟・採集時代に時々手に入った糖質は、野生の果物類、ナッツ類、そして山芋・百合根など根茎類です。
運良くこれらを得たとき、少量のインスリンが追加分泌されて、脂肪細胞のGLUT4が細胞表面に上がり、血糖を取り込んで中性脂肪に変えていたのです。
インスリンが追加分泌されれば、筋肉細胞も血糖を取り込み血糖値を下げます。
しかし余った血糖は全てインスリンが脂肪細胞に取り込ませて、中性脂肪に変えて蓄えていたのです。
狩猟・採集時代においては、「インスリンと糖質」のコンビは、もっぱら、脂肪蓄積装置として、稼働していたと考えられます。
また果物の果糖は、ブドウ糖にはほとんど変わりませんが吸収されて肝臓に至り、ブドウ糖より速やかに中性脂肪になり蓄積されます。果物の糖質には、ブドウ糖、ショ糖、果糖などがあります。
このように、人類の進化の過程では、糖質は時々しか手に入らないラッキー食材であり、貴重な中性脂肪蓄積のもとだったと考えられます。
本来、中性脂肪蓄積が第一義であった糖質を、農耕が定着して以降は、日常的に摂取するようになりました。
さらにこの200年は、精製炭水化物を常食するようになったので、大量の追加分泌インスリンがでて、大変中性脂肪が蓄積されやすい状況となり、肥満が発症しやすくなったのです。
大量のインスリンを分泌し続けて、膵臓のβ細胞が疲弊すれば、糖尿病を発症します。
700万年間の狩猟・採集時代は、β細胞はほとんど働く必要もなくのんびり過ごしていたと考えられます。
精製炭水化物登場以降の現代は、β細胞にとって朝から晩まで過剰に働き続けざるを得ない受難の時代と言えるでしょう。
β細胞が過労死になってもおかしくないのが、現代の糖質過剰時代なのです。
(☆)
Eur J Clin Nutr. 1999 Apr;53 Suppl 1:S177-8.
Report of the IDECG Working Group on lower and upper limits of carbohydrate and fat intake. International Dietary Energy Consultative Group.
Bier DM, Brosnan JT, Flatt JP, Hanson RW, Heird W, Hellerstein MK, Jéquier E, Kalhan S, Koletzko B, Macdonald I, Owen O, Uauy R.
江部康二
「炭水化物(糖質)の存在意義および価値は?
ひらたく言うと、糖質は何のためにあるのでしょうか?」
こんな質問を、ある新聞記者さんからいただきましたので考えてみました。
必須アミノ酸、必須脂肪酸は、厳然と存在します。
人体で生産することができないアミノ酸と脂肪酸は、必ず食物から摂取する必要があります。
また、ビタミンも体内で合成できないものがほとんどで、食物から摂取する必要がありますし、ミネラルや微量元素も同様に必須です。
これに対して、必須糖質は存在しません。
体内で必要なブドウ糖は、肝臓で糖新生してまかなうので、食物から摂取する必要はないのです。
国際食事エネルギーコンサルテーショングループの報告では、
「炭水化物(この場合は糖質とほぼ同義)の理論的な最小必要量はゼロである」(☆)
と明記されています。
人体内で唯一絶対にブドウ糖を必要とするのは、赤血球です。
赤血球は、人体の細胞で唯一、ミトコンドリアというエネルギー生産装置を持っていないので、ブドウ糖しか利用できません。
空腹時や睡眠時などを含めると赤血球へのブドウ糖供給は、ほとんどが肝臓の糖新生によって、まかなわれており、食材からは少量です。
脳はミトコンドリアを持っているので、脂肪酸の分解物のケトン体をいくらでもエネルギー源としますし、ブドウ糖も利用します。
他の心筋、骨格筋、体細胞は日常的には脂肪酸・ケトン体を主エネルギー源として、時々ブドウ糖も利用します。
<炭水化物(糖質)の役割>
人類の進化の歴史において、農耕が始まる前の狩猟・採集時代700万年間においては、食材としての糖質の役割は、中性脂肪蓄積が第一義であったと考えられます。
初期の人類において、中性脂肪を体脂肪として蓄えておくことは、日常的に襲ってくる飢餓への、唯一のセーフティーネットであったと考えられます。
狩猟・採集時代に時々手に入った糖質は、野生の果物類、ナッツ類、そして山芋・百合根など根茎類です。
運良くこれらを得たとき、少量のインスリンが追加分泌されて、脂肪細胞のGLUT4が細胞表面に上がり、血糖を取り込んで中性脂肪に変えていたのです。
インスリンが追加分泌されれば、筋肉細胞も血糖を取り込み血糖値を下げます。
しかし余った血糖は全てインスリンが脂肪細胞に取り込ませて、中性脂肪に変えて蓄えていたのです。
狩猟・採集時代においては、「インスリンと糖質」のコンビは、もっぱら、脂肪蓄積装置として、稼働していたと考えられます。
また果物の果糖は、ブドウ糖にはほとんど変わりませんが吸収されて肝臓に至り、ブドウ糖より速やかに中性脂肪になり蓄積されます。果物の糖質には、ブドウ糖、ショ糖、果糖などがあります。
このように、人類の進化の過程では、糖質は時々しか手に入らないラッキー食材であり、貴重な中性脂肪蓄積のもとだったと考えられます。
本来、中性脂肪蓄積が第一義であった糖質を、農耕が定着して以降は、日常的に摂取するようになりました。
さらにこの200年は、精製炭水化物を常食するようになったので、大量の追加分泌インスリンがでて、大変中性脂肪が蓄積されやすい状況となり、肥満が発症しやすくなったのです。
大量のインスリンを分泌し続けて、膵臓のβ細胞が疲弊すれば、糖尿病を発症します。
700万年間の狩猟・採集時代は、β細胞はほとんど働く必要もなくのんびり過ごしていたと考えられます。
精製炭水化物登場以降の現代は、β細胞にとって朝から晩まで過剰に働き続けざるを得ない受難の時代と言えるでしょう。
β細胞が過労死になってもおかしくないのが、現代の糖質過剰時代なのです。
(☆)
Eur J Clin Nutr. 1999 Apr;53 Suppl 1:S177-8.
Report of the IDECG Working Group on lower and upper limits of carbohydrate and fat intake. International Dietary Energy Consultative Group.
Bier DM, Brosnan JT, Flatt JP, Hanson RW, Heird W, Hellerstein MK, Jéquier E, Kalhan S, Koletzko B, Macdonald I, Owen O, Uauy R.
江部康二
2014年02月01日 (土)
こんにちは。
「宮崎一般向け講演会」のご案内です。
糖質セイゲニストin宮崎 講演会 「カロリー制限から糖質制限へ」
宮崎では、初めての講演会です。
2013年10月の米国糖尿病学会の栄養療法の声明、2013年日本腎臓病学会の糖尿病腎症のガイドラインなど、最新の情報を取り上げて解説します。
例えば、米国糖尿病学会は、糖質制限食を公式に容認しました。
そして糖尿病患者さんの血液検査データも紹介します。
同一摂取カロリーで揃えた「従来の糖尿病食 VS スーパー糖質制限食」
の血糖値の日内変動データ比較は圧巻です。
食後高血糖と平均血糖変動幅に関しては、糖質制限食の圧勝で、その差は「月とスッポン」です。
糖尿病合併症を防ぐには、「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」を生じないことが必要不可欠です。
しかしながら糖質を摂取すれば、必ず「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」を生じます。
「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」を生じない、唯一の食事療法が糖質制限食なのです。
すなわち、従来の糖尿病食(高糖質食)では、糖尿病合併症を防ぐことは理論的に不可能なのです。
年間
16000人が糖尿病腎症から透析、
3000人が糖尿病網膜症から失明、
3000人が糖尿病足病変から足切断、
というのが厳しい現実なのです。
糖尿病以外にも、ガンや生活習慣病のお話しもします。
糖質制限食とその可能性についてもお話しします。
糖質制限食は人類本来の食事であり、人類の健康食と言えます。
生活習慣病とされる多くの疾患が、実は糖質過剰摂取病なのです。
人類の身体は、700万年間の狩猟・採集時代で完成されました。
すなわち糖質制限食に適合するように創られました。
農耕開始して穀物を食べ始めたのは、わずか10000年間に過ぎません。
人類の身体のシステムは、穀物を50~60%も摂取するようにはできていないのです。
宮崎の皆さん、わかりやすいお話しを心掛けますので是非、ご参加くださいね。
そうそう、「糖質セイゲニストin北九州」世話人、三島塾代表の三島学氏のお話もあります。
受験生と糖質制限食と偏差値のお話しとか大変興味深い演題となると思います。
私もおおいに楽しみにしています。
江部康二
以下、一般社団法人日本糖質制限医療推進協会事務局からのお知らせです。
***************************
宮崎にて一般向けの講演会を協賛いたします。
//////////////////ご案内////////////////////
一般社団法人日本糖質制限医療推進協会 協賛イベント
糖質セイゲニストin宮崎 講演会
「カロリー制限から糖質制限へ」
宮崎にて、当協会理事長 江部康二が講師を務める講演会が開催されます。
シーガイア近くのレストラン「バルカドーロ」特製の低糖質なお弁当でランチタイムをお過ごし頂いた後、「糖質セイゲニストin北九州」世話人の三島学さんのお話、理事長の講演と続きます。
温暖なリゾート地、宮崎・シーガイアでの糖質制限食講演会です。
◆日時:2014年2月23日(日)12:00~16:00頃まで ※11:00開場
◆場所:フェニックス・シーガイア・リゾート コテージヒムカ ひむかルーム2F
〒880-8545 宮崎県宮崎市大字塩路字浜山3083番地
http://www.seagaia.co.jp/japanese/access/seagaiamap.html
◆講師:
・江部 康二 (一財)高雄病院 理事長、(一社)日本糖質制限医療推進協会 理事長
・三島 学 氏 三島塾代表、「糖質セイゲニストin北九州」世話人
◆参加費:お1人様 3,300円(バルカドーロ鍋倉シェフ特製ローカーボ弁当付き)
◆お申し込み・お問い合わせ:
レストランバルカドーロ(Tel:0985-25-0733)へご連絡ください。
「宮崎一般向け講演会」のご案内です。
糖質セイゲニストin宮崎 講演会 「カロリー制限から糖質制限へ」
宮崎では、初めての講演会です。
2013年10月の米国糖尿病学会の栄養療法の声明、2013年日本腎臓病学会の糖尿病腎症のガイドラインなど、最新の情報を取り上げて解説します。
例えば、米国糖尿病学会は、糖質制限食を公式に容認しました。
そして糖尿病患者さんの血液検査データも紹介します。
同一摂取カロリーで揃えた「従来の糖尿病食 VS スーパー糖質制限食」
の血糖値の日内変動データ比較は圧巻です。
食後高血糖と平均血糖変動幅に関しては、糖質制限食の圧勝で、その差は「月とスッポン」です。
糖尿病合併症を防ぐには、「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」を生じないことが必要不可欠です。
しかしながら糖質を摂取すれば、必ず「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」を生じます。
「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」を生じない、唯一の食事療法が糖質制限食なのです。
すなわち、従来の糖尿病食(高糖質食)では、糖尿病合併症を防ぐことは理論的に不可能なのです。
年間
16000人が糖尿病腎症から透析、
3000人が糖尿病網膜症から失明、
3000人が糖尿病足病変から足切断、
というのが厳しい現実なのです。
糖尿病以外にも、ガンや生活習慣病のお話しもします。
糖質制限食とその可能性についてもお話しします。
糖質制限食は人類本来の食事であり、人類の健康食と言えます。
生活習慣病とされる多くの疾患が、実は糖質過剰摂取病なのです。
人類の身体は、700万年間の狩猟・採集時代で完成されました。
すなわち糖質制限食に適合するように創られました。
農耕開始して穀物を食べ始めたのは、わずか10000年間に過ぎません。
人類の身体のシステムは、穀物を50~60%も摂取するようにはできていないのです。
宮崎の皆さん、わかりやすいお話しを心掛けますので是非、ご参加くださいね。
そうそう、「糖質セイゲニストin北九州」世話人、三島塾代表の三島学氏のお話もあります。
受験生と糖質制限食と偏差値のお話しとか大変興味深い演題となると思います。
私もおおいに楽しみにしています。
江部康二
以下、一般社団法人日本糖質制限医療推進協会事務局からのお知らせです。
***************************
宮崎にて一般向けの講演会を協賛いたします。
//////////////////ご案内////////////////////
一般社団法人日本糖質制限医療推進協会 協賛イベント
糖質セイゲニストin宮崎 講演会
「カロリー制限から糖質制限へ」
宮崎にて、当協会理事長 江部康二が講師を務める講演会が開催されます。
シーガイア近くのレストラン「バルカドーロ」特製の低糖質なお弁当でランチタイムをお過ごし頂いた後、「糖質セイゲニストin北九州」世話人の三島学さんのお話、理事長の講演と続きます。
温暖なリゾート地、宮崎・シーガイアでの糖質制限食講演会です。
◆日時:2014年2月23日(日)12:00~16:00頃まで ※11:00開場
◆場所:フェニックス・シーガイア・リゾート コテージヒムカ ひむかルーム2F
〒880-8545 宮崎県宮崎市大字塩路字浜山3083番地
http://www.seagaia.co.jp/japanese/access/seagaiamap.html
◆講師:
・江部 康二 (一財)高雄病院 理事長、(一社)日本糖質制限医療推進協会 理事長
・三島 学 氏 三島塾代表、「糖質セイゲニストin北九州」世話人
◆参加費:お1人様 3,300円(バルカドーロ鍋倉シェフ特製ローカーボ弁当付き)
◆お申し込み・お問い合わせ:
レストランバルカドーロ(Tel:0985-25-0733)へご連絡ください。