能登論文の問題点
こんばんは。

能登論文(★)の問題点について、精神科医師Aさんから、コメントをいただきました。

ありがとうございます。

まず、能登氏自身が所属する国立国際医療研究センターのホームページにおいて

1月30日の本ブログ記事の文献9
9. Lagiou P, Sandin S, Lof M, Trichopoulos D, Adami HO, et al. (2012) Low carbohydrate-high protein diet and incidence of cardiovascular diseases in Swedish women: prospective cohort study. BMJ 344: e4026. doi: 10.1136/bmj.e4026. Find this article online

に関して、

『た​​だ​​し​​,​​参​​加​​依​​頼​​へ​​の​​回​​答​​率​​が​​低​​値​​で​​あ​​る​​こ​​と​​,​​肥​​満​​者​​の​​割​​合​​が​​小​​さ​​い​​こ​​と​​,​​食​​事​​内​​容​​情​​報​​収​​集​​が​​1​​度​​で​​あ​​っ​​た​​こ​​と​​,​​一​​国​​の​​女​​性​​が​​対​​象​​で​​あ​​る​​こ​​と​​を​​鑑​​み​​る​​と​​,​​バ​​イ​​ア​​ス​​や​​残​​存​​交​​絡​​因​​子​​が​​小​​さ​​く​​な​​い​​た​​め​​,​​結​​果​​の​​妥​​当​​性​​・​​信​​頼​​性​​・​​一​​般​​性​​は​​高​​く​​な​​い​​可​​能​​性​​に​​気​​を​​つ​​け​​て​​慎​​重​​に​​解​​釈​​す​​る​​必​​要​​が​​あ​​る』

との記載があります。

能登氏自身が所属する国立国際医療研究センターのホームページに、

「結​​果​​の​​妥​​当​​性​​・​​信​​頼​​性​​・​​一​​般​​性​​は​​高​​く​​な​​い​​可​​能​​性がある」

と記載してあるような「石論文」を、何故、能登氏は、492の論文(コホート研究)から、最終的に9論文に絞るときにわざわざ選んだのでしょう?

おおいに疑問が残ります。

「総摂取エネルギー比率、糖質が30~40%のグループ(=中糖質群)は、60~70%のそれ(=高糖質群)と比べて、死亡率が1.31倍だった。」

「糖質制限ダイエットを5年以上続けると死亡率が高まる可能性がある」

という結論を得るために、この「石論文」を恣意的に選んだとしたら、極めてアンフェアな行為です。

二番目に、能登氏自身が認めているように

能登論文そのものが、エビデンスレベル3に過ぎません。

さらに能登氏自身が

「ただし、今回の解析はさまざまな理由で炭水化物摂取量が低かった人達の観察研究の結果であり、管理された低炭水化物食による介入研究の結果ではないため、確固たる結論を出すことはできない」

と述べているわりには、複数のマスコミに対して断定的に

「糖質制限ダイエットで死亡率が高まる可能性がある」

と、エビデンスレベル1の如く述べているのも、極めてアンフェアな行為です。

能登氏のアンフェアな発言を、検証もせずに、安易に紙面に載せるマスコミの罪もさることながら、能登氏自身の罪も、一般大衆を騙すという意味で、大きいと思います。

科学者として医師として如何なものでしょう。


(★)
能登論文
Low-Carbohydrate Diets and All-Cause Mortality:
A Systematic Review and Meta-Analysis of Observational Studies
PLoS ONE, 8(1), e55030
25-Jan-2013
Hiroshi Noto


江部康二



【能登論文の問題(1)
文献9に関しては、国立国際医療研究センターのHPをご覧ください

http://www.ncgm-dmic.jp/public/articleInfoDetail.do?articleInfoId=504

た​​だ​​し​​,​​参​​加​​依​​頼​​へ​​の​​回​​答​​率​​が​​低​​値​​で​​あ​​る​​こ​​と​​,​​肥​​満​​者​​の​​割​​合​​が​​小​​さ​​い​​こ​​と​​,​​食​​事​​内​​容​​情​​報​​収​​集​​が​​1​​度​​で​​あ​​っ​​た​​こ​​と​​,​​一​​国​​の​​女​​性​​が​​対​​象​​で​​あ​​る​​こ​​と​​を​​鑑​​み​​る​​と​​,​​バ​​イ​​ア​​ス​​や​​残​​存​​交​​絡​​因​​子​​が​​小​​さ​​く​​な​​い​​た​​め​​,​​結​​果​​の​​妥​​当​​性​​・​​信​​頼​​性​​・​​一​​般​​性​​は​​高​​く​​な​​い​​可​​能​​性​​に​​気​​を​​つ​​け​​て​​慎​​重​​に​​解​​釈​​す​​る​​必​​要​​が​​あ​​る​​

ま​​た​​,​​糖​​尿​​病​​患​​者​​へ​​の​​適​​用​​性​​・​​安​​全​​性​​(低​​血​​糖​​リ​​ス​​ク​​な​​ど​​)​・​​減​​量​​効​​果​​も​​不​​明​​で​​あ​​る​​
2014/01/31(Fri) 12:00 | URL | 精神科医師A | 】


【能登論文の問題(2)
 日本糖尿病学会が編集した「科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン2013」3頁では、引用文献のエビデンスレベルを以下のように定めている

表1 ガイドラインで用いたエビデンスレベル―各研究へ付された水準

1+ 質の高いランダム化比較試験(RCT),、およびそれらのメタアナリシスまたはシステマティックレビュー

1 それ以外のRCT、およびそれらのメタアナリシスまたはシステマティックレビュー

2 前向きコホート研究、およびそれらのメタアナリシスまたはシステマティックレビュー、事前に定めたRCTのサブ解析

3 非ランダム化比較試験、前後比較試験、後ろ向きコホート研究、ケースコントロール研究、およびそれらのメタアナリシスまたはシステマティックレビュー、RCTの後付けサブ解析

4 横断研究、症例集積


ちなみに能登論文は、レベル3にすぎない。このことは能登氏自身も認めている
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/series/noto/201306/531241_3.html

「ただし、今回の解析はさまざまな理由で炭水化物摂取量が低かった人達の観察研究の結果であり、管理された低炭水化物食による介入研究の結果ではないため、確固たる結論を出すことはできない (表のエビデンス水準の3に相当)」
2014/01/31(Fri) 12:02 | URL | 精神科医師A | 】


テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
「たけしのテレビタックル」夏井先生の圧勝。能登論文は信頼度低い。
こんばんは

「ビートたけしのテレビタックル」2014年1月27日(月)放送、

夏井睦先生(糖質制限食賛成派)の出演で、森田豊先生(糖質制限食反対派))と ディベートでした。

私は、当日、クローズドの講演会で残念ながら見ることができませんでした。

本ブログにも、夏井先生のブログにも沢山のコメントが寄せられて冷静沈着に論理的に説明する夏井先生に対して、大声でキレて、根拠なしにしゃべる森田先生という構図だったようで、夏井先生の圧勝ですね。 \(^○^)/

ディベートの中で、唯一森田先生が根拠として挙げたのが、例の能登先生の論文でした。

本ブログ記事でも、能登論文の信頼度が極めて低いことは何度か説明してきました。

能登論文の結論は

「総摂取エネルギー比率、糖質が30~40%のグループ(=中糖質群)は、60~70%のそれ(=高糖質群)と比べて、死亡率が1.31倍だった。」

「糖質制限ダイエットを5年以上続けると死亡率が高まる可能性がある」

です。

以下、能登論文の信頼度が低いことを説明します。

能登先生は、492の論文(コホート研究)から、最終的に9論文に絞って、メタ解析をしておられます。(*)

そしてこの9論文、私が既に読んでいるものがあり、わかっている範囲で、玉石混交です。

引用文献は1~39まであり、文献番号7.8.9.1011.12と29.30.31が選択された9論文です。→本記事の最後に記載。


文献9は、本ブログ記事で何回か取り上げた、信頼度ゼロの、「低糖質・高蛋白質食、心血管イベント上昇」というBMJの論文です。

・栄養分析が登録時の1992年1回、15年以上その食生活が継続という仮定。
・塩分摂取量での調節がなされていない。
・質問事項が食物の項目で、糖質量など各栄養素の算出方法が不明確。
・糖質摂取とタンパク質摂取の点数化が恣意的で歪曲されている。
・この論文の平均摂取カロリーは1561kcal。同時期のスエーデンの論文の平均摂取カロリー1999.5Kcalに比し過少申告。 
・BMJ には、本記事に対する専門家のコメントが12件よせられ、その全てがこの論文に対して否定的見解。→希有なこと


上記からこの論文は、極めて信頼度の低い論文です。

この信頼度のない論文を含めた時点で、能登論文の信頼度もまた地に落ちています。

文献11も同じ著者(Lagiou )の論文です。

一方、最も信頼度が高い文献は、30です。

症例数も追跡年数も申し分ありません。

文献30は、NHSがデータベースで、82802名を20年間の追跡です。
低炭水化物・高脂肪・高タンパク食に冠動脈疾患のリスクなし
ニューイングランドジャーナルのコホート研究  82802人 2006年 ハーバード大学

・1980年、米国の女性看護師82,802人に食事調査を行い、研究を開始 。
・質問票を使った食事調査を、1980年から1998年までのあいだに、2-6年間隔で6回実施。
・低炭水化物食「得点」が上位10%のグループの冠動脈疾患の発生率は下位10%のグループの0.94倍で有意差なし。
 2000年の時点で10グループを解析。炭水化物摂取比率36.8±6.1%グループと58.8±7.0%のグループの比較。
・即ち20年間の追跡で、脂肪と蛋白質が多く炭水化物が少ない食事をしているグループでも、心臓病のリスクは
 上昇しなかった。
・一方総炭水化物摂取量は冠動脈疾患リスクの中等度増加に関連していた。 高GLは冠動脈疾患リスク増加と強く関連
 していた。


最も信頼度が高い文献30の結論は、能登論文の結論とは正反対で

「低炭水化物・高脂肪・高タンパク食に冠動脈疾患のリスクなし」

であり、

「総炭水化物摂取量は冠動脈疾患リスクの中等度増加に関連していた。 高GLは冠動脈疾患リスク増加と強く関連していた。」

です。
すなわち高炭水化物食の危険性を指摘しています。

結局、能登論文、折角信頼度の高い、文献30をもってきたのに、信頼度ゼロの文献9などを加えたために、メタ解析結果が全く信頼のおけないものになってしまっています。

つまり玉の論文の結論を、石の論文が足を引っぱって、逆の結論になってしまっています。

文献30と文献9では、アンケートの信頼度が月とスッポンであり、データを混ぜること自体が、文献30に対して失礼です。

意図的にこのような信頼度の低い論文を選ばれたのなら、アンフェアとしか言いようがありません。

能登論文のような信頼度の低いメタ解析など不必要で、82802名を20年間追跡した信頼度の高い文献30で必要充分と言えます。

さらに、文献31の論文は「高GL食・高GI食を食べている中年女性は、心血管リスクが上昇する。」という明確な結論であり、高炭水化物食の危険性を指摘しています。



江部康二



7. Fung TT, van Dam RM, Hankinson SE, Stampfer M, Willett WC, et al. (2010) Low-carbohydrate diets and all-cause and cause-specific mortality: two cohort studies. Ann Intern Med 153: 289-298. Find this article online

8. Sjogren P, Becker W, Warensjo E, Olsson E, Byberg L, et al. (2010) Mediterranean and carbohydrate-restricted diets and mortality among elderly men: a cohort study in Sweden. Am J Clin Nutr 92: 967-974. doi: 10.3945/ajcn.2010.29345. Find this article online

9. Lagiou P, Sandin S, Lof M, Trichopoulos D, Adami HO, et al. (2012) Low carbohydrate-high protein diet and incidence of cardiovascular diseases in Swedish women: prospective cohort study. BMJ 344: e4026. doi: 10.1136/bmj.e4026. Find this article online
2012/09/17 の本ブログ記事で取り上げた信頼度の低い論文。→石論文

10.Nilsson LM, Winkvist A, Eliasson M, Jansson JH, Hallmans G, et al. (2012) Low-carbohydrate, high-protein score and mortality in a northern Swedish population-based cohort. Eur J Clin Nutr 66: 694-700. doi: 10.1038/ejcn.2012.9. Find this article online

11.Lagiou P, Sandin S, Weiderpass E, Lagiou A, Mucci L, et al. (2007) Low carbohydrate-high protein diet and mortality in a cohort of Swedish women. J Intern Med 261: 366-374. doi: 10.1111/j.1365-2796.2007.01774.x. Find this article online
例のBMJの信頼度の低い論文と同じ著者の論文。

12.Trichopoulou A, Psaltopoulou T, Orfanos P, Hsieh CC, Trichopoulos D (2007) Low-carbohydrate-high-protein diet and long-term survival in a general population cohort. Eur J Clin Nutr 61: 575-581. doi: 10.1038/sj.ejcn.1602557. Find this article online

29. Oh K, Hu FB, Cho E, Rexrode KM, Stampfer MJ, et al. (2005) Carbohydrate intake, glycemic index, glycemic load, and dietary fiber in relation to risk of stroke in women. Am J Epidemiol 161: 161-169. doi: 10.1093/aje/kwi026. Find this article online

30. Halton TL, Willett WC, Liu SM, Manson JE, Albert CM, et al. (2006) Low-carbohydrate-diet score and the risk of coronary heart disease in women. N Engl J Med 355: 1991-2002. doi: 10.1056/NEJMoa055317. Find this article online
2012/09/17 の本ブログ記事で取り上げた論文。→玉論文。

31.Beulens JW, de Bruijne LM, Stolk RP, Peeters PH, Bots ML, et al. (2007) High dietary glycemic load and glycemic index increase risk of cardiovascular disease among middle-aged women: a population-based follow-up study. J Am Coll Cardiol 50: 14-21. Find this article online


(*)
能登論文
Low-Carbohydrate Diets and All-Cause Mortality: A Systematic Review and Meta-Analysis of Observational Studies
PLoS ONE, 8(1), e55030
25-Jan-2013
Hiroshi Noto


テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
スーパー糖質制限食で、血糖値とHbA1cが劇的改善。
【14/01/30 ひーちゃん

糖質制限は凄い!!!

江部先生

初めまして。

昨年の9月に風邪をこじらせ掛かりつけの内科にて血液検査をしましたら
血糖値:253 ヘモグロビンac1:13.3

先生から内服薬を3種類頂いて様子を見ましょうと言われ、ショックで贅沢三昧していた自分に対して無償に悲しくなりました。

ネットを色々と見て糖尿病になられた方の 話をみようとしたら皆さん、江部先生の 『糖質制限』を実践したら正常値に戻ったと 記載されており、アマゾンで江部先生の 本やらレシピやら、数冊購入させて頂きました。

今の私のバイブルは食品別糖質量です(笑)

で、9月の終わりからスーパー糖質制限を実践し11月末の検査にて
ヘモグロビンAC1:8.0 
空腹時血糖値:120になりました。

主治医の先生もビックリされておりました!!

また、先週、お正月も有ったので数値が悪いかと 検査が怖かったですが、結果 

ヘモグロビンAC1:5.4 
空腹時血糖値:80 

と、お陰様で 正常値になりました。

糖質制限凄いですね。

父も糖尿病で数十年に渡り苦しんできました。

大学病院での薬の処方も効果なく亡くなりましたが父に教えてあげたかったです。

江部先生!本当に有難うございました。

これからも、自分の数値と向き合いつつ、 頑張っていきたいと思います。

長くなりましたが一つ、伺いたい事が有ります。

月に1~2回は外食でお寿司やラーメンなど 食べちゃっても大丈夫ですかね?(笑)

時々無性に食べたくなりますが この事を伺いたく、ご連絡させて頂きました。】


こんばんは。

ひーちゃんから、糖質制限食で、血糖値とHbA1cが劇的改善という嬉しいコメントをいただきました。

ひーちゃん、拙著のご購入、ありがとうございます。
劇的改善、良かったですね。

2013年9月 HbA1c:13.3 随時血糖値:253 
2014年1月 HbA1c:5.4 空腹時血糖値:80 


これは素晴らしいです。

はっきりいって、私のデータよりいいですよ。


「父も糖尿病で数十年に渡り苦しんできました。 大学病院での薬の処方も効果なく亡くなりました。」


残念ですね。

私の父も、糖質制限食が間に合わなくて、77才で下肢切断、80才で心筋梗塞と肺炎で、亡くなりました。

糖質を摂取して薬物療法をしても、合併症の予防は困難であり、同様の悲劇が、日本で何十年も繰り返されてきました。

今は糖質制限食があるので、合併症の恐怖から解き放たれたと言えますね。

「月に1~2回は外食でお寿司やラーメンなど 食べちゃっても大丈夫ですかね?(笑)」

食後高血糖が生じるので大丈夫ではないのですが、まあいいでしょう。(^^;)

グルコバイやグルファストを食直前に内服あるいは、両者を内服して、少量の寿司なら食後血糖値が180mg/dlを超えないかもです。

可能なら、ニプロトゥルーピコ(¥3500)を購入されてそういうときの食後血糖値をチェックされては如何でしょう。


江部康二


テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
飽和脂肪酸摂取量と脳心血管イベント発生は関係がない

【14/01/28 花岡 奈々

ありがとうございます
とても参考になりました!

ありがとうございます。

たとえば穀物をやめ肉食や野菜などの食事に変えたとすると、糖尿病は減るかと思いますが、心臓病というのでしょうか。心筋梗塞、動脈硬化などが次にリスクが高くなることはないですか?素人考えで申し訳ありません。】


こんばんは。

花岡 奈々 さんから、

「糖質制限食で、肉食などが増えると、糖尿病は減るとしても心筋梗塞、動脈硬化などのリスクが高くなりませんか?」

という、コメント・質問をいただきました。

従来の常識から

「糖質制限食に伴う脂肪摂取増加は、脳心血管疾患の発生にどう影響するか?」

という疑問が誰しも湧いてくると思います。

この疑問に対しては、結論からいうと

『飽和脂肪酸摂取量と脳心血管イベント発生は関係がない』

という信頼度の高い論文が出ています。


やはり従来の常識から

「動物性脂肪の主成分の飽和脂肪酸が脳心血管イベントに良くないので、植物性脂肪を中心に不飽和脂肪酸を摂取するのがよい」

ということが過去言われてきました。

これらに対して、2010年のAm J Clin Nutr(臨床栄養学雑誌)に、メタアナリシスと総説が発表されました。

21論文、約35万人をメタアナリシスして、5~23年追跡して1.1万人の脳心血管イベントが発生しました。

そして飽和脂肪摂取量と脳心血管イベントハザード比を検証してみると、飽和脂肪酸摂取量と脳心血管イベント発生は、関係がないことが明らかとなりました。(☆)

Am J Clin Nutr はインパクトファクター:6.6 くらいなので、ニューイングランド・ジャーナルやランセットには及びませんが、しっかりした臨床栄養学雑誌です。

ともあれ、2010年のAm J Clin Nutrのこの論文により、牛肉・豚肉など動物性脂肪に多く含まれる飽和脂肪酸の摂取量は、少なくとも脳心血管イベント発生とは無関係の可能性が高くなりましたのでスーパー糖質制限食推進派の私にとって、大きな追い風ですね。

スーパー糖質制限食では、総摂取カロリーに占める割合は、脂質56%、タンパク質32%、糖質12%であり、動物性脂肪など飽和脂肪酸の摂取が多くなるのですが、脳心血管の安全性に関してかなり安心ですね。

今まで医学界で

『動物性脂肪を主とした飽和脂肪酸摂取が脳心血管イベント発生のリスクとなる』

とさんざん言われてきたのは何だったのでしょうね?

なお日本脂質栄養学会は、以前から、「動物性脂肪は植物性脂肪より安全性が高い」という見解であり、この論文よりさらに先を進んでますね。


(☆)
Siri-Tarino, P.W., et al., Meta-analysis of prospective cohort studies evaluating the association of saturated fat with cardiovascular disease. Am J Clin Nutr, 2010. 91(3): p. 535-46.

http://www.ajcn.org/content/91/3/535.long このサイトで全文(英文)が見れます。


SU剤は使用制限あるいは禁止の方向を、日本糖尿病学会は勧告すべき。
こんばんは。

今回は、長年第一選択剤として使われてきたSU剤についての考察です。

私の場合、スーパー糖質制限食が上手く実践できないために、コントロールがいまいちの糖尿人に、やむを得ずSU剤(アマリール:第3世代)を投与するときも、原則として、0.5mgの錠剤を1錠/日、若しくは 0.5mgの錠剤×2/日などの少量にしていました。

SU剤は、疲れたβ細胞を鞭打つ側面がありますから、少量に越したことはないのです。

そしてもし、グリペンクラミド(オイグルコン、ダオニール:第2世代SU剤)や第一世代のSU剤(ジメリンなど)を服用しておられる方がいたら、心筋障害のリスクがあるので即刻中止した方が無難です。

しかしながら、アマリールやグリミクロン(第3世代)も、HbA1cの改善効果はあるけれど、食後高血糖をマッチング良く防ぐことができないことと、空腹時には低血糖を招きやすい欠点が、CGM(☆)により明らかとなってきました。

つまり、SU剤は「平均血糖変動幅増大」「食後高血糖」という最大の酸化ストレスリスクを予防できていないどころか、悪化させている可能性が極めて高いのです。一見改善したように見えても、実は質の悪いHbA1cなのです。

CGMにより検査してみると、SU剤を内服して食事しても、食後高血糖はほとんど防げていなくて、空腹時の低血糖を生じていることが多かったのです。

例えば、夕食前にSU剤を内服して、従来の糖尿病食(高糖質食)を摂取すると、食後1時間とか2時間の血糖値は軽く200mg/dlを超えてきます。

なおかつ、夜中の午前3時頃には、50~60mg/dlなどの低血糖を高率に生じていたのです。

平均血糖値(HbA1c)は、一見6.5%とか良好でも、SU剤を内服していた場合は、「食後250mg/dlと空腹時50mg/dl」の
平均値をみているだけで、極めて質の悪いHbA1cなのです。

これでは、わざわざ平均血糖変動幅を増大させて食後高血糖は防げず、空腹時低血糖を頻回に起こすという百害あって一利なしの薬物ということになります。

酸化ストレスリスクをもっとも生じやすい薬物がSU剤といえます。

このため私自身は、現在SU剤をすべて中止して、グリニド系薬剤(速効型インスリン分泌促進剤、グルファストやスターシスなど)やαグルコシダーゼ阻害剤(グルコバイ、ベイスン、セイブルなど)に変更しました。

日本糖尿病学会は、これらのCGMデータによる生理学的事実を、広く一般医師に公表し説明する義務があると思います。

しっかり説明して、SU剤の使用制限或いは中止を早急に勧告すべきです。

これは、日本糖尿病学会の喫緊の義務と思いますが、日本糖尿病学会さん、如何でしょう。


江部康二



(☆)CGM
CGM(Continuous Glucose Monitoring:持続ブドウ糖測定)システム

ブドウ糖値を数日間連続的に測定できる持続ブドウ糖測定装置(CGMS)が、2012年4月から日本でも保険適応となり、日常臨床で使用できるようになりました。

ブドウ糖値の日内変動を24時間通して把握できるので、SMBG(血糖自己測定器)やHbA1cによるデータとは異なる情報を得ることができます。

5分ごとに測定して、24時間で288回のブドウ糖測定が可能です。

血糖ではなく皮下間質液中のブドウ糖値を連続測定するのですが、血糖値と同様とみなしてよいと思われます。

2000年頃、欧米で開発され使用されるようになりました。


江部康二
テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
炭水化物摂取比率が減少して、糖尿病の増加が急減し、 糖尿病予備軍は減少。
スライド1


スライド2


「糖尿病疑い950万人 厚労省推計2007年から60万人増」

炭水化物摂取比率が減少して、糖尿病の増加が急減し、糖尿病予備軍は減少。


2013年12月19日に厚生労働省が発表。

厚生労働省は、毎年国民健康・栄養調査を実施しています。

その中で、5年に1回、糖尿病有病率を集計しています。

今回2012年の糖尿病有病率は、2007年に比し、約60万人増加で、かなり歯止めがかかっています。

1990年:560万人
1997年:690万人(130万人増加)
2002年:740万人(50万人増加)
2007年:890万人(5年間で150万人増加)
2012年:950万人(5年間で60万人増加)

これで見ると、2002年→2007年の増加率が、半端じゃないですね。

2007年→2012年の増加は、60万人で
1997年→2002年の増加、50万人と似たようなもので、
2002年→2007年の増加、150万人に比しかなり少ないです。

さらに、糖尿病予備軍は、約1100万人で、2007年から約220万人減少で、国民健康・栄養調査が始まって以来の快挙です。

冷静に考えて、糖尿病増加の勢いが、弱まったことになります。

実はずっと増え続けいた炭水化物摂取比率が、2008年から2010年にかけて、60.4%から59.4%に減ってるのです。

そして、ずっと減少傾向だった脂質摂取比率が、2008年から2010年にかけて、24.9%から25.9%に増えているのです。

そして、これを受けて、20007年から2012年にかけて糖尿病の増加が急減して、糖尿病予備群は220万人も減少しているのです。

保健所や一般の医師・栄養士の食事指導は、旧態依然たる日本糖尿病学会推奨で唯一無二のカロリー制限食で、数十年来不変ですので、今更この影響はないと思います。

こうなると、あくまでも仮説ですが、炭水化物摂取が減って脂質摂取が増えて、糖尿病の激増に歯止めがかかったのは、糖質制限食の影響の可能性がありえますね。(^^) 


追加
なお、2000年~2012年まで日本の人口は1億2000万ちょっとで大きな変化はありません。
そして、この間、高齢化はどんどん進んでいるので、普通に考えると
高齢者に多い病気である糖尿病は、より増加し易い状況だったと言えます。
それが歯止めがかかったというわけです。



江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
久山町栄養素摂取比率の変遷と糖尿病罹患率の変遷。糖尿病は激増。
こんばんは。

精神科医師A さんから久山町研究関連論文について、コメント頂きました。

精神科医師A さん、貴重な情報をありがとうございます。

福岡市にある中村学園大学栄養科学部は、九州大学大学院医学研究院環境医学分野の清原先生グループと共に久山町の住人の方々の栄養指導を、長年行ってこられました。

当然指導されたのは、日本糖尿病学会の推奨する、唯一無二の従来の糖尿病食(高糖質食)です。

中村学園の論文の表3のデータ「久山町栄養素摂取比率の変遷」(*)と久山町の糖尿病罹患率の変遷(**)の清原先生の論文データを以下一緒に並べてみました。


久山町栄養素摂取比率の変遷と糖尿病罹患率の変遷

                  平成6年(1994年)   平成16年(2004年)
タンパク質摂取比率      16.3           14.9%
脂質摂取比率          26.2           24.5%
炭水化物摂取比率       54.2           57.2%
            
                  1988年         2002年
久山町男性糖尿病       15.0          23.6%
久山町男性耐糖能異常    42.2          59.9%



上記データで明らかなように、久山町でも、全国と同様に、脂質摂取比率が減って炭水化物摂取比率が増えて、糖尿病が増加しています。

従来の定説「食生活が欧米化して、脂質が増えて炭水化物が減って糖尿病が増えた」というのは、日本全国においても久山町においても、間違いですね。

1)1994年~2004年にかけて中村学園の論文で、久山町において、
糖質摂取量だけが増加して、タンパク質・脂質摂取量は減少しています。
総摂取エネルギーは、1811kcal/日~1890kcal/日と、ほとんど差はありません。(*)

2)1988年~2002年、九州大学が食事指導して、久山町の糖尿病有病率は著明に増加しています。(**)

1)2)は論文として報告されています。

九州大学及び中村学園の食事指導が、久山町で受け入れられた結果、糖質が増加して、タンパク質・脂質が減少したと考えられます。

1)2)を考慮すれば、少しタイムラグはあるのですが、「糖質摂取量だけが増加して、タンパク質・脂質摂取量は減少して、糖尿病有病率が著明に増加」

これが、信頼度の高い久山町研究データから導き出される結論となります。

14年間にわたり、実施された食事指導(日本糖尿病学会推奨の糖尿病食)そのものは、久山町住民の方々がちゃんと守った結果を反映して、糖質が増加して、タンパク質・脂質が減少しています。

しかし、食事指導を守ったにもかかわらず、糖尿病有病率は増加してしまいました。

結論です。

信頼度の高い久山町研究のデータを検討してみると、

「14年間にわたり、日本糖尿病学会推奨の糖尿病食(カロリー制限、高糖質、低脂肪食)を実践した結果、糖尿病有病率が著明に増加した。」

という信頼度の高いエビデンスがあることとなります。

即ち、従来のカロリー制限食(高糖質食)は糖尿病患者やその予備軍に対して、長期安全性が担保され無い事も、久山町研究において、証明されたことになります。


江部康二


(*)中村学園大学短期大学部研究紀要39, 255-262, 2007-3-15
久山町住民の栄養素等摂取量,食品群別摂取量の40年間の変化:久山町における栄養疫学研究
友納美恵子 城田知子 内田和宏  清原裕
P258、表3
http://ci.nii.ac.jp/naid/110006405565

(**)清原裕,危険因子としての糖尿病
分子脳血管病 vol.6 no.1 2007 19-24
(清原裕教授 九州大学大学院医学研究院環境医学)



江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質セイゲニストin宮崎 講演会 「カロリー制限から糖質制限へ」
こんばんは。

「宮崎一般向け講演会」

のご案内です。


江部康二


以下、一般社団法人日本糖質制限医療推進協会事務局からのお知らせです。




***************************
宮崎にて一般向けの講演会を協賛いたします。

//////////////////ご案内////////////////////

一般社団法人日本糖質制限医療推進協会 協賛イベント
糖質セイゲニストin宮崎 講演会
「カロリー制限から糖質制限へ」


宮崎にて、当協会理事長 江部康二が講師を務める講演会が開催されます。

シーガイア近くのレストラン「バルカドーロ」特製の低糖質なお弁当でランチタイムをお過ごし頂いた後、「糖質セイゲニストin北九州」世話人の三島学さんのお話、理事長の講演と続きます。

温暖なリゾート地、宮崎・シーガイアでの糖質制限食講演会です。

◆日時:2014年2月23日(日)12:00~16:00頃まで ※11:00開場

◆場所:フェニックス・シーガイア・リゾート コテージヒムカ ひむかルーム2F
     〒880-8545 宮崎県宮崎市大字塩路字浜山3083番地
     http://www.seagaia.co.jp/japanese/access/seagaiamap.html

◆講師:
 ・江部 康二 (一財)高雄病院 理事長、(一社)日本糖質制限医療推進協会 理事長
 ・三島 学 氏 三島塾代表、「糖質セイゲニストin北九州」世話人

◆参加費:お1人様 3,300円(バルカドーロ鍋倉シェフ特製ローカーボ弁当付き)

◆お申し込み・お問い合わせ:
 レストランバルカドーロ(Tel:0985-25-0733)へご連絡ください。



テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
胎児・新生児のケトン体は基準値より高値。ケトン体の安全性の証明。校正と追加。
こんにちは

2014年1月12日の本ブログで

「胎児・新生児のケトン体は基準値より高値。ケトン体の安全性の証明。」

という記事をかきました。

この記事で、ケトン体と記載していたのは、正確にはβヒドロキシ酪酸であり、基準値は76μmol/L以下です。

今日は、正確な記載の校正と追加です。


2014年1月12日(日)
第17回日本病態栄養学会年次学術集会(大阪国際会議場)で、宗田哲男先生が、世界初の画期的な研究成果を発表されました。

人工流産胎児(58検体)の絨毛の組織間液のβヒドロキシ酪酸値の測定です。

何と平均1730μmol/Lとかなりの高値です。

成人の基準値は76μmol/L以下なのですが、胎児の絨毛間液においては、1730μmol/Lていどが、基準値ということになります。

糖質を普通に摂取している成人の基準値の、約23倍ですね。

また生後4日目の新生児(312名)のβヒドロキシ酪酸も、生後1ヶ月の新生児(40名)のβヒドロキシ酪酸も高値です。

こちらもこれだけの数がまとまったのは、世界初と思います。

インスリン作用が保たれている場合、ケトン体が現行の基準値より高値でも、安全であることの証明がなされたと言えます。

そして、胎児・新生児のケトン体の基準値は、現行の基準値よりはるかに高値であることがわかりました。

ケトン体に関して、医学の進歩に寄与する画期的な研究です。

2014年1月12日(日)のブログ記事にもしたのですが、一部、表現が正確でなかったので、もう一度校正して記事にします。

2014年1月12日(日)
大阪国際会議場で開催された第17回日本病態栄養学会年次学術集会に参加してきました。

一般演題69 小児栄養・母子栄養②
第2日目1月12日(日)10:50~12:00  会議室801+802
O-431 妊娠糖尿病における糖質制限食事療法の導入効果の検証3糖質制限食による高ケトン血症は危険か?
宗田マタニティクリニック宗田哲男


宗田哲男先生は、普通に糖質を食べている女性における人工流産児の絨毛のケトン体値を、58検体測定され、平均βヒドロキシ酪酸1730μmol/Lで、通常の基準値(血中βヒドロキシ酪酸76μmol/L以下)に比し、はるかに高値であることを報告されました。

58検体全てが成人の基準値よりはるかに高値でしたので、胎児のケトン体の基準値は成人よりかなり高値であると言えます。

これは世界で初めての報告であり、極めて貴重なデータです。(^-^)v(^-^)v 

6週から18週までの胎児の絨毛間液のケトン体値がこれほど高値であることは、胎児の脳を始めとした組織の主たるエネルギー源はケトン体である可能性を示唆しており、このことはそのままケトン体の本質的安全性を証明するものです。

そして分娩時臍帯血は一般食、糖質制限食にかかわらず、胎児の70%は高ケトン血症であることがわかりました。

さらに糖質制限食を行うと程度によって妊娠中の母体のβヒドロキシ酪酸値が上昇し、最高5000μmol/L以上にもなることがありますが、インスリン作用が確保されている限り1000μmol/L以上であってもアシドーシスは起こしません。このことも宗田先生によりデータとして証明されました。

また生後4日目の新生児312名において、

一般食、糖質制限食にかかわらず、βヒドロキシ酪酸値の平均値は240.4μmol/L
同様に生後1ヶ月の新生児40名において、βヒドロキシ酪酸値の平均値は400μmol/L

と一般的な基準値よりはるかに高値であることを報告されました。

新生児のケトン体値の報告も、これだけの数がまとまったのは、おそらく世界で始めてと思います。

このデータからは、新生児においても血中ケトン体は重要なエネルギー源となっていることを示唆しており、ここでもケトン体の安全性が保証されたことになります。

ヒューマン・ニュートリション第10版(医歯薬出版)2004年、P748

脳の代謝の項目に

「・・・母乳は脂肪含有量が高くケトン体生成に必要な基質を供給することができる。
発達中の脳では血中からケトン体を取り込み利用できるという特殊な能力があり、新生児においてはケトン体は脳における重要なエネルギー源となっている。・・・」 


との記載があります。

ヒューマン・ニュートリションは、英国で最も権威のある人間栄養学の教科書です。

新生児においては、ケトン体は脳の重要なエネルギー源ということを明記してあるのはさすがです。

一方、新生児だけではなく、胎児においても、ケトン体は脳における重要なエネルギー源の可能性が極めて高いことは、世界で初めて宗田哲男先生が示されたわけです。

今回の宗田先生の研究成果は、英文論文での投稿を考えておられます。

論文化されれば今後「ヒューマン・ニュートリション」にも引用されていくと思います。

宗田哲男先生、糖質制限食やケトン食推進において、世界的なターニング・ポイントとなる貴重なご発表をありがとうございました。 m(_ _)m


江部康二


テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
肉・魚が健康食である理由
【14/01/23 コバタケ

肉、魚が健康食である理由について

品種改良(改悪)された糖分たっぷりのバナナはサルに良くないという記事を読ませていただき、さもありなんと思いました。

さて、ひとつ質問したいことがあり投稿しました。

それは肉、魚など動物性タンパク質、脂肪は人体に優しい健康食で、たくさん食べてよいとのことですが、その理由を教えていただきたいと思っております。それらは食べた後、人体の中でどのように変化し、どこへ流れていくのでしょうか?それらの作用はどのようなものでしょうか?

糖質を大量摂取すると食後血糖値を跳ね上げ、インシュリンの大量分泌という事態となり、人体にとって有害というか負担が大きいということは、このブログやご著書を読んで理解しておりますが、それとの対比でタンパク質、脂肪はどうなのかと思っております。

素人考えでは消化、吸収されてアミノ酸、脂肪酸などのかたちで血液に取り込まれていくけれど、血管などを傷つけることなく、それら有益な栄養素の血中濃度が上昇するだけであり、やがていろいろな臓器に取り込まれ、有益に利用されていく、とそういうふうに想像しております。】


こんばんは。

コバタケさんから、肉・魚が健康食である理由についてコメント・質問をいただきました。

この件に関して、RCT研究論文があって、根拠を示せるかというと、それはありません。

食事療法の長期のRCT研究論文はないので、糖質制限食にもカロリー制限食にも、長期的安全性・有効性を示すエビデンスはないのが現状です。

こういうときは理論的に考えていくしか方法はありません。

単純には、700万年間の農耕開始前の狩猟・採取時代には、肉・魚はメインに摂取していたものの一つということです。

さらに絞って、我々ホモ・サピエンスは20万年間、狩猟・採集を生業として食生活をおくり、突然変異を繰り返して、消化管、栄養、代謝、生理システムを完成させました。

この間、肉・魚などをメインに摂取しながら、それに適合するように、人体のシステムは完成されました。

現実に、必須脂肪酸と必須アミノ酸、ビタミン・ミネラル・微量元素などは、人体で生産できないので必ず食材から摂取する必要があります。

これに対して必須糖質はなく、理論的には糖質ゼロでもヒトは生きることができます。

結局、狩猟・採集をしながら完成された人体のシステムには、狩猟・採集時代の食生活こそが本来の食生活であり健康食と言えます。

農耕開始後1万年間は、穀物が主食となりました。

しかし、狩猟・採集で形づくられた人体のシステムにとって、摂取エネルギーの50~60%を穀物から摂取することは、本来無理筋なのです。


ヒューマン・ニュートリション 基礎・食事・臨床 第10版
JS Garrow
WPT james
A Ralph 編
日本語版監修 細谷憲政


上記は、英国の最も権威ある栄養学の本で、920ぺージに及ぶ大著です。
この本の75ページに

『現代の食事では、・・・・・デンプンや遊離糖に由来する「利用されやすいグルコース」を大量に摂取するようになっている。このような食事内容は血漿グルコースおよびインスリン値の定期的な上昇をもたらし、糖尿病、冠状動脈疾患、がん、老化等、多くの点で健康に有害であることが強く指摘されている。
農業の発明以来、ヒトは穀物をベースとした食物を摂取するようになったが、進化に要する時間の尺度は長く、ヒトの消化管はまだ穀物ベースの食物に適応していない。ましてや高度に加工された現代の食物に対して、到底適応しきれてないのである。』


と記載してあります。

常日頃、糖質制限食の立場から

「人類の主食は穀物ではない。」

と、私が主張していることがそのまま記載してあったので、びっくりするやら嬉しいやらでした。(^-^)v(^-^)v

ヒューマン・ニュートリションでは、穀物の過剰摂取の害、特に精製炭水化物による「血漿グルコースおよびインスリン値の定期的な上昇」が多くの点で健康に有害と強調しています。

これも私が日頃主張している

「精製炭水化物摂取によるグルコースミニスパイクとインスリンの頻回・過剰分泌が生活習慣病の元凶である。」

という説と、全く同じといっていいと思います。ヾ(^▽^)


さて、タンパク質代謝、脂肪代謝は結構、難しいですね。

2011年04月30日 (土)の本ブログ記事
「タンパク質代謝」

2011年04月29日 (金) 
「脂質代謝」

をご参照ください。


江部康二
 
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
医療関係者向け講演会 京都 「糖尿病治療のための糖質制限食指導」
京都にて医療関係者向けの講演会を開催します。

臨床における糖質制限食療法の導入について、三部構成で具体的かつ実践的に講義します。

今回は、糖尿病に絞って最新の情報を取り上げてお話します。

米国糖尿病学会が2008年以来5年ぶりに、成人糖尿病患者の食事療法に関する声明(Position Statement on Nutrition Therapy)を改訂しました。(Diabetes Care 2013年10月9日オンライン版)

2013年10月の米国糖尿病学会の栄養療法の声明は画期的なものであり、

全ての糖尿病患者に適した“one-size-fits-all(唯一無二の)”食事パターンは存在しないとの見解を表明しました。

このことは、唯一無二の食事療法を推奨し続けている日本糖尿病学会に対する痛烈な批判となっています。

そして、患者ごとにさまざまな食事パターン〔地中海食,ベジタリアン食,糖質制限食,低脂質食,DASH(Dietary Approaches to Stop Hypertension)食〕が受容可能であるとしています。

糖質制限食もちゃんと認められています。

2013年日本腎臓病学会の糖尿病腎症のガイドラインも蛋白質制限に関して、大きな変化がありました。

そして糖尿病患者さんの血液検査データも豊富に紹介します。

同一摂取カロリーで揃えた「従来の糖尿病食 VS スーパー糖質制限食」の血糖値の日内変動データ比較は圧巻です。

食後高血糖と平均血糖変動幅に関しては、糖質制限食の圧勝で、その差は「月とスッポン」です。

糖尿病合併症を防ぐには、「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」を生じないことが必要不可欠です。

しかしながら糖質を摂取すれば、必ず「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」を生じます。

「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」を生じない、唯一の食事療法が糖質制限食なのです。

すなわち、従来の糖尿病食(高糖質食)では、糖尿病合併症を防ぐことは理論的に不可能なのです。

年間
16000人が糖尿病腎症から透析 → 医療費800億円、
3000人が糖尿病網膜症から失明
3000人が糖尿病足病変から足切断


というのが厳しい現実なのです。

糖尿病合併症を生じさせないために、医療関係者の皆さんには、是非糖質制限食を学びそのエキスパートとなって欲しいと願ってやみません。

第一部と第二部は理事長 江部康二による糖質制限食療法の基礎理論・症例の検討・薬剤の使い方・最新の動向についての講義、第三部は高雄病院の橋本眞由美管理栄養士による糖質制限給食や栄養指導などの取り組みについての講義です。



江部康二


以下事務局からの案内です。

//////////////////ご案内////////////////////

一般社団法人 日本糖質制限医療推進協会主催

    医療関係者向け講演会 京都
  「糖尿病治療のための糖質制限食指導」


■日時: 2014年3月9日(日)13:00~ ※受付12:40~

■場所:メルパルク京都 4F 研修室3【藤】

  京都市下京区東洞院通七条下ル東塩小路町676番13

  アクセス:JR京都駅(烏丸中央口)から徒歩1分
   http://www.mielparque.jp/kyoto/access/

■スケジュール:

第一部: 13:00~14:05 「基礎理論」 ※講師A

 休憩  14:05~14:15

第二部: 14:15~15:20 「症例検討と薬剤の使い方」 ※講師A

 休憩  15:20~15:40

第三部: 15:40~16:50
      「高雄病院 糖質制限給食の実際と栄養士の関わり方」※講師B

*講義時間・質疑応答時間について
  第一部・第二部は講座各50分、質疑応答各15分
  第三部は講座50分、質疑応答20分を予定しております。

■講師

A:江部 康二 医師
  (一財)高雄病院 理事長
  (一社)日本糖質制限医療推進協会 理事長

B:橋本 眞由美 管理栄養士
  (一財)高雄病院 栄養管理部 部長

■対象:医療従事者(医師、歯科医師、薬剤師、看護師、栄養士、鍼灸師など)

■補足:

・「糖尿病治療のための!糖質制限食パーフェクトガイド」(東洋経済新報社)
 レベルの内容を予定しておりますので、事前に同著を読んでおいていただく
 ことを推奨致します。

・参加頂いた皆様には、映写資料データ(PDF)のCDをお配り致します。

■受講費:

・賛助会員    8,000円

・一般(非会員) 10,000円

■お支払い方法:クレジットカード/銀行振込/郵便振替 ※事前決済のみとなりま
す。

■お申し込み方法

・賛助会員の方
 事務局までメールにて以下2点をご記入の上、お申し込み下さい。
   ①「3/9セミナー、受講希望」のコメント
   ②医療機関にて従事していらっしゃる職種

・賛助会員入会をご希望の方
 1.入会案内および会員規約をお読み下さい。
  http://toushitsuseigen.or.jp/member.html

 2.入会・受講のお申し込みはこちらのフォームからお願いします。
  http://toushitsuseigen.or.jp/contact.php
  「お問い合せ内容」欄に以下2点をご記入下さい。
   ①「3/9セミナー、受講希望」のコメント
   ②医療機関にて従事していらっしゃる職種

・一般(非会員)で、講演会の受講のみご希望の方
 こちらのフォームよりお申し込み下さい。
 https://ssl.form-mailer.jp/fms/0625a3b0281969

■お申し込みの流れ
1.会員の方はメールにて、会員以外の方は各種フォームにてご連絡下さい。
2.事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3.入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4.当日、直接会場までお越し下さい。

■その他:
・予約制です。当日参加はできません。
・キャンセルは3月5日(水)までにお願い致します。
 それ以降の返金には対応致しかねますので予めご了承ください。

////////////////////////////////////////////////
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ジャンル:ヘルス・ダイエット
英動物園、サルの餌にバナナ禁止して野菜中心に
こんにちは。

2014年1月16日(木)の「YAHOO!ニュースJAPAN」に

「英動物園、サルの餌にバナナ禁止」

というとても面白いニュースが載りました。

糖質制限食さんからコメントいただきました。
ありがとうございます。

同動物園によると、

『人間の食用に甘さを強めたバナナは野生のバナナに比べて高カロリーで糖分が多い。そのため糖尿病になる恐れがあるほか虫歯の原因にもなるという。』

『甘くてジューシーなバナナは人間には良くても、サルには良くない』


まず、サルに糖度の高い人間用のバナナを食べさせると、現実に糖尿病や虫歯の恐れがあるのですね。

糖質制限食さんがご指摘のごとく、

『甘くてジューシーなバナナは人間には良くても、サルには良くない』

と根拠なく言い切っているのは、私も残念に思います。

ここは、『サルに良くないものは人間にも良くない』と考えるのが筋と思います。

医学における動物実験のシステムは明らかに後者です。

まして、ネズミに比べたらサルはヒトにとても近いのですから、『サルに良くないものは人間にも良くない』ですね。


『タマリンやマーモセットといった小型のサルは攻撃性が薄れて群れが落ち着いた』

これは、糖度の高い糖質の多いバナナを食べることで、血糖値変動幅が増大したためと考えられます。

血糖値が急症状したあと急激に下降するとき、人間においてもイライラとか攻撃性がでることがあるので、サルでも同じことと思います。

糖度の高いバナナを禁止することで、血糖変動幅がほとんどなくなり、精神症状(攻撃性)が改善したものと思います。

サルに糖質の少ない餌(野菜中心)を食べさせることで、攻撃性が減ったということは、人間においても、高糖質食から糖質の少ない食事(糖質制限食)に切り替えることで、心理的安定が得られる可能性を示唆していますね。



江部康二



14/01/16 糖質制限食

英動物園、サルの餌にバナナ禁止

江部先生

久々に投稿させて頂きますが、お元気そうで何よりです。


以下の記事、
「甘くてジューシーなバナナは人間には良くても、サルには良くない」
と言い切っているのが、非常に残念です。


『人間の食用に甘さを強めたバナナは野生のバナナに比べて高カロリーで糖分が多い。そのため糖尿病になる恐れがあるほか虫歯の原因にもなるという。』
 ※肥満・虫歯の改善

『その結果、サルたちには目に目えて変化が現れた。毛皮が厚くなって状態も良くなったほか、タマリンやマーモセットといった小型のサルは攻撃性が薄れて群れが落ち着いたという。』
 ※精神面での改善

という点など、人間とかなり共通しているように思いますが。



http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140116-35042585-cnn-int

英動物園、サルの餌にバナナ禁止
CNN.co.jp 1月16日(木)10時22分配信

ロンドン(CNN) 英イングランド南西部デボン州のペイントン動物園が、サルの餌にバナナを与えるのをやめ、野菜中心の餌に切り替えた。バナナはサルの健康に良くないと判断したという。

同動物園によると、人間の食用に甘さを強めたバナナは野生のバナナに比べて高カロリーで糖分が多い。そのため糖尿病になる恐れがあるほか虫歯の原因にもなるという。またサルの胃は消化しにくい繊維質の餌を食べるようにできているため、糖分の多いバナナを食べれば胃腸の具合が悪くなることもあるという。

「甘くてジューシーなバナナは人間には良くても、サルには良くない」「サルといえばバナナと思われがちだが、この2つは良い組み合わせではない」と広報は説明する。

野生に近いバナナを供給してくれる業者は見つからなかったため、バナナの餌は中止することに決め、徐々に量を減らしていった。

その結果、サルたちには目に目えて変化が現れた。毛皮が厚くなって状態も良くなったほか、タマリンやマーモセットといった小型のサルは攻撃性が薄れて群れが落ち着いたという。バナナを恋しがる様子は見られないと広報は話している。

各地の動物園では動物たちに運動させようと、刻んで食べやすくした餌を与えるのではなく、餌をあちこちに置いて探させるなどの工夫を凝らすところが増えている。





テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
NHK「アルツハイマー病をくい止めろ!」の真実は?久山町の悲劇。
【14/01/20 名古屋・h

昨夜のNHKスペシャル

江部先生こんにちわ。

昨夜のNHK、アルツハイマ-に関する放送の中の、九州大学久山町の研究で血糖値とアルツハイマ-の関係グラフが示されました。

その原因の説明で九州大学のいつもの先生、これは食事の欧米化の起因するもの、脂肪などの過剰摂取によるものです、との従来の自説を述べられました。

糖質の摂取増加が原因と判っているのに、従来の考えを変えないのは研究者としては失格です。

素人目には、失礼ながら一度脳検査が必要かもとも思われます。

町民のためにも久山町で適切な指導が行われることを望む次第です。

名古屋・h】


こんばんは

2014年1月19日(日)午後9時00分~9時49分 
NHKスペシャル「アルツハイマー病をくい止めろ!」が放送されました。

私は見ていなかったのですが、いけのめ さん、joshさん、名古屋・h さんからコメントをいただいたので、NHKの健康ホームページのサイトを見てみました。
http://www.nhk.or.jp/kenko/n_special/

いけのめ さん、joshさん、名古屋・h さん、ありがとうございます。

残念ながら、このサイトには清原先生(久山町研究のリーダー)のお話しは掲載されていませんでした。

ともあれ、清原先生が登場されて、

『九州大学久山町の研究で血糖値とアルツハイマ-の関係グラフが示された。
その原因の説明で九州大学の清原先生、これは食事の欧米化に起因するもの、脂肪などの過剰摂取によるものです、との従来の自説を述べられた。』


ということですね。

実は清原先生のグループの、九州大学の小澤 未央 先生が、

『米の摂取量が少ない食事パターンは,認知症発症のリスクを有意に低下させる』

ということを、

第22回日本疫学会学術総会2012年1月26〜28日
[久山町研究] 認知症リスクの低い食事パターン
www.epi-c.jp/entry/e800_0_jea2012.html#5th
で発表されました。

清原先生は久山町研究の責任者ですから、勿論このことはご存知です。

『1回の食事において「大豆製品と豆腐」「緑黄色野菜」「淡色野菜」「藻類」「牛乳・乳製品」の摂取量が多く、「米」の摂取量が少ない食事パターンは、認知症発症のリスクを有意に低下させることが示されました。』

上記は日本疫学会での九州大学清原グループの小澤 未央 先生のご発言です。

つまり、牛乳・乳製品(動物性脂肪と動物性蛋白質)を増やして、米の摂取を減らすということですが、これのどこが日本型食生活なのでしょうか? (∵)?

清原先生、いくんらなんでも『食事の欧米化に起因する』はないでしょう。

折角の久山町研究という世界レベルの研究の成果を、その責任者がねじ曲げて伝えるというのはフェアではないし、残念です。 (*`Д´)ノ

「大豆製品と豆腐」「緑黄色野菜」「淡色野菜」「藻類」「牛乳・乳製品」の摂取量が多く、「米」の摂取量が少ない食事パターンって、結局糖質制限食に近いメニューです。

久山町研究の示した結論は

『米の摂取量が少ない食事パターンは,認知症発症のリスクを有意に低下させる』

ということです。

これを言い換えれば
『米の摂取量が多い食事パターンは、認知症のリスクを有意に増加させる』
ということであり、
清原発現の『食生活の欧米化に起因するもの』とは
似ても似つかぬものです。

久山町研究そのものは、信頼度の高い素晴らしい研究であり、高血圧治療と脳卒中予防においては、素晴らしい成果を上げておられます。

一方、糖尿病の予防とアルツハイマーの予防には失敗しておられらます。

虚心坦懐に、この現実を受け入れて、研究の再検討をすれば、米や芋を始めとする糖質の頻回・過剰摂取による糖尿病やアルツハイマー病発症のリスクは、ご自分達で発見できたと思うのですが・・・。

研究に献身的に協力されてきた久山町住民の方々のためにも、「久山町の悲劇」をくい止めて欲しいものです。


江部康二


☆☆☆
詳しくは、以下
2012年10月10日 (水)の本ブログ記事
<久山町研究 「米」の摂取量が少ないと、認知症リスク低下>
をご参照いただけば幸いです。

こんにちは。

精神科医Aさんから、非常に興味深いコメント・情報を頂きました。

【12/10/09 精神科医師A

久山研究(認知症)

第22回日本疫学会学術総会2012年1月26〜28日
[久山町研究] 認知症リスクの低い食事パターン
www.epi-c.jp/entry/e800_0_jea2012.html#5th

…1回の食事において「大豆製品と豆腐」「緑黄色野菜」「淡色野菜」「藻類」「牛乳・乳製品」の摂取量が多く,「米」の摂取量が少ない食事パターンは,認知症発症のリスクを有意に低下させることが示されました】



精神科医師Aさん、
ありがとうございます。

1回の食事において「大豆製品と豆腐」「緑黄色野菜」「淡色野菜」「藻類」「牛乳・乳製品」の摂取量が多く,「米」の摂取量が少ない食事パターンは,認知症発症のリスクを有意に低下させることが示されました。

これは、九州大学としては、衝撃のデータでしょうね。

お米を減らして、乳製品(動物蛋白・動物脂肪)と大豆製品と豆腐、あと野菜と海藻です。

これって、ほとんど糖質制限食ではないですか!?

小澤 未央 先生

「よくぞ発表してくださいました。」

とエールを送りたいですね。

魚介類と肉の摂取量は、認知症とどう関連していたのかも知りたいですが、今回の発表には、何故か含まれていませんでした。

それにしても1988年以来、九州大学と中村学園大学の協力で、糖尿病発症予防を目的に、 少なくとも14年間、従来の糖尿病食(米飯を中心に糖質50~60%)を 徹底して指導された事実は、どのように受けとめておられるのでしょうか。

久山町研究責任者の清原教授にも是非、見解をお聞きしたいです。

そして糖尿病予防に関しても、大失敗に終わったことへの見解もお聞きしたいですね。

現実に久山町では、九州大学の予防努力にも関わらず糖尿病は激増し、アルツハイマー型痴呆も2005年の有病率は、1992年の約3倍です。


江部康二


第22回日本疫学会学術総会
2012年1月26日(木)〜28日(土)
東京で開催

[久山町研究] 認知症リスクの低い食事パターン

発表者: 九州大学・小澤 未央 氏 (1月27日(金),ポスター)
目的: 食事パターンと認知症発症リスクとの関連を検討。
コホート・手法:久山町研究の1988年健診に参加した60歳以上の1006人を17年間追跡。(久山町研究へ)

結果: これまでに認知症発症との関連が指摘されている7つの栄養素(飽和脂肪酸,一価不飽和脂肪酸,多価不飽和脂肪酸,ビタミンC,カリウム,カルシウム,マグネシウム)を応答変数として縮小ランク回帰分析を行ったところ,「大豆製品と豆腐」「緑黄色野菜」「淡色野菜」「藻類」「牛乳・乳製品」の相対的な摂取量が多く,「米」の相対的な摂取量が少ないことに特徴づけられる食事パターンが導き出された。この食事パターンと認知症発症との関連を検討した結果,導き出された食事パターンのスコアが高い人ほど,全認知症,アルツハイマー病,および脳血管性認知症の発症リスクが有意に低くなった。

小澤未央氏のコメント

今回の検討では,1回の食事において「大豆製品と豆腐」「緑黄色野菜」「淡色野菜」「藻類」「牛乳・乳製品」の摂取量が多く,「米」の摂取量が少ない食事パターンは,認知症発症のリスクを有意に低下させることが示されました。本研究結果から,1回の食事において米の摂取量を減らした分,大豆,野菜,および乳製品で作られた食品を多く摂取する食事,つまり野菜類の摂取を心がけた食生活は,認知症の発症を予防する可能性があると考えられます。




一人糖質制限 さん

コメント欄が禁止ワードで書き込めないので、ここに記載します。

一度糖尿病と診断された場合、ブドウ糖負荷試験を実施すれば、1時間値や2時間値が高血糖で糖尿病パターンとなります。

しかし糖質制限食なら、食後高血糖は生じません。

私自身も、糖質制限食なら正常人、糖質を食べたら食後高血糖で糖尿人です。

一人糖質制限 さんは、現在は血糖コントロール良好ですが、右網膜動脈閉塞症に関して、過去の高血糖時代に、一定の動脈硬化が合った可能性があります。

高血糖の期間の年数だけ高血糖の記憶として動脈硬化などの借金が残りこれは消えません。

血糖コントロール良好となれば新たな借金はできませんが、過去の借金は記憶のように残るのです。

このまま血糖コントロール良好を保ち、眼科通院で経過をみるのがいいと思います。

糖尿病そのものの、精密検査は要らないと思います。

心臓の検査と頸動脈エコーは、検査してチェックしたほうがいいと思います。


テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
希少糖を使った甘味料「レアシュガースウィート」は糖質制限食NG食材
こんばんは。

mmxさんから、希少糖を使った甘味料「レアシュガースウィート」についてコメントをいただきました。

結論から言いますと、「レアシュガースウィート」は、希少糖だけでなくて、ブドウ糖と砂糖がたっぷり入っていますので血糖値も上昇します。 当然、糖質制限NG食材です。

希少糖そのものは血糖値を上昇させないとしても、高価なので商品化するときに、ブドウ糖と砂糖を入れたのでしょうが、残念ですね。


江部康二



【脂肪蓄積を抑える「希少糖」脚光 甘味料に予約殺到

甘さは砂糖の約7割、なのに体脂肪を減らしてくれる――。そんな画期的な効果のある「希少糖」が注目を集めている。香川大の研究が大量生産に道を開き、香川県が生産を全面支援する。

昨年8月、希少糖を使った家庭用シロップ「レアシュガースウィート」(500グラム入りボトル1260円)を全国発売。10月、テレビで「太らない甘味料」として紹介されると、発売元の「レアスウィート」(高松市)に1週間で6万本の予約が殺到し、生産が追いつかなくなった。年末にようやく生産体制が整い、1月20日から通信販売を再開する。

元香川大学長の近藤浩二社長(73)は「驚異の甘味料と驚かれた。大手飲料メーカーから商品開発の話もある」。

希少糖と香川大の関わりは1991年にさかのぼる。当時、農学部にいた何森(いずもり)健・特任教授(70)は、自然界に約50種類ある希少糖の研究をしていた。

朝日電子版に出ていました。
これも糖尿患者にはダメなものでしょうか。 

甘さは砂糖の約7割、なのに体脂肪を減らしてくれる――。そんな画期的な効果のある「希少糖」が注目を集めている。香川大の研究が大量生産に道を開き、香川県が生産を全面支援する。

昨年8月、希少糖を使った家庭用シロップ「レアシュガースウィート」(500グラム入りボトル1260円)を全国発売。10月、テレビで「太らない甘味料」として紹介されると、発売元の「レアスウィート」(高松市)に1週間で6万本の予約が殺到し、生産が追いつかなくなった。年末にようやく生産体制が整い、1月20日から通信販売を再開する。

元香川大学長の近藤浩二社長(73)は「驚異の甘味料と驚かれた。大手飲料メーカーから商品開発の話もある」。

希少糖と香川大の関わりは1991年にさかのぼる。当時、農学部にいた何森(いずもり)健・特任教授(70)は、自然界に約50種類ある希少糖の研究をしていた。

その過程で偶然、大学の食堂裏の土中から、ある酵素を見つけた。自然界に大量にある果糖を、「D―プシコース」という希少糖に作り変える作用があった。

続きを読む(会員の方)
2014/01/19(Sun) 17:43 | URL | mmx | 】



テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
「妊娠糖尿病と6回分割食」VS「妊娠糖尿病と糖質制限食」
おはようございます。

2014年1月12日(日)第17回日本病態栄養学会年次学術集会において、自治医大の栄養士さんが、興味深い発表をされました。

O-432
「妊娠糖尿病における炭水化物分割食による血糖管理について」
です。

症例1
妊娠糖尿病の40才女性、155.3cm、妊娠前の体重は66kg(BMI27.4)
血糖コントロールのために入院。
1600kcal/日で1日3食
CGMにて検査したところ、
朝食後と夕食後の血糖値が、150~180mg/dl
深夜帯及び昼食前の血糖値が50mg/dl前後

症例2
妊娠糖尿病の40才女性、154.1cm、妊娠前の体重は69kg(BMI29)
血糖コントロールのために入院。
1800kcal/日で1日3食
CGMにて検査したところ、
毎食後の血糖値が、150~200mg/dl
夕食前の血糖値が50mg/dl前後


症例1も症例2も、総摂取エネルギーは同様にして、1日3回食を1日6回食にしたところ、血糖変動が改善したとの発表でした。

まず、注目すべきは、従来の糖尿病食(高糖質食)を、1日3回普通に摂取した場合、症例1も症例2も、「空腹時低血糖」「食後高血糖」「平均血糖変動幅増大」を生じています。

ということは、妊娠糖尿病で、従来の糖尿病食を指導されている妊婦では、

「空腹時低血糖」
「食後高血糖」
「平均血糖変動幅増大」

が、結構日常的に生じている可能性があるわけで、大きな問題です。

CGMを使って検査しなかったらそれが見逃されている可能性があります。

1日3回食を、1日6回食にしたら、確かにCGMのデータで、血糖変動幅はあるていど改善していました。

しかし、宗田マタニティクリニック河口江里管理栄養士が発表された、CGM(Continuous Glucose Monitoring:持続ブドウ糖測定)システムを使用して検査した、糖質制限食実践中の妊娠糖尿病の妊婦のデータ(O-430)に比べたら、明らかに、1日6回食のデータでも血糖変動幅はかなり大きいのです。

自治医大の栄養士さん、「空腹時低血糖」「食後高血糖」「平均血糖変動幅増大」が妊婦と胎児によくないと認識されたのは、素晴らしいことです。

でも、そこに気がついたなら、「空腹時低血糖」「食後高血糖」「平均血糖変動幅増大」を生じるのは、糖質を摂取したときだけということは認識しておられるのでしょうか?

すなわち、糖質さえ制限すれば、「空腹時低血糖」「食後高血糖」「平均血糖変動幅増大」は全く生じないのですから、
1日6回食という大変な手間暇をかけるよりは、普通に1日3回糖質制限食でいいと思うのは私だけでしょうか?




江部康二





masa さん

拙著のご購入ありがとうございます。

HDLコレステロール高値は、心筋梗塞や発癌のリスクを減らすので
とても良いことです。

私のHDLコレステロールも、106mg/dlです。

総蛋白高値は軽度なので心配ないと思いますが、まれに肝疾患や慢性感染症のこともあり得るので、主治医とご相談ください。


何故か、masaさんへの返信コメントがコメント欄では、投稿を拒否されるので、ここに掲載しました。


江部康二


テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
「糖質制限食による糖尿病の解決」朝日カルチャーセンター京都
おはようございます。

2014年1月21日(火)13:00-14:30
「糖質制限食による糖尿病の解決」

と題して、朝日カルチャーセンター京都教室において、講座の講師を務めます。

問い合わせ先は、075-231-9693
朝日カルチャーセンター京都教室です。


今回は、糖尿病に絞ってお話します。

2013年10月の米国糖尿病学会の栄養療法の声明、2013年日本腎臓病学会の糖尿病腎症のガイドラインなど、最新の情報を取り上げて解説します。

例えば、米国糖尿病学会は、糖質制限食を公式に容認しました。

そして糖尿病患者さんの血液検査データも豊富に紹介します。

同一摂取カロリーで揃えた「従来の糖尿病食 VS スーパー糖質制限食」の血糖値の日内変動データ比較は圧巻です。

食後高血糖と平均血糖変動幅に関しては、糖質制限食の圧勝で、その差は「月とスッポン」です。

糖尿病合併症を防ぐには、「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」を生じないことが必要不可欠です。

しかしながら糖質を摂取すれば、必ず「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」を生じます。

「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」を生じない、唯一の食事療法が糖質制限食なのです。

すなわち、従来の糖尿病食(高糖質食)では、糖尿病合併症を防ぐことは理論的に不可能なのです。

年間
16000人が糖尿病腎症から透析、
3000人が糖尿病網膜症から失明、
3000人が糖尿病足病変から足切断、

というのが厳しい現実なのです。

糖尿病合併症を生じさせないために、糖尿人は自衛するしかありません。

京都の糖尿人の方々、そして関西の糖尿人の方々、ご参加をお待ちしてます。



江部康二


☆☆☆

以下は、朝日カルチャーセンター京都教室のサイトの案内文です。

糖質制限食による糖尿病の解決

講師名 高雄病院理事長 江部 康二

講座内容
糖質、脂質、タンパク質のうち血糖値を上昇させるのは糖質だけ。糖質を制限すれば、即座に食後高血糖は改善します。その糖質制限食による糖尿病治療の理論と実践法を、症例も交えてわかりやすく解説します。高雄病院における糖質制限食による入院・外来治療は、画期的な成果をあげています。米国・英国の糖尿病学会もその有効性を認めています。スウェーデン社会保険庁も公的に認めています。糖質制限食は面倒なカロリー計算もなく、美味しく楽しく続けることができるのも大切なポイント。糖尿病治療や合併症予防に絶大な効果があります。『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』(東洋経済新報社)は、ロングベストセラーに。ブログ「ドクター江部の糖尿病徒然日記」は毎日10000件のアクセスがある人気ブログです。http://koujiebe.blog95.fc2.com/

日時 2014年 1月21日 火曜 13:00-14:30

受講料 会員 2,940円 一般 3,465円

講師紹介
江部 康二(エベ コウジ)
1950年生まれ。 1974年京都大学医学部卒業。
1974年から京都大学胸部疾患研究所第一内科(現在京大呼吸器内科)にて呼吸器科を学ぶ。
1978年から高雄病院に医局長として勤務。1996年副院長就任。
2000年理事長就任。
2001年から糖質制限食に取り組む。

内科医/漢方医/(財)高雄病院理事長
2002年に自ら糖尿病であると気づいて以来、さらに糖尿病治療の研究に力を注ぎ、「糖質制限食」の体系を確立。これにより自身の糖尿病を克服。

著書
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』2005年(東洋経済新報社)
作家宮本輝氏との対談、『我ら糖尿人、元気なのにはわけがある』2009年(東洋経済新報社)
『主食をやめると健康になる』2011年(ダイヤモンド社)
『高雄病院の「糖質制限」給食』2012年(講談社)など多数。

ブログ『ドクター江部の糖尿病徒然日記http://koujiebe.blog95.fc2.com/ は、日に15000件のアクセスがあり、糖尿病のかたやそのご家族から寄せられた質問への回答や、糖尿病・糖質制限食に関する情報の発信に、日々尽力している。
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
鹿児島市内で糖質制限OKの鈴木内科クリニック
【14/01/17 鈴木 功

鹿児島で糖質制限のクリニック始めました

江部先生ご無沙汰しています。鹿児島の鈴木です。昨年12月に今までやっていた自由診療の漢方クリニックを、保険診療ができるようにリニューアルして鈴木内科クリニックをオープンしました。糖尿病に限らずすべての患者さんに糖質制限を勧めています。来月の宮崎には私も伺います。よろしくお願いします。】



こんばんは。

鹿児島市の鈴木功先生から、保険診療ができる内科クリニックをリニューアルというコメントを頂きました。

糖質制限セミナーも開催されていて、糖質制限食にとても力を注いでおられます。

糖質制限食を実践され指導されている他に、漢方(中医学)治療もしておられます。

煎じ薬も用いて本格的に漢方治療にとりくんでおられます。

鹿児島在住の皆さんで糖質制限食治療や漢方治療を希望の方は、鈴木内科クリニックを受診されてはいかがでしょう。

鈴木内科クリニック
http://tcm-suzuki.com/
鈴木功先生
TEL:099-278-5797 FAX:099-278-5796
〒899-0207 鹿児島県鹿児島市福山町193-1


鈴木先生、それでは、宮崎でお会いできるのを楽しみにしております。


江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
続『糖質制限してなくて、しっかりと炭水化物摂っていても痩せているうらやましい人』
こんばんは。

『糖質制限してなくて、しっかりと炭水化物摂っていても痩せているうらやましい人』の続きです。

インスリンの分泌が多ければ太ります。

基礎分泌インスリンも追加分泌インスリンも一緒のことで、その分泌量が多いほど太ります。

インスリンが肥満ホルモンたる所以です。

私見で仮説ですが、インスリンは基礎代謝を減らしている可能性があります。

インスリンは同化ホルモンであり、脂肪の分解(異化)を邪魔しますので、基礎代謝が減る可能性があるのです。

常々言ってますように、糖質こそが肥満の元凶です。

それは、糖質だけが血糖値を上昇させ、インスリンを大量に分泌させるからです。

脂質は、単独ではインスリンを全く分泌させませんし、血糖値も上げません。

それでは、『炭水化物をしっかり食べても太らない人』とは、基礎代謝が高いタイプ以外にはどんなパターンがあるのでしょう。

以下はあくまでも仮説ですが、インスリンの効きが非常に良い(インスリン抵抗性が極めて低い)体質の人があるように思います。

つまり少量のインスリンでも筋肉が血糖値を取り込んでくれるので、結構な量の炭水化物を摂取しても、普通の人に比べて追加分泌インスリンが少なくてすんでいるタイプです。

また夜間の肝臓の糖新生も基礎分泌のインスリンが制御しているのですが、インスリンの効きが悪いタイプだと、夜中絶食中でもかなりの量のインスリンを分泌しないと、早朝空腹時血糖値が制御できず高値になるので、早朝空腹時の血中インスリン濃度が正常範囲でも高めとなります。

こういう人は、ぽっちゃり型で、糖尿病ではないですが、早朝空腹時インスリンが、10~15μU/mL(3~15)も出ていても、
早朝空腹時血糖値は100~109mg/dlとかです。

これに対して、インスリンの効きがいいタイプは、夜中の基礎分泌も少量で糖新生をコントロールできるので、早朝空腹時の血中インスリンは正常下限、あるいはそれ以下でも制御できている人がいます。

こういう人はたいていやせ型で、早朝空腹時インスリンが、1.5~3μU/mL(3~15)くらいなのに、早朝空腹時血糖値は60~70mg/dlだったりします。

こういうタイプなら、かなり炭水化物を食べても太らないと思います。

さて、次にインスリンは二重三重の肥満ホルモンということを説明します。

脂肪細胞の周囲の毛細血管壁にあるLPL(リポタンパクリパーゼ)が活発になると、血中の中性脂肪を遊離脂肪酸とグリセロールに分解して、遊離脂肪酸を脂肪細胞内に取り込み中性脂肪に合成して蓄え太っていきます。

インスリンは脂肪細胞の周囲の毛細血管壁にあるLPLを活性化させるので、脂肪細胞内に中性脂肪を蓄える方向に働きます。

これに対してHSL(ホルモン感受性リパーゼ)は脂肪細胞内にあって、中性脂肪を遊離脂肪酸とグリセロールに分解して血中に放出させる作用があります。

まとめると、脂肪細胞の周囲の毛細血管壁にあるLPLは内部に中性脂肪を蓄えて太らせる働きがあり、脂肪細胞内のHSLは逆に内部の中性脂肪を分解して血中に放出させ、やせさせる働きがあります。

インスリンはLPLを活性化させ、HSLを抑制するので、インスリンが分泌されると太りやすいのです。

さらにインスリンは、GLUT4を介して余剰の血糖を脂肪細胞内に取り込み、中性脂肪に合成して蓄えます。

このように二重三重の肥満ホルモンがインスリンなのです。

インスリン注射をしている糖尿病患者はしばしば太ります。

『ジョスリン糖尿病学』には

「食物摂取とは無関係の、インスリンの脂肪組織への直接的な脂肪生成効果」

と説明されています。

ハーバード大学医学部元教授、ジョージ・ケーヒルは

「脂肪を操るインスリンを、炭水化物(糖質)が操る」

と述べています。

肥満のメカニズムは、インスリンによる脂肪蓄積であり、その血中濃度と総量が関係します。

そしてインスリンを大量に分泌させるのは糖質のみです。

基礎代謝が高い人とインスリンの効きが非常にいい人を例外として、結局、糖質の頻回・過剰摂取とそれによるインスリンの頻回・過剰分泌が肥満の元凶と思います。



江部康二


テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
『糖質制限等していなくて、しっかりと炭水化物摂っていても痩せているうらやましい人』
【14/01/15 齊藤豊一

疑問

しがない内科医やっています。糖質制限理論はとてもすばらしいと思います。

疑問なのは、決して糖質制限等していなくて、しっかりと炭水化物摂っていても痩せているうらやましい人もいるわけで、これは、どう説明がつくのでしょうか?】


こんばんは。

斉藤豊一先生から

『糖質制限等していなくて、しっかりと炭水化物摂っていても痩せているうらやましい人』

について、ご質問をいただきました。

斉藤豊一先生。
コメント・質問、ありがとうございます。

<摂取エネルギーと消費エネルギー>
<基礎代謝量、身体活動量、食事誘発熱産生>

1)摂取エネルギー > 消費エネルギー   → 体重増加
  摂取エネルギー = 消費エネルギー   → 体重不変
  摂取エネルギー < 消費エネルギー   → 体重減少

2)通常のカロリー制限食(高糖質食)なら
   「消費エネルギー=基礎代謝量+身体活動量(運動や家事)+食事誘発熱産生(DIT)」

3)糖質制限食なら、高糖質食の時には無い
 「肝臓の糖新生でエネルギーを消費」→基礎代謝の増加
 「高蛋白食摂取」→食事誘発熱産生(DIT)の増加 」
 が認められる。

1)は生理学的事実です。

2)3)を比較すると糖質制限食の方が高糖質食に比し、体重が減少しやすいことは明白です。

それでは

『糖質制限等していなくて、しっかりと炭水化物摂っていても痩せているうらやましい人』

は、いったいどういうメカニズムいなっているのでしょう。

まず基礎代謝が高い人が、そうなります。

かくいう私も30代までは、炭水化物をいくら食べても太りませんでした。

ラーメンもうどんもご飯もパンもおかずもしっかり食べてましたが体重は不変でした。

医学部で野球部だったので、6年間はかなり運動していて、細身でもそれなりの筋肉量があって、基礎代謝が高かったのだと思います。

いくら食べても体重は学生時代と同じ56~57kgでした。

しかし40代になって、徐々にお腹がでてきて太りはじめました。

これは、十数年間学生時代と同じ体重であっても、運動してないので、現実には筋肉量が徐々に減り続けて、脂肪が徐々に増え続けて見かけ上の体重だけが一緒だったのだと思われます。

結局筋肉量が減って基礎代謝が減ったので、同じ摂取カロリーでも、消費カロリーを上回るようになり太り始めたのだと思います。このパターンが所謂中年太りの本態と思われます。

もう一つのパターンは、インスリンが曲者と思います。 → 続く



江部康二


テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
女性と糖質制限食とダイエットについて
こんにちは。

精神科医ゆうきゆう先生から、女性と糖質制限食とダイエットについてコメント・質問をいただきました。

つまるところ

『減量に成功したら、バストも小さくなるのか?
それとも減量には成功しても、バストは維持なのか?』


という女性にとって切実な問題へのご質問です。

ゆうきゆう先生、女性にとても優しいのが、行間から滲み出てきますね。(^^)

ゆうきゆう先生、拙著の御購入、そして糖質制限食の実践、ありがとうございます。

一言で言えば

「バストやヒップなどは保たれ、女性らしい体型になっていく。」

ということで大丈夫です。

多くの場合、まず顎がすっきりして、アンダーバストが減ってきます。

ウェストも引き締まる方向です。

ヒップは適度な体型になって行きます。

フェイスラインがすっきりして小顔になり、ウェストはくびれて、バストとヒップはほどよく確保できて、見た目にも美しく減量できます。

まあ勿論個人差はありますが、多くの場合は大丈夫です。

カロリー制限で減量すると、シワシワでやつれた印象になることがありますが、 (*_*)

糖質制限食ならそれがないです。 (^_^)

体重減少する理由は過去何度か理論的に記事にしてきました。

しかし何故そんなにうまく美しくやせるのかと理由を問われると、明確な答えはありません。

しいて言えば、スーパー糖質制限食は人類本来の食事であり、人類の健康食であるからということでしょうか?

野生動物が本来の食生活と生活習慣を維持している場合はしなやかな体型であることがほとんどです。

人類も同じことが言えるのかもしれません。

女性のダイエット本としては

糖質制限なでしこダイエット部の大逆転!
桐山 秀樹 (著), 吉村 祐美 (著), 江部 康二 (監修)
世界文化社 (2013/3/15)


が参考になると思いますよ。

ブログ読者の キジ白猫さんからは、16kg減量成功で、ウェストは細くなってバストはDカップをキープというコメントを頂きました。

ブログ読者の 月夜野うさぎさんからは、5kg減量で、「小顔になって、ウェストがくびれて、背中の贅肉が落ちた」
さらに冬でもお肌しっとり。

きれいにやせて、お肌すべすべというコメントを頂きました。

キジ白猫さん、月夜野うさぎさん、貴重な嬉しい体験報告をありがとうございます。
とても参考になります。

北九州三島さんからも、コメントを頂きました。
ありがとうございます。
「糖質セイゲニストin北九州の女性メンバー20数名は、全員美しくダイエット成功」
だそうです。


江部康二


【14/01/13 精神科医ゆうきゆう
質問「女性の糖質制限について」
いつもお世話になっております。
精神科医をしております、ゆうきと申します。

いつもブログ、非常に興味深く拝見しております。

ご講演もタイミングあいましたらぜひお伺いさせていただきたいと思っております。

先生の糖質制限の書籍を拝読しまして、以降、自分自身実践し、とても素晴らしいものだと実感いたしております。

それに際して、自分自身、ブログなどで糖質制限について話しましたところ、読者の女性からこんな質問をいただきました。

「女性が糖質制限を行うことによって、スタイルはどう変わるのでしょうか?
というのも、脂肪が減ることによって、バストが小さくなってしまうのではと心配しています」

という内容でした。

実際のところ、糖質制限にて脂肪は減る…わけではありますが、同時にタンパク質・脂質は摂取しているわけですよね。
この場合、女性の体型はどう変わっていくのか、ということは自分自身疑問に思います。

全体的にただスリムになっていくのか、もしくはタンパク質・脂質は摂取しているため、一概にスリムになるのではなく、バストやヒップなどは保たれ、女性らしい体型になっていくのか…という。

もちろん個人差はあるかと思いますが、実際の統計や、先生の実感としてどうなのか、という部分をお聞きしたく筆を執りました。

おそらく大半の女性にとって心配な部分、特に成長期の女性にとっては気になるところかと思いまして、女性に糖質制限を勧める際、たとえば

「ダイエットにはなるけどタンパク質をキチッと摂るため、胸は小さくなりにくいです」

など言えれば、女性にとってさらに実行のための原動力になるのかな…と思いまして…。

すみません。些細な疑問ではあるのですが、もしお時間取れましたら、お教え頂ければ幸いです。

ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。

いずれにしても、糖質制限につきまして、重ねてお教えいただき、本当にありがとうございました。

寒さ続きますが、お体に気をつけてお過ごしください。】



【14/01/13 キジ白猫

女性の糖質制限の1例

江部先生、初めまして。

いつも先生のブログを参考にさせていただいております。

50歳、女性、健康状態は良好で、ダイエット目的で糖質制限し、16キロ減量しました。
体重:70キロ→54キロ
BMI:26.1→20.2

わたしの場合、胸のサイズはEからDに減りました。

なので、確かに小さくはなったのですが、16キロという体重減に対して、1サイズしか変わらなかったのは凄いことだと思っています。

それに、ウエストや腹部が細くなるので、見た目は太っていたときよりもメリハリのあるスタイルになったと思います。

ささやかな1例ではございますが、ご参考にしていただければ幸いです。】


【14/01/14 月夜野うさぎ

こんにちは。

私はスーパー糖質制限を始めてまだ2か月で5キロしか落ちていませんが、全体的にやせ始めています。バストはDですが、今のところカップが小さくなった感覚はありません。アンダーバストは小さくなってきました。背中の贅肉が落ち、ウエストもくびれてきています。

会う人会う人に、「顔が小さくなった」と言われます。知り合いの医療関係者が、「カロリー制限で痩せると顔の皮膚がたるむんだけど、糖質制限だときれいに痩せられるのね!」とびっくりしていました。

さらに、肌がスベスベになり、髪にツヤが出てきました。昨年は春になっても乾燥がひどかったのに、この冬の肌は乾燥知らずで過ごせています。

追記:
ゆうき先生のEBについての御著書を拝読したことがありまして、当時、EBと対話することでずいぶん救われました。

江部先生、先生のご返信を待たずに投稿させていただきました。ありがとうございます。】



【14/01/14 北九州 三島
出遅れました。(笑)
もう、みなさんのコメントも、先生の名答も出ていますので、いまさらですが、エビデンスは多い方がよいかと。
糖質セイゲニストin北九州のメンバーは40数名、半数は、看護女子大生3名を含む女性です。痩せたい、でも、残すところは残したい。(笑)
それが面白いほど効果がでているので、糖質制限に対する理解が深まっています。】

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
「宮崎一般向け講演会」と「京都医療関係者向け講演会」のご案内
こんにちは。

「宮崎一般向け講演会」と「京都医療関係者向け講演会」

のご案内です。


江部康二


以下、一般社団法人日本糖質制限医療推進協会事務局からのお知らせです。




***************************
宮崎にて一般向けの講演会を協賛いたします。

//////////////////ご案内////////////////////

一般社団法人日本糖質制限医療推進協会 協賛イベント
糖質セイゲニストin宮崎 講演会
「カロリー制限から糖質制限へ」


宮崎にて、当協会理事長 江部康二が講師を務める講演会が開催されます。

シーガイア近くのレストラン「バルカドーロ」特製の低糖質なお弁当でランチタイムをお過ごし頂いた後、「糖質セイゲニストin北九州」世話人の三島学さんのお話、理事長の講演と続きます。

温暖なリゾート地、宮崎・シーガイアでの糖質制限食講演会です。

◆日時:2014年2月23日(日)12:00~16:00頃まで ※11:00開場

◆場所:フェニックス・シーガイア・リゾート コテージヒムカ ひむかルーム2F
     〒880-8545 宮崎県宮崎市大字塩路字浜山3083番地
     http://www.seagaia.co.jp/japanese/access/seagaiamap.html

◆講師:
 ・江部 康二 (一財)高雄病院 理事長、(一社)日本糖質制限医療推進協会 理事長
 ・三島 学 氏 三島塾代表、「糖質セイゲニストin北九州」世話人

◆参加費:お1人様 3,300円(バルカドーロ鍋倉シェフ特製ローカーボ弁当付き)

◆お申し込み・お問い合わせ:
 レストランバルカドーロ(Tel:0985-25-0733)へご連絡ください。




***************************

京都にて医療関係者向けの講演会を開催いたします。

臨床における糖質制限食療法の導入について、三部構成で具体的かつ実践的に講義いたします。

第一部と第二部は理事長 江部康二による糖質制限食療法の基礎理論・症例の検討・薬剤の使い方・最新の動向についての講義、第三部は高雄病院の管理栄養士による糖質制限給食や栄養指導などの取り組みについての講義です。

//////////////////ご案内////////////////////

一般社団法人 日本糖質制限医療推進協会主催

    医療関係者向け講演会 京都
  「糖尿病治療のための糖質制限食指導」


■日時: 2014年3月9日(日)13:00~ ※受付12:40~

■場所:メルパルク京都 4F 研修室3【藤】

  京都市下京区東洞院通七条下ル東塩小路町676番13

  アクセス:JR京都駅(烏丸中央口)から徒歩1分
   http://www.mielparque.jp/kyoto/access/

■スケジュール:

第一部: 13:00~14:05 「基礎理論」 ※講師A

 休憩  14:05~14:15

第二部: 14:15~15:20 「症例検討と薬剤の使い方」 ※講師A

 休憩  15:20~15:40

第三部: 15:40~16:50
      「高雄病院 糖質制限給食の実際と栄養士の関わり方」※講師B

*講義時間・質疑応答時間について
  第一部・第二部は講座各50分、質疑応答各15分
  第三部は講座50分、質疑応答20分を予定しております。

■講師

A:江部 康二 医師
  (一財)高雄病院 理事長
  (一社)日本糖質制限医療推進協会 理事長

B:橋本 眞由美 管理栄養士
  (一財)高雄病院 栄養管理部 部長

■対象:医療従事者(医師、歯科医師、薬剤師、看護師、栄養士、鍼灸師など)

■補足:

・「糖尿病治療のための!糖質制限食パーフェクトガイド」(東洋経済新報社)
 レベルの内容を予定しておりますので、事前に同著を読んでおいていただく
 ことを推奨致します。

・参加頂いた皆様には、映写資料データ(PDF)のCDをお配り致します。

■受講費:

・賛助会員    8,000円

・一般(非会員) 10,000円

■お支払い方法:クレジットカード/銀行振込/郵便振替 ※事前決済のみとなりま
す。

■お申し込み方法

・賛助会員の方
 事務局までメールにて以下2点をご記入の上、お申し込み下さい。
   ①「3/9セミナー、受講希望」のコメント
   ②医療機関にて従事していらっしゃる職種

・賛助会員入会をご希望の方
 1.入会案内および会員規約をお読み下さい。
  http://toushitsuseigen.or.jp/member.html

 2.入会・受講のお申し込みはこちらのフォームからお願いします。
  http://toushitsuseigen.or.jp/contact.php
  「お問い合せ内容」欄に以下2点をご記入下さい。
   ①「3/9セミナー、受講希望」のコメント
   ②医療機関にて従事していらっしゃる職種

・一般(非会員)で、講演会の受講のみご希望の方
 こちらのフォームよりお申し込み下さい。
 https://ssl.form-mailer.jp/fms/0625a3b0281969

■お申し込みの流れ
1.会員の方はメールにて、会員以外の方は各種フォームにてご連絡下さい。
2.事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3.入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4.当日、直接会場までお越し下さい。

■その他:
・予約制です。当日参加はできません。
・キャンセルは3月5日(水)までにお願い致します。
 それ以降の返金には対応致しかねますので予めご了承ください。

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テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
胎児・新生児のケトン体は高値。ケトン体の安全性の証明。
こんばんは。

2014年1月12日(日)

大阪国際会議場で開催された第17回日本病態栄養学会年次学術集会に参加してきました。

お目当ては、10:50~12:00に発表された糖質制限食3題です。


一般演題69 小児栄養・母子栄養②
第2日目1月12日(日)10:50~12:00  会議室801+802

O-429 妊娠糖尿病における糖質制限食事療法の導入効果の検証第2報1
永井クリニック松本桃代、他

O-430 妊娠糖尿病における糖質制限食事療法の導入効果の検証2第二報CGMによる検討を加えて
宗田マタニティクリニック河口江里、他

O-431 妊娠糖尿病における糖質制限食事療法の導入効果の検証3糖質制限食による高ケトン血症は危険か?
宗田マタニティクリニック宗田哲男


永井クリニック松本桃代管理栄養士は、昨年に続いて、妊娠糖尿病において、糖質制限食が血糖管理に有効であり、安全に実施できることを報告されました。

宗田マタニティクリニック河口江里管理栄養士は、CGM(Continuous Glucose Monitoring:持続ブドウ糖測定)システムを使用して、糖質制限食と糖質を摂取した場合の、血糖変動を比較検討されました。

その結果、糖質を摂取すれば食後高血糖と平均血糖変動幅増大を生じ、糖質制限食ならそれらが生じないことを示されました。

宗田哲男先生は、普通に糖質を食べている女性における人工流産児の絨毛のケトン体値を、58検体測定され、平均1730μmol/Lで、通常の基準値(血中総ケトン体28~120μmol/l)に比しはるかに高値であることを報告されました。

58検体全てが成人の基準値よりはるかに高値でしたので、胎児のケトン体の基準値は成人よりかなり高値であると言えます。

これは世界で初めての報告であり、極めて貴重なデータです。(^-^)v(^-^)v 

6週から18週までの胎児の絨毛間液のケトン体値がこれほど高値であることは、胎児の脳を始めとした組織の主たるエネルギー源はケトン体である可能性を示唆しており、このことはそのままケトン体の本質的安全性を証明するものです。
勿論58検体全例で、酸性血症(アシドーシス)ありませんでした。

また生後4日目の新生児312名において、血中ケトン体の平均値は240.4μmol/L
生後1ヶ月の新生児40名において、血中ケトン体の平均値は400μmol/L

と一般的な基準値よりはるかに高値であることを報告されました。

新生児のケトン体値の報告も、これだけの数がまとまったのは、おそらく世界で始めてと思います。

このデータからは、新生児においても血中ケトン体は重要なエネルギー源となっていることを示唆しており、ここでもケトン体の安全性が保証されたことになります。

ヒューマン・ニュートリション第10版(医歯薬出版)2004年、P748
脳の代謝の項目に
「・・・母乳は脂肪含有量が高くケトン体生成に必要な基質を供給することができる。
発達中の脳では血中からケトン体を取り込み利用できるという特殊な能力があり、新生児においてはケトン体は脳における重要なエネルギー源となっている。・・・」
 
との記載があります。

ヒューマン・ニュートリションは、英国で最も権威のある人間栄養学の教科書です。

新生児においては、ケトン体は脳の重要なエネルギー源ということを明記してあるのはすごいです。

一方、新生児だけではなく、胎児においてもケトン体は脳における重要なエネルギー源の可能性が高いことは、世界で初めて宗田哲男先生が示されたわけです。

今回の宗田先生の研究成果は、今後「ヒューマン・ニュートリション」にも引用されていくと思います。

宗田哲男先生、松本桃代管理栄養士、河口江里管理栄養士のお三方、糖質制限食やケトン食推進において、ターニング・ポイントとなる貴重な発表をありがとうございました。 m(_ _)m



江部康二


テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
スーパー糖質制限食~ケトン食で、腫瘍マーカー低下
こんにちは。

「スーパー糖質制限食~ケトン食」

で、CEAが低下し、胸水が消失した肺がん再発患者さんがおられます。

術後1年で、再発、CEA上昇、胸水出現です。

大学病院の主治医は化学療法を勧めましたが、この患者さんは、化学療法は行わず、「スーパー糖質制限食~ケトン食」を実践されました。

わずか20日後の検査で、胸水が消失し、CEAが、10.2 → 8.2 と改善しました。

今後の経過観察が必要なことは勿論ですが、かなりの速度で再発がんが改善した可能性が高い一例です。

なお主治医は、この改善に大変驚いて、「何かしましたか?」と質問したそうです。

「ケトン食です。」と患者さんが答えたら、キョトンとしたそうです。

江部康二


60代男性。
2012年10月、肺がん手術。

2012年
8.23  CEA:1.9ng/ml
11.29    1.6

2013年
4.15     1.7
10.15    6.5
 胸部X線写真、少量の左胸水出現。
11.12    8.3
12.19    10.2
 左胸水増加。
 スーパー糖質制限食~ケトン食開始。

2014年
1.9      8.2ng/ml
 左胸水消失。
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
「糖質オフネットワーク東京新年会のお誘い」
こんにちは

糖質オフネットワーク東京事務局のナースのChie さんから

「糖質オフネットワーク東京新年会のお誘い」

をコメントいただきました。

糖質オフネットワーク東京も着実に活動を続けておられて、頼もしいです。

まだ枠に余裕があるそうですので、ブログ読者の皆さんで、空いている方は、是非、ご参加くださいね。

江部康二


【4/01/10 Chie
糖質オフネットワーク東京新年会のお誘い
糖質オフネットワークのNsのChieです。
本年も糖質オフネットワーク東京をよろしくお願いします。

さて1月18日18時に糖質オフネット東京新年会が開催される事になりました。
まだ、お席には余裕がございますので、よろしければ、ご参加くださいね。

内容は下記の通りです。
________________________________

●1月 糖質オフネット東京新年会

日時:2014.1.18 (土)  18:00から2時間程度
会費:5000円(飲食費)
定員:20名
場所:東京魚河岸バル 吉今 新宿西口本店
新宿区西新宿1-7-1 松岡セントラルビルB2F
http://r.gnavi.co.jp/g078893/
_______________________________

申し込みは下記のアドレスからお願いします。
<https://docs.google.com/forms/d/1o8MNKP5L1cZqMzyPnN--KiNpKwvhOm0QzkrE1ZAh2PA/viewform>

締め切りは1月13日(月)です。
上記のアドレスから上手く登録できない場合は、下記の項目をご記入の上、
carbo.off.net@… (事務局)までご連絡ください。代理登録致します。
--------------------
お名前(必須:ハンドルネーム可):
メールアドレス(必須):
コメント(任意):
--------------------

当日、お会い出来る事をスタッフ一同楽しみにしております。 】
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質制限ワインサーメンタム Merlot Barrica 2009、Xarel.lo、Cava,Rose、好評発売中です
こんにちは。

あらてつさんの糖質制限ドットコムより発売中の糖質制限ワイン、サーメンタムですが、大変好評だそうです。

昨年年末に、スパークリングワインのカバと、ロゼがラインナップに加わりました。

ワイン

ろぜかば


カロリー制限食では真っ先に禁止される「アルコール」ですが、糖質制限食では、種類を選べばOKとしています。

焼酎、ウイスキー、ブランデーなどの蒸留酒は糖質が0なので飲んでも血糖値に影響を与えません。

一方、ビールや日本酒なのど醸造酒は糖質量が多く、糖質制限食ではNGとなります(^_^;)

同じ醸造酒でも、赤ワインや辛口の白ワインは糖質量が少いので、適量であればOKとしました(^O^)

ですが、この「適量」が分かりませんとよくご質問を頂きます。

確かに、尿糖試験紙で測るにもワインを開けてしまわないといけませんし、沢山のワインの中でどんなワインを選んでいいのか正直なところ分かりにくいです。

糖質制限食実践中でも安心して飲めるワインはないものか?

そう考えたあらてつさん、オリーブオイルのモリドル社との商談にスペインに行った時、ワインの醸造所に「糖質制限でワイン作って!」と頼み込んできました。

紆余曲折を経て完成したのが、Sarmentum(サーメンタム)

糖質制限専門ワインです。

あらてつさんが現地で尿糖試験紙で検査、合格したものを日本に持ち帰り、例によって、私、江部康二自らが血糖測定、見事に合格です。

空腹時でボトル半分開けるのはさすがにキビシイものがありましたが、これで糖質セイゲニストに皆さんに安心して飲んでもらえるワインが出来ると思うと、感無量です(^O^)

糖質制限食の定番、赤ワインに加え、本格白ワイン、ロゼ、カバも糖質制限で醸造です。


醸造元、コビデス社クリストフ氏より解説をご紹介します。


●Vino tinto(赤ワイン)

Sarmentum Merlot Barrica 2009

100%ペネデスのブドウ畑原産メルローを使い醸造。

収穫物は厳選し、精製には細心の注意を払っています。

アメリカンオーク樽で6ヶ月間寝かせ、当社ワイナリーにて最終調整したものです。

樽がもつザクロ色のトーンをもつ、鮮紅色が特徴です。

口の中では、パワフルでありながらまろやかで、後味が長く続き、バランスが取れています。テイスティングをすると、最初にメルローの品種の味が来て、あとからアメリカンオーク樽による、木の優しい味がします。

メルロー独自の、カカオやコーヒーといった類の香りと、樽から来る香ばしい感じがします。

米料理、チーズ、ソーセージ、鳥肉、肉の煮込み料理などのおともにおすすめです。

*Barricaはスペイン語で「樽」を意味し、600リットル以下の木樽で熟成した
 ワインに表示できます。

●Vino blanco(白ワイン)

Sarmentum Xarel.lo

ブドウ品種は、100%ペネデス原産地のブドウ畑産チャレロです。

このワインは、当社の他の製品同様、厳選されたブドウからとれたフリーラン果汁(高品質のワインを精製するために、ブドウから圧搾するのではなく、流れ出てくる果汁を使用している)によって精製されたものです。

若々しい白ワインで、ほんのり緑がかった青白い黄色をしています。

地中海のフルーツや白い花の、フルーティーな香りがします。

口の中ではさわやかで、バランスが取れた感じがします。味わいは、長く広がりをもっていて、非常にまろやかです。

果物や白い花の後味がします。

魚料理や癖の少ないチーズ、米料理や白身の肉料理に合わせるのが理想的です。

*サーメンタム チャレロは、果皮浸漬によって精製された特別なワインです。 これ(果皮浸漬)は、ブドウの果皮がより味わいと香りのある、特徴が際立つ部位であることから、フリーラン果汁にブドウの粒を入れて、非常に低い温度下で数時間浸すことで、官能特性の部分を形成させるというものです。

●Cava (カバ スパークリングワイン)

通常のCavaは、ドサージュといって、砂糖や甘いリキュールを添加し、味わいの最終調整を行いますが、このSarmentum Cava Brut Natureは、それらを一切加えずに仕上げています。

ブドウ品種は、ペネデス原産のXarel.lo(チャレロ)、Macabeo(マカベオ)、Parellada(パレリャーダ)の三種です。

穏やかな黄金色の反射のある、青白みかかった黄色。グラスに注ぐと数珠状の輪を形成しながら上昇する泡が、程よい感じで長時間放出されます。

ボトルの中で、わずかに熟した果実や花のニュアンスを帯びた、はちみつのようなクリアンサ独特の非常に心地よい香りがします。

飲んで頂くと爽やかな後味で、口の中で大変な心地よさを演出すします。ドライな感じで始まりますが、まろやかで温かみをもった感じで終わります。

香り高く、素直に後に残るまろやかな後味がたいへん心地良いCavaです。

●Rosé  (ロゼ)

100%ペネデスのブドウ畑原産テンプラニージョを使い醸造した、透明感のある桜色がかった赤のロゼワイン。

コルクを抜けば、フルーティーな特徴を持った上質で心地よい香りが拡がります。

口に含むと、ほどよい酸味のあるフレッシュさがありながら、口当たりがまろやかで飲みやすく、エレガントかつフルーティーな後味が残ります。

テンプラニージョの果実を思わせる香りと、重厚かつ繊細な味わい、酸味と渋みがバランスよく感じられるロゼは、どのような料理にも合わせて頂けるでしょう。



もちろん、赤・白・ロゼ・カバ、全て飲みましたが、赤はタンニンの程よい強さと繊細な後味のバランスが取れたワイン、白はとてもフルティーで飲みやすく、カバはドサージュしてないとは思えないほど口当たりがよく、ロゼはテンプラニージョの独特の香りがなんとも言えず、どれもグイグイ飲んでしまいます(^_^;)

すべて私が自ら実験台になり、血糖測定を実施、どれも血糖値に影響を与えませんので、安心してワインを楽しむことができます(^O^)

作ってくださったクリストフさんに大きな拍手を送りたいと思います\(^o^)/

この糖質制限ワイン、Sarmentum(サーメンタム)について、詳細&お買い求めはこちらから。
↓ ↓ ↓
糖質制限ワイン サーメンタム
http://www.toushitsuseigen.com/shop/spa_wine.html

サーメンタム ロゼ&カバ
http://www.toushitsuseigen.com/products/detail81.html


左党の糖質セイゲニストの皆さん、是非お試しあれ。




江部康二


テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
RCT研究論文で、「糖質制限食」が「低脂肪・高糖質食」に勝利
DIRECT.jpg


こんにちは。

よく引用されるイスラエルのShai先生の有名な論文、DIRECT
「低炭水化物食で体重減少・ HDL-C増加・HbA1c改善  RCT研究論文」

イスラエルの322人(男性86%)
(1)低脂肪食(カロリー制限あり)女性1500kcal、男性1800kcal
(2)オリーブ油たっぷりの地中海食(カロリー制限あり)女性1500kcal、男性1800kcal
(3)低炭水化物食(カロリー制限なし)
3グループの食事法を2年間
低炭水化物食が、最も体重減少。HDL-Cも増加。
36名の糖尿病患者においてHbA1cが有意差をもって改善

Iris Shai,et all:Weight Loss with a Low-Carbohydrate,Mediterranean,or Low-Fat Diet.
NENGLJ MED JULY17,2008、VOL359. NO.3 229-241



<要約>

この研究、結果として、3グループ共に同じだけ、摂取エネルギーの減少が認められています。

つまり、同一摂取エネルギーで

(1)低脂肪食:糖質50%
(2)オリーブ油たっぷりの地中海食:糖質50%
(3)低炭水化物食(糖質制限食):糖質40%

の3つのグループを、2年間経過を追ったことになります。

その結果、糖質制限食が最も体重減少し、HDL-Cも増加し、HbA1cが有意差をもって改善です。

言い換えると、少なくとも同一摂取エネルギーならば、糖質50%摂取の低脂肪食群に比べると、糖質40%摂取の糖質制限食群は有意差をもって、体重が減少しています。

ここに、この信頼度の高いRCT研究論文により、「糖質制限食」が「低脂肪・高糖質食」に勝利したことが証明されました。

もう一点、特筆すべきは、糖質制限食は、摂取エネルギーは無制限であったにもかかわらず、低脂肪食群や地中海食群と同じだけ自然に摂取エネルギーが減少したことです。

このことは、糖質制限食の場合は、満足度と満腹度が高いので、我慢するのではなく自然に大食しなくなることを示しています。

これも個人的な感想ではなく、RCT研究論文で証明されたことなので意味は大変大きいです。

まさに、糖質制限食は美味しく楽しく、そして楽に実践できることが証明されたわけです。

糖質摂取40%の中糖質食でも、有意差がでたのですから、糖質12%摂取のスーパー糖質制限食なら、もっと明確な差がでたと思います。

<解説>

糖質制限群は、最初の2ヶ月は20g/日に糖質を制限、その後3ヶ月目からは徐々に緩めて120g/日までOKと設定しています。

しかしながら、6ヶ月後、12ヶ月後、24ヶ月後、40~41%の糖質を摂取しています。

つまり、このDIRECT論文も、糖質40%の糖質制限食群(中糖質群)と糖質約50%の低脂肪食群、地中海食群(高糖質群)を比べた研究ということになります。

3群とも、出発点のベースラインからは、日々の摂取カロリーが6ヶ月後、12ヶ月後、24ヶ月後と全て、有意に減少しています。

ベースラインからのカロリー減少幅に3群で有意差はありませんでした。

糖質制限食群はカロリー制限なしの設定ですが、低脂肪食群、地中海食群と有意差無く摂取エネルギーが減少しています。

それで女性1500kcal、男性1800calのカロリー制限ありの他の2群に摂取カロリーを合わせてみると、糖質制限食群でも、女性で150g/日、男性で180g/日の炭水化物を摂取していることになります。

設定の120g/日をかなりオーバーしています。

これでは折角減少した体重もリバウンドを起こすでしょうね。

現実に2年後には、3群ともリバウンドを起こしています。

糖質制限食群も一番体重が減少していますが、当初の5ヶ月間で達成した体重減少からは少しリバウンドしています。

この経過は、上記グラフ(各ダイエットグループによる2年間の体重変化)をご参照ください。

私のようにスーパー糖質制限食実践中の場合、一旦減少して適正になった体重はリバウンドを起こすことなく維持できます。

スーパー糖質制限食の場合は、40~60g/日の糖質摂取量で、糖質の摂取比率は12%くらいです。

私の場合は、2002年にスーパー糖質制限食半年で10kg減量して、167cm、57kgとなり、2014年1月現在も維持しています。

DIRECTの糖質摂取120g/日、糖質摂取比率40%は、高雄病院のスーパー糖質制限食と比べると大きな差があります。

DIRECTによれば、40%の緩い糖質制限食でも、

「最も体重減少。HDL-Cも増加。HbA1cが有意差をもって改善。」

ということができます。(RCT研究論文2年間のエビデンスあり)

一方、スーパー糖質制限食に比べると、体重減少にリバウンドを生じています。

私は、やはり今後もずっと継続してスーパー糖質制限食を続けていきます。


江部康二



DIRECT

Table2   炭水化物摂取比率

糖質制限群
ベースラインン:50.8%
6ヶ月後:41.4
12ヶ月後:41.6
24ヶ月後:40.4


地中会食群
ベースラインン:51.5%
6ヶ月後:49.8
12ヶ月後:50.0
24ヶ月後:50.2


低脂肪食群
ベースラインン:51.8%
6ヶ月後:50.4
12ヶ月後:50.5
24ヶ月後:50.7



テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
「主治医が見つかる診療所」『糖質制限・カロリー制限 徹底比較SP』チェック
こんばんは。

「主治医が見つかる診療所」
『糖質制限・カロリー制限 徹底比較SP』

2014年1月6日(月)放送をチェックしてみました。

【14/01/07 精神科医師A
Re: 主治医が見つかる診療所の放送
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/05/dl/s0529-4h.pdf

厚生労働省が制定した日本人の食事摂取基準(2010)の炭水化物の記載にはこうあります

P109
 …ぶどう糖の必要量は少なくとも100g/日と推定され、すなわち、消化性炭水化物の最低必要量はおよそ100g/日と推定される。

しかし、これは真に必要な最低量を意味するものではない。

肝臓は必要に応じて、筋肉から放出された乳酸やアミノ酸、脂肪組織から放出されたグリセロールを利用して糖新生を行い、血中にぶどう糖を供給するからである。

  ◇

つまり、肝臓は蛋白質や脂肪を原料として、ブドウ糖を合成(糖新生)できるからです。肝硬変のように、肝機能が廃絶していれば、糖新生は不能となり、ブドウ糖摂取が必要となります。

放送内容はここをご覧ください
http://www.tv-tokyo.co.jp/shujii/backnumber/140106/index.html



テレビ東京「主治医が見つかる診療所」
『糖質制限・カロリー制限 徹底比較SP』
2014年1月7日(月)放送、私も見ました。

この件に関してブログ読者の皆さんには、たくさんのコメントをよせていただきありがとうございます。

糖質制限食紹介の前半は、まあまあ合格でした。

一箇所、インスリンが全身の細胞にブドウ糖を供給するといった説明がありましたが、正確には、インスリンは筋肉細胞と脂肪細胞と肝細胞に作用するのです。

インスリンの作用により、血糖は筋肉細胞に取り込まれて血糖値を下げます。

その後、余った血糖はインスリが全て脂肪細胞に取り込ませて中性脂肪に合成します。

脳や赤血球などその他の組織は、インスリンには無関係に血液中のブドウ糖を取り込みます。

番組全体では、皆さんが、ご指摘の問題点がありました。

姫野先生が、厚生労働省も「糖質の最低必要量はおよそ100g/日」としているので、それだけ摂取した方がいいと仰有っていましたが、これは誤解でしょう。 (∵)?

精神科医師Aさんのコメントにあるように、厚生労働省の記載でも「・・・これは真に必要な最低量を意味するものではない。・・・」として、肝臓の糖新生に言及しています。

人類は飢餓との戦いで、農耕開始前の700万年間を過ごしてきました。

水だけで、数日から数週間過ごすこともよくあったと思います。

赤血球に必要なブドウ糖を、外部の食料に頼っていたのでは、飢餓のときには赤血球は死んでしまいます。

赤血球へのブドウ糖供給は、肝臓の糖新生が担っていたのであり、外部の食料には依存していませんね。

必須アミノ酸、必須脂肪酸は存在しますが、必須糖質は存在しません。

国際食事エネルギーコンサルテーショングループの報告では、「炭水化物の理論的な最少必要量はゼロである」と明記されています。(☆)

すなわち、栄養学的には、スーパー糖質制限食で、1回の糖質摂取量が、10~20g以下で、1日の糖質摂取量が、20~60g以下でも何の問題もないのです。(^^)


糖質の多い食べ物は?
◆スタジオに18種類の食材を用意。糖質の多い食材はどれ?
【結果】
食材100gあたりの糖質量
(1) パスタ   69.5g →これだけ乾いたままの麺
(2) 食パン   44.3g
(3) ご飯    36.6g
(4) 中華麺   27.9g
(5) そば    24.0g
(6) うどん   20.8g


これは、かなり単純な勘違いです。

パスタ(乾)なので、100g中に69.5gも糖質です。

しかし、茹でたパスタなら、100g中に27.5g程度です。

つまり中華麺より、糖質量は低いくらいです。

パスタ(乾)以外は全て、茹でたり炊いたりそのまま食べれる状態で水分ありです。

パスタ、可哀想でしたね。  ε-(-Д-)

そうそう、最後に出演者の方々が、「まずは糖質制限食をやってみよう」という意見が多かったのは
ちょっぴり嬉しかったですね。


(☆)
Eur J Clin Nutr. 1999 Apr;53 Suppl 1:S177-8.
Report of the IDECG Working Group on lower and upper limits of carbohydrate and fat intake. International Dietary Energy Consultative Group.
Bier DM, Brosnan JT, Flatt JP, Hanson RW, Heird W, Hellerstein MK, Jéquier E, Kalhan S, Koletzko B, Macdonald I, Owen O, Uauy R.


江部康二

テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質制限食と肥満改善
こんばんは。

2014年1月6日(月)夜、7時54分から約2時間
テレビ東京の「主治医が見つかる診療所」という番組があり、
『糖質制限・カロリー制限 徹底比較SP』に出演(録画)します。
出番は、前半の糖質制限食のパートです。

「カロリー制限」 VS 「糖質制限」

ということで、それぞれ、医師が解説して映像が流れます。

テレビ局なりにわかりやすくアレンジしていますが、私の出番はせいぜい数分間と思いますので、 言いたいことが短縮されてつぎはぎになっている可能性もあります。

以下復習を兼ねて、糖質制限食で何故肥満が改善するのかを考えて見ます。


◆<摂取エネルギーと消費エネルギー>

摂取エネルギーと消費エネルギー、
基礎代謝量、身体活動量、食事誘発熱産生

1)摂取エネルギー > 消費エネルギー   →  体重増加
 摂取エネルギー = 消費エネルギー   →  体重不変
 摂取エネルギー < 消費エネルギー   →  体重減少

2)通常のカロリー制限食(高糖質食)なら
 「消費エネルギー=基礎代謝量+身体活動量(運動や家事)+食事誘発熱産生(DIT)」

3)糖質制限食なら、高糖質食の時には無い
 「肝臓の糖新生でエネルギーを消費」 → 基礎代謝の増加
 「高蛋白食摂取」 → 食事誘発熱産生(DIT)の増加 」
 が認められる。

1)は生理学的事実です。

2)3)を比較すると、少なくとも同一カロリーなら糖質制限食の方が高糖質食に比し、体重が減少しやすいことは明白です。


しかし、いくらスーパー糖質制限食実践でも、3000kcal/日を摂取して、消費したカロリーが2500kcal/日なら、差し引き500kcal分は余るので、その分は体脂肪として蓄積され、太ります。すなわち、大食漢の場合は、スーパー糖質制限食でもやせません。

スーパー糖質制限食実践のメリットとしては、基礎代謝が増加し、DIT(☆)が亢進します。

そして食事中にも脂肪は燃えていて、肥満ホルモン(インスリン)の分泌はごく少量ですみます。

従って、糖質を摂取したときに比べると、とても体重が減少しやすいのです。


スーパー糖質制限食の場合は、糖尿病学会推奨のように

男性:1400~1800kcal/日
女性:1200~1600kcal/日

といった、厳しいカロリー制限は必要ありません。


一方、国立健康・栄養研究所の「日本人の食事摂取基準」(2010年)への解説 
推定エネルギー必要量は18才以上の成人で、年齢により差がありますが、

身体活動レベルが低い人は
 男性:1850~2250キロカロリー/日  
 女性:1450~1700キロカロリー/日

身体活動レベルが普通なら
 男性:2200~2650キロカロリー/日  
 女性:1700~1950キロカロリー/日

身体活動レベルが高い場合
 男性:2500~3050キロカロリー/日
 女性:2000~2300キロカロリー/日

です。

スーパー糖質制限食実践と「日本人の食事摂取基準」の標準的な摂取エネルギーなら、適正体重になると思います。


なおスーパー糖質制限食による体重減少効果ですが、4つの利点があります。

◆<スーパー糖質制限食による体重減少効果>

①インスリン(肥満ホルモン)が基礎分泌以外ほとんど出ない。
②食事中も含めて常に体脂肪が燃えている。
③食事中も含めて常に肝臓で糖新生が行われ、それにかなりのエネルギーを消費する。
④高タンパク食により特異動的作用(DIT)が亢進する。

高蛋白食は、摂食時の特異動的作用(DIT)が通常食に比べて増加します。

DITによる消費エネルギーは、実質吸収エネルギーの、糖質では6%、脂質では4%、タンパク質で30%です。

特異動的作用(DIT)を、もっと簡単に説明すると、食事において

100キロカロリーの糖質だけを摂取した時は、6キロカロリー
100キロカロリーの脂質だけを摂取した時は、4キロカロリー
100キロカロリーのタンパク質だけを摂取した時は、30キロカロリー

が熱に変わり、消費エネルギーとしてカウントされるということです。


◆<糖質を摂取した場合>

A)血糖値が上昇してインスリン(肥満ホルモン)(☆☆)がたっぷり分泌される。
B)体脂肪は燃えなくなり、血糖値が中性脂肪に変わり蓄積される。
C)肝臓の糖新生はストップする。
D)高タンパク食よる特異動的作用(DIT)の亢進はなくなる。


①②③④とA)B)C)D)
両者を比べてみれば、高糖質食より糖質制限食の方が、体重減少効果が高いことが一目でわかると思います。

たとえ低脂質食でカロリー制限していても、糖質を摂れば体重減少への利点がすべて消えてしまうわけです。

これは食べ物に含まれるカロリーとは無関係の生理学的な特質であり、あくまで糖質を摂るかどうかがカギとなります。



江部康二



(☆)食事誘発性熱産生(DIT)

厚生労働省のe-ヘルスネットから転載
http://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-030.html
食事誘発性熱産生(しょくじゆうはつせいねつさんせい)
Diet Induced Thermogenesis DIT
特異動的作用 Specific Dynamic Action SDA

食事をした後、安静にしていても代謝量が増大すること。

食事を摂ると体内に吸収された栄養素が分解され、その一部が体熱となって消費されます。このため、食事をした後は安静にしていても代謝量が増えます。この代謝の増加を食事誘発性熱産生または特異動的作用といいます。

食事誘発性熱産生でどれくらいエネルギーを消費するかは栄養素の種類によって異なります。たんぱく質のみを摂取したときは摂取エネルギーの約30%、糖質のみの場合は約6%、脂質のみの場合は約4%で、通常の食事はこれらの混合なので約10%程度になります。食事をした後、身体が暖かくなるのはこの食事誘発性熱産生によるものです。

加齢や運動不足で筋肉が衰えると、基礎代謝が低下するだけでなく食事誘発性熱産生も低下します。逆にトレーニングで筋肉を増やすと食事誘発性熱産生は高くなるとされています。



(☆☆)インスリンは三重の肥満ホルモン
◇インスリンは脂肪細胞内の中性脂肪分解を抑制する。
◇インスリンは血中の中性脂肪を分解し脂肪細胞内に蓄える。
◇インスリンは筋肉細胞に血糖を取り込ませるが、
 余剰の血糖は脂肪細胞に取り込ませて中性脂肪として蓄える。
◇インスリンを大量に分泌させるのは、糖質のみ。
以上は生理学的事実です。

◇肥満のメカニズムはインスリンによる脂肪蓄積。 → 仮説
◇ハーバード大学医学部元教授、ジョージ・ケーヒル
「脂肪を操るインスリンを、炭水化物(糖質)が操る」 → 名言
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
テレビ東京の「主治医が見つかる診療所」に出演。1月6日。午後7時54分から
【14/01/05 クワトロ

明日のテレビ

CMで放送されてましたが、江部先生、明日のちょっと番組名がはっきりしませんが、確か主治医が見つかる診療所でしたっけ?
違ってたらごめんなさい。
出演されてましたね。
インタビューを受けてる姿が映ってました。
どんどんこれから表に出る機会が増えてくるのでしょうね。
お体大事になさってくださいませ。】


こんばんは。

クワトロさん。
ありがとうございます。

2014年1月6日(月)夜、7時54分から約1時間
テレビ東京の「主治医が見つかる診療所」という番組の
『糖質制限・カロリー制限 徹底比較SP』に出演します。

番組ホームページより
楽しかった正月休みも終わり…ついつい太ってしまった人も多いのでは?
無理なく健康的に痩せたい、そんな願いに役立つ特集をお送りします。
今回はダイエット法の定番「カロリー制限」と、最近注目を集める「糖質制限」、
2つのダイエット法を徹底比較!それぞれのメリット、デメリットとは?
あなたに合うのはどちらの方法?これを見ればわかります!


ディレクターさんが、年末の忙しい時に、2回も高雄病院に取材に来て、理論編と実地外食編、それぞれ2時間くらかけて、インタビューと撮影でしたが、実際の番組ではせいぜい数分間の映像と思います。

適当につぎはぎされてると思いますので、真意がちゃんと伝わるような映像になっているのか、一抹の不安がありますが、まあ仕方ありません。

現在は、まな板の上の鯉の心境です。(=_=;) 


江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
米国糖尿病食事療法の変遷
こんばんは。

らこさんから、糖尿病食事療法の変遷について、コメント・質問をいただきましたので、米国糖尿病学会の最新の情報も含めて、歴史的に検討してみます。


<米国糖尿病食事療法の変遷>

1900年代初期までは米国では糖尿病食としては、糖質制限食が主流でした。

それも、ほぼスーパー糖質制限食です。

おそらくヨーロッパでも同様であった思われます。

カルピンチョ先生のブログに

『「糖質摂取を制限して、膵を庇護しようという」発想がNaunynにより提唱されて (1898)、尿糖をチェックして、無糖尿になるまで糖質を制限する低糖質食となったのです。』

とありました。

カルピンチョ先生ありがとうございます。m(_ _)m

この頃すでに、食後血糖値を上昇させるのは、3大栄養素のなかで主として糖質であるということが、認識されていたからです。(☆)

例えば、糖尿病学の父と呼ばれるジョスリン博士が執筆された「ジョスリン糖尿病学」の初版は1916年出版ですが、炭水化物は総摂取カロリーの20%が標準と記載してあります。

このころ1型糖尿病患者には、「飢餓療法」が適用されて、極端な低カロリー食で、少しだけ寿命を延ばしましたが、結局は致命的な疾患でした。

1921年にカナダの整形外科医フレデリック・バンティングと医学生チャールズ・ベストがインスリンの抽出に初めて成功しました。

1922年に当時14才の1型糖尿病患者(レナード トンプスン少年)に初めて注射し、血糖コントロールに成功しました。

1型糖尿病はインスリンの登場までは、診断後平均余命6ヶ月の致命的な病気でしたが、インスリンにより生命を保つことが可能となりました。

その後、インスリンを注射しておけば糖質を摂取しても血糖値が上昇しないことが、徐々に周知されるようになりました。

その結果、正常人なみに糖質を食べても、インスリンさえ打っておけばいいという流れとなっていき、米国糖尿人の糖質摂取量は徐々に増えていきました。

ADA(米国糖尿病協会)ガイドラインが初めて制定されたのが1950年です。

上述の流れを受けて、第一回目のガイドライン制定時には、ADAは総摂取カロリーに対して、炭水化物の摂取量を以前より増やしました。

<ADA食事療法ガイドラインの変遷>
1950年のガイドラインでは炭水化物40%を推奨。
1971年のガイドラインでは炭水化物45%に増えました。
1986年のガイドラインでさらに炭水化物60%と増加。
1994年のガイドラインでは、総摂取カロリーに対してタンパク質10~20%という規定がありますが、炭水化物・脂質の規定はなくなりました。
1994年のガイドラインの時、オリーブオイルたっぷりの地中海食も選択肢に加わわりました。
*1994年以降、ガイドラインでは炭水化物と脂肪のカロリー比を固定しなくなりました。


1993年に発表された米国の1型糖尿病研究・DCCTにおいて、糖質管理食(カーボカウント)が成功を収めたことから、欧米では、糖質管理食が、1型糖尿病患者を中心に広まっていきました。

2004年米国糖尿病協会の患者用テキストブックは

「血糖値を上昇させるのは、糖質だけで、タンパク質・脂質は上昇させない」

という記載に1997年版から変更しました。(☆☆)

2005年、ボストンのジョスリン糖尿病センターは、炭水化物の推奨量を40%に下げました。
(Joslin Diabetes Mellitus 第14版、2005年、616ページ)

ジョスリン糖尿病センターは、全米で最も評価の高い糖尿病治療センターの一つです。

ADA(米国糖尿病学会)の、「食事療法に関する声明2008」には

「糖質のモニタリングは血糖管理の鍵となる」

とランクAで推奨され、

「減量が望まれる糖尿病患者には低カロリー食、もしくは低炭水化物食によるダイエットが推奨される」

と低糖質食を一定支持する見解が初めてだされました。

2007年以前の栄養勧告では、全て低糖質食に否定的な見解でした。

さらに2013年10月のADA(米国糖尿病学会)の、成人糖尿病患者の食事療法に関する声明(Position Statement on Nutrition Therapy)では、全ての糖尿病患者に適した唯一無二の食事パターンは存在しないとの見解を表明しました。

そして、患者ごとにさまざまな食事パターン〔地中海食,ベジタリアン食,糖質制限食,低脂質食,DASH(Dietary Approaches to Stop Hypertension)食〕が受容可能であるとしています。

糖質制限食もちゃんと認められています。

2014年に向けて、ADAの声明、糖質制限食にとって、大きな追い風です。 (^_^)

ところで、らこさん、「塩バラ焼き豚」とても美味しそうで糖質制限な食材ですね。
早速取り寄せてみようと思います。 (^^)


(☆)この頃はおそらく「糖質は100%、タンパク質が50%、脂質が10%未満血糖に変わる」という米国糖尿病協会1997年版の患者用テキストブックと近い認識だったと思われます。

(☆☆)米国糖尿病協会2004年版のテキストブック
Life With Diabetes:A Series of Teaching Outlinesby the Michigan Diabetes Research and Training Center,ADA,3rd Ed,2004


江部康二



【日付 名前14/01/03 らこ

インスリン合成前の糖尿病治療は?
江部先生、早々のご返事ありがとうございます。
今年も糖質制限食のご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いします(ペコッ

昭和10年代以前に、日本の糖尿病治療の主流を成していた【厳重食】は初めて目にしました><

「日本糖尿病学会」所属医師から、らこは

◎糖尿病治療はずうっと「カロリー制限食」だった。糖質制限食などとんでもない!

を聞かされて来ました。近代西洋医学が確立して以来、のニュアンスでしたので、「クリミア戦争」の頃から「カロリー制限食」が徹底されていたかのような発言でした><

しかし、江部先生のお話によれば

◎1921年インスリン合成前はヨーロッパでも「厳重食治療」が当たり前であった!

とのこと。

この辺をさらに詳細に突っ込んで頂ければ幸いです。

2014年が2013年以上に「糖質制限食が広まる年」になる予感がこの「厳重食」記事を読み、実感して参りました。

新年早々

◎塩バラ焼き豚 をつまみに焼酎でお屠蘇の私らこです。

塩バラ焼き豚は銀座の「kodama」と神戸の「新生公司」が美味しいです><

◎日本糖尿病学会が目の敵にする「動物性脂肪」をガンガン摂取して毎日焼酎三昧で健康そのもの><

医学の世界は「真実のみが正しい」と信じて、江部先生のご指導に従い(少々呑み過ぎでも構わないも含めて>< )

江部先生路線で健康な毎日を過ごさせて頂いています\(^o^)/ 】



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