FC2ブログ
「糖質制限食による糖尿病の解決」朝日カルチャーセンター京都教室、1月21日
こんばんは。

2014年1月21日(火)13:00-14:30

「糖質制限食による糖尿病の解決」

と題して、朝日カルチャーセンター京都教室において、講座の講師を務めます。

問い合わせ先は、075-231-9693
朝日カルチャーセンター京都教室です。


今回は、糖尿病に絞ってお話します。

2013年10月の米国糖尿病学会の栄養療法の声明、2013年日本腎臓病学会の糖尿病腎症のガイドラインなど、最新の情報を取り上げて解説します。

例えば、米国糖尿病学会は、糖質制限食を公式に容認しました。

そして糖尿病患者さんの血液検査データも豊富に紹介します。

同一摂取カロリーで揃えた「従来の糖尿病食 VS スーパー糖質制限食」の血糖値の日内変動データ比較は圧巻です。

食後高血糖と平均血糖変動幅に関しては、糖質制限食の圧勝で、その差は「月とスッポン」です。

糖尿病合併症を防ぐには、「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」を生じないことが必要不可欠です。

しかしながら糖質を摂取すれば、必ず「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」を生じます。

「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」を生じない唯一の食事療法が糖質制限食なのです。

すなわち、従来の糖尿病食(高糖質食)では、糖尿病合併症を防ぐことは理論的に不可能なのです。

現実に

糖尿病腎症からの人工透析が、毎年16000人(約44%) →医療費\800億円
糖尿病網膜症からの失明が、毎年3000人(約18%)
糖尿病足病変からの足切断が、毎年3000人(40~45%)


発生しています。

これらの数字を見れば、従来の日本糖尿病学会推奨の糖尿病食(カロリー制限・高糖質・低脂質食)では、いくら薬物療法を強化しても、合併症が予防できていないのは一目瞭然です。

糖尿病合併症を生じさせないために、糖尿人は、自分自身で考えて、自衛するしかありません。

京都の糖尿人の方々、そして関西の糖尿人の方々、ご参加をお待ちしてます。



江部康二


☆☆☆

以下は、朝日カルチャーセンター京都教室のサイトの案内文です。

糖質制限食による糖尿病の解決

講師名 高雄病院理事長 江部 康二

講座内容
糖質、脂質、タンパク質のうち血糖値を上昇させるのは糖質だけ。糖質を制限すれば、即座に食後高血糖は改善します。その糖質制限食による糖尿病治療の理論と実践法を、症例も交えてわかりやすく解説します。高雄病院における糖質制限食による入院・外来治療は、画期的な成果をあげています。米国・英国の糖尿病学会もその有効性を認めています。スウェーデン社会保険庁も公的に認めています。糖質制限食は面倒なカロリー計算もなく、美味しく楽しく続けることができるのも大切なポイント。糖尿病治療や合併症予防に絶大な効果があります。『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』(東洋経済新報社)は、ロングベストセラーに。ブログ「ドクター江部の糖尿病徒然日記」は毎日10000件のアクセスがある人気ブログです。http://koujiebe.blog95.fc2.com/

日時 2014年 1月21日 火曜 13:00-14:30

受講料 会員 2,940円 一般 3,465円

講師紹介
江部 康二(エベ コウジ)
1950年生まれ。 1974年京都大学医学部卒業。
1974年から京都大学胸部疾患研究所第一内科(現在京大呼吸器内科)にて呼吸器科を学ぶ。
1978年から高雄病院に医局長として勤務。1996年副院長就任。
2000年理事長就任。
2001年から糖質制限食に取り組む。

内科医/漢方医/(財)高雄病院理事長
2002年に自ら糖尿病であると気づいて以来、さらに糖尿病治療の研究に力を注ぎ、「糖質制限食」の体系を確立。これにより自身の糖尿病を克服。

著書
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』2005年(東洋経済新報社)
作家宮本輝氏との対談、『我ら糖尿人、元気なのにはわけがある』2009年(東洋経済新報社)
『主食をやめると健康になる』2011年(ダイヤモンド社)
『高雄病院の「糖質制限」給食』2012年(講談社)など多数。

ブログ『ドクター江部の糖尿病徒然日記http://koujiebe.blog95.fc2.com/ は、日に15000件のアクセスがあり、糖尿病のかたやそのご家族から寄せられた質問への回答や、糖尿病・糖質制限食に関する情報の発信に、日々尽力している。



テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
夏目漱石と糖尿病、そして当時の厳重食(スーパー糖質制限食)
こんばんは。

精神科医師Aさんから、夏目漱石と糖尿病と厳重食(☆)について、コメントをいただきました。
ありがとうございます。

文豪夏目漱石は、糖尿病だったのですね。

昭和13年、18年の女子栄養大学の「厳重食」の解説をみると、まさに、「厳重食=スーパー糖質制限食」です。

<夏目漱石の病状の経過>
大正5年(1916)正月、右の上膊(上腕)神経に強い痛みと右上膊(上腕)の不全麻痺。
薬、マッサージは無効。
4月、糖尿病と診断。
教え子の医師真鍋嘉一郎により、5月から、当時の最先端治療の厳重食を開始。
尿糖は消失。
7月終わりには、右の上膊神経に強い痛みと右上膊の不全麻痺が改善。
神経衰弱の症状も減退。
糖尿病も改善。
11月、胃潰瘍が再発。
12月9日、胃潰瘍による出血で死亡。

厳重食で、糖尿病と糖尿病神経障害は著明改善ですが、残念ながら胃潰瘍のために死去しています。

神経衰弱ですが、夏目漱石が、精神病であったのは有名です。(☆☆)

病名が、なんであったか明確ではないのですが、躁(そう)状態とうつ状態を繰り返しており、双極性障害(そうきょくせいしょうがい)であった可能性が高いと思います。

夫人著の『漱石の思い出』には、神経衰弱も改善とのことですので、スーパー糖質制限食が、有効であった可能性があります。

皆が皆というわけにもいきませんが、スーパー糖質制限食で心理的不安定が改善することはよくあります。

血糖値の変動幅がほとんどなくなること、血中ケトン体が現行の基準値より高値になることなどが心理的安定に繋がるのだと思います。


江部康二


(☆)
糖尿病患者の厳重食
香川綾 昭和13年(1938年)
女子栄養大学「栄養と料理」 第4巻第4号 p46 糖尿病の手当と食餌療法
香川昇三  昭和18年(1943年)
 女子栄養大学「栄養と料理」 第9巻第5号 p27 糖尿病患者の厳重食

上記によれば当時の厳重食は、
肉類(牛、豚、鶏、魚肉、内臓、心臓、肝臓、舌、膈、腎臓、骨髄)
貝類 膈
卵類(鶏卵、鳥卵、魚卵)
脂肪類(バター類、豚脂、ヘッド、肝油、オリーブ油、ごま油、)
豆類(豆腐、油揚げなど)
 *味噌は少量
野菜(含水炭素5%以下)
 ・・・小松菜、京菜、白菜、筍、レタス、蕗、大根、アスパラ・・・
果実(含水炭素の少ないもの):びわ、すもも、苺、いちじく、メロン、パイナップル、パパイヤ、りんご、蜜柑、夏みかん
 *梨、ブドウ、柿、バナナはやや糖質が多いので警戒を要する。


(☆☆)
昭和12年6月 診断と治療。第24巻。第6号
 夏目漱石の精神病に就いて  太田清之氏のコラム
 ・・・前略、中川学士の研究に依れば漱石には明瞭な精神異常の発作が三回あり、疑問な発作が一回ある、と言う。その発作は約十年の間隔を置いて二十歳、三十歳、四十歳及び五十歳を中心として起り精神異常はその前とその後二、三年に亘って居る。第一回の発作は少し疑問であるが、十八歳頃より二十歳頃まで抑鬱があって、その際一度学校を落第して居ると言う。それに続いて二十歳より二、三年間躁状態が続き、その間漱石は漢詩を作り、友人と交わり、又旅行をして居る。第二回目は二十七、八歳頃より三十歳頃までの抑鬱の層と直ちに之に連絡する三十二、三歳頃迄の躁様の層とより成る。この躁時代に漱石は俳句や漢詩を発表して居る。第三回目の発作は漱石の洋行中に起った抑鬱であって、二、三年続き、帰朝後はそのまま躁状態に移行して居る。その際漱石は猫や草枕等を発表した。第四回目の発作は四十七、八歳頃より五十歳までの抑鬱と、それに引き続き死に至る迄の躁の時期である。その躁状態の際に漱石は道草や明暗を書いて居る。漱石の有名な大吐血の如きは精神異常の比較的少ない時期に起ったものであった。
 ・・・中略、



【14/01/01 精神科医師A
夏目漱石と糖尿病(1)
大正5年(1916)正月、片方の手が痛いと言いだした漱石は、当初はリウマチだと思って湯河原へ療養に行っていた。4月になり旧制松山中学時代の教え子で、東大医学部を卒業した真鍋嘉一郎の診察を受け、尿検査の結果糖尿病と診断された。それから、当時の最先端治療の、厳重食による治療を開始した。2日間蛋白性の物ばかりを食べて、尿糖は一旦消失した、と『漱石日記』にある。

 また、夫人が書いた『漱石の思い出』には治療を受け、
神経・精神症状が改善したの記載がある
『それと同時に右の上膊(じょうはく)神経に強い神経痛と右上膊の不全麻痺があった。それに対していろいろな薬を与えてみ、また『マッサージ』などもやってみましてもさらに効果がない。安部君、真鍋君らは必ず糖尿病に基づくという考えの下に糖尿病の食餌(しょくじ)療法を始め含水炭素を減じて肉類を比較的多くしたのであります。それは本年の五月から始めた。
 ところが療法を続けている間に上記の症状が非常によくなって来て、七月の終わりに上膊の神経痛はほとんど拭(ぬぐ)うがごとくになり、不全麻痺もなくなってしまって、神経衰弱の症状も減退し非常に喜ばれたそうであります。そうして前にはかなり多くの糖が出まして今年の春ごろは1から1.5「パーセント」ぐらい出ておったのが、四半斤の「パン」を食べても糖が出ないようになって糖尿病の方は非常によくなった、これが大体の既往症であります』
http://col.cocolog-nifty.com/blog/2008/10/post-ea33.html

結局は同年11月に胃潰瘍が再発し、12月9日に出血が原因で死亡した。
剖検所見はやはり『漱石の思い出』に記述がある
『次に一つ注意すべき所見は膵臓でありますが、膵臓が普通より非常に固くなって細くなっておりまして目方は60g、普通の日本人の膵臓の重量は70から75ぐらいでありますが、この膵臓は萎縮している。顕微鏡で見ると糖尿病の時にしばしば見るところの変化があります。それから腎臓にも糖尿病に特有の変化がある。しかしながらこの腎臓の中には「グリコーゲン」が無い。これは長い間絶食の後に倒れたのでありますから、その関係であろうと思います。そのほかの所見においては特有な糖尿病の腎臓である』


【14/01/01 精神科医師A
夏目漱石と糖尿病(2)
 『明暗』六十には、当時の糖尿病食の光景が描写されている。
自己の体験による表現と思える

「お延、叔父さんは情けない事になっちまったよ。日本に生まれて米の飯が食えないんだから可哀想だろう」
糖尿病の叔父は既定の分量以外の澱粉質を摂取する事を主治医から厳禁されてしまったのである。 「こうして豆腐ばかり食ってるんだがね」
叔父の膳にはとても一人では平らげ切れないほどの白い豆腐が生のままで供えられた。
 むくむくと肥え太った叔父の、わざとする情なさそうな顔を見たお延は、大して気の毒にならないばかりか、かえって笑いたくなった。
「少しゃ断食でもした方がいいんでしょう。叔父さんみたいに肥って生きてるのは、誰だって苦痛に違ないから」
http://www.aozora.gr.jp/cards/000148/files/782_14969.html


【14/01/01 精神科医師A
夏目漱石と糖尿病(3)
さて1916年と言えばJoslin 糖尿病学の初版が出版された年である
2016年は夏目漱石逝去百年、ならびにJoslin糖尿病学書100周年の記念すべき年である。それと同時に、『科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン」の3年ごとの改定年でもある。この年には日本糖尿病学会に糖質制限食をガイドラインに記載させるよう我々は努力すべきである。

 新春にふさわしい話題を提供できました。今年も文献調査、がんばってやります!】


【14/01/01 精神科医師A
戦前の『栄養と料理』に厳重食の記載がある
http://eiyotoryoris.jp/eiyotoryori/keyword/searchArticle.do?keyword=\u7cd6\u5c3f\u75c5
病食月次|糖尿病の手当と食餌療法
香川綾 [昭和13年(1938年)第4巻第4号 p46]】



テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
高雄病院・糖質制限食の基本スタンス2014年
明けましておめでとうございます。

本年もどうぞよろしくお願い申しあげます。

新年第1回目のブログなので、あらためて、高雄病院・糖質制限食の基本スタンスを説明したいと思います。

基本スタンスを一言で言えば、

「人類本来の食生活を目指す。」

ということです。

人類の歴史は約700万年です。

農耕が始まるまでの約700万年は、狩猟・採集が生業であり、魚貝類、小動物や大型動物の肉・内臓・骨髄、野草、野菜、キノコ、海藻、昆虫などが日常的な食料です。

時々食べることができたのは、木の実・ナッツ・果物、そして山芋など根茎でしょうか。

すなわち、狩猟採集時代において、糖質が多い食材というのは、時々手に入るラッキー食材だったと考えられます。

スーパー糖質制限食における総摂取カロリーに対する割合は、

<脂質56%、タンパク質32%、糖質12%>

です。

すなわち、高脂質・高タンパク食であり、制限するのは糖質だけで、これが「人類本来の食生活」に近い比率だと思います。

この数字は、高雄病院のスーパー糖質制限給食の平均値です。

1回の食事の糖質量は、10~20g以下を目指すのがスーパー糖質制限食です。

高雄病院給食では、1回の食事の糖質量は数g~10数gです。

1日の合計糖質摂取量は、30g~40数gとなります。

入院時、男性は1800kcal/日、女性は1400~1600kcal/日が一つの目安です。

退院後は、日頃の運動量に応じて少し、摂取エネルギーを増やしてもよいと思います。

スーパー糖質制限食で摂取する糖質のほとんどが野菜分の糖質です。

700万年の進化の歴史において、野菜(野草)は日常的に摂取していたと思います。

このことは、人類がビタミンCを体内で合成できないことからも推察できます。

動物性食品だけの摂取では、ビタミンCが必ず不足します。

現実に生肉・生魚の伝統的食生活の頃のイヌイットにはビタミンCが不足しており、壊血病やその予備軍が多かったのです。

従いまして、スーパー糖質制限食で野菜を摂取することは、ビタミンC確保の意味からも重要な意味を持っています。

つまり、適量の野菜(最低ビタミンC必要量)は、必ず摂取しなければなりません。

適量の野菜を摂取するので、糖質ゼロとはなりません。

ただ大量の野菜は、糖質量が増えるので要注意です。

次に果物やナッツ類は、秋を中心に季節ごとに少量は手に入るので、ご先祖も、当然摂取していたと思います。

但し、当時の果物やナッツは野生種ですから、現在流通しているものに比べたら、はるかに小さくて糖質含有量も少なかったと思います。

そして、じゃがいもやさつまいもを人類が食べ始めたのは、農耕開始と同じ頃かそれ以降です。

一方、山芋は、世界中にいろんな種類が山のなかに自生してたと思われ、たま~に運良く採集できたら、ご先祖も食べていたと思います。

また、山芋以外にも百合根とか根茎類は、運良く手に入れば食べていたと思います。

しかし、根茎が食用可能となるのは1回/年くらいと思いますので、やはりラッキー食材の一つです。

このように考えてくると、糖尿人のスーパー糖質制限食においても、適量の野菜、少量のナッツ類、少量の果物程度の少なめの糖質量は、人類の進化の過程で時々摂取していたものであり、人体の消化吸収・栄養代謝システムのおいても許容できる範囲と思います。

山芋は、さすがに糖質含有量が多いので、糖尿人はやめておくほうが無難です。

正常人が、健康のためにスーパー糖質制限食を実践する場合は、糖尿人より多めの野菜、適量のナッツ類、適量の果物、適量の山芋など根茎類、くらいまでの糖質量は許容範囲と思います。

以上が高雄病院・糖質制限食の基本スタンスです。


江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット