2013年12月31日 (火)
2013年糖質制限食10大ニュース
1)2013年10月、米国糖尿病学会、成人糖尿病患者の食事療法に関する声明(Position Statement on Nutrition Therapy)を発表。
a)全ての糖尿病患者に適した唯一無二の食事パターンは存在しないとの見解を表明。
b)糖質制限食も受容。患者ごとにさまざまな食事パターン〔地中海食、ベジタリアン食、糖質制限食、低脂質食、DASH食〕が受容可能と表明。
c)糖尿病腎症を有する患者においても「蛋白質制限は推奨しない」とランクAで表明。
2013年10月21日 (月)、10月24日 (木)の本ブログ記事をご参照ください。
2)2013年1月13日(日)国立京都国際会館で開催された第16回日本病態栄養学会年次学術集会において、妊娠糖尿病と糖質制限食について、宗田マタニティクリニック宗田哲男医師、河口江里管理栄養士、永井クリニック永井泰医師、松本桃代管理栄養士らが世界初とも言える重要な研究を発表。
本ブログ記事
妊娠糖尿病と糖尿病妊娠、糖質制限食で良好な結果(1)
2013年01月14日 (月)
妊娠糖尿病と糖尿病妊娠、糖質制限食で良好な結果(2)
2013年01月15日 (火)
妊娠糖尿病と糖尿病妊娠、糖質制限食で良好な結果(3)ケトン体について
2013年01月16日 (水)
をご参照ください。
3)夏井睦先生との対談が4月に実現して、8月に本を上梓。
「医療の巨大転換(パラダイムシフト)を加速する: 糖質制限食と湿潤療法のインパクト」
著者 江部康二 夏井睦 東洋経済新報社
2013年08月23日 (金)・・・はじめに(江部康二)を掲載
2013年12月26日 (木)・・・おわりに(夏井先生)を掲載
の本ブログ記事をご参照ください。
夏井睦著「炭水化物が人類を滅ぼす 糖質制限からみた生命の科学」 (光文社新書) 刊行
2013年10月18日 (金)のブログ記事をご参照ください。
4)日本人の糖尿病の食事療法に関する日本糖尿病学会の提言、2013年3月。
a)スーパー糖質制限食は長期的安全性などのエビデンスが不足しているので薦められないとしていますが、カロリー制限食にもエビデンスはありません。
b)糖質摂取比率50%以下の食事もありうると実は少し歩みよりの姿勢も見せています。
c)蛋白質制限食においては、日本腎臓病学会のCKDガイド2012に従うとしているので、
糖尿病腎症第3期Aまでは、蛋白質制限の必要なしとなります。
2013年03月19日 (火)
「日本人の糖尿病の食事療法に関する日本糖尿病学会の提言への反論」
2013年03月19日 (火)
「糖尿病の食事療法に関する日本糖尿病学会の提言への反論(2)」
の本ブログ記事をご参照ください。
5)<糖尿病食事療法のための食品交換表 第7版> 2013年11月1日に発行
a)相変わらず唯一無二の糖尿病食事療法として「カロリー制限・高糖質食」を推奨。
b)脂質とたんぱく質も血糖に影響を及ぼすと記載。→ 間違い
2013年11月15日 (金)の本ブログ記事
『「食品交換表 第7版」への批判、血糖値に直接作用するのは糖質だけ。』
をご参照ください。
6)日本糖尿病学会『第56回日本糖尿病学会年次学術集会』において、熊本宣言2013を発表。
a)合併症予防のための血糖管理目標値をHbA1c7%未満とし、対応する血糖値としては、空腹時血糖値130mg/dl未満、食後2時間血糖値180mg/dl未満をおおよその目安に。
基準が緩くなりましたが、問題もあります。
2013年06月11日 (火)の本ブログ記事
『日本糖尿病学会「熊本宣言2013」についての感想』
をご参照ください。
7)2012年糖尿病疑い950万人 厚労省推計 2007年から60万人増
2013年12月30日 (月)の本ブログ記事をご参照ください。
8)米国デューク大学と糖質制限食、MTpro記事。
デューク大学では5年前からケトン食を導入して、効果をあげている。
2013年12月28日 (土)、2013年12月28日 (土)、2013年12月20日 (金)の記事をご参照ください。
9)~2013年「最も知名度が高い」ダイエット法ランキング~
糖質制限食が1位。
2013年12月13日 (金)の本ブログ記事をご参照ください。
10)一般社団法人「日本糖質制限医療推進協会」の立ち上げ。
2013年5月1日に、ホームページをオープンしました。
http://toushitsuseigen.or.jp/index.html
2013年07月21日 (日)の本ブログ記事をご参照ください。
以下の記事は、10大ニュース以外にも、
情報として役に立ちそうなものを選出。
**
カロリー計算法に関する疑問
2013年11月20日 (水)
**
非小細胞肺がんⅣ期の患者さんとケトン食、臨床研究のお知らせ
大阪大学大学院医学系研究科 漢方医学寄附講座にて2013年4月から研究開始。
2013年09月21日 (土)の本ブログ記事ご参照ください。
**
人工甘味料は、予想に反して代謝を障害し疾患リスクを増加させる?
2013年08月31日 (土)
人工甘味料が、大量のインスリン分泌を促す?真相は?
2013年08月29日 (木)
**
スウェーデンでは、23%の人が、糖質制限食を実践している。
2013年12月24日 (火)
**
各糖質制限食のスタンス
2013年07月25日 (木)
**
沖縄クライシスの真相・柴田博先生
2013年07月07日 (日)
**
¥3500-の自己検査用グルコース(血糖)測定器 ニプロ 新発売
価格が大幅に安価に。
2013年07月04日 (木)
**
「カロリー制限と運動療法が心血管リスク低下に無効」 NEJM
2013年06月27日 (木)
**
ケトン食でガンが消失。米CBNニュース。
2013年03月31日 (日)
**
日本糖尿病学会への提言(1)。糖尿病専門医には説明義務がある。
2013年03月20日 (水)
日本糖尿病学会への提言(2) 糖尿病合併症とカロリー制限食の弊害
2013年03月21日 (木)
日本糖尿病学会への提言(3) 3大栄養素と血糖について
2013年03月22日 (金)
**
糖質が肥満の元凶。インスリンは二重三重の肥満ホルモン。
2013年03月09日 (土)
**
縄文人と弥生人とアメリカ先住民とイヌイットの虫歯率
2013年01月25日 (金)
こんばんは。
とうとう大晦日となりました。
京都は結構寒い日が続いています。
山々は、うっすらと雪化粧です。
今年もいろいろありましたが、ブログ読者の皆さんには、コメント・質問・ご意見・情報を沢山いただき、本ブログを盛りあげていただいてありがとうございました。
また拙著のご購入や講演会へのご参加、そして糖質制限食普及活動・・・も誠にありがとうございました。m(_ _)mVV
皆さんのおかげで、充実した内容のブログをほぼ毎日継続することができています。
ブログアクセス件数も、普段は10000件くらいで、FC2ブログヘルス・ダイエット部門25000サイトの中でたいてい1位です。
これも一重に、ブログ読者の皆さんのおかげです。
累積アクセス数も、2013年12月31日現在で、15059343件です。
2013年度は、またまた人生で一番忙しい日々を過ごした気がします。
特に、各地の医師会、保険医協会、病院など、医療関係の組織や施設で、糖質制限食の講演を依頼されることが多くなりました。
今年は、北海道から沖縄まで医療関連の講演会で講師をつとめました。
四国と九州もあったので、日本全国ですね。
第一線の臨床医の方々が、糖質制限食に興味をもち学んでみたいという流れを実感して頼もしく思っているこの頃です。
勿論、一般社団法人「日本糖質制限医療推進協会」の活動で、一般向けの講演会も各地で開催したいと思っています。
2013年度は以下の7冊の本を上梓しました。
・「女性のための糖質制限ダイエットハンドブック」2013年(洋泉社)
・「糖尿病治療のための!糖質制限食パーフェクトガイド」2013年(東洋経済新報社)
・「医療の巨大転換を加速する」糖質制限食と湿潤療法のインパクト
2013年(東洋経済新報社) 夏井睦先生との対談本
・糖質制限の「主食もどき」レシピ2013年(東洋経済新報社)
・高雄病院Dr江部が食べている「糖質制限」ダイエット2013年(講談社)
・糖質オフのダイエット弁当2013年(家の光協会)
・高雄病院「糖質制限給食」朝 昼 夕 14日間完全プログラム
糖尿病・肥満改善が自宅でできる! 2013年(講談社)
ブログ読者の皆さん、今年、1年間、お世話になりありがとうございました。
来年もよろしくお願い申し上げます。
それでは、どうぞ良いお年を。
江部康二
1)2013年10月、米国糖尿病学会、成人糖尿病患者の食事療法に関する声明(Position Statement on Nutrition Therapy)を発表。
a)全ての糖尿病患者に適した唯一無二の食事パターンは存在しないとの見解を表明。
b)糖質制限食も受容。患者ごとにさまざまな食事パターン〔地中海食、ベジタリアン食、糖質制限食、低脂質食、DASH食〕が受容可能と表明。
c)糖尿病腎症を有する患者においても「蛋白質制限は推奨しない」とランクAで表明。
2013年10月21日 (月)、10月24日 (木)の本ブログ記事をご参照ください。
2)2013年1月13日(日)国立京都国際会館で開催された第16回日本病態栄養学会年次学術集会において、妊娠糖尿病と糖質制限食について、宗田マタニティクリニック宗田哲男医師、河口江里管理栄養士、永井クリニック永井泰医師、松本桃代管理栄養士らが世界初とも言える重要な研究を発表。
本ブログ記事
妊娠糖尿病と糖尿病妊娠、糖質制限食で良好な結果(1)
2013年01月14日 (月)
妊娠糖尿病と糖尿病妊娠、糖質制限食で良好な結果(2)
2013年01月15日 (火)
妊娠糖尿病と糖尿病妊娠、糖質制限食で良好な結果(3)ケトン体について
2013年01月16日 (水)
をご参照ください。
3)夏井睦先生との対談が4月に実現して、8月に本を上梓。
「医療の巨大転換(パラダイムシフト)を加速する: 糖質制限食と湿潤療法のインパクト」
著者 江部康二 夏井睦 東洋経済新報社
2013年08月23日 (金)・・・はじめに(江部康二)を掲載
2013年12月26日 (木)・・・おわりに(夏井先生)を掲載
の本ブログ記事をご参照ください。
夏井睦著「炭水化物が人類を滅ぼす 糖質制限からみた生命の科学」 (光文社新書) 刊行
2013年10月18日 (金)のブログ記事をご参照ください。
4)日本人の糖尿病の食事療法に関する日本糖尿病学会の提言、2013年3月。
a)スーパー糖質制限食は長期的安全性などのエビデンスが不足しているので薦められないとしていますが、カロリー制限食にもエビデンスはありません。
b)糖質摂取比率50%以下の食事もありうると実は少し歩みよりの姿勢も見せています。
c)蛋白質制限食においては、日本腎臓病学会のCKDガイド2012に従うとしているので、
糖尿病腎症第3期Aまでは、蛋白質制限の必要なしとなります。
2013年03月19日 (火)
「日本人の糖尿病の食事療法に関する日本糖尿病学会の提言への反論」
2013年03月19日 (火)
「糖尿病の食事療法に関する日本糖尿病学会の提言への反論(2)」
の本ブログ記事をご参照ください。
5)<糖尿病食事療法のための食品交換表 第7版> 2013年11月1日に発行
a)相変わらず唯一無二の糖尿病食事療法として「カロリー制限・高糖質食」を推奨。
b)脂質とたんぱく質も血糖に影響を及ぼすと記載。→ 間違い
2013年11月15日 (金)の本ブログ記事
『「食品交換表 第7版」への批判、血糖値に直接作用するのは糖質だけ。』
をご参照ください。
6)日本糖尿病学会『第56回日本糖尿病学会年次学術集会』において、熊本宣言2013を発表。
a)合併症予防のための血糖管理目標値をHbA1c7%未満とし、対応する血糖値としては、空腹時血糖値130mg/dl未満、食後2時間血糖値180mg/dl未満をおおよその目安に。
基準が緩くなりましたが、問題もあります。
2013年06月11日 (火)の本ブログ記事
『日本糖尿病学会「熊本宣言2013」についての感想』
をご参照ください。
7)2012年糖尿病疑い950万人 厚労省推計 2007年から60万人増
2013年12月30日 (月)の本ブログ記事をご参照ください。
8)米国デューク大学と糖質制限食、MTpro記事。
デューク大学では5年前からケトン食を導入して、効果をあげている。
2013年12月28日 (土)、2013年12月28日 (土)、2013年12月20日 (金)の記事をご参照ください。
9)~2013年「最も知名度が高い」ダイエット法ランキング~
糖質制限食が1位。
2013年12月13日 (金)の本ブログ記事をご参照ください。
10)一般社団法人「日本糖質制限医療推進協会」の立ち上げ。
2013年5月1日に、ホームページをオープンしました。
http://toushitsuseigen.or.jp/index.html
2013年07月21日 (日)の本ブログ記事をご参照ください。
以下の記事は、10大ニュース以外にも、
情報として役に立ちそうなものを選出。
**
カロリー計算法に関する疑問
2013年11月20日 (水)
**
非小細胞肺がんⅣ期の患者さんとケトン食、臨床研究のお知らせ
大阪大学大学院医学系研究科 漢方医学寄附講座にて2013年4月から研究開始。
2013年09月21日 (土)の本ブログ記事ご参照ください。
**
人工甘味料は、予想に反して代謝を障害し疾患リスクを増加させる?
2013年08月31日 (土)
人工甘味料が、大量のインスリン分泌を促す?真相は?
2013年08月29日 (木)
**
スウェーデンでは、23%の人が、糖質制限食を実践している。
2013年12月24日 (火)
**
各糖質制限食のスタンス
2013年07月25日 (木)
**
沖縄クライシスの真相・柴田博先生
2013年07月07日 (日)
**
¥3500-の自己検査用グルコース(血糖)測定器 ニプロ 新発売
価格が大幅に安価に。
2013年07月04日 (木)
**
「カロリー制限と運動療法が心血管リスク低下に無効」 NEJM
2013年06月27日 (木)
**
ケトン食でガンが消失。米CBNニュース。
2013年03月31日 (日)
**
日本糖尿病学会への提言(1)。糖尿病専門医には説明義務がある。
2013年03月20日 (水)
日本糖尿病学会への提言(2) 糖尿病合併症とカロリー制限食の弊害
2013年03月21日 (木)
日本糖尿病学会への提言(3) 3大栄養素と血糖について
2013年03月22日 (金)
**
糖質が肥満の元凶。インスリンは二重三重の肥満ホルモン。
2013年03月09日 (土)
**
縄文人と弥生人とアメリカ先住民とイヌイットの虫歯率
2013年01月25日 (金)
こんばんは。
とうとう大晦日となりました。
京都は結構寒い日が続いています。
山々は、うっすらと雪化粧です。
今年もいろいろありましたが、ブログ読者の皆さんには、コメント・質問・ご意見・情報を沢山いただき、本ブログを盛りあげていただいてありがとうございました。
また拙著のご購入や講演会へのご参加、そして糖質制限食普及活動・・・も誠にありがとうございました。m(_ _)mVV
皆さんのおかげで、充実した内容のブログをほぼ毎日継続することができています。
ブログアクセス件数も、普段は10000件くらいで、FC2ブログヘルス・ダイエット部門25000サイトの中でたいてい1位です。
これも一重に、ブログ読者の皆さんのおかげです。
累積アクセス数も、2013年12月31日現在で、15059343件です。
2013年度は、またまた人生で一番忙しい日々を過ごした気がします。
特に、各地の医師会、保険医協会、病院など、医療関係の組織や施設で、糖質制限食の講演を依頼されることが多くなりました。
今年は、北海道から沖縄まで医療関連の講演会で講師をつとめました。
四国と九州もあったので、日本全国ですね。
第一線の臨床医の方々が、糖質制限食に興味をもち学んでみたいという流れを実感して頼もしく思っているこの頃です。
勿論、一般社団法人「日本糖質制限医療推進協会」の活動で、一般向けの講演会も各地で開催したいと思っています。
2013年度は以下の7冊の本を上梓しました。
・「女性のための糖質制限ダイエットハンドブック」2013年(洋泉社)
・「糖尿病治療のための!糖質制限食パーフェクトガイド」2013年(東洋経済新報社)
・「医療の巨大転換を加速する」糖質制限食と湿潤療法のインパクト
2013年(東洋経済新報社) 夏井睦先生との対談本
・糖質制限の「主食もどき」レシピ2013年(東洋経済新報社)
・高雄病院Dr江部が食べている「糖質制限」ダイエット2013年(講談社)
・糖質オフのダイエット弁当2013年(家の光協会)
・高雄病院「糖質制限給食」朝 昼 夕 14日間完全プログラム
糖尿病・肥満改善が自宅でできる! 2013年(講談社)
ブログ読者の皆さん、今年、1年間、お世話になりありがとうございました。
来年もよろしくお願い申し上げます。
それでは、どうぞ良いお年を。
江部康二
2013年12月30日 (月)
こんばんは。
昨日(12月29日)の京都新聞朝刊で、
「糖尿病疑い950万人 厚労省推計 07年から60万人増」
という記事を見ました。
今ネットで調べたら、何と、2013年12月19日に厚生労働省が発表しているではないですか。
京都新聞さん、ちょっと遅いですよ! (`□´)
厚生労働省は、毎年国民健康・栄養調査を実施しています。
その中で、5年に1回、糖尿病有病率を集計しています。
今回2012年の糖尿病有病率は、2007年に比し、約60万人増加です。
1990年:560万人
1997年:690万人(130万人増加)
2002年:740万人(50万人増加)
2007年:890万人(150万人増加)
2012年:950万人(60万人増加)
これで見ると、2002年→2007年の増加率が、半端じゃないですね。
2007年→2012年の増加率は、1997年→2002年の増加率と似たようなもので、2002年→2007年に比しかなり少ないです。
さらに、糖尿病予備軍は、約1100万人で、2007年から約220万人減少で、国民健康・栄養調査が始まって以来の快挙です。
これって、冷静に考えて、糖尿病増加の勢いが、弱まったことになりますよね。
2013年12月13日 (金)の本ブログ記事
『~2013年「最も知名度が高い」ダイエット法ランキング~』
で書きましたように、
<2013年にメディア露出が多かった6つのダイエット法>ですが、
(1)糖質制限ダイエット
(2)食べ順ダイエット
(3)酵素ダイエット
(4)プチ断食ダイエット
(5)サバ缶ダイエット
(6)ココナッツウォーターダイエット
糖質制限食が、堂々の第一位でした。\(^○^)/
さらに20代~40代の女性500名を対象にインターネット調査した結果、2人に1人が2013年にダイエットを実践していて、そのうち半数が注目の6ダイエットにトライしていました。
そして「最も知られていると思うダイエット法」、第一位、再び“糖質制限ダイエット”でした。
2005年2月に初めて、「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」を上梓したのですが、それが日本における糖質制限食のマスコミデビューです。
まさかその影響で、糖尿病増加の勢いが止まったのではないでしょうね。
糖質制限食で、糖尿病を改善し、発病を予防するという私の夢は正夢となったのかもしれません。
そうだったらとても嬉しいですが、まあこれは私の妄想としてもなぜ増加率が止まったのかは興味深いです。
日本糖尿病学会の「食品交換表」は、1965年に第一版が発行され、長年にわたり、日本における糖尿病食事療法のバイブルとして活用されてきました。
そして1969年の第2版以降は、エネルギー制限食(カロリー制限・高糖質食)が唯一無二の食事療法として推奨されてきて、2013年11月発行の「食品交換表第7版」においても同様でした。
つまり、日本糖尿病学会の糖尿病食は、1969年以来現在まで44年間、一貫してぶれることなく連綿として指導されてきました。
この間、糖尿病は激増です。
即ち、今回の増加率低下には無関係です。
江部康二
以下はネットで見つけた東京新聞の記事の抜粋です。
【東京新聞
2013年12月20日 朝刊
糖尿病疑い950万人 厚労省推計 07年から60万人増
生活習慣病の一つ、糖尿病が強く疑われる成人男女が、二〇一二年時点で約九百五十万人に上るとの推計を厚生労働省が十九日、発表した。毎年の国民健康・栄養調査の一環で、糖尿病の有病率は五年に一回推計しており、前回〇七年から約六十万人増えた。
調査は一二年十一月、無作為抽出した約二万四千世帯を対象に実施。これまで糖尿病と診断され治療を受けている人に加え、血液検査で血糖状態を示すヘモグロビンA1cが一定の基準値以上だった人を、糖尿病が強く疑われる有病者として集計。性別や年齢分布を考慮し、全国推計を出した。
一九九七年は約六百九十万人、〇二年約七百四十万人、〇七年約八百九十万人と増え続けており、今回は約九百五十万人になった。
また、ヘモグロビンA1cが基準値を下回ったものの比較的高く、糖尿病の可能性を否定できない「予備軍」は約千百万人で、〇七年から約二百二十万人減った。
調査では、糖尿病の予防に関わる運動習慣もアンケート。「三十分以上の運動を週二回以上、一年以上継続している人」の割合は、男性36・1%、女性28・2%だった。】
昨日(12月29日)の京都新聞朝刊で、
「糖尿病疑い950万人 厚労省推計 07年から60万人増」
という記事を見ました。
今ネットで調べたら、何と、2013年12月19日に厚生労働省が発表しているではないですか。
京都新聞さん、ちょっと遅いですよ! (`□´)
厚生労働省は、毎年国民健康・栄養調査を実施しています。
その中で、5年に1回、糖尿病有病率を集計しています。
今回2012年の糖尿病有病率は、2007年に比し、約60万人増加です。
1990年:560万人
1997年:690万人(130万人増加)
2002年:740万人(50万人増加)
2007年:890万人(150万人増加)
2012年:950万人(60万人増加)
これで見ると、2002年→2007年の増加率が、半端じゃないですね。
2007年→2012年の増加率は、1997年→2002年の増加率と似たようなもので、2002年→2007年に比しかなり少ないです。
さらに、糖尿病予備軍は、約1100万人で、2007年から約220万人減少で、国民健康・栄養調査が始まって以来の快挙です。
これって、冷静に考えて、糖尿病増加の勢いが、弱まったことになりますよね。
2013年12月13日 (金)の本ブログ記事
『~2013年「最も知名度が高い」ダイエット法ランキング~』
で書きましたように、
<2013年にメディア露出が多かった6つのダイエット法>ですが、
(1)糖質制限ダイエット
(2)食べ順ダイエット
(3)酵素ダイエット
(4)プチ断食ダイエット
(5)サバ缶ダイエット
(6)ココナッツウォーターダイエット
糖質制限食が、堂々の第一位でした。\(^○^)/
さらに20代~40代の女性500名を対象にインターネット調査した結果、2人に1人が2013年にダイエットを実践していて、そのうち半数が注目の6ダイエットにトライしていました。
そして「最も知られていると思うダイエット法」、第一位、再び“糖質制限ダイエット”でした。
2005年2月に初めて、「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」を上梓したのですが、それが日本における糖質制限食のマスコミデビューです。
まさかその影響で、糖尿病増加の勢いが止まったのではないでしょうね。
糖質制限食で、糖尿病を改善し、発病を予防するという私の夢は正夢となったのかもしれません。
そうだったらとても嬉しいですが、まあこれは私の妄想としてもなぜ増加率が止まったのかは興味深いです。
日本糖尿病学会の「食品交換表」は、1965年に第一版が発行され、長年にわたり、日本における糖尿病食事療法のバイブルとして活用されてきました。
そして1969年の第2版以降は、エネルギー制限食(カロリー制限・高糖質食)が唯一無二の食事療法として推奨されてきて、2013年11月発行の「食品交換表第7版」においても同様でした。
つまり、日本糖尿病学会の糖尿病食は、1969年以来現在まで44年間、一貫してぶれることなく連綿として指導されてきました。
この間、糖尿病は激増です。
即ち、今回の増加率低下には無関係です。
江部康二
以下はネットで見つけた東京新聞の記事の抜粋です。
【東京新聞
2013年12月20日 朝刊
糖尿病疑い950万人 厚労省推計 07年から60万人増
生活習慣病の一つ、糖尿病が強く疑われる成人男女が、二〇一二年時点で約九百五十万人に上るとの推計を厚生労働省が十九日、発表した。毎年の国民健康・栄養調査の一環で、糖尿病の有病率は五年に一回推計しており、前回〇七年から約六十万人増えた。
調査は一二年十一月、無作為抽出した約二万四千世帯を対象に実施。これまで糖尿病と診断され治療を受けている人に加え、血液検査で血糖状態を示すヘモグロビンA1cが一定の基準値以上だった人を、糖尿病が強く疑われる有病者として集計。性別や年齢分布を考慮し、全国推計を出した。
一九九七年は約六百九十万人、〇二年約七百四十万人、〇七年約八百九十万人と増え続けており、今回は約九百五十万人になった。
また、ヘモグロビンA1cが基準値を下回ったものの比較的高く、糖尿病の可能性を否定できない「予備軍」は約千百万人で、〇七年から約二百二十万人減った。
調査では、糖尿病の予防に関わる運動習慣もアンケート。「三十分以上の運動を週二回以上、一年以上継続している人」の割合は、男性36・1%、女性28・2%だった。】
2013年12月29日 (日)
【13/12/28 コバタケ
4年近くになりました
久しぶりに投稿します。56歳、男です。糖質制限開始から4年近くになりました。
それまで慢性的な眼精疲労がありました。眼の奥が常にジワーと痛かったのですが、ウソのようになくなりました。あのままだったら失明しただろうと思います。
あの日のラッキーを思わずにいられません。「糖尿人が元気なのには理由がある」というタイトルを見て、糖尿病で血糖値が高いけれどスポーツや趣味に打ち込み、病気を忘れて元気にしているという趣旨の本とばかり思っていたので、本屋でその本の存在に気付いていましたが、立ち読みもする気になりませんでした。たまたまある日手に取って糖質制限に出会いました。手に取るまでに売れてしまっていればと思うと、本当に自分はラッキーだったとしか言いようがありません。
それ以前、毎日簡易測定器で血糖値を測っていたのですが、チャーハンを食べて翌朝測ったら130あり愕然としました。一方、夜遅く焼酎飲みながら焼き鳥など脂っこいものばかり食べて翌朝測ったら79でした。器械が壊れていると思いました。
最近嬉しいことがありました。歯磨きする時に歯磨き粉を使わないとすぐ歯茎から出血してましたが、最近よほどしつこく磨かない限り出血しなくなりました。血管が丈夫になったからかもと思っています。糖質制限しても長年かけて弱らせた血管は高血糖を記憶してしまって良くならないようですが、もしや・・・
夏井睦先生の「炭水化物が人類を滅ぼす」を読んで感動しました。メソポタミア人は発芽した小麦の甘さに取り付かれて栽培を始めたという説は絶対に正しいと思いました。】
こんにちは。
糖質制限食4年目の、コバタケさんから、眼精疲労が消失、歯肉出血改善という嬉しいコメントをいただきました。
「我ら糖尿人、元気なのには理由がある。」
宮本輝先生との対談本ですね。
なるほど、なるほど
『糖尿病で血糖値が高いけれど、スポーツや趣味に打ち込み、病気を忘れて元気にしている』
そういう解釈も成り立ちますね。
表紙の帯に、
「ちょっとした食事のコツで、人気作家の糖尿病が劇的に改善した!・・・」
とあるので、コバタケさん、惜しかったですね。
でもやや遅れたけれど、結局、ご購入いただきありがとうございます。
眼精疲労が改善したとは良かったです。
今までそのようなコメントは、あまりいただいたことがなかったので、興味深いです。
他にも、眼精疲労が改善されたかたがおられるかもしれませんね。
歯肉出血ですが、歯周病という歯肉の病気がベースにあることが多いです。
虫歯と歯周病は、歯を失う二大原因です。
そして虫歯も歯周症も、最大の原因はプラーク(歯垢)です。
プラークは、ただの食べカスではなく、生きた細菌の塊です。歯垢中の細菌は、食物中の糖質を栄養源にしてどんどん増えていきます。プラーク(歯垢)は重量で、約80%が細菌です。
むし歯菌の代表選手ミュータンス菌が、砂糖などからつくる不溶性グルカンからできるネバネバプラークと、それ以外の酸産生菌群がさまざまな糖質を利用してできる、水溶性のサラサラプラークがあります。
歯の表面のエナメル質にできる虫歯は主に前者、歯周病などで露出した歯根面にできるセメント質のむし歯は、後者が関係しています。
プラークコントロールをせずに放置すると、細菌が糖質を分解して作り出す酸や毒素で虫歯や歯周病が発症します。
逆に言えば糖質制限食なら、プラークは激減します。
プラークを形成している細菌群のエネルギー源は糖質だけです。
従ってスーパー糖質制限食なら、細菌を兵糧攻めにして、増殖を抑制してプラークを減らすことが可能です。
コバタケさんも、糖質制限食でプラークが減って、結果として歯周症が改善して歯肉出血がなくなったのだと思います。
とても素晴らしいです。
高血糖の記憶というのは、血管内皮にこびりついたAGEが元凶の動脈硬化がベースになります。
過去の高血糖の期間に、完成された動脈硬化は、例え糖質制限食で血糖コントロール良好となっても、消えない借金で残るのです。
糖尿人においては、いかに早く糖質制限食を開始して血管内皮へのAGE沈着を防ぐかが大切となります。
歯周症の場合は、元凶は動脈硬化ではなくてプラークなので、スーパー糖質制限食で改善すると思います。
夏井睦先生の「炭水化物が人類を滅ぼす」、売れ行き好調ですね。 (^^)
江部康二
4年近くになりました
久しぶりに投稿します。56歳、男です。糖質制限開始から4年近くになりました。
それまで慢性的な眼精疲労がありました。眼の奥が常にジワーと痛かったのですが、ウソのようになくなりました。あのままだったら失明しただろうと思います。
あの日のラッキーを思わずにいられません。「糖尿人が元気なのには理由がある」というタイトルを見て、糖尿病で血糖値が高いけれどスポーツや趣味に打ち込み、病気を忘れて元気にしているという趣旨の本とばかり思っていたので、本屋でその本の存在に気付いていましたが、立ち読みもする気になりませんでした。たまたまある日手に取って糖質制限に出会いました。手に取るまでに売れてしまっていればと思うと、本当に自分はラッキーだったとしか言いようがありません。
それ以前、毎日簡易測定器で血糖値を測っていたのですが、チャーハンを食べて翌朝測ったら130あり愕然としました。一方、夜遅く焼酎飲みながら焼き鳥など脂っこいものばかり食べて翌朝測ったら79でした。器械が壊れていると思いました。
最近嬉しいことがありました。歯磨きする時に歯磨き粉を使わないとすぐ歯茎から出血してましたが、最近よほどしつこく磨かない限り出血しなくなりました。血管が丈夫になったからかもと思っています。糖質制限しても長年かけて弱らせた血管は高血糖を記憶してしまって良くならないようですが、もしや・・・
夏井睦先生の「炭水化物が人類を滅ぼす」を読んで感動しました。メソポタミア人は発芽した小麦の甘さに取り付かれて栽培を始めたという説は絶対に正しいと思いました。】
こんにちは。
糖質制限食4年目の、コバタケさんから、眼精疲労が消失、歯肉出血改善という嬉しいコメントをいただきました。
「我ら糖尿人、元気なのには理由がある。」
宮本輝先生との対談本ですね。
なるほど、なるほど
『糖尿病で血糖値が高いけれど、スポーツや趣味に打ち込み、病気を忘れて元気にしている』
そういう解釈も成り立ちますね。
表紙の帯に、
「ちょっとした食事のコツで、人気作家の糖尿病が劇的に改善した!・・・」
とあるので、コバタケさん、惜しかったですね。
でもやや遅れたけれど、結局、ご購入いただきありがとうございます。
眼精疲労が改善したとは良かったです。
今までそのようなコメントは、あまりいただいたことがなかったので、興味深いです。
他にも、眼精疲労が改善されたかたがおられるかもしれませんね。
歯肉出血ですが、歯周病という歯肉の病気がベースにあることが多いです。
虫歯と歯周病は、歯を失う二大原因です。
そして虫歯も歯周症も、最大の原因はプラーク(歯垢)です。
プラークは、ただの食べカスではなく、生きた細菌の塊です。歯垢中の細菌は、食物中の糖質を栄養源にしてどんどん増えていきます。プラーク(歯垢)は重量で、約80%が細菌です。
むし歯菌の代表選手ミュータンス菌が、砂糖などからつくる不溶性グルカンからできるネバネバプラークと、それ以外の酸産生菌群がさまざまな糖質を利用してできる、水溶性のサラサラプラークがあります。
歯の表面のエナメル質にできる虫歯は主に前者、歯周病などで露出した歯根面にできるセメント質のむし歯は、後者が関係しています。
プラークコントロールをせずに放置すると、細菌が糖質を分解して作り出す酸や毒素で虫歯や歯周病が発症します。
逆に言えば糖質制限食なら、プラークは激減します。
プラークを形成している細菌群のエネルギー源は糖質だけです。
従ってスーパー糖質制限食なら、細菌を兵糧攻めにして、増殖を抑制してプラークを減らすことが可能です。
コバタケさんも、糖質制限食でプラークが減って、結果として歯周症が改善して歯肉出血がなくなったのだと思います。
とても素晴らしいです。
高血糖の記憶というのは、血管内皮にこびりついたAGEが元凶の動脈硬化がベースになります。
過去の高血糖の期間に、完成された動脈硬化は、例え糖質制限食で血糖コントロール良好となっても、消えない借金で残るのです。
糖尿人においては、いかに早く糖質制限食を開始して血管内皮へのAGE沈着を防ぐかが大切となります。
歯周症の場合は、元凶は動脈硬化ではなくてプラークなので、スーパー糖質制限食で改善すると思います。
夏井睦先生の「炭水化物が人類を滅ぼす」、売れ行き好調ですね。 (^^)
江部康二
2013年12月28日 (土)
こんばんは。
米国デューク大學と糖質制限食、MTpro記事。後編。続き。
です。
例によって文字数が多すぎるのか、一度にアップできないので、分割して掲載します。
江部康二
以下、MT Pro [2013年12月26日(VOL.46 NO.52) p.09]
記事からの抜粋の後半です。
☆☆☆
高脂肪食は中身が問題
山田 では,動物性蛋白質と植物性蛋白質ではいかがでしょうか。
Yancy Jr. 動物性蛋白質と植物性蛋白質の比較はそのほとんどが観察研究であるため,交絡因子のある中で情報を引き出すことは難しいと考えます。
Westman ヒトは肉食動物でも草食動物でもなく,少なくともヒトと草食動物の消化システムは異なる。それなのに,菜食は抵抗なく受け入れられ,肉食は体に悪いイメージがあるのは面白いですね。
Yancy Jr. おそらく草食動物とは脂質代謝も違います。
Westman 最もヒトに近いのはギニアピッグです。
山田 マウスの検討では,なぜ高脂肪食で肥満を来すのでしょうか。
Westman 「高脂肪食」の定義が問題です。高脂肪食に関する学会発表で「食事の内容を教えていただけますか」と尋ねると,ほとんどが高脂肪なだけでなく炭水化物も多いものです。こうした食餌をマウスに与えれば,「高脂肪食が肥満を引き起こした」という結論が導き出されることになるでしょう。
Yancy Jr. 多くの疫学研究でも,「高脂肪食は肥満との関連が示された」とされています。しかしその内容を調べてみると,「高炭水化物・高カロリー食」でもあるのです。体重が増加した患者は,大量の脂肪とともに大量の炭水化物を食べているのです。
Westman 私が実践している「糖質制限-ケトジェニック食(ケトン食)」は炭水化物が5〜10%であり,内因性のインスリン分泌を生じません。食事の炭水化物が20%もあれば,分泌されたインスリンが肥満を引き起こすのに十分な量です。ケトン食は高脂肪ですが,高脂肪食という名の高炭水化物食と同じ効果にはなりえないのです。
Yancy Jr. 高脂肪食に関する研究結果を読み解くには,食事中の炭水化物,蛋白質の量や割合について常に確認することが重要です。
減量なしでインスリンが減らせることも
山田 ケトン食を始める際,インスリンを使用している患者はどうされていますか。
Westman クリニックでは,糖質20g/日未満のケトン食を実践しただけでインスリンが必要なくなった患者を数多く経験しています。ケトン食を開始した患者には,初日にインスリンを半量にするよう指示します。来院時にインスリンを173単位(速効型インスリン36単位×3回・持効型インスリン65単位/日)投与しており,HbA1c 8.65%,平均血糖値180〜200mg/dLの女性患者がいました。ケトン食を実施し,インスリンを初日に約半量(速効型インスリン15単位×3回・持効型インスリン30単位)に減量すると,翌日の血糖値は53〜180mg/dL,平均120〜130mg/dLでした。そこで翌々日にはインスリンのさらなる減量,または中止を指示し,それ以来この患者はインスリンを使用していません。血糖値が100mg/dL以下になったら,インスリンを使用してはならないのです。
Yancy Jr. この患者は肥満がありましたが,体重が減少する前に「疲れが取れた」と話しています。
Westman 疲れが取れたのは減量からではなく,過剰に摂取していた炭水化物を制限したためです。
Yancy Jr. インスリンの減量に,体重低下は必ずしも必要ないという好例ですね。ケトン食では数日で空腹感も低下し食事量が減りますので,徐々に体重や血圧も低下し,糖尿病が改善します。
Westman 無作為化試験ではないのであえてパイロットスタディと呼んでいますが,ケトン食開始6カ月で脂肪肝患者の肝臓剖検を行った検討では,組織所見の改善が認められました5)。一方,下痢型過敏性腸症候群患者では症状とQOLが改善し6),肥満のある胃食道逆流症患者ではpHモニタリングも使用しましたが,下部食道の酸曝露が低下し症状が改善しました7)。さらに,肥満の多嚢胞性卵巣症候群患者の検討でも,24週で体重だけでなく遊離テストステロン率やLH/FSH比,空腹時インスリン値が改善しました8)。
Yancy Jr. 健康関連因子を評価してみると,ほとんどの場合改善しますので,ケトン食の効果に驚かれることでしょう。こうした数々の知見から,糖質制限はもっと積極的・徹底的に研究し,治療選択肢として考慮する必要があると考えています。
山田 貴重なお話をありがとうございました。
1)Keys A, et al. Harvard University Press 1980.
2)Astrup A, et al. Am J Clin Nutr 2011; 93: 684-688.
3)Siri-Tarino PW, et al. Am J Clin Nutr 2010; 91: 535-546.
4)Mente A, et al. Arch Intern Med 2009; 169: 659-669.
5)Tendler D, et al. Dig Dis Sci 2007; 52: 589-593.
6)Austin GL, et al. Clin Gastroenterol Hepatol 2009; 7: 706-708.
7)Austin GL, et al. Dig Dis Sci 2006; 51: 1307-1312.
8)Mavropoulos JC, et al. Nutrition & Metabolism 2005; 2:35
デューク大学生活習慣医学クリニックの患者教育から
実践的なケトン食メニューで患者をサポート
ケトン食継続中,炭水化物をたとえわずかでも多く取り過ぎると,脂肪燃焼サイクルを脱し減量プロセスが3日間は止まる可能性がある。このため,クリニックでは患者に分厚いケトン食クッキングメニュー集を渡すなど,具体的かつ実践的指導を心がけている。「空腹時には糖質ゼロ食品〔肉類,魚介類,卵,バターなどの油脂,ポークラインズ(写真)など〕を満腹になるまで食べてよいので,思いの外継続しやすいと思います。開始当初,糖分への欲求,倦怠感,頭痛,体の痛み,集中困難などが出現した場合には,症状緩和に牛または鶏の透明なブイヨン(スープ)を1〜3回/日飲むよう指導しています」(Westman准教授)
米国デューク大學と糖質制限食、MTpro記事。後編。続き。
です。
例によって文字数が多すぎるのか、一度にアップできないので、分割して掲載します。
江部康二
以下、MT Pro [2013年12月26日(VOL.46 NO.52) p.09]
記事からの抜粋の後半です。
☆☆☆
高脂肪食は中身が問題
山田 では,動物性蛋白質と植物性蛋白質ではいかがでしょうか。
Yancy Jr. 動物性蛋白質と植物性蛋白質の比較はそのほとんどが観察研究であるため,交絡因子のある中で情報を引き出すことは難しいと考えます。
Westman ヒトは肉食動物でも草食動物でもなく,少なくともヒトと草食動物の消化システムは異なる。それなのに,菜食は抵抗なく受け入れられ,肉食は体に悪いイメージがあるのは面白いですね。
Yancy Jr. おそらく草食動物とは脂質代謝も違います。
Westman 最もヒトに近いのはギニアピッグです。
山田 マウスの検討では,なぜ高脂肪食で肥満を来すのでしょうか。
Westman 「高脂肪食」の定義が問題です。高脂肪食に関する学会発表で「食事の内容を教えていただけますか」と尋ねると,ほとんどが高脂肪なだけでなく炭水化物も多いものです。こうした食餌をマウスに与えれば,「高脂肪食が肥満を引き起こした」という結論が導き出されることになるでしょう。
Yancy Jr. 多くの疫学研究でも,「高脂肪食は肥満との関連が示された」とされています。しかしその内容を調べてみると,「高炭水化物・高カロリー食」でもあるのです。体重が増加した患者は,大量の脂肪とともに大量の炭水化物を食べているのです。
Westman 私が実践している「糖質制限-ケトジェニック食(ケトン食)」は炭水化物が5〜10%であり,内因性のインスリン分泌を生じません。食事の炭水化物が20%もあれば,分泌されたインスリンが肥満を引き起こすのに十分な量です。ケトン食は高脂肪ですが,高脂肪食という名の高炭水化物食と同じ効果にはなりえないのです。
Yancy Jr. 高脂肪食に関する研究結果を読み解くには,食事中の炭水化物,蛋白質の量や割合について常に確認することが重要です。
減量なしでインスリンが減らせることも
山田 ケトン食を始める際,インスリンを使用している患者はどうされていますか。
Westman クリニックでは,糖質20g/日未満のケトン食を実践しただけでインスリンが必要なくなった患者を数多く経験しています。ケトン食を開始した患者には,初日にインスリンを半量にするよう指示します。来院時にインスリンを173単位(速効型インスリン36単位×3回・持効型インスリン65単位/日)投与しており,HbA1c 8.65%,平均血糖値180〜200mg/dLの女性患者がいました。ケトン食を実施し,インスリンを初日に約半量(速効型インスリン15単位×3回・持効型インスリン30単位)に減量すると,翌日の血糖値は53〜180mg/dL,平均120〜130mg/dLでした。そこで翌々日にはインスリンのさらなる減量,または中止を指示し,それ以来この患者はインスリンを使用していません。血糖値が100mg/dL以下になったら,インスリンを使用してはならないのです。
Yancy Jr. この患者は肥満がありましたが,体重が減少する前に「疲れが取れた」と話しています。
Westman 疲れが取れたのは減量からではなく,過剰に摂取していた炭水化物を制限したためです。
Yancy Jr. インスリンの減量に,体重低下は必ずしも必要ないという好例ですね。ケトン食では数日で空腹感も低下し食事量が減りますので,徐々に体重や血圧も低下し,糖尿病が改善します。
Westman 無作為化試験ではないのであえてパイロットスタディと呼んでいますが,ケトン食開始6カ月で脂肪肝患者の肝臓剖検を行った検討では,組織所見の改善が認められました5)。一方,下痢型過敏性腸症候群患者では症状とQOLが改善し6),肥満のある胃食道逆流症患者ではpHモニタリングも使用しましたが,下部食道の酸曝露が低下し症状が改善しました7)。さらに,肥満の多嚢胞性卵巣症候群患者の検討でも,24週で体重だけでなく遊離テストステロン率やLH/FSH比,空腹時インスリン値が改善しました8)。
Yancy Jr. 健康関連因子を評価してみると,ほとんどの場合改善しますので,ケトン食の効果に驚かれることでしょう。こうした数々の知見から,糖質制限はもっと積極的・徹底的に研究し,治療選択肢として考慮する必要があると考えています。
山田 貴重なお話をありがとうございました。
1)Keys A, et al. Harvard University Press 1980.
2)Astrup A, et al. Am J Clin Nutr 2011; 93: 684-688.
3)Siri-Tarino PW, et al. Am J Clin Nutr 2010; 91: 535-546.
4)Mente A, et al. Arch Intern Med 2009; 169: 659-669.
5)Tendler D, et al. Dig Dis Sci 2007; 52: 589-593.
6)Austin GL, et al. Clin Gastroenterol Hepatol 2009; 7: 706-708.
7)Austin GL, et al. Dig Dis Sci 2006; 51: 1307-1312.
8)Mavropoulos JC, et al. Nutrition & Metabolism 2005; 2:35
デューク大学生活習慣医学クリニックの患者教育から
実践的なケトン食メニューで患者をサポート
ケトン食継続中,炭水化物をたとえわずかでも多く取り過ぎると,脂肪燃焼サイクルを脱し減量プロセスが3日間は止まる可能性がある。このため,クリニックでは患者に分厚いケトン食クッキングメニュー集を渡すなど,具体的かつ実践的指導を心がけている。「空腹時には糖質ゼロ食品〔肉類,魚介類,卵,バターなどの油脂,ポークラインズ(写真)など〕を満腹になるまで食べてよいので,思いの外継続しやすいと思います。開始当初,糖分への欲求,倦怠感,頭痛,体の痛み,集中困難などが出現した場合には,症状緩和に牛または鶏の透明なブイヨン(スープ)を1〜3回/日飲むよう指導しています」(Westman准教授)
2013年12月28日 (土)
こんばんは。
MT Pro [2013年12月26日(VOL.46 NO.52) p.09]に
米デューク大学研究者インタビュー 後編
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtnews/2013/M46520091/
が掲載されました。
今回の記事は、2013年12月20日 (金)の本ブログ記事
「米国デューク大學と糖質制限食、MTpro記事。」
で紹介した記事の後編です。
米国で糖質制限食に関する臨床研究を牽引するデューク大学の医師に、山田悟医師がインタビューしたものです。
デューク大學のWestman准教授は同大学生活習慣医学クリニック所長ならびに米国肥満学医学会(ASBP)会長を兼務しており、
Yancy Jr. 准教授は今回のADA声明改訂委員の1人でもあります。
『飽和脂肪の摂取と心血管疾患の関連は不明』
Westman准教授とYancy Jr. 准教授は根拠となる論文をあげて、飽和脂肪の摂取と心血管疾患の関連は不明という見解を述べています。
3)Siri-Tarinoらの論文は、2012年04月09日 (月)の本ブログ記事
「飽和脂肪酸摂取量と脳心血管イベント発生は関係がない」
でも取り上げたものです。
【21論文、約35万人をメタアナリシスして、5~23年追跡して1.1万人の脳心血管イベントが発生。飽和脂肪摂取量と脳心血管イベントハザード比を検証してみると、飽和脂肪酸摂取量と脳心血管イベント発生は、関係がないことが判明。】
という要旨です。
『菜食と肉食』
「ヒトと草食動物の消化システムは異なっているのに、菜食は抵抗なく受け入れられて、肉食は体に悪いイメージがあるのは面白い」との見解ですが、全く同感です。
『高脂肪食は中身が問題』
マウスの実験で高脂肪食で肥満という研究では、高炭水化物も兼ねている事が多いので問題とのことです。
高脂肪・低炭水化物食なら違う結果という見解です。
『減量なしでインスリンが減らせることも』
糖質20g/日未満のケトン食を実践開始の日から、インスリンを半量にして、血糖値をみながらどんどんインスリンを減らしていき、減量なしの段階でインスリンフリーになる症例も多いとのことです。
『実践的なケトン食メニューで患者をサポート』
「空腹時には糖質ゼロ食品〔肉類,魚介類,卵,バターなどの油脂,ポークラインズ(写真)など〕を満腹になるまで食べてよい。
開始当初,糖分への欲求,倦怠感,頭痛,体の痛み,集中困難などが出現した場合には,症状緩和に牛または鶏の透明なブイヨン(スープ)を1〜3回/日飲むよう指導。」
このメニューは参考になりますね。
ポークラインズは、2013年11月30日 (土)の本ブログ記事
「朝日カルチャーセンター立川教室のご報告と夏井先生との対談」
で登場した夏井先生一押しの《チチャロン・豚皮の唐揚げ》とほぼ同一と思われます。
江部康二
☆☆☆
以下、MT Pro [2013年12月26日(VOL.46 NO.52) p.09]
記事からの抜粋です。
糖尿病に対する糖質制限食治療
米デューク大学研究者インタビュー 後編
低糖質・高脂肪食は有用な選択肢の1つ
山田 悟 氏 Eric C. Westman 氏 William S. Yancy Jr. 氏
5年前から糖質制限を糖尿病・肥満治療に取り入れているデューク大学生活習慣医学クリニックでは,糖質を20g/日未満に制限するケトン食の実践により,インスリンフリーとなる患者を多数経験しているという。先週号に続き糖質制限食に関する臨床研究を牽引するダーラムデューク大学(米ノースカロライナ州ダーラム)一般内科のEric C. Westman准教授と同大学のWilliam S. Yancy Jr.准教授の2氏へのインタビューを紹介する。Westman准教授は同大学生活習慣医学クリニック所長ならびに米国肥満学会議(ASBP)会長を兼務しており,Yancy Jr. 准教授は今回のADA声明改訂委員の1人でもある。聞き手は,2013年11月に食・楽・健康協会理事長に就任した北里研究所病院(東京都)糖尿病センターの山田悟センター長にお願いした。
飽和脂肪と心血管疾患の関連は不明
山田 低糖質・高脂肪・適度な蛋白質の食事を推奨されるとのお話でしたが,脂肪について語ると,必然的に飽和脂肪に行き着くと思います。飽和脂肪の摂取についてはどのようにお考えですか。
Yancy Jr. 糖質制限を行っている人たちの最大関心事ですね。飽和脂肪摂取について,以前は脂肪は悪いプレーヤーで,コレステロールと心臓発作を起こすとされてきました。
Westman 私は飽和脂肪を避けるべきとは思っていません。
Yancy Jr. かつて海外7カ国の観察研究1)から脂肪に害があるとする考えが提唱されましたが,冠動脈死亡リスクと飽和脂肪の関連には他にも多くの要因が交絡していることは歴然としており2),それを信じる研究者は少なくなってきています。
Westman 飽和脂肪と心血管疾患の関連を評価した前向きコホート21研究のメタアナリシス3)では,飽和脂肪の摂取と心血管疾患リスクに関連は認められませんでした。また,飽和脂肪酸だけでなく,多くの食事因子と心血管疾患に関してBradford Hillの因果関係評価基準を用いたシステマチックレビュー4)では,地中海食,野菜,ナッツ類はリスクを低下させる一方,トランス脂肪酸と高GI値の食品はリスクを上昇させることが示されています。しかし,飽和脂肪と心血管疾患の関係性についてのエビデンスは出ていません。
Yancy Jr. これが現在のサイエンスです。過去さまざまな食事研究がありましたが,ある主要栄養素を変えると,少なくとも食事全体のパーセンテージ上,他の主要栄養素が変わるというところが厄介なのです。
山田 PREDIMED研究はどう思われますか。
Yancy Jr. 食事を変えればリスクを減少させられることを示すとても印象的な研究です。この研究からいえることは,不飽和脂肪酸摂取を増加し,炭水化物の摂取を減らすことは,その逆よりも良いということです。
Westman そしておそらく,炭水化物を減らし,飽和脂肪摂取を増加することも良いだろうと思います。飽和脂肪は善玉コレステロールであるHDLコレステロールを増加させます。卵には飽和脂肪が含まれており,HDLを増加させます。私は卵を制限する必要はないと考えています。
MT Pro [2013年12月26日(VOL.46 NO.52) p.09]に
米デューク大学研究者インタビュー 後編
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtnews/2013/M46520091/
が掲載されました。
今回の記事は、2013年12月20日 (金)の本ブログ記事
「米国デューク大學と糖質制限食、MTpro記事。」
で紹介した記事の後編です。
米国で糖質制限食に関する臨床研究を牽引するデューク大学の医師に、山田悟医師がインタビューしたものです。
デューク大學のWestman准教授は同大学生活習慣医学クリニック所長ならびに米国肥満学医学会(ASBP)会長を兼務しており、
Yancy Jr. 准教授は今回のADA声明改訂委員の1人でもあります。
『飽和脂肪の摂取と心血管疾患の関連は不明』
Westman准教授とYancy Jr. 准教授は根拠となる論文をあげて、飽和脂肪の摂取と心血管疾患の関連は不明という見解を述べています。
3)Siri-Tarinoらの論文は、2012年04月09日 (月)の本ブログ記事
「飽和脂肪酸摂取量と脳心血管イベント発生は関係がない」
でも取り上げたものです。
【21論文、約35万人をメタアナリシスして、5~23年追跡して1.1万人の脳心血管イベントが発生。飽和脂肪摂取量と脳心血管イベントハザード比を検証してみると、飽和脂肪酸摂取量と脳心血管イベント発生は、関係がないことが判明。】
という要旨です。
『菜食と肉食』
「ヒトと草食動物の消化システムは異なっているのに、菜食は抵抗なく受け入れられて、肉食は体に悪いイメージがあるのは面白い」との見解ですが、全く同感です。
『高脂肪食は中身が問題』
マウスの実験で高脂肪食で肥満という研究では、高炭水化物も兼ねている事が多いので問題とのことです。
高脂肪・低炭水化物食なら違う結果という見解です。
『減量なしでインスリンが減らせることも』
糖質20g/日未満のケトン食を実践開始の日から、インスリンを半量にして、血糖値をみながらどんどんインスリンを減らしていき、減量なしの段階でインスリンフリーになる症例も多いとのことです。
『実践的なケトン食メニューで患者をサポート』
「空腹時には糖質ゼロ食品〔肉類,魚介類,卵,バターなどの油脂,ポークラインズ(写真)など〕を満腹になるまで食べてよい。
開始当初,糖分への欲求,倦怠感,頭痛,体の痛み,集中困難などが出現した場合には,症状緩和に牛または鶏の透明なブイヨン(スープ)を1〜3回/日飲むよう指導。」
このメニューは参考になりますね。
ポークラインズは、2013年11月30日 (土)の本ブログ記事
「朝日カルチャーセンター立川教室のご報告と夏井先生との対談」
で登場した夏井先生一押しの《チチャロン・豚皮の唐揚げ》とほぼ同一と思われます。
江部康二
☆☆☆
以下、MT Pro [2013年12月26日(VOL.46 NO.52) p.09]
記事からの抜粋です。
糖尿病に対する糖質制限食治療
米デューク大学研究者インタビュー 後編
低糖質・高脂肪食は有用な選択肢の1つ
山田 悟 氏 Eric C. Westman 氏 William S. Yancy Jr. 氏
5年前から糖質制限を糖尿病・肥満治療に取り入れているデューク大学生活習慣医学クリニックでは,糖質を20g/日未満に制限するケトン食の実践により,インスリンフリーとなる患者を多数経験しているという。先週号に続き糖質制限食に関する臨床研究を牽引するダーラムデューク大学(米ノースカロライナ州ダーラム)一般内科のEric C. Westman准教授と同大学のWilliam S. Yancy Jr.准教授の2氏へのインタビューを紹介する。Westman准教授は同大学生活習慣医学クリニック所長ならびに米国肥満学会議(ASBP)会長を兼務しており,Yancy Jr. 准教授は今回のADA声明改訂委員の1人でもある。聞き手は,2013年11月に食・楽・健康協会理事長に就任した北里研究所病院(東京都)糖尿病センターの山田悟センター長にお願いした。
飽和脂肪と心血管疾患の関連は不明
山田 低糖質・高脂肪・適度な蛋白質の食事を推奨されるとのお話でしたが,脂肪について語ると,必然的に飽和脂肪に行き着くと思います。飽和脂肪の摂取についてはどのようにお考えですか。
Yancy Jr. 糖質制限を行っている人たちの最大関心事ですね。飽和脂肪摂取について,以前は脂肪は悪いプレーヤーで,コレステロールと心臓発作を起こすとされてきました。
Westman 私は飽和脂肪を避けるべきとは思っていません。
Yancy Jr. かつて海外7カ国の観察研究1)から脂肪に害があるとする考えが提唱されましたが,冠動脈死亡リスクと飽和脂肪の関連には他にも多くの要因が交絡していることは歴然としており2),それを信じる研究者は少なくなってきています。
Westman 飽和脂肪と心血管疾患の関連を評価した前向きコホート21研究のメタアナリシス3)では,飽和脂肪の摂取と心血管疾患リスクに関連は認められませんでした。また,飽和脂肪酸だけでなく,多くの食事因子と心血管疾患に関してBradford Hillの因果関係評価基準を用いたシステマチックレビュー4)では,地中海食,野菜,ナッツ類はリスクを低下させる一方,トランス脂肪酸と高GI値の食品はリスクを上昇させることが示されています。しかし,飽和脂肪と心血管疾患の関係性についてのエビデンスは出ていません。
Yancy Jr. これが現在のサイエンスです。過去さまざまな食事研究がありましたが,ある主要栄養素を変えると,少なくとも食事全体のパーセンテージ上,他の主要栄養素が変わるというところが厄介なのです。
山田 PREDIMED研究はどう思われますか。
Yancy Jr. 食事を変えればリスクを減少させられることを示すとても印象的な研究です。この研究からいえることは,不飽和脂肪酸摂取を増加し,炭水化物の摂取を減らすことは,その逆よりも良いということです。
Westman そしておそらく,炭水化物を減らし,飽和脂肪摂取を増加することも良いだろうと思います。飽和脂肪は善玉コレステロールであるHDLコレステロールを増加させます。卵には飽和脂肪が含まれており,HDLを増加させます。私は卵を制限する必要はないと考えています。
2013年12月27日 (金)
こんばんは
『医療の巨大転換(パラダイムシフト)を加速する』
糖質制限食と湿潤療法のインパクト
著者 江部康二 夏井睦
東洋経済新報社
2013年8月23日から販売開始です。
2013年9月6日より電子版も販売開始です。。
以下の東洋経済新報社サイトの電子書籍配信先からお求めいただけます。
http://www.toyokeizai.net/spc/editorial/category/e-books-bk/
kindle版も以下のようにご購入いただけます。
http://www.amazon.co.jp/dp/B00EY3CIE0
医療の巨大転換(パラダイムシフト)を加速する: 糖質制限食と湿潤療法のインパクト
東洋経済新報社
アマゾンでも購入できますので、是非ご一読を。
以下は、医療の巨大転換を加速する- 糖質制限食と湿潤療法のインパクトの「はじめに」です。
「はじめに」は私が書いて「おわりに」は、夏井睦先生が書いておられます。
昨日、「はじめに」と「おわりに」を一気に掲載予定だったのです。
しかしFC2ブログが、文字数が多すぎて、掲載不能に陥ったので、まずは、夏井先生の「おわりに」を、本日は私の「はじめに」を掲載します。
江部康二
はじめに
夏井先生との対談 出会いと流れと
湿潤療法を初めて知ったのはネットである。そのときは夏井先生の名前は確認せずにそのサイトにある記述と画像をみて、即座に本物と思った。早速要点をプリントアウトして病棟や外来に配った。
テニスを1~2週に1回しているので、幸い?転倒して手足を擦り剥くことは時々あった。
それまではイソジンで消毒してガーゼを貼って、絆創膏で固定して包帯。翌日ガーゼを消毒のために剥がすとき、たいていは傷口とくっついていて、「痛てててて!」とか言いながら何とか剥がして、再びしみて痛いのを我慢してイソジンで消毒して・・・。
いやはや今から思えば、とんでもない行為であり、自分で自分に拷問しているようなものであった。湿潤療法のサイトを見てからは水道水で洗ってティッシュで拭いてワセリンを塗って上から市販のドラッグストアで打っている被覆材を貼っておしまい。
「傷は湿潤な環境にして、余剰の水分は吸収させるか逃がす。」という原則だけ守っていれば、そのままシャワーを浴びてもOKだし、何の痛みもなく治った。
外来患者さんでもちょっとした擦過傷や火傷には湿潤療法の説明をして実践してもらい、痛みなく治るので随分感謝されたものである。
そんな頃2010年、高雄病院に脇元洋果先生が、糖質制限食や漢方を学ぶために赴任してこられた。私が湿潤療法に興味を持っていることを彼女に話すと、即「それなら本家の夏井先生を呼びましょうよ。」と提案された。脇元先生は夏井先生の外来について湿潤療法を勉強したことがあり、私などよりはるかに詳しい知識をもっていたのである。
そこからは、とんとん拍子に話はすすんで、夏井先生に連絡をとって段取りを整え、2011年1月14日、夏井先生を高雄病院に招いて湿潤療法の講演をしてもらった。この高雄病院での講演会が夏井先生との初対面であった。
私はサービス精神旺盛なので「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」「我ら糖尿人、元気なのには理由がある!」の2冊を謹呈した。大歓迎の意を込めて、河豚のフルコースで宴会をした。4時間くらい食べて呑んで、地球の歴史、原初の生命、生命の進化の話、宇宙のこと、音楽のこと、パソコンのこと・・・いっぱい話した。
結局私は酔いつぶれてしまって後半はよく覚えていないのであるが、とりあえず夏井先生の博学な知識に圧倒されたことだけはよく覚えている。
この人と(素面で)対談したらきっと楽しいだろうなとこのとき漠然と思った。作家宮本輝氏との対談以来久しぶりの興味深い企画である。
ところで夏井先生は私が謹呈した本を全く読んでいなかったそうである。たまたま2011年9月のネットの日経メディカル特集記事「糖質制限食」に江部康二という名前が載っているのをみて、どっかで聞いた名前やなと思い出して、やっと面白そうやなと、私の本を読む気になったそうである。きっかけは大事である。
そこからは早かった。夏井先生のブログで最初に糖質制限食を2011年11月に取り上げていただいて以降、次第に盛り上がっていき、ついには連日のように糖質制限食の話題が湿潤療法のサイトに登場するようになった。私の本の宣伝も連日のようにバッチリしていただいた。おかげで本の売り上げが急速に伸びて感謝感激である。
夏井先生のサイトの読者は、自分の頭で考える進取の精神を持つ医師が多く、糖質制限食にもまったく抵抗がなかったようである。糖質制限食を早速自ら実践してその効果を体験し私のブログにも訪れるというパターンで、随分アクセス数が増えて、またまた夏井先生には感謝である。「海老で鯛を釣る」ならぬ「河豚で夏井睦という大魚をつり上げた」ようである。もう2~3回は河豚を奢らねばなるまい。
夏井先生とブログ読者、江部康二とブログ読者、かっこよく言えば理論的、普通に言ったら理屈っぽいおじさんとおばさん、あるいはお兄さんとお姉さん・・・。兎に角理屈がわかる人、自分の頭で考える人には、すぐに理解できる普遍性のある理論が「湿潤療法」と「糖質制限食」である。
ところで湿潤療法に抵抗なく、すっと入り込めたと思っていたが、実際には常識の壁を突破することを一度体験していたことが大きかったのかもしれない。
すなわち、1999年に、兄江部洋一郎が糖質制限食を高雄病院に初めて導入したときは、全く信じておらず2年間凍結していたが、私自身の糖尿病患者さんに糖質制限食を導入して劇的改善を目の当たりにして一気に常識の壁を乗り越えて、初めて兄(糖質制限食)を信じた経験があったのである。
さらに「傷は絶対消毒するな」で、「大腸癌の手術をして大腸粘膜は消毒しない(消毒できない)が腹の縫合部の皮膚は毎日消毒するという矛盾」との記述をみて、何でこんな簡単な事実に自分は気がつかなかったのかと目から鱗が落ちたのである。
大腸の縫合部を日々通過していくのは生きた細菌を多数含む「UNKO」である。これで感染しないのなら、消毒は無意味ということは、理屈ですっと頭に入って理解して腑に落ちた。いままで100年間、世界中の誰も何故気がつかなかったのか?
ガイドラインに頼る医師は、自分で考えることを放棄した医師である。革命的に新しい治療法にエビデンスがあるはずがない。医師以外にも普通の人でも理屈が好きな人は自分で考え、納得して湿潤療法を実践すれば、「痛みなく傷が速やかに治る」のである。この快適な創傷治癒を一度体験すれば二度と消毒しようとは思わない。糖質制限食も又然りである。
いくら大学のお偉い糖尿病専門医が、ご飯をしっかり食べてと指導してもSMBG(血糖自己測定器)を糖尿人がもっていて実験したら食後血糖値が軽く200mgを超えることはすぐにわかる。このことが解ったら、カロリ-制限食(高糖質食)という、最低でも一日3回、食後血糖値が200mg/dlを超えるような食事療法を、いったい誰がするであろうか?
本書は、夏井先生と私が、医学界のパラダイムシフト(湿潤療法と糖質制限食)という大きなテーマを縦軸に、あとは理屈っぽい二人が、縦横無尽に医学界の問題点を取り上げて舌鋒鋭く(自画自讃)迫ったという、なかなか骨太の対談本である。
ところでユングの言う共時性とでもいうか、脇元医師がたまたま高雄病院に来ておられ、その出会いが夏井先生との新たな出会いを形づくってくれた。
物事がサクサクと進むときは、このような出会いと流れが大きな意味と持つことが多い。私は理屈っぽい無神論者であるが、「Something Great」は好きである。
2013年6月
高雄病院
江部康二
『医療の巨大転換(パラダイムシフト)を加速する』
糖質制限食と湿潤療法のインパクト
著者 江部康二 夏井睦
東洋経済新報社
2013年8月23日から販売開始です。
2013年9月6日より電子版も販売開始です。。
以下の東洋経済新報社サイトの電子書籍配信先からお求めいただけます。
http://www.toyokeizai.net/spc/editorial/category/e-books-bk/
kindle版も以下のようにご購入いただけます。
http://www.amazon.co.jp/dp/B00EY3CIE0
医療の巨大転換(パラダイムシフト)を加速する: 糖質制限食と湿潤療法のインパクト
東洋経済新報社
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以下は、医療の巨大転換を加速する- 糖質制限食と湿潤療法のインパクトの「はじめに」です。
「はじめに」は私が書いて「おわりに」は、夏井睦先生が書いておられます。
昨日、「はじめに」と「おわりに」を一気に掲載予定だったのです。
しかしFC2ブログが、文字数が多すぎて、掲載不能に陥ったので、まずは、夏井先生の「おわりに」を、本日は私の「はじめに」を掲載します。
江部康二
はじめに
夏井先生との対談 出会いと流れと
湿潤療法を初めて知ったのはネットである。そのときは夏井先生の名前は確認せずにそのサイトにある記述と画像をみて、即座に本物と思った。早速要点をプリントアウトして病棟や外来に配った。
テニスを1~2週に1回しているので、幸い?転倒して手足を擦り剥くことは時々あった。
それまではイソジンで消毒してガーゼを貼って、絆創膏で固定して包帯。翌日ガーゼを消毒のために剥がすとき、たいていは傷口とくっついていて、「痛てててて!」とか言いながら何とか剥がして、再びしみて痛いのを我慢してイソジンで消毒して・・・。
いやはや今から思えば、とんでもない行為であり、自分で自分に拷問しているようなものであった。湿潤療法のサイトを見てからは水道水で洗ってティッシュで拭いてワセリンを塗って上から市販のドラッグストアで打っている被覆材を貼っておしまい。
「傷は湿潤な環境にして、余剰の水分は吸収させるか逃がす。」という原則だけ守っていれば、そのままシャワーを浴びてもOKだし、何の痛みもなく治った。
外来患者さんでもちょっとした擦過傷や火傷には湿潤療法の説明をして実践してもらい、痛みなく治るので随分感謝されたものである。
そんな頃2010年、高雄病院に脇元洋果先生が、糖質制限食や漢方を学ぶために赴任してこられた。私が湿潤療法に興味を持っていることを彼女に話すと、即「それなら本家の夏井先生を呼びましょうよ。」と提案された。脇元先生は夏井先生の外来について湿潤療法を勉強したことがあり、私などよりはるかに詳しい知識をもっていたのである。
そこからは、とんとん拍子に話はすすんで、夏井先生に連絡をとって段取りを整え、2011年1月14日、夏井先生を高雄病院に招いて湿潤療法の講演をしてもらった。この高雄病院での講演会が夏井先生との初対面であった。
私はサービス精神旺盛なので「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」「我ら糖尿人、元気なのには理由がある!」の2冊を謹呈した。大歓迎の意を込めて、河豚のフルコースで宴会をした。4時間くらい食べて呑んで、地球の歴史、原初の生命、生命の進化の話、宇宙のこと、音楽のこと、パソコンのこと・・・いっぱい話した。
結局私は酔いつぶれてしまって後半はよく覚えていないのであるが、とりあえず夏井先生の博学な知識に圧倒されたことだけはよく覚えている。
この人と(素面で)対談したらきっと楽しいだろうなとこのとき漠然と思った。作家宮本輝氏との対談以来久しぶりの興味深い企画である。
ところで夏井先生は私が謹呈した本を全く読んでいなかったそうである。たまたま2011年9月のネットの日経メディカル特集記事「糖質制限食」に江部康二という名前が載っているのをみて、どっかで聞いた名前やなと思い出して、やっと面白そうやなと、私の本を読む気になったそうである。きっかけは大事である。
そこからは早かった。夏井先生のブログで最初に糖質制限食を2011年11月に取り上げていただいて以降、次第に盛り上がっていき、ついには連日のように糖質制限食の話題が湿潤療法のサイトに登場するようになった。私の本の宣伝も連日のようにバッチリしていただいた。おかげで本の売り上げが急速に伸びて感謝感激である。
夏井先生のサイトの読者は、自分の頭で考える進取の精神を持つ医師が多く、糖質制限食にもまったく抵抗がなかったようである。糖質制限食を早速自ら実践してその効果を体験し私のブログにも訪れるというパターンで、随分アクセス数が増えて、またまた夏井先生には感謝である。「海老で鯛を釣る」ならぬ「河豚で夏井睦という大魚をつり上げた」ようである。もう2~3回は河豚を奢らねばなるまい。
夏井先生とブログ読者、江部康二とブログ読者、かっこよく言えば理論的、普通に言ったら理屈っぽいおじさんとおばさん、あるいはお兄さんとお姉さん・・・。兎に角理屈がわかる人、自分の頭で考える人には、すぐに理解できる普遍性のある理論が「湿潤療法」と「糖質制限食」である。
ところで湿潤療法に抵抗なく、すっと入り込めたと思っていたが、実際には常識の壁を突破することを一度体験していたことが大きかったのかもしれない。
すなわち、1999年に、兄江部洋一郎が糖質制限食を高雄病院に初めて導入したときは、全く信じておらず2年間凍結していたが、私自身の糖尿病患者さんに糖質制限食を導入して劇的改善を目の当たりにして一気に常識の壁を乗り越えて、初めて兄(糖質制限食)を信じた経験があったのである。
さらに「傷は絶対消毒するな」で、「大腸癌の手術をして大腸粘膜は消毒しない(消毒できない)が腹の縫合部の皮膚は毎日消毒するという矛盾」との記述をみて、何でこんな簡単な事実に自分は気がつかなかったのかと目から鱗が落ちたのである。
大腸の縫合部を日々通過していくのは生きた細菌を多数含む「UNKO」である。これで感染しないのなら、消毒は無意味ということは、理屈ですっと頭に入って理解して腑に落ちた。いままで100年間、世界中の誰も何故気がつかなかったのか?
ガイドラインに頼る医師は、自分で考えることを放棄した医師である。革命的に新しい治療法にエビデンスがあるはずがない。医師以外にも普通の人でも理屈が好きな人は自分で考え、納得して湿潤療法を実践すれば、「痛みなく傷が速やかに治る」のである。この快適な創傷治癒を一度体験すれば二度と消毒しようとは思わない。糖質制限食も又然りである。
いくら大学のお偉い糖尿病専門医が、ご飯をしっかり食べてと指導してもSMBG(血糖自己測定器)を糖尿人がもっていて実験したら食後血糖値が軽く200mgを超えることはすぐにわかる。このことが解ったら、カロリ-制限食(高糖質食)という、最低でも一日3回、食後血糖値が200mg/dlを超えるような食事療法を、いったい誰がするであろうか?
本書は、夏井先生と私が、医学界のパラダイムシフト(湿潤療法と糖質制限食)という大きなテーマを縦軸に、あとは理屈っぽい二人が、縦横無尽に医学界の問題点を取り上げて舌鋒鋭く(自画自讃)迫ったという、なかなか骨太の対談本である。
ところでユングの言う共時性とでもいうか、脇元医師がたまたま高雄病院に来ておられ、その出会いが夏井先生との新たな出会いを形づくってくれた。
物事がサクサクと進むときは、このような出会いと流れが大きな意味と持つことが多い。私は理屈っぽい無神論者であるが、「Something Great」は好きである。
2013年6月
高雄病院
江部康二
2013年12月26日 (木)
こんばんは。
夏井睦先生と江部康二の対談本が、2013年8月から発売されています。
医療の巨大転換(パラダイムシフト)を加速する: 糖質制限食と湿潤療法のインパクト
東洋経済新報社
自分で言うのも何ですが、とても面白い内容です。
医学界のパラダイムシフト(湿潤療法と糖質制限食)という大きなテーマを縦軸に、あとは理屈っぽい二人が、縦横無尽に医学界の問題点を取り上げて、舌鋒鋭く(自画自讃)迫ったという、なかなか骨太な内容です。
アマゾンで購入できますので、是非ご一読を。
以下は、
医療の巨大転換を加速する- 糖質制限食と湿潤療法のインパクト
の「おわりに」です。
「はじめに」は私が、「おわりに」は、夏井睦先生が書いておられます。
夏井先生の「おわりに」・・・抱腹絶倒ですよ。
夏井睦先生の
おわりに
人間は二つのグループに分けることができる。慣れ親しんだやり方や常識が否定された時に面白いと感じて変化を受け入れるグループと、変化に反発し拒絶するグループだ。やや大げさに言えば、人間の歴史とはこの二つのグループ間のせめぎ合いの連続であり、両者の相克が生み出すエネルギーが科学や社会を変化させてきたとも言える。
既存の常識や制度に疑問を持ち、別の考えがあるんじゃないかと思いつくのは、大抵は一人のヘソ曲がりである。もちろんそれは常識はずれの突拍子もない思いつきだから、思いついた本人もすぐに忘れてしまう。社会で生活する上では常識に従って行動しなければいけないし、突拍子もない考えに囚われるような暇もないからだ。
だが、そういうヘソ曲がりたちの中に、突拍子もない考えになぜか拘り、徹底的に考えて理論化する人間が登場する。ヘソ曲がりの中のヘソ曲がり、いわばヘソ曲がり大将である。彼はその常識はずれの考えを表明するが,世間のほとんどはヘソが曲がっていない人たちだから無視されるのがオチである。
しかし、その突拍子もない考えを面白がるごく少数のヘソ曲がりたちがいたりする。そして、彼らは新しい考えの方は常識はずれだが理にかなっていることを知り,周囲のややヘソが曲がっている連中に「これが新しい常識だ」と伝えるようになる。
そういうわけで、江部康二先生は糖尿病治療界のヘソ曲がり中のヘソ曲がり、つまりヘソ曲がり大将である。かく言う私は、そのヘソ曲がり大将の理論に魅了され、ついて行くことに決めた一兵卒のヘソ曲がりである。
私は本書で偉そうに糖質制限について語っているが、糖質制限のことを知ったのは2011年の11月である。インターネットの日経メディカル・オンラインのインタビュー記事にあった江部という苗字に見覚えがあったからだ。実はその年の初めに、江部先生の高雄病院で湿潤治療の講演させていただいたことがあり、その際、先生から糖質制限の本をいただいていたのだ。ちなみに,本のタイトルの「糖尿病」という文字を見て、これは自分と関係ない本だと判断し、ついに一度も開かないまま行方不明になってしまったことは、江部先生には内緒である。
私はその頃、「運動したり食事制限をするのは面倒だけど、この中年太りのメタボ腹はどうにかしたい」と悩んでいた。ところがこの日経の記事を読むと、主食などの糖質を抜くだけで肉も魚も食べていい、酒も飲んでいい、運動はしなくていいとあるではないか。私は当時、単身赴任中で、糖質と言えば昼の仕出し弁当のご飯と、晩酌のビールと日本酒、つまみのポテトフライくらいしか摂取していなかった。ということは、昼の仕出し弁当のご飯を食べなければ痩せられるかもしれない。それならできそうだ・・・何となく嘘っぽいけど・・・。
そういうわけで、翌日から糖質摂取量を徐々に減らし,1週間でほぼゼロにした。何しろ私は、やると決めたら徹底的にやるタイプである。コンピュータを買ったら数年後にはゲームやアウトラインプロセッサを自力でプログラムしていたし、ピアノを始めればプロはだしの難曲が弾けるまで頑張るし、ピアノ曲のデータベースを作り始めたら世界有数のデータベースになるまで手を抜かない。という凝り性人間である。
すると、あっという間にズボンが緩くなった。50代半ばなのに、わずか1週間でベルト穴1つである。しかも、酒量は減らさず、カロリー制限もせず、運動もしていないのにである。こうなると俄然面白くなる。
効果が出たら人に喋りたくなるのが人情だ。早速、私のインターネットサイト【新しい創傷治療】で紹介したところ,たちまち大反響で、痩せた、血圧が下がった、糖尿病が治った、不眠症も治ったというメールが嵐のように舞い込むようになった。ちなみにこの頃、江部先生の本も売れに売れたそうだ。
何しろ私のサイトは、新しいことを始めるのが大好きなヘソ曲がり人間の巣窟である。「消毒しない・傷を乾かさない」という湿潤治療を実践した時点で既に精鋭のヘソ曲がり揃いである。知的ヘソ曲がりの特徴はフットワークの軽さにある。フットワークが軽いから糖質制限を始めるのは簡単だ。「主食を食べないだけでいいなら楽勝。面白そうだからやってみよう」とオモシロ半分に糖質制限を始めたのだろう。その結果、【新しい創傷治療】は創傷治療のサイトなのか糖質制限のサイトなのかわからなくなっていくが、要するに、最初からヘソが曲がっている人間にとっては糖質制限も湿潤治療も「面白そう」という点では同じようなものなのである。
考えてみれば、ヘソ曲がり大将にとっては今は幸運な時代である。たとえば、江部先生や私が30年早く生まれ、それぞれ糖質制限と湿潤治療を思いついたとしたらどうなっていただろうか。恐らく、糖質制限も湿潤治療も広まることなく、煙のごとく消えてしまったはずだ。
コンピュータを個人が所有するようになったのは1980年代の終わり頃だ。インターネットが日本に導入されたのが1990年代初め頃、それが一般家庭に普及するのは21世紀に入ってからだ。つまり、もしも私が30年早い1927年の生まれだったら、コンピュータが普及し始めるのが60歳頃、インターネットに遭遇するのは70代半ばとなり、60歳で生まれて初めてコンピュータのキーボードを見た段階で「これは難しくてわからない。自分には無理だ」と投げ出した可能性が高い。
つまり、江部先生も私も,壮年期に「新しい治療原理」を思いつき、それがたまたまコンピュータとインターネットの普及時期に重なっていたからそれらを使いこなせ、それを武器に情報発信できたのだ。過去の偉大なヘソ曲がり大将たちは情報発信の手段を持たなかったために忘れられていったが(死後に偉大な人物だったと評価されるのはこのパターンである)、江部先生と私は幸いにも広く情報を発信する手段を手にすることができた。この違いは極めて大きいと思う。自分が生まれる国と時代は選べないが、江部先生も私も実に絶妙な時期に同じ日本という国に生まれたわけだ。
最後になったが、このようなヘソ曲がり二人組の対談という、何ともデンジャラスな企画を実現させてしまった東洋経済新報社の南翔二さんと矢作知子さんに深謝する。お二人のおかげで、江部先生と医学や科学について議論を重ねるというスリリングで楽しいひとときを過ごすことができた。
夏井睦先生と江部康二の対談本が、2013年8月から発売されています。
医療の巨大転換(パラダイムシフト)を加速する: 糖質制限食と湿潤療法のインパクト
東洋経済新報社
自分で言うのも何ですが、とても面白い内容です。
医学界のパラダイムシフト(湿潤療法と糖質制限食)という大きなテーマを縦軸に、あとは理屈っぽい二人が、縦横無尽に医学界の問題点を取り上げて、舌鋒鋭く(自画自讃)迫ったという、なかなか骨太な内容です。
アマゾンで購入できますので、是非ご一読を。
以下は、
医療の巨大転換を加速する- 糖質制限食と湿潤療法のインパクト
の「おわりに」です。
「はじめに」は私が、「おわりに」は、夏井睦先生が書いておられます。
夏井先生の「おわりに」・・・抱腹絶倒ですよ。
夏井睦先生の
おわりに
人間は二つのグループに分けることができる。慣れ親しんだやり方や常識が否定された時に面白いと感じて変化を受け入れるグループと、変化に反発し拒絶するグループだ。やや大げさに言えば、人間の歴史とはこの二つのグループ間のせめぎ合いの連続であり、両者の相克が生み出すエネルギーが科学や社会を変化させてきたとも言える。
既存の常識や制度に疑問を持ち、別の考えがあるんじゃないかと思いつくのは、大抵は一人のヘソ曲がりである。もちろんそれは常識はずれの突拍子もない思いつきだから、思いついた本人もすぐに忘れてしまう。社会で生活する上では常識に従って行動しなければいけないし、突拍子もない考えに囚われるような暇もないからだ。
だが、そういうヘソ曲がりたちの中に、突拍子もない考えになぜか拘り、徹底的に考えて理論化する人間が登場する。ヘソ曲がりの中のヘソ曲がり、いわばヘソ曲がり大将である。彼はその常識はずれの考えを表明するが,世間のほとんどはヘソが曲がっていない人たちだから無視されるのがオチである。
しかし、その突拍子もない考えを面白がるごく少数のヘソ曲がりたちがいたりする。そして、彼らは新しい考えの方は常識はずれだが理にかなっていることを知り,周囲のややヘソが曲がっている連中に「これが新しい常識だ」と伝えるようになる。
そういうわけで、江部康二先生は糖尿病治療界のヘソ曲がり中のヘソ曲がり、つまりヘソ曲がり大将である。かく言う私は、そのヘソ曲がり大将の理論に魅了され、ついて行くことに決めた一兵卒のヘソ曲がりである。
私は本書で偉そうに糖質制限について語っているが、糖質制限のことを知ったのは2011年の11月である。インターネットの日経メディカル・オンラインのインタビュー記事にあった江部という苗字に見覚えがあったからだ。実はその年の初めに、江部先生の高雄病院で湿潤治療の講演させていただいたことがあり、その際、先生から糖質制限の本をいただいていたのだ。ちなみに,本のタイトルの「糖尿病」という文字を見て、これは自分と関係ない本だと判断し、ついに一度も開かないまま行方不明になってしまったことは、江部先生には内緒である。
私はその頃、「運動したり食事制限をするのは面倒だけど、この中年太りのメタボ腹はどうにかしたい」と悩んでいた。ところがこの日経の記事を読むと、主食などの糖質を抜くだけで肉も魚も食べていい、酒も飲んでいい、運動はしなくていいとあるではないか。私は当時、単身赴任中で、糖質と言えば昼の仕出し弁当のご飯と、晩酌のビールと日本酒、つまみのポテトフライくらいしか摂取していなかった。ということは、昼の仕出し弁当のご飯を食べなければ痩せられるかもしれない。それならできそうだ・・・何となく嘘っぽいけど・・・。
そういうわけで、翌日から糖質摂取量を徐々に減らし,1週間でほぼゼロにした。何しろ私は、やると決めたら徹底的にやるタイプである。コンピュータを買ったら数年後にはゲームやアウトラインプロセッサを自力でプログラムしていたし、ピアノを始めればプロはだしの難曲が弾けるまで頑張るし、ピアノ曲のデータベースを作り始めたら世界有数のデータベースになるまで手を抜かない。という凝り性人間である。
すると、あっという間にズボンが緩くなった。50代半ばなのに、わずか1週間でベルト穴1つである。しかも、酒量は減らさず、カロリー制限もせず、運動もしていないのにである。こうなると俄然面白くなる。
効果が出たら人に喋りたくなるのが人情だ。早速、私のインターネットサイト【新しい創傷治療】で紹介したところ,たちまち大反響で、痩せた、血圧が下がった、糖尿病が治った、不眠症も治ったというメールが嵐のように舞い込むようになった。ちなみにこの頃、江部先生の本も売れに売れたそうだ。
何しろ私のサイトは、新しいことを始めるのが大好きなヘソ曲がり人間の巣窟である。「消毒しない・傷を乾かさない」という湿潤治療を実践した時点で既に精鋭のヘソ曲がり揃いである。知的ヘソ曲がりの特徴はフットワークの軽さにある。フットワークが軽いから糖質制限を始めるのは簡単だ。「主食を食べないだけでいいなら楽勝。面白そうだからやってみよう」とオモシロ半分に糖質制限を始めたのだろう。その結果、【新しい創傷治療】は創傷治療のサイトなのか糖質制限のサイトなのかわからなくなっていくが、要するに、最初からヘソが曲がっている人間にとっては糖質制限も湿潤治療も「面白そう」という点では同じようなものなのである。
考えてみれば、ヘソ曲がり大将にとっては今は幸運な時代である。たとえば、江部先生や私が30年早く生まれ、それぞれ糖質制限と湿潤治療を思いついたとしたらどうなっていただろうか。恐らく、糖質制限も湿潤治療も広まることなく、煙のごとく消えてしまったはずだ。
コンピュータを個人が所有するようになったのは1980年代の終わり頃だ。インターネットが日本に導入されたのが1990年代初め頃、それが一般家庭に普及するのは21世紀に入ってからだ。つまり、もしも私が30年早い1927年の生まれだったら、コンピュータが普及し始めるのが60歳頃、インターネットに遭遇するのは70代半ばとなり、60歳で生まれて初めてコンピュータのキーボードを見た段階で「これは難しくてわからない。自分には無理だ」と投げ出した可能性が高い。
つまり、江部先生も私も,壮年期に「新しい治療原理」を思いつき、それがたまたまコンピュータとインターネットの普及時期に重なっていたからそれらを使いこなせ、それを武器に情報発信できたのだ。過去の偉大なヘソ曲がり大将たちは情報発信の手段を持たなかったために忘れられていったが(死後に偉大な人物だったと評価されるのはこのパターンである)、江部先生と私は幸いにも広く情報を発信する手段を手にすることができた。この違いは極めて大きいと思う。自分が生まれる国と時代は選べないが、江部先生も私も実に絶妙な時期に同じ日本という国に生まれたわけだ。
最後になったが、このようなヘソ曲がり二人組の対談という、何ともデンジャラスな企画を実現させてしまった東洋経済新報社の南翔二さんと矢作知子さんに深謝する。お二人のおかげで、江部先生と医学や科学について議論を重ねるというスリリングで楽しいひとときを過ごすことができた。
2013年12月26日 (木)
こんばんは。
米国で
【肺ガンに対するケトン食療法with「放射線・化学療法」】
という臨床試験が開始されたことを、2012年2月7日(火)のブログで記事にしました。
非小細胞肺ガン4期の患者さんにターゲットを絞った研究です。
Ketogenic Diet With Chemoradiation for Lung Cancer (KETOLUNG) (*)
アイオワ大学が主スポンサーで、NIH(米国国立衛生研究所)も共同研究者という本格的なものです。
2011年8月から、開始されています。
いよいよガンに対する糖質制限食(ケトン食)の治療効果が証明されるかもしれません。
ケトン食は、総摂取カロリーの75~80%が脂質という、究極のスーパー糖質制限食です。
2010年版COCHRANE LIBRARLY(コクラン ライブラリー)と、2011年版NICE(英国政府ガイドライン)の、難治性小児てんかん治療に採用されたのは記憶に新しいところです。
小児のてんかんだけでなく、成人のガンにもおおいに効果が期待されるということでしょう。
ケトン体は、人体における最も効率のよいエネルギー源であり、動物実験ではガン細胞抑制作用が確認されています。
そしてガン細胞は、ブドウ糖しかエネルギー源にできません。
正常細胞のように、ケトン体や脂肪酸をエネルギー源にすることができないのです。
同様にアイオワ大学とNIHの共同研究で、
【膵ガンに対するケトン食療法with「放射線・化学療法」】
http://www.clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT01419483
Ketogenic Diet With Concurrent Chemoradiation for Pancreatic Cancer
も開始されています。
研究成果の発表が楽しみです。
一時、本ブログ記事で、「イリノイ大学+NIH」がケトン食とガンの共同研究という表現をしていましたが、完全に勘違いで「アイオワ大学+NIH」が正しいです。
過去記事は、全て訂正しましたが、済みませんでした。
江部康二
(*)
A Phase I Trial of a Ketogenic Diet With Concurrent Chemoradiation for
Non-small Cell Lung Cancer
http://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT01419587
Sponsor: University of Iowa
Collaborators:
National Institutes of Health (NIH)
Holden Comprehensive Cancer Center
Nutricia North America
Information provided by: University of Iowa
米国で
【肺ガンに対するケトン食療法with「放射線・化学療法」】
という臨床試験が開始されたことを、2012年2月7日(火)のブログで記事にしました。
非小細胞肺ガン4期の患者さんにターゲットを絞った研究です。
Ketogenic Diet With Chemoradiation for Lung Cancer (KETOLUNG) (*)
アイオワ大学が主スポンサーで、NIH(米国国立衛生研究所)も共同研究者という本格的なものです。
2011年8月から、開始されています。
いよいよガンに対する糖質制限食(ケトン食)の治療効果が証明されるかもしれません。
ケトン食は、総摂取カロリーの75~80%が脂質という、究極のスーパー糖質制限食です。
2010年版COCHRANE LIBRARLY(コクラン ライブラリー)と、2011年版NICE(英国政府ガイドライン)の、難治性小児てんかん治療に採用されたのは記憶に新しいところです。
小児のてんかんだけでなく、成人のガンにもおおいに効果が期待されるということでしょう。
ケトン体は、人体における最も効率のよいエネルギー源であり、動物実験ではガン細胞抑制作用が確認されています。
そしてガン細胞は、ブドウ糖しかエネルギー源にできません。
正常細胞のように、ケトン体や脂肪酸をエネルギー源にすることができないのです。
同様にアイオワ大学とNIHの共同研究で、
【膵ガンに対するケトン食療法with「放射線・化学療法」】
http://www.clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT01419483
Ketogenic Diet With Concurrent Chemoradiation for Pancreatic Cancer
も開始されています。
研究成果の発表が楽しみです。
一時、本ブログ記事で、「イリノイ大学+NIH」がケトン食とガンの共同研究という表現をしていましたが、完全に勘違いで「アイオワ大学+NIH」が正しいです。
過去記事は、全て訂正しましたが、済みませんでした。
江部康二
(*)
A Phase I Trial of a Ketogenic Diet With Concurrent Chemoradiation for
Non-small Cell Lung Cancer
http://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT01419587
Sponsor: University of Iowa
Collaborators:
National Institutes of Health (NIH)
Holden Comprehensive Cancer Center
Nutricia North America
Information provided by: University of Iowa
2013年12月25日 (水)
おはようございます。
ブログ読者の皆さんに注意喚起です。
Googleで糖質制限食と検索すると、以下のサイトが2番目に表示されます。
糖質制限食.net
かんたん糖質制限食.net/
糖質制限食(低糖質食)をうまく安全に取り入れて、効果的に健康管理を進めましょう。江部康二の提唱する低糖質食はダイエットにもおすすめです。
メリット、デメリット、パンやスイーツの通販などの情報をお伝えします
「江部康二の提唱する低糖質食はダイエットにもおすすめです。」と、さも私が関係しているような書き方をしていますが、このサイトはアフィリエイトサイトであり、江部康二並びに高雄病院とは一切の関わりはございません。
以前にも注意喚起しました、低糖工房のアフィリエイトと同じく名称の不正使用であり、即刻削除するように要請し、応じなければ法的手段を取る旨、通告しました。
最近、私の画像や講演・書籍の内容を不正に使用した営業活動の報告を多々受けます。
一般社団法人日本糖質制限医療推進協会の協力企業、飲食店、販売店、私の監修している糖質制限ドットコム、やせる食べ方ドットコムで扱っている食品メーカーさん以外での江部康二の名称使用は許可しておりません。
くれぐれもご注意下さい。
江部康二
ブログ読者の皆さんに注意喚起です。
Googleで糖質制限食と検索すると、以下のサイトが2番目に表示されます。
糖質制限食.net
かんたん糖質制限食.net/
糖質制限食(低糖質食)をうまく安全に取り入れて、効果的に健康管理を進めましょう。江部康二の提唱する低糖質食はダイエットにもおすすめです。
メリット、デメリット、パンやスイーツの通販などの情報をお伝えします
「江部康二の提唱する低糖質食はダイエットにもおすすめです。」と、さも私が関係しているような書き方をしていますが、このサイトはアフィリエイトサイトであり、江部康二並びに高雄病院とは一切の関わりはございません。
以前にも注意喚起しました、低糖工房のアフィリエイトと同じく名称の不正使用であり、即刻削除するように要請し、応じなければ法的手段を取る旨、通告しました。
最近、私の画像や講演・書籍の内容を不正に使用した営業活動の報告を多々受けます。
一般社団法人日本糖質制限医療推進協会の協力企業、飲食店、販売店、私の監修している糖質制限ドットコム、やせる食べ方ドットコムで扱っている食品メーカーさん以外での江部康二の名称使用は許可しておりません。
くれぐれもご注意下さい。
江部康二
2013年12月24日 (火)
こんばんは。
2012年12月12日(水)の本ブログ記事
「スエーデンにおける糖質制限食・・・LCHF(Low Carb High Fat)」
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-2338.html
2012年12月14日 (金)の本ブログ記事
「スエーデンのLCHF食事療法(糖質制限食)の情報、追加」
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-2340.html
2013年07月16日 (火)の本ブログ記事
「スウェーデンの糖質制限食材や事情について」
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-2604.html
過去、3回にわたり、スウェーデンの糖質制限事情を、ブログ記事にしてきました。
いずれの記事も、スウェーデン在住の、雪ん子さんからの、貴重な情報がネタ元となっています。
雪ん子さん、ありがとうございます。
かなり詳細な情報で相当の文字数ですが、興味のある方は、上記の過去記事をご覧下さい。
今回、カルピンチョ先生のブログでも紹介されている、
「The Food Revolution - AHS 2011」
http://youtu.be/FSeSTq-N4U4
という講演の動画(ユーチューブ)を、ブログ読者さんからコメントいただきました。
講演が40数分で質疑応答をいれて合計54分くらいです。
この動画、スウェーデンのアンドレアス・エンフェルト医師が、米国で糖質制限食の講演を行ったものです。
アンドレアス・エンフェルト医師は、雪ん子さんのコメントにも登場している医師です。
エンフェルト医師は、アニカ・ダールクヴィスト医師にいち早く賛同し、Diet Doctor.com という英語のタイトルで、ホームページを作成してLCHF(Low Carb High Fat:糖質制限・高脂肪)について様々な情報提供、研究者や医師や科学ジャーナリストへのインタビューを掲載しています。
http://www.dietdoctor.com/about
アニカ・ダールクヴィスト医師は、「1型糖尿病+肥満」の女性で、スウェーデンにおける糖質制限食の草分けです。
勿論、糖質制限食で、糖尿病も肥満もコントロール良好となっておられ、動画で写真もでてきますが、とても健康的な容姿を保っておられます。
動画は英語なので、私の英語力では、話はあまりわからなかったのですが、スライドを見て、およその内容は理解できました。
雪ん子さんに、コメントいただいた内容が、かなり講演ででてきました。
注目すべきは、スウェーデンでも、米国と同様に、バターなど脂肪の摂取比率が減り続けて炭水化物摂取が増え続け、それに伴い肥満が増え続けたことです。
エンフェルト医師によれば、スウェーデンでは、23%の人が、程度に差はあるけれど、糖質制限食を実践しているそうです。
雪ん子さん、アンドレアス・エンフェルト医師が大活躍ですね。
スウェーデンの情報がありましたら、またよろしくお願い申し上げます。
<スウェーデンにおける糖質制限食認定の経過>
2004年、アニカ・ダールクヴィスト医師(1型糖尿病)自らLCHF食事療法(糖質制限食)開始。
2004年、ダールクヴィスト医師が自分の保健所の診察にやってくる2型糖尿病患者や肥満に悩む人に、
このLCHF食事療法(糖質制限食)の指導を開始。
2005年、栄養士2名が、が社会保険省( Socialstyrelsen)に「従来とは異なる異端の食事療法」として通報。
*正確には社会保険省の管轄にある保険福祉庁(National Board of Health and Welfare)に通報。
2005年、保険福祉庁が糖尿病の権威クリスチャン・バーネ教授に調査を依頼。
2007年12月、バーネ教授の調査報告で、LCHF食事療法(糖質制限食)は長期的な結果がまだ科学的に出ていない
ものの、科学的な見解に基づいた実績の証明されたものであると結論づけられた。
2008年1月、LCHF食事療法(糖質制限食)に、保健福祉庁が青信号を灯した。
2011年、エンフェルト医師によれば、スウェ-デン人の、23%がLCHF食事療法(糖質制限食)を実践している。
カルピンチョ先生のブログで即、アニカ・ダールクヴィスト医師の写真が見れますよ。
http://xn--oqqx32i2ck.com/review/cat16/41.html
江部康二
2012年12月12日(水)の本ブログ記事
「スエーデンにおける糖質制限食・・・LCHF(Low Carb High Fat)」
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-2338.html
2012年12月14日 (金)の本ブログ記事
「スエーデンのLCHF食事療法(糖質制限食)の情報、追加」
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-2340.html
2013年07月16日 (火)の本ブログ記事
「スウェーデンの糖質制限食材や事情について」
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-2604.html
過去、3回にわたり、スウェーデンの糖質制限事情を、ブログ記事にしてきました。
いずれの記事も、スウェーデン在住の、雪ん子さんからの、貴重な情報がネタ元となっています。
雪ん子さん、ありがとうございます。
かなり詳細な情報で相当の文字数ですが、興味のある方は、上記の過去記事をご覧下さい。
今回、カルピンチョ先生のブログでも紹介されている、
「The Food Revolution - AHS 2011」
http://youtu.be/FSeSTq-N4U4
という講演の動画(ユーチューブ)を、ブログ読者さんからコメントいただきました。
講演が40数分で質疑応答をいれて合計54分くらいです。
この動画、スウェーデンのアンドレアス・エンフェルト医師が、米国で糖質制限食の講演を行ったものです。
アンドレアス・エンフェルト医師は、雪ん子さんのコメントにも登場している医師です。
エンフェルト医師は、アニカ・ダールクヴィスト医師にいち早く賛同し、Diet Doctor.com という英語のタイトルで、ホームページを作成してLCHF(Low Carb High Fat:糖質制限・高脂肪)について様々な情報提供、研究者や医師や科学ジャーナリストへのインタビューを掲載しています。
http://www.dietdoctor.com/about
アニカ・ダールクヴィスト医師は、「1型糖尿病+肥満」の女性で、スウェーデンにおける糖質制限食の草分けです。
勿論、糖質制限食で、糖尿病も肥満もコントロール良好となっておられ、動画で写真もでてきますが、とても健康的な容姿を保っておられます。
動画は英語なので、私の英語力では、話はあまりわからなかったのですが、スライドを見て、およその内容は理解できました。
雪ん子さんに、コメントいただいた内容が、かなり講演ででてきました。
注目すべきは、スウェーデンでも、米国と同様に、バターなど脂肪の摂取比率が減り続けて炭水化物摂取が増え続け、それに伴い肥満が増え続けたことです。
エンフェルト医師によれば、スウェーデンでは、23%の人が、程度に差はあるけれど、糖質制限食を実践しているそうです。
雪ん子さん、アンドレアス・エンフェルト医師が大活躍ですね。
スウェーデンの情報がありましたら、またよろしくお願い申し上げます。
<スウェーデンにおける糖質制限食認定の経過>
2004年、アニカ・ダールクヴィスト医師(1型糖尿病)自らLCHF食事療法(糖質制限食)開始。
2004年、ダールクヴィスト医師が自分の保健所の診察にやってくる2型糖尿病患者や肥満に悩む人に、
このLCHF食事療法(糖質制限食)の指導を開始。
2005年、栄養士2名が、が社会保険省( Socialstyrelsen)に「従来とは異なる異端の食事療法」として通報。
*正確には社会保険省の管轄にある保険福祉庁(National Board of Health and Welfare)に通報。
2005年、保険福祉庁が糖尿病の権威クリスチャン・バーネ教授に調査を依頼。
2007年12月、バーネ教授の調査報告で、LCHF食事療法(糖質制限食)は長期的な結果がまだ科学的に出ていない
ものの、科学的な見解に基づいた実績の証明されたものであると結論づけられた。
2008年1月、LCHF食事療法(糖質制限食)に、保健福祉庁が青信号を灯した。
2011年、エンフェルト医師によれば、スウェ-デン人の、23%がLCHF食事療法(糖質制限食)を実践している。
カルピンチョ先生のブログで即、アニカ・ダールクヴィスト医師の写真が見れますよ。
http://xn--oqqx32i2ck.com/review/cat16/41.html
江部康二
2013年12月23日 (月)
こんばんは。
糖尿人にもメタボ人にも正常人にも、等しく興味あるのが甘味料ですね。
甘味料に関する質問がよくあるので、復習を兼ねて最新情報を整理してみます。
甘味料は、まず天然甘味料と人工甘味料の、大きく2つに分けることができます。
次に、人工甘味料は、合成甘味料と糖アルコールに分けることができます。
1 天然甘味料
ショ糖(サトウキビなど)、ステビオサイド(ステビア)、グリチルリチン酸(甘草)、ソーマチン(西アフリカに生育するソーマトコッカスダニエリという赤い果実)、蜂蜜、メープルシロップ、果糖、麦芽糖、などのように、天然の植物や食品中に含まれている甘み成分を取り出し精製、濃縮した甘味料のこと。
2 人工甘味料(広義の意味)
人工的に作られた甘みのある物質のこと。合成甘味料、糖アルコールなどがあります。
a) 合成甘味料
人工甘味料の一種で、人為的に化学合成された甘みのある物質(甘味料)のこと。
砂糖より低カロリー、低価格、などの特徴がある。
狭義の意味の人工甘味料は合成甘味料と同義で使われることがあります。
サッカリン、サッカリンナトリウム、サイクラミン酸ナトリウム(俗称チクロ)、ズルチン、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース、などがあります。
b) 糖アルコール
キシリトール、ソルビトール、エリスリトール、マルチトール、ラクチトールなどがあります。キシリトールは野菜や果物などに、ソルビトールはプルーン、ナシ、リンゴなどに、エリスリトールは果実、花の蜜などにそれぞれ含まれています。
マルチトール、ラクチトールもそれぞれ麦芽糖、乳糖を原料としています。
糖アルコールは合成甘味料には分類されません。
糖アルコールの安全性は確立しています。
合成甘味料のなかで、ズルチンとチクロは、戦後間もない日本で、貴重な甘みとして広く使用されたのですが、発ガン性などのため1969年と1970年にそれぞれ使用禁止となっています。
サッカリンも発癌テストが陽性に出て、日本では食品衛生法により1973年に、いったん全面禁止となりました。
ところが1ヶ月後、食品別の使用基準が制定されると、制限付きながらサッカリンはあっさり再認可されました。
米国では、長期間にわたり一度も禁止されることなく、結構大量に使っているようです。
2013年現在、FDA(米国食料医薬品庁)が食品への使用を許可している人工甘味料は、サッカリン、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース、ネオテームの5種です。
これらの人工甘味料は、「フリーフード」と呼ばれ、米国心臓病協会や米国糖尿病協会も肯定的ではあります。
これら5種の合成甘味料は、カロリーはないのでダイエットには良いし、血糖値を上昇させないという意味では、糖尿病にも糖質制限食的にもOKです。
ただし、一日摂取許容量が決められているので、わざわざ大量に摂取する必要はないと思います。
まあゼロカロリー飲料、例えば
「コカコーラゼロ」
アスパルテーム・L-フェニルアラニン化合物、アセスルファムカリウム、スクラロース
「ペプシネックス」
アスパルテーム・L-フェニルアラニン化合物、アセスルファムカリウム、スクラロース
などを、350mlボトルで、一日に1~2本くらいであれば、一日許容量を超えることはまずありません。
FDAが認める5種の合成甘味料に関しては、特に優劣をつけるデータはなくて、同等と考えて良いと思います。
アスパルテームは、FDA(米国食料医薬品庁)により人工甘味料として1981年に使用が許可されています。
現在、製法特許は味の素が持っており、国内ではアスパルテームを使った食卓用甘味料がPAL SWEETとして販売されています。
アスパルテームは、アスパラギン酸とフェニルアラニンという、2つの天然アミノ酸が結合したものです。
体内に吸収されると、速やかに二つのアミノ酸と、ごく微量のメタノールに分解されます。
欠点は、添加物として比較的不安定であることです。
メタノール(メチルアルコール)は、大量だと失明を起こすなど毒性が強いですが、本来、ひと、動物、植物の体内に天然に存在するもので、人血液中の常成分の一つです。
アセスルファムカリウムは、アスパルテームと違って酸性・高温条件でも変化しにくいので、炭酸飲料のほか、クッキーなどの焼き菓子にも利用できます。
欧米では、近年アスパルテーム・アセスルファムカリウム混合甘味料がダイエットコーラの主流となっているようです。
2005年には、スクラロースを使用したダイエットコーラも登場しました。スクラロースは水に溶けやすく、酸や熱にも安定しています。
糖アルコール には、キシリトール、ソルビトール、エリスリトール、マルチトール、ラクチトールなどがあります。
キシリトールは野菜や果物などに、ソルビトールはプルーン、ナシ、リンゴなどに、エリスリトールは果実、花の蜜などにそれぞれ含まれていますが、商品としては人工的に作っています。
マルチトール、ラクチトールもそれぞれ麦芽糖、乳糖を原料として人工的に合成しています。
糖アルコールは糖類に水素を付加したもので、人工的に作っていますが、いわゆる合成甘味料には分類されません。
糖アルコールの安全性は確立しています。
肝腎の血糖値を上昇させるか否かですが、マルチトールは、砂糖の約半分程度血糖値を上昇させます。
よく、「糖アルコールは血糖値を上昇させない」との記載がみられますが間違いです。
キシリトール、ソルビトール、ラクチトールは、理論的には、血糖値を上げないはずなのですが、ブログ読者のコメントで、キシリトールガムで血糖上昇したとかありましたので、不確実です。
エリスリトール以外の糖アルコールは、難消化性で吸収されにくいのが特徴です。
吸収されにくい分腸内に残っているので、大量に摂取すれば下痢を起こしやすいです。
エリスリトールは、糖アルコールの中で例外的に体内に9割以上吸収されますが、全く代謝されずにそのまま尿中に排泄されます。
ですから厚生労働省お墨付きのゼロカロリーで、かつ全く血糖値を上昇させません。
ほとんどが体内に吸収されるので、糖アルコールの中で最も下痢も起こしにくいですが、大量だと下痢することもあります。
結局、糖アルコールの中で血糖値を全く上昇させないことが確実なのは、唯一エリスリトールだけです。
エリスリトールなら、血糖値を上げませんし、総量規制もありません。
国連の食糧農業機関(FAO)及び世界保健機関(WHO)は、JECFA(Joint Expert Committee on Food Additives)を設けて、甘味料など添加物のの安全性評価を公表していますが、糖アルコールは、極めて安全性が高いとされていて、妊婦にも大丈夫です。
日常的に手に入って使用しやすい血糖値を上昇させない甘味料は、以下の3つです。
いずれもエリスリトールが主成分です。
サラヤのラカントSは、「主成分エリスリトール+ごく少量の羅漢果エキス」が成分であり、合成甘味料は一切使用してありません。
合成甘味料に懸念をもつ方も、ラカントSならOKですね。
私自身は、
味の素のパルスイートカロリーゼロ
「主成分エリスリトール+ごく少量のアスパルテームとアセスルファムカリウム」
浅田飴のシュガーカットゼロ
「主成分エリスリトール+ごく少量のスクラロース」
くらいは、許容範囲と考えています。
江部康二
糖尿人にもメタボ人にも正常人にも、等しく興味あるのが甘味料ですね。
甘味料に関する質問がよくあるので、復習を兼ねて最新情報を整理してみます。
甘味料は、まず天然甘味料と人工甘味料の、大きく2つに分けることができます。
次に、人工甘味料は、合成甘味料と糖アルコールに分けることができます。
1 天然甘味料
ショ糖(サトウキビなど)、ステビオサイド(ステビア)、グリチルリチン酸(甘草)、ソーマチン(西アフリカに生育するソーマトコッカスダニエリという赤い果実)、蜂蜜、メープルシロップ、果糖、麦芽糖、などのように、天然の植物や食品中に含まれている甘み成分を取り出し精製、濃縮した甘味料のこと。
2 人工甘味料(広義の意味)
人工的に作られた甘みのある物質のこと。合成甘味料、糖アルコールなどがあります。
a) 合成甘味料
人工甘味料の一種で、人為的に化学合成された甘みのある物質(甘味料)のこと。
砂糖より低カロリー、低価格、などの特徴がある。
狭義の意味の人工甘味料は合成甘味料と同義で使われることがあります。
サッカリン、サッカリンナトリウム、サイクラミン酸ナトリウム(俗称チクロ)、ズルチン、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース、などがあります。
b) 糖アルコール
キシリトール、ソルビトール、エリスリトール、マルチトール、ラクチトールなどがあります。キシリトールは野菜や果物などに、ソルビトールはプルーン、ナシ、リンゴなどに、エリスリトールは果実、花の蜜などにそれぞれ含まれています。
マルチトール、ラクチトールもそれぞれ麦芽糖、乳糖を原料としています。
糖アルコールは合成甘味料には分類されません。
糖アルコールの安全性は確立しています。
合成甘味料のなかで、ズルチンとチクロは、戦後間もない日本で、貴重な甘みとして広く使用されたのですが、発ガン性などのため1969年と1970年にそれぞれ使用禁止となっています。
サッカリンも発癌テストが陽性に出て、日本では食品衛生法により1973年に、いったん全面禁止となりました。
ところが1ヶ月後、食品別の使用基準が制定されると、制限付きながらサッカリンはあっさり再認可されました。
米国では、長期間にわたり一度も禁止されることなく、結構大量に使っているようです。
2013年現在、FDA(米国食料医薬品庁)が食品への使用を許可している人工甘味料は、サッカリン、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース、ネオテームの5種です。
これらの人工甘味料は、「フリーフード」と呼ばれ、米国心臓病協会や米国糖尿病協会も肯定的ではあります。
これら5種の合成甘味料は、カロリーはないのでダイエットには良いし、血糖値を上昇させないという意味では、糖尿病にも糖質制限食的にもOKです。
ただし、一日摂取許容量が決められているので、わざわざ大量に摂取する必要はないと思います。
まあゼロカロリー飲料、例えば
「コカコーラゼロ」
アスパルテーム・L-フェニルアラニン化合物、アセスルファムカリウム、スクラロース
「ペプシネックス」
アスパルテーム・L-フェニルアラニン化合物、アセスルファムカリウム、スクラロース
などを、350mlボトルで、一日に1~2本くらいであれば、一日許容量を超えることはまずありません。
FDAが認める5種の合成甘味料に関しては、特に優劣をつけるデータはなくて、同等と考えて良いと思います。
アスパルテームは、FDA(米国食料医薬品庁)により人工甘味料として1981年に使用が許可されています。
現在、製法特許は味の素が持っており、国内ではアスパルテームを使った食卓用甘味料がPAL SWEETとして販売されています。
アスパルテームは、アスパラギン酸とフェニルアラニンという、2つの天然アミノ酸が結合したものです。
体内に吸収されると、速やかに二つのアミノ酸と、ごく微量のメタノールに分解されます。
欠点は、添加物として比較的不安定であることです。
メタノール(メチルアルコール)は、大量だと失明を起こすなど毒性が強いですが、本来、ひと、動物、植物の体内に天然に存在するもので、人血液中の常成分の一つです。
アセスルファムカリウムは、アスパルテームと違って酸性・高温条件でも変化しにくいので、炭酸飲料のほか、クッキーなどの焼き菓子にも利用できます。
欧米では、近年アスパルテーム・アセスルファムカリウム混合甘味料がダイエットコーラの主流となっているようです。
2005年には、スクラロースを使用したダイエットコーラも登場しました。スクラロースは水に溶けやすく、酸や熱にも安定しています。
糖アルコール には、キシリトール、ソルビトール、エリスリトール、マルチトール、ラクチトールなどがあります。
キシリトールは野菜や果物などに、ソルビトールはプルーン、ナシ、リンゴなどに、エリスリトールは果実、花の蜜などにそれぞれ含まれていますが、商品としては人工的に作っています。
マルチトール、ラクチトールもそれぞれ麦芽糖、乳糖を原料として人工的に合成しています。
糖アルコールは糖類に水素を付加したもので、人工的に作っていますが、いわゆる合成甘味料には分類されません。
糖アルコールの安全性は確立しています。
肝腎の血糖値を上昇させるか否かですが、マルチトールは、砂糖の約半分程度血糖値を上昇させます。
よく、「糖アルコールは血糖値を上昇させない」との記載がみられますが間違いです。
キシリトール、ソルビトール、ラクチトールは、理論的には、血糖値を上げないはずなのですが、ブログ読者のコメントで、キシリトールガムで血糖上昇したとかありましたので、不確実です。
エリスリトール以外の糖アルコールは、難消化性で吸収されにくいのが特徴です。
吸収されにくい分腸内に残っているので、大量に摂取すれば下痢を起こしやすいです。
エリスリトールは、糖アルコールの中で例外的に体内に9割以上吸収されますが、全く代謝されずにそのまま尿中に排泄されます。
ですから厚生労働省お墨付きのゼロカロリーで、かつ全く血糖値を上昇させません。
ほとんどが体内に吸収されるので、糖アルコールの中で最も下痢も起こしにくいですが、大量だと下痢することもあります。
結局、糖アルコールの中で血糖値を全く上昇させないことが確実なのは、唯一エリスリトールだけです。
エリスリトールなら、血糖値を上げませんし、総量規制もありません。
国連の食糧農業機関(FAO)及び世界保健機関(WHO)は、JECFA(Joint Expert Committee on Food Additives)を設けて、甘味料など添加物のの安全性評価を公表していますが、糖アルコールは、極めて安全性が高いとされていて、妊婦にも大丈夫です。
日常的に手に入って使用しやすい血糖値を上昇させない甘味料は、以下の3つです。
いずれもエリスリトールが主成分です。
サラヤのラカントSは、「主成分エリスリトール+ごく少量の羅漢果エキス」が成分であり、合成甘味料は一切使用してありません。
合成甘味料に懸念をもつ方も、ラカントSならOKですね。
私自身は、
味の素のパルスイートカロリーゼロ
「主成分エリスリトール+ごく少量のアスパルテームとアセスルファムカリウム」
浅田飴のシュガーカットゼロ
「主成分エリスリトール+ごく少量のスクラロース」
くらいは、許容範囲と考えています。
江部康二
2013年12月23日 (月)
こんばんは。
2013年12月20日
ライブハウス憧夢(075-862-1101)
Turning Pointのクリスマス第三金曜ライブ から
ボン・ジョヴィ (Bon Jovi)の
「Please Come Home For Christmas」
です。
ユーチューブ
http://www.youtube.com/watch?v=Wa4-aHZ62lQ
にアップして貰いました。
ブログ読者の皆様に、クリスマスプレゼント(のつもり(´_`?))です。
すいません。 m(_ _)mV
是非、ご試聴のほど。
それでは、メリー・クリスマス(Merry Christmas) (^-^)v(^-^)v
江部康二
2013年12月20日
ライブハウス憧夢(075-862-1101)
Turning Pointのクリスマス第三金曜ライブ から
ボン・ジョヴィ (Bon Jovi)の
「Please Come Home For Christmas」
です。
ユーチューブ
http://www.youtube.com/watch?v=Wa4-aHZ62lQ
にアップして貰いました。
ブログ読者の皆様に、クリスマスプレゼント(のつもり(´_`?))です。
すいません。 m(_ _)mV
是非、ご試聴のほど。
それでは、メリー・クリスマス(Merry Christmas) (^-^)v(^-^)v
江部康二
2013年12月22日 (日)
おはようございます。
2014年1月21日(火)13:00-14:30
「糖質制限食による糖尿病の解決」
と題して、朝日カルチャーセンター京都教室において、講座の講師を務めます。
問い合わせ先は、075-231-9693
朝日カルチャーセンター京都教室です。
今回は、糖尿病に絞ってお話します。
2013年10月の米国糖尿病学会の栄養療法の声明、2013年日本腎臓病学会の糖尿病腎症のガイドラインなど、
最新の情報を取り上げて解説します。
例えば、米国糖尿病学会は、糖質制限食を公式に容認しました。
そして糖尿病患者さんの血液検査データも豊富に紹介します。
同一摂取カロリーで揃えた「従来の糖尿病食 VS スーパー糖質制限食」の血糖値の日内変動データ比較は圧巻です。
食後高血糖と平均血糖変動幅に関しては、糖質制限食の圧勝で、その差は「月とスッポン」です。
糖尿病合併症を防ぐには、「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」を生じないことが必要不可欠です。
しかしながら糖質を摂取すれば、必ず「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」を生じます。
「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」を生じない、唯一の食事療法が糖質制限食なのです。
すなわち、従来の糖尿病食(高糖質食)では、
糖尿病合併症を防ぐことは理論的に不可能なのです。
年間
16000人が糖尿病腎症から透析、
3000人が糖尿病網膜症から失明、
3000人が糖尿病足病変から足切断、
というのが厳しい現実なのです。
糖尿病合併症を生じさせないために、糖尿人は自衛するしかありません。
京都の糖尿人の方々、そして関西の糖尿人の方々、ご参加をお待ちしてます。
江部康二
☆☆☆
以下は、朝日カルチャーセンター京都教室のサイトの案内文です。
糖質制限食による糖尿病の解決
講師名 高雄病院理事長 江部 康二
講座内容
糖質、脂質、タンパク質のうち血糖値を上昇させるのは糖質だけ。糖質を制限すれば、即座に食後高血糖は改善します。その糖質制限食による糖尿病治療の理論と実践法を、症例も交えてわかりやすく解説します。高雄病院における糖質制限食による入院・外来治療は、画期的な成果をあげています。米国・英国の糖尿病学会もその有効性を認めています。スウェーデン社会保険庁も公的に認めています。糖質制限食は面倒なカロリー計算もなく、美味しく楽しく続けることができるのも大切なポイント。糖尿病治療や合併症予防に絶大な効果があります。『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』(東洋経済新報社)は、ロングベストセラーに。ブログ「ドクター江部の糖尿病徒然日記」は毎日10000件のアクセスがある人気ブログです。http://koujiebe.blog95.fc2.com/
日時 2014年 1月21日 火曜 13:00-14:30
受講料 会員 2,940円 一般 3,465円
講師紹介
江部 康二(エベ コウジ)
1950年生まれ。 1974年京都大学医学部卒業。
1974年から京都大学胸部疾患研究所第一内科(現在京大呼吸器内科)にて呼吸器科を学ぶ。
1978年から高雄病院に医局長として勤務。1996年副院長就任。
2000年理事長就任。
2001年から糖質制限食に取り組む。
内科医/漢方医/(財)高雄病院理事長
2002年に自ら糖尿病であると気づいて以来、さらに糖尿病治療の研究に力を注ぎ、「糖質制限食」の体系を確立。これにより自身の糖尿病を克服。
著書
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』2005年(東洋経済新報社)
作家宮本輝氏との対談、『我ら糖尿人、元気なのにはわけがある』2009年(東洋経済新報社)
『主食をやめると健康になる』2011年(ダイヤモンド社)
『高雄病院の「糖質制限」給食』2012年(講談社)など多数。
ブログ『ドクター江部の糖尿病徒然日記http://koujiebe.blog95.fc2.com/ は、日に15000件のアクセスがあり、糖尿病のかたやそのご家族から寄せられた質問への回答や、糖尿病・糖質制限食に関する情報の発信に、日々尽力している。
2014年1月21日(火)13:00-14:30
「糖質制限食による糖尿病の解決」
と題して、朝日カルチャーセンター京都教室において、講座の講師を務めます。
問い合わせ先は、075-231-9693
朝日カルチャーセンター京都教室です。
今回は、糖尿病に絞ってお話します。
2013年10月の米国糖尿病学会の栄養療法の声明、2013年日本腎臓病学会の糖尿病腎症のガイドラインなど、
最新の情報を取り上げて解説します。
例えば、米国糖尿病学会は、糖質制限食を公式に容認しました。
そして糖尿病患者さんの血液検査データも豊富に紹介します。
同一摂取カロリーで揃えた「従来の糖尿病食 VS スーパー糖質制限食」の血糖値の日内変動データ比較は圧巻です。
食後高血糖と平均血糖変動幅に関しては、糖質制限食の圧勝で、その差は「月とスッポン」です。
糖尿病合併症を防ぐには、「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」を生じないことが必要不可欠です。
しかしながら糖質を摂取すれば、必ず「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」を生じます。
「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」を生じない、唯一の食事療法が糖質制限食なのです。
すなわち、従来の糖尿病食(高糖質食)では、
糖尿病合併症を防ぐことは理論的に不可能なのです。
年間
16000人が糖尿病腎症から透析、
3000人が糖尿病網膜症から失明、
3000人が糖尿病足病変から足切断、
というのが厳しい現実なのです。
糖尿病合併症を生じさせないために、糖尿人は自衛するしかありません。
京都の糖尿人の方々、そして関西の糖尿人の方々、ご参加をお待ちしてます。
江部康二
☆☆☆
以下は、朝日カルチャーセンター京都教室のサイトの案内文です。
糖質制限食による糖尿病の解決
講師名 高雄病院理事長 江部 康二
講座内容
糖質、脂質、タンパク質のうち血糖値を上昇させるのは糖質だけ。糖質を制限すれば、即座に食後高血糖は改善します。その糖質制限食による糖尿病治療の理論と実践法を、症例も交えてわかりやすく解説します。高雄病院における糖質制限食による入院・外来治療は、画期的な成果をあげています。米国・英国の糖尿病学会もその有効性を認めています。スウェーデン社会保険庁も公的に認めています。糖質制限食は面倒なカロリー計算もなく、美味しく楽しく続けることができるのも大切なポイント。糖尿病治療や合併症予防に絶大な効果があります。『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』(東洋経済新報社)は、ロングベストセラーに。ブログ「ドクター江部の糖尿病徒然日記」は毎日10000件のアクセスがある人気ブログです。http://koujiebe.blog95.fc2.com/
日時 2014年 1月21日 火曜 13:00-14:30
受講料 会員 2,940円 一般 3,465円
講師紹介
江部 康二(エベ コウジ)
1950年生まれ。 1974年京都大学医学部卒業。
1974年から京都大学胸部疾患研究所第一内科(現在京大呼吸器内科)にて呼吸器科を学ぶ。
1978年から高雄病院に医局長として勤務。1996年副院長就任。
2000年理事長就任。
2001年から糖質制限食に取り組む。
内科医/漢方医/(財)高雄病院理事長
2002年に自ら糖尿病であると気づいて以来、さらに糖尿病治療の研究に力を注ぎ、「糖質制限食」の体系を確立。これにより自身の糖尿病を克服。
著書
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』2005年(東洋経済新報社)
作家宮本輝氏との対談、『我ら糖尿人、元気なのにはわけがある』2009年(東洋経済新報社)
『主食をやめると健康になる』2011年(ダイヤモンド社)
『高雄病院の「糖質制限」給食』2012年(講談社)など多数。
ブログ『ドクター江部の糖尿病徒然日記http://koujiebe.blog95.fc2.com/ は、日に15000件のアクセスがあり、糖尿病のかたやそのご家族から寄せられた質問への回答や、糖尿病・糖質制限食に関する情報の発信に、日々尽力している。
2013年12月21日 (土)
【13/12/20 やなぎさわ
ライブ
いつもご著書を拝読しております。色々教えていただいております。
ありがとうございます。
たまたま今夜、旅行で京都に来ました。
今日は第三金曜日!…と思い、
ライブハウス「憧夢」に問い合わせの電話をしてみましたが、
「この電話は現在使われておりません」とアナウンスが。
104で調べてもらっても、住所に該当なしでした。
これは先生のライブが聞けるかも!♪と喜んだのですが、残念でした…】
こんばんは。
やなぎさわさん。
拙著の御購入、ありがとうございます。
折角、電話していただいたのに、申し訳ありませんでした。m(._.)m
私が、ライブハウス憧夢の電話番号を間違えてブログ記事にしていました。
古い電話番号を載せてしまってたのです。
現在の電話番号は
ライブハウス憧夢:075-862-1101
です。
FAX番号も一緒です。
2013年12月20日(金)クリスマス第三金曜ライブ、40名以上のお客さんで、満員盛況でした。
おおいに盛り上がったのに、やなぎさわさんにライブに来て貰えず、とても残念です。
あらためてすいませんでした。o(_ _;)o
これにこりずに、京都に来られる機会がありましたら、また第三金曜ライブよろしくお願い申し上げます。
2013年12月20日(金)クリスマス第三金曜ライブも youtube にアップしようと思います。
江部康二
☆☆☆
毎月第三金曜日、恒例のターニング・ポイントライブのご案内
不肖江部康二、1994年からバンド<TURNING POINT> を率いて、
毎月1回第三金曜日夜に、ライブ活動を続けています。
19:30 オープン
20:00 第一ステージ 約45分
21:15 第二ステージ 約60分
定期ライブ開始以来、一度も休んだことがないのはちょっと自慢です。(^ 0 ^)
2007年12月からは、「ライブハウス 憧夢」で活動しています。
2009年1月から京都市営地下鉄東西線が、太秦天神川駅まで完成して、交通アクセスがとても便利になりました。
ライブハウス 憧夢
http://www.106215.jp/
電話・FAX:075-862-1101
京都市営地下鉄東西線「太秦天神川駅」下車 北へ 徒歩 1分
入場料:¥1000- ワンドリンクつき
ジャンルはビートルズ、イーグルス、CCR、カーペンターズ、サム・クック、オーティス・レディング、スティービー・ワンダー、キャロル・キング、ベット・ミドラー、クラプトン、ポリス、エルトン・ジョン・・・・そしてサザン・オールスターズ、坂本九、柳ジョージ、尾崎豊・・・
要するに何でもありのバンドなので飽きが来なくて長続きしてるようです。 (^_^)
観客の皆さんも、いろんな曲があるので、おおいに楽しんで貰っています。
私は、ボーカル担当です。
つまり楽器が弾けないということですが・・・(-д-;)。
女性ボーカルが二人、ドラム、ギター、ベース、キーボード、アルトサックスの、8人編成のグループです。
さて今回、友人がライブをビデオ撮影して、youtube にアップしてくれましたので、ブログ読者の皆さん、是非一度ご覧下さいね。
http://youtu.be/PTlGV3wGwnA
曲目はテンプテーションズの My Girl です。
今月のクリスマスライブも、youtubeにアップ予定です。
第三金曜日、京都にお越しの節は、ターニング・ポイントのライブにも是非どうぞ。
江部康二
ライブ
いつもご著書を拝読しております。色々教えていただいております。
ありがとうございます。
たまたま今夜、旅行で京都に来ました。
今日は第三金曜日!…と思い、
ライブハウス「憧夢」に問い合わせの電話をしてみましたが、
「この電話は現在使われておりません」とアナウンスが。
104で調べてもらっても、住所に該当なしでした。
これは先生のライブが聞けるかも!♪と喜んだのですが、残念でした…】
こんばんは。
やなぎさわさん。
拙著の御購入、ありがとうございます。
折角、電話していただいたのに、申し訳ありませんでした。m(._.)m
私が、ライブハウス憧夢の電話番号を間違えてブログ記事にしていました。
古い電話番号を載せてしまってたのです。
現在の電話番号は
ライブハウス憧夢:075-862-1101
です。
FAX番号も一緒です。
2013年12月20日(金)クリスマス第三金曜ライブ、40名以上のお客さんで、満員盛況でした。
おおいに盛り上がったのに、やなぎさわさんにライブに来て貰えず、とても残念です。
あらためてすいませんでした。o(_ _;)o
これにこりずに、京都に来られる機会がありましたら、また第三金曜ライブよろしくお願い申し上げます。
2013年12月20日(金)クリスマス第三金曜ライブも youtube にアップしようと思います。
江部康二
☆☆☆
毎月第三金曜日、恒例のターニング・ポイントライブのご案内
不肖江部康二、1994年からバンド<TURNING POINT> を率いて、
毎月1回第三金曜日夜に、ライブ活動を続けています。
19:30 オープン
20:00 第一ステージ 約45分
21:15 第二ステージ 約60分
定期ライブ開始以来、一度も休んだことがないのはちょっと自慢です。(^ 0 ^)
2007年12月からは、「ライブハウス 憧夢」で活動しています。
2009年1月から京都市営地下鉄東西線が、太秦天神川駅まで完成して、交通アクセスがとても便利になりました。
ライブハウス 憧夢
http://www.106215.jp/
電話・FAX:075-862-1101
京都市営地下鉄東西線「太秦天神川駅」下車 北へ 徒歩 1分
入場料:¥1000- ワンドリンクつき
ジャンルはビートルズ、イーグルス、CCR、カーペンターズ、サム・クック、オーティス・レディング、スティービー・ワンダー、キャロル・キング、ベット・ミドラー、クラプトン、ポリス、エルトン・ジョン・・・・そしてサザン・オールスターズ、坂本九、柳ジョージ、尾崎豊・・・
要するに何でもありのバンドなので飽きが来なくて長続きしてるようです。 (^_^)
観客の皆さんも、いろんな曲があるので、おおいに楽しんで貰っています。
私は、ボーカル担当です。
つまり楽器が弾けないということですが・・・(-д-;)。
女性ボーカルが二人、ドラム、ギター、ベース、キーボード、アルトサックスの、8人編成のグループです。
さて今回、友人がライブをビデオ撮影して、youtube にアップしてくれましたので、ブログ読者の皆さん、是非一度ご覧下さいね。
http://youtu.be/PTlGV3wGwnA
曲目はテンプテーションズの My Girl です。
今月のクリスマスライブも、youtubeにアップ予定です。
第三金曜日、京都にお越しの節は、ターニング・ポイントのライブにも是非どうぞ。
江部康二
2013年12月20日 (金)
こんばんは。
2013年12月19日(木)、医師のための専門情報サイト MTpro(エムティープロ)で、
「糖尿病に対する糖質制限食治療」という記事が、掲載されました。
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtnews/2013/M46510151/
米国で糖質制限食に関する臨床研究を牽引するデューク大学の医師に、山田悟医師がインタビューしたものです。
MTproさん、山田悟先生、good job です。
ありがとうございます。m(_ _)m
デューク大學のWestman准教授は同大学生活習慣医学クリニック所長ならびに米国肥満学医学会(ASBP)会長を兼務しており、
Yancy Jr. 准教授は今回のADA声明改訂委員の1人でもあります。
米国肥満医学界の会長が糖質制限食を推進していることがまず素晴らしいです。
そして、ADA(栄養療法)声明改訂委員に糖質制限食推進派の医師が選ばれているのも、時代の流れを感じさせるできごとです。
少なくとも米国では、糖質制限食は、肥満改善においても糖尿病治療においても正当な評価を得て、認められていることは間違いないです。
このような米国糖尿病学会の流れに対して、日本糖尿病学会は、2013年11月に改訂発行した
<糖尿病食事療法のための食品交換表 第7版> (編著:日本糖尿病学会)
においても、相変わらず、カロリー制限・高糖質食を唯一無二の食事療法として推奨しています。
2013年10月の米国糖尿病学会の声明では、全ての糖尿病患者に適した“one-size-fits-all(唯一無二の)”食事パターンは存在しないとの見解を表明しました。
日本糖尿病学会、世界の趨勢に対してガラパゴス化していますが、そろそろ現実を直視して欲しいものです。
デューク大學では、炭水化物を20g/日未満に制限する「糖質制限-ケトジェニック食」(ケトン食)を用いています。
これは、高雄病院のスーパー糖質制限食より、さらに厳しい制限です。
この食事に関して、Westman医師は、内因性インスリン分泌が保たれているか、あるいはインスリンを投与していれば、糖尿病性ケトアシドーシスを来すことはまずないと安全性を述べています。
そして、糖質制限で血中ケトン値が上昇したといっても、それは糖尿病性ケトアシドーシスとは全く異なるもので、いたずらに恐れる必要はないと指摘しており、高雄病院と全く同一の見解です。
Westman医師は
「Bodenらの研究で、通常食とケトン 食期間における空腹感のvisual analogue scale(VAS)値は、エネルギー摂取量に差があるにもかかわらず同等でした。糖質制限を行うと空腹感が低下し、食事量が減るため,摂取カロリーも低下するのです。」
と述べています。
このことは、DIRECT研究(NENGLJ MED JULY17,2008、VOL359.NO.3 229-241)でも確認されており、糖質制限食は満腹感・満足感が得られやすいので、自然に無理なく摂取エネルギーが減少するということとなり、大きな利点といえます。
なおデューク大學では、糖質制限食を導入して5年余りということですが、この点においては、導入14年間経過の高雄病院のほうが先輩ですね。
江部康二
☆☆☆
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtnews/2013/M46510151/
医師のための専門情報サイト MTpro(エムティープロ)記事
]
米デューク大学研究者インタビュー〈前編〉
[2013年12月19日(VOL.46 NO.51) p.15]
糖尿病に対する糖質制限食治療
よみがえるインスリン以前の標準食事療法
山田 悟氏 Eric C. Westman氏 William S. Yancy Jr.氏
2013年10月,米国糖尿病学会(ADA)は成人糖尿病患者の食事療法に関する声明を2008年以来5年ぶりに改訂し,適切な三大栄養素比率は確立されていないことを明言するとともに「糖質130g/日が平均的な最小必要量」の文言を削除した。2型糖尿病に対する食事療法として,今や糖質制限食は重要なポジションを固めつつあるようだ。そこで,糖質制限食に関する臨床研究を牽引するデューク大学(米ノースカロライナ州ダーラム)一般内科のEric C. Westman准教授と同大学のWilliam S. Yancy Jr.准教授の両氏に,これまでの豊富な研究ならびに臨床経験からの知見と,同大学で実践している糖質制限食の実際について聞いた。Westman准教授は同大学生活習慣医学クリニック所長ならびに米国肥満学医学会(ASBP)会長を兼務しており,Yancy Jr. 准教授は今回のADA声明改訂委員の1人でもある。聞き手は,糖尿病に対する食事療法に造詣が深く,2013年11月に食・楽・健康協会理事長にも就任した北里研究所病院(東京都)糖尿病センターの山田悟センター長にお願いした。
炭水化物20g/日未満をクリニックで実践
山田 ADAの声明でも改訂された通り,糖質の理想的な摂取量については明確にされていません。Westman先生のクリニックでは患者さんにどのように指導しているのですか。
Westman 臨床では,炭水化物を20g/日未満に制限する「糖質制限-ケトジェニック食」(ケトン食)を用いています。20gは野菜を普通に食べていればほぼ達してしまう量です。
山田 非常に厳格ですね。
Westman そう思われますか。しかし,ケトン食は,インスリンの開発以前は糖尿病に対する治療法として確立されたものでした。当時の標準的な医学教科書である「オスラーの内科学」には,重症糖尿病に対する糖質摂取は10g/日とするよう記載されています(写真)。
Yancy Jr. 糖尿病の疾患概念の産みの親であり,ジョスリン糖尿病センターの創設者でもあるElliott P. Joslin氏が執筆しています。
Westman インスリンの発見は1921年ですが,それ以降,薬物治療の存在が急速に大きくなり,糖質制限治療は忘れられていました。ニュートンは,「私が遠くを見ることができたのは,巨人の肩(先人たちの業績)に乗っていたから」と語っています。私たちの研究も,膨大な過去の医師たちの研究をベースに積み上げてきたものなのです。
糖質でなくケトン体を主要なエネルギー源に
山田 日本では糖質制限によるケトン体の増加を懸念する声が強いのですが,いかがお考えですか。
Westman ご承知の通り,三大栄養素の中で炭水化物,つまり糖質だけが血糖値を直接上昇させる栄養素であり,糖質を制限して血糖値の上昇を抑えることは糖尿病治療において理にかなっています。そもそも,現在ほど糖質をヒトが食べるようになったのは,太古からの人類の歴史からすればまだ非常に最近のことです。一方,体内燃料としてのケトン体は健康的で,良いものであり,グルコースよりも毒性が低い。私たちが厳格な糖質制限食を実践しているのは,糖質中心の食生活から狩猟漁猟時代のより自然な食生活に近づけることで,体内の主要エネルギー源を現在の「糖質と脂肪酸」から以前の「脂肪酸とケトン体」へと戻し,インスリンの作用でため込まれた余分な脂肪を燃焼する経路を活性化することを意図しています。クリニックでは,20g/日未満に炭水化物を制限すると尿中ケトン値は上昇するとまず患者全員に説明していますし,「脂肪を燃焼するために脂肪を取りましょう」と話してもいます。まれに,ケトン体は炭水化物50g/日程度でも上昇する例もあります。ですから,ケトン食の定義は20〜50g/日としてよいかもしれません。ケトン食の実践では体重や血糖値の劇的な改善を経験することもよく認められるため,定期的な血液検査と医師による診察を受けることが重要です。
Yancy Jr. 肥満の2型糖尿病を対象としたBodenらの研究では,ケトン食の開始から3日で尿中ケトン値が急激に上昇しますが,その後徐々に下降してくることが示されています※。これらは体内でケトン体がエネルギーとしてよりうまく消費されるようになった結果ではないかと推察しています。
山田 ケトン食を実践している日本人のデータでは,尿中ケトン値が出ていなく,血中ケトン値が上昇している例があります。
Westman 私にも同様の経験があります。内因性インスリン分泌が保たれているか,あるいはインスリンを投与していれば,糖尿病性ケトアシドーシスを来すことはまずありません。糖質制限で血中ケトン値が上昇したといっても,それは糖尿病性ケトアシドーシスとは全く異なるものです。いたずらに恐れる必要はありません。
Yancy Jr. 私たちの研究のサブ解析で,血中および尿中ケトン値と動脈血のpH値を測定したものがありますが,pH値に変化はなく,重炭酸値がわずかに減少していました。これは,明らかに血中ケトン体の中和が適切に行われていたと考えてよいと思います。
Westman ですから,今後の研究としては尿中よりも血中ケトン値に注目しています。糖質制限を導入して5年余りたちましたが,患者を診れば診るほど,糖質制限で懸念されていた問題は現実には非常にまれであることが分かってきました。
糖質制限でエネルギー摂取量は自然に低下
Yancy Jr. Bodenらの研究は,いわゆるad libitumダイエットを実践したものです。まず,1週間の通常食期間の後に,ケトン食を2週間行いました。ケトン食期間中,制限したのは炭水化物の摂取量だけで,脂肪も蛋白質も自由にしてよいとだけ指導しています。すると,ケトン食期間中のエネルギー摂取量は通常食期間に比べ自然に低下したのです。
山田 なぜ,糖質制限を行うとエネルギー摂取が低下するのでしょうか。
Westman Bodenらの研究で,通常食とケトン 食期間における空腹感のvisual analogue scale(VAS)値はエネルギー摂取量に差があるにもかかわらず同等でした。糖質制限を行うと空腹感が低下し,食事量が減るため,摂取カロリーも低下するのです。
山田 では低糖質−高蛋白食と低糖質−高脂肪食であればどちらを推奨しますか。
Westman 高脂肪食です。厳密には,低糖質,高脂肪,そして適度な蛋白質量の食事を推奨します。
Yancy Jr. 食事の蛋白質については肉食が尿酸値を上昇させると考えている人が多いと思いますね。
Westman 確かに。それは食事療法が混在しているときに生じる誤解です。炭水化物をきちんと制限している限り,肉食に問題はありません。尿酸は腎臓を通じて排出されるため,糖質制限を開始して最初の週に尿中ケトン値が上昇し,尿酸値が上がることは考えられます。しかし,これは糖質制限で尿酸値が増えたわけではなく,ケトン値が再び低下してくれば消失します。一種の代謝変容の過程なのです。
※ Boden G, et al. Ann Intern Med 2005; 142: 403-411.
デューク大学生活習慣医学クリニックの患者教育から
全血液中の糖質はティースプーン1杯
Westman准教授のクリニックの壁には,ティースプーン1杯の砂糖の写真が飾られており,その横には以下の文言が書かれている。
正常な全血液中の血糖量はスプーン1杯未満)
健康な空腹時血糖値の上限は100mg/dL
ヒトの全血量はおよそ5L
ティースプーン1杯で砂糖5g
さあ,計算しましょう…
100mg/dL=1,000mg/L
→5Lの血中に5,000mgの砂糖
=ティースプーン1杯の砂糖
同准教授は,たとえ20g/日に糖質を制限しても,なお体内血液中の4倍量に相当することを,常日ごろから患者に教えているという。
「これは自分の血糖値と体内の全血量を知っていれば簡単に計算できますが,意外と認識されていない人体の科学です。通常のコカコーラ1本には,ティースプーン7杯分の砂糖が含まれています。毎日コカコーラを2L飲んでインスリンを使用している患者がこれを知り,糖質を制限したところ,インスリンを打つ必要がなくなったという経験がありました。思慮深い患者にとってはこうした知識が最高の教育になる可能性があります」
同准教授は毎月患者が自由参加できるサポート会を開催し,糖質制限による食事療法の継続に尽力している。
2013年12月19日(木)、医師のための専門情報サイト MTpro(エムティープロ)で、
「糖尿病に対する糖質制限食治療」という記事が、掲載されました。
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtnews/2013/M46510151/
米国で糖質制限食に関する臨床研究を牽引するデューク大学の医師に、山田悟医師がインタビューしたものです。
MTproさん、山田悟先生、good job です。
ありがとうございます。m(_ _)m
デューク大學のWestman准教授は同大学生活習慣医学クリニック所長ならびに米国肥満学医学会(ASBP)会長を兼務しており、
Yancy Jr. 准教授は今回のADA声明改訂委員の1人でもあります。
米国肥満医学界の会長が糖質制限食を推進していることがまず素晴らしいです。
そして、ADA(栄養療法)声明改訂委員に糖質制限食推進派の医師が選ばれているのも、時代の流れを感じさせるできごとです。
少なくとも米国では、糖質制限食は、肥満改善においても糖尿病治療においても正当な評価を得て、認められていることは間違いないです。
このような米国糖尿病学会の流れに対して、日本糖尿病学会は、2013年11月に改訂発行した
<糖尿病食事療法のための食品交換表 第7版> (編著:日本糖尿病学会)
においても、相変わらず、カロリー制限・高糖質食を唯一無二の食事療法として推奨しています。
2013年10月の米国糖尿病学会の声明では、全ての糖尿病患者に適した“one-size-fits-all(唯一無二の)”食事パターンは存在しないとの見解を表明しました。
日本糖尿病学会、世界の趨勢に対してガラパゴス化していますが、そろそろ現実を直視して欲しいものです。
デューク大學では、炭水化物を20g/日未満に制限する「糖質制限-ケトジェニック食」(ケトン食)を用いています。
これは、高雄病院のスーパー糖質制限食より、さらに厳しい制限です。
この食事に関して、Westman医師は、内因性インスリン分泌が保たれているか、あるいはインスリンを投与していれば、糖尿病性ケトアシドーシスを来すことはまずないと安全性を述べています。
そして、糖質制限で血中ケトン値が上昇したといっても、それは糖尿病性ケトアシドーシスとは全く異なるもので、いたずらに恐れる必要はないと指摘しており、高雄病院と全く同一の見解です。
Westman医師は
「Bodenらの研究で、通常食とケトン 食期間における空腹感のvisual analogue scale(VAS)値は、エネルギー摂取量に差があるにもかかわらず同等でした。糖質制限を行うと空腹感が低下し、食事量が減るため,摂取カロリーも低下するのです。」
と述べています。
このことは、DIRECT研究(NENGLJ MED JULY17,2008、VOL359.NO.3 229-241)でも確認されており、糖質制限食は満腹感・満足感が得られやすいので、自然に無理なく摂取エネルギーが減少するということとなり、大きな利点といえます。
なおデューク大學では、糖質制限食を導入して5年余りということですが、この点においては、導入14年間経過の高雄病院のほうが先輩ですね。
江部康二
☆☆☆
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtnews/2013/M46510151/
医師のための専門情報サイト MTpro(エムティープロ)記事
]
米デューク大学研究者インタビュー〈前編〉
[2013年12月19日(VOL.46 NO.51) p.15]
糖尿病に対する糖質制限食治療
よみがえるインスリン以前の標準食事療法
山田 悟氏 Eric C. Westman氏 William S. Yancy Jr.氏
2013年10月,米国糖尿病学会(ADA)は成人糖尿病患者の食事療法に関する声明を2008年以来5年ぶりに改訂し,適切な三大栄養素比率は確立されていないことを明言するとともに「糖質130g/日が平均的な最小必要量」の文言を削除した。2型糖尿病に対する食事療法として,今や糖質制限食は重要なポジションを固めつつあるようだ。そこで,糖質制限食に関する臨床研究を牽引するデューク大学(米ノースカロライナ州ダーラム)一般内科のEric C. Westman准教授と同大学のWilliam S. Yancy Jr.准教授の両氏に,これまでの豊富な研究ならびに臨床経験からの知見と,同大学で実践している糖質制限食の実際について聞いた。Westman准教授は同大学生活習慣医学クリニック所長ならびに米国肥満学医学会(ASBP)会長を兼務しており,Yancy Jr. 准教授は今回のADA声明改訂委員の1人でもある。聞き手は,糖尿病に対する食事療法に造詣が深く,2013年11月に食・楽・健康協会理事長にも就任した北里研究所病院(東京都)糖尿病センターの山田悟センター長にお願いした。
炭水化物20g/日未満をクリニックで実践
山田 ADAの声明でも改訂された通り,糖質の理想的な摂取量については明確にされていません。Westman先生のクリニックでは患者さんにどのように指導しているのですか。
Westman 臨床では,炭水化物を20g/日未満に制限する「糖質制限-ケトジェニック食」(ケトン食)を用いています。20gは野菜を普通に食べていればほぼ達してしまう量です。
山田 非常に厳格ですね。
Westman そう思われますか。しかし,ケトン食は,インスリンの開発以前は糖尿病に対する治療法として確立されたものでした。当時の標準的な医学教科書である「オスラーの内科学」には,重症糖尿病に対する糖質摂取は10g/日とするよう記載されています(写真)。
Yancy Jr. 糖尿病の疾患概念の産みの親であり,ジョスリン糖尿病センターの創設者でもあるElliott P. Joslin氏が執筆しています。
Westman インスリンの発見は1921年ですが,それ以降,薬物治療の存在が急速に大きくなり,糖質制限治療は忘れられていました。ニュートンは,「私が遠くを見ることができたのは,巨人の肩(先人たちの業績)に乗っていたから」と語っています。私たちの研究も,膨大な過去の医師たちの研究をベースに積み上げてきたものなのです。
糖質でなくケトン体を主要なエネルギー源に
山田 日本では糖質制限によるケトン体の増加を懸念する声が強いのですが,いかがお考えですか。
Westman ご承知の通り,三大栄養素の中で炭水化物,つまり糖質だけが血糖値を直接上昇させる栄養素であり,糖質を制限して血糖値の上昇を抑えることは糖尿病治療において理にかなっています。そもそも,現在ほど糖質をヒトが食べるようになったのは,太古からの人類の歴史からすればまだ非常に最近のことです。一方,体内燃料としてのケトン体は健康的で,良いものであり,グルコースよりも毒性が低い。私たちが厳格な糖質制限食を実践しているのは,糖質中心の食生活から狩猟漁猟時代のより自然な食生活に近づけることで,体内の主要エネルギー源を現在の「糖質と脂肪酸」から以前の「脂肪酸とケトン体」へと戻し,インスリンの作用でため込まれた余分な脂肪を燃焼する経路を活性化することを意図しています。クリニックでは,20g/日未満に炭水化物を制限すると尿中ケトン値は上昇するとまず患者全員に説明していますし,「脂肪を燃焼するために脂肪を取りましょう」と話してもいます。まれに,ケトン体は炭水化物50g/日程度でも上昇する例もあります。ですから,ケトン食の定義は20〜50g/日としてよいかもしれません。ケトン食の実践では体重や血糖値の劇的な改善を経験することもよく認められるため,定期的な血液検査と医師による診察を受けることが重要です。
Yancy Jr. 肥満の2型糖尿病を対象としたBodenらの研究では,ケトン食の開始から3日で尿中ケトン値が急激に上昇しますが,その後徐々に下降してくることが示されています※。これらは体内でケトン体がエネルギーとしてよりうまく消費されるようになった結果ではないかと推察しています。
山田 ケトン食を実践している日本人のデータでは,尿中ケトン値が出ていなく,血中ケトン値が上昇している例があります。
Westman 私にも同様の経験があります。内因性インスリン分泌が保たれているか,あるいはインスリンを投与していれば,糖尿病性ケトアシドーシスを来すことはまずありません。糖質制限で血中ケトン値が上昇したといっても,それは糖尿病性ケトアシドーシスとは全く異なるものです。いたずらに恐れる必要はありません。
Yancy Jr. 私たちの研究のサブ解析で,血中および尿中ケトン値と動脈血のpH値を測定したものがありますが,pH値に変化はなく,重炭酸値がわずかに減少していました。これは,明らかに血中ケトン体の中和が適切に行われていたと考えてよいと思います。
Westman ですから,今後の研究としては尿中よりも血中ケトン値に注目しています。糖質制限を導入して5年余りたちましたが,患者を診れば診るほど,糖質制限で懸念されていた問題は現実には非常にまれであることが分かってきました。
糖質制限でエネルギー摂取量は自然に低下
Yancy Jr. Bodenらの研究は,いわゆるad libitumダイエットを実践したものです。まず,1週間の通常食期間の後に,ケトン食を2週間行いました。ケトン食期間中,制限したのは炭水化物の摂取量だけで,脂肪も蛋白質も自由にしてよいとだけ指導しています。すると,ケトン食期間中のエネルギー摂取量は通常食期間に比べ自然に低下したのです。
山田 なぜ,糖質制限を行うとエネルギー摂取が低下するのでしょうか。
Westman Bodenらの研究で,通常食とケトン 食期間における空腹感のvisual analogue scale(VAS)値はエネルギー摂取量に差があるにもかかわらず同等でした。糖質制限を行うと空腹感が低下し,食事量が減るため,摂取カロリーも低下するのです。
山田 では低糖質−高蛋白食と低糖質−高脂肪食であればどちらを推奨しますか。
Westman 高脂肪食です。厳密には,低糖質,高脂肪,そして適度な蛋白質量の食事を推奨します。
Yancy Jr. 食事の蛋白質については肉食が尿酸値を上昇させると考えている人が多いと思いますね。
Westman 確かに。それは食事療法が混在しているときに生じる誤解です。炭水化物をきちんと制限している限り,肉食に問題はありません。尿酸は腎臓を通じて排出されるため,糖質制限を開始して最初の週に尿中ケトン値が上昇し,尿酸値が上がることは考えられます。しかし,これは糖質制限で尿酸値が増えたわけではなく,ケトン値が再び低下してくれば消失します。一種の代謝変容の過程なのです。
※ Boden G, et al. Ann Intern Med 2005; 142: 403-411.
デューク大学生活習慣医学クリニックの患者教育から
全血液中の糖質はティースプーン1杯
Westman准教授のクリニックの壁には,ティースプーン1杯の砂糖の写真が飾られており,その横には以下の文言が書かれている。
正常な全血液中の血糖量はスプーン1杯未満)
健康な空腹時血糖値の上限は100mg/dL
ヒトの全血量はおよそ5L
ティースプーン1杯で砂糖5g
さあ,計算しましょう…
100mg/dL=1,000mg/L
→5Lの血中に5,000mgの砂糖
=ティースプーン1杯の砂糖
同准教授は,たとえ20g/日に糖質を制限しても,なお体内血液中の4倍量に相当することを,常日ごろから患者に教えているという。
「これは自分の血糖値と体内の全血量を知っていれば簡単に計算できますが,意外と認識されていない人体の科学です。通常のコカコーラ1本には,ティースプーン7杯分の砂糖が含まれています。毎日コカコーラを2L飲んでインスリンを使用している患者がこれを知り,糖質を制限したところ,インスリンを打つ必要がなくなったという経験がありました。思慮深い患者にとってはこうした知識が最高の教育になる可能性があります」
同准教授は毎月患者が自由参加できるサポート会を開催し,糖質制限による食事療法の継続に尽力している。
2013年12月19日 (木)
こんばんは。
ライフワーク光野さんから、米国CBNテレビの興味深い映像情報
「動脈硬化の原因は炎症で、コレステロールではない。」
http://www.youtube.com/watch?v=Qy_Nm-L_nv0&feature=youtu.be
をコメント頂きました。
ありがとうございます。
米国のテレビ放送ですが、日本語の字幕がついていますのでわかりやすいです。
健康番組ですが、司会者は有名な人のようです。
医師のインタビューと女性科学ジャーナリストの解説で構成されています。
以下は私が見た、番組内容の要約です。
「動脈硬化の原因は炎症であり、コレステロールはそれを修復していただけであり、犯人ではない。」
という主張は、日本動脈硬化学会に対して「コレステロールは高いほうが長生き」とバトルを挑んだ日本脂質栄養学会の見解と同一です。
私も最近は、日本脂質栄養学会の見解のほうが、説得力があると考えています。
☆☆☆米国CBNテレビ
『動脈硬化の原因は炎症である。
コレステロールはそれを修復するために必要な存在である。
かつて、心疾患患者の血管(動脈硬化)にコレステロールが沈着していたため、当時の医師がそれを動脈硬化の原因と短絡して思いこんでしまった。
実際には血管の炎症を修復するためにコレステロールが必要だったのである。
「コレステロールが動脈硬化の犯人」という説は、例えて言うならば火事がおきた後に、消防士が来て消火しているとき、それを見て「火事の原因が消防士である」と言っているようなものである。
現実は、消防士は火事の原因ではなくて、火事を消しに来ているのである。
即ち、血管の炎症の真の元凶は、トランス脂肪酸や精製炭水化物であり、それらで生じた炎症を修復しているのがコレステロールなのである。
トランス脂肪酸と精製炭水化物の摂取が血管炎症の元凶であるが、リノール酸などω6脂肪も、血管の炎症を起こしやすい。
EPAやDHAなどのω3は脂肪はいい。天然の飽和脂肪酸もOKである。
トランス脂肪酸は血管の炎症を引き起こして、アルツハイマー、パーキンソン、ADHDなどの元凶の可能性が高い。
血管の炎症を予防する食生活は、トランス脂肪酸や精製炭水化物の摂取を避けて、EPAやDHAなどのω3脂肪や、天然の飽和脂肪酸を摂取すればいい。(すなわち糖質制限食)アトキンス博士は正しかった。
コレステロールを下げる薬に関しては、製薬会社のロビー活動が政府に大きな影響力をもっているので、我々国民は自衛しなくてはならない。
小粒子LDLは良くない。(酸化LDLはさらに良くない)
大きい膨らんだLDLはOKである。
砂糖の消費量、今は80kg/年・・・300年まえは4kg/年である。
精製炭水化物は、不自然で自然界に存在せず、毒であり、大量のインスリンを分泌させる。
異性化糖(いせいかとう、high-fructose corn syrup、HFCS、高果糖コーンシロップ)もよく使用されているが良くない 』
江部康二
ライフワーク光野さんから、米国CBNテレビの興味深い映像情報
「動脈硬化の原因は炎症で、コレステロールではない。」
http://www.youtube.com/watch?v=Qy_Nm-L_nv0&feature=youtu.be
をコメント頂きました。
ありがとうございます。
米国のテレビ放送ですが、日本語の字幕がついていますのでわかりやすいです。
健康番組ですが、司会者は有名な人のようです。
医師のインタビューと女性科学ジャーナリストの解説で構成されています。
以下は私が見た、番組内容の要約です。
「動脈硬化の原因は炎症であり、コレステロールはそれを修復していただけであり、犯人ではない。」
という主張は、日本動脈硬化学会に対して「コレステロールは高いほうが長生き」とバトルを挑んだ日本脂質栄養学会の見解と同一です。
私も最近は、日本脂質栄養学会の見解のほうが、説得力があると考えています。
☆☆☆米国CBNテレビ
『動脈硬化の原因は炎症である。
コレステロールはそれを修復するために必要な存在である。
かつて、心疾患患者の血管(動脈硬化)にコレステロールが沈着していたため、当時の医師がそれを動脈硬化の原因と短絡して思いこんでしまった。
実際には血管の炎症を修復するためにコレステロールが必要だったのである。
「コレステロールが動脈硬化の犯人」という説は、例えて言うならば火事がおきた後に、消防士が来て消火しているとき、それを見て「火事の原因が消防士である」と言っているようなものである。
現実は、消防士は火事の原因ではなくて、火事を消しに来ているのである。
即ち、血管の炎症の真の元凶は、トランス脂肪酸や精製炭水化物であり、それらで生じた炎症を修復しているのがコレステロールなのである。
トランス脂肪酸と精製炭水化物の摂取が血管炎症の元凶であるが、リノール酸などω6脂肪も、血管の炎症を起こしやすい。
EPAやDHAなどのω3は脂肪はいい。天然の飽和脂肪酸もOKである。
トランス脂肪酸は血管の炎症を引き起こして、アルツハイマー、パーキンソン、ADHDなどの元凶の可能性が高い。
血管の炎症を予防する食生活は、トランス脂肪酸や精製炭水化物の摂取を避けて、EPAやDHAなどのω3脂肪や、天然の飽和脂肪酸を摂取すればいい。(すなわち糖質制限食)アトキンス博士は正しかった。
コレステロールを下げる薬に関しては、製薬会社のロビー活動が政府に大きな影響力をもっているので、我々国民は自衛しなくてはならない。
小粒子LDLは良くない。(酸化LDLはさらに良くない)
大きい膨らんだLDLはOKである。
砂糖の消費量、今は80kg/年・・・300年まえは4kg/年である。
精製炭水化物は、不自然で自然界に存在せず、毒であり、大量のインスリンを分泌させる。
異性化糖(いせいかとう、high-fructose corn syrup、HFCS、高果糖コーンシロップ)もよく使用されているが良くない 』
江部康二
2013年12月18日 (水)
こんにちは。
緑茶ちょこさんから、菓子職人クリスマスケーキを摂取後の血糖値の変化についてコメントいただきました。
ありがとうございます。
緑茶ちょこさんは境界型で、糖質制限食で減量成功されてます。 (^_^)
食前血糖値:98mg
↓測定直後
<間食>贅沢ナッツのビッシュ5cmくらいをベイスン0.2無しで摂取。
30分後血糖値:101 mg
1時間後血糖値:103mg
90分後血糖値:101 mg
2時間後血糖値:93 mg
菓子職人さん、見事です。ヾ(^▽^)
食後血糖値の上昇がほとんどないに等しいですね。
糖質制限.COMの商品は、全て、江部康二の人体実験済みですので、血糖に関してはご安心ください。
私は今年も
半熟チーズ&レアチーズケーキ
紅茶とナッツショコラ
極上ビッシュショコラ
贅沢ナッツのショコラ
全て、予約してゲットしました。
緑茶ちょこさん同様、家人が待ちきれないとのことで、極上ビッシュショコラを12月17日に早くも食べてしまいました。
とてもとても美味しかったですよ。(^^)
江部康二
【13/12/17 緑茶ちょこ
クリスマスケーキ食後の血糖値の変化
こんばんは、お久し振りです。
昨年も菓子職人クリスマスケーキ食後血糖値の報告カキコミをさせて頂きました緑茶ちょこです。
あれからもう1年...早いですね。
お陰様でHbA1cは初診からずっと5.0を超えずにキープできています。
意地で維持です、負けません!!( ̄^ ̄)
↑「いじいじ」・・・ギャグのようですが(笑)HbA1cへの私のモットーです。
今回も届いたクリスマスケーキをさっそく解凍し(クリスマス前ですが(笑))今回は食後の血糖値を小刻みに測定してみました。
<朝食後>ゴーヤ&しめじ&もやし炒め、フライドチキン
(2h)→107
↓朝食3時間後
<昼食後>さつまいも1/2
(2h)→98
↓測定直後
<間食>贅沢ナッツのビッシュ5cmくらいをベイスン0.2無しで。
(0.5h)→101
(1h)→103
(1.5h)→101
(2h)→93
↓測定直後
<夕食>刺身、アボカド&生玉ねぎ&ピクルスのおかか&レモン和え、味噌汁、トマト
(2h)→93
今日は血糖値の変動幅が小さくて自己満足の1日でした\(^-^)/ 】
緑茶ちょこさんから、菓子職人クリスマスケーキを摂取後の血糖値の変化についてコメントいただきました。
ありがとうございます。
緑茶ちょこさんは境界型で、糖質制限食で減量成功されてます。 (^_^)
食前血糖値:98mg
↓測定直後
<間食>贅沢ナッツのビッシュ5cmくらいをベイスン0.2無しで摂取。
30分後血糖値:101 mg
1時間後血糖値:103mg
90分後血糖値:101 mg
2時間後血糖値:93 mg
菓子職人さん、見事です。ヾ(^▽^)
食後血糖値の上昇がほとんどないに等しいですね。
糖質制限.COMの商品は、全て、江部康二の人体実験済みですので、血糖に関してはご安心ください。
私は今年も
半熟チーズ&レアチーズケーキ
紅茶とナッツショコラ
極上ビッシュショコラ
贅沢ナッツのショコラ
全て、予約してゲットしました。
緑茶ちょこさん同様、家人が待ちきれないとのことで、極上ビッシュショコラを12月17日に早くも食べてしまいました。
とてもとても美味しかったですよ。(^^)
江部康二
【13/12/17 緑茶ちょこ
クリスマスケーキ食後の血糖値の変化
こんばんは、お久し振りです。
昨年も菓子職人クリスマスケーキ食後血糖値の報告カキコミをさせて頂きました緑茶ちょこです。
あれからもう1年...早いですね。
お陰様でHbA1cは初診からずっと5.0を超えずにキープできています。
意地で維持です、負けません!!( ̄^ ̄)
↑「いじいじ」・・・ギャグのようですが(笑)HbA1cへの私のモットーです。
今回も届いたクリスマスケーキをさっそく解凍し(クリスマス前ですが(笑))今回は食後の血糖値を小刻みに測定してみました。
<朝食後>ゴーヤ&しめじ&もやし炒め、フライドチキン
(2h)→107
↓朝食3時間後
<昼食後>さつまいも1/2
(2h)→98
↓測定直後
<間食>贅沢ナッツのビッシュ5cmくらいをベイスン0.2無しで。
(0.5h)→101
(1h)→103
(1.5h)→101
(2h)→93
↓測定直後
<夕食>刺身、アボカド&生玉ねぎ&ピクルスのおかか&レモン和え、味噌汁、トマト
(2h)→93
今日は血糖値の変動幅が小さくて自己満足の1日でした\(^-^)/ 】
2013年12月17日 (火)
こんばんは。
精神科医師Aさんから、2013年11月23日(京都) 日本糖尿病学会近畿地方会発表のコメントをいただきました。
ありがとうございます。
【13/12/16 精神科医師A
日本糖尿病学会近畿地方会(3)
O-367 糖尿病患者への短期的炭水化物制限の試み
水本内科クリニック
○水本博章
http://www10.ocn.ne.jp/~mizukuri/
(抄録)
糖尿病患者10名に最低2ケ月の炭水化物制限を試み(体重、血糖、脂質、アルブミン尿への影響と食事療法の満足度を調査した。制限は昼食のみ主食3単位以下の摂取、副菜は炭水化物の多い物は避け、タンパク質、脂質、葉野菜は好きなだけ摂取した。制限の有無は尿ケトン陽性、又は血中ケトン体増加で判定した。満足度は「継続したいかどうか」を基準とした。
[結果]
1) 体重は全例減少したが特に肥満例は顕著であった
2) HbA1cは2月後で10.0%から6.5%となったが血糖の改善は炭水化物制限開始と共に始まるので薬剤投与時には低血糖回避を考慮しなければならない
3) 中性脂肪は全例著しく低下し、LDLは減少、HDLは増加傾向であつた
4) アルブミン尿出現例はなかつた
5) 満足度は全員が
「開始当初空腹感があったがすぐに慣れた。腹囲も明らかに縮小して体調がよいので継続したい」
(口演筆記)
TG 182→94、LDL 140→127、HDL 43→47
体重 73.9→68.8、随時血糖も改善した
当初アルブミン尿患者は3名いたが、2名で消失した
網膜:前増殖症2名は、いずれも悪化せず
諸検査データが改善すると、皆は糖質制限食の継続に前向きになっていった
Insulin注射中は2名、経口薬内服中は1名であった。Insulin注射症例は血糖を自己測定して数値をメールで送ってもらい、
注射量の変更をメールで指示した 】
水本博章先生、good job です。
10名全員が継続したいと満足度の高いことが印象的ですね。
尿中微量アルブミン陽性患者3名中2名が消失したのも素晴らしいです。
HbA1c、体重、中性脂肪、LDL-C、HDL-C全て改善ですから、継続のモチベーションも高まりますね。
【O-368 外来糖尿病患者における糖質制限ダイエットの現状
医療法人みどり会中村病院栄養管理部1
社会福祉法人松樹会いこいの里診療所2、
医療法人みどり会中村病院糖尿病内科3
○岩崎亜紀1・2、倉角康代1、市原美矢子1、樋口朋宏1、桑村尚充3、
高橋輝3、武村次郎3
糖質制限ダイエットが報道等で取り上げられ、一般にも知れ渡っている現状がある。これに対して、日本糖尿病学会では極端な糖質制限に対しては慎重な立場を表明するなど議論を呼んでいる状況にある。医療法人みどり会中村病院糖尿病内科では、糖質制限ダイエットについての周知や指導は全く行っていないが、外来通院中の一部の患者が既に実践していると思われた。
このため、当院糖尿病内科外来通院中の糖尿病患者を対象に、食事療法に関するアンケートを実施し、その中で糖質制限ダイエットの認知度や実践している患者の割合、年齢、性別、自己申告による糖質制限ダイエットの効果と満足度などを調査した。一部の患者に糖質制限ダイエットが浸透している状況を踏まえ、日本糖尿病学会がコメントしているように極端な糖質制限に対する懸念を周知・指導することが今後必要になると思われた。
(口演筆記)
回答内容は、糖質重視24%、カロリー重視45%であった。
糖質制限、または低炭水化物食を知っていると回答した者は男34%、女38%であった。年齢別にみると60歳未満では67%が知っていた。特に若い女性に周知度が高かった。
知っていると回答した者の中で39%が現に実行していた。つまり、患者全体の13%がすでに実行していた。
実行者の84%が「満足している」と回答し、不満足と回答した者はいなかった。実行者は約4.8kgの体重減少が得られており、血糖低下もみられた】
こちらの発表は、糖質制限食の指導はしていない病院における糖尿病患者さんの食事の実態調査です。
私もおおいに興味があります。
糖質制限を知っていたのは、男34%、女38%。60歳未満では67%が周知。特に若い女性に周知度が高い 。
私が思っていた以上に、糖質制限食が浸透しているようで、嬉しいです。
この病院に通院している糖尿病患者さんの13%が、医師や栄養士の指導なしで、すでに糖質制限食を実行していたとはなかなかのものですが、低血糖には注意が必要ですね。
実行者の84%が「満足している」と回答し、不満足と回答した者なし。実行者は約4.8kgの体重減少、血糖低下あり。
とてもポジティブな結果です。
医療法人みどり会中村病院さん、この結果を踏まえて糖質制限食の指導に踏み切ってくれないでしょうかね。
江部康二
精神科医師Aさんから、2013年11月23日(京都) 日本糖尿病学会近畿地方会発表のコメントをいただきました。
ありがとうございます。
【13/12/16 精神科医師A
日本糖尿病学会近畿地方会(3)
O-367 糖尿病患者への短期的炭水化物制限の試み
水本内科クリニック
○水本博章
http://www10.ocn.ne.jp/~mizukuri/
(抄録)
糖尿病患者10名に最低2ケ月の炭水化物制限を試み(体重、血糖、脂質、アルブミン尿への影響と食事療法の満足度を調査した。制限は昼食のみ主食3単位以下の摂取、副菜は炭水化物の多い物は避け、タンパク質、脂質、葉野菜は好きなだけ摂取した。制限の有無は尿ケトン陽性、又は血中ケトン体増加で判定した。満足度は「継続したいかどうか」を基準とした。
[結果]
1) 体重は全例減少したが特に肥満例は顕著であった
2) HbA1cは2月後で10.0%から6.5%となったが血糖の改善は炭水化物制限開始と共に始まるので薬剤投与時には低血糖回避を考慮しなければならない
3) 中性脂肪は全例著しく低下し、LDLは減少、HDLは増加傾向であつた
4) アルブミン尿出現例はなかつた
5) 満足度は全員が
「開始当初空腹感があったがすぐに慣れた。腹囲も明らかに縮小して体調がよいので継続したい」
(口演筆記)
TG 182→94、LDL 140→127、HDL 43→47
体重 73.9→68.8、随時血糖も改善した
当初アルブミン尿患者は3名いたが、2名で消失した
網膜:前増殖症2名は、いずれも悪化せず
諸検査データが改善すると、皆は糖質制限食の継続に前向きになっていった
Insulin注射中は2名、経口薬内服中は1名であった。Insulin注射症例は血糖を自己測定して数値をメールで送ってもらい、
注射量の変更をメールで指示した 】
水本博章先生、good job です。
10名全員が継続したいと満足度の高いことが印象的ですね。
尿中微量アルブミン陽性患者3名中2名が消失したのも素晴らしいです。
HbA1c、体重、中性脂肪、LDL-C、HDL-C全て改善ですから、継続のモチベーションも高まりますね。
【O-368 外来糖尿病患者における糖質制限ダイエットの現状
医療法人みどり会中村病院栄養管理部1
社会福祉法人松樹会いこいの里診療所2、
医療法人みどり会中村病院糖尿病内科3
○岩崎亜紀1・2、倉角康代1、市原美矢子1、樋口朋宏1、桑村尚充3、
高橋輝3、武村次郎3
糖質制限ダイエットが報道等で取り上げられ、一般にも知れ渡っている現状がある。これに対して、日本糖尿病学会では極端な糖質制限に対しては慎重な立場を表明するなど議論を呼んでいる状況にある。医療法人みどり会中村病院糖尿病内科では、糖質制限ダイエットについての周知や指導は全く行っていないが、外来通院中の一部の患者が既に実践していると思われた。
このため、当院糖尿病内科外来通院中の糖尿病患者を対象に、食事療法に関するアンケートを実施し、その中で糖質制限ダイエットの認知度や実践している患者の割合、年齢、性別、自己申告による糖質制限ダイエットの効果と満足度などを調査した。一部の患者に糖質制限ダイエットが浸透している状況を踏まえ、日本糖尿病学会がコメントしているように極端な糖質制限に対する懸念を周知・指導することが今後必要になると思われた。
(口演筆記)
回答内容は、糖質重視24%、カロリー重視45%であった。
糖質制限、または低炭水化物食を知っていると回答した者は男34%、女38%であった。年齢別にみると60歳未満では67%が知っていた。特に若い女性に周知度が高かった。
知っていると回答した者の中で39%が現に実行していた。つまり、患者全体の13%がすでに実行していた。
実行者の84%が「満足している」と回答し、不満足と回答した者はいなかった。実行者は約4.8kgの体重減少が得られており、血糖低下もみられた】
こちらの発表は、糖質制限食の指導はしていない病院における糖尿病患者さんの食事の実態調査です。
私もおおいに興味があります。
糖質制限を知っていたのは、男34%、女38%。60歳未満では67%が周知。特に若い女性に周知度が高い 。
私が思っていた以上に、糖質制限食が浸透しているようで、嬉しいです。
この病院に通院している糖尿病患者さんの13%が、医師や栄養士の指導なしで、すでに糖質制限食を実行していたとはなかなかのものですが、低血糖には注意が必要ですね。
実行者の84%が「満足している」と回答し、不満足と回答した者なし。実行者は約4.8kgの体重減少、血糖低下あり。
とてもポジティブな結果です。
医療法人みどり会中村病院さん、この結果を踏まえて糖質制限食の指導に踏み切ってくれないでしょうかね。
江部康二
2013年12月16日 (月)
こんばんは。
SGLT2阻害薬が2014年1月に認可されそうです。
健康さん 、精神科医師Aさんなどから情報をいただきました。
ありがとうございます。
SGLT2阻害薬に関しては、以前精神科医師Aさんから、京大の稲垣先生が日経メディカルに解説しておられた記事をコメントいただきました。
よくまとまっているので、一部転載します。(☆)
SGLT2阻害薬は、ブドウ糖を尿から排泄させるという全く新しい機序の薬品なので、発想はとても面白いと思います。
しかし、スーパー糖質制限食なら食後高血糖は生じないので、そもそも必要ない薬です。
それから、尿の中に大量のブドウ糖が排泄されるので、尿路感染とか女性では性器感染症も生じやすくなると思います。
また、ブドウ糖排泄にともない、浸透圧利尿で尿量が増加して脱水になる可能性もあるので、高齢者には注意が必要です。
SGLT2阻害薬内服で、
血中総ケトン体が平均0.3mmol/L(300μmol/L)増加です。
血中総ケトン体の基準値が、「26~122μM/L」ですので結構な上昇ですね。
血液中のブドウ糖を60g(240キロカロリー)尿中に排泄するので、その分脂肪をエネルギー源とするため、肝臓でのケトン体生成が高まるものと思われます。
スーパー糖質制限食では、食後高血糖が正常血糖になり、肝臓の糖新生があるので低血糖にはなりません。
糖質摂取時に比べたら、糖質制限時は、脂肪を主たるエネルギー源にするので、肝臓でケトン体を生成します。
結果的には、糖質制限食でもSGLT2阻害薬内服でも、血中ケトン体が上昇しますが、インスリン作用があるていど以上あるなら、生理的なもので心配はいりません。
稲垣先生、SGLT2阻害薬内服時のケトン体上昇は許容しておられるので、スーパー糖質制限食実践時のケトン体上昇も、危険ではないと認識しておられるのでしょうかね。
江部康二
(☆)
日経メディカル2012年8月号特別編集版「糖尿病診療の最新動向」から一部転載
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/t181/201208/526387.html
糖を尿中に排泄させる、新機序のSGLT2阻害薬
2012/8/29 満武里奈=日経メディカル別冊
糖尿病治療において、次に登場する新規治療薬として注目されている薬剤の1つがSGLT2阻害薬だ。尿中に糖を積極的に排泄することで、血糖値を減少させる。現在、日本でも複数の開発が進められているSGLT2阻害薬の特徴を紹介する。
京都大学大学院医学研究科糖尿病・栄養内科学教授の稲垣暢也氏
「糖尿病という疾患名は、尿中に糖が出ることに由来しているが、ナトリウム・グルコース共輸送体(sodiumglucosetransporter:SGLT)2阻害薬は“尿中に糖が出ることが悪い”という常識を逆転させて開発された薬剤だ」と、京都大学糖尿病・栄養内科学教授の稲垣暢也氏は説明する。
SGLT2阻害薬は、血液中の過剰な糖を尿中に積極的に排泄させることで血糖値を減少させるという、新しい作用機序を持つ経口薬だ。スルホニル尿素(SU)薬などとは異なり、インスリン分泌に作用しないのも特徴の1つに挙げられる。
原尿中の糖の9割はSGLT2で再吸収
正常な人においては、血糖値が160~180mg/dL以下では尿中に糖が排泄されることはない。血液中から糸球体を通して原尿中にこし出された糖は、すべて尿細管内で再吸収され、血液中に戻されるためだ。
この時に重要な役割を果たしているのが腎臓に特異的に発現するSGLT2で、原尿中の糖の90%はSGLT2を通して再吸収される(図1)。残りの10%の糖については、同じく尿細管で発現するSGLT1を通して再吸収される。
図1●腎臓におけるグルコースのろ過と再吸収
しかし、血糖値が高くなると、尿細管における糖の吸収容量を超えるため、糖は100%再吸収されず、一部の糖はそのまま尿中に排泄されてしまう。
一方、血糖値が高い状態が維持された糖尿病患者では、SGLT2が高発現していることが知られ、糖の再吸収が亢進する。そのため、糖尿病状態では糖再吸収の閾値が240mg/dLくらいまで高まり、高血糖値状態が維持されることが報告されている。そこで、この高発現しているSGLT2を阻害すれば、亢進した糖の再吸収を抑制できるのではないかと考えたのが薬剤開発のきっかけとなった。
もう1つ、SGLT2が治療ターゲットとして適していた理由として、近位尿細管のS1セグメントに局在しており、腎臓特異的に発現している点が挙げられる。
一方のSGLT1は、近位尿細管S2、S3セグメントのほか、腸管にも発現しているため、SGLT1を阻害すると消化管での糖の吸収も抑制されてしまい、下痢などの消化管症状が強く出てしまう。また、SGLT1を介して流入するナトリウムがインクレチンの分泌を刺激していることもあり、「現在のところ、SGLT1は治療ターゲットとしては適していないと認識されている」と、稲垣氏は説明する。
投与対象として軽症の肥満例が向く
SGLT2阻害薬は、現在少なくとも8種類の薬剤について開発が進められており、その多くは国内でフェーズ3試験が進行中だ(表1)。単剤投与のほか、従来の糖尿病治療薬との併用療法についても検討が進められている(表2)。
表1●開発中の主なSGLT2阻害薬(稲垣氏による)
(*クリックすると拡大表示されます)
表2●結果が公表されている主なSGLT2阻害薬の臨床試験(稲垣氏による)
(*クリックすると拡大表示されます)
このうち、dapagliflozinには今年に入り欧州で承認勧告が出され、canagliflozinは欧米で承認申請中の段階だ。
臨床試験登録時の患者背景、投与期間、実施地域にばらつきはあるが、「現段階では、安全性・有効性の大まかな傾向は同じと理解して問題ないだろう」(稲垣氏)。
有効性に関するデータを見ると、SGLT2阻害薬を12~26週間にわたり単独投与すると、HbA1c値はベースラインから最大1.2%程度まで低下していた(図2a)。また、空腹時血糖値は30~40mg/dL、食後2時間血糖値はおよそ60mg/dL下がっている。
図2●主なSGLT2阻害薬の単独投与におけるHbA1c値と体重の変化量(稲垣氏による)
(*クリックすると拡大表示されます)
注目されているのは、従来の経口の糖尿病治療薬では得られなかった体重減少が認められる点で(図2b)、一部の薬剤では脂肪量や内臓脂肪量が低下したという報告もある。
では、近い将来SGLT2阻害薬が臨床現場に登場した際、どのような患者に投与することが想定されるのだろうか。稲垣氏は「血糖値を下げるだけでなく、体重減少効果もあるため、比較的軽症の肥満を伴うような患者に向いているのではないか」と語る。
尿路感染症やケトン体に留意
これまでの試験データでは、SGLT2阻害薬の主な副作用は尿路感染症で、発現率は5%前後だ。SGLT2阻害薬によって尿中の糖濃度が高くなり、菌が繁殖しやすい状態になっているためだ。
特に女性では、主にカンジダに起因する性器感染症が見られたが、いずれも投与を中断せずに治療可能な範囲だった。
一般に、糖尿病治療薬で懸念されるのは重篤な低血糖だが、単独投与した際の発現率は対照群との間に有意差は見られなかった。
また、SGLT2阻害薬の投与中に、血中の総ケトン体が平均0.3mmol/L増加したことが報告されており、ケトアシドーシスとの違いを見極めて治療する必要がある。これは、SGLT2阻害薬が1日当たりおよそ400kcalのエネルギーに相当する糖を尿中に捨てていることに起因する現象だ。
低炭水化物ダイエットと似たような状態になるため、脂肪をエネルギー源とする際に、アセチルCoAを経て、最終産物のケトン体が増加する。稲垣氏は「SGLT2阻害薬投与によってケトン体が増加するのは当然の現象だが、インスリン分泌不全患者にSGLT2阻害薬を投与してしまうと、簡単にケトアシドーシスを引き起こすことが想定されるので慎重な観察が必要」と指摘する。
そのほかの注意点として、「SGLT2阻害薬はインスリン分泌やインスリン抵抗性など、糖尿病の根本的な病態を改善する薬剤ではないので、病態によっては既存薬を併用することが必要になる」と、稲垣氏は語る。
一方、多尿について懸念する向きもある。SGLT2阻害薬を服薬すると糖が排泄されるため、浸透圧利尿作用によって尿量が増加し、脱水が起こる可能性が指摘されている。もっとも、服薬開始1~2日に尿量が一時的に増加したという報告はあるが、投与期間中継続して尿量が増加したというデータはない。
「臨床試験では赤血球の濃度を示すヘマトクリット値、ヘモグロビン値が上昇していることから、軽度の脱水が起きている可能性はあり得る」と稲垣氏は指摘する。腎機能が低下している患者、とくに高齢者では、脱水症状を示しやすいため、細心の注意が必要になりそうだ。
稲垣氏は、「これまでにない作用機序の薬剤なので、従来の治療薬とうまく組み合わせて用いると治療効果が高まるのではないか」と、SGLT2阻害薬に期待感を示している。
SGLT2阻害薬が2014年1月に認可されそうです。
健康さん 、精神科医師Aさんなどから情報をいただきました。
ありがとうございます。
SGLT2阻害薬に関しては、以前精神科医師Aさんから、京大の稲垣先生が日経メディカルに解説しておられた記事をコメントいただきました。
よくまとまっているので、一部転載します。(☆)
SGLT2阻害薬は、ブドウ糖を尿から排泄させるという全く新しい機序の薬品なので、発想はとても面白いと思います。
しかし、スーパー糖質制限食なら食後高血糖は生じないので、そもそも必要ない薬です。
それから、尿の中に大量のブドウ糖が排泄されるので、尿路感染とか女性では性器感染症も生じやすくなると思います。
また、ブドウ糖排泄にともない、浸透圧利尿で尿量が増加して脱水になる可能性もあるので、高齢者には注意が必要です。
SGLT2阻害薬内服で、
血中総ケトン体が平均0.3mmol/L(300μmol/L)増加です。
血中総ケトン体の基準値が、「26~122μM/L」ですので結構な上昇ですね。
血液中のブドウ糖を60g(240キロカロリー)尿中に排泄するので、その分脂肪をエネルギー源とするため、肝臓でのケトン体生成が高まるものと思われます。
スーパー糖質制限食では、食後高血糖が正常血糖になり、肝臓の糖新生があるので低血糖にはなりません。
糖質摂取時に比べたら、糖質制限時は、脂肪を主たるエネルギー源にするので、肝臓でケトン体を生成します。
結果的には、糖質制限食でもSGLT2阻害薬内服でも、血中ケトン体が上昇しますが、インスリン作用があるていど以上あるなら、生理的なもので心配はいりません。
稲垣先生、SGLT2阻害薬内服時のケトン体上昇は許容しておられるので、スーパー糖質制限食実践時のケトン体上昇も、危険ではないと認識しておられるのでしょうかね。
江部康二
(☆)
日経メディカル2012年8月号特別編集版「糖尿病診療の最新動向」から一部転載
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/t181/201208/526387.html
糖を尿中に排泄させる、新機序のSGLT2阻害薬
2012/8/29 満武里奈=日経メディカル別冊
糖尿病治療において、次に登場する新規治療薬として注目されている薬剤の1つがSGLT2阻害薬だ。尿中に糖を積極的に排泄することで、血糖値を減少させる。現在、日本でも複数の開発が進められているSGLT2阻害薬の特徴を紹介する。
京都大学大学院医学研究科糖尿病・栄養内科学教授の稲垣暢也氏
「糖尿病という疾患名は、尿中に糖が出ることに由来しているが、ナトリウム・グルコース共輸送体(sodiumglucosetransporter:SGLT)2阻害薬は“尿中に糖が出ることが悪い”という常識を逆転させて開発された薬剤だ」と、京都大学糖尿病・栄養内科学教授の稲垣暢也氏は説明する。
SGLT2阻害薬は、血液中の過剰な糖を尿中に積極的に排泄させることで血糖値を減少させるという、新しい作用機序を持つ経口薬だ。スルホニル尿素(SU)薬などとは異なり、インスリン分泌に作用しないのも特徴の1つに挙げられる。
原尿中の糖の9割はSGLT2で再吸収
正常な人においては、血糖値が160~180mg/dL以下では尿中に糖が排泄されることはない。血液中から糸球体を通して原尿中にこし出された糖は、すべて尿細管内で再吸収され、血液中に戻されるためだ。
この時に重要な役割を果たしているのが腎臓に特異的に発現するSGLT2で、原尿中の糖の90%はSGLT2を通して再吸収される(図1)。残りの10%の糖については、同じく尿細管で発現するSGLT1を通して再吸収される。
図1●腎臓におけるグルコースのろ過と再吸収
しかし、血糖値が高くなると、尿細管における糖の吸収容量を超えるため、糖は100%再吸収されず、一部の糖はそのまま尿中に排泄されてしまう。
一方、血糖値が高い状態が維持された糖尿病患者では、SGLT2が高発現していることが知られ、糖の再吸収が亢進する。そのため、糖尿病状態では糖再吸収の閾値が240mg/dLくらいまで高まり、高血糖値状態が維持されることが報告されている。そこで、この高発現しているSGLT2を阻害すれば、亢進した糖の再吸収を抑制できるのではないかと考えたのが薬剤開発のきっかけとなった。
もう1つ、SGLT2が治療ターゲットとして適していた理由として、近位尿細管のS1セグメントに局在しており、腎臓特異的に発現している点が挙げられる。
一方のSGLT1は、近位尿細管S2、S3セグメントのほか、腸管にも発現しているため、SGLT1を阻害すると消化管での糖の吸収も抑制されてしまい、下痢などの消化管症状が強く出てしまう。また、SGLT1を介して流入するナトリウムがインクレチンの分泌を刺激していることもあり、「現在のところ、SGLT1は治療ターゲットとしては適していないと認識されている」と、稲垣氏は説明する。
投与対象として軽症の肥満例が向く
SGLT2阻害薬は、現在少なくとも8種類の薬剤について開発が進められており、その多くは国内でフェーズ3試験が進行中だ(表1)。単剤投与のほか、従来の糖尿病治療薬との併用療法についても検討が進められている(表2)。
表1●開発中の主なSGLT2阻害薬(稲垣氏による)
(*クリックすると拡大表示されます)
表2●結果が公表されている主なSGLT2阻害薬の臨床試験(稲垣氏による)
(*クリックすると拡大表示されます)
このうち、dapagliflozinには今年に入り欧州で承認勧告が出され、canagliflozinは欧米で承認申請中の段階だ。
臨床試験登録時の患者背景、投与期間、実施地域にばらつきはあるが、「現段階では、安全性・有効性の大まかな傾向は同じと理解して問題ないだろう」(稲垣氏)。
有効性に関するデータを見ると、SGLT2阻害薬を12~26週間にわたり単独投与すると、HbA1c値はベースラインから最大1.2%程度まで低下していた(図2a)。また、空腹時血糖値は30~40mg/dL、食後2時間血糖値はおよそ60mg/dL下がっている。
図2●主なSGLT2阻害薬の単独投与におけるHbA1c値と体重の変化量(稲垣氏による)
(*クリックすると拡大表示されます)
注目されているのは、従来の経口の糖尿病治療薬では得られなかった体重減少が認められる点で(図2b)、一部の薬剤では脂肪量や内臓脂肪量が低下したという報告もある。
では、近い将来SGLT2阻害薬が臨床現場に登場した際、どのような患者に投与することが想定されるのだろうか。稲垣氏は「血糖値を下げるだけでなく、体重減少効果もあるため、比較的軽症の肥満を伴うような患者に向いているのではないか」と語る。
尿路感染症やケトン体に留意
これまでの試験データでは、SGLT2阻害薬の主な副作用は尿路感染症で、発現率は5%前後だ。SGLT2阻害薬によって尿中の糖濃度が高くなり、菌が繁殖しやすい状態になっているためだ。
特に女性では、主にカンジダに起因する性器感染症が見られたが、いずれも投与を中断せずに治療可能な範囲だった。
一般に、糖尿病治療薬で懸念されるのは重篤な低血糖だが、単独投与した際の発現率は対照群との間に有意差は見られなかった。
また、SGLT2阻害薬の投与中に、血中の総ケトン体が平均0.3mmol/L増加したことが報告されており、ケトアシドーシスとの違いを見極めて治療する必要がある。これは、SGLT2阻害薬が1日当たりおよそ400kcalのエネルギーに相当する糖を尿中に捨てていることに起因する現象だ。
低炭水化物ダイエットと似たような状態になるため、脂肪をエネルギー源とする際に、アセチルCoAを経て、最終産物のケトン体が増加する。稲垣氏は「SGLT2阻害薬投与によってケトン体が増加するのは当然の現象だが、インスリン分泌不全患者にSGLT2阻害薬を投与してしまうと、簡単にケトアシドーシスを引き起こすことが想定されるので慎重な観察が必要」と指摘する。
そのほかの注意点として、「SGLT2阻害薬はインスリン分泌やインスリン抵抗性など、糖尿病の根本的な病態を改善する薬剤ではないので、病態によっては既存薬を併用することが必要になる」と、稲垣氏は語る。
一方、多尿について懸念する向きもある。SGLT2阻害薬を服薬すると糖が排泄されるため、浸透圧利尿作用によって尿量が増加し、脱水が起こる可能性が指摘されている。もっとも、服薬開始1~2日に尿量が一時的に増加したという報告はあるが、投与期間中継続して尿量が増加したというデータはない。
「臨床試験では赤血球の濃度を示すヘマトクリット値、ヘモグロビン値が上昇していることから、軽度の脱水が起きている可能性はあり得る」と稲垣氏は指摘する。腎機能が低下している患者、とくに高齢者では、脱水症状を示しやすいため、細心の注意が必要になりそうだ。
稲垣氏は、「これまでにない作用機序の薬剤なので、従来の治療薬とうまく組み合わせて用いると治療効果が高まるのではないか」と、SGLT2阻害薬に期待感を示している。
2013年12月15日 (日)
こんばんは。
「糖尿病治療のための!糖質制限食パーフェクトガイド」江部康二著
東洋経済新報社
2013年8月9日から、発売中です。
今回の本、¥ 3,465と、やや高いです。 m(_ _)m
一方、質の高い情報が満載で、必ずお役に立てると思います。
2012年、2013年と、糖質制限食が明らかにブレイクし、日本全体で、糖質制限食に対する認知度は大きく上昇しました。
このような状況の中、医療関係者、特に医師・栄養士は、賛成か反対かはおいておいても、糖質制限食をしっかり勉強する義務があると思います。
糖尿病患者さんの命をあずかっている医師・栄養士は、糖質制限食を知らないでは済みません。
しっかり本書を読んだうえで、賛成か反対かを決めて欲しいと思います。
医家向けに書いた初めての本です。一般の人には少し堅苦しいと思います。
医師・医療関係者・専門的な知識を得たい人のための本です。
エビデンスレベルの高い研究論文から、従来の糖尿病治療の限界を証明し、糖質制限食の有効性や安全性を実証しました。
EBM的に信頼度の高い論文も各章で整理して、読者が調べやすいように配慮してあります。
繰り返される非科学的な糖質制限食批判へも徹底反論しています。
引用文献が豊富ですので、糖質制限食批判に対して読者が反論するときには、かなりお役に立つと思います。
実際、複数の医師から
「よくまとまっている。整理されていて使いやすい。辞書がわりにも使える。糖質制限食批判への反論に便利・・・」
など、お褒めの言葉をいただきました。(^^)
実は、兄、江部洋一郎高雄病院名誉院長からも「今度の本は今までで一番いいね」と声をかけて貰いました。
兄から褒められた経験がほとんどないので、ちょっぴり嬉しかったです。
食事指導・投薬方針など、高雄病院で行われている治療の実際も公開し、これからの糖尿病治療、メタボ・肥満対策の具体的な指針を示しました。
平均血糖変動幅増大と食後高血糖の酸化ストレスリスクなども詳しく考察しています。
内容紹介
【主要目次】
第1章 糖質制限食に関するエビデンス
第2章 従来の糖尿病治療の限界を証明する研究
第3章 糖質制限食への批判に答える研究
第4章 生理学的な事実
第5章 生理学から見る糖質制限食の安全性
第6章 栄養学的な事実
第7章 糖質制限食の実際
第8章 糖質制限食の可能性
◆前帯コピー
医師をはじめ医療関者、専門的な知識を得たい人--必読!
もう、知らないではすまされない!
エビデンスレベルの高い最新研究から、従来の糖尿病治療の限界を証明し、糖質制限食の有効性や安全性を実証。
繰り返される非科学的な糖質制限食批判へも徹底反論。
食事指導・投薬方針など、高雄病院で行われている治療の実際も公開し、これからの糖尿病治療、メタボ・肥満対策の具体的な指針を示す。
◆後帯コピー
これからの糖尿病治療、メタボ・肥満対策のバイブル
三大栄養素の生理学的な事実から考えて、血糖コントロールの上で、従来の高糖質の治療食よりも糖質制限食のほうが有利となります。
さらに、体重減少、体内の脂質状況の改善についても効果があることは、複数の非常にエビデンスレベルの高い研究により証明されています。
近年、大きな注目を集めている、食後高血糖の防止、血糖変動幅の縮小、低血糖の予防に関しても、糖質制限食は抜群の効果があり、ますます評価が高まっています。
事実、欧米では、数々のエビデンスがあり、既に糖質制限食の有効性と安全性については認められていて、公式な治療食の選択肢の一つとなっています。
これからの糖尿病治療において、日本でも、糖質制限食は重要な選択肢となるでしょう。
以下は、「糖尿病治療のための!糖質制限食パーフェクトガイド」の「はじめ」にです。
糖質制限食とは
アメリカ糖尿病学会(ADA)によれば、食べ物が摂取され消化・吸収された後、糖質は100%が血糖に変わりますが、たんぱく質と脂質は血糖に変わりません。また、糖質は摂取直後から急峻に血糖値を上昇させ、2時間以内にほとんど吸収されます。これらは含有エネルギーとは無関係な三大栄養素の生理学的な特質です。
食事で糖質を摂取したときだけは血糖値が急上昇することになり、インスリンが大量に追加分泌されます。脂質を摂取してもインスリンの追加分泌はありませんし、たんぱく質を摂取したときにはごく少量の追加分泌があるだけです。
現在、糖尿病の治療において食後の急激な高血糖、すなわち「グルコーススパイク」が大きな問題として注目されています。食後高血糖が心筋梗塞や脳梗塞などの合併症の危険因子として認識されるようになったからです。
そして、食後高血糖を起こすのは、三大栄養素のなかで糖質だけです。
1gの糖質摂取により、体重64kgの2型糖尿病の人の血糖値は3mg/dl上昇するとされています。茶碗一杯分に当たる150g(252Kcal)の白米飯には55.3gの糖質が含まれており、これを摂取すれば166mg/dlの血糖上昇が起こることになります。
ところが、牛サーロインステーキを200g(約1000Kcal)食べたとしても、糖質含有量は1g未満であり、食後高血糖をほとんど生じません。
なお、1型糖尿病の場合、1gの糖質摂取で、体重64kgの人の血糖値を5mg/dl上昇させるとされています。
糖質制限食の基本的な考え方は、上述のような生理学的な事実を基盤として、出来るだけ糖質の摂取を抑え、食後高血糖を防ぐというものです。米飯、麺類、パンなどの穀類や、イモ類など、糖質の多い食品を出来るだけ避ける食事となります。
なお、カロリー計算は原則的に不要ですが、摂取カロリーが無制限というわけではありません。
糖尿病学会の推奨する厳格なカロリー制限は必要ありませんが、身体活動レベルが低い場合は厚生労働省のいう標準的な範囲でのエネルギー摂取を行い、男性ならば1850~2250Kcal、女性ならば1450~1700Kcalを目安とします。
高雄病院で指導している糖質制限食の場合、一日の食事全てにおいて糖質を制限すると総カロリーにおける三大栄養素の比率は糖質12%、たんぱく質32%、脂質56%ほどになりますが、薬剤に頼ることなく速やかに血糖値改善が起こり、良好な血糖コントロールが可能です。
しかし、従来の糖尿病食の場合、糖質60%、たんぱく質20%、脂質20%という比率であり高糖質食となるため、一日の摂取カロリーを1200Kcalに抑えたとしても、食後高血糖を必ず生じます。白米飯と牛サーロインステーキの比較で明らかなように、高糖質食で食後高血糖を防ぐことは理論的に不可能です。
三大栄養素の生理学的な事実から考えて、血糖コントロールの上で従来の高糖質の治療食よりも糖質制限食のほうが有利となります。
さらに、体重減少、体内の脂質状況の改善についても効果があり、複数の非常にエビデンスレベルの高い研究により証明されています。
ここ数年で大きな注目を集めている低血糖の防止、血糖変動幅の縮小に関しても、糖質制限食は効果が高く、ますます治療効果への評価が高まっています。
これからの糖尿病治療において、糖質制限食は重要な選択肢となるでしょう。
本書は糖尿病および糖質制限食に関する主だった研究や知識を集めたものです。また、高雄病院で糖質制限食を10年余りにわたり指導してきた経験やデータもご紹介しております。医療関係者の皆様を初め、糖質制限食についてより詳しく知りたいと考えておられる方のご参考になるかと思っております。
なお、本書の内容は私のブログである「ドクター江部の糖尿病徒然日記」を中心に、これまでの講演会の内容やデータを加味する形で構成しています。ブログは5年以上を経過して内容が膨大になっておりますが、本書はそれを体系化しており、ブログをご覧いただく際にも便利かと思います。
糖質制限食を詳しく知っていただくためにも、またより有効に安全に実施していただくためにも、ぜひ活用していただきたいと願っております。
江部康二
「糖尿病治療のための!糖質制限食パーフェクトガイド」江部康二著
東洋経済新報社
2013年8月9日から、発売中です。
今回の本、¥ 3,465と、やや高いです。 m(_ _)m
一方、質の高い情報が満載で、必ずお役に立てると思います。
2012年、2013年と、糖質制限食が明らかにブレイクし、日本全体で、糖質制限食に対する認知度は大きく上昇しました。
このような状況の中、医療関係者、特に医師・栄養士は、賛成か反対かはおいておいても、糖質制限食をしっかり勉強する義務があると思います。
糖尿病患者さんの命をあずかっている医師・栄養士は、糖質制限食を知らないでは済みません。
しっかり本書を読んだうえで、賛成か反対かを決めて欲しいと思います。
医家向けに書いた初めての本です。一般の人には少し堅苦しいと思います。
医師・医療関係者・専門的な知識を得たい人のための本です。
エビデンスレベルの高い研究論文から、従来の糖尿病治療の限界を証明し、糖質制限食の有効性や安全性を実証しました。
EBM的に信頼度の高い論文も各章で整理して、読者が調べやすいように配慮してあります。
繰り返される非科学的な糖質制限食批判へも徹底反論しています。
引用文献が豊富ですので、糖質制限食批判に対して読者が反論するときには、かなりお役に立つと思います。
実際、複数の医師から
「よくまとまっている。整理されていて使いやすい。辞書がわりにも使える。糖質制限食批判への反論に便利・・・」
など、お褒めの言葉をいただきました。(^^)
実は、兄、江部洋一郎高雄病院名誉院長からも「今度の本は今までで一番いいね」と声をかけて貰いました。
兄から褒められた経験がほとんどないので、ちょっぴり嬉しかったです。
食事指導・投薬方針など、高雄病院で行われている治療の実際も公開し、これからの糖尿病治療、メタボ・肥満対策の具体的な指針を示しました。
平均血糖変動幅増大と食後高血糖の酸化ストレスリスクなども詳しく考察しています。
内容紹介
【主要目次】
第1章 糖質制限食に関するエビデンス
第2章 従来の糖尿病治療の限界を証明する研究
第3章 糖質制限食への批判に答える研究
第4章 生理学的な事実
第5章 生理学から見る糖質制限食の安全性
第6章 栄養学的な事実
第7章 糖質制限食の実際
第8章 糖質制限食の可能性
◆前帯コピー
医師をはじめ医療関者、専門的な知識を得たい人--必読!
もう、知らないではすまされない!
エビデンスレベルの高い最新研究から、従来の糖尿病治療の限界を証明し、糖質制限食の有効性や安全性を実証。
繰り返される非科学的な糖質制限食批判へも徹底反論。
食事指導・投薬方針など、高雄病院で行われている治療の実際も公開し、これからの糖尿病治療、メタボ・肥満対策の具体的な指針を示す。
◆後帯コピー
これからの糖尿病治療、メタボ・肥満対策のバイブル
三大栄養素の生理学的な事実から考えて、血糖コントロールの上で、従来の高糖質の治療食よりも糖質制限食のほうが有利となります。
さらに、体重減少、体内の脂質状況の改善についても効果があることは、複数の非常にエビデンスレベルの高い研究により証明されています。
近年、大きな注目を集めている、食後高血糖の防止、血糖変動幅の縮小、低血糖の予防に関しても、糖質制限食は抜群の効果があり、ますます評価が高まっています。
事実、欧米では、数々のエビデンスがあり、既に糖質制限食の有効性と安全性については認められていて、公式な治療食の選択肢の一つとなっています。
これからの糖尿病治療において、日本でも、糖質制限食は重要な選択肢となるでしょう。
以下は、「糖尿病治療のための!糖質制限食パーフェクトガイド」の「はじめ」にです。
糖質制限食とは
アメリカ糖尿病学会(ADA)によれば、食べ物が摂取され消化・吸収された後、糖質は100%が血糖に変わりますが、たんぱく質と脂質は血糖に変わりません。また、糖質は摂取直後から急峻に血糖値を上昇させ、2時間以内にほとんど吸収されます。これらは含有エネルギーとは無関係な三大栄養素の生理学的な特質です。
食事で糖質を摂取したときだけは血糖値が急上昇することになり、インスリンが大量に追加分泌されます。脂質を摂取してもインスリンの追加分泌はありませんし、たんぱく質を摂取したときにはごく少量の追加分泌があるだけです。
現在、糖尿病の治療において食後の急激な高血糖、すなわち「グルコーススパイク」が大きな問題として注目されています。食後高血糖が心筋梗塞や脳梗塞などの合併症の危険因子として認識されるようになったからです。
そして、食後高血糖を起こすのは、三大栄養素のなかで糖質だけです。
1gの糖質摂取により、体重64kgの2型糖尿病の人の血糖値は3mg/dl上昇するとされています。茶碗一杯分に当たる150g(252Kcal)の白米飯には55.3gの糖質が含まれており、これを摂取すれば166mg/dlの血糖上昇が起こることになります。
ところが、牛サーロインステーキを200g(約1000Kcal)食べたとしても、糖質含有量は1g未満であり、食後高血糖をほとんど生じません。
なお、1型糖尿病の場合、1gの糖質摂取で、体重64kgの人の血糖値を5mg/dl上昇させるとされています。
糖質制限食の基本的な考え方は、上述のような生理学的な事実を基盤として、出来るだけ糖質の摂取を抑え、食後高血糖を防ぐというものです。米飯、麺類、パンなどの穀類や、イモ類など、糖質の多い食品を出来るだけ避ける食事となります。
なお、カロリー計算は原則的に不要ですが、摂取カロリーが無制限というわけではありません。
糖尿病学会の推奨する厳格なカロリー制限は必要ありませんが、身体活動レベルが低い場合は厚生労働省のいう標準的な範囲でのエネルギー摂取を行い、男性ならば1850~2250Kcal、女性ならば1450~1700Kcalを目安とします。
高雄病院で指導している糖質制限食の場合、一日の食事全てにおいて糖質を制限すると総カロリーにおける三大栄養素の比率は糖質12%、たんぱく質32%、脂質56%ほどになりますが、薬剤に頼ることなく速やかに血糖値改善が起こり、良好な血糖コントロールが可能です。
しかし、従来の糖尿病食の場合、糖質60%、たんぱく質20%、脂質20%という比率であり高糖質食となるため、一日の摂取カロリーを1200Kcalに抑えたとしても、食後高血糖を必ず生じます。白米飯と牛サーロインステーキの比較で明らかなように、高糖質食で食後高血糖を防ぐことは理論的に不可能です。
三大栄養素の生理学的な事実から考えて、血糖コントロールの上で従来の高糖質の治療食よりも糖質制限食のほうが有利となります。
さらに、体重減少、体内の脂質状況の改善についても効果があり、複数の非常にエビデンスレベルの高い研究により証明されています。
ここ数年で大きな注目を集めている低血糖の防止、血糖変動幅の縮小に関しても、糖質制限食は効果が高く、ますます治療効果への評価が高まっています。
これからの糖尿病治療において、糖質制限食は重要な選択肢となるでしょう。
本書は糖尿病および糖質制限食に関する主だった研究や知識を集めたものです。また、高雄病院で糖質制限食を10年余りにわたり指導してきた経験やデータもご紹介しております。医療関係者の皆様を初め、糖質制限食についてより詳しく知りたいと考えておられる方のご参考になるかと思っております。
なお、本書の内容は私のブログである「ドクター江部の糖尿病徒然日記」を中心に、これまでの講演会の内容やデータを加味する形で構成しています。ブログは5年以上を経過して内容が膨大になっておりますが、本書はそれを体系化しており、ブログをご覧いただく際にも便利かと思います。
糖質制限食を詳しく知っていただくためにも、またより有効に安全に実施していただくためにも、ぜひ活用していただきたいと願っております。
江部康二
2013年12月15日 (日)
こんにちは。
2013年12月11日(水)
日経メディカルのウェブサイト
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/gakkai/wdc2013/201312/534120.html
に
「1日グラス2杯以上のワインを飲んだ女性は2型DMリスクが37%減少」
という、世界糖尿病会議での報告が、記事として載りました。
左党には嬉しい記事かと思いましたが、他のアルコールは関係なくて、ワインだけでした。
私のように焼酎もワインも両方飲んでいる場合は、ワイン分だけがカウントされるのですね。
結局、
「長年に渡って定期的にワインを飲んでいることが、2型糖尿病発症リスクの抑制に関与している可能性がある」
との結論です。
「ワインの生涯摂取量を考えると、10-15歳で定期的にワインを飲み始めた女性は、生涯飲まなかった女性に比べて、成人になってからの2型糖尿病のリスクが低いという結果」
それにしても、『10-15歳で定期的にワインを飲み始めた女性』さすがフランスですね。ヾ(゜▽゜)
日本では、そのままお縄になりそうです。 (→ο←)
江部康二
【学会ダイジェスト: 世界糖尿病会議
2013年12月2日~6日 Melbourne Australia
1日グラス2杯以上のワインを飲んだ女性は2型DMリスクが37%減少
2013/12/11 三和 護=日経メディカル別冊
フランスNutrition Hormones and Women's HealthのA. Vilier氏
1日グラス2杯以上のワインを飲んだ女性は、飲まなかった女性に比べて2型糖尿病(DM)発症リスクが37%減少したことが示された。ワイン摂取量と2型糖尿病リスクとの関係を追ったコホート試験、French E3N cohortの結果、明らかになった。フランスNutrition Hormones and Women's HealthのA. Vilier氏らが、12月2~6日にメルボルンで開催された世界糖尿病会議2013(IDF-WDC2013)で報告した。
対象は、French E3N cohortの計6万6485人の女性。14年間に渡り糖尿病発症について追跡し、ベースラインでのワイン摂取と2型糖尿病リスク間のハザード比を、多変数Cox回帰モデルを用いて求めた。
その結果、追跡期間中に1372人が2型DMを発症した。ワイン摂取量と2型糖尿病リスクとの間には、負の関係が観察された(P<0.0001)。より詳細にみていくと、1日に2杯以上のワインを飲んでいた女性はまったく飲まない女性に比べて、発症リスクが37%減少していた。ワインの生涯摂取量を考えると、10-15歳で定期的にワインを飲み始めた女性は、生涯飲まなかった女性に比べて、成人になってからの2型糖尿病のリスクが低いという結果だった。他の種類のアルコール消費で補正しても、結果は同様のままだった。
この結果から演者らは、長年に渡って定期的にワインを飲んでいることが、2型糖尿病発症リスクの抑制に関与している可能性があるとまとめた。】
2013年12月11日(水)
日経メディカルのウェブサイト
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/gakkai/wdc2013/201312/534120.html
に
「1日グラス2杯以上のワインを飲んだ女性は2型DMリスクが37%減少」
という、世界糖尿病会議での報告が、記事として載りました。
左党には嬉しい記事かと思いましたが、他のアルコールは関係なくて、ワインだけでした。
私のように焼酎もワインも両方飲んでいる場合は、ワイン分だけがカウントされるのですね。
結局、
「長年に渡って定期的にワインを飲んでいることが、2型糖尿病発症リスクの抑制に関与している可能性がある」
との結論です。
「ワインの生涯摂取量を考えると、10-15歳で定期的にワインを飲み始めた女性は、生涯飲まなかった女性に比べて、成人になってからの2型糖尿病のリスクが低いという結果」
それにしても、『10-15歳で定期的にワインを飲み始めた女性』さすがフランスですね。ヾ(゜▽゜)
日本では、そのままお縄になりそうです。 (→ο←)
江部康二
【学会ダイジェスト: 世界糖尿病会議
2013年12月2日~6日 Melbourne Australia
1日グラス2杯以上のワインを飲んだ女性は2型DMリスクが37%減少
2013/12/11 三和 護=日経メディカル別冊
フランスNutrition Hormones and Women's HealthのA. Vilier氏
1日グラス2杯以上のワインを飲んだ女性は、飲まなかった女性に比べて2型糖尿病(DM)発症リスクが37%減少したことが示された。ワイン摂取量と2型糖尿病リスクとの関係を追ったコホート試験、French E3N cohortの結果、明らかになった。フランスNutrition Hormones and Women's HealthのA. Vilier氏らが、12月2~6日にメルボルンで開催された世界糖尿病会議2013(IDF-WDC2013)で報告した。
対象は、French E3N cohortの計6万6485人の女性。14年間に渡り糖尿病発症について追跡し、ベースラインでのワイン摂取と2型糖尿病リスク間のハザード比を、多変数Cox回帰モデルを用いて求めた。
その結果、追跡期間中に1372人が2型DMを発症した。ワイン摂取量と2型糖尿病リスクとの間には、負の関係が観察された(P<0.0001)。より詳細にみていくと、1日に2杯以上のワインを飲んでいた女性はまったく飲まない女性に比べて、発症リスクが37%減少していた。ワインの生涯摂取量を考えると、10-15歳で定期的にワインを飲み始めた女性は、生涯飲まなかった女性に比べて、成人になってからの2型糖尿病のリスクが低いという結果だった。他の種類のアルコール消費で補正しても、結果は同様のままだった。
この結果から演者らは、長年に渡って定期的にワインを飲んでいることが、2型糖尿病発症リスクの抑制に関与している可能性があるとまとめた。】
2013年12月14日 (土)
こんにちは。
はなさんから、低血糖について、コメント・質問をいただきました。
【13/12/12 はな
低血糖について
初めまして。一年糖質制限を行っている29歳女です。
江部先生のブログでは沢山勉強させて頂いており、本当にいつも感謝しています。
私は24歳の頃から低血糖症状に悩まされていました。家族に糖尿の人はいません。
今考えればそれまでの食事があまりにもひどく、夕食にお菓子を食べたり、麺類、パン、まさに一日三食糖質漬けだったのですが、その頃はそれが問題だとは夢にも思わず、ただ仕事で疲れているからだろうと、夕方にチョコレートなどを食べてその場しのぎをしながら数年が過ぎました。去年からは低血糖が頻繁に起こるようになり、それまでは夕方だけだった症状が、朝食後三時間くらいでもおこるようになりました。
自分自身でいろいろ調べた所、パンやインスタントラーメン、チョコレートスナックを食べた後に特に低血糖を起こしてしまうという所まで分かり、今年の初めに糖質制限に出会いました。
糖質制限は劇的な変化をもたらし、血糖値の変動が落ち着いたからか、私はほとんど低血糖を起こさなくなり、体重も5kg程減り、今は157cm, 体重は43.3です。
前置きが長くなり申し訳ありません。さて、ここからが質問なのですが、最近私は血糖測定器を買いました。
今でも時々だけ昼にパンを食べるのですが、そうすると、たまに低血糖を起こしてしまうので、血糖値の推移を調べようと思ったからです。
試しにパンを含んだランチを食べて血糖を測ってみた所、空腹時85の血糖値が、30分後には165でした。1時間値は134、2時間値は112でした。尚、食べたパンはバゲット一切れ程度で、決して量としては多くありません。一緒にジンジャーエールも飲みました。メインはサラダでした。
いろいろな所でこの値が正常なのか調べましたが、なかなか分かりません。ただ、本当に正常な人は沢山食べても140程度までしか上がらないという情報を見ました。私の値はそれに比べると高いですが、その後二時間で正常に落ちていますので、これはあまり糖尿病としては心配しなくてもいいのでしょうか?
そしてこの時はその後低血糖を起こしませんでしたが、以前起こしていた頻繁な低血糖は糖尿病の初期症状だったと考えてもよろしいのでしょうか?それ以外に低血糖を起こしてしまう病気があるのでしょうか?
お忙しい中長文で大変恐縮ですが、もし先生から何かお言葉頂ければ幸いです。】
はなさん。
低血糖症状が、糖質制限食で改善して良かったですね。
ただ、身長157cm、 体重は43.3kgなら、BMIは17.57で、少しやせすぎです。
脂質・タンパク質はしっかり摂取して、まずはBMI:18を確保し、そして徐々にBMI:20を目指しましょう。
機能性低血糖症は、1924年アメリカのSeale Harrisによって指摘された疾患で、血糖値の低下に伴ない、精神的・身体的症状を来たす疾患です。
易疲労感、気力低下、眠気、集中力低下、物忘れ、不安、いらいら、頭痛、めまい、発汗、震え、心悸亢進、筋肉痛、甘いものに対する異常な欲求、異常な空腹感・・・ などの症状がみられます。
ほとんどの機能性低血糖の背景には、インスリンの過剰分泌及び遷延分泌があります。
やせ型でインスリン抵抗性がなくても、機能性低血糖を生じる人はおられます。
機能性低血糖症は、糖質を摂取して血糖値が上昇して、追加分泌インスリンが基礎分泌インスリンの10倍、20倍、30倍レベル出たときに、早ければ食後2時間、通常は4時間から5時間くらいで発症することが多いです。
家族歴に2型糖尿病があって、現在は正常型で糖尿病を発症していない人は、インスリン追加分泌が遷延することがあり、機能性低血糖が特に起こりやすいです。
境界型および糖尿病でも、軽症の段階だと、インスリン分泌能力はまだ残っています。
そして、インスリン追加分泌が出遅れて遷延するのが、2型糖尿病の特徴なので、「機能性低血糖+境界型」あるいは「機能性低血糖+糖尿病型」というパターンは、結構あると思います。
一方、家族歴に2型糖尿病がなくて、現在糖尿病的には全く正常でも、インスリンが過剰に分泌されるタイプの「機能性低血糖+正常型」もあります。
こちらは若い人に多く、それこそ小学生や中学生でもありえると思います。当然、高校生や大学生は言うまでもありません。
いずれにせよ<糖質摂取による血糖値上昇→インスリン過剰分泌・分泌遷延→機能性低血糖>というパターンです。
従って、精製炭水化物が、最も機能性低血糖を起こしやすいです。
未精製の炭水化物はややましですが、やはり起こす可能性があります。
糖質制限食なら、食後高血糖がほとんどなくて、インスリン追加分泌もごく少量なので機能性低血糖をほとんど生じません。
スーパー糖質制限食なら、インスリン追加分泌は、野菜分の少量の糖質に対応して、せいぜい2~3倍くらいまでです。
この機能性低血糖症、日本ではあまり認知されていませんが、きっちり問診してみると、若い人でも結構おられますので注意が必要ですね。
機能性低血糖症の場合、糖質摂取後30分で120~140mg程度に上昇した血糖値が、60分で60mgになったりします。
これだと眠気も来そうですね。
さらに4時間後とかに40mgとかまで下がることもあります。
血糖値が40mgなら明らかな低血糖ですが、60mg以上あって正常範囲でも、血糖値が1時間で50mg以上下がると眠気などの症状も出やすいようです。
大多数の機能性低血糖症が、スーパー糖質制限食で改善する可能性が高いと思います。
スーパー糖質制限食で改善しない症状に関しては「機能性低血糖症」以外の原因を考える必要があります。
「試しにパンを含んだランチを食べて血糖を測ってみた所、空腹時85の血糖値が、
30分後には165でした。1時間値は134、2時間値は112でした。」
糖質を75gを負荷した場合は、1時間値が、180mg未満、2時間値が140mg未満で、正常型となります。
はなさんの場合、糖質量がどのくらいあったかよくわかりませんが、30分後165mgというのは正常範囲ですが、29才としては少し上昇が速いですね。
全く糖尿病歴のない20代の人は、75gの糖質を摂取したとしても140mgを超えることはまずありません。
40才代とかになると、正常人でも、150mg、160mg/dlに上昇する人は珍しくありません。
はなさんの場合は糖尿病になりやすい素因がありそうですので、今後糖質制限食を続けていけば、将来の糖尿病発症が予防できると思いますよ。
江部康二
はなさんから、低血糖について、コメント・質問をいただきました。
【13/12/12 はな
低血糖について
初めまして。一年糖質制限を行っている29歳女です。
江部先生のブログでは沢山勉強させて頂いており、本当にいつも感謝しています。
私は24歳の頃から低血糖症状に悩まされていました。家族に糖尿の人はいません。
今考えればそれまでの食事があまりにもひどく、夕食にお菓子を食べたり、麺類、パン、まさに一日三食糖質漬けだったのですが、その頃はそれが問題だとは夢にも思わず、ただ仕事で疲れているからだろうと、夕方にチョコレートなどを食べてその場しのぎをしながら数年が過ぎました。去年からは低血糖が頻繁に起こるようになり、それまでは夕方だけだった症状が、朝食後三時間くらいでもおこるようになりました。
自分自身でいろいろ調べた所、パンやインスタントラーメン、チョコレートスナックを食べた後に特に低血糖を起こしてしまうという所まで分かり、今年の初めに糖質制限に出会いました。
糖質制限は劇的な変化をもたらし、血糖値の変動が落ち着いたからか、私はほとんど低血糖を起こさなくなり、体重も5kg程減り、今は157cm, 体重は43.3です。
前置きが長くなり申し訳ありません。さて、ここからが質問なのですが、最近私は血糖測定器を買いました。
今でも時々だけ昼にパンを食べるのですが、そうすると、たまに低血糖を起こしてしまうので、血糖値の推移を調べようと思ったからです。
試しにパンを含んだランチを食べて血糖を測ってみた所、空腹時85の血糖値が、30分後には165でした。1時間値は134、2時間値は112でした。尚、食べたパンはバゲット一切れ程度で、決して量としては多くありません。一緒にジンジャーエールも飲みました。メインはサラダでした。
いろいろな所でこの値が正常なのか調べましたが、なかなか分かりません。ただ、本当に正常な人は沢山食べても140程度までしか上がらないという情報を見ました。私の値はそれに比べると高いですが、その後二時間で正常に落ちていますので、これはあまり糖尿病としては心配しなくてもいいのでしょうか?
そしてこの時はその後低血糖を起こしませんでしたが、以前起こしていた頻繁な低血糖は糖尿病の初期症状だったと考えてもよろしいのでしょうか?それ以外に低血糖を起こしてしまう病気があるのでしょうか?
お忙しい中長文で大変恐縮ですが、もし先生から何かお言葉頂ければ幸いです。】
はなさん。
低血糖症状が、糖質制限食で改善して良かったですね。
ただ、身長157cm、 体重は43.3kgなら、BMIは17.57で、少しやせすぎです。
脂質・タンパク質はしっかり摂取して、まずはBMI:18を確保し、そして徐々にBMI:20を目指しましょう。
機能性低血糖症は、1924年アメリカのSeale Harrisによって指摘された疾患で、血糖値の低下に伴ない、精神的・身体的症状を来たす疾患です。
易疲労感、気力低下、眠気、集中力低下、物忘れ、不安、いらいら、頭痛、めまい、発汗、震え、心悸亢進、筋肉痛、甘いものに対する異常な欲求、異常な空腹感・・・ などの症状がみられます。
ほとんどの機能性低血糖の背景には、インスリンの過剰分泌及び遷延分泌があります。
やせ型でインスリン抵抗性がなくても、機能性低血糖を生じる人はおられます。
機能性低血糖症は、糖質を摂取して血糖値が上昇して、追加分泌インスリンが基礎分泌インスリンの10倍、20倍、30倍レベル出たときに、早ければ食後2時間、通常は4時間から5時間くらいで発症することが多いです。
家族歴に2型糖尿病があって、現在は正常型で糖尿病を発症していない人は、インスリン追加分泌が遷延することがあり、機能性低血糖が特に起こりやすいです。
境界型および糖尿病でも、軽症の段階だと、インスリン分泌能力はまだ残っています。
そして、インスリン追加分泌が出遅れて遷延するのが、2型糖尿病の特徴なので、「機能性低血糖+境界型」あるいは「機能性低血糖+糖尿病型」というパターンは、結構あると思います。
一方、家族歴に2型糖尿病がなくて、現在糖尿病的には全く正常でも、インスリンが過剰に分泌されるタイプの「機能性低血糖+正常型」もあります。
こちらは若い人に多く、それこそ小学生や中学生でもありえると思います。当然、高校生や大学生は言うまでもありません。
いずれにせよ<糖質摂取による血糖値上昇→インスリン過剰分泌・分泌遷延→機能性低血糖>というパターンです。
従って、精製炭水化物が、最も機能性低血糖を起こしやすいです。
未精製の炭水化物はややましですが、やはり起こす可能性があります。
糖質制限食なら、食後高血糖がほとんどなくて、インスリン追加分泌もごく少量なので機能性低血糖をほとんど生じません。
スーパー糖質制限食なら、インスリン追加分泌は、野菜分の少量の糖質に対応して、せいぜい2~3倍くらいまでです。
この機能性低血糖症、日本ではあまり認知されていませんが、きっちり問診してみると、若い人でも結構おられますので注意が必要ですね。
機能性低血糖症の場合、糖質摂取後30分で120~140mg程度に上昇した血糖値が、60分で60mgになったりします。
これだと眠気も来そうですね。
さらに4時間後とかに40mgとかまで下がることもあります。
血糖値が40mgなら明らかな低血糖ですが、60mg以上あって正常範囲でも、血糖値が1時間で50mg以上下がると眠気などの症状も出やすいようです。
大多数の機能性低血糖症が、スーパー糖質制限食で改善する可能性が高いと思います。
スーパー糖質制限食で改善しない症状に関しては「機能性低血糖症」以外の原因を考える必要があります。
「試しにパンを含んだランチを食べて血糖を測ってみた所、空腹時85の血糖値が、
30分後には165でした。1時間値は134、2時間値は112でした。」
糖質を75gを負荷した場合は、1時間値が、180mg未満、2時間値が140mg未満で、正常型となります。
はなさんの場合、糖質量がどのくらいあったかよくわかりませんが、30分後165mgというのは正常範囲ですが、29才としては少し上昇が速いですね。
全く糖尿病歴のない20代の人は、75gの糖質を摂取したとしても140mgを超えることはまずありません。
40才代とかになると、正常人でも、150mg、160mg/dlに上昇する人は珍しくありません。
はなさんの場合は糖尿病になりやすい素因がありそうですので、今後糖質制限食を続けていけば、将来の糖尿病発症が予防できると思いますよ。
江部康二
2013年12月13日 (金)
こんばんは
精神科医師Aさんから、興味深い情報をコメントいただきました。
ありがとうございます。
2013年12月10日、産経ビズ(Sankei Biz)に
~2013年「最も知名度が高い」ダイエット法ランキング~
という、トレンド総研の記事が載りました。(☆)
まずは<2013年にメディア露出が多かった6つのダイエット法>ですが、
(1)糖質制限ダイエット
(2)食べ順ダイエット
(3)酵素ダイエット
(4)プチ断食ダイエット
(5)サバ缶ダイエット
(6)ココナッツウォーターダイエット
糖質制限食が、堂々の第一位です。\(^○^)/
さらに20代~40代の女性500名を対象にインターネット調査した結果、2人に1人が2013年にダイエットを実践していて、そのうち半数が注目の6ダイエットにトライしていました。
そして「最も知られていると思うダイエット法」、第一位、再び“糖質制限ダイエット”でした。ヾ(^▽^)
実際にトライされたのは
「食べ順ダイエット」(28%)
「プチ断食ダイエット」(18%)(週2日間だけ、摂取カロリーを通常の1/4に)
「糖質制限ダイエット」(16%)
ですので、食べる順番ダイエットが一番実践者が多くて、取り組みやすさが支持されたようです。
それぞれ一定の効果があると思いますが、理論的には糖質制限食が減量効果として最も明らかで、RCT研究論文による報告もあります。
一番わかりやすく言えば、「スーパー糖質制限食ダイエット」なら、肥満ホルモンであるインスリンがほとんど出なくてすみますが、「食べ順ダイエット」では、「スーパー糖質制限ダイエット」に比し、10倍くらいでます。
「プチ断食ダイエット」でも、週5日間は、「スーパー糖質制限ダイエット」の10倍~10数倍の追加分泌インスリンがでます。
◇インスリンは脂肪細胞内の中性脂肪分解を抑制する。
◇インスリンは血中の中性脂肪を分解し脂肪細胞内に蓄える。
◇インスリンは筋肉細胞に血糖を取り込ませるが、余剰の血糖は脂肪細胞に取り込ませて 中性脂肪として蓄える。
◇肥満のメカニズムはインスリンによる脂肪蓄積。
◇インスリンを大量に分泌させるのは、糖質のみ。
◇ハーバード大学医学部元教授、ジョージ・ケーヒル「脂肪を操るインスリンを、炭水化物(糖質)が操る」
このように、インスリンは三重の肥満ホルモンなのです。
糖質をしっかり制限するほど、インスリン分泌は少なくてすみますが、緩やかな糖質制限になると、糖質の量に応じて、あるていどインスリンは分泌されますのでダイエット効果はその分落ちます。
糖質制限食の解説をしておられる関由佳氏の方法は『ゆるゆる糖質オフダイエット』なので、スーパー糖質制限食に比べると効果は、かなり落ちると思います。
そのことを知った上で、スーパー糖質制限食と、どう使いわけていくかですね。
糖質制限・糖質オフ商品ですが、ローソンのブランパンは、物により糖質量がかなりばらつくので表示を確かめる必要があります。
さらやの「へるしごはん」は、普通のご飯に比べたら、かなり低GIで好ましいことは間違いないのですが、糖質セイゲニストからすると、ゆるゆる糖質制限のレベルですので、インスリンはある程度の量は分泌されます。
アサヒビール「アサヒスタイルフリー」は糖質制限OK食品です。
江部康二
(☆)
~2013年「最も知名度が高い」ダイエット法ランキング~
http://www.sankeibiz.jp/business/news/131210/prl1312101438068-n1.htm
産経ビズ。Sankei Biz。
2013年12月10日
トレンド総研
2013年-2014年 トレンド分析レポート
~2013年「最も知名度が高い」ダイエット法ランキング~
第1位は“糖質制限ダイエット”!
内科認定医が語る“糖質制限ダイエット”のポイントとは!?
生活者の意識・実態に関する調査を行うトレンド総研(東京都渋谷区)は、このたび、「2013年に注目を集めたダイエット法」をテーマに、トレンド分析レポートを発表します。
毎年次々と新たな方法が登場する「ダイエット」。「ダイエット」は常に多くの女性たちの関心事だと言えます。2013年も、テレビや雑誌などの様々なメディアで多くのダイエット法が紹介され話題になりました。
今回、トレンド総研では、2013年に注目を集めたダイエット法について調べました。
はじめに、2013年にテレビや雑誌、インターネットといった各メディアにおいて紹介された、ダイエット法に関する情報を集めて調べてみました。その結果、より広く情報が扱われていたダイエット法が、以下の6つです。
<2013年にメディア露出が多かった6つのダイエット法>
(1)糖質制限ダイエット
(2)食べ順ダイエット
(3)酵素ダイエット
(4)プチ断食ダイエット
(5)サバ缶ダイエット
(6)ココナッツウォーターダイエット
そこで、今回は女性500名を調査対象として、この6つのダイエット法について、調査を行いました。また、本調査の中で、「最もよく知られていると思う」という人が最も多かった、「糖質制限ダイエット」については、より詳しく調べるために、内科医の関 由佳氏に取材を依頼。『ゆるゆる糖質オフダイエット』の著者でもある関 由佳氏に、糖質制限ダイエットにおけるメリットやコツについて、お話を伺いました。
その上で、トレンド総研おススメの、「糖質制限ダイエット」に関連する注目アイテムを3つ紹介してまいります。
■レポート内容
1、【調査結果】「ダイエット」実態調査
・一般女性の2人に1人が2013年にダイエット、半数が注目の6ダイエットにトライ
・「最も知られていると思うダイエット法」、1位は“糖質制限ダイエット”
2、【専門家インタビュー】内科認定医・関 由佳氏に聞く「糖質制限ダイエット」
・必要栄養素を摂りながら余分な糖質をカット…話題の「糖質制限ダイエット」とは!?
・ストレスをためずに楽しく継続することがポイント
・これからの季節にも!少しの意識で大きく差が出る「糖質制限」
3、【商品紹介】糖質制限・糖質オフ商品
・「アサヒスタイルフリー」/「実りベーカリー 健シリーズ ブランパン2個入」/「へるしごはん」
1、【調査結果】 「ダイエット」実態調査
今回の調査では、2013年にメディア露出が多かった6つのダイエット法、「糖質制限ダイエット」、「食べ順ダイエット」、「酵素ダイエット」、「プチ断食ダイエット」、「サバ缶ダイエット」、「ココナッツウォーターダイエット」について、女性500名を対象に調査を行いました。
[調査概要]
・調査対象:20代~40代 女性500名
・調査期間:2013年10月29日(火)~10月31日(木)
・調査方法:インターネット調査
・調査実施機関:楽天リサーチ株式会社
■ 一般女性の2人に1人が2013年にダイエット、半数が注目の6ダイエットにトライ
20代~40代の一般女性を対象に行った本調査ですが、はじめに、一般的な女性がどの程度ダイエットに取り組んでいるものなのか、その実態について調べました。すると、「現在、ダイエット中」という人は39%。また、「今年、ダイエットを行っていた」という人は50%で、半数を占めます。女性にとって、ダイエットは、身近にある大きな関心事であることがうかがえます。
また、一般女性の2人に1人が2013年にダイエットを行っていたことが分かりましたが、今年、テレビやインターネットなどで紹介されることの多かったダイエット法については、どの程度、女性の間に広がっているものなのでしょうか。
「今年ダイエットを行っていた」という人に、当総研が調べた、「2013年にメディア露出が多かった6つのダイエット法」のそれぞれについて、「行ってみたことがありますか?」と聞きました。その結果、気軽に始められる「食べ順ダイエット」(28%)を中心に、多くの女性が「プチ断食ダイエット」(18%)、「糖質制限ダイエット」(16%)などを「行ったことがある」と答え、6つのダイエット法の内、1つでも試してみたことがあるという人は46%にのぼります。半数近くの人が、数多くのダイエット法の内、これらの6つのダイエット法を試してみたことが明らかになり、2013年における注目度の高さが見受けられます。
■ 「最も知られていると思うダイエット法」、1位は“糖質制限ダイエット”
そこで今回、世の中のトレンド情報を調査するトレンド総研では、「2013年にメディア露出が多かった6つのダイエット法」の内でも、最も知名度が高いダイエット法について注目。6つのダイエット法の中から、「最も知られていると思うダイエット法」のいずれかを選んでもらったところ、1位は「糖質制限ダイエット」(31%)。以下、2位「プチ断食ダイエット」(25%)、3位「酵素ダイエット」(21%)という結果に。
さらに、1位の「糖質制限ダイエット」について、そのイメージを聞くと、「血液がさらさらになりそう。身体に良さそう。(神奈川県・女性39歳)」、「成功すれば効果が高そう。(兵庫県・女性36歳)」といった声が挙げられました。全体的に、健康面、効果面ともに良い印象があることが、1位となった要因のようです。
ちなみに、数あるダイエット法の中でも魅力的だと思うダイエット法のポイントについて聞くと、より多くの支持を集めたのは、「健康的に行うことができるダイエット法」(60%)、「お金のかからないダイエット法」(49%)、「効果がありそうなダイエット法」(46%)といった項目でした。手軽さなど、始めやすいダイエット法よりも、「健康」や「効果」などの要素を兼ね備えた、ダイエット法に、女性は魅力的と感じているようです。こうした背景が、「糖質制限ダイエット」が注目を集めた要因だと言えるかもしれません。
2、【専門家インタビュー】 内科認定医・関 由佳氏に聞く「糖質制限ダイエット」
調査で「最も知られていると思うダイエット法」として1位に選ばれ、健康面、効果面共に良い印象を持たれていた「糖質制限ダイエット」ですが、実際のところはどうなのでしょうか。日本内科学会認定内科医で、『ゆるゆる糖質オフダイエット』(主婦の友社)の著者でもある関 由佳氏に、「糖質制限ダイエット」についてお話をお伺いしました。
■必要栄養素を摂りながら余分な糖質をカット…話題の「糖質制限ダイエット」とは!?
「糖質制限ダイエット」とは、必要な栄養素はきちんと摂りながら、余分な糖質をカットしていくダイエット法です。
「糖質」は身体のエネルギー源として大切な栄養素のひとつですが、その“量”や“種類”には気を付ける必要があります。摂る量が多すぎたり、吸収されやすい精製された穀物や砂糖などを摂ると、血糖値が急上昇しインスリンという太るホルモンが過剰に分泌され、脂肪として蓄積されやすくなります。食事をする際は、まずは野菜から食べるなど『順番を守る』、『炭水化物:タンパク質:野菜=1:2:3の割合で食べるよう心がける』などを意識し、徐々にひとつずつ習慣にしてしまうことが大切です。
■ストレスをためずに楽しく継続することがポイント
他のダイエット法同様、「糖質制限ダイエット」も継続的に行うことが大切です。しかし、食事やお酒を長期間制限するとなるとストレスがたまります。そこで、楽しくダイエットに取り組むために、糖質を制限しながら食事やお酒を楽しむ方法をお教えします。
甘いものを食べると、血糖値が急上昇した後に急降下します。この急降下が起きると、人は余計に空腹感を感じてしまいます。お菓子を食べる際は、少しのチョコレートを牛乳や無調整の豆乳などのタンパク質と共に食べるようにしてください。タンパク質をプラスすることで食べ過ぎを防ぐことができます。また、お酒を飲む際には、アルコールを分解する働きのあるビタミン、亜鉛・鉄などのミネラル、アミノ酸といった栄養素を補うようにすること。今では糖質ゼロのビールなども売られているので、そういったものを活用するのも良いかもしれません。糖質を摂取せずに、お野菜やタンパク質と一緒であれば、ダイエット中でもアルコールを楽しむことができます。
我慢するのではなく食材を賢く選び、選択肢を広くしておくことが長く続けるポイントです。慣れるまで糖質ハンドブックなどを持ち歩くのもおすすめ。裏の成分表示を必ずチェックする習慣をつけるようにしましょう。
■これからの季節にも!少しの意識で大きく差が出る「糖質制限」
年末年始は食べ物の誘惑が多い時期です。そんな時期でも前述したポイントを意識するのとしないのでは大きく違います。まずは食べる順番を習慣付けて、慣れてきたら糖質の量を少なくし、玄米や全粒粉など食物繊維の多いものを選ぶようにしましょう。また失敗を繰り返さないことも大切。飲みすぎ、食べ過ぎてしまった次の日も諦めずリセットしてまた意識することを忘れずにしてください。
【関 由佳(せき ゆか)】
日本内科学会認定内科医、アンチエイジングアドバイザー、野菜ソムリエ
学生時代から予防医学に興味があり、医食同源の考えのもと野菜を多く使ったバランス食を自ら実践。野菜の素晴らしさを広めたいと研修医時代に野菜ソムリエの資格取得。
内科医として勤務する傍ら、若い女性やメタボ対策の男性向けのダイエット外来を行っている。ダイエット外来では血液検査にて、細胞・血管レベルのアンチエイジングを細かくチェックし一人一人にあったオーダーメイドのダイエット指導を実施している。毎日の食事でダイエット、血液・血管・細胞レベルでのアンチエイジング・病気の予防まで、食事で健康美人を目指し、2011年12月Happy Aging Laboを開設。メンバーには医師や看護師、薬剤師が参加。冷え症やダイエットなどテーマに沿った料理イベントを開催している。
関 由佳オフィシャルブログ「Dr.yukaのゆるゆるバランスダイエット」
URL:http://ameblo.jp/dr-yuka/
3、【商品紹介】 糖質制限・糖質オフ商品
こうした背景から、最近ではさまざまな糖質制限・糖質オフ商品が登場しています。今回は、「糖質制限ダイエット」をサポートする注目商品を、ご紹介してまいります。
■ アサヒビール「アサヒスタイルフリー」
「アサヒスタイルフリー」は、糖質ゼロ発泡酒(※1)のパイオニア。健康意識の高まりを背景に開発され、2007年3月の発売から2013年8月までで、累計出荷本数は27億本(※2)に達しています。独自の製法で発酵度を従来品の1.3倍まで高めることで、糖質ゼロを実現。麦芽の風味を残して、うまみや味わいを両立しており、「安らげる香り・さっぱりとした後味」の“きれいな味”が特徴です。
※1 栄養表示基準に基づき、糖質0.5g(100ml当たり)未満を糖質0(ゼロ)としています。
※2 缶350ml換算本数。2007年3月~2013年8月までのアサヒビール株式会社累計出荷本数による。
▼「アサヒビールスタイルフリー」
http://www.asahibeer.co.jp/stylefree/
■ ローソン「実りベーカリー 健シリーズ ブランパン2個入」
「ブランパン2個入」は、小麦粉に比べて糖質が控えめで、食物繊維などの栄養成分を多く含む“ブラン”(小麦の外皮の部分:小麦ふすま)を使用したパンです。この「ブランパン2個入」を含め、ローソンが展開する「実りベーカリー」の「健シリーズ」は、カロリー200kcal以下、または糖質10g以下(※1個あたり)の商品を取りそろえ、糖質やカロリーを気づかう方でも我慢することなく取り入れられるシリーズとなっております。
▼ローソン「実りベーカリー 健シリーズ ブランパン2個入」
http://bakery.lawson.jp/minori/health130521_02.html
■ サラヤ「へるしごはん」
「へるしごはん」は、通常のごはん(※1)に比べてカロリー35%オフ、糖質36%オフに加え、食物繊維も9倍補うことができる低GIのヘルシーなごはんです。特殊な品種“高アミロース米(※2)”と、選び抜かれた大麦、そして“うるち米”のオリジナルブレンドで作られているので、主食のごはんを我慢することなく、しっかり食べてお腹を満たすことができます。
※1 日本食品標準分析表 水稲めし(精白米)
※2 配合うるち米中50%
▼「へるしごはん」
http://shizenha.saraya.com/herushi/herushigohan/
精神科医師Aさんから、興味深い情報をコメントいただきました。
ありがとうございます。
2013年12月10日、産経ビズ(Sankei Biz)に
~2013年「最も知名度が高い」ダイエット法ランキング~
という、トレンド総研の記事が載りました。(☆)
まずは<2013年にメディア露出が多かった6つのダイエット法>ですが、
(1)糖質制限ダイエット
(2)食べ順ダイエット
(3)酵素ダイエット
(4)プチ断食ダイエット
(5)サバ缶ダイエット
(6)ココナッツウォーターダイエット
糖質制限食が、堂々の第一位です。\(^○^)/
さらに20代~40代の女性500名を対象にインターネット調査した結果、2人に1人が2013年にダイエットを実践していて、そのうち半数が注目の6ダイエットにトライしていました。
そして「最も知られていると思うダイエット法」、第一位、再び“糖質制限ダイエット”でした。ヾ(^▽^)
実際にトライされたのは
「食べ順ダイエット」(28%)
「プチ断食ダイエット」(18%)(週2日間だけ、摂取カロリーを通常の1/4に)
「糖質制限ダイエット」(16%)
ですので、食べる順番ダイエットが一番実践者が多くて、取り組みやすさが支持されたようです。
それぞれ一定の効果があると思いますが、理論的には糖質制限食が減量効果として最も明らかで、RCT研究論文による報告もあります。
一番わかりやすく言えば、「スーパー糖質制限食ダイエット」なら、肥満ホルモンであるインスリンがほとんど出なくてすみますが、「食べ順ダイエット」では、「スーパー糖質制限ダイエット」に比し、10倍くらいでます。
「プチ断食ダイエット」でも、週5日間は、「スーパー糖質制限ダイエット」の10倍~10数倍の追加分泌インスリンがでます。
◇インスリンは脂肪細胞内の中性脂肪分解を抑制する。
◇インスリンは血中の中性脂肪を分解し脂肪細胞内に蓄える。
◇インスリンは筋肉細胞に血糖を取り込ませるが、余剰の血糖は脂肪細胞に取り込ませて 中性脂肪として蓄える。
◇肥満のメカニズムはインスリンによる脂肪蓄積。
◇インスリンを大量に分泌させるのは、糖質のみ。
◇ハーバード大学医学部元教授、ジョージ・ケーヒル「脂肪を操るインスリンを、炭水化物(糖質)が操る」
このように、インスリンは三重の肥満ホルモンなのです。
糖質をしっかり制限するほど、インスリン分泌は少なくてすみますが、緩やかな糖質制限になると、糖質の量に応じて、あるていどインスリンは分泌されますのでダイエット効果はその分落ちます。
糖質制限食の解説をしておられる関由佳氏の方法は『ゆるゆる糖質オフダイエット』なので、スーパー糖質制限食に比べると効果は、かなり落ちると思います。
そのことを知った上で、スーパー糖質制限食と、どう使いわけていくかですね。
糖質制限・糖質オフ商品ですが、ローソンのブランパンは、物により糖質量がかなりばらつくので表示を確かめる必要があります。
さらやの「へるしごはん」は、普通のご飯に比べたら、かなり低GIで好ましいことは間違いないのですが、糖質セイゲニストからすると、ゆるゆる糖質制限のレベルですので、インスリンはある程度の量は分泌されます。
アサヒビール「アサヒスタイルフリー」は糖質制限OK食品です。
江部康二
(☆)
~2013年「最も知名度が高い」ダイエット法ランキング~
http://www.sankeibiz.jp/business/news/131210/prl1312101438068-n1.htm
産経ビズ。Sankei Biz。
2013年12月10日
トレンド総研
2013年-2014年 トレンド分析レポート
~2013年「最も知名度が高い」ダイエット法ランキング~
第1位は“糖質制限ダイエット”!
内科認定医が語る“糖質制限ダイエット”のポイントとは!?
生活者の意識・実態に関する調査を行うトレンド総研(東京都渋谷区)は、このたび、「2013年に注目を集めたダイエット法」をテーマに、トレンド分析レポートを発表します。
毎年次々と新たな方法が登場する「ダイエット」。「ダイエット」は常に多くの女性たちの関心事だと言えます。2013年も、テレビや雑誌などの様々なメディアで多くのダイエット法が紹介され話題になりました。
今回、トレンド総研では、2013年に注目を集めたダイエット法について調べました。
はじめに、2013年にテレビや雑誌、インターネットといった各メディアにおいて紹介された、ダイエット法に関する情報を集めて調べてみました。その結果、より広く情報が扱われていたダイエット法が、以下の6つです。
<2013年にメディア露出が多かった6つのダイエット法>
(1)糖質制限ダイエット
(2)食べ順ダイエット
(3)酵素ダイエット
(4)プチ断食ダイエット
(5)サバ缶ダイエット
(6)ココナッツウォーターダイエット
そこで、今回は女性500名を調査対象として、この6つのダイエット法について、調査を行いました。また、本調査の中で、「最もよく知られていると思う」という人が最も多かった、「糖質制限ダイエット」については、より詳しく調べるために、内科医の関 由佳氏に取材を依頼。『ゆるゆる糖質オフダイエット』の著者でもある関 由佳氏に、糖質制限ダイエットにおけるメリットやコツについて、お話を伺いました。
その上で、トレンド総研おススメの、「糖質制限ダイエット」に関連する注目アイテムを3つ紹介してまいります。
■レポート内容
1、【調査結果】「ダイエット」実態調査
・一般女性の2人に1人が2013年にダイエット、半数が注目の6ダイエットにトライ
・「最も知られていると思うダイエット法」、1位は“糖質制限ダイエット”
2、【専門家インタビュー】内科認定医・関 由佳氏に聞く「糖質制限ダイエット」
・必要栄養素を摂りながら余分な糖質をカット…話題の「糖質制限ダイエット」とは!?
・ストレスをためずに楽しく継続することがポイント
・これからの季節にも!少しの意識で大きく差が出る「糖質制限」
3、【商品紹介】糖質制限・糖質オフ商品
・「アサヒスタイルフリー」/「実りベーカリー 健シリーズ ブランパン2個入」/「へるしごはん」
1、【調査結果】 「ダイエット」実態調査
今回の調査では、2013年にメディア露出が多かった6つのダイエット法、「糖質制限ダイエット」、「食べ順ダイエット」、「酵素ダイエット」、「プチ断食ダイエット」、「サバ缶ダイエット」、「ココナッツウォーターダイエット」について、女性500名を対象に調査を行いました。
[調査概要]
・調査対象:20代~40代 女性500名
・調査期間:2013年10月29日(火)~10月31日(木)
・調査方法:インターネット調査
・調査実施機関:楽天リサーチ株式会社
■ 一般女性の2人に1人が2013年にダイエット、半数が注目の6ダイエットにトライ
20代~40代の一般女性を対象に行った本調査ですが、はじめに、一般的な女性がどの程度ダイエットに取り組んでいるものなのか、その実態について調べました。すると、「現在、ダイエット中」という人は39%。また、「今年、ダイエットを行っていた」という人は50%で、半数を占めます。女性にとって、ダイエットは、身近にある大きな関心事であることがうかがえます。
また、一般女性の2人に1人が2013年にダイエットを行っていたことが分かりましたが、今年、テレビやインターネットなどで紹介されることの多かったダイエット法については、どの程度、女性の間に広がっているものなのでしょうか。
「今年ダイエットを行っていた」という人に、当総研が調べた、「2013年にメディア露出が多かった6つのダイエット法」のそれぞれについて、「行ってみたことがありますか?」と聞きました。その結果、気軽に始められる「食べ順ダイエット」(28%)を中心に、多くの女性が「プチ断食ダイエット」(18%)、「糖質制限ダイエット」(16%)などを「行ったことがある」と答え、6つのダイエット法の内、1つでも試してみたことがあるという人は46%にのぼります。半数近くの人が、数多くのダイエット法の内、これらの6つのダイエット法を試してみたことが明らかになり、2013年における注目度の高さが見受けられます。
■ 「最も知られていると思うダイエット法」、1位は“糖質制限ダイエット”
そこで今回、世の中のトレンド情報を調査するトレンド総研では、「2013年にメディア露出が多かった6つのダイエット法」の内でも、最も知名度が高いダイエット法について注目。6つのダイエット法の中から、「最も知られていると思うダイエット法」のいずれかを選んでもらったところ、1位は「糖質制限ダイエット」(31%)。以下、2位「プチ断食ダイエット」(25%)、3位「酵素ダイエット」(21%)という結果に。
さらに、1位の「糖質制限ダイエット」について、そのイメージを聞くと、「血液がさらさらになりそう。身体に良さそう。(神奈川県・女性39歳)」、「成功すれば効果が高そう。(兵庫県・女性36歳)」といった声が挙げられました。全体的に、健康面、効果面ともに良い印象があることが、1位となった要因のようです。
ちなみに、数あるダイエット法の中でも魅力的だと思うダイエット法のポイントについて聞くと、より多くの支持を集めたのは、「健康的に行うことができるダイエット法」(60%)、「お金のかからないダイエット法」(49%)、「効果がありそうなダイエット法」(46%)といった項目でした。手軽さなど、始めやすいダイエット法よりも、「健康」や「効果」などの要素を兼ね備えた、ダイエット法に、女性は魅力的と感じているようです。こうした背景が、「糖質制限ダイエット」が注目を集めた要因だと言えるかもしれません。
2、【専門家インタビュー】 内科認定医・関 由佳氏に聞く「糖質制限ダイエット」
調査で「最も知られていると思うダイエット法」として1位に選ばれ、健康面、効果面共に良い印象を持たれていた「糖質制限ダイエット」ですが、実際のところはどうなのでしょうか。日本内科学会認定内科医で、『ゆるゆる糖質オフダイエット』(主婦の友社)の著者でもある関 由佳氏に、「糖質制限ダイエット」についてお話をお伺いしました。
■必要栄養素を摂りながら余分な糖質をカット…話題の「糖質制限ダイエット」とは!?
「糖質制限ダイエット」とは、必要な栄養素はきちんと摂りながら、余分な糖質をカットしていくダイエット法です。
「糖質」は身体のエネルギー源として大切な栄養素のひとつですが、その“量”や“種類”には気を付ける必要があります。摂る量が多すぎたり、吸収されやすい精製された穀物や砂糖などを摂ると、血糖値が急上昇しインスリンという太るホルモンが過剰に分泌され、脂肪として蓄積されやすくなります。食事をする際は、まずは野菜から食べるなど『順番を守る』、『炭水化物:タンパク質:野菜=1:2:3の割合で食べるよう心がける』などを意識し、徐々にひとつずつ習慣にしてしまうことが大切です。
■ストレスをためずに楽しく継続することがポイント
他のダイエット法同様、「糖質制限ダイエット」も継続的に行うことが大切です。しかし、食事やお酒を長期間制限するとなるとストレスがたまります。そこで、楽しくダイエットに取り組むために、糖質を制限しながら食事やお酒を楽しむ方法をお教えします。
甘いものを食べると、血糖値が急上昇した後に急降下します。この急降下が起きると、人は余計に空腹感を感じてしまいます。お菓子を食べる際は、少しのチョコレートを牛乳や無調整の豆乳などのタンパク質と共に食べるようにしてください。タンパク質をプラスすることで食べ過ぎを防ぐことができます。また、お酒を飲む際には、アルコールを分解する働きのあるビタミン、亜鉛・鉄などのミネラル、アミノ酸といった栄養素を補うようにすること。今では糖質ゼロのビールなども売られているので、そういったものを活用するのも良いかもしれません。糖質を摂取せずに、お野菜やタンパク質と一緒であれば、ダイエット中でもアルコールを楽しむことができます。
我慢するのではなく食材を賢く選び、選択肢を広くしておくことが長く続けるポイントです。慣れるまで糖質ハンドブックなどを持ち歩くのもおすすめ。裏の成分表示を必ずチェックする習慣をつけるようにしましょう。
■これからの季節にも!少しの意識で大きく差が出る「糖質制限」
年末年始は食べ物の誘惑が多い時期です。そんな時期でも前述したポイントを意識するのとしないのでは大きく違います。まずは食べる順番を習慣付けて、慣れてきたら糖質の量を少なくし、玄米や全粒粉など食物繊維の多いものを選ぶようにしましょう。また失敗を繰り返さないことも大切。飲みすぎ、食べ過ぎてしまった次の日も諦めずリセットしてまた意識することを忘れずにしてください。
【関 由佳(せき ゆか)】
日本内科学会認定内科医、アンチエイジングアドバイザー、野菜ソムリエ
学生時代から予防医学に興味があり、医食同源の考えのもと野菜を多く使ったバランス食を自ら実践。野菜の素晴らしさを広めたいと研修医時代に野菜ソムリエの資格取得。
内科医として勤務する傍ら、若い女性やメタボ対策の男性向けのダイエット外来を行っている。ダイエット外来では血液検査にて、細胞・血管レベルのアンチエイジングを細かくチェックし一人一人にあったオーダーメイドのダイエット指導を実施している。毎日の食事でダイエット、血液・血管・細胞レベルでのアンチエイジング・病気の予防まで、食事で健康美人を目指し、2011年12月Happy Aging Laboを開設。メンバーには医師や看護師、薬剤師が参加。冷え症やダイエットなどテーマに沿った料理イベントを開催している。
関 由佳オフィシャルブログ「Dr.yukaのゆるゆるバランスダイエット」
URL:http://ameblo.jp/dr-yuka/
3、【商品紹介】 糖質制限・糖質オフ商品
こうした背景から、最近ではさまざまな糖質制限・糖質オフ商品が登場しています。今回は、「糖質制限ダイエット」をサポートする注目商品を、ご紹介してまいります。
■ アサヒビール「アサヒスタイルフリー」
「アサヒスタイルフリー」は、糖質ゼロ発泡酒(※1)のパイオニア。健康意識の高まりを背景に開発され、2007年3月の発売から2013年8月までで、累計出荷本数は27億本(※2)に達しています。独自の製法で発酵度を従来品の1.3倍まで高めることで、糖質ゼロを実現。麦芽の風味を残して、うまみや味わいを両立しており、「安らげる香り・さっぱりとした後味」の“きれいな味”が特徴です。
※1 栄養表示基準に基づき、糖質0.5g(100ml当たり)未満を糖質0(ゼロ)としています。
※2 缶350ml換算本数。2007年3月~2013年8月までのアサヒビール株式会社累計出荷本数による。
▼「アサヒビールスタイルフリー」
http://www.asahibeer.co.jp/stylefree/
■ ローソン「実りベーカリー 健シリーズ ブランパン2個入」
「ブランパン2個入」は、小麦粉に比べて糖質が控えめで、食物繊維などの栄養成分を多く含む“ブラン”(小麦の外皮の部分:小麦ふすま)を使用したパンです。この「ブランパン2個入」を含め、ローソンが展開する「実りベーカリー」の「健シリーズ」は、カロリー200kcal以下、または糖質10g以下(※1個あたり)の商品を取りそろえ、糖質やカロリーを気づかう方でも我慢することなく取り入れられるシリーズとなっております。
▼ローソン「実りベーカリー 健シリーズ ブランパン2個入」
http://bakery.lawson.jp/minori/health130521_02.html
■ サラヤ「へるしごはん」
「へるしごはん」は、通常のごはん(※1)に比べてカロリー35%オフ、糖質36%オフに加え、食物繊維も9倍補うことができる低GIのヘルシーなごはんです。特殊な品種“高アミロース米(※2)”と、選び抜かれた大麦、そして“うるち米”のオリジナルブレンドで作られているので、主食のごはんを我慢することなく、しっかり食べてお腹を満たすことができます。
※1 日本食品標準分析表 水稲めし(精白米)
※2 配合うるち米中50%
▼「へるしごはん」
http://shizenha.saraya.com/herushi/herushigohan/
2013年12月12日 (木)
こんにちは。
精神科医師Aさんから、とても興味深い情報をコメント頂きました。
ありがとうございます。
日本 ウォール・ストリート・ジャーナル2013年 12月9日 (月)に
「ダイエット炭酸飲料売り上げが今年急減、人工甘味料の懸念で」
という記事が載りました。
「ペプシコは米国売上高の約4分の1を炭酸飲料から得ていて、コカ・コーラやドクターペッパー・スナップル・グループでは米国売上高の半分以上を炭酸飲料がけん引している。」
米国人の炭酸飲料好きはすごいですね。
日本とは比べものになりません。
「消費量に占めるダイエットソーダのシェアは1990年から2010年の間に26%から31%に拡大した。」
ということは、米国では、砂糖たっぷりのソーダが、2010年時点でも69%も消費されているのですね。
人工甘味料(アスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース、ネオテーム、サッカリン)に関しては、米食品医薬品局(FDA)や世界の政府機関も安全性を保証しているのですが、一日摂取量の総量は規制してあるので、何はともあれ飲み過ぎには注意ですね。
その点、エリスリトールなら、血糖値を上げませんし、総量規制もありません。
国連の食糧農業機関(FAO)及び世界保健機関(WHO)は、JECFA(Joint Expert Committee on Food Additives)を設けて、甘味料など添加物のの安全性評価を公表していますが、糖アルコールは、極めて安全性が高いとされていて、妊婦にも大丈夫です。
糖アルコールには、ソルビトール 、マルチトール 、エリスリトール 、ラクチトール 、キシリトール などがあります。
これらの糖アルコールは、天然素材を原料としており、分類としては合成甘味料には属しません。
糖アルコールの中で血糖値を全く上昇させないのは、唯一エリスリトールだけです。
サラヤのラカントSは
「主成分エリスリトール+ごく少量の羅漢果エキス」
が成分であり、合成甘味料は一切使用してありません。
合成甘味料に懸念をもつかたは、ラカントSならOKです。
私自身は、
味の素のパルスイートカロリーゼロ
「主成分エリスリトール+ごく少量のアスパルテームとアセスルファムカリウム」
浅田飴のシュガーカットゼロ
「主成分エリスリトール+少量のスクラロース」
くらいは、許容範囲と考えています。
江部康二
☆☆☆
【ダイエット炭酸飲料売り上げが今年急減、人工甘味料の懸念で
http://jp.wsj.com/article/SB10001424052702304468904579247052742536692.html
ジョアンナ・ステプカさんは炭酸飲料業界にとって新たな悪夢だ。
ロードアイランド在住の33歳のジョアンナさんは、幼稚園の時からダイエットコーラを飲み始め、大人になるころには毎日3缶を飲み干すまでになった。
ただ8月に人工甘味料は非健康的でカロリーはなくても肥満の原因になる、とジムのトレーナーに告げられて以来、炭酸飲料を断つようになった。
育児ライフスタイルのブログを書いているジョアンナさんは「ずっとウィン・ウィンの関係だと思っていたが、化学物質について知った今、それは確実にない」と語る。
米国人が1990年代に肥満の懸念から普通のカロリーの炭酸飲料の消費を控え始めた頃、コカ・コーラや競合他社はゼロカロリーの製品が750億ドル規模とされる米国の炭酸飲料業界を押し上げると期待していた。しばらくの間、実際そうなった。
ビバレッジ・マーケティングによると、多くの消費者が味に苦情を呈したものの、消費量に占めるダイエットソーダのシェアは1990年から2010年の間に26%から31%に拡大した。
ただ現在、ダイエット飲料は業界の最大の重荷となっている。堅調だった「ゼロカロリー」や「低カロリー」の炭酸飲料の売上高はドル建てで11月23日までの52週に6.8%減となった。
ウェルズ・ファーゴはニールセン・スキャナーのデータを引用し、通常のフルカロリーの炭酸飲料も2.2%減少したと指摘した。
ダイエット飲料部門は3年連続で通常の炭酸飲料を上回るペースで縮小している。
ペプシコのインドラ・ニューイ会長は 「われわれは消費者の習慣や行動に根本的な変化を見ている」と最近語った。
ペプシコは米国売上高の約4分の1を炭酸飲料から得ている。コカ・コーラやドクターペッパー・スナップル・グループでは米国売上高の半分以上を炭酸飲料がけん引している。
炭酸飲料はかつてほどの主力製品ではない。ミンテルによる3月の調査で、18歳から36歳までの消費者の34%が炭酸飲料を「ご褒美」と考えており、その割合はこれより高い年齢層を上回る。
一方、NPDグループによると、ダイエットしている米国人は全体の約20%で、10年前の25%から減っている。
最大の障害は炭酸飲料に含まれる人工甘味料をめぐる健康上の懸念だ。主にアスパルテームが懸念されるが、スクラロースやアセルファムカリウムも問題とされる。
米飲料業協会はそうした甘味料がこの40年間「最も調査され検査された原材料」で、減量ツールとして安全だとしており、米国糖尿病学会や栄養・食品学学会の見解も同じだ。
米食品医薬品局(FDA)や世界の政府機関も安全性を保証している。
専門誌「内分泌学・代謝学の傾向」に掲載された7月の意見欄で、パデュー大学のスーザン・スイザース教授はそうした人工甘味料の頻繁な消費は体内でカロリー摂取を調節する仕組みを崩すことで「代謝異常」を引き起こす可能性があると主張した。
そうした懸念はダイエット炭酸飲料と肥満、糖尿病、心臓疾患との相関関係を示す複数の臨床試験の結果に追従している。
イェール大学医学分のデイナ・スモール教授は「知られていることより知られていないことがはるかに多い」と述べた。
特にアスパルテームをめぐっては1970年代にがんとの関連性を指摘した複数の試験結果を受け、消費者はためらっている。
FDAは1981年にアスパルテームを承認しており、2005年にイタリアで実施された試験を含み、そうした試験結果に不備があると主張している。】
精神科医師Aさんから、とても興味深い情報をコメント頂きました。
ありがとうございます。
日本 ウォール・ストリート・ジャーナル2013年 12月9日 (月)に
「ダイエット炭酸飲料売り上げが今年急減、人工甘味料の懸念で」
という記事が載りました。
「ペプシコは米国売上高の約4分の1を炭酸飲料から得ていて、コカ・コーラやドクターペッパー・スナップル・グループでは米国売上高の半分以上を炭酸飲料がけん引している。」
米国人の炭酸飲料好きはすごいですね。
日本とは比べものになりません。
「消費量に占めるダイエットソーダのシェアは1990年から2010年の間に26%から31%に拡大した。」
ということは、米国では、砂糖たっぷりのソーダが、2010年時点でも69%も消費されているのですね。
人工甘味料(アスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース、ネオテーム、サッカリン)に関しては、米食品医薬品局(FDA)や世界の政府機関も安全性を保証しているのですが、一日摂取量の総量は規制してあるので、何はともあれ飲み過ぎには注意ですね。
その点、エリスリトールなら、血糖値を上げませんし、総量規制もありません。
国連の食糧農業機関(FAO)及び世界保健機関(WHO)は、JECFA(Joint Expert Committee on Food Additives)を設けて、甘味料など添加物のの安全性評価を公表していますが、糖アルコールは、極めて安全性が高いとされていて、妊婦にも大丈夫です。
糖アルコールには、ソルビトール 、マルチトール 、エリスリトール 、ラクチトール 、キシリトール などがあります。
これらの糖アルコールは、天然素材を原料としており、分類としては合成甘味料には属しません。
糖アルコールの中で血糖値を全く上昇させないのは、唯一エリスリトールだけです。
サラヤのラカントSは
「主成分エリスリトール+ごく少量の羅漢果エキス」
が成分であり、合成甘味料は一切使用してありません。
合成甘味料に懸念をもつかたは、ラカントSならOKです。
私自身は、
味の素のパルスイートカロリーゼロ
「主成分エリスリトール+ごく少量のアスパルテームとアセスルファムカリウム」
浅田飴のシュガーカットゼロ
「主成分エリスリトール+少量のスクラロース」
くらいは、許容範囲と考えています。
江部康二
☆☆☆
【ダイエット炭酸飲料売り上げが今年急減、人工甘味料の懸念で
http://jp.wsj.com/article/SB10001424052702304468904579247052742536692.html
ジョアンナ・ステプカさんは炭酸飲料業界にとって新たな悪夢だ。
ロードアイランド在住の33歳のジョアンナさんは、幼稚園の時からダイエットコーラを飲み始め、大人になるころには毎日3缶を飲み干すまでになった。
ただ8月に人工甘味料は非健康的でカロリーはなくても肥満の原因になる、とジムのトレーナーに告げられて以来、炭酸飲料を断つようになった。
育児ライフスタイルのブログを書いているジョアンナさんは「ずっとウィン・ウィンの関係だと思っていたが、化学物質について知った今、それは確実にない」と語る。
米国人が1990年代に肥満の懸念から普通のカロリーの炭酸飲料の消費を控え始めた頃、コカ・コーラや競合他社はゼロカロリーの製品が750億ドル規模とされる米国の炭酸飲料業界を押し上げると期待していた。しばらくの間、実際そうなった。
ビバレッジ・マーケティングによると、多くの消費者が味に苦情を呈したものの、消費量に占めるダイエットソーダのシェアは1990年から2010年の間に26%から31%に拡大した。
ただ現在、ダイエット飲料は業界の最大の重荷となっている。堅調だった「ゼロカロリー」や「低カロリー」の炭酸飲料の売上高はドル建てで11月23日までの52週に6.8%減となった。
ウェルズ・ファーゴはニールセン・スキャナーのデータを引用し、通常のフルカロリーの炭酸飲料も2.2%減少したと指摘した。
ダイエット飲料部門は3年連続で通常の炭酸飲料を上回るペースで縮小している。
ペプシコのインドラ・ニューイ会長は 「われわれは消費者の習慣や行動に根本的な変化を見ている」と最近語った。
ペプシコは米国売上高の約4分の1を炭酸飲料から得ている。コカ・コーラやドクターペッパー・スナップル・グループでは米国売上高の半分以上を炭酸飲料がけん引している。
炭酸飲料はかつてほどの主力製品ではない。ミンテルによる3月の調査で、18歳から36歳までの消費者の34%が炭酸飲料を「ご褒美」と考えており、その割合はこれより高い年齢層を上回る。
一方、NPDグループによると、ダイエットしている米国人は全体の約20%で、10年前の25%から減っている。
最大の障害は炭酸飲料に含まれる人工甘味料をめぐる健康上の懸念だ。主にアスパルテームが懸念されるが、スクラロースやアセルファムカリウムも問題とされる。
米飲料業協会はそうした甘味料がこの40年間「最も調査され検査された原材料」で、減量ツールとして安全だとしており、米国糖尿病学会や栄養・食品学学会の見解も同じだ。
米食品医薬品局(FDA)や世界の政府機関も安全性を保証している。
専門誌「内分泌学・代謝学の傾向」に掲載された7月の意見欄で、パデュー大学のスーザン・スイザース教授はそうした人工甘味料の頻繁な消費は体内でカロリー摂取を調節する仕組みを崩すことで「代謝異常」を引き起こす可能性があると主張した。
そうした懸念はダイエット炭酸飲料と肥満、糖尿病、心臓疾患との相関関係を示す複数の臨床試験の結果に追従している。
イェール大学医学分のデイナ・スモール教授は「知られていることより知られていないことがはるかに多い」と述べた。
特にアスパルテームをめぐっては1970年代にがんとの関連性を指摘した複数の試験結果を受け、消費者はためらっている。
FDAは1981年にアスパルテームを承認しており、2005年にイタリアで実施された試験を含み、そうした試験結果に不備があると主張している。】
2013年12月11日 (水)
こんにちは。
あらてつさんの糖質制限ドットコムから発売されている、世界初の糖質制限ワイン専門ブランドSarmentum(サーメンタム)にCava(カバ)と Rosé (ロゼ)が加わりました。

ロゼは日本でもよく知られていますが、Cavaはあまり馴染みがありません。
糖質制限ドットコムのサイトによりますと、
Cavaは、スペインカタルーニャ州で生産されるスパークリングワインで、フランスのシャンパンと同じ製法で作られている、いわばスペイン版シャンペンです。
瓶詰めした後に瓶の中で二次発酵させるのが特徴です。最低でも9ヶ月の熟成が法律で定められています。この熟成を、ボデガ(ワイン醸造所)地下のくらいワインセラーで行うため、Cava(洞窟)の名前が付きました。
とのことです。
この二つは、10月にあらてつさんがスペインまで行って検査してきたものです。
その時の様子をあらてつさんのブログから抜粋します。
コビデス社です

カタルーニャの伝統的なタイル絵

昔のワイン造りの様子です

今は近代的な設備になっています(笑)

瓶詰めしてます


地下の倉庫で熟成させます

昔ながらのなんとも言えない雰囲気でした

コビデス社の試飲室

今回の新商品 糖質制限カバと糖質制限ロゼ

神妙な面持ちのクリストフ(笑)

検査前でやや緊張(笑)

いいカバは泡が細く立つそう

尿糖試験紙、ほとんど色が変わりませんでした

合格なので試飲です

発泡ワインは、製造の最後の段階で澱を抜き取るのですが、その際に減った分、リキュールと砂糖を足して味の調整をします。
この作業をドサージュと言うそうですが、この糖質制限カバはドサージュでリキュールや砂糖を入れておりません。
なので、味の調整が非常に難しかったそうですが、砂糖ゼロとは思えないくらい美味しく仕上がっております。
次は、糖質制限ロゼです

このロゼ、昨年コビデス社に行った際も提案してくれたのですが、尿糖試験紙が見事に緑に。
クリストフの自信作だったらしく、不合格になったことがショックだったみたいで、3月に日本に来た時も「自信があったのにテツヤがあかんゆうた」と愚痴ってました(笑)
今回はどうでしょう。
緊張の一瞬

見事に合格

全く変色しませんでした
皆で試飲

🔷CAVA (スパークリングワイン)
Sarmentum Cava Brut Nature
「スパークリングワインが飲みたいけど、糖質が多いので諦めていた」
そんな常識を覆す本格糖質制限Cavaが、Sarmentum Cava Brut Nature
スペイン、カタルーニャ州伝統のスパークリングワインCAVAが、糖質制限で
登場です。
Xarel.lo(チャレロ)、Macabeo(マカベオ)、Parellada(パレリャーダ)の三種のブドウを用い、発泡ワイン特有の爽やかな甘さとフルーティーな味わいを実現しながら、徹底して糖度を抑えました。
その結果、江部康二先生の測定検査を見事にクリア。
糖質制限食実践中でも安心して飲んでいただける、本格CAVAです。
●クリストフ氏より解説
通常のCavaは、ドサージュといって、砂糖や甘いリキュールを添加し、味わいの最終調整を行いますが、このSarmentum Cava Brut Natureは、それらを一切加えずに仕上げています。
ブドウ品種は、ペネデス原産のXarel.lo(チャレロ)、Macabeo(マカベオ)、Parellada(パレリャーダ)の三種です。
穏やかな黄金色の反射のある、青白みかかった黄色。グラスに注ぐと数珠状の輪を形成しながら上昇する泡が、程よい感じで長時間放出されます。
ボトルの中で、わずかに熟した果実や花のニュアンスを帯びた、はちみつのようなクリアンサ独特の非常に心地よい香りがします。
飲んで頂くと爽やかな後味で、口の中で大変な心地よさを演出すします。ドライな感じで始まりますが、まろやかで温かみをもった感じで終わります。
香り高く、素直に後に残るまろやかな後味がたいへん心地良いCavaです。
🔷Rosé (ロゼ)
Sarmentum Rosé
ピンク色とさわやかな味わいで女性に人気のロゼワイン。
赤ワインの渋みと深み、白ワインのフルティーな爽やかさの両方の特徴を合わせ持つワインです。
日本では甘口のイメージがありますが、ワインの本場ヨーロッパでは、赤ワインほど重くなく、白ワインよりもボリュームがあるロゼは、様々な料理に合わせられるので大人気です。
そのロゼワインを糖質制限で醸造したのが、Sarmentum Rosé
ペネデス産のTempranillo(テンプラニージョ)100%で醸造し、ほんのりと甘い口当たりながらも、糖質制限食実践中でも安心してお飲み頂ける本格ロゼに仕上がっています。
●クリストフ氏より解説
100%ペネデスのブドウ畑原産テンプラニージョを使い醸造した、透明感のある桜色がかった赤のロゼワイン。
コルクを抜けば、フルーティーな特徴を持った上質で心地よい香りが拡がります。
口に含むと、ほどよい酸味のあるフレッシュさがありながら、口当たりがまろやかで飲みやすく、エレガントかつフルーティーな後味が残ります。
テンプラニージョの果実を思わせる香りと、重厚かつ繊細な味わい、酸味と渋みがバランスよく感じられるロゼは、どのような料理にも合わせて頂けるでしょう。
さて、尿糖紙だけでは安心できませんので、私、江部康二が人体実験しました。
血糖測定結果です。
まずは、カバ。
午後7:20・・・血糖値:88mg
カバ 300ml 摂取
午後7:50・・・30分後血糖値:91mg
午後8:20・・・60分後血糖値:92mg
絶好調です(^O^)
次にロゼ
午後7:20 血糖値:96mg
スペインロゼ 200ml 摂取
午後8:20 血糖値:91mg
大成功です\(^o^)/
あらてつさん、クリスマスに合わせてローストビーフも販売しています。

よくいろいろと考えるなと感心しますね(^_^;)
ともあれ、これまでスパークリングワインやロゼは、糖質が多くて諦めていた糖尿人も多かったと思います。
このサーメンタム・カバとサーメンタム・ロゼなら、安心して飲むことができますので、ブログ読者の糖質セイゲニストの皆さん、今年のクリスマスに是非おすすめします(^O^)
サーメンタム ロゼ&カバ
http://www.toushitsuseigen.com/products/detail81.html
糖質制限 ローストビーフ
http://www.toushitsuseigen.com/products/detail78.html
江部康二
あらてつさんの糖質制限ドットコムから発売されている、世界初の糖質制限ワイン専門ブランドSarmentum(サーメンタム)にCava(カバ)と Rosé (ロゼ)が加わりました。

ロゼは日本でもよく知られていますが、Cavaはあまり馴染みがありません。
糖質制限ドットコムのサイトによりますと、
Cavaは、スペインカタルーニャ州で生産されるスパークリングワインで、フランスのシャンパンと同じ製法で作られている、いわばスペイン版シャンペンです。
瓶詰めした後に瓶の中で二次発酵させるのが特徴です。最低でも9ヶ月の熟成が法律で定められています。この熟成を、ボデガ(ワイン醸造所)地下のくらいワインセラーで行うため、Cava(洞窟)の名前が付きました。
とのことです。
この二つは、10月にあらてつさんがスペインまで行って検査してきたものです。
その時の様子をあらてつさんのブログから抜粋します。
コビデス社です

カタルーニャの伝統的なタイル絵

昔のワイン造りの様子です

今は近代的な設備になっています(笑)

瓶詰めしてます


地下の倉庫で熟成させます

昔ながらのなんとも言えない雰囲気でした

コビデス社の試飲室

今回の新商品 糖質制限カバと糖質制限ロゼ

神妙な面持ちのクリストフ(笑)

検査前でやや緊張(笑)

いいカバは泡が細く立つそう

尿糖試験紙、ほとんど色が変わりませんでした

合格なので試飲です

発泡ワインは、製造の最後の段階で澱を抜き取るのですが、その際に減った分、リキュールと砂糖を足して味の調整をします。
この作業をドサージュと言うそうですが、この糖質制限カバはドサージュでリキュールや砂糖を入れておりません。
なので、味の調整が非常に難しかったそうですが、砂糖ゼロとは思えないくらい美味しく仕上がっております。
次は、糖質制限ロゼです

このロゼ、昨年コビデス社に行った際も提案してくれたのですが、尿糖試験紙が見事に緑に。
クリストフの自信作だったらしく、不合格になったことがショックだったみたいで、3月に日本に来た時も「自信があったのにテツヤがあかんゆうた」と愚痴ってました(笑)
今回はどうでしょう。
緊張の一瞬

見事に合格

全く変色しませんでした
皆で試飲

🔷CAVA (スパークリングワイン)
Sarmentum Cava Brut Nature
「スパークリングワインが飲みたいけど、糖質が多いので諦めていた」
そんな常識を覆す本格糖質制限Cavaが、Sarmentum Cava Brut Nature
スペイン、カタルーニャ州伝統のスパークリングワインCAVAが、糖質制限で
登場です。
Xarel.lo(チャレロ)、Macabeo(マカベオ)、Parellada(パレリャーダ)の三種のブドウを用い、発泡ワイン特有の爽やかな甘さとフルーティーな味わいを実現しながら、徹底して糖度を抑えました。
その結果、江部康二先生の測定検査を見事にクリア。
糖質制限食実践中でも安心して飲んでいただける、本格CAVAです。
●クリストフ氏より解説
通常のCavaは、ドサージュといって、砂糖や甘いリキュールを添加し、味わいの最終調整を行いますが、このSarmentum Cava Brut Natureは、それらを一切加えずに仕上げています。
ブドウ品種は、ペネデス原産のXarel.lo(チャレロ)、Macabeo(マカベオ)、Parellada(パレリャーダ)の三種です。
穏やかな黄金色の反射のある、青白みかかった黄色。グラスに注ぐと数珠状の輪を形成しながら上昇する泡が、程よい感じで長時間放出されます。
ボトルの中で、わずかに熟した果実や花のニュアンスを帯びた、はちみつのようなクリアンサ独特の非常に心地よい香りがします。
飲んで頂くと爽やかな後味で、口の中で大変な心地よさを演出すします。ドライな感じで始まりますが、まろやかで温かみをもった感じで終わります。
香り高く、素直に後に残るまろやかな後味がたいへん心地良いCavaです。
🔷Rosé (ロゼ)
Sarmentum Rosé
ピンク色とさわやかな味わいで女性に人気のロゼワイン。
赤ワインの渋みと深み、白ワインのフルティーな爽やかさの両方の特徴を合わせ持つワインです。
日本では甘口のイメージがありますが、ワインの本場ヨーロッパでは、赤ワインほど重くなく、白ワインよりもボリュームがあるロゼは、様々な料理に合わせられるので大人気です。
そのロゼワインを糖質制限で醸造したのが、Sarmentum Rosé
ペネデス産のTempranillo(テンプラニージョ)100%で醸造し、ほんのりと甘い口当たりながらも、糖質制限食実践中でも安心してお飲み頂ける本格ロゼに仕上がっています。
●クリストフ氏より解説
100%ペネデスのブドウ畑原産テンプラニージョを使い醸造した、透明感のある桜色がかった赤のロゼワイン。
コルクを抜けば、フルーティーな特徴を持った上質で心地よい香りが拡がります。
口に含むと、ほどよい酸味のあるフレッシュさがありながら、口当たりがまろやかで飲みやすく、エレガントかつフルーティーな後味が残ります。
テンプラニージョの果実を思わせる香りと、重厚かつ繊細な味わい、酸味と渋みがバランスよく感じられるロゼは、どのような料理にも合わせて頂けるでしょう。
さて、尿糖紙だけでは安心できませんので、私、江部康二が人体実験しました。
血糖測定結果です。
まずは、カバ。
午後7:20・・・血糖値:88mg
カバ 300ml 摂取
午後7:50・・・30分後血糖値:91mg
午後8:20・・・60分後血糖値:92mg
絶好調です(^O^)
次にロゼ
午後7:20 血糖値:96mg
スペインロゼ 200ml 摂取
午後8:20 血糖値:91mg
大成功です\(^o^)/
あらてつさん、クリスマスに合わせてローストビーフも販売しています。

よくいろいろと考えるなと感心しますね(^_^;)
ともあれ、これまでスパークリングワインやロゼは、糖質が多くて諦めていた糖尿人も多かったと思います。
このサーメンタム・カバとサーメンタム・ロゼなら、安心して飲むことができますので、ブログ読者の糖質セイゲニストの皆さん、今年のクリスマスに是非おすすめします(^O^)
サーメンタム ロゼ&カバ
http://www.toushitsuseigen.com/products/detail81.html
糖質制限 ローストビーフ
http://www.toushitsuseigen.com/products/detail78.html
江部康二
2013年12月10日 (火)
【13/12/09 ゆいゆい
江部先生、松本先生、佐々木先生、お忙しい中のスライド作成、講演、有難うございました。大変参考になりましたし、松本先生の講演はトークショーの域ですね。私のところは栄養士はおらず、自分で栄養指導もしているのでとても実感できる内容でした。沖縄でこのレベルの講演会ができる素地を作るべく努力していきます。沖縄糖質オフネットワークも頑張ってますよー!!】
こんにちは。
ゆいゆい内科クリニックの安谷屋(アダニヤ) 徳章先生からコメントをいただきました。
安谷屋先生、はるばる沖縄から、
一般社団法人 日本糖質制限医療推進協会主催 医療関係者向け講演会
「糖尿病治療のための糖質制限食指導」
にご参加いただき、ありがとうございました。
平成25年6月5日開業とのことですので、まだまだ真新しいきれいなクリニックでしょうね。
糖尿病など生活習慣病の治療に力をいれておられるそうです。
勿論、糖質制限食の指導もされています。
沖縄県の、ゆいゆい内科クリニックのお近くの糖尿人、メタボ人の皆さん、糖質制限食に興味がおありなら、是非一度受診されては如何でしょう。
ゆいゆい内科クリニック
〒903-0112
沖縄県中頭郡西原町我謝786-11
診療科目:内科(生活習慣病中心)
院長 安谷屋(アダニヤ) 徳章先生
TEL:098-946-0055
ゆいゆい内科クリニックのホームページ
http://www.yuiyuinaika.com/
安谷屋(アダニヤ) 徳章先生のブログ
http://ync.ti-da.net/c235696.html
江部康二
江部先生、松本先生、佐々木先生、お忙しい中のスライド作成、講演、有難うございました。大変参考になりましたし、松本先生の講演はトークショーの域ですね。私のところは栄養士はおらず、自分で栄養指導もしているのでとても実感できる内容でした。沖縄でこのレベルの講演会ができる素地を作るべく努力していきます。沖縄糖質オフネットワークも頑張ってますよー!!】
こんにちは。
ゆいゆい内科クリニックの安谷屋(アダニヤ) 徳章先生からコメントをいただきました。
安谷屋先生、はるばる沖縄から、
一般社団法人 日本糖質制限医療推進協会主催 医療関係者向け講演会
「糖尿病治療のための糖質制限食指導」
にご参加いただき、ありがとうございました。
平成25年6月5日開業とのことですので、まだまだ真新しいきれいなクリニックでしょうね。
糖尿病など生活習慣病の治療に力をいれておられるそうです。
勿論、糖質制限食の指導もされています。
沖縄県の、ゆいゆい内科クリニックのお近くの糖尿人、メタボ人の皆さん、糖質制限食に興味がおありなら、是非一度受診されては如何でしょう。
ゆいゆい内科クリニック
〒903-0112
沖縄県中頭郡西原町我謝786-11
診療科目:内科(生活習慣病中心)
院長 安谷屋(アダニヤ) 徳章先生
TEL:098-946-0055
ゆいゆい内科クリニックのホームページ
http://www.yuiyuinaika.com/
安谷屋(アダニヤ) 徳章先生のブログ
http://ync.ti-da.net/c235696.html
江部康二
2013年12月09日 (月)
こんばんは。
2013年12月8日(日)13:00から
一般社団法人 日本糖質制限医療推進協会主催 医療関係者向け講演会
「糖尿病治療のための糖質制限食指導」
が開催されました。
12:10過ぎには、早くも参加者が集まりはじめ、13:00開始時には、予定54名中52名が着席しておられました。
あと2名も5分遅れで参加で、全員出席となりました。
これだけの出席率と速さは感動ものでした。
ぎっしり満員となりましたのと質疑応答が活発で熱気に溢れてまして、空調を途中から冷房に切り替えました。
第一部の基礎理論についてはある程度勉強されている方が多く、質問も高度な内容のものがほとんどでした。
第二部の「症例検討と薬剤の使い方」は実践に即したものだったので、皆さん食いつきもよく、しっかり関心を持っておられる感触がありました。
質問も実際に治療しておられる患者さんのことも含めて、出席者全員にお互いに参考になることが多く、充実した質疑応答を展開することができました。
ここで、質疑応答の時間が熱気を帯びてやや長くなりました。
第三部の「糖質制限食 食事指導の実際」は、松本管理栄養士が、担当されました。
パワーポイントスライドは、グラフと写真と表をたっぷり使って、ビジュアル的にとてもわかりやすい内容でした。
松本さんの軽妙なトークに、会場もなごみしきりに頷いている参加者が多かったです。
質疑応答も多岐にわたり、興味深かったです。
終了した時は、17時前で、会場の期限ギリギリでした。
総じてとても充実した熱気に溢れた講演会となり、私としても嬉しい限りでした。
次回は、もう少し、時間に余裕をもってさらに、実りの多い講演会を目指したいと思います。
江部康二
一般社団法人 日本糖質制限医療推進協会主催
医療関係者向け講演会
「糖尿病治療のための糖質制限食指導」
■日時: 2013年12月8日(日)13:00~ ※受付12:45~
■場所: TKP品川カンファレンスセンター カンファレンスルーム4C
〒108-0074 東京都港区高輪3-26-33 京急第10ビル4F
http://tkpshinagawa.net/access.shtml
■スケジュール:
第一部:13:00~14:05 「基礎理論」 ※講師A
第二部:14:05~15:10 「症例検討と薬剤の使い方」 ※講師A
休憩 15:10~15:25
第三部:15:25~16:35 「糖質制限食 食事指導の実際」 ※講師B
■講師
A:江部 康二 医師
(一財)高雄病院 理事長
(一社)日本糖質制限医療推進協会理事長
B:松本 桃代 管理栄養士
(一社)日本糖質制限医療推進協会 アドバイザー
佐々木 栄子 管理栄養士
(一社)日本糖質制限医療推進協会 アドバイザー
※講義時間・質疑応答時間について
①②は講座各50分、質疑応答各15分
③は講座50分、質疑応答20分を予定しております。
■対象:医療従事者(医師、歯科医師、薬剤師、看護師、栄養士、鍼灸師など)
■定員:50名
2013年12月8日(日)13:00から
一般社団法人 日本糖質制限医療推進協会主催 医療関係者向け講演会
「糖尿病治療のための糖質制限食指導」
が開催されました。
12:10過ぎには、早くも参加者が集まりはじめ、13:00開始時には、予定54名中52名が着席しておられました。
あと2名も5分遅れで参加で、全員出席となりました。
これだけの出席率と速さは感動ものでした。
ぎっしり満員となりましたのと質疑応答が活発で熱気に溢れてまして、空調を途中から冷房に切り替えました。
第一部の基礎理論についてはある程度勉強されている方が多く、質問も高度な内容のものがほとんどでした。
第二部の「症例検討と薬剤の使い方」は実践に即したものだったので、皆さん食いつきもよく、しっかり関心を持っておられる感触がありました。
質問も実際に治療しておられる患者さんのことも含めて、出席者全員にお互いに参考になることが多く、充実した質疑応答を展開することができました。
ここで、質疑応答の時間が熱気を帯びてやや長くなりました。
第三部の「糖質制限食 食事指導の実際」は、松本管理栄養士が、担当されました。
パワーポイントスライドは、グラフと写真と表をたっぷり使って、ビジュアル的にとてもわかりやすい内容でした。
松本さんの軽妙なトークに、会場もなごみしきりに頷いている参加者が多かったです。
質疑応答も多岐にわたり、興味深かったです。
終了した時は、17時前で、会場の期限ギリギリでした。
総じてとても充実した熱気に溢れた講演会となり、私としても嬉しい限りでした。
次回は、もう少し、時間に余裕をもってさらに、実りの多い講演会を目指したいと思います。
江部康二
一般社団法人 日本糖質制限医療推進協会主催
医療関係者向け講演会
「糖尿病治療のための糖質制限食指導」
■日時: 2013年12月8日(日)13:00~ ※受付12:45~
■場所: TKP品川カンファレンスセンター カンファレンスルーム4C
〒108-0074 東京都港区高輪3-26-33 京急第10ビル4F
http://tkpshinagawa.net/access.shtml
■スケジュール:
第一部:13:00~14:05 「基礎理論」 ※講師A
第二部:14:05~15:10 「症例検討と薬剤の使い方」 ※講師A
休憩 15:10~15:25
第三部:15:25~16:35 「糖質制限食 食事指導の実際」 ※講師B
■講師
A:江部 康二 医師
(一財)高雄病院 理事長
(一社)日本糖質制限医療推進協会理事長
B:松本 桃代 管理栄養士
(一社)日本糖質制限医療推進協会 アドバイザー
佐々木 栄子 管理栄養士
(一社)日本糖質制限医療推進協会 アドバイザー
※講義時間・質疑応答時間について
①②は講座各50分、質疑応答各15分
③は講座50分、質疑応答20分を予定しております。
■対象:医療従事者(医師、歯科医師、薬剤師、看護師、栄養士、鍼灸師など)
■定員:50名
2013年12月09日 (月)
こんばんは。
北九州三島さんから、最近の検査データをコメントいただきました。
ありがとうございます。
三島さんの過去の検査データ
2010.9.27(糖質制限食開始前)
HbAb1c:7.9%(NGSP)
尿中微量アルブミン陽性(糖尿病腎症第2期)
2012年6月26日(糖質制限食開始13ヶ月目)
HbAb1c:5.6%(NGSP)
尿中微量アルブミン正常化(腎症前期)
素晴らし以下改善です。
糖尿病腎症が改善したのも大変良いです。
今回、2013年12月6日も、
HbA1c:5.7% と正常値をキープです。
殆ど全て基準値内のデータです。
尿酸が7.1mg/dl(7.0以下)ですが、まず心配ないです。
総コレステロール 245
HDL-Cho 58
LDLーCho 162
中性脂肪 65
LDLーChoが基準値より高値ですが、中性脂肪が、65mgと正常でも低めでHDL-Cが58mgとしっかり確保なので、良いLDL-Cが殆どです。
中性脂肪が高値で、HDL-Cが低値の場合は、小粒子LDL-Cや酸化LDL-Cといった、真の悪玉が増えるので良くないのです。
三島さんの場合は、良いLDL-Cなので心配ないのです。
総じて、糖尿病腎症からの回復も含めて、三島さん、天晴れです。
江部康二
【13/12/09 北九州 三島
検査データです。
63歳の誕生日記念に、検査を受けてきました。
外食(旅行)が多かった割には…。
2013 12.06
体 重 63.1
身 長 165.5
血 圧 127/78
糖 尿 血糖値、空腹時 102
HbA1c 5.7
尿アルブミン/尿蛋白 13.7
アルブミン定量値 19.3
アセト酢酸 28
3ヒドロキ酪酸 169
総ケトン体 197
インスリン 空腹 IRI 6.1
アルブミン 4.4
アルブミン補正 13.7
アルブミン定量値 19.3
AST(GOT) 19
ALT(GPT) 19
γ―GT(γーGTP) 25
脂 質 総コレステロール 245
HDL-Cho 58
LDLーCho 162
中性脂肪 65
腎機能 尿酸 7.1
尿素窒素 23.4
クレアチニン 0.59 】
北九州三島さんから、最近の検査データをコメントいただきました。
ありがとうございます。
三島さんの過去の検査データ
2010.9.27(糖質制限食開始前)
HbAb1c:7.9%(NGSP)
尿中微量アルブミン陽性(糖尿病腎症第2期)
2012年6月26日(糖質制限食開始13ヶ月目)
HbAb1c:5.6%(NGSP)
尿中微量アルブミン正常化(腎症前期)
素晴らし以下改善です。
糖尿病腎症が改善したのも大変良いです。
今回、2013年12月6日も、
HbA1c:5.7% と正常値をキープです。
殆ど全て基準値内のデータです。
尿酸が7.1mg/dl(7.0以下)ですが、まず心配ないです。
総コレステロール 245
HDL-Cho 58
LDLーCho 162
中性脂肪 65
LDLーChoが基準値より高値ですが、中性脂肪が、65mgと正常でも低めでHDL-Cが58mgとしっかり確保なので、良いLDL-Cが殆どです。
中性脂肪が高値で、HDL-Cが低値の場合は、小粒子LDL-Cや酸化LDL-Cといった、真の悪玉が増えるので良くないのです。
三島さんの場合は、良いLDL-Cなので心配ないのです。
総じて、糖尿病腎症からの回復も含めて、三島さん、天晴れです。
江部康二
【13/12/09 北九州 三島
検査データです。
63歳の誕生日記念に、検査を受けてきました。
外食(旅行)が多かった割には…。
2013 12.06
体 重 63.1
身 長 165.5
血 圧 127/78
糖 尿 血糖値、空腹時 102
HbA1c 5.7
尿アルブミン/尿蛋白 13.7
アルブミン定量値 19.3
アセト酢酸 28
3ヒドロキ酪酸 169
総ケトン体 197
インスリン 空腹 IRI 6.1
アルブミン 4.4
アルブミン補正 13.7
アルブミン定量値 19.3
AST(GOT) 19
ALT(GPT) 19
γ―GT(γーGTP) 25
脂 質 総コレステロール 245
HDL-Cho 58
LDLーCho 162
中性脂肪 65
腎機能 尿酸 7.1
尿素窒素 23.4
クレアチニン 0.59 】
2013年12月08日 (日)
こんばんは。
先ほど、医療関係者向け東京講演会を終えて、帰京したところです。
講演会は、満員で、ご報告はまた明日。
本日は、毎月第三金曜日、恒例のターニング・ポイントライブのご案内です。
不肖江部康二、1994年からバンド<TURNING POINT> を率いて、毎月1回第三金曜日夜に、ライブ活動を続けています。
定期ライブ開始以来、一度も休んだことがないのはちょっと自慢です。('-^*)☆
2007年12月からは、「ライブハウス 憧夢」で活動しています。
2009年1月から京都市営地下鉄東西線が、太秦天神川駅まで完成して、交通アクセスがとても便利になりました。
ライブハウス 憧夢
http://www.106215.jp/
電話:075-862-1101
京都市営地下鉄東西線「太秦天神川駅」下車 北へ 徒歩 1分
入場料:¥1000- ワンドリンクつき
ジャンルはビートルズ、イーグルス、CCR、カーペンターズ、サム・クック、オーティス・レディング、スティービー・ワンダー、キャロル・キング、ベット・ミドラー、クラプトン、ポリス、エルトン・ジョン・・・・そしてサザン・オールスターズ、坂本九、柳ジョージ、尾崎豊・・・
要するに何でもありのバンドなので飽きが来なくて長続きしてるようです。 (^_^)
観客の皆さんも、いろんな曲があるので、おおいに楽しんで貰っています。
私は、ボーカル担当です。つまり楽器が弾けないということですが・・・(-д-;)。
女性ボーカルが二人、ドラム、ギター、ベース、キーボード、アルトサックスの、8人編成のグループです。
さて今回、友人がライブをビデオ撮影して、youtube にアップしてくれましたので、ブログ読者の皆さん、是非一度ご覧下さいね。
http://youtu.be/PTlGV3wGwnA
曲目はテンプテーションズの My Girl です。
今月のクリスマスライブも、youtubeにアップ予定です。
第三金曜日、京都にお越しの節は、ターニング・ポイントのライブにも是非どうぞ。
江部康二
先ほど、医療関係者向け東京講演会を終えて、帰京したところです。
講演会は、満員で、ご報告はまた明日。
本日は、毎月第三金曜日、恒例のターニング・ポイントライブのご案内です。
不肖江部康二、1994年からバンド<TURNING POINT> を率いて、毎月1回第三金曜日夜に、ライブ活動を続けています。
定期ライブ開始以来、一度も休んだことがないのはちょっと自慢です。('-^*)☆
2007年12月からは、「ライブハウス 憧夢」で活動しています。
2009年1月から京都市営地下鉄東西線が、太秦天神川駅まで完成して、交通アクセスがとても便利になりました。
ライブハウス 憧夢
http://www.106215.jp/
電話:075-862-1101
京都市営地下鉄東西線「太秦天神川駅」下車 北へ 徒歩 1分
入場料:¥1000- ワンドリンクつき
ジャンルはビートルズ、イーグルス、CCR、カーペンターズ、サム・クック、オーティス・レディング、スティービー・ワンダー、キャロル・キング、ベット・ミドラー、クラプトン、ポリス、エルトン・ジョン・・・・そしてサザン・オールスターズ、坂本九、柳ジョージ、尾崎豊・・・
要するに何でもありのバンドなので飽きが来なくて長続きしてるようです。 (^_^)
観客の皆さんも、いろんな曲があるので、おおいに楽しんで貰っています。
私は、ボーカル担当です。つまり楽器が弾けないということですが・・・(-д-;)。
女性ボーカルが二人、ドラム、ギター、ベース、キーボード、アルトサックスの、8人編成のグループです。
さて今回、友人がライブをビデオ撮影して、youtube にアップしてくれましたので、ブログ読者の皆さん、是非一度ご覧下さいね。
http://youtu.be/PTlGV3wGwnA
曲目はテンプテーションズの My Girl です。
今月のクリスマスライブも、youtubeにアップ予定です。
第三金曜日、京都にお越しの節は、ターニング・ポイントのライブにも是非どうぞ。
江部康二
2013年12月07日 (土)
こんばんは
<糖質制限食に関するお知らせ・お願いなど> 2013年11月改訂版 です。
腎機能に関して、新しい情報がでてきたので、改訂しました。
【糖質制限食を実践される時のご注意】
本にも書いてありますが、 糖質制限食によりリアルタイムに血糖値が改善します。
このため既に、経口血糖降下剤(オイグルコン、アマリールなど)の内服やインスリン注射をしておられる糖尿人は、低血糖の心配がありますので必ず主治医と相談して頂きたいと思います。
一方、薬を使用してない糖尿人やメタボ人は、低血糖の心配はほとんどないので、自力で 糖質制限食を実践して糖尿病やメタボ改善を目指していただけば幸いです。
内服薬やインスリン注射なしの糖尿人が糖質制限食を実践すると、食後高血糖は改善しますが、低血糖にはなりません。
血糖値が正常範囲である程度下がると、肝臓でアミノ酸・乳酸・グリセロール(脂肪の分解物)などから、ブドウ糖を作るからです。
これを糖新生といいます。
血液検査で、活動性の膵炎がある場合、肝硬変の場合、そして長鎖脂肪酸代謝異常症は、糖質制限食は適応となりませんのでご注意ください。
糖質制限食は相対的に高脂肪食になるので、活動性膵炎には適応とならないのです。
肝硬変では、糖新生能力が低下しているため適応となりません。
長鎖脂肪酸代謝異常症では、脂肪酸が上手く利用できないので、適応となりません。
腎機能に関して、日本腎臓病学会編「CKD診療ガイド2012」において、GFR60ml/分以上あれば顕性たんぱく尿の段階でも、たんぱく質制限の必要なしと明示され、日本糖尿病学会も2013年3月の提言で、それに従うとしました。
従いまして、糖尿病腎症第3期Aまでは、糖質制限食OKです。
また、米国糖尿病学会(ADA)は、
Position Statement on Nutrition Therapy(栄養療法に関する声明)
Diabetes Care 2013年10月9日オンライン版
において、糖尿病腎症患者に対する蛋白質制限の意義を明確に否定しました。
根拠はランク(A)ですので、信頼度の高いRCT研究論文に基づく見解です。
今後は、糖尿病腎症第3期B以降(GFRが60ml/分未満)の場合も、患者さんとよく相談して、糖質制限食を実践するか否か、個別に対応することとなります。
なお、機能性低血糖症の場合、炭水化物依存症レベルが重症のとき、糖新生能力が低下していることがあり、まれに低血糖症を生じますので注意が必要です。
また、どのような食事療法でも合う合わないがあります。
糖質制限食もその一つですので、合わないとご自分で判断されたら中止していただけば幸いです。
【糖質制限食とは】
米国糖尿病協会(ADA)の患者教育用のテキストブックLife With Diabetesによれば、食べ物が消化・吸収されたあと、糖質は100%血糖に変わりますが、タンパク質・脂質は血糖に変わりません。
また糖質は、摂取直後から急峻に血糖値を高く速く上昇させ、2時間以内にほとんどすべてが吸収されます。
これらは含有エネルギーとは無関係な三大栄養素の生理学的特質です。
1997年版のLife With Diabetes(ADA刊行)では、
「タンパク質は約半分が血糖に変わり、脂質は10%未満が血糖に変わる」
という記載がありましたが、2004年版以降は変更されています。
このように糖質、脂質、タンパク質のうち糖質だけが血糖値を上昇させます。
従って、糖質を摂取した時にはインスリンが大量に追加分泌されます。
脂質を摂取しても、インスリンの追加分泌はありません。
タンパク質はごく少量のインスリンを追加分泌させます。
現在糖尿病において、食後の急激な高血糖(グルコーススパイク)が大きな問題として注目されています。
食後高血糖が、心筋梗塞や脳梗塞などの合併症を起こす危険因子として確立されたからです。
また一日における、食前・食後・空腹時など血糖値の変動幅(平均血糖変動幅)が大きいほど、酸化ストレスが増強し動脈硬化のリスクとなることがわかってきました。
そして、食後高血糖と平均血糖変動幅増大を起こすのは、三大栄養素のなかで糖質だけなのです。
1gの糖質が、体重64kgの2型糖尿病の人の血糖値を約3mg上昇させます。
炊いた白ご飯茶碗1杯150g(252kcal)には、55.3gの糖質が含まれており、血糖値を166mg上昇させます。
一方、牛サーロインステーキを200g(約1000キロカロリー)食べても、糖質含有量は1gもないので、食後血糖は3mg未満の上昇しかないのです。
なお、1gの糖質が体重64kgの1型糖尿病の人の血糖値を5mg上昇させます。
糖質制限食の基本的な考え方は、上述のような生理学的事実をベースに、できるだけ糖質の摂取を低く抑えて、食後高血糖を防ぐというものです。
簡単に言えば、主食を抜いておかずばかり食べるというイメージになります。
抜く必要がある主食とは米飯・めん類・パンなどの米・麦製品や芋類など、糖質が主成分のものです。
3食主食抜きのスーパー糖質制限食(糖質12%、タンパク質32%、脂質56%)なら、薬に頼ることなく速やかにリアルタイムで良好な血糖コントロールが可能です。
一方、上述の白ご飯とステーキの例でも明らかなように、カロリー計算に基づいて血糖値をコントロールすることは理論的に不可能です。
従って、現行の日本糖尿病学会推薦の糖尿病食(糖質60%、タンパク質20%、脂質20%)を実践する限りは、一日の摂取カロリーを1200キロカロリーと低く抑えたとしても、食後高血糖が必ず生じるのです。
糖尿病の改善には、カロリー制限より糖質制限ということがおわかりいただけたと思います。
なお糖質制限食は、カロリー無制限ということではありません。
日本糖尿病学会「食品交換表」の
男性1400~1800kcal
女性1200~1600kcal
ほど厳しいカロリー制限は必要ありませんが、
国立健康・栄養研究所の
「日本人の食事摂取基準」(2010年、厚生労働省)
への解説に示す推定エネルギー必要量の範囲、
すなわち18才以上の成人で身体活動レベルが普通なら
男性:2200~2650キロカロリー
女性:1700~1950キロカロリー
身体活動レベルが低い人は
男性:1850~2250キロカロリー
女性:1450~1700キロカロリー
くらいが目安です。
江部康二
<糖質制限食に関するお知らせ・お願いなど> 2013年11月改訂版 です。
腎機能に関して、新しい情報がでてきたので、改訂しました。
【糖質制限食を実践される時のご注意】
本にも書いてありますが、 糖質制限食によりリアルタイムに血糖値が改善します。
このため既に、経口血糖降下剤(オイグルコン、アマリールなど)の内服やインスリン注射をしておられる糖尿人は、低血糖の心配がありますので必ず主治医と相談して頂きたいと思います。
一方、薬を使用してない糖尿人やメタボ人は、低血糖の心配はほとんどないので、自力で 糖質制限食を実践して糖尿病やメタボ改善を目指していただけば幸いです。
内服薬やインスリン注射なしの糖尿人が糖質制限食を実践すると、食後高血糖は改善しますが、低血糖にはなりません。
血糖値が正常範囲である程度下がると、肝臓でアミノ酸・乳酸・グリセロール(脂肪の分解物)などから、ブドウ糖を作るからです。
これを糖新生といいます。
血液検査で、活動性の膵炎がある場合、肝硬変の場合、そして長鎖脂肪酸代謝異常症は、糖質制限食は適応となりませんのでご注意ください。
糖質制限食は相対的に高脂肪食になるので、活動性膵炎には適応とならないのです。
肝硬変では、糖新生能力が低下しているため適応となりません。
長鎖脂肪酸代謝異常症では、脂肪酸が上手く利用できないので、適応となりません。
腎機能に関して、日本腎臓病学会編「CKD診療ガイド2012」において、GFR60ml/分以上あれば顕性たんぱく尿の段階でも、たんぱく質制限の必要なしと明示され、日本糖尿病学会も2013年3月の提言で、それに従うとしました。
従いまして、糖尿病腎症第3期Aまでは、糖質制限食OKです。
また、米国糖尿病学会(ADA)は、
Position Statement on Nutrition Therapy(栄養療法に関する声明)
Diabetes Care 2013年10月9日オンライン版
において、糖尿病腎症患者に対する蛋白質制限の意義を明確に否定しました。
根拠はランク(A)ですので、信頼度の高いRCT研究論文に基づく見解です。
今後は、糖尿病腎症第3期B以降(GFRが60ml/分未満)の場合も、患者さんとよく相談して、糖質制限食を実践するか否か、個別に対応することとなります。
なお、機能性低血糖症の場合、炭水化物依存症レベルが重症のとき、糖新生能力が低下していることがあり、まれに低血糖症を生じますので注意が必要です。
また、どのような食事療法でも合う合わないがあります。
糖質制限食もその一つですので、合わないとご自分で判断されたら中止していただけば幸いです。
【糖質制限食とは】
米国糖尿病協会(ADA)の患者教育用のテキストブックLife With Diabetesによれば、食べ物が消化・吸収されたあと、糖質は100%血糖に変わりますが、タンパク質・脂質は血糖に変わりません。
また糖質は、摂取直後から急峻に血糖値を高く速く上昇させ、2時間以内にほとんどすべてが吸収されます。
これらは含有エネルギーとは無関係な三大栄養素の生理学的特質です。
1997年版のLife With Diabetes(ADA刊行)では、
「タンパク質は約半分が血糖に変わり、脂質は10%未満が血糖に変わる」
という記載がありましたが、2004年版以降は変更されています。
このように糖質、脂質、タンパク質のうち糖質だけが血糖値を上昇させます。
従って、糖質を摂取した時にはインスリンが大量に追加分泌されます。
脂質を摂取しても、インスリンの追加分泌はありません。
タンパク質はごく少量のインスリンを追加分泌させます。
現在糖尿病において、食後の急激な高血糖(グルコーススパイク)が大きな問題として注目されています。
食後高血糖が、心筋梗塞や脳梗塞などの合併症を起こす危険因子として確立されたからです。
また一日における、食前・食後・空腹時など血糖値の変動幅(平均血糖変動幅)が大きいほど、酸化ストレスが増強し動脈硬化のリスクとなることがわかってきました。
そして、食後高血糖と平均血糖変動幅増大を起こすのは、三大栄養素のなかで糖質だけなのです。
1gの糖質が、体重64kgの2型糖尿病の人の血糖値を約3mg上昇させます。
炊いた白ご飯茶碗1杯150g(252kcal)には、55.3gの糖質が含まれており、血糖値を166mg上昇させます。
一方、牛サーロインステーキを200g(約1000キロカロリー)食べても、糖質含有量は1gもないので、食後血糖は3mg未満の上昇しかないのです。
なお、1gの糖質が体重64kgの1型糖尿病の人の血糖値を5mg上昇させます。
糖質制限食の基本的な考え方は、上述のような生理学的事実をベースに、できるだけ糖質の摂取を低く抑えて、食後高血糖を防ぐというものです。
簡単に言えば、主食を抜いておかずばかり食べるというイメージになります。
抜く必要がある主食とは米飯・めん類・パンなどの米・麦製品や芋類など、糖質が主成分のものです。
3食主食抜きのスーパー糖質制限食(糖質12%、タンパク質32%、脂質56%)なら、薬に頼ることなく速やかにリアルタイムで良好な血糖コントロールが可能です。
一方、上述の白ご飯とステーキの例でも明らかなように、カロリー計算に基づいて血糖値をコントロールすることは理論的に不可能です。
従って、現行の日本糖尿病学会推薦の糖尿病食(糖質60%、タンパク質20%、脂質20%)を実践する限りは、一日の摂取カロリーを1200キロカロリーと低く抑えたとしても、食後高血糖が必ず生じるのです。
糖尿病の改善には、カロリー制限より糖質制限ということがおわかりいただけたと思います。
なお糖質制限食は、カロリー無制限ということではありません。
日本糖尿病学会「食品交換表」の
男性1400~1800kcal
女性1200~1600kcal
ほど厳しいカロリー制限は必要ありませんが、
国立健康・栄養研究所の
「日本人の食事摂取基準」(2010年、厚生労働省)
への解説に示す推定エネルギー必要量の範囲、
すなわち18才以上の成人で身体活動レベルが普通なら
男性:2200~2650キロカロリー
女性:1700~1950キロカロリー
身体活動レベルが低い人は
男性:1850~2250キロカロリー
女性:1450~1700キロカロリー
くらいが目安です。
江部康二