2013年12月06日 (金)
こんばんは。
夏井先生のサイトにあった、広島名物「せんじ肉」
早速インターネットで取り寄せて、食べてみました。
高校生まで、広島に、18年間住んでましたが、「せんじ肉」の存在は知りませんでした。
「せんじ肉50g」「スパイシーせんじ肉50g」「せんじ肉砂ずり45g」「せんじ肉豚ハラミ45g」
の4点セットを頼みました。
「せんじ肉砂ずり45g」「せんじ肉豚ハラミ45g」は100g中に糖質ゼロ、
「せんじ肉50g」「スパイシーせんじ肉50g」は100g中に糖質が0.4g
なので、糖質はゼロか、極めて少量で、糖質制限食の優等生食材です。
しかも原材料は豚なので、反芻動物の脂肪に含まれる天然のトランス脂肪酸もありません。
いずれも、なかなか、美味しかったですよ。
焼酎やワインや糖質ゼロ発泡酒のおつまみに、とても手軽で、適していると思いました。
左党の糖質セイゲニストの必須アイテムになるかもです。
唯一、問題点らしきものは、硬いことです。
特に、砂ずりの硬さは、半端じゃないです。ヾ(゜▽゜)
歯が弱い人には不向きかもしれませんね。
そうそう、塩の含有量が、それぞれ大きな差があります。
「せんじ肉砂ずり45g」は100g中にナトリウムが、何と2500mg、
「せんじ肉50g」は100g中に、ナトリウムが、1100mg、
「せんじ肉豚ハラミ45g」は100g中に、ナトリウムが、380mg
などです。
商品の詳細
【4袋セット】広島名物「せんじ肉50g」と「スパイシーせんじ肉50g」と「せんじ肉砂ずり45g」と「せんじ肉豚ハラミ45g」1袋ずつセット 大黒屋 せんじ肉
http://www.amazon.co.jp/s/ref=nb_sb_noss?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&url=search-alias%3Dstripbooks&field-keywords=%E3%80%904%E8%A2%8B%E3%82%BB%E3%83%83%E3%83%88%E3%80%91%E5%BA%83%E5%B3%B6%E5%90%8D%E7%89%A9%E3%80%8C%E3%81%9B%E3%82%93%E3%81%98%E8%82%8950g%E3%80%8D%E3%81%A8%E3%80%8C%E3%82%B9%E3%83%91%E3%82%A4%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%81%9B%E3%82%93%E3%81%98%E8%82%8950g%E3%80%8D&rh=n%3A465392%2Ck%3A%E3%80%904%E8%A2%8B%E3%82%BB%E3%83%83%E3%83%88%E3%80%91%E5%BA%83%E5%B3%B6%E5%90%8D%E7%89%A9%E3%80%8C%E3%81%9B%E3%82%93%E3%81%98%E8%82%8950g%E3%80%8D%E3%81%A8%E3%80%8C%E3%82%B9%E3%83%91%E3%82%A4%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%81%9B%E3%82%93%E3%81%98%E8%82%8950g%E3%80%8D
江部康二
夏井先生のサイトにあった、広島名物「せんじ肉」
早速インターネットで取り寄せて、食べてみました。
高校生まで、広島に、18年間住んでましたが、「せんじ肉」の存在は知りませんでした。
「せんじ肉50g」「スパイシーせんじ肉50g」「せんじ肉砂ずり45g」「せんじ肉豚ハラミ45g」
の4点セットを頼みました。
「せんじ肉砂ずり45g」「せんじ肉豚ハラミ45g」は100g中に糖質ゼロ、
「せんじ肉50g」「スパイシーせんじ肉50g」は100g中に糖質が0.4g
なので、糖質はゼロか、極めて少量で、糖質制限食の優等生食材です。
しかも原材料は豚なので、反芻動物の脂肪に含まれる天然のトランス脂肪酸もありません。
いずれも、なかなか、美味しかったですよ。
焼酎やワインや糖質ゼロ発泡酒のおつまみに、とても手軽で、適していると思いました。
左党の糖質セイゲニストの必須アイテムになるかもです。
唯一、問題点らしきものは、硬いことです。
特に、砂ずりの硬さは、半端じゃないです。ヾ(゜▽゜)
歯が弱い人には不向きかもしれませんね。
そうそう、塩の含有量が、それぞれ大きな差があります。
「せんじ肉砂ずり45g」は100g中にナトリウムが、何と2500mg、
「せんじ肉50g」は100g中に、ナトリウムが、1100mg、
「せんじ肉豚ハラミ45g」は100g中に、ナトリウムが、380mg
などです。
商品の詳細
【4袋セット】広島名物「せんじ肉50g」と「スパイシーせんじ肉50g」と「せんじ肉砂ずり45g」と「せんじ肉豚ハラミ45g」1袋ずつセット 大黒屋 せんじ肉
http://www.amazon.co.jp/s/ref=nb_sb_noss?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&url=search-alias%3Dstripbooks&field-keywords=%E3%80%904%E8%A2%8B%E3%82%BB%E3%83%83%E3%83%88%E3%80%91%E5%BA%83%E5%B3%B6%E5%90%8D%E7%89%A9%E3%80%8C%E3%81%9B%E3%82%93%E3%81%98%E8%82%8950g%E3%80%8D%E3%81%A8%E3%80%8C%E3%82%B9%E3%83%91%E3%82%A4%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%81%9B%E3%82%93%E3%81%98%E8%82%8950g%E3%80%8D&rh=n%3A465392%2Ck%3A%E3%80%904%E8%A2%8B%E3%82%BB%E3%83%83%E3%83%88%E3%80%91%E5%BA%83%E5%B3%B6%E5%90%8D%E7%89%A9%E3%80%8C%E3%81%9B%E3%82%93%E3%81%98%E8%82%8950g%E3%80%8D%E3%81%A8%E3%80%8C%E3%82%B9%E3%83%91%E3%82%A4%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%81%9B%E3%82%93%E3%81%98%E8%82%8950g%E3%80%8D
江部康二
2013年12月05日 (木)
こんばんは。
精神科医師Aさんから、興味深い情報をコメント頂きました。
ありがとうございます。
第22回世界糖尿病会議(2013年12月2日~6日)で、
「2型糖尿病の高タンパク質食、腎機能に影響及ぼさず。」
という研究報告が発表されたそうです。(*)
本研究の対象は、BMIが27以上で、尿中微量アルブミン陽性と腎機能障害の両方、あるいはいずれか一方のある2型糖尿病患者、45名。
総エネルギー約1,430kcalの
高タンパク質食(タンパク質30%、脂質30%、炭水化物40%;以下HPD)
標準食(タンパク質20%、脂質30%、炭水化物50%;以下SPD)
の2群に無作為に割り付けて、追跡観察期間は1年間。
結果は、腎障害のある患者に、高蛋白食(摂取比率30%)を摂取させて、標準蛋白食(摂取比率20%)のグループと比較しましたが、腎機能において有害な影響なしということでした。
今回の世界糖尿病会議における発表は、糖尿病腎症の患者でも、高蛋白食をに安全に実施できることを示唆しています。
2013年10月に、5年ぶりに発表された米国糖尿病学会の、「栄養療法に関する声明(Position Statement on Nutrition Therapy)」で、『糖尿病腎症を有する患者においても蛋白質制限は推奨しない』ということをランクAで断定していたのは記憶に新しいところです。
スーパー糖質制限食には追い風ですね。
1)腎機能悪化に関して、世界糖尿病会議の発表で、高蛋白食の安全性が一定ていど担保されました。
2)腎機能改善に関して、米国糖尿病学会の声明では、低蛋白食の意義が否定されました。
1)2)を考慮すると、スーパー糖質制限食には、かなりの追い風ですね。
江部康二
(*)
第22回 世界糖尿病会議(IDF2013)【開催期間:2013年12月2日~6日】
2型糖尿病の高タンパク質食、腎機能に影響及ぼさず
2013年12月4日
http://www.m3.com/overseasAcademy/report/article/10254/?refererType=academyTopCategories
2型糖尿病の高タンパク質食、腎機能に影響及ぼさず 高タンパク質の食事療法が2型糖尿病患者やアルブミン尿を呈する患者の腎機能や糖・脂質代謝に及ぼす影響は十分明らかになっていない。そこで南オーストラリア大学のEva Pedersen氏らは、アルブミン尿and/or腎機能障害を呈する2型糖尿病患者において、炭水化物に対してタンパク質の比が高い食事による減量が腎機能、血糖、および脂質代謝に及ぼす影響について検討し報告した。
Pedersen氏は、アルブミン尿and/or腎機能障害を呈する2型糖尿病患者において、高タンパク質食は標準食と同様に、体重が減少し、腎機能および血糖値に有害な影響を及ぼさず、脂質代謝にも影響が少なかったことより、アルブミン尿and/or腎機能障害を呈する2型糖尿病患者における高タンパク質食による食事療法は、安全に実施できる可能性があると解説した。
---------------------------------------
本研究の対象となったのは、BMIが27kg/m²以上で、高アルブミン尿を呈する18-75歳の2型糖尿病患者。推算糸球体濾過量(eGFR)が40mL/min/1.73m²超で、24時間畜尿によるアルブミン排泄率が30-600mg/24時間もしくはアルブミン・クレアチニン比が3.0-60.0mg/mmolを高アルブミン尿と定義した。
対象は、総エネルギー6,000kJ(約1,430kcal)の高タンパク質食(タンパク質30%、脂質30%、炭水化物40%;以下HPD)と標準食(タンパク質20%、脂質30%、炭水化物50%;以下SPD)の2群に無作為に割り付けられた。追跡観察期間は1年間。
試験を完遂した45人の患者背景を見ると、年齢60.8歳、男性35人、女性10人、BMI 36.0kg/m²、HbA1c 7.3%だった。
ベースラインからの体重減少は、HPD群9.7kg、SPD群6.6kgで両群に有意な差は見られなかった。同様に、アイソトープにより測定したGFRとアルブミン排泄率のベースラインからの変化量も両群で有意な差はなかった。
持続血糖測定器で測定した血糖値は、両群で同様に改善が認められた。
LDLコレステロールはHPD群で有意に高かったが(p=0.049)、総コレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪に有意な差は見られなかった。
収縮期血圧は、SPD群よりもHPD群の方が有意に低く(p=0.036)、拡張期血圧は有意には至らなかったものの、低い傾向を示した(p=0.054)。
これらの結果より、Pedersen氏は「アルブミン尿and/or腎機能障害を呈する2型糖尿病患者において、高タンパク質食は標準食と同様に、体重が減少し、腎機能および血糖値有害な影響を及ぼさず、脂質代謝にも影響は少なかった」と解説し、「アルブミン尿and/or腎機能障害を呈する2型糖尿病患者における高タンパク質食による食事療法は、安全に実施できる可能性がある」と指摘した。
精神科医師Aさんから、興味深い情報をコメント頂きました。
ありがとうございます。
第22回世界糖尿病会議(2013年12月2日~6日)で、
「2型糖尿病の高タンパク質食、腎機能に影響及ぼさず。」
という研究報告が発表されたそうです。(*)
本研究の対象は、BMIが27以上で、尿中微量アルブミン陽性と腎機能障害の両方、あるいはいずれか一方のある2型糖尿病患者、45名。
総エネルギー約1,430kcalの
高タンパク質食(タンパク質30%、脂質30%、炭水化物40%;以下HPD)
標準食(タンパク質20%、脂質30%、炭水化物50%;以下SPD)
の2群に無作為に割り付けて、追跡観察期間は1年間。
結果は、腎障害のある患者に、高蛋白食(摂取比率30%)を摂取させて、標準蛋白食(摂取比率20%)のグループと比較しましたが、腎機能において有害な影響なしということでした。
今回の世界糖尿病会議における発表は、糖尿病腎症の患者でも、高蛋白食をに安全に実施できることを示唆しています。
2013年10月に、5年ぶりに発表された米国糖尿病学会の、「栄養療法に関する声明(Position Statement on Nutrition Therapy)」で、『糖尿病腎症を有する患者においても蛋白質制限は推奨しない』ということをランクAで断定していたのは記憶に新しいところです。
スーパー糖質制限食には追い風ですね。
1)腎機能悪化に関して、世界糖尿病会議の発表で、高蛋白食の安全性が一定ていど担保されました。
2)腎機能改善に関して、米国糖尿病学会の声明では、低蛋白食の意義が否定されました。
1)2)を考慮すると、スーパー糖質制限食には、かなりの追い風ですね。
江部康二
(*)
第22回 世界糖尿病会議(IDF2013)【開催期間:2013年12月2日~6日】
2型糖尿病の高タンパク質食、腎機能に影響及ぼさず
2013年12月4日
http://www.m3.com/overseasAcademy/report/article/10254/?refererType=academyTopCategories
2型糖尿病の高タンパク質食、腎機能に影響及ぼさず 高タンパク質の食事療法が2型糖尿病患者やアルブミン尿を呈する患者の腎機能や糖・脂質代謝に及ぼす影響は十分明らかになっていない。そこで南オーストラリア大学のEva Pedersen氏らは、アルブミン尿and/or腎機能障害を呈する2型糖尿病患者において、炭水化物に対してタンパク質の比が高い食事による減量が腎機能、血糖、および脂質代謝に及ぼす影響について検討し報告した。
Pedersen氏は、アルブミン尿and/or腎機能障害を呈する2型糖尿病患者において、高タンパク質食は標準食と同様に、体重が減少し、腎機能および血糖値に有害な影響を及ぼさず、脂質代謝にも影響が少なかったことより、アルブミン尿and/or腎機能障害を呈する2型糖尿病患者における高タンパク質食による食事療法は、安全に実施できる可能性があると解説した。
---------------------------------------
本研究の対象となったのは、BMIが27kg/m²以上で、高アルブミン尿を呈する18-75歳の2型糖尿病患者。推算糸球体濾過量(eGFR)が40mL/min/1.73m²超で、24時間畜尿によるアルブミン排泄率が30-600mg/24時間もしくはアルブミン・クレアチニン比が3.0-60.0mg/mmolを高アルブミン尿と定義した。
対象は、総エネルギー6,000kJ(約1,430kcal)の高タンパク質食(タンパク質30%、脂質30%、炭水化物40%;以下HPD)と標準食(タンパク質20%、脂質30%、炭水化物50%;以下SPD)の2群に無作為に割り付けられた。追跡観察期間は1年間。
試験を完遂した45人の患者背景を見ると、年齢60.8歳、男性35人、女性10人、BMI 36.0kg/m²、HbA1c 7.3%だった。
ベースラインからの体重減少は、HPD群9.7kg、SPD群6.6kgで両群に有意な差は見られなかった。同様に、アイソトープにより測定したGFRとアルブミン排泄率のベースラインからの変化量も両群で有意な差はなかった。
持続血糖測定器で測定した血糖値は、両群で同様に改善が認められた。
LDLコレステロールはHPD群で有意に高かったが(p=0.049)、総コレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪に有意な差は見られなかった。
収縮期血圧は、SPD群よりもHPD群の方が有意に低く(p=0.036)、拡張期血圧は有意には至らなかったものの、低い傾向を示した(p=0.054)。
これらの結果より、Pedersen氏は「アルブミン尿and/or腎機能障害を呈する2型糖尿病患者において、高タンパク質食は標準食と同様に、体重が減少し、腎機能および血糖値有害な影響を及ぼさず、脂質代謝にも影響は少なかった」と解説し、「アルブミン尿and/or腎機能障害を呈する2型糖尿病患者における高タンパク質食による食事療法は、安全に実施できる可能性がある」と指摘した。
2013年12月04日 (水)
こんにちは。
以下が日本糖尿病・妊娠学会のサイトです。
http://www.dm-net.co.jp/jsdp/qa/a/q01/
妊娠糖尿病、糖尿病妊娠の方の役に立つサイトです。
Q&A形式で、いろんな情報が書いてあります。
必要な方は、覗いてみてください。
2013年の最新情報も載っています。
例えば以下は、妊娠中の注意点の、Q4です。
健常妊婦さんの、食後血糖値上昇や血糖変動幅はとても小さいです。
現在、世界的に推奨されている妊娠中の血糖コントロール許容値は
食前血糖値100mg/dL未満、
食後1時間血糖値140mg/dL未満、
食後2時間血糖値120mg/dL未満、
であり、結構厳しいですね。
カロリー制限・高糖質食では、この目標達成はかなり困難な例もあると思いますが、糖質制限食なら、簡単に達成できると思います。
HbA1c(NGSP値)5.8%未満、
GA(グリコアルブミン)15.8%未満
これらの長期指標は、食前血糖値・食後1時間血糖値・食後2時間血糖値の目標が達成されていれば、まず大丈夫です。
●妊娠中の注意点
Q4.
妊娠中の血糖値はどれくらいがいいのですか?
A
妊娠中の血糖値が高いと、赤ちゃん(胎児)が大きくなりすぎたり、新生児期にいろいろな合併症(低血糖、高ビリルビン血症、多血症、低カルシウム血症、呼吸障害)が起きやすくなります。また、お母さん自身にもいろいろな産科的合併症(早産、妊娠高血圧症候群、羊水過多症、尿路感染症)が起きやすくなります。
赤ちゃんやお母さん自身の合併症を防ぐためには、妊娠中の血糖コントロールをよい状態にすることが必要です。
できるだけ健常の妊婦さんと同じ血糖値を目標に治療を行ないます。持続的に血糖を測定する器械などを用いて健常妊婦さんの血糖値を妊娠33週ごろに測定した結果では、朝食前空腹時血糖値71±8mg/dL、朝食後1時間血糖値109±13mg/dL、朝食後2時間血糖値99±10mg/dL、と報告されています。
現在、世界的に推奨されている血糖コントロール許容値は食前血糖値100mg/dL未満、食後1時間血糖値140mg/dL未満、食後2時間血糖値120mg/dL未満です。この目標値を達成するためには外来で血糖値を測定するのみでは不十分であり、血糖自己測定により日常生活での血糖値の変動を把握して、治療をすすめることが大切です。
長期の血糖コントロール指標として、妊娠中はHbA1cのみでなく、グリコアルブミン(GA)を用います。健常妊婦のHbA1cとGAの平均+2SDをもとに検討した結果では、HbA1c(NGSP値)5.8%未満、GA15.8%未満の場合、新生児合併症の頻度が低く、更にGAの方が長期血糖コントロール指標としてよりよいことが報告されています。
(東京女子医科大学 佐中眞由実)2013年05月
他にも、以下のQ&Aが、記載されています。
情報としては、2007年のものとか、2013年のものとかが混ざっています。
●一般的概念
Q1. 妊娠糖尿病とは?
Q2. 妊娠時に診断された明らかな糖尿病(overt diabetes in pregnancy)とは?
Q3. 妊娠糖尿病になりやすい人はどのような人ですか?
●妊娠前に注意すること
Q1. いま糖尿病の治療を受けていますが妊娠できますか?
Q2. 糖尿病があれば赤ちゃんに奇形ができると聞いて心配なのですが?
Q3. ピルをつかっていますが大丈夫ですか?
Q4. 糖尿病の女性は月経不順になりやすいですか?
●妊娠中の注意点
Q1. 妊娠糖尿病はどれくらいの頻度であるのですか?
Q2. 妊娠糖尿病はどのようにして診断するのですか?
Q3. 糖尿病があって妊娠したら自分自身にどんな合併症が起こりますか?
Q4. 妊娠中の血糖値はどれくらいがいいのですか?
Q5. 食事療法について教えてください。
Q6. 妊娠中の体重増加はどの程度がよいのか教えてください。
Q7. インスリン治療について教えてください。
Q8. 妊娠高血圧症候群といわれたのですが大丈夫ですか?
Q9. 糖尿病性ケトアシドーシスとはどんな病気ですか?
Q10. 劇症1型糖尿病という怖い病気があると聞いたのですが。
Q11. 糖尿病合併妊娠のときは何か特別な胎児管理が必要ですか?
●分娩時の注意点
Q1. お産は経腟分娩できますか?
Q2. 糖尿病があったら陣痛が始まる前にお産をするのですか?
Q3. お産のときにも合併症が起きるのですか?
Q4. 赤ちゃんが巨大児といわれたのですが大丈夫ですか?
Q5. 生まれた赤ちゃんにはどのような合併症が起こるのですか?
●産後の注意点
Q1. お産がすんでも妊娠中と同じ治療が必要なのですか?
Q2. 妊娠糖尿病の人はお産後も定期的な健診が必要といわれましたが本当に必要なのですか?
Q3. お産後の日常生活で気をつけることがありますか?
Q4. 育児の上で気をつけることがありますか?
Q5. 母乳を飲ませてもいいのですか?
Q6. 1回目に妊娠糖尿病だったら2回目の妊娠でも妊娠糖尿病になりますか?
江部康二
以下が日本糖尿病・妊娠学会のサイトです。
http://www.dm-net.co.jp/jsdp/qa/a/q01/
妊娠糖尿病、糖尿病妊娠の方の役に立つサイトです。
Q&A形式で、いろんな情報が書いてあります。
必要な方は、覗いてみてください。
2013年の最新情報も載っています。
例えば以下は、妊娠中の注意点の、Q4です。
健常妊婦さんの、食後血糖値上昇や血糖変動幅はとても小さいです。
現在、世界的に推奨されている妊娠中の血糖コントロール許容値は
食前血糖値100mg/dL未満、
食後1時間血糖値140mg/dL未満、
食後2時間血糖値120mg/dL未満、
であり、結構厳しいですね。
カロリー制限・高糖質食では、この目標達成はかなり困難な例もあると思いますが、糖質制限食なら、簡単に達成できると思います。
HbA1c(NGSP値)5.8%未満、
GA(グリコアルブミン)15.8%未満
これらの長期指標は、食前血糖値・食後1時間血糖値・食後2時間血糖値の目標が達成されていれば、まず大丈夫です。
●妊娠中の注意点
Q4.
妊娠中の血糖値はどれくらいがいいのですか?
A
妊娠中の血糖値が高いと、赤ちゃん(胎児)が大きくなりすぎたり、新生児期にいろいろな合併症(低血糖、高ビリルビン血症、多血症、低カルシウム血症、呼吸障害)が起きやすくなります。また、お母さん自身にもいろいろな産科的合併症(早産、妊娠高血圧症候群、羊水過多症、尿路感染症)が起きやすくなります。
赤ちゃんやお母さん自身の合併症を防ぐためには、妊娠中の血糖コントロールをよい状態にすることが必要です。
できるだけ健常の妊婦さんと同じ血糖値を目標に治療を行ないます。持続的に血糖を測定する器械などを用いて健常妊婦さんの血糖値を妊娠33週ごろに測定した結果では、朝食前空腹時血糖値71±8mg/dL、朝食後1時間血糖値109±13mg/dL、朝食後2時間血糖値99±10mg/dL、と報告されています。
現在、世界的に推奨されている血糖コントロール許容値は食前血糖値100mg/dL未満、食後1時間血糖値140mg/dL未満、食後2時間血糖値120mg/dL未満です。この目標値を達成するためには外来で血糖値を測定するのみでは不十分であり、血糖自己測定により日常生活での血糖値の変動を把握して、治療をすすめることが大切です。
長期の血糖コントロール指標として、妊娠中はHbA1cのみでなく、グリコアルブミン(GA)を用います。健常妊婦のHbA1cとGAの平均+2SDをもとに検討した結果では、HbA1c(NGSP値)5.8%未満、GA15.8%未満の場合、新生児合併症の頻度が低く、更にGAの方が長期血糖コントロール指標としてよりよいことが報告されています。
(東京女子医科大学 佐中眞由実)2013年05月
他にも、以下のQ&Aが、記載されています。
情報としては、2007年のものとか、2013年のものとかが混ざっています。
●一般的概念
Q1. 妊娠糖尿病とは?
Q2. 妊娠時に診断された明らかな糖尿病(overt diabetes in pregnancy)とは?
Q3. 妊娠糖尿病になりやすい人はどのような人ですか?
●妊娠前に注意すること
Q1. いま糖尿病の治療を受けていますが妊娠できますか?
Q2. 糖尿病があれば赤ちゃんに奇形ができると聞いて心配なのですが?
Q3. ピルをつかっていますが大丈夫ですか?
Q4. 糖尿病の女性は月経不順になりやすいですか?
●妊娠中の注意点
Q1. 妊娠糖尿病はどれくらいの頻度であるのですか?
Q2. 妊娠糖尿病はどのようにして診断するのですか?
Q3. 糖尿病があって妊娠したら自分自身にどんな合併症が起こりますか?
Q4. 妊娠中の血糖値はどれくらいがいいのですか?
Q5. 食事療法について教えてください。
Q6. 妊娠中の体重増加はどの程度がよいのか教えてください。
Q7. インスリン治療について教えてください。
Q8. 妊娠高血圧症候群といわれたのですが大丈夫ですか?
Q9. 糖尿病性ケトアシドーシスとはどんな病気ですか?
Q10. 劇症1型糖尿病という怖い病気があると聞いたのですが。
Q11. 糖尿病合併妊娠のときは何か特別な胎児管理が必要ですか?
●分娩時の注意点
Q1. お産は経腟分娩できますか?
Q2. 糖尿病があったら陣痛が始まる前にお産をするのですか?
Q3. お産のときにも合併症が起きるのですか?
Q4. 赤ちゃんが巨大児といわれたのですが大丈夫ですか?
Q5. 生まれた赤ちゃんにはどのような合併症が起こるのですか?
●産後の注意点
Q1. お産がすんでも妊娠中と同じ治療が必要なのですか?
Q2. 妊娠糖尿病の人はお産後も定期的な健診が必要といわれましたが本当に必要なのですか?
Q3. お産後の日常生活で気をつけることがありますか?
Q4. 育児の上で気をつけることがありますか?
Q5. 母乳を飲ませてもいいのですか?
Q6. 1回目に妊娠糖尿病だったら2回目の妊娠でも妊娠糖尿病になりますか?
江部康二
2013年12月04日 (水)
こんにちは。
おかげさまで、
高雄病院常勤医師、2名採用決定しました。
ブログ読者の皆さん、応援ありがとうございました。
本ブログを、まめに更新してきた甲斐がありました。
嬉しい限りです。
江部康二
おかげさまで、
高雄病院常勤医師、2名採用決定しました。
ブログ読者の皆さん、応援ありがとうございました。
本ブログを、まめに更新してきた甲斐がありました。
嬉しい限りです。
江部康二
2013年12月03日 (火)
こんばんは。
私の2013年11月23日(土)の検査データです。
この日は祝日なのですが、11月9日(土)を仙台講演で休診したので、臨時で診療しました。
2002年6月からスーパー糖質制限食を、足かけ12年、実践中です。
早朝空腹時血糖値91mg(110未満)
IRI:1.9(3~15μU/ml)
HbA1c:5.8%(6.2未満 NGSP)
ケトン体:477μM/L(26~122) 糖質制限食中は生理的で正常値
アセト酢酸:98μM/L(13~69)
3ヒドロキシ酪酸:379μM/L(76以下)
尿酸:3.4mg/dl(3.4~7.0)
TC:252mg/dl(150~219)
TG:90mg/dl(50~149)
HDL-C:106mg/dl(40~98)
LDL-C:128mg/dl(140未満)
BUN:16.7mg/dl(8~20)
クレアチニン:0.67mg/dl(0.6~1.1)
γGTP:34IU/L(48以下)
GOT:21IU/L(9~38)
GPT:22IU/L(5~39)
アルブミン:4.6g/dl(3.8~5.3)
尿中アルブミン:7.58mg/g・c(30.0未満)
尿蛋白:陰性
尿糖:陰性
尿中アセトン体:陰性
IRI:1.9(3~15μU/ml)
空腹時採血血糖値91mg
<HOMA-R=空腹時血糖値×空腹時インスリン値÷405>
<HOMA-β=360×空腹時インスリン値(μU/ml)÷(空腹時血糖値mg/ml-63)>
HOMA-R:0.43 1.6以下が正常で、2.5以上は抵抗性があり。
HOMA-β:24.42 正常値:40-60
一般的な検査は、ほぼ全て基準値内ですが、IRI(インスリン)は1.9で基準値より低いです。
しかし、空腹時血糖値は91mg/dlと正常です。
通常は、早朝空腹時血糖値は100~110mg/dlくらいです。
前の日に、チキンナゲットとか豚カツとか餃子・焼売・・・、食べてしまうと早朝空腹時血糖値は120~130mg/dlくらいになります。また、睡眠不足でも120~130mg/dlくらいになります。
私の場合はインスリン基礎分泌が、過去の検査で1.6~5.3μU/mlくらいで、幅があります。
今回も基準値より低めですが、多くの場合は2.2~2.8とかやや低値が多いです。
今回は、1.9μUと基準値よりインスリン基礎分泌は低値ですが、空腹時血糖値は91mgと正常なので、少量のインスリンで血糖コントロールができているわけで、これはとても好ましいことと考えています。
つまり少量のインスリンがよく効いていて、インスリン抵抗生が低いということになるので好ましいのです。
私は、最近は、農耕以前(穀物摂取なし)の人類の早朝空腹時のインスリン値は、1.5~6.0μU/mlくらいではなかったかと考えています。
つまり、IRI:10μU/mlなどは、基準値(3~15μU/ml)内ですが、すでに肥満などによるインスリン抵抗性があるのではないかと思うのです。
ただ、インンスリンがないと、人は死亡します。
実際、1921年にインスリンが合成されるまでは、1型糖尿病で内因性インスリンゼロの場合は平均余命は半年程度でした。
一方、インスリンは肥満ホルモンであり、過剰分泌では発癌性があり、アルツハイマー病のリスクともなり、老化のリスクでもあります。
つまり、インスリンというホルモンは人体に絶対に必要なのですが、血糖コントロールができている限りにおいて、その分泌が少なければ少ないほど身体には優しいのです。
言い換えれば、インスリン分泌が少なくてすむ食生活を心がけていれば、肥満、癌、アルツハイマー病、老化のリスクは減少するのです。
HbA1cは5.5~5.9%くらいを行ったり来たりしています。
スーパー糖質制限食をかなりキッチリ守れば5.5%・・・
美味しく楽しくがやや過ぎると5.9%ということです。
血中ケトン体477μM/L(26~122)と基準値より高値ですが、尿中ケトン体は陰性です。
心筋や骨格筋や体細胞が効率良くケトン体を利用し、腎臓の再吸収も高まっているので尿中ケトン体はスーパー糖質制限食開始3ヶ月~半年で陰性となります。
私の血中ケトン体は300~400~800~1200μM/Lくらいです。
農耕前の人類の血中ケトン体の基準値は、このくらいだったと考えられます。
インスリン作用が保たれている限り、血中ケトン体が高値でもなんの問題もありません。
絶食中やケトン食においては、血中ケトン体は3000~4000μM/Lということも日常的にありますが、インスリン作用があるなら、生理的現象で正常です。
なおケトン食レベルのケトン体値だと、尿中ケトン体は常に陽性です。
尿酸:3.4mg/dl(3.4~7.0)
尿酸は、普通人に比して、蛋白質を大量に食べているにしては低値です。
尿酸値は体質が大きくかかわると思います。
摂取エネルギーが少なすぎると、尿酸は速やかに上昇するので注意が必要です。
総摂取エネルギーですが、昼・夕の1日2食、1800kcal~2000kcal/日に加えて、お酒のカロリーです。
平均すると蛋白質は32%、脂質は56%、糖質が12%ていどの比率で摂取しています。
TC:252mg/dl(150~219)
TG:90mg/dl(50~149)
HDL-C:106mg/dl(40~98)
LDL-C:128mg/dl(140未満)
これらの血中脂質データも普通人に比し脂質を大量に摂取していますが、HDLコレステロールとLDLコレステロールは基準値内です。
今回の中性脂肪は100mgを切っていますし、通常50~60mg/dlのことも多いです。
総コレステロール(TC)は、2007年以降の日本動脈硬化学会のガイドラインからは、削除されてます。
スーパー糖質制限食を、2年間とか3年間とか以上続けている方々の検査データは血中ケトン体以外は、皆さん、私のものと同様に基準値内なっていきます。
江部康二
私の2013年11月23日(土)の検査データです。
この日は祝日なのですが、11月9日(土)を仙台講演で休診したので、臨時で診療しました。
2002年6月からスーパー糖質制限食を、足かけ12年、実践中です。
早朝空腹時血糖値91mg(110未満)
IRI:1.9(3~15μU/ml)
HbA1c:5.8%(6.2未満 NGSP)
ケトン体:477μM/L(26~122) 糖質制限食中は生理的で正常値
アセト酢酸:98μM/L(13~69)
3ヒドロキシ酪酸:379μM/L(76以下)
尿酸:3.4mg/dl(3.4~7.0)
TC:252mg/dl(150~219)
TG:90mg/dl(50~149)
HDL-C:106mg/dl(40~98)
LDL-C:128mg/dl(140未満)
BUN:16.7mg/dl(8~20)
クレアチニン:0.67mg/dl(0.6~1.1)
γGTP:34IU/L(48以下)
GOT:21IU/L(9~38)
GPT:22IU/L(5~39)
アルブミン:4.6g/dl(3.8~5.3)
尿中アルブミン:7.58mg/g・c(30.0未満)
尿蛋白:陰性
尿糖:陰性
尿中アセトン体:陰性
IRI:1.9(3~15μU/ml)
空腹時採血血糖値91mg
<HOMA-R=空腹時血糖値×空腹時インスリン値÷405>
<HOMA-β=360×空腹時インスリン値(μU/ml)÷(空腹時血糖値mg/ml-63)>
HOMA-R:0.43 1.6以下が正常で、2.5以上は抵抗性があり。
HOMA-β:24.42 正常値:40-60
一般的な検査は、ほぼ全て基準値内ですが、IRI(インスリン)は1.9で基準値より低いです。
しかし、空腹時血糖値は91mg/dlと正常です。
通常は、早朝空腹時血糖値は100~110mg/dlくらいです。
前の日に、チキンナゲットとか豚カツとか餃子・焼売・・・、食べてしまうと早朝空腹時血糖値は120~130mg/dlくらいになります。また、睡眠不足でも120~130mg/dlくらいになります。
私の場合はインスリン基礎分泌が、過去の検査で1.6~5.3μU/mlくらいで、幅があります。
今回も基準値より低めですが、多くの場合は2.2~2.8とかやや低値が多いです。
今回は、1.9μUと基準値よりインスリン基礎分泌は低値ですが、空腹時血糖値は91mgと正常なので、少量のインスリンで血糖コントロールができているわけで、これはとても好ましいことと考えています。
つまり少量のインスリンがよく効いていて、インスリン抵抗生が低いということになるので好ましいのです。
私は、最近は、農耕以前(穀物摂取なし)の人類の早朝空腹時のインスリン値は、1.5~6.0μU/mlくらいではなかったかと考えています。
つまり、IRI:10μU/mlなどは、基準値(3~15μU/ml)内ですが、すでに肥満などによるインスリン抵抗性があるのではないかと思うのです。
ただ、インンスリンがないと、人は死亡します。
実際、1921年にインスリンが合成されるまでは、1型糖尿病で内因性インスリンゼロの場合は平均余命は半年程度でした。
一方、インスリンは肥満ホルモンであり、過剰分泌では発癌性があり、アルツハイマー病のリスクともなり、老化のリスクでもあります。
つまり、インスリンというホルモンは人体に絶対に必要なのですが、血糖コントロールができている限りにおいて、その分泌が少なければ少ないほど身体には優しいのです。
言い換えれば、インスリン分泌が少なくてすむ食生活を心がけていれば、肥満、癌、アルツハイマー病、老化のリスクは減少するのです。
HbA1cは5.5~5.9%くらいを行ったり来たりしています。
スーパー糖質制限食をかなりキッチリ守れば5.5%・・・
美味しく楽しくがやや過ぎると5.9%ということです。
血中ケトン体477μM/L(26~122)と基準値より高値ですが、尿中ケトン体は陰性です。
心筋や骨格筋や体細胞が効率良くケトン体を利用し、腎臓の再吸収も高まっているので尿中ケトン体はスーパー糖質制限食開始3ヶ月~半年で陰性となります。
私の血中ケトン体は300~400~800~1200μM/Lくらいです。
農耕前の人類の血中ケトン体の基準値は、このくらいだったと考えられます。
インスリン作用が保たれている限り、血中ケトン体が高値でもなんの問題もありません。
絶食中やケトン食においては、血中ケトン体は3000~4000μM/Lということも日常的にありますが、インスリン作用があるなら、生理的現象で正常です。
なおケトン食レベルのケトン体値だと、尿中ケトン体は常に陽性です。
尿酸:3.4mg/dl(3.4~7.0)
尿酸は、普通人に比して、蛋白質を大量に食べているにしては低値です。
尿酸値は体質が大きくかかわると思います。
摂取エネルギーが少なすぎると、尿酸は速やかに上昇するので注意が必要です。
総摂取エネルギーですが、昼・夕の1日2食、1800kcal~2000kcal/日に加えて、お酒のカロリーです。
平均すると蛋白質は32%、脂質は56%、糖質が12%ていどの比率で摂取しています。
TC:252mg/dl(150~219)
TG:90mg/dl(50~149)
HDL-C:106mg/dl(40~98)
LDL-C:128mg/dl(140未満)
これらの血中脂質データも普通人に比し脂質を大量に摂取していますが、HDLコレステロールとLDLコレステロールは基準値内です。
今回の中性脂肪は100mgを切っていますし、通常50~60mg/dlのことも多いです。
総コレステロール(TC)は、2007年以降の日本動脈硬化学会のガイドラインからは、削除されてます。
スーパー糖質制限食を、2年間とか3年間とか以上続けている方々の検査データは血中ケトン体以外は、皆さん、私のものと同様に基準値内なっていきます。
江部康二
2013年12月02日 (月)
こんばんは。
日刊ゲンダイで、
「糖質制限食 パーフェクトガイド」
書評に、取り上げてくれてました。
日刊ゲンダイさん、ありがとうございます。m(_ _)m
日刊ゲンダイ
【気になる新刊】
「糖質制限食 パーフェクトガイド」江部康二著
2013年9月4日 掲載
糖尿病治療やダイエットに役立つとして注目されている、糖質制限。米国糖尿病学会では高く評価されているが、日本ではまだ安全性について批判があるのも事実だ。これらの声に対して本書では、関連する研究データを示しながら疑問に答えていく。
糖質制限に関する議論のポイントに、「高脂質食の安全性」が挙げられる。2006年に「ニューイングランド・ジャーナル」で発表された論文によると、20年にわたり3大栄養素の摂取比率と冠動脈疾患などの疾病発症数を調べた結果、高脂質・高タンパクの食事は動脈硬化リスクを上昇させないことが分かった。一方、糖質摂取量が多いとリスクの上昇が確認されたという。
糖質制限の正しい知識を得たい人は必読だ。
(東洋経済新報社 3300円)
「糖尿病治療のための!糖質制限食パーフェクトガイド」江部康二著
東洋経済新報社
2013年8月9日から、発売中です。
今回の本、¥ 3,465と、やや高いです。 m(_ _)m
医家向けに書いた初めての本です。一般の人には少し堅苦しいと思います。
医師・医療関係者・専門的な知識を得たい人のための本です。
エビデンスレベルの高い研究論文から、従来の糖尿病治療の限界を証明し、糖質制限食の有効性や安全性を実証しました。
論文も各章で整理して、読者が調べやすいように配慮してあります。
繰り返される非科学的な糖質制限食批判へも徹底反論しています。
引用文献が豊富ですので、糖質制限食批判に対して読者が反論するときには、かなりお役に立つと思います。
実際、複数の医師から
「よくまとまっている。整理されていて使いやすい。辞書がわりにも使える。糖質制限食批判への反論に便利・・・」
など、お褒めの言葉をいただきました。(^^)
実は、兄、江部洋一郎高雄病院名誉院長からも「今度の本は今までで一番いいね」と声をかけて貰いました。
兄から褒められた経験がほとんどないので、ちょっぴり嬉しかったです。
食事指導・投薬方針など、高雄病院で行われている治療の実際も公開し、これからの糖尿病治療、メタボ・肥満対策の具体的な指針を示しました。
平均血糖変動幅増大と食後高血糖の酸化ストレスリスクなども詳しく考察しています。
内容紹介
【主要目次】
第1章 糖質制限食に関するエビデンス
第2章 従来の糖尿病治療の限界を証明する研究
第3章 糖質制限食への批判に答える研究
第4章 生理学的な事実
第5章 生理学から見る糖質制限食の安全性
第6章 栄養学的な事実
第7章 糖質制限食の実際
第8章 糖質制限食の可能性
◆前帯コピー
医師をはじめ医療関者、専門的な知識を得たい人--必読!
もう、知らないではすまされない!
エビデンスレベルの高い最新研究から、従来の糖尿病治療の限界を証明し、糖質制限食の有効性や安全性を実証。
繰り返される非科学的な糖質制限食批判へも徹底反論。
食事指導・投薬方針など、高雄病院で行われている治療の実際も公開し、これからの糖尿病治療、メタボ・肥満対策の具体的な指針を示す。
◆後帯コピー
これからの糖尿病治療、メタボ・肥満対策のバイブル
三大栄養素の生理学的な事実から考えて、血糖コントロールの上で、従来の高糖質の治療食よりも糖質制限食のほうが有利となります。
さらに、体重減少、体内の脂質状況の改善についても効果があることは、複数の非常にエビデンスレベルの高い研究により証明されています。
近年、大きな注目を集めている、食後高血糖の防止、血糖変動幅の縮小、低血糖の予防に関しても、糖質制限食は抜群の効果があり、ますます評価が高まっています。
事実、欧米では、数々のエビデンスがあり、既に糖質制限食の有効性と安全性については認められていて、公式な治療食の選択肢の一つとなっています。
これからの糖尿病治療において、日本でも、糖質制限食は重要な選択肢となるでしょう。
以下は、「糖尿病治療のための!糖質制限食パーフェクトガイド」の「はじめ」にです。
糖質制限食とは
アメリカ糖尿病学会(ADA)によれば、食べ物が摂取され消化・吸収された後、糖質は100%が血糖に変わりますが、たんぱく質と脂質は血糖に変わりません。また、糖質は摂取直後から急峻に血糖値を上昇させ、2時間以内にほとんど吸収されます。これらは含有エネルギーとは無関係な三大栄養素の生理学的な特質です。
食事で糖質を摂取したときだけは血糖値が急上昇することになり、インスリンが大量に追加分泌されます。脂質を摂取してもインスリンの追加分泌はありませんし、たんぱく質を摂取したときにはごく少量の追加分泌があるだけです。
現在、糖尿病の治療において食後の急激な高血糖、すなわち「グルコーススパイク」が大きな問題として注目されています。食後高血糖が心筋梗塞や脳梗塞などの合併症の危険因子として認識されるようになったからです。
そして、食後高血糖を起こすのは、三大栄養素のなかで糖質だけです。
1gの糖質摂取により、体重64kgの2型糖尿病の人の血糖値は3mg/dl上昇するとされています。茶碗一杯分に当たる150g(252Kcal)の白米飯には55.3gの糖質が含まれており、これを摂取すれば166mg/dlの血糖上昇が起こることになります。
ところが、牛サーロインステーキを200g(約1000Kcal)食べたとしても、糖質含有量は1g未満であり、食後高血糖をほとんど生じません。
なお、1型糖尿病の場合、1gの糖質摂取で、体重64kgの人の血糖値を5mg/dl上昇させるとされています。
糖質制限食の基本的な考え方は、上述のような生理学的な事実を基盤として、出来るだけ糖質の摂取を抑え、食後高血糖を防ぐというものです。米飯、麺類、パンなどの穀類や、イモ類など、糖質の多い食品を出来るだけ避ける食事となります。
なお、カロリー計算は原則的に不要ですが、摂取カロリーが無制限というわけではありません。
糖尿病学会の推奨する厳格なカロリー制限は必要ありませんが、身体活動レベルが低い場合は厚生労働省のいう標準的な範囲でのエネルギー摂取を行い、男性ならば1850~2250Kcal、女性ならば1450~1700Kcalを目安とします。
高雄病院で指導している糖質制限食の場合、一日の食事全てにおいて糖質を制限すると総カロリーにおける三大栄養素の比率は糖質12%、たんぱく質32%、脂質56%ほどになりますが、薬剤に頼ることなく速やかに血糖値改善が起こり、良好な血糖コントロールが可能です。
しかし、従来の糖尿病食の場合、糖質60%、たんぱく質20%、脂質20%という比率であり高糖質食となるため、一日の摂取カロリーを1200Kcalに抑えたとしても、食後高血糖を必ず生じます。白米飯と牛サーロインステーキの比較で明らかなように、高糖質食で食後高血糖を防ぐことは理論的に不可能です。
三大栄養素の生理学的な事実から考えて、血糖コントロールの上で従来の高糖質の治療食よりも糖質制限食のほうが有利となります。
さらに、体重減少、体内の脂質状況の改善についても効果があり、複数の非常にエビデンスレベルの高い研究により証明されています。
ここ数年で大きな注目を集めている低血糖の防止、血糖変動幅の縮小に関しても、糖質制限食は効果が高く、ますます治療効果への評価が高まっています。
これからの糖尿病治療において、糖質制限食は重要な選択肢となるでしょう。
本書は糖尿病および糖質制限食に関する主だった研究や知識を集めたものです。また、高雄病院で糖質制限食を10年余りにわたり指導してきた経験やデータもご紹介しております。医療関係者の皆様を初め、糖質制限食についてより詳しく知りたいと考えておられる方のご参考になるかと思っております。
なお、本書の内容は私のブログである「ドクター江部の糖尿病徒然日記」を中心に、これまでの講演会の内容やデータを加味する形で構成しています。ブログは5年以上を経過して内容が膨大になっておりますが、本書はそれを体系化しており、ブログをご覧いただく際にも便利かと思います。
糖質制限食を詳しく知っていただくためにも、またより有効に安全に実施していただくためにも、ぜひ活用していただきたいと願っております。
江部康二
日刊ゲンダイで、
「糖質制限食 パーフェクトガイド」
書評に、取り上げてくれてました。
日刊ゲンダイさん、ありがとうございます。m(_ _)m
日刊ゲンダイ
【気になる新刊】
「糖質制限食 パーフェクトガイド」江部康二著
2013年9月4日 掲載
糖尿病治療やダイエットに役立つとして注目されている、糖質制限。米国糖尿病学会では高く評価されているが、日本ではまだ安全性について批判があるのも事実だ。これらの声に対して本書では、関連する研究データを示しながら疑問に答えていく。
糖質制限に関する議論のポイントに、「高脂質食の安全性」が挙げられる。2006年に「ニューイングランド・ジャーナル」で発表された論文によると、20年にわたり3大栄養素の摂取比率と冠動脈疾患などの疾病発症数を調べた結果、高脂質・高タンパクの食事は動脈硬化リスクを上昇させないことが分かった。一方、糖質摂取量が多いとリスクの上昇が確認されたという。
糖質制限の正しい知識を得たい人は必読だ。
(東洋経済新報社 3300円)
「糖尿病治療のための!糖質制限食パーフェクトガイド」江部康二著
東洋経済新報社
2013年8月9日から、発売中です。
今回の本、¥ 3,465と、やや高いです。 m(_ _)m
医家向けに書いた初めての本です。一般の人には少し堅苦しいと思います。
医師・医療関係者・専門的な知識を得たい人のための本です。
エビデンスレベルの高い研究論文から、従来の糖尿病治療の限界を証明し、糖質制限食の有効性や安全性を実証しました。
論文も各章で整理して、読者が調べやすいように配慮してあります。
繰り返される非科学的な糖質制限食批判へも徹底反論しています。
引用文献が豊富ですので、糖質制限食批判に対して読者が反論するときには、かなりお役に立つと思います。
実際、複数の医師から
「よくまとまっている。整理されていて使いやすい。辞書がわりにも使える。糖質制限食批判への反論に便利・・・」
など、お褒めの言葉をいただきました。(^^)
実は、兄、江部洋一郎高雄病院名誉院長からも「今度の本は今までで一番いいね」と声をかけて貰いました。
兄から褒められた経験がほとんどないので、ちょっぴり嬉しかったです。
食事指導・投薬方針など、高雄病院で行われている治療の実際も公開し、これからの糖尿病治療、メタボ・肥満対策の具体的な指針を示しました。
平均血糖変動幅増大と食後高血糖の酸化ストレスリスクなども詳しく考察しています。
内容紹介
【主要目次】
第1章 糖質制限食に関するエビデンス
第2章 従来の糖尿病治療の限界を証明する研究
第3章 糖質制限食への批判に答える研究
第4章 生理学的な事実
第5章 生理学から見る糖質制限食の安全性
第6章 栄養学的な事実
第7章 糖質制限食の実際
第8章 糖質制限食の可能性
◆前帯コピー
医師をはじめ医療関者、専門的な知識を得たい人--必読!
もう、知らないではすまされない!
エビデンスレベルの高い最新研究から、従来の糖尿病治療の限界を証明し、糖質制限食の有効性や安全性を実証。
繰り返される非科学的な糖質制限食批判へも徹底反論。
食事指導・投薬方針など、高雄病院で行われている治療の実際も公開し、これからの糖尿病治療、メタボ・肥満対策の具体的な指針を示す。
◆後帯コピー
これからの糖尿病治療、メタボ・肥満対策のバイブル
三大栄養素の生理学的な事実から考えて、血糖コントロールの上で、従来の高糖質の治療食よりも糖質制限食のほうが有利となります。
さらに、体重減少、体内の脂質状況の改善についても効果があることは、複数の非常にエビデンスレベルの高い研究により証明されています。
近年、大きな注目を集めている、食後高血糖の防止、血糖変動幅の縮小、低血糖の予防に関しても、糖質制限食は抜群の効果があり、ますます評価が高まっています。
事実、欧米では、数々のエビデンスがあり、既に糖質制限食の有効性と安全性については認められていて、公式な治療食の選択肢の一つとなっています。
これからの糖尿病治療において、日本でも、糖質制限食は重要な選択肢となるでしょう。
以下は、「糖尿病治療のための!糖質制限食パーフェクトガイド」の「はじめ」にです。
糖質制限食とは
アメリカ糖尿病学会(ADA)によれば、食べ物が摂取され消化・吸収された後、糖質は100%が血糖に変わりますが、たんぱく質と脂質は血糖に変わりません。また、糖質は摂取直後から急峻に血糖値を上昇させ、2時間以内にほとんど吸収されます。これらは含有エネルギーとは無関係な三大栄養素の生理学的な特質です。
食事で糖質を摂取したときだけは血糖値が急上昇することになり、インスリンが大量に追加分泌されます。脂質を摂取してもインスリンの追加分泌はありませんし、たんぱく質を摂取したときにはごく少量の追加分泌があるだけです。
現在、糖尿病の治療において食後の急激な高血糖、すなわち「グルコーススパイク」が大きな問題として注目されています。食後高血糖が心筋梗塞や脳梗塞などの合併症の危険因子として認識されるようになったからです。
そして、食後高血糖を起こすのは、三大栄養素のなかで糖質だけです。
1gの糖質摂取により、体重64kgの2型糖尿病の人の血糖値は3mg/dl上昇するとされています。茶碗一杯分に当たる150g(252Kcal)の白米飯には55.3gの糖質が含まれており、これを摂取すれば166mg/dlの血糖上昇が起こることになります。
ところが、牛サーロインステーキを200g(約1000Kcal)食べたとしても、糖質含有量は1g未満であり、食後高血糖をほとんど生じません。
なお、1型糖尿病の場合、1gの糖質摂取で、体重64kgの人の血糖値を5mg/dl上昇させるとされています。
糖質制限食の基本的な考え方は、上述のような生理学的な事実を基盤として、出来るだけ糖質の摂取を抑え、食後高血糖を防ぐというものです。米飯、麺類、パンなどの穀類や、イモ類など、糖質の多い食品を出来るだけ避ける食事となります。
なお、カロリー計算は原則的に不要ですが、摂取カロリーが無制限というわけではありません。
糖尿病学会の推奨する厳格なカロリー制限は必要ありませんが、身体活動レベルが低い場合は厚生労働省のいう標準的な範囲でのエネルギー摂取を行い、男性ならば1850~2250Kcal、女性ならば1450~1700Kcalを目安とします。
高雄病院で指導している糖質制限食の場合、一日の食事全てにおいて糖質を制限すると総カロリーにおける三大栄養素の比率は糖質12%、たんぱく質32%、脂質56%ほどになりますが、薬剤に頼ることなく速やかに血糖値改善が起こり、良好な血糖コントロールが可能です。
しかし、従来の糖尿病食の場合、糖質60%、たんぱく質20%、脂質20%という比率であり高糖質食となるため、一日の摂取カロリーを1200Kcalに抑えたとしても、食後高血糖を必ず生じます。白米飯と牛サーロインステーキの比較で明らかなように、高糖質食で食後高血糖を防ぐことは理論的に不可能です。
三大栄養素の生理学的な事実から考えて、血糖コントロールの上で従来の高糖質の治療食よりも糖質制限食のほうが有利となります。
さらに、体重減少、体内の脂質状況の改善についても効果があり、複数の非常にエビデンスレベルの高い研究により証明されています。
ここ数年で大きな注目を集めている低血糖の防止、血糖変動幅の縮小に関しても、糖質制限食は効果が高く、ますます治療効果への評価が高まっています。
これからの糖尿病治療において、糖質制限食は重要な選択肢となるでしょう。
本書は糖尿病および糖質制限食に関する主だった研究や知識を集めたものです。また、高雄病院で糖質制限食を10年余りにわたり指導してきた経験やデータもご紹介しております。医療関係者の皆様を初め、糖質制限食についてより詳しく知りたいと考えておられる方のご参考になるかと思っております。
なお、本書の内容は私のブログである「ドクター江部の糖尿病徒然日記」を中心に、これまでの講演会の内容やデータを加味する形で構成しています。ブログは5年以上を経過して内容が膨大になっておりますが、本書はそれを体系化しており、ブログをご覧いただく際にも便利かと思います。
糖質制限食を詳しく知っていただくためにも、またより有効に安全に実施していただくためにも、ぜひ活用していただきたいと願っております。
江部康二
2013年12月02日 (月)
【13/12/02 木村
尋常性乾癬・・?
先日は、お忙しい中コメント欄に回答くださりありがとうございました。
最近なかなか皮膚病?痛かゆくて完治しない・・・
どうやら、尋常性乾癬・・・かも?
牛肉を意識して毎食のように食べ、油をオリーブオイルから、ラードに変えていました。どうも、それが、原因のような気がします。
先生の記事一覧の中の尋常性乾癬を拝見いたしました。
私のように、牛肉や豚脂がダメな人もいるんですね。】
こんばんは。
尋常性乾癬について、木村さんから、コメントをいただきました。
尋常性乾癬に関して、まだ10人程度ですが、糖質制限食を実践してみました。
その結果、糖質制限食で、過半数の人が良くなりました。
改善しない場合、「さわさん」の例がありますので、糖質制限に加えて牛肉・牛脂を制限してみるのも選択肢の一つです。
記事のコメントを頂いた「さわさん」の場合は、糖質と牛脂の制限で、豚脂は摂取しても、100%尋常性乾癬が改善とのことです。
私も一例、「糖質制限+牛肉・牛脂制限」で、尋常性乾癬の皮疹がほぼ消失された方を経験しました。
天然のトランス脂肪酸は、反芻動物(牛・羊・山羊など)の肉やバターに含まれています。
一方、豚は反芻動物ではないので、豚肉にはトランス脂肪酸は含まれていないと思います。
牛脂と豚脂の一番大きな差は、トランス脂肪酸の差と思われます。
天然といえども、トランス脂肪酸が、尋常性乾癬の皮疹に影響を与える場合があるのだと思います。
江部康二
☆☆☆
2010年08月21日 (土)の本ブログ記事
「尋常性乾癬と糖質制限食と牛脂・2010年8月」
こんにちは。
糖質制限食で尋常性乾癬が改善されたさわさんから、最新のコメントをいただきました。
「10/08/20 さわ
尋常性乾癬について
江部先生こんばんは。
ご無沙汰しております。
今日は近況報告をさせてください。
前回コメントした時は尋常性乾癬は99%完治していたため、それから自分なりにいろいろと実験をしてみました。
経過
2008年3月~2010年3月
ほぼ99%の乾癬が消滅)
この時点では自分の乾癬の原因は糖質と牛脂、豚脂だと思っていました。
2010年4月~5月
意識して、牛肉を多く食べる。
ひざから下の約30%に乾癬が発生。
糖質制限をしているため、患部の広がり方は非常に緩やかでしたが、着実に広がっていく。
2010年6月
牛肉を一切食べずに過ごす。
脂たっぷりの豚肉は毎日欠かさず食べる。
1ヶ月かけて徐々に患部が消滅していく。
2010年7~8月
6月に続き、脂たっぷりの豚肉は毎日欠かさず食べる。
7月初旬に100%患部が消滅する。(発症後22年間で初めての経験です。)
ということで、自分なりの結論が出ました。
自分の乾癬にとっての最も重要な原因は「糖質」であり「牛脂(天然のトランス脂肪酸)」はその触媒である。
オレイン酸がメインである豚脂は全く影響なしです。
乾癬の原因は様々ですし、「糖質」や「牛脂」を避けても完治しない方もいらっしゃるでしょうが、
自分的の場合は今回の実験で22年かけて初めて100%の克服ができたわけですし、参考になる方も多数いらっしゃるかと思いコメントさせて頂きました。
余談ですが
毎日炭水化物と牛脂の大量摂取で1ヶ月以内に全身に乾癬を広がらせる自信もあります。
そんなことは決してしませんが・・・
江部先生のブログのカテゴリ「体に良いアブラとは」が凄く参考になりました。
ありがとうございました。」
さわさん、お久しぶりです。
コメントありがとうございます。
22年間の尋常性乾癬の100%治癒、おめでとうございます。(^-^)v(^-^)v
尋常性乾癬は、医学的には極めて難治性の疾患です。さわさんも20年間以上つきあって来られたのですから、まさに難治であったわけです。
五訂日本食品標準成分表によると
牛ロース100g中に、脂肪が37.4gで、その内オレイン酸が15.4gです。
豚ロース100g中に、脂肪が14.6gで、その内オレイン酸が5.94gです。
ですので、牛脂と豚脂の成分のオレイン酸は、比率的にほとんど差はないようです。
天然のトランス脂肪酸は、反芻動物(牛・羊・山羊など)の肉やバターに含まれています。*
一方、豚は反芻動物ではないので、豚肉にはトランス脂肪酸は含まれていないと思います。
『自分の乾癬にとっての最も重要な原因は「糖質」であり「牛脂(天然のトランス脂肪酸)」はその触媒である。』
さわさんのご指摘どおりと私も思います。
牛脂と豚脂の成分の差で顕著なのは、トランス脂肪酸ありとなしの差です。他の脂肪酸の成分は、そんなに差はないと思います。
牛脂(天然のトランス脂肪酸)が、尋常性乾癬悪化の触媒となっているのが、さわさん固有の特徴なのか、はたまた皆に共通の現象なのか、とても興味深いです。
高雄病院や江部診療所の尋常性乾癬の患者さんで、糖質制限食でかなり改善した方が複数おられます。これらの患者さんにご協力いただいて、牛肉(牛脂)をやめていただいて、100%治癒にどの程度近づくか試してもらおうと思います。
*
牛などの反芻動物の胃内に共生するバクテリアは、シス型の不飽和脂肪酸をトランス型に変換する特殊な酵素を持っています。このバクテリアが産生するトランス脂肪酸は主にバクセン酸です。
江部康二
尋常性乾癬・・?
先日は、お忙しい中コメント欄に回答くださりありがとうございました。
最近なかなか皮膚病?痛かゆくて完治しない・・・
どうやら、尋常性乾癬・・・かも?
牛肉を意識して毎食のように食べ、油をオリーブオイルから、ラードに変えていました。どうも、それが、原因のような気がします。
先生の記事一覧の中の尋常性乾癬を拝見いたしました。
私のように、牛肉や豚脂がダメな人もいるんですね。】
こんばんは。
尋常性乾癬について、木村さんから、コメントをいただきました。
尋常性乾癬に関して、まだ10人程度ですが、糖質制限食を実践してみました。
その結果、糖質制限食で、過半数の人が良くなりました。
改善しない場合、「さわさん」の例がありますので、糖質制限に加えて牛肉・牛脂を制限してみるのも選択肢の一つです。
記事のコメントを頂いた「さわさん」の場合は、糖質と牛脂の制限で、豚脂は摂取しても、100%尋常性乾癬が改善とのことです。
私も一例、「糖質制限+牛肉・牛脂制限」で、尋常性乾癬の皮疹がほぼ消失された方を経験しました。
天然のトランス脂肪酸は、反芻動物(牛・羊・山羊など)の肉やバターに含まれています。
一方、豚は反芻動物ではないので、豚肉にはトランス脂肪酸は含まれていないと思います。
牛脂と豚脂の一番大きな差は、トランス脂肪酸の差と思われます。
天然といえども、トランス脂肪酸が、尋常性乾癬の皮疹に影響を与える場合があるのだと思います。
江部康二
☆☆☆
2010年08月21日 (土)の本ブログ記事
「尋常性乾癬と糖質制限食と牛脂・2010年8月」
こんにちは。
糖質制限食で尋常性乾癬が改善されたさわさんから、最新のコメントをいただきました。
「10/08/20 さわ
尋常性乾癬について
江部先生こんばんは。
ご無沙汰しております。
今日は近況報告をさせてください。
前回コメントした時は尋常性乾癬は99%完治していたため、それから自分なりにいろいろと実験をしてみました。
経過
2008年3月~2010年3月
ほぼ99%の乾癬が消滅)
この時点では自分の乾癬の原因は糖質と牛脂、豚脂だと思っていました。
2010年4月~5月
意識して、牛肉を多く食べる。
ひざから下の約30%に乾癬が発生。
糖質制限をしているため、患部の広がり方は非常に緩やかでしたが、着実に広がっていく。
2010年6月
牛肉を一切食べずに過ごす。
脂たっぷりの豚肉は毎日欠かさず食べる。
1ヶ月かけて徐々に患部が消滅していく。
2010年7~8月
6月に続き、脂たっぷりの豚肉は毎日欠かさず食べる。
7月初旬に100%患部が消滅する。(発症後22年間で初めての経験です。)
ということで、自分なりの結論が出ました。
自分の乾癬にとっての最も重要な原因は「糖質」であり「牛脂(天然のトランス脂肪酸)」はその触媒である。
オレイン酸がメインである豚脂は全く影響なしです。
乾癬の原因は様々ですし、「糖質」や「牛脂」を避けても完治しない方もいらっしゃるでしょうが、
自分的の場合は今回の実験で22年かけて初めて100%の克服ができたわけですし、参考になる方も多数いらっしゃるかと思いコメントさせて頂きました。
余談ですが
毎日炭水化物と牛脂の大量摂取で1ヶ月以内に全身に乾癬を広がらせる自信もあります。
そんなことは決してしませんが・・・
江部先生のブログのカテゴリ「体に良いアブラとは」が凄く参考になりました。
ありがとうございました。」
さわさん、お久しぶりです。
コメントありがとうございます。
22年間の尋常性乾癬の100%治癒、おめでとうございます。(^-^)v(^-^)v
尋常性乾癬は、医学的には極めて難治性の疾患です。さわさんも20年間以上つきあって来られたのですから、まさに難治であったわけです。
五訂日本食品標準成分表によると
牛ロース100g中に、脂肪が37.4gで、その内オレイン酸が15.4gです。
豚ロース100g中に、脂肪が14.6gで、その内オレイン酸が5.94gです。
ですので、牛脂と豚脂の成分のオレイン酸は、比率的にほとんど差はないようです。
天然のトランス脂肪酸は、反芻動物(牛・羊・山羊など)の肉やバターに含まれています。*
一方、豚は反芻動物ではないので、豚肉にはトランス脂肪酸は含まれていないと思います。
『自分の乾癬にとっての最も重要な原因は「糖質」であり「牛脂(天然のトランス脂肪酸)」はその触媒である。』
さわさんのご指摘どおりと私も思います。
牛脂と豚脂の成分の差で顕著なのは、トランス脂肪酸ありとなしの差です。他の脂肪酸の成分は、そんなに差はないと思います。
牛脂(天然のトランス脂肪酸)が、尋常性乾癬悪化の触媒となっているのが、さわさん固有の特徴なのか、はたまた皆に共通の現象なのか、とても興味深いです。
高雄病院や江部診療所の尋常性乾癬の患者さんで、糖質制限食でかなり改善した方が複数おられます。これらの患者さんにご協力いただいて、牛肉(牛脂)をやめていただいて、100%治癒にどの程度近づくか試してもらおうと思います。
*
牛などの反芻動物の胃内に共生するバクテリアは、シス型の不飽和脂肪酸をトランス型に変換する特殊な酵素を持っています。このバクテリアが産生するトランス脂肪酸は主にバクセン酸です。
江部康二
2013年12月01日 (日)
こんにちは。
2013年10月29日(火)毎日新聞朝刊の、「火論」を読みました。
玉木研二氏の書いた記事で大変、興味深いものでした。
以下は「火論」の要約です。
『東京・岩波ホールでの劇映画「ハンナ・アーレント」の上映初日、風雨にもかかわらず、1回目から満員だった。
ナチ戦犯アイヒマンを裁く法廷シーンでは、実録フィルムでアイヒマン本人が登場し、この効果が大きい。アイヒマンはユダヤ人を貨物や家畜のように扱い、死地へ追いやる強制収容所移送を指揮した元親衛隊幹部である。敗戦後に逃亡して、変名でアルゼンチンで暮らしているところをイスラエル情報部が急襲、1960年5月11日、逮捕した。
エルサレムの法廷でこの初老の男は時にいらだちをのぞかせ繰り返し弁解した。「私は命令に従ったまでです」「それが命令でした」「すべて命令次第です」「事務的に処理したのです」「私は一端を担ったにすぎません」「さまざまな部署が担当しました」・・・。亡命ユダヤ人の哲学者ハンナ・アーレントは裁判を傍聴し、そこに「平凡な人間が行う悪」を見いだす。人間的な思考を放棄したものが空前の残虐な行為をなすおぞましさ。
アイヒマンは学業不振などで学校は続かず、20代で親衛隊に入隊した。やがてユダヤ人移送担当となり、実績を上げて評価される。思考の力を失い、機械的に命令や職務権限を果たしていく凡庸な軍人、官僚。それがホロコースト(大虐殺)を遂行可能にする動力ともなる。彼にとって犠牲者数は統計上の数字にすぎない。
映画はアーレントの洞察(アイヒマンを極悪人とみなすのではなく、極普通の小心者で取るに足らない役人に過ぎなかったとする見解)に対する社会の非難と、それに屈しない彼女の毅然とした姿を描き、心を打つ。
そして、アイヒマンの機械のように冷たい、どこかぼんやりしているような風情も不気味に残る。彼は極めて特異な例外的存在なのだろうか。今日も世界に絶えない大規模な破壊行為だけでなく、社会の組織的な大きな過ちや錯誤にもその小さな影を見ないだろうか。61年12月15日死刑判決。「この日エルサレムは雨と風がひどかったにもかかわらず、傍聴人席は超満員だった」と外電は伝えている。』
ごく普通の小心者の小役人のアイヒマンらが、上の命令に従って思考放棄して、結果としてホロコーストの動力となってしまったわけです。
この時自分の頭で考えることができる人が何%かいれば、ホロコーストは阻止できたのでしょうか?
このような話だと、杉原 千畝(すぎはら ちうね)氏を思い起こします。
第二次世界大戦中、リトアニアのカウナス領事館に赴任していた杉原氏は、ナチス・ドイツの迫害によりポーランド等欧州各地から逃れてきた難民たちの窮状に同情。外務省からの訓令に反して、大量のビザ(通過査証)を発給し、およそ6,000人にのぼる避難民を救ったことで知られています。(ウィキペディアを参照しました)
杉原千畝氏の場合、たった一人の人間が、自分の頭で考えて判断して、外務省の命令を無視して、大量のビザを発給して、6000人のユダヤ人の命を救ったのです。
さて、「火論」の玉木研二氏も
「社会の組織的な大きな過ちや錯誤にもその小さな影を見ないだろうか。」
と指摘しているように、ごく普通の人達が、思考放棄して、社会や会社や地域の支配的な勢力に従ってしまうことで、結果として過ちや錯誤を犯してしまう。
日本でも世界でもそのような構造があると思います。
例えば人種差別などもその典型です。
糖尿病治療の現状を冷静にみると、まさしくそれと同様の構造が認められます。
すなわち、「食後高血糖」「平均血糖変動幅増大」が最大の酸化ストレスリスクで、それを生じるのは、糖質を摂取したときだけであり、蛋白質・脂質摂取では生じません。
これは議論の余地などない、生理学的事実です。
そして「食後高血糖」「平均血糖変動幅増大」を防げるのは糖質制限食だけです。
これほど明白な生理学的事実があるのに、多くの糖尿病専門医は、思考放棄して、支配的勢力(日本糖尿病学会)の推奨するカロリー制限食(高糖質食)を、そのまま盲目的に受け入れています。
1)「カロリー制限・高糖質食」を唯一無二の食事療法として押しつけ、今ここにリアルタイムにある危機
「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」を毎日3回以上生じさせることの大きなリスク。
2)10年、20年間の長期的安全性に関するエビデンスがないのは、「カロリー制限・高糖質食」も「糖質制限食」もまったく同等である。糖質制限食の長期的安全性が担保されていないというなら、カロリー制限・高糖質食も同じ事なので、糖質制限食だけにいうのは非論理的である。
3)短期的にリアルタイムに酸化ストレスを生じる高糖質食の危険性を予防する方が、優先順位ははるかに高い。
4)短期的な安全性が確保されて、はじめて長期的安全性が確保される。
1)2)3)4)は自分の頭で考えさえれば、誰でもすぐにわかることですね。
自分の頭で考えることを放棄した多くの医師によって、日本では、1969年以来今日に至るまで44年間にわたって、
カロリー制限食(高糖質食)が、唯一無二の食事療法として推奨・指導されてきました。
その結果、現時点で「食後高血糖」「平均血糖変動幅増大」のために
糖尿病腎症からの人工透析が16000人/年
糖尿病網膜症からの失明が3000人/年
糖尿病足病変からの足切断が3000人/年
発症しています。
これが偽らざる日本の現状です。
高糖質食の弊害が、これ以上ないほど明確に証明されています。
糖質制限食なら、「食後高血糖」「平均血糖変動幅増大」はないのでこれらの合併症は生じません。
医師という責任ある職業の方々は、自分の頭で考えることを放棄して、支配的勢力の意見にに盲目的に従うこと自体が罪であると私は思います。
江部康二
☆☆☆ウィキペディア
『イェルサレムのアイヒマン』(Eichmann in Jerusalem: A Report on the Banality of Evil)はハンナ・アーレントが1963年に雑誌ザ・ニューヨーカーに連載したアドルフ・アイヒマンの裁判記録である。副題は「悪の陳腐さについての報告」。
みすず書房に大久保和郎の翻訳がある。
ホロコーストの中心人物で、第二次世界大戦後にアルゼンチンのブエノスアイレスでリカード・クレメント(Ricardo Klement)という名で潜伏生活を送っていたアドルフ・アイヒマンが、イスラエルの諜報機関によって極秘逮捕されてエルサレムに連行され、1961年4月11日に始まった公開裁判の後に死刑執行されるまでを描いた本。裁判の様子を描いただけではなく、ヨーロッパ各地域で如何なる方法でユダヤ人が国籍を剥奪され、収容所に集められ、殺害されたかを詳しく綴っている。
アーレントはこの本の中でイスラエルは裁判権を持っているのか、アルゼンチンの国家主権を無視してアイヒマンを連行したのは正しかったのか、裁判そのものに正当性はあったのかなどの疑問を投げ掛けたほか、アイヒマンを極悪人として描くのではなく、極普通の小心者で取るに足らない役人に過ぎなかったと描いた。
また、アーレントは国際法上に於ける「平和に対する罪」に明確な定義がないことを指摘し、ソ連によるカティンの森事件や、アメリカによる広島・長崎への原爆投下が裁かれないことを批判している。
2013年10月29日(火)毎日新聞朝刊の、「火論」を読みました。
玉木研二氏の書いた記事で大変、興味深いものでした。
以下は「火論」の要約です。
『東京・岩波ホールでの劇映画「ハンナ・アーレント」の上映初日、風雨にもかかわらず、1回目から満員だった。
ナチ戦犯アイヒマンを裁く法廷シーンでは、実録フィルムでアイヒマン本人が登場し、この効果が大きい。アイヒマンはユダヤ人を貨物や家畜のように扱い、死地へ追いやる強制収容所移送を指揮した元親衛隊幹部である。敗戦後に逃亡して、変名でアルゼンチンで暮らしているところをイスラエル情報部が急襲、1960年5月11日、逮捕した。
エルサレムの法廷でこの初老の男は時にいらだちをのぞかせ繰り返し弁解した。「私は命令に従ったまでです」「それが命令でした」「すべて命令次第です」「事務的に処理したのです」「私は一端を担ったにすぎません」「さまざまな部署が担当しました」・・・。亡命ユダヤ人の哲学者ハンナ・アーレントは裁判を傍聴し、そこに「平凡な人間が行う悪」を見いだす。人間的な思考を放棄したものが空前の残虐な行為をなすおぞましさ。
アイヒマンは学業不振などで学校は続かず、20代で親衛隊に入隊した。やがてユダヤ人移送担当となり、実績を上げて評価される。思考の力を失い、機械的に命令や職務権限を果たしていく凡庸な軍人、官僚。それがホロコースト(大虐殺)を遂行可能にする動力ともなる。彼にとって犠牲者数は統計上の数字にすぎない。
映画はアーレントの洞察(アイヒマンを極悪人とみなすのではなく、極普通の小心者で取るに足らない役人に過ぎなかったとする見解)に対する社会の非難と、それに屈しない彼女の毅然とした姿を描き、心を打つ。
そして、アイヒマンの機械のように冷たい、どこかぼんやりしているような風情も不気味に残る。彼は極めて特異な例外的存在なのだろうか。今日も世界に絶えない大規模な破壊行為だけでなく、社会の組織的な大きな過ちや錯誤にもその小さな影を見ないだろうか。61年12月15日死刑判決。「この日エルサレムは雨と風がひどかったにもかかわらず、傍聴人席は超満員だった」と外電は伝えている。』
ごく普通の小心者の小役人のアイヒマンらが、上の命令に従って思考放棄して、結果としてホロコーストの動力となってしまったわけです。
この時自分の頭で考えることができる人が何%かいれば、ホロコーストは阻止できたのでしょうか?
このような話だと、杉原 千畝(すぎはら ちうね)氏を思い起こします。
第二次世界大戦中、リトアニアのカウナス領事館に赴任していた杉原氏は、ナチス・ドイツの迫害によりポーランド等欧州各地から逃れてきた難民たちの窮状に同情。外務省からの訓令に反して、大量のビザ(通過査証)を発給し、およそ6,000人にのぼる避難民を救ったことで知られています。(ウィキペディアを参照しました)
杉原千畝氏の場合、たった一人の人間が、自分の頭で考えて判断して、外務省の命令を無視して、大量のビザを発給して、6000人のユダヤ人の命を救ったのです。
さて、「火論」の玉木研二氏も
「社会の組織的な大きな過ちや錯誤にもその小さな影を見ないだろうか。」
と指摘しているように、ごく普通の人達が、思考放棄して、社会や会社や地域の支配的な勢力に従ってしまうことで、結果として過ちや錯誤を犯してしまう。
日本でも世界でもそのような構造があると思います。
例えば人種差別などもその典型です。
糖尿病治療の現状を冷静にみると、まさしくそれと同様の構造が認められます。
すなわち、「食後高血糖」「平均血糖変動幅増大」が最大の酸化ストレスリスクで、それを生じるのは、糖質を摂取したときだけであり、蛋白質・脂質摂取では生じません。
これは議論の余地などない、生理学的事実です。
そして「食後高血糖」「平均血糖変動幅増大」を防げるのは糖質制限食だけです。
これほど明白な生理学的事実があるのに、多くの糖尿病専門医は、思考放棄して、支配的勢力(日本糖尿病学会)の推奨するカロリー制限食(高糖質食)を、そのまま盲目的に受け入れています。
1)「カロリー制限・高糖質食」を唯一無二の食事療法として押しつけ、今ここにリアルタイムにある危機
「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」を毎日3回以上生じさせることの大きなリスク。
2)10年、20年間の長期的安全性に関するエビデンスがないのは、「カロリー制限・高糖質食」も「糖質制限食」もまったく同等である。糖質制限食の長期的安全性が担保されていないというなら、カロリー制限・高糖質食も同じ事なので、糖質制限食だけにいうのは非論理的である。
3)短期的にリアルタイムに酸化ストレスを生じる高糖質食の危険性を予防する方が、優先順位ははるかに高い。
4)短期的な安全性が確保されて、はじめて長期的安全性が確保される。
1)2)3)4)は自分の頭で考えさえれば、誰でもすぐにわかることですね。
自分の頭で考えることを放棄した多くの医師によって、日本では、1969年以来今日に至るまで44年間にわたって、
カロリー制限食(高糖質食)が、唯一無二の食事療法として推奨・指導されてきました。
その結果、現時点で「食後高血糖」「平均血糖変動幅増大」のために
糖尿病腎症からの人工透析が16000人/年
糖尿病網膜症からの失明が3000人/年
糖尿病足病変からの足切断が3000人/年
発症しています。
これが偽らざる日本の現状です。
高糖質食の弊害が、これ以上ないほど明確に証明されています。
糖質制限食なら、「食後高血糖」「平均血糖変動幅増大」はないのでこれらの合併症は生じません。
医師という責任ある職業の方々は、自分の頭で考えることを放棄して、支配的勢力の意見にに盲目的に従うこと自体が罪であると私は思います。
江部康二
☆☆☆ウィキペディア
『イェルサレムのアイヒマン』(Eichmann in Jerusalem: A Report on the Banality of Evil)はハンナ・アーレントが1963年に雑誌ザ・ニューヨーカーに連載したアドルフ・アイヒマンの裁判記録である。副題は「悪の陳腐さについての報告」。
みすず書房に大久保和郎の翻訳がある。
ホロコーストの中心人物で、第二次世界大戦後にアルゼンチンのブエノスアイレスでリカード・クレメント(Ricardo Klement)という名で潜伏生活を送っていたアドルフ・アイヒマンが、イスラエルの諜報機関によって極秘逮捕されてエルサレムに連行され、1961年4月11日に始まった公開裁判の後に死刑執行されるまでを描いた本。裁判の様子を描いただけではなく、ヨーロッパ各地域で如何なる方法でユダヤ人が国籍を剥奪され、収容所に集められ、殺害されたかを詳しく綴っている。
アーレントはこの本の中でイスラエルは裁判権を持っているのか、アルゼンチンの国家主権を無視してアイヒマンを連行したのは正しかったのか、裁判そのものに正当性はあったのかなどの疑問を投げ掛けたほか、アイヒマンを極悪人として描くのではなく、極普通の小心者で取るに足らない役人に過ぎなかったと描いた。
また、アーレントは国際法上に於ける「平和に対する罪」に明確な定義がないことを指摘し、ソ連によるカティンの森事件や、アメリカによる広島・長崎への原爆投下が裁かれないことを批判している。