2013年11月07日 (木)
おはようございます。
非小細胞肺がんⅣ期の患者さんとケトン食、臨床研究についてのお知らせです。
対象は、非小細胞肺がんⅣ期の患者さんです。
化学療法や放射線治療を実施していてもOK、あるいは化学療法や放射線なしの未治療でもOKです。
非小細胞肺がんⅣ期の患者さんに、一定の治療効果を期待してケトン食(脂質75~80%)を食事療法として実践してみるという試みです。
具体的には、大阪大学大学院医学系研究科 漢方医学寄附講座 萩原圭祐先生、有光潤介先生の外来にて、「非小細胞肺がんⅣ期」の患者さんとケトン食、臨床研究開始となりました。私もアドバイザーとして研究に参加しています。
ケトン食は、私の実践しているスーパー糖質制限食をさらに厳しくした食事療法です。
動物実験レベルでは、ケトン体高値にがん細胞抑制効果が確認されています。
ケトン食はもともとは、難治性小児てんかんの治療食で、1920代から欧米や日本で実施されています。
「コクラン ライブラリー 2010年版」「英国立医療技術評価機構・2011年版」に、小児てんかんの治療食として正式採用されました。
「アイオワ大学+NIH(米国国立衛生研究所)」で、同様のケトン食研究(非小細胞肺がんⅣ期)が、2011年8月から開始されています。
「非小細胞肺がんⅣ期」で、ケトン食による治療に興味がある患者さんがおられましたら
大阪大学大学院医学系研究科
漢方医学寄附講座
萩原圭祐先生、有光潤介先生
の大阪大学漢方外来に、予約して受診していただけば幸いです。
☆外来受診は完全予約性です。
☆阪大病院保健医療福祉ネットワーク部に主治医からご連絡頂くことが必要です。
☆阪大病院保健医療福祉ネットワーク部
http://www.hosp.med.osaka-u.ac.jp/institution/apply.html
TEL 06-6879-5080 FAX 06-6879-5081
受付時間 (月~金 9:00~16:00)以降のお申し込みの返信は、原則翌日(金曜日は翌週)となります。
☆診療情報提供書を必ずご持参ください。
☆「肺の小細胞がん」及び「肺がん以外のがん」は、対象となりません。
☆「非小細胞肺がんⅣ期」の患者さんだけが対象となります。
☆外来で研究内容の説明を聞いていただき、同意を得た上で治療開始となります。
また、途中で中止も可能です。現在、募集人数には余裕があります。
非小細胞肺がんⅣ期の患者さんとケトン食、臨床研究についてのお知らせです。
対象は、非小細胞肺がんⅣ期の患者さんです。
化学療法や放射線治療を実施していてもOK、あるいは化学療法や放射線なしの未治療でもOKです。
非小細胞肺がんⅣ期の患者さんに、一定の治療効果を期待してケトン食(脂質75~80%)を食事療法として実践してみるという試みです。
具体的には、大阪大学大学院医学系研究科 漢方医学寄附講座 萩原圭祐先生、有光潤介先生の外来にて、「非小細胞肺がんⅣ期」の患者さんとケトン食、臨床研究開始となりました。私もアドバイザーとして研究に参加しています。
ケトン食は、私の実践しているスーパー糖質制限食をさらに厳しくした食事療法です。
動物実験レベルでは、ケトン体高値にがん細胞抑制効果が確認されています。
ケトン食はもともとは、難治性小児てんかんの治療食で、1920代から欧米や日本で実施されています。
「コクラン ライブラリー 2010年版」「英国立医療技術評価機構・2011年版」に、小児てんかんの治療食として正式採用されました。
「アイオワ大学+NIH(米国国立衛生研究所)」で、同様のケトン食研究(非小細胞肺がんⅣ期)が、2011年8月から開始されています。
「非小細胞肺がんⅣ期」で、ケトン食による治療に興味がある患者さんがおられましたら
大阪大学大学院医学系研究科
漢方医学寄附講座
萩原圭祐先生、有光潤介先生
の大阪大学漢方外来に、予約して受診していただけば幸いです。
☆外来受診は完全予約性です。
☆阪大病院保健医療福祉ネットワーク部に主治医からご連絡頂くことが必要です。
☆阪大病院保健医療福祉ネットワーク部
http://www.hosp.med.osaka-u.ac.jp/institution/apply.html
TEL 06-6879-5080 FAX 06-6879-5081
受付時間 (月~金 9:00~16:00)以降のお申し込みの返信は、原則翌日(金曜日は翌週)となります。
☆診療情報提供書を必ずご持参ください。
☆「肺の小細胞がん」及び「肺がん以外のがん」は、対象となりません。
☆「非小細胞肺がんⅣ期」の患者さんだけが対象となります。
☆外来で研究内容の説明を聞いていただき、同意を得た上で治療開始となります。
また、途中で中止も可能です。現在、募集人数には余裕があります。
2013年11月06日 (水)
こんにちは。
いち内科医さんから、NHK「今日の健康」についてコメントをいただきました。
「今日の健康」推奨の糖尿病食、まさに従来の糖尿病食(高糖質・低脂質・カロリー制限食)ですね。
朝・昼・夕と三食とも炭水化物中心の高糖質の食事です。
これでは、「食後高血糖と平均血糖変動幅増大」という、最大の酸化ストレスリスクが著明に増加すること間違いないです。糖尿病合併症の予防は不可能です。
日本糖尿病学会は、米国糖尿病学会が既に2004年から実行しているように
「血糖値に変わるのは糖質だけであり、たんぱく質・脂質は変わらない」
という生理学的事実を、糖尿病患者さんに、直ちに知らせる義務があると思います。
すなわち、
「血糖値を上昇させるのは糖質だけで、たんぱく質・脂質は上昇させない」
このように重要な生理学的事実を隠蔽して、糖尿病患者さんに「糖尿病食事療法」を語る資格はないと思うのは私だけでしょうか?
江部康二
【13/11/06 いち内科医
今日の健康はひどすぎる!
はじめまして 内科勤務医です。
江部先生のブログはいつも参考にさせていただいています。
今日の健康(11/5)
http://www.nhk.or.jp/kenko/kenkotoday/archives/2013/11/1105.html
で糖尿病の食事指導をしていましたが、時代錯誤もいいところで頭にきてしまい、
こちらに投稿しました。
まず悪い食事の例として(記憶の範囲内です)
朝食:抜き
昼食:天ぷらうどん
夕食:とんかつ定食+アルコール類
夜食:チーズ、ナッツ
があげられており、 それを
朝食:おにぎり2個、くだもの、サラダ
昼食:山菜そば
夕食:刺身定食(どんぶり飯)、アルコール禁
夜食:禁
にするとよいでしょうと。
説明が実にアナクロで、 朝食を食べないとその後の食事がドカ食いになってしまうからタップリとることがポイントです。果物は体にいいですから朝に摂りましょう。
昼食の天ぷらは高カロリーです。山菜にして吸収の遅いそばにしましょう。
夕飯は揚げ物は控えて刺身など低カロリーなおかずにしましょう。アルコールは控えるのは難しいのでいっそのこと止めましょう。
夜食を食べるとその後寝るだけなので血糖値が朝まで下がらず朝食欲が出ないのでいけません。夜9時以降の食事は止めてください。
チーズ、ナッツはカロリーが高いのでいけません。
・・・こんな放送に金を出していると思うとムカムカしてきました。】
いち内科医さんから、NHK「今日の健康」についてコメントをいただきました。
「今日の健康」推奨の糖尿病食、まさに従来の糖尿病食(高糖質・低脂質・カロリー制限食)ですね。
朝・昼・夕と三食とも炭水化物中心の高糖質の食事です。
これでは、「食後高血糖と平均血糖変動幅増大」という、最大の酸化ストレスリスクが著明に増加すること間違いないです。糖尿病合併症の予防は不可能です。
日本糖尿病学会は、米国糖尿病学会が既に2004年から実行しているように
「血糖値に変わるのは糖質だけであり、たんぱく質・脂質は変わらない」
という生理学的事実を、糖尿病患者さんに、直ちに知らせる義務があると思います。
すなわち、
「血糖値を上昇させるのは糖質だけで、たんぱく質・脂質は上昇させない」
このように重要な生理学的事実を隠蔽して、糖尿病患者さんに「糖尿病食事療法」を語る資格はないと思うのは私だけでしょうか?
江部康二
【13/11/06 いち内科医
今日の健康はひどすぎる!
はじめまして 内科勤務医です。
江部先生のブログはいつも参考にさせていただいています。
今日の健康(11/5)
http://www.nhk.or.jp/kenko/kenkotoday/archives/2013/11/1105.html
で糖尿病の食事指導をしていましたが、時代錯誤もいいところで頭にきてしまい、
こちらに投稿しました。
まず悪い食事の例として(記憶の範囲内です)
朝食:抜き
昼食:天ぷらうどん
夕食:とんかつ定食+アルコール類
夜食:チーズ、ナッツ
があげられており、 それを
朝食:おにぎり2個、くだもの、サラダ
昼食:山菜そば
夕食:刺身定食(どんぶり飯)、アルコール禁
夜食:禁
にするとよいでしょうと。
説明が実にアナクロで、 朝食を食べないとその後の食事がドカ食いになってしまうからタップリとることがポイントです。果物は体にいいですから朝に摂りましょう。
昼食の天ぷらは高カロリーです。山菜にして吸収の遅いそばにしましょう。
夕飯は揚げ物は控えて刺身など低カロリーなおかずにしましょう。アルコールは控えるのは難しいのでいっそのこと止めましょう。
夜食を食べるとその後寝るだけなので血糖値が朝まで下がらず朝食欲が出ないのでいけません。夜9時以降の食事は止めてください。
チーズ、ナッツはカロリーが高いのでいけません。
・・・こんな放送に金を出していると思うとムカムカしてきました。】
2013年11月05日 (火)
こんばんは。
2013年11月29日(金)朝日カルチャーセンター立川教室において
糖質制限食による糖尿病の解決
- 糖質制限食の理論と実践-
と題して、講座を行います。
今回は、テーマを糖尿病に絞って、詳しく判りやすくお話します。
糖質制限食の最新の理論や有効性や安全性は勿論のこと、症例報告も今まで以上に豊富です。
糖尿病腎症からの人工透析が、毎年16000人(約44%)
糖尿病網膜症からの失明が、毎年3000人(約18%)
糖尿病足病変からの足切断が、毎年3000人(40~45%)
これらの数字を見れば、従来の日本糖尿病学会推奨の糖尿病食(カロリー制限・高糖質・低脂質食)では、いくら薬物療法を強化しても、合併症が予防できていないのは一目瞭然です。
早ければ早いほど、いいです。従来の糖尿病食から糖質制限食に切り替えることで糖尿病合併症の予防ができます。
私自身も、2002年に糖尿病でメタボで高血圧ということが発覚して以来、2013年現在まで足かけ12年、スーパー糖質制限食を実践しています。
糖尿病発覚後半年で10kgの減量を達成し、全てのデータが正常となり維持です。
勿論、2013年現在もデータは全て正常で合併症もありません。
厚生労働省の2007年調査結果で、糖尿病が強く疑われる人は約890万人、
厚生労働省の推計で、2010年時点で1080万人の糖尿病患者が存在、
その内、継続的に受診しているのは2011年調査で、約270万人。
つまり糖尿病なのに、受診していない人が、4人中3人ということになります。
受診は早ければ早いほどいいです。
東京、関東などの糖尿人の皆さん、是非、本講座を聞いていただいて、糖質制限食を実践して、糖尿病合併症予防を実現しましょう。
江部康二
朝日カルチャーセンター立川教室
糖質制限食による糖尿病の解決
- 糖質制限食の理論と実践-
日時: 11/29 15:00-16:30
場所:〒190-0012 東京都立川市曙町2-1-1 ルミネ立川9階
http://www.asahiculture.com/tachikawa/access.html
受講料: 一般 3,570円 会員 2,940円
連絡先: 042-527-6511
講座内容:
血糖値を上げるのは糖質だけで、タンパク質・脂質はあげません。従って糖質を制限すれば血糖値はリアルタイムに改善します。糖質制限食は、米飯・ めん類・パンや芋類などの糖質が多い食品を食べないで、肉や魚貝や豆腐や葉野菜などをしっかり摂取する食事療法です。そしてカロリー制限なしで 「美味しく 楽しく」が特長です。今回は糖尿病に的を絞ってお話しします。
2013年11月29日(金)朝日カルチャーセンター立川教室において
糖質制限食による糖尿病の解決
- 糖質制限食の理論と実践-
と題して、講座を行います。
今回は、テーマを糖尿病に絞って、詳しく判りやすくお話します。
糖質制限食の最新の理論や有効性や安全性は勿論のこと、症例報告も今まで以上に豊富です。
糖尿病腎症からの人工透析が、毎年16000人(約44%)
糖尿病網膜症からの失明が、毎年3000人(約18%)
糖尿病足病変からの足切断が、毎年3000人(40~45%)
これらの数字を見れば、従来の日本糖尿病学会推奨の糖尿病食(カロリー制限・高糖質・低脂質食)では、いくら薬物療法を強化しても、合併症が予防できていないのは一目瞭然です。
早ければ早いほど、いいです。従来の糖尿病食から糖質制限食に切り替えることで糖尿病合併症の予防ができます。
私自身も、2002年に糖尿病でメタボで高血圧ということが発覚して以来、2013年現在まで足かけ12年、スーパー糖質制限食を実践しています。
糖尿病発覚後半年で10kgの減量を達成し、全てのデータが正常となり維持です。
勿論、2013年現在もデータは全て正常で合併症もありません。
厚生労働省の2007年調査結果で、糖尿病が強く疑われる人は約890万人、
厚生労働省の推計で、2010年時点で1080万人の糖尿病患者が存在、
その内、継続的に受診しているのは2011年調査で、約270万人。
つまり糖尿病なのに、受診していない人が、4人中3人ということになります。
受診は早ければ早いほどいいです。
東京、関東などの糖尿人の皆さん、是非、本講座を聞いていただいて、糖質制限食を実践して、糖尿病合併症予防を実現しましょう。
江部康二
朝日カルチャーセンター立川教室
糖質制限食による糖尿病の解決
- 糖質制限食の理論と実践-
日時: 11/29 15:00-16:30
場所:〒190-0012 東京都立川市曙町2-1-1 ルミネ立川9階
http://www.asahiculture.com/tachikawa/access.html
受講料: 一般 3,570円 会員 2,940円
連絡先: 042-527-6511
講座内容:
血糖値を上げるのは糖質だけで、タンパク質・脂質はあげません。従って糖質を制限すれば血糖値はリアルタイムに改善します。糖質制限食は、米飯・ めん類・パンや芋類などの糖質が多い食品を食べないで、肉や魚貝や豆腐や葉野菜などをしっかり摂取する食事療法です。そしてカロリー制限なしで 「美味しく 楽しく」が特長です。今回は糖尿病に的を絞ってお話しします。
2013年11月05日 (火)
こんにちは。
杜の都仙台にて、
2013年11月9日(土)13時-17時
操体バランス運動研究会主催の公開講座
「食の常識非常識!?糖質の役割と糖質制限の可能性」
が開催されます。
私は「糖質制限の可能性―食のパラダイムシフト」と題してお話しします。
須永隆夫先生、渡邉勝久先生、橋本雄二先生とのパネルディスカッションも楽しみです。
操体バランス運動研究会という場をお借りしていつも以上に、幅広い内容の展開になりそうです。
仙台、宮城県、近隣の皆様、是非、ご参加ください。
ご来場、お待ちしております。
江部康二
操体バランス運動研究会主催 公開講座
高雄病院 江部康二先生と考える
食の常識非常識!?糖質の役割と糖質制限の可能性
毎日摂る食事は、体を動かす原動力。摂り方によっては病気になったり
老化を早めたり。糖尿病を心配する方も、一生を元気に暮らしたいと思う方にも必聴のお話です。
●期 日:2013年11月9日(土)13時-17時
●会 場:東京エレクトロンホール宮城 (宮城県民会館6階601号会議室)
仙台市青葉区国分町3-3-7 TEL 022-225-8641
13時 基調講演「糖質制限の可能性―食のパラダイムシフト」
講師 江部康二(高雄病院)
15時 パネルディスカッション
「食における糖質の位置づけ―社会との共生」
講師 須永隆夫(木戸クリニック)
渡邉勝久(神戸温古堂)
江部康二(高雄病院)
橋本雄二(橋本クリニック)
●参加費(事前申し込み) 2000円(資料代として)
●お問合せ・お申し込み
〒980-0822 仙台市青葉区立町27-21 温古堂内
第30回全国操体バランス運動研究会実行委員会
TEL 022-223-3230 FAX 022-223-3233
メールアドレス tatee55@yahoo.co.jp
杜の都仙台にて、
2013年11月9日(土)13時-17時
操体バランス運動研究会主催の公開講座
「食の常識非常識!?糖質の役割と糖質制限の可能性」
が開催されます。
私は「糖質制限の可能性―食のパラダイムシフト」と題してお話しします。
須永隆夫先生、渡邉勝久先生、橋本雄二先生とのパネルディスカッションも楽しみです。
操体バランス運動研究会という場をお借りしていつも以上に、幅広い内容の展開になりそうです。
仙台、宮城県、近隣の皆様、是非、ご参加ください。
ご来場、お待ちしております。
江部康二
操体バランス運動研究会主催 公開講座
高雄病院 江部康二先生と考える
食の常識非常識!?糖質の役割と糖質制限の可能性
毎日摂る食事は、体を動かす原動力。摂り方によっては病気になったり
老化を早めたり。糖尿病を心配する方も、一生を元気に暮らしたいと思う方にも必聴のお話です。
●期 日:2013年11月9日(土)13時-17時
●会 場:東京エレクトロンホール宮城 (宮城県民会館6階601号会議室)
仙台市青葉区国分町3-3-7 TEL 022-225-8641
13時 基調講演「糖質制限の可能性―食のパラダイムシフト」
講師 江部康二(高雄病院)
15時 パネルディスカッション
「食における糖質の位置づけ―社会との共生」
講師 須永隆夫(木戸クリニック)
渡邉勝久(神戸温古堂)
江部康二(高雄病院)
橋本雄二(橋本クリニック)
●参加費(事前申し込み) 2000円(資料代として)
●お問合せ・お申し込み
〒980-0822 仙台市青葉区立町27-21 温古堂内
第30回全国操体バランス運動研究会実行委員会
TEL 022-223-3230 FAX 022-223-3233
メールアドレス tatee55@yahoo.co.jp
2013年11月04日 (月)
こんばんは。
興味深い情報を、精神科医師Aさんからコメントいただきました。
ありがとうございます。
◇滋賀医学
1糖質制限食による減量にて完治した肥満関連性アルドステロン症
医療法人若樹会橋本医院 橋本 進一先生
肥満が原因で、アルドステロンというホルモンが分泌されて、通常の降圧剤に反応しにくい高血圧を生じることがります。
カロリー制限なしの糖質制限食実践で
体重:93kg → 68kg
BMI:33 → 23
血圧:240/126 → 120/80
中性脂肪:722 → 147
HDL:33 → 43
尿酸:7.7 → 5.8
HbA1c:5.1 → 4.8
見事な改善です。橋本先生と糖質制限食、アッパレですね。
尿酸も肥満で高値となりうるので、減量で改善なのでしょう。
◇滋賀医学
2炭水化物制限(糖質制限)はメタボリックシンドロームの脂質異常を改善する
豊郷病院 メタボ循環器科、源内クリニック 七里 源正
豊郷病院循環器科 和田 直人、山川 高哉
2型糖尿病患者6名を、6~10ヶ月「糖質制限+αGI頓服」で治療です。
HbA1c:10.6→5.8
TG:176→81
HDL-C:49→62
LDL-C:146→114
こちらも、素晴らしい改善です。
七里先生、和田先生、山川先生、good job ですね。
スタチン系の薬物療法では、LDL-Cは減っても、HDL-Cはなかなか増えないので糖質制限食もGREATです。HbA1cの改善も見事です。
◇滋賀医学34巻184頁, 2012
11. 糖質制限(+αGI)で改善した糖尿病性腎症の3例
豊郷病院 メタボ循環器科、源内クリニック 七里 源正
豊郷病院 循環器科 和田 直人、山川 高哉
症例1:BMI41、2型糖尿病で糖尿病網膜症あり。
糖質制限+αGI+グリニド頓を2年間施行
BMI 41→ 35、
HbA1c 10.8→ 6.1、
尿中微量アルブミン 832→ 35.4
症例2:64歳男性。眼科で糖尿病網膜症診断。2型糖尿病。
糖質制限+αGIを6ヵ月間施行
HbA1c 10.1→ 6.6、
尿中微量アルブミン888.2→ 104.4
症例3:51歳男性。5年前に2型糖尿病の診断。網膜症なし。
糖質制限+αGIを1ヵ月間施行
HbAlc 13.5→ 10.5
尿中微量アルブミン231.4→5.7
症例4:22歳男性。糖尿病性ケトアシドーシスで入院。
インスリン治療によりHbAlc 12.3→8.4と改善。BMI42.7の超メタボ・2型糖尿病患者。
インスリン中止し糖質制限+αGIを2ヵ月間施行
BMI 39.3→ 37.5
HbA1c 8.4→ 5.7
尿中微量アルブミン 93.6→ 3.0に改善した。
見事です。
糖尿病腎症3期A(顕性腎症前期)までなら、蛋白制限しなくても糖質制限食、充分有効ですね。
日本腎臓病学会の「CKD診療ガイド2012年」でも、糖尿病腎症第3期Aまでは、たんぱく制限の必要なしです。
糖尿病腎症の人でも糖質制限食が導入しやすくなり、とても良いことです。
江部康二
滋賀医学(県医師会発行)より
◇滋賀医学33巻132-133頁, 2011
1. 糖質制限食による減量にて完治した肥満関連性アルドステロン症
医療法人若樹会橋本医院
橋本 進一
http://iryou.chunichi.co.jp/hospital/detail/7465
肥満関連性アルドステロン症(ORA)は特発性アルドステロン症(IHA)と似て非なる疾患として高橋らにより提唱され減量により治癒する可能性のある疾患である。今回糖質制限食(カロリー制限はしない)により25kgの減量に成功し完治したORAを経験したので報告する。
症例は42歳男性、減量前後で体重93kg→68kg、BMI 33→23、血圧240/126mmHg→120/80mmHg、ODI(3%) 35→ 6、PAC/PRA 13.3/0.3=44.3→ 0.2未満/0.3=0.6未満、TG 722→ 147、HDL 33→ 43、尿酸7.7→ 5.8、HbA1c 5.1→ 4.8と改善した。
肥満高血圧患者の中にはこの疾患が思いの外存在すると考えられ、薬物療法以上に減量が重要であり、糖質制限が極めて有効であることが示された
2. 炭水化物制限(糖質制限)はメタボリックシンドロームの脂質異常を改善する
豊郷病院 メタボ循環器科、源内クリニック 七里 源正
豊郷病院循環器科 和田 直人、山川 高哉
①メタボリックシンドロームMetSの本態であるインスリン抵抗性の例として、2型糖尿病(A1c10.6±0.3) 6人(年齢52±5)に6-10カ月「糖質制限+αGI頓服」で加療した。HbA1c、TG, HDL-C,、LDL-Cは、それぞれ10.6± 0.2→5.8± 0.2、176± 27→81± 11、49±4→62± 7、146± 8→114± 12へと改善した。
②脂質代謝にはインスリンの影響が大きいので、糖質制限によリインスリンを休ませると、MetSの脂質異常は改善する。
③インスリンはHMG-CoA Reductaseを活性化し、コレステロール合成促進するので、糖質制限はスタチン作用に通じる
□
◇滋賀医学34巻184頁, 2012
11. 糖質制限(+αGI)で改善した糖尿病性腎症の3例
豊郷病院 メタボ循環器科、源内クリニック 七里 源正
豊郷病院 循環器科 和田 直人、山川 高哉
症例1は45歳男性。BMI 41の超メタボ・網膜症DRのある糖尿病T2Dに対し、糖質制限+αGI+グリニド頓を2年間施行し、BMI 41→ 35、HbA1c 10.8→ 6.1、尿中ACR(mg/gCr) 832→ 35.4に改善した。
症例2は64歳男性。眼科でDR指摘され、T2D治療を希望し来院。インスリン希望せず、糖質制限+αGIを6ヵ月間施行し、HbA1c 10.1→ 6.6、尿中ACR(mg/gCr)888.2→ 104.4に改善した。
症例3は51歳男性。5年前にT2D指摘され2種類の経口糖尿病薬服用の既往あり。全身倦怠がひどく、糖尿病性ケトアシドーシスに近い状態(BS 364、HbA1c 13.5、尿中ケトン陽性)で来院。意識状態は正常で、インスリン希望せず、DRなし。糖質制限+αGIを1ヵ月間施行し、HbAlc 13.5→ 10.5、尿中ACR(mg/gCr)231.4→5.7に改善した。
症例4は22歳男性。糖尿病性ケトアシドーシスで入院、インスリン治療によりHbAlc 12.3→8.4と改善し、若いので他の治療を希望したBMI 42.7の超メタボ・T2D患者。インスリン中止し糖質制限+αGIを2ヵ月間施行、BMI 39.3→ 37.5、HbA1c 8.4→ 5.7、尿中ACR(mg/gCr) 93.6→ 3.0に改善した。
以上、糖質制限(+αGI)は糖質病性腎症の第2期(早期腎症期)・第3期A(顕性腎症前期)までなら、蛋白制限しなくても有効と思われた.
興味深い情報を、精神科医師Aさんからコメントいただきました。
ありがとうございます。
◇滋賀医学
1糖質制限食による減量にて完治した肥満関連性アルドステロン症
医療法人若樹会橋本医院 橋本 進一先生
肥満が原因で、アルドステロンというホルモンが分泌されて、通常の降圧剤に反応しにくい高血圧を生じることがります。
カロリー制限なしの糖質制限食実践で
体重:93kg → 68kg
BMI:33 → 23
血圧:240/126 → 120/80
中性脂肪:722 → 147
HDL:33 → 43
尿酸:7.7 → 5.8
HbA1c:5.1 → 4.8
見事な改善です。橋本先生と糖質制限食、アッパレですね。
尿酸も肥満で高値となりうるので、減量で改善なのでしょう。
◇滋賀医学
2炭水化物制限(糖質制限)はメタボリックシンドロームの脂質異常を改善する
豊郷病院 メタボ循環器科、源内クリニック 七里 源正
豊郷病院循環器科 和田 直人、山川 高哉
2型糖尿病患者6名を、6~10ヶ月「糖質制限+αGI頓服」で治療です。
HbA1c:10.6→5.8
TG:176→81
HDL-C:49→62
LDL-C:146→114
こちらも、素晴らしい改善です。
七里先生、和田先生、山川先生、good job ですね。
スタチン系の薬物療法では、LDL-Cは減っても、HDL-Cはなかなか増えないので糖質制限食もGREATです。HbA1cの改善も見事です。
◇滋賀医学34巻184頁, 2012
11. 糖質制限(+αGI)で改善した糖尿病性腎症の3例
豊郷病院 メタボ循環器科、源内クリニック 七里 源正
豊郷病院 循環器科 和田 直人、山川 高哉
症例1:BMI41、2型糖尿病で糖尿病網膜症あり。
糖質制限+αGI+グリニド頓を2年間施行
BMI 41→ 35、
HbA1c 10.8→ 6.1、
尿中微量アルブミン 832→ 35.4
症例2:64歳男性。眼科で糖尿病網膜症診断。2型糖尿病。
糖質制限+αGIを6ヵ月間施行
HbA1c 10.1→ 6.6、
尿中微量アルブミン888.2→ 104.4
症例3:51歳男性。5年前に2型糖尿病の診断。網膜症なし。
糖質制限+αGIを1ヵ月間施行
HbAlc 13.5→ 10.5
尿中微量アルブミン231.4→5.7
症例4:22歳男性。糖尿病性ケトアシドーシスで入院。
インスリン治療によりHbAlc 12.3→8.4と改善。BMI42.7の超メタボ・2型糖尿病患者。
インスリン中止し糖質制限+αGIを2ヵ月間施行
BMI 39.3→ 37.5
HbA1c 8.4→ 5.7
尿中微量アルブミン 93.6→ 3.0に改善した。
見事です。
糖尿病腎症3期A(顕性腎症前期)までなら、蛋白制限しなくても糖質制限食、充分有効ですね。
日本腎臓病学会の「CKD診療ガイド2012年」でも、糖尿病腎症第3期Aまでは、たんぱく制限の必要なしです。
糖尿病腎症の人でも糖質制限食が導入しやすくなり、とても良いことです。
江部康二
滋賀医学(県医師会発行)より
◇滋賀医学33巻132-133頁, 2011
1. 糖質制限食による減量にて完治した肥満関連性アルドステロン症
医療法人若樹会橋本医院
橋本 進一
http://iryou.chunichi.co.jp/hospital/detail/7465
肥満関連性アルドステロン症(ORA)は特発性アルドステロン症(IHA)と似て非なる疾患として高橋らにより提唱され減量により治癒する可能性のある疾患である。今回糖質制限食(カロリー制限はしない)により25kgの減量に成功し完治したORAを経験したので報告する。
症例は42歳男性、減量前後で体重93kg→68kg、BMI 33→23、血圧240/126mmHg→120/80mmHg、ODI(3%) 35→ 6、PAC/PRA 13.3/0.3=44.3→ 0.2未満/0.3=0.6未満、TG 722→ 147、HDL 33→ 43、尿酸7.7→ 5.8、HbA1c 5.1→ 4.8と改善した。
肥満高血圧患者の中にはこの疾患が思いの外存在すると考えられ、薬物療法以上に減量が重要であり、糖質制限が極めて有効であることが示された
2. 炭水化物制限(糖質制限)はメタボリックシンドロームの脂質異常を改善する
豊郷病院 メタボ循環器科、源内クリニック 七里 源正
豊郷病院循環器科 和田 直人、山川 高哉
①メタボリックシンドロームMetSの本態であるインスリン抵抗性の例として、2型糖尿病(A1c10.6±0.3) 6人(年齢52±5)に6-10カ月「糖質制限+αGI頓服」で加療した。HbA1c、TG, HDL-C,、LDL-Cは、それぞれ10.6± 0.2→5.8± 0.2、176± 27→81± 11、49±4→62± 7、146± 8→114± 12へと改善した。
②脂質代謝にはインスリンの影響が大きいので、糖質制限によリインスリンを休ませると、MetSの脂質異常は改善する。
③インスリンはHMG-CoA Reductaseを活性化し、コレステロール合成促進するので、糖質制限はスタチン作用に通じる
□
◇滋賀医学34巻184頁, 2012
11. 糖質制限(+αGI)で改善した糖尿病性腎症の3例
豊郷病院 メタボ循環器科、源内クリニック 七里 源正
豊郷病院 循環器科 和田 直人、山川 高哉
症例1は45歳男性。BMI 41の超メタボ・網膜症DRのある糖尿病T2Dに対し、糖質制限+αGI+グリニド頓を2年間施行し、BMI 41→ 35、HbA1c 10.8→ 6.1、尿中ACR(mg/gCr) 832→ 35.4に改善した。
症例2は64歳男性。眼科でDR指摘され、T2D治療を希望し来院。インスリン希望せず、糖質制限+αGIを6ヵ月間施行し、HbA1c 10.1→ 6.6、尿中ACR(mg/gCr)888.2→ 104.4に改善した。
症例3は51歳男性。5年前にT2D指摘され2種類の経口糖尿病薬服用の既往あり。全身倦怠がひどく、糖尿病性ケトアシドーシスに近い状態(BS 364、HbA1c 13.5、尿中ケトン陽性)で来院。意識状態は正常で、インスリン希望せず、DRなし。糖質制限+αGIを1ヵ月間施行し、HbAlc 13.5→ 10.5、尿中ACR(mg/gCr)231.4→5.7に改善した。
症例4は22歳男性。糖尿病性ケトアシドーシスで入院、インスリン治療によりHbAlc 12.3→8.4と改善し、若いので他の治療を希望したBMI 42.7の超メタボ・T2D患者。インスリン中止し糖質制限+αGIを2ヵ月間施行、BMI 39.3→ 37.5、HbA1c 8.4→ 5.7、尿中ACR(mg/gCr) 93.6→ 3.0に改善した。
以上、糖質制限(+αGI)は糖質病性腎症の第2期(早期腎症期)・第3期A(顕性腎症前期)までなら、蛋白制限しなくても有効と思われた.
2013年11月03日 (日)
こんばんは
糖質制限食実践中に生じることがある好ましくない症状・変化について(1)(2)(3)(4)と記事にしてきました。
糖質制限食実践中に生じることがある好ましくない症状・変化について(1)
2013年10月22日 (火)
全身倦怠、筋力低下、無気力、体重減りすぎなど→摂取エネルギー不足が主たる要因
糖質制限食実践中に生じることがある好ましくない症状・変化について(2)
2013年10月22日 (火)
腓返り
糖質制限食実践中に生じることがある好ましくない症状・変化について(3)
2013年11月1日 (金)
高尿酸血症→摂取エネルギー不足が主たる要因
糖質制限食実践中に生じることがある好ましくない症状・変化について(4)
2013年11月2日 (土)
高LDL血症
結局、こむら返りと高LDL血症以外は、好ましくない症状・変化のほとんどにおいて、摂取エネルギー不足が、主たる要因と考えられます。
糖質制限食開始時に、おそらく長年の習慣で脂質まで制限してしまう方々がおられます。
この場合「糖質制限+脂質制限」となりますので、食べるものはたんぱく質と葉野菜や海藻・茸の類いです。
こうなると、本人は気がつかないまま、摂取エネルギーはかなり少なくなり、厚生労働省のいう「標準必要エネルギー」を大幅に下回り、様々な症状と検査データの変化が生じます。
摂取エネルギー不足により生じる様々な症状を以下にまとめてみました。
<摂取エネルギー不足によって生じうる症状>
全身倦怠、筋力低下、無気力、髪がぬける、生理不順、体重減りすぎ、
低体温、冷え、色素性痒疹・・・、
これらの症状は、甲状腺機能低下症でも見られるので、区別がつきにくいかもしれませんね。
ただ甲状腺機能低下症では、体重が増加することが多い(約6割)ので参考になると思います。
また、甲状腺機能低下症は橋本病(慢性甲状腺炎)など原疾患が無い限り、そんなに簡単に発症することはありません。
気になれば、甲状腺機能検査をすれば明白になります。
遊離T3(FT3)基準値:2.1 - 3.8 pg/mL
遊離T4(FT4)基準値:0.82 - 1.63 ng/dL
甲状腺刺激ホルモン(TSH)基準値:0.38 - 4.31 μU/mL
FT4、TSHが正常なら、甲状腺機能は正常と考えていいです。
FT3が低値で、FT4、TSHとも正常な病態を「Low T3 syndrome」といい、摂取エネルギー不足や低栄養のとき見られます。
<摂取エネルギー不足によって生じうる検査データの変化。>
1)低T3症候群
FT3が低値で、FT4、TSHとも正常な病態を「Low T3 syndrome」と言います。コントロール不良の糖尿病など慢性消耗性の疾患で低栄養のとき、時々見かけます。例えば神経性食思不振症などでの摂取エネルギー不足でも見られます。これらは、見かけ上T3が低値なだけで、本当の甲状腺機能低下症では、ありません。
2)高尿酸血症
3)低ChE(コリンエステラーゼ)血症
肝機能検査の一つですが、摂取エネルギー不足で低下します。
4)血清アルブミン値の低下
人体の大事なたんぱく質です。摂取エネルギー不足で血清アルブミン値が低下します。
基準値は「3.8~5.3g/dL」ですが、4.3g/dl以上は確保しないと健康度が維持できません。
結論です。
糖質制限食開始後にみられる好ましくない症状(全身倦怠、筋力低下、無気力・・・)のほとんどが、摂取エネルギー不足からきています。
甲状腺機能低下症といきなり飛躍したりせずに、普通に摂取エネルギー不足を考慮してみてくださいね。
江部康二
糖質制限食実践中に生じることがある好ましくない症状・変化について(1)(2)(3)(4)と記事にしてきました。
糖質制限食実践中に生じることがある好ましくない症状・変化について(1)
2013年10月22日 (火)
全身倦怠、筋力低下、無気力、体重減りすぎなど→摂取エネルギー不足が主たる要因
糖質制限食実践中に生じることがある好ましくない症状・変化について(2)
2013年10月22日 (火)
腓返り
糖質制限食実践中に生じることがある好ましくない症状・変化について(3)
2013年11月1日 (金)
高尿酸血症→摂取エネルギー不足が主たる要因
糖質制限食実践中に生じることがある好ましくない症状・変化について(4)
2013年11月2日 (土)
高LDL血症
結局、こむら返りと高LDL血症以外は、好ましくない症状・変化のほとんどにおいて、摂取エネルギー不足が、主たる要因と考えられます。
糖質制限食開始時に、おそらく長年の習慣で脂質まで制限してしまう方々がおられます。
この場合「糖質制限+脂質制限」となりますので、食べるものはたんぱく質と葉野菜や海藻・茸の類いです。
こうなると、本人は気がつかないまま、摂取エネルギーはかなり少なくなり、厚生労働省のいう「標準必要エネルギー」を大幅に下回り、様々な症状と検査データの変化が生じます。
摂取エネルギー不足により生じる様々な症状を以下にまとめてみました。
<摂取エネルギー不足によって生じうる症状>
全身倦怠、筋力低下、無気力、髪がぬける、生理不順、体重減りすぎ、
低体温、冷え、色素性痒疹・・・、
これらの症状は、甲状腺機能低下症でも見られるので、区別がつきにくいかもしれませんね。
ただ甲状腺機能低下症では、体重が増加することが多い(約6割)ので参考になると思います。
また、甲状腺機能低下症は橋本病(慢性甲状腺炎)など原疾患が無い限り、そんなに簡単に発症することはありません。
気になれば、甲状腺機能検査をすれば明白になります。
遊離T3(FT3)基準値:2.1 - 3.8 pg/mL
遊離T4(FT4)基準値:0.82 - 1.63 ng/dL
甲状腺刺激ホルモン(TSH)基準値:0.38 - 4.31 μU/mL
FT4、TSHが正常なら、甲状腺機能は正常と考えていいです。
FT3が低値で、FT4、TSHとも正常な病態を「Low T3 syndrome」といい、摂取エネルギー不足や低栄養のとき見られます。
<摂取エネルギー不足によって生じうる検査データの変化。>
1)低T3症候群
FT3が低値で、FT4、TSHとも正常な病態を「Low T3 syndrome」と言います。コントロール不良の糖尿病など慢性消耗性の疾患で低栄養のとき、時々見かけます。例えば神経性食思不振症などでの摂取エネルギー不足でも見られます。これらは、見かけ上T3が低値なだけで、本当の甲状腺機能低下症では、ありません。
2)高尿酸血症
3)低ChE(コリンエステラーゼ)血症
肝機能検査の一つですが、摂取エネルギー不足で低下します。
4)血清アルブミン値の低下
人体の大事なたんぱく質です。摂取エネルギー不足で血清アルブミン値が低下します。
基準値は「3.8~5.3g/dL」ですが、4.3g/dl以上は確保しないと健康度が維持できません。
結論です。
糖質制限食開始後にみられる好ましくない症状(全身倦怠、筋力低下、無気力・・・)のほとんどが、摂取エネルギー不足からきています。
甲状腺機能低下症といきなり飛躍したりせずに、普通に摂取エネルギー不足を考慮してみてくださいね。
江部康二
2013年11月02日 (土)
こんばんは。
糖質制限食実践中に生じることがある好ましくない症状・変化について(4)
今回は、高LDL血症です。
日本動脈硬化学会のガイドラインにおいて、総コレステロール(TC)は評価項目から外れています。
評価対象は、HDLコレステロールとLDLコレステロールです。
糖質制限食で、HDLコレステロールは増加するので、良いことです。
LDLコレステロールに関しては、<低下・不変・増加>の3パターンがあります。
当初、何故3パターンがあるかよくわかりませんでした。
何故3パターンか?ということを突き止めるために、まずはコレステロールの成り立ちを考えてみます。
コレステロールは、生体のあらゆる細胞膜の構築に必須の物質であり、肝臓で合成し腸肝循環によって制御・調節されています。
このように、コレステロールは、人体にとって必要不可欠な、重要な構成成分の一つです。
ヒトだけではなく、約2億2500万年前に哺乳類が誕生して以来、生命現象の根幹をなす細胞膜などの原料として一貫して利用されてきたのです。
そのため血清コレステロール値は、摂取された食物のコレステロールが少ない場合は肝臓での合成が高まり、一方、摂取コレステロールが多い場合は、肝臓での合成が徐々に減少して、一定量を必ず確保するよう調整しています。
例えば玄米菜食の実践により「コレステロールを食事からあまりとらない食生活」だったとすれば、肝臓でのコレステロール合成能力はかなり高まっています。
玄米菜食的な食生活をしていて糖尿病を発症した人が、糖質制限食を開始して、食事からコレステロールがたくさん入ってきたら、「肝臓のコレステロール合成増強+食事からのコレステロールの増加」となりますので、普通の食事だった人に比し、血清コレステロールが高値となりやすいです。
この場合、基準値(140mg/dl未満)だったコレステロール値が、総コレステロールで300mg超え、LDLコレステロールで200mg超えなどに一旦上昇します。
しかし、一旦上昇したコレステロールも、肝臓が徐々にコレステロール産生を調整するので、1年、2年単位で基準値に落ち着いてきます。
LDL高値が気になる人は、ゼチーアが食材から体内へののコレステロール吸収を減らすので、しばらくの間、内服するのもありと思います。
もともと卵とか肉とかコレステロールを多く含むものをよく食べていた人は、糖質制限食を実践しても血清コレステロール値はあまり変化ないと思います。
このように糖質制限食開始前の食生活において、コレステロールをどの程度摂取していたかで、開始後のコレステロール値が、かなり影響を受けると考えられます。
いずれにせよ、スーパー糖質制限食を長期間実践している人は、皆さん、LDLコレステロールも基準値となっています。
江部康二
糖質制限食実践中に生じることがある好ましくない症状・変化について(4)
今回は、高LDL血症です。
日本動脈硬化学会のガイドラインにおいて、総コレステロール(TC)は評価項目から外れています。
評価対象は、HDLコレステロールとLDLコレステロールです。
糖質制限食で、HDLコレステロールは増加するので、良いことです。
LDLコレステロールに関しては、<低下・不変・増加>の3パターンがあります。
当初、何故3パターンがあるかよくわかりませんでした。
何故3パターンか?ということを突き止めるために、まずはコレステロールの成り立ちを考えてみます。
コレステロールは、生体のあらゆる細胞膜の構築に必須の物質であり、肝臓で合成し腸肝循環によって制御・調節されています。
このように、コレステロールは、人体にとって必要不可欠な、重要な構成成分の一つです。
ヒトだけではなく、約2億2500万年前に哺乳類が誕生して以来、生命現象の根幹をなす細胞膜などの原料として一貫して利用されてきたのです。
そのため血清コレステロール値は、摂取された食物のコレステロールが少ない場合は肝臓での合成が高まり、一方、摂取コレステロールが多い場合は、肝臓での合成が徐々に減少して、一定量を必ず確保するよう調整しています。
例えば玄米菜食の実践により「コレステロールを食事からあまりとらない食生活」だったとすれば、肝臓でのコレステロール合成能力はかなり高まっています。
玄米菜食的な食生活をしていて糖尿病を発症した人が、糖質制限食を開始して、食事からコレステロールがたくさん入ってきたら、「肝臓のコレステロール合成増強+食事からのコレステロールの増加」となりますので、普通の食事だった人に比し、血清コレステロールが高値となりやすいです。
この場合、基準値(140mg/dl未満)だったコレステロール値が、総コレステロールで300mg超え、LDLコレステロールで200mg超えなどに一旦上昇します。
しかし、一旦上昇したコレステロールも、肝臓が徐々にコレステロール産生を調整するので、1年、2年単位で基準値に落ち着いてきます。
LDL高値が気になる人は、ゼチーアが食材から体内へののコレステロール吸収を減らすので、しばらくの間、内服するのもありと思います。
もともと卵とか肉とかコレステロールを多く含むものをよく食べていた人は、糖質制限食を実践しても血清コレステロール値はあまり変化ないと思います。
このように糖質制限食開始前の食生活において、コレステロールをどの程度摂取していたかで、開始後のコレステロール値が、かなり影響を受けると考えられます。
いずれにせよ、スーパー糖質制限食を長期間実践している人は、皆さん、LDLコレステロールも基準値となっています。
江部康二
2013年11月01日 (金)
こんばんは。
2013年10月22日 (火)の本ブログ記事
糖質制限食実践中に生じることがある好ましくない症状について(1)
全身倦怠感、筋力低下、痩せ過ぎ・・・摂取エネルギー不足の改善で解決。
2013年10月23日 (水)の本ブログ記事
糖質制限食実践中に生じることがある好ましくない症状について(2)
腓返り・・・カルシウム・マグネシウム、マルチビタミンの補充で解決。
に続いて今回は、
糖質制限食実践中に生じることがある好ましくない症状・変化について(3)
「高尿酸血症」
です。
高尿酸血症もスーパー糖質制限食実践中によく見かける所見の一つです。
尿酸(UA)値に関してスーパー糖質制限食開始後<減少、不変、増加>の3パターンがあるのですが、当初は理由がわからず、経過観察が一般的対応策でした。
まあそれで殆どの場合、自然に基準値になっていきました。
自らが痛風患者であり、痛風専門医でもある、元鹿児島大学病院内科教授、納(おさめ)光弘先生によれば、食事よりストレスや肥満のほうが、尿酸値への影響が大きいとのことです。(*)
尿酸値を確実に上昇させるのは、重要なものから順番に
1、ストレス
2、肥満
3、大量の飲酒
4、激しい運動
5、プリン体の摂りすぎ
です。
納先生の指摘されているストレスは、精神的なもののようです。
これらの5項目に加えて、特殊例として肉体的ストレスである「断食や極端な低カロリーのときは尿酸値上昇」というのがあります。
実は高雄病院では、1984年以来、絶食療法(断食療法)を実施しています。
最近はスーパー糖質制限食で絶食療法に匹敵する効果が得られるので、入院して絶食療法をする患者さんは、まれとなりました。
一方、1984年から10数年間は年間100人以上、絶食療法を行ってきました。トータルすれば2000人以上ですね。
そして絶食療法を行った場合、殆ど全ての人において、尿酸値が急上昇します。
尿酸(UA)の基準値は3.4~7.0mg/dlです。
もともと基準値内だった人が、絶食療法中に、8~9~11mg/dlと急上昇します。
幸いそれで、痛風発作を起こす人は、ありませんでした。
それで、いよいよ今回の記事の肝です。
私自身の患者さんで、スーパー糖質制限食実践後、本来正常だった尿酸値が、基準値を超えて上昇した人が、約10名くらいおられたのですが、絶食療法の経験を思い出して、よくよくきっちり問診したら、結局全員が摂取エネルギー不足だったのです。
しっかり脂質・たんぱく質を摂取してエネルギーを確保したら、速やかに高尿酸血症は改善しました。
ちなみに、私も兄も、高たんぱく食で、140~160g/日のたんぱく質を摂取しています。
それでも、摂取エネルギーは充分確保しており、尿酸値は、何回測定しても、二人共、2.7~3.7mg/dlくらいです。
尿酸値に関しては体質もあるていど関係していると思いますが、急に上昇した場合は、摂取エネルギー不足が、ポイントです。
もし、スーパー糖質制限食を開始して、今まで正常値だった尿酸値が急に上昇してきたときは、摂取エネルギー不足を考慮していただけば幸いです。
(*)参考
「痛風はビールを飲みながらでも治る」(小学館文庫)2004年
鹿児島大学病院内科教授、納(おさめ)光弘先生 著
江部康二
2013年10月22日 (火)の本ブログ記事
糖質制限食実践中に生じることがある好ましくない症状について(1)
全身倦怠感、筋力低下、痩せ過ぎ・・・摂取エネルギー不足の改善で解決。
2013年10月23日 (水)の本ブログ記事
糖質制限食実践中に生じることがある好ましくない症状について(2)
腓返り・・・カルシウム・マグネシウム、マルチビタミンの補充で解決。
に続いて今回は、
糖質制限食実践中に生じることがある好ましくない症状・変化について(3)
「高尿酸血症」
です。
高尿酸血症もスーパー糖質制限食実践中によく見かける所見の一つです。
尿酸(UA)値に関してスーパー糖質制限食開始後<減少、不変、増加>の3パターンがあるのですが、当初は理由がわからず、経過観察が一般的対応策でした。
まあそれで殆どの場合、自然に基準値になっていきました。
自らが痛風患者であり、痛風専門医でもある、元鹿児島大学病院内科教授、納(おさめ)光弘先生によれば、食事よりストレスや肥満のほうが、尿酸値への影響が大きいとのことです。(*)
尿酸値を確実に上昇させるのは、重要なものから順番に
1、ストレス
2、肥満
3、大量の飲酒
4、激しい運動
5、プリン体の摂りすぎ
です。
納先生の指摘されているストレスは、精神的なもののようです。
これらの5項目に加えて、特殊例として肉体的ストレスである「断食や極端な低カロリーのときは尿酸値上昇」というのがあります。
実は高雄病院では、1984年以来、絶食療法(断食療法)を実施しています。
最近はスーパー糖質制限食で絶食療法に匹敵する効果が得られるので、入院して絶食療法をする患者さんは、まれとなりました。
一方、1984年から10数年間は年間100人以上、絶食療法を行ってきました。トータルすれば2000人以上ですね。
そして絶食療法を行った場合、殆ど全ての人において、尿酸値が急上昇します。
尿酸(UA)の基準値は3.4~7.0mg/dlです。
もともと基準値内だった人が、絶食療法中に、8~9~11mg/dlと急上昇します。
幸いそれで、痛風発作を起こす人は、ありませんでした。
それで、いよいよ今回の記事の肝です。
私自身の患者さんで、スーパー糖質制限食実践後、本来正常だった尿酸値が、基準値を超えて上昇した人が、約10名くらいおられたのですが、絶食療法の経験を思い出して、よくよくきっちり問診したら、結局全員が摂取エネルギー不足だったのです。
しっかり脂質・たんぱく質を摂取してエネルギーを確保したら、速やかに高尿酸血症は改善しました。
ちなみに、私も兄も、高たんぱく食で、140~160g/日のたんぱく質を摂取しています。
それでも、摂取エネルギーは充分確保しており、尿酸値は、何回測定しても、二人共、2.7~3.7mg/dlくらいです。
尿酸値に関しては体質もあるていど関係していると思いますが、急に上昇した場合は、摂取エネルギー不足が、ポイントです。
もし、スーパー糖質制限食を開始して、今まで正常値だった尿酸値が急に上昇してきたときは、摂取エネルギー不足を考慮していただけば幸いです。
(*)参考
「痛風はビールを飲みながらでも治る」(小学館文庫)2004年
鹿児島大学病院内科教授、納(おさめ)光弘先生 著
江部康二
2013年11月01日 (金)
こんにちは。
自宅から高雄病院まで道中、まだ少しですが紅葉の色が変わりだしてきました。
今年は、例年にない猛暑でしかも長い夏でしたが、ようやく本格的な秋になってきました(^^)
朝夕は冷え込むようになり、熱いものが恋しくなりますが、我々糖尿人にとっては、鍋以外のアツアツの食べ物はNGが多いのが困りものです(^_^;)
ですが、今年の冬は、糖質制限ドットコムの糖質制限うどんと糖質制限そば粉入り麺で、アツアツのうどんと蕎麦が楽しめます(^O^)


この糖質制限うどんと糖質制限そば粉入り麺は、私の行きつけのスペイン料理屋、ハルディンの宮本マスターが開発してくださいました。
昨年の年末、「先生、お蕎麦ができました」と、試作品の糖質制限そばとラカントで炊いたニシンを頂き、10年ぶりに年越しそばを食べることができました(^O^)
こちらは、お店に食べに行った時に出してもらった蕎麦です。

通常の蕎麦と変わらない味わいで、とても感激しました。
うどんの方も、コシのある細めの麺で、とても美味しいです。
これなら、鍋の締めのうどんを泣く泣く諦めることもなくなりますね。
同じく糖質制限ドットコムの糖質制限だし醤油を使えば、出汁まで飲める美味しいうどんと蕎麦が楽しめます。
これからのシーズン、ブログ読者の糖質セイゲニストの皆さんに是非ともお勧めします\(^o^)/
糖質制限うどん・そば粉入り麺
http://www.toushitsuseigen.com/shop/kon_udon_soba.html
糖質制限 万能だし醤油
http://www.toushitsuseigen.com/shop/etc_dashi.html
江部康二
自宅から高雄病院まで道中、まだ少しですが紅葉の色が変わりだしてきました。
今年は、例年にない猛暑でしかも長い夏でしたが、ようやく本格的な秋になってきました(^^)
朝夕は冷え込むようになり、熱いものが恋しくなりますが、我々糖尿人にとっては、鍋以外のアツアツの食べ物はNGが多いのが困りものです(^_^;)
ですが、今年の冬は、糖質制限ドットコムの糖質制限うどんと糖質制限そば粉入り麺で、アツアツのうどんと蕎麦が楽しめます(^O^)


この糖質制限うどんと糖質制限そば粉入り麺は、私の行きつけのスペイン料理屋、ハルディンの宮本マスターが開発してくださいました。
昨年の年末、「先生、お蕎麦ができました」と、試作品の糖質制限そばとラカントで炊いたニシンを頂き、10年ぶりに年越しそばを食べることができました(^O^)
こちらは、お店に食べに行った時に出してもらった蕎麦です。

通常の蕎麦と変わらない味わいで、とても感激しました。
うどんの方も、コシのある細めの麺で、とても美味しいです。
これなら、鍋の締めのうどんを泣く泣く諦めることもなくなりますね。
同じく糖質制限ドットコムの糖質制限だし醤油を使えば、出汁まで飲める美味しいうどんと蕎麦が楽しめます。
これからのシーズン、ブログ読者の糖質セイゲニストの皆さんに是非ともお勧めします\(^o^)/
糖質制限うどん・そば粉入り麺
http://www.toushitsuseigen.com/shop/kon_udon_soba.html
糖質制限 万能だし醤油
http://www.toushitsuseigen.com/shop/etc_dashi.html
江部康二