2012年08月05日 (日)
こんばんは。
朝日カルチャーセンター京都教室のご案内です。
2012年8月21日(火)13:00~14:30、 朝日カルチャーセンター京都教室にて、講演を行います。
今回は、知って食べて家族で健康!『満腹ダイエット』と題して糖質制限食のお話しをします。
糖質制限食の体重減少効果には、今まで4つの利点があるとしてきたのですが、2011年11月に上梓した「主食をやめると健康になる」(ダイヤモンド社)からは、以下の5つの利点となりました。
①インスリン(肥満ホルモン)が基礎分泌以外ほとんど出ない。
②常に体脂肪が燃えているので、余分な脂肪がたまりにくい。
③肝臓で糖新生が行われ、それにかなりのエネルギーを消費する。
④高タンパク食よる亢進した食事誘発熱産生(DIT)。
⑤ケトン体がエネルギーを持ったまま尿中や呼気中に排泄される。(これは少ない)
最近、とみにマスコミの話題となっている糖質制限食ですが、賛否両論で喧しいことです。
糖質制限食の真実の話を聞いていただけば、是か非かはすぐにわかることと思います。
上記の最新理論の説明と減量成功した疫学論文や症例の紹介など、盛りだくさんの内容をわかりやすく解説しますので、京都をはじめ近畿の皆さん、是非奮ってご参加くださいね。
江部康二
以下は朝日カルチャーセンター京都教室のサイトから転載です。
朝日カルチャーセンター京都教室
http://www.asahiculture.com/LES/detail.asp?CNO=164241&userflg=0
電話:075-231-9693
日時 2012年8月21日(火) 13:00-14:30
受講料(税込み) 会員 2,940円 一般 3,465円
知って食べて家族で健康!『満腹ダイエット』
【講師】高雄病院理事長 江部康二先生
糖質を含む食べ物を控える「糖質制限食」。糖尿病が必ず良くなる食事として、これまでもお話ししてきました。糖質制限は、カロリー制限不要、運動不要の簡単ダイエット法でもあるのです。中高年のメタボリックシンドロームだけでなく、若い世代や小学生の肥満も深刻化している昨今、ご家族みんなの健康を考え、実践してみませんか。肉や魚、お酒までも、どんどん食べたり飲んだりできます。即効性が高く、大半の方は最初の1週間で2~3㎏体重が減ります。昨年出版された『腹いっぱい食べて楽々痩せる「満腹ダイエット」』から、糖質制限食の理論と実践のノウハウを紹介します。ご受講の方には、糖質制限食1週間レシピをプレゼント。
朝日カルチャーセンター京都教室のご案内です。
2012年8月21日(火)13:00~14:30、 朝日カルチャーセンター京都教室にて、講演を行います。
今回は、知って食べて家族で健康!『満腹ダイエット』と題して糖質制限食のお話しをします。
糖質制限食の体重減少効果には、今まで4つの利点があるとしてきたのですが、2011年11月に上梓した「主食をやめると健康になる」(ダイヤモンド社)からは、以下の5つの利点となりました。
①インスリン(肥満ホルモン)が基礎分泌以外ほとんど出ない。
②常に体脂肪が燃えているので、余分な脂肪がたまりにくい。
③肝臓で糖新生が行われ、それにかなりのエネルギーを消費する。
④高タンパク食よる亢進した食事誘発熱産生(DIT)。
⑤ケトン体がエネルギーを持ったまま尿中や呼気中に排泄される。(これは少ない)
最近、とみにマスコミの話題となっている糖質制限食ですが、賛否両論で喧しいことです。
糖質制限食の真実の話を聞いていただけば、是か非かはすぐにわかることと思います。
上記の最新理論の説明と減量成功した疫学論文や症例の紹介など、盛りだくさんの内容をわかりやすく解説しますので、京都をはじめ近畿の皆さん、是非奮ってご参加くださいね。
江部康二
以下は朝日カルチャーセンター京都教室のサイトから転載です。
朝日カルチャーセンター京都教室
http://www.asahiculture.com/LES/detail.asp?CNO=164241&userflg=0
電話:075-231-9693
日時 2012年8月21日(火) 13:00-14:30
受講料(税込み) 会員 2,940円 一般 3,465円
知って食べて家族で健康!『満腹ダイエット』
【講師】高雄病院理事長 江部康二先生
糖質を含む食べ物を控える「糖質制限食」。糖尿病が必ず良くなる食事として、これまでもお話ししてきました。糖質制限は、カロリー制限不要、運動不要の簡単ダイエット法でもあるのです。中高年のメタボリックシンドロームだけでなく、若い世代や小学生の肥満も深刻化している昨今、ご家族みんなの健康を考え、実践してみませんか。肉や魚、お酒までも、どんどん食べたり飲んだりできます。即効性が高く、大半の方は最初の1週間で2~3㎏体重が減ります。昨年出版された『腹いっぱい食べて楽々痩せる「満腹ダイエット」』から、糖質制限食の理論と実践のノウハウを紹介します。ご受講の方には、糖質制限食1週間レシピをプレゼント。
2012年08月04日 (土)
こんばんは。
精神科医Aさんから、興味深い情報をコメントいただきました。
ありがとうございます。
Carenetは医療関係者用のサイトです。
J Alzheimers Dis誌オンライン版2012年7月17日号の報告で、試験開始前に認知機能が正常であった937名のうち、200名が、軽度認知障害または認知症であると診断されました。
軽度認知障害または認知症のリスクは、炭水化物の摂取割合が高いと上昇し、脂質の摂取割合、タンパク質の摂取割合が高いと減少しました。
「炭水化物」中心の食生活は認知症リスクを高める可能性があるということですね。
「肉・卵・牛乳・油脂類をよく食べるグループ」は、『ご飯・味噌汁・漬け物をよく食べるグループ』『植物性食品をよく食べるグループ』に比べて、「知的能動性」が低下せずに保たれるという日本の報告もあります。(*)
知的能動性とは「探索」「創作」「余暇活動」などの知的活動能力です。
知的能動性が低下していけば認知症コースまっしぐらですね。
すなわち、ご飯・味噌汁・漬け物の炭水化物たっぷりパターンだと認知症になりやすいけれど、動物蛋白や油脂をしっかり食べるパターンは認知症になりにくいということで、J Alzheimers Dis誌の報告と同じ結論です。
炭水化物摂取のリスク、恐るべし! (→ο←)
(*)熊谷修ほか 「老年社会科学」1995;16:146-155.
江部康二
【12/08/02 精神科医師A
Carenet 公開日:2012/07/31 より
「炭水化物」中心の食生活は認知症リスクを高める可能性あり
www.carenet.com/news/risk/carenet/30280
食生活は生活習慣病の発症に関与するだけでなく、認知症の発症にも影響を及ぼすといわれている。では、どのような食生活が認知症リスクを高めるのか。Roberts氏らはカロリー摂取と認知症との関係を検討した。J Alzheimers Dis誌オンライン版2012年7月17日号の報告。
高齢者(年齢中央値:79.5歳)を対象とした集団ベースの前向きコホート研究により、毎日の総カロリーにおける主要な栄養素の割合と軽度認知障害(MCI)または認知症の発症との関係を調査した。
追跡期間の中央値は3.7年(四分位数間範囲:2.5-3.9)。認知機能はベースラインおよび15ヵ月ごとの臨床認知機能評価法(CDR)スケール、神経学的評価、神経心理学テストにより評価した。
カロリー摂取については、試験開始前に128項目に及ぶ食物に関するアンケートを実施し、1日の総カロリーや主栄養素摂取量を既成のデータベースを用い算出した。主栄養素摂取量は1日総カロリー当たりのタンパク質、炭水化物、総脂質の割合として計算された。
主な結果は以下のとおり。
・試験開始前に認知機能が正常であった937名のうち、200名はMCIまたは認知症であると診断された。
・MCIまたは認知症のリスクは、炭水化物の摂取割合が高い方で上昇し(上位四分位ハザード比:1.89、95%信頼区間:[1.17~3.06]、p=0.004)、脂質の摂取割合が高い方(0.56 [0.34~0.91]、p=0.03)やタンパク質の摂取割合が高い方(0.79 [0.52~1.20]、p=0.03)では減少した。
・炭水化物からのカロリー摂取率が高く、脂質およびタンパク質からの摂取率が低い高齢者では、MCIまたは認知症の発症リスクが増加する可能性が示唆された。
元論文
www.j-alz.com/issues/32/vol32-2.html
J Alzheimers Dis: Volume 32, Number 2
Rosebud O. Roberts, Lewis A. Roberts, Yonas E. Geda, Ruth H. Cha, V. Shane Pankratz, Helen M. O’Connor, David S. Knopman, Ronald C. Petersen (Handling Associate Editor: Francesco Panza)
Relative Intake of Macronutrients Impacts Risk of Mild Cognitive Impairment or Dementia 】
精神科医Aさんから、興味深い情報をコメントいただきました。
ありがとうございます。
Carenetは医療関係者用のサイトです。
J Alzheimers Dis誌オンライン版2012年7月17日号の報告で、試験開始前に認知機能が正常であった937名のうち、200名が、軽度認知障害または認知症であると診断されました。
軽度認知障害または認知症のリスクは、炭水化物の摂取割合が高いと上昇し、脂質の摂取割合、タンパク質の摂取割合が高いと減少しました。
「炭水化物」中心の食生活は認知症リスクを高める可能性があるということですね。
「肉・卵・牛乳・油脂類をよく食べるグループ」は、『ご飯・味噌汁・漬け物をよく食べるグループ』『植物性食品をよく食べるグループ』に比べて、「知的能動性」が低下せずに保たれるという日本の報告もあります。(*)
知的能動性とは「探索」「創作」「余暇活動」などの知的活動能力です。
知的能動性が低下していけば認知症コースまっしぐらですね。
すなわち、ご飯・味噌汁・漬け物の炭水化物たっぷりパターンだと認知症になりやすいけれど、動物蛋白や油脂をしっかり食べるパターンは認知症になりにくいということで、J Alzheimers Dis誌の報告と同じ結論です。
炭水化物摂取のリスク、恐るべし! (→ο←)
(*)熊谷修ほか 「老年社会科学」1995;16:146-155.
江部康二
【12/08/02 精神科医師A
Carenet 公開日:2012/07/31 より
「炭水化物」中心の食生活は認知症リスクを高める可能性あり
www.carenet.com/news/risk/carenet/30280
食生活は生活習慣病の発症に関与するだけでなく、認知症の発症にも影響を及ぼすといわれている。では、どのような食生活が認知症リスクを高めるのか。Roberts氏らはカロリー摂取と認知症との関係を検討した。J Alzheimers Dis誌オンライン版2012年7月17日号の報告。
高齢者(年齢中央値:79.5歳)を対象とした集団ベースの前向きコホート研究により、毎日の総カロリーにおける主要な栄養素の割合と軽度認知障害(MCI)または認知症の発症との関係を調査した。
追跡期間の中央値は3.7年(四分位数間範囲:2.5-3.9)。認知機能はベースラインおよび15ヵ月ごとの臨床認知機能評価法(CDR)スケール、神経学的評価、神経心理学テストにより評価した。
カロリー摂取については、試験開始前に128項目に及ぶ食物に関するアンケートを実施し、1日の総カロリーや主栄養素摂取量を既成のデータベースを用い算出した。主栄養素摂取量は1日総カロリー当たりのタンパク質、炭水化物、総脂質の割合として計算された。
主な結果は以下のとおり。
・試験開始前に認知機能が正常であった937名のうち、200名はMCIまたは認知症であると診断された。
・MCIまたは認知症のリスクは、炭水化物の摂取割合が高い方で上昇し(上位四分位ハザード比:1.89、95%信頼区間:[1.17~3.06]、p=0.004)、脂質の摂取割合が高い方(0.56 [0.34~0.91]、p=0.03)やタンパク質の摂取割合が高い方(0.79 [0.52~1.20]、p=0.03)では減少した。
・炭水化物からのカロリー摂取率が高く、脂質およびタンパク質からの摂取率が低い高齢者では、MCIまたは認知症の発症リスクが増加する可能性が示唆された。
元論文
www.j-alz.com/issues/32/vol32-2.html
J Alzheimers Dis: Volume 32, Number 2
Rosebud O. Roberts, Lewis A. Roberts, Yonas E. Geda, Ruth H. Cha, V. Shane Pankratz, Helen M. O’Connor, David S. Knopman, Ronald C. Petersen (Handling Associate Editor: Francesco Panza)
Relative Intake of Macronutrients Impacts Risk of Mild Cognitive Impairment or Dementia 】
2012年08月03日 (金)
こんばんは。
反論の第二弾です。
<読売新聞より転載>
【門脇孝理事長(東大病院長)は読売新聞の取材に対し、「炭水化物を総摂取カロリーの40%未満に抑える極端な糖質制限は、脂質やたんぱく質の過剰摂取につながることが多い。短期的にはケトン血症や脱水、長期的には腎症、心筋梗塞や脳卒中、発がんなどの危険性を高める恐れがある」と指摘。】
日本糖尿病学会推奨の「カロリー制限・高糖質食」を摂取すれば、短期的には、必ず食後高血糖を生じ、一日の平均血糖変動幅は乱高下しますが、糖質制限食ではこれらは生じません。
つまり、短期的効果では、糖質制限食がカロリー制限食に比し、圧倒的に有効であり勝負になりません。
これらは、単純に生理学的事実であり、論争の余地などありません。
私自身が糖尿人ですが、必ず食後高血糖を生じるような「カロリー制限・高糖質食」を食べようとは思いませんし、患者さんに薦めること自体、倫理的にも如何なことかと思います。
既に糖尿病が確定している人には、75g経口ブドウ糖負荷試験は倫理的にも禁忌というのが、内科医の共通理解です。
それなのに、糖尿人に1日3回、ご飯やパンを1人前食べることを推奨する「糖尿病食」は、毎日1日3回、75g経口ブドウ糖負荷試験をしているに等しい食事です。
この矛盾を、糖尿病学会ではどのようにお考えなのでしょうか?
長期的には、糖尿病腎症から透析になる人が年間約16000人おられます。
糖尿病網膜症から途中失明にいたる人が年間約3000人おられます。
糖尿病による心筋梗塞や脳卒中で亡くなる人が年間約10000人おられます。
これらは全て日本の現状であり、事実です。
糖尿病の人が、ガンになりやすいことにはエビデンスがあります。
そして、少なくとも日本においては、過半数の糖尿人が治療を受けておられると思います。
つまり、現行の治療を受けていても合併症が防げない人が、大勢いるのが現状なのです。
そして北米におけるACCORD試験の悲惨な結果もあります。
これらの事を考慮すれば、日本でも世界でも、現行の糖尿病治療(高糖質食)を受けている方々は全て、たとえHbA1cがコントロール良好であってさえも、長期的には腎症、心筋梗塞や脳卒中、失明、発がんなどの危険性が高まるリスクがあると言えます。
高糖質食摂取者の長期的合併症リスクの根本要因は、短期的問題の<食後高血糖と一日の平均血糖変動幅の乱高下>が長年繰り返されることによると考えられます。
これらの、「カロリー制限・高糖質食」における短期的問題点と長期的問題点は、糖尿病専門医なら周知の事実ですので、本来糖尿病患者さんに対して説明責任があると思います。
ニュートラルに、「糖質制限食」と「カロリー制限・高糖質食」の長所・短所を糖尿病患者さんに説明して、その上で患者さんがどちらの食事療法を選ぶか、自己責任で決定するという時代が来ていると思います。
すなわち、糖尿病専門医も、「糖質制限食」のことを、本気でしっかり勉強する義務があると思います。
そうでなければ、糖尿病患者さんに対して失礼と思います。
カロリー制限・高糖質食(従来の糖尿病食)の問題点に関しては詳しくは
2012年07月18日 (水)の本ブログ記事
「ブドウ糖負荷試験の禁忌とシンプルだけどこわい話」
2012年07月19日 (木)の本部ブログ記事
「糖尿病食事療法の短期効果と長期安全性、シンプルだけどこわい話②」
もご参照いただけば幸いです。
江部康二
反論の第二弾です。
<読売新聞より転載>
【門脇孝理事長(東大病院長)は読売新聞の取材に対し、「炭水化物を総摂取カロリーの40%未満に抑える極端な糖質制限は、脂質やたんぱく質の過剰摂取につながることが多い。短期的にはケトン血症や脱水、長期的には腎症、心筋梗塞や脳卒中、発がんなどの危険性を高める恐れがある」と指摘。】
日本糖尿病学会推奨の「カロリー制限・高糖質食」を摂取すれば、短期的には、必ず食後高血糖を生じ、一日の平均血糖変動幅は乱高下しますが、糖質制限食ではこれらは生じません。
つまり、短期的効果では、糖質制限食がカロリー制限食に比し、圧倒的に有効であり勝負になりません。
これらは、単純に生理学的事実であり、論争の余地などありません。
私自身が糖尿人ですが、必ず食後高血糖を生じるような「カロリー制限・高糖質食」を食べようとは思いませんし、患者さんに薦めること自体、倫理的にも如何なことかと思います。
既に糖尿病が確定している人には、75g経口ブドウ糖負荷試験は倫理的にも禁忌というのが、内科医の共通理解です。
それなのに、糖尿人に1日3回、ご飯やパンを1人前食べることを推奨する「糖尿病食」は、毎日1日3回、75g経口ブドウ糖負荷試験をしているに等しい食事です。
この矛盾を、糖尿病学会ではどのようにお考えなのでしょうか?
長期的には、糖尿病腎症から透析になる人が年間約16000人おられます。
糖尿病網膜症から途中失明にいたる人が年間約3000人おられます。
糖尿病による心筋梗塞や脳卒中で亡くなる人が年間約10000人おられます。
これらは全て日本の現状であり、事実です。
糖尿病の人が、ガンになりやすいことにはエビデンスがあります。
そして、少なくとも日本においては、過半数の糖尿人が治療を受けておられると思います。
つまり、現行の治療を受けていても合併症が防げない人が、大勢いるのが現状なのです。
そして北米におけるACCORD試験の悲惨な結果もあります。
これらの事を考慮すれば、日本でも世界でも、現行の糖尿病治療(高糖質食)を受けている方々は全て、たとえHbA1cがコントロール良好であってさえも、長期的には腎症、心筋梗塞や脳卒中、失明、発がんなどの危険性が高まるリスクがあると言えます。
高糖質食摂取者の長期的合併症リスクの根本要因は、短期的問題の<食後高血糖と一日の平均血糖変動幅の乱高下>が長年繰り返されることによると考えられます。
これらの、「カロリー制限・高糖質食」における短期的問題点と長期的問題点は、糖尿病専門医なら周知の事実ですので、本来糖尿病患者さんに対して説明責任があると思います。
ニュートラルに、「糖質制限食」と「カロリー制限・高糖質食」の長所・短所を糖尿病患者さんに説明して、その上で患者さんがどちらの食事療法を選ぶか、自己責任で決定するという時代が来ていると思います。
すなわち、糖尿病専門医も、「糖質制限食」のことを、本気でしっかり勉強する義務があると思います。
そうでなければ、糖尿病患者さんに対して失礼と思います。
カロリー制限・高糖質食(従来の糖尿病食)の問題点に関しては詳しくは
2012年07月18日 (水)の本ブログ記事
「ブドウ糖負荷試験の禁忌とシンプルだけどこわい話」
2012年07月19日 (木)の本部ブログ記事
「糖尿病食事療法の短期効果と長期安全性、シンプルだけどこわい話②」
もご参照いただけば幸いです。
江部康二
2012年08月02日 (木)
こんばんは。
東京タヌキさんから、表題の情報をいただきました。
ありがとうございます。
2012年7月27日(金)の読売新聞朝刊において、日本糖尿病学会の門脇孝理事長が、スーパー糖質制限食批判を展開しておられます。
すなわち「極端な糖質制限は健康被害をもたらす危険がある」との見解です。
読売新聞において、紙上討論(ディベート)でもさせていただけば一番嬉しいのですが、とりあえず、私も反論したいと思います。
【門脇孝理事長(東大病院長)は読売新聞の取材に対し、「炭水化物を総摂取カロリーの40%未満に抑える極端な糖質制限は、脂質やたんぱく質の過剰摂取につながることが多い。短期的にはケトン血症や脱水、長期的には腎症、心筋梗塞や脳卒中、発がんなどの危険性を高める恐れがある」と指摘。】
ご指摘通り、糖質制限食は、高脂質・高たんぱく食になります。
しかし、普通に水を飲んでいれば、脱水になることはありません。
また、「生理的ケトン体上昇」と「病理的ケトン体上昇」には明確な区別があることは、門脇理事長ならご存知と思いますので、上記表現は如何なものかと思います。
即ち生理的ケトン体上昇は、まったく正常で無害なものです。
長期的には腎症、心筋梗塞や脳卒中、発がんなどの危険性を高める恐れがあるというコメントには、エビデンスが示されていませんし、そのようなエビデンスはないと思います。
論文解釈の誤解に基づく、そのような新聞報道などがありましたが、本ブログ記事で、すでに反論しています。
1)2012年07月03日 (火)の本ブログ記事
「低糖質・高蛋白質摂取で心血管イベントが上昇!?という論文を検討。」
2)2012年07月13日 (金)の本ブログ記事
「低糖質・高蛋白質で心血管イベントが上昇!?という論文へ専門家の批判」
3)2011年12月30日(金)の本ブログ記事
「スーパー糖質制限食に発ガンのリスク」というエビデンスはない
4)2012年01月22日 (日)の本ブログ記事
「糖質制限食批判の根拠として引用されているDiabetesの論文について」
【「現在一部で広まっている糖質制限は、糖尿病や合併症の重症度によっては生命の危険さえあり、勧められない」と注意した。】
このコメントにも根拠(エビデンス)はありません。
スーパー糖質制限食実践で、食後高血糖と一日の平均血糖変動幅が顕著に改善しますので、酸化ストレスも大幅に減少し、理論的には動脈硬化など合併症の最大のリスクは当然減少すると考えられますが、まだエビデンスはありません。
一方糖質を普通に食べて、インスリン注射や内服薬で血糖値を下げた場合は、かえって総死亡率が上昇するという明白なエビデンス(ACCORD試験・2008年)があります。
つまり、現行の糖尿病治療により、血糖コントロールを良くしてHbA1cを良好に保つことは、総死亡率を上昇させるというエビデンスがあり、まさに生命の危険があることが証明されたわけです。
日本糖尿病学会の先生方にはACCORD試験の(悲惨な)結果を、しっかり受けとめていただき、現行糖尿病食事療法の問題点(糖質を摂取すれば食後高血糖が必ず生じる。薬物で血糖を厳格に下げれば低血糖を生じる。結果、血糖変動幅が乱高下する。)を真摯に検討してほしいと願うものです。
江部康二
【12/07/27 東京タヌキ
また、今日も読売に
江部先生、いつも情報有り難うございます。以前、肝硬変患者の糖質制限食の件でご質問させていただいた、東京タヌキです。とっても参考になり、苦しみのない糖尿人生活をおくれています。
さて、今日の讀賣新聞社会面に、さらに記事が出ました。糖尿病学会の見解と、理事長のコメントです。以下、全文貼り付けます。
『讀賣新聞 2012年7月27日朝刊 社会面
極端な糖質制限健康被害の恐れ 日本糖尿病学会が警鐘
主食を控える「糖質制限食(低炭水化物食)」について、日本糖尿病学会は26日、「極端な糖質制限は健康被害をもたらす危険がある」との見解を示した。糖質制限食は、糖尿病の治療やダイエット目的で国内でも急速に広まっている。
同学会の門脇孝理事長(東大病院長)は読売新聞の取材に対し、
「炭水化物を総摂取カロリーの40%未満に抑える極端な糖質制限は、脂質やたんぱく質の過剰摂取につながることが多い。短期的にはケトン血症や脱水、長期的には腎症、心筋梗塞や脳卒中、発がんなどの危険性を高める恐れがある」と指摘。「現在一部で広まっている糖質制限は、糖尿病や合併症の重症度によっては生命の危険さえあり、勧められない」
と注意した。
一方、同学会では糖尿病の食事療法として、炭水化物を総摂取カロリーの50~60%にするカロリー制限食を勧めているが、この割合一を個々の患者の病態に合わせ、さらに減らせるかどうか検討を始める。』
科学者の集まりである、医学の学会とは思えない、コメントですね。もっと前向きな意見が言えないものなのでしょうか。】
東京タヌキさんから、表題の情報をいただきました。
ありがとうございます。
2012年7月27日(金)の読売新聞朝刊において、日本糖尿病学会の門脇孝理事長が、スーパー糖質制限食批判を展開しておられます。
すなわち「極端な糖質制限は健康被害をもたらす危険がある」との見解です。
読売新聞において、紙上討論(ディベート)でもさせていただけば一番嬉しいのですが、とりあえず、私も反論したいと思います。
【門脇孝理事長(東大病院長)は読売新聞の取材に対し、「炭水化物を総摂取カロリーの40%未満に抑える極端な糖質制限は、脂質やたんぱく質の過剰摂取につながることが多い。短期的にはケトン血症や脱水、長期的には腎症、心筋梗塞や脳卒中、発がんなどの危険性を高める恐れがある」と指摘。】
ご指摘通り、糖質制限食は、高脂質・高たんぱく食になります。
しかし、普通に水を飲んでいれば、脱水になることはありません。
また、「生理的ケトン体上昇」と「病理的ケトン体上昇」には明確な区別があることは、門脇理事長ならご存知と思いますので、上記表現は如何なものかと思います。
即ち生理的ケトン体上昇は、まったく正常で無害なものです。
長期的には腎症、心筋梗塞や脳卒中、発がんなどの危険性を高める恐れがあるというコメントには、エビデンスが示されていませんし、そのようなエビデンスはないと思います。
論文解釈の誤解に基づく、そのような新聞報道などがありましたが、本ブログ記事で、すでに反論しています。
1)2012年07月03日 (火)の本ブログ記事
「低糖質・高蛋白質摂取で心血管イベントが上昇!?という論文を検討。」
2)2012年07月13日 (金)の本ブログ記事
「低糖質・高蛋白質で心血管イベントが上昇!?という論文へ専門家の批判」
3)2011年12月30日(金)の本ブログ記事
「スーパー糖質制限食に発ガンのリスク」というエビデンスはない
4)2012年01月22日 (日)の本ブログ記事
「糖質制限食批判の根拠として引用されているDiabetesの論文について」
【「現在一部で広まっている糖質制限は、糖尿病や合併症の重症度によっては生命の危険さえあり、勧められない」と注意した。】
このコメントにも根拠(エビデンス)はありません。
スーパー糖質制限食実践で、食後高血糖と一日の平均血糖変動幅が顕著に改善しますので、酸化ストレスも大幅に減少し、理論的には動脈硬化など合併症の最大のリスクは当然減少すると考えられますが、まだエビデンスはありません。
一方糖質を普通に食べて、インスリン注射や内服薬で血糖値を下げた場合は、かえって総死亡率が上昇するという明白なエビデンス(ACCORD試験・2008年)があります。
つまり、現行の糖尿病治療により、血糖コントロールを良くしてHbA1cを良好に保つことは、総死亡率を上昇させるというエビデンスがあり、まさに生命の危険があることが証明されたわけです。
日本糖尿病学会の先生方にはACCORD試験の(悲惨な)結果を、しっかり受けとめていただき、現行糖尿病食事療法の問題点(糖質を摂取すれば食後高血糖が必ず生じる。薬物で血糖を厳格に下げれば低血糖を生じる。結果、血糖変動幅が乱高下する。)を真摯に検討してほしいと願うものです。
江部康二
【12/07/27 東京タヌキ
また、今日も読売に
江部先生、いつも情報有り難うございます。以前、肝硬変患者の糖質制限食の件でご質問させていただいた、東京タヌキです。とっても参考になり、苦しみのない糖尿人生活をおくれています。
さて、今日の讀賣新聞社会面に、さらに記事が出ました。糖尿病学会の見解と、理事長のコメントです。以下、全文貼り付けます。
『讀賣新聞 2012年7月27日朝刊 社会面
極端な糖質制限健康被害の恐れ 日本糖尿病学会が警鐘
主食を控える「糖質制限食(低炭水化物食)」について、日本糖尿病学会は26日、「極端な糖質制限は健康被害をもたらす危険がある」との見解を示した。糖質制限食は、糖尿病の治療やダイエット目的で国内でも急速に広まっている。
同学会の門脇孝理事長(東大病院長)は読売新聞の取材に対し、
「炭水化物を総摂取カロリーの40%未満に抑える極端な糖質制限は、脂質やたんぱく質の過剰摂取につながることが多い。短期的にはケトン血症や脱水、長期的には腎症、心筋梗塞や脳卒中、発がんなどの危険性を高める恐れがある」と指摘。「現在一部で広まっている糖質制限は、糖尿病や合併症の重症度によっては生命の危険さえあり、勧められない」
と注意した。
一方、同学会では糖尿病の食事療法として、炭水化物を総摂取カロリーの50~60%にするカロリー制限食を勧めているが、この割合一を個々の患者の病態に合わせ、さらに減らせるかどうか検討を始める。』
科学者の集まりである、医学の学会とは思えない、コメントですね。もっと前向きな意見が言えないものなのでしょうか。】
2012年08月01日 (水)
こんばんは。
ひでりん君さんから、糖質制限食で血糖値・HbA1c、γ-GTP改善という嬉しいコメントをいただきました。
ひでりん君さん、素晴らしい改善ですね。
体重も10kg近い減量成功です。
2012.7.9のデータ
空腹時血糖値:102mg
HbA1c(NGSP):6.2%
さらにHbA1c6.1%ならコントロール良好からコントロール優秀ですね。
早朝空腹時中性脂肪値は、スーパー糖質制限食なら、速やかに低下して基準値の下の方になります。
食後だと、スーパー糖質制限食でも中性脂肪がやや高値となることがあります。
あとは前の日に少し糖質が入ると、翌朝の中性脂肪値が高くなることがあります。
ともあれ、スーパー糖質制限食なら、早朝空腹時中性脂肪値は、基準値になりますので心配はありません。
江部康二
【12/07/30 ひでりん君
数値下がってます。
糖質制限ありがとう。
江部先生、こんにちは。
平成21年1月21日のデータ
HLDコレストロール 51 LDLコレストロール 144
中性脂肪 216 r-GTP 117
血糖値(朝) 147 HbA1c(ngsp) 7.0
平成24年4月10日のデータ
HLDコレストロール 51 LDLコレストロール 123
中性脂肪 132 r-GTP 96
血糖値(朝) 223 HbA1c(ngsp) 8.3
今までカロリー制限など色々してましたが全然、数値など下がらず4月中頃からネットで調べていたところ江部先生のブログに大当たりして平成24年4月20日から糖質制限を始めました。
最初は、少しでも数値が下がったらうれしいな~と思ってましたが。
平成24年7月9日のデータ
HLDコレストロール 54 LDLコレストロール 134
中性脂肪 160 r-GTP 50
血糖値(朝) 127 HbA1c(ngsp) 6.2
見事に下がりました !(^^)!
ちなみに4月20日の体重 66→57.5kg
今日の朝の血糖値 102
(お酒の量はだいぶ増えました)
三年前から血圧が高く 180 150 にて
薬を飲んでました。
糖質制限を始めてから血圧が下がり始めて現在は 118 75 位で7月10日で血圧の薬もやめました。
1つだけ糖質制限を始めたら中性脂肪が下がり5月~6月に3度検査をしましたが68・69・64の数値が7月10日の検査で 160 になってました。
何か原因があるのでしょうか?
現在、薬代は食費に消えて行きます。
(中国糖質制限料理 梅花 行きました)
江部先生、本当にありがとうございました。
これからも糖質制限 がんばります (^o^)】
ひでりん君さんから、糖質制限食で血糖値・HbA1c、γ-GTP改善という嬉しいコメントをいただきました。
ひでりん君さん、素晴らしい改善ですね。
体重も10kg近い減量成功です。
2012.7.9のデータ
空腹時血糖値:102mg
HbA1c(NGSP):6.2%
さらにHbA1c6.1%ならコントロール良好からコントロール優秀ですね。
早朝空腹時中性脂肪値は、スーパー糖質制限食なら、速やかに低下して基準値の下の方になります。
食後だと、スーパー糖質制限食でも中性脂肪がやや高値となることがあります。
あとは前の日に少し糖質が入ると、翌朝の中性脂肪値が高くなることがあります。
ともあれ、スーパー糖質制限食なら、早朝空腹時中性脂肪値は、基準値になりますので心配はありません。
江部康二
【12/07/30 ひでりん君
数値下がってます。
糖質制限ありがとう。
江部先生、こんにちは。
平成21年1月21日のデータ
HLDコレストロール 51 LDLコレストロール 144
中性脂肪 216 r-GTP 117
血糖値(朝) 147 HbA1c(ngsp) 7.0
平成24年4月10日のデータ
HLDコレストロール 51 LDLコレストロール 123
中性脂肪 132 r-GTP 96
血糖値(朝) 223 HbA1c(ngsp) 8.3
今までカロリー制限など色々してましたが全然、数値など下がらず4月中頃からネットで調べていたところ江部先生のブログに大当たりして平成24年4月20日から糖質制限を始めました。
最初は、少しでも数値が下がったらうれしいな~と思ってましたが。
平成24年7月9日のデータ
HLDコレストロール 54 LDLコレストロール 134
中性脂肪 160 r-GTP 50
血糖値(朝) 127 HbA1c(ngsp) 6.2
見事に下がりました !(^^)!
ちなみに4月20日の体重 66→57.5kg
今日の朝の血糖値 102
(お酒の量はだいぶ増えました)
三年前から血圧が高く 180 150 にて
薬を飲んでました。
糖質制限を始めてから血圧が下がり始めて現在は 118 75 位で7月10日で血圧の薬もやめました。
1つだけ糖質制限を始めたら中性脂肪が下がり5月~6月に3度検査をしましたが68・69・64の数値が7月10日の検査で 160 になってました。
何か原因があるのでしょうか?
現在、薬代は食費に消えて行きます。
(中国糖質制限料理 梅花 行きました)
江部先生、本当にありがとうございました。
これからも糖質制限 がんばります (^o^)】
2012年08月01日 (水)
こんにちは。
昨夕、長野県の富士見高原から、京都に帰ってきました。
今年は、7月28日から31日まで4日間毎日テニスができました。 (^_^)
日が照っていても、木陰は涼しいので、快適なテニスでしたよ。
テニスの合間に、カヌーにも生まれて初めて乗りました。
ひっくり返りはしませんでしたが、ズボンがびしょ濡れになりました。 (→ο←)
例年、朝夕テニスをきっちりしたら、最終日には筋肉が疲れて、フォームがバラバラになり、全てのショットが入らなくなってました。 (*_*)
今年は、適宜早朝練習をサボったりして体力温存を図ったので、最終日も好調を保つことができました。(^^)
7月31日(火)の京都での打ち上げも無事終了して、8月1日(水)からは、完全仕事モードに復帰です。
クーラーなしの富士見高原生活に思いを馳せながら、京都の暑い夏を乗り切ります。
江部康二
昨夕、長野県の富士見高原から、京都に帰ってきました。
今年は、7月28日から31日まで4日間毎日テニスができました。 (^_^)
日が照っていても、木陰は涼しいので、快適なテニスでしたよ。
テニスの合間に、カヌーにも生まれて初めて乗りました。
ひっくり返りはしませんでしたが、ズボンがびしょ濡れになりました。 (→ο←)
例年、朝夕テニスをきっちりしたら、最終日には筋肉が疲れて、フォームがバラバラになり、全てのショットが入らなくなってました。 (*_*)
今年は、適宜早朝練習をサボったりして体力温存を図ったので、最終日も好調を保つことができました。(^^)
7月31日(火)の京都での打ち上げも無事終了して、8月1日(水)からは、完全仕事モードに復帰です。
クーラーなしの富士見高原生活に思いを馳せながら、京都の暑い夏を乗り切ります。
江部康二