2012年07月28日 (土)
【糖質制限食とは】
米国糖尿病協会(ADA)によれば、食べ物が消化・吸収されたあと、糖質は100%血糖に変わりますが、タンパク質・脂質は血糖に変わりません。
また糖質は、摂取直後から急峻に血糖値を高く速く上昇させ、2時間以内にほとんどすべてが吸収されます。
これらは含有エネルギーとは無関係な三大栄養素の生理学的特質です。
1997年版のLife With Diabetes(ADA)では、
「タンパク質は約半分が血糖に変わり、脂質は10%未満が血糖に変わる」
という記載がありましたが、2004年版では変更されています。
このように糖質、脂質、タンパク質のうち糖質だけが血糖値を上昇させます。
従って、糖質を摂取した時にはインスリンが大量に追加分泌されます。
脂質を摂取しても、インスリンの追加分泌はありません。タンパク質はごく少量のインスリンを追加分泌させます。
現在糖尿病において、食後の急激な高血糖(グルコーススパイク)が大きな問題として注目されています。
食後高血糖が、心筋梗塞や脳梗塞などの合併症を起こす危険因子として確立されたからです。
そして、食後高血糖を起こすのは、三大栄養素のなかで糖質だけなのです。
1gの糖質が、体重64kgの2型糖尿病の人の血糖値を約3mg上昇させます。
炊いた白ご飯茶碗1杯150g(252kcal)には、55.3gの糖質が含まれており、血糖値を166mg上昇させます。
一方、牛サーロインステーキを200g(約1000キロカロリー)食べても、糖質含有量は1gもないので、食後血糖は3mg未満の上昇しかないのです。
なお、1gの糖質が体重64kgの1型糖尿病の人の血糖値を5mg上昇させます。
糖質制限食の基本的な考え方は、上述のような生理学的事実をベースに、できるだけ糖質の摂取を低く抑えて、食後高血糖を防ぐというものです。
簡単に言えば、主食を抜いておかずばかり食べるというイメージになります。
抜く必要がある主食とは米飯・めん類・パンなどの米・麦製品や芋類など糖質が主成分のものです。
3食主食抜きのスーパー糖質制限食(糖質12%、タンパク質32%、脂質56%)なら、薬に頼ることなく速やかにリアルタイムで良好な血糖コントロールが可能です。
一方、上述の白ご飯とステーキの例でも明らかなように、カロリー計算に基づいて血糖値をコントロールすることは理論的に不可能です。
従って、現行の日本糖尿病学会推薦の糖尿病食(糖質60%、タンパク質20%、脂質20%)を実践する限りは、一日の摂取カロリーを1200キロカロリーと低く抑えたとしても、食後高血糖が必ず生じるのです。
糖尿病の改善には、カロリー制限より糖質制限ということがおわかりいただけたと思います。
なお糖質制限食は、カロリー無制限ということではありません。
一般的な標準摂取カロリーの範囲、すなわち
男性なら1600~2400キロカロリー
女性なら1200~1800キロカロリー
くらいが目安です。
【糖質制限食コントロール・教育入院のご案内・保険適応】
お問い合わせは高雄病院
http://www.takao-hospital.jp/
住所:京都市右京区梅ヶ畑畑町3
電話:075-871-0245
ベットが空くまでお待ち頂くこともありますがご了承下さい。
【糖質制限食外来治療のご案内・予約制・保険適応】
高雄病院 電話:075-871-0245
http://www.takao-hospital.jp/
京都市右京区梅ヶ畑畑町3
高雄病院京都駅前診療所 電話:075-352-5050
京都市下京区七条通り烏丸東入ル(50M)北側 ネオフィス 七条烏丸4F
http://www.takao-hospital.net/
江部診療所 電話:075-712-8133
http://ebe-clinic.jp/
京都市左京区下鴨高木町6 アトリエ・フォー 2F
江部康二
米国糖尿病協会(ADA)によれば、食べ物が消化・吸収されたあと、糖質は100%血糖に変わりますが、タンパク質・脂質は血糖に変わりません。
また糖質は、摂取直後から急峻に血糖値を高く速く上昇させ、2時間以内にほとんどすべてが吸収されます。
これらは含有エネルギーとは無関係な三大栄養素の生理学的特質です。
1997年版のLife With Diabetes(ADA)では、
「タンパク質は約半分が血糖に変わり、脂質は10%未満が血糖に変わる」
という記載がありましたが、2004年版では変更されています。
このように糖質、脂質、タンパク質のうち糖質だけが血糖値を上昇させます。
従って、糖質を摂取した時にはインスリンが大量に追加分泌されます。
脂質を摂取しても、インスリンの追加分泌はありません。タンパク質はごく少量のインスリンを追加分泌させます。
現在糖尿病において、食後の急激な高血糖(グルコーススパイク)が大きな問題として注目されています。
食後高血糖が、心筋梗塞や脳梗塞などの合併症を起こす危険因子として確立されたからです。
そして、食後高血糖を起こすのは、三大栄養素のなかで糖質だけなのです。
1gの糖質が、体重64kgの2型糖尿病の人の血糖値を約3mg上昇させます。
炊いた白ご飯茶碗1杯150g(252kcal)には、55.3gの糖質が含まれており、血糖値を166mg上昇させます。
一方、牛サーロインステーキを200g(約1000キロカロリー)食べても、糖質含有量は1gもないので、食後血糖は3mg未満の上昇しかないのです。
なお、1gの糖質が体重64kgの1型糖尿病の人の血糖値を5mg上昇させます。
糖質制限食の基本的な考え方は、上述のような生理学的事実をベースに、できるだけ糖質の摂取を低く抑えて、食後高血糖を防ぐというものです。
簡単に言えば、主食を抜いておかずばかり食べるというイメージになります。
抜く必要がある主食とは米飯・めん類・パンなどの米・麦製品や芋類など糖質が主成分のものです。
3食主食抜きのスーパー糖質制限食(糖質12%、タンパク質32%、脂質56%)なら、薬に頼ることなく速やかにリアルタイムで良好な血糖コントロールが可能です。
一方、上述の白ご飯とステーキの例でも明らかなように、カロリー計算に基づいて血糖値をコントロールすることは理論的に不可能です。
従って、現行の日本糖尿病学会推薦の糖尿病食(糖質60%、タンパク質20%、脂質20%)を実践する限りは、一日の摂取カロリーを1200キロカロリーと低く抑えたとしても、食後高血糖が必ず生じるのです。
糖尿病の改善には、カロリー制限より糖質制限ということがおわかりいただけたと思います。
なお糖質制限食は、カロリー無制限ということではありません。
一般的な標準摂取カロリーの範囲、すなわち
男性なら1600~2400キロカロリー
女性なら1200~1800キロカロリー
くらいが目安です。
【糖質制限食コントロール・教育入院のご案内・保険適応】
お問い合わせは高雄病院
http://www.takao-hospital.jp/
住所:京都市右京区梅ヶ畑畑町3
電話:075-871-0245
ベットが空くまでお待ち頂くこともありますがご了承下さい。
【糖質制限食外来治療のご案内・予約制・保険適応】
高雄病院 電話:075-871-0245
http://www.takao-hospital.jp/
京都市右京区梅ヶ畑畑町3
高雄病院京都駅前診療所 電話:075-352-5050
京都市下京区七条通り烏丸東入ル(50M)北側 ネオフィス 七条烏丸4F
http://www.takao-hospital.net/
江部診療所 電話:075-712-8133
http://ebe-clinic.jp/
京都市左京区下鴨高木町6 アトリエ・フォー 2F
江部康二
2012年07月28日 (土)
【本ブログのコメント・質問・記事に関するお願い】
ブログ読者の皆さんには、いつもコメントいただき、ありがとうございます。
糖質制限食に関する質問についてですが、実際に高雄病院や江部診療所に来院されて診察した患者さんに対しては、
医師としての責任・債務がありますので、個別に説明もしっかりさせて頂いていますし、
フォローもしております。
一方、ブログ読者の皆さんの質問に関しては、糖質制限食に詳しい医師として、ボランティアで回答させていただいています。
診察もしておりませんしフォローもできませんので、責任もとれません。
私の回答は、あくまでも一般論としての参考意見とお考え頂けば幸いです。
また、ブログ記事や本に関しても同様に、糖質制限食に関する一般論としての参考意見とお考え下さい。
従いまして、読者の皆さんが私の参考意見を読まれて、どのように利用されるかは、自己責任でよろしくお願い申し上げます。m(_ _)m
そして読者の皆さんからもご意見いただきましたが、普通のお医者さんに相談可能な個人的な内容の質問は、ご自分の主治医にご相談頂けば助かります。
またネットで簡単に検索可能なことは、ご自分でお調べください。
質問が増えてきましたので、糖質制限食と関わりがないと判断した質問にはお答えできない場合もありますので、
ご了承ください。m(_ _)m
普通のお医者さんでは解答不能の、糖質制限食に関わる質問は、何でもどんどんしていただけば嬉しいです。 (^_^)
掲載OKの質問に関して、読者の皆さんに共有していただきたい情報の場合は、ブログ本文にて、できるだけ順番にお答えしたいと思います。
質問によってはコメント欄でお早めにお答えする場合もありますのでご了承ください。
一方、質問がかなり増えてきていますので、なかなか即、お答えすることが困難となってきています。
糖質制限食に関わりのある全ての質問に、本文かコメントでお答えするようできるだけ努力はしていますが、
できないときはご容赦願います。m(_ _)m
それから、「管理人のみ閲覧できる」「匿名希望」などの質問に関しては、コメント欄にお答えするか、一般的な話題に置き換えてブログに記載するようにしていますので、よろしくお願い申し上げます。
なお、糖質制限食が世の中・医学界にかなり浸透してきたことは間違いありません。
2012年1月15日(日)、第15回日本病態栄養学会年次学術集会が国立京都国際会館で開催され、「糖尿病治療に低炭水化物食は是か?非か?」というディベートセッションが行われ、私が是側の演者で講演しましたが、大きな反響を呼びました。医学界にも確実に糖質制限食が広がっています。
さらに、2012年5月18日(金)第55回日本糖尿病学会年次学術集会のDebate to Consensus 5で、糖質制限食が糖尿病食事療法の選択肢の一つとして、コンセンサスが得られました。
カロリー制限食一辺倒からの、まさに歴史的な転換です。
一方、糖質130g/日の緩やかな糖質制限食が糖尿病治療食の選択肢の一つとしてコンセンサスを得たわけですが、
糖質130g/日未満のスーパー糖質制限食に関してはまだ認められたとは言えません。今後さらなる努力が必要です。
ブログ読者の皆さんには、これまでと同様応援のほどよろしくお願い申しあげます。m(_ _)mV
【糖質制限食を実践される時のご注意】
本にも書いてありますが、 糖質制限食によりリアルタイムに血糖値が改善します。
このため既に、経口血糖降下剤(オイグルコン、アマリールなど)の内服やインスリン注射をしておられる糖尿人は、低血糖の心配がありますので必ず主治医と相談して頂きたいと思います。
一方、薬を使用してない糖尿人やメタボ人は、低血糖の心配はほとんどないので、自力で 糖質制限食を実践して糖尿病やメタボ改善を目指していただけば幸いです。
血液検査で血清クレアチニン値が高値で腎障害がある場合と、活動性の膵炎がある場合、肝硬変の場合は、糖質制限食は適応となりませんのでご注意ください。
糖質制限食は相対的に高タンパク・高脂肪食になるので、腎不全と活動性膵炎には適応とならないのです。
肝硬変では、糖新生能力が低下しているため適応となりません。
なお、機能性低血糖症の場合、炭水化物依存症レベルが重症のとき、糖新生能力が低下していることがあり、まれに低血糖症を生じますので注意が必要です。
また、どのような食事療法でも合う合わないがあります。
糖質制限食もその一つですので、合わないとご自分で判断されたら中止していただけば幸いです。
<参考図書>
理論
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」2005年
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」2008年
「我ら糖尿人、元気なのには理由がある。」2009年
「やせる食べ方」2010年
「うちの母は糖尿人」2010年 監修:江部康二 著:伊藤きのと
(東洋経済新報社)
「糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食」2010年(ナツメ社)
腹いっぱい食べて楽々痩せる『満腹ダイエット』 (ソフトバンク新書) 2011年
「主食をやめると健康になる」(ダイヤモンド社)2011年
レシピ
「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」2006年
「糖質制限食 春のレシピ」2007年
「糖質制限食 夏のレシピ」2007年
「糖質制限食 秋のレシピ」2008年
「糖質制限食 冬のレシピ」2008年
「血糖値を上げない! 健康おつまみ109 」2010年
「やせる食べかたレシピ集」2010年
「主食を抜けば糖尿は良くなる!レシピ集」2011年
(東洋経済新報社)
「糖質オフ」ごちそうごはん
(アスペクト)2009年
dancyu プレジデントムック 「満腹ダイエット 」(プレジデント社)2009年
dancyu プレジデントムック 「酒飲みダイエット 」(プレジデント社)2010年
dancyu プレジデントムック 「美食家ダイエット 」(プレジデント社)2011年
dancyu プレジデントムック 「スイーツダイエット」 (プレジデン社)2012年
糖質オフダイエット (レタスクラブ、角川マーケティング)2011年
誰もがストレスなくやせられる! 糖質制限ダイエット(講談社)2011年
糖尿病・肥満を克服する高雄病院の「糖質制限」給食(講談社)2012年
DVD「糖質制限食を語る」http://www.yaserutabekata.com/shop/dvd.php 2011年
ブログ読者の皆さんには、いつもコメントいただき、ありがとうございます。
糖質制限食に関する質問についてですが、実際に高雄病院や江部診療所に来院されて診察した患者さんに対しては、
医師としての責任・債務がありますので、個別に説明もしっかりさせて頂いていますし、
フォローもしております。
一方、ブログ読者の皆さんの質問に関しては、糖質制限食に詳しい医師として、ボランティアで回答させていただいています。
診察もしておりませんしフォローもできませんので、責任もとれません。
私の回答は、あくまでも一般論としての参考意見とお考え頂けば幸いです。
また、ブログ記事や本に関しても同様に、糖質制限食に関する一般論としての参考意見とお考え下さい。
従いまして、読者の皆さんが私の参考意見を読まれて、どのように利用されるかは、自己責任でよろしくお願い申し上げます。m(_ _)m
そして読者の皆さんからもご意見いただきましたが、普通のお医者さんに相談可能な個人的な内容の質問は、ご自分の主治医にご相談頂けば助かります。
またネットで簡単に検索可能なことは、ご自分でお調べください。
質問が増えてきましたので、糖質制限食と関わりがないと判断した質問にはお答えできない場合もありますので、
ご了承ください。m(_ _)m
普通のお医者さんでは解答不能の、糖質制限食に関わる質問は、何でもどんどんしていただけば嬉しいです。 (^_^)
掲載OKの質問に関して、読者の皆さんに共有していただきたい情報の場合は、ブログ本文にて、できるだけ順番にお答えしたいと思います。
質問によってはコメント欄でお早めにお答えする場合もありますのでご了承ください。
一方、質問がかなり増えてきていますので、なかなか即、お答えすることが困難となってきています。
糖質制限食に関わりのある全ての質問に、本文かコメントでお答えするようできるだけ努力はしていますが、
できないときはご容赦願います。m(_ _)m
それから、「管理人のみ閲覧できる」「匿名希望」などの質問に関しては、コメント欄にお答えするか、一般的な話題に置き換えてブログに記載するようにしていますので、よろしくお願い申し上げます。
なお、糖質制限食が世の中・医学界にかなり浸透してきたことは間違いありません。
2012年1月15日(日)、第15回日本病態栄養学会年次学術集会が国立京都国際会館で開催され、「糖尿病治療に低炭水化物食は是か?非か?」というディベートセッションが行われ、私が是側の演者で講演しましたが、大きな反響を呼びました。医学界にも確実に糖質制限食が広がっています。
さらに、2012年5月18日(金)第55回日本糖尿病学会年次学術集会のDebate to Consensus 5で、糖質制限食が糖尿病食事療法の選択肢の一つとして、コンセンサスが得られました。
カロリー制限食一辺倒からの、まさに歴史的な転換です。
一方、糖質130g/日の緩やかな糖質制限食が糖尿病治療食の選択肢の一つとしてコンセンサスを得たわけですが、
糖質130g/日未満のスーパー糖質制限食に関してはまだ認められたとは言えません。今後さらなる努力が必要です。
ブログ読者の皆さんには、これまでと同様応援のほどよろしくお願い申しあげます。m(_ _)mV
【糖質制限食を実践される時のご注意】
本にも書いてありますが、 糖質制限食によりリアルタイムに血糖値が改善します。
このため既に、経口血糖降下剤(オイグルコン、アマリールなど)の内服やインスリン注射をしておられる糖尿人は、低血糖の心配がありますので必ず主治医と相談して頂きたいと思います。
一方、薬を使用してない糖尿人やメタボ人は、低血糖の心配はほとんどないので、自力で 糖質制限食を実践して糖尿病やメタボ改善を目指していただけば幸いです。
血液検査で血清クレアチニン値が高値で腎障害がある場合と、活動性の膵炎がある場合、肝硬変の場合は、糖質制限食は適応となりませんのでご注意ください。
糖質制限食は相対的に高タンパク・高脂肪食になるので、腎不全と活動性膵炎には適応とならないのです。
肝硬変では、糖新生能力が低下しているため適応となりません。
なお、機能性低血糖症の場合、炭水化物依存症レベルが重症のとき、糖新生能力が低下していることがあり、まれに低血糖症を生じますので注意が必要です。
また、どのような食事療法でも合う合わないがあります。
糖質制限食もその一つですので、合わないとご自分で判断されたら中止していただけば幸いです。
<参考図書>
理論
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」2005年
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」2008年
「我ら糖尿人、元気なのには理由がある。」2009年
「やせる食べ方」2010年
「うちの母は糖尿人」2010年 監修:江部康二 著:伊藤きのと
(東洋経済新報社)
「糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食」2010年(ナツメ社)
腹いっぱい食べて楽々痩せる『満腹ダイエット』 (ソフトバンク新書) 2011年
「主食をやめると健康になる」(ダイヤモンド社)2011年
レシピ
「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」2006年
「糖質制限食 春のレシピ」2007年
「糖質制限食 夏のレシピ」2007年
「糖質制限食 秋のレシピ」2008年
「糖質制限食 冬のレシピ」2008年
「血糖値を上げない! 健康おつまみ109 」2010年
「やせる食べかたレシピ集」2010年
「主食を抜けば糖尿は良くなる!レシピ集」2011年
(東洋経済新報社)
「糖質オフ」ごちそうごはん
(アスペクト)2009年
dancyu プレジデントムック 「満腹ダイエット 」(プレジデント社)2009年
dancyu プレジデントムック 「酒飲みダイエット 」(プレジデント社)2010年
dancyu プレジデントムック 「美食家ダイエット 」(プレジデント社)2011年
dancyu プレジデントムック 「スイーツダイエット」 (プレジデン社)2012年
糖質オフダイエット (レタスクラブ、角川マーケティング)2011年
誰もがストレスなくやせられる! 糖質制限ダイエット(講談社)2011年
糖尿病・肥満を克服する高雄病院の「糖質制限」給食(講談社)2012年
DVD「糖質制限食を語る」http://www.yaserutabekata.com/shop/dvd.php 2011年
2012年07月28日 (土)
スペイン産エクストラバージンオリーブオイル
お早うございます。
昨晩、NHKの 地球イチバン「地球イチバンのオリーブ天国~スペイン~」という番組で、スペイン産のオリーブオイルのお話をしていました。
スペインのオリーブオイル生産量は、世界のおよそ40%を締めるであるとか、、バージンオイルとエクストラ・バージンの違いについてなど解説していました。
これまで何度か紹介した、あらてつさんの糖質制限ドットコムで販売している、スペイン直輸入のモリドルエクストラバージンオリーブオイル、大変好評で昨年入荷分は早々に売り切れたとのことです。
そのモリドルから、今の時期限定の 初搾りエクストラバージンオリーブオイル が入荷したとのこと。
初摘・初搾りのオリーブオイルは、一年を通して、今だけしか出てこない貴重なオリーブオイルだそうです。
番組でもありましたが、オリーブオイル業界、聞くところによるといろいろと複雑で、「エクストラヴァージンオリーブオイル」といいながら、そうでないものがかなりの割合で流通しているそうです。
ですがこのモリドルオリーブオイルは、あらてつさんが直接工場まで行って「冷温圧搾・無濾過・無添加・混ざりっけ無しのエクストラヴァージンオリーブオイル」であることを確認してきました。
あらてつさん、知っている人は知っている「かなりうるさい男」ですので、工場を隅から隅まで調べて現地の人たちにおもいっきり嫌がられてきたことは、想像に難くありません。
スペインでも「うるさいぶり」を遺憾なく発揮してきたあらてつさん太鼓判のモリドルオリーブオイル、私もこのブログをご覧の糖尿人、メタボ人、ダイエッターの皆さんにお勧め致します。
以下、あらてつさんからのご案内です。
そうそう、最後にご紹介しているオリーブオイル試食会、キャンセルが出たとのことで、若干名空きができました。
私も参加するので皆さん、是非どうぞ。
江部康二
Primera extracción en frío(初搾りエクストラバージンオリーブオイル)発売開始!
オリーブオイル百年の伝統のあるシウラナ地方(スペイン北東部、カタルーニャ地方)から、初摘、初搾りのオリーブオイルが入荷しました。
年に一回、この時期だけしか販売されない大変貴重なオリーブオイルです。
Primera extracción en frío オリーブオイルは、収穫したてのオリーブを風味が損なわれないように冷温圧搾し、濾過せずそのまま瓶詰します。
なので一般的なオリーブオイルよりも色合いが濃く、オリーブ本来の香りや味わいをストレートにお楽しみいただけます。
一年を通して、今だけしか出てこない貴重なオリーブオイルです。
通常のオリーブオイルにない濃厚な味と香りをお楽しみ頂けます。
モリドル社のパトリシアさんからのメッセージを紹介します。
モリ・ドルのエクストラバージン・オリーブオイル
モリ・ドルは、私たちの地域の人々や農作業員が、黄金の液体とも呼ばれるエクストラバージン・オリーブオイルを抽出するために、一年を通じてその大地に施してきた入念な作業と手入れの結晶です。
オイル百年の伝統のあるシウラナ地方(スペイン北東部、カタルーニャ地方)では、最高のシェフや料理批評家から最も高い評価を受けている、アルベキナ種と言うオリーブオイル生産用の品種のみを使用しています。
モリ・ドルのオリーブは、木から直接採取し、フライス(オリーブを碾く作業)は、果実の自然な特性を保持するため、冷温で行われます。その優れた特性と官能特性をそのまま維持するために、モリ・ドルは、フィルタリングされていないエクストラバージン・オリーブオイルとなっています。
この製法によって密度、香り、ボディが保たれている、という、極めて例外的ともいえる評価を受けています。瓶の底に堆積物が沈降することがありますが、健康上全く無害であり、自然由来のものであることの証拠でもあります。
つまり、これは100%純粋な天然オリーブ果汁なのです。
オリーブオイルには、多くの種類と品種があります。しかしその中でも、酸性度を1°未満に保持したものだけが、エクストラバージンと呼ばれる最高ランクのカテゴリとして(EEC規則1513/2001による)最も高い評価を得ることができます。私たちは、モリ·ドルが酸性度を0.3°に抑えてこのカテゴリに入っていることを、誇りに思っています。
オリーブそのものの持つ天然成分によって、このオイルが、抗酸化成分やポリフェノール性化合物を豊富に含んでいるため、酸化を抑えたり、体の諸器官に非常に有益な効果をもたらしたりするということも、忘れてはいけません。
その複雑な香りと味わいは、料理のうま味を引き立たせることができます。フルーティーかつ丸みのある味わいがあり、収斂性が低く、バナナ、イチゴ、リンゴ、クルミ、アーモンドやアーティチョークの熟したような非常にバランスのとれた香りがします。トマトを思わせる懐かしい趣を鼻腔に感じます。そして、非常に表現力のある、すっきりとしたナッツのような後味がします。
料理に使えば、味に力を与え、個性を引き立たせます。生鮮食品(パン、サラダ、野菜など)に使用すれば、より一層の官能特性を感じることができます。オイルを加熱して使用する際も、食品がカリっとした状態で形よく保持し、オイルに含まれている脂肪酸と抗酸化物質が食品に回って安定し、ボリュームが増すことから、高温にもよく対応すると言えます。
これらすべての特性のおかげで、モリ・ドルは、最高レベルのエクストラバージン・オリーブオイルであると同時に、健康的でよく知られている地中海料理を作る際に欠かせない食品の一つとして、認められるようになりました。

数量・期間限定のモリドル初搾りエクストラバージンオリーブオイル
是非皆さんもお試しください。
詳細・ご購入はこちらから
↓ ↓ ↓
モリドル 初摘み・初搾りオリーブオイル
http://www.toushitsuseigen.com/shop/etc_oliveoil.html
お早うございます。
昨晩、NHKの 地球イチバン「地球イチバンのオリーブ天国~スペイン~」という番組で、スペイン産のオリーブオイルのお話をしていました。
スペインのオリーブオイル生産量は、世界のおよそ40%を締めるであるとか、、バージンオイルとエクストラ・バージンの違いについてなど解説していました。
これまで何度か紹介した、あらてつさんの糖質制限ドットコムで販売している、スペイン直輸入のモリドルエクストラバージンオリーブオイル、大変好評で昨年入荷分は早々に売り切れたとのことです。
そのモリドルから、今の時期限定の 初搾りエクストラバージンオリーブオイル が入荷したとのこと。
初摘・初搾りのオリーブオイルは、一年を通して、今だけしか出てこない貴重なオリーブオイルだそうです。
番組でもありましたが、オリーブオイル業界、聞くところによるといろいろと複雑で、「エクストラヴァージンオリーブオイル」といいながら、そうでないものがかなりの割合で流通しているそうです。
ですがこのモリドルオリーブオイルは、あらてつさんが直接工場まで行って「冷温圧搾・無濾過・無添加・混ざりっけ無しのエクストラヴァージンオリーブオイル」であることを確認してきました。
あらてつさん、知っている人は知っている「かなりうるさい男」ですので、工場を隅から隅まで調べて現地の人たちにおもいっきり嫌がられてきたことは、想像に難くありません。
スペインでも「うるさいぶり」を遺憾なく発揮してきたあらてつさん太鼓判のモリドルオリーブオイル、私もこのブログをご覧の糖尿人、メタボ人、ダイエッターの皆さんにお勧め致します。
以下、あらてつさんからのご案内です。
そうそう、最後にご紹介しているオリーブオイル試食会、キャンセルが出たとのことで、若干名空きができました。
私も参加するので皆さん、是非どうぞ。
江部康二
Primera extracción en frío(初搾りエクストラバージンオリーブオイル)発売開始!
オリーブオイル百年の伝統のあるシウラナ地方(スペイン北東部、カタルーニャ地方)から、初摘、初搾りのオリーブオイルが入荷しました。
年に一回、この時期だけしか販売されない大変貴重なオリーブオイルです。
Primera extracción en frío オリーブオイルは、収穫したてのオリーブを風味が損なわれないように冷温圧搾し、濾過せずそのまま瓶詰します。
なので一般的なオリーブオイルよりも色合いが濃く、オリーブ本来の香りや味わいをストレートにお楽しみいただけます。
一年を通して、今だけしか出てこない貴重なオリーブオイルです。
通常のオリーブオイルにない濃厚な味と香りをお楽しみ頂けます。
モリドル社のパトリシアさんからのメッセージを紹介します。
モリ・ドルのエクストラバージン・オリーブオイル
モリ・ドルは、私たちの地域の人々や農作業員が、黄金の液体とも呼ばれるエクストラバージン・オリーブオイルを抽出するために、一年を通じてその大地に施してきた入念な作業と手入れの結晶です。
オイル百年の伝統のあるシウラナ地方(スペイン北東部、カタルーニャ地方)では、最高のシェフや料理批評家から最も高い評価を受けている、アルベキナ種と言うオリーブオイル生産用の品種のみを使用しています。
モリ・ドルのオリーブは、木から直接採取し、フライス(オリーブを碾く作業)は、果実の自然な特性を保持するため、冷温で行われます。その優れた特性と官能特性をそのまま維持するために、モリ・ドルは、フィルタリングされていないエクストラバージン・オリーブオイルとなっています。
この製法によって密度、香り、ボディが保たれている、という、極めて例外的ともいえる評価を受けています。瓶の底に堆積物が沈降することがありますが、健康上全く無害であり、自然由来のものであることの証拠でもあります。
つまり、これは100%純粋な天然オリーブ果汁なのです。
オリーブオイルには、多くの種類と品種があります。しかしその中でも、酸性度を1°未満に保持したものだけが、エクストラバージンと呼ばれる最高ランクのカテゴリとして(EEC規則1513/2001による)最も高い評価を得ることができます。私たちは、モリ·ドルが酸性度を0.3°に抑えてこのカテゴリに入っていることを、誇りに思っています。
オリーブそのものの持つ天然成分によって、このオイルが、抗酸化成分やポリフェノール性化合物を豊富に含んでいるため、酸化を抑えたり、体の諸器官に非常に有益な効果をもたらしたりするということも、忘れてはいけません。
その複雑な香りと味わいは、料理のうま味を引き立たせることができます。フルーティーかつ丸みのある味わいがあり、収斂性が低く、バナナ、イチゴ、リンゴ、クルミ、アーモンドやアーティチョークの熟したような非常にバランスのとれた香りがします。トマトを思わせる懐かしい趣を鼻腔に感じます。そして、非常に表現力のある、すっきりとしたナッツのような後味がします。
料理に使えば、味に力を与え、個性を引き立たせます。生鮮食品(パン、サラダ、野菜など)に使用すれば、より一層の官能特性を感じることができます。オイルを加熱して使用する際も、食品がカリっとした状態で形よく保持し、オイルに含まれている脂肪酸と抗酸化物質が食品に回って安定し、ボリュームが増すことから、高温にもよく対応すると言えます。
これらすべての特性のおかげで、モリ・ドルは、最高レベルのエクストラバージン・オリーブオイルであると同時に、健康的でよく知られている地中海料理を作る際に欠かせない食品の一つとして、認められるようになりました。

数量・期間限定のモリドル初搾りエクストラバージンオリーブオイル
是非皆さんもお試しください。
詳細・ご購入はこちらから
↓ ↓ ↓
モリドル 初摘み・初搾りオリーブオイル
http://www.toushitsuseigen.com/shop/etc_oliveoil.html
糖質制限食・ダイエット食の通信販売|糖質制限ドットコム
糖質制限ドットコムは、糖質制限食の第一人者、高雄病院、江部康二先生監修による糖質オフな食材を販売、糖質制限食に取り組む皆様をサポートします。
2012年07月27日 (金)
こんにちは。
7月28日(土)~7月31日(火)まで、信州は八ヶ岳山麓、富士見高原にテニス合宿にでかけます。
富士見高原は標高1200mくらいで、軽井沢より涼しいし、何より安いです。 (^^)
ペンションのオーナーに数日前電話したら、15度で寒いくらいだそうです。
このテニス合宿、何と第31回目であり、なかなかギネスブックもので長続きしています。
まあ、テニスの方は、近年は、ほどほど・ぼちぼち・それなりにしかしませんが・・・ (-_-;)
お酒の量も、若い頃に比べると合宿参加の皆さんも大分減りました。
おかげさまで、反吐を吐いたり、二日酔いで寝込む人も極めてまれとなりました。
すいませんが、ブログ記事も、7月29日(日)~7月31日(火)までの間、お休みとなります。 o(_ _)o
久しぶりにゆっくりしてきます。ヾ(^▽^)
7月31(火)の夜、帰京して最後の宴会です。
江部康二
7月28日(土)~7月31日(火)まで、信州は八ヶ岳山麓、富士見高原にテニス合宿にでかけます。
富士見高原は標高1200mくらいで、軽井沢より涼しいし、何より安いです。 (^^)
ペンションのオーナーに数日前電話したら、15度で寒いくらいだそうです。
このテニス合宿、何と第31回目であり、なかなかギネスブックもので長続きしています。
まあ、テニスの方は、近年は、ほどほど・ぼちぼち・それなりにしかしませんが・・・ (-_-;)
お酒の量も、若い頃に比べると合宿参加の皆さんも大分減りました。
おかげさまで、反吐を吐いたり、二日酔いで寝込む人も極めてまれとなりました。
すいませんが、ブログ記事も、7月29日(日)~7月31日(火)までの間、お休みとなります。 o(_ _)o
久しぶりにゆっくりしてきます。ヾ(^▽^)
7月31(火)の夜、帰京して最後の宴会です。
江部康二
2012年07月27日 (金)
おはようございます。
2012年7月26日の読売新聞・医療ルネサンスに糖質制限食に賛否両論という記事が載り、加藤浩樹さんから、コメントをいただきました。
加藤さん、情報をありがとうございます。
ルネサンスの記事ですが、最初に糖質制限食でHbA1cが、8.3%→5.8%に下がった、東京・新橋の糖質制限食専門の中華料理店「梅花」の経営者の梅橋さんの成功体験が紹介されています。
ここまではいいのですが、そのあと、
#1 ケトン体が増えすぎる危険な状態に陥った報告がある。
#2 死亡率、脳卒中や心筋梗塞の危険性が高まったという長期の追跡調査がある。
という文章が記載されていて、糖質制限食を実践している人には不安を与える内容です。
#2に関しては、信頼度の低い論文報告であることを、昨日記事にしました。
#1ですが、全世界で2例、アトキンスダイエット(糖質制限食)中の肥満女性がケトアシドーシスになった
という報告(ニューイングランド・ジャーナルとランセット)があり、(☆)(☆☆)それを心配される医師もおられます。
ごもっともとは思いますが、まず言えることは、全世界でアトキンスダイエット(スーパー糖質制限食)を実践した人は、少なくとも数十万人以上はいるので、この2例は非常にまれな特殊例ということができます。
論文を読むと2例とも、アトキンスダイエットで生理的ケトーシスがあった人が、たまたま胃腸疾患で嘔吐を数日繰り返して食事摂取もできず、脱水となり、脱水のためにアシドーシスが生じたと考えられます。いずれも短期間で回復しています。
すなわち、ことの本質は「嘔吐と食事摂取不能による脱水が原因のアシドーシス」であり、アトキンスダイエットは直接の関係はないと私は考察しました。
言い換えると、生理的ケトーシスがあって元気だった人に、「嘔吐・食事摂取不能→脱水→脱水によるアシドーシス」が加わって、結果としてケトアシドーシスを生じたということです。
例えば、江部康二は血中ケトン体値が1000μM/L(26~122)くらいあって、生理的ケトーシスですが正常で元気です。
もし私が一人で山に登って滑落して足を骨折して動けなくなり、水も飲めない状態になれば、数日で脱水によるアシドーシスになります。
この時発見されて入院すれば、初日はケトアシシドーシスということで、主治医は、重症で危険な状態と大騒ぎすることになるでしょう。
入院して生理的食塩水の点滴で脱水を補正すれば、ものの半日でアシドーシスはすぐに良くなり、元気回復です。
生理的ケトーシスは残りますが、もとの状態にもどるだけなので正常です。
ニューイングランド・ジャーナルとランセットの2例も、あくまでも私見ですが、同様に考えれば理解しやすいです。
一方、糖質の摂取によってのみ発症するペットボトル症候群(糖尿病ケトアシドーシス)(☆☆☆)は、1992年に聖マリアンナ医科大学の研究グループが初めて報告した病態です。正式には清涼飲料水ケトーシスといいます。
大量の液体の糖質を摂取することが、ペットボトル症候群の元凶です。即ち、糖質大量摂取以外には起こりえない病態ですが、今でも時々見かけます。
清涼飲料水ケトーシスの特徴
①清涼飲料水を大量に摂取する(一日平均約2リットル)
②青年期から中年にかけての男性に多い
③発症時に肥満があるが肥満歴を有する人が大半
④血縁者に糖尿病患者がいるケースが半分以上
⑤患者に病識がないか乏しい
液体糖質摂取によるペットボトル症候群(糖尿病ケトアシドーシス)は、日本だけでも少なくとも過去、数千人以上は報告されていて、中には死亡例もあります。
ペットボトル症候群は、決してまれな病気ではなく、日常診療で遭遇する病気です。
そしてその元凶は糖質の摂取であり、タンパク質・脂質は無関係です。
これらの事実に基づけば、「糖質制限食」と「高糖質食」のどちらが危険なのか、冷静に考えれば明らかですね。
江部康二
(☆)
Ketoacidosis during a Low-Carbohydrate Diet. N Engl J Med 2006; 354:97-98
(☆☆)
A life-threatening complication of Atkins diet
Lancet 2006;367:958
(☆☆☆)
ペットボトル症候群(糖尿病ケトアシドーシス)
ペットボトルを持ち歩いたりして、清涼飲料水を1日2~3リットル毎日飲み続ける人がいます。
もともと糖尿病の素因を持っていたり、軽度の糖尿病の人がこのように吸収されやすい糖質を多量に摂取していると、飲む度に血糖値が上昇してインスリンが追加分泌されるのですが、ついにはインスリンの供給が追いつかなくなり血糖値が高くなります。
一旦血糖値が高くなると糖毒*状態となります。それが続けば、糖尿病性ケトアシドーシスという危険な状態になり、ものの1~2週間で意識の混濁や昏睡に陥るケースもあります。
この様なときは、緊急入院して点滴で脱水を補正し、インスリン注射を一日3回して、血糖値をコントロールします。
コントロールできれば糖毒状態は急速に改善し、インスリン分泌能力も回復することがほとんどです。
*糖毒
① 高血糖の持続→膵臓のランゲルハンス島のβ細胞にダメージ→インスリン分泌低下
② 高血糖の持続→細胞レベルでのインスリン抵抗性増大
高血糖があると①と②が体内で生じます。インスリン分泌低下と抵抗性増大が生じれば、ますます高血糖となります。
≪高血糖の持続→インスリン分泌低下とインスリン抵抗性増大→高血糖の持続→≫
この悪循環パターンを、臨床的には「糖毒」 と呼びます。
糖毒の元凶は糖質摂取であり、タンパク質・脂質は無関係です。
なぜ、高血糖自体がインスリン分泌を低下させるのか、インスリン抵抗性を増大させるのか、最先端の研究で調べられてはいるのですが、はっきり言ってまだよくわからないのが現状です。
2012年7月26日の読売新聞・医療ルネサンスに糖質制限食に賛否両論という記事が載り、加藤浩樹さんから、コメントをいただきました。
加藤さん、情報をありがとうございます。
ルネサンスの記事ですが、最初に糖質制限食でHbA1cが、8.3%→5.8%に下がった、東京・新橋の糖質制限食専門の中華料理店「梅花」の経営者の梅橋さんの成功体験が紹介されています。
ここまではいいのですが、そのあと、
#1 ケトン体が増えすぎる危険な状態に陥った報告がある。
#2 死亡率、脳卒中や心筋梗塞の危険性が高まったという長期の追跡調査がある。
という文章が記載されていて、糖質制限食を実践している人には不安を与える内容です。
#2に関しては、信頼度の低い論文報告であることを、昨日記事にしました。
#1ですが、全世界で2例、アトキンスダイエット(糖質制限食)中の肥満女性がケトアシドーシスになった
という報告(ニューイングランド・ジャーナルとランセット)があり、(☆)(☆☆)それを心配される医師もおられます。
ごもっともとは思いますが、まず言えることは、全世界でアトキンスダイエット(スーパー糖質制限食)を実践した人は、少なくとも数十万人以上はいるので、この2例は非常にまれな特殊例ということができます。
論文を読むと2例とも、アトキンスダイエットで生理的ケトーシスがあった人が、たまたま胃腸疾患で嘔吐を数日繰り返して食事摂取もできず、脱水となり、脱水のためにアシドーシスが生じたと考えられます。いずれも短期間で回復しています。
すなわち、ことの本質は「嘔吐と食事摂取不能による脱水が原因のアシドーシス」であり、アトキンスダイエットは直接の関係はないと私は考察しました。
言い換えると、生理的ケトーシスがあって元気だった人に、「嘔吐・食事摂取不能→脱水→脱水によるアシドーシス」が加わって、結果としてケトアシドーシスを生じたということです。
例えば、江部康二は血中ケトン体値が1000μM/L(26~122)くらいあって、生理的ケトーシスですが正常で元気です。
もし私が一人で山に登って滑落して足を骨折して動けなくなり、水も飲めない状態になれば、数日で脱水によるアシドーシスになります。
この時発見されて入院すれば、初日はケトアシシドーシスということで、主治医は、重症で危険な状態と大騒ぎすることになるでしょう。
入院して生理的食塩水の点滴で脱水を補正すれば、ものの半日でアシドーシスはすぐに良くなり、元気回復です。
生理的ケトーシスは残りますが、もとの状態にもどるだけなので正常です。
ニューイングランド・ジャーナルとランセットの2例も、あくまでも私見ですが、同様に考えれば理解しやすいです。
一方、糖質の摂取によってのみ発症するペットボトル症候群(糖尿病ケトアシドーシス)(☆☆☆)は、1992年に聖マリアンナ医科大学の研究グループが初めて報告した病態です。正式には清涼飲料水ケトーシスといいます。
大量の液体の糖質を摂取することが、ペットボトル症候群の元凶です。即ち、糖質大量摂取以外には起こりえない病態ですが、今でも時々見かけます。
清涼飲料水ケトーシスの特徴
①清涼飲料水を大量に摂取する(一日平均約2リットル)
②青年期から中年にかけての男性に多い
③発症時に肥満があるが肥満歴を有する人が大半
④血縁者に糖尿病患者がいるケースが半分以上
⑤患者に病識がないか乏しい
液体糖質摂取によるペットボトル症候群(糖尿病ケトアシドーシス)は、日本だけでも少なくとも過去、数千人以上は報告されていて、中には死亡例もあります。
ペットボトル症候群は、決してまれな病気ではなく、日常診療で遭遇する病気です。
そしてその元凶は糖質の摂取であり、タンパク質・脂質は無関係です。
これらの事実に基づけば、「糖質制限食」と「高糖質食」のどちらが危険なのか、冷静に考えれば明らかですね。
江部康二
(☆)
Ketoacidosis during a Low-Carbohydrate Diet. N Engl J Med 2006; 354:97-98
(☆☆)
A life-threatening complication of Atkins diet
Lancet 2006;367:958
(☆☆☆)
ペットボトル症候群(糖尿病ケトアシドーシス)
ペットボトルを持ち歩いたりして、清涼飲料水を1日2~3リットル毎日飲み続ける人がいます。
もともと糖尿病の素因を持っていたり、軽度の糖尿病の人がこのように吸収されやすい糖質を多量に摂取していると、飲む度に血糖値が上昇してインスリンが追加分泌されるのですが、ついにはインスリンの供給が追いつかなくなり血糖値が高くなります。
一旦血糖値が高くなると糖毒*状態となります。それが続けば、糖尿病性ケトアシドーシスという危険な状態になり、ものの1~2週間で意識の混濁や昏睡に陥るケースもあります。
この様なときは、緊急入院して点滴で脱水を補正し、インスリン注射を一日3回して、血糖値をコントロールします。
コントロールできれば糖毒状態は急速に改善し、インスリン分泌能力も回復することがほとんどです。
*糖毒
① 高血糖の持続→膵臓のランゲルハンス島のβ細胞にダメージ→インスリン分泌低下
② 高血糖の持続→細胞レベルでのインスリン抵抗性増大
高血糖があると①と②が体内で生じます。インスリン分泌低下と抵抗性増大が生じれば、ますます高血糖となります。
≪高血糖の持続→インスリン分泌低下とインスリン抵抗性増大→高血糖の持続→≫
この悪循環パターンを、臨床的には「糖毒」 と呼びます。
糖毒の元凶は糖質摂取であり、タンパク質・脂質は無関係です。
なぜ、高血糖自体がインスリン分泌を低下させるのか、インスリン抵抗性を増大させるのか、最先端の研究で調べられてはいるのですが、はっきり言ってまだよくわからないのが現状です。
2012年07月26日 (木)
こんにちは。
2012年7月26日の読売新聞・医療ルネサンスに糖質制限食に賛否両論という記事が載り、加藤浩樹さんから、コメントをいただきました.
加藤さん、情報をありがとうございます。
ルネサンスの記事ですが、最初に糖質制限食でHbA1cが、8.3%→5.8%に下がった、東京・新橋の糖質制限食専門の中華料理店「梅花」の経営者の梅橋さんの成功体験が紹介されています。
ここまではいいのですが、そのあと、
#1 ケトン体が増えすぎる危険な状態に陥った報告がある。
#2 死亡率、脳卒中や心筋梗塞の危険性が高まったという長期の追跡調査がある。
という文章が記載されていて、糖質制限食を実践している人には不安を与える内容です。
#2に関しては、加藤さんが指摘された「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル」論文のことと考えられます。
2012年7月13日 (金)の本ブログ記事
「低糖質・高蛋白質で心血管イベントが上昇!?という論文へ専門家の批判」
2012年7月3日(火)の本ブログ記事
「低糖質・高蛋白質摂取で心血管イベントが上昇!?という論文を検討」
で述べましたように、大変信頼度の低い論文です。
・食事の調査を最初の一度しかしていないまま15年間追跡。
・調査方法が「自己申告」である。正しく申告されないケースが多々あることは分かりきっている。
・質問事項が、食べた食物の項目で答えるタイプで、炭水化物(糖質)量など各栄養素の算出方法が明確でない。
・塩分摂取量での調節がなされていない。
・心臓病リスクとなりうる他の要因(投薬・塩分摂取・喫煙・肥満など)について触れていない。
・挙げられている証拠が、結論を支持していない。
・主張されている相関関係がごく小さい。
・スコアリングシステムが間違っている。
このように「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル」の公式サイトに、この論文に対する各国の専門家からの批判が相次いでいます。
ここまで批判意見ばかりで、賛成意見がない論文はさすがに珍しいと思います。
それぐらい信頼度が低いので、本来「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル」には載せてはいけない、低レベルの論文と言えます。
#2に関しては、2012年07月19日 (木) の本ブログ記事
「糖尿病食事療法の短期効果と長期安全性、シンプルだけどこわい話②」
もご参照ください。
食後高血糖と血糖変動幅に対する短期的効果が、壊滅的に悪い「カロリー制限食」の長期的効果が良くなる可能性は、理論上あり得ないということです。
食後高血糖と血糖変動幅に対する短期的効果は「糖質制限食」なら、著明な改善があります。少なくとも高血糖による長期的動脈硬化のリスクに関しては糖質制限食ではほとんどないと言えます。
長くなりましたので
#1に関しては、明日の記事にします。
江部康二
【12/07/26 加藤浩樹
7/26読売新聞医療ルネサンス
この件とは関係ありませんが、本日の医療ルネサンス、糖質制限で死亡率、脳卒中や心筋梗塞のリスクが上がったとする長期の追跡調査もある、 というのは以前の先生のブログにもあった、信用の置けない記事のことでよろしいでしょうか?
この医療ルネサンスの内容を見ると明らかに『糖質制限は辞めた方がよい』という誤解を生じると思います。】
2012年7月26日の読売新聞・医療ルネサンスに糖質制限食に賛否両論という記事が載り、加藤浩樹さんから、コメントをいただきました.
加藤さん、情報をありがとうございます。
ルネサンスの記事ですが、最初に糖質制限食でHbA1cが、8.3%→5.8%に下がった、東京・新橋の糖質制限食専門の中華料理店「梅花」の経営者の梅橋さんの成功体験が紹介されています。
ここまではいいのですが、そのあと、
#1 ケトン体が増えすぎる危険な状態に陥った報告がある。
#2 死亡率、脳卒中や心筋梗塞の危険性が高まったという長期の追跡調査がある。
という文章が記載されていて、糖質制限食を実践している人には不安を与える内容です。
#2に関しては、加藤さんが指摘された「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル」論文のことと考えられます。
2012年7月13日 (金)の本ブログ記事
「低糖質・高蛋白質で心血管イベントが上昇!?という論文へ専門家の批判」
2012年7月3日(火)の本ブログ記事
「低糖質・高蛋白質摂取で心血管イベントが上昇!?という論文を検討」
で述べましたように、大変信頼度の低い論文です。
・食事の調査を最初の一度しかしていないまま15年間追跡。
・調査方法が「自己申告」である。正しく申告されないケースが多々あることは分かりきっている。
・質問事項が、食べた食物の項目で答えるタイプで、炭水化物(糖質)量など各栄養素の算出方法が明確でない。
・塩分摂取量での調節がなされていない。
・心臓病リスクとなりうる他の要因(投薬・塩分摂取・喫煙・肥満など)について触れていない。
・挙げられている証拠が、結論を支持していない。
・主張されている相関関係がごく小さい。
・スコアリングシステムが間違っている。
このように「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル」の公式サイトに、この論文に対する各国の専門家からの批判が相次いでいます。
ここまで批判意見ばかりで、賛成意見がない論文はさすがに珍しいと思います。
それぐらい信頼度が低いので、本来「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル」には載せてはいけない、低レベルの論文と言えます。
#2に関しては、2012年07月19日 (木) の本ブログ記事
「糖尿病食事療法の短期効果と長期安全性、シンプルだけどこわい話②」
もご参照ください。
食後高血糖と血糖変動幅に対する短期的効果が、壊滅的に悪い「カロリー制限食」の長期的効果が良くなる可能性は、理論上あり得ないということです。
食後高血糖と血糖変動幅に対する短期的効果は「糖質制限食」なら、著明な改善があります。少なくとも高血糖による長期的動脈硬化のリスクに関しては糖質制限食ではほとんどないと言えます。
長くなりましたので
#1に関しては、明日の記事にします。
江部康二
【12/07/26 加藤浩樹
7/26読売新聞医療ルネサンス
この件とは関係ありませんが、本日の医療ルネサンス、糖質制限で死亡率、脳卒中や心筋梗塞のリスクが上がったとする長期の追跡調査もある、 というのは以前の先生のブログにもあった、信用の置けない記事のことでよろしいでしょうか?
この医療ルネサンスの内容を見ると明らかに『糖質制限は辞めた方がよい』という誤解を生じると思います。】
2012年07月25日 (水)
こんばんは。
精神科医Aさんから、興味深い記事の情報をコメントいただきました。
精神科医Aさん、いつもありがとうございます。
さて「うどん県」香川ですが、糖尿病で医療機関を利用する割合は全国一であり、県民1人当たりの野菜の摂取量が女性は全国最下位、男性はワースト2位です。
そこで、県が対策に乗り出すのですが、健康福祉部の西原医師は
「小麦(うどん)に糖質が多く含まれる上、早食いが血糖値の急上昇につながる。」
と指摘しておられるので、糖質と血糖値上昇の関係はご存知なのですね。
そして、
「野菜をうどんと一緒に食べれば糖質の吸収が緩やかになる。」
ということで、県は「本場さぬきうどん協同組合」と連携して「讃岐野菜うどん」「サラダうどん」などを提案しておられます。
うーむ!残念! ( ̄_ ̄|||)
「うどん+いなり寿司・巻きずし」+「野菜」
この糖質摂取量、野菜くらいでは、はっきり言って焼け石に水です。 (*_*)
この作戦では、糖尿病患者の発症は、ほとんと防げないでしょう。
「血糖値を上げるのは糖質だけで、タンパク質・脂質は上げない」
この生理学的事実は明快で、論争の余地などありません。
糖尿病発症の本質である「糖質の頻回・過剰摂取」そのものを何とかしない限り、残念ながら「うどん県」は「No.1糖尿病県」のレッテルから逃れることは困難でしょう。
うどんをとるか、糖尿病脱却を目指すのか、香川県民にとってつらい選択ですね。
江部康二
【12/07/24 精神科医師A
野菜食べない「うどん県」
www.nikkei.com/article/DGXNASFK2100J_R20C12A7000000/
野菜食べない「うどん県」 香川、食生活改善へ対策
日本経済新聞2012/7/21 18:24
「うどん県」で話題の香川県は、県民1人当たりの野菜の摂取量が女性は全国最下位、男性はワースト2位という不名誉な記録を持つ。糖尿病で医療機関を利用する割合は全国一だ。県は食生活に対する意識を変えようと、うどん文化にメスを入れる覚悟で対策に乗り出した。
2011年の県民健康栄養調査によると、男性の4割、女性の3割が週2回以上うどんを食べる。さっとかき込むのが流儀で、県健康福祉部の西原修造(にしはら・しゅうぞう)医師は「小麦に糖質が多く含まれる上、早食いが血糖値の急上昇につながる」と指摘する。定番の副菜、いなり寿司や巻き寿司も糖質をプラスしてしまう。
県は糖質の吸収を緩やかにする野菜をうどんと一緒に取るよう呼び掛けている。「野菜もいっぱい食べて元気なうどん県民に!」と呼び掛けるパンフレットや、野菜の小鉢などを置いている「ヘルシーうどん店」のマップを配布して意識改革を促す。
うどん業界側も新たな顧客開拓のチャンスと捉え協力的。8月には県と「本場さぬきうどん協同組合」が連携して、トマトやキュウリをトッピングしたうどんを無料で配り「さぬき野菜うどん」としてアピールするイベントを高松市内で開く。
日持ちしない生野菜はコストが高く、小鉢を作るにも手間がかかるため店側の負担は大きいが、組合の大峯茂樹(おおみね・しげき)理事長は「県の人口は減り続け、お客さんは増えていない。うどん業界も新しいことに挑戦して変わらないといけない」と前向きだ。
高松市のうどん店「のぶや」では、女性客を増やす狙いもあって、4月から生野菜やチャーシューなどをトッピングした「サラダうどん」をメニューに加えた。「主婦からサラリーマンまで、男女問わず人気です」と、店主の延直晃(のぶ・なおあき)さん(57)は自信を見せる。
糖尿病の予防には、子どものころから正しい食習慣を身に付けることも欠かせない。県は、小中学生の血液検査を実施する市町に対し、費用の半額を補助する事業を12年度から始めた。現状を把握し、保護者に危機感を持たせて一緒に健康対策を考えてもらうためだ。
「うどんは私たちの『三つ子の魂』」「うどんは決して悪者ではない」と県やうどん業界の関係者。うどんを悪者にせず、上手に付き合うための取り組みが広がっている。】
精神科医Aさんから、興味深い記事の情報をコメントいただきました。
精神科医Aさん、いつもありがとうございます。
さて「うどん県」香川ですが、糖尿病で医療機関を利用する割合は全国一であり、県民1人当たりの野菜の摂取量が女性は全国最下位、男性はワースト2位です。
そこで、県が対策に乗り出すのですが、健康福祉部の西原医師は
「小麦(うどん)に糖質が多く含まれる上、早食いが血糖値の急上昇につながる。」
と指摘しておられるので、糖質と血糖値上昇の関係はご存知なのですね。
そして、
「野菜をうどんと一緒に食べれば糖質の吸収が緩やかになる。」
ということで、県は「本場さぬきうどん協同組合」と連携して「讃岐野菜うどん」「サラダうどん」などを提案しておられます。
うーむ!残念! ( ̄_ ̄|||)
「うどん+いなり寿司・巻きずし」+「野菜」
この糖質摂取量、野菜くらいでは、はっきり言って焼け石に水です。 (*_*)
この作戦では、糖尿病患者の発症は、ほとんと防げないでしょう。
「血糖値を上げるのは糖質だけで、タンパク質・脂質は上げない」
この生理学的事実は明快で、論争の余地などありません。
糖尿病発症の本質である「糖質の頻回・過剰摂取」そのものを何とかしない限り、残念ながら「うどん県」は「No.1糖尿病県」のレッテルから逃れることは困難でしょう。
うどんをとるか、糖尿病脱却を目指すのか、香川県民にとってつらい選択ですね。
江部康二
【12/07/24 精神科医師A
野菜食べない「うどん県」
www.nikkei.com/article/DGXNASFK2100J_R20C12A7000000/
野菜食べない「うどん県」 香川、食生活改善へ対策
日本経済新聞2012/7/21 18:24
「うどん県」で話題の香川県は、県民1人当たりの野菜の摂取量が女性は全国最下位、男性はワースト2位という不名誉な記録を持つ。糖尿病で医療機関を利用する割合は全国一だ。県は食生活に対する意識を変えようと、うどん文化にメスを入れる覚悟で対策に乗り出した。
2011年の県民健康栄養調査によると、男性の4割、女性の3割が週2回以上うどんを食べる。さっとかき込むのが流儀で、県健康福祉部の西原修造(にしはら・しゅうぞう)医師は「小麦に糖質が多く含まれる上、早食いが血糖値の急上昇につながる」と指摘する。定番の副菜、いなり寿司や巻き寿司も糖質をプラスしてしまう。
県は糖質の吸収を緩やかにする野菜をうどんと一緒に取るよう呼び掛けている。「野菜もいっぱい食べて元気なうどん県民に!」と呼び掛けるパンフレットや、野菜の小鉢などを置いている「ヘルシーうどん店」のマップを配布して意識改革を促す。
うどん業界側も新たな顧客開拓のチャンスと捉え協力的。8月には県と「本場さぬきうどん協同組合」が連携して、トマトやキュウリをトッピングしたうどんを無料で配り「さぬき野菜うどん」としてアピールするイベントを高松市内で開く。
日持ちしない生野菜はコストが高く、小鉢を作るにも手間がかかるため店側の負担は大きいが、組合の大峯茂樹(おおみね・しげき)理事長は「県の人口は減り続け、お客さんは増えていない。うどん業界も新しいことに挑戦して変わらないといけない」と前向きだ。
高松市のうどん店「のぶや」では、女性客を増やす狙いもあって、4月から生野菜やチャーシューなどをトッピングした「サラダうどん」をメニューに加えた。「主婦からサラリーマンまで、男女問わず人気です」と、店主の延直晃(のぶ・なおあき)さん(57)は自信を見せる。
糖尿病の予防には、子どものころから正しい食習慣を身に付けることも欠かせない。県は、小中学生の血液検査を実施する市町に対し、費用の半額を補助する事業を12年度から始めた。現状を把握し、保護者に危機感を持たせて一緒に健康対策を考えてもらうためだ。
「うどんは私たちの『三つ子の魂』」「うどんは決して悪者ではない」と県やうどん業界の関係者。うどんを悪者にせず、上手に付き合うための取り組みが広がっている。】
2012年07月25日 (水)
おはようございます。
新人さんから、糖質制限食で血糖値・HbA1c・脂肪肝が改善という嬉しいコメントをいただきました。
2011年9月(入院時) 2012年7月
・総ビリルビン 0.9 1.0
・AST 126 15
・ALT 207 16
・γ-GTP 341 22
・LDH 335 178
ヘモグロビンa1c 11,3 4.9(NGSP 5.2)
・空腹時血糖値 80~94
【脂質関連】 2011年9月(入院時) 2012年7月
・中性脂肪 525 54
・総コレステロール 316 209
・HDL 37.8 60.2
・LDL 205 134
・体重 117kg 84kg
新人さん。
糖尿病も脂肪肝も驚異的な改善ですね。
良かったです。(^_^)
体重が減って、インスリン抵抗性が改善されてますので、耐糖能はかなり良くなっていると思います。
薬の内服もなしですので、糖尿病に関しても現在のデータなら正常人ですね。
中性脂肪が劇的に減少して、HDL-コレステロールが約60%も増加していて素晴らしいです。どんなお薬も、HDL-コレステロールをこれほど増やすことはあり得ません。
肝炎ということでしたが、肝硬変はなかったのだと思います。
また、ウィルス性肝炎は、さすがに糖質制限食でも、ウィルスを消滅させることはできないので、新人さんの肝機能障害の大部分が、脂肪肝であった可能性が高いと思います。脂肪肝なら糖質制限食で速やかに改善します。
実は脂肪肝そのものが、糖質の頻回・過剰摂取によるインスリンの頻回・過剰分泌により生成される可能性が高いと私は考えています。
脂肪肝はかつては、放置してもさしたることはないと言われていましたが、近年、「NASH」が認識されるようになり、様相が一変しました。
非アルコール性脂肪性肝炎(Non-alcoholic steatohepatitis)を略してNASHです。
NASHは、肝炎から肝硬変や肝臓癌に進展することもあり、結構こわいのです。
肝臓に脂肪が蓄積→脂肪肝→非アルコール性脂肪性肝炎→肝硬変→肝癌
B型ウィルスやC型ウィルス以外に、NASHからも肝癌になり得るので、ゆめゆめ油断は禁物なのです。
新人さん、、血糖・脂質、脂肪肝が全て正常化していますので、動脈硬化のリスクや肝ガンのリスクは、ほぼ消失です。
これからも美味しく楽しく糖質制限食をお続けくださいね。
江部康二
【12/07/24 新人
江部先生、ご無沙汰しております。
去年のほぼ今頃、肝硬変や慢性肝炎で糖質制限が可能か質問させていただいた新人です。
発覚から1年がもうすぐ経過し、その間糖質制限を継続して、当初は
2011年9月(入院時) 現在
・総ビリルビン 0.9 1.0
・AST 126 15
・ALT 207 16
・γ-GTP 341 22
・LDH 335 178
ヘモグロビンa1c 11,3 4.9(NGSP 5.2)
と肝臓を気にしていましたが無事に改善し、体重も117kgから84kgまでこの1年ほどで改善し、コレステロール関連も
【脂質関連】
・中性脂肪 525 54
・総コレステロール 316 209
・HDL 37.8 60.2
・LDL 205 134
とだいぶ改善してきました。
今のところ検査で基準を超えているものはfeがほんの少しオーバーしているだけでそれ以外は基準値内に納まるようになってきて、早朝血糖も80~90前半、食後2時間も100を越えることはほぼなく、少々糖質を摂取したり外食でも主食物を抜くだけで110を超えることはほぼなくなりました。
担当の先生も当初は反対していたとは思えないほど、何食べてるの? 運動はどれくらい? など態度がすっかり変わって体重さえ増やさなければ良いよと認めてくださるまでになりました。
4,5ヶ月目ほどは体質が変わっていく変化なのかは良く分かりませんが、ちょっと抜け毛が増えたりしましたが、それもなくなり、今年はエアコンがなくとも30度越えや熱帯夜でも扇風機で十分涼しく、クーラーの28度が寒いくらいに感じられるので、自分自身にも驚きですが何より周囲や久しぶりに合う友人や親戚が驚く様子が楽しく、ストレスもこの1年感じることはほぼ無かったのでこの生活がよく合っていたのかな、と実感しています。
まだ1年なので、これからが大事になると思いますが、早い段階で先生の著書やブログで情報を知ることが出来て本当に助かりました。
これからもあまり油断しすぎず、楽しく糖質制限を続けさせていただきます。】
新人さんから、糖質制限食で血糖値・HbA1c・脂肪肝が改善という嬉しいコメントをいただきました。
2011年9月(入院時) 2012年7月
・総ビリルビン 0.9 1.0
・AST 126 15
・ALT 207 16
・γ-GTP 341 22
・LDH 335 178
ヘモグロビンa1c 11,3 4.9(NGSP 5.2)
・空腹時血糖値 80~94
【脂質関連】 2011年9月(入院時) 2012年7月
・中性脂肪 525 54
・総コレステロール 316 209
・HDL 37.8 60.2
・LDL 205 134
・体重 117kg 84kg
新人さん。
糖尿病も脂肪肝も驚異的な改善ですね。
良かったです。(^_^)
体重が減って、インスリン抵抗性が改善されてますので、耐糖能はかなり良くなっていると思います。
薬の内服もなしですので、糖尿病に関しても現在のデータなら正常人ですね。
中性脂肪が劇的に減少して、HDL-コレステロールが約60%も増加していて素晴らしいです。どんなお薬も、HDL-コレステロールをこれほど増やすことはあり得ません。
肝炎ということでしたが、肝硬変はなかったのだと思います。
また、ウィルス性肝炎は、さすがに糖質制限食でも、ウィルスを消滅させることはできないので、新人さんの肝機能障害の大部分が、脂肪肝であった可能性が高いと思います。脂肪肝なら糖質制限食で速やかに改善します。
実は脂肪肝そのものが、糖質の頻回・過剰摂取によるインスリンの頻回・過剰分泌により生成される可能性が高いと私は考えています。
脂肪肝はかつては、放置してもさしたることはないと言われていましたが、近年、「NASH」が認識されるようになり、様相が一変しました。
非アルコール性脂肪性肝炎(Non-alcoholic steatohepatitis)を略してNASHです。
NASHは、肝炎から肝硬変や肝臓癌に進展することもあり、結構こわいのです。
肝臓に脂肪が蓄積→脂肪肝→非アルコール性脂肪性肝炎→肝硬変→肝癌
B型ウィルスやC型ウィルス以外に、NASHからも肝癌になり得るので、ゆめゆめ油断は禁物なのです。
新人さん、、血糖・脂質、脂肪肝が全て正常化していますので、動脈硬化のリスクや肝ガンのリスクは、ほぼ消失です。
これからも美味しく楽しく糖質制限食をお続けくださいね。
江部康二
【12/07/24 新人
江部先生、ご無沙汰しております。
去年のほぼ今頃、肝硬変や慢性肝炎で糖質制限が可能か質問させていただいた新人です。
発覚から1年がもうすぐ経過し、その間糖質制限を継続して、当初は
2011年9月(入院時) 現在
・総ビリルビン 0.9 1.0
・AST 126 15
・ALT 207 16
・γ-GTP 341 22
・LDH 335 178
ヘモグロビンa1c 11,3 4.9(NGSP 5.2)
と肝臓を気にしていましたが無事に改善し、体重も117kgから84kgまでこの1年ほどで改善し、コレステロール関連も
【脂質関連】
・中性脂肪 525 54
・総コレステロール 316 209
・HDL 37.8 60.2
・LDL 205 134
とだいぶ改善してきました。
今のところ検査で基準を超えているものはfeがほんの少しオーバーしているだけでそれ以外は基準値内に納まるようになってきて、早朝血糖も80~90前半、食後2時間も100を越えることはほぼなく、少々糖質を摂取したり外食でも主食物を抜くだけで110を超えることはほぼなくなりました。
担当の先生も当初は反対していたとは思えないほど、何食べてるの? 運動はどれくらい? など態度がすっかり変わって体重さえ増やさなければ良いよと認めてくださるまでになりました。
4,5ヶ月目ほどは体質が変わっていく変化なのかは良く分かりませんが、ちょっと抜け毛が増えたりしましたが、それもなくなり、今年はエアコンがなくとも30度越えや熱帯夜でも扇風機で十分涼しく、クーラーの28度が寒いくらいに感じられるので、自分自身にも驚きですが何より周囲や久しぶりに合う友人や親戚が驚く様子が楽しく、ストレスもこの1年感じることはほぼ無かったのでこの生活がよく合っていたのかな、と実感しています。
まだ1年なので、これからが大事になると思いますが、早い段階で先生の著書やブログで情報を知ることが出来て本当に助かりました。
これからもあまり油断しすぎず、楽しく糖質制限を続けさせていただきます。】
2012年07月24日 (火)
おはようございます。
今年は、病院や医師会からの糖質制限食講演依頼が増えています。
6月30日(土)の札幌市医師会西区支部糖尿病勉強会での講演では、通常20名くらいの会に80名参加者があり、糖尿病専門医も数名おられました。
その中のお一人が、
「3年前にも呼びたかったのですが、企画が没にされて、今回やっと実現しました。」
と仰ってました。
医学界でも明らかに糖質制限食に追い風が吹き始めています。(^^)
以下、2012年度前半・中盤の、医師・医療関係者向け講演会です。
1月15日(日)第15回日本病態栄養学会年次学術総会発表、京都国際会館
2月5日(日)中野サンプラザ、医療関係者向け「リボーン糖質制限食セミナー」
2月16日(木)呉市、第51回中部防衛衛生学会・特別講演・糖質制限食。
5月20日(日)メルパルク京都、医療関係者向け「リボーン糖質制限食セミナー」
6月30日(土)札幌市医師会西区支部糖尿病勉強会・糖質制限食講演
7月14日(土)湘南脳卒中治療研究会・大磯セミナー・糖質制限食講演。
8月23日(木)藤枝市医師会・糖質制限食講演会。
8月30日(木)三原市・興生総合病院循環器科主催・糖質制限食講演。
8月31日(金)三島市・糖尿病専門医の会にて糖質制限食の講演。
などなど、2011年度に比べてかなり増えていて、嬉しい限りです。
9月以降も、医師・医療関係者向け講演会が続きます。
糖質制限食の医学界への着実な浸透と共に、批判派も蠢きはじめましたが、賛成派の医師も増えて発言力も増しているのは心強いです。
医学界においても、確実に、ホップ・ステップ・ジャンプの段階と感じます。(^_^)
江部康二
今年は、病院や医師会からの糖質制限食講演依頼が増えています。
6月30日(土)の札幌市医師会西区支部糖尿病勉強会での講演では、通常20名くらいの会に80名参加者があり、糖尿病専門医も数名おられました。
その中のお一人が、
「3年前にも呼びたかったのですが、企画が没にされて、今回やっと実現しました。」
と仰ってました。
医学界でも明らかに糖質制限食に追い風が吹き始めています。(^^)
以下、2012年度前半・中盤の、医師・医療関係者向け講演会です。
1月15日(日)第15回日本病態栄養学会年次学術総会発表、京都国際会館
2月5日(日)中野サンプラザ、医療関係者向け「リボーン糖質制限食セミナー」
2月16日(木)呉市、第51回中部防衛衛生学会・特別講演・糖質制限食。
5月20日(日)メルパルク京都、医療関係者向け「リボーン糖質制限食セミナー」
6月30日(土)札幌市医師会西区支部糖尿病勉強会・糖質制限食講演
7月14日(土)湘南脳卒中治療研究会・大磯セミナー・糖質制限食講演。
8月23日(木)藤枝市医師会・糖質制限食講演会。
8月30日(木)三原市・興生総合病院循環器科主催・糖質制限食講演。
8月31日(金)三島市・糖尿病専門医の会にて糖質制限食の講演。
などなど、2011年度に比べてかなり増えていて、嬉しい限りです。
9月以降も、医師・医療関係者向け講演会が続きます。
糖質制限食の医学界への着実な浸透と共に、批判派も蠢きはじめましたが、賛成派の医師も増えて発言力も増しているのは心強いです。
医学界においても、確実に、ホップ・ステップ・ジャンプの段階と感じます。(^_^)
江部康二
2012年07月23日 (月)
おはようございます。
岐阜ハートセンター、「ハートの日」講演会のご案内です。
私は、2009年と2010年の「ハートの日:8月10日」にお招きいただいて糖質制限食のお話をしました。
2011年は豊橋ハートセンターにお招きいただいて、「ハートの日」8月10日に、糖質制限食のお話をしました。
今回2012年度の「ハートの日」は、岐阜ハートセンターにて、3度目の一般向けの糖質制限食のお話です。
このように循環器専門医の方々と、糖質制限食関連の交流があるのは、嬉しいことです。
私の出番は、
19:00〜20:00(サマランカホール)
ハート講演会「糖質制限食によるメタボリックシンドロームの解決」
講師:江部康二
20:00〜20:30(サマランカホール)
ハート座談会「メタボリックシンドロームへの挑戦」
石井 直方 先生、江部 康二 、上野 勝己先生
です。
その他、14:00~20:30までいろんな企画がある楽しいイベントです。
参加費は無料ですので、岐阜の糖尿人、メタボ人の方々ふるってご参加くださいね。
江部康二
以下、岐阜ハートセンターのホームページより
「第4回 ハートの日」の御案内
http://gifu.heart-center.or.jp/event/index.html
お問い合わせは 058-277-2277
2012年8月10日は、第4回ハートイベント「ハートの日」が開催されます。
場所は、ふれあい福寿会館 サラマンカホールと301会議室、302会議室です。
I:健康イベント
14:00〜17:00(301又は302会議室)
栄養教室「美味しく楽しくダイエット」
岐阜ハートセンター 管理栄養士 佐藤 歩実
14:00〜17:00(301又は302会議室)
運動教室「スロートレーニングの実際」
東京大学 大学院 総合文化研究科 生命環境科学系 藤 麻衣子 先生
II:ハートコンサート
17:10〜17:40(サラマンカホール)
ヴァイオリンとピアノのコンサート 「ハートときめき♡クラシック」
ヴァイオリン:藤城 朋子さん /ピアノ:杉浦 道子さん
III:ハート講演会
18:00〜19:00(サマランカホール)
ハート講演会「メタボリックシンドローム予防のためのスロートレーニング」
東京大学大学院総合文化研究科 生命環境科学科 教授 石井 直方 先生
座長 岐阜ハートセンター 本江 純子
19:00〜20:00(サマランカホール)
ハート講演会「糖質制限食によるメタボリックシンドロームの解決」
高雄病院 理事長 江部 康二 先生
座長 岐阜ハートセンター 上野 勝己
20:00〜20:30(サマランカホール)
ハート座談会「メタボリックシンドロームへの挑戦」
石井 直方 先生、江部 康二 先生、上野 勝己
岐阜ハートセンター、「ハートの日」講演会のご案内です。
私は、2009年と2010年の「ハートの日:8月10日」にお招きいただいて糖質制限食のお話をしました。
2011年は豊橋ハートセンターにお招きいただいて、「ハートの日」8月10日に、糖質制限食のお話をしました。
今回2012年度の「ハートの日」は、岐阜ハートセンターにて、3度目の一般向けの糖質制限食のお話です。
このように循環器専門医の方々と、糖質制限食関連の交流があるのは、嬉しいことです。
私の出番は、
19:00〜20:00(サマランカホール)
ハート講演会「糖質制限食によるメタボリックシンドロームの解決」
講師:江部康二
20:00〜20:30(サマランカホール)
ハート座談会「メタボリックシンドロームへの挑戦」
石井 直方 先生、江部 康二 、上野 勝己先生
です。
その他、14:00~20:30までいろんな企画がある楽しいイベントです。
参加費は無料ですので、岐阜の糖尿人、メタボ人の方々ふるってご参加くださいね。
江部康二
以下、岐阜ハートセンターのホームページより
「第4回 ハートの日」の御案内
http://gifu.heart-center.or.jp/event/index.html
お問い合わせは 058-277-2277
2012年8月10日は、第4回ハートイベント「ハートの日」が開催されます。
場所は、ふれあい福寿会館 サラマンカホールと301会議室、302会議室です。
I:健康イベント
14:00〜17:00(301又は302会議室)
栄養教室「美味しく楽しくダイエット」
岐阜ハートセンター 管理栄養士 佐藤 歩実
14:00〜17:00(301又は302会議室)
運動教室「スロートレーニングの実際」
東京大学 大学院 総合文化研究科 生命環境科学系 藤 麻衣子 先生
II:ハートコンサート
17:10〜17:40(サラマンカホール)
ヴァイオリンとピアノのコンサート 「ハートときめき♡クラシック」
ヴァイオリン:藤城 朋子さん /ピアノ:杉浦 道子さん
III:ハート講演会
18:00〜19:00(サマランカホール)
ハート講演会「メタボリックシンドローム予防のためのスロートレーニング」
東京大学大学院総合文化研究科 生命環境科学科 教授 石井 直方 先生
座長 岐阜ハートセンター 本江 純子
19:00〜20:00(サマランカホール)
ハート講演会「糖質制限食によるメタボリックシンドロームの解決」
高雄病院 理事長 江部 康二 先生
座長 岐阜ハートセンター 上野 勝己
20:00〜20:30(サマランカホール)
ハート座談会「メタボリックシンドロームへの挑戦」
石井 直方 先生、江部 康二 先生、上野 勝己
2012年07月22日 (日)
こんにちは。
shin さんから、糖質制限食で血糖降下剤が不要になったとの嬉しいコメントをいただきました。
【12/07/20 shin
血糖降下剤は不要に!
6月16日にコメントさせていただいたshinです。
それでまで「ゆるゆる糖質制限?」一か月半で、HbA1c6.8(JDS)から6.1までになりましたが、その後、家庭の食事はスーパー糖質制限実施しましたら、お蔭様で一か月でなんとHbA1c5.5(JDS)になりました!
食後血糖値も100前後です。6月中旬に半分に減らしていた血糖降下剤は7月初旬で完全に止めることができました!(ご飯150gを勧める主治医には糖質制限をしていると伝えてないのですが・・・)
先生が本で書いておられた『膵臓にこれ以上負担をかけないようにすべき』ことがこんなに早く実現できて、効果の大きさ、速さに、嬉しい限りです。
主人は近頃はご飯は食べたいと思わなくなったと申していますが、それには理由があるのです。ある日、主人は朝食にうっかり白米50gを食べてしまったのですが、その時の食後血糖値は197でした。ほんの一口50gで、こんなにも血糖を上げることに本人も驚きのようでした。
実はスーパーを始めるまで食後血糖値は計測したことがありませんでした。
この結果から思うと、ご飯を150g食べていころの食後血糖値はどんなにか高かったろうかと、ぞっといたします。知らないとは本当に怖いことですね。
近頃は作る側の私も糖質を避けた食事を考えるのに慣れてきました。
糖質さえ避ければ→すぐに大きな効果が付いていくる!!!のですから。
これは、患者にとっても支える家族にとっても大きな励みです。
血糖値を気にしている知人には、糖質制限効果の話をしますが、先ずは『われら糖尿人・・』『主食を抜けば…』を読んでみて!って薦めています。読めば、心底納得できますから。
TBSの「報道特集」での糖質制限食の特集を楽しみにしています。】
shin さん。
素晴らしい改善ですね。
内服薬離脱も良かったです。
診断時 HbA1c:6.8%(JDS)
糖質制限食1ヶ月半、 6.1%(JDS)
糖質制限食2ヶ月半、 5.5%(JDS)
HbA1c:5.5%(JDS)なら、コントロール良好を超えて、コントロール優秀です。
「食後血糖値も100前後です。6月中旬に半分に減らしていた血糖降下剤は7月初旬で完全に止めることができました!」
薬をやめることができたのも大変よいことです。
SU剤を長期に内服した場合、二次無効といい、薬が効かなくなり、β細胞も疲弊したり、傷害されたりする可能性がありえますので、薬なしはおめでとうございます。
「ある日、主人は朝食にうっかり白米50gを食べてしまったのですが、その時の食後血糖値は197でした。ほんの一口50gで、こんなにも血糖を上げることに本人も驚きのようでした。」
簡易血糖自己測定器(SMBG)を持っておられるのですね。
血糖自己測定により、糖質だけが血糖値を上げることが家庭でもすぐにわかります。
ご指摘どおり、糖質制限食継続のモチベーションの高まりには、SMBGがとても役に立ちますね。
糖質制限食普及活動もありがとうございます。
これからも美味しく楽しく糖質制限食をお続けくださいね。
江部康二
shin さんから、糖質制限食で血糖降下剤が不要になったとの嬉しいコメントをいただきました。
【12/07/20 shin
血糖降下剤は不要に!
6月16日にコメントさせていただいたshinです。
それでまで「ゆるゆる糖質制限?」一か月半で、HbA1c6.8(JDS)から6.1までになりましたが、その後、家庭の食事はスーパー糖質制限実施しましたら、お蔭様で一か月でなんとHbA1c5.5(JDS)になりました!
食後血糖値も100前後です。6月中旬に半分に減らしていた血糖降下剤は7月初旬で完全に止めることができました!(ご飯150gを勧める主治医には糖質制限をしていると伝えてないのですが・・・)
先生が本で書いておられた『膵臓にこれ以上負担をかけないようにすべき』ことがこんなに早く実現できて、効果の大きさ、速さに、嬉しい限りです。
主人は近頃はご飯は食べたいと思わなくなったと申していますが、それには理由があるのです。ある日、主人は朝食にうっかり白米50gを食べてしまったのですが、その時の食後血糖値は197でした。ほんの一口50gで、こんなにも血糖を上げることに本人も驚きのようでした。
実はスーパーを始めるまで食後血糖値は計測したことがありませんでした。
この結果から思うと、ご飯を150g食べていころの食後血糖値はどんなにか高かったろうかと、ぞっといたします。知らないとは本当に怖いことですね。
近頃は作る側の私も糖質を避けた食事を考えるのに慣れてきました。
糖質さえ避ければ→すぐに大きな効果が付いていくる!!!のですから。
これは、患者にとっても支える家族にとっても大きな励みです。
血糖値を気にしている知人には、糖質制限効果の話をしますが、先ずは『われら糖尿人・・』『主食を抜けば…』を読んでみて!って薦めています。読めば、心底納得できますから。
TBSの「報道特集」での糖質制限食の特集を楽しみにしています。】
shin さん。
素晴らしい改善ですね。
内服薬離脱も良かったです。
診断時 HbA1c:6.8%(JDS)
糖質制限食1ヶ月半、 6.1%(JDS)
糖質制限食2ヶ月半、 5.5%(JDS)
HbA1c:5.5%(JDS)なら、コントロール良好を超えて、コントロール優秀です。
「食後血糖値も100前後です。6月中旬に半分に減らしていた血糖降下剤は7月初旬で完全に止めることができました!」
薬をやめることができたのも大変よいことです。
SU剤を長期に内服した場合、二次無効といい、薬が効かなくなり、β細胞も疲弊したり、傷害されたりする可能性がありえますので、薬なしはおめでとうございます。
「ある日、主人は朝食にうっかり白米50gを食べてしまったのですが、その時の食後血糖値は197でした。ほんの一口50gで、こんなにも血糖を上げることに本人も驚きのようでした。」
簡易血糖自己測定器(SMBG)を持っておられるのですね。
血糖自己測定により、糖質だけが血糖値を上げることが家庭でもすぐにわかります。
ご指摘どおり、糖質制限食継続のモチベーションの高まりには、SMBGがとても役に立ちますね。
糖質制限食普及活動もありがとうございます。
これからも美味しく楽しく糖質制限食をお続けくださいね。
江部康二
2012年07月21日 (土)
こんにちは。
Rumonice さんから、「糖質制限食で血糖値・HbA1c改善、体重減少」という嬉しいコメントをいただきました。
【12/07/20 Rumonice
上々の結果でした
今年4月の人間ドックで、空腹時血糖値177
HbA1c7.7、「糖尿病、要治療」と指摘されました。
自宅近くの医院に行くと、私の顔も見ずに、「はい、1日1400キロカロリーにしてね。2週間後にブドウ糖負荷試験をするから来てね」とだけ事務的に言って診察は1分で終了。
なんだか腑に落ちず、その足で書店に行き、江部先生の本を3冊購入。
4月10日からスーパー糖質制限食を始めました。
その後、近所の医院へは行く気になれず、自分で血糖値を測り始め、東京の糖質制限を薦めるクリニックへ。
そして5月1日
HbA1c6.8%、血糖値78
6月13日
6.0%、95
7月19日
5.4%,97
と大幅に改善。
昨日は上々の結果で小躍りしてしまいました。
コナモノ大好き、お菓子大好きの私でも、美味しく楽しく糖質制限ができています。
自分でふすまパンを作ったり、大豆粉でケーキを焼いたりして楽しんでいます。
ダイエット効果もありました。
160㎝で56.3キロから51キロへ。
糖質をたくさんとっていたころは、昼食後に眠くて仕方ありませんでしたが、今は昼休み後の仕事もはかどります。肌の調子も良い感じです。
体調全般が格段に良くなった気がします。
毎日江部先生のご本やブログに励まされています。
昨日のクリニックの診察では「糖質制限を早く始めたので、大成功ですね」とほめていただきました。いくつになってもほめられるのは嬉しいものですね。
あのまま近所の医院に行ってカロリー制限をしていたら…と思うとゾッとします。
本当にありがとうございました。】
Rumonice さん。
拙著のご購入、コメントありがとうございました。
空腹時血糖値 HbA1c
2012年4月 177mg 7.7%
5月1日 78 6.8
6月13日 95 6.0
7月19日 97 5.4
スーパー糖質制限食で、素晴らしい改善ですね。
主治医を替えられたのも、賢明な選択と思います。
人間ドックで、空腹時血糖値177、HbA1c7.7、「糖尿病、要治療」と診断がついている人に、75g経口ブドウ糖負荷試験を実施する必要はありません。
最初の医師の対応は、1分診療も含めて、如何なものかと思います。
体重減少して、食後の眠気も改善しても良かったです。
2番目の、糖質制限OKの主治医の対応も、とても好ましいですね。
私も診療場面では、できるだけ患者さんを誉めるように心がけています。
Rumonice さんのケースは、スーパー糖質制限食で、データが改善したり症状が良くなっていく典型的なパターンです。
ブログ読者の皆さんの参考になると思います。
ありがとうございした。
江部康二
Rumonice さんから、「糖質制限食で血糖値・HbA1c改善、体重減少」という嬉しいコメントをいただきました。
【12/07/20 Rumonice
上々の結果でした
今年4月の人間ドックで、空腹時血糖値177
HbA1c7.7、「糖尿病、要治療」と指摘されました。
自宅近くの医院に行くと、私の顔も見ずに、「はい、1日1400キロカロリーにしてね。2週間後にブドウ糖負荷試験をするから来てね」とだけ事務的に言って診察は1分で終了。
なんだか腑に落ちず、その足で書店に行き、江部先生の本を3冊購入。
4月10日からスーパー糖質制限食を始めました。
その後、近所の医院へは行く気になれず、自分で血糖値を測り始め、東京の糖質制限を薦めるクリニックへ。
そして5月1日
HbA1c6.8%、血糖値78
6月13日
6.0%、95
7月19日
5.4%,97
と大幅に改善。
昨日は上々の結果で小躍りしてしまいました。
コナモノ大好き、お菓子大好きの私でも、美味しく楽しく糖質制限ができています。
自分でふすまパンを作ったり、大豆粉でケーキを焼いたりして楽しんでいます。
ダイエット効果もありました。
160㎝で56.3キロから51キロへ。
糖質をたくさんとっていたころは、昼食後に眠くて仕方ありませんでしたが、今は昼休み後の仕事もはかどります。肌の調子も良い感じです。
体調全般が格段に良くなった気がします。
毎日江部先生のご本やブログに励まされています。
昨日のクリニックの診察では「糖質制限を早く始めたので、大成功ですね」とほめていただきました。いくつになってもほめられるのは嬉しいものですね。
あのまま近所の医院に行ってカロリー制限をしていたら…と思うとゾッとします。
本当にありがとうございました。】
Rumonice さん。
拙著のご購入、コメントありがとうございました。
空腹時血糖値 HbA1c
2012年4月 177mg 7.7%
5月1日 78 6.8
6月13日 95 6.0
7月19日 97 5.4
スーパー糖質制限食で、素晴らしい改善ですね。
主治医を替えられたのも、賢明な選択と思います。
人間ドックで、空腹時血糖値177、HbA1c7.7、「糖尿病、要治療」と診断がついている人に、75g経口ブドウ糖負荷試験を実施する必要はありません。
最初の医師の対応は、1分診療も含めて、如何なものかと思います。
体重減少して、食後の眠気も改善しても良かったです。
2番目の、糖質制限OKの主治医の対応も、とても好ましいですね。
私も診療場面では、できるだけ患者さんを誉めるように心がけています。
Rumonice さんのケースは、スーパー糖質制限食で、データが改善したり症状が良くなっていく典型的なパターンです。
ブログ読者の皆さんの参考になると思います。
ありがとうございした。
江部康二
2012年07月20日 (金)
こんにちは。
京都は今日も、ゲリラ豪雨でした。
江部診療所にこられた外来患者さんが、傘をさしていたのにびしょ濡れでした。
本日の第三金曜ライブがちょっぴり心配です。
勿論、雨でも台風でもライブは、やりますよ。
憧夢 http://www.106215.jp/ 075-861-2040
出演バンド ターニング・ポイント
vocal 江部康二
19:30 オープン
20:00 演奏開始
さて、
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!糖質制限食レシピ集』(2011年)
が、おかげさまで3刷りとなりました。

ベストセラーシリーズということで、東洋経済新報社編集の南さんの肝いりで、初版を多く刷ったそうなので
3刷ですが、計24000部となり、好調な売れ行きです。
このレシピ本は、「長続きできる糖質制限食」ということに力点を置いて作りました。
料理家・壷林光代先生にお願いし、普通の食材でカンタンに作れる、おいしい糖質制限メニュー94品を紹介しています。
3日間の献立例(1食あたり糖質量20グラム以下)をもとに、毎日の献立の立て方、アレンジの仕方なども解説されており、長期間続けていく上でとても便利です。
ご飯好きな人のための代替主食や、ボリュームアップの方法など、無理なく続けるための知恵も紹介されています。
外食の知恵、コンビニ活用法などお役立ちコラム、Q&Aも充実しています。
大判サイズで読みやすい本です。
家庭で糖質制限食を続けるために、ぜひ活用していただきたい本です。
江部康二
京都は今日も、ゲリラ豪雨でした。
江部診療所にこられた外来患者さんが、傘をさしていたのにびしょ濡れでした。
本日の第三金曜ライブがちょっぴり心配です。
勿論、雨でも台風でもライブは、やりますよ。
憧夢 http://www.106215.jp/ 075-861-2040
出演バンド ターニング・ポイント
vocal 江部康二
19:30 オープン
20:00 演奏開始
さて、
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!糖質制限食レシピ集』(2011年)
が、おかげさまで3刷りとなりました。

ベストセラーシリーズということで、東洋経済新報社編集の南さんの肝いりで、初版を多く刷ったそうなので
3刷ですが、計24000部となり、好調な売れ行きです。
このレシピ本は、「長続きできる糖質制限食」ということに力点を置いて作りました。
料理家・壷林光代先生にお願いし、普通の食材でカンタンに作れる、おいしい糖質制限メニュー94品を紹介しています。
3日間の献立例(1食あたり糖質量20グラム以下)をもとに、毎日の献立の立て方、アレンジの仕方なども解説されており、長期間続けていく上でとても便利です。
ご飯好きな人のための代替主食や、ボリュームアップの方法など、無理なく続けるための知恵も紹介されています。
外食の知恵、コンビニ活用法などお役立ちコラム、Q&Aも充実しています。
大判サイズで読みやすい本です。
家庭で糖質制限食を続けるために、ぜひ活用していただきたい本です。
江部康二
2012年07月19日 (木)
こんにちは。
糖尿病食事療法の短期効果と長期安全性について、
「従来の糖尿病食(高糖質食)」VS「スーパー糖質制限食」
で検討してみました。
まずは、同一摂取カロリー(1400kcal)での 血糖日内変動の比較
糖尿病食(高糖質食) スーパー糖質制限食
2005.8.24 2005.8.26
朝食前 88 64mg/dl
朝食後2時間 321 87
昼食前 212 77
昼食後2時間 178 100
夕食前 88 80
夕食後2時間 261 106
眠前 222 82
上記データは2型糖尿病の女性の日内変動の比較です。
いずれも、内服薬なしのデータです。
検査時のHbA1c:6.1%(JDS)で、HbA1cの評価基準では、コントロール良好です。
しかし、同一摂取カロリーで、糖尿病食(高糖質食)とスーパー糖質制限食では、著明な効果の差が出ています。
食後血糖値に関しては、高糖質食では壊滅的に悪い値がでていますが、スーパー糖質制限食では、食後高血糖は生じていません。
また、最近注目されている血糖変動幅も、高糖質食では大きく乱高下してますが、スーパー糖質制限食では、変動はほとんどなしです。
この女性は、病院の外来で空腹時血糖値とHbA1cだけをチェックしているとコントロール良好ですが、糖質を摂取しての日内変動では大変な事態になっています。→合併症のリスクが多大です。
これも、シンプルだけど、とても怖いお話しです。
さらに日本中の病院で、糖質を摂取して同様の事態となっている糖尿人は数え切れないほどおられると考えられ、
こちらもとてもこわいお話です。
さて、
第15回日本病態栄養学会年次学術集会(国立京都国際会館)「糖尿病治療に低炭水化物食は是か?非か?」ディベートセッションにおいて、非側演者としてご出馬いただいた久保明先生(高輪メディカルクリニック)も、糖質制限食の短期効果に関しては明確に認めておられ、長期安全性が確立していないと言う点を強調されました。
実は、従来の糖尿病食においても、長期安全性に関するエビデンスはありませんので、この点では同等です。
短期効果が「食後高血糖」と「平均血糖変動幅」という酸化ストレスを生じる2大リスクの改善において、壊滅的に悪い従来の糖尿病食を長期に続けて良い方向に向くという理屈は、あり得ないと思います。
このように、毎日、3回以上食後高血糖を生じ、毎日平均血糖幅は乱高下し、合併症のリスクがどんどん蓄積していく「従来の糖尿病食」の長期安全性が悪いことは理論的には明白です。
実際、従来の糖尿病食の長期経過に関しては、英国のUKPDS試験において「2型糖尿病はどんな治療をしても慢性進行性の膵β細胞不全となる。」という結論がでています。
日本に限っても、糖尿病腎症からの、新規人工透析患者が年間16000人あります。
これはどのように考えても、現行の糖尿病食による治療の長期経過が良くないことを示唆していると思います。
これらも、シンプルだけどこわいお話しです。
一方、「食後高血糖」と「平均血糖変動幅」という酸化ストレス増強のリスクが、ほとんどないのがスーパー糖質制限食です。
少なくともこの点に関しては、スーパー糖質制限食は、長期経過も大変良いと考えられます。
江部康二
糖尿病食事療法の短期効果と長期安全性について、
「従来の糖尿病食(高糖質食)」VS「スーパー糖質制限食」
で検討してみました。
まずは、同一摂取カロリー(1400kcal)での 血糖日内変動の比較
糖尿病食(高糖質食) スーパー糖質制限食
2005.8.24 2005.8.26
朝食前 88 64mg/dl
朝食後2時間 321 87
昼食前 212 77
昼食後2時間 178 100
夕食前 88 80
夕食後2時間 261 106
眠前 222 82
上記データは2型糖尿病の女性の日内変動の比較です。
いずれも、内服薬なしのデータです。
検査時のHbA1c:6.1%(JDS)で、HbA1cの評価基準では、コントロール良好です。
しかし、同一摂取カロリーで、糖尿病食(高糖質食)とスーパー糖質制限食では、著明な効果の差が出ています。
食後血糖値に関しては、高糖質食では壊滅的に悪い値がでていますが、スーパー糖質制限食では、食後高血糖は生じていません。
また、最近注目されている血糖変動幅も、高糖質食では大きく乱高下してますが、スーパー糖質制限食では、変動はほとんどなしです。
この女性は、病院の外来で空腹時血糖値とHbA1cだけをチェックしているとコントロール良好ですが、糖質を摂取しての日内変動では大変な事態になっています。→合併症のリスクが多大です。
これも、シンプルだけど、とても怖いお話しです。
さらに日本中の病院で、糖質を摂取して同様の事態となっている糖尿人は数え切れないほどおられると考えられ、
こちらもとてもこわいお話です。
さて、
第15回日本病態栄養学会年次学術集会(国立京都国際会館)「糖尿病治療に低炭水化物食は是か?非か?」ディベートセッションにおいて、非側演者としてご出馬いただいた久保明先生(高輪メディカルクリニック)も、糖質制限食の短期効果に関しては明確に認めておられ、長期安全性が確立していないと言う点を強調されました。
実は、従来の糖尿病食においても、長期安全性に関するエビデンスはありませんので、この点では同等です。
短期効果が「食後高血糖」と「平均血糖変動幅」という酸化ストレスを生じる2大リスクの改善において、壊滅的に悪い従来の糖尿病食を長期に続けて良い方向に向くという理屈は、あり得ないと思います。
このように、毎日、3回以上食後高血糖を生じ、毎日平均血糖幅は乱高下し、合併症のリスクがどんどん蓄積していく「従来の糖尿病食」の長期安全性が悪いことは理論的には明白です。
実際、従来の糖尿病食の長期経過に関しては、英国のUKPDS試験において「2型糖尿病はどんな治療をしても慢性進行性の膵β細胞不全となる。」という結論がでています。
日本に限っても、糖尿病腎症からの、新規人工透析患者が年間16000人あります。
これはどのように考えても、現行の糖尿病食による治療の長期経過が良くないことを示唆していると思います。
これらも、シンプルだけどこわいお話しです。
一方、「食後高血糖」と「平均血糖変動幅」という酸化ストレス増強のリスクが、ほとんどないのがスーパー糖質制限食です。
少なくともこの点に関しては、スーパー糖質制限食は、長期経過も大変良いと考えられます。
江部康二
2012年07月18日 (水)
おはようございます。
75g経口ブドウ糖負荷試験は、糖尿病が確定していない段階の人において、血糖値を意図的に上昇させて、糖尿病型であるか否かを調べる検査です。
空腹時血糖や随時血糖が明らかに高値の症例で、すでに糖尿病と診断されている場合、経口ブドウ糖負荷試験は当然、不必要です。
あるいは
「糖尿病と確定している患者には、経口ブドウ糖負荷試験は原則として禁忌である。」
と強調する医師もいます。
すなわち糖尿病の患者さんに、経口ブドウ糖負荷試験を実施すれば、必ずや200mgを超える高血糖をまねき、明らかに生体に不利益を生じるからです。
さて、ここまでは前置きで、これからが本番です。
例えば、身長165cmくらいの男性2型糖尿人が病院を受診して、従来の糖尿病食を栄養士に指導されたとしましょう。
カロリー制限・高糖質食になりますから、どの病院でも1600kcal/日くらいで、そのうち糖質を50~60%摂取するように指導されると思います。
50%の糖質(穀物)としても、200g/日ですから、朝が50gくらいの糖質で、昼と夜が75gくらいの糖質摂取ですね。
炊いたご飯や食パンは100%ブドウ糖に変わりますから、朝が50g、昼と夜は75g経口ブドウ糖負荷試験をしているのと同じことになります。
まして60%の糖質摂取なら、240g/日なので、1日3回、80g経口ブドウ糖負荷試験をしているのと同じ血糖上昇が、2型糖尿人の体内で生じることとなります。
「糖尿病が確定している人に、経口ブドウ糖負荷試験は禁忌である。」
ということが医学界の共通理解なら、糖質を80g×3回/日摂取させる「カロリー制限・高糖質食」は、何故糖尿人には禁忌とならないのか大変疑問に思います。
ちなみに、75gの糖質は、炊いたご飯が200gちょっとで、茶碗に一膳盛りきりくらいです。
糖尿人のご同輩、ゆめゆめ油断はめされぬように・・・。
今日は、シンプルだけどこわいお話しでした。
江部康二
75g経口ブドウ糖負荷試験は、糖尿病が確定していない段階の人において、血糖値を意図的に上昇させて、糖尿病型であるか否かを調べる検査です。
空腹時血糖や随時血糖が明らかに高値の症例で、すでに糖尿病と診断されている場合、経口ブドウ糖負荷試験は当然、不必要です。
あるいは
「糖尿病と確定している患者には、経口ブドウ糖負荷試験は原則として禁忌である。」
と強調する医師もいます。
すなわち糖尿病の患者さんに、経口ブドウ糖負荷試験を実施すれば、必ずや200mgを超える高血糖をまねき、明らかに生体に不利益を生じるからです。
さて、ここまでは前置きで、これからが本番です。
例えば、身長165cmくらいの男性2型糖尿人が病院を受診して、従来の糖尿病食を栄養士に指導されたとしましょう。
カロリー制限・高糖質食になりますから、どの病院でも1600kcal/日くらいで、そのうち糖質を50~60%摂取するように指導されると思います。
50%の糖質(穀物)としても、200g/日ですから、朝が50gくらいの糖質で、昼と夜が75gくらいの糖質摂取ですね。
炊いたご飯や食パンは100%ブドウ糖に変わりますから、朝が50g、昼と夜は75g経口ブドウ糖負荷試験をしているのと同じことになります。
まして60%の糖質摂取なら、240g/日なので、1日3回、80g経口ブドウ糖負荷試験をしているのと同じ血糖上昇が、2型糖尿人の体内で生じることとなります。
「糖尿病が確定している人に、経口ブドウ糖負荷試験は禁忌である。」
ということが医学界の共通理解なら、糖質を80g×3回/日摂取させる「カロリー制限・高糖質食」は、何故糖尿人には禁忌とならないのか大変疑問に思います。
ちなみに、75gの糖質は、炊いたご飯が200gちょっとで、茶碗に一膳盛りきりくらいです。
糖尿人のご同輩、ゆめゆめ油断はめされぬように・・・。
今日は、シンプルだけどこわいお話しでした。
江部康二
2012年07月17日 (火)
こんにちは。
2012年7月14日(土)は大磯プリンスホテルで、脳卒中治療研究会・大磯セミナー2012年が開催されており、18:30から「脳卒中予防と糖尿病:糖質制限の有用性」という題で、特別講演をさせていただきました。
医師、栄養士、看護師、作業療法士(OT)、理学療法士(PT)・・・約120名が参加され、活発な質疑応答もあり、大変有意義な会でした。
その日の懇親会はバイキングなので、大助かりでした。
懇親会でも、医師や栄養士さんから沢山質問があり、講師冥利につきました。
懇親会の二次会も、うら若い看護師さん達と一緒でとても楽しかったです。 (^^)
1泊して、翌日も朝がバイキングだったので、しっかり朝食を食べて昼食を抜くこととしました。
お招きいただいた、湘南鎌倉総合病院 脳卒中センター長 森貴久先生、ありがとうございました。
この場を借りて御礼申し上げます。
京都に帰って、7月15日(日)
京都薬科大学で、14:50~16:20まで、2012年臨床漢方薬理研究会(第107回例会)で特別講義、「糖尿病治療に有効な現代人の食餌療法:糖質制限食」をさせていただきました。
腎不全に対する養腎降濁湯の話もしました。
久しぶりに漢方の勉強会で、いろいろ貴重な発表や講演を聴くことができ、大変勉強になりました。
懇親会は、料理旅館の「八千代」でありました。
【先附・前菜】 7種の盛り合わせ
【吸い物・椀】
【刺身・造り】
【焼物】
【揚物】
【煮物】
【蒸し物】
【酢の物・和え物】
【ご飯・止め椀・香の物】
【水菓子】
焼酎水割りを3杯
豪華な会席のフルコースでした。
勿論、ご飯とか、飾り寿司とか、ソーメンやお菓子は、食べませんでしたよ。(^_^)
主催の東海大学医学部 東洋医学講座 日置智津子 先生
お招きいただきご馳走になり、ありがとうございました。
この場を借りて御礼申し上げます。
江部康二
2012年7月14日(土)は大磯プリンスホテルで、脳卒中治療研究会・大磯セミナー2012年が開催されており、18:30から「脳卒中予防と糖尿病:糖質制限の有用性」という題で、特別講演をさせていただきました。
医師、栄養士、看護師、作業療法士(OT)、理学療法士(PT)・・・約120名が参加され、活発な質疑応答もあり、大変有意義な会でした。
その日の懇親会はバイキングなので、大助かりでした。
懇親会でも、医師や栄養士さんから沢山質問があり、講師冥利につきました。
懇親会の二次会も、うら若い看護師さん達と一緒でとても楽しかったです。 (^^)
1泊して、翌日も朝がバイキングだったので、しっかり朝食を食べて昼食を抜くこととしました。
お招きいただいた、湘南鎌倉総合病院 脳卒中センター長 森貴久先生、ありがとうございました。
この場を借りて御礼申し上げます。
京都に帰って、7月15日(日)
京都薬科大学で、14:50~16:20まで、2012年臨床漢方薬理研究会(第107回例会)で特別講義、「糖尿病治療に有効な現代人の食餌療法:糖質制限食」をさせていただきました。
腎不全に対する養腎降濁湯の話もしました。
久しぶりに漢方の勉強会で、いろいろ貴重な発表や講演を聴くことができ、大変勉強になりました。
懇親会は、料理旅館の「八千代」でありました。
【先附・前菜】 7種の盛り合わせ
【吸い物・椀】
【刺身・造り】
【焼物】
【揚物】
【煮物】
【蒸し物】
【酢の物・和え物】
【ご飯・止め椀・香の物】
【水菓子】
焼酎水割りを3杯
豪華な会席のフルコースでした。
勿論、ご飯とか、飾り寿司とか、ソーメンやお菓子は、食べませんでしたよ。(^_^)
主催の東海大学医学部 東洋医学講座 日置智津子 先生
お招きいただきご馳走になり、ありがとうございました。
この場を借りて御礼申し上げます。
江部康二
2012年07月16日 (月)
おはようございます。
糖質制限食、おかげさまで、どんどん広がっています。
今週号の週刊朝日の記事によれば、何と参院自民で「糖質制限ダイエット」がブームになっているそうです。
自他共に認める成功例は、林芳正政調会長代理で、13kgも減量成功です。
他の先生もおられるようです。
国会議員諸氏にも、糖質制限食浸透しているのですね。(^^)
さて、東洋経済新報社の本が、3冊まとめて版を重ねることとなりました。
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』2005年 19刷り
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編』2008年 10刷り
『京都の名医がおしえる「やせる食べ方」』2010年 6刷り
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』『主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編』
この2冊は、糖尿病に対する糖質制限食理論の入門書として、発売後長期にわたり読者の支持を受け続け、ロングセラーとなっています。
アマゾンでも、糖尿病のジャンルでは、発売後一貫して、ほぼ常にトップ10以内に入っています。
電子書籍でも売り上げを伸ばしているそうです。
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』は19刷なので、早めに節目の20刷を目指したいですね。
『京都の名医がおしえる「やせる食べ方」』
こちらは、書店のダイエットコーナーの定番書となっています。
出版社の編集者が、つけたネーミングが、気恥ずかしいのですが、理論的ダイエット本としては、はじめて手がけた本なので愛着があります。
語り口は、とてもわかりやすく普段本が苦手な人にも、手にとっていただける内容であると自負しております。
これらの本が、糖質制限食のさらなる発展・普及に貢献できればいいなと願っています。
江部康二
糖質制限食、おかげさまで、どんどん広がっています。
今週号の週刊朝日の記事によれば、何と参院自民で「糖質制限ダイエット」がブームになっているそうです。
自他共に認める成功例は、林芳正政調会長代理で、13kgも減量成功です。
他の先生もおられるようです。
国会議員諸氏にも、糖質制限食浸透しているのですね。(^^)
さて、東洋経済新報社の本が、3冊まとめて版を重ねることとなりました。
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』2005年 19刷り
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編』2008年 10刷り
『京都の名医がおしえる「やせる食べ方」』2010年 6刷り
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』『主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編』
この2冊は、糖尿病に対する糖質制限食理論の入門書として、発売後長期にわたり読者の支持を受け続け、ロングセラーとなっています。
アマゾンでも、糖尿病のジャンルでは、発売後一貫して、ほぼ常にトップ10以内に入っています。
電子書籍でも売り上げを伸ばしているそうです。
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』は19刷なので、早めに節目の20刷を目指したいですね。
『京都の名医がおしえる「やせる食べ方」』
こちらは、書店のダイエットコーナーの定番書となっています。
出版社の編集者が、つけたネーミングが、気恥ずかしいのですが、理論的ダイエット本としては、はじめて手がけた本なので愛着があります。
語り口は、とてもわかりやすく普段本が苦手な人にも、手にとっていただける内容であると自負しております。
これらの本が、糖質制限食のさらなる発展・普及に貢献できればいいなと願っています。
江部康二
2012年07月13日 (金)
こんばんは。
7月8日の読売新聞や、朝日新聞や、ヤフーニュースに
「低糖質・高蛋白質摂取で心血管イベントが上昇!?」
という「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル」論文の解説記事が掲載されました。
これらの記事を見て、本ブログにも多数の心配するコメント・質問をいただきました。
2012年7月3日に、医師のための情報専門サイトMT Proで、北里研究所病院糖尿病センター長の山田悟先生が、批判的に解説しておられる論文です。
本ブログでも、7月3日の記事にして、この論文の信頼度が低いことを指摘し、批判しました。
今回、バイリンギャル男さんから、「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル」の公式サイトに、この論文に対する各国の専門家からの批判が、多数寄せられているとの情報をコメントいただきました。
バイリンギャル男さん、コメントありがとうございます。
批判コメントばかりで、賛成コメントゼロというのは、珍事ですね。
スウェーデンの小児科医Hammarskiold氏のBMJでのコメント
「この研究は完全な失敗だ。サイコロを転がして統計をとるようなもので、断じて科学ではない」
江部康二
【12/07/13 バイリンギャル男
この論文について疑問に思い、色々と調べている内にこちらに辿りつきました。
出所であるBritish Medical Journalには、本記事に対する専門家のコメントが12件寄せられています。
http://www.bmj.com/content/344/bmj.e4026?tab=responses
ほぼ全てのコメントが、この論文の調査方法などについて、厳しく批判しています。
・食事の調査を一度しかしていない
・調査方法が「自己申告」である。正しく申告されないケースが多々あることは分かりきっている筈だ。
・心臓病リスクとなりうる他の要因(投薬・塩分摂取・喫煙・肥満など)について触れていない
・挙げられている証拠が、結論を支持していない
・主張されている相関関係がごく小さい
・スコアリングシステムが間違っている
などなど、多くのツッコミが入っています。
スウェーデンの小児科医Hammarskiold氏はこう書いています。
「この研究は完全な失敗だ。サイコロを転がして統計をとるようなもので、断じて科学ではない」 】
7月8日の読売新聞や、朝日新聞や、ヤフーニュースに
「低糖質・高蛋白質摂取で心血管イベントが上昇!?」
という「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル」論文の解説記事が掲載されました。
これらの記事を見て、本ブログにも多数の心配するコメント・質問をいただきました。
2012年7月3日に、医師のための情報専門サイトMT Proで、北里研究所病院糖尿病センター長の山田悟先生が、批判的に解説しておられる論文です。
本ブログでも、7月3日の記事にして、この論文の信頼度が低いことを指摘し、批判しました。
今回、バイリンギャル男さんから、「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル」の公式サイトに、この論文に対する各国の専門家からの批判が、多数寄せられているとの情報をコメントいただきました。
バイリンギャル男さん、コメントありがとうございます。
批判コメントばかりで、賛成コメントゼロというのは、珍事ですね。
スウェーデンの小児科医Hammarskiold氏のBMJでのコメント
「この研究は完全な失敗だ。サイコロを転がして統計をとるようなもので、断じて科学ではない」
江部康二
【12/07/13 バイリンギャル男
この論文について疑問に思い、色々と調べている内にこちらに辿りつきました。
出所であるBritish Medical Journalには、本記事に対する専門家のコメントが12件寄せられています。
http://www.bmj.com/content/344/bmj.e4026?tab=responses
ほぼ全てのコメントが、この論文の調査方法などについて、厳しく批判しています。
・食事の調査を一度しかしていない
・調査方法が「自己申告」である。正しく申告されないケースが多々あることは分かりきっている筈だ。
・心臓病リスクとなりうる他の要因(投薬・塩分摂取・喫煙・肥満など)について触れていない
・挙げられている証拠が、結論を支持していない
・主張されている相関関係がごく小さい
・スコアリングシステムが間違っている
などなど、多くのツッコミが入っています。
スウェーデンの小児科医Hammarskiold氏はこう書いています。
「この研究は完全な失敗だ。サイコロを転がして統計をとるようなもので、断じて科学ではない」 】
2012年07月13日 (金)
おはようございます。
ダーギーさんから、私のアルコール摂取量についてコメント・質問をいただきました。
【12/07/12 ダーギーさん
アルコール量について。
いつも興味深くブログ読んでいます。先生の食事内容非常に参考になりました。自分も1日昼夜の2食でスーパー制限中です。さて、先生の食事内容を拝見致しますと、お酒かなり召し上がっているように思えるのですが、具体的のアルコールの量としては1日どの程度なのでしょうか? 自分もお酒が好きなので。。是非参考にしたいです。】
日本の従来の糖尿病治療では、飲酒は原則禁止ですが、一定の条件下で許可されることもあります。
その条件は、以下の5項目をクリアしていることです。
1良好な血糖コントロールが長期にわたって得られている
2糖尿病の合併症がないか、あっても軽度である
3脂質代謝異常(特に高トリグリセリド血症)がない
4肝・膵疾患がない
5決められた上限量を守る患者である
この5項目、糖質制限食実践している糖尿人なら、多くの人は1~4はクリアですね。
私も、1~4は完璧にクリアですが、5が微妙ですね。
5が微妙ですが、私の場合血液検査では、肝機能は常に正常です。
欧米では、「適量」を守れば飲酒OKとしています。
例えば、米国糖尿病協会では、アルコール24g(30ml)/日を食事と共にとるていどなら適量としています。
ビール350ml缶を2本、ワイン150ml×2杯、ウイスキー45ml×2杯です。
私自身のお酒の摂取量ですが、平均的には、糖質ゼロ発泡酒350mlを1缶、その後、焼酎の水割りを3~5杯です。焼酎は、720mlが3日間で空くくらいのペースです。
あるいは、糖質ゼロ発泡酒350mlを1缶と赤ワインを1/2本とかです。
家でたまに、赤ワイン、ボトル1本のむこともあります。
外で飲食のときは、焼酎の水割りを5~6杯のこともあります。
25度の焼酎が720mlなら、アルコールそのものは180ml含まれています。
従って、私は毎日60~75ml以上のアルコールを摂取していますので米国糖尿病協会の「適量」は、確実にオーバーしています。( ̄_ ̄|||)
アルコールには発ガン性も指摘されていますので、各自が自己責任で自己管理で適量!?の飲酒ということになるでしょうか? (^^)
江部康二
ダーギーさんから、私のアルコール摂取量についてコメント・質問をいただきました。
【12/07/12 ダーギーさん
アルコール量について。
いつも興味深くブログ読んでいます。先生の食事内容非常に参考になりました。自分も1日昼夜の2食でスーパー制限中です。さて、先生の食事内容を拝見致しますと、お酒かなり召し上がっているように思えるのですが、具体的のアルコールの量としては1日どの程度なのでしょうか? 自分もお酒が好きなので。。是非参考にしたいです。】
日本の従来の糖尿病治療では、飲酒は原則禁止ですが、一定の条件下で許可されることもあります。
その条件は、以下の5項目をクリアしていることです。
1良好な血糖コントロールが長期にわたって得られている
2糖尿病の合併症がないか、あっても軽度である
3脂質代謝異常(特に高トリグリセリド血症)がない
4肝・膵疾患がない
5決められた上限量を守る患者である
この5項目、糖質制限食実践している糖尿人なら、多くの人は1~4はクリアですね。
私も、1~4は完璧にクリアですが、5が微妙ですね。
5が微妙ですが、私の場合血液検査では、肝機能は常に正常です。
欧米では、「適量」を守れば飲酒OKとしています。
例えば、米国糖尿病協会では、アルコール24g(30ml)/日を食事と共にとるていどなら適量としています。
ビール350ml缶を2本、ワイン150ml×2杯、ウイスキー45ml×2杯です。
私自身のお酒の摂取量ですが、平均的には、糖質ゼロ発泡酒350mlを1缶、その後、焼酎の水割りを3~5杯です。焼酎は、720mlが3日間で空くくらいのペースです。
あるいは、糖質ゼロ発泡酒350mlを1缶と赤ワインを1/2本とかです。
家でたまに、赤ワイン、ボトル1本のむこともあります。
外で飲食のときは、焼酎の水割りを5~6杯のこともあります。
25度の焼酎が720mlなら、アルコールそのものは180ml含まれています。
従って、私は毎日60~75ml以上のアルコールを摂取していますので米国糖尿病協会の「適量」は、確実にオーバーしています。( ̄_ ̄|||)
アルコールには発ガン性も指摘されていますので、各自が自己責任で自己管理で適量!?の飲酒ということになるでしょうか? (^^)
江部康二
2012年07月12日 (木)
こんにちは。
TBSの「報道特集」という番組で糖質制限食の特集が放映されることとなりました。
わが高雄病院も「糖質制限食による糖尿病治療」ということで入院患者さんのインタビューと私のインタビュー場面がすでに撮影されました。
先日、TBSのプロデューサーさんから連絡があり、放映が、7月14日(土曜)の予定でしたが8月以降にずれ込むとのことでした。
放映日が確定しましたら(また延期になるかも知れませんが)お知らせしますので、よろしくお願い申し上げます。
江部康二
TBSの「報道特集」という番組で糖質制限食の特集が放映されることとなりました。
わが高雄病院も「糖質制限食による糖尿病治療」ということで入院患者さんのインタビューと私のインタビュー場面がすでに撮影されました。
先日、TBSのプロデューサーさんから連絡があり、放映が、7月14日(土曜)の予定でしたが8月以降にずれ込むとのことでした。
放映日が確定しましたら(また延期になるかも知れませんが)お知らせしますので、よろしくお願い申し上げます。
江部康二
2012年07月11日 (水)
こんにちは。
私は基本的に1日2食です。
1984年、34才の時、断食をしたことをきっかけに、朝食なしで、62才現在まで昼食と夕食だけ摂取です。
高雄病院では、1984年、絶食療法(断食療法)も病気治療の一環として導入しました。
患者さんに断食して貰うなら自らもということで、早速試してみました。
水だけOKで塩もなしの本断食でした。
最初の2日間は、午前中立ち眩み・脱力感がありましたが、3日目はそこそこの健康状態でした。
それでも血糖値は35mg/dlと、ビックリするような数値が記録されました。
普通なら意識不明で昏睡のレベルですが、断食中は血中ケトン体(脂肪酸の代謝産物)が高値となり、脳の主エネルギー源となるので、大丈夫なのです。
脳はケトン体を利用するという事実を34才当時、既に自らの人体実験で証明していたみたいです。
私が毎日どんなものを食べているのか、結構、読者の要望も多いので以下、5月22日(火)~6月4日(月)まで医療向けサイトのm3.comに連載した、「江部康二の糖質制限な食事日記」の後半を公開します。
5月29日(火)
朝は、インスタントコーヒーに生クリームを少量入れて、1杯。
昼は、糖質制限ドットコムの糖質制限なお好み焼き(豚玉)1個:糖質9.3g
豚肉とレタスとズッキーニの炒め物。
昼からは、あさひカルチャー中之島で、糖質制限食の講演。
あさひカルチャーから帰宅して
午後5時、小岩井オードブルチーズを3個、ミックスナッツを30粒、サントリーオールフリーを350ml1缶。
一息ついて、高雄病院へいって病棟回診。
職住接近で、高雄病院と自宅は車で5分くらいなので便利です。
帰宅してブログ記事とコメントへの回答、m3.comの記事が一段落したら、夕食は行きつけの近所の小料理屋「万吉」にしようと思ったら、満員だったので、急遽生協で買い物して、
天然の鮪と天然の鯵、海老の海鮮サラダ、だし巻き卵、あとは糖質制限ドットコムの豆腐グラタンソースを豆腐にかけたもの、おでんの大根と卵。具がたくさんの味噌汁、焼酎の水割りを4杯で、就寝しました。
5月30日(水)は横浜まで日帰りの少人数の講演です。
5月30日(水)
朝は、インスタントコーヒーに生クリームを少量入れて、1杯。
高雄病院に出勤して、病棟回診を終えて、ブラック缶コーヒーを1本。
昼食は家に戻って
ブロッコリーのスーパースプラウト、胡瓜、豆腐に食べるラー油サラダ
ブロッコリーとセロリと牛肉炒め
ビンチョウマグロの刺身
ワカメと卵スープ
昼食後、横浜講演会に出発。
夕食は、講演終了後、場所を移動して、焼き肉。
帰りの電車が、ギリギリだったので、7分間ぐらいでタン塩、鶏肉、牛ロースを食べ、魔王の水割りを1杯飲んで、車で送って貰い、京浜東北線の駅に。
駅で、走ってホームへ、1分で電車到着。
その後、横浜線に乗り換えて、途中緊急信号が誤発信で停車して、新横浜到着が遅れ、走って新幹線のホームへ。
10秒後「のぞみ」到着。
食べたらなかったので、列車内でミックスナッツを1袋をつまみに、サントリーハイボール1缶
サントリーハイボールは炭水化物100gあたり、2.6gで何か甘味料を、混ぜているのですが、他になかったのであきらめました。
帰宅したら22:40
あさひスタイルフリー1缶、シュクリーベチョコ4個、焼酎水割り4杯で就寝です。
5月31日(木)
朝は、インスタントコーヒーに生クリームを少量入れて1杯
午前中高雄病院の外来。
昼食は、高雄病院の糖質制限給食で入院患者さんと一緒。
本日外来の糖尿病患者さんも予約して食べる人もおられます。
ぶりの照り焼き、豆腐とわかめの味噌汁、茄子・厚揚げ・豚ミンチの煮物、だいこんツナサラダ
ブラックコーヒー1杯
午後の外来のあと、冷たいブラック缶コーヒーを1本
帰宅後、ブログとm3.comの記事を書きつつ、あさひスタイルフリー350mlを1缶とミックスナッツ30粒。
夕食は、
牛ミンチ肉レタス包みをたっぷり、刺身(鮪、ヒラメ、鯛、ケンサキイカ)、アスパラ炒め
焼酎水割りを4杯
シュクリーベチョコを2個
最後にグラッパを軽く2杯、ストレートで・・・・
グラッパは40度なのでこんな強い酒を毎日常用していたら、食道ガンや鼻咽頭ガンに元凶なので要注意ですね。
6月1日(金)の糖質制限な食生活報告です。
朝は、インスタントコーヒーに生クリームを少量入れて、2杯。
江部診療所に出勤して、生クリーム入りコーヒー1杯。
江部診療所外来終了後、昼食
近くのセブンイレブンで、ゴーヤチャンプルー、海老とイカの旨塩炒め、ツナとコーンサラダを購入。
ツナとコーンサラダは、コーンは残して、レタスやキャベツは摂取。
ブラックコーヒー1杯。
高雄病院に移動して、病棟回診。
自動販売機の冷たいブラック缶コーヒーを1本。
帰宅して午後、8時、間食に京都菓子職人の「フォンダンショコラ」1個、
夕食は午後9時、連れ合いと一緒に、家から徒歩3分の小料理屋「万吉」で。
鱧と胡瓜のマヨネーズあえ、高野豆腐の卵とじが付きだし
刺身(牡丹海老、鱧落とし、トリ貝、キズシ、本鮪)
イカ・オクラ・納豆の和辛子あえ。
ほうれん草ベーコンサラダ、
サーモンとブロッコリのタルタルチーズ焼き。
アンコウの肝、ポン酢、
甘鯛の塩焼き、
伊勢エビとアボカドのサラダ。
焼酎の水割りを2杯。
帰宅して焼酎の水割りを3杯。
しめに、グラッパをストレートで軽く2杯・・・
グラッパ、美味しいですね。病みつきになりそうですが、40度ですからもうやめます。
6月2日(土)
朝は、インスタントコーヒーに生クリームを少量入れて、1杯。
江部診療所に出勤して、生クリーム入りコーヒー1杯。
外来の合間に、11:55、生クリーム入りコーヒー1杯。
外来終了後、昼食
糖質制限ドットコムの、お好み焼き・海鮮玉を丸ごと1個
スタッフの作ってくれたゴーヤチャンプルー、オムレツ、豚シャブサラダ
そしてデザートにカリカリチーズ、15~16個とブラックコーヒー。
昼食後高雄病院へ移動。
病棟回診。
その後、理事長室のパソコンで、m3.comの回答。
夕方帰宅後、
あさひスタイルフリーを飲みながら、ブログ記事を書いて掲載。
天日干しスルメの小さい1袋をおつまみにして、350ml缶を2本。
夕食は
ブルゴーニュの赤ワイン1/2本、
鮎の塩焼きを2尾。
鹿児島土産の鰹の塩とろ味を4切れ、
賀茂茄子の焼き物、
筍の煮物。
甘夏を2房。
京都・菓子職人・カフェ・ド・ティラミス1個。
25度焼酎をロックで、3杯。
6月3日(日)
朝は、インスタントコーヒーに生クリームを少量入れて、2杯。
昼は、糖質制限ドットコムのビーフカレーとおいしい糖質制限パン。
ほうれん草と卵を炒めたもの。
テニスクラブにて、冷たいコーヒーを1杯。
夕方、テニスから帰宅して、サントリーオールフリーを350ml、1缶。
シャワーを浴びて、その後、ライブハウス憧夢で打ち合わせ。冷たいコーヒーを1杯。
帰宅後、ミックスナッツ約20粒とあさひスタイルフリー350ml、1缶。
夕食は、レタスと紫蘇とチーズを豚肉で巻いて焼いたものを4個。
豆腐ステーキ
レタスとスナップエンドウのサラダ
カレイの煮物(ラカントS使用)
トマト少々
昨夜の残りの、ブルゴーニュ赤ワインを1/2本
イ・サンを見ながら、焼酎の水割りを、3杯。
6月4日(月)
朝は、インスタントコーヒーに生クリームを少量入れて、1杯。
高雄病院京都駅前診療所に出勤して、ブラック・コーヒを1杯。
外来終了後の昼食ですが、また修学旅行生諸君に占拠されて、道を挟んで隣のホテルのランチ・バイキングが休業でした。2週間連続で、すき家の牛丼ライトも芸がないと思って、コンビニにいきました。
セブンイレブンとローソンがあるのですが、試しにローソンで購入しました。
砂ずりの焼いたもの、炭火焼き鳥、ツナコーンサラダ、冷や奴です。
診療所に持って帰って、ラップを開けて食べたのですが、ちょっと失敗でした。
砂ずりが少し甘かったし、焼き鳥はもろに砂糖のたれでした。塩焼き3本もやや甘かったのですが食べました。
甘だれの焼き鳥2本は食べるのをあきらめました。コーンは除けてのツナサラダと冷や奴は合格です。
私のつたない経験では、セブンイレブンの総菜の味付けの方が、砂糖が少ないものがあるように思いました。
今後はセブンイレブンにします。
高雄病院に移動して、病棟回診後、冷たいブラック缶コーヒー1本
夕食は、最後なので見栄(?)を張って、行きつけの小さなお店で、牛ヒレステーキ200g、大盛りのハム・レタス・アスパラ・キャベツ・キュウリサラダ、玉子スープ、デザートにオレンジ3切れ。
帰宅して
あさひスタイルフリー350mlを1缶。
ブログを更新して、寝違えたのか首が痛かったので、焼酎なしで寝ました。
私は基本的に1日2食です。
1984年、34才の時、断食をしたことをきっかけに、朝食なしで、62才現在まで昼食と夕食だけ摂取です。
高雄病院では、1984年、絶食療法(断食療法)も病気治療の一環として導入しました。
患者さんに断食して貰うなら自らもということで、早速試してみました。
水だけOKで塩もなしの本断食でした。
最初の2日間は、午前中立ち眩み・脱力感がありましたが、3日目はそこそこの健康状態でした。
それでも血糖値は35mg/dlと、ビックリするような数値が記録されました。
普通なら意識不明で昏睡のレベルですが、断食中は血中ケトン体(脂肪酸の代謝産物)が高値となり、脳の主エネルギー源となるので、大丈夫なのです。
脳はケトン体を利用するという事実を34才当時、既に自らの人体実験で証明していたみたいです。
私が毎日どんなものを食べているのか、結構、読者の要望も多いので以下、5月22日(火)~6月4日(月)まで医療向けサイトのm3.comに連載した、「江部康二の糖質制限な食事日記」の後半を公開します。
5月29日(火)
朝は、インスタントコーヒーに生クリームを少量入れて、1杯。
昼は、糖質制限ドットコムの糖質制限なお好み焼き(豚玉)1個:糖質9.3g
豚肉とレタスとズッキーニの炒め物。
昼からは、あさひカルチャー中之島で、糖質制限食の講演。
あさひカルチャーから帰宅して
午後5時、小岩井オードブルチーズを3個、ミックスナッツを30粒、サントリーオールフリーを350ml1缶。
一息ついて、高雄病院へいって病棟回診。
職住接近で、高雄病院と自宅は車で5分くらいなので便利です。
帰宅してブログ記事とコメントへの回答、m3.comの記事が一段落したら、夕食は行きつけの近所の小料理屋「万吉」にしようと思ったら、満員だったので、急遽生協で買い物して、
天然の鮪と天然の鯵、海老の海鮮サラダ、だし巻き卵、あとは糖質制限ドットコムの豆腐グラタンソースを豆腐にかけたもの、おでんの大根と卵。具がたくさんの味噌汁、焼酎の水割りを4杯で、就寝しました。
5月30日(水)は横浜まで日帰りの少人数の講演です。
5月30日(水)
朝は、インスタントコーヒーに生クリームを少量入れて、1杯。
高雄病院に出勤して、病棟回診を終えて、ブラック缶コーヒーを1本。
昼食は家に戻って
ブロッコリーのスーパースプラウト、胡瓜、豆腐に食べるラー油サラダ
ブロッコリーとセロリと牛肉炒め
ビンチョウマグロの刺身
ワカメと卵スープ
昼食後、横浜講演会に出発。
夕食は、講演終了後、場所を移動して、焼き肉。
帰りの電車が、ギリギリだったので、7分間ぐらいでタン塩、鶏肉、牛ロースを食べ、魔王の水割りを1杯飲んで、車で送って貰い、京浜東北線の駅に。
駅で、走ってホームへ、1分で電車到着。
その後、横浜線に乗り換えて、途中緊急信号が誤発信で停車して、新横浜到着が遅れ、走って新幹線のホームへ。
10秒後「のぞみ」到着。
食べたらなかったので、列車内でミックスナッツを1袋をつまみに、サントリーハイボール1缶
サントリーハイボールは炭水化物100gあたり、2.6gで何か甘味料を、混ぜているのですが、他になかったのであきらめました。
帰宅したら22:40
あさひスタイルフリー1缶、シュクリーベチョコ4個、焼酎水割り4杯で就寝です。
5月31日(木)
朝は、インスタントコーヒーに生クリームを少量入れて1杯
午前中高雄病院の外来。
昼食は、高雄病院の糖質制限給食で入院患者さんと一緒。
本日外来の糖尿病患者さんも予約して食べる人もおられます。
ぶりの照り焼き、豆腐とわかめの味噌汁、茄子・厚揚げ・豚ミンチの煮物、だいこんツナサラダ
ブラックコーヒー1杯
午後の外来のあと、冷たいブラック缶コーヒーを1本
帰宅後、ブログとm3.comの記事を書きつつ、あさひスタイルフリー350mlを1缶とミックスナッツ30粒。
夕食は、
牛ミンチ肉レタス包みをたっぷり、刺身(鮪、ヒラメ、鯛、ケンサキイカ)、アスパラ炒め
焼酎水割りを4杯
シュクリーベチョコを2個
最後にグラッパを軽く2杯、ストレートで・・・・
グラッパは40度なのでこんな強い酒を毎日常用していたら、食道ガンや鼻咽頭ガンに元凶なので要注意ですね。
6月1日(金)の糖質制限な食生活報告です。
朝は、インスタントコーヒーに生クリームを少量入れて、2杯。
江部診療所に出勤して、生クリーム入りコーヒー1杯。
江部診療所外来終了後、昼食
近くのセブンイレブンで、ゴーヤチャンプルー、海老とイカの旨塩炒め、ツナとコーンサラダを購入。
ツナとコーンサラダは、コーンは残して、レタスやキャベツは摂取。
ブラックコーヒー1杯。
高雄病院に移動して、病棟回診。
自動販売機の冷たいブラック缶コーヒーを1本。
帰宅して午後、8時、間食に京都菓子職人の「フォンダンショコラ」1個、
夕食は午後9時、連れ合いと一緒に、家から徒歩3分の小料理屋「万吉」で。
鱧と胡瓜のマヨネーズあえ、高野豆腐の卵とじが付きだし
刺身(牡丹海老、鱧落とし、トリ貝、キズシ、本鮪)
イカ・オクラ・納豆の和辛子あえ。
ほうれん草ベーコンサラダ、
サーモンとブロッコリのタルタルチーズ焼き。
アンコウの肝、ポン酢、
甘鯛の塩焼き、
伊勢エビとアボカドのサラダ。
焼酎の水割りを2杯。
帰宅して焼酎の水割りを3杯。
しめに、グラッパをストレートで軽く2杯・・・
グラッパ、美味しいですね。病みつきになりそうですが、40度ですからもうやめます。
6月2日(土)
朝は、インスタントコーヒーに生クリームを少量入れて、1杯。
江部診療所に出勤して、生クリーム入りコーヒー1杯。
外来の合間に、11:55、生クリーム入りコーヒー1杯。
外来終了後、昼食
糖質制限ドットコムの、お好み焼き・海鮮玉を丸ごと1個
スタッフの作ってくれたゴーヤチャンプルー、オムレツ、豚シャブサラダ
そしてデザートにカリカリチーズ、15~16個とブラックコーヒー。
昼食後高雄病院へ移動。
病棟回診。
その後、理事長室のパソコンで、m3.comの回答。
夕方帰宅後、
あさひスタイルフリーを飲みながら、ブログ記事を書いて掲載。
天日干しスルメの小さい1袋をおつまみにして、350ml缶を2本。
夕食は
ブルゴーニュの赤ワイン1/2本、
鮎の塩焼きを2尾。
鹿児島土産の鰹の塩とろ味を4切れ、
賀茂茄子の焼き物、
筍の煮物。
甘夏を2房。
京都・菓子職人・カフェ・ド・ティラミス1個。
25度焼酎をロックで、3杯。
6月3日(日)
朝は、インスタントコーヒーに生クリームを少量入れて、2杯。
昼は、糖質制限ドットコムのビーフカレーとおいしい糖質制限パン。
ほうれん草と卵を炒めたもの。
テニスクラブにて、冷たいコーヒーを1杯。
夕方、テニスから帰宅して、サントリーオールフリーを350ml、1缶。
シャワーを浴びて、その後、ライブハウス憧夢で打ち合わせ。冷たいコーヒーを1杯。
帰宅後、ミックスナッツ約20粒とあさひスタイルフリー350ml、1缶。
夕食は、レタスと紫蘇とチーズを豚肉で巻いて焼いたものを4個。
豆腐ステーキ
レタスとスナップエンドウのサラダ
カレイの煮物(ラカントS使用)
トマト少々
昨夜の残りの、ブルゴーニュ赤ワインを1/2本
イ・サンを見ながら、焼酎の水割りを、3杯。
6月4日(月)
朝は、インスタントコーヒーに生クリームを少量入れて、1杯。
高雄病院京都駅前診療所に出勤して、ブラック・コーヒを1杯。
外来終了後の昼食ですが、また修学旅行生諸君に占拠されて、道を挟んで隣のホテルのランチ・バイキングが休業でした。2週間連続で、すき家の牛丼ライトも芸がないと思って、コンビニにいきました。
セブンイレブンとローソンがあるのですが、試しにローソンで購入しました。
砂ずりの焼いたもの、炭火焼き鳥、ツナコーンサラダ、冷や奴です。
診療所に持って帰って、ラップを開けて食べたのですが、ちょっと失敗でした。
砂ずりが少し甘かったし、焼き鳥はもろに砂糖のたれでした。塩焼き3本もやや甘かったのですが食べました。
甘だれの焼き鳥2本は食べるのをあきらめました。コーンは除けてのツナサラダと冷や奴は合格です。
私のつたない経験では、セブンイレブンの総菜の味付けの方が、砂糖が少ないものがあるように思いました。
今後はセブンイレブンにします。
高雄病院に移動して、病棟回診後、冷たいブラック缶コーヒー1本
夕食は、最後なので見栄(?)を張って、行きつけの小さなお店で、牛ヒレステーキ200g、大盛りのハム・レタス・アスパラ・キャベツ・キュウリサラダ、玉子スープ、デザートにオレンジ3切れ。
帰宅して
あさひスタイルフリー350mlを1缶。
ブログを更新して、寝違えたのか首が痛かったので、焼酎なしで寝ました。
2012年07月10日 (火)

こんにちは。
糖尿病・肥満を克服する高雄病院の「糖質制限」給食 江部康二著、講談社、2012年4月刊行
おかげさまで、4刷りが決まりました。 (^^)
アマゾンはボチボチとして、全国の書店で満遍なく売れているとのことで、嬉しい限りです。
<講談社販売部より>
相変わらず売れ行き上々で、先日の3刷り分があっという間にはけてしまう勢いです(調整していますが)。
来週、改装分が少しあがりますが、急ぎまた重版3000かけさせていただきます。
過去約600人の入院糖尿病患者さんに供給して、血糖コントロールに画期的な実績を上げてきた、高雄病院の「糖質制限」給食。
余すことなく、1ヶ月間、31日分の日替わりメニューのレシピを写真付きで紹介しました。
講談社・編集の谷山涼葉さんによれば、
『高雄病院の「糖質制限」給食こそは、日本の糖質制限食の王道です。』
この発言にすっかり乗せられてその気になって、本書が企画されました。
高雄病院栄養課には、部長の橋本眞由美さんをはじめ、全面的にお世話になり感謝です。
現在、入院糖尿病患者さんだけでなく、外来通院糖尿病患者さんにも、昼食に高雄病院の「糖質制限」給食(予約が必要です)を提供しています。
本書の特徴は、各項目を読みやすい文字数に簡略にまとめて、糖質制限食の理論や疫学研究を紹介してあることです。最新の糖質制限食基礎知識が、さくさくと手に入ると思います。
もう一つ、私、江部康二の一週間の糖質制限食ライフ(朝食、昼食、夕食)が取り上げられているのも特徴です。
外食、自宅での食事、アルコールなど密着取材して記載しています。
取材は自分自身で、講演旅行のときも、手帳にメモをとって記録しました。
患者さんの体験談も男女それぞれ、載せさせていただきました。
K・Kさん、井上和子さん、ありがとうございました。
糖質制限食最新の基礎知識と高雄病院のレシピを、本書1冊で得ることができます。
是非、ご一読いただけば幸いです。
江部康二
2012年07月10日 (火)
こんにちは
ざとさんから、7月9日(月)NHK、午後11:35~11:50 BiZプラスの放送内容を、コメントいただきました。
ざとさん、ありがとうございます。
私も、忘れていて後半の5分くらい見ました。
「日本糖尿病学会によりますと、糖質を制限する食餌療法なんですが、最近広がりつつある方法なんですが、必ず きっちり医師の指導の下で行う事が重要だと言う事です」
と確かに、キャスターが発言してました。
日本糖尿病学会、糖質制限食を許容する方針なのでしょうか?
江部康二
【12/07/10 ざと
放送内容
内容的には、取り立てて珍しい話ではありませんでした。
しかし、結びの一言に驚きました。
「日本糖尿病学会によりますと、糖質を制限する食餌療法なんですが、最近広がりつつある方法なんですが、必ず
きっちり医師の指導の下で行う事が重要だと言う事です」
完全に糖尿病学会が認めていますね。
2012年は後の世では糖尿病治療改革元年と言われる様になるでしょう。これも江部先生と他の皆様のご尽力の賜です。
ありがとうございます。
放送内容
糖質の量を制限する事により、血糖値の上昇を抑えるという新たな食餌療法に着目し取材しました。
取材レストランは、クレッセントとというフランス料理店鳥越製粉さんの工場の取材でパンdeスマートの紹介
追伸、ためしてガッテンで放送される日も近い気がしてきました。
糖質制限まとめサイト公開中
http://sites.google.com/site/tsmatome/ 】
ざとさんから、7月9日(月)NHK、午後11:35~11:50 BiZプラスの放送内容を、コメントいただきました。
ざとさん、ありがとうございます。
私も、忘れていて後半の5分くらい見ました。
「日本糖尿病学会によりますと、糖質を制限する食餌療法なんですが、最近広がりつつある方法なんですが、必ず きっちり医師の指導の下で行う事が重要だと言う事です」
と確かに、キャスターが発言してました。
日本糖尿病学会、糖質制限食を許容する方針なのでしょうか?
江部康二
【12/07/10 ざと
放送内容
内容的には、取り立てて珍しい話ではありませんでした。
しかし、結びの一言に驚きました。
「日本糖尿病学会によりますと、糖質を制限する食餌療法なんですが、最近広がりつつある方法なんですが、必ず
きっちり医師の指導の下で行う事が重要だと言う事です」
完全に糖尿病学会が認めていますね。
2012年は後の世では糖尿病治療改革元年と言われる様になるでしょう。これも江部先生と他の皆様のご尽力の賜です。
ありがとうございます。
放送内容
糖質の量を制限する事により、血糖値の上昇を抑えるという新たな食餌療法に着目し取材しました。
取材レストランは、クレッセントとというフランス料理店鳥越製粉さんの工場の取材でパンdeスマートの紹介
追伸、ためしてガッテンで放送される日も近い気がしてきました。
糖質制限まとめサイト公開中
http://sites.google.com/site/tsmatome/ 】
2012年07月10日 (火)
おはようございます。
y_and_r_d さんから、ナッツやチーズで体重増加という報告をコメントいただきました。
8kg増加とは立派です。
良かったですね。
まずはBMI:20を目指しましょう。
江部康二
【12/07/09 y_and_r_d
こんにちは。
間食しっかり食べています。
チーズ、アーモンド、クルミを職場にもキープしてあります。
おかげで痩せ過ぎだった体重も8kg増。
あと3kgでBMIの正常範囲内入りです。】
y_and_r_d さんから、ナッツやチーズで体重増加という報告をコメントいただきました。
8kg増加とは立派です。
良かったですね。
まずはBMI:20を目指しましょう。
江部康二
【12/07/09 y_and_r_d
こんにちは。
間食しっかり食べています。
チーズ、アーモンド、クルミを職場にもキープしてあります。
おかげで痩せ過ぎだった体重も8kg増。
あと3kgでBMIの正常範囲内入りです。】
2012年07月09日 (月)
こんばんは。
糖質制限食を実践すれば、8~9割の人は、カロリー計算無用で、その人の一番体調がいいときの体重に落ち着きます。
例えば、肥満傾向の人であれば、若い頃の体重に減量できます。
私の場合167cmで66kgだったのが、半年のスーパー糖質制限食で学生時代の56kgに戻りました。
66kgはBMIでは正常範囲でしたが、子持ちししゃも体型でお腹だけでてて、かなり見苦しいものがありちょっと困ってました。(=_=;)
数%の人が、
「糖質制限食で血糖値はみるみる改善したが痩せ過ぎて困る。」
と訴えてこられます。
やせるということは、シンプルに
「消費エネルギー」 > 「摂取エネルギー」
ということです。
糖質制限食の場合は、糖質を摂取している人に比べて
「糖新生による基礎代謝の昂進」と「食事摂取時の特異動的作用の増加」
がありますので、消費エネルギ-が増えます。
少食タイプの人は、糖質制限食でおかずばっかり食べると結構お腹いっぱいになり、結果として量的に少なく、摂取エネルギー不足でやせすぎることがあります。
高雄病院入院中の糖尿人でも、ご高齢の場合、500キロカロリーの1回のスーパー糖質制限食を、食べきれずに残す方がおられます。
従って、もともと少食のタイプでは、カロリー不足対策が必要です。
このような場合は間食の出番です。
糖質制限食OKな食材なら、間食もOKなのです。
具体的には、間食としてナッツ類(アーモンド、カシューナッツ、ピーナッツ・・・)を20~30粒程度なら糖質が約3~5gですので、一日に2~3回は大丈夫です。
1gの糖質が約3mg、2型糖尿人の血糖値を上昇させますが、ナッツ類を1回に20~30粒なら許容範囲ですね。(^^)
それと、糖質制限食でやせ過ぎて困るという人には、通常糖尿人には奨めないのですが、敢えて果物がお奨めです。
アボカドは、100g(1個)あたりの糖質含有量が0.9gと圧倒的に少ないので、糖尿人にもOKで、とてもいいですね。
その他、100gあたり糖質10g以下の果物は、
いちご、りんご、パパイア、グレープフルーツ、夏みかん、はっさく、メロン、もも・・などです。
それぞれ
いちご 7粒、
りんご 1/4個、
パパイア 1/2個、
グレープフルーツ 1/4個、
夏みかん 1/4個、
はっさく 1/3個、
メロン 1/8個、
もも中くらい 2/3個
くらいなら、1回の摂取量での糖質は10g以下です。
果物に含まれる糖質は、「果糖・ショ糖・ブドウ糖・ソルビトール・・・」などです。
このうちメインの果糖は、血糖値をほとんど上昇させず、上記ていどの量なら食後高血糖にはなりにくいですが、カロリーはありブドウ糖より中性脂肪に変わりやすいので体重は増えます。
あとオリーブオイルを調理に積極的に使ってカロリーを稼ぐ手もあります。
やせてる糖尿人には、「ナッツ類、果物適量、オリーブオイル」が三種の神器でしょうか。
江部康二
糖質制限食を実践すれば、8~9割の人は、カロリー計算無用で、その人の一番体調がいいときの体重に落ち着きます。
例えば、肥満傾向の人であれば、若い頃の体重に減量できます。
私の場合167cmで66kgだったのが、半年のスーパー糖質制限食で学生時代の56kgに戻りました。
66kgはBMIでは正常範囲でしたが、子持ちししゃも体型でお腹だけでてて、かなり見苦しいものがありちょっと困ってました。(=_=;)
数%の人が、
「糖質制限食で血糖値はみるみる改善したが痩せ過ぎて困る。」
と訴えてこられます。
やせるということは、シンプルに
「消費エネルギー」 > 「摂取エネルギー」
ということです。
糖質制限食の場合は、糖質を摂取している人に比べて
「糖新生による基礎代謝の昂進」と「食事摂取時の特異動的作用の増加」
がありますので、消費エネルギ-が増えます。
少食タイプの人は、糖質制限食でおかずばっかり食べると結構お腹いっぱいになり、結果として量的に少なく、摂取エネルギー不足でやせすぎることがあります。
高雄病院入院中の糖尿人でも、ご高齢の場合、500キロカロリーの1回のスーパー糖質制限食を、食べきれずに残す方がおられます。
従って、もともと少食のタイプでは、カロリー不足対策が必要です。
このような場合は間食の出番です。
糖質制限食OKな食材なら、間食もOKなのです。
具体的には、間食としてナッツ類(アーモンド、カシューナッツ、ピーナッツ・・・)を20~30粒程度なら糖質が約3~5gですので、一日に2~3回は大丈夫です。
1gの糖質が約3mg、2型糖尿人の血糖値を上昇させますが、ナッツ類を1回に20~30粒なら許容範囲ですね。(^^)
それと、糖質制限食でやせ過ぎて困るという人には、通常糖尿人には奨めないのですが、敢えて果物がお奨めです。
アボカドは、100g(1個)あたりの糖質含有量が0.9gと圧倒的に少ないので、糖尿人にもOKで、とてもいいですね。
その他、100gあたり糖質10g以下の果物は、
いちご、りんご、パパイア、グレープフルーツ、夏みかん、はっさく、メロン、もも・・などです。
それぞれ
いちご 7粒、
りんご 1/4個、
パパイア 1/2個、
グレープフルーツ 1/4個、
夏みかん 1/4個、
はっさく 1/3個、
メロン 1/8個、
もも中くらい 2/3個
くらいなら、1回の摂取量での糖質は10g以下です。
果物に含まれる糖質は、「果糖・ショ糖・ブドウ糖・ソルビトール・・・」などです。
このうちメインの果糖は、血糖値をほとんど上昇させず、上記ていどの量なら食後高血糖にはなりにくいですが、カロリーはありブドウ糖より中性脂肪に変わりやすいので体重は増えます。
あとオリーブオイルを調理に積極的に使ってカロリーを稼ぐ手もあります。
やせてる糖尿人には、「ナッツ類、果物適量、オリーブオイル」が三種の神器でしょうか。
江部康二
2012年07月08日 (日)
こんにちは。
7月8日の読売新聞に
低糖質・高蛋白質摂取で心血管イベントが上昇!?
という「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル」の論文の解説記事が掲載されました。
2012年7月3日に、医師のための情報専門サイトMT Proで、山田悟先生が、批判的に解説しておられる論文です。本ブログでも、7月3日の記事にしました。
英語に堪能な研究者の友人にアドバイスをいただきましたが、この論文は、デザインそのものに重要な問題があり信頼度は低いです。
論文の問題点
#1「栄養分析が登録時の1回のみで、15年以上その食生活が継続しているという仮定」
これは、この論文の根拠となる仮定そのものですが、おおいに疑問です。
15年間、同じ糖質・炭水化物の摂取比率ということが前提の研究ですが、これはさすがに無理があります。
そもそも、糖質制限食に対する批判の一つに長期間続けにくい食事療法であるというのがあります。
私達のように理論的に確信して糖質制限食を実践している場合は継続しやすいですが、普通の人が思いつきで糖質制限食を始めても、続かないと思います。
このように、この論文のグループ分けの根拠そのものが信頼度が低いので、そこから導き出される結論も当然、信頼度は低いです。
#2「質問事項が、食べた食物の項目で答えるタイプで、炭水化物(糖質)量など各栄養素の算出方法が明確でないこと」
糖質量・タンパク質量の算出方法が明確でないので、データの信頼性もいまいちです。
#3「交絡因子の調整ができているのかが疑問」
塩分摂取量やBMIで、心血管イベントへの影響があることは基本ですが、これら因子の調整が、本研究では充分なされていない可能性があります。
#1#2に関しては、著者自身が論文の中で弱点であると認めています。
ともあれ、#1#2#3を考慮すれば、この論文の信頼度は低いと考えられます。
私自身は、現在11年間スーパー糖質制限食実践中ですが、全ての検査データが基準値内で、 心血管リスクは限りなく低いです。高雄病院の年に1回の健康診断も受けています。
私は、あくまでも理論面からですが、糖質制限食は人類本来の食生活であり人類の健康食であると、考えています。
しかし、まだエビデンスがあるわけではありません。
従って、自分自身も糖質制限食を勧めている患者さんも、定期的に血液検査や画像診断など、心血管リスクをチェックして安全保証を確保することは必要と思います。
本研究とは逆に、日野原重明先生のように、動物性タンパク質をしっかり摂取する高齢者ほど 健康寿命が長い
という研究報告(介護されたくないなら粗食はやめなさい、熊谷修著、講談社)もあります。
日野原重明先生は「糖質制限食宣言」をしておられますよね。 (^^)
結局いろんな説、研究がある中で、自分がどの食事療法を摂取するかを、自分自身の考えで決めていくということでしょうか。
2012年07月03日 (火)の本ブログ記事
「低糖質・高蛋白質摂取で心血管イベントが上昇!?という論文を検討。」
もご参照いただけば幸いです。
江部康二
読売新聞の記事
【炭水化物を制限する食事を長期間続けると、心筋梗塞や脳卒中になる危険性が高まるとの研究を、ハーバード大などのグループが英医学誌「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル」に発表した。
炭水化物を減らすダイエットが日本でも広まっているが、慎重に取り組む必要がありそうだ。
同研究グループは1991~92年、スウェーデンの30~49歳の女性4万3396人の食生活を調査し、その後平均約16年間、心筋梗塞や脳卒中などの発症を追跡調査した。
1270例の発症例を、炭水化物とたんぱく質の摂取量によって10段階に分けて分析。炭水化物の摂取量が1段階減り、たんぱく質の摂取量が1段階増えるごとに、それぞれ発症の危険が4%ずつ増えた。一般的に炭水化物を制限する食事では高たんぱく質になる傾向がある。低炭水化物・高たんぱく質のグループでは、そうでないグループに比べて危険性が最大1・6倍高まった。
(2012年7月8日09時52分 読売新聞)】
7月8日の読売新聞に
低糖質・高蛋白質摂取で心血管イベントが上昇!?
という「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル」の論文の解説記事が掲載されました。
2012年7月3日に、医師のための情報専門サイトMT Proで、山田悟先生が、批判的に解説しておられる論文です。本ブログでも、7月3日の記事にしました。
英語に堪能な研究者の友人にアドバイスをいただきましたが、この論文は、デザインそのものに重要な問題があり信頼度は低いです。
論文の問題点
#1「栄養分析が登録時の1回のみで、15年以上その食生活が継続しているという仮定」
これは、この論文の根拠となる仮定そのものですが、おおいに疑問です。
15年間、同じ糖質・炭水化物の摂取比率ということが前提の研究ですが、これはさすがに無理があります。
そもそも、糖質制限食に対する批判の一つに長期間続けにくい食事療法であるというのがあります。
私達のように理論的に確信して糖質制限食を実践している場合は継続しやすいですが、普通の人が思いつきで糖質制限食を始めても、続かないと思います。
このように、この論文のグループ分けの根拠そのものが信頼度が低いので、そこから導き出される結論も当然、信頼度は低いです。
#2「質問事項が、食べた食物の項目で答えるタイプで、炭水化物(糖質)量など各栄養素の算出方法が明確でないこと」
糖質量・タンパク質量の算出方法が明確でないので、データの信頼性もいまいちです。
#3「交絡因子の調整ができているのかが疑問」
塩分摂取量やBMIで、心血管イベントへの影響があることは基本ですが、これら因子の調整が、本研究では充分なされていない可能性があります。
#1#2に関しては、著者自身が論文の中で弱点であると認めています。
ともあれ、#1#2#3を考慮すれば、この論文の信頼度は低いと考えられます。
私自身は、現在11年間スーパー糖質制限食実践中ですが、全ての検査データが基準値内で、 心血管リスクは限りなく低いです。高雄病院の年に1回の健康診断も受けています。
私は、あくまでも理論面からですが、糖質制限食は人類本来の食生活であり人類の健康食であると、考えています。
しかし、まだエビデンスがあるわけではありません。
従って、自分自身も糖質制限食を勧めている患者さんも、定期的に血液検査や画像診断など、心血管リスクをチェックして安全保証を確保することは必要と思います。
本研究とは逆に、日野原重明先生のように、動物性タンパク質をしっかり摂取する高齢者ほど 健康寿命が長い
という研究報告(介護されたくないなら粗食はやめなさい、熊谷修著、講談社)もあります。
日野原重明先生は「糖質制限食宣言」をしておられますよね。 (^^)
結局いろんな説、研究がある中で、自分がどの食事療法を摂取するかを、自分自身の考えで決めていくということでしょうか。
2012年07月03日 (火)の本ブログ記事
「低糖質・高蛋白質摂取で心血管イベントが上昇!?という論文を検討。」
もご参照いただけば幸いです。
江部康二
読売新聞の記事
【炭水化物を制限する食事を長期間続けると、心筋梗塞や脳卒中になる危険性が高まるとの研究を、ハーバード大などのグループが英医学誌「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル」に発表した。
炭水化物を減らすダイエットが日本でも広まっているが、慎重に取り組む必要がありそうだ。
同研究グループは1991~92年、スウェーデンの30~49歳の女性4万3396人の食生活を調査し、その後平均約16年間、心筋梗塞や脳卒中などの発症を追跡調査した。
1270例の発症例を、炭水化物とたんぱく質の摂取量によって10段階に分けて分析。炭水化物の摂取量が1段階減り、たんぱく質の摂取量が1段階増えるごとに、それぞれ発症の危険が4%ずつ増えた。一般的に炭水化物を制限する食事では高たんぱく質になる傾向がある。低炭水化物・高たんぱく質のグループでは、そうでないグループに比べて危険性が最大1・6倍高まった。
(2012年7月8日09時52分 読売新聞)】
2012年07月08日 (日)
おはようございます。
ざとさんから、NHK総合の番組で「糖尿病ビジネス最前線」と題して、糖質カット食品の紹介がされるという情報をコメントいただきました。
ざとさん、ありがとうございます。
どのような内容なのか興味があるので、私も見てみようと思います。
江部康二
【12/07/07 ざと
NHK総合:Bizプラス
NHK総合のBizプラスという番組で「糖尿病ビジネス最前線」 という内容をするようですが、副題が「糖質カット食品続々 登場、注目集める糖尿病ビジネス最前線を追う」でした。
どういう内容かはわかりませんが、NHK総合のお堅い番組で 放送すると言う事は着実に普及して来ていますね。
嬉しい事です。
NHK総合「Bizプラス」
日時:2012年7月9日(月) 午後11:35~午後11:50(15分)
http://cgi4.nhk.or.jp/hensei/program/p.cgi?area=001&date=2012-07-09&ch=21&eid=23935
糖質制限まとめサイト公開中
http://sites.google.com/site/tsmatome/】
ざとさんから、NHK総合の番組で「糖尿病ビジネス最前線」と題して、糖質カット食品の紹介がされるという情報をコメントいただきました。
ざとさん、ありがとうございます。
どのような内容なのか興味があるので、私も見てみようと思います。
江部康二
【12/07/07 ざと
NHK総合:Bizプラス
NHK総合のBizプラスという番組で「糖尿病ビジネス最前線」 という内容をするようですが、副題が「糖質カット食品続々 登場、注目集める糖尿病ビジネス最前線を追う」でした。
どういう内容かはわかりませんが、NHK総合のお堅い番組で 放送すると言う事は着実に普及して来ていますね。
嬉しい事です。
NHK総合「Bizプラス」
日時:2012年7月9日(月) 午後11:35~午後11:50(15分)
http://cgi4.nhk.or.jp/hensei/program/p.cgi?area=001&date=2012-07-09&ch=21&eid=23935
糖質制限まとめサイト公開中
http://sites.google.com/site/tsmatome/】
2012年07月07日 (土)
こんばんは。
ワイン大好きさんから、糖質制限食で血糖値、HbA1c改善という嬉しいコメントをいただきました。
2012年1月
血糖値:120、HbA1C:5.7 体重:66~67kg(身長173、年齢60)
2012年6月
血糖値:102、HbA1C:5.2 体重:60~61kg
尿酸値、中性脂肪他劇的に改善!
素晴らしい改善ですね。
糖尿の内服薬も全く必要ないです。
このデータなら適量のお酒(赤ワインなど)は問題ありません。
アルコールそのものは血糖値を上昇させませんので、糖質含有量がないか少ないお酒適量は糖質制限食OK食品です。
糖質制限食では、糖質の含まれていない蒸留酒(焼酎、ウィスキー、ブランデーなど)や糖質ゼロ発泡酒はOKですが、糖質の含まれている醸造酒(ビール、日本酒、ワインなど)は原則禁止です。
醸造酒の中で辛口赤ワインは血糖値をほとんど上昇させないのでOKです。
また白ワインでも、きっちり辛口のものなら血糖値をほとんど上げないのでOKです。
日本の従来の糖尿病治療では、飲酒は原則禁止ですが、一定の条件下で許可されることもあります。
その条件は、以下の5項目をクリアしていることです。
1良好な血糖コントロールが長期にわたって得られている
2糖尿病の合併症がないか、あっても軽度である
3脂質代謝異常(特に高トリグリセリド血症)がない
4肝・膵疾患がない
5決められた上限量を守る患者である
この5項目、糖質制限食実践している糖尿人なら、多くの人は1~4はクリアですね。
私も、1~4は完璧にクリアですが、5が微妙ですね。
5が微妙ですが、私の場合血液検査では、肝機能は常に正常です。
ワイン大好きさんも肝機能は定期的にチェックしてくださいね。
決められた上限量って本人が決めるの?
主治医が決めるの?
WIfeが決めるの?・・・ (*_*)
まあ、自己管理のうえで、自己責任で肝臓にもやさしく、個々の適量を飲むということでしょうか。 (^_^)
アルコールそのものは、1gが約7キロカロリーの燃焼エネルギーをもっていますが、摂取時の利用効率は約70%です。
エネルギー源としては、<アルコール→糖質→脂質→タンパク質>の順で利用されます。
またアルコールは、糖質や脂質と違って摂取しても体重増加作用がありませんし、血糖値も上昇させませんし、ビタミンやミネラルにも乏しいので、empty calory と言われています。
それから、アルコールを摂取すると、人体に対する毒物とみなされて優先的に肝臓で分解されますので、その間、同じ補酵素を使う糖新生がブロックされてしまいます。
従って、アルコールを摂取すると結果として、肝臓の糖新生を抑制することとなります。
一定量以上のアルコールを摂取すれば、肝臓の夜間糖新生はブロックされ、翌朝の早朝空腹時血糖値は、下がる可能性が高いです。
また、空腹時にアルコールを飲んだりすれば、糖新生が抑制される分、インスリン注射やスルフォニル尿素剤を内服している人は、低血糖を起しやすくなるので、充分な注意が必要です。
なお、欧米では、「適量」を守れば飲酒OKとしています。
例えば、米国糖尿病協会では、アルコール24g(30ml)/日を食事と共にとるていどなら適量としています。
ビール350ml缶を2本、ワイン150ml×2杯、ウイスキー45ml×2杯です。
しかし、米国糖尿病協会にも禁酒の指針があるそうです。
糖尿病患者でアルコール依存症の前歴がある人と妊婦は禁酒です。
膵炎、中性脂肪の高い脂質異常症、神経障害のある人達もイエローorレッドカードです。
江部康二
【12/07/07 ワイン大好き
★数値改善ありがとうございます
血糖値、HbA1Cとも大きく改善しましたので報告します。
1)数値の推移
・今年1月
血糖値:120、HbA1C:5.7
体重:66~67K(身長173、年齢60)
3月中旬から糖質制限開始(ミニ?レベル)
尚、高血圧で投薬中、月1回受診。
血管年齢80歳といわれています。
・6月
血糖値:102、HbA1C:5.2
体重:60~61K
その他、尿酸値、中性脂肪他劇的に改善!
2)糖質制限開始のきっかけ
血糖値が120(2回連続)をみて、医師がこのままではいずれ糖尿病になる。まずは、酒大幅に
減らして下さいとの指示。
私は、HbA1Cが問題ないのでこのままでダメかと聞いたところ、食後高血糖は問題化しているのでダメですの回答。(このときは意味不明)
赤ワイン大好きで、なんとか赤ワインを飲みたいの一心で、ネット検索。先生のブログにたどりつきました。 理論的なことにひかれ、即日開始しました。
これで、一番心配していた動脈硬化も少し進行が遅れてくれるかも。これも先生のおかげと喜んでいます。(まだ早いか!)
最後に、書き忘れましたが 45歳ころに境界型糖尿病の宣告を受けています。HbA1Cの数値はズット気にしていました。
以 上 】
ワイン大好きさんから、糖質制限食で血糖値、HbA1c改善という嬉しいコメントをいただきました。
2012年1月
血糖値:120、HbA1C:5.7 体重:66~67kg(身長173、年齢60)
2012年6月
血糖値:102、HbA1C:5.2 体重:60~61kg
尿酸値、中性脂肪他劇的に改善!
素晴らしい改善ですね。
糖尿の内服薬も全く必要ないです。
このデータなら適量のお酒(赤ワインなど)は問題ありません。
アルコールそのものは血糖値を上昇させませんので、糖質含有量がないか少ないお酒適量は糖質制限食OK食品です。
糖質制限食では、糖質の含まれていない蒸留酒(焼酎、ウィスキー、ブランデーなど)や糖質ゼロ発泡酒はOKですが、糖質の含まれている醸造酒(ビール、日本酒、ワインなど)は原則禁止です。
醸造酒の中で辛口赤ワインは血糖値をほとんど上昇させないのでOKです。
また白ワインでも、きっちり辛口のものなら血糖値をほとんど上げないのでOKです。
日本の従来の糖尿病治療では、飲酒は原則禁止ですが、一定の条件下で許可されることもあります。
その条件は、以下の5項目をクリアしていることです。
1良好な血糖コントロールが長期にわたって得られている
2糖尿病の合併症がないか、あっても軽度である
3脂質代謝異常(特に高トリグリセリド血症)がない
4肝・膵疾患がない
5決められた上限量を守る患者である
この5項目、糖質制限食実践している糖尿人なら、多くの人は1~4はクリアですね。
私も、1~4は完璧にクリアですが、5が微妙ですね。
5が微妙ですが、私の場合血液検査では、肝機能は常に正常です。
ワイン大好きさんも肝機能は定期的にチェックしてくださいね。
決められた上限量って本人が決めるの?
主治医が決めるの?
WIfeが決めるの?・・・ (*_*)
まあ、自己管理のうえで、自己責任で肝臓にもやさしく、個々の適量を飲むということでしょうか。 (^_^)
アルコールそのものは、1gが約7キロカロリーの燃焼エネルギーをもっていますが、摂取時の利用効率は約70%です。
エネルギー源としては、<アルコール→糖質→脂質→タンパク質>の順で利用されます。
またアルコールは、糖質や脂質と違って摂取しても体重増加作用がありませんし、血糖値も上昇させませんし、ビタミンやミネラルにも乏しいので、empty calory と言われています。
それから、アルコールを摂取すると、人体に対する毒物とみなされて優先的に肝臓で分解されますので、その間、同じ補酵素を使う糖新生がブロックされてしまいます。
従って、アルコールを摂取すると結果として、肝臓の糖新生を抑制することとなります。
一定量以上のアルコールを摂取すれば、肝臓の夜間糖新生はブロックされ、翌朝の早朝空腹時血糖値は、下がる可能性が高いです。
また、空腹時にアルコールを飲んだりすれば、糖新生が抑制される分、インスリン注射やスルフォニル尿素剤を内服している人は、低血糖を起しやすくなるので、充分な注意が必要です。
なお、欧米では、「適量」を守れば飲酒OKとしています。
例えば、米国糖尿病協会では、アルコール24g(30ml)/日を食事と共にとるていどなら適量としています。
ビール350ml缶を2本、ワイン150ml×2杯、ウイスキー45ml×2杯です。
しかし、米国糖尿病協会にも禁酒の指針があるそうです。
糖尿病患者でアルコール依存症の前歴がある人と妊婦は禁酒です。
膵炎、中性脂肪の高い脂質異常症、神経障害のある人達もイエローorレッドカードです。
江部康二
【12/07/07 ワイン大好き
★数値改善ありがとうございます
血糖値、HbA1Cとも大きく改善しましたので報告します。
1)数値の推移
・今年1月
血糖値:120、HbA1C:5.7
体重:66~67K(身長173、年齢60)
3月中旬から糖質制限開始(ミニ?レベル)
尚、高血圧で投薬中、月1回受診。
血管年齢80歳といわれています。
・6月
血糖値:102、HbA1C:5.2
体重:60~61K
その他、尿酸値、中性脂肪他劇的に改善!
2)糖質制限開始のきっかけ
血糖値が120(2回連続)をみて、医師がこのままではいずれ糖尿病になる。まずは、酒大幅に
減らして下さいとの指示。
私は、HbA1Cが問題ないのでこのままでダメかと聞いたところ、食後高血糖は問題化しているのでダメですの回答。(このときは意味不明)
赤ワイン大好きで、なんとか赤ワインを飲みたいの一心で、ネット検索。先生のブログにたどりつきました。 理論的なことにひかれ、即日開始しました。
これで、一番心配していた動脈硬化も少し進行が遅れてくれるかも。これも先生のおかげと喜んでいます。(まだ早いか!)
最後に、書き忘れましたが 45歳ころに境界型糖尿病の宣告を受けています。HbA1Cの数値はズット気にしていました。
以 上 】
2012年07月07日 (土)
こんにちは。
糖質制限食で、HbA1cが改善。
尿素窒素高値は大丈夫?
というコメントをいただきました。
拙著のご購入ありがとうございます。
約1年半の糖質制限食実践で、HbA1c:10.0%(JDS)→5.8%(JDS?NGSP?)
直近のHbA1c5.8%がNGSP値なら、JDS換算だと5.4%ですから、コントロール優秀で正常範囲ですね。
尿素窒素(BUN)ですが、ご質問の21.9mg/dlていどなら、全く問題ありません。
確かに尿素窒素(BUN)の一般的な基準値は8~20mg/dlくらいです。
しかし、糖質制限食中は、30mg/dl程度なら生理的で正常値と考えてOKです。
細胞内の蛋白質が限度まで満たされると、体液中のアミノ酸は分解され、エネルギーとして使われたり、主に脂質あるいは、わずかながらグリコーゲンとして貯蔵されます。この大部分は、肝臓で行われます。
アミノ酸分解産物であるアンモニアが、そのままでは神経毒性を有するため、肝で尿素サイクルの代謝をうけて尿素が産生されます。
尿素のほとんどは、腎臓の糸球体で濾過されて尿中に排泄されますが、その一部は再吸収され、血中に戻されます。
一部再吸収されるので、高タンパク食(糖質制限食)により、血中尿素窒素(BUN)が高値となることはありますが、これは生理的な現象で、腎機能障害ではありません。血中クレアチニン値や血中シスタチンCの値が正常であれば問題ありません。
また、高タンパク食(糖質制限食)で、正常な腎臓に負担がかかるということもありません。
従いまして糖質制限食実践中で、尿素窒素が21.9mg/dlでもクレアチニン値が0.5mg/dlならば、腎機能は正常であり、尿素窒素の見かけ上の軽度高値は、生理的なもので、何の心配もいりません。
江部康二
【12/07/07
はじめまして!
私は、1年半前に体の倦怠感を感じ近医を受診したところ糖尿病と診断されHA1c10で即入院となりました。
そこで江部先生の糖質制限食の本と出会い、それからずっと糖質制限食を実行させて頂いております。 おかげさまでHA1cも今では、5、8となっております。
ですが、今回会社の健康診断で尿素窒素が21.9と正常範囲を超えてしまい経過観察となりました。
それから心配と不安感が募ったため、今日は思い切って江部先生に相談させていただきます。
このような数字は、あまり心配しないほうがいいのでしょうか?ちなみにクレアチニンは0.5と正常範囲でした。】
糖質制限食で、HbA1cが改善。
尿素窒素高値は大丈夫?
というコメントをいただきました。
拙著のご購入ありがとうございます。
約1年半の糖質制限食実践で、HbA1c:10.0%(JDS)→5.8%(JDS?NGSP?)
直近のHbA1c5.8%がNGSP値なら、JDS換算だと5.4%ですから、コントロール優秀で正常範囲ですね。
尿素窒素(BUN)ですが、ご質問の21.9mg/dlていどなら、全く問題ありません。
確かに尿素窒素(BUN)の一般的な基準値は8~20mg/dlくらいです。
しかし、糖質制限食中は、30mg/dl程度なら生理的で正常値と考えてOKです。
細胞内の蛋白質が限度まで満たされると、体液中のアミノ酸は分解され、エネルギーとして使われたり、主に脂質あるいは、わずかながらグリコーゲンとして貯蔵されます。この大部分は、肝臓で行われます。
アミノ酸分解産物であるアンモニアが、そのままでは神経毒性を有するため、肝で尿素サイクルの代謝をうけて尿素が産生されます。
尿素のほとんどは、腎臓の糸球体で濾過されて尿中に排泄されますが、その一部は再吸収され、血中に戻されます。
一部再吸収されるので、高タンパク食(糖質制限食)により、血中尿素窒素(BUN)が高値となることはありますが、これは生理的な現象で、腎機能障害ではありません。血中クレアチニン値や血中シスタチンCの値が正常であれば問題ありません。
また、高タンパク食(糖質制限食)で、正常な腎臓に負担がかかるということもありません。
従いまして糖質制限食実践中で、尿素窒素が21.9mg/dlでもクレアチニン値が0.5mg/dlならば、腎機能は正常であり、尿素窒素の見かけ上の軽度高値は、生理的なもので、何の心配もいりません。
江部康二
【12/07/07
はじめまして!
私は、1年半前に体の倦怠感を感じ近医を受診したところ糖尿病と診断されHA1c10で即入院となりました。
そこで江部先生の糖質制限食の本と出会い、それからずっと糖質制限食を実行させて頂いております。 おかげさまでHA1cも今では、5、8となっております。
ですが、今回会社の健康診断で尿素窒素が21.9と正常範囲を超えてしまい経過観察となりました。
それから心配と不安感が募ったため、今日は思い切って江部先生に相談させていただきます。
このような数字は、あまり心配しないほうがいいのでしょうか?ちなみにクレアチニンは0.5と正常範囲でした。】
2012年07月06日 (金)
こんばんは。
昨日の精神科医Aさんによる「食事摂取基準の変遷」の続きです。
昨日の記事で、食事摂取基準変遷の大きな流れとしては、
精神科医Aさんのコメント
【食事摂取基準2005年と2010年を比較してみると、2005年では「ぶどう糖要求量は少なくとも100g/日」との記述があった。2010年には100g/日以下でも糖新生が行われる、との記述が加わった。推定平均必要量も明記されていない。
また2005年では「炭水化物エネルギー比率として50~70%エネルギーを成人の目標量」としているが、2010年では「そこで、十分な根拠はないものの、おおむね…」の表現が加わった。
結論として、炭水化物のエネルギー比率を決定する明確なエビデンスは全くなく、低炭水化物食を否定しない方向に傾いている。】
にもあるように、糖質制限食を否定する表現が後退して、「100g/日以下でも糖新生が行われる」など容認する方向性がでてきているようです。
さらに、食事摂取基準と国会審議(1)における、古川俊治委員の発言をみると
【今年の7月のニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンは、炭水化物を減らすことがいいんだと、実は。脂肪は不飽和脂肪酸を取る限りは問題がないというようなデータがこれは確実に出ます。
これはもう明らかなエビデンスなんですけれども、そのほかにも私知っているだけで四つのエビデンスがあります。低炭水化物食が一番メタボリックシンドロームを良くするということなんですね。
それについて、これ日本人の食事基準にもうずうっと使っていますけれども、こういうエビデンス、新しいのが出たら速やかにそういったものを使う、そういった体制を整えるべきじゃないかと、私はそう考えるんですが、いかがでしょうか。】
炭水化物を減らすことがいいというエビデンスが、ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンの論文にあり、それに加えてさらに4つエビデンスがあると発言しておられます。
糖質制限食の味方が、確実に増えていますね。
江部康二
☆☆☆精神科医Aさんのコメント
最後に、日本人の食事摂取基準(2010年版)ブロック別講習会資料の総論から引用しておく
www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/pdf/blockbetu-shiryou01.pdf
(総論3) 今までの食事・栄養と健康に関するさまざまな研究の結果を、世界中から集め(エビデンスの収集)、それぞれの研究結果について、専門家が内容を読み、まとめる作業を行い(系統的レビュー)、科学的根拠に基づく策定を行った。2000年以後、参考文献の数は急増している。最近の栄養学の進歩と変化はめざましい。
(総論14) 食事摂取基準は、数値の時代から理論・理屈の時代に入った。活用は、数値をあてはめる時代から、考える時代に入った。専門職として、深く理解し、適切に活用したい。
「総論」を3回読んでください。
1回目:ざっと
2回目:肯定的に(理解しようと前向きに)
3回目:懐疑的に(疑問をもって)
2012/04/12(Thu) 21:18 | URL | 精神科医師A | 【編集】
食事摂取基準と国会審議(1)
参院厚生労働委員会2008年11月13日
http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/170/0062/17011130062002c.html
○古川俊治委員
ちょっと急ぎになりましたけれども、今日ちょっとお配りしていただいたこの表を見ていただきたいと思います。
ちょっと御興味ある方、是非覚えていただきたいんですね。これは、抗メタボリックとともに、同時に、抗加齢ということも言われていますね、なるべく若くしていくにはこういうのが必要だ。ちょっと出典は示しておりませんが、左側の表が今年の3月の日本医師会雑誌の2385ページの表でございます。
それから右側の表は、2005年の、最新版のハーバード・メディカル・スクールのパブリックヘルスの教室から出ております食料のピラミッドというやつでありまして、一番新しいデータを参考にして入っております。その二つが出典なんでございますが。
従来ですと、このメタボリックシンドローム、今日、櫻井議員からも、今席外していらっしゃるんですが、メタボリックシンドロームがリスクの要因であって、心疾患の発症に大きく影響しているということは日本の基準を使ってもあります、データは。そこはあるんですね、エビデンスが。
それから、メタボリックシンドロームは疾患が多いということはあります。それから、メタボリックシンドロームに対して運動介入を行うと疾患の罹患率が下がるというエビデンスもあります。そこは正しいんですね。
あとは、医療費が下がるかどうかというところについては、医療費を下げたというパイロットスタディー、幾つかあると。健診の値段とそれが見合うかというところについてはまだありません。だから、多分今後はそれが必要なんだろうというふうに私は考えています。
それで、その上で、2005年の食事基準、食料基準ですか、というのが厚生労働省がいろいろと、栄養基準ですね、これを作っておりまして、2010年までこれが使われる予定になっているんですけれども、そこで、総カロリーについて大体55から60%ぐらいが炭水化物から取れというような指針になっていて、今の食事バランスガイドも全部それになっています。
なるべく脂肪を減らしなさい、今まで脂肪摂取量が増えたんで日本人は不健康になったんだと、炭水化物は55から60%取れというんですね。
ところが、今年の7月のニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンは、炭水化物を減らすことがいいんだと、実は。脂肪は不飽和脂肪酸を取る限りは問題がないというようなデータがこれは確実に出ます。
これはもう明らかなエビデンスなんですけれども、そのほかにも私知っているだけで四つのエビデンスがあります。低炭水化物食が一番メタボリックシンドロームを良くするということなんですね。
それについて、これ日本人の食事基準にもうずうっと使っていますけれども、こういうエビデンス、新しいのが出たら速やかにそういったものを使う、そういった体制を整えるべきじゃないかと、私はそう考えるんですが、いかがでしょうか。
2012/04/12(Thu) 21:19 | URL | 精神科医師A | 【編集】
食事摂取基準と国会審議(2)
○上田博三 厚生労働省健康局長
日本人の食事摂取基準は、健康な個人又は集団を対象として国民の健康の保持増進に資するため、食事によるエネルギー及び栄養素の摂取量の基準を示したものでございまして、昭和45年以来おおむね5年ごとに改定されております。
現在、我が国の栄養指導に用いられているものは2005年度版でございますが、これを改定をして、今2010年度版を作るべく既に検討会を立ち上げたところでございます。
検討会におきましては、近年の国民の栄養状態の推移や国内外における最新文献等を分析、評価をしているところでございまして、委員御指摘の研究成果も踏まえその場において議論されるものと考えておりますけれども、このことによりまして食事摂取基準が最新の科学的知見を踏まえたものになるように改定作業を進めていくこととしております。
○古川俊治
5年のうちに今の食事の常識というのは明らかに変わるほど知見が集積されるようになりました。速やかに国民に使われることこそ必要だと思います。正しい知見を広めていくこと、間違った基準を使ってそのまま施策が行われるという状態を早く改善していく、これを、情報を開示することぐらいはやっていただきたいというふうに考えます。
もう一つ重要なのが糖尿病の問題なんですね。これ、今の成人人口の約20%はもう既に予備軍と言われておりまして、今後は30%ぐらいに増える、医療費のすごく足かせになるわけですけれども、これで、グルコース・インシュリン・インデックスというのが決まっておりまして、食事によってこれを低いものを食べた方が血糖値が上がりにくいんですね。
これは、血糖値が上がることが実を言うと今老化やメタボリックに非常に悪いということがだんだん分かってきておりまして、これできるだけ低いものを食べた方がいい。こういう考え方も全然食事摂取基準に入っていないんですよね、栄養バランスにですね。
これは驚くことに、GIは白米が実は77なんですよ、驚くというか寂しいことにですね。ケーキとかチョコレートやビスケットの方が同じカロリーを取るんだと血糖値が上がりにくいんですよね。
ホワイトブレッドと白米、いわゆる食パンの白いやつ、これが一番はっきり言って良くなくて、この右側のピラミッドを見ていただきたいんですが、一番上、ホワイトライス、ホワイトブレッドと書いてありますよね。
これはスイーツと同じところに置かれているんですよ。これだけは毎日取るなと言うんですね。控えめにしてくれと言っているんですよね、すごく。
ところが、下から二番目の左側にホール・グレーン・フーズってありますよね。すなわち、グラハムパンとかあるいは玄米のことなんですよね、こういうのは。そういうのが血糖値が上がりにくいから、こっちに変えろと言っているんですね。
現在のところ、玄米の方が白米よりいいなんという指針も全然表れていないですし、これ食べ方にもよるんですが、一般にもう高GI食というのはまずいということが定説になっている、こういうことも是非踏まえてやっていただきたいと思います。これはちょっと、以上御紹介だけにしておきますが、そういったことも入れないともう5年ごとでは遅いということだけ申し上げさせていただきます。
*健康科学 No.2:食事と運動による健康づくり 古川俊治先生のサイト
www.toshiharu-furukawa.jp/healthscience/index.html
食生活としては、脂肪(特に飽和脂肪酸)や炭水化物の摂取を抑え、低カロリー高たんぱくで、多くの種類の食材を用いた食事とするのが原則です。日本食や地中海食が健康食の代表です。
2012/04/12(Thu) 21:20 | URL | 精神科医師A
昨日の精神科医Aさんによる「食事摂取基準の変遷」の続きです。
昨日の記事で、食事摂取基準変遷の大きな流れとしては、
精神科医Aさんのコメント
【食事摂取基準2005年と2010年を比較してみると、2005年では「ぶどう糖要求量は少なくとも100g/日」との記述があった。2010年には100g/日以下でも糖新生が行われる、との記述が加わった。推定平均必要量も明記されていない。
また2005年では「炭水化物エネルギー比率として50~70%エネルギーを成人の目標量」としているが、2010年では「そこで、十分な根拠はないものの、おおむね…」の表現が加わった。
結論として、炭水化物のエネルギー比率を決定する明確なエビデンスは全くなく、低炭水化物食を否定しない方向に傾いている。】
にもあるように、糖質制限食を否定する表現が後退して、「100g/日以下でも糖新生が行われる」など容認する方向性がでてきているようです。
さらに、食事摂取基準と国会審議(1)における、古川俊治委員の発言をみると
【今年の7月のニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンは、炭水化物を減らすことがいいんだと、実は。脂肪は不飽和脂肪酸を取る限りは問題がないというようなデータがこれは確実に出ます。
これはもう明らかなエビデンスなんですけれども、そのほかにも私知っているだけで四つのエビデンスがあります。低炭水化物食が一番メタボリックシンドロームを良くするということなんですね。
それについて、これ日本人の食事基準にもうずうっと使っていますけれども、こういうエビデンス、新しいのが出たら速やかにそういったものを使う、そういった体制を整えるべきじゃないかと、私はそう考えるんですが、いかがでしょうか。】
炭水化物を減らすことがいいというエビデンスが、ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンの論文にあり、それに加えてさらに4つエビデンスがあると発言しておられます。
糖質制限食の味方が、確実に増えていますね。
江部康二
☆☆☆精神科医Aさんのコメント
最後に、日本人の食事摂取基準(2010年版)ブロック別講習会資料の総論から引用しておく
www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/pdf/blockbetu-shiryou01.pdf
(総論3) 今までの食事・栄養と健康に関するさまざまな研究の結果を、世界中から集め(エビデンスの収集)、それぞれの研究結果について、専門家が内容を読み、まとめる作業を行い(系統的レビュー)、科学的根拠に基づく策定を行った。2000年以後、参考文献の数は急増している。最近の栄養学の進歩と変化はめざましい。
(総論14) 食事摂取基準は、数値の時代から理論・理屈の時代に入った。活用は、数値をあてはめる時代から、考える時代に入った。専門職として、深く理解し、適切に活用したい。
「総論」を3回読んでください。
1回目:ざっと
2回目:肯定的に(理解しようと前向きに)
3回目:懐疑的に(疑問をもって)
2012/04/12(Thu) 21:18 | URL | 精神科医師A | 【編集】
食事摂取基準と国会審議(1)
参院厚生労働委員会2008年11月13日
http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/170/0062/17011130062002c.html
○古川俊治委員
ちょっと急ぎになりましたけれども、今日ちょっとお配りしていただいたこの表を見ていただきたいと思います。
ちょっと御興味ある方、是非覚えていただきたいんですね。これは、抗メタボリックとともに、同時に、抗加齢ということも言われていますね、なるべく若くしていくにはこういうのが必要だ。ちょっと出典は示しておりませんが、左側の表が今年の3月の日本医師会雑誌の2385ページの表でございます。
それから右側の表は、2005年の、最新版のハーバード・メディカル・スクールのパブリックヘルスの教室から出ております食料のピラミッドというやつでありまして、一番新しいデータを参考にして入っております。その二つが出典なんでございますが。
従来ですと、このメタボリックシンドローム、今日、櫻井議員からも、今席外していらっしゃるんですが、メタボリックシンドロームがリスクの要因であって、心疾患の発症に大きく影響しているということは日本の基準を使ってもあります、データは。そこはあるんですね、エビデンスが。
それから、メタボリックシンドロームは疾患が多いということはあります。それから、メタボリックシンドロームに対して運動介入を行うと疾患の罹患率が下がるというエビデンスもあります。そこは正しいんですね。
あとは、医療費が下がるかどうかというところについては、医療費を下げたというパイロットスタディー、幾つかあると。健診の値段とそれが見合うかというところについてはまだありません。だから、多分今後はそれが必要なんだろうというふうに私は考えています。
それで、その上で、2005年の食事基準、食料基準ですか、というのが厚生労働省がいろいろと、栄養基準ですね、これを作っておりまして、2010年までこれが使われる予定になっているんですけれども、そこで、総カロリーについて大体55から60%ぐらいが炭水化物から取れというような指針になっていて、今の食事バランスガイドも全部それになっています。
なるべく脂肪を減らしなさい、今まで脂肪摂取量が増えたんで日本人は不健康になったんだと、炭水化物は55から60%取れというんですね。
ところが、今年の7月のニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンは、炭水化物を減らすことがいいんだと、実は。脂肪は不飽和脂肪酸を取る限りは問題がないというようなデータがこれは確実に出ます。
これはもう明らかなエビデンスなんですけれども、そのほかにも私知っているだけで四つのエビデンスがあります。低炭水化物食が一番メタボリックシンドロームを良くするということなんですね。
それについて、これ日本人の食事基準にもうずうっと使っていますけれども、こういうエビデンス、新しいのが出たら速やかにそういったものを使う、そういった体制を整えるべきじゃないかと、私はそう考えるんですが、いかがでしょうか。
2012/04/12(Thu) 21:19 | URL | 精神科医師A | 【編集】
食事摂取基準と国会審議(2)
○上田博三 厚生労働省健康局長
日本人の食事摂取基準は、健康な個人又は集団を対象として国民の健康の保持増進に資するため、食事によるエネルギー及び栄養素の摂取量の基準を示したものでございまして、昭和45年以来おおむね5年ごとに改定されております。
現在、我が国の栄養指導に用いられているものは2005年度版でございますが、これを改定をして、今2010年度版を作るべく既に検討会を立ち上げたところでございます。
検討会におきましては、近年の国民の栄養状態の推移や国内外における最新文献等を分析、評価をしているところでございまして、委員御指摘の研究成果も踏まえその場において議論されるものと考えておりますけれども、このことによりまして食事摂取基準が最新の科学的知見を踏まえたものになるように改定作業を進めていくこととしております。
○古川俊治
5年のうちに今の食事の常識というのは明らかに変わるほど知見が集積されるようになりました。速やかに国民に使われることこそ必要だと思います。正しい知見を広めていくこと、間違った基準を使ってそのまま施策が行われるという状態を早く改善していく、これを、情報を開示することぐらいはやっていただきたいというふうに考えます。
もう一つ重要なのが糖尿病の問題なんですね。これ、今の成人人口の約20%はもう既に予備軍と言われておりまして、今後は30%ぐらいに増える、医療費のすごく足かせになるわけですけれども、これで、グルコース・インシュリン・インデックスというのが決まっておりまして、食事によってこれを低いものを食べた方が血糖値が上がりにくいんですね。
これは、血糖値が上がることが実を言うと今老化やメタボリックに非常に悪いということがだんだん分かってきておりまして、これできるだけ低いものを食べた方がいい。こういう考え方も全然食事摂取基準に入っていないんですよね、栄養バランスにですね。
これは驚くことに、GIは白米が実は77なんですよ、驚くというか寂しいことにですね。ケーキとかチョコレートやビスケットの方が同じカロリーを取るんだと血糖値が上がりにくいんですよね。
ホワイトブレッドと白米、いわゆる食パンの白いやつ、これが一番はっきり言って良くなくて、この右側のピラミッドを見ていただきたいんですが、一番上、ホワイトライス、ホワイトブレッドと書いてありますよね。
これはスイーツと同じところに置かれているんですよ。これだけは毎日取るなと言うんですね。控えめにしてくれと言っているんですよね、すごく。
ところが、下から二番目の左側にホール・グレーン・フーズってありますよね。すなわち、グラハムパンとかあるいは玄米のことなんですよね、こういうのは。そういうのが血糖値が上がりにくいから、こっちに変えろと言っているんですね。
現在のところ、玄米の方が白米よりいいなんという指針も全然表れていないですし、これ食べ方にもよるんですが、一般にもう高GI食というのはまずいということが定説になっている、こういうことも是非踏まえてやっていただきたいと思います。これはちょっと、以上御紹介だけにしておきますが、そういったことも入れないともう5年ごとでは遅いということだけ申し上げさせていただきます。
*健康科学 No.2:食事と運動による健康づくり 古川俊治先生のサイト
www.toshiharu-furukawa.jp/healthscience/index.html
食生活としては、脂肪(特に飽和脂肪酸)や炭水化物の摂取を抑え、低カロリー高たんぱくで、多くの種類の食材を用いた食事とするのが原則です。日本食や地中海食が健康食の代表です。
2012/04/12(Thu) 21:20 | URL | 精神科医師A