2012年7月1日(日)市民公開講座、「糖尿病・生活習慣病と糖質制限食」
おはようございます。

今日、6月30日(土)は札幌で夜、『第17回札幌市医師会西区支部糖尿病勉強会』において糖質制限食の講演会です。

「京都駅からはるかに乗って→関空→千歳→札幌」です。

懇親会のあとは、札幌から千歳まで移動してホテルに宿泊です。

飛行機が以下の便を逃すと、市民公開講座に間に合わなくなるので、アセアセです。σ(=_=;)ヾ 

7月1日(日)新千歳7:40-伊丹9:30の飛行機で帰ってきます。

翌、7月1日(日)は、国立京都国際会館で開催中の第63回日本東洋医学会学術総会において、

14:25-15:55 市民公開講座、「糖尿病・生活習慣病と糖質制限食」

の講師を務めます。

何だか芸能人並の忙しさになってきました。(∵)?

市民公開講座、「糖尿病・生活習慣病と糖質制限食」は、料金無料で、指定席もなしです

わかりやすいお話を目指しますので、時間のある方は、是非どうぞ。



江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
スーパー糖質制限食とプチ糖質制限食と普通食とHDL-C
こんにちは。

仙台在住の大酒のみのリハ医、ヘルミさんから、久しぶりに検査データの報告コメントをいただきました。

ヘルミさんは、非糖尿人です。

2年前に、スーパー糖質制限食実践6ヶ月目で、
HDL-C:191mg/dl(基準値は41~61)という驚異の数字を
叩き出しておられます。ヾ(゜▽゜)

2011年3月、東日本大震災でスーパー糖質制限食が中断、6月の検査でHDL-C:100mg/dl

2012年4月末から、スーパー糖質制限食を再開されて、6月27日の健康診断で、
T-Cho 251  TG 53  HDL 136  LDL 104
GOT 16  GPT 10  γ-GTP 17

これだけ酒を飲まれても肝機能は常に正常とはすごいですね。(^^) 

スーパー再開2ヶ月目の検査で

<T-Cho 251  TG 53  HDL 136  LDL 104>

これはスーパー糖質制限食11年目の江部康二のデータとほぼ同じです。

私自身は、スーパー糖質制限食実践者(例えば江部康二)のデータが農耕前の人類のご先祖の血液検査データと同等ではないかと推測しております。

ヘルミさんの検査データの今後の推移が注目されますね。


<2012年3月の江部康二の検査データ>
TC:249mg/dl(150~219)
TG:73mg/dl(50~149)
HDL-C:104 mg/dl(40~98)
LDL-C:130 mg/dl(140未満)




江部康二


【12/06/29 ヘルミ
HDL

江部先生 こんにちは。

仙台在住の大酒のみのリハ医、2年前にHDL最高191をたたき出した非糖尿人のヘルミです。

6月27日の健康診断結果です。

T-Cho 251 TG 53 HDL 136 LDL 104 ( GOT 16 GPT 10 γ-GTP 17)

私はずっと前から夕食は主食抜きでプチ糖質制限をしているようなものでしたが、H21年5月にdanchuの「満腹ダイエット」で糖質制限を知り、即日3食とも主食をやめ、江部先生の本を買いあさりスーパー糖質制限をはじめました。

それから「人体実験」と称して毎月血液検査を行い、6ヵ月後にHDLが191と最高値に達し、以降は130~170を行ったりきたり。

昨年3月の東日本大震災で中断しましたが、中断中の昨年6月の健康診断(あの状況下でよくやったな・・・)でのHDLは100でした。

支援物資であちこちからいただいた米も消費しつくし、今年4月末から糖質制限を再開してこの数字です。ちなみに、アルコール量はすべて同じくらいだと思います。

まとめますと、 もともとのプチ糖質制限+大量飲酒でHDLは90~100程度

スーパー糖質制限で6ヶ月目に最高値

糖質制限をやめると速やかに元に戻る

再開すると当然あがる

となりました。

アルコールの影響が相当ありますので全然参考にならないかもしれませんが、ご報告いたします。】


<妊娠糖尿病>20歳「痩せすぎ」は注意…筑波大分析
こんにちは。

mmxさん、北九州・三島さんから

<妊娠糖尿病>20歳「痩せすぎ」は注意

という毎日新聞の記事について情報を頂きました。

mmxさん、北九州・三島さん、ありがとうございます。

20才時点のBMI(体格指数)が18未満の「痩せている」に該当していた女性は、BMIが20以上25未満の女性に比べて、妊娠糖尿病になるリスクが4.85倍という研究が筑波大水戸地域医療教育センターの谷内洋子博士研究員らにより報告されました。

ブログ読者の方で、BMIすでに20くらいなのに、痩せないというコメントをいただくことがありますが、痩せすぎには、問題がいろいろあるようです。


1)世界ガン研究基金の報告では、BMI:20~25未満 が目標で発ガンリスクが少ない。
2)ランセットの論文では欧米人はBMI:22.5~25 が総死亡率が一番低い。(*)
3)ニューイングランド・ジャーナルの論文では、アジア人はBMI:23~27 が 
  総死亡率が一番低い。(**)


今回の毎日新聞の記事、そして1)2)3)を考慮すれば、現在痩せすぎの人は、少なくともBMI:20 は確保するほうが、安全といえます。


(*)
Prospective Studies Collaboration
PSC, Whitlock G, et al. Lancet 2009; 373: 1083–96

(**)
Zheng W, et al.N Engl J Med. 2011 Feb 24;364(8):719-29.
Association between body-mass index and risk of death in more than 1 million Asians.


『12/06/27 mmx

<妊娠糖尿病>20歳「痩せすぎ」は注意…筑波大分析

毎日新聞 6月27日(水)11時17分配信

20歳のときに痩せている女性が妊娠すると、妊娠糖尿病になる危険性が高まることが、筑波大水戸地域医療教育センターの谷内洋子博士研究員らの分析で明らかになった。欧米の研究で肥満が妊娠糖尿病を起こしやすいことは知られていたが、痩せていることとの関連が確認されたのは初めて。英糖尿病学会誌電子版に発表した。

◇インスリン分泌量、十分に増えず

妊娠をきっかけにインスリンの働きが落ち、インスリン分泌量が十分に増えずに血糖値が高くなる状態を妊娠糖尿病という。妊娠糖尿病になると、胎児が大きくなりすぎたり、早産や妊娠高血圧症候群を起こす恐れがある。

研究チームは08~10年に、糖尿病になったことがない妊娠初期の女性624人を追跡調査した。その結果、妊娠中期までに28人が妊娠糖尿病を発症した。女性たちの20歳時点の体重を聞き、分析した結果、BMI(体格指数)が18未満の「痩せている」に該当する体重だった女性は、BMIが18以上で肥満でもない女性と比べ、妊娠糖尿病を発症する可能性が4.85倍も高かった。

痩せている女性は、青年期に必要な栄養の不足や筋肉量が少ないことが血糖値を高めている可能性があるという。チームの曽根博仁・筑波大教授(内科)は「30代ぐらいまで痩せすぎの女性が多いのが日本の特徴。痩せていることが美しいとの風潮や意識を見直す必要がある」と話している。【永山悦子】』



テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
北九州・三島さんのご報告、腎症第2期が改善。
おはようございます。

北九州三島さんから、経過報告をコメントいただきました。

あらためて拝見すると、糖尿病腎症第2期(早期腎症)から、第1期(腎症前期)に回復されたのですね。

素晴らしいです。(⌒o⌒)v

微量アルブミン尿陽性(早期腎症)や、タンパク尿陽性・第3期A(顕性腎症前期)くらいまでは、糖質制限食で血糖コントロールを良好に保つことで、腎症前期に回復することが多いです。

現在年間約16000人以上が糖尿病腎症から人工透析導入されています。

高血糖こそが、腎臓の細小血管を障害する最大のリスクと言えるでしょう。


2010.9.27 初診
HbAb1c  旧値7.5%
2012年6月26日
HbAb1c  5.6%(NGSP)・・・旧値(JDS)なら5.2%

こちらも、2%以上の素晴らしい改善です。

新薬の臨床試験では、HbA1cが1%改善したら、大変な効果ということになりますから、三島さんの糖質制限食でHbA1c2.3%改善というのは、実はすごいことなのです。(^^)


体脂肪率も

2011.5.26:28.1%
2012.6.26:22.8%

こちらも、体脂肪率22.8%はすでに基準値内ですのでOKですね。

現在、身長165.7cm、体重59.2kg 
BMIも21.6で、とてもいいです。 (^_^)


三島さん、これからも美味しく楽しく末長く糖質制限食をお続けくださいね。

そうそう、焼酎・赤ワインもほどよくお願い申し上げます。m(_ _)m


江部康二


【12/06/26 北九州 三島
6月の健診結果です。

考査対策で、24時迄勤務。

夜食は、

赤ワイン1杯、焼酎1合に、
豚バラ塩焼き(100g)と、大根とツナのサラダ(50g)

で、9時間後の検査結果です。

◆2012年6月26日(火)
 *糖質制限食、満13カ月<黄金律1か月>
体脂肪      22.8%
体重       59.2kg
血圧      120/80
空腹時     111
HbAb1c    5.6
アルブミン     -
尿糖       (-)
尿中ケトン体   (2+)
*ケトン体が再登場、<糖質12g>以下の日が多かった

◆2012年5月29日(火) 
*糖質制限食、満12カ月、<糖質20g以下>
体脂肪 21.6%
体重 59.4kg
血圧 130/80
空腹時 120
HbAb1c 5.7
アルブミン  -
尿糖 -
尿中ケトン体

◆過去、最も悪かった値
体脂肪 28.1%(2011.5.26)
体重 64.8kg(2010.11.26)
血圧 130/80~90
空腹時 178(2011.2.24)
HbAb1c  旧値7.5(2010.9.27 *初診)
アルブミン  +
尿糖
尿中ケトン体

◆61歳、男性、身長165.7cm

◆主治医の所見;「体脂肪率以外は、すべていいですね。
         今の食事のままでいいでしょう。
         運動はして下さい。」
        (お薬不要…という意味か?) 
        
        「お酒はどれくらい?」
        「赤ワイン1杯、焼酎1合」
        「結構飲まれるんですね。」
        
        「実は、飲めば、もっと飲めるんです。」
        「中性脂肪は、直近。
         γは一週間。
         HbA1cは2カ月の値だから…。」
        
        「脂質を多めに摂っているので、
         バランスボールを椅子がわりにして、腹筋を鍛えてます。」
        「そりゃ、いいですね。頑張ってください。」

PS 至って、良好。バリバリ、生徒を鍛えています。

   江部先生のおかげです。感謝申し上げます。】




テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
上質のHbA1cとは?
おはようございます。

2012年6月23日(土)

東京慈恵医科大学付属柏病院 糖尿病・代謝・内分泌内科 準教授 森豊先生の講演会が、京都のセンチュリーホテルで開催されたので参加しました。

森先生は、CGM(Continuous Glucose Monitoring:持続血糖測定)システム(*)を駆使して、糖尿病の最先端の研究を行っておられ、おおいに勉強になる講演会でした。

森先生は

「持続血糖モニターにて評価した経管栄養療法施行中の2型糖尿病患者における高脂肪・低炭水化物濃厚流動食の効果」巻:52 号:Supplement 1 頁:S.26

も論文発表しておられ、高脂肪・低炭水化物食(糖質制限食)にも、造詣の深い医師のお一人で、講演会終了後、ご挨拶させていただきました。

ご講演の内容で、糖尿病コントロールにおいて、「平均血糖値」と「平均血糖変動幅」の2つの改善が大切であり、『上質のHbA1c』という概念を提唱されたのが、大変印象的でした。

つまり、見かけ上の平均血糖値の改善(HbA1cの改善)だけでは、糖尿病合併症のリスクは防げないということです。

この『上質のHbA1c』という極めて興味深い概念について、私なりに考えてみました。

HbA1cは過去1~2ヶ月の平均血糖値を示しています。

弱点としては、同じHbA1c:6.4%(JDS)で一見コントロール良好の人でも『上質のHbA1c』の場合と『不良のHbA1c』の場合の区別がつかないことです。

例えばHbA1c6.4%でコントロール良好のAさんとBさんがいたとします。

HbA1c:6.4%(JDS)ということは、平均血糖値は141mgです。

Aさんは、薬なしでやや緩い糖質制限食を実践中で、食前血糖値が109mgくらい、食後血糖値が173mgくらいだったとしたら、アバウトには平均血糖値は141mgですからHbA1cは6.4%です。

Bさんは、糖質を摂取してインスリン注射をしていて、HbA1c6.4%というコントロール良好を見かけ上は保っています。

しかしその実態は、過剰のインスリンにより空腹時血糖値が50mgくらいになり、少し糖質が多いと食後血糖値は232mgくらいに上昇しますが、それでも平均血糖値は141mgです。

AさんとBさんは、HbA1cという「平均血糖値」の指標は同じですが、「平均血糖変動幅」を示す指標である
MAGE(1日24時間を通しての平均血糖変動幅)に関しては、AさんはBさんに比し圧倒的に良好な結果となります。

近年、MAGE(1日24時間を通しての平均血糖変動幅)が、一番酸化ストレスと相関していて、次が食後高血糖で、それぞれ心血管疾患のリスクとなるとされています。

また、低血糖も急性冠症候群(心筋梗塞や狭心症など)の大きなリスクとなることがわかっています。

従って、同じHbA1c6.4%でも、Bさんの場合は、<平均血糖変動幅の増大・食後高血糖・空腹時低血糖>というの3つのリスクが、日常的な糖尿病治療の中に隠れ潜んでいるわけで、心筋梗塞や糖尿病合併症のリスクも、常に存在していることとなります。

このように分析してみると、糖質制限食でHbA1c:6.4%を保っているAさんは、『良質のHbA1c』であり、糖質を摂取して、インスリンでHbA1c:6.4%を見かけ上保っているBさんは、実際には『不良のHbA1c』ということがよくわかると思います。

糖質を普通に摂取しながら、強化インスリン療法や経口剤でHbA1c:6.0%を目指した群が、7.5%程度のゆるい目標の群より総死亡率が増加したという衝撃的な結果となったACCORD試験が、まさに『不良のHbA1c』の存在の証明と言えるでしょう。

スーパー糖質制限食なら、薬物に頼ることなく「平均血糖値」と「平均血糖変動幅」の両者をコントロール良好に保つことが、多くの糖尿人において可能です。


江部康二



(*)
CGM(Continuous Glucose Monitoring:持続血糖測定)システム

血糖値を数日間連続的に測定できる持続血糖測定装置(CGMS)が、日本でも保険適応となり、日常臨床で使用できるようになりました。

血糖値の日内変動を24時間通して把握できるので、SMBG(血糖自己測定器)やHbA1cによるデータとは異なる情報を得ることができます。

5分ごとに測定して、24時間で288回の血糖測定が可能です。


テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質制限食で、痔が改善。
こんばんは。

糖質制限食で、痔が改善したというコメントを、ライフワーク光野 さんからいただきました。


【 12/06/24 ライフワーク光野

痔が快調そのもの!

あまり出ていないテーマのようですので、ひとつ語ります。

小生、糖尿人暦は20年ですが、痔主暦は40年の筋金入りです。手術も3度受けました。

毎回手術後はひとまず良好になりましたが、程なく悪化が進みもとの木阿弥が続いていました。

そんななかスタンダード糖質制限食をH22年1月に開始、3度目の手術をH23年1月に行ないました。北九州三島さんに触発され、H23年12月にスーパー糖質制限食へ切り替え現在に至っています。

当初の「主食を抜けば糖尿病がよくなる」から現在の「主食をやめると健康になる」をそのものずばり体感しております。毎月の定期健診の結果はすべて「健康そのもの」の数値であり、68歳にして男が甦りました。

しかしQOLの観点からすれば、もっとありがたいのが「痔が快調そのもの!」です。

かって365日/24時間その存在を主張して止まなかった「痔」なるものが、いまやよき伴侶とも言うべき愛しい存在に変身しています。

糖尿病同様、「寺の病」も死ぬまで直る事は無いと言われてきました。それが、糖尿病が改善したと思ったら、「痔」までもが治った!

血の流れがこんなにも健康維持に関係するのですね。

江部先生には感謝してもしきれません。

少しでもご恩返しをしたくニックネームを変更した所以でもあります。】



ライフワーク光野 さん。
コメント、ありがとうございます。

仰有るとおり、痔が良くなったというのは、今まであんまり記憶にありません。

他にもおられるかもしれませんが、ややコメントにしにくい側面があるのかもしれませんね。

その意味では、以前「尿漏れ」が糖質制限食で改善したというコメントを一女性からいただきましたが、他にもおられるかもしれませんね。

定期健診の結果も、絶好調で素晴らしいです。

このまま、美味しく楽しく末長く糖質制限食をお続けくださいね。



江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
<糖質制限食に関するお知らせ・お願いなど、2012年6月>
【コメント・質問・記事に関するお願い】

ブログ読者の皆さんには、いつもコメントいただき、ありがとうございます。

糖質制限食に関する質問についてですが、実際に高雄病院や江部診療所に来院されて診察した患者さんに対しては、医師としての責任・債務がありますので、個別に説明もしっかりさせて頂いていますし、フォローもしております。

一方、ブログ読者の皆さんの質問に関しては、糖質制限食に詳しい医師として、ボランティアで回答させていただいています。

診察もしておりませんしフォローもできませんので、責任もとれません。

私の回答は、あくまでも一般論としての参考意見とお考え頂けば幸いです。

また、ブログ記事や本に関しても同様に、糖質制限食に関する一般論としての参考意見とお考え下さい。

従いまして、読者の皆さんが私の参考意見を読まれて、どのように利用されるかは、自己責任でよろしくお願い申し上げます。m(_ _)m

そして読者の皆さんからもご意見いただきましたが、普通のお医者さんに相談可能な個人的な内容の質問は、ご自分の主治医にご相談頂けば助かります。

またネットで簡単に検索可能なことは、ご自分でお調べください。

質問が増えてきましたので、糖質制限食と関わりがないと判断した質問には、お答えできない場合もありますので、ご了承ください。m(_ _)m

普通のお医者さんでは解答不能の、糖質制限食に関わる質問は、何でもどんどんしていただけば嬉しいです。 (^_^)

掲載OKの質問に関して、読者の皆さんに共有していただきたい情報の場合は、ブログ本文にて、できるだけ順番にお答えしたいと思います。

質問によってはコメント欄でお早めにお答えする場合もありますのでご了承ください。

一方、質問がかなり増えてきていますので、なかなか即、お答えすることが困難となってきています。

糖質制限食に関わりのある全ての質問に、本文かコメントでお答えするようできるだけ努力はしていますが、できないときはご容赦願います。m(_ _)m

それから、「管理人のみ閲覧できる」「匿名希望」などの質問に関しては、コメント欄にお答えするか、一般的な話題に置き換えてブログに記載するようにしていますので、よろしくお願い申し上げます。

なお、糖質制限食が世の中・医学界にかなり浸透してきたことは間違いありません。

2012年1月15日(日)、第15回日本病態栄養学会年次学術集会が国立京都国際会館で開催され、

「糖尿病治療に低炭水化物食は是か?非か?」

というディベートセッションが行われ、私が是側の演者で講演しましたが、大きな反響を呼びました。医学界にも確実に糖質制限食が広がっています。

さらに、2012年5月18日(金)第55回日本糖尿病学会年次学術集会のDebate to Consensus 5で、
糖質制限食が糖尿病食事療法の選択肢の一つとして、コンセンサスが得られました。

カロリー制限食一辺倒からの、まさに歴史的な転換です。

一方、糖質130g/日の緩やかな糖質制限食が糖尿病治療食の選択肢の一つとしてコンセンサスを得たわけですが
糖質130g/日未満のスーパー糖質制限食に関してはまだ認められたとは言えません。

今後さらなる努力が必要です。

ブログ読者の皆さんには、これまでと同様応援のほどよろしくお願い申しあげます。m(_ _)mV


【糖質制限食を実践される時のご注意】


本にも書いてありますが、 糖質制限食によりリアルタイムに血糖値が改善します。

このため既に、経口血糖降下剤(オイグルコン、アマリールなど)の内服やインスリン注射をしておられる糖尿人は、低血糖の心配がありますので必ず主治医と相談して頂きたいと思います。

一方、薬を使用してない糖尿人やメタボ人は、低血糖の心配はほとんどないので、自力で 糖質制限食を実践して糖尿病やメタボ改善を目指していただけば幸いです。

血液検査で血清クレアチニン値が高値で腎障害がある場合と、活動性の膵炎がある場合、肝硬変の場合は、糖質制限食は適応となりませんのでご注意ください。

糖質制限食は相対的に高タンパク・高脂肪食になるので、腎不全と活動性膵炎には適応とならないのです。

肝硬変では、糖新生能力が低下しているため適応となりません。

なお、機能性低血糖症の場合、炭水化物依存症レベルが重症のとき、糖新生能力が低下していることがあり、まれに低血糖症を生じますので注意が必要です。

また、どのような食事療法でも合う合わないがあります。

糖質制限食もその一つですので、合わないとご自分で判断されたら中止していただけば幸いです。


<参考図書>

理論
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」2005年
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」2008年
「我ら糖尿人、元気なのには理由がある。」2009年
「やせる食べ方」2010年
「うちの母は糖尿人」2010年 監修:江部康二 著:伊藤きのと
(東洋経済新報社)
「糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食」2010年(ナツメ社)
腹いっぱい食べて楽々痩せる『満腹ダイエット』 (ソフトバンク新書) 2011年
「主食をやめると健康になる」(ダイヤモンド社)2011年

レシピ
「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」2006年
「糖質制限食 春のレシピ」2007年
「糖質制限食 夏のレシピ」2007年
「糖質制限食 秋のレシピ」2008年
「糖質制限食 冬のレシピ」2008年
「血糖値を上げない! 健康おつまみ109 」2010年
「やせる食べかたレシピ集」2010年
「主食を抜けば糖尿は良くなる!レシピ集」2011年
(東洋経済新報社)

「糖質オフ」ごちそうごはん
(アスペクト)2009年

dancyu プレジデントムック 「満腹ダイエット 」(プレジデント社)2009年
dancyu プレジデントムック 「酒飲みダイエット 」(プレジデント社)2010年
dancyu プレジデントムック 「美食家ダイエット 」(プレジデント社)2011年
dancyu プレジデントムック 「スイーツダイエット」 (プレジデン社)2012年

糖質オフダイエット (レタスクラブ、角川マーケティング)2011年
誰もがストレスなくやせられる! 糖質制限ダイエット(講談社)2011年
糖尿病・肥満を克服する 高雄病院の「糖質制限」給食(講談社)2012年

DVD「糖質制限食を語る」http://www.yaserutabekata.com/shop/dvd.php 2011年



【糖質制限食とは】

米国糖尿病協会(ADA)によれば、食べ物が消化・吸収されたあと、糖質は100%血糖に変わりますが、
タンパク質・脂質は血糖に変わりません。 

また糖質は、摂取直後から急峻に血糖値を高く速く上昇させ、2時間以内にほとんどすべてが吸収されます。

これらは含有エネルギーとは無関係な三大栄養素の生理学的特質です。 
 
1997年版のLife With Diabetes(ADA)では、

「タンパク質は約半分が血糖に変わり、脂質は10%未満が血糖に変わる」

という記載がありましたが、2004年版では変更されています。

このように糖質、脂質、タンパク質のうち糖質だけが血糖値を上昇させます。

従って、糖質を摂取した時にはインスリンが大量に追加分泌されます。

脂質を摂取しても、インスリンの追加分泌はありません。タンパク質はごく少量のインスリンを追加分泌させます。

現在糖尿病において、食後の急激な高血糖(グルコーススパイク)が大きな問題として注目されています。

食後高血糖が、心筋梗塞や脳梗塞などの合併症を起こす危険因子として確立されたからです。

そして、食後高血糖を起こすのは、三大栄養素のなかで糖質だけなのです。

1gの糖質が、体重64kgの2型糖尿病の人の血糖値を約3mg上昇させます。

炊いた白ご飯茶碗1杯150g(252kcal)には、55.3gの糖質が含まれており、血糖値を166mg上昇させます。

一方、牛サーロインステーキを200g(約1000キロカロリー)食べても、糖質含有量は1gもないので、食後高血糖はほとんど生じないのです。 

なお、1gの糖質が体重64kgの1型糖尿病の人の血糖値を5mg上昇させます。

糖質制限食の基本的な考え方は、上述のような生理学的事実をベースに、できるだけ糖質の摂取を低く抑えて、食後高血糖を防ぐというものです。

簡単に言えば、主食を抜いておかずばかり食べるというイメージになります。

抜く必要がある主食とは米飯・めん類・パンなどの米・麦製品や芋類など糖質が主成分のものです。
 
3食主食抜きのスーパー糖質制限食(糖質12%、タンパク質32%、脂質56%)なら、薬に頼ることなく速やかにリアルタイムで良好な血糖コントロールが可能です。

一方、上述の白ご飯とステーキの例でも明らかなように、カロリー計算に基づいて血糖値をコントロールすることは理論的に不可能です。

従って、現行の日本糖尿病学会推薦の糖尿病食(糖質60%、タンパク質20%、脂質20%)を実践する限りは、一日の摂取カロリーを1200キロカロリーと低く抑えたとしても、食後高血糖が必ず生じるのです。

糖尿病の改善には、カロリー制限より糖質制限ということがおわかりいただけたと思います。

なお糖質制限食は、カロリー無制限ということではありません。

一般的な標準摂取カロリーの範囲、すなわち男性なら1600~2400キロカロリー、女性なら1200~1800キロカロリーくらいが目安です。

【糖質制限食コントロール・教育入院のご案内・保険適応】

お問い合わせは高雄病院
http://www.takao-hospital.jp/

住所:京都市右京区梅ヶ畑畑町3 
電話:075-871-0245

ベットが空くまでお待ち頂くこともありますがご了承下さい。


【糖質制限食外来治療のご案内・予約制・保険適応】


高雄病院  電話:075-871-0245
http://www.takao-hospital.jp/
京都市右京区梅ヶ畑畑町3

高雄病院京都駅前診療所  電話:075-352-5050
京都市下京区七条通り烏丸東入ル(50M)北側 ネオフィス 七条烏丸4F
http://www.takao-hospital.net/

江部診療所 電話:075-712-8133
http://ebe-clinic.jp/
京都市左京区下鴨高木町6 アトリエ・フォー 2F



江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
塩麹も使いよう?
おはようございます。

昨日、塩麹は糖質制限NG食品と断定的な言い方をしましたが、冷静に考えると、使いようによってはOKの場合もありますね。

塩麹好きの皆さん、昨日の記事は、美味しく楽しくの観点からはいまいちでした。

ごめんなさいです。 m(_ _)m


塩麹、可食部100gあたり
エネルギー 130kcal
たんぱく質 2.6g
脂質 0.8g
炭水化物 26.9g


例えば塩麹10gを調味料として使用し料理を作れば、塩麹分は2.69gの糖質です。

スーパー糖質制限食では、1回の食事の総糖質摂取量を10~20g以下を目指しますので、その範疇に収まるなら、塩麹も使用してOKです。(^^)

同様に胡椒も100g当たりの糖質量は大変多いです。

何と、100gあたりの胡椒の糖質含有量は68.3gです。

しかし、胡椒の常用量は約0.1gです。

常用量の胡椒0.1gあたりの糖質含有量は約0.07gです。

胡椒ドバドバかけても、まあ0.2gくらいのもので、糖質は0.14gくらいでしょう。

まずは常用量の胡椒は、糖質制限食でもOK食材ですね。

さらに、みりんや砂糖も割り切って、1回の使用量を少量に抑えて隠し味的に使うなら、他の食材を工夫すれば、1回の食事の総糖質摂取量10~20g以内でおさまるので大丈夫です。

正確には、糖質制限OK食品の野菜にも、少量の天然のショ糖(砂糖の主成分)分の糖質が含まれていますので・・・。


江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
塩麹は糖質制限NG食品です。
こんばんは。

最近、塩麹なる調味料が、巷で流行っています。

ブログ読者からも、複数問い合わせを頂きました。

結論から言いますと、塩麹は、糖質制限NG食品です。


ウィキペディアによれば
『塩麹(しおこうじ)とは、麹と塩、水を混ぜて発酵・熟成させた、日本の伝統的な調味料。日本では古くから野菜や魚の漬物床として利用されてきたが、2011年後半頃から様々な利用法で人気を博すようになった。塩麹を利用した様々なレシピが書籍や料理教室で公開されたり、福井県ではゆるキャラも考案されるなど、PRの動きも広がっている。』



調べてみると、塩麹は糖質たっぷりです。

一般的な塩麹の成分表が以下です。

塩麹、可食部100gあたり
エネルギー 130kcal
たんぱく質 2.6g
脂質 0.8g
炭水化物 26.9g


100g当たり、26.9gも炭水化物が含まれています。

食物繊維はないと思いますので、26.9gはそのまま糖質であり、かなりの高糖質食品ですので、糖尿人には御法度ですね。



江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
短期効果が良い食事療法と短期効果が悪い食事療法、長期予後は?
         同一摂取カロリー(1400kcal)の血糖日内変動検査の比較

                 従来の糖尿病食   スーパー糖質制限食
朝食前                 163         108mg/dl
朝食後2時間              387         142
昼食前                 318         102
昼食後2時間               337         122
夕食前                  223         90
夕食後2時間              204         130
眠前                   208         120


こんにちは。

上記データは、25才女性2型糖尿患者さんの同一カロリーでの糖尿病食(糖質60%)とスーパー糖質制限食(糖質12%)の入院時の日内変動の比較です。

入院時HbA1cは8.6%。

入院初日から従来の糖尿病食を開始して2日目に日内変動を測定し、3日目から糖質制限食を開始して5日目に、糖質制限食での日内変動測定を実施しました。

本例の場合、わずか2日間の糖質制限食で耐糖能が大幅に改善して、空腹時血糖値が正常となっています。

また糖質制限食なら、食後血糖値の上昇は極めて少なく、血糖変動幅も少ないです。

上記のデータに見る如く、この女性は、糖質制限食を実践する限りはほぼ正常人ですが、糖質を一人前摂取すれば食後高血糖を生じ確実な糖尿人です。

2012年1月15日(日)第15回日本病態栄養学会年次学術集会(国立京都国際会館)
「糖尿病治療に低炭水化物食は是か?非か?」ディベートセッション

にて、非側の久保明先生は、糖質制限食の短期的効果は認めておられました。

一方、長期的な予後と安全性に関してエビデンスがないと述べられました。

糖質制限食に長期的エビデンスがないというのは、久保先生の仰有る通りです。

しかしながら、日本糖尿病学会推奨の従来の糖尿病食(カロリー制限食)においても、エビデンスがないという意味では、糖質制限食と全く同じことです。

そして、上記の25才女性のデータで明らかなように、同一摂取カロリーの、「スーパー糖質制限食(糖質12%)」VS「従来の糖尿病食(糖質60%)」においては、短期効果には、顕著な差があります。

2型糖尿病で見られる血糖異常は、

空腹時血糖(FPG)
食後血糖(PPG)
MAGEで評価される血糖変動

の3つの要因で構成されています。

過去当分の間は、空腹時血糖値とHbA1cで、糖尿病コントロール状況の評価をするのが、一般的でした。

しかし、近年、食後血糖値や1日を通しての血糖変動幅が注目されてきました。

つまり、空腹時血糖値とHbA1cだけでは、動脈硬化のリスクを見落としてしまうのです。

例えば近年、MAGE(1日24時間を通しての平均血糖変動幅)が、一番酸化ストレスと相関していて、次が食後高血糖で、それぞれ心血管疾患のリスクとなるとされています。

短期効果が極めて良好な糖質制限食の長期予後を、エビデンスがないということで懸念される糖尿病専門医が多いようです。

しかし、空腹時血糖値、食後血糖値、一日平均血糖変動幅の全てが改善するので、糖尿病に関する動脈硬化のリスク要因は、スーパー糖質制限食では見当たらないと言えます。

一方、従来のカロリー制限食では、上記25才女性のデータでも明らかなように、食後血糖値、一日平均血糖変動幅は、壊滅的にコントロール不良です。

短期効果がこれほど悪い食事療法を、長期に続けて良い方に向かう可能性は皆無であり、長期予後は必然的に不良です。

このことはUKPDSの結論でもあります。

このように糖質を摂取しながら、糖尿病の治療をするリスクは極めて重大であり、早急に検討することが必要と思います。



江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
現世人類(ホモ・サピエンス・サピエンス)は何を食べてきたのか?
おはようございます。

ヘルミさんから、現世人類は何を食べていたのか?という興味深いコメントをいただきました。


【12/06/19 ヘルミ
人類はそもそも何を食べてきたのか

江部先生 こんばんは。
仙台在住、大酒のみのリハ医、ヘルミです。

本日「アフリカで誕生した人類が日本人になるまで」溝口優司 ソフトバンク新書 を読みました。

その中に、氷河期に地続きになったベーリング海峡を渡って(つまり凍った不毛の大地を延々歩いて)北米大陸に渡った人たちは、マンモスやケサイなどの大型哺乳類を追って行ったのであろう、とあり、とても納得しました。人類にとってお肉がいかに必要なものであったか、物語っていますよね。

人類はそもそも何を食べてきたのか、とても興味深いです。

話は変わりますが、「毎日かあさん」の西原理恵子画伯、なかなかダイエットに苦労しているようですね。画伯のダイエットがなぜ停滞しているのか調査してアドバイス、それを画伯が漫画にする、なんて企画はいかがでしょうか。(ちょっと怖い気もしますが)】



ヘルミ さん。

コメントありがとうございます。

人類の誕生とか出アフリカとか・・・こんな話、大好きです。(^^)

実は現在は、氷河期の中の間氷期のようです。

最後の氷期であるウルム氷期が終了したのが10000年前です。

ウルム氷期の間は、現在のベーリング海峡は、ベリンギア陸橋あるいはベリンギア大陸と呼ばれご指摘どおり陸続きでした。

ウルム氷期のころは、日本海もかなり海位が下がって、陸が多かったと思います。

ホモ・サピエンス・サピエンス(現生人類)は、ヨーロッパでネアンデルタール人としばらく共存します。

ネアンデルタール人は、ヨーロッパを中心に13万年前から3万年前まで生存していましたが、氷期のロシアには適応できずに存在の痕跡がありません。

天然の優れた毛皮を持つネアンデルタール人も、適応できなかった氷期のロシアに、現生人類存在の痕跡はあります。

ネアンデルタール人に無くて現世人類にだけあったのは、<衣服、住居、火>ですが、これらの利点により、氷期のロシアでも生存可能であったと考えられます。

ホモ・サピエンス・サピエンス(現世人類)は、最後の氷期(7万年前~1万年前のウルム氷期)にアフリカからユーラシア大陸へ移動したと考えられます。

ネアンデルタール人とホモ・サピエンス・サピエンスが直接戦ったならば、短期間、例えば数百年以内レベルで決着がつくと考えるのが普通です。

しかし、現実にはこの二つの種の人類は、ヨーロッパで1~2万年共存したあと、ネアンデルタール人が徐々に衰退して滅びていきます。

約3万年前に絶滅したネアンデルタール人のゲノム(全遺伝情報)を骨の化石から解読したところ、現生人類とわずかに混血していたと推定されるとの研究結果を、ドイツのマックス・プランク進化人類学研究所や米バイオ企業などの国際チームが2010年5月7日付の米科学誌サイエンスに発表しています。

ネアンデルタール人は、脳の容量も現生人類より大きく膂力も優れています。しかし、ネアンデルタール人は言語がなく、火が使えなかったと考えられます。ネアンデルタール人は肉食が主食でした。

共存していた二種の人類は、当初は膂力に優れるネアンデルタール人が優勢であったと思われますが、言語や文化の発達で組織的な狩りや道具の進歩により、徐々に現生人類が獲物を先に取り尽くすようになり、主食を奪われたネアンデルタール人は、衰退せざるを得なかったのでしょう。

このように歴史的に考察してみると、ホモ・サピエンス・サピエンス(現世人類)は、ネアンデルタール人と同様に肉を日常的に摂取していた可能性が高いと思います。

ところで「毎日かあさん」の西原理恵子画伯、どのようなダイエットをしておられるのでしょうね?


江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
高雄病院・糖質制限食の基本スタンス・2012年改訂
おはようございます。

高雄病院・糖質制限食の基本スタンスは

「人類本来の食生活を目指す。」

ということです。

人類の歴史は約700万年です。

農耕が始まるまでの約700万年は、狩猟・採集が生業であり、魚貝類・小動物・動物の肉・内臓・骨髄・野草・野菜・キノコ・海藻・昆虫などが日常的な食料です。

時々食べることができたのは、木の実・ナッツ・果物、そして山芋など根茎でしょうか。

スーパー糖質制限食における総摂取カロリーに対する割合は

<脂質56%、タンパク質32%、糖質12%>です。

すなわち、高脂質・高タンパク食であり、制限するのは糖質だけで、これが「人類本来の食生活」に近い比率だと思います。

摂取する糖質のほとんどが野菜分の糖質です。

700万年の進化の歴史において、野菜(野草)は日常的に摂取していたと思います。

このことは、人類がビタミンCを体内で合成できないことからも、推察できます。

動物性食品だけの摂取では、ビタミンCが必ず不足します。

現実に生肉・生魚の伝統的食生活の頃のイヌイットにはビタミンCが不足しており、壊血病が多かったのです。

従いまして、スーパー糖質制限食で野菜を摂取することは、ビタミンC確保の意味からも重要な意味を持っています。

つまり、適量の野菜(最低ビタミンC必要量)は、必ず摂取しなければなりません。

ただ大量の野菜は、糖質量が増えるので要注意です。

次に果物やナッツ類は、秋を中心に季節ごとに少量は手に入るので、ご先祖も、当然摂取していたと思います。

但し、当時の果物やナッツは野生種ですから、現在流通しているものに比べたら、はるかに小さくてショボくて糖質含有量も少なかったと思います。

そして、じゃがいもやさつまいもを人類が食べ始めたのは、農耕開始と同じ頃かそれ以降です。

一方、山芋は、世界中にいろんな種類が山のなかに自生してたと思われ、たま~に運良く採集できたら、ご先祖も食べていたと思います。

また、山芋以外にも百合根とか根茎類は、運良く手に入れば食べていたと思います。

しかし、根茎が食用可能となるのは1回/年くらいと思いますので、やはりラッキー食材の一つです。

このように考えてくると、糖尿人のスーパー糖質制限食においても、

適量の野菜
少量のナッツ類
少量の果物

程度の少なめの糖質量は、人類の進化の過程で時々摂取していたものであり、人体の消化吸収・栄養代謝システムのおいても許容できる範囲と思います。

山芋は、さすがに糖質含有量が多いので、糖尿人はやめておくほうが無難です。

正常人が、健康のためにスーパー糖質制限食を実践する場合は、糖尿人より多めの野菜、適量のナッツ類、適量の果物、適量の山芋など根茎、くらいまでの糖質量は許容範囲と思います。

以上が高雄病院・糖質制限食の基本スタンスです。


江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖尿病神経障害が糖質制限食で改善。
こんにちは。

ざとさんそしてとっさんから、糖尿病神経障害が糖質制限食で改善という嬉しいコメントをいただきました。

ざとさん、とっさん、ありがとうございます。

ざとさんは、糖質制限まとめサイトを公開しておられます。

ざとさんが個人的にまとめられたものですが便利です。

http://sites.google.com/site/tsmatome/


江部康二

【12/06/17 ざと

神経障害について

私の場合は、両足にしびれが出ていました。

糖質制限を始めてから1年くらいは徐々に良くなって、 しびれそのものは両足共に全く無くなりました。

しかし、左足は完全に完治しているのですが、右足は 少しスースーとした冷たい感じ(イメージ的には、 水で10倍に薄めたキンカンを塗った感じでしょうか(笑))が 残っています。

これは、しびれが無くなってから2年程度経過していますが、 治る気配は一向にありません。

忘れている事も多々ある程度なので余り気にしていません。

何かの参考になれば幸いです。

糖質制限まとめサイト公開中
http://sites.google.com/site/tsmatome/




【12/06/18 とっさん

抹消神経症は改善しています

50歳~65歳はカロリー制限食。この期間の最後の2年間は、網膜症は無いが両足の裏と指先に神経症を発症。症状は、足裏に薄皮が張り、指先に微電流が流れる感覚。特に冬場の就寝時は指先に痛さ(強い冷え感)を感る程でした。某病院の糖尿病専門医は、抹消神経症だとのこと。

H23年12月からスーパー糖質制限食を開始。開始2-3月後に当たる冬場でも、就寝時の痛さ(強い冷え感)は殆ど消え、現在6月では神経症の発症そのものを忘れている状態です。今年の冬場にどうなるか、注視します。きっと解消していると思いますが。

尚、スーパー糖質制限食開始後のHbA1cは、高尾病院さんの毎月検査で、1回は6.0、4回は5.8(いづれも旧JSD)でぎりぎり正常域に入っています。】


テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖尿病・肥満を克服する 高雄病院の「糖質制限」給食、第三版
給食本


こんばんは。

糖尿病・肥満を克服する
高雄病院の「糖質制限」給食
江部康二著、講談社、2012年4月刊行

おかげさまで、第三版となりました。 (^^)

講談社さん的には、とても順調なのだそうです。


過去約600人の入院糖尿病患者さんに供給して、血糖コントロールに画期的な実績を上げてきた、高雄病院の「糖質制限」給食。

余すことなく、1ヶ月間、31日分の日替わりメニューのレシピを写真付きで紹介しました。

講談社・編集の谷山涼葉さんによれば、

『高雄病院の「糖質制限」給食こそは、日本の糖質制限食の王道です。』

この発言にすっかり乗せられてその気になって、本書が企画されました。

高雄病院栄養課には、部長の橋本眞由美さんをはじめ、全面的にお世話になり感謝です。

現在、入院糖尿病患者さんだけでなく、外来通院糖尿病患者さんにも、昼食に高雄病院の「糖質制限」給食(予約が必要です)を提供しています。

本書の特徴は、各項目を読みやすい文字数に簡略にまとめて、糖質制限食の理論や疫学研究を紹介してあることです。最新の糖質制限食基礎知識が、さくさくと手に入ると思います。

もう一つ、私、江部康二の一週間の糖質制限食ライフ(朝食、昼食、夕食)が取り上げられているのも特徴です。

外食、自宅での食事、アルコールなど密着取材して記載しています。

取材は自分自身で、講演旅行のときも、手帳にメモをとって記録しました。

患者さんの体験談も男女それぞれ、載せさせていただきました。

K・Kさん、井上和子さん、ありがとうございました。

糖質制限食最新の基礎知識と高雄病院のレシピを、本書1冊で得ることができます。

是非、ご一読いただけば幸いです。


江部康二



☆☆☆

『高雄病院の「糖質制限」給食』の表紙裏から以下転載

従来の糖尿病食(糖質60%)を実践する限りは、食後高血糖が必ず生じます。

そのため、食事療法・運動・服薬・インスリン注射などを行っているにもかかわらず、
糖尿病腎症による腎不全で人工透析になる方が、年間16271人もおられます。

本書の「スーパー糖質制限食(糖質12%、タンパク質32%、脂質56%)」を実行すれば、
薬に頼ることなく、速やかにリアルタイムで良好な血糖コントロールが可能です。
  
高雄病院理事長 江部康二



☆☆☆

『高雄病院の「糖質制限」給食』のイントロから以下転載

<糖質制限食は人類の健康食>

糖質制限食は、高雄病院で1999年から日本で初めて開始した食事療法です。

わかりやすく言うと米飯・めん類・パンなどの米・麦製品や芋類などの糖質が多い食品を食べないで、肉や魚貝や豆腐や葉野菜などをしっかり摂取する食事療法です。

糖質制限食というと変わった食事というイメージなのですが、実は人類本来の自然な食事なのです。

人類が誕生したのが約700万年前で、農耕が始まるまでは、生業は狩猟・採集であり、全ての人類が糖質制限食でした。

約10000年前に農耕が始まり、主食が穀物へと変化し、現在まで続いています。

即ち穀物を主食としたのは、人類の歴史の中でわずか1/700の期間に過ぎません。

このように歴史的に進化の過程をみると「糖質制限食」と「穀物を主食とする高糖質食」、どちらが人類にとって自然な食事なのかはいうまでもありません。

糖質制限食は、人類本来の食事、いわば人類の健康食ですので、糖尿病や肥満をはじめとして様々な生活習慣病が改善していきます。

しかも糖質制限食は、糖質を抜くだけで脂質やタンパク質はOKなので「美味しく楽しく」続けられるのが特長です。

またお酒も蒸留酒や辛口のワインや糖質ゼロ発泡酒ならOKなので、糖質制限食を足かけ10年続けている私にとっても、とても嬉しい食事療法なのです。

本書ではその効果を高雄病院の12年以上の経験、1500人以上の治療実績をもとに、糖尿病・肥満・生活習慣病について解説し、レシピを紹介しました。

さらに最近は糖質制限食OKのスイーツ、お好み焼きなども開発され、下戸のかたにも手厚くフォローできるようになりました。
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香川県人・藤田さんの、うどん私的観察報告です。
こんばんは。

香川県人・藤田さんの、うどん私的観察報告です。

香川県人の男性は、お昼をうどんというパターンが多いようです。

さらに、うどんを二玉・三玉食べて、天ぷらやおにぎりも併せてという乱暴狼藉??パターンが多いそうです。

私の連れ合いも、高松出身ですが、女性は昼にうどんを食べるというパターンの人は少ないとのことです。

サラリーマン男性は一人で昼に「うどん+ご飯」、女性はそのパターンはないようです。

香川県が2011年に実施した調査で、成人男性の42.6%が耐糖能異常であり、2009年の全国平均より12%も高かったとのことです。

男性は23.8%が有病者で、18.8%が予備群で合計42.6%が耐糖能異常です。

一方、女性は有病者が8.8%、予備群が10.1%の計18.9%と、全国平均より約6.5%低かったそうです。

香川県は、2008年度の糖尿病受療率が全国一ですけれど、やはり男性の食習慣のせいの可能性が高いですね。


江部康二


【12/06/17 藤田 耕正

讃岐うどんの摂取状況

はじめまして。当地香川県から成人男性のうどん摂食状況についての私的観察報告を致します。

さすがに一日三食うどんという人はなかなかいないでしょうが,昼食をうどんで済ませる成人男性は相当数(2/3強?)いると推断されます。成人の場合,一度にうどんを二玉そして三玉(とりわけ,ガッテン系)食べるのはそう珍しくはなく,さらに問題なのは天ぷら(フライ)やおにぎりなどのご飯ものを併せて食する場合が非常に多いことです。

うどん+ご飯という組み合わせを意識的に避けているとおぼしき客はほとんど見たことがありません。

むろん当地の関係機関もそうした食習慣に警鐘を鳴らし始めていますが,まあここしばらくは,暖簾に腕押し,豆腐にかすがい,である可能性はすこぶる高いでしょう。】


テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質制限食で糖尿病神経障害が改善。
こんばんは。

解決ZERO さんから、下肢の神経障害が、糖質制限食開始3ヶ月から改善し始め、6ヶ月でほとんどしびれがなくなったというコメントをいただきました。

6月11日からは、スーパー糖質制限食を開始されたそうです。

具体的にどのくらいの期間で、糖尿病神経障害が改善するのか、おおいに参考になります。

他のブログ読者の方で神経障害の改善された方がおられましたら、コメントよろしくお願い申し上げます。

糖尿病増加は、香川県だけではないのかもしれませんが、香川県人からもコメントをいただきました。


江部康二


【12/06/16 解決ZERO

香川県、成人男性の・・・・

この話題を見てから、職場の周りを見渡してみました。最近職場の健康診断の結果が渡され、血糖値が高かった方が多かった印象があります。

簡単に計算してみたら、男性の40%強で異常がありました。
香川県に限った事のように思えません。

遅ればせながら6月11日からスーパー制限食を始めました、それまでは休日のみスーパーで平日は職場のお弁当の副食と低糖質パンでした。

空腹時血糖値の改善が思わしくなく、ついに弁当持参となったわけです。

’糖尿人にはスーパー制限食がおすすめ’とありますが、開始2~3日で改善の兆しが見えてきました。

神経障害の話題もありましたが、私の場合は3ヶ月位から改善し、半年経過した今では足の左右に有ったしびれの様な感覚は殆どなくなりました。】


テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
ゴーヤと血糖値、カロリー制限食VSスーパー糖質制限食、補足
おはようございます。


6月15日の記事
「ゴーヤと血糖値、カロリー制限食VSスーパー糖質制限食」

に関して、しらねのぞるばさんから、補足をいただきました。

各測定群の1日の摂取カロリー平均に、分散差・有意差がないことの確認です。

それとカロリー制限食VSスーパー糖質制限食において、食後血糖値は検定も必要ないほど、圧倒的に糖質制限食が優位とのことです。


江部康二


☆☆☆
【12/06/15 しらねのぞるば
補足です.

江部先生;

血糖値低下効果の検定報告をブログでとりあげていただきありがとうございました.

このような統計処理を行うにあたっては,当然行うべき事前のデータ吟味がいろいろあるのですが,そこまで書くと長々しくなるので省いております. ただ一点だけ下記を補足させていただきます.

◇各測定群(A,B,C)間において,1日の摂取カロリー平均に分散差,有意差がないことを事前検定済みです.すなわち,ゴーヤを食べた日だけ摂取カロリーが低かった,などということはありませんし,カロリー制限食時代とスーパー糖質制限時代とで,一日の平均カロリー量に有意差があった,などということもありませんでした.ついでに申しますと,血糖値測定に影響を与えないよう,毎晩一定量の晩酌も欠かしておりません(^^;).


なお,今回は空腹時血糖値でしたが,食後血糖値を見ると,これはもう検定をするまでもなく,当然ながら糖質制限食が圧倒的です.私は薬やインスリンを投与していませんから,カロリー制限食時代は,200台の食後血糖値が頻繁に出ていたのですが,現在は食後に120を超えることすら稀です.】


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ゴーヤと血糖値、カロリー制限食VSスーパー糖質制限食
こんにちは。

しらねのぞるば さんから、興味深いコメントをいただきました。

ゴーヤと血糖値、カロリー制限食VSスーパー糖質制限食に関して、自ら実験をしていただき、統計的処理で検定もしていただきました。

私は、統計処理とか苦手なのですが、説得力があります。

しらねのぞるばさん、統計にお詳しいのですね。
ありがとうございます。

ゴーヤは、少しですが血糖値を下げた可能性がありますね。

そして、スーパー糖質制限食は、カロリー制限食に比べて、危険率ほとんどゼロで空腹時血糖値を下げています。


江部康二

☆☆☆
【12/06/14 しらねのぞるば
ご報告です|ゴーヤと糖質制限食の血糖値降下低下

江部先生

全国的に電力不足のご時世で、この夏を乗り切るために、『緑のカーテン』が注目されています。先日NHKの番組で『ゴーヤには血糖値を下げる作用がある』と紹介されていましたので、

http://www.nhk.or.jp/asaichi/2012/06/05/01.html

そういえば昨年は我が家でもゴーヤで緑のカーテンを作ったところ、多数の実がなったため、よく食べたことを思い出し、当時のデータを引っ張り出して、[ゴーヤの血糖値低下効果]を調べてみました。

[サンプル]私の昨年の6~10月の血糖値測定結果です。毎食直前/毎食後1時間/毎食後2時間の9点を6日間で循環測定していますが、その毎食直前の測定結果を2群にわけました。
[A群]測定前24時間以内にゴーヤを食べていない。
[B群]測定前24時間以内にゴーヤを食べた。

[結果]下記の通りです。(平均値の95%信頼区間)
A群(ゴーヤ無): 110.6±2.4 (n=76)
B群(ゴーヤ有): 105.9±3.3 (n=50)
となり、t検定の結果は危険率5%で有意(p=0.03;よって1%では有意差なし)となりました。つまり私の場合、ゴーヤは多少血糖値を下げてくれたらしいといえます。『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』にもゴーヤのマリネが紹介されていましたが、炒めてよし揚げてよしのゴーヤは、これからのシーズンには糖質制限の強い味方です。、

以上のデータは、まだ私が糖質制限食を始める前のカロリー制限食時代のものなのですが、それではと糖質制限食の効果(C群)も検定してみました。比較対象は、ゴーヤを食べていない時です。

[サンプル]
[A群]測定前24時間以内にゴーヤを食べていない。カロリー制限食。
[C群]測定前24時間以内にゴーヤを食べていない。スーパー糖質制限食。

[結果]
A群(ゴーヤ無;カロリー制限食): 110.6±2.4 (n=76)
C群(ゴーヤ無;糖質制限食):94.1±2.3 (n=42)
こちらは危険率ほとんどゼロで(p=4E-17)有意でした。 これだけ多数の空腹時血糖値データを検定してみても、境界領域から正常域に引き下げてくれたと証明されたのですから、糖質制限食の効果をあらためて実感しました。】
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
朝日新聞朝刊に糖質制限食の記事
こんばんは。

2012年6月14日(木)朝日新聞の朝刊に「糖質制限食なら続けられる!」という記事が載りました。

先週、電話で取材を受けたのですが、すっかり忘れてました。

山田悟先生、江部康二のインタビュー記事・・・、そしてボタニカの新井田シェフが登場します。

新井田シェフのヨーグルトムースとイチゴジャムのレシピが写真いりで載っています。

慶応大病院や東海大病院でも糖質制限食の導入を検討されているそうで心強い限りですね。


江部康二


☆☆☆
2012年6月14日(木)朝日新聞朝刊より

糖尿病治療、糖質制限食なら続けられる カロリー不問

糖尿病患者向けに、食事の糖分量を抑えた「糖質制限食」が注目されている。日本糖尿病学会も5月、糖質制限食を治療法の一つとして初めて認めた。従来のカロリー制限食に比べ取り組みやすいと、病院やレストラン、食品メーカーなどで糖質制限食を採り入れる動きが広がってきた。

血糖値が改善・体重も減

糖質は炭水化物や芋類などに多く含まれる。例えば、ご飯1膳の糖質量は約55グラム、6枚切りパンは1枚あたり約40グラムに上る。和食で使う砂糖やみりんなどの調味料にも注意が必要だ。一方、カロリー制限食では控える肉類や乳製品にはあまり含まれていない。

東京都の北里研究所病院では2009年から、カロリー制限食療法がうまくいかない人に2週間、「教育入院」をしてもらい糖質制限食を出している。4日から、院内のレストランでも提供を始めた。

糖質量の多い主食を抜く代わりに、主菜2品、副菜2品を出している。ある日のメニューは、黒ムツの田楽焼き、鶏肉と根菜の炒め煮、厚揚げと青菜の煮物、白菜のわさびあえだ。管理栄養士の内田淳一さんは「味付けを薄くし、主食を取らなくても満足できるようにしている」と話す。

糖尿病治療では長年、カロリー制限食が基本とされてきた。しかしカロリー計算が面倒くさい上、量も少なく、続かない場合が多い。糖質制限食は、糖質量を減らせばカロリーは気にしなくてもいい。

同病院の山田悟・糖尿病センター長は、カロリー制限がうまくいかなかった患者24人を、再びカロリー制限食を試す人と糖質制限食を試す人に無作為に分け、6カ月間観察した。その結果、糖質制限食を試した人のみ、血糖の平均値や中性脂肪、最低血圧の値が改善したという。

京都市の高雄病院では、入院患者のほか、外来患者でも予約すれば糖質制限食を食べられる。これまでに、入院患者約600人、外来患者約1500人が、糖質制限食による治療を受けたという。

飽きずに食べられるように、外来患者にも院内で出す食事のレシピを渡すなど工夫している。理事長の江部康二医師は「米国の糖尿病学会もその有効性を認めており、患者さんの関心は高い。今後、多くの医療機関で広がるだろう」と話す。

このほか慶応大病院や東海大病院などでも、治療への導入を検討している。東海大の鈴木大輔准教授は「3月からカロリー制限ができない人に試したところ、血糖値や体重減に効果があった。今後、さらに症例を増やし効果を見ていきたい」と話す。

レストランでも人気、材料工夫しコースで

糖質制限食は、日本糖尿病学会も治療の選択肢の一つとして認めた。5月の学術集会では、1日の糖質量130グラムを目安とすることで合意。金沢大内分泌代謝内科の篁(たかむら)俊成准教授は「糖質以外に採るたんぱく質や脂肪の質も重要でこの療法を試す際には併せて考える必要がある」と話す。

東京都内の伊レストラン「ボタニカ」は4年前から糖質制限食メニューを提供している。口コミだけで毎月、100人以上の予約が入る。

前菜2品、パスタ、メーン、デザート盛り合わせのコースの糖質量は計20グラム台。コースにはフォアグラや肉も含まれ、小麦たんぱくでパスタを作る、ふすま粉でパンを作るなどの工夫をしている。同様に糖質制限食メニューを用意している店は、東京や京都、大阪などに約40軒ある。

料理長の新井田光央さん(45)自身も以前は糖尿病予備軍で、体重が100キロを超えていた。しかし糖質制限食を採り入れたところ、3カ月で体重が30キロ減り、血糖値も正常に戻った。普段の食事でも主食を減らす、砂糖を人工甘味料にする、芋類をほかの野菜に置き換えるなどで、糖質量を抑えられるという。

糖質制限食を採り入れる動きは食品業界にも広がっている。日清製粉は、東京都内のラーメン店「麺屋武蔵」と協力し、低糖質ラーメンやパン、ピザなどの開発を進めている。ふすま粉を用いることで、ラーメン一杯の糖質量を、通常の80グラムから30グラム程度に抑えられるという。

麺屋武蔵の山田雄店主は「メタボな人でも気にせずに粉モノを食べられる文化を作りたい」と話す。

大手乳製品メーカーも、1個あたりの糖質量が5グラム以下のアイスを開発中だ。(岡崎明子)

   ◇
〈血糖値と糖質〉 血液中に含まれるブドウ糖の値が血糖値。糖尿病の人は食後、血糖値が急激に上がることにより少しずつ血管が傷つき、動脈硬化などにつながる。糖質量を抑えた食事を取れば、血糖値は上がらない。

   ◇
ヨーグルトムースとイチゴジャムのレシピ(6人前、1人あたりの糖質量8.6グラム)

(1)イチゴ300グラムに人工甘味料24グラム、レモン汁小さじ1を加え電子レンジで4分加熱、
   イチゴジャムを作る。
(2)キッチンペーパーをひいたざるにヨーグルト450グラムを入れ5~6時間置き、水分を切る。
   7分たてしたホイップクリーム125グラムと合わせる。
(3)卵白65グラムに人工甘味料13グラムを加え、メレンゲを作る。
(4)イチゴジャムを器に入れ、(2)と(3)を合わせたものを乗せる。(新井田光央料理長監修)



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香川県、成人男性の42.6%が耐糖能異常
こんにちは。

しんさんから興味深いニュースをコメントいただきました。

2012年6月9日のヤフーニュースに、毎日新聞の記事が載りました。

それによると香川県が2011年に実施した調査で、成人男性の42.6%が耐糖能異常であり、2009年の全国平均より12%も高かったとのことです。

男性は23.8%が有病者で、18.8%が予備群で合計42.6%が耐糖能異常です。

一方、女性は有病者が8.8%、予備群が10.1%の計18.9%と、全国平均より約6.5%低かったそうです。

香川県は、2008年度の糖尿病受療率が全国一ですけれど、もっぱら男性のせいですね。

香川県の男性は、うどんのドカ食いを毎日3回くらいしているのでしょうか?

それに対して、香川の女性はうどん好きでしょうが、ドカ食いはないのかもしれませんね。


江部康二



『糖尿病:有病者と予備群、県成人男性の4割超 全国平均上回る 原因や背景分析へ /香川

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120609-00000277-mailo-l37

毎日新聞2012年 6月9日(土)15時58分配信のヤフーニュース

県が2011年実施した「県民健康・栄養調査」で、成人男性の42・6%が、糖尿病の有病者またはその予備群とされ、全国平均(09年調査)より約12ポイントも高かったことが分かった。
県民の糖尿病死亡率は全国的にも高く、県は今後、原因や背景の分析などに取り組む。【馬渕晶子】

調査は、県の健康増進計画(01年度~今年度)を評価するとともに、次期計画(13年度から)策定の前提となる基礎データを得るために実施。

国が毎年行う国民健康・栄養調査の項目に県独自の生活習慣アンケートを加え、5年に1回程度実施している。

糖尿病については今回初めて調べた。県内から抽出した約680世帯の1843人が対象で、血液検査には407人(27・3%)が協力した。

血液検査では、血糖値と相関関係があるとされる血中ヘモグロビンA1c値を調べた。

その結果、男性は23・8%が有病者(ヘモグロビンA1c値6・1以上か、治療薬の服薬者)、18・8%が予備群(同5・5以上6・1未満)に分類され、合わせると42・6%に上った。

特に60代は52%と過半数を占めたほか、70歳以上は64・6%と、全国平均(4割前後)より20ポイント以上高かった。

一方、女性は有病者が8・8%、予備群が10・1%の計18・9%と、全国平均より約6・5ポイント低かった。

県は今年度、糖尿病対策に1700万円を計上。専門家らによる検討会を設置し、要因分析する。
また、小中学生対象の成人病予防検診(血液検査)の費用を半額助成し、市町からデータを集め、子どもの生活習慣から把握していくとしている。

県では、10年の人口動態統計で糖尿病死亡率が全国5位、08年患者調査で糖尿病受療率が全国1位となっている。

6月9日朝刊 』


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糖質制限食で、逆流性食道炎、アレルギー性鼻炎改善。
こんにちは。

管理栄養士のキタノミキさんから、スーパー糖質制限食実践で、ダイエット成功、逆流性食道炎、アレルギー性鼻炎の改善という嬉しいコメントをいただきました。

【12/06/11 キタノミキ
糖質制限初心者です。
初めまして~

地元(北海道標津町)の町立病院のDr.に勧められて、半信半疑ながらも(管理栄養士なので)江部先生の著書を繰り返し読みました。

人間の食性についてのご見解に十分納得、感銘しその日のうちに、スーパー糖質制限を開始!
(管理栄養士なのに、減量の必要有りで、特に血液検査で異常はありません)

1ヶ月で6kgの減量、逆流性食道炎の改善、アレルギー性鼻炎の改善(1週間で鼻水が全く出ていない事に気がついた時は、驚きました)といい事づくめです。

私は特定保健指導の仕事をしており、メタボの対象者にカロリー制限中心の食事指導をしています。
確実に効果のある糖質制限食を伝えられない事に、ジレンマを感じていましたが、先の糖尿病学会での記事を読みまして、
「近い将来、糖質制限がスタンダードになる日がくるかも!」
と、嬉しい気持ちになりました。

いざその時に、十分対応できるよう、糖質制限について、もっと勉強したいと思う次第です。

江部先生の講演会、セミナーなど、是非、是非北海道でも!!と願っております。 】



キタノミキさん。

コメント、そして拙著のご購入、ありがとうございました。

北海道標津町、町立病院のDr 、糖質制限食に理解があるなんて嬉しいサプライズです。

1ヶ月で6kg、体重減少、順調ですね。

逆流性食道炎は、スーパー糖質制限食を開始したその食事から即、改善することが多いです。

脂の乗ったステーキやトロなどが、逆流性食道炎の原因と、医師でも誰でも考えがちですが、実は真犯人は糖質なのです。

ステーキを食べて胸焼けを起こした人は、肉の所為ではなく、付け合わせのポテトやご飯やパンの糖質の所為なのです。

このことがわかると、あとはその人における、糖質の限界摂取量があるように思います。

つまり、

「ご飯茶碗1杯までは大丈夫だけど、1杯半だと必ず胸焼けが起こる。」 
「おやつに饅頭1個だとOKだけど、2個食べたら必ず胸焼けが生じる。」

といったパターンですね。

糖尿病でない人は、自分の糖質限界量を知っておけば、生活の質はかなり改善すると思います。

なお、カレーライスとちらし寿司は、逆流性食道炎を起こしやすい食品の両横綱です。

カレーライス=ルーの小麦+ご飯
ちらし寿司=ご飯+砂糖

いずれも、ダブル糖質ですね。

アレルギー性鼻炎の改善には個人差があると思いますが、1週間で良くなったのなら素晴らしいです。

これからも美味しく楽しく糖質制限食をお続けください。

そして管理栄養士さんなので、町立病院のドクターと一緒に北海道標津町で糖質制限食の輪を広めてくださいね。

2012年6月30日(土)札幌で糖質制限食講演会の講師を務めます。

第17回札幌市医師会西区支部糖尿病勉強会。札幌市教育文化会館。
糖尿病治療に低炭水化物食は是か?非か?            
 ~糖尿病治療の新しい潮流~

この講演会は、医師対象です。

そのうち、誰でも参加できるセミナーや講演会など北海道で開催したいですね。



江部康二
テーマ:糖質制限食
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コレステロールの低下は 是か?非か? ディベート・セッション
こんにちは。

第15回日本病態栄養学会年次学術集会(国立京都国際会館)において、

2012年1月15日(日)11:00~12:00

コレステロールの低下は 是か?非か?

座長 大阪大学 内分泌・代謝内科             下村 伊一郎 先生
是側 京都大学 人間健康科学               荒井 秀典 先生
非側 東海大学 基礎医学系                大櫛 陽一 先生

上記ディベートセッションが行われ、私もしっかり聞きました。

私の記憶が確かなら、非側の大櫛陽一先生 の圧勝でした。

大櫛先生のお話の中で、米国内科医師会(ACP)と米国心臓病学会(AHA)、そして英国のCOCHRANE LIBRARLY(コクラン ライブラリー)における、コレステロール値とスタチンに対する見解は、とくに印象に残りました。

少なくとも、米国では近年、家族制高コレステロール血症の疑いのある人、心血管系疾患の症状のある人以外は、コレステロール値の測定さえめったに必要ないということのようです。1)2)

英国のコクラン ライブラリー(2011)では、健康診断でコレステロールが高いというだけの人にはスタチン内服は不必要と結論しています。3)

日本においても、家族制高コレステロール血症の人や、過去に心血管疾患の既往のある人以外は、スタチン内服は必要ない可能性がありますね。今後検討が必要と思います。

1)
米国内科医師会(ACP)が1996、2004、2007年と繰り返して声明を発表し
コレステロール値を測定する必要があるのは若い人(男性35歳未満、女性45歳未満)
で、家族制高コレステロール血症の疑いのある人のみとしている。
(ACP Ann Intern Med 1996;124:515-517)

2)
2010年、米国心臓病学会(AHA)は
「心血管系疾患の症状のない人たちの血圧やコレステロール検査は5年に1回でよい」とした。
(ACCP/AHA Circulation 2010;122:e584-e636)

3)
2011年、英国の治療ガイドライン
COCHRANE LIBRARLY(コクラン ライブラリー)は、
健康診断でコレステロール値が高いというだけの人には
スタチンの処方は不要と結論した。
(COCHRANE Statins for the primary prevention of cardiovascular disease 2011)



江部康二
NPO法人糖質制限食ネット・リボーンの総会と改善案
こんばんは。

2012年6月10日(日)

NPO法人糖質制限食ネット・リボーンの、年に1回の総会が、東京・中野サンプラザで開かれました。

江部診療所の外来終了後東京に出かけるので、6月9日(土)朝は、タクシーで江部診療所に出勤しました。

タクシーに乗って

「下鴨高木町までお願いします。」

と言ったら、運転手さんが

「お客さん、アナウンサーですか?」

と尋ねてきました。

「何でそう思うんですか?」

と聞き返すと

「声がとてもよく通り、滑舌が明瞭でわかりやすいのでそう思いました」

との返答でした。

運転手さん、お客さんによっては、行き先を告げて貰っても、言語不明瞭だったり、声が通らなかったり、聞き取るのに結構苦労することが多いのだそうです。

結局、バンドのボーカルですと説明すると納得しておられました。

何だか自慢話みたいですいませんが、朝から気分は良かったです。(^^)


閑話休題。


総会で、新しい理事をきめたり、今後のことをいろいろ話し合いました。

総会のあと理事会でも、今までのNPO法人糖質制限食ネット・リボーンの活動で至らなかったところを反省して、解決策を講じました。


1)東京中心の活動を、関西など地方でも実行する。
2)電話が通じやすいような、システムを構築する。
3)新ホームページを充実させる。
4)ホームページでリボーン会員のみが見ることができるコンテンツをつくる。
5)会員の特典を明確にすることで会員数の増加をめざす。
6)ニュースレターを定期的に発行する。
7)ブログ「ドクター江部の糖尿病徒然日記」とリボーンホームページの連携をはかる。


などいろいろ改善案が出ました。

今後、2~3ヶ月でこれらの改善案を実現させて、NPO法人糖質制限食ネット・リボーンの活動を充実させていきますので、応援よろしくお願い申し上げます。


NPO法人糖質制限食ネット・リボーン
http://reborn-net.org/



江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質制限食と血清尿酸値について
こんばんは。

糖質制限食と血清尿酸値について

名古屋・hさん、小児科のおかだ先生、まーさんからコメントをいただきました。

過去の記事で、糖質制限食と血清尿酸値について書いたことがありますが、もういちど考えてみます。

尿酸値に関しては、糖質制限食実践で、減少する人、不変の人、増加する人と個人差が大きいです。

もともと尿酸が高値だったのが糖質制限食で基準値になる人がいますが、これは問題ないですね。

もともと尿酸値は正常だったのに、糖質制限食実践で高値となる人がいます。

この場合は、糖質制限食をつづけていれば、3カ月~半年~1年で基準値に戻ることが多いです。
おかだ先生の場合はこのパターンですね。

結局、持って生まれた体質が、一番関係するのだと思います。

2012年4月4日の毎日新聞の記事によれば、

『激しい関節痛を起こす痛風の発症は、原因物質の尿酸を尿から出す機能だけでなく、腸から排出する機能が低下することも一因』

とのことです。

『尿酸は3分の2が腎臓から、3分の1が腸から排出される』

とは、初めて知りました。

この腸からの排泄機能も、個人差に関係しているのでしょうね。

体内で尿酸をつくり過ぎるか尿からの排泄が悪いため、高尿酸血症になると考えられてきましたが、これらに腸からの排泄障害も加わることとなりました。

あくまでも私見ですが、この腸からの尿酸排泄は、生活習慣やストレスの影響を一番受けやすいような気がしますね。

ただ、低カロリーすぎると、どんな内容の食事でも、尿酸値が上昇することがあるので注意が必要です。

例えば断食(絶食)をすると、尿酸値は急激に上昇します。

さて糖質制限食を実践すれば、相対的に高タンパク・高脂質食となります。

一般に高タンパク食だと尿酸値が上昇するとされていますが、ことはそれほど単純ではありません。

例えば、江部康二は、2002年以来10年間、スーパー糖質制限食実践で130g~150g/日のタンパク質を摂取していて、かなりの高タンパク食です。

しかしながら、尿酸値はこの10年間、一貫して2.4~3.1mg/dl(3.4~7.0)ていどと低いほうです。

兄もスーパー糖質制限食で、高タンパク食ですが、尿酸値は、私と同じていどで低置です。

尿酸は体内の酸化ストレスに対抗する物質という説があります。

兄も私もスーパー糖質制限食で体内の酸化ストレスが少ないので、尿酸も少なくてすんでいるというポジティブな仮説もありかと考えています。

通常、糖質制限食でいったん尿酸値が上昇した人も、数ヶ月~1年で元の値に戻ることが多いので経過をみることが多いです。

ただ、過去痛風発作を起こしたことがある人は、内服も考慮する必要があります。

過去痛風発作を起こしたことがない場合は、尿酸8~9mg/dlとかでも、経過をみてよいと思います。

名古屋・hさんの場合、尿路結石がいつの段階からあったのかはわかりませんが、糖質制限食実践後尿酸値が高値となったことは間違いありません。

そしてそのことが、排石・血尿と関係している可能性は否定できません。

従いまして、過去尿路結石のあった人や家系的に石持の方々は、尿酸が高値となったときはおかだ先生の方法のように、梅干しを食べるとか、わかめ・ほうれん草・大根・キャベツ・茄子・しいたけなど摂取で尿をアルカリに保って尿酸が結晶化しにくいようして、尿酸値が基準値にもどるのを待つのが安全と思います。

尿酸値は、従来、肉の摂りすぎや、ビールの飲み過ぎで高値となるということが常識だったのですが、食事由来の尿酸は約100mgで、一日に生産される総量約700mgに比し、かなり少ないということが判明しました。

自らが痛風患者であり、痛風専門医でもある、元鹿児島大学病院内科教授、納(おさめ)光弘先生によれば、食事よりストレスや肥満のほうが、尿酸値への影響が多いことがわかってきました。

尿酸を確実に上昇させるのは、重要なものから順番に

1、ストレス
2、肥満
3、大量の飲酒
4、激しい運動
5、プリン体の摂りすぎ

だそうです。

納先生の指摘されているストレスは、精神的なもののようです。

例えば、納先生が学会の会頭をされたときに尿酸値が一番上昇して、学会が終了したら下がったそうです。

学会会頭という精神的ストレスで、腸からの尿酸排泄が減少した可能性がありますね。

これらに特殊例として肉体的ストレスである「断食や極端な低カロリーのときは尿酸値上昇」というのが、一番上にくる感じですね。

まーさんの場合も、体重がかなり減少しているなら、低カロリーによる尿酸値上昇の可能性があります。

あとはストレスの影響ですが・・・。


**参考
「痛風はビールを飲みながらでも治る」(小学館文庫)2004年
鹿児島大学病院内科教授、納(おさめ)光弘先生 著



江部康二


【12/06/05 名古屋・hさん
糖質制限食と尿酸値
江部先生、こんばんわ。

tagashuuさんのデ-タで気になる点があります。それは、尿酸が6.5から8.1に大きく上昇していることです。
私は糖質制限食を始める前は、尿酸値は5.2程度でしたが、ス-パ-糖質制限食を開始して、HA1cや血糖値はすぐに正常値となったのですが、尿酸値が上昇、今年の4月には7.6となりました。5月10日頃、突然血尿が出るとともに尿とともに小さい石が数個でました。泌尿器科でMRI検査の結果、腎臓に結石があるとのことで、現在、ウラリットとウロカルンという薬を飲んで治療中です。
先生の過去のブログを見ると、糖質制限食で尿酸値は変化しない、下がる、上昇する場合があるので、尿酸値と糖質制限食と直接関係はないとのことです。
私の場合は、ス-パ-糖質制限食を開始後から尿酸値が上昇しているので、何らかの影響があると思われます。
血糖値、HA1cのためにス-パ-糖質制限食は必ず継続したいのですが、尿酸値を上げない方法はあるでしょうか。お教えいただければ幸いです。
なお、糖質制限食開始後、尿のpHは5.0と低い値です。糖質制限食開始前のpHは不明です。

名古屋・h】



【12/06/06 おかだ
尿酸値
名古屋hさん
糖質制限している小児科医です。
糖質制限する前からやや高尿酸血症があり、尿のアルカリ化を心がけていました。
糖質制限する開始後少し上昇しましたが、4ヶ月経過した今は正常範囲に落ち着いています。
糖質制限食は尿が酸性化しやすく尿酸結石ができやすいかもしれません。
http://www.tufu.sakura.ne.jp/arukarisyokuhin.html
尿アルカリ化薬には、クエン酸カリウムとクエン酸ナトリウムの合剤ということで、それなら素人思考で梅干しを毎朝一粒食べています。
結石ができた方は治療が必要だと思いますが、結石ができていない方は尿アルカリ化を予防してもいいかもしれません。】



【12/06/06 まー
健診結果です
拝啓 江部先生

久しぶりに投稿致します。
先生のブログを拝見し、糖質制食を始めたのが2009年の夏でした。
以降、徐々にスーパー制限食の精度を高めつつ努力し、今では週1回は大好きなラーメンやパスタを食しつつも、その際でも食前のグルコバイ服用+食後2時間半以上のウォーキングは欠かしません。

明日50歳を迎える本日、年に1度の人間ドックに行ってきましたが、32歳から記録している空腹血糖値は、それが奏功し過去二番目に良い値98(34歳時の95以来)でした。努力が実った形が数字で表れ、とてもうれしかったです。

血糖値:123(2008.6)→101(2009.6)→115(2010.6)→108(2011.6)→98(2012.6)

一方で、今回のご相談はここからで、大変な問題が生じました。
尿酸値が上昇しているのです。

尿酸値:5.8(2006~08.6平均)→6.7(2009.6)→7.5(2010.6)→7.6(2011.6)→9.4(2012.6)

確かに、最近の食事は肉魚系が多いのですが、野菜もきちんと摂取しています。

江部先生の過去のブログを拝見すると、尿酸値の影響は個人差があるとのことですし、納先生の研究結果も拝見しました。

しかし、この状況にどう対処すればよろしいでしょうか。
血糖値と尿酸値の改善が二律背反のようで、これを打開したく御助言をよろしくお願い申し上げます。
敬具】
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
牛乳とヨーグルトの糖質の差は?血糖値の上昇は?
こんばんは。

牛乳とヨーグルトの糖質の差はどうなのでしょう。

そして、両者の血糖値の上昇に差はあるのでしょうか。

牛乳の糖質は乳糖で、100ml中に5gの糖質です。

ヨーグルトは発酵乳に分類されます。

プレーンヨーグルトも100ml中に5gの糖質です。

「発酵乳は乳糖が牛乳よりも20~30%減少し、少量のガラクトース(0.2~1.3%)とブドウ糖(通常は痕跡)になり、これが乳酸に変化する。乳酸が生成しすぎると乳酸菌の生育が止まるので乳糖は完全に消費されない。普通乳酸は0.85~1.2%生成する。」

以上のことから発酵乳(ヨーグルト)に含まれる糖質は、

<乳糖+ガラクトース+乳酸>

ということになります。

「乳酸」は分析上「糖質」に含まれますが、血糖は上昇させないと思います。

ガラクトースの血糖上昇作用はブドウ糖より低く、果糖(フルクトース)並のようです。

ブドウ糖は「通常は痕跡」レベルだそうです。

従いましてプレーンヨーグルト摂取による血糖上昇要因は、乳糖分解後のブドウ糖が主ですが、同量の糖質であれば、牛乳よりは少し少ない可能性が高いですね。

なお、日本人やアジア人に多い乳糖不耐症の場合は、ラクターゼ(乳糖分解酵素)が少ないです。

ラクターゼは乳糖を分解して、ガラクトースとブドウ糖にします。

乳糖不耐症では、乳糖が分解できないかできても少量なので、血糖値の上昇はラクターゼを正常に持っている人に比べると少ない可能性が高いですね。

通常は1gの糖質が、体重64kgの2型糖尿人の血糖値を3mg上昇させるのですが、欧米人が牛乳を飲めば、この法則はそのままあてはまると思います。

しかし、日本人やアジア人では、乳糖分解酵素がどのていど残っているかによりますが、1~2mg以下のこともありうると思います。

今日のブログ記事は、NPO法人糖質制限食ネット・リボーン会員の(株)江崎グリコ研究員・八木章さんにアドバイスをいただきました。

八木さん、ありがとうございました。


江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
様々な食材の「血糖値の上昇と糖質グラム数」のグラフ
こんにちは。

とても面白い参考になるホームページの紹介です。

様々な食材の「血糖値の上昇と糖質グラム数」がデータとしてそろえてあり、グラフになっています。

一人の2型糖尿人の、血と汗と涙の貴重な努力の結晶です。

ブログ読者の皆さん、是非覗いてみてくださいね。

糖尿病ネットワークのトップページに「間食指導の情報ファイル」というのがあります。

イベント・学会情報の下、プリンにチェリーが乗ってる絵のところです。

http://www.dm-net.co.jp/

これが「間食指導の情報ファイル」のトップ画面です。

http://www.dm-net.co.jp/kanshoku-file/

食材と血糖値のグラフは、この画面の右下の「間食のジャンル・食品別データ」というところに揃えてあります。

菓子原料編、和菓子編、洋菓子編、飲み物編、アイス編、スナック・チョコレート菓子編、菓子パン・惣菜パン編、くだもの編、ファストフード・外食スイーツ編・・・

全てお一人のデータですが、とても参考になります。

個別に解説付きでもでも出ますが、「データ集」の「間食摂取の血糖変動グラフ」を選ぶと、解説無しで全てのグラフが出てきます。

http://www.dm-net.co.jp/kanshoku-file/catagorydata/graph_list/

それぞれのグラフで縦軸のスケールが違うので、複数のグラフ間でデータを比較する際は注意が必要です。


江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
31歳男性医師のかたから、糖質制限食でデータ改善のご報告
こんばんは。

tagashuu さん(31歳男性医師)から、体重減少、脂肪肝・中性脂肪改善という嬉しいコメントをいただきました。心理面、脂漏性皮膚炎も改善です。

「やせの大食い」に関する質問もいただきました。

【12/06/03 tagashuu
やせの大食い
江部先生、はじめまして。
若干緊張しながら初めてコメントを書かせていただきます。

私は鳥取県で脳神経系をサブスペシャリティとするプライマリケア医を目指し修行中の31歳男性医師です。

昨年12月頃に夏井睦先生の「新しい創傷治療」での糖質制限の話題をきっかけに先生のブログを読ませて頂くようになりました。

私は当時体重134kgの巨漢で、これまで年々体重が増え続ける危機的な状況でした。

しかし先生の提唱される糖質制限を、先生の御著書「糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食」や「主食をやめると健康になる」などを参考に実施させて頂き半年、現在は114kgまで体重が減り、おかげさまで体調もすこぶる快調となりました。

体重以外にも喜ばしい体の変化が続出しました。他のブログ読者の皆様方も時々なさっているように私も健康診断の血液検査データの一部を提示させて頂きたいと思います。ちなみに喫煙・飲酒習慣はございません。

        H23/9/30 H24/4/24
空腹時血糖  83  →  84
HbA1c(JDS)  5.3% →   4.9%
HDL-C     39    →  44
LDL-C     158 →  147
TG       181 →  63
GOT      70  →  24
GPT      124 →  25
γ-GTP    107 → 42
Cr        0.7  →  0.9
尿酸      6.5  →  8.1

長年どうやっても改善できなかった脂肪肝や中性脂肪の値が一気に正常化し、体も軽くなり今までやる気が起こらなかった運動習慣も作ることができるようになりました。

また開始前は個人的な事情で抑うつ状態でしたが、糖質制限開始後よりかなり気分が晴れて動きやすくなることを経験しました。SNRIなどの抗うつ薬よりもよほど糖質制限の方が効果があることを実感しました。

さらに長年鼻周りと耳の後ろに鱗屑がたまり、脂漏性皮膚炎を繰り返していたのですが、その症状もぴたっと止まりました。

糖質制限実施前は夏井睦先生の提唱する温水のみシャンプーを実施してもフケが多くて髪の毛が油でギトギトになるため体質的に温水のみは無理なのだと半ば諦めていましたが、糖質制限実施後は温水のみシャンプーでもベタつかなくなりました。

脂漏性皮膚炎にしても、フケにしても単純に脂分の摂取が多すぎるのであろうと考えていましたが、こうなるとこれらの症状も糖質の摂り過ぎが原因であったのであろうと感じています。

さらに歯も汚い人間でしたが、歯の表面がつるつるしてきているような感触も実感しています。

それらの体験を受けてこれまでの人生、自分が「炭水化物依存症」にあったということにはじめて明確に気がつかされました。

糖質制限を行って総じて先生のおっしゃる通りの体の変化が起こっており、人生を救われた気持ちです。感謝してもしきれません。

心より感謝申し上げるとともに、おそらく私のように炭水化物依存に気がついていない人はまだまだたくさんいると思うので、今後共先生方とともに糖質制限を患者さんや周囲の人たちに勧めていけるよう微力ながら尽力して参ります。

長くなってしまい大変恐縮ですが、ひとつだけ質問をさせて下さい。

肥満の改善に糖質制限が有効なことは自身の体験でも確信できたのですが、世の中には食べても食べてもやせてしまうという体質の人がいると思います。

先生が示されていることの中に「やせすぎの人が糖質制限を実施するとBMI22に近づく」というのがあったと思いますが、これはどうしてそうなるのでしょうか?

そもそもこうした人たちはなぜ食べ過ぎてもやせてしまうのでしょうか。

体質だからと言ってしまえばそれまでですが、こうした人たちが糖質を摂った際には体の中でどういうことが起こっているのか非常に興味があります。

もしご迷惑でなければ御教示頂ければ幸甚です。

御多忙中大変恐縮ですが、何卒宜しくお願い申し上げます。】



       H23/9/30        H24/4/24
体重     134kg   →   114kg
TG       181      →    63
GOT       70      →    24
GPT       124      →    25
γ-GTP      107      →   42


tagashuu さん

まずは、データの素晴らしい改善、良かったです。

また脂漏性皮膚炎、頭皮もお湯だけでOK・・・
こちらも見事な改善ですね。

私も2011年1月から、ずっとお湯だけでシャンプーなしです。

夏井先生のサイトで、お湯洗いとお酢にしてもっと快適という女性のコメントを見て、私は「お湯洗い+無添加リンス」として、結構快適です。

さらに心理的にも良い効果があったとのことですが、他のブログ読者からも、そういうコメントをいただくことがあります。

皆が皆というわけにも行かないのでしょうが、糖質制限食で心理的に安定する方々がおられることは間違いありません。

ご質問の「やせの大食い」ですが、大食い選手権に出場するような特殊例は置いといて、 基礎代謝が高い人と思います。 30代までの私がそうでした。

当時は食べても食べても太りませんでしたが、40才ぐらいから、急に腹が出はじめました。

おそらく体重は不変でも若い頃に比し、徐々に筋肉量が減り脂肪量が増えて基礎代謝が減っていった結果なのでしょう。

「やせすぎの人が糖質制限を実施するとBMI22に近づく」

こちらは、小食タイプの人が、糖質制限食実践でしっかりエネルギー摂取することで、適正体重になるのだと思います。



江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質制限食とホメオスタシスと自然治癒力
こんばんは。

今日は、医療関係者サイトm3.com、臨床道場「糖質制限」の最後の日です。

江部康二の糖質制限な食事日記も最終回ですので、記念(?)に見栄を張って、ステーキを食べてきました。

閑話休題。

糖質制限食により、食前・食後血糖値の変動幅がほとんどなくなります。

インスリンの追加分泌もごく少量ですみます。

現在、糖尿病のコントロールを良好に保つには、空腹時血糖値、食後血糖値、平均血糖変動幅の3つの要素を管理することが必要とされています。

この3つを良好に保てば、糖尿病による動脈硬化のリスクもなくなります。

逆に言えば、HbA1cがコントロール良好でも、食後高血糖や平均血糖変動幅が大きいと動脈硬化のリスクになります。

糖質を摂取しながらインスリン強化療法をするとこのリスクが生じ、総死亡率が上昇することがACCORD試験で実証されました。

糖質制限食なら、薬物はなしか最小限で、3つの要素が良好となります。

糖尿病に限らず、アレルギー疾患など様々な生活習慣病が糖質制限食で改善します。その理由を考えてみます。

糖質制限食実践により、食前・食後の血糖値とインスリン値の変動幅が少なくなり代謝が安定します。

糖代謝が安定し、脂質代謝、タンパク質代謝も安定し、代謝全てが落ち着いて、体内環境が平穏でゆったりし、ホメオスタシス的には、代謝の変動が少なくて、大変好ましい状況となります。

人類のご先祖がもともと食べていた食生活が糖質制限食ですので、糖質制限食は、人類本来の食生活、人類の健康食と考えられます。

ヒトだけではなくて全ての生命体や細胞の生存においては、本来恒常性(ホメオスタシス)を保つことが大切です。

ヒトに限らず、ホメオスタシスのためには、その動物本来の食生活を保つことは重要な要素と思います。

糖質制限食実践により、ホメオスタシスが保たれますので、闘争やストレスで放出されるアドレナリンや副腎皮質ステロイドホルモンは、血中に必要最低限が確保されていて、過剰にでることはないと思います。

逆に、糖質を摂取した場合は、食後血糖が急上昇し、追加分泌インスリンが耐糖能正常者では、基礎分泌インスリンの数倍~30倍レベル放出されます。

ホルモンが10倍・20倍レベル放出されるのは、緊急事態であり救急車の出動といえます。

食後血糖値が180mg/dlを超えてくると、糖毒と化して酸化ストレス上昇など様々なリスクとなりますので、救急車の出動で、血糖が180mgを超えないようにしているのでしょう。

しかし、この事態は代謝の嵐と言え、ホメオスタシスが大いに乱れています。

それを修正するために人体の代謝には、様々な過大な負担がかかると思います。

このようなことを日常的に繰り返していれば、人体の自然治癒力は浪費され消耗するので、様々な生活習慣病が発症しやすくなります。

言い換えれば、糖質摂取による「ブドウ糖ミニスパイクとインスリン大量分泌」の日常的な繰り返し(ホメオスタシスの乱れ)が、生活習慣病の元凶と言えます。

700万年の進化の歴史において、人類にとって、糖質はあくまでもラッキー食材であり、日常的に摂取するようなものではなかったのです。

農耕開始後の1万年間、そのラッキー食材を毎日摂取するようになったのです。

基礎分泌インスリンは生命維持に絶対に必要ですが、過剰なインスリンには、発ガンリスクやアルツハイマー病発症リスクのエビデンスがあります。

さらに、老化や動脈硬化にも過剰なインスリンが関与している可能性があります。

最初に書いた、糖尿病治療目標の3要素「空腹時血糖値、食後血糖値、平均血糖変動幅」を良好に保つことは、まさにホメオスタシスを保つこととなります。

糖尿病だけでなく、アレルギー疾患など様々な生活習慣病が糖質制限食で改善することがあります。

この現象の根本には、人体のホメオスタシスが保たれることで、自然治癒力が活性化されることがあると、あくまでも仮説ですが考えています。



江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
市民公開講座『糖尿病・生活習慣病と糖質制限食』のご案内
こんばんは。

第63回日本東洋医学会学術総会が、国立京都国際会館にて、6月29日(金)~7月1日(日)まで開催されます。

その中で、2012年7月1日(日)14:30~16:00 市民公開講座が設定されました。

『糖尿病・生活習慣病と糖質制限食』と題して、私が講演いたします。

司会は医療法人恒昭会藍野病院・内科の、吉田 麻美 先生 です。

開場は、14:00です。

会場は、国立京都国際会館(RoomA)です。

定員は450名で先着順で、事前受付はありません。

問い合わせ先は、

第63回日本東洋医学会学術総会・事務局
株式会社JTBコミュンニケーションズ コンベンション事業局内
電話:06-6348-1391

結構時間をたっぷりいただいたので、最新の糖質制限食の情報をわかりやすくお話できると思います。

米国糖尿病学会も日本糖尿病学会も2012年に大きな変化がありました。
いずれも「糖質制限食」に有利な変化です。

特に日本では、2012年5月18日(金)第55回日本糖尿病学会年次学術集会のDebate to Consensus 5、において、糖質制限食が糖尿病食事療法の選択肢の一つとして、コンセンサスが得られました。

まさに、日本糖尿病学会における糖質制限食の夜明けともいうべき画期的な出来事だったと思います。

市民公開講座『糖尿病・生活習慣病と糖質制限食』入場料は無料と思います。

京都人、糖尿人、メタボ人、関西人のご参加をお待ちしております。



江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
NY市、炭酸飲料の大量販売規制へ
こんばんは。

北九州三島さんから、興味深いニュースの情報をコメントしていただきました。

すなわち新聞各紙に

< NY市、炭酸飲料の大量販売規制へ>

という記事が載りました。

米国で炭酸飲料(ソーダ)というのは、コーラなど砂糖がたくさん入った清涼飲料水全般を含みます。

2011年2月1日の本ブログで記事にした

<ニューヨークのソーダ論争と糖尿病・肥満>

の延長戦というイメージですね。

「ニューヨーク市のブルムバーグ市長をリーダーに、ファーストフード店などで販売される炭酸飲料のカップやボトル容量の上限を16オンス(474ミリリットル)とする計画」

ということですが、米国では通常もっともっと巨大な容量のカップやボトルで炭酸飲料を飲んでいるようです。

写真でみるとLサイズとか、1リットルをはるかに超えてそうです。

ちなみに米国マクドナルドのコーラMサイズが1リットルのようです。

日本のファーストフード店には決して置いてないような巨大なカップで、米国人は日常的に砂糖入り飲料を飲んでいるんですね。

米国の肥満、恐るべし!?

液体の糖質は最も危険な食べ物で、人類の歴史上最凶・最悪の代物です。

グルコースミニスパイクとインスリンの大量追加分泌が、激しく代謝を乱します。

人類は700万年間経験したことのない、最凶・最悪の液体の糖質「清涼飲料水」に、特にこの数十年、日常的に無防備でさらされています。

ニューヨーク市のブルムバーグ市長に、エールを送りたいですね。



江部康二



☆☆☆日本経済新聞 WEB刊から引用

【LLサイズ飲料は肥満のもと? NY市が販売規制案

コーラやソーダ…、13年3月にも
2012/6/1 10:45

ニューヨーク市は31日、肥満防止のために、ファストフード店などで販売される炭酸や糖分を含む飲料のサイズを規制することを決めた。条例制定の上、早ければ来年3月にも規制を実施する方針で、米国名物の巨大サイズ飲料がニューヨークでは見られなくなる可能性が出てきた。米メディアが報じた。

5月31日、記者会見するニューヨーク市当局者=AP

米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)によると、制定されれば米国初となる。同市の成人の半数以上が肥満もしくは太りすぎとなっており、サイズ規制で飲みすぎを防ぎ、肥満率を下げたい考え。米国では近年、肥満による医療費の増加が社会問題になっており、同市の取り組みが全米に広がる可能性もある。

規制案では同市の飲食店や映画館で16オンス(約470ミリリットル)よりも大きいサイズのボトルやカップが販売できなくなる。コーラやソーダのほか、加糖のアイスティーも対象で、ダイエット飲料やフルーツジュース、アルコール飲料は対象外。食料品店やコンビニエンスストアで販売されるものも規制外となる。

同市のブルームバーグ市長は「これは市民が望んでいることだ」と規制の必要性を強調。一方で、炭酸飲料の業界団体は「市の規制案は(炭酸飲料が肥満の原因という)妄想に取りつかれたもので、健全ではない」と批判している。
(ニューヨーク=共同)】



☆☆☆参考 2011年2月1日の本ブログ

<ニューヨークのソーダ論争と糖尿病・肥満>

こんにちは。

2010年12月28日(水)の朝日新聞夕刊に、面白い記事が載りました。

以下、朝日新聞の記事です。

【ニューヨーク=田中光】 NYソーダ論争
『肥満の原因とされる砂糖入り炭酸飲料などの消費量を抑えて、医療費を抑制しよう――。ニューヨークのブルームバーグ市長が、そんな試みを打ち出した。一方、飲料業界は「無用な干渉でしかない」と猛反発し、「ソーダ戦争」の様相を呈している。市の提案は、月当たりの世帯収入が2400ドル未満の低所得者層に配られる米政府の食糧クーポン券で、炭酸飲料などの砂糖入り清涼飲料水を買えなくするというもの。市によると、人口当たりの糖尿病患者は、低所得者が住む地域では、高所得者層地域の4倍。1日に1回以上炭酸飲料を飲む人が38%以上いる地域は、クーポン券利用者が多い地域と重なり、肥満率が30%以上に達するという。このため市長は、クーポン券で炭酸飲料を買えなくすれば、より栄養価が高い食料品にお金がまわるようになり、肥満や糖尿病を抑えられると訴えている。これに対し、米国飲料協会は「砂糖入り飲料水のカロリーだけが特別なわけではない」として、狙い撃ちに反発するコメントを発表。「恵まれない人たちにとって不公平な措置だ」と主張し、一歩も引かない考えだ。バーなどの屋内施設からたばこを追放し、ファストフード店にカロリー表示を義務づけるなど、次々と健康政策を打ち出してきたブルームバーグ市長にとって、肥満対策は負けられない戦いだ。しかし、飲料業界は大きな政治力を持っており、今後、市の提案が米政府に認められるかどうかは、不透明だ。買い物客の8割前後が、クーポン券利用者だというブルックリン区のスーパーで働くスタンリー・パンフィールさんは「市長の考えは面白いかもしれないけど、どっちにせよ、みんなソーダを買うよ」と効果に懐疑的だ。』 

ニューヨークだけでなく、米国の貧困層に肥満と糖尿病が多いのは、事実だと思います。

貧困層に手に入りやすい安価な食料は、基本的に炭水化物です。

具体的には、ソーダだけではなく、パンやポテトチップや甘いお菓子・・・、米国のソーダとは、コーラなど砂糖がたくさん入った清涼飲料水全般を含みます。

2009年、米国飲料協会(ABA)が、公立小中学校でのエネルギー量(糖質)の多い清涼飲料水の発売を、全面停止したのは、記憶に新しいところです。

普通にパンを食べて飲み物を、水やお茶にするのか、砂糖たっぷりの清涼飲料水にするのか、大きな差があると思います。

結局炭水化物の頻回・過剰摂取が肥満や糖尿病の元凶と考えられます。貧困層は、肉や魚などタンパク質や脂質の多い食材は高価なので、手に入りにくいのです。

米国南部は肥満者の割合が高い州が多く、肥満と関連する糖尿病と高血圧症の罹患率も高いことが2004年、報告されています。

1862年リンカーン大統領の「奴隷解放宣言」や1865年の南北戦争集結を経て、南部の州で奴隷の扱いを受けていた黒人は解放されました。

しかし、この歴史的背景から、南部諸州では貧しい黒人の人口比率が高いのです。

2005年8月、ハリケーン・カトリーナがルイジアナ州やミッシシッピ州を襲い、多大な被害をだしました。

ルイジアナ州最大の都市ニューオリンズは、その8割、黒人街のほとんどが水没しました。ニューオリンズの住民の75%が黒人です。この時の米国連符政府の救助活動のあまりの遅れに、黒人差別であると暴動が起きたのは、いたましい記憶です。
 
肥満がもっとも深刻なのはミシシッピ州で、成人人口の29.5%が肥満と推計されました。肥満率のワースト2位と3位はアラバマ州(28.7%)とウェストバージニア州(28.6%)です。

世界的にみて、糖尿病罹患数が最も多いのは、中国とインドです。

中国の多数を占める貧しい農民や、インドのスードラ階級の人々は、基本的に安価な炭水化物以外は食材として手に入りにくいです。

世界最貧国の一つ、バングラデシュでも糖尿病が激増しています。バングラデシュにサイクロンによる水害が発生したら、先進国からの食料援助は、菓子パンやクッキーなど安価で保存のよい炭水化物です。

これからは、炭水化物しか摂取しにくい、貧しい国々でも糖尿病が増えていく可能性があります。



江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット