2011年11月30日 (水)
おはようございます。
はっちゆっき さんから、御母上の糖尿病が、糖質制限食でインスリンフリーとなったという嬉しいコメントをいただきました。
【11/11/29 はっちゆっき
15年
先生、はじめまして。先生には、大変感謝しております。
私の母は、糖尿病である事や、インシュリンを打っている事を15年家族に心配をかけないように隠していました。
私が気がついた時には、すでにかなり酷い状態でした。
そこで、心配した私は、色々調べた結果、先生のブログに出会い、
本を四冊購入し、七ヶ月で、
ヘモグロビンが11→6.4まで回復、
インシュリンも中止。
しかし、まだ、薬は飲んでいるようです。
母は、体重が60キロ→50キロと痩せ、
主治医には痩せすぎは、体力がなくなるから、もう少し食べるように言われてます。
しかし、なかなかヘモグロビンがさがりません。
痩せないように、糖質制限する方法はあるのでしょうか?
ヘモグロビンが、6.4より下がらない原因は他にあるのでしょうか?】
はっちゆっき さん。
拙著のご購入、ありがとうございます。
御母上、15年来の糖尿病が、糖質制限食実践7ヶ月で
HbA1c11%→6.4%
インスリンも中止。
これは素晴らしい改善です。
HbA1c6.4%はコントロール良好レベルですので、目標は達成ですね。
このまま糖質制限食を続けられて、内服薬がさらに減らせればいいですね。
スーパー糖質制限食なら、HbA1c6.4よりさらに改善する可能性はあります。
痩せ型の2型糖尿病なら内服薬は、DPP-4阻害剤(ジャヌビア、グラクティブ、ネシーナ、エクアなど)や、αGI(グルコバイ、ベイスンなど)なら、膵臓への負担がないので好ましいです。
SU剤ならアマリール(0.5mg)1~2錠までが推奨です。
血糖コントロールの目標は
空腹時血糖値:110mg未満
食後1時間血糖値:180mg未満
食後2時間血糖値:140mg未満
であり、これらが達成されていれば、動脈硬化の合併症のリスクがありません。
最近は、上記に加えて、一日の平均血糖変動幅も指標とされるようになりました。
これは、低血糖も高血糖もよくないので、食前食後の血糖変動幅が少ないほど好ましいということです。
さて。
HbA1c:6.4%でコントロール良好と評価されている2型糖尿人において、糖質制限食を実践しているのか、カロリー制限食(高糖質食)を実践しているのかで、食後血糖値と一日の平均血糖変動幅には大きな差が生じます。
スーパー糖質制限食なら、食後血糖値の上昇はほとんどないし、一日の食前食後の平均血糖変動幅もほとんどありません。内服薬は少量、あるいは無しなので低血糖も生じにくいです。
一方、カロリー制限食(高糖質食)で、 HbA1c6.4%のとき、内服薬やインスリン注射をしていても、食後高血糖を防ぐのは困難ですし、強化治療をすれば、低血糖のリスクが必然的に高まります。
すなわち、カロリー制限食(高糖質食)で薬物投与を受けている糖尿人では、食後高血糖と一日の食前食後の平均血糖変動幅の増大は、防げません。
例えば、空腹時血糖値が60mgで食後血糖値は220mgでも、HbA1cは6.4%くらいになります。
はっちゆっき さんの御母上は、糖質制限食なので、同じHbA1c6.4%でも、中身はカロリー制限食の糖尿人に比べたら、動脈硬化のリスクはほとんどない、血糖コントロール状況と考えられます。
やせに関しては、脂質・タンパク質は充分量摂取して、カロリー不足に注意しましょう。
もともと少食のタイプでは、カロリー不足対策が必要です。
このような場合は、間食の出番です。糖質制限OK食材なら、間食もOKです。
具体的には、間食としてナッツ類(アーモンド、カシューナッツ、ピーナッツ・・・)を20~30粒程度なら糖質が約3~5gですので、一日に2~3回は大丈夫です。
それと、糖質制限食でやせ過ぎて困るという人には、通常糖尿人には奨めないのですが、敢えて果物がお奨めです。
果物の中でも、アボカドは、100g(1個)あたりの糖質含有量が0.9gと圧倒的に少ないので、糖尿人にもOKで、とてもいいですね。
その他、100gあたり糖質10g以下の果物は、
いちご、りんご、パパイア、グレープフルーツ、夏みかん、はっさく、メロン、もも・・
などです。
それぞれ
いちご 7粒、
りんご 1/4個、
パパイア 1/2個、
グレープフルーツ 1/4個、
夏みかん 1/4個、
はっさく 1/3個、
メロン 1/8個、
もも中くらい 2/3個
くらいなら、1回の摂取量での糖質は10g以下です。
果物に含まれる糖質は、「果糖・ショ糖・ブドウ糖・ソルビトール・・・」などです。
このうちメインの果糖は、血糖値をほとんど上昇させず、上記ていどの量なら食後高血糖にはなりにくいですが、
カロリーはありブドウ糖より中性脂肪に変わりやすいので体重は増えます。
あとオリーブオイルやエゴマ油を調理に積極的に使って、カロリーを稼ぐ手もあります。
やせてる糖尿人には、「ナッツ類、果物適量、オリーブオイル」が三種の神器でしょうか。
江部康二
はっちゆっき さんから、御母上の糖尿病が、糖質制限食でインスリンフリーとなったという嬉しいコメントをいただきました。
【11/11/29 はっちゆっき
15年
先生、はじめまして。先生には、大変感謝しております。
私の母は、糖尿病である事や、インシュリンを打っている事を15年家族に心配をかけないように隠していました。
私が気がついた時には、すでにかなり酷い状態でした。
そこで、心配した私は、色々調べた結果、先生のブログに出会い、
本を四冊購入し、七ヶ月で、
ヘモグロビンが11→6.4まで回復、
インシュリンも中止。
しかし、まだ、薬は飲んでいるようです。
母は、体重が60キロ→50キロと痩せ、
主治医には痩せすぎは、体力がなくなるから、もう少し食べるように言われてます。
しかし、なかなかヘモグロビンがさがりません。
痩せないように、糖質制限する方法はあるのでしょうか?
ヘモグロビンが、6.4より下がらない原因は他にあるのでしょうか?】
はっちゆっき さん。
拙著のご購入、ありがとうございます。
御母上、15年来の糖尿病が、糖質制限食実践7ヶ月で
HbA1c11%→6.4%
インスリンも中止。
これは素晴らしい改善です。
HbA1c6.4%はコントロール良好レベルですので、目標は達成ですね。
このまま糖質制限食を続けられて、内服薬がさらに減らせればいいですね。
スーパー糖質制限食なら、HbA1c6.4よりさらに改善する可能性はあります。
痩せ型の2型糖尿病なら内服薬は、DPP-4阻害剤(ジャヌビア、グラクティブ、ネシーナ、エクアなど)や、αGI(グルコバイ、ベイスンなど)なら、膵臓への負担がないので好ましいです。
SU剤ならアマリール(0.5mg)1~2錠までが推奨です。
血糖コントロールの目標は
空腹時血糖値:110mg未満
食後1時間血糖値:180mg未満
食後2時間血糖値:140mg未満
であり、これらが達成されていれば、動脈硬化の合併症のリスクがありません。
最近は、上記に加えて、一日の平均血糖変動幅も指標とされるようになりました。
これは、低血糖も高血糖もよくないので、食前食後の血糖変動幅が少ないほど好ましいということです。
さて。
HbA1c:6.4%でコントロール良好と評価されている2型糖尿人において、糖質制限食を実践しているのか、カロリー制限食(高糖質食)を実践しているのかで、食後血糖値と一日の平均血糖変動幅には大きな差が生じます。
スーパー糖質制限食なら、食後血糖値の上昇はほとんどないし、一日の食前食後の平均血糖変動幅もほとんどありません。内服薬は少量、あるいは無しなので低血糖も生じにくいです。
一方、カロリー制限食(高糖質食)で、 HbA1c6.4%のとき、内服薬やインスリン注射をしていても、食後高血糖を防ぐのは困難ですし、強化治療をすれば、低血糖のリスクが必然的に高まります。
すなわち、カロリー制限食(高糖質食)で薬物投与を受けている糖尿人では、食後高血糖と一日の食前食後の平均血糖変動幅の増大は、防げません。
例えば、空腹時血糖値が60mgで食後血糖値は220mgでも、HbA1cは6.4%くらいになります。
はっちゆっき さんの御母上は、糖質制限食なので、同じHbA1c6.4%でも、中身はカロリー制限食の糖尿人に比べたら、動脈硬化のリスクはほとんどない、血糖コントロール状況と考えられます。
やせに関しては、脂質・タンパク質は充分量摂取して、カロリー不足に注意しましょう。
もともと少食のタイプでは、カロリー不足対策が必要です。
このような場合は、間食の出番です。糖質制限OK食材なら、間食もOKです。
具体的には、間食としてナッツ類(アーモンド、カシューナッツ、ピーナッツ・・・)を20~30粒程度なら糖質が約3~5gですので、一日に2~3回は大丈夫です。
それと、糖質制限食でやせ過ぎて困るという人には、通常糖尿人には奨めないのですが、敢えて果物がお奨めです。
果物の中でも、アボカドは、100g(1個)あたりの糖質含有量が0.9gと圧倒的に少ないので、糖尿人にもOKで、とてもいいですね。
その他、100gあたり糖質10g以下の果物は、
いちご、りんご、パパイア、グレープフルーツ、夏みかん、はっさく、メロン、もも・・
などです。
それぞれ
いちご 7粒、
りんご 1/4個、
パパイア 1/2個、
グレープフルーツ 1/4個、
夏みかん 1/4個、
はっさく 1/3個、
メロン 1/8個、
もも中くらい 2/3個
くらいなら、1回の摂取量での糖質は10g以下です。
果物に含まれる糖質は、「果糖・ショ糖・ブドウ糖・ソルビトール・・・」などです。
このうちメインの果糖は、血糖値をほとんど上昇させず、上記ていどの量なら食後高血糖にはなりにくいですが、
カロリーはありブドウ糖より中性脂肪に変わりやすいので体重は増えます。
あとオリーブオイルやエゴマ油を調理に積極的に使って、カロリーを稼ぐ手もあります。
やせてる糖尿人には、「ナッツ類、果物適量、オリーブオイル」が三種の神器でしょうか。
江部康二
2011年11月29日 (火)
こんにちは。
2011年11月28日(月)の新聞に
「牛肉・豚肉を食べ過ぎると結腸がんリスク上昇」
という記事が載りました。
注釈を加えるならば
「糖質を普通に食べている人が牛肉・豚肉を食べ過ぎると結腸がんリスク上昇」
ということだと思います。
以下の記事は毎日新聞からの転載です。
【毎日jp
http://mainichi.jp/life/health/medical/news/20111128k0000e040052000c.html
医療
.結腸がん:リスク上昇…女性の牛・豚肉食べ過ぎで
牛や豚の肉(赤肉)を多く食べる女性は、あまり食べない女性より、大腸がんの一つである結腸がんのリスクが4割以上高くなるとの研究結果を、国立がん研究センター予防研究部の笹月静室長らが28日、公表した。
1990年代後半に45~74歳だった男女約8万人を2006年まで追跡。食習慣の調査から1日の肉類摂取量を算出し、量に応じて5グループに分け、がんとの関係を調べた。期間中に788人が結腸がんになった。
その結果、女性で赤肉を1日に調理前の重量で約80グラム以上と最も多く食べるグループは、25グラム未満と最も少ないグループより、結腸がんの発生リスクが48%高かった。
男性では、赤肉のみでは摂取量とリスク上昇の関係ははっきりと表れなかった。ただ赤肉に鶏肉も加えた肉類の総摂取量が1日約100グラム以上と最も多いグループで、35グラム未満と最も少ないグループより、リスクが44%高くなった。総量の85%を赤肉が占めており、男性でも関係は否定しきれないという。
笹月室長は「今回は最も多いグループでだけリスク上昇が見られた。赤肉が即危険と考えず、食べ過ぎに注意すればいいのではないか」と話している。
毎日新聞 2011年11月28日 】
世界がん研究基金2007年の報告でも、牛や豚の肉は500g/週までが推奨ですから、国立がん研究センター予防研究部の発表と、ほぼ似たようなものですね。
ただこれらのデータは全て、糖質を普通に食べている人のデータです。
糖尿病でない人でも糖質を摂取すれば、毎食後、正常範囲内での血糖値上昇が生じます。
そのたびに、インスリンが10倍~30倍レベル追加分泌されます。
高インスリン血症による発ガンリスク上昇には、明白なエビデンスがあります。
糖尿病の人が糖質を摂取すれば、その度に200mg/dlを超える食後高血糖が生じます。
国際糖尿病連合2007年の発表によると、食後高血糖と発がんリスク上昇が関連しています。
繰り返しますが
「牛肉・豚肉を食べ過ぎると結腸がんリスク上昇」
↓
「糖質を普通に食べている人が牛肉・豚肉を食べ過ぎると結腸がんリスク上昇」
です。
糖質を普通に摂取していて、高インスリン血症や食後高血糖がある人が、女性なら80g以上、男性なら100g以上の、「牛肉・豚肉」を食べると結腸がんリスクが増える可能性が高いということですね。
スーパー糖質制限食実践中の人は、糖質摂取量が極めて少量で、高インスリン血症も食後高血糖もありませんので、世界がん研究基金2007年の報告も今回の国立がん研究センター予防研究部の発表もあてはまりません。
より正確には、
「スーパー糖質制限食を実践中で、<牛肉・豚肉>を100g/日以上摂取している人はたくさんおられると思いますが、そのような場合の結腸がんリスクに関するエビデンスはまだない。」
ということです。
江部康二
2011年11月28日(月)の新聞に
「牛肉・豚肉を食べ過ぎると結腸がんリスク上昇」
という記事が載りました。
注釈を加えるならば
「糖質を普通に食べている人が牛肉・豚肉を食べ過ぎると結腸がんリスク上昇」
ということだと思います。
以下の記事は毎日新聞からの転載です。
【毎日jp
http://mainichi.jp/life/health/medical/news/20111128k0000e040052000c.html
医療
.結腸がん:リスク上昇…女性の牛・豚肉食べ過ぎで
牛や豚の肉(赤肉)を多く食べる女性は、あまり食べない女性より、大腸がんの一つである結腸がんのリスクが4割以上高くなるとの研究結果を、国立がん研究センター予防研究部の笹月静室長らが28日、公表した。
1990年代後半に45~74歳だった男女約8万人を2006年まで追跡。食習慣の調査から1日の肉類摂取量を算出し、量に応じて5グループに分け、がんとの関係を調べた。期間中に788人が結腸がんになった。
その結果、女性で赤肉を1日に調理前の重量で約80グラム以上と最も多く食べるグループは、25グラム未満と最も少ないグループより、結腸がんの発生リスクが48%高かった。
男性では、赤肉のみでは摂取量とリスク上昇の関係ははっきりと表れなかった。ただ赤肉に鶏肉も加えた肉類の総摂取量が1日約100グラム以上と最も多いグループで、35グラム未満と最も少ないグループより、リスクが44%高くなった。総量の85%を赤肉が占めており、男性でも関係は否定しきれないという。
笹月室長は「今回は最も多いグループでだけリスク上昇が見られた。赤肉が即危険と考えず、食べ過ぎに注意すればいいのではないか」と話している。
毎日新聞 2011年11月28日 】
世界がん研究基金2007年の報告でも、牛や豚の肉は500g/週までが推奨ですから、国立がん研究センター予防研究部の発表と、ほぼ似たようなものですね。
ただこれらのデータは全て、糖質を普通に食べている人のデータです。
糖尿病でない人でも糖質を摂取すれば、毎食後、正常範囲内での血糖値上昇が生じます。
そのたびに、インスリンが10倍~30倍レベル追加分泌されます。
高インスリン血症による発ガンリスク上昇には、明白なエビデンスがあります。
糖尿病の人が糖質を摂取すれば、その度に200mg/dlを超える食後高血糖が生じます。
国際糖尿病連合2007年の発表によると、食後高血糖と発がんリスク上昇が関連しています。
繰り返しますが
「牛肉・豚肉を食べ過ぎると結腸がんリスク上昇」
↓
「糖質を普通に食べている人が牛肉・豚肉を食べ過ぎると結腸がんリスク上昇」
です。
糖質を普通に摂取していて、高インスリン血症や食後高血糖がある人が、女性なら80g以上、男性なら100g以上の、「牛肉・豚肉」を食べると結腸がんリスクが増える可能性が高いということですね。
スーパー糖質制限食実践中の人は、糖質摂取量が極めて少量で、高インスリン血症も食後高血糖もありませんので、世界がん研究基金2007年の報告も今回の国立がん研究センター予防研究部の発表もあてはまりません。
より正確には、
「スーパー糖質制限食を実践中で、<牛肉・豚肉>を100g/日以上摂取している人はたくさんおられると思いますが、そのような場合の結腸がんリスクに関するエビデンスはまだない。」
ということです。
江部康二
2011年11月28日 (月)
こんばんは。
2011年11月27日(日)紀伊国屋梅田本店主催で
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!糖質制限食レシピ集』刊行記念講演会in大阪
・後援:東洋経済新報社
・協賛:サラヤ株式会社
を開催いたしました。
広報してから2週間ちょっとしか期間がなくて、おまけに大阪府知事・大阪市長選挙投票日と重なって参加者の入りが心配だったのですが、おかげさまで大盛況でした。(⌒o⌒)v
質疑応答の時間も30分とったので、活発な意見交換がたっぷりできて、大変有意義な会となりました。
講演終了後のサイン会も30人 くらい並んでいただいて、記念写真とか握手とか何だか、芸能人みたいな一日でした。(∵)?
中村整形外科リハビリクリニック(兵庫県川西市)理事長の中村巧先生もスタッフの方と共にご参加いただき、糖質制限食による治療経験をお話しいただきました。
ご自身スポーツばりばりのお医者さんで、糖質制限食の実践者です。
糖質制限食と運動療法による肥満治療に顕著な効果を上げておられます。
治療実績は1400人以上に達しておられます。
中村巧先生、江部康二、板東浩先生の3名が、医学雑誌「治療」の2012年の増刊号に、分担して糖質制限食の原稿を書くことになりました。
第一線の臨床医が購読している医学雑誌なので、医学界への糖質制限食の普及におおいに役立つと思います。 (^^)
板東浩先生は、全国インラインスケート大会で優勝歴数回という第一級のアスリートです。
日本糖尿病学会・認定医・指導医であり、やはりご自身が糖質制限食を実践しておられ、中村巧先生と共にとても心強い私の味方です。 (^_^)
認定音楽療法士、日本音楽療法学会評議員で、ピアノの腕前は全四国音楽コンクールピアノ・エレクトーン部門各第1位という、プロです。
プロ級ではありませんぞ。プロです。('-^*)☆
中村、板東両先生は「糖質制限食+運動療法」をしっかり実践しておられて、タニタ体組成計 <運動不足型>(-_-;) の江部康二とはひと味違います。
見てないのですが、きっと腹筋割れていると思います。
私も運動をもう少ししたいのですが、なかなかままなりません。(*- -)(*_ _)
江部康二
2011年11月27日(日)紀伊国屋梅田本店主催で
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!糖質制限食レシピ集』刊行記念講演会in大阪
・後援:東洋経済新報社
・協賛:サラヤ株式会社
を開催いたしました。
広報してから2週間ちょっとしか期間がなくて、おまけに大阪府知事・大阪市長選挙投票日と重なって参加者の入りが心配だったのですが、おかげさまで大盛況でした。(⌒o⌒)v
質疑応答の時間も30分とったので、活発な意見交換がたっぷりできて、大変有意義な会となりました。
講演終了後のサイン会も30人 くらい並んでいただいて、記念写真とか握手とか何だか、芸能人みたいな一日でした。(∵)?
中村整形外科リハビリクリニック(兵庫県川西市)理事長の中村巧先生もスタッフの方と共にご参加いただき、糖質制限食による治療経験をお話しいただきました。
ご自身スポーツばりばりのお医者さんで、糖質制限食の実践者です。
糖質制限食と運動療法による肥満治療に顕著な効果を上げておられます。
治療実績は1400人以上に達しておられます。
中村巧先生、江部康二、板東浩先生の3名が、医学雑誌「治療」の2012年の増刊号に、分担して糖質制限食の原稿を書くことになりました。
第一線の臨床医が購読している医学雑誌なので、医学界への糖質制限食の普及におおいに役立つと思います。 (^^)
板東浩先生は、全国インラインスケート大会で優勝歴数回という第一級のアスリートです。
日本糖尿病学会・認定医・指導医であり、やはりご自身が糖質制限食を実践しておられ、中村巧先生と共にとても心強い私の味方です。 (^_^)
認定音楽療法士、日本音楽療法学会評議員で、ピアノの腕前は全四国音楽コンクールピアノ・エレクトーン部門各第1位という、プロです。
プロ級ではありませんぞ。プロです。('-^*)☆
中村、板東両先生は「糖質制限食+運動療法」をしっかり実践しておられて、タニタ体組成計 <運動不足型>(-_-;) の江部康二とはひと味違います。
見てないのですが、きっと腹筋割れていると思います。
私も運動をもう少ししたいのですが、なかなかままなりません。(*- -)(*_ _)
江部康二
2011年11月27日 (日)
おはようございます。
糖質制限食で糖尿病腎症3期Aから回復されたけいさんから、耐糖能正常化というさらに嬉しいコメントをいただきました。
【11/11/26 けい
実験結果のご報告
先生こんばんは。
今夜はピザで、どきどきの実験を致しました!
薄い生地のクリスピーピザ小麦粉40g&ふすま40g+照り焼きチキン+サラダ大盛り+みかん1個です。
糖質量は45~50g程度と思います。
食後1時間の結果なんと98、1時間半後110でした!
今回は食後に腕立てはまったくしていません。
(入浴しました)
1時間後の方が低いのは検査機の誤差だとは思いますがそれでも低いです。
糖尿病を糖質制限食約2年で克服出来たようです。
1年前はこんな数値で収まらなかったので、長く続ければそれだけβ細胞は復活するのではないでしょうか?
糖質制限食に新たな可能性があるのでは??
(糖質制限食開始当初カキフライ2個と魚の南蛮漬けを食べて血糖値が200を超えたのを思い出しました・・)
面識も無い私をここまで導いて頂き本当に有難うございました。
これからも糖質制限食を続けて行き、誕生日などにちょこっと楽しんで行こうと思います。
P.Sまた何か実験や血液検査に変化がありましたらご報告させて頂きます。】
けいさん。
貴重な体験報告、ありがとうございます。
「糖質制限食開始当初カキフライ2個と魚の南蛮漬けを食べて血糖値が200mgを超えた」
のが、糖質制限食実践2年間で、
「糖質45~50g摂取しても、食後1時間の結果98、1時間半後110mg」
けいさんは、2年前の糖質制限食開始時は、
HbA1cが11%オーバー、顕性タンパク尿陽性(糖尿病腎症3期A)
の状態から、1年半後の2011.4.1には、
HbA1c4.6%、尿中アルブミンは5.8mg/g・Cre(腎症前期)と完全に正常化しておられます。
糖尿病腎症から回復されただけでも素晴らしいですが、さらにHbA1cが11%オーバーもあった糖尿病が、糖質制限食実践2年間で、耐糖能が正常化というのは、すごいです。 (^_^)
勿論、膵臓のインスリンを作るβ細胞が、100/100回復ということではないと思いますが、少なくとも臨床的には耐糖能が正常レベルということは間違いないですね。
2年間の糖質制限食実践で、β細胞の機能が正常の9割以上くらいまで回復されたのだと思います。
「糖尿病を糖質制限食約2年で克服出来たようです。 1年前はこんな数値で収まらなかったので、長く続ければそれだけβ細胞は復活するのではないでしょうか? 糖質制限食に新たな可能性があるのでは??」
個人差があって、皆が皆このように上手くいくとは思いませんが少なくともけいさんのような症例があるということは、仰有る通り糖質制限食のもつ可能性が広がり、糖尿人の希望も高まると思います。
江部康二
☆☆☆☆☆参考
<2011-04-03のブログ>
糖質制限食で糖尿病腎症3期Aから回復・2011年4月
おはようございます。
広沢の池の東にある、桜守・佐野藤右衛門さんの邸宅のお庭の桜、ライトアップが始まっています。
高雄病院の通勤の行き帰りに車の中から一瞬ですが眺めを楽しんでいます。
昨日(4月2日)で6分~7分咲くらいになっています。もう満開間近です。
さて。
スーパー糖質制限食で、糖尿病腎症3期Aから回復された、けいさんから、その後の経過報告をコメントいただきました。
けいさんは、HbA1cが11%オーバー、顕性タンパク尿陽性の状態から、糖質制限食実践1年間で見事に改善されました。
糖質制限食開始1年後の2011年1月24日のデータで、HbA1c4.5%、早朝血糖値85mg、尿中微量アルブミンもクレアチニン補正値5.0。
この1年で最高の結果とのことです。
今回は、その後のデータ(2011年4月1日)です。
【11/04/01 けい
定期健診結果です
先生いつも有難うございます。
今日定期健診の結果が出ましたのでご報告させて頂きます。
A1cは4.6・・・0.1上がりました。
尿中アルブミンは補正後5.8でした。
もう腎症は治ったようですね!
尿潜血は相変わらず+-でしたが尿沈査は全て正常でしたのでよしとのことでした。
異常でないと言われるのになぜ+-なのでしょうか???不思議です。
最近はお米等はまったく食べませんが、野菜はたっぷりでてんぷらや、とんかつなどは毎日食べています。
照り焼きのソースなどは食べてしまいますがこのA1cですので糖質制限を1年以上続けたおかげですね!
最近気づいたのですが、朝食を食べずに昼食を食べると血糖値は上がりやすいのですが、朝食に野菜炒めなどを食べておくと朝食抜きに比べて上がりにくいです。
朝食を食べて少しの糖質を入れておくとインスリンが少し出ているためなのでしょうか?
良く分かりませんが私の体での実験結果です。
また次回の結果報告させて頂きます。
糖尿の皆様糖質制限食は素晴らしいですよ!】
けいさん。
HbA1c4.6%は、コントロール優ですし、全く問題ありません。
糖尿病腎症も、尿中微量アルブミン5.8なら、絶好調で全く問題なしですね。
いつもブログ読者の皆さんに役立つ情報をありがとうございます。
「尿潜血は相変わらず+-でしたが尿沈査は全て正常でしたのでよしとのことでした。 異常でないと言われるのになぜ+-なのでしょうか???」
尿潜血は、尿に試験紙をつけて、色の付き具合を、人間の目で見てアバウトに、(±)(+)(2+)(3+)とか判断します。
これに対して、尿沈査は、遠心分離器にかけた尿の成分を、顕微鏡で見て確認します。
1視野に赤血球が何個、白血球が何個・・・などをカウントします。従って、尿潜血に比べればはるかに精度の高い検査です。
実際、尿潜血が(±)で、尿沈査は顕微鏡で見て、1視野に赤血球が1~2個で正常、というようなことは良くあります。
ということで、けいさん、ご安心下さい。
けいさんのように、糖尿病腎症第3期Aまでは、糖質制限食実践で、血糖コントロールを良好に保てば、第1期(腎症前期)まで回復することが期待できます。1型のバーンスイタイン医師もそうですね。
今まで他の読者の方にも、腎症第3期Aや腎症第2期からの改善を、複数ご報告いただいてます。
「朝食を食べずに昼食を食べると血糖値は上がりやすいのですが、朝食に野菜炒めなどを食べておくと朝食抜きに比べて上がりにくいです。」
これは良くわかりませんが、75g経口ブドウ糖負荷試験は、10時間以上の絶食後に実施されます。
75g経口ブドウ糖負荷試験は、糖尿病の有無をチェックするための試験です。
一般的には、長い絶食後の最初の食事のほうが、血糖は上昇しやすいのかもしれません。
江部康二
☆☆☆
<糖尿病腎症と尿中微量アルブミン>
糖尿病のこわい合併症の一つに、腎症があります。
現在、年間13000人以上の人が、糖尿病腎症から人工透析になっています。
糖尿病腎症の早期診断には、蛋白尿検査では不十分です。
高血糖による腎細血管障害により糸球体毛細血管に変化が生じ、一番初期の段階で微量アルブミン尿が出現します。
微量アルブミン尿検査により、蛋白尿検査よりかなり早期の段階で糖尿病腎症が診断可能です。
従いまして、糖尿人は、1/3~6ヶ月、尿中微量アルブミンの検査をすることが望ましいのです。
尿中微量アルブミン陽性なら、第2期(早期腎症期)です。
*糖尿病腎症病期
第1期(腎症前期)
第2期(早期腎症期):微量アルブミン尿陽性
第3期A(顕性腎症前期):蛋白尿。1g/日未満。
第3期B(顕性腎症後期):蛋白尿。1g/日以上。
第4期(腎不全期):高尿素血症。蛋白尿。
第5期(透析療法期)
尿中微量アルブミンは、随時尿で測定する場合、運動や日内変動や日差変動が大きいので、同時にクレアチニン値を測定して補正値を行い、尿中アルブミン指数(mg/g・クレアチニン)として表します。
できれば、測定は早朝尿のほうが好ましいですが、補正しているので随時尿でも価値はあります。
異なる日に3回検査して2回陽性なら、糖尿病早期腎症と診断するということですが、健康保険上は、1回/3ヶ月しか測定できません。
微量アルブミン尿とは、「アルブミン指数で30mg/g・クレアチニン以上で300mg/g・クレアチニン未満」と定義されています。
アルブミン指数で300mg/g・クレアチニン以上は顕性腎症です。
アルブミン指数で30mg/g・クレアチニン未満が正常です。
単位時間あたりのアルブミン排泄率はμg/分で表され、蓄尿が必要となりますが、随時尿より正確に病態を示します。
昼間の尿は運動の影響を受けるので、夜間尿または24時間蓄尿を用います。現実には、随時尿で尿中アルブミン指数(mg/g・クレアチニン)を測定することが多いです。
微量アルブミンが出現する早期腎症の時期ならば、血糖コントロールや降圧剤(ARBなど)による血圧コントロールで改善が期待できます。勿論、糖質制限食による血糖コントロールは、もっとも有力な選択肢です。
**参考
「改定第4版 糖尿病専門医研修ガイドブック」日本糖尿病学会編 2009年
診断と治療社
糖質制限食で糖尿病腎症3期Aから回復されたけいさんから、耐糖能正常化というさらに嬉しいコメントをいただきました。
【11/11/26 けい
実験結果のご報告
先生こんばんは。
今夜はピザで、どきどきの実験を致しました!
薄い生地のクリスピーピザ小麦粉40g&ふすま40g+照り焼きチキン+サラダ大盛り+みかん1個です。
糖質量は45~50g程度と思います。
食後1時間の結果なんと98、1時間半後110でした!
今回は食後に腕立てはまったくしていません。
(入浴しました)
1時間後の方が低いのは検査機の誤差だとは思いますがそれでも低いです。
糖尿病を糖質制限食約2年で克服出来たようです。
1年前はこんな数値で収まらなかったので、長く続ければそれだけβ細胞は復活するのではないでしょうか?
糖質制限食に新たな可能性があるのでは??
(糖質制限食開始当初カキフライ2個と魚の南蛮漬けを食べて血糖値が200を超えたのを思い出しました・・)
面識も無い私をここまで導いて頂き本当に有難うございました。
これからも糖質制限食を続けて行き、誕生日などにちょこっと楽しんで行こうと思います。
P.Sまた何か実験や血液検査に変化がありましたらご報告させて頂きます。】
けいさん。
貴重な体験報告、ありがとうございます。
「糖質制限食開始当初カキフライ2個と魚の南蛮漬けを食べて血糖値が200mgを超えた」
のが、糖質制限食実践2年間で、
「糖質45~50g摂取しても、食後1時間の結果98、1時間半後110mg」
けいさんは、2年前の糖質制限食開始時は、
HbA1cが11%オーバー、顕性タンパク尿陽性(糖尿病腎症3期A)
の状態から、1年半後の2011.4.1には、
HbA1c4.6%、尿中アルブミンは5.8mg/g・Cre(腎症前期)と完全に正常化しておられます。
糖尿病腎症から回復されただけでも素晴らしいですが、さらにHbA1cが11%オーバーもあった糖尿病が、糖質制限食実践2年間で、耐糖能が正常化というのは、すごいです。 (^_^)
勿論、膵臓のインスリンを作るβ細胞が、100/100回復ということではないと思いますが、少なくとも臨床的には耐糖能が正常レベルということは間違いないですね。
2年間の糖質制限食実践で、β細胞の機能が正常の9割以上くらいまで回復されたのだと思います。
「糖尿病を糖質制限食約2年で克服出来たようです。 1年前はこんな数値で収まらなかったので、長く続ければそれだけβ細胞は復活するのではないでしょうか? 糖質制限食に新たな可能性があるのでは??」
個人差があって、皆が皆このように上手くいくとは思いませんが少なくともけいさんのような症例があるということは、仰有る通り糖質制限食のもつ可能性が広がり、糖尿人の希望も高まると思います。
江部康二
☆☆☆☆☆参考
<2011-04-03のブログ>
糖質制限食で糖尿病腎症3期Aから回復・2011年4月
おはようございます。
広沢の池の東にある、桜守・佐野藤右衛門さんの邸宅のお庭の桜、ライトアップが始まっています。
高雄病院の通勤の行き帰りに車の中から一瞬ですが眺めを楽しんでいます。
昨日(4月2日)で6分~7分咲くらいになっています。もう満開間近です。
さて。
スーパー糖質制限食で、糖尿病腎症3期Aから回復された、けいさんから、その後の経過報告をコメントいただきました。
けいさんは、HbA1cが11%オーバー、顕性タンパク尿陽性の状態から、糖質制限食実践1年間で見事に改善されました。
糖質制限食開始1年後の2011年1月24日のデータで、HbA1c4.5%、早朝血糖値85mg、尿中微量アルブミンもクレアチニン補正値5.0。
この1年で最高の結果とのことです。
今回は、その後のデータ(2011年4月1日)です。
【11/04/01 けい
定期健診結果です
先生いつも有難うございます。
今日定期健診の結果が出ましたのでご報告させて頂きます。
A1cは4.6・・・0.1上がりました。
尿中アルブミンは補正後5.8でした。
もう腎症は治ったようですね!
尿潜血は相変わらず+-でしたが尿沈査は全て正常でしたのでよしとのことでした。
異常でないと言われるのになぜ+-なのでしょうか???不思議です。
最近はお米等はまったく食べませんが、野菜はたっぷりでてんぷらや、とんかつなどは毎日食べています。
照り焼きのソースなどは食べてしまいますがこのA1cですので糖質制限を1年以上続けたおかげですね!
最近気づいたのですが、朝食を食べずに昼食を食べると血糖値は上がりやすいのですが、朝食に野菜炒めなどを食べておくと朝食抜きに比べて上がりにくいです。
朝食を食べて少しの糖質を入れておくとインスリンが少し出ているためなのでしょうか?
良く分かりませんが私の体での実験結果です。
また次回の結果報告させて頂きます。
糖尿の皆様糖質制限食は素晴らしいですよ!】
けいさん。
HbA1c4.6%は、コントロール優ですし、全く問題ありません。
糖尿病腎症も、尿中微量アルブミン5.8なら、絶好調で全く問題なしですね。
いつもブログ読者の皆さんに役立つ情報をありがとうございます。
「尿潜血は相変わらず+-でしたが尿沈査は全て正常でしたのでよしとのことでした。 異常でないと言われるのになぜ+-なのでしょうか???」
尿潜血は、尿に試験紙をつけて、色の付き具合を、人間の目で見てアバウトに、(±)(+)(2+)(3+)とか判断します。
これに対して、尿沈査は、遠心分離器にかけた尿の成分を、顕微鏡で見て確認します。
1視野に赤血球が何個、白血球が何個・・・などをカウントします。従って、尿潜血に比べればはるかに精度の高い検査です。
実際、尿潜血が(±)で、尿沈査は顕微鏡で見て、1視野に赤血球が1~2個で正常、というようなことは良くあります。
ということで、けいさん、ご安心下さい。
けいさんのように、糖尿病腎症第3期Aまでは、糖質制限食実践で、血糖コントロールを良好に保てば、第1期(腎症前期)まで回復することが期待できます。1型のバーンスイタイン医師もそうですね。
今まで他の読者の方にも、腎症第3期Aや腎症第2期からの改善を、複数ご報告いただいてます。
「朝食を食べずに昼食を食べると血糖値は上がりやすいのですが、朝食に野菜炒めなどを食べておくと朝食抜きに比べて上がりにくいです。」
これは良くわかりませんが、75g経口ブドウ糖負荷試験は、10時間以上の絶食後に実施されます。
75g経口ブドウ糖負荷試験は、糖尿病の有無をチェックするための試験です。
一般的には、長い絶食後の最初の食事のほうが、血糖は上昇しやすいのかもしれません。
江部康二
☆☆☆
<糖尿病腎症と尿中微量アルブミン>
糖尿病のこわい合併症の一つに、腎症があります。
現在、年間13000人以上の人が、糖尿病腎症から人工透析になっています。
糖尿病腎症の早期診断には、蛋白尿検査では不十分です。
高血糖による腎細血管障害により糸球体毛細血管に変化が生じ、一番初期の段階で微量アルブミン尿が出現します。
微量アルブミン尿検査により、蛋白尿検査よりかなり早期の段階で糖尿病腎症が診断可能です。
従いまして、糖尿人は、1/3~6ヶ月、尿中微量アルブミンの検査をすることが望ましいのです。
尿中微量アルブミン陽性なら、第2期(早期腎症期)です。
*糖尿病腎症病期
第1期(腎症前期)
第2期(早期腎症期):微量アルブミン尿陽性
第3期A(顕性腎症前期):蛋白尿。1g/日未満。
第3期B(顕性腎症後期):蛋白尿。1g/日以上。
第4期(腎不全期):高尿素血症。蛋白尿。
第5期(透析療法期)
尿中微量アルブミンは、随時尿で測定する場合、運動や日内変動や日差変動が大きいので、同時にクレアチニン値を測定して補正値を行い、尿中アルブミン指数(mg/g・クレアチニン)として表します。
できれば、測定は早朝尿のほうが好ましいですが、補正しているので随時尿でも価値はあります。
異なる日に3回検査して2回陽性なら、糖尿病早期腎症と診断するということですが、健康保険上は、1回/3ヶ月しか測定できません。
微量アルブミン尿とは、「アルブミン指数で30mg/g・クレアチニン以上で300mg/g・クレアチニン未満」と定義されています。
アルブミン指数で300mg/g・クレアチニン以上は顕性腎症です。
アルブミン指数で30mg/g・クレアチニン未満が正常です。
単位時間あたりのアルブミン排泄率はμg/分で表され、蓄尿が必要となりますが、随時尿より正確に病態を示します。
昼間の尿は運動の影響を受けるので、夜間尿または24時間蓄尿を用います。現実には、随時尿で尿中アルブミン指数(mg/g・クレアチニン)を測定することが多いです。
微量アルブミンが出現する早期腎症の時期ならば、血糖コントロールや降圧剤(ARBなど)による血圧コントロールで改善が期待できます。勿論、糖質制限食による血糖コントロールは、もっとも有力な選択肢です。
**参考
「改定第4版 糖尿病専門医研修ガイドブック」日本糖尿病学会編 2009年
診断と治療社
2011年11月26日 (土)
こんばんは。
精神科医師A さんから貴重な情報をいただきました。
欧米の名だたる医療機関や公的機関のほとんどが、アトキンスダイエット(糖質制限食)やケトン食を一定評価しているとのことです。
ありがとうございます。
とりあえず私も
1.クリーブランド・クリニック(CCF)
http://my.clevelandclinic.org/heart/prevention/nutrition/news/eco_atkins_diet_effect_on_weight.aspx
の論文を読んでみました。
「アトキンスダイエットが体重減少、HDL-コレステロールの上昇、LDL-コレステロールの改善というよい結果をもたらした」
と明記してありました。
信頼できる精神科医師A さんが各論文を読んで簡単に解説してくれてます。
ジョンスホプキンス大学医学部、ハーバード大学医学部はケトン食に関して解説。
ケトン食は、脂質摂取比率が75~80%と言う究極の糖質制限食です。
米国農水省(USDA)とメーヨークリニックは、アトキンスダイエットが体重減少に一定の効果あり。
英国MRCは、アトキンスダイエットに関する記載なし。
唯一、アメリカ心臓病学会(AHA)だけが、
「高蛋白食に警鐘。脂肪は35%以下、飽和脂肪酸は7%以下、トランス脂肪酸は1%以下にすべし。」
と糖質制限食に批判的な見解でした。
しかし、アメリカ心臓病学会(AHA)の見解が、明確なエビデンスに基づいているのか否かは疑問ですね。
なお米国糖尿病学会(ADA)は、2008年度の栄養勧告で、肥満のある2型糖尿病患者には、カロリー制限食あるいは糖質制限食も推奨すると、初めて糖質制限食にポジティブな記載に変化しています。
江部康二
☆☆☆☆☆
【11/11/26 精神科医師A
欧米の名だたる医療機関や公的機関(1)
糖質制限ダイエットに警告を発している団体とは?
http://ameblo.jp/sbmri/theme-10042522182.html
あいもかわらず中傷blogです。”欧米の名だたる医療機関や公的機関が、アトキンスダイエット(糖質制限食の本家・元祖・老舗)に、警告を発している”との事で、HPを私は実際に調べてみました。
1.クリーブランド・クリニック(CCF)
http://my.clevelandclinic.org/heart/prevention/nutrition/news/eco_atkins_diet_effect_on_weight.aspx
dietについて一定の効果
http://my.clevelandclinic.org/multimedia/transcripts/epilepsy_ketogenic_diet_transcript.aspx
ketogenic dietについて解説
2.ジョンスホプキンス大学医学部
http://www.hopkinsmedicine.org/news/media/releases/Modified_Atkins_Diet_Can_Cut_Epileptic_Seizures_in_Adults
ketogenic dietについて解説
3.ハーバード大学医学部
http://www.hms.harvard.edu/dms/neuroscience/fac/yellen.php
ketogenic dietの研究者】
【11/11/26 精神科医師A
欧米の名だたる医療機関や公的機関(2)
4.米国農水省(USDA)
http://www.ars.usda.gov/News/docs.htm?docid=9234
dietについて一定の効果
5.英国MRC: 記載なし
6.メーヨークリニック
http://www.mayoclinic.com/health/atkins-diet/MY00648
dietについて一定の効果
7.アメリカ心臓病学会(AHA)
http://www.heart.org/HEARTORG/GettingHealthy/NutritionCenter/High-Protein-Diets_UCM_305989_Article.jsp#.TtCUN7Ig9kY
高蛋白食に警鐘。脂肪は35%以下、飽和脂肪酸は7%以下、トランス脂肪酸は1%以下にすべし
このように糖質制限をはっきりと批判していたのは、AHAのみでした。私にこのような調査をさせるきっかけを作ってくれたことには感謝します】
精神科医師A さんから貴重な情報をいただきました。
欧米の名だたる医療機関や公的機関のほとんどが、アトキンスダイエット(糖質制限食)やケトン食を一定評価しているとのことです。
ありがとうございます。
とりあえず私も
1.クリーブランド・クリニック(CCF)
http://my.clevelandclinic.org/heart/prevention/nutrition/news/eco_atkins_diet_effect_on_weight.aspx
の論文を読んでみました。
「アトキンスダイエットが体重減少、HDL-コレステロールの上昇、LDL-コレステロールの改善というよい結果をもたらした」
と明記してありました。
信頼できる精神科医師A さんが各論文を読んで簡単に解説してくれてます。
ジョンスホプキンス大学医学部、ハーバード大学医学部はケトン食に関して解説。
ケトン食は、脂質摂取比率が75~80%と言う究極の糖質制限食です。
米国農水省(USDA)とメーヨークリニックは、アトキンスダイエットが体重減少に一定の効果あり。
英国MRCは、アトキンスダイエットに関する記載なし。
唯一、アメリカ心臓病学会(AHA)だけが、
「高蛋白食に警鐘。脂肪は35%以下、飽和脂肪酸は7%以下、トランス脂肪酸は1%以下にすべし。」
と糖質制限食に批判的な見解でした。
しかし、アメリカ心臓病学会(AHA)の見解が、明確なエビデンスに基づいているのか否かは疑問ですね。
なお米国糖尿病学会(ADA)は、2008年度の栄養勧告で、肥満のある2型糖尿病患者には、カロリー制限食あるいは糖質制限食も推奨すると、初めて糖質制限食にポジティブな記載に変化しています。
江部康二
☆☆☆☆☆
【11/11/26 精神科医師A
欧米の名だたる医療機関や公的機関(1)
糖質制限ダイエットに警告を発している団体とは?
http://ameblo.jp/sbmri/theme-10042522182.html
あいもかわらず中傷blogです。”欧米の名だたる医療機関や公的機関が、アトキンスダイエット(糖質制限食の本家・元祖・老舗)に、警告を発している”との事で、HPを私は実際に調べてみました。
1.クリーブランド・クリニック(CCF)
http://my.clevelandclinic.org/heart/prevention/nutrition/news/eco_atkins_diet_effect_on_weight.aspx
dietについて一定の効果
http://my.clevelandclinic.org/multimedia/transcripts/epilepsy_ketogenic_diet_transcript.aspx
ketogenic dietについて解説
2.ジョンスホプキンス大学医学部
http://www.hopkinsmedicine.org/news/media/releases/Modified_Atkins_Diet_Can_Cut_Epileptic_Seizures_in_Adults
ketogenic dietについて解説
3.ハーバード大学医学部
http://www.hms.harvard.edu/dms/neuroscience/fac/yellen.php
ketogenic dietの研究者】
【11/11/26 精神科医師A
欧米の名だたる医療機関や公的機関(2)
4.米国農水省(USDA)
http://www.ars.usda.gov/News/docs.htm?docid=9234
dietについて一定の効果
5.英国MRC: 記載なし
6.メーヨークリニック
http://www.mayoclinic.com/health/atkins-diet/MY00648
dietについて一定の効果
7.アメリカ心臓病学会(AHA)
http://www.heart.org/HEARTORG/GettingHealthy/NutritionCenter/High-Protein-Diets_UCM_305989_Article.jsp#.TtCUN7Ig9kY
高蛋白食に警鐘。脂肪は35%以下、飽和脂肪酸は7%以下、トランス脂肪酸は1%以下にすべし
このように糖質制限をはっきりと批判していたのは、AHAのみでした。私にこのような調査をさせるきっかけを作ってくれたことには感謝します】
2011年11月25日 (金)
こんばんは。
感情の起伏や精神の安定と糖質制限食について、三島さんとコバさんから、コメントいただきました。
【11/11/24 三島
感情の起伏・・・
今朝は、比較的ヒマなので、先生の記事をじっくり読む機会がありました。
もちろん、忙しい中、先生の新著2冊、看護ジャーナル12月号…、しっかり読ませていただいて居ります。
さて、「感情の起伏」については、以前、先生にコメント差し上げたことがあるので、驚きました。
そして、経験的に、思うこと。
お酒を飲んでの、いわゆる、酒乱(笑)とまではいかなくても、飲んだお酒の種類で、いわゆる悪酔い度が違うのも、「糖質」の度合いに比例するような気がしてきました。量の問題は言わずもがな。シャンパン、日本酒はやはり…。焼酎は度数が高いのに、思いのほか感情の起伏が無いように…、人生60年超、飲酒歴40年超で思うのですが。(汗;)】
【 11/11/24 コバ
先生、おはようございます。
ブログは毎日チェックしていますが久々に書き込みます。
糖質制限食を実行して早8ヶ月になりますが、体重も75kgから60kg(身長175cm)になり、現在もキープできています。
最近はプチからスタンダードに切り替えて朝食抜きにしました。
糖質制限食+朝食抜きにしたら今までにないくらい、本当に、本当に身体の調子が良いんですよ!(25年間生きてきてこんなの初めてです)
今日の記事のように、落ち込むことも無くなり更には頭が冴えるんです。
夜もぐっすり眠れまして毎日がとても充実しております(^_^)v
ただ最近豆腐や厚揚げの食べ過ぎなのか、体重が0・8kg~1kg増えてしまいました。(朝食抜きにしたのでもっと減量できると思ったのですが)
ちなみにBMI値は19・7で、標準体重は64kgでした。
これは停滞期なのか、あるいは逆に適正体重まで増えて落ち着くのでしょうか?
いずれにしても、江部先生の糖質制限食に出合えたことは自分にとって、とてつもなくラッキーなことなんですよ!!
どうしてもお礼が言いたかったのでこの場でお礼申し上げます。
いつもありがとうございます。そしてこれからも先生のご活躍、期待しております。】
三島さん、
コメントありがとうございます。
三島さんも、糖質制限食開始後、素面のときの感情もとても安定して、塾の生徒さんやご家族に喜ばれているのでしたね。
「お酒を飲んでの、いわゆる、酒乱(笑)とまではいかなくても、飲んだお酒の種類で、いわゆる悪酔い度が違うのも、「糖質」の度合いに比例するような気がしてきました。量の問題は言わずもがな。シャンパン、日本酒はやはり…。焼酎は度数が高いのに、思いのほか感情の起伏が無いように…、
人生60年超、飲酒歴40年超で思うのですが。(汗;)」
本日、言われてみて、私もそのように思います。
エビスビールと純米大吟醸のころは、私も、飲み過ぎると感情の制御ができずに、酒乱一歩手前 (→ο←)くらいは、ちょこちょこあったような気がします。(=_=;)
とても怖いけれど、本日連れ合いに確認してみようと思います。
そしてそう言われてみれば、焼酎中心でおつまみも糖質制限食になってからは、酒乱関係は皆無と言える状況で、飲み過ぎたら只寝るだけで、人畜無害です。 (^^)
三島さんのご意見におおいに共感します。
コバさん、
コメントありがとうございます。
「糖質制限食+朝食抜きにしたら今までにないくらい、本当に、本当に身体の調子が良いんですよ!(25年間生きてきてこんなの初めてです)
今日の記事のように、落ち込むことも無くなり更には頭が冴えるんです。
夜もぐっすり眠れまして毎日がとても充実しております(^_^)v」
ダイエット成功されて、体調良好良かったです。
落ち込みがなくなり、熟睡できるようになり、精神的にもとても安定ですね。
文献によりますと、もっとも死亡率が低いBMIは20~25未満です。
コバさんもいったん、75kgから60kgまで減量されてますが、175cmあるので、適正体重は、62kg~67kgのどこかで落ち着くと思います。
脂質・タンパク質はしっかり、摂取してくださいね。
江部康二
感情の起伏や精神の安定と糖質制限食について、三島さんとコバさんから、コメントいただきました。
【11/11/24 三島
感情の起伏・・・
今朝は、比較的ヒマなので、先生の記事をじっくり読む機会がありました。
もちろん、忙しい中、先生の新著2冊、看護ジャーナル12月号…、しっかり読ませていただいて居ります。
さて、「感情の起伏」については、以前、先生にコメント差し上げたことがあるので、驚きました。
そして、経験的に、思うこと。
お酒を飲んでの、いわゆる、酒乱(笑)とまではいかなくても、飲んだお酒の種類で、いわゆる悪酔い度が違うのも、「糖質」の度合いに比例するような気がしてきました。量の問題は言わずもがな。シャンパン、日本酒はやはり…。焼酎は度数が高いのに、思いのほか感情の起伏が無いように…、人生60年超、飲酒歴40年超で思うのですが。(汗;)】
【 11/11/24 コバ
先生、おはようございます。
ブログは毎日チェックしていますが久々に書き込みます。
糖質制限食を実行して早8ヶ月になりますが、体重も75kgから60kg(身長175cm)になり、現在もキープできています。
最近はプチからスタンダードに切り替えて朝食抜きにしました。
糖質制限食+朝食抜きにしたら今までにないくらい、本当に、本当に身体の調子が良いんですよ!(25年間生きてきてこんなの初めてです)
今日の記事のように、落ち込むことも無くなり更には頭が冴えるんです。
夜もぐっすり眠れまして毎日がとても充実しております(^_^)v
ただ最近豆腐や厚揚げの食べ過ぎなのか、体重が0・8kg~1kg増えてしまいました。(朝食抜きにしたのでもっと減量できると思ったのですが)
ちなみにBMI値は19・7で、標準体重は64kgでした。
これは停滞期なのか、あるいは逆に適正体重まで増えて落ち着くのでしょうか?
いずれにしても、江部先生の糖質制限食に出合えたことは自分にとって、とてつもなくラッキーなことなんですよ!!
どうしてもお礼が言いたかったのでこの場でお礼申し上げます。
いつもありがとうございます。そしてこれからも先生のご活躍、期待しております。】
三島さん、
コメントありがとうございます。
三島さんも、糖質制限食開始後、素面のときの感情もとても安定して、塾の生徒さんやご家族に喜ばれているのでしたね。
「お酒を飲んでの、いわゆる、酒乱(笑)とまではいかなくても、飲んだお酒の種類で、いわゆる悪酔い度が違うのも、「糖質」の度合いに比例するような気がしてきました。量の問題は言わずもがな。シャンパン、日本酒はやはり…。焼酎は度数が高いのに、思いのほか感情の起伏が無いように…、
人生60年超、飲酒歴40年超で思うのですが。(汗;)」
本日、言われてみて、私もそのように思います。
エビスビールと純米大吟醸のころは、私も、飲み過ぎると感情の制御ができずに、酒乱一歩手前 (→ο←)くらいは、ちょこちょこあったような気がします。(=_=;)
とても怖いけれど、本日連れ合いに確認してみようと思います。
そしてそう言われてみれば、焼酎中心でおつまみも糖質制限食になってからは、酒乱関係は皆無と言える状況で、飲み過ぎたら只寝るだけで、人畜無害です。 (^^)
三島さんのご意見におおいに共感します。
コバさん、
コメントありがとうございます。
「糖質制限食+朝食抜きにしたら今までにないくらい、本当に、本当に身体の調子が良いんですよ!(25年間生きてきてこんなの初めてです)
今日の記事のように、落ち込むことも無くなり更には頭が冴えるんです。
夜もぐっすり眠れまして毎日がとても充実しております(^_^)v」
ダイエット成功されて、体調良好良かったです。
落ち込みがなくなり、熟睡できるようになり、精神的にもとても安定ですね。
文献によりますと、もっとも死亡率が低いBMIは20~25未満です。
コバさんもいったん、75kgから60kgまで減量されてますが、175cmあるので、適正体重は、62kg~67kgのどこかで落ち着くと思います。
脂質・タンパク質はしっかり、摂取してくださいね。
江部康二
2011年11月24日 (木)
こんにちは。
『主食を抜けば糖尿病は良くなる! 糖質制限食レシピ集』(東洋経済新報社)
好評発売中です。

amazonでも書店でも購入できますのでよろしくお願い申し上げます。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4492044442/ref=pd_lpo_k2_dp_sr_1?pf_rd_p=466449256&pf_rd_s=lpo-top-stripe&pf_rd_t=201&pf_rd_i=4492042962&pf_rd_m=AN1VRQENFRJN5&pf_rd_r=1ZFTQB55MDEKRGTJQW45
2011年11月27日(日)紀伊国屋梅田本店主催で
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!糖質制限食レシピ集』刊行記念講演会in大阪
・後援:東洋経済新報社
・協賛:サラヤ株式会社
を開催いたします。
サラヤさんに協賛していただきましたので、聴講料¥1000-と、ぐっと割安におさえることができました。 (^^)
最新の糖質制限食の理論と実践法をわかりやすく解説します。
定員は先着100名様までですので、お早めにお申し込みください。
もう少しだけチケットが残っています。
江部康二
☆☆☆☆☆
・開催日時:11/27(日) 13:30-16:00
・会場:阪急グランドビル26F 5号、6号会議室 (定員100名)
http://www.hhbm.hankyu-hanshin.co.jp/meeting/grand/access.html
大阪市北区角田町8-47 TEL:06-6315-8368
・講演会名:江部康二『主食を抜けば糖尿病は良くなる!糖質制限レシピ集』刊行記念講演会
~『今、話題の「糖質制限食」を第一人者の江部康二氏が基礎、臨床からやさしく語る』~
・スケジュール
13:30開場
14:00~15:00 講演会
15:00~15:30 質疑応答
15:30~16:00 サイン会
・聴講料¥1,000.-(紀伊國屋書店梅田本店にてチケット販売)
・定員 :100名
・後援:東洋経済新報社
・協賛:サラヤ株式会社
<申込方法>
受付方法→チケット購入方式
①申込先 :紀伊國屋書店梅田本店 電話:06-6372-5821
http://www.kinokuniya.co.jp/store/Umeda-Main-Store/shopinfo.html
②申込方法 :1.直接ご来店の上、店頭3番カウンター(新刊売場)にてチケット購入
2.電話で申込予約の上、事前にチケットを3番カウンターで購入いただく
②チケット購入場所:紀伊國屋書店梅田本店店頭(3番カウンター)のみ
・書店主催の講演会のため、書店からの依頼によりサイン会を行います。
新刊の『主食を抜けば糖尿病は良くなる! 糖質制限食レシピ集 』(東洋経済新報社刊、税込1,680円)
が対象となります。
ご希望の方は本をご持参ください。当日会場でも販売いたします。
<注意事項>
※講演開始5分前には会場への入場をお願い致します。
※半券は切らずにお持ちください。当日回収いたします。
『主食を抜けば糖尿病は良くなる! 糖質制限食レシピ集』(東洋経済新報社)
好評発売中です。

amazonでも書店でも購入できますのでよろしくお願い申し上げます。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4492044442/ref=pd_lpo_k2_dp_sr_1?pf_rd_p=466449256&pf_rd_s=lpo-top-stripe&pf_rd_t=201&pf_rd_i=4492042962&pf_rd_m=AN1VRQENFRJN5&pf_rd_r=1ZFTQB55MDEKRGTJQW45
2011年11月27日(日)紀伊国屋梅田本店主催で
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!糖質制限食レシピ集』刊行記念講演会in大阪
・後援:東洋経済新報社
・協賛:サラヤ株式会社
を開催いたします。
サラヤさんに協賛していただきましたので、聴講料¥1000-と、ぐっと割安におさえることができました。 (^^)
最新の糖質制限食の理論と実践法をわかりやすく解説します。
定員は先着100名様までですので、お早めにお申し込みください。
もう少しだけチケットが残っています。
江部康二
☆☆☆☆☆
・開催日時:11/27(日) 13:30-16:00
・会場:阪急グランドビル26F 5号、6号会議室 (定員100名)
http://www.hhbm.hankyu-hanshin.co.jp/meeting/grand/access.html
大阪市北区角田町8-47 TEL:06-6315-8368
・講演会名:江部康二『主食を抜けば糖尿病は良くなる!糖質制限レシピ集』刊行記念講演会
~『今、話題の「糖質制限食」を第一人者の江部康二氏が基礎、臨床からやさしく語る』~
・スケジュール
13:30開場
14:00~15:00 講演会
15:00~15:30 質疑応答
15:30~16:00 サイン会
・聴講料¥1,000.-(紀伊國屋書店梅田本店にてチケット販売)
・定員 :100名
・後援:東洋経済新報社
・協賛:サラヤ株式会社
<申込方法>
受付方法→チケット購入方式
①申込先 :紀伊國屋書店梅田本店 電話:06-6372-5821
http://www.kinokuniya.co.jp/store/Umeda-Main-Store/shopinfo.html
②申込方法 :1.直接ご来店の上、店頭3番カウンター(新刊売場)にてチケット購入
2.電話で申込予約の上、事前にチケットを3番カウンターで購入いただく
②チケット購入場所:紀伊國屋書店梅田本店店頭(3番カウンター)のみ
・書店主催の講演会のため、書店からの依頼によりサイン会を行います。
新刊の『主食を抜けば糖尿病は良くなる! 糖質制限食レシピ集 』(東洋経済新報社刊、税込1,680円)
が対象となります。
ご希望の方は本をご持参ください。当日会場でも販売いたします。
<注意事項>
※講演開始5分前には会場への入場をお願い致します。
※半券は切らずにお持ちください。当日回収いたします。
2011年11月24日 (木)
おはようございます。
近年、うつ病や統合失調症などの精神疾患の患者さんが増えています。
うつ病、うつ状態の場合は糖質制限食で改善する場合もあると思いますが、改善程度には個人差があります。
また、気分の安定は糖質制限食で得られやすいのですが、糖質制限食だけでは改善しないうつもあると思います。
うつ病とよく誤診される「双極性障害」の場合は、糖質制限食でも改善は困難です。
統合失調症も、糖質制限食単独での改善は困難と思います。
ただ海外データで、EPAの投与で症状が軽減したという報告もあります。
糖質制限食で、症状の軽減があればいいなという段階です。
こころの安定といえば、あの寄生虫博士で有名な藤田紘一郎先生が、
「こころの免疫学」(新潮社)
を2011年8月に出版されました。
第3章は「こころの健康は食べ物から」という題で、興味深い内容となっています。
是非、ブログ読者の皆さんもご一読ください。
私の著書「主食を抜けば糖尿病はよくなる!」も取り上げていただき、江部康二の名前も本文中に紹介していただいてます。
藤田先生、ありがとうございました。m(_ _)mV
「こころの免疫学」の記載によれば、2000年に糖尿病を発症されて、この時は一旦インスリンを打ってよくなり、その後インスリンフリーで当分安定していたそうです。
2010年に、再び急激な体重減少があり、空腹時血糖値は450mg/dlもあったそうです。
今回は、インスリンは注射せず、スーパー糖質制限食を実践されました。
その結果、わずか2週間で空腹時血糖値が90mg/dlまで改善されたそうです。
血糖値は速やかに改善し、中性脂肪も正常化し、HDLコレステロールは増えました。
そして「何よりもうれしかったのは、うつ気分になることも、逆に感情が爆発することもなくなっったことである。」と述べておられます。
藤田紘一郎先生の場合は、糖質制限食で見事に、うつ気分が改善してこころの安定を得ておられます。
皆が皆とはいかないかもしれませんが、ちょっとした気分変調やイライラやうつ気分は、糖質制限食で改善が期待できますね。(^^)
江部康二
近年、うつ病や統合失調症などの精神疾患の患者さんが増えています。
うつ病、うつ状態の場合は糖質制限食で改善する場合もあると思いますが、改善程度には個人差があります。
また、気分の安定は糖質制限食で得られやすいのですが、糖質制限食だけでは改善しないうつもあると思います。
うつ病とよく誤診される「双極性障害」の場合は、糖質制限食でも改善は困難です。
統合失調症も、糖質制限食単独での改善は困難と思います。
ただ海外データで、EPAの投与で症状が軽減したという報告もあります。
糖質制限食で、症状の軽減があればいいなという段階です。
こころの安定といえば、あの寄生虫博士で有名な藤田紘一郎先生が、
「こころの免疫学」(新潮社)
を2011年8月に出版されました。
第3章は「こころの健康は食べ物から」という題で、興味深い内容となっています。
是非、ブログ読者の皆さんもご一読ください。
私の著書「主食を抜けば糖尿病はよくなる!」も取り上げていただき、江部康二の名前も本文中に紹介していただいてます。
藤田先生、ありがとうございました。m(_ _)mV
「こころの免疫学」の記載によれば、2000年に糖尿病を発症されて、この時は一旦インスリンを打ってよくなり、その後インスリンフリーで当分安定していたそうです。
2010年に、再び急激な体重減少があり、空腹時血糖値は450mg/dlもあったそうです。
今回は、インスリンは注射せず、スーパー糖質制限食を実践されました。
その結果、わずか2週間で空腹時血糖値が90mg/dlまで改善されたそうです。
血糖値は速やかに改善し、中性脂肪も正常化し、HDLコレステロールは増えました。
そして「何よりもうれしかったのは、うつ気分になることも、逆に感情が爆発することもなくなっったことである。」と述べておられます。
藤田紘一郎先生の場合は、糖質制限食で見事に、うつ気分が改善してこころの安定を得ておられます。
皆が皆とはいかないかもしれませんが、ちょっとした気分変調やイライラやうつ気分は、糖質制限食で改善が期待できますね。(^^)
江部康二
2011年11月23日 (水)
おはようございます。
主食をやめると健康になる ー 糖質制限食で体質が変わる!
(ダイヤモンド社)
11月11日(金)から発売開始していますが、おかげさまで、11月22日(火)、早くも重版が決定しました。(^^)

「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」2005年(東洋経済新報社)
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」2008年(東洋経済新報社)
「我ら糖尿人、元気なのには理由がある。」2009年(東洋経済新報社)
「糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食」2010年(ナツメ社)
に続いて、最新糖質制限食基礎理論の充実した内容と、糖尿病以外の生活習慣病やガンについての考察が加わった本となりました。
エビデンスレベルの疫学研究も、多数紹介しています。
さらに豊富な症例も提示しています。
レシピ本ではなく、理論・疫学・臨床・・・の本です。
下記URLからアマゾンの本書の場所に飛べます。
http://p.tl/Io4o
私のブログ記事のなかで、公開OKをいただいた書き込みからの引用もあります。
ブログ読者の皆さんには、この場を借りて御礼申し上げます。m(_ _)mV
何回か見たつもりですが、校正がありました。 m(_ _)m
重版から、以下の訂正された記載に変更となります。
<校正>
1ページ
5行目 16版→17版
51ページ
最後から3行目に
④肝細胞はミトコンドリア内でケトン体を生成するが自分は利用せず他に供給する。
53ページ
3行目
摂取していたのは脂質であり→摂取していたのは脂質・たんぱく質であり
60ページ
5行目
赤血球を除く→赤血球と肝臓をのぞく
65ページ
8行目
「英国政府ガイドライン」→「英国立医療技術評価機構」
69ページ
4行目
・・・利用できない。のあとに「肝臓はケトン体を生成するが自分では利用しない。」
75ページ
グラフ・・・糖尿病の人が→糖尿人が
82ページ
最後に、「肝臓はケトン体を生成するが自分は利用しない。」
89ページ
後ろから5行目
「これに対して・・・必要はありません。」
↓
「これに対して、糖質は食べ物から摂る必要はありません。肝臓でアミノ酸などから糖新生によりブドウ糖を生成できるからです。即ち必須糖質は存在しません。」
108ページ
4行目
2008年の調査では→2008年の調査で受診者の数は
116ページ
7行目
1~2割死んでいます。→1~2割死んでいることが多いのです。
133ページ
7行目
「グルット1」を獲得→「グルット1」など細胞表面に糖輸送体を獲得
後ろから2行目
グルット1を→グルット1などを
以下は、
「主食をやめると健康になる ー 糖質制限食で体質が変わる!」(ダイヤモンド社)
の、<はじめに>と<おわりに>です。
江部康二
☆☆☆☆☆
<はじめに>
1999年に、兄・江部洋一郎院長(当時)が高雄病院に初めて糖質制限食を導入しました。当初は半信半疑だった私も、2001年から糖尿病患者さんに積極的に実践して目覚ましい成果をあげ、その後は病院全体で研究を進めるようになりました。
そして4年間の実績をもとに『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』(東洋経済新報社、2005年)を上梓しました。幸い現在までに16版を重ねるロングセラーとなり、世に「糖質制限食」という言葉を認知させるきっかけになったと自負しております。
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』では、糖尿病治療を中心に執筆しました。このとき、すでに糖質制限食が肥満やメタボリックシンドロームにも有効だということはわかっていましたが、あえて糖尿病だけにしぼった内容としました。
肥満やメタボにも有効といった文言が追加されると読者に軽薄な印象を与える可能性があることや、いわゆるダイエット本と見なされるのは本意ではなかったからです。そのため、ベストセラーよりロングセラーを想定して比較的かたい内容とし、その意図は達成されたと思います。
2007年2月からは、ブログ「ドクター江部の糖尿病徒然日記」を開始して、糖質制限食について紹介したり、糖尿病についてのさまざまなご質問にお答えするようになりました。現在1日のアクセス数が7000〜8000件ということも、かなり糖質制限食の普及効果があったと思います。
そして本書では、糖質制限食が医学会にも世間にも少しずつ広がりつつある現状をふまえて、高雄病院の10年以上の経験、1400人以上の患者さんの治療実績をもとに、糖尿病以外のより幅広い疾患、生活習慣病についても解説しました。
糖質制限食は「変わった食事」というイメージを持たれがちですが、実は人類本来の自然な食事です。人類が誕生したのが約700万年前で、農耕が始まるまでは狩猟・採集を生業とし、すべての人類が糖質制限食を実践していました。農耕開始後1万年間だけが、主食が穀物(糖質)へと変化しました。
すなわち穀物を主食としたのは、人類の歴史のなかでわずか700分の1の期間にすぎないのです。糖質制限食と高糖質食、どちらが人類にとって自然な食事なのかは言うまでもありません。糖質制限食はいわば人類の健康食なので、糖尿病や肥満・メタボに限らず、さまざまな生活習慣病が改善するのも当たり前といえば当たり前なのです。
しかも糖質制限食は、主食を抜くだけで「おいしく楽しく」続けられるのが特長です。従来のカロリー制限食に比べれば、肉も魚も蒸留酒もOKでお腹いっぱい食べることができ、はるかにラクに実践できます。本書ではその効果と実践法をくわしく紹介します。
なお、執筆にあたっては個人情報を保護する配慮をしていますが、私のブログ記事のなかで公開OKをいただいた書き込みからの引用もあります。ブログ読者の皆さんにはこの場を借りて御礼申し上げます。
2011年11月 高雄病院理事長 江部康二
<おわりに>
2010年12月に「糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食」(ナツメ社)を上梓して、1年が経過しました。そしてこの1年間で糖質制限食に関する新しい知識がまた蓄積されました。
今回はとくにガンに関して、現状でできる限りの情報を集めそれを基に考察をしてみました。それが、第4章「糖質制限食とガン」です。まずエビデンスとなる質の高いレベルの文献を集めてみました。その結果、高インスリン血症・空腹時高血糖・食後高血糖が、それぞれ独立して発ガンのリスクとなることが明らかとなりました。
またガン細胞はブドウ糖しかエネルギー源に利用できないことは周知の事実です。そしてその理由として、ガン細胞のミトコンドリアは、酵素に不備があり正常細胞のようにケトン体や脂肪酸は利用できないことが文献で確認できました。ミトコンドリアとは細胞内のエネルギー生産装置です。
これらのエビデンスと事実を背景に糖質制限食とガンに関して、予防の可能性や治療の可能性に言及してみました。糖質制限食により発ガンリスクである高インスリン血症・空腹時高血糖・食後高血糖が全て改善します。あくまでも仮説の段階に過ぎない理論ですが、それなりの説得力はあると自負しています。
例えば、マウスの動物実験の段階ではありますが、糖質制限食により発ガン予防効果が確認されています。さらに、本文には間に合わず紹介できなかったのですが、ヒトにおいてケトン食でガンが消失したという文献を見つけました。ケトン食は本文でも紹介していますが、脂質摂取比率75~80%という究極の糖質制限食です。栄養と代謝という米国の医学雑誌に2010年、グリオブラストーマ(膠芽腫)が2ヶ月間の<放射線+化学療法+ケトン食>治療で消失したというイタリアの研究者の症例報告が掲載されています。(*)膠芽腫は脳腫瘍の中でも最も悪性度の高いガンで<放射線+化学療法>治療ではまず治りません。糖質制限食によるガン治療に一筋の光明が見えた気がします。
ついで糖質制限食による減量効果に関して大変興味深い事実が確認できました。食物を摂取すると食後1時間から数時間にわたり熱産生が増加し代謝が更新します。これを食物の特異動的作用(SDA)とよびます。摂取した糖質、脂質、タンパク質の化学エネルギーのうち、それぞれ約6%、4%、30%は熱として失われ、生体で利用することができません。SDAが30%と圧倒的に高いのがタンパク質です。従って高タンパク食である糖質制限食は通常食に比べれば、特異動的作用(SDA)の比率が大きくなりその分、減量効果があることになります。
もう一つ忘れてはならないことがあります。それは農耕以前の人類においては飢餓は日常的な出来事であり、体脂肪はそれに対する唯一のセーフティーネットであったというとです。この観点から、筋肉と脂肪細胞の糖輸送体4(GLUT4)の謎を解き明かしてみました。糖輸送体というのは細胞におけるブドウ糖取り込み装置です。GLUT4は14種ある糖輸送体のうち唯一インスリンに依存していて普段は細胞内に沈んでいていざという時だけ細胞表面に移動するという極めてユニークな存在で、知的興味は尽きません。
このように、糖質制限食の最新理論がわかりやすく解説してあるのが本書です。糖質制限食をすでに実践して本を読んでおられる方にも充分読み応えがあると思います。また初めて糖質制限食に接する読者においても、系統的にオールラウンドな知識を学ぶことができる本となっていますので、是非ご一読いただけば幸いです。
最後になりましたが、本書の新しい糖質制限食理論構築において、適切なアドバイスで援助して頂いた、京都府立医科大学大学院 総合医療・医学教育学教室 助教 森 浩子先生に深謝いたします。
(*)
Giulio Zuccoli et all:Metabolic management of glioblastoma multiforme using standard therapy
together with a restricted ketogenic diet: Case Report.Nutrition & Metabolism 2010, 7:33
2011年11月 高雄病院理事長 江部康二
主食をやめると健康になる ー 糖質制限食で体質が変わる!
(ダイヤモンド社)
11月11日(金)から発売開始していますが、おかげさまで、11月22日(火)、早くも重版が決定しました。(^^)

「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」2005年(東洋経済新報社)
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」2008年(東洋経済新報社)
「我ら糖尿人、元気なのには理由がある。」2009年(東洋経済新報社)
「糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食」2010年(ナツメ社)
に続いて、最新糖質制限食基礎理論の充実した内容と、糖尿病以外の生活習慣病やガンについての考察が加わった本となりました。
エビデンスレベルの疫学研究も、多数紹介しています。
さらに豊富な症例も提示しています。
レシピ本ではなく、理論・疫学・臨床・・・の本です。
下記URLからアマゾンの本書の場所に飛べます。
http://p.tl/Io4o
私のブログ記事のなかで、公開OKをいただいた書き込みからの引用もあります。
ブログ読者の皆さんには、この場を借りて御礼申し上げます。m(_ _)mV
何回か見たつもりですが、校正がありました。 m(_ _)m
重版から、以下の訂正された記載に変更となります。
<校正>
1ページ
5行目 16版→17版
51ページ
最後から3行目に
④肝細胞はミトコンドリア内でケトン体を生成するが自分は利用せず他に供給する。
53ページ
3行目
摂取していたのは脂質であり→摂取していたのは脂質・たんぱく質であり
60ページ
5行目
赤血球を除く→赤血球と肝臓をのぞく
65ページ
8行目
「英国政府ガイドライン」→「英国立医療技術評価機構」
69ページ
4行目
・・・利用できない。のあとに「肝臓はケトン体を生成するが自分では利用しない。」
75ページ
グラフ・・・糖尿病の人が→糖尿人が
82ページ
最後に、「肝臓はケトン体を生成するが自分は利用しない。」
89ページ
後ろから5行目
「これに対して・・・必要はありません。」
↓
「これに対して、糖質は食べ物から摂る必要はありません。肝臓でアミノ酸などから糖新生によりブドウ糖を生成できるからです。即ち必須糖質は存在しません。」
108ページ
4行目
2008年の調査では→2008年の調査で受診者の数は
116ページ
7行目
1~2割死んでいます。→1~2割死んでいることが多いのです。
133ページ
7行目
「グルット1」を獲得→「グルット1」など細胞表面に糖輸送体を獲得
後ろから2行目
グルット1を→グルット1などを
以下は、
「主食をやめると健康になる ー 糖質制限食で体質が変わる!」(ダイヤモンド社)
の、<はじめに>と<おわりに>です。
江部康二
☆☆☆☆☆
<はじめに>
1999年に、兄・江部洋一郎院長(当時)が高雄病院に初めて糖質制限食を導入しました。当初は半信半疑だった私も、2001年から糖尿病患者さんに積極的に実践して目覚ましい成果をあげ、その後は病院全体で研究を進めるようになりました。
そして4年間の実績をもとに『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』(東洋経済新報社、2005年)を上梓しました。幸い現在までに16版を重ねるロングセラーとなり、世に「糖質制限食」という言葉を認知させるきっかけになったと自負しております。
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』では、糖尿病治療を中心に執筆しました。このとき、すでに糖質制限食が肥満やメタボリックシンドロームにも有効だということはわかっていましたが、あえて糖尿病だけにしぼった内容としました。
肥満やメタボにも有効といった文言が追加されると読者に軽薄な印象を与える可能性があることや、いわゆるダイエット本と見なされるのは本意ではなかったからです。そのため、ベストセラーよりロングセラーを想定して比較的かたい内容とし、その意図は達成されたと思います。
2007年2月からは、ブログ「ドクター江部の糖尿病徒然日記」を開始して、糖質制限食について紹介したり、糖尿病についてのさまざまなご質問にお答えするようになりました。現在1日のアクセス数が7000〜8000件ということも、かなり糖質制限食の普及効果があったと思います。
そして本書では、糖質制限食が医学会にも世間にも少しずつ広がりつつある現状をふまえて、高雄病院の10年以上の経験、1400人以上の患者さんの治療実績をもとに、糖尿病以外のより幅広い疾患、生活習慣病についても解説しました。
糖質制限食は「変わった食事」というイメージを持たれがちですが、実は人類本来の自然な食事です。人類が誕生したのが約700万年前で、農耕が始まるまでは狩猟・採集を生業とし、すべての人類が糖質制限食を実践していました。農耕開始後1万年間だけが、主食が穀物(糖質)へと変化しました。
すなわち穀物を主食としたのは、人類の歴史のなかでわずか700分の1の期間にすぎないのです。糖質制限食と高糖質食、どちらが人類にとって自然な食事なのかは言うまでもありません。糖質制限食はいわば人類の健康食なので、糖尿病や肥満・メタボに限らず、さまざまな生活習慣病が改善するのも当たり前といえば当たり前なのです。
しかも糖質制限食は、主食を抜くだけで「おいしく楽しく」続けられるのが特長です。従来のカロリー制限食に比べれば、肉も魚も蒸留酒もOKでお腹いっぱい食べることができ、はるかにラクに実践できます。本書ではその効果と実践法をくわしく紹介します。
なお、執筆にあたっては個人情報を保護する配慮をしていますが、私のブログ記事のなかで公開OKをいただいた書き込みからの引用もあります。ブログ読者の皆さんにはこの場を借りて御礼申し上げます。
2011年11月 高雄病院理事長 江部康二
<おわりに>
2010年12月に「糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食」(ナツメ社)を上梓して、1年が経過しました。そしてこの1年間で糖質制限食に関する新しい知識がまた蓄積されました。
今回はとくにガンに関して、現状でできる限りの情報を集めそれを基に考察をしてみました。それが、第4章「糖質制限食とガン」です。まずエビデンスとなる質の高いレベルの文献を集めてみました。その結果、高インスリン血症・空腹時高血糖・食後高血糖が、それぞれ独立して発ガンのリスクとなることが明らかとなりました。
またガン細胞はブドウ糖しかエネルギー源に利用できないことは周知の事実です。そしてその理由として、ガン細胞のミトコンドリアは、酵素に不備があり正常細胞のようにケトン体や脂肪酸は利用できないことが文献で確認できました。ミトコンドリアとは細胞内のエネルギー生産装置です。
これらのエビデンスと事実を背景に糖質制限食とガンに関して、予防の可能性や治療の可能性に言及してみました。糖質制限食により発ガンリスクである高インスリン血症・空腹時高血糖・食後高血糖が全て改善します。あくまでも仮説の段階に過ぎない理論ですが、それなりの説得力はあると自負しています。
例えば、マウスの動物実験の段階ではありますが、糖質制限食により発ガン予防効果が確認されています。さらに、本文には間に合わず紹介できなかったのですが、ヒトにおいてケトン食でガンが消失したという文献を見つけました。ケトン食は本文でも紹介していますが、脂質摂取比率75~80%という究極の糖質制限食です。栄養と代謝という米国の医学雑誌に2010年、グリオブラストーマ(膠芽腫)が2ヶ月間の<放射線+化学療法+ケトン食>治療で消失したというイタリアの研究者の症例報告が掲載されています。(*)膠芽腫は脳腫瘍の中でも最も悪性度の高いガンで<放射線+化学療法>治療ではまず治りません。糖質制限食によるガン治療に一筋の光明が見えた気がします。
ついで糖質制限食による減量効果に関して大変興味深い事実が確認できました。食物を摂取すると食後1時間から数時間にわたり熱産生が増加し代謝が更新します。これを食物の特異動的作用(SDA)とよびます。摂取した糖質、脂質、タンパク質の化学エネルギーのうち、それぞれ約6%、4%、30%は熱として失われ、生体で利用することができません。SDAが30%と圧倒的に高いのがタンパク質です。従って高タンパク食である糖質制限食は通常食に比べれば、特異動的作用(SDA)の比率が大きくなりその分、減量効果があることになります。
もう一つ忘れてはならないことがあります。それは農耕以前の人類においては飢餓は日常的な出来事であり、体脂肪はそれに対する唯一のセーフティーネットであったというとです。この観点から、筋肉と脂肪細胞の糖輸送体4(GLUT4)の謎を解き明かしてみました。糖輸送体というのは細胞におけるブドウ糖取り込み装置です。GLUT4は14種ある糖輸送体のうち唯一インスリンに依存していて普段は細胞内に沈んでいていざという時だけ細胞表面に移動するという極めてユニークな存在で、知的興味は尽きません。
このように、糖質制限食の最新理論がわかりやすく解説してあるのが本書です。糖質制限食をすでに実践して本を読んでおられる方にも充分読み応えがあると思います。また初めて糖質制限食に接する読者においても、系統的にオールラウンドな知識を学ぶことができる本となっていますので、是非ご一読いただけば幸いです。
最後になりましたが、本書の新しい糖質制限食理論構築において、適切なアドバイスで援助して頂いた、京都府立医科大学大学院 総合医療・医学教育学教室 助教 森 浩子先生に深謝いたします。
(*)
Giulio Zuccoli et all:Metabolic management of glioblastoma multiforme using standard therapy
together with a restricted ketogenic diet: Case Report.Nutrition & Metabolism 2010, 7:33
2011年11月 高雄病院理事長 江部康二
2011年11月22日 (火)
こんにちは。
ミクママ さんから、チーズに含まれるガラクトースを分解するガラクトキナーゼという酵素について
コメント・質問をいただきました。
「ガラクトース血症」という重篤な病気と「乳糖分解酵素ラクターゼの減少による乳糖不耐症」が混同されて、間違った情報がネットで一人歩きしているようですので、今回記事にして考察してみました。
【11/11/20 ミクママ
チーズについて
江部先生、お早うございます。
以前、一度質問させて頂いたミクママと申します。
私は糖尿ではありませんが、先生の説に感銘を受け、5年間続けたマクロを4か月前にやめ、徐々に主食を減らし、現在は、スーパーを実践して2週間になるところです。
先生は、細かな生理学的事実だけでなく、ヒトが500万年の歴史で何を食べてきたか、という大きな視点も持っておられ、そこに凡百の医師にはない鋭い知性を感じますし、儲け的には割が合うとは思われないアトピー学校をやっておられるところなど、倫理性も高く、とても尊敬しています。
さて、チーズに含まれるガラクトースを分解するガラクトキナーゼという酵素を日本人は持っておらず、そのために白内障になる、というはなしを目にしました。
この根拠の一つは、ラットによる実験のようなので、ヒトに当てはまるのか怪しいですが、疫学調査もあるようです。
そして、もっとも気がかりなのは、乳製品が牧畜以前にはなかったのだとしたら、乳製品には穀物ほど糖質は含まれていないとはいえ、そもそも生物学的ヒトにとって比較的新しい、不慣れな食材なのではないか、という点です。
私は、もともと華奢な体型な上に、現在スーパーを実践しているので、ともすると痩せすぎになってしまうため、チーズやバター(それとナッツ)でカロリーをかせいでいますが、このようにチーズやバターを多食することに少し不安があります。実際おなかがごろごろします(もっともこれはスーパーを実践し始めたことによる過度的な変化なのでしょうか)。
お忙しいところ申し訳ありませんが、お時間ありましたらご意見お聞かせ下さい。
では、失礼します。】
ミクママさん。
お誉めの言葉、ありがとうございます。 (^_^)
アトピー学校も糖尿病学校もおかげさまで順調に推移しており、患者さんの症状の改善・自己管理の技の修得に大きく貢献してくれてます。
さて。
ガラクトキナーゼ欠損症は、まれな遺伝的先天的疾患です。
ガラクトキナーゼがないので、血液中のガラクトース濃度が上昇して、ガラクトース血症を生じ症状は重篤です。
肝硬変、腎不全、白内障、敗血症、髄膜炎などを、生じます。
適切な治療が施されなければ、死亡率は高いです。
ガラクトキナーゼという酵素以外に、ガラクトース-1-リン酸ウリジリルトランスフェラーゼ、UDP-ガラクトース-4-エピメラーゼ、という2つの酵素の欠陥でもガラクトース血症を生じます。
いずれも、まれな遺伝的先天的疾患です。
アメリカでは、幼児を対象に定期的なガラクトース血症の診断が行なわれています。
日本では新生児において、ガラクトース血症を含む4種類の代謝異常と2種類の内分泌異常が検査されます。
ご質問の件ですが、ガラクトキナーゼ欠損症以外の人は皆、赤ちゃんも成人もガラクトキナーゼを持っています。勿論日本人も持っています。
「ガラクトース血症」は、「乳糖分解酵素ラクターゼの減少による乳糖不耐症」と混同されることが多いようですが、全く異なる疾患です。
日本人はラクターゼ(乳糖分解酵素)が離乳後減少して、いわゆる乳糖不耐症となる人が多いのですが、ほとんどの場合よほど大量の牛乳を飲まない限り下痢・腹痛はありません。
料理に牛乳が使ってあったり、食品の原材料に牛乳が入っているていどでは、まず何も症状は出ません。
またチーズやヨーグルトは乳糖(ラクトース)がかなり分解されているので、乳糖不耐症の人でも大丈夫です。(^^)
そして人類も含めて哺乳類は皆、赤ちゃんの時は母乳(乳糖を含有)を飲んで成長するので、当然乳製品になじみはあるわけです。
ただ「離乳後はもう大量の乳糖は必要ないですよ。」というスタンスですね。
江部康二
*参考
ガラクトース血症・ウィピキペディア
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AC%E3%83%A9%E3%82%AF%E3%83%88%E3%83%BC%E3%82%B9%E8%A1%80%E7%97%87
乳糖不耐症・ウィキペディア
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B9%B3%E7%B3%96%E4%B8%8D%E8%80%90%E7%97%87
ミクママ さんから、チーズに含まれるガラクトースを分解するガラクトキナーゼという酵素について
コメント・質問をいただきました。
「ガラクトース血症」という重篤な病気と「乳糖分解酵素ラクターゼの減少による乳糖不耐症」が混同されて、間違った情報がネットで一人歩きしているようですので、今回記事にして考察してみました。
【11/11/20 ミクママ
チーズについて
江部先生、お早うございます。
以前、一度質問させて頂いたミクママと申します。
私は糖尿ではありませんが、先生の説に感銘を受け、5年間続けたマクロを4か月前にやめ、徐々に主食を減らし、現在は、スーパーを実践して2週間になるところです。
先生は、細かな生理学的事実だけでなく、ヒトが500万年の歴史で何を食べてきたか、という大きな視点も持っておられ、そこに凡百の医師にはない鋭い知性を感じますし、儲け的には割が合うとは思われないアトピー学校をやっておられるところなど、倫理性も高く、とても尊敬しています。
さて、チーズに含まれるガラクトースを分解するガラクトキナーゼという酵素を日本人は持っておらず、そのために白内障になる、というはなしを目にしました。
この根拠の一つは、ラットによる実験のようなので、ヒトに当てはまるのか怪しいですが、疫学調査もあるようです。
そして、もっとも気がかりなのは、乳製品が牧畜以前にはなかったのだとしたら、乳製品には穀物ほど糖質は含まれていないとはいえ、そもそも生物学的ヒトにとって比較的新しい、不慣れな食材なのではないか、という点です。
私は、もともと華奢な体型な上に、現在スーパーを実践しているので、ともすると痩せすぎになってしまうため、チーズやバター(それとナッツ)でカロリーをかせいでいますが、このようにチーズやバターを多食することに少し不安があります。実際おなかがごろごろします(もっともこれはスーパーを実践し始めたことによる過度的な変化なのでしょうか)。
お忙しいところ申し訳ありませんが、お時間ありましたらご意見お聞かせ下さい。
では、失礼します。】
ミクママさん。
お誉めの言葉、ありがとうございます。 (^_^)
アトピー学校も糖尿病学校もおかげさまで順調に推移しており、患者さんの症状の改善・自己管理の技の修得に大きく貢献してくれてます。
さて。
ガラクトキナーゼ欠損症は、まれな遺伝的先天的疾患です。
ガラクトキナーゼがないので、血液中のガラクトース濃度が上昇して、ガラクトース血症を生じ症状は重篤です。
肝硬変、腎不全、白内障、敗血症、髄膜炎などを、生じます。
適切な治療が施されなければ、死亡率は高いです。
ガラクトキナーゼという酵素以外に、ガラクトース-1-リン酸ウリジリルトランスフェラーゼ、UDP-ガラクトース-4-エピメラーゼ、という2つの酵素の欠陥でもガラクトース血症を生じます。
いずれも、まれな遺伝的先天的疾患です。
アメリカでは、幼児を対象に定期的なガラクトース血症の診断が行なわれています。
日本では新生児において、ガラクトース血症を含む4種類の代謝異常と2種類の内分泌異常が検査されます。
ご質問の件ですが、ガラクトキナーゼ欠損症以外の人は皆、赤ちゃんも成人もガラクトキナーゼを持っています。勿論日本人も持っています。
「ガラクトース血症」は、「乳糖分解酵素ラクターゼの減少による乳糖不耐症」と混同されることが多いようですが、全く異なる疾患です。
日本人はラクターゼ(乳糖分解酵素)が離乳後減少して、いわゆる乳糖不耐症となる人が多いのですが、ほとんどの場合よほど大量の牛乳を飲まない限り下痢・腹痛はありません。
料理に牛乳が使ってあったり、食品の原材料に牛乳が入っているていどでは、まず何も症状は出ません。
またチーズやヨーグルトは乳糖(ラクトース)がかなり分解されているので、乳糖不耐症の人でも大丈夫です。(^^)
そして人類も含めて哺乳類は皆、赤ちゃんの時は母乳(乳糖を含有)を飲んで成長するので、当然乳製品になじみはあるわけです。
ただ「離乳後はもう大量の乳糖は必要ないですよ。」というスタンスですね。
江部康二
*参考
ガラクトース血症・ウィピキペディア
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AC%E3%83%A9%E3%82%AF%E3%83%88%E3%83%BC%E3%82%B9%E8%A1%80%E7%97%87
乳糖不耐症・ウィキペディア
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B9%B3%E7%B3%96%E4%B8%8D%E8%80%90%E7%97%87
2011年11月21日 (月)
こんにちは。
先日、江部診療所で、アトピー患者さん(25才、男性)の診察が終わって、その方と少し雑談をしていました。
そうすると彼が、
「イヤー、この間居酒屋で生のササミを食べてえらい目にあったんですよ~!!!。」
聞けば、居酒屋で生のササミを食べて3日後に、発熱、腹痛、下痢、血便でとてもしんどかったそうです。
「牛生肉(ユッケ)があれだけ問題になったのに、よく食べる気になったね?」
と聞くと、
「一度チャレンジしたかったんです。。。」
いやはや、チャレンジ代、随分高くつきました。(=_=;)
さらに
「3日も経っていたのに、よく食中毒とわかったね ?」
と聞くと、その日一緒に生ささみを食べた25才の友人(男性です)も、やはり同様に3日後に、発熱、腹痛、下痢で大変だったそうです。σ(=_=;)ヾ
病院で、生の鶏肉摂取によるカンピロバクター食中毒と即座に診断されたそうです。
カンピロバクターは、生鶏肉や牛生レバーが感染源のことがほとんどです。
菌が体内に侵入してから発症するまでの潜伏期間が比較的長く、一般に2~7日間かかるのも特徴です。
幸い重篤な症状をきたすことは、ほんんどありませんが、ごくまれに、腸炎が治ったあとにしばらくして、ギランバレー症候群を併発することがあるので注意が必要です。
生の牛肉は、2011年4月の「ユッケ死亡事件」以後、現在厳しい規制があって、ほとんど流通していないのが現状ですが、生鶏肉は結構、野放しに流通しているようです。
結局、生肉でOKなのは、現在馬肉(生食用)だけと思います。
皆さん、ゆめゆめ油断は禁物ですし、チャレンジもしないほうがいいですね。
江部康二
先日、江部診療所で、アトピー患者さん(25才、男性)の診察が終わって、その方と少し雑談をしていました。
そうすると彼が、
「イヤー、この間居酒屋で生のササミを食べてえらい目にあったんですよ~!!!。」
聞けば、居酒屋で生のササミを食べて3日後に、発熱、腹痛、下痢、血便でとてもしんどかったそうです。
「牛生肉(ユッケ)があれだけ問題になったのに、よく食べる気になったね?」
と聞くと、
「一度チャレンジしたかったんです。。。」
いやはや、チャレンジ代、随分高くつきました。(=_=;)
さらに
「3日も経っていたのに、よく食中毒とわかったね ?」
と聞くと、その日一緒に生ささみを食べた25才の友人(男性です)も、やはり同様に3日後に、発熱、腹痛、下痢で大変だったそうです。σ(=_=;)ヾ
病院で、生の鶏肉摂取によるカンピロバクター食中毒と即座に診断されたそうです。
カンピロバクターは、生鶏肉や牛生レバーが感染源のことがほとんどです。
菌が体内に侵入してから発症するまでの潜伏期間が比較的長く、一般に2~7日間かかるのも特徴です。
幸い重篤な症状をきたすことは、ほんんどありませんが、ごくまれに、腸炎が治ったあとにしばらくして、ギランバレー症候群を併発することがあるので注意が必要です。
生の牛肉は、2011年4月の「ユッケ死亡事件」以後、現在厳しい規制があって、ほとんど流通していないのが現状ですが、生鶏肉は結構、野放しに流通しているようです。
結局、生肉でOKなのは、現在馬肉(生食用)だけと思います。
皆さん、ゆめゆめ油断は禁物ですし、チャレンジもしないほうがいいですね。
江部康二
2011年11月20日 (日)
こんばんは。
『主食を抜けば糖尿病は良くなる! 糖質制限食レシピ集』(東洋経済新報社)
好評発売中です。
おかげさまで、順調な売れ行きです。(^^)

amazonでも書店でも購入できますのでよろしくお願い申し上げます。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4492044442/ref=pd_lpo_k2_dp_sr_1?pf_rd_p=466449256&pf_rd_s=lpo-top-stripe&pf_rd_t=201&pf_rd_i=4492042962&pf_rd_m=AN1VRQENFRJN5&pf_rd_r=1ZFTQB55MDEKRGTJQW45
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』(東洋経済新報社)は、2005年に刊行して以後、
おかげさまで17版を重ねるロングセラーとなっております。
そのレシピ本を今回、満を持して出版いたしました。
今回のレシピ本は、「長続きできる糖質制限食」ということに力点を置いてあります。
“家庭料理のプロ”である壷林先生にご協力いただき、普通の食材で簡単に作れて、しかも美味しい糖質制限メニューが満載です。
代替主食や、ボリュームアップの方法など、長続きのための知恵がたっぷりで、献立の立て方なども丁寧に解説してあります。
外食の知恵、コンビニ活用法などお役立ちコラム、Q&Aも充実しています。
大判サイズで読みやすい本です。
理論・料理とも出色の糖質制限食レシピ本になったと自負しております。
『主食を抜けば糖尿病は良くなる! 糖質制限食レシピ集』
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』
共々、よろしくお願い申しあげます。
2011年11月27日(日)紀伊国屋梅田本店主催で
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!糖質制限食レシピ集』刊行記念講演会in大阪
を開催いたします。
・後援:東洋経済新報社
・協賛:サラヤ株式会社
です。
サラヤさんに協賛していただきましたので、聴講料¥1000-と、ぐっと割安におさえることができました。 (^^)
最新の糖質制限食の理論と実践法をわかりやすく解説します。
定員は先着100名様までですので、お早めにお申し込みください。
江部康二
☆☆☆☆☆
・開催日時:11/27(日) 13:30-16:00
・会場:阪急グランドビル26F 5号、6号会議室 (定員100名)
http://www.hhbm.hankyu-hanshin.co.jp/meeting/grand/access.html
大阪市北区角田町8-47 TEL:06-6315-8368
・講演会名:江部康二『主食を抜けば糖尿病は良くなる!糖質制限レシピ集』刊行記念講演会
~『今、話題の「糖質制限食」を第一人者の江部康二氏が基礎、臨床からやさしく語る』~
・スケジュール
13:30開場
14:00~15:00 講演会
15:00~15:30 質疑応答
15:30~16:00 サイン会
・聴講料¥1,000.-(紀伊國屋書店梅田本店にてチケット販売)
・定員 :100名
・後援:東洋経済新報社
・協賛:サラヤ株式会社
<申込方法>
受付方法→チケット購入方式
①申込先 :紀伊國屋書店梅田本店 電話:06-6372-5821
http://www.kinokuniya.co.jp/store/Umeda-Main-Store/shopinfo.html
②申込方法 :1.直接ご来店の上、店頭3番カウンター(新刊売場)にてチケット購入
2.電話で申込予約の上、事前にチケットを3番カウンターで購入いただく
②チケット購入場所:紀伊國屋書店梅田本店店頭(3番カウンター)のみ
・書店主催の講演会のため、書店からの依頼によりサイン会を行います。
新刊の『主食を抜けば糖尿病は良くなる! 糖質制限食レシピ集 』(東洋経済新報社刊、税込1,680円)
が対象となります。
ご希望の方は本をご持参ください。当日会場でも販売いたします。
<注意事項>
※講演開始5分前には会場への入場をお願い致します。
※半券は切らずにお持ちください。当日回収いたします。
『主食を抜けば糖尿病は良くなる! 糖質制限食レシピ集』(東洋経済新報社)
好評発売中です。
おかげさまで、順調な売れ行きです。(^^)

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http://www.amazon.co.jp/gp/product/4492044442/ref=pd_lpo_k2_dp_sr_1?pf_rd_p=466449256&pf_rd_s=lpo-top-stripe&pf_rd_t=201&pf_rd_i=4492042962&pf_rd_m=AN1VRQENFRJN5&pf_rd_r=1ZFTQB55MDEKRGTJQW45
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』(東洋経済新報社)は、2005年に刊行して以後、
おかげさまで17版を重ねるロングセラーとなっております。
そのレシピ本を今回、満を持して出版いたしました。
今回のレシピ本は、「長続きできる糖質制限食」ということに力点を置いてあります。
“家庭料理のプロ”である壷林先生にご協力いただき、普通の食材で簡単に作れて、しかも美味しい糖質制限メニューが満載です。
代替主食や、ボリュームアップの方法など、長続きのための知恵がたっぷりで、献立の立て方なども丁寧に解説してあります。
外食の知恵、コンビニ活用法などお役立ちコラム、Q&Aも充実しています。
大判サイズで読みやすい本です。
理論・料理とも出色の糖質制限食レシピ本になったと自負しております。
『主食を抜けば糖尿病は良くなる! 糖質制限食レシピ集』
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』
共々、よろしくお願い申しあげます。
2011年11月27日(日)紀伊国屋梅田本店主催で
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!糖質制限食レシピ集』刊行記念講演会in大阪
を開催いたします。
・後援:東洋経済新報社
・協賛:サラヤ株式会社
です。
サラヤさんに協賛していただきましたので、聴講料¥1000-と、ぐっと割安におさえることができました。 (^^)
最新の糖質制限食の理論と実践法をわかりやすく解説します。
定員は先着100名様までですので、お早めにお申し込みください。
江部康二
☆☆☆☆☆
・開催日時:11/27(日) 13:30-16:00
・会場:阪急グランドビル26F 5号、6号会議室 (定員100名)
http://www.hhbm.hankyu-hanshin.co.jp/meeting/grand/access.html
大阪市北区角田町8-47 TEL:06-6315-8368
・講演会名:江部康二『主食を抜けば糖尿病は良くなる!糖質制限レシピ集』刊行記念講演会
~『今、話題の「糖質制限食」を第一人者の江部康二氏が基礎、臨床からやさしく語る』~
・スケジュール
13:30開場
14:00~15:00 講演会
15:00~15:30 質疑応答
15:30~16:00 サイン会
・聴講料¥1,000.-(紀伊國屋書店梅田本店にてチケット販売)
・定員 :100名
・後援:東洋経済新報社
・協賛:サラヤ株式会社
<申込方法>
受付方法→チケット購入方式
①申込先 :紀伊國屋書店梅田本店 電話:06-6372-5821
http://www.kinokuniya.co.jp/store/Umeda-Main-Store/shopinfo.html
②申込方法 :1.直接ご来店の上、店頭3番カウンター(新刊売場)にてチケット購入
2.電話で申込予約の上、事前にチケットを3番カウンターで購入いただく
②チケット購入場所:紀伊國屋書店梅田本店店頭(3番カウンター)のみ
・書店主催の講演会のため、書店からの依頼によりサイン会を行います。
新刊の『主食を抜けば糖尿病は良くなる! 糖質制限食レシピ集 』(東洋経済新報社刊、税込1,680円)
が対象となります。
ご希望の方は本をご持参ください。当日会場でも販売いたします。
<注意事項>
※講演開始5分前には会場への入場をお願い致します。
※半券は切らずにお持ちください。当日回収いたします。
2011年11月20日 (日)
おはようございます。
NPO法人糖質制限食ネット・リボーン主催ニューズシェフ共催のクッキングセミナーのご案内です。
以下は、事務局の曽我部ゆかりさんからのメッセージです。
江部康二
☆☆☆☆☆
ドクター江部のブログ読者の皆様へ
日増しに冬も深まってまいりました。皆様いかがおすごしでしょうか?
NPO法人糖質制限食ネット・リボーン主催ニューズシェフ共催のクッキングセミナーのご案内です。
11月27日12月18日にいずれも午前午後と開催いまします。少人数のセミナーですが、まだ残席がございます。
年の瀬も迫りお忙しい時期とは存じますが、皆様のご参加をお待ちしております。
なお、事務局の人員不足のため、勝手ではございますが、お申し込みはメールでお願いしております。
ご了承ください。
リボーン事務局 曽我部ゆかり
リボーン・クッキングセミナー(vol.3~vol.6)開催のお知らせ
<シリーズ化決定!!>
スタイルダイニングで学ぶ糖質オフ料理教室&会食交流会
寒い季節にぴったり! 万能タイプの「和風つゆ」でスピードクッキング 11月27日(日)
クリスマスまでカウントダウン。ガトーショコラのデコレーションバージョン 12月18日(日)
講師 大柳珠美(管理栄養士・リボーン副理事長)
7月に開催し、大好評だったリボーン・クッキングセミナーのシリーズ化が決定しました。前回開催時に「糖尿病でお困りの多くの患者さんのお役に立てる場をご提供できて喜びを感じました」と仰るニューズシェフ社長のご提案により、今回のシリーズ化が決定しました。リボーンとのコラボでの開催となります。
1部では前回と同様に、講師による糖質制限食ミニ講習会で理論と実践法を詳しく学びます。
2部では、スタイルダイニングの食材と容器を使って、簡単に楽しくできる糖質オフの料理をデモンストレーションしながら皆さんで会食いたします。会食後に交流会の時間も設けてあります。
行事の多い年末こそ簡単クッキングの出番です…。年末に向けて2回開催し、それぞれ午前午後の部にわけて、第3回目から第6回目までを一挙に展開します。
1回につき定員6名の少人数制で行います。日頃の糖質オフ料理の悩みなど講師にご相談ください。また、参加者の皆さんで、レシピ交換や情報交換などができるよう、懇談会の時間も設けます。
(1回の参加枠が少ないため、初めてご参加の方を優先させて頂きますのでご了承ください。なお、各回とも定員に満たない場合には、リピーターの方のご参加もお受けいたしますので、ご希望の方はお申し込みをしてください)。
■開催日程詳細
11月27日(日)
◉第3回 午前の部=第3回(10時30分~13時00分)定員6名(残席わずか)
◉第4回 午後の部=第4回(14時30分~17時00分)定員6名(残席有り)
12月18日(日)
◉第5回 午前の部=第5回(10時30分~13時00分)定員6名(残席有り)
◉第6回 午後の部=第6回(14時30分~17時00分)定員6名(残席有り)
■会場 NEWS CHEF株式会社 会議室 & クッキングサロン
〒106-0041 東京都港区麻布台 1-11-9 CR神谷町ビル 5F
(東京メトロ/日比谷線 神谷町駅1番出口 徒歩約3分)
■参加費 いずれの回も3000円
■申し込み方法
リボーン曽我部までお申し込みください(なるべくメールにてお願いいたします)。申し込み時に希望の回数をお知らせください。
e-mail reborn@big.or.jp
■サンプル提供 NEWS CHEF「和風つゆ」、NEWS CHEF 「電子レンジ専用調理容器 PAPRIKA パプリカ」
■主催 NPO法人糖質制限食ネット・リボーン
■協賛 NEWS CHEF株式会社
NPO法人糖質制限食ネット・リボーン主催ニューズシェフ共催のクッキングセミナーのご案内です。
以下は、事務局の曽我部ゆかりさんからのメッセージです。
江部康二
☆☆☆☆☆
ドクター江部のブログ読者の皆様へ
日増しに冬も深まってまいりました。皆様いかがおすごしでしょうか?
NPO法人糖質制限食ネット・リボーン主催ニューズシェフ共催のクッキングセミナーのご案内です。
11月27日12月18日にいずれも午前午後と開催いまします。少人数のセミナーですが、まだ残席がございます。
年の瀬も迫りお忙しい時期とは存じますが、皆様のご参加をお待ちしております。
なお、事務局の人員不足のため、勝手ではございますが、お申し込みはメールでお願いしております。
ご了承ください。
リボーン事務局 曽我部ゆかり
リボーン・クッキングセミナー(vol.3~vol.6)開催のお知らせ
<シリーズ化決定!!>
スタイルダイニングで学ぶ糖質オフ料理教室&会食交流会
寒い季節にぴったり! 万能タイプの「和風つゆ」でスピードクッキング 11月27日(日)
クリスマスまでカウントダウン。ガトーショコラのデコレーションバージョン 12月18日(日)
講師 大柳珠美(管理栄養士・リボーン副理事長)
7月に開催し、大好評だったリボーン・クッキングセミナーのシリーズ化が決定しました。前回開催時に「糖尿病でお困りの多くの患者さんのお役に立てる場をご提供できて喜びを感じました」と仰るニューズシェフ社長のご提案により、今回のシリーズ化が決定しました。リボーンとのコラボでの開催となります。
1部では前回と同様に、講師による糖質制限食ミニ講習会で理論と実践法を詳しく学びます。
2部では、スタイルダイニングの食材と容器を使って、簡単に楽しくできる糖質オフの料理をデモンストレーションしながら皆さんで会食いたします。会食後に交流会の時間も設けてあります。
行事の多い年末こそ簡単クッキングの出番です…。年末に向けて2回開催し、それぞれ午前午後の部にわけて、第3回目から第6回目までを一挙に展開します。
1回につき定員6名の少人数制で行います。日頃の糖質オフ料理の悩みなど講師にご相談ください。また、参加者の皆さんで、レシピ交換や情報交換などができるよう、懇談会の時間も設けます。
(1回の参加枠が少ないため、初めてご参加の方を優先させて頂きますのでご了承ください。なお、各回とも定員に満たない場合には、リピーターの方のご参加もお受けいたしますので、ご希望の方はお申し込みをしてください)。
■開催日程詳細
11月27日(日)
◉第3回 午前の部=第3回(10時30分~13時00分)定員6名(残席わずか)
◉第4回 午後の部=第4回(14時30分~17時00分)定員6名(残席有り)
12月18日(日)
◉第5回 午前の部=第5回(10時30分~13時00分)定員6名(残席有り)
◉第6回 午後の部=第6回(14時30分~17時00分)定員6名(残席有り)
■会場 NEWS CHEF株式会社 会議室 & クッキングサロン
〒106-0041 東京都港区麻布台 1-11-9 CR神谷町ビル 5F
(東京メトロ/日比谷線 神谷町駅1番出口 徒歩約3分)
■参加費 いずれの回も3000円
■申し込み方法
リボーン曽我部までお申し込みください(なるべくメールにてお願いいたします)。申し込み時に希望の回数をお知らせください。
e-mail reborn@big.or.jp
■サンプル提供 NEWS CHEF「和風つゆ」、NEWS CHEF 「電子レンジ専用調理容器 PAPRIKA パプリカ」
■主催 NPO法人糖質制限食ネット・リボーン
■協賛 NEWS CHEF株式会社
2011年11月19日 (土)
こんばんは。
「高脂肪の食事が善玉菌殺す…北大グループ研究」という記事が読売オンラインに掲載されました。
結論から言えば、あくまでもラットの実験であり、ヒトには全く当てはまりませんのでブログ読者の皆さん、ご心配なく。
以下読売オンラインの記事を転載です。
【脂肪が多い食事を食べると、消化液(胆汁)が大腸の「善玉菌」を殺し、腸内細菌のバランスを壊すことが、北海道大の研究でわかった。
消化液の分泌が引き金となってメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)や大腸がんが発症する可能性を示しており、米消化器病学会の専門誌11月号に掲載された。
研究したのは同大農学部の横田篤教授(微生物生理学)らのグループ。ラットの普通のえさに、高脂肪食で分泌される濃度に近い胆汁を混ぜて10日間食べさせ、盲腸の細菌の変化を調べた。
通常は、大腸や盲腸で約1000種類の細菌が見つかるが、胆汁を混ぜたえさのラットは「クロストリジウム」に分類される菌が98・6%を占め、菌の8割はたった4種類になった。この菌が大半を占めるのは、米国の肥満患者の研究と同じ傾向だった。通常は1割ほどいる乳酸菌などは、ほとんど見つからなかった。
(2011年11月18日17時33分 読売新聞)】
どんな研究でも手軽なので、マウスやラットが実験動物として使われやすいです。
しかし、マウスやラットで高脂肪食の実験をすること自体が、根本的なカテゴリー・エラーなのです。(*- -)(*_ _)
なぜなら、マウスやラットなどネズミ類は、本来の主食は草の種子(即ち今の穀物)です。
草原が地球上の有力な植生として現れる鮮新世(510万年前)以降、ネズミ科の動物が出現して爆発的に繁栄します。
510万年間、草原の草の種子(穀物)を食べ続けてきたネズミに高脂肪食を与えれば、代謝が破綻するのは当たり前です。
ネズミの主食はあくまでも「穀物=低脂質食」なのです。
これは単純に、マウスの代謝に合わない(主食でない)高脂肪食を与えて病気を作るという実験です。
全ての代謝が狂って病気だらけになるのもいわずもがなです。
例えば、ゴリラの主食は「棘の多い大きな蔓や大きな草」です。
このように、超低脂質食が主食であるゴリラに高脂肪食を食べさせたら、代謝はガタガタになり、マウスやラットと同様、たちどころに様々な病気になるでしょう。
ゴリラだと、高脂肪食を食べさせることの間違いが、ラットよりイメージしやすいですね。
人類の主食が何であったかはともかくとして、農耕が始まる前の700万年は、穀物ではなかったことは確実です。
そして歴史的事実として、農耕の前は人類皆、糖質制限食でした。
またヒトの進化の過程で脳が急速に大きくなり、シナプシスが張り巡らされるためには、EPAとDHAの摂取が不可欠でした。
EPAとDHAは地上の植物性食品には含まれておらず、動物性食品にしか含まれていません。
従って少なくとも、肉・骨髄・昆虫・地虫・魚貝・・・などの高脂肪・高タンパク食を、脳が急速に発達した20万年前頃、必要充分な量、食べてたことは間違いないでしょう。
このように人類は本来高脂肪食には慣れているので、高脂肪食の安全性は高いのです。
ラットやゴリラと、ヒトの食性は全く異なっているのです。
結論です。
薬物の作用や毒性をネズミ類で動物実験するのは、研究方法として特に問題はないと思います(動物実験自体の是非はおいておきます)。
しかし、本来主食が全く異なるマウス・ラットなどネズミ類で、人類の食物代謝の研究をおこなうのは出発点から
根本的に間違っている可能性があるので注意が必要です。
研究者の皆さん、「薬物の動物実験」と「食物の動物実験」は、全く意味が異なることを認識してほしいと思います。そこのところ、是非よろしくお願い申し上げます。 m(_ _)m
江部康二
「高脂肪の食事が善玉菌殺す…北大グループ研究」という記事が読売オンラインに掲載されました。
結論から言えば、あくまでもラットの実験であり、ヒトには全く当てはまりませんのでブログ読者の皆さん、ご心配なく。
以下読売オンラインの記事を転載です。
【脂肪が多い食事を食べると、消化液(胆汁)が大腸の「善玉菌」を殺し、腸内細菌のバランスを壊すことが、北海道大の研究でわかった。
消化液の分泌が引き金となってメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)や大腸がんが発症する可能性を示しており、米消化器病学会の専門誌11月号に掲載された。
研究したのは同大農学部の横田篤教授(微生物生理学)らのグループ。ラットの普通のえさに、高脂肪食で分泌される濃度に近い胆汁を混ぜて10日間食べさせ、盲腸の細菌の変化を調べた。
通常は、大腸や盲腸で約1000種類の細菌が見つかるが、胆汁を混ぜたえさのラットは「クロストリジウム」に分類される菌が98・6%を占め、菌の8割はたった4種類になった。この菌が大半を占めるのは、米国の肥満患者の研究と同じ傾向だった。通常は1割ほどいる乳酸菌などは、ほとんど見つからなかった。
(2011年11月18日17時33分 読売新聞)】
どんな研究でも手軽なので、マウスやラットが実験動物として使われやすいです。
しかし、マウスやラットで高脂肪食の実験をすること自体が、根本的なカテゴリー・エラーなのです。(*- -)(*_ _)
なぜなら、マウスやラットなどネズミ類は、本来の主食は草の種子(即ち今の穀物)です。
草原が地球上の有力な植生として現れる鮮新世(510万年前)以降、ネズミ科の動物が出現して爆発的に繁栄します。
510万年間、草原の草の種子(穀物)を食べ続けてきたネズミに高脂肪食を与えれば、代謝が破綻するのは当たり前です。
ネズミの主食はあくまでも「穀物=低脂質食」なのです。
これは単純に、マウスの代謝に合わない(主食でない)高脂肪食を与えて病気を作るという実験です。
全ての代謝が狂って病気だらけになるのもいわずもがなです。
例えば、ゴリラの主食は「棘の多い大きな蔓や大きな草」です。
このように、超低脂質食が主食であるゴリラに高脂肪食を食べさせたら、代謝はガタガタになり、マウスやラットと同様、たちどころに様々な病気になるでしょう。
ゴリラだと、高脂肪食を食べさせることの間違いが、ラットよりイメージしやすいですね。
人類の主食が何であったかはともかくとして、農耕が始まる前の700万年は、穀物ではなかったことは確実です。
そして歴史的事実として、農耕の前は人類皆、糖質制限食でした。
またヒトの進化の過程で脳が急速に大きくなり、シナプシスが張り巡らされるためには、EPAとDHAの摂取が不可欠でした。
EPAとDHAは地上の植物性食品には含まれておらず、動物性食品にしか含まれていません。
従って少なくとも、肉・骨髄・昆虫・地虫・魚貝・・・などの高脂肪・高タンパク食を、脳が急速に発達した20万年前頃、必要充分な量、食べてたことは間違いないでしょう。
このように人類は本来高脂肪食には慣れているので、高脂肪食の安全性は高いのです。
ラットやゴリラと、ヒトの食性は全く異なっているのです。
結論です。
薬物の作用や毒性をネズミ類で動物実験するのは、研究方法として特に問題はないと思います(動物実験自体の是非はおいておきます)。
しかし、本来主食が全く異なるマウス・ラットなどネズミ類で、人類の食物代謝の研究をおこなうのは出発点から
根本的に間違っている可能性があるので注意が必要です。
研究者の皆さん、「薬物の動物実験」と「食物の動物実験」は、全く意味が異なることを認識してほしいと思います。そこのところ、是非よろしくお願い申し上げます。 m(_ _)m
江部康二
2011年11月18日 (金)
こんばんは。
中東在住の yuccaさんから、塩分と脂質について、コメント・質問をいただきました。
【11/11/18 yucca
塩分と脂質
いつもブログを楽しみに拝見しています。中東在住のyuccaと言います。
私はここ2ヶ月半で7キロ近く太り、人生で初めて生理が止まりました。原因は自分でも分かっていて、甘いものと炭水化物の取りすぎです。これはまずい!と思い、慌ててネットでダイエットに関して調べ江部先生の著書にたどり着き、日本から送ってもらいました。
理論がすごく分かりやすく、納得できるので(特にブドウ糖ミニスパイクなどすごーく納得)、現在スーパー糖質制限を行っています。ただ2点ほど気になる点があります。ひとつは塩分です。手に入る調味料が限られるので、どうしても料理に塩を使うことが多くなります。塩分過多なのでは、と思うこともしばしばですが、問題はないのでしょうか。もうひとつは、動物性脂質と乳製品の取りすぎです。住んでいる場所が場所なので、大豆製品や魚は手に入りづらいです…。どうしても肉(鶏、牛のみ)と乳製品(チーズ、ヨーグルト)が多くなってしまいます。血液型ダイエットの本では「日本人に多いA型(私はA型です)は、農耕民族なので肉や乳製品の消化は苦手です」とか、また他の肥満遺伝子に関するサイトでは「洋ナシ型体型のあなたは、脂質で太りやすいタイプ」とかを見ると若干不安になります。人類発祥起源まで遡る糖質制限食には、農耕民族も遺伝子もきっと超越してしまうとは思うのですが…。脂質の取りすぎ、もしくは脂質の質まで気をつけた方が良いでしょうか。】
yuccaさん。
拙著のご購入ありがとうございます。
調味料ですが、塩の摂取量は7~10g/日以下がいいと思います。
日本の厚生労働省は、健康人では10g/日以下を推奨です。
塩以外の調味料として、キューピーマヨネーズとか、とば屋味付けポン酢とか
糖質制限ドットコム http://www.toushitsuseigen.com/
の糖質オフウースターソース、糖質オフ青じそドレッシング、糖質オフポン酢などを可能なら日本から送ってもらってください。、
世界がん研究基金の2007年の報告によれば、塩は6g/日以下、四つ足動物の肉として500g/週以下が推奨です。
私は、<肉:魚>→<1:1>くらいで、動物性タンパク質を摂取するのがよいと思います。
そうすると、日本では上記の四つ足動物の肉として500g/週以下は、
簡単に達成できるでしょう。
ただ、中東ではややハードルが高いでしょうか?
鶏肉は上記500g/週以下には含まれませんので、OK食品ですね。
脂質の摂取ですが、日本脂質栄養学会は、以下の提言をしています。
*
日本脂質栄養学会の提言(2002年9月)の要約
「本学会は 1992年以来、必須脂肪酸である リノール酸の摂取過剰と健康の問題について討論。その結果、日本人のリノール酸摂りすぎを是正する方向に栄養指導を改めることが急務との結論に達した。 リノール酸摂りすぎの害(心臓・脳血管系疾患、欧米型癌、アレルギー性疾患、その他炎症性疾患)については、動物実験のみならず臨床的にも明らかにされてきた。」
リノール酸はほとんどの植物油の主成分です。
現代の食生活では、植物油の摂りすぎこそが、要注意なのです。
ところで大多数の栄養学者が積極的摂取を勧めているオリーブオイルの主成分は、
リノール酸ではなく、一価不飽和脂肪酸であるオレイン酸です。
そこが肝腎ですね。
α-リノレン酸(しそ油、えごま油などの主成分)、EPA・DHA(魚油に多く含まれる)も
積極的に摂取したほうがいい油です。
興味深いのは、牛肉の脂には飽和脂肪酸であるステアリン酸やパルミチン酸も含まれていますが、
主成分は、オリーブオイルと同様オレイン酸であることです。
動物油が危険という従来の常識的立場の栄養学者は
「牛脂の主成分はオレイン酸」という事実をご存知なのでしょうか?
ちなみに、日本脂質栄養学会は「動物油は植物油より安全性が高い」という見解です。
ともあれ、厚生労働省は
飽和脂肪酸(S):一価不飽和脂肪酸(M):多価不飽和脂肪酸(P)
の比率「S:M:P=3:4:3」を推奨しています。
**
A)調理に使う油脂の分類
1)飽和脂肪酸:ステアリン酸、パルミチン酸など。
獣肉油脂、牛乳、卵など動物性脂肪に多く含まれる。
植物性油脂にも含まれる。
2) 不飽和脂肪酸
一価不飽和脂肪酸
オレイン酸(オリーブ油の主成分、動物性油脂にもある)など
多価不飽和脂肪酸
リノール酸(ω-6系、大部分の植物油に含まれる)
α-リノレン酸(ω-3系、緑の濃い野菜に含まれる)
エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)など
なお血液型ダイエットや
肥満遺伝子に関するサイトの「洋ナシ型体型のあなたは、脂質で太りやすいタイプ」
などは、遊びで覗いてみるのは面白いですが、科学的根拠はゼロですので・・・。 (∵)?
江部康二
参考
☆☆☆☆☆
2010年01月27日 (水) のブログ記事
「世界ガン研究基金の2007年の報告」
おはようございます。
世界ガン研究基金の2007年の報告、いろんな日本語のサイトで要約は載っているのですが、肥満とガンに関して、内容が微妙に食い違っていて、どう解釈したものか悩んでましたがやっと英文の本家のサイトにたどり着きました。
World cancer reserch fund
http://www.wcrf-uk.org/preventing_cancer/recommendations.php
このサイトで、必要な確認だけして、内容を検討してみました。
まずは、ウィキペディアの解説です。よくまとまっているので、以下に引用しました。
【食生活指針
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A3%9F%E7%94%9F%E6%B4%BB%E6%8C%87%E9%87%9D
世界がん研究基金によるがん予防の勧告
1997年に4500以上の研究を研究を元に、「食べもの、栄養とがん予防」 (Food, Nutrition, and the Prevention of Cancer: A Global Perspective) が報告された。日本では、がん予防14か条、タバコの制限を加えてがん予防15か条として紹介された。
2007年11月1日、世界がん研究基金とアメリカがん研究協会によって7000以上の研究を根拠に「食べもの、栄養、運動とがん予防[15]」が報告されている。
①肥満 ゴール:BMIは21-23の範囲に。 推薦:標準体重の維持、BMI25未満。
②運動 推薦:毎日少なくとも30分の運動。
③体重を増やす飲食物 推薦:高エネルギーの食べものや砂糖入り飲料やフルーツジュース、ファーストフードの摂取を制限する。飲料として水や茶や無糖コーヒーが推奨される。
④植物性食品 ゴール:毎日少なくとも600gの野菜や果物と、少なくとも25グラムの食物繊維を摂取するための精白されていない穀物である全粒穀物と豆を食べる。 推奨:毎日400g以上の野菜や果物と、全粒穀物と豆を食べる。精白された穀物などを制限する。
トランス脂肪酸は心臓病のリスクとなるが、がんへの関与は知られていない。
⑤動物性食品 赤肉(牛・豚・羊)を制限し、加工肉(ハム、ベーコン、サラミ、燻製肉、熟成肉、塩蔵肉)は避ける。赤肉より、鶏肉や魚が推奨される。 ゴール:赤肉は週300g以下に。 推奨:赤肉は週500g以下に。乳製品は議論があるため推奨していない。
⑥アルコール 男性は1日2杯、女性は1日1杯まで。
⑦保存、調理 ゴール:塩分摂取量を1日に5g以下に。 推奨:塩辛い食べものを避ける。
塩分摂取量を1日に6g以下に。カビのある穀物や豆を避ける。
⑧サプリメント ゴール:サプリメントなしで栄養が満たせる。 推奨:がん予防のためにサプリメントに頼らない。
⑨母乳哺育 6か月、母乳哺育をする。これは母親を主に乳がんから、子供を肥満や病気から守る。
⑩がん治療後 がん治療を行ったなら、栄養、体重、運動について専門家の指導を受ける。
***
タバコの煙もがんの主因であると強調している。また、タバコとアルコールは相乗作用で発癌物質となる。】
①
肥満に関しては、大腸・食道・膵臓・腎臓・子宮内膜(子宮)・乳房のガンになるリスクが高まるとしています。
これら6つのガンに関しては、はっきり肥満がリスクになるということです。また、胆嚢に関しては、肥満がおそらく発ガンのリスクを高めるとしています。糖質制限食が肥満にはもっとも有効な治療法です。 (^_^)
②運動③体重を増やす飲食物
は①とも関連してますね。私も賛成です。
④植物性食品では、食物繊維の摂取を推奨ですね。また精製炭水化物の制限を推奨です。
賛成です。
⑤動物性食品
赤肉(牛・豚・羊)は週500g以下にという目標は、日本人にはそんなに難しくはないように思いますが、米国人にはとんでもなく厳しい数値目標ですね。
最近は、動物性脂肪の害はないという文献も出てきているので個人的には、もう少し赤肉を食べてもいいように思うのですが・・・(∵)?
⑥アルコール
「男性は1日2杯まで」
これは仰有る通りかもしれませんが、残念ながら私には守れそうもありませんし、守っていませんね。(-_-;)
⑦保存、調理
塩分6g以下ですか。結構厳しいですね。σ(=_=;)ヾ
⑧⑨⑩は賛成です。
タバコの害も言うまでもないですね。
江部康二
中東在住の yuccaさんから、塩分と脂質について、コメント・質問をいただきました。
【11/11/18 yucca
塩分と脂質
いつもブログを楽しみに拝見しています。中東在住のyuccaと言います。
私はここ2ヶ月半で7キロ近く太り、人生で初めて生理が止まりました。原因は自分でも分かっていて、甘いものと炭水化物の取りすぎです。これはまずい!と思い、慌ててネットでダイエットに関して調べ江部先生の著書にたどり着き、日本から送ってもらいました。
理論がすごく分かりやすく、納得できるので(特にブドウ糖ミニスパイクなどすごーく納得)、現在スーパー糖質制限を行っています。ただ2点ほど気になる点があります。ひとつは塩分です。手に入る調味料が限られるので、どうしても料理に塩を使うことが多くなります。塩分過多なのでは、と思うこともしばしばですが、問題はないのでしょうか。もうひとつは、動物性脂質と乳製品の取りすぎです。住んでいる場所が場所なので、大豆製品や魚は手に入りづらいです…。どうしても肉(鶏、牛のみ)と乳製品(チーズ、ヨーグルト)が多くなってしまいます。血液型ダイエットの本では「日本人に多いA型(私はA型です)は、農耕民族なので肉や乳製品の消化は苦手です」とか、また他の肥満遺伝子に関するサイトでは「洋ナシ型体型のあなたは、脂質で太りやすいタイプ」とかを見ると若干不安になります。人類発祥起源まで遡る糖質制限食には、農耕民族も遺伝子もきっと超越してしまうとは思うのですが…。脂質の取りすぎ、もしくは脂質の質まで気をつけた方が良いでしょうか。】
yuccaさん。
拙著のご購入ありがとうございます。
調味料ですが、塩の摂取量は7~10g/日以下がいいと思います。
日本の厚生労働省は、健康人では10g/日以下を推奨です。
塩以外の調味料として、キューピーマヨネーズとか、とば屋味付けポン酢とか
糖質制限ドットコム http://www.toushitsuseigen.com/
の糖質オフウースターソース、糖質オフ青じそドレッシング、糖質オフポン酢などを可能なら日本から送ってもらってください。、
世界がん研究基金の2007年の報告によれば、塩は6g/日以下、四つ足動物の肉として500g/週以下が推奨です。
私は、<肉:魚>→<1:1>くらいで、動物性タンパク質を摂取するのがよいと思います。
そうすると、日本では上記の四つ足動物の肉として500g/週以下は、
簡単に達成できるでしょう。
ただ、中東ではややハードルが高いでしょうか?
鶏肉は上記500g/週以下には含まれませんので、OK食品ですね。
脂質の摂取ですが、日本脂質栄養学会は、以下の提言をしています。
*
日本脂質栄養学会の提言(2002年9月)の要約
「本学会は 1992年以来、必須脂肪酸である リノール酸の摂取過剰と健康の問題について討論。その結果、日本人のリノール酸摂りすぎを是正する方向に栄養指導を改めることが急務との結論に達した。 リノール酸摂りすぎの害(心臓・脳血管系疾患、欧米型癌、アレルギー性疾患、その他炎症性疾患)については、動物実験のみならず臨床的にも明らかにされてきた。」
リノール酸はほとんどの植物油の主成分です。
現代の食生活では、植物油の摂りすぎこそが、要注意なのです。
ところで大多数の栄養学者が積極的摂取を勧めているオリーブオイルの主成分は、
リノール酸ではなく、一価不飽和脂肪酸であるオレイン酸です。
そこが肝腎ですね。
α-リノレン酸(しそ油、えごま油などの主成分)、EPA・DHA(魚油に多く含まれる)も
積極的に摂取したほうがいい油です。
興味深いのは、牛肉の脂には飽和脂肪酸であるステアリン酸やパルミチン酸も含まれていますが、
主成分は、オリーブオイルと同様オレイン酸であることです。
動物油が危険という従来の常識的立場の栄養学者は
「牛脂の主成分はオレイン酸」という事実をご存知なのでしょうか?
ちなみに、日本脂質栄養学会は「動物油は植物油より安全性が高い」という見解です。
ともあれ、厚生労働省は
飽和脂肪酸(S):一価不飽和脂肪酸(M):多価不飽和脂肪酸(P)
の比率「S:M:P=3:4:3」を推奨しています。
**
A)調理に使う油脂の分類
1)飽和脂肪酸:ステアリン酸、パルミチン酸など。
獣肉油脂、牛乳、卵など動物性脂肪に多く含まれる。
植物性油脂にも含まれる。
2) 不飽和脂肪酸
一価不飽和脂肪酸
オレイン酸(オリーブ油の主成分、動物性油脂にもある)など
多価不飽和脂肪酸
リノール酸(ω-6系、大部分の植物油に含まれる)
α-リノレン酸(ω-3系、緑の濃い野菜に含まれる)
エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)など
なお血液型ダイエットや
肥満遺伝子に関するサイトの「洋ナシ型体型のあなたは、脂質で太りやすいタイプ」
などは、遊びで覗いてみるのは面白いですが、科学的根拠はゼロですので・・・。 (∵)?
江部康二
参考
☆☆☆☆☆
2010年01月27日 (水) のブログ記事
「世界ガン研究基金の2007年の報告」
おはようございます。
世界ガン研究基金の2007年の報告、いろんな日本語のサイトで要約は載っているのですが、肥満とガンに関して、内容が微妙に食い違っていて、どう解釈したものか悩んでましたがやっと英文の本家のサイトにたどり着きました。
World cancer reserch fund
http://www.wcrf-uk.org/preventing_cancer/recommendations.php
このサイトで、必要な確認だけして、内容を検討してみました。
まずは、ウィキペディアの解説です。よくまとまっているので、以下に引用しました。
【食生活指針
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A3%9F%E7%94%9F%E6%B4%BB%E6%8C%87%E9%87%9D
世界がん研究基金によるがん予防の勧告
1997年に4500以上の研究を研究を元に、「食べもの、栄養とがん予防」 (Food, Nutrition, and the Prevention of Cancer: A Global Perspective) が報告された。日本では、がん予防14か条、タバコの制限を加えてがん予防15か条として紹介された。
2007年11月1日、世界がん研究基金とアメリカがん研究協会によって7000以上の研究を根拠に「食べもの、栄養、運動とがん予防[15]」が報告されている。
①肥満 ゴール:BMIは21-23の範囲に。 推薦:標準体重の維持、BMI25未満。
②運動 推薦:毎日少なくとも30分の運動。
③体重を増やす飲食物 推薦:高エネルギーの食べものや砂糖入り飲料やフルーツジュース、ファーストフードの摂取を制限する。飲料として水や茶や無糖コーヒーが推奨される。
④植物性食品 ゴール:毎日少なくとも600gの野菜や果物と、少なくとも25グラムの食物繊維を摂取するための精白されていない穀物である全粒穀物と豆を食べる。 推奨:毎日400g以上の野菜や果物と、全粒穀物と豆を食べる。精白された穀物などを制限する。
トランス脂肪酸は心臓病のリスクとなるが、がんへの関与は知られていない。
⑤動物性食品 赤肉(牛・豚・羊)を制限し、加工肉(ハム、ベーコン、サラミ、燻製肉、熟成肉、塩蔵肉)は避ける。赤肉より、鶏肉や魚が推奨される。 ゴール:赤肉は週300g以下に。 推奨:赤肉は週500g以下に。乳製品は議論があるため推奨していない。
⑥アルコール 男性は1日2杯、女性は1日1杯まで。
⑦保存、調理 ゴール:塩分摂取量を1日に5g以下に。 推奨:塩辛い食べものを避ける。
塩分摂取量を1日に6g以下に。カビのある穀物や豆を避ける。
⑧サプリメント ゴール:サプリメントなしで栄養が満たせる。 推奨:がん予防のためにサプリメントに頼らない。
⑨母乳哺育 6か月、母乳哺育をする。これは母親を主に乳がんから、子供を肥満や病気から守る。
⑩がん治療後 がん治療を行ったなら、栄養、体重、運動について専門家の指導を受ける。
***
タバコの煙もがんの主因であると強調している。また、タバコとアルコールは相乗作用で発癌物質となる。】
①
肥満に関しては、大腸・食道・膵臓・腎臓・子宮内膜(子宮)・乳房のガンになるリスクが高まるとしています。
これら6つのガンに関しては、はっきり肥満がリスクになるということです。また、胆嚢に関しては、肥満がおそらく発ガンのリスクを高めるとしています。糖質制限食が肥満にはもっとも有効な治療法です。 (^_^)
②運動③体重を増やす飲食物
は①とも関連してますね。私も賛成です。
④植物性食品では、食物繊維の摂取を推奨ですね。また精製炭水化物の制限を推奨です。
賛成です。
⑤動物性食品
赤肉(牛・豚・羊)は週500g以下にという目標は、日本人にはそんなに難しくはないように思いますが、米国人にはとんでもなく厳しい数値目標ですね。
最近は、動物性脂肪の害はないという文献も出てきているので個人的には、もう少し赤肉を食べてもいいように思うのですが・・・(∵)?
⑥アルコール
「男性は1日2杯まで」
これは仰有る通りかもしれませんが、残念ながら私には守れそうもありませんし、守っていませんね。(-_-;)
⑦保存、調理
塩分6g以下ですか。結構厳しいですね。σ(=_=;)ヾ
⑧⑨⑩は賛成です。
タバコの害も言うまでもないですね。
江部康二
2011年11月17日 (木)
こんばんは。
新刊
主食をやめると健康になる ー 糖質制限食で体質が変わる!(ダイヤモンド社)
11月11日(金)から発売開始しています。

「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」2005年(東洋経済新報社)
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」2008年(東洋経済新報社)
「我ら糖尿人、元気なのには理由がある。」2009年(東洋経済新報社)
「糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食」2010年(ナツメ社)
に続いて、最新糖質制限食基礎理論の充実した内容と、糖尿病以外の生活習慣病やガンについての考察が加わった本となりました。
エビデンスレベルの疫学研究も、多数紹介しています。
さらに豊富な症例も提示しています。
レシピ本ではなく、理論・疫学・臨床・・・の本です。
下記URLからアマゾンの本書の場所に飛べます。
http://p.tl/Io4o
私のブログ記事のなかで、公開OKをいただいた書き込みからの引用もあります。
ブログ読者の皆さんには、この場を借りて御礼申し上げます。
おかげさまで、売れ行き好調で、アマゾンで11月17日現在、一時的な在庫切れとなっています。 m(_ _)m
ご迷惑をおかけしていますが、ダイヤモンド社に確認したところ、即追加搬入したとのことですので、今日・明日には大丈夫と思います。 (^_^)
以下は、主食をやめると健康になる ー 糖質制限食で体質が変わる!(ダイヤモンド社)
の、<はじめに>と<おわりに>です。
江部康二
☆☆☆☆☆
<はじめに>
1999年に、兄・江部洋一郎院長(当時)が高雄病院に初めて糖質制限食を導入しました。当初は半信半疑だった私も、2001年から糖尿病患者さんに積極的に実践して目覚ましい成果をあげ、その後は病院全体で研究を進めるようになりました。
そして4年間の実績をもとに『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』(東洋経済新報社、2005年)を上梓しました。幸い現在までに16版を重ねるロングセラーとなり、世に「糖質制限食」という言葉を認知させるきっかけになったと自負しております。
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』では、糖尿病治療を中心に執筆しました。このとき、すでに糖質制限食が肥満やメタボリックシンドロームにも有効だということはわかっていましたが、あえて糖尿病だけにしぼった内容としました。
肥満やメタボにも有効といった文言が追加されると読者に軽薄な印象を与える可能性があることや、いわゆるダイエット本と見なされるのは本意ではなかったからです。そのため、ベストセラーよりロングセラーを想定して比較的かたい内容とし、その意図は達成されたと思います。
2007年2月からは、ブログ「ドクター江部の糖尿病徒然日記」を開始して、糖質制限食について紹介したり、糖尿病についてのさまざまなご質問にお答えするようになりました。現在1日のアクセス数が7000〜8000件ということも、かなり糖質制限食の普及効果があったと思います。
そして本書では、糖質制限食が医学会にも世間にも少しずつ広がりつつある現状をふまえて、高雄病院の10年以上の経験、1400人以上の患者さんの治療実績をもとに、糖尿病以外のより幅広い疾患、生活習慣病についても解説しました。
糖質制限食は「変わった食事」というイメージを持たれがちですが、実は人類本来の自然な食事です。人類が誕生したのが約700万年前で、農耕が始まるまでは狩猟・採集を生業とし、すべての人類が糖質制限食を実践していました。農耕開始後1万年間だけが、主食が穀物(糖質)へと変化しました。
すなわち穀物を主食としたのは、人類の歴史のなかでわずか700分の1の期間にすぎないのです。糖質制限食と高糖質食、どちらが人類にとって自然な食事なのかは言うまでもありません。糖質制限食はいわば人類の健康食なので、糖尿病や肥満・メタボに限らず、さまざまな生活習慣病が改善するのも当たり前といえば当たり前なのです。
しかも糖質制限食は、主食を抜くだけで「おいしく楽しく」続けられるのが特長です。従来のカロリー制限食に比べれば、肉も魚も蒸留酒もOKでお腹いっぱい食べることができ、はるかにラクに実践できます。本書ではその効果と実践法をくわしく紹介します。
なお、執筆にあたっては個人情報を保護する配慮をしていますが、私のブログ記事のなかで公開OKをいただいた書き込みからの引用もあります。ブログ読者の皆さんにはこの場を借りて御礼申し上げます。
2011年11月 高雄病院理事長 江部康二
<おわりに>
2010年12月に「糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食」(ナツメ社)を上梓して、1年が経過しました。そしてこの1年間で糖質制限食に関する新しい知識がまた蓄積されました。
今回はとくにガンに関して、現状でできる限りの情報を集めそれを基に考察をしてみました。それが、第4章「糖質制限食とガン」です。まずエビデンスとなる質の高いレベルの文献を集めてみました。その結果、高インスリン血症・空腹時高血糖・食後高血糖が、それぞれ独立して発ガンのリスクとなることが明らかとなりました。
またガン細胞はブドウ糖しかエネルギー源に利用できないことは周知の事実です。そしてその理由として、ガン細胞のミトコンドリアは、酵素に不備があり正常細胞のようにケトン体や脂肪酸は利用できないことが文献で確認できました。ミトコンドリアとは細胞内のエネルギー生産装置です。
これらのエビデンスと事実を背景に糖質制限食とガンに関して、予防の可能性や治療の可能性に言及してみました。糖質制限食により発ガンリスクである高インスリン血症・空腹時高血糖・食後高血糖が全て改善します。あくまでも仮説の段階に過ぎない理論ですが、それなりの説得力はあると自負しています。
例えば、マウスの動物実験の段階ではありますが、糖質制限食により発ガン予防効果が確認されています。さらに、本文には間に合わず紹介できなかったのですが、ヒトにおいてケトン食でガンが消失したという文献を見つけました。ケトン食は本文でも紹介していますが、脂質摂取比率75~80%という究極の糖質制限食です。栄養と代謝という米国の医学雑誌に2010年、グリオブラストーマ(膠芽腫)が2ヶ月間の<放射線+化学療法+ケトン食>治療で消失したというイタリアの研究者の症例報告が掲載されています。(*)膠芽腫は脳腫瘍の中でも最も悪性度の高いガンで<放射線+化学療法>治療ではまず治りません。糖質制限食によるガン治療に一筋の光明が見えた気がします。
ついで糖質制限食による減量効果に関して大変興味深い事実が確認できました。食物を摂取すると食後1時間から数時間にわたり熱産生が増加し代謝が更新します。これを食物の特異動的作用(SDA)とよびます。摂取した糖質、脂質、タンパク質の化学エネルギーのうち、それぞれ約6%、4%、30%は熱として失われ、生体で利用することができません。SDAが30%と圧倒的に高いのがタンパク質です。従って高タンパク食である糖質制限食は通常食に比べれば、特異動的作用(SDA)の比率が大きくなりその分、減量効果があることになります。
もう一つ忘れてはならないことがあります。それは農耕以前の人類においては飢餓は日常的な出来事であり、体脂肪はそれに対する唯一のセーフティーネットであったというとです。この観点から、筋肉と脂肪細胞の糖輸送体4(GLUT4)の謎を解き明かしてみました。糖輸送体というのは細胞におけるブドウ糖取り込み装置です。GLUT4は14種ある糖輸送体のうち唯一インスリンに依存していて普段は細胞内に沈んでいていざという時だけ細胞表面に移動するという極めてユニークな存在で、知的興味は尽きません。
このように、糖質制限食の最新理論がわかりやすく解説してあるのが本書です。糖質制限食をすでに実践して本を読んでおられる方にも充分読み応えがあると思います。また初めて糖質制限食に接する読者においても、系統的にオールラウンドな知識を学ぶことができる本となっていますので、是非ご一読いただけば幸いです。
最後になりましたが、本書の新しい糖質制限食理論構築において、適切なアドバイスで援助して頂いた、京都府立医科大学大学院 総合医療・医学教育学教室 助教 森 浩子先生に深謝いたします。
(*)
Giulio Zuccoli et all:Metabolic management of glioblastoma multiforme using standard therapy
together with a restricted ketogenic diet: Case Report.Nutrition & Metabolism 2010, 7:33
2011年11月 高雄病院理事長 江部康二
新刊
主食をやめると健康になる ー 糖質制限食で体質が変わる!(ダイヤモンド社)
11月11日(金)から発売開始しています。

「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」2005年(東洋経済新報社)
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」2008年(東洋経済新報社)
「我ら糖尿人、元気なのには理由がある。」2009年(東洋経済新報社)
「糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食」2010年(ナツメ社)
に続いて、最新糖質制限食基礎理論の充実した内容と、糖尿病以外の生活習慣病やガンについての考察が加わった本となりました。
エビデンスレベルの疫学研究も、多数紹介しています。
さらに豊富な症例も提示しています。
レシピ本ではなく、理論・疫学・臨床・・・の本です。
下記URLからアマゾンの本書の場所に飛べます。
http://p.tl/Io4o
私のブログ記事のなかで、公開OKをいただいた書き込みからの引用もあります。
ブログ読者の皆さんには、この場を借りて御礼申し上げます。
おかげさまで、売れ行き好調で、アマゾンで11月17日現在、一時的な在庫切れとなっています。 m(_ _)m
ご迷惑をおかけしていますが、ダイヤモンド社に確認したところ、即追加搬入したとのことですので、今日・明日には大丈夫と思います。 (^_^)
以下は、主食をやめると健康になる ー 糖質制限食で体質が変わる!(ダイヤモンド社)
の、<はじめに>と<おわりに>です。
江部康二
☆☆☆☆☆
<はじめに>
1999年に、兄・江部洋一郎院長(当時)が高雄病院に初めて糖質制限食を導入しました。当初は半信半疑だった私も、2001年から糖尿病患者さんに積極的に実践して目覚ましい成果をあげ、その後は病院全体で研究を進めるようになりました。
そして4年間の実績をもとに『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』(東洋経済新報社、2005年)を上梓しました。幸い現在までに16版を重ねるロングセラーとなり、世に「糖質制限食」という言葉を認知させるきっかけになったと自負しております。
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』では、糖尿病治療を中心に執筆しました。このとき、すでに糖質制限食が肥満やメタボリックシンドロームにも有効だということはわかっていましたが、あえて糖尿病だけにしぼった内容としました。
肥満やメタボにも有効といった文言が追加されると読者に軽薄な印象を与える可能性があることや、いわゆるダイエット本と見なされるのは本意ではなかったからです。そのため、ベストセラーよりロングセラーを想定して比較的かたい内容とし、その意図は達成されたと思います。
2007年2月からは、ブログ「ドクター江部の糖尿病徒然日記」を開始して、糖質制限食について紹介したり、糖尿病についてのさまざまなご質問にお答えするようになりました。現在1日のアクセス数が7000〜8000件ということも、かなり糖質制限食の普及効果があったと思います。
そして本書では、糖質制限食が医学会にも世間にも少しずつ広がりつつある現状をふまえて、高雄病院の10年以上の経験、1400人以上の患者さんの治療実績をもとに、糖尿病以外のより幅広い疾患、生活習慣病についても解説しました。
糖質制限食は「変わった食事」というイメージを持たれがちですが、実は人類本来の自然な食事です。人類が誕生したのが約700万年前で、農耕が始まるまでは狩猟・採集を生業とし、すべての人類が糖質制限食を実践していました。農耕開始後1万年間だけが、主食が穀物(糖質)へと変化しました。
すなわち穀物を主食としたのは、人類の歴史のなかでわずか700分の1の期間にすぎないのです。糖質制限食と高糖質食、どちらが人類にとって自然な食事なのかは言うまでもありません。糖質制限食はいわば人類の健康食なので、糖尿病や肥満・メタボに限らず、さまざまな生活習慣病が改善するのも当たり前といえば当たり前なのです。
しかも糖質制限食は、主食を抜くだけで「おいしく楽しく」続けられるのが特長です。従来のカロリー制限食に比べれば、肉も魚も蒸留酒もOKでお腹いっぱい食べることができ、はるかにラクに実践できます。本書ではその効果と実践法をくわしく紹介します。
なお、執筆にあたっては個人情報を保護する配慮をしていますが、私のブログ記事のなかで公開OKをいただいた書き込みからの引用もあります。ブログ読者の皆さんにはこの場を借りて御礼申し上げます。
2011年11月 高雄病院理事長 江部康二
<おわりに>
2010年12月に「糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食」(ナツメ社)を上梓して、1年が経過しました。そしてこの1年間で糖質制限食に関する新しい知識がまた蓄積されました。
今回はとくにガンに関して、現状でできる限りの情報を集めそれを基に考察をしてみました。それが、第4章「糖質制限食とガン」です。まずエビデンスとなる質の高いレベルの文献を集めてみました。その結果、高インスリン血症・空腹時高血糖・食後高血糖が、それぞれ独立して発ガンのリスクとなることが明らかとなりました。
またガン細胞はブドウ糖しかエネルギー源に利用できないことは周知の事実です。そしてその理由として、ガン細胞のミトコンドリアは、酵素に不備があり正常細胞のようにケトン体や脂肪酸は利用できないことが文献で確認できました。ミトコンドリアとは細胞内のエネルギー生産装置です。
これらのエビデンスと事実を背景に糖質制限食とガンに関して、予防の可能性や治療の可能性に言及してみました。糖質制限食により発ガンリスクである高インスリン血症・空腹時高血糖・食後高血糖が全て改善します。あくまでも仮説の段階に過ぎない理論ですが、それなりの説得力はあると自負しています。
例えば、マウスの動物実験の段階ではありますが、糖質制限食により発ガン予防効果が確認されています。さらに、本文には間に合わず紹介できなかったのですが、ヒトにおいてケトン食でガンが消失したという文献を見つけました。ケトン食は本文でも紹介していますが、脂質摂取比率75~80%という究極の糖質制限食です。栄養と代謝という米国の医学雑誌に2010年、グリオブラストーマ(膠芽腫)が2ヶ月間の<放射線+化学療法+ケトン食>治療で消失したというイタリアの研究者の症例報告が掲載されています。(*)膠芽腫は脳腫瘍の中でも最も悪性度の高いガンで<放射線+化学療法>治療ではまず治りません。糖質制限食によるガン治療に一筋の光明が見えた気がします。
ついで糖質制限食による減量効果に関して大変興味深い事実が確認できました。食物を摂取すると食後1時間から数時間にわたり熱産生が増加し代謝が更新します。これを食物の特異動的作用(SDA)とよびます。摂取した糖質、脂質、タンパク質の化学エネルギーのうち、それぞれ約6%、4%、30%は熱として失われ、生体で利用することができません。SDAが30%と圧倒的に高いのがタンパク質です。従って高タンパク食である糖質制限食は通常食に比べれば、特異動的作用(SDA)の比率が大きくなりその分、減量効果があることになります。
もう一つ忘れてはならないことがあります。それは農耕以前の人類においては飢餓は日常的な出来事であり、体脂肪はそれに対する唯一のセーフティーネットであったというとです。この観点から、筋肉と脂肪細胞の糖輸送体4(GLUT4)の謎を解き明かしてみました。糖輸送体というのは細胞におけるブドウ糖取り込み装置です。GLUT4は14種ある糖輸送体のうち唯一インスリンに依存していて普段は細胞内に沈んでいていざという時だけ細胞表面に移動するという極めてユニークな存在で、知的興味は尽きません。
このように、糖質制限食の最新理論がわかりやすく解説してあるのが本書です。糖質制限食をすでに実践して本を読んでおられる方にも充分読み応えがあると思います。また初めて糖質制限食に接する読者においても、系統的にオールラウンドな知識を学ぶことができる本となっていますので、是非ご一読いただけば幸いです。
最後になりましたが、本書の新しい糖質制限食理論構築において、適切なアドバイスで援助して頂いた、京都府立医科大学大学院 総合医療・医学教育学教室 助教 森 浩子先生に深謝いたします。
(*)
Giulio Zuccoli et all:Metabolic management of glioblastoma multiforme using standard therapy
together with a restricted ketogenic diet: Case Report.Nutrition & Metabolism 2010, 7:33
2011年11月 高雄病院理事長 江部康二
2011年11月16日 (水)
こんにちは。
酔た宏 さんから、「14年来のコントロール不良糖尿病が糖質制限食で改善、インスリンも不要に」という大変嬉しいコメントをいただきました。
【11/11/15 酔た宏
はじめまして 江部先生
糖尿生活約14年の間どんなに運動しても改善しなかったヘモグロビンÅ1cが、先生のブログとの出会いによりわずか半年の間にヘモグロビンA1cが8.2より5.8にまで改善することができました。インスリン注射も糖質制限食のまねごとを実践したおかげで、開始後1ヶ月以内には10単位の注射もしないですむようになりました。
本当に先生のおかげです。
先生の出版本もアマゾンにてほとんど購入しました。
この本を参考にこれからも糖尿ライフを満喫したいと思います。
パソコンが苦手な上に言葉足らずですが感謝の気持ちでいっぱいです。
今後もご健勝で医学会にて活躍されますこと心よりお願い申し上げます。
本当にありがとうございました。
失礼します。】
酔た宏 さん。
私の本を、たくさんご購入いただき、ありがとうございました。m(_ _)mV
糖尿人として14年間、運動療法をしても改善しなかったHbA1cが、半年間の糖質制限食で、8.2%→5.8%。
素晴らしい改善ですね。(^^)
きっと上手に糖質制限食を実践しておられるのでしょう。
またインスリン10単位注射しておられたのが、開始後1ヶ月以内に必要なくなって、中止できたというのもとても良かったです。(^-^)v(^-^)v
インスリン注射なしの糖尿人ライフは、生活の質という面では随分楽ですよね。
自分自身のインスリン分泌能力があるていど、残存しているときは、このように、糖質制限食実践でインスリン注射から離脱できる場合があります。
ただ内因性インスリンがあまり残っていない場合は、糖質制限食実践でインスリンの量は1/3以下に減量できますが、離脱は困難と思います。
180mg/dlを超える高血糖にさらされると、膵臓のβ細胞がダメージを受けて、長引けば徐々に死滅していきます。
このことを考慮すれば、糖尿人はできるだけ早い時期から糖質制限食を実践して、自分のβ細胞を食後高血糖から守ることが大切です。
酔た宏さんは、14年間の罹病期間でしたが、幸い内因性インスリン分泌能力が一定以上残っていたと考えられ、
ラッキーでした。
これからも美味しく楽しく末長く糖質制限食を続けられて、β細胞を守ってくださいね。
江部康二
酔た宏 さんから、「14年来のコントロール不良糖尿病が糖質制限食で改善、インスリンも不要に」という大変嬉しいコメントをいただきました。
【11/11/15 酔た宏
はじめまして 江部先生
糖尿生活約14年の間どんなに運動しても改善しなかったヘモグロビンÅ1cが、先生のブログとの出会いによりわずか半年の間にヘモグロビンA1cが8.2より5.8にまで改善することができました。インスリン注射も糖質制限食のまねごとを実践したおかげで、開始後1ヶ月以内には10単位の注射もしないですむようになりました。
本当に先生のおかげです。
先生の出版本もアマゾンにてほとんど購入しました。
この本を参考にこれからも糖尿ライフを満喫したいと思います。
パソコンが苦手な上に言葉足らずですが感謝の気持ちでいっぱいです。
今後もご健勝で医学会にて活躍されますこと心よりお願い申し上げます。
本当にありがとうございました。
失礼します。】
酔た宏 さん。
私の本を、たくさんご購入いただき、ありがとうございました。m(_ _)mV
糖尿人として14年間、運動療法をしても改善しなかったHbA1cが、半年間の糖質制限食で、8.2%→5.8%。
素晴らしい改善ですね。(^^)
きっと上手に糖質制限食を実践しておられるのでしょう。
またインスリン10単位注射しておられたのが、開始後1ヶ月以内に必要なくなって、中止できたというのもとても良かったです。(^-^)v(^-^)v
インスリン注射なしの糖尿人ライフは、生活の質という面では随分楽ですよね。
自分自身のインスリン分泌能力があるていど、残存しているときは、このように、糖質制限食実践でインスリン注射から離脱できる場合があります。
ただ内因性インスリンがあまり残っていない場合は、糖質制限食実践でインスリンの量は1/3以下に減量できますが、離脱は困難と思います。
180mg/dlを超える高血糖にさらされると、膵臓のβ細胞がダメージを受けて、長引けば徐々に死滅していきます。
このことを考慮すれば、糖尿人はできるだけ早い時期から糖質制限食を実践して、自分のβ細胞を食後高血糖から守ることが大切です。
酔た宏さんは、14年間の罹病期間でしたが、幸い内因性インスリン分泌能力が一定以上残っていたと考えられ、
ラッキーでした。
これからも美味しく楽しく末長く糖質制限食を続けられて、β細胞を守ってくださいね。
江部康二
2011年11月15日 (火)
こんばんは。
2011年11月14日、毎日新聞ウェブサイトに、世界の糖尿病患者が3億人を突破という記事が掲載されました。
2010年11月14日の「世界糖尿病デー」では、糖尿病人口は3億4400万人とされていたのが、2011年は3億6600万人とさらに増加です。
中国がインドを抜いて、初の1位となりました。
中国の糖尿病有病数は9240万人。
世界で糖尿病有病数がもっとも多いとされていたインドが5080万人。
中国の人口は13億4575万人で世界1位です。
インドの人口は11億9800万人で世界2位です。
世界糖尿病デーが11月14日です。
拡大を続ける糖尿病の脅威を踏まえ、2006年12月20日、国連は国連総会義で、IDFが要請してきた「糖尿病の全世界的脅威を認知する決議」を加盟192カ国の全会一致で可決しました。
同時に、従来、国際糖尿病連合(IDF)ならびに世界保健機関(WHO)が定めていた11月14日を「世界糖尿病デー」として指定しました。
IDFは決議に先駆け、”Unite for Diabetes”(糖尿病との闘いのため団結せよ)というキャッチフレーズと、国連や空を表す「ブルー」と、団結を表す「輪」を使用したシンボルマークを採用。全世界での糖尿病抑制に向けたキャンペーンを推進しています。
WHOもIDFもいろいろ努力はしているようですが、世界の糖尿人急増に一向に歯止めがかかりません。
これは、「糖質の過剰摂取(とくに精製炭水化物や嗜好飲料)が糖尿病発症の元凶」という本質を、WHOもIDFも知ってか知らずか、無視しているので、まあ宜なるかなです。
地域別では、中国や日本を含む西太平洋地区での増加が顕著です。
WHO西太平洋地域事務所(WHO WPRO)がカバーする国と地域は、カンボジア、ラオス、ベトナム、モンゴル、中国、香港、韓国、日本、フィリピン、オーストラリア、ニュージーランド、フィジー、サモア、ソロモン、バヌアツ、パプアニューギニアなどの太平洋諸国含めて37です。
西太平洋地区議長の清野裕・関西電力病院長は
「安価でカロリーの高い食べ物が広がり、途上国で糖尿病が急増している。バランスの良い食事や運動の大切さを伝えることが必要だ」
と述べておられます。
炭水化物(糖質)は、タンパク質や脂質に比べれば、圧倒的に安価です。
グラムあたりのカロリーは脂質よりは少ないですが、貧しい国々では総摂取カロリーのほとんどを安価な炭水化物が占めています。
肉や魚は、高脂質・高タンパクで高価なので、貧しい国々ではあまり食べることはできません。
安価で高カロリーなら、揚げパンや菓子パンやポテトチップなどでしょうか。
いずれにせよ、
「糖質の過剰摂取(とくに精製炭水化物や嗜好飲料)が糖尿病発症の元凶」
という本質をおさえなければ、これからも糖尿人は途上国や先進国の貧困層を中心に世界中で増え続けていくでしょう。
江部康二
☆☆☆☆☆
以下毎日新聞のウェブサイトから転載
『<糖尿病>患者が急増…世界で3億人突破
毎日新聞 11月14日(月)19時9分配信
現在の世界の糖尿病患者が3億人を突破したことが14日、国際糖尿病連合(IDF、本部・ブリュッセル)の調査でわかった。国別では初めて中国が1位となるなど、アジアでの患者増が目立つ。30年には5億5200万人に達するという。
推計によると、11年の患者数は3億6600万人。前回(10年時点)の2億8460万人に比べ約30%増え、患者の急増に歯止めがかかっていないことが浮き彫りになった。
国別では、2位だった中国が9000万人に達し、インドを抜いて1位になった。日本は6位の1070万人で8位より悪化した。30年時点では、中国(1億2970万人)、インド(1億120万人)、米国(2960万人)が上位を占める。日本は人口減が影響し、10位以内に入っていない。
地域別では、中国や日本を含む西太平洋地区での増加が顕著で、糖尿病の合併症による死者が11年の同地区の総死者数の15%を占めた。同地区議長の清野(せいの)裕・関西電力病院長は「安価でカロリーの高い食べ物が広がり、途上国で急増している。バランスの良い食事や運動の大切さを伝えることが必要だ」と話す。【永山悦子】
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111114-00000048-mai-soci』
2011年11月14日、毎日新聞ウェブサイトに、世界の糖尿病患者が3億人を突破という記事が掲載されました。
2010年11月14日の「世界糖尿病デー」では、糖尿病人口は3億4400万人とされていたのが、2011年は3億6600万人とさらに増加です。
中国がインドを抜いて、初の1位となりました。
中国の糖尿病有病数は9240万人。
世界で糖尿病有病数がもっとも多いとされていたインドが5080万人。
中国の人口は13億4575万人で世界1位です。
インドの人口は11億9800万人で世界2位です。
世界糖尿病デーが11月14日です。
拡大を続ける糖尿病の脅威を踏まえ、2006年12月20日、国連は国連総会義で、IDFが要請してきた「糖尿病の全世界的脅威を認知する決議」を加盟192カ国の全会一致で可決しました。
同時に、従来、国際糖尿病連合(IDF)ならびに世界保健機関(WHO)が定めていた11月14日を「世界糖尿病デー」として指定しました。
IDFは決議に先駆け、”Unite for Diabetes”(糖尿病との闘いのため団結せよ)というキャッチフレーズと、国連や空を表す「ブルー」と、団結を表す「輪」を使用したシンボルマークを採用。全世界での糖尿病抑制に向けたキャンペーンを推進しています。
WHOもIDFもいろいろ努力はしているようですが、世界の糖尿人急増に一向に歯止めがかかりません。
これは、「糖質の過剰摂取(とくに精製炭水化物や嗜好飲料)が糖尿病発症の元凶」という本質を、WHOもIDFも知ってか知らずか、無視しているので、まあ宜なるかなです。
地域別では、中国や日本を含む西太平洋地区での増加が顕著です。
WHO西太平洋地域事務所(WHO WPRO)がカバーする国と地域は、カンボジア、ラオス、ベトナム、モンゴル、中国、香港、韓国、日本、フィリピン、オーストラリア、ニュージーランド、フィジー、サモア、ソロモン、バヌアツ、パプアニューギニアなどの太平洋諸国含めて37です。
西太平洋地区議長の清野裕・関西電力病院長は
「安価でカロリーの高い食べ物が広がり、途上国で糖尿病が急増している。バランスの良い食事や運動の大切さを伝えることが必要だ」
と述べておられます。
炭水化物(糖質)は、タンパク質や脂質に比べれば、圧倒的に安価です。
グラムあたりのカロリーは脂質よりは少ないですが、貧しい国々では総摂取カロリーのほとんどを安価な炭水化物が占めています。
肉や魚は、高脂質・高タンパクで高価なので、貧しい国々ではあまり食べることはできません。
安価で高カロリーなら、揚げパンや菓子パンやポテトチップなどでしょうか。
いずれにせよ、
「糖質の過剰摂取(とくに精製炭水化物や嗜好飲料)が糖尿病発症の元凶」
という本質をおさえなければ、これからも糖尿人は途上国や先進国の貧困層を中心に世界中で増え続けていくでしょう。
江部康二
☆☆☆☆☆
以下毎日新聞のウェブサイトから転載
『<糖尿病>患者が急増…世界で3億人突破
毎日新聞 11月14日(月)19時9分配信
現在の世界の糖尿病患者が3億人を突破したことが14日、国際糖尿病連合(IDF、本部・ブリュッセル)の調査でわかった。国別では初めて中国が1位となるなど、アジアでの患者増が目立つ。30年には5億5200万人に達するという。
推計によると、11年の患者数は3億6600万人。前回(10年時点)の2億8460万人に比べ約30%増え、患者の急増に歯止めがかかっていないことが浮き彫りになった。
国別では、2位だった中国が9000万人に達し、インドを抜いて1位になった。日本は6位の1070万人で8位より悪化した。30年時点では、中国(1億2970万人)、インド(1億120万人)、米国(2960万人)が上位を占める。日本は人口減が影響し、10位以内に入っていない。
地域別では、中国や日本を含む西太平洋地区での増加が顕著で、糖尿病の合併症による死者が11年の同地区の総死者数の15%を占めた。同地区議長の清野(せいの)裕・関西電力病院長は「安価でカロリーの高い食べ物が広がり、途上国で急増している。バランスの良い食事や運動の大切さを伝えることが必要だ」と話す。【永山悦子】
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111114-00000048-mai-soci』
2011年11月14日 (月)
こんにちは。
『主食を抜けば糖尿病は良くなる! 糖質制限食レシピ集』(東洋経済新報社)
好評発売中です。
おかげさまで、順調な売れ行きです。(^^)

amazonでも書店でも購入できますのでよろしくお願い申し上げます。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4492044442/ref=pd_lpo_k2_dp_sr_1?pf_rd_p=466449256&pf_rd_s=lpo-top-stripe&pf_rd_t=201&pf_rd_i=4492042962&pf_rd_m=AN1VRQENFRJN5&pf_rd_r=1ZFTQB55MDEKRGTJQW45
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』(東洋経済新報社)は、2005年に刊行して以後、
おかげさまで17版を重ねるロングセラーとなっております。
そのレシピ本を今回、満を持して出版いたしました。
今回のレシピ本は、「長続きできる糖質制限食」ということに力点を置いてあります。
“家庭料理のプロ”である壷林先生にご協力いただき、普通の食材で簡単に作れて、
しかも美味しい糖質制限メニューが満載です。
代替主食や、ボリュームアップの方法など、長続きのための知恵がたっぷりで、
献立の立て方なども丁寧に解説してあります。
外食の知恵、コンビニ活用法などお役立ちコラム、Q&Aも充実しています。
大判サイズで読みやすい本です。
理論・料理とも出色の糖質制限食レシピ本になったと自負しております。
『主食を抜けば糖尿病は良くなる! 糖質制限食レシピ集』
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』
共々、よろしくお願い申しあげます。
2011年11月27日(日)紀伊国屋梅田本店主催で
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!糖質制限食レシピ集』刊行記念講演会in大阪
を開催いたします。
・後援:東洋経済新報社
・協賛:サラヤ株式会社
です。
サラヤさんに協賛していただきましたので、聴講料¥1000-と、ぐっと割安におさえることができました。 (^^)
最新の糖質制限食の理論と実践法をわかりやすく解説します。
定員は先着100名様までですので、お早めにお申し込みください。
江部康二
☆☆☆☆☆
・開催日時:11/27(日) 13:30-16:00
・会場:阪急グランドビル26F 5号、6号会議室 (定員100名)
http://www.hhbm.hankyu-hanshin.co.jp/meeting/grand/access.html
大阪市北区角田町8-47 TEL:06-6315-8368
・講演会名:江部康二『主食を抜けば糖尿病は良くなる!糖質制限レシピ集』刊行記念講演会
~『今、話題の「糖質制限食」を第一人者の江部康二氏が基礎、臨床からやさしく語る』~
・スケジュール
13:30開場
14:00~15:00 講演会
15:00~15:30 質疑応答
15:30~16:00 サイン会
・聴講料¥1,000.-(紀伊國屋書店梅田本店にてチケット販売)
・定員 :100名
・後援:東洋経済新報社
・協賛:サラヤ株式会社
<申込方法>
受付方法→チケット購入方式
①申込先 :紀伊國屋書店梅田本店 電話:06-6372-5821
http://www.kinokuniya.co.jp/store/Umeda-Main-Store/shopinfo.html
②申込方法 :1.直接ご来店の上、店頭3番カウンター(新刊売場)にてチケット購入
2.電話で申込予約の上、事前にチケットを3番カウンターで購入いただく
②チケット購入場所:紀伊國屋書店梅田本店店頭(3番カウンター)のみ
・書店主催の講演会のため、書店からの依頼によりサイン会を行います。
新刊の『主食を抜けば糖尿病は良くなる! 糖質制限食レシピ集 』(東洋経済新報社刊、税込1,680円)
が対象となります。
ご希望の方は本をご持参ください。当日会場でも販売いたします。
<注意事項>
※講演開始5分前には会場への入場をお願い致します。
※半券は切らずにお持ちください。当日回収いたします。
『主食を抜けば糖尿病は良くなる! 糖質制限食レシピ集』(東洋経済新報社)
好評発売中です。
おかげさまで、順調な売れ行きです。(^^)

amazonでも書店でも購入できますのでよろしくお願い申し上げます。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4492044442/ref=pd_lpo_k2_dp_sr_1?pf_rd_p=466449256&pf_rd_s=lpo-top-stripe&pf_rd_t=201&pf_rd_i=4492042962&pf_rd_m=AN1VRQENFRJN5&pf_rd_r=1ZFTQB55MDEKRGTJQW45
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』(東洋経済新報社)は、2005年に刊行して以後、
おかげさまで17版を重ねるロングセラーとなっております。
そのレシピ本を今回、満を持して出版いたしました。
今回のレシピ本は、「長続きできる糖質制限食」ということに力点を置いてあります。
“家庭料理のプロ”である壷林先生にご協力いただき、普通の食材で簡単に作れて、
しかも美味しい糖質制限メニューが満載です。
代替主食や、ボリュームアップの方法など、長続きのための知恵がたっぷりで、
献立の立て方なども丁寧に解説してあります。
外食の知恵、コンビニ活用法などお役立ちコラム、Q&Aも充実しています。
大判サイズで読みやすい本です。
理論・料理とも出色の糖質制限食レシピ本になったと自負しております。
『主食を抜けば糖尿病は良くなる! 糖質制限食レシピ集』
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』
共々、よろしくお願い申しあげます。
2011年11月27日(日)紀伊国屋梅田本店主催で
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!糖質制限食レシピ集』刊行記念講演会in大阪
を開催いたします。
・後援:東洋経済新報社
・協賛:サラヤ株式会社
です。
サラヤさんに協賛していただきましたので、聴講料¥1000-と、ぐっと割安におさえることができました。 (^^)
最新の糖質制限食の理論と実践法をわかりやすく解説します。
定員は先着100名様までですので、お早めにお申し込みください。
江部康二
☆☆☆☆☆
・開催日時:11/27(日) 13:30-16:00
・会場:阪急グランドビル26F 5号、6号会議室 (定員100名)
http://www.hhbm.hankyu-hanshin.co.jp/meeting/grand/access.html
大阪市北区角田町8-47 TEL:06-6315-8368
・講演会名:江部康二『主食を抜けば糖尿病は良くなる!糖質制限レシピ集』刊行記念講演会
~『今、話題の「糖質制限食」を第一人者の江部康二氏が基礎、臨床からやさしく語る』~
・スケジュール
13:30開場
14:00~15:00 講演会
15:00~15:30 質疑応答
15:30~16:00 サイン会
・聴講料¥1,000.-(紀伊國屋書店梅田本店にてチケット販売)
・定員 :100名
・後援:東洋経済新報社
・協賛:サラヤ株式会社
<申込方法>
受付方法→チケット購入方式
①申込先 :紀伊國屋書店梅田本店 電話:06-6372-5821
http://www.kinokuniya.co.jp/store/Umeda-Main-Store/shopinfo.html
②申込方法 :1.直接ご来店の上、店頭3番カウンター(新刊売場)にてチケット購入
2.電話で申込予約の上、事前にチケットを3番カウンターで購入いただく
②チケット購入場所:紀伊國屋書店梅田本店店頭(3番カウンター)のみ
・書店主催の講演会のため、書店からの依頼によりサイン会を行います。
新刊の『主食を抜けば糖尿病は良くなる! 糖質制限食レシピ集 』(東洋経済新報社刊、税込1,680円)
が対象となります。
ご希望の方は本をご持参ください。当日会場でも販売いたします。
<注意事項>
※講演開始5分前には会場への入場をお願い致します。
※半券は切らずにお持ちください。当日回収いたします。
2011年11月13日 (日)
こんばんは。
11月12日(土)は江部診療所の外来が終わった後、藤沢市まで行ってきました。
第17回湘南脳卒中研究会にお招きいただき、
「糖質制限食 基礎と臨床」
と題してお話ししました。
約30名の医師が集まっておられ、質問も相次いで、とても有意義な会でした。
脳卒中で救急外来に運ばれる患者さんを、75g経口ブドウ糖負荷試験で調べてみると、実に2/3の人に耐糖能異常が認められたとのことでした。
それで脳卒中研究会世話人の森貴久先生が「糖尿病と糖質制限食」について興味をもたれ、私に辿り着いたとのことでした。
森先生は、京大医学部昭和61年卒業で、私が昭和49年卒業ですから、後輩・先輩の間柄でしたので、何となく親近感が湧いて嬉しくなりました。
講演に先立って、アンケート調査が行われていました。
その結果、カーボカウンティング(糖質管理食)を知っている医師が30%だったのに対して糖質制限食は60%の医師が少なくともその名称をご存知だったとのことで、良い意味で想定範囲外で、嬉しい限りでした。
このことろ、週刊現代、週刊文春、文藝春秋、JAF Mate、に立て続けに糖質制限食に好意的な記事が掲載されました。 (^_^)
あの週刊新潮(11月10日号)の品のない記事も、糖質制限食の認知度アップにはかなり貢献していただいたような気がします。 (∵)?
医学界においても、糖質制限食の認知度は確実にアップしています。
湘南脳卒中研究会の世話人の
湘南鎌倉総合病院 脳卒中センター脳卒中診療科部長 森貴久 先生
鶴巻温泉病院 今西剛史 先生
湘南記念病院院長 井上俊夫 先生
章平クリニック院長 湯浅章平 先生
さくだ脳神経外科クリニック 院長 作田和茂先生
とよた医院院長 豊田悟先生
湘南脳卒中研究会にお招きいただいてありがとうございます。
おかげさまで多くのドクターに糖質制限食のお話しをすることができました。
この場を借りて御礼申し上げます。
江部康二
11月12日(土)は江部診療所の外来が終わった後、藤沢市まで行ってきました。
第17回湘南脳卒中研究会にお招きいただき、
「糖質制限食 基礎と臨床」
と題してお話ししました。
約30名の医師が集まっておられ、質問も相次いで、とても有意義な会でした。
脳卒中で救急外来に運ばれる患者さんを、75g経口ブドウ糖負荷試験で調べてみると、実に2/3の人に耐糖能異常が認められたとのことでした。
それで脳卒中研究会世話人の森貴久先生が「糖尿病と糖質制限食」について興味をもたれ、私に辿り着いたとのことでした。
森先生は、京大医学部昭和61年卒業で、私が昭和49年卒業ですから、後輩・先輩の間柄でしたので、何となく親近感が湧いて嬉しくなりました。
講演に先立って、アンケート調査が行われていました。
その結果、カーボカウンティング(糖質管理食)を知っている医師が30%だったのに対して糖質制限食は60%の医師が少なくともその名称をご存知だったとのことで、良い意味で想定範囲外で、嬉しい限りでした。
このことろ、週刊現代、週刊文春、文藝春秋、JAF Mate、に立て続けに糖質制限食に好意的な記事が掲載されました。 (^_^)
あの週刊新潮(11月10日号)の品のない記事も、糖質制限食の認知度アップにはかなり貢献していただいたような気がします。 (∵)?
医学界においても、糖質制限食の認知度は確実にアップしています。
湘南脳卒中研究会の世話人の
湘南鎌倉総合病院 脳卒中センター脳卒中診療科部長 森貴久 先生
鶴巻温泉病院 今西剛史 先生
湘南記念病院院長 井上俊夫 先生
章平クリニック院長 湯浅章平 先生
さくだ脳神経外科クリニック 院長 作田和茂先生
とよた医院院長 豊田悟先生
湘南脳卒中研究会にお招きいただいてありがとうございます。
おかげさまで多くのドクターに糖質制限食のお話しをすることができました。
この場を借りて御礼申し上げます。
江部康二
2011年11月11日 (金)
こんばんは。
少し修正です。
2011年8月23日(火)朝日カルチャー・大阪・中之島教室にて糖質制限食のお話しをしました。
おかげさまで満員御礼となりましたが、一般¥2835-とやや高めの受講料でした。
今回は2011年11月27日(日)紀伊国屋梅田本店主催で
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!糖質制限食レシピ集』刊行記念講演会in大阪
を開催いたします。
・後援:東洋経済新報社
・協賛:サラヤ株式会社
です。
サラヤさんに協賛していただきましたので、聴講料¥1000-と、ぐっと割安におさえることができました。 (^^)
最新の糖質制限食の理論と実践法をわかりやすく解説します。
定員は先着100名様までですので、お早めにお申し込みください。
江部康二
☆☆☆☆☆
・開催日時:11/27(日) 13:30-16:00
・会場:阪急グランドビル26F 5号、6号会議室 (定員100名)
http://www.hhbm.hankyu-hanshin.co.jp/meeting/grand/access.html
大阪市北区角田町8-47 TEL:06-6315-8368
・講演会名:江部康二『主食を抜けば糖尿病は良くなる!糖質制限レシピ集』刊行記念講演会
~『今、話題の「糖質制限食」を第一人者の江部康二氏が基礎、臨床からやさしく語る』~
・スケジュール
13:30開場
14:00~15:00 講演会
15:00~15:30 質疑応答
15:30~16:00 サイン会
・聴講料¥1,000.-(紀伊國屋書店梅田本店にてチケット販売)
・定員 :100名
・告知方法:①江部先生ブログ ドクター江部の糖尿病徒然日記
②紀伊國屋書店梅田本店内にポスター掲出
③紀伊國屋書店ホームページ
http://www.kinokuniya.co.jp/store/Umeda-Main-Store/20111111090000.html
・後援:東洋経済新報社
・協賛:サラヤ株式会社
<申込方法>
受付方法→チケット購入方式
①申込先 :紀伊國屋書店梅田本店 電話:06-6372-5821
http://www.kinokuniya.co.jp/store/Umeda-Main-Store/shopinfo.html
②申込方法 :1.直接ご来店の上、店頭3番カウンター(新刊売場)にてチケット購入
2.電話で申込予約の上、事前にチケットを3番カウンターで購入いただく
②チケット購入場所:紀伊國屋書店梅田本店店頭(3番カウンター)のみ
・書店主催の講演会のため、書店からの依頼によりサイン会を行います。
新刊の『主食を抜けば糖尿病は良くなる! 糖質制限食レシピ集 』(東洋経済新報社刊、税込1,680円)
が対象となります。
ご希望の方は本をご持参ください。当日会場でも販売いたします。
<注意事項>
※講演開始5分前には会場への入場をお願い致します。
※半券は切らずにお持ちください。当日回収いたします。
少し修正です。
2011年8月23日(火)朝日カルチャー・大阪・中之島教室にて糖質制限食のお話しをしました。
おかげさまで満員御礼となりましたが、一般¥2835-とやや高めの受講料でした。
今回は2011年11月27日(日)紀伊国屋梅田本店主催で
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!糖質制限食レシピ集』刊行記念講演会in大阪
を開催いたします。
・後援:東洋経済新報社
・協賛:サラヤ株式会社
です。
サラヤさんに協賛していただきましたので、聴講料¥1000-と、ぐっと割安におさえることができました。 (^^)
最新の糖質制限食の理論と実践法をわかりやすく解説します。
定員は先着100名様までですので、お早めにお申し込みください。
江部康二
☆☆☆☆☆
・開催日時:11/27(日) 13:30-16:00
・会場:阪急グランドビル26F 5号、6号会議室 (定員100名)
http://www.hhbm.hankyu-hanshin.co.jp/meeting/grand/access.html
大阪市北区角田町8-47 TEL:06-6315-8368
・講演会名:江部康二『主食を抜けば糖尿病は良くなる!糖質制限レシピ集』刊行記念講演会
~『今、話題の「糖質制限食」を第一人者の江部康二氏が基礎、臨床からやさしく語る』~
・スケジュール
13:30開場
14:00~15:00 講演会
15:00~15:30 質疑応答
15:30~16:00 サイン会
・聴講料¥1,000.-(紀伊國屋書店梅田本店にてチケット販売)
・定員 :100名
・告知方法:①江部先生ブログ ドクター江部の糖尿病徒然日記
②紀伊國屋書店梅田本店内にポスター掲出
③紀伊國屋書店ホームページ
http://www.kinokuniya.co.jp/store/Umeda-Main-Store/20111111090000.html
・後援:東洋経済新報社
・協賛:サラヤ株式会社
<申込方法>
受付方法→チケット購入方式
①申込先 :紀伊國屋書店梅田本店 電話:06-6372-5821
http://www.kinokuniya.co.jp/store/Umeda-Main-Store/shopinfo.html
②申込方法 :1.直接ご来店の上、店頭3番カウンター(新刊売場)にてチケット購入
2.電話で申込予約の上、事前にチケットを3番カウンターで購入いただく
②チケット購入場所:紀伊國屋書店梅田本店店頭(3番カウンター)のみ
・書店主催の講演会のため、書店からの依頼によりサイン会を行います。
新刊の『主食を抜けば糖尿病は良くなる! 糖質制限食レシピ集 』(東洋経済新報社刊、税込1,680円)
が対象となります。
ご希望の方は本をご持参ください。当日会場でも販売いたします。
<注意事項>
※講演開始5分前には会場への入場をお願い致します。
※半券は切らずにお持ちください。当日回収いたします。
2011年11月10日 (木)
おはようございます。
新刊「主食をやめると健康になる」
アマゾンで好評予約中でしたが、11月11日(金)いよいよ発売です。
主食をやめると健康になる ー 糖質制限食で体質が変わる!(ダイヤモンド社)

「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」2005年(東洋経済新報社)
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」2008年(東洋経済新報社)
「我ら糖尿人、元気なのには理由がある。」2009年(東洋経済新報社)
「糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食」2010年(ナツメ社)
に続いて、最新糖質制限食理論の充実と、
糖尿病以外の生活習慣病やガンについての考察が加わった本となりました。
豊富な症例も提示しています。
レシピ本ではなく、理論・疫学・臨床・・・の本です。
下記URLからアマゾンの本書の場所に飛べます。
http://p.tl/Io4o
私のブログ記事のなかで、公開OKをいただいた書き込みからの引用もあります。
ブログ読者の皆さんには、この場を借りて御礼申し上げます。
以下は、主食をやめると健康になる ー 糖質制限食で体質が変わる!(ダイヤモンド社)
の、<はじめに>と<おわりに>です。
<はじめに>
1999年に、兄・江部洋一郎院長(当時)が高雄病院に初めて糖質制限食を導入しました。当初は半信半疑だった私も、2001年から糖尿病患者さんに積極的に実践して目覚ましい成果をあげ、その後は病院全体で研究を進めるようになりました。
そして4年間の実績をもとに『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』(東洋経済新報社、2005年)を上梓しました。幸い現在までに16版を重ねるロングセラーとなり、世に「糖質制限食」という言葉を認知させるきっかけになったと自負しております。
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』では、糖尿病治療を中心に執筆しました。このとき、すでに糖質制限食が肥満やメタボリックシンドロームにも有効だということはわかっていましたが、あえて糖尿病だけにしぼった内容としました。
肥満やメタボにも有効といった文言が追加されると読者に軽薄な印象を与える可能性があることや、いわゆるダイエット本と見なされるのは本意ではなかったからです。そのため、ベストセラーよりロングセラーを想定して比較的かたい内容とし、その意図は達成されたと思います。
2007年2月からは、ブログ「ドクター江部の糖尿病徒然日記」を開始して、糖質制限食について紹介したり、糖尿病についてのさまざまなご質問にお答えするようになりました。現在1日のアクセス数が7000〜8000件ということも、かなり糖質制限食の普及効果があったと思います。
そして本書では、糖質制限食が医学会にも世間にも少しずつ広がりつつある現状をふまえて、高雄病院の10年以上の経験、1400人以上の患者さんの治療実績をもとに、糖尿病以外のより幅広い疾患、生活習慣病についても解説しました。
糖質制限食は「変わった食事」というイメージを持たれがちですが、実は人類本来の自然な食事です。人類が誕生したのが約700万年前で、農耕が始まるまでは狩猟・採集を生業とし、すべての人類が糖質制限食を実践していました。農耕開始後1万年間だけが、主食が穀物(糖質)へと変化しました。
すなわち穀物を主食としたのは、人類の歴史のなかでわずか700分の1の期間にすぎないのです。糖質制限食と高糖質食、どちらが人類にとって自然な食事なのかは言うまでもありません。糖質制限食はいわば人類の健康食なので、糖尿病や肥満・メタボに限らず、さまざまな生活習慣病が改善するのも当たり前といえば当たり前なのです。
しかも糖質制限食は、主食を抜くだけで「おいしく楽しく」続けられるのが特長です。従来のカロリー制限食に比べれば、肉も魚も蒸留酒もOKでお腹いっぱい食べることができ、はるかにラクに実践できます。本書ではその効果と実践法をくわしく紹介します。
なお、執筆にあたっては個人情報を保護する配慮をしていますが、私のブログ記事のなかで公開OKをいただいた書き込みからの引用もあります。ブログ読者の皆さんにはこの場を借りて御礼申し上げます。
2011年11月 高雄病院理事長 江部康二
<おわりに>
2010年12月に「糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食」(ナツメ社)を上梓して、1年が経過しました。そしてこの1年間で糖質制限食に関する新しい知識がまた蓄積されました。
今回はとくにガンに関して、現状でできる限りの情報を集めそれを基に考察をしてみました。それが、第4章「糖質制限食とガン」です。まずエビデンスとなる質の高いレベルの文献を集めてみました。その結果、高インスリン血症・空腹時高血糖・食後高血糖が、それぞれ独立して発ガンのリスクとなることが明らかとなりました。
またガン細胞はブドウ糖しかエネルギー源に利用できないことは周知の事実です。そしてその理由として、ガン細胞のミトコンドリアは、酵素に不備があり正常細胞のようにケトン体や脂肪酸は利用できないことが文献で確認できました。ミトコンドリアとは細胞内のエネルギー生産装置です。
これらのエビデンスと事実を背景に糖質制限食とガンに関して、予防の可能性や治療の可能性に言及してみました。糖質制限食により発ガンリスクである高インスリン血症・空腹時高血糖・食後高血糖が全て改善します。あくまでも仮説の段階に過ぎない理論ですが、それなりの説得力はあると自負しています。
例えば、マウスの動物実験の段階ではありますが、糖質制限食により発ガン予防効果が確認されています。さらに、本文には間に合わず紹介できなかったのですが、ヒトにおいてケトン食でガンが消失したという文献を見つけました。ケトン食は本文でも紹介していますが、脂質摂取比率75~80%という究極の糖質制限食です。栄養と代謝という米国の医学雑誌に2010年、グリオブラストーマ(膠芽腫)が2ヶ月間の<放射線+化学療法+ケトン食>治療で消失したというイタリアの研究者の症例報告が掲載されています。(*)膠芽腫は脳腫瘍の中でも最も悪性度の高いガンで<放射線+化学療法>治療ではまず治りません。糖質制限食によるガン治療に一筋の光明が見えた気がします。
ついで糖質制限食による減量効果に関して大変興味深い事実が確認できました。食物を摂取すると食後1時間から数時間にわたり熱産生が増加し代謝が更新します。これを食物の特異動的作用(SDA)とよびます。摂取した糖質、脂質、タンパク質の化学エネルギーのうち、それぞれ約6%、4%、30%は熱として失われ、生体で利用することができません。SDAが30%と圧倒的に高いのがタンパク質です。従って高タンパク食である糖質制限食は通常食に比べれば、特異動的作用(SDA)の比率が大きくなりその分、減量効果があることになります。
もう一つ忘れてはならないことがあります。それは農耕以前の人類においては飢餓は日常的な出来事であり、体脂肪はそれに対する唯一のセーフティーネットであったというとです。この観点から、筋肉と脂肪細胞の糖輸送体4(GLUT4)の謎を解き明かしてみました。糖輸送体というのは細胞におけるブドウ糖取り込み装置です。GLUT4は14種ある糖輸送体のうち唯一インスリンに依存していて普段は細胞内に沈んでいていざという時だけ細胞表面に移動するという極めてユニークな存在で、知的興味は尽きません。
このように、糖質制限食の最新理論がわかりやすく解説してあるのが本書です。糖質制限食をすでに実践して本を読んでおられる方にも充分読み応えがあると思います。また初めて糖質制限食に接する読者においても、系統的にオールラウンドな知識を学ぶことができる本となっていますので、是非ご一読いただけば幸いです。
最後になりましたが、本書の新しい糖質制限食理論構築において、適切なアドバイスで援助して頂いた、京都府立医科大学大学院 総合医療・医学教育学教室 助教 森 浩子先生に深謝いたします。
(*)
Giulio Zuccoli et all:Metabolic management of glioblastoma multiforme using standard therapy
together with a restricted ketogenic diet: Case Report.Nutrition & Metabolism 2010, 7:33
2011年11月 高雄病院理事長 江部康二
新刊「主食をやめると健康になる」
アマゾンで好評予約中でしたが、11月11日(金)いよいよ発売です。
主食をやめると健康になる ー 糖質制限食で体質が変わる!(ダイヤモンド社)

「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」2005年(東洋経済新報社)
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」2008年(東洋経済新報社)
「我ら糖尿人、元気なのには理由がある。」2009年(東洋経済新報社)
「糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食」2010年(ナツメ社)
に続いて、最新糖質制限食理論の充実と、
糖尿病以外の生活習慣病やガンについての考察が加わった本となりました。
豊富な症例も提示しています。
レシピ本ではなく、理論・疫学・臨床・・・の本です。
下記URLからアマゾンの本書の場所に飛べます。
http://p.tl/Io4o
私のブログ記事のなかで、公開OKをいただいた書き込みからの引用もあります。
ブログ読者の皆さんには、この場を借りて御礼申し上げます。
以下は、主食をやめると健康になる ー 糖質制限食で体質が変わる!(ダイヤモンド社)
の、<はじめに>と<おわりに>です。
<はじめに>
1999年に、兄・江部洋一郎院長(当時)が高雄病院に初めて糖質制限食を導入しました。当初は半信半疑だった私も、2001年から糖尿病患者さんに積極的に実践して目覚ましい成果をあげ、その後は病院全体で研究を進めるようになりました。
そして4年間の実績をもとに『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』(東洋経済新報社、2005年)を上梓しました。幸い現在までに16版を重ねるロングセラーとなり、世に「糖質制限食」という言葉を認知させるきっかけになったと自負しております。
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』では、糖尿病治療を中心に執筆しました。このとき、すでに糖質制限食が肥満やメタボリックシンドロームにも有効だということはわかっていましたが、あえて糖尿病だけにしぼった内容としました。
肥満やメタボにも有効といった文言が追加されると読者に軽薄な印象を与える可能性があることや、いわゆるダイエット本と見なされるのは本意ではなかったからです。そのため、ベストセラーよりロングセラーを想定して比較的かたい内容とし、その意図は達成されたと思います。
2007年2月からは、ブログ「ドクター江部の糖尿病徒然日記」を開始して、糖質制限食について紹介したり、糖尿病についてのさまざまなご質問にお答えするようになりました。現在1日のアクセス数が7000〜8000件ということも、かなり糖質制限食の普及効果があったと思います。
そして本書では、糖質制限食が医学会にも世間にも少しずつ広がりつつある現状をふまえて、高雄病院の10年以上の経験、1400人以上の患者さんの治療実績をもとに、糖尿病以外のより幅広い疾患、生活習慣病についても解説しました。
糖質制限食は「変わった食事」というイメージを持たれがちですが、実は人類本来の自然な食事です。人類が誕生したのが約700万年前で、農耕が始まるまでは狩猟・採集を生業とし、すべての人類が糖質制限食を実践していました。農耕開始後1万年間だけが、主食が穀物(糖質)へと変化しました。
すなわち穀物を主食としたのは、人類の歴史のなかでわずか700分の1の期間にすぎないのです。糖質制限食と高糖質食、どちらが人類にとって自然な食事なのかは言うまでもありません。糖質制限食はいわば人類の健康食なので、糖尿病や肥満・メタボに限らず、さまざまな生活習慣病が改善するのも当たり前といえば当たり前なのです。
しかも糖質制限食は、主食を抜くだけで「おいしく楽しく」続けられるのが特長です。従来のカロリー制限食に比べれば、肉も魚も蒸留酒もOKでお腹いっぱい食べることができ、はるかにラクに実践できます。本書ではその効果と実践法をくわしく紹介します。
なお、執筆にあたっては個人情報を保護する配慮をしていますが、私のブログ記事のなかで公開OKをいただいた書き込みからの引用もあります。ブログ読者の皆さんにはこの場を借りて御礼申し上げます。
2011年11月 高雄病院理事長 江部康二
<おわりに>
2010年12月に「糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食」(ナツメ社)を上梓して、1年が経過しました。そしてこの1年間で糖質制限食に関する新しい知識がまた蓄積されました。
今回はとくにガンに関して、現状でできる限りの情報を集めそれを基に考察をしてみました。それが、第4章「糖質制限食とガン」です。まずエビデンスとなる質の高いレベルの文献を集めてみました。その結果、高インスリン血症・空腹時高血糖・食後高血糖が、それぞれ独立して発ガンのリスクとなることが明らかとなりました。
またガン細胞はブドウ糖しかエネルギー源に利用できないことは周知の事実です。そしてその理由として、ガン細胞のミトコンドリアは、酵素に不備があり正常細胞のようにケトン体や脂肪酸は利用できないことが文献で確認できました。ミトコンドリアとは細胞内のエネルギー生産装置です。
これらのエビデンスと事実を背景に糖質制限食とガンに関して、予防の可能性や治療の可能性に言及してみました。糖質制限食により発ガンリスクである高インスリン血症・空腹時高血糖・食後高血糖が全て改善します。あくまでも仮説の段階に過ぎない理論ですが、それなりの説得力はあると自負しています。
例えば、マウスの動物実験の段階ではありますが、糖質制限食により発ガン予防効果が確認されています。さらに、本文には間に合わず紹介できなかったのですが、ヒトにおいてケトン食でガンが消失したという文献を見つけました。ケトン食は本文でも紹介していますが、脂質摂取比率75~80%という究極の糖質制限食です。栄養と代謝という米国の医学雑誌に2010年、グリオブラストーマ(膠芽腫)が2ヶ月間の<放射線+化学療法+ケトン食>治療で消失したというイタリアの研究者の症例報告が掲載されています。(*)膠芽腫は脳腫瘍の中でも最も悪性度の高いガンで<放射線+化学療法>治療ではまず治りません。糖質制限食によるガン治療に一筋の光明が見えた気がします。
ついで糖質制限食による減量効果に関して大変興味深い事実が確認できました。食物を摂取すると食後1時間から数時間にわたり熱産生が増加し代謝が更新します。これを食物の特異動的作用(SDA)とよびます。摂取した糖質、脂質、タンパク質の化学エネルギーのうち、それぞれ約6%、4%、30%は熱として失われ、生体で利用することができません。SDAが30%と圧倒的に高いのがタンパク質です。従って高タンパク食である糖質制限食は通常食に比べれば、特異動的作用(SDA)の比率が大きくなりその分、減量効果があることになります。
もう一つ忘れてはならないことがあります。それは農耕以前の人類においては飢餓は日常的な出来事であり、体脂肪はそれに対する唯一のセーフティーネットであったというとです。この観点から、筋肉と脂肪細胞の糖輸送体4(GLUT4)の謎を解き明かしてみました。糖輸送体というのは細胞におけるブドウ糖取り込み装置です。GLUT4は14種ある糖輸送体のうち唯一インスリンに依存していて普段は細胞内に沈んでいていざという時だけ細胞表面に移動するという極めてユニークな存在で、知的興味は尽きません。
このように、糖質制限食の最新理論がわかりやすく解説してあるのが本書です。糖質制限食をすでに実践して本を読んでおられる方にも充分読み応えがあると思います。また初めて糖質制限食に接する読者においても、系統的にオールラウンドな知識を学ぶことができる本となっていますので、是非ご一読いただけば幸いです。
最後になりましたが、本書の新しい糖質制限食理論構築において、適切なアドバイスで援助して頂いた、京都府立医科大学大学院 総合医療・医学教育学教室 助教 森 浩子先生に深謝いたします。
(*)
Giulio Zuccoli et all:Metabolic management of glioblastoma multiforme using standard therapy
together with a restricted ketogenic diet: Case Report.Nutrition & Metabolism 2010, 7:33
2011年11月 高雄病院理事長 江部康二
2011年11月09日 (水)
【11/10/30 高安
いつも先生のブログで勉強させて頂いております。高安と申します。
さて、最近、いろいろなメーカーさんが糖質制限食のパンなど販売されています。
Googleの広告を出している店のものをいくつか買ってみたのですが、どうも記載されている糖質の量と血糖値の上がり方が違います。
自己測定機なので、先生も書かれておられましたように、多少の誤差はあるのでしょうけれど、食べる度に計算よりも上がるのはどうにも納得がいきません。
これらは、ちゃんと血糖値を計って作られているのでしょうか。
他の読者の方は、このような経験はありませんでしょうか?
先生にお聞きするようなことではないのですが、どうも疑念が消えないのでコメント入れさせて頂きました。】
こんにちは。
2011年10月30日に高安さんから、上記コメントをいただきました。
すでに、コメント欄で回答したのですが、糖尿人にとって結構、大事な問題なので記事にすることとしました。
パン、ケーキ、アイスクリーム、サンドイッチ、お好み焼き、チョコレート・・・
ハンバーグ、カレー、ビーフシチュー、ソース、ポン酢、和風つゆ・・・
現在、とても豊富な糖質制限OK食品がラインアップされていて心強い限りです。
まず私が直接監修している、
糖質制限ドットコム http://www.toushitsuseigen.com/
は大丈夫です。
私自身の人体実験も含めて、成分表示通りで間違いないです。
大柳珠美管理栄養士監修の
ニューズシェフ糖質制限キッチン http://www.toushitsu-kitchen.com/
も、大丈夫です。
NPOリボーン賛助会員の
モンルパ http://mon-repas.jp/
もOKです。
モンルパのオーナーの柿野久美子さんは、私と同様、ご自身が糖尿人であり、やはり人体実験で血糖上昇なしを確認しておられるので安心です。
それ以外の企業に関しては、私もすべて把握できている訳ではないので、よくわかりません。
ただ残念ながら、糖質表示が過小の商品もあることは間違いないようです。
私自身も、友人に頼んで某メーカーのケーキを取り寄せて人体実験してみたところ、糖質表示量の、2・5倍くらい血糖値上昇がみられました。
普通のケーキよりはましですが、やはりこれではフェアではなく、如何なものかと思います。
また、あらてつさんに何ヶ所かのふすまパンと糖質制限パンの実験台にされましたが、こちらも同じく表示してある糖質量よりも大きな血糖値の上昇が見られました。
血糖自己測定器を持っている人は、自分で確かめた方が無難です。
血糖自己測定器を持っていない人は、ドラッグストアで尿糖試験紙を購入して、食後1時間程度の尿糖を測定してみましょう。
もし尿糖陽性なら、血糖値が180mgを超えた可能性が高いです。
江部康二
いつも先生のブログで勉強させて頂いております。高安と申します。
さて、最近、いろいろなメーカーさんが糖質制限食のパンなど販売されています。
Googleの広告を出している店のものをいくつか買ってみたのですが、どうも記載されている糖質の量と血糖値の上がり方が違います。
自己測定機なので、先生も書かれておられましたように、多少の誤差はあるのでしょうけれど、食べる度に計算よりも上がるのはどうにも納得がいきません。
これらは、ちゃんと血糖値を計って作られているのでしょうか。
他の読者の方は、このような経験はありませんでしょうか?
先生にお聞きするようなことではないのですが、どうも疑念が消えないのでコメント入れさせて頂きました。】
こんにちは。
2011年10月30日に高安さんから、上記コメントをいただきました。
すでに、コメント欄で回答したのですが、糖尿人にとって結構、大事な問題なので記事にすることとしました。
パン、ケーキ、アイスクリーム、サンドイッチ、お好み焼き、チョコレート・・・
ハンバーグ、カレー、ビーフシチュー、ソース、ポン酢、和風つゆ・・・
現在、とても豊富な糖質制限OK食品がラインアップされていて心強い限りです。
まず私が直接監修している、
糖質制限ドットコム http://www.toushitsuseigen.com/
は大丈夫です。
私自身の人体実験も含めて、成分表示通りで間違いないです。
大柳珠美管理栄養士監修の
ニューズシェフ糖質制限キッチン http://www.toushitsu-kitchen.com/
も、大丈夫です。
NPOリボーン賛助会員の
モンルパ http://mon-repas.jp/
もOKです。
モンルパのオーナーの柿野久美子さんは、私と同様、ご自身が糖尿人であり、やはり人体実験で血糖上昇なしを確認しておられるので安心です。
それ以外の企業に関しては、私もすべて把握できている訳ではないので、よくわかりません。
ただ残念ながら、糖質表示が過小の商品もあることは間違いないようです。
私自身も、友人に頼んで某メーカーのケーキを取り寄せて人体実験してみたところ、糖質表示量の、2・5倍くらい血糖値上昇がみられました。
普通のケーキよりはましですが、やはりこれではフェアではなく、如何なものかと思います。
また、あらてつさんに何ヶ所かのふすまパンと糖質制限パンの実験台にされましたが、こちらも同じく表示してある糖質量よりも大きな血糖値の上昇が見られました。
血糖自己測定器を持っている人は、自分で確かめた方が無難です。
血糖自己測定器を持っていない人は、ドラッグストアで尿糖試験紙を購入して、食後1時間程度の尿糖を測定してみましょう。
もし尿糖陽性なら、血糖値が180mgを超えた可能性が高いです。
江部康二
2011年11月08日 (火)
こんにちは。
2002年に糖尿病が発覚していらい、スーパー糖質制限食を実践している江部康二です。
食事は朝食抜きで、昼と夕の2回です。
以下は2011年11月4日、朝9時、空腹時の検査結果です。
空腹時採血血糖値103mg(110未満70以上)
HbA1c:5.3%(5.8未満)
ケトン体:1187μM/L(26~122) 糖質制限食中は生理的で正常値
尿酸:3.3mg/dl(3.4~7.0)
TC:238mg/dl(150~219)
TG:39mg/dl(50~149)
HDL-C:123mg/dl(40~98)
LDL-C:107mg/dl(140未満)
BUN:17.1mg/dl(8~20)
クレアチニン:0.63mg/dl(0.6~1.1)
IRI:2.8(3~15μU/ml)
γGTP:33IU/L(48以下)
GOT:24IU/L(9~38)
GPT:22IU/L(5~39)
アルブミン:4.8g/dl(3.8~5.3)
尿蛋白:陰性
尿糖:陰性
尿中アセトン体:陰性
空腹時血糖値103mgは私にしてはいい方です。
IRI2.8μUと低めで、基礎分泌インスリンがやや不足気味なので、前の日に餃子とか食べると翌朝空腹時血糖値が110~120mgくらいになります。
HbA1cは5.1~5.5%くらいを行ったり来たりしています。
はっきり言って、5.5%の時は身に覚えがあります。(=_=;)
それで気合いを入れると、次は5.1%とかになります。
ケトン体は1187μM と基準値よりはるかに高値ですが、心筋・骨格筋をはじめ全身の細胞がケトン体をしっかり効率よく利用していて、腎臓の再吸収も良好なので、尿中アセトン体は陰性です。
尿酸は3.3mgと低いくらいですが、これは体質と思います。
一日のタンパク質摂取量は130~140gくらいと、普通人よりかなり大量のタンパク質を摂取してます。
体重あたり2.4gのタンパク質ですね。それでも尿酸は低めですし、腎機能に何の問題もありません。
脂質もかなりの量(110g/日)食べていますが中性脂肪は39mgです。
糖質は1日に40g足らずです。
TCは238mg、HDL-Cは123mg、LDL-Cは107mg
コレステロールに関しては、HDL-コレステロールが多いのが目立ちます。
糖質制限食でHDL-Cが増加しますが程度には個人差があります。
総コレステロールは、2007年ガイドラインの評価基準から外されています。
中性脂肪が少なくて、HDL-Cが多いので、真の悪玉の小粒子LDL-Cや酸化LDL-Cは少ないと考えられ安心です。
なお、お酒は、糖質ゼロ発泡酒、焼酎の水割り、赤ワインを毎日、適宜、適量??飲んでいます。( ̄_ ̄|||)
肝機能は幸い正常です。 (^^)
江部康二
2002年に糖尿病が発覚していらい、スーパー糖質制限食を実践している江部康二です。
食事は朝食抜きで、昼と夕の2回です。
以下は2011年11月4日、朝9時、空腹時の検査結果です。
空腹時採血血糖値103mg(110未満70以上)
HbA1c:5.3%(5.8未満)
ケトン体:1187μM/L(26~122) 糖質制限食中は生理的で正常値
尿酸:3.3mg/dl(3.4~7.0)
TC:238mg/dl(150~219)
TG:39mg/dl(50~149)
HDL-C:123mg/dl(40~98)
LDL-C:107mg/dl(140未満)
BUN:17.1mg/dl(8~20)
クレアチニン:0.63mg/dl(0.6~1.1)
IRI:2.8(3~15μU/ml)
γGTP:33IU/L(48以下)
GOT:24IU/L(9~38)
GPT:22IU/L(5~39)
アルブミン:4.8g/dl(3.8~5.3)
尿蛋白:陰性
尿糖:陰性
尿中アセトン体:陰性
空腹時血糖値103mgは私にしてはいい方です。
IRI2.8μUと低めで、基礎分泌インスリンがやや不足気味なので、前の日に餃子とか食べると翌朝空腹時血糖値が110~120mgくらいになります。
HbA1cは5.1~5.5%くらいを行ったり来たりしています。
はっきり言って、5.5%の時は身に覚えがあります。(=_=;)
それで気合いを入れると、次は5.1%とかになります。
ケトン体は1187μM と基準値よりはるかに高値ですが、心筋・骨格筋をはじめ全身の細胞がケトン体をしっかり効率よく利用していて、腎臓の再吸収も良好なので、尿中アセトン体は陰性です。
尿酸は3.3mgと低いくらいですが、これは体質と思います。
一日のタンパク質摂取量は130~140gくらいと、普通人よりかなり大量のタンパク質を摂取してます。
体重あたり2.4gのタンパク質ですね。それでも尿酸は低めですし、腎機能に何の問題もありません。
脂質もかなりの量(110g/日)食べていますが中性脂肪は39mgです。
糖質は1日に40g足らずです。
TCは238mg、HDL-Cは123mg、LDL-Cは107mg
コレステロールに関しては、HDL-コレステロールが多いのが目立ちます。
糖質制限食でHDL-Cが増加しますが程度には個人差があります。
総コレステロールは、2007年ガイドラインの評価基準から外されています。
中性脂肪が少なくて、HDL-Cが多いので、真の悪玉の小粒子LDL-Cや酸化LDL-Cは少ないと考えられ安心です。
なお、お酒は、糖質ゼロ発泡酒、焼酎の水割り、赤ワインを毎日、適宜、適量??飲んでいます。( ̄_ ̄|||)
肝機能は幸い正常です。 (^^)
江部康二
2011年11月07日 (月)
こんばんは。
白いシャチさんから、「糖質制限食で血糖値、脂肪肝改善、医師もびっくり!」という嬉しいコメントとウェイトコントロールについて質問をいただきました。
【11/11/07 白いシャチ
糖質制限とウェイトコントロール
初めてコメントさせて頂きます。
私は、54歳の会社を経営する者です。
仕事柄夜の付き合いも多くほぼ毎日が外食で、30代半ばから暴飲暴食を続け、今年の春遂に糖尿病の宣告を受けました。
その後病院から教育入院や食事療法などの説明を受けましたが、絶対にムリだと直感し、独学で勉強するうちに江部先生のことを知るに至り、御著書数冊を購入させて頂き、ブログもほぼ読破しました。
先生のお考えや指導法は、
①信頼できるエビデンスに基づいており論理の破たんが無い。
(医療関係者や科学者に対しても十分説得力がある。)
②患者に強いるのではなく、患者に自発的に環境に応じた食事療法を取り入れてもらい、また治療方法と効果が直結しているためモチベーションを持続させやすく途中挫折のリスクが小さい。
(食事療法では、ここが一番のポイントと思います。)
③患者から出来る限り薬離れをさせる。
(何でも薬で解決しようと薬を出したがる医師が多いなか‥)
とお見受けし、これこそ私が求めていた治療方法だと確信しました。
そこで早速今年の4月から糖質制限食を始めたのですが、これまでの異常値だらけの検査シートが、2ヶ月後の検査では、血糖値以外にも肝、腎、中性脂肪を始め全ての検査項目から異常値マークが消え、ジャヌビアも中止できました。
これには、主治医もセカンドオピニオンを頼んでいる親友の医師(救命救急指導医)も「こんな改善例は見たことない」とびっくりすると同時に大変喜んでくれました。幸い両医師とも糖質制限食には、一定の理解を示してくれています。
以下が発症(発覚)時と直近のデータです。
今年3月検診時⇒10月検診時
空腹時血糖:231⇒99
HbA1c:7.8⇒5.3
γ-GT:103⇒18
中性脂肪:203⇒64
合併症の検査もすべて異常なしで、江部先生には、いくら御礼をしてもし尽くせないほど、心より感謝しております。
ところで、一つ御教示頂きたいことがあります。
それは、ウェイトコントロールのことなのですが、30代半ばから2500~3500kcal(多い時には5000kcal)の食事と日本酒換算で1升5合分の複数種類の酒を毎日摂るという暴飲暴食の鏡のような生活を続けて参りました。
この間、年間ほぼ1kgのペースで体重が増え、今春糖尿人の仲間入りをするまで20年間で20 kg太りその時点で88キロ(BMI:30)となっておりました。
その後糖質制限食(1750 kcal 糖質30g/日)を始め、酒量も糖質ゼロ酒を日本酒換算で1日3~4合程度とし、3ヶ月で5kg痩せて83kg(BMI:28)となったのですが、その後はほぼ横ばいの状態です。
そこで糖質制限に加えカロリー制限も実施して月の平均を
8月:1450 kcal、9月:1350 kcal、10月:1300kcal
と少なくしてみたのですが、体重変化がありません。
運動量は年齢と共に徐々に減少はしていると思いますが、ここ3ヶ月は、生活習慣病になっていった頃の半分程度の摂取カロリーでも痩せなくなったことになります。
元々大食漢型であった体質から糖質制限食を始め、省エネ(倹約遺伝子)型に変化することがあるでしょうか。(体が飢餓状態への危機感から省エネモードへ移行?)
体系は、がっちり型で筋肉量も多く、基礎代謝量も標準より多い方で、先日ジムにある体組成計で測定すると1760 kcalでした。当面の目標体重は、あと8kg減量して75kg(BMI:25)前後を着地点にしたいと考えており、到達後は体重を維持するカロリー数に戻したいと思います。
さらにカロリー制限して目標体重まで減量するか、このまま少し様子を見るか迷っているところです。
今は、さすがに少しヒモジイ感はありますが、体は至って健康で何の問題もなく美味しく楽しく糖質制限食を続けており、周りの人間にも啓発中です。
御多忙中恐縮ですが、御助言頂けると幸いです。
江部先生の益々のご活躍と全ての糖尿人の快復を祈っております。
長文、失礼しました。】
白いシャチさん。
拙著のご購入と糖質制限食への評価、ありがとうございます。
【今年3月検診時⇒10月検診時
空腹時血糖:231⇒99
HbA1c:7.8⇒5.3
γ-GT:103⇒18
中性脂肪:203⇒64 】
2011年4月から糖質制限食を実践されて、6月には血糖値、肝、腎、中性脂肪など全ての検査項目が正常化し、ジャヌビアも中止できたのですね。
上手に糖質制限食を実践しておられるのでしょう。
良かった出数です。
その後も10月の検診まで、ずっとコントロール良好を維持しておられますので、素晴らしいです。
【主治医もセカンドオピニオンを頼んでいる親友の医師(救命救急指導医)も「こんな改善例は見たことない」とびっくりすると同時に大変喜んでくれました。幸い両医師とも糖質制限食には、一定の理解を示してくれています。】
糖質制限食に理解を示してくれる医師が二人もいたなんて嬉しい限りです。
主治医にめぐまれ、親友にめぐまれ、とてもラッキーですが、それも芸の内ですね。
【88キロ(BMI:30)。
その後糖質制限食(1750 kcal 糖質30g/日)を始め、酒量も糖質ゼロ酒を日本酒換算で1日3~4合程度とし、3ヶ月で5kg痩せて83kg(BMI:28)となったのですが、その後はほぼ横ばいの状態です。】
筋肉量が多いタイプと思います。
体組成計で測定すると1760 kcalで基礎代謝も高めなのもそれを裏付けています。
基礎代謝が高めなので、倹約遺伝子型ということもありません。
直線状に体重減少するわけではありませんので、身長にもよりますが、1800kcal/日は摂取して、あとは、じっくり地味に体重が階段状に減りはじめるのを待ちましょう。
仰有る通り、目標体重75kg(BMI:25)前後BMI25未満くらいでいいと思いますよ。
江部康二
白いシャチさんから、「糖質制限食で血糖値、脂肪肝改善、医師もびっくり!」という嬉しいコメントとウェイトコントロールについて質問をいただきました。
【11/11/07 白いシャチ
糖質制限とウェイトコントロール
初めてコメントさせて頂きます。
私は、54歳の会社を経営する者です。
仕事柄夜の付き合いも多くほぼ毎日が外食で、30代半ばから暴飲暴食を続け、今年の春遂に糖尿病の宣告を受けました。
その後病院から教育入院や食事療法などの説明を受けましたが、絶対にムリだと直感し、独学で勉強するうちに江部先生のことを知るに至り、御著書数冊を購入させて頂き、ブログもほぼ読破しました。
先生のお考えや指導法は、
①信頼できるエビデンスに基づいており論理の破たんが無い。
(医療関係者や科学者に対しても十分説得力がある。)
②患者に強いるのではなく、患者に自発的に環境に応じた食事療法を取り入れてもらい、また治療方法と効果が直結しているためモチベーションを持続させやすく途中挫折のリスクが小さい。
(食事療法では、ここが一番のポイントと思います。)
③患者から出来る限り薬離れをさせる。
(何でも薬で解決しようと薬を出したがる医師が多いなか‥)
とお見受けし、これこそ私が求めていた治療方法だと確信しました。
そこで早速今年の4月から糖質制限食を始めたのですが、これまでの異常値だらけの検査シートが、2ヶ月後の検査では、血糖値以外にも肝、腎、中性脂肪を始め全ての検査項目から異常値マークが消え、ジャヌビアも中止できました。
これには、主治医もセカンドオピニオンを頼んでいる親友の医師(救命救急指導医)も「こんな改善例は見たことない」とびっくりすると同時に大変喜んでくれました。幸い両医師とも糖質制限食には、一定の理解を示してくれています。
以下が発症(発覚)時と直近のデータです。
今年3月検診時⇒10月検診時
空腹時血糖:231⇒99
HbA1c:7.8⇒5.3
γ-GT:103⇒18
中性脂肪:203⇒64
合併症の検査もすべて異常なしで、江部先生には、いくら御礼をしてもし尽くせないほど、心より感謝しております。
ところで、一つ御教示頂きたいことがあります。
それは、ウェイトコントロールのことなのですが、30代半ばから2500~3500kcal(多い時には5000kcal)の食事と日本酒換算で1升5合分の複数種類の酒を毎日摂るという暴飲暴食の鏡のような生活を続けて参りました。
この間、年間ほぼ1kgのペースで体重が増え、今春糖尿人の仲間入りをするまで20年間で20 kg太りその時点で88キロ(BMI:30)となっておりました。
その後糖質制限食(1750 kcal 糖質30g/日)を始め、酒量も糖質ゼロ酒を日本酒換算で1日3~4合程度とし、3ヶ月で5kg痩せて83kg(BMI:28)となったのですが、その後はほぼ横ばいの状態です。
そこで糖質制限に加えカロリー制限も実施して月の平均を
8月:1450 kcal、9月:1350 kcal、10月:1300kcal
と少なくしてみたのですが、体重変化がありません。
運動量は年齢と共に徐々に減少はしていると思いますが、ここ3ヶ月は、生活習慣病になっていった頃の半分程度の摂取カロリーでも痩せなくなったことになります。
元々大食漢型であった体質から糖質制限食を始め、省エネ(倹約遺伝子)型に変化することがあるでしょうか。(体が飢餓状態への危機感から省エネモードへ移行?)
体系は、がっちり型で筋肉量も多く、基礎代謝量も標準より多い方で、先日ジムにある体組成計で測定すると1760 kcalでした。当面の目標体重は、あと8kg減量して75kg(BMI:25)前後を着地点にしたいと考えており、到達後は体重を維持するカロリー数に戻したいと思います。
さらにカロリー制限して目標体重まで減量するか、このまま少し様子を見るか迷っているところです。
今は、さすがに少しヒモジイ感はありますが、体は至って健康で何の問題もなく美味しく楽しく糖質制限食を続けており、周りの人間にも啓発中です。
御多忙中恐縮ですが、御助言頂けると幸いです。
江部先生の益々のご活躍と全ての糖尿人の快復を祈っております。
長文、失礼しました。】
白いシャチさん。
拙著のご購入と糖質制限食への評価、ありがとうございます。
【今年3月検診時⇒10月検診時
空腹時血糖:231⇒99
HbA1c:7.8⇒5.3
γ-GT:103⇒18
中性脂肪:203⇒64 】
2011年4月から糖質制限食を実践されて、6月には血糖値、肝、腎、中性脂肪など全ての検査項目が正常化し、ジャヌビアも中止できたのですね。
上手に糖質制限食を実践しておられるのでしょう。
良かった出数です。
その後も10月の検診まで、ずっとコントロール良好を維持しておられますので、素晴らしいです。
【主治医もセカンドオピニオンを頼んでいる親友の医師(救命救急指導医)も「こんな改善例は見たことない」とびっくりすると同時に大変喜んでくれました。幸い両医師とも糖質制限食には、一定の理解を示してくれています。】
糖質制限食に理解を示してくれる医師が二人もいたなんて嬉しい限りです。
主治医にめぐまれ、親友にめぐまれ、とてもラッキーですが、それも芸の内ですね。
【88キロ(BMI:30)。
その後糖質制限食(1750 kcal 糖質30g/日)を始め、酒量も糖質ゼロ酒を日本酒換算で1日3~4合程度とし、3ヶ月で5kg痩せて83kg(BMI:28)となったのですが、その後はほぼ横ばいの状態です。】
筋肉量が多いタイプと思います。
体組成計で測定すると1760 kcalで基礎代謝も高めなのもそれを裏付けています。
基礎代謝が高めなので、倹約遺伝子型ということもありません。
直線状に体重減少するわけではありませんので、身長にもよりますが、1800kcal/日は摂取して、あとは、じっくり地味に体重が階段状に減りはじめるのを待ちましょう。
仰有る通り、目標体重75kg(BMI:25)前後BMI25未満くらいでいいと思いますよ。
江部康二
2011年11月06日 (日)
こんばんは。
第26回国民文化祭・京都2011、2011年11月6日(日)、京都府丹後文化会館
シンポジウム「健康長寿」のパネリストとして前日から泊まりがけで京丹後市に行ってきました。
京丹後市、いやはや時間的には東京より遠いです。
さて
『主食を抜けば糖尿病は良くなる! 糖質制限食レシピ集』(東洋経済新報社)
いよいよ発売です。

amazonでのご予約ありがとうございました。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4492044442/ref=pd_lpo_k2_dp_sr_1?pf_rd_p=466449256&pf_rd_s=lpo-top-stripe&pf_rd_t=201&pf_rd_i=4492042962&pf_rd_m=AN1VRQENFRJN5&pf_rd_r=1ZFTQB55MDEKRGTJQW45
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』(東洋経済新報社)は、2005年に刊行して以後、
おかげさまで17版を重ねるロングセラーとなっております。
そのレシピ本を今回、満を持して出版いたします。
今回のレシピ本は、「長続きできる糖質制限食」ということに力点を置いてあります。
“家庭料理のプロ”である壷林先生にご協力いただき、普通の食材で簡単に作れて、しかも美味しい糖質制限メニューが満載です。
代替主食や、ボリュームアップの方法など、長続きのための知恵がたっぷりで、献立の立て方なども丁寧に解説してあります。
外食の知恵、コンビニ活用法などお役立ちコラム、Q&Aも充実しています。
大判サイズで読みやすい本です。
理論・料理とも日本一の糖質制限食レシピ本になったと自負しております。
『主食を抜けば糖尿病は良くなる! 糖質制限食レシピ集』
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』
共々、よろしくお願い申しあげます。
江部康二
第26回国民文化祭・京都2011、2011年11月6日(日)、京都府丹後文化会館
シンポジウム「健康長寿」のパネリストとして前日から泊まりがけで京丹後市に行ってきました。
京丹後市、いやはや時間的には東京より遠いです。
さて
『主食を抜けば糖尿病は良くなる! 糖質制限食レシピ集』(東洋経済新報社)
いよいよ発売です。

amazonでのご予約ありがとうございました。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4492044442/ref=pd_lpo_k2_dp_sr_1?pf_rd_p=466449256&pf_rd_s=lpo-top-stripe&pf_rd_t=201&pf_rd_i=4492042962&pf_rd_m=AN1VRQENFRJN5&pf_rd_r=1ZFTQB55MDEKRGTJQW45
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』(東洋経済新報社)は、2005年に刊行して以後、
おかげさまで17版を重ねるロングセラーとなっております。
そのレシピ本を今回、満を持して出版いたします。
今回のレシピ本は、「長続きできる糖質制限食」ということに力点を置いてあります。
“家庭料理のプロ”である壷林先生にご協力いただき、普通の食材で簡単に作れて、しかも美味しい糖質制限メニューが満載です。
代替主食や、ボリュームアップの方法など、長続きのための知恵がたっぷりで、献立の立て方なども丁寧に解説してあります。
外食の知恵、コンビニ活用法などお役立ちコラム、Q&Aも充実しています。
大判サイズで読みやすい本です。
理論・料理とも日本一の糖質制限食レシピ本になったと自負しております。
『主食を抜けば糖尿病は良くなる! 糖質制限食レシピ集』
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』
共々、よろしくお願い申しあげます。
江部康二
2011年11月05日 (土)
ブログ読者の皆さんには、いつもコメントいただき、ありがとうございます。
糖質制限食に関する質問についてですが、実際に高雄病院や江部診療所に来院されて診察した患者さんに対しては、医師としての責任・債務がありますので、個別に説明もしっかりさせて頂いていますし、フォローもしております。
一方、ブログ読者の皆さんの質問に関しては、糖質制限食に詳しい医師として、ボランティアで回答させていただいています。
診察もしておりませんしフォローもできませんので、責任もとれません。
私の回答は、あくまでも一般論としての参考意見とお考え頂けば幸いです。
また、ブログ記事や本に関しても同様に、糖質制限食に関する一般論としての参考意見とお考え下さい。
従いまして、読者の皆さんが私の参考意見を読まれて、どのように利用されるかは、自己責任でよろしくお願い申し上げます。m(_ _)m
そして読者の皆さんからもご意見いただきましたが、普通のお医者さんに相談可能な個人的な内容の質問は、
ご自分の主治医にご相談頂けば助かります。
またネットで簡単に検索可能なことは、ご自分でお調べください。
質問が増えてきましたので、糖質制限食と関わりがないと判断した質問にはお答えできない場合もありますので、ご了承ください。m(_ _)m
普通のお医者さんでは解答不能の、糖質制限食に関わる質問は、初歩的なことも含めて、何でもどんどんしていただけば嬉しいです。 (^_^)
掲載OKの質問に関して、読者の皆さんに共有していただきたい情報の場合は、ブログ本文にて、できるだけ順番にお答えしたいと思います。
質問によっては、コメント欄でお早めにお答えする場合もありますのでご了承ください。
一方、質問がかなり増えてきていますので、なかなか即、お答えすることが困難となってきています。
糖質制限食に関わりのある全ての質問に、本文かコメントでお答えするようできるだけ努力はしていますが、できないときはご容赦願います。m(_ _)m
それから、「管理人のみ閲覧できる」「匿名希望」などの質問に関しては、コメント欄にお答えするか、一般的な話題に置き換えてブログに記載するようにしていますので、よろしくお願い申し上げます。
なお、糖質制限食が世の中にかなり浸透してきたことは間違いなく、「週刊新潮・11月10日号」のような、誹謗中傷に近い記事もでるようになりました。
私としては、有名税?のようなものかと、達観?しております。(^^)
本ブログ記事でこれらに反論するにしても、「週刊新潮」と同じような品のない表現を使用することなく、今まで通り冷静に理論的に根拠をもって、わかりやすく説明していきたいと思っています。
ブログ読者の皆さんには、これまでと同様応援のほどよろしくお願い申しあげます。m(_ _)mV
江部康二
糖質制限食に関する質問についてですが、実際に高雄病院や江部診療所に来院されて診察した患者さんに対しては、医師としての責任・債務がありますので、個別に説明もしっかりさせて頂いていますし、フォローもしております。
一方、ブログ読者の皆さんの質問に関しては、糖質制限食に詳しい医師として、ボランティアで回答させていただいています。
診察もしておりませんしフォローもできませんので、責任もとれません。
私の回答は、あくまでも一般論としての参考意見とお考え頂けば幸いです。
また、ブログ記事や本に関しても同様に、糖質制限食に関する一般論としての参考意見とお考え下さい。
従いまして、読者の皆さんが私の参考意見を読まれて、どのように利用されるかは、自己責任でよろしくお願い申し上げます。m(_ _)m
そして読者の皆さんからもご意見いただきましたが、普通のお医者さんに相談可能な個人的な内容の質問は、
ご自分の主治医にご相談頂けば助かります。
またネットで簡単に検索可能なことは、ご自分でお調べください。
質問が増えてきましたので、糖質制限食と関わりがないと判断した質問にはお答えできない場合もありますので、ご了承ください。m(_ _)m
普通のお医者さんでは解答不能の、糖質制限食に関わる質問は、初歩的なことも含めて、何でもどんどんしていただけば嬉しいです。 (^_^)
掲載OKの質問に関して、読者の皆さんに共有していただきたい情報の場合は、ブログ本文にて、できるだけ順番にお答えしたいと思います。
質問によっては、コメント欄でお早めにお答えする場合もありますのでご了承ください。
一方、質問がかなり増えてきていますので、なかなか即、お答えすることが困難となってきています。
糖質制限食に関わりのある全ての質問に、本文かコメントでお答えするようできるだけ努力はしていますが、できないときはご容赦願います。m(_ _)m
それから、「管理人のみ閲覧できる」「匿名希望」などの質問に関しては、コメント欄にお答えするか、一般的な話題に置き換えてブログに記載するようにしていますので、よろしくお願い申し上げます。
なお、糖質制限食が世の中にかなり浸透してきたことは間違いなく、「週刊新潮・11月10日号」のような、誹謗中傷に近い記事もでるようになりました。
私としては、有名税?のようなものかと、達観?しております。(^^)
本ブログ記事でこれらに反論するにしても、「週刊新潮」と同じような品のない表現を使用することなく、今まで通り冷静に理論的に根拠をもって、わかりやすく説明していきたいと思っています。
ブログ読者の皆さんには、これまでと同様応援のほどよろしくお願い申しあげます。m(_ _)mV
江部康二
2011年11月05日 (土)
おはようございます。
ベジタリアンと糖質制限食について、あいあいさんからコメント・質問をいただきました。
【11/11/03 あいあい
新刊
江部先生
はじめまして。
最近、いろんな偶然が重なり、糖質制限食について知りました。
私は、糖尿人ではありませんが、セラピストをしており、根っからの健康オタクです(笑)
なので、糖尿人向だけでない今回の新刊「主食をやめると健康になる ー 糖質制限食で体質が変わるけだけでない」のような本を待ち望んでおりました。 楽しみです。
今現在、私は、メタボでもなく、どちらかというと痩せてる体型で、酒もタバコもコーヒーも飲まないベジタリアン(たまに魚介類は食べます)です。
ほとんど問題の無い健康体なのですが、食に気を使うようになってから、敏感になり、食後のだるさやぐったりする感覚が顕著に感じられ、どうにかならないものかと思っていました。
低血糖症気味なのか、食べてもすぐお腹がすいた気分になったり、食べ続けて過食したり、とにかく何かがオカシイ!と思っていたところへ、糖質制限食という情報が入ってきて、コレだ!って思いました。
痩せていて糖尿人でもない私が、スーパー糖質オフをする必要はないと判断し、夕食だけを抜いてみるプチオフを実行しました。
まだ一週間ですが、お腹いっぱい食べてもだるくなったりしないです!
そして、今までどれだけ過剰な糖質を取っていたのかと考えさせられました。
肉、卵を一切食べないので、ベジタリアンの糖質オフメニューを工夫してます。
そこで、先生に質問なのですが、 今までにベジタリアンの方で糖質オフ食をされていた方はいらっしゃいましたか? (ベジタリアンは糖尿にならないのだろうか?)
また、ベジタリアン食と糖質オフ食の組み合わせは、動物性のたんぱく質や脂質を取らない分、偏りや問題があると思いますか?
先生のご意見や見解などお聞かせ頂けたら嬉しいです。】
あいあいさん。
コメント、ありがとうございます。
「主食をやめると健康になる」
それなりに自信作ですので、きっとお役に立つと思いますよ。 (^^)
まずベジタリアンと糖質制限食ですが、「糖質制限食は肉も魚も食べ放題」というのが売りの一つなので、ベジタリアンで糖質制限食を実践している人は少ないと思います。
ところで、ベジタリアンも糖尿病になります。 (*_*)
実際マクロビオティック実践中に糖尿病発症という人もおられました。
ベジタリアンのなかで、白米や白いパンや菓子パンや清涼飲料水というパターンよりは、玄米や全粒粉のパンとかなら、血糖値が上昇しにくい分、糖尿病予防という観点からは、まだましだとは思います。
例えば欧米の食事のガイドラインには、基本的に全て「穀物を摂取するなら未精製のものとする」という文言が入っていて、日本のガイドラインとは明確に温度差があります。
米国の文献で、白米を摂取する人は玄米摂取の人に比し、糖尿病発症リスクが増加するという報告もあります。
しかし、運動不足の人が大量の炭水化物を摂取する生活が続くならば、例え未精製の穀物でも、糖尿病発症のリスクとなると思います。
さて、完全植物食だと、皆さんのコメントにもありましたように、人体に必要な要素が不足する恐れがあります。
例えば、ビタミンB12、EPA、DHA、タウリンなどは、基本的に動物性食品にしか含まれていません。
また鉄には 肉や魚などの動物性食品に多いヘム鉄と、植物性食品に多い非ヘム鉄があります。
ヘム鉄は吸収率が20~30%ですが、非ヘム鉄では5%に過ぎません。
従って、完全植物食だと、鉄欠乏性貧血になりやすいので注意が必要です。
「玄米菜食+魚貝+鶏肉+卵」は、高雄病院でも1984年から給食に導入しました。
おそらく病院給食に玄米を導入したのは、高雄病院が日本で最初と思います。
現在もアトピーなど糖尿病や肥満以外の患者さんには入院中、供給しています。
幸い、「魚貝+鶏肉+卵」といった動物食品も食べて貰ってましたので、ビタミンB12、EPA、DHA、タウリン、鉄の不足はなく、問題が生じたことは一度もありません。
あいあいさんも、どうしても動物性食品が嫌なら、「ビタミンB12、EPA、DHA、タウリン、鉄」などをサプリで摂取するのが無難です。
せめて魚貝類だけでも、たまにではなく、しっかり毎日摂取されたら、サプリはいらないと思いますが・・・。
「痩せていて糖尿人でもない私が、スーパー糖質オフをする必要はないと判断し、夕食だけを抜いてみるプチオフを実行しました。 まだ一週間ですが、お腹いっぱい食べてもだるくなったりしないです!」
食後だるくなるのは、機能性低血糖の可能性があります。
そうであれば、糖質制限食で改善します。
2011年04月08日 (金)のブログ記事「機能性低血糖症・2011年」もご参照いただけば幸いです。
江部康二
ベジタリアンと糖質制限食について、あいあいさんからコメント・質問をいただきました。
【11/11/03 あいあい
新刊
江部先生
はじめまして。
最近、いろんな偶然が重なり、糖質制限食について知りました。
私は、糖尿人ではありませんが、セラピストをしており、根っからの健康オタクです(笑)
なので、糖尿人向だけでない今回の新刊「主食をやめると健康になる ー 糖質制限食で体質が変わるけだけでない」のような本を待ち望んでおりました。 楽しみです。
今現在、私は、メタボでもなく、どちらかというと痩せてる体型で、酒もタバコもコーヒーも飲まないベジタリアン(たまに魚介類は食べます)です。
ほとんど問題の無い健康体なのですが、食に気を使うようになってから、敏感になり、食後のだるさやぐったりする感覚が顕著に感じられ、どうにかならないものかと思っていました。
低血糖症気味なのか、食べてもすぐお腹がすいた気分になったり、食べ続けて過食したり、とにかく何かがオカシイ!と思っていたところへ、糖質制限食という情報が入ってきて、コレだ!って思いました。
痩せていて糖尿人でもない私が、スーパー糖質オフをする必要はないと判断し、夕食だけを抜いてみるプチオフを実行しました。
まだ一週間ですが、お腹いっぱい食べてもだるくなったりしないです!
そして、今までどれだけ過剰な糖質を取っていたのかと考えさせられました。
肉、卵を一切食べないので、ベジタリアンの糖質オフメニューを工夫してます。
そこで、先生に質問なのですが、 今までにベジタリアンの方で糖質オフ食をされていた方はいらっしゃいましたか? (ベジタリアンは糖尿にならないのだろうか?)
また、ベジタリアン食と糖質オフ食の組み合わせは、動物性のたんぱく質や脂質を取らない分、偏りや問題があると思いますか?
先生のご意見や見解などお聞かせ頂けたら嬉しいです。】
あいあいさん。
コメント、ありがとうございます。
「主食をやめると健康になる」
それなりに自信作ですので、きっとお役に立つと思いますよ。 (^^)
まずベジタリアンと糖質制限食ですが、「糖質制限食は肉も魚も食べ放題」というのが売りの一つなので、ベジタリアンで糖質制限食を実践している人は少ないと思います。
ところで、ベジタリアンも糖尿病になります。 (*_*)
実際マクロビオティック実践中に糖尿病発症という人もおられました。
ベジタリアンのなかで、白米や白いパンや菓子パンや清涼飲料水というパターンよりは、玄米や全粒粉のパンとかなら、血糖値が上昇しにくい分、糖尿病予防という観点からは、まだましだとは思います。
例えば欧米の食事のガイドラインには、基本的に全て「穀物を摂取するなら未精製のものとする」という文言が入っていて、日本のガイドラインとは明確に温度差があります。
米国の文献で、白米を摂取する人は玄米摂取の人に比し、糖尿病発症リスクが増加するという報告もあります。
しかし、運動不足の人が大量の炭水化物を摂取する生活が続くならば、例え未精製の穀物でも、糖尿病発症のリスクとなると思います。
さて、完全植物食だと、皆さんのコメントにもありましたように、人体に必要な要素が不足する恐れがあります。
例えば、ビタミンB12、EPA、DHA、タウリンなどは、基本的に動物性食品にしか含まれていません。
また鉄には 肉や魚などの動物性食品に多いヘム鉄と、植物性食品に多い非ヘム鉄があります。
ヘム鉄は吸収率が20~30%ですが、非ヘム鉄では5%に過ぎません。
従って、完全植物食だと、鉄欠乏性貧血になりやすいので注意が必要です。
「玄米菜食+魚貝+鶏肉+卵」は、高雄病院でも1984年から給食に導入しました。
おそらく病院給食に玄米を導入したのは、高雄病院が日本で最初と思います。
現在もアトピーなど糖尿病や肥満以外の患者さんには入院中、供給しています。
幸い、「魚貝+鶏肉+卵」といった動物食品も食べて貰ってましたので、ビタミンB12、EPA、DHA、タウリン、鉄の不足はなく、問題が生じたことは一度もありません。
あいあいさんも、どうしても動物性食品が嫌なら、「ビタミンB12、EPA、DHA、タウリン、鉄」などをサプリで摂取するのが無難です。
せめて魚貝類だけでも、たまにではなく、しっかり毎日摂取されたら、サプリはいらないと思いますが・・・。
「痩せていて糖尿人でもない私が、スーパー糖質オフをする必要はないと判断し、夕食だけを抜いてみるプチオフを実行しました。 まだ一週間ですが、お腹いっぱい食べてもだるくなったりしないです!」
食後だるくなるのは、機能性低血糖の可能性があります。
そうであれば、糖質制限食で改善します。
2011年04月08日 (金)のブログ記事「機能性低血糖症・2011年」もご参照いただけば幸いです。
江部康二
2011年11月04日 (金)
こんばんは。
新人さんから、「肝機能障害が糖質制限食で改善、HbA1cも改善」というとても嬉しいコメントをいただきました。
9月 11月
・AST 126 25
・ALT 207 32
・γ-GTP 341 43
・LD 335 81
・HbA1c 11.3 6.1%
体重も16kg減量。
素晴らしい改善です。
良かったです。
入院中も主治医は糖質制限食を、許可してくれたのですね。
理解のある主治医で良かったです。
結局、経口糖尿病薬とかなしで、糖質制限食だけで、データの改善がみられたとしたら、すごいことです。
空腹時血糖値:110mg未満
食後1時間血糖値:180mg未満
食後2時間血糖値:140mg未満
HbA1c:5.8%未満
を達成していたら、糖尿病合併症が予防できます。
これからも美味しく楽しく末長く糖質制限食をお続けくださいね。
江部康二
☆☆☆☆☆
【11/09/12 新人
江部先生、いつもブログ拝見させていただき、また糖質制限の著書を読ませていただいてます。
先日、空腹時血糖値300以上、HbA1Cが11と診断され、現在入院3日目にて空腹時血糖値が130まで下がってはきたのですが、慢性肝炎があり、色々と見ていると米や芋などを摂取した方が良いというものを見かけるのですが、慢性肝炎がある時は、糖質制限は避けた方が良いのでしょうか?
病院食はカロリー制限食になっていて、担当医は大丈夫としか言わないので、気になってしまいます。】
11/09/13 ドクター江部
新人 さん。
拙著のご購入、ありがとうございます。
肝硬変の場合は、糖質制限食は、適応となりません。
慢性肝炎で肝硬変がなければ、大丈夫です。
【11/09/13 新人
江部先生
お答えいただき、ありがとうございます。
幸い肝硬変はなく、今朝から血糖値が正常範囲内になり、次の検査で改善が見られれば、継続すると良いと言われました。
慢性肝炎がある中で糖質制限が良いのか、悪いのかよく分からなかったので、ひとつ胸のつっかえが取れて安心しました。
お答えいただき、本当にありがとうございました。】
【11/11/03 新人
江部先生、ご無沙汰しております。
9月に慢性肝炎持ちでの糖質制限は大丈夫かという質問にお答えいただき、
ありがとうございました。
入院から1ヶ月半ほどが経過し、
肝臓の数値も
9月 11月
・AST 126 25
・ALT 207 32
・γ-GTP 341 43
・LD 335 81
と大きく改善し、アドバイスをいただいたおかげで糖質制限の効果を実感いたしました。
担当医からも20代後半ということで若さだといわれましたが、そうじゃないだろうなと実感することが出来ました。
ヘモグロビンも11.3から6.1に低下し、
コレステロールなどの脂質関連も正常範囲に戻り、体重も16kg減量することができ、現在も少しずつですが、減量を続けています。
血糖値もこの1ヵ月半は130を超えることもなく、空腹時で70後半、食後も高くても90台ほどで、安定しているので、あの時質問にお答えいただき、本当に感謝いたしております。
まだヘモグロビンは正常値より上なので、今後も無理をしないように気をつけつつ、糖質制限を実践していきたいと思います。
これからもご無理のないようお身体を大切にしていただき、ブログや著書を楽しみにさせていただきます。】
新人さんから、「肝機能障害が糖質制限食で改善、HbA1cも改善」というとても嬉しいコメントをいただきました。
9月 11月
・AST 126 25
・ALT 207 32
・γ-GTP 341 43
・LD 335 81
・HbA1c 11.3 6.1%
体重も16kg減量。
素晴らしい改善です。
良かったです。
入院中も主治医は糖質制限食を、許可してくれたのですね。
理解のある主治医で良かったです。
結局、経口糖尿病薬とかなしで、糖質制限食だけで、データの改善がみられたとしたら、すごいことです。
空腹時血糖値:110mg未満
食後1時間血糖値:180mg未満
食後2時間血糖値:140mg未満
HbA1c:5.8%未満
を達成していたら、糖尿病合併症が予防できます。
これからも美味しく楽しく末長く糖質制限食をお続けくださいね。
江部康二
☆☆☆☆☆
【11/09/12 新人
江部先生、いつもブログ拝見させていただき、また糖質制限の著書を読ませていただいてます。
先日、空腹時血糖値300以上、HbA1Cが11と診断され、現在入院3日目にて空腹時血糖値が130まで下がってはきたのですが、慢性肝炎があり、色々と見ていると米や芋などを摂取した方が良いというものを見かけるのですが、慢性肝炎がある時は、糖質制限は避けた方が良いのでしょうか?
病院食はカロリー制限食になっていて、担当医は大丈夫としか言わないので、気になってしまいます。】
11/09/13 ドクター江部
新人 さん。
拙著のご購入、ありがとうございます。
肝硬変の場合は、糖質制限食は、適応となりません。
慢性肝炎で肝硬変がなければ、大丈夫です。
【11/09/13 新人
江部先生
お答えいただき、ありがとうございます。
幸い肝硬変はなく、今朝から血糖値が正常範囲内になり、次の検査で改善が見られれば、継続すると良いと言われました。
慢性肝炎がある中で糖質制限が良いのか、悪いのかよく分からなかったので、ひとつ胸のつっかえが取れて安心しました。
お答えいただき、本当にありがとうございました。】
【11/11/03 新人
江部先生、ご無沙汰しております。
9月に慢性肝炎持ちでの糖質制限は大丈夫かという質問にお答えいただき、
ありがとうございました。
入院から1ヶ月半ほどが経過し、
肝臓の数値も
9月 11月
・AST 126 25
・ALT 207 32
・γ-GTP 341 43
・LD 335 81
と大きく改善し、アドバイスをいただいたおかげで糖質制限の効果を実感いたしました。
担当医からも20代後半ということで若さだといわれましたが、そうじゃないだろうなと実感することが出来ました。
ヘモグロビンも11.3から6.1に低下し、
コレステロールなどの脂質関連も正常範囲に戻り、体重も16kg減量することができ、現在も少しずつですが、減量を続けています。
血糖値もこの1ヵ月半は130を超えることもなく、空腹時で70後半、食後も高くても90台ほどで、安定しているので、あの時質問にお答えいただき、本当に感謝いたしております。
まだヘモグロビンは正常値より上なので、今後も無理をしないように気をつけつつ、糖質制限を実践していきたいと思います。
これからもご無理のないようお身体を大切にしていただき、ブログや著書を楽しみにさせていただきます。】
2011年11月03日 (木)
こんにちは。
週刊新潮・11月10日号に
「低糖質ダイエット」でちょっとクサイバカになる!?
という、いかにも品のない記事がでました。
登場された先生方のご意見に、いちいち反論するほどのこともありませんので、まとめて面倒みることとしましょう。(^^)
一言でいうと先生方、勉強不足です。
基本的な生理学的知識を誤解しておられますし、人類の進化を俯瞰する歴史的観点が欠落しておられます。 ε-(-Д-)
A)
まず、糖質制限食は「変わった食事」というイメージを持たれがちですが、実は人類本来の自然な食事です。
人類が誕生したのが約700万年前で、農耕が始まるまでは狩猟・採集を生業とし、すべての人類が糖質制限食を実践していました。
農耕開始後1万年間だけが、主食が穀物(糖質)へと変化しました。
すなわち穀物を主食としたのは、人類の歴史のなかでわずか700分の1の期間にすぎないのです。糖質制限食と高糖質食、どちらが人類にとって自然な食事なのかは言うまでもありません。
糖質制限食は人類本来の食事であり人類の健康食なので、内分泌・代謝・血流が全て改善し、糖尿病や肥満・メタボに限らず、さまざまな生活習慣病が改善するのです。
『ヒューマン・ニュートリション 基礎・食事・臨床 第10版
JS Garrow
WPT james
A Ralph 編
日本語版監修 細谷憲政』
上記は、英国の最も権威ある栄養学の本で、920ぺージに及ぶ大著です。
この本の75ページに
『現代の食事では、・・・・・デンプンや遊離糖に由来する「利用されやすいグルコース」を大量に摂取するようになっている。このような食事内容は血漿グルコースおよびインスリン値の定期的な上昇をもたらし、糖尿病、冠状動脈疾患、がん、老化等、多くの点で健康に有害であることが強く指摘されている。
農業の発明以来、ヒトは穀物をベースとした食物を摂取するようになったが、進化に要する時間の尺度は長く、ヒトの消化管はまだ穀物ベースの食物に適応していない。ましてや高度に加工された現代の食物に対して、到底適応しきれてないのである。』
との記載があります。
ヒューマン・ニュートリションと私の見解と一緒ですね。
B)
さて次です。
人体の血糖調節は、なかなか精妙で複雑なシステムにより維持されています。
そしてこのことが理解できれば、週刊新潮に登場された先生方の説が変であることは、すぐわかると思います。
血糖値は、「食事」「肝臓によるグリコーゲン分解・糖新生と糖の取り込み」「運動」「ストレス」「インスリン・グルカゴンなどホルモン」「女性の生理」・・・
などなど、いろいろな要素が合わさって調節されています。
1) 空腹時
食物吸収が終了した直後には、肝臓のグリコーゲン分解が、循環血液中に入るブドウ糖の主要な供給源です。
食後数時間が経過し、絶食状態が持続すると、血糖値維持のために、筋肉など多くの組織のエネルギー源は、ブドウ糖から脂肪酸やケトン体に変わります。
そして、ブドウ糖の供給源は、肝のグリコーゲン分解から糖新生(*)に切り替わります。
なお、筋肉には「グルコース6リン酸→グルコース」 とする回路がないので筋肉中のグリコーゲンからはグルコース(ブドウ糖)は作れません。
2) 主食摂食時(糖質あり)
血糖値を上昇させるのは、糖質・脂質・タンパク質のうち、糖質だけです。
糖質摂食時には、消化管から吸収されたブドウ糖は、門脈血からまず肝臓に約50%取り込まれ、それ以外が血液の大循環に回ります。
肝細胞でのブドウ糖取り込み自体は、糖輸送体Glut2(**)を介して行われ、インスリン追加分泌とは関係ありません。
しかし、肝に取り込まれたブドウ糖は、インスリンによりグリコーゲンとして蓄えられます。
糖尿人では、<肝臓のグリコーゲン分解と糖新生>が摂食時にも抑制されにくいので、食後高血糖となります。
また糖尿人は、門脈血からの肝臓のブドウ糖取り込みも低下しているので、この面でも食後高血糖を起こしやすいのです。
糖質を摂取して血糖値が上昇すれば、正常人では速やかにインスリンが追加分泌されます。この場合、追加分泌は基礎分泌の数倍~30倍レベルの大量となります。例えば基礎分泌が5μU/mlなら追加分泌は、30~150μU/mlとかです。
肝臓に取り込まれなかったブドウ糖は、肝静脈から血中に入り、動脈血中に入ったブドウ糖は、インスリン追加分泌により細胞表面に移動した糖輸送体GLUT4により、骨格筋や脂肪細胞に取り込まれます。骨格筋が、約70%の血糖を取り込みます。これにより血糖値も速やかに下がります。
筋肉中に取り込まれた血糖は、エネルギー源として使われ、残りはグリコーゲンとして蓄えられます。
取り込まれず余った血糖は、インスリンにより脂肪組織か肝臓に取り込まれ、中性脂肪に変換され蓄えられます。
インスリン濃度が高いと、血液中の中性脂肪の脂肪細胞への取り込みも促進されます。インスリンが肥満ホルモンたる所以です。
しかし、糖尿人の場合は、血液中のブドウ糖(食後高血糖)は、<インスリン分泌不足>と<筋肉や脂肪細胞におけるインスリン抵抗性>により、処理されにくいので、食後高血糖が遷延します。
また、インスリン作用不足による脂質代謝異常、アミノ酸代謝異常、高血糖そのものによるインスリン作用低下、インスリン拮抗ホルモン優位など、様々な因子が重なり合って、高血糖が持続します。
さらに、糖尿人の一部においては、胃不全麻痺(***)による内容物の排出遅延があり、吸収も遅延して通常よりかなり遅れて血糖値が上昇することがあります。
3) 糖質制限食を摂取時(糖質がごく少量)
糖質摂取が野菜分のごく少量なので、食後血糖値はほとんど上昇しません。追加分泌インスリンもごく少量で、基礎分泌の2倍くらいです。正常人で基礎分泌が5μU/mlなら追加分泌は、10μU/mlとかです。
糖質制限食を摂取時は、食事している最中にも脂質が常に燃えています。また食事中にも、肝臓でアミノ酸などから糖新生も行われています。このため糖質摂取がごく少量でも低血糖にはならないのです。
糖尿人が糖質制限食を実践すれば、食後高血糖が改善しますが、糖新生により低血糖にはなりません。
正常人が糖質制限食を実践すれば、食後血糖値は正常値の範囲で低めとなります。
例えば食後1時間でピークの血糖値は、
糖質ありでは、130~160mg
糖質制限ならせいぜい110~120mg/dl
です。
勿論、肝臓で糖新生しますので、低血糖にはなりません。
4) 運動時
安静時には、インスリンの基礎分泌はありますが少量なので、糖輸送体(Glut4)は細胞表面にでてこれず、筋肉細胞・脂肪細胞は血糖をほとんど取り込まめません。
運動時(筋収縮時)には筋肉細胞の糖輸送体(Glut4)がインスリン追加分泌がなくても細胞表面に移動して、血糖を取り込むことが可能となり、血糖値が下がります。
筋肉細胞が血糖を取り込んでエネルギー源とした後、筋肉中のグリコーゲンが満杯になれば、取り込みはストップします。
脂肪細胞は、運動には無関係です。ジョギングや歩行ていどの軽い運動が適切とされています。
糖尿人でインスリンの基礎分泌があるていど以上不足していると、運動によりかえって血糖値が上昇することがあるので注意が必要です。
バーンスタイン医師によれば、個人差はありますが、空腹時血糖値170mg/dlを超えているような場合は、そのような可能性があるとのことです。
また、強度の強い運動だと、アドレナリンや副腎皮質ホルモンなどのインスリン拮抗ホルモンが分泌されますので、血糖値が上昇することがあります。
4) ストレス
急性のストレスがあると、アドレナリン、グルカゴン、副腎皮質ステロイドホルモンなど血糖値を上げるホルモンが分泌されますので血糖値が上昇します。
血糖値は、1)・2)・3)・4)などの因子が複雑に絡み合ったシステムにより調節されています。
(*)糖新生
①脂肪組織→グリセロール(中性脂肪の分解物)→肝臓→糖新生→脂肪組織・筋肉
②筋肉→アミノ酸→肝臓→糖新生→筋肉・脂肪組織
③ブドウ糖代謝→乳酸→肝臓→糖新生→筋肉・脂肪組織
①②③はごく日常的に誰でも行っており、肝臓、筋肉、脂肪組織の間で行ったり来たり、日々糖新生の調節が行われているわけです。
すなわち空腹時とか睡眠時は、地球上の誰でも糖新生しているのです。
糖新生の調整は、インスリンが行っています。
インスリンは、強力な糖新生抑制因子です。インスリン不足だと肝臓がブドウ糖をつくり過ぎることになります。
(**)糖輸送体(Glut:glucose transporter)
ブドウ糖が細胞膜を通過して細胞内に取り込まれるためには、グルコーストランスポーター(糖輸送体)と呼ばれる膜蛋白が必要です。
Glut1~Glut14が報告されています。
Glut1(脳、赤血球、網膜などの糖輸送体)はインスリン非依存性です。
Glut2(肝臓、膵臓のβ細胞などの糖輸送体)はインスリン非依存性です。
Glut4(筋肉細胞、脂肪細胞の糖輸送体)はインスリン依存性です。
(***)胃不全麻痺
バーンスタイン医師(米国の1型糖尿病の医師で糖質制限食実践中)の本にも記載されている<胃排泄遅延・胃不全麻痺>が年期の入った糖尿人ではありえます。欧米人には、胃不全麻痺が結構多いようですが日本人でも当然ありえます。
胃不全麻痺のある糖尿人は、夕食を午後6時頃食べても、胃からの排泄が遅延して吸収が遅くなり、通常よりかなり遅れて血糖値が上昇することがあります。そのため翌朝の空腹時血糖値が高値となることがあります。
C)
最後にケトン体のことです。
Ketogenic Diet(ケトン食)が、2010年版COCHRANE LIBRARLY(コクラン ライブラリー)と、2011年版NICE(英国政府ガイドライン)の、難治性小児てんかん治療に採用されました。ケトン食は、究極の糖質制限食と言える食事療法です。
これまでは、ケトン食に対して効果は認められていましたが、治療の選択肢には入れられず、「推奨しない」とされていました。
RCTなどのエビデンスには乏しいとの指摘はありますが、難治性の小児てんかん発作を50%削減する点で有意差が得られたことが、評価されたのだと思います。また、一時的な副作用はありえますが、重篤な副作用が無いことも認められました。
ケトン食の場合血中ケトン体値は、2000~3000~4000M/L(26~122)と基準値を大幅に超えてきますが、安全性は確立しています。
ケトン食実践中は、赤血球以外の全ての細胞が、ケトン体と脂肪酸を主エネルギー源として利用しています。
赤血球だけは、ミトコンドリアがないのでブドウ糖しか利用できません。
脳は血液脳関門があるので、脂肪酸が利用できず、ケトン体を主エネルギー源とします。
脳は、ケトン食実践中は、ブドウ糖はほとんど利用しません。
2010年版COCHRANE LIBRARLY(コクラン ライブラリー)
2011年版NICE(英国政府ガイドライン)
という極めて権威のある二つのガイドラインが、ケトン食に対して明確にポジティブな評価を与えたことは、歴史的転換点であり、ビッグニュースと思います。
☆☆☆ケトン食
小児のてんかんで極めて難治性の場合があります。これは、通常のてんかんの薬を飲んでもひきつけの発作が治まらないというものなのですが、その治療として用いられているのがケトン食です。
この食事は、総摂取カロリーの75~80%が脂質という内容で、これによって難治性てんかんの発作が治まるようになるのです。これは、欧米で1920年代から続いている治療法です。
日本でも、小児科領域でケトン食療法は実施されています。
ケトン食療法は、「糖質制限食」以上の超高脂肪食で脂肪からケトン体への変換を起こし、そのケトン体が、ブドウ糖の代わりのエネルギー源として利用されることにその名前が由来しています。実際、脳を始めとして身体のほとんどのエネルギー源としてケトン体が利用されます。
☆☆☆THE COCHRANE LIBRARLY(コクラン ライブラリー)
ヘルスケアにおける診療効果に関して世界中で最も信頼されている情報源の一つ。
江部康二
週刊新潮・11月10日号に
「低糖質ダイエット」でちょっとクサイバカになる!?
という、いかにも品のない記事がでました。
登場された先生方のご意見に、いちいち反論するほどのこともありませんので、まとめて面倒みることとしましょう。(^^)
一言でいうと先生方、勉強不足です。
基本的な生理学的知識を誤解しておられますし、人類の進化を俯瞰する歴史的観点が欠落しておられます。 ε-(-Д-)
A)
まず、糖質制限食は「変わった食事」というイメージを持たれがちですが、実は人類本来の自然な食事です。
人類が誕生したのが約700万年前で、農耕が始まるまでは狩猟・採集を生業とし、すべての人類が糖質制限食を実践していました。
農耕開始後1万年間だけが、主食が穀物(糖質)へと変化しました。
すなわち穀物を主食としたのは、人類の歴史のなかでわずか700分の1の期間にすぎないのです。糖質制限食と高糖質食、どちらが人類にとって自然な食事なのかは言うまでもありません。
糖質制限食は人類本来の食事であり人類の健康食なので、内分泌・代謝・血流が全て改善し、糖尿病や肥満・メタボに限らず、さまざまな生活習慣病が改善するのです。
『ヒューマン・ニュートリション 基礎・食事・臨床 第10版
JS Garrow
WPT james
A Ralph 編
日本語版監修 細谷憲政』
上記は、英国の最も権威ある栄養学の本で、920ぺージに及ぶ大著です。
この本の75ページに
『現代の食事では、・・・・・デンプンや遊離糖に由来する「利用されやすいグルコース」を大量に摂取するようになっている。このような食事内容は血漿グルコースおよびインスリン値の定期的な上昇をもたらし、糖尿病、冠状動脈疾患、がん、老化等、多くの点で健康に有害であることが強く指摘されている。
農業の発明以来、ヒトは穀物をベースとした食物を摂取するようになったが、進化に要する時間の尺度は長く、ヒトの消化管はまだ穀物ベースの食物に適応していない。ましてや高度に加工された現代の食物に対して、到底適応しきれてないのである。』
との記載があります。
ヒューマン・ニュートリションと私の見解と一緒ですね。
B)
さて次です。
人体の血糖調節は、なかなか精妙で複雑なシステムにより維持されています。
そしてこのことが理解できれば、週刊新潮に登場された先生方の説が変であることは、すぐわかると思います。
血糖値は、「食事」「肝臓によるグリコーゲン分解・糖新生と糖の取り込み」「運動」「ストレス」「インスリン・グルカゴンなどホルモン」「女性の生理」・・・
などなど、いろいろな要素が合わさって調節されています。
1) 空腹時
食物吸収が終了した直後には、肝臓のグリコーゲン分解が、循環血液中に入るブドウ糖の主要な供給源です。
食後数時間が経過し、絶食状態が持続すると、血糖値維持のために、筋肉など多くの組織のエネルギー源は、ブドウ糖から脂肪酸やケトン体に変わります。
そして、ブドウ糖の供給源は、肝のグリコーゲン分解から糖新生(*)に切り替わります。
なお、筋肉には「グルコース6リン酸→グルコース」 とする回路がないので筋肉中のグリコーゲンからはグルコース(ブドウ糖)は作れません。
2) 主食摂食時(糖質あり)
血糖値を上昇させるのは、糖質・脂質・タンパク質のうち、糖質だけです。
糖質摂食時には、消化管から吸収されたブドウ糖は、門脈血からまず肝臓に約50%取り込まれ、それ以外が血液の大循環に回ります。
肝細胞でのブドウ糖取り込み自体は、糖輸送体Glut2(**)を介して行われ、インスリン追加分泌とは関係ありません。
しかし、肝に取り込まれたブドウ糖は、インスリンによりグリコーゲンとして蓄えられます。
糖尿人では、<肝臓のグリコーゲン分解と糖新生>が摂食時にも抑制されにくいので、食後高血糖となります。
また糖尿人は、門脈血からの肝臓のブドウ糖取り込みも低下しているので、この面でも食後高血糖を起こしやすいのです。
糖質を摂取して血糖値が上昇すれば、正常人では速やかにインスリンが追加分泌されます。この場合、追加分泌は基礎分泌の数倍~30倍レベルの大量となります。例えば基礎分泌が5μU/mlなら追加分泌は、30~150μU/mlとかです。
肝臓に取り込まれなかったブドウ糖は、肝静脈から血中に入り、動脈血中に入ったブドウ糖は、インスリン追加分泌により細胞表面に移動した糖輸送体GLUT4により、骨格筋や脂肪細胞に取り込まれます。骨格筋が、約70%の血糖を取り込みます。これにより血糖値も速やかに下がります。
筋肉中に取り込まれた血糖は、エネルギー源として使われ、残りはグリコーゲンとして蓄えられます。
取り込まれず余った血糖は、インスリンにより脂肪組織か肝臓に取り込まれ、中性脂肪に変換され蓄えられます。
インスリン濃度が高いと、血液中の中性脂肪の脂肪細胞への取り込みも促進されます。インスリンが肥満ホルモンたる所以です。
しかし、糖尿人の場合は、血液中のブドウ糖(食後高血糖)は、<インスリン分泌不足>と<筋肉や脂肪細胞におけるインスリン抵抗性>により、処理されにくいので、食後高血糖が遷延します。
また、インスリン作用不足による脂質代謝異常、アミノ酸代謝異常、高血糖そのものによるインスリン作用低下、インスリン拮抗ホルモン優位など、様々な因子が重なり合って、高血糖が持続します。
さらに、糖尿人の一部においては、胃不全麻痺(***)による内容物の排出遅延があり、吸収も遅延して通常よりかなり遅れて血糖値が上昇することがあります。
3) 糖質制限食を摂取時(糖質がごく少量)
糖質摂取が野菜分のごく少量なので、食後血糖値はほとんど上昇しません。追加分泌インスリンもごく少量で、基礎分泌の2倍くらいです。正常人で基礎分泌が5μU/mlなら追加分泌は、10μU/mlとかです。
糖質制限食を摂取時は、食事している最中にも脂質が常に燃えています。また食事中にも、肝臓でアミノ酸などから糖新生も行われています。このため糖質摂取がごく少量でも低血糖にはならないのです。
糖尿人が糖質制限食を実践すれば、食後高血糖が改善しますが、糖新生により低血糖にはなりません。
正常人が糖質制限食を実践すれば、食後血糖値は正常値の範囲で低めとなります。
例えば食後1時間でピークの血糖値は、
糖質ありでは、130~160mg
糖質制限ならせいぜい110~120mg/dl
です。
勿論、肝臓で糖新生しますので、低血糖にはなりません。
4) 運動時
安静時には、インスリンの基礎分泌はありますが少量なので、糖輸送体(Glut4)は細胞表面にでてこれず、筋肉細胞・脂肪細胞は血糖をほとんど取り込まめません。
運動時(筋収縮時)には筋肉細胞の糖輸送体(Glut4)がインスリン追加分泌がなくても細胞表面に移動して、血糖を取り込むことが可能となり、血糖値が下がります。
筋肉細胞が血糖を取り込んでエネルギー源とした後、筋肉中のグリコーゲンが満杯になれば、取り込みはストップします。
脂肪細胞は、運動には無関係です。ジョギングや歩行ていどの軽い運動が適切とされています。
糖尿人でインスリンの基礎分泌があるていど以上不足していると、運動によりかえって血糖値が上昇することがあるので注意が必要です。
バーンスタイン医師によれば、個人差はありますが、空腹時血糖値170mg/dlを超えているような場合は、そのような可能性があるとのことです。
また、強度の強い運動だと、アドレナリンや副腎皮質ホルモンなどのインスリン拮抗ホルモンが分泌されますので、血糖値が上昇することがあります。
4) ストレス
急性のストレスがあると、アドレナリン、グルカゴン、副腎皮質ステロイドホルモンなど血糖値を上げるホルモンが分泌されますので血糖値が上昇します。
血糖値は、1)・2)・3)・4)などの因子が複雑に絡み合ったシステムにより調節されています。
(*)糖新生
①脂肪組織→グリセロール(中性脂肪の分解物)→肝臓→糖新生→脂肪組織・筋肉
②筋肉→アミノ酸→肝臓→糖新生→筋肉・脂肪組織
③ブドウ糖代謝→乳酸→肝臓→糖新生→筋肉・脂肪組織
①②③はごく日常的に誰でも行っており、肝臓、筋肉、脂肪組織の間で行ったり来たり、日々糖新生の調節が行われているわけです。
すなわち空腹時とか睡眠時は、地球上の誰でも糖新生しているのです。
糖新生の調整は、インスリンが行っています。
インスリンは、強力な糖新生抑制因子です。インスリン不足だと肝臓がブドウ糖をつくり過ぎることになります。
(**)糖輸送体(Glut:glucose transporter)
ブドウ糖が細胞膜を通過して細胞内に取り込まれるためには、グルコーストランスポーター(糖輸送体)と呼ばれる膜蛋白が必要です。
Glut1~Glut14が報告されています。
Glut1(脳、赤血球、網膜などの糖輸送体)はインスリン非依存性です。
Glut2(肝臓、膵臓のβ細胞などの糖輸送体)はインスリン非依存性です。
Glut4(筋肉細胞、脂肪細胞の糖輸送体)はインスリン依存性です。
(***)胃不全麻痺
バーンスタイン医師(米国の1型糖尿病の医師で糖質制限食実践中)の本にも記載されている<胃排泄遅延・胃不全麻痺>が年期の入った糖尿人ではありえます。欧米人には、胃不全麻痺が結構多いようですが日本人でも当然ありえます。
胃不全麻痺のある糖尿人は、夕食を午後6時頃食べても、胃からの排泄が遅延して吸収が遅くなり、通常よりかなり遅れて血糖値が上昇することがあります。そのため翌朝の空腹時血糖値が高値となることがあります。
C)
最後にケトン体のことです。
Ketogenic Diet(ケトン食)が、2010年版COCHRANE LIBRARLY(コクラン ライブラリー)と、2011年版NICE(英国政府ガイドライン)の、難治性小児てんかん治療に採用されました。ケトン食は、究極の糖質制限食と言える食事療法です。
これまでは、ケトン食に対して効果は認められていましたが、治療の選択肢には入れられず、「推奨しない」とされていました。
RCTなどのエビデンスには乏しいとの指摘はありますが、難治性の小児てんかん発作を50%削減する点で有意差が得られたことが、評価されたのだと思います。また、一時的な副作用はありえますが、重篤な副作用が無いことも認められました。
ケトン食の場合血中ケトン体値は、2000~3000~4000M/L(26~122)と基準値を大幅に超えてきますが、安全性は確立しています。
ケトン食実践中は、赤血球以外の全ての細胞が、ケトン体と脂肪酸を主エネルギー源として利用しています。
赤血球だけは、ミトコンドリアがないのでブドウ糖しか利用できません。
脳は血液脳関門があるので、脂肪酸が利用できず、ケトン体を主エネルギー源とします。
脳は、ケトン食実践中は、ブドウ糖はほとんど利用しません。
2010年版COCHRANE LIBRARLY(コクラン ライブラリー)
2011年版NICE(英国政府ガイドライン)
という極めて権威のある二つのガイドラインが、ケトン食に対して明確にポジティブな評価を与えたことは、歴史的転換点であり、ビッグニュースと思います。
☆☆☆ケトン食
小児のてんかんで極めて難治性の場合があります。これは、通常のてんかんの薬を飲んでもひきつけの発作が治まらないというものなのですが、その治療として用いられているのがケトン食です。
この食事は、総摂取カロリーの75~80%が脂質という内容で、これによって難治性てんかんの発作が治まるようになるのです。これは、欧米で1920年代から続いている治療法です。
日本でも、小児科領域でケトン食療法は実施されています。
ケトン食療法は、「糖質制限食」以上の超高脂肪食で脂肪からケトン体への変換を起こし、そのケトン体が、ブドウ糖の代わりのエネルギー源として利用されることにその名前が由来しています。実際、脳を始めとして身体のほとんどのエネルギー源としてケトン体が利用されます。
☆☆☆THE COCHRANE LIBRARLY(コクラン ライブラリー)
ヘルスケアにおける診療効果に関して世界中で最も信頼されている情報源の一つ。
江部康二