2011年10月31日 (月)
こんばんは。
久山町研究50周年記念講演会に参加しての想いについて、Mdayon さんからコメントをいただきました。
【11/10/31 Mdayon
お会いしたかったです!
三宅先生は探してみたのですが、江部先生がお見えであったとは!
ひとことご挨拶をして、御礼を申し上げたかったです。そうすれば小生のモチベーションももっと高く維持できるしょうに。
江部先生、おっしゃるとおり、「なぜうまくいかなかったのか?」という考察がすっぽり抜け落ちていました。日本医学会の重鎮がそろっていながら、これは何なのでしょうか!
「失敗学」の観点からみればまさに「落第」です。
事実に謙虚であるべきことは、お医者さんにも変わりありません。
自分たちに都合の良い点ばかり披露しているようでは、パラドックスをあえて避けているのでしょうが、、、破綻するのが見えています。
せっかくの講演会でありながら、「配布資料も無い・質問コーナーも無い」というのはそこらを意識していたのかなと思われます。知識の豊富な現代の一般人にとっては議論の俎上にも上がりえません。
斯くの如き状況でありますから、江部先生や夏井先生のような先頭を走っていらっしゃる先生方のご苦労はまだまだ続くでありましょう。しかし、確実に時代のうねりは大きくなっていくであろうことは間違いありません。】
Mdayon さん。
コメントありがとうございます。
『「失敗学」の観点からみればまさに「落第」です。』(*)
まったく、同感です。
1988年から2002年まで、あの律儀で真面目な久山町の住民の方々に、14年間にわたり九州大学医学部の久山町研究グループが全力を傾注し、食事療法と運動療法を指導して糖尿病発症を予防しようとされた結果が、完全な失敗に終わった(糖尿病の激増)ことは紛れもない事実です。
2007年7月27日(金)毎日新聞朝刊の記事で、研究責任者の九州大学・清原裕教授もインタビューに答えて
「88年以後、運動や食事指導など手を尽くしたのに糖尿病は増える一方。どうすれば減るのか、最初からやり直したい」
とのコメントを述べておられます。
この時点で、「失敗学」を起動して欲しかったですね。
失敗→原因究明→失敗防止→知識配布
<失敗の内容>
糖尿病が激増という事実。
<失敗の種類>
2.結果としての失敗。果敢なトライアルの結果としての失敗。
<原因究明>
久山町研究では、食事療法と運動療法のみの介入です。
運動療法が糖尿病発症予防に、悪い影響を与える可能性はゼロです。
そうすると、理論的には消去法で、指導した食事療法(カロリー制限高糖質食・日本糖尿病学会推奨)が悪影響を与えて、糖尿病が増加したとしか考えようがありません。
<失敗防止>
糖質制限食の実践。
<知識配布>
糖質制限食の教育と普及。
昔懐かしい全共闘風な台詞?だと、
「総括して自己批判して、正しい知識を得て実践」
ですね。
かなりシンプルなお話しですので、久山町研究グループだけでなく、糖尿病学会の重鎮の先生方も、失敗学を是非、起動させて欲しいものですね。
江部康二
(*)ウィキペディアから転載
失敗学
概要
失敗に学び、同じ愚を繰り返さないようにするにはどうすればいいかを考える。さらに、こうして得られた知識を社会に広め、ほかでも似たような失敗を起こさないように考える活動。すなわち、以下3点が失敗学の核となる。
安全工学などとも関係するが、工学・経営学などを網羅的に含んだ概念(学問)である。
原因究明 (CA:Cause Analysis)
失敗防止 (FP:Failure Prevention)
知識配布 (KD:Knowledge Distribution)
提唱者は『失敗学のすすめ』(2005年4月、講談社)の著者・畑村洋太郎。失敗学の命名は立花隆。畑村を会長に、特定非営利活動法人・失敗学会が2002年に設立された。
失敗の種類
失敗の種類は大きく3つに分けられる。
1.織り込み済みの失敗。ある程度の損害やデメリットは承知の上での失敗。
2.結果としての失敗。果敢なトライアルの結果としての失敗。
3.回避可能であった失敗。ヒューマンエラーでの失敗。
1と2の失敗は、「失敗は成功の元」となり得る失敗である。また、この2つの失敗については、状況・結果などがある程度予測できたり、経験からくる的確な判断で対処したりすることができる。
3の失敗は、失敗からさらなる悪循環が生まれる失敗である。予想しておけば回避可能であったにも関わらず、予想をしていなかったためにパニックに陥り、ますます、状況を悪くしてしまう。
久山町研究50周年記念講演会に参加しての想いについて、Mdayon さんからコメントをいただきました。
【11/10/31 Mdayon
お会いしたかったです!
三宅先生は探してみたのですが、江部先生がお見えであったとは!
ひとことご挨拶をして、御礼を申し上げたかったです。そうすれば小生のモチベーションももっと高く維持できるしょうに。
江部先生、おっしゃるとおり、「なぜうまくいかなかったのか?」という考察がすっぽり抜け落ちていました。日本医学会の重鎮がそろっていながら、これは何なのでしょうか!
「失敗学」の観点からみればまさに「落第」です。
事実に謙虚であるべきことは、お医者さんにも変わりありません。
自分たちに都合の良い点ばかり披露しているようでは、パラドックスをあえて避けているのでしょうが、、、破綻するのが見えています。
せっかくの講演会でありながら、「配布資料も無い・質問コーナーも無い」というのはそこらを意識していたのかなと思われます。知識の豊富な現代の一般人にとっては議論の俎上にも上がりえません。
斯くの如き状況でありますから、江部先生や夏井先生のような先頭を走っていらっしゃる先生方のご苦労はまだまだ続くでありましょう。しかし、確実に時代のうねりは大きくなっていくであろうことは間違いありません。】
Mdayon さん。
コメントありがとうございます。
『「失敗学」の観点からみればまさに「落第」です。』(*)
まったく、同感です。
1988年から2002年まで、あの律儀で真面目な久山町の住民の方々に、14年間にわたり九州大学医学部の久山町研究グループが全力を傾注し、食事療法と運動療法を指導して糖尿病発症を予防しようとされた結果が、完全な失敗に終わった(糖尿病の激増)ことは紛れもない事実です。
2007年7月27日(金)毎日新聞朝刊の記事で、研究責任者の九州大学・清原裕教授もインタビューに答えて
「88年以後、運動や食事指導など手を尽くしたのに糖尿病は増える一方。どうすれば減るのか、最初からやり直したい」
とのコメントを述べておられます。
この時点で、「失敗学」を起動して欲しかったですね。
失敗→原因究明→失敗防止→知識配布
<失敗の内容>
糖尿病が激増という事実。
<失敗の種類>
2.結果としての失敗。果敢なトライアルの結果としての失敗。
<原因究明>
久山町研究では、食事療法と運動療法のみの介入です。
運動療法が糖尿病発症予防に、悪い影響を与える可能性はゼロです。
そうすると、理論的には消去法で、指導した食事療法(カロリー制限高糖質食・日本糖尿病学会推奨)が悪影響を与えて、糖尿病が増加したとしか考えようがありません。
<失敗防止>
糖質制限食の実践。
<知識配布>
糖質制限食の教育と普及。
昔懐かしい全共闘風な台詞?だと、
「総括して自己批判して、正しい知識を得て実践」
ですね。
かなりシンプルなお話しですので、久山町研究グループだけでなく、糖尿病学会の重鎮の先生方も、失敗学を是非、起動させて欲しいものですね。
江部康二
(*)ウィキペディアから転載
失敗学
概要
失敗に学び、同じ愚を繰り返さないようにするにはどうすればいいかを考える。さらに、こうして得られた知識を社会に広め、ほかでも似たような失敗を起こさないように考える活動。すなわち、以下3点が失敗学の核となる。
安全工学などとも関係するが、工学・経営学などを網羅的に含んだ概念(学問)である。
原因究明 (CA:Cause Analysis)
失敗防止 (FP:Failure Prevention)
知識配布 (KD:Knowledge Distribution)
提唱者は『失敗学のすすめ』(2005年4月、講談社)の著者・畑村洋太郎。失敗学の命名は立花隆。畑村を会長に、特定非営利活動法人・失敗学会が2002年に設立された。
失敗の種類
失敗の種類は大きく3つに分けられる。
1.織り込み済みの失敗。ある程度の損害やデメリットは承知の上での失敗。
2.結果としての失敗。果敢なトライアルの結果としての失敗。
3.回避可能であった失敗。ヒューマンエラーでの失敗。
1と2の失敗は、「失敗は成功の元」となり得る失敗である。また、この2つの失敗については、状況・結果などがある程度予測できたり、経験からくる的確な判断で対処したりすることができる。
3の失敗は、失敗からさらなる悪循環が生まれる失敗である。予想しておけば回避可能であったにも関わらず、予想をしていなかったためにパニックに陥り、ますます、状況を悪くしてしまう。
2011年10月30日 (日)
こんばんは。
Mdayon さんから、久山町研究50周年記念講演会について、コメントいただきました。
実は私も、九州大学100年講堂で行われた、その講演会にいってきました。
【11/10/29 Mdayon
久山町研究50周年記念講演会
久山町研究50周年記念講演会に行ってきました。
http://www.envmed.med.kyushu-u.ac.jp/50th/
日本医学界のそうそうたるメンバーが一同に会したというところでしょうか。
配布資料もなく、スライドと口演だけでしたので、素人の小生に要約は無理ですが、、、
以下、キーワードから推測・補足していただけると良いのですが。
・門脇先生が、久山町での指導の結果糖尿病が激増した事実は述べていました。
しかし、その原因は
1.遺伝子要因
2.生活習慣
3.膵β細胞の障害
であるとしていました。
1.日本人・アジア人にはミトコンドリアDNA異常(3243変異)がある。欧米型の生活習慣を取り入れた結果、「PPARγ」「UBEZE」「KXNQ1」とあいまって、リスクアリル数が増加した。
2.生活習慣がメタボを招き、前立腺以外のすべてのがんを増加させた。それには「mTOR」「IRS-2」の関与が大きい。
注目されるべきは「アディポネクチン」で、肥満を減少させ「インスリン抗体状況」を好転させる。
カロリーを70%にすれば長寿になる。
3.一旦「膵β細胞の障害」が発生すれば、坂道を転がり落ちるごとく悪化する。
4.まとめ
生活習慣・遺伝子・ゲノムコホートの検証が必要であり、いわば「オーダーメイド型医療」となるべきである。
そのキーワードは「予測」「予防」「個別」「参加」(4つのP~)
結局、「糖質制限」には、まったく触れませんでした!!
・もうひとつ、中村先生の口演のなかで印象に残ったこと。
日本の「ゲノム解析体制」は世界に遅れをとっている。オバマ大統領やブレーヤ首相が「ゲノム解析」の成果発表に立ち会っているのに、日本ではどうか。
次世代「シークエンサー」開発が進めば、医療費の大幅な削減にもつながるはずである。】
Mdayon さん。
コメントありがとうございます。
基調講演
『変貌する生活習慣病の現状と課題:久山町研究』
座長: 滋賀医科大学生活習慣病予防センター 特任教授 上島 弘嗣 先生
演者: 九州大学大学院医学研究院環境医学分野 教授 清原 裕
特別講演
『わが国における脳卒中の過去・現在・未来 ~その特徴と今後の展望~』
座長: 国立循環器病研究センター 名誉総長 尾前 照雄 先生
演者: 国立循環器病研究センター 名誉総長 山口 武典 先生
『2型糖尿病の成因 ~遺伝素因・生活習慣相互作用~』
座長: 九州中央病院 院長 飯田 三雄 先生
演者: 東京大学大学院医学系研究科糖尿病代謝内科 教授 門脇 孝 先生
『パーソナルゲノム医療に向けて』
座長: 九州大学大学院医学研究院病態機能内科学 教授 北園 孝成 先生
演者: 東京大学医科学研究所・ヒトゲノム解析センター
ゲノムシークエンス解析分野 教授 中村 祐輔 先生
Mdayon さんのご指摘通り、そうそうたるメンバーの特別講演が目白押しで、肝心の清原裕先生の基調講演が、皆さんと一緒の45分間だったのは残念でした。
質問とかする時間も全くありませんでした。参加者も、ほとんどが医療関係者のようでした。
特別講演は、山口先生、門脇先生、中村先生いずれも結構難しい内容でした。
中村先生のお話しが、高度な内容をわかりやすくという意味では、とても良かったです。
清原先生は、久山町は50年間人口がほぼ安定で、常に日本全体の年齢別構成比とほぼ一緒、つまり日本の縮図ということを強調しておられました。
日本の縮図の町で人口が安定しているので、疫学的研究が非常に実施しやすいということでした。
その意味でも世界にも類を見ない、質の高い研究であり、今後も注目したいと思います。
内容として、近年、久山町でも、糖尿病など代謝疾患が増加したことは強調されましたが、その原因とか、1988年から食事療法と運動療法をきっちり指導したのに、結局、糖尿病発症予防には失敗したというような考察とかはゼロでした。
データも2002年の検診のものまでで、新しいものはありませんでした。
久山町で、1988年と2002年に40~79才の年齢層の80%近い住民を対象とした、75g経口血糖負荷試験を用いた糖尿病の有病率調査が以下です。
男性
1988 2002
糖尿病 15.0 23.6%
IGT 19.2 21.6%
IFG 8.0 14.7%
合計 42.2 59.9%
女性
1988 2002
糖尿病 9.9 13.4%
IGT 18.8 21.3%
IFG 4.9 6.6%
合計 33.6 41.3%
IGTとIFG合わせて糖尿病予備軍です。
(IGT:食後2時間血糖値が140mg/dl以上200mg/dl未満のもの)
(IFG:空腹時血糖値が110mg/dl以上で126mg/dl未満のもの)
14年間の「食事療法と運動療法」指導にもかかわらず、久山町では糖尿病・耐糖能異常が激増したのですが、日本の縮図である久山町がこうなのだから、日本全体もこれぐらい耐糖能異常があるはずだと清原先生は仰有ってました。
しかし、40才以上の男性住民の約60%が耐糖能異常というのは、異常事態です。
いくら何でも、日本全体でそんなに糖尿病・耐糖能異常はないと思います。
下記は、厚生労働省の調査データ 1997→2002年の5年間を比較したものですが、驚くべきことにあまり増えていません。
日本全体男性 1997 2002
糖尿病 40才代 5.4 4.4%
50才代 14.2 14.0%
60才代 17.5 17.9%
70才代 11.3 21.3%
日本全体女性 1997 2002
糖尿病 40才代 5.3 3.6%
50才代 7.1 4.6%
60才代 10.6 11.5%
70才代 15.5 11.6%
2002年の日本全体の統計では、糖尿病の人は、久山町より明らかに少ない%です。
14年間きっちり、食事療法・運動療法を指導した久山町の住民の方が、何の指導もしていない日本人全体の統計より、結果として糖尿病の人の%が多かったというパラドックスについては、清原先生は兎も角として、門脇先生も一言も触れられませんでした。
門脇先生が述べられたのは、糖尿病発症要因の一般論でした。
折角の世界に誇る久山町研究ですので、仮に都合の悪いデータでもしっかり分析して、久山町の住民の皆さんの健康改善に役立てて欲しいと願うのは、私だけではないと思います。
江部康二
Mdayon さんから、久山町研究50周年記念講演会について、コメントいただきました。
実は私も、九州大学100年講堂で行われた、その講演会にいってきました。
【11/10/29 Mdayon
久山町研究50周年記念講演会
久山町研究50周年記念講演会に行ってきました。
http://www.envmed.med.kyushu-u.ac.jp/50th/
日本医学界のそうそうたるメンバーが一同に会したというところでしょうか。
配布資料もなく、スライドと口演だけでしたので、素人の小生に要約は無理ですが、、、
以下、キーワードから推測・補足していただけると良いのですが。
・門脇先生が、久山町での指導の結果糖尿病が激増した事実は述べていました。
しかし、その原因は
1.遺伝子要因
2.生活習慣
3.膵β細胞の障害
であるとしていました。
1.日本人・アジア人にはミトコンドリアDNA異常(3243変異)がある。欧米型の生活習慣を取り入れた結果、「PPARγ」「UBEZE」「KXNQ1」とあいまって、リスクアリル数が増加した。
2.生活習慣がメタボを招き、前立腺以外のすべてのがんを増加させた。それには「mTOR」「IRS-2」の関与が大きい。
注目されるべきは「アディポネクチン」で、肥満を減少させ「インスリン抗体状況」を好転させる。
カロリーを70%にすれば長寿になる。
3.一旦「膵β細胞の障害」が発生すれば、坂道を転がり落ちるごとく悪化する。
4.まとめ
生活習慣・遺伝子・ゲノムコホートの検証が必要であり、いわば「オーダーメイド型医療」となるべきである。
そのキーワードは「予測」「予防」「個別」「参加」(4つのP~)
結局、「糖質制限」には、まったく触れませんでした!!
・もうひとつ、中村先生の口演のなかで印象に残ったこと。
日本の「ゲノム解析体制」は世界に遅れをとっている。オバマ大統領やブレーヤ首相が「ゲノム解析」の成果発表に立ち会っているのに、日本ではどうか。
次世代「シークエンサー」開発が進めば、医療費の大幅な削減にもつながるはずである。】
Mdayon さん。
コメントありがとうございます。
基調講演
『変貌する生活習慣病の現状と課題:久山町研究』
座長: 滋賀医科大学生活習慣病予防センター 特任教授 上島 弘嗣 先生
演者: 九州大学大学院医学研究院環境医学分野 教授 清原 裕
特別講演
『わが国における脳卒中の過去・現在・未来 ~その特徴と今後の展望~』
座長: 国立循環器病研究センター 名誉総長 尾前 照雄 先生
演者: 国立循環器病研究センター 名誉総長 山口 武典 先生
『2型糖尿病の成因 ~遺伝素因・生活習慣相互作用~』
座長: 九州中央病院 院長 飯田 三雄 先生
演者: 東京大学大学院医学系研究科糖尿病代謝内科 教授 門脇 孝 先生
『パーソナルゲノム医療に向けて』
座長: 九州大学大学院医学研究院病態機能内科学 教授 北園 孝成 先生
演者: 東京大学医科学研究所・ヒトゲノム解析センター
ゲノムシークエンス解析分野 教授 中村 祐輔 先生
Mdayon さんのご指摘通り、そうそうたるメンバーの特別講演が目白押しで、肝心の清原裕先生の基調講演が、皆さんと一緒の45分間だったのは残念でした。
質問とかする時間も全くありませんでした。参加者も、ほとんどが医療関係者のようでした。
特別講演は、山口先生、門脇先生、中村先生いずれも結構難しい内容でした。
中村先生のお話しが、高度な内容をわかりやすくという意味では、とても良かったです。
清原先生は、久山町は50年間人口がほぼ安定で、常に日本全体の年齢別構成比とほぼ一緒、つまり日本の縮図ということを強調しておられました。
日本の縮図の町で人口が安定しているので、疫学的研究が非常に実施しやすいということでした。
その意味でも世界にも類を見ない、質の高い研究であり、今後も注目したいと思います。
内容として、近年、久山町でも、糖尿病など代謝疾患が増加したことは強調されましたが、その原因とか、1988年から食事療法と運動療法をきっちり指導したのに、結局、糖尿病発症予防には失敗したというような考察とかはゼロでした。
データも2002年の検診のものまでで、新しいものはありませんでした。
久山町で、1988年と2002年に40~79才の年齢層の80%近い住民を対象とした、75g経口血糖負荷試験を用いた糖尿病の有病率調査が以下です。
男性
1988 2002
糖尿病 15.0 23.6%
IGT 19.2 21.6%
IFG 8.0 14.7%
合計 42.2 59.9%
女性
1988 2002
糖尿病 9.9 13.4%
IGT 18.8 21.3%
IFG 4.9 6.6%
合計 33.6 41.3%
IGTとIFG合わせて糖尿病予備軍です。
(IGT:食後2時間血糖値が140mg/dl以上200mg/dl未満のもの)
(IFG:空腹時血糖値が110mg/dl以上で126mg/dl未満のもの)
14年間の「食事療法と運動療法」指導にもかかわらず、久山町では糖尿病・耐糖能異常が激増したのですが、日本の縮図である久山町がこうなのだから、日本全体もこれぐらい耐糖能異常があるはずだと清原先生は仰有ってました。
しかし、40才以上の男性住民の約60%が耐糖能異常というのは、異常事態です。
いくら何でも、日本全体でそんなに糖尿病・耐糖能異常はないと思います。
下記は、厚生労働省の調査データ 1997→2002年の5年間を比較したものですが、驚くべきことにあまり増えていません。
日本全体男性 1997 2002
糖尿病 40才代 5.4 4.4%
50才代 14.2 14.0%
60才代 17.5 17.9%
70才代 11.3 21.3%
日本全体女性 1997 2002
糖尿病 40才代 5.3 3.6%
50才代 7.1 4.6%
60才代 10.6 11.5%
70才代 15.5 11.6%
2002年の日本全体の統計では、糖尿病の人は、久山町より明らかに少ない%です。
14年間きっちり、食事療法・運動療法を指導した久山町の住民の方が、何の指導もしていない日本人全体の統計より、結果として糖尿病の人の%が多かったというパラドックスについては、清原先生は兎も角として、門脇先生も一言も触れられませんでした。
門脇先生が述べられたのは、糖尿病発症要因の一般論でした。
折角の世界に誇る久山町研究ですので、仮に都合の悪いデータでもしっかり分析して、久山町の住民の皆さんの健康改善に役立てて欲しいと願うのは、私だけではないと思います。
江部康二
2011年10月28日 (金)
おはようございます。
daipaさんから、糖質制限食でHbA1cと神経障害改善という嬉しいコメントをいただきました。
【11/10/24 daipa
効果を実感しました
江部先生
はじめまして。daipaと申します。はじめて投稿をさせて頂きます。とりあえずはご報告をさせて頂きます。
恐らくかなり長期に渡り高血糖状態であったと思われることから、単一性神経障害の程度も酷く、2011年3月頃に右手の指に力が入らない状態になってしまいました。箸も鉛筆ももてなくなり、いよいよ大変なことになったと実感しました。
そして、比較的近所の大きな病院に行って、検査をしてもらったところHBA1cが10.1という結果であり、そこの先生も即入院して、インスリン注射と食事療法のための入院をしてくださいと言われました。
長年恐れていたことでもあり、数日の猶予をもらい一旦帰宅しようとしたところ、帰路の途中の本屋で江部先生の本を手に取りました。思わず、3冊の書籍と糖質制限のメニュー本を3冊購入し、2日で全てを読みきりました。
また、インターネット(PUBMED等)で、米国糖尿病学会の治療のガイドラインを、2001年以降から全て読んでみました。そこ(江部先生の本とADAのガイドライン)に書いてあることは、大きな病院の先生が言っていたこととかなり違うという感想でした。
早速、翌日大きな病院に行って、糖質制限も一緒に実践しても良いかと相談したところ、その先生は「そのようなことを言う医者が西の方にいる(私は東京在住です)と、私の顔を見ずに言うだけでした。」それでは、食事はどうするのかと聞いたところ、「カロリー摂取の方法を入院して指導するので、それに合わせれば良い。基本は和食にすれば、徐々に血糖値は良くなる。」ということでした。指の合併症も良くなるのかと聞いたところ、糖尿病が改善すれば良くなるということでした。
しかし、私としては信頼できない状態であったため、その病院には入院せず、地元の糖尿病も診る開業医の先生にお世話になりに行きました。しかし、ここでも糖質制限は拒絶されましたが、1日3回のアマリールの処方と毎月の検査を行うこととなりました。
なぜ、糖質制限の話を少しも正面から向き合おうとしないのか理解できませんでしたが、私としてはどうしても腑に落ちないところがあったため、アマリールの服用とともに糖質制限を徹底しました。
その後、5月の検査でHBA1cが9.1、6月は8.2、7月 7.1、8月6.0、9月5.3(10月の受診は10/22でその際にも検査していますが、それはまだわかりません。)という結果でした。
その際に、先生は「この数値であれば人間ドックに行っても正常と判断されるでしょう。今月からはアマリールの服用を1日1回にしましょう。」と言われました。
しかし、なぜここまで良くなったかはまったく聞かれませんでした。私から糖質制限をしていることを言おうとしたのですが、以前と同じ反応であるかもしれないと思い、敢えて言うことはしませんでした。
まずは、上記の私の体験を報告させて頂くとともに、糖質制限食の効果を実感した喜びをご報告したいと思いました。そして、最近徐々にですが、右手の指にも力が入るようになってきており、それに対しても大変な喜びを感じております。どこまで改善するのかはわかりませんが、リハビリ(握力運動だけですが)もしながら、糖尿病と合併症の改善に突き進みたいと思います。
今後は江部先生のお考えを地元の医師や病院の医師にも話してみたいと思います。そして、1人でも多くの糖尿病患者が苦労を少なく改善できる手助けがでればと思っています。
長文になりましたが、自分の体験の報告とともに江部先生のご尽力に御礼申し上げます。】
daipaさん。
6冊も本をご購入いただき、ありがとうございます。m(_ _)m
「3冊の書籍と糖質制限のメニュー本を3冊購入し、2日で全てを読みきりました。
また、インターネット(PUBMED等)で、米国糖尿病学会の治療のガイドラインを、2001年以降から全て読んでみました。そこ(江部先生の本とADAのガイドライン)に書いてあることは、大きな病院の先生が言っていたこととかなり違うという感想でした。」
すごい熱意ですね。
これだけの情熱があれば、少々の糖尿病など、何のそのです。
仰有るとおり、<米国糖尿病学会リコメンデーション2011>の食事療法では、
「低脂肪カロリー制限食でも炭水化物制限食でも地中海食でもよいが、炭水化物に注目することが血糖コントロールを改善する基本戦略である。(エビデンスレベルA)」
との記載があり、またカーボカウンティング(糖質管理食)も推奨しています。
つまり、食事療法において4つの選択肢があり、エビデンスレベルAの根拠が背景にあるわけです。
日本糖尿病学会の「科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン」2010の食事療法の記載とは、明らかに温度差がありますね。
日本のガイドラインには、「低脂肪・高糖質カロリー制限食」のみをグレードAで推奨と、明確な指針が記載されています。
しかし、そのエビデンスのレベルは驚くべきことに『E』(最低のレベル)となっています。
即ち、「グレードAで推奨する食事療法が、科学的根拠に基づいていない」という、とても変なことになっています。(∵)?
米国のリコメンデーションに比べて、これはいくら何でも如何なものでしょう。
「2011年3月、HbA1c:10.1%
右手指の神経障害で手指に力が入らない。
糖質制限食を開始して
2011年9月、HbA1c:5.3%
徐々に右手指に力が入るようになってきた。」
HbA1c、素晴らしい改善です。
また神経障害の改善も良かったですね。
順調な血糖値改善で低血糖の恐れがありますから、アマリールは減量してもらって、良かったです。
さらに改善すれば、アマリール中止も充分可能と思いますよ。
このまま美味しく楽しく末長く、糖質制限食をお続けください。
「今後は江部先生のお考えを地元の医師や病院の医師にも話してみたいと思います。」
ありがとうございます。
でも無理はなさらず、自然体でいって下さいね。
江部康二
daipaさんから、糖質制限食でHbA1cと神経障害改善という嬉しいコメントをいただきました。
【11/10/24 daipa
効果を実感しました
江部先生
はじめまして。daipaと申します。はじめて投稿をさせて頂きます。とりあえずはご報告をさせて頂きます。
恐らくかなり長期に渡り高血糖状態であったと思われることから、単一性神経障害の程度も酷く、2011年3月頃に右手の指に力が入らない状態になってしまいました。箸も鉛筆ももてなくなり、いよいよ大変なことになったと実感しました。
そして、比較的近所の大きな病院に行って、検査をしてもらったところHBA1cが10.1という結果であり、そこの先生も即入院して、インスリン注射と食事療法のための入院をしてくださいと言われました。
長年恐れていたことでもあり、数日の猶予をもらい一旦帰宅しようとしたところ、帰路の途中の本屋で江部先生の本を手に取りました。思わず、3冊の書籍と糖質制限のメニュー本を3冊購入し、2日で全てを読みきりました。
また、インターネット(PUBMED等)で、米国糖尿病学会の治療のガイドラインを、2001年以降から全て読んでみました。そこ(江部先生の本とADAのガイドライン)に書いてあることは、大きな病院の先生が言っていたこととかなり違うという感想でした。
早速、翌日大きな病院に行って、糖質制限も一緒に実践しても良いかと相談したところ、その先生は「そのようなことを言う医者が西の方にいる(私は東京在住です)と、私の顔を見ずに言うだけでした。」それでは、食事はどうするのかと聞いたところ、「カロリー摂取の方法を入院して指導するので、それに合わせれば良い。基本は和食にすれば、徐々に血糖値は良くなる。」ということでした。指の合併症も良くなるのかと聞いたところ、糖尿病が改善すれば良くなるということでした。
しかし、私としては信頼できない状態であったため、その病院には入院せず、地元の糖尿病も診る開業医の先生にお世話になりに行きました。しかし、ここでも糖質制限は拒絶されましたが、1日3回のアマリールの処方と毎月の検査を行うこととなりました。
なぜ、糖質制限の話を少しも正面から向き合おうとしないのか理解できませんでしたが、私としてはどうしても腑に落ちないところがあったため、アマリールの服用とともに糖質制限を徹底しました。
その後、5月の検査でHBA1cが9.1、6月は8.2、7月 7.1、8月6.0、9月5.3(10月の受診は10/22でその際にも検査していますが、それはまだわかりません。)という結果でした。
その際に、先生は「この数値であれば人間ドックに行っても正常と判断されるでしょう。今月からはアマリールの服用を1日1回にしましょう。」と言われました。
しかし、なぜここまで良くなったかはまったく聞かれませんでした。私から糖質制限をしていることを言おうとしたのですが、以前と同じ反応であるかもしれないと思い、敢えて言うことはしませんでした。
まずは、上記の私の体験を報告させて頂くとともに、糖質制限食の効果を実感した喜びをご報告したいと思いました。そして、最近徐々にですが、右手の指にも力が入るようになってきており、それに対しても大変な喜びを感じております。どこまで改善するのかはわかりませんが、リハビリ(握力運動だけですが)もしながら、糖尿病と合併症の改善に突き進みたいと思います。
今後は江部先生のお考えを地元の医師や病院の医師にも話してみたいと思います。そして、1人でも多くの糖尿病患者が苦労を少なく改善できる手助けがでればと思っています。
長文になりましたが、自分の体験の報告とともに江部先生のご尽力に御礼申し上げます。】
daipaさん。
6冊も本をご購入いただき、ありがとうございます。m(_ _)m
「3冊の書籍と糖質制限のメニュー本を3冊購入し、2日で全てを読みきりました。
また、インターネット(PUBMED等)で、米国糖尿病学会の治療のガイドラインを、2001年以降から全て読んでみました。そこ(江部先生の本とADAのガイドライン)に書いてあることは、大きな病院の先生が言っていたこととかなり違うという感想でした。」
すごい熱意ですね。
これだけの情熱があれば、少々の糖尿病など、何のそのです。
仰有るとおり、<米国糖尿病学会リコメンデーション2011>の食事療法では、
「低脂肪カロリー制限食でも炭水化物制限食でも地中海食でもよいが、炭水化物に注目することが血糖コントロールを改善する基本戦略である。(エビデンスレベルA)」
との記載があり、またカーボカウンティング(糖質管理食)も推奨しています。
つまり、食事療法において4つの選択肢があり、エビデンスレベルAの根拠が背景にあるわけです。
日本糖尿病学会の「科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン」2010の食事療法の記載とは、明らかに温度差がありますね。
日本のガイドラインには、「低脂肪・高糖質カロリー制限食」のみをグレードAで推奨と、明確な指針が記載されています。
しかし、そのエビデンスのレベルは驚くべきことに『E』(最低のレベル)となっています。
即ち、「グレードAで推奨する食事療法が、科学的根拠に基づいていない」という、とても変なことになっています。(∵)?
米国のリコメンデーションに比べて、これはいくら何でも如何なものでしょう。
「2011年3月、HbA1c:10.1%
右手指の神経障害で手指に力が入らない。
糖質制限食を開始して
2011年9月、HbA1c:5.3%
徐々に右手指に力が入るようになってきた。」
HbA1c、素晴らしい改善です。
また神経障害の改善も良かったですね。
順調な血糖値改善で低血糖の恐れがありますから、アマリールは減量してもらって、良かったです。
さらに改善すれば、アマリール中止も充分可能と思いますよ。
このまま美味しく楽しく末長く、糖質制限食をお続けください。
「今後は江部先生のお考えを地元の医師や病院の医師にも話してみたいと思います。」
ありがとうございます。
でも無理はなさらず、自然体でいって下さいね。
江部康二
2011年10月27日 (木)
こんばんは。
NHKゆうどきネットワーク
2011年10月25日(火)
16:50~18:00 総合テレビ
▽糖尿病患者・予備軍に朗報!おいしい低糖質メニュー
▽有名シェフが協力
▽究極のキウイ
ミニ特集「有名シェフの豪華低糖質メニュー」
が放映されて、北里研究所病院糖尿病センター長・山田悟先生も出演されました。
糖質制限食OK中華フルコース、フレンチフルコースのあと、デザートで東京・尾山台のオーボンビュータンの河田勝彦シェフが大豆粉を使った苺のタルトを紹介されました。
苺を使ってあったので、本ブログにも「苺のタルト」に疑問を呈すコメントがありました。
それで、その件に関して、山田悟先生から、メールをいただきました。
あの苺のタルトはオリジナルレシピで1ホール20gの糖質量だそうです。
6分割して3.5g弱、8分割して2.5gの糖質にしかなりません。
実際に山田先生の糖尿病患者さん11名が食べて実験したところ、血糖値上昇はほとんどなかったそうです。(^_^)
河田シェフの「苺のタルト」、糖質制限食OK食品です。
以下は山田悟先生のメッセージです。
「河田シェフは3月の震災以降、何度も東北を訪問してボランティアでケーキを配布するという活動をやっておられる尊敬できる方です。
また、日本中すべての洋菓子界の方たちが、間違いなくその名前を知っている日本洋菓子界の父とも呼ばれる方です。
彼が糖質制限ケーキを焼くということは、日本中のパティシエの方たちが安心してやってくださることにつながると思っています。」
江部康二
NHKゆうどきネットワーク
2011年10月25日(火)
16:50~18:00 総合テレビ
▽糖尿病患者・予備軍に朗報!おいしい低糖質メニュー
▽有名シェフが協力
▽究極のキウイ
ミニ特集「有名シェフの豪華低糖質メニュー」
が放映されて、北里研究所病院糖尿病センター長・山田悟先生も出演されました。
糖質制限食OK中華フルコース、フレンチフルコースのあと、デザートで東京・尾山台のオーボンビュータンの河田勝彦シェフが大豆粉を使った苺のタルトを紹介されました。
苺を使ってあったので、本ブログにも「苺のタルト」に疑問を呈すコメントがありました。
それで、その件に関して、山田悟先生から、メールをいただきました。
あの苺のタルトはオリジナルレシピで1ホール20gの糖質量だそうです。
6分割して3.5g弱、8分割して2.5gの糖質にしかなりません。
実際に山田先生の糖尿病患者さん11名が食べて実験したところ、血糖値上昇はほとんどなかったそうです。(^_^)
河田シェフの「苺のタルト」、糖質制限食OK食品です。
以下は山田悟先生のメッセージです。
「河田シェフは3月の震災以降、何度も東北を訪問してボランティアでケーキを配布するという活動をやっておられる尊敬できる方です。
また、日本中すべての洋菓子界の方たちが、間違いなくその名前を知っている日本洋菓子界の父とも呼ばれる方です。
彼が糖質制限ケーキを焼くということは、日本中のパティシエの方たちが安心してやってくださることにつながると思っています。」
江部康二
2011年10月26日 (水)
こんにちは。
今朝はぐっと冷えて、さすがに長袖にしました。
秋は一年で一番好きな季節です。爽やかです。
高雄病院でも、この秋初めて、長袖の白衣を着用しました。それまでは、半袖のケーシー型でした。
さて、サクランボさんから、糖質制限食で血糖値・HbA1cが改善という嬉しいコメントをいただきました。
【11/10/24 サクランボ
はじめまして
初めてメールをさせていただきます。
半年前に偶然、本当に奇跡とも思えるほどの先生のブログとの出会いでした。
もう10年近くも糖尿病と戦っておりました。薬を飲んでも食事制限(糖質制限ではなくカロリー制限)を医師の指導の下しておりましたがまったく血糖値が下がらず低血糖との戦いでもありました。先生の糖質制限を読み目からうろことはこのことかとショックでした。
甘いもの好き、ごはん好きの私にはゼロに近い糖質炭水化物制限は考えることはできませんでしたが、8.5もあるHba1cの値に心を入れ替えて、実践させていただきました。
すると2か月後の数値は6.4.体重も5キロ減。
その3か月後の本日検査の結果は5.8です。
かかりつけ医師の驚きようはすごかったです。
私もヤッタという思いで涙がでました。
体重も合計で10キロ減。完璧に標準体重です。
おかず(お肉、魚、野菜)だけでもまったく空腹感もなく、ごはんや、麺類がなくても満足です。
これからもこの生活を続けていこうと思います。
先生のご指導をこれからも拝見させていただき、 いろいろな方のコメントを読ませていただき、自分の活力にしていきたいと思います。 本当にありがとうございます。】
サクランボさん。
糖質制限食3ヶ月で
HbA1c:8.5%→ 5.8%
素晴らしい改善ですね。良かったです。 (^_^)
10年間のカロリー制限食と内服薬で、徐々に悪化して、HbA1c:8.5%が、わずか3ヶ月間で5.8%ですから、
かかりつけの先生の驚く顔が、目に見えるようです。
糖質を摂取しながら、HbA1cを下げようと、薬物療法を強化すると仰有る通り「低血糖」との戦いとなります。
なおかつ、それでも糖質を摂取する限りは、食後高血糖も生じるので、HbA1cはなかなか改善しません。
これは糖尿人がいくら努力しても、糖質を摂取する限りは解決しない問題です。
このことを担当の医師や栄養士が理解してないことが多いので、多くの糖尿人がコントロール不良というレッテルを押されてつらい思いを強いられているのが悲しい現状です。(+_+)
「体重も合計で10キロ減。完璧に標準体重です。 おかず(お肉、魚、野菜)だけでもまったく空腹感もなく、ごはんや、麺類がなくても満足です。」
減量成功も良かったです。
だいたい若い頃の体重に落ち着きます。
糖質制限食、とても上手に実践されていると思います。
10年間のつらいカロリー制限食に比べれば、肉も魚も食べ放題の糖質制限食は、段違いに楽ですね。
これからも美味しく楽しく糖質制限食をお続けください。ヾ(^▽^)
江部康二
今朝はぐっと冷えて、さすがに長袖にしました。
秋は一年で一番好きな季節です。爽やかです。
高雄病院でも、この秋初めて、長袖の白衣を着用しました。それまでは、半袖のケーシー型でした。
さて、サクランボさんから、糖質制限食で血糖値・HbA1cが改善という嬉しいコメントをいただきました。
【11/10/24 サクランボ
はじめまして
初めてメールをさせていただきます。
半年前に偶然、本当に奇跡とも思えるほどの先生のブログとの出会いでした。
もう10年近くも糖尿病と戦っておりました。薬を飲んでも食事制限(糖質制限ではなくカロリー制限)を医師の指導の下しておりましたがまったく血糖値が下がらず低血糖との戦いでもありました。先生の糖質制限を読み目からうろことはこのことかとショックでした。
甘いもの好き、ごはん好きの私にはゼロに近い糖質炭水化物制限は考えることはできませんでしたが、8.5もあるHba1cの値に心を入れ替えて、実践させていただきました。
すると2か月後の数値は6.4.体重も5キロ減。
その3か月後の本日検査の結果は5.8です。
かかりつけ医師の驚きようはすごかったです。
私もヤッタという思いで涙がでました。
体重も合計で10キロ減。完璧に標準体重です。
おかず(お肉、魚、野菜)だけでもまったく空腹感もなく、ごはんや、麺類がなくても満足です。
これからもこの生活を続けていこうと思います。
先生のご指導をこれからも拝見させていただき、 いろいろな方のコメントを読ませていただき、自分の活力にしていきたいと思います。 本当にありがとうございます。】
サクランボさん。
糖質制限食3ヶ月で
HbA1c:8.5%→ 5.8%
素晴らしい改善ですね。良かったです。 (^_^)
10年間のカロリー制限食と内服薬で、徐々に悪化して、HbA1c:8.5%が、わずか3ヶ月間で5.8%ですから、
かかりつけの先生の驚く顔が、目に見えるようです。
糖質を摂取しながら、HbA1cを下げようと、薬物療法を強化すると仰有る通り「低血糖」との戦いとなります。
なおかつ、それでも糖質を摂取する限りは、食後高血糖も生じるので、HbA1cはなかなか改善しません。
これは糖尿人がいくら努力しても、糖質を摂取する限りは解決しない問題です。
このことを担当の医師や栄養士が理解してないことが多いので、多くの糖尿人がコントロール不良というレッテルを押されてつらい思いを強いられているのが悲しい現状です。(+_+)
「体重も合計で10キロ減。完璧に標準体重です。 おかず(お肉、魚、野菜)だけでもまったく空腹感もなく、ごはんや、麺類がなくても満足です。」
減量成功も良かったです。
だいたい若い頃の体重に落ち着きます。
糖質制限食、とても上手に実践されていると思います。
10年間のつらいカロリー制限食に比べれば、肉も魚も食べ放題の糖質制限食は、段違いに楽ですね。
これからも美味しく楽しく糖質制限食をお続けください。ヾ(^▽^)
江部康二
2011年10月25日 (火)
こんばんは
看護ジャーナル・2011NOV.vol.1 no.7 36-45 に
【糖尿病治療に有効な「糖質制限食」を日本の学会はなぜ異端視するのか】
と題して、
江部康二
北里研究所病院糖尿病センター長・山田悟先生
東海大学医学部・大櫛陽一教授
の順で、3名のインタビューを中心とした記事が掲載されました。
当然ながら糖質制限食肯定派の主張を中心とした内容で、とてもおもしろいものとなっています。
例えば、山田先生の談話で、
「科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン」2010の食事療法の部分、
「・・・カロリーの設定方法や3大栄養素の摂取比率などについては明確な指針が記載されています。
しかしエビデンスのレベルは『E』(最低のレベル)となっています。・・・」
エビデンスレベルが『E』というのは私も、びっくりです。
題名とは異なり科学的根拠なしなのです。
山田先生の勇気ある発言ですね。
興味がある人は、アマゾンで手に入ります。
http://www.amazon.co.jp/%E7%9C%8B%E8%AD%B7%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%8A%E3%83%AB-2011%E5%B9%B4-11%E6%9C%88%E5%8F%B7-%E9%9B%91%E8%AA%8C/dp/B005T5W5DQ/ref=sr_1_7?ie=UTF8&qid=1319436333&sr=8-7
今朝、アマゾンでも楽天でも売り切れになってましたが、出版社がすぐに補充したそうで、現在は手に入ります。
江部康二
看護ジャーナル・2011NOV.vol.1 no.7 36-45 に
【糖尿病治療に有効な「糖質制限食」を日本の学会はなぜ異端視するのか】
と題して、
江部康二
北里研究所病院糖尿病センター長・山田悟先生
東海大学医学部・大櫛陽一教授
の順で、3名のインタビューを中心とした記事が掲載されました。
当然ながら糖質制限食肯定派の主張を中心とした内容で、とてもおもしろいものとなっています。
例えば、山田先生の談話で、
「科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン」2010の食事療法の部分、
「・・・カロリーの設定方法や3大栄養素の摂取比率などについては明確な指針が記載されています。
しかしエビデンスのレベルは『E』(最低のレベル)となっています。・・・」
エビデンスレベルが『E』というのは私も、びっくりです。
題名とは異なり科学的根拠なしなのです。
山田先生の勇気ある発言ですね。
興味がある人は、アマゾンで手に入ります。
http://www.amazon.co.jp/%E7%9C%8B%E8%AD%B7%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%8A%E3%83%AB-2011%E5%B9%B4-11%E6%9C%88%E5%8F%B7-%E9%9B%91%E8%AA%8C/dp/B005T5W5DQ/ref=sr_1_7?ie=UTF8&qid=1319436333&sr=8-7
今朝、アマゾンでも楽天でも売り切れになってましたが、出版社がすぐに補充したそうで、現在は手に入ります。
江部康二
2011年10月25日 (火)
おはようございます。
コメントで情報をいただきました。
私がNHKさんの宣伝をするのも何だか変なのですが、糖質制限食関連の美味しそうな話しなので、記事にしました。 (^^)
NHKゆうどきネットワーク
2011年10月25日(火)
16:50~18:00 総合テレビ
▽糖尿病患者・予備軍に朗報!おいしい低糖質メニュー
▽有名シェフが協力
▽究極のキウイ
ミニ特集「有名シェフの豪華低糖質メニュー」
という、内容がNHKのホームページに記載されてました。
今回は、「ためしてガッテン」とは違って、期待できそうですね。(⌒o⌒)v
近畿地方は放映されないようですので、京都も見ることができませんが、それ以外の41都道府県はOKですよ。
糖質制限食普及に、なかなかの追い風ですね。ヾ(^▽^)
江部康二
コメントで情報をいただきました。
私がNHKさんの宣伝をするのも何だか変なのですが、糖質制限食関連の美味しそうな話しなので、記事にしました。 (^^)
NHKゆうどきネットワーク
2011年10月25日(火)
16:50~18:00 総合テレビ
▽糖尿病患者・予備軍に朗報!おいしい低糖質メニュー
▽有名シェフが協力
▽究極のキウイ
ミニ特集「有名シェフの豪華低糖質メニュー」
という、内容がNHKのホームページに記載されてました。
今回は、「ためしてガッテン」とは違って、期待できそうですね。(⌒o⌒)v
近畿地方は放映されないようですので、京都も見ることができませんが、それ以外の41都道府県はOKですよ。
糖質制限食普及に、なかなかの追い風ですね。ヾ(^▽^)
江部康二
2011年10月24日 (月)
こんにちは。
看護ジャーナル・2011NOV.vol.1 no.7 36-45 に
【糖尿病治療に有効な「糖質制限食」を日本の学会はなぜ異端視するのか】
と題して、
江部康二
北里研究所病院糖尿病センター長・山田悟先生
東海大学医学部・大櫛陽一教授
の順で、3名のインタビューを中心とした記事が掲載されました。
当然ながら糖質制限食肯定派の主張を中心とした内容で、とてもおもしろいものとなっています。
興味がある人は、アマゾンで手に入ります。
http://www.amazon.co.jp/%E7%9C%8B%E8%AD%B7%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%8A%E3%83%AB-2011%E5%B9%B4-11%E6%9C%88%E5%8F%B7-%E9%9B%91%E8%AA%8C/dp/B005T5W5DQ/ref=sr_1_7?ie=UTF8&qid=1319436333&sr=8-7
その中で、大櫛先生が日本糖尿病学会は「食後の運動」を勧めているが、糖尿病患者にはほとんど効果がないと述べておられます。
これは、食後血糖値に関して「糖質制限食の効果」と「運動の効果」を調べた、高雄病院と東海大学の共同研究が背景にあります。
研究結果は、2009年の日本糖尿病学会年次学術集会で発表されました。
少し補足しますと、
1)基礎分泌インスリンがあるていど以上不足している段階の糖尿人には、運動療法の効果がほとんどない。
2)BMI25以上の糖尿人も運動効果はほとんど期待できない。
ということです。
言い換えれば、普通の体型の人で、インスリン基礎分泌があるていど残っていれば、運動療法の効果は期待できますので。 (^^)
私も基礎分泌インスリンが1.6~3.2μU/ml(3~15)と少なめですが、このていど残っていれば、明らかに運動効果はあります。
江部康二
看護ジャーナル・2011NOV.vol.1 no.7 36-45 に
【糖尿病治療に有効な「糖質制限食」を日本の学会はなぜ異端視するのか】
と題して、
江部康二
北里研究所病院糖尿病センター長・山田悟先生
東海大学医学部・大櫛陽一教授
の順で、3名のインタビューを中心とした記事が掲載されました。
当然ながら糖質制限食肯定派の主張を中心とした内容で、とてもおもしろいものとなっています。
興味がある人は、アマゾンで手に入ります。
http://www.amazon.co.jp/%E7%9C%8B%E8%AD%B7%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%8A%E3%83%AB-2011%E5%B9%B4-11%E6%9C%88%E5%8F%B7-%E9%9B%91%E8%AA%8C/dp/B005T5W5DQ/ref=sr_1_7?ie=UTF8&qid=1319436333&sr=8-7
その中で、大櫛先生が日本糖尿病学会は「食後の運動」を勧めているが、糖尿病患者にはほとんど効果がないと述べておられます。
これは、食後血糖値に関して「糖質制限食の効果」と「運動の効果」を調べた、高雄病院と東海大学の共同研究が背景にあります。
研究結果は、2009年の日本糖尿病学会年次学術集会で発表されました。
少し補足しますと、
1)基礎分泌インスリンがあるていど以上不足している段階の糖尿人には、運動療法の効果がほとんどない。
2)BMI25以上の糖尿人も運動効果はほとんど期待できない。
ということです。
言い換えれば、普通の体型の人で、インスリン基礎分泌があるていど残っていれば、運動療法の効果は期待できますので。 (^^)
私も基礎分泌インスリンが1.6~3.2μU/ml(3~15)と少なめですが、このていど残っていれば、明らかに運動効果はあります。
江部康二
2011年10月22日 (土)
おはようございます。
昨夜は、定例の第三金曜ライブでした。
途中から雨が降ってきて、お客さんの入りはいつもより少なかったです。 (*- -)(*_ _)
それでもライブもトークもおおいに盛り上がり、楽しい一夜でした。(⌒o⌒)v
今朝もまだ雨が降り続いている京都です。
さて
『主食を抜けば糖尿病は良くなる! 糖質制限食レシピ集』(東洋経済新報社)

近日中発売ですがamazonで予約できる状態になりました。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4492044442/ref=pd_lpo_k2_dp_sr_1?pf_rd_p=466449256&pf_rd_s=lpo-top-stripe&pf_rd_t=201&pf_rd_i=4492042962&pf_rd_m=AN1VRQENFRJN5&pf_rd_r=1ZFTQB55MDEKRGTJQW45
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』(東洋経済新報社)は、2005年に刊行して以後、おかげさまで16版を重ねるロングセラーとなっております。
そのレシピ本を今回、満を持して出版いたします。
今回のレシピ本は、「長続きできる糖質制限食」ということに力点を置いてあります。
“家庭料理のプロ”である壷林先生にご協力いただき、普通の食材で簡単に作れて、しかも美味しい糖質制限メニューが満載です。
代替主食や、ボリュームアップの方法など、長続きのための知恵がたっぷりで、献立の立て方なども丁寧に解説してあります。
外食の知恵、コンビニ活用法などお役立ちコラム、Q&Aも充実しています。
大判サイズで読みやすい本です。
理論・料理とも日本一の糖質制限食レシピ本になったと自負しております。
『主食を抜けば糖尿病は良くなる! 糖質制限食レシピ集』
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』
共々、よろしくお願い申しあげます。
江部康二
昨夜は、定例の第三金曜ライブでした。
途中から雨が降ってきて、お客さんの入りはいつもより少なかったです。 (*- -)(*_ _)
それでもライブもトークもおおいに盛り上がり、楽しい一夜でした。(⌒o⌒)v
今朝もまだ雨が降り続いている京都です。
さて
『主食を抜けば糖尿病は良くなる! 糖質制限食レシピ集』(東洋経済新報社)

近日中発売ですがamazonで予約できる状態になりました。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4492044442/ref=pd_lpo_k2_dp_sr_1?pf_rd_p=466449256&pf_rd_s=lpo-top-stripe&pf_rd_t=201&pf_rd_i=4492042962&pf_rd_m=AN1VRQENFRJN5&pf_rd_r=1ZFTQB55MDEKRGTJQW45
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』(東洋経済新報社)は、2005年に刊行して以後、おかげさまで16版を重ねるロングセラーとなっております。
そのレシピ本を今回、満を持して出版いたします。
今回のレシピ本は、「長続きできる糖質制限食」ということに力点を置いてあります。
“家庭料理のプロ”である壷林先生にご協力いただき、普通の食材で簡単に作れて、しかも美味しい糖質制限メニューが満載です。
代替主食や、ボリュームアップの方法など、長続きのための知恵がたっぷりで、献立の立て方なども丁寧に解説してあります。
外食の知恵、コンビニ活用法などお役立ちコラム、Q&Aも充実しています。
大判サイズで読みやすい本です。
理論・料理とも日本一の糖質制限食レシピ本になったと自負しております。
『主食を抜けば糖尿病は良くなる! 糖質制限食レシピ集』
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』
共々、よろしくお願い申しあげます。
江部康二
2011年10月21日 (金)
こんにちは。
初心者クライマーさんから、低血糖症が糖質制限食で改善という嬉しいコメントと、糖質制限食に関するアドバイスについて質問をいただきました。
【11/10/21 初心者クライマー
意志の弱さ
江部先生、初めまして。
トラッキーさんの一年の努力の記事に、微妙なコメントで不思議な感じです。
ワタシは糖尿病では無いのですが、低血糖が酷く、東京女子医科大の先生に勧められた糖質低減食を実行して良い結果を得ています。
3時間置きに、タンパク質多めの食事を小腹が空かない程度に食べる程度の、手軽な物です。
それで、血糖値も安定してるし、運動もボチボチやってるので、ボディビルダーのようなカラダになってきてますよ。
血糖値が安定すると、気持ちも落ち着くから、甘いモノが欲しいとかはホトンド関係ない生活を送ってます。
で、ヤッシーさんに対しての意味では無いのですが、どうも糖尿病は「意志の強い」「弱い」とごっちゃにされる感じがあります。
もともとの体質も有るだろうし、またはどうしても甘い物が断てない人もいるだろうし。
医師の治療と、各患者の心構えや意志は、あまり関係ない気もするのですが、(というか本人の問題だから・・・)、お医者さんとしてはどのようにアドバイスされる物なのか、お教えください。またはもしも既に記事にされていたら、他の方でも結構ですので、お教えくださいませ。】
初心者クライマーさん。
コメントありがとうございます。
『ワタシは糖尿病では無いのですが、低血糖が酷く、東京女子医科大の先生に勧められた糖質低減食を実行して良い結果を得ています。』
糖質低減食とは、緩やかな糖質制限食ですかね。
低血糖症状が改善して、良かったです。
東京女子医大のドクターも、糖質低減食を勧めるとは、素晴らしいです。
大学病院の診察室でのことなら、とても勇気のあるドクターです。
<糖質摂取→血糖値上昇→追加分泌インスリンの遷延・過剰分泌→そのため後に低血糖>という基本原理をしっかり把握しておられるドクターとお見受けしました。
『医師の治療と、各患者の心構えや意志は、あまり関係ない気もするのですが、(というか本人の問題だから・・・)、お医者さんとしてはどのようにアドバイスされる物なのか、お教えください。』
仰有る通り、本人の問題です。
そして、多くの生活習慣病治療には、「本人の問題=自己管理」が大切な役割を果たしています。
特に私が多く関わっている「糖尿病」「アトピー性皮膚炎」などは、治療成功の可否のほとんどは、自己管理にかかっているといっても過言ではありません。
といって、患者さんまかせで、ほったらかしにするわけではありません。
それでは、私(医師)や栄養士の役割は何でしょう?
例えば、高雄病院に入院されて、糖尿病の治療を行うとします。
このとき、糖質制限食で血糖コントロールは速やかに改善しますが、同時にこの食事療法のことをしっかり勉強してもらいます。
勉強しながら実際の体験を通して、「血糖値を上昇させるのは糖質だけである。」といった生理学的事実を実感してもらいます。
また、同一カロリーの「従来の糖尿病食」と「糖質制限食」を食べて、血糖値の日内変動(採血7~8回)を測定し、食後血糖値の上昇の大きな差を確認してもらいます。
つまり、糖質制限食治療をすることで、血糖コントロール良好に持っていくことに加えて、退院してからの自己管理の技を修得してもらうことも、入院治療の大切な目的の一つなのです。
教育において、医師・看護師・栄養士・検査技師・・・それぞれの役割があります。
入院後半は、グルコバイやグルファストを食前に内服して主食(糖質)を少量(適量)摂取して、食後1時間、2時間血糖値を測定して実験することが多いです。
食後2時間血糖値140mg/dl未満を目指します。個人差があるので、適量は一人一人違います。
また栄養指導にしても、食事量が普通タイプ、少食タイプ、大食タイプで、糖質制限食という基本は一緒でも、ポイントがそれぞれ異なってきます。
甘いものが好きな人には
糖質制限ドットコム http://www.toushitsuseigen.com/
を紹介します。
このように、 糖質制限食という原則はあっても、一人一人の多様性に応じて、アドバイスも臨機応変に対応することとなります。
江部康二
初心者クライマーさんから、低血糖症が糖質制限食で改善という嬉しいコメントと、糖質制限食に関するアドバイスについて質問をいただきました。
【11/10/21 初心者クライマー
意志の弱さ
江部先生、初めまして。
トラッキーさんの一年の努力の記事に、微妙なコメントで不思議な感じです。
ワタシは糖尿病では無いのですが、低血糖が酷く、東京女子医科大の先生に勧められた糖質低減食を実行して良い結果を得ています。
3時間置きに、タンパク質多めの食事を小腹が空かない程度に食べる程度の、手軽な物です。
それで、血糖値も安定してるし、運動もボチボチやってるので、ボディビルダーのようなカラダになってきてますよ。
血糖値が安定すると、気持ちも落ち着くから、甘いモノが欲しいとかはホトンド関係ない生活を送ってます。
で、ヤッシーさんに対しての意味では無いのですが、どうも糖尿病は「意志の強い」「弱い」とごっちゃにされる感じがあります。
もともとの体質も有るだろうし、またはどうしても甘い物が断てない人もいるだろうし。
医師の治療と、各患者の心構えや意志は、あまり関係ない気もするのですが、(というか本人の問題だから・・・)、お医者さんとしてはどのようにアドバイスされる物なのか、お教えください。またはもしも既に記事にされていたら、他の方でも結構ですので、お教えくださいませ。】
初心者クライマーさん。
コメントありがとうございます。
『ワタシは糖尿病では無いのですが、低血糖が酷く、東京女子医科大の先生に勧められた糖質低減食を実行して良い結果を得ています。』
糖質低減食とは、緩やかな糖質制限食ですかね。
低血糖症状が改善して、良かったです。
東京女子医大のドクターも、糖質低減食を勧めるとは、素晴らしいです。
大学病院の診察室でのことなら、とても勇気のあるドクターです。
<糖質摂取→血糖値上昇→追加分泌インスリンの遷延・過剰分泌→そのため後に低血糖>という基本原理をしっかり把握しておられるドクターとお見受けしました。
『医師の治療と、各患者の心構えや意志は、あまり関係ない気もするのですが、(というか本人の問題だから・・・)、お医者さんとしてはどのようにアドバイスされる物なのか、お教えください。』
仰有る通り、本人の問題です。
そして、多くの生活習慣病治療には、「本人の問題=自己管理」が大切な役割を果たしています。
特に私が多く関わっている「糖尿病」「アトピー性皮膚炎」などは、治療成功の可否のほとんどは、自己管理にかかっているといっても過言ではありません。
といって、患者さんまかせで、ほったらかしにするわけではありません。
それでは、私(医師)や栄養士の役割は何でしょう?
例えば、高雄病院に入院されて、糖尿病の治療を行うとします。
このとき、糖質制限食で血糖コントロールは速やかに改善しますが、同時にこの食事療法のことをしっかり勉強してもらいます。
勉強しながら実際の体験を通して、「血糖値を上昇させるのは糖質だけである。」といった生理学的事実を実感してもらいます。
また、同一カロリーの「従来の糖尿病食」と「糖質制限食」を食べて、血糖値の日内変動(採血7~8回)を測定し、食後血糖値の上昇の大きな差を確認してもらいます。
つまり、糖質制限食治療をすることで、血糖コントロール良好に持っていくことに加えて、退院してからの自己管理の技を修得してもらうことも、入院治療の大切な目的の一つなのです。
教育において、医師・看護師・栄養士・検査技師・・・それぞれの役割があります。
入院後半は、グルコバイやグルファストを食前に内服して主食(糖質)を少量(適量)摂取して、食後1時間、2時間血糖値を測定して実験することが多いです。
食後2時間血糖値140mg/dl未満を目指します。個人差があるので、適量は一人一人違います。
また栄養指導にしても、食事量が普通タイプ、少食タイプ、大食タイプで、糖質制限食という基本は一緒でも、ポイントがそれぞれ異なってきます。
甘いものが好きな人には
糖質制限ドットコム http://www.toushitsuseigen.com/
を紹介します。
このように、 糖質制限食という原則はあっても、一人一人の多様性に応じて、アドバイスも臨機応変に対応することとなります。
江部康二
2011年10月20日 (木)
こんばんは。
トラッキーさんから、「緩やかな糖質制限食でインスリン分泌能が改善」という嬉しいコメントをいただきました。
【11/10/19 トラッキー
一年経って
江部先生
ご無沙汰しています。トラッキーです。
先日健康診断で糖代謝数値の前年比がわかりました。
この一年、中途半端な糖質制限(毎食、糖質をなるべく少なくとか、アルコールは発泡酒と蒸留酒とか)と、可能な限りの食後を含む、毎日平均7-8000歩のウォーキング)を実施したところ。
空腹血糖 113<- 98
負荷前血糖 105<- 95
血糖(30分) 142<- 171
インスリン前 1.0<- 0.4
インスリン30 13.5<- 6.4
同分泌指数 0.33<- 0.08
HOMA-R 0.28<-?
という結果でした。よくわからないのですが、空腹時上昇はともかく、30分後が改善(グルコーススパイクも半減)、インスリンも上昇していることから、努力により再生が難しいといわれるすい臓の機能が若干なりとも改善されているのではと勝手に思っているのですが、その考えは正しいのでしょうか?
お時間あれば教えていただければ幸いです。
ちなみに163Cm,45.1Kg, BMI 17.2、肥満度ー21.6 ,中性脂肪28とやせすぎ、貧血傾向と言われます。体調は全く問題ありません。
どうぞよろしくお願いします。(64歳、男性)】
トラッキー さん。
明らかに、インスリン分泌指数が、改善しておられます。
良かったですね。
インスリン分泌能が改善したので、負荷後30分の血糖値が、1年前に比し随分いいです。
前年度は76mgのスパイクが、今年は37mgしかありません。
インスリン分泌指数=<30分後インスリン値-0分インスリン値>÷<30分血糖値-0分血糖値>
インスリン分泌指数は、インスリン追加分泌のうち初期分泌能の指標です。
前年度のインスリン分泌指数:0.08 → 今年度のインスリン分泌指数:0.33
大きな改善です。0.4以上が正常なのであと一歩です。
HOMA-β=<360×空腹時インスリン値>÷<空腹時血糖値-63>
HOMA-βは食後2時間のインスリン分泌能と相関します。40~60が正常です。
前年度のHOMA-β:4.5 → 今年度のHOMA-β:8.57
こちらも、まだ不足ですが、改善しています。
この調子で、糖質制限食を続ければ、さらに改善するかもしれません。
美味しく楽しく末長く糖質制限食をお続けくださいね。
江部康二
トラッキーさんから、「緩やかな糖質制限食でインスリン分泌能が改善」という嬉しいコメントをいただきました。
【11/10/19 トラッキー
一年経って
江部先生
ご無沙汰しています。トラッキーです。
先日健康診断で糖代謝数値の前年比がわかりました。
この一年、中途半端な糖質制限(毎食、糖質をなるべく少なくとか、アルコールは発泡酒と蒸留酒とか)と、可能な限りの食後を含む、毎日平均7-8000歩のウォーキング)を実施したところ。
空腹血糖 113<- 98
負荷前血糖 105<- 95
血糖(30分) 142<- 171
インスリン前 1.0<- 0.4
インスリン30 13.5<- 6.4
同分泌指数 0.33<- 0.08
HOMA-R 0.28<-?
という結果でした。よくわからないのですが、空腹時上昇はともかく、30分後が改善(グルコーススパイクも半減)、インスリンも上昇していることから、努力により再生が難しいといわれるすい臓の機能が若干なりとも改善されているのではと勝手に思っているのですが、その考えは正しいのでしょうか?
お時間あれば教えていただければ幸いです。
ちなみに163Cm,45.1Kg, BMI 17.2、肥満度ー21.6 ,中性脂肪28とやせすぎ、貧血傾向と言われます。体調は全く問題ありません。
どうぞよろしくお願いします。(64歳、男性)】
トラッキー さん。
明らかに、インスリン分泌指数が、改善しておられます。
良かったですね。
インスリン分泌能が改善したので、負荷後30分の血糖値が、1年前に比し随分いいです。
前年度は76mgのスパイクが、今年は37mgしかありません。
インスリン分泌指数=<30分後インスリン値-0分インスリン値>÷<30分血糖値-0分血糖値>
インスリン分泌指数は、インスリン追加分泌のうち初期分泌能の指標です。
前年度のインスリン分泌指数:0.08 → 今年度のインスリン分泌指数:0.33
大きな改善です。0.4以上が正常なのであと一歩です。
HOMA-β=<360×空腹時インスリン値>÷<空腹時血糖値-63>
HOMA-βは食後2時間のインスリン分泌能と相関します。40~60が正常です。
前年度のHOMA-β:4.5 → 今年度のHOMA-β:8.57
こちらも、まだ不足ですが、改善しています。
この調子で、糖質制限食を続ければ、さらに改善するかもしれません。
美味しく楽しく末長く糖質制限食をお続けくださいね。
江部康二
2011年10月19日 (水)
こんばんは。
さる2011年9月12日は、中秋の名月だったようで、月がとても綺麗でした。
その夜、京都「室町和久傳」で、久しぶりに宮本輝先生と対談しました。
前回の
「我ら糖尿人、元気なのには理由がある。」(東洋経済新報社、2009年)
のときは、ホテルの部屋を借りて、お昼に素面で頭脳全開で、マジでハードでガチンコな内容の対談でした。
輝先生の鋭い質問にタジタジとなりながらも、対談をやり終えた達成感が心地よかったです。 (^_^)
そのあとは、勿論(?)赤ワインなどで乾杯しながら、
ステーキを堪能でしたが・・・。(^^)
今回は、最初から輝先生のご提案で、芋焼酎をちびちび飲みながら、
「室町和久傳」の糖質制限食フルコースを食べながらのリラックスした対談でした。
対談の席には私が一足先に着いて、定刻の3分くらい前に輝先生が来られました。
キッチリ、ネクタイをしめておられて、私はノーネクタイだった(暑い日だったんです…)ので
一寸、一瞬、冷や汗でした。(=_=;)
輝先生、すみませんでした。m(_ _)m
文藝春秋が主催で、11月号に対談内容が、すでに掲載されました。(P314~P321)
私のブログ「ドクター江部の糖尿病徒然日記」での、2人の出会いから対談が始まって、
糖質制限食開始後の輝先生の体験を通した、いろんな話題で盛り上がりました。
ちなみに、私は輝先生とお呼びし、輝先生は私を江部ちゃんと呼んではります。
輝先生の検査データは、糖質制限食開始前がHbA1c:7.4%で現在は5.0%で私よりもいいです。
中性脂肪:58mg、LDL-C:114mgと全ての検査データが正常になられました。
2008年3月、HbA1c7.4%になったころは、
カロリー制限食できっちり食事療法を実践されていたのに徐々に悪化していったそうです。
なおかつ、蛋白尿が陽性であり、すでに糖尿病腎症第3期Aに進行しておられました。
それが糖質制限食実践で、現在は蛋白尿(-)はおろか、尿中微量アルブミンも正常値となり、
第1期(腎症前期)まで改善されています。糖質制限食が間に合ったのだと思います。
輝先生の主治医も柔軟な姿勢で糖質制限食を見守ってくださり、大変ありがたいことでした。
糖質制限食(高タンパク食)実践で、従来の常識とは異なり、
「糖尿病腎症第3期A→第1期(腎症前期)」という
劇的改善がみられたことに、主治医は大変驚かれたそうです。
「室町和久傳」の対談が無事終了したあと、
シメは京都ホテルのメインバーに移動して
ドライマティーニ、
ジンリッキー、
バレンタイン17年+ペリエ → 輝先生ご推奨です。
フィリップ・マーロー(ハードボイルド)気分で
カクテルなど楽しみました。(⌒o⌒)v
酔っぱらって、輝ちゃんとか言ったりしてないか、ちょっぴり心配でしたが、楽しい一夜でした。
ほろ酔い気分でタクシーから降りて、嵯峨広沢でみる中秋の名月は、風流でとっても綺麗でしたよ。
今回の記事、少しタイミングが遅れてしまいましたが、あしからず。
江部康二
さる2011年9月12日は、中秋の名月だったようで、月がとても綺麗でした。
その夜、京都「室町和久傳」で、久しぶりに宮本輝先生と対談しました。
前回の
「我ら糖尿人、元気なのには理由がある。」(東洋経済新報社、2009年)
のときは、ホテルの部屋を借りて、お昼に素面で頭脳全開で、マジでハードでガチンコな内容の対談でした。
輝先生の鋭い質問にタジタジとなりながらも、対談をやり終えた達成感が心地よかったです。 (^_^)
そのあとは、勿論(?)赤ワインなどで乾杯しながら、
ステーキを堪能でしたが・・・。(^^)
今回は、最初から輝先生のご提案で、芋焼酎をちびちび飲みながら、
「室町和久傳」の糖質制限食フルコースを食べながらのリラックスした対談でした。
対談の席には私が一足先に着いて、定刻の3分くらい前に輝先生が来られました。
キッチリ、ネクタイをしめておられて、私はノーネクタイだった(暑い日だったんです…)ので
一寸、一瞬、冷や汗でした。(=_=;)
輝先生、すみませんでした。m(_ _)m
文藝春秋が主催で、11月号に対談内容が、すでに掲載されました。(P314~P321)
私のブログ「ドクター江部の糖尿病徒然日記」での、2人の出会いから対談が始まって、
糖質制限食開始後の輝先生の体験を通した、いろんな話題で盛り上がりました。
ちなみに、私は輝先生とお呼びし、輝先生は私を江部ちゃんと呼んではります。
輝先生の検査データは、糖質制限食開始前がHbA1c:7.4%で現在は5.0%で私よりもいいです。
中性脂肪:58mg、LDL-C:114mgと全ての検査データが正常になられました。
2008年3月、HbA1c7.4%になったころは、
カロリー制限食できっちり食事療法を実践されていたのに徐々に悪化していったそうです。
なおかつ、蛋白尿が陽性であり、すでに糖尿病腎症第3期Aに進行しておられました。
それが糖質制限食実践で、現在は蛋白尿(-)はおろか、尿中微量アルブミンも正常値となり、
第1期(腎症前期)まで改善されています。糖質制限食が間に合ったのだと思います。
輝先生の主治医も柔軟な姿勢で糖質制限食を見守ってくださり、大変ありがたいことでした。
糖質制限食(高タンパク食)実践で、従来の常識とは異なり、
「糖尿病腎症第3期A→第1期(腎症前期)」という
劇的改善がみられたことに、主治医は大変驚かれたそうです。
「室町和久傳」の対談が無事終了したあと、
シメは京都ホテルのメインバーに移動して
ドライマティーニ、
ジンリッキー、
バレンタイン17年+ペリエ → 輝先生ご推奨です。
フィリップ・マーロー(ハードボイルド)気分で
カクテルなど楽しみました。(⌒o⌒)v
酔っぱらって、輝ちゃんとか言ったりしてないか、ちょっぴり心配でしたが、楽しい一夜でした。
ほろ酔い気分でタクシーから降りて、嵯峨広沢でみる中秋の名月は、風流でとっても綺麗でしたよ。
今回の記事、少しタイミングが遅れてしまいましたが、あしからず。
江部康二
2011年10月18日 (火)
【糖質制限食 質問、記事、本に関するお知らせ・お願い】
ブログ読者の皆さんには、いつもコメントいただき、ありがとうございます。
糖質制限食に関する質問についてですが、実際に高雄病院や江部診療所に来院されて診察した患者さんに対しては、医師としての責任・債務がありますので、個別に説明もしっかりさせて頂いていますし、フォローもしております。
一方、ブログ読者の皆さんの質問に関しては、糖質制限食に詳しい医師として、ボランティアで回答させていただいています。
診察もしておりませんしフォローもできませんので、責任もとれません。
私の回答は、あくまでも一般論としての参考意見とお考え頂けば幸いです。
また、ブログ記事や本に関しても同様に、糖質制限食に関する一般論としての参考意見とお考え下さい。
従いまして、読者の皆さんが私の参考意見を読まれて、どのように利用されるかは、自己責任でよろしくお願い申し上げます。m(_ _)m
そして読者の皆さんからもご意見いただきましたが、普通のお医者さんに相談可能な個人的な内容の質問は、
ご自分の主治医にご相談頂けば助かります。
またネットで簡単に検索可能なことは、ご自分でお調べください。
質問が増えてきましたので、糖質制限食と関わりがないと判断した質問にはお答えできない場合もありますので、ご了承ください。m(_ _)m
掲載OKの質問に関して、読者の皆さんに共有していただきたい情報の場合は、ブログ本文にて、できるだけ順番にお答えしたいと思います。
質問によっては、コメント欄でお早めにお答えする場合もありますのでご了承ください。
一方、質問がかなり増えてきていますので、なかなか即、お答えすることが困難となってきています。
糖質制限食に関わりのある全ての質問に、本文かコメントでお答えするようできるだけ努力はしていますが、できないときはご容赦願います。m(_ _)m
それから、「管理人のみ閲覧できる」「匿名希望」などの質問に関しては、コメント欄にお答えするか、一般的な話題に置き換えてブログに記載するようにしていますので、よろしくお願い申し上げます。
【糖質制限食とは】
米国糖尿病協会(ADA)によれば、食べ物が消化・吸収されたあと、糖質は100%血糖に変わりますが、タンパク質・脂質は血糖に変わりません。
また糖質は、摂取直後から急峻に血糖値を高く速く上昇させ、2時間以内にほとんどすべてが吸収されます。
これらは含有エネルギーとは無関係な三大栄養素の生理学的特質です。
1997年版のLife With Diabetes(ADA)では、
「タンパク質は約半分が血糖に変わり、脂質は10%未満が血糖に変わる」
という記載がありましたが、2004年版では変更されています。
このように糖質、脂質、タンパク質のうち糖質だけが血糖値を上昇させます。
従って、糖質を摂取した時にはインスリンが大量に追加分泌されます。
脂質を摂取しても、インスリンの追加分泌はありません。タンパク質はごく少量のインスリンを追加分泌させます。
現在糖尿病において、食後の急激な高血糖(グルコーススパイク)が大きな問題として注目されています。
食後高血糖が、心筋梗塞や脳梗塞などの合併症を起こす危険因子として確立されたからです。
そして、食後高血糖を起こすのは、三大栄養素のなかで糖質だけなのです。
1gの糖質が、体重64kgの2型糖尿病の人の血糖値を約3mg上昇させます。
炊いた白ご飯茶碗1杯150g(252kcal)には、55.3gの糖質が含まれており、血糖値を166mg上昇させます。
一方、牛サーロインステーキを200g(約1000キロカロリー)食べても、糖質含有量は1gもないので、食後高血糖はほとんど生じないのです。
なお、1gの糖質が体重64kgの1型糖尿病の人の血糖値を5mg上昇させます。
糖質制限食の基本的な考え方は、上述のような生理学的事実をベースに、できるだけ糖質の摂取を低く抑えて、食後高血糖を防ぐというものです。
簡単に言えば、主食を抜いておかずばかり食べるというイメージになります。
抜く必要がある主食とは米飯・めん類・パンなどの米・麦製品や芋類など糖質が主成分のものです。
3食主食抜きのスーパー糖質制限食(糖質12%、タンパク質32%、脂質56%)なら、薬に頼ることなく速やかにリアルタイムで良好な血糖コントロールが可能です。
一方、上述の白ご飯とステーキの例でも明らかなように、カロリー計算に基づいて血糖値をコントロールすることは理論的に不可能です。
従って、現行の日本糖尿病学会推薦の糖尿病食(糖質60%、タンパク質20%、脂質20%)を実践する限りは、一日の摂取カロリーを1200キロカロリーと低く抑えたとしても、食後高血糖が必ず生じるのです。
糖尿病の改善には、カロリー制限より糖質制限ということがおわかりいただけたと思います。
なお糖質制限食は、カロリー無制限ということではありません。
一般的な標準摂取カロリーの範囲、すなわち男性なら1600~2000キロカロリー、女性なら1200~1600キロカロリーくらいが目安です。
【糖質制限食を実践される時のご注意】
本にも書いてありますが、 糖質制限食によりリアルタイムに血糖値が改善します。このため既に、経口血糖降下剤(オイグルコン、アマリールなど)の内服やインスリン注射をしておられる糖尿人は、低血糖の心配がありますので必ず主治医と相談して頂きたいと思います。
一方、薬を使用してない糖尿人は、低血糖の心配はほとんどないので、
理論
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」2005年
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」2008年
「我ら糖尿人、元気なのには理由がある。」2009年
「やせる食べ方」2010年
「うちの母は糖尿人」2010年 監修:江部康二 著:伊藤きのと
(東洋経済新報社)
「糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食」2010年(ナツメ社)
腹いっぱい食べて楽々痩せる『満腹ダイエット』 (ソフトバンク新書) 2011年
レシピ
「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」2006年
「糖質制限食 春のレシピ」2007年
「糖質制限食 夏のレシピ」2007年
「糖質制限食 秋のレシピ」2008年
「糖質制限食 冬のレシピ」2008年
「血糖値を上げない! 健康おつまみ109 」2010年
「やせる食べかたレシピ集」2010年
(東洋経済新報社)
「糖質オフ」ごちそうごはん
(アスペクト)2009年
dancyu プレジデントムック 「満腹ダイエット 」(プレジデント社)2009年
dancyu プレジデントムック 「酒飲みダイエット 」(プレジデント社)2010年
dancyu プレジデントムック 「美食家ダイエット 」(プレジデント社)2011年
糖質オフダイエット (レタスクラブ、角川マーケティング)2011年
誰もがストレスなくやせられる! 糖質制限ダイエット(講談社)2011年
DVD「糖質制限食を語る」http://www.yaserutabekata.com/shop/dvd.php 2011年
などを参考にされ、自力で 糖質制限食を実践して糖尿病改善を目指していただけば幸いです。
血液検査で血清クレアチニン値が高値で腎障害がある場合と、活動性の膵炎がある場合、肝硬変の場合は、糖質制限食は適応となりませんのでご注意ください。
糖質制限食は相対的に高タンパク・高脂肪食になるので、腎不全と活動性膵炎には適応とならないのです。
肝硬変では、糖新生能力が低下しているため適応となりません。
なお、機能性低血糖症の場合、炭水化物依存症レベルが重症のとき、糖新生能力が低下していることがあり、まれに低血糖症を生じますので注意が必要です。
また、どのような食事療法でも合う合わないがあります。
糖質制限食もその一つですので、合わないとご自分で判断されたら中止していただけば幸いです。
ブログ読者の皆さんには、いつもコメントいただき、ありがとうございます。
糖質制限食に関する質問についてですが、実際に高雄病院や江部診療所に来院されて診察した患者さんに対しては、医師としての責任・債務がありますので、個別に説明もしっかりさせて頂いていますし、フォローもしております。
一方、ブログ読者の皆さんの質問に関しては、糖質制限食に詳しい医師として、ボランティアで回答させていただいています。
診察もしておりませんしフォローもできませんので、責任もとれません。
私の回答は、あくまでも一般論としての参考意見とお考え頂けば幸いです。
また、ブログ記事や本に関しても同様に、糖質制限食に関する一般論としての参考意見とお考え下さい。
従いまして、読者の皆さんが私の参考意見を読まれて、どのように利用されるかは、自己責任でよろしくお願い申し上げます。m(_ _)m
そして読者の皆さんからもご意見いただきましたが、普通のお医者さんに相談可能な個人的な内容の質問は、
ご自分の主治医にご相談頂けば助かります。
またネットで簡単に検索可能なことは、ご自分でお調べください。
質問が増えてきましたので、糖質制限食と関わりがないと判断した質問にはお答えできない場合もありますので、ご了承ください。m(_ _)m
掲載OKの質問に関して、読者の皆さんに共有していただきたい情報の場合は、ブログ本文にて、できるだけ順番にお答えしたいと思います。
質問によっては、コメント欄でお早めにお答えする場合もありますのでご了承ください。
一方、質問がかなり増えてきていますので、なかなか即、お答えすることが困難となってきています。
糖質制限食に関わりのある全ての質問に、本文かコメントでお答えするようできるだけ努力はしていますが、できないときはご容赦願います。m(_ _)m
それから、「管理人のみ閲覧できる」「匿名希望」などの質問に関しては、コメント欄にお答えするか、一般的な話題に置き換えてブログに記載するようにしていますので、よろしくお願い申し上げます。
【糖質制限食とは】
米国糖尿病協会(ADA)によれば、食べ物が消化・吸収されたあと、糖質は100%血糖に変わりますが、タンパク質・脂質は血糖に変わりません。
また糖質は、摂取直後から急峻に血糖値を高く速く上昇させ、2時間以内にほとんどすべてが吸収されます。
これらは含有エネルギーとは無関係な三大栄養素の生理学的特質です。
1997年版のLife With Diabetes(ADA)では、
「タンパク質は約半分が血糖に変わり、脂質は10%未満が血糖に変わる」
という記載がありましたが、2004年版では変更されています。
このように糖質、脂質、タンパク質のうち糖質だけが血糖値を上昇させます。
従って、糖質を摂取した時にはインスリンが大量に追加分泌されます。
脂質を摂取しても、インスリンの追加分泌はありません。タンパク質はごく少量のインスリンを追加分泌させます。
現在糖尿病において、食後の急激な高血糖(グルコーススパイク)が大きな問題として注目されています。
食後高血糖が、心筋梗塞や脳梗塞などの合併症を起こす危険因子として確立されたからです。
そして、食後高血糖を起こすのは、三大栄養素のなかで糖質だけなのです。
1gの糖質が、体重64kgの2型糖尿病の人の血糖値を約3mg上昇させます。
炊いた白ご飯茶碗1杯150g(252kcal)には、55.3gの糖質が含まれており、血糖値を166mg上昇させます。
一方、牛サーロインステーキを200g(約1000キロカロリー)食べても、糖質含有量は1gもないので、食後高血糖はほとんど生じないのです。
なお、1gの糖質が体重64kgの1型糖尿病の人の血糖値を5mg上昇させます。
糖質制限食の基本的な考え方は、上述のような生理学的事実をベースに、できるだけ糖質の摂取を低く抑えて、食後高血糖を防ぐというものです。
簡単に言えば、主食を抜いておかずばかり食べるというイメージになります。
抜く必要がある主食とは米飯・めん類・パンなどの米・麦製品や芋類など糖質が主成分のものです。
3食主食抜きのスーパー糖質制限食(糖質12%、タンパク質32%、脂質56%)なら、薬に頼ることなく速やかにリアルタイムで良好な血糖コントロールが可能です。
一方、上述の白ご飯とステーキの例でも明らかなように、カロリー計算に基づいて血糖値をコントロールすることは理論的に不可能です。
従って、現行の日本糖尿病学会推薦の糖尿病食(糖質60%、タンパク質20%、脂質20%)を実践する限りは、一日の摂取カロリーを1200キロカロリーと低く抑えたとしても、食後高血糖が必ず生じるのです。
糖尿病の改善には、カロリー制限より糖質制限ということがおわかりいただけたと思います。
なお糖質制限食は、カロリー無制限ということではありません。
一般的な標準摂取カロリーの範囲、すなわち男性なら1600~2000キロカロリー、女性なら1200~1600キロカロリーくらいが目安です。
【糖質制限食を実践される時のご注意】
本にも書いてありますが、 糖質制限食によりリアルタイムに血糖値が改善します。このため既に、経口血糖降下剤(オイグルコン、アマリールなど)の内服やインスリン注射をしておられる糖尿人は、低血糖の心配がありますので必ず主治医と相談して頂きたいと思います。
一方、薬を使用してない糖尿人は、低血糖の心配はほとんどないので、
理論
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」2005年
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」2008年
「我ら糖尿人、元気なのには理由がある。」2009年
「やせる食べ方」2010年
「うちの母は糖尿人」2010年 監修:江部康二 著:伊藤きのと
(東洋経済新報社)
「糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食」2010年(ナツメ社)
腹いっぱい食べて楽々痩せる『満腹ダイエット』 (ソフトバンク新書) 2011年
レシピ
「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」2006年
「糖質制限食 春のレシピ」2007年
「糖質制限食 夏のレシピ」2007年
「糖質制限食 秋のレシピ」2008年
「糖質制限食 冬のレシピ」2008年
「血糖値を上げない! 健康おつまみ109 」2010年
「やせる食べかたレシピ集」2010年
(東洋経済新報社)
「糖質オフ」ごちそうごはん
(アスペクト)2009年
dancyu プレジデントムック 「満腹ダイエット 」(プレジデント社)2009年
dancyu プレジデントムック 「酒飲みダイエット 」(プレジデント社)2010年
dancyu プレジデントムック 「美食家ダイエット 」(プレジデント社)2011年
糖質オフダイエット (レタスクラブ、角川マーケティング)2011年
誰もがストレスなくやせられる! 糖質制限ダイエット(講談社)2011年
DVD「糖質制限食を語る」http://www.yaserutabekata.com/shop/dvd.php 2011年
などを参考にされ、自力で 糖質制限食を実践して糖尿病改善を目指していただけば幸いです。
血液検査で血清クレアチニン値が高値で腎障害がある場合と、活動性の膵炎がある場合、肝硬変の場合は、糖質制限食は適応となりませんのでご注意ください。
糖質制限食は相対的に高タンパク・高脂肪食になるので、腎不全と活動性膵炎には適応とならないのです。
肝硬変では、糖新生能力が低下しているため適応となりません。
なお、機能性低血糖症の場合、炭水化物依存症レベルが重症のとき、糖新生能力が低下していることがあり、まれに低血糖症を生じますので注意が必要です。
また、どのような食事療法でも合う合わないがあります。
糖質制限食もその一つですので、合わないとご自分で判断されたら中止していただけば幸いです。
2011年10月18日 (火)
おはようございます。
哺乳類のなかで、ヒトとサルとモルモットだけが、ビタミンCを作れません。
従って、食事からビタミンCを摂取しなくてはなりません。
進化の過程の食生活を通して、そのような身体を獲得したと考えられます。
それでは年間を通して、食べることができるビタミンC源にはどのようなものがあるでしょう。
チンパンジーと分岐して以降約700万年間、人類は狩猟・採集を生業としており、日常的な食料は、魚貝類、小動物や動物の肉・内臓・骨・骨髄、野草、野菜、キノコ、海藻、昆虫などです。
ときどき食べることができたのは、木の実、種子類、果物、山イモなどの球根類でしょうか。
上記のなかで、ビタミンCが豊富なのは、野草、野菜、種子類、果物です。
果物は、実りの秋といいますが、実は年間通して旬の物があります。
ただ野生種で小さいし、木になる果物は、サルやチンパンジーなどと競合しており、樹上生活者の猿のおこぼれくらいが人類の手に入ったのでしょうが、日常的なビタミンC補充には、足らなかったと思います。
野イチゴなどが、人類の先祖のほうが手に入れやすかったと思いますが、少量でしょう。
野草は年間通して、確実に獲得できるビタミンC供給源だった可能性があります。
せり、つくし、のびる、ふき・ふきのとうなどには、ビタミンCが豊富に含まれています。
他の野草にもビタミンCはあると思いますし、野草なら年間を通して何か常に摂取することが可能です。
種子類のなかでシイ、ギンナン、クリなどにはビタミンCが豊富に含まれています。
ともあれ、農耕前の人類は野草、果物、種子類から、年間を通してビタミンCを補充していたのでしょう。
サルも基本的には、ヒトと同じような食物からビタミンCを摂取していたのだとと思いますが、果物獲得に関してはヒトより有利ですね。
次はモルモットです。
モルモットは完全な草食性動物で、野生では、野草や草の実、穀類などを食べています。
モルモットの場合は、ビタミンCの供給源は、ほとんど野草だったと考えられます。
このように考えてくると、ヒトにおいても、野草がビタミンC補給には、一番頼りになっていた気がします。
江部康二
哺乳類のなかで、ヒトとサルとモルモットだけが、ビタミンCを作れません。
従って、食事からビタミンCを摂取しなくてはなりません。
進化の過程の食生活を通して、そのような身体を獲得したと考えられます。
それでは年間を通して、食べることができるビタミンC源にはどのようなものがあるでしょう。
チンパンジーと分岐して以降約700万年間、人類は狩猟・採集を生業としており、日常的な食料は、魚貝類、小動物や動物の肉・内臓・骨・骨髄、野草、野菜、キノコ、海藻、昆虫などです。
ときどき食べることができたのは、木の実、種子類、果物、山イモなどの球根類でしょうか。
上記のなかで、ビタミンCが豊富なのは、野草、野菜、種子類、果物です。
果物は、実りの秋といいますが、実は年間通して旬の物があります。
ただ野生種で小さいし、木になる果物は、サルやチンパンジーなどと競合しており、樹上生活者の猿のおこぼれくらいが人類の手に入ったのでしょうが、日常的なビタミンC補充には、足らなかったと思います。
野イチゴなどが、人類の先祖のほうが手に入れやすかったと思いますが、少量でしょう。
野草は年間通して、確実に獲得できるビタミンC供給源だった可能性があります。
せり、つくし、のびる、ふき・ふきのとうなどには、ビタミンCが豊富に含まれています。
他の野草にもビタミンCはあると思いますし、野草なら年間を通して何か常に摂取することが可能です。
種子類のなかでシイ、ギンナン、クリなどにはビタミンCが豊富に含まれています。
ともあれ、農耕前の人類は野草、果物、種子類から、年間を通してビタミンCを補充していたのでしょう。
サルも基本的には、ヒトと同じような食物からビタミンCを摂取していたのだとと思いますが、果物獲得に関してはヒトより有利ですね。
次はモルモットです。
モルモットは完全な草食性動物で、野生では、野草や草の実、穀類などを食べています。
モルモットの場合は、ビタミンCの供給源は、ほとんど野草だったと考えられます。
このように考えてくると、ヒトにおいても、野草がビタミンC補給には、一番頼りになっていた気がします。
江部康二
2011年10月17日 (月)
こんばんは。
「本当は、ヤスイ? 糖質制限食」
というコメントを三島さんから、いただきました。
確かに、一般的には肉や魚なと比較的高価な食材が増えるので、エンゲル係数が上がりそうですね。
しかし、工夫次第では、意外に安くすむとのことです。
三島さん、ありがとうございます。
ブログ読者の皆さんの参考になると思います。
三島さんのブログのアドレスです。
http://blogs.yahoo.co.jp/misimyk
【11/10/16 三島
本当は、ヤスイ?糖質制限食。
この間の”特ダネ”に出ておられた老夫婦。
一体どれだけの資産家?と思われる家具や食器を使われていた。
肝心のメニューが、ハンバーグでホッとしたのは私だけだろうか。
それでも、あの有名洋食器に盛りつけられる普段の料理は、サーロイン?
と、ヤラセを勘繰ってしまうのは、私一人だろうか。
以下、私のブログ、「三島塾」(2011.10.16)より、転載です。
「糖質制限食」は、「普通食」に比べて高いという話があった。
確かに、毎日、お肉とお魚を食べると、エンゲル係数は上がるに違いないと、私も思っていた。
しかし、お肉も、何もステーキばかりではなく、比較的お安く栄養もある鶏ムネ肉や、合挽き、そして、何より、豆腐、納豆などの大豆製品を上手に使うと、1食300円台でできるし、ちょっと奮発しても500円を超えることは少ないことが、この半月の記録から実証できた。
しかも、調味料を替えるだけで、レパートリーが広がり、同じ食材でも、和食になったり、洋風になったり、中華になったりで、結構楽しませてくれる。それを可能にするのが、いわゆる、ルクエやパプリカをはじめとする、電子レンジ調理器だ。材料を、洗って、切って、放り込んで、10分と待たずに食事にありつける、こんな便利なことはない。
一般的に、お買い物から後片付けまで、食事の支度に使う時間と労力は計り知れない。まして、メニ―を考えるのが最大の悩みの種だそうだ。
私は、両親が共稼ぎだったせいで、小学4年生から台所を任された。家族の中の位置づけとして、私がやらないと、皆が晩ご飯を食べられなかったのだ。
昔は、貧しかった東北の農村のこととて、大した食材もなく、ワンパターンの料理しか作らなくて良かったから出来たことかもしれない。
しかし、今は、ネットを利用して、上手に食材を集めることで、料理を楽しんでいる。
もちろん、このことを万民に求めても仕方がない。
現に、お洗濯とアイロンがけは超プロ級の妻だが、料理をするぐらいなら食べずにいるというツワモノだ。(汗;)
そこで、私のレシピが皆さんのお役に立てれば幸いと思うものである。
***江部先生の著書、及び、お仲間と書かれたレシピ集を読破して、毎日頑張っています。11月7日発売の新著も、すでにアマゾンに予約しました。楽しみです。***
食後血糖値の測定も、始めの1週間は、一日8回も測定していたから、測定器10,000円に、消耗品代が、150×8×7=8,400円近くかかった。
すでにインシュリンを打っている方は軽減されるが、私は、該当しないので、普通にネットで購入している。糖質制限食のすばらしさを記録することで示したかったからだ。家族を始め、周囲の者に具体的数値を示すことで理解を促すことが可能だと考えたからだ。
早くもその効果が表れた。それは大のサンドイッチ好きの妻が、食後血糖値が、300を軽く超えたことで、「2度と食べない」宣言をしたことである。(笑)
今は、アサイチと夕食後2時間の2回だけになった。それでも、家族三人で、1か月の消耗品代は、36,000円である。しかし、同じ食事をしている家族が、数値を比べあうことで、絆が強くなっている。(笑)
そうそう、チクチク痛い思いもしなければならない。(笑)
よって、この記録を独り占めにするのはもったいないと思い、敢えて、個人情報を公開することにした。
今月の前半の食費は、以下の通りであった。
***概算カロリーと糖質、予想血糖値、及び、食後2時間実測血糖値を、写真付きレシピと共に公開しています。***
1日(土) 330円
2日(日) 370円
3日(月) 620円
4日(火) 520円
5日(水) 460円
6日(木) 460円
7日(金) 490円
8日(土) 外食
9日(日) 360円
10日(月) 450円
11日(火) 480円
12日(水) 430円
13日(木) 480円
14日(金) いただきもの
15日(土) 外食
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2011.10.1~15
8日、14、15日を除く、平均、夕食材料代450円
問題は、食文化が変わることで、産業構造さえも変わらざるを得ず、 既成の業界が受け入れを拒否するかもしれないということ。
それでも、一般の人が、健康でおいしい食生活を求めるなら、 業界も自然に変わらざるを得ない時期が来ると私は信じたい。
PS
今日、生徒が食べていた、市販のパック入り「温野菜サラダ」は、レンジでチンするタイプだった。
チンするだけ「糖質制限食パック」が、スーパーやコンビニで売られる日が来るのもそう遠い日ではないのかもしれない。】
「本当は、ヤスイ? 糖質制限食」
というコメントを三島さんから、いただきました。
確かに、一般的には肉や魚なと比較的高価な食材が増えるので、エンゲル係数が上がりそうですね。
しかし、工夫次第では、意外に安くすむとのことです。
三島さん、ありがとうございます。
ブログ読者の皆さんの参考になると思います。
三島さんのブログのアドレスです。
http://blogs.yahoo.co.jp/misimyk
【11/10/16 三島
本当は、ヤスイ?糖質制限食。
この間の”特ダネ”に出ておられた老夫婦。
一体どれだけの資産家?と思われる家具や食器を使われていた。
肝心のメニューが、ハンバーグでホッとしたのは私だけだろうか。
それでも、あの有名洋食器に盛りつけられる普段の料理は、サーロイン?
と、ヤラセを勘繰ってしまうのは、私一人だろうか。
以下、私のブログ、「三島塾」(2011.10.16)より、転載です。
「糖質制限食」は、「普通食」に比べて高いという話があった。
確かに、毎日、お肉とお魚を食べると、エンゲル係数は上がるに違いないと、私も思っていた。
しかし、お肉も、何もステーキばかりではなく、比較的お安く栄養もある鶏ムネ肉や、合挽き、そして、何より、豆腐、納豆などの大豆製品を上手に使うと、1食300円台でできるし、ちょっと奮発しても500円を超えることは少ないことが、この半月の記録から実証できた。
しかも、調味料を替えるだけで、レパートリーが広がり、同じ食材でも、和食になったり、洋風になったり、中華になったりで、結構楽しませてくれる。それを可能にするのが、いわゆる、ルクエやパプリカをはじめとする、電子レンジ調理器だ。材料を、洗って、切って、放り込んで、10分と待たずに食事にありつける、こんな便利なことはない。
一般的に、お買い物から後片付けまで、食事の支度に使う時間と労力は計り知れない。まして、メニ―を考えるのが最大の悩みの種だそうだ。
私は、両親が共稼ぎだったせいで、小学4年生から台所を任された。家族の中の位置づけとして、私がやらないと、皆が晩ご飯を食べられなかったのだ。
昔は、貧しかった東北の農村のこととて、大した食材もなく、ワンパターンの料理しか作らなくて良かったから出来たことかもしれない。
しかし、今は、ネットを利用して、上手に食材を集めることで、料理を楽しんでいる。
もちろん、このことを万民に求めても仕方がない。
現に、お洗濯とアイロンがけは超プロ級の妻だが、料理をするぐらいなら食べずにいるというツワモノだ。(汗;)
そこで、私のレシピが皆さんのお役に立てれば幸いと思うものである。
***江部先生の著書、及び、お仲間と書かれたレシピ集を読破して、毎日頑張っています。11月7日発売の新著も、すでにアマゾンに予約しました。楽しみです。***
食後血糖値の測定も、始めの1週間は、一日8回も測定していたから、測定器10,000円に、消耗品代が、150×8×7=8,400円近くかかった。
すでにインシュリンを打っている方は軽減されるが、私は、該当しないので、普通にネットで購入している。糖質制限食のすばらしさを記録することで示したかったからだ。家族を始め、周囲の者に具体的数値を示すことで理解を促すことが可能だと考えたからだ。
早くもその効果が表れた。それは大のサンドイッチ好きの妻が、食後血糖値が、300を軽く超えたことで、「2度と食べない」宣言をしたことである。(笑)
今は、アサイチと夕食後2時間の2回だけになった。それでも、家族三人で、1か月の消耗品代は、36,000円である。しかし、同じ食事をしている家族が、数値を比べあうことで、絆が強くなっている。(笑)
そうそう、チクチク痛い思いもしなければならない。(笑)
よって、この記録を独り占めにするのはもったいないと思い、敢えて、個人情報を公開することにした。
今月の前半の食費は、以下の通りであった。
***概算カロリーと糖質、予想血糖値、及び、食後2時間実測血糖値を、写真付きレシピと共に公開しています。***
1日(土) 330円
2日(日) 370円
3日(月) 620円
4日(火) 520円
5日(水) 460円
6日(木) 460円
7日(金) 490円
8日(土) 外食
9日(日) 360円
10日(月) 450円
11日(火) 480円
12日(水) 430円
13日(木) 480円
14日(金) いただきもの
15日(土) 外食
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2011.10.1~15
8日、14、15日を除く、平均、夕食材料代450円
問題は、食文化が変わることで、産業構造さえも変わらざるを得ず、 既成の業界が受け入れを拒否するかもしれないということ。
それでも、一般の人が、健康でおいしい食生活を求めるなら、 業界も自然に変わらざるを得ない時期が来ると私は信じたい。
PS
今日、生徒が食べていた、市販のパック入り「温野菜サラダ」は、レンジでチンするタイプだった。
チンするだけ「糖質制限食パック」が、スーパーやコンビニで売られる日が来るのもそう遠い日ではないのかもしれない。】
2011年10月17日 (月)
おはようございます。
andantinoさんから、糖質制限食で腎症3期Aからの回復の兆し・・・
という嬉しいコメントをいただきました。
【11/10/16 andantino
腎症3期Aからの回復の兆し…
こんにちは
約10か月前に眼底出血をおこし、眼科に行って初めて糖尿病と診断されました。その時点でHA1C12.8% 空腹時血糖240で、即入院となりました。
両目ともレーザー治療をしましたが右目は硝子体手術と白内障の手術をしました。
入院中に知り合った患者さんから先生の著書を勧められ、すぐにスーパー糖質制限を始めました。糖尿病がわかった時点で、腎症3期Aでも限りなくBに近い状態でした。
退院してからの定期検査では順調にA!Cは下がり、5ヶ月後には5.5%まで下がりました。でもどうしても蛋白尿が3+、2+の状態でした。
それが、今回の検査で糖質制限9カ月目にして(+-)に回復。
先生の本を読んで腎症3期Aまでは、糖質制限により回復もあり得ると知り、やっとそれを実感することができました。本当にありがとうございました。
また、母も糖尿病歴20年ほどで合併症はないまでもずっとA!Cは6.5%~7%と横ばいで、私が糖質制限を始めて、劇的に改善したので、母も始めたところ半年ほどで5.3%まで改善。
家族ともども、先生には感謝しています。
今後も、楽しく糖質制限続けていきたいと思います。】
andantino さん。
HbA1c12.8%→糖質制限食実践5ヶ月で→5.5%
コントロール優です。素晴らしい改善です。
糖質制限食実践9ヶ月後、蛋白尿「3+、2+」が(+-)に改善。
こちらも明るい展望ですね。
「腎症3期Aまでは、糖質制限食で改善する可能性がある」
と過去のブログ記事で書きましたが、andantino さんのように、ご自分の体験をコメントして頂くと、私自身も励みになります。
ありがとうございます。
御母上のHbA1cも5.3%でコントロール優ですね。
良かったです。
江部康二
andantinoさんから、糖質制限食で腎症3期Aからの回復の兆し・・・
という嬉しいコメントをいただきました。
【11/10/16 andantino
腎症3期Aからの回復の兆し…
こんにちは
約10か月前に眼底出血をおこし、眼科に行って初めて糖尿病と診断されました。その時点でHA1C12.8% 空腹時血糖240で、即入院となりました。
両目ともレーザー治療をしましたが右目は硝子体手術と白内障の手術をしました。
入院中に知り合った患者さんから先生の著書を勧められ、すぐにスーパー糖質制限を始めました。糖尿病がわかった時点で、腎症3期Aでも限りなくBに近い状態でした。
退院してからの定期検査では順調にA!Cは下がり、5ヶ月後には5.5%まで下がりました。でもどうしても蛋白尿が3+、2+の状態でした。
それが、今回の検査で糖質制限9カ月目にして(+-)に回復。
先生の本を読んで腎症3期Aまでは、糖質制限により回復もあり得ると知り、やっとそれを実感することができました。本当にありがとうございました。
また、母も糖尿病歴20年ほどで合併症はないまでもずっとA!Cは6.5%~7%と横ばいで、私が糖質制限を始めて、劇的に改善したので、母も始めたところ半年ほどで5.3%まで改善。
家族ともども、先生には感謝しています。
今後も、楽しく糖質制限続けていきたいと思います。】
andantino さん。
HbA1c12.8%→糖質制限食実践5ヶ月で→5.5%
コントロール優です。素晴らしい改善です。
糖質制限食実践9ヶ月後、蛋白尿「3+、2+」が(+-)に改善。
こちらも明るい展望ですね。
「腎症3期Aまでは、糖質制限食で改善する可能性がある」
と過去のブログ記事で書きましたが、andantino さんのように、ご自分の体験をコメントして頂くと、私自身も励みになります。
ありがとうございます。
御母上のHbA1cも5.3%でコントロール優ですね。
良かったです。
江部康二
2011年10月16日 (日)
おはようございます。
政也 さんから、糖質制限食と糖尿病網膜症に関する貴重な体験報告を、コメントしていただきました。
【11/10/15 政也
はじめまして。
私は去年の11月に左目の視界に突然黒い物がちらつき子供の頃からの掛かり付けの眼科に行って診察したら眼底出血してると診断された神奈川県在住の40歳の男性です
医師に政也さんは糖尿病か高血圧症ある?と聞かれたので血液検査等したこと無いから分からないと答えたら急いで内科で検査しなさいと言われ地元の総合病院で検査したら重度の糖尿病と高血圧症との診断が出ました
その時の数値はA1cが13で空腹時血糖が400で医者に直ぐに入院しろと言われましたが左目が見えないから先に眼科に行くと言って眼科で両目の精密検査をしたらうちの病院では手に負えないからとワンランク上の総合病院の紹介状を出されました
翌日に紹介状の病院に行き両目の精密検査をしたら両目共に増殖網膜症の末期で左目は白内障、硝子体出血、牽引性網膜剥離を併発していて視力は0、02で失明寸前でした、右目はまだ0、5位有ったので何とか自分の事は出来ました
この病院でも手に負えないと神奈川県でもトップクラスの大学病院に行く事になりました、左目は出血が酷すぎてレーザー凝固術はできないので直ぐに硝子体、白内障の同時手術となりました
硝子体手術の前に血糖値を下げる入院を先行しましたがインスリンを打っても血糖値は下がらずその時に毎日同じカロリーの病院食なのに何故血糖値が安定しないのか医師に聞くと食品によって変わるとの返答がありじゃあカロリーは関係無いと思い退院後に色々調べたら先生の書籍に巡り合い直ぐに2冊購入し糖質制限を実践しました
半年後にはA1cが5、8で空腹時血糖が90で今はインスリンは無しで快適に生活してます
両目共に増殖網膜症だったので運動はタブーでしたから糖質制限だけで簡単にこの数値になりました
でも結局両目共に硝子体、白内障の手術をしました、ちなみに左目は手術が成功しても矯正視力で0、1位にしか回復しないと手術前に言われましたが今は両目共に裸眼で1、2まで医師も驚く驚異的な回復をしました
眼底検査も半年に1度で良いと言われました、
これも先生の書籍のおかげで良好な血糖コントロールが出来たからと心から感謝してます。】
政也 さん。
拙著のご購入ありがとうございます。
糖尿病網膜症は
1)正常 2)単純網膜症 3)増殖前網膜症 4)増殖網膜症
1)→2)→3)→4)の順番で進行していきます。
2011年11月の眼科受診の時点で、両眼ともに増殖網膜症の末期ですから、糖尿病網膜症としては、これ以上ない重症です。
HbA1c13%、空腹時血糖400mg。
政也さん、ご指摘の通り、入院してインスリン注射をしても、血糖コントロールが困難だったのは、カロリー計算だけで糖質のグラム数を計算していないためです。
退院して糖質制限食実践、半年後には、インスリンも運動もなしで「HbA1c5.8% 空腹時血糖値90mg」
劇的な改善ですね。 (^_^)
「結局両目共に硝子体、白内障の手術をしました、ちなみに左目は手術が成功しても矯正視力で0、1位にしか回復しないと手術前に言われましたが今は両目共に裸眼で1、2まで医師も驚く驚異的な回復をしました。」
眼科専門医が0.1にしか回復しないと説明したのに、両目共に裸眼で1.2とは素晴らしい限りです。ヾ(^▽^)
自分で言うのもなんですが「糖質制限食すごい」の一言です。(^-^)v(^-^)v
良かったです。
ともあれ、中年以降は糖尿病の検診は必要です。
早期発見の糖尿病なら、糖尿病網膜症にならずにすみます。
また糖尿人においては、定期的な眼科検診が必要です。
2)単純網膜症
の段階なら、糖質制限食実践で、
3)増殖前網膜症
への進行を阻止できます。
また血糖コントロール優レベル(HbA1c5.8%未満)を保てば改善も期待できます。
江部康二
政也 さんから、糖質制限食と糖尿病網膜症に関する貴重な体験報告を、コメントしていただきました。
【11/10/15 政也
はじめまして。
私は去年の11月に左目の視界に突然黒い物がちらつき子供の頃からの掛かり付けの眼科に行って診察したら眼底出血してると診断された神奈川県在住の40歳の男性です
医師に政也さんは糖尿病か高血圧症ある?と聞かれたので血液検査等したこと無いから分からないと答えたら急いで内科で検査しなさいと言われ地元の総合病院で検査したら重度の糖尿病と高血圧症との診断が出ました
その時の数値はA1cが13で空腹時血糖が400で医者に直ぐに入院しろと言われましたが左目が見えないから先に眼科に行くと言って眼科で両目の精密検査をしたらうちの病院では手に負えないからとワンランク上の総合病院の紹介状を出されました
翌日に紹介状の病院に行き両目の精密検査をしたら両目共に増殖網膜症の末期で左目は白内障、硝子体出血、牽引性網膜剥離を併発していて視力は0、02で失明寸前でした、右目はまだ0、5位有ったので何とか自分の事は出来ました
この病院でも手に負えないと神奈川県でもトップクラスの大学病院に行く事になりました、左目は出血が酷すぎてレーザー凝固術はできないので直ぐに硝子体、白内障の同時手術となりました
硝子体手術の前に血糖値を下げる入院を先行しましたがインスリンを打っても血糖値は下がらずその時に毎日同じカロリーの病院食なのに何故血糖値が安定しないのか医師に聞くと食品によって変わるとの返答がありじゃあカロリーは関係無いと思い退院後に色々調べたら先生の書籍に巡り合い直ぐに2冊購入し糖質制限を実践しました
半年後にはA1cが5、8で空腹時血糖が90で今はインスリンは無しで快適に生活してます
両目共に増殖網膜症だったので運動はタブーでしたから糖質制限だけで簡単にこの数値になりました
でも結局両目共に硝子体、白内障の手術をしました、ちなみに左目は手術が成功しても矯正視力で0、1位にしか回復しないと手術前に言われましたが今は両目共に裸眼で1、2まで医師も驚く驚異的な回復をしました
眼底検査も半年に1度で良いと言われました、
これも先生の書籍のおかげで良好な血糖コントロールが出来たからと心から感謝してます。】
政也 さん。
拙著のご購入ありがとうございます。
糖尿病網膜症は
1)正常 2)単純網膜症 3)増殖前網膜症 4)増殖網膜症
1)→2)→3)→4)の順番で進行していきます。
2011年11月の眼科受診の時点で、両眼ともに増殖網膜症の末期ですから、糖尿病網膜症としては、これ以上ない重症です。
HbA1c13%、空腹時血糖400mg。
政也さん、ご指摘の通り、入院してインスリン注射をしても、血糖コントロールが困難だったのは、カロリー計算だけで糖質のグラム数を計算していないためです。
退院して糖質制限食実践、半年後には、インスリンも運動もなしで「HbA1c5.8% 空腹時血糖値90mg」
劇的な改善ですね。 (^_^)
「結局両目共に硝子体、白内障の手術をしました、ちなみに左目は手術が成功しても矯正視力で0、1位にしか回復しないと手術前に言われましたが今は両目共に裸眼で1、2まで医師も驚く驚異的な回復をしました。」
眼科専門医が0.1にしか回復しないと説明したのに、両目共に裸眼で1.2とは素晴らしい限りです。ヾ(^▽^)
自分で言うのもなんですが「糖質制限食すごい」の一言です。(^-^)v(^-^)v
良かったです。
ともあれ、中年以降は糖尿病の検診は必要です。
早期発見の糖尿病なら、糖尿病網膜症にならずにすみます。
また糖尿人においては、定期的な眼科検診が必要です。
2)単純網膜症
の段階なら、糖質制限食実践で、
3)増殖前網膜症
への進行を阻止できます。
また血糖コントロール優レベル(HbA1c5.8%未満)を保てば改善も期待できます。
江部康二
2011年10月15日 (土)
こんにちは。
あじおさんから、糖質制限食の実体験に基づいた、とてもわかりやすいコメントをいただきました。
『11/10/12 あじお
膵臓の休養に挑戦
こんにちは
9/2、10/6、10/9に質問させて頂きました「あじお(45歳)」と申します。
お忙しいのに回答して頂きましてありがとうございます。
いろいろと質問させて頂き、下記と理解しました。
私と同じような境遇の方もいらっしゃると思いまして私の理解をまとめとして記述します。
間違っていたらご指摘して頂ければ幸いです。
私は今年の夏の健康診断で食後1hの血糖値が高く、食後2hは正常範囲内になっていることが分かりました。過去の健康診断結果を改めて見返すと やはり徐々に食後1hの値が高くなっていました。このままではイカンと思い、いろいろ探していたところ江部先生のブログに到達しました。
本当に感謝です。ありがとうございます。
今の状態でなんとか膵臓を休養させて復活させたいと思って江部先生にいろいろ質問させて頂いた結果および過去の記事を読んだ結果 また、自己測定器などの結果から下記の理解で膵臓を休養させ復活させるべく頑張っています。
-----
【膵臓を休養させるために重要なのはインスリンの追加分泌を極力減らすこと】
そのためには、スーパー糖質制限食が一番よく24時間、膵臓は休養でる。
なので糖質20g以下目標のスーパー糖質制限食を実施中。
スーパー糖質制限食と言っても、主食を除くことは簡単であるが おかずに入っている糖質を除くことはなかなか難しい。 特に外食ではおかずの隠れた糖質は比較的多いと思うので注意が必要。 ミニスパイクにならないように注意する。
主食を除いた分の不足カロリーは、脂質、たんぱく質で十分に補完する。 私の場合、アボガド、ナッツ、チーズ、肉類、魚類をお腹いっぱい食べる。 果実は少し食べる。 ナッツ、チーズ以外の間食はやめる。
白米など糖質を少し取った方が食後2hの値が低かったりすることがあるが それは、血糖値を下げるためにインスリン追加分泌が多かっただけと思うので 必ずしも膵臓の休養にはならないと理解。
糖質制限食では、インスリンの追加分泌が少ないため食後2hの値が 白米など糖質を少し取ったときの食後2hの値より悪かったりするが インスリンの追加分泌が少ないため膵臓は休養できていると理解。
風邪など体調を壊したときは血糖値がかなり防御本能のため血糖値がかなり上がる。
おそらく20~30くらいは上がるのでは?
なので、風邪など体調を壊したときは意図しない糖質の摂取に特に気をつけて ミニスパイクを防止する。
仕事が忙しいときなどのストレス状態でも同様に血糖値が上がる。
知らず知らずのうちにストレスはかかっていると思うので、ストレスを溜めないよう趣味などで気分転換をする。
食後の運動は血糖値を下げるのに有効であるが、できない場合もあるので 食前の運動でもOKとした。
これは食前でも運動は長い目でみると基礎体力の向上になり代謝を増やすことになり 血糖値を下げる方向に向くと思ったからである。
飲み会では焼酎など蒸留酒を飲む。危険そうなおつまみは食べない。
-----
と、上記の理解で今のうちに膵臓を復活させるべく頑張っています。
次の健康診断のときの糖負荷試験が怖いですが頑張るしかないです。
※近くに本屋がないため先生の本をまだ購入できていません。
今度購入いたします。』
あじおさん。
とてもよく糖質制限食を理解していただいていると思います。
仰有る通り、糖質制限食の第一義の効果は、食後高血糖とそれに伴う高インスリン血症を防ぐことです。
境界型や軽症の糖尿病の間は、まだインスリン分泌能力があるていど残っているので、正常耐糖能の人ほどは出なくても、あるていどインスリンがでます。
中等度から重症の糖尿病になると、インスリン分泌能力がかなり減ってくるので、糖質を食べて高血糖になってもインスリンがあまり出なくなります。
正常型の人では、糖質摂取後血糖値が正常範囲内で上昇し、それに伴い追加分泌インスリンは、基礎分泌の10~30倍と大量にでます。
この食後血糖値の上昇(ブドウ糖ミニスパイク)と、大量の追加分泌インスリンの年余にわたる繰り返しが、様々な生活習慣病の元凶であるといっても過言ではありません。
江部康二
あじおさんから、糖質制限食の実体験に基づいた、とてもわかりやすいコメントをいただきました。
『11/10/12 あじお
膵臓の休養に挑戦
こんにちは
9/2、10/6、10/9に質問させて頂きました「あじお(45歳)」と申します。
お忙しいのに回答して頂きましてありがとうございます。
いろいろと質問させて頂き、下記と理解しました。
私と同じような境遇の方もいらっしゃると思いまして私の理解をまとめとして記述します。
間違っていたらご指摘して頂ければ幸いです。
私は今年の夏の健康診断で食後1hの血糖値が高く、食後2hは正常範囲内になっていることが分かりました。過去の健康診断結果を改めて見返すと やはり徐々に食後1hの値が高くなっていました。このままではイカンと思い、いろいろ探していたところ江部先生のブログに到達しました。
本当に感謝です。ありがとうございます。
今の状態でなんとか膵臓を休養させて復活させたいと思って江部先生にいろいろ質問させて頂いた結果および過去の記事を読んだ結果 また、自己測定器などの結果から下記の理解で膵臓を休養させ復活させるべく頑張っています。
-----
【膵臓を休養させるために重要なのはインスリンの追加分泌を極力減らすこと】
そのためには、スーパー糖質制限食が一番よく24時間、膵臓は休養でる。
なので糖質20g以下目標のスーパー糖質制限食を実施中。
スーパー糖質制限食と言っても、主食を除くことは簡単であるが おかずに入っている糖質を除くことはなかなか難しい。 特に外食ではおかずの隠れた糖質は比較的多いと思うので注意が必要。 ミニスパイクにならないように注意する。
主食を除いた分の不足カロリーは、脂質、たんぱく質で十分に補完する。 私の場合、アボガド、ナッツ、チーズ、肉類、魚類をお腹いっぱい食べる。 果実は少し食べる。 ナッツ、チーズ以外の間食はやめる。
白米など糖質を少し取った方が食後2hの値が低かったりすることがあるが それは、血糖値を下げるためにインスリン追加分泌が多かっただけと思うので 必ずしも膵臓の休養にはならないと理解。
糖質制限食では、インスリンの追加分泌が少ないため食後2hの値が 白米など糖質を少し取ったときの食後2hの値より悪かったりするが インスリンの追加分泌が少ないため膵臓は休養できていると理解。
風邪など体調を壊したときは血糖値がかなり防御本能のため血糖値がかなり上がる。
おそらく20~30くらいは上がるのでは?
なので、風邪など体調を壊したときは意図しない糖質の摂取に特に気をつけて ミニスパイクを防止する。
仕事が忙しいときなどのストレス状態でも同様に血糖値が上がる。
知らず知らずのうちにストレスはかかっていると思うので、ストレスを溜めないよう趣味などで気分転換をする。
食後の運動は血糖値を下げるのに有効であるが、できない場合もあるので 食前の運動でもOKとした。
これは食前でも運動は長い目でみると基礎体力の向上になり代謝を増やすことになり 血糖値を下げる方向に向くと思ったからである。
飲み会では焼酎など蒸留酒を飲む。危険そうなおつまみは食べない。
-----
と、上記の理解で今のうちに膵臓を復活させるべく頑張っています。
次の健康診断のときの糖負荷試験が怖いですが頑張るしかないです。
※近くに本屋がないため先生の本をまだ購入できていません。
今度購入いたします。』
あじおさん。
とてもよく糖質制限食を理解していただいていると思います。
仰有る通り、糖質制限食の第一義の効果は、食後高血糖とそれに伴う高インスリン血症を防ぐことです。
境界型や軽症の糖尿病の間は、まだインスリン分泌能力があるていど残っているので、正常耐糖能の人ほどは出なくても、あるていどインスリンがでます。
中等度から重症の糖尿病になると、インスリン分泌能力がかなり減ってくるので、糖質を食べて高血糖になってもインスリンがあまり出なくなります。
正常型の人では、糖質摂取後血糖値が正常範囲内で上昇し、それに伴い追加分泌インスリンは、基礎分泌の10~30倍と大量にでます。
この食後血糖値の上昇(ブドウ糖ミニスパイク)と、大量の追加分泌インスリンの年余にわたる繰り返しが、様々な生活習慣病の元凶であるといっても過言ではありません。
江部康二
2011年10月14日 (金)
おはようございます。
随分、涼しくなって過ごしやすくなった京都です。
さて
『主食を抜けば糖尿病は良くなる! 糖質制限食レシピ集』(東洋経済新報社)

近日中発売ですがamazonで予約できる状態になりました。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4492044442/ref=pd_lpo_k2_dp_sr_1?pf_rd_p=466449256&pf_rd_s=lpo-top-stripe&pf_rd_t=201&pf_rd_i=4492042962&pf_rd_m=AN1VRQENFRJN5&pf_rd_r=1ZFTQB55MDEKRGTJQW45
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』(東洋経済新報社)は、2005年に刊行して以後、おかげさまで16版を重ねるロングセラーとなっております。
そのレシピ本を今回、満を持して出版いたします。
今回のレシピ本は、「長続きできる糖質制限食」ということに力点を置いてあります。
“家庭料理のプロ”である壷林先生にご協力いただき、普通の食材で簡単に作れて、しかも美味しい糖質制限メニューが満載です。
代替主食や、ボリュームアップの方法など、長続きのための知恵がたっぷりで、献立の立て方なども丁寧に解説してあります。
外食の知恵、コンビニ活用法などお役立ちコラム、Q&Aも充実しています。
大判サイズで読みやすい本です。
理論・料理とも日本一の糖質制限食レシピ本になったと自負しております。
『主食を抜けば糖尿病は良くなる! 糖質制限食レシピ集』
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』
共々、よろしくお願い申しあげます。
江部康二
随分、涼しくなって過ごしやすくなった京都です。
さて
『主食を抜けば糖尿病は良くなる! 糖質制限食レシピ集』(東洋経済新報社)

近日中発売ですがamazonで予約できる状態になりました。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4492044442/ref=pd_lpo_k2_dp_sr_1?pf_rd_p=466449256&pf_rd_s=lpo-top-stripe&pf_rd_t=201&pf_rd_i=4492042962&pf_rd_m=AN1VRQENFRJN5&pf_rd_r=1ZFTQB55MDEKRGTJQW45
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』(東洋経済新報社)は、2005年に刊行して以後、おかげさまで16版を重ねるロングセラーとなっております。
そのレシピ本を今回、満を持して出版いたします。
今回のレシピ本は、「長続きできる糖質制限食」ということに力点を置いてあります。
“家庭料理のプロ”である壷林先生にご協力いただき、普通の食材で簡単に作れて、しかも美味しい糖質制限メニューが満載です。
代替主食や、ボリュームアップの方法など、長続きのための知恵がたっぷりで、献立の立て方なども丁寧に解説してあります。
外食の知恵、コンビニ活用法などお役立ちコラム、Q&Aも充実しています。
大判サイズで読みやすい本です。
理論・料理とも日本一の糖質制限食レシピ本になったと自負しております。
『主食を抜けば糖尿病は良くなる! 糖質制限食レシピ集』
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』
共々、よろしくお願い申しあげます。
江部康二
2011年10月13日 (木)
こんばんは。
めーちゃさんから、つらい合併症(糖尿病網膜症)の体験報告と糖質制限食で改善の兆しがみえたという展望のあるコメントをいただきました。
【11/10/13 め~ちゃ
るい さんへ
はじめまして。
こちらにコメントさせていただくのも初めてです。
(先日の中野の講演会後に江部先生に『えらい童顔やな~』と言われた者です。)
糖質制限のモチベーションですが、私の話が参考になればと思います。
現在44歳女性。
私は網膜症のために毎週外来でレーザー治療を受けていました。
インスリン(ランタス48単位!)と内服薬でも血糖値は250~300と全く改善されずにいました。
その結果が網膜症です。
レーザー治療は通常だと隔週で200発くらいだそうですが、私は毎週350発。
それだけ急がないといけない状況でした。
それでも失明はすぐそこまで来ていてレーザーで間に合わなかったら『外科手術しかない、しかし落ちた視力は戻らない』と言われていました。
レーザーは痛いです。
眼底検査も結構しんどいですが、レーザー治療の間、微動だに出来ず痛みを堪えて全身汗ビッショリになります。
頭痛吐き気も酷く本当に辛いです。
医療費もハンパないです。
そんな中、ある時、主食を抜くと血糖値が低めになる事に気づきました。
ネットで調べたところ江部先生のBlogに出会いました。
即、本を購入しスーパー糖質制限を始めるとすぐにどうやっても下がらなかった血糖値が100を切るようになりました。 食後一時間でも110程度です。
3ヶ月目でA1c.も10.5から6.0まで下がりました。
肝機能も脂質も正常値になりました。
ただ糖尿病歴が長いのでまだインスリンを使っています。(ヒューマログミックス50を朝12単位、夜6単位)
このままで行けばインスリン無しで行けるかもとの事です。
そして現在レーザー治療はお休み、月一回の眼底検査で様子を見るまでになりました。 網膜症の進行が止まり、少し良くなっているとのことです。
失明の危機から脱したのです。
しかし、左目は殆ど見えません。
昼間でも日没後のように薄暗く視界も真ん中の辺りが何とか、それでも歪んでいて変です。
右目も若干暗く感じます。部屋の蛍光灯を二つから一つにした感じです。
これは殆ど回復しないそうです。
なので、私は糖質制限を初める時に迷いはありませんでした。
お米大好き、ラーメン大好きだったのに、一口も食べていません。
目が見えなくなる恐怖。
それがわたしのモチベーションの元です。
みなさんには私の様になって欲しくないです。
目が見えなくなったら・・・考えてみてください。
他人事ではなく糖尿病である限り???糖質制限していない限りと言い換えます???失明の恐怖はついて回ります。
るいさんや糖質制限に躊躇している方がいらっしゃったら、この事を考えて欲しいのです。
糖質制限しないで失明がある日やって来る糖尿人か、糖質制限で未来に希望が持てる糖質人になるか
私は炭水化物に未練は全くありません。
その代わりに明るい未来、目が見えるという日々を手に入れたのですから。
選ぶのは自分です。
江部先生には感謝してもしきれません。
糖質制限と出会わなければ、どうやっても失明しているところでした。
本当にありがとうございます。
少しでも多くの方がわたしのような恐怖を味あわないですむように糖質制限が広がるようにと思っています。】
め~ちゃ さん、コメントありがとうございます。
とても参考になります。
そして拙著のご購入もありがとうございます。
大変貴重な体験報告であり、ブログ読者の皆さんに是非読んでいただきたいと思い記事にしました。
め~ちゃ さん、『えらい童顔やな~』・・・
とてもお若く見えたので思わず口走ったようで、すいません・・・。
「私は網膜症のために毎週外来でレーザー治療を受けていました。
インスリン(ランタス48単位!)と内服薬でも血糖値は250~300と全く改善されずにいました。その結果が網膜症です。」
ランタス48単位はすごい量です。
レーザー治療も痛いし、頭痛・吐き気もあるし、大変つらいものなのですね。
「本を購入しスーパー糖質制限を始めるとすぐにどうやっても下がらなかった血糖値が100を切るようになりました。 食後一時間でも110程度です。
3ヶ月目でA1c.も10.5から6.0まで下がりました。」
素晴らしい改善です。
「ただ糖尿病歴が長いのでまだインスリンを使っています。(ヒューマログミックス50を朝12単位、夜6単位)
このままで行けばインスリン無しで行けるかもとの事です。」
インスリンの量が、48単位から18単位に減ったのはとても良いことです。
スーパー糖質制限食でさらに減らせればいいですね。
「そして現在レーザー治療はお休み、月一回の眼底検査で様子を見るまでになりました。 網膜症の進行が止まり、少し良くなっているとのことです。 失明の危機から脱したのです。」
本当に良かったです。
そして現在のデータなら網膜症が悪化することはもうないでしょう。
糖尿病が原因で失明する人が、年間3000人以上おられます。
めーちゃさん、糖質制限食が間に合って良かったです。
糖質制限食実践のモチベーションとして、め~ちゃ さんの貴重な体験談、無駄にしたくないものです。
私も父が、77才で、糖尿病のため右大腿を切断し、80歳の時、糖尿病からくる心筋梗塞を発症、その後肺炎で永眠しました。
私にとっては、大きなモチベーションとなりました。
もっとも、美味しく楽しくすえ長く糖質制限食ですから、カロリー制限食に比べたら、段違いに楽に実践できますので。
江部康二
めーちゃさんから、つらい合併症(糖尿病網膜症)の体験報告と糖質制限食で改善の兆しがみえたという展望のあるコメントをいただきました。
【11/10/13 め~ちゃ
るい さんへ
はじめまして。
こちらにコメントさせていただくのも初めてです。
(先日の中野の講演会後に江部先生に『えらい童顔やな~』と言われた者です。)
糖質制限のモチベーションですが、私の話が参考になればと思います。
現在44歳女性。
私は網膜症のために毎週外来でレーザー治療を受けていました。
インスリン(ランタス48単位!)と内服薬でも血糖値は250~300と全く改善されずにいました。
その結果が網膜症です。
レーザー治療は通常だと隔週で200発くらいだそうですが、私は毎週350発。
それだけ急がないといけない状況でした。
それでも失明はすぐそこまで来ていてレーザーで間に合わなかったら『外科手術しかない、しかし落ちた視力は戻らない』と言われていました。
レーザーは痛いです。
眼底検査も結構しんどいですが、レーザー治療の間、微動だに出来ず痛みを堪えて全身汗ビッショリになります。
頭痛吐き気も酷く本当に辛いです。
医療費もハンパないです。
そんな中、ある時、主食を抜くと血糖値が低めになる事に気づきました。
ネットで調べたところ江部先生のBlogに出会いました。
即、本を購入しスーパー糖質制限を始めるとすぐにどうやっても下がらなかった血糖値が100を切るようになりました。 食後一時間でも110程度です。
3ヶ月目でA1c.も10.5から6.0まで下がりました。
肝機能も脂質も正常値になりました。
ただ糖尿病歴が長いのでまだインスリンを使っています。(ヒューマログミックス50を朝12単位、夜6単位)
このままで行けばインスリン無しで行けるかもとの事です。
そして現在レーザー治療はお休み、月一回の眼底検査で様子を見るまでになりました。 網膜症の進行が止まり、少し良くなっているとのことです。
失明の危機から脱したのです。
しかし、左目は殆ど見えません。
昼間でも日没後のように薄暗く視界も真ん中の辺りが何とか、それでも歪んでいて変です。
右目も若干暗く感じます。部屋の蛍光灯を二つから一つにした感じです。
これは殆ど回復しないそうです。
なので、私は糖質制限を初める時に迷いはありませんでした。
お米大好き、ラーメン大好きだったのに、一口も食べていません。
目が見えなくなる恐怖。
それがわたしのモチベーションの元です。
みなさんには私の様になって欲しくないです。
目が見えなくなったら・・・考えてみてください。
他人事ではなく糖尿病である限り???糖質制限していない限りと言い換えます???失明の恐怖はついて回ります。
るいさんや糖質制限に躊躇している方がいらっしゃったら、この事を考えて欲しいのです。
糖質制限しないで失明がある日やって来る糖尿人か、糖質制限で未来に希望が持てる糖質人になるか
私は炭水化物に未練は全くありません。
その代わりに明るい未来、目が見えるという日々を手に入れたのですから。
選ぶのは自分です。
江部先生には感謝してもしきれません。
糖質制限と出会わなければ、どうやっても失明しているところでした。
本当にありがとうございます。
少しでも多くの方がわたしのような恐怖を味あわないですむように糖質制限が広がるようにと思っています。】
め~ちゃ さん、コメントありがとうございます。
とても参考になります。
そして拙著のご購入もありがとうございます。
大変貴重な体験報告であり、ブログ読者の皆さんに是非読んでいただきたいと思い記事にしました。
め~ちゃ さん、『えらい童顔やな~』・・・
とてもお若く見えたので思わず口走ったようで、すいません・・・。
「私は網膜症のために毎週外来でレーザー治療を受けていました。
インスリン(ランタス48単位!)と内服薬でも血糖値は250~300と全く改善されずにいました。その結果が網膜症です。」
ランタス48単位はすごい量です。
レーザー治療も痛いし、頭痛・吐き気もあるし、大変つらいものなのですね。
「本を購入しスーパー糖質制限を始めるとすぐにどうやっても下がらなかった血糖値が100を切るようになりました。 食後一時間でも110程度です。
3ヶ月目でA1c.も10.5から6.0まで下がりました。」
素晴らしい改善です。
「ただ糖尿病歴が長いのでまだインスリンを使っています。(ヒューマログミックス50を朝12単位、夜6単位)
このままで行けばインスリン無しで行けるかもとの事です。」
インスリンの量が、48単位から18単位に減ったのはとても良いことです。
スーパー糖質制限食でさらに減らせればいいですね。
「そして現在レーザー治療はお休み、月一回の眼底検査で様子を見るまでになりました。 網膜症の進行が止まり、少し良くなっているとのことです。 失明の危機から脱したのです。」
本当に良かったです。
そして現在のデータなら網膜症が悪化することはもうないでしょう。
糖尿病が原因で失明する人が、年間3000人以上おられます。
めーちゃさん、糖質制限食が間に合って良かったです。
糖質制限食実践のモチベーションとして、め~ちゃ さんの貴重な体験談、無駄にしたくないものです。
私も父が、77才で、糖尿病のため右大腿を切断し、80歳の時、糖尿病からくる心筋梗塞を発症、その後肺炎で永眠しました。
私にとっては、大きなモチベーションとなりました。
もっとも、美味しく楽しくすえ長く糖質制限食ですから、カロリー制限食に比べたら、段違いに楽に実践できますので。
江部康二
2011年10月13日 (木)
おはようございます。
先日、大阪の蛭間医院の蛭間正人先生からメールをいただきました。
9月下旬に東京へ行く機会があり、その際に東京の友人と一緒に、新橋の糖質制限OK中華料理店「梅花(メイファ)」へ行かれたそうです。
新橋の梅花(メイファ)
http://meihua.jp/
03-6809-2264
蛭間先生は、たくさんの糖尿人を診察しておられます。
そしてこれらの患者さんのデータ改善を通して、糖質制限食が糖尿病に対するベストの食事療法であるということを、強調しておられます。
先生ご自身も糖質制限食を実践しておられるのですが、 「梅花(メイファ)」のお料理、とてもおいしく家ではなかなか食べることのできない一品だったそうです。
こういうお店が少しでも増えていくことが、糖尿人がおいしくお腹一杯食べる喜びを得るためには不可欠、との蛭間先生のご意見です。
私も全く同感です。
中華料理は、とろみ以外に砂糖を大量に使う店が多いので、残念ながら、今までは原則、糖質制限NGとしていました。
しかし、新橋の梅花(メイファ)なら、黙って座って、糖質制限OKの中華料理のフルコースを美味しく楽しく安心して満喫できます。嬉しい限りです。 (^^)
私も、7月に講演で東京に行ったとき、梅花で糖質制限食OKの中華料理のフルコースを堪能しました。
デザートの杏仁豆腐は、実に10年ぶりに食べました。 (⌒o⌒)v
美味しかったですよ。
東京の糖尿人、あるいは東京を訪れた糖尿人の皆さん、日本で唯一の安心して食べることができる中華料理店「梅花(メイファ)」をお忘れなく。
江部康二
先日、大阪の蛭間医院の蛭間正人先生からメールをいただきました。
9月下旬に東京へ行く機会があり、その際に東京の友人と一緒に、新橋の糖質制限OK中華料理店「梅花(メイファ)」へ行かれたそうです。
新橋の梅花(メイファ)
http://meihua.jp/
03-6809-2264
蛭間先生は、たくさんの糖尿人を診察しておられます。
そしてこれらの患者さんのデータ改善を通して、糖質制限食が糖尿病に対するベストの食事療法であるということを、強調しておられます。
先生ご自身も糖質制限食を実践しておられるのですが、 「梅花(メイファ)」のお料理、とてもおいしく家ではなかなか食べることのできない一品だったそうです。
こういうお店が少しでも増えていくことが、糖尿人がおいしくお腹一杯食べる喜びを得るためには不可欠、との蛭間先生のご意見です。
私も全く同感です。
中華料理は、とろみ以外に砂糖を大量に使う店が多いので、残念ながら、今までは原則、糖質制限NGとしていました。
しかし、新橋の梅花(メイファ)なら、黙って座って、糖質制限OKの中華料理のフルコースを美味しく楽しく安心して満喫できます。嬉しい限りです。 (^^)
私も、7月に講演で東京に行ったとき、梅花で糖質制限食OKの中華料理のフルコースを堪能しました。
デザートの杏仁豆腐は、実に10年ぶりに食べました。 (⌒o⌒)v
美味しかったですよ。
東京の糖尿人、あるいは東京を訪れた糖尿人の皆さん、日本で唯一の安心して食べることができる中華料理店「梅花(メイファ)」をお忘れなく。
江部康二
2011年10月12日 (水)
おはようございます。
2011.9.19の産経新聞ニュースに「低糖質料理」健康とグルメ両立という記事が載りました。
http://www.sankei.jp.msn.com/region/news/110919/tky11091908000000-n1.htm
それに関連して、北里研究所病院・糖尿病センター長の山田悟先生からメールで情報をいただきました。
産経新聞に取り上げられたことで銀座交詢社ビルのラトゥールさんには、糖質制限食のお問い合わせがかなりあったようで、糖質制限の食事会を開催することになったそうです。
(1)ランチ会 10月29日(土)12時―15時 銀座ラトゥール 5000円
(2)ディナー会 10月30日(日)18時―21時 銀座ラトゥール 15000円
お問い合わせ先は銀座ラトゥールさん(03-3569-2211)です。
ちょっとリッチな気分で、秋の糖質制限OKフレンチが安心して楽しめます。
なお東京には、糖質制限食OKレストランの旗手「ボタニカ」を始めとして、すでに糖質制限食メニューを開発されたお店があります。
銀座ラトゥール以外にも、
東京・四谷のオテル・ドゥ・ミクニ(フレンチ)、
尾山台のオーボンヴュータン(スイーツ)、銀座とよだ(和食)など、
都内7店以上で低糖質メニューが完成して、
事前の予約相談に応じて提供しているそうです。
江部康二
以下、産経新聞ニュースの転載です。
☆☆☆
産経新聞ニュース
http://www.sankei.jp.msn.com/region/news/110919/tky11091908000000-n1.htm
「低糖質料理」健康とグルメ両立
2011.9.19 08:00
銀座ラトゥールの低糖質メニュー=8日午後、東京都中央区銀座(中鉢久美子撮影)
予備軍を含めると、国内に2210万人と推計される糖尿病患者(平成19年国民健康・栄養調査)。厳しい食事療法下の食事は“禁欲的な粗食”というイメージだが、対極にある高級店が専門医とタッグを組んで、見た目も味わいもリッチな低糖質メニューを続々登場させている。太りにくい工夫がダイエット志向の女性の関心も引きつけ、「健康とグルメの両立」という、欲張り需要を掘り起こしそうだ。(重松明子)
東京・銀座、交詢ビルにあるフレンチ「銀座ラトゥール」では、フルコースでも糖質はご飯茶碗半分弱という25グラム以下のうえ、1千キロカロリー以下に抑えた「低糖質コース」が評判だ。
「ジャガイモのピューレなんか使ったら前菜で終わりです」と清水忠明総料理長(54)。食材リストを見せてもらうと、イモ類やニンジンといった根菜類、カボチャ、コーンなどなじみの農産物が使えない。「糖分の高い野菜は意外に多い。彩りのよい食材が使えず、見栄えに苦心します」
使える調味料も塩と酢ぐらい。酒は日本酒や紹興酒は不可だが、ワインと蒸留酒全般が可だ。米や小麦など炭水化物が厳禁の一方、肉や魚介類に加え油脂も糖質がほとんど含まれないため制限がない。乳製品もOKだ。「和食や中華に比べれば、フレンチは低糖質料理に向いていますよ」
1万2千円(サービス料10%別)の低糖質コースは、前菜からデザートまで6皿。マグロの赤ワインマリネ、ウニのフラン、カリフラワーのブラマンジェ…。素材の風味が濃厚だ。小麦粉の代用の大豆粉のパンともなじむ。メーンは仔牛肉とフォワグラのコッテリしたうまみを、バルサミコ酢が重厚に引き立てる圧巻の味わい。
そして、デザートの野菜のコンポートが、ご法度の果肉のよう。甘みは人工甘味料(エリスリトール)で補い、果物の皮を香り付けに使うなど、限られた素材が織りなす多彩な味の表現に満足。これが患者向け?と驚いた。
「中年以上の男性は健康問題を抱えている人が多い。私自身も低糖質食を2週間徹底したら体重が8キロ落ち、血糖値なども下がりました」と清水総料理長。今年3月に低糖質コースを商品化。平日は接待、休日は家族の会食を中心に、月10~20組の利用がある。
「家族と同じ料理を食べるなんて、何年ぶりか」と感激するお父さんの姿に、「料理人として社会貢献できる、新たなやりがいを覚えます」。さらに気軽に親しんでもらおうと10月29、30日には低糖質料理イベントを開催。正月用のおせち料理も商品化した。
きっかけは、北里研究所病院・糖尿病センター長の山田悟医師(41)が、国内のミシュランガイド掲載店に送った「糖尿病患者向けの料理を用意できますか」というアンケートだった。
「患者と社会のニーズを伝え、商品化してもらえればと考えた。健康とグルメを両立する糖質制限食を、最高の食文化を持つ店から発信していただき、さらなる普及を願っています」と山田医師。
賛同して理論を学んだ、東京・四谷のオテル・ドゥ・ミクニ(フレンチ)、尾山台のオーボンヴュータン(スイーツ)、銀座とよだ(和食)など、都内7店以上で低糖質メニューが完成。事前の予約相談に応じて提供している。
来春には、低糖質食を扱うレストランやパティスリーなど約60軒を山田医師がガイドする、「食べてやせる 奇跡の美食レストラン」(仮称)を出版。「患者のQOL(生活の質)向上に役立つだけでなく、『おいしいものを食べたい。だけど、やせたい』といったグルメな女性のニーズに応える内容です」と発行元の幻冬舎。
これからは「病気になっても、おいしいものが食べられる」時代!?
ま、予防第一ですが…。
2011.9.19の産経新聞ニュースに「低糖質料理」健康とグルメ両立という記事が載りました。
http://www.sankei.jp.msn.com/region/news/110919/tky11091908000000-n1.htm
それに関連して、北里研究所病院・糖尿病センター長の山田悟先生からメールで情報をいただきました。
産経新聞に取り上げられたことで銀座交詢社ビルのラトゥールさんには、糖質制限食のお問い合わせがかなりあったようで、糖質制限の食事会を開催することになったそうです。
(1)ランチ会 10月29日(土)12時―15時 銀座ラトゥール 5000円
(2)ディナー会 10月30日(日)18時―21時 銀座ラトゥール 15000円
お問い合わせ先は銀座ラトゥールさん(03-3569-2211)です。
ちょっとリッチな気分で、秋の糖質制限OKフレンチが安心して楽しめます。
なお東京には、糖質制限食OKレストランの旗手「ボタニカ」を始めとして、すでに糖質制限食メニューを開発されたお店があります。
銀座ラトゥール以外にも、
東京・四谷のオテル・ドゥ・ミクニ(フレンチ)、
尾山台のオーボンヴュータン(スイーツ)、銀座とよだ(和食)など、
都内7店以上で低糖質メニューが完成して、
事前の予約相談に応じて提供しているそうです。
江部康二
以下、産経新聞ニュースの転載です。
☆☆☆
産経新聞ニュース
http://www.sankei.jp.msn.com/region/news/110919/tky11091908000000-n1.htm
「低糖質料理」健康とグルメ両立
2011.9.19 08:00
銀座ラトゥールの低糖質メニュー=8日午後、東京都中央区銀座(中鉢久美子撮影)
予備軍を含めると、国内に2210万人と推計される糖尿病患者(平成19年国民健康・栄養調査)。厳しい食事療法下の食事は“禁欲的な粗食”というイメージだが、対極にある高級店が専門医とタッグを組んで、見た目も味わいもリッチな低糖質メニューを続々登場させている。太りにくい工夫がダイエット志向の女性の関心も引きつけ、「健康とグルメの両立」という、欲張り需要を掘り起こしそうだ。(重松明子)
東京・銀座、交詢ビルにあるフレンチ「銀座ラトゥール」では、フルコースでも糖質はご飯茶碗半分弱という25グラム以下のうえ、1千キロカロリー以下に抑えた「低糖質コース」が評判だ。
「ジャガイモのピューレなんか使ったら前菜で終わりです」と清水忠明総料理長(54)。食材リストを見せてもらうと、イモ類やニンジンといった根菜類、カボチャ、コーンなどなじみの農産物が使えない。「糖分の高い野菜は意外に多い。彩りのよい食材が使えず、見栄えに苦心します」
使える調味料も塩と酢ぐらい。酒は日本酒や紹興酒は不可だが、ワインと蒸留酒全般が可だ。米や小麦など炭水化物が厳禁の一方、肉や魚介類に加え油脂も糖質がほとんど含まれないため制限がない。乳製品もOKだ。「和食や中華に比べれば、フレンチは低糖質料理に向いていますよ」
1万2千円(サービス料10%別)の低糖質コースは、前菜からデザートまで6皿。マグロの赤ワインマリネ、ウニのフラン、カリフラワーのブラマンジェ…。素材の風味が濃厚だ。小麦粉の代用の大豆粉のパンともなじむ。メーンは仔牛肉とフォワグラのコッテリしたうまみを、バルサミコ酢が重厚に引き立てる圧巻の味わい。
そして、デザートの野菜のコンポートが、ご法度の果肉のよう。甘みは人工甘味料(エリスリトール)で補い、果物の皮を香り付けに使うなど、限られた素材が織りなす多彩な味の表現に満足。これが患者向け?と驚いた。
「中年以上の男性は健康問題を抱えている人が多い。私自身も低糖質食を2週間徹底したら体重が8キロ落ち、血糖値なども下がりました」と清水総料理長。今年3月に低糖質コースを商品化。平日は接待、休日は家族の会食を中心に、月10~20組の利用がある。
「家族と同じ料理を食べるなんて、何年ぶりか」と感激するお父さんの姿に、「料理人として社会貢献できる、新たなやりがいを覚えます」。さらに気軽に親しんでもらおうと10月29、30日には低糖質料理イベントを開催。正月用のおせち料理も商品化した。
きっかけは、北里研究所病院・糖尿病センター長の山田悟医師(41)が、国内のミシュランガイド掲載店に送った「糖尿病患者向けの料理を用意できますか」というアンケートだった。
「患者と社会のニーズを伝え、商品化してもらえればと考えた。健康とグルメを両立する糖質制限食を、最高の食文化を持つ店から発信していただき、さらなる普及を願っています」と山田医師。
賛同して理論を学んだ、東京・四谷のオテル・ドゥ・ミクニ(フレンチ)、尾山台のオーボンヴュータン(スイーツ)、銀座とよだ(和食)など、都内7店以上で低糖質メニューが完成。事前の予約相談に応じて提供している。
来春には、低糖質食を扱うレストランやパティスリーなど約60軒を山田医師がガイドする、「食べてやせる 奇跡の美食レストラン」(仮称)を出版。「患者のQOL(生活の質)向上に役立つだけでなく、『おいしいものを食べたい。だけど、やせたい』といったグルメな女性のニーズに応える内容です」と発行元の幻冬舎。
これからは「病気になっても、おいしいものが食べられる」時代!?
ま、予防第一ですが…。
2011年10月11日 (火)
おはようございます。
お馴染みの三島さんから、コメントいただきました。
スーパー糖質制限食で糖尿病改善・体力回復・気分安定という体験報告です。
三島さん現在、ご家族全員、スーパー糖質制限食実践されてるそうです。
【11/10/09 三島
コバさん、私の場合。
江部先生。
私の(異常なまでの)日常を、コバさんが知ったら、安心されるのではないか(笑)と思い、以下、まとめてみます。何しろ、自発的被験者(笑)ですから。
60歳と10カ月、男性、塾のプレィング・マネージャーをしています(簡単に言うと、経営と指導と掃除…、笑)。
夜12時、15時間の仕事が終了し、帰宅して入浴後、飲酒します、休肝日はありません。
妻がビール派で、以前は付き合っていましたが、今は、二人とも、「糖質オフ発泡酒」を経て、焼酎の水割りになりました。芋・麦・米の別は、気にしていません。特売や、流行につられて、浮気ばかりしています。(笑)
毎朝、焼酎1合に水を加え、720mlにして、冷蔵庫に入れておき、帰宅後、氷を入れたり、チンしたりして飲みます。
慣れるまでは、薄くてまずいのですが、ロックで一杯、0.3秒より、録画を見ながら、4杯も飲める満腹感の方を取ります。
おつまみは、基本的に、コンビニのナッツやアタリメを各1袋です。
私は、以前、スナックで出る乾き物は大嫌いでしたが、これも慣れです(笑)。
九州は、お魚がおいしいので、時にはお刺身も平気で食べます。 それでも、7時間後、翌朝の空腹時?血糖値は110を超えません。
朝、血糖値を測った後、トマトジュース180mlにオリーブオイル・大さじ1を入れて飲み、仕事に取り掛かり、一日に数杯、ミルク代わりの豆乳を入れた珈琲(無糖)を飲みます。
お昼は、糸こんにゃく200gに、スーパーの生めん売り場のグリコの<味噌、醤油、とんこつ>のスープを、その日の気分で、さらに、モヤシやネギなどの野菜、卵や納豆やチーズを一緒に食べます。それで、食後2時間の血糖値は110前後です。
夜は、ルクエで料理するので、材料を入れてチンするだけ。洗いものも少なく簡単です。
ちなみに、今夜は、鶏のムネ肉200gに塩胡椒し、葱、ニンニク、を入れ、酢50cc、ラカント大さじ3、塩小さじ1、醤油大さじ1を混ぜたものをかけました。680kcal、予想血糖値90ぐらいで、食後2時間の実測は楽に140以内に収まります。
つまり、朝8時半から夜12時迄、休憩なしで働いて、しかも、月に1,2回の休みでピンピンです。ちっとも疲れません。
江部先生の糖質制限食をする前は、 HbA1c7.0、血糖値170、血圧90~130で、死にそうでした。
そして、生徒をよく怒っていました。(汗;)
5月に始めて、4か月になりますが、
HbA1c5.3、血糖値80~140・優、血圧80~115
を維持できています。
本当に江部先生のおかげだと感謝しており、現在、家族全員、スーパー糖質制限食です。家からお米が消えました。小麦粉は、月1回ぐらい、天麩羅で常用の半分以下で使います。
ただし、妻は体操のインストラクターなので、瞬発力をつけるために、果物を(先生のブログに書かれているぶんりょう、一日リンゴ1/4など、)食べています。
28歳の子どもは、お酒は強い方ですが、普段はほとんど飲みません。ただ、カップラーメンが好きで、時々食べているようですが、血糖値の自己測定で管理しています。
ともかく、血糖値を測ることで、お米やラーメンを食べた後は、気絶しそうなほど数値が上がるのを知り、身体もだるくなるので、食生活を真剣に考えるようになりました。
PS そうそう、夜、眠りが浅い、目が覚めるのは、寝る前にインスタントラーメンを食べたような時ではないですか。お腹がいっぱいだと熟睡できないような気がします。】
三島さん。
いつも貴重なデータと体験報告ありがとうございます。
「江部先生の糖質制限食をする前は、 HbA1c7.0、血糖値170、血圧90~130で、死にそうでした。そして、生徒をよく怒っていました。(汗;)」
「5月に始めて、4か月になりますが、 HbA1c5.3、血糖値80~140・優、血圧80~115
早朝空腹時血糖値は110mg未満」
5月の時点では、HbA1c7.0%でコントロール不良レベルで、平均血糖値(*)は159mgです。
食後高血糖もあったでしょうし、血圧も高いし、身体はしんどいし、心はいらいらするし・・・
ということで、生徒さんをよく怒ったりしていたのですね。
私も40過ぎに心やすいナースから指摘されて、初めて意識したのですが、
「自分の側が疲れていてしんどい時に、些細なことでいらいらしたり、怒ったりする。」
ということに気がつきました。
相手に問題がある時もあるでしょうが、多くの場合は自分の側に問題があるようです。
スーパー糖質制限食開始4ヶ月目でHbA1c5.3%でコントロール優のレベルで、平均血糖値は108mgです。
食後高血糖も改善し、空腹時血糖も正常で、血圧もOKで体調も良好でしんどくないので心理的にも安定ですね。
スーパー糖質制限食により、血糖値の乱高下がなくなることが、気分の安定に大きく寄与していると思います。
心の安定は生徒さんとご家族もきっと気がついて、喜んでおられるでしょう。
(*)平均血糖値=<HbA1c-1.7>×30
江部康二
お馴染みの三島さんから、コメントいただきました。
スーパー糖質制限食で糖尿病改善・体力回復・気分安定という体験報告です。
三島さん現在、ご家族全員、スーパー糖質制限食実践されてるそうです。
【11/10/09 三島
コバさん、私の場合。
江部先生。
私の(異常なまでの)日常を、コバさんが知ったら、安心されるのではないか(笑)と思い、以下、まとめてみます。何しろ、自発的被験者(笑)ですから。
60歳と10カ月、男性、塾のプレィング・マネージャーをしています(簡単に言うと、経営と指導と掃除…、笑)。
夜12時、15時間の仕事が終了し、帰宅して入浴後、飲酒します、休肝日はありません。
妻がビール派で、以前は付き合っていましたが、今は、二人とも、「糖質オフ発泡酒」を経て、焼酎の水割りになりました。芋・麦・米の別は、気にしていません。特売や、流行につられて、浮気ばかりしています。(笑)
毎朝、焼酎1合に水を加え、720mlにして、冷蔵庫に入れておき、帰宅後、氷を入れたり、チンしたりして飲みます。
慣れるまでは、薄くてまずいのですが、ロックで一杯、0.3秒より、録画を見ながら、4杯も飲める満腹感の方を取ります。
おつまみは、基本的に、コンビニのナッツやアタリメを各1袋です。
私は、以前、スナックで出る乾き物は大嫌いでしたが、これも慣れです(笑)。
九州は、お魚がおいしいので、時にはお刺身も平気で食べます。 それでも、7時間後、翌朝の空腹時?血糖値は110を超えません。
朝、血糖値を測った後、トマトジュース180mlにオリーブオイル・大さじ1を入れて飲み、仕事に取り掛かり、一日に数杯、ミルク代わりの豆乳を入れた珈琲(無糖)を飲みます。
お昼は、糸こんにゃく200gに、スーパーの生めん売り場のグリコの<味噌、醤油、とんこつ>のスープを、その日の気分で、さらに、モヤシやネギなどの野菜、卵や納豆やチーズを一緒に食べます。それで、食後2時間の血糖値は110前後です。
夜は、ルクエで料理するので、材料を入れてチンするだけ。洗いものも少なく簡単です。
ちなみに、今夜は、鶏のムネ肉200gに塩胡椒し、葱、ニンニク、を入れ、酢50cc、ラカント大さじ3、塩小さじ1、醤油大さじ1を混ぜたものをかけました。680kcal、予想血糖値90ぐらいで、食後2時間の実測は楽に140以内に収まります。
つまり、朝8時半から夜12時迄、休憩なしで働いて、しかも、月に1,2回の休みでピンピンです。ちっとも疲れません。
江部先生の糖質制限食をする前は、 HbA1c7.0、血糖値170、血圧90~130で、死にそうでした。
そして、生徒をよく怒っていました。(汗;)
5月に始めて、4か月になりますが、
HbA1c5.3、血糖値80~140・優、血圧80~115
を維持できています。
本当に江部先生のおかげだと感謝しており、現在、家族全員、スーパー糖質制限食です。家からお米が消えました。小麦粉は、月1回ぐらい、天麩羅で常用の半分以下で使います。
ただし、妻は体操のインストラクターなので、瞬発力をつけるために、果物を(先生のブログに書かれているぶんりょう、一日リンゴ1/4など、)食べています。
28歳の子どもは、お酒は強い方ですが、普段はほとんど飲みません。ただ、カップラーメンが好きで、時々食べているようですが、血糖値の自己測定で管理しています。
ともかく、血糖値を測ることで、お米やラーメンを食べた後は、気絶しそうなほど数値が上がるのを知り、身体もだるくなるので、食生活を真剣に考えるようになりました。
PS そうそう、夜、眠りが浅い、目が覚めるのは、寝る前にインスタントラーメンを食べたような時ではないですか。お腹がいっぱいだと熟睡できないような気がします。】
三島さん。
いつも貴重なデータと体験報告ありがとうございます。
「江部先生の糖質制限食をする前は、 HbA1c7.0、血糖値170、血圧90~130で、死にそうでした。そして、生徒をよく怒っていました。(汗;)」
「5月に始めて、4か月になりますが、 HbA1c5.3、血糖値80~140・優、血圧80~115
早朝空腹時血糖値は110mg未満」
5月の時点では、HbA1c7.0%でコントロール不良レベルで、平均血糖値(*)は159mgです。
食後高血糖もあったでしょうし、血圧も高いし、身体はしんどいし、心はいらいらするし・・・
ということで、生徒さんをよく怒ったりしていたのですね。
私も40過ぎに心やすいナースから指摘されて、初めて意識したのですが、
「自分の側が疲れていてしんどい時に、些細なことでいらいらしたり、怒ったりする。」
ということに気がつきました。
相手に問題がある時もあるでしょうが、多くの場合は自分の側に問題があるようです。
スーパー糖質制限食開始4ヶ月目でHbA1c5.3%でコントロール優のレベルで、平均血糖値は108mgです。
食後高血糖も改善し、空腹時血糖も正常で、血圧もOKで体調も良好でしんどくないので心理的にも安定ですね。
スーパー糖質制限食により、血糖値の乱高下がなくなることが、気分の安定に大きく寄与していると思います。
心の安定は生徒さんとご家族もきっと気がついて、喜んでおられるでしょう。
(*)平均血糖値=<HbA1c-1.7>×30
江部康二
2011年10月10日 (月)
おはようございます。
としたぬきさんから、「スーパー糖質制限食3ヶ月間ででHbA1c13.2%→6.0%」
という、嬉しいコメントをいただきました。
HbA1c13.2%で、本格的糖尿病発症は1年以内ですので、2011年10月5日(水)放送のNHK「ためしてガッテン」流に従うなら、「即、入院して強化インスリン療法(1日4回のインスリン注射)」になるのでしょうね。
幸い、薬物なしのスーパー糖質制限食実践で
2011年
7月 HbA1c:13.2%
8月 HbA1c:11.7%
9月 HbA1c:7.8%
10月 HbA1c:6.0%
強化インスリン療法をはるかに上回る劇的改善で、食事療法だけなので医療費もかなり省エネですんで、良かったですね。(^^)
2008年ごろから早朝空腹時血糖値が128mgですので、一応糖尿病型ですが、境界型くらいだったかもしれません。
しかしこの時点、あるいは数年前から、食後高血糖が存在していた可能性が高いです。
食後高血糖が数年間持続したあと、早朝空腹時血糖値が上昇するパターンが日本人には一番多いです。
早朝空腹時血糖値
正常110mg未満→境界型126mg未満→糖尿病126mg以上
この進行過程の背景には食後高血糖が数年間~10年間続いていることが多いのです。
2010年に75kgだった体重が、2010年12月ころからどんどん痩せて、2011年7月、糖尿病診断時には57kg!!
半年ちょっとで、18kgの激痩せです。
毎日、尿糖が100gくらい出ていたのでしょうね。
100gのブドウ糖が毎日尿からでていけば、400kcal/日のエネルギーが排泄されることになります。
さらにインスリン作用が極端に不足していて、細胞がブドウ糖をうまく取り込めないので、脂肪をどんどん分解して、通常より大量のケトン体を生成してエネルギー源とし、体重が減ります。
ケトン体は脂肪酸の代謝産物で、日常的に肝臓で作っていて、心筋・骨格筋・体細胞や脳のエネルギー源として利用されています。
しかし、インスリン作用が極端に不足したときのケトン体増加は、病理的で危険です。
スーパー糖質制限食実践で、食後高血糖がなくなり、追加分泌インスリンもほとんど必要なくなるので、膵臓のβ細胞は24時間休養を得ることとなります。
2週間のスーパー糖質制限食で、早朝空腹時血糖値が97mg/dlと正常に回復してますので、β細胞は休養を得てかなり復活しています。
本格的糖尿病悪化をきたしてから、まだ7~8ヶ月だったので、β細胞が死滅したものは比較的少なくて、疲弊していたものが復活したのでしょう。
スーパー糖質制限食が間に合って、悪循環が絶たれたのだと思います。
180mg/dlを超える高血糖そのものが、β細胞を傷害し、インスリン抵抗性(インスリンの効きが悪くなること)を増強し、悪循環していき、糖尿病の急速な悪化を生じるのです。
としたぬきさんも、その典型的な例だったと思います。
なお、現在はインスリン作用はかなり復活していますので、ケトン体が尿にでたりしていても何ら心配は要りません。
インスリン作用がある状態でスーパー糖質制限食を実践すれば、血中ケトン体は一般的な基準値より高値となり、当初の3ヶ月~半年くらいは尿中ケトン体陽性となりますが、生理的な現象であり、何の問題もありません。
例えば、私の血中ケトン体は
300~400~800~1200μM/L(26~122)
ですが、尿中ケトン体は陰性です。
私の血中ケトン体値くらいが、農耕前の人類の基準値だったと考えられます。
「糖尿病で食後高血糖を起こさない食事をしている人より、糖尿病じゃない健康人がバンバン食後高血糖で血管を痛め続けてるほうが危険なような気がしてならないのですが。
苦笑 気のせいでしょうか?」
仰有る通りと思います。
私はこれを、ブドウ糖ミニスパイクと呼んで、警鐘を鳴らしています。
としたぬきさん、これからも美味しく楽しく糖質制限食で、正常人ライフを過ごしてください。
そうそう、野菜摂取が少ないとのことですが、ビタミンC補充を忘れないでくださいね。
江部康二
【11/10/09 としたぬき
江部先生へ
はじめまして!
今年の7月の始めに糖尿病と診断されてしまった現在39歳の社会人です。
先生のことを知るまで、知ってからのこの三ヶ月間の経緯をご説明します。(すみませんかなり長くなります)
3年前くらいから空腹時血糖値が高い状態で(検査表見ると128ミリになってます)この時点で糖尿病の疑いがあったのかもしれませんが特に詳しい検査はしてませんでした。
この検査表には、ヘモグロビンA1Cの欄はあるのですが、空白になってます(血糖値のみが指標になっていたのですかね?)
で、3年前の体重が62キロ前後(身長163)で(ちょっと太り気味?)それから徐々に増え始めてちょうど1年前には気付けば75キロになってました。
同僚からは太りましたね~て言われて(自分では男らしくなったとか良いように捉えてた。笑)さすがにまずいと思い、ダイエットを試みるも2週間程度で挫折。
当時の食生活はだいたいこんな感じです。
・朝食はほとんど食べない。
・昼飯はおにぎり程度。
・帰りが遅いので、夜たくさん食べる(といってもパスタ一人前&おかし一袋くらい)
・基本的に肉は食べない(野菜は野菜ジュースを好んで飲んではいた)
・お酒は飲めない。
・甘いものは好き。アイスにはまってて二日に一個は食べていた。
・間食に甘いもの、大福とか、チョコレートやスナック菓子を好んで食べていた。
・運動まるでしない
だいたい以上のような生活でした。いわゆる炭水化物や糖質が中心でした。(しかしながら摂取カロリー自体は2千前後が通常だったと思います)
なのに徐々に体重が増えたので、あ~やっぱり中年太りってやつかあ~てしょうがないやと受け入れてました。
で、去年の暮れから今年の7月に糖尿病が発覚する期間、今度はどんどん痩せてきたんです!
喉の乾きもかなりあり、水分補給過剰状態でしたが、もともと水分を意識して取っていたので、だからだろうくらいにしか思ってませんでした。
尿もかなりなもので一日20回近くトイレにいってたと思います(量もたくさん)
その頻尿や喉の渇きは特に異常だと思ってなかったんです。苦笑
気づいたのは痩せてきてからです。
なんか痩せたんじゃない?って周りから言われて、あ?そう?
じゃあ久しぶりに体重をと家で一年ぶりに体重計にのると………なんと57キロしかない(゜∀゜;)
もちろんこの間、食生活などには変わりなく、運動などもろくにしてません。
こ、これって
…病気じゃね!?
(゜∀゜;)(遅っ!
この時点でどれだけの血糖値だったのか定かではありませんが(笑)数日後、内科で経緯を話して尿検査をしたら尿糖が出てると言われ
自分:先生、尿から糖が出たら糖尿病確定なんすか?
先生:…ええ(きまずそうに)
自分:糖尿病て酷くなると透析とかするんすよね?治らないんですよね?!
先生:…場合によっては(目をそらしながら)
自分:言葉なくボー然
(人生終わったかなと思う)
家に帰り、糖尿病に関することを調べまくりました。
で、ネットで糖質制限食があると知り詳しく糖尿病になる原理とこの療法の理屈を学ぶうちに、あ、これは説得力あるな。
原因と治療法の理屈がとても合ってると確信したので、すぐに糖質制限食(主食抜き&糖質一切とらず)、と、即効薬として運動開始しました(といっても毎日のジョギング&ウォーキング合わせて一時間程度)
2週間後、血液検査で
空腹時血糖97。A1C値が13、2。
内科の先生で糖尿病専門医ではありませんでしたが、今は普通だけど、恐らくここ数ヶ月はかなり悪い状態だったはずと言われました。
(血糖値とA1C値のギャップには首を傾げてました)
なので普通入院治療するレベルだけど経過観察することになり、糖質制限食をさらに実行。
次の月の検査で
8月が11.7
9月に7.8
10月検査で6.0
元に戻りました\^o^/
さらに先生の本で詳しく勉強しました。
先生の糖質制限の理論と、食後高血糖が危険だとわかり、糖質摂取量の絶対量と食後高血糖値にならない食生活をしています。
なので…病気発覚前より多分食べてます(笑)
チョコレートもロッテの0を一日わけて一箱は毎日食べてます
飴もちょいちょい、好きなコーヒーは糖質の少ないもの(最近は0でも甘いやつがあります)ジュースも0のやつや炭水化物の量を見て飲んでます。
糖質制限理論を応用しながら食べることを楽しんでます!
なにより肉は好きだけど健康のために避けていましたので、糖尿病になってからはむしろ食べれるようになって嬉しい(笑)
その他の数値、中性脂肪も下がり(平均値)善玉コレステロールは上がりました!
あとは野菜はあまり食べないのでサプリなどで食物繊維など補ってます
先生の本読んで思ったんですが、ミニスパイクって糖尿病じゃなくても起きるわけじゃないですか。
糖尿病で食後高血糖を起こさない食事をしている人より、糖尿病じゃない健康人がバンバン食後高血糖で血管を痛め続けてるほうが危険なような気がしてならないのですが。苦笑
気のせいでしょうか?
いづれにしても先生の存在を知れて助かりました。心から感謝しております ありがとうございました これからも引き続き頑張ると共に、先生の推奨される糖質制限食を体験をもとに機会があれば、知らない人にも教えていきます。】
としたぬきさんから、「スーパー糖質制限食3ヶ月間ででHbA1c13.2%→6.0%」
という、嬉しいコメントをいただきました。
HbA1c13.2%で、本格的糖尿病発症は1年以内ですので、2011年10月5日(水)放送のNHK「ためしてガッテン」流に従うなら、「即、入院して強化インスリン療法(1日4回のインスリン注射)」になるのでしょうね。
幸い、薬物なしのスーパー糖質制限食実践で
2011年
7月 HbA1c:13.2%
8月 HbA1c:11.7%
9月 HbA1c:7.8%
10月 HbA1c:6.0%
強化インスリン療法をはるかに上回る劇的改善で、食事療法だけなので医療費もかなり省エネですんで、良かったですね。(^^)
2008年ごろから早朝空腹時血糖値が128mgですので、一応糖尿病型ですが、境界型くらいだったかもしれません。
しかしこの時点、あるいは数年前から、食後高血糖が存在していた可能性が高いです。
食後高血糖が数年間持続したあと、早朝空腹時血糖値が上昇するパターンが日本人には一番多いです。
早朝空腹時血糖値
正常110mg未満→境界型126mg未満→糖尿病126mg以上
この進行過程の背景には食後高血糖が数年間~10年間続いていることが多いのです。
2010年に75kgだった体重が、2010年12月ころからどんどん痩せて、2011年7月、糖尿病診断時には57kg!!
半年ちょっとで、18kgの激痩せです。
毎日、尿糖が100gくらい出ていたのでしょうね。
100gのブドウ糖が毎日尿からでていけば、400kcal/日のエネルギーが排泄されることになります。
さらにインスリン作用が極端に不足していて、細胞がブドウ糖をうまく取り込めないので、脂肪をどんどん分解して、通常より大量のケトン体を生成してエネルギー源とし、体重が減ります。
ケトン体は脂肪酸の代謝産物で、日常的に肝臓で作っていて、心筋・骨格筋・体細胞や脳のエネルギー源として利用されています。
しかし、インスリン作用が極端に不足したときのケトン体増加は、病理的で危険です。
スーパー糖質制限食実践で、食後高血糖がなくなり、追加分泌インスリンもほとんど必要なくなるので、膵臓のβ細胞は24時間休養を得ることとなります。
2週間のスーパー糖質制限食で、早朝空腹時血糖値が97mg/dlと正常に回復してますので、β細胞は休養を得てかなり復活しています。
本格的糖尿病悪化をきたしてから、まだ7~8ヶ月だったので、β細胞が死滅したものは比較的少なくて、疲弊していたものが復活したのでしょう。
スーパー糖質制限食が間に合って、悪循環が絶たれたのだと思います。
180mg/dlを超える高血糖そのものが、β細胞を傷害し、インスリン抵抗性(インスリンの効きが悪くなること)を増強し、悪循環していき、糖尿病の急速な悪化を生じるのです。
としたぬきさんも、その典型的な例だったと思います。
なお、現在はインスリン作用はかなり復活していますので、ケトン体が尿にでたりしていても何ら心配は要りません。
インスリン作用がある状態でスーパー糖質制限食を実践すれば、血中ケトン体は一般的な基準値より高値となり、当初の3ヶ月~半年くらいは尿中ケトン体陽性となりますが、生理的な現象であり、何の問題もありません。
例えば、私の血中ケトン体は
300~400~800~1200μM/L(26~122)
ですが、尿中ケトン体は陰性です。
私の血中ケトン体値くらいが、農耕前の人類の基準値だったと考えられます。
「糖尿病で食後高血糖を起こさない食事をしている人より、糖尿病じゃない健康人がバンバン食後高血糖で血管を痛め続けてるほうが危険なような気がしてならないのですが。
苦笑 気のせいでしょうか?」
仰有る通りと思います。
私はこれを、ブドウ糖ミニスパイクと呼んで、警鐘を鳴らしています。
としたぬきさん、これからも美味しく楽しく糖質制限食で、正常人ライフを過ごしてください。
そうそう、野菜摂取が少ないとのことですが、ビタミンC補充を忘れないでくださいね。
江部康二
【11/10/09 としたぬき
江部先生へ
はじめまして!
今年の7月の始めに糖尿病と診断されてしまった現在39歳の社会人です。
先生のことを知るまで、知ってからのこの三ヶ月間の経緯をご説明します。(すみませんかなり長くなります)
3年前くらいから空腹時血糖値が高い状態で(検査表見ると128ミリになってます)この時点で糖尿病の疑いがあったのかもしれませんが特に詳しい検査はしてませんでした。
この検査表には、ヘモグロビンA1Cの欄はあるのですが、空白になってます(血糖値のみが指標になっていたのですかね?)
で、3年前の体重が62キロ前後(身長163)で(ちょっと太り気味?)それから徐々に増え始めてちょうど1年前には気付けば75キロになってました。
同僚からは太りましたね~て言われて(自分では男らしくなったとか良いように捉えてた。笑)さすがにまずいと思い、ダイエットを試みるも2週間程度で挫折。
当時の食生活はだいたいこんな感じです。
・朝食はほとんど食べない。
・昼飯はおにぎり程度。
・帰りが遅いので、夜たくさん食べる(といってもパスタ一人前&おかし一袋くらい)
・基本的に肉は食べない(野菜は野菜ジュースを好んで飲んではいた)
・お酒は飲めない。
・甘いものは好き。アイスにはまってて二日に一個は食べていた。
・間食に甘いもの、大福とか、チョコレートやスナック菓子を好んで食べていた。
・運動まるでしない
だいたい以上のような生活でした。いわゆる炭水化物や糖質が中心でした。(しかしながら摂取カロリー自体は2千前後が通常だったと思います)
なのに徐々に体重が増えたので、あ~やっぱり中年太りってやつかあ~てしょうがないやと受け入れてました。
で、去年の暮れから今年の7月に糖尿病が発覚する期間、今度はどんどん痩せてきたんです!
喉の乾きもかなりあり、水分補給過剰状態でしたが、もともと水分を意識して取っていたので、だからだろうくらいにしか思ってませんでした。
尿もかなりなもので一日20回近くトイレにいってたと思います(量もたくさん)
その頻尿や喉の渇きは特に異常だと思ってなかったんです。苦笑
気づいたのは痩せてきてからです。
なんか痩せたんじゃない?って周りから言われて、あ?そう?
じゃあ久しぶりに体重をと家で一年ぶりに体重計にのると………なんと57キロしかない(゜∀゜;)
もちろんこの間、食生活などには変わりなく、運動などもろくにしてません。
こ、これって
…病気じゃね!?
(゜∀゜;)(遅っ!
この時点でどれだけの血糖値だったのか定かではありませんが(笑)数日後、内科で経緯を話して尿検査をしたら尿糖が出てると言われ
自分:先生、尿から糖が出たら糖尿病確定なんすか?
先生:…ええ(きまずそうに)
自分:糖尿病て酷くなると透析とかするんすよね?治らないんですよね?!
先生:…場合によっては(目をそらしながら)
自分:言葉なくボー然
(人生終わったかなと思う)
家に帰り、糖尿病に関することを調べまくりました。
で、ネットで糖質制限食があると知り詳しく糖尿病になる原理とこの療法の理屈を学ぶうちに、あ、これは説得力あるな。
原因と治療法の理屈がとても合ってると確信したので、すぐに糖質制限食(主食抜き&糖質一切とらず)、と、即効薬として運動開始しました(といっても毎日のジョギング&ウォーキング合わせて一時間程度)
2週間後、血液検査で
空腹時血糖97。A1C値が13、2。
内科の先生で糖尿病専門医ではありませんでしたが、今は普通だけど、恐らくここ数ヶ月はかなり悪い状態だったはずと言われました。
(血糖値とA1C値のギャップには首を傾げてました)
なので普通入院治療するレベルだけど経過観察することになり、糖質制限食をさらに実行。
次の月の検査で
8月が11.7
9月に7.8
10月検査で6.0
元に戻りました\^o^/
さらに先生の本で詳しく勉強しました。
先生の糖質制限の理論と、食後高血糖が危険だとわかり、糖質摂取量の絶対量と食後高血糖値にならない食生活をしています。
なので…病気発覚前より多分食べてます(笑)
チョコレートもロッテの0を一日わけて一箱は毎日食べてます
飴もちょいちょい、好きなコーヒーは糖質の少ないもの(最近は0でも甘いやつがあります)ジュースも0のやつや炭水化物の量を見て飲んでます。
糖質制限理論を応用しながら食べることを楽しんでます!
なにより肉は好きだけど健康のために避けていましたので、糖尿病になってからはむしろ食べれるようになって嬉しい(笑)
その他の数値、中性脂肪も下がり(平均値)善玉コレステロールは上がりました!
あとは野菜はあまり食べないのでサプリなどで食物繊維など補ってます
先生の本読んで思ったんですが、ミニスパイクって糖尿病じゃなくても起きるわけじゃないですか。
糖尿病で食後高血糖を起こさない食事をしている人より、糖尿病じゃない健康人がバンバン食後高血糖で血管を痛め続けてるほうが危険なような気がしてならないのですが。苦笑
気のせいでしょうか?
いづれにしても先生の存在を知れて助かりました。心から感謝しております ありがとうございました これからも引き続き頑張ると共に、先生の推奨される糖質制限食を体験をもとに機会があれば、知らない人にも教えていきます。】
2011年10月09日 (日)
こんばんは。
コバさんから、焼酎などについて、コメント・質問をいただきました。
【11/10/08 コバ
はじめまして。
江部先生、はじめまして。
ついこの間、先生の本「やせる食べ方」を知り実践しているコバと申します。
半年前までは平気で外食や間食、スーパーではカップ麺やお菓子を毎日のように買っていました。
けれども糖質制限ダイエットを始めてから7ヶ月で11kgの減量に成功。今でもプチは毎日続けていますので体重がさらに減少中です。食べられるものが限られてくるので無駄使いも大幅に減り、さらに思考力、行動力も上がり毎日本当に充実しております。
本を読んでわからないことがあったので質問させてください。
・焼酎はOKですが、どの種類でも(麦芽、芋、そば焼酎)問題はありませんか?
・仕事の関係上、夕食を召し上がるのが夜11時を過ぎでしまうこともあるのですが、この糖質制限ダイエットは夜遅くに夕飯を済ませても問題ないでしょうか?
(よく巷では、夜9時までには夕飯は済ませるとの情報があるので)
・毎日6時間睡眠ですが夜中に目が覚めてしまうことがあるので、睡眠は熟睡できることは重要でしょうか?
ご回答いただければ幸いです。
とにかく、このダイエット法に出会えて本当に良かったです。これからも毎日実践して、心にも身体にも良い人生を送りますね。どうもありがとうございます。
これからもお体に気をつけて頑張ってくださいね!】
コバさん。
「やせる食べ方」のご購入、ありがとうございます。
7ヶ月で11kgの減量、素晴らしいですね。(^-^)v(^-^)v
スーパー糖質制限食で、減量して目標体重に達したら、プチ糖質制限食でキープしていく・・・
ほとんどの人は、このパターンでダイエットに成功すると思います。
「・焼酎はOKですが、どの種類でも(麦芽、芋、そば焼酎)問題はありませんか? 」
醸造酒を蒸留したものが、蒸留酒です。
蒸留するときに、糖質はなくなりますので、焼酎、ウィスキー、ブランデー、ウオッカ、ジンなどの蒸留酒は糖質ゼロです。
焼酎なら、原料は芋・麦・米・黒糖・蕎麦・・・いろいろあります。
これら全て蒸留酒になったときには糖質ゼロとなるので、安心して飲めます。
ウィスキー、ブランデー、ウオッカ、ジンも蒸留酒なので糖質制限OK食品です。
ビールや日本酒などの醸造酒は、「エチルアルコール+糖質」が含まれています。
特に、ビールは大量に飲めるので血糖値を上昇させ、インスリンを追加分泌させ、肥満の元です。
350ml缶の「恵比寿」「スーパードライ」「キリンラガー」・・・
だいたい、11~12gの糖質が入っています。 (*_*)
「ビール腹」とはよくいいますが「焼酎腹」は聞いたことがありませんね。(^^)
「・仕事の関係上、夕食を召し上がるのが夜11時を過ぎでしまうこともあるのですが、この糖質制限ダイエットは夜遅くに夕飯を済ませても問題ないでしょうか?
(よく巷では、夜9時までには夕飯は済ませるとの情報があるので)」
理想的には、夜7時くらいまでに夕食を済ませたいです。
でも、なかなか仕事上そうはいかない人も多いでしょう。
かくいう私もそうで、夜診の時は午后9時半から10時くらいになります。
この時糖質を食べてしまうと、正常人でも食後血糖値は140~160mgくらいに上昇します。
夜中は筋肉も脳も活動しないので、血糖値は下がりにくく、インスリンがでたらもっぱら血糖値を脂肪にかえるパターンとなります。
すなわち、本来夜中に寝ている時は脂肪を燃やしているはずなのに、逆に脂肪を蓄える方向にベクトルがかわるので太りやすいのです。
しかしスーパー糖質制限食なら、たとえ夜中の11時にステーキを食べたとしても、その最中に脂肪が燃えていて、肝臓ではアミノ酸や乳酸からブドウ糖を作っているのでそれにもエネルギーを消費します。
従って、減量しやすい状態は保たれています。
「・毎日6時間睡眠ですが夜中に目が覚めてしまうことがあるので、睡眠は熟睡できることは重要でしょうか?」
糖質制限食を実践している人もしていない人も皆、6~7時間熟睡できると健康にはよいと思います。
江部康二
コバさんから、焼酎などについて、コメント・質問をいただきました。
【11/10/08 コバ
はじめまして。
江部先生、はじめまして。
ついこの間、先生の本「やせる食べ方」を知り実践しているコバと申します。
半年前までは平気で外食や間食、スーパーではカップ麺やお菓子を毎日のように買っていました。
けれども糖質制限ダイエットを始めてから7ヶ月で11kgの減量に成功。今でもプチは毎日続けていますので体重がさらに減少中です。食べられるものが限られてくるので無駄使いも大幅に減り、さらに思考力、行動力も上がり毎日本当に充実しております。
本を読んでわからないことがあったので質問させてください。
・焼酎はOKですが、どの種類でも(麦芽、芋、そば焼酎)問題はありませんか?
・仕事の関係上、夕食を召し上がるのが夜11時を過ぎでしまうこともあるのですが、この糖質制限ダイエットは夜遅くに夕飯を済ませても問題ないでしょうか?
(よく巷では、夜9時までには夕飯は済ませるとの情報があるので)
・毎日6時間睡眠ですが夜中に目が覚めてしまうことがあるので、睡眠は熟睡できることは重要でしょうか?
ご回答いただければ幸いです。
とにかく、このダイエット法に出会えて本当に良かったです。これからも毎日実践して、心にも身体にも良い人生を送りますね。どうもありがとうございます。
これからもお体に気をつけて頑張ってくださいね!】
コバさん。
「やせる食べ方」のご購入、ありがとうございます。
7ヶ月で11kgの減量、素晴らしいですね。(^-^)v(^-^)v
スーパー糖質制限食で、減量して目標体重に達したら、プチ糖質制限食でキープしていく・・・
ほとんどの人は、このパターンでダイエットに成功すると思います。
「・焼酎はOKですが、どの種類でも(麦芽、芋、そば焼酎)問題はありませんか? 」
醸造酒を蒸留したものが、蒸留酒です。
蒸留するときに、糖質はなくなりますので、焼酎、ウィスキー、ブランデー、ウオッカ、ジンなどの蒸留酒は糖質ゼロです。
焼酎なら、原料は芋・麦・米・黒糖・蕎麦・・・いろいろあります。
これら全て蒸留酒になったときには糖質ゼロとなるので、安心して飲めます。
ウィスキー、ブランデー、ウオッカ、ジンも蒸留酒なので糖質制限OK食品です。
ビールや日本酒などの醸造酒は、「エチルアルコール+糖質」が含まれています。
特に、ビールは大量に飲めるので血糖値を上昇させ、インスリンを追加分泌させ、肥満の元です。
350ml缶の「恵比寿」「スーパードライ」「キリンラガー」・・・
だいたい、11~12gの糖質が入っています。 (*_*)
「ビール腹」とはよくいいますが「焼酎腹」は聞いたことがありませんね。(^^)
「・仕事の関係上、夕食を召し上がるのが夜11時を過ぎでしまうこともあるのですが、この糖質制限ダイエットは夜遅くに夕飯を済ませても問題ないでしょうか?
(よく巷では、夜9時までには夕飯は済ませるとの情報があるので)」
理想的には、夜7時くらいまでに夕食を済ませたいです。
でも、なかなか仕事上そうはいかない人も多いでしょう。
かくいう私もそうで、夜診の時は午后9時半から10時くらいになります。
この時糖質を食べてしまうと、正常人でも食後血糖値は140~160mgくらいに上昇します。
夜中は筋肉も脳も活動しないので、血糖値は下がりにくく、インスリンがでたらもっぱら血糖値を脂肪にかえるパターンとなります。
すなわち、本来夜中に寝ている時は脂肪を燃やしているはずなのに、逆に脂肪を蓄える方向にベクトルがかわるので太りやすいのです。
しかしスーパー糖質制限食なら、たとえ夜中の11時にステーキを食べたとしても、その最中に脂肪が燃えていて、肝臓ではアミノ酸や乳酸からブドウ糖を作っているのでそれにもエネルギーを消費します。
従って、減量しやすい状態は保たれています。
「・毎日6時間睡眠ですが夜中に目が覚めてしまうことがあるので、睡眠は熟睡できることは重要でしょうか?」
糖質制限食を実践している人もしていない人も皆、6~7時間熟睡できると健康にはよいと思います。
江部康二
2011年10月08日 (土)
こんにちは。
2011年10月5日(水)のNHKためしてガッテン
「糖尿病が完治する!? すい臓を復活させる薬」
への冷静で辛口なコメントを実際に強化インスリン療法を体験された、2型 11年患者 さんからいただきました。
【11/10/07 2型 11年患者
はじめまして
2011/10/5ためして・・・残念と検索して、こちらにたどりつきました。
私は、11年前に26歳で発症し、ケトン体の数値で即入院しました。
すい臓を休ませてあげると、また良くなると言われ、インスリン+
過酷な入院生活のおかげで、退院後は薬もインスリンもなし状態が1年半ほ
ど続きました。
その時は、大変厳しい先生でした。
転勤で、お医者様が代わり
自分の管理不足で、どんどん、A1cがあがり、現在にいたるまで、インスリン+飲み薬状態です。
TVの話では、「休ませれば、治る」
と言っていたので、これはイカンと思って書かせていただきました。
休ませれば、条件付でよくなることもある
ということを体験したのです。
こんなことで、日本の医療費がパンクするかもしれないのは
つらいですし、患者が路頭に迷うのも避けたいです。
もちろん、TVにも、真剣にお話しするつもりですが
ぜひ、先生にも知って頂きたく、書かせていただきました。】
2型 11年患者 さん。
冷静なコメントをありがとうございます。
現実は、仰有る通りです。
「休ませれば、治る」→これは誇大広告で言いすぎです。
「休ませれば、条件付でよくなることもある 」→これはその通りです。
しかし、普通に糖質を摂取していれば、また再発する可能性が高いと言うことですね。
入院してインスリン強化療法を行い、膵臓のβ細胞が休養を得て回復して、いったんインスリンフリーになったあと、1年半ほど、それが続いたのは、素晴らしいことであり、よく努力されたと思います。
一方、自分の管理不足というより、どんなに努力しても、日本糖尿病学会推奨のカロリー制限食(高糖質食)を
食べている限りは、1日最低3回は、食後血糖値が140~150~160mgと上昇し、その度に大量のインスリン追加分泌が生じます。この繰り返しにより再び膵臓のβ細胞が疲弊していきます。
2型 11年患者 さんの場合も、ブドウ糖ミニスパイクとインスリン大量分泌で、徐々にβ細胞が疲弊していってインスリン分泌不足となり、1年半でとうとう再発したと考えられます。
これは個人の努力でどうこうなることではなく、糖質を摂取するかぎりは、必然的な結果といえます。
スーパー糖質制限食なら、疲弊していたβ細胞が休養を得て、血糖コントロールが良好となります。
β細胞に休養を与えて、復活させるという基本構造は強化インスリン療法と同じですが、手段が違います。
そして、スーパー糖質制限食なら、続けている限りは、血糖コントロール良好を保つことができるのです。
2型 11年患者 さんも、糖質制限食を導入されたら、インスリンの量が1/3以下となります。
内因性インスリン分泌能力があるていど残っていたら、再びインスリンフリーとなる可能性はあると思います。
江部康二
2011年10月5日(水)のNHKためしてガッテン
「糖尿病が完治する!? すい臓を復活させる薬」
への冷静で辛口なコメントを実際に強化インスリン療法を体験された、2型 11年患者 さんからいただきました。
【11/10/07 2型 11年患者
はじめまして
2011/10/5ためして・・・残念と検索して、こちらにたどりつきました。
私は、11年前に26歳で発症し、ケトン体の数値で即入院しました。
すい臓を休ませてあげると、また良くなると言われ、インスリン+
過酷な入院生活のおかげで、退院後は薬もインスリンもなし状態が1年半ほ
ど続きました。
その時は、大変厳しい先生でした。
転勤で、お医者様が代わり
自分の管理不足で、どんどん、A1cがあがり、現在にいたるまで、インスリン+飲み薬状態です。
TVの話では、「休ませれば、治る」
と言っていたので、これはイカンと思って書かせていただきました。
休ませれば、条件付でよくなることもある
ということを体験したのです。
こんなことで、日本の医療費がパンクするかもしれないのは
つらいですし、患者が路頭に迷うのも避けたいです。
もちろん、TVにも、真剣にお話しするつもりですが
ぜひ、先生にも知って頂きたく、書かせていただきました。】
2型 11年患者 さん。
冷静なコメントをありがとうございます。
現実は、仰有る通りです。
「休ませれば、治る」→これは誇大広告で言いすぎです。
「休ませれば、条件付でよくなることもある 」→これはその通りです。
しかし、普通に糖質を摂取していれば、また再発する可能性が高いと言うことですね。
入院してインスリン強化療法を行い、膵臓のβ細胞が休養を得て回復して、いったんインスリンフリーになったあと、1年半ほど、それが続いたのは、素晴らしいことであり、よく努力されたと思います。
一方、自分の管理不足というより、どんなに努力しても、日本糖尿病学会推奨のカロリー制限食(高糖質食)を
食べている限りは、1日最低3回は、食後血糖値が140~150~160mgと上昇し、その度に大量のインスリン追加分泌が生じます。この繰り返しにより再び膵臓のβ細胞が疲弊していきます。
2型 11年患者 さんの場合も、ブドウ糖ミニスパイクとインスリン大量分泌で、徐々にβ細胞が疲弊していってインスリン分泌不足となり、1年半でとうとう再発したと考えられます。
これは個人の努力でどうこうなることではなく、糖質を摂取するかぎりは、必然的な結果といえます。
スーパー糖質制限食なら、疲弊していたβ細胞が休養を得て、血糖コントロールが良好となります。
β細胞に休養を与えて、復活させるという基本構造は強化インスリン療法と同じですが、手段が違います。
そして、スーパー糖質制限食なら、続けている限りは、血糖コントロール良好を保つことができるのです。
2型 11年患者 さんも、糖質制限食を導入されたら、インスリンの量が1/3以下となります。
内因性インスリン分泌能力があるていど残っていたら、再びインスリンフリーとなる可能性はあると思います。
江部康二
2011年10月07日 (金)
おはようございます。
糖尿人・江部康二の検査データの続きです。
2011年9月9日の江部康二の検査データ
空腹時採血血糖値116mg(110未満)
空腹時IRI(インスリン):3.5(3~15μU/ml)
<HOMA-R=空腹時血糖値(mg/dL)×空腹時インスリン値(μU/mL)/405 >
1.6以下が正常、2.5以上は抵抗性あり。
空腹時血糖値140mg以下なら信頼度高い。
<HOMA-β=360×空腹時インスリン値(μU/mL)/(空腹時血糖値(mg/dL)-63)>
空腹時血糖値130mg以下なら信頼度高い。
正常値:40-60
☆☆☆
HOMA-RもHOMA-βも糖尿病が進行した状態では信頼度が低くなり適応がない。
耐糖能異常から軽度の糖尿病までの時期において有用な方法である。
私のデータを上記の式で計算すると
HOMA-R:1.0 インスリン抵抗性は正常
HOMA-β:23.8 低値であり、インスリン分泌能が低下
となります。
さて、インスリンには、24時間少量持続的に出ている基礎分泌と、糖質を摂取したときに大量にでる追加分泌があります。
一般に空腹時のIRI(インスリン)は、基礎分泌とインスリン抵抗性の評価に用います。
糖質負荷後のIRI(インスリン)は、追加分泌の評価に用います。
その中で、HOMA-βは、空腹時血糖値と空腹時インスリン値で計算するのですが、経口血糖負荷試験時の2時間値のインスリン分泌量と、よく相関することがわかっています。(*)
HOMA-βが高値ということは、インスリン追加分泌が出過ぎるタイプということになります。
HOMA-βが低いということは、インスリン追加分泌能力が低下していることとなります。
罹病期間の長い糖尿人では、HOMA-βが基準値を下回ることが多いです。
かくいう私もHOMA-βが基準値を下回っております。
私の場合、インスリン基礎分泌も、基準値をやや下回ることが多いです。
それでも、スーパー糖質制限食を実践する限りは、検査データは正常人です。
次に、インスリン抵抗性があるときは、効きが悪い分を代償するために、インスリンが多くでるようになります。
特に境界型とか軽症糖尿病の段階だと、インスリン過剰分泌があり得ます。
通常は肥満に伴ってインスリン抵抗性がでてきます。
一方、さしたる肥満がなくても、血糖値が180mg/dlを超えることが多くなるとインスリン抵抗性が出現します。
この場合もインスリン分泌能力が残っている段階だと、過剰に分泌します。
さらに糖尿病が進行したら、膵臓のβ細胞が、180mg/dlを超える高血糖によりダメージを受けてそれが積み重なって、インスリン分泌能力が低下していきます。
インスリン抵抗性はHOMA-Rで計算しますが、空腹時のIRI(インスリン)が上限近い数値、あるいはそれ以上あればそれだけでもインスリン抵抗性がある可能性が高いです。
空腹時のIRI(インスリン)の基準値は、施設にもよりますが3~15μU/mLくらいです。
私は、空腹時インスリンが16とかは勿論のこと、9とか10とか12とか、基準値内でもやや高値のときは、
多くの場合インスリン抵抗性があると、最近は考えています。
(*)参考
改訂第4版「糖尿病専門医研修ガイドブック」日本糖尿病学会編(診断と治療社)2009
183ページ
江部康二
糖尿人・江部康二の検査データの続きです。
2011年9月9日の江部康二の検査データ
空腹時採血血糖値116mg(110未満)
空腹時IRI(インスリン):3.5(3~15μU/ml)
<HOMA-R=空腹時血糖値(mg/dL)×空腹時インスリン値(μU/mL)/405 >
1.6以下が正常、2.5以上は抵抗性あり。
空腹時血糖値140mg以下なら信頼度高い。
<HOMA-β=360×空腹時インスリン値(μU/mL)/(空腹時血糖値(mg/dL)-63)>
空腹時血糖値130mg以下なら信頼度高い。
正常値:40-60
☆☆☆
HOMA-RもHOMA-βも糖尿病が進行した状態では信頼度が低くなり適応がない。
耐糖能異常から軽度の糖尿病までの時期において有用な方法である。
私のデータを上記の式で計算すると
HOMA-R:1.0 インスリン抵抗性は正常
HOMA-β:23.8 低値であり、インスリン分泌能が低下
となります。
さて、インスリンには、24時間少量持続的に出ている基礎分泌と、糖質を摂取したときに大量にでる追加分泌があります。
一般に空腹時のIRI(インスリン)は、基礎分泌とインスリン抵抗性の評価に用います。
糖質負荷後のIRI(インスリン)は、追加分泌の評価に用います。
その中で、HOMA-βは、空腹時血糖値と空腹時インスリン値で計算するのですが、経口血糖負荷試験時の2時間値のインスリン分泌量と、よく相関することがわかっています。(*)
HOMA-βが高値ということは、インスリン追加分泌が出過ぎるタイプということになります。
HOMA-βが低いということは、インスリン追加分泌能力が低下していることとなります。
罹病期間の長い糖尿人では、HOMA-βが基準値を下回ることが多いです。
かくいう私もHOMA-βが基準値を下回っております。
私の場合、インスリン基礎分泌も、基準値をやや下回ることが多いです。
それでも、スーパー糖質制限食を実践する限りは、検査データは正常人です。
次に、インスリン抵抗性があるときは、効きが悪い分を代償するために、インスリンが多くでるようになります。
特に境界型とか軽症糖尿病の段階だと、インスリン過剰分泌があり得ます。
通常は肥満に伴ってインスリン抵抗性がでてきます。
一方、さしたる肥満がなくても、血糖値が180mg/dlを超えることが多くなるとインスリン抵抗性が出現します。
この場合もインスリン分泌能力が残っている段階だと、過剰に分泌します。
さらに糖尿病が進行したら、膵臓のβ細胞が、180mg/dlを超える高血糖によりダメージを受けてそれが積み重なって、インスリン分泌能力が低下していきます。
インスリン抵抗性はHOMA-Rで計算しますが、空腹時のIRI(インスリン)が上限近い数値、あるいはそれ以上あればそれだけでもインスリン抵抗性がある可能性が高いです。
空腹時のIRI(インスリン)の基準値は、施設にもよりますが3~15μU/mLくらいです。
私は、空腹時インスリンが16とかは勿論のこと、9とか10とか12とか、基準値内でもやや高値のときは、
多くの場合インスリン抵抗性があると、最近は考えています。
(*)参考
改訂第4版「糖尿病専門医研修ガイドブック」日本糖尿病学会編(診断と治療社)2009
183ページ
江部康二
2011年10月06日 (木)
おはようございます。
2011年10月5日(水)のNHKためしてガッテン
「糖尿病が完治する!? すい臓を復活させる薬」
見ました。
これはさすがに誇大広告としかいいようがありません。
NHKさん、如何なものでしょう?
ざとさん、よしさんの予想が、見事にあたりましたね。
インスリン強化療法は、順天堂大学では30年前から実施しているそうですが、ここ10年は他の病院でも普通にしている治療です。
長時間作用型のインスリンを1回打って、後は毎食前に超即効型インスリンを打つので、合計4回/日のインスリン注射です。
確かに、軽症の罹患期間が短い糖尿病で強化療法を行うと、疲弊していた膵臓のβ細胞が休養を得て回復して、半数以上が、一旦インスリンフリーになるという報告があります。
しかし、一旦インスリンフリーになった糖尿人が、以前と同様に糖質を1日3回以上摂取するなら、またしばらくしたらβ細胞が疲弊して、糖尿病に戻る可能性は高いのです。
また、糖尿病罹病期間が、2~3年以上である場合、すでにβ細胞があるていど死んでいますので、一旦開始したインスリンをコントロール良好を保ったまま、フリーにできる確率は低いです。
さらに、糖尿病罹病期間が数年以上に及んでいれば、「糖尿病が完治する!? すい臓を復活させる薬」なんてものは、ありえません。
よしさんご指摘の通り、予告編で糖尿人に過大な期待や希望を臭わせておいて、結果がこれでは、羊頭狗肉のそしりを受けても仕方ありません。
これに対して、スーパー糖質制限食なら追加分インスリンはほとんど要らないので、薬なしで膵臓のβ細胞はしっかり休養できて、回復します。
外部からインスリンを4回注射して、β細胞に休養を与えるインスリン強化療法に対して、スーパー糖質制限食は同等の効果を薬なしであげることができます。
どちらがよいか考えるまでもないですね。
江部康二
【11/10/01 ざと
推測です
私も非常に気になりしたので、色々と調べてみました。
結論から言いいますと、薬とはインスリンの事では無いでしょうか。
TVでは
・薬として液体が映っていた
・ずっと前からある
・一ヶ月使うと膵臓の細胞が蘇る
・出演は順天堂大学の河盛隆造先生
となっていました。
また、これほどの凄い話を我々が一度も耳にしたことが無いのも不思議です(笑)。
そんなに凄い話なら河盛先生の名前で検索すれば、それなりの発表内容や記事が読めるのではないかと思い、調べましたら、確かに先生は凄い方であるとは判ったのですが、糖尿病学会の方針の一般的な話しか載っていませんでした。他には、「診断直後から体重、血糖、血圧、脂質のコントロールに力を注ぎ、より早期から、より完璧なコントロールを目指したい」と話しておられ、コントロールに超積極的な先生のようです。
また、「インスリン発見者のBest医師の最後の弟子で、現在もトロント大学医学部教授を兼任しています。」という事でインスリンと非常に深い関係の先生である事がうかがい知れます。
これらの事より推測すると、何という治療名かは覚えていませんが、何かで読んだ「最近は糖尿病の発覚時にインスリンを打って膵臓を休養させる方法が広がりつつある」という話の事だと思いました。(がってんの予告に「『最後の手段』として注射でインスリンを補充する」と書いてあるのも匂います(笑))
皆さんは何のお薬だと思われました?】
【11/10/01 よし
江部先生、早速、記事にしていただき、ありがとうございます。
ざとさん、鋭い推測ですね。
たぶん、「強化インスリン療法」というやつですね。
河盛先生は、NHKラジオの健康に関する番組にもよく出ていて、糖質制限を暗に批判するコメントをしていた記憶があります。
強化インスリン療法で、疲弊したすい臓が復活するのは、糖尿を早期発見した場合だと思います。また、糖質制限食でも、疲弊したすい臓を休ませて、復活させられる人もいたと思います。
しかし、糖尿病がある程度進行すると、死滅したすい臓の細胞の復活は無理だと思います。
多くの糖尿病患者は、ある程度進行してしまっているので、番組予告時の期待や希望が失望に変わらないか、かなり心配です。】
【11/10/06 よし
「ためしてガッテン」の感想
江部先生。こんばんは。
早速、「ためしてガッテン」見ました。
やはり、強化インスリン療法でしたね。インスリン注射が怖くないことをPRしていました。
NHKの娯楽色の強い番組を使い、治療に取り組まない糖尿病患者に治療を促す意図を感じました。
すい臓を休ませるなら、糖質制限食だって理にかなっているし、糖尿人は糖質を制限している限り健康人なのに、どうしてNHKが取り上げてくれないんでしょう。
番組あてに、意見を送ろうと思います。
江部先生が「ためしてガッテン」に出演される日を楽しみにしております。】
2011年10月5日(水)のNHKためしてガッテン
「糖尿病が完治する!? すい臓を復活させる薬」
見ました。
これはさすがに誇大広告としかいいようがありません。
NHKさん、如何なものでしょう?
ざとさん、よしさんの予想が、見事にあたりましたね。
インスリン強化療法は、順天堂大学では30年前から実施しているそうですが、ここ10年は他の病院でも普通にしている治療です。
長時間作用型のインスリンを1回打って、後は毎食前に超即効型インスリンを打つので、合計4回/日のインスリン注射です。
確かに、軽症の罹患期間が短い糖尿病で強化療法を行うと、疲弊していた膵臓のβ細胞が休養を得て回復して、半数以上が、一旦インスリンフリーになるという報告があります。
しかし、一旦インスリンフリーになった糖尿人が、以前と同様に糖質を1日3回以上摂取するなら、またしばらくしたらβ細胞が疲弊して、糖尿病に戻る可能性は高いのです。
また、糖尿病罹病期間が、2~3年以上である場合、すでにβ細胞があるていど死んでいますので、一旦開始したインスリンをコントロール良好を保ったまま、フリーにできる確率は低いです。
さらに、糖尿病罹病期間が数年以上に及んでいれば、「糖尿病が完治する!? すい臓を復活させる薬」なんてものは、ありえません。
よしさんご指摘の通り、予告編で糖尿人に過大な期待や希望を臭わせておいて、結果がこれでは、羊頭狗肉のそしりを受けても仕方ありません。
これに対して、スーパー糖質制限食なら追加分インスリンはほとんど要らないので、薬なしで膵臓のβ細胞はしっかり休養できて、回復します。
外部からインスリンを4回注射して、β細胞に休養を与えるインスリン強化療法に対して、スーパー糖質制限食は同等の効果を薬なしであげることができます。
どちらがよいか考えるまでもないですね。
江部康二
【11/10/01 ざと
推測です
私も非常に気になりしたので、色々と調べてみました。
結論から言いいますと、薬とはインスリンの事では無いでしょうか。
TVでは
・薬として液体が映っていた
・ずっと前からある
・一ヶ月使うと膵臓の細胞が蘇る
・出演は順天堂大学の河盛隆造先生
となっていました。
また、これほどの凄い話を我々が一度も耳にしたことが無いのも不思議です(笑)。
そんなに凄い話なら河盛先生の名前で検索すれば、それなりの発表内容や記事が読めるのではないかと思い、調べましたら、確かに先生は凄い方であるとは判ったのですが、糖尿病学会の方針の一般的な話しか載っていませんでした。他には、「診断直後から体重、血糖、血圧、脂質のコントロールに力を注ぎ、より早期から、より完璧なコントロールを目指したい」と話しておられ、コントロールに超積極的な先生のようです。
また、「インスリン発見者のBest医師の最後の弟子で、現在もトロント大学医学部教授を兼任しています。」という事でインスリンと非常に深い関係の先生である事がうかがい知れます。
これらの事より推測すると、何という治療名かは覚えていませんが、何かで読んだ「最近は糖尿病の発覚時にインスリンを打って膵臓を休養させる方法が広がりつつある」という話の事だと思いました。(がってんの予告に「『最後の手段』として注射でインスリンを補充する」と書いてあるのも匂います(笑))
皆さんは何のお薬だと思われました?】
【11/10/01 よし
江部先生、早速、記事にしていただき、ありがとうございます。
ざとさん、鋭い推測ですね。
たぶん、「強化インスリン療法」というやつですね。
河盛先生は、NHKラジオの健康に関する番組にもよく出ていて、糖質制限を暗に批判するコメントをしていた記憶があります。
強化インスリン療法で、疲弊したすい臓が復活するのは、糖尿を早期発見した場合だと思います。また、糖質制限食でも、疲弊したすい臓を休ませて、復活させられる人もいたと思います。
しかし、糖尿病がある程度進行すると、死滅したすい臓の細胞の復活は無理だと思います。
多くの糖尿病患者は、ある程度進行してしまっているので、番組予告時の期待や希望が失望に変わらないか、かなり心配です。】
【11/10/06 よし
「ためしてガッテン」の感想
江部先生。こんばんは。
早速、「ためしてガッテン」見ました。
やはり、強化インスリン療法でしたね。インスリン注射が怖くないことをPRしていました。
NHKの娯楽色の強い番組を使い、治療に取り組まない糖尿病患者に治療を促す意図を感じました。
すい臓を休ませるなら、糖質制限食だって理にかなっているし、糖尿人は糖質を制限している限り健康人なのに、どうしてNHKが取り上げてくれないんでしょう。
番組あてに、意見を送ろうと思います。
江部先生が「ためしてガッテン」に出演される日を楽しみにしております。】
2011年10月05日 (水)
おはようございます。
めっきり涼しくなった京都です。
昨日から私も長袖としました。
さて私の2011年9月9日(金)の検査データです。
2002年6月からスーパー糖質制限食を、足かけ10年、実践中です。
空腹時採血血糖値116mg(110未満)
IRI:3.5(3~15μU/ml)
HbA1c:5.1%(5.8未満)
ケトン体:454μM/L(26~122) 糖質制限食中は生理的で正常値
尿酸:3.1mg/dl(3.4~7.0)
TC:252mg/dl(150~219)
TG:48mg/dl(50~149)
HDL-C:111.5mg/dl(40~98)
LDL-C:130mg/dl(140未満)
BUN:20.5mg/dl(8~20)
クレアチニン:0.59mg/dl(0.6~1.1)
γGTP:35IU/L(48以下)
GOT:21IU/L(9~38)
GPT:21IU/L(5~39)
アルブミン:4.7g/dl(3.8~5.3)
尿中アルブミン:13.8mg/g・c(30.0未満)
尿蛋白:陰性
尿糖:陰性
尿中アセトン体:陰性
一般的な検査は、ほぼ全て基準値内ですが、早朝空腹時血糖値が116mg/dlと、惜しくも境界型レベルです。
画竜点睛を欠くとまではいきませんが、あとほんの一歩ですね。
これは、前夜のチキンナゲット4個を、焼酎のおつまみに食べたせいと思います。 (*- -)(*_ _)
通常は、早朝空腹時血糖値は100~110mgくらいです。
前の日に、チキンナゲットとか豚カツとか餃子・焼売・・・、食べてしまうと120~130mgくらいになります。
また、睡眠不足でも120~130mgくらいになります。
スーパー糖質制限食実践者においては食後高血糖は速やかに改善しますが、早朝空腹時血糖値が、改善しにくいことがあります。
私の場合はインスリン基礎分泌が、1.6~3.5μU/mlくらいです。
今回はたまたま基準値内ですが、通常は2.2~2.8とかやや低値が多いです。
このため早朝空腹時血糖値が100mgをきることはまれです。
一方でインスリン1.8μUと低値なのに、血糖値は96mgのこともあったので、身体の全体調整にもよるのでしょう。
HbA1c:5.1%(5.8未満)です。
美味しく楽しくですので、私にすれば、これはいい方です。
5.1~5.5%くらいを行ったり来たりしています。
スーパー糖質制限食をかなりキッチリ守れば5.1%・・・
美味しく楽しくがやや過ぎると5.5%ということです。
血中ケトン体454μM/L(26~122)と基準値より高値ですが、尿中ケトン体は陰性です。
心筋や骨格筋や体細胞が効率良くケトン体を利用し、腎臓の再吸収も高まっているので尿中ケトン体はスーパー糖質制限食開始3ヶ月~半年で陰性となります。
私の血中ケトン体は300~400~800~1200μM/Lくらいです。
農耕前の人類の血中ケトン体の基準値は、このくらいだったと考えられます。
尿酸:3.1mg/dl(3.4~7.0)
尿酸は、普通人に比して、蛋白質を大量に食べているにしては低値です。
お酒のカロリーは別で、昼・夕の1日2食、1800kcal~2000kcal/日で、蛋白質は32%、脂質は56%、糖質が12%摂取しています。
結局、尿酸値は、体質によるものが一番大きいです。
TC:252mg/dl(150~219)
TG:48mg/dl(50~149)
HDL-C:111.5mg/dl(40~98)
LDL-C:130mg/dl(140未満)
こちらも普通人に比し脂質を大量に摂取していますが、コレステロールは基準値内です。中性脂肪はやや低値です。
総コレステロール(TC)は、2007年の日本動脈硬化学会のガイドラインからは、削除されてます。
江部康二
めっきり涼しくなった京都です。
昨日から私も長袖としました。
さて私の2011年9月9日(金)の検査データです。
2002年6月からスーパー糖質制限食を、足かけ10年、実践中です。
空腹時採血血糖値116mg(110未満)
IRI:3.5(3~15μU/ml)
HbA1c:5.1%(5.8未満)
ケトン体:454μM/L(26~122) 糖質制限食中は生理的で正常値
尿酸:3.1mg/dl(3.4~7.0)
TC:252mg/dl(150~219)
TG:48mg/dl(50~149)
HDL-C:111.5mg/dl(40~98)
LDL-C:130mg/dl(140未満)
BUN:20.5mg/dl(8~20)
クレアチニン:0.59mg/dl(0.6~1.1)
γGTP:35IU/L(48以下)
GOT:21IU/L(9~38)
GPT:21IU/L(5~39)
アルブミン:4.7g/dl(3.8~5.3)
尿中アルブミン:13.8mg/g・c(30.0未満)
尿蛋白:陰性
尿糖:陰性
尿中アセトン体:陰性
一般的な検査は、ほぼ全て基準値内ですが、早朝空腹時血糖値が116mg/dlと、惜しくも境界型レベルです。
画竜点睛を欠くとまではいきませんが、あとほんの一歩ですね。
これは、前夜のチキンナゲット4個を、焼酎のおつまみに食べたせいと思います。 (*- -)(*_ _)
通常は、早朝空腹時血糖値は100~110mgくらいです。
前の日に、チキンナゲットとか豚カツとか餃子・焼売・・・、食べてしまうと120~130mgくらいになります。
また、睡眠不足でも120~130mgくらいになります。
スーパー糖質制限食実践者においては食後高血糖は速やかに改善しますが、早朝空腹時血糖値が、改善しにくいことがあります。
私の場合はインスリン基礎分泌が、1.6~3.5μU/mlくらいです。
今回はたまたま基準値内ですが、通常は2.2~2.8とかやや低値が多いです。
このため早朝空腹時血糖値が100mgをきることはまれです。
一方でインスリン1.8μUと低値なのに、血糖値は96mgのこともあったので、身体の全体調整にもよるのでしょう。
HbA1c:5.1%(5.8未満)です。
美味しく楽しくですので、私にすれば、これはいい方です。
5.1~5.5%くらいを行ったり来たりしています。
スーパー糖質制限食をかなりキッチリ守れば5.1%・・・
美味しく楽しくがやや過ぎると5.5%ということです。
血中ケトン体454μM/L(26~122)と基準値より高値ですが、尿中ケトン体は陰性です。
心筋や骨格筋や体細胞が効率良くケトン体を利用し、腎臓の再吸収も高まっているので尿中ケトン体はスーパー糖質制限食開始3ヶ月~半年で陰性となります。
私の血中ケトン体は300~400~800~1200μM/Lくらいです。
農耕前の人類の血中ケトン体の基準値は、このくらいだったと考えられます。
尿酸:3.1mg/dl(3.4~7.0)
尿酸は、普通人に比して、蛋白質を大量に食べているにしては低値です。
お酒のカロリーは別で、昼・夕の1日2食、1800kcal~2000kcal/日で、蛋白質は32%、脂質は56%、糖質が12%摂取しています。
結局、尿酸値は、体質によるものが一番大きいです。
TC:252mg/dl(150~219)
TG:48mg/dl(50~149)
HDL-C:111.5mg/dl(40~98)
LDL-C:130mg/dl(140未満)
こちらも普通人に比し脂質を大量に摂取していますが、コレステロールは基準値内です。中性脂肪はやや低値です。
総コレステロール(TC)は、2007年の日本動脈硬化学会のガイドラインからは、削除されてます。
江部康二
2011年10月04日 (火)
おはようございます。
kettan さんから、血糖値改善のコメントと経口血糖降下剤についての質問をいただきました。
【11/10/04 kettan
改善報告と相談
江部先生、はじめまして。
今年の健康診断で糖尿病と書かれた診断結果をみて愕然とし、ネットで調べて先生の著書を2冊購入、
スーパー糖質制限を始めました。
2週間後に病院へ行き、検査していただいた結果、
血糖値:161 -> 115
HbA1c:7.0 -> 6.9
中性脂肪:528 -> 129
HDLコレステロール: 36 -> 40
LDLコレステロール: 173 -> 129
γGTP:100 -> 49
とどれも改善しておりました。
高脂血症は、何年も前から放置していたのですが、たった2週間でほぼ正常値になりました。
江部先生のおかげです。本当にありがとうございます。
何十年も糖尿病で薬を飲み続けている68歳の父にも私の状況を話し、糖質制限を勧めました。
一度、脳梗塞を起こしたこともあり、当人もやる気になっているようです。
父は、現在以下の薬を服用しておりますので、低血糖が心配です。
- ベイスンOD錠 0.3
- アクトスOD錠 15
- バイアスピリン錠 100mg
- ユニシア配合錠HD
- オイグルコン錠 2.5mg
低血糖に気をつけるためのアドバイスをいただけないでしょうか。
ちなみに、父の先月のHbAc1 は、8.1 でした。
よろしくお願いいたします。】
kettan さん。
拙著のご購入ありがとうございます。
またデータの改善、良かったですね。
お父上ですが、「オイグルコン錠 2.5mg 」が、低血糖の可能性があります。
またオイグルコンは、心筋障害の可能性があります。
主治医と相談されて、オイグルコン(2.5mg)1錠をアマリール(0.5mg)1錠を朝食前1回に変更されては如何でしょう。
糖質制限食でHbA1cが改善すれば、アマリール休薬もあると思います。
スーパー糖質制限食なら、2型糖尿人の大多数は、経口血糖降下剤は不必要となります。
かくいう私も薬なしで、コントロール優レベル(HbA1c5.8%未満)で、5.1~5.5%くらいです。
たまに宴会などで、付き合いで主食を食べざるを得ないときだけ、グルコバイなどαグルコシダーゼ阻害剤や、グルファストなど超速効型インスリン分泌促進剤を直前に飲めば、あるていど食後高血糖を抑えることができるので、そのような使用法もあります。
この方法で、たいていの場合はコントロール良好レベル(HbA1c6.5%未満)を保てます。
一方で、糖質制限食をしているはずなのに、なかなかHbA1cが6.5%未満にならない糖尿人・・・。
どうしてもちょこちょこ糖質を食べておられるのでしょうね。( ̄_ ̄|||)
こういった方には、私もたまにSU剤を処方することがあります。
私はSU剤を処方するときは、基本的にアマリール(グリメピリド、第三世代)としています。
なぜなら、グリペンクラミド(オイグルコン、ダオニール:第二世代)は危険だからです。
グリペンクラミドは、膵臓のβ細胞膜のカリウムATPチャンネルだけでなく、ミトコンドリアや心筋細胞のカリウムATPチャンネルをも抑制します。このため、心筋障害を起こす可能性が明らかに高まるのです。
実際に、グリペンクラミド内服中の人は、有意差をもって心筋梗塞が多かったという研究報告もあります。
これに対して、グリメピリド(アマリール:第三世代)は、膵臓のβ細胞膜のカリウムATPチャンネルにだけ働いて
ミトコンドリアや心筋細胞のカリウムATPチャンネルには影響を与えません。従って心筋に対して悪影響がないのです。
アマリールを投与するときも、原則として、0.5mgの錠剤を1錠/日とか、 0.5mgの錠剤×2/日とかの少量にしています。
SU剤は、疲れたβ細胞を鞭打つ側面がありますから、少量にこしたことはないのです。
実は、アマリールとオイグルコンは、販売メーカーはサノフィ・アベンティスで同一です。
今回のオイグルコンが危険というお話しは、サノフィ・アベンティスのMRさんから伺いました。
メーカーとしても、心筋への危険性がはっきりと証明されているオイグルコンは、販売中止したいのだそうです。
それでも、処方するお医者さんがおられる以上は、供給せざるを得ないのだそうです。
MRさんとしては、是非このことをブログに書いて欲しいとのことでした。
ブログ読者の糖尿人の皆さん、もし、グリペンクラミド(オイグルコン、ダオニール:第二世代)や第一世代のSU剤(ジメリンなど)を服用しておられる方がいたら、せめてアマリールかグリミクロンに変更してくださいね。
江部康二
kettan さんから、血糖値改善のコメントと経口血糖降下剤についての質問をいただきました。
【11/10/04 kettan
改善報告と相談
江部先生、はじめまして。
今年の健康診断で糖尿病と書かれた診断結果をみて愕然とし、ネットで調べて先生の著書を2冊購入、
スーパー糖質制限を始めました。
2週間後に病院へ行き、検査していただいた結果、
血糖値:161 -> 115
HbA1c:7.0 -> 6.9
中性脂肪:528 -> 129
HDLコレステロール: 36 -> 40
LDLコレステロール: 173 -> 129
γGTP:100 -> 49
とどれも改善しておりました。
高脂血症は、何年も前から放置していたのですが、たった2週間でほぼ正常値になりました。
江部先生のおかげです。本当にありがとうございます。
何十年も糖尿病で薬を飲み続けている68歳の父にも私の状況を話し、糖質制限を勧めました。
一度、脳梗塞を起こしたこともあり、当人もやる気になっているようです。
父は、現在以下の薬を服用しておりますので、低血糖が心配です。
- ベイスンOD錠 0.3
- アクトスOD錠 15
- バイアスピリン錠 100mg
- ユニシア配合錠HD
- オイグルコン錠 2.5mg
低血糖に気をつけるためのアドバイスをいただけないでしょうか。
ちなみに、父の先月のHbAc1 は、8.1 でした。
よろしくお願いいたします。】
kettan さん。
拙著のご購入ありがとうございます。
またデータの改善、良かったですね。
お父上ですが、「オイグルコン錠 2.5mg 」が、低血糖の可能性があります。
またオイグルコンは、心筋障害の可能性があります。
主治医と相談されて、オイグルコン(2.5mg)1錠をアマリール(0.5mg)1錠を朝食前1回に変更されては如何でしょう。
糖質制限食でHbA1cが改善すれば、アマリール休薬もあると思います。
スーパー糖質制限食なら、2型糖尿人の大多数は、経口血糖降下剤は不必要となります。
かくいう私も薬なしで、コントロール優レベル(HbA1c5.8%未満)で、5.1~5.5%くらいです。
たまに宴会などで、付き合いで主食を食べざるを得ないときだけ、グルコバイなどαグルコシダーゼ阻害剤や、グルファストなど超速効型インスリン分泌促進剤を直前に飲めば、あるていど食後高血糖を抑えることができるので、そのような使用法もあります。
この方法で、たいていの場合はコントロール良好レベル(HbA1c6.5%未満)を保てます。
一方で、糖質制限食をしているはずなのに、なかなかHbA1cが6.5%未満にならない糖尿人・・・。
どうしてもちょこちょこ糖質を食べておられるのでしょうね。( ̄_ ̄|||)
こういった方には、私もたまにSU剤を処方することがあります。
私はSU剤を処方するときは、基本的にアマリール(グリメピリド、第三世代)としています。
なぜなら、グリペンクラミド(オイグルコン、ダオニール:第二世代)は危険だからです。
グリペンクラミドは、膵臓のβ細胞膜のカリウムATPチャンネルだけでなく、ミトコンドリアや心筋細胞のカリウムATPチャンネルをも抑制します。このため、心筋障害を起こす可能性が明らかに高まるのです。
実際に、グリペンクラミド内服中の人は、有意差をもって心筋梗塞が多かったという研究報告もあります。
これに対して、グリメピリド(アマリール:第三世代)は、膵臓のβ細胞膜のカリウムATPチャンネルにだけ働いて
ミトコンドリアや心筋細胞のカリウムATPチャンネルには影響を与えません。従って心筋に対して悪影響がないのです。
アマリールを投与するときも、原則として、0.5mgの錠剤を1錠/日とか、 0.5mgの錠剤×2/日とかの少量にしています。
SU剤は、疲れたβ細胞を鞭打つ側面がありますから、少量にこしたことはないのです。
実は、アマリールとオイグルコンは、販売メーカーはサノフィ・アベンティスで同一です。
今回のオイグルコンが危険というお話しは、サノフィ・アベンティスのMRさんから伺いました。
メーカーとしても、心筋への危険性がはっきりと証明されているオイグルコンは、販売中止したいのだそうです。
それでも、処方するお医者さんがおられる以上は、供給せざるを得ないのだそうです。
MRさんとしては、是非このことをブログに書いて欲しいとのことでした。
ブログ読者の糖尿人の皆さん、もし、グリペンクラミド(オイグルコン、ダオニール:第二世代)や第一世代のSU剤(ジメリンなど)を服用しておられる方がいたら、せめてアマリールかグリミクロンに変更してくださいね。
江部康二