2011年09月30日 (金)
こんにちは
よしさんから、次回の「ためしてガッテン」は糖尿病特集という興味深い情報をコメントいただきました。
【11/09/30 よし
次回のためしてガッテン
http://www9.nhk.or.jp/gatten/schedule/
江部先生、こんにちは。
さて、次回の「ためしてガッテン」ですが、糖尿病特集です。
「ある薬」を1か月使うと、すい臓が復活し、糖尿病発症前の状態に戻れるそうです。
正直言って、この手の番組には、胡散臭さがつきまとっており、あまり好きにはなれないのですが、受信料も払っているので、見てみようと思います。
さて、江部先生は、この「ある薬」は、何だと思いますか】
よし さん。
情報ありがとうございます。
<糖尿病が完治する!?すい臓を復活させる薬>
『新薬でもなく、手術でもなく、数十年も前から使われ、誰もが知っている「ある薬」を使うこと。』
理論的には、そんな薬はあり得ないのですが・・・
「ある薬」・・・見当もつきません。 (∵)?
でも、本当にこんな薬があったら、糖尿病専門医の方々はおまんまの食い上げではありませんか!? σ(=_=;)ヾ
ああ、ついでに私も糖尿病患者さんが激減して、路頭に迷うかも・・・(*- -)(*_ _)
まあ、NHKのお手並み拝見ですね。
この時間帯私は江部診療所で夜診中ですので、娘に頼んで録画してもらいます。
☆☆☆以下
<ためしてガッテン>のホームページから転載
【糖尿病が完治する!?すい臓を復活させる薬(仮)
2011年10月05日 (水曜) 午後8時 ~ 8時43分
2型糖尿病の治療と言えば、まず食事のコントロールや運動で血糖値を下げ、それが不可能なら飲み薬で血糖値を下げる。それでも病気が悪化したら、最後の手段として注射でインスリンを補充する。だが、こんなに努力をしても、2型糖尿病は治らないというのがこれまでの常識だった。ところが「ある治療」をすると、糖尿病になる前の状態に戻れることがわかったのだ!これを可能にするのは、なんと新薬でもなく、手術でもなく、数十年も前から使われ、誰もが知っている「ある薬」を使うこと。この「薬」をたった一か月、意外な方法で使うことで、糖尿病でダメになった「すい臓」の細胞がよみがえり、糖尿病を発症する前の状態に戻れるのだ。しかも、その後は、生活習慣の見直しや、わずかな飲み薬だけで、その状態をキープできるようになれる。
あなたやあなたの大切な人に、ぜひ知ってもらって実践してほしい!
糖尿病の専門医たちが大注目の魔法のような治療法を紹介する。】
江部康二
よしさんから、次回の「ためしてガッテン」は糖尿病特集という興味深い情報をコメントいただきました。
【11/09/30 よし
次回のためしてガッテン
http://www9.nhk.or.jp/gatten/schedule/
江部先生、こんにちは。
さて、次回の「ためしてガッテン」ですが、糖尿病特集です。
「ある薬」を1か月使うと、すい臓が復活し、糖尿病発症前の状態に戻れるそうです。
正直言って、この手の番組には、胡散臭さがつきまとっており、あまり好きにはなれないのですが、受信料も払っているので、見てみようと思います。
さて、江部先生は、この「ある薬」は、何だと思いますか】
よし さん。
情報ありがとうございます。
<糖尿病が完治する!?すい臓を復活させる薬>
『新薬でもなく、手術でもなく、数十年も前から使われ、誰もが知っている「ある薬」を使うこと。』
理論的には、そんな薬はあり得ないのですが・・・
「ある薬」・・・見当もつきません。 (∵)?
でも、本当にこんな薬があったら、糖尿病専門医の方々はおまんまの食い上げではありませんか!? σ(=_=;)ヾ
ああ、ついでに私も糖尿病患者さんが激減して、路頭に迷うかも・・・(*- -)(*_ _)
まあ、NHKのお手並み拝見ですね。
この時間帯私は江部診療所で夜診中ですので、娘に頼んで録画してもらいます。
☆☆☆以下
<ためしてガッテン>のホームページから転載
【糖尿病が完治する!?すい臓を復活させる薬(仮)
2011年10月05日 (水曜) 午後8時 ~ 8時43分
2型糖尿病の治療と言えば、まず食事のコントロールや運動で血糖値を下げ、それが不可能なら飲み薬で血糖値を下げる。それでも病気が悪化したら、最後の手段として注射でインスリンを補充する。だが、こんなに努力をしても、2型糖尿病は治らないというのがこれまでの常識だった。ところが「ある治療」をすると、糖尿病になる前の状態に戻れることがわかったのだ!これを可能にするのは、なんと新薬でもなく、手術でもなく、数十年も前から使われ、誰もが知っている「ある薬」を使うこと。この「薬」をたった一か月、意外な方法で使うことで、糖尿病でダメになった「すい臓」の細胞がよみがえり、糖尿病を発症する前の状態に戻れるのだ。しかも、その後は、生活習慣の見直しや、わずかな飲み薬だけで、その状態をキープできるようになれる。
あなたやあなたの大切な人に、ぜひ知ってもらって実践してほしい!
糖尿病の専門医たちが大注目の魔法のような治療法を紹介する。】
江部康二
2011年09月30日 (金)
おはようございます。
みかんさんから、75g糖負荷検査の結果についてコメント・質問をいただきました。
【11/09/29 みかん
インスリン減少について
江部先生、はじめまして。みかんと申します。
先生の著書3冊と、ブログで勉強させてもらっています。
今日は先生にご相談させてもらいたく書き込みさせて頂きました。
私は、身長155cm、体重34kg(プチ糖質制限とカロリー1600に抑えて38kgから痩せてしまいました)32歳です。
75g糖負荷検査の結果、空腹時 インスリン-1.45 糖-71
30分 インスリン-15.4 糖153
60分 インスリン-22.4 糖158
120分 インスリン-9.89 糖161
hba1c 5.2%
尿中CPR15mg/day
インスリン反応0.17
医師はこの結果に気にすることはない、インスリンは少ないが、また1年後、糖負荷検査して、もっとインスリンが少なくなったら考えましょうと言われました。ただ自分で調べていると尿中CPR20以下だとインシュリン温存のため、インシュリン注射が必要とあったのですが私の数値だとこのまま放置していてよいのでしょうか?
また私は、糖尿病を気にする前、たくさん食事をとっていてもケトン体が出やすかったです。それはインスリンが少なく、栄養をとりこみにくい体質だからでしょうか?
第1子妊娠後期から、出産時まで高血糖が続いていて(妊娠糖尿病は否定されました、妊娠時に肥満もありません) 、また第二子を妊娠したいと考えています。このインスリンの量ですと、また高血糖になるのだろうと不安です。
今、私にできる事は食事と運動だけなのでしょうか?
お忙しいと思いますが、ご回答いただけたら嬉しいです。よろしくお願いいたします。】
みかんさん
拙著のご購入ありがとうございます。
身長155cm、体重34kg BMIが14.2ですので明らかにやせすぎです。
とりあえず、もとの38kg(BMI15.8)まで戻しましょう。
第二子をご希望なら、その後徐々に体重を増やして、43.3kg(BMI18)は欲しいですね。
75g糖負荷検査の結果は、境界型です。
インスリン分泌指数が0.17(0.4以上が正常)と低く、現在は境界型ですが将来糖尿病型になりやすいので注意が必要です。ゆるやかな糖質制限食で、糖尿病発症を予防できると思います。
「空腹時 インスリン-1.45 糖-71 」
確かにインスリン基礎分泌は、1.45μU/mlとやや低値ですが、血糖値は71mg/dlと全く正常なのでマッチングはOKなのだと思います。
私自身も、インスリン基礎分泌は、1.6μU/ml (3~15)と低値なのに、空腹時血糖値90mg/dlということがありあました。
一方でインスリン基礎分泌は3.5μU/ml と正常なのに、空腹時血糖値は116mg/dlということもありました。
他にも、インスリン基礎分泌が1.5μU/ml とか低値なのに、空腹時血糖値は60mgとかいう人もおられました。
もしかしたら、あくまでも仮説ですが、早朝空腹時インスリンの基準値が1.5や1.6でも空腹時血糖値がOKなら、正常といえるかもしれません。
高インスリン血症は明白な発ガンリスクであり、動脈硬化のリスクですので、インスリン値が低くて血糖値が正常なら、その方が好ましいとも言えます。
一方、120分値が161mgと血糖値のピークですので、追加分泌インスリンは、出遅れて、不足気味です。
ゆるやかな糖質制限食実践で、食後高血糖を防ぎながら、体重が増加するていどまで摂取カロリーを増やしましょう。
「第1子妊娠後期から、出産時まで高血糖」
2010年7月改定以降の診断基準なら、妊娠糖尿病の可能性があります。
しかし第二子を妊娠された場合も、糖質制限食なら、インスリン注射の必要なく健康な妊娠ライフが送れると思います。
ゆるくてもいいので糖質を減らして、脂質・蛋白質はしっかり摂取して、まずは体重を増やしてくださいね。
江部康二
みかんさんから、75g糖負荷検査の結果についてコメント・質問をいただきました。
【11/09/29 みかん
インスリン減少について
江部先生、はじめまして。みかんと申します。
先生の著書3冊と、ブログで勉強させてもらっています。
今日は先生にご相談させてもらいたく書き込みさせて頂きました。
私は、身長155cm、体重34kg(プチ糖質制限とカロリー1600に抑えて38kgから痩せてしまいました)32歳です。
75g糖負荷検査の結果、空腹時 インスリン-1.45 糖-71
30分 インスリン-15.4 糖153
60分 インスリン-22.4 糖158
120分 インスリン-9.89 糖161
hba1c 5.2%
尿中CPR15mg/day
インスリン反応0.17
医師はこの結果に気にすることはない、インスリンは少ないが、また1年後、糖負荷検査して、もっとインスリンが少なくなったら考えましょうと言われました。ただ自分で調べていると尿中CPR20以下だとインシュリン温存のため、インシュリン注射が必要とあったのですが私の数値だとこのまま放置していてよいのでしょうか?
また私は、糖尿病を気にする前、たくさん食事をとっていてもケトン体が出やすかったです。それはインスリンが少なく、栄養をとりこみにくい体質だからでしょうか?
第1子妊娠後期から、出産時まで高血糖が続いていて(妊娠糖尿病は否定されました、妊娠時に肥満もありません) 、また第二子を妊娠したいと考えています。このインスリンの量ですと、また高血糖になるのだろうと不安です。
今、私にできる事は食事と運動だけなのでしょうか?
お忙しいと思いますが、ご回答いただけたら嬉しいです。よろしくお願いいたします。】
みかんさん
拙著のご購入ありがとうございます。
身長155cm、体重34kg BMIが14.2ですので明らかにやせすぎです。
とりあえず、もとの38kg(BMI15.8)まで戻しましょう。
第二子をご希望なら、その後徐々に体重を増やして、43.3kg(BMI18)は欲しいですね。
75g糖負荷検査の結果は、境界型です。
インスリン分泌指数が0.17(0.4以上が正常)と低く、現在は境界型ですが将来糖尿病型になりやすいので注意が必要です。ゆるやかな糖質制限食で、糖尿病発症を予防できると思います。
「空腹時 インスリン-1.45 糖-71 」
確かにインスリン基礎分泌は、1.45μU/mlとやや低値ですが、血糖値は71mg/dlと全く正常なのでマッチングはOKなのだと思います。
私自身も、インスリン基礎分泌は、1.6μU/ml (3~15)と低値なのに、空腹時血糖値90mg/dlということがありあました。
一方でインスリン基礎分泌は3.5μU/ml と正常なのに、空腹時血糖値は116mg/dlということもありました。
他にも、インスリン基礎分泌が1.5μU/ml とか低値なのに、空腹時血糖値は60mgとかいう人もおられました。
もしかしたら、あくまでも仮説ですが、早朝空腹時インスリンの基準値が1.5や1.6でも空腹時血糖値がOKなら、正常といえるかもしれません。
高インスリン血症は明白な発ガンリスクであり、動脈硬化のリスクですので、インスリン値が低くて血糖値が正常なら、その方が好ましいとも言えます。
一方、120分値が161mgと血糖値のピークですので、追加分泌インスリンは、出遅れて、不足気味です。
ゆるやかな糖質制限食実践で、食後高血糖を防ぎながら、体重が増加するていどまで摂取カロリーを増やしましょう。
「第1子妊娠後期から、出産時まで高血糖」
2010年7月改定以降の診断基準なら、妊娠糖尿病の可能性があります。
しかし第二子を妊娠された場合も、糖質制限食なら、インスリン注射の必要なく健康な妊娠ライフが送れると思います。
ゆるくてもいいので糖質を減らして、脂質・蛋白質はしっかり摂取して、まずは体重を増やしてくださいね。
江部康二
2011年09月29日 (木)
おはようございます。
ぴっぴさんから、 人工透析と糖質制限食についてコメント・質問をいただきました。
「11/09/28 ぴっぴ
はじめまして
はじめまして。ピピと申します。
長年、肥満で何もせず過ごしていたのでが 等々今年の8月8日に体の調子が悪くなり病院に行ったところ糖尿病と言われました。
そのまま入院することになり入院当初食後血糖値は245でした。
HbA1cは9.5
HDL 29 LDL 113
でした。
お医者さんに 糖尿病と宣言されどうしようかと悩んでいました。
2週間の入院生活の中で江部先生のこのブログを知り糖質制限食の存在を知りました。
退院した日に本屋さんに行き 【主食を抜けば糖尿病は良くなる】を購入し、9月の27日まで1ヵ月実践したところ
先日検査しに病院に行ったところ 体重も10キロほど落ち食後血糖値は90でした。
HbA1cは5.4
HDL 31 LDL 99
となりました。
病院の先生にはほぼ正常な数値になったのでびっくりされました。
薬も退院時 シャヌビア50とメトグルコ250を処方されていたのですが 今回の検査でシャヌビア50はなくなり45日後の検査でこの調子ならメトグルコ250もいらなくなるでしょうと言われました。
恐くて不安だったのですが江部先生の本に出会い本当に助けられました。
ありがとうございました。
今回書き込みさせていただいたのは私の父の事なんですが父も長年、糖尿病でして今は人工透析をしております。
年齢は65歳です。
父も私の糖尿の数値を見てびっくりしており、10キロもやせたことに感心しております。
父も私と同じ食事にしようかなと言われたのですが人工透析をいている父に私と同じ【糖質制限食】をすすめても良いのでしょうか?
ちなみに最近の私の主食は豆腐と納豆です。それに加えてなるべくお野菜を取る事にして肉はささみを食べております。
お時間のあるときにでもご返答いただければうれしおもいます。
それでは失礼いたします。ピピ」
ぴっぴ さん。
【主食を抜けば糖尿病は良くなる】のご購入、ありがとうございます。
また、HbA1c、血糖値の改善、10kgの減量成功、よかったです。
糖尿病治療ガイド(2008-2009)の表16
「糖尿病腎症生活指導基準」
をみると、
透析患者さんに対して一般的に指導される蛋白摂取は、1.0~1.2g/kgであり、
第3期腎症が0.8~1.0g/kg
第4期腎症が0.6~0.8g/kg
なのに比べて多くなってます。
一般人の蛋白摂取量は、2008年の厚生労働省の統計で総摂取カロリーの14.7%で、68.6g/日です。
これが平均値ですから、おおよそ1.1g/kg くらいになるのでしょうか。
腎不全があると、透析導入前は基本的に蛋白制限食が指導されます。
しかし、透析を開始した患者さんに対しては、一般人並みあるいは少し多くの蛋白質を摂取する方が、栄養状態の改善において好ましいようです。
ただ蛋白摂取量が増え過ぎるとリン摂取量も増加するので、血清リン濃度が上昇する可能性があります。
血清リン濃度が高いと死亡のリスクが増大するので、ここは注意が必要です。
従いまして、人工透析中の糖尿人においては、1.0~1.2g/kgの範囲で、タンパク質を摂取して、糖質制限食を実践して血糖コントロールされればよいと思います。
江部康二
ぴっぴさんから、 人工透析と糖質制限食についてコメント・質問をいただきました。
「11/09/28 ぴっぴ
はじめまして
はじめまして。ピピと申します。
長年、肥満で何もせず過ごしていたのでが 等々今年の8月8日に体の調子が悪くなり病院に行ったところ糖尿病と言われました。
そのまま入院することになり入院当初食後血糖値は245でした。
HbA1cは9.5
HDL 29 LDL 113
でした。
お医者さんに 糖尿病と宣言されどうしようかと悩んでいました。
2週間の入院生活の中で江部先生のこのブログを知り糖質制限食の存在を知りました。
退院した日に本屋さんに行き 【主食を抜けば糖尿病は良くなる】を購入し、9月の27日まで1ヵ月実践したところ
先日検査しに病院に行ったところ 体重も10キロほど落ち食後血糖値は90でした。
HbA1cは5.4
HDL 31 LDL 99
となりました。
病院の先生にはほぼ正常な数値になったのでびっくりされました。
薬も退院時 シャヌビア50とメトグルコ250を処方されていたのですが 今回の検査でシャヌビア50はなくなり45日後の検査でこの調子ならメトグルコ250もいらなくなるでしょうと言われました。
恐くて不安だったのですが江部先生の本に出会い本当に助けられました。
ありがとうございました。
今回書き込みさせていただいたのは私の父の事なんですが父も長年、糖尿病でして今は人工透析をしております。
年齢は65歳です。
父も私の糖尿の数値を見てびっくりしており、10キロもやせたことに感心しております。
父も私と同じ食事にしようかなと言われたのですが人工透析をいている父に私と同じ【糖質制限食】をすすめても良いのでしょうか?
ちなみに最近の私の主食は豆腐と納豆です。それに加えてなるべくお野菜を取る事にして肉はささみを食べております。
お時間のあるときにでもご返答いただければうれしおもいます。
それでは失礼いたします。ピピ」
ぴっぴ さん。
【主食を抜けば糖尿病は良くなる】のご購入、ありがとうございます。
また、HbA1c、血糖値の改善、10kgの減量成功、よかったです。
糖尿病治療ガイド(2008-2009)の表16
「糖尿病腎症生活指導基準」
をみると、
透析患者さんに対して一般的に指導される蛋白摂取は、1.0~1.2g/kgであり、
第3期腎症が0.8~1.0g/kg
第4期腎症が0.6~0.8g/kg
なのに比べて多くなってます。
一般人の蛋白摂取量は、2008年の厚生労働省の統計で総摂取カロリーの14.7%で、68.6g/日です。
これが平均値ですから、おおよそ1.1g/kg くらいになるのでしょうか。
腎不全があると、透析導入前は基本的に蛋白制限食が指導されます。
しかし、透析を開始した患者さんに対しては、一般人並みあるいは少し多くの蛋白質を摂取する方が、栄養状態の改善において好ましいようです。
ただ蛋白摂取量が増え過ぎるとリン摂取量も増加するので、血清リン濃度が上昇する可能性があります。
血清リン濃度が高いと死亡のリスクが増大するので、ここは注意が必要です。
従いまして、人工透析中の糖尿人においては、1.0~1.2g/kgの範囲で、タンパク質を摂取して、糖質制限食を実践して血糖コントロールされればよいと思います。
江部康二
2011年09月28日 (水)
おはようございます。
ひごまるさんから
糖質制限食で血糖値、HbA1c改善という嬉しいコメントをいただきました。
【11/09/27 ひごまる
驚きの?結果?
こんにちは。 ひごまる です。
本日、風邪気味の為、薬を処方してもらおうと主治医の元へ行った際、ついでに血糖も計ることになったのですが、驚きでした。
最新データの前に、私のデータを。
47歳・男・身長168cm・体重56kg
H22・08・05血糖値294mg/dl
H23・08・04血糖値307mg/dl
H23・08・17血糖値278mg/dl A1c 14,2%
H23・09・01よりスタンダード糖質制限食をスタート。
毎食事の一例
(朝)小松菜いり卵・ヨーグルト85g・野菜スープ・無糖コーヒー1杯
(昼)手作り弁当 (野菜と魚の蒸焼き・小松菜いり卵焼き・厚揚げ
(寒天ゼリー無糖250g・もずく酢1パック)
(夕)野菜サラダ ボール3分の2・豆腐1パック・納豆1パック・
もずく酢1パック・野菜と魚の蒸焼き
水分・・・約2~3ℓ(腸閉塞の持病予防の為)
H23・09・18血糖値183mg/dl A1c 11,5%
(主治医よりネシーナ錠25mg・グリメピリドOD錠3mgを処方され服用)
そして、本日
H23・09・26血糖値90mg/dl (朝食7:30検査時間12:15)
上記の様なデータとなりました。
何もわからず、江部先生の著書数冊を頼りに、糖質制限を始めて約1ヶ月、半月間は薬の服用があるとはいえ、食後血糖が、90mg/dlとは?喜んでいいのか?
主治医からは、前回のA1cの値が異常に高かったので薬は飲み続けて下さいと、言われましたが、先生の見解は、如何でしょうか?
お忙しいとは思いますが、宜しくお願い致します。】
ひごまるさん。
拙著のご購入ありがとうございます。
また血糖値、HbA1cの改善、良かったです。
H23・09・26、朝食後4時間45分の血糖値が90mgです。
高血糖も困りモンですが、低血糖はもっとこわいです。
ネシーナ(DPP-4阻害剤)とグリメピリド(アマリール、SU剤)の組み合わせは標準的治療ですが、グリメピリド3mgだと低血糖の恐れがあります。
日本糖尿病学会は、DPP-4阻害剤と併用する場合グリメピリド2mg/日以下を推奨しています。
ひごまるさんの献立をみると、スタンダードというよりは、スーパー糖質制限食ですね。
低血糖防止のため、グリメピリドはいったん中止がよいと思います。
ネシーナだけで、このまま血糖値とHbA1cが改善するなら、それでいいと思います。
もし改善がとまれば、グリメピリド1mg/日とか0.5mg/日を考慮されたらよいと思います。
事後承諾となりますが主治医とよくご相談ください。
2010.06.11 (Fri)のブログ記事「DPP-4阻害薬(ジャヌビア、グラクティブ)と低血糖」
もご参照いただけば幸いです。
江部康二
ひごまるさんから
糖質制限食で血糖値、HbA1c改善という嬉しいコメントをいただきました。
【11/09/27 ひごまる
驚きの?結果?
こんにちは。 ひごまる です。
本日、風邪気味の為、薬を処方してもらおうと主治医の元へ行った際、ついでに血糖も計ることになったのですが、驚きでした。
最新データの前に、私のデータを。
47歳・男・身長168cm・体重56kg
H22・08・05血糖値294mg/dl
H23・08・04血糖値307mg/dl
H23・08・17血糖値278mg/dl A1c 14,2%
H23・09・01よりスタンダード糖質制限食をスタート。
毎食事の一例
(朝)小松菜いり卵・ヨーグルト85g・野菜スープ・無糖コーヒー1杯
(昼)手作り弁当 (野菜と魚の蒸焼き・小松菜いり卵焼き・厚揚げ
(寒天ゼリー無糖250g・もずく酢1パック)
(夕)野菜サラダ ボール3分の2・豆腐1パック・納豆1パック・
もずく酢1パック・野菜と魚の蒸焼き
水分・・・約2~3ℓ(腸閉塞の持病予防の為)
H23・09・18血糖値183mg/dl A1c 11,5%
(主治医よりネシーナ錠25mg・グリメピリドOD錠3mgを処方され服用)
そして、本日
H23・09・26血糖値90mg/dl (朝食7:30検査時間12:15)
上記の様なデータとなりました。
何もわからず、江部先生の著書数冊を頼りに、糖質制限を始めて約1ヶ月、半月間は薬の服用があるとはいえ、食後血糖が、90mg/dlとは?喜んでいいのか?
主治医からは、前回のA1cの値が異常に高かったので薬は飲み続けて下さいと、言われましたが、先生の見解は、如何でしょうか?
お忙しいとは思いますが、宜しくお願い致します。】
ひごまるさん。
拙著のご購入ありがとうございます。
また血糖値、HbA1cの改善、良かったです。
H23・09・26、朝食後4時間45分の血糖値が90mgです。
高血糖も困りモンですが、低血糖はもっとこわいです。
ネシーナ(DPP-4阻害剤)とグリメピリド(アマリール、SU剤)の組み合わせは標準的治療ですが、グリメピリド3mgだと低血糖の恐れがあります。
日本糖尿病学会は、DPP-4阻害剤と併用する場合グリメピリド2mg/日以下を推奨しています。
ひごまるさんの献立をみると、スタンダードというよりは、スーパー糖質制限食ですね。
低血糖防止のため、グリメピリドはいったん中止がよいと思います。
ネシーナだけで、このまま血糖値とHbA1cが改善するなら、それでいいと思います。
もし改善がとまれば、グリメピリド1mg/日とか0.5mg/日を考慮されたらよいと思います。
事後承諾となりますが主治医とよくご相談ください。
2010.06.11 (Fri)のブログ記事「DPP-4阻害薬(ジャヌビア、グラクティブ)と低血糖」
もご参照いただけば幸いです。
江部康二
2011年09月27日 (火)
こんにちは。
苦節10数年使い込んだ江部診療所のデジタル体重計が壊れかけいるので、見栄をはって奮発してタニタの体組成計を購入しました。
何と言っても、皆さん、体重計じゃなくって、体組成計ですぞ。('-^*)☆
カタログを貰って、一番上、本格的業務用MC-980A、標準価格¥2100000- ヾ(゜▽゜)
桁を間違っているじゃないかと、目を疑ったのですが、紛うことなく¥210万円です。
ラインナップは軒並み、¥189万とか¥126万とかズラリです。
疑うべきは、私の脳みその常識の方でした。(-_-;)
自分で体組成計を買おうと思っていながら、値段設定のイメージは体重計モードになっていたんですね。
要するに、体脂肪とか体脂肪率とか除脂肪量とか筋肉量とか、ミーハー的に知りたかったのです。
どちらかというと、患者さんのためというより、興味本位で自分のためでしたから、¥100万も¥200万もやってられないやと諦めモードに入ってたんですが、最後のほうに、
DC-320 標準価格:¥252,000(税込)
という可愛い奴が載っていました。
錯覚とは恐ろしいもので、
「何、25万?200万に比べたら激安やないか!」
と、極端な、お得感にみまわれて即効、購入を決意しました。
そして、すぐにあらてつさんに頼んで、知り合いのタニタさんに電話してもらいました。
後から江部診療所のスタッフに話したら、
「高っかー!!(`□´)」
と非難囂々でした。
冷静に考えると、25万の体重計って凄いですよね。
でもでも体組成計だから・・・言い訳に汗だくの江部康二でした。 (=_=;)
ともあれいろいろありましたが、いよいよ体組成計に自分で乗ってみました。
結果は体内年齢:36才
でにんまり喜んだのですが、
これは筋肉量が多いというより、脂肪がかなり少ないということですね。
実際、筋肉量は普通です。
しかし体脂肪率13.6% は運動選手並みです。
2002年に糖尿病が発覚してスーパー糖質制限食を実践して、
66kg→56kg
と10kg減量したのですが、このほとんどは脂肪が燃えてくれたのでしょう。
私は、日曜日に、1/1~2週間、テニスのおじさんダブルスを4試合・・・30分×4=120分
くらいの運動量であとはほとんど鍛えていません。
スクワットをしているといっても、2~3分/日くらいで、ごくごく負荷の軽いやりかた(ハーフスクワット)です。
ただ日常的運動はほとんどなしで、ジムで鍛えているわけでもない初老のおじさんなのに、一応アスリート体型なのは、やはり、スーパー糖質制限食実践により、身体が常にしっかり脂肪を燃やしているからなのでしょう。
仮に運動が少なくても、筋肉量は落ちずに、脂肪がしっかり燃えるスーパー糖質制限食、ダイエットを目指す人には朗報ですね。
スーパー糖質制限食恐るべし!! (^-^)v(^-^)v
なお、私、1例ではまだまだですので、今後メタボ患者さんにも協力してもらって測定してみようと思います。
<タニタ体組成計 DC-320>
2011年9月24日(土)測定
61才
男性
167cm
57.3kg
体脂肪率:13.6%
脂肪量:7.8kg
除脂肪量:49.5kg
筋肉量:46.9kg
体水分量:29.7kg
推定骨量:2.6kg
基礎代謝量:1323kcal
体内年齢:36才
BMI:20.5
細身筋肉質
江部康二
苦節10数年使い込んだ江部診療所のデジタル体重計が壊れかけいるので、見栄をはって奮発してタニタの体組成計を購入しました。
何と言っても、皆さん、体重計じゃなくって、体組成計ですぞ。('-^*)☆
カタログを貰って、一番上、本格的業務用MC-980A、標準価格¥2100000- ヾ(゜▽゜)
桁を間違っているじゃないかと、目を疑ったのですが、紛うことなく¥210万円です。
ラインナップは軒並み、¥189万とか¥126万とかズラリです。
疑うべきは、私の脳みその常識の方でした。(-_-;)
自分で体組成計を買おうと思っていながら、値段設定のイメージは体重計モードになっていたんですね。
要するに、体脂肪とか体脂肪率とか除脂肪量とか筋肉量とか、ミーハー的に知りたかったのです。
どちらかというと、患者さんのためというより、興味本位で自分のためでしたから、¥100万も¥200万もやってられないやと諦めモードに入ってたんですが、最後のほうに、
DC-320 標準価格:¥252,000(税込)
という可愛い奴が載っていました。
錯覚とは恐ろしいもので、
「何、25万?200万に比べたら激安やないか!」
と、極端な、お得感にみまわれて即効、購入を決意しました。
そして、すぐにあらてつさんに頼んで、知り合いのタニタさんに電話してもらいました。
後から江部診療所のスタッフに話したら、
「高っかー!!(`□´)」
と非難囂々でした。
冷静に考えると、25万の体重計って凄いですよね。
でもでも体組成計だから・・・言い訳に汗だくの江部康二でした。 (=_=;)
ともあれいろいろありましたが、いよいよ体組成計に自分で乗ってみました。
結果は体内年齢:36才
でにんまり喜んだのですが、
これは筋肉量が多いというより、脂肪がかなり少ないということですね。
実際、筋肉量は普通です。
しかし体脂肪率13.6% は運動選手並みです。
2002年に糖尿病が発覚してスーパー糖質制限食を実践して、
66kg→56kg
と10kg減量したのですが、このほとんどは脂肪が燃えてくれたのでしょう。
私は、日曜日に、1/1~2週間、テニスのおじさんダブルスを4試合・・・30分×4=120分
くらいの運動量であとはほとんど鍛えていません。
スクワットをしているといっても、2~3分/日くらいで、ごくごく負荷の軽いやりかた(ハーフスクワット)です。
ただ日常的運動はほとんどなしで、ジムで鍛えているわけでもない初老のおじさんなのに、一応アスリート体型なのは、やはり、スーパー糖質制限食実践により、身体が常にしっかり脂肪を燃やしているからなのでしょう。
仮に運動が少なくても、筋肉量は落ちずに、脂肪がしっかり燃えるスーパー糖質制限食、ダイエットを目指す人には朗報ですね。
スーパー糖質制限食恐るべし!! (^-^)v(^-^)v
なお、私、1例ではまだまだですので、今後メタボ患者さんにも協力してもらって測定してみようと思います。
<タニタ体組成計 DC-320>
2011年9月24日(土)測定
61才
男性
167cm
57.3kg
体脂肪率:13.6%
脂肪量:7.8kg
除脂肪量:49.5kg
筋肉量:46.9kg
体水分量:29.7kg
推定骨量:2.6kg
基礎代謝量:1323kcal
体内年齢:36才
BMI:20.5
細身筋肉質
江部康二
2011年09月25日 (日)
こんにちは。
第47回 欧州糖尿病学会(EASD2011) 【開催期間:2011年9月12日~16日】
において、またまた、興味深い研究報告が発表されました。
この研究は、2型糖尿病患者の血糖値低下のリスクを検証したものです。(☆)
以下、要約してみます。
対象となったのは、スウェーデンのプライマリケア施設において、1999年から2008年の間に2型糖尿病と診断され、あるいは血糖低下治療が行われ、年齢が35歳を超えている32,871例です。
4年間の追跡期間中、心血管複合イベントは718例で発症しました。
HbA1c値と心血管複合イベントの関連を見ると、経口血糖降下薬群、インスリン群のどちらの群においても、Jカーブ現象を認めました。
つまり、HbA1c値が高くても低くても、イベント発生リスクが上昇していました。
最もリスクが低くなったのは、経口血糖降下薬群ではHbA1c値が6.5%、インスリン群では7.0%のときでした。
この結果は、2008年の米国糖尿病学会で報告されたACCORD試験の
「HbA1c値6.0%未満を目指して厳格な血糖コントロールを行うと、全死亡リスクが上昇した」
という結論と一致しています。
また英国の医学雑誌Lancet誌2010年2月6日号に掲載された論文の
「2型糖尿病患者の死亡率はHbA1c7.5%前後が最も低い」
という衝撃的な研究報告とも一致しています。
一方
「教育水準とHbA1c値、心血管複合イベントの関連性を調べたところ、初等教育群では明らかなJカーブを描いたが、教育水準が高まるとともにHbA1c値が低いときの心血管複合イベント発生リスクの上昇が抑制され、高等教育群ではHbA1c値が低くてもリスクの上昇は認められなかった。」
とあります。
これは教育水準の高い人は血糖管理が上手で、低血糖リスクが回避できていた可能性があります。
インスリン注射や経口血糖降下剤を内服していて、厳格な血糖コントロールを目指した場合、食事に含まれる糖質と薬物量のマッチングが上手くいかないと、食前の低血糖や食後高血糖を頻回に生じ、1日の内で血糖変動の乱高下が起こります。
このことが、薬物を投与してHbA1cを一定以上下げると、死亡率が上昇することの大きな要因と考えられます。
2008年ACCORD試験、
2010年2月のLancet誌の論文、
2011年第47回 欧州糖尿病学会のスエーデンの報告、
3つの大規模な疫学研究で、Jカーブ現象が確認されたことの意味は大きいと思います。
すなわち、糖質を摂取しながら、薬物療法で厳格な血糖コントロールを目指すことは、明確に総死亡率を上昇させます。
スーパー糖質制限食なら、薬物に頼ることなく血糖コントロール良好を達成できて、食前の低血糖も食後の高血糖も生じず、一日を通して血糖変動がごく少なく安定した状態を保つことができるので、大血管イベント発症リスクは減少し総死亡率も減少すると考えられます。
江部康二
(☆) 以下 2011年9月17日の m3.comより転載
第47回 欧州糖尿病学会(EASD2011) 【開催期間:2011年9月12日~16日】
2型糖尿病患者ではHbA1c値と心血管イベントの関連性はJカーブを描く
2011年9月17日 カテゴリ:一般内科疾患・循環器疾患・内分泌・代謝疾患
ACCORD試験ではHbA1c値6.0%未満を目指して厳格な血糖コントロールを行うと、全死亡リスクが上昇することが示された。そこでスウェーデンLinkoping UniversityのC. J. Ostgren氏らは、2型糖尿病の大規模患者集団を対象にHbA1c値と心血管イベントの関連について検討し、その結果を9月12~16日にポルトガル、リスボン市で開催された第47回欧州糖尿病学会(EASD)で報告した。
本研究では、2型糖尿病患者の血糖値低下のリスクを検証し、さらに詳細な検討を行うために、大規模患者集団を糖尿病治療薬(経口血糖降下薬、インスリン)、教育水準で層別化し、HbA1c値と心血管イベントの関連を比較検討した。
対象となったのは、スウェーデンのプライマリケア施設において、1999年から2008年の間に2型糖尿病と診断され、あるいは血糖低下治療が行われ、年齢が35歳を超えている32,871例。さらに患者データをStatistics Sweden、National Cause of Death Register、National Hospital Discharge Register、National Prescription Registerのデータとリンクさせ、心血管複合イベント(急性心筋梗塞、心不全、脳卒中、心血管死)の発生状況を調べた。HbA1c値と心血管複合イベントの関連は、心血管疾患の既往のない症例を対象に、年齢、収縮期血圧(年間平均値で毎年更新)、教育水準で補正し、Cox回帰モデルを用いて検討した。
4年間の追跡期間中、心血管複合イベントは718例で発症した。HbA1c値と心血管複合イベントの関連を見ると、経口血糖降下薬群、インスリン群のどちらの群においても、Jカーブ現象を認めた(HbA1c値が高くても低くてもイベント発生リスクが上昇)。最もリスクが低くなったのは、経口血糖降下薬群ではHbA1c値が6.5%、インスリン群では7.0%のときで、HbA1c値が低い場合、95%信頼区間の幅が広かった。つまり患者によってリスクのばらつきが大きいと言える。この傾向は心血管死をエンドポイントとして検討を行った場合にも同様に認められた。
教育水準から患者を、初等教育群(小・中学校卒に相当)、中等教育群(高校卒に相当)、高等教育群(短大・大学卒以上に相当)の3群に層別化したところ、3群のHbA1c値の分布に違いは認められなかった。しかし、初等教育群に比べて中等教育群や高等教育群では、心血管複合イベントの発生リスクが有意に低かった。
さらに、教育水準とHbA1c値、心血管複合イベントの関連性を調べたところ、初等教育群では明らかなJカーブを描いたが、教育水準が高まるとともにHbA1c値が低いときの心血管複合イベント発生リスクの上昇が抑制され、高等教育群ではHbA1c値が低くてもリスクの上昇は認められなかった。
今回の検討から、HbA1c値と心血管複合イベントのJカーブ現象が再確認された。この結果を踏まえてOstgren氏は、「今後、糖尿病の治療ガイドラインでは、低血糖リスクがある治療を行う場合、HbA1c値の最低値を設けることが望ましい」と解説しつつ、「2型糖尿病で教育水準が心血管複合イベントのリスク因子であることはこれまで認識されておらず、今後さらなる検討が必要」と指摘した。
山岸 倫也(医学ライター)
第47回 欧州糖尿病学会(EASD2011) 【開催期間:2011年9月12日~16日】
において、またまた、興味深い研究報告が発表されました。
この研究は、2型糖尿病患者の血糖値低下のリスクを検証したものです。(☆)
以下、要約してみます。
対象となったのは、スウェーデンのプライマリケア施設において、1999年から2008年の間に2型糖尿病と診断され、あるいは血糖低下治療が行われ、年齢が35歳を超えている32,871例です。
4年間の追跡期間中、心血管複合イベントは718例で発症しました。
HbA1c値と心血管複合イベントの関連を見ると、経口血糖降下薬群、インスリン群のどちらの群においても、Jカーブ現象を認めました。
つまり、HbA1c値が高くても低くても、イベント発生リスクが上昇していました。
最もリスクが低くなったのは、経口血糖降下薬群ではHbA1c値が6.5%、インスリン群では7.0%のときでした。
この結果は、2008年の米国糖尿病学会で報告されたACCORD試験の
「HbA1c値6.0%未満を目指して厳格な血糖コントロールを行うと、全死亡リスクが上昇した」
という結論と一致しています。
また英国の医学雑誌Lancet誌2010年2月6日号に掲載された論文の
「2型糖尿病患者の死亡率はHbA1c7.5%前後が最も低い」
という衝撃的な研究報告とも一致しています。
一方
「教育水準とHbA1c値、心血管複合イベントの関連性を調べたところ、初等教育群では明らかなJカーブを描いたが、教育水準が高まるとともにHbA1c値が低いときの心血管複合イベント発生リスクの上昇が抑制され、高等教育群ではHbA1c値が低くてもリスクの上昇は認められなかった。」
とあります。
これは教育水準の高い人は血糖管理が上手で、低血糖リスクが回避できていた可能性があります。
インスリン注射や経口血糖降下剤を内服していて、厳格な血糖コントロールを目指した場合、食事に含まれる糖質と薬物量のマッチングが上手くいかないと、食前の低血糖や食後高血糖を頻回に生じ、1日の内で血糖変動の乱高下が起こります。
このことが、薬物を投与してHbA1cを一定以上下げると、死亡率が上昇することの大きな要因と考えられます。
2008年ACCORD試験、
2010年2月のLancet誌の論文、
2011年第47回 欧州糖尿病学会のスエーデンの報告、
3つの大規模な疫学研究で、Jカーブ現象が確認されたことの意味は大きいと思います。
すなわち、糖質を摂取しながら、薬物療法で厳格な血糖コントロールを目指すことは、明確に総死亡率を上昇させます。
スーパー糖質制限食なら、薬物に頼ることなく血糖コントロール良好を達成できて、食前の低血糖も食後の高血糖も生じず、一日を通して血糖変動がごく少なく安定した状態を保つことができるので、大血管イベント発症リスクは減少し総死亡率も減少すると考えられます。
江部康二
(☆) 以下 2011年9月17日の m3.comより転載
第47回 欧州糖尿病学会(EASD2011) 【開催期間:2011年9月12日~16日】
2型糖尿病患者ではHbA1c値と心血管イベントの関連性はJカーブを描く
2011年9月17日 カテゴリ:一般内科疾患・循環器疾患・内分泌・代謝疾患
ACCORD試験ではHbA1c値6.0%未満を目指して厳格な血糖コントロールを行うと、全死亡リスクが上昇することが示された。そこでスウェーデンLinkoping UniversityのC. J. Ostgren氏らは、2型糖尿病の大規模患者集団を対象にHbA1c値と心血管イベントの関連について検討し、その結果を9月12~16日にポルトガル、リスボン市で開催された第47回欧州糖尿病学会(EASD)で報告した。
本研究では、2型糖尿病患者の血糖値低下のリスクを検証し、さらに詳細な検討を行うために、大規模患者集団を糖尿病治療薬(経口血糖降下薬、インスリン)、教育水準で層別化し、HbA1c値と心血管イベントの関連を比較検討した。
対象となったのは、スウェーデンのプライマリケア施設において、1999年から2008年の間に2型糖尿病と診断され、あるいは血糖低下治療が行われ、年齢が35歳を超えている32,871例。さらに患者データをStatistics Sweden、National Cause of Death Register、National Hospital Discharge Register、National Prescription Registerのデータとリンクさせ、心血管複合イベント(急性心筋梗塞、心不全、脳卒中、心血管死)の発生状況を調べた。HbA1c値と心血管複合イベントの関連は、心血管疾患の既往のない症例を対象に、年齢、収縮期血圧(年間平均値で毎年更新)、教育水準で補正し、Cox回帰モデルを用いて検討した。
4年間の追跡期間中、心血管複合イベントは718例で発症した。HbA1c値と心血管複合イベントの関連を見ると、経口血糖降下薬群、インスリン群のどちらの群においても、Jカーブ現象を認めた(HbA1c値が高くても低くてもイベント発生リスクが上昇)。最もリスクが低くなったのは、経口血糖降下薬群ではHbA1c値が6.5%、インスリン群では7.0%のときで、HbA1c値が低い場合、95%信頼区間の幅が広かった。つまり患者によってリスクのばらつきが大きいと言える。この傾向は心血管死をエンドポイントとして検討を行った場合にも同様に認められた。
教育水準から患者を、初等教育群(小・中学校卒に相当)、中等教育群(高校卒に相当)、高等教育群(短大・大学卒以上に相当)の3群に層別化したところ、3群のHbA1c値の分布に違いは認められなかった。しかし、初等教育群に比べて中等教育群や高等教育群では、心血管複合イベントの発生リスクが有意に低かった。
さらに、教育水準とHbA1c値、心血管複合イベントの関連性を調べたところ、初等教育群では明らかなJカーブを描いたが、教育水準が高まるとともにHbA1c値が低いときの心血管複合イベント発生リスクの上昇が抑制され、高等教育群ではHbA1c値が低くてもリスクの上昇は認められなかった。
今回の検討から、HbA1c値と心血管複合イベントのJカーブ現象が再確認された。この結果を踏まえてOstgren氏は、「今後、糖尿病の治療ガイドラインでは、低血糖リスクがある治療を行う場合、HbA1c値の最低値を設けることが望ましい」と解説しつつ、「2型糖尿病で教育水準が心血管複合イベントのリスク因子であることはこれまで認識されておらず、今後さらなる検討が必要」と指摘した。
山岸 倫也(医学ライター)
2011年09月24日 (土)
こんにちは。
ただ今減量中さんから、「蛋白質と加工肉の多量摂取が2型糖尿病発症率上昇と相関?」という日経メディカルオンラインの記事と、人工透析と高血圧と糖尿病と高脂質食と「ためしてガッテン」の本ブログ記事について、コメント・ご指摘を受けました。
【11/09/24 ただ今減量中
蛋白質と加工肉の多量摂取が2型糖尿病発症率上昇と相関
にも記事がありましたが、
MT Pro にも記事がありました。
http://site2.mtpro.jp/easd/easd2011/contents/08_013/ (*)
ここでは、監修者のコメントがありました。この発表から、このコメントが書けるか疑問ではありますが。
「監修者のコメント
現在,食品交換表に従って糖尿病の食事療法を指導すると,炭水化物60%,脂肪25%,蛋白質15%ぐらいの比率となる。この比率が糖尿病患者の予後に良い作用を有するという根拠はないが,この指導後,多くの患者が,理想の栄養比率では炭水化物の比率が高いことに驚く。
すなわち,糖尿病になる前,多くの患者は炭水化物摂取量が少なく,脂肪,蛋白質の摂取が多いことが推定される。その中には,脂肪摂取は肥満や動脈硬化に促進的に働き,炭水化物摂取は食後高血糖を招くなどの理由から,蛋白の摂取比率が高くなっているケースも多いが,このような食事がどのような結果をもたらすのか,今まで明らかになっていなかった。
今回の検討の結果,蛋白質の多量摂取は糖尿病発症リスクを増加させることが明らかになった。糖尿病発症リスクを増加させる食事療法が,長期の糖尿病の予後に良い作用をもたらすとは考えにくいため,おそらくは糖尿病患者にも高蛋白食は勧められないと考えられる。
監修:順天堂大学大学院(文科省事業)スポートロジーセンター センター長・教授 河盛 隆造
順天堂大学内科学・代謝内分泌学 教授 綿田 裕孝」
それと先生の下記ブログの記事は番組内容とは全く違う内容です。番組を見て書かれたでしょうか。
人工透析と高血圧と糖尿病と高脂質食と「ためしてガッテン」
番組の内容
http://www9.nhk.or.jp/gatten/archives/P20110914.html】
ただ今減量中 さん。
コメント、ご指摘ありがとうございます。
糖質制限食を意識していない普通の集団では、糖質は総摂取カロリーの36.8%~58.8%くらいの摂取となります。
これは、米国の女性看護師82802人の食事調査が参考になります。(**)
36.8%の人は、58.8%の人に比べれば相対的に低糖質食ですが、意味は少ないのです。
つまり正常人で、炭水化物を総摂取カロリーの36.8%以上摂取している人は、1回の食事の糖質量は50gを超えるので、食後高血糖と食後高インスリン血症が必ず生じます。
この場合、正常人で炭水化物60%摂取している人と、大きな差は生じません。
従いましてこの論文は、炭水化物を36.8%~58.8%摂取している正常人の集団においては、
「蛋白質と加工肉の多量摂取が2型糖尿病発症率上昇と相関」している可能性を示唆していると思われます。
高雄病院の糖質制限食を実践して炭水化物摂取比率12%の人においては、食後高血糖と食後高インスリン血症が生じないので、糖尿病発症リスクは減少します。
ただ加工肉の摂取に関しては、世界がん研究基金2007年の報告でも減らすことを推奨してますので、減らすほうが無難と私も考えます。
なお「蛋白質と加工肉の多量摂取」については、欧米人ではいると思いますが、日本人の食生活でこのような人は、まずいないと思います。
この論文は、日本人にはほとんど無意味と思います。
次に人工透析と高血圧と糖尿病と高脂質食と「ためしてガッテン」
ご指摘ありがとうございます。
自分自身では「ためしてガッテン」見ておりません。
検証せずに記事にしてしまい、反省してます。o(__)o
「ためしてガッテン」2011.9.14 http://www9.nhk.or.jp/gatten/archives/P20110914.html
<腎臓の状態を調べる検査と言えば…>という欄に
『悪い食生活などが続くと、血液中に「糖」や「脂肪」が増加。すると、ろ過する穴を無理矢理通り抜けて穴を広げてしまいます。広がった穴からは体に必要なたんぱく質なども漏れ出すのです。そのため、尿にたんぱくが混じっているかどうかを調べることが有効になるのです。』
と、糖と脂肪が増加するとよくないと、高血糖の記載もしてありました。
すいません。┌|_ _*|┐
NHK「ためしてガッテン」さんも、すいませんでした。m(_ _)m
江部康二
(*)メディカル トリビューン ウェブサイト から転載
2011年09月16日更新
蛋白質と加工肉の多量摂取が2型糖尿病発症率上昇と相関
Ulrika C. Ericson 氏
Department of Clinical Sciences in Malmö, Lund University, Malmö, Sweden
低炭水化物・高蛋白食が,短期間での体重減少と血糖コントロールに有効であることが以前から示されていた。しかし,最近の研究で,蛋白質,特に動物性蛋白質や加工肉の多量摂取が,2型糖尿病リスクを増大させることが指摘されている(Sluijs I, et al. Diabetes Care 2010; 33: 43-48,Micha R, et al. Circulation 2010; 121: 2271-2283)。ただし,蛋白質自体がリスク因子となるのか否かはよく分かっていない。
Ericson氏らは,多量栄養素(macronutrients),特に,蛋白質の多量摂取と2型糖尿病発症との関連を,スウェーデンの住民研究データを用いて検討した結果,蛋白質と加工肉の多量摂取により2型糖尿病発症リスクが増大することが示唆されたと報告した。
住民2万7,000人の食事データを詳細に調査
スウェーデン・マルメの住民を対象としたMalmö Diet and Cancer研究の登録者から,ベースラインで糖尿病でない者2万7,140人(女性1万6,590例,男性1万550例。45~73歳)の食事データを1991~2006年まで追跡した。追跡期間中の2型糖尿病発症者は1,709例であった。蛋白質・脂肪・炭水化物からのカロリー摂取比率による5分位で階層化を行い,最低5分位とその他の群の糖尿病リスクを,身長・体重,ライフスタイル,社会経済的因子などで調整したCox比例ハザードモデルにより解析した。
食事内容に関する調査では,7日間の食事記録と,摂取頻度や摂取量に関する質問を含む168項目からなる質問票,45分の面接により詳細なデータ収集を行った。
蛋白質と加工肉の多量摂取で2型糖尿病リスク増大
炭水化物または脂肪によるカロリー摂取率と2型糖尿病発症リスクの間には,有意な相関は認められなかった。
一方,蛋白質の多量摂取と2型糖尿病発症リスクの間には,有意(P<0.001)な相関が認められた。蛋白質によるカロリー摂取が最も高い5分位では,最低5分位と比べ,糖尿病発症リスクは1.37倍となった(図1)。さらに,炭水化物の摂取量を減らし,蛋白質や脂肪で置換するというモデルで解析した結果でも,男女ともに蛋白質への置換で糖尿病リスク増大との相関が維持された。
次に,動物性蛋白質の種類別で検討した結果,加工肉と鶏肉,卵の多量摂取は糖尿病リスクを高める傾向にあり,赤身肉,魚介類,乳製品はリスクを低下させる傾向にあった(図2)。
食物繊維豊富なパンやシリアルの摂取でリスク低下
一方,食物繊維を豊富に含むパンやシリアルの摂取が最も高い5分位では,最低5分位と比べ有意(P=0.002)に2型糖尿病発症リスクが低下した(図3)。ただし,精白穀類などを原料とするシリアルや豆類の摂取による糖尿病リスク低下は認められなかった。
蛋白質摂取に関し,さらに,加工肉と果物,野菜,飽和脂肪酸の摂取率で調整したモデルでも,最高5分位における糖尿病リスクの有意(P=0.01)な上昇は維持され,蛋白質そのものがリスク因子である可能性が示唆された。
以上の結果を基に,Ericson氏は「今回の大規模住民研究における知見は,蛋白質の多量摂取が2型糖尿病発症リスクを増大させることを示している。蛋白質摂取を減らして,炭水化物,特に食物繊維の豊富なパンやシリアルからの炭水化物摂取を増やすことで保護的効果が得られるかもしれない」と結論付けた。
監修者のコメント
現在,食品交換表に従って糖尿病の食事療法を指導すると,炭水化物60%,脂肪25%,蛋白質15%ぐらいの比率となる。この比率が糖尿病患者の予後に良い作用を有するという根拠はないが,この指導後,多くの患者が,理想の栄養比率では炭水化物の比率が高いことに驚く。
すなわち,糖尿病になる前,多くの患者は炭水化物摂取量が少なく,脂肪,蛋白質の摂取が多いことが推定される。その中には,脂肪摂取は肥満や動脈硬化に促進的に働き,炭水化物摂取は食後高血糖を招くなどの理由から,蛋白の摂取比率が高くなっているケースも多いが,このような食事がどのような結果をもたらすのか,今まで明らかになっていなかった。
今回の検討の結果,蛋白質の多量摂取は糖尿病発症リスクを増加させることが明らかになった。糖尿病発症リスクを増加させる食事療法が,長期の糖尿病の予後に良い作用をもたらすとは考えにくいため,おそらくは糖尿病患者にも高蛋白食は勧められないと考えられる。
監修:順天堂大学大学院(文科省事業)スポートロジーセンター センター長・教授 河盛 隆造
順天堂大学内科学・代謝内分泌学 教授 綿田 裕孝】
(**)Halton TL, et al. Low-carbohydrate-diet score and the risk of coronary heart disease in women. New England Journal of Medicine 2006;355:1991-2002.
ただ今減量中さんから、「蛋白質と加工肉の多量摂取が2型糖尿病発症率上昇と相関?」という日経メディカルオンラインの記事と、人工透析と高血圧と糖尿病と高脂質食と「ためしてガッテン」の本ブログ記事について、コメント・ご指摘を受けました。
【11/09/24 ただ今減量中
蛋白質と加工肉の多量摂取が2型糖尿病発症率上昇と相関
にも記事がありましたが、
MT Pro にも記事がありました。
http://site2.mtpro.jp/easd/easd2011/contents/08_013/ (*)
ここでは、監修者のコメントがありました。この発表から、このコメントが書けるか疑問ではありますが。
「監修者のコメント
現在,食品交換表に従って糖尿病の食事療法を指導すると,炭水化物60%,脂肪25%,蛋白質15%ぐらいの比率となる。この比率が糖尿病患者の予後に良い作用を有するという根拠はないが,この指導後,多くの患者が,理想の栄養比率では炭水化物の比率が高いことに驚く。
すなわち,糖尿病になる前,多くの患者は炭水化物摂取量が少なく,脂肪,蛋白質の摂取が多いことが推定される。その中には,脂肪摂取は肥満や動脈硬化に促進的に働き,炭水化物摂取は食後高血糖を招くなどの理由から,蛋白の摂取比率が高くなっているケースも多いが,このような食事がどのような結果をもたらすのか,今まで明らかになっていなかった。
今回の検討の結果,蛋白質の多量摂取は糖尿病発症リスクを増加させることが明らかになった。糖尿病発症リスクを増加させる食事療法が,長期の糖尿病の予後に良い作用をもたらすとは考えにくいため,おそらくは糖尿病患者にも高蛋白食は勧められないと考えられる。
監修:順天堂大学大学院(文科省事業)スポートロジーセンター センター長・教授 河盛 隆造
順天堂大学内科学・代謝内分泌学 教授 綿田 裕孝」
それと先生の下記ブログの記事は番組内容とは全く違う内容です。番組を見て書かれたでしょうか。
人工透析と高血圧と糖尿病と高脂質食と「ためしてガッテン」
番組の内容
http://www9.nhk.or.jp/gatten/archives/P20110914.html】
ただ今減量中 さん。
コメント、ご指摘ありがとうございます。
糖質制限食を意識していない普通の集団では、糖質は総摂取カロリーの36.8%~58.8%くらいの摂取となります。
これは、米国の女性看護師82802人の食事調査が参考になります。(**)
36.8%の人は、58.8%の人に比べれば相対的に低糖質食ですが、意味は少ないのです。
つまり正常人で、炭水化物を総摂取カロリーの36.8%以上摂取している人は、1回の食事の糖質量は50gを超えるので、食後高血糖と食後高インスリン血症が必ず生じます。
この場合、正常人で炭水化物60%摂取している人と、大きな差は生じません。
従いましてこの論文は、炭水化物を36.8%~58.8%摂取している正常人の集団においては、
「蛋白質と加工肉の多量摂取が2型糖尿病発症率上昇と相関」している可能性を示唆していると思われます。
高雄病院の糖質制限食を実践して炭水化物摂取比率12%の人においては、食後高血糖と食後高インスリン血症が生じないので、糖尿病発症リスクは減少します。
ただ加工肉の摂取に関しては、世界がん研究基金2007年の報告でも減らすことを推奨してますので、減らすほうが無難と私も考えます。
なお「蛋白質と加工肉の多量摂取」については、欧米人ではいると思いますが、日本人の食生活でこのような人は、まずいないと思います。
この論文は、日本人にはほとんど無意味と思います。
次に人工透析と高血圧と糖尿病と高脂質食と「ためしてガッテン」
ご指摘ありがとうございます。
自分自身では「ためしてガッテン」見ておりません。
検証せずに記事にしてしまい、反省してます。o(__)o
「ためしてガッテン」2011.9.14 http://www9.nhk.or.jp/gatten/archives/P20110914.html
<腎臓の状態を調べる検査と言えば…>という欄に
『悪い食生活などが続くと、血液中に「糖」や「脂肪」が増加。すると、ろ過する穴を無理矢理通り抜けて穴を広げてしまいます。広がった穴からは体に必要なたんぱく質なども漏れ出すのです。そのため、尿にたんぱくが混じっているかどうかを調べることが有効になるのです。』
と、糖と脂肪が増加するとよくないと、高血糖の記載もしてありました。
すいません。┌|_ _*|┐
NHK「ためしてガッテン」さんも、すいませんでした。m(_ _)m
江部康二
(*)メディカル トリビューン ウェブサイト から転載
2011年09月16日更新
蛋白質と加工肉の多量摂取が2型糖尿病発症率上昇と相関
Ulrika C. Ericson 氏
Department of Clinical Sciences in Malmö, Lund University, Malmö, Sweden
低炭水化物・高蛋白食が,短期間での体重減少と血糖コントロールに有効であることが以前から示されていた。しかし,最近の研究で,蛋白質,特に動物性蛋白質や加工肉の多量摂取が,2型糖尿病リスクを増大させることが指摘されている(Sluijs I, et al. Diabetes Care 2010; 33: 43-48,Micha R, et al. Circulation 2010; 121: 2271-2283)。ただし,蛋白質自体がリスク因子となるのか否かはよく分かっていない。
Ericson氏らは,多量栄養素(macronutrients),特に,蛋白質の多量摂取と2型糖尿病発症との関連を,スウェーデンの住民研究データを用いて検討した結果,蛋白質と加工肉の多量摂取により2型糖尿病発症リスクが増大することが示唆されたと報告した。
住民2万7,000人の食事データを詳細に調査
スウェーデン・マルメの住民を対象としたMalmö Diet and Cancer研究の登録者から,ベースラインで糖尿病でない者2万7,140人(女性1万6,590例,男性1万550例。45~73歳)の食事データを1991~2006年まで追跡した。追跡期間中の2型糖尿病発症者は1,709例であった。蛋白質・脂肪・炭水化物からのカロリー摂取比率による5分位で階層化を行い,最低5分位とその他の群の糖尿病リスクを,身長・体重,ライフスタイル,社会経済的因子などで調整したCox比例ハザードモデルにより解析した。
食事内容に関する調査では,7日間の食事記録と,摂取頻度や摂取量に関する質問を含む168項目からなる質問票,45分の面接により詳細なデータ収集を行った。
蛋白質と加工肉の多量摂取で2型糖尿病リスク増大
炭水化物または脂肪によるカロリー摂取率と2型糖尿病発症リスクの間には,有意な相関は認められなかった。
一方,蛋白質の多量摂取と2型糖尿病発症リスクの間には,有意(P<0.001)な相関が認められた。蛋白質によるカロリー摂取が最も高い5分位では,最低5分位と比べ,糖尿病発症リスクは1.37倍となった(図1)。さらに,炭水化物の摂取量を減らし,蛋白質や脂肪で置換するというモデルで解析した結果でも,男女ともに蛋白質への置換で糖尿病リスク増大との相関が維持された。
次に,動物性蛋白質の種類別で検討した結果,加工肉と鶏肉,卵の多量摂取は糖尿病リスクを高める傾向にあり,赤身肉,魚介類,乳製品はリスクを低下させる傾向にあった(図2)。
食物繊維豊富なパンやシリアルの摂取でリスク低下
一方,食物繊維を豊富に含むパンやシリアルの摂取が最も高い5分位では,最低5分位と比べ有意(P=0.002)に2型糖尿病発症リスクが低下した(図3)。ただし,精白穀類などを原料とするシリアルや豆類の摂取による糖尿病リスク低下は認められなかった。
蛋白質摂取に関し,さらに,加工肉と果物,野菜,飽和脂肪酸の摂取率で調整したモデルでも,最高5分位における糖尿病リスクの有意(P=0.01)な上昇は維持され,蛋白質そのものがリスク因子である可能性が示唆された。
以上の結果を基に,Ericson氏は「今回の大規模住民研究における知見は,蛋白質の多量摂取が2型糖尿病発症リスクを増大させることを示している。蛋白質摂取を減らして,炭水化物,特に食物繊維の豊富なパンやシリアルからの炭水化物摂取を増やすことで保護的効果が得られるかもしれない」と結論付けた。
監修者のコメント
現在,食品交換表に従って糖尿病の食事療法を指導すると,炭水化物60%,脂肪25%,蛋白質15%ぐらいの比率となる。この比率が糖尿病患者の予後に良い作用を有するという根拠はないが,この指導後,多くの患者が,理想の栄養比率では炭水化物の比率が高いことに驚く。
すなわち,糖尿病になる前,多くの患者は炭水化物摂取量が少なく,脂肪,蛋白質の摂取が多いことが推定される。その中には,脂肪摂取は肥満や動脈硬化に促進的に働き,炭水化物摂取は食後高血糖を招くなどの理由から,蛋白の摂取比率が高くなっているケースも多いが,このような食事がどのような結果をもたらすのか,今まで明らかになっていなかった。
今回の検討の結果,蛋白質の多量摂取は糖尿病発症リスクを増加させることが明らかになった。糖尿病発症リスクを増加させる食事療法が,長期の糖尿病の予後に良い作用をもたらすとは考えにくいため,おそらくは糖尿病患者にも高蛋白食は勧められないと考えられる。
監修:順天堂大学大学院(文科省事業)スポートロジーセンター センター長・教授 河盛 隆造
順天堂大学内科学・代謝内分泌学 教授 綿田 裕孝】
(**)Halton TL, et al. Low-carbohydrate-diet score and the risk of coronary heart disease in women. New England Journal of Medicine 2006;355:1991-2002.
2011年09月23日 (金)
こんにちは。
本ブログでも時々記事にしている「久山町研究」
2011年10月29日(土)に九州大学医学部百年講堂 大ホールにて
「久山町研究50周年記念講演会」http://www.envmed.med.kyushu-u.ac.jp/50th/
が開催されます。
よしさんから、情報をいただきました。
入場無料だそうです。
【11/09/20 よし
久山町研究50周年
江部先生、おはようございます。
糖尿人が多いのは、久山町も同じでしょう。
大学の研究者と町民が一丸となって、定期検診と疾病の予防と早期発見と治療に取り組んだ結果、
糖尿人が激増したというのは、悲劇としかいいようがありません。
町の公式サイトでも、ちゃんとデータが公表されていますね。
http://www.town.hisayama.fukuoka.jp/toukei/05.html
清原先生は、40年の成果について、
「1988年に初めて糖負荷試験を行って糖尿病対策に力を入れ始めたのちは、
肥満、耐糖能異常、高脂血症など代謝異常の増加傾向に歯止めがかかってきました。」
とコメントしています。
http://www.town.hisayama.fukuoka.jp/kurashi/hoken/kenshin40-04.html
しかし、データを見る限り、全町民の約半数が糖尿人になったことの衝撃のほうが大きいです。
久山町研究50周年で記念講演会があるそうです。
http://www.envmed.med.kyushu-u.ac.jp/50th/
是非とも、清原先生のお話を伺ってみたいのですが、残念ながら、私は、遠すぎて行けそうもありません。
久山町町民に、糖質制限食を導入するのは無理なんでしょうか?】
よしさん。
久山町の公式ページ http://www.town.hisayama.fukuoka.jp/toukei/05.html
には、2002年(H14年)の糖尿病と予備軍激増の、データが掲載してありますが、
清原先生のページ http://www.town.hisayama.fukuoka.jp/kurashi/hoken/kenshin40-04.html
は、1998年のデータまでしか載せてありませんので、少し古い原稿のようです。
そして
「1988年に初めて糖負荷試験を行って糖尿病対策に力を入れ始めたのちは、 肥満、耐糖能異常、高脂血症など代謝異常の増加傾向に歯止めがかかってきました。」
というのは、2002年(H14年)の糖尿病と予備軍激増のデータがでる前段階での、清原先生のコメントですね。
1988年の久山町検診で、今まで考えられていた以上に糖尿病が多いことが判明したので、厚生労働省糖尿病疫学班がこれを受けて各地で9年間にわたり調査を行いました。
その結果は、各地で久山町と同程度の糖尿病有病率であることがわかりました。
厚生労働省調査における日本人の推定糖尿病患者数
調査対象は20歳以上の成人
1990年(H2年):560万人
1997年(H9年):690万人
2002年(H14年):740万人
2007年(H19年):890万人
この間1997年からは、日本人の総摂取カロリー比率において、脂肪は減り始めて、糖質は増え始めています。
この傾向は2008年の最新統計まで、続いています。
そして、糖尿病は順調?に増え続けています。
しかしよくみると
1997年から2002年の5年間で、50万人の増加で少しなのに対して、
2002年から2007年の5年間は、150万人増加で加速しています。
下記は厚生労働省の調査データで、1997→2002年の5年間の差を比較したものですが、確かにあまり増えていません。
日本全体男性糖尿病有病率 1997 2002
40才代 5.4 4.4%
50才代 14.2 14.0%
60才代 17.5 17.9%
70才代 11.3 21.3%
日本全体女性糖尿病有病率 1997 2002
40才代 5.3 3.6%
50才代 7.1 4.6%
60才代 10.6 11.5%
70才代 15.5 11.6%
久山町研究においては、1988年と2002年に40~79才の年齢層の80%近い住民を対象とした、75g経口血糖負荷試験を用いた糖尿病の有病率調査を実施しています。
この時、1988年からは、糖尿病対策として、食事指導と運動療法を開始しています。
しかしこの14年間の努力にも関わらず、糖尿病の確定診断がついた人が
1988年 2002年
男性: 15.0% → 23.6%
女性: 9.9% → 13.4%
と大幅に増加しています。
2002年(H14年)の久山町検診で、糖尿病と予備軍激増のデータがでたあと、 2007年7月27日(金)の毎日新聞朝刊では、インタビューに答えて清原先生は、
「88年以後、運動や食事指導など手を尽くしたのに糖尿病は増える一方。 どうすれば減るのか、最初からやり直したい」
とのコメントを述べておられます。
指導された食事療法は勿論、日本糖尿病学会推奨のカロリー制限食(高糖質食)です。
1988年から実施された厚生労働省の調査では、当時の日本各地の糖尿病有病率は、久山町の男性15.0%、女性9.9%と大差なかったということです。
しかし、2002年の厚生労働省の調査では、日本全体の40代以上の糖尿病有病率は、久山町の40代以上の有病率、男性23.6%、女性13.4%に比べると、上述のデータのように、大幅に少ないのです。
「88年以後、運動や食事指導など手を尽くした」 久山町の40才以上の住民において、何も指導していない日本全体の40才以上の住民と比較して、糖尿病有病率がかえって大幅に増加したという、パラドックスが生じています。
まとめると、1988年の出発地点では、40才以上の日本全体の糖尿病有病率と久山町の有病率と同じだったのが、14年後の2002年には、食事指導を受けた久山町の方が、大幅に増加してしまったのです。
久山町の40才以上において、糖尿病と予備軍を併せたら
男性、1988年は42.2%→2002年は59.9%
女性、1988年は33.6%→2002年は41.3%
というとんでもない数字となっています。
【大学の研究者と町民が一丸となって、定期検診と疾病の予防と早期発見と治療に取り組んだ結果、糖尿人が激増したというのは、悲劇としかいいようがありません。】
まさに、よしさんの仰有る通りです。
私はこれを「久山町の悲劇」と呼んでいます。
50周年記念講演会で、清原先生はどのように総括されるのでしょうか?
江部康二
本ブログでも時々記事にしている「久山町研究」
2011年10月29日(土)に九州大学医学部百年講堂 大ホールにて
「久山町研究50周年記念講演会」http://www.envmed.med.kyushu-u.ac.jp/50th/
が開催されます。
よしさんから、情報をいただきました。
入場無料だそうです。
【11/09/20 よし
久山町研究50周年
江部先生、おはようございます。
糖尿人が多いのは、久山町も同じでしょう。
大学の研究者と町民が一丸となって、定期検診と疾病の予防と早期発見と治療に取り組んだ結果、
糖尿人が激増したというのは、悲劇としかいいようがありません。
町の公式サイトでも、ちゃんとデータが公表されていますね。
http://www.town.hisayama.fukuoka.jp/toukei/05.html
清原先生は、40年の成果について、
「1988年に初めて糖負荷試験を行って糖尿病対策に力を入れ始めたのちは、
肥満、耐糖能異常、高脂血症など代謝異常の増加傾向に歯止めがかかってきました。」
とコメントしています。
http://www.town.hisayama.fukuoka.jp/kurashi/hoken/kenshin40-04.html
しかし、データを見る限り、全町民の約半数が糖尿人になったことの衝撃のほうが大きいです。
久山町研究50周年で記念講演会があるそうです。
http://www.envmed.med.kyushu-u.ac.jp/50th/
是非とも、清原先生のお話を伺ってみたいのですが、残念ながら、私は、遠すぎて行けそうもありません。
久山町町民に、糖質制限食を導入するのは無理なんでしょうか?】
よしさん。
久山町の公式ページ http://www.town.hisayama.fukuoka.jp/toukei/05.html
には、2002年(H14年)の糖尿病と予備軍激増の、データが掲載してありますが、
清原先生のページ http://www.town.hisayama.fukuoka.jp/kurashi/hoken/kenshin40-04.html
は、1998年のデータまでしか載せてありませんので、少し古い原稿のようです。
そして
「1988年に初めて糖負荷試験を行って糖尿病対策に力を入れ始めたのちは、 肥満、耐糖能異常、高脂血症など代謝異常の増加傾向に歯止めがかかってきました。」
というのは、2002年(H14年)の糖尿病と予備軍激増のデータがでる前段階での、清原先生のコメントですね。
1988年の久山町検診で、今まで考えられていた以上に糖尿病が多いことが判明したので、厚生労働省糖尿病疫学班がこれを受けて各地で9年間にわたり調査を行いました。
その結果は、各地で久山町と同程度の糖尿病有病率であることがわかりました。
厚生労働省調査における日本人の推定糖尿病患者数
調査対象は20歳以上の成人
1990年(H2年):560万人
1997年(H9年):690万人
2002年(H14年):740万人
2007年(H19年):890万人
この間1997年からは、日本人の総摂取カロリー比率において、脂肪は減り始めて、糖質は増え始めています。
この傾向は2008年の最新統計まで、続いています。
そして、糖尿病は順調?に増え続けています。
しかしよくみると
1997年から2002年の5年間で、50万人の増加で少しなのに対して、
2002年から2007年の5年間は、150万人増加で加速しています。
下記は厚生労働省の調査データで、1997→2002年の5年間の差を比較したものですが、確かにあまり増えていません。
日本全体男性糖尿病有病率 1997 2002
40才代 5.4 4.4%
50才代 14.2 14.0%
60才代 17.5 17.9%
70才代 11.3 21.3%
日本全体女性糖尿病有病率 1997 2002
40才代 5.3 3.6%
50才代 7.1 4.6%
60才代 10.6 11.5%
70才代 15.5 11.6%
久山町研究においては、1988年と2002年に40~79才の年齢層の80%近い住民を対象とした、75g経口血糖負荷試験を用いた糖尿病の有病率調査を実施しています。
この時、1988年からは、糖尿病対策として、食事指導と運動療法を開始しています。
しかしこの14年間の努力にも関わらず、糖尿病の確定診断がついた人が
1988年 2002年
男性: 15.0% → 23.6%
女性: 9.9% → 13.4%
と大幅に増加しています。
2002年(H14年)の久山町検診で、糖尿病と予備軍激増のデータがでたあと、 2007年7月27日(金)の毎日新聞朝刊では、インタビューに答えて清原先生は、
「88年以後、運動や食事指導など手を尽くしたのに糖尿病は増える一方。 どうすれば減るのか、最初からやり直したい」
とのコメントを述べておられます。
指導された食事療法は勿論、日本糖尿病学会推奨のカロリー制限食(高糖質食)です。
1988年から実施された厚生労働省の調査では、当時の日本各地の糖尿病有病率は、久山町の男性15.0%、女性9.9%と大差なかったということです。
しかし、2002年の厚生労働省の調査では、日本全体の40代以上の糖尿病有病率は、久山町の40代以上の有病率、男性23.6%、女性13.4%に比べると、上述のデータのように、大幅に少ないのです。
「88年以後、運動や食事指導など手を尽くした」 久山町の40才以上の住民において、何も指導していない日本全体の40才以上の住民と比較して、糖尿病有病率がかえって大幅に増加したという、パラドックスが生じています。
まとめると、1988年の出発地点では、40才以上の日本全体の糖尿病有病率と久山町の有病率と同じだったのが、14年後の2002年には、食事指導を受けた久山町の方が、大幅に増加してしまったのです。
久山町の40才以上において、糖尿病と予備軍を併せたら
男性、1988年は42.2%→2002年は59.9%
女性、1988年は33.6%→2002年は41.3%
というとんでもない数字となっています。
【大学の研究者と町民が一丸となって、定期検診と疾病の予防と早期発見と治療に取り組んだ結果、糖尿人が激増したというのは、悲劇としかいいようがありません。】
まさに、よしさんの仰有る通りです。
私はこれを「久山町の悲劇」と呼んでいます。
50周年記念講演会で、清原先生はどのように総括されるのでしょうか?
江部康二
2011年09月23日 (金)
おはようございます。
kongoh さんから、「JAF Mate 」の記事の、一箇所の間違いについて、コメントいただきました。
【11/09/22 kongoh
先生、初めまして、JAF Mateを見ましたが、1つだけ気になるイラストが・・・。
糖質の多い食品の例の中の果物類のイラストの中で、
アボガドらしきものが、あります。
コレはNGだと思いますが?】
kongoh さん。
ご指摘、ありがとうございます。助かります。m(_ _)mV
事前に、現行はチェックしていたのですが、見逃していました。
すいません。
kongoh さんのご指摘通り
「JAF Mate 2011年11月号」の23ページの記事
「未病に効くワザ」 糖を控えて肥満・糖尿病を改善。「糖質制限食」
のイラスト上段の糖質が多い食品の果物の例にアボカドが書いてあります。
しかしアボカドは100g中の糖質は0.9gで、1個(160g)食べても糖質1.4gと大変少なく、糖質制限食OK食品ですのでこれは間違いです。
アボカドは果物の中で、唯一の安心して充分量を食べることができる糖質制限食推奨食品です。
江部康二
kongoh さんから、「JAF Mate 」の記事の、一箇所の間違いについて、コメントいただきました。
【11/09/22 kongoh
先生、初めまして、JAF Mateを見ましたが、1つだけ気になるイラストが・・・。
糖質の多い食品の例の中の果物類のイラストの中で、
アボガドらしきものが、あります。
コレはNGだと思いますが?】
kongoh さん。
ご指摘、ありがとうございます。助かります。m(_ _)mV
事前に、現行はチェックしていたのですが、見逃していました。
すいません。
kongoh さんのご指摘通り
「JAF Mate 2011年11月号」の23ページの記事
「未病に効くワザ」 糖を控えて肥満・糖尿病を改善。「糖質制限食」
のイラスト上段の糖質が多い食品の果物の例にアボカドが書いてあります。
しかしアボカドは100g中の糖質は0.9gで、1個(160g)食べても糖質1.4gと大変少なく、糖質制限食OK食品ですのでこれは間違いです。
アボカドは果物の中で、唯一の安心して充分量を食べることができる糖質制限食推奨食品です。
江部康二
2011年09月22日 (木)
おはようございます。
「ご飯やパンなどの主食は制限するが、肉も魚も卵も、種類によってはお酒もOK。それでも減量や血糖値コントロールができてしまう糖質制限食について、江部康二さんに聞いた」
JAF Mate 2011年10月号の23ページ「未病に効くワザ」に、糖質制限食のインタビュー形式の記事が掲載されました。
糖を控えて肥満・糖尿病を改善。「糖質制限食」
という表題で、1ページなのですが、よくまとまったわかりやすい記事となっています。
私も運転免許を取得して以来JAFに加盟しています。
エンストやパンクやロックなどでJAFにはお世話になりました。
「JAF Mate」 はもしかしたら、発行部数に関しては日本最多級の雑誌なので、糖質制限食の普及にはおおいに役にたつと期待しています。(^^)
皆さんもお手元の「JAF Mate」を是非ご一読下さいね。
江部康二
「ご飯やパンなどの主食は制限するが、肉も魚も卵も、種類によってはお酒もOK。それでも減量や血糖値コントロールができてしまう糖質制限食について、江部康二さんに聞いた」
JAF Mate 2011年10月号の23ページ「未病に効くワザ」に、糖質制限食のインタビュー形式の記事が掲載されました。
糖を控えて肥満・糖尿病を改善。「糖質制限食」
という表題で、1ページなのですが、よくまとまったわかりやすい記事となっています。
私も運転免許を取得して以来JAFに加盟しています。
エンストやパンクやロックなどでJAFにはお世話になりました。
「JAF Mate」 はもしかしたら、発行部数に関しては日本最多級の雑誌なので、糖質制限食の普及にはおおいに役にたつと期待しています。(^^)
皆さんもお手元の「JAF Mate」を是非ご一読下さいね。
江部康二
2011年09月21日 (水)
こんにちは。
私の尊敬する糖尿病専門医のお一人、北里研究所病院・糖尿病センター長の山田悟氏が、以前
「ミシュランガイド掲載店舗への糖尿病の方向けメニューの有無を問うアンケート調査」
を実施されました。
アンケート調査に協力した店舗の中にかの「ボタニカ」も入っており、その縁で私と山田先生が知り合いになれたという経緯もあります。
さてそれらの協力店舗で、「ボタニカ」以外にもすでに糖質制限食メニューを開発されたお店があります。
今回は銀座のフランス料理店「ラトウール」が、産経新聞に取り上げられたので紹介したいと思います。
他にも、
東京・四谷のオテル・ドゥ・ミクニ(フレンチ)、
尾山台のオーボンヴュータン(スイーツ)、銀座とよだ(和食)など、
都内7店以上で低糖質メニューが完成して、
事前の予約相談に応じて提供しているそうです。
さすが東京、展開が速いです。
山田先生も、記事のなかで紹介されていて、
『来春には、低糖質食を扱うレストランやパティスリーなど約60軒を山田医師がガイドする、
「食べてやせる 奇跡の美食レストラン」(仮称)を出版』
とのことです。
山田先生、実はグルメなのですね。(^^)
また東京でガイドしていただけば嬉しいです。m(_ _)mV
江部康二
以下、産経新聞ニュースの転載です。
☆☆☆
産経新聞ニュース
http://www.sankei.jp.msn.com/region/news/110919/tky11091908000000-n1.htm
「低糖質料理」健康とグルメ両立
2011.9.19 08:00
銀座ラトゥールの低糖質メニュー=8日午後、東京都中央区銀座(中鉢久美子撮影)
予備軍を含めると、国内に2210万人と推計される糖尿病患者(平成19年国民健康・栄養調査)。厳しい食事療法下の食事は“禁欲的な粗食”というイメージだが、対極にある高級店が専門医とタッグを組んで、見た目も味わいもリッチな低糖質メニューを続々登場させている。太りにくい工夫がダイエット志向の女性の関心も引きつけ、「健康とグルメの両立」という、欲張り需要を掘り起こしそうだ。(重松明子)
東京・銀座、交詢ビルにあるフレンチ「銀座ラトゥール」では、フルコースでも糖質はご飯茶碗半分弱という25グラム以下のうえ、1千キロカロリー以下に抑えた「低糖質コース」が評判だ。
「ジャガイモのピューレなんか使ったら前菜で終わりです」と清水忠明総料理長(54)。食材リストを見せてもらうと、イモ類やニンジンといった根菜類、カボチャ、コーンなどなじみの農産物が使えない。「糖分の高い野菜は意外に多い。彩りのよい食材が使えず、見栄えに苦心します」
使える調味料も塩と酢ぐらい。酒は日本酒や紹興酒は不可だが、ワインと蒸留酒全般が可だ。米や小麦など炭水化物が厳禁の一方、肉や魚介類に加え油脂も糖質がほとんど含まれないため制限がない。乳製品もOKだ。「和食や中華に比べれば、フレンチは低糖質料理に向いていますよ」
1万2千円(サービス料10%別)の低糖質コースは、前菜からデザートまで6皿。マグロの赤ワインマリネ、ウニのフラン、カリフラワーのブラマンジェ…。素材の風味が濃厚だ。小麦粉の代用の大豆粉のパンともなじむ。メーンは仔牛肉とフォワグラのコッテリしたうまみを、バルサミコ酢が重厚に引き立てる圧巻の味わい。
そして、デザートの野菜のコンポートが、ご法度の果肉のよう。甘みは人工甘味料(エリスリトール)で補い、果物の皮を香り付けに使うなど、限られた素材が織りなす多彩な味の表現に満足。これが患者向け?と驚いた。
「中年以上の男性は健康問題を抱えている人が多い。私自身も低糖質食を2週間徹底したら体重が8キロ落ち、血糖値なども下がりました」と清水総料理長。今年3月に低糖質コースを商品化。平日は接待、休日は家族の会食を中心に、月10~20組の利用がある。
「家族と同じ料理を食べるなんて、何年ぶりか」と感激するお父さんの姿に、「料理人として社会貢献できる、新たなやりがいを覚えます」。さらに気軽に親しんでもらおうと10月29、30日には低糖質料理イベントを開催。正月用のおせち料理も商品化した。
きっかけは、北里研究所病院・糖尿病センター長の山田悟医師(41)が、国内のミシュランガイド掲載店に送った「糖尿病患者向けの料理を用意できますか」というアンケートだった。
「患者と社会のニーズを伝え、商品化してもらえればと考えた。健康とグルメを両立する糖質制限食を、最高の食文化を持つ店から発信していただき、さらなる普及を願っています」と山田医師。
賛同して理論を学んだ、東京・四谷のオテル・ドゥ・ミクニ(フレンチ)、尾山台のオーボンヴュータン(スイーツ)、銀座とよだ(和食)など、都内7店以上で低糖質メニューが完成。事前の予約相談に応じて提供している。
来春には、低糖質食を扱うレストランやパティスリーなど約60軒を山田医師がガイドする、「食べてやせる 奇跡の美食レストラン」(仮称)を出版。「患者のQOL(生活の質)向上に役立つだけでなく、『おいしいものを食べたい。だけど、やせたい』といったグルメな女性のニーズに応える内容です」と発行元の幻冬舎。
これからは「病気になっても、おいしいものが食べられる」時代!?
ま、予防第一ですが…。
私の尊敬する糖尿病専門医のお一人、北里研究所病院・糖尿病センター長の山田悟氏が、以前
「ミシュランガイド掲載店舗への糖尿病の方向けメニューの有無を問うアンケート調査」
を実施されました。
アンケート調査に協力した店舗の中にかの「ボタニカ」も入っており、その縁で私と山田先生が知り合いになれたという経緯もあります。
さてそれらの協力店舗で、「ボタニカ」以外にもすでに糖質制限食メニューを開発されたお店があります。
今回は銀座のフランス料理店「ラトウール」が、産経新聞に取り上げられたので紹介したいと思います。
他にも、
東京・四谷のオテル・ドゥ・ミクニ(フレンチ)、
尾山台のオーボンヴュータン(スイーツ)、銀座とよだ(和食)など、
都内7店以上で低糖質メニューが完成して、
事前の予約相談に応じて提供しているそうです。
さすが東京、展開が速いです。
山田先生も、記事のなかで紹介されていて、
『来春には、低糖質食を扱うレストランやパティスリーなど約60軒を山田医師がガイドする、
「食べてやせる 奇跡の美食レストラン」(仮称)を出版』
とのことです。
山田先生、実はグルメなのですね。(^^)
また東京でガイドしていただけば嬉しいです。m(_ _)mV
江部康二
以下、産経新聞ニュースの転載です。
☆☆☆
産経新聞ニュース
http://www.sankei.jp.msn.com/region/news/110919/tky11091908000000-n1.htm
「低糖質料理」健康とグルメ両立
2011.9.19 08:00
銀座ラトゥールの低糖質メニュー=8日午後、東京都中央区銀座(中鉢久美子撮影)
予備軍を含めると、国内に2210万人と推計される糖尿病患者(平成19年国民健康・栄養調査)。厳しい食事療法下の食事は“禁欲的な粗食”というイメージだが、対極にある高級店が専門医とタッグを組んで、見た目も味わいもリッチな低糖質メニューを続々登場させている。太りにくい工夫がダイエット志向の女性の関心も引きつけ、「健康とグルメの両立」という、欲張り需要を掘り起こしそうだ。(重松明子)
東京・銀座、交詢ビルにあるフレンチ「銀座ラトゥール」では、フルコースでも糖質はご飯茶碗半分弱という25グラム以下のうえ、1千キロカロリー以下に抑えた「低糖質コース」が評判だ。
「ジャガイモのピューレなんか使ったら前菜で終わりです」と清水忠明総料理長(54)。食材リストを見せてもらうと、イモ類やニンジンといった根菜類、カボチャ、コーンなどなじみの農産物が使えない。「糖分の高い野菜は意外に多い。彩りのよい食材が使えず、見栄えに苦心します」
使える調味料も塩と酢ぐらい。酒は日本酒や紹興酒は不可だが、ワインと蒸留酒全般が可だ。米や小麦など炭水化物が厳禁の一方、肉や魚介類に加え油脂も糖質がほとんど含まれないため制限がない。乳製品もOKだ。「和食や中華に比べれば、フレンチは低糖質料理に向いていますよ」
1万2千円(サービス料10%別)の低糖質コースは、前菜からデザートまで6皿。マグロの赤ワインマリネ、ウニのフラン、カリフラワーのブラマンジェ…。素材の風味が濃厚だ。小麦粉の代用の大豆粉のパンともなじむ。メーンは仔牛肉とフォワグラのコッテリしたうまみを、バルサミコ酢が重厚に引き立てる圧巻の味わい。
そして、デザートの野菜のコンポートが、ご法度の果肉のよう。甘みは人工甘味料(エリスリトール)で補い、果物の皮を香り付けに使うなど、限られた素材が織りなす多彩な味の表現に満足。これが患者向け?と驚いた。
「中年以上の男性は健康問題を抱えている人が多い。私自身も低糖質食を2週間徹底したら体重が8キロ落ち、血糖値なども下がりました」と清水総料理長。今年3月に低糖質コースを商品化。平日は接待、休日は家族の会食を中心に、月10~20組の利用がある。
「家族と同じ料理を食べるなんて、何年ぶりか」と感激するお父さんの姿に、「料理人として社会貢献できる、新たなやりがいを覚えます」。さらに気軽に親しんでもらおうと10月29、30日には低糖質料理イベントを開催。正月用のおせち料理も商品化した。
きっかけは、北里研究所病院・糖尿病センター長の山田悟医師(41)が、国内のミシュランガイド掲載店に送った「糖尿病患者向けの料理を用意できますか」というアンケートだった。
「患者と社会のニーズを伝え、商品化してもらえればと考えた。健康とグルメを両立する糖質制限食を、最高の食文化を持つ店から発信していただき、さらなる普及を願っています」と山田医師。
賛同して理論を学んだ、東京・四谷のオテル・ドゥ・ミクニ(フレンチ)、尾山台のオーボンヴュータン(スイーツ)、銀座とよだ(和食)など、都内7店以上で低糖質メニューが完成。事前の予約相談に応じて提供している。
来春には、低糖質食を扱うレストランやパティスリーなど約60軒を山田医師がガイドする、「食べてやせる 奇跡の美食レストラン」(仮称)を出版。「患者のQOL(生活の質)向上に役立つだけでなく、『おいしいものを食べたい。だけど、やせたい』といったグルメな女性のニーズに応える内容です」と発行元の幻冬舎。
これからは「病気になっても、おいしいものが食べられる」時代!?
ま、予防第一ですが…。
2011年09月21日 (水)
おはようございます。
3日間、雨が降る続いている京都です。名古屋や紀伊半島は大雨で心配です。
ノロノロ大型台風、嫌な奴です。
さて、あんりさんから、長芋について、コメント・質問をいただきました。
【11/09/21 あんり
生の長芋は食べてもいいですか?
おはようございます。
5月から夫と糖質制限食をはじめました
夫 HbA1c 8.8→6.2 体重5kg減
私はHbA1c正常範囲内で、体重9kg減
おかげさまで快調です。
いまの悩みはもともと少ない料理のレパートリーが食材を厳選するため、激減したこと.
そこで、質問です。
初期の著書には『長芋は生なら食べても良い』とありましたが、最近は『長芋は食べないほうが良い』としかおっしゃっておられないような…?
長芋をすりおろして酢の物にして食べてもいいのでしょうか?
お忙しいでしょうか、ぜひご回答をお願いします。】
あんりさん。
拙著のご購入ありがとうございます。
ご指摘通り、初期の本には『長芋は生なら食べても良い』と書いており、当時はそのように、認識していました。
生の長芋に含まれるネバネバ成分のムチンの働きで、消化・吸収がゆっくりとなるので食後の急激な高血糖があるていど防げます。加熱したら、ムチンが失活するので、普通に血糖値が上昇します。
ただ、生の長芋でも、吸収される糖質の総量は一緒です。
生ならゆっくり消化・吸収され、加熱してあると通常の糖質のように数分から2時間以内に、一気に吸収されると言う差があります。
従いまして、少量の生の長芋は、許容範囲と思いますが、生でも大量はやめた方がいいですね。
江部康二
3日間、雨が降る続いている京都です。名古屋や紀伊半島は大雨で心配です。
ノロノロ大型台風、嫌な奴です。
さて、あんりさんから、長芋について、コメント・質問をいただきました。
【11/09/21 あんり
生の長芋は食べてもいいですか?
おはようございます。
5月から夫と糖質制限食をはじめました
夫 HbA1c 8.8→6.2 体重5kg減
私はHbA1c正常範囲内で、体重9kg減
おかげさまで快調です。
いまの悩みはもともと少ない料理のレパートリーが食材を厳選するため、激減したこと.
そこで、質問です。
初期の著書には『長芋は生なら食べても良い』とありましたが、最近は『長芋は食べないほうが良い』としかおっしゃっておられないような…?
長芋をすりおろして酢の物にして食べてもいいのでしょうか?
お忙しいでしょうか、ぜひご回答をお願いします。】
あんりさん。
拙著のご購入ありがとうございます。
ご指摘通り、初期の本には『長芋は生なら食べても良い』と書いており、当時はそのように、認識していました。
生の長芋に含まれるネバネバ成分のムチンの働きで、消化・吸収がゆっくりとなるので食後の急激な高血糖があるていど防げます。加熱したら、ムチンが失活するので、普通に血糖値が上昇します。
ただ、生の長芋でも、吸収される糖質の総量は一緒です。
生ならゆっくり消化・吸収され、加熱してあると通常の糖質のように数分から2時間以内に、一気に吸収されると言う差があります。
従いまして、少量の生の長芋は、許容範囲と思いますが、生でも大量はやめた方がいいですね。
江部康二
2011年09月20日 (火)
こんにちは。
昨夜からずっと雨が降り続いている京都です。
速度がゆっくりタイプの台風は困りものです。
さてこきちさんから、スーパー糖質制限食にて、HbA1c、血糖値改善、体重減少という嬉しいコメントをいただきました。
しかし、何故か疲労感や手足のしびれがあるそうです。
検討してみましょう。
【11/09/20 こきち
糖質制限実践二ヶ月
江部先生、はじめまして。いつも楽しみにブログを拝読しております。44歳女です。
子宮腺筋症のため6月末に婦人科受診した所、空腹時血糖136、HbA1c5.8を指摘され、スーパー糖質制限食を開始致しました。
その後、8月にブドウ糖負荷試験を行い正式に2型糖尿病と診断されました(なぜかインスリン抵抗性は正常範囲でした)が、その頃にはHbA1cは4.7に下降、高かった中性脂肪とLDLも正常範囲になっていました。
ちなみに166cm 83kgとかなりの過体重でしたが、現在67kgまで減量することができました。
今月26日に子宮腺筋症の手術を控えているので、体重を減らせて嬉しいです。
所で、いくつか気になることがあるのですが質問させて頂いてよろしいでしょうか?
糖質制限を始めてから手足が痺れやすくなりました。
ちなみに、ネイチャーメイドマルチビタミン・ミネラルとロート防風通聖散錠を服用中、水はつとめて飲んでいます(2リットル/日以上)
また、減量して身体は動くのですが、何故か疲労感があります。
自分は倹約遺伝子型かも知れないと心配で、最大1000キロカロリー/日に抑え、食後血糖値が100を超えないよう(超えるとあーあ…と思ってしまいます)に糖質量は10g/一食を超えないようにしていますが、最近朝昼を抜いてしまうことも多くなっています。
あとひとつは、9月16日の検尿で微量アルブミンが出たことです。
検査票には10と書いてありましたが、妙に気になって頭から離れません。
いきなりながながと不躾な質問の数々お許し下さい。
お手すきのお時間がありましたら、
何卒御回答下さいますよう宜しくお願い申しあげます。
御多忙と存じますが御自愛下さいませ。】
こきちさん。
166cm、
体重 83kg→スーパー糖質制限食2ヶ月後、67kg
HbA1c 5.8→スーパー糖質制限食2ヶ月後、4.7%
中性脂肪とLDL-Cも正常化
素晴らしい改善ですね。
良かったです。
「糖質制限を始めてから手足が痺れやすくなりました。」
「減量して身体は動くのですが、何故か疲労感があります。」
最大1000キロカロリー/日の摂取エネルギーとのことですが、これはさすがに低カロリー過ぎると思います。
身長166cmの女性で、軽労働なら1600~1800キロカロリー/日くらいが普通の必要エネルギーです。
痺れや疲労感は、エネルギー不足に起因している可能性が高いです。
糖質以外の脂質・タンパク質はしっかり摂取してエネルギー不足を補いましょう。
それで、痺れや疲労感は改善すると思います。
166cm、67kgならBMIは24.3で、すでに標準体重です。
ここから先は、個人差がありますが、BMI20~25未満の間でその人の一番いい体重で落ち着きます。
体重が減り続けるわけではありません。
「9月16日の検尿で微量アルブミン、検査票には10」
尿中アルブミン値の陽性は、「30~299mg/g・クレアチニン」です。
30未満は正常ですので、10は大丈夫です。
尿中アルブミン300mg/g・クレアチニン以上になると、普通の蛋白尿陽性となり、糖尿病腎症第3期となります。尿中アルブミン陽性の段階で、蛋白尿なしは糖尿病腎症第2期(早期腎症期)です。
江部康二
昨夜からずっと雨が降り続いている京都です。
速度がゆっくりタイプの台風は困りものです。
さてこきちさんから、スーパー糖質制限食にて、HbA1c、血糖値改善、体重減少という嬉しいコメントをいただきました。
しかし、何故か疲労感や手足のしびれがあるそうです。
検討してみましょう。
【11/09/20 こきち
糖質制限実践二ヶ月
江部先生、はじめまして。いつも楽しみにブログを拝読しております。44歳女です。
子宮腺筋症のため6月末に婦人科受診した所、空腹時血糖136、HbA1c5.8を指摘され、スーパー糖質制限食を開始致しました。
その後、8月にブドウ糖負荷試験を行い正式に2型糖尿病と診断されました(なぜかインスリン抵抗性は正常範囲でした)が、その頃にはHbA1cは4.7に下降、高かった中性脂肪とLDLも正常範囲になっていました。
ちなみに166cm 83kgとかなりの過体重でしたが、現在67kgまで減量することができました。
今月26日に子宮腺筋症の手術を控えているので、体重を減らせて嬉しいです。
所で、いくつか気になることがあるのですが質問させて頂いてよろしいでしょうか?
糖質制限を始めてから手足が痺れやすくなりました。
ちなみに、ネイチャーメイドマルチビタミン・ミネラルとロート防風通聖散錠を服用中、水はつとめて飲んでいます(2リットル/日以上)
また、減量して身体は動くのですが、何故か疲労感があります。
自分は倹約遺伝子型かも知れないと心配で、最大1000キロカロリー/日に抑え、食後血糖値が100を超えないよう(超えるとあーあ…と思ってしまいます)に糖質量は10g/一食を超えないようにしていますが、最近朝昼を抜いてしまうことも多くなっています。
あとひとつは、9月16日の検尿で微量アルブミンが出たことです。
検査票には10と書いてありましたが、妙に気になって頭から離れません。
いきなりながながと不躾な質問の数々お許し下さい。
お手すきのお時間がありましたら、
何卒御回答下さいますよう宜しくお願い申しあげます。
御多忙と存じますが御自愛下さいませ。】
こきちさん。
166cm、
体重 83kg→スーパー糖質制限食2ヶ月後、67kg
HbA1c 5.8→スーパー糖質制限食2ヶ月後、4.7%
中性脂肪とLDL-Cも正常化
素晴らしい改善ですね。
良かったです。
「糖質制限を始めてから手足が痺れやすくなりました。」
「減量して身体は動くのですが、何故か疲労感があります。」
最大1000キロカロリー/日の摂取エネルギーとのことですが、これはさすがに低カロリー過ぎると思います。
身長166cmの女性で、軽労働なら1600~1800キロカロリー/日くらいが普通の必要エネルギーです。
痺れや疲労感は、エネルギー不足に起因している可能性が高いです。
糖質以外の脂質・タンパク質はしっかり摂取してエネルギー不足を補いましょう。
それで、痺れや疲労感は改善すると思います。
166cm、67kgならBMIは24.3で、すでに標準体重です。
ここから先は、個人差がありますが、BMI20~25未満の間でその人の一番いい体重で落ち着きます。
体重が減り続けるわけではありません。
「9月16日の検尿で微量アルブミン、検査票には10」
尿中アルブミン値の陽性は、「30~299mg/g・クレアチニン」です。
30未満は正常ですので、10は大丈夫です。
尿中アルブミン300mg/g・クレアチニン以上になると、普通の蛋白尿陽性となり、糖尿病腎症第3期となります。尿中アルブミン陽性の段階で、蛋白尿なしは糖尿病腎症第2期(早期腎症期)です。
江部康二
2011年09月20日 (火)
おはようございます。
摂津のエクレアさんから、NHKの「ためしてガッテン」で
「腎臓を傷める原因として、高血圧・脂肪分の多い食事」
と紹介していたとのコメントをいただきました。
検証してみましょう。
【摂津のエクレア
腎臓を傷める原因
江部先生こんばんは。
先日NHKの「ためしてガッテン」と言うテレビ番組で、腎臓疾患の事を取り上げていました。
その中で、糸球体の血管が詰まり濾過能力が低下して、人工透析になると言う説明がなされてました。
腎臓を傷める原因として、高血圧・脂肪分の多い食事と紹介されてました。
でも実際は高血糖も腎臓を傷める大きな原因だと思うのですが。
実際に紹介された患者さんは、A1cが8%近くある高血糖の方ばかりでした。】
摂津のエクレア さん。
高血圧はともかく、脂肪分の多い食事で腎臓を傷めるという文献や根拠は、NHKの「ためしてガッテン」で示したのでしょうか?
私の知る限りでは、そのようなエビデンスはないと思います。
一方、高脂質・高蛋白食のイヌイットに腎不全が多いという報告はありませんので、高脂質食の腎臓への安全性の一つの根拠と思います。
また、Ketogenic Diet(ケトン食)が、2010年版COCHRANE LIBRARLY(コクラン ライブラリー)と、
2011年版NICE(英国政府ガイドライン)の、難治性小児てんかん治療に採用されたことも、安全性の評価として信頼できる情報です。
ケトン食は、脂質摂取比率が75~80%という、スーパー糖質制限食をはるかに上回る高脂質食です。
さて、2010年末の統計で人工透析導入の原疾患は
糖尿病腎症:16271人(43.5%) 平均年齢66.09才
慢性糸球体腎炎:7946人(21.2%) 平均年齢67.46才
腎硬化症:4355人(11.6%) 平均年齢74.61才
悪性高血圧:328人(0.9%) 平均年齢63.70才
で、圧倒的に糖尿病が多いですね。
このデータをみるとやはり、摂津のエクレアさんのご指摘通り、「高血糖」が腎臓を障害する最大のリスクということは、明白です。
糖尿病腎症は、通常糖尿病発症5~10年で、患者さんの約20%が第3期腎症(顕性腎症)に陥るとされています。
もっともこれらは血糖コントロールが悪いから、合併症を発症するわけです。
1) 空腹時血糖値126mg/dl未満→110mg/dl未満
2) 食後2時間血糖値180mg/dlmg/dl未満→140mg/dl未満
3) HbA1c6.5%未満→5.8%未満
上記①②③を達成していれば、合併症は予防できるし進行を阻止できるとされています。
高血圧ですが、糖尿病と合併している場合が結構多いです。
この場合は、血糖コントロールと共に、血圧のコントロールも腎障害の予防に大切です。
結論です。
A)高血糖とそれに伴う高血圧は腎障害のリスクとなる。
B)高脂質食が腎障害のリスクとなるという根拠はない。
C)イヌイットの事例やケトン食のことを考慮すれば、高脂質食は安全と考えられる。
NHKの「ためしてガッテン」またまた、いまいちでしたね。( ̄_ ̄|||)
江部康二
摂津のエクレアさんから、NHKの「ためしてガッテン」で
「腎臓を傷める原因として、高血圧・脂肪分の多い食事」
と紹介していたとのコメントをいただきました。
検証してみましょう。
【摂津のエクレア
腎臓を傷める原因
江部先生こんばんは。
先日NHKの「ためしてガッテン」と言うテレビ番組で、腎臓疾患の事を取り上げていました。
その中で、糸球体の血管が詰まり濾過能力が低下して、人工透析になると言う説明がなされてました。
腎臓を傷める原因として、高血圧・脂肪分の多い食事と紹介されてました。
でも実際は高血糖も腎臓を傷める大きな原因だと思うのですが。
実際に紹介された患者さんは、A1cが8%近くある高血糖の方ばかりでした。】
摂津のエクレア さん。
高血圧はともかく、脂肪分の多い食事で腎臓を傷めるという文献や根拠は、NHKの「ためしてガッテン」で示したのでしょうか?
私の知る限りでは、そのようなエビデンスはないと思います。
一方、高脂質・高蛋白食のイヌイットに腎不全が多いという報告はありませんので、高脂質食の腎臓への安全性の一つの根拠と思います。
また、Ketogenic Diet(ケトン食)が、2010年版COCHRANE LIBRARLY(コクラン ライブラリー)と、
2011年版NICE(英国政府ガイドライン)の、難治性小児てんかん治療に採用されたことも、安全性の評価として信頼できる情報です。
ケトン食は、脂質摂取比率が75~80%という、スーパー糖質制限食をはるかに上回る高脂質食です。
さて、2010年末の統計で人工透析導入の原疾患は
糖尿病腎症:16271人(43.5%) 平均年齢66.09才
慢性糸球体腎炎:7946人(21.2%) 平均年齢67.46才
腎硬化症:4355人(11.6%) 平均年齢74.61才
悪性高血圧:328人(0.9%) 平均年齢63.70才
で、圧倒的に糖尿病が多いですね。
このデータをみるとやはり、摂津のエクレアさんのご指摘通り、「高血糖」が腎臓を障害する最大のリスクということは、明白です。
糖尿病腎症は、通常糖尿病発症5~10年で、患者さんの約20%が第3期腎症(顕性腎症)に陥るとされています。
もっともこれらは血糖コントロールが悪いから、合併症を発症するわけです。
1) 空腹時血糖値126mg/dl未満→110mg/dl未満
2) 食後2時間血糖値180mg/dlmg/dl未満→140mg/dl未満
3) HbA1c6.5%未満→5.8%未満
上記①②③を達成していれば、合併症は予防できるし進行を阻止できるとされています。
高血圧ですが、糖尿病と合併している場合が結構多いです。
この場合は、血糖コントロールと共に、血圧のコントロールも腎障害の予防に大切です。
結論です。
A)高血糖とそれに伴う高血圧は腎障害のリスクとなる。
B)高脂質食が腎障害のリスクとなるという根拠はない。
C)イヌイットの事例やケトン食のことを考慮すれば、高脂質食は安全と考えられる。
NHKの「ためしてガッテン」またまた、いまいちでしたね。( ̄_ ̄|||)
江部康二
2011年09月19日 (月)
こんにちは。
9月18日(日)、19日(月)と高雄病院で、第26回京都漢学術シンポジウムが開催されました。
北海道から九州まで、日本全国から漢方医、薬剤師の方々が約70名参加されて、活発な討論がなされました。
タイミングよく、なごなごさんから、漢方と高雄病院京都駅前診療所に関するコメントをいただきました。
【11/09/18 なごなご
ありがとう漢方☆
江部先生、初めまして。
駅前診療所に通院しており、受付で「痩せる食べ方」を購入してから糖質制限を続けています。
糖尿ではありませんが、減量・その後の体重を維持するためです。
今は、夜だけお米、芋類を避けるだけですが、ストレスなく維持できています♪
高雄病院に通院して、初めて漢方薬を飲むようになったのですが、 通院のきっかけになった皮膚疾患も治り、他にも雨が降る前日に起こる頭痛がなくなったり、生理前~生理中の精神的、肉体的な辛さが軽減されたり、良い意味で体調に異変が起きています。
先月の診察の際は、「オウギ末」というものが追加されていましたが、何となく体が楽になったというか、疲れにくい印象があります。
最初は、診察で舌や脈を診られたり、たまに「例えば、ものを注文する時は迷うほう?」って、普通の病院では質問されないことを聞かれたりビックリしましたが(笑)、今は漢方治療の恩恵を受けていることに感謝しています。
漢方・・・とても、不思議で奥の深い世界ですね。
また機会がありましたら、漢方のお話もして頂けたら嬉しいです。
残暑厳しい折柄、どうぞご自愛下さいませ。】
なごなごさん。
拙著のご購入、ありがとうございます。
漢方薬でいろんな症状が改善され良かったです。 (^_^)
【最初は、診察で舌や脈を診られたり、たまに「例えば、ものを注文する時は迷うほう?」って、普通の病院では質問されないことを聞かれたりビックリしましたが(笑)、今は漢方治療の恩恵を受けていることに感謝しています。】
確かに私達漢方医は舌や脈をみたり、冷えとかのことを聞いたりとか、普通の西洋医とは、ひと味違う診察方法を実践しています。それらの情報を基に、テーラーメードの処方をだします。
高雄病院には、西洋医学単独では治りにくい様々な現代病の漢方治療を求めて、京都市内はもちろん、全国からたくさんの患者さんがやってこられます。
たとえば、厚生省が難病に指定しているMCTD・潰瘍性大腸炎などをはじめとして、ネフローゼ症候群、気管支喘息、慢性関節リウマチ、過敏性腸症候群、花粉症、不妊症、生理痛、冷え性、肝炎、胃炎、じんましん、アトピー性皮膚炎・・・
と臨床各科にまたがる患者さんです。
漢方は、西洋医学的に原因がわからない病気に対しても、気の流れや血の流れをスムースにすることで、五臓六腑の機能を整えて自然治癒力を高めるので、根治に結びつく可能性があります。
また漢方的な熱や湿を生薬でとってやると、関節の痛みや、皮膚炎が良くなることが多いのです。
東洋医学と西洋医学どちらか一方が優れているというよりも、例えば、西洋薬でとりあえず症状をコントロールし、漢方薬で根治をめざすというような役割分担が大切と思います。
なごなごさんが、処方された「オウギ末」は腎不全にもいいし、アトピーにもいいし、元気もつけてくれるなかなか優れものの生薬です。さらに症状が改善したらいいですね。
今回の京都漢方シンポジウムで「黄耆による腎不全の改善」という発表もありましたよ。
以下、京都漢方学術シンポジウムゆかりの医師の紹介です。
漢方治療は勿論、糖質制限食の指導もOKな方々です。
☆☆☆
諸岡透先生
諸岡内科クリニック
〒060-0808 札幌市北区北8条西4丁目1-1 パストラルビルN8 1F
011-700-1122
鳴海康方先生
康安外科医院
〒036-8336 青森県弘前市栄町1-2-6
TEL 0172-33-6262
渡辺善一郎先生
富士ニコニコクリニック
〒401-0301
山梨県南都留郡富士河口湖町船津1287
0555-72-3370
諸橋弘子先生
〒950-0912
新潟市中央区南笹口1丁目1番30号
ラサ内科皮膚科クリニック
025-247-3811
http://www.lhasaclinic.com/
長坂和彦先生
諏訪中央病院
〒391-8503 長野県茅野市玉川4300
TEL:0266-72-1000
安井広迪先生
〒510-0091 三重県四日市市北浜町7-8
安井医院
059-353-3181
宮川貴弘先生
宮川漢方クリニック
高知市南はりまや町2丁目12番21号
電話:088-882-9770
三宅和久先生
三宅漢方医院
〒810-0041
福岡市中央区大名パークビル2F
092-716-9039
山田明広先生
香椎内科診療所
〒813-0012
福岡市東区香椎駅東4-26-2
092-672-0808
☆☆☆
小池 弘人先生
小池統合医療クリニック
〒160-0004
東京都新宿区四谷2-8 新一ビル602
03-3357-0105
小池統合医療クリニックは自由診療です。
江部康二
9月18日(日)、19日(月)と高雄病院で、第26回京都漢学術シンポジウムが開催されました。
北海道から九州まで、日本全国から漢方医、薬剤師の方々が約70名参加されて、活発な討論がなされました。
タイミングよく、なごなごさんから、漢方と高雄病院京都駅前診療所に関するコメントをいただきました。
【11/09/18 なごなご
ありがとう漢方☆
江部先生、初めまして。
駅前診療所に通院しており、受付で「痩せる食べ方」を購入してから糖質制限を続けています。
糖尿ではありませんが、減量・その後の体重を維持するためです。
今は、夜だけお米、芋類を避けるだけですが、ストレスなく維持できています♪
高雄病院に通院して、初めて漢方薬を飲むようになったのですが、 通院のきっかけになった皮膚疾患も治り、他にも雨が降る前日に起こる頭痛がなくなったり、生理前~生理中の精神的、肉体的な辛さが軽減されたり、良い意味で体調に異変が起きています。
先月の診察の際は、「オウギ末」というものが追加されていましたが、何となく体が楽になったというか、疲れにくい印象があります。
最初は、診察で舌や脈を診られたり、たまに「例えば、ものを注文する時は迷うほう?」って、普通の病院では質問されないことを聞かれたりビックリしましたが(笑)、今は漢方治療の恩恵を受けていることに感謝しています。
漢方・・・とても、不思議で奥の深い世界ですね。
また機会がありましたら、漢方のお話もして頂けたら嬉しいです。
残暑厳しい折柄、どうぞご自愛下さいませ。】
なごなごさん。
拙著のご購入、ありがとうございます。
漢方薬でいろんな症状が改善され良かったです。 (^_^)
【最初は、診察で舌や脈を診られたり、たまに「例えば、ものを注文する時は迷うほう?」って、普通の病院では質問されないことを聞かれたりビックリしましたが(笑)、今は漢方治療の恩恵を受けていることに感謝しています。】
確かに私達漢方医は舌や脈をみたり、冷えとかのことを聞いたりとか、普通の西洋医とは、ひと味違う診察方法を実践しています。それらの情報を基に、テーラーメードの処方をだします。
高雄病院には、西洋医学単独では治りにくい様々な現代病の漢方治療を求めて、京都市内はもちろん、全国からたくさんの患者さんがやってこられます。
たとえば、厚生省が難病に指定しているMCTD・潰瘍性大腸炎などをはじめとして、ネフローゼ症候群、気管支喘息、慢性関節リウマチ、過敏性腸症候群、花粉症、不妊症、生理痛、冷え性、肝炎、胃炎、じんましん、アトピー性皮膚炎・・・
と臨床各科にまたがる患者さんです。
漢方は、西洋医学的に原因がわからない病気に対しても、気の流れや血の流れをスムースにすることで、五臓六腑の機能を整えて自然治癒力を高めるので、根治に結びつく可能性があります。
また漢方的な熱や湿を生薬でとってやると、関節の痛みや、皮膚炎が良くなることが多いのです。
東洋医学と西洋医学どちらか一方が優れているというよりも、例えば、西洋薬でとりあえず症状をコントロールし、漢方薬で根治をめざすというような役割分担が大切と思います。
なごなごさんが、処方された「オウギ末」は腎不全にもいいし、アトピーにもいいし、元気もつけてくれるなかなか優れものの生薬です。さらに症状が改善したらいいですね。
今回の京都漢方シンポジウムで「黄耆による腎不全の改善」という発表もありましたよ。
以下、京都漢方学術シンポジウムゆかりの医師の紹介です。
漢方治療は勿論、糖質制限食の指導もOKな方々です。
☆☆☆
諸岡透先生
諸岡内科クリニック
〒060-0808 札幌市北区北8条西4丁目1-1 パストラルビルN8 1F
011-700-1122
鳴海康方先生
康安外科医院
〒036-8336 青森県弘前市栄町1-2-6
TEL 0172-33-6262
渡辺善一郎先生
富士ニコニコクリニック
〒401-0301
山梨県南都留郡富士河口湖町船津1287
0555-72-3370
諸橋弘子先生
〒950-0912
新潟市中央区南笹口1丁目1番30号
ラサ内科皮膚科クリニック
025-247-3811
http://www.lhasaclinic.com/
長坂和彦先生
諏訪中央病院
〒391-8503 長野県茅野市玉川4300
TEL:0266-72-1000
安井広迪先生
〒510-0091 三重県四日市市北浜町7-8
安井医院
059-353-3181
宮川貴弘先生
宮川漢方クリニック
高知市南はりまや町2丁目12番21号
電話:088-882-9770
三宅和久先生
三宅漢方医院
〒810-0041
福岡市中央区大名パークビル2F
092-716-9039
山田明広先生
香椎内科診療所
〒813-0012
福岡市東区香椎駅東4-26-2
092-672-0808
☆☆☆
小池 弘人先生
小池統合医療クリニック
〒160-0004
東京都新宿区四谷2-8 新一ビル602
03-3357-0105
小池統合医療クリニックは自由診療です。
江部康二
2011年09月18日 (日)
おはようございます。
京都は昨日は大雨でしたが、今朝はとても良い天気です。
2011年9月18(日)、19(月)と高雄病院の別館ホールで、京都漢方シンポジウムが開催されます。
北海道から九州まで、日本全国から漢方医、薬剤師の方々が70名参加されます。
腎不全、SLE、アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬、慢性関節リウマチ、過敏性腸症候群、膠原病・・・
様々な病気の症例検討や討論が行われます。
基本的に漢方の会なのですが、私は2002年からは、糖質制限食のお話しを続けています。
糖質制限食の最新の基礎理論、症例、疫学などを話します。
今年は特に「高血糖、高インスリンと発ガンリスク」のエビデンス、「糖質制限食とガン予防の可能性」(理論と仮説)のお話しが目玉です。
この会のおかげで、日本全国に糖質制限食の指導可能な医師が、少しずつ広がっています。
十数年以上続いている会です。
今夜は高雄病院から徒歩5分の旅館で定番の宴会です。
若い参加者も増えていますが、往年の酒豪の皆さんは一定の年齢に達して、さすがに昔ほどの酒量は消費しなくなりました。
2002年からは、もっぱら焼酎と赤ワインが主役ですね。
私もここ数年は、二日酔いにならない程度ですんでます。
漢方に関する興味深い話題があれば、ブログで報告しますのでよろしくお願いします。
江部康二
京都は昨日は大雨でしたが、今朝はとても良い天気です。
2011年9月18(日)、19(月)と高雄病院の別館ホールで、京都漢方シンポジウムが開催されます。
北海道から九州まで、日本全国から漢方医、薬剤師の方々が70名参加されます。
腎不全、SLE、アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬、慢性関節リウマチ、過敏性腸症候群、膠原病・・・
様々な病気の症例検討や討論が行われます。
基本的に漢方の会なのですが、私は2002年からは、糖質制限食のお話しを続けています。
糖質制限食の最新の基礎理論、症例、疫学などを話します。
今年は特に「高血糖、高インスリンと発ガンリスク」のエビデンス、「糖質制限食とガン予防の可能性」(理論と仮説)のお話しが目玉です。
この会のおかげで、日本全国に糖質制限食の指導可能な医師が、少しずつ広がっています。
十数年以上続いている会です。
今夜は高雄病院から徒歩5分の旅館で定番の宴会です。
若い参加者も増えていますが、往年の酒豪の皆さんは一定の年齢に達して、さすがに昔ほどの酒量は消費しなくなりました。
2002年からは、もっぱら焼酎と赤ワインが主役ですね。
私もここ数年は、二日酔いにならない程度ですんでます。
漢方に関する興味深い話題があれば、ブログで報告しますのでよろしくお願いします。
江部康二
2011年09月17日 (土)
こんばんは。
「2008年糖尿病受療率・全国ワースト1位・香川県」
昨日の記事に、歯科衛生士さん、よよさん、三島さんから興味深いコメントをいただきました。
【■一般開業医で勤務させて頂いてます。
確かに糖尿病の方は多いです。初診の問診表では、40歳より上の方… 前期高齢以上の方はほとんどが血糖値の問題をお持ちです。
田舎なので、車社会な事もありますが、やはり糖質の摂取機会の多さは否めません。
特に、居酒屋で飲んだ後の遅い時間帯にも開いているうどん屋さんがあり、早朝まで飲んだ〆にうどん…という事もあります。
また、安価で早い、種類も様々ということもあり…ランチはほぼうどんです。しかも、どこへ行っても大抵、有ります。そして、おかずのようにサイドメニューにいなり寿司やおにぎりが…
転勤で高松に来たサラリーマンさんが太ってしまう…よく耳にします(^-^;
歯科衛生士です | 2011.09.16(金) 19:33 | URL | 】
歯科衛生士さん。
高松の貴重な情報をありがとうございます。
もともと糖尿人には、歯や歯肉に何らかの問題がある人が、健常人より多いです。
従って歯医者さんに受診した時点で、糖尿人や予備軍が多くなるのは想定範囲内ですが、ほとんどというのはすごい確率ですね。ヾ(゜▽゜)
私のバンド「ターニングポイント」のドラムスは歯科医ですが、京都では来る患者のほとんどが糖尿人や予備軍というのは、さすがに聞いたことがありません。
香川県民、讃岐うどん恐るべしですね。( ̄_ ̄|||)
「ランチはうどん+いなり寿司+おにぎり・・・」
うーむ、うどんライス、これまた恐るべし。
糖質制限食に対しては、ほとんど乱暴狼藉状態ですね。?(((゚д゚)))?
転勤のサラリーマン諸氏が太るのも宜なるかな!
【■やっぱりうどんですね
こんばんわ 糖尿病受療率1位という香川県、さぬきうどんで有名ですね。
江部先生の糖質制限が注目され普及することを切に願っています。
体を昔に比べ動かさなくなったのと、飽食時代の到来でうどんの食べ方も考えなくてはならない時が来たのでしょうか
よよ | 2011.09.16(金) 19:49 | URL | 】
よよさん。
コメントありがとうございます。
何と言っても、うどん(糖質)大量摂取と運動不足でしょうね。
【■徳島ラーメンの怪
この夏、「阿波踊り」見物に行った時の、もう一つの楽しみが「徳島ラーメン」でした。一日限りの掟破りをゆるして下さい(汗)。麺キチの私が、今は、月1しか食べていません(汗)。北海道の味噌、東京の醤油、九州のとんこつ…とも違う、瀬戸内式のとんこつ醤油のアマアマ。そして、何より、ご飯のおかずであるということ。たしかに、しっかりご飯が付いていました。そして、皆さん、一様に、ラーメン、ご飯、ラーメン…と、交互に食べていくという噂通りの食べ方をしていました。
三島 | 2011.09.16(金) 22:51 | URL | 】
三島さん。
コメントありがとうございます。
月1回のラーメン、コントロール良好のご褒美ですね。 (^^)
「瀬戸内式のとんこつ醤油のアマアマ。そして、何より、ご飯のおかずであるということ。たしかに、しっかりご飯が付いていました。そして、皆さん、一様に、ラーメン、ご飯、ラーメン…と、交互に食べていくという噂通りの食べ方をしていました。」
うーむ。
「徳島ラーメン」も、讃岐うどんに勝るとも劣らず、徳島県民やはり恐るべしですね。 エッ!?(・_・)…ン?
「ラーメン、ご飯、ラーメン…と、交互に食べていくという噂通りの食べ方」
昔々、私がまだラーメンをよく食べていたころがありますが、京都ではそんな光景はまれにしか見たことがありません。
まあ金のない学生が、「ラーメンライス」という月末の定番のようなパターンは、時折見かけましたが・・・
香川県・徳島県の県庁の方々、そして徳島市・高松市の市役所の方々、蛮勇を奮って、是非一度私、江部康二を健康講座にお招きいただき、糖質制限食のお話しなどさせていただけば、汚名返上は間違いないと思うのですが・・・ (^_^)
手弁当でかけつけますので。
江部康二
「2008年糖尿病受療率・全国ワースト1位・香川県」
昨日の記事に、歯科衛生士さん、よよさん、三島さんから興味深いコメントをいただきました。
【■一般開業医で勤務させて頂いてます。
確かに糖尿病の方は多いです。初診の問診表では、40歳より上の方… 前期高齢以上の方はほとんどが血糖値の問題をお持ちです。
田舎なので、車社会な事もありますが、やはり糖質の摂取機会の多さは否めません。
特に、居酒屋で飲んだ後の遅い時間帯にも開いているうどん屋さんがあり、早朝まで飲んだ〆にうどん…という事もあります。
また、安価で早い、種類も様々ということもあり…ランチはほぼうどんです。しかも、どこへ行っても大抵、有ります。そして、おかずのようにサイドメニューにいなり寿司やおにぎりが…
転勤で高松に来たサラリーマンさんが太ってしまう…よく耳にします(^-^;
歯科衛生士です | 2011.09.16(金) 19:33 | URL | 】
歯科衛生士さん。
高松の貴重な情報をありがとうございます。
もともと糖尿人には、歯や歯肉に何らかの問題がある人が、健常人より多いです。
従って歯医者さんに受診した時点で、糖尿人や予備軍が多くなるのは想定範囲内ですが、ほとんどというのはすごい確率ですね。ヾ(゜▽゜)
私のバンド「ターニングポイント」のドラムスは歯科医ですが、京都では来る患者のほとんどが糖尿人や予備軍というのは、さすがに聞いたことがありません。
香川県民、讃岐うどん恐るべしですね。( ̄_ ̄|||)
「ランチはうどん+いなり寿司+おにぎり・・・」
うーむ、うどんライス、これまた恐るべし。
糖質制限食に対しては、ほとんど乱暴狼藉状態ですね。?(((゚д゚)))?
転勤のサラリーマン諸氏が太るのも宜なるかな!
【■やっぱりうどんですね
こんばんわ 糖尿病受療率1位という香川県、さぬきうどんで有名ですね。
江部先生の糖質制限が注目され普及することを切に願っています。
体を昔に比べ動かさなくなったのと、飽食時代の到来でうどんの食べ方も考えなくてはならない時が来たのでしょうか
よよ | 2011.09.16(金) 19:49 | URL | 】
よよさん。
コメントありがとうございます。
何と言っても、うどん(糖質)大量摂取と運動不足でしょうね。
【■徳島ラーメンの怪
この夏、「阿波踊り」見物に行った時の、もう一つの楽しみが「徳島ラーメン」でした。一日限りの掟破りをゆるして下さい(汗)。麺キチの私が、今は、月1しか食べていません(汗)。北海道の味噌、東京の醤油、九州のとんこつ…とも違う、瀬戸内式のとんこつ醤油のアマアマ。そして、何より、ご飯のおかずであるということ。たしかに、しっかりご飯が付いていました。そして、皆さん、一様に、ラーメン、ご飯、ラーメン…と、交互に食べていくという噂通りの食べ方をしていました。
三島 | 2011.09.16(金) 22:51 | URL | 】
三島さん。
コメントありがとうございます。
月1回のラーメン、コントロール良好のご褒美ですね。 (^^)
「瀬戸内式のとんこつ醤油のアマアマ。そして、何より、ご飯のおかずであるということ。たしかに、しっかりご飯が付いていました。そして、皆さん、一様に、ラーメン、ご飯、ラーメン…と、交互に食べていくという噂通りの食べ方をしていました。」
うーむ。
「徳島ラーメン」も、讃岐うどんに勝るとも劣らず、徳島県民やはり恐るべしですね。 エッ!?(・_・)…ン?
「ラーメン、ご飯、ラーメン…と、交互に食べていくという噂通りの食べ方」
昔々、私がまだラーメンをよく食べていたころがありますが、京都ではそんな光景はまれにしか見たことがありません。
まあ金のない学生が、「ラーメンライス」という月末の定番のようなパターンは、時折見かけましたが・・・
香川県・徳島県の県庁の方々、そして徳島市・高松市の市役所の方々、蛮勇を奮って、是非一度私、江部康二を健康講座にお招きいただき、糖質制限食のお話しなどさせていただけば、汚名返上は間違いないと思うのですが・・・ (^_^)
手弁当でかけつけますので。
江部康二
2011年09月16日 (金)
こんにちは。
ちょっと前の「医療従事者向け医療情報サイト m3.com」に
「2008年糖尿病受療率・全国ワースト1位・香川県」
という衝撃的な記事が載っていました。
実は私の連れ合いは、香川県高松市出身です。
大分以前ですが、高松に行ったときに、市内のどの喫茶店に入っても、メニューに普通に「うどん」が載っていて、それなりにびっくりした記憶があります。
香川県民にはそれって普通なのでしょうが、少なくとも京都や広島にはありません。
徳島県が「糖尿病受療率・全国ワースト1位」をほとんど連続で占めていたのですが、2008年の統計で、香川県が抜いたということです。
徳島県が1位の頃から、「香川県大丈夫かいな?」とひそかに心配はしていたのです。
なんせうどんの摂取量が半端じゃないですから・・・。
それでも、さすが徳島、2位はキープしてますね。 ε-(-Д-)
ちなみに2008年糖尿病受療率
http://tounyouseisaku.net/gap/data/tounyou/prefectures/juryouritsu/tounyou/2008/all.html/graph.pdf
1位:香川県
2位:徳島県
3位:長崎県
4位:島根県
5位:青森県
6位:和歌山県
です。
なお、2008年度の糖尿病による死亡率1位は徳島県です。
受療率と死亡率の順位は違うのですね。
受療率は、厚生労働省が3年ごとに全国の都道府県で調査していて、次回は2011年10月に行われ、2012年夏に結果が公表されます。
「香川県は、全国ワースト1となった翌年の09年度から、3年間の計画で糖尿病の医療費が多かった坂出市と直島町をモデル自治体とし、医療機関に栄養士を派遣し、食事相談を受ける体制を強化している。」
栄養士さんが、栄養指導をしても、「カロリー制限食(高糖質食)」であるかぎりは、効果はあまり期待できません。
<血糖値を上昇させるのは糖質→糖尿病改善・予防にはカロリー制限より糖質制限>
という大切な知識が欠落していますから、はっきり言って目標達成は困難だなと思いました。
このままでは、香川県も、「久山町の悲劇」を繰り返す可能性が高いのです。
福岡県の久山町で実施された14年間に及ぶ疫学研究において、
「1988年から2002年まで運動療法とカロリー制限の食事療法を徹底的に指導した結果、逆に糖尿病激増」
という結果となり、私はこれを久山町の悲劇と呼んでいます。
江部康二
☆☆☆
医療従事者向け医療情報サイト m3.com
2008年、糖尿病受療率、全国ワースト1位、香川県
(香川)糖尿病患者減らせ
2011年8月26日 提供:読売新聞
08年受療率 全国ワースト1
香川県が糖尿病対策に力を入れている。厚生労働省による2008年の調査で、糖尿病治療を受けている推定患者数を人口10万人あたりで示した「受療率」が、入院、外来を合わせ、初めて全国ワースト1となったためだ。食事の不摂生や運動不足が影響するとされていることから、県は、医療機関での栄養相談や、野菜摂取量の増加、運動不足の解消につながる取り組みなど、病気の改善、予防に向けた対策に躍起になっている。(山田果生)
受療率は、厚生労働省が3年ごとに全国の都道府県で調査している。県の同率は、05年までは220-250人で推移してきていた。しかし08年は314人に急増。全国平均の168人を大きく上回り、1996年からワースト1だった徳島を抜いた。
県健康福祉総務課は、直接的な原因についてはわからないとしたうえで、うどん文化の中であまりかまない「早食い」傾向がみられることや、野菜摂取量や運動不足が影響しているのではないかと推測する。
07年の国民健康栄養調査では、1日あたりの野菜摂取量(01-05年の平均)は、20歳以上の男性が249・7グラムで全国ワースト1(全国平均は296・1グラム)、20歳以上の女性も240・7グラムでワースト2。また、運動状況がわかる1日あたりの歩数(01-05年の平均)は、20歳以上の男女とも全国平均を下回っていた。
県は、全国ワースト1となった翌年の09年度から、3年間の計画で糖尿病の医療費が多かった坂出市と直島町をモデル自治体とし、医療機関に栄養士を派遣し、食事相談を受ける体制を強化している。10年度には坂出市内の4診療所、直島町内の1診療所の計5か所に栄養士を派遣。指導を受けた人数は今年3月までで、坂出市でのべ72人、直島町でのべ33人にのぼる。
県は、今年度も新たな事業を始めている。子どもが野菜の調理体験を行う「キッズキッチン事業」もその一つ。子育て世代の野菜摂取量が少ないことから、子どもたちが野菜に触れる機会をつくり、親の摂取量増加につなげるのが狙いだ。
これまでに高松市や東かがわ市などの幼稚園や保育園の5か所で実施した。
さらに、大型小売店で成人を対象に効果的な運動の実演や、歩数計を貸しだして運動量を実感してもらう取り組みも計画している。
今年10月に糖尿病の受療率の全国調査が行われ、来年夏には結果が公表されるといい、県は「まずは何とかワースト1から脱却したい。さらに今後は、糖尿病による透析や合併症などの重症化予防にも力を入れていきたい」としている。
ちょっと前の「医療従事者向け医療情報サイト m3.com」に
「2008年糖尿病受療率・全国ワースト1位・香川県」
という衝撃的な記事が載っていました。
実は私の連れ合いは、香川県高松市出身です。
大分以前ですが、高松に行ったときに、市内のどの喫茶店に入っても、メニューに普通に「うどん」が載っていて、それなりにびっくりした記憶があります。
香川県民にはそれって普通なのでしょうが、少なくとも京都や広島にはありません。
徳島県が「糖尿病受療率・全国ワースト1位」をほとんど連続で占めていたのですが、2008年の統計で、香川県が抜いたということです。
徳島県が1位の頃から、「香川県大丈夫かいな?」とひそかに心配はしていたのです。
なんせうどんの摂取量が半端じゃないですから・・・。
それでも、さすが徳島、2位はキープしてますね。 ε-(-Д-)
ちなみに2008年糖尿病受療率
http://tounyouseisaku.net/gap/data/tounyou/prefectures/juryouritsu/tounyou/2008/all.html/graph.pdf
1位:香川県
2位:徳島県
3位:長崎県
4位:島根県
5位:青森県
6位:和歌山県
です。
なお、2008年度の糖尿病による死亡率1位は徳島県です。
受療率と死亡率の順位は違うのですね。
受療率は、厚生労働省が3年ごとに全国の都道府県で調査していて、次回は2011年10月に行われ、2012年夏に結果が公表されます。
「香川県は、全国ワースト1となった翌年の09年度から、3年間の計画で糖尿病の医療費が多かった坂出市と直島町をモデル自治体とし、医療機関に栄養士を派遣し、食事相談を受ける体制を強化している。」
栄養士さんが、栄養指導をしても、「カロリー制限食(高糖質食)」であるかぎりは、効果はあまり期待できません。
<血糖値を上昇させるのは糖質→糖尿病改善・予防にはカロリー制限より糖質制限>
という大切な知識が欠落していますから、はっきり言って目標達成は困難だなと思いました。
このままでは、香川県も、「久山町の悲劇」を繰り返す可能性が高いのです。
福岡県の久山町で実施された14年間に及ぶ疫学研究において、
「1988年から2002年まで運動療法とカロリー制限の食事療法を徹底的に指導した結果、逆に糖尿病激増」
という結果となり、私はこれを久山町の悲劇と呼んでいます。
江部康二
☆☆☆
医療従事者向け医療情報サイト m3.com
2008年、糖尿病受療率、全国ワースト1位、香川県
(香川)糖尿病患者減らせ
2011年8月26日 提供:読売新聞
08年受療率 全国ワースト1
香川県が糖尿病対策に力を入れている。厚生労働省による2008年の調査で、糖尿病治療を受けている推定患者数を人口10万人あたりで示した「受療率」が、入院、外来を合わせ、初めて全国ワースト1となったためだ。食事の不摂生や運動不足が影響するとされていることから、県は、医療機関での栄養相談や、野菜摂取量の増加、運動不足の解消につながる取り組みなど、病気の改善、予防に向けた対策に躍起になっている。(山田果生)
受療率は、厚生労働省が3年ごとに全国の都道府県で調査している。県の同率は、05年までは220-250人で推移してきていた。しかし08年は314人に急増。全国平均の168人を大きく上回り、1996年からワースト1だった徳島を抜いた。
県健康福祉総務課は、直接的な原因についてはわからないとしたうえで、うどん文化の中であまりかまない「早食い」傾向がみられることや、野菜摂取量や運動不足が影響しているのではないかと推測する。
07年の国民健康栄養調査では、1日あたりの野菜摂取量(01-05年の平均)は、20歳以上の男性が249・7グラムで全国ワースト1(全国平均は296・1グラム)、20歳以上の女性も240・7グラムでワースト2。また、運動状況がわかる1日あたりの歩数(01-05年の平均)は、20歳以上の男女とも全国平均を下回っていた。
県は、全国ワースト1となった翌年の09年度から、3年間の計画で糖尿病の医療費が多かった坂出市と直島町をモデル自治体とし、医療機関に栄養士を派遣し、食事相談を受ける体制を強化している。10年度には坂出市内の4診療所、直島町内の1診療所の計5か所に栄養士を派遣。指導を受けた人数は今年3月までで、坂出市でのべ72人、直島町でのべ33人にのぼる。
県は、今年度も新たな事業を始めている。子どもが野菜の調理体験を行う「キッズキッチン事業」もその一つ。子育て世代の野菜摂取量が少ないことから、子どもたちが野菜に触れる機会をつくり、親の摂取量増加につなげるのが狙いだ。
これまでに高松市や東かがわ市などの幼稚園や保育園の5か所で実施した。
さらに、大型小売店で成人を対象に効果的な運動の実演や、歩数計を貸しだして運動量を実感してもらう取り組みも計画している。
今年10月に糖尿病の受療率の全国調査が行われ、来年夏には結果が公表されるといい、県は「まずは何とかワースト1から脱却したい。さらに今後は、糖尿病による透析や合併症などの重症化予防にも力を入れていきたい」としている。
2011年09月15日 (木)
こんばんは。
糖尿病合併妊娠のyuki さんから、糖質制限食で良好な経過という嬉しいコメントをいただきました。
そして臨月入院中の食事は?
【11/09/15 yuki
お久しぶりです
以前、糖尿合併妊娠でコメントを伺ったyukiです。
あの後、3月では8,2%だったHbA1cが9月現在4,9%まで改善され、かかりつけの内科担当の先生から糖質制限についても理解を頂く事が出来ました。
現在、血液検査での空腹時血糖も70台と良好で、GA値も10%、食後高血糖もコントロールできており、1時間値で120以下を保っております。
ここ1~2ヶ月、ケトン体だけ+2と少々高値が出てしまっていますが…。
先生の著書にも大変お世話になり、「糖質制限ダイエット」のレシピ等とても重宝しております。本当に有難うございます!
おかげさまで、今後予定されていた授乳期のインスリン注射を取りやめ、自身での糖質制限によるコントロールのみでOKとの許可を頂く事が出来ました。
この6ヶ月間、自己注射が辛かったので本当に嬉しいです。
現在妊娠も来週より臨月に入ります。
計画出産(正規産の早期誘発分娩を試みるそうです)の為、来週からの入院となるのですが、病院食が少々心配です。
私自身肥満の為、多少のカロリー制限は設けられるだろうとの事ですが、それでも1800以上のメニューになるであろう事や、炭水化物は他の患者さんと同じように配膳されるとの事で、自分で代替になるようなものを持参し、差し替えての食事制限をする事になりそうです。
むくみがでており(タンパクや尿糖はナシ)、血圧も↑120↓80台と少しずつ上昇していることもあるので、塩分が強い食品は避けたいと思っております。
もしよろしければ、オススメの代替食品などありましたら教えていただけたら…と思います。
お忙しい中申し訳ありませんが、どうぞ宜しくお願いします。】
yuki さん。
HbA1c:4.9%、
空腹時血糖:70台、
GA値:10%、、
食後血糖:1時間値で120以下
糖尿合併妊娠及び妊娠糖尿病のコントロール目標、完全にクリアです。
良かったです。
インスリンの量も、必要最少量ですんでいるので、体重増加への影響もないと思います。
内科担当の先生が、糖質制限食に理解を示してしていただいたとは、嬉しい限りです。
上記データなら、インスリン作用はしっかり確保されているので、ケトン体に関しては何の心配もいりません。
そして拙著のご購入、ありがとうございます。
日々の献立のお役にたてば幸いです。
「今後予定されていた授乳期のインスリン注射を取りやめ、自身での糖質制限によるコントロールのみでOKとの許可を頂く事が出来ました。 この6ヶ月間、自己注射が辛かったので本当に嬉しいです。」
担当の内科の先生も産婦人科の先生も、素晴らしいです。
こんな医師がどんどん増えてくれたらいいですね。
「来週より臨月に入ります。
計画出産(正規産の早期誘発分娩を試みるそうです)の為、来週からの入院となるのですが、病院食が少々心配です。 1800kcal以上のメニューになるであろう事や、炭水化物は他の患者さんと同じように配膳されるとの事・・・」
まず、病院食のなかで、炭水化物の少ない、肉や魚の料理やサラダなどのおかずは摂取してOKです。
炊いたご飯やパンはなしとしましょう。
主食を抜いた分お腹が空くので、病院内売店やコンビニコンビニにあるナッツ類、チーズ、おでん、豚しゃぶサラダ、蒸し鶏サラダ、唐揚げ、豆腐、納豆・・・もOKです。
コンビーフ、ツナ、マグロ、カツオ、カキ、ホタテ、豚肉、アスパラ・・・などの缶詰・・・、ハム、ソーセージ、ベーコン、ゆで卵、卵焼き・・・もOKですが、塩分は要注意ですのでラベルを確認しましょう。
コンビニには売っていない糖質制限食OKのパン、クッキー、蒸し大豆などは適宜持ち込みましょう。
クッキーや蒸し大豆は保存がききます。
糖質制限ドットコム http://www.toushitsuseigen.com/
などで、適宜手に入ると思います。
それでは美味しく楽しく糖質制限食で、母子共に健康で、元気な赤ちゃん出産をお祈りしております。
江部康二
糖尿病合併妊娠のyuki さんから、糖質制限食で良好な経過という嬉しいコメントをいただきました。
そして臨月入院中の食事は?
【11/09/15 yuki
お久しぶりです
以前、糖尿合併妊娠でコメントを伺ったyukiです。
あの後、3月では8,2%だったHbA1cが9月現在4,9%まで改善され、かかりつけの内科担当の先生から糖質制限についても理解を頂く事が出来ました。
現在、血液検査での空腹時血糖も70台と良好で、GA値も10%、食後高血糖もコントロールできており、1時間値で120以下を保っております。
ここ1~2ヶ月、ケトン体だけ+2と少々高値が出てしまっていますが…。
先生の著書にも大変お世話になり、「糖質制限ダイエット」のレシピ等とても重宝しております。本当に有難うございます!
おかげさまで、今後予定されていた授乳期のインスリン注射を取りやめ、自身での糖質制限によるコントロールのみでOKとの許可を頂く事が出来ました。
この6ヶ月間、自己注射が辛かったので本当に嬉しいです。
現在妊娠も来週より臨月に入ります。
計画出産(正規産の早期誘発分娩を試みるそうです)の為、来週からの入院となるのですが、病院食が少々心配です。
私自身肥満の為、多少のカロリー制限は設けられるだろうとの事ですが、それでも1800以上のメニューになるであろう事や、炭水化物は他の患者さんと同じように配膳されるとの事で、自分で代替になるようなものを持参し、差し替えての食事制限をする事になりそうです。
むくみがでており(タンパクや尿糖はナシ)、血圧も↑120↓80台と少しずつ上昇していることもあるので、塩分が強い食品は避けたいと思っております。
もしよろしければ、オススメの代替食品などありましたら教えていただけたら…と思います。
お忙しい中申し訳ありませんが、どうぞ宜しくお願いします。】
yuki さん。
HbA1c:4.9%、
空腹時血糖:70台、
GA値:10%、、
食後血糖:1時間値で120以下
糖尿合併妊娠及び妊娠糖尿病のコントロール目標、完全にクリアです。
良かったです。
インスリンの量も、必要最少量ですんでいるので、体重増加への影響もないと思います。
内科担当の先生が、糖質制限食に理解を示してしていただいたとは、嬉しい限りです。
上記データなら、インスリン作用はしっかり確保されているので、ケトン体に関しては何の心配もいりません。
そして拙著のご購入、ありがとうございます。
日々の献立のお役にたてば幸いです。
「今後予定されていた授乳期のインスリン注射を取りやめ、自身での糖質制限によるコントロールのみでOKとの許可を頂く事が出来ました。 この6ヶ月間、自己注射が辛かったので本当に嬉しいです。」
担当の内科の先生も産婦人科の先生も、素晴らしいです。
こんな医師がどんどん増えてくれたらいいですね。
「来週より臨月に入ります。
計画出産(正規産の早期誘発分娩を試みるそうです)の為、来週からの入院となるのですが、病院食が少々心配です。 1800kcal以上のメニューになるであろう事や、炭水化物は他の患者さんと同じように配膳されるとの事・・・」
まず、病院食のなかで、炭水化物の少ない、肉や魚の料理やサラダなどのおかずは摂取してOKです。
炊いたご飯やパンはなしとしましょう。
主食を抜いた分お腹が空くので、病院内売店やコンビニコンビニにあるナッツ類、チーズ、おでん、豚しゃぶサラダ、蒸し鶏サラダ、唐揚げ、豆腐、納豆・・・もOKです。
コンビーフ、ツナ、マグロ、カツオ、カキ、ホタテ、豚肉、アスパラ・・・などの缶詰・・・、ハム、ソーセージ、ベーコン、ゆで卵、卵焼き・・・もOKですが、塩分は要注意ですのでラベルを確認しましょう。
コンビニには売っていない糖質制限食OKのパン、クッキー、蒸し大豆などは適宜持ち込みましょう。
クッキーや蒸し大豆は保存がききます。
糖質制限ドットコム http://www.toushitsuseigen.com/
などで、適宜手に入ると思います。
それでは美味しく楽しく糖質制限食で、母子共に健康で、元気な赤ちゃん出産をお祈りしております。
江部康二
2011年09月14日 (水)
こんにちは。
忘れていましたが、浅田飴の「エリスリム」も糖質制限食OKの甘味料です。
エリスリトール99.68%・スクラロース0.32%
が成分です。
普通に手に入って、糖質制限食OKの甘味料は
サラヤの「ラカントS」
味の素の「パルスイートカロリーゼロ」
浅田飴の「エリスリム」
が推奨です。
他にもあると思いますが、手に入りにくいものもあります。
上記3つなら、どこでも手に入ると思います。
味はそれぞれ微妙に違いますので、各自の好みで使い分ければよいですね。
江部康二
忘れていましたが、浅田飴の「エリスリム」も糖質制限食OKの甘味料です。
エリスリトール99.68%・スクラロース0.32%
が成分です。
普通に手に入って、糖質制限食OKの甘味料は
サラヤの「ラカントS」
味の素の「パルスイートカロリーゼロ」
浅田飴の「エリスリム」
が推奨です。
他にもあると思いますが、手に入りにくいものもあります。
上記3つなら、どこでも手に入ると思います。
味はそれぞれ微妙に違いますので、各自の好みで使い分ければよいですね。
江部康二
2011年09月14日 (水)
おはようございます。
糖類の分子に水素を添加することにより、アルコール基(-OH)をもつ糖質が得られますが、これらを「糖アルコール」と言います。
虫歯菌に利用されないことと、消化管で吸収されにくいので低カロリー甘味料としてよく使用されています。
代表的なものに、ソルビトール 、マルチトール 、エリスリトール 、ラクチトール 、キシリトール などがあります。
これらの糖アルコールは、天然素材を原料としており、分類としては合成甘味料には属しません。
国連の食糧農業機関(FAO)及び世界保健機関(WHO)は、JECFA(Joint Expert Committee on Food Additives)を設けて、甘味料など添加物のの安全性評価を公表していますが、これらの糖アルコールは、極めて安全性が高いとされています。妊婦にも大丈夫です。
糖アルコールの中で血糖値を全く上昇させないのは、唯一エリスリトールだけです。
他の糖アルコールは、砂糖の半分くらい血糖値を上昇させますが、上昇幅には個人差があります。
エリスリトールは、糖アルコールの中で例外的に体内に9割以上吸収されますが、全く代謝されずにそのまま尿中に排泄されます。
ですから厚生労働省お墨付きのゼロカロリーで、かつ全く血糖値を上昇させません。
ほとんどが体内に吸収されるので、糖アルコールの中で最も下痢を起こしにくいです。
エリスリトール以外の糖アルコールは、難消化性で吸収されにくいのが特徴です。
吸収されにくい分腸内に残っているので、大量に摂取すれば下痢を起こしやすいです。
ただ、吸収されにくいといっても、全くゼロではありません。
吸収率には個人差もあるし、同時に食べている食物との組み合わせなどにもより差も生じると思いますが、
いずれにせよある程度吸収されるので、血糖値がある程度上昇します。
例えば、厚生労働省特別用途食品に指定されている、マービーという甘味料がありますが、デンプンから作られる還元麦芽糖を100%使用しています。
つまりマービーは「還元麦芽糖=マルチトール」そのものですので、ベリーチョコレートと同じ甘味料です。
当然、血糖値を砂糖の1/2~1/3程度上昇させます。
繰り返しになりますが、結局、糖アルコールのなかで血糖値を全く上昇させないのは、エリスリトールだけです。
糖質だけが血糖値を上昇させ、タンパク質・脂質は上昇させません。
糖質に分類されるなかでは、例外的にエリスリトールと合成甘味料などは血糖値を上昇させません。
甘味料で、サラヤの「ラカントS」と味の素の「パルスイートカロリーゼロ」は、主成分はエリスリトールで糖質制限食OK食品です。
「ラカントS」は、99%がエリスリトールで、1%が羅漢果高純度エキスで、ゼロカロリーです。
「パルスイートカロリーゼロ」は、
成分が
【エリスリトール、甘味料(アスパルテーム・L-フェニルアラニン化合物、アセスルファムK)、香料】
となっており、カロリーゼロで、血糖値上昇もゼロです。
単なる「パルスイート」は、小さじ1杯弱(2.0g)で2.8kcal。1gで1.4キロカロリーです。
原材料は、
【粉末還元麦芽糖水飴、エリスリトール、食物繊維(還元難消化性デキストリン)、アラニン、甘味料(アスパルテーム・L-フェニルアラニン化合物、アセスルファムK)、香料、ポリグルタミン酸】
「パルスイート」の少量のカロリーは、還元麦芽糖水飴分でしょう。
こうみると、「パルスイートカロリーゼロ」は糖質制限食OK食品ですが、単なる「パルスイート」は△~×食品ですね。
エリスリトールとパルスイートの安全性ですが、味の素のホームページで、パルスイートは妊娠中も安心して使用できるとの記載があります。
http://okyakusama.ajinomoto.co.jp/qa/palzero/14.html
以下は、味の素ホームページの記載です。
【「パルスイート®」カロリーゼロの甘さのもとは、でんぷんからできた糖アルコールのエリスリトールです。体内に入ると大部分が小腸で吸収され、代謝されずに尿として排泄され、体内ではエネルギーとしてほとんど利用されない特長をもっています。厚生労働省により、糖質では唯一「カロリーゼロ」であると認められています。エリスリトールは、発酵食品や果実中にも多く含まれ、長く食品として摂取してきたものであり、安全性に問題はありません。
アセスルファムKは、体内で代謝されずそのまま体外に排泄されます。
したがって、妊娠中の女性でもお子さんでもどなたでも安心してご使用いただけます。】
http://okyakusama.ajinomoto.co.jp/qa/palzero/15.html
【「パルスイート®」カロリーゼロの原材料に含まれるアスパルテームの安全性は確認されていますか?
確認されています。広範で詳細な安全性試験の結果を評価し、1980年JECFA※で安全性を確認、翌年米国FDA(食品医薬品局)が認可しました。日本では1983年、食品衛生調査会の審査を経て、厚生労働省より食品添加物として指定されました。現在では欧米を始め、世界120ヵ国以上で使用され、さらにその数は拡大しています。
※国連のFAO/WHOの合同食品添加物専門家委員会】
結論です。
「ラカントS」と「パルスイートカロリーゼロ」の主成分はエリスリトールです。
エリスリトールの安全性は確立されています。
江部康二
糖類の分子に水素を添加することにより、アルコール基(-OH)をもつ糖質が得られますが、これらを「糖アルコール」と言います。
虫歯菌に利用されないことと、消化管で吸収されにくいので低カロリー甘味料としてよく使用されています。
代表的なものに、ソルビトール 、マルチトール 、エリスリトール 、ラクチトール 、キシリトール などがあります。
これらの糖アルコールは、天然素材を原料としており、分類としては合成甘味料には属しません。
国連の食糧農業機関(FAO)及び世界保健機関(WHO)は、JECFA(Joint Expert Committee on Food Additives)を設けて、甘味料など添加物のの安全性評価を公表していますが、これらの糖アルコールは、極めて安全性が高いとされています。妊婦にも大丈夫です。
糖アルコールの中で血糖値を全く上昇させないのは、唯一エリスリトールだけです。
他の糖アルコールは、砂糖の半分くらい血糖値を上昇させますが、上昇幅には個人差があります。
エリスリトールは、糖アルコールの中で例外的に体内に9割以上吸収されますが、全く代謝されずにそのまま尿中に排泄されます。
ですから厚生労働省お墨付きのゼロカロリーで、かつ全く血糖値を上昇させません。
ほとんどが体内に吸収されるので、糖アルコールの中で最も下痢を起こしにくいです。
エリスリトール以外の糖アルコールは、難消化性で吸収されにくいのが特徴です。
吸収されにくい分腸内に残っているので、大量に摂取すれば下痢を起こしやすいです。
ただ、吸収されにくいといっても、全くゼロではありません。
吸収率には個人差もあるし、同時に食べている食物との組み合わせなどにもより差も生じると思いますが、
いずれにせよある程度吸収されるので、血糖値がある程度上昇します。
例えば、厚生労働省特別用途食品に指定されている、マービーという甘味料がありますが、デンプンから作られる還元麦芽糖を100%使用しています。
つまりマービーは「還元麦芽糖=マルチトール」そのものですので、ベリーチョコレートと同じ甘味料です。
当然、血糖値を砂糖の1/2~1/3程度上昇させます。
繰り返しになりますが、結局、糖アルコールのなかで血糖値を全く上昇させないのは、エリスリトールだけです。
糖質だけが血糖値を上昇させ、タンパク質・脂質は上昇させません。
糖質に分類されるなかでは、例外的にエリスリトールと合成甘味料などは血糖値を上昇させません。
甘味料で、サラヤの「ラカントS」と味の素の「パルスイートカロリーゼロ」は、主成分はエリスリトールで糖質制限食OK食品です。
「ラカントS」は、99%がエリスリトールで、1%が羅漢果高純度エキスで、ゼロカロリーです。
「パルスイートカロリーゼロ」は、
成分が
【エリスリトール、甘味料(アスパルテーム・L-フェニルアラニン化合物、アセスルファムK)、香料】
となっており、カロリーゼロで、血糖値上昇もゼロです。
単なる「パルスイート」は、小さじ1杯弱(2.0g)で2.8kcal。1gで1.4キロカロリーです。
原材料は、
【粉末還元麦芽糖水飴、エリスリトール、食物繊維(還元難消化性デキストリン)、アラニン、甘味料(アスパルテーム・L-フェニルアラニン化合物、アセスルファムK)、香料、ポリグルタミン酸】
「パルスイート」の少量のカロリーは、還元麦芽糖水飴分でしょう。
こうみると、「パルスイートカロリーゼロ」は糖質制限食OK食品ですが、単なる「パルスイート」は△~×食品ですね。
エリスリトールとパルスイートの安全性ですが、味の素のホームページで、パルスイートは妊娠中も安心して使用できるとの記載があります。
http://okyakusama.ajinomoto.co.jp/qa/palzero/14.html
以下は、味の素ホームページの記載です。
【「パルスイート®」カロリーゼロの甘さのもとは、でんぷんからできた糖アルコールのエリスリトールです。体内に入ると大部分が小腸で吸収され、代謝されずに尿として排泄され、体内ではエネルギーとしてほとんど利用されない特長をもっています。厚生労働省により、糖質では唯一「カロリーゼロ」であると認められています。エリスリトールは、発酵食品や果実中にも多く含まれ、長く食品として摂取してきたものであり、安全性に問題はありません。
アセスルファムKは、体内で代謝されずそのまま体外に排泄されます。
したがって、妊娠中の女性でもお子さんでもどなたでも安心してご使用いただけます。】
http://okyakusama.ajinomoto.co.jp/qa/palzero/15.html
【「パルスイート®」カロリーゼロの原材料に含まれるアスパルテームの安全性は確認されていますか?
確認されています。広範で詳細な安全性試験の結果を評価し、1980年JECFA※で安全性を確認、翌年米国FDA(食品医薬品局)が認可しました。日本では1983年、食品衛生調査会の審査を経て、厚生労働省より食品添加物として指定されました。現在では欧米を始め、世界120ヵ国以上で使用され、さらにその数は拡大しています。
※国連のFAO/WHOの合同食品添加物専門家委員会】
結論です。
「ラカントS」と「パルスイートカロリーゼロ」の主成分はエリスリトールです。
エリスリトールの安全性は確立されています。
江部康二
2011年09月13日 (火)
こんにちは。
糖尿人妻 さんから、HbA1c4か月で劇的改善というとても嬉しいコメントをいただきました。
【11/09/12 糖尿人妻
HbA1c4か月で劇的改善
はじめまして江部先生
お礼のメールです
夫52歳、会社の健診で2009年から血糖値200を超えておりました。
しかし忙しいを理由に本人一向に気にせず。
今年1月の健診で、会社から通院するように厳しく言われました。
単身赴任の上、「どこも具合が悪くない!」と、好きなだけ飲み食いを続けていましたが、さすがに重い腰をあげました。
172センチ86キロ
筋肉質で、たくさん飲んでたくさん食べて毎週ゴルフをする、いつも元気なタイプ
当然、血圧もγGPも中性脂肪もすべて高め。
今年2月に内科にかかったところ、HbA1c9%!
内科の先生には
「すぐにインシュリン注射のレベルだよ。とにかく体重と尿糖(朝晩食後に)を測り、何を食べると尿糖が上がるか、記録して二週間やってみなさい」
と言われ尿糖検査の試験紙と記録用紙を渡されました。
薬漬けは避けたい、何とか食事で、、、と、書店に行って二万円分手当たり次第糖尿病の本を買い求めました。
その中に「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」と「糖質ゼロの食事術(これは釜池先生ですが)がありました。
単身赴任もやめ、新幹線通勤に切り替え、弁当持ちで挑みました
初めは、「糖質ゼロじゃあ続かないよね」 と、一日1600kclに計算した献立を作り、(毎食ご飯を入れて)食べました。
当然、尿糖は毎日+++
お腹はいつも空いて、お酒も我慢しているのに、本人の落胆は相当なものでしたし、協力している私もがっくりです。
すると本人が 「糖質ゼロでやってみる」というのです。
ただし夜一食ではとても持たない、というので、とにかく三食スーパー糖制限食
びっくりです
一日で尿糖が-になりました。
となると本人も俄然やる気が出て文句も言わないのでこちらも協力する甲斐があります。
かかった内科の先生には「朝おにぎりくらい食べないとだめ」と言われましたが、 パン一枚食べただけで、食べるとすぐ尿糖が+で、本人が糖質は食べないと決めました。
6月の内科の検査で
体重73キロ
HbA1c5.3%
空腹時血糖105
内科の先生が「いったいどうやって??」と聞いたそうです。
8月30日に受けた会社の健診では なぜか空腹時血糖110でした??(HbA1cは測定なし)
しかし 驚いたのは、引っかかっていた血圧、中性脂肪、γGP、すべて正常値になっていたことです。
家から通うことで、お酒もずいぶん減ったこともありますが。
初めのうちは糖制限食で、量も調整していましたが、今は、量も好きなだけ食べてています。
糖制限食にしてから、食べる量も自然に減ったように思います。
今は、毎日ではないですが、焼酎もウイスキーも楽しみます。
居酒屋にも行きます。
お弁当も弁当箱におかずだけをたくさん入れるのは結構大変ですが、ずいぶんなれました。
タンパク質と旬の野菜!
本当にありがとうございます。
感謝しています。
今回8月31日、空腹時血糖が少し高めというのが気になりますが。。。
調味料の醤油や、時折隠し味に使うみりんが問題ですかね?
日本酒はつかいません。
ほかに家族がいるので、醤油とみりんはどうしても使ってしまいます。
皆さんはどうしていますか?
あと、スーパー糖制限食でも食後血糖を測ったことがないので、測らなくてよいのかな?と疑問に思います。
ついでに妻の私は、夜のみ糖質制限で3キロ痩せました。
私は糖尿人ではありません。
長々失礼しました】
糖尿人妻 さん。
拙著のご購入、ありがとうございます。
2011年2月
172センチ86キロ
血圧もγGTPも中性脂肪もすべて高め。
HbA1c9%
2011年6月
体重73キロ
HbA1c5.3%
空腹時血糖105
2011年8月30日 会社の健診
空腹時血糖110
血圧、中性脂肪、γGTP、すべて正常値
スーパー糖質制限食実践4ヶ月で、劇的改善ですね。(^-^)v(^-^)v
8月30日の会社の健診で、空腹時血糖値が110mg/dlというのは、105とか110とかそれくらいの変動はあるのが普通ですので、心配ないです。
「一日1600kclに計算した献立を作り、(毎食ご飯を入れて)食べました。 当然、尿糖は毎日+++」
「パン一枚食べただけで、食べるとすぐ尿糖が+」
カロリー制限食(高糖質食)では、食後高血糖が防げません。
アバウトですが、血糖値が180mg/dlを超えると尿糖が陽性となります。
「三食スーパー糖制限食。びっくりです。一日で尿糖が-になりました。」
糖質制限食を開始した時から、リアルタイムに食後高血糖が改善します。
180mg/dlを超えることが1日を通してなくなったと言うことですね。
180mg/dlを超える血糖値は、血管内皮を障害して動脈硬化のリスクとなりますので注意が必要です。
「醤油とみりんはどうしても使ってしまいます。」
醤油は100g中に7.8gの糖質ですので、まず大丈夫です。
みりんには、100g中43.2gの糖質が含まれています。
大量だと問題ですが、10gだと糖質4.32gで、家族4人分なら、許容範囲でしょう。
「スーパー糖制限食でも食後血糖を測ったことがないので、測らなくてよいのかな?と疑問に思います。」
確かに食後血糖を測定すれば、一番わかりやすいのですが、尿糖が陰性なら、血糖値180mg/dlを超えることはないので、まずは一安心です。
また、糖尿人妻ご本人も、3kgの減量、良かったです。
これからもご夫婦で、美味しく楽しく末長く糖質制限食をお続けくださいね。(^^)
江部康二
糖尿人妻 さんから、HbA1c4か月で劇的改善というとても嬉しいコメントをいただきました。
【11/09/12 糖尿人妻
HbA1c4か月で劇的改善
はじめまして江部先生
お礼のメールです
夫52歳、会社の健診で2009年から血糖値200を超えておりました。
しかし忙しいを理由に本人一向に気にせず。
今年1月の健診で、会社から通院するように厳しく言われました。
単身赴任の上、「どこも具合が悪くない!」と、好きなだけ飲み食いを続けていましたが、さすがに重い腰をあげました。
172センチ86キロ
筋肉質で、たくさん飲んでたくさん食べて毎週ゴルフをする、いつも元気なタイプ
当然、血圧もγGPも中性脂肪もすべて高め。
今年2月に内科にかかったところ、HbA1c9%!
内科の先生には
「すぐにインシュリン注射のレベルだよ。とにかく体重と尿糖(朝晩食後に)を測り、何を食べると尿糖が上がるか、記録して二週間やってみなさい」
と言われ尿糖検査の試験紙と記録用紙を渡されました。
薬漬けは避けたい、何とか食事で、、、と、書店に行って二万円分手当たり次第糖尿病の本を買い求めました。
その中に「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」と「糖質ゼロの食事術(これは釜池先生ですが)がありました。
単身赴任もやめ、新幹線通勤に切り替え、弁当持ちで挑みました
初めは、「糖質ゼロじゃあ続かないよね」 と、一日1600kclに計算した献立を作り、(毎食ご飯を入れて)食べました。
当然、尿糖は毎日+++
お腹はいつも空いて、お酒も我慢しているのに、本人の落胆は相当なものでしたし、協力している私もがっくりです。
すると本人が 「糖質ゼロでやってみる」というのです。
ただし夜一食ではとても持たない、というので、とにかく三食スーパー糖制限食
びっくりです
一日で尿糖が-になりました。
となると本人も俄然やる気が出て文句も言わないのでこちらも協力する甲斐があります。
かかった内科の先生には「朝おにぎりくらい食べないとだめ」と言われましたが、 パン一枚食べただけで、食べるとすぐ尿糖が+で、本人が糖質は食べないと決めました。
6月の内科の検査で
体重73キロ
HbA1c5.3%
空腹時血糖105
内科の先生が「いったいどうやって??」と聞いたそうです。
8月30日に受けた会社の健診では なぜか空腹時血糖110でした??(HbA1cは測定なし)
しかし 驚いたのは、引っかかっていた血圧、中性脂肪、γGP、すべて正常値になっていたことです。
家から通うことで、お酒もずいぶん減ったこともありますが。
初めのうちは糖制限食で、量も調整していましたが、今は、量も好きなだけ食べてています。
糖制限食にしてから、食べる量も自然に減ったように思います。
今は、毎日ではないですが、焼酎もウイスキーも楽しみます。
居酒屋にも行きます。
お弁当も弁当箱におかずだけをたくさん入れるのは結構大変ですが、ずいぶんなれました。
タンパク質と旬の野菜!
本当にありがとうございます。
感謝しています。
今回8月31日、空腹時血糖が少し高めというのが気になりますが。。。
調味料の醤油や、時折隠し味に使うみりんが問題ですかね?
日本酒はつかいません。
ほかに家族がいるので、醤油とみりんはどうしても使ってしまいます。
皆さんはどうしていますか?
あと、スーパー糖制限食でも食後血糖を測ったことがないので、測らなくてよいのかな?と疑問に思います。
ついでに妻の私は、夜のみ糖質制限で3キロ痩せました。
私は糖尿人ではありません。
長々失礼しました】
糖尿人妻 さん。
拙著のご購入、ありがとうございます。
2011年2月
172センチ86キロ
血圧もγGTPも中性脂肪もすべて高め。
HbA1c9%
2011年6月
体重73キロ
HbA1c5.3%
空腹時血糖105
2011年8月30日 会社の健診
空腹時血糖110
血圧、中性脂肪、γGTP、すべて正常値
スーパー糖質制限食実践4ヶ月で、劇的改善ですね。(^-^)v(^-^)v
8月30日の会社の健診で、空腹時血糖値が110mg/dlというのは、105とか110とかそれくらいの変動はあるのが普通ですので、心配ないです。
「一日1600kclに計算した献立を作り、(毎食ご飯を入れて)食べました。 当然、尿糖は毎日+++」
「パン一枚食べただけで、食べるとすぐ尿糖が+」
カロリー制限食(高糖質食)では、食後高血糖が防げません。
アバウトですが、血糖値が180mg/dlを超えると尿糖が陽性となります。
「三食スーパー糖制限食。びっくりです。一日で尿糖が-になりました。」
糖質制限食を開始した時から、リアルタイムに食後高血糖が改善します。
180mg/dlを超えることが1日を通してなくなったと言うことですね。
180mg/dlを超える血糖値は、血管内皮を障害して動脈硬化のリスクとなりますので注意が必要です。
「醤油とみりんはどうしても使ってしまいます。」
醤油は100g中に7.8gの糖質ですので、まず大丈夫です。
みりんには、100g中43.2gの糖質が含まれています。
大量だと問題ですが、10gだと糖質4.32gで、家族4人分なら、許容範囲でしょう。
「スーパー糖制限食でも食後血糖を測ったことがないので、測らなくてよいのかな?と疑問に思います。」
確かに食後血糖を測定すれば、一番わかりやすいのですが、尿糖が陰性なら、血糖値180mg/dlを超えることはないので、まずは一安心です。
また、糖尿人妻ご本人も、3kgの減量、良かったです。
これからもご夫婦で、美味しく楽しく末長く糖質制限食をお続けくださいね。(^^)
江部康二
2011年09月13日 (火)
おはようございます。
長山さんから、尿酸値と糖質制限食についてコメント・質問をいただきました。
復習も兼ねて、考えてみましょう。
【11/09/12 長山です。
尿酸値と糖質制限
江部先生。
いつもお世話になります。
早速ですが、糖質制限を続けて血中のケトン体が上昇すると、尿酸値も上がってしまうとの記事を見ました。
折り合いは付くのでしょうか?
それとも諦めて、薬で尿酸値を下げる方向が良いのでしょうか?
先々週の検査結果では、8.5の値でした。
よろしくお願いします。】
長山さん。
「糖質制限を続けて血中のケトン体が上昇すると、尿酸値も上がってしまう」
という単純なパターンはありません。
尿酸値に関しては、糖質制限食実践で、減少する人、不変の人、増加する人と個人差が大きいです。
結局、持って生まれた体質が、一番関係するのだと思います。
ただ、低カロリーすぎると、どんな内容の食事でも、尿酸値が上昇することがあるので注意が必要です。
例えば断食(絶食)をすると、尿酸値は急激に上昇します。
糖質制限食を実践すれば、相対的に高タンパク・高脂質食となります。
高タンパク食だと尿酸値が上昇するとされていますが、ことはそれほど単純ではありません。
例えば、江部康二は、2002年以来9年間、スーパー糖質制限食実践で130g~150g/日のタンパク質を摂取していて、かなりの高タンパク食です。
この間、血中ケトン体は300~1200μM/L(26~122)と基準値より常に高値ですが、尿酸値は9年間、一貫して2.4~3.1mg/dl(3.4~7.0)ていどと低いほうです。
兄も糖質制限食ですが、尿酸値は、私と同じていどです。
通常、糖質制限食でいったん尿酸値が上昇した人も、数ヶ月~1年で元の値に戻ることが多いので経過をみることが多いです。
ただ、過去痛風発作を起こしたことがある人は、内服も考慮する必要があります。
過去痛風発作を起こしたことがない場合は、尿酸8.5mg/dlでも、経過をみてよいと思います。
尿酸値は、従来、肉の摂りすぎや、ビールの飲み過ぎで高値となるということが常識だったのですが、食事由来の尿酸は約100mgで、一日に生産される総量約700mgに比し、かなり少ないということが判明しました。
自らが痛風患者であり、痛風専門医でもある、元鹿児島大学病院内科教授、納(おさめ)光弘先生によれば、食事よりストレスや肥満のほうが、尿酸値への影響が多いことがわかってきました。
尿酸を確実に上昇させるのは、重要なものから順番に
1、ストレス
2、肥満
3、大量の飲酒
4、激しい運動
5、プリン体の摂りすぎ
だそうです。
納先生の指摘されているストレスは、精神的なもののようです。
例えば、納先生が学会の会頭をされたときに、尿酸値が一番上昇して、学会が終了したら下がったそうです。
これらに特殊例として「断食や極端な低カロリーのときは尿酸値上昇」というのが、一番上にくる感じですね。
断食は、強力な肉体的ストレスと考えることもできます。
**参考
「痛風はビールを飲みながらでも治る」(小学館文庫)2004年
鹿児島大学病院内科教授、納(おさめ)光弘先生 著
江部康二
長山さんから、尿酸値と糖質制限食についてコメント・質問をいただきました。
復習も兼ねて、考えてみましょう。
【11/09/12 長山です。
尿酸値と糖質制限
江部先生。
いつもお世話になります。
早速ですが、糖質制限を続けて血中のケトン体が上昇すると、尿酸値も上がってしまうとの記事を見ました。
折り合いは付くのでしょうか?
それとも諦めて、薬で尿酸値を下げる方向が良いのでしょうか?
先々週の検査結果では、8.5の値でした。
よろしくお願いします。】
長山さん。
「糖質制限を続けて血中のケトン体が上昇すると、尿酸値も上がってしまう」
という単純なパターンはありません。
尿酸値に関しては、糖質制限食実践で、減少する人、不変の人、増加する人と個人差が大きいです。
結局、持って生まれた体質が、一番関係するのだと思います。
ただ、低カロリーすぎると、どんな内容の食事でも、尿酸値が上昇することがあるので注意が必要です。
例えば断食(絶食)をすると、尿酸値は急激に上昇します。
糖質制限食を実践すれば、相対的に高タンパク・高脂質食となります。
高タンパク食だと尿酸値が上昇するとされていますが、ことはそれほど単純ではありません。
例えば、江部康二は、2002年以来9年間、スーパー糖質制限食実践で130g~150g/日のタンパク質を摂取していて、かなりの高タンパク食です。
この間、血中ケトン体は300~1200μM/L(26~122)と基準値より常に高値ですが、尿酸値は9年間、一貫して2.4~3.1mg/dl(3.4~7.0)ていどと低いほうです。
兄も糖質制限食ですが、尿酸値は、私と同じていどです。
通常、糖質制限食でいったん尿酸値が上昇した人も、数ヶ月~1年で元の値に戻ることが多いので経過をみることが多いです。
ただ、過去痛風発作を起こしたことがある人は、内服も考慮する必要があります。
過去痛風発作を起こしたことがない場合は、尿酸8.5mg/dlでも、経過をみてよいと思います。
尿酸値は、従来、肉の摂りすぎや、ビールの飲み過ぎで高値となるということが常識だったのですが、食事由来の尿酸は約100mgで、一日に生産される総量約700mgに比し、かなり少ないということが判明しました。
自らが痛風患者であり、痛風専門医でもある、元鹿児島大学病院内科教授、納(おさめ)光弘先生によれば、食事よりストレスや肥満のほうが、尿酸値への影響が多いことがわかってきました。
尿酸を確実に上昇させるのは、重要なものから順番に
1、ストレス
2、肥満
3、大量の飲酒
4、激しい運動
5、プリン体の摂りすぎ
だそうです。
納先生の指摘されているストレスは、精神的なもののようです。
例えば、納先生が学会の会頭をされたときに、尿酸値が一番上昇して、学会が終了したら下がったそうです。
これらに特殊例として「断食や極端な低カロリーのときは尿酸値上昇」というのが、一番上にくる感じですね。
断食は、強力な肉体的ストレスと考えることもできます。
**参考
「痛風はビールを飲みながらでも治る」(小学館文庫)2004年
鹿児島大学病院内科教授、納(おさめ)光弘先生 著
江部康二
2011年09月12日 (月)
おはようございます。
2011年9月10日(土)夕方、某製薬メーカーさん主催のDPP-4阻害薬の講演会(in京都)に行ってきました。
DPP-4阻害薬には興味があったので、何か良い情報でもあるかなと思ったのです。
その中で、興味深かったのが
『mean amplitude of glycemic excursions (MAGE:平均血糖変動幅)』
の話しでした。
MAGEは、持続血糖測定システム(CGMS)が前提の検査です。
1日を通して、血糖値は幅をもって変動しているわけですが、その振幅の大きさの度合いをみる指標です。MAGEが大きいほど、血糖変動幅も大きいことになります。
2型糖尿病で見られる血糖異常は、
空腹時血糖(FPG)
食後血糖(PPG)
MAGEで評価される血糖変動
の3つの要因で構成されています。
過去当分の間は、空腹時血糖値とHbA1cで、糖尿病コントロール状況の評価をするのが、一般的でした。
しかし、近年、食後血糖値や1日を通しての血糖変動幅が注目されてきました。
つまり、空腹時血糖値とHbA1cだけでは、動脈硬化のリスクを見落としてしまうのです。
例えば、MAGE(1日24時間を通しての平均血糖変動幅)が、一番酸化ストレスと相関していて、次が食後高血糖で、それぞれ心血管疾患のリスクとなるとのことでした。
「持続的高血糖より、平均血糖変動幅や食後高血糖のほうが、酸化ストレスへの影響が大きい。」
という論文を演者は引用しておられました。(*)
論文では、血糖変動のことを『glucose swings』という面白い表現をしてました。
「今後介入試験においては、HbA1cや平均血糖値だけでなく、急性の血糖変動(acute glucose swings)をターゲットにする必要がある」と論文の結論で述べています。(*)
これはおおいに納得です。(^^)
しかし、結局最後には
「DPP-4阻害剤は血糖変動幅を少なくしてMAGEを減らすので他の薬物より好ましい」
という、メーカーさんにはとてもおいしい、演者の結論でした。( ̄_ ̄|||)
これが糖質制限食なら、DPP-4阻害剤を飲まなくても、MAGEと食後血糖(PPG)はリアルタイムに改善します。
当然のことですが、DPP-4阻害剤を飲んだときよりも、
はるかに改善度は速やかで大きいです。ヾ(^▽^)
多くの場合、空腹時血糖(FPG)も徐々に改善します。
つまり、糖質制限食実践で空腹時血糖(FPG)、食後血糖(PPG)、MAGEで評価される血糖変動の全ての改善が期待できます。
やはり、薬に頼るよりは、美味しく楽しく糖質制限食ですね。 (^_^)
江部康二
(*)
Activation of Oxidative Stress by Acute Glucose Fluctuations Compared With Sustained Chronic Hyperglycemia in Patients With Type 2 Diabetes
Louis Monnier, MD; Emilie Mas, PhD; Christine Ginet, MD; Françoise Michel, MD; Laetitia Villon, MD; Jean-Paul Cristol, MD; Claude Colette, PhD
JAMA. 2006;295:1681-1687.
2011年9月10日(土)夕方、某製薬メーカーさん主催のDPP-4阻害薬の講演会(in京都)に行ってきました。
DPP-4阻害薬には興味があったので、何か良い情報でもあるかなと思ったのです。
その中で、興味深かったのが
『mean amplitude of glycemic excursions (MAGE:平均血糖変動幅)』
の話しでした。
MAGEは、持続血糖測定システム(CGMS)が前提の検査です。
1日を通して、血糖値は幅をもって変動しているわけですが、その振幅の大きさの度合いをみる指標です。MAGEが大きいほど、血糖変動幅も大きいことになります。
2型糖尿病で見られる血糖異常は、
空腹時血糖(FPG)
食後血糖(PPG)
MAGEで評価される血糖変動
の3つの要因で構成されています。
過去当分の間は、空腹時血糖値とHbA1cで、糖尿病コントロール状況の評価をするのが、一般的でした。
しかし、近年、食後血糖値や1日を通しての血糖変動幅が注目されてきました。
つまり、空腹時血糖値とHbA1cだけでは、動脈硬化のリスクを見落としてしまうのです。
例えば、MAGE(1日24時間を通しての平均血糖変動幅)が、一番酸化ストレスと相関していて、次が食後高血糖で、それぞれ心血管疾患のリスクとなるとのことでした。
「持続的高血糖より、平均血糖変動幅や食後高血糖のほうが、酸化ストレスへの影響が大きい。」
という論文を演者は引用しておられました。(*)
論文では、血糖変動のことを『glucose swings』という面白い表現をしてました。
「今後介入試験においては、HbA1cや平均血糖値だけでなく、急性の血糖変動(acute glucose swings)をターゲットにする必要がある」と論文の結論で述べています。(*)
これはおおいに納得です。(^^)
しかし、結局最後には
「DPP-4阻害剤は血糖変動幅を少なくしてMAGEを減らすので他の薬物より好ましい」
という、メーカーさんにはとてもおいしい、演者の結論でした。( ̄_ ̄|||)
これが糖質制限食なら、DPP-4阻害剤を飲まなくても、MAGEと食後血糖(PPG)はリアルタイムに改善します。
当然のことですが、DPP-4阻害剤を飲んだときよりも、
はるかに改善度は速やかで大きいです。ヾ(^▽^)
多くの場合、空腹時血糖(FPG)も徐々に改善します。
つまり、糖質制限食実践で空腹時血糖(FPG)、食後血糖(PPG)、MAGEで評価される血糖変動の全ての改善が期待できます。
やはり、薬に頼るよりは、美味しく楽しく糖質制限食ですね。 (^_^)
江部康二
(*)
Activation of Oxidative Stress by Acute Glucose Fluctuations Compared With Sustained Chronic Hyperglycemia in Patients With Type 2 Diabetes
Louis Monnier, MD; Emilie Mas, PhD; Christine Ginet, MD; Françoise Michel, MD; Laetitia Villon, MD; Jean-Paul Cristol, MD; Claude Colette, PhD
JAMA. 2006;295:1681-1687.
2011年09月11日 (日)
おはようございます。
peace さんから、75gブドウ糖負荷試験とインスリンと体重減少などについて、コメント・質問をいただきました。
【11/09/10 peace
膵臓の病気の可能性はあるのでしょうか。
はじめましてpeaceです。
二人目の子どもの授乳中です。最近朝まで寝てくれるようになったのですが、一人目、二人目ともに夜泣きがひどく夜中も4、5回授乳していたので睡眠不足が4年近く続きました。明け方はいつもだるく、2週間に一度寝込むほどのひどい頭痛に悩まされ、受診しましたが偏頭痛かなぁと言われました。
二人目妊娠中の初期検診でHbA1cが5.8で気をつけるよう言われていたことを思い出し、父(血糖値高め)の簡易測定器で測ってみると、食前は58~80位で低いのですが、食後血糖値が200を超えることがしばしば。ネットでいろいろ調べているうちに怖くなり、クリニックへ。ところが食前が低いので大丈夫だと言われました。それでも気になり、別の病院でお願いしてブドウ糖試験を受けることにしました。
食前 30分 60分 90分 120分
血糖値 67 117 166 202 210
インスリン 2以下 9.6 14.7 ? 27.3
分泌指数0.15
という結果でした。血糖値がなかなか下がらないこと、(180分までは調べてもらえなかったのですがこの先はまだ上がっていくのでしょうか。)食前血糖値が低いのにインスリンの基礎分泌量が少ないのはなぜなのでしょうか。追加分泌量も少ないですよね。。。インスリンはこのまま少ないままなのでしょうか。糖質制限食を続けていればいつかは戻るのでしょうか。。。
こんなに血糖が上がりやすくなってしまった原因も教えていただきたいです。妊娠するまでは血糖値も低くて何の心配もしていませんでしたが、一人目二人目ともにつわりがひどく初期の頃すごく背中が痛かったのですがそれは膵臓が弱っていたからなのでしょうか。妊娠糖尿病から糖尿病型になってしまったのでしょうか。3人目をは望めないのでしょうか。
体重も妊娠中は4キロ増加しただけで今までそれほど太ったことはありません。
通常 身長155センチ、体重46キロ、体脂肪率25パーセントほどでしたが、
血糖値を気にしだした2ヶ月前あたりから食べる量を減らしているせいか
体重37キロ、体脂肪率16パーセントまで落ちてしまい周りからも病気じゃないのかと心配され自分でもどこまで体重が減ってしまうのか怖いです。ナッツなら10時とか3時頃に間食として食べても膵臓に負担はかからないんですか。果物もスイカを食べて(小玉八分の一程を夕食のおかずの後に)240まで上がってしまったので不安で。。。周りから膵臓の病気かもしれないから大きな病院で検診を受けるよう言われましたが、行った方がよいのでしょうか。
だらだらと長い文章で質問も多く申し訳ありません。ずっと悩んでいましたが先生のブログや本を読ましていただき勉強させてもらっています。どうかよろしくお願いします。】
peace さん。
拙著のご購入、ありがとうございます。
食前 30分 60分 90分 120分
血糖値 67 117 166 202 210
インスリン 2以下 9.6 14.7 ? 27.3
分泌指数0.15
75gブドウ糖負荷試験のデータは、2時間値が210mgと200mgを超えていますので、「糖尿病型」となります。
「分泌指数0.15」と、0.4未満ですので低く、インスリン追加分泌、初期分泌能の不足があります。
現在すでに糖尿病であるか、あるいは将来糖尿病になりやすいパターンです。
また30分→60分→90分→120分と徐々に血糖値が高値となっていて、追加分泌のインスリンが遷延しています。
そのため120分時点でのインスリンが27.3と最も高値となっています。
ここからは、血糖値は下がっていくと思います。
このインスリン分泌の遷延と不足は、2型糖尿病の特徴です。
「二人目妊娠中の初期検診でHbA1cが5.8で気をつけるよう言われていた。」
HbA1cが5.8%ということは、同年代の若い人と比べると、この時点ですでに耐糖能は低下しています。
お父上が、糖尿病であるならば、peace さんも本来糖尿病に、なり易い体質であり、2回の妊娠・出産を経て、徐々に耐糖能が低下していったと考えられます。
現在75gブドウ糖負荷試験のデータで「糖尿病型」ですので、膵臓のβ細胞機能の作用不足があります。
しかし、妊娠中の背中の痛みは、膵臓とは無関係と思います。
また、これ以上の医学的検査は、現時点で必要ないと思います。
「食前血糖値が低いのにインスリンの基礎分泌量が少ないのはなぜなのでしょうか。」
基礎分泌のインスリンが低いのに、早朝空腹時血糖値が67mgと正常なのは、インスリン抵抗性が少なくて、少量のインスリンでも、身体全体の代謝とのマッチングが上手くいっているのだと思います。
同様の人は時々おられますが、これはよいことと思います。
「身長155センチ、体重46キロ、体脂肪率25パーセントほどでしたが、血糖値を気にしだした2ヶ月前あたりから食べる量を減らしているせいか体重37キロ」
糖質制限食で膵臓のβ細胞に休養を与えて、脂質・タンパク質は充分量摂取して、カロリーはしっかり補給して、まずは体重を元通りに回復させましょう。
糖質制限食で、
① 空腹時血糖値110mg/dl未満
② 食後2時間血糖値140mg/dl未満
③ 食後1時間血糖値180mg/dl未満
④ HbA1c5.8%未満
を保てば、膵臓のβ細胞が回復する可能性もあります。
糖質制限食なら第3子の妊娠・出産も充分可能と思います。
もともと少食のタイプでは、3度の食事だけではカロリー不足の可能性があります。
このような場合は間食の出番です。糖質制限食OKな食材なら、間食もOKなのです。
具体的には、間食としてナッツ類(アーモンド、カシューナッツ、ピーナッツ・・・)を
20~30粒程度なら糖質が約3~5gですので、一日に2~3回は大丈夫です。
1gの糖質が約3mg、2型糖尿人の血糖値を上昇させますが、ナッツ類を1回に20~30粒なら許容範囲です。
それと、糖質制限食でやせ過ぎて困るという人には、通常糖尿人には奨めないのですが、敢えて果物がお奨めです。
アボカドは、100g(1個)あたりの糖質含有量が0.9gと圧倒的に少ないので、糖尿人にもOKで、とてもいいですね。
その他、100gあたり糖質10g以下の果物は、いちご、りんご、パパイア、グレープフルーツ、夏みかん、はっさく、メロン、もも・・などです。
それぞれ
いちご 7粒、
りんご 1/4個、
パパイア 1/2個、
グレープフルーツ 1/4個、
夏みかん 1/4個、
はっさく 1/3個、
メロン 1/8個、
もも中くらい 2/3個
くらいなら、1回の摂取量での糖質は10g以下です。
果物に含まれる糖質は、「果糖・ショ糖・ブドウ糖・ソルビトール・・・」などです。
このうちメインの果糖は、血糖値をほとんど上昇させず、上記ていどの量なら食後高血糖にはなりにくいですが、カロリーはありブドウ糖より中性脂肪に変わりやすいので体重は増えます。
あと、オリーブオイルを調理に積極的に使って、カロリーを稼ぐ手もあります。
やせてる糖尿人には、「ナッツ類、果物適量、オリーブオイル」が三種の神器です。
江部康二
peace さんから、75gブドウ糖負荷試験とインスリンと体重減少などについて、コメント・質問をいただきました。
【11/09/10 peace
膵臓の病気の可能性はあるのでしょうか。
はじめましてpeaceです。
二人目の子どもの授乳中です。最近朝まで寝てくれるようになったのですが、一人目、二人目ともに夜泣きがひどく夜中も4、5回授乳していたので睡眠不足が4年近く続きました。明け方はいつもだるく、2週間に一度寝込むほどのひどい頭痛に悩まされ、受診しましたが偏頭痛かなぁと言われました。
二人目妊娠中の初期検診でHbA1cが5.8で気をつけるよう言われていたことを思い出し、父(血糖値高め)の簡易測定器で測ってみると、食前は58~80位で低いのですが、食後血糖値が200を超えることがしばしば。ネットでいろいろ調べているうちに怖くなり、クリニックへ。ところが食前が低いので大丈夫だと言われました。それでも気になり、別の病院でお願いしてブドウ糖試験を受けることにしました。
食前 30分 60分 90分 120分
血糖値 67 117 166 202 210
インスリン 2以下 9.6 14.7 ? 27.3
分泌指数0.15
という結果でした。血糖値がなかなか下がらないこと、(180分までは調べてもらえなかったのですがこの先はまだ上がっていくのでしょうか。)食前血糖値が低いのにインスリンの基礎分泌量が少ないのはなぜなのでしょうか。追加分泌量も少ないですよね。。。インスリンはこのまま少ないままなのでしょうか。糖質制限食を続けていればいつかは戻るのでしょうか。。。
こんなに血糖が上がりやすくなってしまった原因も教えていただきたいです。妊娠するまでは血糖値も低くて何の心配もしていませんでしたが、一人目二人目ともにつわりがひどく初期の頃すごく背中が痛かったのですがそれは膵臓が弱っていたからなのでしょうか。妊娠糖尿病から糖尿病型になってしまったのでしょうか。3人目をは望めないのでしょうか。
体重も妊娠中は4キロ増加しただけで今までそれほど太ったことはありません。
通常 身長155センチ、体重46キロ、体脂肪率25パーセントほどでしたが、
血糖値を気にしだした2ヶ月前あたりから食べる量を減らしているせいか
体重37キロ、体脂肪率16パーセントまで落ちてしまい周りからも病気じゃないのかと心配され自分でもどこまで体重が減ってしまうのか怖いです。ナッツなら10時とか3時頃に間食として食べても膵臓に負担はかからないんですか。果物もスイカを食べて(小玉八分の一程を夕食のおかずの後に)240まで上がってしまったので不安で。。。周りから膵臓の病気かもしれないから大きな病院で検診を受けるよう言われましたが、行った方がよいのでしょうか。
だらだらと長い文章で質問も多く申し訳ありません。ずっと悩んでいましたが先生のブログや本を読ましていただき勉強させてもらっています。どうかよろしくお願いします。】
peace さん。
拙著のご購入、ありがとうございます。
食前 30分 60分 90分 120分
血糖値 67 117 166 202 210
インスリン 2以下 9.6 14.7 ? 27.3
分泌指数0.15
75gブドウ糖負荷試験のデータは、2時間値が210mgと200mgを超えていますので、「糖尿病型」となります。
「分泌指数0.15」と、0.4未満ですので低く、インスリン追加分泌、初期分泌能の不足があります。
現在すでに糖尿病であるか、あるいは将来糖尿病になりやすいパターンです。
また30分→60分→90分→120分と徐々に血糖値が高値となっていて、追加分泌のインスリンが遷延しています。
そのため120分時点でのインスリンが27.3と最も高値となっています。
ここからは、血糖値は下がっていくと思います。
このインスリン分泌の遷延と不足は、2型糖尿病の特徴です。
「二人目妊娠中の初期検診でHbA1cが5.8で気をつけるよう言われていた。」
HbA1cが5.8%ということは、同年代の若い人と比べると、この時点ですでに耐糖能は低下しています。
お父上が、糖尿病であるならば、peace さんも本来糖尿病に、なり易い体質であり、2回の妊娠・出産を経て、徐々に耐糖能が低下していったと考えられます。
現在75gブドウ糖負荷試験のデータで「糖尿病型」ですので、膵臓のβ細胞機能の作用不足があります。
しかし、妊娠中の背中の痛みは、膵臓とは無関係と思います。
また、これ以上の医学的検査は、現時点で必要ないと思います。
「食前血糖値が低いのにインスリンの基礎分泌量が少ないのはなぜなのでしょうか。」
基礎分泌のインスリンが低いのに、早朝空腹時血糖値が67mgと正常なのは、インスリン抵抗性が少なくて、少量のインスリンでも、身体全体の代謝とのマッチングが上手くいっているのだと思います。
同様の人は時々おられますが、これはよいことと思います。
「身長155センチ、体重46キロ、体脂肪率25パーセントほどでしたが、血糖値を気にしだした2ヶ月前あたりから食べる量を減らしているせいか体重37キロ」
糖質制限食で膵臓のβ細胞に休養を与えて、脂質・タンパク質は充分量摂取して、カロリーはしっかり補給して、まずは体重を元通りに回復させましょう。
糖質制限食で、
① 空腹時血糖値110mg/dl未満
② 食後2時間血糖値140mg/dl未満
③ 食後1時間血糖値180mg/dl未満
④ HbA1c5.8%未満
を保てば、膵臓のβ細胞が回復する可能性もあります。
糖質制限食なら第3子の妊娠・出産も充分可能と思います。
もともと少食のタイプでは、3度の食事だけではカロリー不足の可能性があります。
このような場合は間食の出番です。糖質制限食OKな食材なら、間食もOKなのです。
具体的には、間食としてナッツ類(アーモンド、カシューナッツ、ピーナッツ・・・)を
20~30粒程度なら糖質が約3~5gですので、一日に2~3回は大丈夫です。
1gの糖質が約3mg、2型糖尿人の血糖値を上昇させますが、ナッツ類を1回に20~30粒なら許容範囲です。
それと、糖質制限食でやせ過ぎて困るという人には、通常糖尿人には奨めないのですが、敢えて果物がお奨めです。
アボカドは、100g(1個)あたりの糖質含有量が0.9gと圧倒的に少ないので、糖尿人にもOKで、とてもいいですね。
その他、100gあたり糖質10g以下の果物は、いちご、りんご、パパイア、グレープフルーツ、夏みかん、はっさく、メロン、もも・・などです。
それぞれ
いちご 7粒、
りんご 1/4個、
パパイア 1/2個、
グレープフルーツ 1/4個、
夏みかん 1/4個、
はっさく 1/3個、
メロン 1/8個、
もも中くらい 2/3個
くらいなら、1回の摂取量での糖質は10g以下です。
果物に含まれる糖質は、「果糖・ショ糖・ブドウ糖・ソルビトール・・・」などです。
このうちメインの果糖は、血糖値をほとんど上昇させず、上記ていどの量なら食後高血糖にはなりにくいですが、カロリーはありブドウ糖より中性脂肪に変わりやすいので体重は増えます。
あと、オリーブオイルを調理に積極的に使って、カロリーを稼ぐ手もあります。
やせてる糖尿人には、「ナッツ類、果物適量、オリーブオイル」が三種の神器です。
江部康二
2011年09月10日 (土)
こんにちは。
孤狼さんから、糖質制限食でHbA1c劇的改善という嬉しいコメントをいただました。
【11/09/10 孤狼
3ヶ月でHbA1cが10から5.2にまで下がりました。
初めて投稿させて頂きます。自分は今年の5月に異様に喉が渇き父親の方に糖尿病の気がありましたので、色々とネット等で糖尿病の症状を調べ当てはまっていたので薬局で簡易検査薬を購入し、計ったところ完全に緑に変色したので病院に行き採血をしてもらった結果…
5月頭の時点でHbA1c 10.0ありました。
妻も子供もいる中、糖尿病だと自分がわかった時は正直過去の暴飲暴食をした自分自身を憎んでも憎み切れないくらいの気持ちでした。
日常そのものが苦痛に感じるようになり、妻や子供に申し訳ないという気持ちで一杯でした。どう改善すればいいのかすらわからずネットで何とか改善しようと色々と探していたところ、江部先生のブログを発見し糖質制限食の存在を知り早速実践させて頂きました。
仕事が夜勤なので運動療法も必要だと思い、仕事帰りは片足1.4kgの重りがついている靴を履いて1時間20分かけて歩いています。
帰宅が11時くらいになるのでその後入浴を済ませ、生アーモンドを13粒食べてから
野菜スープ(えのき、しいたけ、豆腐、白菜、しらたき、ウィンナー)と魚介類
を食べ、それから午後2時前後に木綿豆腐400gと鶏肉を食べ、再度アーモンドを10粒食べて、筋トレを30分~1時間程度し、それから少しして午後4時前後に寝る生活を今現在まで続けております。
その結果6月の検査結果でHbA1c 8.0
7月の検査結果でHbA1c 5.2という結果になり、医師も非情に驚いていました。
体重も100から69.9kgまで減少し、このまま60前半になればなと思っています。
この間薬は一切何も飲んでいません。(意識があるので処方は様子を見ると言われた為)
糖質制限食を知る事ができて助かりました。
本当にありがとうございました。
それと質問もさせて頂きたいのですが 医師により8月は来なくていいという事で次の検査は9月の後半なのですが、筋トレを少し重点的にしているせいか空腹に堪え切れずついつい糖質0の炭酸飲料を一日多い時では1.5リットル程度飲んでしまいます…。
江部先生にはお礼を是非言わせて頂きたいと思ってこうして初投稿させて頂いたのですが、もう少し食べる量を増やした方がいいのでしょうか?
最近ふすまパンという物を知りそれも試しに頼んでみました。】
孤狼さん。
2011年5月、HbA1c10.0%
2011年7月、HbA1c5.2%
お薬なしで糖質制限食だけで驚異的な改善ですね。
主治医はさぞびっくりされたでしょう。
体重も、
2011年5月、100kg
2011年9月、69.9kg
こちらも驚異的な減少ですね。
ただ空腹感が強いようです。
メニューをみると、タンパク質が多く脂質がやや少ないようで、少し低カロリー気味な気がします。
「糖質0の炭酸飲料を一日多い時では1.5リットル」
これはさすがに多すぎます。
FDA(米国食料医薬品庁)は、人工甘味料を認可していますが、1日の総量規制もしています。
350ml×2本/日 くらいまでが無難と思います。
体重減少は少しゆっくりになってもいいので、脂質をもう少し摂取して、<成人男性の標準必要カロリー+筋トレ分のカロリー>を確保して、空腹感がないようにするほうが良いと思います。
ふすまパンも、よいですね。
私も食べています。
美味しく楽しく、空腹感のない満足のいく糖質制限食をお続けください。
江部康二
孤狼さんから、糖質制限食でHbA1c劇的改善という嬉しいコメントをいただました。
【11/09/10 孤狼
3ヶ月でHbA1cが10から5.2にまで下がりました。
初めて投稿させて頂きます。自分は今年の5月に異様に喉が渇き父親の方に糖尿病の気がありましたので、色々とネット等で糖尿病の症状を調べ当てはまっていたので薬局で簡易検査薬を購入し、計ったところ完全に緑に変色したので病院に行き採血をしてもらった結果…
5月頭の時点でHbA1c 10.0ありました。
妻も子供もいる中、糖尿病だと自分がわかった時は正直過去の暴飲暴食をした自分自身を憎んでも憎み切れないくらいの気持ちでした。
日常そのものが苦痛に感じるようになり、妻や子供に申し訳ないという気持ちで一杯でした。どう改善すればいいのかすらわからずネットで何とか改善しようと色々と探していたところ、江部先生のブログを発見し糖質制限食の存在を知り早速実践させて頂きました。
仕事が夜勤なので運動療法も必要だと思い、仕事帰りは片足1.4kgの重りがついている靴を履いて1時間20分かけて歩いています。
帰宅が11時くらいになるのでその後入浴を済ませ、生アーモンドを13粒食べてから
野菜スープ(えのき、しいたけ、豆腐、白菜、しらたき、ウィンナー)と魚介類
を食べ、それから午後2時前後に木綿豆腐400gと鶏肉を食べ、再度アーモンドを10粒食べて、筋トレを30分~1時間程度し、それから少しして午後4時前後に寝る生活を今現在まで続けております。
その結果6月の検査結果でHbA1c 8.0
7月の検査結果でHbA1c 5.2という結果になり、医師も非情に驚いていました。
体重も100から69.9kgまで減少し、このまま60前半になればなと思っています。
この間薬は一切何も飲んでいません。(意識があるので処方は様子を見ると言われた為)
糖質制限食を知る事ができて助かりました。
本当にありがとうございました。
それと質問もさせて頂きたいのですが 医師により8月は来なくていいという事で次の検査は9月の後半なのですが、筋トレを少し重点的にしているせいか空腹に堪え切れずついつい糖質0の炭酸飲料を一日多い時では1.5リットル程度飲んでしまいます…。
江部先生にはお礼を是非言わせて頂きたいと思ってこうして初投稿させて頂いたのですが、もう少し食べる量を増やした方がいいのでしょうか?
最近ふすまパンという物を知りそれも試しに頼んでみました。】
孤狼さん。
2011年5月、HbA1c10.0%
2011年7月、HbA1c5.2%
お薬なしで糖質制限食だけで驚異的な改善ですね。
主治医はさぞびっくりされたでしょう。
体重も、
2011年5月、100kg
2011年9月、69.9kg
こちらも驚異的な減少ですね。
ただ空腹感が強いようです。
メニューをみると、タンパク質が多く脂質がやや少ないようで、少し低カロリー気味な気がします。
「糖質0の炭酸飲料を一日多い時では1.5リットル」
これはさすがに多すぎます。
FDA(米国食料医薬品庁)は、人工甘味料を認可していますが、1日の総量規制もしています。
350ml×2本/日 くらいまでが無難と思います。
体重減少は少しゆっくりになってもいいので、脂質をもう少し摂取して、<成人男性の標準必要カロリー+筋トレ分のカロリー>を確保して、空腹感がないようにするほうが良いと思います。
ふすまパンも、よいですね。
私も食べています。
美味しく楽しく、空腹感のない満足のいく糖質制限食をお続けください。
江部康二
2011年09月09日 (金)
こんにちは
常々本ブログで、食後高血糖が動脈硬化や発癌のリスクであるというエビデンスを、医学雑誌掲載論文や国際糖尿病連合のガイドラインをもとに示してきました。
今回は、
「繰り返す血糖変動は持続的高血糖よりも、血管内皮機能と酸化ストレスの障害をおこす。」
という論文を紹介ます。(*)
新規(6ヵ月以内)に2型糖尿病と診断され、食事療法のみを実施している15例を対象に、研究が行われました。
持続的に点滴をして操作して、意図的に以下の1)2)3)の状況を作り出して、血管内皮機能の指標(FMD、ニトロチロシン)を調べた研究です。
1) 6時間ごとに270mg/dLと正常化を繰り返す血糖変動
2) 270mg/dLの持続的高血糖の維持
3) 180mg/dLの持続的高血糖の維持
血糖、FMD、ニトロチロシンを6時間ごとに測定。
グラフがなくて文章だけだと、ややわかりにくいのですが
1)は、前が90mg/dl 、点滴でブドウ糖を投与して270mg/dlにして、
また90mg/dlに戻して、もう1回ブドウ糖を投与して270mg/dlにして、
その後126mg/dlに戻してというパターンです。
2)は点滴によりずっとブドウ糖を投与して、24時間、270mg/dlを保つパターンです。
3)は点滴によりずっとブドウ糖を投与して、24時間、180mg/dlを保つパターンです。
2型糖尿病患者において、1)2)3)を、無作為の順に実施し、血糖、FMD、ニトロチロシンに及ぼす影響を検討した研究です。
血糖変動群における高血糖期(12、24時間後)には、持続的高血糖群と比較して、FMDは同程度、または有意な低下、ニトロチロシンは同程度または有意な増加が示されました。
すなわち、この研究では繰り返す血糖変動が、持続的高血糖よりも、血管内皮機能と酸化ストレスの障害を強く起こすことが示されました。
結局、1日3回、主食(糖質)を摂取する従来のカロリー制限食は、まさにこの研究の、「繰り返す血糖変動」を1日3回生じているわけであり、動脈硬化の大きなリスクをわざわざひき起こす危険な食事療法の可能性が高いのです。
糖質制限食なら、「繰り返す血糖変動」は1回も生じませんので、動脈硬化のリスクもありません。
江部康二
(*)
Oscillating Glucose Is More Deleterious to Endothelial Function and Oxidative Stress Than Mean Glucose in Normal and Type 2 Diabetic Patients
Ceriello A, et al:Diabetes, 57:1349-1354,2008
常々本ブログで、食後高血糖が動脈硬化や発癌のリスクであるというエビデンスを、医学雑誌掲載論文や国際糖尿病連合のガイドラインをもとに示してきました。
今回は、
「繰り返す血糖変動は持続的高血糖よりも、血管内皮機能と酸化ストレスの障害をおこす。」
という論文を紹介ます。(*)
新規(6ヵ月以内)に2型糖尿病と診断され、食事療法のみを実施している15例を対象に、研究が行われました。
持続的に点滴をして操作して、意図的に以下の1)2)3)の状況を作り出して、血管内皮機能の指標(FMD、ニトロチロシン)を調べた研究です。
1) 6時間ごとに270mg/dLと正常化を繰り返す血糖変動
2) 270mg/dLの持続的高血糖の維持
3) 180mg/dLの持続的高血糖の維持
血糖、FMD、ニトロチロシンを6時間ごとに測定。
グラフがなくて文章だけだと、ややわかりにくいのですが
1)は、前が90mg/dl 、点滴でブドウ糖を投与して270mg/dlにして、
また90mg/dlに戻して、もう1回ブドウ糖を投与して270mg/dlにして、
その後126mg/dlに戻してというパターンです。
2)は点滴によりずっとブドウ糖を投与して、24時間、270mg/dlを保つパターンです。
3)は点滴によりずっとブドウ糖を投与して、24時間、180mg/dlを保つパターンです。
2型糖尿病患者において、1)2)3)を、無作為の順に実施し、血糖、FMD、ニトロチロシンに及ぼす影響を検討した研究です。
血糖変動群における高血糖期(12、24時間後)には、持続的高血糖群と比較して、FMDは同程度、または有意な低下、ニトロチロシンは同程度または有意な増加が示されました。
すなわち、この研究では繰り返す血糖変動が、持続的高血糖よりも、血管内皮機能と酸化ストレスの障害を強く起こすことが示されました。
結局、1日3回、主食(糖質)を摂取する従来のカロリー制限食は、まさにこの研究の、「繰り返す血糖変動」を1日3回生じているわけであり、動脈硬化の大きなリスクをわざわざひき起こす危険な食事療法の可能性が高いのです。
糖質制限食なら、「繰り返す血糖変動」は1回も生じませんので、動脈硬化のリスクもありません。
江部康二
(*)
Oscillating Glucose Is More Deleterious to Endothelial Function and Oxidative Stress Than Mean Glucose in Normal and Type 2 Diabetic Patients
Ceriello A, et al:Diabetes, 57:1349-1354,2008
2011年09月08日 (木)
こんばんは。
少し前の、日経メディカルのウェブサイトで
「DPP-4阻害薬の血糖改善効果は魚介類の摂取量が多いほど高い」
という面白い記事を見つけました。(☆☆☆参考)
関西電力病院疾患栄養治療部の岩崎真宏氏が、2011年6月の糖尿病学会で発表した研究報告の記事です。
記事によると、DPP-4阻害薬の単剤投与による血糖改善効果は、魚介類の摂取量が多い人のほうが高い可能性があり、HbA1cの低下量はEPAおよびDHAの血中濃度に相関して大きくなることが確認されました。
「各患者における炭水化物やタンパク質、脂肪の摂取量とHbA1c変化量との間に相関は認めなかった。」
これは、基本的にカロリー制限食(高糖質食)の範疇での食事療法でしょうから、炭水化物やタンパク質、脂肪の摂取量には大きな差はなかったと考えられます。
もし意図的に糖質制限食をした人がいれば、4ヶ月後ですから、少なくとも1~2%の改善は認められたと思います。
「より詳細に、摂取した食品を穀類やイモ類、肉類、卵類、乳類、豆類、野菜類、きのこ類などに分けてHbA1c変化量との相関を調べたところ、唯一、魚介類とのみ有意に負の相関を認め、魚介類の摂取量が多いほどHbA1c低下量が大きいことが明らかになった。」
穀類やイモ類を多く食べた場合は、理論的にはHbA1cは上昇するはずですが、量がそんなに大きな差がなくて有意差が出なかったのでしょうね。
その中で、魚介類の摂取量が多いほどHbA1c低下量が大きいというのは興味深いです。
さらに、n-3系の多価不飽和脂肪酸のうち、EPAやDHAの摂取量が多いほど、HbA1c低下量が大きいというのも、面白いです。
岩崎氏は、EPAやDHAがDPP-4阻害薬の効果にどのように影響しているのかとの質問に対し、
「EPAやDHAにインクレチンの分泌を促進する作用があり、DPP-4阻害薬を併用することで効果がより強まっている可能性がある」
と答えておられます。
これはあくまでも仮説ですね。
この仮説が正しければ、単純に<DPP-4阻害剤+EPA(エパデール)>の投薬で血糖コントロール・HbA1cが改善するということになります。
しかし、インクレチンは、糖質や脂質を摂取すると消化管から分泌されるホルモンです。
従ってEPAやDHAだけがインクレチンを分泌させるというわけではありませんので、ことはそう簡単にはいかないと思います。
江部康二
☆☆☆参考 日経メディカル ウェブサイトから転載
【2011. 6. 9 富田文=日経メディカル別冊編集
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/special/dm/pickup/201106/520011.html
DPP-4阻害薬の血糖改善効果は魚介類の摂取量が多いほど高い
関西電力病院疾患栄養治療部の岩崎真宏氏
DPP-4阻害薬の単剤投与による血糖改善効果は、魚介類の摂取量が多い人の方が高い可能性が示された。HbA1cの低下量は、魚介類に多く含まれるn-3系多価不飽和脂肪酸のイコサペンタエン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA)の血中濃度に相関して大きくなることも確認された。関西電力病院疾患栄養治療部の岩崎真宏氏(写真)らが、札幌で開催された日本糖尿病学会(JDS2011)で発表した。
DPP-4阻害薬は、インスリン分泌を促進するインクレチンの分解を防ぐことで血糖降下作用を増強するが、その効果には、そもそものインクレチンの分泌刺激となる食事由来の栄養素が大きく影響していると考えられる。そこで、岩崎氏らは、DPP-4阻害薬による血糖改善効果をより効果的にする食事療法を調べるために、DPP-4阻害薬の単剤投与で治療している患者について、摂取栄養素とHbA1c変化量との関係を調べた。
対象は、関西電力病院外来通院中の2型糖尿病患者で、DPP-4阻害薬を単剤投与している42人(シタグリプチンもしくはアログリプチンのどちらかを内服)。臨床検査および食事調査(目安記録法)を定期的に行い、4カ月の治療期間後に、種々の栄養成分とHbA1c低下量の相関分析を行った。
4カ月の治療期間後に、患者の平均BMIに変化が認められなかった。一方、平均HbA1c値は、有意に0.5%低下した(p<0.01)。
HbA1cの低下の程度に、患者間で差を認めたことから、岩崎氏らは、各患者における食事摂取内容がDPP-4阻害薬の血糖改善効果に影響を与えているかを調べた。
まず、各患者における炭水化物やタンパク質、脂肪の摂取量とHbA1c変化量との間に相関は認めなかった。そこで、より詳細に、摂取した食品を穀類やイモ類、肉類、卵類、乳類、豆類、野菜類、きのこ類などに分けてHbA1c変化量との相関を調べたところ、唯一、魚介類とのみ有意に負の相関を認め、魚介類の摂取量が多いほどHbA1c低下量が大きいことが明らかになった。
次に、魚介類の成分で特徴的な脂肪酸について、HbA1c変化量との関係を調べた。各種脂肪酸(飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸〔n-6系、n-3系〕)の摂取量と、HbA1c変化量の関係を調べたところ、n-3系の多価不飽和脂肪酸でのみ有意に負の相関を認め、n-3系の多価不飽和脂肪酸の摂取量が多いほどHbA1cの低下量が大きいことが分かった。
さらに、n-3系の多価不飽和脂肪酸のうち、EPAやDHAの摂取量が多いほど、HbA1c低下量が大きいことも分かった。
EPAやDHAは体内で合成することができないので、血中濃度は摂取量を反映すると考えられる。岩崎氏は、これらの結果を、より客観的な指標で示すために、血中のEPAおよびDHAの濃度と、HbA1c変化量との相関を調べ、血中のEPAとDHAの濃度が高いほど、HbA1c低下量が大きいことも明らかにした。
以上から、EPAやDHAなどのn-3系多価不飽和脂肪酸を含む魚介類の摂取は、DPP-4阻害薬による血糖改善のための効果的な食事療法となる可能性が示唆された。
岩崎氏は、EPAやDHAがDPP-4阻害薬の効果にどのように影響しているのかとの質問に対し、「EPAやDHAにインクレチンの分泌を促進する作用があり、DPP-4阻害薬を併用することで効果がより強まっている可能性がある」と答えた。】
少し前の、日経メディカルのウェブサイトで
「DPP-4阻害薬の血糖改善効果は魚介類の摂取量が多いほど高い」
という面白い記事を見つけました。(☆☆☆参考)
関西電力病院疾患栄養治療部の岩崎真宏氏が、2011年6月の糖尿病学会で発表した研究報告の記事です。
記事によると、DPP-4阻害薬の単剤投与による血糖改善効果は、魚介類の摂取量が多い人のほうが高い可能性があり、HbA1cの低下量はEPAおよびDHAの血中濃度に相関して大きくなることが確認されました。
「各患者における炭水化物やタンパク質、脂肪の摂取量とHbA1c変化量との間に相関は認めなかった。」
これは、基本的にカロリー制限食(高糖質食)の範疇での食事療法でしょうから、炭水化物やタンパク質、脂肪の摂取量には大きな差はなかったと考えられます。
もし意図的に糖質制限食をした人がいれば、4ヶ月後ですから、少なくとも1~2%の改善は認められたと思います。
「より詳細に、摂取した食品を穀類やイモ類、肉類、卵類、乳類、豆類、野菜類、きのこ類などに分けてHbA1c変化量との相関を調べたところ、唯一、魚介類とのみ有意に負の相関を認め、魚介類の摂取量が多いほどHbA1c低下量が大きいことが明らかになった。」
穀類やイモ類を多く食べた場合は、理論的にはHbA1cは上昇するはずですが、量がそんなに大きな差がなくて有意差が出なかったのでしょうね。
その中で、魚介類の摂取量が多いほどHbA1c低下量が大きいというのは興味深いです。
さらに、n-3系の多価不飽和脂肪酸のうち、EPAやDHAの摂取量が多いほど、HbA1c低下量が大きいというのも、面白いです。
岩崎氏は、EPAやDHAがDPP-4阻害薬の効果にどのように影響しているのかとの質問に対し、
「EPAやDHAにインクレチンの分泌を促進する作用があり、DPP-4阻害薬を併用することで効果がより強まっている可能性がある」
と答えておられます。
これはあくまでも仮説ですね。
この仮説が正しければ、単純に<DPP-4阻害剤+EPA(エパデール)>の投薬で血糖コントロール・HbA1cが改善するということになります。
しかし、インクレチンは、糖質や脂質を摂取すると消化管から分泌されるホルモンです。
従ってEPAやDHAだけがインクレチンを分泌させるというわけではありませんので、ことはそう簡単にはいかないと思います。
江部康二
☆☆☆参考 日経メディカル ウェブサイトから転載
【2011. 6. 9 富田文=日経メディカル別冊編集
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/special/dm/pickup/201106/520011.html
DPP-4阻害薬の血糖改善効果は魚介類の摂取量が多いほど高い
関西電力病院疾患栄養治療部の岩崎真宏氏
DPP-4阻害薬の単剤投与による血糖改善効果は、魚介類の摂取量が多い人の方が高い可能性が示された。HbA1cの低下量は、魚介類に多く含まれるn-3系多価不飽和脂肪酸のイコサペンタエン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA)の血中濃度に相関して大きくなることも確認された。関西電力病院疾患栄養治療部の岩崎真宏氏(写真)らが、札幌で開催された日本糖尿病学会(JDS2011)で発表した。
DPP-4阻害薬は、インスリン分泌を促進するインクレチンの分解を防ぐことで血糖降下作用を増強するが、その効果には、そもそものインクレチンの分泌刺激となる食事由来の栄養素が大きく影響していると考えられる。そこで、岩崎氏らは、DPP-4阻害薬による血糖改善効果をより効果的にする食事療法を調べるために、DPP-4阻害薬の単剤投与で治療している患者について、摂取栄養素とHbA1c変化量との関係を調べた。
対象は、関西電力病院外来通院中の2型糖尿病患者で、DPP-4阻害薬を単剤投与している42人(シタグリプチンもしくはアログリプチンのどちらかを内服)。臨床検査および食事調査(目安記録法)を定期的に行い、4カ月の治療期間後に、種々の栄養成分とHbA1c低下量の相関分析を行った。
4カ月の治療期間後に、患者の平均BMIに変化が認められなかった。一方、平均HbA1c値は、有意に0.5%低下した(p<0.01)。
HbA1cの低下の程度に、患者間で差を認めたことから、岩崎氏らは、各患者における食事摂取内容がDPP-4阻害薬の血糖改善効果に影響を与えているかを調べた。
まず、各患者における炭水化物やタンパク質、脂肪の摂取量とHbA1c変化量との間に相関は認めなかった。そこで、より詳細に、摂取した食品を穀類やイモ類、肉類、卵類、乳類、豆類、野菜類、きのこ類などに分けてHbA1c変化量との相関を調べたところ、唯一、魚介類とのみ有意に負の相関を認め、魚介類の摂取量が多いほどHbA1c低下量が大きいことが明らかになった。
次に、魚介類の成分で特徴的な脂肪酸について、HbA1c変化量との関係を調べた。各種脂肪酸(飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸〔n-6系、n-3系〕)の摂取量と、HbA1c変化量の関係を調べたところ、n-3系の多価不飽和脂肪酸でのみ有意に負の相関を認め、n-3系の多価不飽和脂肪酸の摂取量が多いほどHbA1cの低下量が大きいことが分かった。
さらに、n-3系の多価不飽和脂肪酸のうち、EPAやDHAの摂取量が多いほど、HbA1c低下量が大きいことも分かった。
EPAやDHAは体内で合成することができないので、血中濃度は摂取量を反映すると考えられる。岩崎氏は、これらの結果を、より客観的な指標で示すために、血中のEPAおよびDHAの濃度と、HbA1c変化量との相関を調べ、血中のEPAとDHAの濃度が高いほど、HbA1c低下量が大きいことも明らかにした。
以上から、EPAやDHAなどのn-3系多価不飽和脂肪酸を含む魚介類の摂取は、DPP-4阻害薬による血糖改善のための効果的な食事療法となる可能性が示唆された。
岩崎氏は、EPAやDHAがDPP-4阻害薬の効果にどのように影響しているのかとの質問に対し、「EPAやDHAにインクレチンの分泌を促進する作用があり、DPP-4阻害薬を併用することで効果がより強まっている可能性がある」と答えた。】
2011年09月07日 (水)
こんにちは。
糖質オフなお惣菜「スタイルダイニング」(NEWS CHEF 株式会社)
http://www.toushitsu-kitchen.com/shopping/
のご紹介です。
勿論、糖質制限食OK食品です。
NPO法人糖質制限食ネット・リボーン副理事長、大柳珠美管理栄養士が監修している、好きな野菜を生のままプラスしてレンジで加熱するだけのお惣菜です。
NEWS CHEFさんは、NPO法人糖質制限食ネット・リボーンの団体賛助会員です。
2011年9月4日(日)の中野サンプラザ糖質制限食講演会にも出品していただいて、参加者の評判は「美味しい!」と、上々でした。
大柳管理栄養士とNEWS CHEFさんが、徹底的にコラボで研究・試食を繰り返して、やっと現在の満足のゆく製品に仕上がったそうです。
江部康二
以下は、大柳珠美副理事長からのメッセージです。
☆☆☆
『スタイルダイニング』
好きな野菜を生のままプラスしてレンジで加熱するだけの糖質オフなお惣菜「スタイルダイニング」(NEWS CHEF 株式会社)が今年6月の発売以降、じわじわと人気上昇中です。http://www.toushitsu-kitchen.com/shopping/
試食された方の9割近くの第一声が「美味しい!」と言う程、まずは味が抜群です。1食650円という価格も、その辺の弁当のおかずだけを購入してつけあわせのほとんどを残すことを考えれば格安です。
この「スタイルダイニング」は、糖質オフな素材と糖質オフなソースやスープが5食の違うセットメニューで届きます。
解凍しておいた素材とソースを専用の電子レンジ専用調理容器「パプリカ」(9月末まで無料プレゼント中)に、好みの野菜やきのこを、生のまま好きなだけ一緒に入れてレンジにかけるだけで本格お惣菜が完成という仕組みです。
以下、パプリカのおかず内容のご紹介です。
内容は、たとえば1)おろしハンバーグつなぎを使わないひとつひとつ手こねのハンバーグに、糖質オフの和風ポン酢のセット。シャキシャキ水菜や貝割れ大根など生野菜をトッピングするのもおすすめ。
2)魚介と野菜のスープカレープリプリえび、ほたて、いかの海鮮ミックスと糖質オフのカレースープのセット。一味をプラスして辛味を足してもOK。
3)牛肉のトマトソース煮込み表面を香ばしく焼き付け、その後じっくり8時間も加熱して箸でも切れるくらいやわらかく煮込んだ牛肉と糖質オフなトマトソースのセット。器に盛りつけた後、温泉卵やパルメザンチーズをトッピングするなどのアレンジも楽しめます。
本人であれ、家族であれ、毎日、毎食の糖質制限食づくりは大変です。そんなとき、この総菜を1つチンすれば、後は、冷や奴を添えるだけ、刺身サラダを添えるだけで食事作りの手間を軽減できます。
プレゼントでついてくる専用の電子レンジ調理容器「パプリカ」は、これ単体でも、たとえば枝豆を入れて500W3分ほどで、ほっくり、ふっくら枝豆の完成です。戻すのに時間がかかる干し椎茸や干しキクラゲなどの乾物も「パプリカ」に水と一緒に入れて500W3分ほどであっという間に戻ります。あさりの酒蒸しや温野菜等も簡単にあっという間に美味しく完成。皆様の糖質制限な毎日の食卓においしくお役立て頂けましたら幸いです。
糖質オフなお惣菜「スタイルダイニング」(NEWS CHEF 株式会社)
http://www.toushitsu-kitchen.com/shopping/
のご紹介です。
勿論、糖質制限食OK食品です。
NPO法人糖質制限食ネット・リボーン副理事長、大柳珠美管理栄養士が監修している、好きな野菜を生のままプラスしてレンジで加熱するだけのお惣菜です。
NEWS CHEFさんは、NPO法人糖質制限食ネット・リボーンの団体賛助会員です。
2011年9月4日(日)の中野サンプラザ糖質制限食講演会にも出品していただいて、参加者の評判は「美味しい!」と、上々でした。
大柳管理栄養士とNEWS CHEFさんが、徹底的にコラボで研究・試食を繰り返して、やっと現在の満足のゆく製品に仕上がったそうです。
江部康二
以下は、大柳珠美副理事長からのメッセージです。
☆☆☆
『スタイルダイニング』
好きな野菜を生のままプラスしてレンジで加熱するだけの糖質オフなお惣菜「スタイルダイニング」(NEWS CHEF 株式会社)が今年6月の発売以降、じわじわと人気上昇中です。http://www.toushitsu-kitchen.com/shopping/
試食された方の9割近くの第一声が「美味しい!」と言う程、まずは味が抜群です。1食650円という価格も、その辺の弁当のおかずだけを購入してつけあわせのほとんどを残すことを考えれば格安です。
この「スタイルダイニング」は、糖質オフな素材と糖質オフなソースやスープが5食の違うセットメニューで届きます。
解凍しておいた素材とソースを専用の電子レンジ専用調理容器「パプリカ」(9月末まで無料プレゼント中)に、好みの野菜やきのこを、生のまま好きなだけ一緒に入れてレンジにかけるだけで本格お惣菜が完成という仕組みです。
以下、パプリカのおかず内容のご紹介です。
内容は、たとえば1)おろしハンバーグつなぎを使わないひとつひとつ手こねのハンバーグに、糖質オフの和風ポン酢のセット。シャキシャキ水菜や貝割れ大根など生野菜をトッピングするのもおすすめ。
2)魚介と野菜のスープカレープリプリえび、ほたて、いかの海鮮ミックスと糖質オフのカレースープのセット。一味をプラスして辛味を足してもOK。
3)牛肉のトマトソース煮込み表面を香ばしく焼き付け、その後じっくり8時間も加熱して箸でも切れるくらいやわらかく煮込んだ牛肉と糖質オフなトマトソースのセット。器に盛りつけた後、温泉卵やパルメザンチーズをトッピングするなどのアレンジも楽しめます。
本人であれ、家族であれ、毎日、毎食の糖質制限食づくりは大変です。そんなとき、この総菜を1つチンすれば、後は、冷や奴を添えるだけ、刺身サラダを添えるだけで食事作りの手間を軽減できます。
プレゼントでついてくる専用の電子レンジ調理容器「パプリカ」は、これ単体でも、たとえば枝豆を入れて500W3分ほどで、ほっくり、ふっくら枝豆の完成です。戻すのに時間がかかる干し椎茸や干しキクラゲなどの乾物も「パプリカ」に水と一緒に入れて500W3分ほどであっという間に戻ります。あさりの酒蒸しや温野菜等も簡単にあっという間に美味しく完成。皆様の糖質制限な毎日の食卓においしくお役立て頂けましたら幸いです。
2011年09月06日 (火)
こんにちは。
日本経済新聞のウェブサイトで
『肥満防止で「ポテチ税」導入 財政再建中のハンガリー』
という記事が載っていました。 (*)
ハンガリーは、東欧で有数の肥満大国で、心臓病で亡くなる人もとても多いそうです。
肥満防止のために、塩分はともかく、脂肪ではなくて糖分の高い食品に課税するというのが、興味深いですね。
ポテトチップスやスナック菓子、清涼飲料水・・・
いわゆるジャンクフードです。
日本で食生活の欧米化というときは、脂肪の過剰摂取を指しているのですが、ハンガリーよりはるかに前から、ジャンクフードのオンパレードですから、結局日本でも糖質をたくさん摂っているのです。
『厚生労働省「国民栄養の現状」 栄養摂取量の推移』によると、高度経済成長が始まり日本が豊かになった頃、
昭和40年(1965年)から昭和55年(1980年)まで、糖質摂取比率が急速に減少し脂質摂取比率が急速に増加しました。
そしてこの間、脳卒中が激減するという良い変化が生じました。
その後、昭和55年(1980年)以降2008年までは
糖質:62~57%、脂質:22~26%、蛋白質:15~16%
と摂取熱量比率は大きな差はありません。
しかし、この間少なくとも2007年の統計まで、糖尿病や肥満は増え続けました。
①運動不足。
②エアコン→体温調節エネルギー低下→基礎代謝の低下?
③精製炭水化物・清涼飲料水(調味嗜好飲料)の過剰摂取。炭水化物の質の異常。
摂取比率があまり変化ないのに、糖尿病・肥満が増え続けたのには、①②③の3つの要素が、密接に関わっていると思います。
その中で③は、ハンガリーが「ポテチ税」を課したジャンクフードなどが主ですね。
さらにその後は
平成9年(1997年)をピークに、脂質摂取比率は減少しはじめています。
平成9年(1997年)をボトムに、糖質摂取比率は増加しはじめています。
要するに、
1997年以後は、脂質摂取比率は徐々に減少し続け、糖質摂取比率は徐々に上昇して続けています。
そして、それにもかかわらず、
1997年以後も2007年の最近の統計にいたるまで糖尿病、肥満は増え続けています。
糖尿病や肥満を減らそうと思えば、日本もタバコ増税はともかくとして、ハンガリーと同様に糖質の多いジャンクフードなどに課す「ポテチ税」の導入を真剣に考えた方が良さそうですね。
江部康二
(*)
【日本経済新聞 ウェブサイト 2011/9/2 9:47
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C9381959FE2E0E2E2828DE2E0E2EBE0E2E3E39790E3E2E2E2;at=ALL
肥満防止で「ポテチ税」導入 財政再建中のハンガリー
ハンガリー政府は1日、国民の肥満防止を目的に、スナック菓子や清涼飲料水など塩分や糖分が特に高い食品に課税する通称「ポテトチップス税」を導入した。
ハンガリーは財政再建を進めており、政府は税の導入で、毎年7400万ユーロ(約81億円)の税収を見込んでいるという。
欧米メディアによると、包装された市販のケーキやビスケットなども対象で、1キロ当たりの課税額はポテトチップスが200フォリント(約80円)、包装されたケーキ類は100フォリント。
ハンガリーの政治家はフランスメディアに「不健康な食品を取るべきではないというメッセージを消費者に送りたい」と説明している。
一方、地元経済団体は税導入で国内の複数の工場が閉鎖され、多数の従業員が解雇される可能性があるとしている。(ウィーン=共同)】
日本経済新聞のウェブサイトで
『肥満防止で「ポテチ税」導入 財政再建中のハンガリー』
という記事が載っていました。 (*)
ハンガリーは、東欧で有数の肥満大国で、心臓病で亡くなる人もとても多いそうです。
肥満防止のために、塩分はともかく、脂肪ではなくて糖分の高い食品に課税するというのが、興味深いですね。
ポテトチップスやスナック菓子、清涼飲料水・・・
いわゆるジャンクフードです。
日本で食生活の欧米化というときは、脂肪の過剰摂取を指しているのですが、ハンガリーよりはるかに前から、ジャンクフードのオンパレードですから、結局日本でも糖質をたくさん摂っているのです。
『厚生労働省「国民栄養の現状」 栄養摂取量の推移』によると、高度経済成長が始まり日本が豊かになった頃、
昭和40年(1965年)から昭和55年(1980年)まで、糖質摂取比率が急速に減少し脂質摂取比率が急速に増加しました。
そしてこの間、脳卒中が激減するという良い変化が生じました。
その後、昭和55年(1980年)以降2008年までは
糖質:62~57%、脂質:22~26%、蛋白質:15~16%
と摂取熱量比率は大きな差はありません。
しかし、この間少なくとも2007年の統計まで、糖尿病や肥満は増え続けました。
①運動不足。
②エアコン→体温調節エネルギー低下→基礎代謝の低下?
③精製炭水化物・清涼飲料水(調味嗜好飲料)の過剰摂取。炭水化物の質の異常。
摂取比率があまり変化ないのに、糖尿病・肥満が増え続けたのには、①②③の3つの要素が、密接に関わっていると思います。
その中で③は、ハンガリーが「ポテチ税」を課したジャンクフードなどが主ですね。
さらにその後は
平成9年(1997年)をピークに、脂質摂取比率は減少しはじめています。
平成9年(1997年)をボトムに、糖質摂取比率は増加しはじめています。
要するに、
1997年以後は、脂質摂取比率は徐々に減少し続け、糖質摂取比率は徐々に上昇して続けています。
そして、それにもかかわらず、
1997年以後も2007年の最近の統計にいたるまで糖尿病、肥満は増え続けています。
糖尿病や肥満を減らそうと思えば、日本もタバコ増税はともかくとして、ハンガリーと同様に糖質の多いジャンクフードなどに課す「ポテチ税」の導入を真剣に考えた方が良さそうですね。
江部康二
(*)
【日本経済新聞 ウェブサイト 2011/9/2 9:47
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C9381959FE2E0E2E2828DE2E0E2EBE0E2E3E39790E3E2E2E2;at=ALL
肥満防止で「ポテチ税」導入 財政再建中のハンガリー
ハンガリー政府は1日、国民の肥満防止を目的に、スナック菓子や清涼飲料水など塩分や糖分が特に高い食品に課税する通称「ポテトチップス税」を導入した。
ハンガリーは財政再建を進めており、政府は税の導入で、毎年7400万ユーロ(約81億円)の税収を見込んでいるという。
欧米メディアによると、包装された市販のケーキやビスケットなども対象で、1キロ当たりの課税額はポテトチップスが200フォリント(約80円)、包装されたケーキ類は100フォリント。
ハンガリーの政治家はフランスメディアに「不健康な食品を取るべきではないというメッセージを消費者に送りたい」と説明している。
一方、地元経済団体は税導入で国内の複数の工場が閉鎖され、多数の従業員が解雇される可能性があるとしている。(ウィーン=共同)】