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鴨川をどりと糖質制限食OKのお店「ごはんや菜々平」
こんばんは。

新緑の京都を飾る「鴨川をどり」は、伝統と洗練を誇る京の年中行事です。

今年はなんと174回目で、5月1日から24日まで、先斗町三条下ルの歌舞練場で催されます。

私達は、連れ合いと友人夫妻と4人で、5月4日(水)午后4:10からの公演に行ってきました。

良い天気で結構でしたが、黄砂も飛んでいて、東山の麓には霞がかかってました。

ここ10年近く毎年「鴨川をどり」を観劇していて、そこそこ楽しみにしています。

先斗町(ぽんとちょう)の「鴨川をどり」は、祇園の「都踊り」に比べれば舞妓さん、芸子さんは少人数ですが、その分親近感があって間近で観劇することができるので、結構楽しめます。ブログ読者の皆さんも、機会があれば是非一度いってみられては如何でしょう?

鴨川踊り、フィナーレで舞妓さんが勢揃いすると、綺麗で可愛らしくて、とても華やいだ雰囲気で拍手があがってました。一方、芸(踊り)は、やはり芸妓のお姉さん方のほうが達者ですかね。

観劇のあとは、「ごはんや菜々平」で糖質制限食のフルコースを堪能しました。

「ごはんや菜々平」は大正時代の町屋を改築して店舗にしておられます。西院の交差点、東北角から四条通りを東へ30m、嵐電の線路の10m手前の建物です。

ドアを開けて、玉砂利をひいた無人の玄関口で靴を脱いで二階に上がります。

二階がお店になっていて、天井には立派な太い梁(はり)が一本通っていて、昔ながらの建築のゆったりした空間を演出しています。

部屋に入って右手には大きな一枚板のテーブルがあり、10人くらいは楽に座れます。

足がおろせる構造になっているので、腰痛(を起こす)プロ (*- -)(*_ _)
の私には嬉しいですね。 (^^)

私達4人は予約しておいたので、こちらの席を確保して貰いました。

左手には板張りのお座敷席があります。

全体に和める癒し系の雰囲気でゆっくり食事が楽しめます。
家族でも友人同士でもカップルでもOKですね。

糖質制限食OKのフルコースです。(前もって予約が必要)
蛸と胡瓜の酢の物、
茄子の揚げ出し、
筍とワカメの煮物、
鯛と平目と鰹の刺身、
サーモン燻製とアボカドのサラダ、
鮎の塩焼き、
EXILE鍋、
苺アイスクリーム 

全て、とても美味しかったです。

デザートのアイスクリームも糖質制限OKなのに、しっとり甘くて食感も最高でした。

そうそう、EXILE鍋??? (∵)?

かの、EXILEのメンバーがたまに食事にくるそうで、ママさんやご主人との写真も飾ってありました。(^^)


ごはんや菜々平、勿論普通の糖質ありの食事も楽しめますし、予約なしでもOKです。

Yahoo! JAPAN グルメのクチコミでは、☆☆☆☆☆がついてましたよ。

阪急西院駅から歩いて2~3分とアクセスもとてもいいです。
糖質制限食フルコースを食べたい時は、前もって予約してくださいね。



☆☆☆
ごはんや菜々平 075-315-0002
Yahoo! JAPAN グルメ http://restaurant.gourmet.yahoo.co.jp/0005165442/review/



江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
<糖質制限食+運動>→血糖値改善+減量成功
こんにちは。

蝶々さんから、糖質制限食で、筋肉量アップ、更なる改善の嬉しいコメントをいただきました。


【11/05/04 蝶々
江部先生ご無沙汰しておりますm(__)m
糖質制限による肝臓の代謝向上に、筋トレによる筋肉量UP、
有酸素運動による発達した筋肉の毛細血管の機能向上(発達)が合わされば、
肝臓(27%)+筋肉の合計代謝(18%)=45%がさらに向上するのでは!?と
感じる記事でした゜+。(*′∇`)。+゜

最近、職場でも管理栄養士さんとドクターを交えたカンファレンスで、
糖質量の管理と運動療法のタイミングや内容をテーラーメイドに設定していく形ができてきました。
まだまだこれからですが、早く、日本の糖尿病治療に夜明けがくることを願いつつ、
先生のご活躍応援しています゜+。(*′∇`)。+゜

PS:現在体重を80Kgまで増やせました(除脂肪体重71Kgで体脂肪9Kg)
さらに筋肉を作り上げて、糖質制限で肝臓の機能増進!基礎代謝を上げていきます!!】



蝶々さん。
お久しぶりです。
コメントありがとうございます。

2009年9月23日 糖尿病発症時点
空腹時血糖230mg/dl
2時間血糖340mg/dl
体重118キロ
Hba1c:10%以上


2010年9月30日 1年後
体重77.5kg  178cm BMI24.5
除脂肪体重70.1Kg
Hba1c:4.5%

もともとは、糖尿病の内服薬も飲んでおられて、減量・離脱。

<糖質制限食+運動>の相乗効果で、体重も劇的に減少して、糖毒も解除されて、インスリン抵抗性が著明に改善し、膵臓の休養も得てインスリン分泌能も回復したものと思われます。

インスリン基礎分泌も追加分泌も、ほぼ正常レベルに回復ですね。
Hba1c:4.5%ということは、平均血糖値は84mgです。
Hba1c:10%のときは、平均血糖値は249mgです。

2011年5月、
総体重80Kg。(除脂肪体重71Kgで体脂肪9Kg)
体脂肪率11.25%
除脂肪体重70.1→71kg
0.9kgの増加は、筋肉ですね。

糖質制限食実践で、肝臓は常にアミノ酸などから糖新生を行っていることが、基礎代謝の増加に寄与していると思います。また、筋肉量の増加も勿論基礎代謝向上に繋がります。

筋トレの無酸素運動で筋肉量が増えます。有酸素運動の長期間の継続で、筋肉細胞のインスリン感受性が向上します。つまりインスリン抵抗性が改善します。


【肝臓(27%)+筋肉の合計代謝(18%)=45%がさらに向上するのでは!?】

蝶々さんは、糖質制限食実践で肝臓の基礎代謝も一般人より活発であり多いと思います。また、筋肉量も筋トレで一般人よりかなり多いので、基礎代謝もその分多いと思います。全体に基礎代謝そのものが、一般人より大分増えていると思いますよ。


江部康二



☆☆☆ 参考
【10/09/30 蝶々
糖質制限食+運動♪
江部先生ご無沙汰しておりますm(__)m
糖質制限食を開始して丸1年が経ちました。
最近は、SMBGをしながら、耐糖能と習慣化した運動の条件下で、許容範囲で糖質をとる生活になってきました。が、ベースに糖質制限を置いた生活を継続している効果もあり、8月の定期検診はA1c4.5%と推移しております。

あと、運動ですが。今は、週4ほどでジムに通い、1時間の筋トレ(かなり追い込んでます(^-^))と20分の有酸素運動をこなしてましたところ、総体重77.5Kg 、除脂肪体重70.1Kg、筋質量は67Kgで体脂肪9%。BMIは24に増えましたが( ̄□ ̄;)私的な実感では筋質量が増えていくほど食後血糖値が上がりにくく下がりやすく感じるように思えております。
基礎代謝向上は空腹時血糖値に対しては低く保つ効果があると認識していたのですが、運動の効果と糖質制限との併用効果に『何か』があり、それが食後血糖値にも好影響を与えているのかというところに今現在、自分の身体への興味となっています。
まだまだ試行錯誤してますが、糖尿人すべてが合併症にならない時代を望みつつ、先生のご活躍を心より切に願います!】

【10/10/01 蝶々
糖質制限食と運動
江部先生こんばんわです(^-^)
学会発表ものですか!!ますますモチベーション上がります!今後も膵臓に無理をさせない糖質制限食と、糖の貯蔵庫になる筋の肥大を継続してみます(^-^)
運動(筋トレ)の産物による『成長ホルモン』の働きについて、その作用にもなかなか興味深いものがあり、最近は勉強しています。
日々油断せず、時にゆるめて歩んでいきます(^-^)

追記:記事内の体重は筋質量のみでして、除脂肪体重と総体重を下記に出しておきますm(__)m

本日ジムにて測定
総体重77.5Kg
除脂肪体重70.1Kg
筋質量66.5Kg
脂肪量7.4Kg
体脂肪率9.5%
BMI24.5
基礎代謝2007kcal
です。

体重増加のほとんどが筋質量での増加で、脂肪は以前より増えていません(^-^)】

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
食生活と機能性便秘
おはようございます。

今回は、konkonさんから、食生活と機能性便秘についてコメントをいただきました。


【11/05/04 konkon
食生活と機能性便秘
現在、スーパー糖質制限食で9ヶ月減量中です。

スーパー糖質制限食で、ひどい便秘に悩まされました。1週間に1回、
便秘薬を飲んでいました。

食物繊維、オリゴ糖、ヨーグルト(炭水化物が増えますが)を試しましたがよけいに便秘になりました。

便秘の原因は、ごはんを食べないからだと、思うようになりました。

その後、ミネラルの補給と、食物繊維、食事中の水分量を増やすために、海草サラダ、糸寒天を毎日食べることにより、便秘はなくなりました。

最近、たまたま、下記記事を見つけました。

食生活と機能性便秘の関係

http://www.nyusankin.or.jp/health/health1-14.html

ごはんの摂取量が多いほど機能性便秘が少ないということです。

ここには、他の記事もありますが、まだまだ、糖質制限食とは考え方が違うようです。
http://www.nyusankin.or.jp/health/index.html

参考まで】


konkon さん。
情報ありがとうございます。

「ミネラルの補給と、食物繊維、食事中の水分量を増やすために、海草サラダ、糸寒天を毎日食べることにより、便秘はなくなりました。」

スーパー糖質制限食を続けながらの便秘解消、良かったです。 (^_^)

スーパー糖質制限食で便秘が治る人、便秘になる人、変わらない人と個人差があります。

食生活を切り替えたあと、いったん便秘になった人も、腸内細菌叢が安定してくると便通が良くなるようです。だいたい、3ヶ月くらいが目安です。

http://www.nyusankin.or.jp/health/health1-14.htmlのサイトでは、社団法人全国はっ酵乳乳酸菌飲料協会 のインタビューに、東京大学大学院 医学系研究科公共健康医学専攻 教授 佐々木 敏先生が答えておられます。

http://www.nyusankin.or.jp/health/index.htmlは、社団法人全国はっ酵乳乳酸菌飲料協会のホームページですね。

佐々木 敏先生とは、2011年3月19日(土)午后、第29回大阪病院機能向上研究会「糖質制限食を考える」において、ご一緒させていただきました。

ニュートラルな立場の大変信頼できる先生で、そのご講演には感銘を受けました。

http://www.nyusankin.or.jp/health/health1-14.htmlのサイトの記事

【■便秘と食生活に関する研究は、世界的によく行われているのですか。
佐々木  
欧米諸国を含めても意外と少なく、日本人を対象とした科学的な研究はほとんどされていないのが現状です。私たちが食習慣と機能性便秘(大腸そのものに異常はないが、大腸の機能が低下したために起こる便秘)の関係について初めて調査したのは1997年のことで、18歳から20歳の女子大生約2,000人を解析しました。その調査には二つのテーマがあり、一つは、様々な食品と便秘との関連性を調べることでした。調査の結果、ごはんの摂取量が多いほど機能性便秘が少ないという結果が得られました。もう一つのテーマは、機能性便秘をどう評価するかということでした。当時は機能性便秘をしっかり調査する方法を私たちは持っていませんでしたので、「あなたは便秘がちですか」という質問をして、「はい」「ときどき」「いいえ」の三つから一つを選んでもらうという質問をしたのですが、それが実際の便秘とどれくらいの相関があるかを、別の集団を用いて確認しました。その結果、かなり相関が高かったので、これをEuropean Journal of Clinical Nutritionという臨床栄養学雑誌に発表しました。】

【■そして、昨年再び同様の研究発表をされたわけですね。
佐々木  
そうです。2004年、18歳から20歳の女子大生3,835人を対象に調査を行い、その解析結果を2007年に発表しました。今回は便秘に関してさらに世界レベルの研究を行おうと、便秘の判定では世界的な診断基準となっているローマⅠ(RomeⅠ)基準を用い(表1)、食事については私どもで開発した質問票を使って機能性便秘と食生活の関係を調べました。
 この調査では、全体の約26%(1,002人)が機能性便秘とみなされました。便秘と食品の関係では、図1のようにごはんの摂取量が多いほど便秘が少ない傾向がみられ、前回調査の結果が裏付けられました。最もごはんを食べる集団では、最も食べない集団より4割程度も機能性便秘が少なかったのです。その他、豆類の摂取量が多いほど機能性便秘が少なく、反対にお菓子やパンの摂取量が多いほど機能性便秘が多くなっていました。ごはんと便秘の関係を示唆する研究は今までもいくつかあるので、両者の関連性は確かかもしれません。しかしお菓子やパン類との関係を示す研究はほかにあまりないようなので、これらについてはまだはっきりしたことは言えそうにもありません。】


女子大生の約26%が便秘なんて、結構多いんですね。

この研究では、ご飯、パン、菓子類、大豆製品の4つの食品で便秘との関係を検討しておられます。

大豆製品をよく食べる群でも、パン、菓子類をよく食べる群に比べたら、やはり便秘が少ないですね。

大豆群・ご飯群は、図1をみると共に便秘が少なくて、パン群・菓子類群の便秘の多さとは、明確に差があります。

ただ糖質制限食では、そもそも、ご飯、パン、菓子類を食べませんので、おそらくこの研究の範疇には入らないと思います。

普通に糖質を摂取している集団だけを集めた研究で、そういう女子大生のグループでは、ご飯をたくさん食べる群ほど、便秘が少なかったということです。

「ごはんの摂取量が多いほど機能性便秘が少ない」

佐々木 敏先生のデータなら、一般食の人では信頼度はとても高いと思います。

一方、糖質制限食という、一般人とは全く異なる食生活の集団においては、この結論を簡単に当てはめることは、できないと思います。

スーパー糖質制限食を開始して、当初3割くらいの人が便秘になりますが、ほとんどの人が、約3ヶ月くらいで便通は良くなります。

こちらは、疫学研究ではなくて、単なる印象に過ぎないのですが、結局、半年以上スーパー糖質制限食を続けている群においては、便秘の人はほとんどおられません。



江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
生肉を食べるのは食中毒のリスクあり!
おはようございます。


『生肉(ゆっけ)などを食べて、食中毒になり福井県の男児2人が死亡し、横浜の19才女性が意識障害があり、溶血性尿毒症症候群(HUS)とみられ重症で入院中』

といういたましい事件がありました。(*)

『厚労省が定める生食用の食肉に関する基準では、決められた場所と手順に従って牛などを解体するほか、販売時には「生食用」と明記する必要があります。

しかし、同省監視安全課によると、生食用の食肉処理施設は全国に12か所ありますが、出荷されているのはいずれも馬肉で、「2008、2009年度は生食用の牛肉の出荷がなかったことが確認されている」としています。

同省は、市場に流通している牛肉については、保健所などを通じて、加熱処理した上で客に提供するよう呼びかけています。

全国焼肉協会(東京都)は、加熱用の牛肉をユッケなど生肉のままで提供することは「業界の慣習だった」と証言。

同協会は

「生食の危険性は認識しており、協会としては提供しないよう呼びかけていた。しかし、焼き肉店としては客のニーズがあるのでやめられない」』

とのことです。(**)

 
結局、日本では現在、厚生労働省の基準を満たした牛・鶏の生食用食肉は、基本的に流通していないのです。

各焼肉店で提供されている、牛生肉(ゆっけ)は、加熱用生肉を、かってに生食用に転用しているわけですので、食中毒のリスクは必ずあります。

まな板を変えようが、包丁を変えようが、ゴム手袋を変えようが、高級で新鮮で清潔を保とうが、各焼肉店でいくら努力されても、リスクをゼロには絶対にできません。なぜなら、扱う肉そのものが、生食用ではなく加熱用だからです。

このような事実があり、運不運に身をゆだねるわけにはいかないので、私は、牛と鶏の生肉は一切食べないことにしています。

唯一馬肉とレバーは、2008年度統計では、厚生労働省の通知に基づいた生食用食肉の出荷実績がありました。

どうしても生肉が食べたい方は、馬肉で生食用ということを確認されてからなら、OKと思います。

なお、食品衛生の窓 東京都
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shokuhin/anzen_info/nama/index.html
に、

1 お肉は生で食べると、食中毒になることがあります
2 子どもが食肉を生で食べると、特に危険です
3 「生食用」の牛肉、鶏肉は流通していません

『ちょっと待って!お肉の生食』

と題して、わかりやすく説明がしてあります。(***)



江部康二


(*)<毎日新聞 2011年5月4日 東京朝刊>

【焼き肉店集団食中毒:神奈川でも6人症状 同チェーンの2店
 焼き肉チェーン店「焼肉酒家えびす」でユッケなどを食べた富山、福井両県の男児2人が病原性大腸菌「O111」に感染し死亡した集団食中毒で、横浜市は3日、同市と神奈川県藤沢市の同チェーン2店舗でも食事をした横浜市在住の男女計6人が下痢などの症状を訴えたと発表した。このうち横浜市の店では19歳の女性が入院し重症。両市は食品衛生法に基づき、各店舗に立ち入り検査し、調査している。

6人が食事をしたのは、横浜上白根店(横浜市旭区)と藤沢湘南台店(藤沢市)。横浜市によると、重症の女性は4月19日に横浜上白根店を利用して23日に発症し、25日から市内の病院に入院している。意識障害があり、溶血性尿毒症症候群(HUS)とみられる。他の5人は軽症という。

同チェーン店を経営する「フーズ・フォーラス」(本社・金沢市)は北陸3県に16店舗、神奈川県に4店舗を展開している。(杉埜水脈、馬場直子)】


(**)<2011年5月3日09時22分 読売新聞>

【ユッケは人気なので…業界全体で危険に目つぶる

「ユッケが、人気商品だったので――」。焼き肉チェーン「焼肉酒家えびす」で発生した集団食中毒で、同チェーンを運営する「フーズ・フォーラス社」(金沢市)の勘坂康弘社長は2日、同社で記者会見し、生肉の提供が危険だと認識しながらも、販売をやめられなかった理由をこう説明した。

今回の問題の背景には、消費者のニーズが高い一方で、厚生労働省が定める「生食用」の牛肉が市場にはほぼ流通していないというギャップがあると指摘する声も出ている。

厚労省が定める生食用の食肉に関する基準では、決められた場所と手順に従って牛などを解体するほか、販売時には「生食用」と明記する必要がある。

しかし、同省監視安全課によると、生食用の食肉処理施設は全国に12か所あるが、出荷されているのはいずれも馬肉で、「2008、09年度は生食用の牛肉の出荷がなかったことが確認されている」とする。同省は、市場に流通している牛肉については、保健所などを通じて、加熱処理した上で客に提供するよう呼びかけているという。

ところが、全国焼肉協会(東京都)や県内の複数の焼き肉店は、加熱用の牛肉をユッケなど生肉のままで提供することは「業界の慣習だった」と証言する。同協会は「生食の危険性は認識しており、協会としては提供しないよう呼びかけていた。しかし、焼き肉店としては客のニーズがあるのでやめられない」と、業界全体で問題を把握しながら目をつぶってきたことを明かす。

勘坂社長は会見の中で「厚労省は加熱用の肉をユッケなどの生食に使用することを明確に禁止すべきだ。禁止されていたら客には出さなかった」と声を荒らげて“持論”を展開した。

一方で、業界関係者からは「安全な肉を使って良いものを提供しているなら、1皿294円という低価格はあり得ない」と、同社の激安路線を批判する声も聞かれた。金沢市内の食肉卸売業者は「焼き肉店は消費者のニーズに応えようとして、本来なら生食に適さない肉を提供してきた。それを今まで放置してきたことが最悪の結果につながった」と指摘した。】



(***)<食品衛生の窓 東京都>
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shokuhin/anzen_info/nama/index.html

ちょっと待って!お肉の生食

最近、鶏刺し、とりわさ、牛レバ刺しなど食肉を生で食べたことが原因の、カンピロバクター食中毒や腸管出血性大腸菌食中毒が都内で発生しています。

そこで、東京都食品安全情報評価委員会では、食肉の生食による食中毒防止のための効果的な普及啓発の方策を検討し、都民の皆様向けに食中毒予防のポイントをまとめました。

このたび、これらのポイントを元に普及啓発用の動画とリーフレットを作成しました。ぜひご利用ください。

肉の生食による食中毒予防のポイント

1 お肉は生で食べると、食中毒になることがあります
とりわさ、レバ刺しなどによる食中毒の原因菌である「カンピロバクター」や「腸管出血性大腸菌(O157など)」は、少量の菌で食中毒を起こします。新鮮であっても、菌が付いている食肉を生で食べれば、食中毒になる可能性があります。

2 子どもが食肉を生で食べると、特に危険です
カンピロバクターによる腸炎は、子どもに多く発生します。また、腸管出血性大腸菌(O157など)による食中毒では、合併症で溶血性尿毒症症候群(HUS)を発症する率が子どもにおいて高く、腎機能障害や意識障害を起こし、死に至ることがあります。子どもも含めて、カンピロバクターによる食中毒の後、手足の麻ひ、呼吸困難等を起こすギラン・バレー症候群を発症することがあります。

3 「生食用」の牛肉、鶏肉は流通していません
厚生労働省は、「生食用食肉等の安全性確保について」の通知で、生食用食肉の衛生基準を示していますが、平成20年度にこの通知に基づいた生食用食肉の出荷実績があったのは、馬の肉・レバーだけでした。牛肉については国内と畜場から生食用としての出荷実績はなく、一部生食用として輸入されているものがありますが、その量はごく少ないものと考えられます。また、鶏肉は生食用の衛生基準がありません。したがって、牛肉、鶏肉は、生で食べると食中毒になる可能性があります。
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
人類の主食が穀物ではなかったことの証拠インクレチンとDPP-4阻害剤
こんばんは。

DPP-4阻害剤という糖尿病の薬が、日本でも健康保険に収載されて2009年12月から発売されました。

DPP-4阻害剤は、インクレチンというホルモンを、血中にとどめる作用があります。

インクレチンとは、小腸から分泌されるホルモンであり、GIPとGlp-1があります。

これらは、高血糖時には、SU剤とは異なる機序でインスリン分泌を促進させます。また、インスリン生合成を促進させます。

血糖値が正常のときにはインスリン分泌を促進させず、食後高血糖の時にだけインスリン分泌を促進させるので、低血糖も起こしにくいです。

まことに都合のいいホルモンなのですが、DPP-4という酵素によって速やかに分解され、血中の半減期は約2分と短いのです。

このDPP-4という酵素の働きを阻害してやれば、インクレチンは血中に当分(約24時間ちかく)存在して、血糖降下作用を発揮してくれることになります。

そこで登場したのが、ジャヌビア・グラクティブ・ネシーナ・エクアなどのDPP-4阻害剤です。

DPP-4阻害剤、まことに論理的に構築されたいい薬なのですが、少し根源的な疑問が湧いてきます。

何故このような都合のいいホルモンが、人体においてわずか2分で分解され効果を失ってしまうのでしょうか。

考えられる一番リーズナブルな説明は、人類の進化の過程で、インクレチンは食後約2分ていど働けばもう必要充分であり、あとは消え去るのみだったということでしょう。

すなわち、農耕前の狩猟・採集時代約400万年間は、日常的な血糖値の上昇は、ほとんど無かったのですから、インクレチンが24時間も活性化している必然性はかけらもありません。

復習ですが、血糖値を上げるのは糖質のみで、タンパク質・脂質はあげません。

農耕開始前の人類の食生活は、魚貝類・小動物・動物の肉・内臓・骨髄・野草・野菜・キノコ・海藻・昆虫などが日常的な食料です。時々食べることができたのは、木の実・ナッツ・果物・山芋などでしょう。

これらの中で日常的には野菜、たまにナッツや果物を摂取したときに摂取した糖質量に応じて、軽度血糖値が上昇しますので、インクレチンはそれに対応していたものと考えられます。そうであれば食後だけ約2分間働けば充分ですね。

農耕が始まり穀物を常食し、食後高血糖が日常的に生じるようになった後は、インクレチンにおおいに活躍して欲しいところですが、如何せん400万年間の進化の重みは大きくて、DPP-4が律儀にすぐ分解してしまう癖がついているのです。

10000~4000年くらいの穀物が主食の歴史ていどでは、新たな都合のいい突然変異は生じなかったのでしょう。

今この時代にDPP-4阻害剤の登場というのは、歴史の皮肉を感じます。

ともあれ、インクレチンが半減期約2分間で分解されるという生理学的事実は、人類は主食が穀物(糖質)ではない状況で、400万年進化してきたことの、証拠といえます。


江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
「科学で斬り込む糖尿病との戦い」を読んでの感想
こんにちは。

「科学で斬り込む糖尿病との戦い」と題して、日本糖尿病学会の理事長・東京大学大学院医学系研究科代謝栄養病態学(糖尿病・代謝内科)教授 門脇 孝 先生が「メディカル朝日」2010年8月号の巻頭インタビューで、ご自身の見解を述べておられます。

去年のインタビューですが、知り合いのドクターに教えて貰い、最近ネットで手に入れました。

日本の糖尿病専門医のトップの最近のお考えですので、ブログ読者の皆さんの参考になると思い、全文を転載させて頂きました。(☆)

基本的に立派なご意見ですし、私も賛成です。

ただし、一点だけ、誤解をしておられるのが残念です。


(☆☆)
【―いわゆる隠れ肥満ですね。日本人は小太りでも糖尿病になりやすいと聞きました。

門脇 日本人、あるいは東アジア人の特徴として、もうひとつ、インスリンの分泌能力が欧米人に比べて2分の1と、低いことも挙げられます。欧米人のような牧畜民族はもともと動物性脂肪の摂取量が多く、インスリンを沢山出せる遺伝的体質を数百世代に渡り獲得してきました。しかし、農耕生活中心で摂取エネルギーの少ない東アジア人は数世代前まではインスリン分泌能力を高める必要がなかった。ところが、この40年余りで日本人の動物性脂肪の摂取量は4.6倍に増えています。インスリンの分泌能力がないのに多量の分泌が必要な生活に急変した。この矛盾が顕在化し、欧米以上のスピードでアジアの糖尿病が増えているのです。

そして、欧米人の糖尿病患者の平均BMIは31という肥満度なのに対して日本人患者の平均は24と小太りという程度。それでも、インスリンが分泌されにくいために糖尿病になる。さらにBMIがより低い人でも、内臓脂肪の蓄積しやすさから糖尿病になってしまうわけです。】

米国糖尿病協会によれば、血糖値を上昇させるのは、糖質だけで、タンパク質、脂質は上昇させません。

また糖質摂取はインスリンを大量に追加分泌させますが、脂質はインスリンを分泌させません。

タンパク質は、ごく少量のインスリンを追加分泌させます。

これらは論争の余地のない生理学的事実です。

そして、日本人やアジア人のインスリンの分泌能力が、欧米人に比べて2分の1と低いことも、門脇先生のご指摘通りです。

しかし・・・

【この40年余りで日本人の動物性脂肪の摂取量は4.6倍に増えています。インスリンの分泌能力がないのに多量の分泌が必要な生活に急変した。この矛盾が顕在化し、欧米以上のスピードでアジアの糖尿病が増えているのです。】

多量のインスリン分泌が必要なのは、糖質摂取時だけであり、脂質はいくら大量に摂取しても、インスリン追加分泌はゼロです。

従いまして、

『この40年余りで動物性脂肪の摂取量が4.6倍に増えたので、インスリンの多量の分泌が必要な生活になった。』

という、門脇先生の説は、誤解しておられるとしかいいようがありません。

また1997年からは2008年にいたる最新の統計まで、脂質の摂取比率は既に減少に転じていて、糖質の摂取比率はそれに伴い上昇に転じているのも、厚生労働省の統計から明らかです。

1)精製炭水化物(糖質)の頻回・過剰摂取とインスリンの大量・頻回分泌
2)運動不足
3)エアコンの普及

この3つが、日本で糖尿病が増えている理由です。



江部康二


(☆)
「科学で斬り込む糖尿病との戦い」
門脇 孝 日本糖尿病学会理事長 2010年8月号
★朝日新聞の医療サイト「アピタル」
https://aspara.asahi.com/column/medi-kataru/entry/iTmZpk478z
朝日新聞社が発行する総合医療月刊誌「メディカル朝日」の巻頭インタビューを転載


科学で斬り込む糖尿病との戦い

糖尿病患者が日本をはじめアジアで急増している。
食生活の欧米化だけでは片づけられない遺伝的な宿命がその背景にはある。
糖尿病の本態を解き明かしつつある科学のメスは、いまや食という人間の基本的欲求の領域にまで斬り込み始めた。
糖尿病研究の最前線と、それを現実の医療にどう生かしていくのかを聞いた。


進化の忘れ物が引き起こした現代病

――糖尿病が世界中で、急増しているのはなぜなのでしょう。

門脇 糖尿病の発症は、豊かな食生活がもたらした動物性脂肪・糖質の過剰摂取や、便利な生活による運動不足といった環境因子が引き金となっています。一方で、人類の進化の歴史から見れば、もともとは生存のために獲得した遺伝的体質が、現代では逆に糖尿病の原因につながっているのです。現代人の遺伝的特質は今から約7万年前に源があると言われています。そんな昔は飢餓が当たり前の時代で、狩猟採取した食物をすべて消費せず体内に脂肪として蓄積できる遺伝的体質、いわゆる“倹約遺伝子”を持っていた人が生き残れた。ところがこの倹約遺伝子を受け継いだまま、動物性脂肪を腹一杯食べる欧米型食生活が一般化すると、おのずと肥満や内臓脂肪蓄積をベースにした生活習慣病が発症しやすくなってしまったのです。

――生き残るために獲得した遺伝子が逆に災いしているわけですね。

門脇 特に日本人を含めた東アジア人は、欧米人に比べて飢餓の時代が深刻だったせいか、倹約遺伝子を持つ人の割合が多いのです。DNA情報の配列には、ほんのわずかな個人差があり、これを遺伝子多型※1と呼びますが、例えばPPARγという遺伝子の多型のうち、日本人は96%が倹約遺伝子タイプであるのに対して欧米人は80%です。またβ3アドレナリン受容体の多型では、日本人の30%が倹約遺伝子タイプですが欧米人は8%だけです。つまり日本人をはじめ東アジアの人々は、倹約遺伝子が活発なため、少しでも脂肪を摂りすぎたり、運動不足になったりすると途端に肥満になる。しかも、脂肪が蓄積される場所が欧米人のような皮下ではなく、内臓部分にたまりやすいことも分かってきました。これが悪さをします。

(☆☆)
――いわゆる隠れ肥満ですね。日本人は小太りでも糖尿病になりやすいと聞きました。

門脇 日本人、あるいは東アジア人の特徴として、もうひとつ、インスリンの分泌能力が欧米人に比べて2分の1と、低いことも挙げられます。欧米人のような牧畜民族はもともと動物性脂肪の摂取量が多く、インスリンを沢山出せる遺伝的体質を数百世代に渡り獲得してきました。しかし、農耕生活中心で摂取エネルギーの少ない東アジア人は数世代前まではインスリン分泌能力を高める必要がなかった。ところが、この40年余りで日本人の動物性脂肪の摂取量は4.6倍に増えています。インスリンの分泌能力がないのに多量の分泌が必要な生活に急変した。この矛盾が顕在化し、欧米以上のスピードでアジアの糖尿病が増えているのです。
 そして、欧米人の糖尿病患者の平均BMIは31という肥満度なのに対して日本人患者の平均は24と小太りという程度。それでも、インスリンが分泌されにくいために糖尿病になる。さらにBMIがより低い人でも、内臓脂肪の蓄積しやすさから糖尿病になってしまうわけです。

――そうなると、同じ糖尿病と言っても遺伝的背景によって異なる治療法が必要なのですか。

門脇 糖尿病は「インスリン分泌の相対的不足」とインスリンの効きが悪くなる「インスリン抵抗性」という二つの因子によって引き起こされます。日本人など東アジア人は、軽度の肥満でインスリン抵抗性は低くても、インスリン分泌低下から糖尿病になる。他方、欧米人は著明な肥満によってインスリン抵抗性が高まることで糖尿病になります。つまり、糖尿病という病気は同じですが、その病態のウエートが遺伝的背景によって違う。ですから、治療法も共通する部分と異なる部分の両方があります。


食事・運動もミトコンドリアが鍵

――糖尿病の発症メカニズムの複雑さには驚きます。その克服には、緻密な科学で鋭く斬り込んでいく必要がありそうです。

門脇 我々はまず、糖尿病について、倹約遺伝子という遺伝的体質と「食」という人間の基本的欲求から引き起こされた容易に解決できない病気である、という認識を持つ必要があります。その上で、食事と運動という生活習慣病治療の基本をどう行っていくかが問題です。高血圧とコレステロールの異常は、薬剤治療の進歩で、ある程度のコントロールが可能な時代になっています。ところが糖尿病はどんな薬剤でも、きちんとした生活習慣を守った上でないと効果がないのが現状です。
 運動をきちんとするのも食事制限と同様、人によっては“つらい”“苦しい”ものです。教育・啓発は重要な要素ですが、誤解を恐れずにあえて言うならば、人類が負っている遺伝と欲望を抑えていくには、科学の力が必要だと考えています。

――現在、科学的な解明はどこまで進んでいるのでしょうか。

門脇 食事制限や運動が、糖尿病という病態の改善にどういうメカニズムで作用しているかが分かってきました。運動すると生体のエネルギー源であるミトコンドリアが筋肉内で増えることが知られていましたが、実はこのミトコンドリアの機能が上がると、糖や脂質の代謝を促進し、血糖や脂質を下げるのです。一方で腹八分目を守ると、筋肉内のミトコンドリアの量が増え、その活性も上がるのです。
 2009年秋に欧州のグループが英科学誌「ネイチャー」に発表した研究では、腹八分目や運動が、AMPキナーゼや長寿遺伝子「SIRT1(サーチュイン)」を活性化し、最終的には、ミトコンドリアのマスター制御因子PGC-1αを活性化して代謝を根本的に改善することが分かった。つまり、腹八分目や運動が、生活習慣病の治療上有効である根拠が明らかになったのです。

――まさに人間のエネルギー代謝の根本にかかわっているのですね。

門脇 私たちの研究グループは、これまで脂肪細胞から出るホルモン「アディポネクチン」が、筋肉や肝臓でインスリンの働きを良くする最も重要な因子であるとして注目してきました。今年4月にネイチャー誌に発表した論文では、アディポネクチンは筋肉において、先ほどのAMPキナーゼ、SIRT1、PGC-1αと同じメカニズムを腹八分目や運動と同様に活性化することを発見しました。ところが肥満になると、アディポネクチンとその作用を受け取る筋肉内の受容体の働きがともに低下します。それが糖や脂質の代謝異常、ミトコンドリアの減少や機能低下、運動耐容能の低下につながる根本原因ではないかと考えています。

――そんな解明がどう治療に結び付くのでしょう。

門脇 糖尿病治療の基本とされる食事や運動は、必ずしもすべての人が容易にできるわけではなく、ある意味、QOLの低下を招く可能性もあります。特に運動は、整形外科的、あるいは呼吸器、心臓疾患などで十分にできない人も多い。そこで、科学的な解明をタネにして、便利な生活をある程度享受しながらも治療の根本に作用する創薬が必要です。アディポネクチンとその受容体を活性化する新しい糖尿病治療薬への期待は大きいと言えます。


環境因子が発症の引き金に

――糖尿病の発症に関連する遺伝子が発見され始めていますね。

門脇 いわゆるゲノムワイド関連研究(GWAS※2)によって、日本人の2型糖尿病の発症に関連する遺伝子KCNQ1や欧米人のTCF7L2が発見され、また先ほど触れたように日本人は倹約遺伝子PPARγを持つ人の割合が多いことも分かってきました。現在我々が取り組んでいる史上最大規模のGWASでもさらに新しい遺伝子が見つかると考えています。糖尿病の体質については、科学的な解明がどんどん進んでいると言えます。
 遺伝子発見の過程で分かってきたことは、糖尿病はどの重要な関連遺伝子でも、その遺伝子一つだけで病気が起こるわけではない。つまり多因子病だということです。もう一つは、遺伝的な素因があっても、そこに環境因子が加わらないと糖尿病は発症しないということです。事実、多くの人が糖尿病に関連する遺伝子を二つ、三つは持っていますが、すべての人が糖尿病になるわけではなく、肥満や生活習慣などが組み合わさって初めて発病するということです。


遺伝を知りテーラーメイドな予防へ

――体質の科学的解明をどう現実の医療に反映させていくのでしょうか。

門脇 日本糖尿病学会ではこの度、血糖値に加えて慢性の高血糖状態を反映するHbA1cを糖尿病診断の基準として積極的に採用し、早期発見・早期治療につなげる決定を行いました(図)。大変有意義なことですが、私自身は、血糖が上がり糖尿病になってから診断するだけでは対策としては不十分と考えています。糖尿病のリスクの程度を遺伝子から見たり、また遺伝子が環境因子と作用する結果の中間マーカー、いわゆるバイオマーカーを見たりして、それらを十分に活用した予防的診断が必要です。例えば、アディポネクチンの低い人は糖尿病になり易い。そのような人には、血糖値が上がり始める前、あるいは膵β細胞の機能が低下する前に、今までより早い時期に生活習慣の介入を行っていく。そんな予防のパラダイム形成を目指したいのです。

――患者さんにも自らの体質を科学的に理解してもらい、協力して予防につなげることが大切ですね。

門脇 病気になってから治療するより、病気になる前に体質に基づいた生活習慣で予防するほうがより効率的です。例えば、欧米人のインスリン分泌に関係するTCF7L2という遺伝子を持つ人は、持たない人に比べて1.6倍糖尿病になり易いのですが、体重を約5%下げるだけで、糖尿病の発症はほぼ完全に抑えられるという研究結果が出ています。また日本人の96%にある倹約遺伝子PPARγを持っていても、脂肪の摂取を半分以下にすれば、肥満や糖尿病を発症しないという結果もあります。

――次に科学的解明を目指すべき課題は。

門脇 世界中で様々な臨床試験が行われていますが、合併症の発症を抑え、患者さんが天寿を全うするには、脂質や血糖をどう管理していけばいいのか、治療の具体的なターゲットはまだ明確になっていないのが現状です。今後は、厚生労働省の研究事業「糖尿病予防のための戦略研究 課題3(糖尿病合併症を抑制するための介入試験:J-DOIT3)※3」などの結果から、科学的なエビデンスに立脚した治療ターゲットを示していく必要があります。
 糖尿病の治療は、患者さんの協力なくしてはできません。患者さんの負担を減らす治療法の開発や、勇気付ける治療効果等のエビデンスを見つけることも重要ですが、様々な背景を持った患者さんが治療を続けていく動機付けとなる、行動科学的、あるいは心理学的なアプローチがますます重要になってくるのではないかと思います。
 さらに、これまで糖尿病はコントロールする病気であっても、治る病気ではないと考えられてきました。血糖値を改善できても、病気の進行とともに壊れてしまった膵β細胞や合併症は元通りにはなりません。今後は壊れてしまった細胞や組織を修復する再生医療的アプローチが必要です。なかでも皮膚などの体細胞由来で体中のあらゆる細胞に変化できる能力を備えたiPS細胞を使った糖尿病研究・治療応用は大きく広がると思います。


糖尿病と戦うための活動目標「DREAMS」

――糖尿病への思いと今後の抱負を。

門脇 私が最初に糖尿病とかかわることになった頃は、まだ科学的エビデンスはほとんどない時代でした。ただ研修医時代から、糖尿病の患者さんは食事など社会生活上の制限が多く、合併症への移行など、常に不安を抱えていると感じていました。糖尿病は、病気だけでなく人間を総合的に診る力が必要な点にやりがいを感じ、この道を選びました。この時感じた患者さんの不安は現在でもまだ多くは解消されていませんが、私が強く確信しているのは、今、糖尿病患者の現状を見つめることで、糖尿病研究を推進するという機運が高まり、病気の本態と根本的な予防や治療法、患者さんのQOLを向上する方策などが、ようやく登場しつつあるということです。
 日本糖尿病学会はこのほど、糖尿病の罹患率・合併症の減少を目指して「第2次対糖尿病戦略5カ年計画」を新たに策定し、同計画に基づくアクションプラン「DREAMS」として、今後5年間の活動目標となる六つの柱を発表しました(表)。私は学会理事長として、一人の臨床医あるいは研究者として、糖尿病を克服する・征服する正念場に入ってきていると思っています。挑戦的かつ大きな希望を持って、学会を中心に推進していく道標として作ったのがDREAMSです。この挑戦について、さらにみなさんに理解・共感し、参加・支援していただきたいと真に思います。


(構成 木村 薫 科学ジャーナリスト)
※1 遺伝子多型: ヒトの遺伝情報はDNA上の30億個もの文字の並び(塩基配列)で構成されていて、その99.9%は全人類で共通だが、個人個人の差として約0.1%の違いがある。これを遺伝子多型と言い、文字の並びが一つだけ異なっているものを一塩基多型(SNP:スニップ)と呼ぶ。遺伝子多型の一部は病気のなり易さと関係していると考えられている。
※2 ゲノムワイド関連研究(GWAS): 多数の人々から得られた遺伝子や臨床データなど膨大なデータを数学と高速コンピューターで解析する研究手法。2002年に日本の理化学研究所で世界に先駆け開発された。以降、日本や欧米で大規模な解析が行われ、病気のなり易さに関連する遺伝子や早期発見につながるマーカーなどが次々と見つかっている。
※3 J-DOIT3(Japan Diabetes Outcome Intervention Trial for 3 ): 門脇孝・東京大学教授を研究リーダーに、2型糖尿病で高血圧または高脂血症のある患者を対象に、従来の治療法と、治療目標をより厳しく設定した強化療法とにランダムに振り分け、心筋梗塞や脳卒中などの大血管症の発症および進行の抑制を比較する試験。厚生労働省の研究事業「糖尿病予防のための戦略研究」は他に「2型糖尿病発症予防のための介入試験(J-DOIT1)」と「かかりつけ医による2型糖尿病診療を支援するシステムの有効性に関するパイロット研究(J-DOIT2)」がある。

インタビューを終えて
食べる、動く、寝ると言えば、人間の生活の最も基本である。糖尿病という病は、その人間の基本に根差しているから、あるいは、人間の「おいしい物を食べたい、楽をしたい」という限りない欲に絶えず寄り添っているから、その克服は病気の中で最も難しいものかもしれない。だからこそ「合理的な科学を駆使するしか、方法はない」というのが門脇さんら、21世紀の糖尿病医の熱意と主張である。新診断基準も新しい原理による治療薬もその下に生まれたと言えるだろう。進化の過程でわれわれに組み込まれた様々なメカニズムを解明しつつ、病気の克服に挑んでいただきたい。
(「メディカル朝日」編集長・内村直之)
テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
「糖質制限食をかたる」DVD販売のお知らせ、そして脂質摂取について
おはようございます。

今回は、よよさんから脂肪摂取について、コメント・質問をいただきました。
「糖質制限食をかたる」DVDもご購入いただきました。

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「糖質制限食を語る」DVD販売のお知らせ

こちらは、視聴用のYou Tube の映像です。



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京都高雄病院理事長、江部康二医師
画期的な糖尿病治療食
「糖質制限食を語る」

は、こちらのサイトで販売致します。

↓ ↓ ↓

http://www.yaserutabekata.com/shop/dvd.php


【11/04/30 よよ
頑張っています
DVDが届き、何度も見ています。糖質制限の本当に大事なことと、効果を体で実感しているところです。主食はもうほとんど食べていません。
食後1時間後の血糖値は、120前後と安定しています。

今日、外食の機会があり、セイブルをその時だけ服用しました。フルコースでしたが、主食の握り寿司は、3個のうち1つだけ食べてデザートも完食しましたが、2時間後の血糖値は133でした。
血糖値が高い頃に手足に出ていた皮膚の発赤も、きれいに治ってしかも、最近気になっていた髪の毛のパサつきも、気づくともとのツヤを取り戻していました。

スーパー糖質制限をしてみたらどうですかと言われた先生のアドバイス本当に有難うございました。
そこで、一つ質問があります。

スーパー糖質制限では、脂肪を60パーセント摂る指導がなされていますが、脂肪をしっかり摂り、糖質を20パーセントに抑え、蛋白質を40パーセント摂る割合は守らねば何か体に害があるのでしょうか。
脂肪はどのようなものを食べれば良いのでしょうか。肉の脂身でしょうか。バター、植物油にしても、料理に使う程度で、摂る量はしれていますし、どのくらい摂れば60%になるのかがよくわかりません。
それと、主食を抜く分、肉、さかな、豆腐などの蛋白質を摂る量が多くなっているのですが、蛋白質の摂り過ぎは、腎臓に負担になるのでしょうか。注意点などお教えいただけると有り難いです。】



よよさん。
DVDのご購入、そして何度も見ていただいて、ありがとうございます。

「糖質制限食をかたる」DVD
ですが、見ていただいた方々には「わかりやすい」と好評で、私としても嬉しく思っています。

しかしながら、ビデオ屋にもアマゾンにも販売ルートがありませんので、ほぼ本ブログでの広報だけが頼りです。

ブログ読者の皆さんとその口コミが「糖質制限食をかたる」DVD販売の生命線です。

何卒よろしくお願い申しあげます。


さて、よよさん。

スーパー糖質制限食実践で、血糖値は絶好調ですね。皮膚の湿疹も治り、髪の毛も艶々とは良かったです。

スーパー糖質制限食では、

『脂質56%、タンパク質32%、糖質12%』

くらいの比率となります。

高雄病院の「スーパー糖質制限食給食メニュー」の平均値をとると、だいたい上記の数値となります。

さて脂肪の話しですが、厳密な必須脂肪酸は、リノール酸とα-リノレン酸です。

この2つは、人体で全く作れないので、食事から摂取することが必須です。

<リノール酸→γリノレン酸→アラキドン酸>(体内で合成)
<α-リノレン酸→EPA→DHA>(体内で微量は合成)

このようにアラキドン酸、EPA・DHAは体内で合成されますが、ゆるい基準では、アラキドン酸、EPA・DHAも必須脂肪酸にいれることがあります。

現在の日本人の食生活では、「リノール酸の過剰摂取→アラキドン酸の過剰」となっています。従って、リノール酸の摂取は意識して控えた方がいいです。

一方、α-リノレン酸は摂取不足気味ですので、体内で作られるEPA・DHAも不足気味です。

EPA・DHAはマグロ・ハマチ・サバ・タイ・サンマ・イワシ・・・、などお魚にたくさん含まれています。

しっかり魚を食べてEPA・DHAを補給しましょう。

α-リノレン酸は、紫蘇油やエゴマ油、緑の濃い野菜に含まれています。

人体内で「α-リノレン酸→EPA→DHA」というルートはありますが、生産能力はぼちぼちなので、直接、魚からEPA・DHAを摂取する方が、はるかに効率がいいです。

EPA・DHAに共通する働きとして中性脂肪の低下と血小板凝集の抑制があります。EPAには血液サラサラ作用があり、DHAには脳代謝の賦活作用などがあるようです。

天然の食用油は、

「多価不飽和脂肪酸」P
「一価不飽和脂肪酸」M
「飽和脂肪酸」S

の3種から成っています。

飽和脂肪酸にはステアリン酸、パルミチン酸などがあり、獣肉油脂、牛乳、卵など動物性脂肪に多く含まれていま植物性脂肪にも含まれています。

厚生労働省は、P:M:Sの比率を3:4:3とすることを推奨しています。

積極的に摂った方がよい油脂はオリーブオイルに含まれるオレイン酸など一価不飽和脂肪酸そしてα-リノレン酸・EPA・DHA など多価不飽和脂肪酸ですね。

なお意外かもしれませんが、「和牛・サーロイン・脂身つき-生」100g中に脂肪は42.75g含まれており、
そのうち19.96gはオレイン酸で、一番多い主成分なのです。

「和牛・かたロース・赤肉-生」100g中に脂肪は23.75g含まれており、その内11.12gはオレイン酸で、やはり一番多い主成分です。

世界ガン研究基金は、赤身肉(牛・豚・羊)は週に500g以下が目標としています。

この目標、米国人にはつらいかもしれませんが、我々日本人には軽くOKですね。

最後になりましたが、腎機能が正常な人が、高タンパク食を摂取しても何の問題もありません。一方、既に血液検査で腎機能障害がある人は、高タンパク食は適応となりません。



江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット