fc2ブログ
1年間ブログご愛読、ありがとうございました。2010年12月31日。
おはようございます。

12月30日(木)、京都市では初雪が降りました。
12月31日(金)、家の前の道には朝から雪がうっすら積もっています。

あっという間に師走となり、とうとう大晦日となりました。

今年1年間、ブログ読者の皆さんには、コメントや質問を沢山いただき、また拙著のご購入や講演会へのご参加、
そして糖質制限食普及活動・・・誠にありがとうございました。m(_ _)mVV

皆さんのおかげで、賑やかで活発なブログを展開することができました。

2007年2月27日に開始した本ブログ、あれよあれよという間に、1日のアクセス数が5000~6000~7000件という、人気ブログになりました。(⌒o⌒)v

一番多い日は、アクセス数が9000を超えて10000に近づきました。

この1年間は、FC2ブログの健康関係4万超のサイトの中で、第1位~3位くらいをいったりきたりしています。

1日100件を超えてとても嬉しくなって、1000件を超えた時は何だかびっくりしました。ヾ(・∀・)

累積アクセス数も、2010年12月現在で、450万を超えています。

ほぼ毎日記事を更新し、質問にもできるだけ全てに回答するようにしてますので、まめといえばまめですね。q(^-^q)q(^-^q)

基本的には、車は買って以来1回も洗ったことも、掃除機で掃除したこともないというような面倒くさがりなのですが、(-_-;) ブログは我ながらよく続いてます。

文章を書くのがきらいではないということと(大好きということではありませんよ)、質問に答えたりブログ記事を書くことが、自分自身の勉強になるということも、長続きの大きな理由と思います。

大学受験以来、人生で一番勉強しているような気がしますが、今までが勉強不足だったのかもしれませんね・・・。(=_=;) 

ともあれ、これもブログ読者の皆さんのおかげと感謝しております。

2011年度も、糖質制限食と糖尿病や生活習慣病の話題を中心に、漢方や医療や食生活全体のこと、その時気がついたことなど、適宜いろいろ記事にしていきたいと思っています。

できるだけ信頼度の高い生理学的事実、疫学的研究、文献、教科書などを根拠に記事を書きたいと思っています。

私の個人的な考えのときは、仮説であるとかその旨をできるだけ明示したいと思います。

なお、私が個人的に信頼できると判断した項目に関しては、ウィキペディアを引用することもありますので・・・。

さて本年の干支は寅で、私も寅年です。

誕生日はエルビス・プレスリーと一緒で、2010年1月8日に、とうとう還暦を迎えました。

60才定年で、楽隠居といきたいところでしたが、糖質制限食との出会いで、ここ数年、年々忙しくなってます。

とくに2010年度は、外来、入院、講演、本の出版・監修、新聞・週刊誌・月刊誌・テレビなどマスコミの取材・・・人生で一番忙しい日々を過ごしました。(^^)

とりあえず、日本医学界に糖質制限食が定着するまで、ぼちぼち頑張ってみますので、ブログ読者の皆さん、今後も応援よろしくお願い申しあげます。 m(_ _)m

それでは皆さん、よいお年をお迎え下さい。(^-^)v(^-^)v 


江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質制限食で血糖値・肥満の改善
おはようございます。

今日から高雄病院もお休みに入りました。

年始は2011年1月4日(火)から外来開始です。

ただし、1月4日(火)の夜診は休診です。

年末・年始は原稿の校正やパワーポイント・スライドの作成でそこそこお仕事です。

さて今回は、ISSEY さんから、糖質制限食血糖値・肥満の改善という嬉しいコメントを頂きました。


【10/12/28 ISSEY
長文で失礼します
命の恩人ー江部康二先生

拝啓
はじめまして、熊本のISSEYと申します。
現在51歳のおっさんです。

身長は170センチなのに全盛期は115㎏、5年ほど前から糖尿と診断され、Ha1cも最悪期で9.3、空腹時血糖が200を超えた時期もありました。
インスリンの使用はなく、アクトスを一錠投与/日、週2回スポーツクラブでの運動に努めたこともあり、Ha1cが6.5程度、空腹時血糖110程度まではコントロールしている・・・はずでした。

生涯忘れないであろう昨年の11月25日、さんざん街中で飲んだフィニッシュに某店のカレーライスを掻き込んで帰宅。(これが激しくグルコーススパイクを引き起こしたのでしょう)
突然玄関先で2度転倒、そのまま就寝して翌朝もう一度転倒しました。
異変に気がつき、医者に行くとそのまま救急病院に搬送されました。
検査の結果、5CCの脳出血(被殻出血)でした。
幸いなことに麻痺はほとんどなく(左の握力が48→38キロに落ちました)、一週間の集中治療室から出て転院、これを機会に重症肥満症の治療として二ヶ月間の入院をすることにしました。
一日1200カロリーの食事、有酸素運動を毎日約2時間、入院後半は自主的にウオーキングを数時間組み込んでました。
結果、1月末には98キロまで体重がダウンして、Ha1cも5台まで改善されていました。
退院が迫ってきた頃とても気がかりなのはリバウンド対策でした。
経験上、短期間のダイエットほどリバウンドしやすく、二ヶ月間の苦痛(カロリー制限、断酒)がこれからも必要かと思うと気が重く、何かないかとネット上を探し回ってたどり着いたのが江部先生のこのブログでした。
早速ご著書(我ら糖尿人、主食を抜けば、)をアマゾンで取り寄せ熟読しました。(その後何冊も買って身近の糖尿人に配りました)
糖質制限に心から感銘を受け、さらに他のご著書もレシピ本も含めほぼすべて購入、徹底的に糖質制限食を研究しました。
料理が趣味なのでそれらを教科書に家での食事も糖質制限に改善し、妻には無理を言って毎日糖質オフ弁当を作ってもらってます。
そうやって退院後はスーパーを実践して、その後の4ヶ月で体重はさらに10㎏減、Ha1c4.8、空腹時血糖88が6ヶ月持続しています。血液検査でのその他の項目もすべてセーフです。(体重はなぜか88キロのまま落ちなくなりました。食べ過ぎでしょうか?)
毎日アサヒスタイルフリーとウイスキーの晩酌を豊富な肉や野菜とともに
楽しんでいます。
あれから約一年が経過してこんなに快調な身体を手に入れることができたのは先生のおかげだと心から感謝しております。本当にありがとうございます。
これからもここ熊本の地で糖質制限の草の根伝道師として継続する所存です。

これからも先生のご活躍を心からお祈り申しあげます。】


ISSEYさん、拙著のご購入そして糖質制限食普及活動ありがとうございます。
糖質制限食血糖値・肥満の改善も良かったですね。 (^_^)

『170cm。115㎏。HbA1cも最悪期9.3%。空腹時血糖が200mg。』

これはなかなかのデータですね。
糖尿病もですが、BMIは39.8で重症肥満です。

『アクトスを一錠投与/日、週2回スポーツクラブでの運動に努めたこともあり、Ha1cが6.5程度、空腹時血糖110程度まではコントロールしている・・・はずでした。』

結構頑張っておられたのですね。

しかしISSEYさんご自身もお気づきのように、HbA1c6.5%というのは、まあまあのデータに見えますが、
糖質を摂取していたら、実は食後高血糖は全く防げていなかったと思います。

1日のうちで、主食を摂取するたびに、食後血糖値は200mgを超えていた可能性が高いです。すなわち動脈硬化のリスクがあったと思います。

さらにカロリー制限もしておられたと思いますので、脂質の摂取率が相対的に少なくなっていたと思います。動脈硬化があり、脂質摂取不足があったことが、脳出血のリスクとなった可能性があります。

日本では、昭和40年(1965年)から脂質摂取率が急速に増加し、それが15年間続いて、この間脳出血による死亡率が激減した事実があります。

諸外国のデータを見ても、少なくとも脳出血に関しては脂質摂取が多いほど改善しています。ISSEYさんは『被殻出血で、麻痺はほとんどなく』ということで幸いでした。

『重症肥満症の治療として二ヶ月間の入院をすることにしました。 一日1200カロリーの食事、有酸素運動を毎日約2時間、入院後半は自主的にウオーキングを数時間組み込んでました。 結果、1月末には98キロまで体重がダウンして、Ha1cも5台まで改善されていました。』

身長170cmの男性で、1200kcal/日は、かなり厳しくてつらいですね。運動も毎日2時間、数時間というのは、とても頑張られました。さすがにこれだけ努力されたら、カロリー制限食でも一定の成果がでましたね。

『退院が迫ってきた頃とても気がかりなのはリバウンド対策でした。
経験上、短期間のダイエットほどリバウンドしやすく、二ヶ月間の苦痛(カロリー制限、断酒)がこれからも必要かと思うと気が重く、何かないかとネット上を探し回ってたどり着いたのが江部先生のこのブログでした。』


カロリー制限や禁酒はこれまた、つらくて、ほとんど難行苦行療法ですね。(;ー;)

仰有るとおり、とてもよいタイミングで、当ブログに辿り着かれたと思います。カロリー制限食に比べたら、糖質制限食は美味しく楽しくで酒も飲めるわけですから、ほとんど天国と地獄ぐらいの差があります。(^^)

『料理が趣味なのでそれらを教科書に家での食事も糖質制限に改善し、妻には無理を言って毎日糖質オフ弁当を作ってもらってます。 そうやって退院後はスーパーを実践して、その後の4ヶ月で体重はさらに10㎏減、Ha1c4.8、空腹時血糖88が6ヶ月持続しています。血液検査でのその他の項目もすべてセーフです。(体重はなぜか88キロのまま落ちなくなりました。食べ過ぎでしょうか?)』

170cm。88kg。BMI30.45。

27kgの減量に成功されてますが、BMI25で72kgくらいを目指したいですね。

HbA1c4.8%と空腹時血糖値88mgは理想的な値です。(^-^)v(^-^)v

体重は直線的ではなく階段状に減少します。このままスーパー糖質制限食を続けていかれたら、その人において一番いいあたりの体重に落ち着くと思いますよ。

ISSEYさんは、若い頃スポーツはしておられましたか?もともと筋肉量が多い人は、あるていど減量したあとは、体重が減りにくいことがありますので・・・

ともあれ、このまま美味しく楽しく糖質制限食をお続け下さいね。ヾ(^▽^)

江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
日本糖尿病協会の月刊誌「さかえ」に、糖質制限食に有利な記事。
こんにちは。

今回はあきらさんから、

『日本糖尿病協会発行の月刊誌「さかえ」に、糖質制限食に有利な記事』

という大変興味深いコメントをいただきました。


【10/12/28 あきら
月刊誌「さかえ」の記事
初めてコメントさせていただきます。

約1年間糖質制限を続けている糖尿人です。従来の食事療法ではどうがんばっても5.5を下回らなかったHbA1cですが、糖質制限のおかげで現在は5.0まで下がり、すこぶる快調に毎日を過ごしております。

ところで糖尿病協会が発行している月刊誌「さかえ」の2011年1月号に、「食品交換表の温故知新」という特別企画がありまして、津田謹輔先生が食品交換表の歴史等を解説されています。

その記事の中で津田先生は現在の食品交換表について「診療の場で最も大切な血糖コントロールと血糖値に大きな影響を与える糖質について特別の記載がありません。血糖コントロールが合併症予防に重要であり、食後血糖値に影響するのは、エネルギーではなく糖質であることを明記してよいのではないかと思います。」と述べられています。

やや控えめな表現ながら、「さかえ」にこういう内容の記事が掲載されたことは非常に大きな意義があるのではないでしょうか?

糖質制限食の確かな広がりを感じて、大変嬉しく思いました。】



あきらさん。

とても嬉しい情報をありがとうございます。
仰有る通り、この記事、非常に大きな意義があると思います。

(社)日本糖尿病協会の理事長は、清野裕先生です。
関西電力病院の院長であり、日本糖尿病学会の重鎮のお一人です。
月刊誌「さかえ」は、日本糖尿病協会のオフィシャルな糖尿病専門雑誌です。
患者さんにも医療従事者にも役立つ本だそうです。

津田謹輔先生は、京都大学人間・環境学研究科(研究院)教授で、ご専門は内分泌・代謝学です。

「よくわかるカーボカウント」中外医学社 (2008年)

を出版しておられますので、糖質管理食に関するエキスパートです。

「診療の場で最も大切な血糖コントロールと血糖値に大きな影響を与える糖質について特別の記載がありません。血糖コントロールが合併症予防に重要であり、食後血糖値に影響するのは、エネルギーではなく糖質であることを明記してよいのではないかと思います。」

この言及は、

『血糖値を上げるのは糖質だけで、タンパク質・脂質は上げない』

という生理学的事実は重々ご承知の上での、ご発言と思います。

ともあれ、控えめな表現とはいえ、

「食後血糖値に影響するのは、エネルギーではなく糖質であることを明記してよい」

と、今までのカロリー制限(エネルギー制限)一辺倒の、日本糖尿病学会推奨の糖尿病食に、明確に一石を投じていただいたという意味は大きいと思います。

一方で、2010年度の日本糖尿病学会編の「糖尿病治療ガイド」には、糖質制限食はおろか糖質管理食についてさえも、一切記載がないのが現状です。

津田謹輔先生に投じて頂いた一石が、今後日本糖尿病学会にどのような影響・変化を与えていくのか見守りたいと思います。


江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質制限食・医療関係者限定セミナー・2011年2月27日(日)東京・中野
こんばんは。

今日で4日間連続で、冷え込みが厳しい京都です。

さて今回は

『糖質制限食・医療関係者限定セミナー・2011年2月27日(日)東京・中野』

のご案内です。

糖質制限食の広がりは、最近とみに加速しているように感じます。

夜明け前→日の出→ホップ→・・・ステップ・・・→・・・の段階です。ヾ(^▽^)

ジャンプまであと3歩くらいでしょうか?

2005年に初めて「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」を刊行したころとは、隔世の感があります。

岐阜、堺、大阪、滋賀、札幌、熊本・・・

各地の医師の皆さんからの講演依頼がぞくぞくと舞い込んでいます。
嬉しい限りです。

東京での医療関係者限定セミナーは、1年ぶりですので、ブログ読者の皆さん、是非奮ってご参加下さいね。

また、知り合いの医療関係者(医師・薬剤師・栄養師・看護師・・・)の方々に、お声をおかけ頂けば幸いです。

以下は、NPO法人糖質制限食ネット・リボーン事務局の曽我部ゆかりさんからのメッセージです。


☆☆☆☆☆

ドクター江部のブログ読者の皆様へ

早いものでもう師走を迎えました。皆様いかがお過ごしでしょうか。

さて糖質制限食の普及を目的としリボーンの取り組みとして、来春に医療関係者限定のセミナーを企画いたしました。徹底的な理論の解説と実践マニュアルを臨床の現場に生かしていただけるような内容です。受付を開始いたします。皆様、お誘い合わせの上、ご参加ください。お待ちしております。

リボーン 曽我部 ゆかり


☆  ★  ☆  ★  ☆  ★  ☆

2011年2月27日(日)
特別企画 医療関係者限定セミナー

<糖尿病治療における糖質制限食の有効性>
ー糖尿病・メタボリックシンドローム・肥満・生活習慣病と糖質制限食ー
豊富な症例をもとにした理論と実践
栄養指導ガイド

<1部>講師・江部康二が、高雄病院の豊富な症例をもとにした理論と実践を徹底的に解説。一般向け講演に比べて糖質制限食の理論をとくに詳細に展開します。

<2部>新しい試みとして、糖質制限食の臨床経験豊富な管理栄養士の講師・大柳珠美が、ドクターを対称とした患者さんへの栄養指導のポイントを解説。日々の臨床現場で役立つ資料をご用意しています。


<日時>2011年2月27日(日) 

タイムスケジュール(予定):
   13時00分開場
   13時30分~基調講演 江部康二(1時間30分)
   15時00分~休憩(10分)
   15時10分~栄養指導ガイド 大柳珠美(1時間)
   16時10分~休憩(10分)
   16時20分~質疑応答(30分)
   16時50分終了 

<会場>中野サンプラザ研修室1
住所 東京都中野区中野4-1-1 
電話 03-3388-1174

<道順> JR中央線・総武線、地下鉄東西線中野駅北口下車1分 

<会費>一般8000円  リボーン会員6000円  学生4000円
   (資料付き)

<定員>90名まで

<申し込み>reborn@big.or.jp
03-3388-5428 (電話、ファックス同じ)
    
  ☆事前に郵便振替でご送金ください。当日受付は致しません。
    
    申込〆切 2011年2月20日
    入場券は発行しませんので、当日郵便振替の伝票をご持参ください。
    
    郵便振替 口座番号 00110-9-393366
            口座名称 リボーン

<主催>NPO法人糖質制限食ネット・リボーン

<講師プロフィール>
江部康二(えべこうじ)
内科医、漢方医、(財)高雄病院理事長、NPO法人糖質制限食ネット・リボーン理事長。1950年生まれ。京都大学医学部卒業。2002年に自ら糖尿病であると気づいて以来、糖尿病治療の研究に取り組み、「糖質制限食」の体系を確立。これにより自身の糖尿病を克服。高雄病院でに数多くの臨床活動を通じて、糖尿病・肥満・メタボリック症候群などに対する糖質制限食の画期的な治療効果を証明。テーラーメイドダイエットとの2本立てでアトピーなど生活習慣病全般への効果も確立している。著書『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』(シリーズ展開中/東洋経済新報社刊)はベストセラーに。『我ら糖尿人、元気なのにはわけがある』『京都の名医に聞く。やせる食べ方』が話題に。ブログ『ドクター江部の糖尿病徒然日記』(http://koujiebe.blog95.fc2.com/)は日に3000件を超えるアクセスがあり糖尿病患者さんの間で絶大な支持を得ている。

大柳珠美(おおやなぎたまみ)
管理栄養士、(有)コンコルディア代表、NPO法人糖質制限食ネット・リボーン副理事長。1968年、熊本県生まれ。二葉栄養専門学校(栄養士科)卒業。明星大学(人文学部・心理教育専攻)卒業。2006年から糖質制限理論の実践、栄養カウンセリングに取り組み、現在は都内クリニック(ひめのともみクリニック(東京・五反田)、練馬駅西口眼科クリニック(東京・練馬))、小松川クリニック(東京・小松川)にて個人指導を担当している。テレビ出演、雑誌の執筆など、各方面でも活躍中。ブログ『管理栄養士のローカーボキッチン』(http://web.mac.com/concordia1/)が話題をよんでいる。
『糖尿病のための「糖質オフごちそうごはん」』(アスペクト)『血糖値を上げない!健康おつまみ109』(東洋経済社)『血糖値が高い人と家族のための大満足レシピ』(日本文芸社)などの著書の他、『満腹ダイエット』『酒飲みダイエット』(プレジデント社)の監修をつとめる。



☆☆☆☆☆
<NPO法人糖質制限食ネット・リボーン入会のご案内>

~薬に頼らない医療の実現を目指し「食」の根底を見直す~
NPO法人糖質制限食ネット・リボーン誕生

リボーンは、『食事で治す』をキーワードに、糖尿病やアトピーなど生活習慣病全般の改善のために有効な糖質制限食とテーラーメイドダイエットの理論と実践法を、広く一般社会に普及してくため活動を開始いたしました(NPO法人として1月7日に創立)。

主な活動内容は、糖質制限食の『講演会・セミナー・交流会の開催』『人材育成』『医療機関と他団体とのネットワーク構築』『食と生活習慣病に関する相談窓口開設』『情報集と情報提供』『研究・普及啓発』などになります。
私たちの活動はより多くの市民の方々の参加によって成り立ち発展していきます。
薬に頼らない医療の実現を願い、私たちとともに、「食」の根底を見直していきませんか。
多くの方々のご参加を心よりお待ちしております。

●お申し込み●
NPO法人糖質制限食ネット・リボーン
担当 曽我部 ゆかり
reborn@big.or.jp
〒165-0026 東京都中野区新井4-4-2-4B
TEL,FAX 03-3388-5428

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質制限食で腎症3期Aから腎症前期に改善・2010年12月
こんにちは。

今回は、<腎症3期A>から糖質制限食実践で<尿中アルブミンも30以下の腎症前期>に回復されたけいさんから、その後の経過をコメントただきました。

<腎症第3期A> ということは、顕性腎症前期で、タンパク尿(+)です。

尿中微量アルブミン陽性は<腎症第2期>で早期腎症期と診断されます。

けいさんは、現在は腎症前期で、2段階改善しています。


【10/12/27 けい
マンスリー検査結果です。
先生いつも有難うございます。
本に私の体験を記事にして頂き有難うございます。
先日購入して読んでいるところです。
とても分かりやすくまた、糖尿病でも希望が持てる内容になっていて素晴らしい出来だとおもいます!

本日マンスリーチェックに行ってきましたが、前回クレアチン、尿素窒素があがってしまったとご報告したのですが、今回クレアチニン0.64、尿素窒素19と正常値になっていました!
その他の数値も全て正常です(HDLは高いです!)
スーパーな糖質制限食に切り替えて2ヶ月ぐらいたったので、体が対応し始めたみたいですね。
ただ尿検査もあったので尿が出るよう水を700ml一気飲みして病院へ行ったのが前回と違うところです。
水のみ影響あるのでしょうか???

また、相変わらず尿潜血は+-でした・・・(タンパクは引続き-です)
前回アドバイス頂きシスタチンCを検査して0.68と正常値だったのですが、この数値でも腎炎や腎盂炎などがあることもあるのでしょうか?
担当医は赤血球等4個未満だから大丈夫と言っていたのですが、私には分かりません・・・糖質制限問題なしでしょうか?
エコーでは石はなかったです、ただ5年ほど前に尿管結石をしたことはあります。

あともう一点、先生の本にAGEが血管を傷害するとありますが、これは糖質制限で血糖値をコントロールしていても高血糖状態でいるのと同じような状態でいるのと同じこと(程度は軽いでしょうが)なのでしょうか?

どの位の期間でどの位の問題を起こすのか分かりませんが、私の知り合いのおばあちゃんで、30代からインスリンを打ち(本人の話)今でも米やフルーツなど食べて血糖値を続けていまして(現在70代後半)網膜症はありますが、その他は正常だそうです・・・
個人差もあるのでしょうかどの程度心配すればよいのか分かりません・・・

いつも質問ばかりで申し訳ございません。
先生には本当に感謝しております。

私には経過報告をして糖質制限食の良さをブログ読者の方へ知って頂くことしか出来ませんが、今後ともよろしくお願い致します。】



けいさん。

最新刊「糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食」(ナツメ社)

にご登場頂き、またご購入頂きありがとうございました。m(_ _)mV


「とても分かりやすくまた、糖尿病でも希望が持てる内容になっていて素晴らしい出来だとおもいます!」

そう言って頂けるととても嬉しいです。 (^_^)

「今回クレアチニン0.64、尿素窒素19と正常値になっていました!
その他の数値も全て正常です(HDLは高いです!)
スーパーな糖質制限食に切り替えて2ヶ月ぐらいたったので、体が対応し始めたみたいですね。」


糖質制限食実践で、通常は尿素窒素が初期やや高値になることがありますが、クレアチニンは正常のことが多いです。

けいさんが、一旦クレアチニンも高値となったのは、おそらく筋トレのためと思います。このようなときは血清シスタチンCを測定すれば、本当の腎機能がわかります。

血清シスタチンCは、クレアチニンよりはるかに鋭敏な腎機能検査の指標で、かなり初期の腎機能障害を拾い上げることができます。

腎糸球体濾過機能の評価検査においてシスタチン C は、クレアチンクリアランスと同程度以上の性能を有すると報告されています。

また、尿素窒素やクレアチニンと異なり、腎機能以外の要素の影響をほとんど受けません。

けいさんは、シスタチンCを検査して0.68(0.53~0.95mg/dl)ですので、腎機能は正常範囲に保たれている可能性が高いです。

「シスタチンCを検査して0.68と正常値だったのですが、この数値でも腎炎や腎盂炎などがあることもあるのでしょうか?」

初期の段階の慢性腎炎は、血液における腎機能検査は正常で、尿検査でタンパク尿や血尿が出現します。進行していくと徐々に血液での腎機能検査も悪化していきます。

慢性腎炎があるかどうかは、腎生検をして細胞を顕微鏡でみないと正確にはわかりません。腎盂炎は尿検査で、白血球が多数出現し、細菌が陽性になるので診断できます。

尿沈査(顕微鏡でみる)で1視野に赤血球等4個未満ならごく少量ですね。正常は1視野に1個以内です。

けいさんの場合、軽い腎炎があるのか、ごく小さい尿路結石があるのか、腎のうほうがあるのか・・・よくわかりません。

ともあれ、血液検査で腎機能が正常なので、糖質制限食実践に何の問題もありません。

「先生の本にAGEが血管を傷害するとありますが、これは糖質制限で血糖値をコントロールしていても高血糖状態でいるのと同じような状態でいるのと同じこと(程度は軽いでしょうが)なのでしょうか? 」

糖尿人でも、糖質制限食で血糖コントロール良好ならば、体内で生産されるAGEが高値とならないので、血管壁への悪影響はありません。

高血糖があれば、体内で産生されるAGEが高値となり、血管壁や細胞に沈着して障害を与えます。すなわち動脈硬化のもととなります。

インスリン注射しても、経口血糖降下剤を服用しても、普通に糖質を摂取すれば、食後高血糖を防ぐことは極めて困難です。食後高血糖があれば、AGE高値などにより血管壁が傷害されていきます。

けいさん、これからも美味しく楽しく糖質制限食で、血糖コントロール良好を保ってくださいね。ヾ(^▽^)

糖尿病合併症予防のためには

① 空腹時血糖値110mg/dl未満
② 食後2時間血糖値140mg/dl未満
③ 食後1時間血糖値180mg/dl未満
④ HbA1c6.5%未満→さらには5.8%未満

①②③④の糖尿人の目標達成を目指してくださいね。


江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
「糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食」(ナツメ社)出版・2010年12月
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こんにちは。

2010年12月18日、

「糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食」(ナツメ社)

を、糖質制限食の最新刊として出版しました。

今回はレシピ集ではなく、理論篇に属する最新の本です。

アマゾン
http://www.amazon.co.jp/%E7%B3%96%E5%B0%BF%E7%97%85%E3%81%8C%E3%81%A9%E3%82%93%E3%81%A9%E3%82%93%E3%82%88%E3%81%8F%E3%81%AA%E3%82%8B%E7%B3%96%E8%B3%AA%E5%88%B6%E9%99%90%E9%A3%9F-%E6%B1%9F%E9%83%A8-%E5%BA%B7%E4%BA%8C/dp/4816349960/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1292726044&sr=1-1

既に全国の書店に並んでいると思います。

2010年12月19日、「ドクター江部の糖尿病徒然日記」の記事に、

「糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食」(ナツメ社)

を紹介したところ、いきなり、アマゾンの糖尿病関係の本の1位になり、嬉しい限りでした。ヾ(^▽^)

これもひとえにブログ読者の皆さんのお陰と感謝しております。m(_ _)mV


糖質制限食や糖尿病関連の最新情報が満載ですので、是非ご一読くださいね。

最新糖質制限食理論、症例、図表、食材のカラー写真・・・、糖尿病・妊娠糖尿病の最新の診断基準・・・Q&Aなど、わかりやすくて豊富な内容となったと自負しています。

特徴として、巻頭に、ブログ「ドクター江部の糖尿病徒然日記」の記事にさせていただいたコメントと私の回答を、個人情報が特定できないように一部加工して、10症例報告しています。

ご登場いただいたブログ読者の方々、

蝶々さん、fumi さん、初心者エイジさん、けいさん、
千蔵さん、小福さん、太りたいみいさん、Toshiさん、
はなまるさん、suguruさん。

コメントいただいた皆さんにはこの場を借りて、御礼申し上げます。m(_ _)mVV 

以下は「糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食」(ナツメ社)の、「はじめに」です。


☆☆☆

はじめに

 2005年1月に日本初の糖質制限食の本「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」(東洋経済新報社)を出版してから、5年の歳月が経過しました。幸い16刷と版を重ねており、糖質制限食が日本に広がるきっかけになったと嬉しく思っています。糖質制限食関連の私の本も著書・共著・監修含めて合計14冊に達しましたが、本書が15冊目です。当初はほぼ孤立無援の戦いでしたが、この間糖質制限食に理解を示す医師や栄養士も明らかに増えています。医学雑誌「治療」に2009年4月、「内科」に2010年1月、糖質制限食関連の小論文を執筆させていただいたのもその現れとありがたく思っています。2007年2月から、ブログ「ドクター江部の糖尿病徒然日記」を開始したことも、それなりの効果があったと思います。本書の内容にはブログ記事からの引用もあり、ブログ読者の皆さんにはこの場を借りて御礼申し上げます。2010年10月現在で、1日に5000~7000件のアクセスがある人気ブログとなっていて、これも嬉しい限りです。ほぼ毎日ブログ更新していますので、祇園あたりに飲みにいく機会が激減して、健康にも財布にも非常に良い副次効果が出ています。さて糖質制限食の理論面において、2009年に一つ大きな変化がありました。正確には2004年に米国であった変化に、私が気がついたのが2009年ということです。すなわち、米国糖尿病協会によれば食べ物が消化・吸収されたあと、糖質は100%血糖に変わり、タンパク質・脂質は血糖に変わりません。糖質は摂取直後から急峻に血糖値を上昇させ2時間以内にほとんどすべてが吸収されます。一方蛋白質・脂質は血糖値に影響をあたえません。1997年版の米国糖尿病協会の見解では「タンパク質は約半分が血糖に変わり、脂質は10%未満が血糖に変わる」という記載がありましたが、2004年版では削除されています。これらは含有エネルギーとは無関係な三大栄養素の生理学的特質であり、現在動脈硬化の元凶として問題とされているグルコーススパイク(食後高血糖)を引き起こすのは3大栄養素の中で糖質だけです。従って糖質を摂取しなければ食後高血糖は生じず、血糖値はリアルタイムに改善します。一方カロリー制限をしても糖質を摂取すれば必ず食後高血糖を生じます。このような重要な生理学的知識ですが、欧米では医師も看護師も栄養士も糖尿病患者さんも皆知っています。日本では医師でさえも、ほとんどの人が知らないのが現状ですので、まさにガラパゴス状態でおおいに問題です。また英国の栄養学の大著、ヒューマン・ニュートリションにも『現代の食事では、中略、デンプンや遊離糖に由来する「利用されやすいグルコース」を大量に摂取するようになっている。このような食事内容は血漿グルコースおよびインスリン値の定期的な上昇をもたらし、糖尿病、冠状動脈疾患、がん、老化等、多くの点で健康に有害であることが強く指摘されている。農業の発明以来、ヒトは穀物をベースとした食物を摂取するようになったが、進化に要する時間の尺度は長く、ヒトの消化管はまだ穀物ベースの食物に適応していない。ましてや高度に加工された現代の食物に対して、到底適応しきれてないのである。』と記載されていて、私の提唱しているグルコースミニスパイク論に根拠を与えるものであり、心強い限りです。さらに、戦後日本で糖質摂取が減り続け、脂質摂取が増え続けたという定説も間違いであり、単なる神話に過ぎなかったことも本書であきらかにしています。本書には2010年現在の糖質制限食の最新知識が網羅されています。是非ご一読いただけば幸いです。



*Life With Diabetes:A Siries of Teaching Outlines by the Michigan Diabetes Research and Training Center,American Diabetes Assoiation ,3rd Ed,2004
*ヒューマン・ニュートリション基礎・食事・臨床(第10版):75、JS Garrow 、WPT james、A Ralph 編、日本語版監修、細谷憲政.2004



江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
ウォーキングと血糖値低下・続き
こんばんは。

今朝は、車の温度計は0度でした。
今冬一番の冷え込みでしょうか。

さて、ウォーキングと血糖値低下について、tomo さんから、興味深いコメントをいただきました。


「10/12/25 tomo
ウォーキングの効果
 江部先生おはようございます。
 毎日ブログを読むのを楽しみにしています。先生のおかげで命拾いできたなといつも感謝しています。
 ふだん家では主食は食べません。しかし、先日義母がおいしそうなおこわをつくってくれたので、ちょっと食べてみることにしました。膵臓が元気になっていたらいいなという思いもありました。スタンダードを始めて4ヶ月半です。
 軽く1膳を食べて1時間後、血糖値223。私は、2時間値がピークです。あわててウォーキングへでかけました。40分弱歩いた後の血糖値は99。こんなに効果が出てびっくりでした。
そして、翌日。主食抜きで1時間後の血糖値133。25分歩いた後、血糖値111でした。あれれと、またびっくりでしたが、自分の体がコントロールしていたんですね。納得しました。
 先生の新しい御本、とても読みやすいです。具体的な症例もたくさんのっていて、個人差に対応することが大切ということもよくわかります。
自分の体のことをよく知り、一生つきあっていきたいと思います。糖尿人ということがわかり、糖質制限食を始めて体調も体型もよくなりました。
 これからもどうぞよろしくお願いいたします。」


tomoさん。
貴重な体験報告ありがとうございます。

「軽く1膳を食べて1時間後、血糖値223。私は、2時間値がピークです。
あわててウォーキングへでかけました。40分弱歩いた後の血糖値は99。」


実に124mgの低下ですね。

血糖値が高値だと、運動の効果もでやすいようです。


「翌日。主食抜きで1時間後の血糖値133。25分歩いた後、血糖値111でした。」

今回は、22mgの低下です。

運動時間に40分と25分の差があるとはいえ、低下幅がかなり少ないです。

やはり、昨日の記事にも書きましたように、血糖値が高値でないときは、運動してもそんなに下がらないように、人体が調整しているようですね。 

ともあれ、現段階で一定程度確認できていることは、

①インスリン基礎分泌が低下している人と、BMI25以上の肥満の人には運動による血糖低下効果は出にくい。

②血糖値が高値の時は、インスリン基礎分泌が確保されていて、肥満がない人においてはかなりの降下幅が
 期待できる。例えば60~80~120mg/dl・・・

③食後血糖値が130~140mg未満とか正常範囲の場合は、インスリン基礎分泌が確保されていて、
 肥満がない人においても血糖低下幅は少ない。低血糖にならないように人体が調整していると考えられる。

④運動強度があるていど以上高いと、グリコーゲン分解や糖新生によって、かえって血糖値が上昇する。

⑤血糖コントロールが悪い(例えば空腹時血糖値250mg以上)場合は、運動後なお一層血糖値が上昇する
 ことがある。

例えば私の場合、インスリン基礎分泌は正常下限かやや不足で肥満なしですが、男子テニスダブルス2試合したあとの血糖値(食後6時間)が150mgくらいになり、30分後には安静のまま120mgくらいに下がりました。

血糖値降下の急性効果は、歩行ぐらいの強度のほうが良さそうです。

渡邊昌先生も歩行では血糖値が下がるが、走るとかえって上昇すると述べておられます。

運動療法の急性効果に関しては、

「どの程度の強度の運動を、どの程度続けたら、どの程度血糖値が下がる・・・」

といった具体的な研究報告は、ほとんどないと思います。

また①のような個人差に関してもほとんど報告はありません。

まだまだこれから、勉強していかなくてはなりませんね。



江部康二

テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質オフ デミグラスソースの煮込みハンバーグ
main.jpg


糖質制限ドットコムのあらてつさん、このところ毎日毎日新商品の試作品を持ってきます。

中には美味しそうなものもありますが、手放しで喜べません。

なぜなら…

「試作を持ってくる=血糖測定をして欲しい」

からです。

お陰さまでいろんなものを食べられますが、よくまあ、次から次からこんなもの考えたと感心(?)してしまいます。

以前の話ですが、あらてつさんと山形へ行きました。

マイナス7度の中、朝から露天風呂に入って散歩してきたのですが、今思えば順番を逆にすべきだったと反省しております。

その後もあらてつさん、何度か山形へ足を運んでるみたいで、彼が出かけると言うことは、また何か食材を探してるということで、いったい今度は何を食べさせる気だろうと、気が気ではありませんでした(笑)

山形から戻ったあらてつさんが手にしていたのは、巨大なハンバーグでした。

「先生、やっとできました!史上初の糖質オフデミグラスソースハンバーグです!血糖測って下さい!」

やっぱりそこかい!と思わずツッコミを入れそうになりましたが、大人な私は何も言わず巨大なハンバーグを頂くことにしました。

食べてみると…

珍しく、美味しいではありませんか(笑)

聞くと、山形の大手畜産メーカー、蔵王ミートさんが作られているとのこと。

実は、前回、あらてつさんと山形まで出かけたのは、蔵王ミートさんのご招待だったのです。

牛の健康と品質にとことんこだわり、ビタミンアA欠乏症の牛は絶対に扱わないと仰るその企業姿勢に感動し、提携させて頂くことになりました。

その成果と商品の第一弾がこの

「糖質オフ デミグラスソースの煮込みハンバーグ」

というわけなのです。

試作途中ではなんどか食べましたが、それらとは全然違う完成度に正直、驚きました。

つなぎを使っていないので、肉本来のうまみが凝縮されていて、そこらのハンバーグとはモノが違うなとおもいました。

しかも、使われている牛肉は、黒毛和牛を中心にしたA5,A4ランクの肉だそうで、食べればなるほど納得です。

そんなにいい肉を使ってこの値段が可能なのは、お肉屋さんならではなのだと、あらてつさんが自慢していました。

その肉肉しいハンバーグにかかっているのが、開発に一年以上かかった特製のデミグラスソース。

ハンバーグだけなら、ちょっと工夫すれば糖質オフでできますが、かけて食べるソースに困ります。

それを思うとこの 糖質オフ デミグラスソースの煮込みハンバーグ は、どうして秀逸です。

しかも、このハンバーグ、手作りで直火焼きされたものを、瞬間冷凍してパックしてあるので、湯煎するだけで食べられます。

これなら私のような面倒くさがりでもなんの問題もありませんね。

読者の皆さんにも是非おすすめします。

あらてつさんの糖質制限ドットコムで販売しています。


糖質オフ デミグラスソースの煮込みハンバーグ
http://www.toushitsuseigen.com/shop/set_burg.html


読者の皆さんにも一度お試しあれ。



江部康二



テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
ウォーキングと血糖値降下幅
こんにちは。

今回は、ウォーキングと血糖値降下幅について、 kenm さんから、コメント・質問をいただきました。

【10/12/23 kenm
ウォーキングと血糖値降下幅
江部先生 こんばんは kenmです。

夕食後1時間の血糖値 124mg/dlでした。
その後ウォーキングを30分、正確には32分しました。

夕食後2時間の血糖値 114mg/dlです。

30分のウォーキングによる血糖値降下幅 10mg/dlです。
たったの10mg/dlとは?

なぜかがわかりません。
というのも、

30分のウォーキングで、60mg/dl~80mg/dl血糖値が下がると言われています。
これは糖質を取り始めてから30分後に、30分のウォーキングですね。

上記が今夜の私の経験です。
ちなみに夕食の糖質量は約11gと推定します。

このような例があるのでしょうか。
他に何か理由が考えられるでしょうか。

お教えいただければ幸いです。
よろしくお願いいたします。】



kenm さん。
いつもコメントありがとうございます。

食後30分の30分間の運動で、どのくらい血糖値の上昇が防げるかを、高雄病院で8人の糖尿病患者さんにお願いして実験してみたことがあります。

その結果は、非常に個人差が大きかったです。

60分値は改善しても、90分値、120分値は再び上昇というパターンの人もおられました。

食後30分というのは、食べ始めてから30分経過後です。

例えばこのときの実験は、午前9時に食べ始めて、午前9:30から運動(歩行)開始です。


<食後30分から30分間運動>VS<運動無し> 50g糖質摂取時
空腹時→食後60分→食後120分血糖値の比較

例えばA・Mさん
運動あり 127→164→197mg
運動なし 139→255→222mg

食前→食後60分
運動して37mg上昇
運動しなかったら116mg上昇

  食前→食後120分
運動して70mg上昇
運動しなかったら83mg上昇

運動したほうが、60分値はかなり大幅な改善です。

一方、120分値は少しましですが、そんなには変わりませんでした。

N・Sさん
運動あり 111→133→127mg
運動無し 108→189→126mg

食前→食後60分
運動して22mg上昇
運動しなかったら81mg上昇

食前→食後120分
運動して16mg上昇
運動しなかったら18mg上昇

やはり運動したほうが、60分値はかなりましですが、
120分値はあまり変わりません。

まあ、N・Sさんの場合は、運動により食後高血糖は全く生じていないので、こういうタイプは運動療法がとても有効と思います。


N・Mさん
運動あり 174→278→307mg
運動無し 136→278→211mg

食前→食後60分
運動して104mg上昇
運動しなかったら142mg上昇

食前→食後120分
運動して133mg上昇
運動しなかったら75mg上昇

運動しても60分値で104mg上昇してますから、良好な運動効果とはいえませんがそれでも運動しないよりましです。

ところがN・Mさんは120分値は運動した方が133mgも上昇して、運動しないほうが75mg上昇と、かえってましです。

この方は、食後30分に30分の歩行というメニューでは、運動療法は無効というか、しないほうがいいということになります。


2008年に8名の2型糖尿人にご協力いただいて、運動効果を検討したのですが、このように食後高血糖に対する、食後30分、30分の歩行実験では、例えば三者三様であり、かなり個人差が大きいことが判明しました。

運動効果の個人差の要因を分析した結果、肥満と基礎分泌が大きく関わっていました。

即ち、BMI25以上の肥満がある人と、インスリン基礎分泌が低下している人は、運動による血糖低下作用が、あまり期待できないということが判明しました。


「30分のウォーキングで、60mg/dl~80mg/dl血糖値が下がる。」

これは、渡邊昌先生の『糖尿病は薬なしで治せる』(角川)に、ご自身の経験として載せておられるデータです。

渡邊昌先生は、運動大好きタイプでスリムな体型です。

またインスリン基礎分泌も、あるていど保っておられるのだと思います。

それで運動による血糖低下作用が、しっかり働くのだと考えれられます。

今後は、画一的な運動療法ではなくて、個人差に合わせたテーラーメードの運動療法が必要になるかもしれませんね。運動療法、まだまだ勉強が必要です。


「夕食後1時間の血糖値 124mg/dlでした。
その後ウォーキングを30分、正確には32分しました。
夕食後2時間の血糖値 114mg/dlです。
30分のウォーキングによる血糖値降下幅 10mg/dlです。
たったの10mg/dlとは? なぜかがわかりません。」


kenmさんのデータで、考えられることは、仮説ですが2つあります。

一つは、インスリン基礎分泌がやや不足気味である可能性です。

もう一つは、もともとの1時間血糖値が124mg/dlと、食後の血糖値としては正常値なので、それ以上下げる必要性がないので、夕食後2時間の血糖値 114mg/dlで、生体がバランスを保った可能性です。

もし80mgも下がったら、2時間血糖値は44mgで低血糖ですから・・・。



江部康二
テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)と糖質制限食
おはようございます。

今回は、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)歴15年の、みったんさんから、コメントいただきました。


「10/12/22 みったん
タイトルなし
先生、わたしも15年位前にpcosと診断され、ホルモン剤や注射に頼り
医師からは
やせなさいと言われ、またpcosとインシュリンの関係から血糖値とも関係ある記事を目にし、先生の本やブログに出会い、糖質制限をかなりゆるく実行、7キロ近く痩せる事が出来、続けていこうと思います。わたしも7月から糖質制限を始め、体調よいですよ。チーズとナッツがこんなに美味しいとは思いませんでした!先生の新刊わたしも注文しました。」


みったん さん。

新刊「糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食」のご注文、ありがとうございます。
7kgの減量成功、良かったですね。

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)とは、卵胞が嚢胞性変化を起こし排卵しにくくなる障害です。

卵巣には多くの卵細胞がありますが、通常は月に一つずつ成長して排卵します。

卵細胞は卵胞という袋に包まれています。卵細胞が成長していくにつれて、卵胞も大きくなっていきます。

卵胞が約2cmくらいまで大きくなると破裂して、卵細胞が排卵されます。

多嚢胞性卵巣症候群では、卵胞が卵巣の中に慢性的に多くあり、一定の大きさまでは成長するのですが、そこで止まってしまいます。卵胞はそれ以上大きくなれないので、排卵がおこりにくくなる病気です。

排卵がないので、症状としては9割以上の人に月経異常が生じます。排卵障害があれば当然不妊となります。50%くらいが肥満を伴います。男性ホルモン増加による症状もみられます。


2010-12-22のブログ「糖質制限食と症状改善、脂漏性皮膚炎、多嚢胞性卵巣症候群など」で記事にした、のらたろうさんの場合は、1年近く生理順調となっておられるので、排卵も改善した可能性が高いですね。

日本産婦人科学会によれば、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の原因には諸説がありますが、はっきりとは解明されてるわけではありません。

現時点では、原因として黄体ホルモン過剰によるテストステロン(男性ホルモン)過剰、糖代謝異常(インスリン過剰)、遺伝要因などが考えられています。

近年とくに、インスリンの過剰分泌とPCOSとの関連が注目されています。インスリンの過剰分泌を正常化するという意味では、糖質制限食がベストの治療法です。

これはあくまでも仮説ですが、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の発症そのものに、「糖質の頻回・過剰摂取によるグルコース・ミニスパイクとそれに伴う頻回・過剰のインスリン追加分泌」が大きく関わっている可能性があります。

みったん さん、美味しく楽しく糖質制限食を続けられて、症状改善を目指して下さいね。


江部康二


テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質制限食と症状改善、脂漏性皮膚炎、多嚢胞性卵巣症候群など
こんにちは。

ブログ読者の皆さんから、ポツポツと糖質制限食で症状改善のコメントをいただきました。

のらたろうさん、カボスさん、ありがとうございます。

匿名希望の糖尿人女性からは、婦人科に通院していても再発性で難治だったカンジダ症が、スーパー糖質制限を初めて1週間で完治したとの嬉しいコメントをいただきました。

糖質制限食で、予想通り、いろんな症状の改善が期待できるようです。

【10/12/21 のらたろう
症状の改善
2010年10月にコメント致しました のらたろうと申します。(41歳、女性)
その後 じわじわとではありますが更に4kgほど体重が落ちております。
(計15kg落ちました)
糖質制限を始めた頃は、スーパー糖質制限食を行っていたのですが
現在はスタンダードぐらいの糖質制限をしております。

前回のコメント時にはお知らせしていなかったのですが
みなさんの改善された症状に 私も思い当たることが2点ほど
ありましたのでご報告したいと思いました。

まず 脂漏性皮膚炎です。 子供のころから大きなフケのようなものが
(特に冬)しょっちゅう出ていて悩んでおりましたが 糖質制限を始めて
かなり量が減り、現在では まったくといっていいほど症状がありません。

そして もうひとつは 生理不順の改善です。 
20代前半からずっと悩まされておりました。 よくて2,3か月に一度
ひどいときには 1年に1回あるかないかといった状況でした。
産婦人科では排卵の薬をもらっていましたが なかなかうまくいかず、
大学病院の産婦人科では多嚢胞性卵巣症候群と診断され手術も勧められましたが 
半年~1年ごとに手術が必要ということもあり結局 治療自体は何もせず終えました。
それが 糖質制限食を始めて 3、4か月経った頃ひょっこり生理が
復活しました。 それから一定の周期で現在までずっと1年近く順調になっております。
体重が落ちたからというだけではない何かがあったのだと思っております。

以上 私にとってうれしい症状の改善がありましたのでご報告申し上げます。  
それでは。】


のらたろうさん。
体重15kg減量よかったですね。

糖質制限食でダイエット成功は定番として、脂漏性皮膚炎の改善は初めて報告して頂いたと思います。

眦漏性皮膚炎は、抗真菌剤に反応するもの以外は結構難治であり、アトピー性皮膚炎より苦労することが多いです


糖質制限食で眦漏性皮膚炎が改善したというのは素晴らしいことです。 (^^)

多嚢胞性卵巣症候群に伴う生理不順も、結構難治性です。

手術が必要と婦人科医に勧められるくらいですので、婦人科でも苦労されているのでしょう。

体重減少も生理不順にはいい方に向いたと思いますが、1年近く順調というのはこれまたとても素晴らしいことと思います。 (^_^)

体調も糖質制限食で全体に良くなられているのでしょうね。


【10/12/21 カボス
江部先生、新刊の出版おめでとうございます。早速、アマゾンで購入しましたので今週中には拝読できるかと思います。『主食を抜けば・・』『我ら糖尿人・・』『やせる・・』と今回の新刊で5冊の先生の著書が集まりました。2008、3月から3年近くになります、制限食の実施率は概ね、80%というところですが、それまで服用していた糖尿薬も止めたにもかかわらず、コントロールはまあまあなので満足しております。コメントにも出来る各種の効用(口内炎⁾、逆流性食道・・etc)なども同じようになくなり、このまま行けるかと期待をしているところです。先生の著書はなるべく同業者?には見せずに、購入をすすめています。】


カボスさん。
本のご購入ありがとうございます。

経口糖尿病薬中止で、血糖コントロール良好、良かったです。

糖質制限食実践で、糖尿病以外に、口内炎や逆流性食道炎の改善も良かったですね。ヾ(^▽^)

「先生の著書はなるべく同業者?には見せずに、購入をすすめています。」

夢の印税生活まで、あと3歩??
ご協力ありがとうございます。m(_ _)mV


江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質制限食で耐糖能改善、高糖質食の問題点
おはようございます。

2010年12月18日発売の新刊

糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食」(ナツメ社)

にご登場頂いたToshiさんから、糖質制限食で耐糖能改善というコメントをいただきました。


【10/12/21 Toshi
最新刊の感想と尿中C-ペプチド値についてのご質問
早速最新刊を購入させて頂きました。
まだ読み始めたばかりで全て読んでおりませんが・・・・な、なんと過去のわたしのコメントが掲載されているではありませんか!きょ、恐縮です
コメント投稿当時は糖質120g/日以下を目標にしていましたが(これでも糖尿病発症前の1/3以下ですが・・・)現在は80g/日以下を目標に掲げて頑張っています。

さて、話は変わりますが、先日糖尿病発症から1年が経ったのを機に尿中C-ペプチドの検査と1日血糖値測定を行ってきました。
昼から始めたのですが、昼食と夕食で200日振りにお米を食べました。(190gの半分)
不思議と「ごはんをもっと食べたい」という気持ちが全く起こりませんでした。糖質制限食に慣れたのだなと実感しました。

その時の結果ですが、
昼食前血糖値102
昼食後血糖値167(2時間後)
HbA1c 4.7
昼食後血中インスリン値14.2μIU/ml
(過去の空腹時血中インスリン値は4.7μIU/mlでした)
※昼食の糖質量約60g摂取

夕食前血糖値88
夕食後血糖値142(2時間後)
※夕食の糖質量約50g摂取

22時血糖値105

朝食前血糖値103
朝食後血糖値131(2時間後)
※朝食の糖質量約20g摂取

尿中C-ペプチド 53.1μg/日

という結果でした。
血糖値に関しては食後2時間の値が摂取糖質量の1~1.5倍上がる事が分かりとても有意義な検査でした。

が、尿中C-ペプチドに関しては、糖尿人として多いのか、少ないのか、摂取糖質量にたいして多いのか、少ないのか、その値を見てもどう判断して良いか分からなかったので、お忙しいとは思いますがアドバイスを頂ければ助かります。

P.S.しかし、入院時に献立表を頂きましたが、糖質の多さには驚きますね(^_^;)
1食あたり糖質が平均100g(ご飯190g or 食パン120g)MAXでは200gという献立もありました。今となっては恐ろしく、恐怖すら感じます。

今後も楽しく、緩い糖質制限食糖尿病と共存していこうと思います。】



Toshi さん。
本に、載せさせていだいて大変ありがとうございます。m(_ _)m

今回の新刊

糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食」(ナツメ社)

は、ひとえに Toshiさんを始め、ブログ読者の皆さんのおかげでできたようなものと感謝しております。m(_ _)mV


【昼食と夕食で200日振りにお米摂取
昼食前血糖値102
昼食後血糖値167(2時間後)
HbA1c 4.7
昼食後血中インスリン値14.2μIU/ml
(過去の空腹時血中インスリン値は4.7μIU/mlでした)
※昼食の糖質量約60g摂取

夕食前血糖値88
夕食後血糖値142(2時間後)
※夕食の糖質量約50g摂取

22時血糖値105

朝食前血糖値103
朝食後血糖値131(2時間後)
※朝食の糖質量約20g摂取】


☆☆☆前回のコメント

【10/02/12 Toshi
自分は2009年10月中旬原因不明の吐き気に襲われ、胃潰瘍を疑い病院に行ったところ糖尿病と診断され、2週間ほど入院しました。
現在の経過は
入院当初:HbAc1が11.1 血糖値が486
10月末           血糖値が108
11月頭:HbAc1が8.5    血糖値が100
12月頭:HbAc1が5.7   血糖値が132
1月頭:HbAc1が5.0    血糖値が111
2月頭:HbAc1が4.8    血糖値が127
となっています。
12月にはランタス12単位から8に、1月にはインシュリン注射なしに、今月からはグルファスト無しとなりました。

退院当初は病院の指示通りカロリー制限の食事を取っていましたが、忘年会でカロリー過多になったにもかかわらず食後血糖値があまり上がらなかったため、これはなぜ?と思い色々調べて先生のブログにたどり着きました。

すぐに先生の著書を取り寄せ、ナルホドと納得し、今年から朝20以下、昼60以下、夜40以下を目標に糖質制限食を実施しております。】



Toshi さん。

前回のコメント時のころに比べて、耐糖能が明らかに改善しています。

本にも書きましたように、「HbAc1が11.1 血糖値が486 mg」といった糖毒状態が解除され、膵臓が休養できて疲弊していたβ細胞が回復したと考えられます。

また体重が118kgから74kgに減少して、インスリン抵抗性がほとんど正常に近く改善したのだと思います。

ご飯を食べての食後血糖値も、糖尿病型ではなく境界型であり、耐糖能が改善しています。食後2時間値が140mg未満なら正常型であり、合併症のリスクもないので、たまには40~50gの糖質摂取もOKかもしれませんね。

「尿中C-ペプチド 53.1μg/日 」

SRLという大きな検査会社 の1日尿のC-ペプチドの基準値は、29.2~167(μg/day) です。
他の会社の基準値もも大きな差はないと思います。

つまりToshi さんの内因性インスリン(自前のインスリン)は、24時間を通して正常範囲に分泌されていることになりますね。 (^_^)

「入院時に献立表を頂きましたが、糖質の多さには驚きますね(^_^;)
1食あたり糖質が平均100g(ご飯190g or 食パン120g)MAXでは200gという献立もありました。今となっては恐ろしく、恐怖すら感じます。」


インスリンを注射していても、糖質100gも摂取すれば、食後高血糖は必発です。

200gというのは、治療というより、ほとんど慢性殺人に近い量ですね。(゜^゜)

糖尿病が確定している人には、「75g経口ブドウ糖負荷試験」は、禁忌とされています。

100%、200mgを超える高血糖を生じることがわかっているのに、75gものブドウ糖を負荷することは生体にとって危険であり、倫理的に許されないということです。

このことは糖尿病専門医の方々も、当然しっかり認識されていて、教科書にも記載があります。

それなのに、ご飯やパンで100~200gの糖質を糖尿人に摂取させるという、「75gブドウ負荷試験」以上の危険な行為が、管理栄養士の指導の下、全国の病院で公然と平気で何の疑問もなく、毎日行われ続けていることには、私も悲しみと共に恐怖を覚えます。(+_+)

何とかしなくてはなりませんね。


江部康二

テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質制限食と様々な症状の改善
こんばんは。

らこさんから、糖質制限食と様々な症状の改善について、コメントいただきました。

なお、40代女性から、「糖質制限食実践で1~2年続いていた尿漏れがトマトさんと同様に改善した」と、ご報告いただきました。


【10/12/20 らこ
私の場合の合併症

1.アレルギーがほぼ解消
  扁桃腺が腫れて呼吸困難になることが皆無になりました。頭部皮膚の腫れは「豆乳の飲み過ぎ」で
  1回現れただけです。これは本当に助かりました。

2.粉瘤(アテローム)完治
  臀部とか顔とか腹部とかひじとか脚部に出来ていた粉瘤が完全になくなりました。臀部に出来たモノの
  痛みのために姿勢が悪くなった副作用も大きかったです。

3.副鼻腔炎完治
  こんなに「におい」が世の中にあったことを子供の時以来感じます。 ・・・と言うことは、高校生
 (中学生?)くらいの時には既に副鼻腔炎だったことがわかりました><

4.歯肉炎完治
  但し、手入れを怠ると半日で症状が出ます><
  フロッシングと食後のGUM歯磨きは欠かせません。   

5.血管炎大幅軽減
  首より上の吹き出物(ふけだと勘違いしていたモノを含む)が中学生くらいから続いており、にきびと
  思っていましたが、血管炎でした。血管炎が肥大化すると、粉瘤になったのかも知れません。動脈に出
  来るのか?静脈にできるのかは不明です。副鼻腔炎が悪化すると、鼻のまわり上下左右に顔面中が血管
  炎だらけになり、血だらけになりました。糖尿病が最も悪かった時です。今は首の後ろに3ヶ(中)と、
  頭部にいくつか小です。首は姿勢の悪さが原因で「下向き」が悪いことがわかっていますが、悪癖はな
  かなか直らないものです。

6.水虫完治
  不思議なほど簡単に直りました。

7.肩こり完治
  不思議なほど簡単に直りました。「五十肩」は全くありません。

8.合併症悪化させる食べ物
   A.牛肉  B.まぐろ  C.かつお
   どれも好きな食べ物でした。食べると血管炎が即悪化します。牛肉は「江部ブログのコメント欄」で
   教えて頂き、本当に感謝するばかりです。まぐろは「済陽高穂本でのガン再発の食べ物」掲載、かつお
   は私が食べて習得しました。20G以下/食 での糖質はほとんど私の場合は合併症には影響ないことが
   わかって来たので、豚カツやさんまの竜田揚げは平気で食っています。豚と秋刀魚と鰯は合併症を軽減
   させます。

9.白髪が黒く戻った
    江部先生ほど黒くないですが、随分色が戻って来ました。】



らこさん。
貴重な体験報告、ありがとうございます。

『1.アレルギーがほぼ解消
 扁桃腺が腫れて呼吸困難になることが皆無になりました。頭部皮膚の腫れは「豆乳の飲み過ぎ」で1回現れ
 ただけです。これは本当に助かりました。』


「豆乳の飲み過ぎ」・・・今年の7月に、1時間以内に豆乳を900ml飲まれた時ですね。
これはやはり量の問題でしたね。

「扁桃腺が腫れて呼吸困難」・・・これはアナフィラキシーの症状ですね。扁桃腺というか喉頭あたりまで浮腫になって結構危ない症状ですので、治って良かったです。


『2.粉瘤(アテローム)完治
 臀部とか顔とか腹部とかひじとか脚部に出来ていた粉瘤が完全になくなりました。臀部に出来たモノの痛み
 のために姿勢が悪くなった副作用も大きかったです。』

私も、糖質制限食開始前は、お尻におできがよくできて困ってましたが、全くでなくなりました。後ろ首~生え際の脂肪のかたまりもよくできてましたが、出なくなりました。

『3.副鼻腔炎完治
 こんなに「におい」が世の中にあったことを子供の時以来感じます。 
・・・と言うことは、高校生(中学生?)くらいの時には既に副鼻腔炎だったことがわかりました>< 』


これは、すごいですね。

慢性副鼻腔炎(蓄膿)って、薬を飲んでもなかなか治りにくいですし、手術をしても再発が非常に多いですから、大したものです。


『4.歯肉炎完治
 但し、手入れを怠ると半日で症状が出ます><
 フロッシングと食後のGUM歯磨きは欠かせません。』 


糖質制限食実践により、ミュータンス菌の餌となる糖質摂取が激減するので、歯垢(プラーク)もまた激減します。歯垢が減ることで歯周症の悪化要因が改善して、歯肉炎も良くなったのでしょうね。

『5.血管炎大幅軽減
  首より上の吹き出物(ふけだと勘違いしていたモノを含む)が中学生くらいから続いており、にきびと
  思っていましたが、血管炎でした。血管炎が肥大化すると、粉瘤になったのかも知れません。動脈に出
  来るのか?静脈にできるのかは不明です。副鼻腔炎が悪化すると、鼻のまわり上下左右に顔面中が血管
  炎だらけになり、血だらけになりました。糖尿病が最も悪かった時です。今は首の後ろに3ヶ(中)と、
  頭部にいくつか小です。首は姿勢の悪さが原因で「下向き」が悪いことがわかっていますが、悪癖はな
  かなか直らないものです。 』


血管炎は、自己免疫疾患で出現する難治な症状ですが、それとは違うのでしょうね。
鼻の周りが血だらけということは、毛細血管が増えて拡張してたのでしょうか。


『6.水虫完治
 不思議なほど簡単に直りました。』


これも、何もせずに治ったとすればすごいですね。

『7.肩こり完治
 不思議なほど簡単に直りました。「五十肩」は全くありません。』


肩こりも難治といえば難治ですから、治ったのなら素晴らしいです。

『8.合併症悪化させる食べ物
 A.牛肉  B.まぐろ  C.かつお
どれも好きな食べ物でした。食べると血管炎が即悪化します。牛肉は「江部ブログのコメント欄」で教えて頂き、本当に感謝するばかりです。まぐろは「済陽高穂本でのガン再発の食べ物」掲載、かつおは私が食べて習得しました。20G以下/食 での糖質はほとんど私の場合は合併症には影響ないことがわかって来たので、豚カツやさんまの竜田揚げは平気で食っています。豚と秋刀魚と鰯は合併症を軽減させます。』


牛肉は、20年来の尋常性乾癬が完治された、さわさんのコメント

『自分の乾癬にとっての最も重要な原因は「糖質」であり「牛脂(天然のトランス脂肪酸)」はその触媒である。』

のことですね。

さわさんも、豚肉は大丈夫とのことです。

牛脂と豚脂の成分の差で顕著なのは、トランス脂肪酸ありとなしの差です。他の脂肪酸の成分は、そんなに差はないと思います。

牛脂(天然のトランス脂肪酸)が、尋常性乾癬悪化の触媒となっているのが、さわさん固有の特徴なのか、はたまた皆に共通の現象なのか、とても興味深いです。


『9.白髪が黒く戻った
 江部先生ほど黒くないですが、随分色が戻って来ました。』


らこさん、髪の色が戻って良かったです。

私も白髪は結構多いですよ。また髪の毛の本数が増えたわけではなく、分け目は若い頃に比べれば随分後退してます。まあ、本数は変わらないけれど太さが少し戻ったと思います。

もともと直立剛毛だったのが徐々に柔らかくなり、50才前後からとうとう猫毛みたいに細くなってボリュームがどんと減り、寂しい感じとなりました。それが糖質制限食で、太さが大分回復して、ややボリュームが戻ってきました。

ともあれ髪の毛に関しては個人差が大きいようですね。らこさんやトマトさんからコメントいただきましたように、糖質制限食実践で様々な症状が改善します。

糖質制限食で全身の血流・代謝が改善し自然治癒力が高まることがベースにあると思います。

例えば乾燥肌が潤ってくるのもその一つです。私は、冬は乾燥肌で50才頃からは、顔とか白い粉ふき状態のこともありましたが、全くなくなりました。手の指も、冬場は逆むけが沢山できて、痛がっていた記憶がありますがこちらも全くなくなりました。

読者の皆さんも、糖質制限食で健康ライフを目指していただけば幸いです。


江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
「糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食」(ナツメ社)を出版しました。
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こんにちは。

2010年12月18日、

「糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食」(ナツメ社)

を、糖質制限食の最新刊として出版しました。

今回はレシピ集ではなく、理論篇に属する最新の本です。

アマゾン
http://www.amazon.co.jp/%E7%B3%96%E5%B0%BF%E7%97%85%E3%81%8C%E3%81%A9%E3%82%93%E3%81%A9%E3%82%93%E3%82%88%E3%81%8F%E3%81%AA%E3%82%8B%E7%B3%96%E8%B3%AA%E5%88%B6%E9%99%90%E9%A3%9F-%E6%B1%9F%E9%83%A8-%E5%BA%B7%E4%BA%8C/dp/4816349960/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1292726044&sr=1-1

12月18日・19日ころには、全国の書店に並ぶと思います。

糖質制限食や糖尿病関連の最新情報が満載ですので、是非ご一読くださいね。

最新糖質制限食理論、症例、図表、食材のカラー写真・・・、糖尿病・妊娠糖尿病の最新の診断基準・・・Q&Aなど、わかりやすくて豊富な内容となったと自負しています。

特徴として、巻頭に、ブログ「ドクター江部の糖尿病徒然日記」の記事にさせていただいたコメントと私の回答を、個人情報が特定できないように一部加工して、10症例報告しています。

コメントいただいた皆さんにはこの場を借りて、御礼申し上げます。

以下は「糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食」(ナツメ社)の、「はじめに」です。

☆☆☆

はじめに

 2005年1月に日本初の糖質制限食の本「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」(東洋経済新報社)を出版してから、5年の歳月が経過しました。幸い16刷と版を重ねており、糖質制限食が日本に広がるきっかけになったと嬉しく思っています。糖質制限食関連の私の本も著書・共著・監修含めて合計14冊に達しましたが、本書が15冊目です。当初はほぼ孤立無援の戦いでしたが、この間糖質制限食に理解を示す医師や栄養士も明らかに増えています。医学雑誌「治療」に2009年4月、「内科」に2010年1月、糖質制限食関連の小論文を執筆させていただいたのもその現れとありがたく思っています。2007年2月から、ブログ「ドクター江部の糖尿病徒然日記」を開始したことも、それなりの効果があったと思います。本書の内容にはブログ記事からの引用もあり、ブログ読者の皆さんにはこの場を借りて御礼申し上げます。2010年10月現在で、1日に5000~7000件のアクセスがある人気ブログとなっていて、これも嬉しい限りです。ほぼ毎日ブログ更新していますので、祇園あたりに飲みにいく機会が激減して、健康にも財布にも非常に良い副次効果が出ています。さて糖質制限食の理論面において、2009年に一つ大きな変化がありました。正確には2004年に米国であった変化に、私が気がついたのが2009年ということです。すなわち、米国糖尿病協会によれば食べ物が消化・吸収されたあと、糖質は100%血糖に変わり、タンパク質・脂質は血糖に変わりません。糖質は摂取直後から急峻に血糖値を上昇させ2時間以内にほとんどすべてが吸収されます。一方蛋白質・脂質は血糖値に影響をあたえません。1997年版の米国糖尿病協会の見解では「タンパク質は約半分が血糖に変わり、脂質は10%未満が血糖に変わる」という記載がありましたが、2004年版では削除されています。これらは含有エネルギーとは無関係な三大栄養素の生理学的特質であり、現在動脈硬化の元凶として問題とされているグルコーススパイク(食後高血糖)を引き起こすのは3大栄養素の中で糖質だけです。従って糖質を摂取しなければ食後高血糖は生じず、血糖値はリアルタイムに改善します。一方カロリー制限をしても糖質を摂取すれば必ず食後高血糖を生じます。このような重要な生理学的知識ですが、欧米では医師も看護師も栄養士も糖尿病患者さんも皆知っています。日本では医師でさえも、ほとんどの人が知らないのが現状ですので、まさにガラパゴス状態でおおいに問題です。また英国の栄養学の大著、ヒューマン・ニュートリションにも『現代の食事では、中略、デンプンや遊離糖に由来する「利用されやすいグルコース」を大量に摂取するようになっている。このような食事内容は血漿グルコースおよびインスリン値の定期的な上昇をもたらし、糖尿病、冠状動脈疾患、がん、老化等、多くの点で健康に有害であることが強く指摘されている。農業の発明以来、ヒトは穀物をベースとした食物を摂取するようになったが、進化に要する時間の尺度は長く、ヒトの消化管はまだ穀物ベースの食物に適応していない。ましてや高度に加工された現代の食物に対して、到底適応しきれてないのである。』と記載されていて、私の提唱しているグルコースミニスパイク論に根拠を与えるものであり、心強い限りです。さらに、戦後日本で糖質摂取が減り続け、脂質摂取が増え続けたという定説も間違いであり、単なる神話に過ぎなかったことも本書であきらかにしています。本書には2010年現在の糖質制限食の最新知識が網羅されています。是非ご一読いただけば幸いです。



*Life With Diabetes:A Siries of Teaching Outlines by the Michigan Diabetes Research and Training Center,American Diabetes Assoiation ,3rd Ed,2004
*ヒューマン・ニュートリション基礎・食事・臨床(第10版):75、JS Garrow 、WPT james、A Ralph 編、日本語版監修、細谷憲政.2004



江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質制限食でHbA1c、空腹時血糖値、体重改善
こんにちは。

Rittoさんから、糖質制限食でHbA1c、空腹時血糖値、体重改善という嬉しいコメントをいただきました。


「10/12/19 Ritto
ばっちり改善しました!
江部先生、はじめまして。Rittoと申します。
今年、8月のお盆休み中に発症しました。
それまで境界型と言われていたにもかかわらず不摂生を続けた結果です。
のどの渇きと頻尿(30分毎!)、体重の減少で、マズイなあと思い
かかりつけの内科に行って調べると、空腹時血糖が250!
知り合いに糖尿病を専門に扱っている医院を教えてもらい再度調べると
HbA1c 9.2  空腹時血糖 265!!
とにかくカロリーコントロールをと言われましたがネットで情報を集めて
発症から1週間後に江部先生のブログを見つけ、『主食を抜けば~実践編』
『我ら糖尿人~』を購入し勉強させて頂きました。

そしてスーパーとスタンダードの中間ぐらい、という中途半端(?)な糖質制限食を続けた結果は

HbA1c: 9.2→7.8→6.5→5.8→5.4
空腹時血糖:265→101→103→89→98

体重は86.5から77.0キロに、基準外だった、HDL/LDLコレステロール、
中性脂肪、AST/ALT/γGTP すべて、基準値内に収まりました。
実践してみて、糖質制限食の効果を本当に実感しました。

ただ尿中アルブミンは、クレアチニン補正値が71.9とまだまだです。
高血圧気味(130前後~90前後)のせいもあるのでしょうか。

幸い、主治医は、糖質制限食に対して結果が出ているのなら良い、というスタンスで
色々な考え方を許容してくださっているので助かります。
体重は、あと10キロ落としても大丈夫と言われています。(身長177cm)
スーパーにしてしまうと、相当な勢いで体重も落ちそうですが
これくらいのペースがが自分はちょうど良いのかもしれません。

ご褒美として、週末はボタニカで糖質制限食を味わってきます。
とても楽しみです。

そして、以前より数段良い健康状態を維持できているのも江部先生とこのブログのおかげです。
この場を借りてお礼を申し上げます。
まだ気は抜けませんが、今後もがんばって維持していきたいと思います。」


Ritto さん。
本のご購入ありがとうございます。

HbA1c: 9.2→7.8→6.5→5.8→5.4
空腹時血糖:265→101→103→89→98

1ヶ月ごとに素晴らしい改善ですね。
良かったです。

体重は86.5から77.0キロと順調に減量していますので、標準体重までいけば血圧も正常化が期待できると思いますよ。

「ただ尿中アルブミンは、クレアチニン補正値が71.9とまだまだです。」

早期腎症の段階ですが、スーパー糖質制限食なら、腎症前期に回復する可能性が高いですので、美味しく楽しくお続け下さいね。

「幸い、主治医は、糖質制限食に対して結果が出ているのなら良い、というスタンスで色々な考え方を許容してくださっているので助かります。」

徐々に糖質制限食を支持する医師が増えていますが、このようなニュートラルな立場の主治医でも、いいですね。

「ご褒美として、週末はボタニカで糖質制限食を味わってきます。 とても楽しみです。」

羨ましい限りですが、ボタニカの糖質制限フルコースディナー、しっかり堪能してきてくださいね。
私も来年2月ころにはボタニカいこうと思ってます。


江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質制限食で尿漏れが改善、また他の改善が確認できている疾患
おはようございます。

今回は、トマトさんから、糖質制限食で尿漏れが改善というコメントをいただきました。

「10/12/17 トマト
 こんばんは

糖質制限をはじめて3ヶ月(データーからして私は糖尿病予備軍)
思わぬ効果がありましたので なかなか書きにくい内容ですが、報告させていただきます。
私はお産歴2回の40代後半の女性です。
40代にさしかかった頃から
尿意を感じたときすぐトイレにかけこまないと間に合わない
ふとした腹圧をかける動作で少量の尿がもれるなどの症状に悩んでいました。
どうにかならないものかと思いつつ人に相談することも出来ずにいたのですが、
糖質制限をはじめて1ヶ月目頃、あら・・と気が付いたのです。尿漏れがほとんどなくなりました。
今ではまったくありません。
これは糖質制限の効果に違いないと思っています。
3ヶ月で-5㎏の減量ができ見ためもスマートで美しく(笑)なり
人に言えない悩みも解消され感謝しております。
また、急激に減量した時にありがちな腹部のたるんだようなシワもほとんどありません。(たんぱく質を十分に取るためでしょうか?)
他にも立ち仕事につきものの膝の痛みもなくなり疲れ知らずです。
尿漏れ解消の記事がないように思いましたので 恥ずかしながら報告させていただきました。」


トマトさん。
貴重な体験報告ありがとうございます。

確かに書きにくい内容なのにありがとうございます。私も初めて聞く情報です。

この記事をきっかけに、他の読者からもコメントがあるかもしれませんね。

外来でもなかなかいいにくい内容なので、今まで私も経験がありませんでした。興味深い情報でおおいに助かります。

同じような体験をお持ちの読者がおられましたら、匿名・管理者のみ閲覧でも結構ですので、コメントいただければ幸いです。

糖質制限食実践により、全身の血流・代謝が改善するので、人体に備わる自然治癒力も高まると思います。
それにより、様々な症状の改善が期待できると思います。

現在まで、症例として改善が確認できている疾患は以下の如くです。

その他、下記疾患以外でも改善された症状や疾患があればコメントいただけば幸いです。


糖尿病
メタボリックシンドローム
肥満
高血圧(肥満に伴う)
アトピー性皮膚炎
花粉症
尋常性乾癬
機能性低血糖症
後期ダンピング症候群に伴う低血糖
逆流性食道炎



江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
子供の食事と糖質制限食とテーラーメードダイエット
こんばんは。

今回は、リュカさんから、子供の食事と糖質制限食についてコメント・質問をいただきました。


【10/12/17 リュカ
子供の食事について
先生こんにちは。
私には6歳と4歳の子供がおり、先生の本に
「成長期の子供には糖質制限をすべきではない」とあったので通常の主食ありの食事をさせています。

ただ、糖尿病になりやすい体質は遺伝するということを考えると、このままでいいのか???と不安になることがあります。

今気をつけているのは、おかずをしっかり食べさせて主食ばかり大量に食べさせないようにしているのと、糖分の多い菓子を与え過ぎないことぐらいです。
2人とも肥満ではありません。

成人して糖尿病を発症するまでこれ以上何もできないのかと思うともどかしいです。

アドバイスお願いいたします。】


リュカ さん。

私の本における

「成長期の子供には糖質制限をすべきではない」

という、記載は記憶にないのですが・・・ (∵)?

どの本でしたでしょうか?

結論としては、小児も成人も妊婦も糖質制限食を実践して全く問題はありません。

なにせ、人類本来の食事であり、人類の健康食ですので・・・ (^^)

ただ学校給食とかもありますので、現実には糖質制限食実践は、社会的なことを考慮すると、小学校などでは結構大変だと思います。それでテーラーメードダイエットを提唱しています。

「今気をつけているのは、おかずをしっかり食べさせて主食ばかり大量に食べさせないようにしているのと、
糖分の多い菓子を与え過ぎないことぐらいです。」


テーラーメードダイエットの枠組みからは、それでいいと思いますよ。
嫌いでなければ、しっかり運動もしたほうが好ましいですね。


<テーラーメードダイエット>

症状改善だけなら、人類皆糖質制限食もありだと思うのですが、地球人口68億人を養うためには穀物は必須です。このことを踏まえて食べ分けが必要と思います。

例えば、小児、青少年、アトピーや喘息の若い人、成人でも糖尿病やメタボリック・シンドロームなどがない人なら、主食を未精製の穀物(例えば玄米)にして「高雄病院食生活十箇条」の実践でよいと思います。

運動選手など日常的に運動をしている青少年は、あるていどの量の未精製穀物を摂取しても、筋肉がどんどん血糖を利用するのでブドウ糖ミニスパイクも生じにくく大丈夫です。

一方、読書タイプで運動をあんまりしない青少年は、未精製の穀物でも少量に控えておく方が無難です。

すでに糖尿病を患っている人や、メタボリック・シンドロ-ムの人は、糖質制限食がベストの選択です




江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質制限食と検査データ改善のプロセス
こんばんは。

2010-12-15のブログ記事「糖質制限食で血糖値などのデータ劇的改善」で取り上げた、まみさんから、検査データ改善のプロセスをコメントして頂きました。

とても参考になるので、もう一度記事に取り上げてみました。


【10/12/17 まみ
ありがとうございました
江部先生おはようございます
私のコメント取りあげていただきありがとうございました

糖質制限食と薬の併用で悩んでる方が多いようですので私の薬を止めるまでの数値を見ていただきたいと思います

まず医師に、入院は嫌だから何が何でも食事療法で改善させるつもりだという事を告げました
薬は日に1回ということになり
SU剤なので低血糖を起こすといけないので夕食等寝る前の食事後には飲まないように言われました

5月 HbA1c 10.0 空腹時血糖 401 総コレステロール300 中性脂肪 252 糖質制限スタート
お菓子、麺類、パンは一切止め3食の内1食だけご飯(茶碗半分)を食べるようにしたので服薬はご飯を食べた時だけ。

6月 HbA1c 8.2 空腹時血糖 121 中性脂肪173 BUN24.3
服薬後手が震えたりするので薬を半錠にしてもらいました
面倒臭くてご飯(米)はたまに(3日に1回など)しか食べませんでした

7月 HbA1c 6.7 空腹時血糖 117
半錠でも低血糖状態になるので勝手に薬を止め、ついでに完全にご飯もやめました

8月 HbA1c 5.8 空腹時血糖 108 BUN 30.8
医師に薬を飲んでないと正直に言いました
このまま様子を見る事に。
9月 HbA1c 5.8 空腹時血糖 101
食事療法がちゃんと出来てるから検査は3ヶ月に1回でいいという事になりました(^-^)

12月 HbA1c 5.4 空腹時血糖 94 中性脂肪 42 LDH 114
言うことなしとの事(^-^)
ただ中性脂肪が低いのでもう少し食べるよう言われましたが糖質制限してるから上がりっこないのでハイハイとだけ言っておきました

改めて見てみると高炭水化物食の恐ろしさがわかります(´Д`)
糖尿病とわかってからはジュース類は飲まずお菓子等も控えてましたが代わりにご飯はたくさん食べてました。

恐ろしいほど高かった総コレステロールは糖質制限を始めて翌月すぐ基準値になりました。LDLコレステロールは今まで基準値を超えた事はありません。
HDLは何故だかいつも検査してくれてません(・・;)

巷では高コレステロールは良くないので脂質を控えようとよく言われてますが、脂質は控えず炭水化物を控えた途端下がるんですもんね

中性脂肪はご飯を食べるのを止めたら基準値内に。

BUNは始めた翌月と8月だけが基準値を越えました
クレアチニンは常に基準値より少し低いのですが医師は問題ないとの事

肝機能もいつも基準値内で今月だけLDHが基準値より低かったのですが高くなければ問題なしと言われました

私は37才なのでまだ肝機能も腎機能も正常を保てていたのでしょうが、高炭水化物食を止められず薬に頼っている人や健康な人もこれらの機能が悪くなる前に糖質制限に取り組んでほしいと思います
健康な人は糖質制限とまでいかなくても炭水化物を少し減らすだけでかなり違うと思いますし。】



まみさん。
コメント、ありがとうございます。

まみさんの場合、主治医も協力的なスタンスであり、とても良かったと思います。
主事医殿に感謝ですね。m(_ _)m

頭ごなしに反対したり、脅したりする医師も多いので、ニュートラルな立場をとっていただいただけでも、ラッキーと言えます。

2010年5月

「HbA1c 10.0 空腹時血糖 401 総コレステロール300 中性脂肪 252」

と、はっきり重症の糖尿病であったのが、

7月にSU剤を中止しても、糖質制限食で経過良好で

12月

「HbA1c 5.4 空腹時血糖 94 中性脂肪 42 LDH 114 」

本当に、言うことなしですね。  \(^○^)/

血糖値、HbA1c 、中性脂肪の極めて速やかで著明な改善、総コレステロール値、LDLコレステロール値の改善、尿素窒素は一旦増加したあと3ヶ月目には改善・・・、

まみさんの場合は、糖質制限食実践によるデータ改善の典型的なパターンです。
ブログ読者の皆さんも、同じような体験をされた方も多いと思います。

一方、個人差はあります。

総コレステロール値、LDLコレステロール値が一旦上昇する人もいます。この場合も、ほとんどが半年から1~2年で基準値になります。

尿素窒素も、しばらく基準値より高値が続く人もいますが、クレアチニンが正常なら心配いりませんので・・・

「改めて見てみると高炭水化物食の恐ろしさがわかります(´Д`)
糖尿病とわかってからはジュース類は飲まずお菓子等も控えてましたが代わりにご飯はたくさん食べてました。」

全く同感です。

私も、40代から意識して、毎日お米をしっかり充分量を摂取するように心がけて、お酒ももっぱら純米酒とエビスビールに拘っていました。 ( ̄_ ̄|||)

運動も週2回のテニスやスポーツジムなどにも通って、お昼は高雄病院給食の玄米ご飯・・・

普通のおじさんよりは、かなりヘルシーとされるライフスタイル・食生活でしたのに52才で、ああ堂々の糖尿病発覚!? ヾ(゜▽゜)

まあ、糖質制限食を実践してい今から思えば、糖尿病になるべくしてなったとよく理解できるのですが、当時は一定の衝撃でしたね。

読者の皆さん、現在糖尿病でない人も、炭水化物の頻回・過剰摂取には充分気をつけてくださいね。


江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
高炭水化物食の問題点、糖尿人と正常人
こんばんは。

明日は、今年最後の第三金曜ライブです。

今から、スタジオにリハーサルに出かけます。

さて今回は、小福さんから、高炭水化物食の問題点、糖尿人と正常人・・・についてコメント・質問をいただきました。


「10/12/15 小福
教えてください
いつも更新楽しみにしております。
記事を読んでいてわからないことがあるのでご教授いただければと思います。
高炭水化物摂取の場合と低炭水化物摂取の場合を比べたデータはたくさんありますよね。
炭水化物を取らないことがいいのか?
それとも、血糖値の変動が少ないことがいいのか?どっちなんでしょうか?

私は、2型糖尿であり、糖質制限な食事を数回にわけて血糖値の変動が少なくなるように工夫しています。
でも、耐糖能の高い非糖尿人よりも血糖値の変動はあります。

耐糖能の高い血糖値の変動の少ない人でも炭水化物を減らした方が病気のリスクが少なくなると言うことでしょうか?
耐糖能が高いうちは、高炭水化物食でも問題ないと言うことでしょうか?

自分が糖質制限をしているので、主人や子供たちがごはんをたくさん食べたりするとどうしても心配になってしまいます。
文章力がないので、意味わかりずらい文章になってたらすいません。」


小福さん。
コメント、ありがとうございます。

「炭水化物を取らないことがいいのか?
それとも、血糖値の変動が少ないことがいいのか?どっちなんでしょうか?


糖尿人が、普通に一人前の主食(パンやご飯など炭水化物)を摂取すれば、食後2時間血糖値は必ず200mg/dlを超えます。

180mg/dlを超える血糖値は、血管内皮を障害しますので、動脈硬化のリスクとなります。

糖尿人でも、糖質制限食なら、食後高血糖が生じませんので、動脈硬化のリスクとなりません。

血糖値を上げるのは、糖質だけであり、タンパク質・脂質は上げません。

1gの糖質が体重64kgの2型糖尿人の血糖値を約3mg上昇させます。

勿論、食前食後血糖値の幅が少ないほど、好ましいです。従いまして、糖尿人には糖質制限食が必須なのですね。


「耐糖能の高い血糖値の変動の少ない人でも炭水化物を減らした方が病気のリスクが少なくなると言うことでしょうか? 耐糖能が高いうちは、高炭水化物食でも問題ないと言うことでしょうか? 」

それでは耐糖能が正常型の人を考えて見ましょう。

人類の食生活の歴史を振り返ってみると、追加分泌インスリン(*)の必要性は、くっきり3段階に分かれます。

<農耕の始まる前>

人類の歴史が400万年として、農耕が始まる前の399万年間は、食生活の中心は狩猟・採集であり穀物はないのですから、人類皆糖質制限食です。

食前食後の血糖値を切り口に考えてみると、鮮明に変化が見えてきます。すなわち農耕が始まる前の人類の食生活なら、血糖値の上下動がほとんどありません。

例えば空腹時血糖値が100mg/dl程度と仮定して、食後の血糖値はせいぜい110~120mg/dlくらいで、血糖値上昇の幅は10~20mgていどの少なさです。これならインスリンの追加分泌はごく少量ですみます。

勿論、基礎分泌のインスリンは絶対に必要です。

この頃は、実りの秋に果物やナッツなどを食べると血糖値がある程度上昇するので、初めて追加分泌インスリンの本格的出番がありました。

秋に追加分泌インスリンで果物やナッツから得た血糖を中性脂肪にかえて体内に蓄えて、来るべき冬の飢餓に備えたと考えられます。

<農耕の始まりと血糖値の変化とインスリン>

農耕が定着し、小麦や米のデンプン(糖質)を摂取するようになると、血糖値が急峻に上昇します。糖質・脂質・タンパク質の三大栄養素の中で血糖値を上昇させるのは糖質だけです。

穀物(糖質)を摂取すれば、未精製のものでも空腹時血糖値が100mgとして、食後血糖値は140mgていどまで上昇し、インスリンが大量に追加分泌されます。

血糖値上昇の幅は40mgもあり、狩猟・採集民だったころに比べると2倍に達しています。

こうなると1回のインスリンの追加分泌は、正常人では基礎分泌レベルの数倍~10倍以上の量となります。

農耕以後の4000年間は、人類の膵臓のβ細胞は、それ以前に比べて毎日数倍~10倍以上働き続けなくてはならず、まるで原罪を背負ったようなものなのです。

<精製炭水化物以後の血糖値とインスリン>

さらに18世紀に欧米で、小麦の精製技術が発明されます。白いパンの登場です。

日本では、江戸中期には白米の習慣が定着していきます。

すなわち、ここ200年~300年間、世界で精製された炭水化物が摂取されるようになりました。

現代では、世界中の多くの国で、主食は白いパンか白米などの精製された穀物です。

精製された炭水化物は、未精製のものに比して、さらに急峻に血糖値を上昇させます。

これらを食べると、空腹時血糖値が100mgとして、食後血糖値は160~170mgまで上昇します。血糖値上昇の幅は60~70mgで、狩猟・採集生活のころに比べると3倍に達しています。

これほど急激に血糖値を上昇させる食品は、400万年の人類史上、類をみないものです。追加分泌のインスリンは、未精製穀物摂取時に比し、さらに大量に分泌せざるを得ません。

インスリンを大量に分泌し続けて40~50年、膵臓が疲弊すれば分泌能力はは低下し糖尿病になります。インスリン分泌能力が高い人は、さらに出し続けて肥満・メタボリックシンドロームになります。


<追加分泌インスリンの必要性とβ細胞の酷使>

このように、人類の歴史をたどってみると、病態の構造がはっきり見えてみます。

399万年間ほとんど必要のなかった追加分泌インスリンが農耕後は数倍から10倍レベル必要となりました。

精製炭水化物以後は、更に大量の追加分泌インスリンが必要となり、膵臓のβ細胞は日常的に酷使されるようになりました。運動不足はそれに拍車をかけます。

現代はまさに膵臓受難の時代と言えます。糖尿病が世界中で激増しているのも、宜なるかなですね。

結論です。

正常人でも精製炭水化物を日常的に摂取して、運動不足が続けば様々な生活習慣病のリスクとなります。


(*)
インスリンは人体で唯一血糖値を下げるホルモンで、膵臓のランゲルハンス島のβ細胞でつくられ分泌されます。
24時間少量持続的にでている基礎分泌のインスリンと、糖質を摂取して食後血糖値が上昇したときにその10、20倍の量が出る追加分泌のインスリンがあります。脂質を摂取しても追加分泌インスリンはでません。タンパク質摂取ではごく少量のインスリンがでます。



江部康二


テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質制限食で血糖値などのデータ劇的改善
おはようございます。

今回は、まみさんからとても嬉しいコメントをいただきました。

「10/12/15 まみ
楽に改善しました
江部先生おはようございます
前にBUNの高数値や白血球の高数値、貧血などで質問させていただいたまみです。
先生や内科研修医さんが言ってくれたようにBUNも白血球数もすぐ基準値内に戻りました(^-^)

食事療法がちゃんと出来てるので検査も3ヶ月に1回でいいことになり久々検査に行ってきました

HbA1c 5.4 空腹時血糖94

総コレステロール 175 LDLコレステロール112 中性脂肪 42

BUN 15.9 クレアチニン 0.41
でした(^-^)

5ヶ月前から全く薬も飲まずこの数値なのでやっぱ糖質制限すごいなと思います

血色素量~MCHCまでは全てまだ低いですが、基準値より少し低いだけで前よりは上がりました。
血小板数がいつも基準値より少し高いのですが担当医も心配することないというので気にしないようにしています。

4年前異常な喉の渇きで物凄く甘いものが欲しくなりジュース類や甘いコーヒーをがぶ飲み…
急激に空腹感に襲われ倒れそうになり一口食べれば治まる…
トイレが近い、体重減少、起床時めまいがして立ち上がれない
よく熱が出る、片頭痛や手の平や指の毛細血管がちょくちょく切れるなどという症状があったにもかかわらずそのまま過ごしてました
ある日急に嘔吐下痢に襲われ一晩中この状態で耐えられないほどの腹痛もあり救急車を呼ぼうと思うのですが物凄い睡魔で目もろくに開けていられない状態でした
次の日嘘のように治まったので病院に行くと糖尿病になってるというのがわかりケトなんたらで危険な状態になってたようです(・・;)

入院するよう言われましたが仕事休むのが嫌で飲み薬と極端に食事量を減らし半年ほどでHbA1cを9.8から5.9まで下げました。

しかし極端な食事制限は続かず高炭水化物食を食べ、薬も度々飲み忘れ今年の5月にはHbA1cが10.0、空腹時血糖401になってしまいコレステロールも中性脂肪も基準値を100オーバーしてしまいました(*_*)
また入院を勧められましたが入院は嫌でネットで糖尿病の事を調べここにたどり着きました

糖質制限と飲み薬で2ヶ月で6.7まで下がりコレステロールも基準値内、中性脂肪は61になりました。低血糖状態がでるので薬を止めました。
3ヶ月目には5.8、4ヶ月目も5.8で8ヶ月目の現在5.4です(^-^)

高炭水化物食大好きだったのに別に我慢する事もなく糖質制限は楽に続いてます

我慢も何もケーキやお菓子を食べたいとかお米を食べたいとかそういう欲求が全くなくなったのです。目の前にしても何とも思わないので不思議ですよね。
脳が食べ物として認識しなくなったのでしょうか?

面倒くさがりなのできちっとした糖質制限ではないですが私の主食は豆腐、パンの代わりにはお揚げトーストです。
おかずは鳥の唐揚げが大好きなので大体揚げ物が多いですが1回の食事で摂る糖質量は気にするほどじゃないって事が数値で証明されて安心してます( ´∀`)

お通じも絶好調ですし体重も半年ほどで12キロ減りました

片頭痛もなくなり風邪もひかないしだるさもないし生理もまともになりました
今頭痛がするのは生理の時ぐらいです。

こんなに健康体になったのに担当医も周囲の人も少しはご飯食べなきゃ体に悪いよと言います

うちの父も糖尿人ですが糖質制限を勧めてもやりません(-_-;)
父の担当医は低カロリー推進派です
薬を飲みインスリンを打ち高炭水化物食を止めずHbA1cは常に7%台です…
やりもしないで出来ないと頭から決めつけてます
こういう糖尿人がたくさんいます

糖質制限の必要さが早く医療業界や世の中に浸透してほしいです

糖質制限でここまで良くなったという喜びを知ってほしくて長くなってしまいました(^o^;)すみません 」


まみさん。
コメントありがとうございます。

2010年12月、3ヶ月ぶりの検査

【HbA1c 5.4 空腹時血糖94 総コレステロール 175 LDLコレステロール112 中性脂肪 42 BUN 15.9 クレアチニン 0.41】


全て正常ですね。
良かったです。

一旦上昇していたBUNも基準値にもどっています。

5ヶ月前から、内服薬なしで、糖質制限食実践・・・
コレステロールも中性脂肪もOKですね。


糖質制限食実践による検査データの変化ですが、はっきり一定の傾向がでるものとでないものがあります。

糖質制限食実践で

1 血糖値はリアルタイムに改善します。
2 スーパー糖質制限食なら、HbA1cは月に、1~2%改善します。
3 中性脂肪も速やかに改善します。
4 HDL-コレステロールは増加します。
  増加しますが、増加の程度と速度に個人差があります。
5 LDL-コレステロールは低下・不変・上昇と個人差があります。
  上昇した人も半年くらいで基準値に落ち着くことが多いですが個人差があります。
6 総コレステロールは低下・不変・上昇と個人差があります。
  上昇した人も半年くらいで基準値に落ち着くことが多いですが個人差があります。
7 尿酸も低下・不変・上昇と個人差があります。
  上昇した人も半年くらいで元の値に落ち着くことが多いですが個人差があります。
8 尿素窒素はやや増加傾向になる人が多いですが、
  そのうち基準値に落ちつくことがおおいです。
9 クレアチニンは不変です。
10 カリウムも不変のことが多いです。


「4年前異常な喉の渇きで物凄く甘いものが欲しくなりジュース類や甘いコーヒーをがぶ飲み…
急激に空腹感に襲われ倒れそうになり一口食べれば治まる…
トイレが近い、体重減少、起床時めまいがして立ち上がれない
よく熱が出る、片頭痛や手の平や指の毛細血管がちょくちょく切れるなどという症状があったにもかかわらずそのまま過ごしてました
ある日急に嘔吐下痢に襲われ一晩中この状態で耐えられないほどの腹痛もあり救急車を呼ぼうと思うのですが物凄い睡魔で目もろくに開けていられない状態でした
次の日嘘のように治まったので病院に行くと糖尿病になってるというのがわかりケトなんたらで危険な状態になってたようです(・・;)
入院するよう言われましたが仕事休むのが嫌で飲み薬と極端に食事量を減らし半年ほどでHbA1cを9.8から5.9まで下げました。」


糖尿病ケトアシドーシスですね。
生命の危険がある重篤な病態です。 (*_*)

本来、入院の適応ですが、ともあれ、生還されて良かったです。

「しかし極端な食事制限は続かず高炭水化物食を食べ、薬も度々飲み忘れ今年の5月にはHbA1cが10.0、空腹時血糖401になってしまいコレステロールも中性脂肪も基準値を100オーバーしてしまいました(*_*)
また入院を勧められましたが入院は嫌でネットで糖尿病の事を調べここにたどり着きました。
糖質制限と飲み薬で2ヶ月で6.7まで下がりコレステロールも基準値内、中性脂肪は61になりました。低血糖状態がでるので薬を止めました。
3ヶ月目には5.8、4ヶ月目も5.8で8ヶ月目の現在5.4です(^-^) 」


2010年5月、HbA1cが10.0%、空腹時血糖401mg/dl・・・

これはすごいです。半端じゃないデータですね。ヾ(゜▽゜)

即、入院をすすめられる状況です。この状態から、内服薬を中止して、5ヶ月間でHbA1c5.4%ですか。

とても上手に糖質制限食を実践されているのだと思います。素晴らしいです。 (^_^)

「お通じも絶好調ですし体重も半年ほどで12キロ減りました。
片頭痛もなくなり風邪もひかないしだるさもないし生理もまともになりました。
今頭痛がするのは生理の時ぐらいです。
こんなに健康体になったのに担当医も周囲の人も少しはご飯食べなきゃ体に悪いよと言います 。」


体重が12kg減ったということなら、インスリン抵抗性も改善していますね。 (^^)

糖質制限食で、全身の代謝・血流が改善しますので、決して万能とはいいませんが、様々な症状の好転が期待できます。

まみさんが、片頭痛・風邪もひかないしだるさもない・生理順調・・・となられたのもその一環と思います。

医学界では、まだまだ、カロリー制限派の医師のほうが圧倒的多数ですが、糖質制限食に理解を示す医師も確実に増えています。

2010年は、東京・京都・名古屋・東京・東京・京都・京都・堺で医師の方々に糖質制限食のお話しをしました。

2011年度も長浜・東京・大阪・札幌・熊本・東京・京都・・・・で医師の方々に糖質制限食のお話しをする予定です。

このように糖質制限食は医師の間にも確実に広がりつつあるのでご期待下さいね。


江部康二

テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質制限食とグルファスト、グルコバイ
おはようございます。

今回は、よよさんから、グルファストグルコバイについて、コメント質問をいただきました。


「10/12/12 よよ
糖尿病の薬

いつも貴重なお話を提供していただきありがとうございます。

2型糖尿病の私は、まだ薬に頼らず糖質制限で今のところ頑張っています。 でももともと大食と甘いもの好きでこのような体にしてしまった私ですから、安易に薬に頼ってしまうのが怖い気がしているところです。

低血糖を起こすことがあること江部先生に申し上げたら、食前に飲むグルファスト、あるいはグルコバイが血糖上昇を防ぐとお教え頂きました。

医師に処方してもらおうかとも考えますが、薬を飲むことに甘んじて、今まで我慢してきた反動が起きるような気がします。

すると、玄米より白米や食パンに手が出るでしょう。体重もまた増えると思います。薬を飲みながら、悪化していく人たちが周りにおられますが薬に依存して、食のコントロールを疎かにしてしまうからでしょうか。

合併症の怖さを考えれば、スーパー糖質制限でいくのがベターとはわかっているのですが、なかなかです。先生の仰る楽しく糖質制限を続けるために、薬との併用もありかなと迷うこの頃です。

NHKで画期的な糖尿病の新薬が開発されたと。インレクチンというような名前だったと思います。β細胞を刺激してインスリンを出させるようです。決して低血糖にはならないというものだそうですね。
江部先生は、薬は自由にお使いになられると思うのですが、薬に頼ることなく、あくまでも食事でコントロールしていらっしゃるのでしょうか。
薬はやはり、副作用もあるでしょうからできるだけ頼らないというのが本来の選択でしょうか。 くだらないことを書いて申し訳ありません。」


よよ さん。

私自身はスーパー糖質制限食ですので、薬を飲むことはありません。

1回の糖質量の目安が、10~20gですので、この範囲におさまれば、美味しく楽しくでOKです。(^^)

例えば、たまに河豚のコースを食べた時などは、最後の雑炊を茶碗1/3杯くらいは食べます。(^∧^;)

この場合も薬は飲みません。合計の糖質摂取量が10~20g以内と思いますので・・・ (⌒o⌒)v

食後の高血糖があると、2型糖尿病の人(インスリン分泌能がかなり残っている)では、追加分泌インスリンが出遅れてさらに遷延することがあるので、4~5時間後に低血糖になることがあります。

糖質制限食なら食後高血糖もほとんどなく、インスリン追加分泌も極少量なので、のちの低血糖も生じません。

私の担当する患者さんから、希望があればグルコバイグルファストを処方することもあります。

ですが、これらの薬の効果も、過大に期待するのは無理です。

食後高血糖180mg/dl未満を達成するには、薬を飲んで、炊いたご飯1杯150gのところを、100~110gくらいに謙虚に食べるくらいが一般的です。

またグルコバイグルファストの効果には個人差があります。

グルコバイなど、αグルコシダーゼ阻害薬は二糖類(麦芽糖・ショ糖・乳糖など)がグルコース(ブドウ糖)に変換されるのを阻害します。ベイスンやセイブルは、αグルコシダーゼ阻害作用のみを有します。

グルコバイはそれに加え、αアミラーゼ阻害作用によりデンプンがオリゴ糖に変換されるのも阻害するため、より強力に食後高血糖を改善します。

膵臓以外で作用するので、膵臓への負担はありません。

常用量で、

グルコバイは1時間値を50mg、2時間値を40mg
ベイスンは1時間値を40mg、2時間値を30mg
セイブルは1時間値を60mg、2時間値を20mg

ていど下げるとされています。しかし、それほど下がらない人もあります。

セイブルは、1時間値を下げるけれど、2時間値はあまり下げないのが特徴です。

いずれの薬も結構個人差が大きいですし、印象としては、上記の数字ほど下がらない人のほうが多いです。

グルファストやスターシスなどのグリニド系薬剤を食直前に内服して一般の糖尿病食を摂取すれば、グルコーススパイクは防げるのか?」

これらの薬剤の効果も、やはり限定的であり、普通に炊いたご飯を通常の150g摂取したら、ほとんどの糖尿人の食後血糖値は200mgアップとなります。これは、高雄病院の入院患者さんで何度も確かめました。

血糖値を下げるとしても、20~40~60mgくらいでしょうか?また効果には、個人差があります。

高雄病院の入院患者さんのデータでは、炊いたご飯100~110gくらいなら、グルファスト食後2時間血糖値180mg未満となる人もおられます。

グルファストやスターシスは、約2時間ていどだけ、膵臓のβ細胞を働かせますので、SU剤に比べれば、β細胞への負担は少ないです。

炊いたご飯100~110gでも、グルコバイ単独やグルファスト単独では、180mgを超える糖尿人も、「グルファスト+グルコバイ」なら、食後2時間血糖値180mg未満の一応の目標達成の人もいます。

*インレクチン関連薬に関しては
2010-09-10のブログ<糖質制限食とDPP-4阻害剤>をご参照ください。


江部康二
テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
生理的ケトン体上昇は安全、病理的ケトアシドーシスは危険
こんばんは。

朝から雨がしょぼついている京都です。

寒さはぼちぼちです。

さて今回は、はなながおじさんから、ケトン体についてコメント・質問をいただきました。

「10/12/11 はなながおじさん
ケトーシス
最近このブログを発見して、最初の更新から一気に読みました。それ以降毎日更新を楽しみにしています。
その中で、ケトーシスについて疑問に思ったことを質問させていただきます。
インスリンの分泌不足が原因で、グルコースを骨格筋などでエネルギーとして使用できなくなります。そのため血液中に脂肪酸が増加し、余った脂肪酸を肝臓で蓄えることが出来ず、ケトン体として血液中に放出されるためケトーシスが起こると解釈しています。ということは、インスリンには肝臓で脂肪酸を脂肪として蓄える作用があるということなのでしょうか?」


はなながおじさん様

インスリンは、中性脂肪の分解を抑制し、脂肪酸の合成を促進します。食事で得たブドウ糖は代謝を経て、脂肪酸合成の原料になります。

インスリンの作用により脂肪酸は血液中のグリセロールと合わさって中性脂肪として、脂肪細胞に蓄積されます。

インスリン本来の作用は、「筋肉・肝臓・脂肪細胞におけるエネルギーの蓄積」です。人類の進化の過程では、インスリンによるエネルギーの蓄積は大きな利点でした。

しかし、現在では、インスリンが肥満ホルモンと呼ばれる所以でもあります。

さて、ケトン体が現在の基準値より高値でも、インスリン作用が保たれていれば、生理的な現象であり、安全なものです。

例えば、断食中とかスーパー糖質制限食実践中のケトン値が基準値より高値なのは、この生理的なものです。

日常的に糖質を摂取している場合の血中ケトン体の現行基準値は、施設により差はありますが、『26~122μM/L 』くらいです。

日常的に糖質を摂取している人でも、これくらいの血中ケトン体は常に存在していて、心筋や骨格筋など多くの体細胞の主たるエネルギー源となっているのです。

つまり、人体のごく普通のエネルギー源であり、当然安全性は高いです。

どれくらい安全かを、もう一つのエネルギー源であるブドウ糖と比べてみると、わかりやすいですね。

絶食療法中やスーパー糖質制限食の初期には、血中ケトン体は、3000~4000μM/Lくらいに上昇し、現行基準値の30~40倍の高値になりますが、それ自体は、各細胞において全く安全なものです。 (^_^)

血糖値が、基準値の30倍で3000mg/dlになったらなんて、想像もできませんね。ヾ(゜▽゜)

一方、はなながおじさんご指摘のケトーシスは、病理的ケトアシドーシスのことと思います。

糖尿病ケトアシドーシス

糖尿病はインスリンの作用不足があり、細胞内にうまくブドウ糖が取り込めなくなる病気で、そのため慢性の高血糖状態が生じます。

高血糖にもいろんなレベルがありますが、非常に重症の糖尿病を考えてみましょう。

血糖値が300~500mg/dl以上もあり、口渇・多飲・多尿・腹痛・悪心・嘔吐・脱水・意識レベル低下、尿中ケトン体が強陽性などの症状・所見があれば、糖尿病性ケトアシドーシスと診断できます。

もちろん血中ケトン体も高値であり、生理的食塩水の点滴・速効型インスリンの静注など緊急的治療が必要となります。

糖尿病ケトアシドーシスは、インスリン作用の欠乏による全身の高度の代謝失調状態です。強調しますが、前提にインスリン作用の欠乏があり、それが全ての出発点です。

つまり、インスリン作用の欠乏がなければ、糖尿病ケトアシドーシスは絶対に起こらないのです。

『インスリン作用の極度の低下、インスリン拮抗ホルモンであるグルカゴン・カテコールアミン・成長ホルモンの過剰』

などにより、全身の高度の代謝失調、糖利用の低下・脂肪分解の亢進がおこり、高血糖と高遊離脂肪酸血症を生じます。

遊離脂肪酸は、インスリン欠乏下の肝では、急速な酸化をうけケトン体に分解されます。

インスリン作用欠乏から始まる流れ、

「インスリン作用の欠乏→拮抗ホルモンの過剰→全身の代謝障害→糖利用低下・脂肪分解亢進→高血糖・高遊離脂肪酸→ケトン体産生亢進」

があり、結果としてケトン体が産生されて高値となるわけです。

ケトン体高値は、始まりではなくて、あくまでも結果なのです。

このように糖尿病ケトアシドーシスの本質は、インスリン作用の欠乏による全身の高度の代謝障害です。

その結果として血中ケトン体が高値となり、全身の高度の代謝障害のため緩衝作用がうまく働かなければ、アシドーシスや脱水となり、重症では昏睡にいたります。

結果としてのケトン体高値が、まるで、始まりであり原因であるかのように本末転倒して受けとめられ、誤解が生じたものと考えられます。

インスリン作用が確保されていて、緩衝作用も働いている限りは、ケトン体は極めて安全な物質です。

しかし、インスリン作用が欠落していて、緩衝作用もうまく働かない病態においては、
ケトン体そのものに毒性はなくても、酸性の物質なので結果としてアシドーシスになるということです。

即ち現実には「糖尿病ケトアシドーシス時のケトン体産生の亢進」は、インスリン作用の欠乏が前提にある病態であり、1型糖尿病患者さんのシックデイやインスリン注射を中断したときに起こることがほとんどです。

2型糖尿病では、清涼飲料水多飲による、所謂「ペットボトル症候群」でケトアシドーシスを生じることがあります。

断食や 糖質制限食実践に伴う「生理的ケトン体産生の亢進」の場合は、インスリン作用の欠乏はありませんし、血液の緩衝作用も有効に作用していますので何の問題もありません。

例えば断食の初期は一過性にアシドーシスになりますが、緩衝作用で徐々に補正されていきます。

また、健常人が激しい運動をした場合にも、一過性に血中ケトン体は増加しますが、勿論、生理的現象です。


結論です。

インスリン作用が欠乏していて高血糖を伴う高度の代謝障害は、それ自体その時点で重症です。この時結果として血中ケトン体が上昇してくれば、アシドーシスも合併して、さらに危険な病態となります。

一方、インスリン作用が確保されていて高血糖を伴わない血中・尿中ケトン体の上昇は、生理的範囲内の現象であり、人類400万年の歴史のなかで日常的に経験されてきたことなので安全です。


江部康二

テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質制限食・医療関係者限定セミナー・2011年2月27日(日)東京・中野
こんばんは。

『糖質制限食・医療関係者限定セミナー・2011年2月27日(日)東京・中野』

のご案内です。

糖質制限食の広がりは、最近とみに加速しているように感じます。

夜明け前→日の出→ホップ・・・→ステップ・・・・の段階です。ヾ(^▽^)

2005年に初めて「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」を刊行したころとは隔世の感があります。

岐阜、堺、大阪、滋賀、札幌、熊本・・・

医師の皆さんからの講演依頼が各地からぞくぞくと舞い込んでいます。
嬉しい限りです。

東京での医療関係者限定セミナーは、1年ぶりですので、ブログ読者の皆さん、是非奮ってご参加下さいね。
また、知り合いの医療関係者の方々にお声をおかけ頂けば幸いです。

以下は、NPO法人糖質制限食ネット・リボーン事務局の
曽我部ゆかりさんからのメッセージです。

☆☆☆☆☆

ドクター江部のブログ読者の皆様へ

早いものでもう師走を迎えました。皆様いかがお過ごしでしょうか。
さて糖質制限食の普及を目的としリボーンの取り組みとして、来春に医療関係者限定のセミナーを企画いたしました。徹底的な理論の解説と実践マニュアルを臨床の現場に生かしていただけるような内容です。受付を開始いたします。皆様、お誘い合わせの上、ご参加ください。お待ちしております。

リボーン 曽我部 ゆかり


☆  ★  ☆  ★  ☆  ★  ☆

2011年2月27日(日)
特別企画 医療関係者限定セミナー

<糖尿病治療における糖質制限食の有効性>
ー糖尿病・メタボリックシンドローム・肥満・生活習慣病と糖質制限食ー
豊富な症例をもとにした理論と実践
栄養指導ガイド

<1部>講師・江部康二が、高雄病院の豊富な症例をもとにした理論と実践を徹底的に解説。一般向け講演に比べて糖質制限食の理論をとくに詳細に展開します。

<2部>新しい試みとして、糖質制限食の臨床経験豊富な管理栄養士の講師・大柳珠美が、ドクターを対称とした患者さんへの栄養指導のポイントを解説。日々の臨床現場で役立つ資料をご用意しています。


<日時>2011年2月27日(日) 

タイムスケジュール(予定):
   13時00分開場
   13時30分~基調講演 江部康二(1時間30分)
   15時00分~休憩(10分)
   15時10分~栄養指導ガイド 大柳珠美(1時間)
   16時10分~休憩(10分)
   16時20分~質疑応答(30分)
   16時50分終了 

<会場>中野サンプラザ研修室1
住所 東京都中野区中野4-1-1 
電話 03-3388-1174

<道順> JR中央線・総武線、地下鉄東西線中野駅北口下車1分 

<会費>一般8000円  リボーン会員6000円  学生4000円
   (資料付き)

<定員>90名まで

<申し込み>reborn@big.or.jp
03-3388-5428 (電話、ファックス同じ)
    
  ☆事前に郵便振替でご送金ください。当日受付は致しません。
    
    申込〆切 2011年2月20日
    入場券は発行しませんので、当日郵便振替の伝票をご持参ください。
    
    郵便振替 口座番号 00110-9-393366
            口座名称 リボーン

<主催>NPO法人糖質制限食ネット・リボーン

<講師プロフィール>
江部康二(えべこうじ)
内科医、漢方医、(財)高雄病院理事長、NPO法人糖質制限食ネット・リボーン理事長。1950年生まれ。京都大学医学部卒業。2002年に自ら糖尿病であると気づいて以来、糖尿病治療の研究に取り組み、「糖質制限食」の体系を確立。これにより自身の糖尿病を克服。高雄病院でに数多くの臨床活動を通じて、糖尿病・肥満・メタボリック症候群などに対する糖質制限食の画期的な治療効果を証明。テーラーメイドダイエットとの2本立てでアトピーなど生活習慣病全般への効果も確立している。著書『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』(シリーズ展開中/東洋経済新報社刊)はベストセラーに。『我ら糖尿人、元気なのにはわけがある』『京都の名医に聞く。やせる食べ方』が話題に。ブログ『ドクター江部の糖尿病徒然日記』(http://koujiebe.blog95.fc2.com/)は日に3000件を超えるアクセスがあり糖尿病患者さんの間で絶大な支持を得ている。

大柳珠美(おおやなぎたまみ)
管理栄養士、(有)コンコルディア代表、NPO法人糖質制限食ネット・リボーン副理事長。1968年、熊本県生まれ。二葉栄養専門学校(栄養士科)卒業。明星大学(人文学部・心理教育専攻)卒業。2006年から糖質制限理論の実践、栄養カウンセリングに取り組み、現在は都内クリニック(ひめのともみクリニック(東京・五反田)、練馬駅西口眼科クリニック(東京・練馬))、小松川クリニック(東京・小松川)にて個人指導を担当している。テレビ出演、雑誌の執筆など、各方面でも活躍中。ブログ『管理栄養士のローカーボキッチン』(http://web.mac.com/concordia1/)が話題をよんでいる。
『糖尿病のための「糖質オフごちそうごはん」』(アスペクト)『血糖値を上げない!健康おつまみ109』(東洋経済社)『血糖値が高い人と家族のための大満足レシピ』(日本文芸社)などの著書の他、『満腹ダイエット』『酒飲みダイエット』(プレジデント社)の監修をつとめる。



☆☆☆☆☆
<NPO法人糖質制限食ネット・リボーン入会のご案内>

~薬に頼らない医療の実現を目指し「食」の根底を見直す~
NPO法人糖質制限食ネット・リボーン誕生

リボーンは、『食事で治す』をキーワードに、糖尿病やアトピーなど生活習慣病全般の改善のために有効な糖質制限食とテーラーメイドダイエットの理論と実践法を、広く一般社会に普及してくため活動を開始いたしました(NPO法人として1月7日に創立)。

主な活動内容は、糖質制限食の『講演会・セミナー・交流会の開催』『人材育成』『医療機関と他団体とのネットワーク構築』『食と生活習慣病に関する相談窓口開設』『情報集と情報提供』『研究・普及啓発』などになります。
私たちの活動はより多くの市民の方々の参加によって成り立ち発展していきます。
薬に頼らない医療の実現を願い、私たちとともに、「食」の根底を見直していきませんか。
多くの方々のご参加を心よりお待ちしております。

●お申し込み●
NPO法人糖質制限食ネット・リボーン
担当 曽我部 ゆかり
reborn@big.or.jp
〒165-0026 東京都中野区新井4-4-2-4B
TEL,FAX 03-3388-5428
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
低炭水化物食と全死亡率および死因別死亡率:二つのコホート研究
こんばんは。

今回は、何人かの読者に本ブログで質問されていたのですが、保留になっていた下記の論文の記事です。


【低炭水化物食と全死亡率および死因別死亡率:二つのコホート研究

「Annals of Internal medicine
September 7 2010 vol.153 Issue5 p289-298 
Low-Carbohydrate Diets and All-Cause and Cause-Specific Mortality:Two Cohort Studies
Teresa T. Fung, Rob M. van Dam, Susan E. Hankinson, Meir Stampfer, Walter C. Willett, and Frank B. Hu」

要旨
「低炭水化物食と死亡率の関連を長期にわたって調べたデータはほとんどない。今回,前向きコホート研究で,Nurses' Health Study(訳注:看護師の健康調査)に参加した85,168人の女性とHealth Professionals' Follow-up Study(訳注:医療従事者追跡研究)に参加した44,548人の男性を最大26年間追跡した。動物性脂肪および蛋白質を重視した食事では,全死亡率,心血管死亡率,がん死亡率が高かった。一方,植物性脂肪および蛋白質を重視した食事では,全死亡率と心血管死亡率が低かった。」】

この論文、本文を読んでも何だか私の英語力ではよくわからないところが多いのです。それで、なかなか記事にできませんでした。

ローカーボスコアを10から1まで設定して、上記の結論としています。

さらに、この論文、ローカーボスコア以外に、新たに指標として、

overall low-carbohydrate score,
a vegetable low-carbohydrate score,
animal low-carbohydrate score

なるものを創作(create)して、そのスコアをさらに10に区分して使用しています。

なぜ、このようなスコアをわざわざ創作したのか、どういう意味があるのか、いまいちよくわからないのです。

例えば、animal low-carbohydrate scoreが区分5となる女性の場合、動物性脂肪のエネルギー比の平均が16.5%であるのに対して、vegetable low-carbohydrate scoreが区分5となる女性では、動物性脂肪のエネルギー比の平均が19.1%と高くなっています。

またanimal low-carbohydrate scoreが区分5となる男性の場合、動物性脂肪のエネルギー比の平均が17.8%であるのに対して、vegetable low-carbohydrate scoreが区分5となる男性では、動物性脂肪のエネルギー比の平均が19.0%と高くなっています。

男女共、区分5では、植物食グループのほうが、動物性脂肪の摂取比率が多いという、逆転現象がおきており、ますます意味不明です・・・(・・?)

よくわからないなりに、ただ一点、確実に言えるのは、animal low-carbohydrate scoreやvegetable low-carbohydrate scoreが10点満点グループでも、

炭水化物の摂取比率は、

女性の動物食グループで、37.4%
女性の植物食グループで、42.8%

男性の動物食グループで、35.2%
男性の植物食グループで、40.1%

も炭水化物を摂取しており、高雄病院のスーパー糖質制限食の糖質摂取比率12%とは似ても似つかぬ代物です。

ちなみに、スコアが1点のグループは、男女とも60%程度の炭水化物摂取です。

従いまして、

「低炭水化物食を実践しているグループにおいて、動物食ベース(蛋白、脂肪)のほうが、植物食ベース(蛋白、脂肪)に比べて、脳心血管系イベント、癌で亡くなる人が有意に高くなる」

という結論も、あくまでも、総摂取エネルギーの35~42%を、炭水化物から摂取しているグループにおける話です。

総摂取エネルギーの12%を糖質から摂取しているグループ は、この論文のどこにも登場しないので、比較不能です。

つまり、高雄病院流のスーパー糖質制限食を実践している人においては、この論文はほとんど参考にならないと思います。

炭水化物を総摂取エネルギーの60%食べているグループに比べれば、炭水化物40%のグループのほうが、確かに低糖質食です。

一方、糖質を総摂取エネルギーの12%しか食べていないグループに比べれば、炭水化物40%のグループは3倍以上の高糖質食です。

総摂取エネルギーの35~42%を炭水化物から摂取しているグループを、低炭水化物食と定義すること自体が、
医学的にみて世界の共通理解というわけでもありません。

この論文の根拠になっている、

Nurses' Health Study(看護師の健康調査)

と、

Health Professionals' Follow-up Study(医療従事者追跡研究)は、

いろんな論文のデータベースになっています。

同じデータベースでも、論文の研究者のデザインにより、結論は違ってくるようです。


江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質制限食と糠(ぬか)
おはようございます。

今回は糖質制限食と糠(ぬか)について
クワポンさんから、コメント・質問をいただきました。


「10/12/11 クワポン
先生のおかげで清く正しい酒びたりの毎日をおくらせていただき大変感謝しております。
主治医に相談すると、痩せたので尿酸値が上がってるのと、動悸、息切れは血圧降下剤の影響があるかなということです。
先生にお聞きしたいのは、糠の糖質はどんなもんでっか?と、ブログで見た覚えがあるのですが昆布もだしはOKでも昆布は糖質が侮れないですよ、、、と。???
糠に関しては大豆粉、ふすまがOKならと思いますが、、、。
食い意地がはってるから少しでもボリュームあるものをつまみにと酒飲みの性ですかね?
酒オンリーでは依存症になりそうなので不躾な質問ご容赦願います。」


クワポンさん。

「酒は呑むべし、呑まれるべからず」・・・

私も時々、美味しく楽しく・・・呑まれておりますが・・・(=_=;) 

肝臓にはお気を付け下さいね。

私も毎日、焼酎や赤ワインや糖質ゼロ発泡酒を飲んでいますが、幸い、未だかつて肝機能がひっかったことはありませんので・・・ (^^)

昆布はだしにしたら、糖質はほぼなしと思います。麦茶も糖質、ほぼゼロと考えていいのと同様です。

しかし昆布を食材として食べたら、100g中に30.8gの糖質(乾燥昆布)ですので、糖質制限×食品なのです。

さて、ご質問の糠(ぬか)ですね。

ウィキペディアによれば、

「糠(ぬか)とは、穀物を精白した際に出る果皮、種皮、胚芽などの部分のことである。」

とのことです。

そうすると、糖質は少ないかもと思ったのですが、残念!! (+_+)

糖質たっぷりでした。

<米ぬか100gの成分>
エネルギー(kcal) 286
水分(g) 13.5
たんぱく質(g) 13.2
脂質(g) 18.3
炭水化物(g) 38.3
食物繊維(g) 7.80

米ぬか100g中に糖質が、30.5gと、意外なほど大量に含まれていました。

クワポンさん、残念ながら、糠(ぬか)は昆布(食べた場合)と同様に、糖質制限×食材でした。(T_T)


江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖尿病とGI
こんばんは。

今回は、ふいさんから、糖尿病とGIについて、コメント・質問をいただきました。


「10/12/09 ふい
やはりGI値のほうが大事?
<糖尿病と間食(おやつ)2 ~カロリーメイトと低GIソイジョイ 血糖値は?>
http://tounyou-com.seesaa.net/article/103791818.html

↑たまたま見つけたブログですが、やはりGI値のほうが大事なのでは、と思わされた記事(実験)です。私も、カロリーメイトのほうが、糖質が少ないはずなのに、食後に血糖値がいかにも上がってそうな動悸を感じることが多いです。
先生は、まず糖質量、次にGI値、という見識のようですが、どう思われますでしょうか。」


ふいさん。

確かに、正常人やごく軽い糖尿人においては、GIは一定の意味があると思います。
しかし軽くない糖尿人においては、通常はあまり役に立ちません。

http://tounyou-com.seesaa.net/article/103791818.html のサイトの実験は

①糖尿病の患者がカロリーメイト:2本 200kal/糖質20g 食べる
②ソイジョイ  :2本 266kal/糖質24g 食べる

食後血糖値のピークが、

カロリーメイトは98mg→170mgと72mg上昇したが、
ソイジョイは102mg→158mgと56mg上昇ですんだ。

ということです。

この方においては、間食でソイジョイ24gくらいの糖質なら、GIに一定の意味があると言えます。

ソイジョイにおいては、1gの糖質が2.33mg、血糖値を上げています。
一方、カロリーメイトは、1gの糖質が3.6mg、血糖値を上げています。

しかし、ソイジョイを4本主食並み(532kcal)に摂取すれば、糖質は48gであり、血糖値は

48g×2.33mg=111.84mg

上昇します。

当然、食後血糖値は180mg/dlを超えて上昇し、動脈硬化のリスクとなります。

また、中等度以上の糖尿人がソイジョイを食べた時に、1gの糖質が2.33mgの血糖値上昇ですむかどうかは、個人差があるのでわかりません。これは自分で確かめるしかないですね。

結論です。

GIが低いからといって、糖尿人が糖質量50~60gとかの食品を、普通の一人前摂取すれば180mg/dlを超える食後高血糖は必発ですので、危険です。

牛サーロインステーキ200g(約1000kcal)を食べても血糖値は3mgも上昇しないことをお忘れなく・・・。

やはり糖尿人は糖質のg数を意識することが大切ですね。


江部康二


テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質制限食・医療関係者限定セミナー・2011年2月27日(日)・東京
おはようございます。

今日も冷え込みが厳しい京都です。

さて今回は、

糖質制限食・医療関係者限定セミナー・2011年2月27日(日)東京・中野』

のご案内です。

糖質制限食の広がりは、最近とみに加速しているように感じます。

夜明け前→日の出→ホップ・・・→ステップ・・・・の段階です。ヾ(^▽^)

2005年に初めて「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」を刊行したころとは隔世の感があります。

医師の集団からの講演依頼が各地からぞくぞくと来ています。嬉しい限りです。

医療関係者限定セミナーは、1年ぶりですので、ブログ読者の皆さん、是非奮ってご参加下さいね。
また知り合いの医療関係者の方々にお声をおかけ頂けば幸いです。

申し込み:reborn@big.or.jp
03-3388-5428 (電話、ファックス同じ)
    
    ★事前に郵便振替でご送金ください。当日受付は致しません。
    
    申込〆切 2011年2月20日
    入場券は発行しませんので、当日郵便振替の伝票をご持参ください。
    
    郵便振替 口座番号 00110-9-393366
            口座名称 リボーン
にお願いします。


以下、主催のNPO法人糖質制限食ネット・リボーンからのメッセージです。


☆☆☆
2011年2月27日(日)
特別企画 医療関係者限定セミナー
糖尿病治療における糖質制限食の有効性
メタボリックシンドローム・肥満・アレルギーなど生活習慣病への有効性
豊富な症例をもとにした理論と実践
栄養指導ガイド

<1部>
講師・江部康二が、高雄病院の豊富な症例をもとにした最新の糖質制限食理論と実践を徹底的に解説。一般向け講演に比べて糖質制限食の理論を、医師・栄養士・看護師向けに詳細に展開します。

<2部>
新しい試みとして、糖質制限食の臨床経験豊富な管理栄養士の講師・大柳珠美が、医師・栄養士・看護師を対称とした患者さんへの栄養指導のポイントを解説。
日々の臨床現場で役立つ資料をご用意しています。


<日時>
2011年2月27日(日) 

タイムスケジュール(予定):
   13時00分開場
   13時30分~基調講演 江部康二(1時間30分)
   15時00分~休憩(10分)
   15時10分~栄養指導ガイド 大柳珠美(1時間)
   16時10分~休憩(10分)
   16時20分~質疑応答(30分)
   16時50分終了 

<会場>
中野サンプラザ研修室1
住所 東京都中野区中野4-1-1 
電話 03-3388-1174(場所や道順の問い合わせに)
*申し込みは中野サンプラザではなく、リボーンにお願いします。

<道順>
 JR中央線・総武線、地下鉄東西線中野駅北口下車1分 

<会費>
一般8000円  リボーン会員6000円  学生4000円   (資料付き)

<定員>
90名まで

<申し込み>
reborn@big.or.jp
03-3388-5428 (電話、ファックス同じ)
    
    ★事前に郵便振替でご送金ください。当日受付は致しません。
    
    申込〆切 2011年2月20日
    入場券は発行しませんので、当日郵便振替の伝票をご持参ください。
    
    郵便振替 口座番号 00110-9-393366
            口座名称 リボーン

<主催>
NPO法人糖質制限食ネット・リボーン

<講師プロフィール>
江部康二(えべこうじ)
内科医、漢方医、(財)高雄病院理事長、NPO法人糖質制限食ネット・リボーン理事長。1950年生まれ。京都大学医学部卒業。2002年に自ら糖尿病であると気づいて以来、糖尿病治療の研究に取り組み、「糖質制限食」の体系を確立。これにより自身の糖尿病を克服。高雄病院でに数多くの臨床活動を通じて、糖尿病・肥満・メタボリック症候群などに対する糖質制限食の画期的な治療効果を証明。テーラーメイドダイエットとの2本立てでアトピーなど生活習慣病全般への効果も確立している。著書『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』(シリーズ展開中/東洋経済新報社刊)はベストセラーに。『我ら糖尿人、元気なのにはわけがある』『京都の名医に聞く。やせる食べ方』が話題に。ブログ『ドクター江部の糖尿病徒然日記』(http://koujiebe.blog95.fc2.com/)は日に3000件を超えるアクセスがあり糖尿病患者さんの間で絶大な支持を得ている。

大柳珠美(おおやなぎたまみ)
管理栄養士、(有)コンコルディア代表、NPO法人糖質制限食ネット・リボーン理事長。1968年、熊本県生まれ。二葉栄養専門学校(栄養士科)卒業。明星大学(人文学部・心理教育専攻)卒業。3年ほど前から糖質制限食の栄養カウンセリングに取り組み、現在は都内クリニック(ひめのともみクリニック(東京・五反田)、練馬駅西口眼科クリニック(東京・練馬))、小松川クリニック(東京・小松川)にて個人指導を担当している。テレビ出演、雑誌の執筆など、各方面でも活躍中。ブログ『管理栄養士のローカーボキッチン』(http://web.mac.com/concordia1/サイト/Blog/Blog.html)が話題をよんでいる。
江部康二との共著『糖尿病のための「糖質オフごちそうごはん」』(アスペクト)、『満腹ダイエット』『酒飲みダイエット』(プレジデント社)がある。




☆☆☆

【糖質制限食とは】
 
米国糖尿病協会(ADA)によれば、食べ物が消化・吸収されたあと、糖質は100%血糖に変わりますが、タンパク質・脂質は血糖に変わりません。
 
また糖質は摂取直後から急峻に血糖値を高く速く上昇させ2時間以内にほとんどすべてが吸収されます。
 
これらは含有エネルギーとは無関係な三大栄養素の生理学的特質です。
  
1997年版のLife With Diabetes(ADA)では、「タンパク質は約半分が血糖に変わり、脂質は10%未満が血糖に変わる」という記載がありましたが、2004年版では変更されています。

このように糖質、脂質、タンパク質のうち糖質だけが血糖値を上昇させます。従って、糖質を摂取した時にはインスリンが大量に追加分泌されます。

脂質を摂取しても、インスリンの追加分泌はありません。タンパク質はごく少量のインスリンを追加分泌させます。

現在糖尿病において食後の急激な高血糖(グルコーススパイク)が大きな問題として注目されています。食後高血糖が心筋梗塞や脳梗塞などの合併症を起こす危険因子として確立されたからです。そして食後高血糖を起こすのは三大栄養素のなかで糖質だけなのです。

1gの糖質が体重64kgの2型糖尿病の人の血糖値を約3mg上昇させます。炊いた白ご飯茶碗1杯150g(252kcal)には55.3gの糖質が含まれており、血糖値を166mg上昇させます。

一方、牛サーロインステーキを200g(約1000キロカロリー)食べても糖質含有量は1gもないので食後高血糖はほとんど生じないのです。 

なお、1gの糖質が体重64kgの1型糖尿病の人の血糖値を5mg上昇させます。

糖質制限食の基本的な考え方は、上述のような生理学的事実をベースにできるだけ糖質の摂取を低く抑えて、食後高血糖を防ぐというものです。

簡単に言えば主食を抜いておかずばかり食べるというイメージになります。抜く必要がある主食とは米飯・めん類・パンなどの米・麦製品や芋類など糖質が主成分のものです。
 
3食主食抜きのスーパー糖質制限食(糖質12%、タンパク質32%、脂質56%)なら薬に頼ることなく速やかにリアルタイムで良好な血糖コントロールが可能です。

一方、上述の白ご飯とステーキの例でも明らかなように、カロリー計算に基づいて血糖値をコントロールすることは、理論的に不可能です。

従って、現行の日本糖尿病学会推薦の糖尿病食(糖質60%、タンパク質20%、脂質20%)を実践する限りは、一日の摂取カロリーを1200キロカロリーと低く抑えたとしても、食後高血糖が必ず生じるのです。

糖尿病の改善には、カロリー制限より糖質制限ということが、おわかりいただけたと思います。

なお、糖質制限食は、カロリー無制限ということではありません。

一般的な標準摂取カロリーの範囲、すなわち男性なら1600~2000キロカロリー、女性なら1200~1600キロカロリーくらいが目安です。

【糖質制限食を実践される時のご注意】

本にも書いてありますが、 糖質制限食によりリアルタイムに血糖値が改善します。このため既に、経口血糖降下剤(オイグルコン、アマリールなど)の内服や、インスリン注射をしておられる糖尿人は、低血糖の心配がありますので、必ず主治医と相談して頂きたいと思います。

一方薬を使用してない糖尿人は、低血糖の心配はほとんどないので、

「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」
「我ら糖尿人、元気なのには理由がある。」
「やせる食べ方」
「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」
「 糖質制限食 春のレシピ」
「 糖質制限食 夏のレシピ」
「糖質制限食 秋のレシピ」
「糖質制限食 冬のレシピ」
「血糖値を上げない!健康おつまみ109」
(以上東洋経済新報社)

「糖質オフ」ごちそうごはん
(アスペクト)

dancyu プレジデントムック 「満腹ダイエット 」
dancyu プレジデントムック  「酒飲みダイエット 」
(プレジデント社)

などを参考にされ、自力で 糖質制限食を実践して糖尿病改善を目指していただけば幸いです。

血液検査で血清クレアチニン値が高値で腎障害がある場合と、活動性の膵炎がある場合、肝硬変の場合は、糖質制限食は適応となりませんのでご注意ください。

糖質制限食は相対的に高タンパク・高脂肪食になるので、腎不全と活動性膵炎には適応とならないのです。
肝硬変では、糖新生能力が低下しているため適応となりません。

なお、機能性低血糖症の場合、炭水化物依存症レベルが重症のとき、糖新生能力が低下していることがあり、まれに低血糖症を生じますので注意が必要です。

また、どのような食事療法でも合う合わないがあります。糖質制限食もその一つですので、合わないとご自分で判断されたら中止していただけば幸いです。

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
タンパク質の量
おはようございます。

necobabar さんから、タンパク質の量について、コメント・質問をいただきました。

「10/12/07 necobabar
蛋白質の計量について
いつもブログでお世話になっています。ありがとうございます。
実は恥ずかしいほど基本的な疑問があるのですが、先生のおっしゃっている摂取蛋白質の量のことです。それは口にしている肉の量のことでしょうか、それとも含まれる純蛋白質の量のことなのでしょうか。お時間があったらで結構ですので、お答えいただければ幸いです。」


necobabarさん。

1日に摂取する食事を評価する時、通常は総摂取エネルギーに対する、タンパク質・脂質・糖質比(PFC比)で計算しますので、食物繊維や水分などのエネルギーなしの重量はカウントしません。

牛サーロイン赤肉・生100g中には317kcal
水分55.9g、タンパク質17.1g、脂質25.8g

かつおの刺身100g中には114kcal
水分72.2g、タンパク質25.8g、脂質0.5g

です。

例えば1800kcal/日摂取したとして、PFCの比率は

スーパー糖質制限食なら、P:32%、F:56%、C:12% です。

タンパク質が32%なので、1800kcalの32%は576kcalです。
576kcal÷4kcal=144gとなります。

すなわち、スーパー糖質制限食で1800kcal/日摂取するならば、平均144g程度の純タンパク質を食べることとなりますね。


江部康二


テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
シークワーサーと血糖値
おはようございます。

ぐんと冷え込みのきつくなった京都です。

高雄病院のあたりは、京都駅周辺に比べたら2度くらいは寒いです。

さて今回は、シークワーサーと血糖値について、海物語さんからコメント・質問をいただきました。

【10/12/07 海物語
シークワーサーはどうでしょう?

ゴーヤ好きですので ゴーヤパウダー残念です
でもまだ本体が残ってます
本丸が駄目でも 少なくとも血糖値はあげませんし くせになるおいしさ
それに ビタミンCは豊富で抗酸化作用にすぐれ
糖尿人の大敵、癌や、血管の損傷などに多少の予防効果あり
合併症にも多少よいのではないかと思われますので
糖尿人にはやさしいたべものといえるのではないでしょうか?
私はゴーヤの味方(あじ<わう>ほう かな?)です!

ところで
一時期話題になった
シークワーサー君はどうでしょう?
どなたかためした方はないでしょうか?
(産地の大宜味村では高齢者が多いのに糖尿人がすくないようですが
これも、現地のご老人は戦前の日本の農家と同じように活動され農作業を続け
摂取した糖質を全て消費してしまっているという要因も大きいのではと思われますが)
比較的手にいれやすいですし、カボスのようにつかったり水で薄めてもおいしいので血糖がさがるといいのですが・・・

自分の経験では
若干ですが明日葉で下がることが多いように思います
乾燥して丸薬のようにしたものを伊豆七島でうっているので
機会があると買います(もちろん現地では「おひたし」です)
それから常にではないのですが、生玉ねぎ(糖分も多いですが)ラッキョウを
ある程度の量いったら下がったような気がしたこともあります
こうしてみると微妙な食材が沖縄や離島に多いのはおもしろいです
長寿ですし、それぞれ効果は少なくてもあわせ技でということもあるかもしれないと思ってしまいます。
それから桑の葉にはαグルコシターゼ阻害剤と同じ成分が入っているのは有名ですが
どちらもすぐ下痢をしてしまうので現在はとっていません。】


海物語 さん。

シークヮーサーと血糖値に関して、2008年12月16日に、一度記事にしていました。
一部を再掲します。

シークヮーサーに関して、インターネットで調べてみて、信用できそうなサイトを見つけました。

以下は、日経BPネットの2004年8月5日の記事の抜粋です。

【シークヮーサーの実には、フラボノイド(黄色系の色素)の一種「ノビレチン」という成分が豊富だ。このノビレチンに、血糖値の上昇や高血圧を抑える効果があることが、独立行政法人果樹研究所と中村学園大学、東京薬科大学との研究で明らかになってきた。

中村学園大学食物栄養学科の太田英明教授は
『シークヮーサーに含まれるノビレチンの量は、かんきつ類の中でトップクラス。これと、抗酸化成分のポリフェノールなど、ほかの成分との相乗効果で、血糖値や血圧を抑えているのでは』
と話す。

果汁飲料を選ぶときは、果皮ごと圧搾したものがお勧め。というのも「ノビレチンは果皮に多く含まれる」(琉球大学農学部生物資源科学科の和田浩二助教授)ため。多くの商品は果皮ごと圧搾しているが、さらに「容器の底が沈殿物で白濁していれば果皮が多い証拠」(太田教授)という。

ノビレチンは100%の濃縮還元果汁100gあたり10~20mg含まれる。血糖値の上昇や高血圧を抑えるには、「できれば濃縮果汁を1日60g以上とりたい」(東京薬科大学薬学部の指田豊教授)。ドリンクのほか、レモン汁の代わりに料理にも使えば、1日60gは十分摂取できる。】


日経BPネットですから、信頼できる記事だと思います。

従って、シークヮーサーには一定の血糖降下作用はあると考えられます。

ただ、どの程度下げるかとういうと、例えばグルコバイやグルファストといった、健康保険収載のれっきとした薬に比べれば当然その効果は弱いと思います。

血糖降下作用があったとしても、せいぜいトクホ特定保健用食品)*レベルか、それ以下と考えられます。ここら辺に関しては、2008年05月27日のブログ「食後高血糖を抑える食品?」もご参照ください。

また、シークヮーサーは果実ですので、果糖、ショ糖、ブドウ糖なども含まれています。シークヮーサー果汁100ml中に、8.6gの炭水化物があるので、ショ糖やブドウ糖の分は、確実に血糖値が上昇しますね。

結論です。

シークヮーサーに含まれているノビレチンなどにより、一定の血糖降下作用はある可能性はありますが、ショ糖・ブドウ糖なども含まれているので多くは期待できないと思います。

すなわち、糖尿人が主食(糖質)を普通に食べてシークヮーサーを飲んでも、食後血糖値が180mg/dlを下回る可能性はほとんどないと思います。



特定保健用食品
国が食品に健康表示(健康への効用をしめす表現)を許可する制度で、平成3年に発足。厚生労働省から、生活習慣の改善に役立つと認められた食品で、「保健の用途・効果」を具体的に表示することが許可されている。


江部康二

テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
腎機能検査とシスタチンC、クレアチニン、尿素窒素
こんにちは。

<腎症3期A>から糖質制限食実践で<尿中アルブミンも30以下の腎症前期>に回復されたけいさんから、コメント・質問をいただきました。


【10/12/07 けい
シスタチンCにつきまして
先生いつも有難うございます。

先日アドバイス頂き、シスタチンCの検査を行い数値は0.68mg/lでした。
これは正常かと思うのですが、なぜクレアチニンがあがってしまったのか不思議です。
(筋トレのせいでしょうか???)

何度かご報告させて頂いておりますが、糖質制限食のおかげで腎症3期Aから尿中アルブミンも30以下になったため正常に戻ったのかな?と思っていましたが、やはり不安感もあり蛋白量は80~100程度におさえておりましたが、この結果は本当に正常に戻ったと考えてもよろしいのでしょうか?
また、もしそうなら蛋白量を先生が摂取している量(120~140g)位に増やしても問題ないと考えてもよいのでしょうか?

質問ばかり致しまして申し訳ございません・・・担当医にこれで蛋白量140g位でも大丈夫ですね?とたずねたら「そんなにいいわけないでしょ!」と言われその後何も言わず診察室を出ました・・・

わたしの担当医も糖質制限食を学んでくれればと思います。

先生がいなければ今頃どうなっていたか分かりません。
面識もないのにいつもアドバイス頂き本当に感謝しております。】



けいさん、良かったですね。
腎障害の改善おめでとうございます。

<腎症第3期A> ということは、顕性腎症前期で、タンパク尿(+)です。
尿中微量アルブミン陽性は<腎症第2期>で早期腎症期と診断されます。

けいさんは、現在は腎症前期で、2段階改善したことになりますね。

血液による腎機能検査には、尿素窒素(BUN)、クレアチニン、血清シスタチンCがあります。

尿素窒素(BUN):8~20mg/dl
クレアチニン:0.6~1.1mg/dl
血清シスタチンC:0.53~0.95mg/dl

上記の数値は、検査機関により差がありますが、およその基準値です。

尿素窒素は、腎機能障害がなくても、糖質制限食による高タンパク食で生理的に軽度高値となることがありますが、これは心配いりません。

クレアチニンも、尿素窒素よりは腎機能以外の要素の影響は受けにくいのですが、筋トレとかで筋肉量が多い人は、やや高値となります。この場合は、クレアチニン値が高値でも腎機能傷害ではありません。

クレアチニン値は運動量によって、同一の人でも個体内の変動が結構あります。

このようなとき、血清シスタチンCを検査すれば本当の腎機能がわかります。

血清シスタチンCは、クレアチニンよりはるかに鋭敏な腎機能検査の指標で、かなり初期の腎機能障害を拾い上げることができます。

腎糸球体濾過機能の評価検査においてシスタチン C は、クレアチンクリアランスと同程度以上の性能を有すると報告されています。

また、尿素窒素やクレアチニンと異なり、腎機能以外の要素の影響をほとんど受けません。

すなわちクレアチニン値が上昇していても、血清シスタチンCが正常ならば、腎機能は正常と考えられ、心配はいりません。

けいさんの場合、シスタチンC:0.68mg/dlなので、腎機能正常と思います。タンパク質を普通に摂取しても問題ないと思います。

今後も糖質制限食で血糖コントロールを良好に保っていけば、腎機能も安泰と思います。

なお、2009年「蛋白制限食が2型糖尿病腎症の進展に無効」というRCT試験が、日本の研究で報告されました。

また従来の常識を根底から覆す結論ですね。

私達糖質制限食の立場においては、大変嬉しい論文です。


江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット