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HDL-C値が高いと発ガンリスク減少、LDL-Cが低いと発ガンリスク上昇
こんばんは。

メディカル トリビューン 2010年9月30日号に載った記事によると、またまた、大変興味深い研究報告がありました。


タフツ大学(ボストン)分子心臓学研究所のRichard H. Karas理事らが、

「HDLコレステロール値が高い人では心疾患リスクが1/2~1/3になるだけでなく、発ガンのリスクも大幅に低くなる」

との研究結果を、Journal of the American College of Cardiology(2010; 55: 2846-2854)に発表しました。


Karas理事は「HDL-Cの血中濃度と発がんリスクとの間には重要な関連がある。このことは体内でHDL-Cが果たしうる別の重要な役割を裏づけるものだ。以前の研究からはLDL-C値と総コレステロール(TC)値が低いほどがんの発症率が高くなることが示されており、今回の結果は重要である」と述べています。

今回の研究は、スタチン系薬の試験におけるHDL-C値と発がんリスクとの関連を、総合的に解析した初の研究です。

2004年の法律改正後の製薬企業と、直接利害関係のない研究者らによる研究かどうか、微妙な時期なのですが、

「LDL-C値と総コレステロール(TC)値が低いほどがんの発症率が高くなる。」

というスタチン系製薬会社にとっては、誠に都合の悪い結論をはっきり言い切ってますので、少なくともKaras理事は、ニュートラルな立場の人と推察されます。

総症例数が14万5,743例の大規模試験で、追跡期間の中央値は5年で、発がんの報告件数は8,185例です。

研究の結果、

「HDL-C値が10mg/dL高くなるごとに発がんリスクが36%低くなる。これはベースラインのLDLコレステロール(LDL-C)値や年齢,BMI,糖尿病,性,喫煙状況を含む他の危険因子とは独立したものであった。」

とのことでした。

これは、スタチン系薬剤で、HDL-C値が上昇すれば発ガンリスクが減少するという、製薬会社にも有利なお話しではあります。

一方、糖質制限食を実践すれば、スタチン製剤の比ではなく、ほとんどの人において、HDL-C値が上昇します。

このことは、薬に頼ることなく、糖質制限食で心筋梗塞とガンが予防できるということであり、大きなアドバンテージですね。


江部康二


☆☆☆☆☆参考
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtnews/2010/M43390072/
[2010年9月30日(VOL.43 NO.39) p.07] メディカル トリビューン

HDLコレステロール値が高いと発がんリスクが減少
〔ワシントン〕 タフツ大学(ボストン)分子心臓病学研究所のRichard H. Karas理事らは「HDLコレステロール(HDL-C)値が高い人では心疾患リスクが2分の1~3分の1になるだけでなく,発がんのリスクも大幅に低くなる」との研究結果をJournal of the American College of Cardiology(2010; 55: 2846-2854)に発表した。

総合的な脂質検査が重要
 今回の研究は,スタチン系薬の試験におけるHDL-C値と発がんリスクとの関連を総合的に解析した初の研究である。この研究では計24件の脂質異常症治療のランダム化比較試験を同定し,治療群と対照群との間でベースラインのHDL-C値と発がん率を比較した。総症例数が14万5,743例の大規模試験となり,追跡期間の中央値は5年で,発がんの報告件数は8,185例であった。

 研究の結果,HDL-C値が10mg/dL高くなるごとに発がんリスクが36%低くなることがわかった。これはベースラインのLDLコレステロール(LDL-C)値や年齢,BMI,糖尿病,性,喫煙状況を含む他の危険因子とは独立したものであった。

 Karas理事は「HDL-Cの血中濃度と発がんリスクとの間には重要な関連がある。このことは体内でHDL-Cが果たしうる別の重要な役割を裏づけるものだ。以前の研究からはLDL-C値と総コレステロール(TC)値が低いほどがんの発症率が高くなることが示されており,今回の結果は重要である」と述べている。

 また「今回の結果は因果関係を示すものではない。このHDL-Cの保護的機序についてはまだ明らかではない。さらなる研究が必要である」と指摘している。

 さらに「脂質値に異常がある患者は,心疾患とがんの双方の個々の危険因子について医師に相談すべきである。この研究はTC,LDL-C,HDL-C,トリグリセライドを含む総合的な脂質検査を受けることの重要性を強調している」と述べ,「患者は自身の全体的な健康と疾患リスクにとって,各脂質値がどのような意味を持つのかを知り,理解する必要がある」と付け加えている。

健康的ライフスタイルを強調
 HDL-C値を高める最良の方法は健康的なライフスタイルを選択すること,すなわち定期的に運動し,健康的な食事を取り,飲酒は適度に抑え,禁煙することである。心疾患リスクが高いとされる人には,HDL-C値を上昇させる薬剤がある。

 アイオワ大学公衆衛生学部(アイオワ州アイオワシティー)疫学・内科学のJennifer G. Robinson教授が同誌の付随論評(2010; 55: 2855-2857)で考察しているように,発がんリスクの減少においてHDL-Cそのものが原動力となっているのか,他の健康促進行動と関連したものなのかを判断するのは難しい。

 同教授は「この研究は,HDL-Cが喫煙,肥満,炎症など,心疾患とがんの双方に関与することが知られているすべてのライフスタイル・危険因子の重要なマーカーである可能性を示している」と述べ,「低いHDL-C値は,慢性疾患リスクのマーカーと考えられるため,そのような患者にライフスタイルの改善を強調する動機付けになる」としている。

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
人体のエネルギー源と糖質制限食2010年10月
おはようございます。

寒いくらいになってきた、仲秋の京都です。

今日から長袖に衣替えした江部康二です。

さて今回は、エネルギー源のお話しです。復習と追加を兼ねてます。

細胞が生きていくには、エネルギー源が必要です。少し面倒くさいですが、人体のエネルギーシステムのことがあるていどわかったら、糖質制限食のことも含めて、常識の壁を越えるきっかけになると思います。


人体のエネルギー源として、

1)「脂肪酸-ケトン体のシステム」
2)「ブドウ糖-グリコーゲンのシステム」

があります。

<人体のエネルギー源Ⅰ:脂肪酸-ケトン体システム>

たっぷり備蓄があるが、ゆっくりのエネルギー源

①脳はケトン体をいつでも利用できる。
②心筋・骨格筋など多くの体細胞は日常生活では脂肪酸-ケトン体が主エネルギー源であり、人体を自動車に例えるならガソリンの代わりは脂質である。(*)
③赤血球を除く全ての細胞はミトコンドリアを持っているので、脂肪酸-ケトン体エネルギーシステムを利用できる。
糖質制限食実践中や絶食中の血中ケトン体上昇は、インスリン作用が保たれており生理的なもので病的ではない。農耕開始前の人類は皆そうであった。
⑤備蓄の体脂肪は大量にあるエネルギー源で、体重50kg、体脂肪率20%の成人なら
 10kgで90000キロカロリーあり、水だけで2ヶ月生存できる。

*ケトン体
肝臓でβ酸化により、脂肪酸からアセチルCoAを作る。
肝臓細胞のミトコンドリア内でアセチルCoAからケトン体をつくる。
肝臓自身はケトン体を利用せずに他の臓器に提供する。
脳細胞や体細胞は、ミトコンドリア内で、ケトン体をアセチルCoAに変換してTCA回路を回しエネルギー源とする。
この流れは、人体で日常的に行われているが、絶食療法中や糖質制限食実践中は、活発となるので、血中ケトン体濃度は、現行の基準値より高値となるが、生理的なものである。

<人体のエネルギー源Ⅱ:ブドウ糖-グリコーゲンシステム>

手っ取り早いが備蓄が少ないエネルギー源。

①人体で赤血球だけはミトコンドリアがないのでブドウ糖しか利用できない。
②日常生活でブドウ糖を主エネルギー源として利用しているのは赤血球・脳・網膜など。
③ブドウ糖-グリコーゲンエネルギーシステムの本質は
 「常に赤血球の、唯一のエネルギー源」
 「筋肉が収縮したときのエネルギー源」→緊急時のターボエンジン
 「血糖値が上昇しインスリンが追加分泌された時、筋肉・脂肪細胞のエネルギー源」
 「日常生活では赤血球・脳・網膜・生殖腺胚上皮などの主エネルギー源」
④備蓄グリコーゲンは極めて少量で、成人で約250gていどである。
 約1000キロカロリーしかなく、強度の高い運動なら1~2時間で枯渇してしまう。

ここで大切なことは、日常生活では、骨格筋・心筋を始めほとんどの体細胞は、主エネルギー源として、備蓄がたっぷりある「脂肪酸-ケトン体システム」を利用しているということです。(*)

即ち、人体を自動車に例えれば、ガソリンの代わりは脂肪酸-ケトン体であり、決してブドウ糖-グリコーゲンではありません。

例えば、筋肉中のグリコーゲンが一定レベル以下になれば、筋肉は収縮できなくなります。心筋がブドウ糖-グリコーゲンを主たるエネルギー源として利用したりしたら、グリコーゲンの備蓄は少量なので、いつ枯渇して止まるかもしれませんね。

日常生活で、ブドウ糖をエネルギー源としているのは、「赤血球・脳・網膜・生殖腺胚上皮」といった特殊な細胞だけです。

糖質制限食実践中は脂肪酸-ケトン体を主たるエネルギー源として、しっかり利用しているので、エネルギー不足には決してなりません。人類400万年の歴史の内、399万年間は、糖質制限食だったことをお忘れなく。

肝臓の糖新生は、ブドウ糖しか利用できない「赤血球」などのために、最低限の血糖値を確保するために日常的に行われています。

糖質を摂取したときは、血糖値が上昇し追加分泌のインスリンが出て、筋肉でブドウ糖を利用させます。

食物吸収が終了した直後には、肝臓のグリコーゲン分解が、循環血液中に入るブドウ糖の主要な供給源です。食後数時間が経過し、絶食状態が持続すると、ブドウ糖の供給源は、肝のグリコーゲン分解から糖新生に切り替わります。

ですから、人類の400万年の歴史において、ごく普通に日常的に毎日、肝臓の糖新生は行われてきたわけで、珍しいことでも何でもありません。
糖質を摂取している人でも、食後数時間が経過すれば糖新生を行っています。

肝臓の糖新生は、脂肪酸の代謝産物のグリセロール、筋肉から供給されるアミノ酸(アラニン、グルタニン)、ブドウ糖代謝の産物の乳酸などから行われます。

肝臓は筋肉由来のアミノ酸から日常的に糖新生を行っていますが、筋肉ではタンパク質の分解と合成が毎日行われています。

①脂肪組織→グリセロール(脂肪酸の分解物)や脂肪酸→肝臓→糖新生→脂肪組織・筋肉
②筋肉→アミノ酸→肝臓→糖新生→筋肉・脂肪組織
③ブドウ糖代謝→乳酸→肝臓→糖新生→筋肉・脂肪組織

①②③はごく日常的に誰でも行っており、肝臓、筋肉、脂肪組織の間で行ったり来たり、日々糖新生の調節が行われているわけです

400万年間の人類の歴史の中で399万年間は、糖質制限食を摂取しているか、空腹や絶食や飢餓が日常的でしたので、肝臓は毎日、今以上に糖新生を行い、よく働いてきたしそれだけのキャパシティーを持っているということですね。

糖質制限食実践中は、脂肪酸-ケトン体エネルギー源がたっぷり利用できますので、決してエネルギー不足にはなりません。糖質制限食の場合は、食事中でもある程度、肝臓の糖新生は行われています。

なお肝臓の糖新生は、人体全体のエネルギー源を確保しているのではありません。

ブドウ糖しか利用できない「赤血球」という特殊な細胞と、日常的にブドウ糖を利用している脳や網膜などのために、最低限の血糖値を確保しているのです。

次に三大栄養素のうちタンパク質は、エネルギー源として使われることはありえますが、基本的に少ないです。タンパク質は、主として人体の組織の材料として使われています。

適切なエネルギー源が確保されていれば、食事から摂取したタンパク質(アミノ酸)は、人体に吸収されて組織のタンパク質合成に使われます。

タンパク質を主たるエネルギー源として使われざるを得ないときは、例えば「飢餓→絶食」が続いたときなどです。

体内の糖質、脂質をエネルギー源として使い果たした後は、やむを得ず筋肉細胞のタンパク質を主たるエネルギー源として使いますが、これは死の一歩手前です。


(*)
ハーパー・生化学(原著27版)上代淑人監訳、2007年、
155ぺージ・図16-9の説明に、
「心臓のような肝外組織では代謝エネルギー源は次の順に好まれて酸化される。
(1)ケトン体.(2)脂肪酸.(3)グルコース」と記載。

157ページ左側27行には、
「遊離脂肪酸は肝臓、心臓、骨格筋において好まれて利用される代謝エネルギー源であり、グルコースの消費を節約することができる。」と記載。

157ページ、左側38行には、
「ケトン体は、骨格筋と心筋の主要な代謝エネルギー源であり、脳のエネルギーの必要性を部分的に満たす。」とある。

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
日本ではコレステロール値が高い方が長生き?
こんばんは。

日本脂質栄養学会、コレステロールガイドライン策定委員会監修の

「長寿のためのコレステロールガイドライン2010年版」(中日出版社)

が2010年9月に出版されました。

2007年改訂の日本動脈硬化学会のガイドラインでは、

「LDLコレステロール140mg/dl以下」

が目標数値です。

基本的には、LDLコレステロールは、低ければ低いほどいいという見解です。

一方、脂質栄養学会コレステロールガイドライン策定委員会監修のガイドラインでは、

「総コレステロール値あるいはLDLコレステロール値が高いと、日本では総死亡率が低下する。」

つまり、総コレステロール値やLDLコレステロール値は、高い方が日本では長生きとしています。

真っ向から対立する見解なので、患者さんはもとより、現場の医師も戸惑っていると思います。

まず一つ言える大事なことは、臨床試験の公明性を保つための新法が、2004年に欧米で施行されたことです。

それ以来、2006年以降に、製薬企業と直接利害関係のない研究者らにより、新法にそって行われた臨床試験では「スタチン類はLDLコレステロール値を下げるが、心疾患予防には効果がない」ことが報告されています。

また日経メディカル オンライン *の記事によれば、2003年から2008年にかけて実施されたJUPITER試験においても、スタチンの効果に疑念が呈されています。☆☆☆

さらに、英国ケンブリッジ大学のKausik K. Ray氏らがスタチン製剤の効果を確かめるためのJUPITERを含む大規模な11試験のメタ解析**を行ったところところ、死亡率の有意な減少はなかったと報告しています。これは衝撃的な内容です。

日経メディカル オンラインの記事の解説は、国立循環器病センター駒村和雄先生で、日本脂質栄養学会とは関係ない方と思います。

日本動脈硬化学会と日本脂質栄養学会、簡単にどちらが正しいと断定するには重いテーマですが、

「血清コレステロール値を下げれば、動脈硬化性疾患が予防できる。」

という、約50年前に提唱されたコレステロール仮説が正しいのか否か、本気で論争・検討が必要なようです。


江部康二


参考
☆☆☆
【JUPITER試験とコレステロール降下剤(スタチン)疑惑2010】2010年08月17日 (火)

こんにちは。

EBM(証拠に基づいた医学)で、信頼度が高いはずの大規模無作為化偽薬対照二重盲検試験・JUPITERに重大な疑惑が生じました。

JUPITER試験は、心血管疾患既往でも糖尿病でもなく、LDL-C値もHDL-C値も正常な中高年、つまり、現在の治療ガイドラインでは、スタチンの適応にはならない人のうち、hsCRPが高い(2mg/L以上)人をスクリーニングして、強力なLDL-C低下作用を持つrosuvastatin(一日20mg)で血管性疾患初発予防を行った、無作為化偽薬対照二重盲検試験です。世界26ヶ国の施設で17802人を組入れ、03年から08年にかけて実施されました。

hsCRPというのは、高感度CRPのことです。

近年動脈硬化の元は、血管内の炎症がベースにあるとされ、高感度CRPはその指標となります。rosuvastatinは商品名はクレストールです。

2008年にNew England Journal of Medicine誌に、掲載されたJUPITER試験の結果は、44%もの1次エンドポイント(冠状動脈性心疾患)減少と20%の総死亡抑制を示していました。

この時点では、クレストール(スタチン製剤)の有効性を明確に表したものと言えました。

ところが、2010年6月28日のArch Intern Med誌に、JUPITER試験を巡る論文が4編も掲載されました。

そのいずれもが、44%もの1次エンドポイント減少と、20%の総死亡抑制を示したJUPITER試験の結果には不備があり、ロスバスタチンの心血管イベントに対する1次予防効果は、過大評価で慎重な解釈を要するというものでした。


日経メディカル オンライン *では、国立循環器病センター駒村和雄先生の解説で、

「Arch Intern Med誌から CVD1次予防としてのスタチン、総死亡は減少せず」

とのタイトルで報じています。

すなわち、JUPITERを含む11試験で1次予防効果について、英国ケンブリッジ大学のKausik K. Ray氏らが、メタ解析**を行ったところ、研究間のバラツキを考慮するランダム効果モデルでも、考慮しない固定効果モデルでも、スタチンによる死亡率の有意な減少は、認められなかったとのことです。

つまり、スタチン製剤の効果を確かめるためのJUPITERを含む大規模な11試験を、客観的に全て解析し直したところ、死亡率の有意な減少はなかったということで、これは衝撃的な内容です。

世界中で4000万人以上の人が内服しているスタチン製剤でLDL-コレステロールを下げても、死亡率を減少させる効果がなかったということになるのですが、これでは何のための薬かわかりませんね。

英国ケンブリッジ大学のKausik K. Ray氏らの、メタ解析だけで、スタチン製剤が無効と断定することはさすがに早計ではありますが、壮大な医療費の無駄遣いの可能性もあることには留意する必要があります。

スタチン製剤だけで300億ドル(2兆8000億円)近い医療費と思われます。ちなみに、世界の医薬品の売り上げトップは、リピトール(スタチン製剤)です。

さらに

「JUPITER試験の14人の著者のうち9人が企業との経済的関係があり、論文の筆頭著者で試験責任者のPaul Ridker氏が高感度C反応性蛋白(hsCRP)測定の特許を取得しており、データ安全性監視委員会委員長であるRory Collins氏が多数の企業主導の脂質低下試験にかかわっている――。」

ということならば、

「大規模無作為化偽薬対照二重盲検試験」という、本来EBMの王道ともいえる臨床試験でさえも、結果を鵜呑みにすることはできないということですね。


江部康二



Arch Intern Med誌・日経メディカル・オンライン2010・スタチン疑惑
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/cvdprem/lecture/komamura/201008/516261.html

JUPITER試験に対する疑惑表明か、平衡感覚か
同一号に4編の論文、いずれも同試験の解釈は慎重を要すると主張


【著者プロフィール
駒村 和雄(大阪大学)こまむら かずお氏。1956年生まれ。阪大医学部卒。同大第一内科(当時)に入局し、大阪警察病院、ハーバード大留学などを経て95年から国立循環器病センター。98年、同センター研究所・心臓動態研究室室長。2008年、兵庫医療大学教授。2010年、大阪大学大学院薬学研究科招聘教員。

連載の紹介
日々、多くの専門雑誌から新しい研究成果が発表されます。真っ先に原著論文には目を通しても、総説や論説まではなかなか読み込む時間がないという人が多いはず。国立循環器病センターで重症心不全の臨床に長年携わり、ACCやAHAのフェローを務める駒村氏が、注目される総説・論説をピックアップ。専門医の目による評価を加えながら解説します。】


6月28日付のArch Intern Med誌に、JUPITER試験を巡る論文が4編も掲載された。
そのいずれもが、44%もの1次エンドポイント減少と20%の総死亡抑制を示したJUPITER試験[1,2]の結果には不備があり、ロスバスタチンの心血管イベントに対する1次予防効果は過大評価で慎重な解釈を要するというものだった。

日経メディカル オンライン 循環器プレミアムでは、この4論文の中で英国ケンブリッジ大学のKausik K. Ray氏らによるメタ解析[3]、およびそれについての米国ミシガン大学のLee A. Green氏の論評[4]を既に紹介している。今回はこれに周辺の情報も加えて、改めて考えてみたい。

メタ解析について循環器プレミアムでは、「Arch Intern Med誌から CVD1次予防としてのスタチン、総死亡は減少せず」とのタイトルで報じた[5]。Ray氏らがJUPITERを含む11試験で1次予防効果についてメタ解析を行ったところ、研究間のバラツキを考慮するランダム効果モデルでも、考慮しない固定効果モデルでも、スタチンによる死亡率の有意な減少は認められなかった。

糖尿病患者のみを対象とした試験を除外しても、死亡率の有意な抑制効果は見られなかった。この結果からRay氏らは、JUPITER試験での総死亡の20%減少とは、試験を早期に終了した場合に起こり得る誇張された結果ではないかと推測した[3]。

論説[4]の中でGreen氏は、臨床試験の早期終了は有効性の過大評価とリスクの過小評価に結び付くことを関係者は分かっているだろうが、同時に、早期のマーケティングを可能にし、臨床試験の費用も節約できるなど、スポンサー企業はもとより研究チームにとっても大きな利益に結び付くこともよく分かっていると指摘した。

同号に掲載された「論文」で最も過激だっだのが、フランス・ジョセフフーリエ大学のMichel de Lorgeril氏らによるものだった[6]。彼らは、JUPITERにかかわる主要人物の利益相反に重大な問題が潜んでいると、個人攻撃とも取られかねない主張を行った。

14人の著者のうち9人が企業との経済的関係があり、論文の筆頭著者で試験責任者のPaul Ridker氏が高感度C反応性蛋白(hsCRP)測定の特許を取得しており、データ安全性監視委員会委員長であるRory Collins氏が多数の企業主導の脂質低下試験にかかわっている――。

臨床試験の科学上の問題点よりも、関係者たちの「strong commercial interest in the study」について、当のRidker氏が「一体どこが研究論文なんだ。データは何もなく、ただ意見を述べているだけじゃないか」[7]と憤慨するような内容の論文だった。


**メタ解析 薬学用語解説より
http://www.pharm.or.jp/dictionary/wiki.cgi?%E3%83%A1%E3%82%BF%E8%A7%A3%E6%9E%90%E3%80%80
Meta-Analysis、メタアナリシス

過去に独立して行われた複数の臨床研究のデータを収集・統合し、統計的方法を用いて解析した系統的総説。採用するデータは、信頼できるものにしぼり、それぞれに重み付けを行う。一般的には、様々な試験の要約統計量を用いるが、生データを結合して解析する場合もある。叙述的な総説とは異なり、体系的、組織的、統計学的、定量的に研究結果をレビューするという特徴がある。メタアナリシスは、複数の研究で得られた効果が一致しない場合、個々の研究の標本サイズが小さく有意な効果を見いだせない場合、大きな標本サイズの研究が経済的・時間的に困難な場合、に有用であるとされている。

医学分野では対象や研究方法が多様で、各種のバイアスが入りやすく、また研究の質のばらつきが大きい。例えば、公表論文は有意な結果のみが発表されることが多い。これは研究者がポジティブな結果が得られたときにのみ発表する「報告バイアス」や、学会誌等の編集者が,統計学的に有意な結果の得られていないものはリジェクトする「出版バイアス」のためである。このため、単に報告を集めるだけでは、ポジティブ方向へバイアスがかかるという懸念が指摘されている。また、質の低い論文を他の優れた研究成果と同等に評価対象としてしまうと過大評価することになる。メタアナリシスでは、バイアスの影響を極力排除し、評価基準を統一して客観的・科学的に多数の研究結果を数量的、総括的に評価しようとしている。

こうしたメタアナリシス研究を押し進めることを目的として、1992年には、英国政府の支援のもとにオックスフォードにコクラン・センター(Cochrane Centre)が作られた。The Cochrane Libraryとは、コクラン共同計画が行っているメタアナリシスである。ランダム化比較試験の行われたデータをすべて集め、その中から信頼できるものを選び、総合評価を行っている。(2007.8.31 掲載)
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
リボーン・シンポ・とことん語る糖質制限食、~糖尿病・メタボ・アトピー~、東京
こんばんは。

リボーン・シンポジウムのご案内です。

リボーン・シンポジウム特別企画
とことん語る糖質制限食
~食事で治す糖尿病・メタボ・アトピー~

2010年10月31日(日)に東京、なかのサンプラザで開催です。

以下は事務局の曽我部ゆかりさんんからのメッセージです。


☆☆☆☆☆

ドクター江部のブログ読者の皆様へ

リボーン・曽我部ゆかりよりお知らせです。

ようやく秋らしい風が吹き始めました。
いかがお過ごしでしょうか? リボーン・シンポジウムのご案内です。まだまだ席に余裕はありますが、限りがありますので、お早めにお申し込みください。

もはや医学界だけでなく、グルメ界においても旬な風となった「糖質制限食」。糖尿病やメタボ、肥満、アトピーの方だけでなく、ダイエット目的の方も、楽しくおいしい食事療法で、症状改善を目指しましょう。当会理事長の江部康二による基調講演の後は、『dancyu』編集長・町田成一氏をゲストにお迎えし、当会副理事長の大柳珠美をまじえ、居酒屋鼎談風にとことん糖質制限食の魅力を語り尽くします。糖質制限ドットコムと恵比寿屋西陣(他)による出店も予定しています。おいしいシンポジウムに乞うご期待。皆様の参加をお待ちしております。


リボーン・シンポジウム特別企画
とことん語る糖質制限食
~食事で治す糖尿病・メタボ・アトピー~

講師    江部康二(内科医 高雄病院理事長 リボーン理事長)
      大柳珠美(管理栄養士 リボーン理事)

ゲスト講師 町田成一(『dancyu(ダンチュウ)』編集長)



■開催日時 2010年10月31日(日)
■プログラム 13時開場
      13時30分~14時00分 基調講演 江部康二
      14時00分~14時15分 休憩

      14時15分~16時00分 鼎談
        ゲスト 町田成一 パネリスト 大柳珠美 司会 江部康二

      16時00分~16時10分 休憩

      16時10分~16時30分 質疑応答&交流会


■参加費    

リボーン会員 2800円 リボーン会員ペア 4400円
一 般    3500円 一般ペア 5600円

■定員 105名

■申込 事前に郵便振替でご送金ください。当日受付は致しません。
    入場券は発行しませんので、当日郵便振替の伝票をご持参ください。
    郵便振替 口座番号 00110-9-393366
         口座名称 リボーン

■申込〆切 10月21日
   
■会場 なかのサンプラザ研修室10(7階)
■アクセス JP中野駅北口下車1分。サンプラザ正面エントランスから入り左手のエレベータで7階へ
■住所 東京都中野区中野4-1-1 電話 03-3388-1174
※シンポジウムの内容に関するお問い合わせはサンプラザでなはく、リボーン事務局迄お願いします。


講師プロフィール
町田成一(まちだせいいち)『dancyu(ダンチュウ)』編集長。もちろんおいしいもの好きの酒飲み。健康診断でメタボ傾向であることを自覚。一念発起、糖質制限を実施したところ、みるみるズボンがぶかぶかに。あごから首のラインもすっきり。男前をあげている。

江部康二(えべこうじ)内科医、高雄病院理事長、リボーン理事長。おいしいもの好きの呑んべえの糖尿病患者でもある。糖質制限食を自ら実施し、見事に糖尿病をクリア。地球誕生にまで遡る「人の食」の理論はスケールが大きく、魅力に溢れている。

大柳珠美(おおやなぎたまみ)管理栄養士。リボーン理事。おいしいもの好きでお酒好きな人間。家族に糖尿病患者を持つため、自作の料理で血糖値のコントロールとレシピ開発に余念がない。自らも糖質制限食を実践しその効果を実感。糖質制限食の指導を極めた唯一の管理栄養士として活躍中。

■主催 NPO法人糖質制限食ネット・リボーン 
■問い合わせ リボーン事務局 曽我部ゆかり 
 電話 03-3388-5428
 e-mail  reborn@big.or.jp
 住所 中野区新井4-4-2-4B

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質制限食実践で経口糖尿病薬離脱
おはようございます。

高山慶太郎さんから、 糖質制限食実践で経口糖尿病薬離脱という嬉しいコメントをいただきました。

「10/10/02 高山慶太郎
驚きの3カ月経過
拝啓 江部康二先生 ありがとうございます。 現在60歳、約6年の糖尿病生活。友人から、「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」実践編を読み、読んだ翌日からスーパー糖質制限食を実践し、あっという間に3ヵ月近くになります。始めは、体重83kg・ヘモA1C 7.9 ・臍周り94cm が体重74.5kg ヘモA1C 6.0 臍周り84cm にダウン。 薬は メデット 250mg アマリール 1mg  メチコバール 500μg と アムロジピン 5mg を服用していましたが。主治医は血液検査を確認し、メデット アマリールは服用を中止しました。 体調は去年に比較して好調です。主治医も驚きとともに、モニターしてくれています。 やや不安は、血糖値が経過チェックできないこと。(測定器を持っていない。) 体重減少でややスタミナがダウンしたような気がすること。 体脂肪が減ってきたが、人の活動元となるエネルギー源は確保できるのか?などが分かりません。  ただヘモグロビンA1C が6.0以下で推移すればいいのか? など わからない部分があります。 いずれにせよ、本の実践だけでこれだけの効果が出たことは、江部先生のお陰以外の何物でもありません。 感謝 感謝 敬具 20101002 高山慶太郎 60歳 嘱託職」



高山慶太郎さん。
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」実践編のご購入、ありがとうございます。

主治医殿、協力的でいいですね。 (^_^)
メデット アマリールの服用中止もよかったです。

HbA1c:7.9%→平均血糖値186mg
HbA1c:6.0%→平均血糖値129mg

*平均血糖値=<HbA1c%-1.7>×30

平均血糖値も随分改善しています。

「体重減少でややスタミナがダウンしたような気がすること。」

スタミナがダウンした気がするようなら、摂取カロリーが低すぎる可能性があります。糖質制限食ですので、脂質・タンパク質はしっかり摂取してください。

男性なら、1600~1800~2000キロカロリー/日くらいでしょうか。

私は167cm、57kg。摂取カロリーは1800/日くらいです。

「体脂肪が減ってきたが、人の活動元となるエネルギー源は確保できるのか?」

心筋や骨格筋の日常的な主たるエネルギー源は<脂肪酸-ケトン体>です。

糖質制限食実践で、<脂肪酸-ケトン体>システムが活性化してスタミナがつきます。

また、糖質制限食で高血糖は改善しますが、低血糖になるわけではありません。肝臓でアミノ酸などから、ブドウ糖をつくるからです。

「ただヘモグロビンA1C が6.0以下で推移すればいいのか?」

糖尿病合併症予防のための糖尿人の目標があります。

【糖尿人の目標】
① 空腹時血糖値140mg/dl未満→126mg/dl未満→さらには110mg/dl未満
② 食後2時間血糖値180mg/dlmg/dl未満→さらには140mg/dl未満
③ 理想的には食後1時間血糖値180mg/dl未満
④ HbA1c6.5%未満→さらには5.8%未満

①②③④の糖尿人の目標達成を目指してくださいね。 


江部康二
テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質摂取と運動のタイミング
おはようございます。

今回は、 tomo さんから
糖質摂取と運動のタイミングについて、コメント・質問をいただきました。

「10/10/02 tomo
運動のタイミング
こんばんは。いつも先生のブログを楽しみにし、勇気と希望をいただいています。ありがとうございます。
「主食を抜けば~実践編」を読むと「血糖値が上昇しているときに30分散歩するとよい」とあります。
私の場合、空腹時89ブドウ糖負荷1時間後182、2時間後232でした。
運動に適しているのはやはり食後30分でしょうか。それとも1時間ぐらいしてからの方がよいでしょうか。
ただし、散歩できるのは夕食後で、夕食では主食はとっていません。
なるべく効果的な時間に散歩したいなと思っています。
よろしくおねがいします。
一番問題なのが昼食後です。仕事柄まったく白米を食べないわけにいかないので50グラムぐらい食べています。食後に運動はできません。ミニ・スパイクが毎日おこっていますね。なんとか主食をとらないですむように考えます。
先生の活動で、たくさんの糖尿人が救われています。感謝、感謝です。」


tomoさん。

「主食を抜けば~実践編」のご購入ありがとうございます。

このデータなら、食後30分から1時間散歩とかがいいですね。30分しか散歩できない日は、食後1時間から30分でしょうか?

もっとも、夕食に主食なしなら、食後血糖値はほとんど上昇しないので、血糖値を直接下げるという意味の散歩というより、長期間軽い運動を続けて、インスリン抵抗性を減らすという目的での散歩という位置づけでしょうか?

昼食に50gの白米なら、約18gの糖質含有量で 、血糖値上昇はピークでも<18g×3mg=54mg>です。

昼食前血糖値が、tomoさんの場合126mg未満だと推定されるので、食後180mgを超えるグルコーススパイクは生じてないように思いますよ。

まあ、仰有るように、ミニスパイクも少ないほど好ましいのですが・・・


江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質制限食と運動・追加
こんばんは。

蝶々さんから、正確なデータをコメントいただきました。とても参考になります。

蝶々さん、すごい筋肉量ですね。

「10/10/01 蝶々
糖質制限食と運動
江部先生こんばんわです(^-^)
学会発表ものですか!!ますますモチベーション上がります!今後も膵臓に無理をさせない糖質制限食と、糖の貯蔵庫になる筋の肥大を継続してみます(^-^)
運動(筋トレ)の産物による『成長ホルモン』の働きについて、その作用にもなかなか興味深いものがあり、最近は勉強しています。
日々油断せず、時にゆるめて歩んでいきます(^-^)

追記:記事内の体重は筋質量のみでして、除脂肪体重と総体重を下記に出しておきますm(__)m

本日ジムにて測定
総体重77.5Kg
除脂肪体重70.1Kg
筋質量66.5Kg
脂肪量7.4Kg
体脂肪率9.5%
BMI24.5
基礎代謝2007kcal
です。

体重増加のほとんどが筋質量での増加で、脂肪は以前より増えていません(^-^)」


テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
<糖質制限食+運動>→血糖値改善+減量成功 2010
こんばんは。

蝶々さんから、またまた嬉しいコメントをいただきました。

「10/09/30 蝶々
糖質制限食+運動♪
江部先生ご無沙汰しておりますm(__)m
糖質制限食を開始して丸1年が経ちました。
最近は、SMBGをしながら、耐糖能と習慣化した運動の条件下で、許容範囲で糖質をとる生活になってきました。が、ベースに糖質制限を置いた生活を継続している効果もあり、8月の定期検診はA1c4.5%と推移しております。

あと、運動ですが。今は、週4ほどでジムに通い、1時間の筋トレ(かなり追い込んでます(^-^))と20分の有酸素運動をこなしてましたところ、筋質量は67Kgで体脂肪9%。BMIは24に増えましたが( ̄□ ̄;)私的な実感では筋質量が増えていくほど食後血糖値が上がりにくく下がりやすく感じるように思えております。
基礎代謝向上は空腹時血糖値に対しては低く保つ効果があると認識していたのですが、運動の効果と糖質制限との併用効果に『何か』があり、それが食後血糖値にも好影響を与えているのかというところに今現在、自分の身体への興味となっています。
まだまだ試行錯誤してますが、糖尿人すべてが合併症にならない時代を望みつつ、先生のご活躍を心より切に願います!」


蝶々さん。
A1c4.5%とは素晴らしいデータです。

もともとは糖尿病の内服薬も飲んでおられて、減量・離脱されてますね。

2009年9月23日 発症時点
空腹時血糖230
2時間血糖340
体重118キロ
Hba1c:10%以上

2010年9月30日
体重67kg 178cm BMI21.15
Hba1c:4.5%

糖質制限食+運動>の相乗効果で、体重も劇的に減少して、糖毒も解除されて、インスリン抵抗性が著明に改善し、膵臓の休養も得てインスリン分泌能も回復したものと思われます。

インスリン基礎分泌も追加分泌も、ほぼ正常レベルに回復としかいいようがありません。

Hba1c:4.5%ということは、平均血糖値は84mgです。
Hba1c:10%のときは、平均血糖値は249mgです。

学会発表ものの快挙です。ヽ(*`▽´)ノ

糖質制限食実践で、肝臓は常にアミノ酸などから糖新生を行っていることが、基礎代謝の増加に寄与していると思います。また、筋肉量の増加も勿論基礎代謝向上に繋がります。

糖質制限食+運動>で脂肪がどんどん燃焼して減り、一方筋肉量は増えたのですね。

筋トレの無酸素運動で筋肉量が増えます。有酸素運動の長期間の継続で、筋肉細胞のインスリン感受性が向上します。つまりインスリン抵抗性が改善します。

いうことなしですね。

蝶々さん。
これからも美味しく楽しく糖質制限食、そして運動をお続けくださいね。


江部康二


☆☆☆☆☆
参考<蝶々さん劇的改善のブログ記事>

スーパー糖質制限食で糖尿病が治った!? 2010
2010年04月30日 (金)
おはようございます。

今回は、蝶々さんから2回目のとても嬉しいコメントをいただきました。

「10/04/29 蝶々
糖質制限食半年経過
江部先生こんにちわ以前β細胞のアポトーシスについて質問したものです。
本日は糖質制限食開始から、
半年が経過し自分に起きた効果を先生に報告したくコメントさせていただきます(≧ω≦)

2009年9月23日発症時点
空腹時血糖230
2時間血糖340
体重118キロ
Hba1c10over

2010年4月20日現在
空腹時血糖70~80
2時間血糖90~110
体重74キロ
Hba1c4.6
上記は糖質有りでの食後血糖値です。

江部先生の糖質制限を知ることができ、その効果に感謝する毎日です血糖値もさることながら、体重の減少もめざましく、最近は糖質制限+有酸素運動(自転車)+上下肢無酸素運動(1日5分位)を行い、筋力量38%、体脂肪率13%とかなり理想的になってきました今後は体重72キロを目指していくことが今の楽しみになってます。糖尿病発覚時は落ち込むこともありましたが、いい意味で生まれ変わったような生活と思えるようになれ、糖質制限食に出会えたことをうれしくおもいます。お仕事とブログの両立大変と思いますが、勇気づけられる糖尿人の一人として、江部先生のさらなるご活躍を願っておりますお身体をご自愛願いつつ今後ともよろしくお願いしますm(__)m

追記すいません
内臓脂肪面積(単位はcm2)
半年前190over
4月現在50前後
身長178cm
基礎代謝1800kcal
追記になり申し訳ありませんm(__)m 」



蝶々さん。
嬉しいコメントをありがとうございます。
糖質制限食、万歳ですね。

2009年9月23日発症時点
空腹時血糖230
2時間血糖340
体重118キロ
Hba1c10.4%
内臓脂肪190over cm2

2010年4月20日現在
空腹時血糖70~80
2時間血糖90~110
体重74キロ
Hba1c4.6 %
内臓脂肪50前後 cm2
身長 178cm

いやはや、まことに見事な改善です。
あっぱれですね。 (^-^)v(^-^)v

2009年9月当初は「アマリール3mg、メルビン250」を内服、10月からは、アマリール中止でメルビンのみ。

2009年11月6日にコメントいただいた時点で、食前食後の血糖値は

食前95→食後1時間162→食後2時間125

と既に「糖尿病型→正常型」の改善しておられました。

2010年4月のデータは、糖質摂取して

食後2時間血糖90~110mg/dl

ですので、正常型です。

今はもうメルビンも内服しておられないと思います。

2009年11月7日に私が「蝶々さん、さらに体重減少に成功すれば、糖尿病がほとんど治ったという状態までいくことが可能と思います。」と述べましたが、現時点では、どの病院で検査しても糖尿病ではないと言われると思います。

「空腹時血糖230、2時間血糖340」という「糖毒」状態が糖質制限食で解除され、膵臓が休養できて、疲弊していたβ細胞が回復したと考えられます。

また、44kgの体重減少で内臓脂肪・肥満が改善し、インスリン抵抗性がとれたと考えられます。

178cm 74kg で現時点のBMI:23.36 ですね。

筋力量38%、体脂肪率13% ですから、体重の多くが筋肉ですので、もうほとんど理想的ですね。

筋肉量が多いと筋肉細胞の血糖取り込みも多くなるので、血糖コントロールにはとてもいいです。

「空腹時血糖70~80 、2時間血糖90~110 」

現時点で糖質を摂取してもこのデータなら、基礎分泌インスリンも追加分泌インスリンも、正常型に回復しています。

かつては「空腹時血糖230、2時間血糖340」だったので、β細胞が100/100完全回復とは言えないかもしれませんが、少なくとも少々の糖質を食べても、食後血糖値は正常型を示すまで、9割以上回復したと考えられます。

おめでとうございます。(⌒o⌒)v


江部康二
テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット