2010年05月31日 (月)
こんにちは。
第53回日本糖尿病学会年次学術集会において、開催初日の2010年5月27日に、糖尿病の新しい診断基準の概要と、2010年7月1日に新基準を施行することが発表されました。
今回新しくなる診断基準は、前回の基準から11年ぶりに改訂されます。改訂の目玉は、診断基準に「HbA1c 6.5%以上」(6.1%[JDS値])が追加されたことです。
HbA1c値については、日本独自の測定法によって得られるJDS値と、欧米を中心に使われている測定法によって得られるNGSP値があり、両者のデータにはずれがありました。
換算するとJDS値に0.4を加えた値が、NGSP値となります。当然国際基準としては、NGSP値が優先されます。
新診断基準のHbA1c:6.5%は、NGSP値相当であり、現行の日本の測定法によるJDS値では、6.1%となります。
今後HbA1cはNGSP値に相当する値を基準としますが、HbA1c測定方法はこれまでと同様のJDS値なので、単純に0.4を足した値をNGSP値として示すことになります。
国際標準化作業が行われて、JDS値に0.4を足せばNGSP値と同じになることが確認されました。
従来の診断基準では、
①空腹時血糖値126mg/dL以上
② 75g糖負荷試験で2時間値200mg/dL以上
③随時血糖値200mg/dL以上
のいずれかが別の日に2回以上、確認された場合に糖尿病と診断しており、HbA1c値は補助的な位置付けでした。
近年HbA1cは、糖尿病の診断基準として国際的評価が高く、米国糖尿病学会(ADA)は、2009年、糖尿病診断に原則HbA1C検査を適用することとしました。
これを受けて日本でも、今回の改訂で、「補助的な項目」から格上げで診断基準の1つとして取りあげられることとなりました。
診断基準項目の1つとなったHbA1c値は、6.5%以上(6.1%以上[JDS値])とされました。
これは、日本のデータを用いて、網膜症の出現頻度や血糖値とHbA1c値との関係を解析した結果から、決定したそうです。
新診断基準にはHbA1c値が加わりましたが、糖尿病の診断は
<血糖値>
①空腹時血糖値126mg/dL以上
② 75g糖負荷試験で2時間値200mg/dL以上
③随時血糖値200mg/dL以上
のうちいずれかと
<HbA1c>
6.5%以上(JDS値で6.1%以上)
の両方で評価するよう決められており、血糖値データは必ず必要です。
すなわち患者さんが「HbA1c:6.5%以上(JDS値で6.1%以上)」のみを満たすだけでは糖尿病と診断できません。
HbA1cと同時あるいは再検査で血糖値を測定し、血糖値も診断基準を超えて糖尿病型であった場合に初めて糖尿病と診断されます。
1回目の検査でHbA1c値が「HbA1c:6.5%以上(JDS値で6.1%以上)」で糖尿病型と診断され、再検査でHbA1c値再度糖尿病型と診断されても、血糖値が糖尿病型でなければあくまで「糖尿病疑い」にとどまるとされました。
また、血糖値のみ糖尿病型の場合、糖尿病の典型的症状が確認されたり、眼底検査で糖尿病網膜症が認められれば、糖尿病と診断されます。
江部康二
第53回日本糖尿病学会年次学術集会において、開催初日の2010年5月27日に、糖尿病の新しい診断基準の概要と、2010年7月1日に新基準を施行することが発表されました。
今回新しくなる診断基準は、前回の基準から11年ぶりに改訂されます。改訂の目玉は、診断基準に「HbA1c 6.5%以上」(6.1%[JDS値])が追加されたことです。
HbA1c値については、日本独自の測定法によって得られるJDS値と、欧米を中心に使われている測定法によって得られるNGSP値があり、両者のデータにはずれがありました。
換算するとJDS値に0.4を加えた値が、NGSP値となります。当然国際基準としては、NGSP値が優先されます。
新診断基準のHbA1c:6.5%は、NGSP値相当であり、現行の日本の測定法によるJDS値では、6.1%となります。
今後HbA1cはNGSP値に相当する値を基準としますが、HbA1c測定方法はこれまでと同様のJDS値なので、単純に0.4を足した値をNGSP値として示すことになります。
国際標準化作業が行われて、JDS値に0.4を足せばNGSP値と同じになることが確認されました。
従来の診断基準では、
①空腹時血糖値126mg/dL以上
② 75g糖負荷試験で2時間値200mg/dL以上
③随時血糖値200mg/dL以上
のいずれかが別の日に2回以上、確認された場合に糖尿病と診断しており、HbA1c値は補助的な位置付けでした。
近年HbA1cは、糖尿病の診断基準として国際的評価が高く、米国糖尿病学会(ADA)は、2009年、糖尿病診断に原則HbA1C検査を適用することとしました。
これを受けて日本でも、今回の改訂で、「補助的な項目」から格上げで診断基準の1つとして取りあげられることとなりました。
診断基準項目の1つとなったHbA1c値は、6.5%以上(6.1%以上[JDS値])とされました。
これは、日本のデータを用いて、網膜症の出現頻度や血糖値とHbA1c値との関係を解析した結果から、決定したそうです。
新診断基準にはHbA1c値が加わりましたが、糖尿病の診断は
<血糖値>
①空腹時血糖値126mg/dL以上
② 75g糖負荷試験で2時間値200mg/dL以上
③随時血糖値200mg/dL以上
のうちいずれかと
<HbA1c>
6.5%以上(JDS値で6.1%以上)
の両方で評価するよう決められており、血糖値データは必ず必要です。
すなわち患者さんが「HbA1c:6.5%以上(JDS値で6.1%以上)」のみを満たすだけでは糖尿病と診断できません。
HbA1cと同時あるいは再検査で血糖値を測定し、血糖値も診断基準を超えて糖尿病型であった場合に初めて糖尿病と診断されます。
1回目の検査でHbA1c値が「HbA1c:6.5%以上(JDS値で6.1%以上)」で糖尿病型と診断され、再検査でHbA1c値再度糖尿病型と診断されても、血糖値が糖尿病型でなければあくまで「糖尿病疑い」にとどまるとされました。
また、血糖値のみ糖尿病型の場合、糖尿病の典型的症状が確認されたり、眼底検査で糖尿病網膜症が認められれば、糖尿病と診断されます。
江部康二
2010年05月30日 (日)
おはようございます。
昨日は、京都府歯科医師会学術研究会総会で、糖質制限食のお話しをさせていただきました。
糖尿病のコントロールと歯科治療の併用で、歯周症が、めきめきよくなることなど、ご教示いただきました。
糖質制限食と歯科治療のコラボ、おおいに期待できますね。
学術研究会の皆様、熊本会長、ありがとうございました。
さて、京都一般講演のご案内です。
この1年、東京、名古屋、長野、岐阜・・・全国で糖質制限食の講演を行ってきましたが、関西は久しぶりです。
6月13日(日)の大阪講演会は、定員100名、あっという間に満員御礼となりました。
これもブログ読者の皆さんのおかげです。ありがとうございました。
6月8日(火)の朝日カルチャーセンター京都の一般公開講座は、まだ席が空いています。
京都の皆さんのご参加をお待ちしております。
江部康二
<糖質制限食講演 公開講座>
朝日カルチャーセンター京都教室
<タイトル>
血糖値を下げる!糖質制限食
~メタボでない人の糖尿病、肥満に有効
<講師>
高雄病院理事長 江部 康二
<曜日>
2010年6月8日(火)
<時間>
10:30~12:00
<受講料 >
会員2940- 一般3465-
<朝日カルチャーセンター京都教室>
所在地 〒604-8005
京都市中京区河原町三条上ル
京都朝日会館8F
TEL 075-231-9693
FAX 075-255-4784
窓口営業時間 午前9時30分~午後6時30分
(日曜日は午後4時まで)
休館日 祝日(振替休日を含む)とお盆休み、年末年始は休館。
【糖質制限食とは】
食べ物が消化・吸収されたあと、糖質は100%血糖に変わります。タンパク質・脂質は血糖に変わりません。
また糖質は、摂取直後から急峻に血糖値を高く速く上昇させ、2時間以内にほとんどすべてが吸収されます。
これらは、含有エネルギーとは無関係な三大栄養素の生理学的特質です。
このように糖質、脂質、タンパク質のうち糖質だけが血糖値を上昇させます。従って、糖質を摂取した時にはインスリンが大量に追加分泌されます。脂質を摂取しても、インスリンの追加分泌はありません。タンパク質はごく少量のインスリンを追加分泌させます。
現在糖尿病において、食後の急激な高血糖(グルコーススパイク)が、大きな問題として注目されています。食後高血糖が、心筋梗塞や脳梗塞などの合併症を起こす危険因子として確立されたからです。そして、食後高血糖を起こすのは、三大栄養素のなかで糖質だけなのです。
1gの糖質が、体重64kgの2型糖尿病の人の血糖値を、約3mg上昇させます。
炊いた白ご飯茶碗1杯150g(252kcal)には、55.3gの糖質が含まれており、血糖値を166mg上昇させます。
一方、牛サーロインステーキを200g(約1000キロカロリー)食べても、糖質含有量は1gもないので、食後高血糖はほとんど生じないのです。
なお、1gの糖質が、体重64kgの1型糖尿病の人の血糖値を、5mg上昇させます。
糖質制限食の基本的な考え方は、上述のような生理学的事実をベースにできるだけ糖質の摂取を低く抑えて、食後高血糖を防ぐというものです。簡単に言えば、主食を抜いておかずばかり食べるというイメージになります。抜く必要がある主食とは米飯・めん類・パンなどの米・麦製品や芋類など糖質が主成分のものです。
3食主食抜きのスーパー糖質制限食(糖質12%、タンパク質32%、脂質56%)なら薬に頼ることなく速やかにリアルタイムで良好な血糖コントロールが可能です。
一方、上述の白ご飯とステーキの例でも明らかなように、カロリー計算に基づいて血糖値をコントロールすることは理論的に不可能です。
従って、現行の日本糖尿病学会推薦の糖尿病食(糖質60%、タンパク質20%、脂質20%)を実践する限りは、
一日の摂取カロリーを1200キロカロリーと低く抑えたとしても、食後高血糖が必ず生じるのです。
糖尿病の改善には、カロリー制限より糖質制限ということが、おわかりいただけたと思います。
なお、糖質制限食は、カロリー無制限ということではありません。
一般的な標準摂取カロリーの範囲、すなわち男性なら1600~2000キロカロリー、女性なら1200~1600キロカロリーくらいが目安です。
昨日は、京都府歯科医師会学術研究会総会で、糖質制限食のお話しをさせていただきました。
糖尿病のコントロールと歯科治療の併用で、歯周症が、めきめきよくなることなど、ご教示いただきました。
糖質制限食と歯科治療のコラボ、おおいに期待できますね。
学術研究会の皆様、熊本会長、ありがとうございました。
さて、京都一般講演のご案内です。
この1年、東京、名古屋、長野、岐阜・・・全国で糖質制限食の講演を行ってきましたが、関西は久しぶりです。
6月13日(日)の大阪講演会は、定員100名、あっという間に満員御礼となりました。
これもブログ読者の皆さんのおかげです。ありがとうございました。
6月8日(火)の朝日カルチャーセンター京都の一般公開講座は、まだ席が空いています。
京都の皆さんのご参加をお待ちしております。
江部康二
<糖質制限食講演 公開講座>
朝日カルチャーセンター京都教室
<タイトル>
血糖値を下げる!糖質制限食
~メタボでない人の糖尿病、肥満に有効
<講師>
高雄病院理事長 江部 康二
<曜日>
2010年6月8日(火)
<時間>
10:30~12:00
<受講料 >
会員2940- 一般3465-
<朝日カルチャーセンター京都教室>
所在地 〒604-8005
京都市中京区河原町三条上ル
京都朝日会館8F
TEL 075-231-9693
FAX 075-255-4784
窓口営業時間 午前9時30分~午後6時30分
(日曜日は午後4時まで)
休館日 祝日(振替休日を含む)とお盆休み、年末年始は休館。
【糖質制限食とは】
食べ物が消化・吸収されたあと、糖質は100%血糖に変わります。タンパク質・脂質は血糖に変わりません。
また糖質は、摂取直後から急峻に血糖値を高く速く上昇させ、2時間以内にほとんどすべてが吸収されます。
これらは、含有エネルギーとは無関係な三大栄養素の生理学的特質です。
このように糖質、脂質、タンパク質のうち糖質だけが血糖値を上昇させます。従って、糖質を摂取した時にはインスリンが大量に追加分泌されます。脂質を摂取しても、インスリンの追加分泌はありません。タンパク質はごく少量のインスリンを追加分泌させます。
現在糖尿病において、食後の急激な高血糖(グルコーススパイク)が、大きな問題として注目されています。食後高血糖が、心筋梗塞や脳梗塞などの合併症を起こす危険因子として確立されたからです。そして、食後高血糖を起こすのは、三大栄養素のなかで糖質だけなのです。
1gの糖質が、体重64kgの2型糖尿病の人の血糖値を、約3mg上昇させます。
炊いた白ご飯茶碗1杯150g(252kcal)には、55.3gの糖質が含まれており、血糖値を166mg上昇させます。
一方、牛サーロインステーキを200g(約1000キロカロリー)食べても、糖質含有量は1gもないので、食後高血糖はほとんど生じないのです。
なお、1gの糖質が、体重64kgの1型糖尿病の人の血糖値を、5mg上昇させます。
糖質制限食の基本的な考え方は、上述のような生理学的事実をベースにできるだけ糖質の摂取を低く抑えて、食後高血糖を防ぐというものです。簡単に言えば、主食を抜いておかずばかり食べるというイメージになります。抜く必要がある主食とは米飯・めん類・パンなどの米・麦製品や芋類など糖質が主成分のものです。
3食主食抜きのスーパー糖質制限食(糖質12%、タンパク質32%、脂質56%)なら薬に頼ることなく速やかにリアルタイムで良好な血糖コントロールが可能です。
一方、上述の白ご飯とステーキの例でも明らかなように、カロリー計算に基づいて血糖値をコントロールすることは理論的に不可能です。
従って、現行の日本糖尿病学会推薦の糖尿病食(糖質60%、タンパク質20%、脂質20%)を実践する限りは、
一日の摂取カロリーを1200キロカロリーと低く抑えたとしても、食後高血糖が必ず生じるのです。
糖尿病の改善には、カロリー制限より糖質制限ということが、おわかりいただけたと思います。
なお、糖質制限食は、カロリー無制限ということではありません。
一般的な標準摂取カロリーの範囲、すなわち男性なら1600~2000キロカロリー、女性なら1200~1600キロカロリーくらいが目安です。
2010年05月29日 (土)
おはようございます。
糖質制限食と体重減少について、ちょびさんから、コメント・質問をいただきました。
皆さん、ダイエットの悩みは尽きないようですね。
【10/05/27 ちょび
質問
はじめまして。私も「やせる食べ方」購入しました。
さっそく実践し始めて2週間が経ちましたがおかげさまで減量絶好調です!ありがとうございます。
ただ、3つほど心配事があります。
1.普段の生活で血糖値が低すぎて急に倒れたりしないかということ。
2.いくら低糖だからと言ってカロリーが過ぎれば増量するのかということ。
(例えば女性が1日に2000kcalとか)
3.糖質制限を続けていると次に摂る糖の吸収率が高まり、
血糖値が急上昇して一気に増量してしまうのではないかということ。
お時間がある時で良いのでぜひ教えてください。お願いしますっ。】
ちょびさん。
「やせる食べ方」ご購入、ありがとうございます。おかげさまで現在2万部です。
そして、糖質制限食で体重減少、絶好調! 良かったですね。
「1.普段の生活で血糖値が低すぎて急に倒れたりしないかということ。」
何度がブログ記事にも書きましたが、糖質制限食実践で、高血糖は正常血糖値に改善しますが、通常は低血糖にはなりません。糖質制限食実践中には、24時間肝臓がアミノ酸などから糖新生しているからです。
例えば、もっと極端に100万年前に獲物・採集物が、1ヶ月なくて水だけでご先祖様が生活しているようなとき、低血糖になればライオンにでも喰われてしまいますよね。
このように絶食時にも、肝臓で糖新生しているので意識不明になったりはしないのです。
ただ、炭水化物依存症で、糖質過剰・頻回摂取の食事パターンの人は、肝臓の糖新生機能が衰えているので、まれに低血糖になる可能性はありえます。
糖質制限食実践で低血糖を生じるほどの、重度の炭水化物依存症の人は、高雄病院の入院・外来患者さん1300人以上では経験したことはありません。
一方、本ブログのコメントで、お二人だけ低血糖様症状の報告がありました。
「2.いくら低糖だからと言ってカロリーが過ぎれば増量するのかということ。 (例えば女性が1日に2000kcalとか)」
<糖質制限食>VS<カロリー制限・高糖質食>
2010年05月27日 (木) のブログ記事の書きましたように、少なくとも同一カロリー摂取なら、糖質制限食の優位性は明白です。
糖質制限食ならお腹いっぱい食べても体重が適正まで減少する人が過半数を占めていて、かく言う私もその一人でした。
私は身長167cm、体重66kg→56kg、摂取カロリーは1800~2000キロカロリー/日、昼と夕の2食です。上記にアルコールのカロリーが追加されます。
一方、1割くらい大食タイプの人がおられます。
無糖ヨーグルト500g入り1個を1回で食べてなおかつ1日2~3個でも平気とか、ステーキ400gなんて楽勝とか、タマネギ中玉(200g)1個くらいなら炒めたら簡単とか・・・。
こういう強者の方々には、
女性なら1200~1600キロカロリー
男性なら1600~2000キロカロリー
が一つの目安と説明しています。
さらに、1割くらい倹約遺伝子(肥満遺伝子)の持ち主で基礎代謝が低いタイプがおられます。
このタイプは「糖質制限+カロリー制限」で初めて体重が減少します。
女性なら1000~1200キロカロリー
男性なら1400~1600キロカロリー
が一つの目安ですね。
「3.糖質制限を続けていると次に摂る糖の吸収率が高まり、 血糖値が急上昇して一気に増量してしまうのではないかということ。」
そのような事実はありませんので、ご安心下さい。
米国糖尿病協会出版(2004年)の糖尿病患者教育用の本によれば、
『食べ物が消化・吸収されたあと、糖質は100%血糖に変わるが、蛋白質・脂質は血糖に変わらない。糖質は摂取直後から急峻に血糖値を上昇させ2時間以内にほとんどすべてが吸収される。一方蛋白質・脂質は血糖値に影響を与えない。』
ということで、正常人でも糖尿人でも同じ消化・吸収パターンです。
これらは、含有エネルギーとは無関係な、3大栄養素の生理学的特質ですので、事前の食生活が糖質制限食であろうがカロリー制限・高糖質食であろうが、同じです。
江部康二
糖質制限食と体重減少について、ちょびさんから、コメント・質問をいただきました。
皆さん、ダイエットの悩みは尽きないようですね。
【10/05/27 ちょび
質問
はじめまして。私も「やせる食べ方」購入しました。
さっそく実践し始めて2週間が経ちましたがおかげさまで減量絶好調です!ありがとうございます。
ただ、3つほど心配事があります。
1.普段の生活で血糖値が低すぎて急に倒れたりしないかということ。
2.いくら低糖だからと言ってカロリーが過ぎれば増量するのかということ。
(例えば女性が1日に2000kcalとか)
3.糖質制限を続けていると次に摂る糖の吸収率が高まり、
血糖値が急上昇して一気に増量してしまうのではないかということ。
お時間がある時で良いのでぜひ教えてください。お願いしますっ。】
ちょびさん。
「やせる食べ方」ご購入、ありがとうございます。おかげさまで現在2万部です。
そして、糖質制限食で体重減少、絶好調! 良かったですね。
「1.普段の生活で血糖値が低すぎて急に倒れたりしないかということ。」
何度がブログ記事にも書きましたが、糖質制限食実践で、高血糖は正常血糖値に改善しますが、通常は低血糖にはなりません。糖質制限食実践中には、24時間肝臓がアミノ酸などから糖新生しているからです。
例えば、もっと極端に100万年前に獲物・採集物が、1ヶ月なくて水だけでご先祖様が生活しているようなとき、低血糖になればライオンにでも喰われてしまいますよね。
このように絶食時にも、肝臓で糖新生しているので意識不明になったりはしないのです。
ただ、炭水化物依存症で、糖質過剰・頻回摂取の食事パターンの人は、肝臓の糖新生機能が衰えているので、まれに低血糖になる可能性はありえます。
糖質制限食実践で低血糖を生じるほどの、重度の炭水化物依存症の人は、高雄病院の入院・外来患者さん1300人以上では経験したことはありません。
一方、本ブログのコメントで、お二人だけ低血糖様症状の報告がありました。
「2.いくら低糖だからと言ってカロリーが過ぎれば増量するのかということ。 (例えば女性が1日に2000kcalとか)」
<糖質制限食>VS<カロリー制限・高糖質食>
2010年05月27日 (木) のブログ記事の書きましたように、少なくとも同一カロリー摂取なら、糖質制限食の優位性は明白です。
糖質制限食ならお腹いっぱい食べても体重が適正まで減少する人が過半数を占めていて、かく言う私もその一人でした。
私は身長167cm、体重66kg→56kg、摂取カロリーは1800~2000キロカロリー/日、昼と夕の2食です。上記にアルコールのカロリーが追加されます。
一方、1割くらい大食タイプの人がおられます。
無糖ヨーグルト500g入り1個を1回で食べてなおかつ1日2~3個でも平気とか、ステーキ400gなんて楽勝とか、タマネギ中玉(200g)1個くらいなら炒めたら簡単とか・・・。
こういう強者の方々には、
女性なら1200~1600キロカロリー
男性なら1600~2000キロカロリー
が一つの目安と説明しています。
さらに、1割くらい倹約遺伝子(肥満遺伝子)の持ち主で基礎代謝が低いタイプがおられます。
このタイプは「糖質制限+カロリー制限」で初めて体重が減少します。
女性なら1000~1200キロカロリー
男性なら1400~1600キロカロリー
が一つの目安ですね。
「3.糖質制限を続けていると次に摂る糖の吸収率が高まり、 血糖値が急上昇して一気に増量してしまうのではないかということ。」
そのような事実はありませんので、ご安心下さい。
米国糖尿病協会出版(2004年)の糖尿病患者教育用の本によれば、
『食べ物が消化・吸収されたあと、糖質は100%血糖に変わるが、蛋白質・脂質は血糖に変わらない。糖質は摂取直後から急峻に血糖値を上昇させ2時間以内にほとんどすべてが吸収される。一方蛋白質・脂質は血糖値に影響を与えない。』
ということで、正常人でも糖尿人でも同じ消化・吸収パターンです。
これらは、含有エネルギーとは無関係な、3大栄養素の生理学的特質ですので、事前の食生活が糖質制限食であろうがカロリー制限・高糖質食であろうが、同じです。
江部康二
2010年05月28日 (金)
こんにちは。
「ムクミと機能性低血糖とアルドステロン」について、ナオさんから、コメントをいただきました。
【10/05/28 ナオ
ムクミと機能性低血糖
江部先生の回答があるところに失礼します。
「機能性低血糖症」でのムクミの理由に
「アルドステロンは副腎が低血糖症で対応し疲弊時に過剰に分泌され、体内に塩分を貯留しムクミを起こす 」
だそうです。
私も糖質制限中に炭水化物を摂ると翌日に酷いムクミとゆるい痺れが半日とれません。】
なおさん。
「ムクミと機能性低血糖とアルドステロン」について私は知らなかったので、とても勉強になりました。
貴重な情報をありがとうございます。 m(_ _)m
低血糖という異常事態に対し、人体では副腎から副腎皮質ホルモンやアドレナリンが分泌されて、血糖値を上げようとします。
同時に副腎は、アルドステロンなどの分泌も行うので、低血糖症ではアルドステロン値が高い場合が時々みられるそうです。アルドステロンは、Na(ナトリウム)を貯留させ、浮腫や高血圧などを生じます。
機能性低血糖のことを説明してある医師のホームページで、このことを確認できました。
機能性低血糖症と糖尿病を合併することもあるので、糖尿人も注意が必要ですね。
江部康二
「ムクミと機能性低血糖とアルドステロン」について、ナオさんから、コメントをいただきました。
【10/05/28 ナオ
ムクミと機能性低血糖
江部先生の回答があるところに失礼します。
「機能性低血糖症」でのムクミの理由に
「アルドステロンは副腎が低血糖症で対応し疲弊時に過剰に分泌され、体内に塩分を貯留しムクミを起こす 」
だそうです。
私も糖質制限中に炭水化物を摂ると翌日に酷いムクミとゆるい痺れが半日とれません。】
なおさん。
「ムクミと機能性低血糖とアルドステロン」について私は知らなかったので、とても勉強になりました。
貴重な情報をありがとうございます。 m(_ _)m
低血糖という異常事態に対し、人体では副腎から副腎皮質ホルモンやアドレナリンが分泌されて、血糖値を上げようとします。
同時に副腎は、アルドステロンなどの分泌も行うので、低血糖症ではアルドステロン値が高い場合が時々みられるそうです。アルドステロンは、Na(ナトリウム)を貯留させ、浮腫や高血圧などを生じます。
機能性低血糖のことを説明してある医師のホームページで、このことを確認できました。
機能性低血糖症と糖尿病を合併することもあるので、糖尿人も注意が必要ですね。
江部康二
2010年05月28日 (金)
お早うございます。
昨晩、NHKの 地球イチバン「地球イチバンのオリーブ天国~スペイン~」という番組で、スペイン産のオリーブオイルのお話をしていました。
スペインのオリーブオイル生産量は、世界のおよそ40%を締めるであるとか、、バージンオイルとエクストラ・バージンの違いについてなど解説していました。
これまで何度か紹介した、あらてつさんの糖質制限ドットコムで販売している、スペイン直輸入のモリドルエクストラバージンオリーブオイル、大変好評で昨年入荷分は早々に売り切れたとのことです。
そのモリドルから、今の時期限定の 初搾りエクストラバージンオリーブオイル が入荷したとのこと。
初摘・初搾りのオリーブオイルは、一年を通して、今だけしか出てこない貴重なオリーブオイルだそうです。
番組でもありましたが、オリーブオイル業界、聞くところによるといろいろと複雑で、「エクストラヴァージンオリーブオイル」といいながら、そうでないものがかなりの割合で流通しているそうです。
ですがこのモリドルオリーブオイルは、あらてつさんが直接工場まで行って「冷温圧搾・無濾過・無添加・混ざりっけ無しのエクストラヴァージンオリーブオイル」であることを確認してきました。
あらてつさん、知っている人は知っている「かなりうるさい男」ですので、工場を隅から隅まで調べて現地の人たちにおもいっきり嫌がられてきたことは、想像に難くありません。
スペインでも「うるさいぶり」を遺憾なく発揮してきたあらてつさん太鼓判のモリドルオリーブオイル、私もこのブログをご覧の糖尿人、メタボ人、ダイエッターの皆さんにお勧め致します。
以下、あらてつさんからのご案内です。
そうそう、最後にご紹介しているオリーブオイル試食会、キャンセルが出たとのことで、若干名空きができました。
私も参加するので皆さん、是非どうぞ。
江部康二
Primera extracción en frío(初搾りエクストラバージンオリーブオイル)発売開始!
オリーブオイル百年の伝統のあるシウラナ地方(スペイン北東部、カタルーニャ地方)から、初摘、初搾りのオリーブオイルが入荷しました。
年に一回、この時期だけしか販売されない大変貴重なオリーブオイルです。
Primera extracción en frío オリーブオイルは、収穫したてのオリーブを風味が損なわれないように冷温圧搾し、濾過せずそのまま瓶詰します。
なので一般的なオリーブオイルよりも色合いが濃く、オリーブ本来の香りや味わいをストレートにお楽しみいただけます。
一年を通して、今だけしか出てこない貴重なオリーブオイルです。
通常のオリーブオイルにない濃厚な味と香りをお楽しみ頂けます。
モリドル社のパトリシアさんからのメッセージを紹介します。
モリ・ドルのエクストラバージン・オリーブオイル
モリ・ドルは、私たちの地域の人々や農作業員が、黄金の液体とも呼ばれるエクストラバージン・オリーブオイルを抽出するために、一年を通じてその大地に施してきた入念な作業と手入れの結晶です。
オイル百年の伝統のあるシウラナ地方(スペイン北東部、カタルーニャ地方)では、最高のシェフや料理批評家から最も高い評価を受けている、アルベキナ種と言うオリーブオイル生産用の品種のみを使用しています。
モリ・ドルのオリーブは、木から直接採取し、フライス(オリーブを碾く作業)は、果実の自然な特性を保持するため、冷温で行われます。その優れた特性と官能特性をそのまま維持するために、モリ・ドルは、フィルタリングされていないエクストラバージン・オリーブオイルとなっています。
この製法によって密度、香り、ボディが保たれている、という、極めて例外的ともいえる評価を受けています。瓶の底に堆積物が沈降することがありますが、健康上全く無害であり、自然由来のものであることの証拠でもあります。
つまり、これは100%純粋な天然オリーブ果汁なのです。
オリーブオイルには、多くの種類と品種があります。しかしその中でも、酸性度を1°未満に保持したものだけが、エクストラバージンと呼ばれる最高ランクのカテゴリとして(EEC規則1513/2001による)最も高い評価を得ることができます。私たちは、モリ·ドルが酸性度を0.3°に抑えてこのカテゴリに入っていることを、誇りに思っています。
オリーブそのものの持つ天然成分によって、このオイルが、抗酸化成分やポリフェノール性化合物を豊富に含んでいるため、酸化を抑えたり、体の諸器官に非常に有益な効果をもたらしたりするということも、忘れてはいけません。
その複雑な香りと味わいは、料理のうま味を引き立たせることができます。フルーティーかつ丸みのある味わいがあり、収斂性が低く、バナナ、イチゴ、リンゴ、クルミ、アーモンドやアーティチョークの熟したような非常にバランスのとれた香りがします。トマトを思わせる懐かしい趣を鼻腔に感じます。そして、非常に表現力のある、すっきりとしたナッツのような後味がします。
料理に使えば、味に力を与え、個性を引き立たせます。生鮮食品(パン、サラダ、野菜など)に使用すれば、より一層の官能特性を感じることができます。オイルを加熱して使用する際も、食品がカリっとした状態で形よく保持し、オイルに含まれている脂肪酸と抗酸化物質が食品に回って安定し、ボリュームが増すことから、高温にもよく対応すると言えます。
これらすべての特性のおかげで、モリ・ドルは、最高レベルのエクストラバージン・オリーブオイルであると同時に、健康的でよく知られている地中海料理を作る際に欠かせない食品の一つとして、認められるようになりました。

数量・期間限定のモリドル初搾りエクストラバージンオリーブオイル
是非皆さんもお試しください。
詳細・ご購入はこちらから
↓ ↓ ↓
モリドル 初摘み・初搾りオリーブオイル
http://www.toushitsuseigen.com/shop/etc_oliveoil.html
昨晩、NHKの 地球イチバン「地球イチバンのオリーブ天国~スペイン~」という番組で、スペイン産のオリーブオイルのお話をしていました。
スペインのオリーブオイル生産量は、世界のおよそ40%を締めるであるとか、、バージンオイルとエクストラ・バージンの違いについてなど解説していました。
これまで何度か紹介した、あらてつさんの糖質制限ドットコムで販売している、スペイン直輸入のモリドルエクストラバージンオリーブオイル、大変好評で昨年入荷分は早々に売り切れたとのことです。
そのモリドルから、今の時期限定の 初搾りエクストラバージンオリーブオイル が入荷したとのこと。
初摘・初搾りのオリーブオイルは、一年を通して、今だけしか出てこない貴重なオリーブオイルだそうです。
番組でもありましたが、オリーブオイル業界、聞くところによるといろいろと複雑で、「エクストラヴァージンオリーブオイル」といいながら、そうでないものがかなりの割合で流通しているそうです。
ですがこのモリドルオリーブオイルは、あらてつさんが直接工場まで行って「冷温圧搾・無濾過・無添加・混ざりっけ無しのエクストラヴァージンオリーブオイル」であることを確認してきました。
あらてつさん、知っている人は知っている「かなりうるさい男」ですので、工場を隅から隅まで調べて現地の人たちにおもいっきり嫌がられてきたことは、想像に難くありません。
スペインでも「うるさいぶり」を遺憾なく発揮してきたあらてつさん太鼓判のモリドルオリーブオイル、私もこのブログをご覧の糖尿人、メタボ人、ダイエッターの皆さんにお勧め致します。
以下、あらてつさんからのご案内です。
そうそう、最後にご紹介しているオリーブオイル試食会、キャンセルが出たとのことで、若干名空きができました。
私も参加するので皆さん、是非どうぞ。
江部康二
Primera extracción en frío(初搾りエクストラバージンオリーブオイル)発売開始!
オリーブオイル百年の伝統のあるシウラナ地方(スペイン北東部、カタルーニャ地方)から、初摘、初搾りのオリーブオイルが入荷しました。
年に一回、この時期だけしか販売されない大変貴重なオリーブオイルです。
Primera extracción en frío オリーブオイルは、収穫したてのオリーブを風味が損なわれないように冷温圧搾し、濾過せずそのまま瓶詰します。
なので一般的なオリーブオイルよりも色合いが濃く、オリーブ本来の香りや味わいをストレートにお楽しみいただけます。
一年を通して、今だけしか出てこない貴重なオリーブオイルです。
通常のオリーブオイルにない濃厚な味と香りをお楽しみ頂けます。
モリドル社のパトリシアさんからのメッセージを紹介します。
モリ・ドルのエクストラバージン・オリーブオイル
モリ・ドルは、私たちの地域の人々や農作業員が、黄金の液体とも呼ばれるエクストラバージン・オリーブオイルを抽出するために、一年を通じてその大地に施してきた入念な作業と手入れの結晶です。
オイル百年の伝統のあるシウラナ地方(スペイン北東部、カタルーニャ地方)では、最高のシェフや料理批評家から最も高い評価を受けている、アルベキナ種と言うオリーブオイル生産用の品種のみを使用しています。
モリ・ドルのオリーブは、木から直接採取し、フライス(オリーブを碾く作業)は、果実の自然な特性を保持するため、冷温で行われます。その優れた特性と官能特性をそのまま維持するために、モリ・ドルは、フィルタリングされていないエクストラバージン・オリーブオイルとなっています。
この製法によって密度、香り、ボディが保たれている、という、極めて例外的ともいえる評価を受けています。瓶の底に堆積物が沈降することがありますが、健康上全く無害であり、自然由来のものであることの証拠でもあります。
つまり、これは100%純粋な天然オリーブ果汁なのです。
オリーブオイルには、多くの種類と品種があります。しかしその中でも、酸性度を1°未満に保持したものだけが、エクストラバージンと呼ばれる最高ランクのカテゴリとして(EEC規則1513/2001による)最も高い評価を得ることができます。私たちは、モリ·ドルが酸性度を0.3°に抑えてこのカテゴリに入っていることを、誇りに思っています。
オリーブそのものの持つ天然成分によって、このオイルが、抗酸化成分やポリフェノール性化合物を豊富に含んでいるため、酸化を抑えたり、体の諸器官に非常に有益な効果をもたらしたりするということも、忘れてはいけません。
その複雑な香りと味わいは、料理のうま味を引き立たせることができます。フルーティーかつ丸みのある味わいがあり、収斂性が低く、バナナ、イチゴ、リンゴ、クルミ、アーモンドやアーティチョークの熟したような非常にバランスのとれた香りがします。トマトを思わせる懐かしい趣を鼻腔に感じます。そして、非常に表現力のある、すっきりとしたナッツのような後味がします。
料理に使えば、味に力を与え、個性を引き立たせます。生鮮食品(パン、サラダ、野菜など)に使用すれば、より一層の官能特性を感じることができます。オイルを加熱して使用する際も、食品がカリっとした状態で形よく保持し、オイルに含まれている脂肪酸と抗酸化物質が食品に回って安定し、ボリュームが増すことから、高温にもよく対応すると言えます。
これらすべての特性のおかげで、モリ・ドルは、最高レベルのエクストラバージン・オリーブオイルであると同時に、健康的でよく知られている地中海料理を作る際に欠かせない食品の一つとして、認められるようになりました。

数量・期間限定のモリドル初搾りエクストラバージンオリーブオイル
是非皆さんもお試しください。
詳細・ご購入はこちらから
↓ ↓ ↓
モリドル 初摘み・初搾りオリーブオイル
http://www.toushitsuseigen.com/shop/etc_oliveoil.html
糖質制限食・ダイエット食の通信販売|糖質制限ドットコム
糖質制限ドットコムは、糖質制限食の第一人者、高雄病院、江部康二先生監修による糖質オフな食材を販売、糖質制限食に取り組む皆様をサポートします。
2010年05月27日 (木)
こんばんは。
今回は、toyomatsu さんから、糖質制限食の減量効果について、コメント・質問をいただきました。
「10/05/26 toyomatsu
購入しました
こんにちは。
「やせる食べ方」を一昨日購入しました。
夫の健康診断で中性脂肪とLDL値が去年より上昇しており、我が家でも取り入れてみようかと考え中です。
昨日、朝日放送の
「たけしの健康エンターテインメント!みんなの家庭の医学」http://asahi.co.jp/hospital/ という番組で体内時計と肥満の特集がありました。
起床から14時間~18時間が人間が一番太りやすい時間帯で、体内に脂肪が取り込まれやすいのだそうです。
ですからその時間帯に夕食をとってしまうと太ってしまうのです。
生憎わたしたちの生活リズム上どうしても起床後14時間目以降の夕食時間になってしまいます。
糖質制限をしても肥満になるんじゃないかな~と気になっています。
あと、糖質制限で玄米ご飯は食べるのを避けるべきなんでしょうか?」
toyomatsu さん。
「やせる食べ方」のご購入ありがとうございます。
糖質制限食では、玄米も避ける方がよいです。ただ、やむを得ず食べる場合は、白米より玄米がましです。
「起床から14時間~18時間が人間が一番太りやすい時間帯で、体内に脂肪が取り込まれやすいのだそうです。
ですからその時間帯に夕食をとってしまうと太ってしまうのです。」
これはあくまでも仮説ですし、3食とも主食を摂取しているひとのリズムでしょうね。
スーパー糖質制限食実践中は、食べている最中も脂肪が24時間燃え続けていて、肝臓でアミノ酸などから24時間ブドウ糖を新生しています。3食とも主食を食べている人のリズムとは異なると思います。
<肥満改善:糖質制限食VSカロリー制限・高糖質食>
①糖質制限食実践中は常に脂肪が燃えている。
②糖質制限食実践中はインスリン(肥満ホルモン)が基礎分泌以外ほとんど出ない。
③糖質制限食実践中はケトン体が尿中や呼気中に排泄され、体重減少に効果。
④糖質制限食実践中は肝臓でアミノ酸などから糖新生が行われ、大量のエネルギーを消費。
*インスリンは、明確に肥満ホルモンです。このことは、UKPDSやACCORDといった大規模疫学研究で証明されています。少なくとも同一カロリーの、脂質を摂取した場合と糖質摂取した場合を比較すれば、糖質で追加分泌インスリンが10~30倍レベル出るのに対して、脂質では追加分泌インスリンはでません。蛋白質は、極少量の追加分泌インスリンがでます。
*糖質制限食を3ヶ月~半年続けていると、心筋・骨格筋など体細胞のケトン体利用効率が高くなり、血中ケトン体が今の基準値より高値でもしっかり利用され、腎の再吸収も 高まるので尿中や呼気中に排泄されなくなります。スーパー糖質制限食実践中のケトン体値<400~1200μM/L>ていどが、人類の本来の基準値と考えられます。
一方、従来の「カロリー制限食」では、糖質を摂取するので
A 血糖値が上昇して肥満ホルモン(インスリン)がたっぷり分泌される。
B 体脂肪は燃えなくなり、血糖値が中性脂肪に変わり蓄積される。
C ケトン体は尿中に出なくなる。
D 肝臓の糖新生はストップする。
この<1、2、3、4>と<A、B、C、D>の比較をしてみれば、「糖質制限食」のほうが「インスリン・スイッチが作動するカロリー制限食」より、ダイエット効果があることがお解りいただけると思います。
すなわち、糖質を摂取すれば、<1、2、3、4>という体重減少への利点が、全て消えてしまうわけです。
<1、2、3、4>と<A、B、C、D>に関しては、摂取カロリーとは全く無関係の生理学的な事実であり、あくまでも糖質を摂取するか否かが鍵となります。
<摂取エネルギーと消費エネルギー>
単純には摂取エネルギーが消費エネルギーをを上回れば太り、下回れば痩せます。
通常のカロリー制限食(高糖質食)なら
「消費エネルギー=基礎代謝+運動エネルギー+食事誘発熱産生」で完結です。
糖質制限食なら
「消費エネルギー=基礎代謝+運動エネルギー+食事誘発熱産生」の基本に加えて、
『基礎代謝の亢進:肝臓の糖新生でエネルギーを使用』と
『尿・呼気中ケトン体でエネルギーを消失』が追加されます。
常に脂肪が燃えていることと、インスリンが基礎分泌以外ほとんどでないことも、基礎代謝の亢進に貢献するかもしれません。
このように、少なくとも同一カロリーである限りは、糖質制限食が脂肪制限食(高糖質食)よりダイエット効果が高いことは、理論的に証明できたと思います。
江部康二
今回は、toyomatsu さんから、糖質制限食の減量効果について、コメント・質問をいただきました。
「10/05/26 toyomatsu
購入しました
こんにちは。
「やせる食べ方」を一昨日購入しました。
夫の健康診断で中性脂肪とLDL値が去年より上昇しており、我が家でも取り入れてみようかと考え中です。
昨日、朝日放送の
「たけしの健康エンターテインメント!みんなの家庭の医学」http://asahi.co.jp/hospital/ という番組で体内時計と肥満の特集がありました。
起床から14時間~18時間が人間が一番太りやすい時間帯で、体内に脂肪が取り込まれやすいのだそうです。
ですからその時間帯に夕食をとってしまうと太ってしまうのです。
生憎わたしたちの生活リズム上どうしても起床後14時間目以降の夕食時間になってしまいます。
糖質制限をしても肥満になるんじゃないかな~と気になっています。
あと、糖質制限で玄米ご飯は食べるのを避けるべきなんでしょうか?」
toyomatsu さん。
「やせる食べ方」のご購入ありがとうございます。
糖質制限食では、玄米も避ける方がよいです。ただ、やむを得ず食べる場合は、白米より玄米がましです。
「起床から14時間~18時間が人間が一番太りやすい時間帯で、体内に脂肪が取り込まれやすいのだそうです。
ですからその時間帯に夕食をとってしまうと太ってしまうのです。」
これはあくまでも仮説ですし、3食とも主食を摂取しているひとのリズムでしょうね。
スーパー糖質制限食実践中は、食べている最中も脂肪が24時間燃え続けていて、肝臓でアミノ酸などから24時間ブドウ糖を新生しています。3食とも主食を食べている人のリズムとは異なると思います。
<肥満改善:糖質制限食VSカロリー制限・高糖質食>
①糖質制限食実践中は常に脂肪が燃えている。
②糖質制限食実践中はインスリン(肥満ホルモン)が基礎分泌以外ほとんど出ない。
③糖質制限食実践中はケトン体が尿中や呼気中に排泄され、体重減少に効果。
④糖質制限食実践中は肝臓でアミノ酸などから糖新生が行われ、大量のエネルギーを消費。
*インスリンは、明確に肥満ホルモンです。このことは、UKPDSやACCORDといった大規模疫学研究で証明されています。少なくとも同一カロリーの、脂質を摂取した場合と糖質摂取した場合を比較すれば、糖質で追加分泌インスリンが10~30倍レベル出るのに対して、脂質では追加分泌インスリンはでません。蛋白質は、極少量の追加分泌インスリンがでます。
*糖質制限食を3ヶ月~半年続けていると、心筋・骨格筋など体細胞のケトン体利用効率が高くなり、血中ケトン体が今の基準値より高値でもしっかり利用され、腎の再吸収も 高まるので尿中や呼気中に排泄されなくなります。スーパー糖質制限食実践中のケトン体値<400~1200μM/L>ていどが、人類の本来の基準値と考えられます。
一方、従来の「カロリー制限食」では、糖質を摂取するので
A 血糖値が上昇して肥満ホルモン(インスリン)がたっぷり分泌される。
B 体脂肪は燃えなくなり、血糖値が中性脂肪に変わり蓄積される。
C ケトン体は尿中に出なくなる。
D 肝臓の糖新生はストップする。
この<1、2、3、4>と<A、B、C、D>の比較をしてみれば、「糖質制限食」のほうが「インスリン・スイッチが作動するカロリー制限食」より、ダイエット効果があることがお解りいただけると思います。
すなわち、糖質を摂取すれば、<1、2、3、4>という体重減少への利点が、全て消えてしまうわけです。
<1、2、3、4>と<A、B、C、D>に関しては、摂取カロリーとは全く無関係の生理学的な事実であり、あくまでも糖質を摂取するか否かが鍵となります。
<摂取エネルギーと消費エネルギー>
単純には摂取エネルギーが消費エネルギーをを上回れば太り、下回れば痩せます。
通常のカロリー制限食(高糖質食)なら
「消費エネルギー=基礎代謝+運動エネルギー+食事誘発熱産生」で完結です。
糖質制限食なら
「消費エネルギー=基礎代謝+運動エネルギー+食事誘発熱産生」の基本に加えて、
『基礎代謝の亢進:肝臓の糖新生でエネルギーを使用』と
『尿・呼気中ケトン体でエネルギーを消失』が追加されます。
常に脂肪が燃えていることと、インスリンが基礎分泌以外ほとんどでないことも、基礎代謝の亢進に貢献するかもしれません。
このように、少なくとも同一カロリーである限りは、糖質制限食が脂肪制限食(高糖質食)よりダイエット効果が高いことは、理論的に証明できたと思います。
江部康二
2010年05月26日 (水)
おはようございます。
京都講演のご案内です。
東京、名古屋、長野、岐阜・・・いろいろ糖質制限食の講演を行ってきましたが、関西は久しぶりです。
6月13日(日)の大阪講演会はあっという間に満員御礼となりました。
ありがとうございました。
6月8日(火)の朝日カルチャーセンター京都の公開講座は、まだ席が空いています。
京都の皆さんのご参加をお待ちしております。
江部康二
<糖質制限食講演 公開講座>
朝日カルチャーセンター京都教室
<タイトル>
血糖値を下げる!糖質制限食
~メタボでない人の糖尿病、肥満に有効
<講師>
高雄病院理事長 江部 康二
<曜日>
2010年6月8日(火)
<時間>
10:30~12:00
<受講料 >
会員2940- 一般3465-
<朝日カルチャーセンター京都教室>
所在地 〒604-8005
京都市中京区河原町三条上ル
京都朝日会館8F
TEL 075-231-9693
FAX 075-255-4784
窓口営業時間 午前9時30分~午後6時30分
(日曜日は午後4時まで)
休館日 祝日(振替休日を含む)とお盆休み、年末年始は休館。
京都講演のご案内です。
東京、名古屋、長野、岐阜・・・いろいろ糖質制限食の講演を行ってきましたが、関西は久しぶりです。
6月13日(日)の大阪講演会はあっという間に満員御礼となりました。
ありがとうございました。
6月8日(火)の朝日カルチャーセンター京都の公開講座は、まだ席が空いています。
京都の皆さんのご参加をお待ちしております。
江部康二
<糖質制限食講演 公開講座>
朝日カルチャーセンター京都教室
<タイトル>
血糖値を下げる!糖質制限食
~メタボでない人の糖尿病、肥満に有効
<講師>
高雄病院理事長 江部 康二
<曜日>
2010年6月8日(火)
<時間>
10:30~12:00
<受講料 >
会員2940- 一般3465-
<朝日カルチャーセンター京都教室>
所在地 〒604-8005
京都市中京区河原町三条上ル
京都朝日会館8F
TEL 075-231-9693
FAX 075-255-4784
窓口営業時間 午前9時30分~午後6時30分
(日曜日は午後4時まで)
休館日 祝日(振替休日を含む)とお盆休み、年末年始は休館。
2010年05月25日 (火)
おはようございます。
やっとお天気になった京都です。
今日は、満腹感と空腹感について考えて見ます。
今回のブログは、東京都神経科学総合研究所のホームページを参考にさせていただきました。
http://www.tmin.ac.jp/medical/12/feeding1.html
東京都神経科学総合研究所のホームページによると、古典的な説では、
①血糖値の上昇
②胃壁の拡張による迷走神経刺激
①②が視床下部の満腹中枢に伝わって満腹感が生じるとされてきました。
最近はこれに加えて、
「脂肪細胞の分泌するレプチンや摂取したアミノ酸も満腹中枢に影響をあたえる。」
とか
「視床下部に摂食に関連する神経ペプチドが多種存在する。」
とか、いろいろ複雑になってきているそうです。
要するに案外、満腹感に関して、きっちり理論的に説明できているわけではないようです。
人間はともかくとして、ライオンなどの肉食獣は、血糖値が上昇しなくても満腹になりますよね。
また、牛や馬といった草食獣も、血糖値が上昇することはありませんが、満腹になります。
人類も農耕前の399万年間は、血糖値の上昇はほとんどなくて満腹しています。伝統的食生活だったころのイヌイットも4000年間、血糖値の上昇はなくても満腹しています。
そうすると、あくまでも、仮説ですが、糖質制限食実践中の人、農耕前の人類、イヌイットにおいては、
「胃壁の拡張による迷走神経刺激」と「脂肪細胞の分泌するレプチンや摂取したアミノ酸」
「視床下部に摂食に関連する神経ペプチド」などが、満腹中枢に影響を与えていたと考えられます。
「血糖値の上昇」による満腹中枢の刺激というのは、人類においては農耕以後の比較的新しいシステムと考えられます。
糖質制限食実践中の人は、農耕前の399万年間のシステムにより、満腹感を得ていると考えられます。
空腹感の発生
満腹感に比べると、空腹感が生じる仕組みは、さらにわかっていないようです。
「血糖値が上昇していない」「胃壁が弛緩している」状態は、満腹感の裏返しなのですが、それだけでは空腹感が生じるには、不十分です。
確かに機能性低血糖症では血糖値が60mg/dl以下に下がって、異常な空腹感が生じることはあると思います。
しかし、正常人では、食後しばらくすると肝臓で糖新生をして、血糖値を一定レベルに保つので血糖値が60mg/dl以下に下がることはありません。
つまり、正常人では、血糖値が90mg/dlとかあっても、通常の空腹感を生じるわけです。
東京都神経科学総合研究所のホームページによれば、
「胃壁の弛緩も空腹感を生み出す直接的な刺激にもなっていないようです。実際に、食事の後ずいぶん時間が経って胃が空になっているはずなのに、遊びや仕事に熱中していると空腹を忘れるのはよく経験することです。血糖値が上昇せず、胃壁が弛緩している状態は空腹感を生み出すために必要ですがそれだけでは十分でないようです。しかし、それまで空腹だと感じていなくても、おいしそうな匂いを嗅いだり、他人が何かを食べるのを目撃したり、さらには食べ物の話をしたり、想像しただけで突然、猛烈な食欲に襲われることがあります。したがって、食欲は空腹時に、なんらかの食物に関連した刺激が加わることによって誘導されると考えた方が正しいかもしれません。つまり、視覚、聴覚、嗅覚などを介した食物刺激や食物に関する想いが脳を刺激し、食欲を生み出すと考えられるのです。ただし、満腹の時には、このような刺激に反応しないどころか時に嫌悪感を抱くことさえあります。」
「摂食に関連する機能には脳の様々な領域が関係します。一番最初に述べた食欲(空腹感)の発現には大脳新皮質の扁桃体(好き嫌いの決定)や前頭前野(意欲の発現)が関係すると言われています。また食物刺激の受容には視床や大脳新皮質の味覚野、視覚野、聴覚野などが関わります。また摂食の際の咀嚼・嚥下には下位脳幹の運動ニューロンが関係しますし、延髄から伸びる迷走神経は胃腸の蠕動運動や消化活動を調節します。このように摂食促進作用には単に視床下部だけでなく広範囲の脳の領域が関係します。」
結局、空腹感というのはまだ仮説のようですが、ベースに「血糖値が上昇していない」「胃壁が弛緩している」という状態があって、視覚・聴覚・嗅覚などを介した様々な食物刺激や食物に対する想いが、単に視床下部だけでなく広範囲な脳の領域に影響を与えて、生じるということになりますね。
江部康二
やっとお天気になった京都です。
今日は、満腹感と空腹感について考えて見ます。
今回のブログは、東京都神経科学総合研究所のホームページを参考にさせていただきました。
http://www.tmin.ac.jp/medical/12/feeding1.html
東京都神経科学総合研究所のホームページによると、古典的な説では、
①血糖値の上昇
②胃壁の拡張による迷走神経刺激
①②が視床下部の満腹中枢に伝わって満腹感が生じるとされてきました。
最近はこれに加えて、
「脂肪細胞の分泌するレプチンや摂取したアミノ酸も満腹中枢に影響をあたえる。」
とか
「視床下部に摂食に関連する神経ペプチドが多種存在する。」
とか、いろいろ複雑になってきているそうです。
要するに案外、満腹感に関して、きっちり理論的に説明できているわけではないようです。
人間はともかくとして、ライオンなどの肉食獣は、血糖値が上昇しなくても満腹になりますよね。
また、牛や馬といった草食獣も、血糖値が上昇することはありませんが、満腹になります。
人類も農耕前の399万年間は、血糖値の上昇はほとんどなくて満腹しています。伝統的食生活だったころのイヌイットも4000年間、血糖値の上昇はなくても満腹しています。
そうすると、あくまでも、仮説ですが、糖質制限食実践中の人、農耕前の人類、イヌイットにおいては、
「胃壁の拡張による迷走神経刺激」と「脂肪細胞の分泌するレプチンや摂取したアミノ酸」
「視床下部に摂食に関連する神経ペプチド」などが、満腹中枢に影響を与えていたと考えられます。
「血糖値の上昇」による満腹中枢の刺激というのは、人類においては農耕以後の比較的新しいシステムと考えられます。
糖質制限食実践中の人は、農耕前の399万年間のシステムにより、満腹感を得ていると考えられます。
空腹感の発生
満腹感に比べると、空腹感が生じる仕組みは、さらにわかっていないようです。
「血糖値が上昇していない」「胃壁が弛緩している」状態は、満腹感の裏返しなのですが、それだけでは空腹感が生じるには、不十分です。
確かに機能性低血糖症では血糖値が60mg/dl以下に下がって、異常な空腹感が生じることはあると思います。
しかし、正常人では、食後しばらくすると肝臓で糖新生をして、血糖値を一定レベルに保つので血糖値が60mg/dl以下に下がることはありません。
つまり、正常人では、血糖値が90mg/dlとかあっても、通常の空腹感を生じるわけです。
東京都神経科学総合研究所のホームページによれば、
「胃壁の弛緩も空腹感を生み出す直接的な刺激にもなっていないようです。実際に、食事の後ずいぶん時間が経って胃が空になっているはずなのに、遊びや仕事に熱中していると空腹を忘れるのはよく経験することです。血糖値が上昇せず、胃壁が弛緩している状態は空腹感を生み出すために必要ですがそれだけでは十分でないようです。しかし、それまで空腹だと感じていなくても、おいしそうな匂いを嗅いだり、他人が何かを食べるのを目撃したり、さらには食べ物の話をしたり、想像しただけで突然、猛烈な食欲に襲われることがあります。したがって、食欲は空腹時に、なんらかの食物に関連した刺激が加わることによって誘導されると考えた方が正しいかもしれません。つまり、視覚、聴覚、嗅覚などを介した食物刺激や食物に関する想いが脳を刺激し、食欲を生み出すと考えられるのです。ただし、満腹の時には、このような刺激に反応しないどころか時に嫌悪感を抱くことさえあります。」
「摂食に関連する機能には脳の様々な領域が関係します。一番最初に述べた食欲(空腹感)の発現には大脳新皮質の扁桃体(好き嫌いの決定)や前頭前野(意欲の発現)が関係すると言われています。また食物刺激の受容には視床や大脳新皮質の味覚野、視覚野、聴覚野などが関わります。また摂食の際の咀嚼・嚥下には下位脳幹の運動ニューロンが関係しますし、延髄から伸びる迷走神経は胃腸の蠕動運動や消化活動を調節します。このように摂食促進作用には単に視床下部だけでなく広範囲の脳の領域が関係します。」
結局、空腹感というのはまだ仮説のようですが、ベースに「血糖値が上昇していない」「胃壁が弛緩している」という状態があって、視覚・聴覚・嗅覚などを介した様々な食物刺激や食物に対する想いが、単に視床下部だけでなく広範囲な脳の領域に影響を与えて、生じるということになりますね。
江部康二
2010年05月24日 (月)
こんにちは。
昨日から大雨が続いて、山陰本線が止まったり、学校も休校になったりしている京都です。
今回はren さんから、白血球数に関する興味深いコメント・質問をいただきました。
「10/05/24 ren
白血球
はじめまして。去年境界型糖尿病と診断され試行錯誤の後、先生の御著書に出会いスーパー糖質制限をはじめたものです。お蔭様ですぐに血糖値も安定し順調です。先日かかとの角質が綺麗になったとのコメントがありましたが私も同様に皮膚がしっとりしてきました。あと、20年まえからずっと健康診断でいつも白血球が2000~2500だったのが、今回はじめて3500になりました!糖質制限以外は何もしていないので、この食事による恩恵と思われます。糖質制限と白血球の増加について先生のお考えなどがございましたらお聞かせいただけませんでしょうか?
よろしくお願いいたします。」
ren さん、本のご購入そして貴重なコメントありがとうございます。
血糖値の改善とお肌しっとりも、良かったですね。
それから、20年来の白血球数2000~2500が、糖質制限食で3500になったとのこと、これは私もびっくりです。
糖尿病や肥満以外にいろんな症状が、糖質制限食で改善しますが、白血球数の回復のご報告は初めてです。
読者の皆さんで、同様の体験をされた方はおられるでしょうか?
もしおられたら、コメントいただけば幸いです。
糖質制限食で、全身の代謝・血流が改善します。このため本来持っている自然治癒力が100/100近く発揮されるようになる可能性がありますね。
白血球数が2000~2500というのはギリギリです。2000を割ってくると免疫力の低下で、肺炎などに罹りやすくなります。
2000~2500という数字は、軽度の骨髄造血機能低下があった可能性がありますが、自然治癒力の回復の一環として造血機能も回復したのでしょう。
糖質制限食で、逆流性食道炎の症状が、ほとんどの人において改善したときもびっくりでしたが、今回の白血球回復は、他にもおられるのか、興味深いですね。
現在まで、糖質制限食の治療効果が確認されている疾患は、
糖尿病
メタボリックシンドローム
肥満
高血圧
アトピー性皮膚炎
花粉症
尋常性乾癬
機能性低血糖症
逆流性食道炎
にきび
などですが、白血球減少も体験例が集まればと、楽しみですね。
江部康二
昨日から大雨が続いて、山陰本線が止まったり、学校も休校になったりしている京都です。
今回はren さんから、白血球数に関する興味深いコメント・質問をいただきました。
「10/05/24 ren
白血球
はじめまして。去年境界型糖尿病と診断され試行錯誤の後、先生の御著書に出会いスーパー糖質制限をはじめたものです。お蔭様ですぐに血糖値も安定し順調です。先日かかとの角質が綺麗になったとのコメントがありましたが私も同様に皮膚がしっとりしてきました。あと、20年まえからずっと健康診断でいつも白血球が2000~2500だったのが、今回はじめて3500になりました!糖質制限以外は何もしていないので、この食事による恩恵と思われます。糖質制限と白血球の増加について先生のお考えなどがございましたらお聞かせいただけませんでしょうか?
よろしくお願いいたします。」
ren さん、本のご購入そして貴重なコメントありがとうございます。
血糖値の改善とお肌しっとりも、良かったですね。
それから、20年来の白血球数2000~2500が、糖質制限食で3500になったとのこと、これは私もびっくりです。
糖尿病や肥満以外にいろんな症状が、糖質制限食で改善しますが、白血球数の回復のご報告は初めてです。
読者の皆さんで、同様の体験をされた方はおられるでしょうか?
もしおられたら、コメントいただけば幸いです。
糖質制限食で、全身の代謝・血流が改善します。このため本来持っている自然治癒力が100/100近く発揮されるようになる可能性がありますね。
白血球数が2000~2500というのはギリギリです。2000を割ってくると免疫力の低下で、肺炎などに罹りやすくなります。
2000~2500という数字は、軽度の骨髄造血機能低下があった可能性がありますが、自然治癒力の回復の一環として造血機能も回復したのでしょう。
糖質制限食で、逆流性食道炎の症状が、ほとんどの人において改善したときもびっくりでしたが、今回の白血球回復は、他にもおられるのか、興味深いですね。
現在まで、糖質制限食の治療効果が確認されている疾患は、
糖尿病
メタボリックシンドローム
肥満
高血圧
アトピー性皮膚炎
花粉症
尋常性乾癬
機能性低血糖症
逆流性食道炎
にきび
などですが、白血球減少も体験例が集まればと、楽しみですね。
江部康二
2010年05月24日 (月)
おはようございます。
6月13日の大阪講演会、お申込み頂いた皆さん、ありがとうございました。
早々と定員いっぱいになりましたので、申し込みを締め切らせて頂きます。
これから申しこもうと考えてらしたブログ読者の方がおられましたら済みません。
また次回、大阪で開催する時にご参加頂ければ幸甚です。
江部康二
6月13日の大阪講演会、お申込み頂いた皆さん、ありがとうございました。
早々と定員いっぱいになりましたので、申し込みを締め切らせて頂きます。
これから申しこもうと考えてらしたブログ読者の方がおられましたら済みません。
また次回、大阪で開催する時にご参加頂ければ幸甚です。
江部康二
2010年05月23日 (日)
おはようございます。
朝から大雨の京都です。
今日は、朝から釜池豊秋師匠と久しぶりにお会いして、糖質制限食についていろいろ話し合います。
さて今回は、豆腐さんから、アルコールと血糖値について、コメント・質問をいただきました。
「10/05/19 豆腐
アルコールと血糖値
先生初めまして。
私は今、スーパー糖質制限をしていますが、ちょっと疑問なことがありまして、できましたら、ご回答ください。
私はお酒が好きで、よく飲むのですが、SMBGをしてみると、糖質制限では低血糖【50以下になることもあり】になってしまうこともあります。そんな時には、がっちり糖質をとっても80程度でおさまってしまいます。
もちろん、大量にアルコールを摂取することは体に悪いことは十分わかっていますが、アルコール摂取時に、糖質を摂取し、血糖値自体が100以下の場合、それでも糖質は控えるべきなのでしょうか?すごく疑問です。」
豆腐さん。
ご指摘通り、アルコールには、血糖低下作用があります。
ただ個人差が大きいので、(A)gのアルコールが血糖値を(B)mg、低下させるというように一律にはいきません。
アルコールそのものは、1gが約7キロカロリーの燃焼エネルギーをもっていますが、摂取時の利用効率は約70%です。エネルギー源としては、<アルコール→糖質→脂質→タンパク質>の順で利用されます。
またアルコールは、糖質や脂質と違って摂取しても体重増加作用がありませんし、血糖値も上昇させませんし、ビタミンやミネラルにも乏しいので、「empty calory 」と言われています。
焼酎、ウィスキーなど蒸留酒には糖質は含まれていないので、血糖は全く上昇しません。
しかし、アルコールを摂取すると、人体に対する毒物とみなされて優先的に肝臓で分解されますので、その間、同じ補酵素を使う糖新生がブロックされてしまいます。
従って、アルコールを摂取すると結果として、肝臓の糖新生を抑制することとなります。
血中アルコール濃度が上昇している間は、糖新生はブロックされるので、個人差が大きいと思いますが、酒を飲んでいる最中は、豆腐さんのように血糖値が下がる人もいると思います。
また、一定量以上のアルコールを摂取すれば、肝臓の夜間糖新生はブロックされ、翌朝の早朝空腹時血糖値は、下がる可能性が高いです。
「アルコール摂取時に、糖質を摂取し、血糖値自体が100以下の場合、それでも糖質は控えるべきなのでしょうか?」
これだけ、はっきりしているのなら、豆腐さんの場合は、アルコール摂取時には、非摂取時より多くの糖質を食べてもいいと思います。豆腐さんは、アルコールによる血糖低下作用が大きいタイプといえます。
一方、個人差が大きいので、他のブログ読者の皆さんも一律にOKというわけには参りませんので、そこんとこ、ご注意くださいね。
最後に、お酒といえば
血糖値を上げない!「 健康おつまみ109 」(糖質制限食シリーズ) 東洋経済新報社
が、2010年5月7日(金)全国書店で一斉に発売されました。
糖質制限食シリーズ最多の109レシピ収載です。簡単にできて、美味しいと上々の評判です。
呑兵衛の皆さん、是非ご一読くださいね。
以下は、「 健康おつまみ109 」の「はじめに」と「おわりに」
です。
はじめに
いよいよ待望のおつまみレシピの出版にこぎつけました。お酒好きの私としては嬉しい限りです。「美味しく楽しく糖質制限食」がモットーですから、下戸の方には申し訳ないのですが、上戸にとっては食事とお酒はきってもきれない必需品です。糖質制限食を希望して高雄病院を受診される糖尿人、今まで通院されていた病院ではたいていお酒は禁止されています。高雄病院初診時に、「糖質制限食では糖尿人でもお酒は飲んでも構わないんですよ。」と私が説明すると、思わずおじさん(おばさま)の目が輝きます。診察が終わって退出されるときも、「本当にお酒飲んでもいいんですね。嘘ついたら泣きますよ、怒りますよ。」などとしっかり確認して帰られます。このようにほとんどの病院では糖尿人にお酒は禁止されているのが日本の現状ですが、実はエチルアルコールそのものは全く血糖値を上昇させません。ですから蒸留酒(焼酎・ウィスキー・ブランデーなど)は全く血糖値をあげません。焼酎の原料が芋でも黒糖でも麦でも米でも、製造工程の仕上げで蒸留したときに糖質はゼロとなるからです。一方、醸造酒は糖質を含んでいて血糖値を上昇させるので、糖質制限食的に注意が必要です。例えば缶ビール350mlには12~14gの糖質が含まれています。醸造酒の中でもビールが特に良くないのは、量を飲んでしまうからです。日本酒にも糖質は含まれていますが100ml中に5gくらいですのでお猪口でちょこちょこ嗜む程度なら大丈夫です。しかし2合も飲んだら糖質18gです。ワインはものにより差はありますが、赤で100ml中に1.5gの糖質で、白は2gです。レストランでグラスに注いでくれるワインが調度100mlくらいですので、こちらも嗜む程度ならOKです。最近は糖質ゼロの発泡酒や糖質ゼロの日本酒も発売されているので重宝です。糖質制限食は血糖値の改善やダイエットに効果抜群なのですが、残念ながら2~3割ぐらいの人が脱落してしまいます。脱落者のほとんどが下戸で甘党の方です。これに対して上戸の糖質制限食成功率は9割以上と思います。お酒が飲めるというアドバンデージが他のもろもろのことを遙かに上回るということです。清く正しくより美味しく楽しく糖質制限食です。従来のカロリー制限食のひもじくて味気なくてお酒もだめで我慢に我慢を一生続けるパターンに比べたら、脂ののったとろや、バターこってりのステーキも食べ放題で、お酒も飲める糖質制限食は極楽のようなものです。糖尿人・メタボ人の皆さん、是非糖質制限食ライフをお始め下さい。
おわりに
本書は私の朋友でお酒大好き人間の管理栄養士・大柳珠美さんが長年?温めてきたおつまみレシピの集大成です。大柳さんご自身が、食べながら飲みながらしっかり何度も味わって、おつまみの美味しさとお酒の相性を確認して精選した極上の一品が勢揃いしています。私は2005年以降、10冊の糖質制限食の本を、出版あるいは監修してきました。大柳さんとの共著本も2冊あります。2009年5月のNPO法人糖質制限食ネット・リボーン主催の東京講演会の前夜祭で、糖質制限食をつまみながら焼酎や赤ワインを飲みながら、「そろそろまた二人で本でもだそうか。」と盛り上がっていき、テーマは何にしようかとなり、今まで出してないものということで、すんなりおつまみレシピに決まりました。大柳さん、私が知る限り女性では3指に入る酒豪です。そのお酒とおつまみにかける情熱は半端ではありません。本書には、とてもきれいで大きな写真とわかりやすいレシピが満載です。まさに適材適所、書くべき人がしかるべき時を得て渾身の力を注ぎ込んだ珠玉の本を全国の上戸の皆さんに捧げます。
江部康二
朝から大雨の京都です。
今日は、朝から釜池豊秋師匠と久しぶりにお会いして、糖質制限食についていろいろ話し合います。
さて今回は、豆腐さんから、アルコールと血糖値について、コメント・質問をいただきました。
「10/05/19 豆腐
アルコールと血糖値
先生初めまして。
私は今、スーパー糖質制限をしていますが、ちょっと疑問なことがありまして、できましたら、ご回答ください。
私はお酒が好きで、よく飲むのですが、SMBGをしてみると、糖質制限では低血糖【50以下になることもあり】になってしまうこともあります。そんな時には、がっちり糖質をとっても80程度でおさまってしまいます。
もちろん、大量にアルコールを摂取することは体に悪いことは十分わかっていますが、アルコール摂取時に、糖質を摂取し、血糖値自体が100以下の場合、それでも糖質は控えるべきなのでしょうか?すごく疑問です。」
豆腐さん。
ご指摘通り、アルコールには、血糖低下作用があります。
ただ個人差が大きいので、(A)gのアルコールが血糖値を(B)mg、低下させるというように一律にはいきません。
アルコールそのものは、1gが約7キロカロリーの燃焼エネルギーをもっていますが、摂取時の利用効率は約70%です。エネルギー源としては、<アルコール→糖質→脂質→タンパク質>の順で利用されます。
またアルコールは、糖質や脂質と違って摂取しても体重増加作用がありませんし、血糖値も上昇させませんし、ビタミンやミネラルにも乏しいので、「empty calory 」と言われています。
焼酎、ウィスキーなど蒸留酒には糖質は含まれていないので、血糖は全く上昇しません。
しかし、アルコールを摂取すると、人体に対する毒物とみなされて優先的に肝臓で分解されますので、その間、同じ補酵素を使う糖新生がブロックされてしまいます。
従って、アルコールを摂取すると結果として、肝臓の糖新生を抑制することとなります。
血中アルコール濃度が上昇している間は、糖新生はブロックされるので、個人差が大きいと思いますが、酒を飲んでいる最中は、豆腐さんのように血糖値が下がる人もいると思います。
また、一定量以上のアルコールを摂取すれば、肝臓の夜間糖新生はブロックされ、翌朝の早朝空腹時血糖値は、下がる可能性が高いです。
「アルコール摂取時に、糖質を摂取し、血糖値自体が100以下の場合、それでも糖質は控えるべきなのでしょうか?」
これだけ、はっきりしているのなら、豆腐さんの場合は、アルコール摂取時には、非摂取時より多くの糖質を食べてもいいと思います。豆腐さんは、アルコールによる血糖低下作用が大きいタイプといえます。
一方、個人差が大きいので、他のブログ読者の皆さんも一律にOKというわけには参りませんので、そこんとこ、ご注意くださいね。
最後に、お酒といえば
血糖値を上げない!「 健康おつまみ109 」(糖質制限食シリーズ) 東洋経済新報社
が、2010年5月7日(金)全国書店で一斉に発売されました。
糖質制限食シリーズ最多の109レシピ収載です。簡単にできて、美味しいと上々の評判です。
呑兵衛の皆さん、是非ご一読くださいね。
以下は、「 健康おつまみ109 」の「はじめに」と「おわりに」
です。
はじめに
いよいよ待望のおつまみレシピの出版にこぎつけました。お酒好きの私としては嬉しい限りです。「美味しく楽しく糖質制限食」がモットーですから、下戸の方には申し訳ないのですが、上戸にとっては食事とお酒はきってもきれない必需品です。糖質制限食を希望して高雄病院を受診される糖尿人、今まで通院されていた病院ではたいていお酒は禁止されています。高雄病院初診時に、「糖質制限食では糖尿人でもお酒は飲んでも構わないんですよ。」と私が説明すると、思わずおじさん(おばさま)の目が輝きます。診察が終わって退出されるときも、「本当にお酒飲んでもいいんですね。嘘ついたら泣きますよ、怒りますよ。」などとしっかり確認して帰られます。このようにほとんどの病院では糖尿人にお酒は禁止されているのが日本の現状ですが、実はエチルアルコールそのものは全く血糖値を上昇させません。ですから蒸留酒(焼酎・ウィスキー・ブランデーなど)は全く血糖値をあげません。焼酎の原料が芋でも黒糖でも麦でも米でも、製造工程の仕上げで蒸留したときに糖質はゼロとなるからです。一方、醸造酒は糖質を含んでいて血糖値を上昇させるので、糖質制限食的に注意が必要です。例えば缶ビール350mlには12~14gの糖質が含まれています。醸造酒の中でもビールが特に良くないのは、量を飲んでしまうからです。日本酒にも糖質は含まれていますが100ml中に5gくらいですのでお猪口でちょこちょこ嗜む程度なら大丈夫です。しかし2合も飲んだら糖質18gです。ワインはものにより差はありますが、赤で100ml中に1.5gの糖質で、白は2gです。レストランでグラスに注いでくれるワインが調度100mlくらいですので、こちらも嗜む程度ならOKです。最近は糖質ゼロの発泡酒や糖質ゼロの日本酒も発売されているので重宝です。糖質制限食は血糖値の改善やダイエットに効果抜群なのですが、残念ながら2~3割ぐらいの人が脱落してしまいます。脱落者のほとんどが下戸で甘党の方です。これに対して上戸の糖質制限食成功率は9割以上と思います。お酒が飲めるというアドバンデージが他のもろもろのことを遙かに上回るということです。清く正しくより美味しく楽しく糖質制限食です。従来のカロリー制限食のひもじくて味気なくてお酒もだめで我慢に我慢を一生続けるパターンに比べたら、脂ののったとろや、バターこってりのステーキも食べ放題で、お酒も飲める糖質制限食は極楽のようなものです。糖尿人・メタボ人の皆さん、是非糖質制限食ライフをお始め下さい。
おわりに
本書は私の朋友でお酒大好き人間の管理栄養士・大柳珠美さんが長年?温めてきたおつまみレシピの集大成です。大柳さんご自身が、食べながら飲みながらしっかり何度も味わって、おつまみの美味しさとお酒の相性を確認して精選した極上の一品が勢揃いしています。私は2005年以降、10冊の糖質制限食の本を、出版あるいは監修してきました。大柳さんとの共著本も2冊あります。2009年5月のNPO法人糖質制限食ネット・リボーン主催の東京講演会の前夜祭で、糖質制限食をつまみながら焼酎や赤ワインを飲みながら、「そろそろまた二人で本でもだそうか。」と盛り上がっていき、テーマは何にしようかとなり、今まで出してないものということで、すんなりおつまみレシピに決まりました。大柳さん、私が知る限り女性では3指に入る酒豪です。そのお酒とおつまみにかける情熱は半端ではありません。本書には、とてもきれいで大きな写真とわかりやすいレシピが満載です。まさに適材適所、書くべき人がしかるべき時を得て渾身の力を注ぎ込んだ珠玉の本を全国の上戸の皆さんに捧げます。
江部康二
2010年05月22日 (土)
おはようございます。
今回は、きなこさんから
アトピーと糖質制限食について、コメント・質問をいただきました。
「10/05/21 きなこ
アトピーと糖質制限食について
こんにちは。先日、本屋で江部先生の本に出逢い、糖質制限食に関心を持ちました。
ダイエットというよりも、私は子供の頃からアトピーで悩み続けて、現在30才です。色々な事を試してきましたが、良くならず、ここ2・3年は夏でも半袖になった事がありません。あきらめていた時に本に出逢い、本当に嬉しくて、糖質制限食がアトピー改善にもなると書いてありましたので、私も2日前から始めました。
アトピー改善という点で、気をつける事、より効果的な事など、アドバイスお願い致します。
また個人差があるとは思いますが、どれくらいの期間で、改善してくるのでしょうか?
よろしくお願い致します。」
きなこさん。
本のご購入ありがとうございます。
高雄病院では、1978年以来、長年アトピー性皮膚炎の患者さんを診察してきました。入院治療したアトピー患者さんの総数は、おそらく世界有数レベルだと思います。また、外来治療してきたアトピー患者さんの総数も同様です。
その中で、高雄病院方式といえる治療法が確立していきました。症状の改善率や根本的に治る率も、世界有数レベルと自負しています。
高雄病院のアトピー治療は、世界標準のガイドライン(ステロイド外用薬+プロトピック軟膏+保湿剤+抗アレルギー剤)に加えて、漢方薬治療と食事療法が特徴となります。ちなみに、漢方生薬の処方量は長年、日本一です。
食事療法は、当初は玄米魚菜食が中心でした。
1999年に私の兄、江部洋一郎現名誉院長が糖質制限食を高雄病院に導入しました。
2001年からは、病院全体で糖質制限食に取り組みました。
アトピー患者さん、糖尿病患者さんともに高雄病院に入院しておられますので、玄米魚菜食と糖質制限食もともに供給されています。
入院中、糖質制限食をみて興味をもったアトピー患者さんが退院後、自分で糖質制限食を実践される場合もあり、ほとんどが良好な結果を得ています。
おじいちゃんが糖尿人で糖質制限食をしているのをみて、アトピーの小学生のお孫さんが、真似をして夕食だけのプチ糖質制限食をしたところ、著明に改善した例もあります。
またブログ読者の方で、「糖尿病+アトピー」があり、糖尿病のために糖質制限食を実践したところ、長年の乾燥肌が改善しアトピーもよくなった例もあります。
糖質制限食実践により、全身の血流と代謝が良くなりますので、多くの場合、乾燥肌が改善してきます。だいたい、1~3ヶ月で効果があることが多いです。
私自身アトピーではないのですが、乾燥肌が改善し、にきび・吹き出物がほとんどでなくなりました。
勿論個人差はあります。
また食事療法単独ではなくて、世界標準のアトピー治療も併用する方が、より速くコントロール良好になると思いますよ。
江部康二
今回は、きなこさんから
アトピーと糖質制限食について、コメント・質問をいただきました。
「10/05/21 きなこ
アトピーと糖質制限食について
こんにちは。先日、本屋で江部先生の本に出逢い、糖質制限食に関心を持ちました。
ダイエットというよりも、私は子供の頃からアトピーで悩み続けて、現在30才です。色々な事を試してきましたが、良くならず、ここ2・3年は夏でも半袖になった事がありません。あきらめていた時に本に出逢い、本当に嬉しくて、糖質制限食がアトピー改善にもなると書いてありましたので、私も2日前から始めました。
アトピー改善という点で、気をつける事、より効果的な事など、アドバイスお願い致します。
また個人差があるとは思いますが、どれくらいの期間で、改善してくるのでしょうか?
よろしくお願い致します。」
きなこさん。
本のご購入ありがとうございます。
高雄病院では、1978年以来、長年アトピー性皮膚炎の患者さんを診察してきました。入院治療したアトピー患者さんの総数は、おそらく世界有数レベルだと思います。また、外来治療してきたアトピー患者さんの総数も同様です。
その中で、高雄病院方式といえる治療法が確立していきました。症状の改善率や根本的に治る率も、世界有数レベルと自負しています。
高雄病院のアトピー治療は、世界標準のガイドライン(ステロイド外用薬+プロトピック軟膏+保湿剤+抗アレルギー剤)に加えて、漢方薬治療と食事療法が特徴となります。ちなみに、漢方生薬の処方量は長年、日本一です。
食事療法は、当初は玄米魚菜食が中心でした。
1999年に私の兄、江部洋一郎現名誉院長が糖質制限食を高雄病院に導入しました。
2001年からは、病院全体で糖質制限食に取り組みました。
アトピー患者さん、糖尿病患者さんともに高雄病院に入院しておられますので、玄米魚菜食と糖質制限食もともに供給されています。
入院中、糖質制限食をみて興味をもったアトピー患者さんが退院後、自分で糖質制限食を実践される場合もあり、ほとんどが良好な結果を得ています。
おじいちゃんが糖尿人で糖質制限食をしているのをみて、アトピーの小学生のお孫さんが、真似をして夕食だけのプチ糖質制限食をしたところ、著明に改善した例もあります。
またブログ読者の方で、「糖尿病+アトピー」があり、糖尿病のために糖質制限食を実践したところ、長年の乾燥肌が改善しアトピーもよくなった例もあります。
糖質制限食実践により、全身の血流と代謝が良くなりますので、多くの場合、乾燥肌が改善してきます。だいたい、1~3ヶ月で効果があることが多いです。
私自身アトピーではないのですが、乾燥肌が改善し、にきび・吹き出物がほとんどでなくなりました。
勿論個人差はあります。
また食事療法単独ではなくて、世界標準のアトピー治療も併用する方が、より速くコントロール良好になると思いますよ。
江部康二
2010年05月21日 (金)
こんにちは。
今回はやや難しいのですが、AMPキナーゼと血糖値について、ねぷたさんから、コメント・質問をいただきました。
「10/05/19 ねぷた
AMPキナーゼ
江部先生、初めまして 初めての投稿です。
宜しくお願いします
先日、再放送なのですが、NHKためして ガッテンで 放映されてた (AMPキナーゼ) と、いう たんぱく質の酵素が、血糖値を下げる 働きをする とのことでした。血糖値を下げるのは、唯一インスリンのみだと 思ってましたが 他にもあるのですね・・・。自分も糖尿病を 患っており、入院がてら 先生の(主食を抜けば糖尿病は良くなる!)本を購入し、大変参考になりました。自分が通ってる 某大学病院では、主治医は否定的でしたけどw
それでも、めげずに 退院した今も継続中です
この、ブログを見るのも 日課となっています。
是非、AMPキナーゼについて、先生のご意見お聞かせください。よろしくお願いします。」 <早くインスリンやめたい ねぷたよりw>
ねぷたさん。
本のご購入ありがとうございます。
血糖値を下げる唯一のホルモンがインスリンです。
まだ仮説だと思いますが、ラットの実験では、AMPキナーゼは、運動による筋収縮により活性化されます。AMPキナーゼが活性化すると、筋肉細胞内に沈んでいた糖輸送体4(GLUT4)が細胞表面に移動して、ブドウ糖を取り込むようになります。
運動とAMPキナーゼによるGLUT4の細胞表面への移動は、インスリン作用とは無関係です。
即ちインスリンによるGLUT4の細胞表面への移動とは、全く別の作用機序で生じる現象です。
このことを考慮すると、インスリン抵抗性(インスリンの効きが悪い状態)がある糖尿人においても、運動により血糖値を下げうるということになります。
まだラットの段階ですが、将来的にAMPキナーゼを活性化させる薬剤が開発されれば、運動しなくても血糖値を下げる新薬への発展が期待できますね。
まあ薬に頼るより、運動すればいいわけですが、膝や腰が痛くて運動できない糖尿人には朗報となるやもしれませんね。
江部康二
今回はやや難しいのですが、AMPキナーゼと血糖値について、ねぷたさんから、コメント・質問をいただきました。
「10/05/19 ねぷた
AMPキナーゼ
江部先生、初めまして 初めての投稿です。
宜しくお願いします
先日、再放送なのですが、NHKためして ガッテンで 放映されてた (AMPキナーゼ) と、いう たんぱく質の酵素が、血糖値を下げる 働きをする とのことでした。血糖値を下げるのは、唯一インスリンのみだと 思ってましたが 他にもあるのですね・・・。自分も糖尿病を 患っており、入院がてら 先生の(主食を抜けば糖尿病は良くなる!)本を購入し、大変参考になりました。自分が通ってる 某大学病院では、主治医は否定的でしたけどw
それでも、めげずに 退院した今も継続中です
この、ブログを見るのも 日課となっています。
是非、AMPキナーゼについて、先生のご意見お聞かせください。よろしくお願いします。」 <早くインスリンやめたい ねぷたよりw>
ねぷたさん。
本のご購入ありがとうございます。
血糖値を下げる唯一のホルモンがインスリンです。
まだ仮説だと思いますが、ラットの実験では、AMPキナーゼは、運動による筋収縮により活性化されます。AMPキナーゼが活性化すると、筋肉細胞内に沈んでいた糖輸送体4(GLUT4)が細胞表面に移動して、ブドウ糖を取り込むようになります。
運動とAMPキナーゼによるGLUT4の細胞表面への移動は、インスリン作用とは無関係です。
即ちインスリンによるGLUT4の細胞表面への移動とは、全く別の作用機序で生じる現象です。
このことを考慮すると、インスリン抵抗性(インスリンの効きが悪い状態)がある糖尿人においても、運動により血糖値を下げうるということになります。
まだラットの段階ですが、将来的にAMPキナーゼを活性化させる薬剤が開発されれば、運動しなくても血糖値を下げる新薬への発展が期待できますね。
まあ薬に頼るより、運動すればいいわけですが、膝や腰が痛くて運動できない糖尿人には朗報となるやもしれませんね。
江部康二
2010年05月20日 (木)
こんばんは。
炭水化物依存症と糖質制限食について、きょうこさんとまからさんから、コメント・質問をいただきました。
炭水化物依存症、日本ではあまり聞き慣れない言葉ですが、米国では市民権を得ているようです。
一方、本ブログでも、炭水化物依存症に関するコメントを時々いただくようになってきてます。
「10/05/13 きょうこ
炭水化物依存症でしょうか?
「糖質制限食」でダイエットに成功した人の話を聞いて、遅まきながら「やせる食べ方」を早速購入。読ませていただきました。
専門的知識がない私でも内容はよく理解でき、説得力がありました。これまで、カロリー制限のダイエットを何度も試みましたが、たいした効果は得られませんでしたが、それは、カロリー制限をするほど、1日に食べる量のなかで炭水化物の占める割合が高くなることが多かったためだと合点。また私は血糖値を計ったことはないものの、食べないと血糖値が下がったような感じになり、何か食べたくなるので、血糖値の安定がダイエットの鍵という気がして、本を読んだ翌日から「糖質制限」スーパーを始めたところです。今日でまだ2日めですが、ご飯を食べないのは満足感がなく、想像以上につらく、食後ほどなくお腹が減ってたまりません。ナッツやチーズをつまんでしまい、始める前よりカロリー的にはオーバーしているように思います。これは、まさに炭水化物依存症という状態でしょうか?
また、炭水化物依存症の場合、ただ数日我慢して解消されるのを待つほかないのでしょうか?
炭水化物依存症の場合に、糖質制限食を成功させるコツなどがありましたら、教えてください。
初心者の質問で恐縮ながら、ブログをさかのぼって拝見しても、同様のものが見つからなかったので、投稿させていただきました。
どうぞ、よろしくお願いします。」
「10/05/19 まから
タイトルなし
はじめまして。まからと申します。
現在、産後2ケ月です。フィットネスインストラクターをしていまして、復帰に向けボディメイクを!と奮闘していたところ、先生の本に出会いました。
今まで色々な方の本を読んできましたが、先生の内容にピンと来るものがあり、1週間前から実践しています。(スーパーに近いように)
もともと食いしん坊で、食べることが大好きなんですが、イライラすると食に走る事が多いんです。
特に炭水化物に・・・・・。
この1週間、量は食べていたものの、今までびくともしなかった体重に動きがあり「やった~」と思っていました。
ところが、育児疲れで甘いものをちょっと口にしたら火がついてしましました(T_T)
たんぱく質系も糖質もガッツリ(@_@;)。
あっというまに体重が戻ってしまったのですが、これは通常のリバウンド状態と同じなんでしょうか?
よくよく考えてみると、我が家の家系は祖父は糖尿で亡くなり、祖母系列にも糖尿の方がいて
父親も最近、糖尿かもと言われたらしいのです。
なので、私もその血を引いているので、今後も続けて行きたいと思います!
復帰は遅くて10月。トレーニングもそろそろはじめ、産前より、体力&体型ともにパワーアップをはかりたいと思います!
糖質制限食でアドバイスがありましたら、宜しくお願いします!!」
きょうこさん、まからさん。
本のご購入ありがとうございます。
お二人とも糖尿人ではないですよね。
スーパー糖質制限食を始めてから、いらいらしたり、異常な空腹感がでたり、精神的に不安定になる人は、時におられます。そのほとんどが、いわゆる<炭水化物依存症>の人です。
炭水化物依存症というのは日本では聞き慣れない言葉ですが、米国では定着していて本まで出版されています。
①食べることばかり考える。
②食事で満足感が得られない。食後2~3時間でまた何か食べたくなる。
③疲労感が常にある。
④原因不明の不安や怒りを覚えることがある。
⑤感情が高ぶりやすい。
⑥肥満がある。
リチャード・ヘラー&レイチェル・ヘラー著の「低炭水化物ダイエット」(ネコ・パブリッシング)によれば、炭水化物依存症の人には、上記①~⑥がよくみられ、高インスリン血症を伴うことが多いそうです。
今まで、糖質を頻回・大量に食べていた人は、程度の差はありますが、炭水化物依存症の可能性があります。
このような人は、起きているときは、常に外部から糖質が摂取されて血中に入り血糖値に変わるので、肝臓が糖新生をするのは、夜中寝ているときくらいです。
寝る前に夜食のラーメンとか食べたら、夜中に寝ている時も血糖値が上がり、肝臓の糖新生は明け方くらいしか働きませんので、24時間のうち、肝臓の糖新生はわずか3~4時間だけです。これでは、肝臓の糖新生能力が衰えてしまいます。
この炭水化物依存症で衰えてしまった肝臓の糖新生能力が、本来の力を取り戻すまでの期間に個人差があるわけです。数日の人、1ヶ月の人、まれにはは2~3ヶ月かかる人・・・
肝臓の糖新生能力が、極度に衰えている人がいきなり、スーパー糖質制限食を行えば、低血糖になる可能性もありえますが、このようなケースはさすがにまれと思います。
糖尿人でない人が精製炭水化物を摂取すれば、そのたびにグルコースミニスパイクを生じます。空腹時血糖値が80~100mgくらいでも、食後ミニスパイクで140~170mgに血糖値が上昇すればセロトニンなどの快感物質が放出されるようです。
糖質制限食でミニスパイクがなくなれば、セロトニンの分泌もなくなるので、低血糖にはならなくても快感が減るので、精神的に不快に感じる可能性はあると思います。
最終的には慣れるしかないのですが、まずは、プチ或いはスタンダード糖質制限食くらいから始める選択肢もあります。つまり、1日2回(例えば朝昼食)は少量の主食を摂取して、夕食は糖質制限食。あるいは1日1回(例えば昼食)は少量の主食を摂取して、朝・夕は糖質制限食。さらにゆるく、主食を3食とも1/3くらいにする方法もあります。
1~2ヶ月で慣れることが多いです。一方、炭水化物依存症は、ニコチン中毒とよく似ているという説もありますので、それなりの覚悟はいるかもしれませんね。
なお、糖質制限食実践中の人は、24時間常に肝臓で糖新生が行われています。インスリン基礎分泌が、肝臓がブドウ糖をつくりすぎないようにコントロールしているわけです。人類が農耕前の狩猟・採集生活だったころも同様のパターンだったと考えられます。
江部康二
炭水化物依存症と糖質制限食について、きょうこさんとまからさんから、コメント・質問をいただきました。
炭水化物依存症、日本ではあまり聞き慣れない言葉ですが、米国では市民権を得ているようです。
一方、本ブログでも、炭水化物依存症に関するコメントを時々いただくようになってきてます。
「10/05/13 きょうこ
炭水化物依存症でしょうか?
「糖質制限食」でダイエットに成功した人の話を聞いて、遅まきながら「やせる食べ方」を早速購入。読ませていただきました。
専門的知識がない私でも内容はよく理解でき、説得力がありました。これまで、カロリー制限のダイエットを何度も試みましたが、たいした効果は得られませんでしたが、それは、カロリー制限をするほど、1日に食べる量のなかで炭水化物の占める割合が高くなることが多かったためだと合点。また私は血糖値を計ったことはないものの、食べないと血糖値が下がったような感じになり、何か食べたくなるので、血糖値の安定がダイエットの鍵という気がして、本を読んだ翌日から「糖質制限」スーパーを始めたところです。今日でまだ2日めですが、ご飯を食べないのは満足感がなく、想像以上につらく、食後ほどなくお腹が減ってたまりません。ナッツやチーズをつまんでしまい、始める前よりカロリー的にはオーバーしているように思います。これは、まさに炭水化物依存症という状態でしょうか?
また、炭水化物依存症の場合、ただ数日我慢して解消されるのを待つほかないのでしょうか?
炭水化物依存症の場合に、糖質制限食を成功させるコツなどがありましたら、教えてください。
初心者の質問で恐縮ながら、ブログをさかのぼって拝見しても、同様のものが見つからなかったので、投稿させていただきました。
どうぞ、よろしくお願いします。」
「10/05/19 まから
タイトルなし
はじめまして。まからと申します。
現在、産後2ケ月です。フィットネスインストラクターをしていまして、復帰に向けボディメイクを!と奮闘していたところ、先生の本に出会いました。
今まで色々な方の本を読んできましたが、先生の内容にピンと来るものがあり、1週間前から実践しています。(スーパーに近いように)
もともと食いしん坊で、食べることが大好きなんですが、イライラすると食に走る事が多いんです。
特に炭水化物に・・・・・。
この1週間、量は食べていたものの、今までびくともしなかった体重に動きがあり「やった~」と思っていました。
ところが、育児疲れで甘いものをちょっと口にしたら火がついてしましました(T_T)
たんぱく質系も糖質もガッツリ(@_@;)。
あっというまに体重が戻ってしまったのですが、これは通常のリバウンド状態と同じなんでしょうか?
よくよく考えてみると、我が家の家系は祖父は糖尿で亡くなり、祖母系列にも糖尿の方がいて
父親も最近、糖尿かもと言われたらしいのです。
なので、私もその血を引いているので、今後も続けて行きたいと思います!
復帰は遅くて10月。トレーニングもそろそろはじめ、産前より、体力&体型ともにパワーアップをはかりたいと思います!
糖質制限食でアドバイスがありましたら、宜しくお願いします!!」
きょうこさん、まからさん。
本のご購入ありがとうございます。
お二人とも糖尿人ではないですよね。
スーパー糖質制限食を始めてから、いらいらしたり、異常な空腹感がでたり、精神的に不安定になる人は、時におられます。そのほとんどが、いわゆる<炭水化物依存症>の人です。
炭水化物依存症というのは日本では聞き慣れない言葉ですが、米国では定着していて本まで出版されています。
①食べることばかり考える。
②食事で満足感が得られない。食後2~3時間でまた何か食べたくなる。
③疲労感が常にある。
④原因不明の不安や怒りを覚えることがある。
⑤感情が高ぶりやすい。
⑥肥満がある。
リチャード・ヘラー&レイチェル・ヘラー著の「低炭水化物ダイエット」(ネコ・パブリッシング)によれば、炭水化物依存症の人には、上記①~⑥がよくみられ、高インスリン血症を伴うことが多いそうです。
今まで、糖質を頻回・大量に食べていた人は、程度の差はありますが、炭水化物依存症の可能性があります。
このような人は、起きているときは、常に外部から糖質が摂取されて血中に入り血糖値に変わるので、肝臓が糖新生をするのは、夜中寝ているときくらいです。
寝る前に夜食のラーメンとか食べたら、夜中に寝ている時も血糖値が上がり、肝臓の糖新生は明け方くらいしか働きませんので、24時間のうち、肝臓の糖新生はわずか3~4時間だけです。これでは、肝臓の糖新生能力が衰えてしまいます。
この炭水化物依存症で衰えてしまった肝臓の糖新生能力が、本来の力を取り戻すまでの期間に個人差があるわけです。数日の人、1ヶ月の人、まれにはは2~3ヶ月かかる人・・・
肝臓の糖新生能力が、極度に衰えている人がいきなり、スーパー糖質制限食を行えば、低血糖になる可能性もありえますが、このようなケースはさすがにまれと思います。
糖尿人でない人が精製炭水化物を摂取すれば、そのたびにグルコースミニスパイクを生じます。空腹時血糖値が80~100mgくらいでも、食後ミニスパイクで140~170mgに血糖値が上昇すればセロトニンなどの快感物質が放出されるようです。
糖質制限食でミニスパイクがなくなれば、セロトニンの分泌もなくなるので、低血糖にはならなくても快感が減るので、精神的に不快に感じる可能性はあると思います。
最終的には慣れるしかないのですが、まずは、プチ或いはスタンダード糖質制限食くらいから始める選択肢もあります。つまり、1日2回(例えば朝昼食)は少量の主食を摂取して、夕食は糖質制限食。あるいは1日1回(例えば昼食)は少量の主食を摂取して、朝・夕は糖質制限食。さらにゆるく、主食を3食とも1/3くらいにする方法もあります。
1~2ヶ月で慣れることが多いです。一方、炭水化物依存症は、ニコチン中毒とよく似ているという説もありますので、それなりの覚悟はいるかもしれませんね。
なお、糖質制限食実践中の人は、24時間常に肝臓で糖新生が行われています。インスリン基礎分泌が、肝臓がブドウ糖をつくりすぎないようにコントロールしているわけです。人類が農耕前の狩猟・採集生活だったころも同様のパターンだったと考えられます。
江部康二
2010年05月19日 (水)
おはようございます。
昨夜半から、雨がしょぼしょぼ降り続けている京都です。
今年はなんだか雨が多いですね。
さて今回は、saya さんから、健常者と食後血糖値について、コメント・質問をいただきました。
「10/05/14 saya
質問させてください
先生こんにちは。
久しぶりに、『主食を抜けば糖尿病は良くなる』実践編 を読み返していましたら、健常者が白米を食べた場合の血糖値の図が載っておりまして、 ピーク時が170程度になっていました。
一般的に健常者の血糖値のピークは140をまず超えないという風に言われていることと違っていて疑問です。
実際のところ、140を超えるようだと既に 糖代謝異常があるのでしょうか?
それとも、正常でも白米のような精製穀物だと170ぐらいいってしまうのでしょうか?
お忙しいところ恐縮ですが、教えてください。」
sayaさん。
コメントそして『主食を抜けば糖尿病は良くなる』実践編のご購入、ありがとうございます。
健常者の定義が案外難しいのですが、『主食を抜けば糖尿病は良くなる』実践編、83ページの白米と焼き肉摂取後の血糖値変化図は、鎌倉女子大の成瀬宇平先生の研究データで 、健常者のものです。
日本糖尿病学会の75gブドウ糖負荷試験による定義によると、食後血糖値に関しては
2時間値で200mg/dlを超えれば糖尿病型
2時間値で140mg/dl未満なら正常型
どちらでもなければ境界型と診断されます。
この診断基準なら、
1時間値が200mg/dlを超えていても
2時間値が140mg/dl未満なら正常型となります。
一方正常型に属していても、
1時間値が180mg/dlを超えていると将来糖尿病型に移行しやすいことがわかっています。
言い換えれば、
1時間値が180mg/dl未満の人は、将来糖尿病型に移行しにくいわけです。
1時間値が140mg/dl未満なら、さらに将来糖尿病型に移行する可能性は減るわけです。
ともあれ、ブドウ糖負荷試験まで行って、正常型と診断された人でも、糖質を一人前摂取して1時間後の血糖値は、
140mg/dl未満、優
180mg/dl未満、良
180mg/dl以上、可
と三種類に分類できることになりますね。
可の人は、正常型といいながらも、すでにやや問題と言えます。
それから課題がもう一つあります。
それは年齢を経るに従って、空腹時血糖値の平均値が上昇していくことです。
20才の平均血糖値と50才の平均血糖値を比較すれば、明らかに50才の方が高値となります。60才では、もっと高値になります。
つまり、現行の正常値と称する基準は、年齢が考慮されていないので、おおいに問題があるのです。
例えば、空腹時血糖値108mg/dlで正常と診断されたとしても、50才、60才、70才の人は喜んでいいけれど、20才、30才の人は同年代の平均値より明らかに高値であり、すでに危ない状態なわけです。
食後の血糖値も、やはり年齢が多くなるほど、高値となりやすいと思います。
10代、20代くらいまでは白ご飯1膳(150g)を摂取しても、食後1時間血糖値は140mg/dlを超えない人が多いと思います。
一方、40代、50代になると白ご飯1膳(150g)を摂取すれば、食後1時間血糖値は160~170mg/dlに上昇する人が多いと思います。
勿論、40代、50代でも食後1時間血糖値が140mg/dlを超えない人もいると思います。
ということで、正常値の定義は、案外、難しいといえますね。
少なくとも年齢的な配慮をした基準値が必要と思います。
江部康二
昨夜半から、雨がしょぼしょぼ降り続けている京都です。
今年はなんだか雨が多いですね。
さて今回は、saya さんから、健常者と食後血糖値について、コメント・質問をいただきました。
「10/05/14 saya
質問させてください
先生こんにちは。
久しぶりに、『主食を抜けば糖尿病は良くなる』実践編 を読み返していましたら、健常者が白米を食べた場合の血糖値の図が載っておりまして、 ピーク時が170程度になっていました。
一般的に健常者の血糖値のピークは140をまず超えないという風に言われていることと違っていて疑問です。
実際のところ、140を超えるようだと既に 糖代謝異常があるのでしょうか?
それとも、正常でも白米のような精製穀物だと170ぐらいいってしまうのでしょうか?
お忙しいところ恐縮ですが、教えてください。」
sayaさん。
コメントそして『主食を抜けば糖尿病は良くなる』実践編のご購入、ありがとうございます。
健常者の定義が案外難しいのですが、『主食を抜けば糖尿病は良くなる』実践編、83ページの白米と焼き肉摂取後の血糖値変化図は、鎌倉女子大の成瀬宇平先生の研究データで 、健常者のものです。
日本糖尿病学会の75gブドウ糖負荷試験による定義によると、食後血糖値に関しては
2時間値で200mg/dlを超えれば糖尿病型
2時間値で140mg/dl未満なら正常型
どちらでもなければ境界型と診断されます。
この診断基準なら、
1時間値が200mg/dlを超えていても
2時間値が140mg/dl未満なら正常型となります。
一方正常型に属していても、
1時間値が180mg/dlを超えていると将来糖尿病型に移行しやすいことがわかっています。
言い換えれば、
1時間値が180mg/dl未満の人は、将来糖尿病型に移行しにくいわけです。
1時間値が140mg/dl未満なら、さらに将来糖尿病型に移行する可能性は減るわけです。
ともあれ、ブドウ糖負荷試験まで行って、正常型と診断された人でも、糖質を一人前摂取して1時間後の血糖値は、
140mg/dl未満、優
180mg/dl未満、良
180mg/dl以上、可
と三種類に分類できることになりますね。
可の人は、正常型といいながらも、すでにやや問題と言えます。
それから課題がもう一つあります。
それは年齢を経るに従って、空腹時血糖値の平均値が上昇していくことです。
20才の平均血糖値と50才の平均血糖値を比較すれば、明らかに50才の方が高値となります。60才では、もっと高値になります。
つまり、現行の正常値と称する基準は、年齢が考慮されていないので、おおいに問題があるのです。
例えば、空腹時血糖値108mg/dlで正常と診断されたとしても、50才、60才、70才の人は喜んでいいけれど、20才、30才の人は同年代の平均値より明らかに高値であり、すでに危ない状態なわけです。
食後の血糖値も、やはり年齢が多くなるほど、高値となりやすいと思います。
10代、20代くらいまでは白ご飯1膳(150g)を摂取しても、食後1時間血糖値は140mg/dlを超えない人が多いと思います。
一方、40代、50代になると白ご飯1膳(150g)を摂取すれば、食後1時間血糖値は160~170mg/dlに上昇する人が多いと思います。
勿論、40代、50代でも食後1時間血糖値が140mg/dlを超えない人もいると思います。
ということで、正常値の定義は、案外、難しいといえますね。
少なくとも年齢的な配慮をした基準値が必要と思います。
江部康二
2010年05月18日 (火)
おはようございます。
今回は、ゆんさんから、糖質制限食と体重減少について、コメント・質問をいただきました。
「10/05/13 ゆん
困っています。
先生の著書『痩せる食べ方』を読み、自分は糖尿人ではないのですが、立派な肥満体(28歳・147cm・56.7kg)なので、ダイエットのためスーパー糖質制限食に挑戦しています。
現在まだ糖質制限食を初めて9日目なのですが今朝の段階で1.3kgの体重減です。初めて6日目位まではさくさくと毎日300gぐらいずつは体重が減っていたのに6日目を過ぎた辺りから体重が増えたり減ったり安定しなくなり、昨日の朝は54.8kg今朝には55.5kgまで増えてしまうという状況です。
食事内容に関しては、オカズ、サラダ、汁物をとり糖質は一切口にしていません。ただ、だいたい夕食は空腹感が大きいのでたんぱく質がどうしても多くなり肉類魚介類たっぷりとっていて、間食にチーズも多く食べてしまっています。早く痩せたいばかりに朝食を抜いているのがよくないのか?運動を取り入れた方がいいのか?カロリーを減らせばいいのか?どうすれば良いのか壁にぶち当たっています。著書の中にはスーパー糖質制限では1週間目で2~3キロの減少が見られる。とありましたが、無理そうです(>_<)
自分は倹約遺伝子なのかもしれないと不安に思う時もあります…
ご多忙とは思いますが、お答え願えれば幸いです。宜しくお願い致します。」
ゆんさん、
京都の名医がおしえる「やせる食べ方」(東洋経済新報社)
ご購入ありがとうございます。
おかげさまで、第三刷となりました。
順調に売れています。 (^_^)
京都の名医がおしえる・・・
編集者が考案されたキャッチ・コピーなのですが、いやはや、面映ゆいです・・・ (=_=;)
ゆんさん、身長147cm・体重56.7kgならBMI:26.2 です。
53kgならBMI:24.5 で正常なので、まずはこれを目指しましょう。
糖質制限食による体重減少効果は、直線的ではありません。階段状にぼちぼち減少していきますのでもう少し様子をみられてもいいと思います。
食事回数は、ライフスタイルに合わせて、2食でも3食でもいいです。私は1日、昼・夕の2食です。運動はできる環境にあればするといいですね。私の場合は、運動追加なしで半年で10kg減量できましたが、個人差がありますね。
「やせる食べ方」にも書きましたが
<肥満改善と糖質制限食>
①糖質制限食実践中は常に脂肪が燃えている。
②糖質制限食実践中は追加分泌インスリン(肥満ホルモン)がほとんど出ない。
③糖質制限食実践中はケトン体が尿中や呼気中に排泄され、体重減少に効果。
④糖質制限食実践中は肝臓でアミノ酸などから糖新生が行われ、大量のエネルギーを消費。
⑤少なくとも同一カロリーなら、①②③④の4つの利点により
糖質制限食が高糖質食に比し、体重減少効果がある。→カロリー神話の崩壊
*糖質制限食を3ヶ月~半年続けていると、心筋・骨格筋など体細胞のケトン体利用効率が高くなり血中ケトン体が今の基準値より高値でもしっかり利用され、腎の再吸収も高まるので尿中や呼気中に排泄されなくなる。
スーパー糖質制限食実践中のケトン体値400~1200μM/Lが人類の本来の基準値。
*糖質を摂取すれば血糖値が急峻に上昇し、インスリンが追加分泌され
①②③④の4つの利点は、即失われるので肥満しやすい。
<摂取エネルギーと消費エネルギー>
①単純には摂取エネルギーが消費エネルギーをを上回れば太る、下回れば痩せる。
②通常のカロリー制限食(高糖質食)なら
「消費エネルギー=基礎代謝+運動エネルギー+食事誘発熱産生」
③糖質制限食なら
「消費エネルギー=基礎代謝+運動エネルギー+食事誘発熱産生」に加えて、
「肝臓の糖新生でエネルギーを消費、尿・呼気中ケトン体でエネルギーを消失」が追加。
基礎代謝は、何も活動していない時でも人体の機能維持に必要なエネルギーで、男性で平均約1500キロカロリー、女性で平均約1200キロカロリーです。
運動エネルギーは、1万歩歩けば、標準体重の人が350キロカロリー、肥満の人は400~500キロカロリーを消費します。
食事誘発熱産生は、食事摂取中に消費するエネルギーですが、日本人は、平均200キロカロリー/日とされています。
このように理論的には「糖質制限食>カロリー制限食」で体重減少効果があることは明らかです。
さて、しかしながら「糖質制限食を実践してもなかなか痩せない」、そういう人が確かに1割くらいおられます。
高雄病院の入院患者さんで、150cm、90kgの女性がおられました。
1200キロカロリーの 糖質制限食でもごくゆっくりの減量効果しかなくて、
1000キロカロリーの糖質制限食で、やっと体重が減り始めました。
どうやら世の中には、痩せやすい人と痩せにくい人がいることは間違いないようですが、その大きな要因として基礎代謝があります。
吉田俊秀先生(京都府立医大臨床教授・肥満外来)によれば、日本女性の平均基礎代謝量は約1200キロカロリー/日ですが、個別には600~2400キロカロリー/日とかなりのばらつきがあるそうです。
基礎代謝が800キロカロリー/日しかない人ならば、1200キロカロリー/日という低カロリーでもなかなか痩せないことは理解できますよね。
さて、1995年、米国アリゾナ州に居住するネイティブアメリカンの「ピマ族」に、「β3アドレナリン受容体」という物質をつかさどる遺伝子に変異が発見され、これを持つ人は糖尿病や肥満になりやすいことが報告されました。
ピマ族や日本人に比較的多く見られるこの遺伝子変異は「倹約遺伝子」とも言うべきもので、脂肪をためやすく燃えにくいようにするものです。
即ち、摂取エネルギーを最大限に吸収し、消費エネルギーを最小限に抑えるという、私達の祖先がかつて食料不足で飢えに苦しめられていたころには、大いに有利に働いていたものと考えられます。
かつては「倹約遺伝子」として有利に働いていたものが、飽食の現代では「肥満遺伝子」と変貌してしまったわけです。(*_*)
もし倹約遺伝子の持ち主であれば、女性で1200キロカロリーの 糖質制限食でも痩せにくいことがあり、「 糖質制限食+カロリー制限食(1000キロカロリー)」が必要となります。
江部康二
今回は、ゆんさんから、糖質制限食と体重減少について、コメント・質問をいただきました。
「10/05/13 ゆん
困っています。
先生の著書『痩せる食べ方』を読み、自分は糖尿人ではないのですが、立派な肥満体(28歳・147cm・56.7kg)なので、ダイエットのためスーパー糖質制限食に挑戦しています。
現在まだ糖質制限食を初めて9日目なのですが今朝の段階で1.3kgの体重減です。初めて6日目位まではさくさくと毎日300gぐらいずつは体重が減っていたのに6日目を過ぎた辺りから体重が増えたり減ったり安定しなくなり、昨日の朝は54.8kg今朝には55.5kgまで増えてしまうという状況です。
食事内容に関しては、オカズ、サラダ、汁物をとり糖質は一切口にしていません。ただ、だいたい夕食は空腹感が大きいのでたんぱく質がどうしても多くなり肉類魚介類たっぷりとっていて、間食にチーズも多く食べてしまっています。早く痩せたいばかりに朝食を抜いているのがよくないのか?運動を取り入れた方がいいのか?カロリーを減らせばいいのか?どうすれば良いのか壁にぶち当たっています。著書の中にはスーパー糖質制限では1週間目で2~3キロの減少が見られる。とありましたが、無理そうです(>_<)
自分は倹約遺伝子なのかもしれないと不安に思う時もあります…
ご多忙とは思いますが、お答え願えれば幸いです。宜しくお願い致します。」
ゆんさん、
京都の名医がおしえる「やせる食べ方」(東洋経済新報社)
ご購入ありがとうございます。
おかげさまで、第三刷となりました。
順調に売れています。 (^_^)
京都の名医がおしえる・・・
編集者が考案されたキャッチ・コピーなのですが、いやはや、面映ゆいです・・・ (=_=;)
ゆんさん、身長147cm・体重56.7kgならBMI:26.2 です。
53kgならBMI:24.5 で正常なので、まずはこれを目指しましょう。
糖質制限食による体重減少効果は、直線的ではありません。階段状にぼちぼち減少していきますのでもう少し様子をみられてもいいと思います。
食事回数は、ライフスタイルに合わせて、2食でも3食でもいいです。私は1日、昼・夕の2食です。運動はできる環境にあればするといいですね。私の場合は、運動追加なしで半年で10kg減量できましたが、個人差がありますね。
「やせる食べ方」にも書きましたが
<肥満改善と糖質制限食>
①糖質制限食実践中は常に脂肪が燃えている。
②糖質制限食実践中は追加分泌インスリン(肥満ホルモン)がほとんど出ない。
③糖質制限食実践中はケトン体が尿中や呼気中に排泄され、体重減少に効果。
④糖質制限食実践中は肝臓でアミノ酸などから糖新生が行われ、大量のエネルギーを消費。
⑤少なくとも同一カロリーなら、①②③④の4つの利点により
糖質制限食が高糖質食に比し、体重減少効果がある。→カロリー神話の崩壊
*糖質制限食を3ヶ月~半年続けていると、心筋・骨格筋など体細胞のケトン体利用効率が高くなり血中ケトン体が今の基準値より高値でもしっかり利用され、腎の再吸収も高まるので尿中や呼気中に排泄されなくなる。
スーパー糖質制限食実践中のケトン体値400~1200μM/Lが人類の本来の基準値。
*糖質を摂取すれば血糖値が急峻に上昇し、インスリンが追加分泌され
①②③④の4つの利点は、即失われるので肥満しやすい。
<摂取エネルギーと消費エネルギー>
①単純には摂取エネルギーが消費エネルギーをを上回れば太る、下回れば痩せる。
②通常のカロリー制限食(高糖質食)なら
「消費エネルギー=基礎代謝+運動エネルギー+食事誘発熱産生」
③糖質制限食なら
「消費エネルギー=基礎代謝+運動エネルギー+食事誘発熱産生」に加えて、
「肝臓の糖新生でエネルギーを消費、尿・呼気中ケトン体でエネルギーを消失」が追加。
基礎代謝は、何も活動していない時でも人体の機能維持に必要なエネルギーで、男性で平均約1500キロカロリー、女性で平均約1200キロカロリーです。
運動エネルギーは、1万歩歩けば、標準体重の人が350キロカロリー、肥満の人は400~500キロカロリーを消費します。
食事誘発熱産生は、食事摂取中に消費するエネルギーですが、日本人は、平均200キロカロリー/日とされています。
このように理論的には「糖質制限食>カロリー制限食」で体重減少効果があることは明らかです。
さて、しかしながら「糖質制限食を実践してもなかなか痩せない」、そういう人が確かに1割くらいおられます。
高雄病院の入院患者さんで、150cm、90kgの女性がおられました。
1200キロカロリーの 糖質制限食でもごくゆっくりの減量効果しかなくて、
1000キロカロリーの糖質制限食で、やっと体重が減り始めました。
どうやら世の中には、痩せやすい人と痩せにくい人がいることは間違いないようですが、その大きな要因として基礎代謝があります。
吉田俊秀先生(京都府立医大臨床教授・肥満外来)によれば、日本女性の平均基礎代謝量は約1200キロカロリー/日ですが、個別には600~2400キロカロリー/日とかなりのばらつきがあるそうです。
基礎代謝が800キロカロリー/日しかない人ならば、1200キロカロリー/日という低カロリーでもなかなか痩せないことは理解できますよね。
さて、1995年、米国アリゾナ州に居住するネイティブアメリカンの「ピマ族」に、「β3アドレナリン受容体」という物質をつかさどる遺伝子に変異が発見され、これを持つ人は糖尿病や肥満になりやすいことが報告されました。
ピマ族や日本人に比較的多く見られるこの遺伝子変異は「倹約遺伝子」とも言うべきもので、脂肪をためやすく燃えにくいようにするものです。
即ち、摂取エネルギーを最大限に吸収し、消費エネルギーを最小限に抑えるという、私達の祖先がかつて食料不足で飢えに苦しめられていたころには、大いに有利に働いていたものと考えられます。
かつては「倹約遺伝子」として有利に働いていたものが、飽食の現代では「肥満遺伝子」と変貌してしまったわけです。(*_*)
もし倹約遺伝子の持ち主であれば、女性で1200キロカロリーの 糖質制限食でも痩せにくいことがあり、「 糖質制限食+カロリー制限食(1000キロカロリー)」が必要となります。
江部康二
2010年05月17日 (月)
こんばんは。
東京へ行く時は、いつもBotanicaで糖質制限なディナーが、ここのところの定番です。
今回もそのつもりだったのですが、生憎5月15日(土)は、Botanicaが結婚式の二次会で貸しきりだったので、
「代官山ASO チェレステ日本橋店」に予約して初めて参上しました。
本の打ち合わせを兼ねて、NPOリボーン理事・管理栄養士の大柳珠美さんと出版社の女性編集者の方と両手に華で、
糖質制限なフルコースを堪能してきました。
阿曽シェフや、仕事を終えられたBotanicaの新井田シェフも顔を見せていただいて、嬉しい限りでした。
阿曽シェフは、ミシュランで2ツ星を獲得された有名シェフです。
阿曽シェフご自身も、以前は、イタリアのパバロッティそっくりの体型で130kg超の体重があり、通常のカロリー制限のダイエットで少しは減量できたものの、それ以上減らず困っておられたそうです。
それが、糖質制限食を実践されて、合計50kgの減量に成功されました。
その結果、高血圧もすっかり良くなられたそうです。(⌒o⌒)v
新井田シェフも糖質制限食を実践されて、半年で101kgから68kgに減量成功されて糖尿病もすっかり良くなられたそうです。 (^_^)
Botanicaとチェレステ、フレンチとイタリアンのコラボ、ニューヨーロピアン料理、「極楽浄土」な美味しさとサービスです。
まさしく昇天しそうな素晴らしい料理が、怒涛のごとく押し寄せてきますよ。ヽ(*`▽´)ノ
これらのレストランなら、気合と根性で我慢して戴かなくても、前菜からデザートまで糖質制限食を心ゆくまで堪能して頂けること間違いありません。
清く正しくより美味しく楽しく糖質制限食!
東京では、下記のお店で、糖質制限食のフルコースをご用意して頂いてます。
ブログ読者の皆さんもハレの日などに是非どうぞ。
必ず、ご予約お願いしますね。
ご予約の際は、「糖質制限食でお願いします。」と忘れれずに♪
江部康二
☆☆☆
「Botanica」
東京都港区赤坂9-7-4
東京ミッドタウン ガーデンテラス4階
TEL:03-5413-3282
営業時間
LUNCH: 平日 11:00~14:30 (L.O.)
土・日・祝 11:00~15:00 (L.O.)
DINNER: 平日・土 18:00~21:30 (L.O.)
日・祝 18:00~21:00 (L.O.)
「代官山ASO チェレステ二子玉川店」
東京都世田谷区玉川3-17-1
玉川高島屋S・C南館11階
TEL:03-5797-3380
営業時間
ランチ 11:00~14:30(L.O.)
ディナー 18:00~21:00(L.O.)
定休日 なし
「代官山ASO チェレステ日本橋店」
東京都中央区日本橋室町1-4-1
日本橋三越本店 新館10F
TEL:03-3243-1820
営業時間
ランチ 11:00~14:30(L.O.)
ティータイム 14:30~16:00(L.O.)
ディナー 17:30~20:30(L.O.)
定休日 なし
東京へ行く時は、いつもBotanicaで糖質制限なディナーが、ここのところの定番です。
今回もそのつもりだったのですが、生憎5月15日(土)は、Botanicaが結婚式の二次会で貸しきりだったので、
「代官山ASO チェレステ日本橋店」に予約して初めて参上しました。
本の打ち合わせを兼ねて、NPOリボーン理事・管理栄養士の大柳珠美さんと出版社の女性編集者の方と両手に華で、
糖質制限なフルコースを堪能してきました。
阿曽シェフや、仕事を終えられたBotanicaの新井田シェフも顔を見せていただいて、嬉しい限りでした。
阿曽シェフは、ミシュランで2ツ星を獲得された有名シェフです。
阿曽シェフご自身も、以前は、イタリアのパバロッティそっくりの体型で130kg超の体重があり、通常のカロリー制限のダイエットで少しは減量できたものの、それ以上減らず困っておられたそうです。
それが、糖質制限食を実践されて、合計50kgの減量に成功されました。
その結果、高血圧もすっかり良くなられたそうです。(⌒o⌒)v
新井田シェフも糖質制限食を実践されて、半年で101kgから68kgに減量成功されて糖尿病もすっかり良くなられたそうです。 (^_^)
Botanicaとチェレステ、フレンチとイタリアンのコラボ、ニューヨーロピアン料理、「極楽浄土」な美味しさとサービスです。
まさしく昇天しそうな素晴らしい料理が、怒涛のごとく押し寄せてきますよ。ヽ(*`▽´)ノ
これらのレストランなら、気合と根性で我慢して戴かなくても、前菜からデザートまで糖質制限食を心ゆくまで堪能して頂けること間違いありません。
清く正しくより美味しく楽しく糖質制限食!
東京では、下記のお店で、糖質制限食のフルコースをご用意して頂いてます。
ブログ読者の皆さんもハレの日などに是非どうぞ。
必ず、ご予約お願いしますね。
ご予約の際は、「糖質制限食でお願いします。」と忘れれずに♪
江部康二
☆☆☆
「Botanica」
東京都港区赤坂9-7-4
東京ミッドタウン ガーデンテラス4階
TEL:03-5413-3282
営業時間
LUNCH: 平日 11:00~14:30 (L.O.)
土・日・祝 11:00~15:00 (L.O.)
DINNER: 平日・土 18:00~21:30 (L.O.)
日・祝 18:00~21:00 (L.O.)
「代官山ASO チェレステ二子玉川店」
東京都世田谷区玉川3-17-1
玉川高島屋S・C南館11階
TEL:03-5797-3380
営業時間
ランチ 11:00~14:30(L.O.)
ディナー 18:00~21:00(L.O.)
定休日 なし
「代官山ASO チェレステ日本橋店」
東京都中央区日本橋室町1-4-1
日本橋三越本店 新館10F
TEL:03-3243-1820
営業時間
ランチ 11:00~14:30(L.O.)
ティータイム 14:30~16:00(L.O.)
ディナー 17:30~20:30(L.O.)
定休日 なし
2010年05月17日 (月)
こんにちは。
おかげさまで、東京・四谷ひろば糖質制限食講演会、大成功裏に無事終了しました。(⌒o⌒)v
ブログ読者の皆さん、ご協力ありがとうございました。m(_ _)mVV
「10/05/17 Y太
とても楽しかったです
昨日5/16の東京講演会に参加させていただいておりました
生でお話をお聞きできて、医学会における糖質制限の立場など微妙なニュアンスみたいなものが感じ取れて、とても興味深かったです
名刺交換させていただきたかったのですが、江部先生が奥様方に囲まれてサイン攻めにあっておられましたので、遠慮してしまいました(^^;
また次回参加しますので、そのときはぜひよろしくお願いいたします。」
Y太さん。
コメントそして講演会ご参加、ありがとうございました。
楽しんでいただいて良かったです。
私も参加者との掛け合いの中で、充分リラックスして楽しませてもらいました。
北海道から沖縄まで、本当に参加していただけて、びっくりするやら嬉しいやらでした。北海道、沖縄からご参加頂いたブログ読者の方、遠路遙々ありがとうございました。m(_ _)mV
Y太さん、次回の東京講演は10月に中野で開催になると思います。またよろしくお願い申しあげます。
このところの糖質制限食講演会、医師や栄養士や看護師の参加が増えています。
今回の四谷講演会は、栄養士の方が10人以上来ておられましたし、医師も数人来ておられました。医学界における糖質制限食認知度も、確実にアップしています。
2010年6月13日(日)の大阪講演会も早速、50人近い申し込みがあり、その内数名が医師でした。
とても活気があります。こちらも嬉しい限りです。100人が定員ですので、お早めにお申し込みくださいね。
江部康二
おかげさまで、東京・四谷ひろば糖質制限食講演会、大成功裏に無事終了しました。(⌒o⌒)v
ブログ読者の皆さん、ご協力ありがとうございました。m(_ _)mVV
「10/05/17 Y太
とても楽しかったです
昨日5/16の東京講演会に参加させていただいておりました
生でお話をお聞きできて、医学会における糖質制限の立場など微妙なニュアンスみたいなものが感じ取れて、とても興味深かったです
名刺交換させていただきたかったのですが、江部先生が奥様方に囲まれてサイン攻めにあっておられましたので、遠慮してしまいました(^^;
また次回参加しますので、そのときはぜひよろしくお願いいたします。」
Y太さん。
コメントそして講演会ご参加、ありがとうございました。
楽しんでいただいて良かったです。
私も参加者との掛け合いの中で、充分リラックスして楽しませてもらいました。
北海道から沖縄まで、本当に参加していただけて、びっくりするやら嬉しいやらでした。北海道、沖縄からご参加頂いたブログ読者の方、遠路遙々ありがとうございました。m(_ _)mV
Y太さん、次回の東京講演は10月に中野で開催になると思います。またよろしくお願い申しあげます。
このところの糖質制限食講演会、医師や栄養士や看護師の参加が増えています。
今回の四谷講演会は、栄養士の方が10人以上来ておられましたし、医師も数人来ておられました。医学界における糖質制限食認知度も、確実にアップしています。
2010年6月13日(日)の大阪講演会も早速、50人近い申し込みがあり、その内数名が医師でした。
とても活気があります。こちらも嬉しい限りです。100人が定員ですので、お早めにお申し込みくださいね。
江部康二
2010年05月15日 (土)
おはようございます。
今日は江部診療所の外来終了後、東京にでかけます。
5月16日(日)東京、四谷ひろばの糖質制限食講演会、おかげさまで満員御礼です。
ありがとうございました。
さて、ご要望の大変多かった、私達も待望の大阪講演会をいよいよ開催します。
以下は、主催の京都高雄倶楽部、新井哲也さんからのメッセージです。
☆☆☆
江部康二先生講演会in大阪講演会のご案内です♪
大阪の皆さん、お待たせしました。江部康二先生の大阪講演会が決定しました。
ここのところ、京都高雄倶楽部で江部康二先生の講演会を企画できていなかった&大阪で講演会を開催してほしいとのお声を多数頂戴致しましたので、第二回目となる大阪講演会を開催致します。
今回の大阪講演会は、大塚化学株式会社のTS開発チームが提供・協賛して下ることになりまして、なんと、新開発の糖質制限食食材の試食を行ってくださいます。
この糖質制限食食材についてのアンケートも行いますので、皆さん是非ともガッツリご試食頂いて、山盛り感想を書いて下さいね。
京都高雄倶楽部
新井哲也
以下、詳細です
日時 2010年6月13日(日)
場所 大阪リバーサイドホテル
〒534-0027
大阪府大阪市都島区中野町5-12-30
TEL.06-6928-3251 FAX.06-6928-3260
プログラム(目安です)
12:30 開場 試食開始
13:00 大塚化学株式会社TS開発チームご挨拶&あらてつ前説
13:30 第一部開演
14:15 休憩、試食タイム
15:00 第二部開演
15:45 講演終了
定員 100名 (先着順)
参加費 1000円 (当日会場にてお支払い下さい)
お電話・FAX・パソコンからお申し込み頂けます。
お電話でのお申し込み
075-873-2170
FAXでのお申し込み
075-873-2270
E- mailでのお申し込み
info@ktk-kyoto.jp
お問い合わせは、
京都高雄倶楽部
TEL 075-873-2170
FAX 075-873-2270
E-mail info@ktk-kyoto.jp
営業時間は、9:00から17:00(くらい)
お休みは土・日・祝です。
席をはずしていることもあるので、留守電に連絡先を入れておいてください。後ほど掛け直させていただきます
お席に限りがございますので、お早めにご予約下さい。
宜しくお願い致します♪
今日は江部診療所の外来終了後、東京にでかけます。
5月16日(日)東京、四谷ひろばの糖質制限食講演会、おかげさまで満員御礼です。
ありがとうございました。
さて、ご要望の大変多かった、私達も待望の大阪講演会をいよいよ開催します。
以下は、主催の京都高雄倶楽部、新井哲也さんからのメッセージです。
☆☆☆
江部康二先生講演会in大阪講演会のご案内です♪
大阪の皆さん、お待たせしました。江部康二先生の大阪講演会が決定しました。
ここのところ、京都高雄倶楽部で江部康二先生の講演会を企画できていなかった&大阪で講演会を開催してほしいとのお声を多数頂戴致しましたので、第二回目となる大阪講演会を開催致します。
今回の大阪講演会は、大塚化学株式会社のTS開発チームが提供・協賛して下ることになりまして、なんと、新開発の糖質制限食食材の試食を行ってくださいます。
この糖質制限食食材についてのアンケートも行いますので、皆さん是非ともガッツリご試食頂いて、山盛り感想を書いて下さいね。
京都高雄倶楽部
新井哲也
以下、詳細です
日時 2010年6月13日(日)
場所 大阪リバーサイドホテル
〒534-0027
大阪府大阪市都島区中野町5-12-30
TEL.06-6928-3251 FAX.06-6928-3260
プログラム(目安です)
12:30 開場 試食開始
13:00 大塚化学株式会社TS開発チームご挨拶&あらてつ前説
13:30 第一部開演
14:15 休憩、試食タイム
15:00 第二部開演
15:45 講演終了
定員 100名 (先着順)
参加費 1000円 (当日会場にてお支払い下さい)
お電話・FAX・パソコンからお申し込み頂けます。
お電話でのお申し込み
075-873-2170
FAXでのお申し込み
075-873-2270
E- mailでのお申し込み
info@ktk-kyoto.jp
お問い合わせは、
京都高雄倶楽部
TEL 075-873-2170
FAX 075-873-2270
E-mail info@ktk-kyoto.jp
営業時間は、9:00から17:00(くらい)
お休みは土・日・祝です。
席をはずしていることもあるので、留守電に連絡先を入れておいてください。後ほど掛け直させていただきます
お席に限りがございますので、お早めにご予約下さい。
宜しくお願い致します♪
2010年05月14日 (金)
こんにちは。
久しぶりの京都講演のご案内です。
江部康二
<糖質制限食講演 公開講座>
朝日カルチャーセンター京都教室
<タイトル>
血糖値を下げる!糖質制限食
~メタボでない人の糖尿病、肥満に有効
<講師>
高雄病院理事長 江部 康二
<曜日>
2010年6月8日(火)
<時間>
10:30~12:00
<受講料 >
会員2940- 一般3465-
久しぶりの京都講演のご案内です。
江部康二
<糖質制限食講演 公開講座>
朝日カルチャーセンター京都教室
<タイトル>
血糖値を下げる!糖質制限食
~メタボでない人の糖尿病、肥満に有効
<講師>
高雄病院理事長 江部 康二
<曜日>
2010年6月8日(火)
<時間>
10:30~12:00
<受講料 >
会員2940- 一般3465-
2010年05月14日 (金)
お早うございます。
昨晩、NHKの 地球イチバン「地球イチバンのオリーブ天国~スペイン~」という番組で、スペイン産のオリーブオイルのお話をしていました。
スペインのオリーブオイル生産量は、世界のおよそ40%を締めるであるとか、、バージンオイルとエクストラ・バージンの違いについてなど解説していました。
これまで何度か紹介した、あらてつさんの糖質制限ドットコムで販売している、スペイン直輸入のモリドルエクストラバージンオリーブオイル、大変好評で昨年入荷分は早々に売り切れたとのことです。
そのモリドルから、今の時期限定の 初搾りエクストラバージンオリーブオイル が入荷したとのこと。
初摘・初搾りのオリーブオイルは、一年を通して、今だけしか出てこない貴重なオリーブオイルだそうです。
番組でもありましたが、オリーブオイル業界、聞くところによるといろいろと複雑で、「エクストラヴァージンオリーブオイル」といいながら、そうでないものがかなりの割合で流通しているそうです。
ですがこのモリドルオリーブオイルは、あらてつさんが直接工場まで行って「冷温圧搾・無濾過・無添加・混ざりっけ無しのエクストラヴァージンオリーブオイル」であることを確認してきました。
あらてつさん、知っている人は知っている「かなりうるさい男」ですので、工場を隅から隅まで調べて現地の人たちにおもいっきり嫌がられてきたことは、想像に難くありません。
スペインでも「うるさいぶり」を遺憾なく発揮してきたあらてつさん太鼓判のモリドルオリーブオイル、私もこのブログをご覧の糖尿人、メタボ人、ダイエッターの皆さんにお勧め致します。
以下、あらてつさんからのご案内です。
そうそう、最後にご紹介しているオリーブオイル試食会、キャンセルが出たとのことで、若干名空きができました。
私も参加するので皆さん、是非どうぞ。
江部康二
Primera extracción en frío(初搾りエクストラバージンオリーブオイル)発売開始!
オリーブオイル百年の伝統のあるシウラナ地方(スペイン北東部、カタルーニャ地方)から、初摘、初搾りのオリーブオイルが入荷しました。
年に一回、この時期だけしか販売されない大変貴重なオリーブオイルです。
Primera extracción en frío オリーブオイルは、収穫したてのオリーブを風味が損なわれないように冷温圧搾し、濾過せずそのまま瓶詰します。
なので一般的なオリーブオイルよりも色合いが濃く、オリーブ本来の香りや味わいをストレートにお楽しみいただけます。
一年を通して、今だけしか出てこない貴重なオリーブオイルです。
通常のオリーブオイルにない濃厚な味と香りをお楽しみ頂けます。
モリドル社のパトリシアさんからのメッセージを紹介します。
モリ・ドルのエクストラバージン・オリーブオイル
モリ・ドルは、私たちの地域の人々や農作業員が、黄金の液体とも呼ばれるエクストラバージン・オリーブオイルを抽出するために、一年を通じてその大地に施してきた入念な作業と手入れの結晶です。
オイル百年の伝統のあるシウラナ地方(スペイン北東部、カタルーニャ地方)では、最高のシェフや料理批評家から最も高い評価を受けている、アルベキナ種と言うオリーブオイル生産用の品種のみを使用しています。
モリ・ドルのオリーブは、木から直接採取し、フライス(オリーブを碾く作業)は、果実の自然な特性を保持するため、冷温で行われます。その優れた特性と官能特性をそのまま維持するために、モリ・ドルは、フィルタリングされていないエクストラバージン・オリーブオイルとなっています。
この製法によって密度、香り、ボディが保たれている、という、極めて例外的ともいえる評価を受けています。瓶の底に堆積物が沈降することがありますが、健康上全く無害であり、自然由来のものであることの証拠でもあります。
つまり、これは100%純粋な天然オリーブ果汁なのです。
オリーブオイルには、多くの種類と品種があります。しかしその中でも、酸性度を1°未満に保持したものだけが、エクストラバージンと呼ばれる最高ランクのカテゴリとして(EEC規則1513/2001による)最も高い評価を得ることができます。私たちは、モリ·ドルが酸性度を0.3°に抑えてこのカテゴリに入っていることを、誇りに思っています。
オリーブそのものの持つ天然成分によって、このオイルが、抗酸化成分やポリフェノール性化合物を豊富に含んでいるため、酸化を抑えたり、体の諸器官に非常に有益な効果をもたらしたりするということも、忘れてはいけません。
その複雑な香りと味わいは、料理のうま味を引き立たせることができます。フルーティーかつ丸みのある味わいがあり、収斂性が低く、バナナ、イチゴ、リンゴ、クルミ、アーモンドやアーティチョークの熟したような非常にバランスのとれた香りがします。トマトを思わせる懐かしい趣を鼻腔に感じます。そして、非常に表現力のある、すっきりとしたナッツのような後味がします。
料理に使えば、味に力を与え、個性を引き立たせます。生鮮食品(パン、サラダ、野菜など)に使用すれば、より一層の官能特性を感じることができます。オイルを加熱して使用する際も、食品がカリっとした状態で形よく保持し、オイルに含まれている脂肪酸と抗酸化物質が食品に回って安定し、ボリュームが増すことから、高温にもよく対応すると言えます。
これらすべての特性のおかげで、モリ・ドルは、最高レベルのエクストラバージン・オリーブオイルであると同時に、健康的でよく知られている地中海料理を作る際に欠かせない食品の一つとして、認められるようになりました。

数量・期間限定のモリドル初搾りエクストラバージンオリーブオイル
是非皆さんもお試しください。
詳細・ご購入はこちらから
↓ ↓ ↓
モリドル 初摘み・初搾りオリーブオイル
http://www.toushitsuseigen.com/shop/etc_oliveoil.html
昨晩、NHKの 地球イチバン「地球イチバンのオリーブ天国~スペイン~」という番組で、スペイン産のオリーブオイルのお話をしていました。
スペインのオリーブオイル生産量は、世界のおよそ40%を締めるであるとか、、バージンオイルとエクストラ・バージンの違いについてなど解説していました。
これまで何度か紹介した、あらてつさんの糖質制限ドットコムで販売している、スペイン直輸入のモリドルエクストラバージンオリーブオイル、大変好評で昨年入荷分は早々に売り切れたとのことです。
そのモリドルから、今の時期限定の 初搾りエクストラバージンオリーブオイル が入荷したとのこと。
初摘・初搾りのオリーブオイルは、一年を通して、今だけしか出てこない貴重なオリーブオイルだそうです。
番組でもありましたが、オリーブオイル業界、聞くところによるといろいろと複雑で、「エクストラヴァージンオリーブオイル」といいながら、そうでないものがかなりの割合で流通しているそうです。
ですがこのモリドルオリーブオイルは、あらてつさんが直接工場まで行って「冷温圧搾・無濾過・無添加・混ざりっけ無しのエクストラヴァージンオリーブオイル」であることを確認してきました。
あらてつさん、知っている人は知っている「かなりうるさい男」ですので、工場を隅から隅まで調べて現地の人たちにおもいっきり嫌がられてきたことは、想像に難くありません。
スペインでも「うるさいぶり」を遺憾なく発揮してきたあらてつさん太鼓判のモリドルオリーブオイル、私もこのブログをご覧の糖尿人、メタボ人、ダイエッターの皆さんにお勧め致します。
以下、あらてつさんからのご案内です。
そうそう、最後にご紹介しているオリーブオイル試食会、キャンセルが出たとのことで、若干名空きができました。
私も参加するので皆さん、是非どうぞ。
江部康二
Primera extracción en frío(初搾りエクストラバージンオリーブオイル)発売開始!
オリーブオイル百年の伝統のあるシウラナ地方(スペイン北東部、カタルーニャ地方)から、初摘、初搾りのオリーブオイルが入荷しました。
年に一回、この時期だけしか販売されない大変貴重なオリーブオイルです。
Primera extracción en frío オリーブオイルは、収穫したてのオリーブを風味が損なわれないように冷温圧搾し、濾過せずそのまま瓶詰します。
なので一般的なオリーブオイルよりも色合いが濃く、オリーブ本来の香りや味わいをストレートにお楽しみいただけます。
一年を通して、今だけしか出てこない貴重なオリーブオイルです。
通常のオリーブオイルにない濃厚な味と香りをお楽しみ頂けます。
モリドル社のパトリシアさんからのメッセージを紹介します。
モリ・ドルのエクストラバージン・オリーブオイル
モリ・ドルは、私たちの地域の人々や農作業員が、黄金の液体とも呼ばれるエクストラバージン・オリーブオイルを抽出するために、一年を通じてその大地に施してきた入念な作業と手入れの結晶です。
オイル百年の伝統のあるシウラナ地方(スペイン北東部、カタルーニャ地方)では、最高のシェフや料理批評家から最も高い評価を受けている、アルベキナ種と言うオリーブオイル生産用の品種のみを使用しています。
モリ・ドルのオリーブは、木から直接採取し、フライス(オリーブを碾く作業)は、果実の自然な特性を保持するため、冷温で行われます。その優れた特性と官能特性をそのまま維持するために、モリ・ドルは、フィルタリングされていないエクストラバージン・オリーブオイルとなっています。
この製法によって密度、香り、ボディが保たれている、という、極めて例外的ともいえる評価を受けています。瓶の底に堆積物が沈降することがありますが、健康上全く無害であり、自然由来のものであることの証拠でもあります。
つまり、これは100%純粋な天然オリーブ果汁なのです。
オリーブオイルには、多くの種類と品種があります。しかしその中でも、酸性度を1°未満に保持したものだけが、エクストラバージンと呼ばれる最高ランクのカテゴリとして(EEC規則1513/2001による)最も高い評価を得ることができます。私たちは、モリ·ドルが酸性度を0.3°に抑えてこのカテゴリに入っていることを、誇りに思っています。
オリーブそのものの持つ天然成分によって、このオイルが、抗酸化成分やポリフェノール性化合物を豊富に含んでいるため、酸化を抑えたり、体の諸器官に非常に有益な効果をもたらしたりするということも、忘れてはいけません。
その複雑な香りと味わいは、料理のうま味を引き立たせることができます。フルーティーかつ丸みのある味わいがあり、収斂性が低く、バナナ、イチゴ、リンゴ、クルミ、アーモンドやアーティチョークの熟したような非常にバランスのとれた香りがします。トマトを思わせる懐かしい趣を鼻腔に感じます。そして、非常に表現力のある、すっきりとしたナッツのような後味がします。
料理に使えば、味に力を与え、個性を引き立たせます。生鮮食品(パン、サラダ、野菜など)に使用すれば、より一層の官能特性を感じることができます。オイルを加熱して使用する際も、食品がカリっとした状態で形よく保持し、オイルに含まれている脂肪酸と抗酸化物質が食品に回って安定し、ボリュームが増すことから、高温にもよく対応すると言えます。
これらすべての特性のおかげで、モリ・ドルは、最高レベルのエクストラバージン・オリーブオイルであると同時に、健康的でよく知られている地中海料理を作る際に欠かせない食品の一つとして、認められるようになりました。

数量・期間限定のモリドル初搾りエクストラバージンオリーブオイル
是非皆さんもお試しください。
詳細・ご購入はこちらから
↓ ↓ ↓
モリドル 初摘み・初搾りオリーブオイル
http://www.toushitsuseigen.com/shop/etc_oliveoil.html
糖質制限食・ダイエット食の通信販売|糖質制限ドットコム
糖質制限ドットコムは、糖質制限食の第一人者、高雄病院、江部康二先生監修による糖質オフな食材を販売、糖質制限食に取り組む皆様をサポートします。
2010年05月14日 (金)
おはようございます。
相変わらず寒い日々が続いてます。
いったいどないなっとんでしょう!? (∵)?
さて今回は、1型糖尿人のくぼちゃんから、「寝る前の血糖値より朝の血糖値が高い」というコメント・質問をいただきました。
「10/05/12 くぼちゃん
先生に質問なんです。
江部先生こんばんは!初めてコメントさせていただきます!
私は1型糖尿病で1年前に発症した者なんですが今ちょっと気になっていることがあるんですが寝る前の血糖値(夕食後3時間後ぐらい)が
80~90になっていたら朝の血糖値が130~150になったりするんです。
担当医に聞いたところ興奮しているからとの回答だったんですが
実際そんな事が本当にあるんでしょうか?
是非何か分かるようなことがあれば教えていただきたいです。宜しくお願いします。」
くぼちゃん。
空腹時には、肝臓のグリコーゲン分解と糖新生が、血糖の供給源となります。グリコーゲン分解に関しては、糖尿人と正常人との間に差はないとされています。一方、糖新生は、糖尿人においては、増加することが多いです。
正常人においては、血液中のインスリンが5μU/ml以上あれば、糖新生は急激に低下します。
しかし、2型糖尿病においては、正常人の2倍以上のインスリンが必要とされることが多いのです。
バーンスタイン医師によれば、糖尿人においては、就寝後8~10時間に血糖値が上昇することがあり、暁現象というそうです。この場合、就寝時より起床時の血糖値が高値となります。
朝に血糖値が上昇するまでの時間と増加量には、個人差があります。
1型糖尿人のバーンスタイン医師は、充分量の持続型インスリン3単位を就寝前に注射しているにもかかわらず、起床時の血糖値が10~100mg/dlほど就寝時より高値となるそうです。
暁現象の機序は、完全に解明されているわけではありませんが、肝臓が早朝には、他の時間帯以上に、血液中に循環しているインスリンを不活化させるとういう説があります。そのため、肝臓の糖新生が高まります。インスリンが、外部から注射したものであれ、内部でつくったものであれ同様です。
早朝空腹時ですからインスリンを打っていない人では、基礎分泌のインスリンが循環している時間帯ですね。正常人はこのとき、インスリンを産生して調整しますが、糖尿人はそれが不足するので暁現象が発生します。
くぼちゃんの「寝る前の血糖値より朝の血糖値が高い」という疑問は、暁現象で説明できると思います。
(*)暁現象と早朝空腹時血糖値
インスリン基礎分泌が不足してくると、夜間の肝の糖新生を制御できずに、早朝空腹時血糖値が高値となる。また、就寝時より起床時の血糖値の方が、高値となることがある。就寝後8~10時間で、血糖値が上昇する暁現象である。
肝臓が早朝には、他の時間帯以上に、血液中に循環しているインスリンを不活化させるため肝臓の糖新生が高まり、起床時に就寝時より血糖値が高くなる。
1型では、暁現象がはっきりしていることが多い。2型でも暁現象を示すことはある。
江部康二
相変わらず寒い日々が続いてます。
いったいどないなっとんでしょう!? (∵)?
さて今回は、1型糖尿人のくぼちゃんから、「寝る前の血糖値より朝の血糖値が高い」というコメント・質問をいただきました。
「10/05/12 くぼちゃん
先生に質問なんです。
江部先生こんばんは!初めてコメントさせていただきます!
私は1型糖尿病で1年前に発症した者なんですが今ちょっと気になっていることがあるんですが寝る前の血糖値(夕食後3時間後ぐらい)が
80~90になっていたら朝の血糖値が130~150になったりするんです。
担当医に聞いたところ興奮しているからとの回答だったんですが
実際そんな事が本当にあるんでしょうか?
是非何か分かるようなことがあれば教えていただきたいです。宜しくお願いします。」
くぼちゃん。
空腹時には、肝臓のグリコーゲン分解と糖新生が、血糖の供給源となります。グリコーゲン分解に関しては、糖尿人と正常人との間に差はないとされています。一方、糖新生は、糖尿人においては、増加することが多いです。
正常人においては、血液中のインスリンが5μU/ml以上あれば、糖新生は急激に低下します。
しかし、2型糖尿病においては、正常人の2倍以上のインスリンが必要とされることが多いのです。
バーンスタイン医師によれば、糖尿人においては、就寝後8~10時間に血糖値が上昇することがあり、暁現象というそうです。この場合、就寝時より起床時の血糖値が高値となります。
朝に血糖値が上昇するまでの時間と増加量には、個人差があります。
1型糖尿人のバーンスタイン医師は、充分量の持続型インスリン3単位を就寝前に注射しているにもかかわらず、起床時の血糖値が10~100mg/dlほど就寝時より高値となるそうです。
暁現象の機序は、完全に解明されているわけではありませんが、肝臓が早朝には、他の時間帯以上に、血液中に循環しているインスリンを不活化させるとういう説があります。そのため、肝臓の糖新生が高まります。インスリンが、外部から注射したものであれ、内部でつくったものであれ同様です。
早朝空腹時ですからインスリンを打っていない人では、基礎分泌のインスリンが循環している時間帯ですね。正常人はこのとき、インスリンを産生して調整しますが、糖尿人はそれが不足するので暁現象が発生します。
くぼちゃんの「寝る前の血糖値より朝の血糖値が高い」という疑問は、暁現象で説明できると思います。
(*)暁現象と早朝空腹時血糖値
インスリン基礎分泌が不足してくると、夜間の肝の糖新生を制御できずに、早朝空腹時血糖値が高値となる。また、就寝時より起床時の血糖値の方が、高値となることがある。就寝後8~10時間で、血糖値が上昇する暁現象である。
肝臓が早朝には、他の時間帯以上に、血液中に循環しているインスリンを不活化させるため肝臓の糖新生が高まり、起床時に就寝時より血糖値が高くなる。
1型では、暁現象がはっきりしていることが多い。2型でも暁現象を示すことはある。
江部康二
2010年05月13日 (木)
こんばんは。
今回は、糖尿病合併症と罹病期間について、千蔵さんから、コメント・質問をいただきました。
「10/05/12 千蔵
糖尿病腎症2期
はじめまして、千蔵といいます。
「主食を抜けば糖尿病はよくなる」を読ませていただき、スーパー糖質制限食に移行して5ヶ月になります。
3年前にHba1Cが9.0 体重93kgでした。
グルコバイ、グルファスト、メルビンの処方でHba1cは6.0まで下がって、何となく薬を止めてしまいました。昨年12月の健康診断で7.0でしたので、どうしようかと考えていたところに、江部先生のブログに出会いました。
現在、Hba1cは、4.4 体重は82kgまで下げることができ、たいへん感謝しております。
ただ、私の場合、合併症として腎症2期と診断され、尿蛋白が+-だったり++だったりと低下しません。さらに、歯周病が悪化して奥歯2本抜歯しました。その上、これは、糖尿病と関係ないのかもしれませんが、副鼻腔炎が悪化し、10日間の入院予定です。主治医は糖尿病専門医で、他に右足の神経障害を指摘しています。
私の場合、糖質制限を3ヶ月実践してから、糖尿病専門医にかかったので、糖質制限の話をしても「学会の定説なんて、いつひっくり返るかわからないですから、そのやりかたで血糖と体重のコントロールができているならいいじゃないですか」という反応でした。
私の反省としては、合併症は、糖尿病がかなり進行してからなるものと、勝手に思い込んでいたことです。そこで質問ですが、血糖値が高い状態がどのくらいの期間継続すると、合併症が進行し始めるのでしょうか。合併症と血糖値の関係など教えていただけると、私のような誤解を持っていた糖尿人の目が開かれると思います。
今後も糖質制限の普及にがんばってください。
応援しています。」
千蔵さん。
コメントそして「主食を抜けば糖尿病はよくなる」のご購入ありがとうございました。
「現在、Hba1cは、4.4 体重は82kg」
素晴らしい改善ですね。良かったです。 (^_^)
「学会の定説なんて、いつひっくり返るかわからないですから、そのやりかたで血糖と体重のコントロールができているならいいじゃないですか」
糖尿病専門医の主治医殿、とても寛容でいい感じですね。
このような主治医なら安心して糖質制限食実践できますね。
千蔵さん、腎症2期なら、糖質制限食で血糖コントロール良好を保つことで、改善する可能性があると思いますよ。
慢性の糖尿病合併症ですが、罹病(りびょう)後、長期間血糖コントロールの悪い状態が持続して、細小血管や大血管に傷害が生じて初めて発生します。罹病後というのは、診断後と同一ではありません。
糖尿病と診断される前に、例えば5年間高血糖状態をほったらかしていたら、診断時にはすでに罹病後5年間が経過しているわけです。
細小血管合併症には、糖尿病神経障害、糖尿病網膜症、糖尿病腎症など、大血管合併症には、心筋梗塞、脳卒中、糖尿病足病変などがあります。
長期間というのは、一般的には、糖尿病発症後、数年間以上の単位だと思います。
通常は、少なくともHbA1c6.5%以上、通常は7%以上の血糖コントロール不良が、数年間以上継続して初めて細小血管や大血管に障害が生じて合併症を生じます。
糖尿病神経障害は、特に早ければ罹病後2~3年、通常は罹病後5~10年で発症してきます。罹病期間が長くなるにつれて有病率が高くなります。
糖尿病網膜症は、通常は罹病後、5年以降に始まります。
網膜症を発症する率は、糖尿病の罹病期間が長くなるにつれて高くなり、罹病期間が20年を超えると80%以上になります。
網膜症が重症化し視力障害を来す例は、最近では年間4000人とされ、成人の中途失明の原因の第2位です。
糖尿病腎症は、通常糖尿病発症5~10年で患者さんの約20%が第3期腎症(顕性腎症)に陥るとされています。
もっともこれらは血糖コントロールが悪いから、合併症を発症するわけです。
① 空腹時血糖値110mg/dl未満
② 食後2時間血糖値180mg/dlmg/dl未満
③ HbA1c6.5%未満
上記①②③を達成していれば、合併症は予防できるし進行を阻止できるとされています。
美味しく楽しく糖質制限食実践で、目標達成をめざしましょう。ヾ(^▽^)
江部康二
今回は、糖尿病合併症と罹病期間について、千蔵さんから、コメント・質問をいただきました。
「10/05/12 千蔵
糖尿病腎症2期
はじめまして、千蔵といいます。
「主食を抜けば糖尿病はよくなる」を読ませていただき、スーパー糖質制限食に移行して5ヶ月になります。
3年前にHba1Cが9.0 体重93kgでした。
グルコバイ、グルファスト、メルビンの処方でHba1cは6.0まで下がって、何となく薬を止めてしまいました。昨年12月の健康診断で7.0でしたので、どうしようかと考えていたところに、江部先生のブログに出会いました。
現在、Hba1cは、4.4 体重は82kgまで下げることができ、たいへん感謝しております。
ただ、私の場合、合併症として腎症2期と診断され、尿蛋白が+-だったり++だったりと低下しません。さらに、歯周病が悪化して奥歯2本抜歯しました。その上、これは、糖尿病と関係ないのかもしれませんが、副鼻腔炎が悪化し、10日間の入院予定です。主治医は糖尿病専門医で、他に右足の神経障害を指摘しています。
私の場合、糖質制限を3ヶ月実践してから、糖尿病専門医にかかったので、糖質制限の話をしても「学会の定説なんて、いつひっくり返るかわからないですから、そのやりかたで血糖と体重のコントロールができているならいいじゃないですか」という反応でした。
私の反省としては、合併症は、糖尿病がかなり進行してからなるものと、勝手に思い込んでいたことです。そこで質問ですが、血糖値が高い状態がどのくらいの期間継続すると、合併症が進行し始めるのでしょうか。合併症と血糖値の関係など教えていただけると、私のような誤解を持っていた糖尿人の目が開かれると思います。
今後も糖質制限の普及にがんばってください。
応援しています。」
千蔵さん。
コメントそして「主食を抜けば糖尿病はよくなる」のご購入ありがとうございました。
「現在、Hba1cは、4.4 体重は82kg」
素晴らしい改善ですね。良かったです。 (^_^)
「学会の定説なんて、いつひっくり返るかわからないですから、そのやりかたで血糖と体重のコントロールができているならいいじゃないですか」
糖尿病専門医の主治医殿、とても寛容でいい感じですね。
このような主治医なら安心して糖質制限食実践できますね。
千蔵さん、腎症2期なら、糖質制限食で血糖コントロール良好を保つことで、改善する可能性があると思いますよ。
慢性の糖尿病合併症ですが、罹病(りびょう)後、長期間血糖コントロールの悪い状態が持続して、細小血管や大血管に傷害が生じて初めて発生します。罹病後というのは、診断後と同一ではありません。
糖尿病と診断される前に、例えば5年間高血糖状態をほったらかしていたら、診断時にはすでに罹病後5年間が経過しているわけです。
細小血管合併症には、糖尿病神経障害、糖尿病網膜症、糖尿病腎症など、大血管合併症には、心筋梗塞、脳卒中、糖尿病足病変などがあります。
長期間というのは、一般的には、糖尿病発症後、数年間以上の単位だと思います。
通常は、少なくともHbA1c6.5%以上、通常は7%以上の血糖コントロール不良が、数年間以上継続して初めて細小血管や大血管に障害が生じて合併症を生じます。
糖尿病神経障害は、特に早ければ罹病後2~3年、通常は罹病後5~10年で発症してきます。罹病期間が長くなるにつれて有病率が高くなります。
糖尿病網膜症は、通常は罹病後、5年以降に始まります。
網膜症を発症する率は、糖尿病の罹病期間が長くなるにつれて高くなり、罹病期間が20年を超えると80%以上になります。
網膜症が重症化し視力障害を来す例は、最近では年間4000人とされ、成人の中途失明の原因の第2位です。
糖尿病腎症は、通常糖尿病発症5~10年で患者さんの約20%が第3期腎症(顕性腎症)に陥るとされています。
もっともこれらは血糖コントロールが悪いから、合併症を発症するわけです。
① 空腹時血糖値110mg/dl未満
② 食後2時間血糖値180mg/dlmg/dl未満
③ HbA1c6.5%未満
上記①②③を達成していれば、合併症は予防できるし進行を阻止できるとされています。
美味しく楽しく糖質制限食実践で、目標達成をめざしましょう。ヾ(^▽^)
江部康二
2010年05月12日 (水)
おはようございます。
糖尿病腎症が始まれば、基本的には、じり貧で進行するのが、現在の西洋医学の常識的認識だと思います。
まあ、ACE阻害薬、または、アンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)の投与により、微量アルブミン尿が改善したという報告はありますが・・・。
糖質制限食による血糖コントロールの改善で、薬物なしで微量アルブミンが正常化した人は、私の患者さんでも何人かおられます。
腎症第3期Aまでは、糖質制限食が可能と過去のブログで述べたのは、所謂EBMに基づくものではありません。
ただ、ご自身が1型糖尿病の米国のバーンスタイン医師は、小児期12才に1型糖尿病を発症され、以後インスリンを打ち続けておられます。「バーンスタイン医師の糖尿病の解決」(メディカルトリビューン)の著者です。
35才、顕性腎症前期(第3期A)となった頃、SMBGで血糖自己測定をしながら食事療法を研究し、徹底した糖質制限食を開始。
尿中微量アルブミンの増加する「早期腎症期」より進行した蛋白尿が出現する段階の「顕性腎症前期」から、糖質制限食で回復しタンパク尿消失。
45才で医学部に入学、49才で医師になり、糖尿病を徹底的に研究。以後、多数の糖尿病患者を診察。
2010年、76才現在、糖尿病合併症もなく、現役医師としてお元気にお過ごしです。
バーンスタイン医師の場合、HbA1c5%くらいでキープしておられると思います。
個人差も当然あるし、糖質制限食のコントロール・スタディなどありません。
従って、糖質制限食で尿中微量アルブミンや顕性腎症前期(第3期A)までなら、必ず改善すると断定したり保証することは当然できません。
ただ、糖質制限食でHbA1c:5.8%未満くらいまでコントロールすれば、バーンスタイン先生のような経過をたどる可能性もありえると思います。
ACCORD研究(2008年)と2010年2月のランセットの研究報告で糖質を摂取して、HbA1cをきっちりコントロールすれば、総死亡率がかえって上昇することが示唆されました。
糖質を摂取することによる食後高血糖、そして過剰な薬物治療による低血糖、これらの繰り返しによる血糖値の乱高下が、死亡率上昇の主たる要因と思います。
同様の理由で、糖質を摂取しながらインスリンなどでHbA1cをコントロールしても、食後高血糖を防ぐことは困難で、糖尿病腎症の進行は防ぎがたいと思います。
このように考察してみると、糖質制限食だけが食後高血糖を生じないし、薬物の使用がないので低血糖も生じないので、糖尿病腎症の進行を防ぎ、また総死亡率も減らす可能性をもっていることがわかります。
患者さんへの説明は、結構難しいですが、
①「血糖コントロールが悪ければ、糖尿病腎症は転がるように進行する。」
微量アルブミン尿→第3期A→第3期B→腎不全→透析
ということをまず説明します。
そして、
②「糖質制限食で血糖コントロールが良くなれば、100%とは言えないが進行が防げる可能性がある。」と説明します。
第3期A(タンパク尿1g/日未満)の段階までは、
<高タンパク食による蛋白尿へのリスク>と<食後高血糖による蛋白尿へのリスク>
を天秤にかけるという言い方もできます。
このような臨床試験はないので、結論は出ませんが・・・。
ただ、第3期A(タンパク尿1g/日未満)の段階までは兎も角として、第3期Bの段階(タンパク尿1g/日以上)の段階になると、糖質制限食も含めて治療に難渋します。
ともあれ、できるだけ早い段階で糖尿病腎症を発見し、糖質制限食実践で血糖コントロールを良好に保つことが、現時点で最善の道と考えられます。
糖尿人は、3ヶ月~半年に1回、尿中微量アルブミンを検査して、早期発見に努めて下さいね。
江部康二
糖尿病腎症が始まれば、基本的には、じり貧で進行するのが、現在の西洋医学の常識的認識だと思います。
まあ、ACE阻害薬、または、アンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)の投与により、微量アルブミン尿が改善したという報告はありますが・・・。
糖質制限食による血糖コントロールの改善で、薬物なしで微量アルブミンが正常化した人は、私の患者さんでも何人かおられます。
腎症第3期Aまでは、糖質制限食が可能と過去のブログで述べたのは、所謂EBMに基づくものではありません。
ただ、ご自身が1型糖尿病の米国のバーンスタイン医師は、小児期12才に1型糖尿病を発症され、以後インスリンを打ち続けておられます。「バーンスタイン医師の糖尿病の解決」(メディカルトリビューン)の著者です。
35才、顕性腎症前期(第3期A)となった頃、SMBGで血糖自己測定をしながら食事療法を研究し、徹底した糖質制限食を開始。
尿中微量アルブミンの増加する「早期腎症期」より進行した蛋白尿が出現する段階の「顕性腎症前期」から、糖質制限食で回復しタンパク尿消失。
45才で医学部に入学、49才で医師になり、糖尿病を徹底的に研究。以後、多数の糖尿病患者を診察。
2010年、76才現在、糖尿病合併症もなく、現役医師としてお元気にお過ごしです。
バーンスタイン医師の場合、HbA1c5%くらいでキープしておられると思います。
個人差も当然あるし、糖質制限食のコントロール・スタディなどありません。
従って、糖質制限食で尿中微量アルブミンや顕性腎症前期(第3期A)までなら、必ず改善すると断定したり保証することは当然できません。
ただ、糖質制限食でHbA1c:5.8%未満くらいまでコントロールすれば、バーンスタイン先生のような経過をたどる可能性もありえると思います。
ACCORD研究(2008年)と2010年2月のランセットの研究報告で糖質を摂取して、HbA1cをきっちりコントロールすれば、総死亡率がかえって上昇することが示唆されました。
糖質を摂取することによる食後高血糖、そして過剰な薬物治療による低血糖、これらの繰り返しによる血糖値の乱高下が、死亡率上昇の主たる要因と思います。
同様の理由で、糖質を摂取しながらインスリンなどでHbA1cをコントロールしても、食後高血糖を防ぐことは困難で、糖尿病腎症の進行は防ぎがたいと思います。
このように考察してみると、糖質制限食だけが食後高血糖を生じないし、薬物の使用がないので低血糖も生じないので、糖尿病腎症の進行を防ぎ、また総死亡率も減らす可能性をもっていることがわかります。
患者さんへの説明は、結構難しいですが、
①「血糖コントロールが悪ければ、糖尿病腎症は転がるように進行する。」
微量アルブミン尿→第3期A→第3期B→腎不全→透析
ということをまず説明します。
そして、
②「糖質制限食で血糖コントロールが良くなれば、100%とは言えないが進行が防げる可能性がある。」と説明します。
第3期A(タンパク尿1g/日未満)の段階までは、
<高タンパク食による蛋白尿へのリスク>と<食後高血糖による蛋白尿へのリスク>
を天秤にかけるという言い方もできます。
このような臨床試験はないので、結論は出ませんが・・・。
ただ、第3期A(タンパク尿1g/日未満)の段階までは兎も角として、第3期Bの段階(タンパク尿1g/日以上)の段階になると、糖質制限食も含めて治療に難渋します。
ともあれ、できるだけ早い段階で糖尿病腎症を発見し、糖質制限食実践で血糖コントロールを良好に保つことが、現時点で最善の道と考えられます。
糖尿人は、3ヶ月~半年に1回、尿中微量アルブミンを検査して、早期発見に努めて下さいね。
江部康二
2010年05月11日 (火)
おはようございます。
スーパー糖質制限食なら、2型糖尿人の大多数は、経口血糖降下剤は不必要となります。
かくいう私も薬なしで、コントロール優レベル(HbA1c5.8%未満)で、5.1~5.4%くらいです。
たまに宴会などで、付き合いで主食を食べざるを得ないときだけ、グルコバイなどαグルコシダーゼ阻害剤や、グルファストなど超速効型インスリン分泌促進剤を直前に飲めば、あるていど食後高血糖を抑えることができるので、そのような使用法もあります。
この方法で、たいていの場合はコントロール良好レベル(HbA1c6.5%未満)を保てます。
一方で、糖質制限食をしているはずなのに、なかなかHbA1cが6.5%未満にならない糖尿人・・・。
どうしてもちょこちょこ糖質を食べておられるのでしょうね。( ̄_ ̄|||)
こういった方には、私もたまにSU剤を処方することがあります。
私はSU剤を処方するときは、基本的にアマリール(第三世代)としています。
なぜなら、グリペンクラミド(オイグルコン、ダオニール:第二世代)は危険だからです。
グリペンクラミドは、膵臓のβ細胞膜のカリウムATPチャンネルだけでなく、ミトコンドリアや心筋細胞のカリウムATPチャンネルをも抑制します。このため、心筋障害を起こす可能性が明らかに高まるのです。
実際に、グリペンクラミド内服中の人は、有意差をもって心筋梗塞が多かったという研究報告もあります。
これに対して、グリメピリド(アマリール:第三世代)は、膵臓のβ細胞膜のカリウムATPチャンネルにだけ働いて
ミトコンドリアや心筋細胞のカリウムATPチャンネルには影響を与えません。従って心筋に対して悪影響がないのです。
アマリールを投与するときも、原則として、1mgの錠剤を0.5錠/日とか、 0.5錠×2/日とかの少量にしています。
SU剤は、疲れたβ細胞を鞭打つ側面がありますから、少量にこしたことはないのです。
実は、アマリールとオイグルコンは、販売メーカーはサノフィ・アベンティスで同一です。
今回のオイグルコンが危険というお話しは、 サノフィ・アベンティスのMRさんから伺いました。
メーカーとしても、心筋への危険性がはっきりと証明されているオイグルコンは、販売中止したいのだそうです。それでも、処方するお医者さんがおられる以上は、供給せざるを得ないのだそうです。
MRさんとしては、是非このことをブログに書いて欲しいとのことでした。
ブログ読者の糖尿人の皆さん、もし、グリペンクラミド(オイグルコン、ダオニール:第二世代)や第一世代のSU剤(ジメリンなど)を服用しておられる方がいたら、せめてアマリールに変更してくださいね。
江部康二
スーパー糖質制限食なら、2型糖尿人の大多数は、経口血糖降下剤は不必要となります。
かくいう私も薬なしで、コントロール優レベル(HbA1c5.8%未満)で、5.1~5.4%くらいです。
たまに宴会などで、付き合いで主食を食べざるを得ないときだけ、グルコバイなどαグルコシダーゼ阻害剤や、グルファストなど超速効型インスリン分泌促進剤を直前に飲めば、あるていど食後高血糖を抑えることができるので、そのような使用法もあります。
この方法で、たいていの場合はコントロール良好レベル(HbA1c6.5%未満)を保てます。
一方で、糖質制限食をしているはずなのに、なかなかHbA1cが6.5%未満にならない糖尿人・・・。
どうしてもちょこちょこ糖質を食べておられるのでしょうね。( ̄_ ̄|||)
こういった方には、私もたまにSU剤を処方することがあります。
私はSU剤を処方するときは、基本的にアマリール(第三世代)としています。
なぜなら、グリペンクラミド(オイグルコン、ダオニール:第二世代)は危険だからです。
グリペンクラミドは、膵臓のβ細胞膜のカリウムATPチャンネルだけでなく、ミトコンドリアや心筋細胞のカリウムATPチャンネルをも抑制します。このため、心筋障害を起こす可能性が明らかに高まるのです。
実際に、グリペンクラミド内服中の人は、有意差をもって心筋梗塞が多かったという研究報告もあります。
これに対して、グリメピリド(アマリール:第三世代)は、膵臓のβ細胞膜のカリウムATPチャンネルにだけ働いて
ミトコンドリアや心筋細胞のカリウムATPチャンネルには影響を与えません。従って心筋に対して悪影響がないのです。
アマリールを投与するときも、原則として、1mgの錠剤を0.5錠/日とか、 0.5錠×2/日とかの少量にしています。
SU剤は、疲れたβ細胞を鞭打つ側面がありますから、少量にこしたことはないのです。
実は、アマリールとオイグルコンは、販売メーカーはサノフィ・アベンティスで同一です。
今回のオイグルコンが危険というお話しは、 サノフィ・アベンティスのMRさんから伺いました。
メーカーとしても、心筋への危険性がはっきりと証明されているオイグルコンは、販売中止したいのだそうです。それでも、処方するお医者さんがおられる以上は、供給せざるを得ないのだそうです。
MRさんとしては、是非このことをブログに書いて欲しいとのことでした。
ブログ読者の糖尿人の皆さん、もし、グリペンクラミド(オイグルコン、ダオニール:第二世代)や第一世代のSU剤(ジメリンなど)を服用しておられる方がいたら、せめてアマリールに変更してくださいね。
江部康二
2010年05月10日 (月)
こんにちは。
今回は、GIについて、牛るさんから、コメント・質問をいただきました。
「10/05/08 牛る
GIについて
宮本輝さんとの御著書を先週読み、このブログに来ました。昨日から糖質制限食を始めました。こちらのブログはまだ読めていないので既にご説明済みでしたらすみません。GIですが、なぜ肉や魚もゼロではないのですか?膠原病の方で水を飲んでも血糖値が上がるといっていた方がいるのですが、ただ測定した時間がそういう時間帯だっただけなのですか?教えていただけると嬉しいです。」
牛る さん。
「我ら糖尿人、元気なのには理由がある。」
のご購入ありがとうございます。
水を飲んで血糖値が上昇することはありえませんが、食物摂取以外に、ストレスや運動や生理やステロイド内服・・・など、いろんなことが血糖値に影響を与えます。
GIについて、記載してあるサイトはたくさんありますが、怪しいものも多いです。例えば、肉や魚のGIが記載してあるなら、そのサイトはインチキです。
それから、GIは正常人では参考になりますが、糖尿人では、あまり参考になりません。糖尿人では、GIよりも食品に含まれる糖質のグラム数が大事です。
1gの糖質が、体重64kgの2型糖尿人の血糖値を約3mg上昇させ、1型糖尿人の血糖値を5mg上昇させます。
例えば、玄米や十割蕎麦など低GIの食品でも、糖質が主成分の食品を普通量摂取すれば、糖尿人では血糖値は200mgを超えてきます。
そして、GIは研究者によりばらつきますが、例えば豚肉のGIが30とか40などということはありえません。
GI値は、糖質50gを含む食品を摂取して基準となる食品と比較して決定します。糖質50gを含む豚肉というと、5kg以上はあります。ヾ(゜▽゜)
いったいどうやって食べて計算したのでしょうね? (∵)?
つまり、GI値というものは、あくまでも糖質が主成分の食物を対象にしたものであり、脂質やタンパク質が主成分の食品は、対象外で計算不能です。従って、牛肉や豚肉や魚などのGI値は、ないと思っていただいて結構です。
http://www.mendosa.com/
http://www.mendosa.com/gilists.htm
このサイトは、David Mendosaという、「ミスターGI」とも呼べるマニアックなおじさんが運営していて、およそGIのことならなんでも載っています。英文ですが、お暇なときに覗いてみてください。
なお果物に関しては、GI値は低いのですが、糖質は含んでますので、糖尿人は摂取するにしても少量にとどめた方がよいですね。
果物に関しては2008.7.8のブログもご参照くださいね。
以下はメンドーサおじさんのサイト、いろんなGI研究の平均値です。
White wheat bread* 75±2 白いパン
Whole wheat/whole meal bread 74±2 全粒粉のパン
Speciality grain bread 53±2 ?
White rice, boiled* 73±4 炊いた白米
Brown rice, boiled 68±4 炊いた玄米
Udon noodles 55±7 うどん
Spaghetti, white 49±2 スパゲッティ
Potato, boiled 78±4 ゆでたジャガイモ
Potato, instant mashed 87±3 マッシュポテト
Sugars
Fructose 15±4 果糖
Sucrose 65±4 ショ糖
Glucose 103±3 ブドウ糖
Honey 61±3 蜂蜜
パンは全粒粉のものも、結構GI高値で、白いパンと変わりませんね。
Speciality grain bread はGI値低いですが、Whole wheat/whole meal bread とどう違うのかよくわかりません。
どなたかご存じならご教示願います。 m(_ _)m
玄米と白米は、少し玄米が低いです。
スパゲッティやうどんは意外なほど低いです。
江部康二
☆☆☆
<グリセミック・インデックス:glycemic index:GI:血糖指数>
GIは血糖上昇反応度とも言われています。
一時流行した低インスリンダイエットの本などにGIのことも載っていたので、
聞いたことのある方、またご存知の方もおられるでしょう。
GIというのは、糖質50gを含む食品を摂取した後の血糖値の上昇カーブを2時間追って、 基準となる食品(ブドウ糖50g)を摂取した後の血糖値の上昇カーブの面積と比較し、パーセントで表した数値のことです。 (´・⊇・`)
*
GIの算出方法
糖質50gを含有する食品摂取後
2時間までの血糖曲線下面積
GI=─────────────────────── ×100
糖質50gを含有する基準食(ブドウ糖)
摂取後2時間までの血糖曲線下面積
何やよくわかりませんよね。グラフにするともう少しわかりやすいのですが、実は私パソコン苦手なもので写真や絵を貼り付ける技が・・・すいません。 (*- -)(*_ _)
拒否反応を起こしかけている皆さんのために簡潔に言うと、GIの数値が高ければ血糖値を上昇させやすい食品であり、GIの数値が低ければ血糖値を上昇させにくい食品であるということです。
GIが高い食品ほど血糖が急激に上昇し、ブドウ糖スパイクを生じます。実際、2種類の同じカロリーの糖質(たとえば玄米と白米)を摂取しても、血糖値の上がり方はそれぞれ異なります。GIの数値は、70以上は高い、56~69が中等度、GI55以下は低い、と評価されています。
糖尿病でない人は、玄米などGIの低いものを主食としていればブドウ糖スパイクは小さく、代謝が安定するというわけです。
しかし、GIに関して一般に言われてる数値は正常人のもので、糖尿人にはあてはまりません。糖尿病の人は玄米などGIの低いものを食べたとしても、200以上のブドウ糖スパイクを起こしてしまうことを、私達は高雄病院の400人以上の入院糖尿人のデータで確認しています。
一方糖尿人おいても、GIの高い白パンのほうが玄米より血糖値をさらに上昇させやすいということはあります。
また、現在のGIの数値は主に欧米人のデータで、日本人のものではありませんので、日本人のGIを調べようという動きもあります。もともとジェンキンスが62品目の数字を出し、現在International table of GIというアメリカ栄養学会の出したリストで600種類の食品に関するデータが出ています。50gのブドウ糖を基準にしたものと、白パン50gを基準にしたもので、おなじ食品でもGIが異なります。
それからライスとバターライスを比べたら、バターライスのほうがGIが低いというように食品の組み合わせでも違いが生じます。
GIというのは、糖質を含む食品、例えばニンジンならニンジンだけを単品で食べてみて計測した数値です。実際の食事では何種類か一緒に食品を食べますから、GIはあくまでも実験室的なデータですね。
このように見てくるとGIは正常人ではあるていど参考にはなりますが、確定的なものではありません。
まして、糖尿人においてはGIはあてにならず、糖質のグラム数の計算のほうが重要です。そこで糖質制限食の出番となるわけです。糖質制限食ならば、糖尿人においても血糖値の上下動は極めて少なくなり、薬に頼ることなく良好なコントロールが期待できます。
江部康二
今回は、GIについて、牛るさんから、コメント・質問をいただきました。
「10/05/08 牛る
GIについて
宮本輝さんとの御著書を先週読み、このブログに来ました。昨日から糖質制限食を始めました。こちらのブログはまだ読めていないので既にご説明済みでしたらすみません。GIですが、なぜ肉や魚もゼロではないのですか?膠原病の方で水を飲んでも血糖値が上がるといっていた方がいるのですが、ただ測定した時間がそういう時間帯だっただけなのですか?教えていただけると嬉しいです。」
牛る さん。
「我ら糖尿人、元気なのには理由がある。」
のご購入ありがとうございます。
水を飲んで血糖値が上昇することはありえませんが、食物摂取以外に、ストレスや運動や生理やステロイド内服・・・など、いろんなことが血糖値に影響を与えます。
GIについて、記載してあるサイトはたくさんありますが、怪しいものも多いです。例えば、肉や魚のGIが記載してあるなら、そのサイトはインチキです。
それから、GIは正常人では参考になりますが、糖尿人では、あまり参考になりません。糖尿人では、GIよりも食品に含まれる糖質のグラム数が大事です。
1gの糖質が、体重64kgの2型糖尿人の血糖値を約3mg上昇させ、1型糖尿人の血糖値を5mg上昇させます。
例えば、玄米や十割蕎麦など低GIの食品でも、糖質が主成分の食品を普通量摂取すれば、糖尿人では血糖値は200mgを超えてきます。
そして、GIは研究者によりばらつきますが、例えば豚肉のGIが30とか40などということはありえません。
GI値は、糖質50gを含む食品を摂取して基準となる食品と比較して決定します。糖質50gを含む豚肉というと、5kg以上はあります。ヾ(゜▽゜)
いったいどうやって食べて計算したのでしょうね? (∵)?
つまり、GI値というものは、あくまでも糖質が主成分の食物を対象にしたものであり、脂質やタンパク質が主成分の食品は、対象外で計算不能です。従って、牛肉や豚肉や魚などのGI値は、ないと思っていただいて結構です。
http://www.mendosa.com/
http://www.mendosa.com/gilists.htm
このサイトは、David Mendosaという、「ミスターGI」とも呼べるマニアックなおじさんが運営していて、およそGIのことならなんでも載っています。英文ですが、お暇なときに覗いてみてください。
なお果物に関しては、GI値は低いのですが、糖質は含んでますので、糖尿人は摂取するにしても少量にとどめた方がよいですね。
果物に関しては2008.7.8のブログもご参照くださいね。
以下はメンドーサおじさんのサイト、いろんなGI研究の平均値です。
White wheat bread* 75±2 白いパン
Whole wheat/whole meal bread 74±2 全粒粉のパン
Speciality grain bread 53±2 ?
White rice, boiled* 73±4 炊いた白米
Brown rice, boiled 68±4 炊いた玄米
Udon noodles 55±7 うどん
Spaghetti, white 49±2 スパゲッティ
Potato, boiled 78±4 ゆでたジャガイモ
Potato, instant mashed 87±3 マッシュポテト
Sugars
Fructose 15±4 果糖
Sucrose 65±4 ショ糖
Glucose 103±3 ブドウ糖
Honey 61±3 蜂蜜
パンは全粒粉のものも、結構GI高値で、白いパンと変わりませんね。
Speciality grain bread はGI値低いですが、Whole wheat/whole meal bread とどう違うのかよくわかりません。
どなたかご存じならご教示願います。 m(_ _)m
玄米と白米は、少し玄米が低いです。
スパゲッティやうどんは意外なほど低いです。
江部康二
☆☆☆
<グリセミック・インデックス:glycemic index:GI:血糖指数>
GIは血糖上昇反応度とも言われています。
一時流行した低インスリンダイエットの本などにGIのことも載っていたので、
聞いたことのある方、またご存知の方もおられるでしょう。
GIというのは、糖質50gを含む食品を摂取した後の血糖値の上昇カーブを2時間追って、 基準となる食品(ブドウ糖50g)を摂取した後の血糖値の上昇カーブの面積と比較し、パーセントで表した数値のことです。 (´・⊇・`)
*
GIの算出方法
糖質50gを含有する食品摂取後
2時間までの血糖曲線下面積
GI=─────────────────────── ×100
糖質50gを含有する基準食(ブドウ糖)
摂取後2時間までの血糖曲線下面積
何やよくわかりませんよね。グラフにするともう少しわかりやすいのですが、実は私パソコン苦手なもので写真や絵を貼り付ける技が・・・すいません。 (*- -)(*_ _)
拒否反応を起こしかけている皆さんのために簡潔に言うと、GIの数値が高ければ血糖値を上昇させやすい食品であり、GIの数値が低ければ血糖値を上昇させにくい食品であるということです。
GIが高い食品ほど血糖が急激に上昇し、ブドウ糖スパイクを生じます。実際、2種類の同じカロリーの糖質(たとえば玄米と白米)を摂取しても、血糖値の上がり方はそれぞれ異なります。GIの数値は、70以上は高い、56~69が中等度、GI55以下は低い、と評価されています。
糖尿病でない人は、玄米などGIの低いものを主食としていればブドウ糖スパイクは小さく、代謝が安定するというわけです。
しかし、GIに関して一般に言われてる数値は正常人のもので、糖尿人にはあてはまりません。糖尿病の人は玄米などGIの低いものを食べたとしても、200以上のブドウ糖スパイクを起こしてしまうことを、私達は高雄病院の400人以上の入院糖尿人のデータで確認しています。
一方糖尿人おいても、GIの高い白パンのほうが玄米より血糖値をさらに上昇させやすいということはあります。
また、現在のGIの数値は主に欧米人のデータで、日本人のものではありませんので、日本人のGIを調べようという動きもあります。もともとジェンキンスが62品目の数字を出し、現在International table of GIというアメリカ栄養学会の出したリストで600種類の食品に関するデータが出ています。50gのブドウ糖を基準にしたものと、白パン50gを基準にしたもので、おなじ食品でもGIが異なります。
それからライスとバターライスを比べたら、バターライスのほうがGIが低いというように食品の組み合わせでも違いが生じます。
GIというのは、糖質を含む食品、例えばニンジンならニンジンだけを単品で食べてみて計測した数値です。実際の食事では何種類か一緒に食品を食べますから、GIはあくまでも実験室的なデータですね。
このように見てくるとGIは正常人ではあるていど参考にはなりますが、確定的なものではありません。
まして、糖尿人においてはGIはあてにならず、糖質のグラム数の計算のほうが重要です。そこで糖質制限食の出番となるわけです。糖質制限食ならば、糖尿人においても血糖値の上下動は極めて少なくなり、薬に頼ることなく良好なコントロールが期待できます。
江部康二
2010年05月09日 (日)
第2回糖質制限食マスター講座
2010年5月16日(日)
東京 四谷広場
満員御礼のお知らせです。
江部康二
以下は事務局の曽我部ゆかりさんからのメッセージです。
☆☆☆
ドクター江部のブログ読者の皆様へ
おはようございます。
ようやく初夏にふさわしいぽかぽか陽気が続いていますね。
皆様いかがおすごしでしょうか。
さて5月16日(日)に予定しております、マスター講座ですが、おかげをもちまして満員御礼となりました。
現在、キャンセル待ちでご予約を賜っております。
キャンセルのメドはだいたい木曜日ぐらいまでにははっきりしま すので、それでも構わないと仰る方は、ご連絡ください。
なお、今年度も講座開催は充実させて参りますので、今回ご都合のつかない方も楽しみにしていてくださいね。
いつもありがとうございます。お知らせでした。曽我部 ゆかり
☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★
曽我部 ゆかり
reborn@big.or.jp
NPO法人糖質制限食ネット・リボーン
事務局 中野区新井4-4-2-4B
03-3388-5428
☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★
2010年5月16日(日)
東京 四谷広場
満員御礼のお知らせです。
江部康二
以下は事務局の曽我部ゆかりさんからのメッセージです。
☆☆☆
ドクター江部のブログ読者の皆様へ
おはようございます。
ようやく初夏にふさわしいぽかぽか陽気が続いていますね。
皆様いかがおすごしでしょうか。
さて5月16日(日)に予定しております、マスター講座ですが、おかげをもちまして満員御礼となりました。
現在、キャンセル待ちでご予約を賜っております。
キャンセルのメドはだいたい木曜日ぐらいまでにははっきりしま すので、それでも構わないと仰る方は、ご連絡ください。
なお、今年度も講座開催は充実させて参りますので、今回ご都合のつかない方も楽しみにしていてくださいね。
いつもありがとうございます。お知らせでした。曽我部 ゆかり
☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★
曽我部 ゆかり
reborn@big.or.jp
NPO法人糖質制限食ネット・リボーン
事務局 中野区新井4-4-2-4B
03-3388-5428
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2010年05月09日 (日)
おはようございます。
今回は、はなまるさんから、嬉しいコメントをいただきました。
【10/05/07 はなまる
はじめまして。
2型糖尿病と診断されて7年たちます。仕事に追われているうちに食生活も荒み、食後血糖値が500を超えてしまいました。
そこで先生のサイトに辿り着き、糖質制限を始めたところ、2週間で早朝空腹時血糖値が107まで下がりました。(グルコバイとアマリールを服薬中)
そこで、最近体に変化がありました。
空腹感はあるのですが、以前のように「どうしても我慢できない!」といったものではなく、なんとなく心地よい空腹感なのです。
これは先生の言う「炭水化物中毒」が改善されつつあるのでしょうか?
また、脂肪燃焼システムに切り替わりつつあるのでしょうか?
私のかかりつけ医は糖質制限食に否定的なのでこのことは話していません。
一時カロリー制限食も行いましたが、味気ない食事にストレスがたまり、脱毛症になってしまいました。】
はなまるさん。
コメント、ありがとうございます。
食後血糖値500アップはすごいですね。ヾ(゜▽゜)
そんなデータが続けば、糖毒(*)状態となって、とても危険なのですが、糖質制限食、間に合いましたね。
2週間の糖質制限食で、空腹時血糖値が107mgまで改善したのなら、糖毒状態が解除されてインスリン基礎分泌がかなり回復した証拠なので、まずは良かったです。 (^_^)
さらに良くなれば、アマリールやグルコバイのの減量・離脱も夢ではないですよ。
【以前のように「どうしても我慢できない!」といったものではなく、なんとなく心地よい空腹感なのです。
これは先生の言う「炭水化物中毒」が改善されつつあるのでしょうか?
また、脂肪燃焼システムに切り替わりつつあるのでしょうか? 】
糖質摂取を制限することで、食後の血糖値上昇がごくわずかとなり、インスリン追加分泌もごく少量となります。
インスリン追加分泌が少量なので、食後3~4時間で血糖値が下がりすぎることもなくなり、「どうしても我慢できない!」ような空腹感はなくなります。
この間、食事中も食後も糖質制限食なら常に脂肪は燃えていて、肝臓では糖新生が行われています。
はなまるさん、すでに「炭水化物中毒」は脱却できていると思いますよ。
今まで、糖質を頻回・大量に食べていた人は、程度の差はありますが、炭水化物中毒の可能性があります。
このような人は、起きているときは、常に外部から糖質が摂取されて血中に入り血糖値に変わるので、肝臓が糖新生をするのは、夜中寝ているときくらいです。
寝る前に夜食のラーメンとか食べたら、夜中に寝ている時も血糖値が上がり、肝臓の糖新生は明け方くらいしか働きませんので、24時間中肝臓の糖新生はわずか3~4時間です。これでは、肝臓の糖新生能力が衰えてしまいます。
この炭水化物中毒で衰えてしまった肝臓の糖新生能力が、本来の力を取り戻すまでの期間に個人差があるわけです。数日の人、1ヶ月の人、まれにはは2~3ヶ月かかる人・・・
一方、糖質制限食実践中の人は、24時間常に肝臓で糖新生が行われています。インスリン基礎分泌が、肝臓がブドウ糖をつくりすぎないようにコントロールしているわけです。人類が農耕前の狩猟・採集生活だったころも同様のパターンだったと考えられます。
【一時カロリー制限食も行いましたが、味気ない食事にストレスがたまり、脱毛症になってしまいました。】
それは大変でした。
カロリー制限は、やはりつらいし面倒くさいし、ストレスですよね。
はなまるさん、これからも美味しく楽しく末長く、糖質制限食をお続け下さい。(⌒o⌒)v
江部康二
*糖毒
① 高血糖の持続→膵臓のランゲルハンス島のβ細胞にダメージ→インスリン分泌低下
② 高血糖の持続→細胞レベルでのインスリン抵抗性増大
高血糖があると①と②が体内で生じます。インスリン分泌低下と抵抗性増大が生じれば、ますます高血糖となります。
≪高血糖の持続→インスリン分泌低下とインスリン抵抗性増大→高血糖の持続→≫
この悪循環パターンを、臨床的には「糖毒」 と呼びます。
なぜ、高血糖自体がインスリン分泌を低下させるのか、インスリン抵抗性を増大させるのか、最先端の研究で調べられてはいるのですが、はっきり言ってまだよくわからないのが現状です。
今回は、はなまるさんから、嬉しいコメントをいただきました。
【10/05/07 はなまる
はじめまして。
2型糖尿病と診断されて7年たちます。仕事に追われているうちに食生活も荒み、食後血糖値が500を超えてしまいました。
そこで先生のサイトに辿り着き、糖質制限を始めたところ、2週間で早朝空腹時血糖値が107まで下がりました。(グルコバイとアマリールを服薬中)
そこで、最近体に変化がありました。
空腹感はあるのですが、以前のように「どうしても我慢できない!」といったものではなく、なんとなく心地よい空腹感なのです。
これは先生の言う「炭水化物中毒」が改善されつつあるのでしょうか?
また、脂肪燃焼システムに切り替わりつつあるのでしょうか?
私のかかりつけ医は糖質制限食に否定的なのでこのことは話していません。
一時カロリー制限食も行いましたが、味気ない食事にストレスがたまり、脱毛症になってしまいました。】
はなまるさん。
コメント、ありがとうございます。
食後血糖値500アップはすごいですね。ヾ(゜▽゜)
そんなデータが続けば、糖毒(*)状態となって、とても危険なのですが、糖質制限食、間に合いましたね。
2週間の糖質制限食で、空腹時血糖値が107mgまで改善したのなら、糖毒状態が解除されてインスリン基礎分泌がかなり回復した証拠なので、まずは良かったです。 (^_^)
さらに良くなれば、アマリールやグルコバイのの減量・離脱も夢ではないですよ。
【以前のように「どうしても我慢できない!」といったものではなく、なんとなく心地よい空腹感なのです。
これは先生の言う「炭水化物中毒」が改善されつつあるのでしょうか?
また、脂肪燃焼システムに切り替わりつつあるのでしょうか? 】
糖質摂取を制限することで、食後の血糖値上昇がごくわずかとなり、インスリン追加分泌もごく少量となります。
インスリン追加分泌が少量なので、食後3~4時間で血糖値が下がりすぎることもなくなり、「どうしても我慢できない!」ような空腹感はなくなります。
この間、食事中も食後も糖質制限食なら常に脂肪は燃えていて、肝臓では糖新生が行われています。
はなまるさん、すでに「炭水化物中毒」は脱却できていると思いますよ。
今まで、糖質を頻回・大量に食べていた人は、程度の差はありますが、炭水化物中毒の可能性があります。
このような人は、起きているときは、常に外部から糖質が摂取されて血中に入り血糖値に変わるので、肝臓が糖新生をするのは、夜中寝ているときくらいです。
寝る前に夜食のラーメンとか食べたら、夜中に寝ている時も血糖値が上がり、肝臓の糖新生は明け方くらいしか働きませんので、24時間中肝臓の糖新生はわずか3~4時間です。これでは、肝臓の糖新生能力が衰えてしまいます。
この炭水化物中毒で衰えてしまった肝臓の糖新生能力が、本来の力を取り戻すまでの期間に個人差があるわけです。数日の人、1ヶ月の人、まれにはは2~3ヶ月かかる人・・・
一方、糖質制限食実践中の人は、24時間常に肝臓で糖新生が行われています。インスリン基礎分泌が、肝臓がブドウ糖をつくりすぎないようにコントロールしているわけです。人類が農耕前の狩猟・採集生活だったころも同様のパターンだったと考えられます。
【一時カロリー制限食も行いましたが、味気ない食事にストレスがたまり、脱毛症になってしまいました。】
それは大変でした。
カロリー制限は、やはりつらいし面倒くさいし、ストレスですよね。
はなまるさん、これからも美味しく楽しく末長く、糖質制限食をお続け下さい。(⌒o⌒)v
江部康二
*糖毒
① 高血糖の持続→膵臓のランゲルハンス島のβ細胞にダメージ→インスリン分泌低下
② 高血糖の持続→細胞レベルでのインスリン抵抗性増大
高血糖があると①と②が体内で生じます。インスリン分泌低下と抵抗性増大が生じれば、ますます高血糖となります。
≪高血糖の持続→インスリン分泌低下とインスリン抵抗性増大→高血糖の持続→≫
この悪循環パターンを、臨床的には「糖毒」 と呼びます。
なぜ、高血糖自体がインスリン分泌を低下させるのか、インスリン抵抗性を増大させるのか、最先端の研究で調べられてはいるのですが、はっきり言ってまだよくわからないのが現状です。
2010年05月08日 (土)
こんばんは。
otokiさんから、嬉しいコメントをいただきました。
「10/05/05 otoki
江部先生 こんばんは お久しぶりです。
4月中旬 久しぶりに血液検査をしました。
10月中旬 A1c 8.7 空腹時血糖値 153
12月初旬 A1c 6.9 空腹時血糖値 120
1月、2月初旬 A1c 5.7、 5.6 で
空腹時血糖値 125 でした。
芋焼酎が好きで週5日200~300ml程飲んでいます。
カロリー食事制限とプチ制限食で効果が出てびっくりしています。
今回は、体重54.5Kg 身長174cm
A1c 5.5
空腹時 130 (朝9時の検査です。高いかな?)
r-GT 46
AST 22
ALT 26
HDL 68.7
LDL 106.2
中性脂肪 58
でした。
いままで総合病院の専門医に診てもらいましたが、近くで地域医療に力を入れたいと大学病院から移ってきた癌の専門医に診てもらっています。
その先生は血糖値は気にしなくていいからA1cで見ましょうとおっしゃいました。
どうなんでしょうね?
江部先生のプログ参考にしながら・・・
このまま続けたいと思います。
健康おつまみ109レシピ 楽しみです。」
otokiさん。
コメントそして「血糖値を上げない! 健康おつまみ109」ご購入予定、ありがとうございます。
検査データ的には申し分のない改善ですね。
2009年10月中旬 A1c 8.7 空腹時血糖値 153
2009年12月初旬 A1c 6.9 空腹時血糖値 120
2010年1月 A1c 5.7
2010年2月初旬 A1c 5.6%
2010年4月中旬 A1c 5.5%
r-GT 46
AST 22
ALT 26
HDL 68.7
LDL 106.2
中性脂肪 58
早朝空腹時血糖値:130mg
だけがまだ糖尿病型です。
芋焼酎がお好きなら、スーパー糖質制限食も成功率が高いので是非お奨めです。プチ糖質制限食でここまで改善なら、スーパー糖質制限食なら、空腹時血糖値も正常型になると思いますよ。
「その先生は血糖値は気にしなくていいからA1cで見ましょうとおっしゃいました。 どうなんでしょうね?」
HbA1cも、勿論大切な指標の一つです。
一方、食後高血糖が動脈硬化の最も、重要なリスクとなります。HbA1cが正常でも、食後高血糖が隠れていることがあります。また、空腹時血糖値も一定以下でないと、やはり動脈硬化のリスクになります。
糖尿病合併症予防のためには
① 空腹時血糖値140mg/dl未満→126mg/dl未満→さらには110mg/dl未満
② 食後2時間血糖値180mg/dlmg/dl未満→さらには140mg/dl未満
③ 理想的には食後1時間血糖値180mg/dl未満
④ HbA1c6.5%未満→さらには5.8%未満
①②③④の糖尿人の目標達成を目指してくださいね。
江部康二
otokiさんから、嬉しいコメントをいただきました。
「10/05/05 otoki
江部先生 こんばんは お久しぶりです。
4月中旬 久しぶりに血液検査をしました。
10月中旬 A1c 8.7 空腹時血糖値 153
12月初旬 A1c 6.9 空腹時血糖値 120
1月、2月初旬 A1c 5.7、 5.6 で
空腹時血糖値 125 でした。
芋焼酎が好きで週5日200~300ml程飲んでいます。
カロリー食事制限とプチ制限食で効果が出てびっくりしています。
今回は、体重54.5Kg 身長174cm
A1c 5.5
空腹時 130 (朝9時の検査です。高いかな?)
r-GT 46
AST 22
ALT 26
HDL 68.7
LDL 106.2
中性脂肪 58
でした。
いままで総合病院の専門医に診てもらいましたが、近くで地域医療に力を入れたいと大学病院から移ってきた癌の専門医に診てもらっています。
その先生は血糖値は気にしなくていいからA1cで見ましょうとおっしゃいました。
どうなんでしょうね?
江部先生のプログ参考にしながら・・・
このまま続けたいと思います。
健康おつまみ109レシピ 楽しみです。」
otokiさん。
コメントそして「血糖値を上げない! 健康おつまみ109」ご購入予定、ありがとうございます。
検査データ的には申し分のない改善ですね。
2009年10月中旬 A1c 8.7 空腹時血糖値 153
2009年12月初旬 A1c 6.9 空腹時血糖値 120
2010年1月 A1c 5.7
2010年2月初旬 A1c 5.6%
2010年4月中旬 A1c 5.5%
r-GT 46
AST 22
ALT 26
HDL 68.7
LDL 106.2
中性脂肪 58
早朝空腹時血糖値:130mg
だけがまだ糖尿病型です。
芋焼酎がお好きなら、スーパー糖質制限食も成功率が高いので是非お奨めです。プチ糖質制限食でここまで改善なら、スーパー糖質制限食なら、空腹時血糖値も正常型になると思いますよ。
「その先生は血糖値は気にしなくていいからA1cで見ましょうとおっしゃいました。 どうなんでしょうね?」
HbA1cも、勿論大切な指標の一つです。
一方、食後高血糖が動脈硬化の最も、重要なリスクとなります。HbA1cが正常でも、食後高血糖が隠れていることがあります。また、空腹時血糖値も一定以下でないと、やはり動脈硬化のリスクになります。
糖尿病合併症予防のためには
① 空腹時血糖値140mg/dl未満→126mg/dl未満→さらには110mg/dl未満
② 食後2時間血糖値180mg/dlmg/dl未満→さらには140mg/dl未満
③ 理想的には食後1時間血糖値180mg/dl未満
④ HbA1c6.5%未満→さらには5.8%未満
①②③④の糖尿人の目標達成を目指してくださいね。
江部康二
2010年05月07日 (金)
こんばんは。
今回は、ゆうやんさんから糖質制限食関連でいろいろとコメント・質問をいただきました。
「10/05/06 ゆうやん
タイトルなし
こんにちは!
先日質問させて頂きましたゆうやんです^^
またわからないことがあったので質問させて下さい。
1、2010/4/7の記事に
『運動量に関しては、明治のころの日本人は、お米たっぷりで糖質60~70%も摂取していましたが、糖尿病はほとんどありませんでした。』
とありますが、健常者で、運動量が明治時代と同じくらい多ければ、糖質を60%摂取しても問題はないのでしょうか?もし摂取して良い場合、どのような理由からでしょうか?
2、糖新生で高エネルギーを消費する、とありますが、どのくらいの消費カロリーなのでしょうか?
3、糖質制限食を始めてから、体が柔らかくなった(良い意味で)ような気がするのですが、これは糖質制限食による代謝が原因なのでしょうか?また筋肉だけでなく、硬くなってしまった血管が柔らかくなったり、神経の通りが良くなったりもするものなのでしょうか?それと代謝には皮膚や骨など、28日や90日といったサイクルがそれぞれあるみたいですが、どこからのデータなのか、よく分かりません。医学の教科書にもこれらのデータは常識として載っているのでしょうか?初歩的な質問ですみません。
4、基礎代謝が1360で摂取カロリー約3000と、大幅に上回っているのですが、あまり体重が増加しません。運動はまったくしていません。
かかりつけの医師によると『お腹がすいたときは低血糖になってるからカロリーは気にせずどんどん食べてもいい(卵やチーズなどの糖質が少ないものに限る)』とのことだったのですが、カロリーを気にせず、このまま食べ続けても問題はないでしょうか?体脂肪率は14%で骨格筋は42%です。
以上になります。お忙しいとは思いますが、宜しくお願いします<○> 」
ゆうやん。
コメントありがとうございます。
「1、2010/4/7の記事に
『運動量に関しては、明治のころの日本人は、お米たっぷりで糖質60~70%も摂取していましたが、糖尿病はほとんどありませんでした。』
とありますが、健常者で、運動量が明治時代と同じくらい多ければ、糖質を60%摂取しても問題はないのでしょうか?
もし摂取して良い場合、どのような理由からでしょうか? 」
アリゾナ州のピマインディアンは、現在、世界的に最も2型糖尿病が多い民族とされています。
ピマインディアンには、アメリカのアリゾナ州とメキシコのシェラマドレ山脈に定住した2つのグループがあります。元来は同じ種族ですので、遺伝的素因は共通です。
アリゾナ州のピマインディアンは、今や人口の50%が2型糖尿病で成人の90%が高度肥満です。
ところが、今も農業と酪農という伝統的な生活様式を維持している、メキシコ・メイコバのピマインディアンは、肥満も糖尿病も少ないままです。
彼等は険しい山岳に居住し、主食は豆、芋、トウモロコシなど、たまに鶏肉といった食生活です。糖質は結構摂っていますが、運動量が半端じゃないです。
厳しい生活環境で、週20時間くらい重労働、あるいは中等度の労働をこなしています。
アリゾナのピマインディアンも、かつては同様の運動量で糖尿病もほとんど無かったのですが、米国政府の食料援助に頼るようになってからは、週2時間ていどの運動しかしていません。(平均的な米国人は週3回30分程度の運動していません。)
このように、アリゾナとメキシコのピマインディアンを比較してみると、倹約遺伝子(肥満遺伝子)を持っているので、高GI食や運動不足などの環境因子が加わると糖尿病・肥満になりやすいけれども、従来の伝統的な食生活や肉体労働を維持していれば、ならずにすむということがわかります。
私達日本人も3人に1人が、この『脂肪をためやすく燃えにくいようにする倹約遺伝子』を持っているので、ピマインディアン同様に糖尿病・肥満にはなりやすいので、油断は禁物です。
日本人も明治・大正・戦前までは、結構糖質を総摂取カロリーの60%以上食べているのに、糖尿病・肥満が少なかったのは、メキシコのピマインディアンに近いライフスタイルだったからなのでしょう。
運動によって筋肉が血糖値をエネルギー源として積極的に利用しますので炭水化物を摂取して血糖値があるていど上昇してもどんどん消費されますので高血糖にならず糖尿病が少なかったのでしょう。
「2、糖新生で高エネルギーを消費する、とありますが、どのくらいの消費カロリーなのでしょうか?」
ハーパー生化学に「糖新生で高エネルギーを消費する」との記載がありましたが、消費カロリーまでは書いてありませんでしたのでよくわかりません。
「3、糖質制限食を始めてから、体が柔らかくなった(良い意味で)ような気がするのですが、これは糖質制限食による代謝が原因なのでしょうか?また筋肉だけでなく、硬くなってしまった血管が柔らかくなったり、神経の通りが良くなったりもするものなのでしょうか?それと代謝には皮膚や骨など、28日や90日といったサイクルがそれぞれあるみたいですが、どこからのデータなのか、よく分かりません。医学の教科書にもこれらのデータは常識として載っているのでしょうか?初歩的な質問ですみません。」
糖質制限食実践により、血糖値、中性脂肪、コレステロールなどの動脈硬化のリスク要因が全て改善されるので、過去の西洋医学のEBMに基づけば、血流も当然改善すると考えられます。また生理学的には、糖質制限食で糖質・脂質・タンパク質、全ての代謝が改善されます。
全身の細胞が新陳代謝で、古い細胞がアポトーシスで死んで新しい細胞に置き換えられていきます。赤血球の寿命が120日とか、表皮の細胞は4週間に1つ、骨が約3ヶ月で入れ替わるというのは、私もなんとなく知ってましたが、他の臓器とかはよくわかりません。
「4、基礎代謝が1360で摂取カロリー約3000と、大幅に上回っているのですが、あまり体重が増加しません。運動はまったくしていません。
かかりつけの医師によると『お腹がすいたときは低血糖になってるからカロリーは気にせずどんどん食べてもいい(卵やチーズなどの糖質が少ないものに限る)』とのことだったのですが、カロリーを気にせず、このまま食べ続けても問題はないでしょうか?体脂肪率は14%で骨格筋は42%です。」
体脂肪率は14%なら、少ないほうですね。
糖質制限食なら、食べている最中にも、脂肪が燃え続けて肝臓で糖新生しています。従って低血糖にはならないと思います。
個人差がありますが、体重が増えていないのなら、このままカロリーは気にせず糖質制限食を続けられてよいと思いますよ。
江部康二
今回は、ゆうやんさんから糖質制限食関連でいろいろとコメント・質問をいただきました。
「10/05/06 ゆうやん
タイトルなし
こんにちは!
先日質問させて頂きましたゆうやんです^^
またわからないことがあったので質問させて下さい。
1、2010/4/7の記事に
『運動量に関しては、明治のころの日本人は、お米たっぷりで糖質60~70%も摂取していましたが、糖尿病はほとんどありませんでした。』
とありますが、健常者で、運動量が明治時代と同じくらい多ければ、糖質を60%摂取しても問題はないのでしょうか?もし摂取して良い場合、どのような理由からでしょうか?
2、糖新生で高エネルギーを消費する、とありますが、どのくらいの消費カロリーなのでしょうか?
3、糖質制限食を始めてから、体が柔らかくなった(良い意味で)ような気がするのですが、これは糖質制限食による代謝が原因なのでしょうか?また筋肉だけでなく、硬くなってしまった血管が柔らかくなったり、神経の通りが良くなったりもするものなのでしょうか?それと代謝には皮膚や骨など、28日や90日といったサイクルがそれぞれあるみたいですが、どこからのデータなのか、よく分かりません。医学の教科書にもこれらのデータは常識として載っているのでしょうか?初歩的な質問ですみません。
4、基礎代謝が1360で摂取カロリー約3000と、大幅に上回っているのですが、あまり体重が増加しません。運動はまったくしていません。
かかりつけの医師によると『お腹がすいたときは低血糖になってるからカロリーは気にせずどんどん食べてもいい(卵やチーズなどの糖質が少ないものに限る)』とのことだったのですが、カロリーを気にせず、このまま食べ続けても問題はないでしょうか?体脂肪率は14%で骨格筋は42%です。
以上になります。お忙しいとは思いますが、宜しくお願いします<○> 」
ゆうやん。
コメントありがとうございます。
「1、2010/4/7の記事に
『運動量に関しては、明治のころの日本人は、お米たっぷりで糖質60~70%も摂取していましたが、糖尿病はほとんどありませんでした。』
とありますが、健常者で、運動量が明治時代と同じくらい多ければ、糖質を60%摂取しても問題はないのでしょうか?
もし摂取して良い場合、どのような理由からでしょうか? 」
アリゾナ州のピマインディアンは、現在、世界的に最も2型糖尿病が多い民族とされています。
ピマインディアンには、アメリカのアリゾナ州とメキシコのシェラマドレ山脈に定住した2つのグループがあります。元来は同じ種族ですので、遺伝的素因は共通です。
アリゾナ州のピマインディアンは、今や人口の50%が2型糖尿病で成人の90%が高度肥満です。
ところが、今も農業と酪農という伝統的な生活様式を維持している、メキシコ・メイコバのピマインディアンは、肥満も糖尿病も少ないままです。
彼等は険しい山岳に居住し、主食は豆、芋、トウモロコシなど、たまに鶏肉といった食生活です。糖質は結構摂っていますが、運動量が半端じゃないです。
厳しい生活環境で、週20時間くらい重労働、あるいは中等度の労働をこなしています。
アリゾナのピマインディアンも、かつては同様の運動量で糖尿病もほとんど無かったのですが、米国政府の食料援助に頼るようになってからは、週2時間ていどの運動しかしていません。(平均的な米国人は週3回30分程度の運動していません。)
このように、アリゾナとメキシコのピマインディアンを比較してみると、倹約遺伝子(肥満遺伝子)を持っているので、高GI食や運動不足などの環境因子が加わると糖尿病・肥満になりやすいけれども、従来の伝統的な食生活や肉体労働を維持していれば、ならずにすむということがわかります。
私達日本人も3人に1人が、この『脂肪をためやすく燃えにくいようにする倹約遺伝子』を持っているので、ピマインディアン同様に糖尿病・肥満にはなりやすいので、油断は禁物です。
日本人も明治・大正・戦前までは、結構糖質を総摂取カロリーの60%以上食べているのに、糖尿病・肥満が少なかったのは、メキシコのピマインディアンに近いライフスタイルだったからなのでしょう。
運動によって筋肉が血糖値をエネルギー源として積極的に利用しますので炭水化物を摂取して血糖値があるていど上昇してもどんどん消費されますので高血糖にならず糖尿病が少なかったのでしょう。
「2、糖新生で高エネルギーを消費する、とありますが、どのくらいの消費カロリーなのでしょうか?」
ハーパー生化学に「糖新生で高エネルギーを消費する」との記載がありましたが、消費カロリーまでは書いてありませんでしたのでよくわかりません。
「3、糖質制限食を始めてから、体が柔らかくなった(良い意味で)ような気がするのですが、これは糖質制限食による代謝が原因なのでしょうか?また筋肉だけでなく、硬くなってしまった血管が柔らかくなったり、神経の通りが良くなったりもするものなのでしょうか?それと代謝には皮膚や骨など、28日や90日といったサイクルがそれぞれあるみたいですが、どこからのデータなのか、よく分かりません。医学の教科書にもこれらのデータは常識として載っているのでしょうか?初歩的な質問ですみません。」
糖質制限食実践により、血糖値、中性脂肪、コレステロールなどの動脈硬化のリスク要因が全て改善されるので、過去の西洋医学のEBMに基づけば、血流も当然改善すると考えられます。また生理学的には、糖質制限食で糖質・脂質・タンパク質、全ての代謝が改善されます。
全身の細胞が新陳代謝で、古い細胞がアポトーシスで死んで新しい細胞に置き換えられていきます。赤血球の寿命が120日とか、表皮の細胞は4週間に1つ、骨が約3ヶ月で入れ替わるというのは、私もなんとなく知ってましたが、他の臓器とかはよくわかりません。
「4、基礎代謝が1360で摂取カロリー約3000と、大幅に上回っているのですが、あまり体重が増加しません。運動はまったくしていません。
かかりつけの医師によると『お腹がすいたときは低血糖になってるからカロリーは気にせずどんどん食べてもいい(卵やチーズなどの糖質が少ないものに限る)』とのことだったのですが、カロリーを気にせず、このまま食べ続けても問題はないでしょうか?体脂肪率は14%で骨格筋は42%です。」
体脂肪率は14%なら、少ないほうですね。
糖質制限食なら、食べている最中にも、脂肪が燃え続けて肝臓で糖新生しています。従って低血糖にはならないと思います。
個人差がありますが、体重が増えていないのなら、このままカロリーは気にせず糖質制限食を続けられてよいと思いますよ。
江部康二