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 京都の名医がおしえる「やせる食べ方」東洋経済新報社
おはようございます。

2010年4月5日に出版されました

京都の名医がおしえる「やせる食べ方」(東洋経済新報社)

おかげさまで、発売2週間で再版となりました。

今までは、糖尿病と糖質制限食ということで、どちらかというと硬派路線で理論派おじさん(おばさま)対象の本を書いてきました。

今回は、ぐっとやわらかく、若い女性もターゲットのダイエット本です。

京都の名医・・・て、何か気恥ずかしいもいいとこですね。(-_-;)

ともあれ、「やせる食べ方」、徹底的にやさしくわかりやすく書かれています。理屈っぽいのが苦手な方にも、大丈夫と思いますよ。

おいしいものをたくさん食べて、きれいにやせる!

キーワードは「糖質制限」 だけで、あとは面倒なカロリー計算は不要で、ステーキもOK、お酒(蒸留酒、赤ワイン)も飲めます。

あんまり簡単なので、「ずぼらダイエット」
美味しいものいっぱい食べれるので、「美食ダイエット」
食べたいだけ食べてもOKなので、「満腹ダイエット」

糖質制限食ダイエットの特徴をとらえて、皆さんいろんなニックネームをつけてくれます。

日本全国のきれいにやせたい方々、是非ご一読いただき、糖質制限食ダイエットを実践してみてくださいね。(^^)


江部康二


以下は
京都の名医がおしえる「やせる食べ方」(東洋経済新報社)
のプロローグです。


☆☆☆
プロローグ


○ 最も自然な食事で、本来の美しさを取り戻しましょう

私たちがお勧めしている食事法は糖質制限食というものです。これは食事の「糖質」をなるべく減らす食事法なんですが、人によっては美食ダイエットなんて呼ぶ人もいます(糖質については●ページ参照)。

肉料理も揚げ物も、炒め物や魚料理も好きなだけ食べてかまいませんから、世の中のおいしい料理をかなり自由に食べられる、それで確実にやせられる、これは美食ダイエットだと、そう思われているようです。しかも、食べたいだけ食べても大丈夫。それで満腹ダイエットと呼ぶ人もいますね。さらに、種類さえ選べば、お酒を飲んでも大丈夫なんです。

おいしいものを好きなだけ食べられて、お酒まで飲めるので、「あれもこれも我慢して」というこれまでのダイエット法に比べると、嘘のように幸せなやり方だと喜ばれているようです。

また、カロリーを計算するような面倒はありませんし、運動も必要ありません。非常に簡単で楽なので、ずぼらダイエット、という人もいるほどなんです。

あまりにも良いことずくめで、信じられないという人もいらっしゃるでしょう。でも、糖質制限食の体重減少効果にはきちんとした医学的な裏づけがあり、非常に効果が高いだけでなく、健康的な食事法でもあるんです。

ところで、美食ダイエット、ずぼらダイエットなどと皆さんに喜ばれているのは嬉しいんですが、私たちは別に、そのようなものを狙ってこの食事法を考え出したわけではないんですよ。

糖質制限食は元々とても効果の高い糖尿病の治療食で、私はこれまで一〇〇〇人を超える患者さんに直接指導してきました。ネットや書籍などで私たちの食事法を知る方も多いので実行されている人は数万というケタになりますが、始めた方のうち八割ほどの人はきちんと実行され、その方たちのほぼ全員に治療効果が出ています。

糖尿病は肥満と深いつながりがありますから、その治療には肥満の改善も含まれてきます。糖質制限食による治療効果には肥満の解消も当然含まれるんです。そこで、この食事法はダイエットにも非常に効果が高いということで、糖尿病とは無関係に、ダイエットに使う人も増えてきているんです。

ですから、美食ダイエットであり満腹ダイエットであるのは、あくまでも結果なんです。治療に有効な食事がたまたま楽なダイエット法でもあったというだけなんですよ。ただ、この食事の本質から言えば、これも当然の結果かもしれません。

考えてみれば、良い治療食が良い美容法でもあるのは不思議でもなんでもない話で、健康と美にはどちらも食事が大切ですからね。そして、糖質制限食は人にとって本来のもの、ごく自然な食事なんです。こう言うと意外に聞こえるかもしれませんが、人の食の歴史を考えると、理解していただけると思うんです。

人という動物が地球に登場したのが約四〇〇万年前と言われています。そして、米や小麦などの穀物を栽培し主食にするようになったのがせいぜい一万年くらい前のことです。それ以前の三九九万年は、狩で獲った動物の肉や漁で獲った魚なんかを中心に食べていたんですから、糖質を食べる機会はとても少なかったんです。

そして、人の身体は、三九九万年かけて、糖質の少ない食生活に合わせた仕組みを備えてきたんですよ。裏返して言えば、糖質の多い食事は、本来、人の身体には合っていないということです。

それでも、つい半世紀前ほどまではまだ良かったんです。運動の量が多かったですし、穀物も現代のような白いお米や白い小麦粉ではなく、玄米や全粒粉という形でした。だから、糖質を多く食べても、インスリンという肥満ホルモンをそれほど出さずにすんだんですよ。

でも、現代の食生活だと肥満ホルモンがたくさん必要になってしまいます。現代人に肥満や糖尿病が多いのも、糖質の多い食事の無理が表面に出てきた結果なんです。

つまり、今の時代の人が太りやすいのは、糖質の多い食事に原因があるわけです。

糖質制限食は、人という動物にとって本来のもの、自然なものです。だから、病気にも肥満にも効果があり、美容にも良いと考えられるんです。だって、自然な食事が人を自然な姿に戻して、本来の美しさを与えてくれるのは当たり前のことですからね。

なお本書の第二章は、糖質制限食でやせるわけを医学的にご説明したものですが、もしむずかしくお感じのようなら、飛ばして読んでいただいても差し支えありません。

では、最も自然な食事で、皆さんもご自分の本来の美しさを取り戻されますように。

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
血糖値を上げない! 健康おつまみ109 (糖質制限食シリーズ)
おはようございます。

血糖値を上げない! 健康おつまみ109 (糖質制限食シリーズ) 東洋経済新報社

が、2010年5月7日(金)全国書店で一斉に発売されます。

糖質制限食シリーズ最多の109レシピ収載です。

以下は、「はじめに」と「おわりに」
です。


はじめに

いよいよ待望のおつまみレシピの出版にこぎつけました。お酒好きの私としては嬉しい限りです。「美味しく楽しく糖質制限食」がモットーですから、下戸の方には申し訳ないのですが、上戸にとっては食事とお酒はきってもきれない必需品です。糖質制限食を希望して高雄病院を受診される糖尿人、今まで通院されていた病院ではたいていお酒は禁止されています。高雄病院初診時に、「糖質制限食では糖尿人でもお酒は飲んでも構わないんですよ。」と私が説明すると、思わずおじさん(おばさま)の目が輝きます。診察が終わって退出されるときも、「本当にお酒飲んでもいいんですね。嘘ついたら泣きますよ、怒りますよ。」などとしっかり確認して帰られます。このようにほとんどの病院では糖尿人にお酒は禁止されているのが日本の現状ですが、実はエチルアルコールそのものは全く血糖値を上昇させません。ですから蒸留酒(焼酎・ウィスキー・ブランデーなど)は全く血糖値をあげません。焼酎の原料が芋でも黒糖でも麦でも米でも、製造工程の仕上げで蒸留したときに糖質はゼロとなるからです。一方、醸造酒は糖質を含んでいて血糖値を上昇させるので、糖質制限食的に注意が必要です。例えば缶ビール350mlには12~14gの糖質が含まれています。醸造酒の中でもビールが特に良くないのは、量を飲んでしまうからです。日本酒にも糖質は含まれていますが100ml中に5gくらいですのでお猪口でちょこちょこ嗜む程度なら大丈夫です。しかし2合も飲んだら糖質18gです。ワインはものにより差はありますが、赤で100ml中に1.5gの糖質で、白は2gです。レストランでグラスに注いでくれるワインが調度100mlくらいですので、こちらも嗜む程度ならOKです。最近は糖質ゼロの発泡酒や糖質ゼロの日本酒も発売されているので重宝です。糖質制限食は血糖値の改善やダイエットに効果抜群なのですが、残念ながら2~3割ぐらいの人が脱落してしまいます。脱落者のほとんどが下戸で甘党の方です。これに対して上戸の糖質制限食成功率は9割以上と思います。お酒が飲めるというアドバンデージが他のもろもろのことを遙かに上回るということです。清く正しくより美味しく楽しく糖質制限食です。従来のカロリー制限食のひもじくて味気なくてお酒もだめで我慢に我慢を一生続けるパターンに比べたら、脂ののったとろや、バターこってりのステーキも食べ放題で、お酒も飲める糖質制限食は極楽のようなものです。糖尿人・メタボ人の皆さん、是非糖質制限食ライフをお始め下さい。


おわりに

本書は私の朋友でお酒大好き人間の管理栄養士・大柳珠美さんが長年?温めてきたおつまみレシピの集大成です。大柳さんご自身が、食べながら飲みながらしっかり何度も味わって、おつまみの美味しさとお酒の相性を確認して精選した極上の一品が勢揃いしています。私は2005年以降、10冊の糖質制限食の本を、出版あるいは監修してきました。大柳さんとの共著本も2冊あります。2009年5月のNPO法人糖質制限食ネット・リボーン主催の東京講演会の前夜祭で、糖質制限食をつまみながら焼酎や赤ワインを飲みながら、「そろそろまた二人で本でもだそうか。」と盛り上がっていき、テーマは何にしようかとなり、今まで出してないものということで、すんなりおつまみレシピに決まりました。大柳さん、私が知る限り女性では3指に入る酒豪です。そのお酒とおつまみにかける情熱は半端ではありません。本書には、とてもきれいで大きな写真とわかりやすいレシピが満載です。まさに適材適所、書くべき人がしかるべき時を得て渾身の力を注ぎ込んだ珠玉の本を全国の上戸の皆さんに捧げます。


江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
サントリーの角ハイボール缶の糖質量と血糖値
おはようございます。

しばぞうさんから、サントリーの角ハイボール缶の糖質量の情報をいただきましたが、クリオネさんが、実験されたところ、

飲酒前110mg→サントリーの角ハイボール缶500ml後180mg
前後で70mg血糖値が上昇したというコメントをいただきました。

クリオネさんのデータだと、1gの糖質が約3mg血糖値を上昇させるとすれば、70mg÷3mg=23.3g の糖質を摂取したことになります。

そうすると、100mlあたりだと
23.3g÷5=4.67g
の糖質含有量ですね。

それで私も実験してみました。

昨夕テニスから帰ってきて
空腹時血糖値121mg/dl(朝食後6時間) 
サントリーハイボール350mlを1缶
飲酒後30分血糖値:136mg

15mg上昇なので約5gの血糖値を上げる糖質あり。

350ml中に5gなので、100gあたりなら1.43gの糖質です。

サントリーのお客様係の仰有る、100ml中に0.14gの糖質という極微量ではないようです。

結論です。

クリオネさんと江部康二の血糖値の上昇はばらつくのですが、いずれにせよある程度の糖質が含まれているようです。

残念ながら、サントリーの角ハイボール缶、糖質制限食OK食品とは言えないようです。

少量ならOKの糖尿人もいるかもしれませんが、糖質ゼロ発泡酒や焼酎のほうが安全ですね。


☆☆☆しばぞうさんのコメント
「10/04/28 しばぞう
江部先生おはようございます。
相変わらず、NO炭水化物NO糖質生活を貫いています。
本日はお酒についての報告です。
最近流行のハイボール、旅先でも簡単に楽しめる缶入りの物は大変ありがたいのですが、サントリーの角ハイボール缶の成分には糖類と書いてあり、確かに味も甘みを感じます。
そこで思い切って、サントリーのお客様係に電話をかけてみました。
糖質制限食の話を簡単に説明して、尋ねたところ、快く回答を頂きました。
100mlあたり0.14グラムとのことでした。これなら安心して飲めますよね?

新しい本も購入致しました。知人のお父さんにも勧めて、娘さんから喜ばれています。

それでは」

☆☆☆クリオンさんのコメント
「10/04/30 クリオネ
タイトルなし
しばぞう様からの情報で、サントリー角ハイボールを安心して500ml缶のみ(つまみ無し)で飲みほして血糖値を測ってみたところなんと!180
糖分が本当でしょうか?こちらの膵臓の問題なのかなぁ?
角のみで、何もつまみ無しでここまで跳ね上がったのがショックです。飲む直前までは110でした。
糖分あるのだろうか??」


テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
お医者さんの知らない糖質制限食基礎理論2010年5月版
一般のお医者さんや栄養士さんが知らない<栄養・代謝・生理学>

糖質制限食基礎理論」の増補・改訂・最新版です。

以下は、基本的に栄養・代謝・生理学的事実であり、議論の余地はありません。
知っているか知らないかの差だけです。

糖質制限食基礎理論】

<栄養・代謝>
①血糖値を急峻に上昇させるのは、糖質だけである。
②タンパク質・脂質は血糖値を上昇させない。
③追加分泌インスリンが大量に必要なのは、糖質だけである。
④タンパク質を摂取すると、少量の追加分泌インスリンがでる。
⑤脂質を摂取しても、追加分泌インスリンは、分泌されない。
糖質制限食で高血糖は改善するが、肝臓の糖新生などにより、低血糖にはならない。

<人体のエネルギー源Ⅰ:脂肪酸-ケトン体システム>
①脳はケトン体(脂肪酸の代謝産物)をいつでも利用できる。
②心筋・骨格筋など多くの体細胞は日常生活では脂肪酸-ケトン体が主エネルギー源であ り、人体を自動車に例えるならガソリンの代わりは脂質である。
③赤血球を除く全ての細胞はミトコンドリアを持っているので、脂肪酸-ケトン体エネル ギーシステムを利用できる。
糖質制限食実践中や絶食中の血中ケトン体上昇は、インスリン作用が保たれており生理的なもので病的ではない。農耕開始前の人類は、皆そうであった。

☆☆☆ケトン体
①ブドウ糖、アミノ酸、脂肪酸は細胞膜を通過するために、それぞれ糖輸送体、アミノ酸輸送体、脂肪酸輸送体が必要である。そしてブドウ糖とアミノ酸由来のピルビン酸は「ピルビン酸-H+共輸送系」によりミトコンドリア内膜を通過してアセチルCoAになりエネルギー源となる。脂肪酸はカルニチンシャトルによってミトコンドリア内膜を通過しアセチルCoAになりエネルギー源となる。
ケトン体は分子量が小さく、モノカルボン酸輸送体のみで細胞膜・ミトコンドリア内膜を通過しアセチルCoAになりエネルギー源となる。
②肝細胞のミトコンドリア内でケトン体を生成するが肝細胞自身は利用せず他の組織にまわす。
③脂肪酸は血液脳関門を通過できないが、ケトン体は通過できる。

<人体のエネルギー源Ⅱ:ブドウ糖-グリコーゲンシステム>
①人体で唯一赤血球だけはミトコンドリアがないのでブドウ糖しか利用できない。
②日常生活でブドウ糖を主エネルギー源として利用しているのは赤血球・脳・網膜など。
③ブドウ糖-グリコーゲンエネルギーシステムの本質は
 「常に赤血球の唯一のエネルギー源」
 「筋肉が収縮したときのエネルギー源」
 「血糖値が上昇しインスリンが追加分泌された時、筋肉・脂肪細胞のエネルギー源」
 「日常生活では脳・網膜・生殖腺胚上皮など特殊細胞の主エネルギー源」


<血糖値確保(赤血球に絶対必要)のためのバックアップシステム>
①グルカゴン
②エピネフリン
③副腎皮質ステロイドホルモン
④アミノ酸からの糖新生
⑤グリセロール(中性脂肪の分解産物)からの糖新生
⑥乳酸から糖新生

<血糖値を下げるシステム>
①血糖値を下げるのは唯一インスリンのみでありバックアップシステムがない。
②農耕以前の399万年間は追加分泌インスリンで血糖値を下げる必要性はまれ。

<肥満改善と糖質制限食
糖質制限食実践中は常に脂肪が燃えている。
②糖質制限食実践中は追加分泌インスリン(肥満ホルモン)がほとんど出ない。
③糖質制限食実践中はケトン体が尿中や呼気中に排泄され、体重減少に効果。
④糖質制限食実践中は肝臓でアミノ酸などから糖新生が行われ、大量のエネルギーを消費。
⑤少なくとも同一カロリーなら、①②③④の4つの利点により
 糖質制限食が高糖質食に比し、体重減少効果がある。→カロリー神話の崩壊

*糖質制限食を3ヶ月~半年続けていると、体細胞のケトン体利用効率が高くなり血中ケ トン体が高値でも利用され腎の再吸収も高まるので尿中や呼気中に排泄されなくなる。
*糖質を摂取すれば血糖値が急峻に上昇し、インスリンが追加分泌され
 ①②③④の4つの利点は、即失われるので肥満しやすい。

<摂取エネルギーと消費エネルギー>
①単純には摂取エネルギーが消費エネルギーをを上回れば太る、下回れば痩せる。
②通常のカロリー制限食(高糖質食)なら
「消費エネルギー=基礎代謝+運動エネルギー+食事誘発熱産生」
③糖質制限食なら
「消費エネルギー=基礎代謝+運動エネルギー+食事誘発熱産生」に加えて、
「肝臓の糖新生でエネルギーを消費、尿・呼気中ケトン体でエネルギーを消失」が追加。


江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
【糖質制限食とは】 【糖質制限食を実践される時のご注意】
糖質制限食とは】

食べ物が消化・吸収されたあと、糖質は100%血糖に変わります。タンパク質・脂質は血糖に変わりません。 

また糖質は、摂取直後から急峻に血糖値を高く速く上昇させ2時間以内にほとんどすべてが吸収されます。

これらは、含有エネルギーとは無関係な、三大栄養素の生理学的特質です。 

このように糖質、脂質、タンパク質のうち糖質だけが血糖値を上昇させます。

従って、糖質を摂取した時にはインスリンが大量に追加分泌されます。脂質を摂取しても、インスリンの追加分泌はありません。タンパク質はごく少量のインスリンを追加分泌させます。

現在糖尿病において、食後の急激な高血糖(グルコーススパイク)が、大きな問題として注目されています。食後高血糖が、心筋梗塞や脳梗塞などの合併症を起こす危険因子として確立されたからです。そして食後高血糖を起こすのは、三大栄養素のなかで糖質だけなのです。

1gの糖質が、体重64kgの2型糖尿病の人の血糖値を約3mg上昇させます。

炊いた白ご飯茶碗1杯150g(252kcal)には、55.3gの糖質が含まれており、血糖値を166mg上昇させます。

一方、牛サーロインステーキを200g(約1000キロカロリー)食べても、糖質含有量は1gもないので食後高血糖はほとんど生じないのです。
 
なお、1gの糖質が体重64kgの1型糖尿病の人の血糖値を5mg上昇させます。

糖質制限食の基本的な考え方は、上述のような生理学的事実をベースにできるだけ糖質の摂取を低く抑えて、食後高血糖を防ぐというものです。

簡単に言えば、主食を抜いておかずばかり食べるというイメージになります。

抜く必要がある主食とは、米飯・めん類・パンなどの米・麦製品や芋類など、糖質が主成分のものです。
 
3食主食抜きのスーパー糖質制限食(糖質12%、タンパク質32%、脂質56%)なら薬に頼ることなく速やかにリアルタイムで良好な血糖コントロールが可能です。

一方、上述の白ご飯とステーキの例でも明らかなように、カロリー計算に基づいて血糖値をコントロールすることは理論的に不可能です。

従って、現行の日本糖尿病学会推薦の糖尿病食(糖質60%、タンパク質20%、脂質20%)を実践する限りは、一日の摂取カロリーを1200キロカロリーと低く抑えたとしても、食後高血糖が必ず生じるのです。

糖尿病の改善には、カロリー制限より糖質制限ということが、おわかりいただけたと思います。

なお糖質制限食は、カロリー無制限ということではありません。

一般的な標準摂取カロリーの範囲、すなわち男性なら1600~2000キロカロリー、女性なら1200~1600キロカロリーくらいが目安です。


糖質制限食を実践される時のご注意】

本にも書いてありますが、 糖質制限食によりリアルタイムに血糖値が改善します。このため既に、経口血糖降下剤(オイグルコン、アマリールなど)の内服やインスリン注射をしておられる糖尿人は低血糖の心配がありますので必ず主治医と相談して頂きたいと思います。

一方薬を使用してない糖尿人は、低血糖の心配はないので、

「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」
「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」
「 糖質制限食 春のレシピ」
「 糖質制限食 夏のレシピ」
「糖質制限食 秋のレシピ」
「糖質制限食 冬のレシピ」
「我ら糖尿人、元気なのには理由がある。」
(東洋経済新報社)

「糖質オフ」ごちそうごはん
(アスペクト)

『dancyu プレジデントムック 「満腹ダイエット 」
おいしい「糖質オフ」料理で楽しくやせる本 』(プレジデント社)

を参考にされ、自力で 糖質制限食を実践して糖尿病改善を目指していただけば幸いです。

なお、血液検査で血清クレアチニン値が高値で腎障害がある場合と、活動性の膵炎がある場合は、糖質制限食は適応となりませんのでご注意ください。

糖質制限食は相対的に高タンパク・高脂肪食になるので、腎不全と活動性膵炎には適応とならないのです。

また、どのような食事療法でも合う合わないがあります。糖質制限食もその一つですので、合わないとご自分で判断されたら中止していただけば幸いです。

【糖質制限食コントロール・教育入院のご案内・保険適応】
お問い合わせは高雄病院
http://www.takao-hospital.jp/

住所:京都市右京区梅ヶ畑畑町3 
電話:075-871-0245
ベットが空くまでお待ち頂くこともありますがご了承下さい。

【糖質制限食外来治療のご案内・予約制・保険適応】
高雄病院  電話:075-871-0245
京都市右京区梅ヶ畑畑町3

高雄病院京都駅前診療所  電話:075-352-5050
京都市下京区七条通り烏丸東入ル(50M)北側 ネオフィス 七条烏丸4F
http://www.takao-hospital.net/

江部診療所 電話:075-712-8133
京都市左京区下鴨高木町6 アトリエ・フォー 2F

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質制限食と脳、便通、炭水化物中毒
おはようございます。

今回は、糖質制限食を始めて40日のゆうやんさんから、糖質制限食に関するコメント・質問をいただきました。


「10/04/29 ゆうやん
タイトルなし
初めまして。

現在、親子でスーパー糖質制限食に挑戦しているゆうやんと申します。

糖質制限食を始めて40日が経ちました。

『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』
糖質制限食 春のレシピ』

などの書籍も購入し、
素人でも出来る範囲で実践しています。

以下質問になります。

糖質制限食をすると脂肪が燃えやすくなる、ということですが、食事の量を減らした場合、足りないエネルギーをお腹まわりの脂肪で代用することは出来るのでしょうか?その場合、脳などに影響は出ませんでしょうか?

今現在、便通が安定していないのですが、便通が安定するようになったら、ケトン体システムも活性化した、といえるのでしょうか?ケトン体システムが活性化するまでの期間は大体どのくらいなのでしょうか?

スーパー糖質制限食を始めてから、精神が不安定になることが多くなったのですが、これもまだケトン体システムがうまく働いていないからでしょうか?カロリーはオーバーしないように肉や卵などで適量摂るようにしています。先生が診られた患者さんで途中、精神が不安定になられた患者さんはいらっしゃいましたか?

質問ばかりで申し訳ないのですが、宜しければお答えいただけると有り難いです。」


ゆうやんさん。

『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』
『糖質制限食 春のレシピ』

のご購入ありがとうございました。

「糖質制限食をすると脂肪が燃えやすくなる、ということですが、食事の量を減らした場合、足りないエネルギーをお腹まわりの脂肪で代用することは出来るのでしょうか?その場合、脳などに影響は出ませんでしょうか? 」

体脂肪(皮下脂肪+内臓脂肪)は基本的に食料の備蓄代わりですから、普通の体型の人は絶食しても水だけで1ヶ月は生存できます。

体重50kg、体脂肪率20%の人なら、体脂肪は10kgあり、9万キロカロリーの備蓄エネルギーを保有していますから・・・。

一方、糖質制限食を実践すれば、高血糖は改善しますが、低血糖にはなりません。肝臓でアミノ酸や乳酸やグリセロール(中性脂肪の代謝産物)からブドウ糖を作り(糖新生)、血糖値を保つからです。

さらに、脳は脂肪酸の代謝産物のケトン体を、エネルギー源としていつでも利用できます。つまり、脳がエネルギー源としてブドウ糖しか利用できないというのは、明確な間違いということですね。

「今現在、便通が安定していないのですが、便通が安定するようになったら、ケトン体システムも活性化した、といえるのでしょうか?ケトン体システムが活性化するまでの期間は大体どのくらいなのでしょうか? 」

糖質制限食と便通に関しては、よく質問があります。

過去、外来患者さん・入院患者さん・ブログ読者さんから、それぞれいろんな情報をもらってきました。個人差があり、何種類かのパターンがありますので説明いたします。

Aさんは、3日に一度ひどい腹痛・下痢だったのが、糖質制限食の実践により、有形の写真に撮って飾りたくなるような、綺麗なUNKOに改善したそうです。

Bさんは、ひどい便秘だったのが毎日あるようになったそうです。

Cさんは、糖質制限食を始める前は、毎日あった便通が、糖質制限食を始めて10日目くらいから、便秘ぎみになったそうです。でも「野菜をよく噛むようにして多めに摂って、1ヶ月目くらいから少しずつ改善し、現在3ヶ月目ですが、快調」とのことです。

さて、糖質制限食により、下痢が治った人、便秘が治った人、初期便秘になった人、三者三様の変化がでました。

私自身も、当初の三ヶ月間、普通の便の時と、便秘気味になったり、逆に急に下痢したりと定まらなかったのですが、四ヶ月目くらいから快便となり安定してきました。今までと全く異なる食生活になるので、腸内細菌が安定するまで約3割程度の人に便通の変化が起こるようです。

一旦便秘気味になったとしても、糖質制限食で代謝全てが改善するので、しばらく経過したらCさんのように、便通も好調になることがほとんどです。

肉類や魚貝類や豆腐などと共に、Cさんの如く野菜をたっぷりよく噛んで摂取するのが、便通のコントロールには良いように思います。

スーパー糖質制限食を実践すれば、当日から徐々に脂肪酸-ケトン体エネルギーシステムが活性化していきます。

個人差がありますが、血中ケトン体は数日で基準値を超えてきて、尿中ケトン体が陽性となります。血中ケトン体は、一旦、2000~3000~4000μM/L程度と基準値(26~122)を大幅に超えますが、その後徐々に落ち着いていきます。

スーパー糖質制限食開始3ヶ月くらいで、血中ケトン体は1000前後になりますが、腎臓の再吸収がよくなるのと心筋や骨格筋のケトン体利用効率が良くなるので、尿中には出なくなります。

このくらいの血中ケトン体値が、農耕前400万年間の人類の基準値と考えられます。この頃になると体重減少は緩やかとなっていきます。

「スーパー糖質制限食を始めてから、精神が不安定になることが多くなったのですが、これもまだケトン体システムがうまく働いていないからでしょうか?カロリーはオーバーしないように肉や卵などで適量摂るようにしています。先生が診られた患者さんで途中、精神が不安定になられた患者さんはいらっしゃいましたか? 」

スーパー糖質制限食を始めてから、精神が不安定になる人は、まれにおられます。そのほとんどがいわゆる<炭水化物中毒>の人です。炭水化物中毒というのは日本では聞き慣れない言葉ですが、米国では定着していて、本まで出版されています。

①食べることばかり考える。
②食事で満足感が得られない。食後2~3時間でまた何か食べたくなる。
③疲労感が常にある。
④原因不明の不安や怒りを覚えることがある。
⑤感情が高ぶりやすい。
⑥肥満がある。

リチャード・ヘラー&レイチェル・ヘラー著の「低炭水化物ダイエット」(ネコ・パブリッシング)によれば、炭水化物中毒の人には、上記①~⑥がよくみられ、高インスリン血症を伴うことが多いそうです。

最終的に慣れるしかないのですが、まずは、スタンダード糖質制限食くらいから始めて見てください。つまり、1日1回(例えば昼食)は少量の主食を摂取して、朝と夕食はスーパー糖質制限食。

1~2ヶ月で慣れることが多いです。一方、炭水化物中毒は、ニコチン中毒とよく似ているという説もありますので、それなりの覚悟はいるかもしれませんね。



江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット