2010年03月31日 (水)
こんにちは。
2010年5月16日(日)
『東京 四谷ひろば 第2回糖質制限食マスター講座』
のお知らせです。
以下は、NPO法人糖質制限食ネット・リボーン事務局の曽我部ゆかりさんからのメッセージです。
江部康二
☆☆☆
リボーン 曽我部 ゆかりより お知らせです。
櫻の開花に心弾む季節、皆様いかがお過ごしでしょうか。
2月28日(日)に開講し、大好評をいただきました『糖質制限マスター講座』。お申し込みいただいたのに参加できなかった方のためにお約束通り、再び開講いたします。前回出席された方ももちろん大歓迎! 新鮮な内容でお届けいたします。質疑応答の時間もたっぷりあります。皆様のご参加を心よりお待ちしております。
リボーンよりご案内
★スキルアップを目指す
第2回 糖質制限食マスター講座 基礎編—(B)
日々の食事に、あるいは臨床に、糖質制限食をどう活用していくか。患者さんはもちろんのこと、医療従事者の方々にも、必聴の糖質制限食マスター講座を開講します。講師である医師と管理栄養士の二人が、それぞれの立場から糖質制限食の実践にアプローチします。貴重なデータに基づいた説得力のある理論を修得し、いますぐ日々の食事や臨床に応用してください。
■日時 2010年5月16日(日)
■講師 江部康二(内科医/高雄病院理事長/リボーン理事長)
大柳珠美(管理栄養士/リボーン理事)
■定員 限定54名(完全予約制)
■プログラム
12時開場受付
1部 12時30分〜14時00分
ドクター江部の「現代病を治す糖質制限食」
2部 14時10分〜15時10分
管理栄養士大柳の「糖質制限食実践講座」
(休憩約20分)
3部 15時30分〜16時30 質疑応答&交流会
■参加費
リボーン会員 2400円 リボーン会員ペア 3800円
一般 3000円 一般ペア 4800円
■会場 四谷ひろば B館 地域ひろば コミュニティ4
地下鉄丸ノ内線 四谷三丁目駅下車 徒歩5分
■四谷広場へのアクセス
四谷消防署/消防博物館の出口を出て、新宿通を新宿方面へ。JALシティホテルを越して、ラーメン屋の角を右折し直進。右手の東京おもちゃ美術館(旧区立四谷第四小学校)のB館。
住所 東京都新宿区四谷4−20(旧区立四谷第四小学校)
※四谷ひろばへは、内容などの問い合わせはご遠慮ください。
■主催 NPO法人糖質制限食ネット・リボーン
■予約申込 reborn@big.or.jp 03−3388−5428 (担当 曽我部)
2010年5月16日(日)
『東京 四谷ひろば 第2回糖質制限食マスター講座』
のお知らせです。
以下は、NPO法人糖質制限食ネット・リボーン事務局の曽我部ゆかりさんからのメッセージです。
江部康二
☆☆☆
リボーン 曽我部 ゆかりより お知らせです。
櫻の開花に心弾む季節、皆様いかがお過ごしでしょうか。
2月28日(日)に開講し、大好評をいただきました『糖質制限マスター講座』。お申し込みいただいたのに参加できなかった方のためにお約束通り、再び開講いたします。前回出席された方ももちろん大歓迎! 新鮮な内容でお届けいたします。質疑応答の時間もたっぷりあります。皆様のご参加を心よりお待ちしております。
リボーンよりご案内
★スキルアップを目指す
第2回 糖質制限食マスター講座 基礎編—(B)
日々の食事に、あるいは臨床に、糖質制限食をどう活用していくか。患者さんはもちろんのこと、医療従事者の方々にも、必聴の糖質制限食マスター講座を開講します。講師である医師と管理栄養士の二人が、それぞれの立場から糖質制限食の実践にアプローチします。貴重なデータに基づいた説得力のある理論を修得し、いますぐ日々の食事や臨床に応用してください。
■日時 2010年5月16日(日)
■講師 江部康二(内科医/高雄病院理事長/リボーン理事長)
大柳珠美(管理栄養士/リボーン理事)
■定員 限定54名(完全予約制)
■プログラム
12時開場受付
1部 12時30分〜14時00分
ドクター江部の「現代病を治す糖質制限食」
2部 14時10分〜15時10分
管理栄養士大柳の「糖質制限食実践講座」
(休憩約20分)
3部 15時30分〜16時30 質疑応答&交流会
■参加費
リボーン会員 2400円 リボーン会員ペア 3800円
一般 3000円 一般ペア 4800円
■会場 四谷ひろば B館 地域ひろば コミュニティ4
地下鉄丸ノ内線 四谷三丁目駅下車 徒歩5分
■四谷広場へのアクセス
四谷消防署/消防博物館の出口を出て、新宿通を新宿方面へ。JALシティホテルを越して、ラーメン屋の角を右折し直進。右手の東京おもちゃ美術館(旧区立四谷第四小学校)のB館。
住所 東京都新宿区四谷4−20(旧区立四谷第四小学校)
※四谷ひろばへは、内容などの問い合わせはご遠慮ください。
■主催 NPO法人糖質制限食ネット・リボーン
■予約申込 reborn@big.or.jp 03−3388−5428 (担当 曽我部)
2010年03月31日 (水)
おはようございます。
今回は、DPP-4阻害剤(ジャヌビア、グラクティブ)とSU剤の作用機序の違いについて、しげるさんから、コメント・質問をいただきました。
「10/03/30 しげる
インクレチン関連薬
江部先生
お忙しいところ、インクレチン関連薬であるDPP-4の実際の有効性のお話、ありがとうございました。とても感謝しております。
さて、インシュリンを促進させるホルモンであるインクレチンですが、インシュリンを出すのは当然膵臓です。SU剤もそうですが、疲弊している膵臓から出るインシュリンなのに、どうして膵臓を疲れさせないのでしょう?しかもβ細胞を回復させる可能性もあるということです。もし、このことが本当であれば、むしろ初期の糖尿病患者にこそ、有効性が高いのではないでしょうか?
血糖値を下げる膵臓のβ細胞の復活こそが、治療の根本的解決である筈であろうからです。
人間の体に元々具わっているホルモン―インクレチンだから膵臓に優しいというのは判りますが、どうも腑に落ちません。
お忙しいところ、大変申し訳ありませんが、もし、お答え頂ければ幸いです。」
しげるさん。
鋭い質問ですね。
小難しいところは避けて通る予定だった(∵)?
のですが、そうもいきませんね。
インクレチンは、食事摂取により消化管から分泌され、インスリン分泌を促進するホルモンで、上部小腸にあるK細胞から分泌されるGIPと、下部小腸にあるL細胞から分泌されるGlp1があります。
Glp1の主な生理作用はインスリン分泌促進作用ですが、それ以外に膵グルカゴン分泌抑制作用、消化管運動抑制作用、インスリン感受性亢進作用、そして膵β細胞保護・増殖作用が認められています。
GIPはGlp1に比べると作用は弱いとされています。
そして、Glp1やGIPを分解するDPP-4という酵素を阻害して分解を抑制し、血中濃度を上昇させて保つのがDPP-4阻害剤です。
そもそも2型糖尿人では、血中Glp1濃度の低下が認められ、膵β細胞におけるGlp1によるインスリン分泌の感受性も低いと言われています。その意味では、DPP-4阻害剤は、仰有るように初期の糖尿病患者には特に有効性が高い可能性がありますね。
さて、インクレチンがインスリン分泌を促す仕組みと、SU剤がインスリン分泌を促す仕組み(☆☆☆)は、実は異なっています。
難しい箇所は省いて、超簡単に言うと、SU剤はβ細胞表面のSU受容体と結合して、カリウムチャンネルを閉じっぱなしにしてしまい、その結果カルシウムが細胞内に流入してインスリンを分泌させます。
この場合、SU剤の作用時間(24~12時間)の間は、血糖が高かろうが低かろうが関係なく、ずっとインスリンはだだ漏れ状態です。だから低血糖が生じやすいのですね。
そして、インスリンを分泌しっぱなしのβ細胞が、疲弊していく可能性があるわけです。
まあ、人為的に無理矢理カリウムチャンネルを閉じて、β細胞を騙しているようなものですかね。
一方、インクレチンは、糖質や脂質を摂取すると消化管から分泌されて、β細胞のインクレチン受容体に作用してβ細胞内のサイクリックAMPを上昇させ、インスリン分泌の増幅経路に働きます。
こちらは、糖質を食べて血糖値が上昇し、β細胞内にとりこまれてATPが産生されて、カリウムチャンネルが閉じてカルシウムが細胞内に入ってきたときだけ、増幅経路に働いてインスリンを分泌させます。
血糖値が下がって108mg/dlくらいになると、β細胞はブドウ糖を取り込まなくなり細胞内カルシウムは増加しないので、インクレチン濃度が高くても増幅経路は作用せず、インスリンは分泌されません。
はてさて、どうころんでも、結構難しいお話しですね。 ε-(-Д-)
つまり、
①糖質摂取→血糖値上昇→糖輸送体でβ細胞内にブドウ糖取り込み→β細胞内ATP上昇→Kチャンネル閉鎖→脱分極→カルシウムチャンネル活性化→細胞内カルシウム濃度上昇→インスリン分泌
という、ブドウ糖刺激によるインスリン分泌の一般的な経路の最後の過程
②細胞内カルシウム濃度上昇→インスリン分泌
をインクレチンによるβ細胞内サイクリックAMP上昇が増幅させてインスリン分泌を促すわけですね。
③「細胞内カルシウム濃度上昇+サイクリックAMP」→インスリン分泌増幅
です。
こういう作用機序なので、インクレチンは血糖値が高いときのみにインスリン分泌作用を有し、108mg/dl以下に血糖値が下がってきたらインスリン分泌作用がなくなるわけなので、単独使用では低血糖は理論的には起こりません。
またSU剤のように、24時間β細胞を鞭打つといった側面は皆無なので、β細胞も疲弊しないのだと思います。
江部康二
(☆☆☆)<SU剤の作用機序とブドウ糖刺激による一般的なインスリンの分泌経路>
血液中のブドウ糖濃度が上昇すると、ブドウ糖は膵臓のβ細胞の表面に発現するGLUT2(糖輸送体2)により、
細胞の中に取り込まれます。
取り込まれたブドウ糖は代謝を受け、ミトコンドリアでATP(エネルギー)が産生されます。このATP濃度が増すと、β細胞表面のカリウムチャンネルが閉じます。
そうするとKが細胞外にでなくなり、細胞膜の脱分極が起こり細胞内外で電位差が生じます。その結果、カルシウムチャンネルが活性化しカルシウムが細胞内に流入します。カルシウム濃度が上昇すると、β細胞は活発になり、インスリンを分泌します。
この一連の流れが、ブドウ糖刺激による一般的なインスリンの分泌経路です。
SU剤は、カリウムチャンネルの一部を構成するSU受容体と結合して、ATP濃度とは無関係にカリウムチャンネルを閉じてしまいます。
SU剤によりカリウムチャンネルが閉じてしまえば、上述の一般的なインスリン分泌経路の一連の流れと同様に、(Kが細胞外にでなくなり、細胞膜の脱分極が起こり細胞内外で電位差が生じ、カルシウムチャンネルが活性化し)
カルシウムが細胞内に流入しカルシウム濃度が上昇し、β細胞は活発になりインスリンを分泌します。
今回は、DPP-4阻害剤(ジャヌビア、グラクティブ)とSU剤の作用機序の違いについて、しげるさんから、コメント・質問をいただきました。
「10/03/30 しげる
インクレチン関連薬
江部先生
お忙しいところ、インクレチン関連薬であるDPP-4の実際の有効性のお話、ありがとうございました。とても感謝しております。
さて、インシュリンを促進させるホルモンであるインクレチンですが、インシュリンを出すのは当然膵臓です。SU剤もそうですが、疲弊している膵臓から出るインシュリンなのに、どうして膵臓を疲れさせないのでしょう?しかもβ細胞を回復させる可能性もあるということです。もし、このことが本当であれば、むしろ初期の糖尿病患者にこそ、有効性が高いのではないでしょうか?
血糖値を下げる膵臓のβ細胞の復活こそが、治療の根本的解決である筈であろうからです。
人間の体に元々具わっているホルモン―インクレチンだから膵臓に優しいというのは判りますが、どうも腑に落ちません。
お忙しいところ、大変申し訳ありませんが、もし、お答え頂ければ幸いです。」
しげるさん。
鋭い質問ですね。
小難しいところは避けて通る予定だった(∵)?
のですが、そうもいきませんね。
インクレチンは、食事摂取により消化管から分泌され、インスリン分泌を促進するホルモンで、上部小腸にあるK細胞から分泌されるGIPと、下部小腸にあるL細胞から分泌されるGlp1があります。
Glp1の主な生理作用はインスリン分泌促進作用ですが、それ以外に膵グルカゴン分泌抑制作用、消化管運動抑制作用、インスリン感受性亢進作用、そして膵β細胞保護・増殖作用が認められています。
GIPはGlp1に比べると作用は弱いとされています。
そして、Glp1やGIPを分解するDPP-4という酵素を阻害して分解を抑制し、血中濃度を上昇させて保つのがDPP-4阻害剤です。
そもそも2型糖尿人では、血中Glp1濃度の低下が認められ、膵β細胞におけるGlp1によるインスリン分泌の感受性も低いと言われています。その意味では、DPP-4阻害剤は、仰有るように初期の糖尿病患者には特に有効性が高い可能性がありますね。
さて、インクレチンがインスリン分泌を促す仕組みと、SU剤がインスリン分泌を促す仕組み(☆☆☆)は、実は異なっています。
難しい箇所は省いて、超簡単に言うと、SU剤はβ細胞表面のSU受容体と結合して、カリウムチャンネルを閉じっぱなしにしてしまい、その結果カルシウムが細胞内に流入してインスリンを分泌させます。
この場合、SU剤の作用時間(24~12時間)の間は、血糖が高かろうが低かろうが関係なく、ずっとインスリンはだだ漏れ状態です。だから低血糖が生じやすいのですね。
そして、インスリンを分泌しっぱなしのβ細胞が、疲弊していく可能性があるわけです。
まあ、人為的に無理矢理カリウムチャンネルを閉じて、β細胞を騙しているようなものですかね。
一方、インクレチンは、糖質や脂質を摂取すると消化管から分泌されて、β細胞のインクレチン受容体に作用してβ細胞内のサイクリックAMPを上昇させ、インスリン分泌の増幅経路に働きます。
こちらは、糖質を食べて血糖値が上昇し、β細胞内にとりこまれてATPが産生されて、カリウムチャンネルが閉じてカルシウムが細胞内に入ってきたときだけ、増幅経路に働いてインスリンを分泌させます。
血糖値が下がって108mg/dlくらいになると、β細胞はブドウ糖を取り込まなくなり細胞内カルシウムは増加しないので、インクレチン濃度が高くても増幅経路は作用せず、インスリンは分泌されません。
はてさて、どうころんでも、結構難しいお話しですね。 ε-(-Д-)
つまり、
①糖質摂取→血糖値上昇→糖輸送体でβ細胞内にブドウ糖取り込み→β細胞内ATP上昇→Kチャンネル閉鎖→脱分極→カルシウムチャンネル活性化→細胞内カルシウム濃度上昇→インスリン分泌
という、ブドウ糖刺激によるインスリン分泌の一般的な経路の最後の過程
②細胞内カルシウム濃度上昇→インスリン分泌
をインクレチンによるβ細胞内サイクリックAMP上昇が増幅させてインスリン分泌を促すわけですね。
③「細胞内カルシウム濃度上昇+サイクリックAMP」→インスリン分泌増幅
です。
こういう作用機序なので、インクレチンは血糖値が高いときのみにインスリン分泌作用を有し、108mg/dl以下に血糖値が下がってきたらインスリン分泌作用がなくなるわけなので、単独使用では低血糖は理論的には起こりません。
またSU剤のように、24時間β細胞を鞭打つといった側面は皆無なので、β細胞も疲弊しないのだと思います。
江部康二
(☆☆☆)<SU剤の作用機序とブドウ糖刺激による一般的なインスリンの分泌経路>
血液中のブドウ糖濃度が上昇すると、ブドウ糖は膵臓のβ細胞の表面に発現するGLUT2(糖輸送体2)により、
細胞の中に取り込まれます。
取り込まれたブドウ糖は代謝を受け、ミトコンドリアでATP(エネルギー)が産生されます。このATP濃度が増すと、β細胞表面のカリウムチャンネルが閉じます。
そうするとKが細胞外にでなくなり、細胞膜の脱分極が起こり細胞内外で電位差が生じます。その結果、カルシウムチャンネルが活性化しカルシウムが細胞内に流入します。カルシウム濃度が上昇すると、β細胞は活発になり、インスリンを分泌します。
この一連の流れが、ブドウ糖刺激による一般的なインスリンの分泌経路です。
SU剤は、カリウムチャンネルの一部を構成するSU受容体と結合して、ATP濃度とは無関係にカリウムチャンネルを閉じてしまいます。
SU剤によりカリウムチャンネルが閉じてしまえば、上述の一般的なインスリン分泌経路の一連の流れと同様に、(Kが細胞外にでなくなり、細胞膜の脱分極が起こり細胞内外で電位差が生じ、カルシウムチャンネルが活性化し)
カルシウムが細胞内に流入しカルシウム濃度が上昇し、β細胞は活発になりインスリンを分泌します。
2010年03月30日 (火)
おはようございます。
昨日は、変な天気でした。
夕方からミゾレが降り始めて、その内雪に変わり、今朝起きたら屋根に雪がうっすらと積もってました。
3月も終わりだというのにとても寒かった京都です。
さて、心待ちにしていた新刊が出版されます。今までは、糖尿病と糖質制限食ということで、どちらかというと硬派路線でおじさん対象の本を書いてきました。
今回は、ぐっとやわらかく、女性がターゲットのダイエット本です。
京都の名医がおしえる「やせる食べ方」 東洋経済新報社
全国主要書店で、2010年4月5日(月)、一斉に発売となります。
アマゾン(Amazon.co.jp) でも予約を受け付けています。
自分で紹介しといてなんですが、京都の名医・・・て、何か気恥ずかしいもいいとこですね。(-_-;)
ともあれ、「やせる食べ方」、徹底的にやさしくわかりやすく書かれています。理屈っぽいのが苦手な方にも、大丈夫と思いますよ。
おいしいものをたくさん食べて、きれいにやせる!
キーワードは「糖質制限」 だけで、あとは面倒なカロリー計算は不要で、ステーキもOK、お酒(蒸留酒、赤ワイン)も飲めます。
あんまり簡単なので、「ずぼらダイエット」
美味しいものいっぱい食べれるので、「美食ダイエット」
食べたいだけ食べてもOKなので、「満腹ダイエット」
糖質制限食ダイエットの特徴をとらえて、皆さんいろんなニックネームをつけてくれます。
日本全国のきれいにやせたい方々、是非ご一読いただき、糖質制限食ダイエットを実践してみてくださいね。(^^)
江部康二
昨日は、変な天気でした。
夕方からミゾレが降り始めて、その内雪に変わり、今朝起きたら屋根に雪がうっすらと積もってました。
3月も終わりだというのにとても寒かった京都です。
さて、心待ちにしていた新刊が出版されます。今までは、糖尿病と糖質制限食ということで、どちらかというと硬派路線でおじさん対象の本を書いてきました。
今回は、ぐっとやわらかく、女性がターゲットのダイエット本です。
京都の名医がおしえる「やせる食べ方」 東洋経済新報社
全国主要書店で、2010年4月5日(月)、一斉に発売となります。
アマゾン(Amazon.co.jp) でも予約を受け付けています。
自分で紹介しといてなんですが、京都の名医・・・て、何か気恥ずかしいもいいとこですね。(-_-;)
ともあれ、「やせる食べ方」、徹底的にやさしくわかりやすく書かれています。理屈っぽいのが苦手な方にも、大丈夫と思いますよ。
おいしいものをたくさん食べて、きれいにやせる!
キーワードは「糖質制限」 だけで、あとは面倒なカロリー計算は不要で、ステーキもOK、お酒(蒸留酒、赤ワイン)も飲めます。
あんまり簡単なので、「ずぼらダイエット」
美味しいものいっぱい食べれるので、「美食ダイエット」
食べたいだけ食べてもOKなので、「満腹ダイエット」
糖質制限食ダイエットの特徴をとらえて、皆さんいろんなニックネームをつけてくれます。
日本全国のきれいにやせたい方々、是非ご一読いただき、糖質制限食ダイエットを実践してみてくださいね。(^^)
江部康二
2010年03月29日 (月)
こんにちは。
昨夜、京都市左京区医師会の会合の帰りに広沢の池の辺りを車で通ったら、佐野藤右衛門さんのお宅の庭園の桜がライトアップされていました。桜、もうしっかり見頃に咲いてましたよ。 (^_^)
今日は、朝から日が照ったり、雨が降ったり、雪がふったり、風が吹いたり・・・。
花びらが散ってしまわないか心配ですね。
さて今回は、しげるさんから、インクレチン関連薬について、コメント・質問をいただきました。
「10/03/27 しげる
インクレチン関連薬
江部先生
いつも、ブログ拝見しています。
私は、15年前に糖尿病と診断され、7年前から薬を服用して来ました。
糖質制限食にしてから、約半年になります。HbA1cは下がり、現在は、6.1で、ここ3ヶ月間は同じ値です。
ただ、起床時の血糖値は、115~145位で少々高く、私のβ細胞は疲弊していて,
もうこれ以上望めないのかとも思っています。
さて、本日は、新しい糖尿病治療薬として、注目されている、インクレチンの関連薬、GLP-1とDPP-4が開発されましたが、江部先生のお考えをお聞きしたく、投稿致しました。
DPP-4の方は、錠剤で服用可能のようです。これらの薬の特徴は、膵臓のβ細胞を疲弊することなく、(回復も期待されている)インシュリンを出すということで、現在の治療法のパラダイムシフトが起きる可能性があるということです。私などは、この薬を使ってみることは意味があるでしょうか?
更に、値を下げたい気持ちの一方で、薬のまだ知られていない副作用も気になり、複雑な気持ちです。
先生のお考えをお聞かせ下さい。」
しげるさん、コメントありがとうございます。
インクレチンの関連薬として、GLP-1の注射薬とDPP-4阻害剤の内服薬が承認されました。
GLP-1は注射なので、やや使いにくく、私も使用していません。
DPP-4阻害剤の内服薬は早速使用していますので、そちらを解説したいと思います。
国内初のDPP-4阻害剤(ジャヌビア、グラクティブ)が、2009年12月に販売開始されました。
それでは、DPP-4阻害剤とはいったいどんな薬なのでしょう?
それに答えるには、まずインクレチンの説明が必要です。
インクレチンとは、小腸から分泌されるホルモンであり、GIPとGlp-1があります。
これらは、高血糖時には、SU剤とは異なる機序でインスリン分泌を促進させます。また、インスリン生合成を促進させます。さらに動物モデルでは、膵β細胞の保護作用が確認されています。
血糖値が低いときには、インスリン分泌をほとんど促進させず、食後高血糖の時にインスリン分泌を促進させるので、低血糖も起こしにくいです。
まことに都合のいいホルモンなのですが、DPP-4という酵素によって速やかに分解され、血中の半減期は約2分と短いのです。
このDPP-4という酵素の働きを阻害してやれば、インクレチンは血中に当分存在して、血糖降下作用を発揮してくれることになります。
そこで登場したのが、DPP-4阻害剤です。
この薬は内服薬であり、1日1回投与でよいので、使い勝手がいいです。
まったく同じ成分(一般名シタグリプチン)の、ジャヌビア(万有製薬)とグラクティブ(小野製薬)が同時に発売されます。
勿論健康保険収載で、SU剤、インスリン抵抗性改善剤(アクトス)、メトホルミンなどビグアナイド剤との併用もOKですし、単独使用もOKです。
理論的にはグルコバイなどαグルコシダーゼ阻害薬やグルファストなどとも併用できそうな気がしますが、保険収載されていません。
またインスリン注射との併用も理論的には可能と思いますが、やはり保険収載されていません。
膵β細胞保護作用など、糖質制限食的にも好ましいところがあるので、コントロールがあと一歩の糖尿人には、使ってみたいお薬ですね。
私も早速、10数名ていどに処方しましたが、かなりの有効性がありました。
例えば、心は糖質制限食を目指しておられますが、身体が間食を求めるタイプのキャラで、なかなかコントロール良好となりがたい糖尿人・・・(-_-;)
高雄病院入院後、退院して数ヶ月はHbA1c6%くらいをキープしているけれど、徐々に緩んで6.5%、7%、7.5%・・・。
ちょっと引き締めて7.1%・・・。
また緩んで7.3%・・・。
こんな感じで1年あまり、なかなか7%を切れなかった糖尿人が、ジャヌビア内服1ヶ月でHbA1c6.3%と1%改善した例を経験しました。 (^_^)
また、糖質制限食は、食後高血糖は速やかに改善しますが、早朝空腹時血糖値だけはなかなか減りがたい場合があります。
このような糖尿人にジャヌビアを投与したところ、翌日にはSMBGで、早朝空腹時血糖値200mg→150mgと改善した例もありました。2ヶ月経過してさらに早朝空腹時血糖値が100~130mgまで改善されました。
使用経験、わずか2ヶ月半ですが、このように明らかな有効例を複数経験しました。
過半数の人には有効でしたが、HbA1cが1ヶ月で1%改善した上述のような例もありましたが0.3%程度の例もありました。2名の糖尿人は、1ヶ月間では変化なしでした。
なお、インクレチンがDPP-4という酵素によって速やかに分解され、血中の半減期は約2分と短いのは、399万年の人類の進化の過程では、糖質摂取が少量なので食後高血糖がほとんどなかったせいと考えられます。
農耕が始まり、食後高血糖が日常的に生じるようになった後は、インクレチンにおおいに活躍して欲しいところですが、如何せん399万年間の進化の重みは大きくて、DPP-4が律儀にすぐ分解してしまう癖がついているのですね。
糖質を主食として約60%も摂取している現代において、DPP-4阻害剤が登場したのは、歴史の皮肉といえますね。
気になる副作用ですが、SU剤などの併用例以外では低血糖はほとんどないようです。吐き気などの副作用も比較的少ないようです。
ただ、どの薬にもあるような、皮膚障害、胃腸障害、肝機能障害、赤血球減少、浮腫・・・などは、頻度は少ないけれど報告されています。
すでに欧米では、3年半の使用経験がありますが、現時点では特に問題となるような副作用は報告されていません。
ただ、10年・20年・30年使ってどうなるかというのは誰にもわかりませんので、私達医師にも処方する責任がありますが、ここらは患者さんも自己判断・自己責任で、ということになります。
私自身は、今ある高血糖をコントロールすることを優先したいと思っていますので、糖質制限食がゆるくて血糖コントロールがいまいちの糖尿人には、DPP-4阻害剤のことを説明して、相談しようと思います。
江部康二
昨夜、京都市左京区医師会の会合の帰りに広沢の池の辺りを車で通ったら、佐野藤右衛門さんのお宅の庭園の桜がライトアップされていました。桜、もうしっかり見頃に咲いてましたよ。 (^_^)
今日は、朝から日が照ったり、雨が降ったり、雪がふったり、風が吹いたり・・・。
花びらが散ってしまわないか心配ですね。
さて今回は、しげるさんから、インクレチン関連薬について、コメント・質問をいただきました。
「10/03/27 しげる
インクレチン関連薬
江部先生
いつも、ブログ拝見しています。
私は、15年前に糖尿病と診断され、7年前から薬を服用して来ました。
糖質制限食にしてから、約半年になります。HbA1cは下がり、現在は、6.1で、ここ3ヶ月間は同じ値です。
ただ、起床時の血糖値は、115~145位で少々高く、私のβ細胞は疲弊していて,
もうこれ以上望めないのかとも思っています。
さて、本日は、新しい糖尿病治療薬として、注目されている、インクレチンの関連薬、GLP-1とDPP-4が開発されましたが、江部先生のお考えをお聞きしたく、投稿致しました。
DPP-4の方は、錠剤で服用可能のようです。これらの薬の特徴は、膵臓のβ細胞を疲弊することなく、(回復も期待されている)インシュリンを出すということで、現在の治療法のパラダイムシフトが起きる可能性があるということです。私などは、この薬を使ってみることは意味があるでしょうか?
更に、値を下げたい気持ちの一方で、薬のまだ知られていない副作用も気になり、複雑な気持ちです。
先生のお考えをお聞かせ下さい。」
しげるさん、コメントありがとうございます。
インクレチンの関連薬として、GLP-1の注射薬とDPP-4阻害剤の内服薬が承認されました。
GLP-1は注射なので、やや使いにくく、私も使用していません。
DPP-4阻害剤の内服薬は早速使用していますので、そちらを解説したいと思います。
国内初のDPP-4阻害剤(ジャヌビア、グラクティブ)が、2009年12月に販売開始されました。
それでは、DPP-4阻害剤とはいったいどんな薬なのでしょう?
それに答えるには、まずインクレチンの説明が必要です。
インクレチンとは、小腸から分泌されるホルモンであり、GIPとGlp-1があります。
これらは、高血糖時には、SU剤とは異なる機序でインスリン分泌を促進させます。また、インスリン生合成を促進させます。さらに動物モデルでは、膵β細胞の保護作用が確認されています。
血糖値が低いときには、インスリン分泌をほとんど促進させず、食後高血糖の時にインスリン分泌を促進させるので、低血糖も起こしにくいです。
まことに都合のいいホルモンなのですが、DPP-4という酵素によって速やかに分解され、血中の半減期は約2分と短いのです。
このDPP-4という酵素の働きを阻害してやれば、インクレチンは血中に当分存在して、血糖降下作用を発揮してくれることになります。
そこで登場したのが、DPP-4阻害剤です。
この薬は内服薬であり、1日1回投与でよいので、使い勝手がいいです。
まったく同じ成分(一般名シタグリプチン)の、ジャヌビア(万有製薬)とグラクティブ(小野製薬)が同時に発売されます。
勿論健康保険収載で、SU剤、インスリン抵抗性改善剤(アクトス)、メトホルミンなどビグアナイド剤との併用もOKですし、単独使用もOKです。
理論的にはグルコバイなどαグルコシダーゼ阻害薬やグルファストなどとも併用できそうな気がしますが、保険収載されていません。
またインスリン注射との併用も理論的には可能と思いますが、やはり保険収載されていません。
膵β細胞保護作用など、糖質制限食的にも好ましいところがあるので、コントロールがあと一歩の糖尿人には、使ってみたいお薬ですね。
私も早速、10数名ていどに処方しましたが、かなりの有効性がありました。
例えば、心は糖質制限食を目指しておられますが、身体が間食を求めるタイプのキャラで、なかなかコントロール良好となりがたい糖尿人・・・(-_-;)
高雄病院入院後、退院して数ヶ月はHbA1c6%くらいをキープしているけれど、徐々に緩んで6.5%、7%、7.5%・・・。
ちょっと引き締めて7.1%・・・。
また緩んで7.3%・・・。
こんな感じで1年あまり、なかなか7%を切れなかった糖尿人が、ジャヌビア内服1ヶ月でHbA1c6.3%と1%改善した例を経験しました。 (^_^)
また、糖質制限食は、食後高血糖は速やかに改善しますが、早朝空腹時血糖値だけはなかなか減りがたい場合があります。
このような糖尿人にジャヌビアを投与したところ、翌日にはSMBGで、早朝空腹時血糖値200mg→150mgと改善した例もありました。2ヶ月経過してさらに早朝空腹時血糖値が100~130mgまで改善されました。
使用経験、わずか2ヶ月半ですが、このように明らかな有効例を複数経験しました。
過半数の人には有効でしたが、HbA1cが1ヶ月で1%改善した上述のような例もありましたが0.3%程度の例もありました。2名の糖尿人は、1ヶ月間では変化なしでした。
なお、インクレチンがDPP-4という酵素によって速やかに分解され、血中の半減期は約2分と短いのは、399万年の人類の進化の過程では、糖質摂取が少量なので食後高血糖がほとんどなかったせいと考えられます。
農耕が始まり、食後高血糖が日常的に生じるようになった後は、インクレチンにおおいに活躍して欲しいところですが、如何せん399万年間の進化の重みは大きくて、DPP-4が律儀にすぐ分解してしまう癖がついているのですね。
糖質を主食として約60%も摂取している現代において、DPP-4阻害剤が登場したのは、歴史の皮肉といえますね。
気になる副作用ですが、SU剤などの併用例以外では低血糖はほとんどないようです。吐き気などの副作用も比較的少ないようです。
ただ、どの薬にもあるような、皮膚障害、胃腸障害、肝機能障害、赤血球減少、浮腫・・・などは、頻度は少ないけれど報告されています。
すでに欧米では、3年半の使用経験がありますが、現時点では特に問題となるような副作用は報告されていません。
ただ、10年・20年・30年使ってどうなるかというのは誰にもわかりませんので、私達医師にも処方する責任がありますが、ここらは患者さんも自己判断・自己責任で、ということになります。
私自身は、今ある高血糖をコントロールすることを優先したいと思っていますので、糖質制限食がゆるくて血糖コントロールがいまいちの糖尿人には、DPP-4阻害剤のことを説明して、相談しようと思います。
江部康二
2010年03月28日 (日)
こんにちは。
名古屋、東海、中部地方の皆さん、お久しぶりです。
糖質制限食、おかげさまで順調な広がりをみせています。 (^_^)
糖質制限食基礎理論もさらに進化をとげて、新しい知識が追加されています。
本もどんどん出版され、学会発表も行われています。
今回の講演会、初めて来られる方も、二度目・三度目・・・の方にも等しくお役に立てると思います。
是非奮ってご参加下さいね。ヾ(^▽^)
以下は”つばさ”事務局からのご案内です。
☆☆☆
”つばさ” 名古屋公開講座 2010
生活習慣病を予防する食生活
-糖質制限食の理論と実際-
わが国の糖尿病が強く疑われる人や糖尿病の可能性が否定できない人は約2,210万人(平成19年国民健康・栄養調査)と推計され、今や「国民病」とさえ言われる事態になっています。また、メタボリックシンドロームであることが強く疑われるか、その予備群の人は40~74歳の男性の2人に1人、女性の5人に1人(平成20年国民健康・栄養調査)といわれ、時代の進展と共にこれら生活習慣病は増加の一途をたどっています。
生活習慣病は食生活の改善が大変重要です。今回の「“つばさ”名古屋公開講座」では、生活習慣病における食生活をテーマに皆様と共に考えていきたいと思います。
講師
江部 康二
医師/高雄病院理事長
佐橋 紀子
HUMAN LIFE INFO NET “翼”代表
元飯田女子短期大学教授
とき 2010年4月17日(土)午後1:00~4:30
ところ 名古屋市女性会館 大ホール(地下鉄 「東別院」 下車)
参加費 1,200円(資料代含む)
主催 HUMAN LIFE INFO NET “翼”
申し込み先 佐橋 紀子/052-501-0994 原 育世/0568-84-6946
後援 愛知県・愛知県教育委員会
☆☆☆“翼”代表 佐橋紀子さんからのご挨拶
今年の冬は暖冬と言われながら、いつまでも厳しい寒さと大雪に驚かされた日々でした。
でも、やっと空気が柔らかになり、夜明けも早くなり、梅や菜の花も、春の到来を告げてくれています。
この季節、あなたにはお元気でいらっしゃいますか?年齢を重ねると共に、健康のありがたさが、身に滲みて感じられるようになってきました。
すでにご存知の方もあるかと思いますが、私は名古屋の学習グループ、HUMAN LIFE INFO NET "翼"代表の佐橋紀子と申します。たった一度の人生を人間らしく、豊かに生きたいものと、学習会や講演会などを続け、今年16年目を迎えました。
会員は全国に210名を数えます。職業も年齢も、居住地もバラバラですが、その心をつないでいるのが機関紙
”つばさ通信”で、今月で170号になりました。
時々”翼”は、糖尿病患者の会と思われる方もあるのですが、そうではなく、実は私自身が30年に及ぶ糖尿病患者でした。これまで毎月病院に通い、注 射や薬を飲みながらどんどん病状は悪化し、このままいくと失明か脳梗塞か、あるいは足の切断か人工透析のお世話になるのかと、暗澹たる思いを抱えて おりました。28年間に及ぶカロリー制限食の指導は、私を救ってはくれませんでした。
ところが2008年夏、京都の高雄病院に教育入院し、江部康二先生の糖質制限食の指導を受けることによって、合併症の花盛り寸前から救われました。今でも夢のように思います。この画期的な糖質制限食の治療方法を、一人でも多くの方に知って頂きたいと、強く願うようになりました。
たった2週間の入院で飲み薬はゼロに、インスリン注射は半分になりました。 朝の空腹時血糖は206から103にまで下がり(正常値は110以下)、体重も8キロ減り、今では快適な毎日を過ごしております。
糖質を最も含む炭水化物を食べないだけで、高血糖から健康を守り、元気な毎日を送ることができる糖質制限食の治療法に、目からウロコの驚きと共に、なぜもっと速く知ることができなかったのか、それが一番悔しく、残念に思ったことでした。
幸い私の場合は、酷い合併症に陥る寸前で救われました。ならばそのことを江部先生に感謝するだけでなく、いま糖尿病や成人病に悩んでいる人たちに、その方法を知っていただくことが私の使命ではないか、と思ったのです。
医師の江部先生のご講演と、患者としての私やなかまの具体的な報告を盛り込んだ講座も、今度で3回目になります。名古屋では昨年2月21日に行い、会場が150名しか入れなかったため大勢の方にお断りすることになり、申し訳なく思っております。10月3日には信州松川で、350人の方にお集まりいただきました。今度の名古屋は、定員350人の大ホールを用意いたしました。名古屋では2回目の講演になります。中身もバージョンアップして、皆様に満足していただけるよう、準備しています。 どうぞ周りの方にもお誘いくださり、お早めに申し込んでください。
お電話で予約していただければ、代金は当日の受付でお支払いください。では、名古屋市女性会館でお待ち申しております。
2010.3.7 HUMAN LIFE INFO NET“翼”代表 佐橋紀子
☆☆☆糖質制限食・学会発表
1)山門一平,江部康二,金大成,大櫛陽一.東海大学医学部,高雄病院:2型糖尿病における低炭水化物食の有用性とテーラーメード運動処方,第52回日本糖尿病学会年次学術集会.2009年
2)田中てる美,丸岡文雄,平田英一他.丸岡内科小児科クリニック,九州大学:糖質制限食による糖尿病及び肥満症導入・維持のための栄養指導上の工夫,第52回日本糖尿病学会年次学術集会.2009年
3)山田悟.北里研究所病院糖尿病センター:主食抜き指導にて血糖コントロールが改善した一例,日本糖尿病学会関東甲信越地方会.2010年1月30日
☆☆☆糖質制限食・医学雑誌掲載
1)江部康二他:糖尿病食事療法として糖質制限食を実施した3症例,
京都医学会雑誌51(1):125-130、2004
2)坂東浩,中村巧:カーボカウントと糖質制限食, 治療,90(12):3105-3111,2008
3) 江部康二:主食を抜けば(糖質を制限すれば)糖尿病は良くなる!,
治療,91(4):682-683,2009
4)中村巧,坂東浩:昨日の常識・食事療法ではカロリー制限すべきである
今日の常識・食事療法では糖質制限すべきである 治療,91(12):2858-2859,2009
5)江部康二:低糖質食(糖質制限食carbohydrate restriction)の意義,
内科,105(1):100-103,2010
☆☆☆糖質制限食・出版された本・江部康二関連
理論
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」2005年
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」2008年
「我ら糖尿人、元気なのには理由がある。」2009年
(東洋経済新報社)
レシピ
「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」2006年
「 糖質制限食 春のレシピ」2007年
「 糖質制限食 夏のレシピ」2007年
「糖質制限食 秋のレシピ」2008年
「糖質制限食 冬のレシピ」2008年
(東洋経済新報社)
「糖質オフ」ごちそうごはん
(アスペクト)2009年
『dancyu プレジデントムック 「満腹ダイエット 」
おいしい「糖質オフ」料理で楽しくやせる本 』(プレジデント社)2009年
名古屋、東海、中部地方の皆さん、お久しぶりです。
糖質制限食、おかげさまで順調な広がりをみせています。 (^_^)
糖質制限食基礎理論もさらに進化をとげて、新しい知識が追加されています。
本もどんどん出版され、学会発表も行われています。
今回の講演会、初めて来られる方も、二度目・三度目・・・の方にも等しくお役に立てると思います。
是非奮ってご参加下さいね。ヾ(^▽^)
以下は”つばさ”事務局からのご案内です。
☆☆☆
”つばさ” 名古屋公開講座 2010
生活習慣病を予防する食生活
-糖質制限食の理論と実際-
わが国の糖尿病が強く疑われる人や糖尿病の可能性が否定できない人は約2,210万人(平成19年国民健康・栄養調査)と推計され、今や「国民病」とさえ言われる事態になっています。また、メタボリックシンドロームであることが強く疑われるか、その予備群の人は40~74歳の男性の2人に1人、女性の5人に1人(平成20年国民健康・栄養調査)といわれ、時代の進展と共にこれら生活習慣病は増加の一途をたどっています。
生活習慣病は食生活の改善が大変重要です。今回の「“つばさ”名古屋公開講座」では、生活習慣病における食生活をテーマに皆様と共に考えていきたいと思います。
講師
江部 康二
医師/高雄病院理事長
佐橋 紀子
HUMAN LIFE INFO NET “翼”代表
元飯田女子短期大学教授
とき 2010年4月17日(土)午後1:00~4:30
ところ 名古屋市女性会館 大ホール(地下鉄 「東別院」 下車)
参加費 1,200円(資料代含む)
主催 HUMAN LIFE INFO NET “翼”
申し込み先 佐橋 紀子/052-501-0994 原 育世/0568-84-6946
後援 愛知県・愛知県教育委員会
☆☆☆“翼”代表 佐橋紀子さんからのご挨拶
今年の冬は暖冬と言われながら、いつまでも厳しい寒さと大雪に驚かされた日々でした。
でも、やっと空気が柔らかになり、夜明けも早くなり、梅や菜の花も、春の到来を告げてくれています。
この季節、あなたにはお元気でいらっしゃいますか?年齢を重ねると共に、健康のありがたさが、身に滲みて感じられるようになってきました。
すでにご存知の方もあるかと思いますが、私は名古屋の学習グループ、HUMAN LIFE INFO NET "翼"代表の佐橋紀子と申します。たった一度の人生を人間らしく、豊かに生きたいものと、学習会や講演会などを続け、今年16年目を迎えました。
会員は全国に210名を数えます。職業も年齢も、居住地もバラバラですが、その心をつないでいるのが機関紙
”つばさ通信”で、今月で170号になりました。
時々”翼”は、糖尿病患者の会と思われる方もあるのですが、そうではなく、実は私自身が30年に及ぶ糖尿病患者でした。これまで毎月病院に通い、注 射や薬を飲みながらどんどん病状は悪化し、このままいくと失明か脳梗塞か、あるいは足の切断か人工透析のお世話になるのかと、暗澹たる思いを抱えて おりました。28年間に及ぶカロリー制限食の指導は、私を救ってはくれませんでした。
ところが2008年夏、京都の高雄病院に教育入院し、江部康二先生の糖質制限食の指導を受けることによって、合併症の花盛り寸前から救われました。今でも夢のように思います。この画期的な糖質制限食の治療方法を、一人でも多くの方に知って頂きたいと、強く願うようになりました。
たった2週間の入院で飲み薬はゼロに、インスリン注射は半分になりました。 朝の空腹時血糖は206から103にまで下がり(正常値は110以下)、体重も8キロ減り、今では快適な毎日を過ごしております。
糖質を最も含む炭水化物を食べないだけで、高血糖から健康を守り、元気な毎日を送ることができる糖質制限食の治療法に、目からウロコの驚きと共に、なぜもっと速く知ることができなかったのか、それが一番悔しく、残念に思ったことでした。
幸い私の場合は、酷い合併症に陥る寸前で救われました。ならばそのことを江部先生に感謝するだけでなく、いま糖尿病や成人病に悩んでいる人たちに、その方法を知っていただくことが私の使命ではないか、と思ったのです。
医師の江部先生のご講演と、患者としての私やなかまの具体的な報告を盛り込んだ講座も、今度で3回目になります。名古屋では昨年2月21日に行い、会場が150名しか入れなかったため大勢の方にお断りすることになり、申し訳なく思っております。10月3日には信州松川で、350人の方にお集まりいただきました。今度の名古屋は、定員350人の大ホールを用意いたしました。名古屋では2回目の講演になります。中身もバージョンアップして、皆様に満足していただけるよう、準備しています。 どうぞ周りの方にもお誘いくださり、お早めに申し込んでください。
お電話で予約していただければ、代金は当日の受付でお支払いください。では、名古屋市女性会館でお待ち申しております。
2010.3.7 HUMAN LIFE INFO NET“翼”代表 佐橋紀子
☆☆☆糖質制限食・学会発表
1)山門一平,江部康二,金大成,大櫛陽一.東海大学医学部,高雄病院:2型糖尿病における低炭水化物食の有用性とテーラーメード運動処方,第52回日本糖尿病学会年次学術集会.2009年
2)田中てる美,丸岡文雄,平田英一他.丸岡内科小児科クリニック,九州大学:糖質制限食による糖尿病及び肥満症導入・維持のための栄養指導上の工夫,第52回日本糖尿病学会年次学術集会.2009年
3)山田悟.北里研究所病院糖尿病センター:主食抜き指導にて血糖コントロールが改善した一例,日本糖尿病学会関東甲信越地方会.2010年1月30日
☆☆☆糖質制限食・医学雑誌掲載
1)江部康二他:糖尿病食事療法として糖質制限食を実施した3症例,
京都医学会雑誌51(1):125-130、2004
2)坂東浩,中村巧:カーボカウントと糖質制限食, 治療,90(12):3105-3111,2008
3) 江部康二:主食を抜けば(糖質を制限すれば)糖尿病は良くなる!,
治療,91(4):682-683,2009
4)中村巧,坂東浩:昨日の常識・食事療法ではカロリー制限すべきである
今日の常識・食事療法では糖質制限すべきである 治療,91(12):2858-2859,2009
5)江部康二:低糖質食(糖質制限食carbohydrate restriction)の意義,
内科,105(1):100-103,2010
☆☆☆糖質制限食・出版された本・江部康二関連
理論
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」2005年
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」2008年
「我ら糖尿人、元気なのには理由がある。」2009年
(東洋経済新報社)
レシピ
「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」2006年
「 糖質制限食 春のレシピ」2007年
「 糖質制限食 夏のレシピ」2007年
「糖質制限食 秋のレシピ」2008年
「糖質制限食 冬のレシピ」2008年
(東洋経済新報社)
「糖質オフ」ごちそうごはん
(アスペクト)2009年
『dancyu プレジデントムック 「満腹ダイエット 」
おいしい「糖質オフ」料理で楽しくやせる本 』(プレジデント社)2009年
2010年03月27日 (土)
【コメント・質問に関するお知らせ・お願い】
ブログ読者の皆さんには、いつもコメントいただき、ありがとうございます。
読者の皆さんからもご意見いただきましたが、確かに普通のお医者さんに相談可能な個人的な内容の質問は、主治医にご相談頂けば助かります。m(_ _)m
普通のお医者さんでは解答不能の、糖質制限食に関わる質問は、何でもどんどんしていただけば嬉しいです。 (^_^)
掲載OKの質問に関して、読者の皆さんに共有していただきたい情報の場合は、ブログ本文にて、できるだけ順番にお答えしたいと思います。質問によってはコメント欄でお早めにお答えする場合もありますのでご了承ください。
一方、コメント・質問がかなり増えてきていますので、なかなか即お答えすることが困難となってきています。できるだけ全ての質問に本文かコメントでお答えするよう努力はしていますが、できないときはご容赦願います。m(_ _)m
それから、「管理人のみ閲覧できる」「匿名希望」などの質問に関しては、コメント欄にお答えするか、一般的な話題に置き換えてブログに記載するようにしていますので、よろしくお願い申し上げます。
【糖質制限食を実践される時のご注意】
本にも書いてありますが、 糖質制限食によりリアルタイムに血糖値が改善します。このため既に、経口血糖降下剤(オイグルコン、アマリールなど)の内服やインスリン注射をしておられる糖尿人は低血糖の心配がありますので必ず主治医と相談して頂きたいと思います。
一方、薬を使用してない糖尿人は、低血糖の心配はないので、
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」
「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」
「 糖質制限食 春のレシピ」
「 糖質制限食 夏のレシピ」
「糖質制限食 秋のレシピ」
「糖質制限食 冬のレシピ」
「我ら糖尿人、元気なのには理由がある。」
(東洋経済新報社)
「糖質オフ」ごちそうごはん
(アスペクト)
『dancyu プレジデントムック 「満腹ダイエット 」
おいしい「糖質オフ」料理で楽しくやせる本 』(プレジデント社)
を参考にされ、自力で 糖質制限食を実践して糖尿病改善を目指していただけば幸いです。
なお、血液検査で血清クレアチニン値が高値で腎障害がある場合と、活動性の膵炎がある場合は、糖質制限食は適応となりませんのでご注意ください。
糖質制限食は相対的に高タンパク・高脂肪食になるので、腎不全と活動性膵炎には適応とならないのです。
【糖質制限食とは】
食べ物が消化・吸収されたあと、糖質は100%血糖に変わります。タンパク質・脂質は血糖に変わりません。
また糖質は、摂取直後から急峻に血糖値を高く速く上昇させ、2時間以内にほとんどすべてが吸収されます。
これらは、含有エネルギーとは無関係な、三大栄養素の生理学的特質です。
このように糖質、脂質、タンパク質のうち糖質だけが血糖値を上昇させます。従って、糖質を摂取した時にはインスリンが大量に追加分泌されます。脂質を摂取しても、インスリンの追加分泌はありません。タンパク質はごく少量のインスリンを追加分泌させます。
現在糖尿病において、食後の急激な高血糖(グルコーススパイク)が、大きな問題として注目されています。食後高血糖が、心筋梗塞や脳梗塞などの合併症を起こす危険因子として確立されたからです。そして、食後高血糖を起こすのは、三大栄養素のなかで糖質だけなのです。
1gの糖質が体重64kgの2型糖尿病の人の血糖値を約3mg上昇させます。
炊いた白ご飯茶碗1杯150g(252kcal)には55.3gの糖質が含まれており、血糖値を166mg上昇させます。
一方、牛サーロインステーキを200g(約1000キロカロリー)食べても糖質含有量は1gもないので食後高血糖はほとんど生じないのです。
なお、1gの糖質が体重64kgの1型糖尿病の人の血糖値を5mg上昇させます。
糖質制限食の基本的な考え方は、上述のような生理学的事実をベースにできるだけ糖質の摂取を低く抑えて、食後高血糖を防ぐというものです。簡単に言えば主食を抜いておかずばかり食べるというイメージになります。抜く必要がある主食とは米飯・めん類・パンなどの米・麦製品や芋類など糖質が主成分のものです。
3食主食抜きのスーパー糖質制限食(糖質12%、タンパク質32%、脂質56%)なら薬に頼ることなく速やかにリアルタイムで良好な血糖コントロールが可能です。
一方、上述の白ご飯とステーキの例でも明らかなように、カロリー計算に基づいて血糖値をコントロールすることは理論的に不可能です。
従って、現行の日本糖尿病学会推薦の糖尿病食(糖質60%、タンパク質20%、脂質20%)を実践する限りは、
一日の摂取カロリーを1200キロカロリーと低く抑えたとしても、食後高血糖が必ず生じるのです。
糖尿病の改善には、カロリー制限より糖質制限ということが、おわかりいただけたと思います。
なお、糖質制限食は、カロリー無制限ということではありません。一般的な標準摂取カロリーの範囲、すなわち男性なら1600~2000キロカロリー、女性なら1200~1600キロカロリーくらいが目安です。
【糖質制限食コントロール・教育入院のご案内・保険適応】
お問い合わせは高雄病院
http://www.takao-hospital.jp/
住所:京都市右京区梅ヶ畑畑町3
電話:075-871-0245
ベットが空くまでお待ち頂くこともありますがご了承下さい。
【糖質制限食外来治療のご案内・予約制・保険適応】
高雄病院 電話:075-871-0245
京都市右京区梅ヶ畑畑町3
高雄病院京都駅前診療所 電話:075-352-5050
京都市下京区七条通り烏丸東入ル(50M)北側 ネオフィス 七条烏丸4F
http://www.takao-hospital.net/
江部診療所 電話:075-712-8133
京都市左京区下鴨高木町6 アトリエ・フォー 2F
ブログ読者の皆さんには、いつもコメントいただき、ありがとうございます。
読者の皆さんからもご意見いただきましたが、確かに普通のお医者さんに相談可能な個人的な内容の質問は、主治医にご相談頂けば助かります。m(_ _)m
普通のお医者さんでは解答不能の、糖質制限食に関わる質問は、何でもどんどんしていただけば嬉しいです。 (^_^)
掲載OKの質問に関して、読者の皆さんに共有していただきたい情報の場合は、ブログ本文にて、できるだけ順番にお答えしたいと思います。質問によってはコメント欄でお早めにお答えする場合もありますのでご了承ください。
一方、コメント・質問がかなり増えてきていますので、なかなか即お答えすることが困難となってきています。できるだけ全ての質問に本文かコメントでお答えするよう努力はしていますが、できないときはご容赦願います。m(_ _)m
それから、「管理人のみ閲覧できる」「匿名希望」などの質問に関しては、コメント欄にお答えするか、一般的な話題に置き換えてブログに記載するようにしていますので、よろしくお願い申し上げます。
【糖質制限食を実践される時のご注意】
本にも書いてありますが、 糖質制限食によりリアルタイムに血糖値が改善します。このため既に、経口血糖降下剤(オイグルコン、アマリールなど)の内服やインスリン注射をしておられる糖尿人は低血糖の心配がありますので必ず主治医と相談して頂きたいと思います。
一方、薬を使用してない糖尿人は、低血糖の心配はないので、
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」
「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」
「 糖質制限食 春のレシピ」
「 糖質制限食 夏のレシピ」
「糖質制限食 秋のレシピ」
「糖質制限食 冬のレシピ」
「我ら糖尿人、元気なのには理由がある。」
(東洋経済新報社)
「糖質オフ」ごちそうごはん
(アスペクト)
『dancyu プレジデントムック 「満腹ダイエット 」
おいしい「糖質オフ」料理で楽しくやせる本 』(プレジデント社)
を参考にされ、自力で 糖質制限食を実践して糖尿病改善を目指していただけば幸いです。
なお、血液検査で血清クレアチニン値が高値で腎障害がある場合と、活動性の膵炎がある場合は、糖質制限食は適応となりませんのでご注意ください。
糖質制限食は相対的に高タンパク・高脂肪食になるので、腎不全と活動性膵炎には適応とならないのです。
【糖質制限食とは】
食べ物が消化・吸収されたあと、糖質は100%血糖に変わります。タンパク質・脂質は血糖に変わりません。
また糖質は、摂取直後から急峻に血糖値を高く速く上昇させ、2時間以内にほとんどすべてが吸収されます。
これらは、含有エネルギーとは無関係な、三大栄養素の生理学的特質です。
このように糖質、脂質、タンパク質のうち糖質だけが血糖値を上昇させます。従って、糖質を摂取した時にはインスリンが大量に追加分泌されます。脂質を摂取しても、インスリンの追加分泌はありません。タンパク質はごく少量のインスリンを追加分泌させます。
現在糖尿病において、食後の急激な高血糖(グルコーススパイク)が、大きな問題として注目されています。食後高血糖が、心筋梗塞や脳梗塞などの合併症を起こす危険因子として確立されたからです。そして、食後高血糖を起こすのは、三大栄養素のなかで糖質だけなのです。
1gの糖質が体重64kgの2型糖尿病の人の血糖値を約3mg上昇させます。
炊いた白ご飯茶碗1杯150g(252kcal)には55.3gの糖質が含まれており、血糖値を166mg上昇させます。
一方、牛サーロインステーキを200g(約1000キロカロリー)食べても糖質含有量は1gもないので食後高血糖はほとんど生じないのです。
なお、1gの糖質が体重64kgの1型糖尿病の人の血糖値を5mg上昇させます。
糖質制限食の基本的な考え方は、上述のような生理学的事実をベースにできるだけ糖質の摂取を低く抑えて、食後高血糖を防ぐというものです。簡単に言えば主食を抜いておかずばかり食べるというイメージになります。抜く必要がある主食とは米飯・めん類・パンなどの米・麦製品や芋類など糖質が主成分のものです。
3食主食抜きのスーパー糖質制限食(糖質12%、タンパク質32%、脂質56%)なら薬に頼ることなく速やかにリアルタイムで良好な血糖コントロールが可能です。
一方、上述の白ご飯とステーキの例でも明らかなように、カロリー計算に基づいて血糖値をコントロールすることは理論的に不可能です。
従って、現行の日本糖尿病学会推薦の糖尿病食(糖質60%、タンパク質20%、脂質20%)を実践する限りは、
一日の摂取カロリーを1200キロカロリーと低く抑えたとしても、食後高血糖が必ず生じるのです。
糖尿病の改善には、カロリー制限より糖質制限ということが、おわかりいただけたと思います。
なお、糖質制限食は、カロリー無制限ということではありません。一般的な標準摂取カロリーの範囲、すなわち男性なら1600~2000キロカロリー、女性なら1200~1600キロカロリーくらいが目安です。
【糖質制限食コントロール・教育入院のご案内・保険適応】
お問い合わせは高雄病院
http://www.takao-hospital.jp/
住所:京都市右京区梅ヶ畑畑町3
電話:075-871-0245
ベットが空くまでお待ち頂くこともありますがご了承下さい。
【糖質制限食外来治療のご案内・予約制・保険適応】
高雄病院 電話:075-871-0245
京都市右京区梅ヶ畑畑町3
高雄病院京都駅前診療所 電話:075-352-5050
京都市下京区七条通り烏丸東入ル(50M)北側 ネオフィス 七条烏丸4F
http://www.takao-hospital.net/
江部診療所 電話:075-712-8133
京都市左京区下鴨高木町6 アトリエ・フォー 2F
2010年03月26日 (金)
こんにちは。
やせ型の人と糖質制限食と低血糖について、助け人さんから、コメント・質問をいただきました。
【10/03/23 助け人
ご指導をお願いします。
江部先生、こんにちは。
私は30代後半の痩せ型(身長170cmで50kgにとうてい及びません)の男性で、朝の空腹時血糖値が70で糖尿病ではありませんが、逆に低い血糖値や様々な体の不調(慢性疲労など)を改善したいと思い、10日ほど前から先生のご著書やブログを参考に糖質制限食(ほぼ「スーパー糖質制限」)を実践している者です。よろしくお願いします。近くの係りつけの病院で血液検査の結果が出たのですが、このタイミングで先生にいくつかご指導をいただきたいことがあり、コメントをさせていただきました。お忙しい中、申し訳ございません。
①
まず、この朝食前空腹時70という血糖値ですが、例えば人参やカボチャ、玄米など、先生の表の「要注意食品」にもあるものも、ある程度(少量)は食べて血糖値を上げないと、逆に良くないでしょうか。3日前に測った血液検査では、少し多めにくるみ70gとリンゴ8分の1個を食べた1時間後でしたが血糖値が79と低い値でした。スーパー糖質制限であまりに低いままだと、不調を招くのではないかと思っています。
②
上記と関連しますが、スーパー糖質制限を始めて5日後くらいから、明らかに急に「すぐに極度に疲れやすい」体質になりました。たとえば、自転車を2~3分こいだだけで、息切れがし、足が筋肉疲労します。これもやはり、血糖値が低い状態で1日を過ごしている可能性があるからでしょうか。それとも別の原因でしょうか。(江部先生の理論を推奨している東京のクリニックハイジーアの矢崎智子先生の本でも、「無反応性低血糖症などの場合は、適度に血糖値を上げるために、未精製穀物を少量ずつこまめに摂取しないと、かえって疲れやすくなる」とありました。)*なお、ナッツやたんぱく質でカロリーはしっかりめに摂るようにしています。また、「無反応性」になっていないかどうかは、今度糖質を摂ったあとに血糖値を測って調べてみます。
③
いちおう、糖質制限食に不向きではないかと確認するため、腎臓の検査もしてもらいました。診てもらったのはクレアチニン値ですが、基準値よりわずかに低い0.59でした。糖質制限食を実践して問題ないでしょうか。ちなみに、半年前と比較すると、クレアチニンは0.74⇒今回0.59に低下、尿素窒素は9⇒今回17に上昇でした。
④
食材に入っている砂糖についてですが、例えば先生の「食べて良い食品」にあるソーセージは、食品店で見ると普通は砂糖が原材料に入っています。ということは、考え方としては、「なにがなんでも砂糖が入っているものはダメ」ということではなく、ソーセージの場合ごく少量でしょうから、やはり量が問題なのでしょうか。
⑤
最後は、先日の先生のブログでの「基礎理論」についてですが、この中で「糖質制限食実践中は肝臓でアミノ酸などから糖新生が行われ・・・」と書かれています。しかし、ある資料では、これが肝臓に大きな負担がかかるため主食を抜くのはよくないと書いていました。また、同じ記事で「ケトン体を多く合成されるため、体内のPHバランスが崩れケトアシドーシスと引き起こす」との指摘もありました。さらには、Wikipediaのアトキンスダイエットの項目では、「急激な脂肪分解によりケトン体が生成されるので、(中略)体臭や口臭がケトン体独特のにおいになることもある」とありました。この3点について、どのようなお考えをお持ちでしょうか。安心して実践するための参考にしたいので、よろしくお願いします。(アトキンスダイエットでは、死亡例もあると聞きました。)
以上、5点にもなってしまい申し訳ございませんが、家族を養っていて何とか健康体でしっかりと支えたいと思っていますので、よろしくご指導をいただければ幸いに存じます。なにか足りない数値があれば、あるものについては補足いたしますので、よろしくお願いします。(血液検査では、一般的なものや、半年ほど前には慢性疲労症候群を疑ってさまざまな精密検査を行いましたが、とくに問題は見つかっていません。)】
助け人さん。
コメントそして本のご購入、ありがとうございます。
『①
まず、この朝食前空腹時70という血糖値ですが、例えば人参やカボチャ、玄米など、先生の表の「要注意食品」にもあるものも、ある程度(少量)は食べて血糖値を上げないと、逆に良くないでしょうか。3日前に測った血液検査では、少し多めにくるみ70gとリンゴ8分の1個を食べた1時間後でしたが血糖値が79と低い値でした。スーパー糖質制限であまりに低いままだと、不調を招くのではないかと思っています。 』
糖質制限食実践で、糖尿人の高血糖は改善し正常になりますが、低血糖になるわけではありません。
正常人も、糖質制限食で低血糖になるわけではありません。
肝臓でアミノ酸や乳酸やグリセロールからブドウ糖をつくるからです。→糖新生
逆に、糖質(特に精製された糖質)を摂取すると正常人でも食後血糖値は40~60mg上昇し、追加分泌インスリンが基礎分泌の10~20倍でます。このインスリン追加分泌のため2~4時間後とかに、かえって低血糖になることがあります。
糖質制限食なら食後血糖値はほとんど上昇せず、追加分泌インスリンもせいぜい2倍レベルまでしかでないので、2~4時間後の低血糖も起こりません。
『②
上記と関連しますが、スーパー糖質制限を始めて5日後くらいから、明らかに急に「すぐに極度に疲れやすい」体質になりました。たとえば、自転車を2~3分こいだだけで、息切れがし、足が筋肉疲労します。これもやはり、血糖値が低い状態で1日を過ごしている可能性があるからでしょうか。それとも別の原因でしょうか。(江部先生の理論を推奨している東京のクリニックハイジーアの矢崎智子先生の本でも、「無反応性低血糖症などの場合は、適度に血糖値を上げるために、未精製穀物を少量ずつこまめに摂取しないと、かえって疲れやすくなる」とありました。)*なお、ナッツやたんぱく質でカロリーはしっかりめに摂るようにしています。また、「無反応性」になっていないかどうかは、今度糖質を摂ったあとに血糖値を測って調べてみます。』
スーパー糖質制限食で、疲れやすくなるというのは基本的にありません。脂肪酸-ケトン体エネルギーシステムが活性化すれば、明らかにスタミナがつきます。
痩せた人でも、ブドウ糖-グリコーゲンシステムのエネルギー蓄積量に比べれば、脂肪酸-ケトン体システムのほうは100倍くらいのエネルギー蓄積量ですから。
脂肪酸-ケトン体システムが活性化すれば、少々の運動強度なら脂肪酸-ケトン体がエネルギー供給を続けるので、筋肉中のグリコーゲンが節約できて結果としてスタミナがつくわけです。
「ナッツやたんぱく質でカロリーはしっかりめに摂るようにしている」とのことですがやはり一番考えられるのは合計摂取カロリーの不足です。ちなみにタンパク質はかなりの低カロリー食材ですので、脂質もしっかり摂取してくださいね。
やせ型の糖尿人で「糖質制限食で血糖値は改善しましたが、力がでなくてヘロヘロです」と仰有る方がまれにおられます。こういう方は、いままでの経験では、もれなく低カロリーでした。
『③
いちおう、糖質制限食に不向きではないかと確認するため、腎臓の検査もしてもらいました。診てもらったのはクレアチニン値ですが、基準値よりわずかに低い0.59でした。糖質制限食を実践して問題ないでしょうか。ちなみに、半年前と比較すると、クレアチニンは0.74⇒今回0.59に低下、尿素窒素は9⇒今回17に上昇でした。』
血清クレアチニン値が低いのは、腎機能的には全く問題ありません。尿素窒素も全く正常です。糖質制限食実践に支障はありません。
『④
食材に入っている砂糖についてですが、例えば先生の「食べて良い食品」にあるソーセージは、食品店で見ると普通は砂糖が原材料に入っています。ということは、考え方としては、「なにがなんでも砂糖が入っているものはダメ」ということではなく、ソーセージの場合ごく少量でしょうから、やはり量が問題なのでしょうか。』
仰有るとおりです。
白菜にも菜っ葉にも少量のショ糖が含まれています。ソーセージに含まれている砂糖は極少量ですので、砂糖も含めた合計糖質が100g中に1~2gていどなら問題ありません。スーパー糖質制限食の場合、1回の合計糖質摂取量が10~20gていどが、目安となります。
『⑤
最後は、先日の先生のブログでの「基礎理論」についてですが、この中で「糖質制限食実践中は肝臓でアミノ酸などから糖新生が行われ・・・」と書かれています。しかし、ある資料では、これが肝臓に大きな負担がかかるため主食を抜くのはよくないと書いていました。また、同じ記事で「ケトン体を多く合成されるため、体内のPHバランスが崩れケトアシドーシスと引き起こす」との指摘もありました。さらには、Wikipediaのアトキンスダイエットの項目では、「急激な脂肪分解によりケトン体が生成されるので、(中略)体臭や口臭がケトン体独特のにおいになることもある」とありました。この3点について、どのようなお考えをお持ちでしょうか。安心して実践するための参考にしたいので、よろしくお願いします。(アトキンスダイエットでは、死亡例もあると聞きました。)』
肝臓の糖新生は、400万年間の人類の歴史で日常的に行ってきたことですし、現代人でも空腹時や睡眠時には日常的に行っています。すなわち、全く負担にはなりません。
ケトン体はインスリン作用が保たれているならば、いまの基準値より高値でも生理的なもので全く問題はありません。血液のPHも、身体の緩衝作用で速やかに補正され、アシドーシスにはなりません。
ちなみに、スーパー糖質制限食を2002年から8年間続けている江部康二の
血中ケトン体値:945μM/L(26~122)、
HbA1c:5.3%、
空腹時血糖値:93mg/dl、
pH:7.45、
尿中ケトン体陰性
でした。
3つ目ですが、糖質制限食実践の初期の段階では、血中ケトン体濃度が高まるにつれて尿中や呼気中にアセトンが排泄されます。これにより、呼気が甘酸っぱい臭いになることがあります。
およそ3ヶ月くらいで、心筋・骨格筋など体細胞の利用効率が良くなり、また腎臓の再吸収がよくなるので、尿中や呼気中に排泄されなくなりますので臭いもなくなります。
最後に、人類400~600万年間の進化の歴史の中で、農耕以前は、狩猟・採集が生業でした。狩猟・採集すなわち糖質制限食を実践しながら、人類は突然変異を繰り返し進化をとげたわけです。
従って、私たちの身体の栄養・代謝・生理的システムは糖質制限食に適するようになっています。糖質摂取は実りの秋の果物(今より小さく糖度も低い)やナッツ類くらいです。
農耕が始まって、1万年、定着して4000年、糖質が主食となった期間は、歴史的にみて、わずか1/1000以下です。糖尿病・メタボに限らず、様々な生活習慣病が糖質制限食で改善するのも、人類の食生活史を考察してみれば、しごく当たり前のことと理解できます。
なお2010年03月19日 (金)のブログ<糖質制限食と糖新生・2010年3月>もご参照頂けば幸いです。
ケトン体については2010年01月07日 (木)のブログ<人体のエネルギー源と糖質制限食>をご参照頂けば幸いです。
江部康二
やせ型の人と糖質制限食と低血糖について、助け人さんから、コメント・質問をいただきました。
【10/03/23 助け人
ご指導をお願いします。
江部先生、こんにちは。
私は30代後半の痩せ型(身長170cmで50kgにとうてい及びません)の男性で、朝の空腹時血糖値が70で糖尿病ではありませんが、逆に低い血糖値や様々な体の不調(慢性疲労など)を改善したいと思い、10日ほど前から先生のご著書やブログを参考に糖質制限食(ほぼ「スーパー糖質制限」)を実践している者です。よろしくお願いします。近くの係りつけの病院で血液検査の結果が出たのですが、このタイミングで先生にいくつかご指導をいただきたいことがあり、コメントをさせていただきました。お忙しい中、申し訳ございません。
①
まず、この朝食前空腹時70という血糖値ですが、例えば人参やカボチャ、玄米など、先生の表の「要注意食品」にもあるものも、ある程度(少量)は食べて血糖値を上げないと、逆に良くないでしょうか。3日前に測った血液検査では、少し多めにくるみ70gとリンゴ8分の1個を食べた1時間後でしたが血糖値が79と低い値でした。スーパー糖質制限であまりに低いままだと、不調を招くのではないかと思っています。
②
上記と関連しますが、スーパー糖質制限を始めて5日後くらいから、明らかに急に「すぐに極度に疲れやすい」体質になりました。たとえば、自転車を2~3分こいだだけで、息切れがし、足が筋肉疲労します。これもやはり、血糖値が低い状態で1日を過ごしている可能性があるからでしょうか。それとも別の原因でしょうか。(江部先生の理論を推奨している東京のクリニックハイジーアの矢崎智子先生の本でも、「無反応性低血糖症などの場合は、適度に血糖値を上げるために、未精製穀物を少量ずつこまめに摂取しないと、かえって疲れやすくなる」とありました。)*なお、ナッツやたんぱく質でカロリーはしっかりめに摂るようにしています。また、「無反応性」になっていないかどうかは、今度糖質を摂ったあとに血糖値を測って調べてみます。
③
いちおう、糖質制限食に不向きではないかと確認するため、腎臓の検査もしてもらいました。診てもらったのはクレアチニン値ですが、基準値よりわずかに低い0.59でした。糖質制限食を実践して問題ないでしょうか。ちなみに、半年前と比較すると、クレアチニンは0.74⇒今回0.59に低下、尿素窒素は9⇒今回17に上昇でした。
④
食材に入っている砂糖についてですが、例えば先生の「食べて良い食品」にあるソーセージは、食品店で見ると普通は砂糖が原材料に入っています。ということは、考え方としては、「なにがなんでも砂糖が入っているものはダメ」ということではなく、ソーセージの場合ごく少量でしょうから、やはり量が問題なのでしょうか。
⑤
最後は、先日の先生のブログでの「基礎理論」についてですが、この中で「糖質制限食実践中は肝臓でアミノ酸などから糖新生が行われ・・・」と書かれています。しかし、ある資料では、これが肝臓に大きな負担がかかるため主食を抜くのはよくないと書いていました。また、同じ記事で「ケトン体を多く合成されるため、体内のPHバランスが崩れケトアシドーシスと引き起こす」との指摘もありました。さらには、Wikipediaのアトキンスダイエットの項目では、「急激な脂肪分解によりケトン体が生成されるので、(中略)体臭や口臭がケトン体独特のにおいになることもある」とありました。この3点について、どのようなお考えをお持ちでしょうか。安心して実践するための参考にしたいので、よろしくお願いします。(アトキンスダイエットでは、死亡例もあると聞きました。)
以上、5点にもなってしまい申し訳ございませんが、家族を養っていて何とか健康体でしっかりと支えたいと思っていますので、よろしくご指導をいただければ幸いに存じます。なにか足りない数値があれば、あるものについては補足いたしますので、よろしくお願いします。(血液検査では、一般的なものや、半年ほど前には慢性疲労症候群を疑ってさまざまな精密検査を行いましたが、とくに問題は見つかっていません。)】
助け人さん。
コメントそして本のご購入、ありがとうございます。
『①
まず、この朝食前空腹時70という血糖値ですが、例えば人参やカボチャ、玄米など、先生の表の「要注意食品」にもあるものも、ある程度(少量)は食べて血糖値を上げないと、逆に良くないでしょうか。3日前に測った血液検査では、少し多めにくるみ70gとリンゴ8分の1個を食べた1時間後でしたが血糖値が79と低い値でした。スーパー糖質制限であまりに低いままだと、不調を招くのではないかと思っています。 』
糖質制限食実践で、糖尿人の高血糖は改善し正常になりますが、低血糖になるわけではありません。
正常人も、糖質制限食で低血糖になるわけではありません。
肝臓でアミノ酸や乳酸やグリセロールからブドウ糖をつくるからです。→糖新生
逆に、糖質(特に精製された糖質)を摂取すると正常人でも食後血糖値は40~60mg上昇し、追加分泌インスリンが基礎分泌の10~20倍でます。このインスリン追加分泌のため2~4時間後とかに、かえって低血糖になることがあります。
糖質制限食なら食後血糖値はほとんど上昇せず、追加分泌インスリンもせいぜい2倍レベルまでしかでないので、2~4時間後の低血糖も起こりません。
『②
上記と関連しますが、スーパー糖質制限を始めて5日後くらいから、明らかに急に「すぐに極度に疲れやすい」体質になりました。たとえば、自転車を2~3分こいだだけで、息切れがし、足が筋肉疲労します。これもやはり、血糖値が低い状態で1日を過ごしている可能性があるからでしょうか。それとも別の原因でしょうか。(江部先生の理論を推奨している東京のクリニックハイジーアの矢崎智子先生の本でも、「無反応性低血糖症などの場合は、適度に血糖値を上げるために、未精製穀物を少量ずつこまめに摂取しないと、かえって疲れやすくなる」とありました。)*なお、ナッツやたんぱく質でカロリーはしっかりめに摂るようにしています。また、「無反応性」になっていないかどうかは、今度糖質を摂ったあとに血糖値を測って調べてみます。』
スーパー糖質制限食で、疲れやすくなるというのは基本的にありません。脂肪酸-ケトン体エネルギーシステムが活性化すれば、明らかにスタミナがつきます。
痩せた人でも、ブドウ糖-グリコーゲンシステムのエネルギー蓄積量に比べれば、脂肪酸-ケトン体システムのほうは100倍くらいのエネルギー蓄積量ですから。
脂肪酸-ケトン体システムが活性化すれば、少々の運動強度なら脂肪酸-ケトン体がエネルギー供給を続けるので、筋肉中のグリコーゲンが節約できて結果としてスタミナがつくわけです。
「ナッツやたんぱく質でカロリーはしっかりめに摂るようにしている」とのことですがやはり一番考えられるのは合計摂取カロリーの不足です。ちなみにタンパク質はかなりの低カロリー食材ですので、脂質もしっかり摂取してくださいね。
やせ型の糖尿人で「糖質制限食で血糖値は改善しましたが、力がでなくてヘロヘロです」と仰有る方がまれにおられます。こういう方は、いままでの経験では、もれなく低カロリーでした。
『③
いちおう、糖質制限食に不向きではないかと確認するため、腎臓の検査もしてもらいました。診てもらったのはクレアチニン値ですが、基準値よりわずかに低い0.59でした。糖質制限食を実践して問題ないでしょうか。ちなみに、半年前と比較すると、クレアチニンは0.74⇒今回0.59に低下、尿素窒素は9⇒今回17に上昇でした。』
血清クレアチニン値が低いのは、腎機能的には全く問題ありません。尿素窒素も全く正常です。糖質制限食実践に支障はありません。
『④
食材に入っている砂糖についてですが、例えば先生の「食べて良い食品」にあるソーセージは、食品店で見ると普通は砂糖が原材料に入っています。ということは、考え方としては、「なにがなんでも砂糖が入っているものはダメ」ということではなく、ソーセージの場合ごく少量でしょうから、やはり量が問題なのでしょうか。』
仰有るとおりです。
白菜にも菜っ葉にも少量のショ糖が含まれています。ソーセージに含まれている砂糖は極少量ですので、砂糖も含めた合計糖質が100g中に1~2gていどなら問題ありません。スーパー糖質制限食の場合、1回の合計糖質摂取量が10~20gていどが、目安となります。
『⑤
最後は、先日の先生のブログでの「基礎理論」についてですが、この中で「糖質制限食実践中は肝臓でアミノ酸などから糖新生が行われ・・・」と書かれています。しかし、ある資料では、これが肝臓に大きな負担がかかるため主食を抜くのはよくないと書いていました。また、同じ記事で「ケトン体を多く合成されるため、体内のPHバランスが崩れケトアシドーシスと引き起こす」との指摘もありました。さらには、Wikipediaのアトキンスダイエットの項目では、「急激な脂肪分解によりケトン体が生成されるので、(中略)体臭や口臭がケトン体独特のにおいになることもある」とありました。この3点について、どのようなお考えをお持ちでしょうか。安心して実践するための参考にしたいので、よろしくお願いします。(アトキンスダイエットでは、死亡例もあると聞きました。)』
肝臓の糖新生は、400万年間の人類の歴史で日常的に行ってきたことですし、現代人でも空腹時や睡眠時には日常的に行っています。すなわち、全く負担にはなりません。
ケトン体はインスリン作用が保たれているならば、いまの基準値より高値でも生理的なもので全く問題はありません。血液のPHも、身体の緩衝作用で速やかに補正され、アシドーシスにはなりません。
ちなみに、スーパー糖質制限食を2002年から8年間続けている江部康二の
血中ケトン体値:945μM/L(26~122)、
HbA1c:5.3%、
空腹時血糖値:93mg/dl、
pH:7.45、
尿中ケトン体陰性
でした。
3つ目ですが、糖質制限食実践の初期の段階では、血中ケトン体濃度が高まるにつれて尿中や呼気中にアセトンが排泄されます。これにより、呼気が甘酸っぱい臭いになることがあります。
およそ3ヶ月くらいで、心筋・骨格筋など体細胞の利用効率が良くなり、また腎臓の再吸収がよくなるので、尿中や呼気中に排泄されなくなりますので臭いもなくなります。
最後に、人類400~600万年間の進化の歴史の中で、農耕以前は、狩猟・採集が生業でした。狩猟・採集すなわち糖質制限食を実践しながら、人類は突然変異を繰り返し進化をとげたわけです。
従って、私たちの身体の栄養・代謝・生理的システムは糖質制限食に適するようになっています。糖質摂取は実りの秋の果物(今より小さく糖度も低い)やナッツ類くらいです。
農耕が始まって、1万年、定着して4000年、糖質が主食となった期間は、歴史的にみて、わずか1/1000以下です。糖尿病・メタボに限らず、様々な生活習慣病が糖質制限食で改善するのも、人類の食生活史を考察してみれば、しごく当たり前のことと理解できます。
なお2010年03月19日 (金)のブログ<糖質制限食と糖新生・2010年3月>もご参照頂けば幸いです。
ケトン体については2010年01月07日 (木)のブログ<人体のエネルギー源と糖質制限食>をご参照頂けば幸いです。
江部康二
2010年03月25日 (木)
こんばんは。
先日2年ぶりに、歯医者さんに行ってきました。
何と虫歯はゼロで、歯は全て残っていました。現在60才ですから、それなりに優秀な成績と思います。
正確には20才のとき、右の奥歯に虫歯ができて1回だけ治療して、アマルガムが詰めてあり、それが40年そのままもっています。
学生時代は甘いものはそんなに食べていなかったですが、チョコレートだけは大好きで毎日のように食べてました。
20才時唯一の虫歯は、きっとチョコレート印です。( ̄_ ̄|||)
また今回の歯の健診、歯周症もほとんどなしで、歯石も大変少なくて、歯医者さんには、「花丸です!!」とお誉めの言葉をいただきました。(⌒o⌒)v
さて、虫歯と歯周病は、歯を失う二大原因です。そして虫歯も歯周症も、最大の原因はプラーク(歯垢)です。
プラークはただの食べカスではなく、生きた細菌の塊です。歯垢中の細菌は、食物中の糖質を栄養源にしてどんどん増えていきます。
プラークコントロールをせずに放置すると、細菌が糖質を分解して作り出す酸や毒素で虫歯や歯周病が発症します。逆に言えば糖質制限食なら、プラークは激減します。
私は、2002年6月から糖質制限食を実践していますが、驚いたことに歯垢がほとんどできなくなりました。糖質制限食で細菌の餌がなくなり、兵糧責めで繁殖できないので歯垢も激減したものと考えられます。それでもたまに糖質(豚カツや餃子)を食べると、てきめんその日は歯垢ができます。
もともと歯は丈夫な方でしたが、糖質を食べていた頃は歯垢は結構できやすいほうで、毎年1回、歯医者さんに、たっぷり溜まった歯石を取ってもらってました。1年間でこんなにできるのかというくらい、カチカチの歯石が沢山取れたものでした。
歯垢に唾液中のカルシウムが結びついて歯石になります。従って、歯垢ができなくなったら歯石も激減します。
勿論、最低限のプラークコントロールというか、超音波歯ブラシと歯間ブラシで朝1回、3分間くらいの手入れと、食後は通常の歯磨きを30秒くらいはしてます。
ブログ読者の 糖質制限食実践中の皆さん、如何でしょう?歯垢は減りましたか?
糖尿人は歯周症を起こしやすいことが知られています。また最近は、歯周症があると糖尿病が悪化しやすいと言われています。
糖尿病→血糖コントロール不良→歯周症→糖尿病悪化・・・
という悪循環パターンですね。
糖質制限食なら、血糖コントロールは良好となり、プラークも減って歯周症や虫歯の予防となり、まさに一石二鳥どころか、一石三鳥ですね。
糖尿人の御同輩、糖質制限食で歯垢を減らして、最低限のプラークコントロールも実施して歯周病や虫歯予防を目指しましょうね。
江部康二
先日2年ぶりに、歯医者さんに行ってきました。
何と虫歯はゼロで、歯は全て残っていました。現在60才ですから、それなりに優秀な成績と思います。
正確には20才のとき、右の奥歯に虫歯ができて1回だけ治療して、アマルガムが詰めてあり、それが40年そのままもっています。
学生時代は甘いものはそんなに食べていなかったですが、チョコレートだけは大好きで毎日のように食べてました。
20才時唯一の虫歯は、きっとチョコレート印です。( ̄_ ̄|||)
また今回の歯の健診、歯周症もほとんどなしで、歯石も大変少なくて、歯医者さんには、「花丸です!!」とお誉めの言葉をいただきました。(⌒o⌒)v
さて、虫歯と歯周病は、歯を失う二大原因です。そして虫歯も歯周症も、最大の原因はプラーク(歯垢)です。
プラークはただの食べカスではなく、生きた細菌の塊です。歯垢中の細菌は、食物中の糖質を栄養源にしてどんどん増えていきます。
プラークコントロールをせずに放置すると、細菌が糖質を分解して作り出す酸や毒素で虫歯や歯周病が発症します。逆に言えば糖質制限食なら、プラークは激減します。
私は、2002年6月から糖質制限食を実践していますが、驚いたことに歯垢がほとんどできなくなりました。糖質制限食で細菌の餌がなくなり、兵糧責めで繁殖できないので歯垢も激減したものと考えられます。それでもたまに糖質(豚カツや餃子)を食べると、てきめんその日は歯垢ができます。
もともと歯は丈夫な方でしたが、糖質を食べていた頃は歯垢は結構できやすいほうで、毎年1回、歯医者さんに、たっぷり溜まった歯石を取ってもらってました。1年間でこんなにできるのかというくらい、カチカチの歯石が沢山取れたものでした。
歯垢に唾液中のカルシウムが結びついて歯石になります。従って、歯垢ができなくなったら歯石も激減します。
勿論、最低限のプラークコントロールというか、超音波歯ブラシと歯間ブラシで朝1回、3分間くらいの手入れと、食後は通常の歯磨きを30秒くらいはしてます。
ブログ読者の 糖質制限食実践中の皆さん、如何でしょう?歯垢は減りましたか?
糖尿人は歯周症を起こしやすいことが知られています。また最近は、歯周症があると糖尿病が悪化しやすいと言われています。
糖尿病→血糖コントロール不良→歯周症→糖尿病悪化・・・
という悪循環パターンですね。
糖質制限食なら、血糖コントロールは良好となり、プラークも減って歯周症や虫歯の予防となり、まさに一石二鳥どころか、一石三鳥ですね。
糖尿人の御同輩、糖質制限食で歯垢を減らして、最低限のプラークコントロールも実施して歯周病や虫歯予防を目指しましょうね。
江部康二
2010年03月24日 (水)
おはようございます。
糖尿病ネットワークの記事
「低脂肪食および低炭水化物食はインスリン感受性に同程度の効果示す。ただし低炭水化物食は血管障害に関連する可能性」(*)
http://www.dm-net.co.jp/healthdayjapan/2009/12/009629.php
に関して、andanteさんから、コメント・質問をいただきました。
検討した結果、andanteさんがご指摘のごとく、やはりこの論文アンフェアなものでした。
何とスポンサーがイギリス砂糖局とは・・・( ̄_ ̄|||)
私は英語が苦手なので、例によって良きアドバイザーのI先生にご協力いただきました。
以下は、I先生にいただいた意見をまとめたものです。
I先生、いつもありがとうございます。 m(_ _)m
まずは、論文解釈対するI先生の鋭いご指摘です。
『著者の意図するデータや結果は、慎重に解釈する必要があるということです。
一方、著者が意図しないデータや結果は、信頼性が高いと思います。
このDiabetesの論文でいうと、低炭水化物食で、中性脂肪が著明に低下する事、A1Cや空腹時インシュリンも有意に低下すること、低脂質食よりも約200kcal高いエネルギーの食事で同程度以上の減量が得られることなどは、とても信頼性の高い価値あるデータのように感じます。』
この論文で著者が意図的にだしたと思われる
「低脂肪食および低炭水化物食はインスリン感受性に同程度の効果示す。ただし低炭水化物食は血管障害に関連する可能性」
という要約の結論は、残念ながら科学的な考察を経たものではありません。
一方、要約には書いてないけど本文にはある、
「低炭水化物食で、中性脂肪が著明に低下する事、A1Cや空腹時インシュリンも有意に低下すること、低脂質食よりも約200kcal高いエネルギーの食事で同程度以上の減量が得られること」
に関しては、著者の意図とは異なっているけれど、信憑性が高いということですね。
以下は、糖尿病ネットワークに載ったdiabetesの論文に対するI先生の詳しい考察です。
『この論文ですが、
The Sugar Bureau(イギリス砂糖局?どうやら砂糖の消費を推進する団体のようです)
http://www.sugar-bureau.co.uk/
から資金提供を受けていて、またもや「最初から結論ありき」な論文のようです。
デザインですが、BMI27以上の肥満だが他は健康なボランティア24人を、ランダムに低炭水化物食、低脂質食にふりわけ、8週間介入しています。
摂取エネルギー量ですが、最低でも週に0.5kg減が達成できるように、 基礎代謝をもとに算出した推定必要エネルギーよりも500kcal少ないエネルギーとしています。そして、これは1週間ごとに見直され、0.5kg減が達成できていない場合は、さらに200kcal減としています。ですから、両群ともに体重が低下していたのは、当然で、そのようにデザインされていたわけです。
さて、このように摂取エネルギーを設定した結果、最終的には低炭水化物群で7.9MJ(1896kcal)、低脂質群で7.1MJ(1704kcal)となっています。体重は、低炭水化物群で97.7kg→90.3kgと7.4kg減、低脂質群で91.5kg→85kgと6.5kg減となっています。
有意差はないようですが、低炭水化物群の方が、約200kcl高いエネルギーで0.6kg多い減量となっています。元の体重が低炭水化物群で97.7kg、低脂質群で91.5kgと差があるので評価むずかしいですが、200kclの差というのは結構大きいような気がします。低脂肪群の方が、0.5kg/週のノルマ達成がむずかしかったのでしょうか?
他の検査データで気になるものを挙げると次のようになります。
空腹時インスリンは、 低炭水化物群 12.5→7.4mU/Iと有意に低下していますが、低脂質では、11.4→9.0 mU/Iで有意な低下なし。A1Cは、低炭水化物群 5.3±0.3→5.2±0.003%と有意に低下していますが、低脂質では、5.4±0.3→5.3±0.4%で有意な低下なし。中性脂肪は低炭水化物群では1.59→0.91mmol/lと有意に低下していますが、低脂質群では1.55→1.431mmol/lとほとんど変化ありません。これら、低炭水化物群に有利な結果は、要約ではなぜか触れられていません。
その他いろいろ検査しているのですが、低脂質食が唯一良い結果を出しているのは、aortic augmentation index 中心大動脈圧という検査です。次のようなものらしいです。
http://www.lifescience.jp/ebm/sa/2008/0810/0.html
低炭水化物群12.3±12.2%→14.5±11.9%(P値0.32で有意差なし)、低脂質群17.0±14.4%→13.3±16.3%(P値0.04でぎりぎり有意差あり)、グループ間の比較で、P値0.04とぎりぎり有意差がでています。結局のこの結果のみが、Conclusion(結論)に記載されています。
この検査について、詳しいことはよく知りませんが、標準偏差があまりにも大きく、本当に有意差がでているのか、信頼性のある検査なのか、疑問が残ります。
収縮期血圧・拡張期血圧は、両群で有意に低下しているのですが、これも要約には載っていません。
さっと読んだ感想ですが、いつものごとく、最初から結論ありきの不公平な論文のように感じました。』
過去、本ブログで批判した、
「低糖質食で精神不安定?」というオーストラリアの論文とか、「カロリーが一緒なら何を食べても体重減少効果は同じ」というニューイングランド・ジャーナルの論文とか権威ある医学雑誌でも要約だけみたら、体よく騙されることがあるので、要注意ですね。
江部康二
(*)
Low-Fat Versus Low-Carbohydrate Weight Reduction Diets
Effects on Weight Loss, Insulin Resistance, and Cardiovascular Risk: A Randomized Control Trial
http://diabetes.diabetesjournals.org/content/58/12/2741.abstract
(**)
「低糖質食で精神不安定?」というオーストラリアの論文への批判記事
2009年11月27日 (金) 、2009年11月28日 (土)、2009年11月26日 (木) のブログ
(***)
「カロリーが一緒なら何を食べても体重減少効果は同じ」というニューイングランド・ジャーナルの論文への批判記事
2009年04月09日 (木) のブログ
糖尿病ネットワークの記事
「低脂肪食および低炭水化物食はインスリン感受性に同程度の効果示す。ただし低炭水化物食は血管障害に関連する可能性」(*)
http://www.dm-net.co.jp/healthdayjapan/2009/12/009629.php
に関して、andanteさんから、コメント・質問をいただきました。
検討した結果、andanteさんがご指摘のごとく、やはりこの論文アンフェアなものでした。
何とスポンサーがイギリス砂糖局とは・・・( ̄_ ̄|||)
私は英語が苦手なので、例によって良きアドバイザーのI先生にご協力いただきました。
以下は、I先生にいただいた意見をまとめたものです。
I先生、いつもありがとうございます。 m(_ _)m
まずは、論文解釈対するI先生の鋭いご指摘です。
『著者の意図するデータや結果は、慎重に解釈する必要があるということです。
一方、著者が意図しないデータや結果は、信頼性が高いと思います。
このDiabetesの論文でいうと、低炭水化物食で、中性脂肪が著明に低下する事、A1Cや空腹時インシュリンも有意に低下すること、低脂質食よりも約200kcal高いエネルギーの食事で同程度以上の減量が得られることなどは、とても信頼性の高い価値あるデータのように感じます。』
この論文で著者が意図的にだしたと思われる
「低脂肪食および低炭水化物食はインスリン感受性に同程度の効果示す。ただし低炭水化物食は血管障害に関連する可能性」
という要約の結論は、残念ながら科学的な考察を経たものではありません。
一方、要約には書いてないけど本文にはある、
「低炭水化物食で、中性脂肪が著明に低下する事、A1Cや空腹時インシュリンも有意に低下すること、低脂質食よりも約200kcal高いエネルギーの食事で同程度以上の減量が得られること」
に関しては、著者の意図とは異なっているけれど、信憑性が高いということですね。
以下は、糖尿病ネットワークに載ったdiabetesの論文に対するI先生の詳しい考察です。
『この論文ですが、
The Sugar Bureau(イギリス砂糖局?どうやら砂糖の消費を推進する団体のようです)
http://www.sugar-bureau.co.uk/
から資金提供を受けていて、またもや「最初から結論ありき」な論文のようです。
デザインですが、BMI27以上の肥満だが他は健康なボランティア24人を、ランダムに低炭水化物食、低脂質食にふりわけ、8週間介入しています。
摂取エネルギー量ですが、最低でも週に0.5kg減が達成できるように、 基礎代謝をもとに算出した推定必要エネルギーよりも500kcal少ないエネルギーとしています。そして、これは1週間ごとに見直され、0.5kg減が達成できていない場合は、さらに200kcal減としています。ですから、両群ともに体重が低下していたのは、当然で、そのようにデザインされていたわけです。
さて、このように摂取エネルギーを設定した結果、最終的には低炭水化物群で7.9MJ(1896kcal)、低脂質群で7.1MJ(1704kcal)となっています。体重は、低炭水化物群で97.7kg→90.3kgと7.4kg減、低脂質群で91.5kg→85kgと6.5kg減となっています。
有意差はないようですが、低炭水化物群の方が、約200kcl高いエネルギーで0.6kg多い減量となっています。元の体重が低炭水化物群で97.7kg、低脂質群で91.5kgと差があるので評価むずかしいですが、200kclの差というのは結構大きいような気がします。低脂肪群の方が、0.5kg/週のノルマ達成がむずかしかったのでしょうか?
他の検査データで気になるものを挙げると次のようになります。
空腹時インスリンは、 低炭水化物群 12.5→7.4mU/Iと有意に低下していますが、低脂質では、11.4→9.0 mU/Iで有意な低下なし。A1Cは、低炭水化物群 5.3±0.3→5.2±0.003%と有意に低下していますが、低脂質では、5.4±0.3→5.3±0.4%で有意な低下なし。中性脂肪は低炭水化物群では1.59→0.91mmol/lと有意に低下していますが、低脂質群では1.55→1.431mmol/lとほとんど変化ありません。これら、低炭水化物群に有利な結果は、要約ではなぜか触れられていません。
その他いろいろ検査しているのですが、低脂質食が唯一良い結果を出しているのは、aortic augmentation index 中心大動脈圧という検査です。次のようなものらしいです。
http://www.lifescience.jp/ebm/sa/2008/0810/0.html
低炭水化物群12.3±12.2%→14.5±11.9%(P値0.32で有意差なし)、低脂質群17.0±14.4%→13.3±16.3%(P値0.04でぎりぎり有意差あり)、グループ間の比較で、P値0.04とぎりぎり有意差がでています。結局のこの結果のみが、Conclusion(結論)に記載されています。
この検査について、詳しいことはよく知りませんが、標準偏差があまりにも大きく、本当に有意差がでているのか、信頼性のある検査なのか、疑問が残ります。
収縮期血圧・拡張期血圧は、両群で有意に低下しているのですが、これも要約には載っていません。
さっと読んだ感想ですが、いつものごとく、最初から結論ありきの不公平な論文のように感じました。』
過去、本ブログで批判した、
「低糖質食で精神不安定?」というオーストラリアの論文とか、「カロリーが一緒なら何を食べても体重減少効果は同じ」というニューイングランド・ジャーナルの論文とか権威ある医学雑誌でも要約だけみたら、体よく騙されることがあるので、要注意ですね。
江部康二
(*)
Low-Fat Versus Low-Carbohydrate Weight Reduction Diets
Effects on Weight Loss, Insulin Resistance, and Cardiovascular Risk: A Randomized Control Trial
http://diabetes.diabetesjournals.org/content/58/12/2741.abstract
(**)
「低糖質食で精神不安定?」というオーストラリアの論文への批判記事
2009年11月27日 (金) 、2009年11月28日 (土)、2009年11月26日 (木) のブログ
(***)
「カロリーが一緒なら何を食べても体重減少効果は同じ」というニューイングランド・ジャーナルの論文への批判記事
2009年04月09日 (木) のブログ
2010年03月23日 (火)
おはようございます。
少し前に「日経メディカル オンライン」 に載った記事ですが、コーヒー党にはとても嬉しい内容でした。 (^_^)
2010年2月24日から26日まで、米サンアントニオにて開催された国際脳卒中学会で、英ケンブリッジ大学のYanmei Li氏らが発表しました。
結論は、
「コーヒーを飲む人は飲まない人より脳卒中リスクが29%も低い――EPIC-Norfolkより」
この研究は、癌や他の疾患と食生活との関連を調べる英国の大規模コホート研究
EPIC(European Prospective Investigation into Cancer)-Norfolk研究
の一環として実施されたものです。
2万2232人を平均12年間追跡した結果の報告です。
私も、糖質制限食OK食材なので、1日に3~4杯コーヒーを飲みます。
時間に余裕があったら、ひいた豆から入れますが、面倒くさいときはインスタントコーヒーでもいいタイプです。
「リスクの低下は、レギュラーあるいはインスタント、カフェイン入りあるいはカフェイン抜きの別にかかわらず認められた。」
そうです。
江部康二
☆☆☆以下日経メディカル オンラインからの引用です。
学会ダイジェスト: 国際脳卒中学会
2010年2月24日~26日 San Antonio, U.S.A.
2010. 3. 2
コーヒーを飲む人は飲まない人より脳卒中リスクが29%も低い――EPIC-Norfolkより
関連ジャンル: 循環器 脳血管
英ケンブリッジ大学のYanmei Li氏
コーヒーを飲む人は、飲まない人に比べて脳卒中を発症するリスクが29%も低いことが2万人規模のコホート研究によって示された。コーヒー嗜好以外の生活習慣や年齢・性別などの影響は認められず、コーヒー自体になんらかの好ましい作用がある可能性があるという。英ケンブリッジ大学のYanmei Li氏(写真)らが、2月24日から26日まで米サンアントニオにて開催された国際脳卒中学会(ISC2010)で発表した。
本研究は、癌や他の疾患と食生活との関連を調べる英国の大規模コホート研究EPIC(European Prospective Investigation into Cancer)-Norfolk研究の一環として実施されたもの。対象は、脳・心血管疾患や癌の既往のない39~79歳のNorfolk住民2万2232人(男性9978人、女性1万2254人)。登録時期は1993~1997年であり、2008年3月までの追跡データがまとめられた。
コーヒー摂取の有無と摂取量は、登録者に向けた質問表の中の嗜好品について尋ねる項目と食品の摂取頻度を尋ねる項目への回答に基づいて評価した。ベースライン時においてコーヒーを飲む人は1万7807人、飲まない人は4425人であり、飲む人の平均摂取量は3.1±2.2杯だった。
これらの人々に対する平均12年の追跡の結果、計855件の脳卒中の発生が報告された。なお、脳卒中の発症状況は、国際疾病分類第9版(ICD-9)または第10版(ICD-10)、もしくは死亡診断書や病院の電子カルテの記載から判断した。
次にLi氏らは、Cox回帰モデルにより、年齢、性、喫煙、社会階級、学歴、BMI、飲酒量、身体活動、お茶の摂取、尿中Na/Cr、尿中K/Cr、血中ビタミンC、収縮期血圧、糖尿病、コレステロールの各因子について補正のうえ、コーヒー摂取の有無と脳卒中の関係を解析した。その結果、コーヒーを飲まない人に対するコーヒーを飲む人のハザード比は0.71(95%信頼区間;0.60-0.85)となり、29%の相対リスクの低下が認められた。この傾向は、女性(HR0.84)よりも男性(HR0.62)、また喫煙者(HR0.59)において特に顕著であった。
また、摂取量別の解析では、HRはコーヒーを1日2杯、もしくは3~4杯程度飲む人で低く、1日1杯だけ飲む人や5杯以上飲む人では若干高くなる「Uカーブ」が認められた。また、コーヒー摂取者におけるHRの低下は、レギュラーあるいはインスタント、カフェイン入りあるいはカフェイン抜きの別にかかわらず認められた。
以上のように、中高年の男女におけるコーヒーの摂取は、既知の脳卒中危険因子や生活習慣とは独立して、脳卒中のリスクを約30%も低下させることが示された。その機序については不明であるが、コーヒーに含まれる成分は糖代謝に好ましい影響を与え、神経保護的に働く可能性が動物実験において示唆されている。また、臨床的にも、コーヒーの摂取は強力な脳卒中危険因子である2型糖尿病を抑制することが報告されている。今回の報告は、コーヒー摂取と脳卒中の関係を直接示した貴重なデータと言える。
(日経メディカル別冊編集)
少し前に「日経メディカル オンライン」 に載った記事ですが、コーヒー党にはとても嬉しい内容でした。 (^_^)
2010年2月24日から26日まで、米サンアントニオにて開催された国際脳卒中学会で、英ケンブリッジ大学のYanmei Li氏らが発表しました。
結論は、
「コーヒーを飲む人は飲まない人より脳卒中リスクが29%も低い――EPIC-Norfolkより」
この研究は、癌や他の疾患と食生活との関連を調べる英国の大規模コホート研究
EPIC(European Prospective Investigation into Cancer)-Norfolk研究
の一環として実施されたものです。
2万2232人を平均12年間追跡した結果の報告です。
私も、糖質制限食OK食材なので、1日に3~4杯コーヒーを飲みます。
時間に余裕があったら、ひいた豆から入れますが、面倒くさいときはインスタントコーヒーでもいいタイプです。
「リスクの低下は、レギュラーあるいはインスタント、カフェイン入りあるいはカフェイン抜きの別にかかわらず認められた。」
そうです。
江部康二
☆☆☆以下日経メディカル オンラインからの引用です。
学会ダイジェスト: 国際脳卒中学会
2010年2月24日~26日 San Antonio, U.S.A.
2010. 3. 2
コーヒーを飲む人は飲まない人より脳卒中リスクが29%も低い――EPIC-Norfolkより
関連ジャンル: 循環器 脳血管
英ケンブリッジ大学のYanmei Li氏
コーヒーを飲む人は、飲まない人に比べて脳卒中を発症するリスクが29%も低いことが2万人規模のコホート研究によって示された。コーヒー嗜好以外の生活習慣や年齢・性別などの影響は認められず、コーヒー自体になんらかの好ましい作用がある可能性があるという。英ケンブリッジ大学のYanmei Li氏(写真)らが、2月24日から26日まで米サンアントニオにて開催された国際脳卒中学会(ISC2010)で発表した。
本研究は、癌や他の疾患と食生活との関連を調べる英国の大規模コホート研究EPIC(European Prospective Investigation into Cancer)-Norfolk研究の一環として実施されたもの。対象は、脳・心血管疾患や癌の既往のない39~79歳のNorfolk住民2万2232人(男性9978人、女性1万2254人)。登録時期は1993~1997年であり、2008年3月までの追跡データがまとめられた。
コーヒー摂取の有無と摂取量は、登録者に向けた質問表の中の嗜好品について尋ねる項目と食品の摂取頻度を尋ねる項目への回答に基づいて評価した。ベースライン時においてコーヒーを飲む人は1万7807人、飲まない人は4425人であり、飲む人の平均摂取量は3.1±2.2杯だった。
これらの人々に対する平均12年の追跡の結果、計855件の脳卒中の発生が報告された。なお、脳卒中の発症状況は、国際疾病分類第9版(ICD-9)または第10版(ICD-10)、もしくは死亡診断書や病院の電子カルテの記載から判断した。
次にLi氏らは、Cox回帰モデルにより、年齢、性、喫煙、社会階級、学歴、BMI、飲酒量、身体活動、お茶の摂取、尿中Na/Cr、尿中K/Cr、血中ビタミンC、収縮期血圧、糖尿病、コレステロールの各因子について補正のうえ、コーヒー摂取の有無と脳卒中の関係を解析した。その結果、コーヒーを飲まない人に対するコーヒーを飲む人のハザード比は0.71(95%信頼区間;0.60-0.85)となり、29%の相対リスクの低下が認められた。この傾向は、女性(HR0.84)よりも男性(HR0.62)、また喫煙者(HR0.59)において特に顕著であった。
また、摂取量別の解析では、HRはコーヒーを1日2杯、もしくは3~4杯程度飲む人で低く、1日1杯だけ飲む人や5杯以上飲む人では若干高くなる「Uカーブ」が認められた。また、コーヒー摂取者におけるHRの低下は、レギュラーあるいはインスタント、カフェイン入りあるいはカフェイン抜きの別にかかわらず認められた。
以上のように、中高年の男女におけるコーヒーの摂取は、既知の脳卒中危険因子や生活習慣とは独立して、脳卒中のリスクを約30%も低下させることが示された。その機序については不明であるが、コーヒーに含まれる成分は糖代謝に好ましい影響を与え、神経保護的に働く可能性が動物実験において示唆されている。また、臨床的にも、コーヒーの摂取は強力な脳卒中危険因子である2型糖尿病を抑制することが報告されている。今回の報告は、コーヒー摂取と脳卒中の関係を直接示した貴重なデータと言える。
(日経メディカル別冊編集)
2010年03月22日 (月)
こんにちは。
名古屋、東海、中部地方の皆さん、お久しぶりです。
糖質制限食、おかげさまで順調な広がりをみせています。 (^_^)
糖質制限食基礎理論もさらに進化をとげて、新しい知識が追加されています。
本もどんどん出版され、学会発表も行われています。
今回の講演会、初めて来られる方も、二度目・三度目・・・の方にも等しくお役に立てると思います。
是非奮ってご参加下さいね。ヾ(^▽^)
以下は”つばさ”事務局からのご案内です。
☆☆☆
”つばさ” 名古屋公開講座 2010
生活習慣病を予防する食生活
-糖質制限食の理論と実際-
わが国の糖尿病が強く疑われる人や糖尿病の可能性が否定できない人は約2,210万人(平成19年国民健康・栄養調査)と推計され、今や「国民病」とさえ言われる事態になっています。また、メタボリックシンドロームであることが強く疑われるか、その予備群の人は40~74歳の男性の2人に1人、女性の5人に1人(平成20年国民健康・栄養調査)といわれ、時代の進展と共にこれら生活習慣病は増加の一途をたどっています。
生活習慣病は食生活の改善が大変重要です。今回の「“つばさ”名古屋公開講座」では、生活習慣病における食生活をテーマに皆様と共に考えていきたいと思います。
講師
江部 康二
医師/高雄病院理事長
佐橋 紀子
HUMAN LIFE INFO NET “翼”代表
元飯田女子短期大学教授
とき 2010年4月17日(土)午後1:00~4:30
ところ 名古屋市女性会館 大ホール(地下鉄 「東別院」 下車)
参加費 1,200円(資料代含む)
主催 HUMAN LIFE INFO NET “翼”
申し込み先 佐橋 紀子/052-501-0994 原 育世/0568-84-6946
後援 愛知県・愛知県教育委員会
☆☆☆“翼”代表 佐橋紀子さんからのご挨拶
今年の冬は暖冬と言われながら、いつまでも厳しい寒さと大雪に驚かされた日々でした。
でも、やっと空気が柔らかになり、夜明けも早くなり、梅や菜の花も、春の到来を告げてくれています。
この季節、あなたにはお元気でいらっしゃいますか?年齢を重ねると共に、健康のありがたさが、身に滲みて感じられるようになってきました。
すでにご存知の方もあるかと思いますが、私は名古屋の学習グループ、HUMAN LIFE INFO NET "翼"代表の佐橋紀子と申します。たった一度の人生を人間らしく、豊かに生きたいものと、学習会や講演会などを続け、今年16年目を迎えました。
会員は全国に210名を数えます。職業も年齢も、居住地もバラバラですが、その心をつないでいるのが機関紙
”つばさ通信”で、今月で170号になりました。
時々”翼”は、糖尿病患者の会と思われる方もあるのですが、そうではなく、実は私自身が30年に及ぶ糖尿病患者でした。これまで毎月病院に通い、注 射や薬を飲みながらどんどん病状は悪化し、このままいくと失明か脳梗塞か、あるいは足の切断か人工透析のお世話になるのかと、暗澹たる思いを抱えて おりました。28年間に及ぶカロリー制限食の指導は、私を救ってはくれませんでした。
ところが2008年夏、京都の高雄病院に教育入院し、江部康二先生の糖質制限食の指導を受けることによって、合併症の花盛り寸前から救われました。今でも夢のように思います。この画期的な糖質制限食の治療方法を、一人でも多くの方に知って頂きたいと、強く願うようになりました。
たった2週間の入院で飲み薬はゼロに、インスリン注射は半分になりました。 朝の空腹時血糖は206から103にまで下がり(正常値は110以下)、体重も8キロ減り、今では快適な毎日を過ごしております。
糖質を最も含む炭水化物を食べないだけで、高血糖から健康を守り、元気な毎日を送ることができる糖質制限食の治療法に、目からウロコの驚きと共に、なぜもっと速く知ることができなかったのか、それが一番悔しく、残念に思ったことでした。
幸い私の場合は、酷い合併症に陥る寸前で救われました。ならばそのことを江部先生に感謝するだけでなく、いま糖尿病や成人病に悩んでいる人たちに、その方法を知っていただくことが私の使命ではないか、と思ったのです。
医師の江部先生のご講演と、患者としての私やなかまの具体的な報告を盛り込んだ講座も、今度で3回目になります。名古屋では昨年2月21日に行い、会場が150名しか入れなかったため大勢の方にお断りすることになり、申し訳なく思っております。10月3日には信州松川で、350人の方にお集まりいただきました。今度の名古屋は、定員350人の大ホールを用意いたしました。名古屋では2回目の講演になります。中身もバージョンアップして、皆様に満足していただけるよう、準備しています。 どうぞ周りの方にもお誘いくださり、お早めに申し込んでください。
お電話で予約していただければ、代金は当日の受付でお支払いください。では、名古屋市女性会館でお待ち申しております。
2010.3.7 HUMAN LIFE INFO NET“翼”代表 佐橋紀子
☆☆☆糖質制限食・学会発表・医学雑誌掲載
1)山門一平,江部康二,金大成,大櫛陽一.東海大学医学部,高雄病院:2型糖尿病における低炭水化物食の有用性とテーラーメード運動処方,第52回日本糖尿病学会年次学術集会.2009年
2)田中てる美,丸岡文雄,平田英一他.丸岡内科小児科クリニック,九州大学:糖質制限食による糖尿病及び肥満症導入・維持のための栄養指導上の工夫,第52回日本糖尿病学会年次学術集会.2009年
3)山田悟.北里研究所病院糖尿病センター:主食抜き指導にて血糖コントロールが改善した一例,日本糖尿病学会関東甲信越地方会.2010年1月30日
☆☆☆糖質制限食・過去の医学雑誌掲載
1)江部康二他:糖尿病食事療法として糖質制限食を実施した3症例,
京都医学会雑誌51(1):125-130、2004
2)坂東浩,中村巧:カーボカウントと糖質制限食, 治療,90(12):3105-3111,2008
3) 江部康二:主食を抜けば(糖質を制限すれば)糖尿病は良くなる!,
治療,91(4):682-683,2009
4)中村巧,坂東浩:昨日の常識・食事療法ではカロリー制限すべきである
今日の常識・食事療法では糖質制限すべきである 治療,91(12):2858-2859,2009
5)江部康二:低糖質食(糖質制限食carbohydrate restriction)の意義,
内科,105(1):100-103,2010
☆☆☆糖質制限食・出版された本・江部康二関連
理論
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」2005年
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」2008年
「我ら糖尿人、元気なのには理由がある。」2009年
(東洋経済新報社)
レシピ
「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」2006年
「 糖質制限食 春のレシピ」2007年
「 糖質制限食 夏のレシピ」2007年
「糖質制限食 秋のレシピ」2008年
「糖質制限食 冬のレシピ」2008年
(東洋経済新報社)
「糖質オフ」ごちそうごはん
(アスペクト)2009年
『dancyu プレジデントムック 「満腹ダイエット 」
おいしい「糖質オフ」料理で楽しくやせる本 』(プレジデント社)2009年
名古屋、東海、中部地方の皆さん、お久しぶりです。
糖質制限食、おかげさまで順調な広がりをみせています。 (^_^)
糖質制限食基礎理論もさらに進化をとげて、新しい知識が追加されています。
本もどんどん出版され、学会発表も行われています。
今回の講演会、初めて来られる方も、二度目・三度目・・・の方にも等しくお役に立てると思います。
是非奮ってご参加下さいね。ヾ(^▽^)
以下は”つばさ”事務局からのご案内です。
☆☆☆
”つばさ” 名古屋公開講座 2010
生活習慣病を予防する食生活
-糖質制限食の理論と実際-
わが国の糖尿病が強く疑われる人や糖尿病の可能性が否定できない人は約2,210万人(平成19年国民健康・栄養調査)と推計され、今や「国民病」とさえ言われる事態になっています。また、メタボリックシンドロームであることが強く疑われるか、その予備群の人は40~74歳の男性の2人に1人、女性の5人に1人(平成20年国民健康・栄養調査)といわれ、時代の進展と共にこれら生活習慣病は増加の一途をたどっています。
生活習慣病は食生活の改善が大変重要です。今回の「“つばさ”名古屋公開講座」では、生活習慣病における食生活をテーマに皆様と共に考えていきたいと思います。
講師
江部 康二
医師/高雄病院理事長
佐橋 紀子
HUMAN LIFE INFO NET “翼”代表
元飯田女子短期大学教授
とき 2010年4月17日(土)午後1:00~4:30
ところ 名古屋市女性会館 大ホール(地下鉄 「東別院」 下車)
参加費 1,200円(資料代含む)
主催 HUMAN LIFE INFO NET “翼”
申し込み先 佐橋 紀子/052-501-0994 原 育世/0568-84-6946
後援 愛知県・愛知県教育委員会
☆☆☆“翼”代表 佐橋紀子さんからのご挨拶
今年の冬は暖冬と言われながら、いつまでも厳しい寒さと大雪に驚かされた日々でした。
でも、やっと空気が柔らかになり、夜明けも早くなり、梅や菜の花も、春の到来を告げてくれています。
この季節、あなたにはお元気でいらっしゃいますか?年齢を重ねると共に、健康のありがたさが、身に滲みて感じられるようになってきました。
すでにご存知の方もあるかと思いますが、私は名古屋の学習グループ、HUMAN LIFE INFO NET "翼"代表の佐橋紀子と申します。たった一度の人生を人間らしく、豊かに生きたいものと、学習会や講演会などを続け、今年16年目を迎えました。
会員は全国に210名を数えます。職業も年齢も、居住地もバラバラですが、その心をつないでいるのが機関紙
”つばさ通信”で、今月で170号になりました。
時々”翼”は、糖尿病患者の会と思われる方もあるのですが、そうではなく、実は私自身が30年に及ぶ糖尿病患者でした。これまで毎月病院に通い、注 射や薬を飲みながらどんどん病状は悪化し、このままいくと失明か脳梗塞か、あるいは足の切断か人工透析のお世話になるのかと、暗澹たる思いを抱えて おりました。28年間に及ぶカロリー制限食の指導は、私を救ってはくれませんでした。
ところが2008年夏、京都の高雄病院に教育入院し、江部康二先生の糖質制限食の指導を受けることによって、合併症の花盛り寸前から救われました。今でも夢のように思います。この画期的な糖質制限食の治療方法を、一人でも多くの方に知って頂きたいと、強く願うようになりました。
たった2週間の入院で飲み薬はゼロに、インスリン注射は半分になりました。 朝の空腹時血糖は206から103にまで下がり(正常値は110以下)、体重も8キロ減り、今では快適な毎日を過ごしております。
糖質を最も含む炭水化物を食べないだけで、高血糖から健康を守り、元気な毎日を送ることができる糖質制限食の治療法に、目からウロコの驚きと共に、なぜもっと速く知ることができなかったのか、それが一番悔しく、残念に思ったことでした。
幸い私の場合は、酷い合併症に陥る寸前で救われました。ならばそのことを江部先生に感謝するだけでなく、いま糖尿病や成人病に悩んでいる人たちに、その方法を知っていただくことが私の使命ではないか、と思ったのです。
医師の江部先生のご講演と、患者としての私やなかまの具体的な報告を盛り込んだ講座も、今度で3回目になります。名古屋では昨年2月21日に行い、会場が150名しか入れなかったため大勢の方にお断りすることになり、申し訳なく思っております。10月3日には信州松川で、350人の方にお集まりいただきました。今度の名古屋は、定員350人の大ホールを用意いたしました。名古屋では2回目の講演になります。中身もバージョンアップして、皆様に満足していただけるよう、準備しています。 どうぞ周りの方にもお誘いくださり、お早めに申し込んでください。
お電話で予約していただければ、代金は当日の受付でお支払いください。では、名古屋市女性会館でお待ち申しております。
2010.3.7 HUMAN LIFE INFO NET“翼”代表 佐橋紀子
☆☆☆糖質制限食・学会発表・医学雑誌掲載
1)山門一平,江部康二,金大成,大櫛陽一.東海大学医学部,高雄病院:2型糖尿病における低炭水化物食の有用性とテーラーメード運動処方,第52回日本糖尿病学会年次学術集会.2009年
2)田中てる美,丸岡文雄,平田英一他.丸岡内科小児科クリニック,九州大学:糖質制限食による糖尿病及び肥満症導入・維持のための栄養指導上の工夫,第52回日本糖尿病学会年次学術集会.2009年
3)山田悟.北里研究所病院糖尿病センター:主食抜き指導にて血糖コントロールが改善した一例,日本糖尿病学会関東甲信越地方会.2010年1月30日
☆☆☆糖質制限食・過去の医学雑誌掲載
1)江部康二他:糖尿病食事療法として糖質制限食を実施した3症例,
京都医学会雑誌51(1):125-130、2004
2)坂東浩,中村巧:カーボカウントと糖質制限食, 治療,90(12):3105-3111,2008
3) 江部康二:主食を抜けば(糖質を制限すれば)糖尿病は良くなる!,
治療,91(4):682-683,2009
4)中村巧,坂東浩:昨日の常識・食事療法ではカロリー制限すべきである
今日の常識・食事療法では糖質制限すべきである 治療,91(12):2858-2859,2009
5)江部康二:低糖質食(糖質制限食carbohydrate restriction)の意義,
内科,105(1):100-103,2010
☆☆☆糖質制限食・出版された本・江部康二関連
理論
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」2005年
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」2008年
「我ら糖尿人、元気なのには理由がある。」2009年
(東洋経済新報社)
レシピ
「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」2006年
「 糖質制限食 春のレシピ」2007年
「 糖質制限食 夏のレシピ」2007年
「糖質制限食 秋のレシピ」2008年
「糖質制限食 冬のレシピ」2008年
(東洋経済新報社)
「糖質オフ」ごちそうごはん
(アスペクト)2009年
『dancyu プレジデントムック 「満腹ダイエット 」
おいしい「糖質オフ」料理で楽しくやせる本 』(プレジデント社)2009年
2010年03月21日 (日)
こんにちは。
ワインの糖質含有量について、追加です。
ワインに比較的多く含まれている、グリセリンと有機酸について考えてみます。
一般にグリセリンは、アルコールとして分類されてます。
では、アルコールは炭水化物として分類されているのでしょうか?
五訂日本食品標準成分表では、アルコールは欄外に炭水化物からの除外物質として、カフェインなどと共に表記されています。(*)
即ちグリセリン(アルコール)は、炭水化物からの除外物質として、五訂日本食品標準成分表では炭水化物にはカウントされず、アルコールとして分類されている可能性があります。
次に有機酸について考えてみます。
ワインに含まれる有機酸には、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、酢酸、などがあります。
五訂日本食品標準成分表では、窒素を測定してタンパク質成分と計算するので、アミノ酸はタンパク質として計算されていることになります。一方、有機酸には窒素は含まれていないので、タンパク質成分には属しません。
また有機酸は、ワインに含まれていて水に溶けるので、脂質にも分類されません。そうすると、有機酸は「水分、たんぱく質、脂質及び灰分」には分類されないので残り物として、炭水化物に分類されることになります。
五訂日本食品標準成分表では、赤ワインの成分は100g中に
水分:88.7g
タンパク質:0.2g→全てアミノ酸
脂質:0.0g
炭水化物:1.5g
灰分:0.3g
「水分+タンパク質+脂質+炭水化物+灰分」合計90.7g
この合計に含まれていないものが、アルコールで、100g中に合計9.3g。
合わせて調度100gになります。
赤ワインの成分の中で炭水化物(1.5g)に分類されているものは、有機酸、ブドウ糖、果糖、ポリフェノール、糖アルコールなどです。
ワインに含まれる有機酸には、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、酢酸 があります。
有機酸は血糖値を上昇させません。ポリフェノールも血糖値を上昇させません。エリスリトール以外の糖アルコールはショ糖の半分くらい血糖値を上昇させます。果糖はショ糖の1/5くらい血糖値を上昇させます。
Yukiさんに調べていただいたように、一般に残糖のうち果糖が過半数を占めていて、ブドウ糖は極少量です。
グリセリンがアルコールに分類されているのか否か、確認できていないのですが、赤ワインの場合、タンニン、アントシアニンなどのポリフェノールが約0.2g/100g含まれています。また有機酸が、約0.6g/100g含まれています。
そうすると、グリセリンはアルコールとして計算されていて炭水化物には含まれていないとしても、赤ワイン100ml中の炭水化物に分類されている物質の中で、
「有機酸0.6g+ポリフェノール0.2g=0.8g」
は血糖値を上昇させません。
残った0.7gの血糖値を上昇させる炭水化物の内、果糖と糖アルコールがほとんどで、ブドウ糖は少量です。
果糖がブドウ糖の1/5、エリスリトール以外の糖アルコールが1/2血糖値を上げるとしてもかなり低い数値になりますので、やはり赤ワインは糖質制限食OK食材といえますね。
五訂日本食品標準成分表では、白ワインの成分は100g中に
水分:88.6g
タンパク質:0.1g→全てアミノ酸
脂質:0.0g
炭水化物:2.0g
灰分:0.2g
「水分+タンパク質+脂質+炭水化物+灰分」合計90.9g
この合計に含まれていないものが、アルコールで、100g中に合計9.1g。
合わせて調度100gになります。
白ワインはポリフェノールが少なく0.05gくらいです。有機酸0.6gと合わせて、0.65gが血糖値を上げない炭水化物です。残り、1.35gが血糖値を上げる糖質で、赤ワインの約2倍です。
しかし辛口なら、残糖(果糖とブドウ糖)は0.4g/100gなので、糖質制限食OK食材ですね。
(*)
五訂日本食品標準成分表から引用
炭水化物
差し引き(水分、たんぱく質、脂質及び灰分の合計(g数)を100gから差し引く)法。
硝酸イオン、アルコール、酢酸、タンニン、カフェイン及びテオブロミンを比較的多く含む食品では、
これらも差し引いた。
江部康二
ワインの糖質含有量について、追加です。
ワインに比較的多く含まれている、グリセリンと有機酸について考えてみます。
一般にグリセリンは、アルコールとして分類されてます。
では、アルコールは炭水化物として分類されているのでしょうか?
五訂日本食品標準成分表では、アルコールは欄外に炭水化物からの除外物質として、カフェインなどと共に表記されています。(*)
即ちグリセリン(アルコール)は、炭水化物からの除外物質として、五訂日本食品標準成分表では炭水化物にはカウントされず、アルコールとして分類されている可能性があります。
次に有機酸について考えてみます。
ワインに含まれる有機酸には、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、酢酸、などがあります。
五訂日本食品標準成分表では、窒素を測定してタンパク質成分と計算するので、アミノ酸はタンパク質として計算されていることになります。一方、有機酸には窒素は含まれていないので、タンパク質成分には属しません。
また有機酸は、ワインに含まれていて水に溶けるので、脂質にも分類されません。そうすると、有機酸は「水分、たんぱく質、脂質及び灰分」には分類されないので残り物として、炭水化物に分類されることになります。
五訂日本食品標準成分表では、赤ワインの成分は100g中に
水分:88.7g
タンパク質:0.2g→全てアミノ酸
脂質:0.0g
炭水化物:1.5g
灰分:0.3g
「水分+タンパク質+脂質+炭水化物+灰分」合計90.7g
この合計に含まれていないものが、アルコールで、100g中に合計9.3g。
合わせて調度100gになります。
赤ワインの成分の中で炭水化物(1.5g)に分類されているものは、有機酸、ブドウ糖、果糖、ポリフェノール、糖アルコールなどです。
ワインに含まれる有機酸には、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、酢酸 があります。
有機酸は血糖値を上昇させません。ポリフェノールも血糖値を上昇させません。エリスリトール以外の糖アルコールはショ糖の半分くらい血糖値を上昇させます。果糖はショ糖の1/5くらい血糖値を上昇させます。
Yukiさんに調べていただいたように、一般に残糖のうち果糖が過半数を占めていて、ブドウ糖は極少量です。
グリセリンがアルコールに分類されているのか否か、確認できていないのですが、赤ワインの場合、タンニン、アントシアニンなどのポリフェノールが約0.2g/100g含まれています。また有機酸が、約0.6g/100g含まれています。
そうすると、グリセリンはアルコールとして計算されていて炭水化物には含まれていないとしても、赤ワイン100ml中の炭水化物に分類されている物質の中で、
「有機酸0.6g+ポリフェノール0.2g=0.8g」
は血糖値を上昇させません。
残った0.7gの血糖値を上昇させる炭水化物の内、果糖と糖アルコールがほとんどで、ブドウ糖は少量です。
果糖がブドウ糖の1/5、エリスリトール以外の糖アルコールが1/2血糖値を上げるとしてもかなり低い数値になりますので、やはり赤ワインは糖質制限食OK食材といえますね。
五訂日本食品標準成分表では、白ワインの成分は100g中に
水分:88.6g
タンパク質:0.1g→全てアミノ酸
脂質:0.0g
炭水化物:2.0g
灰分:0.2g
「水分+タンパク質+脂質+炭水化物+灰分」合計90.9g
この合計に含まれていないものが、アルコールで、100g中に合計9.1g。
合わせて調度100gになります。
白ワインはポリフェノールが少なく0.05gくらいです。有機酸0.6gと合わせて、0.65gが血糖値を上げない炭水化物です。残り、1.35gが血糖値を上げる糖質で、赤ワインの約2倍です。
しかし辛口なら、残糖(果糖とブドウ糖)は0.4g/100gなので、糖質制限食OK食材ですね。
(*)
五訂日本食品標準成分表から引用
炭水化物
差し引き(水分、たんぱく質、脂質及び灰分の合計(g数)を100gから差し引く)法。
硝酸イオン、アルコール、酢酸、タンニン、カフェイン及びテオブロミンを比較的多く含む食品では、
これらも差し引いた。
江部康二
2010年03月21日 (日)
糖質制限食と糖新生・2010年3月
2010年03月19日 (金)
3月19日の記事の訂正です。
*訂正
アミノ酸はタンパク質の代謝産物、グリセロールは中性脂肪の代謝産物で、乳酸はブドウ糖の代謝産物です。
①脂肪組織→グリセロール→肝臓→糖新生・ブドウ糖→脂肪組織・筋肉
②筋肉→アミノ酸→肝臓→糖新生・ブドウ糖→筋肉・脂肪組織
③ブドウ糖代謝→乳酸→肝臓→糖新生・ブドウ糖→筋肉・脂肪組織
**
リポ蛋白リパーゼが、中性脂肪を脂肪酸とグリセロールに分解します。
肝臓でグリセロールから糖新生しますが、脂肪酸からは糖新生はできません。
江部康二
2010年03月19日 (金)
3月19日の記事の訂正です。
*訂正
アミノ酸はタンパク質の代謝産物、グリセロールは中性脂肪の代謝産物で、乳酸はブドウ糖の代謝産物です。
①脂肪組織→グリセロール→肝臓→糖新生・ブドウ糖→脂肪組織・筋肉
②筋肉→アミノ酸→肝臓→糖新生・ブドウ糖→筋肉・脂肪組織
③ブドウ糖代謝→乳酸→肝臓→糖新生・ブドウ糖→筋肉・脂肪組織
**
リポ蛋白リパーゼが、中性脂肪を脂肪酸とグリセロールに分解します。
肝臓でグリセロールから糖新生しますが、脂肪酸からは糖新生はできません。
江部康二
2010年03月19日 (金)
こんにちは。
春なお寒き日々が続いてますね。
高雄病院への通勤途上の広沢の池界隈で、桜守の佐野藤右衛門さんの邸宅のお庭に、早くも1~2本桜が花開き、春を感じます。 (^_^)
それでもまだまだパッチが手放せない、江部康二です。(-_-;)
さて今回は、まっつんさんから「糖質制限食と糖新生」について、コメント・質問をいただきました。
【10/03/18 まっつん
肝臓の糖新生について
こんにちは。先日の検診で、糖質制限食を認可されてはいるものの、基本的には否定の立場に有る主治医から、低血糖時の懸念材料として、「肝臓の糖新生」が行われるだけの糖質の備蓄ができないのではないか、という疑問を受け、正確な答えをいただきたく、質問します。
肝臓での糖の備蓄なるものは、どうなのか?
くどい質問のようで恐縮ですが、よろしくお願い致します。】
肝臓の糖新生、お医者さんでも誤解しておられるのですね。( ̄_ ̄|||)
なかなか、こんがらかるところなので、復習もかねて整理してみましょう。
まず、グリコーゲン分解からブドウ糖をつくるシステムと、肝臓が糖新生でブドウ糖をつくるシステムは全くの別物です。
食物吸収が終了した直後には、肝臓のグリコーゲン分解が、循環血液中に入るブドウ糖の主要な供給源です。
食後数時間が経過し絶食状態が持続すると、グリコーゲン分解は休止となり、血中ブドウ糖の供給源は肝臓の糖新生に切り替わります。
グリコーゲンは、ブドウ糖の集合体で肝臓や筋肉に備蓄されていますが、200~400gで体脂肪の量(10~20kg)に比べれば極少量です。
その内、肝臓での備蓄は約20%くらいで、筋肉の備蓄の方がはるかに多いです。
しかも、肝臓のグリコーゲンはブドウ糖に変換されて血中に入りますが、筋肉中のグリコーゲンはブドウ糖に変換できません。筋肉中のグリコーゲンは筋肉のエネルギー源として、利用されるだけです。
一方、肝臓の糖新生ですが、人体においてごく日常的に行われています。糖質制限食を実践中は、食事中でも肝臓で糖新生が行われています。
糖質を摂取している人においても、夜間睡眠中とか、食後数時間経過したら、誰でも肝臓で糖新生を行っています。
ですから、人類の400万年の歴史において、ごく普通に肝臓の糖新生は行われてきたわけで、珍しいことでも何でもありません。
アミノ酸→ブドウ糖
グリセロール→ブドウ糖
乳酸→ブドウ糖
などが肝臓で行われている糖新生です。
アミノ酸はタンパク質の代謝産物、グリセロールは中性脂肪の代謝産物で、乳酸はブドウ糖の代謝産物です。
①脂肪組織→グリセロール→肝臓→糖新生・ブドウ糖→脂肪組織・筋肉
②筋肉→アミノ酸→肝臓→糖新生・ブドウ糖→筋肉・脂肪組織
③ブドウ糖代謝→乳酸→肝臓→糖新生・ブドウ糖→筋肉・脂肪組織
①②③はごく日常的に誰でも行っており、肝臓、筋肉、脂肪組織の間で行ったり来たり、日々糖新生の調節が行われているわけです。筋肉も睡眠中などに、一定量の分解と再生を毎日繰り返しています。
まっつんさん、このように糖質制限食実践で高血糖は改善しますが、肝臓の糖新生により血中のブドウ糖濃度は確保されていて、低血糖にはなりませんのでご安心下さいね。
江部康二
春なお寒き日々が続いてますね。
高雄病院への通勤途上の広沢の池界隈で、桜守の佐野藤右衛門さんの邸宅のお庭に、早くも1~2本桜が花開き、春を感じます。 (^_^)
それでもまだまだパッチが手放せない、江部康二です。(-_-;)
さて今回は、まっつんさんから「糖質制限食と糖新生」について、コメント・質問をいただきました。
【10/03/18 まっつん
肝臓の糖新生について
こんにちは。先日の検診で、糖質制限食を認可されてはいるものの、基本的には否定の立場に有る主治医から、低血糖時の懸念材料として、「肝臓の糖新生」が行われるだけの糖質の備蓄ができないのではないか、という疑問を受け、正確な答えをいただきたく、質問します。
肝臓での糖の備蓄なるものは、どうなのか?
くどい質問のようで恐縮ですが、よろしくお願い致します。】
肝臓の糖新生、お医者さんでも誤解しておられるのですね。( ̄_ ̄|||)
なかなか、こんがらかるところなので、復習もかねて整理してみましょう。
まず、グリコーゲン分解からブドウ糖をつくるシステムと、肝臓が糖新生でブドウ糖をつくるシステムは全くの別物です。
食物吸収が終了した直後には、肝臓のグリコーゲン分解が、循環血液中に入るブドウ糖の主要な供給源です。
食後数時間が経過し絶食状態が持続すると、グリコーゲン分解は休止となり、血中ブドウ糖の供給源は肝臓の糖新生に切り替わります。
グリコーゲンは、ブドウ糖の集合体で肝臓や筋肉に備蓄されていますが、200~400gで体脂肪の量(10~20kg)に比べれば極少量です。
その内、肝臓での備蓄は約20%くらいで、筋肉の備蓄の方がはるかに多いです。
しかも、肝臓のグリコーゲンはブドウ糖に変換されて血中に入りますが、筋肉中のグリコーゲンはブドウ糖に変換できません。筋肉中のグリコーゲンは筋肉のエネルギー源として、利用されるだけです。
一方、肝臓の糖新生ですが、人体においてごく日常的に行われています。糖質制限食を実践中は、食事中でも肝臓で糖新生が行われています。
糖質を摂取している人においても、夜間睡眠中とか、食後数時間経過したら、誰でも肝臓で糖新生を行っています。
ですから、人類の400万年の歴史において、ごく普通に肝臓の糖新生は行われてきたわけで、珍しいことでも何でもありません。
アミノ酸→ブドウ糖
グリセロール→ブドウ糖
乳酸→ブドウ糖
などが肝臓で行われている糖新生です。
アミノ酸はタンパク質の代謝産物、グリセロールは中性脂肪の代謝産物で、乳酸はブドウ糖の代謝産物です。
①脂肪組織→グリセロール→肝臓→糖新生・ブドウ糖→脂肪組織・筋肉
②筋肉→アミノ酸→肝臓→糖新生・ブドウ糖→筋肉・脂肪組織
③ブドウ糖代謝→乳酸→肝臓→糖新生・ブドウ糖→筋肉・脂肪組織
①②③はごく日常的に誰でも行っており、肝臓、筋肉、脂肪組織の間で行ったり来たり、日々糖新生の調節が行われているわけです。筋肉も睡眠中などに、一定量の分解と再生を毎日繰り返しています。
まっつんさん、このように糖質制限食実践で高血糖は改善しますが、肝臓の糖新生により血中のブドウ糖濃度は確保されていて、低血糖にはなりませんのでご安心下さいね。
江部康二
2010年03月18日 (木)
こんばんは。
『ケトン体を脳が利用できるはずなのに、なぜ低血糖になってしまうのか?』
という鋭い質問を、 Pon さんからいただきました。
「10/03/12 Pon
低血糖とケトン体
突然のご質問お許しください。たまたま見つけたホームページ、興味深く読ませていただいております。私は20年前に糖尿病と言われ、つい最近経過が悪いためインシュリン注射をはじめました。
当初、インシュリン注射と薬で時折、低血糖になっていることがありました。赤血球以外はケトン体をエネルギーとして代謝できるとのお話なので、低血糖になっても手足のしびれや、脳機能の低下(少し眠く感じました)は、ないように思うのですが、そうはいかないのでしょうか?もしくは、赤血球が利用できる糖質が減って酸素供給が減るなど別の要因のために急激な低血糖状態が危険なのでしょうか?本来の代謝以外に薬やインシュリンの投与によって無理矢理変化を起こさせているので、ここでの脂質から生成されるケトン体がエネルギーとして利用されるというのがあてはまらない、つまり間に合わないということなんでしょうか?もし、既に他の場所にコメントされていたら、ごめんなさい。なかなかすべてを読むには時間がかかるものですから。^^ 失礼いたしました。」
Pon さん。
コメントありがとうございます。
ケトン体の主成分3-ヒドロキシ酪酸は、酸素濃度の低下した乏血状態の神経細胞群に有効にエネルギー供給ができ、虚血心筋にも有効とのことです。
また、難産のときには3-ヒドロキシ酪酸は胎盤を通過しますから、母体に投与することにより胎児の脳を虚血から保護できるようです。
また、Glut1(糖輸送体1)欠損症による難治性てんかんや成長障害にケトン食が有効です。
ケトン食は、脂質が70~80%で糖質はほとんどなしです。
ケトン食の場合は、尿中にケトン体が出続けますので、血中ケトン体濃度は2000~3000~4000レベルと考えられます。
脳細胞の糖輸送体はGlut1で細胞表面にあり、通常は血流さえあれば常に血糖を取り込めるはずです。
しかし、Glut1欠損症では、糖輸送体が上手く機能していないので、脳細胞は血中ブドウ糖を取り込めずに、「脳細胞内低血糖+難治性てんかん」を発症すると考えられます。
ケトン食実践により、血中ケトン体が2000~4000レベルになれば、脳細胞のエネルギー源は、ほとんど全てケトン体でまかなわれます。
従って、脳細胞はブドウ糖を利用できなくても、ケトン体をエネルギー源として正常な活動を続けることができるのです。
通常の糖質ありの食事でケトン体が26~122μM/L程度であれば、低血糖になったとき、脳細胞はケトン体を充分量供給されていないので、正常の活動を営むことができずに低血糖症状がでます。
次に、低血糖でもケトン体が充分量あれば、脳は正常の活動が行えるという実例を提示してみます。
私が30代に初めて本断食(水だけでゼロカロリー)をしたとき、血糖値は35mg/dlでした。
従来の考えでは、当然意識不明のはずですが、その時普通に外来診察も行っておりました。
私のケースを考察してみると、血糖値35mgのとき、脳はケトン体をエネルギー源として活動していたと考えられます。
本断食中の初期の血中ケトン体は3000レベルで、ケトン食と同等です。
このレベルの血中ケトン体濃度があれば、血糖35mgでも、脳は充分活動できるということになりますね。
江部康二
『ケトン体を脳が利用できるはずなのに、なぜ低血糖になってしまうのか?』
という鋭い質問を、 Pon さんからいただきました。
「10/03/12 Pon
低血糖とケトン体
突然のご質問お許しください。たまたま見つけたホームページ、興味深く読ませていただいております。私は20年前に糖尿病と言われ、つい最近経過が悪いためインシュリン注射をはじめました。
当初、インシュリン注射と薬で時折、低血糖になっていることがありました。赤血球以外はケトン体をエネルギーとして代謝できるとのお話なので、低血糖になっても手足のしびれや、脳機能の低下(少し眠く感じました)は、ないように思うのですが、そうはいかないのでしょうか?もしくは、赤血球が利用できる糖質が減って酸素供給が減るなど別の要因のために急激な低血糖状態が危険なのでしょうか?本来の代謝以外に薬やインシュリンの投与によって無理矢理変化を起こさせているので、ここでの脂質から生成されるケトン体がエネルギーとして利用されるというのがあてはまらない、つまり間に合わないということなんでしょうか?もし、既に他の場所にコメントされていたら、ごめんなさい。なかなかすべてを読むには時間がかかるものですから。^^ 失礼いたしました。」
Pon さん。
コメントありがとうございます。
ケトン体の主成分3-ヒドロキシ酪酸は、酸素濃度の低下した乏血状態の神経細胞群に有効にエネルギー供給ができ、虚血心筋にも有効とのことです。
また、難産のときには3-ヒドロキシ酪酸は胎盤を通過しますから、母体に投与することにより胎児の脳を虚血から保護できるようです。
また、Glut1(糖輸送体1)欠損症による難治性てんかんや成長障害にケトン食が有効です。
ケトン食は、脂質が70~80%で糖質はほとんどなしです。
ケトン食の場合は、尿中にケトン体が出続けますので、血中ケトン体濃度は2000~3000~4000レベルと考えられます。
脳細胞の糖輸送体はGlut1で細胞表面にあり、通常は血流さえあれば常に血糖を取り込めるはずです。
しかし、Glut1欠損症では、糖輸送体が上手く機能していないので、脳細胞は血中ブドウ糖を取り込めずに、「脳細胞内低血糖+難治性てんかん」を発症すると考えられます。
ケトン食実践により、血中ケトン体が2000~4000レベルになれば、脳細胞のエネルギー源は、ほとんど全てケトン体でまかなわれます。
従って、脳細胞はブドウ糖を利用できなくても、ケトン体をエネルギー源として正常な活動を続けることができるのです。
通常の糖質ありの食事でケトン体が26~122μM/L程度であれば、低血糖になったとき、脳細胞はケトン体を充分量供給されていないので、正常の活動を営むことができずに低血糖症状がでます。
次に、低血糖でもケトン体が充分量あれば、脳は正常の活動が行えるという実例を提示してみます。
私が30代に初めて本断食(水だけでゼロカロリー)をしたとき、血糖値は35mg/dlでした。
従来の考えでは、当然意識不明のはずですが、その時普通に外来診察も行っておりました。
私のケースを考察してみると、血糖値35mgのとき、脳はケトン体をエネルギー源として活動していたと考えられます。
本断食中の初期の血中ケトン体は3000レベルで、ケトン食と同等です。
このレベルの血中ケトン体濃度があれば、血糖35mgでも、脳は充分活動できるということになりますね。
江部康二
2010年03月17日 (水)
お医者さんの知らない糖質制限食基礎理論2010年3月版
一般のお医者さんや栄養士さんが知らない<栄養・代謝・生理学>
「糖質制限食基礎理論」の増補・改訂・最新版です。
以下は、基本的に栄養・代謝・生理学的事実であり、議論の余地はありません。
知っているか知らないかの差だけです。
【糖質制限食基礎理論】
<栄養・代謝>
①血糖値を急峻に上昇させるのは、糖質だけである。
②タンパク質・脂質は血糖値を上昇させない。
③追加分泌インスリンが大量に必要なのは、糖質だけである。
④タンパク質を摂取すると、少量の追加分泌インスリンがでる。
⑤脂質を摂取しても、追加分泌インスリンは、分泌されない。
⑥糖質制限食で高血糖は改善するが、肝臓の糖新生などにより、低血糖にはならない。
<人体のエネルギー源Ⅰ:脂肪酸-ケトン体システム>
①脳はケトン体(脂肪酸の代謝産物)をいつでも利用できる。
②心筋・骨格筋など多くの体細胞は日常生活では脂肪酸-ケトン体が主エネルギー源であ り、人体を自動車に例えるならガソリンの代わりは脂質である。
③赤血球を除く全ての細胞はミトコンドリアを持っているので、脂肪酸-ケトン体エネル ギーシステムを利用できる。
④糖質制限食実践中や絶食中の血中ケトン体上昇は、インスリン作用が保たれており生理的なもので病的ではない。農耕開始前の人類は、皆そうであった。
☆☆☆ケトン体
①ブドウ糖、アミノ酸、脂肪酸は細胞膜及びミトコンドリア内膜を通過してエネルギー源となるために輸送体が必要であるが、ケトン体は自由に通過できるエネルギー源である。
②肝細胞のミトコンドリア内でケトン体を生成するが肝細胞自身は利用せず他の組織にまわす。
③脂肪酸は血液脳関門を通過できないが、ケトン体は通過できる。
<人体のエネルギー源Ⅱ:ブドウ糖-グリコーゲンシステム>
①人体で唯一赤血球だけはミトコンドリアがないのでブドウ糖しか利用できない。
②日常生活でブドウ糖を主エネルギー源として利用しているのは赤血球・脳・網膜など。
③ブドウ糖-グリコーゲンエネルギーシステムの本質は
「常に赤血球の唯一のエネルギー源」
「筋肉が収縮したときのエネルギー源」
「血糖値が上昇しインスリンが追加分泌された時、筋肉・脂肪細胞のエネルギー源」
「日常生活では脳・網膜・生殖腺胚上皮など特殊細胞の主エネルギー源」
<血糖値確保(赤血球に絶対必要)のためのバックアップシステム>
①グルカゴン
②エピネフリン
③副腎皮質ステロイドホルモン
④アミノ酸からの糖新生
⑤グリセロール(中性脂肪の分解産物)からの糖新生
⑥乳酸から糖新生
<血糖値を下げるシステム>
①血糖値を下げるのは唯一インスリンのみでありバックアップシステムがない。
②農耕以前の399万年間は追加分泌インスリンで血糖値を下げる必要性はまれ。
<肥満改善と糖質制限食>
①糖質制限食実践中は常に脂肪が燃えている。
②糖質制限食実践中は追加分泌インスリン(肥満ホルモン)がほとんど出ない。
③糖質制限食実践中はケトン体が尿中や呼気中に排泄され、体重減少に効果。
④糖質制限食実践中は肝臓でアミノ酸などから糖新生が行われ、大量のエネルギーを消費。
⑤少なくとも同一カロリーなら、①②③④の4つの利点により
糖質制限食が高糖質食に比し、体重減少効果がある。→カロリー神話の崩壊
*糖質制限食を3ヶ月~半年続けていると、体細胞のケトン体利用効率が高くなり血中ケ トン体が高値でも利用され腎の再吸収も高まるので尿中や呼気中に排泄されなくなる。
*糖質を摂取すれば血糖値が急峻に上昇し、インスリンが追加分泌され
①②③④の4つの利点は、即失われるので肥満しやすい。
<摂取エネルギーと消費エネルギー>
①単純には摂取エネルギーが消費エネルギーをを上回れば太る、下回れば痩せる。
②通常のカロリー制限食(高糖質食)なら
「消費エネルギー=基礎代謝+運動エネルギー+食事誘発熱産生」
③糖質制限食なら
「消費エネルギー=基礎代謝+運動エネルギー+食事誘発熱産生」に加えて、
「肝臓の糖新生でエネルギーを消費、尿・呼気中ケトン体でエネルギーを消失」が追加。
江部康二
一般のお医者さんや栄養士さんが知らない<栄養・代謝・生理学>
「糖質制限食基礎理論」の増補・改訂・最新版です。
以下は、基本的に栄養・代謝・生理学的事実であり、議論の余地はありません。
知っているか知らないかの差だけです。
【糖質制限食基礎理論】
<栄養・代謝>
①血糖値を急峻に上昇させるのは、糖質だけである。
②タンパク質・脂質は血糖値を上昇させない。
③追加分泌インスリンが大量に必要なのは、糖質だけである。
④タンパク質を摂取すると、少量の追加分泌インスリンがでる。
⑤脂質を摂取しても、追加分泌インスリンは、分泌されない。
⑥糖質制限食で高血糖は改善するが、肝臓の糖新生などにより、低血糖にはならない。
<人体のエネルギー源Ⅰ:脂肪酸-ケトン体システム>
①脳はケトン体(脂肪酸の代謝産物)をいつでも利用できる。
②心筋・骨格筋など多くの体細胞は日常生活では脂肪酸-ケトン体が主エネルギー源であ り、人体を自動車に例えるならガソリンの代わりは脂質である。
③赤血球を除く全ての細胞はミトコンドリアを持っているので、脂肪酸-ケトン体エネル ギーシステムを利用できる。
④糖質制限食実践中や絶食中の血中ケトン体上昇は、インスリン作用が保たれており生理的なもので病的ではない。農耕開始前の人類は、皆そうであった。
☆☆☆ケトン体
①ブドウ糖、アミノ酸、脂肪酸は細胞膜及びミトコンドリア内膜を通過してエネルギー源となるために輸送体が必要であるが、ケトン体は自由に通過できるエネルギー源である。
②肝細胞のミトコンドリア内でケトン体を生成するが肝細胞自身は利用せず他の組織にまわす。
③脂肪酸は血液脳関門を通過できないが、ケトン体は通過できる。
<人体のエネルギー源Ⅱ:ブドウ糖-グリコーゲンシステム>
①人体で唯一赤血球だけはミトコンドリアがないのでブドウ糖しか利用できない。
②日常生活でブドウ糖を主エネルギー源として利用しているのは赤血球・脳・網膜など。
③ブドウ糖-グリコーゲンエネルギーシステムの本質は
「常に赤血球の唯一のエネルギー源」
「筋肉が収縮したときのエネルギー源」
「血糖値が上昇しインスリンが追加分泌された時、筋肉・脂肪細胞のエネルギー源」
「日常生活では脳・網膜・生殖腺胚上皮など特殊細胞の主エネルギー源」
<血糖値確保(赤血球に絶対必要)のためのバックアップシステム>
①グルカゴン
②エピネフリン
③副腎皮質ステロイドホルモン
④アミノ酸からの糖新生
⑤グリセロール(中性脂肪の分解産物)からの糖新生
⑥乳酸から糖新生
<血糖値を下げるシステム>
①血糖値を下げるのは唯一インスリンのみでありバックアップシステムがない。
②農耕以前の399万年間は追加分泌インスリンで血糖値を下げる必要性はまれ。
<肥満改善と糖質制限食>
①糖質制限食実践中は常に脂肪が燃えている。
②糖質制限食実践中は追加分泌インスリン(肥満ホルモン)がほとんど出ない。
③糖質制限食実践中はケトン体が尿中や呼気中に排泄され、体重減少に効果。
④糖質制限食実践中は肝臓でアミノ酸などから糖新生が行われ、大量のエネルギーを消費。
⑤少なくとも同一カロリーなら、①②③④の4つの利点により
糖質制限食が高糖質食に比し、体重減少効果がある。→カロリー神話の崩壊
*糖質制限食を3ヶ月~半年続けていると、体細胞のケトン体利用効率が高くなり血中ケ トン体が高値でも利用され腎の再吸収も高まるので尿中や呼気中に排泄されなくなる。
*糖質を摂取すれば血糖値が急峻に上昇し、インスリンが追加分泌され
①②③④の4つの利点は、即失われるので肥満しやすい。
<摂取エネルギーと消費エネルギー>
①単純には摂取エネルギーが消費エネルギーをを上回れば太る、下回れば痩せる。
②通常のカロリー制限食(高糖質食)なら
「消費エネルギー=基礎代謝+運動エネルギー+食事誘発熱産生」
③糖質制限食なら
「消費エネルギー=基礎代謝+運動エネルギー+食事誘発熱産生」に加えて、
「肝臓の糖新生でエネルギーを消費、尿・呼気中ケトン体でエネルギーを消失」が追加。
江部康二
2010年03月16日 (火)
おはようございます。
ワインの糖質量に関してYukiさんから、とても詳しいコメントをいただきました。ブログ読者の皆さんも是非この情報を共有して欲しいと思い記事にしました。
大変長い力作です。ネットでいろいろ調べていただいて、苦労されたことと思います。Yukiさん、ありがとうございました。m(_ _)mVV
長編なのですが、興味がある方は、是非、Yukiさんの本編をお読みいただけば幸いです。
お忙しい方には以下、私が、Yukiさんのコメントの要約を作成してみました。
①
「甲府盆地にあるワイナリー"機山ワイン"のサイトによれば、辛口ワインの場合、含まれるブドウ糖(グルコース)量は
ボトル一本あたり最小で0.15g、最大で0.6g。 果糖(フルクトース)は最小0.75g、最大1.5g。」
これでおよその目処が立ちますね。
②
「栽培条件の異なるブドウ「甲州」を用いたワインの 個性化醸造技術の確立に関する研究(第3報)
www.yitc.go.jp/Houkoku/data/H19/kei14.pdf 表16 38試験区のワインの各種分析結果 から
平均値(g/L)
有機酸:クエン酸0.7 酒石酸2.1 リンゴ酸1.8 コハク酸1.0 乳酸0.3 酢酸0.3(合計6.2)
糖類:ブドウ糖0.0 果糖3.8(合計3.8)
グリセリン6.5(グリセリン?!そんな物が入っていたとは知りませんでした)
これらを合計すると全部で16.5。
その内ブドウ糖、果糖以外の炭水化物が12.7。
他にタンニン、アントシアニンなどのポリフェノールが赤ワインの場合平均230mg/100ml(2.3g/L)含まれているはずなので、 おおざっぱに、糖類以外の炭水化物15g、糖類は4g、全炭水化物19g。
結局、辛口赤ワインには100ml中1g以下の糖類しか含まれておらず、その内多くが果糖、故に血糖値をほとんど上げないお酒ってことになるのでは?」
私もYukiさんの説に賛成です。
ワイン1リットル中に、炭水化物が合計19g。
ワイン1リットル中に、血糖値を上昇させる糖類(ワインなら果糖とブドウ糖)は4gていど。
残りの15gの炭水化物は血糖値を上昇させない、グリセリンや有機酸など。
結局、辛口赤ワインなどには、100ml中1g以下の糖類しか含まれておらず、その多くが果糖。このように考察してみると、辛口赤ワイン、ビールに比べれば全然安全ですね。
③
「五訂増補日本食品標準成分表 [第1章]-2-2
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu3/toushin/05031802/001/002.htm
> (4) 一般成分
> 4 炭水化物
> 炭水化物は、従来同様いわゆる「差し引き法による炭水化物」すなわち、
> 水分、たんぱく質、脂質及び灰分の合計(グラム)を100グラムから
> 差し引いた値で 示した。
つまり、 水、たんぱく質、脂質、灰分、以外の物はみんなまとめて炭水化物扱い。 結局は残り物の数合わせなので、糖質、食物繊維の含有量が低い食品の場合、あんまり当てになる数字じゃなくなっていると思います。
> なお、硝酸イオン、アルコール、酢酸、タンニン、カフェイン及びテオブ
>ロミンを比較的多く含む食品や、加熱により二酸化炭素が多量に発生する
>食品 については、これらの含量も差し引いて炭水化物量を求めた。
そこで五訂日本食品標準成分表を見ると、ワインは備考欄にアルコール以外の記載がないので、有機酸、ポリフェノール、糖アルコール、その他の微量な芳香成分などひっくるめて炭水化物にカウントされている思われます。
ワインは有機酸が多いのでこれが結構な%を占めてるはず。 あと、調べてみたらグリセリンがかなり含まれてて、ちょっとびっくりしました。
www.yitc.go.jp/Houkoku/data/H19/kei14.pdf
によると、これらのワインの平均値では、グリセリンが6.5g/L、有機酸は6.2g/L。これだけでも100ml中1.3gになりますから、炭水化物カウントの過半数を占めてしまいます。」
炭水化物の定義が
『水分、たんぱく質、脂質及び灰分の合計(グラム)を100グラムから差し引いた値』
なので、五訂増補日本食品標準成分表の中の赤ワイン100g中に1.5gの炭水化物、食物繊維はゼロ。1.5gからグリセリンと有機酸1.3gをひけば、血糖値を上昇させる果糖やブドウ糖などは0.2gと極微量ですね。これなら血糖値はほとんど上昇しません。
④
「結論。
ことワインに関しては炭水化物量ではなく"残糖"、を指標にしましょう。私の独断ですが、ワインに含まれる糖分以外の炭水化物(定義上の)による血糖上昇作用は、きっと、、、おそらく、、、たぶん、、、、、、無視してかまわないレベルだと思われます。(本当かな?)
江部先生、いかがでしょうか?」
Yukiさん。
ありがとうございます。
【ワインに含まれている炭水化物のかなりの量を「グリセリン+有機酸」が占めていて、これらは血糖値を上昇させない。】
【ワインに含まれている「果糖+ブドウ糖」の"残糖"およびエリスリトール以外の糖アルコールなどが血糖値を上昇させるが、極微量である。】
私もYukiさんの結論に賛成です。
少なくとも辛口ワインなら、赤でも白でも糖質制限食OK食品と言えそうですね。(⌒o⌒)v
なお、甘口ワインは"残糖"が、辛口の10倍くらいあるので、NGですね。
江部康二
☆☆☆
<Yukiさんのコメント>
10/03/05 Yuki
ワインの血糖上昇作用について
江部先生こんにちは、初めてコメントします。以前から、大変素晴らしいブログと思いよく読ませて頂いておりました。どうやら私の母が境界型の糖尿病で、いよいよ本気で糖質制限を始めました。今後もこのブログにお世話になって参ります。 非常に長文で失礼します。
ワインの血糖上昇作用、私も非常に気になります。 調べてみました。
まず、これです。
オーストラリアワインについてのページから
甘辛度の表示
>1リットル当たりの残糖量(RZ/l)
>トロッケン(辛口):残糖分は最大9 g RZ/l。
>ただし、糖度と酸度の差が2 g/l 未満であること。
>例えば、残糖8 g/lのワインが辛口に分類されるためには、
>酸度が6g/l以上でなければならない。
>エクストラトロッケン(極辛口):残糖分は4 g /l以下。
>ハルプトロッケン(中辛口):残糖分は12 g /l以下。
>リープリッヒ:(中甘口):残糖分は45 g /l以下。
>ズュース(甘口): 残糖分は45 g /l以上。
(http://www.winesfromaustria.jp/wl-quality.html)
残糖=ワイン中の、ブドウ糖+果糖です
更に、別のサイトをヒットしたので、そのデータで計算してみました。
甲府盆地にあるワイナリー"機山ワイン"のサイトから
"ワイナリー便り" vol.128 2007/2"
>ぶどう中の糖は酵母によって代謝され、アルコールを生産します。
>酵母はグルコースとフルクトースを同時にアルコール発酵に使用し
>ますが代謝に必要なエネルギーが異なるため、グルコースを消費す
>る速度の方がややフルクトースを消費する速度より早くなります。
>このため醗酵が進むにつれてフルクトースの割合が高くなってきま
>す( glucophillic)。
>一般に辛口ワインには 0.2-0.8 g/Lのグルコースと1-2 g/Lのフルクト
>ースが含まれており、超甘口ワインでは30 g/Lのグルコースと60 g/L
>のフルクトースが含まれていると言われています。
(http://www.kizan.co.jp/monthly/0702.html)
こういうのって、多分ソムリエには常識なんでしょうが、素人には初耳でした。もっとまとまったサイトがあれば良いんですが。
このデータによれば、辛口ワインの場合、含まれるブドウ糖(グルコース)量はボトル一本あたり最小で0.15g、最大で0.6g。
果糖(フルクトース)は最小0.75g、最大1.5g。
ワインに含まれている総炭水化物量が仮に15g/L(五訂日本食品標準成分表から赤ワインのデータ、100ml中に1.5g)として、ボトル一本で11.3g。ブドウ糖と果糖以外の炭水化物が9.2gから10.4g。
この、その他の炭水化物とはアラビノースやキシロースなど五炭糖(血糖上昇作用はあるのか?)、マルトースやキシリトール(血糖上昇が遅い)、更にはエリスリトール(血糖上昇を起こさない)、などでしょうから、血糖上昇はかなり穏やかになるはず。
仮に、これらが全部エリスリトール以外の糖アルコールだとして、ブドウ糖の半分の血糖上昇作用があるとすれば、ブドウ糖換算で4.5gから5.2g程度分の血糖上昇を引き起こす計算。
つまり、辛口赤ワインの場合、ブドウ糖が一本あたりおよそ4.7gから5.8g、果糖が0.75gから1.5g含まれているのと同じ。
果糖のグリセミック指数を20として、ブドウ糖の5分の1の血糖上昇作用とすれば、正常人の場合、辛口赤ワイン一本飲むとブドウ糖を4.9gから6.1g摂取したのと同じ血糖上昇が起きるはず。
2型糖尿病の場合、糖質1gあたりの血糖値上昇を3mgとして、ブドウ糖6.1gで約18.3mgの血糖値上昇。で、いいのかな~。
結構安全?
いや、ビール750ml(ワインボトル一本分)中、糖質23gよりははるかに安全だと思います。ビールはアルコール度数が低いので赤ワインと同じだけ酔っぱらおうと思ったらこの2~3倍飲まないとなりませんし。
これが正しければ、先生のおっしゃってた
「2009年05月10日 (日) またあくまでも体験と印象ていどですが、赤ワインをボトル1本飲んでも血糖値は上昇しないようです。ビールなどとは、はっきり違います。」
の謎が解けるのでは?
更に、ちょっと良い物を見つけました。
"株式会社 和田屋"のホームページから
低糖ドイツワインの説明文を引用。
1. 通常ワインには果汁由来のぶどう糖(グルコース)、果糖(フラクトース)の2種の糖分が含まれています。
2. ドイツ発低糖ワインは分子構造が小さく、体内にすぐ吸収され、血糖値を左右するぶどう糖の量を極力抑え、体内で分解される速度が比較的緩やかな果糖により「ドイツワインのおいしさ」の1つの要素である甘み成分を一定量残す事に成功したものです。
3. 製法的には、果汁を発酵させる際に、ぶどう糖の方が果糖より早くアルコール分解されるという特性を利用し、ある程度発酵が進んだ段階で遠心分離器及びフィルターによる澱引きを行い、果糖の割合を高めています。
4. 下記 基準を守ってつくられています。
■全糖リッター当り20g以下、そのうちぶどう糖は4g以下。
■酸化防止剤(亜硫酸塩)は150mg/L以下。
■アルコール度は12%以下。
■ワインとアルコールのカロリー値は、663/Lキロカロリー以下。
■総カロリーは740/Lキロカロリー以下。
(http://www.rakuten.co.jp/wadaya/138900/1863119/)
このサイトで掲示している栄養成分表示はどうやら間違っているらしいので、別のサイトでみつけた同じワインの栄養成分表示を出しておきます。
"テーニッヒャー・ザンクト・ミヒャエル・リースリング・カビネット・トロッケン"
白 やや辛口 アルコール度数 10% 産地 モーゼル 格付 カビネット
栄養成分表示<100ml当たり>
エネルギー61kcalたんぱく質0.2g 脂質0g 炭水化物2.0g ナトリウム2.2mg フラクトース0.41g グルコース0.29g
(http://www.newmenu.net/wine/detail/gekkeikan:10000093.html)
"モーゼルラント・ドルンフェルダー・トロッケン"
赤 ライトボディー アルコール度数 11% 産地 ドイツ 格付 ターフェルヴァイン
栄養成分表示<100ml当たり>
エネルギー76kcalたんぱく質0.1g 脂質 0g 炭水化物1.0g ナトリウム1.7mg フラクトース0.3g グルコース0.2g
(http://www.newmenu.net/wine/detail/gekkeikan:10000095.html)
かなり良さそうですよね?
10/03/05 Yuki
ワインの血糖上昇作用について追伸
あっと、追加です。
ワインに含まれるエリスリトールについて、
http://www.mfc.co.jp/erisuri/002.htm
技術情報|エリスリトール|主要製品紹介|三菱化学フーズ株式会社
赤ワイン 170mg/L (つまり0.017g/100ml)
白ワイン 280mg/L (つまり0.028g/100ml)
大した事ないですね。
キシリトールについては分かりませんでした。
先のコメントで、有機酸とかポリフェノールを忘れてました。これらは炭水化物として計算されてるはず。
何とか含有量が分からないかと探してみました。
栽培条件の異なるブドウ「甲州」を用いたワインの 個性化醸造技術の確立に関する研究(第3報) www.yitc.go.jp/Houkoku/data/H19/kei14.pdf 表16 38試験区のワインの各種分析結果 から
平均値(g/L)
有機酸:クエン酸0.7 酒石酸2.1 リンゴ酸1.8 コハク酸1.0 乳酸0.3 酢酸0.3(合計6.2)
糖類:ブドウ糖0.0 果糖3.8(合計3.8)
グリセリン6.5(グリセリン?!そんな物が入っていたとは知りませんでした)
これらを合計すると全部で16.5。
その内ブドウ糖、果糖以外の炭水化物が12.7。
他にタンニン、アントシアニンなどのポリフェノールが赤ワインの場合平均230mg/100ml(2.3g/L)含まれているはずなので、 おおざっぱに、糖類以外の炭水化物15g、糖類は4g、全炭水化物19g。
結局、辛口赤ワインには100ml中1g以下の糖質しか含まれておらず、その内多くが果糖、故に血糖値をほとんど上げないお酒ってことになるのでは?
10/03/05 Yuki
ワインの炭水化物カウント
ワインの炭水化物カウント
あ、糖質ポリスさんこんにちは、実はblogにお世話になってます。
どうも。
五訂増補日本食品標準成分表 [第1章]-2-2
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu3/toushin/05031802/001/002.htm
> (4) 一般成分
> 4 炭水化物
> 炭水化物は、従来同様いわゆる「差し引き法による炭水化物」すなわち、
> 水分、たんぱく質、脂質及び灰分の合計(グラム)を100グラムから
> 差し引いた値で 示した。
つまり、 水、たんぱく質、脂質、灰分、以外の物はみんなまとめて炭水化物扱い。 結局は残り物の数合わせなので、糖質、食物繊維の含有量が低い食品の場合、あんまり当てになる数字じゃなくなっていると思います。
> なお、硝酸イオン、アルコール、酢酸、タンニン、カフェイン及びテオブ
>ロミンを比較的多く含む食品や、加熱により二酸化炭素が多量に発生する
>食品 については、これらの含量も差し引いて炭水化物量を求めた。
そこで五訂日本食品標準成分表を見ると、ワインは備考欄にアルコール以外の記載がないので、有機酸、ポリフェノール、糖アルコール、その他の微量な芳香成分などひっくるめて炭水化物にカウントされている思われます。
ワインは有機酸が多いのでこれが結構な%を占めてるはず。 あと、調べてみたらグリセリンがかなり含まれてて、ちょっとびっくりしました。
www.yitc.go.jp/Houkoku/data/H19/kei14.pdf
によると、これらのワインの平均値では、グリセリンが6.5g/L、有機酸は6.2g/L。これだけでも100ml中1.3gになりますから、炭水化物カウントの過半数を占めてしまいます。
結局そういうことじゃないかと。
それに加えてポリフェノールが赤で平均0.23g/100ml、エリスリトールが0.017g/100ml。その他の微量成分の積み重ねがあって炭水化物カウントは増えるけれども、つまるところ平均的な人間が、「辛口だな~、糖分がないな~」と感じる、いわゆる辛口ワイン(含まれる糖分10g/L以下の定義で) の100m中に含まれる糖分は1g以下。
ブドウ果汁中の糖分はほぼ全部ブドウ糖と果糖です。start地点でのそれらの割合は半々。しかし、ワイン酵母はアルコール発酵に際してブドウ糖を優先的に使うので、赤だろうが白だろうがワインが辛口になるまで発酵させた場合、残糖として残るのはあらかた全部果糖になってしまいます。
したがって、トロッケン、セック、セッコなどEU法で保証された辛口スティルワインの場合、含まれるブドウ糖の量は0.5g/100ml以下(それどころかおそらく果糖の半分以下のはず。0.0g/100mlであることも多いはず。)であると確信を持って言うことができます。
そのため辛口ワインを飲んだときの血糖値上昇は更に起きにくくなっている、と。
何て素晴らしい、安心して飲めるじゃありませんか。
中口のスティルワイン(モワルー、ミルト、アマービレなど)の場合でも含まれるブドウ糖は1.5g/100ml以下ですね。ボトル一本飲んだらブドウ糖が最大で11.25g。ここまでくるとちょっとまずいかな。
結論。
ことワインに関しては炭水化物量ではなく"残糖"、を指標にしましょう。私の独断ですが、ワインに含まれる糖分以外の炭水化物(定義上の)による血糖上昇作用は、きっと、、、おそらく、、、たぶん、、、、、、無視してかまわないレベルだと思われます。(本当かな?)
江部先生、いかがでしょうか?
追伸
ワインの甘辛度による分類法(EUの場合)、見つけました。
http://blogs.dion.ne.jp/yottyokky/archives/8945908.html
(1)残糖
*残糖とは、発酵完了後あるいは人工的に発酵を中断させた時点のワイン中に残る1リットル当りの糖分のことである。EUの規定では、この残糖分の量により甘辛度が分類される。
(2)スティル・ワインの分類
※数値の重複部分はどちらの表示でも可。
*フランス
0~5g/l:ブリュット(Brut)
0~10g/l:セック(Sec)
10~20g/l:ドゥミ・セック(Demi-sec)
20~30g/l:モワルー(Moelleux)
30~40g/l:ドゥー(Doux)
40g/l~:リクルー(Liquoreux)
*ドイツ
0~10g/l:トロッケン(Trocken)
10~20g/l:ハルプトロッケン(Halptrocken)
20~30g/l:ミルト(Mild)
30~40g/l:リープリッヒ(Lieblich)
40g/l~:ズィス(S醇гs)
*イタリア
0~10g/l:セッコ(Secco)
10~20g/l:アッボカート(Abboccato)
20~30g/l:アマービレ(Amabile)
30~40g/l:ドルチェ(Dolce)
(3)スパークリング・ワインの分類
※数値の重複部分はどちらの表示でも可。
*フランス
0~3g/l:ブリュット・ナチュール(Brut Nature)
0~ 6g/l:エクストラ・ブリュット(Extra Brut)
0~15g/l:ブリュット(Brut)
12~20g/l:エクストラ・セック(Extra Sec)
17~33g/l:セック(Sec)
33~50g/l:ドゥミ・セック(Demi Sec)
50g/l~:ドゥー(Doux)
*ドイツ
0~6g/l:エクストラ・ブリュット(Extra Brut)
6~15g/l:ブリュット(Brut)
12~20g/l:エクストラ・トロッケン(Extra Trocken)
17~35g/l:トロッケン(Trocken)
35~50g/l:ハルプ・トロッケン(Halbtrocken)
50g/l~:ミルト(Mild)
*イタリア
0g/l:ドス・パセ(Dos Passe)
0~6g/l:エクストラ・ブリュット(Extra Brut)
0~15g/l:ブリュット(Brut)
12~20g/l:エクストラ・セッコ(Extra Secco)
17~35g/l:セッコ(Secco)
35~50g/l:セミ・セッコ(Semi Secco)
50g/l~:ドルチェ(Dolce)
★★★
以下にグーグルが貼り付けている3つの業者の宣伝は、本ブログとは一切関わりはありませんのでご注意ください。
ワインの糖質量に関してYukiさんから、とても詳しいコメントをいただきました。ブログ読者の皆さんも是非この情報を共有して欲しいと思い記事にしました。
大変長い力作です。ネットでいろいろ調べていただいて、苦労されたことと思います。Yukiさん、ありがとうございました。m(_ _)mVV
長編なのですが、興味がある方は、是非、Yukiさんの本編をお読みいただけば幸いです。
お忙しい方には以下、私が、Yukiさんのコメントの要約を作成してみました。
①
「甲府盆地にあるワイナリー"機山ワイン"のサイトによれば、辛口ワインの場合、含まれるブドウ糖(グルコース)量は
ボトル一本あたり最小で0.15g、最大で0.6g。 果糖(フルクトース)は最小0.75g、最大1.5g。」
これでおよその目処が立ちますね。
②
「栽培条件の異なるブドウ「甲州」を用いたワインの 個性化醸造技術の確立に関する研究(第3報)
www.yitc.go.jp/Houkoku/data/H19/kei14.pdf 表16 38試験区のワインの各種分析結果 から
平均値(g/L)
有機酸:クエン酸0.7 酒石酸2.1 リンゴ酸1.8 コハク酸1.0 乳酸0.3 酢酸0.3(合計6.2)
糖類:ブドウ糖0.0 果糖3.8(合計3.8)
グリセリン6.5(グリセリン?!そんな物が入っていたとは知りませんでした)
これらを合計すると全部で16.5。
その内ブドウ糖、果糖以外の炭水化物が12.7。
他にタンニン、アントシアニンなどのポリフェノールが赤ワインの場合平均230mg/100ml(2.3g/L)含まれているはずなので、 おおざっぱに、糖類以外の炭水化物15g、糖類は4g、全炭水化物19g。
結局、辛口赤ワインには100ml中1g以下の糖類しか含まれておらず、その内多くが果糖、故に血糖値をほとんど上げないお酒ってことになるのでは?」
私もYukiさんの説に賛成です。
ワイン1リットル中に、炭水化物が合計19g。
ワイン1リットル中に、血糖値を上昇させる糖類(ワインなら果糖とブドウ糖)は4gていど。
残りの15gの炭水化物は血糖値を上昇させない、グリセリンや有機酸など。
結局、辛口赤ワインなどには、100ml中1g以下の糖類しか含まれておらず、その多くが果糖。このように考察してみると、辛口赤ワイン、ビールに比べれば全然安全ですね。
③
「五訂増補日本食品標準成分表 [第1章]-2-2
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu3/toushin/05031802/001/002.htm
> (4) 一般成分
> 4 炭水化物
> 炭水化物は、従来同様いわゆる「差し引き法による炭水化物」すなわち、
> 水分、たんぱく質、脂質及び灰分の合計(グラム)を100グラムから
> 差し引いた値で 示した。
つまり、 水、たんぱく質、脂質、灰分、以外の物はみんなまとめて炭水化物扱い。 結局は残り物の数合わせなので、糖質、食物繊維の含有量が低い食品の場合、あんまり当てになる数字じゃなくなっていると思います。
> なお、硝酸イオン、アルコール、酢酸、タンニン、カフェイン及びテオブ
>ロミンを比較的多く含む食品や、加熱により二酸化炭素が多量に発生する
>食品 については、これらの含量も差し引いて炭水化物量を求めた。
そこで五訂日本食品標準成分表を見ると、ワインは備考欄にアルコール以外の記載がないので、有機酸、ポリフェノール、糖アルコール、その他の微量な芳香成分などひっくるめて炭水化物にカウントされている思われます。
ワインは有機酸が多いのでこれが結構な%を占めてるはず。 あと、調べてみたらグリセリンがかなり含まれてて、ちょっとびっくりしました。
www.yitc.go.jp/Houkoku/data/H19/kei14.pdf
によると、これらのワインの平均値では、グリセリンが6.5g/L、有機酸は6.2g/L。これだけでも100ml中1.3gになりますから、炭水化物カウントの過半数を占めてしまいます。」
炭水化物の定義が
『水分、たんぱく質、脂質及び灰分の合計(グラム)を100グラムから差し引いた値』
なので、五訂増補日本食品標準成分表の中の赤ワイン100g中に1.5gの炭水化物、食物繊維はゼロ。1.5gからグリセリンと有機酸1.3gをひけば、血糖値を上昇させる果糖やブドウ糖などは0.2gと極微量ですね。これなら血糖値はほとんど上昇しません。
④
「結論。
ことワインに関しては炭水化物量ではなく"残糖"、を指標にしましょう。私の独断ですが、ワインに含まれる糖分以外の炭水化物(定義上の)による血糖上昇作用は、きっと、、、おそらく、、、たぶん、、、、、、無視してかまわないレベルだと思われます。(本当かな?)
江部先生、いかがでしょうか?」
Yukiさん。
ありがとうございます。
【ワインに含まれている炭水化物のかなりの量を「グリセリン+有機酸」が占めていて、これらは血糖値を上昇させない。】
【ワインに含まれている「果糖+ブドウ糖」の"残糖"およびエリスリトール以外の糖アルコールなどが血糖値を上昇させるが、極微量である。】
私もYukiさんの結論に賛成です。
少なくとも辛口ワインなら、赤でも白でも糖質制限食OK食品と言えそうですね。(⌒o⌒)v
なお、甘口ワインは"残糖"が、辛口の10倍くらいあるので、NGですね。
江部康二
☆☆☆
<Yukiさんのコメント>
10/03/05 Yuki
ワインの血糖上昇作用について
江部先生こんにちは、初めてコメントします。以前から、大変素晴らしいブログと思いよく読ませて頂いておりました。どうやら私の母が境界型の糖尿病で、いよいよ本気で糖質制限を始めました。今後もこのブログにお世話になって参ります。 非常に長文で失礼します。
ワインの血糖上昇作用、私も非常に気になります。 調べてみました。
まず、これです。
オーストラリアワインについてのページから
甘辛度の表示
>1リットル当たりの残糖量(RZ/l)
>トロッケン(辛口):残糖分は最大9 g RZ/l。
>ただし、糖度と酸度の差が2 g/l 未満であること。
>例えば、残糖8 g/lのワインが辛口に分類されるためには、
>酸度が6g/l以上でなければならない。
>エクストラトロッケン(極辛口):残糖分は4 g /l以下。
>ハルプトロッケン(中辛口):残糖分は12 g /l以下。
>リープリッヒ:(中甘口):残糖分は45 g /l以下。
>ズュース(甘口): 残糖分は45 g /l以上。
(http://www.winesfromaustria.jp/wl-quality.html)
残糖=ワイン中の、ブドウ糖+果糖です
更に、別のサイトをヒットしたので、そのデータで計算してみました。
甲府盆地にあるワイナリー"機山ワイン"のサイトから
"ワイナリー便り" vol.128 2007/2"
>ぶどう中の糖は酵母によって代謝され、アルコールを生産します。
>酵母はグルコースとフルクトースを同時にアルコール発酵に使用し
>ますが代謝に必要なエネルギーが異なるため、グルコースを消費す
>る速度の方がややフルクトースを消費する速度より早くなります。
>このため醗酵が進むにつれてフルクトースの割合が高くなってきま
>す( glucophillic)。
>一般に辛口ワインには 0.2-0.8 g/Lのグルコースと1-2 g/Lのフルクト
>ースが含まれており、超甘口ワインでは30 g/Lのグルコースと60 g/L
>のフルクトースが含まれていると言われています。
(http://www.kizan.co.jp/monthly/0702.html)
こういうのって、多分ソムリエには常識なんでしょうが、素人には初耳でした。もっとまとまったサイトがあれば良いんですが。
このデータによれば、辛口ワインの場合、含まれるブドウ糖(グルコース)量はボトル一本あたり最小で0.15g、最大で0.6g。
果糖(フルクトース)は最小0.75g、最大1.5g。
ワインに含まれている総炭水化物量が仮に15g/L(五訂日本食品標準成分表から赤ワインのデータ、100ml中に1.5g)として、ボトル一本で11.3g。ブドウ糖と果糖以外の炭水化物が9.2gから10.4g。
この、その他の炭水化物とはアラビノースやキシロースなど五炭糖(血糖上昇作用はあるのか?)、マルトースやキシリトール(血糖上昇が遅い)、更にはエリスリトール(血糖上昇を起こさない)、などでしょうから、血糖上昇はかなり穏やかになるはず。
仮に、これらが全部エリスリトール以外の糖アルコールだとして、ブドウ糖の半分の血糖上昇作用があるとすれば、ブドウ糖換算で4.5gから5.2g程度分の血糖上昇を引き起こす計算。
つまり、辛口赤ワインの場合、ブドウ糖が一本あたりおよそ4.7gから5.8g、果糖が0.75gから1.5g含まれているのと同じ。
果糖のグリセミック指数を20として、ブドウ糖の5分の1の血糖上昇作用とすれば、正常人の場合、辛口赤ワイン一本飲むとブドウ糖を4.9gから6.1g摂取したのと同じ血糖上昇が起きるはず。
2型糖尿病の場合、糖質1gあたりの血糖値上昇を3mgとして、ブドウ糖6.1gで約18.3mgの血糖値上昇。で、いいのかな~。
結構安全?
いや、ビール750ml(ワインボトル一本分)中、糖質23gよりははるかに安全だと思います。ビールはアルコール度数が低いので赤ワインと同じだけ酔っぱらおうと思ったらこの2~3倍飲まないとなりませんし。
これが正しければ、先生のおっしゃってた
「2009年05月10日 (日) またあくまでも体験と印象ていどですが、赤ワインをボトル1本飲んでも血糖値は上昇しないようです。ビールなどとは、はっきり違います。」
の謎が解けるのでは?
更に、ちょっと良い物を見つけました。
"株式会社 和田屋"のホームページから
低糖ドイツワインの説明文を引用。
1. 通常ワインには果汁由来のぶどう糖(グルコース)、果糖(フラクトース)の2種の糖分が含まれています。
2. ドイツ発低糖ワインは分子構造が小さく、体内にすぐ吸収され、血糖値を左右するぶどう糖の量を極力抑え、体内で分解される速度が比較的緩やかな果糖により「ドイツワインのおいしさ」の1つの要素である甘み成分を一定量残す事に成功したものです。
3. 製法的には、果汁を発酵させる際に、ぶどう糖の方が果糖より早くアルコール分解されるという特性を利用し、ある程度発酵が進んだ段階で遠心分離器及びフィルターによる澱引きを行い、果糖の割合を高めています。
4. 下記 基準を守ってつくられています。
■全糖リッター当り20g以下、そのうちぶどう糖は4g以下。
■酸化防止剤(亜硫酸塩)は150mg/L以下。
■アルコール度は12%以下。
■ワインとアルコールのカロリー値は、663/Lキロカロリー以下。
■総カロリーは740/Lキロカロリー以下。
(http://www.rakuten.co.jp/wadaya/138900/1863119/)
このサイトで掲示している栄養成分表示はどうやら間違っているらしいので、別のサイトでみつけた同じワインの栄養成分表示を出しておきます。
"テーニッヒャー・ザンクト・ミヒャエル・リースリング・カビネット・トロッケン"
白 やや辛口 アルコール度数 10% 産地 モーゼル 格付 カビネット
栄養成分表示<100ml当たり>
エネルギー61kcalたんぱく質0.2g 脂質0g 炭水化物2.0g ナトリウム2.2mg フラクトース0.41g グルコース0.29g
(http://www.newmenu.net/wine/detail/gekkeikan:10000093.html)
"モーゼルラント・ドルンフェルダー・トロッケン"
赤 ライトボディー アルコール度数 11% 産地 ドイツ 格付 ターフェルヴァイン
栄養成分表示<100ml当たり>
エネルギー76kcalたんぱく質0.1g 脂質 0g 炭水化物1.0g ナトリウム1.7mg フラクトース0.3g グルコース0.2g
(http://www.newmenu.net/wine/detail/gekkeikan:10000095.html)
かなり良さそうですよね?
10/03/05 Yuki
ワインの血糖上昇作用について追伸
あっと、追加です。
ワインに含まれるエリスリトールについて、
http://www.mfc.co.jp/erisuri/002.htm
技術情報|エリスリトール|主要製品紹介|三菱化学フーズ株式会社
赤ワイン 170mg/L (つまり0.017g/100ml)
白ワイン 280mg/L (つまり0.028g/100ml)
大した事ないですね。
キシリトールについては分かりませんでした。
先のコメントで、有機酸とかポリフェノールを忘れてました。これらは炭水化物として計算されてるはず。
何とか含有量が分からないかと探してみました。
栽培条件の異なるブドウ「甲州」を用いたワインの 個性化醸造技術の確立に関する研究(第3報) www.yitc.go.jp/Houkoku/data/H19/kei14.pdf 表16 38試験区のワインの各種分析結果 から
平均値(g/L)
有機酸:クエン酸0.7 酒石酸2.1 リンゴ酸1.8 コハク酸1.0 乳酸0.3 酢酸0.3(合計6.2)
糖類:ブドウ糖0.0 果糖3.8(合計3.8)
グリセリン6.5(グリセリン?!そんな物が入っていたとは知りませんでした)
これらを合計すると全部で16.5。
その内ブドウ糖、果糖以外の炭水化物が12.7。
他にタンニン、アントシアニンなどのポリフェノールが赤ワインの場合平均230mg/100ml(2.3g/L)含まれているはずなので、 おおざっぱに、糖類以外の炭水化物15g、糖類は4g、全炭水化物19g。
結局、辛口赤ワインには100ml中1g以下の糖質しか含まれておらず、その内多くが果糖、故に血糖値をほとんど上げないお酒ってことになるのでは?
10/03/05 Yuki
ワインの炭水化物カウント
ワインの炭水化物カウント
あ、糖質ポリスさんこんにちは、実はblogにお世話になってます。
どうも。
五訂増補日本食品標準成分表 [第1章]-2-2
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu3/toushin/05031802/001/002.htm
> (4) 一般成分
> 4 炭水化物
> 炭水化物は、従来同様いわゆる「差し引き法による炭水化物」すなわち、
> 水分、たんぱく質、脂質及び灰分の合計(グラム)を100グラムから
> 差し引いた値で 示した。
つまり、 水、たんぱく質、脂質、灰分、以外の物はみんなまとめて炭水化物扱い。 結局は残り物の数合わせなので、糖質、食物繊維の含有量が低い食品の場合、あんまり当てになる数字じゃなくなっていると思います。
> なお、硝酸イオン、アルコール、酢酸、タンニン、カフェイン及びテオブ
>ロミンを比較的多く含む食品や、加熱により二酸化炭素が多量に発生する
>食品 については、これらの含量も差し引いて炭水化物量を求めた。
そこで五訂日本食品標準成分表を見ると、ワインは備考欄にアルコール以外の記載がないので、有機酸、ポリフェノール、糖アルコール、その他の微量な芳香成分などひっくるめて炭水化物にカウントされている思われます。
ワインは有機酸が多いのでこれが結構な%を占めてるはず。 あと、調べてみたらグリセリンがかなり含まれてて、ちょっとびっくりしました。
www.yitc.go.jp/Houkoku/data/H19/kei14.pdf
によると、これらのワインの平均値では、グリセリンが6.5g/L、有機酸は6.2g/L。これだけでも100ml中1.3gになりますから、炭水化物カウントの過半数を占めてしまいます。
結局そういうことじゃないかと。
それに加えてポリフェノールが赤で平均0.23g/100ml、エリスリトールが0.017g/100ml。その他の微量成分の積み重ねがあって炭水化物カウントは増えるけれども、つまるところ平均的な人間が、「辛口だな~、糖分がないな~」と感じる、いわゆる辛口ワイン(含まれる糖分10g/L以下の定義で) の100m中に含まれる糖分は1g以下。
ブドウ果汁中の糖分はほぼ全部ブドウ糖と果糖です。start地点でのそれらの割合は半々。しかし、ワイン酵母はアルコール発酵に際してブドウ糖を優先的に使うので、赤だろうが白だろうがワインが辛口になるまで発酵させた場合、残糖として残るのはあらかた全部果糖になってしまいます。
したがって、トロッケン、セック、セッコなどEU法で保証された辛口スティルワインの場合、含まれるブドウ糖の量は0.5g/100ml以下(それどころかおそらく果糖の半分以下のはず。0.0g/100mlであることも多いはず。)であると確信を持って言うことができます。
そのため辛口ワインを飲んだときの血糖値上昇は更に起きにくくなっている、と。
何て素晴らしい、安心して飲めるじゃありませんか。
中口のスティルワイン(モワルー、ミルト、アマービレなど)の場合でも含まれるブドウ糖は1.5g/100ml以下ですね。ボトル一本飲んだらブドウ糖が最大で11.25g。ここまでくるとちょっとまずいかな。
結論。
ことワインに関しては炭水化物量ではなく"残糖"、を指標にしましょう。私の独断ですが、ワインに含まれる糖分以外の炭水化物(定義上の)による血糖上昇作用は、きっと、、、おそらく、、、たぶん、、、、、、無視してかまわないレベルだと思われます。(本当かな?)
江部先生、いかがでしょうか?
追伸
ワインの甘辛度による分類法(EUの場合)、見つけました。
http://blogs.dion.ne.jp/yottyokky/archives/8945908.html
(1)残糖
*残糖とは、発酵完了後あるいは人工的に発酵を中断させた時点のワイン中に残る1リットル当りの糖分のことである。EUの規定では、この残糖分の量により甘辛度が分類される。
(2)スティル・ワインの分類
※数値の重複部分はどちらの表示でも可。
*フランス
0~5g/l:ブリュット(Brut)
0~10g/l:セック(Sec)
10~20g/l:ドゥミ・セック(Demi-sec)
20~30g/l:モワルー(Moelleux)
30~40g/l:ドゥー(Doux)
40g/l~:リクルー(Liquoreux)
*ドイツ
0~10g/l:トロッケン(Trocken)
10~20g/l:ハルプトロッケン(Halptrocken)
20~30g/l:ミルト(Mild)
30~40g/l:リープリッヒ(Lieblich)
40g/l~:ズィス(S醇гs)
*イタリア
0~10g/l:セッコ(Secco)
10~20g/l:アッボカート(Abboccato)
20~30g/l:アマービレ(Amabile)
30~40g/l:ドルチェ(Dolce)
(3)スパークリング・ワインの分類
※数値の重複部分はどちらの表示でも可。
*フランス
0~3g/l:ブリュット・ナチュール(Brut Nature)
0~ 6g/l:エクストラ・ブリュット(Extra Brut)
0~15g/l:ブリュット(Brut)
12~20g/l:エクストラ・セック(Extra Sec)
17~33g/l:セック(Sec)
33~50g/l:ドゥミ・セック(Demi Sec)
50g/l~:ドゥー(Doux)
*ドイツ
0~6g/l:エクストラ・ブリュット(Extra Brut)
6~15g/l:ブリュット(Brut)
12~20g/l:エクストラ・トロッケン(Extra Trocken)
17~35g/l:トロッケン(Trocken)
35~50g/l:ハルプ・トロッケン(Halbtrocken)
50g/l~:ミルト(Mild)
*イタリア
0g/l:ドス・パセ(Dos Passe)
0~6g/l:エクストラ・ブリュット(Extra Brut)
0~15g/l:ブリュット(Brut)
12~20g/l:エクストラ・セッコ(Extra Secco)
17~35g/l:セッコ(Secco)
35~50g/l:セミ・セッコ(Semi Secco)
50g/l~:ドルチェ(Dolce)
★★★
以下にグーグルが貼り付けている3つの業者の宣伝は、本ブログとは一切関わりはありませんのでご注意ください。
2010年03月15日 (月)
こんばんは。
土、日と結構ハードな日々が続きました。
3月13日(土)午前・午後と江部診療所の外来診療を終えて、東京へ。
午後6時から、ベルサール飯田橋で、まずは小池先生の統合医療のお話を聞いて、午後7時から8時半まで、私の糖質制限食の講演。
会場は満員御礼で、参加者の皆さんありがとうございました。
ブログに2回、広報してあっというまに満員になり、補助椅子もいっぱいでお断りした方もあったとのことでした。お断りした方は、済みませんでした。
ブログ読者の皆さんもご協力大変ありがとうございました。m(_ _)mVV
講演の後は活発な質疑応答があり、一般講演だったのですが、特に医師の参加者が多くて専門的な質問もあり、心強く思いました。
講演会のあとは、小池先生のクリニックを見学し、あとはスタッフやリボーン理事の曽我部ゆかりさん、大柳珠美さんも加わり鳥料理専門店で、糖質制限な宴会となりました。
翌3月14日(日)は、午前10時から12時まで医師対象の講演でした。
大岡山駅の東急病院の一室を借りて、10数名の会でした。ここでも活発な議論が展開されて、終了は1時前となりました。遠方からきておられる医師が多く、また既に糖質制限食を実践されている医師もおられました。
タクシーで移動して午後2時からは、ロシア大使館の隣にあるラジオ日本で対談番組の収録。
収録後、六本木に移動して時間があったので国立新美術館でルノワール展を鑑賞。美術館鑑賞なんて10年ぶりくらいです。(-_-;)
たまたま時間が空いたのでその気になりました。通常はそんな高尚な趣味は持ち合わせておりませんので・・・。
最後は、出版社との打ち合わせを兼ねて、午後5:30~7:30まで東京ミッドタウンのレストラン・ボタニカで糖質制限なディナーを心ゆくまで楽しんで、品川駅まで移動して、京都に帰路につきました。
とても充実した二日間でした。
ボタニカ相変わらず、極楽浄土の美味でした。(≧▽≦)
新井田シェフ、星野支配人、いつもありがとうございます。m(_ _)mV
糖質制限食ディナー開始以来1年半で、のべ1500人以上のお客さんが来店されたそうです。
読者の皆さんも東京へお出かけの節は、電話で予約されて是非、いざボタニカへ! ヾ(^▽^)
☆☆☆
「Botanica」
東京都港区赤坂9-7-4
東京ミッドタウン ガーデンテラス4階
TEL:03-5413-3282
営業時間
LUNCH: 平日 11:00~14:30 (L.O.)
土・日・祝 11:00~15:00 (L.O.)
DINNER: 平日・土 18:00~21:30 (L.O.)
日・祝 17:30~21:00 (L.O.)
江部康二
土、日と結構ハードな日々が続きました。
3月13日(土)午前・午後と江部診療所の外来診療を終えて、東京へ。
午後6時から、ベルサール飯田橋で、まずは小池先生の統合医療のお話を聞いて、午後7時から8時半まで、私の糖質制限食の講演。
会場は満員御礼で、参加者の皆さんありがとうございました。
ブログに2回、広報してあっというまに満員になり、補助椅子もいっぱいでお断りした方もあったとのことでした。お断りした方は、済みませんでした。
ブログ読者の皆さんもご協力大変ありがとうございました。m(_ _)mVV
講演の後は活発な質疑応答があり、一般講演だったのですが、特に医師の参加者が多くて専門的な質問もあり、心強く思いました。
講演会のあとは、小池先生のクリニックを見学し、あとはスタッフやリボーン理事の曽我部ゆかりさん、大柳珠美さんも加わり鳥料理専門店で、糖質制限な宴会となりました。
翌3月14日(日)は、午前10時から12時まで医師対象の講演でした。
大岡山駅の東急病院の一室を借りて、10数名の会でした。ここでも活発な議論が展開されて、終了は1時前となりました。遠方からきておられる医師が多く、また既に糖質制限食を実践されている医師もおられました。
タクシーで移動して午後2時からは、ロシア大使館の隣にあるラジオ日本で対談番組の収録。
収録後、六本木に移動して時間があったので国立新美術館でルノワール展を鑑賞。美術館鑑賞なんて10年ぶりくらいです。(-_-;)
たまたま時間が空いたのでその気になりました。通常はそんな高尚な趣味は持ち合わせておりませんので・・・。
最後は、出版社との打ち合わせを兼ねて、午後5:30~7:30まで東京ミッドタウンのレストラン・ボタニカで糖質制限なディナーを心ゆくまで楽しんで、品川駅まで移動して、京都に帰路につきました。
とても充実した二日間でした。
ボタニカ相変わらず、極楽浄土の美味でした。(≧▽≦)
新井田シェフ、星野支配人、いつもありがとうございます。m(_ _)mV
糖質制限食ディナー開始以来1年半で、のべ1500人以上のお客さんが来店されたそうです。
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DINNER: 平日・土 18:00~21:30 (L.O.)
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江部康二
2010年03月13日 (土)
おはようございます。
名古屋、東海、中部地方の皆さん、お久しぶりです。
糖質制限食、おかげさまで順調な広がりをみせています。 (^_^)
糖質制限食基礎理論もさらに進化をとげて、新しい知識が追加されています。
本もどんどん出版され、学会発表も行われています。
今回の講演会、初めて来られる方も、二度目・三度目・・・の方にも等しくお役に立てると思います。
是非奮ってご参加下さいね。ヾ(^▽^)
以下は”つばさ”事務局からのご案内です。
☆☆☆
”つばさ” 名古屋公開講座 2010
生活習慣病を予防する食生活
-糖質制限食の理論と実際-
わが国の糖尿病が強く疑われる人や糖尿病の可能性が否定できない人は約2,210万人(平成19年国民健康・栄養調査)と推計され、今や「国民病」とさえ言われる事態になっています。また、メタボリックシンドロームであることが強く疑われるか、その予備群の人は40~74歳の男性の2人に1人、女性の5人に1人(平成20年国民健康・栄養調査)といわれ、時代の進展と共にこれら生活習慣病は増加の一途をたどっています。
生活習慣病は食生活の改善が大変重要です。今回の「“つばさ”名古屋公開講座」では、生活習慣病における食生活をテーマに皆様と共に考えていきたいと思います。
講師
江部 康二
医師/高雄病院理事長
佐橋 紀子
HUMAN LIFE INFO NET “翼”代表
元飯田女子短期大学教授
とき 2010年4月17日(土)午後1:00~4:30
ところ 名古屋市女性会館 大ホール(地下鉄 「東別院」 下車)
参加費 1,200円(資料代含む)
主催 HUMAN LIFE INFO NET “翼”
申し込み先 佐橋 紀子/052-501-0994 原 育世/0568-84-6946
後援 愛知県・愛知県教育委員会
☆☆☆“翼”代表 佐橋紀子さんからのご挨拶
今年の冬は暖冬と言われながら、いつまでも厳しい寒さと大雪に驚かされた日々でした。
でも、やっと空気が柔らかになり、夜明けも早くなり、梅や菜の花も、春の到来を告げてくれています。
この季節、あなたにはお元気でいらっしゃいますか?年齢を重ねると共に、健康のありがたさが、身に滲みて感じられるようになってきました。
すでにご存知の方もあるかと思いますが、私は名古屋の学習グループ、HUMAN LIFE INFO NET "翼"代表の佐橋紀子と申します。たった一度の人生を人間らしく、豊かに生きたいものと、学習会や講演会などを続け、今年16年目を迎えました。
会員は全国に210名を数えます。職業も年齢も、居住地もバラバラですが、その心をつないでいるのが機関紙
”つばさ通信”で、今月で170号になりました。
時々”翼”は、糖尿病患者の会と思われる方もあるのですが、そうではなく、実は私自身が30年に及ぶ糖尿病患者でした。これまで毎月病院に通い、注 射や薬を飲みながらどんどん病状は悪化し、このままいくと失明か脳梗塞か、あるいは足の切断か人工透析のお世話になるのかと、暗澹たる思いを抱えて おりました。28年間に及ぶカロリー制限食の指導は、私を救ってはくれませんでした。
ところが2008年夏、京都の高雄病院に教育入院し、江部康二先生の糖質制限食の指導を受けることによって、合併症の花盛り寸前から救われました。今でも夢のように思います。この画期的な糖質制限食の治療方法を、一人でも多くの方に知って頂きたいと、強く願うようになりました。
たった2週間の入院で飲み薬はゼロに、インスリン注射は半分になりました。 朝の空腹時血糖は206から103にまで下がり(正常値は110以下)、体重も8キロ減り、今では快適な毎日を過ごしております。
糖質を最も含む炭水化物を食べないだけで、高血糖から健康を守り、元気な毎日を送ることができる糖質制限食の治療法に、目からウロコの驚きと共に、なぜもっと速く知ることができなかったのか、それが一番悔しく、残念に思ったことでした。
幸い私の場合は、酷い合併症に陥る寸前で救われました。ならばそのことを江部先生に感謝するだけでなく、いま糖尿病や成人病に悩んでいる人たちに、その方法を知っていただくことが私の使命ではないか、と思ったのです。
医師の江部先生のご講演と、患者としての私やなかまの具体的な報告を盛り込んだ講座も、今度で3回目になります。名古屋では昨年2月21日に行い、会場が150名しか入れなかったため大勢の方にお断りすることになり、申し訳なく思っております。10月3日には信州松川で、350人の方にお集まりいただきました。今度の名古屋は、定員350人の大ホールを用意いたしました。名古屋では2回目の講演になります。中身もバージョンアップして、皆様に満足していただけるよう、準備しています。 どうぞ周りの方にもお誘いくださり、お早めに申し込んでください。
お電話で予約していただければ、代金は当日の受付でお支払いください。では、名古屋市女性会館でお待ち申しております。
2010.3.7 HUMAN LIFE INFO NET“翼”代表 佐橋紀子
☆☆☆糖質制限食・学会発表・医学雑誌掲載
1)山門一平,江部康二,金大成,大櫛陽一.東海大学医学部,高雄病院:2型糖尿病における低炭水化物食の有用性とテーラーメード運動処方,第52回日本糖尿病学会年次学術集会.2009年
2)田中てる美,丸岡文雄,平田英一他.丸岡内科小児科クリニック,九州大学:糖質制限食による糖尿病及び肥満症導入・維持のための栄養指導上の工夫,第52回日本糖尿病学会年次学術集会.2009年
3)山田悟.北里研究所病院糖尿病センター:主食抜き指導にて血糖コントロールが改善した一例,日本糖尿病学会関東甲信越地方会.2010年1月30日
☆☆☆糖質制限食・過去の医学雑誌掲載
1)江部康二他:糖尿病食事療法として糖質制限食を実施した3症例,
京都医学会雑誌51(1):125-130、2004
2)坂東浩,中村巧:カーボカウントと糖質制限食, 治療,90(12):3105-3111,2008
3) 江部康二:主食を抜けば(糖質を制限すれば)糖尿病は良くなる!,
治療,91(4):682-683,2009
4)中村巧,坂東浩:昨日の常識・食事療法ではカロリー制限すべきである
今日の常識・食事療法では糖質制限すべきである 治療,91(12):2858-2859,2009
5)江部康二:低糖質食(糖質制限食carbohydrate restriction)の意義,
内科,105(1):100-103,2010
☆☆☆糖質制限食・出版された本・江部康二関連
理論
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」2005年
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」2008年
「我ら糖尿人、元気なのには理由がある。」2009年
(東洋経済新報社)
レシピ
「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」2006年
「 糖質制限食 春のレシピ」2007年
「 糖質制限食 夏のレシピ」2007年
「糖質制限食 秋のレシピ」2008年
「糖質制限食 冬のレシピ」2008年
(東洋経済新報社)
「糖質オフ」ごちそうごはん
(アスペクト)2009年
『dancyu プレジデントムック 「満腹ダイエット 」
おいしい「糖質オフ」料理で楽しくやせる本 』(プレジデント社)2009年
★★★
以下にグーグルが貼り付けている3つの業者の宣伝は、本ブログとは一切関わりはありませんのでご注意ください。
名古屋、東海、中部地方の皆さん、お久しぶりです。
糖質制限食、おかげさまで順調な広がりをみせています。 (^_^)
糖質制限食基礎理論もさらに進化をとげて、新しい知識が追加されています。
本もどんどん出版され、学会発表も行われています。
今回の講演会、初めて来られる方も、二度目・三度目・・・の方にも等しくお役に立てると思います。
是非奮ってご参加下さいね。ヾ(^▽^)
以下は”つばさ”事務局からのご案内です。
☆☆☆
”つばさ” 名古屋公開講座 2010
生活習慣病を予防する食生活
-糖質制限食の理論と実際-
わが国の糖尿病が強く疑われる人や糖尿病の可能性が否定できない人は約2,210万人(平成19年国民健康・栄養調査)と推計され、今や「国民病」とさえ言われる事態になっています。また、メタボリックシンドロームであることが強く疑われるか、その予備群の人は40~74歳の男性の2人に1人、女性の5人に1人(平成20年国民健康・栄養調査)といわれ、時代の進展と共にこれら生活習慣病は増加の一途をたどっています。
生活習慣病は食生活の改善が大変重要です。今回の「“つばさ”名古屋公開講座」では、生活習慣病における食生活をテーマに皆様と共に考えていきたいと思います。
講師
江部 康二
医師/高雄病院理事長
佐橋 紀子
HUMAN LIFE INFO NET “翼”代表
元飯田女子短期大学教授
とき 2010年4月17日(土)午後1:00~4:30
ところ 名古屋市女性会館 大ホール(地下鉄 「東別院」 下車)
参加費 1,200円(資料代含む)
主催 HUMAN LIFE INFO NET “翼”
申し込み先 佐橋 紀子/052-501-0994 原 育世/0568-84-6946
後援 愛知県・愛知県教育委員会
☆☆☆“翼”代表 佐橋紀子さんからのご挨拶
今年の冬は暖冬と言われながら、いつまでも厳しい寒さと大雪に驚かされた日々でした。
でも、やっと空気が柔らかになり、夜明けも早くなり、梅や菜の花も、春の到来を告げてくれています。
この季節、あなたにはお元気でいらっしゃいますか?年齢を重ねると共に、健康のありがたさが、身に滲みて感じられるようになってきました。
すでにご存知の方もあるかと思いますが、私は名古屋の学習グループ、HUMAN LIFE INFO NET "翼"代表の佐橋紀子と申します。たった一度の人生を人間らしく、豊かに生きたいものと、学習会や講演会などを続け、今年16年目を迎えました。
会員は全国に210名を数えます。職業も年齢も、居住地もバラバラですが、その心をつないでいるのが機関紙
”つばさ通信”で、今月で170号になりました。
時々”翼”は、糖尿病患者の会と思われる方もあるのですが、そうではなく、実は私自身が30年に及ぶ糖尿病患者でした。これまで毎月病院に通い、注 射や薬を飲みながらどんどん病状は悪化し、このままいくと失明か脳梗塞か、あるいは足の切断か人工透析のお世話になるのかと、暗澹たる思いを抱えて おりました。28年間に及ぶカロリー制限食の指導は、私を救ってはくれませんでした。
ところが2008年夏、京都の高雄病院に教育入院し、江部康二先生の糖質制限食の指導を受けることによって、合併症の花盛り寸前から救われました。今でも夢のように思います。この画期的な糖質制限食の治療方法を、一人でも多くの方に知って頂きたいと、強く願うようになりました。
たった2週間の入院で飲み薬はゼロに、インスリン注射は半分になりました。 朝の空腹時血糖は206から103にまで下がり(正常値は110以下)、体重も8キロ減り、今では快適な毎日を過ごしております。
糖質を最も含む炭水化物を食べないだけで、高血糖から健康を守り、元気な毎日を送ることができる糖質制限食の治療法に、目からウロコの驚きと共に、なぜもっと速く知ることができなかったのか、それが一番悔しく、残念に思ったことでした。
幸い私の場合は、酷い合併症に陥る寸前で救われました。ならばそのことを江部先生に感謝するだけでなく、いま糖尿病や成人病に悩んでいる人たちに、その方法を知っていただくことが私の使命ではないか、と思ったのです。
医師の江部先生のご講演と、患者としての私やなかまの具体的な報告を盛り込んだ講座も、今度で3回目になります。名古屋では昨年2月21日に行い、会場が150名しか入れなかったため大勢の方にお断りすることになり、申し訳なく思っております。10月3日には信州松川で、350人の方にお集まりいただきました。今度の名古屋は、定員350人の大ホールを用意いたしました。名古屋では2回目の講演になります。中身もバージョンアップして、皆様に満足していただけるよう、準備しています。 どうぞ周りの方にもお誘いくださり、お早めに申し込んでください。
お電話で予約していただければ、代金は当日の受付でお支払いください。では、名古屋市女性会館でお待ち申しております。
2010.3.7 HUMAN LIFE INFO NET“翼”代表 佐橋紀子
☆☆☆糖質制限食・学会発表・医学雑誌掲載
1)山門一平,江部康二,金大成,大櫛陽一.東海大学医学部,高雄病院:2型糖尿病における低炭水化物食の有用性とテーラーメード運動処方,第52回日本糖尿病学会年次学術集会.2009年
2)田中てる美,丸岡文雄,平田英一他.丸岡内科小児科クリニック,九州大学:糖質制限食による糖尿病及び肥満症導入・維持のための栄養指導上の工夫,第52回日本糖尿病学会年次学術集会.2009年
3)山田悟.北里研究所病院糖尿病センター:主食抜き指導にて血糖コントロールが改善した一例,日本糖尿病学会関東甲信越地方会.2010年1月30日
☆☆☆糖質制限食・過去の医学雑誌掲載
1)江部康二他:糖尿病食事療法として糖質制限食を実施した3症例,
京都医学会雑誌51(1):125-130、2004
2)坂東浩,中村巧:カーボカウントと糖質制限食, 治療,90(12):3105-3111,2008
3) 江部康二:主食を抜けば(糖質を制限すれば)糖尿病は良くなる!,
治療,91(4):682-683,2009
4)中村巧,坂東浩:昨日の常識・食事療法ではカロリー制限すべきである
今日の常識・食事療法では糖質制限すべきである 治療,91(12):2858-2859,2009
5)江部康二:低糖質食(糖質制限食carbohydrate restriction)の意義,
内科,105(1):100-103,2010
☆☆☆糖質制限食・出版された本・江部康二関連
理論
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」2005年
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」2008年
「我ら糖尿人、元気なのには理由がある。」2009年
(東洋経済新報社)
レシピ
「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」2006年
「 糖質制限食 春のレシピ」2007年
「 糖質制限食 夏のレシピ」2007年
「糖質制限食 秋のレシピ」2008年
「糖質制限食 冬のレシピ」2008年
(東洋経済新報社)
「糖質オフ」ごちそうごはん
(アスペクト)2009年
『dancyu プレジデントムック 「満腹ダイエット 」
おいしい「糖質オフ」料理で楽しくやせる本 』(プレジデント社)2009年
★★★
以下にグーグルが貼り付けている3つの業者の宣伝は、本ブログとは一切関わりはありませんのでご注意ください。
2010年03月12日 (金)
こんにちは。
佐藤さんから、嬉しい美味しいスンドゥブのコメントをいただきました。
「10/03/11 佐藤
キムチ鍋
丸大食品のスンドゥブなんて如何でしょうか?300g入りで100g中炭水化物 0.4g です。
http://www.marudai.jp/CGI/products/item/detail.cgi?category=category&cd=0002-0017&itm_cd=00292
韓国でも糖質制限食が早く普及して貰いたいものです。韓国料理は粉ものと砂糖が多いですからね。ちなみに私は、ラカントを使ってコチュジャンを自分で作りました。」
佐藤さん。
ありがとうございます。
スンドゥブ、炭水化物とても少ないですね。ありがたいです。早速試食してみます。辛いのが大好きなんです。
江部康二
☆☆☆
佐藤さんのコメントにあったホームページから転載
スンドゥブ 丸大食品
お肉とあさりのエキスの旨味が合わさったスープに豆乳を加えた、豆腐によく合うマイルドでコクのある濃厚な「豆腐チゲ」のスープです。
旨味と辛味の赤唐辛子のブレンドを使用して赤唐辛子本来の旨味をだしています。唐辛子、ニンニクを油で炒めて作った、韓国辛味調味料が、にんにくの香り、辛味をだします。
『スンドゥブ(純豆腐)』とは、柔らかい豆腐を使った韓国式鍋料理のことで正確にはスンドゥブチゲと言います。チゲとは、韓国式の鍋料理の総称です。
韓国ではチゲを省略して、『スンドゥブ』と称されることが多く、国民的人気のある韓国料理のひとつです。
食用油脂、ポークエキス、アサリエキス、調製豆乳、赤唐辛子、ガラスープパウダー、にんにく、チキンエキス、食塩、こしょう、調味料(アミノ酸等)、増粘剤(キサンタン)、香辛料抽出物、(原材料の一部に小麦、牛肉を含む)
栄養成分/100g当り
エネルギー 84kcal
たんぱく質 2.6g
脂質 8.0g
炭水化物 0.4g
ナトリウム 740mg
食塩相当量 1.9g
1袋(300g)当り
エネルギー 252kcal
たんぱく質 7.8g
脂質 24.0g
炭水化物 1.2g
ナトリウム 2,200mg
★★★
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佐藤さんから、嬉しい美味しいスンドゥブのコメントをいただきました。
「10/03/11 佐藤
キムチ鍋
丸大食品のスンドゥブなんて如何でしょうか?300g入りで100g中炭水化物 0.4g です。
http://www.marudai.jp/CGI/products/item/detail.cgi?category=category&cd=0002-0017&itm_cd=00292
韓国でも糖質制限食が早く普及して貰いたいものです。韓国料理は粉ものと砂糖が多いですからね。ちなみに私は、ラカントを使ってコチュジャンを自分で作りました。」
佐藤さん。
ありがとうございます。
スンドゥブ、炭水化物とても少ないですね。ありがたいです。早速試食してみます。辛いのが大好きなんです。
江部康二
☆☆☆
佐藤さんのコメントにあったホームページから転載
スンドゥブ 丸大食品
お肉とあさりのエキスの旨味が合わさったスープに豆乳を加えた、豆腐によく合うマイルドでコクのある濃厚な「豆腐チゲ」のスープです。
旨味と辛味の赤唐辛子のブレンドを使用して赤唐辛子本来の旨味をだしています。唐辛子、ニンニクを油で炒めて作った、韓国辛味調味料が、にんにくの香り、辛味をだします。
『スンドゥブ(純豆腐)』とは、柔らかい豆腐を使った韓国式鍋料理のことで正確にはスンドゥブチゲと言います。チゲとは、韓国式の鍋料理の総称です。
韓国ではチゲを省略して、『スンドゥブ』と称されることが多く、国民的人気のある韓国料理のひとつです。
食用油脂、ポークエキス、アサリエキス、調製豆乳、赤唐辛子、ガラスープパウダー、にんにく、チキンエキス、食塩、こしょう、調味料(アミノ酸等)、増粘剤(キサンタン)、香辛料抽出物、(原材料の一部に小麦、牛肉を含む)
栄養成分/100g当り
エネルギー 84kcal
たんぱく質 2.6g
脂質 8.0g
炭水化物 0.4g
ナトリウム 740mg
食塩相当量 1.9g
1袋(300g)当り
エネルギー 252kcal
たんぱく質 7.8g
脂質 24.0g
炭水化物 1.2g
ナトリウム 2,200mg
★★★
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2010年03月11日 (木)
おはようございます。
私は、2002年の糖尿病発覚以来、スーパー糖質制限食を続けています。
そんな江部家のメニューで、圧倒的に多いのは、鍋料理です。
鍋料理なら、完全無欠のスーパー糖質制限食が可能です。
通常の料理はほとんどしない(できない)私ですが(-_-;)、昆布でだしをとって鍋くらいはできるので重宝してます。
水曜日の夜は、下鴨の江部診療所の外来です。診察終了が午後8時30分ごろで、連れ合いと娘の事務の残務が終了したら、午後9時半くらいです。それから外食するとしたら、近所のファミレス1軒しかありません。毎週そこで食べてたらさすがに飽きてしまいました。
それで最近は、診察終了後すぐに徒歩1分の生協までいって、まずは30%引き、50%引きの刺身をゲットして、
あとは野菜に豆腐にがんもどき、牡蠣や魚、或いは豚シャブか牛シャブ・・・、を購入して、私だけ一足先に家に帰って、小豆(我が家の柴犬です)に晩ご飯をあたえて、あとはゆっくり鍋の用意をして、連れ合いと娘の帰宅を待ちます。
何だかとても優良なhusbandになっている江部康二です。
しゃぶしゃぶ、ちり鍋、寄せ鍋、水炊き、湯豆腐、ちゃんこ鍋、かき鍋、石狩鍋・・・。おでんやラカントSを使ってすき焼きもいいですね。
キムチ鍋も食べたいのですが、今までスーパーや生協で見たいろんなキムチ全てに砂糖がたっぷり入っているので、二の足を踏んでいます。どなたか、砂糖の入っていないキムチをご存知ありませんか?あったら是非、ご教示願います。
昆布だしばかりに飽きたら、以下のスープがお奨めです。
マルサン寄せ鍋スープ(名古屋コーチン)マルサンアイ(株)
800gで3~4人前
100gあたり炭水化物1.3g
¥315-
あっさり醤油味寄せ鍋スープ マルサンアイ(株)
600gで3~4人前
100gあたり炭水化物0.5g
¥315ー
豚塩ちゃんこ鍋 日本食研
700mlで712gで3~4人前
100gあたり炭水化物0.7g
¥298-
いずれも試食しましたが、結構美味しかったです。
キムチ鍋スープも売ってますが、残念ながら炭水化物含有量が多くてやはりNG食品でした。( ̄_ ̄|||)
江部康二
★★★
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私は、2002年の糖尿病発覚以来、スーパー糖質制限食を続けています。
そんな江部家のメニューで、圧倒的に多いのは、鍋料理です。
鍋料理なら、完全無欠のスーパー糖質制限食が可能です。
通常の料理はほとんどしない(できない)私ですが(-_-;)、昆布でだしをとって鍋くらいはできるので重宝してます。
水曜日の夜は、下鴨の江部診療所の外来です。診察終了が午後8時30分ごろで、連れ合いと娘の事務の残務が終了したら、午後9時半くらいです。それから外食するとしたら、近所のファミレス1軒しかありません。毎週そこで食べてたらさすがに飽きてしまいました。
それで最近は、診察終了後すぐに徒歩1分の生協までいって、まずは30%引き、50%引きの刺身をゲットして、
あとは野菜に豆腐にがんもどき、牡蠣や魚、或いは豚シャブか牛シャブ・・・、を購入して、私だけ一足先に家に帰って、小豆(我が家の柴犬です)に晩ご飯をあたえて、あとはゆっくり鍋の用意をして、連れ合いと娘の帰宅を待ちます。
何だかとても優良なhusbandになっている江部康二です。
しゃぶしゃぶ、ちり鍋、寄せ鍋、水炊き、湯豆腐、ちゃんこ鍋、かき鍋、石狩鍋・・・。おでんやラカントSを使ってすき焼きもいいですね。
キムチ鍋も食べたいのですが、今までスーパーや生協で見たいろんなキムチ全てに砂糖がたっぷり入っているので、二の足を踏んでいます。どなたか、砂糖の入っていないキムチをご存知ありませんか?あったら是非、ご教示願います。
昆布だしばかりに飽きたら、以下のスープがお奨めです。
マルサン寄せ鍋スープ(名古屋コーチン)マルサンアイ(株)
800gで3~4人前
100gあたり炭水化物1.3g
¥315-
あっさり醤油味寄せ鍋スープ マルサンアイ(株)
600gで3~4人前
100gあたり炭水化物0.5g
¥315ー
豚塩ちゃんこ鍋 日本食研
700mlで712gで3~4人前
100gあたり炭水化物0.7g
¥298-
いずれも試食しましたが、結構美味しかったです。
キムチ鍋スープも売ってますが、残念ながら炭水化物含有量が多くてやはりNG食品でした。( ̄_ ̄|||)
江部康二
★★★
以下にグーグルが貼り付けている3つの業者の宣伝は、本ブログとは一切関わりはありませんのでご注意ください。
2010年03月10日 (水)
おはようございます。
今回は、rabittoさんから、低炭水化物食(糖質制限食)と高炭水化物食のリスクについて、コメント・質問をいただきました。
【10/03/08 rabitto
糖質制限の目的とリスク
こんにちは
糖質制限をはじめて間もないrabittoと申します。
糖質制限について改めて糖尿病治療の観点から確認させて下さい。
●糖尿病の治療の目的(血糖値コントロール)
◆食事療法、運動療法、薬物療法
http://fhtyay.net/medical/43.html
治療目的は血糖値コントロールによる合併症の防止であり、そのための食事療法ですが、そこに糖質制限があると思います。
これに対して「低炭水化物食は危険」という意見をよく見かけますが、糖質制限は治療目的である血糖値コントロールを乱すのでしょうか。
「糖質制限は血糖値コントロールを乱さない」、だが危険、というのであれば、血糖値コントロール不良からくる合併症を上回るリスクがあるはずですが、具体的にはどういったリスクでしょうか。
私が調べた範囲ではいずれも見当たりませんでした。
また、逆の観点(高炭水化物食リスク)ではどうでしょうか。
以上についてよろしくお願い致します。】
rabitto さん。
コメントありがとうございます。
「糖質制限食とカロリー制限食(高糖質食)どちらがいいの?」
多くの皆さんがもたれる疑問と思います。
まずは質問にお答えします。
☆☆☆ 特殊例を除いて糖質制限食にリスクはありません。
★★★ 高糖質カロリー制限食は食後高血糖を引き起こし、リスクが大きいです。
特殊例とは、血液検査でクレアチニン値が高値で、既に腎不全になっている場合と、活動性の膵炎がある場合です。
糖質制限食は、相対的に高タンパク・高脂質食になります。高タンパク食は、腎不全には適応となりません。
また高脂質食は、活動性膵炎には適応となりません。
rabitto さん、まずは冷静にお考え下さい。
人類誕生以来、農耕以前の400~500万年間は、 狩猟・採集すなわち糖質制限食が生業でした。
人類は、糖質制限食を400~500万年間続けながら突然変異を繰り返し、生理・栄養・代謝系を進化させてきました。 すなわち人類の身体は糖質制限食に適応しているわけです。
おそらく、一定に増加した人口を維持するために、やむを得ず農耕が組織的に開始されたものと考えられます。
従って、農耕以降、穀物に総摂取カロリーの60%を依存する食生活は、 人体の生理・栄養・代謝系にかなりの負担をかけていると考えられます。
本ブログは糖尿人に、
糖質制限食(糖質12%、脂質56%、タンパク質32%)
を推進する立場ですが、世の中は相変わらず、
糖質たっぷりのカロリー制限食(糖質60%、脂質20%、タンパク質20%)
を推奨する病院が圧倒的に多いです。
いろんな意見があり論争することは、医学の発展において健全なことと思います。しかし、論争の前に人体の生理・代謝などの基本的なところを理解することも重要です。
今回は<糖質・脂質・タンパク質の摂取>と<血糖値上昇・インスリン分泌>に関して、人体の生理・代謝における事実を説明します。
しつこいようですが、以下に述べることは、論争の余地のない事実ですので<糖質たっぷりのカロリー制限食推奨派>の方々にも、是非ご理解いただきたいと思います。
食べ物が消化・吸収されたあと、糖質は100%血糖に変わります。
糖質は、摂取直後から急峻に血糖値を高く速く上昇させ、2時間以内にほとんどすべてが吸収されますタンパク質、脂質は血糖値を上昇させません。(*)
1997年版のLife With Diabetesでは、「タンパク質は約半分が血糖に変わり、脂質は10%未満が血糖に変わる」という記載がありますが、2004年版では削除されています。
これらは、含有エネルギーとは無関係な、三大栄養素の生理学的特質です。
そして、現在動脈硬化のリスクとして問題とされているグルコーススパイク(食後高血糖)を引き起こすのは、3大栄養素の中で糖質だけです。糖尿人でも、糖質を摂取しなければ食後高血糖は生じず、血糖値はリアルタイムに改善します。
一方、糖尿人がカロリー制限をしても、糖質を摂取すれば必ず食後高血糖を生じます。
インスリンには24時間、少量常に分泌されている基礎分泌と、血糖値が上昇したときに大量に出る追加分泌があります。
糖質、脂質、タンパク質のうち糖質だけが血糖値を急峻に上昇させます。従って、糖質を摂取した時には、インスリンが大量に追加分泌されます。
しかし、脂質やタンパク質は血糖値をほとんど上昇させません。インスリンの追加分泌は、脂質ではほとんどなく、タンパク質では極少量分泌されます。
つまり、人(糖尿人も正常人も)において、インスリンの追加分泌が多量に必要となるのは、糖質を摂取した時だけです。
これらは、すべて論争の余地のない、生理学的事実です。
以下は、2型糖尿病Aさんのデータです。
通常食は糖質ありです。
通常食 350kcal、糖質60%で約52.5g、脂質20%、タンパク質20%
糖質制限食 350kcal、糖質10%で約8.75g、脂質60%、タンパク質30%
通常食と糖質制限食は、いずれも350kcalで、勿論、同一人のデータです。
糖質制限食だと血糖値の上昇は極めて少なく、インスリンの追加分泌もごく少量ですね。
食前 30分後 60分後 90分後 120分後
通常食血糖値 121 206 304 250 198
通常食IRI 2.2 6.2 19.1 23.1 21.6
糖質制限食血糖値 124 140 142 129 135
糖質制限食IRI 3.5 4.6 6.7 6.9 5.2
同様に元2型糖尿人Bさんのデータです。2年前初診時糖尿病でしたが現在正常型です。
食前 30分後 60分後 90分後 120分後
通常食血糖値 108 148 189 142 126
通常食IRI 3.8 35.2 58.5 55.1 24.9
糖質制限食血糖値 113 115 116 108 107
糖質制限食IRI 4.1 10.1 11.7 10.6 13.5
Bさんの場合、2年間の糖質制限食で、糖質を負荷しても血糖値は正常パターンに回復しています。このとき基礎分泌3.8→追加分泌ピーク58.8まで多量のインスリンが出ています。実に基礎分泌の15倍強のインスリンが追加分泌されています。ヾ(゜▽゜)
糖質制限食でも、約8.75gほど野菜分の糖質が含まれているので、一応基礎分泌の2~3倍のインスリン追加分泌がありますが、通常食に比べれば微々たるものですね。
正常人が通常の食事をすれば、おおむねBさんのデータのようなインスリンの大量追加分泌が一日に最低3回、間食をすれば5回以上起こっているわけです。
このようなインスリンの大量追加分泌が40年、50年と続けば遂には膵臓が疲弊して、分泌能力が低下して糖尿病を発症するのは想像に難くないですね。
結論です。
カロリーをいくら制限しても、糖質を摂取してしまえば、食後高血糖を生じます。
食後高血糖は、動脈硬化のリスクとなり、膵β細胞を傷害します。
食後高血糖は、インスリン抵抗性を増加させます。
食後高血糖をコンとロールしない限りは、2型糖尿病は進行性の不治の病です。
糖質制限食なら食後高血糖は生じず、インスリン追加分泌もごく少量ですみます。
糖質制限食なら食後高血糖がないので、β細胞の障害もなく糖尿病は進行しません。
江部康二
(*)Life With Diabetes:A Siries of Teaching Outlines by the Michigan Diabetes Research and Training Center,American Diabetes Assoiation ,3rd Ed,2004
★★★
以下にグーグルが貼り付けている3つの業者の宣伝は、本ブログとは一切関わりはありませんのでご注意ください。
今回は、rabittoさんから、低炭水化物食(糖質制限食)と高炭水化物食のリスクについて、コメント・質問をいただきました。
【10/03/08 rabitto
糖質制限の目的とリスク
こんにちは
糖質制限をはじめて間もないrabittoと申します。
糖質制限について改めて糖尿病治療の観点から確認させて下さい。
●糖尿病の治療の目的(血糖値コントロール)
◆食事療法、運動療法、薬物療法
http://fhtyay.net/medical/43.html
治療目的は血糖値コントロールによる合併症の防止であり、そのための食事療法ですが、そこに糖質制限があると思います。
これに対して「低炭水化物食は危険」という意見をよく見かけますが、糖質制限は治療目的である血糖値コントロールを乱すのでしょうか。
「糖質制限は血糖値コントロールを乱さない」、だが危険、というのであれば、血糖値コントロール不良からくる合併症を上回るリスクがあるはずですが、具体的にはどういったリスクでしょうか。
私が調べた範囲ではいずれも見当たりませんでした。
また、逆の観点(高炭水化物食リスク)ではどうでしょうか。
以上についてよろしくお願い致します。】
rabitto さん。
コメントありがとうございます。
「糖質制限食とカロリー制限食(高糖質食)どちらがいいの?」
多くの皆さんがもたれる疑問と思います。
まずは質問にお答えします。
☆☆☆ 特殊例を除いて糖質制限食にリスクはありません。
★★★ 高糖質カロリー制限食は食後高血糖を引き起こし、リスクが大きいです。
特殊例とは、血液検査でクレアチニン値が高値で、既に腎不全になっている場合と、活動性の膵炎がある場合です。
糖質制限食は、相対的に高タンパク・高脂質食になります。高タンパク食は、腎不全には適応となりません。
また高脂質食は、活動性膵炎には適応となりません。
rabitto さん、まずは冷静にお考え下さい。
人類誕生以来、農耕以前の400~500万年間は、 狩猟・採集すなわち糖質制限食が生業でした。
人類は、糖質制限食を400~500万年間続けながら突然変異を繰り返し、生理・栄養・代謝系を進化させてきました。 すなわち人類の身体は糖質制限食に適応しているわけです。
おそらく、一定に増加した人口を維持するために、やむを得ず農耕が組織的に開始されたものと考えられます。
従って、農耕以降、穀物に総摂取カロリーの60%を依存する食生活は、 人体の生理・栄養・代謝系にかなりの負担をかけていると考えられます。
本ブログは糖尿人に、
糖質制限食(糖質12%、脂質56%、タンパク質32%)
を推進する立場ですが、世の中は相変わらず、
糖質たっぷりのカロリー制限食(糖質60%、脂質20%、タンパク質20%)
を推奨する病院が圧倒的に多いです。
いろんな意見があり論争することは、医学の発展において健全なことと思います。しかし、論争の前に人体の生理・代謝などの基本的なところを理解することも重要です。
今回は<糖質・脂質・タンパク質の摂取>と<血糖値上昇・インスリン分泌>に関して、人体の生理・代謝における事実を説明します。
しつこいようですが、以下に述べることは、論争の余地のない事実ですので<糖質たっぷりのカロリー制限食推奨派>の方々にも、是非ご理解いただきたいと思います。
食べ物が消化・吸収されたあと、糖質は100%血糖に変わります。
糖質は、摂取直後から急峻に血糖値を高く速く上昇させ、2時間以内にほとんどすべてが吸収されますタンパク質、脂質は血糖値を上昇させません。(*)
1997年版のLife With Diabetesでは、「タンパク質は約半分が血糖に変わり、脂質は10%未満が血糖に変わる」という記載がありますが、2004年版では削除されています。
これらは、含有エネルギーとは無関係な、三大栄養素の生理学的特質です。
そして、現在動脈硬化のリスクとして問題とされているグルコーススパイク(食後高血糖)を引き起こすのは、3大栄養素の中で糖質だけです。糖尿人でも、糖質を摂取しなければ食後高血糖は生じず、血糖値はリアルタイムに改善します。
一方、糖尿人がカロリー制限をしても、糖質を摂取すれば必ず食後高血糖を生じます。
インスリンには24時間、少量常に分泌されている基礎分泌と、血糖値が上昇したときに大量に出る追加分泌があります。
糖質、脂質、タンパク質のうち糖質だけが血糖値を急峻に上昇させます。従って、糖質を摂取した時には、インスリンが大量に追加分泌されます。
しかし、脂質やタンパク質は血糖値をほとんど上昇させません。インスリンの追加分泌は、脂質ではほとんどなく、タンパク質では極少量分泌されます。
つまり、人(糖尿人も正常人も)において、インスリンの追加分泌が多量に必要となるのは、糖質を摂取した時だけです。
これらは、すべて論争の余地のない、生理学的事実です。
以下は、2型糖尿病Aさんのデータです。
通常食は糖質ありです。
通常食 350kcal、糖質60%で約52.5g、脂質20%、タンパク質20%
糖質制限食 350kcal、糖質10%で約8.75g、脂質60%、タンパク質30%
通常食と糖質制限食は、いずれも350kcalで、勿論、同一人のデータです。
糖質制限食だと血糖値の上昇は極めて少なく、インスリンの追加分泌もごく少量ですね。
食前 30分後 60分後 90分後 120分後
通常食血糖値 121 206 304 250 198
通常食IRI 2.2 6.2 19.1 23.1 21.6
糖質制限食血糖値 124 140 142 129 135
糖質制限食IRI 3.5 4.6 6.7 6.9 5.2
同様に元2型糖尿人Bさんのデータです。2年前初診時糖尿病でしたが現在正常型です。
食前 30分後 60分後 90分後 120分後
通常食血糖値 108 148 189 142 126
通常食IRI 3.8 35.2 58.5 55.1 24.9
糖質制限食血糖値 113 115 116 108 107
糖質制限食IRI 4.1 10.1 11.7 10.6 13.5
Bさんの場合、2年間の糖質制限食で、糖質を負荷しても血糖値は正常パターンに回復しています。このとき基礎分泌3.8→追加分泌ピーク58.8まで多量のインスリンが出ています。実に基礎分泌の15倍強のインスリンが追加分泌されています。ヾ(゜▽゜)
糖質制限食でも、約8.75gほど野菜分の糖質が含まれているので、一応基礎分泌の2~3倍のインスリン追加分泌がありますが、通常食に比べれば微々たるものですね。
正常人が通常の食事をすれば、おおむねBさんのデータのようなインスリンの大量追加分泌が一日に最低3回、間食をすれば5回以上起こっているわけです。
このようなインスリンの大量追加分泌が40年、50年と続けば遂には膵臓が疲弊して、分泌能力が低下して糖尿病を発症するのは想像に難くないですね。
結論です。
カロリーをいくら制限しても、糖質を摂取してしまえば、食後高血糖を生じます。
食後高血糖は、動脈硬化のリスクとなり、膵β細胞を傷害します。
食後高血糖は、インスリン抵抗性を増加させます。
食後高血糖をコンとロールしない限りは、2型糖尿病は進行性の不治の病です。
糖質制限食なら食後高血糖は生じず、インスリン追加分泌もごく少量ですみます。
糖質制限食なら食後高血糖がないので、β細胞の障害もなく糖尿病は進行しません。
江部康二
(*)Life With Diabetes:A Siries of Teaching Outlines by the Michigan Diabetes Research and Training Center,American Diabetes Assoiation ,3rd Ed,2004
★★★
以下にグーグルが貼り付けている3つの業者の宣伝は、本ブログとは一切関わりはありませんのでご注意ください。
2010年03月09日 (火)
おはようございます。
通りすがりさんをはじめ、多くの方から
「質の高いブログですので、そろそろ有料化を考えてはどうですか?」
という、おほめの言葉とアドバイスをいただきました。 m(_ _)mV
実際、海外のブログ読者など
「診察には行けないが支払いをさせて欲しい」
と仰有る方もおられます。
まあ、無診察診療で診察料をもらうのは、法律違反にあたりますので、これは無理なのですが・・・。
これまで2007年2月から3年間、ずっとボランティアでブログ読者の皆さんの質問に答えてきました。
我ながらよく続いていると思います。
質問にお答えすることが私自身の勉強にもなり、毎日ブログの更新をするのが日課になったので、以前ほど頻回に祇園あたりに飲みにいったりできなくなったので、経済的にも健康的にもそれなりに役に立っています。(^^)
それでも、質問があふれて処理不能になればそれまでなのですが、いましばらくはボランティアを続けようと思います。
ところで、私は財団法人高雄病院理事長ですが、
『NPO法人糖質制限食ネット・リボーン』http://reborn.prj.cc/npo/
の理事長でもあります。
リボーンは講演会やセミナー開催の他、機関誌『リボーン』の発行、医療機関との提携など、糖質制限食の普及活動を展開しています。
NPO法人ですから非営利団体でご多分に漏れず、運営資金はいつもぎりぎりです。(-_-;)
賛助会員の企業や一般会員の皆さんの参加により、何とか活動が成り立っています。
そこで読者の皆さんにお願いなのですが、本ブログ無料の代わりといってはなんですが、もしよろしければ、NPO法人糖質制限食ネット・リボーンの個人正会員や個人賛助会員になっていただければ、、糖質制限食の普及に向けて私としても大変助かります。
正会員は年5000円ですが、季節性の賛助会員なら1000円です。
会員にはなっていただかなくても、寄付金も500円でも1000円でも1万円でも、いくらでも大歓迎ですので、どうぞよろしくお願い申し上げます。 m(_ _)m
江部康二
☆☆☆
NPO法人糖質制限食ネット・リボーン
◇ 入会金なし
年会費 正会員 (個人) 5,000円
賛助会員(個人) 3,000円
賛助会員(企業・団体) 一口30,000円(一口以上)
会費有効期限4月~3月で、途中入会は期間割になります。
期間割会費(正会員 個人1,700円、賛助会員 個人 1,000円、団体 10,000円)
第1期4月~7月
第2期8月~11月
第3期12月~3月
※ご不明の場合には、ご送金の前にお問い合わせください。
◇郵便振替口座名称 リボーン
郵便振替口座番号 00110-9-393366
◇郵便振替用紙の通信欄に、お名前、年齢、性別、お電話番号、ご住所、あればメールアドレスを明記のうえ、会費をご送金ください。メールで詳細を送信していただいても結構です。
詳細内容・参加ご希望の方は、NPO法人糖質制限食ネット・リボーン
事務局・曽我部ゆかりまで、メールか電話またはファックスでお申し込みください。
e-mail:reborn@big.or.jp
tel/fax:03-3388-5428
★★★
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通りすがりさんをはじめ、多くの方から
「質の高いブログですので、そろそろ有料化を考えてはどうですか?」
という、おほめの言葉とアドバイスをいただきました。 m(_ _)mV
実際、海外のブログ読者など
「診察には行けないが支払いをさせて欲しい」
と仰有る方もおられます。
まあ、無診察診療で診察料をもらうのは、法律違反にあたりますので、これは無理なのですが・・・。
これまで2007年2月から3年間、ずっとボランティアでブログ読者の皆さんの質問に答えてきました。
我ながらよく続いていると思います。
質問にお答えすることが私自身の勉強にもなり、毎日ブログの更新をするのが日課になったので、以前ほど頻回に祇園あたりに飲みにいったりできなくなったので、経済的にも健康的にもそれなりに役に立っています。(^^)
それでも、質問があふれて処理不能になればそれまでなのですが、いましばらくはボランティアを続けようと思います。
ところで、私は財団法人高雄病院理事長ですが、
『NPO法人糖質制限食ネット・リボーン』http://reborn.prj.cc/npo/
の理事長でもあります。
リボーンは講演会やセミナー開催の他、機関誌『リボーン』の発行、医療機関との提携など、糖質制限食の普及活動を展開しています。
NPO法人ですから非営利団体でご多分に漏れず、運営資金はいつもぎりぎりです。(-_-;)
賛助会員の企業や一般会員の皆さんの参加により、何とか活動が成り立っています。
そこで読者の皆さんにお願いなのですが、本ブログ無料の代わりといってはなんですが、もしよろしければ、NPO法人糖質制限食ネット・リボーンの個人正会員や個人賛助会員になっていただければ、、糖質制限食の普及に向けて私としても大変助かります。
正会員は年5000円ですが、季節性の賛助会員なら1000円です。
会員にはなっていただかなくても、寄付金も500円でも1000円でも1万円でも、いくらでも大歓迎ですので、どうぞよろしくお願い申し上げます。 m(_ _)m
江部康二
☆☆☆
NPO法人糖質制限食ネット・リボーン
◇ 入会金なし
年会費 正会員 (個人) 5,000円
賛助会員(個人) 3,000円
賛助会員(企業・団体) 一口30,000円(一口以上)
会費有効期限4月~3月で、途中入会は期間割になります。
期間割会費(正会員 個人1,700円、賛助会員 個人 1,000円、団体 10,000円)
第1期4月~7月
第2期8月~11月
第3期12月~3月
※ご不明の場合には、ご送金の前にお問い合わせください。
◇郵便振替口座名称 リボーン
郵便振替口座番号 00110-9-393366
◇郵便振替用紙の通信欄に、お名前、年齢、性別、お電話番号、ご住所、あればメールアドレスを明記のうえ、会費をご送金ください。メールで詳細を送信していただいても結構です。
詳細内容・参加ご希望の方は、NPO法人糖質制限食ネット・リボーン
事務局・曽我部ゆかりまで、メールか電話またはファックスでお申し込みください。
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2010年03月08日 (月)
こんにちは。
糖質制限食と逆流性食道炎について、海外のWeb上でアンケートをとったものがあるそうです。
私の良きアドバイザーI先生からの情報です。
I先生は、糖質制限食実践で長年の胸やけがほとんど消失されたそうです。
以下、I先生からの情報
「NHBA(National hertburn alliance胸やけ同盟?)という組織があるらしいです。
やはり、困っている人が多いのだと思います。
その中に、Do Low-Carb Diets Help Relieve Heartburnという文章が載っていました。
http://www.heartburnalliance.org/low_carb_help.php
Web上で、アンケートをとっています。
http://www.heartburnalliance.org/pdfs/low_carb_survey.pdf
38人中17人が著明に改善、7人が軽度改善、中には悪くなった人もいるようです。
体重が減少するとhertburnが改善するとの記載もあり、それも要因かもしれません。」
I先生、いつも貴重な情報をありがとうございます。 m(_ _)m
NHBA(National hertburn alliance胸やけ同盟?)のアンケートでは、糖質制限食(低糖質食)実践で、63%の有効率です。無効~悪化が37%です。
本ブログでは、10人の読者の皆さんからコメントを頂きました。実に10名中、9名の方が糖質制限食で胸やけが改善しています。1名の方のみが、深夜の胸やけが不変とのことで、90%の有効率ですね。
これは、おそらく上手くいった人が積極的にコメントを書いていただいて、上手くいかなかった人は、いちいちコメントするのを避けたのかなと思います。
従って、「糖質制限食で逆流性食道炎が改善、9割の人に有効!!」などと華々しく打ち上げるつもりは毛頭ありません。
一方、海外の胸やけ同盟のアンケートと合わせて考えると、「糖質制限食で逆流性食道炎が改善、約6~7割の人に有効!」くらい言ってもばちは当たらないと思います。(^^)
逆流性食道炎の胸やけで悩んでおられる方は、糖質制限食を試してみる価値はありそうですね。
江部康二
★★★
以下にグーグルが貼り付けている3つの業者の宣伝は、本ブログとは一切関わりはありませんのでご注意ください。
糖質制限食と逆流性食道炎について、海外のWeb上でアンケートをとったものがあるそうです。
私の良きアドバイザーI先生からの情報です。
I先生は、糖質制限食実践で長年の胸やけがほとんど消失されたそうです。
以下、I先生からの情報
「NHBA(National hertburn alliance胸やけ同盟?)という組織があるらしいです。
やはり、困っている人が多いのだと思います。
その中に、Do Low-Carb Diets Help Relieve Heartburnという文章が載っていました。
http://www.heartburnalliance.org/low_carb_help.php
Web上で、アンケートをとっています。
http://www.heartburnalliance.org/pdfs/low_carb_survey.pdf
38人中17人が著明に改善、7人が軽度改善、中には悪くなった人もいるようです。
体重が減少するとhertburnが改善するとの記載もあり、それも要因かもしれません。」
I先生、いつも貴重な情報をありがとうございます。 m(_ _)m
NHBA(National hertburn alliance胸やけ同盟?)のアンケートでは、糖質制限食(低糖質食)実践で、63%の有効率です。無効~悪化が37%です。
本ブログでは、10人の読者の皆さんからコメントを頂きました。実に10名中、9名の方が糖質制限食で胸やけが改善しています。1名の方のみが、深夜の胸やけが不変とのことで、90%の有効率ですね。
これは、おそらく上手くいった人が積極的にコメントを書いていただいて、上手くいかなかった人は、いちいちコメントするのを避けたのかなと思います。
従って、「糖質制限食で逆流性食道炎が改善、9割の人に有効!!」などと華々しく打ち上げるつもりは毛頭ありません。
一方、海外の胸やけ同盟のアンケートと合わせて考えると、「糖質制限食で逆流性食道炎が改善、約6~7割の人に有効!」くらい言ってもばちは当たらないと思います。(^^)
逆流性食道炎の胸やけで悩んでおられる方は、糖質制限食を試してみる価値はありそうですね。
江部康二
★★★
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2010年03月07日 (日)
こんばんは。
名古屋、東海、中部地方の皆さん、お久しぶりです。
糖質制限食、おかげさまで順調な広がりをみせています。 (^_^)
糖質制限食基礎理論もさらに進化をとげて、新しい知識が追加されています。
本もどんどん出版され、学会発表も行われています。
今回の講演会、初めて来られる方も、二度目・三度目・・・の方にも等しくお役に立てると思います。
是非奮ってご参加下さいね。ヾ(^▽^)
以下は”つばさ”事務局からのご案内です。
☆☆☆
”つばさ” 名古屋公開講座 2010
生活習慣病を予防する食生活
-糖質制限食の理論と実際-
わが国の糖尿病が強く疑われる人や糖尿病の可能性が否定できない人は約2,210万人(平成19年国民健康・栄養調査)と推計され、今や「国民病」とさえ言われる事態になっています。また、メタボリックシンドロームであることが強く疑われるか、その予備群の人は40~74歳の男性の2人に1人、女性の5人に1人(平成20年国民健康・栄養調査)といわれ、時代の進展と共にこれら生活習慣病は増加の一途をたどっています。
生活習慣病は食生活の改善が大変重要です。今回の「“つばさ”名古屋公開講座」では、生活習慣病における食生活をテーマに皆様と共に考えていきたいと思います。
講師
江部 康二
医師/高雄病院理事長
佐橋 紀子
HUMAN LIFE INFO NET “翼”代表
元飯田女子短期大学教授
とき 2010年4月17日(土)午後1:00~4:30
ところ 名古屋市女性会館 大ホール(地下鉄 「東別院」 下車)
参加費 1,200円(資料代含む)
主催 HUMAN LIFE INFO NET “翼”
申し込み先 佐橋 紀子/052-501-0994 原 育世/0568-84-6946
後援 愛知県・愛知県教育委員会
☆☆☆“翼”代表 佐橋紀子さんからのご挨拶
今年の冬は暖冬と言われながら、いつまでも厳しい寒さと大雪に驚かされた日々でした。
でも、やっと空気が柔らかになり、夜明けも早くなり、梅や菜の花も、春の到来を告げてくれています。
この季節、あなたにはお元気でいらっしゃいますか?年齢を重ねると共に、健康のありがたさが、身に滲みて感じられるようになってきました。
すでにご存知の方もあるかと思いますが、私は名古屋の学習グループ、HUMAN LIFE INFO NET "翼"代表の佐橋紀子と申します。たった一度の人生を人間らしく、豊かに生きたいものと、学習会や講演会などを続け、今年16年目を迎えました。
会員は全国に210名を数えます。職業も年齢も、居住地もバラバラですが、その心をつないでいるのが機関紙
”つばさ通信”で、今月で170号になりました。
時々”翼”は、糖尿病患者の会と思われる方もあるのですが、そうではなく、実は私自身が30年に及ぶ糖尿病患者でした。これまで毎月病院に通い、注 射や薬を飲みながらどんどん病状は悪化し、このままいくと失明か脳梗塞か、あるいは足の切断か人工透析のお世話になるのかと、暗澹たる思いを抱えて おりました。28年間に及ぶカロリー制限食の指導は、私を救ってはくれませんでした。
ところが2008年夏、京都の高雄病院に教育入院し、江部康二先生の糖質制限食の指導を受けることによって、合併症の花盛り寸前から救われました。今でも夢のように思います。この画期的な糖質制限食の治療方法を、一人でも多くの方に知って頂きたいと、強く願うようになりました。
たった2週間の入院で飲み薬はゼロに、インスリン注射は半分になりました。 朝の空腹時血糖は206から103にまで下がり(正常値は110以下)、体重も8キロ減り、今では快適な毎日を過ごしております。
糖質を最も含む炭水化物を食べないだけで、高血糖から健康を守り、元気な毎日を送ることができる糖質制限食の治療法に、目からウロコの驚きと共に、なぜもっと速く知ることができなかったのか、それが一番悔しく、残念に思ったことでした。
幸い私の場合は、酷い合併症に陥る寸前で救われました。ならばそのことを江部先生に感謝するだけでなく、いま糖尿病や成人病に悩んでいる人たちに、その方法を知っていただくことが私の使命ではないか、と思ったのです。
医師の江部先生のご講演と、患者としての私やなかまの具体的な報告を盛り込んだ講座も、今度で3回目になります。名古屋では昨年2月21日に行い、会場が150名しか入れなかったため大勢の方にお断りすることになり、申し訳なく思っております。10月3日には信州松川で、350人の方にお集まりいただきました。今度の名古屋は、定員350人の大ホールを用意いたしました。名古屋では2回目の講演になります。中身もバージョンアップして、皆様に満足していただけるよう、準備しています。 どうぞ周りの方にもお誘いくださり、お早めに申し込んでください。
お電話で予約していただければ、代金は当日の受付でお支払いください。では、名古屋市女性会館でお待ち申しております。
2010.3.7 HUMAN LIFE INFO NET“翼”代表 佐橋紀子
☆☆☆糖質制限食・学会発表・医学雑誌掲載
1)山門一平,江部康二,金大成,大櫛陽一.東海大学医学部,高雄病院:2型糖尿病における低炭水化物食の有用性とテーラーメード運動処方,第52回日本糖尿病学会年次学術集会.2009年
2)田中てる美,丸岡文雄,平田英一他.丸岡内科小児科クリニック,九州大学:糖質制限食による糖尿病及び肥満症導入・維持のための栄養指導上の工夫,第52回日本糖尿病学会年次学術集会.2009年
3)山田悟.北里研究所病院糖尿病センター:主食抜き指導にて血糖コントロールが改善した一例,日本糖尿病学会関東甲信越地方会.2010年1月30日
☆☆☆糖質制限食・過去の医学雑誌掲載
1)江部康二他:糖尿病食事療法として糖質制限食を実施した3症例,
京都医学会雑誌51(1):125-130、2004
2)坂東浩,中村巧:カーボカウントと糖質制限食, 治療,90(12):3105-3111,2008
3) 江部康二:主食を抜けば(糖質を制限すれば)糖尿病は良くなる!,
治療,91(4):682-683,2009
4)中村巧,坂東浩:昨日の常識・食事療法ではカロリー制限すべきである
今日の常識・食事療法では糖質制限すべきである 治療,91(12):2858-2859,2009
5)江部康二:低糖質食(糖質制限食carbohydrate restriction)の意義,
内科,105(1):100-103,2010
☆☆☆糖質制限食・出版された本・江部康二関連
理論
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」2005年
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」2008年
「我ら糖尿人、元気なのには理由がある。」2009年
(東洋経済新報社)
レシピ
「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」2006年
「 糖質制限食 春のレシピ」2007年
「 糖質制限食 夏のレシピ」2007年
「糖質制限食 秋のレシピ」2008年
「糖質制限食 冬のレシピ」2008年
(東洋経済新報社)
「糖質オフ」ごちそうごはん
(アスペクト)2009年
『dancyu プレジデントムック 「満腹ダイエット 」
おいしい「糖質オフ」料理で楽しくやせる本 』(プレジデント社)2009年
★★★
以下にグーグルが貼り付けている3つの業者の宣伝は、本ブログとは一切関わりはありませんのでご注意ください。
名古屋、東海、中部地方の皆さん、お久しぶりです。
糖質制限食、おかげさまで順調な広がりをみせています。 (^_^)
糖質制限食基礎理論もさらに進化をとげて、新しい知識が追加されています。
本もどんどん出版され、学会発表も行われています。
今回の講演会、初めて来られる方も、二度目・三度目・・・の方にも等しくお役に立てると思います。
是非奮ってご参加下さいね。ヾ(^▽^)
以下は”つばさ”事務局からのご案内です。
☆☆☆
”つばさ” 名古屋公開講座 2010
生活習慣病を予防する食生活
-糖質制限食の理論と実際-
わが国の糖尿病が強く疑われる人や糖尿病の可能性が否定できない人は約2,210万人(平成19年国民健康・栄養調査)と推計され、今や「国民病」とさえ言われる事態になっています。また、メタボリックシンドロームであることが強く疑われるか、その予備群の人は40~74歳の男性の2人に1人、女性の5人に1人(平成20年国民健康・栄養調査)といわれ、時代の進展と共にこれら生活習慣病は増加の一途をたどっています。
生活習慣病は食生活の改善が大変重要です。今回の「“つばさ”名古屋公開講座」では、生活習慣病における食生活をテーマに皆様と共に考えていきたいと思います。
講師
江部 康二
医師/高雄病院理事長
佐橋 紀子
HUMAN LIFE INFO NET “翼”代表
元飯田女子短期大学教授
とき 2010年4月17日(土)午後1:00~4:30
ところ 名古屋市女性会館 大ホール(地下鉄 「東別院」 下車)
参加費 1,200円(資料代含む)
主催 HUMAN LIFE INFO NET “翼”
申し込み先 佐橋 紀子/052-501-0994 原 育世/0568-84-6946
後援 愛知県・愛知県教育委員会
☆☆☆“翼”代表 佐橋紀子さんからのご挨拶
今年の冬は暖冬と言われながら、いつまでも厳しい寒さと大雪に驚かされた日々でした。
でも、やっと空気が柔らかになり、夜明けも早くなり、梅や菜の花も、春の到来を告げてくれています。
この季節、あなたにはお元気でいらっしゃいますか?年齢を重ねると共に、健康のありがたさが、身に滲みて感じられるようになってきました。
すでにご存知の方もあるかと思いますが、私は名古屋の学習グループ、HUMAN LIFE INFO NET "翼"代表の佐橋紀子と申します。たった一度の人生を人間らしく、豊かに生きたいものと、学習会や講演会などを続け、今年16年目を迎えました。
会員は全国に210名を数えます。職業も年齢も、居住地もバラバラですが、その心をつないでいるのが機関紙
”つばさ通信”で、今月で170号になりました。
時々”翼”は、糖尿病患者の会と思われる方もあるのですが、そうではなく、実は私自身が30年に及ぶ糖尿病患者でした。これまで毎月病院に通い、注 射や薬を飲みながらどんどん病状は悪化し、このままいくと失明か脳梗塞か、あるいは足の切断か人工透析のお世話になるのかと、暗澹たる思いを抱えて おりました。28年間に及ぶカロリー制限食の指導は、私を救ってはくれませんでした。
ところが2008年夏、京都の高雄病院に教育入院し、江部康二先生の糖質制限食の指導を受けることによって、合併症の花盛り寸前から救われました。今でも夢のように思います。この画期的な糖質制限食の治療方法を、一人でも多くの方に知って頂きたいと、強く願うようになりました。
たった2週間の入院で飲み薬はゼロに、インスリン注射は半分になりました。 朝の空腹時血糖は206から103にまで下がり(正常値は110以下)、体重も8キロ減り、今では快適な毎日を過ごしております。
糖質を最も含む炭水化物を食べないだけで、高血糖から健康を守り、元気な毎日を送ることができる糖質制限食の治療法に、目からウロコの驚きと共に、なぜもっと速く知ることができなかったのか、それが一番悔しく、残念に思ったことでした。
幸い私の場合は、酷い合併症に陥る寸前で救われました。ならばそのことを江部先生に感謝するだけでなく、いま糖尿病や成人病に悩んでいる人たちに、その方法を知っていただくことが私の使命ではないか、と思ったのです。
医師の江部先生のご講演と、患者としての私やなかまの具体的な報告を盛り込んだ講座も、今度で3回目になります。名古屋では昨年2月21日に行い、会場が150名しか入れなかったため大勢の方にお断りすることになり、申し訳なく思っております。10月3日には信州松川で、350人の方にお集まりいただきました。今度の名古屋は、定員350人の大ホールを用意いたしました。名古屋では2回目の講演になります。中身もバージョンアップして、皆様に満足していただけるよう、準備しています。 どうぞ周りの方にもお誘いくださり、お早めに申し込んでください。
お電話で予約していただければ、代金は当日の受付でお支払いください。では、名古屋市女性会館でお待ち申しております。
2010.3.7 HUMAN LIFE INFO NET“翼”代表 佐橋紀子
☆☆☆糖質制限食・学会発表・医学雑誌掲載
1)山門一平,江部康二,金大成,大櫛陽一.東海大学医学部,高雄病院:2型糖尿病における低炭水化物食の有用性とテーラーメード運動処方,第52回日本糖尿病学会年次学術集会.2009年
2)田中てる美,丸岡文雄,平田英一他.丸岡内科小児科クリニック,九州大学:糖質制限食による糖尿病及び肥満症導入・維持のための栄養指導上の工夫,第52回日本糖尿病学会年次学術集会.2009年
3)山田悟.北里研究所病院糖尿病センター:主食抜き指導にて血糖コントロールが改善した一例,日本糖尿病学会関東甲信越地方会.2010年1月30日
☆☆☆糖質制限食・過去の医学雑誌掲載
1)江部康二他:糖尿病食事療法として糖質制限食を実施した3症例,
京都医学会雑誌51(1):125-130、2004
2)坂東浩,中村巧:カーボカウントと糖質制限食, 治療,90(12):3105-3111,2008
3) 江部康二:主食を抜けば(糖質を制限すれば)糖尿病は良くなる!,
治療,91(4):682-683,2009
4)中村巧,坂東浩:昨日の常識・食事療法ではカロリー制限すべきである
今日の常識・食事療法では糖質制限すべきである 治療,91(12):2858-2859,2009
5)江部康二:低糖質食(糖質制限食carbohydrate restriction)の意義,
内科,105(1):100-103,2010
☆☆☆糖質制限食・出版された本・江部康二関連
理論
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」2005年
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」2008年
「我ら糖尿人、元気なのには理由がある。」2009年
(東洋経済新報社)
レシピ
「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」2006年
「 糖質制限食 春のレシピ」2007年
「 糖質制限食 夏のレシピ」2007年
「糖質制限食 秋のレシピ」2008年
「糖質制限食 冬のレシピ」2008年
(東洋経済新報社)
「糖質オフ」ごちそうごはん
(アスペクト)2009年
『dancyu プレジデントムック 「満腹ダイエット 」
おいしい「糖質オフ」料理で楽しくやせる本 』(プレジデント社)2009年
★★★
以下にグーグルが貼り付けている3つの業者の宣伝は、本ブログとは一切関わりはありませんのでご注意ください。
2010年03月07日 (日)
おはようございます。
今回は、yasushi さんとよよさんから
2010年3月6日、夜の放送、
「NHK 追跡!AtoZ、異所性脂肪の蓄積と糖尿病発症」の内容について
コメント・質問をいただきました。
【10/03/07 yasushi
異所性脂肪
ご無沙汰しております二度目の書き込みです。(http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-696.html#comment スーパー糖質制限食)
昨夜NHK 追跡!AtoZ(http://www.nhk.or.jp/tsuiseki/file/list/100306.html)で、異所性脂肪の蓄積が、すい臓の細胞内のミトコンドリアを破壊し、すい臓にダメージを与えて糖尿病になるというような内容でした。
血液検査で、HDL、中性脂肪の数値が良ければ大丈夫のようなことがいわれていましたが、異所性脂肪の蓄積を防ぐ方法として、「脂肪を控える」、「運動(一万歩歩く)をする」といったものでした。
途中までは、なるほどと思い見ていましたが、「脂肪を控える」でがっかりでした。何でそういう結論になるのでしょうか???。
以下は私の経過報告です。
2007年12月、健康診断でHbA1c8.6(空腹時血糖150)
2008年夏より糖質制限を始め、2009年正月よりスーパー糖質制限食を実施し14ヶ月が経過いたしました。
昨年の夏には「我ら糖尿人、元気なのには理由(ワケ)がある」拝読いたし、ますます確信を持って糖質制限に励んでいます。
最近の検査では、
GOT 20
GPT 16
HDL 115
LDL 102
中性脂肪 65
尿素窒素 24.1
クレアチニン 0.93
Na 140
K 3.9
Cl 102
HbA1c 5.1
グリコアルブミン 14.7
というような数字です。(クレアチニン0.93 基準内ですが、これがちょっと心配です)
よく山行しますが、2泊ぐらいのテント泊も、以前と比べたら楽に歩けます。 おにぎりを主食にし、ポカリスエットをがぶ飲みしていた頃は、食後よく足がつりましたが、今は全くなくなりました。 余談ですが髪の毛も黒々とはいきませんが、頭頂部の産毛が濃くなってきました。うれしい限りです。
腹いっぱい食べるので、むねやけは、ありますが、おかげさまで健康な日々を送らせていただいてます。
ひとつご質問があります。
普段の食事は、糖質量に対して納得のいく血糖値140前後(食後2時間)がでるのですが、天ぷらとかフライを食べると食後2時間の血糖値が200を超えることがあります。(ころもの小麦の糖質量以上に上がるような気がします?)どうなんでしょうか。 天ぷら好きの私にはこのことが気になる毎日です。
最後に、ますます糖質制限が普及し、当たり前になるよう願っております。】
【10/03/06 よよ
異所性脂肪
土曜日の夜10時のNHKテレビ追跡という番組でやっていました。
肥っていないのに内臓にへばりついている脂肪で、脂肪肝などもその部類だそうで、糖尿病の危険性が、肥満人よりも高いというものでした。
やせ型なのに糖尿病という人はこのタイプだとか。
普通の皮下脂肪や内臓脂肪よりたちが悪く、膵臓につくと、細胞を破壊するとか。心臓病を発症するとか、何とも怖い話でした。
そこで気になったのが、簡単に解消できる方法として、歩行1万歩は良いのですが、食事の脂肪、油類を減らすというものでした。わずか3日でこの
異所性脂肪が激減したという報告でした。
私は肥満ではないのですが、アルコールも全く飲まないのに、γGTPやGTPが高いのです。
今糖質制限をしながら、脂肪はしっかり摂っています。脂肪の摂りすぎが内臓脂肪や、異所性脂肪になるとは、先生のおっしゃることと矛盾しているように思います。
糖質こそが脂肪になると思っていいのですよね。
先生の見解をお聞きしたいのですが。
よろしくお願いします。】
yasushiさん、よよさん。
コメントありがとうございます。
『NHK 追跡!AtoZで、異所性脂肪の蓄積が、すい臓の細胞内のミトコンドリアを破壊し、すい臓にダメージを与えて糖尿病になるというような内容でした。
血液検査で、HDL、中性脂肪の数値が良ければ大丈夫のようなことがいわれていましたが、異所性脂肪の蓄積を防ぐ方法として、「脂肪を控える」、「運動(一万歩歩く)をする」といったものでした。』
NHKのその番組を見ていないので、はっきりしたことは言えないのですが、糖質制限食実践でHDL-コレステロールは上昇し、中性脂肪は減少するので、異所性脂肪の蓄積はNHK的にも大丈夫ということになりますね。(^^)
糖質制限食実践者として、まずは一安心です。
『肥っていないのに内臓にへばりついている脂肪で、脂肪肝などもその部類だそうで、糖尿病の危険性が、肥満人よりも高いというものでした。 やせ型なのに糖尿病という人はこのタイプだとか。』
脂肪肝も異所性脂肪に分類されるのですね。脂肪肝に関しては、最善の治療法は糖質制限食です。多くの患者さんの脂肪肝が糖質制限食実践により、改善しました。私自身もその一人です。 (^_^)
糖質を普通に摂取していて脂肪肝を指摘された人が、糖質制限食で改善することは、理論的にも臨床的にも明らかです。
例えば、ビールを止めて焼酎に切り替えて(アルコールの量は一緒で)糖質制限食実践で、γGTPも脂肪肝も改善した糖尿人も複数おられます。
『簡単に解消できる方法として、歩行1万歩は良いのですが、食事の脂肪、油類を減らすというものでした。わずか3日でこの異所性脂肪が激減したという報告でした。』
これが本当だとしたら、
「糖質+蛋白質+脂質」→「糖質+蛋白質」
という食事の変化により、異所性脂肪が激減ということですね。これは考えられます。
言い換えれば、「糖質+脂質」が最悪のコンビネーションで中性脂肪を蓄積させるからです。
糖質を摂取してインスリンが大量に追加分泌されているときに脂質を摂取すると、筋肉細胞中のリポタンパクリパーゼが抑制されて脂肪酸を上手く利用できないので、食事由来の血液中の中性脂肪が高値となり長く持続します。これが異所性に蓄積する可能性が高いです。
「糖質+蛋白質」なら、インスリンが大量に追加分泌されていても食事由来の脂質はないので、血液中の中性脂肪がそれほど高値となることはありません。ですから、異所性に脂肪が蓄積することは少ないでしょう。
まあ、血液中のブドウ糖を筋肉が利用して余った血糖は、インスリンが脂肪組織に中性脂肪として蓄えますが・・・。
「脂質+蛋白質」すなわち糖質制限食なら 、追加分泌のインスリンがほとんど出ないので、食事由来の中性脂肪は、筋肉中のリポタンパクリパーゼがどんどん脂肪酸に分解して筋肉細胞が利用しますので、高中性脂肪血症にはなりません。
それで、糖質制限食実践で中性脂肪値は正常低値を示すわけです。
当然異所性脂肪蓄積もありませんね。ヾ(^▽^)
江部康二
★★★
以下にグーグルが貼り付けている3つの業者の宣伝は、本ブログとは一切関わりはありませんのでご注意ください。
今回は、yasushi さんとよよさんから
2010年3月6日、夜の放送、
「NHK 追跡!AtoZ、異所性脂肪の蓄積と糖尿病発症」の内容について
コメント・質問をいただきました。
【10/03/07 yasushi
異所性脂肪
ご無沙汰しております二度目の書き込みです。(http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-696.html#comment スーパー糖質制限食)
昨夜NHK 追跡!AtoZ(http://www.nhk.or.jp/tsuiseki/file/list/100306.html)で、異所性脂肪の蓄積が、すい臓の細胞内のミトコンドリアを破壊し、すい臓にダメージを与えて糖尿病になるというような内容でした。
血液検査で、HDL、中性脂肪の数値が良ければ大丈夫のようなことがいわれていましたが、異所性脂肪の蓄積を防ぐ方法として、「脂肪を控える」、「運動(一万歩歩く)をする」といったものでした。
途中までは、なるほどと思い見ていましたが、「脂肪を控える」でがっかりでした。何でそういう結論になるのでしょうか???。
以下は私の経過報告です。
2007年12月、健康診断でHbA1c8.6(空腹時血糖150)
2008年夏より糖質制限を始め、2009年正月よりスーパー糖質制限食を実施し14ヶ月が経過いたしました。
昨年の夏には「我ら糖尿人、元気なのには理由(ワケ)がある」拝読いたし、ますます確信を持って糖質制限に励んでいます。
最近の検査では、
GOT 20
GPT 16
HDL 115
LDL 102
中性脂肪 65
尿素窒素 24.1
クレアチニン 0.93
Na 140
K 3.9
Cl 102
HbA1c 5.1
グリコアルブミン 14.7
というような数字です。(クレアチニン0.93 基準内ですが、これがちょっと心配です)
よく山行しますが、2泊ぐらいのテント泊も、以前と比べたら楽に歩けます。 おにぎりを主食にし、ポカリスエットをがぶ飲みしていた頃は、食後よく足がつりましたが、今は全くなくなりました。 余談ですが髪の毛も黒々とはいきませんが、頭頂部の産毛が濃くなってきました。うれしい限りです。
腹いっぱい食べるので、むねやけは、ありますが、おかげさまで健康な日々を送らせていただいてます。
ひとつご質問があります。
普段の食事は、糖質量に対して納得のいく血糖値140前後(食後2時間)がでるのですが、天ぷらとかフライを食べると食後2時間の血糖値が200を超えることがあります。(ころもの小麦の糖質量以上に上がるような気がします?)どうなんでしょうか。 天ぷら好きの私にはこのことが気になる毎日です。
最後に、ますます糖質制限が普及し、当たり前になるよう願っております。】
【10/03/06 よよ
異所性脂肪
土曜日の夜10時のNHKテレビ追跡という番組でやっていました。
肥っていないのに内臓にへばりついている脂肪で、脂肪肝などもその部類だそうで、糖尿病の危険性が、肥満人よりも高いというものでした。
やせ型なのに糖尿病という人はこのタイプだとか。
普通の皮下脂肪や内臓脂肪よりたちが悪く、膵臓につくと、細胞を破壊するとか。心臓病を発症するとか、何とも怖い話でした。
そこで気になったのが、簡単に解消できる方法として、歩行1万歩は良いのですが、食事の脂肪、油類を減らすというものでした。わずか3日でこの
異所性脂肪が激減したという報告でした。
私は肥満ではないのですが、アルコールも全く飲まないのに、γGTPやGTPが高いのです。
今糖質制限をしながら、脂肪はしっかり摂っています。脂肪の摂りすぎが内臓脂肪や、異所性脂肪になるとは、先生のおっしゃることと矛盾しているように思います。
糖質こそが脂肪になると思っていいのですよね。
先生の見解をお聞きしたいのですが。
よろしくお願いします。】
yasushiさん、よよさん。
コメントありがとうございます。
『NHK 追跡!AtoZで、異所性脂肪の蓄積が、すい臓の細胞内のミトコンドリアを破壊し、すい臓にダメージを与えて糖尿病になるというような内容でした。
血液検査で、HDL、中性脂肪の数値が良ければ大丈夫のようなことがいわれていましたが、異所性脂肪の蓄積を防ぐ方法として、「脂肪を控える」、「運動(一万歩歩く)をする」といったものでした。』
NHKのその番組を見ていないので、はっきりしたことは言えないのですが、糖質制限食実践でHDL-コレステロールは上昇し、中性脂肪は減少するので、異所性脂肪の蓄積はNHK的にも大丈夫ということになりますね。(^^)
糖質制限食実践者として、まずは一安心です。
『肥っていないのに内臓にへばりついている脂肪で、脂肪肝などもその部類だそうで、糖尿病の危険性が、肥満人よりも高いというものでした。 やせ型なのに糖尿病という人はこのタイプだとか。』
脂肪肝も異所性脂肪に分類されるのですね。脂肪肝に関しては、最善の治療法は糖質制限食です。多くの患者さんの脂肪肝が糖質制限食実践により、改善しました。私自身もその一人です。 (^_^)
糖質を普通に摂取していて脂肪肝を指摘された人が、糖質制限食で改善することは、理論的にも臨床的にも明らかです。
例えば、ビールを止めて焼酎に切り替えて(アルコールの量は一緒で)糖質制限食実践で、γGTPも脂肪肝も改善した糖尿人も複数おられます。
『簡単に解消できる方法として、歩行1万歩は良いのですが、食事の脂肪、油類を減らすというものでした。わずか3日でこの異所性脂肪が激減したという報告でした。』
これが本当だとしたら、
「糖質+蛋白質+脂質」→「糖質+蛋白質」
という食事の変化により、異所性脂肪が激減ということですね。これは考えられます。
言い換えれば、「糖質+脂質」が最悪のコンビネーションで中性脂肪を蓄積させるからです。
糖質を摂取してインスリンが大量に追加分泌されているときに脂質を摂取すると、筋肉細胞中のリポタンパクリパーゼが抑制されて脂肪酸を上手く利用できないので、食事由来の血液中の中性脂肪が高値となり長く持続します。これが異所性に蓄積する可能性が高いです。
「糖質+蛋白質」なら、インスリンが大量に追加分泌されていても食事由来の脂質はないので、血液中の中性脂肪がそれほど高値となることはありません。ですから、異所性に脂肪が蓄積することは少ないでしょう。
まあ、血液中のブドウ糖を筋肉が利用して余った血糖は、インスリンが脂肪組織に中性脂肪として蓄えますが・・・。
「脂質+蛋白質」すなわち糖質制限食なら 、追加分泌のインスリンがほとんど出ないので、食事由来の中性脂肪は、筋肉中のリポタンパクリパーゼがどんどん脂肪酸に分解して筋肉細胞が利用しますので、高中性脂肪血症にはなりません。
それで、糖質制限食実践で中性脂肪値は正常低値を示すわけです。
当然異所性脂肪蓄積もありませんね。ヾ(^▽^)
江部康二
★★★
以下にグーグルが貼り付けている3つの業者の宣伝は、本ブログとは一切関わりはありませんのでご注意ください。
2010年03月05日 (金)
こんばんは。
読者の皆さん、早速たくさんのコメントありがとうございました。
中山(界屋)昭 さんを除いて、残り9名全ての人で胸やけが改善されています。I先生の予想通り、思った以上の改善です。
私は「さすがに脂っこいものは胸やけするかな?」と常識に囚われていたのですが、逆流性食道炎は、大多数の人が糖質制限食で改善するようですね。
私自身はもともと胃が丈夫で、胸やけとか胃痛とかないもので、上部消化管症状が糖質制限食で改善するとは気がつきませんでした。
I先生、ありがとうございました。
江部康二
☆☆☆
読者の皆さんのコメント
「10/03/05 たろう
タイトルなし
私も、糖質制限(スーパー)を始めてから、幾ら飲んでも胸焼けしなくなりました。
飲んで寝ると、苦い胃液が上がってくることがありましたが、今はまったくありません。
因みに、水虫もまったく症状が出なくなりました。」
「10/03/05 アジョシ
タイトルなし
はじめて、投稿します。
糖質制限食を始めて半年経過しております。血糖値はSMBGで測定して食後を含めて140をこえる事は、まずありません。
身体におきた変化(良いことばかりですが)は、以下の通り。
・胸焼けが消失して、胃腸薬の服用は完全になくなりました。(ピロリ菌除菌後も少し残っていたのですが、完全になくなりました)
・風邪を引かなくなりました。
・下痢になりやすかったのですが、ほとんどしません。
以上、参考までに。」
「10/03/05 中山(界屋)昭
タイトルなし
私の場合は、ほとんど改善されません。
加齢と共に頻度が増しています。
体重減もありません。
スーパーではありませんが、1食に限ってまとめて玄米を食べるほど緩い制限でもありません。
19時半以降、固形物を口にしませんが深夜に胸焼けします。
ただし、11時頃まで、薄い水割りを飲んでいますが。」
「10/03/05 lulu
タイトルなし
胸やけはないのですが、
ご飯を食べると口の中が酸っぱくなっていたのが、糖質のせいだと、糖質制限のことを知ってから気づきました。
ずっとご飯中心がいいと信じていたので、疑ったことがなかったのです。
身体のいろんな部分にたまに起きる痒みや、食後の口の中の酸っぱさはパンやご飯をたくさん食べた時のようだと、やっと認めることができるようになりました。
私の場合は、玄米のようなものだと歯茎が痛くなったり浮いたような感じがありますが、白米だとそういうことはありません。
玄米より白米のほうがまだましのようです。」
「10/03/05 lulu
タイトルなし
続けて投稿失礼します。
ずっと低脂質がいいと思いこんでいましたが、今では全くの反対です。
上でも他の方がおっしゃっていますが、和菓子はその後ふらふらになります。
膵臓がきゅっと痛くなります。
脂質を含まないからだと思います。
ご飯よりオリーブオイルたっぷりのパスタのほうがお腹がすかずスタミナが続きます。
脂質のおかげで便通もよくなりつつあります。
脂質がこんなに大切なものだったとは、気づかせていただいたみなさんには本当に感謝です。」
「10/03/05 かあさん
和菓子で糖質制限食を始めて3月20日で丸1年になります。お陰さまで快適な生活をしています。
胸やけで診察を受けたことがないのですが、私の場合は和菓子を食べると胸やけします。
大福餅やおはぎ、饅頭など。あんまんで胸やけになりますが、肉まん(ぶたまん)ではなりません。
元々甘いお菓子はそれほど好きではなかったのですが、お付き合いで食べる時があり、一種の拒絶反応かと思ってました。(笑)
糖質制限食を始めてからは、こういう物を食べないので胸やけはありません。
先生のブログで見て、「あ~そういうことだったのか」と改めて感じた次第です。」
「10/03/05 てんこ盛り
タイトルなし
ご無沙汰しておりますが毎日オジャマしています。一昨年の10月からスーパー糖質制限を続けています。その前に2度胃潰瘍になりましたが今では全く症状なし。体重も8kg減でずーっと変化なしです。その上スタミナもモリモリ。登山では仲間に「別人が来たんかいなあ」と言われこないだは、5時間をずーっと超えましたがフルマラソンを初完走。嬉しくってたまりません。これも先生の著書とブログのおかげです。感謝してます」
「10/03/05 よよ
胸やけ
私の場合、胸やけは、明らかに和菓子を多く食べたときに起きます。ケーキではなりません。
和菓子は、おまんじゅうの場合、粉を固めたものですし、あんにもかなりの砂糖を使います。糖質は洋菓子より多いのではないでしょうか。
以前、洋菓子と饅頭で血糖値を比較しましたら、饅頭のほうがかなり上がりました。
カロリーから言えば、洋菓子のほうが、バターや 生クリームを使う分多いかもしれませんが、糖質糖質を考えると、饅頭がこわいと今は思っています。 ケーキに比べ、和菓子は肥らないというのは疑問ですね。」
「10/03/05 い-77
逆流性食道炎
先生のご本に出会い、糖質制限半年になる、45歳男性です。
糖尿、肝機能障害、高脂血症、高コレステロール、逆流性食道炎、通風、すべて消失しました。
おまけに情緒は安定し、頭脳も明晰になりました。
つまり、完璧な健康を取り戻したといえます。まるで20歳くらい若返ったようです。こうなりますと、事故でもない限り寿命を使い切ることができるわけで、これはもう筆舌に尽くしがたい喜びです。
先生、本当にありがとうございました。
私も先生に続くべく、草の根レベルで糖質制限を広めていきます。」
「10/03/05 ふらら
胃痛もおさらばです
はじめまして。私が糖質制限食を始めて早6か月。うれしい誤算が長年の胃痛と胸やけ、過度のげっぷが皆無になったことでした。胃酸過多気味だったためか空腹時は空っぽの胃を胃酸が痛めつけてるようなキリキリする痛さが頻繁に出ていましたが糖質制限食にしてからすっかり無くなって感動です。もちろん胸やけとげっぷも無くなりました。おまけに夜遅い時間にたらふく食べても体重が減ってくるし食い意地の張っている私には最高の食生活です。厳密にいうと糖質カット食が正しい名称だと思いますが炭水化物カット食の方が目からウロコなインパクト大の名称ですよね。糖質カット食で出会っていたら試そうと思わなかったはず。」
「10/03/05 てつ
胃もたれ
自分も糖質制限食を始めてからは胃もたれや、胸焼けをしなくなりました。
前は、夜に焼肉なんかを食べると寝る前や次の日に胸焼けを起こしていたのですが、今は腹いっぱい焼肉を食べもぜんぜんしません、効果絶大でした。」
★★★
以下にグーグルが貼り付けている3つの業者の宣伝は、本ブログとは一切関わりはありませんのでご注意ください。
読者の皆さん、早速たくさんのコメントありがとうございました。
中山(界屋)昭 さんを除いて、残り9名全ての人で胸やけが改善されています。I先生の予想通り、思った以上の改善です。
私は「さすがに脂っこいものは胸やけするかな?」と常識に囚われていたのですが、逆流性食道炎は、大多数の人が糖質制限食で改善するようですね。
私自身はもともと胃が丈夫で、胸やけとか胃痛とかないもので、上部消化管症状が糖質制限食で改善するとは気がつきませんでした。
I先生、ありがとうございました。
江部康二
☆☆☆
読者の皆さんのコメント
「10/03/05 たろう
タイトルなし
私も、糖質制限(スーパー)を始めてから、幾ら飲んでも胸焼けしなくなりました。
飲んで寝ると、苦い胃液が上がってくることがありましたが、今はまったくありません。
因みに、水虫もまったく症状が出なくなりました。」
「10/03/05 アジョシ
タイトルなし
はじめて、投稿します。
糖質制限食を始めて半年経過しております。血糖値はSMBGで測定して食後を含めて140をこえる事は、まずありません。
身体におきた変化(良いことばかりですが)は、以下の通り。
・胸焼けが消失して、胃腸薬の服用は完全になくなりました。(ピロリ菌除菌後も少し残っていたのですが、完全になくなりました)
・風邪を引かなくなりました。
・下痢になりやすかったのですが、ほとんどしません。
以上、参考までに。」
「10/03/05 中山(界屋)昭
タイトルなし
私の場合は、ほとんど改善されません。
加齢と共に頻度が増しています。
体重減もありません。
スーパーではありませんが、1食に限ってまとめて玄米を食べるほど緩い制限でもありません。
19時半以降、固形物を口にしませんが深夜に胸焼けします。
ただし、11時頃まで、薄い水割りを飲んでいますが。」
「10/03/05 lulu
タイトルなし
胸やけはないのですが、
ご飯を食べると口の中が酸っぱくなっていたのが、糖質のせいだと、糖質制限のことを知ってから気づきました。
ずっとご飯中心がいいと信じていたので、疑ったことがなかったのです。
身体のいろんな部分にたまに起きる痒みや、食後の口の中の酸っぱさはパンやご飯をたくさん食べた時のようだと、やっと認めることができるようになりました。
私の場合は、玄米のようなものだと歯茎が痛くなったり浮いたような感じがありますが、白米だとそういうことはありません。
玄米より白米のほうがまだましのようです。」
「10/03/05 lulu
タイトルなし
続けて投稿失礼します。
ずっと低脂質がいいと思いこんでいましたが、今では全くの反対です。
上でも他の方がおっしゃっていますが、和菓子はその後ふらふらになります。
膵臓がきゅっと痛くなります。
脂質を含まないからだと思います。
ご飯よりオリーブオイルたっぷりのパスタのほうがお腹がすかずスタミナが続きます。
脂質のおかげで便通もよくなりつつあります。
脂質がこんなに大切なものだったとは、気づかせていただいたみなさんには本当に感謝です。」
「10/03/05 かあさん
和菓子で糖質制限食を始めて3月20日で丸1年になります。お陰さまで快適な生活をしています。
胸やけで診察を受けたことがないのですが、私の場合は和菓子を食べると胸やけします。
大福餅やおはぎ、饅頭など。あんまんで胸やけになりますが、肉まん(ぶたまん)ではなりません。
元々甘いお菓子はそれほど好きではなかったのですが、お付き合いで食べる時があり、一種の拒絶反応かと思ってました。(笑)
糖質制限食を始めてからは、こういう物を食べないので胸やけはありません。
先生のブログで見て、「あ~そういうことだったのか」と改めて感じた次第です。」
「10/03/05 てんこ盛り
タイトルなし
ご無沙汰しておりますが毎日オジャマしています。一昨年の10月からスーパー糖質制限を続けています。その前に2度胃潰瘍になりましたが今では全く症状なし。体重も8kg減でずーっと変化なしです。その上スタミナもモリモリ。登山では仲間に「別人が来たんかいなあ」と言われこないだは、5時間をずーっと超えましたがフルマラソンを初完走。嬉しくってたまりません。これも先生の著書とブログのおかげです。感謝してます」
「10/03/05 よよ
胸やけ
私の場合、胸やけは、明らかに和菓子を多く食べたときに起きます。ケーキではなりません。
和菓子は、おまんじゅうの場合、粉を固めたものですし、あんにもかなりの砂糖を使います。糖質は洋菓子より多いのではないでしょうか。
以前、洋菓子と饅頭で血糖値を比較しましたら、饅頭のほうがかなり上がりました。
カロリーから言えば、洋菓子のほうが、バターや 生クリームを使う分多いかもしれませんが、糖質糖質を考えると、饅頭がこわいと今は思っています。 ケーキに比べ、和菓子は肥らないというのは疑問ですね。」
「10/03/05 い-77
逆流性食道炎
先生のご本に出会い、糖質制限半年になる、45歳男性です。
糖尿、肝機能障害、高脂血症、高コレステロール、逆流性食道炎、通風、すべて消失しました。
おまけに情緒は安定し、頭脳も明晰になりました。
つまり、完璧な健康を取り戻したといえます。まるで20歳くらい若返ったようです。こうなりますと、事故でもない限り寿命を使い切ることができるわけで、これはもう筆舌に尽くしがたい喜びです。
先生、本当にありがとうございました。
私も先生に続くべく、草の根レベルで糖質制限を広めていきます。」
「10/03/05 ふらら
胃痛もおさらばです
はじめまして。私が糖質制限食を始めて早6か月。うれしい誤算が長年の胃痛と胸やけ、過度のげっぷが皆無になったことでした。胃酸過多気味だったためか空腹時は空っぽの胃を胃酸が痛めつけてるようなキリキリする痛さが頻繁に出ていましたが糖質制限食にしてからすっかり無くなって感動です。もちろん胸やけとげっぷも無くなりました。おまけに夜遅い時間にたらふく食べても体重が減ってくるし食い意地の張っている私には最高の食生活です。厳密にいうと糖質カット食が正しい名称だと思いますが炭水化物カット食の方が目からウロコなインパクト大の名称ですよね。糖質カット食で出会っていたら試そうと思わなかったはず。」
「10/03/05 てつ
胃もたれ
自分も糖質制限食を始めてからは胃もたれや、胸焼けをしなくなりました。
前は、夜に焼肉なんかを食べると寝る前や次の日に胸焼けを起こしていたのですが、今は腹いっぱい焼肉を食べもぜんぜんしません、効果絶大でした。」
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2010年03月05日 (金)
おはようございます。
私の良きアドバイザーのI先生からメールがあり、糖質制限食実践で、長年の胸やけがほとんど消失されたそうです。
逆流性食道炎(GERD)による胸やけは、結構たくさんの人が経験しておられると思います。
I先生の場合は、とくにケーキなどの甘いものを食べたときによく胸やけがあったそうです。
糖質制限食でいろいろな生活習慣病が改善することは経験しますが、逆流性食道炎に関してはI先生のご経験が初耳でした。
ブログ読者の皆さんの中で胸やけ(逆流性食道炎)が改善された方がおられましたら、コメントいただけば幸いです。
江部康二
★★★
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私の良きアドバイザーのI先生からメールがあり、糖質制限食実践で、長年の胸やけがほとんど消失されたそうです。
逆流性食道炎(GERD)による胸やけは、結構たくさんの人が経験しておられると思います。
I先生の場合は、とくにケーキなどの甘いものを食べたときによく胸やけがあったそうです。
糖質制限食でいろいろな生活習慣病が改善することは経験しますが、逆流性食道炎に関してはI先生のご経験が初耳でした。
ブログ読者の皆さんの中で胸やけ(逆流性食道炎)が改善された方がおられましたら、コメントいただけば幸いです。
江部康二
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2010年03月04日 (木)
おはようございます。
今回は、糖質制限食と筋肉量などについてアモーレスさんからコメント・質問をいただきました。
【10/02/26 アモーレス
初めての質問です
江部康二先生
初めてお便りします。先生への質問をどこから出してよいのか、ホームページのどこをさがしてもみつけられませんでしたのでここからメールします。よろしくお願いいたします。
先生の「主食を抜けば糖尿病はよくなる」を拝読し、実行しましたらその当日から恐ろしいくらい血糖値がさがりました。ご著書の中に「リアルタイムで効果があらわれる」とありましたが、10日で4キロやせました。全くその通りで感動しました。
そこで今、三点質問があります。
1・フィットネスクラブヘ通っていますが、一月前より筋肉量がかなりへっているといわれました。こ れは心配ないでしょうか。
2・私は肝臓も悪いのですが、脂肪は肝臓にはよくないと言われこれまで脂肪を控えてきました。 これからはどうすればよろしいでしょうか。
3・家内は「ごちそうレシピ」を見ながら料理をつく ってくれており、本当においしくいただいており ます。ところが、糖尿でもないのに家内も私と同 じ食事をするため痩せてきました。かといって別 の食事をつくるというのも手数がかかり現実的 ではありません。このまま私と同じ食事を続け ていてよいものでしょうか。
以上よろしくお願いいたします。】
アモーレスさん。
「主食を抜けば糖尿病はよくなる!」「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」ご購入、ありがとうございました。
血糖値のリアルタイムの改善、減量成功、良かったですね。(^-^)v(^-^)v
「1・フィットネスクラブヘ通っていますが、一月前よ り筋肉量がかなりへっているといわれました。こ れは心配ないでしょうか。」
糖質制限食で筋肉量が減ることはありません。トレーニング併用で筋力アップの人もおられますよ。
一方、低カロリー過ぎると筋肉量も減ることがあるので注意が必要です。脂質・タンパク質はしっかり摂取してください。
「2・私は肝臓も悪いのですが、脂肪は肝臓にはよくないと言われこれまで脂肪を控えてきました。 これからはどうすればよろしいでしょうか。」
脂肪肝には、糖質制限食が最前の治療法です。ウィルス性肝炎に関しても糖質制限食実践に問題はありません。
「3・家内は「ごちそうレシピ」を見ながら料理をつくってくれており、本当においしくいただいております。ところが、糖尿でもないのに家内も私と同じ食事をするため痩せてきました。」
奥さんも痩せすぎなら、低カロリーにご注意ください。もともと少食タイプで、一度にたくさん食べることが苦手なら、奥さんは間食で季節の旬の果物など摂取してください。果物が一番体重増加作用があります。また間食でミックスナッツなどもいいですね。
江部康二
★★★
以下にグーグルが貼り付けている3つの業者の宣伝は、本ブログとは一切関わりはありませんのでご注意ください。
★★★
以下にグーグルが貼り付けている3つの業者の宣伝は、本ブログとは一切関わりはありませんのでご注意ください。
今回は、糖質制限食と筋肉量などについてアモーレスさんからコメント・質問をいただきました。
【10/02/26 アモーレス
初めての質問です
江部康二先生
初めてお便りします。先生への質問をどこから出してよいのか、ホームページのどこをさがしてもみつけられませんでしたのでここからメールします。よろしくお願いいたします。
先生の「主食を抜けば糖尿病はよくなる」を拝読し、実行しましたらその当日から恐ろしいくらい血糖値がさがりました。ご著書の中に「リアルタイムで効果があらわれる」とありましたが、10日で4キロやせました。全くその通りで感動しました。
そこで今、三点質問があります。
1・フィットネスクラブヘ通っていますが、一月前より筋肉量がかなりへっているといわれました。こ れは心配ないでしょうか。
2・私は肝臓も悪いのですが、脂肪は肝臓にはよくないと言われこれまで脂肪を控えてきました。 これからはどうすればよろしいでしょうか。
3・家内は「ごちそうレシピ」を見ながら料理をつく ってくれており、本当においしくいただいており ます。ところが、糖尿でもないのに家内も私と同 じ食事をするため痩せてきました。かといって別 の食事をつくるというのも手数がかかり現実的 ではありません。このまま私と同じ食事を続け ていてよいものでしょうか。
以上よろしくお願いいたします。】
アモーレスさん。
「主食を抜けば糖尿病はよくなる!」「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」ご購入、ありがとうございました。
血糖値のリアルタイムの改善、減量成功、良かったですね。(^-^)v(^-^)v
「1・フィットネスクラブヘ通っていますが、一月前よ り筋肉量がかなりへっているといわれました。こ れは心配ないでしょうか。」
糖質制限食で筋肉量が減ることはありません。トレーニング併用で筋力アップの人もおられますよ。
一方、低カロリー過ぎると筋肉量も減ることがあるので注意が必要です。脂質・タンパク質はしっかり摂取してください。
「2・私は肝臓も悪いのですが、脂肪は肝臓にはよくないと言われこれまで脂肪を控えてきました。 これからはどうすればよろしいでしょうか。」
脂肪肝には、糖質制限食が最前の治療法です。ウィルス性肝炎に関しても糖質制限食実践に問題はありません。
「3・家内は「ごちそうレシピ」を見ながら料理をつくってくれており、本当においしくいただいております。ところが、糖尿でもないのに家内も私と同じ食事をするため痩せてきました。」
奥さんも痩せすぎなら、低カロリーにご注意ください。もともと少食タイプで、一度にたくさん食べることが苦手なら、奥さんは間食で季節の旬の果物など摂取してください。果物が一番体重増加作用があります。また間食でミックスナッツなどもいいですね。
江部康二
★★★
以下にグーグルが貼り付けている3つの業者の宣伝は、本ブログとは一切関わりはありませんのでご注意ください。
★★★
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2010年03月03日 (水)
おはようございます。
今回はたいかーすさんから、
糖尿病の海外文献についてコメントいただきました。
「10/02/27 たいかーす
明後日の方向
強力な血糖コントロールは死亡リスクを高める(2010.2.25掲載)
http://www.healthdayjapan.com/index.php?option=com_content&task=view&id=2337&Itemid=54
重度の低血糖が2型糖尿病高齢患者の認知症リスクを上昇させる(2009.5.14掲載)
バランスの良い血糖管理は優れた糖尿病治療戦略だが、積極的に管理すると低血糖リスクが上昇し、そうでなければ高血糖になってしまう。このため、目標を達成することも監視することも難しい。
http://www.healthdayjapan.com/index.php?option=com_content&task=view&id=76&Itemid=34
血糖値構成要件の中核を成す糖質について
全く触れないのは、故意かそれとも重大な過失か。
糖尿人にとっての血糖コントロール=HbA1cのみ と考えているのか
いずれにしても、どこまで本気なのか甚だ疑問に思えます。」
たいかーすさん。
コメントありがとうございます。
一つ目は、2010年02月23日 (火)の本ブログの記事にした、英国の医学雑誌「ランセット」の報告ですね。
確かにこの研究報告では、
「強力な治療をして血糖コントロールするとかえって死亡率が上昇する」
という、パラドックスが生じています。
HbA1c7.5%の死亡率が一番低くて、それより高くても低くても死亡率上昇という、U字型カーブを描いたとのことです。
また二つ目の記事「積極的に管理すると低血糖を生じる。」
糖質を摂取しながら、血糖値正常になるよう薬物療法を強化すれば、現実として低血糖になりやすいです。
「血糖値構成要件の中核を成す糖質について全く触れないのは、故意かそれとも重大な過失か。」
同感です。故意、過失いずれにしても糖質無視は残念です。
一つ目に関しては、正確に表現すると糖質を摂取する限りは
「強力な治療をして血糖コントロールするとかえって死亡率が上昇する」
ということであり、糖質を摂取しなければこのパラドックスは生じないと考えられます。
二つ目に関しては、糖質制限食実践で血糖コントロールすれば、正常血糖値になる糖尿人も多いですが、薬物を使用していないので低血糖は生じません。
スーパー糖質制限食を実践している群の、HbA1cを測定して死亡率を検証してみたらいいのでしょうが、現実には臨床試験は困難ですね。
江部康二
★★★
以下にグーグルが貼り付けている3つの業者の宣伝は、本ブログとは一切関わりはありませんのでご注意ください。
今回はたいかーすさんから、
糖尿病の海外文献についてコメントいただきました。
「10/02/27 たいかーす
明後日の方向
強力な血糖コントロールは死亡リスクを高める(2010.2.25掲載)
http://www.healthdayjapan.com/index.php?option=com_content&task=view&id=2337&Itemid=54
重度の低血糖が2型糖尿病高齢患者の認知症リスクを上昇させる(2009.5.14掲載)
バランスの良い血糖管理は優れた糖尿病治療戦略だが、積極的に管理すると低血糖リスクが上昇し、そうでなければ高血糖になってしまう。このため、目標を達成することも監視することも難しい。
http://www.healthdayjapan.com/index.php?option=com_content&task=view&id=76&Itemid=34
血糖値構成要件の中核を成す糖質について
全く触れないのは、故意かそれとも重大な過失か。
糖尿人にとっての血糖コントロール=HbA1cのみ と考えているのか
いずれにしても、どこまで本気なのか甚だ疑問に思えます。」
たいかーすさん。
コメントありがとうございます。
一つ目は、2010年02月23日 (火)の本ブログの記事にした、英国の医学雑誌「ランセット」の報告ですね。
確かにこの研究報告では、
「強力な治療をして血糖コントロールするとかえって死亡率が上昇する」
という、パラドックスが生じています。
HbA1c7.5%の死亡率が一番低くて、それより高くても低くても死亡率上昇という、U字型カーブを描いたとのことです。
また二つ目の記事「積極的に管理すると低血糖を生じる。」
糖質を摂取しながら、血糖値正常になるよう薬物療法を強化すれば、現実として低血糖になりやすいです。
「血糖値構成要件の中核を成す糖質について全く触れないのは、故意かそれとも重大な過失か。」
同感です。故意、過失いずれにしても糖質無視は残念です。
一つ目に関しては、正確に表現すると糖質を摂取する限りは
「強力な治療をして血糖コントロールするとかえって死亡率が上昇する」
ということであり、糖質を摂取しなければこのパラドックスは生じないと考えられます。
二つ目に関しては、糖質制限食実践で血糖コントロールすれば、正常血糖値になる糖尿人も多いですが、薬物を使用していないので低血糖は生じません。
スーパー糖質制限食を実践している群の、HbA1cを測定して死亡率を検証してみたらいいのでしょうが、現実には臨床試験は困難ですね。
江部康二
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