2009年09月29日 (火)
お詫びと再訂正
「我ら糖尿人、元気なのには理由がある。」(東洋経済新報社)をご購入いただいた皆様、ありがとうございました。
一部、記載に誤りがありましたのでお詫び申し上げ、再訂正させていただきます。
99ページ、7行目
「なお、赤血球・網膜・角膜・水晶体だけはブドウ糖しか利用できません。」
↓
「なお、赤血球だけはブドウ糖しか利用できません。」
に再訂正します。
同様に
99ページ、8行目、10行目、13行目、100ページ6行目、
「赤血球・網膜・角膜・水晶体」
↓
「赤血球」
に再訂正します。
詳しく検討し直したところ、網膜・角膜・水晶体は、ミトコンドリアを有すことが判明しました。
誤った記載をして、申し訳ありませんでした。 m(_ _)m
結局、赤血球以外の全ての細胞がミトコンドリアを有するということです。
☆☆☆ <脳とブドウ糖・ケトン体・エネルギー源>
脳はブドウ糖だけでなくケトン体を利用します。(*)日常生活では心筋・骨格筋など多くの体細胞は脂肪酸・ケトン体を主エネルギー源としている)のに対して(**)脳・網膜・生殖腺胚上皮・角膜・水晶体はブドウ糖を利用しています。
そして赤血球は、ミトコンドリアを細胞内に持っていないのでブドウ糖だけが唯一のエネルギー源であり、脂肪酸・ケトン体は利用できません。
しかし、脳を含めてそれ以外のミトコンドリアを内部に有す細胞は全て、脂肪酸・ケトン体をエネルギー源にできます。
赤血球、脳、網膜などの糖輸送体はGlut1で常に細胞表面にあり、血液があれば常に血糖を取り込めます。
一方、心筋・骨格筋、脂肪などの糖輸送体はGlut4であり、常は細胞内に沈んでいて血糖をほとんど取り込めません。運動時あるいは糖質を摂取してインスリンが大量に追加分泌されたとき、Glut4は細胞表面にトランスロケーションして血糖を取り込みます。
糖質制限食を実践すれば血中ケトン体は従来の基準値より上昇しますが、インスリン作用は保たれており生理的です。
例えば、2型糖尿病でスーパー糖質制限食を7年間実践中である私の2009年6月のデータですが、
血中ケトン体値 945μM/L(26~122)、
HbA1c 5.3%
空腹時血糖値 93mg/dl
pH 7.45
尿中ケトン体 陰性
でした。
糖質制限食開始後3ヶ月~半年間は尿中ケトン体が陽性となりますが、その後は陰性化することが多いです。
心筋・骨格筋などの利用効率がよくなることと腎臓の再吸収がよくなるためと考えられます。
*ハーパー生化学(原書27版):194、上代淑人監訳.丸善株式会社.2007
**ハーパー生化学(原書27版):157、上代淑人監訳.丸善株式会社.2007
江部康二
「我ら糖尿人、元気なのには理由がある。」(東洋経済新報社)をご購入いただいた皆様、ありがとうございました。
一部、記載に誤りがありましたのでお詫び申し上げ、再訂正させていただきます。
99ページ、7行目
「なお、赤血球・網膜・角膜・水晶体だけはブドウ糖しか利用できません。」
↓
「なお、赤血球だけはブドウ糖しか利用できません。」
に再訂正します。
同様に
99ページ、8行目、10行目、13行目、100ページ6行目、
「赤血球・網膜・角膜・水晶体」
↓
「赤血球」
に再訂正します。
詳しく検討し直したところ、網膜・角膜・水晶体は、ミトコンドリアを有すことが判明しました。
誤った記載をして、申し訳ありませんでした。 m(_ _)m
結局、赤血球以外の全ての細胞がミトコンドリアを有するということです。
☆☆☆ <脳とブドウ糖・ケトン体・エネルギー源>
脳はブドウ糖だけでなくケトン体を利用します。(*)日常生活では心筋・骨格筋など多くの体細胞は脂肪酸・ケトン体を主エネルギー源としている)のに対して(**)脳・網膜・生殖腺胚上皮・角膜・水晶体はブドウ糖を利用しています。
そして赤血球は、ミトコンドリアを細胞内に持っていないのでブドウ糖だけが唯一のエネルギー源であり、脂肪酸・ケトン体は利用できません。
しかし、脳を含めてそれ以外のミトコンドリアを内部に有す細胞は全て、脂肪酸・ケトン体をエネルギー源にできます。
赤血球、脳、網膜などの糖輸送体はGlut1で常に細胞表面にあり、血液があれば常に血糖を取り込めます。
一方、心筋・骨格筋、脂肪などの糖輸送体はGlut4であり、常は細胞内に沈んでいて血糖をほとんど取り込めません。運動時あるいは糖質を摂取してインスリンが大量に追加分泌されたとき、Glut4は細胞表面にトランスロケーションして血糖を取り込みます。
糖質制限食を実践すれば血中ケトン体は従来の基準値より上昇しますが、インスリン作用は保たれており生理的です。
例えば、2型糖尿病でスーパー糖質制限食を7年間実践中である私の2009年6月のデータですが、
血中ケトン体値 945μM/L(26~122)、
HbA1c 5.3%
空腹時血糖値 93mg/dl
pH 7.45
尿中ケトン体 陰性
でした。
糖質制限食開始後3ヶ月~半年間は尿中ケトン体が陽性となりますが、その後は陰性化することが多いです。
心筋・骨格筋などの利用効率がよくなることと腎臓の再吸収がよくなるためと考えられます。
*ハーパー生化学(原書27版):194、上代淑人監訳.丸善株式会社.2007
**ハーパー生化学(原書27版):157、上代淑人監訳.丸善株式会社.2007
江部康二
2009年09月28日 (月)
こんにちは。
朝から雨がしとしと降ってます。久しぶりの雨です。
今年は、松茸が数年ぶりの豊作らしいですね。
久しぶりに北朝鮮・中国・カナダ・スエーデン・モロッコとおさらばして、国産ゲットを密かに狙っている江部康二です。
さて今回は、1型糖尿人のIDDMランナー さんから、糖質制限食で血糖コントロール劇的改善という
嬉しいコメントをいただきました。
1型の皆さんに、おおいに参考になると思いますので記事にアップしました。
「09/09/27 IDDMランナー
はじめまして!
1型糖尿病歴4年目、50歳のIDDMランナーと申します。1型糖尿病を発症した時は絶望もしましたが、江部先生の本とその中で紹介されていた「バーンスタイン医師の糖尿病の解決」に出会い、血糖コントロールは劇的に変わりました。本当に感謝しています。
1型糖尿病という病気は本当に恐ろしい病気ですが、入院中に絶望の中から「この病気に負けてたまるか!」という闘志が沸々と湧いてきました。まずは勉強と糖尿病関係の本を必死に読み漁り、江部先生の「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」に辿り着いたのはラッキーでした。
今では発病前の趣味だったマラソンを再開し、今年1月には「いぶすき菜の花マラソン」でフルマラソンカムバックを果たし、6月には「阿蘇カルデラスーパーマラソン」で50kmも完走出来ました。
低糖質ダイエットを始めてから、脂肪燃焼のメインエンジンの性能がアップしたようで、マラソンでの後半の失速が少なくなりました。また空腹状態で運動してもつらくありませんし、インスリン注射も少量で済むため低血糖になることもほとんどありません。
今日、先生の新著「我ら糖尿人…」を読み終えました。また新しい知識を得るとともに、時々くじけそうになる自分の意志を再度蘇えらせてくれるパワーをこの本から貰いました。
これからも糖質制限食のパイオニアとして、日本中の糖尿病患者を旧い治療法から救い出して下さい。私も「IDDMランナーの日記」というブログで少しでも、江部式・バーンスタイン式(勝手にネーミングしてすみません)血糖コントロール法をアナウンスしていきます!
今後ともご指導よろしくお願いします。」
IDDMランナーさん。
本のご購入、そして貴重な体験報告、ありがとうございます。
血糖コントロールの劇的改善、良かったですね。
またインスリンの注射量が少なくてすむため低血糖になることがほとんどないのも、素晴らしいアドバンテージです。
インスリンは人体に必要不可欠なものですが、注射量が少なくてすむほど代謝には優しいです。
「1型糖尿病は、血糖値の乱高下があり、コントロールが困難である。」というのが、日本の常識なのですが、これはカロリー計算をして、糖質の摂取量の計算をしないことからくる弊害です。
1gの糖質が体重64kgの1型糖尿人の血糖値を約5mg上昇させます。炊いた白ご飯茶碗1杯150g(約250キロカロリー)には55.3gの糖質が含まれており、血糖値をピーク276.5mg上昇させます。
一方、サーロインステーキ200g(約1000キロカロリー)には、糖質含有量は1gもありません。タンパク質は約46g含まれています。
2型糖尿人の場合、タンパク質は計算しなくていいのですが、1型糖尿人の場合、1gのタンパク質が血糖値を0.93mg上昇させます。
従って、サーロインステーキ200g(約1000キロカロリー)を1型糖尿人が食べたら、糖質分の上昇はほとんどありませんが、タンパク質分が約43mg血糖値を上昇させる計算です。
1型糖尿人は、余裕があるときは、タンパク質の計算もするとより正確に食後血糖値上昇の予測ができます。でも面倒くさいときは、糖質の計算だけでいいです。糖質の計算だけでも血糖値の乱高下はほぼ防ぐことができます。
一方、上述のご飯とステーキの例でも明らかなように、カロリー計算では食後血糖値の上昇は全く予測不能です。
そのため、従来の糖尿病食(カロリー制限が主)を摂取している場合、血糖値の乱高下が生じて、生活の質は低下する可能性が高いのです。
ADA(米国糖尿病協会)の2008年度実施臨床勧告で「糖質のモニタリングは血糖管理の鍵となる」とgradeAで推奨し、「減量が望まれる糖尿病患者には低カロリー食、もしくは低炭水化物食によるダイエットが推奨される」と低糖質食(糖質制限食)を支持する見解が初めてだされました。
ちなみに米国では、1型糖尿病患者さんには、糖質管理食はごく一般的に推奨されています。日本では、残念ながら糖尿病学会のガイドラインにおいて、糖質管理食でさえも見事に無視されています。
ただここ、数年一部の糖尿病専門医は、1型糖尿病に糖質管理食を積極的に導入されており、とても好ましいことと思います。
「低糖質ダイエットを始めてから、脂肪燃焼のメインエンジンの性能がアップしたようで、マラソンでの後半の失速が少なくなりました。また空腹状態で運動してもつらくありません。」
これも良かったですね。
糖質制限食で脂肪酸・ケトン体エネルギーシステムが活性化するので、その分筋肉中のグリコーゲンが節約できます。それで持続力が向上するわけですね。
持久力向上は、他の沢山のブログ読者の皆さんからもご報告いただいてますので、間違いなく糖質制限食の効果があるものと思います。
IDDMランナー さん、これからも美味しく楽しく末長く、糖質制限食をお続けくださいね。
☆☆☆参考
<糖質管理食と糖質制限食>
三大栄養素である、糖質・脂質・タンパク質のうち、血糖値を急峻に上昇させるのは糖質だけです。これは、カロリーとは無関係の、各栄養素の生理学的特質です。
このことに注目して、糖質摂取を制限して血糖コントロールするのが、高雄病院で推奨する「糖質制限食(carbohydrate restriction)」です。
一方、糖質だけが血糖値を上昇させることを前提に、一回の食事の糖質摂取量を計算して、血糖コントロールをめざすのが糖質管理食(carbohydrate counting)で、欧米では定着している食事療法です。
これには、1993年に発表された米国の1型糖尿病研究・DCCTにおいて、糖質管理食が成功を収めたことが、大きく関係しています。
また、1999年度ミス・アメリカのニコール・ジョンソンさん(1型糖尿病)の食事療法が糖質管理食であり、本も書かれたことも欧米での普及に役立ちました。
日本では、欧米では一般的な糖質管理食もそれほど普及していないのが現状です。しかし、2005年の日本糖尿病学会総会で、米国から糖質管理食の専門医が招聘されてシンポジウムが開催された後、徐々に糖質管理食を導入する糖尿病専門医療機関が増えてきています。
また、2006年3月に「かんたんカーボカウント」(医薬ジャーナル)という
糖質管理食の本が大阪市大の小児科グループにより出版されました。
2008年1月の米国糖尿病協会(ADA)の栄養勧告では、「炭水化物をモニタリングすることは、炭水化物計算にしろ、炭水化物交換にしろ、経験に基づく評価にしろ、血糖コントロールを達成するための鍵となる戦略である。」と、炭水化物(糖質)を日常的に継続的に点検することを、強く推奨しています。この中の、炭水化物を計算する方法が、糖質管理食です。
糖質管理食は、基本的に3食とも主食(糖質)を摂取することを前提に、その糖質の一回の摂取量を計算します。血糖値を上昇させるのはほとんど糖質だけなので、例えば血糖コントロールに必要なインスリンの量を決めるのにはとても役に立ちます。
糖尿病というと、甘いもの(砂糖)がよくないと誰でも思いがちですが、実は、特に砂糖だけが、血糖コントロールに悪影響を与えるという事実はありません。
「ご飯もパンもせんべいもうどんもラーメンもケーキも砂糖も、その中に含まれている糖質の量に比例して、血糖値を上昇させる」ということが生理学的事実です。
糖質管理食は、糖質だけをグラム計算するシンプルな方法です。従来のカロリー制限優先の糖尿病食に比し、カロリー計算や食品交換表は不要なので、楽に実践できると思います。
いつも述べてますように、1gの糖質が2型糖尿病の人の血糖値を約3mg、1型糖尿病の人の血糖値を約5g上昇させます。
「糖質→血糖値上昇」というシンプルな事柄に着目した糖尿病の食事療法という意味では、欧米の「糖質管理食」と高雄病院の「糖質制限食」は親戚筋といえます。
「糖質管理食」という考え方をさらに発展させ、3食とも主食を摂取しなくても良いと徹底したのが、高雄病院の「糖質制限食」という見方もできます。
1型糖尿病、2型糖尿病でもインスリン注射をしている糖尿人は、主治医とよく相談されて、糖質制限食が無理なら、せめて糖質管理食を実践されると、血糖値の乱高下がなくなり、コントロールしやすくなりますよ。 ヾ(^▽^)
朝から雨がしとしと降ってます。久しぶりの雨です。
今年は、松茸が数年ぶりの豊作らしいですね。
久しぶりに北朝鮮・中国・カナダ・スエーデン・モロッコとおさらばして、国産ゲットを密かに狙っている江部康二です。
さて今回は、1型糖尿人のIDDMランナー さんから、糖質制限食で血糖コントロール劇的改善という
嬉しいコメントをいただきました。
1型の皆さんに、おおいに参考になると思いますので記事にアップしました。
「09/09/27 IDDMランナー
はじめまして!
1型糖尿病歴4年目、50歳のIDDMランナーと申します。1型糖尿病を発症した時は絶望もしましたが、江部先生の本とその中で紹介されていた「バーンスタイン医師の糖尿病の解決」に出会い、血糖コントロールは劇的に変わりました。本当に感謝しています。
1型糖尿病という病気は本当に恐ろしい病気ですが、入院中に絶望の中から「この病気に負けてたまるか!」という闘志が沸々と湧いてきました。まずは勉強と糖尿病関係の本を必死に読み漁り、江部先生の「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」に辿り着いたのはラッキーでした。
今では発病前の趣味だったマラソンを再開し、今年1月には「いぶすき菜の花マラソン」でフルマラソンカムバックを果たし、6月には「阿蘇カルデラスーパーマラソン」で50kmも完走出来ました。
低糖質ダイエットを始めてから、脂肪燃焼のメインエンジンの性能がアップしたようで、マラソンでの後半の失速が少なくなりました。また空腹状態で運動してもつらくありませんし、インスリン注射も少量で済むため低血糖になることもほとんどありません。
今日、先生の新著「我ら糖尿人…」を読み終えました。また新しい知識を得るとともに、時々くじけそうになる自分の意志を再度蘇えらせてくれるパワーをこの本から貰いました。
これからも糖質制限食のパイオニアとして、日本中の糖尿病患者を旧い治療法から救い出して下さい。私も「IDDMランナーの日記」というブログで少しでも、江部式・バーンスタイン式(勝手にネーミングしてすみません)血糖コントロール法をアナウンスしていきます!
今後ともご指導よろしくお願いします。」
IDDMランナーさん。
本のご購入、そして貴重な体験報告、ありがとうございます。
血糖コントロールの劇的改善、良かったですね。
またインスリンの注射量が少なくてすむため低血糖になることがほとんどないのも、素晴らしいアドバンテージです。
インスリンは人体に必要不可欠なものですが、注射量が少なくてすむほど代謝には優しいです。
「1型糖尿病は、血糖値の乱高下があり、コントロールが困難である。」というのが、日本の常識なのですが、これはカロリー計算をして、糖質の摂取量の計算をしないことからくる弊害です。
1gの糖質が体重64kgの1型糖尿人の血糖値を約5mg上昇させます。炊いた白ご飯茶碗1杯150g(約250キロカロリー)には55.3gの糖質が含まれており、血糖値をピーク276.5mg上昇させます。
一方、サーロインステーキ200g(約1000キロカロリー)には、糖質含有量は1gもありません。タンパク質は約46g含まれています。
2型糖尿人の場合、タンパク質は計算しなくていいのですが、1型糖尿人の場合、1gのタンパク質が血糖値を0.93mg上昇させます。
従って、サーロインステーキ200g(約1000キロカロリー)を1型糖尿人が食べたら、糖質分の上昇はほとんどありませんが、タンパク質分が約43mg血糖値を上昇させる計算です。
1型糖尿人は、余裕があるときは、タンパク質の計算もするとより正確に食後血糖値上昇の予測ができます。でも面倒くさいときは、糖質の計算だけでいいです。糖質の計算だけでも血糖値の乱高下はほぼ防ぐことができます。
一方、上述のご飯とステーキの例でも明らかなように、カロリー計算では食後血糖値の上昇は全く予測不能です。
そのため、従来の糖尿病食(カロリー制限が主)を摂取している場合、血糖値の乱高下が生じて、生活の質は低下する可能性が高いのです。
ADA(米国糖尿病協会)の2008年度実施臨床勧告で「糖質のモニタリングは血糖管理の鍵となる」とgradeAで推奨し、「減量が望まれる糖尿病患者には低カロリー食、もしくは低炭水化物食によるダイエットが推奨される」と低糖質食(糖質制限食)を支持する見解が初めてだされました。
ちなみに米国では、1型糖尿病患者さんには、糖質管理食はごく一般的に推奨されています。日本では、残念ながら糖尿病学会のガイドラインにおいて、糖質管理食でさえも見事に無視されています。
ただここ、数年一部の糖尿病専門医は、1型糖尿病に糖質管理食を積極的に導入されており、とても好ましいことと思います。
「低糖質ダイエットを始めてから、脂肪燃焼のメインエンジンの性能がアップしたようで、マラソンでの後半の失速が少なくなりました。また空腹状態で運動してもつらくありません。」
これも良かったですね。
糖質制限食で脂肪酸・ケトン体エネルギーシステムが活性化するので、その分筋肉中のグリコーゲンが節約できます。それで持続力が向上するわけですね。
持久力向上は、他の沢山のブログ読者の皆さんからもご報告いただいてますので、間違いなく糖質制限食の効果があるものと思います。
IDDMランナー さん、これからも美味しく楽しく末長く、糖質制限食をお続けくださいね。
☆☆☆参考
<糖質管理食と糖質制限食>
三大栄養素である、糖質・脂質・タンパク質のうち、血糖値を急峻に上昇させるのは糖質だけです。これは、カロリーとは無関係の、各栄養素の生理学的特質です。
このことに注目して、糖質摂取を制限して血糖コントロールするのが、高雄病院で推奨する「糖質制限食(carbohydrate restriction)」です。
一方、糖質だけが血糖値を上昇させることを前提に、一回の食事の糖質摂取量を計算して、血糖コントロールをめざすのが糖質管理食(carbohydrate counting)で、欧米では定着している食事療法です。
これには、1993年に発表された米国の1型糖尿病研究・DCCTにおいて、糖質管理食が成功を収めたことが、大きく関係しています。
また、1999年度ミス・アメリカのニコール・ジョンソンさん(1型糖尿病)の食事療法が糖質管理食であり、本も書かれたことも欧米での普及に役立ちました。
日本では、欧米では一般的な糖質管理食もそれほど普及していないのが現状です。しかし、2005年の日本糖尿病学会総会で、米国から糖質管理食の専門医が招聘されてシンポジウムが開催された後、徐々に糖質管理食を導入する糖尿病専門医療機関が増えてきています。
また、2006年3月に「かんたんカーボカウント」(医薬ジャーナル)という
糖質管理食の本が大阪市大の小児科グループにより出版されました。
2008年1月の米国糖尿病協会(ADA)の栄養勧告では、「炭水化物をモニタリングすることは、炭水化物計算にしろ、炭水化物交換にしろ、経験に基づく評価にしろ、血糖コントロールを達成するための鍵となる戦略である。」と、炭水化物(糖質)を日常的に継続的に点検することを、強く推奨しています。この中の、炭水化物を計算する方法が、糖質管理食です。
糖質管理食は、基本的に3食とも主食(糖質)を摂取することを前提に、その糖質の一回の摂取量を計算します。血糖値を上昇させるのはほとんど糖質だけなので、例えば血糖コントロールに必要なインスリンの量を決めるのにはとても役に立ちます。
糖尿病というと、甘いもの(砂糖)がよくないと誰でも思いがちですが、実は、特に砂糖だけが、血糖コントロールに悪影響を与えるという事実はありません。
「ご飯もパンもせんべいもうどんもラーメンもケーキも砂糖も、その中に含まれている糖質の量に比例して、血糖値を上昇させる」ということが生理学的事実です。
糖質管理食は、糖質だけをグラム計算するシンプルな方法です。従来のカロリー制限優先の糖尿病食に比し、カロリー計算や食品交換表は不要なので、楽に実践できると思います。
いつも述べてますように、1gの糖質が2型糖尿病の人の血糖値を約3mg、1型糖尿病の人の血糖値を約5g上昇させます。
「糖質→血糖値上昇」というシンプルな事柄に着目した糖尿病の食事療法という意味では、欧米の「糖質管理食」と高雄病院の「糖質制限食」は親戚筋といえます。
「糖質管理食」という考え方をさらに発展させ、3食とも主食を摂取しなくても良いと徹底したのが、高雄病院の「糖質制限食」という見方もできます。
1型糖尿病、2型糖尿病でもインスリン注射をしている糖尿人は、主治医とよく相談されて、糖質制限食が無理なら、せめて糖質管理食を実践されると、血糖値の乱高下がなくなり、コントロールしやすくなりますよ。 ヾ(^▽^)
2009年09月27日 (日)
こんばんは。
2009年1月21日に諏訪中央病院で「糖質制限食」の講演会を行いました。
長野県民の皆さん、あの時は多数ご参加いただき、ありがとうございました。m(_ _)m
今回は、信州では久しぶりの講演会を、「信州つばさネット」の皆さんのお力を借りて開催することとなりました。
糖質制限食の最新理論と症例などを、わかりやすくお話しします。糖質制限食の講演内容は、ほぼ毎回バージョン・アップしていますので前回こられた方も退屈はされないと思いますよ。 (^_^)
今回の公開講座は、佐橋紀子先生(元飯田女史短大教授)とのジョイントです。
佐橋先生は、とても経験豊富な糖尿人です。インスリン注射も打っておられます。高雄病院に入院して糖質制限食を実践され、インスリンの量は1/3に減量できました。
入院中のこと、退院後のこと、成功談、失敗談含めていろんな体験談を語っていただけます。
美味しく楽しく、酒も肉も魚もOK、でカロリー計算なしの糖質制限食、信州・長野県民の皆さん、是非、足をお運び下さいね。ヾ(^▽^)
江部康二
以下は佐橋紀子先生からのメッセージです。
☆☆☆☆☆
『私は昨年8月、2週間高雄病院に入院し、江部先生と出会いました。
糖尿病歴28年のつわものでした。これ以上酷くなれば合併症の花盛りになるところでした。
それが糖質制限食との出会いによって、奇跡とも言うべき変化が起こりました。
空腹時血糖は半分に、血糖降下剤はゼロに、インスリンは1/3になりました。
こんな劇的効果をもたらす治療法をなぜ今まで知らなかったのか、とても無念でした。
私は江部先生に出会って命を救われましたが、自分さえよければいいというものではありません。
一人でも多くの人にこの糖質制限食のことを知って頂きたくて、講演会を企画しました。
それが先生に対する感謝の気持ちであり、社会に対する責務ではないかと思っています。
今年2月の名古屋市女性会館での講演会は、先生の明快な講義と、私の患者としての経験や驚きをお話いたしました。
医師と患者のジョイント講演会が、私たちの企画の特徴です。
しかし、定員が150人だったため、多くの方々をお断りすることになり、大変申し訳なく思っています。
今回の信州松川では、400人収容できる会場を用意いたしました。今度はたっぷりお入りいただけます。
どうぞみなさま、この機会に秋の信州においでください。目からウロコのお話が聞けること請け合いです。
申し遅れましたが、”翼”は自主学習グループで、結成15年、会員は210名になりました。
たった一度の人生を豊かに生きたい、と学ぶ自主グループです。
江部先生も会員になってくださったおかげで、遠い信州まで来てくださることになり、感謝しています。
Human life Info Net “翼” 代表 佐橋紀子』
☆☆☆☆☆
糖尿病・メタボは必ず良くなる! 信州つばさネット公開講座2009
-目からウロコ!の糖質制限食-
講師:佐橋紀子先生
HUMAN LIFE INFO NET ”翼”代表 元飯田女子短大教授
「私の奇跡体験 患者の立場から」
江部康二
高雄病院理事長
「糖尿人医師、糖質制限食を語る」
とき:2009年10月3日(土) 午後1:00~4:00
ところ:信州松川町民体育館 トレーニングルーム
参加費:800円
主催:信州つばさネット/HUMAN LIFE INFO NET 翼
申込先:平沢文子(0265-34-7330 ”介護のかふね 松川店”
大澤み江(0265-36-3154)
野口次郎(0265-23-8824)
後援:松川町/松川町教育委員会/松川町公民館/松川町社会福祉協議会
2009年1月21日に諏訪中央病院で「糖質制限食」の講演会を行いました。
長野県民の皆さん、あの時は多数ご参加いただき、ありがとうございました。m(_ _)m
今回は、信州では久しぶりの講演会を、「信州つばさネット」の皆さんのお力を借りて開催することとなりました。
糖質制限食の最新理論と症例などを、わかりやすくお話しします。糖質制限食の講演内容は、ほぼ毎回バージョン・アップしていますので前回こられた方も退屈はされないと思いますよ。 (^_^)
今回の公開講座は、佐橋紀子先生(元飯田女史短大教授)とのジョイントです。
佐橋先生は、とても経験豊富な糖尿人です。インスリン注射も打っておられます。高雄病院に入院して糖質制限食を実践され、インスリンの量は1/3に減量できました。
入院中のこと、退院後のこと、成功談、失敗談含めていろんな体験談を語っていただけます。
美味しく楽しく、酒も肉も魚もOK、でカロリー計算なしの糖質制限食、信州・長野県民の皆さん、是非、足をお運び下さいね。ヾ(^▽^)
江部康二
以下は佐橋紀子先生からのメッセージです。
☆☆☆☆☆
『私は昨年8月、2週間高雄病院に入院し、江部先生と出会いました。
糖尿病歴28年のつわものでした。これ以上酷くなれば合併症の花盛りになるところでした。
それが糖質制限食との出会いによって、奇跡とも言うべき変化が起こりました。
空腹時血糖は半分に、血糖降下剤はゼロに、インスリンは1/3になりました。
こんな劇的効果をもたらす治療法をなぜ今まで知らなかったのか、とても無念でした。
私は江部先生に出会って命を救われましたが、自分さえよければいいというものではありません。
一人でも多くの人にこの糖質制限食のことを知って頂きたくて、講演会を企画しました。
それが先生に対する感謝の気持ちであり、社会に対する責務ではないかと思っています。
今年2月の名古屋市女性会館での講演会は、先生の明快な講義と、私の患者としての経験や驚きをお話いたしました。
医師と患者のジョイント講演会が、私たちの企画の特徴です。
しかし、定員が150人だったため、多くの方々をお断りすることになり、大変申し訳なく思っています。
今回の信州松川では、400人収容できる会場を用意いたしました。今度はたっぷりお入りいただけます。
どうぞみなさま、この機会に秋の信州においでください。目からウロコのお話が聞けること請け合いです。
申し遅れましたが、”翼”は自主学習グループで、結成15年、会員は210名になりました。
たった一度の人生を豊かに生きたい、と学ぶ自主グループです。
江部先生も会員になってくださったおかげで、遠い信州まで来てくださることになり、感謝しています。
Human life Info Net “翼” 代表 佐橋紀子』
☆☆☆☆☆
糖尿病・メタボは必ず良くなる! 信州つばさネット公開講座2009
-目からウロコ!の糖質制限食-
講師:佐橋紀子先生
HUMAN LIFE INFO NET ”翼”代表 元飯田女子短大教授
「私の奇跡体験 患者の立場から」
江部康二
高雄病院理事長
「糖尿人医師、糖質制限食を語る」
とき:2009年10月3日(土) 午後1:00~4:00
ところ:信州松川町民体育館 トレーニングルーム
参加費:800円
主催:信州つばさネット/HUMAN LIFE INFO NET 翼
申込先:平沢文子(0265-34-7330 ”介護のかふね 松川店”
大澤み江(0265-36-3154)
野口次郎(0265-23-8824)
後援:松川町/松川町教育委員会/松川町公民館/松川町社会福祉協議会
2009年09月27日 (日)
おはようございます。
今日もとてもいい天気です。ここんとこ秋晴れが続いています。
秋なのですが、昨夜はちょっと早めにちょっと贅沢に今年初の河豚のコースを食べました。 (^^)
勿論養殖ものですよ。
てっぴ、てっさ、唐揚げ、焼き河豚、てっちり、雑炊とフルコースで、蛮勇を奮って、雑炊も適量?美味しく楽しくいただきました。赤ワインと焼酎も飲みました。
ちょっと心配だったので、今朝血糖自己測定器で空腹時血糖値を測定したところ、115mg/dlでまあなんとか境界型レベルだったのでほっと一息です。唐揚げ、雑炊はおいといて、ふぐは糖質制限な食材ですね。
河豚の猛毒は「あたれば死ぬ」ということから、河豚のことを鉄砲と呼ぶようになり、略称として鉄とも呼ばれるようになったそうです。
それで、
ふぐの皮→鉄砲の皮→てっぴ
ふぐの刺身→鉄砲の刺身→てっさ
ふぐの鍋→鉄砲のちり鍋→てっちり
ということなのですね。
江部康二
今日もとてもいい天気です。ここんとこ秋晴れが続いています。
秋なのですが、昨夜はちょっと早めにちょっと贅沢に今年初の河豚のコースを食べました。 (^^)
勿論養殖ものですよ。
てっぴ、てっさ、唐揚げ、焼き河豚、てっちり、雑炊とフルコースで、蛮勇を奮って、雑炊も適量?美味しく楽しくいただきました。赤ワインと焼酎も飲みました。
ちょっと心配だったので、今朝血糖自己測定器で空腹時血糖値を測定したところ、115mg/dlでまあなんとか境界型レベルだったのでほっと一息です。唐揚げ、雑炊はおいといて、ふぐは糖質制限な食材ですね。
河豚の猛毒は「あたれば死ぬ」ということから、河豚のことを鉄砲と呼ぶようになり、略称として鉄とも呼ばれるようになったそうです。
それで、
ふぐの皮→鉄砲の皮→てっぴ
ふぐの刺身→鉄砲の刺身→てっさ
ふぐの鍋→鉄砲のちり鍋→てっちり
ということなのですね。
江部康二
2009年09月25日 (金)
こんばんは。
今日も日中は暑かったです。澄んだ秋の空気なので、車のフロントガラス越しにもジリジリと太陽が照りつけ、かえって夏より日焼けしそうです。
さて、「我ら糖尿人、元気なのには理由がある。」の記載の一部訂正をブログに載せましたが、何のことやらわかりにくいと思いますので、以下補足しておきます。
脳はブドウ糖だけでなくケトン体を利用します。日常生活では心筋・骨格筋など多くの体細胞は、脂肪酸・ケトン体を主エネルギー源としています(*)。それに対して、脳・網膜・赤血球・生殖腺胚上皮は日常的にブドウ糖を利用しています。
そして赤血球は、ミトコンドリアを細胞内に持っていないのでブドウ糖だけが唯一のエネルギー源であり、脂肪酸・ケトン体は利用できません。
しかし脳を含めてそれ以外のミトコンドリアを内部に有す細胞は全て、脂肪酸・ケトン体をエネルギー源にできます。
赤血球、脳などの糖輸送体はGlut1で常に細胞表面にあり、血液があれば常に血糖を取り込めます。
一方心筋・骨格筋、脂肪などの糖輸送体はGlut4であり、常は細胞内に沈んでいて血糖をほとんど取り込めません。
運動時あるいは糖質を摂取してインスリンが大量に追加分泌されたとき、Glut4は細胞表面にトランスロケーションして血糖を取り込みます。
糖質制限食を実践すれば、血中ケトン体は従来の基準値より上昇しますが、インスリン作用は保たれており生理的です。
例えば2型糖尿病で低糖質食を7年間実践中である私の
2009年6月の
血中ケトン体値は945μM/L(26~122)、
HbA1c5.3%、
空腹時血糖値93mg/dl、
pH7.45、
尿中ケトン体陰性
でした。
(*)ハーパー生化学(原書27版):157、上代淑人監訳.丸善株式会社.2007
江部康二
今日も日中は暑かったです。澄んだ秋の空気なので、車のフロントガラス越しにもジリジリと太陽が照りつけ、かえって夏より日焼けしそうです。
さて、「我ら糖尿人、元気なのには理由がある。」の記載の一部訂正をブログに載せましたが、何のことやらわかりにくいと思いますので、以下補足しておきます。
脳はブドウ糖だけでなくケトン体を利用します。日常生活では心筋・骨格筋など多くの体細胞は、脂肪酸・ケトン体を主エネルギー源としています(*)。それに対して、脳・網膜・赤血球・生殖腺胚上皮は日常的にブドウ糖を利用しています。
そして赤血球は、ミトコンドリアを細胞内に持っていないのでブドウ糖だけが唯一のエネルギー源であり、脂肪酸・ケトン体は利用できません。
しかし脳を含めてそれ以外のミトコンドリアを内部に有す細胞は全て、脂肪酸・ケトン体をエネルギー源にできます。
赤血球、脳などの糖輸送体はGlut1で常に細胞表面にあり、血液があれば常に血糖を取り込めます。
一方心筋・骨格筋、脂肪などの糖輸送体はGlut4であり、常は細胞内に沈んでいて血糖をほとんど取り込めません。
運動時あるいは糖質を摂取してインスリンが大量に追加分泌されたとき、Glut4は細胞表面にトランスロケーションして血糖を取り込みます。
糖質制限食を実践すれば、血中ケトン体は従来の基準値より上昇しますが、インスリン作用は保たれており生理的です。
例えば2型糖尿病で低糖質食を7年間実践中である私の
2009年6月の
血中ケトン体値は945μM/L(26~122)、
HbA1c5.3%、
空腹時血糖値93mg/dl、
pH7.45、
尿中ケトン体陰性
でした。
(*)ハーパー生化学(原書27版):157、上代淑人監訳.丸善株式会社.2007
江部康二
2009年09月24日 (木)
お詫びと訂正
「我ら糖尿人、元気なのには理由がある。」(東洋経済新報社)をご購入いただいた皆様、ありがとうございました。
一部、記載に誤りがありましたのでお詫び申し上げ、訂正させていただきます。
99ページ、7行目
「なお、赤血球・網膜・角膜・水晶体だけはブドウ糖しか利用できません。」
↓
「なお、赤血球・角膜・水晶体だけはブドウ糖しか利用できません。」
に訂正します。
同様に
99ページ、8行目、10行目、13行目、
100ページ6行目、
「赤血球・網膜・角膜・水晶体」
↓
「赤血球・角膜・水晶体」
に訂正します。
詳しく検討し直したところ、網膜はミトコンドリアを有すことが判明しました。
誤った記載をして、申し訳ありませんでした。 m(_ _)m
江部康二
「我ら糖尿人、元気なのには理由がある。」(東洋経済新報社)をご購入いただいた皆様、ありがとうございました。
一部、記載に誤りがありましたのでお詫び申し上げ、訂正させていただきます。
99ページ、7行目
「なお、赤血球・網膜・角膜・水晶体だけはブドウ糖しか利用できません。」
↓
「なお、赤血球・角膜・水晶体だけはブドウ糖しか利用できません。」
に訂正します。
同様に
99ページ、8行目、10行目、13行目、
100ページ6行目、
「赤血球・網膜・角膜・水晶体」
↓
「赤血球・角膜・水晶体」
に訂正します。
詳しく検討し直したところ、網膜はミトコンドリアを有すことが判明しました。
誤った記載をして、申し訳ありませんでした。 m(_ _)m
江部康二
2009年09月24日 (木)
こんばんは。
昼間は暑かったけど、夜は涼しいですね。虫の音も、様になってきました。秋は一番好きな季節です。
さて今回は、スターレットさんから、インスリンと血糖値についてコメント・質問をいただきました。
「09/09/22 スターレット
ご指導ください
お世話になります。私は、今身長177、体重53です。
少しやせ気味だと思うのですが、糖質制限食をしていいのでしょうか。
あと1Uのノボラピットでどのくらい血糖値が下がるのか?知りたいのですが、1500ルール?がいまいちよくわかりません。
先月から毎回の単位が半分になり1日32Uから18Uになりました。それで計算すると約83となり、しかし測定してみてもそんなに下がりません。平均35~40位でしょうか。お手数ですが、今一度1Uでどれだけの血糖値が下がるかの予測計算方式や実践結果などを知りたいのですが、よろしくおねがいします。」
スターレットさん。
痩せ気味でも糖質制限食OKですが、脂質・タンパク質はしっかり摂取してエネルギー不足にならないようにしてくださいね。
1単位のノボラピッドインスリンが、どのくらい血糖値を下げるのかは個人差があります。ノボラピッドやヒューマログは超速効型インスリンです。追加分泌インスリンの役割を担っていて、毎食前に注射します。
ランタスやレベミルは長時間作用型のインスリンで、22時間程度持続しますので、基本は1日1回注射ですが、時に1日2回打つこともあります。こちらは基礎分泌インスリンの代わりを担っています。
それでは下記の計算法で、1単位のノボラピッドインスリンが、どのくらい血糖値を下げるか具体的に試してみましょう。
例えば
<朝空腹時血糖値測定>
<朝食前、超速効型インスリンを注射>
<朝食に摂取した糖質のグラム数を計算>
<朝食後1時間血糖値測定>
を行います。
1gの糖質が体重64kgの2型糖尿人の血糖値を約3mg/dl上昇させます。
スターレットさんは53kgなので、
3mg×64kg/53kg=約3.6mg上昇させます。
これを基に、仮にインスリン注射前の空腹時血糖値が120mgとすれば、糖質50gを摂取すると、(50g×3.6mgで)ピークの食後1時間血糖値は180mg上昇して300mgになるはずです。
6単位の超速効型インスリンを打って、食後1時間の血糖値が160mgなら、インスリン注射により(300mg-160mg)=140mg血糖値が下がったことになります。そうすると1単位のインスリンが(140mg÷6単位)=23mg血糖値を下げたことになります。
1単位のインスリンがどのくらい血糖値を下げるかは、かなり個人差が大きいです。(10mg~80mgなど)体調により少しはバラつくこともありますが、大雑把に自分のパターンを把握しておけば、血糖値の乱高下は起こりにくいですね。
スーパー糖質制限食を実践する場合は、1回の糖質摂取量が15~20g程度になるので低血糖にならないよう注意が必要です。
通常今までのカロリー制限食(高糖質食)に比し、糖質制限食を実践するとインスリンの量は1/3程度になります。
江部康二
昼間は暑かったけど、夜は涼しいですね。虫の音も、様になってきました。秋は一番好きな季節です。
さて今回は、スターレットさんから、インスリンと血糖値についてコメント・質問をいただきました。
「09/09/22 スターレット
ご指導ください
お世話になります。私は、今身長177、体重53です。
少しやせ気味だと思うのですが、糖質制限食をしていいのでしょうか。
あと1Uのノボラピットでどのくらい血糖値が下がるのか?知りたいのですが、1500ルール?がいまいちよくわかりません。
先月から毎回の単位が半分になり1日32Uから18Uになりました。それで計算すると約83となり、しかし測定してみてもそんなに下がりません。平均35~40位でしょうか。お手数ですが、今一度1Uでどれだけの血糖値が下がるかの予測計算方式や実践結果などを知りたいのですが、よろしくおねがいします。」
スターレットさん。
痩せ気味でも糖質制限食OKですが、脂質・タンパク質はしっかり摂取してエネルギー不足にならないようにしてくださいね。
1単位のノボラピッドインスリンが、どのくらい血糖値を下げるのかは個人差があります。ノボラピッドやヒューマログは超速効型インスリンです。追加分泌インスリンの役割を担っていて、毎食前に注射します。
ランタスやレベミルは長時間作用型のインスリンで、22時間程度持続しますので、基本は1日1回注射ですが、時に1日2回打つこともあります。こちらは基礎分泌インスリンの代わりを担っています。
それでは下記の計算法で、1単位のノボラピッドインスリンが、どのくらい血糖値を下げるか具体的に試してみましょう。
例えば
<朝空腹時血糖値測定>
<朝食前、超速効型インスリンを注射>
<朝食に摂取した糖質のグラム数を計算>
<朝食後1時間血糖値測定>
を行います。
1gの糖質が体重64kgの2型糖尿人の血糖値を約3mg/dl上昇させます。
スターレットさんは53kgなので、
3mg×64kg/53kg=約3.6mg上昇させます。
これを基に、仮にインスリン注射前の空腹時血糖値が120mgとすれば、糖質50gを摂取すると、(50g×3.6mgで)ピークの食後1時間血糖値は180mg上昇して300mgになるはずです。
6単位の超速効型インスリンを打って、食後1時間の血糖値が160mgなら、インスリン注射により(300mg-160mg)=140mg血糖値が下がったことになります。そうすると1単位のインスリンが(140mg÷6単位)=23mg血糖値を下げたことになります。
1単位のインスリンがどのくらい血糖値を下げるかは、かなり個人差が大きいです。(10mg~80mgなど)体調により少しはバラつくこともありますが、大雑把に自分のパターンを把握しておけば、血糖値の乱高下は起こりにくいですね。
スーパー糖質制限食を実践する場合は、1回の糖質摂取量が15~20g程度になるので低血糖にならないよう注意が必要です。
通常今までのカロリー制限食(高糖質食)に比し、糖質制限食を実践するとインスリンの量は1/3程度になります。
江部康二
2009年09月23日 (水)
こんばんは。
2009年1月21日に諏訪中央病院で「糖質制限食」の講演会を行いました。
長野県民の皆さん、あの時は多数ご参加いただき、ありがとうございました。m(_ _)m
今回は、信州では久しぶりの講演会を、「信州つばさネット」の皆さんのお力を借りて開催することとなりました。
糖質制限食の最新理論と症例などを、わかりやすくお話しします。糖質制限食の講演内容は、ほぼ毎回バージョン・アップしていますので前回こられた方も退屈はされないと思いますよ。 (^_^)
今回の公開講座は、佐橋紀子先生(元飯田女史短大教授)とのジョイントです。
佐橋先生は、とても経験豊富な糖尿人です。インスリン注射も打っておられます。高雄病院に入院して糖質制限食を実践され、インスリンの量は1/3に減量できました。
入院中のこと、退院後のこと、成功談、失敗談含めていろんな体験談を語っていただけます。
美味しく楽しく、酒も肉も魚もOK、でカロリー計算なしの糖質制限食、
信州・長野県民の皆さん、
是非、足をお運び下さいね。ヾ(^▽^)
江部康二
以下は佐橋紀子先生からのメッセージです。
☆☆☆☆☆
『私は昨年8月、2週間高雄病院に入院し、江部先生と出会いました。
糖尿病歴28年のつわものでした。これ以上酷くなれば合併症の花盛りになるところでした。
それが糖質制限食との出会いによって、奇跡とも言うべき変化が起こりました。
空腹時血糖は半分に、血糖降下剤はゼロに、インスリンは1/3になりました。
こんな劇的効果をもたらす治療法をなぜ今まで知らなかったのか、とても無念でした。
私は江部先生に出会って命を救われましたが、自分さえよければいいというものではありません。
一人でも多くの人にこの糖質制限食のことを知って頂きたくて、講演会を企画しました。
それが先生に対する感謝の気持ちであり、社会に対する責務ではないかと思っています。
今年2月の名古屋市女性会館での講演会は、先生の明快な講義と、私の患者としての経験や驚きをお話いたしました。
医師と患者のジョイント講演会が、私たちの企画の特徴です。
しかし、定員が150人だったため、多くの方々をお断りすることになり、大変申し訳なく思っています。
今回の信州松川では、400人収容できる会場を用意いたしました。今度はたっぷりお入りいただけます。
どうぞみなさま、この機会に秋の信州においでください。目からウロコのお話が聞けること請け合いです。
申し遅れましたが、”翼”は自主学習グループで、結成15年、会員は210名になりました。
たった一度の人生を豊かに生きたい、と学ぶ自主グループです。
江部先生も会員になってくださったおかげで、遠い信州まで来てくださることになり、感謝しています。
Human life Info Net “翼” 代表 佐橋紀子』
☆☆☆☆☆
糖尿病・メタボは必ず良くなる! 信州つばさネット公開講座2009
-目からウロコ!の糖質制限食-
講師:佐橋紀子先生
HUMAN LIFE INFO NET ”翼”代表 元飯田女子短大教授
「私の奇跡体験 患者の立場から」
江部康二
高雄病院理事長
「糖尿人医師、糖質制限食を語る」
とき:2009年10月3日(土) 午後1:00~4:00
ところ:信州松川町民体育館 トレーニングルーム
参加費:800円
主催:信州つばさネット/HUMAN LIFE INFO NET 翼
申込先:平沢文子(0265-34-7330 ”介護のかふね 松川店”
大澤み江(0265-36-3154)
野口次郎(0265-23-8824)
後援:松川町/松川町教育委員会/松川町公民館/松川町社会福祉協議会
2009年1月21日に諏訪中央病院で「糖質制限食」の講演会を行いました。
長野県民の皆さん、あの時は多数ご参加いただき、ありがとうございました。m(_ _)m
今回は、信州では久しぶりの講演会を、「信州つばさネット」の皆さんのお力を借りて開催することとなりました。
糖質制限食の最新理論と症例などを、わかりやすくお話しします。糖質制限食の講演内容は、ほぼ毎回バージョン・アップしていますので前回こられた方も退屈はされないと思いますよ。 (^_^)
今回の公開講座は、佐橋紀子先生(元飯田女史短大教授)とのジョイントです。
佐橋先生は、とても経験豊富な糖尿人です。インスリン注射も打っておられます。高雄病院に入院して糖質制限食を実践され、インスリンの量は1/3に減量できました。
入院中のこと、退院後のこと、成功談、失敗談含めていろんな体験談を語っていただけます。
美味しく楽しく、酒も肉も魚もOK、でカロリー計算なしの糖質制限食、
信州・長野県民の皆さん、
是非、足をお運び下さいね。ヾ(^▽^)
江部康二
以下は佐橋紀子先生からのメッセージです。
☆☆☆☆☆
『私は昨年8月、2週間高雄病院に入院し、江部先生と出会いました。
糖尿病歴28年のつわものでした。これ以上酷くなれば合併症の花盛りになるところでした。
それが糖質制限食との出会いによって、奇跡とも言うべき変化が起こりました。
空腹時血糖は半分に、血糖降下剤はゼロに、インスリンは1/3になりました。
こんな劇的効果をもたらす治療法をなぜ今まで知らなかったのか、とても無念でした。
私は江部先生に出会って命を救われましたが、自分さえよければいいというものではありません。
一人でも多くの人にこの糖質制限食のことを知って頂きたくて、講演会を企画しました。
それが先生に対する感謝の気持ちであり、社会に対する責務ではないかと思っています。
今年2月の名古屋市女性会館での講演会は、先生の明快な講義と、私の患者としての経験や驚きをお話いたしました。
医師と患者のジョイント講演会が、私たちの企画の特徴です。
しかし、定員が150人だったため、多くの方々をお断りすることになり、大変申し訳なく思っています。
今回の信州松川では、400人収容できる会場を用意いたしました。今度はたっぷりお入りいただけます。
どうぞみなさま、この機会に秋の信州においでください。目からウロコのお話が聞けること請け合いです。
申し遅れましたが、”翼”は自主学習グループで、結成15年、会員は210名になりました。
たった一度の人生を豊かに生きたい、と学ぶ自主グループです。
江部先生も会員になってくださったおかげで、遠い信州まで来てくださることになり、感謝しています。
Human life Info Net “翼” 代表 佐橋紀子』
☆☆☆☆☆
糖尿病・メタボは必ず良くなる! 信州つばさネット公開講座2009
-目からウロコ!の糖質制限食-
講師:佐橋紀子先生
HUMAN LIFE INFO NET ”翼”代表 元飯田女子短大教授
「私の奇跡体験 患者の立場から」
江部康二
高雄病院理事長
「糖尿人医師、糖質制限食を語る」
とき:2009年10月3日(土) 午後1:00~4:00
ところ:信州松川町民体育館 トレーニングルーム
参加費:800円
主催:信州つばさネット/HUMAN LIFE INFO NET 翼
申込先:平沢文子(0265-34-7330 ”介護のかふね 松川店”
大澤み江(0265-36-3154)
野口次郎(0265-23-8824)
後援:松川町/松川町教育委員会/松川町公民館/松川町社会福祉協議会
2009年09月23日 (水)
こんにちは。
今日は、お彼岸の法要で妙心寺までいってきました。久しぶりの般若心経と蝉の声がほどよく調和してました。
さて今回は米国のusa さんから、発病初期でのインスリン治療についてコメント・質問をいただきました。
「09/09/23 usa
発病初期でのインスリン治療
いつもお世話になりありがとうございます。こちらではどうしても日本の情報が無いので、またご意見をお聞かせ下さい、お願いします。
先日、発病後初めてCペプチドの検査を行い結果がきました。といっても正確な数値は知らされないのですが、手紙曰く、「low normal pancreatic insulin secretion(すい臓の基礎分泌量低下?)
」なので、食事の際、インスリン注射を始める事が必要だ」との事。インスリンはすい臓を痛めないし、今のあなたの分泌能力を保ち、また向上させるための効果もある」と付け加えています。
この数ヶ月、江部先生の「糖尿人の目標 糖尿病合併症予防のために」の数値を全てクリアしていたので、なぜインスリン注射が必要なのかと疑問に思いました。
そこで、他の日本の文献を調べたところ、同じような見解がでてきました。「発病初期でインスリンを分泌する力が比較的残っていれば、注射をすることで、すい臓のβ細胞は再び十分なインスリン分泌ができるまでに回復してくることもある」また、
すい臓に分泌能力が残っているときに始めないと、拒否し続けたために全く分泌できなくなり、結果的には大量のインスリンを投与しなくてはならなくなると、綴っています。これは本当なのでしょうか?
私は低血糖の副作用もあるし、できれば投与無しでやって行きたいのですが、前記のような魅力的な意見に心が迷ってしまいます。こちらの医師の言うべく今の時期にインスリン投与するべきか、それとも投与する必要がないのか、どのようにお考えになりますか?
私はまだGADの検査もしていないのですが、先日薦められたスターリクスという薬については一切話がなく、インスリンということは、1型なのでしょうか?空腹時血糖値は2時間値が100前後なので、それほど高くないと思うのですが。
2型でも、基礎分泌能力だんだん低下しているという患者さんもこちらのブロ
グにもいらっしゃいますよね。ということは、(失礼な意見かもしれませんが)糖質制限食はハネムーン期間を延ばしますが、いずれ万人のすい臓も分泌能力が無くなるのでしょうか? 1型、2型の区別が今ひとつ難しいです。」
usaさん。
高血糖を放置すると、膵臓のβ細胞がダメージを受けて、インスリン分泌能力が低下していきます。
カロリー制限食では食後高血糖が防げないので、徐々に分泌能力が落ちる可能性が極めて高いのです。
従って、カロリー制限食(高糖質食)を食べている糖尿人は、初期からインスリンを注射する選択肢もあるでしょう。
一方、糖質制限食で血糖コントロール良好となれば、そのようなことはおきません。糖質制限食だと、インスリン追加分泌はごく少量ですみ、膵臓も休養できるので疲弊していたβ細胞の回復も期待できます。
usaさん、糖尿人の目標を達成しておられるなら、インスリン注射はいりません。
糖尿病は、血糖を下げるインスリンというホルモンの作用不足によって引 き起こされる病気で、大きく1型と2型に分類されます。
インスリンには常時、分泌されている基礎分泌と、食事で血糖値が上がった時に分泌される追加分泌があります。
1型糖尿病は、多くが自己免疫疾患です。インスリンを分泌する膵臓のβ-細胞が、ウィルス感染などをきっかけに免疫の誤作動で破壊され、インスリンが分泌されなくなります。小児期におこることが多いです。急速に進行することが多いですが、成人発症の場合徐々に進行する場合もあります。
一方、2型糖尿病は、インスリン分泌低下とインスリン抵抗性の二つの要因により、結果としてインスリン作用不足となり、発症する糖尿病です。
インスリン分泌低下は長年の食生活習慣によるβ細胞の疲弊によることが多く、 インスリン抵抗性は肥満などによってインスリンの効きが悪くなることによります。
日本人の場合は、インスリン分泌不足が主、欧米人は、インスリン抵抗性が主のことが多いとされています。日本の糖尿病患者の95%は、2型糖尿病です。
usaさんも、糖質制限食で簡単に症状改善なのでまず2型糖尿病と考えられます。1型だと、糖質制限食でもインスリンなしでは、そう簡単には血糖コントロールはできませんので・・・
江部康二
今日は、お彼岸の法要で妙心寺までいってきました。久しぶりの般若心経と蝉の声がほどよく調和してました。
さて今回は米国のusa さんから、発病初期でのインスリン治療についてコメント・質問をいただきました。
「09/09/23 usa
発病初期でのインスリン治療
いつもお世話になりありがとうございます。こちらではどうしても日本の情報が無いので、またご意見をお聞かせ下さい、お願いします。
先日、発病後初めてCペプチドの検査を行い結果がきました。といっても正確な数値は知らされないのですが、手紙曰く、「low normal pancreatic insulin secretion(すい臓の基礎分泌量低下?)
」なので、食事の際、インスリン注射を始める事が必要だ」との事。インスリンはすい臓を痛めないし、今のあなたの分泌能力を保ち、また向上させるための効果もある」と付け加えています。
この数ヶ月、江部先生の「糖尿人の目標 糖尿病合併症予防のために」の数値を全てクリアしていたので、なぜインスリン注射が必要なのかと疑問に思いました。
そこで、他の日本の文献を調べたところ、同じような見解がでてきました。「発病初期でインスリンを分泌する力が比較的残っていれば、注射をすることで、すい臓のβ細胞は再び十分なインスリン分泌ができるまでに回復してくることもある」また、
すい臓に分泌能力が残っているときに始めないと、拒否し続けたために全く分泌できなくなり、結果的には大量のインスリンを投与しなくてはならなくなると、綴っています。これは本当なのでしょうか?
私は低血糖の副作用もあるし、できれば投与無しでやって行きたいのですが、前記のような魅力的な意見に心が迷ってしまいます。こちらの医師の言うべく今の時期にインスリン投与するべきか、それとも投与する必要がないのか、どのようにお考えになりますか?
私はまだGADの検査もしていないのですが、先日薦められたスターリクスという薬については一切話がなく、インスリンということは、1型なのでしょうか?空腹時血糖値は2時間値が100前後なので、それほど高くないと思うのですが。
2型でも、基礎分泌能力だんだん低下しているという患者さんもこちらのブロ
グにもいらっしゃいますよね。ということは、(失礼な意見かもしれませんが)糖質制限食はハネムーン期間を延ばしますが、いずれ万人のすい臓も分泌能力が無くなるのでしょうか? 1型、2型の区別が今ひとつ難しいです。」
usaさん。
高血糖を放置すると、膵臓のβ細胞がダメージを受けて、インスリン分泌能力が低下していきます。
カロリー制限食では食後高血糖が防げないので、徐々に分泌能力が落ちる可能性が極めて高いのです。
従って、カロリー制限食(高糖質食)を食べている糖尿人は、初期からインスリンを注射する選択肢もあるでしょう。
一方、糖質制限食で血糖コントロール良好となれば、そのようなことはおきません。糖質制限食だと、インスリン追加分泌はごく少量ですみ、膵臓も休養できるので疲弊していたβ細胞の回復も期待できます。
usaさん、糖尿人の目標を達成しておられるなら、インスリン注射はいりません。
糖尿病は、血糖を下げるインスリンというホルモンの作用不足によって引 き起こされる病気で、大きく1型と2型に分類されます。
インスリンには常時、分泌されている基礎分泌と、食事で血糖値が上がった時に分泌される追加分泌があります。
1型糖尿病は、多くが自己免疫疾患です。インスリンを分泌する膵臓のβ-細胞が、ウィルス感染などをきっかけに免疫の誤作動で破壊され、インスリンが分泌されなくなります。小児期におこることが多いです。急速に進行することが多いですが、成人発症の場合徐々に進行する場合もあります。
一方、2型糖尿病は、インスリン分泌低下とインスリン抵抗性の二つの要因により、結果としてインスリン作用不足となり、発症する糖尿病です。
インスリン分泌低下は長年の食生活習慣によるβ細胞の疲弊によることが多く、 インスリン抵抗性は肥満などによってインスリンの効きが悪くなることによります。
日本人の場合は、インスリン分泌不足が主、欧米人は、インスリン抵抗性が主のことが多いとされています。日本の糖尿病患者の95%は、2型糖尿病です。
usaさんも、糖質制限食で簡単に症状改善なのでまず2型糖尿病と考えられます。1型だと、糖質制限食でもインスリンなしでは、そう簡単には血糖コントロールはできませんので・・・
江部康二
2009年09月21日 (月)
おはようございます。今日もいい天気です。
昼から芦屋へでかけて、同級生等とテニスです。
夜は赤ワインと糖質制限なディナーを楽しむ予定です。(⌒o⌒)v
「09/09/21 東山
糖質量
おはようございます、昨日京都は雲一つない気持ちのよい空でしたね今日も晴れそうです。初期の頃カロリー計算はほぼ無視していいよ糖質量だけを注意しなさいねという感じだった気がするんですが最近はカロリーにも糖質にも気をつけるスタンスに変化しているかなと思うんです、一日の糖質量〇gまでカロリーは無視とはならないでしょうか?」
東山さん。
お久しぶりです。
コメントありがとうございます。
糖質制限食、基本的にはカロリー計算は無視でいいです。かく言う私も、無視しています。普通にお腹いっぱいおかずばっかり食べていますよ。 (^^)
しかしながら、世の中にはびっくりするほどの大食漢が、数%おられます。意外にも、女性で痩せの大食いタイプがそれなりにおられます。勿論男性の大食漢もおられますが・・・
この方々が野放しに食べたら、3000kcalくらい平気でいっちゃいます。ヾ(゜▽゜)
タマネギでも中くらいの大きさを丸ごと1個食べたら、糖質量約14gもあります。きゅうりでも5本食べたら、糖質量約10gです。これはさすがにまずいですね。
この数%の方々のために、一応摂取カロリーのしばりもかけたわけです。
それで、
糖尿人の男性なら1600~1800kcal/日
糖尿人の女性なら1400~1600kcal/日
という一応の目安を設定しました。
つまりほとんどの人は、カロリー計算などいりませんので、東山さんも普通に満腹して大丈夫ですよ。
最後に、一つだけ、ご自分が大食漢であると、気がついていない方がよくおられますのでご注意下さいね。( ̄_ ̄|||)
江部康二
昼から芦屋へでかけて、同級生等とテニスです。
夜は赤ワインと糖質制限なディナーを楽しむ予定です。(⌒o⌒)v
「09/09/21 東山
糖質量
おはようございます、昨日京都は雲一つない気持ちのよい空でしたね今日も晴れそうです。初期の頃カロリー計算はほぼ無視していいよ糖質量だけを注意しなさいねという感じだった気がするんですが最近はカロリーにも糖質にも気をつけるスタンスに変化しているかなと思うんです、一日の糖質量〇gまでカロリーは無視とはならないでしょうか?」
東山さん。
お久しぶりです。
コメントありがとうございます。
糖質制限食、基本的にはカロリー計算は無視でいいです。かく言う私も、無視しています。普通にお腹いっぱいおかずばっかり食べていますよ。 (^^)
しかしながら、世の中にはびっくりするほどの大食漢が、数%おられます。意外にも、女性で痩せの大食いタイプがそれなりにおられます。勿論男性の大食漢もおられますが・・・
この方々が野放しに食べたら、3000kcalくらい平気でいっちゃいます。ヾ(゜▽゜)
タマネギでも中くらいの大きさを丸ごと1個食べたら、糖質量約14gもあります。きゅうりでも5本食べたら、糖質量約10gです。これはさすがにまずいですね。
この数%の方々のために、一応摂取カロリーのしばりもかけたわけです。
それで、
糖尿人の男性なら1600~1800kcal/日
糖尿人の女性なら1400~1600kcal/日
という一応の目安を設定しました。
つまりほとんどの人は、カロリー計算などいりませんので、東山さんも普通に満腹して大丈夫ですよ。
最後に、一つだけ、ご自分が大食漢であると、気がついていない方がよくおられますのでご注意下さいね。( ̄_ ̄|||)
江部康二
2009年09月20日 (日)
【糖質制限食とは】
食べ物が消化・吸収されたあと、糖質は100%、タンパク質は50%、脂質は10%弱が血糖に変わります。
また糖質は、摂取直後から急峻に血糖値を高く速く上昇させ2時間以内にほとんどすべてが吸収されます。
一方、タンパク質の血糖値上昇のピークは食後約3時間で、脂質は消化・吸収に丸一日かかることもあります。
これらは含有エネルギーとは無関係な三大栄養素の生理学的特質です。
このように糖質、脂質、タンパク質のうち糖質だけが血糖値を急峻に上昇させます。従って、糖質を摂取した時にはインスリンが大量に追加分泌されます。
脂質は血糖値をほとんど上昇させないので、インスリンの追加分泌は、ほとんどありません。タンパク質はごく少量のインスリンを分泌させます。
現在糖尿病において食後の急激な高血糖(グルコーススパイク)が大きな問題として注目されています。食後高血糖が心筋梗塞や脳梗塞などの合併症を起こす危険因子として確立されたからです。そして食後高血糖を起こすのは三大栄養素のなかで糖質だけなのです。
1gの糖質が体重64kgの2型糖尿人の血糖値を約3mg上昇させます。炊いた白ご飯茶碗1杯150g(252kcal)には55.3gの糖質が含まれており、血糖値を166mg上昇させます。
一方、ロースステーキを300g(約1200キロカロリー)食べても糖質含有量は1gもないので食後高血糖はほとんど生じないのです。 また、1gの糖質が体重64kgの1型糖尿人の血糖値を5mg上昇させます。
糖質制限食の基本的な考え方は、上述のような生理学的事実をベースにできるだけ糖質の摂取を低く抑えて、食後高血糖を防ぐというものです。
簡単に言えば主食を抜いておかずばかり食べるというイメージになります。抜く必要がある主食とは米飯・めん類・パンなどの米・麦製品や芋類など糖質が主成分のものです。
3食主食抜きのスーパー糖質制限食(糖質12%、タンパク質32%、脂質56%)なら薬に頼ることなく速やかにリアルタイムで良好な血糖コントロールが可能です。
一方、上述の白ご飯とステーキの例でも明らかなようにカロリー計算に基づいて血糖値をコントロールすることは理論的に不可能です。
従って、現行の日本糖尿病学会推薦の糖尿病食(糖質60%、タンパク質20%、脂質20%)を実践する限りは、一日の摂取カロリーを1200キロカロリーと低く抑えたとしても食後高血糖が必ず生じるのです。
糖尿病の改善には、カロリー制限より糖質制限ということがおわかりいただけたと思います。
なお糖質制限食はカロリー無制限ということではありません。一般的な標準摂取カロリーの範囲、すなわち男性なら1600~2000キロカロリー、女性なら1200~1600キロカロリーくらいが目安です。
☆☆☆
『糖質制限食十箇条』 -糖尿病や肥満が気になる人に-
一、魚貝・肉・豆腐・納豆・チーズなどタンパク質や脂質が主成分の食品はしっかり食べてよい。
二、糖質特に白パン・白米・麺類及び菓子・白砂糖など精製糖質の摂取は極力控える。
三、主食を摂るときは未精製の穀物が好ましい(玄米、全粒粉のパンなど)
四、飲料は牛乳・果汁は飲まず、成分未調整豆乳はOK。水、番茶、麦茶、ほうじ茶もOK。
五、糖質含有量の少ない野菜・海草・茸類は適量OK。果物は少量にとどめる。
六、オリーブオイルや魚油(EPA、DHA)は積極的に摂り、リノール酸を減らす。
七、マヨネーズ(砂糖無しのもの)やバターもOK。
八、お酒は蒸留酒(焼酎、ウィスキーなど)はOK、醸造酒(ビール、日本酒、など)は控える。
九、間食やおつまみはチーズ類やナッツ類を中心に適量摂る。菓子類、ドライフルーツは不可。
十、できる限り化学合成添加物の入っていない安全な食品を選ぶ。
『糖質制限食』の3パターン
一、スーパー糖質制限食は三食とも主食なし。効果は抜群で早く、一番のお薦め。
二、スタンダード糖質制限食は朝と夕は主食抜き。
三、プチ糖質制限食は夕だけ主食抜き。嗜好的にどうしてもデンプンが大好きな人に。
*抜く必要がある主食とは米飯・めん類・パンなどの米・麦製品や芋類などの炭水化物。
*炭水化物=糖質+食物繊維
【糖質制限食を実践される時のご注意】
本にも書いてありますが、 糖質制限食によりリアルタイムに血糖値が改善します。このため既に、経口血糖降下剤(オイグルコン、アマリールなど)の内服やインスリン注射をしておられる糖尿人は低血糖の心配がありますので必ず主治医と相談して頂きたいと思います。一方、薬を使用してない糖尿人は、低血糖の心配はないので、
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」
「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」
「 糖質制限食 春のレシピ」
「 糖質制限食 夏のレシピ」
「糖質制限食 秋のレシピ」
「糖質制限食 冬のレシピ」
「我ら糖尿人、元気なのには理由がある。」
(東洋経済新報社)
「糖質オフ」ごちそうごはん
(アスペクト)
を参考にされ、自力で 糖質制限食を実践して糖尿病改善を目指していただけば幸いです。
食べ物が消化・吸収されたあと、糖質は100%、タンパク質は50%、脂質は10%弱が血糖に変わります。
また糖質は、摂取直後から急峻に血糖値を高く速く上昇させ2時間以内にほとんどすべてが吸収されます。
一方、タンパク質の血糖値上昇のピークは食後約3時間で、脂質は消化・吸収に丸一日かかることもあります。
これらは含有エネルギーとは無関係な三大栄養素の生理学的特質です。
このように糖質、脂質、タンパク質のうち糖質だけが血糖値を急峻に上昇させます。従って、糖質を摂取した時にはインスリンが大量に追加分泌されます。
脂質は血糖値をほとんど上昇させないので、インスリンの追加分泌は、ほとんどありません。タンパク質はごく少量のインスリンを分泌させます。
現在糖尿病において食後の急激な高血糖(グルコーススパイク)が大きな問題として注目されています。食後高血糖が心筋梗塞や脳梗塞などの合併症を起こす危険因子として確立されたからです。そして食後高血糖を起こすのは三大栄養素のなかで糖質だけなのです。
1gの糖質が体重64kgの2型糖尿人の血糖値を約3mg上昇させます。炊いた白ご飯茶碗1杯150g(252kcal)には55.3gの糖質が含まれており、血糖値を166mg上昇させます。
一方、ロースステーキを300g(約1200キロカロリー)食べても糖質含有量は1gもないので食後高血糖はほとんど生じないのです。 また、1gの糖質が体重64kgの1型糖尿人の血糖値を5mg上昇させます。
糖質制限食の基本的な考え方は、上述のような生理学的事実をベースにできるだけ糖質の摂取を低く抑えて、食後高血糖を防ぐというものです。
簡単に言えば主食を抜いておかずばかり食べるというイメージになります。抜く必要がある主食とは米飯・めん類・パンなどの米・麦製品や芋類など糖質が主成分のものです。
3食主食抜きのスーパー糖質制限食(糖質12%、タンパク質32%、脂質56%)なら薬に頼ることなく速やかにリアルタイムで良好な血糖コントロールが可能です。
一方、上述の白ご飯とステーキの例でも明らかなようにカロリー計算に基づいて血糖値をコントロールすることは理論的に不可能です。
従って、現行の日本糖尿病学会推薦の糖尿病食(糖質60%、タンパク質20%、脂質20%)を実践する限りは、一日の摂取カロリーを1200キロカロリーと低く抑えたとしても食後高血糖が必ず生じるのです。
糖尿病の改善には、カロリー制限より糖質制限ということがおわかりいただけたと思います。
なお糖質制限食はカロリー無制限ということではありません。一般的な標準摂取カロリーの範囲、すなわち男性なら1600~2000キロカロリー、女性なら1200~1600キロカロリーくらいが目安です。
☆☆☆
『糖質制限食十箇条』 -糖尿病や肥満が気になる人に-
一、魚貝・肉・豆腐・納豆・チーズなどタンパク質や脂質が主成分の食品はしっかり食べてよい。
二、糖質特に白パン・白米・麺類及び菓子・白砂糖など精製糖質の摂取は極力控える。
三、主食を摂るときは未精製の穀物が好ましい(玄米、全粒粉のパンなど)
四、飲料は牛乳・果汁は飲まず、成分未調整豆乳はOK。水、番茶、麦茶、ほうじ茶もOK。
五、糖質含有量の少ない野菜・海草・茸類は適量OK。果物は少量にとどめる。
六、オリーブオイルや魚油(EPA、DHA)は積極的に摂り、リノール酸を減らす。
七、マヨネーズ(砂糖無しのもの)やバターもOK。
八、お酒は蒸留酒(焼酎、ウィスキーなど)はOK、醸造酒(ビール、日本酒、など)は控える。
九、間食やおつまみはチーズ類やナッツ類を中心に適量摂る。菓子類、ドライフルーツは不可。
十、できる限り化学合成添加物の入っていない安全な食品を選ぶ。
『糖質制限食』の3パターン
一、スーパー糖質制限食は三食とも主食なし。効果は抜群で早く、一番のお薦め。
二、スタンダード糖質制限食は朝と夕は主食抜き。
三、プチ糖質制限食は夕だけ主食抜き。嗜好的にどうしてもデンプンが大好きな人に。
*抜く必要がある主食とは米飯・めん類・パンなどの米・麦製品や芋類などの炭水化物。
*炭水化物=糖質+食物繊維
【糖質制限食を実践される時のご注意】
本にも書いてありますが、 糖質制限食によりリアルタイムに血糖値が改善します。このため既に、経口血糖降下剤(オイグルコン、アマリールなど)の内服やインスリン注射をしておられる糖尿人は低血糖の心配がありますので必ず主治医と相談して頂きたいと思います。一方、薬を使用してない糖尿人は、低血糖の心配はないので、
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」
「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」
「 糖質制限食 春のレシピ」
「 糖質制限食 夏のレシピ」
「糖質制限食 秋のレシピ」
「糖質制限食 冬のレシピ」
「我ら糖尿人、元気なのには理由がある。」
(東洋経済新報社)
「糖質オフ」ごちそうごはん
(アスペクト)
を参考にされ、自力で 糖質制限食を実践して糖尿病改善を目指していただけば幸いです。
2009年09月19日 (土)
おはようございます。
2009年1月21日に諏訪中央病院で「糖質制限食」の講演会を行いました。
長野県民の皆さん、あの時は多数ご参加いただき、ありがとうございました。m(_ _)m
今回は、信州では久しぶりの講演会を、「信州つばさネット」の皆さんのお力を借りて開催することとなりました。
糖質制限食の最新理論と症例などを、わかりやすくお話しします。糖質制限食の講演内容は、ほぼ毎回バージョン・アップしていますので前回こられた方も退屈はされないと思いますよ。 (^_^)
今回の公開講座は、佐橋紀子先生(元飯田女史短大教授)とのジョイントです。
佐橋先生は、とても経験豊富な糖尿人です。インスリン注射も打っておられます。高雄病院に入院して糖質制限食を実践され、インスリンの量は1/3に減量できました。
入院中のこと、退院後のこと、成功談、失敗談含めていろんな体験談を語っていただけます。
美味しく楽しく、酒も肉も魚もOK、でカロリー計算なしの糖質制限食、信州・長野県民の皆さん、是非、足をお運び下さいね。ヾ(^▽^)
江部康二
☆☆☆☆☆
糖尿病・メタボは必ず良くなる! 信州つばさネット公開講座2009
-目からウロコ!の糖質制限食-
講師:佐橋紀子先生
HUMAN LIFE INFO NET ”翼”代表 元飯田女子短大教授
「私の奇跡体験 患者の立場から」
江部康二
高雄病院理事長
「糖尿人医師、糖質制限食を語る」
とき:2009年10月3日(土) 午後1:00~4:00
ところ:信州松川町民体育館 トレーニングルーム
参加費:800円
主催:信州つばさネット/HUMAN LIFE INFO NET 翼
申込先:平沢文子(0265-34-7330 ”介護のかふね 松川店”
大澤み江(0265-36-3154)
野口次郎(0265-23-8824)
後援:松川町/松川町教育委員会/松川町公民館/松川町社会福祉協議会
2009年1月21日に諏訪中央病院で「糖質制限食」の講演会を行いました。
長野県民の皆さん、あの時は多数ご参加いただき、ありがとうございました。m(_ _)m
今回は、信州では久しぶりの講演会を、「信州つばさネット」の皆さんのお力を借りて開催することとなりました。
糖質制限食の最新理論と症例などを、わかりやすくお話しします。糖質制限食の講演内容は、ほぼ毎回バージョン・アップしていますので前回こられた方も退屈はされないと思いますよ。 (^_^)
今回の公開講座は、佐橋紀子先生(元飯田女史短大教授)とのジョイントです。
佐橋先生は、とても経験豊富な糖尿人です。インスリン注射も打っておられます。高雄病院に入院して糖質制限食を実践され、インスリンの量は1/3に減量できました。
入院中のこと、退院後のこと、成功談、失敗談含めていろんな体験談を語っていただけます。
美味しく楽しく、酒も肉も魚もOK、でカロリー計算なしの糖質制限食、信州・長野県民の皆さん、是非、足をお運び下さいね。ヾ(^▽^)
江部康二
☆☆☆☆☆
糖尿病・メタボは必ず良くなる! 信州つばさネット公開講座2009
-目からウロコ!の糖質制限食-
講師:佐橋紀子先生
HUMAN LIFE INFO NET ”翼”代表 元飯田女子短大教授
「私の奇跡体験 患者の立場から」
江部康二
高雄病院理事長
「糖尿人医師、糖質制限食を語る」
とき:2009年10月3日(土) 午後1:00~4:00
ところ:信州松川町民体育館 トレーニングルーム
参加費:800円
主催:信州つばさネット/HUMAN LIFE INFO NET 翼
申込先:平沢文子(0265-34-7330 ”介護のかふね 松川店”
大澤み江(0265-36-3154)
野口次郎(0265-23-8824)
後援:松川町/松川町教育委員会/松川町公民館/松川町社会福祉協議会
2009年09月18日 (金)
おはようございます。
今回はケロさんから、ステロイド糖尿病に関してコメント・質問をいただきました。
「ステロイド糖尿病
初めまして
7月に糖尿病と診断されたケロといいます。
糖尿病と診断されてからすぐに先生の本を数冊購入し、即実行させて頂き、
診断時Hba1c8.6→現在5.8
まで改善することができました。
先生、本当にありがとうございます。
しかし先日、血液検査をして頂きHOMA-rとHOMA-βを調べてもらった所
HOMA-rは3.5
HOMA-βは93%
でした。
完全なインスリン抵抗性との説明を受けましたが、インスリン分泌は十分に出てるとの事。
なぜだか気になりネットでいろいろと調べてみたら、ステロイド糖尿病はHOMA-rが3以上、HOMA-βは50~100% が診断基準みたいな事が書いてありました。
私は喘息、アトピーがあり、今はアドエア100を使っています。発作がある時にはプレドニン5mgを処方されることもありました。アトピーに関してはステロイドを使用した事もあります。
…と言うことは、私はステロイド糖尿病の可能性があるのでしょうか?
ステロイド糖尿病は何か違いがあるのでしょうか?
もし、ステロイド糖尿病だったとして、糖質制限は続けても問題ないでしょうか?
2009/09/17(Thu) 23:20 | URL | ケロ」
ケロさん。
コメントそして本のご購入ありがとうございます。
HbA1cの見事な改善、良かったですね。
HOMA-R
<HOMA-R=空腹時血糖値×空腹時インスリン値÷405>
HOMA-Rが大きいほど、インスリン抵抗性が強いと考えられます。
1.6以下が正常で、2.5以上は抵抗性があると考えられます。
ケロさんは3.5ですので、主治医殿の仰有る通りインスリン抵抗性がありますね。
HOMA-β
インスリンの分泌機能を示す指標です。
空腹時血糖と空腹時のインスリン値をもとに内因性インスリン分泌能力を推定します。
<HOMA-β = 360×空腹時インスリン値 [μU/ml] ÷ (空腹時血糖値 - 63) >
正常値:40-60
ケロさんは、93なら多いくらいインスリンが分泌されています。
インスリン抵抗性があるため、過剰のインスリン分泌で代償しているのでしょう。通常は、肥満があるとインスリン抵抗性が出現します。糖質制限食で体重が適正まで減少すれば、インスリン抵抗性も改善すると思いますよ。
ステロイド糖尿病は、難病などでステロイド剤を長期に内服したことによって生じる続発性糖尿病です。
ステロイドが血糖値を上昇させる理由は3つあります。
1.肝臓における糖新生亢進作用
2.インスリン抵抗性の亢進
3.膵β細胞におけるインスリン分泌抑制作用
一方、気管支喘息の標準治療である吸入ステロイド薬は長期に使用しても、経口ステロイド薬のような全身的副作用の心配はありません。
私も気管支喘息の患者さんによく処方しますが、糖尿病など全身的副作用の経験はありません。 アドエアは吸入ステロイド薬の一つですね。
経口ステロイド薬の1回使用量がミリグラム単位であるのに対して、吸入ステロイド薬の1回量はマイクログラム(1/1000ミリグラム)単位と、薬は非常に少ない量ですみます。このことが全身的副作用がほとんどない理由の一つです。また、たまにプレドニンを内服したていどでは、ステロイド糖尿病にはなりません。
従ってケロさんは通常の糖尿病で、ステロイド糖尿病ではありません。このまま美味しく楽しく糖質制限食をお続け下さいね。
なおステロイド糖尿病の時にも糖質制限食を実践すれば、通常の糖質を摂取する糖尿病食よりは血糖値は改善しますが、治療の本質はステロイド内服薬の減量・離脱ですね。
江部康二
今回はケロさんから、ステロイド糖尿病に関してコメント・質問をいただきました。
「ステロイド糖尿病
初めまして
7月に糖尿病と診断されたケロといいます。
糖尿病と診断されてからすぐに先生の本を数冊購入し、即実行させて頂き、
診断時Hba1c8.6→現在5.8
まで改善することができました。
先生、本当にありがとうございます。
しかし先日、血液検査をして頂きHOMA-rとHOMA-βを調べてもらった所
HOMA-rは3.5
HOMA-βは93%
でした。
完全なインスリン抵抗性との説明を受けましたが、インスリン分泌は十分に出てるとの事。
なぜだか気になりネットでいろいろと調べてみたら、ステロイド糖尿病はHOMA-rが3以上、HOMA-βは50~100% が診断基準みたいな事が書いてありました。
私は喘息、アトピーがあり、今はアドエア100を使っています。発作がある時にはプレドニン5mgを処方されることもありました。アトピーに関してはステロイドを使用した事もあります。
…と言うことは、私はステロイド糖尿病の可能性があるのでしょうか?
ステロイド糖尿病は何か違いがあるのでしょうか?
もし、ステロイド糖尿病だったとして、糖質制限は続けても問題ないでしょうか?
2009/09/17(Thu) 23:20 | URL | ケロ」
ケロさん。
コメントそして本のご購入ありがとうございます。
HbA1cの見事な改善、良かったですね。
HOMA-R
<HOMA-R=空腹時血糖値×空腹時インスリン値÷405>
HOMA-Rが大きいほど、インスリン抵抗性が強いと考えられます。
1.6以下が正常で、2.5以上は抵抗性があると考えられます。
ケロさんは3.5ですので、主治医殿の仰有る通りインスリン抵抗性がありますね。
HOMA-β
インスリンの分泌機能を示す指標です。
空腹時血糖と空腹時のインスリン値をもとに内因性インスリン分泌能力を推定します。
<HOMA-β = 360×空腹時インスリン値 [μU/ml] ÷ (空腹時血糖値 - 63) >
正常値:40-60
ケロさんは、93なら多いくらいインスリンが分泌されています。
インスリン抵抗性があるため、過剰のインスリン分泌で代償しているのでしょう。通常は、肥満があるとインスリン抵抗性が出現します。糖質制限食で体重が適正まで減少すれば、インスリン抵抗性も改善すると思いますよ。
ステロイド糖尿病は、難病などでステロイド剤を長期に内服したことによって生じる続発性糖尿病です。
ステロイドが血糖値を上昇させる理由は3つあります。
1.肝臓における糖新生亢進作用
2.インスリン抵抗性の亢進
3.膵β細胞におけるインスリン分泌抑制作用
一方、気管支喘息の標準治療である吸入ステロイド薬は長期に使用しても、経口ステロイド薬のような全身的副作用の心配はありません。
私も気管支喘息の患者さんによく処方しますが、糖尿病など全身的副作用の経験はありません。 アドエアは吸入ステロイド薬の一つですね。
経口ステロイド薬の1回使用量がミリグラム単位であるのに対して、吸入ステロイド薬の1回量はマイクログラム(1/1000ミリグラム)単位と、薬は非常に少ない量ですみます。このことが全身的副作用がほとんどない理由の一つです。また、たまにプレドニンを内服したていどでは、ステロイド糖尿病にはなりません。
従ってケロさんは通常の糖尿病で、ステロイド糖尿病ではありません。このまま美味しく楽しく糖質制限食をお続け下さいね。
なおステロイド糖尿病の時にも糖質制限食を実践すれば、通常の糖質を摂取する糖尿病食よりは血糖値は改善しますが、治療の本質はステロイド内服薬の減量・離脱ですね。
江部康二
2009年09月17日 (木)
おはようございます。
民主党鳩山政権、いよいよ発足です。是非、医療・年金・福祉、最優先で崩壊をくい止めて欲しいですね。
さて今回は、飯山忍さんから、油に関するコメントをいただきました。
「油
太郎さんこんにちは。
仕事中に油を売ってる飯山です。油と聞いては黙ってられない性格で。
先生もお書きですがグレープシードオイルはあんまりお勧めできません。リノール酸の含有量もその通りですし、第一、足が速くってもったいないんですよ。
封を切って室温に放置すると一週間もしないうちに酸化臭が漂います。ワインのように封を切ったら一気飲みしないと味が落ちちゃいます。(笑)
あと、高オレイン酸タイプの油はたいてい「ハイオレック」という表現で商品化されていることが多いです。代表格はひまわりと紅花ですね。お探しの際の参考に。
また、日本では一般的であったナタネ油ですが、現在は一時期毒性が疑われたエルカ酸を含まず、その代わりにオレイン酸を含んでいる「キャノーラ種」のナタネから取った油が大半です。
ま、それでもオリーブオイルの半分強ですけどね。
オリーブオイルはいい油ですが高いのが難点です。それと人によってはあの香りが苦手な人も多いようです。
賛否はありますが、二番絞りの化学抽出油、オリーブサンサオイル(ポマス)もひとつの選択肢です。
7~8年前スペイン産で農薬混入事故がありましたが、イタリア製であればポマスオイルもそれほど悪くはないと思いますよ。エクストラバージンの半額程度で購入できると思います。」
「09/09/16 飯山忍
油すまし
こんばんは。
にんにくさんのニュースの話ですが、グリシドール脂肪酸エステルの発がん性の問題は重要ですよね。
花王はこの問題が解決されたら再発売するつもりのようですが、油好き人間たちの間ではもう一つの問題が以前から話題になっています。
それは油の主成分です。
油脂は、通常グリセリンと言うアルコールの一種に脂肪酸が三つくっついた形をしていますが、エコナの主成分は脂肪酸が二つしかありません。
それが特保として認められた「中性脂肪を増やさない」効果を生んでいると言うことです。
自然界にも脂肪酸が二つや一つの油脂ももちろん存在するのですが、エコナで使われている油脂はちょっと違うのです。
脂肪酸がグリセリンにくっつく関係は、実際には立体的な配置なので言葉にしにくいため、比喩的な表現をしますね。
3口コンセントに電線が三つ刺さっているところを想像してください。これが普通の油脂です。
で、脂肪酸が二つの油脂の場合、右端・真ん中・左端のいずれかが抜けているわけです。
自然界に存在するものは左端か右端が抜けています。しかし、エコナは真ん中が抜けているんです。
それがどのような影響を体に及ぼすのか及ぼさないのかは判りません。
けれど、自然界に存在しないものを摂取するのはなんだか気持ち悪いよねってのが油好きさんたちの意見なんですよ。」
飯山忍さん。
貴重な情報、ありがとうございます。油にはお詳しいのですね。
エコナの脂肪酸の構造が、自然界の油には存在しないものというのは初めて知りました。仰有る通り、自然界に存在しないものを摂取するのは気持ち悪いですね。
エコナに関しては、以前からトランス脂肪酸が多いのではないかと私も懸念していました。今回はさらに、「グリシドール脂肪酸エステル」が多く含まれていて発ガン性のある「グリシドール」に分解される可能性があるので花王は販売自粛ということです。
以下は産経ニュースからの引用です。
江部康二
☆☆☆
産経ニュース
花王が「エコナ」全製品を販売自粛 発がん物質の恐れ、9月17日から
2009.9.16 16:55
このニュースのトピックス:食の安全
花王が出荷停止する食用油「エコナクッキングオイル」(花王のホームページから) 花王は16日、特定保健用食品「エコナ」シリーズ全商品について、17日に出荷を停止し、販売を自粛すると発表した。対象は、食用油やマヨネーズ、ドレッシングオイルなどシリーズ46商品と、同商品を使ったドッグフード13商品を合わせた計59商品。
商品に「グリシドール脂肪酸エステル」が多く含まれ、発がん性のある「グリシドール」という物質に分解される可能性があるため。同社では、「安全性に問題はない」としているが、グリシドールに分解されるメカニズムや可能性がよく分かっておらず、欧州を中心にグリシドール脂肪酸エステルの安全性を懸念する声が高まっていることから、販売を見合わせることにした。
グリシドール脂肪酸エステルが多く含まれる理由については、「製造する際の脱臭工程が原因」としており、11月中には一般的な商品と同程度の量に抑える技術を確立し、来年2月をめどに販売を再開したい考え。
エコナは花王の主力商品のひとつで、年間売り上げは約200億円。
民主党鳩山政権、いよいよ発足です。是非、医療・年金・福祉、最優先で崩壊をくい止めて欲しいですね。
さて今回は、飯山忍さんから、油に関するコメントをいただきました。
「油
太郎さんこんにちは。
仕事中に油を売ってる飯山です。油と聞いては黙ってられない性格で。
先生もお書きですがグレープシードオイルはあんまりお勧めできません。リノール酸の含有量もその通りですし、第一、足が速くってもったいないんですよ。
封を切って室温に放置すると一週間もしないうちに酸化臭が漂います。ワインのように封を切ったら一気飲みしないと味が落ちちゃいます。(笑)
あと、高オレイン酸タイプの油はたいてい「ハイオレック」という表現で商品化されていることが多いです。代表格はひまわりと紅花ですね。お探しの際の参考に。
また、日本では一般的であったナタネ油ですが、現在は一時期毒性が疑われたエルカ酸を含まず、その代わりにオレイン酸を含んでいる「キャノーラ種」のナタネから取った油が大半です。
ま、それでもオリーブオイルの半分強ですけどね。
オリーブオイルはいい油ですが高いのが難点です。それと人によってはあの香りが苦手な人も多いようです。
賛否はありますが、二番絞りの化学抽出油、オリーブサンサオイル(ポマス)もひとつの選択肢です。
7~8年前スペイン産で農薬混入事故がありましたが、イタリア製であればポマスオイルもそれほど悪くはないと思いますよ。エクストラバージンの半額程度で購入できると思います。」
「09/09/16 飯山忍
油すまし
こんばんは。
にんにくさんのニュースの話ですが、グリシドール脂肪酸エステルの発がん性の問題は重要ですよね。
花王はこの問題が解決されたら再発売するつもりのようですが、油好き人間たちの間ではもう一つの問題が以前から話題になっています。
それは油の主成分です。
油脂は、通常グリセリンと言うアルコールの一種に脂肪酸が三つくっついた形をしていますが、エコナの主成分は脂肪酸が二つしかありません。
それが特保として認められた「中性脂肪を増やさない」効果を生んでいると言うことです。
自然界にも脂肪酸が二つや一つの油脂ももちろん存在するのですが、エコナで使われている油脂はちょっと違うのです。
脂肪酸がグリセリンにくっつく関係は、実際には立体的な配置なので言葉にしにくいため、比喩的な表現をしますね。
3口コンセントに電線が三つ刺さっているところを想像してください。これが普通の油脂です。
で、脂肪酸が二つの油脂の場合、右端・真ん中・左端のいずれかが抜けているわけです。
自然界に存在するものは左端か右端が抜けています。しかし、エコナは真ん中が抜けているんです。
それがどのような影響を体に及ぼすのか及ぼさないのかは判りません。
けれど、自然界に存在しないものを摂取するのはなんだか気持ち悪いよねってのが油好きさんたちの意見なんですよ。」
飯山忍さん。
貴重な情報、ありがとうございます。油にはお詳しいのですね。
エコナの脂肪酸の構造が、自然界の油には存在しないものというのは初めて知りました。仰有る通り、自然界に存在しないものを摂取するのは気持ち悪いですね。
エコナに関しては、以前からトランス脂肪酸が多いのではないかと私も懸念していました。今回はさらに、「グリシドール脂肪酸エステル」が多く含まれていて発ガン性のある「グリシドール」に分解される可能性があるので花王は販売自粛ということです。
以下は産経ニュースからの引用です。
江部康二
☆☆☆
産経ニュース
花王が「エコナ」全製品を販売自粛 発がん物質の恐れ、9月17日から
2009.9.16 16:55
このニュースのトピックス:食の安全
花王が出荷停止する食用油「エコナクッキングオイル」(花王のホームページから) 花王は16日、特定保健用食品「エコナ」シリーズ全商品について、17日に出荷を停止し、販売を自粛すると発表した。対象は、食用油やマヨネーズ、ドレッシングオイルなどシリーズ46商品と、同商品を使ったドッグフード13商品を合わせた計59商品。
商品に「グリシドール脂肪酸エステル」が多く含まれ、発がん性のある「グリシドール」という物質に分解される可能性があるため。同社では、「安全性に問題はない」としているが、グリシドールに分解されるメカニズムや可能性がよく分かっておらず、欧州を中心にグリシドール脂肪酸エステルの安全性を懸念する声が高まっていることから、販売を見合わせることにした。
グリシドール脂肪酸エステルが多く含まれる理由については、「製造する際の脱臭工程が原因」としており、11月中には一般的な商品と同程度の量に抑える技術を確立し、来年2月をめどに販売を再開したい考え。
エコナは花王の主力商品のひとつで、年間売り上げは約200億円。
2009年09月16日 (水)
おはようございます。
どんどん秋めいてきた京都です。
朝夕めっきり涼しくて過ごしやすいですね。今朝は秋晴れ、空気も爽やかです。
さて今回は、太郎さんから、油について、コメント・質問をいただきました。
「油について
こんにちは。
いつも楽しく拝見させております。
ちょっとお尋ねしたい事があるのですが、お願いします。
先生のブログをみて糖質制限を始め、著書も何冊か購入し参考にさせていただいています。
そこで質問なんですが、ひまわり油っていうのは如何なものでしょうか?オリーブオイル、ごま油、ラードがOKなのは存じておりますが・・・・
というのも、最近近所で安売りしているひまわり油を見かけ、良いものなら購入してみたいと考えております。先生からご指摘があってからサラダ油はほとんど使用しておりません。ひまわり油は原料も違うしいい物なんでしょうか?それからグレープシードオイルというものもありますが、どうでしょう?
宜しくお願いします。
2009/09/15(Tue) 12:29 | URL | 太郎」
太郎さん。
コメントそして本のご購入ありがとうございます。
食品成分表をみると
ひまわり油、高リノール酸
ひまわり油、ミッドオレイン酸
ひまわり油、高オレイン酸
と、3種類のひまわり油があるようです。
現代人は、リノール酸の摂りすぎですから、当然、高オレイン酸のひまわり油が一番好ましいですね。
オレイン酸は、一価不飽和脂肪酸です。不飽和脂肪酸の中では最も酸化されにくいですが、飽和脂肪酸と比較すれば当然酸化されやすいです。オリーブ油、高オレイン酸タイプの紅花油やひまわり油、キャノーラ油などに多く含まれています。
オリーブ油をたっぷり摂取するる地中海沿岸諸国の人々が、脂質摂取率が高いにもかかわらず、冠状動脈性心疾患が少ないことが権威ある医学雑誌ニューイングランドジャーナルで報告されて以後、オリーブオイルの人気が高まっています。
グレープシードオイルは、ぶどうの種に含まれている油分ですが、リノール酸が主成分なので、今の日本人にはお勧めできません。
ごま油にもオレイン酸は含まれていますが、リノール酸のほうが多いですね。
天然の食用油は、
「多価不飽和脂肪酸」P
「一価不飽和脂肪酸」M
「飽和脂肪酸」S
の3種から成っています。
厚生労働省はP:M:Sの比率を3:4:3とすることを推奨しています。
積極的に摂った方がよい油脂はオリーブオイルに含まれるオレイン酸など一価不飽和脂肪酸、α-リノレン酸、EPA、DHA などですね。
2009年07月02日 (木)のブログ「脂肪と脂肪酸」もご参照ください。
江部康二
どんどん秋めいてきた京都です。
朝夕めっきり涼しくて過ごしやすいですね。今朝は秋晴れ、空気も爽やかです。
さて今回は、太郎さんから、油について、コメント・質問をいただきました。
「油について
こんにちは。
いつも楽しく拝見させております。
ちょっとお尋ねしたい事があるのですが、お願いします。
先生のブログをみて糖質制限を始め、著書も何冊か購入し参考にさせていただいています。
そこで質問なんですが、ひまわり油っていうのは如何なものでしょうか?オリーブオイル、ごま油、ラードがOKなのは存じておりますが・・・・
というのも、最近近所で安売りしているひまわり油を見かけ、良いものなら購入してみたいと考えております。先生からご指摘があってからサラダ油はほとんど使用しておりません。ひまわり油は原料も違うしいい物なんでしょうか?それからグレープシードオイルというものもありますが、どうでしょう?
宜しくお願いします。
2009/09/15(Tue) 12:29 | URL | 太郎」
太郎さん。
コメントそして本のご購入ありがとうございます。
食品成分表をみると
ひまわり油、高リノール酸
ひまわり油、ミッドオレイン酸
ひまわり油、高オレイン酸
と、3種類のひまわり油があるようです。
現代人は、リノール酸の摂りすぎですから、当然、高オレイン酸のひまわり油が一番好ましいですね。
オレイン酸は、一価不飽和脂肪酸です。不飽和脂肪酸の中では最も酸化されにくいですが、飽和脂肪酸と比較すれば当然酸化されやすいです。オリーブ油、高オレイン酸タイプの紅花油やひまわり油、キャノーラ油などに多く含まれています。
オリーブ油をたっぷり摂取するる地中海沿岸諸国の人々が、脂質摂取率が高いにもかかわらず、冠状動脈性心疾患が少ないことが権威ある医学雑誌ニューイングランドジャーナルで報告されて以後、オリーブオイルの人気が高まっています。
グレープシードオイルは、ぶどうの種に含まれている油分ですが、リノール酸が主成分なので、今の日本人にはお勧めできません。
ごま油にもオレイン酸は含まれていますが、リノール酸のほうが多いですね。
天然の食用油は、
「多価不飽和脂肪酸」P
「一価不飽和脂肪酸」M
「飽和脂肪酸」S
の3種から成っています。
厚生労働省はP:M:Sの比率を3:4:3とすることを推奨しています。
積極的に摂った方がよい油脂はオリーブオイルに含まれるオレイン酸など一価不飽和脂肪酸、α-リノレン酸、EPA、DHA などですね。
2009年07月02日 (木)のブログ「脂肪と脂肪酸」もご参照ください。
江部康二
2009年09月15日 (火)
おはようございます。
今回はココさんから糖質制限食についてコメント・質問をいただきました。
「09/09/12 ココ
糖質制限食のことで
江部先生
こんにちわ。
私は糖質制限食を実践してから、約10ヵ月が過ぎようとしています。
成果はHA1cが5.1から4.8に下がりました。早朝空腹時血糖値は126→100前後に下がりました。
ただ、安心してしまってこの2ヵ月間は血糖値の測定もやらず、糖質制限食もとてもいい加減なものになってしまっていました。
久々に早朝空腹時の血糖値を測ったところ、126でした。
また振り出しに戻ってしまったということでしょうか? 10ヵ月間の苦労が台無しだととても後悔しています。
先生の患者さんで、私のように意志が弱く、挫折してまた始めて・・・を繰り返してしまう人はいますか?
また、そのような食事ではすい臓に負担がかかりますよね?
私はお菓子や甘いものが大好きで、普段我慢しているので、爆発してしまったんだと思います。
私の家系は糖尿病の家系です。
私は去年精密検査をして、インスリン精密測定という項目が、1.8でした。正常だと2.2~12.4と書いてありました。
これがインスリンの基礎分泌なのですか?きちんと糖質制限を実践していないと、これがどんどん減ってきて、いつかはインスリンの注射をしなければならなくなるのでしょうか?
長々と大変申し訳ございません。」
ココさん。
コメントありがとうございます。
「私は糖質制限食を実践してから、約10ヵ月が過ぎようとしています。
成果はHA1cが5.1から4.8に下がりました。早朝空腹時血糖値は126→100前後に下がりました。」
素晴らしい改善ですね。
空腹時血糖値が、糖尿病域から正常に回復しています。 (^_^)
「安心してしまってこの2ヵ月間は血糖値の測定もやらず、糖質制限食もとてもいい加減なものになってしまっていました。
久々に早朝空腹時の血糖値を測ったところ、126でした。
また振り出しに戻ってしまったということでしょうか? 10ヵ月間の苦労が台無しだととても後悔しています。」
10ヶ月間の苦労は決して台無しにはなりませんよ。10ヶ月間コントロールが良好だったということは、この間は、動脈硬化のリスクはなかったということになります。
逆を考えればわかりやすいですが、血糖コントロールが糖尿人の目標(☆)を超えている期間は、
動脈硬化のリスクがあるわけです。
例えば10ヶ月間、超えていたらリスクはあるし、そのリスクは「高血糖の記憶」(☆☆)として、将来にまで持ち越されていきます。つまりずっと消えない借金が残るわけです。だからこそ、糖尿病の治療は早ければはやいほどいいのですね。
「先生の患者さんで、私のように意志が弱く、挫折してまた始めて・・・を繰り返してしまう人はいますか?
また、そのような食事ではすい臓に負担がかかりますよね?
私はお菓子や甘いものが大好きで、普段我慢しているので、爆発してしまったんだと思います。
私の家系は糖尿病の家系です。」
なんぼでもおられますよ。
というか、逆に聖人君子のような立派なお方はいませんです。
人間は本来弱いもんですから、私のモットーも「清く正しく」より「美味しく楽しく」なのです。ヾ(^▽^)
お菓子や甘いものがお好きならラカントSや大豆粉を使って自分でつくるとか、面倒くさければ糖質制限ドットコムの通販もありますよ。糖質制限OKのパンや大豆麺もおいてあります。
また『主食(糖質)を食べるときだけグルコバイやグルファストを食直前に内服する』という選択肢もありますね。
「私は去年精密検査をして、インスリン精密測定という項目が、1.8でした。正常だと2.2~12.4と書いてありました。
これがインスリンの基礎分泌なのですか?きちんと糖質制限を実践していないと、これがどんどん減ってきて、いつかはインスリンの注射をしなければならなくなるのでしょうか?」
早朝空腹時インスリンが1.8なら、基礎分泌がやや低下しています。それで、空腹時血糖値が126mgとやや高値となるのでしょう。
仰有るとおり糖質を摂取して食後高血糖があると、膵臓のβ細胞がダメージを受けますので、インスリン分泌能は徐々に低下する可能性が高いです。
一方、ココさんは糖尿病としてはごく初期なので「高血糖の記憶」もほとんどない段階と思います。
美味しく楽しく末長く、少々緩くてもいいので糖質制限食をお続け下さいね。そうすることで、インスリン分泌能は維持できると思いますよ。
江部康二
☆
糖尿人の目標 糖尿病合併症予防のために
① 空腹時血糖値126mg/dl未満→さらには110mg/dl未満
② 食後2時間血糖値180mg/dlmg/dl未満→さらには140mg/dl未満
③ 理想的には食後1時間血糖値180mg/dl未満
④ HbA1c6.5%未満→さらには5.8%未満
☆☆
2009年03月26日 (木) のブログ「高血糖の記憶」をご参照ください。
今回はココさんから糖質制限食についてコメント・質問をいただきました。
「09/09/12 ココ
糖質制限食のことで
江部先生
こんにちわ。
私は糖質制限食を実践してから、約10ヵ月が過ぎようとしています。
成果はHA1cが5.1から4.8に下がりました。早朝空腹時血糖値は126→100前後に下がりました。
ただ、安心してしまってこの2ヵ月間は血糖値の測定もやらず、糖質制限食もとてもいい加減なものになってしまっていました。
久々に早朝空腹時の血糖値を測ったところ、126でした。
また振り出しに戻ってしまったということでしょうか? 10ヵ月間の苦労が台無しだととても後悔しています。
先生の患者さんで、私のように意志が弱く、挫折してまた始めて・・・を繰り返してしまう人はいますか?
また、そのような食事ではすい臓に負担がかかりますよね?
私はお菓子や甘いものが大好きで、普段我慢しているので、爆発してしまったんだと思います。
私の家系は糖尿病の家系です。
私は去年精密検査をして、インスリン精密測定という項目が、1.8でした。正常だと2.2~12.4と書いてありました。
これがインスリンの基礎分泌なのですか?きちんと糖質制限を実践していないと、これがどんどん減ってきて、いつかはインスリンの注射をしなければならなくなるのでしょうか?
長々と大変申し訳ございません。」
ココさん。
コメントありがとうございます。
「私は糖質制限食を実践してから、約10ヵ月が過ぎようとしています。
成果はHA1cが5.1から4.8に下がりました。早朝空腹時血糖値は126→100前後に下がりました。」
素晴らしい改善ですね。
空腹時血糖値が、糖尿病域から正常に回復しています。 (^_^)
「安心してしまってこの2ヵ月間は血糖値の測定もやらず、糖質制限食もとてもいい加減なものになってしまっていました。
久々に早朝空腹時の血糖値を測ったところ、126でした。
また振り出しに戻ってしまったということでしょうか? 10ヵ月間の苦労が台無しだととても後悔しています。」
10ヶ月間の苦労は決して台無しにはなりませんよ。10ヶ月間コントロールが良好だったということは、この間は、動脈硬化のリスクはなかったということになります。
逆を考えればわかりやすいですが、血糖コントロールが糖尿人の目標(☆)を超えている期間は、
動脈硬化のリスクがあるわけです。
例えば10ヶ月間、超えていたらリスクはあるし、そのリスクは「高血糖の記憶」(☆☆)として、将来にまで持ち越されていきます。つまりずっと消えない借金が残るわけです。だからこそ、糖尿病の治療は早ければはやいほどいいのですね。
「先生の患者さんで、私のように意志が弱く、挫折してまた始めて・・・を繰り返してしまう人はいますか?
また、そのような食事ではすい臓に負担がかかりますよね?
私はお菓子や甘いものが大好きで、普段我慢しているので、爆発してしまったんだと思います。
私の家系は糖尿病の家系です。」
なんぼでもおられますよ。
というか、逆に聖人君子のような立派なお方はいませんです。
人間は本来弱いもんですから、私のモットーも「清く正しく」より「美味しく楽しく」なのです。ヾ(^▽^)
お菓子や甘いものがお好きならラカントSや大豆粉を使って自分でつくるとか、面倒くさければ糖質制限ドットコムの通販もありますよ。糖質制限OKのパンや大豆麺もおいてあります。
また『主食(糖質)を食べるときだけグルコバイやグルファストを食直前に内服する』という選択肢もありますね。
「私は去年精密検査をして、インスリン精密測定という項目が、1.8でした。正常だと2.2~12.4と書いてありました。
これがインスリンの基礎分泌なのですか?きちんと糖質制限を実践していないと、これがどんどん減ってきて、いつかはインスリンの注射をしなければならなくなるのでしょうか?」
早朝空腹時インスリンが1.8なら、基礎分泌がやや低下しています。それで、空腹時血糖値が126mgとやや高値となるのでしょう。
仰有るとおり糖質を摂取して食後高血糖があると、膵臓のβ細胞がダメージを受けますので、インスリン分泌能は徐々に低下する可能性が高いです。
一方、ココさんは糖尿病としてはごく初期なので「高血糖の記憶」もほとんどない段階と思います。
美味しく楽しく末長く、少々緩くてもいいので糖質制限食をお続け下さいね。そうすることで、インスリン分泌能は維持できると思いますよ。
江部康二
☆
糖尿人の目標 糖尿病合併症予防のために
① 空腹時血糖値126mg/dl未満→さらには110mg/dl未満
② 食後2時間血糖値180mg/dlmg/dl未満→さらには140mg/dl未満
③ 理想的には食後1時間血糖値180mg/dl未満
④ HbA1c6.5%未満→さらには5.8%未満
☆☆
2009年03月26日 (木) のブログ「高血糖の記憶」をご参照ください。
2009年09月14日 (月)
こんにちは。
9月13日に東京・なかのゼロ視聴覚ホールで行われた
<リボーン・シンポジウム 糖尿病治療における糖質制限食の有効性>
お陰様で、満員御礼の大盛況でした。(^-^)v(^-^)v
青森や福島や大阪といった遠方の参加者が多かったのが今回の特徴でした。
山田悟先生(北里研究所病院糖尿病センター センター長医学博士)がまず、糖尿病専門医としてニュートラルな立場から、従来のカロリー制限食の効果と限界、そして糖質制限食の必要性などを語っていただきました。
山田先生は医学雑誌のエディターもつとめておられる実力者ですが、糖尿病専門医のなかで糖質制限食を理解しておられる数少ない医師のお一人です。
次に私が糖質制限食の理論、疫学的根拠、症例などを説明、最後に大柳珠美さんに、管理栄養士の立場から糖質制限食実践の具体的コツをお話し頂きました。
パネルディスカッションの時間は20分と短かったのですが、現在の糖尿病学会における糖質管理食や糖質制限食の位置づけ、糖質制限食を導入する際の苦労話など、中身の濃いセッションとなりました。
講演会終了後、ロビーで各講師ともに参加者から40分間とぎれなく質問を受け、熱気にあふれた会となりました。
参加者のために、ボランティアで最後までおつきあい頂きました山田悟先生、大柳珠美さん、ありがとうございました。 m(_ _)m
ご参加の皆さんのアンケートも満足度が高くて、嬉しい限りでした。
帰京後、京都駅からタクシーに乗って下鴨の江部診療所に車をとりにいきました。夕焼けがとてもきれいでほっこりしましたよ。
嵯峨の家に着いたら、娘夫婦と孫も待ってくれていました。 (^_^)
孫娘、だいぶ大きくなってそろそろ3ヶ月、ほっぺぷくぷくです。
江部康二
9月13日に東京・なかのゼロ視聴覚ホールで行われた
<リボーン・シンポジウム 糖尿病治療における糖質制限食の有効性>
お陰様で、満員御礼の大盛況でした。(^-^)v(^-^)v
青森や福島や大阪といった遠方の参加者が多かったのが今回の特徴でした。
山田悟先生(北里研究所病院糖尿病センター センター長医学博士)がまず、糖尿病専門医としてニュートラルな立場から、従来のカロリー制限食の効果と限界、そして糖質制限食の必要性などを語っていただきました。
山田先生は医学雑誌のエディターもつとめておられる実力者ですが、糖尿病専門医のなかで糖質制限食を理解しておられる数少ない医師のお一人です。
次に私が糖質制限食の理論、疫学的根拠、症例などを説明、最後に大柳珠美さんに、管理栄養士の立場から糖質制限食実践の具体的コツをお話し頂きました。
パネルディスカッションの時間は20分と短かったのですが、現在の糖尿病学会における糖質管理食や糖質制限食の位置づけ、糖質制限食を導入する際の苦労話など、中身の濃いセッションとなりました。
講演会終了後、ロビーで各講師ともに参加者から40分間とぎれなく質問を受け、熱気にあふれた会となりました。
参加者のために、ボランティアで最後までおつきあい頂きました山田悟先生、大柳珠美さん、ありがとうございました。 m(_ _)m
ご参加の皆さんのアンケートも満足度が高くて、嬉しい限りでした。
帰京後、京都駅からタクシーに乗って下鴨の江部診療所に車をとりにいきました。夕焼けがとてもきれいでほっこりしましたよ。
嵯峨の家に着いたら、娘夫婦と孫も待ってくれていました。 (^_^)
孫娘、だいぶ大きくなってそろそろ3ヶ月、ほっぺぷくぷくです。
江部康二
2009年09月11日 (金)
こんにちは。
2009年1月21日に諏訪中央病院で「糖質制限食」の講演会を行いました。
長野県民の皆さん、あの時は多数ご参加いただき、ありがとうございました。m(_ _)m
今回は、信州では久しぶりの講演会を、「信州つばさネット」の皆さんのお力を借りて開催することとなりました。
糖質制限食の最新理論と症例などを、わかりやすくお話しします。糖質制限食の講演内容は、ほぼ毎回バージョン・アップしていますので前回こられた方も退屈はされないと思いますよ。 (^_^)
今回の公開講座は、佐橋紀子先生(元飯田女史短大教授)とのジョイントです。
佐橋先生は、とても年季の入った糖尿人です。インスリン注射も打っておられます。高雄病院に入院し糖質制限食を実践されインスリンの量は1/3に減量できました。
入院中のこと、退院後のこと、成功談、失敗談含めて豊富な体験談を語っていただけます。
美味しく楽しく、酒も肉も魚もOK、でカロリー計算なしの糖質制限食、長野県民の皆さん、是非足をお運び下さいね。ヾ(^▽^)
江部康二
☆☆☆☆☆
糖尿病・メタボは必ず良くなる! 信州つばさネット公開講座2009
-目からウロコ!の糖質制限食-
講師:佐橋紀子先生
HUMAN LIFE INFO NET ”翼”代表 元飯田女子短大教授
「私の奇跡体験 患者の立場から」
江部康二
高雄病院理事長
「糖尿人医師、糖質制限食を語る」
とき:2009年10月3日(土) 午後1:00~4:00
ところ:信州松川町民体育館 トレーニングルーム
参加費:800円
主催:信州つばさネット/HUMAN LIFE INFO NET 翼
申込先:平沢文子(0265-34-7330 ”介護のかふね 松川店”
大澤み江(0265-36-3154)
野口次郎(0265-23-8824)
後援:松川町/松川町教育委員会/松川町公民館/松川町社会福祉協議会
2009年1月21日に諏訪中央病院で「糖質制限食」の講演会を行いました。
長野県民の皆さん、あの時は多数ご参加いただき、ありがとうございました。m(_ _)m
今回は、信州では久しぶりの講演会を、「信州つばさネット」の皆さんのお力を借りて開催することとなりました。
糖質制限食の最新理論と症例などを、わかりやすくお話しします。糖質制限食の講演内容は、ほぼ毎回バージョン・アップしていますので前回こられた方も退屈はされないと思いますよ。 (^_^)
今回の公開講座は、佐橋紀子先生(元飯田女史短大教授)とのジョイントです。
佐橋先生は、とても年季の入った糖尿人です。インスリン注射も打っておられます。高雄病院に入院し糖質制限食を実践されインスリンの量は1/3に減量できました。
入院中のこと、退院後のこと、成功談、失敗談含めて豊富な体験談を語っていただけます。
美味しく楽しく、酒も肉も魚もOK、でカロリー計算なしの糖質制限食、長野県民の皆さん、是非足をお運び下さいね。ヾ(^▽^)
江部康二
☆☆☆☆☆
糖尿病・メタボは必ず良くなる! 信州つばさネット公開講座2009
-目からウロコ!の糖質制限食-
講師:佐橋紀子先生
HUMAN LIFE INFO NET ”翼”代表 元飯田女子短大教授
「私の奇跡体験 患者の立場から」
江部康二
高雄病院理事長
「糖尿人医師、糖質制限食を語る」
とき:2009年10月3日(土) 午後1:00~4:00
ところ:信州松川町民体育館 トレーニングルーム
参加費:800円
主催:信州つばさネット/HUMAN LIFE INFO NET 翼
申込先:平沢文子(0265-34-7330 ”介護のかふね 松川店”
大澤み江(0265-36-3154)
野口次郎(0265-23-8824)
後援:松川町/松川町教育委員会/松川町公民館/松川町社会福祉協議会
2009年09月10日 (木)
こんばんは。
9月13日(日)東京・中野で開催の糖質制限食シンポウム、満員となりました。
ブログ読者の皆さん、ありがとうございました。
以下事務局の曽我部さんからのメッセージです。
江部康二
☆☆☆☆☆☆
ドクター江部のブログ読者の皆様
リボーン副理事の曽我部ゆかりよりご挨拶。
9月13日(日)の東京・中野で開催予定のシンポジウムですが、おかげをもちまして、100名の定員いっぱいのお申し込みをいただきました。
これからお申し込みをご検討していた方には、大変恐縮ではありますが、会場の消防法の都合により、これ以上のご予約はお受けできませんので、ご了承ください。
なお、私たちの団体は非営利活動法人のため、費用をできる限り抑えるために、公共の施設を利用しています。
なかのゼロの視聴覚ホールは設備も整い、よいホールなのでよく利用させてもらっています。
人気のあるホールのため、予約がいつもむずかしいなか、9月13日(日)の午前中の時間帯のみ予約ができました。
利用できる時間は9時から12時までですが、会場の準備のため9時20分を開場としています。
また、12時には完全撤退しなければなりません。
入退場においては、皆様にせわしない思いをさせてしまうかもしれません。
しかし、こうした好条件で講演会を継続するためには、参加される方々にもご協力をお願いしなければ成り立ちません。
講演会終了後には速やかにご退場いただけますよう、ご協力をお願いいたします。
当日は、数ある制約のなかで、皆様になるべく快適な環境をご提供できるよう、講師ならびにスタッフ一同、尽力いたします。
それでは皆様にお目にかかれることを楽しみにしております。
☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★
曽我部 ゆかり
reborn@big.or.jp
NPO法人糖質制限食ネット・リボーン
事務局 中野区新井4-4-2-4B
03-3388-5428
9月13日(日)東京・中野で開催の糖質制限食シンポウム、満員となりました。
ブログ読者の皆さん、ありがとうございました。
以下事務局の曽我部さんからのメッセージです。
江部康二
☆☆☆☆☆☆
ドクター江部のブログ読者の皆様
リボーン副理事の曽我部ゆかりよりご挨拶。
9月13日(日)の東京・中野で開催予定のシンポジウムですが、おかげをもちまして、100名の定員いっぱいのお申し込みをいただきました。
これからお申し込みをご検討していた方には、大変恐縮ではありますが、会場の消防法の都合により、これ以上のご予約はお受けできませんので、ご了承ください。
なお、私たちの団体は非営利活動法人のため、費用をできる限り抑えるために、公共の施設を利用しています。
なかのゼロの視聴覚ホールは設備も整い、よいホールなのでよく利用させてもらっています。
人気のあるホールのため、予約がいつもむずかしいなか、9月13日(日)の午前中の時間帯のみ予約ができました。
利用できる時間は9時から12時までですが、会場の準備のため9時20分を開場としています。
また、12時には完全撤退しなければなりません。
入退場においては、皆様にせわしない思いをさせてしまうかもしれません。
しかし、こうした好条件で講演会を継続するためには、参加される方々にもご協力をお願いしなければ成り立ちません。
講演会終了後には速やかにご退場いただけますよう、ご協力をお願いいたします。
当日は、数ある制約のなかで、皆様になるべく快適な環境をご提供できるよう、講師ならびにスタッフ一同、尽力いたします。
それでは皆様にお目にかかれることを楽しみにしております。
☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★
曽我部 ゆかり
reborn@big.or.jp
NPO法人糖質制限食ネット・リボーン
事務局 中野区新井4-4-2-4B
03-3388-5428
2009年09月10日 (木)
おはようございます。
朝夕めっきり涼しくなってきましたね。夜が眠りやすくて助かります。
ブログ読者の皆さんに、ちょっぴり嬉しいお知らせです。
「我ら糖尿人、元気なのには理由がある」東洋経済新報社
が、3万部突破、第3刷となりました。ヾ(^▽^)
8月10日発売ですから、約1ヶ月くらいです。この勢いを持続して欲しいですね。 (^^)
さて今回はふじさんから、空腹時血糖値の変動についてコメント・質問をいただきました。
「09/09/08 ふじ
ありがとうございました!
お忙しい中、お答えいただいた上に取り上げていただきましてありがとうございます。
腎臓に負担がかかるということはないとのことで、安心しました^^
またひとつ気になることができてしまったのですが、早朝空腹時の血糖値は80~100を保っていたのが、先週末から120に上がり始め、日曜日からは140以上になってしまっています。
暁現象かな?とあまり考え込まないでいたのですが、就寝前も130~145と高く出てしまいます。
30~40分ほどのウォーキングをしても10程度しか下がらず・・・。
本日、17時(昼食後6時間)に測定した時は100、夕食をとる直前の20時に測定した時は147と高めに出てしまいました。
特に運動も何もしておらず、???な状態です。
今まで暁現象とは、就寝時~朝にかけておこる糖新生のメカニズムによるものだと認識していましたが、時間帯は関係ないのでしょうか?
しばらく調子がいいと浮かれていると、血糖値が上昇してしまったり・・・なかなか一筋縄ではいかない人体は興味深いものがありますね(笑)」
ふじさん。
コメントありがとうございます。
「早朝空腹時の血糖値は80~100を保っていたのが、先週末から120に上がり始め、日曜日からは140以上になってしまっています。」
正常人ではこういう変動はないのですが、糖尿人ではたまにあります。 (∵)?
スーパー糖質制限食で、再び改善するとは思うのですが・・・。
人体の血糖調節は、なかなか精妙で複雑なシステムにより維持されています。
血糖値は「食事」、「肝臓によるグリコーゲン分解・糖新生と糖の取り込み」、「運動」、「ストレス」、「インスリン・グルカゴンなどホルモン」・・・いろいろな要素が合わさって調節されています。
ご質問の空腹時血糖値ですが、食物吸収が終了した直後には、肝臓のグリコーゲン分解が、循環血液中に入るブドウ糖の主要な供給源です。食後数時間が経過し、絶食状態が持続すると、ブドウ糖の供給源は、肝のグリコーゲン分解から糖新生に切り替わります。
ふじさん、しばらくは早朝空腹時血糖値が80~100mg/dlでしたので、基礎分泌インスリンはあるていど保たれていることは間違いありません。一方、120mg、140mgになるのは、基礎分泌インスリンの一定の不足もある可能性が高いです。
早朝空腹時血糖値、80~100~120~140mgていどは、ほんの少しのことで変動します。例えば、睡眠が浅かったとか、風邪気味だったとか、前の日の夕食が遅かったとか、餃子・トンカツ・天ぷらなどちょっと食べ過ぎたとか・・・.。
ちなみに、私の早朝空腹時血糖値も、90~100~110~120~130mgくらいで、上述のような、ちょっとしたことで変動します。
本当にきっちりスーパー糖質制限食を実践していると90~115mgです。まあ私の場合は、基礎分泌のインスリンが、既にやや不足気味の段階なのですが・・・(;_;)
早朝空腹時血糖値高値の一番の原因は、やはり基礎分泌のインスリンが不足しているためと考えられます。(*)
基礎分泌のインスリンが不足気味だと、夜間の肝臓の糖新生がコントロールできなくて、早朝空腹時血糖値が高値となります。眠前の血糖値より早朝~午前中の空腹時血糖値が高値となる、「暁現象」を呈すこともあります。(**)暁現象はご指摘通り、基本的に早朝~午前中に起こるものです。
「本日、17時(昼食後6時間)に測定した時は100、夕食をとる直前の20時に測定した時は147と高めに出てしまいました。」
食後6時間血糖値が100mg→食後9時間血糖値が147mgです。
何も食べていないのに夕方から夜にかけて血糖値が上昇していて、これは暁現象では説明できませんね。
よくわからないのですが、血糖自己測定器のたまたまの誤差ということも考えられますね。血糖自己測定器、有用なのですが、そこそこ誤差もあると思いますので・・・。
江部康二
(*)インスリン
人体で唯一血糖値を下げるホルモン。膵臓のβ細胞でつくられ分泌される。24時間少量持続的にでている基礎分泌のインスリンと血糖値が上昇したときにその10~20倍の量がでる追加分泌がある。インスリンが追加分泌されると、筋肉細胞が血糖を取り込むが、余った血糖が中性脂肪に変わるので、インスリンは別名肥満ホルモンと呼ばれる。
(**)暁現象と早朝空腹時血糖値
インスリン基礎分泌が不足してくると、夜間の肝の糖新生を制御できずに、早朝空腹時血糖値が高値となる。
また、就寝時より起床時の血糖値の方が、高値となることがある。就寝後8~10時間で、血糖値が上昇する暁現象である。
肝臓が早朝には、他の時間帯以上に、血液中に循環しているインスリンを不活化させるため肝臓の糖新生が高まり、起床時に就寝時より血糖値が高くなる。
朝夕めっきり涼しくなってきましたね。夜が眠りやすくて助かります。
ブログ読者の皆さんに、ちょっぴり嬉しいお知らせです。
「我ら糖尿人、元気なのには理由がある」東洋経済新報社
が、3万部突破、第3刷となりました。ヾ(^▽^)
8月10日発売ですから、約1ヶ月くらいです。この勢いを持続して欲しいですね。 (^^)
さて今回はふじさんから、空腹時血糖値の変動についてコメント・質問をいただきました。
「09/09/08 ふじ
ありがとうございました!
お忙しい中、お答えいただいた上に取り上げていただきましてありがとうございます。
腎臓に負担がかかるということはないとのことで、安心しました^^
またひとつ気になることができてしまったのですが、早朝空腹時の血糖値は80~100を保っていたのが、先週末から120に上がり始め、日曜日からは140以上になってしまっています。
暁現象かな?とあまり考え込まないでいたのですが、就寝前も130~145と高く出てしまいます。
30~40分ほどのウォーキングをしても10程度しか下がらず・・・。
本日、17時(昼食後6時間)に測定した時は100、夕食をとる直前の20時に測定した時は147と高めに出てしまいました。
特に運動も何もしておらず、???な状態です。
今まで暁現象とは、就寝時~朝にかけておこる糖新生のメカニズムによるものだと認識していましたが、時間帯は関係ないのでしょうか?
しばらく調子がいいと浮かれていると、血糖値が上昇してしまったり・・・なかなか一筋縄ではいかない人体は興味深いものがありますね(笑)」
ふじさん。
コメントありがとうございます。
「早朝空腹時の血糖値は80~100を保っていたのが、先週末から120に上がり始め、日曜日からは140以上になってしまっています。」
正常人ではこういう変動はないのですが、糖尿人ではたまにあります。 (∵)?
スーパー糖質制限食で、再び改善するとは思うのですが・・・。
人体の血糖調節は、なかなか精妙で複雑なシステムにより維持されています。
血糖値は「食事」、「肝臓によるグリコーゲン分解・糖新生と糖の取り込み」、「運動」、「ストレス」、「インスリン・グルカゴンなどホルモン」・・・いろいろな要素が合わさって調節されています。
ご質問の空腹時血糖値ですが、食物吸収が終了した直後には、肝臓のグリコーゲン分解が、循環血液中に入るブドウ糖の主要な供給源です。食後数時間が経過し、絶食状態が持続すると、ブドウ糖の供給源は、肝のグリコーゲン分解から糖新生に切り替わります。
ふじさん、しばらくは早朝空腹時血糖値が80~100mg/dlでしたので、基礎分泌インスリンはあるていど保たれていることは間違いありません。一方、120mg、140mgになるのは、基礎分泌インスリンの一定の不足もある可能性が高いです。
早朝空腹時血糖値、80~100~120~140mgていどは、ほんの少しのことで変動します。例えば、睡眠が浅かったとか、風邪気味だったとか、前の日の夕食が遅かったとか、餃子・トンカツ・天ぷらなどちょっと食べ過ぎたとか・・・.。
ちなみに、私の早朝空腹時血糖値も、90~100~110~120~130mgくらいで、上述のような、ちょっとしたことで変動します。
本当にきっちりスーパー糖質制限食を実践していると90~115mgです。まあ私の場合は、基礎分泌のインスリンが、既にやや不足気味の段階なのですが・・・(;_;)
早朝空腹時血糖値高値の一番の原因は、やはり基礎分泌のインスリンが不足しているためと考えられます。(*)
基礎分泌のインスリンが不足気味だと、夜間の肝臓の糖新生がコントロールできなくて、早朝空腹時血糖値が高値となります。眠前の血糖値より早朝~午前中の空腹時血糖値が高値となる、「暁現象」を呈すこともあります。(**)暁現象はご指摘通り、基本的に早朝~午前中に起こるものです。
「本日、17時(昼食後6時間)に測定した時は100、夕食をとる直前の20時に測定した時は147と高めに出てしまいました。」
食後6時間血糖値が100mg→食後9時間血糖値が147mgです。
何も食べていないのに夕方から夜にかけて血糖値が上昇していて、これは暁現象では説明できませんね。
よくわからないのですが、血糖自己測定器のたまたまの誤差ということも考えられますね。血糖自己測定器、有用なのですが、そこそこ誤差もあると思いますので・・・。
江部康二
(*)インスリン
人体で唯一血糖値を下げるホルモン。膵臓のβ細胞でつくられ分泌される。24時間少量持続的にでている基礎分泌のインスリンと血糖値が上昇したときにその10~20倍の量がでる追加分泌がある。インスリンが追加分泌されると、筋肉細胞が血糖を取り込むが、余った血糖が中性脂肪に変わるので、インスリンは別名肥満ホルモンと呼ばれる。
(**)暁現象と早朝空腹時血糖値
インスリン基礎分泌が不足してくると、夜間の肝の糖新生を制御できずに、早朝空腹時血糖値が高値となる。
また、就寝時より起床時の血糖値の方が、高値となることがある。就寝後8~10時間で、血糖値が上昇する暁現象である。
肝臓が早朝には、他の時間帯以上に、血液中に循環しているインスリンを不活化させるため肝臓の糖新生が高まり、起床時に就寝時より血糖値が高くなる。
2009年09月09日 (水)
こんにちは。
今回は、糖尿病治療中で第2子を妊娠希望のゆかさんからコメント・質問をいただきました。
「09/09/06 ゆか
糖尿病合併妊娠について
江部先生 初めまして。こんばんは。
31歳になる主婦です。
第一子出産後、産後うつになり、第二子を望む余裕などなく、何となく夫婦の間でも、このまま一人っ子でという雰囲気でしたが、子供の成長とともに産後うつも回復し、夫婦ともに第二子を望むようになった時、薬の影響であまりにも体重増加のため、妊娠する前に健康診断をと思い行った病院で見事に 糖尿病宣告をされてしまいました・・・。その時の数値は
2009 6/15 血糖 177 HbA1C 8.3
2009 7/25 血糖 114 HbA1C 6.2
2009 8/11 血糖 90 HbA1C 5.4
2009 9/4 血糖 90 HbA1C 5.2
という値です。
6月初診で糖の吸収を抑える薬、血糖降下剤を投与
7月再診で吸収を抑える薬の副作用(お腹の張り)の為減らし、降下剤だけの投与
8.9月では降下剤だけです。
体重の変化は、6月112キロ 現在94キロです。
これは食事の見直しと、運動による減量です。
糖尿と診断されかなりショックを受け、もうこれはダイエットではなく 治療!!と心を入れ替えました。これからも続けていきます。江部先生の糖質制限を実践してみたいです。
主治医の先生に 妊娠を希望と伝えましたが、妊婦さんを見たことがないということで、許可が出れば紹介状を出していただくことになっております。
しかし産婦人科では、とりあえずダイエットを というアドバイスだけで不安を取り除いていただけませんでした・・・。
ただただ 不安な毎日を過ごしております。
今日、自己血糖測定器を購入し、ストイックに 妊娠に向けて頑張ろうと思っていますが、何より妊娠糖尿病についてのことはよくかいてあるものの、糖尿病合併妊娠については、リスクが大きい、胎児にも悪い影響を及ぼす、母体の合併症悪化、、、などとても怖い言葉が並びます。
一度はリスクを考え諦めようと思いましたが、この甘ったれな性格の私でも子供のためなら死ぬ気で頑張る決意をいたしました。
そこで同じ糖尿病患者さんから教えていただいたのが江部先生のこのブログです。これから隅から隅まで読ませていただき参考にさせていただきます。
江部先生、なにかいいアドバイスがありましたらぜひ教えていただけませんか?こんな私でも妊娠することができたら、出産は可能なのでしょうか?ちなみに第一子は問題なく、逆子でしたので帝王切開ではありましたが母子ともに健康で出産できました。体重は3174グラム、私自身の体重増加は6キロでした。
糖尿病でも妊娠を希望する方や、わたしのような不安を持つ妊娠希望の患者にアドバイスをくれたら幸いです。
長文にて失礼いたします。
乱文お許しくださいませ。」
ゆかさん。
コメントありがとうございます。
妊娠中の女性に耐糖能異常がある場合、「糖尿病合併妊娠」と「妊娠糖尿病」に分類できます。
①糖尿病合併妊娠
糖尿病と診断されている女性が妊娠
②妊娠糖尿病
妊娠中に発症したか初めて認識された耐糖能異常
空腹時≧100mg/dL、1時間値≧180mg/dL、2時間値≧150mg/dLの2つ以上満たすもの
分類は分かれていますがが、治療方針は一緒です。
日本糖尿病・妊娠学会によれば、糖尿病がある女性の娠妊娠許可の条件として、HbA1c7%未満が設定されています。妊娠中は、HbA1c5.8%以下が目標です。
血糖値の目安としては、
妊娠前
食前血糖値100mg/dL 未満、食後2時間血糖値120mg/dL 未満、
妊娠中
食前血糖値100mg/dL 未満、食後1時間血糖値140mg/dL未満、食後2時間血糖値120mg/dL 未満、
となっています。
それから大切なことは、妊娠中は経口血糖降下剤は使用できません。従って、食事療法のみでコントロールできない場合は、インスリン療法の適応となります。
ゆかさんは現在、経口血糖降下剤を内服しておられるので、まずは糖質制限食で、内服薬からの離脱を目指すのがよいと思います。
既に112kg→94kgと減量されてますが、できればスーパー糖質制限食実践で標準体重を目指してください。体重が標準レベルになると、インスリン抵抗性が改善しますので血糖コントロールがさらによくなります。
スーパー糖質制限食実践で、内服薬なしで
HbA1c7%未満、
空腹時血糖値100mg未満、
食後2時間血糖値120mg未満、
を達成されれば、産婦人科の先生から妊娠許可がでると思いますよ。
ブログのコメントで、糖質制限食のみのインスリンなしで血糖コントロールして、妊娠出産された方が何人かおられます。米国でも、妊娠糖尿病に糖質制限食を指導している病院があります。
ゆかさんも美味しく楽しく糖質制限食で妊娠・出産を目指してくださいね。
2009年09月02日 (水)のブログ「妊娠糖尿病」もご参照ください。
日本糖尿病・妊娠学会 http://www.dm-net.co.jp/jsdp/qa/e/q02/
のぺージも参考になりますよ。
江部康二
今回は、糖尿病治療中で第2子を妊娠希望のゆかさんからコメント・質問をいただきました。
「09/09/06 ゆか
糖尿病合併妊娠について
江部先生 初めまして。こんばんは。
31歳になる主婦です。
第一子出産後、産後うつになり、第二子を望む余裕などなく、何となく夫婦の間でも、このまま一人っ子でという雰囲気でしたが、子供の成長とともに産後うつも回復し、夫婦ともに第二子を望むようになった時、薬の影響であまりにも体重増加のため、妊娠する前に健康診断をと思い行った病院で見事に 糖尿病宣告をされてしまいました・・・。その時の数値は
2009 6/15 血糖 177 HbA1C 8.3
2009 7/25 血糖 114 HbA1C 6.2
2009 8/11 血糖 90 HbA1C 5.4
2009 9/4 血糖 90 HbA1C 5.2
という値です。
6月初診で糖の吸収を抑える薬、血糖降下剤を投与
7月再診で吸収を抑える薬の副作用(お腹の張り)の為減らし、降下剤だけの投与
8.9月では降下剤だけです。
体重の変化は、6月112キロ 現在94キロです。
これは食事の見直しと、運動による減量です。
糖尿と診断されかなりショックを受け、もうこれはダイエットではなく 治療!!と心を入れ替えました。これからも続けていきます。江部先生の糖質制限を実践してみたいです。
主治医の先生に 妊娠を希望と伝えましたが、妊婦さんを見たことがないということで、許可が出れば紹介状を出していただくことになっております。
しかし産婦人科では、とりあえずダイエットを というアドバイスだけで不安を取り除いていただけませんでした・・・。
ただただ 不安な毎日を過ごしております。
今日、自己血糖測定器を購入し、ストイックに 妊娠に向けて頑張ろうと思っていますが、何より妊娠糖尿病についてのことはよくかいてあるものの、糖尿病合併妊娠については、リスクが大きい、胎児にも悪い影響を及ぼす、母体の合併症悪化、、、などとても怖い言葉が並びます。
一度はリスクを考え諦めようと思いましたが、この甘ったれな性格の私でも子供のためなら死ぬ気で頑張る決意をいたしました。
そこで同じ糖尿病患者さんから教えていただいたのが江部先生のこのブログです。これから隅から隅まで読ませていただき参考にさせていただきます。
江部先生、なにかいいアドバイスがありましたらぜひ教えていただけませんか?こんな私でも妊娠することができたら、出産は可能なのでしょうか?ちなみに第一子は問題なく、逆子でしたので帝王切開ではありましたが母子ともに健康で出産できました。体重は3174グラム、私自身の体重増加は6キロでした。
糖尿病でも妊娠を希望する方や、わたしのような不安を持つ妊娠希望の患者にアドバイスをくれたら幸いです。
長文にて失礼いたします。
乱文お許しくださいませ。」
ゆかさん。
コメントありがとうございます。
妊娠中の女性に耐糖能異常がある場合、「糖尿病合併妊娠」と「妊娠糖尿病」に分類できます。
①糖尿病合併妊娠
糖尿病と診断されている女性が妊娠
②妊娠糖尿病
妊娠中に発症したか初めて認識された耐糖能異常
空腹時≧100mg/dL、1時間値≧180mg/dL、2時間値≧150mg/dLの2つ以上満たすもの
分類は分かれていますがが、治療方針は一緒です。
日本糖尿病・妊娠学会によれば、糖尿病がある女性の娠妊娠許可の条件として、HbA1c7%未満が設定されています。妊娠中は、HbA1c5.8%以下が目標です。
血糖値の目安としては、
妊娠前
食前血糖値100mg/dL 未満、食後2時間血糖値120mg/dL 未満、
妊娠中
食前血糖値100mg/dL 未満、食後1時間血糖値140mg/dL未満、食後2時間血糖値120mg/dL 未満、
となっています。
それから大切なことは、妊娠中は経口血糖降下剤は使用できません。従って、食事療法のみでコントロールできない場合は、インスリン療法の適応となります。
ゆかさんは現在、経口血糖降下剤を内服しておられるので、まずは糖質制限食で、内服薬からの離脱を目指すのがよいと思います。
既に112kg→94kgと減量されてますが、できればスーパー糖質制限食実践で標準体重を目指してください。体重が標準レベルになると、インスリン抵抗性が改善しますので血糖コントロールがさらによくなります。
スーパー糖質制限食実践で、内服薬なしで
HbA1c7%未満、
空腹時血糖値100mg未満、
食後2時間血糖値120mg未満、
を達成されれば、産婦人科の先生から妊娠許可がでると思いますよ。
ブログのコメントで、糖質制限食のみのインスリンなしで血糖コントロールして、妊娠出産された方が何人かおられます。米国でも、妊娠糖尿病に糖質制限食を指導している病院があります。
ゆかさんも美味しく楽しく糖質制限食で妊娠・出産を目指してくださいね。
2009年09月02日 (水)のブログ「妊娠糖尿病」もご参照ください。
日本糖尿病・妊娠学会 http://www.dm-net.co.jp/jsdp/qa/e/q02/
のぺージも参考になりますよ。
江部康二
2009年09月08日 (火)
こんにちは。
2009年9月13日(日)午前9時30分~11時50まで東京、中野ゼロ視聴覚ホールで行われる、<リボーン・シンポジウム 糖尿病治療における糖質制限食の有効性>
おかげさまで定員100名ほぼ満杯となりました。ブログ読者の皆さん、ありがとうございました。m(_ _)mV
さて今回は、ふじさんから、ケトン体と腎臓について、コメント・質問をいただきました。
「09/09/02 ふじ
ケトン体と腎臓
江部先生
こんにちは。何度かコメントをさせてもらっています、ふじです。
糖質制限を初めて8カ月。
HbA1cが9.3%から4.9%に落ち着きました!
改めて江部先生に感謝感謝です(^o^)
表題のケトン体と腎臓ですが、糖質制限を始めて尿中ケトン体がずっと3+のままです。
徐々に糖質制限に理解を持ちつつある主治医は、それが気になるのか、「ケトン体はあまり出過ぎていると腎臓に良くない」とお話されました。
ケトン体が出続けることによって、腎臓に負担がかかるというようなことがあるのでしょうか?」
糖質制限食を開始されて8ヶ月でHbA1c9.3%→4.9%
素晴らしい改善ですね。(^-^)v(^-^)v
私の場合、基礎分泌のインスリンが2.2(3~15μU/ml)と少し低下していますのでHbA1c5.1%~5.4%で、4%台にはならないので羨ましい限りです。
糖質制限食実践で血中ケトン体は、現在の基準値(26~122μM/L)より高値となります。
スーパー糖質制限食をキッチリ行えば、初期の段階では血中ケトン体は1000~4000レベルになります。
この上昇は、インスリン作用が確保されていて生理的なものなので、全く心配はいりません。
尿中ケトン体は、糖質制限食開始後3ヶ月~半年くらい陽性となります。その後は、通常は尿中ケトン体は陰性になります。
心筋や骨格筋をはじめ体細胞が、効率よくケトン体を利用するようになり、腎臓のケトン体再吸収も高まるためと考えられます。これは、農耕開始前399万年間の人類の代謝状態と同様になったということでしょう。
例えば、江部康二の血中ケトン体は、2009年で「1426」とか「945」ですが尿中ケトン体は陰性です。農耕前の人類の血中ケトン体基準値も、このくらいだったと考えられます。
ふじさんは、糖質制限食開始後8ヶ月経過しても、まだ尿中ケトン体陽性なのですね。血中ケトン体も尿中ケトン体も現在の基準値より高くても、インスリン作用が保たれている限りは生理的なもので正常範囲であり、腎機能への影響は全くありません。
これは、インスリン作用が欠乏しているときの、腎不全を合併することもある病理的な糖尿病性ケトアシドーシスとは、全く異なるものです。
ふじさんと同じように、半年経過しても尿中ケトン体が陽性の人も時々おられます。野菜もごく少量の非常に厳格な糖質制限食の場合、半年以上経っていても、血中ケトン体が「3000~4000」レベルのことがあります。このようなときは、尿中ケトン体が陽性となります。
例えば、小児科領域で難治性てんかんの食事療法として「ケトン食」があります。ケトン食は、脂質の摂取比率が総摂取カロリーの75~80%という基準があり、まさに超厳格糖質制限食ですね。
この場合、2~3年続けていても常にケトン体陽性です。勿論腎機能にも問題はありません。
ふじさんの主治医殿、徐々に糖質制限食に理解を持ちつつあるとのこと、良かったですね。
これからも美味しく楽しく糖質制限食をお続け下さいね。
江部康二
2009年9月13日(日)午前9時30分~11時50まで東京、中野ゼロ視聴覚ホールで行われる、<リボーン・シンポジウム 糖尿病治療における糖質制限食の有効性>
おかげさまで定員100名ほぼ満杯となりました。ブログ読者の皆さん、ありがとうございました。m(_ _)mV
さて今回は、ふじさんから、ケトン体と腎臓について、コメント・質問をいただきました。
「09/09/02 ふじ
ケトン体と腎臓
江部先生
こんにちは。何度かコメントをさせてもらっています、ふじです。
糖質制限を初めて8カ月。
HbA1cが9.3%から4.9%に落ち着きました!
改めて江部先生に感謝感謝です(^o^)
表題のケトン体と腎臓ですが、糖質制限を始めて尿中ケトン体がずっと3+のままです。
徐々に糖質制限に理解を持ちつつある主治医は、それが気になるのか、「ケトン体はあまり出過ぎていると腎臓に良くない」とお話されました。
ケトン体が出続けることによって、腎臓に負担がかかるというようなことがあるのでしょうか?」
糖質制限食を開始されて8ヶ月でHbA1c9.3%→4.9%
素晴らしい改善ですね。(^-^)v(^-^)v
私の場合、基礎分泌のインスリンが2.2(3~15μU/ml)と少し低下していますのでHbA1c5.1%~5.4%で、4%台にはならないので羨ましい限りです。
糖質制限食実践で血中ケトン体は、現在の基準値(26~122μM/L)より高値となります。
スーパー糖質制限食をキッチリ行えば、初期の段階では血中ケトン体は1000~4000レベルになります。
この上昇は、インスリン作用が確保されていて生理的なものなので、全く心配はいりません。
尿中ケトン体は、糖質制限食開始後3ヶ月~半年くらい陽性となります。その後は、通常は尿中ケトン体は陰性になります。
心筋や骨格筋をはじめ体細胞が、効率よくケトン体を利用するようになり、腎臓のケトン体再吸収も高まるためと考えられます。これは、農耕開始前399万年間の人類の代謝状態と同様になったということでしょう。
例えば、江部康二の血中ケトン体は、2009年で「1426」とか「945」ですが尿中ケトン体は陰性です。農耕前の人類の血中ケトン体基準値も、このくらいだったと考えられます。
ふじさんは、糖質制限食開始後8ヶ月経過しても、まだ尿中ケトン体陽性なのですね。血中ケトン体も尿中ケトン体も現在の基準値より高くても、インスリン作用が保たれている限りは生理的なもので正常範囲であり、腎機能への影響は全くありません。
これは、インスリン作用が欠乏しているときの、腎不全を合併することもある病理的な糖尿病性ケトアシドーシスとは、全く異なるものです。
ふじさんと同じように、半年経過しても尿中ケトン体が陽性の人も時々おられます。野菜もごく少量の非常に厳格な糖質制限食の場合、半年以上経っていても、血中ケトン体が「3000~4000」レベルのことがあります。このようなときは、尿中ケトン体が陽性となります。
例えば、小児科領域で難治性てんかんの食事療法として「ケトン食」があります。ケトン食は、脂質の摂取比率が総摂取カロリーの75~80%という基準があり、まさに超厳格糖質制限食ですね。
この場合、2~3年続けていても常にケトン体陽性です。勿論腎機能にも問題はありません。
ふじさんの主治医殿、徐々に糖質制限食に理解を持ちつつあるとのこと、良かったですね。
これからも美味しく楽しく糖質制限食をお続け下さいね。
江部康二
2009年09月07日 (月)
こんにちは。
さきほど、高雄病院駅前診療所から本院にかえってきたところです。
今日は忙しくて、昼食はコンビニの唐揚げとソーセージとサラダですませました。
さて、おりおのびーるさんから『朝日新聞電子版』に記事についてコメント・質問をいただきました。
「09/09/02 おりおのび~る
脂肪組織の老化
江部先生、ご無沙汰しております。m(__)m
おりおのび~るです。
お陰様で血糖値は常に正常値をキープしており、改めて『糖質制限食』の有効性に驚嘆しておる次第です。(o^-’)b
…ところで話しは変わりますが、さる9/1の『朝日新聞電子版』にて(脂肪組織の老化が糖尿病の発病に関係していると千葉大の研究グループがマウスの実験で確かめた。と米国ネイチャーメディシン電子版に掲載された。)との記事があったのですが、これはいったいどういう意味なのでしょうか?
いかんせん、医学知識の乏しい素人の私には解りかねる内容なので、またお手空きの際で結構なので簡易レクチャーをよろしくお願いします。m(__)m
秋…良い季節になりましたが季節の変わり目故、お身体ご自愛下さい。(^-^)ノ~~
おりおのび~る」
<『朝日新聞電子版』記事>
【マウス実験で確認2009年9月1日 http://www.asahi.com/health/news/TKY200909010148.html
糖尿病の発病に脂肪組織の老化が関係していることを、千葉大などのグループがマウスの実験で確かめた。脂肪組織の老化を抑えることが糖尿病の新たな治療法開発につながることを示した成果で、米医学誌ネイチャーメディシン電子版に掲載された。
千葉大医学部循環器内科(小室一成教授)の南野徹助教らは、遺伝子操作で老化しやすくしたマウスを研究している中で、このマウスに糖尿病が目立つことに気づいた。
このマウスに高脂肪のエサを与えると、通常のマウスに比べ、インスリンが効きにくくなって血糖値が上昇することが判明。脂肪組織を調べると、細胞の老化を示す酵素が増え、脂肪組織の老化が進んでいた。
さらに、老化した脂肪組織を摘出すると、このマウスはインスリンが効きやすくなった。一方、正常なマウスにこの脂肪組織を移植すると、インスリンが効きにくくなり、老化した脂肪組織が糖尿病の引き金になっていることがわかった。
このマウスの老化した脂肪組織では、炎症を引き起こす分子の量が増え、p53という遺伝子の活性が高まっていた。活性化すると、細胞の老化につながることで知られている。糖尿病になりやすく改変されたマウスでも同様の変化が認められたため、遺伝子操作でこのマウスの脂肪組織のp53を働かなくさせて老化を阻害したところ、インスリンの効きが改善された。逆にp53を過剰に働かせるとインスリンの効きが悪くなった。
このことから、p53の活性化による脂肪組織の老化が糖尿病を引き起こしていることが明らかになった。糖尿病の患者の内臓脂肪でも老化を示す酵素の増加など同様の現象が認められたことから、小室教授は「人の糖尿病でも脂肪組織の老化との関係が考えられる。糖尿病を脂肪組織の老化を抑えるという観点で研究を進めれば、新たな治療薬の開発につながるかもしれない」と話している。(本多昭彦)】
おりおのび~るさん。
糖質制限食で血糖コントロール良好、良かったですね。
朝日新聞の記事ですが、千葉大のグループが「元々老化しやすい特徴を持つマウス」を使って実験したものです。
この老化しやすいマウスに糖尿病が多いことに気づいて、実験計画をつくられたようです。
「このマウスに高脂肪のエサを与えると、通常のマウスに比べ、インスリンが効きにくくなって血糖値が上昇することが判明。肪組織を調べると、細胞の老化を示す酵素が増え、脂肪組織の老化が進んでいた。」
いつも言っていますように、マウスなどネズミ類の主食は510万年間、草原の草の種子(穀物)ですから、糖質がメインです。糖質が主食のマウスに高脂肪食を与えれば、代謝全体がかく乱され大きな負担となります。
これもいつも例に出しますが、「棘の多い大きな蔓や大きな草」が主食のゴリラに、ロースステーキを毎日食べさせるようなものです。
で、当然代謝異常が生じて、インスリン抵抗性が出現してインスリンの効きが悪くなり、血糖値が上昇したのですね。
そのマウスの脂肪組織を調べると、老化が進んでいたということです。
「さらに、老化した脂肪組織を摘出すると、このマウスはインスリンが効きやすくなった。一方、正常なマウスにこの脂肪組織を移植すると、インスリンが効きにくくなり、老化した脂肪組織が糖尿病の引き金になっていることがわかった。」
これは興味深いですね。
老化した脂肪組織を摘出すると、インスリン抵抗性が改善しています。さらに、正常なマウスに老化した脂肪組織を移植するとインスリン抵抗性が出現しています。つまり老化した脂肪組織そのものが、インスリン抵抗性のもとになっていたわけです。
私なりにこの実験事実を整理してみます。
①本来、糖質が主食のマウスに、高脂肪食を食べさせる。
②そのため早老マウスの代謝はかく乱され、種々の負担が生じる。
③代謝のかく乱・身体の負担などにより、特に脂肪組織でp53という遺伝子の活性が高まる。
④p53の活性が高まると、脂肪組織の老化が起こる。
⑤脂肪組織の老化が起こると、インスリン抵抗性が出現する。
⑥インスリン抵抗性の増悪により糖尿病となる。
このマウスの実験のプロセスを、ヒトに置きかえてみるとあくまでも仮説ですが、結構怖いお話しになります。
①本来、糖質制限食(高脂質・高蛋白食)が399万年間の主食であったヒトが
特にここ50年間豊かになり飽食し、総摂取カロリーの約60%が糖質という、
偏った穀物依存の食生活を続けている。
②明治・大正・昭和初期は、穀物は沢山食べていたが、飽食できるほどの食料はなく、
運動量も非常に多かったし、空調もなかった。
③特に精製炭水化物の摂取により、1日に3回~5.6回、グルコースミニスパイクを起 こす。
④グルコースミニスパイクが起これば、追加分泌インスリンが大量に分泌される。
インスリン拮抗ホルモンも分泌され、体内に代謝のミニ嵐が起こる。
⑤肥満ホルモンのインスリンにより、内臓脂肪が蓄積する。
⑥内臓脂肪蓄積によりインスリン抵抗性が出現し、ますます高インスリン血症となる。
⑦高インスリン血症が長年持続すれば代謝症候群になる。
⑧膵臓が疲弊してインスリン分泌が不足すれば糖尿病になる。
**グルコースミニスパイクによる代謝のミニ嵐などがp53を活性化させ
内臓脂肪の老化を生じる可能性もある。
というお話しです。
以下は代謝症候群発症の流れです。
<代謝症候群の根本要因>
精製炭水化物の過剰摂取
↓
ブドウ糖ミニスパイクとインスリン頻回追加分泌
↓
内臓脂肪肥満
↓
高インスリン血症
↓
代謝症候群
*代謝症候群の全ての指標が糖質制限食で改善する
江部康二
さきほど、高雄病院駅前診療所から本院にかえってきたところです。
今日は忙しくて、昼食はコンビニの唐揚げとソーセージとサラダですませました。
さて、おりおのびーるさんから『朝日新聞電子版』に記事についてコメント・質問をいただきました。
「09/09/02 おりおのび~る
脂肪組織の老化
江部先生、ご無沙汰しております。m(__)m
おりおのび~るです。
お陰様で血糖値は常に正常値をキープしており、改めて『糖質制限食』の有効性に驚嘆しておる次第です。(o^-’)b
…ところで話しは変わりますが、さる9/1の『朝日新聞電子版』にて(脂肪組織の老化が糖尿病の発病に関係していると千葉大の研究グループがマウスの実験で確かめた。と米国ネイチャーメディシン電子版に掲載された。)との記事があったのですが、これはいったいどういう意味なのでしょうか?
いかんせん、医学知識の乏しい素人の私には解りかねる内容なので、またお手空きの際で結構なので簡易レクチャーをよろしくお願いします。m(__)m
秋…良い季節になりましたが季節の変わり目故、お身体ご自愛下さい。(^-^)ノ~~
おりおのび~る」
<『朝日新聞電子版』記事>
【マウス実験で確認2009年9月1日 http://www.asahi.com/health/news/TKY200909010148.html
糖尿病の発病に脂肪組織の老化が関係していることを、千葉大などのグループがマウスの実験で確かめた。脂肪組織の老化を抑えることが糖尿病の新たな治療法開発につながることを示した成果で、米医学誌ネイチャーメディシン電子版に掲載された。
千葉大医学部循環器内科(小室一成教授)の南野徹助教らは、遺伝子操作で老化しやすくしたマウスを研究している中で、このマウスに糖尿病が目立つことに気づいた。
このマウスに高脂肪のエサを与えると、通常のマウスに比べ、インスリンが効きにくくなって血糖値が上昇することが判明。脂肪組織を調べると、細胞の老化を示す酵素が増え、脂肪組織の老化が進んでいた。
さらに、老化した脂肪組織を摘出すると、このマウスはインスリンが効きやすくなった。一方、正常なマウスにこの脂肪組織を移植すると、インスリンが効きにくくなり、老化した脂肪組織が糖尿病の引き金になっていることがわかった。
このマウスの老化した脂肪組織では、炎症を引き起こす分子の量が増え、p53という遺伝子の活性が高まっていた。活性化すると、細胞の老化につながることで知られている。糖尿病になりやすく改変されたマウスでも同様の変化が認められたため、遺伝子操作でこのマウスの脂肪組織のp53を働かなくさせて老化を阻害したところ、インスリンの効きが改善された。逆にp53を過剰に働かせるとインスリンの効きが悪くなった。
このことから、p53の活性化による脂肪組織の老化が糖尿病を引き起こしていることが明らかになった。糖尿病の患者の内臓脂肪でも老化を示す酵素の増加など同様の現象が認められたことから、小室教授は「人の糖尿病でも脂肪組織の老化との関係が考えられる。糖尿病を脂肪組織の老化を抑えるという観点で研究を進めれば、新たな治療薬の開発につながるかもしれない」と話している。(本多昭彦)】
おりおのび~るさん。
糖質制限食で血糖コントロール良好、良かったですね。
朝日新聞の記事ですが、千葉大のグループが「元々老化しやすい特徴を持つマウス」を使って実験したものです。
この老化しやすいマウスに糖尿病が多いことに気づいて、実験計画をつくられたようです。
「このマウスに高脂肪のエサを与えると、通常のマウスに比べ、インスリンが効きにくくなって血糖値が上昇することが判明。肪組織を調べると、細胞の老化を示す酵素が増え、脂肪組織の老化が進んでいた。」
いつも言っていますように、マウスなどネズミ類の主食は510万年間、草原の草の種子(穀物)ですから、糖質がメインです。糖質が主食のマウスに高脂肪食を与えれば、代謝全体がかく乱され大きな負担となります。
これもいつも例に出しますが、「棘の多い大きな蔓や大きな草」が主食のゴリラに、ロースステーキを毎日食べさせるようなものです。
で、当然代謝異常が生じて、インスリン抵抗性が出現してインスリンの効きが悪くなり、血糖値が上昇したのですね。
そのマウスの脂肪組織を調べると、老化が進んでいたということです。
「さらに、老化した脂肪組織を摘出すると、このマウスはインスリンが効きやすくなった。一方、正常なマウスにこの脂肪組織を移植すると、インスリンが効きにくくなり、老化した脂肪組織が糖尿病の引き金になっていることがわかった。」
これは興味深いですね。
老化した脂肪組織を摘出すると、インスリン抵抗性が改善しています。さらに、正常なマウスに老化した脂肪組織を移植するとインスリン抵抗性が出現しています。つまり老化した脂肪組織そのものが、インスリン抵抗性のもとになっていたわけです。
私なりにこの実験事実を整理してみます。
①本来、糖質が主食のマウスに、高脂肪食を食べさせる。
②そのため早老マウスの代謝はかく乱され、種々の負担が生じる。
③代謝のかく乱・身体の負担などにより、特に脂肪組織でp53という遺伝子の活性が高まる。
④p53の活性が高まると、脂肪組織の老化が起こる。
⑤脂肪組織の老化が起こると、インスリン抵抗性が出現する。
⑥インスリン抵抗性の増悪により糖尿病となる。
このマウスの実験のプロセスを、ヒトに置きかえてみるとあくまでも仮説ですが、結構怖いお話しになります。
①本来、糖質制限食(高脂質・高蛋白食)が399万年間の主食であったヒトが
特にここ50年間豊かになり飽食し、総摂取カロリーの約60%が糖質という、
偏った穀物依存の食生活を続けている。
②明治・大正・昭和初期は、穀物は沢山食べていたが、飽食できるほどの食料はなく、
運動量も非常に多かったし、空調もなかった。
③特に精製炭水化物の摂取により、1日に3回~5.6回、グルコースミニスパイクを起 こす。
④グルコースミニスパイクが起これば、追加分泌インスリンが大量に分泌される。
インスリン拮抗ホルモンも分泌され、体内に代謝のミニ嵐が起こる。
⑤肥満ホルモンのインスリンにより、内臓脂肪が蓄積する。
⑥内臓脂肪蓄積によりインスリン抵抗性が出現し、ますます高インスリン血症となる。
⑦高インスリン血症が長年持続すれば代謝症候群になる。
⑧膵臓が疲弊してインスリン分泌が不足すれば糖尿病になる。
**グルコースミニスパイクによる代謝のミニ嵐などがp53を活性化させ
内臓脂肪の老化を生じる可能性もある。
というお話しです。
以下は代謝症候群発症の流れです。
<代謝症候群の根本要因>
精製炭水化物の過剰摂取
↓
ブドウ糖ミニスパイクとインスリン頻回追加分泌
↓
内臓脂肪肥満
↓
高インスリン血症
↓
代謝症候群
*代謝症候群の全ての指標が糖質制限食で改善する
江部康二
2009年09月06日 (日)
おはようございます。
2009年9月13日(日)に東京・中野で行われる、新形式の糖質制限食シンポジウムのご案内です。
今回は、北里研究所病院糖尿病センター長の山田悟先生に、ご参加頂きます。糖質制限食に理解のある糖尿病専門医として、ニュートラルな立場から、従来の糖尿病治療と糖質制限食についてご講演いただきます。江部康二、大柳珠美管理栄養士の講演もあります。
<リボーン・シンポジウム 糖尿病治療における糖質制限食の有効性>
以下、NPO法人糖質制限食ネット・リボーン事務局、
曽我部ゆかりさんからのメッセージです。
江部康二
☆☆☆
NPO法人糖質制限食ネット・リボーン 曽我部 ゆかり より
江部先生のブログ読者の皆様へ。
9月13日のシンポジウムのお知らせです。
先日、ゲスト講師の山田悟先生と打ち合わせしてきました。糖質制限食への取り組みを積極的に考えていらっしゃり、心強く思いました。山田先生は、糖尿病専門医で、糖質制限食の有効性にいちはやく気づいた若きドクターです。いわば、糖質制限食の期待の星です。
三人の講師のお話につづき、パネルディスカッションの時間も設けました。
ぜひ、皆様、お誘い合わせの上で、お越し下さいね。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
シリーズ『食事で治す・アトピー・糖尿病・肥満・メタボ』vol 14
リボーン・シンポジウム
糖尿病治療における糖質制限食の有効性
はじめたその日から期待できる、急速な血糖値の改善、ダイエット、情緒の安定、湿疹の緩和、などなど。薬に頼ることなく、つらい症状が確実に改善。代謝機能全般が安定する糖質制限食を今日か轤ヘじめてみませんか。
●ゲスト講師
山田悟(北里研究所病院糖尿病センター センター長医学博士)
●講師 パネリスト
江部康二(高雄病院理事長/NPO法人糖質制限食ネット・リボーン理事長)
大柳珠美(管理栄養士/NPO法人糖質制限食ネット・リボーン理事)
今回は、北里研究所病院糖尿病センターの山田悟先生をゲスト講師に迎え、日本の糖尿病治療の現状と、糖尿病専門医という立場からの「糖質制限食」の有効性についてを語り合う、画期的なシンポジウムとなります。パネリストには当会理事長で糖質制限食のパイオニアである江部康二先生、同じく当会理事で管理栄養士の大柳珠美先生をまじえ、それぞれの立場から「糖質制限食」の実践について検討を加えます。「糖質制限食」の有効性が糖尿病学会でも徐々に認められつつある昨今ですが、さらなる展開を求めての新しい試みとなります。患者様のみならず、医療関係者の皆様にも有意義なデスカッションをどうぞご期待ください。
日 時 2009年9月13日(日)9時20分開場
9時30分開演 11時50分終了
場 所 なかのゼロ視聴覚ホール (JR中野駅南口下車6分)
会 費 一般 1800円 リボーン会員 1500円
ペア券 一般 3600円のところ3000円
ペア券 会員 3000円のところ2400円
※ペア券はご家族に限られていただきます。
主 催 NPO法人糖質制限食ネット・リボーン
申し込み・問い合わせ リボーン 曽我部
03-3388-5428 e-mail reborn@big.or.jp
<講師プロフィール>
山田悟
(やまださとる)
北里研究所病院糖尿病センター長。1970年生まれ。慶應義塾大學醫學部卒業
。慶應義塾大學醫學部内科学教室入局。東京都済生会中央病院、東京都国保南多摩病院を経て、1998年6月、慶應義塾大學醫學部内科学教室腎臓内分泌代謝研究室帰局した後、1型糖尿病の発症予知についての研究に従事する。
2002年1月北里研究所病院に就職し、一般内科臨床に従事するかたわら糖尿病についての臨床研究・基礎研究に従事する。同年、北里研究所病院総合内科医長に就任。
2003年12月医学博士号取得
。2007年4月北里研究所病院腎臓内分泌代謝科副部長に就任後、糖尿病センター長となる。
日本糖尿病学会糖尿病専門医、日本糖尿病学会指導医、慶應義塾大学医学部非常勤講師、北里大学薬学部非常勤講師、星薬科大学非常勤他多数の経歴を持つ。
江部康二(えべこうじ)
内科医、漢方医、(財)高雄病院理事長、NPO法人糖質制限食ネット・リボーン理事長。1950年生まれ。京都大学医学部卒業。2002年に自ら糖尿病であると気づいて以来、糖尿病治療の研究に取り組み、「糖質制限食」の体系を確立。これにより自身の糖尿病を克服。高雄病院でに数多くの臨床活動を通じて、糖尿病・肥満・メタボリック症候群などに対する糖質制限食の画期的な治療効果を証明。テーラーメイドダイエットとの2本立てでアトピーなど生活習慣病全般への効果も確立している。著書『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』(シリーズ展開中/東洋経済新報社刊)はベストセラーに。ブログ『ドクター江部の糖尿病徒然日記』(http://koujiebe.blog95.fc2.com/)は日に3000件を超えるアクセスがあり糖尿病患者さんの間で絶大な支持を得ている。
大柳珠美(おおやなぎたまみ)
管理栄養士、(有)コンコルディア代表、NPO法人糖質制限食ネット・リボーン理事。1968年、熊本県生まれ。二葉栄養専門学校(栄養士科)卒業。明星大学(人文学部・心理教育専攻)卒業。3年ほど前から糖質制限食の栄養カウンセリングに取り組み、現在は都内クリニック(ひめのともみクリニック(東京・五反田)、練馬駅西口眼科クリニック(東京・練馬))、小松川クリニック(東京・小松川)にて個人指導を担当している。テレビ出演、雑誌の執筆など、各方面でも活躍中。ブログ『管理栄養士のローカーボキッチン』(http://web.mac.com/concordia1/サイト/Blog/Blog.html)が話題をよんでいる。
江部康二との共著『糖尿病のための「糖質オフごちそうごはん」』(アスペクト)がある。
~薬に頼らない医療の実現を目指し「食」の根底を見直す~
NPO法人糖質制限食ネット・リボーン誕生
リボーンは、『食事で治す』をキーワードに、糖尿病やアトピーなど生活習慣病全般の改善のために有効な糖質制限食とテーラーメイドダイエットの理論と実践法を、広く一般社会に普及してくため活動を開始いたしました(NPO法人として1月7日に創立)。
主な活動内容は、糖質制限食の『講演会・セミナー・交流会の開催』『人材育成』『医療機関と他団体とのネットワーク構築』『食と生活習慣病に関する相談窓口開設』『情報集と情報提供』『研究・普及啓発』などになります。
私たちの活動はより多くの市民の方々の参加によって成り立ち発展していきます。
薬に頼らない医療の実現を願い、私たちとともに、「食」の根底を見直していきませんか。
多くの方々のご参加を心よりお待ちしております。
●お申し込み●
NPO法人糖質制限食ネット・リボーン
担当 曽我部 ゆかり
reborn@big.or.jp
〒165―0026 東京都中野区新井4-4-2-4B
TEL,FAX 03-3388-5428
NPO法人糖質制限食ネット・リボーン の URL が変わりました。
新URL http://reborn.prj.cc/
【講演会のお知らせ】
☆☆
糖尿病・メタボは必ず良くなる! 信州つばさネット公開講座2009
-目からウロコ!の糖質制限食-
講師:佐橋紀子(私の奇跡体験・・患者の立場から) 元飯田女子短大教授
江部康二
とき:2009年10月3日(土) 午後1:00~4:00
ところ:信州松川町民体育館 トレーニングルーム
参加費:800円
主催:信州つばさネット/HUMAN LIFE INFO NET 翼
申込先:平沢文子(0265-34-7330 ”介護のかふね 松川店”
大澤み江(0265-36-3154)
野口次郎(0265-23-8824)
後援:松川町/松川町教育委員会/松川町公民館/松川町社会福祉協議会
☆☆
講座「食事で治すアトピー・糖尿病・メタボ」
-テーラーメードダイエットと糖質制限食-
会場 朝日カルチャーセンター芦屋
http://www.asahi-culture.co.jp/www/ashiya-i.html
TEL 0797-38-2666
日時 2009年10月30日 金曜日 13:00~14:30
参加費 会員2,415 一般2,835
【高雄病院、医師・看護師募集】
募集要項
随時面接選考いたします。
詳細は下記までお問い合せ下さい。
〒616-8265
京都市右京区梅ヶ畑畑町3
財団法人 高雄病院
事務長 岡本 敏雄
TEL 075-872-0027
FAX 075-871-6865
E-mail okamoto@takao-hospital.jp
【コメント・質問に関するお知らせ・お願い】
ブログ読者の皆さんには、いつもコメントいただき、ありがとうございます。
読者の皆さんからご意見いただきましたが、確かに普通のお医者さんに相談可能な個人的な内容の質問は、主治医にご相談頂けば助かります。m(_ _)m
普通のお医者さんでは解答不能の、糖質制限食に関わる質問は、何でもどんどんしていただけば嬉しいです。 (^_^)
掲載OKの質問に関して、読者の皆さんに共有していただきたい情報の場合は、ブログ本文にて、できるだけ順番にお答えしたいと思います。質問によってはコメント欄でお早めにお答えする場合もありますのでご了承ください。
一方、コメント・質問がかなり増えてきていますので、なかなか即お答えすることが困難となってきています。できるだけ全ての質問に本文かコメントでお答えするよう努力はしていますが、できないときはご容赦願います。m(_ _)m
それから、「管理人のみ閲覧できる」「匿名希望」などの質問に関しては、コメント欄にお答えするか、一般的な話題に置き換えてブログに記載するようにしていますので、よろしくお願い申し上げます。
【糖質制限食コントロール・教育入院のご案内・保険適応】
お問い合わせは高雄病院
http://www.takao-hospital.jp/
住所:京都市右京区梅ヶ畑畑町3
電話:075-871-0245
ベットが空くまでお待ち頂くこともありますがご了承下さい。
【糖質制限食外来治療のご案内・予約制・保険適応】
高雄病院 電話:075-871-0245
京都市右京区梅ヶ畑畑町3
高雄病院京都駅前診療所 電話:075-352-5050
京都市下京区七条通り烏丸東入ル(50M)北側 ネオフィス 七条烏丸4F
http://www.takao-hospital.net/
江部診療所 電話:075-712-8133
京都市左京区下鴨高木町6 アトリエ・フォー 2F
【糖質制限食を実践される時のご注意】
本にも書きましたが、 糖質制限食実践によりリアルタイムに血糖値が改善します。このため既に、経口血糖降下剤(オイグルコン、アマリールなど)の内服やインスリン注射をしておられる糖尿人は低血糖の心配がありますので必ず主治医と相談して頂きたいと思います。
一方、薬を使用してない糖尿人は、低血糖の心配はないので、「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」「 糖質制限食 春のレシピ」「 糖質制限食 夏のレシピ」「糖質制限食 秋のレシピ」「糖質制限食 冬のレシピ」(以上東洋経済新報社)
「糖尿病のための糖質オフごちそうごはん」(アスペクト)
などを参考にされて、自力で 糖質制限食を実践して糖尿病改善を目指していただけば幸いです。
江部康二
2009年9月13日(日)に東京・中野で行われる、新形式の糖質制限食シンポジウムのご案内です。
今回は、北里研究所病院糖尿病センター長の山田悟先生に、ご参加頂きます。糖質制限食に理解のある糖尿病専門医として、ニュートラルな立場から、従来の糖尿病治療と糖質制限食についてご講演いただきます。江部康二、大柳珠美管理栄養士の講演もあります。
<リボーン・シンポジウム 糖尿病治療における糖質制限食の有効性>
以下、NPO法人糖質制限食ネット・リボーン事務局、
曽我部ゆかりさんからのメッセージです。
江部康二
☆☆☆
NPO法人糖質制限食ネット・リボーン 曽我部 ゆかり より
江部先生のブログ読者の皆様へ。
9月13日のシンポジウムのお知らせです。
先日、ゲスト講師の山田悟先生と打ち合わせしてきました。糖質制限食への取り組みを積極的に考えていらっしゃり、心強く思いました。山田先生は、糖尿病専門医で、糖質制限食の有効性にいちはやく気づいた若きドクターです。いわば、糖質制限食の期待の星です。
三人の講師のお話につづき、パネルディスカッションの時間も設けました。
ぜひ、皆様、お誘い合わせの上で、お越し下さいね。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
シリーズ『食事で治す・アトピー・糖尿病・肥満・メタボ』vol 14
リボーン・シンポジウム
糖尿病治療における糖質制限食の有効性
はじめたその日から期待できる、急速な血糖値の改善、ダイエット、情緒の安定、湿疹の緩和、などなど。薬に頼ることなく、つらい症状が確実に改善。代謝機能全般が安定する糖質制限食を今日か轤ヘじめてみませんか。
●ゲスト講師
山田悟(北里研究所病院糖尿病センター センター長医学博士)
●講師 パネリスト
江部康二(高雄病院理事長/NPO法人糖質制限食ネット・リボーン理事長)
大柳珠美(管理栄養士/NPO法人糖質制限食ネット・リボーン理事)
今回は、北里研究所病院糖尿病センターの山田悟先生をゲスト講師に迎え、日本の糖尿病治療の現状と、糖尿病専門医という立場からの「糖質制限食」の有効性についてを語り合う、画期的なシンポジウムとなります。パネリストには当会理事長で糖質制限食のパイオニアである江部康二先生、同じく当会理事で管理栄養士の大柳珠美先生をまじえ、それぞれの立場から「糖質制限食」の実践について検討を加えます。「糖質制限食」の有効性が糖尿病学会でも徐々に認められつつある昨今ですが、さらなる展開を求めての新しい試みとなります。患者様のみならず、医療関係者の皆様にも有意義なデスカッションをどうぞご期待ください。
日 時 2009年9月13日(日)9時20分開場
9時30分開演 11時50分終了
場 所 なかのゼロ視聴覚ホール (JR中野駅南口下車6分)
会 費 一般 1800円 リボーン会員 1500円
ペア券 一般 3600円のところ3000円
ペア券 会員 3000円のところ2400円
※ペア券はご家族に限られていただきます。
主 催 NPO法人糖質制限食ネット・リボーン
申し込み・問い合わせ リボーン 曽我部
03-3388-5428 e-mail reborn@big.or.jp
<講師プロフィール>
山田悟
(やまださとる)
北里研究所病院糖尿病センター長。1970年生まれ。慶應義塾大學醫學部卒業
。慶應義塾大學醫學部内科学教室入局。東京都済生会中央病院、東京都国保南多摩病院を経て、1998年6月、慶應義塾大學醫學部内科学教室腎臓内分泌代謝研究室帰局した後、1型糖尿病の発症予知についての研究に従事する。
2002年1月北里研究所病院に就職し、一般内科臨床に従事するかたわら糖尿病についての臨床研究・基礎研究に従事する。同年、北里研究所病院総合内科医長に就任。
2003年12月医学博士号取得
。2007年4月北里研究所病院腎臓内分泌代謝科副部長に就任後、糖尿病センター長となる。
日本糖尿病学会糖尿病専門医、日本糖尿病学会指導医、慶應義塾大学医学部非常勤講師、北里大学薬学部非常勤講師、星薬科大学非常勤他多数の経歴を持つ。
江部康二(えべこうじ)
内科医、漢方医、(財)高雄病院理事長、NPO法人糖質制限食ネット・リボーン理事長。1950年生まれ。京都大学医学部卒業。2002年に自ら糖尿病であると気づいて以来、糖尿病治療の研究に取り組み、「糖質制限食」の体系を確立。これにより自身の糖尿病を克服。高雄病院でに数多くの臨床活動を通じて、糖尿病・肥満・メタボリック症候群などに対する糖質制限食の画期的な治療効果を証明。テーラーメイドダイエットとの2本立てでアトピーなど生活習慣病全般への効果も確立している。著書『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』(シリーズ展開中/東洋経済新報社刊)はベストセラーに。ブログ『ドクター江部の糖尿病徒然日記』(http://koujiebe.blog95.fc2.com/)は日に3000件を超えるアクセスがあり糖尿病患者さんの間で絶大な支持を得ている。
大柳珠美(おおやなぎたまみ)
管理栄養士、(有)コンコルディア代表、NPO法人糖質制限食ネット・リボーン理事。1968年、熊本県生まれ。二葉栄養専門学校(栄養士科)卒業。明星大学(人文学部・心理教育専攻)卒業。3年ほど前から糖質制限食の栄養カウンセリングに取り組み、現在は都内クリニック(ひめのともみクリニック(東京・五反田)、練馬駅西口眼科クリニック(東京・練馬))、小松川クリニック(東京・小松川)にて個人指導を担当している。テレビ出演、雑誌の執筆など、各方面でも活躍中。ブログ『管理栄養士のローカーボキッチン』(http://web.mac.com/concordia1/サイト/Blog/Blog.html)が話題をよんでいる。
江部康二との共著『糖尿病のための「糖質オフごちそうごはん」』(アスペクト)がある。
~薬に頼らない医療の実現を目指し「食」の根底を見直す~
NPO法人糖質制限食ネット・リボーン誕生
リボーンは、『食事で治す』をキーワードに、糖尿病やアトピーなど生活習慣病全般の改善のために有効な糖質制限食とテーラーメイドダイエットの理論と実践法を、広く一般社会に普及してくため活動を開始いたしました(NPO法人として1月7日に創立)。
主な活動内容は、糖質制限食の『講演会・セミナー・交流会の開催』『人材育成』『医療機関と他団体とのネットワーク構築』『食と生活習慣病に関する相談窓口開設』『情報集と情報提供』『研究・普及啓発』などになります。
私たちの活動はより多くの市民の方々の参加によって成り立ち発展していきます。
薬に頼らない医療の実現を願い、私たちとともに、「食」の根底を見直していきませんか。
多くの方々のご参加を心よりお待ちしております。
●お申し込み●
NPO法人糖質制限食ネット・リボーン
担当 曽我部 ゆかり
reborn@big.or.jp
〒165―0026 東京都中野区新井4-4-2-4B
TEL,FAX 03-3388-5428
NPO法人糖質制限食ネット・リボーン の URL が変わりました。
新URL http://reborn.prj.cc/
【講演会のお知らせ】
☆☆
糖尿病・メタボは必ず良くなる! 信州つばさネット公開講座2009
-目からウロコ!の糖質制限食-
講師:佐橋紀子(私の奇跡体験・・患者の立場から) 元飯田女子短大教授
江部康二
とき:2009年10月3日(土) 午後1:00~4:00
ところ:信州松川町民体育館 トレーニングルーム
参加費:800円
主催:信州つばさネット/HUMAN LIFE INFO NET 翼
申込先:平沢文子(0265-34-7330 ”介護のかふね 松川店”
大澤み江(0265-36-3154)
野口次郎(0265-23-8824)
後援:松川町/松川町教育委員会/松川町公民館/松川町社会福祉協議会
☆☆
講座「食事で治すアトピー・糖尿病・メタボ」
-テーラーメードダイエットと糖質制限食-
会場 朝日カルチャーセンター芦屋
http://www.asahi-culture.co.jp/www/ashiya-i.html
TEL 0797-38-2666
日時 2009年10月30日 金曜日 13:00~14:30
参加費 会員2,415 一般2,835
【高雄病院、医師・看護師募集】
募集要項
随時面接選考いたします。
詳細は下記までお問い合せ下さい。
〒616-8265
京都市右京区梅ヶ畑畑町3
財団法人 高雄病院
事務長 岡本 敏雄
TEL 075-872-0027
FAX 075-871-6865
E-mail okamoto@takao-hospital.jp
【コメント・質問に関するお知らせ・お願い】
ブログ読者の皆さんには、いつもコメントいただき、ありがとうございます。
読者の皆さんからご意見いただきましたが、確かに普通のお医者さんに相談可能な個人的な内容の質問は、主治医にご相談頂けば助かります。m(_ _)m
普通のお医者さんでは解答不能の、糖質制限食に関わる質問は、何でもどんどんしていただけば嬉しいです。 (^_^)
掲載OKの質問に関して、読者の皆さんに共有していただきたい情報の場合は、ブログ本文にて、できるだけ順番にお答えしたいと思います。質問によってはコメント欄でお早めにお答えする場合もありますのでご了承ください。
一方、コメント・質問がかなり増えてきていますので、なかなか即お答えすることが困難となってきています。できるだけ全ての質問に本文かコメントでお答えするよう努力はしていますが、できないときはご容赦願います。m(_ _)m
それから、「管理人のみ閲覧できる」「匿名希望」などの質問に関しては、コメント欄にお答えするか、一般的な話題に置き換えてブログに記載するようにしていますので、よろしくお願い申し上げます。
【糖質制限食コントロール・教育入院のご案内・保険適応】
お問い合わせは高雄病院
http://www.takao-hospital.jp/
住所:京都市右京区梅ヶ畑畑町3
電話:075-871-0245
ベットが空くまでお待ち頂くこともありますがご了承下さい。
【糖質制限食外来治療のご案内・予約制・保険適応】
高雄病院 電話:075-871-0245
京都市右京区梅ヶ畑畑町3
高雄病院京都駅前診療所 電話:075-352-5050
京都市下京区七条通り烏丸東入ル(50M)北側 ネオフィス 七条烏丸4F
http://www.takao-hospital.net/
江部診療所 電話:075-712-8133
京都市左京区下鴨高木町6 アトリエ・フォー 2F
【糖質制限食を実践される時のご注意】
本にも書きましたが、 糖質制限食実践によりリアルタイムに血糖値が改善します。このため既に、経口血糖降下剤(オイグルコン、アマリールなど)の内服やインスリン注射をしておられる糖尿人は低血糖の心配がありますので必ず主治医と相談して頂きたいと思います。
一方、薬を使用してない糖尿人は、低血糖の心配はないので、「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」「 糖質制限食 春のレシピ」「 糖質制限食 夏のレシピ」「糖質制限食 秋のレシピ」「糖質制限食 冬のレシピ」(以上東洋経済新報社)
「糖尿病のための糖質オフごちそうごはん」(アスペクト)
などを参考にされて、自力で 糖質制限食を実践して糖尿病改善を目指していただけば幸いです。
江部康二
2009年09月04日 (金)
おはようございます。
昨日のこむら返りの記事に関連して、カルシウムとマグネシウムの補給について、管理栄養士の大柳珠美さんから、実践的アドバイスをいただきました。
大柳さんは、「糖質オフ」ごちそうごはん アスペクトの共著者です。
ありがとうございます。m(_ _)mV
本と言えば
「我ら糖尿人、元気なのには理由がある」宮本輝 江部康二 東洋経済新報社
アマゾン全体のベストセラーで52位に入ってました。ヽ(*`▽´)ノ
出版社が新聞広告してくれたのでしょうか?
過去最高記録です。
江部康二
大柳珠美管理栄養士
「カルシウムは、酢やレモン(クエン酸)と一緒に摂ると吸収率が高まります。海藻以外にも、Ca&Mgは、チーズ(摂り過ぎに注意)、ナッツ類(アーモンド、カシューナッツ、ごまなど)、大豆製品のほか、小魚(田作り、煮干しなど)、オイルサーディン、いわしの丸干し、するめ干し、干し桜えびなどにも豊富です。海からとれた食材やそれが干されたものが目立ちますね。野菜からはCa&Mg摂取はあまり期待できません。」
昨日のこむら返りの記事に関連して、カルシウムとマグネシウムの補給について、管理栄養士の大柳珠美さんから、実践的アドバイスをいただきました。
大柳さんは、「糖質オフ」ごちそうごはん アスペクトの共著者です。
ありがとうございます。m(_ _)mV
本と言えば
「我ら糖尿人、元気なのには理由がある」宮本輝 江部康二 東洋経済新報社
アマゾン全体のベストセラーで52位に入ってました。ヽ(*`▽´)ノ
出版社が新聞広告してくれたのでしょうか?
過去最高記録です。
江部康二
大柳珠美管理栄養士
「カルシウムは、酢やレモン(クエン酸)と一緒に摂ると吸収率が高まります。海藻以外にも、Ca&Mgは、チーズ(摂り過ぎに注意)、ナッツ類(アーモンド、カシューナッツ、ごまなど)、大豆製品のほか、小魚(田作り、煮干しなど)、オイルサーディン、いわしの丸干し、するめ干し、干し桜えびなどにも豊富です。海からとれた食材やそれが干されたものが目立ちますね。野菜からはCa&Mg摂取はあまり期待できません。」
2009年09月03日 (木)
おはようございます。
糖質制限食とこむら返りについて、時々ブログ読者の皆さんから質問がありますので、今回記事にしました。
以前、本ブログのコメントで
「糖質制限食だと肉や魚介類や野菜・海藻などおかずを沢山摂るので、ビタミン・ミネラル不足は起こらない。そして糖質制限食実践中の患者さんで、いままでこむら返りの訴えは、ほとんどない。」
と回答したことがありました。
私自身は全くこむら返りを起こしませんでしたし、初期のころの患者さんでも、まあ皆無といった印象でした。
しかし、その後、ブログ読者で糖質制限食実践後に、こむら返りが生じた人がたまにおられることが、コメントで判明しました。
また高雄病院や江部診療所の糖質制限食実践中の患者さんでも、その後まれではありますがおられました。
さらに、灯台もと暗し・・・。
何と、京都高雄倶楽部の「あらてつ」さんが、糖質制限食開始初期に、糖質ゼロ食(釜池先生の究極の糖質制限食)に近い食事をしていて、結構きつい、こむら返りを起こしていたそうです。
確かに野菜・海藻も摂らない極端な糖質制限食だと、カルシウムなどミネラル不足などで、こむらがえりを起こすことがあるようですね。一般にカルシウムやマグネシウムが不足すると、こむら返りを起こしやすいとされています。
カルシウムは乳製品・小魚・海藻・緑黄色野菜などに多く含まれています。
マグネシウムは、大豆製品・魚介類・海藻・ナッツ類に多く含まれています。
従って、通常は糖質制限食OK食品に多く含まれているので、こむら返りも起こらないのだと思います
一方、糖質制限食に関係なく、スポーツの最中や後にこむら返りを起こすことはよくありますよね。
実際、私の所属するテニスクラブのメンバーでも、よくこむら返りを起こすタイプがおられます。幸い私はスポーツ中やその後も起こしたことがありません。
激しいスポーツをして汗をかくと、汗とともに多量のミネラルが体の外に排出されてしまいます。ですから、カルシウム・マグネシウムなどミネラルをちゃんと補給してやらないと、筋肉が痙攣したり足が攣ったりします。
糖質制限食の場合、相対的に高繊維・タンパク食となります。自ら1型糖尿人でスーパー糖質制限食実践中のバーンスタイン医師によれば、野菜に多い食物繊維は食事中のカルシウムと結合してカルシウム吸収をさまたげ、タンパク質中のリン化合物もカルシウムとわずかに結合するそうです。
バーンスタイン医師は、
「糖質制限食実践中で、チーズ・ヨーグルト・クリームを摂らない人たち、特に閉経後の女性」
には、カルシウム補充を奨めています。
つまり、糖質制限食実践中のほとんどの人でサプリは必要ないと思いますが、上記のバーンスタイン医師の条件に当てはまる人やこむら返りをよく起こす人、また結構スポーツをする人はカルシウム・マグネシウムを補充するのもよいと思います。
江部康二
参考までに下記はあらてつさんのブログからの引用です。
☆☆☆☆☆
(腓返り) 足が攣ってしまった編 あらてつ(2009年07月02日)
今日は、夏至から数えて11日目、半夏生です。
夏至が一年で一番日が長いとされていますが、正確には、夏至をはさんだ前後一週間くらいだそうです。
これから、毎日畳の目ほど日が短くなっていくんですね。そう思うとなんだか悲しくなるポエマーあらてつです。
ポエマーな気分のまま、本日の話題にいってみましょう。
今日のお題は「こむらがえり」です。
『こむらがえり
あらてつさん、こんにちは。
そう、足が攣るんです。
糖質制限を始めて3か月半。2ヶ月目位から朝方、おぉぉ!って。
以前にその話題がありましたよね。確か、青汁飲むとか、マルチビタミン飲むとか…。いつのブログだったか、探すのが面倒(おい、おい)なので、もう一度、教えて頂けませんか。
こむらがえりを調べてみると、カリウム不足、マグネシウム不足、果てはサル時代の樹上生活の名残説までありましたが、糖質制限とどんな関係があるのでしょうか。確かに糖質は避けてますが、いろんな食材をそれこそバランス良く摂っているつもりですが…。
もう一度教えて頂けませんか。より健康的な食生活をしているのに、サプリメントに頼るのは何かこう…違うというか、変だと思います。
できれば、食生活改善で克服したいと思ってます。』
かあさんさん、いつもコメントありがとうございます。何度でもお答えさせていただきますよ~(笑)
糖質制限食で「足が攣る」症状を訴えられる方、多いです。先日も、女性の方から「足が攣って仕方ない」とお電話いただきました。
私の場合、糖質制限食を始めて10日くらい経った頃でしょうか、寝ていて足のふくらはぎが攣るようになったんです。
最初は片足だけだったのですが、しだいに両足になり、しかも激しく攣るようになりました。
ご経験のある方はお分かりかと思いますが、寝ていて足が攣ると、その痛さはハンパじゃないです。しかも、寝ていていきなり攣りますから、痛みがはしった瞬間、ナニが起こったかわかりませんからタチが悪いです。
でね、さらにしばらくすると、今度はふくらはぎのみならず、スネの筋肉まで攣るようになったんですね。
ふくらはぎとスネの筋肉って、伸ばす方向が逆なもんで、両方いっぺんに攣ると、ほんとにどないしようもないんですよ。しかもそれが両足ですから、寝られたもんじゃなかったです。
な~んで足が攣るのか思い当たる原因もなく、毎晩のたうちまわっていたのですが、ふとスポーツをしていた頃のことを思い出しました。
激しいスポーツをして汗をかくと、汗とともに多量のミネラルが体の外に排出されてしまいます。ですから、ミネラルをちゃんと補給してやらないと、筋肉が痙攣したり足が攣ったりします。
で、この時はミネラルのサプリメントを飲むと、腕の筋肉の痙攣やふくらはぎが攣る症状が出なくなったので、今回の足の攣りもミネラル飲んだら治るかもと思ったんです。
早速、マルチミネラルのサプリを買って飲んでみると、飲んだその晩から足の攣りが見事に治まりました。
私の場合、人体実験と減量目的で糖質制限食を始めたので、最初はかなり極端に糖質をカットしました。野菜にはそこそこ糖質が含まれるものもあるので、始めた当初、野菜はほとんど食べずに、肉・魚・玉子・チーズと、脂質とタンパク質ばっかりの食事になっちゃったんです。
糖質制限食に取り組むと、私ほど極端ではなくても、ご飯やパンなどの主食がない分、しっかりお腹を膨らまそうとすると、どうしても肉や魚が多くなって、野菜が少ないメニューになりがちなんですね。
そうすると、つい野菜の摂取が少なくなりますから、それらに含まれる微量元素、いわゆるミネラル類が不足してしまいます。
ちなみに、私と同時期に同じやり方で糖質制限食に取り組んだ2人も、同じ症状が出てミネラルのサプリで治りました。
では、肉食獣はみんな足が攣るのかといえばそうではなく、ライオンさんやトラさんは、獲物を捕らえると、真っ先に内臓を食べます。内蔵には、ビタミンやミネラルなどが豊富で、それを食べることで、これらの栄養素を補給しているそうです。きっと、内臓は栄養価が高いことを、DNAにすり込まれてしっているんでしょうね。
だがしかし、流石に文明社会に生きる我々が、血まみれになって内臓に喰らいつくなんてスプラッターなマネはできませんので、野菜をたっぷり食べるか、サプリかなにかで、しっかりミネラルとビタミンを補給する必要があるわけですね。
ただ、サプリに抵抗のある方も多いかと思いますし、私自身も、できることなら飲まないに越したことはないと思います。
で、江部康二先生と『糖尿病のための「糖質オフ」ごちそうごはん』を出版された、管理栄養士の大柳珠美さんにまたまたお聞きしたところ、海藻類がミネラルの補給にいいそうです。
海藻類には、ヨウ素・カルシウム・カリウム・亜鉛・マンガンなどのミネラル成分が豊富に含まれているので、これらを多く摂るようにすれば、ミネラルの補給につながるのではないでしょうか。
かあさんさんはじめ、足の攣りでお困りの皆さん、一度海藻類を試してみるのもいいかもですよ♪
糖質制限食とこむら返りについて、時々ブログ読者の皆さんから質問がありますので、今回記事にしました。
以前、本ブログのコメントで
「糖質制限食だと肉や魚介類や野菜・海藻などおかずを沢山摂るので、ビタミン・ミネラル不足は起こらない。そして糖質制限食実践中の患者さんで、いままでこむら返りの訴えは、ほとんどない。」
と回答したことがありました。
私自身は全くこむら返りを起こしませんでしたし、初期のころの患者さんでも、まあ皆無といった印象でした。
しかし、その後、ブログ読者で糖質制限食実践後に、こむら返りが生じた人がたまにおられることが、コメントで判明しました。
また高雄病院や江部診療所の糖質制限食実践中の患者さんでも、その後まれではありますがおられました。
さらに、灯台もと暗し・・・。
何と、京都高雄倶楽部の「あらてつ」さんが、糖質制限食開始初期に、糖質ゼロ食(釜池先生の究極の糖質制限食)に近い食事をしていて、結構きつい、こむら返りを起こしていたそうです。
確かに野菜・海藻も摂らない極端な糖質制限食だと、カルシウムなどミネラル不足などで、こむらがえりを起こすことがあるようですね。一般にカルシウムやマグネシウムが不足すると、こむら返りを起こしやすいとされています。
カルシウムは乳製品・小魚・海藻・緑黄色野菜などに多く含まれています。
マグネシウムは、大豆製品・魚介類・海藻・ナッツ類に多く含まれています。
従って、通常は糖質制限食OK食品に多く含まれているので、こむら返りも起こらないのだと思います
一方、糖質制限食に関係なく、スポーツの最中や後にこむら返りを起こすことはよくありますよね。
実際、私の所属するテニスクラブのメンバーでも、よくこむら返りを起こすタイプがおられます。幸い私はスポーツ中やその後も起こしたことがありません。
激しいスポーツをして汗をかくと、汗とともに多量のミネラルが体の外に排出されてしまいます。ですから、カルシウム・マグネシウムなどミネラルをちゃんと補給してやらないと、筋肉が痙攣したり足が攣ったりします。
糖質制限食の場合、相対的に高繊維・タンパク食となります。自ら1型糖尿人でスーパー糖質制限食実践中のバーンスタイン医師によれば、野菜に多い食物繊維は食事中のカルシウムと結合してカルシウム吸収をさまたげ、タンパク質中のリン化合物もカルシウムとわずかに結合するそうです。
バーンスタイン医師は、
「糖質制限食実践中で、チーズ・ヨーグルト・クリームを摂らない人たち、特に閉経後の女性」
には、カルシウム補充を奨めています。
つまり、糖質制限食実践中のほとんどの人でサプリは必要ないと思いますが、上記のバーンスタイン医師の条件に当てはまる人やこむら返りをよく起こす人、また結構スポーツをする人はカルシウム・マグネシウムを補充するのもよいと思います。
江部康二
参考までに下記はあらてつさんのブログからの引用です。
☆☆☆☆☆
(腓返り) 足が攣ってしまった編 あらてつ(2009年07月02日)
今日は、夏至から数えて11日目、半夏生です。
夏至が一年で一番日が長いとされていますが、正確には、夏至をはさんだ前後一週間くらいだそうです。
これから、毎日畳の目ほど日が短くなっていくんですね。そう思うとなんだか悲しくなるポエマーあらてつです。
ポエマーな気分のまま、本日の話題にいってみましょう。
今日のお題は「こむらがえり」です。
『こむらがえり
あらてつさん、こんにちは。
そう、足が攣るんです。
糖質制限を始めて3か月半。2ヶ月目位から朝方、おぉぉ!って。
以前にその話題がありましたよね。確か、青汁飲むとか、マルチビタミン飲むとか…。いつのブログだったか、探すのが面倒(おい、おい)なので、もう一度、教えて頂けませんか。
こむらがえりを調べてみると、カリウム不足、マグネシウム不足、果てはサル時代の樹上生活の名残説までありましたが、糖質制限とどんな関係があるのでしょうか。確かに糖質は避けてますが、いろんな食材をそれこそバランス良く摂っているつもりですが…。
もう一度教えて頂けませんか。より健康的な食生活をしているのに、サプリメントに頼るのは何かこう…違うというか、変だと思います。
できれば、食生活改善で克服したいと思ってます。』
かあさんさん、いつもコメントありがとうございます。何度でもお答えさせていただきますよ~(笑)
糖質制限食で「足が攣る」症状を訴えられる方、多いです。先日も、女性の方から「足が攣って仕方ない」とお電話いただきました。
私の場合、糖質制限食を始めて10日くらい経った頃でしょうか、寝ていて足のふくらはぎが攣るようになったんです。
最初は片足だけだったのですが、しだいに両足になり、しかも激しく攣るようになりました。
ご経験のある方はお分かりかと思いますが、寝ていて足が攣ると、その痛さはハンパじゃないです。しかも、寝ていていきなり攣りますから、痛みがはしった瞬間、ナニが起こったかわかりませんからタチが悪いです。
でね、さらにしばらくすると、今度はふくらはぎのみならず、スネの筋肉まで攣るようになったんですね。
ふくらはぎとスネの筋肉って、伸ばす方向が逆なもんで、両方いっぺんに攣ると、ほんとにどないしようもないんですよ。しかもそれが両足ですから、寝られたもんじゃなかったです。
な~んで足が攣るのか思い当たる原因もなく、毎晩のたうちまわっていたのですが、ふとスポーツをしていた頃のことを思い出しました。
激しいスポーツをして汗をかくと、汗とともに多量のミネラルが体の外に排出されてしまいます。ですから、ミネラルをちゃんと補給してやらないと、筋肉が痙攣したり足が攣ったりします。
で、この時はミネラルのサプリメントを飲むと、腕の筋肉の痙攣やふくらはぎが攣る症状が出なくなったので、今回の足の攣りもミネラル飲んだら治るかもと思ったんです。
早速、マルチミネラルのサプリを買って飲んでみると、飲んだその晩から足の攣りが見事に治まりました。
私の場合、人体実験と減量目的で糖質制限食を始めたので、最初はかなり極端に糖質をカットしました。野菜にはそこそこ糖質が含まれるものもあるので、始めた当初、野菜はほとんど食べずに、肉・魚・玉子・チーズと、脂質とタンパク質ばっかりの食事になっちゃったんです。
糖質制限食に取り組むと、私ほど極端ではなくても、ご飯やパンなどの主食がない分、しっかりお腹を膨らまそうとすると、どうしても肉や魚が多くなって、野菜が少ないメニューになりがちなんですね。
そうすると、つい野菜の摂取が少なくなりますから、それらに含まれる微量元素、いわゆるミネラル類が不足してしまいます。
ちなみに、私と同時期に同じやり方で糖質制限食に取り組んだ2人も、同じ症状が出てミネラルのサプリで治りました。
では、肉食獣はみんな足が攣るのかといえばそうではなく、ライオンさんやトラさんは、獲物を捕らえると、真っ先に内臓を食べます。内蔵には、ビタミンやミネラルなどが豊富で、それを食べることで、これらの栄養素を補給しているそうです。きっと、内臓は栄養価が高いことを、DNAにすり込まれてしっているんでしょうね。
だがしかし、流石に文明社会に生きる我々が、血まみれになって内臓に喰らいつくなんてスプラッターなマネはできませんので、野菜をたっぷり食べるか、サプリかなにかで、しっかりミネラルとビタミンを補給する必要があるわけですね。
ただ、サプリに抵抗のある方も多いかと思いますし、私自身も、できることなら飲まないに越したことはないと思います。
で、江部康二先生と『糖尿病のための「糖質オフ」ごちそうごはん』を出版された、管理栄養士の大柳珠美さんにまたまたお聞きしたところ、海藻類がミネラルの補給にいいそうです。
海藻類には、ヨウ素・カルシウム・カリウム・亜鉛・マンガンなどのミネラル成分が豊富に含まれているので、これらを多く摂るようにすれば、ミネラルの補給につながるのではないでしょうか。
かあさんさんはじめ、足の攣りでお困りの皆さん、一度海藻類を試してみるのもいいかもですよ♪
2009年09月02日 (水)
おはようございます。
めっきり秋めいてきました。涼しくて過ごしやすい日々です。
秋は一年で一番好きな季節ですが、紅葉が見頃になると、高雄に観光に訪れる人でバスが満員で、患者さんが大変なのは困りものです。
さて今回は、コメントでよく質問をいただく妊娠糖尿病のお話しです。
今まで糖尿病でなかったのに、妊娠した後、初めて糖尿病になる場合があります。これが「妊娠糖尿病」で、妊婦の約3%くらいにみられます。
妊娠糖尿病の診断基準は、国により異なっています。妊娠糖尿病のスクリーニング検査として、グルコースチャレンジテストがあります。随時に50gブドウ糖経口負荷後1時間の血糖値が140mg/dl以上を陽性とします。
それで陽性の場合、日本では、妊娠中に75gぶどう糖負荷試験を行い、糖負荷前値100mg/dL以上、1時間値180mg/dL以上、2時間値150mg/dL以上の3つの基準のうち、2つ以上を満たす場合に妊娠糖尿病と診断します。
従って非妊娠時の糖尿病の判定基準とは異なっています。妊娠糖尿病と診断された場合には、分娩後に改めて75gブドウ糖負荷試験を行って病型を分類するとしています。
肥満、糖尿病の家族歴、高齢、などが妊娠糖尿病のリスクとなります。もともとの糖尿病患者が妊娠することを「糖尿病合併妊娠」といい、二つはわけて分類されています。
妊娠すると、胎盤が形成され「母体・胎盤・胎児」がひとつのユニットとなります。この時、健常な胎児を発育・成長させるために胎盤や母体が、ヒト胎盤性ラクトーゲン(hPL)、成長ホルモン、グルカゴン、カテコラミン、糖質コルチコイドなどのホルモンを分泌し、それらによりインスリン抵抗性(インスリンの効きが悪くなること)がでてきます。
これらのホルモンは、妊娠の進行とともに増加しますから、特に妊娠中期以後にインスリン抵抗性が増加して、血糖値が上昇しやすくなります。
正常の妊婦は、インスリン抵抗性が増強する時期には、インスリンを多く分泌して血糖値が上昇しないように対処します。しかし、必要なだけのインスリンを分泌することができない体質の妊婦は、血糖値が上昇し妊娠糖尿病を発症します。
妊娠糖尿病は、通常は妊娠期間が終わったら、糖尿病の症状は消失します。しかし、出産後も糖尿病が続く人もいます。
現在では妊娠糖尿病は、「妊娠中に発症もしくは初めて発見された耐糖能低下をいう」と定義されています。
このため、お産が終わって、6~12週間後に経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)を行って、正常型、境界型、糖尿病型に分類します。
なお日本では、若い女性の2型糖尿病が少し増えています。従って、可能性として、「糖尿病が既にあったのに検査していなくて見過ごされていて、たまたま妊娠して検査したら糖尿病が発見された。」というパターンがあり得ます。
この場合は、「妊娠糖尿病」ではなくて「糖尿病合併妊娠」の見逃しになります。高血糖に由来する奇形の発生は、妊娠7週までに規定されることが明らかになっていますので、妊娠機会のある女性は、糖尿病や境界型の有無を調べておくのがお奨めですね。
なお妊娠許可の条件として、HbA1c6%以下が設定されています。
妊娠中は、HbA1c5.8%以下が目標です。
血糖値の目安としては、
妊娠前
食前血糖値100mg/dL 未満、食後2時間血糖値120mg/dL 未満、
妊娠中
食前血糖値100mg/dL 未満、食後1時間血糖値140mg/dL未満、食後2時間血糖値120mg/dL 未満、
となっています。
産後の検査ですが、
日本糖尿病・妊娠学会 http://www.dm-net.co.jp/jsdp/qa/e/q02/
のサイトが参考になります。
以下は引用です。
「妊娠糖尿病の人はお産後も定期的な健診が必要といわれましたが必要なのですか?」
最近の報告では、妊娠糖尿病の人は産後早期の3~6ヶ月の検査でも、5.4%が糖尿病、全体で25%に何らかの耐糖能異常が見られると報告されています。その他の報告を集計すると、産後1年以内では糖尿病になる頻度は2.6~38%、産後5~16年追求すると糖尿病は17~63%の頻度で発症すると報告されています。
また、妊娠糖尿病の人を定期的に11年間追求した研究では、産後11年経った平均年齢40.6歳時にはメタボリックシンドロームの発症率は27.2%であり正常妊婦さんの8.2%に比較して明らかに高頻度に発症することが報告されています。
したがって、産後も定期的に耐糖能異常があるかどうかスクリーニングをうけることが大切であり、同時に食事や運動に気をつけていく必要があります。
(岡山大学 平松祐司)2007年11月
江部康二
めっきり秋めいてきました。涼しくて過ごしやすい日々です。
秋は一年で一番好きな季節ですが、紅葉が見頃になると、高雄に観光に訪れる人でバスが満員で、患者さんが大変なのは困りものです。
さて今回は、コメントでよく質問をいただく妊娠糖尿病のお話しです。
今まで糖尿病でなかったのに、妊娠した後、初めて糖尿病になる場合があります。これが「妊娠糖尿病」で、妊婦の約3%くらいにみられます。
妊娠糖尿病の診断基準は、国により異なっています。妊娠糖尿病のスクリーニング検査として、グルコースチャレンジテストがあります。随時に50gブドウ糖経口負荷後1時間の血糖値が140mg/dl以上を陽性とします。
それで陽性の場合、日本では、妊娠中に75gぶどう糖負荷試験を行い、糖負荷前値100mg/dL以上、1時間値180mg/dL以上、2時間値150mg/dL以上の3つの基準のうち、2つ以上を満たす場合に妊娠糖尿病と診断します。
従って非妊娠時の糖尿病の判定基準とは異なっています。妊娠糖尿病と診断された場合には、分娩後に改めて75gブドウ糖負荷試験を行って病型を分類するとしています。
肥満、糖尿病の家族歴、高齢、などが妊娠糖尿病のリスクとなります。もともとの糖尿病患者が妊娠することを「糖尿病合併妊娠」といい、二つはわけて分類されています。
妊娠すると、胎盤が形成され「母体・胎盤・胎児」がひとつのユニットとなります。この時、健常な胎児を発育・成長させるために胎盤や母体が、ヒト胎盤性ラクトーゲン(hPL)、成長ホルモン、グルカゴン、カテコラミン、糖質コルチコイドなどのホルモンを分泌し、それらによりインスリン抵抗性(インスリンの効きが悪くなること)がでてきます。
これらのホルモンは、妊娠の進行とともに増加しますから、特に妊娠中期以後にインスリン抵抗性が増加して、血糖値が上昇しやすくなります。
正常の妊婦は、インスリン抵抗性が増強する時期には、インスリンを多く分泌して血糖値が上昇しないように対処します。しかし、必要なだけのインスリンを分泌することができない体質の妊婦は、血糖値が上昇し妊娠糖尿病を発症します。
妊娠糖尿病は、通常は妊娠期間が終わったら、糖尿病の症状は消失します。しかし、出産後も糖尿病が続く人もいます。
現在では妊娠糖尿病は、「妊娠中に発症もしくは初めて発見された耐糖能低下をいう」と定義されています。
このため、お産が終わって、6~12週間後に経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)を行って、正常型、境界型、糖尿病型に分類します。
なお日本では、若い女性の2型糖尿病が少し増えています。従って、可能性として、「糖尿病が既にあったのに検査していなくて見過ごされていて、たまたま妊娠して検査したら糖尿病が発見された。」というパターンがあり得ます。
この場合は、「妊娠糖尿病」ではなくて「糖尿病合併妊娠」の見逃しになります。高血糖に由来する奇形の発生は、妊娠7週までに規定されることが明らかになっていますので、妊娠機会のある女性は、糖尿病や境界型の有無を調べておくのがお奨めですね。
なお妊娠許可の条件として、HbA1c6%以下が設定されています。
妊娠中は、HbA1c5.8%以下が目標です。
血糖値の目安としては、
妊娠前
食前血糖値100mg/dL 未満、食後2時間血糖値120mg/dL 未満、
妊娠中
食前血糖値100mg/dL 未満、食後1時間血糖値140mg/dL未満、食後2時間血糖値120mg/dL 未満、
となっています。
産後の検査ですが、
日本糖尿病・妊娠学会 http://www.dm-net.co.jp/jsdp/qa/e/q02/
のサイトが参考になります。
以下は引用です。
「妊娠糖尿病の人はお産後も定期的な健診が必要といわれましたが必要なのですか?」
最近の報告では、妊娠糖尿病の人は産後早期の3~6ヶ月の検査でも、5.4%が糖尿病、全体で25%に何らかの耐糖能異常が見られると報告されています。その他の報告を集計すると、産後1年以内では糖尿病になる頻度は2.6~38%、産後5~16年追求すると糖尿病は17~63%の頻度で発症すると報告されています。
また、妊娠糖尿病の人を定期的に11年間追求した研究では、産後11年経った平均年齢40.6歳時にはメタボリックシンドロームの発症率は27.2%であり正常妊婦さんの8.2%に比較して明らかに高頻度に発症することが報告されています。
したがって、産後も定期的に耐糖能異常があるかどうかスクリーニングをうけることが大切であり、同時に食事や運動に気をつけていく必要があります。
(岡山大学 平松祐司)2007年11月
江部康二
2009年09月01日 (火)
おはようございます。
昨夜半ふと目が覚めたら、リリリリリと虫の音が聞こえてきました。
コオロギでしょうか?秋の序章ですね。
さて今回は、退屈夢想庵さんから、糖質制限食と検査データについて、コメントをいただきました。
「ご報告
糖質制限食16ヶ月の退屈無想庵です。私、痛風で2ヶ月ごとに通院をしていますが、皆様のご参考までに主な数値をご報告します。
3/14 5/9 7/4 8/29
総コレステロール 220 209 205 199
LDLコレステロール 127 119 131 112
尿酸 7.4 6.7 6.7 7.0
尿素窒素 23.6 18.2 22.3 21.4
クレアチニン 0.70 0.58 0.62 0.69
カリウム 4.9 4.9 4.4 5.1
HbA1c 5.1 5.1 5.2 4.9
中性脂肪 59 78 64 38
という感じです。主治医からは尿素窒素が高いので、血糖値は余裕があるからもう少し肉・魚を減らしたらといわれましたが、減らした分炭水化物が増えると血糖値は確実にあがりますし、尿素窒素も江部先生のブログでは想定内と考えていいのではと思います。尿酸は毎朝ザイロリックを服用していますが、この数値です。糖質制限食の効き目は尿酸に関する限り私には無いようです。ちなみに私の主治医は糖質制限食について良いとも、悪いともコメントはありません。
2009/08/30(Sun) 14:36 | URL | 退屈無想庵」
退屈夢想庵さん。
参考になるコメントありがとうございます。
もともと糖尿人だったとは思えないぐらい、HbA1cは抜群ですね。(^-^)v(^-^)v
BUNも糖質制限食中の生理的な軽度上昇で、クレアチニン値が正常なので問題ありません。肉・魚、美味しく楽しく食べていただいて大丈夫ですよ。尿酸は一番、個人差が大きいです。
糖質制限食実践による検査データの変化ですが、はっきり一定の傾向がでるものとでないものがあります。
糖質制限食実践で
1 血糖値はリアルタイムに改善します。
2 スーパー糖質制限食なら、HbA1cは月に、1~2%改善します。
3 中性脂肪も速やかに改善します。
4 HDL-コレステロールは増加します。
増加しますが、増加の程度と速度に個人差があります。
5 LDL-コレステロールは低下・不変・上昇と個人差があります。
上昇した人も半年くらいで落ち着くことが多いですが個人差があります。
6 総コレステロールは低下・不変・上昇と個人差があります。
上昇した人も半年くらいで落ち着くことが多いですが個人差があります。
7 尿酸も低下・不変・上昇と個人差があります。
上昇した人も半年くらいで落ち着くことが多いですが個人差があります。
8 尿素窒素はやや増加傾向になる人が多いですが、そのうち落ちつくことがおおいです。
9 クレアチニンは不変です。
10 カリウムも不変のことが多いです。
ちなみに下記は、2002年から、数年来スーパー糖質制限食実践中の、江部康二の2009年6月のデータです。
血糖値:93mg(60~109)
IRI:2.2μU(3~15)
HbA1c:5.3%(4.3~5.8)
中性脂肪:55mg(50~149)
HDL-コレステロール:113.5mg(40~85)
LDL-コレステロール:113mg(140未満)
総コレステロール:238mg(150~219)
血色素量:15.4g/dl(13.0~17.0)
アルブミン:4.9g/dl(3.8~5.3)
尿酸:3.6mg/dl(3.4~7.0)
尿素窒素:18.7mg/dl(8~20)
クレアチニン:0.64mg/dl(0.6~1.1)
カリウム:4.5mEq/L(3.6~5.0)
γ-GTP:39IU/L(84以下)
GOT:27IU/L(9~38)
GPT:26IU/L(5~39)
ケトン体:945μM(26~122)
尿中ケトン体:陰性
尿中微量アルブミン:18.6mg/gc(30以下)
私の場合、HDL-コレステロールは増加して、LDL-コレステロールは少し減少しました。
1999年はTC210、HDL69.7、LDL123でした。
尿酸はもともと低い方でしたが、糖質制限食で上昇することはありませんでした。
尿素窒素は、初期の段階で23mgのことがありましたが、その後おちつきました。
IRIがやや低下してるので、油断すると早朝空腹時血糖値は120~130mgになることもあります。
血中ケトン体は、今の基準値よりは遙かに高値ですが、人類が農耕前の399万年間、糖質制限食を食べていた頃の正常値と考えられます。
血中ケトン体は、糖質制限食実践により、生理的に上昇し尿中ケトン体も陽性となります。尿中ケトン体は3ヶ月~半年で陰性となることが多いです。
糖質制限食実践により空腹時血糖値と食後血糖値の差が少なくなり、追加分泌インスリンもごく少量ですみますので代謝が安定します。
追加分泌インスリンが少ないので、食後3~4時間の低血糖なども生じにくく眠気などもなくなります。また血糖値の上下動が少ないと心理的に安定します。
食事中も含めて脂肪酸-ケトン体エネルギーシステムが常に活性化していて、ジョギングなど有酸素運動中も、筋肉中のグリコーゲンを節約することができるので持久力は向上します。
さらに血液がサラサラになるので、毛細血管にいたるまで血流がよくなり、自然治癒力が高まり、体調がよくなります。結果として、皮膚がしっとりしてきたり、毛髪が太くなったり、アレルギー症状が改善したりします。
人類は農耕前の399万年間、狩猟・採集(糖質制限食)を生業として進化をとげたわけです。
従って人体の生理・栄養・代謝は糖質制限食に適合するようにできています。糖質制限食が身体に悪かろうはずがありません。
清く正しくカロリー制限食より、美味しく楽しく糖質制限食ですね。ヾ(^▽^)
江部康二
昨夜半ふと目が覚めたら、リリリリリと虫の音が聞こえてきました。
コオロギでしょうか?秋の序章ですね。
さて今回は、退屈夢想庵さんから、糖質制限食と検査データについて、コメントをいただきました。
「ご報告
糖質制限食16ヶ月の退屈無想庵です。私、痛風で2ヶ月ごとに通院をしていますが、皆様のご参考までに主な数値をご報告します。
3/14 5/9 7/4 8/29
総コレステロール 220 209 205 199
LDLコレステロール 127 119 131 112
尿酸 7.4 6.7 6.7 7.0
尿素窒素 23.6 18.2 22.3 21.4
クレアチニン 0.70 0.58 0.62 0.69
カリウム 4.9 4.9 4.4 5.1
HbA1c 5.1 5.1 5.2 4.9
中性脂肪 59 78 64 38
という感じです。主治医からは尿素窒素が高いので、血糖値は余裕があるからもう少し肉・魚を減らしたらといわれましたが、減らした分炭水化物が増えると血糖値は確実にあがりますし、尿素窒素も江部先生のブログでは想定内と考えていいのではと思います。尿酸は毎朝ザイロリックを服用していますが、この数値です。糖質制限食の効き目は尿酸に関する限り私には無いようです。ちなみに私の主治医は糖質制限食について良いとも、悪いともコメントはありません。
2009/08/30(Sun) 14:36 | URL | 退屈無想庵」
退屈夢想庵さん。
参考になるコメントありがとうございます。
もともと糖尿人だったとは思えないぐらい、HbA1cは抜群ですね。(^-^)v(^-^)v
BUNも糖質制限食中の生理的な軽度上昇で、クレアチニン値が正常なので問題ありません。肉・魚、美味しく楽しく食べていただいて大丈夫ですよ。尿酸は一番、個人差が大きいです。
糖質制限食実践による検査データの変化ですが、はっきり一定の傾向がでるものとでないものがあります。
糖質制限食実践で
1 血糖値はリアルタイムに改善します。
2 スーパー糖質制限食なら、HbA1cは月に、1~2%改善します。
3 中性脂肪も速やかに改善します。
4 HDL-コレステロールは増加します。
増加しますが、増加の程度と速度に個人差があります。
5 LDL-コレステロールは低下・不変・上昇と個人差があります。
上昇した人も半年くらいで落ち着くことが多いですが個人差があります。
6 総コレステロールは低下・不変・上昇と個人差があります。
上昇した人も半年くらいで落ち着くことが多いですが個人差があります。
7 尿酸も低下・不変・上昇と個人差があります。
上昇した人も半年くらいで落ち着くことが多いですが個人差があります。
8 尿素窒素はやや増加傾向になる人が多いですが、そのうち落ちつくことがおおいです。
9 クレアチニンは不変です。
10 カリウムも不変のことが多いです。
ちなみに下記は、2002年から、数年来スーパー糖質制限食実践中の、江部康二の2009年6月のデータです。
血糖値:93mg(60~109)
IRI:2.2μU(3~15)
HbA1c:5.3%(4.3~5.8)
中性脂肪:55mg(50~149)
HDL-コレステロール:113.5mg(40~85)
LDL-コレステロール:113mg(140未満)
総コレステロール:238mg(150~219)
血色素量:15.4g/dl(13.0~17.0)
アルブミン:4.9g/dl(3.8~5.3)
尿酸:3.6mg/dl(3.4~7.0)
尿素窒素:18.7mg/dl(8~20)
クレアチニン:0.64mg/dl(0.6~1.1)
カリウム:4.5mEq/L(3.6~5.0)
γ-GTP:39IU/L(84以下)
GOT:27IU/L(9~38)
GPT:26IU/L(5~39)
ケトン体:945μM(26~122)
尿中ケトン体:陰性
尿中微量アルブミン:18.6mg/gc(30以下)
私の場合、HDL-コレステロールは増加して、LDL-コレステロールは少し減少しました。
1999年はTC210、HDL69.7、LDL123でした。
尿酸はもともと低い方でしたが、糖質制限食で上昇することはありませんでした。
尿素窒素は、初期の段階で23mgのことがありましたが、その後おちつきました。
IRIがやや低下してるので、油断すると早朝空腹時血糖値は120~130mgになることもあります。
血中ケトン体は、今の基準値よりは遙かに高値ですが、人類が農耕前の399万年間、糖質制限食を食べていた頃の正常値と考えられます。
血中ケトン体は、糖質制限食実践により、生理的に上昇し尿中ケトン体も陽性となります。尿中ケトン体は3ヶ月~半年で陰性となることが多いです。
糖質制限食実践により空腹時血糖値と食後血糖値の差が少なくなり、追加分泌インスリンもごく少量ですみますので代謝が安定します。
追加分泌インスリンが少ないので、食後3~4時間の低血糖なども生じにくく眠気などもなくなります。また血糖値の上下動が少ないと心理的に安定します。
食事中も含めて脂肪酸-ケトン体エネルギーシステムが常に活性化していて、ジョギングなど有酸素運動中も、筋肉中のグリコーゲンを節約することができるので持久力は向上します。
さらに血液がサラサラになるので、毛細血管にいたるまで血流がよくなり、自然治癒力が高まり、体調がよくなります。結果として、皮膚がしっとりしてきたり、毛髪が太くなったり、アレルギー症状が改善したりします。
人類は農耕前の399万年間、狩猟・採集(糖質制限食)を生業として進化をとげたわけです。
従って人体の生理・栄養・代謝は糖質制限食に適合するようにできています。糖質制限食が身体に悪かろうはずがありません。
清く正しくカロリー制限食より、美味しく楽しく糖質制限食ですね。ヾ(^▽^)
江部康二
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