2009年08月31日 (月)
こんにちは。
民主党圧勝でしたね。
選挙で投票した人の関心は、年金・医療・福祉が一番と新聞で報道してました。医療崩壊、年金疑惑、格差社会、雇用の減少・失業率増大・・・。
ごく普通に働いてきた日本国民・労働者が、生きていくのに最低限必要な生命線が崩壊しつつあります。
とりあえず、平成の変革と呼べる、画期的な政権交代です。
既得権益、天下り、公共事業の利権、道路特定財源、族議員、日本の政治の根幹にある悪慣習・・・
これらの悪慣習を根絶すれば、財源はあると私は思います。
本当の構造改革ができるか否か、日本国そのものの存亡に関わる正念場です。
自民党では何も変わらないという、国民の総意は鮮明でした。戦後60数年、羊のように従順だった日本国民が、今回は本気で怒っています。誰も民主党が素晴らしいと手放しで誉めているわけではなく、
「自民党だけは金輪際、駄目だ。それなら民主党しか残っていない。」
ということでしょう。私もそうです。
民主党さん、それこそ死ぬ気で頑張ってほしいです。
さて今回は、猛威をふるい始めた新型インフルエンザの記事です。
糖尿病の人は、インフルエンザのハイリスク群と言われます。新型インスルエンザでも同様ですね。我ら糖尿人としては、連日新聞やテレビでハイリスクと報道されると、びびってしまいますよね。(=_=;)
確かに糖尿病の人は、肺炎、膀胱炎・腎盂炎、皮膚化膿症、歯肉炎、あるいはかぜ・インフルエンザといった、感染症にかかりやすいことが知られています。
血糖値が高いと白血球や免疫の機能が落ちるし、血流が悪くなり感染の回復が遅れます。さらに感染があると血糖値が上昇して悪循環しやすいのです。
このように、まず大切なことは、血糖コントロールがうまくいっていないと抵抗力、免疫力が弱くなるので、感染症にかかりやすくなるということです。
血糖コントロールが悪い糖尿人は、インフルエンザに罹りやすいだけではなく、インフルエンザの合併症にもなりやすく重症化しやすいのです。
合併症には、インフルエンザ肺炎、細菌性肺炎、脳炎などが有ります。肺炎は高齢者の方では生命の危険を伴う事もあります。
一方、血糖コントロールが良い糖尿人はどうでしょう。
血糖コントロールが良好なら、白血球や免疫の機能は正常ですし、血流もスムースですので、感染症に罹るリスクは正常人と同じていどです。いかに日頃の血糖値をコントロールするかが、とても大事ですね。
なお、血糖コントロールがよい糖尿人でも、いったんインフルエンザに罹ってしまうと、いわゆるシックデイということになります。
シックデイになると血糖コントロールが日頃よい人でも、血糖値が上昇することがありますので、正常人よりは少しリスクとなります。
シックデイも糖質制限食を実践すれば、ひどい高血糖にはならずにすむと思います。
「糖尿人+シックデイ+糖質摂取」だと、重度の高血糖になりやすいので注意が必要ですね。
江部康二
民主党圧勝でしたね。
選挙で投票した人の関心は、年金・医療・福祉が一番と新聞で報道してました。医療崩壊、年金疑惑、格差社会、雇用の減少・失業率増大・・・。
ごく普通に働いてきた日本国民・労働者が、生きていくのに最低限必要な生命線が崩壊しつつあります。
とりあえず、平成の変革と呼べる、画期的な政権交代です。
既得権益、天下り、公共事業の利権、道路特定財源、族議員、日本の政治の根幹にある悪慣習・・・
これらの悪慣習を根絶すれば、財源はあると私は思います。
本当の構造改革ができるか否か、日本国そのものの存亡に関わる正念場です。
自民党では何も変わらないという、国民の総意は鮮明でした。戦後60数年、羊のように従順だった日本国民が、今回は本気で怒っています。誰も民主党が素晴らしいと手放しで誉めているわけではなく、
「自民党だけは金輪際、駄目だ。それなら民主党しか残っていない。」
ということでしょう。私もそうです。
民主党さん、それこそ死ぬ気で頑張ってほしいです。
さて今回は、猛威をふるい始めた新型インフルエンザの記事です。
糖尿病の人は、インフルエンザのハイリスク群と言われます。新型インスルエンザでも同様ですね。我ら糖尿人としては、連日新聞やテレビでハイリスクと報道されると、びびってしまいますよね。(=_=;)
確かに糖尿病の人は、肺炎、膀胱炎・腎盂炎、皮膚化膿症、歯肉炎、あるいはかぜ・インフルエンザといった、感染症にかかりやすいことが知られています。
血糖値が高いと白血球や免疫の機能が落ちるし、血流が悪くなり感染の回復が遅れます。さらに感染があると血糖値が上昇して悪循環しやすいのです。
このように、まず大切なことは、血糖コントロールがうまくいっていないと抵抗力、免疫力が弱くなるので、感染症にかかりやすくなるということです。
血糖コントロールが悪い糖尿人は、インフルエンザに罹りやすいだけではなく、インフルエンザの合併症にもなりやすく重症化しやすいのです。
合併症には、インフルエンザ肺炎、細菌性肺炎、脳炎などが有ります。肺炎は高齢者の方では生命の危険を伴う事もあります。
一方、血糖コントロールが良い糖尿人はどうでしょう。
血糖コントロールが良好なら、白血球や免疫の機能は正常ですし、血流もスムースですので、感染症に罹るリスクは正常人と同じていどです。いかに日頃の血糖値をコントロールするかが、とても大事ですね。
なお、血糖コントロールがよい糖尿人でも、いったんインフルエンザに罹ってしまうと、いわゆるシックデイということになります。
シックデイになると血糖コントロールが日頃よい人でも、血糖値が上昇することがありますので、正常人よりは少しリスクとなります。
シックデイも糖質制限食を実践すれば、ひどい高血糖にはならずにすむと思います。
「糖尿人+シックデイ+糖質摂取」だと、重度の高血糖になりやすいので注意が必要ですね。
江部康二
2009年08月30日 (日)
おはようございます。
2009年9月13日(日)に東京・中野で行われる、新形式の糖質制限食シンポジウムのご案内です
今回は、北里研究所病院糖尿病センター長の山田悟先生に、ご参加頂きます。糖質制限食に理解のある糖尿病専門医として、ニュートラルな立場から、従来の糖尿病治療と糖質制限食についてご講演いただきます。江部康二、大柳珠美管理栄養士の講演もあります。
<リボーン・シンポジウム 糖尿病治療における糖質制限食の有効性>
以下、NPO法人糖質制限食ネット・リボーン事務局、
曽我部ゆかりさんからのメッセージです。
江部康二
☆☆☆
NPO法人糖質制限食ネット・リボーン 曽我部 ゆかり より
江部先生のブログ読者の皆様へ。
暑かったり、寒かったり。今年の夏も夏らしくない夏ですね。皆様いかがおすごしでしょうか。私は、夏は夏らしくすごしたいなあ、と願っています。
さて、9月13日のシンポジウムのお知らせです。
昨日、ゲスト講師の山田悟先生と打ち合わせしてきました。糖質制限食への取り組みを積極的に考えていらっしゃり、心強く思いました。山田先生は、糖尿病専門医で、糖質制限食の有効性にいちはやく気づいた若きドクターです。いわば、糖質制限食の期待の星です。
三人の講師のお話につづき、パネルディスカッションの時間も設けました。
ぜひ、皆様、お誘い合わせの上で、お越し下さいね。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
シリーズ『食事で治す・アトピー・糖尿病・肥満・メタボ』vol 14
リボーン・シンポジウム
糖尿病治療における糖質制限食の有効性
はじめたその日から期待できる、急速な血糖値の改善、ダイエット、情緒の安定、湿疹の緩和、などなど。薬に頼ることなく、つらい症状が確実に改善。代謝機能全般が安定する糖質制限食を今日か轤ヘじめてみませんか。
●ゲスト講師
山田悟(北里研究所病院糖尿病センター センター長医学博士)
●講師 パネリスト
江部康二(高雄病院理事長/NPO法人糖質制限食ネット・リボーン理事長)
大柳珠美(管理栄養士/NPO法人糖質制限食ネット・リボーン理事)
今回は、北里研究所病院糖尿病センターの山田悟先生をゲスト講師に迎え、日本の糖尿病治療の現状と、糖尿病専門医という立場からの「糖質制限食」の有効性についてを語り合う、画期的なシンポジウムとなります。パネリストには当会理事長で糖質制限食のパイオニアである江部康二先生、同じく当会理事で管理栄養士の大柳珠美先生をまじえ、それぞれの立場から「糖質制限食」の実践について検討を加えます。「糖質制限食」の有効性が糖尿病学会でも徐々に認められつつある昨今ですが、さらなる展開を求めての新しい試みとなります。患者様のみならず、医療関係者の皆様にも有意義なデスカッションをどうぞご期待ください。
日 時 2009年9月13日(日)9時20分開場
9時30分開演 11時50分終了
場 所 なかのゼロ視聴覚ホール (JR中野駅南口下車6分)
会 費 一般 1800円 リボーン会員 1500円
ペア券 一般 3600円のところ3000円
ペア券 会員 3000円のところ2400円
※ペア券はご家族に限られていただきます。
主 催 NPO法人糖質制限食ネット・リボーン
申し込み・問い合わせ リボーン 曽我部
03-3388-5428 e-mail reborn@big.or.jp
裏面
<講師プロフィール>
山田悟
(やまださとる)
北里研究所病院糖尿病センター長。1970年生まれ。慶應義塾大學醫學部卒業
。慶應義塾大學醫學部内科学教室入局。東京都済生会中央病院、東京都国保南多摩病院を経て、1998年6月、慶應義塾大學醫學部内科学教室腎臓内分泌代謝研究室帰局した後、1型糖尿病の発症予知についての研究に従事する。
2002年1月北里研究所病院に就職し、一般内科臨床に従事するかたわら糖尿病についての臨床研究・基礎研究に従事する。同年、北里研究所病院総合内科医長に就任。
2003年12月医学博士号取得
。2007年4月北里研究所病院腎臓内分泌代謝科副部長に就任後、糖尿病センター長となる。
日本糖尿病学会糖尿病専門医、日本糖尿病学会指導医、慶應義塾大学医学部非常勤講師、北里大学薬学部非常勤講師、星薬科大学非常勤他多数の経歴を持つ。
江部康二(えべこうじ)
内科医、漢方医、(財)高雄病院理事長、NPO法人糖質制限食ネット・リボーン理事長。1950年生まれ。京都大学医学部卒業。2002年に自ら糖尿病であると気づいて以来、糖尿病治療の研究に取り組み、「糖質制限食」の体系を確立。これにより自身の糖尿病を克服。高雄病院でに数多くの臨床活動を通じて、糖尿病・肥満・メタボリック症候群などに対する糖質制限食の画期的な治療効果を証明。テーラーメイドダイエットとの2本立てでアトピーなど生活習慣病全般への効果も確立している。著書『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』(シリーズ展開中/東洋経済新報社刊)はベストセラーに。ブログ『ドクター江部の糖尿病徒然日記』(http://koujiebe.blog95.fc2.com/)は日に3000件を超えるアクセスがあり糖尿病患者さんの間で絶大な支持を得ている。
大柳珠美(おおやなぎたまみ)
管理栄養士、(有)コンコルディア代表、NPO法人糖質制限食ネット・リボーン理事。1968年、熊本県生まれ。二葉栄養専門学校(栄養士科)卒業。明星大学(人文学部・心理教育専攻)卒業。3年ほど前から糖質制限食の栄養カウンセリングに取り組み、現在は都内クリニック(ひめのともみクリニック(東京・五反田)、練馬駅西口眼科クリニック(東京・練馬))、小松川クリニック(東京・小松川)にて個人指導を担当している。テレビ出演、雑誌の執筆など、各方面でも活躍中。ブログ『管理栄養士のローカーボキッチン』(http://web.mac.com/concordia1/サイト/Blog/Blog.html)が話題をよんでいる。
江部康二との共著『糖尿病のための「糖質オフごちそうごはん」』(アスペクト)がある。
~薬に頼らない医療の実現を目指し「食」の根底を見直す~
NPO法人糖質制限食ネット・リボーン誕生
リボーンは、『食事で治す』をキーワードに、糖尿病やアトピーなど生活習慣病全般の改善のために有効な糖質制限食とテーラーメイドダイエットの理論と実践法を、広く一般社会に普及してくため活動を開始いたしました(NPO法人として1月7日に創立)。
主な活動内容は、糖質制限食の『講演会・セミナー・交流会の開催』『人材育成』『医療機関と他団体とのネットワーク構築』『食と生活習慣病に関する相談窓口開設』『情報集と情報提供』『研究・普及啓発』などになります。
私たちの活動はより多くの市民の方々の参加によって成り立ち発展していきます。
薬に頼らない医療の実現を願い、私たちとともに、「食」の根底を見直していきませんか。
多くの方々のご参加を心よりお待ちしております。
●お申し込み●
NPO法人糖質制限食ネット・リボーン
担当 曽我部 ゆかり
reborn@big.or.jp
〒165―0026 東京都中野区新井4-4-2-4B
TEL,FAX 03-3388-5428
NPO法人糖質制限食ネット・リボーン の URL が変わりました。
新URL http://reborn.prj.cc/
【講演会のお知らせ】
☆☆
糖尿病・メタボは必ず良くなる! 信州つばさネット公開講座2009
-目からウロコ!の糖質制限食-
とき:2009年10月3日(土) 午後1:00~4:00
ところ:信州松川町民体育館 トレーニングルーム
参加費:800円
主催:信州つばさネット/HUMAN LIFE INFO NET 翼
申込先:平沢文子(0265-34-7330 ”介護のかふね 松川店”
大澤み江(0265-36-3154)
野口次郎(0265-23-8824)
後援:松川町/松川町教育委員会/松川町公民館/松川町社会福祉協議会
☆☆講座「食事で治すアトピー・糖尿病・メタボ」
-テーラーメードダイエットと糖質制限食-
会場 朝日カルチャーセンター芦屋
http://www.asahi-culture.co.jp/www/ashiya-i.html
TEL 0797-38-2666
日時 2009年10月30日 金曜日 13:00~14:30
参加費 会員2,415 一般2,835
【高雄病院、医師・看護師募集】
募集要項
随時面接選考いたします。
詳細は下記までお問い合せ下さい。
〒616-8265
京都市右京区梅ヶ畑畑町3
財団法人 高雄病院
事務長 岡本 敏雄
TEL 075-872-0027
FAX 075-871-6865
E-mail okamoto@takao-hospital.jp
【コメント・質問に関するお知らせ・お願い】
ブログ読者の皆さんには、いつもコメントいただき、ありがとうございます。
読者の皆さんからご意見いただきましたが、確かに普通のお医者さんに相談可能な個人的な内容の質問は、主治医にご相談頂けば助かります。m(_ _)m
普通のお医者さんでは解答不能の、糖質制限食に関わる質問は、何でもどんどんしていただけば嬉しいです。 (^_^)
掲載OKの質問に関して、読者の皆さんに共有していただきたい情報の場合は、ブログ本文にて、できるだけ順番にお答えしたいと思います。質問によってはコメント欄でお早めにお答えする場合もありますのでご了承ください。
一方、コメント・質問がかなり増えてきていますので、なかなか即お答えすることが困難となってきています。できるだけ全ての質問に本文かコメントでお答えするよう努力はしていますが、できないときはご容赦願います。m(_ _)m
それから、「管理人のみ閲覧できる」「匿名希望」などの質問に関しては、コメント欄にお答えするか、一般的な話題に置き換えてブログに記載するようにしていますので、よろしくお願い申し上げます。
【糖質制限食コントロール・教育入院のご案内・保険適応】
お問い合わせは高雄病院
http://www.takao-hospital.jp/
住所:京都市右京区梅ヶ畑畑町3
電話:075-871-0245
ベットが空くまでお待ち頂くこともありますがご了承下さい。
【糖質制限食外来治療のご案内・予約制・保険適応】
高雄病院 電話:075-871-0245
京都市右京区梅ヶ畑畑町3
高雄病院京都駅前診療所 電話:075-352-5050
京都市下京区七条通り烏丸東入ル(50M)北側 ネオフィス 七条烏丸4F
http://www.takao-hospital.net/
江部診療所 電話:075-712-8133
京都市左京区下鴨高木町6 アトリエ・フォー 2F
【糖質制限食を実践される時のご注意】
本にも書きましたが、 糖質制限食実践によりリアルタイムに血糖値が改善します。このため既に、経口血糖降下剤(オイグルコン、アマリールなど)の内服やインスリン注射をしておられる糖尿人は低血糖の心配がありますので必ず主治医と相談して頂きたいと思います。
一方、薬を使用してない糖尿人は、低血糖の心配はないので、「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」「 糖質制限食 春のレシピ」「 糖質制限食 夏のレシピ」「糖質制限食 秋のレシピ」「糖質制限食 冬のレシピ」(以上東洋経済新報社)
「糖尿病のための糖質オフごちそうごはん」(アスペクト)
などを参考にされて、自力で 糖質制限食を実践して糖尿病改善を目指していただけば幸いです。
江部康二
2009年9月13日(日)に東京・中野で行われる、新形式の糖質制限食シンポジウムのご案内です
今回は、北里研究所病院糖尿病センター長の山田悟先生に、ご参加頂きます。糖質制限食に理解のある糖尿病専門医として、ニュートラルな立場から、従来の糖尿病治療と糖質制限食についてご講演いただきます。江部康二、大柳珠美管理栄養士の講演もあります。
<リボーン・シンポジウム 糖尿病治療における糖質制限食の有効性>
以下、NPO法人糖質制限食ネット・リボーン事務局、
曽我部ゆかりさんからのメッセージです。
江部康二
☆☆☆
NPO法人糖質制限食ネット・リボーン 曽我部 ゆかり より
江部先生のブログ読者の皆様へ。
暑かったり、寒かったり。今年の夏も夏らしくない夏ですね。皆様いかがおすごしでしょうか。私は、夏は夏らしくすごしたいなあ、と願っています。
さて、9月13日のシンポジウムのお知らせです。
昨日、ゲスト講師の山田悟先生と打ち合わせしてきました。糖質制限食への取り組みを積極的に考えていらっしゃり、心強く思いました。山田先生は、糖尿病専門医で、糖質制限食の有効性にいちはやく気づいた若きドクターです。いわば、糖質制限食の期待の星です。
三人の講師のお話につづき、パネルディスカッションの時間も設けました。
ぜひ、皆様、お誘い合わせの上で、お越し下さいね。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
シリーズ『食事で治す・アトピー・糖尿病・肥満・メタボ』vol 14
リボーン・シンポジウム
糖尿病治療における糖質制限食の有効性
はじめたその日から期待できる、急速な血糖値の改善、ダイエット、情緒の安定、湿疹の緩和、などなど。薬に頼ることなく、つらい症状が確実に改善。代謝機能全般が安定する糖質制限食を今日か轤ヘじめてみませんか。
●ゲスト講師
山田悟(北里研究所病院糖尿病センター センター長医学博士)
●講師 パネリスト
江部康二(高雄病院理事長/NPO法人糖質制限食ネット・リボーン理事長)
大柳珠美(管理栄養士/NPO法人糖質制限食ネット・リボーン理事)
今回は、北里研究所病院糖尿病センターの山田悟先生をゲスト講師に迎え、日本の糖尿病治療の現状と、糖尿病専門医という立場からの「糖質制限食」の有効性についてを語り合う、画期的なシンポジウムとなります。パネリストには当会理事長で糖質制限食のパイオニアである江部康二先生、同じく当会理事で管理栄養士の大柳珠美先生をまじえ、それぞれの立場から「糖質制限食」の実践について検討を加えます。「糖質制限食」の有効性が糖尿病学会でも徐々に認められつつある昨今ですが、さらなる展開を求めての新しい試みとなります。患者様のみならず、医療関係者の皆様にも有意義なデスカッションをどうぞご期待ください。
日 時 2009年9月13日(日)9時20分開場
9時30分開演 11時50分終了
場 所 なかのゼロ視聴覚ホール (JR中野駅南口下車6分)
会 費 一般 1800円 リボーン会員 1500円
ペア券 一般 3600円のところ3000円
ペア券 会員 3000円のところ2400円
※ペア券はご家族に限られていただきます。
主 催 NPO法人糖質制限食ネット・リボーン
申し込み・問い合わせ リボーン 曽我部
03-3388-5428 e-mail reborn@big.or.jp
裏面
<講師プロフィール>
山田悟
(やまださとる)
北里研究所病院糖尿病センター長。1970年生まれ。慶應義塾大學醫學部卒業
。慶應義塾大學醫學部内科学教室入局。東京都済生会中央病院、東京都国保南多摩病院を経て、1998年6月、慶應義塾大學醫學部内科学教室腎臓内分泌代謝研究室帰局した後、1型糖尿病の発症予知についての研究に従事する。
2002年1月北里研究所病院に就職し、一般内科臨床に従事するかたわら糖尿病についての臨床研究・基礎研究に従事する。同年、北里研究所病院総合内科医長に就任。
2003年12月医学博士号取得
。2007年4月北里研究所病院腎臓内分泌代謝科副部長に就任後、糖尿病センター長となる。
日本糖尿病学会糖尿病専門医、日本糖尿病学会指導医、慶應義塾大学医学部非常勤講師、北里大学薬学部非常勤講師、星薬科大学非常勤他多数の経歴を持つ。
江部康二(えべこうじ)
内科医、漢方医、(財)高雄病院理事長、NPO法人糖質制限食ネット・リボーン理事長。1950年生まれ。京都大学医学部卒業。2002年に自ら糖尿病であると気づいて以来、糖尿病治療の研究に取り組み、「糖質制限食」の体系を確立。これにより自身の糖尿病を克服。高雄病院でに数多くの臨床活動を通じて、糖尿病・肥満・メタボリック症候群などに対する糖質制限食の画期的な治療効果を証明。テーラーメイドダイエットとの2本立てでアトピーなど生活習慣病全般への効果も確立している。著書『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』(シリーズ展開中/東洋経済新報社刊)はベストセラーに。ブログ『ドクター江部の糖尿病徒然日記』(http://koujiebe.blog95.fc2.com/)は日に3000件を超えるアクセスがあり糖尿病患者さんの間で絶大な支持を得ている。
大柳珠美(おおやなぎたまみ)
管理栄養士、(有)コンコルディア代表、NPO法人糖質制限食ネット・リボーン理事。1968年、熊本県生まれ。二葉栄養専門学校(栄養士科)卒業。明星大学(人文学部・心理教育専攻)卒業。3年ほど前から糖質制限食の栄養カウンセリングに取り組み、現在は都内クリニック(ひめのともみクリニック(東京・五反田)、練馬駅西口眼科クリニック(東京・練馬))、小松川クリニック(東京・小松川)にて個人指導を担当している。テレビ出演、雑誌の執筆など、各方面でも活躍中。ブログ『管理栄養士のローカーボキッチン』(http://web.mac.com/concordia1/サイト/Blog/Blog.html)が話題をよんでいる。
江部康二との共著『糖尿病のための「糖質オフごちそうごはん」』(アスペクト)がある。
~薬に頼らない医療の実現を目指し「食」の根底を見直す~
NPO法人糖質制限食ネット・リボーン誕生
リボーンは、『食事で治す』をキーワードに、糖尿病やアトピーなど生活習慣病全般の改善のために有効な糖質制限食とテーラーメイドダイエットの理論と実践法を、広く一般社会に普及してくため活動を開始いたしました(NPO法人として1月7日に創立)。
主な活動内容は、糖質制限食の『講演会・セミナー・交流会の開催』『人材育成』『医療機関と他団体とのネットワーク構築』『食と生活習慣病に関する相談窓口開設』『情報集と情報提供』『研究・普及啓発』などになります。
私たちの活動はより多くの市民の方々の参加によって成り立ち発展していきます。
薬に頼らない医療の実現を願い、私たちとともに、「食」の根底を見直していきませんか。
多くの方々のご参加を心よりお待ちしております。
●お申し込み●
NPO法人糖質制限食ネット・リボーン
担当 曽我部 ゆかり
reborn@big.or.jp
〒165―0026 東京都中野区新井4-4-2-4B
TEL,FAX 03-3388-5428
NPO法人糖質制限食ネット・リボーン の URL が変わりました。
新URL http://reborn.prj.cc/
【講演会のお知らせ】
☆☆
糖尿病・メタボは必ず良くなる! 信州つばさネット公開講座2009
-目からウロコ!の糖質制限食-
とき:2009年10月3日(土) 午後1:00~4:00
ところ:信州松川町民体育館 トレーニングルーム
参加費:800円
主催:信州つばさネット/HUMAN LIFE INFO NET 翼
申込先:平沢文子(0265-34-7330 ”介護のかふね 松川店”
大澤み江(0265-36-3154)
野口次郎(0265-23-8824)
後援:松川町/松川町教育委員会/松川町公民館/松川町社会福祉協議会
☆☆講座「食事で治すアトピー・糖尿病・メタボ」
-テーラーメードダイエットと糖質制限食-
会場 朝日カルチャーセンター芦屋
http://www.asahi-culture.co.jp/www/ashiya-i.html
TEL 0797-38-2666
日時 2009年10月30日 金曜日 13:00~14:30
参加費 会員2,415 一般2,835
【高雄病院、医師・看護師募集】
募集要項
随時面接選考いたします。
詳細は下記までお問い合せ下さい。
〒616-8265
京都市右京区梅ヶ畑畑町3
財団法人 高雄病院
事務長 岡本 敏雄
TEL 075-872-0027
FAX 075-871-6865
E-mail okamoto@takao-hospital.jp
【コメント・質問に関するお知らせ・お願い】
ブログ読者の皆さんには、いつもコメントいただき、ありがとうございます。
読者の皆さんからご意見いただきましたが、確かに普通のお医者さんに相談可能な個人的な内容の質問は、主治医にご相談頂けば助かります。m(_ _)m
普通のお医者さんでは解答不能の、糖質制限食に関わる質問は、何でもどんどんしていただけば嬉しいです。 (^_^)
掲載OKの質問に関して、読者の皆さんに共有していただきたい情報の場合は、ブログ本文にて、できるだけ順番にお答えしたいと思います。質問によってはコメント欄でお早めにお答えする場合もありますのでご了承ください。
一方、コメント・質問がかなり増えてきていますので、なかなか即お答えすることが困難となってきています。できるだけ全ての質問に本文かコメントでお答えするよう努力はしていますが、できないときはご容赦願います。m(_ _)m
それから、「管理人のみ閲覧できる」「匿名希望」などの質問に関しては、コメント欄にお答えするか、一般的な話題に置き換えてブログに記載するようにしていますので、よろしくお願い申し上げます。
【糖質制限食コントロール・教育入院のご案内・保険適応】
お問い合わせは高雄病院
http://www.takao-hospital.jp/
住所:京都市右京区梅ヶ畑畑町3
電話:075-871-0245
ベットが空くまでお待ち頂くこともありますがご了承下さい。
【糖質制限食外来治療のご案内・予約制・保険適応】
高雄病院 電話:075-871-0245
京都市右京区梅ヶ畑畑町3
高雄病院京都駅前診療所 電話:075-352-5050
京都市下京区七条通り烏丸東入ル(50M)北側 ネオフィス 七条烏丸4F
http://www.takao-hospital.net/
江部診療所 電話:075-712-8133
京都市左京区下鴨高木町6 アトリエ・フォー 2F
【糖質制限食を実践される時のご注意】
本にも書きましたが、 糖質制限食実践によりリアルタイムに血糖値が改善します。このため既に、経口血糖降下剤(オイグルコン、アマリールなど)の内服やインスリン注射をしておられる糖尿人は低血糖の心配がありますので必ず主治医と相談して頂きたいと思います。
一方、薬を使用してない糖尿人は、低血糖の心配はないので、「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」「 糖質制限食 春のレシピ」「 糖質制限食 夏のレシピ」「糖質制限食 秋のレシピ」「糖質制限食 冬のレシピ」(以上東洋経済新報社)
「糖尿病のための糖質オフごちそうごはん」(アスペクト)
などを参考にされて、自力で 糖質制限食を実践して糖尿病改善を目指していただけば幸いです。
江部康二
2009年08月29日 (土)
こんにちは。
「糖質制限食を実践すると脳のブドウ糖が足らなくなり問題である。」
このような迷説が医療現場でまかり通っており、患者さんを混乱させています。
過去何回か質問を受け回答しましたが、大切なことなので何回でも書きます。
今回は 並河浩彦さんから、糖質制限食と脳・ブドウ糖についてコメント・質問を頂きました。
「09/08/28 並河浩彦
食後処方薬を飲んでも、200以上の高血糖になるのですが、ご飯を食べないようにすると血糖値が上がらないのと、1時間ぐらい散歩をすると高血糖となってもすぐ下がるので、続けてきました。
しかし、糖質制限は、脳に栄養が届かず問題ありと病院で言われ続けてきましたが、そうなんでしょうか?
また、尿検査で、2+となることが多いのですが、 糖質制限はやめたほうがいいのでしょうか?」
並河浩彦さん。
コメントありがとうございます。
糖質制限食で、高血糖は改善しますが、別に低血糖になるわけではありませんよ。糖質制限食実践で、正常の血糖値になるのです。糖質制限食摂取中も肝臓でアミノ酸・乳酸・グリセロールなどからブドウ糖をつくるからです。
並河さん、安心して糖質制限食をお続け下さい。
そして、脳はブドウ糖を利用しますが、ケトン体もエネルギー源としていくらでも利用します。脳がケトン体を利用することは、医学の教科書「ハーパー生化学」にも記載してあります。
医師や薬剤師や医療関係者の方でも、一般の方々と同様に「脳はブドウ糖しか利用できない」と思い込んでいる人が、実は多いと思います。
確かに生理学的には、脳は骨格筋や心筋と違って、安静時にもブドウ糖を利用していることは間違いありません。しかし、脳はケトン体という脂肪の分解産物もいつでも利用できるのです。
従って「脳はブドウ糖しか利用できない」というのは、はっきり間違いです。
例えばガイトン臨床生理学(有名な生理学の教科書です)によれば、
「イヌイットは時々完全脂肪食を摂取するが、通常ブドウ糖しかエネルギー源として利用しない脳細胞も、この時は50~75%のエネルギ-を脂質(ケトン体)から得られるようになる」
そうです。
なお安静時や軽い運動時は、心筋も骨格筋もエネルギー源の大部分は脂肪酸やケトン体で、ブドウ糖は少しか利用できません。一方、脳や赤血球や網膜などは安静時にブドウ糖をしっかり利用します。
要するに、日常的には脳や赤血球や網膜はブドウ糖、筋肉は脂肪がエネルギー源なのです。では脳はなぜ安静時に筋肉と違って、ブドウ糖を利用できるのでしょうか?
なぜこのような使い分けが可能なのか、医学が発達するまではよくわからなかったのですが、近年、糖輸送体(糖取り込み装置です)というものが発見されてその謎が解けました。
糖輸送体はGLUT(グルット、グルコーストランスポーター)と呼ばれ、各細胞によりいろんな種類があります。
例えば骨格筋や心筋の糖輸送体はGLUT4(グルット4)で、通常は細胞の中に隠れていますが、運動時や糖質を摂取して血糖値が上昇しインスリンが大量に追加分泌された時は、細胞の表面に出てきて血糖を取り込むのです。
運動してない時や血糖値が上昇していない時は、グルット4は細胞の中に隠れているので、筋肉は血糖を微量しか取り込むことはできませんから、主要エネルギー源は脂肪になるわけです。
これに対して、脳の糖輸送体はGLUT1(グルット1)であり、常に細胞の表面に存在していますから、いつでも血糖を取り込むことが可能なので、日常的にブドウ糖をエネルギー源としているわけです。
脳以外にグルット1を持っているのは、赤血球、網膜などです。
GLUTは現在13種類が報告されていますが、グルット4とグルット1が一番よく知られています。他のグルコーストランスポーターはまだ研究途上といったところで、勿論私如き未熟者には全然わかりませんが、
「ブドウ糖の取り込み装置には少なくとも13種類あって、各臓器・組織により巧みに使い分けている人体の精妙さ」
には脱帽です。
江部康二
「糖質制限食を実践すると脳のブドウ糖が足らなくなり問題である。」
このような迷説が医療現場でまかり通っており、患者さんを混乱させています。
過去何回か質問を受け回答しましたが、大切なことなので何回でも書きます。
今回は 並河浩彦さんから、糖質制限食と脳・ブドウ糖についてコメント・質問を頂きました。
「09/08/28 並河浩彦
食後処方薬を飲んでも、200以上の高血糖になるのですが、ご飯を食べないようにすると血糖値が上がらないのと、1時間ぐらい散歩をすると高血糖となってもすぐ下がるので、続けてきました。
しかし、糖質制限は、脳に栄養が届かず問題ありと病院で言われ続けてきましたが、そうなんでしょうか?
また、尿検査で、2+となることが多いのですが、 糖質制限はやめたほうがいいのでしょうか?」
並河浩彦さん。
コメントありがとうございます。
糖質制限食で、高血糖は改善しますが、別に低血糖になるわけではありませんよ。糖質制限食実践で、正常の血糖値になるのです。糖質制限食摂取中も肝臓でアミノ酸・乳酸・グリセロールなどからブドウ糖をつくるからです。
並河さん、安心して糖質制限食をお続け下さい。
そして、脳はブドウ糖を利用しますが、ケトン体もエネルギー源としていくらでも利用します。脳がケトン体を利用することは、医学の教科書「ハーパー生化学」にも記載してあります。
医師や薬剤師や医療関係者の方でも、一般の方々と同様に「脳はブドウ糖しか利用できない」と思い込んでいる人が、実は多いと思います。
確かに生理学的には、脳は骨格筋や心筋と違って、安静時にもブドウ糖を利用していることは間違いありません。しかし、脳はケトン体という脂肪の分解産物もいつでも利用できるのです。
従って「脳はブドウ糖しか利用できない」というのは、はっきり間違いです。
例えばガイトン臨床生理学(有名な生理学の教科書です)によれば、
「イヌイットは時々完全脂肪食を摂取するが、通常ブドウ糖しかエネルギー源として利用しない脳細胞も、この時は50~75%のエネルギ-を脂質(ケトン体)から得られるようになる」
そうです。
なお安静時や軽い運動時は、心筋も骨格筋もエネルギー源の大部分は脂肪酸やケトン体で、ブドウ糖は少しか利用できません。一方、脳や赤血球や網膜などは安静時にブドウ糖をしっかり利用します。
要するに、日常的には脳や赤血球や網膜はブドウ糖、筋肉は脂肪がエネルギー源なのです。では脳はなぜ安静時に筋肉と違って、ブドウ糖を利用できるのでしょうか?
なぜこのような使い分けが可能なのか、医学が発達するまではよくわからなかったのですが、近年、糖輸送体(糖取り込み装置です)というものが発見されてその謎が解けました。
糖輸送体はGLUT(グルット、グルコーストランスポーター)と呼ばれ、各細胞によりいろんな種類があります。
例えば骨格筋や心筋の糖輸送体はGLUT4(グルット4)で、通常は細胞の中に隠れていますが、運動時や糖質を摂取して血糖値が上昇しインスリンが大量に追加分泌された時は、細胞の表面に出てきて血糖を取り込むのです。
運動してない時や血糖値が上昇していない時は、グルット4は細胞の中に隠れているので、筋肉は血糖を微量しか取り込むことはできませんから、主要エネルギー源は脂肪になるわけです。
これに対して、脳の糖輸送体はGLUT1(グルット1)であり、常に細胞の表面に存在していますから、いつでも血糖を取り込むことが可能なので、日常的にブドウ糖をエネルギー源としているわけです。
脳以外にグルット1を持っているのは、赤血球、網膜などです。
GLUTは現在13種類が報告されていますが、グルット4とグルット1が一番よく知られています。他のグルコーストランスポーターはまだ研究途上といったところで、勿論私如き未熟者には全然わかりませんが、
「ブドウ糖の取り込み装置には少なくとも13種類あって、各臓器・組織により巧みに使い分けている人体の精妙さ」
には脱帽です。
江部康二
2009年08月28日 (金)
おはようございます。
夜がめっきりしのぎやすくなってきました。秋の気配を感じるこの頃ですね。
さて高雄病院は、生薬を用いた漢方治療を行っていて、使用量は日本一です。また、糖質制限食による糖尿病入院・外来治療を行っている日本でたった一つの病院です。
アトピー性皮膚炎の治療でも、日本全国から患者さんがこられます。入院してアトピー学校で症状をコントロールし、自己管理の技を修得して退院される患者さんは、年間300人です。
漢方医療で35年、アトピー治療30年、糖尿病・糖質制限食治療で10年の実績があります。漢方・アレルギー・糖質制限食に特化したユニークな病院です。
現在常勤医師が7名ですが、お一人、今秋から開業されます。開業されても外来は1単位担当していただけますが、医師が法定ギリギリの数となります。
高雄病院では、漢方、糖質制限食、アトピー・アレルギーに興味のある医師を募集しています。ブログ読者の皆さん、ご本人が医師あるいは知り合いに医師などおられましたら、是非よろしくお願い申し上げます。看護師さんも募集しております。こちらもよろしくお願い申し上げます。
江部康二
☆☆☆
募集要項
随時面接選考いたします。
詳細は下記までお問い合せ下さい。
〒616-8265
京都市右京区梅ヶ畑畑町3
財団法人 高雄病院
事務長 岡本 敏雄
TEL 075-872-0027
FAX 075-871-6865
E-mail okamoto@takao-hospital.jp
夜がめっきりしのぎやすくなってきました。秋の気配を感じるこの頃ですね。
さて高雄病院は、生薬を用いた漢方治療を行っていて、使用量は日本一です。また、糖質制限食による糖尿病入院・外来治療を行っている日本でたった一つの病院です。
アトピー性皮膚炎の治療でも、日本全国から患者さんがこられます。入院してアトピー学校で症状をコントロールし、自己管理の技を修得して退院される患者さんは、年間300人です。
漢方医療で35年、アトピー治療30年、糖尿病・糖質制限食治療で10年の実績があります。漢方・アレルギー・糖質制限食に特化したユニークな病院です。
現在常勤医師が7名ですが、お一人、今秋から開業されます。開業されても外来は1単位担当していただけますが、医師が法定ギリギリの数となります。
高雄病院では、漢方、糖質制限食、アトピー・アレルギーに興味のある医師を募集しています。ブログ読者の皆さん、ご本人が医師あるいは知り合いに医師などおられましたら、是非よろしくお願い申し上げます。看護師さんも募集しております。こちらもよろしくお願い申し上げます。
江部康二
☆☆☆
募集要項
随時面接選考いたします。
詳細は下記までお問い合せ下さい。
〒616-8265
京都市右京区梅ヶ畑畑町3
財団法人 高雄病院
事務長 岡本 敏雄
TEL 075-872-0027
FAX 075-871-6865
E-mail okamoto@takao-hospital.jp
2009年08月27日 (木)
こんばんは。
2009/02/27(金)のブログ<尋常性乾癬の改善と糖質制限食>で、ご自身の20年来の尋常性乾癬が、糖質制限食を開始して約2ヶ月で劇的に改善された、さわさんのコメントを紹介しました。
その後、江部診療所と高雄病院で、数年来漢方治療をしているけれど、難治性で上手くいっていない尋常性乾癬の患者さん3名に、さわさんのコメントをプリントアウトして説明して、糖質制限食を実践していただきました。 (^_^)
比較的経過良好の2~3人の患者さんからは、残念ながら「糖質抜きなんて到底無理です!!」と拒否されました。( ̄_ ̄|||)
やはり、モチベーションの問題があるようです。
糖質制限食を実践していただいた、4人の患者さんは、1ヶ月経過した時点で全員皮疹の面積が、10→5以下になりました。自分で想像していた以上の効果で嬉しいビックリでした。ヽ(*`▽´)ノ
まだまだ症例が少ないので、確定的なことは言えませんが、少なくとも通常の治療で、コントロール困難な尋常性乾癬に関しては、糖質制限食を試みる価値は充分あると思います。
「騙されたと思って、兎に角1ヶ月、糖質制限食やってみて下さい。」
私は、まあこんな具合で説得しました。
なおイヌイットと尋常性乾癬に関して、興味深い報告があります。
1950年~1974年までのグリーンランド・ウパナヴィック病院の記録をまとめて、Kromannらが1980年に報告しています。
それによると、まず動脈硬化性心疾患で死亡したグリーンランド・エスキモーはわずか3名で、ほぼ同年齢層のデンマーク人の死亡予想値40人に比べて極めて低かったのです。これは有名な報告なので、ご存じの方も多いと思います。
そして、尋常性乾癬の患者はわずか2名で、デンマーク人の予想値40人に比べて心筋梗塞以上に少なかったのです。当時のグリーンランド・エスキモーの主食は、アザラシ・トド・魚肉などであり、まさにスーパー糖質制限食でした。
それでは日本で初めて、糖質制限食で尋常性乾癬が改善した、さわさんからその後の経過と貴重なアドバイスをコメントいただきましたので、以下抜粋を記載します。
さわさん、大変興味深い報告、ありがとうございました。m(_ _)mV
糖質制限食実践と牛脂・豚脂を減らすことで尋常性乾癬の経過良好、
糖質制限食と運動で早朝空腹時血糖値の改善、
糖質制限食で筋力も増強、
見事な自己管理ですね。ヾ(^▽^)
江部康二
【さわ
『糖質制限と尋常性乾癬』
江部先生、毎日のお仕事、ブログの更新ご苦労さまです。
先日は、私の質問に対して、ピーマンの糖質量まで調べて頂き、ありがとうございました。
おかげさまで、これからも安心してピーマンを食べることができそうです。
さて、今日はちょっとした報告があります。
自分は、ちょうど20年前の1月に尋常性乾癬を発症して今年で20年目になります。
尋常性乾癬とは不治の皮膚病で絶対治らないものだとあきらめていましたし、今まで20年近く我慢できたのだから、まぁ一生付き合っていけるだろうと考えていました。
ここ4~5年は春夏は症状がほぼ治まるのですが、12月~3月の4ヶ月間は膝から下がほぼ乾癬で埋め尽くされ、所々ひび割れて、痛さのあまり歩くこともままならず、一日の中でお風呂に入っている時だけが唯一ほっとできる、そんな日々を過ごしていました。
ところが、昨年の10月に糖尿病が発症し、糖質制限食は始めて以来、乾癬が全く出なくなりました。(現在左足に1cm、右足に5mm程度のものだけ)
こんなことはこの20年で初めてのことですし、どういうことなのだろう?と思っていたのですが、先生の2009/01/06(火)のブログを読んで、目から鱗でした。
ここの部分です。
『このブドウ糖ミニスパイクが、生体の恒常性をかく乱してアレルギー疾患を悪化させたり、将来の生活習慣病のもととなります。
過去世界中にいろんな食事療法がありましたが、経験的に有効とされているものは、玄米菜食、ゲルソン療法、甲田療法など基本的にブドウ糖ミニスパイクが少ないという一点で一致しています。
私は現在、世界に氾濫する生活習慣病の元凶は、精製炭水化物やジャンクフードによるグルコースミニスパイクとインスリン過剰分泌と考えています。』
今までの自分をを振り返ってみると、ラーメンは週に3度は食べるし、カレーライスは大好きでおかわりをするし、うどんや蕎麦、スパゲティは大好きだしで、炭水化物まみれの食生活だったので、乾癬も治らなかったのだな。と今年になってやっと気が付きました。
以前は、焼肉屋に行くと翌日には即座に乾癬が悪化していたので、脂質は避けて生活していたのですが、今では糖質制限をしている限り、焼肉屋に行っても全く乾癬は悪化しないようになりました。
ここ数年の歩けなかった辛さを考えると、糖尿病にはなったものの、乾癬がほぼ治った今現在のほうが凄く幸せだな。と毎日思っている次第です。
2009/02/25(水) 】
【さわ
乾癬がほぼ治って、何が嬉しいかというと、普通に歩けるようになったことがもちろん一番ですが、頭皮、手の甲も100%治り、人目を全く気にしなくて良くなったこと。ガンコな爪の変形もほぼ治ってきていること。温泉に行けるようになったこと等たくさんあります。
飲み薬、塗り薬は昨年の4月から一度も使用していないのにです。
本当に江部先生のブログに出会えて良かったと思っています。
2009/02/26(木) 09:32:21 】
【09/08/16 さわ
江部先生、こんにちは
今回シューアイス、シュークリーム残念でしたね。
でも、そのチャレンジ精神にはかなり勇気付けられました。
ありがとうございました。
>3人に糖質制限食を試して、全例成功しました。
これは凄いですね。
乾癬患者は症状が多彩なので1種類の治療法では治癒が難しいと思っていたので本当に驚きです。
自分のその後ですが、乾癬については、糖質制限でグルコーススパイクを抑えることと脂身の多い牛肉(できれば豚肉の脂身も)を控えることで上手くコントロールできるようです。
糖尿病については、6月に血糖自己測定器を購入し、毎食糖質5g~15g程度の摂取で測定していたところ
早朝空腹時160~170
夕食前130~140
夕食後2時間140~160
と言う数値が2週間近く改善されなかった為、重い腰を上げて苦手なウォーキングを2日に1回30分~50分するようにしました。
ウォーキングの時間帯は早朝、夕食前、深夜のいずれかです。
効果は初日からすぐに表れ
早朝空腹時95~125
夕食前95~125
夕食後2時間125~150
このようになりました。
最大の悩みであった早朝空腹時血糖値が前日の夕食後2時間値より高くなるという問題も解消されました。
またこれからも先生のブログや本でいろいろと勉強させて頂きたいと思っていますのでよろしくお願いします。 】
【09/08/19 さわ
糖質制限と乾癬と牛肉
江部先生、おはようございます。
連日の投稿ですみません。
最近は皆さん質問、コメントが多く、ずっと読み逃げ状態だったのですが、今回はコメントがなく寂しく思っていたので、レスさせていただきます。
たぶん、先生のあまりにも完璧な理論に皆さんグーの音も出なかったのだと思います。
筋肉についてですが、糖質制限を始めてから無駄な脂肪がほとんどなくなった私ですが、先日18歳の息子と腕相撲をしてみたところ、楽勝でこちらの勝ちでした。
糖尿病になる以前は5回しかできなかった腕立て伏せも50回は余裕でできるようになりました。
本でいろいろな方の理論を読むとついつい信用してしまいがちですが、はやり大切なのはまず自分でそれを実践してみて自分自身で判断することなのかな。と思いました。
この2ヶ月ですが、6月に血糖測定器を購入後、より厳密な血糖管理ができるようになり、まるで5~10年前にもどったようなハツラツとした体調を維持できています。
乾癬についてですが、自分のことが「我ら糖尿人、元気なのには理由(ワケ)がある。」に数ページにわたって取り上げられていることにかなり感動しました。
その後いろいろ考えたのですが、生物の進化上において、カンブリア紀の大爆発というものがありますよね。
地球上の環境が生物の進化に最も適した状態になり、ミトコンドリアのDNAの助けを借りて、生物が一気に多種多様化した時期です。
乾癬が一気に悪化する時は、この時代に似ていると思いました。
炭水化物の摂取とグルコーススパイクによる血管の内部がカンブリア紀の環境、気候にあたり、牛肉の脂がミトコンドリアになるのではないか?と。私独自の理論ですが・・・
昨年春から乾癬がほとんど良くなり、本当に嬉しかったのですが、調子に乗って1ヶ月に10回以上も牛肉を食べると、流石に乾癬も少しは悪化してきます。
でも、そのスピードは凄く緩やかで、また即座に反省し、脂たっぷりの牛肉の摂取をやめると、これまた緩やかですが、即座に快方に向かいます。
もし炭水化物を大量に摂取し、乾癬の悪化に最適な血液環境を自分自身で作っていたならば、少量の牛肉の摂取でも悪化はすさまじいものになっていただろうと思われました。
またこういう状態の時の改善は最低でも1~2ヶ月はかかります。
今はほんの少しの悪化に1~2週間、改善に1~2週間という感じですごく上手くコントロールできています。
今年も10月~2月はほぼ完全に牛肉断ちをする予定です。
ただし、完全な赤身のモモや脂肪のほとんどないヒレのステーキは、どちらかを月に1度くらいは食べる予定です。 焼肉屋はこの期間は絶対に行かないつもりです。
そし、春~秋は毎月1回は焼肉屋で脂たっぷりのカルビ、ホルモンなど堪能する予定にしています。
チーズなどの脂肪分、オリーブオイルなどの植物油は乾癬を全く悪化させないこともこの1年でわかりました。
これも人それぞれだと思うので、あくまで私の場合だと考えて欲しいのですが・・・
一応参考まで。
以上とりとめのない話になって申し訳ありませんでした。
これからも益々のご活躍を願っています。】
2009/02/27(金)のブログ<尋常性乾癬の改善と糖質制限食>で、ご自身の20年来の尋常性乾癬が、糖質制限食を開始して約2ヶ月で劇的に改善された、さわさんのコメントを紹介しました。
その後、江部診療所と高雄病院で、数年来漢方治療をしているけれど、難治性で上手くいっていない尋常性乾癬の患者さん3名に、さわさんのコメントをプリントアウトして説明して、糖質制限食を実践していただきました。 (^_^)
比較的経過良好の2~3人の患者さんからは、残念ながら「糖質抜きなんて到底無理です!!」と拒否されました。( ̄_ ̄|||)
やはり、モチベーションの問題があるようです。
糖質制限食を実践していただいた、4人の患者さんは、1ヶ月経過した時点で全員皮疹の面積が、10→5以下になりました。自分で想像していた以上の効果で嬉しいビックリでした。ヽ(*`▽´)ノ
まだまだ症例が少ないので、確定的なことは言えませんが、少なくとも通常の治療で、コントロール困難な尋常性乾癬に関しては、糖質制限食を試みる価値は充分あると思います。
「騙されたと思って、兎に角1ヶ月、糖質制限食やってみて下さい。」
私は、まあこんな具合で説得しました。
なおイヌイットと尋常性乾癬に関して、興味深い報告があります。
1950年~1974年までのグリーンランド・ウパナヴィック病院の記録をまとめて、Kromannらが1980年に報告しています。
それによると、まず動脈硬化性心疾患で死亡したグリーンランド・エスキモーはわずか3名で、ほぼ同年齢層のデンマーク人の死亡予想値40人に比べて極めて低かったのです。これは有名な報告なので、ご存じの方も多いと思います。
そして、尋常性乾癬の患者はわずか2名で、デンマーク人の予想値40人に比べて心筋梗塞以上に少なかったのです。当時のグリーンランド・エスキモーの主食は、アザラシ・トド・魚肉などであり、まさにスーパー糖質制限食でした。
それでは日本で初めて、糖質制限食で尋常性乾癬が改善した、さわさんからその後の経過と貴重なアドバイスをコメントいただきましたので、以下抜粋を記載します。
さわさん、大変興味深い報告、ありがとうございました。m(_ _)mV
糖質制限食実践と牛脂・豚脂を減らすことで尋常性乾癬の経過良好、
糖質制限食と運動で早朝空腹時血糖値の改善、
糖質制限食で筋力も増強、
見事な自己管理ですね。ヾ(^▽^)
江部康二
【さわ
『糖質制限と尋常性乾癬』
江部先生、毎日のお仕事、ブログの更新ご苦労さまです。
先日は、私の質問に対して、ピーマンの糖質量まで調べて頂き、ありがとうございました。
おかげさまで、これからも安心してピーマンを食べることができそうです。
さて、今日はちょっとした報告があります。
自分は、ちょうど20年前の1月に尋常性乾癬を発症して今年で20年目になります。
尋常性乾癬とは不治の皮膚病で絶対治らないものだとあきらめていましたし、今まで20年近く我慢できたのだから、まぁ一生付き合っていけるだろうと考えていました。
ここ4~5年は春夏は症状がほぼ治まるのですが、12月~3月の4ヶ月間は膝から下がほぼ乾癬で埋め尽くされ、所々ひび割れて、痛さのあまり歩くこともままならず、一日の中でお風呂に入っている時だけが唯一ほっとできる、そんな日々を過ごしていました。
ところが、昨年の10月に糖尿病が発症し、糖質制限食は始めて以来、乾癬が全く出なくなりました。(現在左足に1cm、右足に5mm程度のものだけ)
こんなことはこの20年で初めてのことですし、どういうことなのだろう?と思っていたのですが、先生の2009/01/06(火)のブログを読んで、目から鱗でした。
ここの部分です。
『このブドウ糖ミニスパイクが、生体の恒常性をかく乱してアレルギー疾患を悪化させたり、将来の生活習慣病のもととなります。
過去世界中にいろんな食事療法がありましたが、経験的に有効とされているものは、玄米菜食、ゲルソン療法、甲田療法など基本的にブドウ糖ミニスパイクが少ないという一点で一致しています。
私は現在、世界に氾濫する生活習慣病の元凶は、精製炭水化物やジャンクフードによるグルコースミニスパイクとインスリン過剰分泌と考えています。』
今までの自分をを振り返ってみると、ラーメンは週に3度は食べるし、カレーライスは大好きでおかわりをするし、うどんや蕎麦、スパゲティは大好きだしで、炭水化物まみれの食生活だったので、乾癬も治らなかったのだな。と今年になってやっと気が付きました。
以前は、焼肉屋に行くと翌日には即座に乾癬が悪化していたので、脂質は避けて生活していたのですが、今では糖質制限をしている限り、焼肉屋に行っても全く乾癬は悪化しないようになりました。
ここ数年の歩けなかった辛さを考えると、糖尿病にはなったものの、乾癬がほぼ治った今現在のほうが凄く幸せだな。と毎日思っている次第です。
2009/02/25(水) 】
【さわ
乾癬がほぼ治って、何が嬉しいかというと、普通に歩けるようになったことがもちろん一番ですが、頭皮、手の甲も100%治り、人目を全く気にしなくて良くなったこと。ガンコな爪の変形もほぼ治ってきていること。温泉に行けるようになったこと等たくさんあります。
飲み薬、塗り薬は昨年の4月から一度も使用していないのにです。
本当に江部先生のブログに出会えて良かったと思っています。
2009/02/26(木) 09:32:21 】
【09/08/16 さわ
江部先生、こんにちは
今回シューアイス、シュークリーム残念でしたね。
でも、そのチャレンジ精神にはかなり勇気付けられました。
ありがとうございました。
>3人に糖質制限食を試して、全例成功しました。
これは凄いですね。
乾癬患者は症状が多彩なので1種類の治療法では治癒が難しいと思っていたので本当に驚きです。
自分のその後ですが、乾癬については、糖質制限でグルコーススパイクを抑えることと脂身の多い牛肉(できれば豚肉の脂身も)を控えることで上手くコントロールできるようです。
糖尿病については、6月に血糖自己測定器を購入し、毎食糖質5g~15g程度の摂取で測定していたところ
早朝空腹時160~170
夕食前130~140
夕食後2時間140~160
と言う数値が2週間近く改善されなかった為、重い腰を上げて苦手なウォーキングを2日に1回30分~50分するようにしました。
ウォーキングの時間帯は早朝、夕食前、深夜のいずれかです。
効果は初日からすぐに表れ
早朝空腹時95~125
夕食前95~125
夕食後2時間125~150
このようになりました。
最大の悩みであった早朝空腹時血糖値が前日の夕食後2時間値より高くなるという問題も解消されました。
またこれからも先生のブログや本でいろいろと勉強させて頂きたいと思っていますのでよろしくお願いします。 】
【09/08/19 さわ
糖質制限と乾癬と牛肉
江部先生、おはようございます。
連日の投稿ですみません。
最近は皆さん質問、コメントが多く、ずっと読み逃げ状態だったのですが、今回はコメントがなく寂しく思っていたので、レスさせていただきます。
たぶん、先生のあまりにも完璧な理論に皆さんグーの音も出なかったのだと思います。
筋肉についてですが、糖質制限を始めてから無駄な脂肪がほとんどなくなった私ですが、先日18歳の息子と腕相撲をしてみたところ、楽勝でこちらの勝ちでした。
糖尿病になる以前は5回しかできなかった腕立て伏せも50回は余裕でできるようになりました。
本でいろいろな方の理論を読むとついつい信用してしまいがちですが、はやり大切なのはまず自分でそれを実践してみて自分自身で判断することなのかな。と思いました。
この2ヶ月ですが、6月に血糖測定器を購入後、より厳密な血糖管理ができるようになり、まるで5~10年前にもどったようなハツラツとした体調を維持できています。
乾癬についてですが、自分のことが「我ら糖尿人、元気なのには理由(ワケ)がある。」に数ページにわたって取り上げられていることにかなり感動しました。
その後いろいろ考えたのですが、生物の進化上において、カンブリア紀の大爆発というものがありますよね。
地球上の環境が生物の進化に最も適した状態になり、ミトコンドリアのDNAの助けを借りて、生物が一気に多種多様化した時期です。
乾癬が一気に悪化する時は、この時代に似ていると思いました。
炭水化物の摂取とグルコーススパイクによる血管の内部がカンブリア紀の環境、気候にあたり、牛肉の脂がミトコンドリアになるのではないか?と。私独自の理論ですが・・・
昨年春から乾癬がほとんど良くなり、本当に嬉しかったのですが、調子に乗って1ヶ月に10回以上も牛肉を食べると、流石に乾癬も少しは悪化してきます。
でも、そのスピードは凄く緩やかで、また即座に反省し、脂たっぷりの牛肉の摂取をやめると、これまた緩やかですが、即座に快方に向かいます。
もし炭水化物を大量に摂取し、乾癬の悪化に最適な血液環境を自分自身で作っていたならば、少量の牛肉の摂取でも悪化はすさまじいものになっていただろうと思われました。
またこういう状態の時の改善は最低でも1~2ヶ月はかかります。
今はほんの少しの悪化に1~2週間、改善に1~2週間という感じですごく上手くコントロールできています。
今年も10月~2月はほぼ完全に牛肉断ちをする予定です。
ただし、完全な赤身のモモや脂肪のほとんどないヒレのステーキは、どちらかを月に1度くらいは食べる予定です。 焼肉屋はこの期間は絶対に行かないつもりです。
そし、春~秋は毎月1回は焼肉屋で脂たっぷりのカルビ、ホルモンなど堪能する予定にしています。
チーズなどの脂肪分、オリーブオイルなどの植物油は乾癬を全く悪化させないこともこの1年でわかりました。
これも人それぞれだと思うので、あくまで私の場合だと考えて欲しいのですが・・・
一応参考まで。
以上とりとめのない話になって申し訳ありませんでした。
これからも益々のご活躍を願っています。】
2009年08月26日 (水)
こんにちは。
2009年1月21日に諏訪中央病院で「糖質制限食」の講演会を行いました。
長野県民の皆さん、あの時は多数ご参加いただき、ありがとうございました。m(_ _)m
今回は、信州では久しぶりの講演会を、翼の会の皆さんのお力を借りて開催することとなりました。糖質制限食の講演内容もほぼ毎回バージョン・アップしていますので前回こられた方も退屈はされないと思いますよ。 (^_^)
宮本輝先生との対談本「我ら糖尿人、元気なのには理由がある」東洋経済新報社も発売10日で再版となり、嬉しい限りです。
糖質制限食の最新理論と症例などを、わかりやすくお話しします。美味しく楽しく、酒も肉も魚もOK、でカロリー計算なしの糖質制限食、長野県民の皆さん、是非足をお運び下さいね。ヾ(^▽^)
江部康二
☆☆☆☆☆
糖尿病・メタボは必ず良くなる! 信州つばさネット公開講座2009
-目からウロコ!の糖質制限食-
とき:2009年10月3日(土) 午後1:00~4:00
ところ:信州松川町民体育館 トレーニングルーム
参加費:800円
主催:信州つばさネット/HUMAN LIFE INFO NET 翼
申込先:平沢文子(0265-34-7330 ”介護のかふね 松川店”
大澤み江(0265-36-3154)
野口次郎(0265-23-8824)
後援:松川町/松川町教育委員会/松川町公民館/松川町社会福祉協議会
2009年1月21日に諏訪中央病院で「糖質制限食」の講演会を行いました。
長野県民の皆さん、あの時は多数ご参加いただき、ありがとうございました。m(_ _)m
今回は、信州では久しぶりの講演会を、翼の会の皆さんのお力を借りて開催することとなりました。糖質制限食の講演内容もほぼ毎回バージョン・アップしていますので前回こられた方も退屈はされないと思いますよ。 (^_^)
宮本輝先生との対談本「我ら糖尿人、元気なのには理由がある」東洋経済新報社も発売10日で再版となり、嬉しい限りです。
糖質制限食の最新理論と症例などを、わかりやすくお話しします。美味しく楽しく、酒も肉も魚もOK、でカロリー計算なしの糖質制限食、長野県民の皆さん、是非足をお運び下さいね。ヾ(^▽^)
江部康二
☆☆☆☆☆
糖尿病・メタボは必ず良くなる! 信州つばさネット公開講座2009
-目からウロコ!の糖質制限食-
とき:2009年10月3日(土) 午後1:00~4:00
ところ:信州松川町民体育館 トレーニングルーム
参加費:800円
主催:信州つばさネット/HUMAN LIFE INFO NET 翼
申込先:平沢文子(0265-34-7330 ”介護のかふね 松川店”
大澤み江(0265-36-3154)
野口次郎(0265-23-8824)
後援:松川町/松川町教育委員会/松川町公民館/松川町社会福祉協議会
2009年08月26日 (水)
こんにちは。
2009年8月25日(火)の京都新聞朝刊によると、
『2008年度の人間ドック受信者の集計で「異常なし」の人の割合は初めて10%を割り込み、これまでで最少の9.6%だった』
と日本人間ドック学会が24日、発表したとのことです。
集計を始めた1984年は、「異常なし」が29.8%あったのが、2008年度は1/3に減少しました。
全国約800の指定施設などから、昨年受診した約295万人のデータを集め解析し、全年代で生活習慣と関連の深い 6項目全てが悪化していました。
異常とされた人の割合は
①高コレステロール 26.4%
②肝機能異常 26.2%
③肥満 26.1%
④高血圧 17.7%
⑤耐糖能異常 16.3%
⑥高中性脂肪 14.6%
地域別では、異常なしが多いのは、中国・四国で14.1%
最少は、九州・沖縄で6.8%でした。
「異常なし」が過去最低だったのは、若年者の受診が減少し、60才以上の受診者数が39才以下を初めて下回ったことなどが影響しているそうです。
年代別でみると異常なしの割合は、40歳代では10.8%(前年比1.7ポイント減)、50歳代では6.3%(前年比1.2ポイント減)、60歳以上では4.6%(前年比1.1ポイント減)となっています。
☆☆☆
<糖質制限食と6項目>
糖質制限食実践により③肥満⑤耐糖能異常⑥高中性脂肪はたちどころに改善します。
②肝機能異常は、原因が脂肪肝なら糖質制限食で速やかに改善します。
④高血圧は、内臓脂肪肥満などが主たる要因なら糖質制限食で改善します。
①高コレステロールは、
LDL-コレステロールに関しては糖質制限食で減少・不変・増加の3パターンに分かれます。
増加の場合も半年・1年単位で観察すると減少に転じて落ち着くことが多いです。
いずれにせよ、糖質制限食で生活習慣が深く関わる6項目が、基本的に改善します。医療費削減間違いなしなのですが、厚生労働省のお役人、本ブログ見てくれませんかね。
江部康二
2009年8月25日(火)の京都新聞朝刊によると、
『2008年度の人間ドック受信者の集計で「異常なし」の人の割合は初めて10%を割り込み、これまでで最少の9.6%だった』
と日本人間ドック学会が24日、発表したとのことです。
集計を始めた1984年は、「異常なし」が29.8%あったのが、2008年度は1/3に減少しました。
全国約800の指定施設などから、昨年受診した約295万人のデータを集め解析し、全年代で生活習慣と関連の深い 6項目全てが悪化していました。
異常とされた人の割合は
①高コレステロール 26.4%
②肝機能異常 26.2%
③肥満 26.1%
④高血圧 17.7%
⑤耐糖能異常 16.3%
⑥高中性脂肪 14.6%
地域別では、異常なしが多いのは、中国・四国で14.1%
最少は、九州・沖縄で6.8%でした。
「異常なし」が過去最低だったのは、若年者の受診が減少し、60才以上の受診者数が39才以下を初めて下回ったことなどが影響しているそうです。
年代別でみると異常なしの割合は、40歳代では10.8%(前年比1.7ポイント減)、50歳代では6.3%(前年比1.2ポイント減)、60歳以上では4.6%(前年比1.1ポイント減)となっています。
☆☆☆
<糖質制限食と6項目>
糖質制限食実践により③肥満⑤耐糖能異常⑥高中性脂肪はたちどころに改善します。
②肝機能異常は、原因が脂肪肝なら糖質制限食で速やかに改善します。
④高血圧は、内臓脂肪肥満などが主たる要因なら糖質制限食で改善します。
①高コレステロールは、
LDL-コレステロールに関しては糖質制限食で減少・不変・増加の3パターンに分かれます。
増加の場合も半年・1年単位で観察すると減少に転じて落ち着くことが多いです。
いずれにせよ、糖質制限食で生活習慣が深く関わる6項目が、基本的に改善します。医療費削減間違いなしなのですが、厚生労働省のお役人、本ブログ見てくれませんかね。
江部康二
2009年08月25日 (火)
おはようございます。
昨夜はとても涼しくて、快適に過ごせました。今朝は、22度でしたよ。
さて、今回も糖質制限食と癌のお話しです。
癌の分類として、アジア型の癌と欧米型の癌というのがあります。
アジア型の癌とは、細菌やウィルス感染が、主たる原因となるものです。胃癌、肝癌、子宮頸癌などです。先日の記事の、イヌイットに多いEBウィルス感染による鼻咽頭と唾液腺の癌もその典型ですね。
一方、欧米型の癌は、喫煙、食生活などライフスタイルが大きく関わるものです。肺癌、大腸癌、乳癌、前立腺癌、子宮体癌などです。
かつて、日本に一番多かった癌は、胃癌です。そのほか子宮頸癌、肝臓癌も多かったです。
これらは全て、感染症型の癌です。
胃癌はヘリコバクター・ピロリという細菌の感染が、主たる要因ということが判明しました。水道の普及や冷蔵庫の普及など衛生環境の改善で、感染機会が減少して、胃癌も減少に転じました。
米国では1950年代の初めに、アジア型の癌の代表である胃癌の死亡率を、欧米型の癌の代表である肺癌の死亡率が追い越しました。
日本では1990年台初めに、肺癌の死亡率が胃癌の死亡率を追い越しました。日本は米国より、40年遅れて追いかけてるところです。
子宮頸癌は、ヒトパピローマウィルスの感染、肝癌はC型肝炎ウィルス・B型肝炎ウィルスの感染が主たる要因です。
さて、いよいよ糖質制限食と癌について考えてみましょう。
アジア型の癌(細菌・ウィルス感染が主たる原因)に関しては、糖質制限食でも太刀打ちできません。このことは、イヌイットとEBウィルス感染による鼻咽頭と唾液腺の癌を考えてみれば明らかです。
即ち、イヌイットがまだスーパー糖質制限食だった1910年代、1920年代にも鼻咽頭と唾液腺の癌は増加しています。
一方、欧米型の癌に関してはどうでしょう?
肺癌は、タバコという別格の真犯人がいますから、ひとまずおいておくとして、疫学的エビデンスが明白な乳癌、大腸癌を考えてみます。
一般には脂肪の摂りすぎが、乳癌、大腸癌のリスクとなると長い間常識として信じられてきました。
しかし、
米国の大規模介入試験(5万人弱の閉経女性を対象に、対照群を置き、平均8年間にわたって追跡)において、
「脂質熱量比率20%で強力に指導したグループは、対照群に比較して心血管疾患、乳がん、大腸がんリスクを下げない」
ことが、アメリカ医学会雑誌2006年2月8日号で報告されました。(JAMA. 2006;295:629-642. 643-654. 655-666.)
この論文により、少なくとも乳癌と大腸癌に関しては、脂肪は発症リスクとはならないことが証明されました。
そして、イヌイットがスーパー糖質制限食だったころは、乳癌や大腸癌はほとんどありませんでした。
イヌイットが糖質を摂取し始めて、30年くらいで乳癌や大腸癌が増えています。
これらを合わせて考慮すれば、脂肪ではなく、糖質の過剰摂取こそが、欧米型の癌の大きなリスクである可能性が考えられます。そして糖質制限食なら、その予防ができる可能性があるのです。 (^^)
江部康二
昨夜はとても涼しくて、快適に過ごせました。今朝は、22度でしたよ。
さて、今回も糖質制限食と癌のお話しです。
癌の分類として、アジア型の癌と欧米型の癌というのがあります。
アジア型の癌とは、細菌やウィルス感染が、主たる原因となるものです。胃癌、肝癌、子宮頸癌などです。先日の記事の、イヌイットに多いEBウィルス感染による鼻咽頭と唾液腺の癌もその典型ですね。
一方、欧米型の癌は、喫煙、食生活などライフスタイルが大きく関わるものです。肺癌、大腸癌、乳癌、前立腺癌、子宮体癌などです。
かつて、日本に一番多かった癌は、胃癌です。そのほか子宮頸癌、肝臓癌も多かったです。
これらは全て、感染症型の癌です。
胃癌はヘリコバクター・ピロリという細菌の感染が、主たる要因ということが判明しました。水道の普及や冷蔵庫の普及など衛生環境の改善で、感染機会が減少して、胃癌も減少に転じました。
米国では1950年代の初めに、アジア型の癌の代表である胃癌の死亡率を、欧米型の癌の代表である肺癌の死亡率が追い越しました。
日本では1990年台初めに、肺癌の死亡率が胃癌の死亡率を追い越しました。日本は米国より、40年遅れて追いかけてるところです。
子宮頸癌は、ヒトパピローマウィルスの感染、肝癌はC型肝炎ウィルス・B型肝炎ウィルスの感染が主たる要因です。
さて、いよいよ糖質制限食と癌について考えてみましょう。
アジア型の癌(細菌・ウィルス感染が主たる原因)に関しては、糖質制限食でも太刀打ちできません。このことは、イヌイットとEBウィルス感染による鼻咽頭と唾液腺の癌を考えてみれば明らかです。
即ち、イヌイットがまだスーパー糖質制限食だった1910年代、1920年代にも鼻咽頭と唾液腺の癌は増加しています。
一方、欧米型の癌に関してはどうでしょう?
肺癌は、タバコという別格の真犯人がいますから、ひとまずおいておくとして、疫学的エビデンスが明白な乳癌、大腸癌を考えてみます。
一般には脂肪の摂りすぎが、乳癌、大腸癌のリスクとなると長い間常識として信じられてきました。
しかし、
米国の大規模介入試験(5万人弱の閉経女性を対象に、対照群を置き、平均8年間にわたって追跡)において、
「脂質熱量比率20%で強力に指導したグループは、対照群に比較して心血管疾患、乳がん、大腸がんリスクを下げない」
ことが、アメリカ医学会雑誌2006年2月8日号で報告されました。(JAMA. 2006;295:629-642. 643-654. 655-666.)
この論文により、少なくとも乳癌と大腸癌に関しては、脂肪は発症リスクとはならないことが証明されました。
そして、イヌイットがスーパー糖質制限食だったころは、乳癌や大腸癌はほとんどありませんでした。
イヌイットが糖質を摂取し始めて、30年くらいで乳癌や大腸癌が増えています。
これらを合わせて考慮すれば、脂肪ではなく、糖質の過剰摂取こそが、欧米型の癌の大きなリスクである可能性が考えられます。そして糖質制限食なら、その予防ができる可能性があるのです。 (^^)
江部康二
2009年08月24日 (月)
こんにちは。
23日、日曜日は東京で「脳と栄養のシンポジウム」が行われて、私も演者の一人として参加しました。大盛況で本もよく売れたようです。 (^_^)
さて今回は、糖質制限食とガンに関するお話の3回目です。
ランセットというイギリスの権威ある医学雑誌2008年9月号、にイヌイットとガンに関する論文が掲載されました。以下はその要約です。
<ランセット論文 要約>*
「イヌイットは、アラスカ、カナダ北西、グリーンランドの極地に住んでいる。20世紀初頭までは、イヌイットには、悪性腫瘍はほとんど存在しないと信じられていたが、平均余命がのびてきて異なるパターンを呈してきた。
その変化とは、EBウィルスによる鼻咽頭と唾液腺の癌のハイリスク、白人に多い癌(前立腺癌、精巣癌、造血系癌)のロウリスクである。遺伝的・環境的要因が共にこのパターンに関わっている。
20世紀の後半、 イヌイット社会でライフスタイル、生活状況に大きな変化があった。そして喫煙、食事、生殖性因子の変化のあと、ライフスタイルに相関する腫瘍、特に肺癌、大腸癌、乳癌がかなり増加した。
この論文は、イヌイット集団における癌の疫学の最近の知識を、イヌイットタイプの癌の特性を強調して簡単に要約している。」
要約に加えて、本文もざっと読んでみました。ランセットの論文に加えて、イヌイットの食生活の歴史も考慮しながら、イヌイットのガンの変遷を概観してみましょう。
まず、20世紀初頭までは、伝統的食生活(糖質制限食)が守られており、癌はかなり少なかったようです。
この頃までは約4000年間、小麦など穀物は皆無で、糖質摂取はほとんどなしの食生活です。まさに民族をあげてのスーパー糖質制限食実践例そのものです。
その後1910年代から欧米人との交流が徐々に頻回となり、EBウィルスも外部からイヌイット社会に持ち込まれたのでしょう。免疫がなかった分と民族的特性で、EBウィルスによる鼻咽頭と唾液腺の癌が急速に増えました。
1910年代にハドソン湾会社などの交易会社がカナダの東部極北地帯へと進出し、1920年代に北ケベックの各地に毛皮交易所が設置されました。しかし、1950年頃までは、欧米白人型の癌はまだまれでした。
食生活も徐々に欧米的なもの(例えばバノクと呼ばれる無発酵パン)が入ってきます。バノクが日常食として定着していったのは、1920年代と思われます。
交流が活発になり約40~50年が経過した1950年代からは、欧米型の癌(肺癌、大腸癌、乳癌)が増加しています。
またアルコール、タバコ、麻薬はかつてイヌイット社会に無かったものですが、急速に浸透していき、人々を苦しめ大きな影を落とすこととなりました。
「イヌイットと癌」というテーマに関して、少ないという説や欧米と変わらないという説が入り乱れていて、私も困っていたのですが、ランセットの論文のように歴史的に経過を追うと、とても解りやすくなりました。
整理すると
①イヌイットが伝統的食生活(糖質制限食)を守っている時は、癌は少なかった。
②EBウィルス初感染以後、鼻咽頭と唾液腺の癌が急速に増加し、他民族より多い。
②食生活や社会生活などライフスタイルの変化と共に、徐々に欧米型の癌が増えていった。
という結論となります。
糖質制限食という視点から見ると、イヌイットが伝統的食生活(スーパー糖質制限食)を守っていたときは、少なくとも欧米型のガンはほとんど見られませんでした。
一方、小麦が入ってきて、バノクが主食として定着して、40~50年経過したら今までイヌイット社会にはほとんんど無かった、欧米型の癌(肺癌、大腸癌、乳癌)が増加しています。即ち、糖質を摂取するようになってから、欧米型のガンが増えています。
1993年、マッギル大学の先住民栄養環境研究センターの調査によれば、イヌイットの若者は、ハンバーガー、ピザ、ポテトチップス、コーラ、ガム、チョコレートを好み、摂取カロリーの大半が、これら糖質を大量に含むジャンク・フ-ドでした。
今やイヌイット社会において、肺癌、大腸癌、乳癌・・・、糖尿病、肥満全て、欧米より増加してしまいました。この中で肺癌は、タバコが元凶です。
イヌイットの歴史を振り返れば、肺癌以外の欧米型のガンに関しては、「糖質制限食による癌予防」おおいに期待できそうですね。ヾ(^▽^)
*
Lancet Oncol. 2008 Sep;9(9):892-900.
Cancer patterns in Inuit populations.Friborg JT, Melbye M.
Department of Epidemiology Research, Statens Serum Institut, Copenhagen, Denmark.。
23日、日曜日は東京で「脳と栄養のシンポジウム」が行われて、私も演者の一人として参加しました。大盛況で本もよく売れたようです。 (^_^)
さて今回は、糖質制限食とガンに関するお話の3回目です。
ランセットというイギリスの権威ある医学雑誌2008年9月号、にイヌイットとガンに関する論文が掲載されました。以下はその要約です。
<ランセット論文 要約>*
「イヌイットは、アラスカ、カナダ北西、グリーンランドの極地に住んでいる。20世紀初頭までは、イヌイットには、悪性腫瘍はほとんど存在しないと信じられていたが、平均余命がのびてきて異なるパターンを呈してきた。
その変化とは、EBウィルスによる鼻咽頭と唾液腺の癌のハイリスク、白人に多い癌(前立腺癌、精巣癌、造血系癌)のロウリスクである。遺伝的・環境的要因が共にこのパターンに関わっている。
20世紀の後半、 イヌイット社会でライフスタイル、生活状況に大きな変化があった。そして喫煙、食事、生殖性因子の変化のあと、ライフスタイルに相関する腫瘍、特に肺癌、大腸癌、乳癌がかなり増加した。
この論文は、イヌイット集団における癌の疫学の最近の知識を、イヌイットタイプの癌の特性を強調して簡単に要約している。」
要約に加えて、本文もざっと読んでみました。ランセットの論文に加えて、イヌイットの食生活の歴史も考慮しながら、イヌイットのガンの変遷を概観してみましょう。
まず、20世紀初頭までは、伝統的食生活(糖質制限食)が守られており、癌はかなり少なかったようです。
この頃までは約4000年間、小麦など穀物は皆無で、糖質摂取はほとんどなしの食生活です。まさに民族をあげてのスーパー糖質制限食実践例そのものです。
その後1910年代から欧米人との交流が徐々に頻回となり、EBウィルスも外部からイヌイット社会に持ち込まれたのでしょう。免疫がなかった分と民族的特性で、EBウィルスによる鼻咽頭と唾液腺の癌が急速に増えました。
1910年代にハドソン湾会社などの交易会社がカナダの東部極北地帯へと進出し、1920年代に北ケベックの各地に毛皮交易所が設置されました。しかし、1950年頃までは、欧米白人型の癌はまだまれでした。
食生活も徐々に欧米的なもの(例えばバノクと呼ばれる無発酵パン)が入ってきます。バノクが日常食として定着していったのは、1920年代と思われます。
交流が活発になり約40~50年が経過した1950年代からは、欧米型の癌(肺癌、大腸癌、乳癌)が増加しています。
またアルコール、タバコ、麻薬はかつてイヌイット社会に無かったものですが、急速に浸透していき、人々を苦しめ大きな影を落とすこととなりました。
「イヌイットと癌」というテーマに関して、少ないという説や欧米と変わらないという説が入り乱れていて、私も困っていたのですが、ランセットの論文のように歴史的に経過を追うと、とても解りやすくなりました。
整理すると
①イヌイットが伝統的食生活(糖質制限食)を守っている時は、癌は少なかった。
②EBウィルス初感染以後、鼻咽頭と唾液腺の癌が急速に増加し、他民族より多い。
②食生活や社会生活などライフスタイルの変化と共に、徐々に欧米型の癌が増えていった。
という結論となります。
糖質制限食という視点から見ると、イヌイットが伝統的食生活(スーパー糖質制限食)を守っていたときは、少なくとも欧米型のガンはほとんど見られませんでした。
一方、小麦が入ってきて、バノクが主食として定着して、40~50年経過したら今までイヌイット社会にはほとんんど無かった、欧米型の癌(肺癌、大腸癌、乳癌)が増加しています。即ち、糖質を摂取するようになってから、欧米型のガンが増えています。
1993年、マッギル大学の先住民栄養環境研究センターの調査によれば、イヌイットの若者は、ハンバーガー、ピザ、ポテトチップス、コーラ、ガム、チョコレートを好み、摂取カロリーの大半が、これら糖質を大量に含むジャンク・フ-ドでした。
今やイヌイット社会において、肺癌、大腸癌、乳癌・・・、糖尿病、肥満全て、欧米より増加してしまいました。この中で肺癌は、タバコが元凶です。
イヌイットの歴史を振り返れば、肺癌以外の欧米型のガンに関しては、「糖質制限食による癌予防」おおいに期待できそうですね。ヾ(^▽^)
*
Lancet Oncol. 2008 Sep;9(9):892-900.
Cancer patterns in Inuit populations.Friborg JT, Melbye M.
Department of Epidemiology Research, Statens Serum Institut, Copenhagen, Denmark.。
2009年08月22日 (土)
2009年9月13日(日)に東京・中野で行われる、新形式の糖質制限食シンポジウムのご案内です。
今回は、北里研究所病院糖尿病センター長の山田悟先生に、ご参加頂きます。
<リボーン・シンポジウム 糖尿病治療における糖質制限食の有効性>
以下、NPO法人糖質制限食ネット・リボーン事務局、曽我部ゆかりさんからのメッセージです。
江部康二
☆☆☆
NPO法人糖質制限食ネット・リボーン 曽我部 ゆかり より
江部先生のブログ読者の皆様へ。
暑かったり、寒かったり。今年の夏も夏らしくない夏ですね。皆様いかがおすごしでしょうか。私は、夏は夏らしくすごしたいなあ、と願っています。
さて、9月13日のシンポジウムのお知らせです。
昨日、ゲスト講師の山田悟先生と打ち合わせしてきました。糖質制限食への取り組みを積極的に考えていらっしゃり、心強く思いました。山田先生は、糖尿病専門医で、糖質制限食の有効性にいちはやく気づいた若きドクターです。いわば、糖質制限食の期待の星です。
三人の講師のお話につづき、パネルディスカッションの時間も設けました。
ぜひ、皆様、お誘い合わせの上で、お越し下さいね。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
シリーズ『食事で治す・アトピー・糖尿病・肥満・メタボ』vol 14
リボーン・シンポジウム
糖尿病治療における糖質制限食の有効性
はじめたその日から期待できる、急速な血糖値の改善、ダイエット、情緒の安定、湿疹の緩和、などなど。薬に頼ることなく、つらい症状が確実に改善。代謝機能全般が安定する糖質制限食を今日か轤ヘじめてみませんか。
●ゲスト講師
山田悟(北里研究所病院糖尿病センター センター長医学博士)
●講師 パネリスト
江部康二(高雄病院理事長/NPO法人糖質制限食ネット・リボーン理事長)
大柳珠美(管理栄養士/NPO法人糖質制限食ネット・リボーン理事)
今回は、北里研究所病院糖尿病センターの山田悟先生をゲスト講師に迎え、日本の糖尿病治療の現状と、糖尿病専門医という立場からの「糖質制限食」の有効性についてを語り合う、画期的なシンポジウムとなります。
パネリストには、当会理事長で糖質制限食のパイオニアである江部康二先生、同じく当会理事で管理栄養士の大柳珠美先生をまじえ、それぞれの立場から「糖質制限食」の実践について検討を加えます。「糖質制限食」の有効性が糖尿病学会でも徐々に認められつつある昨今ですが、さらなる展開を求めての新しい試みとなります。患者様のみならず、医療関係者の皆様にも有意義なデスカッションをどうぞご期待ください。
日 時 2009年9月13日(日)9時20分開場
9時30分開演 11時50分終了
場 所 なかのゼロ視聴覚ホール (JR中野駅南口下車6分)
会 費 一般 1800円 リボーン会員 1500円
ペア券 一般 3600円のところ3000円
ペア券 会員 3000円のところ2400円
※ペア券はご家族に限られていただきます。
主 催 NPO法人糖質制限食ネット・リボーン
申し込み・問い合わせ リボーン 曽我部
03-3388-5428 e-mail reborn@big.or.jp
裏面
<講師プロフィール>
山田悟
(やまださとる)
北里研究所病院糖尿病センター長。1970年生まれ。慶應義塾大學醫學部卒業
。慶應義塾大學醫學部内科学教室入局。東京都済生会中央病院、東京都国保南多摩病院を経て、1998年6月、慶應義塾大學醫學部内科学教室腎臓内分泌代謝研究室帰局した後、1型糖尿病の発症予知についての研究に従事する。
2002年1月北里研究所病院に就職し、一般内科臨床に従事するかたわら糖尿病についての臨床研究・基礎研究に従事する。同年、北里研究所病院総合内科医長に就任。
2003年12月医学博士号取得
。2007年4月北里研究所病院腎臓内分泌代謝科副部長に就任後、糖尿病センター長となる。
日本糖尿病学会糖尿病専門医、日本糖尿病学会指導医、慶應義塾大学医学部非常勤講師、北里大学薬学部非常勤講師、星薬科大学非常勤他多数の経歴を持つ。
江部康二(えべこうじ)
内科医、漢方医、(財)高雄病院理事長、NPO法人糖質制限食ネット・リボーン理事長。1950年生まれ。京都大学医学部卒業。2002年に自ら糖尿病であると気づいて以来、糖尿病治療の研究に取り組み、「糖質制限食」の体系を確立。これにより自身の糖尿病を克服。高雄病院でに数多くの臨床活動を通じて、糖尿病・肥満・メタボリック症候群などに対する糖質制限食の画期的な治療効果を証明。テーラーメイドダイエットとの2本立てでアトピーなど生活習慣病全般への効果も確立している。著書『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』(シリーズ展開中/東洋経済新報社刊)はベストセラーに。ブログ『ドクター江部の糖尿病徒然日記』(http://koujiebe.blog95.fc2.com/)は日に3000件を超えるアクセスがあり糖尿病患者さんの間で絶大な支持を得ている。
大柳珠美(おおやなぎたまみ)
管理栄養士、(有)コンコルディア代表、NPO法人糖質制限食ネット・リボーン理事。1968年、熊本県生まれ。二葉栄養専門学校(栄養士科)卒業。明星大学(人文学部・心理教育専攻)卒業。3年ほど前から糖質制限食の栄養カウンセリングに取り組み、現在は都内クリニック(ひめのともみクリニック(東京・五反田)、練馬駅西口眼科クリニック(東京・練馬))、小松川クリニック(東京・小松川)にて個人指導を担当している。テレビ出演、雑誌の執筆など、各方面でも活躍中。ブログ『管理栄養士のローカーボキッチン』(http://web.mac.com/concordia1/サイト/Blog/Blog.html)が話題をよんでいる。
江部康二との共著『糖尿病のための「糖質オフごちそうごはん」』(アスペクト)がある。
~薬に頼らない医療の実現を目指し「食」の根底を見直す~
NPO法人糖質制限食ネット・リボーン誕生
リボーンは、『食事で治す』をキーワードに、糖尿病やアトピーなど生活習慣病全般の改善のために有効な糖質制限食とテーラーメイドダイエットの理論と実践法を、広く一般社会に普及してくため活動を開始いたしました(NPO法人として1月7日に創立)。
主な活動内容は、糖質制限食の『講演会・セミナー・交流会の開催』『人材育成』『医療機関と他団体とのネットワーク構築』『食と生活習慣病に関する相談窓口開設』『情報集と情報提供』『研究・普及啓発』などになります。
私たちの活動はより多くの市民の方々の参加によって成り立ち発展していきます。
薬に頼らない医療の実現を願い、私たちとともに、「食」の根底を見直していきませんか。
多くの方々のご参加を心よりお待ちしております。
●お申し込み●
NPO法人糖質制限食ネット・リボーン
担当 曽我部 ゆかり
reborn@big.or.jp
〒165―0026 東京都中野区新井4-4-2-4B
TEL,FAX 03-3388-5428
NPO法人糖質制限食ネット・リボーン の URL が変わりました。
新URL http://reborn.prj.cc/
☆☆☆☆☆
【コメント・質問に関するお知らせ・お願い】
ブログ読者の皆さんには、いつもコメントいただき、ありがとうございます。
読者の皆さんからご意見いただきましたが、確かに普通のお医者さんに相談可能な個人的な内容の質問は、主治医にご相談頂けば助かります。m(_ _)m
普通のお医者さんでは解答不能の、糖質制限食に関わる質問は、何でもどんどんしていただけば嬉しいです。 (^_^)
掲載OKの質問に関して、読者の皆さんに共有していただきたい情報の場合は、ブログ本文にて、できるだけ順番にお答えしたいと思います。質問によってはコメント欄でお早めにお答えする場合もありますのでご了承ください。
一方、コメント・質問がかなり増えてきていますので、なかなか即お答えすることが困難となってきています。できるだけ全ての質問に本文かコメントでお答えするよう努力はしていますが、できないときはご容赦願います。m(_ _)m
それから、「管理人のみ閲覧できる」「匿名希望」などの質問に関しては、コメント欄にお答えするか、一般的な話題に置き換えてブログに記載するようにしていますので、よろしくお願い申し上げます。
【糖質制限食コントロール・教育入院のご案内・保険適応】
お問い合わせは高雄病院
http://www.takao-hospital.jp/
住所:京都市右京区梅ヶ畑畑町3
電話:075-871-0245
ベットが空くまでお待ち頂くこともありますがご了承下さい。
【糖質制限食外来治療のご案内・予約制・保険適応】
高雄病院 電話:075-871-0245
京都市右京区梅ヶ畑畑町3
高雄病院京都駅前診療所 電話:075-352-5050
京都市下京区七条通り烏丸東入ル(50M)北側 ネオフィス 七条烏丸4F
http://www.takao-hospital.net/
江部診療所 電話:075-712-8133
京都市左京区下鴨高木町6 アトリエ・フォー 2F
【糖質制限食を実践される時のご注意】
本にも書きましたが、 糖質制限食実践によりリアルタイムに血糖値が改善します。このため既に、経口血糖降下剤(オイグルコン、アマリールなど)の内服やインスリン注射をしておられる糖尿人は低血糖の心配がありますので必ず主治医と相談して頂きたいと思います。
一方、薬を使用してない糖尿人は、低血糖の心配はないので、「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」「 糖質制限食 春のレシピ」「 糖質制限食 夏のレシピ」「糖質制限食 秋のレシピ」「糖質制限食 冬のレシピ」(以上東洋経済新報社)
「糖尿病のための糖質オフごちそうごはん」(アスペクト)
などを参考にされて、自力で 糖質制限食を実践して糖尿病改善を目指していただけば幸いです。
江部康二
今回は、北里研究所病院糖尿病センター長の山田悟先生に、ご参加頂きます。
<リボーン・シンポジウム 糖尿病治療における糖質制限食の有効性>
以下、NPO法人糖質制限食ネット・リボーン事務局、曽我部ゆかりさんからのメッセージです。
江部康二
☆☆☆
NPO法人糖質制限食ネット・リボーン 曽我部 ゆかり より
江部先生のブログ読者の皆様へ。
暑かったり、寒かったり。今年の夏も夏らしくない夏ですね。皆様いかがおすごしでしょうか。私は、夏は夏らしくすごしたいなあ、と願っています。
さて、9月13日のシンポジウムのお知らせです。
昨日、ゲスト講師の山田悟先生と打ち合わせしてきました。糖質制限食への取り組みを積極的に考えていらっしゃり、心強く思いました。山田先生は、糖尿病専門医で、糖質制限食の有効性にいちはやく気づいた若きドクターです。いわば、糖質制限食の期待の星です。
三人の講師のお話につづき、パネルディスカッションの時間も設けました。
ぜひ、皆様、お誘い合わせの上で、お越し下さいね。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
シリーズ『食事で治す・アトピー・糖尿病・肥満・メタボ』vol 14
リボーン・シンポジウム
糖尿病治療における糖質制限食の有効性
はじめたその日から期待できる、急速な血糖値の改善、ダイエット、情緒の安定、湿疹の緩和、などなど。薬に頼ることなく、つらい症状が確実に改善。代謝機能全般が安定する糖質制限食を今日か轤ヘじめてみませんか。
●ゲスト講師
山田悟(北里研究所病院糖尿病センター センター長医学博士)
●講師 パネリスト
江部康二(高雄病院理事長/NPO法人糖質制限食ネット・リボーン理事長)
大柳珠美(管理栄養士/NPO法人糖質制限食ネット・リボーン理事)
今回は、北里研究所病院糖尿病センターの山田悟先生をゲスト講師に迎え、日本の糖尿病治療の現状と、糖尿病専門医という立場からの「糖質制限食」の有効性についてを語り合う、画期的なシンポジウムとなります。
パネリストには、当会理事長で糖質制限食のパイオニアである江部康二先生、同じく当会理事で管理栄養士の大柳珠美先生をまじえ、それぞれの立場から「糖質制限食」の実践について検討を加えます。「糖質制限食」の有効性が糖尿病学会でも徐々に認められつつある昨今ですが、さらなる展開を求めての新しい試みとなります。患者様のみならず、医療関係者の皆様にも有意義なデスカッションをどうぞご期待ください。
日 時 2009年9月13日(日)9時20分開場
9時30分開演 11時50分終了
場 所 なかのゼロ視聴覚ホール (JR中野駅南口下車6分)
会 費 一般 1800円 リボーン会員 1500円
ペア券 一般 3600円のところ3000円
ペア券 会員 3000円のところ2400円
※ペア券はご家族に限られていただきます。
主 催 NPO法人糖質制限食ネット・リボーン
申し込み・問い合わせ リボーン 曽我部
03-3388-5428 e-mail reborn@big.or.jp
裏面
<講師プロフィール>
山田悟
(やまださとる)
北里研究所病院糖尿病センター長。1970年生まれ。慶應義塾大學醫學部卒業
。慶應義塾大學醫學部内科学教室入局。東京都済生会中央病院、東京都国保南多摩病院を経て、1998年6月、慶應義塾大學醫學部内科学教室腎臓内分泌代謝研究室帰局した後、1型糖尿病の発症予知についての研究に従事する。
2002年1月北里研究所病院に就職し、一般内科臨床に従事するかたわら糖尿病についての臨床研究・基礎研究に従事する。同年、北里研究所病院総合内科医長に就任。
2003年12月医学博士号取得
。2007年4月北里研究所病院腎臓内分泌代謝科副部長に就任後、糖尿病センター長となる。
日本糖尿病学会糖尿病専門医、日本糖尿病学会指導医、慶應義塾大学医学部非常勤講師、北里大学薬学部非常勤講師、星薬科大学非常勤他多数の経歴を持つ。
江部康二(えべこうじ)
内科医、漢方医、(財)高雄病院理事長、NPO法人糖質制限食ネット・リボーン理事長。1950年生まれ。京都大学医学部卒業。2002年に自ら糖尿病であると気づいて以来、糖尿病治療の研究に取り組み、「糖質制限食」の体系を確立。これにより自身の糖尿病を克服。高雄病院でに数多くの臨床活動を通じて、糖尿病・肥満・メタボリック症候群などに対する糖質制限食の画期的な治療効果を証明。テーラーメイドダイエットとの2本立てでアトピーなど生活習慣病全般への効果も確立している。著書『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』(シリーズ展開中/東洋経済新報社刊)はベストセラーに。ブログ『ドクター江部の糖尿病徒然日記』(http://koujiebe.blog95.fc2.com/)は日に3000件を超えるアクセスがあり糖尿病患者さんの間で絶大な支持を得ている。
大柳珠美(おおやなぎたまみ)
管理栄養士、(有)コンコルディア代表、NPO法人糖質制限食ネット・リボーン理事。1968年、熊本県生まれ。二葉栄養専門学校(栄養士科)卒業。明星大学(人文学部・心理教育専攻)卒業。3年ほど前から糖質制限食の栄養カウンセリングに取り組み、現在は都内クリニック(ひめのともみクリニック(東京・五反田)、練馬駅西口眼科クリニック(東京・練馬))、小松川クリニック(東京・小松川)にて個人指導を担当している。テレビ出演、雑誌の執筆など、各方面でも活躍中。ブログ『管理栄養士のローカーボキッチン』(http://web.mac.com/concordia1/サイト/Blog/Blog.html)が話題をよんでいる。
江部康二との共著『糖尿病のための「糖質オフごちそうごはん」』(アスペクト)がある。
~薬に頼らない医療の実現を目指し「食」の根底を見直す~
NPO法人糖質制限食ネット・リボーン誕生
リボーンは、『食事で治す』をキーワードに、糖尿病やアトピーなど生活習慣病全般の改善のために有効な糖質制限食とテーラーメイドダイエットの理論と実践法を、広く一般社会に普及してくため活動を開始いたしました(NPO法人として1月7日に創立)。
主な活動内容は、糖質制限食の『講演会・セミナー・交流会の開催』『人材育成』『医療機関と他団体とのネットワーク構築』『食と生活習慣病に関する相談窓口開設』『情報集と情報提供』『研究・普及啓発』などになります。
私たちの活動はより多くの市民の方々の参加によって成り立ち発展していきます。
薬に頼らない医療の実現を願い、私たちとともに、「食」の根底を見直していきませんか。
多くの方々のご参加を心よりお待ちしております。
●お申し込み●
NPO法人糖質制限食ネット・リボーン
担当 曽我部 ゆかり
reborn@big.or.jp
〒165―0026 東京都中野区新井4-4-2-4B
TEL,FAX 03-3388-5428
NPO法人糖質制限食ネット・リボーン の URL が変わりました。
新URL http://reborn.prj.cc/
☆☆☆☆☆
【コメント・質問に関するお知らせ・お願い】
ブログ読者の皆さんには、いつもコメントいただき、ありがとうございます。
読者の皆さんからご意見いただきましたが、確かに普通のお医者さんに相談可能な個人的な内容の質問は、主治医にご相談頂けば助かります。m(_ _)m
普通のお医者さんでは解答不能の、糖質制限食に関わる質問は、何でもどんどんしていただけば嬉しいです。 (^_^)
掲載OKの質問に関して、読者の皆さんに共有していただきたい情報の場合は、ブログ本文にて、できるだけ順番にお答えしたいと思います。質問によってはコメント欄でお早めにお答えする場合もありますのでご了承ください。
一方、コメント・質問がかなり増えてきていますので、なかなか即お答えすることが困難となってきています。できるだけ全ての質問に本文かコメントでお答えするよう努力はしていますが、できないときはご容赦願います。m(_ _)m
それから、「管理人のみ閲覧できる」「匿名希望」などの質問に関しては、コメント欄にお答えするか、一般的な話題に置き換えてブログに記載するようにしていますので、よろしくお願い申し上げます。
【糖質制限食コントロール・教育入院のご案内・保険適応】
お問い合わせは高雄病院
http://www.takao-hospital.jp/
住所:京都市右京区梅ヶ畑畑町3
電話:075-871-0245
ベットが空くまでお待ち頂くこともありますがご了承下さい。
【糖質制限食外来治療のご案内・予約制・保険適応】
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京都市右京区梅ヶ畑畑町3
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http://www.takao-hospital.net/
江部診療所 電話:075-712-8133
京都市左京区下鴨高木町6 アトリエ・フォー 2F
【糖質制限食を実践される時のご注意】
本にも書きましたが、 糖質制限食実践によりリアルタイムに血糖値が改善します。このため既に、経口血糖降下剤(オイグルコン、アマリールなど)の内服やインスリン注射をしておられる糖尿人は低血糖の心配がありますので必ず主治医と相談して頂きたいと思います。
一方、薬を使用してない糖尿人は、低血糖の心配はないので、「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」「 糖質制限食 春のレシピ」「 糖質制限食 夏のレシピ」「糖質制限食 秋のレシピ」「糖質制限食 冬のレシピ」(以上東洋経済新報社)
「糖尿病のための糖質オフごちそうごはん」(アスペクト)
などを参考にされて、自力で 糖質制限食を実践して糖尿病改善を目指していただけば幸いです。
江部康二
2009年08月21日 (金)
こんにちは。
今夜は、恒例の第三金曜ライブです。土、日と東京出張なので、二日酔い要注意ですね。
土曜日は、高雄病院の理事会に出た後、東京で今後の出版の打ち合わせ、日曜日は「脳と栄養のシンポジウム」で講演、その後、急いで京都に戻って、理事会の懇親会に顔を出します。
我ながら、ハードスケジュールです(笑)
さて、これまで多くの研究で、インスリン抵抗性・高インスリン血症による、腫瘍増殖・発ガン促進作用が示されてきました。さらに有力な報告が2つ発表されました。
①2005年の第65回米国糖尿病学会でカナダのSamantha博士等が、10309名の糖尿病患者の研究成果を報告しました。
「メトフォルミン(インスリン分泌を促進させない薬)を使用しているグループに比べて、インスリンを注射しているグループは、癌死亡率が1.9倍高まる。SU剤(インスリン分泌促進剤)内服しているグループは癌死亡率が1.3倍高まる。」
この研究は、高インスリン血症の発ガン促進作用を検証した研究です。
Samantha博士等は内因性であれ、外因性であれ、
「循環しているインスリンレベルが増加すると腫瘍の進展や死亡率が高まる。」
との考えを示しました。
インスリンは、人体に絶対に必要不可欠なホルモンですが、分泌量や必要量が少なくてすめば、それにこしたことはないようです。
②世界がん研究基金(ロンドン)は、太り過ぎると、7種類のがんになる危険性が高まるという報告を纏め2007年に報告しました。
同基金は、1960年以降に世界各地で書かれた50万件の研究報告から7000件を選び出し、がんと体重、食事との関係を分析した結果、
「BMI値(体重を身長の2乗で割った数値)を20~25に保つのが望ましく、肥満によって乳がんや膵臓がんのほか、直腸、食道、子宮内膜、腎臓、胆嚢のがんになり易い」
と結論づけています。
この報告も「肥満→インスリン抵抗性→高インスリン血症→発ガン」という今までの研究報告に一致するものです。
A)
全米健康調査(男性)
1971年 → 2000年
総摂取カロリーに占める脂質: 36.9% → 32.8%
総摂取かろりーに占める糖質: 42.4% → 49.0%
BMI30以上の肥満: 14.5% → 30.9%
全米健康調査によれば、脂質は減り続け、糖質は増え続け、肥満は倍増です。このデータを検討すると、糖質の過剰摂取が肥満の元凶となっている可能性が、極めて高いと言えます。
即ち、
「糖質過剰摂取→肥満→インスリン抵抗性→高インスリン血症→肥満・・・→発ガン」
というパターンです。
癌の発症要因には様々なものがあるのですが、上述の①②A)を考慮すれば、少なくとも「高インスリン血症、インスリン抵抗性、肥満」という明白な発ガンリスクは、糖質制限食で予防できるといえます。
江部康二
今夜は、恒例の第三金曜ライブです。土、日と東京出張なので、二日酔い要注意ですね。
土曜日は、高雄病院の理事会に出た後、東京で今後の出版の打ち合わせ、日曜日は「脳と栄養のシンポジウム」で講演、その後、急いで京都に戻って、理事会の懇親会に顔を出します。
我ながら、ハードスケジュールです(笑)
さて、これまで多くの研究で、インスリン抵抗性・高インスリン血症による、腫瘍増殖・発ガン促進作用が示されてきました。さらに有力な報告が2つ発表されました。
①2005年の第65回米国糖尿病学会でカナダのSamantha博士等が、10309名の糖尿病患者の研究成果を報告しました。
「メトフォルミン(インスリン分泌を促進させない薬)を使用しているグループに比べて、インスリンを注射しているグループは、癌死亡率が1.9倍高まる。SU剤(インスリン分泌促進剤)内服しているグループは癌死亡率が1.3倍高まる。」
この研究は、高インスリン血症の発ガン促進作用を検証した研究です。
Samantha博士等は内因性であれ、外因性であれ、
「循環しているインスリンレベルが増加すると腫瘍の進展や死亡率が高まる。」
との考えを示しました。
インスリンは、人体に絶対に必要不可欠なホルモンですが、分泌量や必要量が少なくてすめば、それにこしたことはないようです。
②世界がん研究基金(ロンドン)は、太り過ぎると、7種類のがんになる危険性が高まるという報告を纏め2007年に報告しました。
同基金は、1960年以降に世界各地で書かれた50万件の研究報告から7000件を選び出し、がんと体重、食事との関係を分析した結果、
「BMI値(体重を身長の2乗で割った数値)を20~25に保つのが望ましく、肥満によって乳がんや膵臓がんのほか、直腸、食道、子宮内膜、腎臓、胆嚢のがんになり易い」
と結論づけています。
この報告も「肥満→インスリン抵抗性→高インスリン血症→発ガン」という今までの研究報告に一致するものです。
A)
全米健康調査(男性)
1971年 → 2000年
総摂取カロリーに占める脂質: 36.9% → 32.8%
総摂取かろりーに占める糖質: 42.4% → 49.0%
BMI30以上の肥満: 14.5% → 30.9%
全米健康調査によれば、脂質は減り続け、糖質は増え続け、肥満は倍増です。このデータを検討すると、糖質の過剰摂取が肥満の元凶となっている可能性が、極めて高いと言えます。
即ち、
「糖質過剰摂取→肥満→インスリン抵抗性→高インスリン血症→肥満・・・→発ガン」
というパターンです。
癌の発症要因には様々なものがあるのですが、上述の①②A)を考慮すれば、少なくとも「高インスリン血症、インスリン抵抗性、肥満」という明白な発ガンリスクは、糖質制限食で予防できるといえます。
江部康二
2009年08月20日 (木)
こんにちは。
今日は、今から毎月一回の第三金曜ライブのバンドリハーサルのために、貸しスタジオにでかけます。ここのところ、第三金曜ライブ、お客さんの入りがよくて嬉しい限りです。(^^)
嬉しい話題をもう一つ。
「我ら糖尿人、元気なのには理由がある」が発売10日目にして、早くも再版となりました。(⌒o⌒)v
これもひとえに、ブログ読者の皆さんのおかげです。謝謝!m(_ _)mVV
さて今回は、糖質制限食とガンについて、アズピーさんから、コメント・質問をいただきました。
「09/08/12 アズピー
タイトルなし
始めまして。
先生の本、「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」を買ったばかりで、ちょっと読んだだけなのですが、これはすごい!という印象を受けました。じっくり学ばせていただきます。新しい本も購入することに決めました。この本に興味を持ったのは友人に1型糖尿病で失明し、透析を行っている友人がいるためでした。彼女は臓器移植手術もにもチャレンジしましたがお兄さんの腎臓がうまく適合せずに手術は失敗でした。しかしその友人が最近検査の結果、ほぼ間違いなく乳癌だろうということがわかったそうです。癌を発見する検査機器のPETは癌細胞がブドウ糖を通常細胞の3~8倍消費する性質を利用したということを知りました。癌細胞がブドウ糖を大量に消費しなければ生きていけないなのならば糖質制限食は癌にも非常に効果的なのではないか?思うのですがいかがなものでしょうか?」
アズピーさん。
コメントそして本のご購入ありがとうございます。
仰有るとおり、多くのガン細胞はブドウ糖を通常細胞の数倍消費し、野放しの成長を続けていきます。
PET検査は、ガン細胞が正常細胞にくらべて、多くのブドウ糖を細胞内に取り込む性質を利用しています。
ブドウ糖に「放射性同位元素」をくっつけた薬剤(FDG)を注射して、このFDGを検知するPETカメラ(CTに似た装置です)で体内のFDG分布を画像化して調べます。FDGが多く集積している部位は、ガン細胞の可能性が高いということになります。
いろんなガンがありますから、全てというわけにはいかないのですが、このように、多くのガン細胞が、エネルギー源として大量のブドウ糖を利用していることは、間違いありません。
そうすると、「糖質制限食ならガン細胞を兵糧攻めにできるのではないか?」という発想が生まれます。
確かに野放しで糖質を摂取して、グルコースミニスパイクを頻回に起こして、ガン細胞にどんどんブドウ糖を供給するよりは、糖質制限食の方がましではあります。しかし、誠に残念ながら、ガン細胞は、GLUT-1を獲得していることが多いのです。(-д-;)
GLUT(糖輸送体)というのは、細胞のブドウ糖取り込み装置でしたね。
筋肉細胞や脂肪細胞はGLUT-4で、通常は細胞内に沈んでいて、インスリン追加分泌された時と筋収縮があった時に表面に上がってきて、ブドウ糖を取り込みます。
これに対して、脳や赤血球はGLUT-1を持っていて、こちらは常に細胞表面にあるので、優先的にブドウ糖をいつでも取り込めるわけです。
つまり、ガン細胞もGLUT-1を持っていることが多いので、他の体細胞に比べて、優先的にブドウ糖を取り込むことができるのですね。これが、ガン細胞が正常細胞の数倍もブドウ糖を取り込める理由でもあります。
従いまして、ガン細胞も脳や赤血球並みにブドウ糖を取り込むことができるので、糖質制限食を実践しても、ガンを撲滅することはなかなかできないと思います。
しかし普通に糖質を摂取して血糖値を上昇させるよりは、糖質制限食なら食後血糖値の上昇は少ないので、進行が少しは遅くなるかなというくらいの期待はあります。
また、糖質制限食により代謝全てが安定するので、免疫系を中心に自然治癒力が高まり、ガン進行を遅らせる方向に働いてくれる可能性もあります。
ガンのことはまだまだよくわからないことが多く、断定的なことは何も言えないのですが、現在まで調べた知識の範囲内で、仮説として述べてみました。
江部康二
今日は、今から毎月一回の第三金曜ライブのバンドリハーサルのために、貸しスタジオにでかけます。ここのところ、第三金曜ライブ、お客さんの入りがよくて嬉しい限りです。(^^)
嬉しい話題をもう一つ。
「我ら糖尿人、元気なのには理由がある」が発売10日目にして、早くも再版となりました。(⌒o⌒)v
これもひとえに、ブログ読者の皆さんのおかげです。謝謝!m(_ _)mVV
さて今回は、糖質制限食とガンについて、アズピーさんから、コメント・質問をいただきました。
「09/08/12 アズピー
タイトルなし
始めまして。
先生の本、「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」を買ったばかりで、ちょっと読んだだけなのですが、これはすごい!という印象を受けました。じっくり学ばせていただきます。新しい本も購入することに決めました。この本に興味を持ったのは友人に1型糖尿病で失明し、透析を行っている友人がいるためでした。彼女は臓器移植手術もにもチャレンジしましたがお兄さんの腎臓がうまく適合せずに手術は失敗でした。しかしその友人が最近検査の結果、ほぼ間違いなく乳癌だろうということがわかったそうです。癌を発見する検査機器のPETは癌細胞がブドウ糖を通常細胞の3~8倍消費する性質を利用したということを知りました。癌細胞がブドウ糖を大量に消費しなければ生きていけないなのならば糖質制限食は癌にも非常に効果的なのではないか?思うのですがいかがなものでしょうか?」
アズピーさん。
コメントそして本のご購入ありがとうございます。
仰有るとおり、多くのガン細胞はブドウ糖を通常細胞の数倍消費し、野放しの成長を続けていきます。
PET検査は、ガン細胞が正常細胞にくらべて、多くのブドウ糖を細胞内に取り込む性質を利用しています。
ブドウ糖に「放射性同位元素」をくっつけた薬剤(FDG)を注射して、このFDGを検知するPETカメラ(CTに似た装置です)で体内のFDG分布を画像化して調べます。FDGが多く集積している部位は、ガン細胞の可能性が高いということになります。
いろんなガンがありますから、全てというわけにはいかないのですが、このように、多くのガン細胞が、エネルギー源として大量のブドウ糖を利用していることは、間違いありません。
そうすると、「糖質制限食ならガン細胞を兵糧攻めにできるのではないか?」という発想が生まれます。
確かに野放しで糖質を摂取して、グルコースミニスパイクを頻回に起こして、ガン細胞にどんどんブドウ糖を供給するよりは、糖質制限食の方がましではあります。しかし、誠に残念ながら、ガン細胞は、GLUT-1を獲得していることが多いのです。(-д-;)
GLUT(糖輸送体)というのは、細胞のブドウ糖取り込み装置でしたね。
筋肉細胞や脂肪細胞はGLUT-4で、通常は細胞内に沈んでいて、インスリン追加分泌された時と筋収縮があった時に表面に上がってきて、ブドウ糖を取り込みます。
これに対して、脳や赤血球はGLUT-1を持っていて、こちらは常に細胞表面にあるので、優先的にブドウ糖をいつでも取り込めるわけです。
つまり、ガン細胞もGLUT-1を持っていることが多いので、他の体細胞に比べて、優先的にブドウ糖を取り込むことができるのですね。これが、ガン細胞が正常細胞の数倍もブドウ糖を取り込める理由でもあります。
従いまして、ガン細胞も脳や赤血球並みにブドウ糖を取り込むことができるので、糖質制限食を実践しても、ガンを撲滅することはなかなかできないと思います。
しかし普通に糖質を摂取して血糖値を上昇させるよりは、糖質制限食なら食後血糖値の上昇は少ないので、進行が少しは遅くなるかなというくらいの期待はあります。
また、糖質制限食により代謝全てが安定するので、免疫系を中心に自然治癒力が高まり、ガン進行を遅らせる方向に働いてくれる可能性もあります。
ガンのことはまだまだよくわからないことが多く、断定的なことは何も言えないのですが、現在まで調べた知識の範囲内で、仮説として述べてみました。
江部康二
2009年08月20日 (木)
おはようございます。
血糖自己測定値・機種による差についてwakaさんからコメントをいただきました。
「血糖値測定機種による差
アキュチェックアビバとアセンシアブリーズ2で測定値を比べてみました。前者が93、後者が95とほとんど同じでした。単純にアキュチェックアビバが高めに出るとも言えない感じです。センサーのロット誤差、個別誤差、等ありますので、メーカーの言う20%程度の誤差は仕方ないのでしょう。空腹時血糖値で20%違うとちょっと困りますが、実際は10%以下にはなっているのではと思います。
2009/08/20(Thu) 07:25 | URL | waka 」
2009年8月19日のブログ「血糖自己測定器による血糖値・機種による差」で
アバウトな見解ですが
①グルテストエースは、各機種の中で一番低値を示す。
②アキュチェックアビバは、他機種よりやや高値を示す。
③他の機種には大きな差はない。
と記載しました。
しかし、そういう傾向がみられましたが、wakaさんの仰有るように
「センサーのロット誤差、個別誤差、等ありますので、メーカーの言う20%程度の誤差は仕方ない。」
のかもしれませんね。
江部康二
血糖自己測定値・機種による差についてwakaさんからコメントをいただきました。
「血糖値測定機種による差
アキュチェックアビバとアセンシアブリーズ2で測定値を比べてみました。前者が93、後者が95とほとんど同じでした。単純にアキュチェックアビバが高めに出るとも言えない感じです。センサーのロット誤差、個別誤差、等ありますので、メーカーの言う20%程度の誤差は仕方ないのでしょう。空腹時血糖値で20%違うとちょっと困りますが、実際は10%以下にはなっているのではと思います。
2009/08/20(Thu) 07:25 | URL | waka 」
2009年8月19日のブログ「血糖自己測定器による血糖値・機種による差」で
アバウトな見解ですが
①グルテストエースは、各機種の中で一番低値を示す。
②アキュチェックアビバは、他機種よりやや高値を示す。
③他の機種には大きな差はない。
と記載しました。
しかし、そういう傾向がみられましたが、wakaさんの仰有るように
「センサーのロット誤差、個別誤差、等ありますので、メーカーの言う20%程度の誤差は仕方ない。」
のかもしれませんね。
江部康二
2009年08月19日 (水)
おはようございます。
血糖自己測定器がどんどん進歩して、5秒程度の時間で、以前より少量の血液(0.3μL~0.6μL)で測定でき、かなり便利になりました。
さて、その血糖自己測定器による血糖値測定ですが、機種による差が、どのていどあるのか気になるところです。ブログ読者の皆さんから、いろいろ参考になるコメント・情報をいただきました。
アセンシアブリーズ、Gチェッカー、ニプロスリースタイルフリーダム、この3機種は高雄病院の糖尿病患者さんや私自身の測定で、ほとんど同じデータでした。
グルテストエースは、どうやら各機種の中で一番低く出るようです。高雄病院でも2名の糖尿人が実験されましたが、ニプロスリースタイルフリーダムより10~20mg低くでます。
アキュチェックアビバは、ニプロスリースタイルフリーダムよりも高値になるようです。
アバウトな見解ですが
①グルテストエースは、各機種の中で一番低値を示す。
②アキュチェックアビバは、他機種よりやや高値を示す。
③他の機種には大きな差はない。
といったところでしょうか。
ucchi さん、すぎなっこさん、 ゆきのさん。コメントありがとうございました。
江部康二
「09/07/22 ucchi
測定器の個性
江部先生、いつも楽しみに拝見しております。
耐糖能異常が発覚してはや1年、先生の本を購入し、毎日のブログを参考に糖質制限に励んでおります。
測定器の件ですが、私は先日までアキュチェックアビバをメインに使っておりました。
当初108前後だった空腹時血糖値が3ヶ月くらい前から119あたりをうろうろするようになってきました。
糖質制限食で1年が経とうとしているのにおかしいな~と思いつつ最近のフリーダムを入手し空腹時に同時に計ってみると、なんと108でした。
それからアキュチェックとフリーダムで同時計測をしていますが、空腹時、1時間後、2時間後で10~20mg(平均15mg)程度の違いが見られました。(これを誤差と言っていいものかどうか)
すべてアキュチェックのほうが高値を示します。
アキュチェックの故障も疑いましたが、メーカーもグルコーステスト液も正常とのことです。
先日病院での計測値104mgのとき、アキュチェックが118mgだったのでどうやら私のアキュチェックはやや高い値を示すようです。
スタート値が高く出るとわかってはいても表示された数値が高いとテンションが下がりますね。(^ ^:)
ご参考になれば幸いです。」
「09/07/23 すぎなっこ
タイトルなし
血糖値を同時に同じ指で3種類の測定機で測ってみました。
・母の測定器(ニプロ)
・自分の(アセンシア)
・病院から借りているもの(グルコカードα)
で測った値が20ずつ位誤差があります。
ニプロ>アセンシア>グルコカードα
でニプロが一番高く、どれが本当なの?と思いますが、それぞれの測定器で増減をみるただの目安にすぎないのかなとも考えてしまいます。」
「09/07/23 ゆきの
測定器の個体差
ご返答ありがとうございました。
やはりグルテストエースは低めに出るのですね。
簡易血糖測定器は病院の測定器よりも高めに出るようですので、グルテストエースは実際値に近いということになりますかね。
あれから私も気になりまして、結局グルテストセンサーを購入し、アキュチェックアビバと比較してみました。
アキュチェックアビバ(A) グルテストエース(G)
夕食前 (A)125 (G)80 差45
食後60分 (A)146 (G)132 差14
食後90分 (A)147 (G)134 差13
眠前 (A)106 (G)78 差28
起床時 (A)124 (G)98 差26
という結果で、どれもアキュチェックアビバのほうが高値を示していました。食前(空腹時)のほうが差が大きいようです。
また空腹時に170から190という今までにないような高値を出すことがあり、同じ血液ですぐに測りなおすと100から120を示すことが頻回にあります。10から20程度ならば誤差で納得できますが、あまりに違うので測りなおしてばかりでチップがすぐになくなってしまいます。
メーカーでは誤差は20%ということでになっていますが、確認したところこれぐらいの誤差もあるということでした。やはり簡易血糖測定器の限界といったところでしょうか。
またやはり授乳と血糖値は関係するのですね。
今回グルテストエースで確認したところ、血糖値はさほど変わっていませんでした。おそらく授乳中のような空腹感や食欲も落ち着いてきましたし、最近のアキュチェックがたたき出す高値で食事も気をつけていた事もあるのだと思いますが。
体重も増えましたし、もう少し食事を見直してみる必要がありそうです。
皆さんのコメントも大変参考になりました。
ありがとうございました。」
血糖自己測定器がどんどん進歩して、5秒程度の時間で、以前より少量の血液(0.3μL~0.6μL)で測定でき、かなり便利になりました。
さて、その血糖自己測定器による血糖値測定ですが、機種による差が、どのていどあるのか気になるところです。ブログ読者の皆さんから、いろいろ参考になるコメント・情報をいただきました。
アセンシアブリーズ、Gチェッカー、ニプロスリースタイルフリーダム、この3機種は高雄病院の糖尿病患者さんや私自身の測定で、ほとんど同じデータでした。
グルテストエースは、どうやら各機種の中で一番低く出るようです。高雄病院でも2名の糖尿人が実験されましたが、ニプロスリースタイルフリーダムより10~20mg低くでます。
アキュチェックアビバは、ニプロスリースタイルフリーダムよりも高値になるようです。
アバウトな見解ですが
①グルテストエースは、各機種の中で一番低値を示す。
②アキュチェックアビバは、他機種よりやや高値を示す。
③他の機種には大きな差はない。
といったところでしょうか。
ucchi さん、すぎなっこさん、 ゆきのさん。コメントありがとうございました。
江部康二
「09/07/22 ucchi
測定器の個性
江部先生、いつも楽しみに拝見しております。
耐糖能異常が発覚してはや1年、先生の本を購入し、毎日のブログを参考に糖質制限に励んでおります。
測定器の件ですが、私は先日までアキュチェックアビバをメインに使っておりました。
当初108前後だった空腹時血糖値が3ヶ月くらい前から119あたりをうろうろするようになってきました。
糖質制限食で1年が経とうとしているのにおかしいな~と思いつつ最近のフリーダムを入手し空腹時に同時に計ってみると、なんと108でした。
それからアキュチェックとフリーダムで同時計測をしていますが、空腹時、1時間後、2時間後で10~20mg(平均15mg)程度の違いが見られました。(これを誤差と言っていいものかどうか)
すべてアキュチェックのほうが高値を示します。
アキュチェックの故障も疑いましたが、メーカーもグルコーステスト液も正常とのことです。
先日病院での計測値104mgのとき、アキュチェックが118mgだったのでどうやら私のアキュチェックはやや高い値を示すようです。
スタート値が高く出るとわかってはいても表示された数値が高いとテンションが下がりますね。(^ ^:)
ご参考になれば幸いです。」
「09/07/23 すぎなっこ
タイトルなし
血糖値を同時に同じ指で3種類の測定機で測ってみました。
・母の測定器(ニプロ)
・自分の(アセンシア)
・病院から借りているもの(グルコカードα)
で測った値が20ずつ位誤差があります。
ニプロ>アセンシア>グルコカードα
でニプロが一番高く、どれが本当なの?と思いますが、それぞれの測定器で増減をみるただの目安にすぎないのかなとも考えてしまいます。」
「09/07/23 ゆきの
測定器の個体差
ご返答ありがとうございました。
やはりグルテストエースは低めに出るのですね。
簡易血糖測定器は病院の測定器よりも高めに出るようですので、グルテストエースは実際値に近いということになりますかね。
あれから私も気になりまして、結局グルテストセンサーを購入し、アキュチェックアビバと比較してみました。
アキュチェックアビバ(A) グルテストエース(G)
夕食前 (A)125 (G)80 差45
食後60分 (A)146 (G)132 差14
食後90分 (A)147 (G)134 差13
眠前 (A)106 (G)78 差28
起床時 (A)124 (G)98 差26
という結果で、どれもアキュチェックアビバのほうが高値を示していました。食前(空腹時)のほうが差が大きいようです。
また空腹時に170から190という今までにないような高値を出すことがあり、同じ血液ですぐに測りなおすと100から120を示すことが頻回にあります。10から20程度ならば誤差で納得できますが、あまりに違うので測りなおしてばかりでチップがすぐになくなってしまいます。
メーカーでは誤差は20%ということでになっていますが、確認したところこれぐらいの誤差もあるということでした。やはり簡易血糖測定器の限界といったところでしょうか。
またやはり授乳と血糖値は関係するのですね。
今回グルテストエースで確認したところ、血糖値はさほど変わっていませんでした。おそらく授乳中のような空腹感や食欲も落ち着いてきましたし、最近のアキュチェックがたたき出す高値で食事も気をつけていた事もあるのだと思いますが。
体重も増えましたし、もう少し食事を見直してみる必要がありそうです。
皆さんのコメントも大変参考になりました。
ありがとうございました。」
2009年08月18日 (火)
こんにちは。
今日は、朝から「朝日カルチャーセンター京都」で<食事で治すアトピー・糖尿病・メタボ>と題して
講演してきました。お陰様で満員御礼でした。
「我ら糖尿人、元気なのには理由がある。」の宣伝もたっぷりしてきましたよ。 (^_^)
さて今回は、ナナモリさんから、人体のエネルギー源に関するコメント・質問をいただきました。ジュニアさんからも同様の質問をいただきました。「炭水化物を極端に減らして大丈夫なの?」ということですね。
実は、めんぼうさんがコメント欄でご指摘の如く、大抵の質問の答えは過去のブログ(結構膨大な量です)に書いてあります。
ところが、江部康二自身が、自分のブログでどこに何を書いたか、定かに覚えているわけではありません。 (∵)?
それで自分で検索をしてみるのですが、なかなかサクサクと目的のブログに辿り着けません。
従いまして、繰り返しになることもありますが、多くのブログ読者の皆さんが興味をお持ちのことなど、復習を兼ねて、過去記事にしたテーマも時々取り上げようと思います。
【迷います
江部先生
リボーンの会員で、何度かセミナーに出席させていただいています。いまのところは糖尿人ではありませんが、以前低血糖症状などに悩まされ、現在は糖質制限食を実践しよい状態を保っています。
先生の著書もブログも熟読し納得しているつもりなのですが、時々迷いが生じます。
先日、岡本裕医師の著書「9割の病気は自分で治せる」を読み、ほとんどの部分では共感できるのですが、これはどう解釈したらよいのだろう?と考えてしまった部分がありますので転記いたしますね。
お忙しい中恐縮ですが、コメントいただけましたら幸いです。
以下
『肥満を解消するポイント
・・・同じものばかり食べ続けたり、炭水化物を極端に減らしたりすると、確かに体重は減ります。しかし・・・
さて、炭水化物を極端に減らすとどうなるのでしょうか。
炭水化物はもちろんエネルギー源ですので、当然の結果としてエネルギー不足に陥ります。そのため、炭水化物のかわりにタンパク質にエネルギー源としての動員がかかります。つまり炭水化物(糖質)がエネルギー源として利用できないので、タンパク質(アミノ酸)からわざわざ糖(炭水化物)を作ってエネルギー源を確保しようとするのです。もちろん生体は、タンパク質をほとんど筋肉として備蓄しているわけですから、タンパク質がエネルギー源として必要となれば、筋肉が解けていき、もちろん自己治癒力も著明に低下していきます。
いずれの手法も体調を損ね、その結果として体重が減っているのです。言い換えれば、命がけのダイエットなのです。早い話が、病気になって痩せていくるという当たり前の原理なのです。』
エネルギー源は糖だけではないということは理解しています。
よろしくお願いいたします。
2009/08/18(Tue) 11:44 | URL | ナナモリ | 】
ナナモリさん。
コメントそして本のご購入ありがとうございます。機能性低血糖も改善して良かったですね。
さて、細胞が生きていくにはエネルギー源が必要です。
人体にはエネルギー源として
1)「脂肪酸-ケトン体のシステム」と
2)「ブドウ糖-グリコーゲンのシステム」があります。
タンパク質は、エネルギー源として使われることはありますが、基本的に少ないです。タンパク質は主として人体の組織の材料として使われています。
適切なエネルギー源が確保されていれば、食事から摂取したタンパク質(アミノ酸)は、人体に吸収されて組織のタンパク質合成に使われます。
タンパク質が主たるエネルギー源として使われざるを得ないときは、例えば「飢餓→絶食」が続いたときなどです。
体内の糖質、脂質をエネルギー源として使い果たした後は、やむを得ず筋肉細胞のタンパク質をエネルギー源として使いますが、これは死の一歩手前です。
次に「脂肪酸-ケトン体のシステム」と「ブドウ糖-グリコーゲンのシステム」の役割を考えてみます。
<人体のエネルギー源Ⅰ:脂肪酸-ケトン体システム>
①脳はケトン体(脂肪酸の代謝産物)をいつでも利用できる。
②心筋・骨格筋など多くの体細胞は日常生活では脂肪酸-ケトン体が主エネルギー源であり、人体を
自動車に例えるならガソリンの代わりは脂質である。
③赤血球、網膜、角膜、水晶体を除く全ての細胞はミトコンドリアを持っているので、脂肪酸-ケトン体
エネルギーシステムを利用できる。
④糖質制限食実践中や絶食中の血中ケトン体上昇は、インスリン作用が保たれており生理的なもので
病的ではない。農耕開始前の人類は皆そうであった。
<人体のエネルギー源Ⅱ:ブドウ糖-グリコーゲンシステム>
①人体で赤血球、網膜、角膜、水晶体だけはミトコンドリアがないのでブドウ糖しか利用できない。
②日常生活でブドウ糖を主エネルギー源として利用しているのは赤血球・脳・網膜など。
③ブドウ糖-グリコーゲンエネルギーシステムの本質は
「常に赤血球、網膜、角膜、水晶体の、唯一のエネルギー源」
「筋肉が収縮したときのエネルギー源」→緊急時のターボエンジン
「血糖値が上昇しインスリンが追加分泌された時、筋肉・脂肪細胞のエネルギー源」
「日常生活では脳・網膜・角膜・水晶体・生殖腺胚上皮の主エネルギー源」
ここで大切なことは、日常生活では、骨格筋・心筋を始めほとんどの体細胞は、主エネルギー源として備蓄がたっぷりある「脂肪酸-ケトン体システム」を利用しているということです。
即ち、人体を自動車に例えれば、ガソリンの代わりは脂肪酸-ケトン体であり、決してブドウ糖-グリコーゲンではありません。
例えば、心筋がブドウ糖を主たるエネルギー源として利用したりしたら、グリコーゲンの備蓄は約250gしかなく、いつ枯渇して止まるかもしれませんね。
日常生活で、ブドウ糖をエネルギー源としているのは、「脳・網膜・角膜・水晶体・生殖腺胚上皮」といった特殊な部位だけです。
糖質制限食実践中は脂肪酸-ケトン体が主たるエネルギー源として、しっかり利用しているので、エネルギー不足には決してなりません。人類400万年の歴史の内、399万年間は、糖質制限食だったことをお忘れなく。
肝臓の糖新生は、ブドウ糖しか利用できない「赤血球、網膜、角膜、水晶体」のために、最低限の血糖値を確保するために日常的に行われています。
糖質を摂取したときは、血糖値が上昇し追加分泌のインスリンが出て、筋肉でブドウ糖を利用させます。食物吸収が終了した直後には、肝臓のグリコーゲン分解が、循環血液中に入るブドウ糖の主要な供給源です。
食後数時間が経過し、絶食状態が持続すると、ブドウ糖の供給源は、肝のグリコーゲン分解から糖新生に切り替わります。
肝臓の糖新生は、脂肪酸の代謝産物のグリセロールや筋肉から供給されるアミノ酸などから行われます。糖質制限食の場合は、食事中でもある程度、肝臓の糖新生は行われています。
400万年間の人類の歴史の中で399万年間は、糖質制限食を摂取しているか、空腹や絶食や飢餓が日常的でしたので、肝臓は毎日今以上に糖新生を行い、よく働いてきたしそれだけのキャパシティーを持っているということですね。
最後に岡本裕先生の説
『さて、炭水化物を極端に減らすとどうなるのでしょうか。
炭水化物はもちろんエネルギー源ですので、当然の結果としてエネルギー不足に陥ります。そのため、炭水化物のかわりにタンパク質にエネルギー源としての動員がかかります。つまり炭水化物(糖質)がエネルギー源として利用できないので、タンパク質(アミノ酸)からわざわざ糖(炭水化物)を作ってエネルギー源を確保しようとするのです。もちろん生体は、タンパク質をほとんど筋肉として備蓄しているわけですから、タンパク質がエネルギー源として必要となれば、筋肉が解けていき、もちろん自己治癒力も著明に低下していきます。』
ですが、
そもそも、人体の主たるエネルギー源は、上述の如く「脂肪酸-ケトン体システム」であることを、岡本先生はご存じないのだと思います。
糖質制限食実践中は、脂肪酸-ケトン体エネルギーがたっぷりで、決して不足にはなりませんし、筋肉が溶けることもありません。
また、肝臓の糖新生は、人体全体のエネルギー源を確保しているのではありません。ブドウ糖しか利用できない「赤血球、網膜、角膜、水晶体」という特殊な細胞と脳のために最低限の血糖値を確保しているのです。
糖質制限食実践により、血糖値は勿論、中性脂肪、HDL-コレステロールなど動脈硬化のリスク要因の改善、代謝全ての改善、全身の血流の改善などが得られるので、自然治癒力は高まります。
江部康二
今日は、朝から「朝日カルチャーセンター京都」で<食事で治すアトピー・糖尿病・メタボ>と題して
講演してきました。お陰様で満員御礼でした。
「我ら糖尿人、元気なのには理由がある。」の宣伝もたっぷりしてきましたよ。 (^_^)
さて今回は、ナナモリさんから、人体のエネルギー源に関するコメント・質問をいただきました。ジュニアさんからも同様の質問をいただきました。「炭水化物を極端に減らして大丈夫なの?」ということですね。
実は、めんぼうさんがコメント欄でご指摘の如く、大抵の質問の答えは過去のブログ(結構膨大な量です)に書いてあります。
ところが、江部康二自身が、自分のブログでどこに何を書いたか、定かに覚えているわけではありません。 (∵)?
それで自分で検索をしてみるのですが、なかなかサクサクと目的のブログに辿り着けません。
従いまして、繰り返しになることもありますが、多くのブログ読者の皆さんが興味をお持ちのことなど、復習を兼ねて、過去記事にしたテーマも時々取り上げようと思います。
【迷います
江部先生
リボーンの会員で、何度かセミナーに出席させていただいています。いまのところは糖尿人ではありませんが、以前低血糖症状などに悩まされ、現在は糖質制限食を実践しよい状態を保っています。
先生の著書もブログも熟読し納得しているつもりなのですが、時々迷いが生じます。
先日、岡本裕医師の著書「9割の病気は自分で治せる」を読み、ほとんどの部分では共感できるのですが、これはどう解釈したらよいのだろう?と考えてしまった部分がありますので転記いたしますね。
お忙しい中恐縮ですが、コメントいただけましたら幸いです。
以下
『肥満を解消するポイント
・・・同じものばかり食べ続けたり、炭水化物を極端に減らしたりすると、確かに体重は減ります。しかし・・・
さて、炭水化物を極端に減らすとどうなるのでしょうか。
炭水化物はもちろんエネルギー源ですので、当然の結果としてエネルギー不足に陥ります。そのため、炭水化物のかわりにタンパク質にエネルギー源としての動員がかかります。つまり炭水化物(糖質)がエネルギー源として利用できないので、タンパク質(アミノ酸)からわざわざ糖(炭水化物)を作ってエネルギー源を確保しようとするのです。もちろん生体は、タンパク質をほとんど筋肉として備蓄しているわけですから、タンパク質がエネルギー源として必要となれば、筋肉が解けていき、もちろん自己治癒力も著明に低下していきます。
いずれの手法も体調を損ね、その結果として体重が減っているのです。言い換えれば、命がけのダイエットなのです。早い話が、病気になって痩せていくるという当たり前の原理なのです。』
エネルギー源は糖だけではないということは理解しています。
よろしくお願いいたします。
2009/08/18(Tue) 11:44 | URL | ナナモリ | 】
ナナモリさん。
コメントそして本のご購入ありがとうございます。機能性低血糖も改善して良かったですね。
さて、細胞が生きていくにはエネルギー源が必要です。
人体にはエネルギー源として
1)「脂肪酸-ケトン体のシステム」と
2)「ブドウ糖-グリコーゲンのシステム」があります。
タンパク質は、エネルギー源として使われることはありますが、基本的に少ないです。タンパク質は主として人体の組織の材料として使われています。
適切なエネルギー源が確保されていれば、食事から摂取したタンパク質(アミノ酸)は、人体に吸収されて組織のタンパク質合成に使われます。
タンパク質が主たるエネルギー源として使われざるを得ないときは、例えば「飢餓→絶食」が続いたときなどです。
体内の糖質、脂質をエネルギー源として使い果たした後は、やむを得ず筋肉細胞のタンパク質をエネルギー源として使いますが、これは死の一歩手前です。
次に「脂肪酸-ケトン体のシステム」と「ブドウ糖-グリコーゲンのシステム」の役割を考えてみます。
<人体のエネルギー源Ⅰ:脂肪酸-ケトン体システム>
①脳はケトン体(脂肪酸の代謝産物)をいつでも利用できる。
②心筋・骨格筋など多くの体細胞は日常生活では脂肪酸-ケトン体が主エネルギー源であり、人体を
自動車に例えるならガソリンの代わりは脂質である。
③赤血球、網膜、角膜、水晶体を除く全ての細胞はミトコンドリアを持っているので、脂肪酸-ケトン体
エネルギーシステムを利用できる。
④糖質制限食実践中や絶食中の血中ケトン体上昇は、インスリン作用が保たれており生理的なもので
病的ではない。農耕開始前の人類は皆そうであった。
<人体のエネルギー源Ⅱ:ブドウ糖-グリコーゲンシステム>
①人体で赤血球、網膜、角膜、水晶体だけはミトコンドリアがないのでブドウ糖しか利用できない。
②日常生活でブドウ糖を主エネルギー源として利用しているのは赤血球・脳・網膜など。
③ブドウ糖-グリコーゲンエネルギーシステムの本質は
「常に赤血球、網膜、角膜、水晶体の、唯一のエネルギー源」
「筋肉が収縮したときのエネルギー源」→緊急時のターボエンジン
「血糖値が上昇しインスリンが追加分泌された時、筋肉・脂肪細胞のエネルギー源」
「日常生活では脳・網膜・角膜・水晶体・生殖腺胚上皮の主エネルギー源」
ここで大切なことは、日常生活では、骨格筋・心筋を始めほとんどの体細胞は、主エネルギー源として備蓄がたっぷりある「脂肪酸-ケトン体システム」を利用しているということです。
即ち、人体を自動車に例えれば、ガソリンの代わりは脂肪酸-ケトン体であり、決してブドウ糖-グリコーゲンではありません。
例えば、心筋がブドウ糖を主たるエネルギー源として利用したりしたら、グリコーゲンの備蓄は約250gしかなく、いつ枯渇して止まるかもしれませんね。
日常生活で、ブドウ糖をエネルギー源としているのは、「脳・網膜・角膜・水晶体・生殖腺胚上皮」といった特殊な部位だけです。
糖質制限食実践中は脂肪酸-ケトン体が主たるエネルギー源として、しっかり利用しているので、エネルギー不足には決してなりません。人類400万年の歴史の内、399万年間は、糖質制限食だったことをお忘れなく。
肝臓の糖新生は、ブドウ糖しか利用できない「赤血球、網膜、角膜、水晶体」のために、最低限の血糖値を確保するために日常的に行われています。
糖質を摂取したときは、血糖値が上昇し追加分泌のインスリンが出て、筋肉でブドウ糖を利用させます。食物吸収が終了した直後には、肝臓のグリコーゲン分解が、循環血液中に入るブドウ糖の主要な供給源です。
食後数時間が経過し、絶食状態が持続すると、ブドウ糖の供給源は、肝のグリコーゲン分解から糖新生に切り替わります。
肝臓の糖新生は、脂肪酸の代謝産物のグリセロールや筋肉から供給されるアミノ酸などから行われます。糖質制限食の場合は、食事中でもある程度、肝臓の糖新生は行われています。
400万年間の人類の歴史の中で399万年間は、糖質制限食を摂取しているか、空腹や絶食や飢餓が日常的でしたので、肝臓は毎日今以上に糖新生を行い、よく働いてきたしそれだけのキャパシティーを持っているということですね。
最後に岡本裕先生の説
『さて、炭水化物を極端に減らすとどうなるのでしょうか。
炭水化物はもちろんエネルギー源ですので、当然の結果としてエネルギー不足に陥ります。そのため、炭水化物のかわりにタンパク質にエネルギー源としての動員がかかります。つまり炭水化物(糖質)がエネルギー源として利用できないので、タンパク質(アミノ酸)からわざわざ糖(炭水化物)を作ってエネルギー源を確保しようとするのです。もちろん生体は、タンパク質をほとんど筋肉として備蓄しているわけですから、タンパク質がエネルギー源として必要となれば、筋肉が解けていき、もちろん自己治癒力も著明に低下していきます。』
ですが、
そもそも、人体の主たるエネルギー源は、上述の如く「脂肪酸-ケトン体システム」であることを、岡本先生はご存じないのだと思います。
糖質制限食実践中は、脂肪酸-ケトン体エネルギーがたっぷりで、決して不足にはなりませんし、筋肉が溶けることもありません。
また、肝臓の糖新生は、人体全体のエネルギー源を確保しているのではありません。ブドウ糖しか利用できない「赤血球、網膜、角膜、水晶体」という特殊な細胞と脳のために最低限の血糖値を確保しているのです。
糖質制限食実践により、血糖値は勿論、中性脂肪、HDL-コレステロールなど動脈硬化のリスク要因の改善、代謝全ての改善、全身の血流の改善などが得られるので、自然治癒力は高まります。
江部康二
2009年08月17日 (月)
こんばんは。
今回はAGEについて、モン吉さんから、コメント・質問をいただきました。
『09/07/20 モン吉 AGEは「わかさ」の牧田先生の記事をみる
AGE値について
こんにちは、毎日ブログ拝見させていただいています、
50代男性です。
2年少し前に糖尿病が発覚し、当時食後血糖値 390、HbA1cが10.7ありました。
しばらく食事と運動で様子を見ましょうという事で 薬なしでいきました。数ヶ月後に先生のブログを
知り「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」の本も 知りすぐ購入し糖質制限を実行した結果、現在
はずっと薬なしでHbA1c5.5前後で安定しています。 先生のブログと本に出合えて本当に良かったと 大変感謝しております。
お尋ねしたいのは、書店で見た「わか○9月号」 に先生の記事が載っていたので購入し、最後の 方にAGE値についての記事が載っていて初めて 聞く事なので気になりました。
私は、血糖値を押さえてHbA1cを低く安定させて いれば合併症の心配はないと思っていましたし、
主治医もそう仰られていましたが、この記事 を見ると、いくら血糖値を低く保ち続けていても AGE値を低く押さえないと合併症がでるという事でした。現在の病院ではAGE値の検査項目は ありませんが、先生の病院では検査項目に入っているのでしょうか。合併症にはやはりこのAGE 値が関係するのでしょうか?
又、AGE値とコラーゲンの関係も書かれていましたが、私はサプリメントでコラーゲンを摂っていますが、今現在腎臓には異常はありませんが、糖尿病人においてはコラーゲンをずっと摂り続ける事は腎臓にあまり良くないのでしょうか?
少し不安になりご質問させて頂きました。宜しくお願い致します。』
モン吉さん。
コメントそして本のご購入ありがとうございました。
「2年前食後血糖値390mg、HbA1cが10.7%。 現在ずっと薬なしで、HbA1c5.5」
糖質制限食実践で、素晴らしい改善ですね。(^-^)v(^-^)v
薬なしですから、主治医殿もさぞかし驚かれたことでしょう。ヾ(゜▽゜)
さて、ご質問のAGE*のことですが、回答が遅くなって申し訳ありませんでした。この間、同級生や知人の糖尿病専門医に複数尋ねてAGEに対する見解をご教示願いました。それでやっと、現時点での結論らしきものに辿り着きました。
A)AGEについてある程度コンセンサスが得られていること
①体内で高血糖により産生されたAGEsが、細小血管合併症に関わることは、以前から指摘されていました。細小血管合併症とは、糖尿病網膜症や糖尿病腎症です。
②さらに近年「高血糖の記憶**」という概念で、
米国の大規模臨床研究・DCCTのフォローアップ試験であるEDIC-DCCTの報告、UKPDSの20年後の解析で、大血管合併症にもAGEが関わっているのではないかという説が浮上しています。大血管合併症とは、心筋梗塞や脳梗塞などです。
B)AGEについてまだコンセンサスが得られていないこと
食品に含有されるAGEが人体に有害か否かは、現在論争中です。米国の文献では、食品中のAGEも人体に有害という論文もあります。
しかし、日本の糖尿病専門医のほとんどが、食品に含有されるAGEは、人体に有害という立場はとっていません。その間接的証拠といいますか、日本では血中や尿中AGE濃度の検査は、全くといっていいほど実施されていません。
C)AGE値の検査
様々な AGEがあるので、一つの検査法でAGEsの総量を測定することは困難です。
一方、近年各種AGEsの化学構造が解明されたことや抗体作成技術の進歩によって、CML、ピラリン、ペントシジン、クロスリンなど、個別AGEの測定法が確立されました。
2006年1月にはELISA法による血中ペントシジン測定が腎機能検査項目において保険収載(実施料130点)され、臨床検査として測定されるようになりました。
しかし、まだ一般的でなく、研究機関によって測定方法も異なっているなど課題が多い段階です。
現在、日本最大の検査会社であるSRLにおいても、AGE値の検査はほとんど行われていません。
結論です。
1)高血糖により体内で産生された、AGEsは糖尿病の血管合併症の原因となる。
2)一方、食材から摂取されたAGEsが、人体に有害か否かは、結論は出ていない。
3)日本では、AGE値の検査自体が、ほとんど実施されていない。
なお、コラーゲンをサプリで摂取すれば、消化管でアミノ酸に分解されて、吸収されます。コラーゲンはタンパク質ですので既に腎障害がある人は控えた方がいいですが、それ以外ででは人体への悪影響はありません。
江部康二
*AGE
タンパク質と糖が結びついた物質で、Advanced Glycation End-productの頭文字をとってAGEと呼ばれます。日本語では終末糖化産物と訳されています。
過剰な血糖は、糖化反応により血管壁のコラーゲンなど様々なタンパク質に付着します。付着した糖は一部変性してアマドリ化合物(変性ブドウ糖)となります。このアマドリ化合物と糖が結合しAGEができます。
AGEは、糖尿病合併症を引き起こす、重大な原因の1つです。AGEには多種の物質があります。それらを総称してAGEsといわれます。日常よく検査されるグリコヘモグロビンやグリコアルブミンは、糖化反応の前期生成物であるアマドリ転位生成物です。
**高血糖の記憶
糖尿病血管合併症のメカニズムを特徴的に説明する、高血糖の記憶(hyperglycemic memory)と呼ばれる概念があります。
「高血糖の記憶」とは、過去の高血糖レベルとその曝露期間が生体に記憶され、その後の血管合併症の進展を左右するという考え方です。
ヒトの糖尿病において、この「高血糖の記憶」の存在を示すエビデンス(証拠)として、米国の1型糖尿病患者の大規模臨床研究・DCCTのフォローアップ試験であるEDIC-DCCTの報告があります。
DCCTでは、1型糖尿病患者を従来の通常療法群と、より厳格に血糖管理を行う強化療法群に分け、平均6.5年間追跡しました。
その結果、通常療法群に比べ強化療法群で平均HbA1c値が1.9%低下し、強化療法群で血管合併症の進展リスクが大幅に減少しました。(*)
同研究終了後に行われたEDIC-DCCTでは、通常療法群にも強化療法を実施し、両群をさらに平均11年間追跡しました。
つまり「継続的な強化療法群」と「通常療法→強化療法群」の2つのグループの比較が、DCCT終了後11年間行われたことになりますね。
その結果、開始から3~4年で両群の平均HbA1c値がほぼ同等となったにも関わらず、11年間の心筋梗塞、脳卒中、心血管死のリスクは「継続的な強化療法群」の方がやはり低かった(相対リスク57%低下)ことが報告されたのです。(**)
すなわち、糖尿人において一定期間血糖コントロールが不良であれば、高血糖の記憶が「借金」のように生体内に残り、その後良好なコントロールが得られても、血管合併症リスクの差は縮まらないことが示されたわけです。
この借金の正体が、組織沈着AGEではないかと言われています。
まだ仮説ではありますが、組織に沈着したAGEが血管を傷害し続け、動脈硬化の元凶となり「高血糖の記憶」を最もよく説明するとされています。
高血糖の記憶・借金を残さないためには、糖尿病発症の初期の段階から血糖コントロールを保つことが大切です。当然、早ければ早いほどいいわけです。
糖尿人の皆さん、カロリー制限食(高糖質食)では必ず、食後高血糖が生じ将来に借金を残します。
是非、糖質制限食で速やかな血糖コントロールを目指して下さいね。
(*)N Engl J Med 1993; 329: 977-986
(**)N Engl J Med 2005; 353: 2643-2653
今回はAGEについて、モン吉さんから、コメント・質問をいただきました。
『09/07/20 モン吉 AGEは「わかさ」の牧田先生の記事をみる
AGE値について
こんにちは、毎日ブログ拝見させていただいています、
50代男性です。
2年少し前に糖尿病が発覚し、当時食後血糖値 390、HbA1cが10.7ありました。
しばらく食事と運動で様子を見ましょうという事で 薬なしでいきました。数ヶ月後に先生のブログを
知り「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」の本も 知りすぐ購入し糖質制限を実行した結果、現在
はずっと薬なしでHbA1c5.5前後で安定しています。 先生のブログと本に出合えて本当に良かったと 大変感謝しております。
お尋ねしたいのは、書店で見た「わか○9月号」 に先生の記事が載っていたので購入し、最後の 方にAGE値についての記事が載っていて初めて 聞く事なので気になりました。
私は、血糖値を押さえてHbA1cを低く安定させて いれば合併症の心配はないと思っていましたし、
主治医もそう仰られていましたが、この記事 を見ると、いくら血糖値を低く保ち続けていても AGE値を低く押さえないと合併症がでるという事でした。現在の病院ではAGE値の検査項目は ありませんが、先生の病院では検査項目に入っているのでしょうか。合併症にはやはりこのAGE 値が関係するのでしょうか?
又、AGE値とコラーゲンの関係も書かれていましたが、私はサプリメントでコラーゲンを摂っていますが、今現在腎臓には異常はありませんが、糖尿病人においてはコラーゲンをずっと摂り続ける事は腎臓にあまり良くないのでしょうか?
少し不安になりご質問させて頂きました。宜しくお願い致します。』
モン吉さん。
コメントそして本のご購入ありがとうございました。
「2年前食後血糖値390mg、HbA1cが10.7%。 現在ずっと薬なしで、HbA1c5.5」
糖質制限食実践で、素晴らしい改善ですね。(^-^)v(^-^)v
薬なしですから、主治医殿もさぞかし驚かれたことでしょう。ヾ(゜▽゜)
さて、ご質問のAGE*のことですが、回答が遅くなって申し訳ありませんでした。この間、同級生や知人の糖尿病専門医に複数尋ねてAGEに対する見解をご教示願いました。それでやっと、現時点での結論らしきものに辿り着きました。
A)AGEについてある程度コンセンサスが得られていること
①体内で高血糖により産生されたAGEsが、細小血管合併症に関わることは、以前から指摘されていました。細小血管合併症とは、糖尿病網膜症や糖尿病腎症です。
②さらに近年「高血糖の記憶**」という概念で、
米国の大規模臨床研究・DCCTのフォローアップ試験であるEDIC-DCCTの報告、UKPDSの20年後の解析で、大血管合併症にもAGEが関わっているのではないかという説が浮上しています。大血管合併症とは、心筋梗塞や脳梗塞などです。
B)AGEについてまだコンセンサスが得られていないこと
食品に含有されるAGEが人体に有害か否かは、現在論争中です。米国の文献では、食品中のAGEも人体に有害という論文もあります。
しかし、日本の糖尿病専門医のほとんどが、食品に含有されるAGEは、人体に有害という立場はとっていません。その間接的証拠といいますか、日本では血中や尿中AGE濃度の検査は、全くといっていいほど実施されていません。
C)AGE値の検査
様々な AGEがあるので、一つの検査法でAGEsの総量を測定することは困難です。
一方、近年各種AGEsの化学構造が解明されたことや抗体作成技術の進歩によって、CML、ピラリン、ペントシジン、クロスリンなど、個別AGEの測定法が確立されました。
2006年1月にはELISA法による血中ペントシジン測定が腎機能検査項目において保険収載(実施料130点)され、臨床検査として測定されるようになりました。
しかし、まだ一般的でなく、研究機関によって測定方法も異なっているなど課題が多い段階です。
現在、日本最大の検査会社であるSRLにおいても、AGE値の検査はほとんど行われていません。
結論です。
1)高血糖により体内で産生された、AGEsは糖尿病の血管合併症の原因となる。
2)一方、食材から摂取されたAGEsが、人体に有害か否かは、結論は出ていない。
3)日本では、AGE値の検査自体が、ほとんど実施されていない。
なお、コラーゲンをサプリで摂取すれば、消化管でアミノ酸に分解されて、吸収されます。コラーゲンはタンパク質ですので既に腎障害がある人は控えた方がいいですが、それ以外ででは人体への悪影響はありません。
江部康二
*AGE
タンパク質と糖が結びついた物質で、Advanced Glycation End-productの頭文字をとってAGEと呼ばれます。日本語では終末糖化産物と訳されています。
過剰な血糖は、糖化反応により血管壁のコラーゲンなど様々なタンパク質に付着します。付着した糖は一部変性してアマドリ化合物(変性ブドウ糖)となります。このアマドリ化合物と糖が結合しAGEができます。
AGEは、糖尿病合併症を引き起こす、重大な原因の1つです。AGEには多種の物質があります。それらを総称してAGEsといわれます。日常よく検査されるグリコヘモグロビンやグリコアルブミンは、糖化反応の前期生成物であるアマドリ転位生成物です。
**高血糖の記憶
糖尿病血管合併症のメカニズムを特徴的に説明する、高血糖の記憶(hyperglycemic memory)と呼ばれる概念があります。
「高血糖の記憶」とは、過去の高血糖レベルとその曝露期間が生体に記憶され、その後の血管合併症の進展を左右するという考え方です。
ヒトの糖尿病において、この「高血糖の記憶」の存在を示すエビデンス(証拠)として、米国の1型糖尿病患者の大規模臨床研究・DCCTのフォローアップ試験であるEDIC-DCCTの報告があります。
DCCTでは、1型糖尿病患者を従来の通常療法群と、より厳格に血糖管理を行う強化療法群に分け、平均6.5年間追跡しました。
その結果、通常療法群に比べ強化療法群で平均HbA1c値が1.9%低下し、強化療法群で血管合併症の進展リスクが大幅に減少しました。(*)
同研究終了後に行われたEDIC-DCCTでは、通常療法群にも強化療法を実施し、両群をさらに平均11年間追跡しました。
つまり「継続的な強化療法群」と「通常療法→強化療法群」の2つのグループの比較が、DCCT終了後11年間行われたことになりますね。
その結果、開始から3~4年で両群の平均HbA1c値がほぼ同等となったにも関わらず、11年間の心筋梗塞、脳卒中、心血管死のリスクは「継続的な強化療法群」の方がやはり低かった(相対リスク57%低下)ことが報告されたのです。(**)
すなわち、糖尿人において一定期間血糖コントロールが不良であれば、高血糖の記憶が「借金」のように生体内に残り、その後良好なコントロールが得られても、血管合併症リスクの差は縮まらないことが示されたわけです。
この借金の正体が、組織沈着AGEではないかと言われています。
まだ仮説ではありますが、組織に沈着したAGEが血管を傷害し続け、動脈硬化の元凶となり「高血糖の記憶」を最もよく説明するとされています。
高血糖の記憶・借金を残さないためには、糖尿病発症の初期の段階から血糖コントロールを保つことが大切です。当然、早ければ早いほどいいわけです。
糖尿人の皆さん、カロリー制限食(高糖質食)では必ず、食後高血糖が生じ将来に借金を残します。
是非、糖質制限食で速やかな血糖コントロールを目指して下さいね。
(*)N Engl J Med 1993; 329: 977-986
(**)N Engl J Med 2005; 353: 2643-2653
2009年08月17日 (月)
こんにちは。
ひなママさんの「油揚げシュークリーム」、私は見事に失敗しましたが、結局連れ合いに作ってもらって成功しました。 (^_^)
超久しぶりのアイスクリーム、美味しかったです。(⌒o⌒)v
『シューアイスのレシピ
1丁分のサイズのうすあげを半分に切り、袋煮や、いなり寿司を作る時みたいに開いてトースターでカリカリに焼いておきます。
生クリームにバニラエッセンス、卵黄、ラカントや甘味料を入れ泡立てて カリカリに焼いたうすあげに入れて冷凍します! 』
さて、さわさんから、糖質制限OK食材の熊本名産「南関(なんかん)あげ」を紹介していただきました。サンドイッチに使えそうですし、トースト風にもいけそうです。秘伝の製法で、豆腐を薄く切って水分を抜き、揚げて出来るそうです。私も早速購入して、試食してみようと思います。
『にんにくさんへ 南関あげ
にんにくさん、はじめまして。さわと申します。
>糖質制限に適していて、ワンハンドスタイルのようなお弁当に使いやすくて、しかも安くて、できれば保存性も良くて・・・なんて都合の良い食材、他にもありませんかね?
数日前にスーパーで偶然見つけたのですが、「南関あげ」なるものがありました。
糖質制限に適していて→食パンの大きさ3枚入りで糖質は3枚合計0.5gでした。
ワンハンドスタイルのような→ワンハンドスタイルもちろんOKです。
お弁当に使いやすくて→明日のお弁当に、ハム、レタス、チーズ等を挟んでサンドイッチ風に作ってみようと思っています。
しかも安くて→3枚入りで128円でした。
通販はこちらです。
http://shioyamasyokuhin.co.jp/1.html
(小)が食パンの大きさになります。
できれば保存性も良くて→常温で3ケ月持ちます。
自分自身のレビューです。
http://sunap21.blog14.fc2.com/blog-entry-227.html
オーブーントースターで数分焼いたところ、カッパエビセンのようにやめられない止まらない状態になったのですが、先ほど焼かずに食べてみたところ、これでも十分いけました。
ずぼらな自分にはピッタリな糖質制限食だと思いました。
これから、マスタードやバター、マヨネーズを塗ったりして、いろいろな食材を挟んでお弁当にしてみようかと思っています。
2009/08/17(Mon) 09:17 | URL | さわ 』
江部康二
ひなママさんの「油揚げシュークリーム」、私は見事に失敗しましたが、結局連れ合いに作ってもらって成功しました。 (^_^)
超久しぶりのアイスクリーム、美味しかったです。(⌒o⌒)v
『シューアイスのレシピ
1丁分のサイズのうすあげを半分に切り、袋煮や、いなり寿司を作る時みたいに開いてトースターでカリカリに焼いておきます。
生クリームにバニラエッセンス、卵黄、ラカントや甘味料を入れ泡立てて カリカリに焼いたうすあげに入れて冷凍します! 』
さて、さわさんから、糖質制限OK食材の熊本名産「南関(なんかん)あげ」を紹介していただきました。サンドイッチに使えそうですし、トースト風にもいけそうです。秘伝の製法で、豆腐を薄く切って水分を抜き、揚げて出来るそうです。私も早速購入して、試食してみようと思います。
『にんにくさんへ 南関あげ
にんにくさん、はじめまして。さわと申します。
>糖質制限に適していて、ワンハンドスタイルのようなお弁当に使いやすくて、しかも安くて、できれば保存性も良くて・・・なんて都合の良い食材、他にもありませんかね?
数日前にスーパーで偶然見つけたのですが、「南関あげ」なるものがありました。
糖質制限に適していて→食パンの大きさ3枚入りで糖質は3枚合計0.5gでした。
ワンハンドスタイルのような→ワンハンドスタイルもちろんOKです。
お弁当に使いやすくて→明日のお弁当に、ハム、レタス、チーズ等を挟んでサンドイッチ風に作ってみようと思っています。
しかも安くて→3枚入りで128円でした。
通販はこちらです。
http://shioyamasyokuhin.co.jp/1.html
(小)が食パンの大きさになります。
できれば保存性も良くて→常温で3ケ月持ちます。
自分自身のレビューです。
http://sunap21.blog14.fc2.com/blog-entry-227.html
オーブーントースターで数分焼いたところ、カッパエビセンのようにやめられない止まらない状態になったのですが、先ほど焼かずに食べてみたところ、これでも十分いけました。
ずぼらな自分にはピッタリな糖質制限食だと思いました。
これから、マスタードやバター、マヨネーズを塗ったりして、いろいろな食材を挟んでお弁当にしてみようかと思っています。
2009/08/17(Mon) 09:17 | URL | さわ 』
江部康二
2009年08月16日 (日)
こんばんは。
さきほど、テニスクラブから帰ってきました。
さて今回のブログは、2009年9月13日(日)に東京・中野で行われる、新形式の糖質制限食シンポジウムのご案内です。
今回は、北里研究所病院糖尿病センター長の山田悟先生に、ご参加頂きます。
<リボーン・シンポジウム 糖尿病治療における糖質制限食の有効性>
以下、NPO法人糖質制限食ネット・リボーン事務局、曽我部ゆかりさんからのメッセージです。
江部康二
☆☆☆
NPO法人糖質制限食ネット・リボーン 曽我部 ゆかり より
江部先生のブログ読者の皆様へ。
暑かったり、寒かったり。今年の夏も夏らしくない夏ですね。皆様いかがおすごしでしょうか。私は、夏は夏らしくすごしたいなあ、と願っています。
さて、9月13日のシンポジウムのお知らせです。
昨日、ゲスト講師の山田悟先生と打ち合わせしてきました。糖質制限食への取り組みを積極的に考えていらっしゃり、心強く思いました。山田先生は、糖尿病専門医で、糖質制限食の有効性にいちはやく気づいた若きドクターです。いわば、糖質制限食の期待の星です。
三人の講師のお話につづき、パネルディスカッションの時間も設けました。
ぜひ、皆様、お誘い合わせの上で、お越し下さいね。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
シリーズ『食事で治す・アトピー・糖尿病・肥満・メタボ』vol 14
リボーン・シンポジウム
糖尿病治療における糖質制限食の有効性
はじめたその日から期待できる、急速な血糖値の改善、ダイエット、情緒の安定、湿疹の緩和、などなど。薬に頼ることなく、つらい症状が確実に改善。代謝機能全般が安定する糖質制限食を今日か轤ヘじめてみませんか。
●ゲスト講師
山田悟(北里研究所病院糖尿病センター センター長医学博士)
●講師 パネリスト
江部康二(高雄病院理事長/NPO法人糖質制限食ネット・リボーン理事長)
大柳珠美(管理栄養士/NPO法人糖質制限食ネット・リボーン理事)
今回は、北里研究所病院糖尿病センターの山田悟先生をゲスト講師に迎え、日本の糖尿病治療の現状と、糖尿病専門医という立場からの「糖質制限食」の有効性についてを語り合う、画期的なシンポジウムとなります。
パネリストには、当会理事長で糖質制限食のパイオニアである江部康二先生、同じく当会理事で管理栄養士の大柳珠美先生をまじえ、それぞれの立場から「糖質制限食」の実践について検討を加えます。「糖質制限食」の有効性が糖尿病学会でも徐々に認められつつある昨今ですが、さらなる展開を求めての新しい試みとなります。患者様のみならず、医療関係者の皆様にも有意義なデスカッションをどうぞご期待ください。
日 時 2009年9月13日(日)9時20分開場
9時30分開演 11時50分終了
場 所 なかのゼロ視聴覚ホール (JR中野駅南口下車6分)
会 費 一般 1800円 リボーン会員 1500円
ペア券 一般 3600円のところ3000円
ペア券 会員 3000円のところ2400円
※ペア券はご家族に限られていただきます。
主 催 NPO法人糖質制限食ネット・リボーン
申し込み・問い合わせ リボーン 曽我部
03-3388-5428 e-mail reborn@big.or.jp
裏面
<講師プロフィール>
山田悟
(やまださとる)
北里研究所病院糖尿病センター長。1970年生まれ。慶應義塾大學醫學部卒業
。慶應義塾大學醫學部内科学教室入局。東京都済生会中央病院、東京都国保南多摩病院を経て、1998年6月、慶應義塾大學醫學部内科学教室腎臓内分泌代謝研究室帰局した後、1型糖尿病の発症予知についての研究に従事する。
2002年1月北里研究所病院に就職し、一般内科臨床に従事するかたわら糖尿病についての臨床研究・基礎研究に従事する。同年、北里研究所病院総合内科医長に就任。
2003年12月医学博士号取得
。2007年4月北里研究所病院腎臓内分泌代謝科副部長に就任後、糖尿病センター長となる。
日本糖尿病学会糖尿病専門医、日本糖尿病学会指導医、慶應義塾大学医学部非常勤講師、北里大学薬学部非常勤講師、星薬科大学非常勤他多数の経歴を持つ。
江部康二(えべこうじ)
内科医、漢方医、(財)高雄病院理事長、NPO法人糖質制限食ネット・リボーン理事長。1950年生まれ。京都大学医学部卒業。2002年に自ら糖尿病であると気づいて以来、糖尿病治療の研究に取り組み、「糖質制限食」の体系を確立。これにより自身の糖尿病を克服。高雄病院でに数多くの臨床活動を通じて、糖尿病・肥満・メタボリック症候群などに対する糖質制限食の画期的な治療効果を証明。テーラーメイドダイエットとの2本立てでアトピーなど生活習慣病全般への効果も確立している。著書『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』(シリーズ展開中/東洋経済新報社刊)はベストセラーに。ブログ『ドクター江部の糖尿病徒然日記』(http://koujiebe.blog95.fc2.com/)は日に3000件を超えるアクセスがあり糖尿病患者さんの間で絶大な支持を得ている。
大柳珠美(おおやなぎたまみ)
管理栄養士、(有)コンコルディア代表、NPO法人糖質制限食ネット・リボーン理事。1968年、熊本県生まれ。二葉栄養専門学校(栄養士科)卒業。明星大学(人文学部・心理教育専攻)卒業。3年ほど前から糖質制限食の栄養カウンセリングに取り組み、現在は都内クリニック(ひめのともみクリニック(東京・五反田)、練馬駅西口眼科クリニック(東京・練馬))、小松川クリニック(東京・小松川)にて個人指導を担当している。テレビ出演、雑誌の執筆など、各方面でも活躍中。ブログ『管理栄養士のローカーボキッチン』(http://web.mac.com/concordia1/サイト/Blog/Blog.html)が話題をよんでいる。
江部康二との共著『糖尿病のための「糖質オフごちそうごはん」』(アスペクト)がある。
~薬に頼らない医療の実現を目指し「食」の根底を見直す~
NPO法人糖質制限食ネット・リボーン誕生
リボーンは、『食事で治す』をキーワードに、糖尿病やアトピーなど生活習慣病全般の改善のために有効な糖質制限食とテーラーメイドダイエットの理論と実践法を、広く一般社会に普及してくため活動を開始いたしました(NPO法人として1月7日に創立)。
主な活動内容は、糖質制限食の『講演会・セミナー・交流会の開催』『人材育成』『医療機関と他団体とのネットワーク構築』『食と生活習慣病に関する相談窓口開設』『情報集と情報提供』『研究・普及啓発』などになります。
私たちの活動はより多くの市民の方々の参加によって成り立ち発展していきます。
薬に頼らない医療の実現を願い、私たちとともに、「食」の根底を見直していきませんか。
多くの方々のご参加を心よりお待ちしております。
●お申し込み●
NPO法人糖質制限食ネット・リボーン
担当 曽我部 ゆかり
reborn@big.or.jp
〒165―0026 東京都中野区新井4-4-2-4B
TEL,FAX 03-3388-5428
NPO法人糖質制限食ネット・リボーン の URL が変わりました。
新URL http://reborn.prj.cc/
☆☆☆☆☆
【コメント・質問に関するお知らせ・お願い】
ブログ読者の皆さんには、いつもコメントいただき、ありがとうございます。
読者の皆さんからご意見いただきましたが、確かに普通のお医者さんに相談可能な個人的な内容の質問は、主治医にご相談頂けば助かります。m(_ _)m
普通のお医者さんでは解答不能の、糖質制限食に関わる質問は、何でもどんどんしていただけば嬉しいです。 (^_^)
掲載OKの質問に関して、読者の皆さんに共有していただきたい情報の場合は、ブログ本文にて、できるだけ順番にお答えしたいと思います。質問によってはコメント欄でお早めにお答えする場合もありますのでご了承ください。
一方、コメント・質問がかなり増えてきていますので、なかなか即お答えすることが困難となってきています。できるだけ全ての質問に本文かコメントでお答えするよう努力はしていますが、できないときはご容赦願います。m(_ _)m
それから、「管理人のみ閲覧できる」「匿名希望」などの質問に関しては、コメント欄にお答えするか、一般的な話題に置き換えてブログに記載するようにしていますので、よろしくお願い申し上げます。
【講演会のお知らせ】
☆朝日カルチャーセンター京都http://www.asahi-culture.co.jp/www/kyoto-c.html
TEL 075-231-9693
2009年8月18日(火)10:30~12:00
食事で治す!アトピー・糖尿病・メタボ
-テーラーメードダイエットと糖質制限食-
☆脳と栄養のシンポジウム 2009年8月23日(日) 13:30~17:45
『分子整合医学概論』 溝口徹先生
『糖質制限の基礎と臨床 ~脳に糖質は必要か?』 14:15~15:00 江部康二
『精神科医療の現状と問題点』 市来真彦先生
『心療内科領域における栄養療法の実際』 姫野友美先生
『精神科領域における栄養療法の実際』 広瀬久益先生
会場:ニッショーホール 東京都港区虎ノ門2丁目9番16号
一般:¥3000-
医療:¥5000-
お問い合わせ
03-3350-8988 新宿溝口クリニック
【糖質制限食コントロール・教育入院のご案内・保険適応】
お問い合わせは高雄病院
http://www.takao-hospital.jp/
住所:京都市右京区梅ヶ畑畑町3
電話:075-871-0245
ベットが空くまでお待ち頂くこともありますがご了承下さい。
【糖質制限食外来治療のご案内・予約制・保険適応】
高雄病院 電話:075-871-0245
京都市右京区梅ヶ畑畑町3
高雄病院京都駅前診療所 電話:075-352-5050
京都市下京区七条通り烏丸東入ル(50M)北側 ネオフィス 七条烏丸4F
http://www.takao-hospital.net/
江部診療所 電話:075-712-8133
京都市左京区下鴨高木町6 アトリエ・フォー 2F
【糖質制限食を実践される時のご注意】
本にも書きましたが、 糖質制限食実践によりリアルタイムに血糖値が改善します。このため既に、経口血糖降下剤(オイグルコン、アマリールなど)の内服やインスリン注射をしておられる糖尿人は低血糖の心配がありますので必ず主治医と相談して頂きたいと思います。
一方、薬を使用してない糖尿人は、低血糖の心配はないので、「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」「 糖質制限食 春のレシピ」「 糖質制限食 夏のレシピ」「糖質制限食 秋のレシピ」「糖質制限食 冬のレシピ」(以上東洋経済新報社)
「糖尿病のための糖質オフごちそうごはん」(アスペクト)
などを参考にされて、自力で 糖質制限食を実践して糖尿病改善を目指していただけば幸いです。
江部康二
さきほど、テニスクラブから帰ってきました。
さて今回のブログは、2009年9月13日(日)に東京・中野で行われる、新形式の糖質制限食シンポジウムのご案内です。
今回は、北里研究所病院糖尿病センター長の山田悟先生に、ご参加頂きます。
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以下、NPO法人糖質制限食ネット・リボーン事務局、曽我部ゆかりさんからのメッセージです。
江部康二
☆☆☆
NPO法人糖質制限食ネット・リボーン 曽我部 ゆかり より
江部先生のブログ読者の皆様へ。
暑かったり、寒かったり。今年の夏も夏らしくない夏ですね。皆様いかがおすごしでしょうか。私は、夏は夏らしくすごしたいなあ、と願っています。
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シリーズ『食事で治す・アトピー・糖尿病・肥満・メタボ』vol 14
リボーン・シンポジウム
糖尿病治療における糖質制限食の有効性
はじめたその日から期待できる、急速な血糖値の改善、ダイエット、情緒の安定、湿疹の緩和、などなど。薬に頼ることなく、つらい症状が確実に改善。代謝機能全般が安定する糖質制限食を今日か轤ヘじめてみませんか。
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山田悟(北里研究所病院糖尿病センター センター長医学博士)
●講師 パネリスト
江部康二(高雄病院理事長/NPO法人糖質制限食ネット・リボーン理事長)
大柳珠美(管理栄養士/NPO法人糖質制限食ネット・リボーン理事)
今回は、北里研究所病院糖尿病センターの山田悟先生をゲスト講師に迎え、日本の糖尿病治療の現状と、糖尿病専門医という立場からの「糖質制限食」の有効性についてを語り合う、画期的なシンポジウムとなります。
パネリストには、当会理事長で糖質制限食のパイオニアである江部康二先生、同じく当会理事で管理栄養士の大柳珠美先生をまじえ、それぞれの立場から「糖質制限食」の実践について検討を加えます。「糖質制限食」の有効性が糖尿病学会でも徐々に認められつつある昨今ですが、さらなる展開を求めての新しい試みとなります。患者様のみならず、医療関係者の皆様にも有意義なデスカッションをどうぞご期待ください。
日 時 2009年9月13日(日)9時20分開場
9時30分開演 11時50分終了
場 所 なかのゼロ視聴覚ホール (JR中野駅南口下車6分)
会 費 一般 1800円 リボーン会員 1500円
ペア券 一般 3600円のところ3000円
ペア券 会員 3000円のところ2400円
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主 催 NPO法人糖質制限食ネット・リボーン
申し込み・問い合わせ リボーン 曽我部
03-3388-5428 e-mail reborn@big.or.jp
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<講師プロフィール>
山田悟
(やまださとる)
北里研究所病院糖尿病センター長。1970年生まれ。慶應義塾大學醫學部卒業
。慶應義塾大學醫學部内科学教室入局。東京都済生会中央病院、東京都国保南多摩病院を経て、1998年6月、慶應義塾大學醫學部内科学教室腎臓内分泌代謝研究室帰局した後、1型糖尿病の発症予知についての研究に従事する。
2002年1月北里研究所病院に就職し、一般内科臨床に従事するかたわら糖尿病についての臨床研究・基礎研究に従事する。同年、北里研究所病院総合内科医長に就任。
2003年12月医学博士号取得
。2007年4月北里研究所病院腎臓内分泌代謝科副部長に就任後、糖尿病センター長となる。
日本糖尿病学会糖尿病専門医、日本糖尿病学会指導医、慶應義塾大学医学部非常勤講師、北里大学薬学部非常勤講師、星薬科大学非常勤他多数の経歴を持つ。
江部康二(えべこうじ)
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大柳珠美(おおやなぎたまみ)
管理栄養士、(有)コンコルディア代表、NPO法人糖質制限食ネット・リボーン理事。1968年、熊本県生まれ。二葉栄養専門学校(栄養士科)卒業。明星大学(人文学部・心理教育専攻)卒業。3年ほど前から糖質制限食の栄養カウンセリングに取り組み、現在は都内クリニック(ひめのともみクリニック(東京・五反田)、練馬駅西口眼科クリニック(東京・練馬))、小松川クリニック(東京・小松川)にて個人指導を担当している。テレビ出演、雑誌の執筆など、各方面でも活躍中。ブログ『管理栄養士のローカーボキッチン』(http://web.mac.com/concordia1/サイト/Blog/Blog.html)が話題をよんでいる。
江部康二との共著『糖尿病のための「糖質オフごちそうごはん」』(アスペクト)がある。
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リボーンは、『食事で治す』をキーワードに、糖尿病やアトピーなど生活習慣病全般の改善のために有効な糖質制限食とテーラーメイドダイエットの理論と実践法を、広く一般社会に普及してくため活動を開始いたしました(NPO法人として1月7日に創立)。
主な活動内容は、糖質制限食の『講演会・セミナー・交流会の開催』『人材育成』『医療機関と他団体とのネットワーク構築』『食と生活習慣病に関する相談窓口開設』『情報集と情報提供』『研究・普及啓発』などになります。
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2009年8月18日(火)10:30~12:00
食事で治す!アトピー・糖尿病・メタボ
-テーラーメードダイエットと糖質制限食-
☆脳と栄養のシンポジウム 2009年8月23日(日) 13:30~17:45
『分子整合医学概論』 溝口徹先生
『糖質制限の基礎と臨床 ~脳に糖質は必要か?』 14:15~15:00 江部康二
『精神科医療の現状と問題点』 市来真彦先生
『心療内科領域における栄養療法の実際』 姫野友美先生
『精神科領域における栄養療法の実際』 広瀬久益先生
会場:ニッショーホール 東京都港区虎ノ門2丁目9番16号
一般:¥3000-
医療:¥5000-
お問い合わせ
03-3350-8988 新宿溝口クリニック
【糖質制限食コントロール・教育入院のご案内・保険適応】
お問い合わせは高雄病院
http://www.takao-hospital.jp/
住所:京都市右京区梅ヶ畑畑町3
電話:075-871-0245
ベットが空くまでお待ち頂くこともありますがご了承下さい。
【糖質制限食外来治療のご案内・予約制・保険適応】
高雄病院 電話:075-871-0245
京都市右京区梅ヶ畑畑町3
高雄病院京都駅前診療所 電話:075-352-5050
京都市下京区七条通り烏丸東入ル(50M)北側 ネオフィス 七条烏丸4F
http://www.takao-hospital.net/
江部診療所 電話:075-712-8133
京都市左京区下鴨高木町6 アトリエ・フォー 2F
【糖質制限食を実践される時のご注意】
本にも書きましたが、 糖質制限食実践によりリアルタイムに血糖値が改善します。このため既に、経口血糖降下剤(オイグルコン、アマリールなど)の内服やインスリン注射をしておられる糖尿人は低血糖の心配がありますので必ず主治医と相談して頂きたいと思います。
一方、薬を使用してない糖尿人は、低血糖の心配はないので、「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」「 糖質制限食 春のレシピ」「 糖質制限食 夏のレシピ」「糖質制限食 秋のレシピ」「糖質制限食 冬のレシピ」(以上東洋経済新報社)
「糖尿病のための糖質オフごちそうごはん」(アスペクト)
などを参考にされて、自力で 糖質制限食を実践して糖尿病改善を目指していただけば幸いです。
江部康二
2009年08月16日 (日)
おはようございます。
fmata さんから糖質制限なレシピ・生キャラメルのレシピをコメントいただきました。ありがとうございます。
江部康二
「09/08/15 fmata
生キャラメルも
江部先生はじめまして
fmataといいます。
いつもこのサイトを参考にさせていただいております。
私はラカントで生キャラメルを作っています
機材はタカラトミーからでているもので、おもちゃなんですが、なかなかよくできております。
ラカントと生クリームと牛乳で十分おいしい生キャラメルができます。
重さは正確ではありませんが、キャラメル30gくらい?で、糖質5g、総カロリー220kcalくらいです。
作りようによっては小麦ふすまパンなどに塗って食べることもできます。
お試しください。」
fmata さんから糖質制限なレシピ・生キャラメルのレシピをコメントいただきました。ありがとうございます。
江部康二
「09/08/15 fmata
生キャラメルも
江部先生はじめまして
fmataといいます。
いつもこのサイトを参考にさせていただいております。
私はラカントで生キャラメルを作っています
機材はタカラトミーからでているもので、おもちゃなんですが、なかなかよくできております。
ラカントと生クリームと牛乳で十分おいしい生キャラメルができます。
重さは正確ではありませんが、キャラメル30gくらい?で、糖質5g、総カロリー220kcalくらいです。
作りようによっては小麦ふすまパンなどに塗って食べることもできます。
お試しください。」
2009年08月16日 (日)
おはようございます。
1型のあこさんから、夏向きの糖質制限なスイーツのレシピをコメント頂きました。
「09/08/15 あこ
タイトルなし
先生、お久しぶりです。毎回診察ごとに投稿させていただいてます1型のあこです。
5月に発症してから糖質制限を続け、今回ついにHbA1c5.7まで下がりました!嬉しくて嬉しくて。
今回、やはり朝の血糖値が110を超えているのもあり、ランタス処方になりましたが、ノボ毎食前3or2の、就寝前ランタス4になって、空腹時80台、食後2H110台と、かなり楽になってます!
最近は、冷たいスイーツにハマり、簡単で腹持ちよいわらび餅モドキを作っているので、甘いものにも大満足です。
水700ccに、寒天4g、塩とラカント1つまみを混ぜ、軽くふつふつさせたら、ふやかしたゼラチン10gを混ぜ合わせ、冷蔵庫で固めるだけです!私は液体パルスイートとすりごま、少しのきな粉をかけて食べています!パルスイートと粉末抹茶だけでもおいしいです!
簡単ですごいおいしいので、良かったらお試し下さい♪
今日、先生の新刊を取りに行ってきますo(^-^)o 」
あこさん。
コメント、レシピ、本のご購入ありがとうございます。
「HbA1c5.7、ノボ毎食前3or2の、就寝前ランタス4になって、空腹時80台、食後2H110台」
糖尿人の目標、完全クリアですね。素晴らしいです。(^-^)v(^-^)
1型でこの数値は、主治医殿もさぞ誉めてくれたことでしょう。
しかもインスリンの量が、少ないのもとても良いですよ。この調子で美味しく楽しく末永く、糖質制限食お続け下さいね。(⌒o⌒)v
江部康二
1型のあこさんから、夏向きの糖質制限なスイーツのレシピをコメント頂きました。
「09/08/15 あこ
タイトルなし
先生、お久しぶりです。毎回診察ごとに投稿させていただいてます1型のあこです。
5月に発症してから糖質制限を続け、今回ついにHbA1c5.7まで下がりました!嬉しくて嬉しくて。
今回、やはり朝の血糖値が110を超えているのもあり、ランタス処方になりましたが、ノボ毎食前3or2の、就寝前ランタス4になって、空腹時80台、食後2H110台と、かなり楽になってます!
最近は、冷たいスイーツにハマり、簡単で腹持ちよいわらび餅モドキを作っているので、甘いものにも大満足です。
水700ccに、寒天4g、塩とラカント1つまみを混ぜ、軽くふつふつさせたら、ふやかしたゼラチン10gを混ぜ合わせ、冷蔵庫で固めるだけです!私は液体パルスイートとすりごま、少しのきな粉をかけて食べています!パルスイートと粉末抹茶だけでもおいしいです!
簡単ですごいおいしいので、良かったらお試し下さい♪
今日、先生の新刊を取りに行ってきますo(^-^)o 」
あこさん。
コメント、レシピ、本のご購入ありがとうございます。
「HbA1c5.7、ノボ毎食前3or2の、就寝前ランタス4になって、空腹時80台、食後2H110台」
糖尿人の目標、完全クリアですね。素晴らしいです。(^-^)v(^-^)
1型でこの数値は、主治医殿もさぞ誉めてくれたことでしょう。
しかもインスリンの量が、少ないのもとても良いですよ。この調子で美味しく楽しく末永く、糖質制限食お続け下さいね。(⌒o⌒)v
江部康二
2009年08月16日 (日)
糖質制限なレシピ
おはようございます。我ら糖尿人、サンドウィッチなど時々食べたいですよね。
にんにくさんから、糖質制限なサンドウィッチのレシピをコメント頂きました。
江部康二
「09/08/15 にんにく
油揚げ!
油揚げをシュー皮に使う発想はありませんでした。
では、自分も1つ。
やってる方もおられるかも知れませんが、少なくともブログ内検索では出てなかったので、かぶってないとは思いますが・・・。
自分は、高野豆腐を半分の厚さに切って油なしのフライパンで表面をちょっと焼きます。
こうすると、サンドウィッチ代わりに使えます。
厚さを半分にしないと、すっごいモソモソして飲み込みにくいです。
水ではなくコンソメとかで戻すと美味しいですよ。
元が高野豆腐なので、見た目以上に腹にたまります。
糖質制限食でお弁当を作ろうとすると、サンドウィッチとかオニギリみたいな、いわゆる「ワンハンドスタイル」はなかなかできない物で・・・。
糖質制限に適していて、ワンハンドスタイルのようなお弁当に使いやすくて、しかも安くて、できれば保存性も良くて・・・なんて都合の良い食材、他にもありませんかね?」
おはようございます。我ら糖尿人、サンドウィッチなど時々食べたいですよね。
にんにくさんから、糖質制限なサンドウィッチのレシピをコメント頂きました。
江部康二
「09/08/15 にんにく
油揚げ!
油揚げをシュー皮に使う発想はありませんでした。
では、自分も1つ。
やってる方もおられるかも知れませんが、少なくともブログ内検索では出てなかったので、かぶってないとは思いますが・・・。
自分は、高野豆腐を半分の厚さに切って油なしのフライパンで表面をちょっと焼きます。
こうすると、サンドウィッチ代わりに使えます。
厚さを半分にしないと、すっごいモソモソして飲み込みにくいです。
水ではなくコンソメとかで戻すと美味しいですよ。
元が高野豆腐なので、見た目以上に腹にたまります。
糖質制限食でお弁当を作ろうとすると、サンドウィッチとかオニギリみたいな、いわゆる「ワンハンドスタイル」はなかなかできない物で・・・。
糖質制限に適していて、ワンハンドスタイルのようなお弁当に使いやすくて、しかも安くて、できれば保存性も良くて・・・なんて都合の良い食材、他にもありませんかね?」
2009年08月16日 (日)
おはようございます。
ひなママさんからお揚げの「シューアイス」「シュークリーム」レシピを紹介していただいて自ら挑戦したのですが、見事に失敗しました。( ̄_ ̄|||)
お菓子づくりって、素人には結構なハードルがあるようです。顔を洗って出直します。
さて今回は、ゆうこさんから大作の、コメント・質問をいただきました。
【09/08/14 ゆうこ
先生には感謝しきれません。
8/6の記事に「餃子の餡の糖質」について、コメントさせて頂き、このワインの記事でも何度かコメントさせて頂いています。
ところで、今日は私自身の事について、お伺いしたい事がございます。
手の痺れに疑問を感じ、今年の6/1に採血したところ、空腹時血糖値が206もあり、A1Cは7.3という結果でした。
結果をもらった日からネットを検索しまくり、先生のブログに辿り着き、翌々日から厳密に計算して一回あたり15gを超えないようにきっちり糖質制限食を実践してきました。
その結果、6/30人間ドック検診時には、空腹時138、A1C6.3に改善されました。
その後、7/28に自宅で測定した際には空腹時114でしたので、そろそろ負荷試験をしてインスリン分泌を見てみたいと思い、8/4に検査をしたところ、空腹時137、なんとA1C5.1まで下がっていました!!
(自宅で測った時は114だったのですが、自宅の測定器では低いのでしょうか・・・ニプロです。6/1と8/4の検査機関は同じなのですが、A1Cからすれば、どちらも高めに出ている気も・・・自宅が高いのならいいのですが、低く出るとすると少し不安ですね)
検査値は、
6/1 ⇒6/30(ドック)⇒ 8/4
GOT 16 ⇒ 16 ⇒ 17
GPT 21 ⇒ 21 ⇒ 20
γ-GT 31 ⇒ 18 ⇒ 18
HDL 59 ⇒ 46 ⇒ 56
LDL 137 ⇒ 91 ⇒ 91
中性脂肪 111 ⇒ 66 ⇒ 58
尿酸 6.2 ⇒ 9.2 ⇒ 6.7
尿素窒素 9.2 ⇒ 10.5 ⇒ 11
クレアチニン 0.4 ⇒ 0.45 ⇒ 0.4
A1C 7.3 ⇒ 6.3 ⇒ 5.1
血糖 206 ⇒ 138 ⇒ 137
体重は、身長160センチに対し、77キロ⇒70.8キロに無理なくストレスなく減量しました。朝夕だけ同じメニューにしている主人も、肝臓・中性脂肪・体重・体脂肪ともかつてみたことないほど好成績になり、感謝されています。
今回負荷試験後の診察が、担当医との最初の診察だったのですが、2ヶ月でA1Cが2.2も下がった事と空腹時血糖が改善されている事、中性脂肪の減少にびっくりされ、
「今後もこの調子で」
と糖質制限食に理解して下さり、一安心しました。
また、一日に何度もインスリンを大量に分泌させる今の糖尿病食にも疑問を感じている、とのことでした。
一時心配した尿酸値も、先生のブログで拝見した通り、だいぶ落ち着きました。
手足の痺れもかなり改善されました。
6/1の採血は私の怠慢から10年ぶりくらいの検査だったのですが、主治医が言うには、
「他の数値を見る限り、そんなに前から発症していたようにも思えないので、もっとよくなるかもしれない」とのこと。
このブログとの出会いがなかったら・・・・。
先生には、どう感謝したら良いのかわからず、お礼の言葉が見つかりません。
「お手紙」とも思ったのですが、この場でご報告した方が、糖質制限食の拡大が市民権を得るのにお役に立てるかも、と思い、書き込む事にしました。
本当にありがとうございます。
ただ残念なのは、理解してくれる主治医もやはり「経験」が無いので、色々な疑問については、江部先生に頼るしか安心する手段がありません。
「お礼」と言いながら、質問攻めになりそうですが、今後の傾向と薬の服用などについて、ぜひ教えていただきたい事がございます。
(読みにくいので 疑問点に◆をつけました。沢山あって、恐縮です)
-------------------------------------------------------------------
【負荷試験の結果から】
負荷前⇒ 30分 ⇒ 60分 ⇒120分
血糖値 137 ⇒ 223 ⇒ 292 ⇒234
インスリン 15.9 ⇒ 30.4 ⇒ 62.8 ⇒126.8
指数 :0.2
抵抗性:5.4!
でした。(インスリンが高値から始まって右肩上がり・・・・。)
◆75gの糖を摂ったので、てっきり200以上増加するかと思いきや、155の増加幅くらいで収まるものなのですね。
となると、現在の糖質の上限18g設定の糖質制限食で大丈夫そうですね。
主治医によれば、
・インスリンの立ち上がりが遅い
・たくさん出ているが、血糖値が高くなるのでつられているだけ
とのことで、近々旅行に行く事もあり、主食を摂る時用に「グルファスト10mm」と「ベイスン0.3」を「ガスコン」「ビオフェルミン」と共に処方して頂き、片方だけ・両方など色々試してみてください、との指示を頂きました。
先生のブログで勉強した私が素人推測するに、
インスリン抵抗性が大きいからインスリン過剰分泌があって、もしかして高インスリン血症なのか?と思うのですが、このまま糖質制限食を続けて体重がもっと減った場合、
◆過剰分泌は減るかもしれないですか?
◆「立ち上がり」も改善される可能性もあるのでしょうか?
◆後半の分泌は保たれていて、前半遅い分過剰に分泌されているように見えますが、β細胞はまだ希望がありそうですか?
「インスリン抵抗性が主の糖尿病なら、抵抗性が改善すれば、糖代謝が正常人のパターンに戻る人もまれにいる。」というところに望みをかけたいところですが・・・。
-------------------------------------------------------------------
自宅でパスタ80g(具と合わせて糖質60g)を摂取する際にグルファストを服用してみたのですが、
食事前⇒30分後⇒60分後⇒120分後
104 ⇒ 137 ⇒ 153 ⇒ 143
でした。(◆ちなみに、○分後 というのは、服用後からではなく、主食が終わった時間からで測定しているのですが、普通は服用時間から数えますか?)
-------------------------------------------------------------------
別の日にベイスンで試してみたところ、(指の針跡が痛く30分後は省略)
食事前⇒60分後⇒120分後⇒180分後⇒240分後⇒360分後
118 ⇒181 ⇒140 ⇒157 ⇒169 ⇒156
これは、ベイスンの作用時間がキレてしまったから、ですか?
「1時間値を40mg、2時間値を30mg下げる」という説明よりは効いてる気もします。
上のグルファストだけの時も、もしかしたら、180分後には上昇していたのでしょうか・・・ ◆これは、ベイスンだけでは無理 という事になりますか?次の食事開始時に156から始まったら、危険ですよねぇ。
-------------------------------------------------------------------
翌日、外食時に、パスタ(ジャガイモ入り)とデザート少量を摂る寸前にグルファストを飲んでみたところ(たまたまパスタが肉よりも後になりデザートと続いていたのでデザートも摂ってみました)
デザート終了から60分後⇒120分後⇒180分後
142 ⇒ 121 ⇒ 122
という感じでした。
※お店でしたので、主食摂取前と30分後は計測していません。
外食でありがちな、白米でも試してみなければ、と思います。
◆負荷試験の結果インスリンが右肩上がりに分泌しているので、江部先生からは「4時間後に低血糖を起こすパターン」と仰られるかしら、と思い3時間後も調べてみたのですが、グルファストだけの場合同じくらい、ベイスンだけの場合上昇してしまっていました。
【薬服用のタイミングについて】
「最後に主食」パターンなら主食直前に摂取するだけでいいですが、イタリアンのコースのように途中にパスタ(主食)があって、魚・肉と1時間くらい糖質をお休みしてから、デザートがあるような時にはどうしたらいいのか聞いたところ、
『デザートの前に追加で飲んじゃっても大丈夫』と言われたのですが、主治医にとっても「一日三回」の飲み方以外は未経験ゆえ、薬の作用について若干心配です。
上の実験を見る限り、グルファストで立ち上がりをつけてあげれば、パスタの分は十分イケそうで、パスタと間をおかずにデザートでも、イケそうですが、
◆パスタ終了からデザートの間に1時間くらいある場合、
「デザート直前にベイスンだけ服用」
「最初の糖質摂取前に両方服用しておく」
「糖質摂取前のグルファストのみでイケる」
二つの薬の作用としては、どのように使うのが望ましいのでしょうか。
ベイスンが120分というのは見つけられたのですが、グルファストは服用からどのくらいの作用時間なのでしょうか。
“和食コース”なんかですと、前菜から最後まで糖質の嵐ですから・・・。和食の場合、前菜の前に両方摂取しておく感じでしょうか。
◆例えば糖質60g摂取した場合、ベイスンでは60分値が180超えてしまうのですが、私のようなケースですと、
・ベイスンを2錠(0.6)服用する
・グルファストのみにする
・グルファストで立ち上がりをつけてベイスンで糖の吸収を阻害する
のどれを選択すべきなのか、困惑しています。
糖質40gくらいまでであれば、ベイスン0.3だけでもなんとかなりそうではあります。
月末に1週間海外旅行に出かけるのですが、機内から始まり、一日2回から3回、ベイスンはともかく、グルファストでインスリン分泌を促すのは膵臓さんに酷な気もするのですが、高血糖を起こすよりは良いだろう、折角なら楽しく過ごした方がいい!と勝手に解釈しています。
疑問だらけで、申し訳ありませんが、糖尿初心者で経験不足の主治医にお世話になっている方は、少なからず迷われるのではないでしょうか。
どうぞ宜しくお願いいたします。】
ゆうこさん、いつもコメントありがとうございます。料理とワインの仕事をしておられるのですね。またいろいろ教えて下さい。
◆6/1、 空腹時血糖値:206、A1C:7.3
◆6/30、空腹時血糖値:138、A1C:6.3
◆8/4、 空腹時血糖値:137、A1C:5.1
糖質制限食をとても上手に実践しておられるのですね、見事な改善です。 (^_^)
担当医殿も糖質制限食のことを理解をしていただいて良かったです。
◆【負荷試験の結果】
負荷前⇒ 30分 ⇒ 60分 ⇒120分
血糖値 137 ⇒ 223 ⇒ 292 ⇒234
インスリン 15.9 ⇒ 30.4 ⇒ 62.8 ⇒126.8
インスリン分泌指数 :0.2 (0.4以上が正常)
インスリン抵抗性(HOMA-R):5.4! (1.6以下が正常、2.5以上は抵抗性あり)
インスリン追加分泌第1相の立ち上がりが出遅れてますが、2型糖尿病の特徴です。
インスリン抵抗性がかなりあるので、基礎分泌インスリン15.9と多めです。
インスリン追加分泌第2相は、抵抗性に打ち勝つため、出遅れてますがやや過剰気味です。
◆75gの糖を摂ったので、てっきり200以上増加するかと思いきや、155の増加幅くらいで収まるものなのですね。となると、現在の糖質の上限18g設定の糖質制限食で大丈夫そうですね。
1gの糖質が体重64kgの2型糖尿人の血糖値を約3mg上昇させますが、個人差はあります。ゆうこさんの場合ピーク2.1mgの上昇ですんでますね。1回の糖質摂取量18gでOKです。
◆過剰分泌は減るかもしれないですか?
体重がへることでインスリン抵抗性が減ります。また血糖値が180mgを超えなくなると糖毒が解除されて、インスリン抵抗性が減ります。この二つによりインスリン過剰分泌は改善されます。
◆「立ち上がり」も改善される可能性もあるのでしょうか?
追加分泌第1相の立ち上がりの遅いのは、2型糖尿病の特徴なので、改善は難しいと思います。しかしインスリン抵抗性が減少すれば、少量のインスリンで血糖コントロールができるようになるので、30分後・60分後血糖値の改善は期待できます。
◆後半の分泌は保たれていて、前半遅い分過剰に分泌されているように見えますが、β細胞はまだ希望がありそうですか?
インスリン分泌能力は保たれています。β細胞大丈夫です。
◆自宅でパスタ80g(具と合わせて糖質60g)を摂取する際にグルファストを服用してみたのですが、
食事前⇒30分後⇒60分後⇒120分後
104 ⇒ 137 ⇒ 153 ⇒ 143
でした。(ちなみに、○分後 というのは、服用後からではなく、主食が終わった時間からで測定しているのですが、普通は服用時間から数えますか?)
グルファスト内服して、パスタ80g(具と合わせて糖質60g)を摂取してこのデータなら、ほぼ目標達成ですね。理想的には120分後140mg未満です。
なお食後○○分というのは、食べ始めてからということです。午前8時に食べ始めたら、60分後は午前9時です。
◆別の日にベイスンで試してみたところ、(指の針跡が痛く30分後は省略)
食事前⇒60分後⇒120分後⇒180分後⇒240分後⇒360分後
118 ⇒181 ⇒140 ⇒157 ⇒169 ⇒156
これは、ベイスンの作用時間がキレてしまったから、ですか?
「1時間値を40mg、2時間値を30mg下げる」という説明よりは効いてる気もします。 上のグルファストだけの時も、もしかしたら、180分後には上昇していたのでしょうか・・・
これは、ベイスンだけでは無理 という事になりますか?次の食事開始時に156から始まったら、危険ですよねぇ。
ベイスンは食後の急速な高血糖を抑えています。糖質の吸収は遅くなって持続します。ベイスンはインスリンは分泌させません。ベイスンだけだと、次回の食前血糖値が下がらないようですね。グルファストだとOKです。
◆【薬服用のタイミングについて】
「最後に主食」パターンなら主食直前に摂取するだけでいいですが、イタリアンのコースのように途中にパスタ(主食)があって、魚・肉と1時間くらい糖質をお休みしてから、デザートがあるような時にはどうしたらいいのか聞いたところ、
『デザートの前に追加で飲んじゃっても大丈夫』と言われたのですが、主治医にとっても「一日三回」の飲み方以外は未経験ゆえ、薬の作用について若干心配です。
上の実験を見る限り、グルファストで立ち上がりをつけてあげれば、パスタの分は十分イケそうで、パスタと間をおかずにデザートでも、イケそうですが、
パスタ終了からデザートの間に1時間くらいある場合、
「デザート直前にベイスンだけ服用」
「最初の糖質摂取前に両方服用しておく」
「糖質摂取前のグルファストのみでイケる」
二つの薬の作用としては、どのように使うのが望ましいのでしょうか。
ベイスンが120分というのは見つけられたのですが、グルファストは服用からどのくらいの作用時間なのでしょうか。
“和食コース”なんかですと、前菜から最後まで糖質の嵐ですから・・・。和食の場合、前菜の前に両方摂取しておく感じでしょうか。
グルファストは約3時間作用します。薬服用のタイミングは、現実的には「最初の糖質摂取前に両方服用しておく」パターンが一番楽ですね。食直前、30秒前くらいです。
◆例えば糖質60g摂取した場合、ベイスンでは60分値が180超えてしまうのですが、私のようなケースですと、
・ベイスンを2錠(0.6)服用する
・グルファストのみにする
・グルファストで立ち上がりをつけてベイスンで糖の吸収を阻害する
のどれを選択すべきなのか、困惑しています。
糖質40gくらいまでであれば、ベイスン0.3だけでもなんとかなりそうではあります。
糖質40gまでなら、ベイスン0.3だけとして、糖質60gなら、「グルファストで立ち上がりをつけてベイスンで糖の吸収を阻害する」パターンでよいと思います。
グルファストはもともと、1日3回食直前に飲む薬です。糖質制限食実践中の糖尿人は、たまに主食摂取時だけグルファストを頓服ですので膵臓への負担は気にしなくてよいと思いますよ。1週間海外旅行、楽しんできてください。
☆☆☆
【糖尿人の目標】
糖尿病合併症予防のために
① 空腹時血糖値140mg/dl未満→126mg/dl未満→さらには110mg/dl未満
② 食後2時間血糖値180mg/dlmg/dl未満→さらには140mg/dl未満
③ 理想的には食後1時間血糖値180mg/dl未満
④ HbA1c6.5%未満→さらには5.8%未満
江部康二
ひなママさんからお揚げの「シューアイス」「シュークリーム」レシピを紹介していただいて自ら挑戦したのですが、見事に失敗しました。( ̄_ ̄|||)
お菓子づくりって、素人には結構なハードルがあるようです。顔を洗って出直します。
さて今回は、ゆうこさんから大作の、コメント・質問をいただきました。
【09/08/14 ゆうこ
先生には感謝しきれません。
8/6の記事に「餃子の餡の糖質」について、コメントさせて頂き、このワインの記事でも何度かコメントさせて頂いています。
ところで、今日は私自身の事について、お伺いしたい事がございます。
手の痺れに疑問を感じ、今年の6/1に採血したところ、空腹時血糖値が206もあり、A1Cは7.3という結果でした。
結果をもらった日からネットを検索しまくり、先生のブログに辿り着き、翌々日から厳密に計算して一回あたり15gを超えないようにきっちり糖質制限食を実践してきました。
その結果、6/30人間ドック検診時には、空腹時138、A1C6.3に改善されました。
その後、7/28に自宅で測定した際には空腹時114でしたので、そろそろ負荷試験をしてインスリン分泌を見てみたいと思い、8/4に検査をしたところ、空腹時137、なんとA1C5.1まで下がっていました!!
(自宅で測った時は114だったのですが、自宅の測定器では低いのでしょうか・・・ニプロです。6/1と8/4の検査機関は同じなのですが、A1Cからすれば、どちらも高めに出ている気も・・・自宅が高いのならいいのですが、低く出るとすると少し不安ですね)
検査値は、
6/1 ⇒6/30(ドック)⇒ 8/4
GOT 16 ⇒ 16 ⇒ 17
GPT 21 ⇒ 21 ⇒ 20
γ-GT 31 ⇒ 18 ⇒ 18
HDL 59 ⇒ 46 ⇒ 56
LDL 137 ⇒ 91 ⇒ 91
中性脂肪 111 ⇒ 66 ⇒ 58
尿酸 6.2 ⇒ 9.2 ⇒ 6.7
尿素窒素 9.2 ⇒ 10.5 ⇒ 11
クレアチニン 0.4 ⇒ 0.45 ⇒ 0.4
A1C 7.3 ⇒ 6.3 ⇒ 5.1
血糖 206 ⇒ 138 ⇒ 137
体重は、身長160センチに対し、77キロ⇒70.8キロに無理なくストレスなく減量しました。朝夕だけ同じメニューにしている主人も、肝臓・中性脂肪・体重・体脂肪ともかつてみたことないほど好成績になり、感謝されています。
今回負荷試験後の診察が、担当医との最初の診察だったのですが、2ヶ月でA1Cが2.2も下がった事と空腹時血糖が改善されている事、中性脂肪の減少にびっくりされ、
「今後もこの調子で」
と糖質制限食に理解して下さり、一安心しました。
また、一日に何度もインスリンを大量に分泌させる今の糖尿病食にも疑問を感じている、とのことでした。
一時心配した尿酸値も、先生のブログで拝見した通り、だいぶ落ち着きました。
手足の痺れもかなり改善されました。
6/1の採血は私の怠慢から10年ぶりくらいの検査だったのですが、主治医が言うには、
「他の数値を見る限り、そんなに前から発症していたようにも思えないので、もっとよくなるかもしれない」とのこと。
このブログとの出会いがなかったら・・・・。
先生には、どう感謝したら良いのかわからず、お礼の言葉が見つかりません。
「お手紙」とも思ったのですが、この場でご報告した方が、糖質制限食の拡大が市民権を得るのにお役に立てるかも、と思い、書き込む事にしました。
本当にありがとうございます。
ただ残念なのは、理解してくれる主治医もやはり「経験」が無いので、色々な疑問については、江部先生に頼るしか安心する手段がありません。
「お礼」と言いながら、質問攻めになりそうですが、今後の傾向と薬の服用などについて、ぜひ教えていただきたい事がございます。
(読みにくいので 疑問点に◆をつけました。沢山あって、恐縮です)
-------------------------------------------------------------------
【負荷試験の結果から】
負荷前⇒ 30分 ⇒ 60分 ⇒120分
血糖値 137 ⇒ 223 ⇒ 292 ⇒234
インスリン 15.9 ⇒ 30.4 ⇒ 62.8 ⇒126.8
指数 :0.2
抵抗性:5.4!
でした。(インスリンが高値から始まって右肩上がり・・・・。)
◆75gの糖を摂ったので、てっきり200以上増加するかと思いきや、155の増加幅くらいで収まるものなのですね。
となると、現在の糖質の上限18g設定の糖質制限食で大丈夫そうですね。
主治医によれば、
・インスリンの立ち上がりが遅い
・たくさん出ているが、血糖値が高くなるのでつられているだけ
とのことで、近々旅行に行く事もあり、主食を摂る時用に「グルファスト10mm」と「ベイスン0.3」を「ガスコン」「ビオフェルミン」と共に処方して頂き、片方だけ・両方など色々試してみてください、との指示を頂きました。
先生のブログで勉強した私が素人推測するに、
インスリン抵抗性が大きいからインスリン過剰分泌があって、もしかして高インスリン血症なのか?と思うのですが、このまま糖質制限食を続けて体重がもっと減った場合、
◆過剰分泌は減るかもしれないですか?
◆「立ち上がり」も改善される可能性もあるのでしょうか?
◆後半の分泌は保たれていて、前半遅い分過剰に分泌されているように見えますが、β細胞はまだ希望がありそうですか?
「インスリン抵抗性が主の糖尿病なら、抵抗性が改善すれば、糖代謝が正常人のパターンに戻る人もまれにいる。」というところに望みをかけたいところですが・・・。
-------------------------------------------------------------------
自宅でパスタ80g(具と合わせて糖質60g)を摂取する際にグルファストを服用してみたのですが、
食事前⇒30分後⇒60分後⇒120分後
104 ⇒ 137 ⇒ 153 ⇒ 143
でした。(◆ちなみに、○分後 というのは、服用後からではなく、主食が終わった時間からで測定しているのですが、普通は服用時間から数えますか?)
-------------------------------------------------------------------
別の日にベイスンで試してみたところ、(指の針跡が痛く30分後は省略)
食事前⇒60分後⇒120分後⇒180分後⇒240分後⇒360分後
118 ⇒181 ⇒140 ⇒157 ⇒169 ⇒156
これは、ベイスンの作用時間がキレてしまったから、ですか?
「1時間値を40mg、2時間値を30mg下げる」という説明よりは効いてる気もします。
上のグルファストだけの時も、もしかしたら、180分後には上昇していたのでしょうか・・・ ◆これは、ベイスンだけでは無理 という事になりますか?次の食事開始時に156から始まったら、危険ですよねぇ。
-------------------------------------------------------------------
翌日、外食時に、パスタ(ジャガイモ入り)とデザート少量を摂る寸前にグルファストを飲んでみたところ(たまたまパスタが肉よりも後になりデザートと続いていたのでデザートも摂ってみました)
デザート終了から60分後⇒120分後⇒180分後
142 ⇒ 121 ⇒ 122
という感じでした。
※お店でしたので、主食摂取前と30分後は計測していません。
外食でありがちな、白米でも試してみなければ、と思います。
◆負荷試験の結果インスリンが右肩上がりに分泌しているので、江部先生からは「4時間後に低血糖を起こすパターン」と仰られるかしら、と思い3時間後も調べてみたのですが、グルファストだけの場合同じくらい、ベイスンだけの場合上昇してしまっていました。
【薬服用のタイミングについて】
「最後に主食」パターンなら主食直前に摂取するだけでいいですが、イタリアンのコースのように途中にパスタ(主食)があって、魚・肉と1時間くらい糖質をお休みしてから、デザートがあるような時にはどうしたらいいのか聞いたところ、
『デザートの前に追加で飲んじゃっても大丈夫』と言われたのですが、主治医にとっても「一日三回」の飲み方以外は未経験ゆえ、薬の作用について若干心配です。
上の実験を見る限り、グルファストで立ち上がりをつけてあげれば、パスタの分は十分イケそうで、パスタと間をおかずにデザートでも、イケそうですが、
◆パスタ終了からデザートの間に1時間くらいある場合、
「デザート直前にベイスンだけ服用」
「最初の糖質摂取前に両方服用しておく」
「糖質摂取前のグルファストのみでイケる」
二つの薬の作用としては、どのように使うのが望ましいのでしょうか。
ベイスンが120分というのは見つけられたのですが、グルファストは服用からどのくらいの作用時間なのでしょうか。
“和食コース”なんかですと、前菜から最後まで糖質の嵐ですから・・・。和食の場合、前菜の前に両方摂取しておく感じでしょうか。
◆例えば糖質60g摂取した場合、ベイスンでは60分値が180超えてしまうのですが、私のようなケースですと、
・ベイスンを2錠(0.6)服用する
・グルファストのみにする
・グルファストで立ち上がりをつけてベイスンで糖の吸収を阻害する
のどれを選択すべきなのか、困惑しています。
糖質40gくらいまでであれば、ベイスン0.3だけでもなんとかなりそうではあります。
月末に1週間海外旅行に出かけるのですが、機内から始まり、一日2回から3回、ベイスンはともかく、グルファストでインスリン分泌を促すのは膵臓さんに酷な気もするのですが、高血糖を起こすよりは良いだろう、折角なら楽しく過ごした方がいい!と勝手に解釈しています。
疑問だらけで、申し訳ありませんが、糖尿初心者で経験不足の主治医にお世話になっている方は、少なからず迷われるのではないでしょうか。
どうぞ宜しくお願いいたします。】
ゆうこさん、いつもコメントありがとうございます。料理とワインの仕事をしておられるのですね。またいろいろ教えて下さい。
◆6/1、 空腹時血糖値:206、A1C:7.3
◆6/30、空腹時血糖値:138、A1C:6.3
◆8/4、 空腹時血糖値:137、A1C:5.1
糖質制限食をとても上手に実践しておられるのですね、見事な改善です。 (^_^)
担当医殿も糖質制限食のことを理解をしていただいて良かったです。
◆【負荷試験の結果】
負荷前⇒ 30分 ⇒ 60分 ⇒120分
血糖値 137 ⇒ 223 ⇒ 292 ⇒234
インスリン 15.9 ⇒ 30.4 ⇒ 62.8 ⇒126.8
インスリン分泌指数 :0.2 (0.4以上が正常)
インスリン抵抗性(HOMA-R):5.4! (1.6以下が正常、2.5以上は抵抗性あり)
インスリン追加分泌第1相の立ち上がりが出遅れてますが、2型糖尿病の特徴です。
インスリン抵抗性がかなりあるので、基礎分泌インスリン15.9と多めです。
インスリン追加分泌第2相は、抵抗性に打ち勝つため、出遅れてますがやや過剰気味です。
◆75gの糖を摂ったので、てっきり200以上増加するかと思いきや、155の増加幅くらいで収まるものなのですね。となると、現在の糖質の上限18g設定の糖質制限食で大丈夫そうですね。
1gの糖質が体重64kgの2型糖尿人の血糖値を約3mg上昇させますが、個人差はあります。ゆうこさんの場合ピーク2.1mgの上昇ですんでますね。1回の糖質摂取量18gでOKです。
◆過剰分泌は減るかもしれないですか?
体重がへることでインスリン抵抗性が減ります。また血糖値が180mgを超えなくなると糖毒が解除されて、インスリン抵抗性が減ります。この二つによりインスリン過剰分泌は改善されます。
◆「立ち上がり」も改善される可能性もあるのでしょうか?
追加分泌第1相の立ち上がりの遅いのは、2型糖尿病の特徴なので、改善は難しいと思います。しかしインスリン抵抗性が減少すれば、少量のインスリンで血糖コントロールができるようになるので、30分後・60分後血糖値の改善は期待できます。
◆後半の分泌は保たれていて、前半遅い分過剰に分泌されているように見えますが、β細胞はまだ希望がありそうですか?
インスリン分泌能力は保たれています。β細胞大丈夫です。
◆自宅でパスタ80g(具と合わせて糖質60g)を摂取する際にグルファストを服用してみたのですが、
食事前⇒30分後⇒60分後⇒120分後
104 ⇒ 137 ⇒ 153 ⇒ 143
でした。(ちなみに、○分後 というのは、服用後からではなく、主食が終わった時間からで測定しているのですが、普通は服用時間から数えますか?)
グルファスト内服して、パスタ80g(具と合わせて糖質60g)を摂取してこのデータなら、ほぼ目標達成ですね。理想的には120分後140mg未満です。
なお食後○○分というのは、食べ始めてからということです。午前8時に食べ始めたら、60分後は午前9時です。
◆別の日にベイスンで試してみたところ、(指の針跡が痛く30分後は省略)
食事前⇒60分後⇒120分後⇒180分後⇒240分後⇒360分後
118 ⇒181 ⇒140 ⇒157 ⇒169 ⇒156
これは、ベイスンの作用時間がキレてしまったから、ですか?
「1時間値を40mg、2時間値を30mg下げる」という説明よりは効いてる気もします。 上のグルファストだけの時も、もしかしたら、180分後には上昇していたのでしょうか・・・
これは、ベイスンだけでは無理 という事になりますか?次の食事開始時に156から始まったら、危険ですよねぇ。
ベイスンは食後の急速な高血糖を抑えています。糖質の吸収は遅くなって持続します。ベイスンはインスリンは分泌させません。ベイスンだけだと、次回の食前血糖値が下がらないようですね。グルファストだとOKです。
◆【薬服用のタイミングについて】
「最後に主食」パターンなら主食直前に摂取するだけでいいですが、イタリアンのコースのように途中にパスタ(主食)があって、魚・肉と1時間くらい糖質をお休みしてから、デザートがあるような時にはどうしたらいいのか聞いたところ、
『デザートの前に追加で飲んじゃっても大丈夫』と言われたのですが、主治医にとっても「一日三回」の飲み方以外は未経験ゆえ、薬の作用について若干心配です。
上の実験を見る限り、グルファストで立ち上がりをつけてあげれば、パスタの分は十分イケそうで、パスタと間をおかずにデザートでも、イケそうですが、
パスタ終了からデザートの間に1時間くらいある場合、
「デザート直前にベイスンだけ服用」
「最初の糖質摂取前に両方服用しておく」
「糖質摂取前のグルファストのみでイケる」
二つの薬の作用としては、どのように使うのが望ましいのでしょうか。
ベイスンが120分というのは見つけられたのですが、グルファストは服用からどのくらいの作用時間なのでしょうか。
“和食コース”なんかですと、前菜から最後まで糖質の嵐ですから・・・。和食の場合、前菜の前に両方摂取しておく感じでしょうか。
グルファストは約3時間作用します。薬服用のタイミングは、現実的には「最初の糖質摂取前に両方服用しておく」パターンが一番楽ですね。食直前、30秒前くらいです。
◆例えば糖質60g摂取した場合、ベイスンでは60分値が180超えてしまうのですが、私のようなケースですと、
・ベイスンを2錠(0.6)服用する
・グルファストのみにする
・グルファストで立ち上がりをつけてベイスンで糖の吸収を阻害する
のどれを選択すべきなのか、困惑しています。
糖質40gくらいまでであれば、ベイスン0.3だけでもなんとかなりそうではあります。
糖質40gまでなら、ベイスン0.3だけとして、糖質60gなら、「グルファストで立ち上がりをつけてベイスンで糖の吸収を阻害する」パターンでよいと思います。
グルファストはもともと、1日3回食直前に飲む薬です。糖質制限食実践中の糖尿人は、たまに主食摂取時だけグルファストを頓服ですので膵臓への負担は気にしなくてよいと思いますよ。1週間海外旅行、楽しんできてください。
☆☆☆
【糖尿人の目標】
糖尿病合併症予防のために
① 空腹時血糖値140mg/dl未満→126mg/dl未満→さらには110mg/dl未満
② 食後2時間血糖値180mg/dlmg/dl未満→さらには140mg/dl未満
③ 理想的には食後1時間血糖値180mg/dl未満
④ HbA1c6.5%未満→さらには5.8%未満
江部康二
2009年08月15日 (土)
おはようございます。
昨夜からとても涼しくて、夜中は寒いくらいでした。朝起きたら23度で、八ヶ岳山麓・富士見高原なみの快適さでした。 (^_^)
京都に住むようになって以来、お盆がこんなに涼しかったのは、初めての体験です。
さて今回は、 na_vocalさんから、糖質制限食で血糖値著明改善のコメントと質問をいただきました。
「09/08/09 na_vocal
はじめまして
江部先生、はじめまして。
毎回ブログ、勉強させて頂いております。
また、私自身もバンドでボーカルをやっていることもあって、 非常に親近感を覚えております。
いつか、京都に足を運ぶことがあったら、是非江部先生の バンドを拝見させて頂きたいと思っております。
さて、私は昨年5月に糖尿病が発覚しました。
その後、いろいろとネットで調べて、糖質制限食をしりました。
最初は半信半疑でしたが、あっという間に劇的に色々な数値が改善して、
本当に感謝しております。
発病時と最近の測定値を以下に記します。
■発病時
食後1.5時間の血糖値:327
HbA1c:6.5
中性脂肪:342
GOT/GPT:122/195
■2009/06/01
空腹時血糖値:97
HbAic:4.9
中性脂肪:57
GOT/GPT:20/16
体重も、81.7kgから67kgに減り、最近はとても体調が良いです。
お酒も発病当時は、かなり減らして1週間に1回程度としていたのが、 気が付けば、毎晩晩酌をしております。(汗)
スタイルフリーを呑んでから、焼酎だったり、赤ワインだったり。。。
赤ワインだとついつい1本と飲み過ぎてしまうのが悩みです。(汗)
発病当時から、近所のかかりつけ医に診てもらっているのですが、 基本的にあまり薬を出さないお医者さんで、当初から、 まずは食事や運動などで、体重を落としてくださいという方針でした。
薬自体は、出されないほうが気楽なのですが、あくまで空腹時血糖値と HbA1c、血圧、体重といったコントロールのみなので、物足りなさを感じています。
例えばインスリンの分泌量がどうかといったところも知りたくなってきました。
別なお医者さんでも診てもらいたいと思っているのですが、糖質制限食について、 最初から理解のある専門医が近所にいれば、そこに行きたいと思っています。
当方、東京の西東京市在住なのですが、近いところで糖質制限食について、 理解の有るお医者さんがもしいらっしゃるようならお教え頂けないでしょうか?
初めての投稿で、厚かましいことをいって、気が引けるのですが、 よろしくお願いします。」
na_vocalさん。
コメントありがとうございます。
■発病時2008/5
食後1.5時間の血糖値:327
HbA1c:6.5
中性脂肪:342
GOT/GPT:122/195
体重:81.7kg
■2009/06/01
空腹時血糖値:97
HbAic:4.9
中性脂肪:57
GOT/GPT:20/16
体重:67kg
素晴らしい改善ですね。ヾ(^▽^)
主治医殿もさぞ、びっくりされたことでしょう。
空腹時血糖値が97mg/dlに改善してますので、基礎分泌インスリンは少なくとも必要量まで回復しています。
「私自身もバンドでボーカルをやっていることもあって、 非常に親近感を覚えております。
いつか、京都に足を運ぶことがあったら、是非江部先生の バンドを拝見させて頂きたいと思っております。」
「気が付けば、毎晩晩酌をしております。(汗)
スタイルフリーを呑んでから、焼酎だったり、赤ワインだったり。。。
赤ワインだとついつい1本と飲み過ぎてしまうのが悩みです。(汗)」
バンドでボーカル、毎晩晩酌。
スタイルフリー → 焼酎or赤ワイン1/2~1本・・・・何だか全く一緒ですね。(^^)
ついつい飲みすぎてしまうのも、不肖江部康二も同輩です。σ(=_=;)ヾ
まあ私の場合、若い頃と違って酒に弱くなって、すぐ寝てしまうので二日酔いの確率は激減しましたが・・・
「発病当時から、近所のかかりつけ医に診てもらっているのですが、基本的にあまり薬を出さないお医者さんで、当初から、 まずは食事や運動などで、体重を落としてくださいという方針でした。」
今の主治医殿、薬に頼らないお医者さんで、良心的でよい印象を受けますね。
ご質問の件ですが na_vocalさん、西東京市在住ですので、近くで糖質制限食に理解があり指導できるお医者さんは原譲先生です。まずは電話で相談していただけば幸いです。
☆☆☆
ゆずるクリニック
原 譲先生
〒187-0032 東京都小平市小川町1-972-7
TEL 042-348-8515 FAX 042-348-8516
http://www.yuzuru-clinic.com/annai.html#top
江部康二
昨夜からとても涼しくて、夜中は寒いくらいでした。朝起きたら23度で、八ヶ岳山麓・富士見高原なみの快適さでした。 (^_^)
京都に住むようになって以来、お盆がこんなに涼しかったのは、初めての体験です。
さて今回は、 na_vocalさんから、糖質制限食で血糖値著明改善のコメントと質問をいただきました。
「09/08/09 na_vocal
はじめまして
江部先生、はじめまして。
毎回ブログ、勉強させて頂いております。
また、私自身もバンドでボーカルをやっていることもあって、 非常に親近感を覚えております。
いつか、京都に足を運ぶことがあったら、是非江部先生の バンドを拝見させて頂きたいと思っております。
さて、私は昨年5月に糖尿病が発覚しました。
その後、いろいろとネットで調べて、糖質制限食をしりました。
最初は半信半疑でしたが、あっという間に劇的に色々な数値が改善して、
本当に感謝しております。
発病時と最近の測定値を以下に記します。
■発病時
食後1.5時間の血糖値:327
HbA1c:6.5
中性脂肪:342
GOT/GPT:122/195
■2009/06/01
空腹時血糖値:97
HbAic:4.9
中性脂肪:57
GOT/GPT:20/16
体重も、81.7kgから67kgに減り、最近はとても体調が良いです。
お酒も発病当時は、かなり減らして1週間に1回程度としていたのが、 気が付けば、毎晩晩酌をしております。(汗)
スタイルフリーを呑んでから、焼酎だったり、赤ワインだったり。。。
赤ワインだとついつい1本と飲み過ぎてしまうのが悩みです。(汗)
発病当時から、近所のかかりつけ医に診てもらっているのですが、 基本的にあまり薬を出さないお医者さんで、当初から、 まずは食事や運動などで、体重を落としてくださいという方針でした。
薬自体は、出されないほうが気楽なのですが、あくまで空腹時血糖値と HbA1c、血圧、体重といったコントロールのみなので、物足りなさを感じています。
例えばインスリンの分泌量がどうかといったところも知りたくなってきました。
別なお医者さんでも診てもらいたいと思っているのですが、糖質制限食について、 最初から理解のある専門医が近所にいれば、そこに行きたいと思っています。
当方、東京の西東京市在住なのですが、近いところで糖質制限食について、 理解の有るお医者さんがもしいらっしゃるようならお教え頂けないでしょうか?
初めての投稿で、厚かましいことをいって、気が引けるのですが、 よろしくお願いします。」
na_vocalさん。
コメントありがとうございます。
■発病時2008/5
食後1.5時間の血糖値:327
HbA1c:6.5
中性脂肪:342
GOT/GPT:122/195
体重:81.7kg
■2009/06/01
空腹時血糖値:97
HbAic:4.9
中性脂肪:57
GOT/GPT:20/16
体重:67kg
素晴らしい改善ですね。ヾ(^▽^)
主治医殿もさぞ、びっくりされたことでしょう。
空腹時血糖値が97mg/dlに改善してますので、基礎分泌インスリンは少なくとも必要量まで回復しています。
「私自身もバンドでボーカルをやっていることもあって、 非常に親近感を覚えております。
いつか、京都に足を運ぶことがあったら、是非江部先生の バンドを拝見させて頂きたいと思っております。」
「気が付けば、毎晩晩酌をしております。(汗)
スタイルフリーを呑んでから、焼酎だったり、赤ワインだったり。。。
赤ワインだとついつい1本と飲み過ぎてしまうのが悩みです。(汗)」
バンドでボーカル、毎晩晩酌。
スタイルフリー → 焼酎or赤ワイン1/2~1本・・・・何だか全く一緒ですね。(^^)
ついつい飲みすぎてしまうのも、不肖江部康二も同輩です。σ(=_=;)ヾ
まあ私の場合、若い頃と違って酒に弱くなって、すぐ寝てしまうので二日酔いの確率は激減しましたが・・・
「発病当時から、近所のかかりつけ医に診てもらっているのですが、基本的にあまり薬を出さないお医者さんで、当初から、 まずは食事や運動などで、体重を落としてくださいという方針でした。」
今の主治医殿、薬に頼らないお医者さんで、良心的でよい印象を受けますね。
ご質問の件ですが na_vocalさん、西東京市在住ですので、近くで糖質制限食に理解があり指導できるお医者さんは原譲先生です。まずは電話で相談していただけば幸いです。
☆☆☆
ゆずるクリニック
原 譲先生
〒187-0032 東京都小平市小川町1-972-7
TEL 042-348-8515 FAX 042-348-8516
http://www.yuzuru-clinic.com/annai.html#top
江部康二
2009年08月14日 (金)
こんにちは。
お酒を飲めない糖尿人は勿論のこと、上戸の糖尿人でも、甘いもの好きの人は多いと思います。
かくいう私は、甘いものそんなに好きではありませんが、たまに糖質制限ドットコムのフォンダン・ショコラやチーズケーキ、サラヤのラカントカロリーゼロ飴など食べてます。
今回はひなママさんから、簡単にできる糖質制限なシューアイス&シュークリームのレシピをコメントいただきました。とても美味しそうですよ。(⌒o⌒)v
「09/08/12 ひなママ
糖質制限なシューアイス&シュークリーム
江部先生こんにちは!私もダイエットで糖質制限を初めました!
糖質制限中もスイーツが食べたくて困ってましたが、すごく本物に近いスイーツを作る事ができたので皆さんにも試してもらえたらと思いコメントしました(^^)
ある日うすあげをトースターで焼いて生姜醤油で食べていた時に思いつきました!
シューアイスのレシピ
1丁分のサイズのうすあげを半分に切り、袋煮や、いなり寿司を作る時みたいに開いてトースターでカリカリに焼いておきます。
生クリームにバニラエッセンス、卵黄、ラカントや甘味料を入れ泡立てて カリカリに焼いたうすあげに入れて冷凍します!
シュークリーム
うすあげは同様に。
牛乳、卵黄、甘味料、バニラエッセンス、ゼラチンを入れ沸騰直前「沸騰したら分離するので注意」
冷やしたらうすあげに包みます。
とてもおいしいので試してください(^^)v」
ひなママさん。
コメント・レシピありがとうございます。
連れ合いに作ってもらおうと思いましたが、自分でも挑戦してみようかと考えてます。
江部康二
お酒を飲めない糖尿人は勿論のこと、上戸の糖尿人でも、甘いもの好きの人は多いと思います。
かくいう私は、甘いものそんなに好きではありませんが、たまに糖質制限ドットコムのフォンダン・ショコラやチーズケーキ、サラヤのラカントカロリーゼロ飴など食べてます。
今回はひなママさんから、簡単にできる糖質制限なシューアイス&シュークリームのレシピをコメントいただきました。とても美味しそうですよ。(⌒o⌒)v
「09/08/12 ひなママ
糖質制限なシューアイス&シュークリーム
江部先生こんにちは!私もダイエットで糖質制限を初めました!
糖質制限中もスイーツが食べたくて困ってましたが、すごく本物に近いスイーツを作る事ができたので皆さんにも試してもらえたらと思いコメントしました(^^)
ある日うすあげをトースターで焼いて生姜醤油で食べていた時に思いつきました!
シューアイスのレシピ
1丁分のサイズのうすあげを半分に切り、袋煮や、いなり寿司を作る時みたいに開いてトースターでカリカリに焼いておきます。
生クリームにバニラエッセンス、卵黄、ラカントや甘味料を入れ泡立てて カリカリに焼いたうすあげに入れて冷凍します!
シュークリーム
うすあげは同様に。
牛乳、卵黄、甘味料、バニラエッセンス、ゼラチンを入れ沸騰直前「沸騰したら分離するので注意」
冷やしたらうすあげに包みます。
とてもおいしいので試してください(^^)v」
ひなママさん。
コメント・レシピありがとうございます。
連れ合いに作ってもらおうと思いましたが、自分でも挑戦してみようかと考えてます。
江部康二
2009年08月13日 (木)
おはようございます。
今回は、たさんから赤ワインに関して
コメント・質問をいただきました。
「09/08/10 た
赤ワイン
お久しぶりです。お久しぶりなのに質問があります。赤ワインについてです。というのも週に3回ワインを飲み、たいてい1回に1本から2本です、白より赤が良いということですが、近頃不安です、赤はどれぐらい糖分が含まれているのでしょうか、他のアルコールに関しては詳細なデーターを先生は掲載されますが、赤については少しデーター不足のような、もしかして先生も赤ワインがお好きなので赤については甘いのではと。そんなことは無いでしょうが、ひとつ宜しく御願いいたします。」
たさん。
コメントありがとうございます。
赤ワイン100g中
73.0 kcal
水分(g) 88.7
たんぱく質(g) 0.2
脂質(g) 0.0
炭水化物(g) 1.5
※食物繊維(g) 0.0
白ワイン100g中
73.0 kcal
水分(g) 88.6
たんぱく質(g) 0.1
脂質(g) 0.0
炭水化物(g) 2.0
※食物繊維(g) 0.0
五訂日本食品標準成分表によれば、
赤ワイン100ml中に1.5gの糖質、
白ワイン100ml中に2.0gの糖質、
純米酒100ml中には3.6gの糖質、
純米吟醸酒だと100ml中に4.1gの糖質、
ビールは100ml中に3.1gの糖質、
がそれぞれ含まれています。
1gの糖質が体重64kgの2型糖尿人の血糖値を3mg、1型糖尿人の血糖値を5mg、上昇させます。
日本酒やビールの糖質含有量は、銘柄による差はそんなにありません。日本酒は、1合が180mlで、3合飲んだら540mlで、糖質は20gです。まあ、お猪口に1~2杯なら、日本酒が上昇させる血糖値は、心配ないレベルですね。
一方、ビールは、350ml缶を3本飲んだら1050mlで、糖質は32.6gです。血糖値上昇としては、すでにかなりやばいです。 (*_*)
お店によって違いはありますが、ビアホールなどで、大ジョッキ(800ml)3杯飲んだら2400mlで糖質は74.4gで、いよいよ血糖値危険水域をはるかに超えてきますね。(=_=;)
ビールは、どうしても量的にガブガブ飲めるので、糖尿人にとって最も危険なお酒です。
一方、ワインは、結構、銘柄により糖質含有量に差があります。実は白ワインでも糖質含有量が少ないものもあり、阿曽シェフ、新井田シェフのレストラン「Botanica」では、イタリアンフルコースを賞味しながら白も赤も美味しくいただいてます。 (^_^)
ワインが1本750mlなので、1/2本で375ml飲んで、一般的な赤なら糖質は5.6gくらいです。
またあくまでも体験と印象ていどですが、赤ワインをボトル1本飲んでも血糖値は上昇しないようです。ビールなどとは、はっきり違います。
赤ワインに含まれる何らかの成分が関係してるのかもしれませんが、文献的に確認できているわけではありません。ほとんどの赤ワインは大丈夫と思いますが、甘口は避けた方が無難ですね。
白ワインですが、病院で尿糖を測定する、試験紙がありますね。インターネットでも販売しています。この試験紙で白ワインの糖質含有量がチェックできます。
白ワインを試験紙でチェックして、色が変わらなければブドウ糖はほとんどない証拠です。白ワインでも辛口で糖質が極めて少ない銘柄もあり、これならOKですよ。
以上、醸造酒のお話しでした。
なお焼酎、ウィスキー、ブランデーなどの蒸留酒は原料が麦でも芋でも米でも、糖質含有量ゼロなので、糖質制限OK食品です。
江部康二
今回は、たさんから赤ワインに関して
コメント・質問をいただきました。
「09/08/10 た
赤ワイン
お久しぶりです。お久しぶりなのに質問があります。赤ワインについてです。というのも週に3回ワインを飲み、たいてい1回に1本から2本です、白より赤が良いということですが、近頃不安です、赤はどれぐらい糖分が含まれているのでしょうか、他のアルコールに関しては詳細なデーターを先生は掲載されますが、赤については少しデーター不足のような、もしかして先生も赤ワインがお好きなので赤については甘いのではと。そんなことは無いでしょうが、ひとつ宜しく御願いいたします。」
たさん。
コメントありがとうございます。
赤ワイン100g中
73.0 kcal
水分(g) 88.7
たんぱく質(g) 0.2
脂質(g) 0.0
炭水化物(g) 1.5
※食物繊維(g) 0.0
白ワイン100g中
73.0 kcal
水分(g) 88.6
たんぱく質(g) 0.1
脂質(g) 0.0
炭水化物(g) 2.0
※食物繊維(g) 0.0
五訂日本食品標準成分表によれば、
赤ワイン100ml中に1.5gの糖質、
白ワイン100ml中に2.0gの糖質、
純米酒100ml中には3.6gの糖質、
純米吟醸酒だと100ml中に4.1gの糖質、
ビールは100ml中に3.1gの糖質、
がそれぞれ含まれています。
1gの糖質が体重64kgの2型糖尿人の血糖値を3mg、1型糖尿人の血糖値を5mg、上昇させます。
日本酒やビールの糖質含有量は、銘柄による差はそんなにありません。日本酒は、1合が180mlで、3合飲んだら540mlで、糖質は20gです。まあ、お猪口に1~2杯なら、日本酒が上昇させる血糖値は、心配ないレベルですね。
一方、ビールは、350ml缶を3本飲んだら1050mlで、糖質は32.6gです。血糖値上昇としては、すでにかなりやばいです。 (*_*)
お店によって違いはありますが、ビアホールなどで、大ジョッキ(800ml)3杯飲んだら2400mlで糖質は74.4gで、いよいよ血糖値危険水域をはるかに超えてきますね。(=_=;)
ビールは、どうしても量的にガブガブ飲めるので、糖尿人にとって最も危険なお酒です。
一方、ワインは、結構、銘柄により糖質含有量に差があります。実は白ワインでも糖質含有量が少ないものもあり、阿曽シェフ、新井田シェフのレストラン「Botanica」では、イタリアンフルコースを賞味しながら白も赤も美味しくいただいてます。 (^_^)
ワインが1本750mlなので、1/2本で375ml飲んで、一般的な赤なら糖質は5.6gくらいです。
またあくまでも体験と印象ていどですが、赤ワインをボトル1本飲んでも血糖値は上昇しないようです。ビールなどとは、はっきり違います。
赤ワインに含まれる何らかの成分が関係してるのかもしれませんが、文献的に確認できているわけではありません。ほとんどの赤ワインは大丈夫と思いますが、甘口は避けた方が無難ですね。
白ワインですが、病院で尿糖を測定する、試験紙がありますね。インターネットでも販売しています。この試験紙で白ワインの糖質含有量がチェックできます。
白ワインを試験紙でチェックして、色が変わらなければブドウ糖はほとんどない証拠です。白ワインでも辛口で糖質が極めて少ない銘柄もあり、これならOKですよ。
以上、醸造酒のお話しでした。
なお焼酎、ウィスキー、ブランデーなどの蒸留酒は原料が麦でも芋でも米でも、糖質含有量ゼロなので、糖質制限OK食品です。
江部康二
2009年08月12日 (水)
おはようございます。
「我ら糖尿人、元気なのには理由がある」 現代病を治す糖質制限食
著者 宮本輝 江部康二 (東洋経済新報社)
おかげさまで売れ行きとても好調です。
昨日は、アマゾンのベストセラー90位で、今朝は125位でした。ちなみに「ハリー・ポッターと死の秘宝」は43位でした。
さて今回は、kenm さんから、糖質管理食についてコメント・質問をいただきました。
「09/08/09 kenm
【糖質少し減らし食】で改善
江部先生はじめまして。kenmと申します。
先生のご著書 主食を抜けば糖尿病は良くなる!他3冊と先生のブログで勉強させていただいています。我ら糖尿人、今朝Amazonから届きました。
主治医の理解を得ることが難しいです。7月検査結果診察の折に、「糖質制限食」への切り替えを申し出たのですが、「よくわからん」ということで、インスリン朝12単位、夕6単位の注射をそのまま続けています。
自分で何とか工夫するしかないと考えました。食後血糖値200mg/dl以上の頻度を減らし時間を短縮させる。食後高血糖を食後2時間-180mg/dl以下に抑える。そのためには、空腹時血糖値を110mg/dl以下に抑える。間食は徹底的に排除する。特に糖質は摂らない。など作戦を練ります。
具体的には、「糖質少し減らし食」にしました。(7月14日からスタート)140gのごはんを減らすことにし、玄米ごはん100gにしました。(玄米酵素ごはん=100%玄米)
7月23日から、食後2時間の血糖値検査を実施しました。8月2日までの間に180mg/dlオーバーは4回、内200mg/dlオーバーは2回、15回は140mg/dl以下でした。83、98、105、107、108もあります。空腹時血糖値131mg/dl以上は6回です。1度だけ39mg/dlを経験しました。
7月初めの検査では、HbA1c 6.8mg/dlでしたが、8月3日の検査で6.5mg/dlでした。
このまま「糖質少し減らし食」を続けるなら、HbA1c6.0を達成は可能でしょうか。この方法に関して、先生から何かアドバイスをいただければ嬉しいのですが。お忙しいところ恐縮ですが、よろしくお願いいたします。」
kenm さん。
コメントそして本のご購入ありがとうございます。
kenm さんの仰有る「糖質減らし食」は、欧米ではごく一般的な「糖質管理食」に相当します。
食後血糖値を急峻に上昇させるのは、糖質だけです。そして、1gの糖質が体重64kgの2型糖尿人の血糖値を約3mg、1型糖尿人なら約5mg上昇させます。
糖質管理食は、1回に摂取する糖質のグラム数を計算して、食後高血糖を起こさないインスリン必要量を決めます。摂取する糖質の量と注射するインスリンの量がうまくかみ合えば、血糖コントロール良好となりますので、HbA1c5.8%未満も夢ではありませんよ。
玄米ご飯100gなら、約34gの糖質が含まれています。また野菜にも少量の糖質が含まれています。1回に摂取する合計糖質量を把握しましょう。
食前の血糖値、
注射したインスリンの量、
摂取した糖質量、
食後1時間血糖値、
これらにより、1単位のインスリンが、どのくらい血糖値を下げるのかが分かります。1単位のインスリンがどのくらい血糖値を下げるのかは、個人差が大きいので一人一人確かめるのが確実です。
詳しくは2008年07月20日 (日) のブログ「糖質制限食時々糖質管理食②」をご参照くださいね。
江部康二
☆☆☆参考
<糖質管理食と糖質制限食>
三大栄養素である、糖質・脂質・タンパク質のうち、血糖値を急峻に上昇させるのは糖質だけです。これは、カロリーとは無関係の、各栄養素の生理学的特質です。
このことに注目して、糖質摂取を制限して血糖コントロールするのが、高雄病院で推奨する「糖質制限食(carbohydrate restriction)」です。
一方、糖質だけが血糖値を上昇させることを前提に、一回の食事の糖質摂取量を計算して、血糖コントロールをめざすのが糖質管理食(carbohydrate counting)で、欧米では定着している食事療法です。
これには、1993年に発表された米国の1型糖尿病研究・DCCTにおいて、糖質管理食が成功を収めたことが、大きく関係しています。
また、1999年度ミス・アメリカのニコール・ジョンソンさん(1型糖尿病)の食事療法が糖質管理食であり、本も書かれたことも欧米での普及に役立ちました。
日本では、欧米では一般的な糖質管理食もそれほど普及していないのが現状です。しかし、2005年の日本糖尿病学会総会で、米国から糖質管理食の専門医が招聘されてシンポジウムが開催された後、徐々に糖質管理食を導入する糖尿病専門医療機関が増えてきています。
また、2006年3月に「かんたんカーボカウント」(医薬ジャーナル)という
糖質管理食の本が大阪市大の小児科グループにより出版されました。
2008年1月の米国糖尿病協会(ADA)の栄養勧告では、「炭水化物をモニタリングすることは、炭水化物計算にしろ、炭水化物交換にしろ、経験に基づく評価にしろ、血糖コントロールを達成するための鍵となる戦略である。」と、炭水化物(糖質)を日常的に継続的に点検することを、強く推奨しています。この中の、炭水化物を計算する方法が、糖質管理食です。
糖質管理食は、基本的に3食とも主食(糖質)を摂取することを前提に、その糖質の一回の摂取量を計算します。血糖値を上昇させるのはほとんど糖質だけなので、例えば血糖コントロールに必要なインスリンの量を決めるのにはとても役に立ちます。
糖尿病というと、甘いもの(砂糖)がよくないと誰でも思いがちですが、実は、特に砂糖だけが、血糖コントロールに悪影響を与えるという事実はありません。
「ご飯もパンもせんべいもうどんもラーメンもケーキも砂糖も、その中に含まれている糖質の量に比例して、血糖値を上昇させる」ということが生理学的事実です。
糖質管理食は、糖質だけをグラム計算するシンプルな方法です。従来のカロリー制限優先の糖尿病食に比し、カロリー計算や食品交換表は不要なので、楽に実践できると思います。
いつも述べてますように、1gの糖質が2型糖尿病の人の血糖値を約3mg、1型糖尿病の人の血糖値を約5g上昇させます。
「糖質→血糖値上昇」というシンプルな事柄に着目した糖尿病の食事療法という意味では、欧米の「糖質管理食」と高雄病院の「糖質制限食」は親戚筋といえます。
「糖質管理食」という考え方をさらに発展させ、3食とも主食を摂取しなくても良いと徹底したのが、高雄病院の「糖質制限食」という見方もできます。
1型糖尿病、2型糖尿病でもインスリン注射をしている糖尿人は、主治医とよく相談されて、糖質制限食が無理なら、せめて糖質管理食を実践されると、血糖値の乱高下がなくなり、コントロールしやすくなりますよ。 ヾ(^▽^)
「我ら糖尿人、元気なのには理由がある」 現代病を治す糖質制限食
著者 宮本輝 江部康二 (東洋経済新報社)
おかげさまで売れ行きとても好調です。
昨日は、アマゾンのベストセラー90位で、今朝は125位でした。ちなみに「ハリー・ポッターと死の秘宝」は43位でした。
さて今回は、kenm さんから、糖質管理食についてコメント・質問をいただきました。
「09/08/09 kenm
【糖質少し減らし食】で改善
江部先生はじめまして。kenmと申します。
先生のご著書 主食を抜けば糖尿病は良くなる!他3冊と先生のブログで勉強させていただいています。我ら糖尿人、今朝Amazonから届きました。
主治医の理解を得ることが難しいです。7月検査結果診察の折に、「糖質制限食」への切り替えを申し出たのですが、「よくわからん」ということで、インスリン朝12単位、夕6単位の注射をそのまま続けています。
自分で何とか工夫するしかないと考えました。食後血糖値200mg/dl以上の頻度を減らし時間を短縮させる。食後高血糖を食後2時間-180mg/dl以下に抑える。そのためには、空腹時血糖値を110mg/dl以下に抑える。間食は徹底的に排除する。特に糖質は摂らない。など作戦を練ります。
具体的には、「糖質少し減らし食」にしました。(7月14日からスタート)140gのごはんを減らすことにし、玄米ごはん100gにしました。(玄米酵素ごはん=100%玄米)
7月23日から、食後2時間の血糖値検査を実施しました。8月2日までの間に180mg/dlオーバーは4回、内200mg/dlオーバーは2回、15回は140mg/dl以下でした。83、98、105、107、108もあります。空腹時血糖値131mg/dl以上は6回です。1度だけ39mg/dlを経験しました。
7月初めの検査では、HbA1c 6.8mg/dlでしたが、8月3日の検査で6.5mg/dlでした。
このまま「糖質少し減らし食」を続けるなら、HbA1c6.0を達成は可能でしょうか。この方法に関して、先生から何かアドバイスをいただければ嬉しいのですが。お忙しいところ恐縮ですが、よろしくお願いいたします。」
kenm さん。
コメントそして本のご購入ありがとうございます。
kenm さんの仰有る「糖質減らし食」は、欧米ではごく一般的な「糖質管理食」に相当します。
食後血糖値を急峻に上昇させるのは、糖質だけです。そして、1gの糖質が体重64kgの2型糖尿人の血糖値を約3mg、1型糖尿人なら約5mg上昇させます。
糖質管理食は、1回に摂取する糖質のグラム数を計算して、食後高血糖を起こさないインスリン必要量を決めます。摂取する糖質の量と注射するインスリンの量がうまくかみ合えば、血糖コントロール良好となりますので、HbA1c5.8%未満も夢ではありませんよ。
玄米ご飯100gなら、約34gの糖質が含まれています。また野菜にも少量の糖質が含まれています。1回に摂取する合計糖質量を把握しましょう。
食前の血糖値、
注射したインスリンの量、
摂取した糖質量、
食後1時間血糖値、
これらにより、1単位のインスリンが、どのくらい血糖値を下げるのかが分かります。1単位のインスリンがどのくらい血糖値を下げるのかは、個人差が大きいので一人一人確かめるのが確実です。
詳しくは2008年07月20日 (日) のブログ「糖質制限食時々糖質管理食②」をご参照くださいね。
江部康二
☆☆☆参考
<糖質管理食と糖質制限食>
三大栄養素である、糖質・脂質・タンパク質のうち、血糖値を急峻に上昇させるのは糖質だけです。これは、カロリーとは無関係の、各栄養素の生理学的特質です。
このことに注目して、糖質摂取を制限して血糖コントロールするのが、高雄病院で推奨する「糖質制限食(carbohydrate restriction)」です。
一方、糖質だけが血糖値を上昇させることを前提に、一回の食事の糖質摂取量を計算して、血糖コントロールをめざすのが糖質管理食(carbohydrate counting)で、欧米では定着している食事療法です。
これには、1993年に発表された米国の1型糖尿病研究・DCCTにおいて、糖質管理食が成功を収めたことが、大きく関係しています。
また、1999年度ミス・アメリカのニコール・ジョンソンさん(1型糖尿病)の食事療法が糖質管理食であり、本も書かれたことも欧米での普及に役立ちました。
日本では、欧米では一般的な糖質管理食もそれほど普及していないのが現状です。しかし、2005年の日本糖尿病学会総会で、米国から糖質管理食の専門医が招聘されてシンポジウムが開催された後、徐々に糖質管理食を導入する糖尿病専門医療機関が増えてきています。
また、2006年3月に「かんたんカーボカウント」(医薬ジャーナル)という
糖質管理食の本が大阪市大の小児科グループにより出版されました。
2008年1月の米国糖尿病協会(ADA)の栄養勧告では、「炭水化物をモニタリングすることは、炭水化物計算にしろ、炭水化物交換にしろ、経験に基づく評価にしろ、血糖コントロールを達成するための鍵となる戦略である。」と、炭水化物(糖質)を日常的に継続的に点検することを、強く推奨しています。この中の、炭水化物を計算する方法が、糖質管理食です。
糖質管理食は、基本的に3食とも主食(糖質)を摂取することを前提に、その糖質の一回の摂取量を計算します。血糖値を上昇させるのはほとんど糖質だけなので、例えば血糖コントロールに必要なインスリンの量を決めるのにはとても役に立ちます。
糖尿病というと、甘いもの(砂糖)がよくないと誰でも思いがちですが、実は、特に砂糖だけが、血糖コントロールに悪影響を与えるという事実はありません。
「ご飯もパンもせんべいもうどんもラーメンもケーキも砂糖も、その中に含まれている糖質の量に比例して、血糖値を上昇させる」ということが生理学的事実です。
糖質管理食は、糖質だけをグラム計算するシンプルな方法です。従来のカロリー制限優先の糖尿病食に比し、カロリー計算や食品交換表は不要なので、楽に実践できると思います。
いつも述べてますように、1gの糖質が2型糖尿病の人の血糖値を約3mg、1型糖尿病の人の血糖値を約5g上昇させます。
「糖質→血糖値上昇」というシンプルな事柄に着目した糖尿病の食事療法という意味では、欧米の「糖質管理食」と高雄病院の「糖質制限食」は親戚筋といえます。
「糖質管理食」という考え方をさらに発展させ、3食とも主食を摂取しなくても良いと徹底したのが、高雄病院の「糖質制限食」という見方もできます。
1型糖尿病、2型糖尿病でもインスリン注射をしている糖尿人は、主治医とよく相談されて、糖質制限食が無理なら、せめて糖質管理食を実践されると、血糖値の乱高下がなくなり、コントロールしやすくなりますよ。 ヾ(^▽^)
2009年08月11日 (火)
おはようございます。
今日は1型糖尿人のたま猫さんからコーヒー、アルコールと血糖値についてコメント・質問をいただきました。
「たま猫よりの質問
コーヒーやアルコールなど刺激物の大量摂取は、血糖値にどのような影響を与えますか?
糖尿病(1型)で、スーパー糖質制限食をしていますが、ブラックコーヒーを1日ひっきりなしにトータル2リットルほど飲むと、血糖値の上り下がりに影響しますか。
アルコール(蒸留酒)の呑み過ぎは、血糖値にはどのような影響があるでしょうか。
コーヒーを飲んだあとの手の震えや蒸留酒を呑み過ぎた翌朝の立ちくらみや冷や汗は、低血糖を起こしているのでしょうか。」
たま猫さん。
コメントありがとうございます。
私もよくブラックコーヒー、あるいは生クリームを入れて飲みます。
五訂日本食品標準成分表によると
「コーヒー・浸出液100g中に
エネルギー(kcal) 4.0
たんぱく質(g) 0.2
脂質(g) 0.0
炭水化物(g) 0.7
※食物繊維(g) 0.0
カフェイン60mg 」
が含まれています。
従って、2リットルのむと、糖質が14gが含まれています。1日に何回にも分けて飲むとすれば、1回の糖質量はしれていますので血糖値への影響は少ないです。
しかし、コーヒーにはカフェインが含まれています。カフェインを1日200~300mg以上摂取した場合は 個人差はありますが、不眠・動悸・いらいら・頭痛・振戦・神経過敏などのカフェイン過剰症状がでることがあります。
2リットルのコーヒーなら1200mgですから、これはいくら何でも多すぎます。これだけ飲めばほとんどの人に上述のカフェインの副作用がでるでしょう。手の震えはカフェインの副作用の可能性があります。
コーヒー100ml×4回/日くらいまでにとどめたいですね。 (^_^)
2008年08月18日 (月) のブログ「カフェインと血糖値」もご参照ください。
「アルコール(蒸留酒)の呑み過ぎは、血糖値にはどのような影響があるでしょうか。
蒸留酒を呑み過ぎた翌朝の立ちくらみや冷や汗は、低血糖を起こしているのでしょうか。」
アルコールそのものは、1gが約7キロカロリーの燃焼エネルギーをもっていますが、摂取時の利用効率は約70%です。
エネルギー源としては、<アルコール→糖質→脂質→タンパク質>の順で利用されます。
またアルコールは、糖質や脂質と違って摂取しても体重増加作用がありませんし、血糖値も上昇させませんし、ビタミンやミネラルにも乏しいので、「empty calory 」と言われています。
焼酎、ウィスキーなど蒸留酒には糖質は含まれていないので、血糖は全く上昇しません。
しかし、アルコールを摂取すると、人体に対する毒物とみなされて優先的に肝臓で分解されますので、その間、同じ補酵素を使う糖新生がブロックされてしまいます。
従って、アルコールを摂取すると結果として、肝臓の糖新生を抑制することとなります。一定量以上のアルコールを摂取すれば、肝臓の夜間糖新生はブロックされ、翌朝の早朝空腹時血糖値は、下がる可能性が高いです。
蒸留酒を呑み過ぎた翌朝の立ちくらみや冷や汗は、仰有る通り低血糖の可能性が高いです。
呑み過ぎには充分注意して下さいね。(^^)
江部康二
☆☆☆
なおビール、日本酒、ワインなど醸造酒には糖質が含まれているので、その分血糖値は上昇します。
今日は1型糖尿人のたま猫さんからコーヒー、アルコールと血糖値についてコメント・質問をいただきました。
「たま猫よりの質問
コーヒーやアルコールなど刺激物の大量摂取は、血糖値にどのような影響を与えますか?
糖尿病(1型)で、スーパー糖質制限食をしていますが、ブラックコーヒーを1日ひっきりなしにトータル2リットルほど飲むと、血糖値の上り下がりに影響しますか。
アルコール(蒸留酒)の呑み過ぎは、血糖値にはどのような影響があるでしょうか。
コーヒーを飲んだあとの手の震えや蒸留酒を呑み過ぎた翌朝の立ちくらみや冷や汗は、低血糖を起こしているのでしょうか。」
たま猫さん。
コメントありがとうございます。
私もよくブラックコーヒー、あるいは生クリームを入れて飲みます。
五訂日本食品標準成分表によると
「コーヒー・浸出液100g中に
エネルギー(kcal) 4.0
たんぱく質(g) 0.2
脂質(g) 0.0
炭水化物(g) 0.7
※食物繊維(g) 0.0
カフェイン60mg 」
が含まれています。
従って、2リットルのむと、糖質が14gが含まれています。1日に何回にも分けて飲むとすれば、1回の糖質量はしれていますので血糖値への影響は少ないです。
しかし、コーヒーにはカフェインが含まれています。カフェインを1日200~300mg以上摂取した場合は 個人差はありますが、不眠・動悸・いらいら・頭痛・振戦・神経過敏などのカフェイン過剰症状がでることがあります。
2リットルのコーヒーなら1200mgですから、これはいくら何でも多すぎます。これだけ飲めばほとんどの人に上述のカフェインの副作用がでるでしょう。手の震えはカフェインの副作用の可能性があります。
コーヒー100ml×4回/日くらいまでにとどめたいですね。 (^_^)
2008年08月18日 (月) のブログ「カフェインと血糖値」もご参照ください。
「アルコール(蒸留酒)の呑み過ぎは、血糖値にはどのような影響があるでしょうか。
蒸留酒を呑み過ぎた翌朝の立ちくらみや冷や汗は、低血糖を起こしているのでしょうか。」
アルコールそのものは、1gが約7キロカロリーの燃焼エネルギーをもっていますが、摂取時の利用効率は約70%です。
エネルギー源としては、<アルコール→糖質→脂質→タンパク質>の順で利用されます。
またアルコールは、糖質や脂質と違って摂取しても体重増加作用がありませんし、血糖値も上昇させませんし、ビタミンやミネラルにも乏しいので、「empty calory 」と言われています。
焼酎、ウィスキーなど蒸留酒には糖質は含まれていないので、血糖は全く上昇しません。
しかし、アルコールを摂取すると、人体に対する毒物とみなされて優先的に肝臓で分解されますので、その間、同じ補酵素を使う糖新生がブロックされてしまいます。
従って、アルコールを摂取すると結果として、肝臓の糖新生を抑制することとなります。一定量以上のアルコールを摂取すれば、肝臓の夜間糖新生はブロックされ、翌朝の早朝空腹時血糖値は、下がる可能性が高いです。
蒸留酒を呑み過ぎた翌朝の立ちくらみや冷や汗は、仰有る通り低血糖の可能性が高いです。
呑み過ぎには充分注意して下さいね。(^^)
江部康二
☆☆☆
なおビール、日本酒、ワインなど醸造酒には糖質が含まれているので、その分血糖値は上昇します。
2009年08月10日 (月)
こんばんは。
今回は、むむさんから、ご主人の糖尿病改善のご報告と負荷試験等についての質問をいただきました。
「09/08/09 むむ
はじめまして
この2ヶ月ほどblogを読ませて頂いております。6月1日に前日アメリカ出張から帰国した夫が就寝中に脚の痛みを訴えたため、エコノミー症候群を疑って、近くの血管外科を受信したところ、血糖値が400を超えていることがわかりました(担当医師は糖尿病が専門ではないため、長時間フライトによる水分不足も多少影響しているとは言われてたのですが)。ネットを調べ、先生の「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」購入(義母が糖尿病でもあり、以前から糖質制限には関心を持っていました)して、実践しつつ、説得してなんとか6/13に近所の内科で血糖値を測ってもらいました(偶然ですが、糖尿病の専門医が勤務されていました)。その時点で空腹時血糖が122、HbA1cが10.1でした。薬も進められましたが、2週間様子を見ることをお願いし、6/20時点で食後2時間後血糖が123だったため、定期的な検査を条件に糖質制限だけで対応しています。
8/1現在で、175cm81キロだった体重が76キロ台まで減少し、空腹時血糖が101、HbA1cが7.0になりました。
数値は順調に下がっているものの、このブログやコメントでよく書かれているブドウ糖負荷試験は行ったことはありません。また、主治医の先生も糖質制限のことはあまりご存知ないようで、積極的に反対はされないものの「短期間にこんなに下がる人は珍しいんですよ」とおっしゃるばかりです。
そこで、質問なのですが、夫の状態では病院を変えて(あるいは今の主治医にお願いして)負荷試験等をもっと詳しい検査を行うべきなのでしょうか?
また、夫はHbA1cが6を切ったら、「糖尿病が治る」と信じているようです。私自身の理解では、糖尿病に完治はなく、今後も糖質制限を続けていく必要があると思っています。夫はカレーライス(それもインド風ではなく、日本風のルーを使ったカレー)を食べる日を夢見て、糖質制限をがんばっているようなのですが、数値が回復すれば、たまに(2,3ヶ月に一度?)なら、お腹いっぱい食べても大丈夫なのでしょうか?」
むむさん。
コメントありがとうございます。
「6/13 空腹時血糖:122、HbA1c:10.1 175cm 81kg
8/1 空腹時血糖:101、HbA1c:7.0 76kg」
見事な改善ですね。良かったです。ヾ(^▽^)
「短期間にこんなに下がる人は珍しいんですよ」
主治医殿の仰有るとおり、糖質制限食以外でこれほど短期間で血糖値、HbA1cがこれほど顕著に改善することはまれですよ。糖質制限食を上手に実践されているのだと思います。 (^_^)
ご質問の件ですがご主人、血糖値が400mgを超えていたことがあります。空腹時血糖値122mg/dlと境界型ですがHbA1cが10.1%です。
HbA1cが10.1%であれば、(10.1-1.7)×30=252
となり、平均血糖値が252mg/dlです。
ということは、診断基準的には既に、しっかり糖尿病が確定しています。
従って、糖尿病を発見する役割が主の、75g経口ブドウ糖負荷試験を行う意味は、全くありません。わざわざ高血糖を引き起こすような検査は不必要です。
カレーライスの件ですが、HbA1cが5%台になったとしても、1gの糖質が64kgの2型糖尿人の血糖値を3mg上昇させる事実は変わりません。
従って、普通にカレーライスを食べれば、糖質が最低でも70gは入ってますから、食後血糖値はピーク300mgくらいに上昇するでしょう。
月に1回だけ、血糖値200~300mgがあるのは毎日に3~5回ある人に比べたら随分ましですが、食後血糖値が180mgを超えたときは血管内皮は少しは障害されます。
まあ後は、個人の考え方・哲学の問題(?)でしょうか。下記の糖尿人の目標☆をクリアしていれば、動脈硬化など将来の合併症が防げます。
糖尿病が治るか否かに関しては、2009年07月31日 (金)のブログ 「糖尿病は治る?治らない?」をご参照ください。
江部康二
☆【糖尿人の目標】
糖尿病合併症予防のために
① 空腹時血糖値140mg/dl未満→126mg/dl未満→さらには110mg/dl未満
② 食後2時間血糖値180mg/dlmg/dl未満→さらには140mg/dl未満
③ 理想的には食後1時間血糖値180mg/dl未満
④ HbA1c6.5%未満→さらには5.8%未満
今回は、むむさんから、ご主人の糖尿病改善のご報告と負荷試験等についての質問をいただきました。
「09/08/09 むむ
はじめまして
この2ヶ月ほどblogを読ませて頂いております。6月1日に前日アメリカ出張から帰国した夫が就寝中に脚の痛みを訴えたため、エコノミー症候群を疑って、近くの血管外科を受信したところ、血糖値が400を超えていることがわかりました(担当医師は糖尿病が専門ではないため、長時間フライトによる水分不足も多少影響しているとは言われてたのですが)。ネットを調べ、先生の「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」購入(義母が糖尿病でもあり、以前から糖質制限には関心を持っていました)して、実践しつつ、説得してなんとか6/13に近所の内科で血糖値を測ってもらいました(偶然ですが、糖尿病の専門医が勤務されていました)。その時点で空腹時血糖が122、HbA1cが10.1でした。薬も進められましたが、2週間様子を見ることをお願いし、6/20時点で食後2時間後血糖が123だったため、定期的な検査を条件に糖質制限だけで対応しています。
8/1現在で、175cm81キロだった体重が76キロ台まで減少し、空腹時血糖が101、HbA1cが7.0になりました。
数値は順調に下がっているものの、このブログやコメントでよく書かれているブドウ糖負荷試験は行ったことはありません。また、主治医の先生も糖質制限のことはあまりご存知ないようで、積極的に反対はされないものの「短期間にこんなに下がる人は珍しいんですよ」とおっしゃるばかりです。
そこで、質問なのですが、夫の状態では病院を変えて(あるいは今の主治医にお願いして)負荷試験等をもっと詳しい検査を行うべきなのでしょうか?
また、夫はHbA1cが6を切ったら、「糖尿病が治る」と信じているようです。私自身の理解では、糖尿病に完治はなく、今後も糖質制限を続けていく必要があると思っています。夫はカレーライス(それもインド風ではなく、日本風のルーを使ったカレー)を食べる日を夢見て、糖質制限をがんばっているようなのですが、数値が回復すれば、たまに(2,3ヶ月に一度?)なら、お腹いっぱい食べても大丈夫なのでしょうか?」
むむさん。
コメントありがとうございます。
「6/13 空腹時血糖:122、HbA1c:10.1 175cm 81kg
8/1 空腹時血糖:101、HbA1c:7.0 76kg」
見事な改善ですね。良かったです。ヾ(^▽^)
「短期間にこんなに下がる人は珍しいんですよ」
主治医殿の仰有るとおり、糖質制限食以外でこれほど短期間で血糖値、HbA1cがこれほど顕著に改善することはまれですよ。糖質制限食を上手に実践されているのだと思います。 (^_^)
ご質問の件ですがご主人、血糖値が400mgを超えていたことがあります。空腹時血糖値122mg/dlと境界型ですがHbA1cが10.1%です。
HbA1cが10.1%であれば、(10.1-1.7)×30=252
となり、平均血糖値が252mg/dlです。
ということは、診断基準的には既に、しっかり糖尿病が確定しています。
従って、糖尿病を発見する役割が主の、75g経口ブドウ糖負荷試験を行う意味は、全くありません。わざわざ高血糖を引き起こすような検査は不必要です。
カレーライスの件ですが、HbA1cが5%台になったとしても、1gの糖質が64kgの2型糖尿人の血糖値を3mg上昇させる事実は変わりません。
従って、普通にカレーライスを食べれば、糖質が最低でも70gは入ってますから、食後血糖値はピーク300mgくらいに上昇するでしょう。
月に1回だけ、血糖値200~300mgがあるのは毎日に3~5回ある人に比べたら随分ましですが、食後血糖値が180mgを超えたときは血管内皮は少しは障害されます。
まあ後は、個人の考え方・哲学の問題(?)でしょうか。下記の糖尿人の目標☆をクリアしていれば、動脈硬化など将来の合併症が防げます。
糖尿病が治るか否かに関しては、2009年07月31日 (金)のブログ 「糖尿病は治る?治らない?」をご参照ください。
江部康二
☆【糖尿人の目標】
糖尿病合併症予防のために
① 空腹時血糖値140mg/dl未満→126mg/dl未満→さらには110mg/dl未満
② 食後2時間血糖値180mg/dlmg/dl未満→さらには140mg/dl未満
③ 理想的には食後1時間血糖値180mg/dl未満
④ HbA1c6.5%未満→さらには5.8%未満
2009年08月10日 (月)
こんにちは。
Key さんから、本ブログを本にしてほしいとのご要望がありました。
「09/08/09 Key
要望
いつもブログで勉強させて頂いてます。お陰さまでコントロール良好でストレスフリーな毎日を送っています(^_^)v
さて母がⅠ型糖尿病で糖質制限を勧めていますが、なにぶん頑固者で耳を傾けてもらえません。現在の主治医を信仰していてカロリー制限食を実践の日々ですがA1c9.5前後から改善無しです。母は還暦を過ぎなかなか電子媒体には抵抗がある様子で、先生のブログを勧めてもネット閲覧が億劫な様です。要望なのですが、先生のブログを書籍化していただけると幸いです。コメントや回答などホントに参考になるし分かりやすく、素人にも理解しやすいので(^_^;)
厚かましいお願い事ですが、ご検討の程よろしくお願い致します。」
Keyさん。
コメントありがとうございます。
2009年8月10日に全国で一斉に発売された
「我ら糖尿人、元気なのには理由がある」 現代病を治す糖質制限食
著者 宮本輝 江部康二 (東洋経済新報社)
がまさに、本ブログを書籍化した本です。
それに加えて宮本輝先生の体験談などもあり、今までで一番読みやすいとの評判です。ヾ(^▽^)
頑固者1型糖尿人のお母上にも、ぴったりと思いますよ。
今朝、日本経済新聞に、宮本輝先生と江部康二の写真いりの広告が載ったこともあり、アマゾン全体の本のランキングで111位と、とても好調な売れ行きです。 \(^○^)/
ちなみに「ハリー・ポッターと死の秘宝」が62位です。
ブログ読者の皆さんも是非、ご一読を。
江部康二
Key さんから、本ブログを本にしてほしいとのご要望がありました。
「09/08/09 Key
要望
いつもブログで勉強させて頂いてます。お陰さまでコントロール良好でストレスフリーな毎日を送っています(^_^)v
さて母がⅠ型糖尿病で糖質制限を勧めていますが、なにぶん頑固者で耳を傾けてもらえません。現在の主治医を信仰していてカロリー制限食を実践の日々ですがA1c9.5前後から改善無しです。母は還暦を過ぎなかなか電子媒体には抵抗がある様子で、先生のブログを勧めてもネット閲覧が億劫な様です。要望なのですが、先生のブログを書籍化していただけると幸いです。コメントや回答などホントに参考になるし分かりやすく、素人にも理解しやすいので(^_^;)
厚かましいお願い事ですが、ご検討の程よろしくお願い致します。」
Keyさん。
コメントありがとうございます。
2009年8月10日に全国で一斉に発売された
「我ら糖尿人、元気なのには理由がある」 現代病を治す糖質制限食
著者 宮本輝 江部康二 (東洋経済新報社)
がまさに、本ブログを書籍化した本です。
それに加えて宮本輝先生の体験談などもあり、今までで一番読みやすいとの評判です。ヾ(^▽^)
頑固者1型糖尿人のお母上にも、ぴったりと思いますよ。
今朝、日本経済新聞に、宮本輝先生と江部康二の写真いりの広告が載ったこともあり、アマゾン全体の本のランキングで111位と、とても好調な売れ行きです。 \(^○^)/
ちなみに「ハリー・ポッターと死の秘宝」が62位です。
ブログ読者の皆さんも是非、ご一読を。
江部康二
2009年08月09日 (日)
【コメント・質問に関するお知らせ・お願い】
ブログ読者の皆さんには、いつもコメントいただき、ありがとうございます。
読者の皆さんからご意見いただきましたが、確かに普通のお医者さんに相談可能な個人的な内容の質問は、主治医にご相談頂けば助かります。m(_ _)m
普通のお医者さんでは解答不能の、糖質制限食に関わる質問は、何でもどんどんしていただけば嬉しいです。 (^_^)
掲載OKの質問に関して、読者の皆さんに共有していただきたい情報の場合は、ブログ本文にて、できるだけ順番にお答えしたいと思います。質問によってはコメント欄でお早めにお答えする場合もありますのでご了承ください。
一方、コメント・質問がかなり増えてきていますので、なかなか即お答えすることが困難となってきています。できるだけ全ての質問に本文かコメントでお答えするよう努力はしていますが、できないときはご容赦願います。m(_ _)m
それから、「管理人のみ閲覧できる」「匿名希望」などの質問に関しては、コメント欄にお答えするか、一般的な話題に置き換えてブログに記載するようにしていますので、よろしくお願い申し上げます。
【講演会のお知らせ】
☆朝日カルチャーセンター京都http://www.asahi-culture.co.jp/www/kyoto-c.html
TEL 075-231-9693
2009年8月18日(火)10:30~12:00
食事で治す!アトピー・糖尿病・メタボ
-テーラーメードダイエットと糖質制限食-
☆脳と栄養のシンポジウム 2009年8月23日(日) 13:30~17:45
『分子整合医学概論』 溝口徹先生
『糖質制限の基礎と臨床 ~脳に糖質は必要か?』 14:15~15:00 江部康二
『精神科医療の現状と問題点』 市来真彦先生
『心療内科領域における栄養療法の実際』 姫野友美先生
『精神科領域における栄養療法の実際』 広瀬久益先生
会場:ニッショーホール 東京都港区虎ノ門2丁目9番16号
一般:¥3000-
医療:¥5000-
お問い合わせ
03-3350-8988 新宿溝口クリニック
☆糖質制限食シンポジウムin東京
講 師 江部康二
(高雄病院理事長/NPO法人糖質制限食ネット・リボーン理事長)
大柳珠美
(管理栄養士/NPO法人糖質制限食ネット・リボーン理事)
ゲスト 山田悟先生
(北里研究所病院糖尿病センター センター長医学博士)
日 時 2009年9月13日(日)9時20分開場
9時30分開演 11時50分終了
場 所 なかのゼロ視聴覚ホール (JR中野駅南口下車6分)
会 費 一般 1800円 リボーン会員 1500円
ペア券 一般 3600円のところ3000円
ペア券 会員 3000円のところ2400円
※ペア券はご家族に限られていただきます。
主 催 NPO法人糖質制限食ネット・リボーン
申し込み・問い合わせ リボーン 曽我部ゆかり
電話:03-3388-5428
e-mail reborn@big.or.jp
【糖質制限食コントロール・教育入院のご案内・保険適応】
お問い合わせは高雄病院
http://www.takao-hospital.jp/
住所:京都市右京区梅ヶ畑畑町3
電話:075-871-0245
ベットが空くまでお待ち頂くこともありますがご了承下さい。
【糖質制限食外来治療のご案内・予約制・保険適応】
高雄病院 電話:075-871-0245
京都市右京区梅ヶ畑畑町3
高雄病院京都駅前診療所 電話:075-352-5050
京都市下京区七条通り烏丸東入ル(50M)北側 ネオフィス 七条烏丸4F
http://www.takao-hospital.net/
江部診療所 電話:075-712-8133
京都市左京区下鴨高木町6 アトリエ・フォー 2F
【糖質制限食を実践される時のご注意】
本にも書きましたが、 糖質制限食実践によりリアルタイムに血糖値が改善します。このため既に、経口血糖降下剤(オイグルコン、アマリールなど)の内服やインスリン注射をしておられる糖尿人は低血糖の心配がありますので必ず主治医と相談して頂きたいと思います。
一方、薬を使用してない糖尿人は、低血糖の心配はないので、「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」「 糖質制限食 春のレシピ」「 糖質制限食 夏のレシピ」「糖質制限食 秋のレシピ」「糖質制限食 冬のレシピ」(以上東洋経済新報社)
「糖尿病のための糖質オフごちそうごはん」(アスペクト)
などを参考にされて、自力で 糖質制限食を実践して糖尿病改善を目指していただけば幸いです。
江部康二
☆☆☆☆☆
【糖質制限食とは】
食べ物が消化・吸収されたあと、糖質は100%、タンパク質は50%、脂質は10%弱が血糖に変わります。 また糖質は摂取直後から急峻に血糖値を高く速く上昇させ2時間以内にほとんどすべてが吸収されます。
一方、タンパク質の血糖値上昇のピークは食後約3時間で、脂質は消化・吸収に丸一日かかることもあります。これらは、含有カロリーとは無関係な、三大栄養素の生理学的特質です。
このように糖質、脂質、タンパク質のうち糖質だけが血糖値を急峻に上昇させます。従って、糖質を摂取した時には、インスリンが大量に追加分泌されます。
しかし、脂質やタンパク質は血糖値をほとんど上昇させないので、インスリンの追加分泌は、ほとんどありません。
現在糖尿病において、食後の急激な高血糖が大きな問題として注目されています。食後高血糖が、心筋梗塞や脳梗塞などの合併症を起こす危険因子として確立されたからです。そして食後高血糖を起こすのは、三大栄養素のなかで糖質だけなのです。
1gの糖質が体重64kgの2型糖尿病の人の血糖値を約3mg上昇させます。 従って6枚切りの食パン2枚(約310キロカロリー)食べると糖質 が53.2g含まれているので、血糖値は160mgも上昇します。
一方、ロースステーキを300g(約1200キロカロリー)食べても、糖質含有量は1g未満なので血糖値は数mgも上がらず、食後高血糖は生じません。なお、1gの糖質が体重64kgの1型糖尿病の人の血糖値を約5mg上昇させます。
糖質制限食の基本的な考え方は、上述のような生理学的事実をベースにできるだけ糖質の摂取を低く抑えて、食後高血糖を防ぐというものです。簡単に言えば、主食を抜いておかずばかり食べるというイメージになります。抜く必要がある主食とは米飯・めん類・パンなどの米・麦製品や芋類など糖質が主成分のものです。
3食主食抜きのスーパー糖質制限食(糖質12%、タンパク質32%、脂質56%)なら薬に頼ることなく速やかにリアルタイムで良好な血糖コントロールが可能です。
一方、上述の食パンとステーキの例でも明らかなようにカロリー計算に基づいて血糖値をコントロールすることは理論的に不可能です。
従って現行の日本糖尿病学会推薦の糖尿病食(糖質60%、タンパク質20%、脂質20%)を実践する限りは、一日の摂取カロリーを1200キロカロリーと低く抑えたとしても食後高血糖が必ず生じるのです。
糖尿病の改善には、カロリー制限より糖質制限ということが、おわかりいただけたと思います。なお糖質制限食はカロリー無制限ということではありません。一般的な標準摂取カロリーの範囲、すなわち男性なら1600~2000キロカロリー、女性なら1200~1600キロカロリーくらいが目安です。
☆☆☆
『糖質制限食十箇条』 -糖尿病や肥満が気になる人に-
一、魚貝・肉・豆腐・納豆・チーズなどタンパク質や脂質が主成分の食品はしっかり食べてよい。
二、糖質特に白パン・白米・麺類及び菓子・白砂糖など精製糖質の摂取は極力控える。
三、主食を摂るときは未精製の穀物が好ましい(玄米、全粒粉のパンなど)
四、飲料は牛乳・果汁は飲まず、成分未調整豆乳はOK。水、番茶、麦茶、ほうじ茶もOK。
五、糖質含有量の少ない野菜・海草・茸類は適量OK。果物は少量にとどめる。
六、オリーブオイルや魚油(EPA、DHA)は積極的に摂り、リノール酸を減らす。
七、マヨネーズ(砂糖無しのもの)やバターもOK。
八、お酒は蒸留酒(焼酎、ウィスキーなど)はOK、醸造酒(ビール、日本酒、など)は控える。
九、間食やおつまみはチーズ類やナッツ類を中心に適量摂る。菓子類、ドライフルーツは不可。
十、できる限り化学合成添加物の入っていない安全な食品を選ぶ。
『糖質制限食』の3パターン
一、スーパー糖質制限食は三食とも主食なし。効果は抜群で早く、一番のお薦め。
二、スタンダード糖質制限食は朝と夕は主食抜き。
三、プチ糖質制限食は夕だけ主食抜き。嗜好的にどうしてもデンプンが大好きな人に。
*抜く必要がある主食とは米飯・めん類・パンなどの米・麦製品や芋類などの炭水化物。*炭水化物=糖質+食物繊維
ブログ読者の皆さんには、いつもコメントいただき、ありがとうございます。
読者の皆さんからご意見いただきましたが、確かに普通のお医者さんに相談可能な個人的な内容の質問は、主治医にご相談頂けば助かります。m(_ _)m
普通のお医者さんでは解答不能の、糖質制限食に関わる質問は、何でもどんどんしていただけば嬉しいです。 (^_^)
掲載OKの質問に関して、読者の皆さんに共有していただきたい情報の場合は、ブログ本文にて、できるだけ順番にお答えしたいと思います。質問によってはコメント欄でお早めにお答えする場合もありますのでご了承ください。
一方、コメント・質問がかなり増えてきていますので、なかなか即お答えすることが困難となってきています。できるだけ全ての質問に本文かコメントでお答えするよう努力はしていますが、できないときはご容赦願います。m(_ _)m
それから、「管理人のみ閲覧できる」「匿名希望」などの質問に関しては、コメント欄にお答えするか、一般的な話題に置き換えてブログに記載するようにしていますので、よろしくお願い申し上げます。
【講演会のお知らせ】
☆朝日カルチャーセンター京都http://www.asahi-culture.co.jp/www/kyoto-c.html
TEL 075-231-9693
2009年8月18日(火)10:30~12:00
食事で治す!アトピー・糖尿病・メタボ
-テーラーメードダイエットと糖質制限食-
☆脳と栄養のシンポジウム 2009年8月23日(日) 13:30~17:45
『分子整合医学概論』 溝口徹先生
『糖質制限の基礎と臨床 ~脳に糖質は必要か?』 14:15~15:00 江部康二
『精神科医療の現状と問題点』 市来真彦先生
『心療内科領域における栄養療法の実際』 姫野友美先生
『精神科領域における栄養療法の実際』 広瀬久益先生
会場:ニッショーホール 東京都港区虎ノ門2丁目9番16号
一般:¥3000-
医療:¥5000-
お問い合わせ
03-3350-8988 新宿溝口クリニック
☆糖質制限食シンポジウムin東京
講 師 江部康二
(高雄病院理事長/NPO法人糖質制限食ネット・リボーン理事長)
大柳珠美
(管理栄養士/NPO法人糖質制限食ネット・リボーン理事)
ゲスト 山田悟先生
(北里研究所病院糖尿病センター センター長医学博士)
日 時 2009年9月13日(日)9時20分開場
9時30分開演 11時50分終了
場 所 なかのゼロ視聴覚ホール (JR中野駅南口下車6分)
会 費 一般 1800円 リボーン会員 1500円
ペア券 一般 3600円のところ3000円
ペア券 会員 3000円のところ2400円
※ペア券はご家族に限られていただきます。
主 催 NPO法人糖質制限食ネット・リボーン
申し込み・問い合わせ リボーン 曽我部ゆかり
電話:03-3388-5428
e-mail reborn@big.or.jp
【糖質制限食コントロール・教育入院のご案内・保険適応】
お問い合わせは高雄病院
http://www.takao-hospital.jp/
住所:京都市右京区梅ヶ畑畑町3
電話:075-871-0245
ベットが空くまでお待ち頂くこともありますがご了承下さい。
【糖質制限食外来治療のご案内・予約制・保険適応】
高雄病院 電話:075-871-0245
京都市右京区梅ヶ畑畑町3
高雄病院京都駅前診療所 電話:075-352-5050
京都市下京区七条通り烏丸東入ル(50M)北側 ネオフィス 七条烏丸4F
http://www.takao-hospital.net/
江部診療所 電話:075-712-8133
京都市左京区下鴨高木町6 アトリエ・フォー 2F
【糖質制限食を実践される時のご注意】
本にも書きましたが、 糖質制限食実践によりリアルタイムに血糖値が改善します。このため既に、経口血糖降下剤(オイグルコン、アマリールなど)の内服やインスリン注射をしておられる糖尿人は低血糖の心配がありますので必ず主治医と相談して頂きたいと思います。
一方、薬を使用してない糖尿人は、低血糖の心配はないので、「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」「 糖質制限食 春のレシピ」「 糖質制限食 夏のレシピ」「糖質制限食 秋のレシピ」「糖質制限食 冬のレシピ」(以上東洋経済新報社)
「糖尿病のための糖質オフごちそうごはん」(アスペクト)
などを参考にされて、自力で 糖質制限食を実践して糖尿病改善を目指していただけば幸いです。
江部康二
☆☆☆☆☆
【糖質制限食とは】
食べ物が消化・吸収されたあと、糖質は100%、タンパク質は50%、脂質は10%弱が血糖に変わります。 また糖質は摂取直後から急峻に血糖値を高く速く上昇させ2時間以内にほとんどすべてが吸収されます。
一方、タンパク質の血糖値上昇のピークは食後約3時間で、脂質は消化・吸収に丸一日かかることもあります。これらは、含有カロリーとは無関係な、三大栄養素の生理学的特質です。
このように糖質、脂質、タンパク質のうち糖質だけが血糖値を急峻に上昇させます。従って、糖質を摂取した時には、インスリンが大量に追加分泌されます。
しかし、脂質やタンパク質は血糖値をほとんど上昇させないので、インスリンの追加分泌は、ほとんどありません。
現在糖尿病において、食後の急激な高血糖が大きな問題として注目されています。食後高血糖が、心筋梗塞や脳梗塞などの合併症を起こす危険因子として確立されたからです。そして食後高血糖を起こすのは、三大栄養素のなかで糖質だけなのです。
1gの糖質が体重64kgの2型糖尿病の人の血糖値を約3mg上昇させます。 従って6枚切りの食パン2枚(約310キロカロリー)食べると糖質 が53.2g含まれているので、血糖値は160mgも上昇します。
一方、ロースステーキを300g(約1200キロカロリー)食べても、糖質含有量は1g未満なので血糖値は数mgも上がらず、食後高血糖は生じません。なお、1gの糖質が体重64kgの1型糖尿病の人の血糖値を約5mg上昇させます。
糖質制限食の基本的な考え方は、上述のような生理学的事実をベースにできるだけ糖質の摂取を低く抑えて、食後高血糖を防ぐというものです。簡単に言えば、主食を抜いておかずばかり食べるというイメージになります。抜く必要がある主食とは米飯・めん類・パンなどの米・麦製品や芋類など糖質が主成分のものです。
3食主食抜きのスーパー糖質制限食(糖質12%、タンパク質32%、脂質56%)なら薬に頼ることなく速やかにリアルタイムで良好な血糖コントロールが可能です。
一方、上述の食パンとステーキの例でも明らかなようにカロリー計算に基づいて血糖値をコントロールすることは理論的に不可能です。
従って現行の日本糖尿病学会推薦の糖尿病食(糖質60%、タンパク質20%、脂質20%)を実践する限りは、一日の摂取カロリーを1200キロカロリーと低く抑えたとしても食後高血糖が必ず生じるのです。
糖尿病の改善には、カロリー制限より糖質制限ということが、おわかりいただけたと思います。なお糖質制限食はカロリー無制限ということではありません。一般的な標準摂取カロリーの範囲、すなわち男性なら1600~2000キロカロリー、女性なら1200~1600キロカロリーくらいが目安です。
☆☆☆
『糖質制限食十箇条』 -糖尿病や肥満が気になる人に-
一、魚貝・肉・豆腐・納豆・チーズなどタンパク質や脂質が主成分の食品はしっかり食べてよい。
二、糖質特に白パン・白米・麺類及び菓子・白砂糖など精製糖質の摂取は極力控える。
三、主食を摂るときは未精製の穀物が好ましい(玄米、全粒粉のパンなど)
四、飲料は牛乳・果汁は飲まず、成分未調整豆乳はOK。水、番茶、麦茶、ほうじ茶もOK。
五、糖質含有量の少ない野菜・海草・茸類は適量OK。果物は少量にとどめる。
六、オリーブオイルや魚油(EPA、DHA)は積極的に摂り、リノール酸を減らす。
七、マヨネーズ(砂糖無しのもの)やバターもOK。
八、お酒は蒸留酒(焼酎、ウィスキーなど)はOK、醸造酒(ビール、日本酒、など)は控える。
九、間食やおつまみはチーズ類やナッツ類を中心に適量摂る。菓子類、ドライフルーツは不可。
十、できる限り化学合成添加物の入っていない安全な食品を選ぶ。
『糖質制限食』の3パターン
一、スーパー糖質制限食は三食とも主食なし。効果は抜群で早く、一番のお薦め。
二、スタンダード糖質制限食は朝と夕は主食抜き。
三、プチ糖質制限食は夕だけ主食抜き。嗜好的にどうしてもデンプンが大好きな人に。
*抜く必要がある主食とは米飯・めん類・パンなどの米・麦製品や芋類などの炭水化物。*炭水化物=糖質+食物繊維