2009年08月08日 (土)
こんにちは。
糖尿東京人さんから、さらに、詳しい米国の糖尿病食の情報をいただきました。とても参考になるので記事にさせていただきました。糖尿東京人さん、ありがとうございます。
江部康二
「ありがとうございます
江部先生
ホームドクターの件をブログにとりあげていただき ありがとうございます。
アメリカではType 2の糖尿が急激に増えていて ダイエットと糖質コントロールがうまくいっている 患者さんは、年一回眼科検査を受ける以外は ホームドクターにお世話になっているようです。
糖尿病の食事についてはほとんど江部先生の おっしゃている内容と同じで、糖質コントロールがすべての第一前提、カロリーコントロールはダイエットには良いが 血糖値には関係ない、糖尿患者の多くが肥満なので ダイエットと血糖値が混同していると言い切っていました。
成分のほとんどが糖質の食べ物(白米、パン、シリアル等)は 避ける、脂肪やタンパク質を多く含む糖質食品は 吸収が遅いので計算しながら食べるようです。 パスタは油を使ったり、パンや甘いものは種類豊富な ローカーボ、シュガーフリーを使うことでした。 食後血糖値が高くなる人はこれらも避けて 野菜等に含まれる糖質程度に抑えるようです。
糖質コントロールをすれば適度のアルコールは 問題ないというのも先生と同じ指導でした。
アメリカ糖尿協会american diabetes association発行の ダイアベティックガイドとDiabetic livingという雑誌をいただき 定期購読をすすめられました。 www.diabeticlivingonline.com
とても親しみやすい雑誌でレシピや新発売のローカーボ食品、 普段の生活のまめ知識が載って見た目も趣味雑誌のよう。 レシピの欄も料理名と糖質量が目次になっていて 糖質コントロールが浸透していることがわかります。
日本で糖質コントロールが指導されていない件の皮肉ですが、 医療界が保守的なのか食品、製薬業界との絡みなのか わからないとかなり強い口調で批判していました。
白米が食事の中心になる日本と韓国は糖尿が多く 同じDNAでも食生活の欧米化した日系や韓系アメリカ人では相当高いと。保護区を離れアメリカに同化したエスキモーとインディアンに至っては 約半数が糖尿を発症するそうです。
アメリカでは早期から糖質コントロールすることで 糖尿患者にかかる医療費と薬代はかなり減ったそうですが、合併症の発生率と寿命の変化については 糖尿協会が長期的な調査をしているそうです。
以上すべてカリフォルニア州の一般的ホームドクターから 一回の診察で教えていただいた内容です。
大学病院糖尿病内科の5分診察でご飯を毎食150グラム食べるように 指導されている自分にとっては高雄病院分院を日本全国に建てていただきたい気分です(笑)。
私の父親も糖尿歴20年、医者に言われるまま カロリーを計算しながら白米を食べていました。自分が糖尿になって父に糖質コントロールを始めさせられたことが親孝行かもしれません。
これほど容易に血糖コントロールができる食事法が ネットや海外に縁がなく糖質制限を 知るすべがない糖尿人たちにも身近になる日が くるといいのですが。
長文コメントで失礼しました。
2009/08/08(Sat) 13:49 | URL | 糖尿東京人」
糖尿東京人さんから、さらに、詳しい米国の糖尿病食の情報をいただきました。とても参考になるので記事にさせていただきました。糖尿東京人さん、ありがとうございます。
江部康二
「ありがとうございます
江部先生
ホームドクターの件をブログにとりあげていただき ありがとうございます。
アメリカではType 2の糖尿が急激に増えていて ダイエットと糖質コントロールがうまくいっている 患者さんは、年一回眼科検査を受ける以外は ホームドクターにお世話になっているようです。
糖尿病の食事についてはほとんど江部先生の おっしゃている内容と同じで、糖質コントロールがすべての第一前提、カロリーコントロールはダイエットには良いが 血糖値には関係ない、糖尿患者の多くが肥満なので ダイエットと血糖値が混同していると言い切っていました。
成分のほとんどが糖質の食べ物(白米、パン、シリアル等)は 避ける、脂肪やタンパク質を多く含む糖質食品は 吸収が遅いので計算しながら食べるようです。 パスタは油を使ったり、パンや甘いものは種類豊富な ローカーボ、シュガーフリーを使うことでした。 食後血糖値が高くなる人はこれらも避けて 野菜等に含まれる糖質程度に抑えるようです。
糖質コントロールをすれば適度のアルコールは 問題ないというのも先生と同じ指導でした。
アメリカ糖尿協会american diabetes association発行の ダイアベティックガイドとDiabetic livingという雑誌をいただき 定期購読をすすめられました。 www.diabeticlivingonline.com
とても親しみやすい雑誌でレシピや新発売のローカーボ食品、 普段の生活のまめ知識が載って見た目も趣味雑誌のよう。 レシピの欄も料理名と糖質量が目次になっていて 糖質コントロールが浸透していることがわかります。
日本で糖質コントロールが指導されていない件の皮肉ですが、 医療界が保守的なのか食品、製薬業界との絡みなのか わからないとかなり強い口調で批判していました。
白米が食事の中心になる日本と韓国は糖尿が多く 同じDNAでも食生活の欧米化した日系や韓系アメリカ人では相当高いと。保護区を離れアメリカに同化したエスキモーとインディアンに至っては 約半数が糖尿を発症するそうです。
アメリカでは早期から糖質コントロールすることで 糖尿患者にかかる医療費と薬代はかなり減ったそうですが、合併症の発生率と寿命の変化については 糖尿協会が長期的な調査をしているそうです。
以上すべてカリフォルニア州の一般的ホームドクターから 一回の診察で教えていただいた内容です。
大学病院糖尿病内科の5分診察でご飯を毎食150グラム食べるように 指導されている自分にとっては高雄病院分院を日本全国に建てていただきたい気分です(笑)。
私の父親も糖尿歴20年、医者に言われるまま カロリーを計算しながら白米を食べていました。自分が糖尿になって父に糖質コントロールを始めさせられたことが親孝行かもしれません。
これほど容易に血糖コントロールができる食事法が ネットや海外に縁がなく糖質制限を 知るすべがない糖尿人たちにも身近になる日が くるといいのですが。
長文コメントで失礼しました。
2009/08/08(Sat) 13:49 | URL | 糖尿東京人」
2009年08月07日 (金)
こんにちは。
今回は、米国の糖尿病食事療法について、糖尿東京人 さんからコメントいただきました。以前、うさぎさんからも、米国の妊娠糖尿病食事療法についてコメントいただきました。わずか2例の報告ですが、米国の糖尿病食事療法と糖質制限食に関して興味深く参考になると思いましたので記事にしました。
「アメリカでの診療
江部先生、こんにちは
糖尿発覚後初のアメリカ出張中です。
以前駐在していた頃のホームドクターに報告がてら 診察していただきました。
検査等の流れは同じですが、食事指導は 徹底した糖質制限でしたが少し気になったことが ありました。
1 糖質のうち急激に血糖値を上げるグループは食べない(high GI)
2 血糖値の上がり方がゆっくりなグループは量を 計算してたべる(low GI)
3 血糖値に影響のない食品については制限なし
糖質は身体に必要な栄養素なのに血糖値上昇と 天秤にかけて制限しているので、比較的影響の少ない糖質ならば ピーク血糖値150以下に抑える範囲で 積極的にとるよう言われました。
先住民とアジア系は糖尿の割合が多く 食事内容の変化なのか、量なのか不明だそうです。
日本の糖尿治療で糖質を制限しないことも 知られているそうで、医療先進国なのに 「政府がこれ以上平均寿命を延ばしたくないのでは」 と皮肉を言っていました。
いま通っている病院を本格的に変えたいほどの衝撃でした。
2009/08/04(Tue) 15:32 | URL | 糖尿東京人 」
糖尿東京人さん。貴重な情報ありがとうございます。
「糖尿発覚後初のアメリカ出張中です。
以前駐在していた頃のホームドクターに報告がてら 診察していただきました。
検査等の流れは同じですが、食事指導は 徹底した糖質制限でした 。」
うーむ、米国では、ごく普通のホームドクターが、ごく普通に糖尿病には糖質制限食指導なのですね。
2009.03.24の、米国出張中のうさぎさんのコメントでも、
「一番印象的なお話としては、妊娠糖尿病になった方が、直ちに炭水化物(糖質)を制限するように指導され、無事に元気な赤ちゃんを出産されてました。ごく一般的な病院で指導されたそうです。米国では妊婦さんでも腎臓などに問題が無ければ糖質制限食は安全という認識なのだと理解しました。 日・米で大きな差を感じた出張になりました。」
やはり、米国では日本に比べて、かなり医療現場で糖質制限食が普及しているようですね。
「1 糖質のうち急激に血糖値を上げるグループは食べない(high GI)
2 血糖値の上がり方がゆっくりなグループは量を 計算してたべる(low GI)
3 血糖値に影響のない食品については制限なし
糖質は身体に必要な栄養素なのに血糖値上昇と 天秤にかけて制限しているので、比較的影響の少ない糖質ならば ピーク血糖値150以下に抑える範囲で積極的にとるよう言われました。」
1 精製炭水化物や清涼飲料水などのhigh GI食品は、当然NGですね。
2 未精製穀物などlow GI食品は、ピーク150mg/dl以下に抑える範囲で、積極的に摂取・・・
これは日本人のようにインスリン分泌不足が主で糖尿病を発症している場合は、
血糖値150mg以下というのは、かなり少量摂取でないと達成できないですね。
白人の糖尿病はインスリン抵抗性が主で、インスリン分泌能力は残っているので
low GI食品ならあるていどの量の穀物摂取可能なのでしょうかね?
計算して食べるというのは糖質管理食の流れもあるのですね。
3 脂質やタンパク質は血糖値を上昇させないのでOKです。
「 糖質は身体に必要な栄養素なのに血糖値上昇と 天秤にかけて制限している 」
正確には、ブドウ糖しか利用できないのは、細胞内にミトコンドリアを持っていない、赤血球、網膜、角膜、水晶体だけです。脳を始めとしてそれ以外の細胞はミトコンドリアを持っているので、脂肪酸-ケトン体をいつでも利用できます。
「先住民とアジア系は糖尿の割合が多く 食事内容の変化なのか、量なのか不明だそうです。」
インスリン分泌能力そのものが、先住民やアジア人(モンゴロイド)は、欧米白人に比し低いと言われています。長年の精製炭水化物摂取でβ細胞を酷使するわけですが、疲弊して分泌能力が落ちるのが、モンゴロイドは白人に比べて早いということになります。
「日本の糖尿治療で糖質を制限しないことも 知られているそうで、医療先進国なのに 『政府がこれ以上平均寿命を延ばしたくないのでは』 と皮肉を言っていました。」
皮肉まで言うほどですから、私たちが日本で知り得る情報以上に、米国医療現場では糖質制限食が浸透しているのでしょうか?
米国ホームドクター、当然、日本糖尿病学会が糖尿病治療に糖質制限食を無視し、糖質管理食でさえもガイドラインでふれていないことを変と思っておられるのですね。
日本糖尿病学会の食事療法ガイドラインに糖質制限食が載るのはいつの日のことでしょうね?
江部康二
今回は、米国の糖尿病食事療法について、糖尿東京人 さんからコメントいただきました。以前、うさぎさんからも、米国の妊娠糖尿病食事療法についてコメントいただきました。わずか2例の報告ですが、米国の糖尿病食事療法と糖質制限食に関して興味深く参考になると思いましたので記事にしました。
「アメリカでの診療
江部先生、こんにちは
糖尿発覚後初のアメリカ出張中です。
以前駐在していた頃のホームドクターに報告がてら 診察していただきました。
検査等の流れは同じですが、食事指導は 徹底した糖質制限でしたが少し気になったことが ありました。
1 糖質のうち急激に血糖値を上げるグループは食べない(high GI)
2 血糖値の上がり方がゆっくりなグループは量を 計算してたべる(low GI)
3 血糖値に影響のない食品については制限なし
糖質は身体に必要な栄養素なのに血糖値上昇と 天秤にかけて制限しているので、比較的影響の少ない糖質ならば ピーク血糖値150以下に抑える範囲で 積極的にとるよう言われました。
先住民とアジア系は糖尿の割合が多く 食事内容の変化なのか、量なのか不明だそうです。
日本の糖尿治療で糖質を制限しないことも 知られているそうで、医療先進国なのに 「政府がこれ以上平均寿命を延ばしたくないのでは」 と皮肉を言っていました。
いま通っている病院を本格的に変えたいほどの衝撃でした。
2009/08/04(Tue) 15:32 | URL | 糖尿東京人 」
糖尿東京人さん。貴重な情報ありがとうございます。
「糖尿発覚後初のアメリカ出張中です。
以前駐在していた頃のホームドクターに報告がてら 診察していただきました。
検査等の流れは同じですが、食事指導は 徹底した糖質制限でした 。」
うーむ、米国では、ごく普通のホームドクターが、ごく普通に糖尿病には糖質制限食指導なのですね。
2009.03.24の、米国出張中のうさぎさんのコメントでも、
「一番印象的なお話としては、妊娠糖尿病になった方が、直ちに炭水化物(糖質)を制限するように指導され、無事に元気な赤ちゃんを出産されてました。ごく一般的な病院で指導されたそうです。米国では妊婦さんでも腎臓などに問題が無ければ糖質制限食は安全という認識なのだと理解しました。 日・米で大きな差を感じた出張になりました。」
やはり、米国では日本に比べて、かなり医療現場で糖質制限食が普及しているようですね。
「1 糖質のうち急激に血糖値を上げるグループは食べない(high GI)
2 血糖値の上がり方がゆっくりなグループは量を 計算してたべる(low GI)
3 血糖値に影響のない食品については制限なし
糖質は身体に必要な栄養素なのに血糖値上昇と 天秤にかけて制限しているので、比較的影響の少ない糖質ならば ピーク血糖値150以下に抑える範囲で積極的にとるよう言われました。」
1 精製炭水化物や清涼飲料水などのhigh GI食品は、当然NGですね。
2 未精製穀物などlow GI食品は、ピーク150mg/dl以下に抑える範囲で、積極的に摂取・・・
これは日本人のようにインスリン分泌不足が主で糖尿病を発症している場合は、
血糖値150mg以下というのは、かなり少量摂取でないと達成できないですね。
白人の糖尿病はインスリン抵抗性が主で、インスリン分泌能力は残っているので
low GI食品ならあるていどの量の穀物摂取可能なのでしょうかね?
計算して食べるというのは糖質管理食の流れもあるのですね。
3 脂質やタンパク質は血糖値を上昇させないのでOKです。
「 糖質は身体に必要な栄養素なのに血糖値上昇と 天秤にかけて制限している 」
正確には、ブドウ糖しか利用できないのは、細胞内にミトコンドリアを持っていない、赤血球、網膜、角膜、水晶体だけです。脳を始めとしてそれ以外の細胞はミトコンドリアを持っているので、脂肪酸-ケトン体をいつでも利用できます。
「先住民とアジア系は糖尿の割合が多く 食事内容の変化なのか、量なのか不明だそうです。」
インスリン分泌能力そのものが、先住民やアジア人(モンゴロイド)は、欧米白人に比し低いと言われています。長年の精製炭水化物摂取でβ細胞を酷使するわけですが、疲弊して分泌能力が落ちるのが、モンゴロイドは白人に比べて早いということになります。
「日本の糖尿治療で糖質を制限しないことも 知られているそうで、医療先進国なのに 『政府がこれ以上平均寿命を延ばしたくないのでは』 と皮肉を言っていました。」
皮肉まで言うほどですから、私たちが日本で知り得る情報以上に、米国医療現場では糖質制限食が浸透しているのでしょうか?
米国ホームドクター、当然、日本糖尿病学会が糖尿病治療に糖質制限食を無視し、糖質管理食でさえもガイドラインでふれていないことを変と思っておられるのですね。
日本糖尿病学会の食事療法ガイドラインに糖質制限食が載るのはいつの日のことでしょうね?
江部康二
2009年08月06日 (木)
坂井 徳榮 さん。
既に回答してありますので
申し訳ありませんが
コメント欄をご覧下さい。
江部康二
既に回答してありますので
申し訳ありませんが
コメント欄をご覧下さい。
江部康二
2009年08月06日 (木)
こんばんは。
インスリンシリーズその3です。
インスリンには、24時間少量持続して出ている基礎分泌のインスリンと、食後血糖値が上昇したときに、その10~20倍の量がでる、追加分泌のインスリンがあります。
人類の歴史を歴史を振り返ってみると、追加分泌のインスリンの必要性は、くっきり3段階に分かれる、興味深い変化をたどっています。
<農耕の始まる前>
人類の歴史が400万年として、農耕が始まる前の399万年間は、食生活の中心は狩猟や採取であり穀物はないのですから、人類皆糖質制限食です。
血糖値を切り口に考えてみると、鮮明に変化が見えてきます。農耕が始まる前の人類の食生活なら、血糖値の上下動がほとんどありません。
例えば空腹時血糖値が100mg/dl程度と仮定して、食後の血糖値はせいぜい110~120mg/dlくらいで、血糖値上昇の幅は10~20mgていどの少なさです。これならインスリンの追加分泌はごく少量ですみます。勿論、基礎分泌のインスリンは絶対に必要です。
この頃は、実りの秋に果物やナッツなどを食べると血糖値がある程度上昇するので、初めて追加分泌インスリンの本格的出番がありました。
秋に追加分泌インスリンで果物やナッツから得た血糖を中性脂肪にかえて体内に蓄えて、来るべき冬の飢餓に備えたと考えられます。
<農耕の始まりと血糖値の変化とインスリン>
農耕が定着し、小麦や米のデンプン(糖質)を摂取するようになると、血糖値が急峻に上昇します。
糖質・脂質・タンパク質の三大栄養素の中で血糖値を急峻に上昇させるのは糖質だけです。
穀物(糖質)を摂取すれば、未精製のものでも空腹時血糖値が100mgとして、食後血糖値は140mgていどまで上昇し、インスリンが大量に追加分泌されます。血糖値上昇の幅は40mgもあり、狩猟・採集民だったころに比べると2倍に達しています。
こうなると1回のインスリンの追加分泌は、正常人では基礎分泌レベルの数倍~10倍以上の量となります。
農耕以後の4000年間は、人類の膵臓のβ細胞は、それ以前に比べて毎日数倍~10倍以上働き続けなくてはならず、まるで原罪を背負ったようなものなのです。
<精製炭水化物以後の血糖値とインスリン>
さらに18世紀に欧米で、小麦の精製技術が発明されます。白いパンの登場です。日本では、江戸中期には白米の習慣が定着していきます。すなわち、ここ200年~300年間、世界で精製された炭水化物が摂取されるようになりました。
現代では、世界中の多くの国で、主食は白いパンか白米などの精製された穀物です。精製された炭水化物は、未精製のものに比して、さらに急峻に血糖値を上昇させます。
これらを食べると、空腹時血糖値が100mgとして、食後血糖値は160~170mgまで上昇します。血糖値上昇の幅は60~70mgで、狩猟・採集生活のころに比べると3倍に達しています。
これほど急激に血糖値を上昇させる食品は、400万年の人類史上、類をみないものです。追加分泌のインスリンは、未精製穀物摂取時に比し、さらに大量に分泌せざるを得ません。
インスリンを大量に分泌し続けて40~50年、膵臓が疲弊すれば分泌能力はは低下し糖尿病になります。インスリン分泌能力が高い人は、さらに出し続けて肥満・メタボリックシンドロームになります。
<追加分泌インスリンの必要性とβ細胞の酷使>
このように、人類の歴史をたどってみると、病態の構造がはっきり見えてみます。399万年間ほとんど必要のなかった追加分泌インスリンが農耕後は数倍から10倍レベル必要となりました。
精製炭水化物以後は、更に大量の追加分泌インスリンが必要となり、膵臓のβ細胞は日常的に酷使されるようになりました。運動不足はそれに拍車をかけます。現代はまさに膵臓受難の時代と言えます。糖尿病が世界中で激増しているのも、宜なるかなですね。
江部康二
インスリンシリーズその3です。
インスリンには、24時間少量持続して出ている基礎分泌のインスリンと、食後血糖値が上昇したときに、その10~20倍の量がでる、追加分泌のインスリンがあります。
人類の歴史を歴史を振り返ってみると、追加分泌のインスリンの必要性は、くっきり3段階に分かれる、興味深い変化をたどっています。
<農耕の始まる前>
人類の歴史が400万年として、農耕が始まる前の399万年間は、食生活の中心は狩猟や採取であり穀物はないのですから、人類皆糖質制限食です。
血糖値を切り口に考えてみると、鮮明に変化が見えてきます。農耕が始まる前の人類の食生活なら、血糖値の上下動がほとんどありません。
例えば空腹時血糖値が100mg/dl程度と仮定して、食後の血糖値はせいぜい110~120mg/dlくらいで、血糖値上昇の幅は10~20mgていどの少なさです。これならインスリンの追加分泌はごく少量ですみます。勿論、基礎分泌のインスリンは絶対に必要です。
この頃は、実りの秋に果物やナッツなどを食べると血糖値がある程度上昇するので、初めて追加分泌インスリンの本格的出番がありました。
秋に追加分泌インスリンで果物やナッツから得た血糖を中性脂肪にかえて体内に蓄えて、来るべき冬の飢餓に備えたと考えられます。
<農耕の始まりと血糖値の変化とインスリン>
農耕が定着し、小麦や米のデンプン(糖質)を摂取するようになると、血糖値が急峻に上昇します。
糖質・脂質・タンパク質の三大栄養素の中で血糖値を急峻に上昇させるのは糖質だけです。
穀物(糖質)を摂取すれば、未精製のものでも空腹時血糖値が100mgとして、食後血糖値は140mgていどまで上昇し、インスリンが大量に追加分泌されます。血糖値上昇の幅は40mgもあり、狩猟・採集民だったころに比べると2倍に達しています。
こうなると1回のインスリンの追加分泌は、正常人では基礎分泌レベルの数倍~10倍以上の量となります。
農耕以後の4000年間は、人類の膵臓のβ細胞は、それ以前に比べて毎日数倍~10倍以上働き続けなくてはならず、まるで原罪を背負ったようなものなのです。
<精製炭水化物以後の血糖値とインスリン>
さらに18世紀に欧米で、小麦の精製技術が発明されます。白いパンの登場です。日本では、江戸中期には白米の習慣が定着していきます。すなわち、ここ200年~300年間、世界で精製された炭水化物が摂取されるようになりました。
現代では、世界中の多くの国で、主食は白いパンか白米などの精製された穀物です。精製された炭水化物は、未精製のものに比して、さらに急峻に血糖値を上昇させます。
これらを食べると、空腹時血糖値が100mgとして、食後血糖値は160~170mgまで上昇します。血糖値上昇の幅は60~70mgで、狩猟・採集生活のころに比べると3倍に達しています。
これほど急激に血糖値を上昇させる食品は、400万年の人類史上、類をみないものです。追加分泌のインスリンは、未精製穀物摂取時に比し、さらに大量に分泌せざるを得ません。
インスリンを大量に分泌し続けて40~50年、膵臓が疲弊すれば分泌能力はは低下し糖尿病になります。インスリン分泌能力が高い人は、さらに出し続けて肥満・メタボリックシンドロームになります。
<追加分泌インスリンの必要性とβ細胞の酷使>
このように、人類の歴史をたどってみると、病態の構造がはっきり見えてみます。399万年間ほとんど必要のなかった追加分泌インスリンが農耕後は数倍から10倍レベル必要となりました。
精製炭水化物以後は、更に大量の追加分泌インスリンが必要となり、膵臓のβ細胞は日常的に酷使されるようになりました。運動不足はそれに拍車をかけます。現代はまさに膵臓受難の時代と言えます。糖尿病が世界中で激増しているのも、宜なるかなですね。
江部康二
2009年08月05日 (水)
こんにちは。
今回は、おりおのび~るさんから、嬉しいコメントをいただきました。
「江部先生、はじめまして。『おりおのび~る』と申します。
先月の20日頃、仕事帰りに単車でコケ、骨折による入院を余儀無くされたのですが、その際血液検査で空腹時血糖値が180と診断され、その後『ブドウ糖経口検査?』にて見事に『2型糖尿病』の診断をされてしまいました。(;^_^A
ただ元々、根が前向きな性格のネアカ馬鹿ですので、素早く携帯で糖尿病について調べているうちに、江部先生の書籍とblogに出会う事が出来ました。
書籍はまだ未見ですが必ず購入し、勉強させて頂きます。
…現在、入院食も結構な量の炭水化物を食べさせてくれるので、空腹時血糖値が中々140を切らなかったのですが、独断で朝食のパンとジャムを隠し、牛乳を半分残すと、あ~ら不思議一日とたたずして114まで血糖値が下がりました。(^-^)b
担当医は外科医なのですが、「もうしばらく様子見て血糖値が下がらんのであれば、インシュリン注射やな?」と、言われていたのでまさに危機一髪でした。(o^-’)b
なんとか退院後は経口薬にも頼る事無く「糖質制限食」で2型を克服したいと思っておりますので今後ともblogでのご指導ご鞭撻よろしくお願い致します。
まだまだ暑い日々が続きます。お身体御自愛下さい。
2009/08/04(Tue) 21:13 | URL | おりおのび~る」
おりおのび~る さん。
血糖値下がって良かったですね。 今の段階なら間違いなく 糖質制限食だけで薬なしで、 血糖コントロール可能と思いますよ。
江部康二
「江部先生おはようございます。『おりおのび~る』です。
昨晩は御丁寧にお返事頂き、有難うございました。m(__)m
早速、今朝の空腹時血糖値の報告をさせて頂きたいと思いコメントさせてもらってます。今朝の空腹時血糖値は…な、なんと98!
退院後は薬に頼らず、このような数値を維持したいと考えています。来週あたり先生の本が手に入るので(宮本輝さんのファンでもあるので対談集も含め)今から楽しみです。(^-^)b
あと、2点程質問なのですが、『糖質制限食』は腎臓に負担がかかると聞き及んでいるのですが、腎臓機能の善し悪しはどこでチェックすれば良いのでしょうか?また医師によっては『糖質制限食』に反対される立場の方もいるようなので、出来れば賛同して下さる医師に健診を受けたいと思っております。ちなみに私は大阪市内在住です。男性で39歳、身長175cm、体重が骨折入院後97kg→85kgに減りました。(o^-’)b
あと1日60本吸っていた煙草や飲み放題だったペットボトルジュースも完全に止めたのですが、血糖値が安定後月一回、葉巻一本と黒糖アイスミルクコーヒー一杯を楽しめればと考えているのですが、いかがなものでしょうか?また参考迄にご意見お聞かせ頂ければ幸いです。
2009/08/05(Wed) 08:49 | URL | おりおのび~る 」
おりおのび~るさん。
空腹時血糖値98mg/dlとはすごい数値です。よかったですね。体重減少も素晴らしいです。 (^_^)
宮本輝先生との対談本
「我ら糖尿人、元気なのには理由がある」 現代病を治す糖質制限食 東洋経済新報社
著者 宮本輝 江部康二
8月10日、全国書店で販売なので乞うご期待です。アマゾンの予約もできますよ。
「『糖質制限食』は腎臓に負担がかかると聞き及んでいるのですが、腎臓機能の善し悪しはどこでチェックすれば良いのでしょうか?」
糖質制限食で、正常な腎機能が悪化することはありません。一方、すでに腎機能障害がある人が、糖質制限食を実践すると、相対的に高タンパク食となるのでよくないということです。腎機能障害のチェックは、血清クレアチニン値や血清シスタチンC値で行います。
「医師によっては『糖質制限食』に反対される立場の方もいるようなので、出来れば賛同して下さる医師に健診を受けたいと思っております。ちなみに私は大阪市内在住です。」
高雄病院京都駅前診療所
電話:075-352-5050
京都市下京区七条通り烏丸東入ル(50M)北側 ネオフィス 七条烏丸4F
http://www.takao-hospital.net/
蛭間医院 蛭間正人先生
大阪市住之江区安立4-1-12
電話:06-6673-3031
などでご相談いただけば幸いです。
「血糖値が安定後月一回、葉巻一本と黒糖アイスミルクコーヒー一杯を楽しめればと考えているのですが、いかがなものでしょうか?」
美味しく楽しく糖質制限食ですからこれぐらいは許容範囲ですよ。(⌒o⌒)v
江部康二
今回は、おりおのび~るさんから、嬉しいコメントをいただきました。
「江部先生、はじめまして。『おりおのび~る』と申します。
先月の20日頃、仕事帰りに単車でコケ、骨折による入院を余儀無くされたのですが、その際血液検査で空腹時血糖値が180と診断され、その後『ブドウ糖経口検査?』にて見事に『2型糖尿病』の診断をされてしまいました。(;^_^A
ただ元々、根が前向きな性格のネアカ馬鹿ですので、素早く携帯で糖尿病について調べているうちに、江部先生の書籍とblogに出会う事が出来ました。
書籍はまだ未見ですが必ず購入し、勉強させて頂きます。
…現在、入院食も結構な量の炭水化物を食べさせてくれるので、空腹時血糖値が中々140を切らなかったのですが、独断で朝食のパンとジャムを隠し、牛乳を半分残すと、あ~ら不思議一日とたたずして114まで血糖値が下がりました。(^-^)b
担当医は外科医なのですが、「もうしばらく様子見て血糖値が下がらんのであれば、インシュリン注射やな?」と、言われていたのでまさに危機一髪でした。(o^-’)b
なんとか退院後は経口薬にも頼る事無く「糖質制限食」で2型を克服したいと思っておりますので今後ともblogでのご指導ご鞭撻よろしくお願い致します。
まだまだ暑い日々が続きます。お身体御自愛下さい。
2009/08/04(Tue) 21:13 | URL | おりおのび~る」
おりおのび~る さん。
血糖値下がって良かったですね。 今の段階なら間違いなく 糖質制限食だけで薬なしで、 血糖コントロール可能と思いますよ。
江部康二
「江部先生おはようございます。『おりおのび~る』です。
昨晩は御丁寧にお返事頂き、有難うございました。m(__)m
早速、今朝の空腹時血糖値の報告をさせて頂きたいと思いコメントさせてもらってます。今朝の空腹時血糖値は…な、なんと98!
退院後は薬に頼らず、このような数値を維持したいと考えています。来週あたり先生の本が手に入るので(宮本輝さんのファンでもあるので対談集も含め)今から楽しみです。(^-^)b
あと、2点程質問なのですが、『糖質制限食』は腎臓に負担がかかると聞き及んでいるのですが、腎臓機能の善し悪しはどこでチェックすれば良いのでしょうか?また医師によっては『糖質制限食』に反対される立場の方もいるようなので、出来れば賛同して下さる医師に健診を受けたいと思っております。ちなみに私は大阪市内在住です。男性で39歳、身長175cm、体重が骨折入院後97kg→85kgに減りました。(o^-’)b
あと1日60本吸っていた煙草や飲み放題だったペットボトルジュースも完全に止めたのですが、血糖値が安定後月一回、葉巻一本と黒糖アイスミルクコーヒー一杯を楽しめればと考えているのですが、いかがなものでしょうか?また参考迄にご意見お聞かせ頂ければ幸いです。
2009/08/05(Wed) 08:49 | URL | おりおのび~る 」
おりおのび~るさん。
空腹時血糖値98mg/dlとはすごい数値です。よかったですね。体重減少も素晴らしいです。 (^_^)
宮本輝先生との対談本
「我ら糖尿人、元気なのには理由がある」 現代病を治す糖質制限食 東洋経済新報社
著者 宮本輝 江部康二
8月10日、全国書店で販売なので乞うご期待です。アマゾンの予約もできますよ。
「『糖質制限食』は腎臓に負担がかかると聞き及んでいるのですが、腎臓機能の善し悪しはどこでチェックすれば良いのでしょうか?」
糖質制限食で、正常な腎機能が悪化することはありません。一方、すでに腎機能障害がある人が、糖質制限食を実践すると、相対的に高タンパク食となるのでよくないということです。腎機能障害のチェックは、血清クレアチニン値や血清シスタチンC値で行います。
「医師によっては『糖質制限食』に反対される立場の方もいるようなので、出来れば賛同して下さる医師に健診を受けたいと思っております。ちなみに私は大阪市内在住です。」
高雄病院京都駅前診療所
電話:075-352-5050
京都市下京区七条通り烏丸東入ル(50M)北側 ネオフィス 七条烏丸4F
http://www.takao-hospital.net/
蛭間医院 蛭間正人先生
大阪市住之江区安立4-1-12
電話:06-6673-3031
などでご相談いただけば幸いです。
「血糖値が安定後月一回、葉巻一本と黒糖アイスミルクコーヒー一杯を楽しめればと考えているのですが、いかがなものでしょうか?」
美味しく楽しく糖質制限食ですからこれぐらいは許容範囲ですよ。(⌒o⌒)v
江部康二
2009年08月05日 (水)
おはようございます。
今日で3日間、快晴に近いお天気です。
庭の蝉も出番到来とうるさいくらい鳴いてます。我が家の庭には何種類くらいの蝉がいるのでしょうかね?クマゼミ、アブラゼミ、ニイニイゼミくらいは確認したのですが・・・。
実は高校時代は生物班に所属してました。山に羊歯(しだ)を取りに行ったりとか・・・。
でも植物の名前も昆虫の名前もすっかり忘れてしまいましたね。
さて今回は、糖尿病発症とインスリン分泌能の関係を考えてみます。
2型糖尿病患者の非糖尿病の近親者を調べたら、追加分泌インスリンの第1相が欠如している人が時々いるようです。
つまり、先天的に膵臓のベータ細胞の機能がよろしくない一群の人達がいて、当然、将来糖尿病になりやすいというパターンが一つ存在するわけです。
順天堂大学の河盛隆造教授によれば、2型糖尿病患者の子供や孫など、若い人に経口ブドウ糖負荷試験を行うと、血糖値は正常を保っているが、30分インスリン値も2時間インスリン値も低い例が高率に見られたそうです。
このデータだと、遺伝的に追加分泌の第1相も第2相も不足気味の一群がいるといえます。これらの素因のある方々が長年精製炭水化物を摂取していると、もともと不足気味の追加分泌インスリンが、β細胞の疲弊によりさらに不足して、40代・50代で糖尿病発症ということになります。もともとの日本人に、一番多い糖尿病発症パターンでしょうか。
インスリン分泌指数( insulinogenic index):II
という検査があります。
75gブドウ糖負荷試験における追加分泌能第1相の指標です。
II=<30分インスリン値-空腹時インスリン値>÷<30分血糖値-空腹時血糖値>
0.4以上あれば正常です。
0.4未満の場合、現在正常や境界型でも将来糖尿病になりやすいとされています。
一方で、2型糖尿病患者の非糖尿病の近親者を調べたら、インスリン抵抗性*が認められても、インスリン追加分泌の第1相反応は保たれている場合もあります。
例えば、経口ブドウ糖負荷試験で、血糖値が軽度上昇していて、30分インスリン値が高い例が近年増えているようです。(河盛教授)
これは、インスリン抵抗性が高まったため、インスリンが過剰に分泌されているパターンであり、脂肪肝や内臓脂肪肥満を伴っていることが多いようです。こちらは、インスリン分泌能力は保たれていますね。
このように、インスリン分泌低下とインスリン抵抗性(合わせてインスリンの作用不足)で糖尿病を発症しますが、日本人には分泌低下が主の糖尿人が多く、欧米人には抵抗性が主の糖尿人が多いとされています。
しかし、上述の如く、日本でもインスリン抵抗性が主の糖尿病が、少し増えてきているようです。
糖尿病を発症し、一旦、高血糖になってしまうと、高血糖そのものがベータ細胞にダメージを与えてインスリン分泌低下になり、また高血糖そのものがインスリン抵抗性を高めてしまいます。
<高血糖→インスリン分泌抑制とインスリン抵抗性増大→高血糖>
この悪循環パターンを、臨床的には「糖毒」 と呼びます。
なぜ、高血糖自体がインスリン分泌を低下させるのか、インスリン抵抗性を増大させるのか、最先端の研究で調べられてはいるのですが、はっきり言ってまだよくわからないのが現状です。
糖質制限食を実践することで食後高血糖を防ぐことができるので、糖毒の悪循環を断ち切ることが可能です。
江部康二
参考文献
「今日の血糖コントロールの考え方」
順天堂大学内科学 教授 河盛隆造 日本醫事新報 No.4193(2004年9月4日)
*インスリン抵抗性
細胞レベルでインスリンの効きが悪くなることをいいます。
インスリン抵抗性は、HOMA-R指数が参考となります。空腹時の血糖値とインスリン濃度から、以下の計算式によって求めます。
<HOMA-R=空腹時血糖値×空腹時インスリン濃度÷405>
インスリン分泌が比較的よく保たれている、軽症の糖尿病患者さんのインスリン抵抗性を把握する方法として、よく利用されています。
この数値が大きいほど、インスリン抵抗性が強いと考えられます。1.6以下が正常で、2.5以上は抵抗性があると考えられます。
しかし、空腹時血糖値140mg以下の場合はいいのですが、140mgを超える場合はやや信頼性が劣ります。
今日で3日間、快晴に近いお天気です。
庭の蝉も出番到来とうるさいくらい鳴いてます。我が家の庭には何種類くらいの蝉がいるのでしょうかね?クマゼミ、アブラゼミ、ニイニイゼミくらいは確認したのですが・・・。
実は高校時代は生物班に所属してました。山に羊歯(しだ)を取りに行ったりとか・・・。
でも植物の名前も昆虫の名前もすっかり忘れてしまいましたね。
さて今回は、糖尿病発症とインスリン分泌能の関係を考えてみます。
2型糖尿病患者の非糖尿病の近親者を調べたら、追加分泌インスリンの第1相が欠如している人が時々いるようです。
つまり、先天的に膵臓のベータ細胞の機能がよろしくない一群の人達がいて、当然、将来糖尿病になりやすいというパターンが一つ存在するわけです。
順天堂大学の河盛隆造教授によれば、2型糖尿病患者の子供や孫など、若い人に経口ブドウ糖負荷試験を行うと、血糖値は正常を保っているが、30分インスリン値も2時間インスリン値も低い例が高率に見られたそうです。
このデータだと、遺伝的に追加分泌の第1相も第2相も不足気味の一群がいるといえます。これらの素因のある方々が長年精製炭水化物を摂取していると、もともと不足気味の追加分泌インスリンが、β細胞の疲弊によりさらに不足して、40代・50代で糖尿病発症ということになります。もともとの日本人に、一番多い糖尿病発症パターンでしょうか。
インスリン分泌指数( insulinogenic index):II
という検査があります。
75gブドウ糖負荷試験における追加分泌能第1相の指標です。
II=<30分インスリン値-空腹時インスリン値>÷<30分血糖値-空腹時血糖値>
0.4以上あれば正常です。
0.4未満の場合、現在正常や境界型でも将来糖尿病になりやすいとされています。
一方で、2型糖尿病患者の非糖尿病の近親者を調べたら、インスリン抵抗性*が認められても、インスリン追加分泌の第1相反応は保たれている場合もあります。
例えば、経口ブドウ糖負荷試験で、血糖値が軽度上昇していて、30分インスリン値が高い例が近年増えているようです。(河盛教授)
これは、インスリン抵抗性が高まったため、インスリンが過剰に分泌されているパターンであり、脂肪肝や内臓脂肪肥満を伴っていることが多いようです。こちらは、インスリン分泌能力は保たれていますね。
このように、インスリン分泌低下とインスリン抵抗性(合わせてインスリンの作用不足)で糖尿病を発症しますが、日本人には分泌低下が主の糖尿人が多く、欧米人には抵抗性が主の糖尿人が多いとされています。
しかし、上述の如く、日本でもインスリン抵抗性が主の糖尿病が、少し増えてきているようです。
糖尿病を発症し、一旦、高血糖になってしまうと、高血糖そのものがベータ細胞にダメージを与えてインスリン分泌低下になり、また高血糖そのものがインスリン抵抗性を高めてしまいます。
<高血糖→インスリン分泌抑制とインスリン抵抗性増大→高血糖>
この悪循環パターンを、臨床的には「糖毒」 と呼びます。
なぜ、高血糖自体がインスリン分泌を低下させるのか、インスリン抵抗性を増大させるのか、最先端の研究で調べられてはいるのですが、はっきり言ってまだよくわからないのが現状です。
糖質制限食を実践することで食後高血糖を防ぐことができるので、糖毒の悪循環を断ち切ることが可能です。
江部康二
参考文献
「今日の血糖コントロールの考え方」
順天堂大学内科学 教授 河盛隆造 日本醫事新報 No.4193(2004年9月4日)
*インスリン抵抗性
細胞レベルでインスリンの効きが悪くなることをいいます。
インスリン抵抗性は、HOMA-R指数が参考となります。空腹時の血糖値とインスリン濃度から、以下の計算式によって求めます。
<HOMA-R=空腹時血糖値×空腹時インスリン濃度÷405>
インスリン分泌が比較的よく保たれている、軽症の糖尿病患者さんのインスリン抵抗性を把握する方法として、よく利用されています。
この数値が大きいほど、インスリン抵抗性が強いと考えられます。1.6以下が正常で、2.5以上は抵抗性があると考えられます。
しかし、空腹時血糖値140mg以下の場合はいいのですが、140mgを超える場合はやや信頼性が劣ります。
2009年08月04日 (火)
おはようございます。
昨日、今日と、とてもよいお天気で、蝉が絶好調で鳴いています。8月3日、近畿もやっと梅雨明けだそうで、いよいよ本格的夏到来ですね。
さて今回は、インスリンのお話しです。
インスリンは人体で唯一血糖値を下げるホルモンで、膵臓のランゲルハンス島のβ細胞でつくられ分泌されます。
24時間少量持続的にでている基礎分泌のインスリンと、食後血糖値が上昇したときにその10~20倍の量が出る追加分泌のインスリンがあります。
基礎分泌のインスリンの量では、筋肉・脂肪細胞などの糖輸送体*Glut4は、細胞内部に沈んでいるのでほとんど血糖を取り込むことができません。
糖質を摂取し血糖値が急上昇しインスリンが大量に追加分泌されると、Glut4が細胞表面に移動し、筋肉・脂肪細胞が血糖を取り込みます。
このとき余った血糖が中性脂肪に変わるので、インスリンは別名肥満ホルモンと呼ばれています。
追加分泌のインスリンには、即分泌される第1相と少し遅れて出る第2相があります。正常人は、血糖値が上昇し始めたら即インスリンが追加分泌されます。
この第1相反応は、もともとプールされていたインスリンが5~10分間分泌されて、糖質摂取時の急激な食後高血糖を防いでいます。
その後、膵臓のベータ細胞は、第2相反応と呼ばれるやや少なめの持続するインスリン分泌を行います。
これは、食事における糖質の残りをカバーしています。即ち、糖質を摂取している間は、第2相のインスリン分泌が持続します。
2型糖尿病患者は、通常、第1相反応が低下或いはなくなっていることが多いようです。従って、糖質摂取時に血糖値の急激な上昇(グルコーススパイク)が起きてしまいます。
また、第二相も低下していることが多いので、糖質を摂取する限り、一旦上昇した血糖値はなかなか下がってきません。
糖質制限食ならば、食後高血糖はほとんど生じません。従って、追加分泌インスリンは、ごく少量ですみます。
(*)
糖輸送体(Glut:glucose transporter)
ブドウ糖が細胞膜を通過して細胞内に取り込まれるためには、グルコーストランスポーター(糖輸送体)と呼ばれる膜蛋白が必要です。
Glut1~Glut12と HMITが報告されています。
Glut1(脳、赤血球、網膜などの糖輸送体)はインスリン非依存性で、常に細胞の表面にあり、
血流さえあればすぐに血糖を取り込めます。
Glut2(肝臓、膵臓のβ細胞などの糖輸送体)はインスリン非依存性です。
Glut4(筋肉細胞、脂肪細胞の糖輸送体)はインスリン依存性です。
江部康二
昨日、今日と、とてもよいお天気で、蝉が絶好調で鳴いています。8月3日、近畿もやっと梅雨明けだそうで、いよいよ本格的夏到来ですね。
さて今回は、インスリンのお話しです。
インスリンは人体で唯一血糖値を下げるホルモンで、膵臓のランゲルハンス島のβ細胞でつくられ分泌されます。
24時間少量持続的にでている基礎分泌のインスリンと、食後血糖値が上昇したときにその10~20倍の量が出る追加分泌のインスリンがあります。
基礎分泌のインスリンの量では、筋肉・脂肪細胞などの糖輸送体*Glut4は、細胞内部に沈んでいるのでほとんど血糖を取り込むことができません。
糖質を摂取し血糖値が急上昇しインスリンが大量に追加分泌されると、Glut4が細胞表面に移動し、筋肉・脂肪細胞が血糖を取り込みます。
このとき余った血糖が中性脂肪に変わるので、インスリンは別名肥満ホルモンと呼ばれています。
追加分泌のインスリンには、即分泌される第1相と少し遅れて出る第2相があります。正常人は、血糖値が上昇し始めたら即インスリンが追加分泌されます。
この第1相反応は、もともとプールされていたインスリンが5~10分間分泌されて、糖質摂取時の急激な食後高血糖を防いでいます。
その後、膵臓のベータ細胞は、第2相反応と呼ばれるやや少なめの持続するインスリン分泌を行います。
これは、食事における糖質の残りをカバーしています。即ち、糖質を摂取している間は、第2相のインスリン分泌が持続します。
2型糖尿病患者は、通常、第1相反応が低下或いはなくなっていることが多いようです。従って、糖質摂取時に血糖値の急激な上昇(グルコーススパイク)が起きてしまいます。
また、第二相も低下していることが多いので、糖質を摂取する限り、一旦上昇した血糖値はなかなか下がってきません。
糖質制限食ならば、食後高血糖はほとんど生じません。従って、追加分泌インスリンは、ごく少量ですみます。
(*)
糖輸送体(Glut:glucose transporter)
ブドウ糖が細胞膜を通過して細胞内に取り込まれるためには、グルコーストランスポーター(糖輸送体)と呼ばれる膜蛋白が必要です。
Glut1~Glut12と HMITが報告されています。
Glut1(脳、赤血球、網膜などの糖輸送体)はインスリン非依存性で、常に細胞の表面にあり、
血流さえあればすぐに血糖を取り込めます。
Glut2(肝臓、膵臓のβ細胞などの糖輸送体)はインスリン非依存性です。
Glut4(筋肉細胞、脂肪細胞の糖輸送体)はインスリン依存性です。
江部康二
2009年08月03日 (月)
こんばんは。
今回は、1型のイトーさんから、正常人が糖質を摂取したときの血糖値上昇についてコメント・質問をいただきました。
「一般人の血糖値上昇について
1型糖尿病のイトーです。
この前はケトンについての質問に答えていただき有り難うございました。
毎度毎度質問で申し訳ないのですが今回も質問させてください。
上記の記事を読んでいて疑問に思ったのですが、 糖尿病では無く、境界型で無い人でも、 血糖値が200以上になることはあるのでしょうか?
以前、糖尿病では無い人は、どんなに食べても血糖値は180にすらならない というようなことが書いてあったものを読んだ記憶があります。 (本当に曖昧な記憶なので、私の記憶違いかもしれません)
正常型の人でもジュースを大量に飲んだりすれば 一時的にでも200ぐらいに血糖値が上がることはあるのでしょうか? 普通の食事を採った時のデータならよく見るのですが。
私は正常型と同じ血糖値変動にしようと思い、 速攻型インスリンを増やして食後30分の血糖値を100にしてみましたが 食後1時間後は見事に低血糖になってしまいました。
インスリン1単位の微妙な加減が難しいです。」
イトーさん、解答が遅くなってすみません。
正常人では、何を食べても200mgを超えることはありません。随時血糖値が200mgを超えればそれだけで糖尿病型です。随時血糖で糖尿病型が2回あれば、診断基準的に糖尿病です。
また75gブドウ糖負荷試験で、1時間値が190mg、2時間値は138mgの方は、診断基準的には正常型ですが、将来糖尿病になりやすいです。
つまり、75gブドウ糖負荷試験で1時間値が180mg/dl以上の方は、将来糖尿病になりやすいことが確認されています。
言い換えれば、正常型でも健康度の高い方は、75gブドウ糖負荷試験で1時間値も180mg未満ということです。
まあ、液体のブドウ糖を75g一気に飲むというのは、人体にとってかなり過酷な検査ですが・・・
さらに言えば、糖尿病とは全く無縁の完全正常人は、一般には何を食べても140mg/dlを超えないというのが定説ですが、これはどうなんでしょう?
2009年05月21日 (木) 大阪で第52回日本糖尿病学会年次学術集会があり、東海大学医学部の、山門一平先生、大櫛陽一先生、金大成先生、そして共同演者の江部康二により、
「2型糖尿病における低炭水化物食の有用性とテーラーメード運動処方」
という演題で学会発表が行われました。
日本糖尿病学会では、糖質制限食関係の学術発表は、おそらく初の快挙と思います。ヾ(^▽^)
この研究の先行研究で、24人の正常人が、糖質を摂取したときの血糖値上昇を調べました。
24人の正常人が約65gの糖質を含む食事(白米)を摂取したときの平均データですが、 かなり大ざっぱにですが、1gあたり正常人で約1mgの血糖値上昇が見られました。
つまり空腹時血糖値100mg/dlの正常人が糖質65gを摂取した場合、ピーク65mg上昇して、165mg/dlとなりました。
正常人の場合、随時血糖値で200mg/dlを超えることはないので、100gの糖質を食べたら100mg上昇し、200gの糖質を食べたら200mg上昇するということではありません。
正常人のインスリン作用は、糖尿人に比し対応力が大きいので大量の糖質を摂取したときは、追加分泌インスリンの第2相が頑張ってたくさん出続けるのだと思います。
それで仮に200gの糖質を摂取しても、ピークでも食後180mg/dlを超えることは、まずないと思います。
糖質65gていどを含む食品摂取という条件であれば、
1gの糖質が
正常人の血糖値を1mg、
2型糖尿人の血糖値を3mg、
1型糖尿人の血糖値を5mg、
上昇させるという「1:3:5」の法則が成り立つようです。
江部康二
今回は、1型のイトーさんから、正常人が糖質を摂取したときの血糖値上昇についてコメント・質問をいただきました。
「一般人の血糖値上昇について
1型糖尿病のイトーです。
この前はケトンについての質問に答えていただき有り難うございました。
毎度毎度質問で申し訳ないのですが今回も質問させてください。
上記の記事を読んでいて疑問に思ったのですが、 糖尿病では無く、境界型で無い人でも、 血糖値が200以上になることはあるのでしょうか?
以前、糖尿病では無い人は、どんなに食べても血糖値は180にすらならない というようなことが書いてあったものを読んだ記憶があります。 (本当に曖昧な記憶なので、私の記憶違いかもしれません)
正常型の人でもジュースを大量に飲んだりすれば 一時的にでも200ぐらいに血糖値が上がることはあるのでしょうか? 普通の食事を採った時のデータならよく見るのですが。
私は正常型と同じ血糖値変動にしようと思い、 速攻型インスリンを増やして食後30分の血糖値を100にしてみましたが 食後1時間後は見事に低血糖になってしまいました。
インスリン1単位の微妙な加減が難しいです。」
イトーさん、解答が遅くなってすみません。
正常人では、何を食べても200mgを超えることはありません。随時血糖値が200mgを超えればそれだけで糖尿病型です。随時血糖で糖尿病型が2回あれば、診断基準的に糖尿病です。
また75gブドウ糖負荷試験で、1時間値が190mg、2時間値は138mgの方は、診断基準的には正常型ですが、将来糖尿病になりやすいです。
つまり、75gブドウ糖負荷試験で1時間値が180mg/dl以上の方は、将来糖尿病になりやすいことが確認されています。
言い換えれば、正常型でも健康度の高い方は、75gブドウ糖負荷試験で1時間値も180mg未満ということです。
まあ、液体のブドウ糖を75g一気に飲むというのは、人体にとってかなり過酷な検査ですが・・・
さらに言えば、糖尿病とは全く無縁の完全正常人は、一般には何を食べても140mg/dlを超えないというのが定説ですが、これはどうなんでしょう?
2009年05月21日 (木) 大阪で第52回日本糖尿病学会年次学術集会があり、東海大学医学部の、山門一平先生、大櫛陽一先生、金大成先生、そして共同演者の江部康二により、
「2型糖尿病における低炭水化物食の有用性とテーラーメード運動処方」
という演題で学会発表が行われました。
日本糖尿病学会では、糖質制限食関係の学術発表は、おそらく初の快挙と思います。ヾ(^▽^)
この研究の先行研究で、24人の正常人が、糖質を摂取したときの血糖値上昇を調べました。
24人の正常人が約65gの糖質を含む食事(白米)を摂取したときの平均データですが、 かなり大ざっぱにですが、1gあたり正常人で約1mgの血糖値上昇が見られました。
つまり空腹時血糖値100mg/dlの正常人が糖質65gを摂取した場合、ピーク65mg上昇して、165mg/dlとなりました。
正常人の場合、随時血糖値で200mg/dlを超えることはないので、100gの糖質を食べたら100mg上昇し、200gの糖質を食べたら200mg上昇するということではありません。
正常人のインスリン作用は、糖尿人に比し対応力が大きいので大量の糖質を摂取したときは、追加分泌インスリンの第2相が頑張ってたくさん出続けるのだと思います。
それで仮に200gの糖質を摂取しても、ピークでも食後180mg/dlを超えることは、まずないと思います。
糖質65gていどを含む食品摂取という条件であれば、
1gの糖質が
正常人の血糖値を1mg、
2型糖尿人の血糖値を3mg、
1型糖尿人の血糖値を5mg、
上昇させるという「1:3:5」の法則が成り立つようです。
江部康二
2009年08月02日 (日)
おはようございます。
今日も朝から雨模様です。相変わらず、梅雨から抜けない京都です。
それでも我がテニスクラブは室内コートが2面あるので、昼からテニスにでかけます。 (^_^)
さて今回のブログは、2009年9月13日(日)に東京・中野で行われる北里研究所病院糖尿病センター長の山田悟先生にご参加頂きます、新形式の糖質制限食シンポジウムのご案内です。
以下、NPO法人糖質制限食ネット・リボーン事務局、曽我部 ゆかり さんからのメッセージです。
江部康二
☆☆☆
NPO法人糖質制限食ネット・リボーン 曽我部 ゆかり より
江部先生のブログ読者の皆様へ。
暑かったり、寒かったり。今年の夏も夏らしくない夏ですね。皆様いかがおすごしでしょうか。私は、夏は夏らしくすごしたいなあ、と願っています。
さて、9月13日のシンポジウムのお知らせです。
昨日、ゲスト講師の山田悟先生と打ち合わせしてきました。糖質制限食への取り組みを積極的に考えていらっしゃり、心強く思いました。山田先生は、糖尿病専門医で、糖質制限食の有効性にいちはやく気づいた若きドクターです。いわば、糖質制限食の期待の星です。
三人の講師のお話につづき、パネルディスカッションの時間も設けました。
ぜひ、皆様、お誘い合わせの上で、お越し下さいね。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
シリーズ『食事で治す・アトピー・糖尿病・肥満・メタボ』vol 14
リボーン・シンポジウム
糖尿病治療における糖質制限食の有効性
はじめたその日から期待できる、急速な血糖値の改善、ダイエット、情緒の安定、湿疹の緩和、などなど。薬に頼ることなく、つらい症状が確実に改善。代謝機能全般が安定する糖質制限食を今日か轤ヘじめてみませんか。
●ゲスト講師
山田悟(北里研究所病院糖尿病センター センター長医学博士)
●講師 パネリスト
江部康二(高雄病院理事長/NPO法人糖質制限食ネット・リボーン理事長)
大柳珠美(管理栄養士/NPO法人糖質制限食ネット・リボーン理事)
今回は、北里研究所病院糖尿病センターの山田悟先生をゲスト講師に迎え、日本の糖尿病治療の現状と、糖尿病専門医という立場からの「糖質制限食」の有効性についてを語り合う、画期的なシンポジウムとなります。パネリストには当会理事長で糖質制限食のパイオニアである江部康二先生、同じく当会理事で管理栄養士の大柳珠美先生をまじえ、それぞれの立場から「糖質制限食」の実践について検討を加えます。「糖質制限食」の有効性が糖尿病学会でも徐々に認められつつある昨今ですが、さらなる展開を求めての新しい試みとなります。患者様のみならず、医療関係者の皆様にも有意義なデスカッションをどうぞご期待ください。
日 時 2009年9月13日(日)9時20分開場
9時30分開演 11時50分終了
場 所 なかのゼロ視聴覚ホール (JR中野駅南口下車6分)
会 費 一般 1800円 リボーン会員 1500円
ペア券 一般 3600円のところ3000円
ペア券 会員 3000円のところ2400円
※ペア券はご家族に限られていただきます。
主 催 NPO法人糖質制限食ネット・リボーン
申し込み・問い合わせ リボーン 曽我部
03-3388-5428 e-mail reborn@big.or.jp
裏面
<講師プロフィール>
山田悟
(やまださとる)
北里研究所病院糖尿病センター長。1970年生まれ。慶應義塾大學醫學部卒業
。慶應義塾大學醫學部内科学教室入局。東京都済生会中央病院、東京都国保南多摩病院を経て、1998年6月、慶應義塾大學醫學部内科学教室腎臓内分泌代謝研究室帰局した後、1型糖尿病の発症予知についての研究に従事する。
2002年1月北里研究所病院に就職し、一般内科臨床に従事するかたわら糖尿病についての臨床研究・基礎研究に従事する。同年、北里研究所病院総合内科医長に就任。
2003年12月医学博士号取得
。2007年4月北里研究所病院腎臓内分泌代謝科副部長に就任後、糖尿病センター長となる。
日本糖尿病学会糖尿病専門医、日本糖尿病学会指導医、慶應義塾大学医学部非常勤講師、北里大学薬学部非常勤講師、星薬科大学非常勤他多数の経歴を持つ。
江部康二(えべこうじ)
内科医、漢方医、(財)高雄病院理事長、NPO法人糖質制限食ネット・リボーン理事長。1950年生まれ。京都大学医学部卒業。2002年に自ら糖尿病であると気づいて以来、糖尿病治療の研究に取り組み、「糖質制限食」の体系を確立。これにより自身の糖尿病を克服。高雄病院でに数多くの臨床活動を通じて、糖尿病・肥満・メタボリック症候群などに対する糖質制限食の画期的な治療効果を証明。テーラーメイドダイエットとの2本立てでアトピーなど生活習慣病全般への効果も確立している。著書『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』(シリーズ展開中/東洋経済新報社刊)はベストセラーに。ブログ『ドクター江部の糖尿病徒然日記』(http://koujiebe.blog95.fc2.com/)は日に3000件を超えるアクセスがあり糖尿病患者さんの間で絶大な支持を得ている。
大柳珠美(おおやなぎたまみ)
管理栄養士、(有)コンコルディア代表、NPO法人糖質制限食ネット・リボーン理事。1968年、熊本県生まれ。二葉栄養専門学校(栄養士科)卒業。明星大学(人文学部・心理教育専攻)卒業。3年ほど前から糖質制限食の栄養カウンセリングに取り組み、現在は都内クリニック(ひめのともみクリニック(東京・五反田)、練馬駅西口眼科クリニック(東京・練馬))、小松川クリニック(東京・小松川)にて個人指導を担当している。テレビ出演、雑誌の執筆など、各方面でも活躍中。ブログ『管理栄養士のローカーボキッチン』(http://web.mac.com/concordia1/サイト/Blog/Blog.html)が話題をよんでいる。
江部康二との共著『糖尿病のための「糖質オフごちそうごはん」』(アスペクト)がある。
~薬に頼らない医療の実現を目指し「食」の根底を見直す~
NPO法人糖質制限食ネット・リボーン誕生
リボーンは、『食事で治す』をキーワードに、糖尿病やアトピーなど生活習慣病全般の改善のために有効な糖質制限食とテーラーメイドダイエットの理論と実践法を、広く一般社会に普及してくため活動を開始いたしました(NPO法人として1月7日に創立)。
主な活動内容は、糖質制限食の『講演会・セミナー・交流会の開催』『人材育成』『医療機関と他団体とのネットワーク構築』『食と生活習慣病に関する相談窓口開設』『情報集と情報提供』『研究・普及啓発』などになります。
私たちの活動はより多くの市民の方々の参加によって成り立ち発展していきます。
薬に頼らない医療の実現を願い、私たちとともに、「食」の根底を見直していきませんか。
多くの方々のご参加を心よりお待ちしております。
●お申し込み●
NPO法人糖質制限食ネット・リボーン
担当 曽我部 ゆかり
reborn@big.or.jp
〒165―0026 東京都中野区新井4-4-2-4B
TEL,FAX 03-3388-5428
NPO法人糖質制限食ネット・リボーン の URL が変わりました。
新URL http://reborn.prj.cc/
今日も朝から雨模様です。相変わらず、梅雨から抜けない京都です。
それでも我がテニスクラブは室内コートが2面あるので、昼からテニスにでかけます。 (^_^)
さて今回のブログは、2009年9月13日(日)に東京・中野で行われる北里研究所病院糖尿病センター長の山田悟先生にご参加頂きます、新形式の糖質制限食シンポジウムのご案内です。
以下、NPO法人糖質制限食ネット・リボーン事務局、曽我部 ゆかり さんからのメッセージです。
江部康二
☆☆☆
NPO法人糖質制限食ネット・リボーン 曽我部 ゆかり より
江部先生のブログ読者の皆様へ。
暑かったり、寒かったり。今年の夏も夏らしくない夏ですね。皆様いかがおすごしでしょうか。私は、夏は夏らしくすごしたいなあ、と願っています。
さて、9月13日のシンポジウムのお知らせです。
昨日、ゲスト講師の山田悟先生と打ち合わせしてきました。糖質制限食への取り組みを積極的に考えていらっしゃり、心強く思いました。山田先生は、糖尿病専門医で、糖質制限食の有効性にいちはやく気づいた若きドクターです。いわば、糖質制限食の期待の星です。
三人の講師のお話につづき、パネルディスカッションの時間も設けました。
ぜひ、皆様、お誘い合わせの上で、お越し下さいね。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
シリーズ『食事で治す・アトピー・糖尿病・肥満・メタボ』vol 14
リボーン・シンポジウム
糖尿病治療における糖質制限食の有効性
はじめたその日から期待できる、急速な血糖値の改善、ダイエット、情緒の安定、湿疹の緩和、などなど。薬に頼ることなく、つらい症状が確実に改善。代謝機能全般が安定する糖質制限食を今日か轤ヘじめてみませんか。
●ゲスト講師
山田悟(北里研究所病院糖尿病センター センター長医学博士)
●講師 パネリスト
江部康二(高雄病院理事長/NPO法人糖質制限食ネット・リボーン理事長)
大柳珠美(管理栄養士/NPO法人糖質制限食ネット・リボーン理事)
今回は、北里研究所病院糖尿病センターの山田悟先生をゲスト講師に迎え、日本の糖尿病治療の現状と、糖尿病専門医という立場からの「糖質制限食」の有効性についてを語り合う、画期的なシンポジウムとなります。パネリストには当会理事長で糖質制限食のパイオニアである江部康二先生、同じく当会理事で管理栄養士の大柳珠美先生をまじえ、それぞれの立場から「糖質制限食」の実践について検討を加えます。「糖質制限食」の有効性が糖尿病学会でも徐々に認められつつある昨今ですが、さらなる展開を求めての新しい試みとなります。患者様のみならず、医療関係者の皆様にも有意義なデスカッションをどうぞご期待ください。
日 時 2009年9月13日(日)9時20分開場
9時30分開演 11時50分終了
場 所 なかのゼロ視聴覚ホール (JR中野駅南口下車6分)
会 費 一般 1800円 リボーン会員 1500円
ペア券 一般 3600円のところ3000円
ペア券 会員 3000円のところ2400円
※ペア券はご家族に限られていただきます。
主 催 NPO法人糖質制限食ネット・リボーン
申し込み・問い合わせ リボーン 曽我部
03-3388-5428 e-mail reborn@big.or.jp
裏面
<講師プロフィール>
山田悟
(やまださとる)
北里研究所病院糖尿病センター長。1970年生まれ。慶應義塾大學醫學部卒業
。慶應義塾大學醫學部内科学教室入局。東京都済生会中央病院、東京都国保南多摩病院を経て、1998年6月、慶應義塾大學醫學部内科学教室腎臓内分泌代謝研究室帰局した後、1型糖尿病の発症予知についての研究に従事する。
2002年1月北里研究所病院に就職し、一般内科臨床に従事するかたわら糖尿病についての臨床研究・基礎研究に従事する。同年、北里研究所病院総合内科医長に就任。
2003年12月医学博士号取得
。2007年4月北里研究所病院腎臓内分泌代謝科副部長に就任後、糖尿病センター長となる。
日本糖尿病学会糖尿病専門医、日本糖尿病学会指導医、慶應義塾大学医学部非常勤講師、北里大学薬学部非常勤講師、星薬科大学非常勤他多数の経歴を持つ。
江部康二(えべこうじ)
内科医、漢方医、(財)高雄病院理事長、NPO法人糖質制限食ネット・リボーン理事長。1950年生まれ。京都大学医学部卒業。2002年に自ら糖尿病であると気づいて以来、糖尿病治療の研究に取り組み、「糖質制限食」の体系を確立。これにより自身の糖尿病を克服。高雄病院でに数多くの臨床活動を通じて、糖尿病・肥満・メタボリック症候群などに対する糖質制限食の画期的な治療効果を証明。テーラーメイドダイエットとの2本立てでアトピーなど生活習慣病全般への効果も確立している。著書『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』(シリーズ展開中/東洋経済新報社刊)はベストセラーに。ブログ『ドクター江部の糖尿病徒然日記』(http://koujiebe.blog95.fc2.com/)は日に3000件を超えるアクセスがあり糖尿病患者さんの間で絶大な支持を得ている。
大柳珠美(おおやなぎたまみ)
管理栄養士、(有)コンコルディア代表、NPO法人糖質制限食ネット・リボーン理事。1968年、熊本県生まれ。二葉栄養専門学校(栄養士科)卒業。明星大学(人文学部・心理教育専攻)卒業。3年ほど前から糖質制限食の栄養カウンセリングに取り組み、現在は都内クリニック(ひめのともみクリニック(東京・五反田)、練馬駅西口眼科クリニック(東京・練馬))、小松川クリニック(東京・小松川)にて個人指導を担当している。テレビ出演、雑誌の執筆など、各方面でも活躍中。ブログ『管理栄養士のローカーボキッチン』(http://web.mac.com/concordia1/サイト/Blog/Blog.html)が話題をよんでいる。
江部康二との共著『糖尿病のための「糖質オフごちそうごはん」』(アスペクト)がある。
~薬に頼らない医療の実現を目指し「食」の根底を見直す~
NPO法人糖質制限食ネット・リボーン誕生
リボーンは、『食事で治す』をキーワードに、糖尿病やアトピーなど生活習慣病全般の改善のために有効な糖質制限食とテーラーメイドダイエットの理論と実践法を、広く一般社会に普及してくため活動を開始いたしました(NPO法人として1月7日に創立)。
主な活動内容は、糖質制限食の『講演会・セミナー・交流会の開催』『人材育成』『医療機関と他団体とのネットワーク構築』『食と生活習慣病に関する相談窓口開設』『情報集と情報提供』『研究・普及啓発』などになります。
私たちの活動はより多くの市民の方々の参加によって成り立ち発展していきます。
薬に頼らない医療の実現を願い、私たちとともに、「食」の根底を見直していきませんか。
多くの方々のご参加を心よりお待ちしております。
●お申し込み●
NPO法人糖質制限食ネット・リボーン
担当 曽我部 ゆかり
reborn@big.or.jp
〒165―0026 東京都中野区新井4-4-2-4B
TEL,FAX 03-3388-5428
NPO法人糖質制限食ネット・リボーン の URL が変わりました。
新URL http://reborn.prj.cc/
2009年08月01日 (土)
こんばんは。
7月31日(金)は、日本産婦人科栄養代謝研究会の特別講演「栄養・代謝と糖質制限食」
で金沢まで日帰りでした。
産婦人科専門医数十人の前で少し緊張しましたが、座長を務めて頂いた三重大教授の佐川先生が、何と京大医学部の1年先輩で野球部でも1年先輩で、奇遇にびっくりするやら嬉しいやらでした。
講演前に30分ぐらい時間があったので、30年ぶりくらいの再会で旧交を温めることができ、すぐにリラックスできて講演もスムースに終えることができました。質問もたくさんあり、実りの多い講演でした。
参加されたドクターで糖尿人の方もおられ、「貴重な話が聞けた」とおおいに喜んでいただきました。 (^_^)
さて今回は、糖尿病診断と見逃しについて、yoyoさんから、コメント・質問をいただきました。
「09/07/23 yoyo
糖尿病診断について
こんにちは
2009年7月9日のすっぽこさんのコメントで気になることがありました。
ブドウ糖負荷検査では彼女の食前血糖が66でHbA1cが4・9という数値でありながら、ブドウ糖を飲んだ後の数値が高かったため、糖尿病になっているとのDrの診断だったそうですが、
たとえば、負荷検査でなく普通の検査だとしたら 食前もヘモグロビンも完全にセーフですよね。
普通の地域でやっているような集団検診では絶対がつくほど見逃されます。
こういう人は相当数いるってことでしょうか。とても怖くなりました。負荷検査を国は義務付けるべきではないでしょうか。
食前血糖値が66で低すぎるのも問題ありということで判断されるのでしょうか。
私は、HbA1c5.5~5.8と食前血糖値100前後が10年間続いていて、安全切符の再検査なしでいつのまにか境界型になっていました。
今思えば、痩せているのに6年前の狭心症やめまい、足指の感覚麻痺などを発症したのは、血糖が災いしていたのかと思われます。
糖尿病は、遺伝と肥った人だけがなるもので、自分とは無縁だと思い続けていたのです。
無自覚だったことを反省しています。
糖質制限食を頑張っています。まだ10日ぐらいですが、尿の泡立ちが全くなくなりました。足も攣らなくなりました。次の検査が楽しみです。
『すっぽこさんのデータ
負荷試験1時間値について
最近 負荷試験をしました 結果
空腹66(2.2)
30分173(21.7)
60分240(54.6)
90分176(37.3)
120分147(70.7)
HbA1c4.9』
yoyoさん、コメントありがとうございます。
yoyoさんの仰有る通り、すっぽこさんのデータ、「空腹時血糖値66mg/dl、HbA1c4.9%」なら、普通の健康診断なら、100%見逃されますね。
すっぽこさんは、1時間値240mgですが、2時間値147mgなので、診断基準的には境界型です。
しかし、主食や間食のケーキなどを摂取するたびに毎日3~5回、食後高血糖を起こしていたことは間違いないです。早い段階で負荷テストをして発見できて、すっぽこさん、ラッキーだったと思います。
しかし、健康診断で経口ブドウ糖負荷試験を全員にするのは、手間暇も経費も大変です。折衷案として、妊婦に糖尿病チェックのスクリーニングとして実施されている「50gブドウ糖チャレンジ・テスト」がよいかもしれません。
チャレンジ・テストは、食事摂取の有無にかかわらず50gのブドウ糖を経口で負荷して1時間後血糖値を調べ、140mg/dlを超えていれば、次は75g経口ブドウ糖負荷試験をします。
あるいは、普通に主食を食べたあと、1時間後の血糖値を調べるのもいいですね。やはり140mg/dlを超えていれば、次は75g経口ブドウ糖負荷試験ですね。
「私は、HbA1c5.5~5.8と食前血糖値100前後が10年間続いていて、安全切符の再検査なしでいつのまにか境界型になっていました。
今思えば、痩せているのに6年前の狭心症やめまい、足指の感覚麻痺などを発症したのは、血糖が災いしていたのかと思われます。
糖尿病は、遺伝と肥った人だけがなるもので、自分とは無縁だと思い続けていたのです。」
yoyoさんの狭心症や足指の感覚麻痺は、空腹時血糖値は正常でも、食後高血糖(おそらく180mg以上)が1日に何回か、数年間以上続いていたためと考えられます。
境界型は
IFG:空腹時血糖値110mg~125mg/dl
IGT:食後2時間値が140mg~199mg/dl
この2種類に分けることができます。
現実には境界型には
①IFG単独で食後血糖値は正常、
②IGT単独で空腹時血糖値は正常、
③IFG+IGT
の3タイプがおられます。
注意しなくてはならないのは、
①のタイプは、狭心症や心筋梗塞のリスクは、正常型の人とそれほど変わらないけれど
②③のタイプは、狭心症や心筋梗塞のリスクが、糖尿人に近いほどあるということです。
yoyoさん、糖質制限食で足が攣らなくなり良かったですね。これからも糖質制限食を続けていかれれば、食後高血糖は防げますし、糖尿病に移行することもありませんよ。ヾ(^▽^)
江部康二
7月31日(金)は、日本産婦人科栄養代謝研究会の特別講演「栄養・代謝と糖質制限食」
で金沢まで日帰りでした。
産婦人科専門医数十人の前で少し緊張しましたが、座長を務めて頂いた三重大教授の佐川先生が、何と京大医学部の1年先輩で野球部でも1年先輩で、奇遇にびっくりするやら嬉しいやらでした。
講演前に30分ぐらい時間があったので、30年ぶりくらいの再会で旧交を温めることができ、すぐにリラックスできて講演もスムースに終えることができました。質問もたくさんあり、実りの多い講演でした。
参加されたドクターで糖尿人の方もおられ、「貴重な話が聞けた」とおおいに喜んでいただきました。 (^_^)
さて今回は、糖尿病診断と見逃しについて、yoyoさんから、コメント・質問をいただきました。
「09/07/23 yoyo
糖尿病診断について
こんにちは
2009年7月9日のすっぽこさんのコメントで気になることがありました。
ブドウ糖負荷検査では彼女の食前血糖が66でHbA1cが4・9という数値でありながら、ブドウ糖を飲んだ後の数値が高かったため、糖尿病になっているとのDrの診断だったそうですが、
たとえば、負荷検査でなく普通の検査だとしたら 食前もヘモグロビンも完全にセーフですよね。
普通の地域でやっているような集団検診では絶対がつくほど見逃されます。
こういう人は相当数いるってことでしょうか。とても怖くなりました。負荷検査を国は義務付けるべきではないでしょうか。
食前血糖値が66で低すぎるのも問題ありということで判断されるのでしょうか。
私は、HbA1c5.5~5.8と食前血糖値100前後が10年間続いていて、安全切符の再検査なしでいつのまにか境界型になっていました。
今思えば、痩せているのに6年前の狭心症やめまい、足指の感覚麻痺などを発症したのは、血糖が災いしていたのかと思われます。
糖尿病は、遺伝と肥った人だけがなるもので、自分とは無縁だと思い続けていたのです。
無自覚だったことを反省しています。
糖質制限食を頑張っています。まだ10日ぐらいですが、尿の泡立ちが全くなくなりました。足も攣らなくなりました。次の検査が楽しみです。
『すっぽこさんのデータ
負荷試験1時間値について
最近 負荷試験をしました 結果
空腹66(2.2)
30分173(21.7)
60分240(54.6)
90分176(37.3)
120分147(70.7)
HbA1c4.9』
yoyoさん、コメントありがとうございます。
yoyoさんの仰有る通り、すっぽこさんのデータ、「空腹時血糖値66mg/dl、HbA1c4.9%」なら、普通の健康診断なら、100%見逃されますね。
すっぽこさんは、1時間値240mgですが、2時間値147mgなので、診断基準的には境界型です。
しかし、主食や間食のケーキなどを摂取するたびに毎日3~5回、食後高血糖を起こしていたことは間違いないです。早い段階で負荷テストをして発見できて、すっぽこさん、ラッキーだったと思います。
しかし、健康診断で経口ブドウ糖負荷試験を全員にするのは、手間暇も経費も大変です。折衷案として、妊婦に糖尿病チェックのスクリーニングとして実施されている「50gブドウ糖チャレンジ・テスト」がよいかもしれません。
チャレンジ・テストは、食事摂取の有無にかかわらず50gのブドウ糖を経口で負荷して1時間後血糖値を調べ、140mg/dlを超えていれば、次は75g経口ブドウ糖負荷試験をします。
あるいは、普通に主食を食べたあと、1時間後の血糖値を調べるのもいいですね。やはり140mg/dlを超えていれば、次は75g経口ブドウ糖負荷試験ですね。
「私は、HbA1c5.5~5.8と食前血糖値100前後が10年間続いていて、安全切符の再検査なしでいつのまにか境界型になっていました。
今思えば、痩せているのに6年前の狭心症やめまい、足指の感覚麻痺などを発症したのは、血糖が災いしていたのかと思われます。
糖尿病は、遺伝と肥った人だけがなるもので、自分とは無縁だと思い続けていたのです。」
yoyoさんの狭心症や足指の感覚麻痺は、空腹時血糖値は正常でも、食後高血糖(おそらく180mg以上)が1日に何回か、数年間以上続いていたためと考えられます。
境界型は
IFG:空腹時血糖値110mg~125mg/dl
IGT:食後2時間値が140mg~199mg/dl
この2種類に分けることができます。
現実には境界型には
①IFG単独で食後血糖値は正常、
②IGT単独で空腹時血糖値は正常、
③IFG+IGT
の3タイプがおられます。
注意しなくてはならないのは、
①のタイプは、狭心症や心筋梗塞のリスクは、正常型の人とそれほど変わらないけれど
②③のタイプは、狭心症や心筋梗塞のリスクが、糖尿人に近いほどあるということです。
yoyoさん、糖質制限食で足が攣らなくなり良かったですね。これからも糖質制限食を続けていかれれば、食後高血糖は防げますし、糖尿病に移行することもありませんよ。ヾ(^▽^)
江部康二