2009年01月31日 (土)
〔糖質制限食とは〕
食べ物が消化・吸収されたあと、糖質は100%、タンパク質は50%、脂質は10%弱が血糖に変わります。 また糖質は、摂取直後から急峻に血糖値を高く速く上昇させ、2時間以内にほとんどすべてが吸収されます。
一方タンパク質の血糖値上昇のピークは食後約3時間で、脂質は消化・吸収に丸一日かかることもあります。
これらは、カロリーとは無関係な、三大栄養素の生理学的特質です。
このように糖質、脂質、タンパク質のうち糖質だけが血糖値を急峻に上昇させます。従って、糖質を摂取した時には、インスリンが大量に追加分泌されます。
しかし、脂質やタンパク質は血糖値をほとんど上昇させないので、インスリンの追加分泌は、ほとんどありません。
現在糖尿病において食後の急激な高血糖が大きな問題として注目されています。食後高血糖が、心筋梗塞や脳梗塞などの合併症を起こす危険因子として確立されたからです。そして、食後高血糖を起こすのは、三大栄養素のなかで糖質だけなのです。
1gの糖質が、2型糖尿病の人の血糖値を約3mg上昇させます。 従って、6枚切りの食パン2枚(約310キロカロリー)食べると、糖質が約50g含まれているので、血糖値は、150mgも上昇します。一方、ロースステーキを300g(約1200キロカロリー)食べても、糖質含有量は1gもないので、食後高血糖はほとんど生じないのです。
糖質制限食の基本的な考え方は、上述のような生理学的事実をベースに、できるだけ糖質の摂取を低く抑えて、食後高血糖を防ぐというものです。簡単に言えば、主食を抜いておかずばかり食べるというイメージになります。抜く必要がある主食とは、米飯・めん類・パンなどの米・麦製品や芋類など糖質が主成分のものです。
3食主食抜きのスーパー糖質制限食(糖質12%、タンパク質32%、脂質56%)なら、薬に頼ることなく、速やかにリアルタイムで良好な血糖コントロールが可能です。
一方、上述の食パンとステーキの例でも明らかなように、カロリー計算に基づいて血糖値をコントロールすることは、理論的に不可能です。
従って現行の日本糖尿病学会推薦の糖尿病食(糖質60%、タンパク質20%、脂質20%)を実践する限りは、一日の摂取カロリーを1200キロカロリーと低く抑えたとしても、食後高血糖が必ず生じるのです。
糖尿病の改善には、カロリー制限より糖質制限ということがおわかりいただけたと思います。なお、糖質制限食は、カロリー無制限ということではありません。一般的な標準摂取カロリーの範囲、すなわち男性なら1600~2000キロカロリー、女性なら1200~1600キロカロリーくらいが目安です。
☆☆☆
『糖質制限食十箇条』 -糖尿病や肥満が気になる人に-
一、魚貝・肉・豆腐・納豆・チーズなどタンパク質や脂質が主成分の食品はしっかり食べてよい。
二、糖質特に白パン・白米・麺類及び菓子・白砂糖など精製糖質の摂取は極力控える。
三、主食を摂るときは未精製の穀物が好ましい(玄米、全粒粉のパンなど)
四、飲料は牛乳・果汁は飲まず、成分未調整豆乳はOK。水、番茶、麦茶、ほうじ茶もOK。
五、糖質含有量の少ない野菜・海草・茸類は適量OK。果物は少量にとどめる。
六、オリーブオイルや魚油(EPA、DHA)は積極的に摂り、リノール酸を減らす。
七、マヨネーズ(砂糖無しのもの)やバターもOK。
八、お酒は蒸留酒(焼酎、ウィスキーなど)はOK、醸造酒(ビール、日本酒、など)は控える。
九、間食やおつまみはチーズ類やナッツ類を中心に適量摂る。菓子類、ドライフルーツは不可。
十、できる限り化学合成添加物の入っていない安全な食品を選ぶ。
『糖質制限食』の3パターン
一、スーパー糖質制限食は三食とも主食なし。効果は抜群で早く、一番のお薦め。
二、スタンダード糖質制限食は朝と夕は主食抜き。
三、プチ糖質制限食は夕だけ主食抜き。嗜好的にどうしてもデンプンが大好きな人に。
*抜く必要がある主食とは米飯・めん類・パンなどの米・麦製品や芋類などの炭水化物。*炭水化物=糖質+食物繊維
☆☆☆
糖質制限食を実践する時のご注意
本にも書きましたが、 糖質制限食によりリアルタイムに血糖値が改善します。
このため既に、経口血糖降下剤(オイグルコン、アマリールなど)の内服やインスリン注射をしておられる糖尿人は低血糖の心配がありますので必ず主治医と相談して頂きたいと思います。
一方、薬を使用してない糖尿人は、低血糖の心配はないので、「主食を抜けば糖尿病は良くなる」「主食を抜けば糖尿病は良くなる 実践編」「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」「 糖質制限食 春のレシピ」「 糖質制限食 夏のレシピ」「糖質制限食 秋のレシピ」「糖質制限食 冬のレシピ」を参考にして、自力で 糖質制限食を実践して糖尿病改善を目指していただけば幸いです。
[コメント・質問に関するお知らせ・お願い]
ブログ読者の皆さんには、いつもコメントいただき、ありがとうございます。
咲夜さんや権現森さんにご意見いただきましたが、確かに普通のお医者さんに相談可能な個人的な内容の質問は、主治医にご相談頂けば助かります。m(_ _)m
普通のお医者さんでは解答不能の、糖質制限食に関わる質問は、何でもどんどんしていただけば嬉しいです。 (^_^)
掲載OKの質問に関して、読者の皆さんに共有していただきたい情報の場合は、ブログ本文にて、できるだけ順番にお答えしたいと思います。質問によってはコメント欄でお早めにお答えする場合もありますのでご了承ください。
一方、コメント・質問がかなり増えてきていますので、なかなか即お答えすることが困難となってきています。できるだけ全ての質問に本文かコメントでお答えするよう努力はしていますが、できないときはご容赦願います。m(_ _)m
それから、「管理人のみ閲覧できる」「匿名希望」などの質問に関しては、コメント欄にお答えするか、一般的な話題に置き換えてブログに記載するようにしていますので、よろしくお願い申し上げます。
江部康二
食べ物が消化・吸収されたあと、糖質は100%、タンパク質は50%、脂質は10%弱が血糖に変わります。 また糖質は、摂取直後から急峻に血糖値を高く速く上昇させ、2時間以内にほとんどすべてが吸収されます。
一方タンパク質の血糖値上昇のピークは食後約3時間で、脂質は消化・吸収に丸一日かかることもあります。
これらは、カロリーとは無関係な、三大栄養素の生理学的特質です。
このように糖質、脂質、タンパク質のうち糖質だけが血糖値を急峻に上昇させます。従って、糖質を摂取した時には、インスリンが大量に追加分泌されます。
しかし、脂質やタンパク質は血糖値をほとんど上昇させないので、インスリンの追加分泌は、ほとんどありません。
現在糖尿病において食後の急激な高血糖が大きな問題として注目されています。食後高血糖が、心筋梗塞や脳梗塞などの合併症を起こす危険因子として確立されたからです。そして、食後高血糖を起こすのは、三大栄養素のなかで糖質だけなのです。
1gの糖質が、2型糖尿病の人の血糖値を約3mg上昇させます。 従って、6枚切りの食パン2枚(約310キロカロリー)食べると、糖質が約50g含まれているので、血糖値は、150mgも上昇します。一方、ロースステーキを300g(約1200キロカロリー)食べても、糖質含有量は1gもないので、食後高血糖はほとんど生じないのです。
糖質制限食の基本的な考え方は、上述のような生理学的事実をベースに、できるだけ糖質の摂取を低く抑えて、食後高血糖を防ぐというものです。簡単に言えば、主食を抜いておかずばかり食べるというイメージになります。抜く必要がある主食とは、米飯・めん類・パンなどの米・麦製品や芋類など糖質が主成分のものです。
3食主食抜きのスーパー糖質制限食(糖質12%、タンパク質32%、脂質56%)なら、薬に頼ることなく、速やかにリアルタイムで良好な血糖コントロールが可能です。
一方、上述の食パンとステーキの例でも明らかなように、カロリー計算に基づいて血糖値をコントロールすることは、理論的に不可能です。
従って現行の日本糖尿病学会推薦の糖尿病食(糖質60%、タンパク質20%、脂質20%)を実践する限りは、一日の摂取カロリーを1200キロカロリーと低く抑えたとしても、食後高血糖が必ず生じるのです。
糖尿病の改善には、カロリー制限より糖質制限ということがおわかりいただけたと思います。なお、糖質制限食は、カロリー無制限ということではありません。一般的な標準摂取カロリーの範囲、すなわち男性なら1600~2000キロカロリー、女性なら1200~1600キロカロリーくらいが目安です。
☆☆☆
『糖質制限食十箇条』 -糖尿病や肥満が気になる人に-
一、魚貝・肉・豆腐・納豆・チーズなどタンパク質や脂質が主成分の食品はしっかり食べてよい。
二、糖質特に白パン・白米・麺類及び菓子・白砂糖など精製糖質の摂取は極力控える。
三、主食を摂るときは未精製の穀物が好ましい(玄米、全粒粉のパンなど)
四、飲料は牛乳・果汁は飲まず、成分未調整豆乳はOK。水、番茶、麦茶、ほうじ茶もOK。
五、糖質含有量の少ない野菜・海草・茸類は適量OK。果物は少量にとどめる。
六、オリーブオイルや魚油(EPA、DHA)は積極的に摂り、リノール酸を減らす。
七、マヨネーズ(砂糖無しのもの)やバターもOK。
八、お酒は蒸留酒(焼酎、ウィスキーなど)はOK、醸造酒(ビール、日本酒、など)は控える。
九、間食やおつまみはチーズ類やナッツ類を中心に適量摂る。菓子類、ドライフルーツは不可。
十、できる限り化学合成添加物の入っていない安全な食品を選ぶ。
『糖質制限食』の3パターン
一、スーパー糖質制限食は三食とも主食なし。効果は抜群で早く、一番のお薦め。
二、スタンダード糖質制限食は朝と夕は主食抜き。
三、プチ糖質制限食は夕だけ主食抜き。嗜好的にどうしてもデンプンが大好きな人に。
*抜く必要がある主食とは米飯・めん類・パンなどの米・麦製品や芋類などの炭水化物。*炭水化物=糖質+食物繊維
☆☆☆
糖質制限食を実践する時のご注意
本にも書きましたが、 糖質制限食によりリアルタイムに血糖値が改善します。
このため既に、経口血糖降下剤(オイグルコン、アマリールなど)の内服やインスリン注射をしておられる糖尿人は低血糖の心配がありますので必ず主治医と相談して頂きたいと思います。
一方、薬を使用してない糖尿人は、低血糖の心配はないので、「主食を抜けば糖尿病は良くなる」「主食を抜けば糖尿病は良くなる 実践編」「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」「 糖質制限食 春のレシピ」「 糖質制限食 夏のレシピ」「糖質制限食 秋のレシピ」「糖質制限食 冬のレシピ」を参考にして、自力で 糖質制限食を実践して糖尿病改善を目指していただけば幸いです。
[コメント・質問に関するお知らせ・お願い]
ブログ読者の皆さんには、いつもコメントいただき、ありがとうございます。
咲夜さんや権現森さんにご意見いただきましたが、確かに普通のお医者さんに相談可能な個人的な内容の質問は、主治医にご相談頂けば助かります。m(_ _)m
普通のお医者さんでは解答不能の、糖質制限食に関わる質問は、何でもどんどんしていただけば嬉しいです。 (^_^)
掲載OKの質問に関して、読者の皆さんに共有していただきたい情報の場合は、ブログ本文にて、できるだけ順番にお答えしたいと思います。質問によってはコメント欄でお早めにお答えする場合もありますのでご了承ください。
一方、コメント・質問がかなり増えてきていますので、なかなか即お答えすることが困難となってきています。できるだけ全ての質問に本文かコメントでお答えするよう努力はしていますが、できないときはご容赦願います。m(_ _)m
それから、「管理人のみ閲覧できる」「匿名希望」などの質問に関しては、コメント欄にお答えするか、一般的な話題に置き換えてブログに記載するようにしていますので、よろしくお願い申し上げます。
江部康二
2009年01月30日 (金)
こんばんは。
昼から雨が降っている京都です。結構暖かいです。
今回は、プチ糖質制限食実践中のtomokoさんからコメント・質問をいただきました。
『tomoko
「質問」
先月、プチ糖質制限食で空腹時血糖値は下がったものの糖負荷2時間後血糖値が214ということで質問させていただき、もうちょっとまじめに糖質制限をやってみようと決意したものです。
中野の講演会に出席いたしますのでよろしくお願いいたします。
で質問事項をまとめてみました。
糖質の計算のための食品成分表の本。
糖質量がどれくらい以上が危険なのか。
(朝、トースト食べたいんです。半分でもいいから)
もし糖質制限をまじめにやっても食後血糖値が下がらない場合、食前に飲むと血糖値があがらないという薬を飲んでたまに(月1くらい)ドカ食いができたらと思うのですがいかがなものでしょう。親子丼だとか、巻き寿司だとか、大福餅だとか、、、、。
2009/01/29(木) 13:46:46』
tomokoさん。
東京・中野の講演会ご参加、ありがとうございます。
今回の講演会は、管理栄養士の大柳珠美さんのお話もあり、盛りだくさんですよ。
高雄病院の400人以上の糖尿病入院患者さんのデータにおいて、糖質制限食なら100%食後血糖値は改善します。
もちろん、改善の程度に、個人差はあります。
プチ糖質制限食なら、朝食と昼食に主食(糖質)を摂取しますので、このときは、食後高血糖の可能性が高くなります。
体重64kgの2型糖尿人で、個人差はありますが、1gの糖質が約3mg血糖値を上昇させます。
食品成分表で食材の糖質量をチェックして、1回に何gまでが許容量なのか?
食後2時間血糖値が180mg/dl未満で収まる糖質量なら、動脈硬化のリスクが少ないので、許容範囲ということになりますね。
例えばtomokoさんが6枚切りトースト1枚(糖質量26.6g)食べて、食後2時間血糖値が180mg/dl未満ならOKということです。
それから、グルコバイやグルファストを食前に飲んでも、糖質のドカ食いは無理ですよ。
高雄病院入院中の糖尿人では、退院前に実験します。
例えば、食事30秒前にグルコバイ100mgを内服して、炊いた玄米ごはん100g(糖質34.2g)を食べて、食後2時間血糖値が180mg/dl未満ならOKです。
180mg/dl以上あるようなら、食事30秒前に「グルコバイ100mg+グルファスト10mg」を内服して、再び炊いた玄米ごはん100g(糖質34.2g)を食べて実験です。
これで、たいていは食後2時間血糖値が180mg/dlを切ってくるのでOKとなります。
清く正しくより、美味しく楽しく長く糖質制限食を続けることが大切ですから、
上述のような作戦で、時々、親子丼(ご飯少なめ)だとか、巻き寿司だとか、大福餅だとかありだと思いますよ。
江部康二
昼から雨が降っている京都です。結構暖かいです。
今回は、プチ糖質制限食実践中のtomokoさんからコメント・質問をいただきました。
『tomoko
「質問」
先月、プチ糖質制限食で空腹時血糖値は下がったものの糖負荷2時間後血糖値が214ということで質問させていただき、もうちょっとまじめに糖質制限をやってみようと決意したものです。
中野の講演会に出席いたしますのでよろしくお願いいたします。
で質問事項をまとめてみました。
糖質の計算のための食品成分表の本。
糖質量がどれくらい以上が危険なのか。
(朝、トースト食べたいんです。半分でもいいから)
もし糖質制限をまじめにやっても食後血糖値が下がらない場合、食前に飲むと血糖値があがらないという薬を飲んでたまに(月1くらい)ドカ食いができたらと思うのですがいかがなものでしょう。親子丼だとか、巻き寿司だとか、大福餅だとか、、、、。
2009/01/29(木) 13:46:46』
tomokoさん。
東京・中野の講演会ご参加、ありがとうございます。
今回の講演会は、管理栄養士の大柳珠美さんのお話もあり、盛りだくさんですよ。
高雄病院の400人以上の糖尿病入院患者さんのデータにおいて、糖質制限食なら100%食後血糖値は改善します。
もちろん、改善の程度に、個人差はあります。
プチ糖質制限食なら、朝食と昼食に主食(糖質)を摂取しますので、このときは、食後高血糖の可能性が高くなります。
体重64kgの2型糖尿人で、個人差はありますが、1gの糖質が約3mg血糖値を上昇させます。
食品成分表で食材の糖質量をチェックして、1回に何gまでが許容量なのか?
食後2時間血糖値が180mg/dl未満で収まる糖質量なら、動脈硬化のリスクが少ないので、許容範囲ということになりますね。
例えばtomokoさんが6枚切りトースト1枚(糖質量26.6g)食べて、食後2時間血糖値が180mg/dl未満ならOKということです。
それから、グルコバイやグルファストを食前に飲んでも、糖質のドカ食いは無理ですよ。
高雄病院入院中の糖尿人では、退院前に実験します。
例えば、食事30秒前にグルコバイ100mgを内服して、炊いた玄米ごはん100g(糖質34.2g)を食べて、食後2時間血糖値が180mg/dl未満ならOKです。
180mg/dl以上あるようなら、食事30秒前に「グルコバイ100mg+グルファスト10mg」を内服して、再び炊いた玄米ごはん100g(糖質34.2g)を食べて実験です。
これで、たいていは食後2時間血糖値が180mg/dlを切ってくるのでOKとなります。
清く正しくより、美味しく楽しく長く糖質制限食を続けることが大切ですから、
上述のような作戦で、時々、親子丼(ご飯少なめ)だとか、巻き寿司だとか、大福餅だとかありだと思いますよ。
江部康二
2009年01月29日 (木)
こんばんは。
今回のブログは、一般のお医者さんや栄養士さんが知らない、栄養・代謝・生理学的事実を羅列してみました。
そうすると、そのまま糖質制限食の基礎理論になりました。
以下は、全て生理学的事実であり、論争の余地はありません。
あるのは、知っているか知らないかの差だけです。
<栄養・代謝>
①血糖値を急峻に上昇させるのは、糖質だけである。
②タンパク質は、ほんの少し血糖値を上昇させる。
③脂質は、血糖値をほとんど上昇させない。
④追加分泌インスリンが大量に必要なのは、糖質だけである。
⑤タンパク質を摂取すると、少量の追加分泌インスリンがでる。
⑥脂質を摂取しても、追加分泌インスリンは、ほとんどいらない。
⑦糖質制限食で高血糖は改善するが、肝臓の糖新生などにより、低血糖にはならない。
<人体のエネルギー源Ⅰ:脂肪酸-ケトン体システム>
①脳は、ケトン体(脂肪酸の代謝産物)をいつでも利用できる。
②心筋・骨格筋など、多くの体細胞は、日常生活では脂肪酸-ケトン体が主エネルギー源であり、人体を自動車に例えるなら、ガソリンの代わりは脂質である。
③赤血球を除く全ての細胞は、ミトコンドリアを持っているので、脂肪酸-ケトン体エネルギーシステムを利用できる。
④糖質制限食実践中や絶食中の血中ケトン体上昇は、インスリン作用が保たれており、生理的なものであって病的ではない。農耕開始前の人類は、皆そうであった。
<人体のエネルギー源Ⅱ:ブドウ糖-グリコーゲンシステム>
①人体で唯一赤血球だけは、ミトコンドリアがないので、ブドウ糖しか利用できない。
②日常生活で、ブドウ糖を主エネルギー源として利用しているのは、赤血球・脳・網膜など。
③ブドウ糖-グリコーゲンエネルギーシステムの本質は
「常に赤血球の唯一のエネルギー源」
「筋肉が収縮したときのエネルギー源」
「血糖値が上昇しインスリンが追加分泌された時、筋肉・脂肪細胞のエネルギー源」
「日常生活では脳・網膜・生殖腺胚上皮の主エネルギー源」
<肥満改善と糖質制限食>
①糖質制限食実践中は、常に脂肪が燃えている。
②糖質制限食実践中は、追加分泌インスリン(肥満ホルモン)がほとんど出ない。
③糖質制限食実践中は、ケトン体が尿中や呼気中に排泄され、体重減少に効果。
④糖質制限食実践中は肝臓でアミノ酸から糖新生が行われ、大量のエネルギーを消費。
⑤少なくとも同一カロリーなら、①②③④の4つの利点により、糖質制限食が高糖質食に比し、体重減少効果がある。
*糖質制限食を3ヶ月~半年続けていると、体細胞のケトン体利用効率が高くなり、血中ケトン体が高値でも利用されるので、尿中や呼気中に排泄されなくなる。
**糖質を摂取すれば血糖値が急峻に上昇し、インスリンが追加分泌され、①②③④の4つの利点は、即失われるので肥満しやすい。
江部康二
今回のブログは、一般のお医者さんや栄養士さんが知らない、栄養・代謝・生理学的事実を羅列してみました。
そうすると、そのまま糖質制限食の基礎理論になりました。
以下は、全て生理学的事実であり、論争の余地はありません。
あるのは、知っているか知らないかの差だけです。
<栄養・代謝>
①血糖値を急峻に上昇させるのは、糖質だけである。
②タンパク質は、ほんの少し血糖値を上昇させる。
③脂質は、血糖値をほとんど上昇させない。
④追加分泌インスリンが大量に必要なのは、糖質だけである。
⑤タンパク質を摂取すると、少量の追加分泌インスリンがでる。
⑥脂質を摂取しても、追加分泌インスリンは、ほとんどいらない。
⑦糖質制限食で高血糖は改善するが、肝臓の糖新生などにより、低血糖にはならない。
<人体のエネルギー源Ⅰ:脂肪酸-ケトン体システム>
①脳は、ケトン体(脂肪酸の代謝産物)をいつでも利用できる。
②心筋・骨格筋など、多くの体細胞は、日常生活では脂肪酸-ケトン体が主エネルギー源であり、人体を自動車に例えるなら、ガソリンの代わりは脂質である。
③赤血球を除く全ての細胞は、ミトコンドリアを持っているので、脂肪酸-ケトン体エネルギーシステムを利用できる。
④糖質制限食実践中や絶食中の血中ケトン体上昇は、インスリン作用が保たれており、生理的なものであって病的ではない。農耕開始前の人類は、皆そうであった。
<人体のエネルギー源Ⅱ:ブドウ糖-グリコーゲンシステム>
①人体で唯一赤血球だけは、ミトコンドリアがないので、ブドウ糖しか利用できない。
②日常生活で、ブドウ糖を主エネルギー源として利用しているのは、赤血球・脳・網膜など。
③ブドウ糖-グリコーゲンエネルギーシステムの本質は
「常に赤血球の唯一のエネルギー源」
「筋肉が収縮したときのエネルギー源」
「血糖値が上昇しインスリンが追加分泌された時、筋肉・脂肪細胞のエネルギー源」
「日常生活では脳・網膜・生殖腺胚上皮の主エネルギー源」
<肥満改善と糖質制限食>
①糖質制限食実践中は、常に脂肪が燃えている。
②糖質制限食実践中は、追加分泌インスリン(肥満ホルモン)がほとんど出ない。
③糖質制限食実践中は、ケトン体が尿中や呼気中に排泄され、体重減少に効果。
④糖質制限食実践中は肝臓でアミノ酸から糖新生が行われ、大量のエネルギーを消費。
⑤少なくとも同一カロリーなら、①②③④の4つの利点により、糖質制限食が高糖質食に比し、体重減少効果がある。
*糖質制限食を3ヶ月~半年続けていると、体細胞のケトン体利用効率が高くなり、血中ケトン体が高値でも利用されるので、尿中や呼気中に排泄されなくなる。
**糖質を摂取すれば血糖値が急峻に上昇し、インスリンが追加分泌され、①②③④の4つの利点は、即失われるので肥満しやすい。
江部康二
2009年01月28日 (水)
こんばんは。
今、江部診療所の夜診が終了して、広沢まで帰ってきました。
2月は何だか、講演会が目白押しです。
今日は糖質制限食・名古屋講演会のお知らせです。
今回は、「HUMAN LIFE INFO NET ”翼”」さんの主催、
愛知県教育委員会「後援」で行います。
”翼”代表の元飯田女子短期大学教授 佐橋紀子氏とのジョイント講演会です。
佐橋紀子氏は、とても経験豊富な糖尿病患者さんです。
カロリー制限食(高糖質食)の時は、血糖コントロールがなかなか上手くいかず、
インスリンの使用量もどんどん増えて、随分ご苦労なさったそうです。
糖質制限食に切り替えてからインスリン注射の量も1/3に減り、
血糖コントロールも上々です。 (^_^)
高雄病院入院経験もおありで、患者の立場から糖質制限食について語って下さいます。
私、江部康二は「人類の食生活3段階と血糖値」など
最新の糖質制限食理論と実践をお話し致します。
糖尿病患者さんとのジョイント講演会は初めてなので、
とても楽しみにしています。ヾ(^▽^)
詳細は以下の通りです。
江部康二
『糖尿病・メタボは必ず良くなる!~糖質制限食のすすめ~』
日時 : 2009年2月21日(土)午後1:30分~4:00
場所 :名古屋市女性会館 (名古屋市中区大井町7-25)
TEL 052-331-5288
講師 :江部康二/佐橋紀子(患者の立場から…”翼”代表)
参加費:1.000円/チケット販売・もしくは電話で申し込み
主催 :HUMAN LIFE INFO NET ”翼”
後援 :愛知県教育委員会
問合せ :佐橋紀子(052-501-0994)
高橋君枝(052-502-3670)
原 育世(0568-84-6946)
【他の講演会・講座のお知らせ】
☆☆ 糖質制限食講演会・東京・中野
日時:2009年2月11日(祝日)12時半開場、13時開演~16:00終了
講師:江部康二/大柳珠美(管理栄養士)
会場:なかのZERO 学習室
会費:1500円
申し込み:糖質制限食ネット・リボーン 曽我部ゆかり
(T/F)03−3388−5428
(e-mail) reborn@big.or.jp
☆☆講座「糖尿病・メタボはこう予防する!~糖質制限食のすすめ」京都
場所:朝日カルチャーセンター京都 http://www.asahi-culture.co.jp/www/kyoto-c.html
問い合わせ:075-231-9693(朝日カルチャーセンター京都)
日時:2009年2月17日(火)13:00~14:30
講師:江部康二
【糖質制限食コントロール・教育入院のご案内】
お問い合わせは高雄病院 http://takao-hospital.jp/
住所:京都市右京区梅ヶ畑畑町3
電話:075-871-0245
ベットが空くまでお待ち頂くこともありますがご了承下さい。
【糖質制限食外来治療のご案内・予約制】
高雄病院 電話:075-871-0245
京都市右京区梅ヶ畑畑町3
高雄病院京都駅前診療所 電話:075-352-5050
京都市下京区七条通り烏丸東入ル(50M)北側 ネオフィス 七条烏丸4F
江部診療所 電話:075-712-8133
京都市左京区下鴨高木町6 アトリエ・フォー 2F
今、江部診療所の夜診が終了して、広沢まで帰ってきました。
2月は何だか、講演会が目白押しです。
今日は糖質制限食・名古屋講演会のお知らせです。
今回は、「HUMAN LIFE INFO NET ”翼”」さんの主催、
愛知県教育委員会「後援」で行います。
”翼”代表の元飯田女子短期大学教授 佐橋紀子氏とのジョイント講演会です。
佐橋紀子氏は、とても経験豊富な糖尿病患者さんです。
カロリー制限食(高糖質食)の時は、血糖コントロールがなかなか上手くいかず、
インスリンの使用量もどんどん増えて、随分ご苦労なさったそうです。
糖質制限食に切り替えてからインスリン注射の量も1/3に減り、
血糖コントロールも上々です。 (^_^)
高雄病院入院経験もおありで、患者の立場から糖質制限食について語って下さいます。
私、江部康二は「人類の食生活3段階と血糖値」など
最新の糖質制限食理論と実践をお話し致します。
糖尿病患者さんとのジョイント講演会は初めてなので、
とても楽しみにしています。ヾ(^▽^)
詳細は以下の通りです。
江部康二
『糖尿病・メタボは必ず良くなる!~糖質制限食のすすめ~』
日時 : 2009年2月21日(土)午後1:30分~4:00
場所 :名古屋市女性会館 (名古屋市中区大井町7-25)
TEL 052-331-5288
講師 :江部康二/佐橋紀子(患者の立場から…”翼”代表)
参加費:1.000円/チケット販売・もしくは電話で申し込み
主催 :HUMAN LIFE INFO NET ”翼”
後援 :愛知県教育委員会
問合せ :佐橋紀子(052-501-0994)
高橋君枝(052-502-3670)
原 育世(0568-84-6946)
【他の講演会・講座のお知らせ】
☆☆ 糖質制限食講演会・東京・中野
日時:2009年2月11日(祝日)12時半開場、13時開演~16:00終了
講師:江部康二/大柳珠美(管理栄養士)
会場:なかのZERO 学習室
会費:1500円
申し込み:糖質制限食ネット・リボーン 曽我部ゆかり
(T/F)03−3388−5428
(e-mail) reborn@big.or.jp
☆☆講座「糖尿病・メタボはこう予防する!~糖質制限食のすすめ」京都
場所:朝日カルチャーセンター京都 http://www.asahi-culture.co.jp/www/kyoto-c.html
問い合わせ:075-231-9693(朝日カルチャーセンター京都)
日時:2009年2月17日(火)13:00~14:30
講師:江部康二
【糖質制限食コントロール・教育入院のご案内】
お問い合わせは高雄病院 http://takao-hospital.jp/
住所:京都市右京区梅ヶ畑畑町3
電話:075-871-0245
ベットが空くまでお待ち頂くこともありますがご了承下さい。
【糖質制限食外来治療のご案内・予約制】
高雄病院 電話:075-871-0245
京都市右京区梅ヶ畑畑町3
高雄病院京都駅前診療所 電話:075-352-5050
京都市下京区七条通り烏丸東入ル(50M)北側 ネオフィス 七条烏丸4F
江部診療所 電話:075-712-8133
京都市左京区下鴨高木町6 アトリエ・フォー 2F
2009年01月28日 (水)
おはようございます。
カナダ・イヌイットのルーツを、1月16日のブログで、カナダ・イヌイットの食生活の変遷(主食の変化)を1月20日のブログで、概説しました。今回は、カナダ・イヌイット社会の歴史的変化をみてみましょう。
<社会の変化>
イヌイットといえば誰でもイメージするような、アザラシ猟をして雪の家に住むという文化は、15世紀頃に形成されました。
その後、ホッキョクイワナ、アザラシ、シロイルカ、カリブーといった食材がイヌイットの主食となっていきました。
1900年代初頭までは、散発的にヨーロッパからのタラ漁民、捕鯨者、探検家などとの接触はありましたが、この伝統的食生活・生活様式が保たれていました。
冬季と夏季では、動物資源の分布や自然環境に応じて、周期的にキャンプ地を変えて生活していました。
1910年代にハドソン湾会社などの交易会社がカナダの東部極北地帯へと進出し交易所をつくり始めました。
これで欧米人との交易が本格的に始まり、1920年代から1940年代まで、ホッキョクギツネの毛皮交易が、イヌイットの主たる収入源となりました。
しかし、第二次世界大戦のため欧米の高級毛皮市場が崩壊して、大戦終了後も、毛皮市場は停滞しました。
1940年代は、ホッキョクギツネの毛皮の暴落と結核の蔓延のため、イヌイットの生活は最悪の状態にありました。結核、梅毒、麻疹などの伝染病で総人口の1/3が命を落とし、人口減少が続きました。
1939年以降、カナダ.イヌイットはカナダ政府の管轄におかれ、法律上は「インディアン」と見なされるようになりました。
1950年代半ば以降に、北ケベックのイヌイットは、急速な社会変動を経験しました。
すなわち、カナダ政府による極北官僚制行政時代です。
①定住化、学校教育、福祉・医療サービス
②狩猟を中心とする生業経済から賃金労働を中心とする混交経済への移行
③船外機付きの小型ボート、スノーモービル、高性能ライフルの導入
④交通・通信網の発達
このカナダ政府による政策により、イヌイットの生活様式は、急速に都市化・欧米化していきました。
1970年頃までには、ほとんど全てのイヌイットが村の中で定住するようになりました。
アルコール、タバコ、麻薬はかつてイヌイット社会に無かったものですが、急速に浸透していき、人々を苦しめ大きな影を落とすこととなりました。
1961年にノルウェーでアザラシの皮をなめす技術が開発されて、高級毛皮コートの材料としてイヌイットの新たな交易品となりました。このアザラシの毛皮の交易は、20年間以上イヌイットの主たる収入源となっていました。
しかし、毛皮獣の捕殺に反対する欧米の動物愛護団体の圧力で、1983年ヨーロッパ共同体(EC)が全面的に毛皮の輸入を禁止し、イヌイットの経済は大きな打撃を受けました。
朝日新聞時代の本多勝一氏が、1960年代初頭に現地でイヌイットと共に生活し取材し名著「カナダ・エスキモー」を刊行しています。
この本に書いてあるような、季節的に移動生活を行い、冬季には雪の家に住むような生活は、今ではもうみられません。
1980年代からは定住化のもと、灯油によるセントラル・ヒーティング、村の発電所からの電気、電気冷蔵庫、電気ストーブ、電気オーブン、水洗トイレ・・・が徐々に普及していきます。
冬期には全てが凍結するので下水道、水道はなく、週に1~2回の給水車、汚水や屎尿は各戸のタンクに溜められ、週に1回くみ取り車がきて処理します。
従って、現在のカナダ・イヌイットの家は、電話・テレビなど含め、定期的にシャワーを浴び、衣類も洗濯するので、毛皮の匂いや独特の生活臭などもありません。家をみただけでは、イヌイットの家か白人の家か区別はつきません。
参考文献
①岸上伸啓:イヌイット.中公新書.2005
②岸上伸啓:極北の民カナダ・イヌイット.弘文堂.1998
江部康二
カナダ・イヌイットのルーツを、1月16日のブログで、カナダ・イヌイットの食生活の変遷(主食の変化)を1月20日のブログで、概説しました。今回は、カナダ・イヌイット社会の歴史的変化をみてみましょう。
<社会の変化>
イヌイットといえば誰でもイメージするような、アザラシ猟をして雪の家に住むという文化は、15世紀頃に形成されました。
その後、ホッキョクイワナ、アザラシ、シロイルカ、カリブーといった食材がイヌイットの主食となっていきました。
1900年代初頭までは、散発的にヨーロッパからのタラ漁民、捕鯨者、探検家などとの接触はありましたが、この伝統的食生活・生活様式が保たれていました。
冬季と夏季では、動物資源の分布や自然環境に応じて、周期的にキャンプ地を変えて生活していました。
1910年代にハドソン湾会社などの交易会社がカナダの東部極北地帯へと進出し交易所をつくり始めました。
これで欧米人との交易が本格的に始まり、1920年代から1940年代まで、ホッキョクギツネの毛皮交易が、イヌイットの主たる収入源となりました。
しかし、第二次世界大戦のため欧米の高級毛皮市場が崩壊して、大戦終了後も、毛皮市場は停滞しました。
1940年代は、ホッキョクギツネの毛皮の暴落と結核の蔓延のため、イヌイットの生活は最悪の状態にありました。結核、梅毒、麻疹などの伝染病で総人口の1/3が命を落とし、人口減少が続きました。
1939年以降、カナダ.イヌイットはカナダ政府の管轄におかれ、法律上は「インディアン」と見なされるようになりました。
1950年代半ば以降に、北ケベックのイヌイットは、急速な社会変動を経験しました。
すなわち、カナダ政府による極北官僚制行政時代です。
①定住化、学校教育、福祉・医療サービス
②狩猟を中心とする生業経済から賃金労働を中心とする混交経済への移行
③船外機付きの小型ボート、スノーモービル、高性能ライフルの導入
④交通・通信網の発達
このカナダ政府による政策により、イヌイットの生活様式は、急速に都市化・欧米化していきました。
1970年頃までには、ほとんど全てのイヌイットが村の中で定住するようになりました。
アルコール、タバコ、麻薬はかつてイヌイット社会に無かったものですが、急速に浸透していき、人々を苦しめ大きな影を落とすこととなりました。
1961年にノルウェーでアザラシの皮をなめす技術が開発されて、高級毛皮コートの材料としてイヌイットの新たな交易品となりました。このアザラシの毛皮の交易は、20年間以上イヌイットの主たる収入源となっていました。
しかし、毛皮獣の捕殺に反対する欧米の動物愛護団体の圧力で、1983年ヨーロッパ共同体(EC)が全面的に毛皮の輸入を禁止し、イヌイットの経済は大きな打撃を受けました。
朝日新聞時代の本多勝一氏が、1960年代初頭に現地でイヌイットと共に生活し取材し名著「カナダ・エスキモー」を刊行しています。
この本に書いてあるような、季節的に移動生活を行い、冬季には雪の家に住むような生活は、今ではもうみられません。
1980年代からは定住化のもと、灯油によるセントラル・ヒーティング、村の発電所からの電気、電気冷蔵庫、電気ストーブ、電気オーブン、水洗トイレ・・・が徐々に普及していきます。
冬期には全てが凍結するので下水道、水道はなく、週に1~2回の給水車、汚水や屎尿は各戸のタンクに溜められ、週に1回くみ取り車がきて処理します。
従って、現在のカナダ・イヌイットの家は、電話・テレビなど含め、定期的にシャワーを浴び、衣類も洗濯するので、毛皮の匂いや独特の生活臭などもありません。家をみただけでは、イヌイットの家か白人の家か区別はつきません。
参考文献
①岸上伸啓:イヌイット.中公新書.2005
②岸上伸啓:極北の民カナダ・イヌイット.弘文堂.1998
江部康二
2009年01月27日 (火)
私の勤務する高雄病院は、もともと漢方治療で有名になった病院です。
現在でも、常勤医師全員が漢方治療を行っており、漢方生薬の消費量は、二十年来日本で一番なんです。
今でこそ、あちこちの病院で治療に漢方薬を取り入れたり、漢方外来を開設したりしてますが、漢方治療が注目されるはるか以前から、高雄病院では、漢方治療を行ってきたわけです。
お蔭さまで、北は北海道から南は沖縄まで、日本全国から漢方治療を求めて患者さんが来られますが、それでも、まだまだ漢方について理解されている方は少ないです。
そこで、今回、京都高雄倶楽部と協力して、漢方治療と漢方薬について皆さんに知って頂こうと、講演会を企画しました。名前はよく聞くし、知ってるようでほんとはあまり知らない漢方について、花粉症治療を題材にしてわかりやすく解説します。
講師は、高雄病院京都駅前診療所所長で、漢方専門医の篠原明徳医師です。
篠原医師の漢方講演、軽妙な語り口で、とても面白いですよ。
身近な話題から漢方について分かりやすい解説がきけます。
以下、詳細をご案内致しますので、毎年花粉症で苦しんでおられる方はもちろん、漢方に興味のある方も是非どうぞ。
江部康二
☆☆☆☆☆
高雄病院駅前診療所所長 篠原明徳医師 漢方講演会
『漢方で良くなる花粉症』
日時 2009年2月8日(日)
受付、開場 9:30~
定員 50名(先着順)※定員になり次第締め切り
参加費 1000円(当日受付)
会場 メルパルク京都 6階会議室6
メルパルク京都
〒600-8216
京都市下京区東洞院通七条下ル東塩小路町676番13
【TEL】075-352-7444(代)【FAX】075-352-7390
タイムスケジュール
受付、開場 9:30~
講演時間 10:00~「漢方で良くなる花粉症」第一部
10:40~ 休憩
10:55~「漢方で良くなる花粉症」第二部
11:25 講演終了
質疑応答
お電話・FAX・パソコンからお申し込み頂けます。
お電話でのお申し込み
075-873-2170
FAXでのお申し込み
075-873-2270
E-mailでのお申し込み
takaoclub@ktk-kyoto.jp
お問い合わせは、
京都高雄倶楽部
TEL 075-873-2170
FAX 075-873-2270
E-mail takaoclub@ktk-kyoto.jp
営業時間は、8:45から17:00(くらい)
お休みは土・日・祝です。
席をはずしていることもあるので、留守電に連絡先を入れておいてください。後ほど掛け直させていただきます。
皆さんのお申し込み、お待ちしてます♪
現在でも、常勤医師全員が漢方治療を行っており、漢方生薬の消費量は、二十年来日本で一番なんです。
今でこそ、あちこちの病院で治療に漢方薬を取り入れたり、漢方外来を開設したりしてますが、漢方治療が注目されるはるか以前から、高雄病院では、漢方治療を行ってきたわけです。
お蔭さまで、北は北海道から南は沖縄まで、日本全国から漢方治療を求めて患者さんが来られますが、それでも、まだまだ漢方について理解されている方は少ないです。
そこで、今回、京都高雄倶楽部と協力して、漢方治療と漢方薬について皆さんに知って頂こうと、講演会を企画しました。名前はよく聞くし、知ってるようでほんとはあまり知らない漢方について、花粉症治療を題材にしてわかりやすく解説します。
講師は、高雄病院京都駅前診療所所長で、漢方専門医の篠原明徳医師です。
篠原医師の漢方講演、軽妙な語り口で、とても面白いですよ。
身近な話題から漢方について分かりやすい解説がきけます。
以下、詳細をご案内致しますので、毎年花粉症で苦しんでおられる方はもちろん、漢方に興味のある方も是非どうぞ。
江部康二
☆☆☆☆☆
高雄病院駅前診療所所長 篠原明徳医師 漢方講演会
『漢方で良くなる花粉症』
日時 2009年2月8日(日)
受付、開場 9:30~
定員 50名(先着順)※定員になり次第締め切り
参加費 1000円(当日受付)
会場 メルパルク京都 6階会議室6
メルパルク京都
〒600-8216
京都市下京区東洞院通七条下ル東塩小路町676番13
【TEL】075-352-7444(代)【FAX】075-352-7390
タイムスケジュール
受付、開場 9:30~
講演時間 10:00~「漢方で良くなる花粉症」第一部
10:40~ 休憩
10:55~「漢方で良くなる花粉症」第二部
11:25 講演終了
質疑応答
お電話・FAX・パソコンからお申し込み頂けます。
お電話でのお申し込み
075-873-2170
FAXでのお申し込み
075-873-2270
E-mailでのお申し込み
takaoclub@ktk-kyoto.jp
お問い合わせは、
京都高雄倶楽部
TEL 075-873-2170
FAX 075-873-2270
E-mail takaoclub@ktk-kyoto.jp
営業時間は、8:45から17:00(くらい)
お休みは土・日・祝です。
席をはずしていることもあるので、留守電に連絡先を入れておいてください。後ほど掛け直させていただきます。
皆さんのお申し込み、お待ちしてます♪
2009年01月27日 (火)
おはようございます。今日は、とてもいい天気です。
ほぼ快晴といってよく、寒さも和らいでしのぎやすそうな一日となりそうです。
ところで、インフルエンザが、いよいよ流行ってきてますね。昨夜は、私が担当ではなかったのですが、江部診療所でも5人ほどインフルエンザAの患者さんがこられました。
皆さん、手洗い・うがい・マスクなど感染防御に役立ちますのでお忘れなく。
さて今回は、ふじさんからHbA1cの日本基準と国際基準についてコメント・質問をいただきました。
『ふじ
「IFCC標準について」
何時も貴重な情報ありがとうございます。 勝手な事を云って申し訳ありませんが、先生のブログは、生きていくのに必要なのです。どうかこれからも、許されるのなら継続をお願いします。
ヘモグロビンの基準が国際化され、
IFCC標準を採用となり少し値が増えました(例旧5.6→新6.0)
従来の5.8以下が「優」マークだった基準はそのまんまなのでしょうか?
もしこの題材が採用にみたされる内容であるのなら、宜しくお願いします。
2009/01/23(金) 14:40:07』
ふじさん。コメントありがとうございます。
HbA1cの基準、国際統一化が目指されているのですが、日本の基準とはまだまだ乖離していて、全然統一されていません。
血中クレアチニンの基準値とか、尿中アルブミンの基準値とか、様々な尿・血液の検査で、各施設間で基準値が少し違うことが多いです。これは、使用する検査機器や検査キット、標準試薬などが異なるため、あるていど仕方のないことです。
一方、HbA1cに関しては、各施設のデータがばらついている状況はまずいということで、日本糖尿病学会(JDS)により1993年から、国内での標準化が目指されました。
まずは、検査方法の統一化が進められました。ついで、2001年に実試料標準物質「JDS Lot2」が認証されました。その後、2006年に「JDS Lot3」が認証され切り替えられました。JDS(Japan Diabetes Society)は、日本糖尿病学会のことです。
日本国内では、これで以前ほどは、施設間の差は無くなってきています。従って、日本で糖尿病の検査をした場合HbA1cの基準値は、従来と同様と考えて大丈夫です。HbA1c5.8%以下が「優」でかわりなしです。
しかし、欧米の国際臨床科学連合(IFCC)のHbA1cは、測定法が日本と違うので補正が必要です。
IFCCの基準についていろいろ調べたのですが、結論は、結構面倒くさくて、まだまだ日本の基準がIFCC基準にすぐに移行するのは困難のようです。
2007年7月、糖尿病に関連した国際主要学術団体であるIDF,ADA,IFCCの共同声明があり、
「今後HbA1cの測定値は、IFCCの基準分析法による値IFCC HbA1c(mmol/mol)とIFCC-NGSP変換式によるNGSP HbA1c(%)との両方を併記するように勧告する」
となっています。
すなわち、HbA1cはIFCC法で求めた値(mmol/mol)とIFCCーNGSP変換式による値(%)の2つの併記が、欧米の学術論文では必要となりました。
日本のHbA1c標準物質JCLLS CRM004aは、JDS Lot1の値をスタートとして、これを引き継いだ値が表示されていますが、上述の声明にはあてはまりません。要するにHbA1cに関して国際基準と日本の基準は全く異なっているわけです。
しかし、JDSの値は、日本国内で広く使用されているので、急にJDSの値を中止することは事実上不可能です。
少なくとも欧米の医学雑誌に投稿する学術論文では、IFCC値と変換NGSP値の併記は必要ですが、
一般の糖尿人がコントロールの指標とするのには、今まで通り日本基準のHbA1cで当分は問題ないと思います。
今後、いろいろ折り合いをつけて、国際基準と日本基準の乖離が埋められていく方向には、向いていくはずです。
*NGSP : National Glycohemoglobin Standardization Program
**JDS:日本糖尿病学会
***
河合勝幸さんのホームページにHbA1cの国際標準化について詳しく載っていますので、
興味のある方はご覧になっては如何でしょう。
http://www.somos.co.jp/solution/d/075.html" target="_blank" title=" http://www.somos.co.jp/solution/d/075.html"> http://www.somos.co.jp/solution/d/075.html
江部康二
ほぼ快晴といってよく、寒さも和らいでしのぎやすそうな一日となりそうです。
ところで、インフルエンザが、いよいよ流行ってきてますね。昨夜は、私が担当ではなかったのですが、江部診療所でも5人ほどインフルエンザAの患者さんがこられました。
皆さん、手洗い・うがい・マスクなど感染防御に役立ちますのでお忘れなく。
さて今回は、ふじさんからHbA1cの日本基準と国際基準についてコメント・質問をいただきました。
『ふじ
「IFCC標準について」
何時も貴重な情報ありがとうございます。 勝手な事を云って申し訳ありませんが、先生のブログは、生きていくのに必要なのです。どうかこれからも、許されるのなら継続をお願いします。
ヘモグロビンの基準が国際化され、
IFCC標準を採用となり少し値が増えました(例旧5.6→新6.0)
従来の5.8以下が「優」マークだった基準はそのまんまなのでしょうか?
もしこの題材が採用にみたされる内容であるのなら、宜しくお願いします。
2009/01/23(金) 14:40:07』
ふじさん。コメントありがとうございます。
HbA1cの基準、国際統一化が目指されているのですが、日本の基準とはまだまだ乖離していて、全然統一されていません。
血中クレアチニンの基準値とか、尿中アルブミンの基準値とか、様々な尿・血液の検査で、各施設間で基準値が少し違うことが多いです。これは、使用する検査機器や検査キット、標準試薬などが異なるため、あるていど仕方のないことです。
一方、HbA1cに関しては、各施設のデータがばらついている状況はまずいということで、日本糖尿病学会(JDS)により1993年から、国内での標準化が目指されました。
まずは、検査方法の統一化が進められました。ついで、2001年に実試料標準物質「JDS Lot2」が認証されました。その後、2006年に「JDS Lot3」が認証され切り替えられました。JDS(Japan Diabetes Society)は、日本糖尿病学会のことです。
日本国内では、これで以前ほどは、施設間の差は無くなってきています。従って、日本で糖尿病の検査をした場合HbA1cの基準値は、従来と同様と考えて大丈夫です。HbA1c5.8%以下が「優」でかわりなしです。
しかし、欧米の国際臨床科学連合(IFCC)のHbA1cは、測定法が日本と違うので補正が必要です。
IFCCの基準についていろいろ調べたのですが、結論は、結構面倒くさくて、まだまだ日本の基準がIFCC基準にすぐに移行するのは困難のようです。
2007年7月、糖尿病に関連した国際主要学術団体であるIDF,ADA,IFCCの共同声明があり、
「今後HbA1cの測定値は、IFCCの基準分析法による値IFCC HbA1c(mmol/mol)とIFCC-NGSP変換式によるNGSP HbA1c(%)との両方を併記するように勧告する」
となっています。
すなわち、HbA1cはIFCC法で求めた値(mmol/mol)とIFCCーNGSP変換式による値(%)の2つの併記が、欧米の学術論文では必要となりました。
日本のHbA1c標準物質JCLLS CRM004aは、JDS Lot1の値をスタートとして、これを引き継いだ値が表示されていますが、上述の声明にはあてはまりません。要するにHbA1cに関して国際基準と日本の基準は全く異なっているわけです。
しかし、JDSの値は、日本国内で広く使用されているので、急にJDSの値を中止することは事実上不可能です。
少なくとも欧米の医学雑誌に投稿する学術論文では、IFCC値と変換NGSP値の併記は必要ですが、
一般の糖尿人がコントロールの指標とするのには、今まで通り日本基準のHbA1cで当分は問題ないと思います。
今後、いろいろ折り合いをつけて、国際基準と日本基準の乖離が埋められていく方向には、向いていくはずです。
*NGSP : National Glycohemoglobin Standardization Program
**JDS:日本糖尿病学会
***
河合勝幸さんのホームページにHbA1cの国際標準化について詳しく載っていますので、
興味のある方はご覧になっては如何でしょう。
http://www.somos.co.jp/solution/d/075.html" target="_blank" title=" http://www.somos.co.jp/solution/d/075.html"> http://www.somos.co.jp/solution/d/075.html
江部康二
2009年01月26日 (月)
こんばんは。
NHK「ためしてがってん」で、ダイエットがテーマの放送があったようです。
私は、その番組を見ていなかったのですが、小嶋靖之さんと荻野知昭さんからコメント・質問をいただきました。
『09/01/23 小嶋 靖之
1月21日NHK「ためしてがってん」
あの人気番組をご覧になったでしょうか。私は仰天してしまいました。簡単に言うと女子大生が同じカロリー制限をしたのに、成功と失敗に分かれた。失敗の原因は糖質が不足したこと。その理由は脳にブドウ糖が不足し、脳がエネルギー不足と勘違いして脳に飢餓スイッチが入り、脂肪に変えて体内に取り込む指令を出すということでした。解決策は例の6:2:2のバランスのよい食事をカロリー制限をして摂る。極端なダイエットは避けること。その時あるタレントの「炭水化物を抜くのは?」の質問に「ダメ!ダメ!」とどこかの大学の女性講師が叫んでいました。実際、その方式で見事ダイエットに成功した中年女性が出ていて、わたしは「やれやれ」と思いながら見ていました。みのもんたならともかく、天下のNHKですから影響が大きいと思います。私は先生の著書の久山町のエピソードにまったく「がってん」しています。ただこの番組は、糖尿病ではなくダイエットがテーマであったことを申し添えておきます。見て頂けていたらいいのですが・・・。コメントをぜひお願いします。
私は65歳、糖尿病歴25年です。幸いまだ合併症は生じていませんが、HbA1c値が7の後半になることが多く、いつも主治医に渋い顔をされていました。この本に出会い、試しに「まねごと」をしてみようと思いました。「まねごと」にしたのは、現在3種類の薬を飲んでいますし、低血糖を恐れたからです。60%程度の糖質制限食を3ヶ月前からはじめたのですが、驚いたことにHbA1c値が6の後半まで下がりました。医者は不思議に思っていますが、まだ話していません。幸いこの3月で退職しますので、時間が取れるようになり、その時きちんと主治医に話すことにしています。それからぜひ貴医院に体験入院をさせていただきたいと考えています。
Happy Retirement の初仕事にしたいと思っています。その節はどうぞよろしくお願いします。
小嶋靖之』
小嶋 靖之さん。
コメントありがとうございます。HbA1c値の改善、良かったですね。 (^_^)
糖尿病歴25年と、なかなか年期が入っておられますが、糖質制限食コントロール・教育入院されれば、経口血糖降下剤などはいらなくなり、インスリンも1/3以下になることがほとんどです。2割くらいの糖尿人は、インスリン離脱しておられますよ。
高雄病院には、累計400人以上の糖尿人の入院糖質制限食治療の詳しいデータがあり、自慢たらしくて恐縮ですが、これはやっぱり世界一と思います。(^-^)v(^-^)v
入院でしか体験できない、いろんなノウハウもあります。小嶋さん、お待ちしてますので、入院担当職員にご連絡頂けば幸いです。*
さて、ためしてガッテンですが、荻野知昭さんからも内容に関する詳しいコメントをいただきました。
少し長いので、読者の皆さん1.24の荻野さんのコメントをご参照ください。
現在、お医者さんや栄養士さんの知らない「栄養・代謝・生理学の知識」を整理しています。そのうちブログ記事にしたいと思います。常識と思われていたことが、生理学の事実と乖離していることもかなりありますので、興味深いです。
で、今回のためしてガッテンは、減量に関して理論も根拠もなにもないと思います。
江部康二のためしてガッテンへの反論
①糖質制限食を実践すれば高血糖は改善するが、糖新生などにより低血糖にはならない。
②脳は、ブドウ糖だけでなく、脂肪酸の代謝産物のケトン体も普通に利用する。
この①②は、論争の余地のない生理学的事実ですので、これを、知らないとお話しになりません。
ためしてガッテンの理論は、出発時点で二重に間違って破綻してますね。
それから減量に関しては
「糖質制限食」では、糖質を摂取しないので
1 肥満ホルモン(追加分泌インスリン**)がほとんどでない。
2 体脂肪が常に燃えている。
3 血中のケトン体値が高まり、尿中や呼気中にカロリーと共に生理的に排泄される。
4 肝臓でアミノ酸などから糖新生が行われそれに高エネルギーが消費される。
この4つのアドバンテージにより、糖質制限食では体重が減ります。糖質を摂取すれば血糖値が急峻に上昇し、追加分泌インスリンが大量に分泌されます。
そして上記の「1,2,3,4」のアドバンテージは、全て失われます。つまり、少なくとも同一カロリーなら、理論的に糖質制限食のほうが体重減少効果はあります。
ニューイングランド・ジャーナルという権威ある欧米の文献でも、糖質制限食がカロリー制限食に比べて体重減少効果があることが、報告されています。***
女子大生数人で何ヶ月かのレベルはなくて、322人で2年間かけた研究です。ちなみに、低脂肪高糖質食が、一番体重減少効果がありませんでした。
NHKのデータと、どちらが信頼度が高いか、言うまでもありませんね。
なおダイエットに関して、詳しくは、2008年04月02日のブログ<糖質制限食による減量効果>もご参照ください。
*
【糖質制限食コントロール・教育入院のご案内】
お問い合わせは高雄病院 http://takao-hospital.jp/
住所:京都市右京区梅ヶ畑畑町3
電話:075-871-0245
ベットが空くまでお待ち頂くこともありますがご了承下さい。
**
肥満ホルモン(インスリン)
糖質を摂取して血糖値が上昇すると、インスリンが追加分泌されて、血糖は骨格筋や心筋などの細胞に取り込まれて利用されたり、グリコーゲンとして蓄えられます。しかし、血中の余剰の血糖は中性脂肪に変えられて体脂肪として蓄積されていきます。インスリンが肥満ホルモンと呼ばれる所以です。糖質制限食なら血糖値はほとんど上昇しないので、インスリンもほとんど追加分泌されません。
***
低炭水化物法が最も体重減少。HDL-Cも増加。
• イスラエルの322人(男性86%)
• (1)低脂肪法(カロリー制限あり)
• (2)オリーブ油の地中海法(カロリー制限あり)
• (3)低炭水化物法(カロリー制限なし)
• 3グループの食事法を2年間
• 低炭水化物法が最も体重減少。HDL-Cも増加。
• NENGLJ MED JULY17,2008、 VOL359. NO.3 229-241
NHK「ためしてがってん」で、ダイエットがテーマの放送があったようです。
私は、その番組を見ていなかったのですが、小嶋靖之さんと荻野知昭さんからコメント・質問をいただきました。
『09/01/23 小嶋 靖之
1月21日NHK「ためしてがってん」
あの人気番組をご覧になったでしょうか。私は仰天してしまいました。簡単に言うと女子大生が同じカロリー制限をしたのに、成功と失敗に分かれた。失敗の原因は糖質が不足したこと。その理由は脳にブドウ糖が不足し、脳がエネルギー不足と勘違いして脳に飢餓スイッチが入り、脂肪に変えて体内に取り込む指令を出すということでした。解決策は例の6:2:2のバランスのよい食事をカロリー制限をして摂る。極端なダイエットは避けること。その時あるタレントの「炭水化物を抜くのは?」の質問に「ダメ!ダメ!」とどこかの大学の女性講師が叫んでいました。実際、その方式で見事ダイエットに成功した中年女性が出ていて、わたしは「やれやれ」と思いながら見ていました。みのもんたならともかく、天下のNHKですから影響が大きいと思います。私は先生の著書の久山町のエピソードにまったく「がってん」しています。ただこの番組は、糖尿病ではなくダイエットがテーマであったことを申し添えておきます。見て頂けていたらいいのですが・・・。コメントをぜひお願いします。
私は65歳、糖尿病歴25年です。幸いまだ合併症は生じていませんが、HbA1c値が7の後半になることが多く、いつも主治医に渋い顔をされていました。この本に出会い、試しに「まねごと」をしてみようと思いました。「まねごと」にしたのは、現在3種類の薬を飲んでいますし、低血糖を恐れたからです。60%程度の糖質制限食を3ヶ月前からはじめたのですが、驚いたことにHbA1c値が6の後半まで下がりました。医者は不思議に思っていますが、まだ話していません。幸いこの3月で退職しますので、時間が取れるようになり、その時きちんと主治医に話すことにしています。それからぜひ貴医院に体験入院をさせていただきたいと考えています。
Happy Retirement の初仕事にしたいと思っています。その節はどうぞよろしくお願いします。
小嶋靖之』
小嶋 靖之さん。
コメントありがとうございます。HbA1c値の改善、良かったですね。 (^_^)
糖尿病歴25年と、なかなか年期が入っておられますが、糖質制限食コントロール・教育入院されれば、経口血糖降下剤などはいらなくなり、インスリンも1/3以下になることがほとんどです。2割くらいの糖尿人は、インスリン離脱しておられますよ。
高雄病院には、累計400人以上の糖尿人の入院糖質制限食治療の詳しいデータがあり、自慢たらしくて恐縮ですが、これはやっぱり世界一と思います。(^-^)v(^-^)v
入院でしか体験できない、いろんなノウハウもあります。小嶋さん、お待ちしてますので、入院担当職員にご連絡頂けば幸いです。*
さて、ためしてガッテンですが、荻野知昭さんからも内容に関する詳しいコメントをいただきました。
少し長いので、読者の皆さん1.24の荻野さんのコメントをご参照ください。
現在、お医者さんや栄養士さんの知らない「栄養・代謝・生理学の知識」を整理しています。そのうちブログ記事にしたいと思います。常識と思われていたことが、生理学の事実と乖離していることもかなりありますので、興味深いです。
で、今回のためしてガッテンは、減量に関して理論も根拠もなにもないと思います。
江部康二のためしてガッテンへの反論
①糖質制限食を実践すれば高血糖は改善するが、糖新生などにより低血糖にはならない。
②脳は、ブドウ糖だけでなく、脂肪酸の代謝産物のケトン体も普通に利用する。
この①②は、論争の余地のない生理学的事実ですので、これを、知らないとお話しになりません。
ためしてガッテンの理論は、出発時点で二重に間違って破綻してますね。
それから減量に関しては
「糖質制限食」では、糖質を摂取しないので
1 肥満ホルモン(追加分泌インスリン**)がほとんどでない。
2 体脂肪が常に燃えている。
3 血中のケトン体値が高まり、尿中や呼気中にカロリーと共に生理的に排泄される。
4 肝臓でアミノ酸などから糖新生が行われそれに高エネルギーが消費される。
この4つのアドバンテージにより、糖質制限食では体重が減ります。糖質を摂取すれば血糖値が急峻に上昇し、追加分泌インスリンが大量に分泌されます。
そして上記の「1,2,3,4」のアドバンテージは、全て失われます。つまり、少なくとも同一カロリーなら、理論的に糖質制限食のほうが体重減少効果はあります。
ニューイングランド・ジャーナルという権威ある欧米の文献でも、糖質制限食がカロリー制限食に比べて体重減少効果があることが、報告されています。***
女子大生数人で何ヶ月かのレベルはなくて、322人で2年間かけた研究です。ちなみに、低脂肪高糖質食が、一番体重減少効果がありませんでした。
NHKのデータと、どちらが信頼度が高いか、言うまでもありませんね。
なおダイエットに関して、詳しくは、2008年04月02日のブログ<糖質制限食による減量効果>もご参照ください。
*
【糖質制限食コントロール・教育入院のご案内】
お問い合わせは高雄病院 http://takao-hospital.jp/
住所:京都市右京区梅ヶ畑畑町3
電話:075-871-0245
ベットが空くまでお待ち頂くこともありますがご了承下さい。
**
肥満ホルモン(インスリン)
糖質を摂取して血糖値が上昇すると、インスリンが追加分泌されて、血糖は骨格筋や心筋などの細胞に取り込まれて利用されたり、グリコーゲンとして蓄えられます。しかし、血中の余剰の血糖は中性脂肪に変えられて体脂肪として蓄積されていきます。インスリンが肥満ホルモンと呼ばれる所以です。糖質制限食なら血糖値はほとんど上昇しないので、インスリンもほとんど追加分泌されません。
***
低炭水化物法が最も体重減少。HDL-Cも増加。
• イスラエルの322人(男性86%)
• (1)低脂肪法(カロリー制限あり)
• (2)オリーブ油の地中海法(カロリー制限あり)
• (3)低炭水化物法(カロリー制限なし)
• 3グループの食事法を2年間
• 低炭水化物法が最も体重減少。HDL-Cも増加。
• NENGLJ MED JULY17,2008、 VOL359. NO.3 229-241
2009年01月26日 (月)
こんにちは。
今朝は小雪がちらついて、ちょうどゼロ度の京都でした。
今回は、糖質制限食で「食べて良い食品と避けるべき食品の表」の変遷について、ウチボリさんからコメント・質問をいただきました。
『ウチボリ
ピーナツ、アーモンドは食べてよいのですか、避けるべきですか。「主食を抜けば糖尿病は良くなる」と、「わかさ」の記述が違っているようですが。
2009/01/26(月) 13:40:00 』
ウチボリさん。コメントありがとうございます。
おっしゃるとおり、初期の「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」の「食べて良い食品と避けるべき食品」の表には、ナッツ類とヨーグルトが、食べて良い食品に分類されていました。
しかし、その後あまたの糖尿人への入念な聞き取り調査の結果、「プレーンヨーグルトなら大丈夫なのですね。」ということで1回に500g容器丸ごと全部平気で食べるひとが、続出…ヾ(゜▽゜)
いやはやびっくりしまして、あわてて△食品に変更しました。 (*_*)
プレーンヨーグルトは、100g中5gの糖質が含まれていて、厚生労働省の基準では低糖質食ですが、いくら何でも量の問題ですね。
牛乳も同じく100g中に5gの糖質で、基準では低糖質食品ですが、こちらは「1リットルくらい平気で飲む人がいるだろう」という予測のもとに最初から×食品としました。
ピーナツ、アーモンドなどナッツ類も同様で、1回に30粒(40~50g)くらいでしたら糖質は5g以下なので初期は○食品としていました。
しかし、ここでまた、あまたの糖尿人への入念な聞き取り調査の結果、100g入りのミックスナッツを1日2~3袋食べる人とか、果ては1kgの袋を買って、一日中食べる人w(゚o゚)w
とかなんぼでもおられて、びっくりするやらあきれるやらで、急遽△食品に格下げしました。
従いまして、2005年発刊の初期の本では、ヨーグルトやナッツ類は○食品ですが、最近の本や、重版の本では、△食品と変更させていただきました。
結果として、「言ってることが違うやないか」とお叱りを受けそうですが、ご容赦のほど・・・・m(_ _)m
結局、1gの糖質が体重64kgの糖尿人の血糖値を「1型で5mg、2型で3mg」上昇させるということを念頭において、一回の食事で摂取する糖質の量を自己管理していただけば幸いです。
江部康二
今朝は小雪がちらついて、ちょうどゼロ度の京都でした。
今回は、糖質制限食で「食べて良い食品と避けるべき食品の表」の変遷について、ウチボリさんからコメント・質問をいただきました。
『ウチボリ
ピーナツ、アーモンドは食べてよいのですか、避けるべきですか。「主食を抜けば糖尿病は良くなる」と、「わかさ」の記述が違っているようですが。
2009/01/26(月) 13:40:00 』
ウチボリさん。コメントありがとうございます。
おっしゃるとおり、初期の「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」の「食べて良い食品と避けるべき食品」の表には、ナッツ類とヨーグルトが、食べて良い食品に分類されていました。
しかし、その後あまたの糖尿人への入念な聞き取り調査の結果、「プレーンヨーグルトなら大丈夫なのですね。」ということで1回に500g容器丸ごと全部平気で食べるひとが、続出…ヾ(゜▽゜)
いやはやびっくりしまして、あわてて△食品に変更しました。 (*_*)
プレーンヨーグルトは、100g中5gの糖質が含まれていて、厚生労働省の基準では低糖質食ですが、いくら何でも量の問題ですね。
牛乳も同じく100g中に5gの糖質で、基準では低糖質食品ですが、こちらは「1リットルくらい平気で飲む人がいるだろう」という予測のもとに最初から×食品としました。
ピーナツ、アーモンドなどナッツ類も同様で、1回に30粒(40~50g)くらいでしたら糖質は5g以下なので初期は○食品としていました。
しかし、ここでまた、あまたの糖尿人への入念な聞き取り調査の結果、100g入りのミックスナッツを1日2~3袋食べる人とか、果ては1kgの袋を買って、一日中食べる人w(゚o゚)w
とかなんぼでもおられて、びっくりするやらあきれるやらで、急遽△食品に格下げしました。
従いまして、2005年発刊の初期の本では、ヨーグルトやナッツ類は○食品ですが、最近の本や、重版の本では、△食品と変更させていただきました。
結果として、「言ってることが違うやないか」とお叱りを受けそうですが、ご容赦のほど・・・・m(_ _)m
結局、1gの糖質が体重64kgの糖尿人の血糖値を「1型で5mg、2型で3mg」上昇させるということを念頭において、一回の食事で摂取する糖質の量を自己管理していただけば幸いです。
江部康二
2009年01月25日 (日)
おはようございます。
昨夜は、四条御前下がる「ナッシュビル」というライブハウスにいってきました。他のバンドの演奏を聞くのは、なかなか参考になりますね。
さて今日は、「糖質制限食講演会・東京・中野」のご案内です。
今回は、時間的にたっぷり会場がとれましたので、管理栄養士の大柳珠美さんと江部康二のジョイント講演が実現しました。
さらに質疑応答の時間もしっかりとって、大柳さんの栄養相談のコーナーまであり、自分で言うのも何ですが、至れり尽くせりの講演会が実現したと自負しております。(^-^)v(^-^)v
糖質制限食基礎理論のパワーポイント・スライド・データ満載の小冊子もついてますよ。
東京方面の糖尿人、メタボ人、アトピーの方々、是非奮ってご参加くださいね。
以下はNPO法人、糖質制限食ネット・リボーン事務局の曽我部ゆかりさんからのメッセージです。
☆☆☆
リボーン曽我部ゆかりより、ドクター江部のブログ読者の皆様へ
新しい年が皆様にとって実り多い一年となりますようお祈りしつつ、皆様に新春の報告です。
これまで任意団体として活動を続けてきたアトピー・ネットワーク・リボーンが、特定非営利活動法人(NPO法人)として認証され、名称を糖質制限食ネット・リボーンと改め、この1月7日に創立の運びとなりました。
創立を記念して、2月11日(祝・水)に、糖質制限食講演会『食事で治す アトピー・糖尿病・肥満・メタボ』を開催いたします。
今回は、講師にリボーンの理事長の江部康二先生と同じく理事で管理栄養士の大柳珠美先生をお迎えいたします。(詳細は下記をご参照ください)
今後は、『食事で治す』をキーワードに、糖尿病やアトピーなど生活習慣病全般の改善のために有効な糖質制限食とテーラーメイドダイエットの理論と実践法を、広く一般社会に普及してくため活動を展開いたします。
私たちの活動はより多くの市民の方々の参加によって成り立ち発展していきます。薬に頼らない医療の実現を願い、私たちとともに、「食」の根底を見直していきませんか。多くの方々のご入会を心よりお待ちしております。
●会員になられた皆様の特典としては
機関誌『Reborn』(年4回発行予定)とニュースレター(随時)のお届け、講演会ならびにセミナー、勉強会、交流会、料理教室などの優先予約と割引、メールでの相談(その他検討中)が中心となります。
●会費について
入会金なし
年会費 正会員 (個人) 5,000円
賛助会員(個人) 3,000円
賛助会員(団体) 一口30,000円(一口以上)
寄付金大歓迎!
(会費の有効期限は4月~3月で、途中入会は期間割になります)。
入会ご希望の方は、(reborn@big.or.jp TEL,FAX 03-3388-5428)まで資料をご請求ください。
今期に入会された方は、2月11日から講演会割引が適用になります。
☆講演会のお知らせ☆
2009年2月11日(祝・水)
『食事で治す・アトピー・糖尿病・肥満・メタボ』vol 11
NPO法人糖質制限食ネット・リボーン創立記念 講演会
なんでも相談と個別食事相談も開設!
●講 師 江部康二(医師、高雄病院理事長)
大柳珠美(管理栄養士)
●会 場 なかのゼロホール西館学習室1
(東京中野、JR中野駅南口下車、新宿方面への線路沿いの道を歩き約5分。途中案内板あり)
●定 員 100名(申込先着順)
●会 費 当日払い リボーン会員1200円 一般1500円(資料付き)
●タイムスケジュール
12時30分 開場
13時00分 開始
16時00分 講演終了
☆質疑応答☆無料食事相談も充実☆
今回の講演会では、第1部に江部康二先生による糖質制限食の理論と実践を最新データをまじえながら、基礎から応用まで徹底的にわかりやすくお話いただきます。さらに第2部では管理栄養士の大柳珠美先生に、日々糖質制限食を実践するにあたっての具体的な食の提案(経済的で手軽に実践できるレシピ)と外食のしかたなどのアドバイスをしていただきます。また、今回は『なんでも相談』の時間ももうけ、江部康二先生と大柳珠美先生が参加者の個別のご相談に応じるほか、講演会終了後に、江部康二先生のサイン会と大柳珠美先生の無料食事相談も開設いたします。
●お申し込み・資料請求●
NPO法人糖質制限食ネット・リボーン(担当 曽我部ゆかり)
reborn@big.or.jp TEL,FAX 03-3388-5428
【他の講演会のご案内】
☆☆講座「糖尿病・メタボはこう予防する!~糖質制限食のすすめ」京都
朝日カルチャーセンター京都 http://www.asahi-culture.co.jp/www/kyoto-c.html
075-231-9693
2009年2月17日(火)13:00~14:30
☆☆ 演題:『糖尿病・メタボは必ず良くなる!~糖質制限食のすすめ~』
とき : 2009年2月21日(土)午後1:30分~4:00
ところ :名古屋市女性会館 (名古屋市中区大井町7-25)
℡052-331-5288
講師 :江部康二/佐橋紀子(患者の立場から…”翼”代表)
参加費:1.000円/チケット販売・もしくは電話で申し込み
主催 :HUMAN LIFE INFO NET ”翼”
問合せ :佐橋紀子(052-501-0994)
高橋君枝(052-502-3670)
原 育世(0568-84-6946)
【糖質制限食コントロール・教育入院のご案内】
お問い合わせは高雄病院 http://takao-hospital.jp/
住所:京都市右京区梅ヶ畑畑町3
電話:075-871-0245
ベットが空くまでお待ち頂くこともありますがご了承下さい。
【糖質制限食外来治療のご案内・予約制】
高雄病院 電話:075-871-0245
京都市右京区梅ヶ畑畑町3
高雄病院京都駅前診療所 電話:075-352-5050
京都市下京区七条通り烏丸東入ル(50M)北側 ネオフィス 七条烏丸4F
江部診療所 電話:075-712-8133
京都市左京区下鴨高木町6 アトリエ・フォー 2F
昨夜は、四条御前下がる「ナッシュビル」というライブハウスにいってきました。他のバンドの演奏を聞くのは、なかなか参考になりますね。
さて今日は、「糖質制限食講演会・東京・中野」のご案内です。
今回は、時間的にたっぷり会場がとれましたので、管理栄養士の大柳珠美さんと江部康二のジョイント講演が実現しました。
さらに質疑応答の時間もしっかりとって、大柳さんの栄養相談のコーナーまであり、自分で言うのも何ですが、至れり尽くせりの講演会が実現したと自負しております。(^-^)v(^-^)v
糖質制限食基礎理論のパワーポイント・スライド・データ満載の小冊子もついてますよ。
東京方面の糖尿人、メタボ人、アトピーの方々、是非奮ってご参加くださいね。
以下はNPO法人、糖質制限食ネット・リボーン事務局の曽我部ゆかりさんからのメッセージです。
☆☆☆
リボーン曽我部ゆかりより、ドクター江部のブログ読者の皆様へ
新しい年が皆様にとって実り多い一年となりますようお祈りしつつ、皆様に新春の報告です。
これまで任意団体として活動を続けてきたアトピー・ネットワーク・リボーンが、特定非営利活動法人(NPO法人)として認証され、名称を糖質制限食ネット・リボーンと改め、この1月7日に創立の運びとなりました。
創立を記念して、2月11日(祝・水)に、糖質制限食講演会『食事で治す アトピー・糖尿病・肥満・メタボ』を開催いたします。
今回は、講師にリボーンの理事長の江部康二先生と同じく理事で管理栄養士の大柳珠美先生をお迎えいたします。(詳細は下記をご参照ください)
今後は、『食事で治す』をキーワードに、糖尿病やアトピーなど生活習慣病全般の改善のために有効な糖質制限食とテーラーメイドダイエットの理論と実践法を、広く一般社会に普及してくため活動を展開いたします。
私たちの活動はより多くの市民の方々の参加によって成り立ち発展していきます。薬に頼らない医療の実現を願い、私たちとともに、「食」の根底を見直していきませんか。多くの方々のご入会を心よりお待ちしております。
●会員になられた皆様の特典としては
機関誌『Reborn』(年4回発行予定)とニュースレター(随時)のお届け、講演会ならびにセミナー、勉強会、交流会、料理教室などの優先予約と割引、メールでの相談(その他検討中)が中心となります。
●会費について
入会金なし
年会費 正会員 (個人) 5,000円
賛助会員(個人) 3,000円
賛助会員(団体) 一口30,000円(一口以上)
寄付金大歓迎!
(会費の有効期限は4月~3月で、途中入会は期間割になります)。
入会ご希望の方は、(reborn@big.or.jp TEL,FAX 03-3388-5428)まで資料をご請求ください。
今期に入会された方は、2月11日から講演会割引が適用になります。
☆講演会のお知らせ☆
2009年2月11日(祝・水)
『食事で治す・アトピー・糖尿病・肥満・メタボ』vol 11
NPO法人糖質制限食ネット・リボーン創立記念 講演会
なんでも相談と個別食事相談も開設!
●講 師 江部康二(医師、高雄病院理事長)
大柳珠美(管理栄養士)
●会 場 なかのゼロホール西館学習室1
(東京中野、JR中野駅南口下車、新宿方面への線路沿いの道を歩き約5分。途中案内板あり)
●定 員 100名(申込先着順)
●会 費 当日払い リボーン会員1200円 一般1500円(資料付き)
●タイムスケジュール
12時30分 開場
13時00分 開始
16時00分 講演終了
☆質疑応答☆無料食事相談も充実☆
今回の講演会では、第1部に江部康二先生による糖質制限食の理論と実践を最新データをまじえながら、基礎から応用まで徹底的にわかりやすくお話いただきます。さらに第2部では管理栄養士の大柳珠美先生に、日々糖質制限食を実践するにあたっての具体的な食の提案(経済的で手軽に実践できるレシピ)と外食のしかたなどのアドバイスをしていただきます。また、今回は『なんでも相談』の時間ももうけ、江部康二先生と大柳珠美先生が参加者の個別のご相談に応じるほか、講演会終了後に、江部康二先生のサイン会と大柳珠美先生の無料食事相談も開設いたします。
●お申し込み・資料請求●
NPO法人糖質制限食ネット・リボーン(担当 曽我部ゆかり)
reborn@big.or.jp TEL,FAX 03-3388-5428
【他の講演会のご案内】
☆☆講座「糖尿病・メタボはこう予防する!~糖質制限食のすすめ」京都
朝日カルチャーセンター京都 http://www.asahi-culture.co.jp/www/kyoto-c.html
075-231-9693
2009年2月17日(火)13:00~14:30
☆☆ 演題:『糖尿病・メタボは必ず良くなる!~糖質制限食のすすめ~』
とき : 2009年2月21日(土)午後1:30分~4:00
ところ :名古屋市女性会館 (名古屋市中区大井町7-25)
℡052-331-5288
講師 :江部康二/佐橋紀子(患者の立場から…”翼”代表)
参加費:1.000円/チケット販売・もしくは電話で申し込み
主催 :HUMAN LIFE INFO NET ”翼”
問合せ :佐橋紀子(052-501-0994)
高橋君枝(052-502-3670)
原 育世(0568-84-6946)
【糖質制限食コントロール・教育入院のご案内】
お問い合わせは高雄病院 http://takao-hospital.jp/
住所:京都市右京区梅ヶ畑畑町3
電話:075-871-0245
ベットが空くまでお待ち頂くこともありますがご了承下さい。
【糖質制限食外来治療のご案内・予約制】
高雄病院 電話:075-871-0245
京都市右京区梅ヶ畑畑町3
高雄病院京都駅前診療所 電話:075-352-5050
京都市下京区七条通り烏丸東入ル(50M)北側 ネオフィス 七条烏丸4F
江部診療所 電話:075-712-8133
京都市左京区下鴨高木町6 アトリエ・フォー 2F
2009年01月24日 (土)
スペインワイン
糖質制限専門ワイン Sarmentum(サーメンタム)第16回ジャパン・ワイン・チャレンジにてシール・オブ・アプルーバル入賞です
お陰様で大好評発売中の糖質制限専門ワインSarmentum(サーメンタム)ですが、昨晩、醸造元のクリストフからメールが入りまして、白ワインの Sarmentum Xarel.lo が、第16回ジャパン・ワイン・チャレンジにて、入賞のシール・オブ・アプルーバルに選ばれたそうです。
私、このジャパン・ワイン・チャレンジが何なんか、全然知らんかったんですけど、なんでもアジアで最大規模のワインの審査会らしいです。
で、ワインの審査会なんですが、恐らく、と言いますか、100%糖質制限が何なのか知ってる審査員もいないでしょうし、糖質制限が審査の対象になるなんてこともあり得ないです。
そんなとこに「糖質制限ワイン」なるものを持ち込んだクリストフもスゴイですが、入賞しちゃうところもスゴイ(笑)
Japan Wine Challenge 2013 審査結果
http://www.japanwinechallenge.com/Results/information_results2013jp.html
2013 Japan Wine Challenge Results Seal of Approval
http://www.japanwinechallenge.com/Results/2013_seal_.html
さすがクリストフが「自信作だ!」ってゆうだけのことはありますね、はい。
クリストフです

で、今回ジャパン・ワイン・チャレンジ2013にてシール・オブ・アプルーバルに入賞した、白ワイン Sarmentum Xarel.lo 、審査員の方が気づいていたかは分かりませんが、実はとっても画期的な「糖質制限白ワイン」です。
もともと白ワインって、飲んだらお分かり頂けるかと思いますが、甘いんですよね。
甘いゆうことは糖質がそこそこ入ってるということで、糖質制限食的には、「飲んじゃダメワイン」でした。
そこを何とか白ワインのフルーティーさを残しつつ、糖質を抑えられないかと無茶な注文をクリストフに出したところ、
「これでどやっ!」
って作って来たのが、Sarmentum Xarel.lo です。
「これなら大丈夫だ!」
と力説していただけあって、スペインで行った尿糖試験紙の検査もパス。
江部康二先生の人体実験も
18:05 テニス後で空腹時血糖値:91mg
あらてつのスペインワイン白を約1/2本、摂取
30分後血糖値:93mg
60分後血糖値:92mg
と素晴らしい数値。
見事に糖質制限食実践中の皆さんに安心して飲んで頂ける白ワインが完成しました。
因みにこのSarmentum Xarel.lo、糖質はかなり少ないですが、しっかりフルーティーで飲みやすいので、当店の女性スタッフに大人気です。
このことがウソじゃないのは、「ジャパン・ワイン・チャレンジ2013、シール・オブ・アプルーバル入賞」が証明してくれました。
だって、糖質制限食を知らない審査員さん達、美味しくなかったら選びませんもんね(笑)
ブログ読者の皆さんも、Sarmentum Xarel.loを一度飲んで頂けば、思わず「え?これで糖質制限?」って思うハズ。
あ、白ワインばっかり押してるようですが、もちろん赤ワインの Sarmentum Merlot Barrica 2009 もオススメです。
クリストフの言う
「口の中で、パワフルでありながら心地が良く、率直な味わいがある。このワインを構成する品種の特徴を損なうことがない程度ながら、主にバニラノートやオークの香りが感じられる。 程よい強さと後味がある。
細やかな後味と、丸みを帯びた持続的なタンニンの味がする、風味のよい、バランスのとれたワインである。」
は、ウソでも誇張でもなく、ワインの味の分からない私でも、飲んで「美味しいやん」と思いましたから(笑)
冷え込み厳しいこれからの季節、ホットワインもおすすめです。
きっと心までホカホカにしてくれると思います。
世界初の糖質制限ワイン サーメンタム
詳細&お求めは
糖質制限ワイン サーメンタム
http://www.toushitsuseigen.com/shop/spa_wine.html

是非お試しあれ。
糖質制限食・ダイエット食の通信販売|糖質制限ドットコム
糖質制限ドットコムは、糖質制限食の第一人者、高雄病院、江部康二先生監修による糖質オフな食材を販売、糖質制限食に取り組む皆様をサポートします。
2009年01月23日 (金)
こんにちは。
水曜日は、朝から諏訪中央病院で糖質制限食の講演、木曜日はバンド「ターニング・ポイント」の新年会で、ブログの更新ができませんでした。m(_ _)m
諏訪中央病院、茅野市にあるのですが、いやはや遠かったです。
新幹線、名古屋でのりかえ、特急しなの号、塩尻でのりかえ特急あずさ号で茅野。東京よりかなり時間がかかりまして、ある意味京都から一番遠い日本という気がします。
病院についたら、名誉院長でかの有名な鎌田實先生、院長の口實先生、東洋医学科部長・長坂和彦先生にお出迎えいただき、20分歓談のあと100人を軽く超える満員の会場に向かいました。
「09/01/21 waka
諏訪中央病院講演会
本日、諏訪で講演を拝聴させていただきました。
本やブログから想像していた以上に優しい語り口で
内容もわかりやすくユーモアも交えての素晴らしい講演でした。
大変有用な時を過ごさせていただきました。
糖質制限継続のモチベーションも上がりました。大変ありがとうございました。」
wakaさん。とても嬉しいコメントありがとうございます。
はるばる茅野市まで、出向いた甲斐がおおいにありました。
やる気がでます。 (^_^)
会場からのマヨネーズやポン酢など、調味料のことなど質問もたくさんありました。
「血糖値を最も上げる食材は???→寿司」というネタも結構受けました。「白米+砂糖」のダブルパンチですものね。フランス旅行中、ヘルシーと思って、わざわざ日本料理店にいって寿司を食べ、SMBGで300mgアップでガックリという患者さんもおられましたよ。
鎌田先生もお酒の質問をいっぱいされましたが、よほどの上戸なのでしょうね。今度は、もっとゆったりした日程で、お酒でも酌み交わしたいものです。(⌒o⌒)v
ところで、糖質制限食のお話を、初めてお会いする医師にするとき、一番抵抗があるのは、ケトン体のことです。それは、「糖尿病→ケトン体→重症→危険→入院」というイメージがあるからです。
これは、絶食時や糖質制限食実践時のインスリンが作用している「生理的ケトン体上昇」と、血糖値が400mgとか500mgあって、インスリン作用が欠如している時の「病理的ケトン体上昇」を混同しておられるせいなのですが、常識の壁というやつで、なかなか「生理ケトン体上昇」という概念を理解していただけないのです。(=_=;)
それから「脳がブドウ糖しかエネルギー現として利用できない。」という誤った神話を信じておられる医師が、残念ながら99%です。脳は、ケトン体もエネルギー源としてなんぼでも利用できることは、生理学的事実なのですが、これも常識の壁が邪魔して、なかなかご理解いただけないようです。σ(=_=;)ヾ
それで、これからの糖質制限食普及活動のためにも、普通の医師が知っていること・知らないことを少し整理してみようと思い立ちました。
この情報は、ブログ読者の皆さんにおおいに役立つと考えられますので、まとまったら近日中に記事にしたいと思います。
江部康二
水曜日は、朝から諏訪中央病院で糖質制限食の講演、木曜日はバンド「ターニング・ポイント」の新年会で、ブログの更新ができませんでした。m(_ _)m
諏訪中央病院、茅野市にあるのですが、いやはや遠かったです。
新幹線、名古屋でのりかえ、特急しなの号、塩尻でのりかえ特急あずさ号で茅野。東京よりかなり時間がかかりまして、ある意味京都から一番遠い日本という気がします。
病院についたら、名誉院長でかの有名な鎌田實先生、院長の口實先生、東洋医学科部長・長坂和彦先生にお出迎えいただき、20分歓談のあと100人を軽く超える満員の会場に向かいました。
「09/01/21 waka
諏訪中央病院講演会
本日、諏訪で講演を拝聴させていただきました。
本やブログから想像していた以上に優しい語り口で
内容もわかりやすくユーモアも交えての素晴らしい講演でした。
大変有用な時を過ごさせていただきました。
糖質制限継続のモチベーションも上がりました。大変ありがとうございました。」
wakaさん。とても嬉しいコメントありがとうございます。
はるばる茅野市まで、出向いた甲斐がおおいにありました。
やる気がでます。 (^_^)
会場からのマヨネーズやポン酢など、調味料のことなど質問もたくさんありました。
「血糖値を最も上げる食材は???→寿司」というネタも結構受けました。「白米+砂糖」のダブルパンチですものね。フランス旅行中、ヘルシーと思って、わざわざ日本料理店にいって寿司を食べ、SMBGで300mgアップでガックリという患者さんもおられましたよ。
鎌田先生もお酒の質問をいっぱいされましたが、よほどの上戸なのでしょうね。今度は、もっとゆったりした日程で、お酒でも酌み交わしたいものです。(⌒o⌒)v
ところで、糖質制限食のお話を、初めてお会いする医師にするとき、一番抵抗があるのは、ケトン体のことです。それは、「糖尿病→ケトン体→重症→危険→入院」というイメージがあるからです。
これは、絶食時や糖質制限食実践時のインスリンが作用している「生理的ケトン体上昇」と、血糖値が400mgとか500mgあって、インスリン作用が欠如している時の「病理的ケトン体上昇」を混同しておられるせいなのですが、常識の壁というやつで、なかなか「生理ケトン体上昇」という概念を理解していただけないのです。(=_=;)
それから「脳がブドウ糖しかエネルギー現として利用できない。」という誤った神話を信じておられる医師が、残念ながら99%です。脳は、ケトン体もエネルギー源としてなんぼでも利用できることは、生理学的事実なのですが、これも常識の壁が邪魔して、なかなかご理解いただけないようです。σ(=_=;)ヾ
それで、これからの糖質制限食普及活動のためにも、普通の医師が知っていること・知らないことを少し整理してみようと思い立ちました。
この情報は、ブログ読者の皆さんにおおいに役立つと考えられますので、まとまったら近日中に記事にしたいと思います。
江部康二
2009年01月22日 (木)
こんばんは。
ブログ読者の皆さんには、いつもコメントいただき、ありがとうございます。
咲夜さんや権現森さんにご意見いただきましたが、確かに普通のお医者さんに相談可能な個人的な内容の質問は、主治医にご相談頂けば助かります。m(_ _)m
普通のお医者さんでは解答不能の、糖質制限食に関わる質問は、何でもどんどんしていただけば嬉しいです。 (^_^)
掲載OKの質問に関して、読者の皆さんに共有していただきたい情報の場合は、ブログ本文にて、できるだけ順番にお答えしたいと思います。質問によってはコメント欄でお早めにお答えする場合もありますのでご了承ください。
一方、コメント・質問がかなり増えてきていますので、なかなか即お答えすることが困難となってきています。できるだけ全ての質問に本文かコメントでお答えするよう努力はしていますが、できないときはご容赦願います。m(_ _)m
それから、「管理人のみ閲覧できる」「匿名希望」などの質問に関しては、コメント欄にお答えするか、一般的な話題に置き換えてブログに記載するようにしていますので、よろしくお願い申し上げます。
江部康二
ブログ読者の皆さんには、いつもコメントいただき、ありがとうございます。
咲夜さんや権現森さんにご意見いただきましたが、確かに普通のお医者さんに相談可能な個人的な内容の質問は、主治医にご相談頂けば助かります。m(_ _)m
普通のお医者さんでは解答不能の、糖質制限食に関わる質問は、何でもどんどんしていただけば嬉しいです。 (^_^)
掲載OKの質問に関して、読者の皆さんに共有していただきたい情報の場合は、ブログ本文にて、できるだけ順番にお答えしたいと思います。質問によってはコメント欄でお早めにお答えする場合もありますのでご了承ください。
一方、コメント・質問がかなり増えてきていますので、なかなか即お答えすることが困難となってきています。できるだけ全ての質問に本文かコメントでお答えするよう努力はしていますが、できないときはご容赦願います。m(_ _)m
それから、「管理人のみ閲覧できる」「匿名希望」などの質問に関しては、コメント欄にお答えするか、一般的な話題に置き換えてブログに記載するようにしていますので、よろしくお願い申し上げます。
江部康二
2009年01月21日 (水)
【講演会・講座のお知らせ】
☆☆ 糖質制限食講演会・諏訪中央病院・長野
日時:平成21年1月21日(水)午後2時から4時
講師:江部康二
場所:諏訪中央病院 長野県茅野市玉川4300番地 TEL 0266-72-1000(代)
お問い合わせ:0266-72-1000(諏訪中央病院)
一般の人も参加OKとのことですのでブログ読者の皆さんも是非どうぞ。
☆☆ 糖質制限食講演会・東京・中野
日時:2009年2月11日(祝日)12時半開場、13時開演~16:00終了
講師:江部康二/大柳珠美(管理栄養士)
会場:なかのZERO 学習室
会費:1500円
申し込み:糖質制限食ネット・リボーン 曽我部ゆかり
(T/F)03−3388−5428
(e-mail) reborn@big.or.jp
☆☆講座「糖尿病・メタボはこう予防する!~糖質制限食のすすめ」京都
場所:朝日カルチャーセンター京都 http://www.asahi-culture.co.jp/www/kyoto-c.html
問い合わせ:075-231-9693(朝日カルチャーセンター京都)
日時:2009年2月17日(火)13:00~14:30
講師:江部康二
☆☆ 演題:『糖尿病・メタボは必ず良くなる!~糖質制限食のすすめ~』
とき : 2009年2月21日(土)午後1:30分~4:00
ところ :名古屋市女性会館 (名古屋市中区大井町7-25)
℡052-331-5288
講師 :江部康二/佐橋紀子(患者の立場から…”翼”代表)
参加費:1.000円/チケット販売・もしくは電話で申し込み
主催 :HUMAN LIFE INFO NET ”翼”
問合せ :佐橋紀子(052-501-0994)
高橋君枝(052-502-3670)
原 育世(0568-84-6946)
【糖質制限食コントロール・教育入院のご案内】
お問い合わせは高雄病院 http://takao-hospital.jp/
住所:京都市右京区梅ヶ畑畑町3
電話:075-871-0245
ベットが空くまでお待ち頂くこともありますがご了承下さい。
【糖質制限食外来治療のご案内・予約制】
高雄病院 電話:075-871-0245
京都市右京区梅ヶ畑畑町3
高雄病院京都駅前診療所 電話:075-352-5050
京都市下京区七条通り烏丸東入ル(50M)北側 ネオフィス 七条烏丸4F
江部診療所 電話:075-712-8133
京都市左京区下鴨高木町6 アトリエ・フォー 2F
<コメント・質問に関するお知らせ>
ブログ読者の皆さんには、いつもコメントや質問をいただき、ありがとうございます。
掲載OKの質問に関して、読者の皆さんに共有していただきたい情報の場合は、ブログ本文にて、できるだけ順番にお答えしたいと思います。質問によってはコメント欄でお早めにお答えする場合もありますのでご了承ください。
一方、コメント・質問がかなり増えてきていますので、なかなか即お答えすることが困難となってきています。できるだけ全ての質問に本文かコメントでお答えするよう努力はしていますが、できないときはご容赦願います。m(_ _)m
それから、「管理人のみ閲覧できる」「匿名希望」などの質問に関しては、コメント欄にお答えするか、一般的な話題に置き換えてブログに記載するようにしていますので、よろしくお願い申し上げます。
江部康二
〔糖質制限食とは〕
食べ物が消化・吸収されたあと、糖質は100%、タンパク質は50%、脂質は10%弱が血糖に変わります。 また糖質は、摂取直後から急峻に血糖値を高く速く上昇させ、2時間以内にほとんどすべてが吸収されます。
一方、タンパク質の血糖値上昇のピークは食後約3時間で、脂質は消化・吸収に丸一日かかることもあります。これらは、カロリーとは無関係な三大栄養素の生理学的特質です。
現在、糖尿病において、食後の急激な高血糖が、大きな問題として注目されています。食後高血糖が、心筋梗塞や脳梗塞などの合併症を起こす危険因子として確立されたからです。そして食後高血糖を起こすのは、三大栄養素のなかで糖質だけなのです。
1gの糖質が、2型糖尿病の人の血糖値を約3mg上昇させます。 従って、6枚切りの食パン2枚(約310キロカロリー)食べると、糖質 が約50g含まれているので、血糖値は150mgも上昇します。一 方、ロースステーキを300g(約1200キロカロリー)食べても、糖質含有量は1gもないので、食後高血糖はほとんど生じないのです。
糖質制限食の基本的な考え方は、上述のような生理学的事実をベースにできるだけ糖質の摂取を低く抑えて、食後高血糖を防ぐというものです。簡単に言えば、主食を抜いておかずばかり食べるというイメージになります。抜く必要がある主食とは、米飯・めん類・パンなどの米・麦製品や芋類など糖質が主成分のものです。
3食主食抜きのスーパー糖質制限食(糖質12%、タンパク質32%、脂質56%)なら、薬に頼ることなく、速やかにリアルタイムで良好な血糖コントロールが可能です。
一方、上述の食パンとステーキの例でも明らかなように、カロリー計算に基づいて血糖値をコントロールすることは理論的に不可能です。
従って、現行の日本糖尿病学会推薦の糖尿病食(糖質60%、タンパク質20%、脂質20%)を実践する限りは、一日の摂取カロリーを1200キロカロリーと低く抑えたとしても、食後高血糖が必ず生じるのです。
糖尿病の改善には、カロリー制限より糖質制限ということが、おわかりいただけたと思います。なお糖質制限食は、カロリー無制限ということではありません。一般的な標準摂取カロリーの範囲、すなわち男性なら1600~2000キロカロリー、女性なら1200~1600キロカロリーくらいが目安です。
☆☆☆
『糖質制限食十箇条』 -糖尿病や肥満が気になる人に-
一、魚貝・肉・豆腐・納豆・チーズなどタンパク質や脂質が主成分の食品はしっかり食べてよい。
二、糖質特に白パン・白米・麺類及び菓子・白砂糖など精製糖質の摂取は極力控える。
三、主食を摂るときは未精製の穀物が好ましい(玄米、全粒粉のパンなど)
四、飲料は牛乳・果汁は飲まず、成分未調整豆乳はOK。水、番茶、麦茶、ほうじ茶もOK。
五、糖質含有量の少ない野菜・海草・茸類は適量OK。果物は少量にとどめる。
六、オリーブオイルや魚油(EPA、DHA)は積極的に摂り、リノール酸を減らす。
七、マヨネーズ(砂糖無しのもの)やバターもOK。
八、お酒は蒸留酒(焼酎、ウィスキーなど)はOK、醸造酒(ビール、日本酒、など)は控える。
九、間食やおつまみはチーズ類やナッツ類を中心に適量摂る。菓子類、ドライフルーツは不可。
十、できる限り化学合成添加物の入っていない安全な食品を選ぶ。
『糖質制限食』の3パターン
一、スーパー糖質制限食は三食とも主食なし。効果は抜群で早く、一番のお薦め。
二、スタンダード糖質制限食は朝と夕は主食抜き。
三、プチ糖質制限食は夕だけ主食抜き。嗜好的にどうしてもデンプンが大好きな人に。
*抜く必要がある主食とは米飯・めん類・パンなどの米・麦製品や芋類などの炭水化物。*炭水化物=糖質+食物繊維
☆☆☆
糖質制限食を実践する時のご注意
本にも書きましたが、 糖質制限食によりリアルタイムに血糖値が改善します。
このため、既に経口血糖降下剤(オイグルコン、アマリールなど)の内服やインスリン注射をしておられる糖尿人は、低血糖の心配がありますので、必ず主治医と相談して頂きたいと思います。
一方、薬を使用してない糖尿人は、低血糖の心配はないので、「主食を抜けば糖尿病は良くなる」「主食を抜けば糖尿病は良くなる 実践編」「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」「 糖質制限食 春のレシピ」「 糖質制限食 夏のレシピ」「糖質制限食 秋のレシピ」「糖質制限食 冬のレシピ」を参考にして、自力で 糖質制限食を実践して糖尿病改善を目指していただけば幸いです。
江部康二
☆☆ 糖質制限食講演会・諏訪中央病院・長野
日時:平成21年1月21日(水)午後2時から4時
講師:江部康二
場所:諏訪中央病院 長野県茅野市玉川4300番地 TEL 0266-72-1000(代)
お問い合わせ:0266-72-1000(諏訪中央病院)
一般の人も参加OKとのことですのでブログ読者の皆さんも是非どうぞ。
☆☆ 糖質制限食講演会・東京・中野
日時:2009年2月11日(祝日)12時半開場、13時開演~16:00終了
講師:江部康二/大柳珠美(管理栄養士)
会場:なかのZERO 学習室
会費:1500円
申し込み:糖質制限食ネット・リボーン 曽我部ゆかり
(T/F)03−3388−5428
(e-mail) reborn@big.or.jp
☆☆講座「糖尿病・メタボはこう予防する!~糖質制限食のすすめ」京都
場所:朝日カルチャーセンター京都 http://www.asahi-culture.co.jp/www/kyoto-c.html
問い合わせ:075-231-9693(朝日カルチャーセンター京都)
日時:2009年2月17日(火)13:00~14:30
講師:江部康二
☆☆ 演題:『糖尿病・メタボは必ず良くなる!~糖質制限食のすすめ~』
とき : 2009年2月21日(土)午後1:30分~4:00
ところ :名古屋市女性会館 (名古屋市中区大井町7-25)
℡052-331-5288
講師 :江部康二/佐橋紀子(患者の立場から…”翼”代表)
参加費:1.000円/チケット販売・もしくは電話で申し込み
主催 :HUMAN LIFE INFO NET ”翼”
問合せ :佐橋紀子(052-501-0994)
高橋君枝(052-502-3670)
原 育世(0568-84-6946)
【糖質制限食コントロール・教育入院のご案内】
お問い合わせは高雄病院 http://takao-hospital.jp/
住所:京都市右京区梅ヶ畑畑町3
電話:075-871-0245
ベットが空くまでお待ち頂くこともありますがご了承下さい。
【糖質制限食外来治療のご案内・予約制】
高雄病院 電話:075-871-0245
京都市右京区梅ヶ畑畑町3
高雄病院京都駅前診療所 電話:075-352-5050
京都市下京区七条通り烏丸東入ル(50M)北側 ネオフィス 七条烏丸4F
江部診療所 電話:075-712-8133
京都市左京区下鴨高木町6 アトリエ・フォー 2F
<コメント・質問に関するお知らせ>
ブログ読者の皆さんには、いつもコメントや質問をいただき、ありがとうございます。
掲載OKの質問に関して、読者の皆さんに共有していただきたい情報の場合は、ブログ本文にて、できるだけ順番にお答えしたいと思います。質問によってはコメント欄でお早めにお答えする場合もありますのでご了承ください。
一方、コメント・質問がかなり増えてきていますので、なかなか即お答えすることが困難となってきています。できるだけ全ての質問に本文かコメントでお答えするよう努力はしていますが、できないときはご容赦願います。m(_ _)m
それから、「管理人のみ閲覧できる」「匿名希望」などの質問に関しては、コメント欄にお答えするか、一般的な話題に置き換えてブログに記載するようにしていますので、よろしくお願い申し上げます。
江部康二
〔糖質制限食とは〕
食べ物が消化・吸収されたあと、糖質は100%、タンパク質は50%、脂質は10%弱が血糖に変わります。 また糖質は、摂取直後から急峻に血糖値を高く速く上昇させ、2時間以内にほとんどすべてが吸収されます。
一方、タンパク質の血糖値上昇のピークは食後約3時間で、脂質は消化・吸収に丸一日かかることもあります。これらは、カロリーとは無関係な三大栄養素の生理学的特質です。
現在、糖尿病において、食後の急激な高血糖が、大きな問題として注目されています。食後高血糖が、心筋梗塞や脳梗塞などの合併症を起こす危険因子として確立されたからです。そして食後高血糖を起こすのは、三大栄養素のなかで糖質だけなのです。
1gの糖質が、2型糖尿病の人の血糖値を約3mg上昇させます。 従って、6枚切りの食パン2枚(約310キロカロリー)食べると、糖質 が約50g含まれているので、血糖値は150mgも上昇します。一 方、ロースステーキを300g(約1200キロカロリー)食べても、糖質含有量は1gもないので、食後高血糖はほとんど生じないのです。
糖質制限食の基本的な考え方は、上述のような生理学的事実をベースにできるだけ糖質の摂取を低く抑えて、食後高血糖を防ぐというものです。簡単に言えば、主食を抜いておかずばかり食べるというイメージになります。抜く必要がある主食とは、米飯・めん類・パンなどの米・麦製品や芋類など糖質が主成分のものです。
3食主食抜きのスーパー糖質制限食(糖質12%、タンパク質32%、脂質56%)なら、薬に頼ることなく、速やかにリアルタイムで良好な血糖コントロールが可能です。
一方、上述の食パンとステーキの例でも明らかなように、カロリー計算に基づいて血糖値をコントロールすることは理論的に不可能です。
従って、現行の日本糖尿病学会推薦の糖尿病食(糖質60%、タンパク質20%、脂質20%)を実践する限りは、一日の摂取カロリーを1200キロカロリーと低く抑えたとしても、食後高血糖が必ず生じるのです。
糖尿病の改善には、カロリー制限より糖質制限ということが、おわかりいただけたと思います。なお糖質制限食は、カロリー無制限ということではありません。一般的な標準摂取カロリーの範囲、すなわち男性なら1600~2000キロカロリー、女性なら1200~1600キロカロリーくらいが目安です。
☆☆☆
『糖質制限食十箇条』 -糖尿病や肥満が気になる人に-
一、魚貝・肉・豆腐・納豆・チーズなどタンパク質や脂質が主成分の食品はしっかり食べてよい。
二、糖質特に白パン・白米・麺類及び菓子・白砂糖など精製糖質の摂取は極力控える。
三、主食を摂るときは未精製の穀物が好ましい(玄米、全粒粉のパンなど)
四、飲料は牛乳・果汁は飲まず、成分未調整豆乳はOK。水、番茶、麦茶、ほうじ茶もOK。
五、糖質含有量の少ない野菜・海草・茸類は適量OK。果物は少量にとどめる。
六、オリーブオイルや魚油(EPA、DHA)は積極的に摂り、リノール酸を減らす。
七、マヨネーズ(砂糖無しのもの)やバターもOK。
八、お酒は蒸留酒(焼酎、ウィスキーなど)はOK、醸造酒(ビール、日本酒、など)は控える。
九、間食やおつまみはチーズ類やナッツ類を中心に適量摂る。菓子類、ドライフルーツは不可。
十、できる限り化学合成添加物の入っていない安全な食品を選ぶ。
『糖質制限食』の3パターン
一、スーパー糖質制限食は三食とも主食なし。効果は抜群で早く、一番のお薦め。
二、スタンダード糖質制限食は朝と夕は主食抜き。
三、プチ糖質制限食は夕だけ主食抜き。嗜好的にどうしてもデンプンが大好きな人に。
*抜く必要がある主食とは米飯・めん類・パンなどの米・麦製品や芋類などの炭水化物。*炭水化物=糖質+食物繊維
☆☆☆
糖質制限食を実践する時のご注意
本にも書きましたが、 糖質制限食によりリアルタイムに血糖値が改善します。
このため、既に経口血糖降下剤(オイグルコン、アマリールなど)の内服やインスリン注射をしておられる糖尿人は、低血糖の心配がありますので、必ず主治医と相談して頂きたいと思います。
一方、薬を使用してない糖尿人は、低血糖の心配はないので、「主食を抜けば糖尿病は良くなる」「主食を抜けば糖尿病は良くなる 実践編」「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」「 糖質制限食 春のレシピ」「 糖質制限食 夏のレシピ」「糖質制限食 秋のレシピ」「糖質制限食 冬のレシピ」を参考にして、自力で 糖質制限食を実践して糖尿病改善を目指していただけば幸いです。
江部康二
2009年01月20日 (火)
おはようございます。今日もぼちぼち寒いです。
寒い日は、何と言ってもイヌイットの話題ですね。(∵)?
<主食の変化>
4000年前、すでにカナダ極北やアラスカに、人類(モンゴロイド)が移住し居住していました。現在のイヌイット文化と同様の生活様式をしていたとは、必ずしもいえませんが、セイウチ猟などを中心に生業としていたようです。
現在のイヌイットの生活様式の原型ですが、まず10世紀頃、アラスカイヌイットでホッキョククジラが主食の時代がありました。
その後200~300年で他の極北周囲地域、西はチュコト半島、東はグリーンランドまでホッキョククジラ猟が広まりました。この文化は、チューレ文化と呼ばれています。
12世紀から17世紀にかけて極北地域に寒冷化が起こり、それまで豊富だったクジラが少なくなりました。そのためクジラ以外のものを主食とせざるを得なくなり、各地域でチューレ文化は多様化して、独自の文化が形成されていきました。
アザラシ猟をして雪の家に住むという文化は、15世紀頃に形成された生活様式です。その後、ホッキョクイワナ、アザラシ、シロイルカ、カリブーといった食材がイヌイットの主食となっていきました。
この頃は、穀物など一切なしで究極の糖質制限食ですね。 (^_^)
1900年代初頭までは、この伝統的食生活が保たれていました。
1920年代に北ケベックの各地に、交易所が設置されていきました。1940年代までは、ホッキョクギツネの毛皮が主たる交易品でした。イヌイットは、ホッキョクギツネの毛皮交易で、小麦粉、砂糖、ビスケット、紅茶、ラードなどを購入しました。
小麦粉とふくらし粉とラードで、無発酵パンのバノクを作り、主食として定着しました。これが、穀物を摂取し始めた起源と考えられます。
バノクや紅茶は、スコットランド系の捕鯨者や、ハドソン湾会社の交易者がイヌイットの間に持ち込んだ習慣であり、1920年代から急速に広まったと考えられます。
1950年代半ば以降に、カナダ政府の政策もあり、北ケベックのイヌイットは、急速な社会変動と食生活の変化を経験しました。都市化、欧米化の進行です。
1993年、マッギル大学の先住民栄養環境研究センターの調査によれば、イヌイットの若者は、ハンバーガー、ピザ、ポテトチップス、コーラ、ガム、チョコレートを好み、カロリーの大半が、これら糖質を大量に含むジャンク・フ-ドでした。( ̄_ ̄|||)
江部康二
参考文献
①岸上伸啓:イヌイット.中公新書.2005
②岸上伸啓:極北の民カナダ・イヌイット.弘文堂.1998
寒い日は、何と言ってもイヌイットの話題ですね。(∵)?
<主食の変化>
4000年前、すでにカナダ極北やアラスカに、人類(モンゴロイド)が移住し居住していました。現在のイヌイット文化と同様の生活様式をしていたとは、必ずしもいえませんが、セイウチ猟などを中心に生業としていたようです。
現在のイヌイットの生活様式の原型ですが、まず10世紀頃、アラスカイヌイットでホッキョククジラが主食の時代がありました。
その後200~300年で他の極北周囲地域、西はチュコト半島、東はグリーンランドまでホッキョククジラ猟が広まりました。この文化は、チューレ文化と呼ばれています。
12世紀から17世紀にかけて極北地域に寒冷化が起こり、それまで豊富だったクジラが少なくなりました。そのためクジラ以外のものを主食とせざるを得なくなり、各地域でチューレ文化は多様化して、独自の文化が形成されていきました。
アザラシ猟をして雪の家に住むという文化は、15世紀頃に形成された生活様式です。その後、ホッキョクイワナ、アザラシ、シロイルカ、カリブーといった食材がイヌイットの主食となっていきました。
この頃は、穀物など一切なしで究極の糖質制限食ですね。 (^_^)
1900年代初頭までは、この伝統的食生活が保たれていました。
1920年代に北ケベックの各地に、交易所が設置されていきました。1940年代までは、ホッキョクギツネの毛皮が主たる交易品でした。イヌイットは、ホッキョクギツネの毛皮交易で、小麦粉、砂糖、ビスケット、紅茶、ラードなどを購入しました。
小麦粉とふくらし粉とラードで、無発酵パンのバノクを作り、主食として定着しました。これが、穀物を摂取し始めた起源と考えられます。
バノクや紅茶は、スコットランド系の捕鯨者や、ハドソン湾会社の交易者がイヌイットの間に持ち込んだ習慣であり、1920年代から急速に広まったと考えられます。
1950年代半ば以降に、カナダ政府の政策もあり、北ケベックのイヌイットは、急速な社会変動と食生活の変化を経験しました。都市化、欧米化の進行です。
1993年、マッギル大学の先住民栄養環境研究センターの調査によれば、イヌイットの若者は、ハンバーガー、ピザ、ポテトチップス、コーラ、ガム、チョコレートを好み、カロリーの大半が、これら糖質を大量に含むジャンク・フ-ドでした。( ̄_ ̄|||)
江部康二
参考文献
①岸上伸啓:イヌイット.中公新書.2005
②岸上伸啓:極北の民カナダ・イヌイット.弘文堂.1998
2009年01月19日 (月)
こんばんは。
いよいよインフルエンザが流行ってます。高雄病院でも江部診療所でも、ちょこちょこ患者さんがこられます。インフルエンザといえば、昨日の京都新聞に院内感染の記事が載っていました。
<院内感染>
東京都の某病院(内科と認知症主体の精神科)で1月17日までに、入院患者77人と職員24人の職員が相次いでインフルエンザを発症し、女性患者3人が死亡したという痛ましい記事でした。ちなみに院長も感染したそうです。1月3日に20代の女性職員がインフルエンザに感染し、6日以降入院患者に広がりました。
亡くなった3人は、いずれも高齢の認知症で寝たきりの患者で、2人はワクチンを接種していました。
インフルエンザに罹患した77人の入院患者のうち、68人はワクチンを接種しており、罹患した24人の職員のうち、21人が接種を受けていました。
<インフルエンザ・ワクチン>
2008年12月25日のブログ「インフルエンザワクチンの真実」で書きましたように、「感染防御はできないが、重症化を防ぐ」ということが効能です。奇しくも上述の記事で、感染防御には実際にまったく無力だったことが明らかとなりました。
<感染防御>
①医療関係者は、インフルエンザ患者を診察するときはマスクをする。
診察が終わったら必ず手洗いをし、使い捨て紙タオルでふく。
マスクをはずしたときはうがいをする。
②急性の咳や熱がでている当事者はエチケットとして、マスクをする。
③満員電車の中など避けようがない密閉された場所にいくときはマスクをして乗る。
④人混みにでたあとは、手洗い・うがいを励行する。
⑤家族が一人インフルエンザに罹患したら、家の中でも当事者はマスクをする。
その一人は、違う部屋で寝る。
⑥咳で飛沫が飛ぶのは約1mであるので当事者から距離を取る。
⑦鼻水や痰を封じ込めるためにティッシュを使用し、使用後のティッシュは
できればノン タッチごみ箱に廃棄すること
<終わりに>
ブログ読者の皆さん、インフルエンザワクチンを接種している人も、感染防御効果はないことをしっかり認識して、上記①~⑦を励行してくださいね。これが実行されていれば、上述のような院内感染が猛威をふるうことはなかったでしょう。
江部康二
いよいよインフルエンザが流行ってます。高雄病院でも江部診療所でも、ちょこちょこ患者さんがこられます。インフルエンザといえば、昨日の京都新聞に院内感染の記事が載っていました。
<院内感染>
東京都の某病院(内科と認知症主体の精神科)で1月17日までに、入院患者77人と職員24人の職員が相次いでインフルエンザを発症し、女性患者3人が死亡したという痛ましい記事でした。ちなみに院長も感染したそうです。1月3日に20代の女性職員がインフルエンザに感染し、6日以降入院患者に広がりました。
亡くなった3人は、いずれも高齢の認知症で寝たきりの患者で、2人はワクチンを接種していました。
インフルエンザに罹患した77人の入院患者のうち、68人はワクチンを接種しており、罹患した24人の職員のうち、21人が接種を受けていました。
<インフルエンザ・ワクチン>
2008年12月25日のブログ「インフルエンザワクチンの真実」で書きましたように、「感染防御はできないが、重症化を防ぐ」ということが効能です。奇しくも上述の記事で、感染防御には実際にまったく無力だったことが明らかとなりました。
<感染防御>
①医療関係者は、インフルエンザ患者を診察するときはマスクをする。
診察が終わったら必ず手洗いをし、使い捨て紙タオルでふく。
マスクをはずしたときはうがいをする。
②急性の咳や熱がでている当事者はエチケットとして、マスクをする。
③満員電車の中など避けようがない密閉された場所にいくときはマスクをして乗る。
④人混みにでたあとは、手洗い・うがいを励行する。
⑤家族が一人インフルエンザに罹患したら、家の中でも当事者はマスクをする。
その一人は、違う部屋で寝る。
⑥咳で飛沫が飛ぶのは約1mであるので当事者から距離を取る。
⑦鼻水や痰を封じ込めるためにティッシュを使用し、使用後のティッシュは
できればノン タッチごみ箱に廃棄すること
<終わりに>
ブログ読者の皆さん、インフルエンザワクチンを接種している人も、感染防御効果はないことをしっかり認識して、上記①~⑦を励行してくださいね。これが実行されていれば、上述のような院内感染が猛威をふるうことはなかったでしょう。
江部康二
2009年01月18日 (日)
こんばんは。今日は日曜日、恒例のテニスに行ってきました。
今まで週1プレイヤーにしては、そこそこ堅実なテニスをしてきたのですが、とうとうメッキがはがれて凡ミスが目立つようになってきました。”エア圭”なんぞは夢のまた夢の世界ですね。(-_-;)
週1回くらいスクールに通って、性根をいれなおそうと愚考してます。
さて今日は、「糖質制限食講演会・東京・中野」のご案内です。
今回は、時間的にたっぷり会場がとれましたので、管理栄養士の大柳珠美さんと江部康二のジョイント講演が実現しました。
さらに質疑応答の時間もしっかりとって、大柳さんの栄養相談のコーナーまであり、自分で言うのも何ですが、至れり尽くせりの講演会が実現したと自負しております。(^-^)v(^-^)v
糖質制限食基礎理論のパワーポイント・スライド・データ満載の小冊子もついてますよ。
東京方面の糖尿人、メタボ人、アトピーの方々、是非奮ってご参加くださいね。
以下はNPO法人、糖質制限食ネット・リボーン事務局の曽我部ゆかりさんからのメッセージです。
☆☆☆
リボーン曽我部ゆかりより、ドクター江部のブログ読者の皆様へ
新しい年が皆様にとって実り多い一年となりますようお祈りしつつ、皆様に新春の報告です。
これまで任意団体として活動を続けてきたアトピー・ネットワーク・リボーンが、特定非営利活動法人(NPO法人)として認証され、名称を糖質制限食ネット・リボーンと改め、この1月7日に創立の運びとなりました。
創立を記念して、2月11日(祝・水)に、糖質制限食講演会『食事で治す アトピー・糖尿病・肥満・メタボ』を開催いたします。
今回は、講師にリボーンの理事長の江部康二先生と同じく理事で管理栄養士の大柳珠美先生をお迎えいたします。(詳細は下記をご参照ください)
今後は、『食事で治す』をキーワードに、糖尿病やアトピーなど生活習慣病全般の改善のために有効な糖質制限食とテーラーメイドダイエットの理論と実践法を、広く一般社会に普及してくため活動を展開いたします。
私たちの活動はより多くの市民の方々の参加によって成り立ち発展していきます。薬に頼らない医療の実現を願い、私たちとともに、「食」の根底を見直していきませんか。多くの方々のご入会を心よりお待ちしております。
●会員になられた皆様の特典としては
機関誌『Reborn』(年4回発行予定)とニュースレター(随時)のお届け、講演会ならびにセミナー、勉強会、交流会、料理教室などの優先予約と割引、メールでの相談(その他検討中)が中心となります。
●会費について
入会金なし
年会費 正会員 (個人) 5,000円
賛助会員(個人) 3,000円
賛助会員(団体) 一口30,000円(一口以上)
寄付金大歓迎!
(会費の有効期限は4月~3月で、途中入会は期間割になります)。
入会ご希望の方は、(reborn@big.or.jp TEL,FAX 03-3388-5428)まで資料をご請求ください。
今期に入会された方は、2月11日から講演会割引が適用になります。
☆講演会のお知らせ☆
2009年2月11日(祝・水)
『食事で治す・アトピー・糖尿病・肥満・メタボ』vol 11
NPO法人糖質制限食ネット・リボーン創立記念 講演会
なんでも相談と個別食事相談も開設!
●講 師 江部康二(医師、高雄病院理事長)
大柳珠美(管理栄養士)
●会 場 なかのゼロホール西館学習室1
(東京中野、JR中野駅南口下車、新宿方面への線路沿いの道を歩き約5分。途中案内板あり)
●定 員 100名(申込先着順)
●会 費 当日払い リボーン会員1200円 一般1500円(資料付き)
●タイムスケジュール
12時30分 開場
13時00分 開始
16時00分 講演終了
☆質疑応答☆無料食事相談も充実☆
今回の講演会では、第1部に江部康二先生による糖質制限食の理論と実践を最新データをまじえながら、基礎から応用まで徹底的にわかりやすくお話いただきます。さらに第2部では管理栄養士の大柳珠美先生に、日々糖質制限食を実践するにあたっての具体的な食の提案(経済的で手軽に実践できるレシピ)と外食のしかたなどのアドバイスをしていただきます。また、今回は『なんでも相談』の時間ももうけ、江部康二先生と大柳珠美先生が参加者の個別のご相談に応じるほか、講演会終了後に、江部康二先生のサイン会と大柳珠美先生の無料食事相談も開設いたします。
●お申し込み・資料請求●
NPO法人糖質制限食ネット・リボーン(担当 曽我部ゆかり)
reborn@big.or.jp TEL,FAX 03-3388-5428
今まで週1プレイヤーにしては、そこそこ堅実なテニスをしてきたのですが、とうとうメッキがはがれて凡ミスが目立つようになってきました。”エア圭”なんぞは夢のまた夢の世界ですね。(-_-;)
週1回くらいスクールに通って、性根をいれなおそうと愚考してます。
さて今日は、「糖質制限食講演会・東京・中野」のご案内です。
今回は、時間的にたっぷり会場がとれましたので、管理栄養士の大柳珠美さんと江部康二のジョイント講演が実現しました。
さらに質疑応答の時間もしっかりとって、大柳さんの栄養相談のコーナーまであり、自分で言うのも何ですが、至れり尽くせりの講演会が実現したと自負しております。(^-^)v(^-^)v
糖質制限食基礎理論のパワーポイント・スライド・データ満載の小冊子もついてますよ。
東京方面の糖尿人、メタボ人、アトピーの方々、是非奮ってご参加くださいね。
以下はNPO法人、糖質制限食ネット・リボーン事務局の曽我部ゆかりさんからのメッセージです。
☆☆☆
リボーン曽我部ゆかりより、ドクター江部のブログ読者の皆様へ
新しい年が皆様にとって実り多い一年となりますようお祈りしつつ、皆様に新春の報告です。
これまで任意団体として活動を続けてきたアトピー・ネットワーク・リボーンが、特定非営利活動法人(NPO法人)として認証され、名称を糖質制限食ネット・リボーンと改め、この1月7日に創立の運びとなりました。
創立を記念して、2月11日(祝・水)に、糖質制限食講演会『食事で治す アトピー・糖尿病・肥満・メタボ』を開催いたします。
今回は、講師にリボーンの理事長の江部康二先生と同じく理事で管理栄養士の大柳珠美先生をお迎えいたします。(詳細は下記をご参照ください)
今後は、『食事で治す』をキーワードに、糖尿病やアトピーなど生活習慣病全般の改善のために有効な糖質制限食とテーラーメイドダイエットの理論と実践法を、広く一般社会に普及してくため活動を展開いたします。
私たちの活動はより多くの市民の方々の参加によって成り立ち発展していきます。薬に頼らない医療の実現を願い、私たちとともに、「食」の根底を見直していきませんか。多くの方々のご入会を心よりお待ちしております。
●会員になられた皆様の特典としては
機関誌『Reborn』(年4回発行予定)とニュースレター(随時)のお届け、講演会ならびにセミナー、勉強会、交流会、料理教室などの優先予約と割引、メールでの相談(その他検討中)が中心となります。
●会費について
入会金なし
年会費 正会員 (個人) 5,000円
賛助会員(個人) 3,000円
賛助会員(団体) 一口30,000円(一口以上)
寄付金大歓迎!
(会費の有効期限は4月~3月で、途中入会は期間割になります)。
入会ご希望の方は、(reborn@big.or.jp TEL,FAX 03-3388-5428)まで資料をご請求ください。
今期に入会された方は、2月11日から講演会割引が適用になります。
☆講演会のお知らせ☆
2009年2月11日(祝・水)
『食事で治す・アトピー・糖尿病・肥満・メタボ』vol 11
NPO法人糖質制限食ネット・リボーン創立記念 講演会
なんでも相談と個別食事相談も開設!
●講 師 江部康二(医師、高雄病院理事長)
大柳珠美(管理栄養士)
●会 場 なかのゼロホール西館学習室1
(東京中野、JR中野駅南口下車、新宿方面への線路沿いの道を歩き約5分。途中案内板あり)
●定 員 100名(申込先着順)
●会 費 当日払い リボーン会員1200円 一般1500円(資料付き)
●タイムスケジュール
12時30分 開場
13時00分 開始
16時00分 講演終了
☆質疑応答☆無料食事相談も充実☆
今回の講演会では、第1部に江部康二先生による糖質制限食の理論と実践を最新データをまじえながら、基礎から応用まで徹底的にわかりやすくお話いただきます。さらに第2部では管理栄養士の大柳珠美先生に、日々糖質制限食を実践するにあたっての具体的な食の提案(経済的で手軽に実践できるレシピ)と外食のしかたなどのアドバイスをしていただきます。また、今回は『なんでも相談』の時間ももうけ、江部康二先生と大柳珠美先生が参加者の個別のご相談に応じるほか、講演会終了後に、江部康二先生のサイン会と大柳珠美先生の無料食事相談も開設いたします。
●お申し込み・資料請求●
NPO法人糖質制限食ネット・リボーン(担当 曽我部ゆかり)
reborn@big.or.jp TEL,FAX 03-3388-5428
2009年01月17日 (土)
私の勤務する高雄病院は、もともと漢方治療で有名になった病院です。
常勤医師全員が漢方治療を行っており、漢方生薬の消費量は、二十年来日本で一番なんです。
今でこそ、あちこちの病院で治療に漢方薬を取り入れたり、漢方外来を開設したりしてますが、漢方治療が注目されるはるか以前から、高雄病院では、漢方治療を行ってきたわけです。
お蔭さまで、北は北海道から南は沖縄まで、日本全国から漢方治療を求めて患者さんが来られますが、それでも、まだまだ漢方について理解されている方は少ないです。
そこで、今回、京都高雄倶楽部と協力して、漢方治療と漢方薬について皆さんに知って頂こうと、講演会を企画しました。名前はよく聞くし、知ってるようでほんとはあまり知らない漢方について、花粉症治療を題材にしてわかりやすく解説します。
講師は、高雄病院京都駅前診療所所長で、漢方専門医の篠原明徳医師です。
篠原医師の漢方講演、軽妙な語り口で、とても面白いですよ。
身近な話題から漢方について分かりやすい解説がきけます。
以下、詳細をご案内致しますので、毎年花粉症で苦しんでおられる方はもちろん、漢方に興味のある方も是非どうぞ。
江部康二
☆☆☆☆☆
高雄病院駅前診療所所長 篠原明徳医師 漢方講演会
『漢方で良くなる花粉症』
日時 2009年2月8日(日)
受付、開場 9:30~
定員 50名(先着順)※定員になり次第締め切り
参加費 1000円(当日受付)
会場 メルパルク京都 6階会議室6
メルパルク京都
〒600-8216
京都市下京区東洞院通七条下ル東塩小路町676番13
【TEL】075-352-7444(代)【FAX】075-352-7390
タイムスケジュール
受付、開場 9:30~
講演時間 10:00~「漢方で良くなる花粉症」第一部
10:40~ 休憩
10:55~「漢方で良くなる花粉症」第二部
11:25 講演終了
質疑応答
お電話・FAX・パソコンからお申し込み頂けます。
お電話でのお申し込み
075-873-2170
FAXでのお申し込み
075-873-2270
E-mailでのお申し込み
takaoclub@ktk-kyoto.jp
お問い合わせは、
京都高雄倶楽部
TEL 075-873-2170
FAX 075-873-2270
E-mail takaoclub@ktk-kyoto.jp
営業時間は、8:45から17:00(くらい)
お休みは土・日・祝です。
席をはずしていることもあるので、留守電に連絡先を入れておいてください。後ほど掛け直させていただきます。
皆さんのお申し込み、お待ちしてます♪
常勤医師全員が漢方治療を行っており、漢方生薬の消費量は、二十年来日本で一番なんです。
今でこそ、あちこちの病院で治療に漢方薬を取り入れたり、漢方外来を開設したりしてますが、漢方治療が注目されるはるか以前から、高雄病院では、漢方治療を行ってきたわけです。
お蔭さまで、北は北海道から南は沖縄まで、日本全国から漢方治療を求めて患者さんが来られますが、それでも、まだまだ漢方について理解されている方は少ないです。
そこで、今回、京都高雄倶楽部と協力して、漢方治療と漢方薬について皆さんに知って頂こうと、講演会を企画しました。名前はよく聞くし、知ってるようでほんとはあまり知らない漢方について、花粉症治療を題材にしてわかりやすく解説します。
講師は、高雄病院京都駅前診療所所長で、漢方専門医の篠原明徳医師です。
篠原医師の漢方講演、軽妙な語り口で、とても面白いですよ。
身近な話題から漢方について分かりやすい解説がきけます。
以下、詳細をご案内致しますので、毎年花粉症で苦しんでおられる方はもちろん、漢方に興味のある方も是非どうぞ。
江部康二
☆☆☆☆☆
高雄病院駅前診療所所長 篠原明徳医師 漢方講演会
『漢方で良くなる花粉症』
日時 2009年2月8日(日)
受付、開場 9:30~
定員 50名(先着順)※定員になり次第締め切り
参加費 1000円(当日受付)
会場 メルパルク京都 6階会議室6
メルパルク京都
〒600-8216
京都市下京区東洞院通七条下ル東塩小路町676番13
【TEL】075-352-7444(代)【FAX】075-352-7390
タイムスケジュール
受付、開場 9:30~
講演時間 10:00~「漢方で良くなる花粉症」第一部
10:40~ 休憩
10:55~「漢方で良くなる花粉症」第二部
11:25 講演終了
質疑応答
お電話・FAX・パソコンからお申し込み頂けます。
お電話でのお申し込み
075-873-2170
FAXでのお申し込み
075-873-2270
E-mailでのお申し込み
takaoclub@ktk-kyoto.jp
お問い合わせは、
京都高雄倶楽部
TEL 075-873-2170
FAX 075-873-2270
E-mail takaoclub@ktk-kyoto.jp
営業時間は、8:45から17:00(くらい)
お休みは土・日・祝です。
席をはずしていることもあるので、留守電に連絡先を入れておいてください。後ほど掛け直させていただきます。
皆さんのお申し込み、お待ちしてます♪
2009年01月16日 (金)
おはようございます。
ガレージの水道が凍ってしまって、蛇口を捻っても水がでてきません。我が家では、今冬一番の冷え込みです。
冷え込みついでに、今日はもっと寒い地方のお話しです。イヌイットは糖質制限食的にはとても興味深い民族ですので時々記事にして、歴史や社会や食生活の変遷を紹介したいと思います。
<イヌイットのルーツ>
最後の氷河期(ウルム氷河)で特に寒冷化が強まった28000~13000年前に、大量の氷河のため水位が下がりベーリング海峡が陸続きとなりました。これは、ベリンギア陸橋と呼ばれています。名は陸橋ですが、規模はベリンギア大陸と呼べるほど、広大だったようです。
このとき、シベリアから狩猟民(モンゴロイド)が、アメリカ大陸に渡りました。彼等は、氷河期が終わり陸路が開けると、南下してアメリカ西部から南米に到りました。これが、それぞれアメリカ・インディアンと南米のインディオの祖先と考えられます。
彼等とは別に約4000年前、ベリンギア陸橋がすでに水没したあと、シベリアからカヌーで渡ってきた狩猟民が、現在のカナダ・イヌイットの祖先と考えられています。
江部康二
参考文献
①岸上伸啓:イヌイット.中公新書.2005
②岸上伸啓:極北の民カナダ・イヌイット.弘文堂.1998
ガレージの水道が凍ってしまって、蛇口を捻っても水がでてきません。我が家では、今冬一番の冷え込みです。
冷え込みついでに、今日はもっと寒い地方のお話しです。イヌイットは糖質制限食的にはとても興味深い民族ですので時々記事にして、歴史や社会や食生活の変遷を紹介したいと思います。
<イヌイットのルーツ>
最後の氷河期(ウルム氷河)で特に寒冷化が強まった28000~13000年前に、大量の氷河のため水位が下がりベーリング海峡が陸続きとなりました。これは、ベリンギア陸橋と呼ばれています。名は陸橋ですが、規模はベリンギア大陸と呼べるほど、広大だったようです。
このとき、シベリアから狩猟民(モンゴロイド)が、アメリカ大陸に渡りました。彼等は、氷河期が終わり陸路が開けると、南下してアメリカ西部から南米に到りました。これが、それぞれアメリカ・インディアンと南米のインディオの祖先と考えられます。
彼等とは別に約4000年前、ベリンギア陸橋がすでに水没したあと、シベリアからカヌーで渡ってきた狩猟民が、現在のカナダ・イヌイットの祖先と考えられています。
江部康二
参考文献
①岸上伸啓:イヌイット.中公新書.2005
②岸上伸啓:極北の民カナダ・イヌイット.弘文堂.1998
2009年01月15日 (木)
おはようございます。
曇りのち晴れなんて天気予報には載っているのですが、しんしんと雪が降り注いできて積もりそうな勢いの京都です。寒いです。
さて今日のブログ記事は、糖質制限食・名古屋講演会のお知らせです。
今回は、「HUMAN LIFE INFO NET ”翼”」さんの主催、愛知県教育委員会「後援」で行います。
”翼”代表の元飯田女子短期大学教授 佐橋紀子氏とのジョイント講演会です。
佐橋紀子氏は、経験豊富な糖尿病患者さんです。カロリー制限食(高糖質食)の時は、血糖コントロールがなかなか上手くいかず、インスリンの使用量もどんどん増えて、随分ご苦労なさったそうです。糖質制限食に切り替えてからインスリン注射の量も1/3に減り、血糖コントロールも上々です。 (^_^)
高雄病院入院経験もおありで、患者の立場から糖質制限食について語って下さいます。
私、江部康二は「人類の食生活3段階と血糖値」など最新の糖質制限食理論と実践をお話し致します。糖尿病患者さんとのジョイント講演会は初めてなので、とても楽しみにしています。ヾ(^▽^)
詳細は以下の通りです。
江部康二
『糖尿病・メタボは必ず良くなる!~糖質制限食のすすめ~』
日時 : 2009年2月21日(土)午後1:30分~4:00
場所 :名古屋市女性会館 (名古屋市中区大井町7-25)
TEL 052-331-5288
講師 :江部康二/佐橋紀子(患者の立場から…”翼”代表)
参加費:1.000円/チケット販売・もしくは電話で申し込み
主催 :HUMAN LIFE INFO NET ”翼”
後援 :愛知県教育委員会
問合せ :佐橋紀子(052-501-0994)
高橋君枝(052-502-3670)
原 育世(0568-84-6946)
【他の講演会・講座のお知らせ】
☆☆ 糖質制限食講演会・諏訪中央病院・長野
日時:平成21年1月21日(水)午後2時から4時
講師:江部康二
場所:諏訪中央病院 長野県茅野市玉川4300番地 TEL 0266-72-1000(代)
お問い合わせ:0266-72-1000(諏訪中央病院)
一般の人も参加OKとのことですのでブログ読者の皆さんも是非どうぞ。
☆☆ 糖質制限食講演会・東京・中野
日時:2009年2月11日(祝日)12時半開場、13時開演~16:00終了
講師:江部康二/大柳珠美(管理栄養士)
会場:なかのZERO 学習室
会費:1500円
申し込み:糖質制限食ネット・リボーン 曽我部ゆかり
(T/F)03−3388−5428
(e-mail) reborn@big.or.jp
☆☆講座「糖尿病・メタボはこう予防する!~糖質制限食のすすめ」京都
場所:朝日カルチャーセンター京都 http://www.asahi-culture.co.jp/www/kyoto-c.html
問い合わせ:075-231-9693(朝日カルチャーセンター京都)
日時:2009年2月17日(火)13:00~14:30
講師:江部康二
曇りのち晴れなんて天気予報には載っているのですが、しんしんと雪が降り注いできて積もりそうな勢いの京都です。寒いです。
さて今日のブログ記事は、糖質制限食・名古屋講演会のお知らせです。
今回は、「HUMAN LIFE INFO NET ”翼”」さんの主催、愛知県教育委員会「後援」で行います。
”翼”代表の元飯田女子短期大学教授 佐橋紀子氏とのジョイント講演会です。
佐橋紀子氏は、経験豊富な糖尿病患者さんです。カロリー制限食(高糖質食)の時は、血糖コントロールがなかなか上手くいかず、インスリンの使用量もどんどん増えて、随分ご苦労なさったそうです。糖質制限食に切り替えてからインスリン注射の量も1/3に減り、血糖コントロールも上々です。 (^_^)
高雄病院入院経験もおありで、患者の立場から糖質制限食について語って下さいます。
私、江部康二は「人類の食生活3段階と血糖値」など最新の糖質制限食理論と実践をお話し致します。糖尿病患者さんとのジョイント講演会は初めてなので、とても楽しみにしています。ヾ(^▽^)
詳細は以下の通りです。
江部康二
『糖尿病・メタボは必ず良くなる!~糖質制限食のすすめ~』
日時 : 2009年2月21日(土)午後1:30分~4:00
場所 :名古屋市女性会館 (名古屋市中区大井町7-25)
TEL 052-331-5288
講師 :江部康二/佐橋紀子(患者の立場から…”翼”代表)
参加費:1.000円/チケット販売・もしくは電話で申し込み
主催 :HUMAN LIFE INFO NET ”翼”
後援 :愛知県教育委員会
問合せ :佐橋紀子(052-501-0994)
高橋君枝(052-502-3670)
原 育世(0568-84-6946)
【他の講演会・講座のお知らせ】
☆☆ 糖質制限食講演会・諏訪中央病院・長野
日時:平成21年1月21日(水)午後2時から4時
講師:江部康二
場所:諏訪中央病院 長野県茅野市玉川4300番地 TEL 0266-72-1000(代)
お問い合わせ:0266-72-1000(諏訪中央病院)
一般の人も参加OKとのことですのでブログ読者の皆さんも是非どうぞ。
☆☆ 糖質制限食講演会・東京・中野
日時:2009年2月11日(祝日)12時半開場、13時開演~16:00終了
講師:江部康二/大柳珠美(管理栄養士)
会場:なかのZERO 学習室
会費:1500円
申し込み:糖質制限食ネット・リボーン 曽我部ゆかり
(T/F)03−3388−5428
(e-mail) reborn@big.or.jp
☆☆講座「糖尿病・メタボはこう予防する!~糖質制限食のすすめ」京都
場所:朝日カルチャーセンター京都 http://www.asahi-culture.co.jp/www/kyoto-c.html
問い合わせ:075-231-9693(朝日カルチャーセンター京都)
日時:2009年2月17日(火)13:00~14:30
講師:江部康二
2009年01月14日 (水)
おはようございます。道の水溜まりに氷がはっています。今日もまたまた寒い京都です。
お正月はずっと家にいたので、以前からずっと興味があったけど、なかなか解らなかった、「イヌイットと癌」について、ネットで調べてみました。
それまでも日本語のサイトをいろいろ検索していたのですが、めぼしいものは見つからずあきらめかけていたのですが…(-_-;)、
意を決して苦手の英文サイトを覗いて見ました。そしたら、結構沢山の文献の要約が見つかりました。(⌒o⌒)v
中でも、ランセットという英国の権威ある医学雑誌に、興味深い論文が掲載されたのを見つけました。(*)PubMed(米国国立生物工学情報センターが公開する医学文献データベース)で探してやっとその要約に辿り着きました。今は、論文本体を手に入れようとしているところです。
が、生来のせっかちなので、とりあえず以下要約の訳を記事にしてみました。
<ランセット論文 要約>
「イヌイットは、アラスカ、カナダ北西、グリーンランドの極地に住んでいる。20世紀初頭までは、イヌイットには、悪性腫瘍はほとんど存在しないと信じられていたが、平均余命がのびてきて異なるパターンを呈してきた。
EBウィルスによる鼻咽頭と唾液腺の癌のハイリスク、白人に多い癌(前立腺癌、精巣癌、造血系癌)のロウリスクである。遺伝的・環境的要因が共にこのパターンに関わっている。
20世紀の後半、 イヌイット社会でライフスタイル、生活状況に大きな変化があった。そして喫煙、食事、生殖性因子の変化のあと、ライフスタイルに相関する腫瘍、特に肺癌、大腸癌、乳癌がかなり増加した。
この論文は、イヌイット集団における癌の疫学の最近の知識を、イヌイットタイプの癌の特性を強調して簡単に要約している。」
20世紀初頭までは、伝統的食生活(糖質制限食)が守られており、癌はかなり少なかったようです。
この頃までは小麦など穀物は皆無で、糖質摂取はほとんどなしの食生活です。
その後欧米人との交流が徐々に頻回となり、EBウィルスも外部からイヌイット社会に持ち込まれたのでしょう。免疫がなかった分と民族的特性で、EBウィルスによる鼻咽頭と唾液腺の癌が急速に増えたのでしょう。
1910年代にハドソン湾会社などの交易会社がカナダの東部極北地帯へと進出し、1920年代に北ケベックの各地に毛皮交易所が設置されました。しかし、この時点(1950年頃まで)では欧米白人型の癌はまだ少なかったようです。
食生活も徐々に欧米的なもの(例えばバノクと呼ばれる無発酵パン)が入ってきます。バノクが日常食として定着していったのは、1920年代と思われます。
交流が活発になり約40~50年が経過した1950年代からは、欧米型の癌(肺癌、大腸癌、乳癌)が増加しています。
「イヌイットと癌」というテーマに関して、少ないという説や欧米と変わらないという説が入り乱れていて、私も困っていたのですが、ランセットの論文の要約のように歴史的に整理するととても解りやすくなりました。
結論です。
①イヌイットが伝統的食生活(糖質制限食)を守っている時は、癌は少なかった。
②EBウィルス初感染以後、鼻咽頭と唾液腺の癌が急速に増加し、他民族より多い。
②食生活や社会生活などライフスタイルの変化と共に、徐々に欧米型の癌が増えていった。
何だかとってもスッキリしました。お正月に仕事した甲斐がありました。
「糖質制限食による癌予防」おおいに可能性がでてきましたね。(^-^)v(^-^)v
江部康二
*
Lancet Oncol. 2008 Sep;9(9):892-900.
Cancer patterns in Inuit populations.Friborg JT, Melbye M.
Department of Epidemiology Research, Statens Serum Institut, Copenhagen, Denmark.
Abstract
Inuit people inhabit the circumpolar region, with most living in Alaska, northwest Canada, and Greenland. Although malignant diseases were believed to be almost non-existent in Inuit populations during the beginning of the 20th century, the increasing life expectancy within these populations showed a distinct pattern, characterised by a high risk of Epstein-Barr virus-associated carcinomas of the nasopharynx and salivary glands, and a low risk of tumours common in white populations, including cancer of the prostate, testis, and haemopoietic system. Both genetic and environmental factors seem to be responsible for this pattern. During the second half of the 20th century, Inuit societies underwent major changes in lifestyle and living conditions, and the risk of lifestyle-associated tumours, especially cancers of the lung, colon, and breast, increased considerably after changes in smoking, diet, and reproductive factors. This Review will briefly summarise the current knowledge on cancer epidemiology in Inuit populations, with emphasis on the characteristic Inuit types of cancer.
お正月はずっと家にいたので、以前からずっと興味があったけど、なかなか解らなかった、「イヌイットと癌」について、ネットで調べてみました。
それまでも日本語のサイトをいろいろ検索していたのですが、めぼしいものは見つからずあきらめかけていたのですが…(-_-;)、
意を決して苦手の英文サイトを覗いて見ました。そしたら、結構沢山の文献の要約が見つかりました。(⌒o⌒)v
中でも、ランセットという英国の権威ある医学雑誌に、興味深い論文が掲載されたのを見つけました。(*)PubMed(米国国立生物工学情報センターが公開する医学文献データベース)で探してやっとその要約に辿り着きました。今は、論文本体を手に入れようとしているところです。
が、生来のせっかちなので、とりあえず以下要約の訳を記事にしてみました。
<ランセット論文 要約>
「イヌイットは、アラスカ、カナダ北西、グリーンランドの極地に住んでいる。20世紀初頭までは、イヌイットには、悪性腫瘍はほとんど存在しないと信じられていたが、平均余命がのびてきて異なるパターンを呈してきた。
EBウィルスによる鼻咽頭と唾液腺の癌のハイリスク、白人に多い癌(前立腺癌、精巣癌、造血系癌)のロウリスクである。遺伝的・環境的要因が共にこのパターンに関わっている。
20世紀の後半、 イヌイット社会でライフスタイル、生活状況に大きな変化があった。そして喫煙、食事、生殖性因子の変化のあと、ライフスタイルに相関する腫瘍、特に肺癌、大腸癌、乳癌がかなり増加した。
この論文は、イヌイット集団における癌の疫学の最近の知識を、イヌイットタイプの癌の特性を強調して簡単に要約している。」
20世紀初頭までは、伝統的食生活(糖質制限食)が守られており、癌はかなり少なかったようです。
この頃までは小麦など穀物は皆無で、糖質摂取はほとんどなしの食生活です。
その後欧米人との交流が徐々に頻回となり、EBウィルスも外部からイヌイット社会に持ち込まれたのでしょう。免疫がなかった分と民族的特性で、EBウィルスによる鼻咽頭と唾液腺の癌が急速に増えたのでしょう。
1910年代にハドソン湾会社などの交易会社がカナダの東部極北地帯へと進出し、1920年代に北ケベックの各地に毛皮交易所が設置されました。しかし、この時点(1950年頃まで)では欧米白人型の癌はまだ少なかったようです。
食生活も徐々に欧米的なもの(例えばバノクと呼ばれる無発酵パン)が入ってきます。バノクが日常食として定着していったのは、1920年代と思われます。
交流が活発になり約40~50年が経過した1950年代からは、欧米型の癌(肺癌、大腸癌、乳癌)が増加しています。
「イヌイットと癌」というテーマに関して、少ないという説や欧米と変わらないという説が入り乱れていて、私も困っていたのですが、ランセットの論文の要約のように歴史的に整理するととても解りやすくなりました。
結論です。
①イヌイットが伝統的食生活(糖質制限食)を守っている時は、癌は少なかった。
②EBウィルス初感染以後、鼻咽頭と唾液腺の癌が急速に増加し、他民族より多い。
②食生活や社会生活などライフスタイルの変化と共に、徐々に欧米型の癌が増えていった。
何だかとってもスッキリしました。お正月に仕事した甲斐がありました。
「糖質制限食による癌予防」おおいに可能性がでてきましたね。(^-^)v(^-^)v
江部康二
*
Lancet Oncol. 2008 Sep;9(9):892-900.
Cancer patterns in Inuit populations.Friborg JT, Melbye M.
Department of Epidemiology Research, Statens Serum Institut, Copenhagen, Denmark.
Abstract
Inuit people inhabit the circumpolar region, with most living in Alaska, northwest Canada, and Greenland. Although malignant diseases were believed to be almost non-existent in Inuit populations during the beginning of the 20th century, the increasing life expectancy within these populations showed a distinct pattern, characterised by a high risk of Epstein-Barr virus-associated carcinomas of the nasopharynx and salivary glands, and a low risk of tumours common in white populations, including cancer of the prostate, testis, and haemopoietic system. Both genetic and environmental factors seem to be responsible for this pattern. During the second half of the 20th century, Inuit societies underwent major changes in lifestyle and living conditions, and the risk of lifestyle-associated tumours, especially cancers of the lung, colon, and breast, increased considerably after changes in smoking, diet, and reproductive factors. This Review will briefly summarise the current knowledge on cancer epidemiology in Inuit populations, with emphasis on the characteristic Inuit types of cancer.
2009年01月13日 (火)
こんにちは。
今日も、つい先ほどまで雪がちらついて寒い京都です。
今回は、旭川のたっちゃんから、糖新生と肝臓に関するコメント・質問をいただきました。
『たっちゃん
「糖新生と肝疲労。。。」
以前、コメントして頂いた、旭川のたっちゃんと申します。その節はありがとうございました。以前から気になっていたことを質問させていただきす。それはアンチ糖質制限食理論と申しますか、糖新生は肝臓にとても負担がかかり疲弊させると言う考えです。インスリンを出す膵臓の疲弊は糖尿には恐ろしいですが、肝臓も疲弊すると聞かされると、多少びびります。と申しますか多少肝機能が劣る人には適さないのか、それとも。。。。。私は糖尿の数値も落ち着き、体重も希望枠内に突入し、肝機能も問題はありませんが。一般論としてやはり食事のバランス、糖質60%、脂質、蛋白質20%づつ、これが体にはベストなのだと、いろいろなところで言われると、いや違う糖質制限のほうが絶対いいのだと私の知識、能力では論破できないので、そこら辺のところ先生のお考えをお聞かせください。先生のブログは毎日のように拝読していますし、本も読ませて頂いていますし、私の体調も問題は有りませんが、なにぶん文章に自信が無いので私の真意が伝わるかは不安ですが、先生宜しくお願い申し上げます。
2009/01/11(日) 12:50:42』
旭川のたっちゃん、コメントありがとうございます。
仰る通り、巷では、お医者さん、栄養師さん、看護師さん・・・(不)親切な友人・・・などなど、皆、声をそろえて、
「日本人の主食は穀物です。糖質をしっかり摂ってバランスのいい食生活を目指しましょう。」
なんて合唱ですから、正直なところ誰でもびびりますよね。(;_;)
しかし、ちょっと待ってください。糖質60%がバランスがいいなんて、いったい誰が何を根拠に言い始めたのでしょう?
「糖質60%、脂質20%がヘルシー食で健康に良い」という常識は、近年の米国の大規模な疫学的研究で、既に否定されつつあります。
さて、
組織的農耕が始まったのは、約1万年~1万4千年前ですが、世界的に広がり定着したのは、約4000年前です。
人類が、ゴリラやチンパンジーと分かれたのが400~500万年前です。その後、3属・17種の人類が栄枯盛衰を繰り返し、結局約20万年前に東アフリカで誕生したホモ・サピエンス(現世人類)だけが現存しているわけです。
ここで大切なこと、そして本質的なことは、3属・17種の人類は、全て狩猟・採集が生業だったということです。つまり、農耕が始まるまでの399万年間は、人類皆糖質制限食であり、ヒトは進化に要した時間の大部分で、狩猟・採集生活をしていたということです。
従って、現世人類の行動や生理・代謝を決める遺伝子セットは、狩猟・採集の生活条件に適応するようにプログラムされていると考えるのが自然です。
400万年の人類の進化の過程で、<狩猟・採集期間>:<農耕期間>=1000対1で、圧倒的に狩猟・採集期間のほうが長いのです。
即ち、人類は、本来穀物に依存して生きるような遺伝的システムは持っていなかったのに、人口増加を支えるため、やむを得ず穀物摂取が主食となっていったものと考えられます。まるで原罪を背負ったようなものですね。 (*_*)
食生活ならば、糖質制限食の方が人体の生理・代謝に適合するのは、進化の歴史からみて当然の結果なのです。 (^_^)
ご質問の件ですが、食物吸収が終了した直後には、肝臓のグリコーゲン分解が、循環血液中に入るブドウ糖の主要な供給源です。食後数時間が経過し、絶食状態が持続すると、ブドウ糖の供給源は、肝のグリコーゲン分解から糖新生に切り替わります。
上述の歴史で考えると、399万年間全ての人類において肝臓の糖新生は毎日、日常的に行われていたことがわかります。399万年間の人類の歴史では空腹や絶食や飢餓が日常的でしたので、肝臓は毎日よく働いてきたしそれだけのキャパシティーを持っているということです。
一方、膵臓のβ細胞は、399万年間、基礎分泌のインスリンは作ってましたが追加分泌のインスリンが必要となることはまれでした。
実りの秋に、果物や栗など、比較的糖質含有量が多い食物を得たときだけ血糖値が上昇して、追加分泌のインスリンがでて、ブドウ糖を中性脂肪に変えて、来るべき冬に備えていたのです。
追加分泌が必要なことはまれでしたから、β細胞のインスリン分泌能力は、それなりにしかありません。従って、農耕開始後、特に精製炭水化物以後は、毎日大量のインスリンを頻回に分泌し続けることとなり、おおいに負担となりました。
過剰のインスリンを分泌し続けたら、メタボリックシンドロームや肥満になります。β細胞が疲れ果ててインスリン分泌不足になれば、糖尿病を発症します。
結論です。
肝臓は、もともと能力がたっぷりあるし、399万年間適応してきたわけですが、膵臓のβ細胞は、農耕後4000年、特に精製炭水化物後の200年、能力をはるかに超える重労働を強いられてきたわけです。
肝臓と膵臓どちらも大切ですが、現在可哀想なのは、膵臓のβ細胞なのです。
江部康二
今日も、つい先ほどまで雪がちらついて寒い京都です。
今回は、旭川のたっちゃんから、糖新生と肝臓に関するコメント・質問をいただきました。
『たっちゃん
「糖新生と肝疲労。。。」
以前、コメントして頂いた、旭川のたっちゃんと申します。その節はありがとうございました。以前から気になっていたことを質問させていただきす。それはアンチ糖質制限食理論と申しますか、糖新生は肝臓にとても負担がかかり疲弊させると言う考えです。インスリンを出す膵臓の疲弊は糖尿には恐ろしいですが、肝臓も疲弊すると聞かされると、多少びびります。と申しますか多少肝機能が劣る人には適さないのか、それとも。。。。。私は糖尿の数値も落ち着き、体重も希望枠内に突入し、肝機能も問題はありませんが。一般論としてやはり食事のバランス、糖質60%、脂質、蛋白質20%づつ、これが体にはベストなのだと、いろいろなところで言われると、いや違う糖質制限のほうが絶対いいのだと私の知識、能力では論破できないので、そこら辺のところ先生のお考えをお聞かせください。先生のブログは毎日のように拝読していますし、本も読ませて頂いていますし、私の体調も問題は有りませんが、なにぶん文章に自信が無いので私の真意が伝わるかは不安ですが、先生宜しくお願い申し上げます。
2009/01/11(日) 12:50:42』
旭川のたっちゃん、コメントありがとうございます。
仰る通り、巷では、お医者さん、栄養師さん、看護師さん・・・(不)親切な友人・・・などなど、皆、声をそろえて、
「日本人の主食は穀物です。糖質をしっかり摂ってバランスのいい食生活を目指しましょう。」
なんて合唱ですから、正直なところ誰でもびびりますよね。(;_;)
しかし、ちょっと待ってください。糖質60%がバランスがいいなんて、いったい誰が何を根拠に言い始めたのでしょう?
「糖質60%、脂質20%がヘルシー食で健康に良い」という常識は、近年の米国の大規模な疫学的研究で、既に否定されつつあります。
さて、
組織的農耕が始まったのは、約1万年~1万4千年前ですが、世界的に広がり定着したのは、約4000年前です。
人類が、ゴリラやチンパンジーと分かれたのが400~500万年前です。その後、3属・17種の人類が栄枯盛衰を繰り返し、結局約20万年前に東アフリカで誕生したホモ・サピエンス(現世人類)だけが現存しているわけです。
ここで大切なこと、そして本質的なことは、3属・17種の人類は、全て狩猟・採集が生業だったということです。つまり、農耕が始まるまでの399万年間は、人類皆糖質制限食であり、ヒトは進化に要した時間の大部分で、狩猟・採集生活をしていたということです。
従って、現世人類の行動や生理・代謝を決める遺伝子セットは、狩猟・採集の生活条件に適応するようにプログラムされていると考えるのが自然です。
400万年の人類の進化の過程で、<狩猟・採集期間>:<農耕期間>=1000対1で、圧倒的に狩猟・採集期間のほうが長いのです。
即ち、人類は、本来穀物に依存して生きるような遺伝的システムは持っていなかったのに、人口増加を支えるため、やむを得ず穀物摂取が主食となっていったものと考えられます。まるで原罪を背負ったようなものですね。 (*_*)
食生活ならば、糖質制限食の方が人体の生理・代謝に適合するのは、進化の歴史からみて当然の結果なのです。 (^_^)
ご質問の件ですが、食物吸収が終了した直後には、肝臓のグリコーゲン分解が、循環血液中に入るブドウ糖の主要な供給源です。食後数時間が経過し、絶食状態が持続すると、ブドウ糖の供給源は、肝のグリコーゲン分解から糖新生に切り替わります。
上述の歴史で考えると、399万年間全ての人類において肝臓の糖新生は毎日、日常的に行われていたことがわかります。399万年間の人類の歴史では空腹や絶食や飢餓が日常的でしたので、肝臓は毎日よく働いてきたしそれだけのキャパシティーを持っているということです。
一方、膵臓のβ細胞は、399万年間、基礎分泌のインスリンは作ってましたが追加分泌のインスリンが必要となることはまれでした。
実りの秋に、果物や栗など、比較的糖質含有量が多い食物を得たときだけ血糖値が上昇して、追加分泌のインスリンがでて、ブドウ糖を中性脂肪に変えて、来るべき冬に備えていたのです。
追加分泌が必要なことはまれでしたから、β細胞のインスリン分泌能力は、それなりにしかありません。従って、農耕開始後、特に精製炭水化物以後は、毎日大量のインスリンを頻回に分泌し続けることとなり、おおいに負担となりました。
過剰のインスリンを分泌し続けたら、メタボリックシンドロームや肥満になります。β細胞が疲れ果ててインスリン分泌不足になれば、糖尿病を発症します。
結論です。
肝臓は、もともと能力がたっぷりあるし、399万年間適応してきたわけですが、膵臓のβ細胞は、農耕後4000年、特に精製炭水化物後の200年、能力をはるかに超える重労働を強いられてきたわけです。
肝臓と膵臓どちらも大切ですが、現在可哀想なのは、膵臓のβ細胞なのです。
江部康二
2009年01月12日 (月)
おはようございます。今日は、すこしですけど雪が積もってました。
柴犬の小豆はこんな日は散歩にいきません。雨にも弱く雪にも負けて、とっても軟弱な奴です。(-_-;)
さて今日は、NPO法人、糖質制限食ネット・リボーン事務局の曽我部ゆかりさんからのメッセージです。
☆☆☆
リボーン曽我部ゆかりより、ドクター江部のブログ読者の皆様へ
新しい年が皆様にとって実り多い一年となりますようお祈りしつつ、皆様に新春の報告です。
これまで任意団体として活動を続けてきたアトピー・ネットワーク・リボーンが、特定非営利活動法人(NPO法人)として認証され、名称を糖質制限食ネット・リボーンと改め、この1月7日に創立の運びとなりました。
創立を記念して、2月11日(祝・水)に、糖質制限食講演会『食事で治す アトピー・糖尿病・肥満・メタボ』を開催いたします。
今回は、講師にリボーンの理事長の江部康二先生と同じく理事で管理栄養士の大柳珠美先生をお迎えいたします。(詳細は下記をご参照ください)
今後は、『食事で治す』をキーワードに、糖尿病やアトピーなど生活習慣病全般の改善のために有効な糖質制限食とテーラーメイドダイエットの理論と実践法を、広く一般社会に普及してくため活動を展開いたします。
私たちの活動はより多くの市民の方々の参加によって成り立ち発展していきます。薬に頼らない医療の実現を願い、私たちとともに、「食」の根底を見直していきませんか。多くの方々のご入会を心よりお待ちしております。
●会員になられた皆様の特典としては
機関誌『Reborn』(年4回発行予定)とニュースレター(随時)のお届け、講演会ならびにセミナー、勉強会、交流会、料理教室などの優先予約と割引、メールでの相談(その他検討中)が中心となります。
●会費について
入会金なし
年会費 正会員 (個人) 5,000円
賛助会員(個人) 3,000円
賛助会員(団体) 一口30,000円(一口以上)
寄付金大歓迎!
(会費の有効期限は4月~3月で、途中入会は期間割になります)。
入会ご希望の方は、(reborn@big.or.jp TEL,FAX 03-3388-5428)まで資料をご請求ください。
今期に入会された方は、2月11日から講演会割引が適用になります。
☆講演会のお知らせ☆
2009年2月11日(祝・水)
『食事で治す・アトピー・糖尿病・肥満・メタボ』vol 11
NPO法人糖質制限食ネット・リボーン創立記念 講演会
なんでも相談と個別食事相談も開設!
●講 師 江部康二(医師、高雄病院理事長)
大柳珠美(管理栄養士)
●会 場 なかのゼロホール西館学習室1
(東京中野、JR中野駅南口下車、新宿方面への線路沿いの道を歩き約5分。途中案内板あり)
●定 員 100名(申込先着順)
●会 費 当日払い リボーン会員1200円 一般1500円(資料付き)
●タイムスケジュール
12時30分 開場
13時00分 開始
16時00分 講演終了
☆質疑応答☆無料食事相談も充実☆
今回の講演会では、第1部に江部康二先生による糖質制限食の理論と実践を最新データをまじえながら、基礎から応用まで徹底的にわかりやすくお話いただきます。さらに第2部では管理栄養士の大柳珠美先生に、日々糖質制限食を実践するにあたっての具体的な食の提案(経済的で手軽に実践できるレシピ)と外食のしかたなどのアドバイスをしていただきます。また、今回は『なんでも相談』の時間ももうけ、江部康二先生と大柳珠美先生が参加者の個別のご相談に応じるほか、講演会終了後に、江部康二先生のサイン会と大柳珠美先生の無料食事相談も開設いたします。
●お申し込み・資料請求●
NPO法人糖質制限食ネット・リボーン(担当 曽我部ゆかり)
reborn@big.or.jp TEL,FAX 03-3388-5428
【他の講演会・講座のお知らせ】
☆☆ 糖質制限食講演会・諏訪中央病院・長野
日時:平成21年1月21日(水)午後2時から4時
講師:江部康二
場所:諏訪中央病院 長野県茅野市玉川4300番地 TEL 0266-72-1000(代)
お問い合わせ:0266-72-1000(諏訪中央病院)
一般の人も参加OKとのことですのでブログ読者の皆さんも是非どうぞ。
☆☆講座「糖尿病・メタボはこう予防する!~糖質制限食のすすめ」京都
場所:朝日カルチャーセンター京都 http://www.asahi-culture.co.jp/www/kyoto-c.html
問い合わせ:075-231-9693(朝日カルチャーセンター京都)
日時:2009年2月17日(火)13:00~14:30
講師:江部康二
☆☆ 演題:『糖尿病・メタボは必ず良くなる!~糖質制限食のすすめ~』
とき : 2009年2月21日(土)午後1:30分~4:00
ところ :名古屋市女性会館 (名古屋市中区大井町7-25)
℡052-331-5288
講師 :江部康二/佐橋紀子(患者の立場から…”翼”代表)
参加費:1.000円/チケット販売・もしくは電話で申し込み
主催 :HUMAN LIFE INFO NET ”翼”
問合せ :佐橋紀子(052-501-0994)
高橋君枝(052-502-3670)
原 育世(0568-84-6946)
柴犬の小豆はこんな日は散歩にいきません。雨にも弱く雪にも負けて、とっても軟弱な奴です。(-_-;)
さて今日は、NPO法人、糖質制限食ネット・リボーン事務局の曽我部ゆかりさんからのメッセージです。
☆☆☆
リボーン曽我部ゆかりより、ドクター江部のブログ読者の皆様へ
新しい年が皆様にとって実り多い一年となりますようお祈りしつつ、皆様に新春の報告です。
これまで任意団体として活動を続けてきたアトピー・ネットワーク・リボーンが、特定非営利活動法人(NPO法人)として認証され、名称を糖質制限食ネット・リボーンと改め、この1月7日に創立の運びとなりました。
創立を記念して、2月11日(祝・水)に、糖質制限食講演会『食事で治す アトピー・糖尿病・肥満・メタボ』を開催いたします。
今回は、講師にリボーンの理事長の江部康二先生と同じく理事で管理栄養士の大柳珠美先生をお迎えいたします。(詳細は下記をご参照ください)
今後は、『食事で治す』をキーワードに、糖尿病やアトピーなど生活習慣病全般の改善のために有効な糖質制限食とテーラーメイドダイエットの理論と実践法を、広く一般社会に普及してくため活動を展開いたします。
私たちの活動はより多くの市民の方々の参加によって成り立ち発展していきます。薬に頼らない医療の実現を願い、私たちとともに、「食」の根底を見直していきませんか。多くの方々のご入会を心よりお待ちしております。
●会員になられた皆様の特典としては
機関誌『Reborn』(年4回発行予定)とニュースレター(随時)のお届け、講演会ならびにセミナー、勉強会、交流会、料理教室などの優先予約と割引、メールでの相談(その他検討中)が中心となります。
●会費について
入会金なし
年会費 正会員 (個人) 5,000円
賛助会員(個人) 3,000円
賛助会員(団体) 一口30,000円(一口以上)
寄付金大歓迎!
(会費の有効期限は4月~3月で、途中入会は期間割になります)。
入会ご希望の方は、(reborn@big.or.jp TEL,FAX 03-3388-5428)まで資料をご請求ください。
今期に入会された方は、2月11日から講演会割引が適用になります。
☆講演会のお知らせ☆
2009年2月11日(祝・水)
『食事で治す・アトピー・糖尿病・肥満・メタボ』vol 11
NPO法人糖質制限食ネット・リボーン創立記念 講演会
なんでも相談と個別食事相談も開設!
●講 師 江部康二(医師、高雄病院理事長)
大柳珠美(管理栄養士)
●会 場 なかのゼロホール西館学習室1
(東京中野、JR中野駅南口下車、新宿方面への線路沿いの道を歩き約5分。途中案内板あり)
●定 員 100名(申込先着順)
●会 費 当日払い リボーン会員1200円 一般1500円(資料付き)
●タイムスケジュール
12時30分 開場
13時00分 開始
16時00分 講演終了
☆質疑応答☆無料食事相談も充実☆
今回の講演会では、第1部に江部康二先生による糖質制限食の理論と実践を最新データをまじえながら、基礎から応用まで徹底的にわかりやすくお話いただきます。さらに第2部では管理栄養士の大柳珠美先生に、日々糖質制限食を実践するにあたっての具体的な食の提案(経済的で手軽に実践できるレシピ)と外食のしかたなどのアドバイスをしていただきます。また、今回は『なんでも相談』の時間ももうけ、江部康二先生と大柳珠美先生が参加者の個別のご相談に応じるほか、講演会終了後に、江部康二先生のサイン会と大柳珠美先生の無料食事相談も開設いたします。
●お申し込み・資料請求●
NPO法人糖質制限食ネット・リボーン(担当 曽我部ゆかり)
reborn@big.or.jp TEL,FAX 03-3388-5428
【他の講演会・講座のお知らせ】
☆☆ 糖質制限食講演会・諏訪中央病院・長野
日時:平成21年1月21日(水)午後2時から4時
講師:江部康二
場所:諏訪中央病院 長野県茅野市玉川4300番地 TEL 0266-72-1000(代)
お問い合わせ:0266-72-1000(諏訪中央病院)
一般の人も参加OKとのことですのでブログ読者の皆さんも是非どうぞ。
☆☆講座「糖尿病・メタボはこう予防する!~糖質制限食のすすめ」京都
場所:朝日カルチャーセンター京都 http://www.asahi-culture.co.jp/www/kyoto-c.html
問い合わせ:075-231-9693(朝日カルチャーセンター京都)
日時:2009年2月17日(火)13:00~14:30
講師:江部康二
☆☆ 演題:『糖尿病・メタボは必ず良くなる!~糖質制限食のすすめ~』
とき : 2009年2月21日(土)午後1:30分~4:00
ところ :名古屋市女性会館 (名古屋市中区大井町7-25)
℡052-331-5288
講師 :江部康二/佐橋紀子(患者の立場から…”翼”代表)
参加費:1.000円/チケット販売・もしくは電話で申し込み
主催 :HUMAN LIFE INFO NET ”翼”
問合せ :佐橋紀子(052-501-0994)
高橋君枝(052-502-3670)
原 育世(0568-84-6946)
2009年01月11日 (日)
おはようございます。
とても嬉しいコメントを、かずぅさんから頂きました。
『かずぅ
「お久しぶりです。」
本日、Botanicaに食事へいってきました。
あのコースであの糖質量、、、ちょっと信じられませんよねw
江部先生とあらてつさんのお名前をお借りして予約したからなのかシェフが挨拶に来てくれて最後に記念撮影までしてもらいました。
あんなに美味いもの食えるなんてなんか糖尿病になってよかったなぁって最近物騒なことを思ってしまいます。
ちょっとこの記事には関係ないかもしれないですね。
すいません。
では、これからも勉強させていただきますのでよろしくお願いします。
2009/01/10(土) 22:49:41』
かずぅさん。
コメントありがとうございます。
新井田シェフの挨拶に記念撮影、
とってもよかったですね。(⌒o⌒)v
かずぅさん以外にも、私やあらてつさんのブログを見て、「Botanica」に食事にいって頂いたブログ読者の皆さん、ありがとうございます。m(_ _)mVV
結構たくさんの方が「Botanica」の糖質制限食コースを食されたようで、新井田シェフ、星野支配人もとても喜んでおられ、また感謝しておられました。 (^_^)
ニュー・ヨーロピアン料理のフルコース、しかも7種類のスイーツまで付いて、全て完全無欠の糖質制限OK食材・・・ ヽ(*`▽´)ノ
糖尿人、メタボ人でも安心して美味しく楽しく糖質制限食、至福の時間・空間を「Botanica」で過ごすことができます。
「何だか、美辞麗句ばっかり並べてほんまかいな?」なんて声が聞こえてきそうですが、ほんまなんです。(^o^)
不肖江部康二、味には少々うるさい方なのですが、太鼓判を押させていただきます。
その極楽浄土を、一度ならずも二度目を体験した、あらてつさんのリポート・ブログ記事を以下に転載しますので参考にしてくださいね。
東京方面の糖尿人・メタボ人・肥満が気になる人、早速BotanicaへGo!
Botanica
東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン ガーデンテラス4F
TEL 03-5413-3282
ランチは¥2630から、ディナーは¥6300からです。
江部康二
☆☆☆☆☆
新年明けましてBotanicaへGo!
2009/01/05 [Mon]11:23
後輩が沖縄に転勤になり、次回から沖縄行っても宿泊費がタダや!と、新年早々浮かれている、あらてつです。
こいつは春から縁起がいいや(笑)
さてさて、ブログ読者の皆さん、新年明けましておめでとうございます。
今年もどうぞ宜しくお願い致します。
去年の年末年始は、皆さんから「正月は糖質制限を貫くのが難しい」とコメント頂いておりました。
私はひたすら飲んだくれてたので、ほぼカンペキに糖質制限できてた(笑)のですが、ご家族一緒だとそういうわけにもいかず、特に帰省される方は、いろいろ苦労されておられたようです。
で、私の年末年始ですが、今年は飲んだくれることもなく、最高の年越しと新年でしたよ~。
そう、去年のブログにも書きましたが、行ってきました、東京ミッドタウンにありますイタリアンのお店、『Botanica』へ。
これまで何度か書かせて頂いておりますが、、『Botanica』は、ミシュラン2ツ星を獲得されました、リストランテASOの阿曽シェフにお招き頂きまして、糖質制限なイタリアンフルコースをご馳走になったお店です。
江部康二先生もブログに書いておられましたが、出して頂いた料理のあまりの美味しさに、思わず昇天しそうになりました。
で、いつかまたプライベートで来たいなぁ、などと考えておりましたら、思ったより早くそのチャンスが訪れまして、、『Botanica』に電話して年末年始の営業をお聞きすると、31日までやっているとのこと。この機会を逃してなるものかと、新幹線の切符を取ったわけです。
当日、18時前にお店に着きまして、まだ開店前だったので、入り口の前でうろうろしてますと、これまた大変お世話になっている料理長の新井田シェフが、厨房から私の姿を見つけて下さいまして、お店の中に通してくださいました。
しばし歓談の後、席まで案内して頂いたわけですが、さあ、ここからは思い出しただけでもヨダレがじゅるじゅる出てくる至福の時間の始まりです。
料理が運ばれて来るたびに、新井田シェフが出てきて下さいまして、料理の説明をして頂いたのですが、いっやぁ、もう素晴らしいのなんのって、感激ものですよ。目で見て美しく食べて美味しい、江部康二先生のお言葉をお借りするなら正に「極楽浄土」です(笑)
ちなみに今回出して頂いたメニューですが、
Botanica産グリーンオリーブとイベリコプロシュート
焼霜にした寒ブリとスカンピ・冬野菜のインサラータ 聖護院蕪のラビオリ見立て
鴨フォアグラのソテー 甘海老と帆立貝のタルタル バルサミコソース
キャビアをのせた冷たい低糖質手打ちカペリーニ
真鱈のポッシュ 白ワインクリームソース イベリコベーコングリルを添えて
3種の肉の備長炭焼 旬の野菜を添えて
すごいでしょ?
これでもかこれでもかと絶品料理の波状攻撃!特に、最後の「3種の肉の備長炭焼」についてたソース至っては、なんと鞍馬の実山椒が入っているという、「一本取られました」的な素晴らしさ。思わず、「新井田シェフ、ありがと~!」と叫びそうになりました、ハイ。
まだまだこれだけで終わりませんぜ、ダンナ。
最後のシメは、デザートの7段攻撃!しかもすべてが低糖質!
パンナコッタ、ガトーショコラ、NYチーズケーキ、プリン、低糖質バニラアイス、紅茶パウンドケーキ、生チョコレート、フルーツ(苺・ブラックベリー・ブルーベリー・フランボワーズ)
改めて、すごいでしょ?
以上に、これまた低糖質なパンがつきまして、総糖質量は、しめて16.68g!驚きの低糖質です!
お腹いっぱい胸いっぱい、もう思い残すことはない!ってな勢いでしたね。
しかも、料理の途中、なんとなんと、恐れ多くも阿曽シェフがお忙しい中お越しくださいまして、ご挨拶を頂戴しました。とても嬉しいサプライズでした。
サプライズと言えば、前回ブログに書きました、星野支配人のスーパーサプライズですが、今回も披露して頂きましたよ~。
どんな内容か書きたいのですが、内緒にしておきます。糖質制限フルコースを予約して頂いた際には、料理だけでなく星野シェフのサプライズも楽しみにしてくださいね。
さあ、ここまで読まれた皆さん!東京近郊の方は今すぐ、そうでない方も、、『Botanica』へ予約の電話を入れましょう。その時、「糖質制限フルコースで」と言うのを忘れずに。
ランチは¥2630から、ディナーは¥6300からです。
この価格、出てくる料理の素晴らしさと低糖質っぷりから言って、破格のお値段だと思います。
最後になりましたが、素晴らしいお料理を出してくださいました、新井田シェフ、本当にありがとうございました。また、お忙しい中ご挨拶を頂戴しました阿曽シェフ、大変恐縮です。ありがとうございました。
星野支配人、素晴らしいトークとサプライズをありがとうございました。そして、大池さんはじめ大勢のスタッフの皆さん、ありがとうございました。また、必ずよせて頂きます!
Botanica
東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン ガーデンテラス4F
TEL 03-5413-3282
とても嬉しいコメントを、かずぅさんから頂きました。
『かずぅ
「お久しぶりです。」
本日、Botanicaに食事へいってきました。
あのコースであの糖質量、、、ちょっと信じられませんよねw
江部先生とあらてつさんのお名前をお借りして予約したからなのかシェフが挨拶に来てくれて最後に記念撮影までしてもらいました。
あんなに美味いもの食えるなんてなんか糖尿病になってよかったなぁって最近物騒なことを思ってしまいます。
ちょっとこの記事には関係ないかもしれないですね。
すいません。
では、これからも勉強させていただきますのでよろしくお願いします。
2009/01/10(土) 22:49:41』
かずぅさん。
コメントありがとうございます。
新井田シェフの挨拶に記念撮影、
とってもよかったですね。(⌒o⌒)v
かずぅさん以外にも、私やあらてつさんのブログを見て、「Botanica」に食事にいって頂いたブログ読者の皆さん、ありがとうございます。m(_ _)mVV
結構たくさんの方が「Botanica」の糖質制限食コースを食されたようで、新井田シェフ、星野支配人もとても喜んでおられ、また感謝しておられました。 (^_^)
ニュー・ヨーロピアン料理のフルコース、しかも7種類のスイーツまで付いて、全て完全無欠の糖質制限OK食材・・・ ヽ(*`▽´)ノ
糖尿人、メタボ人でも安心して美味しく楽しく糖質制限食、至福の時間・空間を「Botanica」で過ごすことができます。
「何だか、美辞麗句ばっかり並べてほんまかいな?」なんて声が聞こえてきそうですが、ほんまなんです。(^o^)
不肖江部康二、味には少々うるさい方なのですが、太鼓判を押させていただきます。
その極楽浄土を、一度ならずも二度目を体験した、あらてつさんのリポート・ブログ記事を以下に転載しますので参考にしてくださいね。
東京方面の糖尿人・メタボ人・肥満が気になる人、早速BotanicaへGo!
Botanica
東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン ガーデンテラス4F
TEL 03-5413-3282
ランチは¥2630から、ディナーは¥6300からです。
江部康二
☆☆☆☆☆
新年明けましてBotanicaへGo!
2009/01/05 [Mon]11:23
後輩が沖縄に転勤になり、次回から沖縄行っても宿泊費がタダや!と、新年早々浮かれている、あらてつです。
こいつは春から縁起がいいや(笑)
さてさて、ブログ読者の皆さん、新年明けましておめでとうございます。
今年もどうぞ宜しくお願い致します。
去年の年末年始は、皆さんから「正月は糖質制限を貫くのが難しい」とコメント頂いておりました。
私はひたすら飲んだくれてたので、ほぼカンペキに糖質制限できてた(笑)のですが、ご家族一緒だとそういうわけにもいかず、特に帰省される方は、いろいろ苦労されておられたようです。
で、私の年末年始ですが、今年は飲んだくれることもなく、最高の年越しと新年でしたよ~。
そう、去年のブログにも書きましたが、行ってきました、東京ミッドタウンにありますイタリアンのお店、『Botanica』へ。
これまで何度か書かせて頂いておりますが、、『Botanica』は、ミシュラン2ツ星を獲得されました、リストランテASOの阿曽シェフにお招き頂きまして、糖質制限なイタリアンフルコースをご馳走になったお店です。
江部康二先生もブログに書いておられましたが、出して頂いた料理のあまりの美味しさに、思わず昇天しそうになりました。
で、いつかまたプライベートで来たいなぁ、などと考えておりましたら、思ったより早くそのチャンスが訪れまして、、『Botanica』に電話して年末年始の営業をお聞きすると、31日までやっているとのこと。この機会を逃してなるものかと、新幹線の切符を取ったわけです。
当日、18時前にお店に着きまして、まだ開店前だったので、入り口の前でうろうろしてますと、これまた大変お世話になっている料理長の新井田シェフが、厨房から私の姿を見つけて下さいまして、お店の中に通してくださいました。
しばし歓談の後、席まで案内して頂いたわけですが、さあ、ここからは思い出しただけでもヨダレがじゅるじゅる出てくる至福の時間の始まりです。
料理が運ばれて来るたびに、新井田シェフが出てきて下さいまして、料理の説明をして頂いたのですが、いっやぁ、もう素晴らしいのなんのって、感激ものですよ。目で見て美しく食べて美味しい、江部康二先生のお言葉をお借りするなら正に「極楽浄土」です(笑)
ちなみに今回出して頂いたメニューですが、
Botanica産グリーンオリーブとイベリコプロシュート
焼霜にした寒ブリとスカンピ・冬野菜のインサラータ 聖護院蕪のラビオリ見立て
鴨フォアグラのソテー 甘海老と帆立貝のタルタル バルサミコソース
キャビアをのせた冷たい低糖質手打ちカペリーニ
真鱈のポッシュ 白ワインクリームソース イベリコベーコングリルを添えて
3種の肉の備長炭焼 旬の野菜を添えて
すごいでしょ?
これでもかこれでもかと絶品料理の波状攻撃!特に、最後の「3種の肉の備長炭焼」についてたソース至っては、なんと鞍馬の実山椒が入っているという、「一本取られました」的な素晴らしさ。思わず、「新井田シェフ、ありがと~!」と叫びそうになりました、ハイ。
まだまだこれだけで終わりませんぜ、ダンナ。
最後のシメは、デザートの7段攻撃!しかもすべてが低糖質!
パンナコッタ、ガトーショコラ、NYチーズケーキ、プリン、低糖質バニラアイス、紅茶パウンドケーキ、生チョコレート、フルーツ(苺・ブラックベリー・ブルーベリー・フランボワーズ)
改めて、すごいでしょ?
以上に、これまた低糖質なパンがつきまして、総糖質量は、しめて16.68g!驚きの低糖質です!
お腹いっぱい胸いっぱい、もう思い残すことはない!ってな勢いでしたね。
しかも、料理の途中、なんとなんと、恐れ多くも阿曽シェフがお忙しい中お越しくださいまして、ご挨拶を頂戴しました。とても嬉しいサプライズでした。
サプライズと言えば、前回ブログに書きました、星野支配人のスーパーサプライズですが、今回も披露して頂きましたよ~。
どんな内容か書きたいのですが、内緒にしておきます。糖質制限フルコースを予約して頂いた際には、料理だけでなく星野シェフのサプライズも楽しみにしてくださいね。
さあ、ここまで読まれた皆さん!東京近郊の方は今すぐ、そうでない方も、、『Botanica』へ予約の電話を入れましょう。その時、「糖質制限フルコースで」と言うのを忘れずに。
ランチは¥2630から、ディナーは¥6300からです。
この価格、出てくる料理の素晴らしさと低糖質っぷりから言って、破格のお値段だと思います。
最後になりましたが、素晴らしいお料理を出してくださいました、新井田シェフ、本当にありがとうございました。また、お忙しい中ご挨拶を頂戴しました阿曽シェフ、大変恐縮です。ありがとうございました。
星野支配人、素晴らしいトークとサプライズをありがとうございました。そして、大池さんはじめ大勢のスタッフの皆さん、ありがとうございました。また、必ずよせて頂きます!
Botanica
東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン ガーデンテラス4F
TEL 03-5413-3282
2009年01月09日 (金)
おはようございます。
「アトキンス式ダイエット(低炭水化物ダイエット)と糖質制限食は同じなのか、違うのか?」
という質問をよく受けますので説明したいと思います。
まずは言葉の定義からですが、「炭水化物=糖質+食物繊維」です。
食物繊維は、人体に吸収されず血糖値も上げません。即ち、血糖値を上昇させるのは糖質ですので、本ブログではもっぱら糖質を使用します。
糖質を摂取すると、消化管から吸収されたブドウ糖は、門脈血からまず肝臓に約50%取り込まれて、それ以外が血液の大循環に回ります。
また、糖質を摂食して血糖値が上昇すれば、正常人では速やかにインスリンが追加分泌されます。肝臓に取り込まれなかったブドウ糖は、肝静脈から血中に入り、動脈血中に入ったブドウ糖は、インスリン追加分泌により骨格筋や脂肪細胞に取り込まれます。
肝に取り込まれたブドウ糖は、インスリンによりグリコーゲンとして蓄えられます。筋肉細胞などに取り込まれたブドウ糖は、エネルギー源として利用されたあとグリコーゲンとして蓄えられます。
しかし、余った血糖は中性脂肪に変えられ、脂肪組織に貯蔵され肥満につながりますので、インスリンは、肥満ホルモンと呼ばれるわけです。
ここで大切なのは、血糖値を急速に上昇させるのは、糖質・タンパク質・脂質の3大栄養素のうち、糖質だけという生理学的事実です。
糖質を摂取しなければ、血糖値はあまり上昇せず、インスリンの分泌も少量ですむので、肥満もしません。
この基本的な考えは、アトキンス式ダイエット(低炭水化物ダイエット)と糖質制限食の理論は同一であり、両者共に、糖尿病治療にもダイエットにも、著明な効果があります。
違う点で言うと、糖質制限食は、糖尿病治療のために考え出されたものです。現在まで高雄病院で400人以上の入院患者さん、1000人以上の外来患者さんのデータを検証し積み重ね、学術的な立場で糖質制限食の治療効果を確立させました。
従って、糖尿病患者さんと糖質制限食という観点においては、高雄病院には、世界で最も多くのデータが揃っていると思います。
アトキンス式低炭水化物ダイエットの場合は、文字通りダイエットを目的に考え出されたもので、外来通院患者さんのデータや、肥満改善のデータは豊富にありますが、高雄病院のように、糖尿病入院患者さんの詳細な学術的データはありません。
1999年に私の兄、江部洋一郎が高雄病院で初めて糖質制限食を開始した時は、「シュガーバスター」「砂糖病―甘い麻薬の正体」といった本や、探検家の植村直己さんのイヌイットの村での食生活体験記、愛媛の同級生釜池豊秋先生との会談・・・、などを参考にして出発したようです。
その後しばらくして、私が「アトキンス博士のローカーボダイエット」同朋舎 (2000/10)のことを知り、2002年頃に手に入れて読んでみました。その結果、サプリメントや病原性イースト菌の話など、一部内容は、高雄病院の糖質制限食とは乖離していますが、基本線は同じであると思いましたし、参考にもなりました。
さらに「バーンスタイン医師の糖尿病の解決」メディカル トリビューン(2005/12)が出て、こちらは著者が1型糖尿病ということもあり、糖尿病治療食としての糖質制限食という意味で、非常に参考になりました。バーンスタイン医師は、1972年頃から糖質制限食を始められて、1999年に米国で原本を出版されています。
糖質制限食を実践していく中で、糖尿病のみならず、肥満、メタボリックシンドローム、脂質異常症、アレルギー疾患など、生活習慣病全般に効果があることがわかりました。
糖質制限食により、代謝全てが改善するので、人体の自然治癒力が高まると考えられます。また血糖値、脂質がコントロール良好となるので、血流が毛細血管にいたるまで改善すると考えられます。
江部康二
「アトキンス式ダイエット(低炭水化物ダイエット)と糖質制限食は同じなのか、違うのか?」
という質問をよく受けますので説明したいと思います。
まずは言葉の定義からですが、「炭水化物=糖質+食物繊維」です。
食物繊維は、人体に吸収されず血糖値も上げません。即ち、血糖値を上昇させるのは糖質ですので、本ブログではもっぱら糖質を使用します。
糖質を摂取すると、消化管から吸収されたブドウ糖は、門脈血からまず肝臓に約50%取り込まれて、それ以外が血液の大循環に回ります。
また、糖質を摂食して血糖値が上昇すれば、正常人では速やかにインスリンが追加分泌されます。肝臓に取り込まれなかったブドウ糖は、肝静脈から血中に入り、動脈血中に入ったブドウ糖は、インスリン追加分泌により骨格筋や脂肪細胞に取り込まれます。
肝に取り込まれたブドウ糖は、インスリンによりグリコーゲンとして蓄えられます。筋肉細胞などに取り込まれたブドウ糖は、エネルギー源として利用されたあとグリコーゲンとして蓄えられます。
しかし、余った血糖は中性脂肪に変えられ、脂肪組織に貯蔵され肥満につながりますので、インスリンは、肥満ホルモンと呼ばれるわけです。
ここで大切なのは、血糖値を急速に上昇させるのは、糖質・タンパク質・脂質の3大栄養素のうち、糖質だけという生理学的事実です。
糖質を摂取しなければ、血糖値はあまり上昇せず、インスリンの分泌も少量ですむので、肥満もしません。
この基本的な考えは、アトキンス式ダイエット(低炭水化物ダイエット)と糖質制限食の理論は同一であり、両者共に、糖尿病治療にもダイエットにも、著明な効果があります。
違う点で言うと、糖質制限食は、糖尿病治療のために考え出されたものです。現在まで高雄病院で400人以上の入院患者さん、1000人以上の外来患者さんのデータを検証し積み重ね、学術的な立場で糖質制限食の治療効果を確立させました。
従って、糖尿病患者さんと糖質制限食という観点においては、高雄病院には、世界で最も多くのデータが揃っていると思います。
アトキンス式低炭水化物ダイエットの場合は、文字通りダイエットを目的に考え出されたもので、外来通院患者さんのデータや、肥満改善のデータは豊富にありますが、高雄病院のように、糖尿病入院患者さんの詳細な学術的データはありません。
1999年に私の兄、江部洋一郎が高雄病院で初めて糖質制限食を開始した時は、「シュガーバスター」「砂糖病―甘い麻薬の正体」といった本や、探検家の植村直己さんのイヌイットの村での食生活体験記、愛媛の同級生釜池豊秋先生との会談・・・、などを参考にして出発したようです。
その後しばらくして、私が「アトキンス博士のローカーボダイエット」同朋舎 (2000/10)のことを知り、2002年頃に手に入れて読んでみました。その結果、サプリメントや病原性イースト菌の話など、一部内容は、高雄病院の糖質制限食とは乖離していますが、基本線は同じであると思いましたし、参考にもなりました。
さらに「バーンスタイン医師の糖尿病の解決」メディカル トリビューン(2005/12)が出て、こちらは著者が1型糖尿病ということもあり、糖尿病治療食としての糖質制限食という意味で、非常に参考になりました。バーンスタイン医師は、1972年頃から糖質制限食を始められて、1999年に米国で原本を出版されています。
糖質制限食を実践していく中で、糖尿病のみならず、肥満、メタボリックシンドローム、脂質異常症、アレルギー疾患など、生活習慣病全般に効果があることがわかりました。
糖質制限食により、代謝全てが改善するので、人体の自然治癒力が高まると考えられます。また血糖値、脂質がコントロール良好となるので、血流が毛細血管にいたるまで改善すると考えられます。
江部康二
2009年01月08日 (木)
おはようございます。
今日は、血糖調節システムのお話しです。
人体の血糖調節は、なかなか精妙で複雑なシステムにより維持されています。血糖値は「食事」、「肝臓によるグリコーゲン分解・糖新生と糖の取り込み」、「運動」、「ストレス」、「インスリン・グルカゴンなどホルモン」・・・いろいろな要素が合わさって調節されています。
① 空腹時
食物吸収が終了した直後には、肝臓のグリコーゲン分解が、循環血液中に入るブドウ糖の主要な供給源です。食後数時間が経過し、絶食状態が持続すると、ブドウ糖の供給源は、肝のグリコーゲン分解から糖新生に切り替わります。
② 摂食時
摂食時には消化管から吸収されたブドウ糖は、門脈血からまず肝臓に約50%取り込まれて、それ以外が血液の大循環に回ります。
肝細胞でのブドウ糖取り込み自体は、糖輸送体Glut2*を介して行われ、インスリン追加分泌とは関係ありません。しかし肝に取り込まれたブドウ糖はインスリンによりグリコーゲンとして蓄えられます。
糖尿人では<肝臓のグリコーゲン分解と糖新生>が摂食時にも抑制されにくいので、食後高血糖となります。また糖尿人は、門脈血からの肝臓のブドウ糖取り込みも低下しているので、この面でも食後高血糖を起こしやすいのです。
糖質摂食して血糖値が上昇すれば、正常人では速やかにインスリンが追加分泌されます。
肝臓に取り込まれなかったブドウ糖は、肝静脈から血中に入り、動脈血中に入ったブドウ糖は、インスリン追加分泌により細胞表面に移動した糖輸送体GLUT4により骨格筋や脂肪細胞に取り込まれます。骨格筋が、約70%の血糖を取り込みます。
これにより血糖値も速やかに下がります。取り込まれず余った血糖は、インスリンにより中性脂肪に変換されます。
しかし、糖尿人の場合は、血液中のブドウ糖(食後高血糖)は<インスリン分泌不足>と<筋肉や脂肪細胞におけるインスリン抵抗性>により処理されにくいので、食後高血糖が遷延します。
また、インスリン作用不足による脂質代謝異常、アミノ酸代謝異常、高血糖そのものによるインスリン作用低下、インスリン拮抗ホルモン優位、など様々な因子が重なり合って、高血糖が持続するのですね。
さらに糖尿人の一部においては、胃不全麻痺**による内容物の排出遅延があり、吸収も遅延して通常よりかなり遅れて血糖値が上昇することがあります。
③ 運動時
安静時には、インスリンの基礎分泌はありますが少量なので、糖輸送体(Glut4)は細胞表面にでてこれず、筋肉細胞・脂肪細胞は血糖をほとんど取り込まめません。
運動時(筋収縮時)には筋肉細胞の糖輸送体(Glut4)がインスリン追加分泌がなくても細胞表面に移動して、血糖を取り込むことが可能となり、血糖値が下がります。筋肉細胞が血糖を取り込んでエネルギー源とした後、筋肉中のグリコーゲンが満杯になれば、取り込みはストップします。脂肪細胞は運動には無関係です。ジョギングや歩行ていどの軽い運動が適切とされています。
糖尿人でインスリンの基礎分泌があるていど以上不足していると、運動によりかえって血糖値が上昇することがあるので注意が必要です。
バーンスタイン医師によれば、個人差はありますが空腹時血糖値170mg/dlを超えているような場合はそのような可能性があるとのことです。
また強度の強い運動だと、アドレナリンや副腎皮質ホルモンなどのインスリン拮抗ホルモンが分泌されますので、血糖値が上昇することがあります。
④ ストレス
急性のストレスがあると、アドレナリン、グルカゴン、副腎皮質ステロイドホルモンなど血糖値を上げるホルモンが分泌されますので血糖値が上昇します。
血糖値は、①.②.③.④などの因子が複雑に絡み合ったシステムにより調節されています。たかが血糖値されど血糖値、なかなか一筋縄ではいきませんね。
*
糖輸送体(Glut:glucose transporter)
ブドウ糖が細胞膜を通過して細胞内に取り込まれるためには、グルコーストランスポーター(糖輸送体)と呼ばれる膜蛋白が必要です。
Glut1~Glut12と HMITが報告されています。
Glut1(脳、赤血球、網膜などの糖輸送体)はインスリン非依存性です。
Glut2(肝臓、膵臓のβ細胞などの糖輸送体)はインスリン非依存性です。
Glut4(筋肉細胞、脂肪細胞の糖輸送体)はインスリン依存性です。
**胃不全麻痺
バーンスタイン医師(米国の1型糖尿病の医師で糖質制限食実践中)の本にも記載されている<胃排泄遅延・胃不全麻痺>が年期の入った糖尿人ではありえます。欧米人には胃不全麻痺が結構多いようですが日本人でも当然ありえます。
胃不全麻痺のある糖尿人は、夕食を午後6時頃食べても、胃からの排泄が遅延して吸収が遅くなり、通常よりかなり遅れて血糖値が上昇することがあります。そのため翌朝の空腹時血糖値が高値となることがあります。
江部康二
今日は、血糖調節システムのお話しです。
人体の血糖調節は、なかなか精妙で複雑なシステムにより維持されています。血糖値は「食事」、「肝臓によるグリコーゲン分解・糖新生と糖の取り込み」、「運動」、「ストレス」、「インスリン・グルカゴンなどホルモン」・・・いろいろな要素が合わさって調節されています。
① 空腹時
食物吸収が終了した直後には、肝臓のグリコーゲン分解が、循環血液中に入るブドウ糖の主要な供給源です。食後数時間が経過し、絶食状態が持続すると、ブドウ糖の供給源は、肝のグリコーゲン分解から糖新生に切り替わります。
② 摂食時
摂食時には消化管から吸収されたブドウ糖は、門脈血からまず肝臓に約50%取り込まれて、それ以外が血液の大循環に回ります。
肝細胞でのブドウ糖取り込み自体は、糖輸送体Glut2*を介して行われ、インスリン追加分泌とは関係ありません。しかし肝に取り込まれたブドウ糖はインスリンによりグリコーゲンとして蓄えられます。
糖尿人では<肝臓のグリコーゲン分解と糖新生>が摂食時にも抑制されにくいので、食後高血糖となります。また糖尿人は、門脈血からの肝臓のブドウ糖取り込みも低下しているので、この面でも食後高血糖を起こしやすいのです。
糖質摂食して血糖値が上昇すれば、正常人では速やかにインスリンが追加分泌されます。
肝臓に取り込まれなかったブドウ糖は、肝静脈から血中に入り、動脈血中に入ったブドウ糖は、インスリン追加分泌により細胞表面に移動した糖輸送体GLUT4により骨格筋や脂肪細胞に取り込まれます。骨格筋が、約70%の血糖を取り込みます。
これにより血糖値も速やかに下がります。取り込まれず余った血糖は、インスリンにより中性脂肪に変換されます。
しかし、糖尿人の場合は、血液中のブドウ糖(食後高血糖)は<インスリン分泌不足>と<筋肉や脂肪細胞におけるインスリン抵抗性>により処理されにくいので、食後高血糖が遷延します。
また、インスリン作用不足による脂質代謝異常、アミノ酸代謝異常、高血糖そのものによるインスリン作用低下、インスリン拮抗ホルモン優位、など様々な因子が重なり合って、高血糖が持続するのですね。
さらに糖尿人の一部においては、胃不全麻痺**による内容物の排出遅延があり、吸収も遅延して通常よりかなり遅れて血糖値が上昇することがあります。
③ 運動時
安静時には、インスリンの基礎分泌はありますが少量なので、糖輸送体(Glut4)は細胞表面にでてこれず、筋肉細胞・脂肪細胞は血糖をほとんど取り込まめません。
運動時(筋収縮時)には筋肉細胞の糖輸送体(Glut4)がインスリン追加分泌がなくても細胞表面に移動して、血糖を取り込むことが可能となり、血糖値が下がります。筋肉細胞が血糖を取り込んでエネルギー源とした後、筋肉中のグリコーゲンが満杯になれば、取り込みはストップします。脂肪細胞は運動には無関係です。ジョギングや歩行ていどの軽い運動が適切とされています。
糖尿人でインスリンの基礎分泌があるていど以上不足していると、運動によりかえって血糖値が上昇することがあるので注意が必要です。
バーンスタイン医師によれば、個人差はありますが空腹時血糖値170mg/dlを超えているような場合はそのような可能性があるとのことです。
また強度の強い運動だと、アドレナリンや副腎皮質ホルモンなどのインスリン拮抗ホルモンが分泌されますので、血糖値が上昇することがあります。
④ ストレス
急性のストレスがあると、アドレナリン、グルカゴン、副腎皮質ステロイドホルモンなど血糖値を上げるホルモンが分泌されますので血糖値が上昇します。
血糖値は、①.②.③.④などの因子が複雑に絡み合ったシステムにより調節されています。たかが血糖値されど血糖値、なかなか一筋縄ではいきませんね。
*
糖輸送体(Glut:glucose transporter)
ブドウ糖が細胞膜を通過して細胞内に取り込まれるためには、グルコーストランスポーター(糖輸送体)と呼ばれる膜蛋白が必要です。
Glut1~Glut12と HMITが報告されています。
Glut1(脳、赤血球、網膜などの糖輸送体)はインスリン非依存性です。
Glut2(肝臓、膵臓のβ細胞などの糖輸送体)はインスリン非依存性です。
Glut4(筋肉細胞、脂肪細胞の糖輸送体)はインスリン依存性です。
**胃不全麻痺
バーンスタイン医師(米国の1型糖尿病の医師で糖質制限食実践中)の本にも記載されている<胃排泄遅延・胃不全麻痺>が年期の入った糖尿人ではありえます。欧米人には胃不全麻痺が結構多いようですが日本人でも当然ありえます。
胃不全麻痺のある糖尿人は、夕食を午後6時頃食べても、胃からの排泄が遅延して吸収が遅くなり、通常よりかなり遅れて血糖値が上昇することがあります。そのため翌朝の空腹時血糖値が高値となることがあります。
江部康二
2009年01月07日 (水)
【講演会・講座のお知らせ】
☆☆ 糖質制限食講演会・諏訪中央病院・長野
日時:平成21年1月21日(水)午後2時から4時
講師:江部康二
場所:諏訪中央病院 長野県茅野市玉川4300番地 TEL 0266-72-1000(代)
お問い合わせ:0266-72-1000(諏訪中央病院)
一般の人も参加OKとのことですのでブログ読者の皆さんも是非どうぞ。
☆☆漢方医のすすめるアレルギー疾患の養生法 ~花粉症を中心に
高雄病院京都駅前診療所
所長
篠原 明徳 先生
2009年 1/25(日曜) 10:30~12:00
会員2,940 一般3,465
場所:朝日カルチャーセンター京都 http://www.asahi-culture.co.jp/www/kyoto-c.html
問い合わせ:075-231-9693(朝日カルチャーセンター京都)
☆☆ 糖質制限食講演会・東京・中野
日時:2009年2月11日(祝日)12時半開場、13時開演~16:00終了
講師:江部康二/大柳珠美(管理栄養士)
会場:なかのZERO 学習室
会費:1500円
申し込み:糖質制限食ネット・リボーン 曽我部ゆかり
(T/F)03−3388−5428
(e-mail) reborn@big.or.jp
☆☆講座「糖尿病・メタボはこう予防する!~糖質制限食のすすめ」京都
場所:朝日カルチャーセンター京都 http://www.asahi-culture.co.jp/www/kyoto-c.html
問い合わせ:075-231-9693(朝日カルチャーセンター京都)
日時:2009年2月17日(火)13:00~14:30
講師:江部康二
会員2,940 一般3,465
☆☆ 演題:『糖尿病・メタボは必ず良くなる!~糖質制限食のすすめ~』
とき : 2009年2月21日(土)午後1:30分~4:00
ところ :名古屋市女性会館 (名古屋市中区大井町7-25)
℡052-331-5288
講師 :江部康二/佐橋紀子(患者の立場から…”翼”代表)
参加費:1.000円/チケット販売・もしくは電話で申し込み
主催 :HUMAN LIFE INFO NET ”翼”
問合せ :佐橋紀子(052-501-0994)
高橋君枝(052-502-3670)
原 育世(0568-84-6946)
【糖質制限食コントロール・教育入院のご案内】
お問い合わせは高雄病院 http://takao-hospital.jp/
住所:京都市右京区梅ヶ畑畑町3
電話:075-871-0245
ベットが空くまでお待ち頂くこともありますがご了承下さい。
【糖質制限食外来治療のご案内・予約制】
高雄病院 電話:075-871-0245
京都市右京区梅ヶ畑畑町3
高雄病院京都駅前診療所 電話:075-352-5050
京都市下京区七条通り烏丸東入ル(50M)北側 ネオフィス 七条烏丸4F
江部診療所 電話:075-712-8133
京都市左京区下鴨高木町6 アトリエ・フォー 2F
<コメント・質問に関するお知らせ>
ブログ読者の皆さんには、いつもコメントや質問をいただき、ありがとうございます。
掲載OKの質問に関して、読者の皆さんに共有していただきたい情報の場合は、ブログ本文にて、できるだけ順番にお答えしたいと思います。質問によってはコメント欄でお早めにお答えする場合もありますのでご了承ください。
一方、コメント・質問がかなり増えてきていますので、なかなか即お答えすることが困難となってきています。できるだけ全ての質問に本文かコメントでお答えするよう努力はしていますが、できないときはご容赦願います。m(_ _)m
それから、「管理人のみ閲覧できる」「匿名希望」などの質問に関しては、コメント欄にお答えするか、一般的な話題に置き換えてブログに記載するようにしていますので、よろしくお願い申し上げます。
江部康二
〔糖質制限食とは〕
食べ物が消化・吸収されたあと、糖質は100%、タンパク質は50%、脂質は10%弱が血糖に変わります。 また糖質は摂取直後から急峻に血糖値を高く速く上昇させ2時間以内にほとんどすべてが吸収されます。一方タンパク質の血糖値上昇のピークは食後約3時間で、脂質は消化・吸収に丸一日かかることもあります。
これらはカロリーとは無関係な三大栄養素の生理学的特質です。
現在糖尿病において食後の急激な高血糖が大きな問題として注目されています。食後高血糖が、心筋梗塞や脳梗塞などの合併症を起こす危険因子として確立されたからです。そして食後高血糖を起こすのは三大栄養素のなかで糖質だけなのです。
1gの糖質が、2型糖尿病の人の血糖値を約3mg上昇させます。 従って、6枚切りの食パン2枚(約310キロカロリー)食べると糖質 が約50g含まれているので、血糖値は150mgも上昇します。一 方、ロースステーキを300g(約1200キロカロリー)食べても糖質含有量は1gもないので、食後高血糖はほとんど生じないのです。
糖質制限食の基本的な考え方は、上述のような生理学的事実をベースに、できるだけ糖質の摂取を低く抑えて、食後高血糖を防ぐというものです。簡単に言えば、主食を抜いておかずばかり食べるというイメージになります。抜く必要がある主食とは、米飯・めん類・パンなどの米・麦製品や芋類など糖質が主成分のものです。
3食主食抜きのスーパー糖質制限食(糖質12%、タンパク質32%、脂質56%)なら薬に頼ることなく速やかにリアルタイムで良好な血糖コントロールが可能です。
一方、上述の食パンとステーキの例でも明らかなように、カロリー計算に基づいて血糖値をコントロールすることは理論的に不可能です。
従って現行の日本糖尿病学会推薦の糖尿病食(糖質60%、タンパク質20%、脂質20%)を実践する限りは、一日の摂取カロリーを、1200キロカロリーと低く抑えたとしても、食後高血糖が必ず生じるのです。
糖尿病の改善には、カロリー制限より糖質制限ということがおわかりいただけたと思います。なお、糖質制限食は、カロリー無制限ということではありません。一般的な標準摂取カロリーの範囲、すなわち男性なら1600~2000キロカロリー、女性なら1200~1600キロカロリーくらいが目安です。
☆☆☆
『糖質制限食十箇条』 -糖尿病や肥満が気になる人に-
一、魚貝・肉・豆腐・納豆・チーズなどタンパク質や脂質が主成分の食品はしっかり食べてよい。
二、糖質特に白パン・白米・麺類及び菓子・白砂糖など精製糖質の摂取は極力控える。
三、主食を摂るときは未精製の穀物が好ましい(玄米、全粒粉のパンなど)
四、飲料は牛乳・果汁は飲まず、成分未調整豆乳はOK。水、番茶、麦茶、ほうじ茶もOK。
五、糖質含有量の少ない野菜・海草・茸類は適量OK。果物は少量にとどめる。
六、オリーブオイルや魚油(EPA、DHA)は積極的に摂り、リノール酸を減らす。
七、マヨネーズ(砂糖無しのもの)やバターもOK。
八、お酒は蒸留酒(焼酎、ウィスキーなど)はOK、醸造酒(ビール、日本酒、など)は控える。
九、間食やおつまみはチーズ類やナッツ類を中心に適量摂る。菓子類、ドライフルーツは不可。
十、できる限り化学合成添加物の入っていない安全な食品を選ぶ。
『糖質制限食』の3パターン
一、スーパー糖質制限食は三食とも主食なし。効果は抜群で早く、一番のお薦め。
二、スタンダード糖質制限食は朝と夕は主食抜き。
三、プチ糖質制限食は夕だけ主食抜き。嗜好的にどうしてもデンプンが大好きな人に。
*抜く必要がある主食とは米飯・めん類・パンなどの米・麦製品や芋類などの炭水化物。*炭水化物=糖質+食物繊維
☆☆☆
糖質制限食を実践する時のご注意
本にも書きましたが、 糖質制限食によりリアルタイムに血糖値が改善します。このため既に、経口血糖降下剤(オイグルコン、アマリールなど)の内服やインスリン注射をしておられる糖尿人は、低血糖の心配がありますので必ず主治医と相談して頂きたいと思います。
一方、薬を使用してない糖尿人は、低血糖の心配はないので、「主食を抜けば糖尿病は良くなる」「主食を抜けば糖尿病は良くなる 実践編」「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」「 糖質制限食 春のレシピ」「 糖質制限食 夏のレシピ」「糖質制限食 秋のレシピ」「糖質制限食 冬のレシピ」を参考にして、自力で 糖質制限食を実践して糖尿病改善を目指していただけば幸いです。
江部康二
☆☆ 糖質制限食講演会・諏訪中央病院・長野
日時:平成21年1月21日(水)午後2時から4時
講師:江部康二
場所:諏訪中央病院 長野県茅野市玉川4300番地 TEL 0266-72-1000(代)
お問い合わせ:0266-72-1000(諏訪中央病院)
一般の人も参加OKとのことですのでブログ読者の皆さんも是非どうぞ。
☆☆漢方医のすすめるアレルギー疾患の養生法 ~花粉症を中心に
高雄病院京都駅前診療所
所長
篠原 明徳 先生
2009年 1/25(日曜) 10:30~12:00
会員2,940 一般3,465
場所:朝日カルチャーセンター京都 http://www.asahi-culture.co.jp/www/kyoto-c.html
問い合わせ:075-231-9693(朝日カルチャーセンター京都)
☆☆ 糖質制限食講演会・東京・中野
日時:2009年2月11日(祝日)12時半開場、13時開演~16:00終了
講師:江部康二/大柳珠美(管理栄養士)
会場:なかのZERO 学習室
会費:1500円
申し込み:糖質制限食ネット・リボーン 曽我部ゆかり
(T/F)03−3388−5428
(e-mail) reborn@big.or.jp
☆☆講座「糖尿病・メタボはこう予防する!~糖質制限食のすすめ」京都
場所:朝日カルチャーセンター京都 http://www.asahi-culture.co.jp/www/kyoto-c.html
問い合わせ:075-231-9693(朝日カルチャーセンター京都)
日時:2009年2月17日(火)13:00~14:30
講師:江部康二
会員2,940 一般3,465
☆☆ 演題:『糖尿病・メタボは必ず良くなる!~糖質制限食のすすめ~』
とき : 2009年2月21日(土)午後1:30分~4:00
ところ :名古屋市女性会館 (名古屋市中区大井町7-25)
℡052-331-5288
講師 :江部康二/佐橋紀子(患者の立場から…”翼”代表)
参加費:1.000円/チケット販売・もしくは電話で申し込み
主催 :HUMAN LIFE INFO NET ”翼”
問合せ :佐橋紀子(052-501-0994)
高橋君枝(052-502-3670)
原 育世(0568-84-6946)
【糖質制限食コントロール・教育入院のご案内】
お問い合わせは高雄病院 http://takao-hospital.jp/
住所:京都市右京区梅ヶ畑畑町3
電話:075-871-0245
ベットが空くまでお待ち頂くこともありますがご了承下さい。
【糖質制限食外来治療のご案内・予約制】
高雄病院 電話:075-871-0245
京都市右京区梅ヶ畑畑町3
高雄病院京都駅前診療所 電話:075-352-5050
京都市下京区七条通り烏丸東入ル(50M)北側 ネオフィス 七条烏丸4F
江部診療所 電話:075-712-8133
京都市左京区下鴨高木町6 アトリエ・フォー 2F
<コメント・質問に関するお知らせ>
ブログ読者の皆さんには、いつもコメントや質問をいただき、ありがとうございます。
掲載OKの質問に関して、読者の皆さんに共有していただきたい情報の場合は、ブログ本文にて、できるだけ順番にお答えしたいと思います。質問によってはコメント欄でお早めにお答えする場合もありますのでご了承ください。
一方、コメント・質問がかなり増えてきていますので、なかなか即お答えすることが困難となってきています。できるだけ全ての質問に本文かコメントでお答えするよう努力はしていますが、できないときはご容赦願います。m(_ _)m
それから、「管理人のみ閲覧できる」「匿名希望」などの質問に関しては、コメント欄にお答えするか、一般的な話題に置き換えてブログに記載するようにしていますので、よろしくお願い申し上げます。
江部康二
〔糖質制限食とは〕
食べ物が消化・吸収されたあと、糖質は100%、タンパク質は50%、脂質は10%弱が血糖に変わります。 また糖質は摂取直後から急峻に血糖値を高く速く上昇させ2時間以内にほとんどすべてが吸収されます。一方タンパク質の血糖値上昇のピークは食後約3時間で、脂質は消化・吸収に丸一日かかることもあります。
これらはカロリーとは無関係な三大栄養素の生理学的特質です。
現在糖尿病において食後の急激な高血糖が大きな問題として注目されています。食後高血糖が、心筋梗塞や脳梗塞などの合併症を起こす危険因子として確立されたからです。そして食後高血糖を起こすのは三大栄養素のなかで糖質だけなのです。
1gの糖質が、2型糖尿病の人の血糖値を約3mg上昇させます。 従って、6枚切りの食パン2枚(約310キロカロリー)食べると糖質 が約50g含まれているので、血糖値は150mgも上昇します。一 方、ロースステーキを300g(約1200キロカロリー)食べても糖質含有量は1gもないので、食後高血糖はほとんど生じないのです。
糖質制限食の基本的な考え方は、上述のような生理学的事実をベースに、できるだけ糖質の摂取を低く抑えて、食後高血糖を防ぐというものです。簡単に言えば、主食を抜いておかずばかり食べるというイメージになります。抜く必要がある主食とは、米飯・めん類・パンなどの米・麦製品や芋類など糖質が主成分のものです。
3食主食抜きのスーパー糖質制限食(糖質12%、タンパク質32%、脂質56%)なら薬に頼ることなく速やかにリアルタイムで良好な血糖コントロールが可能です。
一方、上述の食パンとステーキの例でも明らかなように、カロリー計算に基づいて血糖値をコントロールすることは理論的に不可能です。
従って現行の日本糖尿病学会推薦の糖尿病食(糖質60%、タンパク質20%、脂質20%)を実践する限りは、一日の摂取カロリーを、1200キロカロリーと低く抑えたとしても、食後高血糖が必ず生じるのです。
糖尿病の改善には、カロリー制限より糖質制限ということがおわかりいただけたと思います。なお、糖質制限食は、カロリー無制限ということではありません。一般的な標準摂取カロリーの範囲、すなわち男性なら1600~2000キロカロリー、女性なら1200~1600キロカロリーくらいが目安です。
☆☆☆
『糖質制限食十箇条』 -糖尿病や肥満が気になる人に-
一、魚貝・肉・豆腐・納豆・チーズなどタンパク質や脂質が主成分の食品はしっかり食べてよい。
二、糖質特に白パン・白米・麺類及び菓子・白砂糖など精製糖質の摂取は極力控える。
三、主食を摂るときは未精製の穀物が好ましい(玄米、全粒粉のパンなど)
四、飲料は牛乳・果汁は飲まず、成分未調整豆乳はOK。水、番茶、麦茶、ほうじ茶もOK。
五、糖質含有量の少ない野菜・海草・茸類は適量OK。果物は少量にとどめる。
六、オリーブオイルや魚油(EPA、DHA)は積極的に摂り、リノール酸を減らす。
七、マヨネーズ(砂糖無しのもの)やバターもOK。
八、お酒は蒸留酒(焼酎、ウィスキーなど)はOK、醸造酒(ビール、日本酒、など)は控える。
九、間食やおつまみはチーズ類やナッツ類を中心に適量摂る。菓子類、ドライフルーツは不可。
十、できる限り化学合成添加物の入っていない安全な食品を選ぶ。
『糖質制限食』の3パターン
一、スーパー糖質制限食は三食とも主食なし。効果は抜群で早く、一番のお薦め。
二、スタンダード糖質制限食は朝と夕は主食抜き。
三、プチ糖質制限食は夕だけ主食抜き。嗜好的にどうしてもデンプンが大好きな人に。
*抜く必要がある主食とは米飯・めん類・パンなどの米・麦製品や芋類などの炭水化物。*炭水化物=糖質+食物繊維
☆☆☆
糖質制限食を実践する時のご注意
本にも書きましたが、 糖質制限食によりリアルタイムに血糖値が改善します。このため既に、経口血糖降下剤(オイグルコン、アマリールなど)の内服やインスリン注射をしておられる糖尿人は、低血糖の心配がありますので必ず主治医と相談して頂きたいと思います。
一方、薬を使用してない糖尿人は、低血糖の心配はないので、「主食を抜けば糖尿病は良くなる」「主食を抜けば糖尿病は良くなる 実践編」「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」「 糖質制限食 春のレシピ」「 糖質制限食 夏のレシピ」「糖質制限食 秋のレシピ」「糖質制限食 冬のレシピ」を参考にして、自力で 糖質制限食を実践して糖尿病改善を目指していただけば幸いです。
江部康二
2009年01月06日 (火)
おはようございます。
今日は昨日の続き、人類の食生活3段階と血糖値シリーズの3回目で最終回です。
組織的農耕が始まったのは、約1万年~1万4千年前ですが、世界的に広がり定着したのは、約4000年前と考えられます。
<精製炭水化物以後>
さらに18世紀に欧米で、小麦の精製技術が発明されます。白いパンの登場です。日本では、江戸中期には白米の習慣が定着していきます。
すなわち、ここ200年~300年間、世界で精製された炭水化物が摂取されるようになりました。現代では、世界中の多くの国で、主食は白いパンか白米などの精製された穀物です。
精製された炭水化物は、未精製のものに比して、さらに急峻に血糖値を上昇させます。
これらを食べると、空腹時血糖値が100mgとして、食後血糖値は160~170mgまで上昇します。
血糖値上昇の幅は60~70mgもあります。これほど急激に血糖値を上昇させる食品は、400万年の人類史上、類をみないものです。
追加分泌のインスリンは、未精製穀物摂取時に比し、さらに大量に分泌せざるを得ません。特に近年のジャンクフード(*)の増加がインスリン過剰分泌を生じさせています。
インスリンを大量に分泌し続けて40~50年、膵臓が疲弊すれば糖尿病になります。インスリン分泌能力が高い人は、さらに出し続けて肥満・メタボリックシンドロームになります。
人体にはホメオスタシス(恒常性)というものがあり、できるだけ変化が少なく体内を一定の状態に保とうとします。
食後血糖値の変化をみたとき、農耕が始まる前(糖質制限食)だと恒常性が保たれ、玄米や全粒粉のパンだとボチボチで、白米や白パンだとかなり乱れることがわかります。
人類の血糖値の恒常性は、399万年間保たれていましたが、その変動幅は、農耕開始後3800年間2倍程度となり、精製炭水化物摂取が始まったここ200年はその幅は3倍となり、インスリンを大量・頻回に分泌せざるを得なくなったのです。
糖尿病の人が糖質を摂取すると、未精製の穀物でさえも、食後血糖値は軽く200mgを超えてきます。この急峻な食後高血糖のことを「ブドウ糖スパイク」とよび、糖尿病の人で動脈硬化が生じる元凶となります。
精製炭水化物を摂取した時に正常の人でも生じる食後血糖値が160mg、170mgという状態を、私は「ブドウ糖ミニスパイク」と名付けました。
このブドウ糖ミニスパイクが、生体の恒常性をかく乱してアレルギー疾患を悪化させたり、将来の生活習慣病のもととなります。
過去世界中にいろんな食事療法がありましたが、経験的に有効とされているものは、玄米菜食、ゲルソン療法、甲田療法など基本的にブドウ糖ミニスパイクが少ないという一点で一致しています。
私は現在、世界に氾濫する生活習慣病の元凶は、精製炭水化物やジャンクフードによるグルコースミニスパイクとインスリン過剰分泌と考えています。
江部康二
(*)ジャンクフード
ジャンクフード(junk food)とは、エネルギー(カロリー)は高いが、他の栄養素であるビタミンやミネラルや食物繊維があまり含まれない食品のこと。「ジャンク」とは、「がらくた」・「屑」の意。
ファーストフードのハンバーガーやドーナツ、ポテトチップス・ポップコーンなどのスナック菓子全般に多い。 清涼飲料水には砂糖が重量の10%と大量に添加された飲み物も多く、こういった食品も典型的なジャンクフードである。(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』から一部引用)
今日は昨日の続き、人類の食生活3段階と血糖値シリーズの3回目で最終回です。
組織的農耕が始まったのは、約1万年~1万4千年前ですが、世界的に広がり定着したのは、約4000年前と考えられます。
<精製炭水化物以後>
さらに18世紀に欧米で、小麦の精製技術が発明されます。白いパンの登場です。日本では、江戸中期には白米の習慣が定着していきます。
すなわち、ここ200年~300年間、世界で精製された炭水化物が摂取されるようになりました。現代では、世界中の多くの国で、主食は白いパンか白米などの精製された穀物です。
精製された炭水化物は、未精製のものに比して、さらに急峻に血糖値を上昇させます。
これらを食べると、空腹時血糖値が100mgとして、食後血糖値は160~170mgまで上昇します。
血糖値上昇の幅は60~70mgもあります。これほど急激に血糖値を上昇させる食品は、400万年の人類史上、類をみないものです。
追加分泌のインスリンは、未精製穀物摂取時に比し、さらに大量に分泌せざるを得ません。特に近年のジャンクフード(*)の増加がインスリン過剰分泌を生じさせています。
インスリンを大量に分泌し続けて40~50年、膵臓が疲弊すれば糖尿病になります。インスリン分泌能力が高い人は、さらに出し続けて肥満・メタボリックシンドロームになります。
人体にはホメオスタシス(恒常性)というものがあり、できるだけ変化が少なく体内を一定の状態に保とうとします。
食後血糖値の変化をみたとき、農耕が始まる前(糖質制限食)だと恒常性が保たれ、玄米や全粒粉のパンだとボチボチで、白米や白パンだとかなり乱れることがわかります。
人類の血糖値の恒常性は、399万年間保たれていましたが、その変動幅は、農耕開始後3800年間2倍程度となり、精製炭水化物摂取が始まったここ200年はその幅は3倍となり、インスリンを大量・頻回に分泌せざるを得なくなったのです。
糖尿病の人が糖質を摂取すると、未精製の穀物でさえも、食後血糖値は軽く200mgを超えてきます。この急峻な食後高血糖のことを「ブドウ糖スパイク」とよび、糖尿病の人で動脈硬化が生じる元凶となります。
精製炭水化物を摂取した時に正常の人でも生じる食後血糖値が160mg、170mgという状態を、私は「ブドウ糖ミニスパイク」と名付けました。
このブドウ糖ミニスパイクが、生体の恒常性をかく乱してアレルギー疾患を悪化させたり、将来の生活習慣病のもととなります。
過去世界中にいろんな食事療法がありましたが、経験的に有効とされているものは、玄米菜食、ゲルソン療法、甲田療法など基本的にブドウ糖ミニスパイクが少ないという一点で一致しています。
私は現在、世界に氾濫する生活習慣病の元凶は、精製炭水化物やジャンクフードによるグルコースミニスパイクとインスリン過剰分泌と考えています。
江部康二
(*)ジャンクフード
ジャンクフード(junk food)とは、エネルギー(カロリー)は高いが、他の栄養素であるビタミンやミネラルや食物繊維があまり含まれない食品のこと。「ジャンク」とは、「がらくた」・「屑」の意。
ファーストフードのハンバーガーやドーナツ、ポテトチップス・ポップコーンなどのスナック菓子全般に多い。 清涼飲料水には砂糖が重量の10%と大量に添加された飲み物も多く、こういった食品も典型的なジャンクフードである。(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』から一部引用)
2009年01月05日 (月)
こんにちは。今日は、昨日の続きです。
<農耕の始まりと血糖値の変化>
今までの定説では、10000年前、即ち紀元前8000年~7000年頃、現在の北シリア、ヨルダン川の辺りで原初の組織的農耕が始まったとされていました。
そのジェリコは、世界最古の町と呼ばれており、人類は初めて穀物を日常的に食べることができるようになりました。
農耕の起源について、最新の研究では、約1万4000年前に中国の長江流域で、稲作が行われていたという説があります。その成立期の代表的な遺跡として、中国北部および長江中流域の江西省万年県仙人洞遺跡があります。紀元前12000年頃の遺跡とされていて、栽培された稲が発見されたそうです。
このように、組織的農耕が始まったのは約1万年~1万4千年前ですが、世界的に広がり定着したのは、約4000年前(この数字はややアバウトです。すいません)と考えられます。
いつも人類の歴史400万年といっていますが、ゴリラやチンパンジーと分かれたのが400~500万年前ということです。その後、アウストラロピテクス属、パラントロプス属、ヒト属の3属・17種の人類が栄枯盛衰を繰り返し、結局約20万年前に東アフリカで誕生したホモ・サピエンス(現世人類)だけが現存しているわけです。
ここで大切なこと、そして本質的なことは、3属・17種の人類は、全て狩猟・採集が生業だったということです。つまり、農耕が始まる前の399万年間は、人類皆糖質制限食であり、ヒトは進化に要した時間の大部分で、採集狩猟生活をしていたということです。
従って、現世人類の行動や生理・代謝を決める遺伝子セット(DNA)は、採集狩猟の生活条件に適応するようにプログラムされていると考えるのが自然です。
「狩猟採集対農耕=399万年間対4000年間=1000対1」ですので勝負になりません。
即ち、人体は、本来穀物に依存して生きるような遺伝的システムは、持っていないということになります。このことは、糖質制限食の理論的根拠として、大きなアドバンテージですね。
さて農耕が定着し、小麦や米のデンプン(糖質)を摂取するようになると、血糖値が急峻に上昇します。糖質・脂質・タンパク質の三大栄養素のなかで血糖値を急峻に上昇させるのは糖質だけです。
人類は、狩猟民から農耕民になったとき、単位面積あたりで養える人口が50~60倍に増えました。
しかし、穀物(糖質)を摂取すれば、未精製のものでも空腹時血糖値が100mgとして、食後血糖値は140mgていどまで上昇し、インスリンが大量に追加分泌されます。血糖値上昇の幅は、40mgもあります。1回のインスリンの追加分泌は、正常人では、基礎分泌レベルの数倍~10倍以上の量となります。
農耕以後の4000年間は、人類の膵臓のβ細胞は、それ以前に比べて毎日数倍~10倍以上働き続けなくてはならず、まるで原罪を背負ったようなものなです。血糖値の変動幅は、狩猟・採集民だったころに比べると2倍に上昇しています。
続く
江部康二
<農耕の始まりと血糖値の変化>
今までの定説では、10000年前、即ち紀元前8000年~7000年頃、現在の北シリア、ヨルダン川の辺りで原初の組織的農耕が始まったとされていました。
そのジェリコは、世界最古の町と呼ばれており、人類は初めて穀物を日常的に食べることができるようになりました。
農耕の起源について、最新の研究では、約1万4000年前に中国の長江流域で、稲作が行われていたという説があります。その成立期の代表的な遺跡として、中国北部および長江中流域の江西省万年県仙人洞遺跡があります。紀元前12000年頃の遺跡とされていて、栽培された稲が発見されたそうです。
このように、組織的農耕が始まったのは約1万年~1万4千年前ですが、世界的に広がり定着したのは、約4000年前(この数字はややアバウトです。すいません)と考えられます。
いつも人類の歴史400万年といっていますが、ゴリラやチンパンジーと分かれたのが400~500万年前ということです。その後、アウストラロピテクス属、パラントロプス属、ヒト属の3属・17種の人類が栄枯盛衰を繰り返し、結局約20万年前に東アフリカで誕生したホモ・サピエンス(現世人類)だけが現存しているわけです。
ここで大切なこと、そして本質的なことは、3属・17種の人類は、全て狩猟・採集が生業だったということです。つまり、農耕が始まる前の399万年間は、人類皆糖質制限食であり、ヒトは進化に要した時間の大部分で、採集狩猟生活をしていたということです。
従って、現世人類の行動や生理・代謝を決める遺伝子セット(DNA)は、採集狩猟の生活条件に適応するようにプログラムされていると考えるのが自然です。
「狩猟採集対農耕=399万年間対4000年間=1000対1」ですので勝負になりません。
即ち、人体は、本来穀物に依存して生きるような遺伝的システムは、持っていないということになります。このことは、糖質制限食の理論的根拠として、大きなアドバンテージですね。
さて農耕が定着し、小麦や米のデンプン(糖質)を摂取するようになると、血糖値が急峻に上昇します。糖質・脂質・タンパク質の三大栄養素のなかで血糖値を急峻に上昇させるのは糖質だけです。
人類は、狩猟民から農耕民になったとき、単位面積あたりで養える人口が50~60倍に増えました。
しかし、穀物(糖質)を摂取すれば、未精製のものでも空腹時血糖値が100mgとして、食後血糖値は140mgていどまで上昇し、インスリンが大量に追加分泌されます。血糖値上昇の幅は、40mgもあります。1回のインスリンの追加分泌は、正常人では、基礎分泌レベルの数倍~10倍以上の量となります。
農耕以後の4000年間は、人類の膵臓のβ細胞は、それ以前に比べて毎日数倍~10倍以上働き続けなくてはならず、まるで原罪を背負ったようなものなです。血糖値の変動幅は、狩猟・採集民だったころに比べると2倍に上昇しています。
続く
江部康二
2009年01月04日 (日)
明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。
今年のお正月は、どこにも行かず家におりました。いきなり思いついて数年ぶりに本の整理をしました。家中に本棚からはみ出した本が、足の踏み場が辛うじてあるていどに氾濫してまして、さすがにまずい状況でした。主として私と次女のせいです。(=_=;)
医学、漫画、心理、囲碁、テニス、小説、エッセイ、随筆、ノンフィクション、評論、経済、宗教、SF、オカルト、推理、環境、科学、政治・・・。種々雑多な本で、どれを捨てるのか、まあそれなりに悩みましたね。(・・?)
それでも比較的きれいな100冊足らずを、古書屋<ブックオフ>に娘夫婦が持って行ってくれて、何と¥6000-をゲットしたのでした。ヾ(゜▽゜)
古紙回収業者さんなら、ポケット・ティッシュ3個くらいですから、えらい差です。単行本が高く売れました。文庫本は安いです。売れるなんて思ってなかったので、なんだかお年玉を貰ったみたいでしたね。 (^_^)
さて、新年第一回目のブログのネタを、何にしようかとちょっぴり悩みました。「悩むほどネタがあるんかい!?」 と突っ込みが入りそうですが、はいボチボチあるんです。
それで、気宇壮大に「人類の食生活3段階と血糖値」という御題にしました。
人類の食生活は血糖値をキーワードに考えてみると
①農耕の始まる前
②農耕開始以後
③精製炭水化物登場以後
の3段階にはっきり分けることができます。
この3つの変化が根源的に重要な意味をもっているので、それ以外のことは全て枝葉末節と言い切ってもよいくらいです。
<農耕の始まる前>
人類の歴史が400万年として、農耕が始まる前の399万年間は食生活の中心は狩猟や採取であり、穀物はないのですから人類皆糖質制限食です。
血糖値を切り口に考えてみると鮮明に変化が見えてきます。農耕が始まる前の人類の食生活なら、血糖値の上下動がほとんどありません。例えば空腹時血糖値が100mg/dl程度と仮定して、食後の血糖値はせいぜい110~120mg/dlくらいで、血糖値上昇の幅は10~20mgていどの少なさです。これならインスリンの追加分泌はほとんど必要ありません。勿論、基礎分泌のインスリンは必要です。
続く
**インスリン
人体で唯一血糖値を下げるホルモン。膵臓のβ細胞でつくられ分泌される。24時間少量持続的にでている基礎分泌のインスリンと血糖値が上昇したときにその10~20倍の量がでる追加分泌がある。インスリンが追加分泌されると筋肉細胞が血糖を取り込むが余った血糖が中性脂肪に変わるので、インスリンは別名肥満ホルモンと呼ばれる。
江部康二
今年のお正月は、どこにも行かず家におりました。いきなり思いついて数年ぶりに本の整理をしました。家中に本棚からはみ出した本が、足の踏み場が辛うじてあるていどに氾濫してまして、さすがにまずい状況でした。主として私と次女のせいです。(=_=;)
医学、漫画、心理、囲碁、テニス、小説、エッセイ、随筆、ノンフィクション、評論、経済、宗教、SF、オカルト、推理、環境、科学、政治・・・。種々雑多な本で、どれを捨てるのか、まあそれなりに悩みましたね。(・・?)
それでも比較的きれいな100冊足らずを、古書屋<ブックオフ>に娘夫婦が持って行ってくれて、何と¥6000-をゲットしたのでした。ヾ(゜▽゜)
古紙回収業者さんなら、ポケット・ティッシュ3個くらいですから、えらい差です。単行本が高く売れました。文庫本は安いです。売れるなんて思ってなかったので、なんだかお年玉を貰ったみたいでしたね。 (^_^)
さて、新年第一回目のブログのネタを、何にしようかとちょっぴり悩みました。「悩むほどネタがあるんかい!?」 と突っ込みが入りそうですが、はいボチボチあるんです。
それで、気宇壮大に「人類の食生活3段階と血糖値」という御題にしました。
人類の食生活は血糖値をキーワードに考えてみると
①農耕の始まる前
②農耕開始以後
③精製炭水化物登場以後
の3段階にはっきり分けることができます。
この3つの変化が根源的に重要な意味をもっているので、それ以外のことは全て枝葉末節と言い切ってもよいくらいです。
<農耕の始まる前>
人類の歴史が400万年として、農耕が始まる前の399万年間は食生活の中心は狩猟や採取であり、穀物はないのですから人類皆糖質制限食です。
血糖値を切り口に考えてみると鮮明に変化が見えてきます。農耕が始まる前の人類の食生活なら、血糖値の上下動がほとんどありません。例えば空腹時血糖値が100mg/dl程度と仮定して、食後の血糖値はせいぜい110~120mg/dlくらいで、血糖値上昇の幅は10~20mgていどの少なさです。これならインスリンの追加分泌はほとんど必要ありません。勿論、基礎分泌のインスリンは必要です。
続く
**インスリン
人体で唯一血糖値を下げるホルモン。膵臓のβ細胞でつくられ分泌される。24時間少量持続的にでている基礎分泌のインスリンと血糖値が上昇したときにその10~20倍の量がでる追加分泌がある。インスリンが追加分泌されると筋肉細胞が血糖を取り込むが余った血糖が中性脂肪に変わるので、インスリンは別名肥満ホルモンと呼ばれる。
江部康二
| ホーム |