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糖質ゼロのハム・ベーコン・ウィンナー
こんにちは、江部康二です。

今日は、amicaさんから、嬉しい情報をいただきました。 (^_^)
私も早速、糖質ゼロのハム・ベーコン・ウィンナー、食べてみようと思います。

「こんにちは。
この間、買い物中にいいものを見つけました。
ニッポンハムさんから出た糖質0のハム・ベーコン・ウィンナーです。

HP:http://www.nipponham.co.jp/zero/index.html

すべて食べてみましたが、どれもおいしく頂けました(^▽^)
最近このような糖質ゼロやオフなどが出てきてくれているので、
糖質制限食を作る主婦として本当に助かります。

9月8日の月桂冠さんからの日本酒もかなり楽しみにしています。
これが、あれば料理の幅も広がりますので・・・。

ご報告までに・・・。
2008/08/30(土) 10:18:20 | URL | amica 」
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
持久力と糖質制限食
こんばんは。

錦織選手、全米オープンで2回戦突破です。何と1973年の神和住純選手以来35年ぶりとはすごい快挙です。 \(^○^)/

錦織選手のストロークは、世界ナンバーワンのナダル選手と対等ですので
サーブ力とか基礎体力がついてきたら、トップ10も夢ではないですね。

さて今回は、長崎のtomさんから
糖質制限食と持久力について、嬉しいコメントをいただきました。

『江部先生、はじめまして。長崎に住むtomと申します。
私は糖尿病ではないのですが、運動、健康の為に糖質制限食を始めて3ヶ月になります。
というのもちょくちょくロードレース等に出てまして、今年の4月に10キロのレースに出たんですが、練習していたのにもかかわらず、今までで一番悪い記録でした。
で、何でだろうと考えてたら、雑誌で釜池先生の記事を見たのが糖質制限との出会いでした。
それまではレース1週間前からは出来るだけ多く炭水化物を取って、当日の朝もしっかり食べる!というのが正しいと思ってたので、目からうろこでした。
それから色々と調べるとこの江部先生のブログに辿りつきました。過去の記事はほとんど読みましたし、春のレシピの本も買いました☆
で、きっとマラソンとかの持久力競技にもすごく効果的だと思うのですが、まだまだデータが少ない、実践者が少ないような気がします。
とりあえず、僕の状態は3ヶ月前は体重が65キロだったんですが、2ヶ月で60キロ丁度くらいまでに減りました。(身長は178cm)です。 今は59.5キロくらいです。筋肉はもともと少ない方ですが、落ちてはいません。
とくに本来の目的であった運動においては10キロ走って息が上がってたのが、始めてからは15キロは普通に走れるようになりました。それも2週間ほどで!
しばらく仕事が忙しくて練習が出来てなかったのですが、またこれから練習再開します。とりあえず10月のハーフマラソンに合わせて調整します。
ここのブログの趣旨にそれていたらすみません。
ただ、糖質制限食の素晴らしさをもっと多くの人たちに知ってもらいたいと思ってます。 よかったらまた書き込みさせて下さい。 では・・・
2008/08/20(水) 00:10:06 | URL | tom 』

tomさん。コメントそして本のご購入ありがとうございます。

「運動においては10キロ走って息が上がってたのが、始めてからは15キロは普通に走れるようになりました。それも2週間ほどで!」

糖質制限食開始後、わずか2週間で素晴らしい成果ですね。おめでとうございます。私としても嬉しい限りです。☆v(o^0^o)v☆

他のブログ読者からもコメントいただきましたが、糖質制限食で明らかに持久力が向上します。
(2007年12月04日のブログ「 糖質制限食で持久力向上」、2008年02月15日のブログ「運動とエネルギー源⑦ 朝食を摂らずにハーフマラソン」もご参照くださいね。)

長距離を走ったり泳いだりとか、持久力が必要なスポーツは、脂肪酸をエネルギー源として上手に使わなければ1~2時間で、筋肉中のグリコーゲンが枯渇して足が棒のようになり、動けなくなります。

筋肉中に蓄えられているグリコーゲンは、体重60kg、体脂肪率20%の標準的な男性で、約300g、1200キロカロリーしかありませんから、これをメインに利用してしまえば1~2時間しかもたないわけです。

心筋や骨格筋は、安静時や歩行時は、主として脂肪酸をエネルギー源として利用していて、ブドウ糖はあまり利用していません。

しかし、一般人は、あるていど心拍数が上昇するような運動になると、筋肉中のグリコーゲンを、手っ取り早くブドウ糖に変えてエネルギー源にしてしまい、脂肪酸をあまり利用しなくなりますから、すぐに上述のようなエネルギー切れになってしまい、スタミナが続かないわけです。

一方、鍛えてある一流スポーツ選手は、少々心拍数が上昇しても脂肪酸をエネルギー源として利用し続けることができますから、筋肉中のグリコーゲンを節約できて、最後のラストスパートでしっかり利用できるわけです。

ラストスパートのような、全力疾走とか瞬発力が必要な時は、筋肉はブドウ糖を利用します。

スポーツ選手は、一般人に比べれば、体脂肪率は低いですが、筋肉中の脂肪は増えています。筋肉中の脂肪は、総体脂肪量に対する割合はごく小さいですが、これがどうやら持久力の向上にあるていど関係しているようです。

持久運動の後には、筋肉内の脂肪蓄積は、減少していることが示されています。

筋肉細胞では、脂肪は、ミトコンドリア近くに局在する小さな脂肪滴中に、トリグリセリドとして蓄積されているそうです。


一流スポーツ選手ほどは鍛えてなくても、糖質制限食を実践していると、脂肪酸ケトン体のシステムを日常的に利用するようになるので、運動中にも効率よく脂肪をエネルギー源として利用できます。

これにより、筋肉中のグリコーゲンを節約できて、持久力増強につながると考えられます。

江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
病理的ケトン体と生理的ケトン体
こんばんは。

さきほど「生理的ケトン体」のことを説明しました。今回は、「病理的ケトン体」のことを考えてみましょう。

糖尿病と病理的ケトン体>
糖尿病はインスリンの作用不足があり、細胞内にうまくブドウ糖が取り込めなくなる病気で、そのため慢性の高血糖状態が生じます。

高血糖にもいろんなレベルがありますが、非常に重症の糖尿病を考えてみましょう。

血糖値が500mg/dl以上もあり、尿中ケトン体が強陽性で、口渇・多飲・多尿・腹痛・悪心・嘔吐・脱水・意識レベル低下などの症状があれば、糖尿病性ケトアシドーシスと診断できます。もちろん血中ケトン体も高値であり、生理的食塩水の点滴・速効型インスリンの静注など緊急的治療が必要となります。

ただし、血糖値が300mg/dl程度でも、糖尿病性ケトアシドーシスを生じることもありえるので注意は必要です。

糖尿病性ケトアシドーシスは、インスリン作用の欠乏による全身の高度の代謝失調状態です。「インスリン作用の極度の低下、インスリン拮抗ホルモンであるグルカゴン・カテコールアミン・成長ホルモンの過剰」により、糖利用の低下・脂肪分解の亢進がおこり、高血糖と高遊離脂肪酸血症を生じます。

遊離脂肪酸は、インスリン欠乏下の肝では、急速な酸化をうけケトン体に分解されます。血中のケトン体が過剰に蓄積して血液の緩衝作用を上回ってくると、アシドーシスや脱水となり、重症では昏睡にいたります。

即ち「病理的ケトン体産生の亢進」は、インスリン作用の欠乏が前提にある病態であり、1型糖尿病患者さんのシックデイなどの時にに起こることがほとんどです。

2型糖尿病では、清涼飲料水多飲による、所謂「ペットボトル症候群」でケトアシドーシスを生じることがあります。

断食や 糖質制限食実践に伴う「生理的ケトン体産生の亢進」の場合は、インスリン作用の欠乏はありませんし、血液の緩衝作用も有効に作用しています。

例えば断食の初期は一過性にアシドーシスになりますが、緩衝作用で徐々に補正されていきます。また、健常人が激しい運動をした場合にも、一過性に血中ケトン体は増加しますが、勿論生理的現象です。


結論

インスリンの作用が欠乏していて高血糖を伴う、血中・尿中ケトン体の上昇は極めて危険な病態です。

一方、インスリンの作用が確保されていて、高血糖を伴わない血中・尿中ケトン体の上昇は、生理的範囲内の現象であり、人類400万年の歴史のなかで日常的に経験されてきたことなのです。


江部康二

テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質制限食の効果と予後、ケトン体は?
こんばんは。

糖質制限食を実践すると、血中ケトン体が上昇してきます。これは生理的なもので、何の問題もありませんが、かなり誤解を受けていて体に悪いと勘違いしている人が多いようです。

多くの医師、栄養士が生理的ケトン体上昇と病理的ケトン体上昇を混同しておられますので、一部再掲になりますが、きっちり説明しようと思います。

まずは、一言

「農耕の始まる前は399万年間、人類、皆、糖質制限食

だったことをお忘れなく。(*^o^)


糖質制限食と生理的ケトン体

まず、ケトン体について知っておいて頂きたいのは「正常で生理的な状態で産生が高まるケトン体」があるということです。
 
これは「糖尿病が大悪化した病理的な状態で産生が高まるケトン体」とは体内の状況が全く異なり、生体への危険性は全くありません。

「生理的な状態のケトン体」と「病理的状態のケトン体」をしっかり区別する必要があります。

アセトン、アセト酢酸、β-ヒドロキシ酪酸のことをまとめてケトン体といいます。ケトン体は脂肪の分解により肝臓で作られ、血液中に出されます。

ケトン体は心筋、骨格筋、腎臓などさまざまな臓器で日常的にエネルギー源として利用されており、脂肪の合成にも再利用されます。

実際、基礎代謝の大部分を占める骨格筋や心筋は、安静時にはエネルギー源の大部分が脂肪酸-ケトン体です。つまり、私達は、ごく日常的に「脂肪酸-ケトン体」エネルギーシステムを利用して生きているのです。

それで「正常で生理的な状態で産生が高まるケトン体」は、断食した時や 糖質制限食を実践して、「脂肪酸-ケトン体」エネルギーシステムが活発化したときに起こる現象です。この時は血糖値は基本的に正常です。

断食というと特殊に思えますが、人類の400万年の長い歴史の中では食料不足の方が普通ですので、「脂肪-ケトン体」エネルギーシステムは、ごく日常的に活発化したり普通に戻ったりしながら稼働してきたと考えられます。

ケトン体の基準値は26~122μM/lですが、これはあくまでも、現代人が日常的に三食以上糖質を摂取している条件下の基準値です。

断食中や 糖質制限食の初期の段階だと、ケトン体は2000~4000μM/lていど上昇するのが普通です。

江部康二のように4~5年間、スーパー糖質制限食を続けている場合、ケトン体は200~500μM/lていどで、これは糖質制限食を実践している場合の正常値と考えられます。(日常的に糖質を摂取している場合は基準値は「26~122μM/l」です。)

要するに「脂肪酸-ケトン体」システムが活発化すれば、単純に血中のケトン体値は高値となりますが、インスリン作用が確保されていて、血糖値が正常なら全く何の問題もありませんし、これは生理的な現象なのです。


江部康二

テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質制限食の効果と長期的予後、総コレステロールは?
こんばんは。

町田のボンちゃんから情報をいただきましたが、日刊ゲンダイの8月21日号に“ご飯抜きダイエット”本当にいいのか?という記事が掲載されたそうです。

糖質制限食実践で総コレステロール値が上昇するので動脈硬化になる。」
糖質制限食実践でケトン体が血液中に増えて酸性となり意識を失うこともある。」

という内容ですが、糖質制限食に対してかなりの誤解があるようです。

まずは結論です。

町田のボンちゃん、安心して糖質制限食をお続けください。 (^_^)

以下に根拠を述べます。


糖質制限食の効果と長期予後>一部再掲

糖質制限食実践者においては、血糖値・HbA1c・中性脂肪は速やかに改善します。HDL-コレステロールは個人差があり、しっかり上昇する人と軽度に上昇する人がいます。

糖質制限食実践者の総コレステロール、LDLコレステロール値に関しては、個人差があり一定しません。

しかし、HDL-コレステロールが上昇し、中性脂肪が減少するので、真の悪玉である、小粒子LDLコレステロールや酸化LDLコレステロールは減ります。

糖質制限食の短期的効果に関しては、このように全ての指標が良い方に向かいます。

ちなみに私の場合は、2型糖尿病でスーパー糖質制限食実践中ですが、HDL-コレステロールが上昇し、中性脂肪が減少し、LDLコレステロールも少し減りました。血糖コントロールは、正常レベルです。

<江部康二の血液検査:スーパー糖質制限食実践中>
1.5AG:5.8μg/ml(12~43)  糖質制限食により生理的に減少
空腹時血糖値:104mg/dl
HbA1c:5.3%
ケトン体:498μM/L(26~122) 糖質制限食中は生理的で正常値
尿酸:2.9(3.4~7.0)
TC:229
TG:73
HDL-C:104.6
LDL-C:109
BUN:21.4(8~20)
クレアチニン:0.62(0.6~1.1)


高雄病院でも、1999年から糖質制限食による糖尿病治療を開始して、実践する限りにおいては、99%の人が著明に血糖値が改善をすることを確認しています。

基本的に体重も減少し肥満が改善しますので、血圧も下がることが多いです。

それでは10年、20年後の長期的予後はどうなのでしょう?

同級生の糖尿病専門医にいつも相談しているのですが、必ずこの話題がでてきます。

一つの答えは、イヌイットです。 生肉と生魚が主食という完全無欠の糖質制限食を数千年以上続けてきた民族ですが、有名なダイアベルグ博士の研究によると、心筋梗塞や脳梗塞が極めて少なかったことが報告されています。(^-^)v(^-^)v

二つ目の答えは最近流行の代謝症候群(メタボリック シンドローム)です。

一つ一つは些細な所見でも、二重・三重に重なってくると危険という警鐘です。
 
*腹囲基準:男性85cm、女性90cm以上、
①高血圧:130/85以上、
②空腹時血糖:110mg以上、
③中性脂肪高値:150mg以上  HDL-コレステロール:40mg未満

具体的には、腹囲基準を満たしていて、①②③の三項目中二項目を満たせば、何もない人に比べて、将来冠動脈疾患になる確率が、約31倍にもなるとされています。

糖質制限食の実践により、代謝症候群の指標が全て改善します。逆に言えば糖質の過剰摂取こそが代謝症候群の根本要因といえます。

ともあれ西洋医学的に現在まで明らかにされている動脈硬化の危険因子が 糖質制限食の実践により全て改善するので、長期的予後も悪かろうはずがありません。

さらに三つ目として、米国の大きな疫学的研究を2つご紹介しましょう。

<米国医師会雑誌2006年2月8日号>
米国の大規模介入試験において脂質熱量比率20%で強力に指導したグループは、対照群に比較して意外なことに心血管疾患、乳がん、大腸がんリスクを下げないことが米国医師会雑誌2006年2月8日号で報告されました。総コレステロール値に関しても、両群に優位な差はありませんでした。

この研究は、5万人弱の閉経女性を対象に対照群を置き、平均8年間にわたって追跡した大がかりなもので、所謂EBM(科学的根拠に基づいた医療)的にはトップランクに位置する権威あるものです。
権威ある研究により、従来の常識(脂肪犯人説)が根底から覆ったわけですね。


<New England Journal of Medicine、2006年11月9日>
『米国の女性看護師82,802人を20年間追跡したところ、炭水化物が少なく脂肪とたんぱく質が多い食事でも、冠動脈疾患のリスクは上昇しなかった』

このような内容の研究が、New England Journal of Medicine、2006年11月9日号にハーバード大学のグループにより報告されました。

今まで、 糖質制限食(即ち高脂肪・高タンパク食)の長期的な予後に関する本格的な研究がなかったのですが、とうとう出たという感じですね。

論文を要約すると

『1980年、米国の女性看護師82,802人に対して、質問票を使った食事調査を行い、研究を開始した。
1980年から1998年までのあいだに、2~4年間隔で食事調査を6回実施し、一人一人の低炭水化物食の度合を得点化。
2000年まで20年間の追跡調査を行ったところ、1994人が心筋梗塞などの冠動脈疾患に罹患した。
解析の結果、「低炭水化物食得点」が上位10%のグループの冠動脈疾患の発生率は、下位10%のグループの0.94倍で有意差なし。
つまり、脂肪とたんぱく質が多く炭水化物が少ない食事をしているグループでも、心臓病のリスクは上昇しなかった。
**Halton TL, et al. Low-carbohydrate-diet score and the risk of coronary heart disease in women. New England Journal of Medicine 2006;355:1991-2002.』

低炭水化物食を長期に続けた場合、心臓病リスクの上昇などの害が生じるのではないかという批判が、従来の医学界おいてありました。

今回の研究は、低炭水化物食の長期的な安全性を調べる目的で、20年間、82,802人の女性の分析が行われました。

その結果、少なくとも心臓病に関しては、高タンパク・高脂肪食の長期的安全性があるていど保証されたということになります。

このように、理論的にも短期データ的にも、長期の疫学的データでも 、糖質制限食(高タンパク・高脂肪食)の有効性と安全性が、確立されつつあるといえるでしょう。ヾ(^▽^)


江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質と血糖値とインスリン追加分泌
こんにちは。江部康二です。

今回は、基本的知識として、とても大事なお話しです。

インスリンには24時間、少量常に分泌されている基礎分泌と、血糖値が上昇したときに大量に出る追加分泌があります。

糖質、脂質、タンパク質のうち糖質だけが血糖値を急峻に上昇させます。従って、糖質を摂取した時には、インスリンが追加分泌されます。

しかし、脂質やタンパク質は血糖値をほとんど上昇させないので、インスリンの追加分泌は、ほとんどありません。

つまり、人(糖尿人も正常人も)において、インスリンの追加分泌が必要となるのは、糖質を摂取した時だけです。

これらは、すべて論争の余地のない、生理学的事実です。

以下は、2型糖尿病の人のデータです。通常食は糖質ありです。

通常食と糖質制限食は、いずれも350kcalで、勿論、同一人のデータです。糖質制限食だと血糖値の上昇は極めて少なく、インスリンの分泌もごく少量ですね。


             食前   30分後   60分後   90分後   120分後
通常食血糖値     121     206     304     250      198
通常食IRI         2.2      6.2     19.1     23.1     21.6

糖質制限食血糖値    124   140    142    129     135
糖質制限食IRI        3.5    4.6     6.7     6.9     5.2


テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
境界型と将来の糖尿病発症
おはようございます。

昨日は、久しぶりにデパートにスーツを買いにいきました。

そうすると、売り場のお姉さんが

「うちのスーツ着てテレビにでておられましたね。」

よくわかるもんだとびっくっりしましたが、スーツに合うシャツとネクタイも、いつも一緒にコーディネートしてもらっているので、一目瞭然だったようです。 (∵)?

今までスーツを着る機会などあまりなかったのですが、いつも同じスーツだったらさすがにまずいので購入することにしました。

さて今回は、Pannyさんから境界型と将来の糖尿病発症について質問・コメントをいただきました。


『ありがとうございました!
江部先生、
玉ねぎと血糖値について詳しくご説明いただき、どうもありがとうございました。旅行中で拝見できず、お礼が遅くなり失礼いたしました。

やはり、「食後高血糖を抑える食品?」と同様、「玉ねぎの血糖降下作用にはあまり期待」してはいけないのですね。「適宜」玉ねぎを食べるように改めます。

ところで、糖負荷検査の結果がわかりましたのでご報告させていただきます。空腹時80、1時間後169、2時間後153、HbA1C5.5で、耐糖能異常とのことでした。肥満はないのですが、父と祖母、母方の叔母などが糖尿病です。

体質は変えられないと思いますが、今なら本当の糖尿病になるのは何とか防げるのではないかと思い、先日からスタンダード糖質制限食を始めました。先生のご本は取り寄せ中で、簡易血糖測定器も購入しました。まだそれほど多く測定していないのですが、90gほどの糖質を摂った場合、空腹時80前後、1時間後175前後、2時間後130前後になるようです。

以下、重ねて質問させていただき、申し訳ありません。

血糖値を自分で測る際、糖尿病の場合、
空腹時血糖値126mg/dl未満、理想的には110mg/dl未満
食後2時間血糖値180mg/dl未満、理想的には140mg/dl未満
が理想とのことですが、境界型の場合は、何か目安はあるのでしょうか?

また、「耐糖能異常における2型糖尿病の発症抑制」の効能追加申請中の薬(ベイスン)などもあるようですが、お付き合いでどうしても多量の糖質を摂らねばならない場合、使用した方がよいでしょうか?

お時間がある時に、教えていただけますと大変幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

2008/08/19(火) 07:10:25 | URL | Panny』



Pannyさん。コメントそして本のお取り寄せありがとうございます。

「空腹時80、1時間後169、2時間後153mg、HbA1C5.5%で、耐糖能異常」

経口ブドウ糖負荷検査で、
1時間値が169mgで、180mg未満。
2時間値が153mgで、170mg未満
です。

このデータなら、耐糖能異常があっても、比較的予後良好が予想されます。 (^_^)

一方、経口ブドウ糖負荷試験で、1時間値が180mg/dlを超えたら将来糖尿病を発症し易いとされています。

また経口ブドウ糖負荷試験で、2時間後の血糖値が140mg~199mg/dlの場合を境界型の中で、IGT(impaired gulucose tolerance)と呼び、将来糖尿病になりやすいことがわかっています。

このIGTも広島市の検診の疫学的データにより詳しく検討してみると140mg~169mg/dlの群(IGT1)と170mg~199mg/dlの群(IGT2)では、はっきり違いがあることが判明しました。

即ち後者では、前者の3倍の糖尿病移行率だったのです。IGT2では、虚血性心疾患死亡率も網膜の合併症も明らかに高く、IGT1とは異なる病態と位置づけたほうがリーズナブルです。

Pannyさんは境界型ではありますが、幸いIGT1の方ですので、心疾患や網膜症のリスクも低くて一安心ですし、糖質制限食を続けられれば将来の糖尿病発症も予防できますよ。(^-^)v(^-^)v

血糖値を自分で測る際、糖尿病の場合、
空腹時血糖値126mg/dl未満、理想的には110mg/dl未満
食後2時間血糖値180mg/dl未満、理想的には140mg/dl未満
が理想とのことですが、境界型の場合は、何か目安はあるのでしょうか?」


境界型の方は、当然
空腹時血糖値110mg/dl未満
食後2時間血糖値140mg/dl未満
が目標となります。

「耐糖能異常における2型糖尿病の発症抑制」の効能追加申請中の薬(ベイスン)などもあるようですが、お付き合いでどうしても多量の糖質を摂らねばならない場合、使用した方がよいでしょうか?」

糖質摂取前には、勿論ベイスン使用してもよろしいですよ。普段がスタンダード糖質制限食なら、お昼の主食摂取前だけベイスンあるいはグルコバイ、セイブルなどを服用することも好ましいですね。

江部康二

テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
全米オープンで錦織選手が初勝利
こんにちは。
やや興奮気味の江部康二です。(≧▽≦)

全米オープンテニスが8月25日、ニューヨークで開幕し、男子シングルス1回戦で18歳の錦織圭選手が4大大会で、初勝利しました。\(^○^)/ 

日本男子が全米オープンのシングルスで勝ったのは、1993年の松岡修造さん以来15年ぶりだそうです。

6-2、6-2、5-7、6-2で、第29シードのフアン・モナコ(アルゼンチン)を破りました。
沈滞する日本男子テニス界の暗雲を打ち払う快挙ですね。(^-^)v(^-^)v

週一回のテニス、それもダブルスしかやらない、おじさんテニスプレーヤーの私ですが、何だかとってもとっても嬉しくなりましたよ。

今夜はちょっぴりいい赤ワインを飲みたい気分ですね。(*^▽^*)


テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
ケフィアとヨーグルトと糖質含有量
おはようございます。昨夕から、雨がしとしと降り続いている京都です。

連れ合いによると、うちの小豆は雨が降っていたら散歩にいかないそうです。

軟弱な柴犬、小豆です。(=_=;) 

さて今回はミントさんから、ケフィアとヨーグルトに関するコメント・質問をいただきました。

『お久しぶりです。
こんばんは、江部先生。大変ご無沙汰しております。
お久しぶりなところ早速で恐縮なのですが、ひとつお伺いしてもよろしいでしょうか。
最近、以前一時期流行した、ケフィア(いわゆるヨーグルトきのこ)が気になっています。
ケフィアは一般的に市販されているヨーグルトと異なり、酵母も入っていて自宅で作る発酵乳ですが、気になるのはその栄養分です。
いろいろとネットで調べていたところ、ケフィア菌を使うと大部分の乳糖が分解されるのでおなかを壊す可能性は少なくなるとありました。
ということは、牛乳でケフィアヨーグルトを作ると普通のヨーグルトよりも糖質(乳糖)が少なくなり、糖質制限的にはベターと言えるのでしょうか?
いろいろ調べたのですがケフィアヨーグルトの成分表を見つけることができませんでした。
ですので、当面は豆乳を使ってケフィア菌を発酵させているのですが、もし牛乳の場合もOKとなれば食生活が広がるのではとひそかに期待したりしています。
2008/08/18(月) 23:37:24 | URL | ミント』


ミントさん。お久しぶりです。コメントありがとうございます。

不肖江部康二、ケフィアとヨーグルトの違いも知らなかったので、ネットで調べてみました。その結果は

「ケフィアは乳酸菌・酵母の複合発酵で作られるコーカサス地方の伝統的発酵乳です。
ヨーグルトは乳酸菌の単独発酵で作られるバルカン地方の伝統的発酵乳です。」

このように両者は異なるもののようです。

ケフィア種(種菌)を入手して、自分で牛乳に加えて発酵させたものが所謂、「ヨーグルトきのこ」です。

ケフィア種(種菌)は、乳酸菌(ビフィズス菌、乳酸かん菌、乳酸球菌など)および、特殊な乳糖発酵酵母からなり、この酵母によるアルコール発酵で、ケフィアに酸味と泡立ちが与えられます。

さて、肝腎のケフィアの成分ですが、ミントさんの仰有るとおり、ネットで調べましたがなかなか発見できませんでした。 (*_*)  

それで、ロシアの乳製品のなかで、馬乳から作られるクミスとういうものを見つけました。乳酸菌と乳糖発酵性酵母による複合発酵で作られるので、ケフィアとほぼ一緒の製造工程です。

乳糖発酵性酵母により乳糖が分解されるので、乳酸菌単独のヨーグルトより、糖質含有量が、少しは少ないはずですよね。

クミスの成分が100g中、タンパク質2~2.5g、脂肪1~2g、糖質3.5~4.8gでしたので、ケフィアも同じくらいと推測されます。

乳酸菌単独発酵によるヨーグルトが、プレーンで100gあたり、5gの糖質を含んでいますので、ケフィアは、ほんの少し少な目でしょうか。

100gあたり、糖質含有量5g以下の食材は、厚生労働省のいう低糖質食なので、ケフィアもプレーンヨーグルトもOK食品です。 (^_^)

一回100gくらいなら、血糖値の上昇も15mgていど以下ですみますね。

江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
太りたい人と糖質制限食
こんにちは。

糖尿人が糖質制限食を実践すれば、ほとんどの人が血糖値は改善して体重も適正まで減少します。
まれに、「糖質制限食+カロリー制限食」のダブルでないと体重が減らない、倹約遺伝子(肥満遺伝子)タイプがおられます。

一方、時に糖質制限食血糖値は改善したけれど、痩せすぎて困っているというタイプがおられます。

今回は、太りたい、みいさんから、コメント・質問をいただきました。

『太りたいのですが
はじめまして。みいです。
妊娠時に高血糖&死産経験あり、糖尿発覚後3年の中年おばさんです。境界型といわれていたのですが、なにせ、ビールとご飯が大好きで、ご飯は減らせたのですが、ビールの方は・・・

インスリンの出方がかなり少なく、     負荷検査前  1
                        30分  7
                        60分 18
が3年前です。
その後、薬を処方されたのですが、弱っているすい臓を益々疲労させるのではないかとやめているところへ糖質制限食と出会いました。糖質制限して4日目の受診で、
2時間値 135
A1C 5.6 の結果でした。

実は、3年前かなりのカロリー制限をして体重が40kgまで落ちてしまいました。もともと、47kgほどで高校以来体重の変動はほとんどありませんでした。身長は157cmです。私の悩みは太れないことなんです。今は、41kgです。ここ3年間ほとんど変化がないのですが、どうしたらもう少し太れるでしょうか。医者は太ることを考えないほうが良いと言われるのですが、着る服にも困ります。どうか、アドバイスをお願いします。
2008/08/18(月) 13:05:20 | URL | みい』


みいさん。コメントありがとうございます。

「食後2時間値血糖値:135mg/dl  HbA1c:5.6%」
このデータなら正常人ですね。

「負荷前インスリン:1μIU/mL 」

一般には空腹時IRIの正常値は 5~10μU/mLです。
*負荷前IRI 基準値:1.84~12.2μU/mL(SRL)
*負荷前IRI 基準値:1.7~10.4μU/ml(三菱化学)
と基準値は会社により、少し異なるようでが、いずれにせよ、やや低値と考えられます。

糖質制限食を続けていかれれば、膵臓のインスリン分泌能があるていど回復することも期待できますよ。(*^▽^*)

「3年前かなりのカロリー制限をして体重が40kgまで落ちてしまいました。もともと、47kgほどで高校以来体重の変動はほとんどありませんでした。身長は157cmです。私の悩みは太れないことなんです。今は、41kgです。」

糖質制限食実践により、通常は体重が適正水準まで減少します。しかし、みいさんは太りたいのですよね。

糖質制限食は、通常はカロリー計算はいらないのですが、一応の目安として身長157cmの女性なら摂取カロリーは、1300~1600キロカロリーていどです。

糖質制限食で1600キロカロリーを摂ろうと思うとおかずばかりでそこそこの量となりますので、少食タイプの方は、食べきれないことがあります。

高雄病院入院中の糖尿病患者さんでも、一回の糖質制限食500キロカロリーを、ご高齢で少食の場合、9割摂取とか8割摂取がやっとのことがあります。

そうすると結果として低カロリーになるので「糖質制限食を実践して血糖値は改善したけれど、痩せてきて力が入らない」といった状況となります。

従って、もともと少食のタイプでは、カロリー不足対策が必要です。このような場合は間食の出番です。糖質制限食OKな食材なら、間食もOKなのです。

具体的には、間食としてナッツ類(アーモンド、カシューナッツ、ピーナッツ・・・)を20粒程度なら糖質が約3~5gですので、一日に2~3回は大丈夫です。(1gの糖質が約3mg、2型糖尿人の血糖値を上昇させます。)

それと、糖質制限食でやせて力が入らないという人には、通常糖尿人には奨めないのですが、敢えて果物がお奨めです。

アボカドは、100g(1個)あたりの糖質含有量が0.9gと圧倒的に少ないので糖尿人にもOKで、とてもいいですね。

その他、それぞれ100gあたり糖質10g以下の果物は、いちご7粒、林檎1/4個、パパイア1/2個、グレープフルーツ1/4個、夏みかん1/4個、はっさく1/3個、メロン1/8個、もも2/3個などです。

果物に含まれる糖質は、「果糖・ショ糖・ブドウ糖など」です。このうちメインの果糖は、血糖値をほとんど上昇させず、上記ていどの量なら食後高血糖にはなりにくいですが、カロリーはあり中性脂肪に変わりやすいので体重は増えます。

みいさんは境界型ですので、糖質制限食で将来糖尿病になるのを予防できます。ビールの代わりに糖質ゼロ発泡酒とし、ナッツ類や果物を適宜間食し、美味しく楽しく糖質制限食を続けられれば、体重も適正まで増えると思いますよ。(^◇^)


江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質制限食 秋のレシピ
こんばんは。

糖質制限食 秋のレシピ」(東洋経済新報社)がつい先日、発売されました。(^-^)v(^-^)v 

秋のレシピは、いろんなレシピと共に、ミニ特集として

「ピマインディアンと運動と糖尿病」
「久山町研究と運動」
「カロリー制限食による糖尿病予防失敗」
「現行の運動療法の限界」
「血糖コントロールと運動の急性効果・慢性効果」

などが、ブログネタを整理整頓し、補足して盛り込んであります。既成のものと、できるだけ重ならない内容にしてありますので、興味のある方は是非ご購入下さいね(〃^∇^)。

今まで糖質制限食理論編として
1「主食を抜けば糖尿病は良くなる」 2005年
2「主食を抜けば糖尿病は良くなる 実践編」 2008年

糖質制限食レシピ集として
1「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」 2006年
2「糖質制限食 春のレシピ」 2007年
3「糖質制限食 夏のレシピ」 2007年
4「糖質制限食 秋のレシピ」 2008年8月
5「糖質制限食 冬のレシピ」 2008年11月、出版予定

を上梓してきました。

おかげさまで、10万部を越える発行部数となりました。「主食を抜けば糖尿病は良くなる」は第13刷となってます。(^_^)

ラインアップがそろってきたので、大型書店などで糖質制限食コーナーを設置してくれるところもでてきて、嬉しい限りです。

私の師匠・釜池豊秋先生の「糖質ゼロの食事術」が2007年11月に出版されたのも、糖質制限食コーナーにとって、手強い味方となり追い風となっています。

この勢いで糖質制限食が日本に普及していってくれれば、メタボや糖尿病の改善・予防、そして医療費削減にもつながり万々歳ですね。

ブログ読者の皆さん、是非ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。 m(_ _)m


江部康二

テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖尿病の食事について
こんにちは。

今日は、テニスに行かずに高雄病院で日直です。たまたま他の医師が誰もいなかったので、一年ぶりくらいの当直です。一日中、理事長室から池を眺めながらブログ原稿を書きためます。

7月1日から京都市内で続いていた真夏日(最高気温30度以上)が23日、やっと途絶えたみたいです。53日連続の真夏日は、京都地方気象台の記録上、3番目の長さでした。クーラーなしで窓を開けてパソコンに向かっています。

さて、今回も昨日に続いて、糖尿病の食事について、ユウミンさんからコメント・質問をいただきました。


糖尿病の食事について…。
はじめまして。
糖尿病を検索していましたら、先生のサイトに辿り着きました。

岐阜県在住の59歳の主婦です。
7月末糖尿病の検査を地元医院にて試みたところ、糖尿病と診断されました。
2時間血糖値がA1C6.7 血糖値209でした。

主治医の先生は、当面食事療法を自分でコントロールしましょう…とのことでした。

考えてみましたら私は、食事以外に間食をいつも摂取しており、甘いものを口にしていました。
遺伝的には糖尿病患者が居たということは分かり兼ねます。

検査前の身長は162㎝、体重56Kgでした。
8月からは3食のみに徹底し、間食はいっさい摂っていませんので体重は1K半減の54、5Kgほどになりました。

書物を購入し、色々勉強しているのですが、何をどれだけ食べてよいのやら、何を食べてはいけないのやら、困惑している次第です。
やはり、炭水化物は極力減らした方が良いのでしょうか?
そして、果物類は食後少々摂るのはよろしいでしょうか?

先生のサイトをもう少し勉強し、これ以上糖尿病を悪化させないよう努力したいと思います。
お忙しいところ、失礼いたしました。
2008/08/18(月) 12:48:22 | URL | ユウミン』


ユウミンさん。コメントありがとうございます。

「食後2時間血糖値が209mg、HbA1cが6.7%」
なら、比較的軽症の糖尿病ですね。

主治医が食事療法でコントロールしようと仰有ってますので、昨日のこころさんと同様、調度いいタイミングで本ブログに到達されたと思いますよ。

ユウミンさんが糖質制限食を実践されたら、一ヶ月でHbA1cは5.8%以下になり、コントロール優となるでしょう。ヾ(^▽^)

果物についてですが、果物の糖質は果糖、ショ糖、ブドウ糖、糖アルコールなどで構成されています。

例えば、リンゴ1個(約240g)の遊離糖含有量は35.6g(果糖:18g、ブドウ糖:6g、ショ糖:9.6g、ソルビトール:2g)、水溶性食物繊維含量は0.95g、不溶性食物繊維含量は2.95gくらいです。

果物の種類により果糖・ブドウ糖・ショ糖・糖アルコールの比率は異なると思いますが、このうち果糖は10%くらいしかブドウ糖に変わらないので、ほとんど血糖値を上昇させません。

従いまして、果物の糖質のうち約半分くらいが果糖と仮定すれば、穀物の糖質に比べれば血糖値は上昇させにくいといえます。

穀物の糖質1gが、2型糖尿人の血糖値を3mg上昇させるとすれば、果物の糖質1gは、約半分の1.5mg上昇させると考えられます。

食後血糖値の上昇は、一回に摂取した糖質の量(グラム数)に比例します。例えば昼食後のデザートとして、食べれば一度の食事の糖質量が増えるので食後高血糖になりやすいです。

間食として、りんご1/4個なら、糖質は9g弱ですか血糖値の上昇は、13mgていどですみますので、こちらのほうがお奨めですね。 (^_^)

糖質制限食 秋のレシピ」(東洋経済新報社)などの巻末に「食品糖質量」の表が載っていますので参考にしていただけば幸いです。果物の糖質量として、一回10gくらいがおおまかな目安になります。

糖尿病で内服薬やインスリン注射をしていない段階の方は、低血糖の心配もありませんのでユウミンさんも拙著、

「主食を抜けば糖尿病は良くなる」
「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」
糖質制限食 春のレシピ」
糖質制限食 夏のレシピ」
「主食を抜けば糖尿病は良くなる 実践編」
糖質制限食 秋のレシピ」
いずれも東洋経済新報社 

などをご購入いただき(^^)、自力で 糖質制限食を実践されれば、血糖コントロール良好間違いなしですし、私もとても嬉しいです。(*^o^)

8.22のブログ「糖質制限食とは」もご参照下さいね。

江部康二
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糖尿病の食事療法
こんばんは。夕方から雨が降り始めました。

今夜は、同級生の飲み会が祇園であります。雨ニモマケズ、ユニクロの傘をさしてボチボチ出かけます。

さて今回は、こころさんから、糖尿病の食事療法についてコメント・質問をいただきました。

『先生初めまして 糖尿病患者になってまだ10日目の初心者です 特定検診で発見され その時にはすでに血糖値(空腹時)205 HbA1c9.2と言う結果で 病院の先生からもこんな数値今まで見たことがないと言われる始末で…だからといって栄養指導も受けましたが 今一要領が分かりません この数値はかなりの重症なのでしょうか 食事も何が良くて何が悪いのかさっぱり分からないです 食事のポイントは何ですか?何も分からないまま 今までの食事の分量を半分に減らして 運動もウォーキングもほぼ毎日30分しています
2008/08/16(土) 21:00:05 | URL | こころ』

こころさん。コメントありがとうございます。

「空腹時血糖値205mg  HbA1c9.2%」

というデータは日本糖尿病学会の指標と評価によれば、不可に属しますから、あまりよろしくないですね。(=_=;) 


血糖コントロール指標と評価(日本糖尿病学会)
         空腹時血糖値                HbA1c
優       80~110未満                5.8未満
良        110~130未満               5.8~6.5
可       130~160未満                6.5~8.0未満
不可      160以上                     8.0以上
 

こころさん、「糖尿病患者になってまだ10日目」ですので、薬などなしで、とりあえず、食事療法(カロリー制限で糖質あり)と運動療法を指導されたと思います。

しかしながら、カロリー制限食では食後高血糖をコントロールするのは不可能なので、1~2ヶ月後には内服薬を奨められることとなります。

今回、よいタイミングで本ブログに到達されたと思います。 (^_^)
まだ充分間に合います。糖質制限食がお奨めです。

今後、糖質制限食を実践されれば、通常はHbA1cが月に1%の割合で改善していきますので3ヶ月後には、コントロール良になります。そうなればお医者さんも薬を飲めとは仰らないでしょう。


糖尿病で内服薬やインスリン注射をしていない段階の方は、低血糖の心配もありませんので拙著

「主食を抜けば糖尿病は良くなる」
「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」
糖質制限食 春のレシピ」
糖質制限食 夏のレシピ」
「主食を抜けば糖尿病は良くなる 実践編」
糖質制限食 秋のレシピ」
いずれも東洋経済新報社 

などを参考にして、自力で 糖質制限食を実践して糖尿病改善を目指していただけば幸いです。
8.22のブログ「糖質制限食とは」もご参照下さいね。o(^-^o)(o^-^)o


江部康二

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糖質制限食とは
糖質制限食とは

食べ物が消化・吸収されたあと、糖質は100%、タンパク質は50%、脂質は10%弱が血糖に変わります。 また糖質は摂取直後から急峻に血糖値を高く速く上昇させ2時間以内にほとんどすべてが吸収されます。一方タンパク質の血糖値上昇のピークは食後約3時間で、脂質は消化・吸収に丸一日かかることもあります。

これらは、カロリーとは無関係な三大栄養素の生理学的特質です。 現在糖尿病において食後の急激な高血糖が大きな問題として注目されています。食後高血糖が心筋梗塞や脳梗塞などの合併症を起こす危険因子として確立されたからです。そして食後高血糖を起こすのは三大栄養素のなかで糖質だけなのです。

1gの糖質が2型糖尿病の人の血糖値を約3mg上昇させます。 従って6枚切りの食パン2枚(約310キロカロリー)食べると糖質 が約50g含まれているので、血糖値は150mgも上昇します。一 方ロースステーキを300g(約1200キロカロリー)食べても糖質含有量は1gもないので食後高血糖はほとんど生じないのです。 

糖質制限食の基本的な考え方は、上述のような生理学的事実をベースに、できるだけ糖質の摂取を低く抑えて、食後高血糖を防ぐというものです。簡単に言えば、「主食を抜いておかずばかり食べる」というイメージになります。抜く必要がある主食とは、米飯・めん類・パンなどの米・麦製品や芋類など糖質が主成分のものです。

3食主食抜きのスーパー糖質制限食(糖質12%、タンパク質32%、脂質56%)なら薬に頼ることなく速やかにリアルタイムで良好な血糖コントロールが可能です。

一方、上述の食パンとステーキの例でも明らかなようにカロリー計算に基づいて血糖値をコントロールすることは理論的に不可能です。

従って、現行の日本糖尿病学会推薦の糖尿病食(糖質60%、タンパク質20%、脂質20%)を実践する限りは、一日の摂取カロリーを1200キロカロリーと低く抑えたとしても食後高血糖が必ず生じるのです。

糖尿病の改善には、カロリー制限より糖質制限ということがおわかりいただけたと思います。なお、糖質制限食はカロリー無制限ということではありません。一般的な標準摂取カロリーの範囲、すなわち男性なら1600~2000キロカロリー、女性なら1200~1600キロカロリーくらいが目安です。


☆☆☆
糖質制限食十箇条』 -糖尿病や肥満が気になる人に-

一、魚貝・肉・豆腐・納豆・チーズなどタンパク質や脂質が主成分の食品はしっかり食べてよい。
二、糖質特に白パン・白米・麺類及び菓子・白砂糖など精製糖質の摂取は極力控える。
三、主食を摂るときは未精製の穀物が好ましい(玄米、全粒粉のパンなど)
四、飲料は牛乳・果汁は飲まず、成分未調整豆乳はOK。水、番茶、麦茶、ほうじ茶もOK。
五、糖質含有量の少ない野菜・海草・茸類は適量OK。果物は少量にとどめる。
六、オリーブオイルや魚油(EPA、DHA)は積極的に摂り、リノール酸を減らす。
七、マヨネーズ(砂糖無しのもの)やバターもOK。
八、お酒は蒸留酒(焼酎、ウィスキーなど)はOK、醸造酒(ビール、日本酒、など)は控える。
九、間食やおつまみはチーズ類やナッツ類を中心に適量摂る。菓子類、ドライフルーツは不可。
十、できる限り化学合成添加物の入っていない安全な食品を選ぶ。

糖質制限食』の3パターン
一、スーパー糖質制限食は三食とも主食なし。効果は抜群で早く、一番のお薦め。
二、スタンダード糖質制限食は朝と夕は主食抜き。
三、プチ糖質制限食は夕だけ主食抜き。嗜好的にどうしてもデンプンが大好きな人に。
*抜く必要がある主食とは米飯・めん類・パンなどの米・麦製品や芋類などの炭水化物。
*炭水化物=糖質+食物繊維


☆☆☆
糖質制限食を実践する時のご注意

本にも書きましたが、 糖質制限食によりリアルタイムに血糖値が改善します。このため既に、経口血糖降下剤(オイグルコン、アマリールなど)の内服やインスリン注射をしておられる糖尿人は低血糖の心配がありますので必ず主治医と相談して頂きたいと思います。

一方、薬を使用してない糖尿人は、低血糖の心配はないので、「主食を抜けば糖尿病は良くなる」「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」「 糖質制限食 春のレシピ」「 糖質制限食 夏のレシピ」「主食を抜けば糖尿病は良くなる 実践編」を参考にして、自力で 糖質制限食を実践して糖尿病改善を目指していただけば幸いです。


江部康二
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腎機能の低下と血糖値降下
こんばんは。

仕事を終えて高雄病院の池の周りを歩いていると、秋風を思わせる涼やかな風が吹いてきました。
少し爽やかな気分で帰宅した江部康二です。 (^_^)

さて今回はkentaroさんから、腎機能の低下と血糖値降下について、コメント・質問をいただきました。


『08/08/16 kentaro
腎機能の低下と血糖値降下
初めまして。
20年来の糖尿病人です。今年の2月下旬に先生の本「主食を抜けば糖尿病は良くなる」を読んで、「これだ!」と思い、実践編とごちそうレシピも買って、3月から糖質制限食を実施したところ、現在体重は73kgから62kgとなり、A1cも8.9→8.4→7.4→6.7→6.2→5.9になりました。
また5月からは、これまで服用していた薬2種類と降圧剤の薬を止めました。最初医師は糖質制限食には懐疑的でしたが、3人の医師のうち、若い医師が「血糖値が下がって効果がでているので、このまま継続し,薬も中断して様子を見ましょう」ということで続けております。
ただ、つい先日検診センターで人間ドックの検査を受けたところ、医師が血糖値は改善しているが、コレステロールが高い、食生活の改善をしたほうがよいと言われました。また「腎臓の機能が低下してくると血糖値が下がって来る」という話をしたので、そのような話は聞いたことがないというと、これは医者は誰でも知っていることだということでしたが、本当でしょうか?。
また血糖値も低く保ちながら、コレステロールも下げるためにはどうすればいいのかと質問したら、それは主治医が考えることで、私たちは検査データを提供するだけだと素っ気ない回答でした。コレステロールについては、かかりつけの医師に後で相談はしますが。
因みに検査データ(()内は昨年)は、TC300(222)、HDLC67(58),中性脂肪59(63)、LDLC199となっています。先生のブログから判断するとHDLCも高くないし、中性脂肪ももっと下がってもいいような気がするし、それにしてもLDLC199はやはり高すぎると思っておりますが、、
 また栄養士からは(糖質制限食の話をしました)、コレステロールが高いのは、食事のバランスが悪いからで、ご飯は茶碗で一杯ぐらいは食べた方がいいと言われました(これは完全に無視しています。)
私はこのまま糖質制限食を継続していくつもりですが、江部先生のアドバイスをお願いいたします。』


kentaroさん。コメントそして本のご購入ありがとうございます。

「3月から糖質制限食を実施したところ、現在体重は73kgから62kgとなり、A1cも8.9→8.4→7.4→6.7→6.2→5.9になりました。」
素晴らしい改善ですね。おめでとうございます。(^-^)v(^-^)v

「腎臓の機能が低下してくると血糖値が下がって来る」

食事由来のブドウ糖も肝臓の糖新生も、腎機能とは無関係なので、血糖値そのものは、腎機能が低下しても下がらないと思います。

ただ、腎機能が低下して貧血が生じると、HbA1cが見かけ上低下してきます。検診センターの医師は、このことを言っておられるのでしょうか。

HbA1cの値は、通常は過去1、2ヶ月の平均血糖値を反映しています。鉄欠乏性貧血、溶血性貧血、、腎性貧血など赤血球の寿命が短縮するような病態のときは、HbA1cの生産量がその分蓄積されずに減りますので、実際の値よりも低くなります。

「検査データ(()内は昨年)は、TC300(222)、HDLC67(58),中性脂肪59(63)、LDLC199となっています。」

中性脂肪は、もともと良いデータですし、59mg/dlでOKです。HDL-コレステロールは67mg/dlから、さらに増加してくると思います。TC(総コレステロール)は脂質異常症の基準からはずれたのでいいでしょう。

問題はLDL-コレステロールですが、kentaroさんのように中性脂肪が少なめで、HDL-コレステロールが正常にある場合は、真の悪玉の酸化LDL-コレステロールは少ないと考えられます。

糖質制限食を続けていくと、LDL-コレステロールは160mgていどに落ち着く場合が多いですし、米国の基準では190mg/dlまでOKなのでこのまま経過をみていいと思いますよ。

一風変わった食事に思える糖質制限食なのですが、実は農耕以前に戻るだけなので、人類400万年の歴史ではこちらが普通の食生活だったと思います。即ち、農耕以前は、人類皆糖質制限食です。

農耕が始まって1万年、定着して4000~5000年です。狩猟・採集生活(糖質制限食)が399万6000年、農耕生活(高糖質食)が4000年、穀物主体の高糖質食は僅か1/1000の期間にすぎません。

こうみてくると、人類の食生活の歴史においては、高糖質食のほうが変わった食事といえそうですね。

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糖質制限食中の低血糖症状
おはようございます。今朝もまあまあ涼しくて、ほっと一息の京都です。

さて今回は、糖質制限食中の低血糖症状に関してmasamasaさんからコメント・質問をいただきました。

糖質制限食実践中は、通常は高血糖は改善しますし、低血糖も生じにくくなりますが、masamasaさんのケースを検討してみましょう。


『8/08/14 masamasa
糖質制限食中の低血糖症状
江部先生、はじめまして、初めて投稿します。2年前より糖尿病が判明し、内服薬として始め、アマリール1T、その後0.5Tへ、1年前よりファスティック食前1Tとなり治療を行っていました。現在の検査データは下記の通りです。
H20.4     HbA1c   4.7%
    6     1.5AG   7.8μg/ml
    身長160cm、体重55kg
糖質制限食をすぐに取り入れていたため、治療開始時より空腹時血糖はすぐにほぼ正常値に改善したのですが、1.5AGが改善がまだで、食後高血糖が存在するため、 ファスティック食前1Tの治療を行っていたのですが、今年の7月より空腹を感じると低血糖症状が発現してきました。糖尿病の本では、すぐに、オレンジジュースなどの糖質を飲めば、症状はすぐに改善されると書いてますが、症状は確かに改善はされますが、その後の不快症状は4~5時間続き困っております。7月下旬に主治医に相談したところ、内服薬は中止し、以前よりその先生から自分の血糖値のコントロールのため自己血糖計測器械で調べる指示を受けていましたので、今後は、それのみで管理するようにと指導を受けました。しかしながら、内服薬なしでも、いつもと違う食事時間やプールなのでの運動中に突然の空腹を感じると同様にあの低血糖がでてくるのです。その時の血糖値は105だったので気のせいかと思っていると、どんどん悪くなり、食欲もないのですが、昼食にテンプラそばを食べ、一時はよくなるのですが、まただんだん悪くなってきたので、先生よりだしてもらっためまいの薬をのみ、それでもだめで、グレープフルーツジュースと吐き気止めの薬を飲み、改善をみました。ただ、夕食時をとるのがおくれるため、食前バナナを1/2個を食べておき、夕食時は食欲がなく、また、症状がでるのが怖かったので玄米と生卵をたべ、入浴後もまためまいを感じ、めまいの薬を飲み、すぐに、ベットにはいりました。翌朝はだいぶ調子がよいのですが、今後どのように対応してよいのか大変困っております。ご指導宜しくお願いいたします。』


masamasaさん。コメントありがとうございます。

糖質制限食をすぐに取り入れていたため、治療開始時より空腹時血糖はすぐにほぼ正常値に改善したのですが、1.5AGが改善がまだで、食後高血糖が存在するため、 ファスティック食前1Tの治療を行っていたのですが、今年の7月より空腹を感じると低血糖症状が発現してきました。」

H20.4     HbA1c     4.7%
    6     1.5AG   7.8μg/ml

1.5AGは、通常は確かに食後高血糖の指標なのですが、糖質制限食実践中は正常値が違ってきます。

糖質を摂取していると基本的には「尿糖が陽性であるから、血中1,5-AGが低下する」という公式が成り立ちます。☆ご参照ください。

しかし、糖質制限食実践中は、摂取される1.5AGが減少するので、血糖が正常で尿糖も正常でも、低値となります。1.5AGはでんぷんに多く含まれているので、糖質制限食をしていると生理的に正常でも、低くでてくるわけです。

ちなみに、私の血糖コントロールは良好で、尿糖も陰性です。
HbA1c:5.3%
1.5AG:5.8μg/ml(12~43)→糖質制限食実践中なら正常値
食後高血糖も勿論ありません。

従いまして masamasaさんは、HbA1c:4.7%と私より低いデータですので、食後高血糖は100%ありえません。

1.5AG:7.8μg/m も糖質制限食実践中なら正常と考えてよろしいです。ファスティックを内服して低血糖になったのは当然で、中止されて良かったです。


masamasaさんのデータからみると、糖尿病の内服薬は全く必要ありません。診断的には「軽症糖尿病+機能性低血糖症☆☆」と考えられます。

糖尿病は現在データ的に正常です。今お困りの症状は機能性低血糖によるものと思われます。

運動中などに低血糖症状がでやすいようですが、間食としてナッツ類を一日に2~3回
20~30粒くらい摂取すれば、食後高血糖も生じにくいし、運動時の低血糖もおきにくくなると思います。

また、糖質制限食中はおかずはしっかり食べて、低カロリーにならないようにご注意くださいね。
糖質制限食なら、糖尿病にも機能性低血糖症にも共に効果がありますよ。 (^_^)


江部康二

☆再掲
糖質制限食と1.5AG
2008年04月14日 (月)
こんばんは。

天気予報どおり、雨は朝にはあがってました。先週の月曜日、診療終了後、高雄病院京都駅前診療所で傘を借りて帰ったのですが、本日無事届けました。傘はたいていどこかに忘れてしまうのですが、借りた傘をなくしたらさすがに洒落になりませんものね。 (*_*)

さて今回は、いのうえさんから、コメント・質問です。

『1.5AG低値の意味
私は軽度の2型糖尿病で、先生のスーパー糖質制限食を実行したおかげでこの2年間、空腹時血糖値はほぼ90~110(高くても120以下)、Hba1cは4.7~5.2です。ところが先日1.5AGを検査して、10.8と低値でした。尿糖が出るような高血糖を起こしていると言われましたが、自己血糖測定器で空腹時、食前、食中、食後他含めて、この2~3日1時間おきに測定(睡眠時の6時間は計測不可)した結果、すべて120以下でした。これは高血糖の為でなく、スーパー糖質制限食の為、糖分が低く、一種の飢餓状態が原因ではないかと思いますが、先生のご教示をお願い致します。

2008/04/12(土) 13:11:05 | URL | いのうえ』

いのうえさん。スーパー 糖質制限食で
「この2年間、空腹時血糖値はほぼ90~110(高くても120以下)、Hba1cは4.7~5.2」とても上手に実践されているのですね。
ほぼ正常人のデータですね。おめでとうございます。(^_^)

1,5-AGは、ブドウ糖についで多い単糖で、広く生物界に存在します。食物から経口的に摂取され、腎臓でほとんど再吸収され、ごく一部が尿中に排泄されます。

栄養素としての働きはほとんどないようですが、ブドウ糖と同じように血液中にいつも一定量存在しています。また体内の各臓器に広く分布しプールされています。食事からの供給量に比べて体内蓄積量が大きいので、通常は食事の前後で血中濃度の差はありません。

血中1,5-AGはフルクトサミンやHbA1cより速やかに短期の血糖コントロール状況をしることができます。

高血糖があり尿中にブドウ糖が排泄されるようになると、1,5-AGも尿中に排泄されるようになり、結果として血中の1,5-AGが低下します。

これはブドウ糖と1,5-AGとは構造が似ているため、腎の尿細管での1,5-AG再吸収がブドウ糖により競合阻害されるためです。

即ち、基本的には「尿糖が陽性であるから、血中1,5-AGが低下する」という公式が成り立ちます。例えば高血糖がなくても尿糖が陽性になる腎性糖尿でも1,5-AGが低下します。

例外として、飢餓があります。高血糖もなく尿糖もなくても食事から摂取される1,5-AGが枯渇したために、血中の1,5-AGが低下するのでしょう。妊娠、慢性腎不全、重症肝硬変でも低下します。また、アカルボース(グルコバイ)内服中の人も低値を示します。


「食前、食中、食後他含めて、この2~3日1時間おきに測定(睡眠時の6時間は計測不可)した結果、すべて120以下でした。」すなわち、いのうえさんの場合、高血糖のための尿糖陽性はありえないですね。腎性糖尿でなければ、当然尿糖も陰性ですよね。
また薬も飲んでおられないと思います。

1,5-AGはいろんな食材に含まれているそうなのですが、どのような食材に多く含まれているのか調べてもはっきりわかりませんでした。

しかし、植物体のなかでデンプンから1,5-AGが生合成されるとの文献がありましたので、どうやらデンプンの多い食材に1,5-AGが多く含まれいるようです。

そうすると 糖質制限食をある程度長期間実践していたら1,5-AGを多く含む食材の摂取が減るので、血中1,5-AGが生理的に低下しても不思議ではありませんね。この場合生理的な低下なのでまったく問題はありません。

保険診療では1,5-AGはHbAlc、グリコアルブミンと同じ扱いを受け、いずれか1つの項目を月1回に限ってしか認められていません。

高雄病院ではHbAlcを調べているので、血中1,5-AGは調べませんのでデータがありません。興味がありますので一度私自身で調べてみます。

江部康二


☆☆機能性低血糖症
 1924年アメリカのSeale Harrisによって指摘された疾患で、血糖値の低下に伴ない、精神的・身体的症状を来たす疾患です。
 易疲労感、気力低下、眠気、集中力低下、物忘れ、不安、いらいら、頭痛、めまい、発汗、震え、心悸亢進、筋肉痛、甘いものに対する異常な欲求・・・ などの症状がみられます。診断は、75g経口ブドウ糖負荷試験で行います。通常糖尿病の診断のためには空腹時に開始して、ブドウ糖を服用後2時間までの血糖値を測定します。機能性低血糖症の場合は、ブドウ糖服用後5時間まで血糖値を検査します。

より詳しくは
2008年03月24日のブログ「炭水化物(糖質)摂取と眠気」をご参照下さい。

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
インスリン分泌能
おはようございます。

今回は、医師のNMさんからインスリン分泌能に関してコメント・質問をいただきました。

糖質制限食を理解していただける医師が増えていき、医療現場でも糖質制限食が認知されていくことが私の願いでもありますので、とてもありがたい嬉しいコメントです。o(^-^o)(o^-^)o


インスリン分泌能
江部先生
先生の著書“実践編”を拝見し非常に勉強になりました。
40歳、耐糖能異常を疑う医師です。(両親とも耐糖能異常あります。)日本酒の多飲ためか、運動不足のためか、やせ形にもかかわらずウエストサイズが90センチとなり、年前にはじめてHbA1c6.2と発覚。先生の著書を参考にし、半年で体重を68キロら56キロ(身長176cm)へ落とし、現在HbA1c5.8まで改善いたしました。

2か月前(ダイエットの途中で行ったOGTT結果下記の如くであり、インスリン分泌延であると考えます。そのためか、インスリン分泌能(II値)は計算上0.087とかり低くなってしまいます。この値をどう評価されますか?また、負荷前のIRI2.9は常に低くないでしょうか?(ちなみに、抗GAD抗体は陰性でしたので2型と思っておます。)ご意見お聞かせ下さい。
血糖(負荷前:122, 30分:177, 60分:220, 90分:164, 1120分:146) IRI(負荷前:2.9, 30分:7.7, 60分:13.6, 90分:16.3, 120分:144)
2008/08/11(月) 17:09:06 NM 』


NMさん。コメントそして本のご購入ありがとうございました。

仰る通りインスリン分泌指数(II値)は、

II=<30分インスリン値-空腹時インスリン値>÷<30分血糖値-空腹時血糖値>II( insulinogenic index)=<7.7-2.9>÷<177-122>=0.087

と低値で、04以上が正常ですので、糖尿病パターンですね。血糖値は現在境界領域ですが、将来糖尿病になる確率が高いデータといえます。

インスリン分泌指数は追加分泌の内、初期相(第1相)の指標ですので、その低下は2糖尿病の特徴と言えます。ご指摘通り、追加分泌第2相もやや低値で遷延しています。OGTTの結果は境界領域ですが、60分値が220mgと180mgを超えていますので、やはり、将来糖尿病になりやすい値とされています。

空腹時IRIの正常値は 5~10μU/mLですので、2.9はやや低値ですね。それで早朝空腹時血糖値が122mg/dlと、境界領域となっています。これらの結果から、インスリン基礎分泌もやや低下していると考えられます。

ちなみに、下記はある糖尿病患者さんの、糖質摂取時のデータです。

高雄病院初診時は、糖尿病の診断基準をみたしておられましたが、糖質制限食を約1年践されたあとの最近の検査です。耐糖能が改善し正常パターンとなっています。

      食前   食後30   食後60   食後90  食後120
IRI      3.8      35.2   58.5     55.1      24.9
血糖値  108     148    189     142      126

この方のインスリン分泌指数も0.785と、正常ですね。

NMさんは、インスリン基礎分泌、インスリン追加分泌第一相・第二相が低下しておらますので、糖質を普通に摂取すれば将来糖尿病になる確率が高いと思います。今後も美味しく楽しく糖質制限食を続けられて、糖尿病発症を予防されるのがよろしいか存じます。 (^_^)

糖質制限食普及活動にも是非ご協力下さいね。 m(_ _)m

インスリン分泌に関しては、2008.6.26のブログもご参照ください。


江部康二

テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
カフェインと血糖値
こんばんは。お盆が過ぎてめっきり涼しくなりました。お天道様にお願いした甲斐がありました。
このまま涼しさが続いてくれればいいのですが・・・。

でも「暑さ寒さも彼岸まで」とすれば、もう一回、真夏日がぶり返したりするのでしょうか? (=_=;) 

さて今回はゆうさんから、カフェインと血糖値に関して、コメント・質問をいただきました。


『08/08/07 ゆう
タイトルなし
江部先生、はじめまして!
いつも拝見させていただいております、ゆうと申します。

早速ですが、私も本日のブログと直接関係がない質問なのですが、カフェインが血糖値を上げる作用があるという内容がカステーラさんのブログにありました。だとしたら「食後の血糖値が気になる方の食生活の改善に役立ちます」と許可表示されている市販の「健茶王」にもカフェインが入っており、何だか矛盾している気がするのですが、いかがなものでしょうか?実はセール中とのことで健茶王を大量に購入してしまい処分しなければいけないのか途方にくれているところなのです。
ご多忙中誠に恐縮なのですが宜しくご教授お願いいたします。』


ゆうさん。コメントありがとうございます。

私もコーヒーが好きで毎日、4~5杯は飲んでいるので、早速調べてみました。たかがコーヒーされどコーヒー、いやはや調べてみると結構沢山、コーヒーと糖尿病の研究があるんですね。ビックリしました。♪(・∀・)  

ご指摘の「カフェインが血糖値を上げる」という報告は、医学誌「Diabetes Care」2008年2月号に掲載された、糖尿病患者10例を対象にした小規模な研究のことだと思います。対象者に1日4杯分のコーヒーに相当するカフェインを錠剤で摂取させたところ、血糖値が8%上昇したとのことです。

この研究は24時間の短期間の血糖値をみたもので、長期間ではありません。また錠剤のカフェインでコーヒーとは違います。さらに、極めて少数なので、研究としての価値はボチボチです。


コーヒーと糖尿病に関した大規模研究は、オランダから発表されたものが最初だと思います。男女1万7000人を7年間追跡した研究で、1日7杯以上コーヒーを飲む人は、1日2杯以下の人よりも糖尿病の発症率が5割少ないことが2002年のLancet誌に掲載されました。

また「Annals of Internal Medicine誌1月6日号、2004年」に米国の大規模コホート研究結果が掲載されました。

「男性4万人、女性8万人を最長18年間追跡し、コーヒーを1日6杯以上飲む人では、2型糖尿病の発症率がコーヒーを飲まない人より大幅に低い。

一方、カフェイン抜きコーヒーを飲む人では、2型糖尿病の発症率が飲まない人より低いものの“予防効果”は通常のコーヒーほどではない。」

2型糖尿病の予防にはカフェインが有効な可能性が高いと研究グループはみているそうです。

オランダと米国の大規模研究では、コーヒーおよびカフェインが、糖尿病に対して良い方向に働くことを示していますので、コーヒー党の私としては一安心です。ヾ(^▽^)

研究としては<10人で24時間の研究>に対し、二つの大規模研究のほうがはるかに価値が高いのです。

結論です。

カフェインは、ごく短期的に血糖値上昇作用が少しある可能性は否定できません。しかし、カフェインを含む食品の代表であるコーヒーは、日常的な長期的な摂取により、2型糖尿病発症のリスクを低減させることが、複数の疫学的調査で確認されているので、安心して、コーヒーや緑茶などを飲んでよいと思います。

あ、ゆうさん、私も健茶王飲んでますよ。 (^_^)

カフェインを含む飲料の中で、健茶王のカフェイン含有量は番茶についで低いですね。玉露のカフェイン含有量、半端じゃないですね。ヾ(゜▽゜)


**飲料別カフェイン含有量(福岡県薬剤師会調べ)
コーヒー   40mg/100ml 
紅茶     50mg/100ml 
せん茶    20mg/100ml 
玉露     160mg/100ml 
番茶     10mg/100ml 
ウーロン茶  20mg/100ml 
健茶王    13mg/100ml


江部康二

テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質制限食と検査と高雄病院入院
こんばんは。

昨夜は、小雨がぱらつく中、五山の送り火でした。

京都三大祭(葵祭・祇園祭・時代祭)に五山送り火を加え、京都四大行事と呼ばれるそうです。

しかし、街に出たら混み合うので、家で赤ワインをチビチビ(ガブガブ?)飲みながら、テレビで五山送り火を見た、軟弱な江部康二でした。(-_-;)

さて今回は、みやびさんから久しぶりにコメント・質問をいただきました。高雄病院入院に関する質問です。

『検査
おはようございます。

お忙しい中、いつも ブログを更新していただき 有り難うございます☆リアルタイムな情報で 毎回勉強させていただいております☆

糖質制限食を始めてから、気になるHbA1Cが ゆっくりではありますが 順調に下がり続けており(7/30の検査で6.3%)、あんなにイライラ悩んでいた半年前がが嘘のようです。

発病してからのデータを振り返りながら 自分のブログにアップしてみたら、おかげさまで HDL-Cの増加・中性脂肪の減少にも繋がっているようです。

先日 主治医からは、HbA1Cが下がったことよりも コレステロールが高いことを指摘されてしまいましたが…でも、そこは 江部先生の過去の記事を遡って読み返しながら 自分は確実に良くなっていると実感しております。

前置きが長くなりましたが。

今の自分の状態を検査してもらうとしたら、高雄病院では、どんな内容で どれくらいの日数がかかるのでしょうか?糖質制限食を始めて、インスリンの分泌機能がどれだけ回復しているのかなどといったことも 自分で知りたいと思いまして…そもそも そういった大々的な検査って、定期的に行われるものなのでしょうか?

長くなってしまいスミマセン。お忙しいところ恐縮ですが、手のあいたときにでも お答えいただけたら嬉しいです☆

まだまだ暑い日が続きますので、水分をこまめに摂りつつ 仕事にテニスにライブに☆元気に躍進してください☆先生の存在は生きる希望と勇気を与えてくださいます。これからも、ブログ更新楽しみにしています☆

P.S
いつの季節も京都は情緒が溢れてて素敵ですけど、去年の夏に行った金閣寺、関東とはまた違った暑さだったことを思い出します。南禅寺のお豆腐 また食べたいです☆
2008/08/07(木) 05:52:27 | URL | みやび』

みやびさん。コメントありがとうございます。東京講演以来ですかね。お久しぶりです。

また、7月30日、HbA1c6.3%達成、おめでとうございます。(^-^)v(^-^)v
遂にコントロール良好レベルですね。

HDL-Cの増加・中性脂肪の減少もとても良いことですね。コレステロールに関しては☆☆☆をご参照下さい。

ご質問の高雄病院での入院治療・検査ですが、外来で、なかなか血糖値が下がりきらない時など、入院すると改善する人がほとんどですので、『コントロール・教育入院』がお奨めです。

14日間あれば、コントロール・教育入院が可能です。勿論健康保険が効きます。

インスリン注射をされている時は、3~4週間あったほうが確実に減量できます。インスリンの量は1/3以下になります。上手くいけば2割くらいの人がインスリン離脱もできます。

入院して一日7~8回、毎食前・食後の血糖値を測定することで、「通常のカロリー制限の糖尿病食」と「糖質制限食」の効果の差がリアルタイムに確認できます。

入院中はその他、内臓脂肪CTや頸動脈エコーなど、糖尿病に関連するいろいろな検査もあります。

一日の尿をためて、尿糖測定やインスリン分泌量測定(尿中Cペプチド測定)も行います。

早朝空腹時の血中IRI(インスリン)かCペプチド(インスリン注射をしている人はこちらを測定)を調べることで、基礎分泌のインスリンがどのくらいでているかわかります。

一日尿のCペプチド測定で、トータルなインスリンの分泌量がチェックできます。

インスリン抵抗性の検査やインスリン追加分泌能の検査もあります。

管理栄養士による具体的な栄養指導もあります。
 
糖質制限食を体験し学ばれて、退院後は地元の病院で通院され、3ヶ月~6ヶ月に一回くらい京都観光を兼ねて高雄病院あるいは高雄病院京都駅前診療所に来て頂ければよいかと思います。

入院・外来治療の実績があれば、電話やメールでの質問もOKです。

高雄病院では現実に、関東、北海道、九州、東海、中部、中国地方など、様々な遠方地域の糖尿人の入院も多いです。

みやびさんも高雄病院の 「糖質制限食、コントロール・教育入院」熱烈歓迎いたしますので、是非一度どーぞ。ヾ(^▽^)

全国の糖尿人の方々も、入院治療ご希望の場合は、
高雄病院 075-871-0245
まで、電話でご相談いただけば幸いです。

☆☆☆再掲

コレステロールの真実
2008年04月30日 (水)
さて今回は、前日に続いて、コメント・質問も多いので、コレステロールの知識のおさらいです。

コレステロールは、とかく悪者にされがちですが、実は、細胞膜や男性ホルモン、女性ホルモンなどの原料として人体に必要不可欠な大切な物質です。

一般にLDLコレステロールは悪玉でHDLコレステロールは善玉という言い方をしますが、これも正確ではありません。

正常サイズのLDLは、中に約40%のコレステロールを含んでおり、それを末梢組織に運ぶ真っ当な役割を果たしています。

HDLは末梢組織の細胞で余ったコレステロールを回収して肝臓に運んでいます。 即ち、LDLもHDLも人体に必要なものであり、日々良い仕事をしており逆に少なすぎたら困るわけです。**

実際、2005年に日本動脈硬化学会で報告された、青森県立保健大の嵯峨井勝教授の調査や日本循環器学会で報告された北海道大学の佐久間一郎氏の分析では、「総コレステロール高値と心筋梗塞は無関係」という結果がでています。

これらの成果により、2007年4月の日本動脈硬化学会のガイドラインで、総コレステロールは遂に「脂質異常症」の診断基準から外れました。

コレステロールに関して、動脈硬化のリスク要因として問題となるのは、HDLコレステロールが低値の人とLDLコレステロールが高値の人です。

そしてLDLコレステロールの中で、本当に問題となるのは小粒子LDLコレステロール(小さくて高密度のLDL)と酸化LDLコレステロールです。

小粒子LDLは、真の悪玉である酸化LDLに変化しやすく危険な存在です。

酸化LDLは、血液中で異物と見なされて、大食細胞という免疫系の細胞に取り込まれていき、血管内皮細胞内でコレステロールを蓄積させ動脈硬化を起こし心筋梗塞のリスクとなります。酸化していない普通のLDLは、異物ではないので血管内皮に障害を起こしません。
 
中性脂肪が多くて、HDLコレステロールが少ない人は小粒子LDLがたくさんある可能性が高いので要注意です。 (*_*)

HDLコレステロールが多くて、中性脂肪が少ない人は小粒子LDLコレステロールと酸化LDLコレステロールは少ないので安全です。

糖質制限食実践中の人は、HDLコレステロールが多くて、中性脂肪が少ないですね。 (^_^)


日本のガイドラインでは、<高血圧、糖尿病、喫煙、心筋梗塞家族歴、加齢、HDL-C低値>の
6項目の危険因子がゼロ(低リスク群)、危険因子1~2(中リスク群)、危険因子3以上(高リスク群)、そして心筋梗塞や狭心症の既往歴のある群の4群が設定されています。

低リスク群はLDLコレステロール160mg/dl未満、
中リスク群は140mg/dl未満、
高リスク群は120mg/dl未満
が目標とされています。

しかし、2004年の米国(日本より心筋梗塞が3倍多い)の基準では、低リスクの人の薬物療法開始は190mg/dl、中程度リスク者で160mg/dl、高リスク者で130mg/dlとなってますので、参考にしてくださいね。

江部康二

**
LDLとかHDLはリポタンパク質と呼ばれています。コレステロールや中性脂肪は、脂質で水に溶けません。それで、脂質の周りをタンパク質で覆って、血液中に溶け込みやすいようにします。このタンパク質のことをアポタンパクといいます。アポタンパクで覆われた脂質がリポタンパク質です。リポタンパク質は、脂質を載せて血液中を移動する乗り物といえます。
テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
難消化デキストリン
おはようございます。

デキストリンとか難消化デキストリンとか、食品のラベルでよく目にします。いったいどんななものなのでしょうか。

今回はすぅ さんから難消化デキストリンについて、コメント・質問をいただきました。

『08/08/04 すぅ
はじめまして、こんにちわ。
先月、母がケトアシドーシスの診断を受けインスリン注射の治療になり、いろいろ調べていたら先生のブログに辿り着き以来たくさん勉強させてもらっています。
残念ながら母にはまだ糖質制限食は理解してもらえず(病院でしっかりカロリー計算の教育を受けて頭から離れないので・・・。)ぶつかることもあるのですが、今まで油が敵だったのが食べてもいいと言われても病気の体で不安があるのは当然なので少しずつ理解してもらえるように一緒にがんばっていきたいと思います。
そこで今日は難消化性デキストリンについてお聞きしたいと思います。以前のブログに糖の吸収を穏やかにすると言った健康食品に大きな効果を期待してはいけないとの事だったのでその点は気にしてないのですが、デキストリンはでんぷんなんですか?糖質制限食にはでんぷんは控えなければならない成分ですが、デキストリンは摂取しても害はないんですか? お菓子づくりの安全な素材を探していてみつけました。お忙しいのにこんな質問ですみません。』


すぅさん。コメントありがとうございます。

ご質問の難消化デキストリンは、摂取しても吸収されませんので、血糖値も上昇せず、糖質制限食OK食品です。

デキストリンは、いもやとうもろこしなどのデンプンを化学的、あるいは酵素的な方法により低分子化したものの総称です。通常は、デンプンより低分子であることから消化されやすく、吸収されやすいと考えられています。

一方、デキストリンを加熱処理し、酵素(α-アミラーゼまたはグルコアミラーゼ)で分解して難消化性部分を分離精製したものは、難消化デキストリンと呼ばれ、小腸では分解されない難消化性の食物繊維として使われます。これが、難消化デキストリンと呼ばれるものです。

ヒトでの有効性については、「おなかの調子を整える」、「血糖値が気になり始めた方の食品」として、難消化性デキストリンを関与成分とした特定保健用食品が許可されています。

ヤクルトの「健茶王」、伊藤園の「緑茶習慣」、亀田製菓の「からだサポートごはん」などの特定保健用食品に使用されています。

結論です。

通常のデキストリンは消化吸収されて血糖値を上昇させますが、難消化デキストリンは消化吸収されない食物繊維の扱いなので、お菓子づくりの安全な素材としても利用できますよ。 (^_^)

江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
玉ねぎの血糖降下作用?
おはようございます。

暑い暑いと散々愚痴をこぼしていたら、ようやくお天道様に願いが通じたのか、今朝は曇りから小雨がぱらついてます。本当に久しぶりにお天道様がひっこんでくれました。(*´О`*)ホッ!

さて今回は、玉ねぎの血糖降下作用について、Panny さんからコメント・質問をいただきました。

『08/08/02 Panny
玉ねぎ
江部先生、はじめまして。
先日、初めて糖負荷検査を受けて結果待ち、結果に問題がなくても、糖質制限食を始めようと考えています。

玉ねぎが好きで、1日半分から1個くらい食べてしまうのですが、糖質が多いのですね。
玉ねぎについて、こんなページを見つけました。
http://www.tama-negi.com/utility.html
タマネギに血糖降下作用があると書かれているのですが、やはりあまり摂らない方がいいのでしょうか?
教えていただけますと幸いです。』


Pannyさん。コメントありがとうございます。

玉ねぎですが、中くらいの大きさの一個が約200gで、100g中の糖質は7.2gです。従いまして、一回に1個食べれば、14.4gの糖質が含まれているので、血糖値は「14.4×3=43.2mg」上昇する計算です。(体重60kgの2型糖尿人において、1gの糖質が3mg血糖値を上昇させます。)

玉ねぎに含まれる成分に血糖降下作用があるとするホームページを拝見しましたが、もし、極めて有効なら、当然医薬品として発売されていると思います。

従って、玉ねぎの血糖降下作用があったとしても、せいぜいトクホ(特定保健用食品)*レベルかそれ以下と考えられます。ここら辺に関しては2008年05月27日のブログ「食後高血糖を抑える食品?」もご参照ください。

穀物でも芋でも砂糖でもブドウ糖でも野菜でも、由来が何であれ、糖質であれば必ず血糖値を上昇させます。これは生理学的事実です。

Pannyさんには、玉ねぎの血糖降下作用にはあまり期待せずに、「1gの糖質が3mg血糖値を上昇させる」という公式に基づいて、適宜玉ねぎを食べて美味しく楽しく糖質制限食をつづけていただけば幸いです。


特定保健用食品
国が食品に健康表示(健康への効用をしめす表現)を許可する制度で、平成3年に発足。厚生労働省から、生活習慣の改善に役立つと認められた食品で、「保健の用途・効果」を具体的に表示することが許可されている。


江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質制限食と頭痛
おはようございます。相変わらずくそ暑いですね。

何か洒落たことでも書こうと思うのですが、暑い以外が浮かんできません。 (*_*)

さて今回は、かやさんから、糖質制限食と頭痛に関してコメント・質問をいただきました。

『08/08/01 かや
●糖質制限と頭痛に関しての質問●
はじめまして。妊娠6ヶ月の妊婦です。
最近、妊娠糖尿病の境界型と診断され、いろいろ調べていたところこちらのサイトにたどり着きました。 著書も購入し、読ませていただきました。

さて、糖質制限食を実行して2日ほどたったころ、ひどい頭痛に悩まされました。
夫が、「それは糖分が足りてないせいだから、甘いものを飲んでみて」というので、炭酸飲料を少量飲んだところ、頭痛がぴたりとおさまりました。
夫は過去に断食をやったことがあり、3日目にひどい頭痛に悩まされたのだそうです。脳に糖が足りないせいだと言っていました。

著書では、糖が足りなくなると、脂質代謝に変わるので問題ないとのことでしたが、その過程で頭痛が起きることはあるのでしょうか?過去にそういう患者さんはいらっしゃいましたか?
頭痛が起きても、1日以上我慢していれば脂質代謝に変わるのでしょうか?』


かやさん。コメントありがとうございます。

糖質の摂取が少ないと、肝臓でアミノ酸からブドウ糖をつくったり、脂質の代謝産物のグリセロールからブドウ糖をつくりますので、糖質制限食実践により高血糖は改善しますが通常、低血糖になることはありません。

しかし、この糖新生がスムースに行われなかったら、通常食から糖質制限食への過渡期で血糖値が低めになることはあると思います。

血糖値が50mg/dl以下の本格的低血糖になることはないにしても、60~70mg/dlていどになる可能性はありますね。

正常空腹時血糖値は60~109mg/dlですが、糖尿病があって日頃の血糖値が高めの人は、70~80mg/dlていどでも低血糖症状がでることがあります。

かやさんの頭痛は、炭酸飲料(ブドウ糖、砂糖)摂取により速やかに改善していますので(発汗、ふるえ、動悸、頻脈などの典型的低血糖症状は出ていませんが)上述のようなパターンの相対的低血糖症状だった可能性が高いです。

過去、糖質制限食実践により頭痛を生じた人はあまり記憶にありません。しかし、糖質制限食により高血糖が改善して、60~109mg/dlの正常値に入って、発汗、動悸などを訴えたかたは時々おられました。

いずれにせよ、過渡期で便秘や下痢などいろんな症状がでることはありますが、糖質制限食を続けていけば、落ち着いていきます。

なおスーパー糖質制限食でも、総摂取カロリーの12%ほど、野菜分の糖質が入ります。

また脳はブドウ糖以外に脂質の代謝産物のケトン体も利用できます。脳とブドウ糖・ケトン体に関しては「2007年4月23日、24日」「2007年12月17日」のブログをご参照ください。


江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
アルコール摂取と血糖値
おはようございます。北京オリンピックのテレビ観戦でやや寝不足の江部康二です。

末綱選手、前田選手、勿論北島選手もすごかったですね。ヽ(*`▽´)ノ 
睡眠時間を削る価値が充分ある映像でしたね。

さて今回は、でぃあべーちゃさんからアルコール摂取と血糖値に関してコメント・質問をいただきました。


『08/08/01 でぃあべーちゃ
お久しぶりです。
相方も私もすっかり糖質制限になじんで8ヶ月。2人ともHbA1cは5台なかばでーす。
さて、今日はお酒の話なので前々からお尋ねしたかったことをカキコします。
じつは相方がまだHbA1c 8~9代位の頃 出張先で接待され、ビールを飲んだらしいです。
多分300cc位かな。そして、一緒にご当地名物のそうめんの炒め物やその他結構な炭水化物を摂ったらしいです。自己血糖測定器で1時間おきに測ると、
食前 130
食後1h 145
食後2h 140
食後3h 110

と、当時としてはむしろ異様に健康的な数値で 電話で連絡を受けた私もほっとした、というような
事がありました。
飲んだビールは普通の生ビール(キリンかな?) なので、いわゆるゼロ系ではないです。
その後、何度かビールやらカクテルやら、 飲む機会のたびに、一緒に糖質をいくらかとって血糖値を計ると見事に上記のような、むしろ普段出ないような良い数値でして。
相方は既に合併症の傾向があるのでアルコールは普段飲まないようにしていますが、それでも
飲まねばならないときはむしろ食事も一緒に楽しんでいるようです。

ただ、不思議です。アルコールをとると 夜間の糖新生が抑えられるというのはわかりやすいですが、私たちが見たのはむしろ、インスリンを打っている様な現象で、これはどういうことなんでしょうか。
インスリンを打っている人がアルコールを飲む場合、低血糖で倒れる心配がある、ということは聞いたことがあります。
そして、私の父(糖尿歴20年以上、薬、注射なし)が忘年会などで深酒をすると低血糖で倒れます。

アルコールに血糖を下げる働きがある、と単純に考えてよいものか、いわゆる個人差なのか。。。

どうなんでしょうか?』


でぃあべーちゃさん。コメントありがとうございます。お二人ともHbA1cは5%台なかばとのこと、素晴らしいですね。(^○^)

ご質問のアルコール摂取と血糖値の関係ですが、まずは人体の血糖調節の仕組みを考えてみましょう。

血糖調節には食事とインスリン以外に、肝臓のグリコーゲン分解・糖新生、運動、ストレスなどいろいろな要素が絡みます。

これらの中で今回のご質問内容には、空腹時、摂食時、肝臓のグリコーゲン分解・糖新生が関係しています。


1、夜間就寝時以外にも、空腹時には日中でも肝臓のグリコーゲン分解と糖新生が血糖の供給源となります。

2、摂食時には消化管から吸収されたブドウ糖はまず肝臓に約50%取り込まれて、それ以外が血液の大循環に回ります。摂食時には肝臓のグリコーゲン分解・糖新生は抑制されます。


正常人では上記1,2がうまく機能していますが、糖尿人では<肝臓のグリコーゲン分解と糖新生>が摂食時にも抑制されにくいので、食後高血糖となります。また糖尿人は、肝臓のブドウ糖取り込みも低下しているので、この面でも食後高血糖を起こしやすいのです。

それでは次に糖尿人がアルコールを摂取した場合を考えてみます。

アルコールそのものは、糖質や脂質と違って摂取しても体重増加作用がありませんし、血糖値も上昇させません。

アルコールを摂取すると、人体に対する毒物とみなされて優先的に肝臓で分解されますので、その間、同じ補酵素を使う糖新生がブロックされます。

従ってアルコールを摂取していると、糖尿人においても糖新生がブロックされるので、その分食後高血糖を起こしにくい理屈になりますね。

でぃあべーちゃさんの相方さんの場合も、上記理由であるていど説明できると思いますが、仰る通り個人差があると思います。それにしてもデータ良すぎますね。ヾ(・∀・)

同じ理由で、正常人でも空きっ腹の時に、お酒を飲んだら低血糖を起こす可能性があります。

お父上(糖尿歴20年以上、薬、注射なし)が忘年会などで深酒をされて低血糖で倒れられたのも、食事量がたまたま少なかったりしたときに、同様にアルコールによる糖新生のブロックが要因と考えられます。

いやはや「お酒は飲むべし、飲まれるべからず」ですね。(=_=;) 


江部康二
テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
HbA1cと血糖値について
こんばんは。今日も暑いです。

京都市内で8日、最高気温が30度を超える真夏日が39日間連続し、ここ10年の最長記録を更新したそうです。その後も真夏日ですからまだ記録更新中です。ややうんざりですね。σ(=_=;)ヾ 
京都って何だか、夏は暑くて冬は寒いです。 (*_*)

さて今回はnorion さんから、コメント・質問をいただきました。

『08/07/29 norion
HbA1c血糖値について
初めまして、江部康二先生。
norionと申します。よろしくお願いいたします。

私は都内で大学生をしており、DM歴12年の経歴を持っております。ここ10年ほどまったく治療することもなく、病気を悪化させてきましたが、今年の4月から本格的に治療を始めました。

治療当初、HbA1cは11.5でしたが、食事制限と運動療法のみで

5月 HbA1c 11.5
6月 HbA1c 8.0
7月 HbA1c 6.6
*8月の結果が出ましたらまたご報告させて頂きます。

とすることができました。しかし、早朝時血糖値(平均110)や食後2時間値の血糖値(平均130)の下降に限界を感じ、様々な文献・資料を探っていたところ貴ブログを発見し、炭水化物 60g/dayの糖質制限食を始めました。

その結果、この2週間で早朝血糖値(平均100),2時間値(平均 110)となり、糖質制限食の偉大さを感じるばかりです。

さて、先生にご質問が2点あります。

1.HbA1c血糖値の関係について
過去数ヶ月の血糖値の平均がHbA1cの値となることは分かったのですが、例えば、
    血糖値平均
食前    98
食後1時間 200
食後2時間  98
食後3時間  96

のようになった場合(いわいるグルコーススパイクの状態)、HbA1cは食後1時間の高血糖、それともそれ以降・以前の血糖のどちらによって決定されるかということをお聞かせください。

HbA1cは早朝血糖値によって決定されるときいたことがあったのですが、いかがなのでしょうか?

2.糖質制限食について
先日サンドイッチ(炭水化物30g)とフライドチキン(炭水化物12g)を食べましたところ、

食後1時間 200
食後2時間 98
食後3時間 98

となりました。インスリンの遅延性過大反応はあるものの糖質制限食のおかげでインスリンの分泌が戻ってきたようにもおもわれます。現在は炭水化物 80g/dayですが、将来的には120g/dayを目指しています。そのためには1日1食主食をとるようにして徐々に体をならしていった方いいのか、それともある程度の期間3食主食抜きの糖質制限食を続けるべきなのでしょうか?3食主食を抜くことに抵抗は全くありません。治療にとっていい方を選択したいとおもっています。先生のご意見をお聞かせください。

ご多忙の中、申し訳ございませんが、アドバイスお願いいたします。』


norionさん。コメントありがとうございます。

炭水化物 60g/dayの糖質制限食実践されて
その結果、この2週間で
早朝血糖値(平均110→100),
2時間値(平均 130→110)
と改善、おめでとうございます。v(o^0^o)v

1.HbA1cと血糖値の関係について
HbA1cは過去1~2ヶ月間の平均血糖値を示す指標です。

食前    98
食後1時間 200
食後2時間  98
食後3時間  96

これらは、全てその時点の断面の血糖値を示しています。HbA1c*は、断面ではなく連続した血糖値の平均です。

一日の範囲で考えると、24時間連続してブドウ糖と結合したヘモグロビンはどのくらいの割合か、ということです。それの1~2ヶ月分です。

血糖値が高い時間帯が長ければ、ヘモグロビンとブドウ糖が結合したHbA1cは多くなります。血糖値が低い時間帯が長ければ、ブドウ糖と結合したヘモグロビンは少なくなるので、HbA1cは少なくなります。

2.糖質制限食について
先日サンドイッチ(炭水化物30g)とフライドチキン(炭水化物12g)を食べましたところ、

食後1時間 200
食後2時間 98
食後3時間 98

確かに現在は、食後2時間血糖値が98mgなので、正常人のパターンです。仰る通り、インスリン分泌能もかなり回復したと考えられます。

しかし、食後1時間血糖値が200mg/dlと、180mgを超えているので、糖質を摂取する通常の食生活だと、将来、再び糖尿病になる確率が高いです。

まあ、もともとnaorinさん、HbA1cが11.5%と立派な糖尿人でしたよね。 従いまして、このままスーパー糖質制限食を続けられる方がよろしいかと思います。一日一回主食を食べるなら、運動をしっかりして血糖コントロールするのが良いでしょう。


*HbA1c
赤血球の中に含まれているヘモグロビンは、鉄を含む赤色の色素部分のヘムと、蛋白部分のグロビンでできています。ヘモグロビンはグロビン部分の違いによりHbA、HbA2、HbFの3種類に分けられます。成人では、HbAが97%を占めています。

血液中には、赤血球や糖類やその代謝産物が流れていて、お互いに結合する傾向があります。赤血球中のヘモグロビンと、血中のブドウ糖など単糖類が結合したものが、グリケーティッドヘモグロビンです。

これを略してグリコヘモグロビンですが、HbA1とほぼ同義語として使用されています。グリコヘモグロビンは、元のヘモグロビンとは電気的性質が異なるため、検査により識別することができます。

HbA1は、さらにHbA1a、HbA1b、HbA1cなどに分けることができます。このうち糖尿病の検査の指標として汎用されているHbA1cはヘモグロビンA(HbA)にグルコース(ブドウ糖)が結合したものです。当然、血糖値が高値であるほど、ヘモグロビンと結合しやすいのです。

HbA1cの生産量は、Hb(ヘモグロビン)の寿命と血糖値に依存します。赤血球は骨髄で作られ、血液中を循環し寿命は約120日間ですから、HbA1cは過去4ヶ月(120日間)の血糖値の動きを示しています。

より詳しく分析すると、HbA1c値の約50%は過去1ヶ月間の間に作られ、約25%が過去2ヶ月、残りの約25%が過去3、4ヶ月で作られます。

従いまして、HbA1cの値は通常は過去1、2ヶ月の平均血糖値を反映していると考えればよいことになります。


江部康二

テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
インスリン分泌能
おはようございます。今日も良い天気です。

週一回のテニスの日ですが、首もどうやら回るようになったので、しっかりプレイできると思います。 (^_^)

今回はアメリカ在住のブログ読者からコメント・質問をいただきました。

『08/07/29
江部先生、

いつもブログを読ませてもらい、とても勉強になります。アメリカ在住、31歳の2児の母です。2人目を妊娠中(1年半前)に、糖尿病が発覚。当時は妊娠糖尿病と言われていましたが、産後9ヵ月後(今年の1月)の75gブドウ糖負荷試験で

空腹時:77mg/dl
1時間:256mg/dl
2時間:219mg/dl

という値で、糖尿病と診断されました。身長160cmで体重は48kg、痩せ型なので、1型糖尿病の検査もしたのですが、抗体(GADなど)はありませんでした。スーパー糖質制限食で、HbA1cは5.5%(前回は5.2%)ぐらいをここ一年保っています。

気になるのが、自己分泌量が減ってきていることです。4月の段階で、Cペプチドが0.8dg・ml(平常値0.8-3.1)、7月の検査では0.5と平常値以下になってしまいました。これは、糖尿病が進行しているとのことでしょうか。抗体がなくても、自己分泌量が減っているので、1型かもしれないのでしょうか。アメリカの主治医は、今の段階ではなんとも言えず、コントロールが出来なくたった時点で、Januviaという薬から始め、それ以上必要な場合は、インシュリンを考慮しましょうとのことでした。

今後どうなるのかと考えると、不安です。なにかアドバイスがあれば、よろしくお願いします。』


早朝空腹時のCペプチドが、0.8→0.5と減少しているのは、確かに少し気になりますね。
しかし、一回だけの検査では何ともいえませんので、今後定期的に測定していくことが必要ですし、早朝空腹時の血糖値が正常なら、インスリン基礎分泌は確保されていますよ。

また、HbA1cは5.5%(前回は5.2%)ぐらいで食後高血糖はあまりないようですから、インスリンの追加分泌も確保されていることになりますね。

HbA1cは過去1~2ヶ月の平均血糖値を示すので、食後血糖値が200mgを超えたりしていたら、7%以上になってきます。

一日の尿を貯めて、Cペプチド(24時間蓄尿)を測定すれば、インスリン分泌能がどのくらいあるかわかります。しかし、変動が大きいので、何回か測定するほうがよいです。


早朝空腹時血糖値が高値で、Cペプチドが常に0.5以下なら、急速に進行する1型のタイプではなく、緩徐発症型と分類されるタイプの1型の可能性はありますが、アメリカの主治医の仰るように、今の段階ではなんとも言えません。

まとめると、スーパー糖質制限食実践によりHbA1cが正常なので、現時点では、インスリンの分泌は確保されています。2型であれば、このまま経過良好でいけると思います。

万一、1型だったとしてもスーパー糖質制限食を続けることで膵臓が休養できるので、いわゆるハネムーン期をのばすことができます。今後適宜検査をしながら経過をおってください。

なおJanuviaは、日本ではまだ発売されていない、新しいタイプの糖尿病治療薬です。
臨床試験ではスルホニル尿素(SU)薬と同等の効果が認められたそうです。


江部康二
テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質制限食と減量
こんにちは。

今回はaketakeさんから、嬉しいコメント・質問をいただきました。

『08/07/27 taketake
タイトルなし
先生ありがとうございます。数年前から、薬を飲んで糖尿病治療していたにもかかわらず、昨年11月くらいから、一気に悪化しました。朝食前血糖で473、HbA1Cで12越えの数字が続き、病院からも専門病院に移るか、入院かと、さじをなげられつつありました。そんな時に おは朝を見て、早速本を買い勉強。これは、間違いないとすぐに思いました。だって治療はじめの一年、すごく良くなったんです。そのとき私が実践していたのが、プチ制限食でした(もちろん、偶然に)。あれから、二ヶ月、朝食前血糖は、140、HbA1Cが7,7に激減です。感謝してもしたりないです。あつかましくお聞きしたいのは、体重も減らし一気に正常値までさげたいと思うのですが、今もインシュリンを使っているために、減量にはいたりません。(朝夜10単位)です。糖質制限食は、やせやすい体質をつくるとあったように思いましたが、やはり運動も必要でしょうか(60を目指してますが、今は65あります)』

taketakeさん。コメントそして本のご購入ありがとうございました。

朝食前血糖で473mg/dl、HbA1C12%以上・・・・・、かなりシビアな糖尿病だったのですね。

糖質制限食を実践して二ヶ月、朝食前血糖は、140mg/dl、HbA1Cが7.7%と素晴らしい改善ですね。おめでとうございます。(^-^)v(^-^)v 

これだけ改善したら、主治医殿もきっと喜んでいただけたと思います。インスリン注射をしていて、高雄病院で入院治療された2型糖尿病患者さんは、50人以上おられますが、基本的にインスリンの量は、1/3以下に減ります。2割くらいの人は、インスリン離脱できました。 (^_^)

血糖自己測定を行いながら、低血糖に注意して、できればスーパー糖質制限食を実践されて、主治医とよく相談されて、インスリンの量を減らしていきましょう。

インスリンそのものが肥満ホルモン**ですので、インスリンの減量に成功すれば、体重の減量にも成功しますよ。

糖質制限食」では、糖質を摂取しないので

1 肥満ホルモン(追加分泌インスリン)がほとんどでない。
2 体脂肪が常に燃えている。
3 血中のケトン体値が高まり、尿中や呼気中にカロリーと共に生理的に排泄される。
4 肝臓でアミノ酸などから糖新生が行われそれに高エネルギーが消費される。

この4つのアドバンテージにより、糖質制限食では体重が減ります。運動は勿論したほうが良いですが、しなくても糖質制限食だけで通常は減量できます。
2008年04月02日のブログ<糖質制限食による減量効果>もご参照ください。

**
肥満ホルモン(インスリン)
糖質を摂取して血糖値が上昇すると、インスリンが追加分泌されて、血糖は骨格筋や心筋などの細胞に取り込まれて利用されたり、グリコーゲンとして蓄えられます。しかし、血中の余剰の血糖は中性脂肪に変えられて体脂肪として蓄積されていきます。インスリンが肥満ホルモンと呼ばれる所以です。糖質制限食なら血糖値はほとんど上昇しないので、インスリンもほとんど追加分泌されません。


江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント・質問に関するお知らせ
こんにちは。ブログ読者の皆さんには、いつもコメントや質問をいただき、ありがとうございます。

おかげさまで、本ブログ、毎日2000~3000件のアクセスがあるようになり、活況を呈していて、私としても嬉しい限りです。 (^_^)

掲載OKの質問に関して、読者の皆さんに共有していただきたい情報の場合は、ブログ本文にてお答えしたいと思います。

一方、コメント・質問がかなり増えてきていますので、なかなか即お答えすることが困難となってきています。できるだけ全ての質問に本文かコメントでお答えするよう努力はしていますが、できないときはご容赦願います。m(_ _)m

それから、「管理人のみ閲覧できる」「匿名希望」などの質問に関しては、コメント欄にお答えするか、一般的な話題に置き換えてブログに記載するようにしていますので、よろしくお願い申し上げます。

江部康二


テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
スタンダード糖質制限食と昼食
こんにちは。

今朝も4時半頃弱い地震がありました。一昨日は朝は地震、夕は雷でした。地震、雷、火事、親父(台風)、・・・ちょっと気色悪いですね。σ(=_=;)ヾ 

さて今回は、たこぽんさんから、コメント・質問をいただきました。

『08/07/27 たこぽん
ご報告とお礼
先生、こんにちは。毎日暑いですねぇ。。
さて、過日質問させていただいてから約2ヶ月後の7月中旬の結果がでました。A1cが7.5から6.3!!毎日糖質ゼロの発泡酒が飲めるのに♪4月終わりの時点で8.7だったのがウソみたい・・この調子で過ごして行きます。ありがとうございます。

私はお昼だけ主食アリのスタンダード糖質制限食です。いつもお弁当を持っていきますが、最近ご飯が余ってしまいます。
120g位のごはん(またはライ麦100%のパン)を用意するようにしてるのですが、ふりかけなどでムリヤリ食べる感じです。ムリに食べなくてもいいですか?でもそうすると夕方の低血糖が怖かったりします。よろしければアドバイスお願いします。』


たこぽんさん、コメントありがとうございます。

糖質ゼロの発泡酒を飲みながら糖質制限食実践されて、HbA1cが、8.7%→7.5%→6.3%と、見事な改善ですね。おめでとうございます。(^-^)v(^-^)v

スタンダード糖質制限食は、昼食に主食(糖質)を食べて、朝と夕は主食なしのパターンです。これは、サラリーマン諸氏の昼食というと、定食、弁当、丼もの、麺類・・・が主で、なかなか主食抜きは困難であるという、日本の現状を踏まえてのものです。

可能ならば、糖尿人においては、食後高血糖を一日に一回も起こさない、スーパー糖質制限食が当然好ましいのです。

従いまして、たこぽんさん、「120g位のごはんまたはライ麦100%のパンを無理矢理食べる感じ」なら、昼も主食抜きのスーパー糖質制限食で何の問題もありませんよ。

私もスーパー糖質制限食ですから、お昼は、生協でお総菜、冬はコンビニでおでん、ごはん日和でおかずだけ、「ふうどりーむすの糖質制限食」・・・などいろいろ工夫してます。

スーパー糖質制限食を実践すれば、高血糖は改善しますが、低血糖になるわけではありません。
経口血糖降下剤を内服している場合や強い運動を長時間続けた場合などを除いたら、糖質制限食で低血糖になることはありません。

たこぽんさんも安心して、充分量のおかずを食べて、美味しく楽しくスーパー糖質制限食を実践されたら良いと思いますよ。ヾ(^▽^)


江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
OGTTとインスリン指数と1.5AG
こんにちは。

昨夕はすごい夕立でした。バケツの底が抜けたような大雨で、傘が役に立たない状態でした。雷も4発くらい落ちましたよ。くわばらくわばら。(゚◇゚)

さて今回は、HALさんから、検査のことについてコメント・質問をいただきました。

『08/07/27 HAL
初めまして。
初めまして。
糖尿人初心者なのでいろいろ教えていただけると嬉しいです。よろしくお願いします。 先日たまたまデキスターで食後血糖を測ったところ201mg/dlでした。
翌日も245でびっくりしていろいろ調べてGI値の低い食品を食べるようにして体重3kgやせました。同時に検査をしたのですがHbAICは5.1空腹時血糖は今まで80~90した。
ただ1.5AGは7前後です。BMIは21です。両親、兄弟ともに糖尿の人はいません。
OGTT

  時 IRI  PG
------------------
  前  3.06 84
 30分 30.1 103
 60分 44.8 101
120分 16.4  80
180分 24.2  91
240分  2.88 65
300分  3.61 77

でした。
以前低血糖をおこしたことがあり(32まで下がりました)5時間の検査をしました。
これだけみると糖尿人ではないようなのですが、あいかわらず食後血糖はデキスター190前後です。食事の量も減らしてるしなるべくGI値の低いものを食べているのですが食後30分値が下がりません。1時間は140以下です。 やっぱり糖尿病と考えていいのでしょうか?
先生はもうベイスンとかを早めに服用したほうが膵臓の疲労が改善されるとすすめられいます。
どのように考えたらいいのでしょうか?
よろしくご指導ください』


HALさん。コメントありがとうございます。

OGTT経口ブドウ糖負荷試験)は正常人のパターンですね。OGTTでは75gのブドウ糖を液体で飲むので、血糖値を上昇させる力は、通常の食事比べてかなり強力です。OGTTでの30分値は103mgですし、インスリン初期分泌能も良好です。この検査で正常ならば糖尿病の可能性はほとんどないと思います。 (^_^)

血糖自己測定器は簡便で重宝なのですが精度はかなり劣ります。*

血糖自己測定器で食後30分が190mgとのことですが、病院の検査より高く出るこが多いです。(簡易血糖自己測定器の誤差・実験、2008年6月6日ブログをご参照下さい)また食後1時間値が140mg以下なら、全く心配は要りません。

1.5AGは7前後とのことですが、糖質制限食実践中の場合は、デンプン摂取が減るので低値となります。

私も1.5AG:5.8μg/ml(12~43)と低値ですが、血糖コントロールはめて良好で正常範囲です。従って1.5AG:5.8は糖質制限食実践中においては正値と考えられます。

通常の糖質を摂取する食事をしていて1.5AGが低値なら、糖尿病のコントロール不ということになりますが、糖質制限食実践中は全く異なるわけです。(1.5AGに関しては2008年04月14日のブログをご参照ください。)

次に、検査の一つにインスリン指数があります。

インスリン指数 = 「30分IRI-前IRI」÷「30分血糖値-前血糖値

「ブドウ糖負荷後30分のインスリン値-負荷前のインスリン値」を「ブドウ糖負荷後30分の血糖値-負荷前の血糖値」を割った数値です。インスリン追加分泌のうち、初期分泌能の指標となります。
インスリン指数が0.4未満だと糖尿病パターンです。境界型でも0.4未満の場合は将来糖尿病になることが多いです。

インスリン指数 =「 30.1-3.06」÷「103-84」=1.42

HALさんはインスリン指数が1.42ありますから、糖尿病パターンではなくて正常ですね。

OGTTインスリン指数も正常なのでHALさんは糖尿病の心配はありません。ヾ(^▽^)

しかし、血糖値32mg/dlのことがあったそうなので、機能性低血糖症**の可能性ありますね。
機能性低血糖症に関しては、2008年3月24日のブログをご参照ください。

機能性低血糖症においても、糖質制限食、あるいはGIの低い食品を摂取することで、症状は改善すると思います。ベイスンも含めて薬は必要ないと思います。


江部康二
テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖尿病腎症と糖質制限食
おはようございます。相変わらず蝉の声が賑やかです。

今朝は、おまけに6時過ぎに軽い地震があり、しっかり目が覚めました。

さて、今回はヒデゾウさんから、糖尿病腎症糖質制限食に関して、コメントと質問をいただきました。


『08/07/26 ヒデゾウ

こんにちは、江部康二先生に糖質制限の質問をさせていただきたいのです、
今年四月にDMが発症したヒデゾウと申します、個人病院で検査にて結果
HbA1C 6.5 食前血糖 150 蛋白2+ アルブミン尿が500を超えてました、
その後専門医の居る大きな病院に教育入院して               
入院時食前血糖値 137     退院時 ?       1ヵ月後食前血糖値 95
入院時HbA1C  6.4    退院時HbA1C 6.2   1ヵ月後 5.9
入院時尿蛋白 プラス     退院時マイナス
               退院時アルブミン尿 52.5   
主治医は個人病院でのアルブミン尿500を超えは誤差かもと言っていました
入院時クレアチニン 1.27(入院当初) 1.11(中間) 1.04(退院時)  1ヵ月後0.91      
入院時尿酸 8.0       退院時 6.9   投薬で下がったと思います(ニューロタン)
脂肪肝で  右腎臓にのうほう4つ  

5年前に食前血糖値 120 HbA1C 6.2 と言う記録が有りました、
その頃から隠れ糖尿病で判らず放置した結果と思っています、
合併症として腎症、神経症が有ると思っています、症状も現在改善されましたが
腎症、神経症の症状と思われるものが幾つか有りました、通風腎でも有ると思います。
右目に飛蚊症も出ているのですが、眼底検査の結果問題ないとの事でした。
高血圧、通風も患っています。薬にて尿酸値は6.9に下がりました、
食前にベイスンOD錠0.2を起床時にニューロタン25mg アロシトール100mg
ノルバスク5mgを飲んでいます

現在、自己購入した血糖測定器で自己測定しています
確かに炭水化物を摂取しないと血糖値が上がりません。
腎症?又は通風腎、高血圧のある僕でも糖質制限は出来るのでしょうか?
糖質制限が出来ないにしても、炭水化物(糖質)を少なくしタンパク質、脂質もほどほどで
温野菜を中心にした方法ぐらいしか無いのでしょうか?
本当に悩んでいます、アドアイス宜しくお願いします。  ヒデゾウ』


ヒデゾウさん。コメントそして本のご購入ありがとうございます。

8月4日のコメントで、この一ヶ月、糖質を控えめにした食生活で、HbA1cが5.9から5.2まで下がったということでよかったですね。 ヾ(^▽^)

「5年前に食前血糖値 120 HbA1C 6.2」ですので、少なくとも当時から空腹時血糖値が境界領域で、さらに食後高血糖もあった可能性が高いですね。

「入院時クレアチニン 1.27(入院当初) 1.11(中間) 1.04(退院時)  1ヵ月後0.91」

腎機能として、クレアチニンが一番気になるところですが、幸い改善していますので、糖質制限食OKですね。

尿中微量アルブミンは、糖尿病腎症の一番初期の段階でひっかかってくるものです。

高血糖が持続すると、腎糸球体の細小血管の障害が起こります。その結果糸球体の構造が破壊され、機能障害が生じていきます。

腎症の一番初期の段階は、尿中微量アルブミンの増加としてとらえられます。3ヶ月に1回ていど尿中微量アルブミンを検査すれば、一般的に測定されている尿タンパクが出現する以前の段階で、早期腎症を発見することができます。

蛋白尿が出始めたら、顕性腎症の段階に入ります。この段階では血液の腎機能検査は正常ですが、血液検査で、クレアチニン、BUNなどに異常が出現すれば腎不全となります。

さらに進行すれば、人工透析が必要となります。現在、年間約1万三千人の方が糖尿病性腎症により人工透析を導入していますが、慢性腎炎を抜いて疾患別では1位となっています。できれば微量アルブミンの早期腎症の段階で発見し、進行をくいとめたいものです。

ヒデゾウさんの場合は、尿中微量アルブミン陽性の初期段階ですので、糖質制限食を行ってよいです。 糖質制限食糖尿病のコントロールが良くなれば、微量アルブミンの段階なら回復して正常に戻る可能性が充分あります。内服中のニューロタンなどアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)も微量アルブミンの改善に有効とされています。

尿酸値も6.9mgていどであれば糖質制限食OKですし、高血圧も糖質制限食大丈夫です。

本ブログに時々登場する、ご自身が1型糖尿病の米国のバーンスタイン医師は、小児期12才に1型糖尿病を発症し、以後インスリンを打ち続けておられます。

35才、糖尿病腎症の初期となった頃、SMBGで血糖自己測定をしながら食事療法を研究し、徹底した糖質制限食を開始。蛋白尿が出現する段階の顕性腎症前期から、糖質制限食で回復しタンパク尿消失。

45才で医学部に入学、49才で医師になり、糖尿病を徹底的に研究。以後、多数の糖尿病患者を診察。73才現在、糖尿病合併症もなく、現役医師としてお元気にお過ごしです。

バーンスタイン医師のように、顕性腎症前期からでも、糖質制限食で正常に回復することがありますので、ヒデゾウさんも、現在のデータなら安心して、糖質制限食を続けていただけばよいと思いますよ。 (^_^)


江部康二

テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット